商工委員会 第12号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/20
会議録
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村田秀三君 私は、去る四月十五日朝日新聞の「湖沼法の再断念 問われる環境庁の弱腰」こういう見出しの新聞記事一枚をもとにしてこれから質問をいたすわけでございます。 〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕 通産大臣にお伺いする事項は余りないかと思いますが、御容赦をいただきまして、最後の段階でひとつ所感なりをお聞かせいただきたい、こう実は思います。 申し上げるまでもなく、今日の国土の汚染状況というのは年を追って加速度的といいますか、まさに目に余るものがあると思います。深山といわれる渓谷に入りましても、ビニールはそっちこっちに散乱しあるいは川に流れておる。空き缶は、それこそこんな山の中と思われるようなところにもそのまま捨てられておる。それから、ずっとたんぼを歩いてみますと、昔はエビだの小ブナがいたところの用水堀などというものは、まさに汚濁をいたしまして魚も住めない状態になっておる。最近は、空き缶の問題はかなり各自治体で条例などもつくる動きがあったりいたしておるようでありまして、ときには政府の課題に上ってきておるようでありますが、いまだその対策が抜本的に立てられておるという状態ではないような気がいたします。 そういうわけでございますから、湖沼といわれる自然環境、大きいものは琵琶湖であるとかあるいは霞ケ浦であるとかがございましょう。それより下へまいりますと諏訪湖の問題であるとかあるいは印旛沼、手賀沼という、そういうところもございましょう。琵琶湖あたりは水質汚濁防止法という法律がありますけれども、特別に県で条例をつくってその施行に向けて努力をしているという、そういうところも実はあるわけでございます。 そういうことで環境庁が公害審の答申を経て、そしてつまり、湖沼環境保全特別措置法、こういうものを構想いたしたといたしましても、これはまことに自然であって、国民の期待にこたえるべきものであろうと私は思っております。実際私の個人的見解から申し上げますならば、とにかくビニール製品であるとかあるいは粗大産業廃棄物であるとか、そういうものの処理は一体どうすればいいのかという、そういう点についてもかなりの問題意識を実は持っておるわけでありまして、一つ一つ問題を解決していく行政の姿勢、そしてこれに協力する国民の態度もまた当然必要ではなかろうか、実はこういうふうに思っておるものでございまして、実は湖沼法が提起をされつつあるということについては、私も公害交通特別委員会に席をおく一人といたしまして承知をいたしておりました。 ところが、この「湖沼法の再断念 問われる環境庁の弱腰 寄り合い所帯が響く」という大きな記事の見出しがございまして、「ゴリ押し通産に屈する」とも書かれておるわけですね。私もこれ商工委員の一人でございますから、いってみればお家の問題という認識に立たざるを得ないわけでございまして、こんなに通産が悪者扱いをされてよろしいのか、そういう一種の心配も正直言ってございます。しかし、これだけの問題でございますから、総意を結集するならば何かうまい妥協点を探ることができるのではないか、そう実は思っておるわけでございまして、この新聞の報道がそのまま事実であるのかどうかについて一々言及をしてみなくてはならぬ、こう思ってこれから実は質問を申し上げるわけでございます。 まず、環境庁に聞きますが、この湖沼法の法案作成の準備は進めておったけれども、再び断念したということはまことかどうか、この点についてひとつお伺いをいたします。
○説明員(長谷川正君) 先生御指摘のとおり今回の国会につきましては、調整の見通しがきわめて困難と判断し、遺憾ながら提出を見送ることとしたわけでございます。
○村田秀三君 調整の見通しが立たないということは、それはどういう意味ですか。その理由。
○説明員(長谷川正君) いま先生からもおっしゃいましたが、ざっと経過をここで申し上げてみたいと思います。 環境庁においては昨年一月末に湖沼環境保全のための制度のあり方について中公審の答申を得て以来、答申の趣旨を踏まえて湖沼法案を準備し、関係省庁との協議を進めてきたわけでございますが、工場、事業場の新増設に対する許可制の導入をめぐって通産省と見解が対立したままさきの第九十四通常国会、第九十五臨時国会いずれにも法案を提出することができなかったわけでございます。通産省とはことしに入ってからも新増設の工場、事業場の排水に対する実効ある規制のあり方について協議を続けて努力してきたわけでございますが、先ほども申し上げましたように意見の隔たりが大分ございまして、現状では調整の見通しがきわめて困難と判断したわけでございます。
○村田秀三君 この湖沼法に関連する関係行政庁というのは農水省であるとかあるいは建設省も関係をいたしましょうか、もちろん自治体も当然でありますが、自治省ということになりますか、さまざまあろうかと思いますけれども、いま断念の理由として通産省との対立、意見の調整ができなかった、こういうことでありますけれども、通産省だけでありますか、未調整なのは。
○説明員(長谷川正君) 現在のところは通産省だけでございます。
○村田秀三君 一説によりますと、これはうわさ話でありますから確たる物の言い方もできにくいのでありますけれども、とにかく通産との協議の場でかなりの数の要望というか注文というか、まあ反対の理由も中にはあるでありましょうけれども、とにかく百前後の項目にわたって述べられておると、こういうことを聞くんでありますけれども、それは事実ですか。
○説明員(長谷川正君) 細目にわたっては相当の数の質問がございましたが、大きな点につきましては、先ほども申し上げました新増設の工場、事業場の排水に関する実効ある規制ということの点について意見が分かれたところでございます。
○村田秀三君 そうすると、項目ごとといいますか、細かい点もいろいろとかなりの数になる、それは何か紙に書いてお出しいただけるものでしょうか、どうですか。
○説明員(長谷川正君) 相当細かくなりまして、項目的には、申し上げましたように大きな項目としてはいまの新増設の工場、事業場の排水に対する規制でございますので、ちょっと細かい点についてはお出しするようなものじゃないと考えております。
○村田秀三君 実際はそういうものもひとつ出してもらいたいですね。そうしなければ、まあここで、私は別に裁判官のつもりで物を言っているわけじゃございませんけれども、とにかく環境庁として言ってみれば弱腰などと言われる筋合いはないという一つの言い方もできると思うのですよ。そのためにはいわゆるかくかくしかじかの問題があって、それがどうも了解点に達しがたいと。しかし、それを国民の前に出して判断した場合に何だこんなものかと思われる節もありましょうし、なるほど通産省の立場で考えてみてそれは当然であるというものもあろうかと思うのですね。だから、まあ各省庁間でいろいろ細かい協議をしている過程のものを何も外様に向けて出すことはないのじゃないかとか、家の中のけんか、言ってみればまとまったことだけ外へ出せばいいのであってというその考え方もわからぬではありません。ありませんが、しかしながら何といいましてもこれは国民がかなりの期待を持って見守っておる問題であるわけでありますから、少なくともやはり国民の意見がどういう形で反映されるかは別にいたしまして、そういうものも聞くという耳を持たなければ特に環境行政というものは私は立っていかないのじゃないかと思うのですね。 とにかく環境問題は、これはかなり重要であるということはだれしもが承知をいたしておりますけれども、しかしこれは金になる話じゃございません、率直に申し上げまして。そうして権限行使をするとか云々という問題でもないわけです。国民の考え方やあるいはマナー、そういうものに期待しながらいわゆる環境を永久に保全していこうというような、そういう運動的な要素も実はあるのが環境行政であろうかと、こう思うわけでございまして、だとするならばやはりそういうものを率直に国民の前に出して、そしてどこの場を通じてなされるのか、あるいは国会の場であればこれは一番結構であるわけでありますけれども、そういう場でやはり第三者的な妥当な判断を求める、こういうことは私は積極的にやってよろしいのじゃないかと、こう思います。でありますから、まあばかげた話までの要求はいたしませんけれども、かなりのものはお出しになっていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○説明員(長谷川正君) いま先生からいろいろその項目について出したらどうかというお話がございましたのですが、われわれの方としてはここに先ほど申し上げました新増設関係以外の点につきましては大体話し合いがついているものでございまして、この新増設に関する中身の問題でございますので、集約してこれになると、こういうことを申し上げたわけでございます。
○村田秀三君 話が大体しぼられてきたようであります。 そうしますと、再度確認いたしますが、いわゆるこの湖沼法が制定されますならばどの湖沼を対象にするかということについてはまだ私は申し上げておりません。それは別途法案の際に話が出されるでありましょうけれども、つまりその周辺に工場立地する際の懸念というものが、通産省から出されておるということでありますね。その点お伺いします。
○説明員(長谷川正君) そのとおりでございます。
○村田秀三君 私の考えからすれば、いわゆる水をきれいにしていくという、いやいままでと同じでいいと、たとえばそれであっても既設のいわゆる工場等、あえてこの際等と申し上げておきますけれども、その規制をやはり考えなければ完全に湖沼の自然を永続させるなどということにはならないし、環境をよりよくしていくためにはむしろ積極的にそういう問題に取り組む必要があると、こう思っております。でありますから、私の問題意識というのは環境庁が考えているよりももっと厳しい、そういう立場に立つわけでありますが、しかしとりあえずはいま話がこじれているといいますか、未調整の部分についてのみ一つ伺いますが、具体的に言ってそれはどういうことですか。
○説明員(長谷川正君) 新増設についての規制をこの法案で考えましたのは、ほかの一般的な既設の工場、事業場、これにつきましての規制と申しますか、対策と申しますか、これはすでに水濁法その他でやられているわけでございまして、それは一応ベースに置くわけでございますが、そのほかにたとえば生活雑排水ですとかそれから農業用排水ですとかそういうようなものに対しても計画を立案する段階で対策として盛り込み、そして積極的に進めていくというようなことで対処していきたいと、こういうふうに考えていたわけでございます。 それでこの湖という非常に狭い閉鎖性の水域に新増設の事業場による排水が追加されますと、ほかの方で一生懸命対策をしてもまあ何にもならないと申しますか、非常に大きなダメージを受けるということがございますので、環境庁としてはぜひこの点を通産省の方とも了解していただいて何らかの規制をしたいと、こういうふうに考えて通産省の方にいろいろ交渉をしたわけでございます。
○村田秀三君 なるほど。既設のつまり農業排水、漁業を原因とする汚染原因あるいは生活排水あるいは工場排水、それは前回の公害国会で制定された水質汚濁防止法ですか、それによって網をかけられておる。だからいままで以上汚さないためには新しくできるものについて規制を強めなければならない、そういう考え方に立ったと、こういうことですね。――なるほど。その点はわかりました。 それでは通産省にお伺いをいたします。いままでの環境庁とのやり取りを聞きましたが、そういうことで間違いありませんか。
○政府委員(神谷和男君) 湖沼法をめぐりまして私どもと環境庁と鋭意折衝を続けてまいりまして、環境庁がある時点におきまして今国会の提出を断念するという通告を私どもの方にしてまいったと、こういう大筋に関しては全く間違いはございません。その具体的交渉の内容あるいは理由といったものは、私ども本法案に関して環境庁がさらに引き続きお話があるケースもございますし、従来政府部内で交渉してまいりましたことでございますからいろいろな話が飛び交っておりますので、これを現時点でどうこう申し上げることは適切ではないというふうに考えておりますが、ただ湖沼法に関しての基本的考え方、これは環境庁の方からごらんになった場合と私どもが御説明しておるケースでは立っておる場所が違いますので若干のニュアンスが異なるかと思います。 したがいまして、まず御理解いただくために私どもの基本的なスタンスを申し上げますと、湖沼の水質を保全するということがきわめて大事である、これに関して私どもは何ら異論はございません。またそのとおりであるというふうに考えております。しかし、その湖沼の汚染の原因というのはきわめて複雑である。その原因の根本をよく突きとめ、それに対応した適切な対策を打っていく必要がある。そのためには従来対策が十分打たれておりませんでしたいろいろな生活排水その他の汚染源に対しての対策を進めると同時に、従来ございます水濁法の適正な運用というようなものを行って湖沼ごとにその特性に応じた対策を十分進めていくということによって対処可能であると考えております。しかしながら、環境庁がいろいろな経緯等もございまして、あるいはいろいろなお考えからこれらを包括的に包含した法律をつくりたい、いわゆる湖沼法をつくりたいという御意向でございましたので、私どもといたしましてはこの湖沼法をつくることにあえて反対はいたしておりません。従来までも反対はいたしておりません。 しかしながら、その内容についてはやはり十分議論をさせていただく必要があるということでございまして、先生御承知のように湖沼の汚染の原因の大半は生活排水その他の汚染原因によるものでございます。しかも一、二の湖を除きましては工場、事業場等が汚染に寄与しておる寄与率というものは数%に過ぎないわけでございまして、残りの九十数%というものは生活排水その他の汚染原因によって湖沼が汚染され、しかも十分その改善がなされないと、こういう状況にあるわけでございますので、しからばそのような原因から来る湖沼の汚染に対処するにはどのような対処が必要であるかという点に関しては、私どもの立場から十分な議論を環境庁との間でさせていただく必要があるし、これまでも十分な議論をしてまいったつもりでございます。 まず、一言で申し上げましてその基本的スタンスは、やはり汚染原因というもの、これを十分見きわめて、単に規制がしやすいとかあるいはつかまえやすいとか、あるいは人の目につきやすいということのみで特定の汚染原因に過重な規制を課すというようなことは避けるべきであって、規制の公平性というところを十分勘案すべきであるというのがわれわれの基本的な考え方の第一でございます。 それから第二は、湖沼の周辺には他の臨海等と異なりまして非常に中小企業が多いわけでございまして、内陸型の中小企業が多いわけでございますので、中小企業に対する規制である。しかも、それまで他の汚染原因がほとんど手つかずであるにもかかわらず、水質汚濁防止法によってかなりの規制が行われ、しかも一部においては上乗せ条例等で相当厳しい規制が行われておるという現状、こういうものを踏まえまして、これらの中小企業がそれ以上の規制を課せられる場合には、中小企業の立場に立ってのやはり規制の仕方も考えてやる必要があろう。その場合特に大事なことは、われわれは中小企業がどういう条件を満たせばイエスという答えが出るのか、どういう条件を満たした場合にはノーになるのかという規制の透明性というのが必要であるということを、かねがね主張してきておるわけでございます。特に当初環境庁で主張されておりました許可制というのは、中小企業者、ただでさえ役所などというものに足を余り運びたがらない中小企業者が、役所に行きましても一体どうしたら許可が出るのか、いつになったら判をついてもらえるのかということが全くわからないような状態で規制を受けるということは、この中小企業がたとえば環境の変化によりまして業種を転換したり新しい設備を導入したりした場合に、その許可がおりるのかおりないのかわからぬと、その間に経済情勢が激変して中小企業に非常なインパクトを受ける可能性がある、こういうようなことを考えた場合に、規制の態様というものはきわめて大事であるというふうに考えておるのが第二点でございます。 しかも、ある程度の従来以上の規制というものはわれわれもやはり他とのバランスから妥当なものである限りにおいてはこれは湖沼をきれいにするためには中小企業も甘受せねばならぬと、こういうふうに考えておるわけでございますが、それに非常に過酷な規制をかけて、わずか数%の水がちょっときれいになる、汚染原因がちょっと改善されるというようなことで、本当に湖沼の水がどれだけきれいになるのか、中小企業が負う規制の重さとそれによってもたらされる法益とのバランスといったもの、要するに実効性、これに関しても法律全体との関連からわれわれとしては十分議論をしていかなければならないという、以上の三点に立って環境庁といろいろな意見交換をしてまいったわけでございます。 意見交換の内容につきましては政府部内のことでございますので御容赦をいただきたいと思いますが、誠意を持って交渉を続けてまいりましたが、たまたま時間等の要因から環境庁の方から今回断念されると、こういうお話があったというのが現時点までのポジションであり現時点におけるわれわれの立場でございます。
○村田秀三君 かなり時間をかけて詳しい話を聞かされまして、いま聞きましたばかりで頭の中でこれを整理するのはなかなか容易ではございません。しかし、実効性、公平性、透明性、それの具体的な事例につきまして幾つかずつ例示をされたわけであります。これは、通産省が言っておることもわかるような気がいたします。といって、それを認めていったならば一体どういうことになるのかなあという、そういう疑問も実は、別に裁判官じゃありませんけれども、中に立って考えてみた場合にそう思わざるを得ません。 そこで、この際でありますから、ちょっと環境庁の方で資料をお持ちになっていますか、どうですか。二、三の湖沼で結構でございます。つまり現在の汚染度と、そしてその汚染原因別に何かデータがとられておりますか、どうですか。もしもありましたら、紙に書いたのを、きのう私はお話をしておったわけですから届けられるものと思っておりましたが、まだ届いておりません。差し支えなかったら、ひとつお見せをいただきたい、こう思いますが、それを見てから神谷局長と二、三の意見交換をしてみたいと、こう思います。
○説明員(長谷川正君) いま先生の方からございました件でございますが、主要湖沼におけるCODでございますが、発生源別の負荷割合について申し上げますと、たとえば霞ケ浦ですと、これはパーセンテージでございますが、生活系で五二・三%、それから産業系で七・一%、畜水産系で三四%、農林その他で五・八%というような数字がございます。それから諏訪湖の方を見てみますと、生活系で四二%、産業系で四八%、畜水産系で六・四%、農林関係その他で三・二%というような数字がございます。
○村田秀三君 先ほど立地公害局長が言いました実効性、公平性、透明性、確かにそういうお立場で立論されております。一つの見識である、そしてまた理論だと、こう私は思います。 そこで、振り返って考えてみたいわけでありますけれども、これを見ますと、確かに発生原因は霞ケ浦の場合は七・一%で、生活用水が圧倒的に多いと。それから、諏訪湖の場合を見ますと、これまた産業関係が四八%。まあまあ工場の立地状況をそのまま物語っておるとは思いますけれども。そこで、とにかく話を聞いてみますと、こうも受けとれるわけですね。いやな表現に聞こえたらごめんしてください。とにかく、おれの方は何もたくさんじゃないぞと。まあ霞ケ浦の場合で言いますと、 〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕 おれの方の場合は七・一%なんだ、たった七・一%だと。むしろその他の生活用水であるとか畜産関係の用水で排水があったと。これが原因別としては大きいのに、なぜおれの方だけをいじめなくちゃならないか、こういうふうに聞こえますが、これは実効性、公平性、透明性の中でどの部分に入りますか。公平性に入りましょうか。そういうふうに考えておられるというふうに理解していいですか。
○政府委員(神谷和男君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、他の全体的な総合的な施策、あるいは他の部門におけるいろいろな努力、それに応じて私どもの関連したところもやはりがまんはしてもらわなくちゃいかぬと、こういう気持ちを持っておりまして、七%だから何もやらぬというような形で折衝は続けられてきたわけではございません。ただ、中小企業の中にはそう思っておる方々はおられるだろうというふうには考えますが、しかしやはり、皆苦しいところはがまんして、努力しながら湖をきれいにしていく努力は必要である。しかし公平の面を全く無視はできない。しかも、それだけがまんするのですからやっぱり効果の上がるようなりっぱな湖沼法であってもらわないと困る、こういうのが基本的な考え方でございます。
○村田秀三君 それから実効性という問題ですが、これも公平性とやや似たようなふうに私は受け取ったわけですが、汚濁の原因というのはさまざまあって、むしろその元凶とも言わるべきもの、大玉はどうなんだと。これまた、何も工場ばかりいじめることはないじゃないかというふうに映るわけなんだけれども、これもそうですか。
○政府委員(神谷和男君) 確かに公平性と実効性は非常に関連がございまして、たとえば、ある湖の汚染が工場の乱立でもう九割ぐらい工場排水で汚れておるんだというようなときに、工場が非常に厳しい規制を受け中小企業が経営が苦しくなるようなケースが出るかもしれませんが、しかし、それだけこの効果が大きいのだということであればがまんしてもらうということもあるかもしれませんが、それだけきつい規制を受けても湖がほとんどきれいにならないというのであれば、事業者は、一体われわれは何のためにこれだけの苦しい規制を受けておるのかと、こういうことになろうかと思いますので、礁かに関連はございます。 それから他の部門に関して、ほかのところでこうしたらよかろう、ああしたらよかろうと言うのも、通産省の立場から余り申し上げることも適当ではございませんので、私どもとしては、全体として総合的な施策を講じていただければ私どもの関連したところでもそれなりの説得はするつもりである。しかし、そこのところは十分説明できるような形になっておらぬといかぬし、余り現実を無視した空理空論でも困る、こういうようなのが基本的立場でございます。
○村田秀三君 私は、この実効性と公平性というのを聞きまして、またこの熟語の持つ意味なんかも総合的に見まして、いまおたくが話をいたしましたようなその気持ちはわかります。わかりますが、むしろ逆に、もう少し善意を持って実は理解したわけです。というのは、私の方ももちろんやりますよと、しかし私以上に原因を持っているものをどうなさるのですか、その原因者についても適切な対策をお立てになって公平を期すならば私の方でも理解しましょう、こういう立場で物を言っていると、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(神谷和男君) 基本的におっしゃるとおりの考え方でございます。
○村田秀三君 前段だけ聞きますると、他はどうするのかしらぬけれども、くちばし入れるわけにもいかぬが、とにかく、おれの方はだめですよ、そっちの方を先に手をつけてください、これでは前に進まないと私は思うのです。共同作業をやろうというときに、私が十の力を持っている、市川先生が八の力を持っている。八の力を持っている方に八の力でせよと、こう言ったのでは本当の共同にはならないですね。十の力を持っている者も八の力を持っている者もすべて力を出し合って、そして八の力きりないと考えられるその人に対しては九の力がつくように引き上げていくといういわゆる相関関係を持たないと物事は仕上がっていかないように私は思うのですよね。ところが、まあ縦割り行政だから自分は自分の縄張りをしっかり守っていればいいのだというそういう立場での立論であるとするならば、いまおっしゃった立論というのはかなり内部で評価されてもよろしいかと思いますけれども、全体をまとめていくという立論としてはやや説得性を欠くような気がするんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) 環境庁で断念されたという通告は受けましたが、湖に関しての対策を一切放棄したというふうにも伺っておりませんで、今後これに関連したいろいろな御相談があるかと思いますので、私どもとしてはやはり常時議論をし常時誠意をもって話を進めていく、こういう姿勢でございますから過去どう言った、こう言ったということをあげつらうことは余り適切でないと思いますので、これまでも控えてまいりましたし今後も控えたいと思いますが、基本的には私どもはいま先生のおっしゃったように、向こうが何かをやるまで一切何もやらぬというような形での交渉はしてまいりません。私どもとしてできるだけのことは十分申し上げたし、さらに他の方ももっとがんばってくださいというお願いはしてございます。しかし、それとの条件で物事を話し合っているという形ではない。ただ、もちろん関連の中小企業者あるいは事業者等に十分説明できるような形におさまることは必要なのでその努力。それからやはり現在おのおのの湖において関連事業者がどういう状況でどういう規制を受けておるかというそういう現実を踏まえて、それからどのぐらい改善できるのかどうかというような議論をしてきたつもりでございます。
○村田秀三君 許可制にするか、届け出よりも認可ですか、それがどれだけの違いがあるかという議論はいま私はいたしません。いずれにしろそういう問題の処理には簡素それから速度、とにかくまあ余りめんどうじゃなく、そしていつでも対応できるようなそういうものを何か考える必要はあろうかとは思います。がしかし、ここのところはかなり重要だと思うのですね。つまりは対象湖沼地域周辺に立地する場合は、結局法律ができた場合にその設備をつくらなくてはならぬ。その設備をつくる場合に金がかかるわけですから、だとすればそこよりもむしろそういう網の張られておらないところの地域に進出をしたいと希望をする、こういうばらつきも出てくると思うのですね。それ以外の環境、工場立地には大変適切な個所であったとしても案外それがブレーキをかけるという場合があるかもしれない。それは望むところではないわけです。恐らく通産省はそういう点にもずいぶんやはり配慮されておるんじゃないかと、こう思いますけれども、しかしそういう問題をたとえば環境庁が考えておるような法律規制を上積みするというその法律ができたと仮定いたしまして考えてみた場合に、その競争条件を緩和する手だてというのは一体何があるかということです。どうお考えになりますか。これは議論ですからお茶飲み話のつもりでやってもらっていいです。
○政府委員(神谷和男君) 湖周辺、特に湖が汚れております場合にその周辺に工場がどんどん建った方がいいとはこれはだれも考えないと思います。しかし、やはり関連の中小企業が先ほど申し上げましたように業種転換をせにゃいかぬとかあるいはいろいろな外的なインパクトその他経済情勢の激変に応じて設備をかえたり増設したり関連工場をつくったりということはやはりあり得ると思いますので、非常に緊迫した状態であって国民の権利を完全に一番きつい形で制限してもやむを得ないと思われるケースは別といたしまして、それ以外原則禁止の許可制というのは私どもはできるだけとらない方がいいのではないかというのが基本的な考え方でございます。 しかし、規制をある程度強くして新しい工場はなかなか、よほどのことがない限りはここに立地をしないでよそを選ぼうというような形になる程度の規制というものは、従来もたとえば霞ケ浦周辺も相当条例で厳しくなっておりますし、さらに湖沼法等でいろいろ私どもある程度きつくなるのはやむを得ない、こう言っておりますので、そういう規制がもし課せられたとしたならば、事業者はよほど致命的でない限り他の場所に中小企業は立地するだろうと思いますので、相当の効果をそれなりの工場、事業場等が負っておる汚濁寄与率の範囲内においては上げていくのではないか、こういうふうに考えております。したがいまして、最初に申し上げたことでございますけれども、緊急避難的にやむを得ないと、国民の権利を極限まで制限してもいいような状態、しかもその原因がそのものにずばりあるんだといったようなケースなのであるかどうか、この湖はどうして汚れておりどういう対策が一番適切なのであるかどうか、事業者にはどの程度やはり他とのバランスで規定の強化を甘受してもらわにゃいかぬかどうか、そういう点をフランクに議論しなければいけませんし、そういう議論を中心にいろいろな折衝を続けさせていただいてきたわけでございます。
○村田秀三君 環境庁にお伺いしますが、そういう経過だと私も思います。そこで、環境庁ががんばっているからということばかりではなくて、通産省が考えている考えも局部的に、まあ私から言わせれば通産省は確かに中小企業の立場ということを考える余り被害者意識に立ち過ぎているという傾向もあるように私は思っているんですよ、率直に言って。だからそうではなくて、問題解決のためにはそこの部分をどうすればいいかということを環境庁は環境庁なりきに考えてもいいのじゃないかと、こう思っておるわけですが、その辺のところは内部の議論も含めてどうなんですか、答えられなければ答えられないで構わないが。
○説明員(長谷川正君) その辺のところにつきましては通産省の方からおっしゃる公平性、透明性、実効性とこういうふうな点につきましてはわれわれの方としても十分考えたつもりでございまして、いろいろな汚濁源をどういうふうに対策を立てていくかというようなことにつきましては個々に検討いたしております。それですぐに実行できないものについては各省庁の御協力も要るわけでございますが、計画をつくってその中で処理していくというようなことを考えておりまして、必要以上に産業系だけに負担がかかるということはわれわれの方としても考えているつもりはございません。 〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕
○村田秀三君 これはそこまで考えてこの湖沼法というのがつくられるのかどうか、まだこれ出てきていませんからわかりませんがね。私は、原因別に調査してその大きなものから手を打っていくということはこれは大変必要であろうと思うのです。しかし、小さなものも手をつけなくてよろしいということにはならないわけでございますから、それはやはり平均的なベースで対策を立てなくてはなるまいと、こう思います、またやりやすいところから。そこで総合的に考えてみますと、全く生活排水なんていうのはいままでの法律でそれで事足りるなどということにはなっていないと私も思っておりますから、むしろ環境庁がそういう立場で法案を提起するとするならばいろいろと私も意見があります。がしかし、すべてここで考えられる措置というのは何であるかということを見てみますと、これはやはり流域下水道を完備してそして工場排水も農業排水も――まあ魚釣るときにまきえする話になるとこれどう解決していいのかちょっと私もわかりませんけれども、水を還流させるとかという手はあるかもしれませんが、いずれにいたしましても閉塞的な湖沼の問題でありますから、それをどうするのかは別にいたしまして、とにかくすべて解決するような方法というものを講じない限りは、いまやはり環境庁と通産省あるいは農水省との議論のイタチごっこになるんじゃないかという気がするんですよね。だから、そういう問題についてどう考えておられるのか。議論の経過の中で出てきたのか、法案を計画する前提として考えておられたのか、ひとつそれをお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(長谷川正君) いま先生御指摘ございましたいろいろの原因についてでございますが、たとえば農業関係ですと、いま畜産の排水が相当大きな汚濁源になっておるわけでございますが、これにつきましても規制を強化するというような方向で検討をいたしました。それから、生活排水の件も先生御指摘のとおり、大部分は下水道というのにまたなければいけない面はあるかと思いますが、とりあえずの措置としては屎尿浄化槽、これにつきまして適用範囲を拡大するというようなことで、その辺をできるだけカバーしたいというようなことで努力したわけでございます。そういう一環として産業関係につきましても、新増設に限って、そういう意味の協力といったら何でございますけれども、おつき合いをしていただきたいということで考えたものでございます。
○村田秀三君 公害局長に聞きますが、環境庁は部分的ではあるけれども、そこまで踏み込んで考えているわけですね。そうすると、工場立地する場合、通産省が企画する団地造成ということになるのかならないかは別にいたしまして、たとえば団地造成という立場で物が進められていくとするならば、いわゆる工場排水であるとか産業排水であるとか、これは流していかぬものも中にはあるわけですから、そういうものの処理浄化槽装置というものも一応計算に入れて、そして議論をなさっておるわけですか。そんなのは全部無理だ、各企業が負担することはいけない、通産省も負担するのはいけない、こういう立場で、やはり議論をストップさせておるわけですか。そこまで踏み込んでおりますか。
○政府委員(神谷和男君) 実は、法律の形が完全にでき上がっておりませんし、具体的にどういう指定が行われ、どう進んでいくかというのが明らかでございませんので、はっきり決めてはおりませんし、突き詰めた議論はいたしておりませんが、ただ、湖の流域、相当広い流域になっておりますが、そこに工場をできるだけ建ててもらいたくない、こういう一つの姿勢のあらわれとしての湖沼法ができ、その指定が行われるわけでございますから、私どもとしては、そこの中に工業団地を余りつくらせるというようなことはもう、むしろしたくもないし、いままで、もしそこが工場の誘導等を行っていたような地域であれば、誘導をそういうところにするのが適切かどうかという立地面政策の議論も行っていく必要があろうかと思っておりました。したがいまして、私どもでは、先生の御指摘の団地造成の場合どうかという点は、余りここは団地をつくらぬということで、余り考えておりません。 むしろ、われわれが一番気にしておりますのは、やはり中小企業といいましても、もう永久にその姿のままでそこにおれるわけじゃございませんので、いろいろ、若干関連工場をつくってみたり、新しい業種に転換したりという、そういう動きはもう常時ございますので、そういう動きが非常にこの規制によって阻害され、中小企業が場合によると倒産が続々あらわれるようなことになる、こういうことになっては困る、こういう感じで議論をしてまいったわけでございます。
○村田秀三君 ここでひとつ大臣にお出ましをいただきたいと思うのですが、やっぱりそれぞれに考えていることはよくわかりました。しかし、それが本当に狭い視野の問題であるのか、社会性を持ったより広いものであるのか、この発想の角度によってかなり議論の展開といいますか、考え方の相違というものが出てくるように思います。 そこで、これを一挙に解決するという話になるかどうかはわかりませんが、最後に私が聞きました環境庁では、最低周辺住民の屎尿処理場あるいは畜産の屎尿処理場くらいは考えたい、こういうことです。これは当然公費負担ということでありましょう。ところが公害局長になりますと、いまあるものでもなかなか困るし、よしんば団地造成ということになってもそこにたとえば立地する企業は非常に困難をする。むしろつくりたくないという方向で、将来工業立地条件というものを考えてみなくちゃなるまい、こういう答弁であります。それはそれなりに意味がありますけれども、そういう立場で物を考えていきますと、別にそこへ工場を立地しなさいなどといまは言っているわけじゃありませんが、しかし総合的にひとつまとめて以後対策をしようということである限り、いわゆる工場排水の共同処理場を公費でつくるとか、いまの屎尿処理場の問題もそうです。あるいはそれよりも大きく考えてみて生活用水であるとか何か含めて考えますと、これは流域下水道という問題になってくるわけです。 そうしますと、これは当然なことに政府として、環境庁、通産省の問題ではなくて考えざるを得ない課題ではなかろうか、こう思いますが、通産大臣といたしましては、別途、私は公害・交通委員会でそれぞれ関係の方々に来ていただきましてやる機会もあろうかと思いますけれども、特に大臣にこういう質問をすることは通告しておりませんが、これは聡明な大臣でありますから、そんなことはすぐにわかるものと私は思いますが、そこら辺に問題があるような気がいたします。いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 実はこれまで原環境庁長官から何回か私に対しましてぜひとも湖沼法を今度の国会に提案をしたい。そこで、環境庁と通産省の間でいろいろと話し合っておるわけですが、これを推進するようにひとつ御協力を願いたいということでありました。 私も現在の湖沼が相当汚れておるということでありますし、この湖沼をきれいにするということについては当然のことであろうと思うわけでありますし、同時にまた湖沼法をつくろうということが長い間の懸案になって、大体政府の部内でもそういう方向に進んでおるわけですから、これは協力をするところは協力をして、そして今国会に環境庁長官がどうしても出したいということでありますから、もしそういうことになれば大変結構だと、こういうふうに思いまして、通産省の事務当局に対しましても環境庁との間の話を精力的に詰めるようにという指示をいたしたわけでございます。 これに基づいて環境庁、通産省との間で事務当局間でいまいろいろと議論になっているような諸問題が議論をされて、調整のための努力が行われたことは事実なんです。しかし、いまの中小企業の問題等をめぐってなかなか最後の詰めができない。大体論点は集約されておると言ってもいいのじゃないかと思うのですが一点できない。 こういうふうなことで、私はさらにこれはひとつ局長の会談とか、事務次官の会談とか、そういうところで最終的に詰めるわけですから、大局的な立場で場合によってはそういうこともやってみたらいいのじゃないかというふうなことも言ったわけですが、なかなかいまのお話のようなとにかく湖沼法を出そう、湖沼をきれいにしようと、そういうことでは一致しているわけですけれでも、やはり役所の立場があってなかなかお互いにどうしても一点かみ合わないところが出てきた。こういうことで、最後の段階、だんだんと会期も迫っておりますし、原環境庁長官もこれでは今国会は間に合わないだろうと、こういうふうに判断されたのじゃないかと思いますが、今国会は断念したいと、こういうふうなお話がありました。 私も非常に残念に思っておるわけなんですが、これは大臣同士で話し合ってもなかなか、相当技術的な問題ですから、解決できるというほどの見通しもつきませんし、もっと事務当局の間で練ってやってもらえばいいのじゃないか。ですから、これはまあ、断念されたわけじゃないのでしょうし、問題点はだんだん明らかになっておりますし、今国会は無理であろうとしても、これからいろいろと話し合いを進める、調整をさらに進めていけばこれは可能性は十分あるんじゃないかと、こういうふうに考えておるわけであります。 〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕 ですから、通産省だけがとにかく何か一方的に反対をしてこの湖沼法案をつぶしたというふうにとられるのは非常に私としては遺憾に思っておるわけで、これから時間をかけてやったらいいのじゃないかと、こういうふうに判断をいたしております。そういうふうに原環境庁長官にもお話をしたところでございます。
○村田秀三君 いまのお話では、今国会は間に合いそうもないけれども、次の国会と、こう受けとめたわけでありますけれども、頭の話ばかりしても仕方ないわけでありましてね、下の話もいたしまして、下の話は金がかかると、こういうことになって、どこかで突っかかってしまう。事務当局ではそこの話まではなかなかできませんよ。これはやっぱり大どころでつかんで、金をかけていくという姿勢がなければ、法律をつくっても意味がありませんし、法律を実効あらしめるためにはやはりそれなりの設備、対策というものが必要だろうと、こう思います。 特に、まあ恐らくベルサイユ・サミットにお出かけになるでありましょう大臣を前にしてこんなことを言ってはまことに恐縮でありますが、ミッテランさんの衆議院の本会議場の演説、私も聞きました。大臣お聞きになったかどうかわかりませんが、通訳が不十分でありますから意は十分に通じられておらない向きもあったと、こう思いますけれども、私、感銘深くして聞いたのが三つあります。 冒頭の経済問題。これは貿易摩擦に関係しての話だと、こう思いますが、経済の均衡の問題だろうと思いますが、一つは金利の問題、これははっきりアメリカのことを言っているなと思いました。それからもう一つは通貨のことですね。それ、為替問題というのじゃなくて、ドルあり、円あり、フランあり、それが常に変動している、ここに問題がある。変動できないように仕掛けができないかと、こういうことですね。極論すれば、いわゆる世界統一通貨をつくれというふうに私はそれを読んだのでありますが、そういう話は別にいたしまして、とにかく利潤を適正に配分することも必要なんだと、こういう言い方をしていました。安く売っていますからもうけは少ないですよという話にあるいはなるのかもしれません。 しかし、西と東、つまり社会水準、文化水準、労働条件、ある程度ならしをいたしますならば、それにかかる経費というものは、何といいましょうか、ロボットの話になりますとまた一段変わってまいりますから、そこはどうするのかは別でありますけれども、まあ言ってみれば生産条件もと、こう言いたいところでありますが、これはともかくといたしましても、いわゆるコストを競争し得るような、お互いに調整をするならば、日本はもっと利潤が上がるはずだ、その利潤を適正に配分することも考える必要があるんじゃないかと、私は聞きました。これにおよそ間違いなかろうと、こう思うのですね。 そうすると、もうけて税金を払う。払った税金は公共事業になって還元される。社会資本の造成になる。あるいはまた労働条件を改善いたしまして、所得の水準を高めて消費拡大を行って国内の需要を増加する。このことをミッテランさんは言ったと、私こう聞きました。さすがだなと思って実は聞いておったわけでありますが、そうやって取った金でいわゆる公共流域下水道を全国につくっていって差し支えないはずであります。それができるならば、いま頭の中でといいますか、自分の立場だけ、自分が関係するものを守ろうとするような、まあこれは良心的であるから決して悪いとは私言っていませんけれども、そういうものは抜きにして下の話ができるようになるんじゃないかと、こう実は考えるわけでございまして、そこをひとつ大臣にがんばってもらいたいと思うのです。 これはまあ特に答弁を求めませんけれども、いずれにいたしましても、次の国会にはやっぱり正々と出せるように、よろしく本当に知恵を傾けて、良識をもって練り上げていただきたいと、こう実は大臣にもまた事務担当者の方にもお願いをします。いかがでございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにおっしゃるように、やはり国でそれだけの富を生産をしていけば、その利潤というものはやはり均てんに配分されるということは、これはもう正しいことだろうと思いますし、また特におくれておる対策に対して、積極的に集中して効果的に生かしてこれを使うということも、これも当然のことだろうと思うわけです。 そういう意味で、まだまだ日本の国も、まあ経済大国になったとはいえ、社会資本等でもずいぶんおくれていることも事実でありますし、特に下水道等について、相当おくれが目立っておるということもはっきり言えるんじゃないかと思います。 また、公害対策等も相当進んではきておりますけれども、まだまだ湖沼等に見られるような問題、各関係の知事さんも非常に熱心になっておられますが、まだまだもっと対策を講じなきゃならぬと、こういうことも、これも事実であろうと思うわけでございますが、そういう対策を講ずるに当たりまして、やはりバランスのとれたといいますか、そういう形でこれは進めていかなきゃならぬと思うわけでありまして、特に私は、まあ通産大臣として言うというよりは政治家として発言をさしていただくならば、いまのお話のような流域下水道というような、公共事業といいますか、そういう対策は今後重点的にやっていけばいいのじゃないかと。こういうことをやることによって相当な、湖沼等につきましてもきれいにする道が開けてくるように私は思うわけであります。 ですから、これはまあいま法律も、いろいろな制度、法律等もありますから、それによってやっているわけで、私は、これはもう法律、制度というものを効果的に生かしていけば効果も上がってくると思います。 それは、中小企業が立地しておりますが、水質汚濁防止法なんかで規制を受けていまやっておるわけですし、通産省としては、先ほど局長も言いましたように、これをさらにまた湖沼の周辺に工場立地を進めていこうというふうな考え方はないわけで、こういうことをやればますますやはり湖沼の汚濁にもつながっていくわけなんですから、これは政策的に十分配慮していくべきであろうと、こういうふうにも思っておるわけですが、それを一歩さらに大きく強化するということになると、やはり全体的なバランスというものも考えていかなきゃなりませんし、そこでがんばっております中小企業にも、いろいろ経営にも障害も出てくる可能性、何といったって基盤が弱いわけですから、そういう面もやはり配慮もしていかなきゃならぬ。 そういう中でどういう道で行けるかということは、これは非常に細い道ではあるかもしれませんが、努力をして、少し話し合いを重ねて、腰を据えてやっていけば道が開けないわけでもないのじゃないかと、私もそういうふうに思いますから、今回はこういうことで環境庁で断念されたようですが、この問題については今後とも話し合いを継続をしていくということは、私は必要なことじゃないだろうか、細い道でも解決を図っていくという姿勢をとっていきたいと、通産省としても別にこれに対して反対はないと思います。ですから、今後この問題もひとつ環境庁、通産省で調整の道を開きながらお話し合いを続けていく、こういうことは大事なことであろう、こういうふうに判断をいたしておるわけであります。
○村田秀三君 先般の委嘱審査で時間がなくて触れなかった問題について一つの問題のみでございますけれども、触れてみたいと思います。 小規模事業対策でありますが、予算書で見ますと、私が見た数字は三百六十五億百四十七万円、そのうち商工会、商工会議所に対する補助金は三百二十一億九千百八十三万円、こうなっております。それで、これは法律に基づいて県が実施をするとするならば、その助成の二分の一は国が負担する、こういう意味だと思いましたが、国が二分の一、県が二分の一、そしてこの商工会、商工会議所に対する助成金を出しておると、こういうことであります。そして私の認識が間違ったらお許しいただきますけれども、その助成金はすべてが人件費のみとは受け取ってはおりませんが、その中でかなりの人件費が出されておるようであります。専門経営指導員、その補助員、あるいは経営指導員、その補助員、記帳専任職員、記帳指導員、専門相談員、この資料を見ますと、記帳指導員あるいは専門相談員は謝金のみと、こういうことでありますが、その中で専門経営指導員あるいは経営指導員あるいは記帳専任職員、実は私いろいろ事前の勉強で記帳専任職員までそうかどうかは聞き漏らしました、まあいっしょくたにして質問いたしましても恐らく専門家でありますから皆さん方はお答えいただけるものと思って質問いたしますけれども、これらの方々の人件費、つまり県が二分の一、国が二分一ということはその人件費の一〇〇%を負担するという考えに基づいて助成をされておると聞きますが、どうですか。
○政府委員(勝谷保君) 先生も御存じと思いますが、小規模対策は、中小企業基本法に基づきましてわが国中小企業の八割を占めますこの小規模の中小企業に対しまして特別の指導をするようにということが基本法でうたわれているわけでございまして、小規模対策につきましては特に指導面を中心に施策を展開しているところでございます。したがいまして、小規模事業者に対する指導の中心はどうしても人による指導でございます。したがいまして、先ほどから御指摘がございます経営指導員を重点といたしました指導体制をとっているところでございまして、お示しのように国と都道府県とでそれぞれその人件費を負担するというたてまえになっているところでございます。単に人件費を補助するというだけではなくて、補助するに必要な体制を整備し、資格を持っている人たちに、しかもこういうことを中心に指導しろという大綱のもとにそれぞれ指導をしていく、しかもこの指導は国でいたしますと同時に都道府県も十分その監督をいたしておるという実情でございます。
○村田秀三君 これは世の中でその事実を知らない人がかなりあるんじゃないかと、こう実は思っているわけですが、それはそれとしてとにかく合わせまして六百四十四億、かなりの額であります。中小企業、特に小規模事業、経営の困難性もありましょうし、わが国経済に寄与するそのこともまた評価せざるを得ませんし、特に最近の景気動向の中ではきわめて重要な任務であり、社会性、公共性を持っていると私も認めておりますから、決してその額が高いとばかりは申し上げるつもりはありません。何といいましてもやはりその活動の状態、これが一番問題になるんじゃないかとこう思いますから、その面に少し言及していくわけでありますが、前もって申し上げておきますけれども、私はこれからの質問、だれからも別に直接調査をして意見を聞いて御質問するわけじゃございませんで、単に書類上の私の判断であります。したがって間違いもあるかもしれません。そのときには御容赦をいただきたいと、こう思いますが、少なくとも人件費一〇〇%公費負担ということで、片や似たような社会性、公共性の仕事といいますと、農業改良普及員これは地方公務員でありますが、それと同列に言っていいかどうかわかりませんけれども、やはりかなりの何といいますか、この書類上だけで見ますとかなりの重要な任務を与えておる。それでなければこれはこんなに公費一〇〇%を負担して商工組合の職員だなどということにはならないわけでありますから、そういうことで、つまりかなりの数がおるようであります。 ここで、あえて時間があればずっと一々記録にとどめておいてみたいとも思いましたが、それは省略いたしますけれども、とにかく現場の経営指導員は八千四百二十五人、ことしは五十一人増員になったようであります。記帳専任職員は三千九百八十人、これまた何人か、行革がらみの厳しい予算の中でこれだけふえているなんというのはいかに中小企業庁がかなりの重点をおかけ願っておることかを思わせる予算だと私も思っております。だから、これだけの公費を持ってやるというからには、基準であるとか、あるいは職員と国とのかかわりであるとか、さまざまなものがきちっとなっておらなくちゃならない、こういうのが私の物の考え方でございます。でありますからお伺いいたしますけれども、この配置の基準ですね、これをひとつお伺いいたします。
○政府委員(勝谷保君) 基準を申し上げます前に、先生おっしゃいましたように、中小企業予算はゼロシーリングで組むということが臨調からの答申で出ましたものですから、中小企業予算全体は前年度同額を組ましていただきました。その中で、先ほども申し上げましたように、小規模企業対策は基本法でも定められておりますように、重点的な施策の一つでございますし、中小企業の八割を占めておる分野でございます。したがいまして、ほかの予算を削りまして、この分野に約七%前年を上回る予算をつけたわけでございます。 ただ、しかしこの小規模企業に対しますものは中心が指導でございますが、私どもが零細企業の数を前提にいたしまして予定いたします数に指導員の数がまだ達しておりません。毎年努力をいたしまして、それに近づけることにいたしております。ことしも一歩前進をさしていただいたわけでございます。したがいまして、その基準は厳正に定めておると私ども考えているところでございまして、小規模事業指導費補助金の運用通達というものを定めておりまして、商工会等の地域内の小規模事業者数に応じまして経営指導員の設置基準、これを定めております。都道府県にお願いいたしましてその充足に努めております。と申しますのは、先生先ほど御指摘のように、補助金の半額を都道府県で負担していただかなくちゃいけませんので、国の方で予算を定めましても都道府県の方でやっていただかないとどうしてもその数が十分でない、満たすということにはなりかねるわけでございます。そういうふうにいたしております。 先ほども申しましたように、そういう方向でやっておりますけれども、経営指導員の予算定数はまだ設置基準に必要とされております人員に不足しておりまして、今後とも相当このための努力をいたさなくちゃいかぬということではないかと考えております。現在でも六百名から七百名の数が不足という状態でございますので、今後も厳しい予算が組まれると思いますけれども、その中でも最も底辺と申しますか、すそ野を形成される小規模企業の方々のための指導の中心の経営指導員は最重点項目といたしまして増員の努力をしたいと考えておるところでございます。
○村田秀三君 いま長官のお答えもありましたから言及いたしませんが、私も基準に照らして算出をいたしますと経営指導員で六百六十人不足すると、ことし五十一人増加いたしましても。そういう話を聞きましたから、やはりこれはぜひ早急に埋めた方がよろしいのじゃないかという御意見を申し上げるつもりでございました。それはひとつお願いをしたい、こう思います。 それから、処遇の問題でございます。 この中小対策の重点を見ますと、ことしも俸給改善をいたしております。俸給、それから超勤手当あるいは特地勤務手当、かなり公務員に似通ったような給与体系をおつくりになっておるように見受けるわけでございますが、ことしの改善の率を見てみますと、私はざっと数字を目の子計算したわけですが、六%以下ですね。先ほど総体的に七%増額した、こういうことでありますが、給与は六%以下。ことしの春闘の動向を見ますと、公労協関係が平均六・九%、民間は、けさ確かめてこようかと思いましたが、ちょっと失礼いたしましたけれども、七・五、六%から八%台にはいっているはずでございます。 したがって、これをどうするのかということが一つ、手直しすればどういう方法があるのかなというのが一つ、それから給与給与と、こう言いますが、これだけの公費を負担する限りは、給与を決める方式であるとか、手続であるとかというのはかなりやはりどなたが見ても了解できるような形でなければならないはずであろう、こう実はそんたくするわけでありますから、大づかみに言って、これは地方公務員に準拠するとか、あるいは民間に準拠するとか、大づかみな問題といたしまして、それ以外の特勤手当であるとか、超勤手当というのは普通労働基準法であるわけでございますから別でありますが、どういう内容になっておるのか、それをどこでどう決めていくのか、これがひとつ私が知りたいところであるわけです。
○政府委員(篠島義明君) まず最初のお尋ねでございますが、今年度の春闘の引き上げ等、大体民間ベースは決まりつつありますが、いずれ国家公務員につきましても、人事院で勧告が出ることになればその引き上げ額が決まることになると思います。 それで、この経営指導員等の給与につきましては、予算上は一%の余裕分を五十七年度について見ておりますが、国家公務員の引き上げに準じてしかるべき財源の調整をしながら、それに見合う引き上げを五十七年度についても行うということで基本的には考えたいと思っております。 それからなお、具体的な商工会あるいは商工会議所のそれぞれの経営指導員の給与でございますが、これは、たとえば商工会におきましても大体国家公務員に準じて、こういう格づけ、こういうレベルで給与を決めたらいいのではないかというモデル的な給与表がございます。 商工会議所の方は、必ずしもきちんとしたモデル表的なものはございませんが、こういった統一的なモデル表を参考にしながら、商工会の場合には自主的な判断によりまして、過去の経緯、それからその市町村における公務員の給与等のバランスを見ながら決めておるというのが実情でございまして、それから商工会議所の場合には、わりあい商工会に比べればモデル的な統一給与表というよりは、自主的な判断における給与法を優先して適用しておるというのが実態でございます。
○村田秀三君 そうしますと、公務員に準拠する、こういうことであります。公務員でありますと、東京とかあるいはそういうところは勤務地手当などがついて差はできますけれども、本俸は東京も北海道も変わりありませんね。ところが、いまの決め方でさまざまあるという前提に立つ限りは、国が算出する算定基礎は公務員に置くけれども、なるほど額はそうなんですね、私が見たら、年齢構成であるとか何か、いろいろと見なけりゃわかりませんけれども、とにかくかなりよい率でベースははじかれているわけです。ベースは幾らになっていますか、経営指導員で十七万五千百円あるいは補助員が十万一千五百円、商工会指導員、これが二十万九千四百円、県連補助員十二万三千八百円、年齢構成であるとかどうか、それはわかりませんから、必ずしも即断はできませんけれどもね、これは公務員と比較してみてかなりいい数字です。多分この補助員なんというのは、初任給よりもちょっと上という感じの数字でありますけれども、とにかくかなりよく見ているわけですね。よく見ているけれども、いまのお話ですと地方のレベルの中で一応通産省が俸給表のモデルは出してやるけれども、まあその地場の平均賃金で定められるなどというようなことがある。試験を受けて資格を取って、そして同じ組合の職員であるという場合に、その資格を持っている人がまさに国が決めた基準で他の職員と突出して格づけされるということが実際あるのかどうかという疑問を実は持った。実際を調べているわけじゃないからわかりませんが、かなりの差が地方と中央で、同じ福島県でもさまざまな形態があるんじゃないかと、こう思うのですね。その場合に、ではこの予算で一律に配分された各事業所にですね、その金というのは一体どう使われておるのか。かつて地方自治体職員の人件費基準ベースとしてやりますると、それよりも下で採用しているという例がありました。かなりやかましく言って是正をさした経過があるわけでありますけれども、そんなふうなことになっているのではないのかなあという心配を持ったわけなんでありますけれども、そういう点はどうなっていましょうかね。
○政府委員(篠島義明君) 具体的に年齢、それから経験、やっておる職種等によります、たとえば経営指導員それから補助員の差別等々を勘案して、できるだけ国家公務員の俸給法に準じて俸給法を適用するというのが原則で運用されておるというふうに理解しております。
○村田秀三君 その問題は別途また触れるわけでありますけれども、資格の取得はどういうことになるんでありましょうか。試験を行う、こういうことであります。公募するのか。最近は士のつく業種、法律化させてくれということがかなり積極的でございまして、社会保険労務士であるとか何々士であるとかという、そういうものがかなり法律事項になって、最近は試験を受けてもなかなかきつくて、合格率が非常に少なくなっておる、こういうことでありますね。これだけのまあ、くだいて言えば待遇不十分であるにせよ、国家公務員に準拠しながら、いわゆる行政とのかかわりを持ってひとつ仕事をしてもらおうという立場の人々であるわけですから、その資格の取得の条件とかというのは、かなり社会的に見てもよく理解できるようなかっこうでなければなるまいと、こう思っておるわけでございますが、公募をするのか、あるいはその組合に勤務する者に限定されておるのか、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(篠島義明君) 原則としては、新規に定員増加の場合には公募して採用するということでございます。ただ、一部では従来の職員で他の仕事に従事していた者を振りかえるというようなケースもございます。
○村田秀三君 時間もありませんから、まだまだいろいろ細かいことを申し上げたいと思うのですが、まとめにかかりますけれども、言ってみれば公費負担ですね。しかし行政とのかかわりを見ますと、いまのように中身はかなりおおようにできておるように思います。はて、これでいいのかなという疑念を持ったんですね。私の質問をお聞きになっておわかりのとおりでありますが、嫌みにあるいは聞こえたかもしれません。しかしながら、とにかく最初は変だなと思ったけれども、よく考えてみたら、なるほどいま重要な仕事をやっておるんだから、こういう人たちにはそれなりにやはり身分保障もしてやらなくてはなるまいし、それだけの社会的立場というものを認めてやる必要もあるだろう、こういう前提に考えを進めてみますと、どうもやはりルーズだと。大体私思うのですが、通産省の補助金行政というのはわりあいにルーズな、そう言っては申しわけございませんけれども、予算全部を見ますと、もっともっと細かいこと、いろいろ聞きたいことがあります。何々協会、何々協会、それじゃ協会の成果は、われわれが聞かないから出てこないのだろうとこう思うのですが、手づかみで何十億という金をやっておるというような感じもなしとしない、これはまあ言い過ぎかもしれませんが。どうもおおようなところがあるんですね。助成はするけれどもくちばしは入れずという、そういう言い方もこれはあります。それも結構だという面もありますけれども、少なくとも公費ですから、これはもっとやはりきちっと立場を確立して、社会的にもこれは国とのかかわりある、県とのかかわりある公の仕事なんだという立場の中で自信を持って仕事ができるように環境をつくってやる必要があるんじゃないか、実はこう思っておるわけですが、いまではどういう形にせよと、こうは言いません。まあまあ県が掌理していますと、こう聞きました。しかし、県はそんなに一々回って歩いてやっていませんよ。 だから、ここで一つ提言を申し上げたいのですが、そういう処遇の実態ですね。給与の決め方から、給与の実態から、一遍ひとつ調べてみたらどうだろう、こう思っているんですが、どうでしょうか。
○政府委員(勝谷保君) 先ほど経営指導員の採用等につきましても、一見、いとも簡単に行われるような御印象をお受けになったのではないかということをおそれるわけでございますが、経営指導員の採用につきましても、御存じのとおりに、都道府県の連合会さらには商工会議所等の人事管理委員会というものを設けておりまして、統一的な試験をするわけでございまして、おまえはよくやったから今後は経営指導員だというようなことはできないわけでございます。試験を通らなければいけないわけでございます。これは統一的な試験でございます。 その上に、さらに最近におきましては、五十四年度から経営指導員研修生制度、これを創設いたしまして、大学の新卒者を研修生として採用いたしまして、中小企業大学校に二年間出てこさせまして、あらゆる面の勉強をさせるわけでございます。途中で脱落する者は別といたしまして、二年間十分にやった者を初めて経営指導員として採用いたすわけでございます。先ほどから、先生おっしゃるとおりのことが、地方でございますからあるかもしれませんけれども、逐次そういう体制をとっておるわけでございます。 なお、経営指導員の給与の面につきましても、これだけのお金をくれてやるからよしなに使えということではございませんで、人件費は幾ら、さらには旅費はこうなる、それから扶養手当はこうだという、国家公務員がやると同じ項目について、すべて査定をいたします。五十七年度についても一応の査定がされておりまして、これは六%弱の予算がすでにあるわけでございます。そのほかに一%別途用意いたしておきまして、それでも人事院勧告で足りないときにそれを別の、不用の予算あたりを流用しまして大蔵省と折衝の上で逐一予算を決めるわけでございます。その際に地方との関係で経営指導員だけ突出するというような問題がございますが、そのときは経理面はきれいにして横の並びを図るというようなことにしてありますので、御存じのように会計検査院も非常に厳しい検査をいたしますし、大蔵省も査定で相当厳しいことをいたしておりますので、くれてやる予算でやるということではございません。 さらに、予算要求をいたしますためにいま先生のおっしゃるような実態調査というのを毎年いたしまして、その実態調査を背景に、予算要求をするということになっております。もちろん先生の御指摘のような点があろうかと思いますが、しかし都道府県さらには市町村一体となって、先生のおっしゃるようなことを懸念しながら一生懸命やっております。今後も御指摘の点を十分考えながらやらしていただきたいと思っております。御了承賜りたいと思っております。
○委員長(降矢敬雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時二分開会
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森田重郎君 私は本法案に関連しまして若干何点かを質問させていただきたいと思います。 まず第一に、これは通産大臣から御答弁を賜りたいのでございますが、わかりきったようなことを大上段に振りかぶるような質問になろうかと存じますが、この新エネルギー開発におけるNEDOの役割りというものをどのようにお考えになっておられるか大臣にお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 新エネルギー総合開発機構、いわゆるNEDOにつきましては、石油代替エネルギー開発を総合的に推進をする中核母体ということで設立をされたわけでありまして、新エネルギーの技術開発については、石炭液化、それからガス化、太陽熱発電、大規模深部地熱発電、燃料電池等十八の技術開発プロジェクトをいま推進をしているわけであります。 これらの技術は大規模かつ総合的にまた複合的な技術であるため、多数の分野にわたりまして最高水準の技術蓄積及びスタッフを必要といたしまして、同機構においては官民の人材あるいは資金を結集してプラント開発を実施しておるところでございます。こうした技術開発成果が将来における内外エネルギー需給の緩和に多大な貢献をしていくということを期待いたしておりまして、私たちも非常な大きな関心と情熱を持ってこれが強化に努力をしておるわけであります。
○森田重郎君 これは大臣でなくても結構なんでございますが、この移管措置の経過等につきまして後からの質問と若干関連があろうかと思いますので、その経過説明、その辺をどなたかに御答弁賜りたい、かように思います。
○政府委員(真野温君) 今回、アルコール専売事業の中の製造事業につきまして、新エネルギー総合開発機構に移管する理由いかん、こういうお尋ねでございますが、御承知のように、アルコールの専売事業につきましてはその経営形態について多年にわたる論議が重ねられてまいりまして、昭和五十一年から公共企業体等基本問題会議、ここにおきまして二年間にわたりまして検討いたしました。その結果として、当時の情勢におきまして、経営形態の変更についてはいろいろな職員の身分変更の問題でありますとか、工業用アルコールの流通規制あるいは流通方式の変更等、それによる関連業界への影響等問題点もございました。たとえば当分の間専売制度を維持する、その前提のもとに国営工場を国の出資する特殊会社に編成がえする方法が考えられる、しかし具体的な措置については以上のようないろいろな問題もありますので、政府において慎重に検討されたいと、こういう報告が出ております。それを受けまして、通産省の中におきましてアルコール専売事業制度問題懇談会というのを設けまして、ここでもさらに具体的に検討したわけでありますが、その間ちょうど御承知のような石油危機に伴いましていわゆる石油価格の高騰がございました。それに伴いまして代替エネルギー開発、その中における燃料用のエネルギーとしてのアルコールの開発というものが注目されてきた、こういう情勢変化がございました。そういった燃料アルコールを含めましたもっと幅広いいわゆる代替エネルギー開発という必要性から、今回の移管先であります新エネルギー総合開発機構、NEDOというのが設けられる時点になったわけであります。そういうような背景を受けまして五十四年の十二月に閣議におきまして、アルコール専売業については専売制度を維持する、ただし製造部門については二年以内に新エネルギー総合開発機構の事業部門とするという基本方針が閣議決定されたわけでございます。それを受けまして引き続き所要の準備措置、調整措置を行いまして、昨年十二月の閣議におきましてこの方針を引き続き閣議了解により確認いたしまして法案としてまとめて今回提出するに至った、こういう経緯でございます。
○森田重郎君 ただいまの御説明でそれなりに理解はできるんでございますけれども、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律にうたっているところのNEDO本来の目的と、それからまたただいまいろいろ経過説明がございましたが、本移管措置の理由は、これは先ほどやはり御答弁の中にもございましたけれども、「行政機構の簡素化及びアルコール専売事業の効率化」を図る云々、これはどうも別な意味が、本来全く別なものであるというような感じ、何とはなしになじまないのではないかというふうな感じがしないではないと思うのですが、その辺重ねてひとつ御答弁ちょうだいしたいと思います。
○政府委員(真野温君) 先ほど申し上げました過去の経緯の中におきまして、アルコール専売事業の効率化という問題、それに関連した問題としての行政機構の簡素化という二つの目的、今回の制度変更の趣旨の関係でございますが、まず第一に、現在専売事業の中におきましてはいわゆるアルコール専売固有の目的でございます酒税の通脱防止のための流通規制という専売事業としての行政事務的な側面が一つと、いま一つが戦争中から続けられておりましたいわゆる発酵アルコールの国営工場による製造事業という企業経営的な活動と、二つがいままで入っておったわけでございますが、今回このアルコール専売事業の効率化という問題及び行政機構の簡素化という目的に照らして、それぞれの特色に着目いたしまして、いわゆる製造事業としての経営の効率化というものを図るために民営移管ということも考えられたわけではございますが、現在、国営アルコール工場において製造されておりますこの製造事業、このものの特質が単に工業用アルコールの製造というだけではなくて、工場に関連する地域の地域経済との関係、それに対する配慮という要請及び国営アルコール工場において続けられてまいりましたいわゆる発酵アルコールの製造技術、これが将来展望としての燃料用アルコールの技術の基盤となる、こういうような性格にかんがみまして、新エネルギー機構という特殊法人のもとにおいて先ほど申し上げましたような公益的配慮とあわせながら、かつ事業経営的な面での効率化を図るということが一つ重要なポイントとして考えられたわけでございまして、いま一つ行政機構の簡素化という点につきましては、現在の専売事業の中におきますいわゆる行政的な事務、これを行政機構の中において一貫して行うという形で現在の専売制度そのものは引き続き維持する、ただし、先ほど申し上げましたいわゆる製造部門、これについて特殊法人に移管することに伴いまして国の機構及び定員におきまして大幅な簡素化が図られる、こういう結果になるということがもう一つ重要なポイントでございまして、現在考えられております移管案によりますと、現在、通産省の基礎産業局にございますアルコール事業部及びその中における職員管理室という二つの機構が廃止される形になりますし、また、国営工場のNEDOへの移管に伴いまして、定員の面におきまして五百七十二名の国家公務員としての削減を生ずる、こういう意味において全体としての行政機構の簡素化にも即する、こういうことになろうかと思います。以上二つが主たる今回の移管措置のポイントでございます。
○森田重郎君 御説明はわからぬじゃないのです。ただ、私が日ごろ感じておりますことは、かつて石炭鉱業合理化事業団がNEDOに吸収された、これは当時の経緯、経過からすればある程度やむを得ない措置ではなかったかというふうにも感ずるんですが、しかし、これは必ずしも、ある一面から言うと私は理想的なスタイルではなかったような感じがしないではない。どちらかというと石炭鉱業合理化事業団の仕事というものは、原子力の開発というふうな問題に比べますと若干後ろ向きの姿勢のままで、原子力の方はこれは科学技術庁所管で結局現在いろいろ行政が進められておる。そういう折にまた、本法案により新しく一つの移管措置がとられるということになるわけですが、私はむしろNEDOは機構本来の姿勢、姿の中で従来の研究開発というものに専心、打ち込んでいただきたい。だから言うなれば少し身軽な形でこれまでの目的達成に努力をしていただく、そういうことの方がむしろNEDOの目的自体を達成する意味においてもより効率的ではないだろうか、こんなふうに考えるのでございますが、大臣、いかがでございましょうか。
○政府委員(真野温君) 先ほど移管の説明、ポイントにおいてちょっと詳細に申し上げませんでしたが、御承知のように、現在アルコール専売事業において行われておりますいわゆる発酵アルコールの製造事業、これは実は戦前から続いておるものでございますが、戦前の場合にはいわゆる燃料用アルコールの製造ということで行われていたわけでございます。ところが戦後いわゆる燃料用アルコールの需要がなくなりまして、かわりに工業用アルコールとしての需要に対応するという形で発酵アルコールの製造事業が続けられていたわけでございますが、この間におきまして、いわゆる合成法によります、つまり、石油化学を基礎とします合成アルコールの製造が民間において行われまして、それとの競合関係におきましていわゆる民間における発酵アルコールの製造事業というのは全部休止するやむなきに至った、こういう事情がございます。そういう意味におきまして現在発酵アルコールの現実の製造実務を行っているのは国営アルコール工場だけでございます。ところがこの発酵アルコールの製造技術そのものが新しい燃料アルコールの開発のための基礎的な技術として再び注目されるに至ったわけでございまして、そういう意味におきまして国営工場ならでは維持できなかった発酵アルコールの製造技術が再びいわゆる燃料アルコールの開発のために技術基盤として活用される、そういう方向が出てまいりました。 そういう意味におきましてただいま御指摘のいわゆるNEDOの本来の研究業務との関係でございますが、製造事業そのものというよりは、むしろ、そういった製造事業に関連して維持されておりました発酵アルコールの製造技術、技術基盤というものがいわゆるNEDOにおける新しい燃料アルコールの開発のための一つの重要な技術的な基盤になる、こういう関係が出てまいったわけでございます。 そういう意味におきまして今後の新しい燃料用アルコールの開発、これはいわゆる生産技術だけじゃございませんで、もっと幅の広いシステムを考えて開発する必要があるわけでございますが、その中において活用され得るということが一つと、さらに必要に応じ初期段階においていろいろいま申し上げましたような国営工場、今回NEDOに対します国営工場における発酵アルコールの製造というものが単に工業用のみならず、逐次そういった燃料アルコールとしての開発段階において具体的に企業化のための前提として開発されていく、こういうプロセスになろうかと思います。 そういう意味におきまして従来ございました単に工業用アルコールを低廉安価に供給するというだけの国営工場の機能のほかに、新しい燃料用アルコールの開発という機能がこのNEDOにおいて一体化されて機能する、こういう形になろうかと思いまして今回のNEDOへの移管措置を決めたわけでございます。
○森田重郎君 おっしゃるとおりに推移すれば私は大変結構かと思うのですが、今回の移管措置によりまして、NEDOのずうたいばっかり大きくなってしまって、それでおっしゃるような行政機構の簡素化といいますか、そういうふうな問題につながらないというような結果になってもこれは困ったものだというふうな気持ちが私は強いものですから、そういうところに十分御注意いただいて今後の運営をひとつお願い申し上げたいと、かように思うわけでございます。 そこでちょっと視点を変えまして、きょうはNEDOの理事長さんがお見えでございますから、綿森さんにお伺いしたいのでございますが、現在このNEDOの研究の柱と申しましょうか、一番大きなテーマとして取り上げておられるものが何でありましょうか、その辺につきまして理事長のお考えを伺いたい、かように思います。
○参考人(綿森力君) NEDOの理事長であります綿森でございます。 お答えいたします。 現在NEDOでやっておりますものは、たくさんの新エネルギーの開発をやっておりますが、大別いたしまして三つになるかと思っております。一つは石炭の液化並びにガス化でございます。それから一つは太陽の熱あるいは光発電でございます。それから三番目が地熱の開発でございます。この石炭の液化、ガス化、それから太陽、地熱と、これを三つの三本柱として現在開発してやっております この三つをおつくりいただきましたのは、NEDOができる前に工業技術院でもうすでにサンシャイン計画として進んでおったものでございますが、私どもがそれを受け取りまして、その設備が、パイロットプラントが全部完成いたしまして、本年度の今月ぐらいから全部一斉に運転研究に入っております。これからNEDOの本番だと、こういうように考えております。
○森田重郎君 実は私も過去にエネ特の委員を若干やらしていただいた経緯もあるわけでございます。それでNEDOも実は見学をさせていただきまして、大変いろいろお世話になりました。実はいまの理事長さんのお話は私なりに十分理解できるわけでございます。 かつて、これは昭和五十五年でございましょうか、十月に、古いことを持ち出して大変恐縮のようですが、「新エネルギーの展望は」と題しまして、これは毎日新聞ですか、綿森さんはいろいろな対談をなさっておった。その中で石炭液化、これは五年でめどをつけるというような意味で、いろいろ時間の関係もございますので詳細は省略いたしますとして、そういう意味で非常にただいまお話にありました石炭液化の問題にある意味で執念を燃やしておられた、そういう一連の記事があるわけでございますが、ところが一方、ごく最近の新聞を見ますと、何かこれ三井さんでしたか、ちょっといま資料が手元にないのでございますが、三井石炭液化のSRC実験プラントですか、これが三月末で運転を停止したというようなことで、その辺の経過が新聞に載っておるわけでございますが、この辺をどんなふうに理解したらよろしいのか、重ねてひとつ御説明をいただければと思います。
○参考人(綿森力君) お答えいたします。 問題が石炭液化にしぼられておると思いますので、それについて説明申し上げます。 石炭液化につきましては日本では三つの方法を取り上げておりまして、御存じだと思いますが、その三つの方法につきましてそれぞれパイロットプラントをつくりましていま研究に入ったところでございます。先ほど言ったとおりでございます。そしてその成果を集約いたしまして、最も私どもがいいと思われる日本的なユニットを一本にまとめたいといま考えております。 一方、SRCIIのお話が出ましたが、SRCIIというのはアメリカでやっておりまする大型の石炭液化のプラントでございまして、日本と西ドイツとアメリカと共同で研究をやっておったわけでございますが、不幸にいたしましてアメリカの政権がかわりまして、向こうの国の事情によって私どもも中止せざるを得なくなったわけでございます。これは私どもといたしましては非常な残念なことでございますけれども、仕方がないと、こうとっております。 したがいまして、そのSRCIIによって私どもが失ったものは、非常に効率的に安い金額で大型のプラントの運転研究ができると思っておったものができなくなったわけでございまして、それを単独で私どもは経験するために急遽豪州の五十トン・パー・デーのプラントを、大分小さいのでございますがやっておるわけでございます。で、将来、先ほど申し上げました日本で育ちつつあります三つの方法について、それをさらに大型化する、ユニットにする場合につきましては、SRCIIで得られた大型のフィージビリティースタディーの設計データ、それなどが大きく役立ってくるものと、こういうように理解しております。
○森田重郎君 綿森さんは、この仕事を進めるに当たって絶えず時間の観念というものを重視しなくちゃいかぬ、したがいまして研究開発というような問題についてはいつごろまでに実用化するかということを、そういう意味でのめどをはっきりつける、そういう姿勢の中での研究開発体制というものを進めるべきだと、こういうようなことをよくおっしゃっておられるようでございますが、まさに私もそのとおりだと思います。さような意味からいまるる御説明のございました石炭液化の問題につきまして、工業化、商用化できるその辺のめどにつきましてもう一度ひとつお尋ね申し上げたいと、かように思います。
○参考人(綿森力君) NEDOができました昭和五十五年のころは、一九九〇年代において石炭液化が工業的に動き始める、また動かさねばいけないと、こう考えてやっておったわけでございますが、その後先ほど申し上げました情勢が変わりまして、SRCIIが中止になり、また石炭の値段が高くなるのに比べて石油の値段が逆に安くなるというような経済性の逆効果もございまして、各国とも研究のスピードを落としております。ただし日本だけは全然落としておりませんで、このときが私どもの得られた絶好のチャンスで、追いつき、追い越せというときであろうかと、こう考えていま努力しておりますが、そういう経済情勢を私どもも変えることはできません。したがいまして、石炭液化が大きくクローズアップしてくるのは一九九〇年代の終わりから二〇〇〇年の初めだと、こう考えて間違いないといま考えております。
○森田重郎君 わかりました。せっかく御努力を賜りたいと存じます。 そこで、これは私も専門じゃございませんのでよくわからないのでございますが、わが国でもまた外国でもすでに戦前、これはガソリン不足の応急手当的な意味合いが強かったのかと思いますけれども、強制的混入制度とまで言われたアルコール含有動力燃料でございましょうか、いわゆるガソホールですか、これを使用した経験があるわけでございますが、何か最近非常に進んでおりますブラジルで、これも若干資料があるんでございますけれども、まあこれはいろいろな意味があったかと思いますけれども、大変問題を起こしている、そういった話を伺っておるわけでございますが、その辺につきまして若干御説明をいただければ大変ありがたいと思いますが、どなたか御担当の方にひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(石川不二夫君) ただいまの件、ブラジルにおきますアルコール燃料のお話かと思います。ブラジルにおきましては、以前からアルコールをガソリンにまぜまして自動車燃料にするということを行ってきた国でございます。石油ショック以降、特に一九七五年以降、国が大々的にアルコール計画立てまして、石油の輸入依存を下げていくということでやっておるわけでございますが、そのために、一九八〇年で申し上げますと、燃料アルコールとして三百七十万キロリットルぐらいの生産をやっております。ただいまの件につきましては、最近外国の雑誌などでちょっと報告されておるようでございますけれども、ブラジルの国家アルコール計画そのもので見ますと、かなり順調にやはり進展しておると、計画の一割ダウンぐらいのところできておりますから、大きく見まして、計画はほぼ順調にいっておると見られるんじゃないかと思います。 ただ問題は、非常に急速に、特にその中にアルコールだけで走る車もブラジルはつくっておるんでございますけれども、そういったものの需要が急に進みまして、そのために一時的に需給バランスが悪くなったとかいうふうな点、それからやはり自動車のエンジンにアルコール混合燃料を使います場合には、それなりのいろいろな工夫、配慮が要るわけでございますが、そういった技術的な準備が不十分であった点が一部あって、そういう現象が起こっているんじゃないかと、こういうふうに思っております。
○森田重郎君 これ、私実はもう若干古いんですかな、昨年の資料ですが、ちょっと読ましていただきますと、「ブラジルのアルコール自動車、近況」と、こういうことなんですが、これはビジネスウイークですね、昨年の八月でしょうか、「つい半年ほど前、エチルアルコール(エタノール)を自動車用のガソリンに代用しようというブラジルの大がかりな実験が大成功を収めようとしていた。ブラジル人は、いわゆるアルコール自動車なるものを一九八〇年に二十五万五千台購入しており、同年末までには新車売上台数の何と八〇%を占めるに至った」こう書いてあるんですね、占めるに至ったと。さらに、五十億ドルを費やした同国のアルコール生産計画であるプロアルクール、これはアルクールと言うのだそうですね――プロアルクール以来五年間で、サトウキビからのエタノール産出量が年産十億ガロン近くまで上昇したと、その結果ブラジルのエタノール燃料自動車は四十万台に、アルコール供給スタンドは五千カ所に上っていると。それが諸般の情勢で大変、何といいますか、下火になってしまったというようなことで、アルコール自動車の六月の出荷量は、十一月に達成された最高記録数から九〇%も落ち込んでしまったというようなことが、たまたまこのビジネスウイークに載っておるんでございますが、いろいろな事由があろうかと思いますが、これからのNEDOで取り上げますアルコールの問題につきましても、かようなことがありましたらこれは大変だというような気持ちから、あえて御質問を申し上げたわけでございますが、その辺いかがでございましょうか。
○政府委員(石川不二夫君) 石油代替エネルギー、燃料アルコールもその一つでございますが、そういったものの開発と利用ということにつきましては、それをどうやって経済的に大量に得るかということ、それからそれを合理的にうまく利用していく、あるいは市場経済の中に取り込んでいくということが大切かと思います。そういうことでございまして、燃料アルコールを安価、大量につくるという技術開発をすると同時に、それを自動車なら自動車の燃料としてうまく使うために、その使う面の技術の研究、エンジンをどうすればいいかとか、そういった一連の必要な事前の準備が必要かと思います。そういったことでいろいろ通産省の方では総合的な調査をいま進めておりまして、そういうふうにバランスのとれた計画なり開発を進めていくことが大切じゃないかと、こういうふうに思っております。
○森田重郎君 それから、これはまあ質疑通告に載っておりませんが、きょうの新聞ですか、これは電力の需要がまあ大きく減退したと、「脱石油のホープKO」ですね、揚水式発電所の建設計画を繰り延べというようなことで、これは東京新聞でございますが、大きく報道されておりますが、もちろんこれは、最近の電力需要の低迷とか、あるいは収益の伸び悩み、そういったような問題があろうかと思いますが、この辺につきまして若干御説明がいただければ大変ありがたいと、かように思います。
○政府委員(小松国男君) いま先生のお話の件でございますが、最近の省エネルギーの進展、それからさらに、非常に景気が低迷いたしております。それからまた、電力関係では、特に電力多消費産業が合理化され、さらに若干生産規模が落ちておる、こういうこともございまして、電力需要が全体的に低迷いたしておりまして、昭和五十五年度は需要がマイナスになりましたし、昭和五十六年度も若干――一%足らずのプラスでございます。その中で家庭用はわりあいに堅調でございますので、大口需要電力という面から見ますと二年続きのマイナスと、こういう状況でございます。 こういう中で電力としては、全体の施設計画としては、脱石油を図るということで、原子力、石炭、LNG、こういう面の発電施設の拡充ということで進めておるわけでございますし、また、水力につきましても、純国産エネルギーということで、全般的な水力開発、これは第五次包蔵調査も行い、それから小水力についてのいろいろな補助金も出すというようなこともして、水力開発を進めております。それから、いまお話の出ました揚水発電につきましては、これはピーク対策ということで、深夜電力を使いまして夏の昼のピーク時に使うためのピーク対策としての揚水発電についても努力をいたしているわけでございます。 ただ、全体の施設計画、それから、そういう設備計画の推進が当初計画に比べれば若干おくれておると、それからまあ、需要の低迷との関係でも一部スローダウンしているというようなこともございまして、現在、全体の計画につきましては、総合エネルギー調査会の長期需給見通しのいま改定の審議が行われておりますので、その一環として行われておりますし、さらに、電気事業審議会の中の需給部会、ここでも将来の電力需給の見通しの審議が行われております。それが出た段階でさらに電力については長期の施設計画というようなものもつくって、今後の電力の需給に見合った供給体制を整備していく。特に脱石油ということで、原子力、LNG、石炭、それから国産エネルギーとしての水力の開発、これはもう積極的に進めていこうと、かように考えているわけでございます。
○森田重郎君 最後に、燃料アルコール開発を含めて、大臣の代替エネルギー開発に対する見解と御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくどうぞ。
○国務大臣(安倍晋太郎君) このアルコール製造業務は、行政簡素化の趣旨とあわせて、先ほどからお話し申し上げておりますように、石油に直接代替するエネルギーとして期待されているところの燃料アルコールの開発に役立つものとして、新機構に移管をすることとなったわけでございまして、通産省としては、国営工場が蓄積してきた技術力、ノーハウ、現有設備、人的資源等を活用して、広く国内外において開発をされました要素、技術を有機的に結合し、新機構を中心に燃料アルコールの開発を積極的に推進する考えであります。 またこのほか、現在新エネルギー総合開発機構において進められている石炭液化、ガス等の石油代替エネルギー技術開発は、わが国の脆弱なエネルギー基盤を克服するためぜひとも必要な技術開発と考えておりまして、中長期的な観点に立って、着実な推進を図っていきたいと考えております。
○森田重郎君 終わります。
○市川正一君 私いろいろ伺っていまして、今度のこの改正案でありますが、国営アルコール工場を新エネルギー総合開発機構、NEDOに移管する目的には、いま安倍通産大臣もおっしゃいましたけれども、二つの側面というか、第一には、行政の簡素化とアルコール専売事業の効率化、第二には、石油代替エネルギーとしての燃料用アルコールの開発の促進、この側面があると思うのですが、いままでの審議を通じて、また政府答弁を伺って、どうしても事実と論理の上からして、この両側面が理解できないのです。合点がいかぬのです。 そこで、事実と論理に基づいて伺いたいのですが、第一の側面としてのアルコール専売事業の効率化の問題でありますが、これまでの審議でも、たとえば生産性は、一九六五年を一〇〇とすると、八〇年度には三〇六と、三倍以上になっているわけですね。ところが定員の方は、千二百名余りから九百名弱、約四分の一、こう減っているわけです。技術開発も相当進めてきたことも明らかにされています。そうしますと、これから進める効率化というのは一体何をどうしようとなすっているのか、この点まず簡潔に伺いたい。
○政府委員(真野温君) 今回、アルコール専売事業の製造部門をNEDOに移管する、その意味において行政の簡素化及び事業の効率化の関係いかんと、こういうことだろうと思いますが、現在アルコール専売事業におきましては、専売業務の中に、いわゆる固有の行政事務的な分野と、発酵アルコールの製造という企業経営的な分野と二つございます。今回の移管措置によりまして、事業の性格がきわめて企業的な内容を有するアルコール製造事業は政府から切り離しまして、独立の特殊法人である新エネルギー総合開発機構で行う。この場合に、いわゆる新エネ機構の中におきましては、独立した機構、いわゆる経理としての区分経理及び事業本部制を設けまして、一体的な企業的な運営をさらに充実していくということを考えているわけであります。 いま一つ、行政機構の面では、いわゆる専売事業の中におきます行政事務的な分野であります専売そのものの管理事務、これを中心に集中して行う。その場合に、いま申し上げました国営工場の移管に伴いまして、定員及び機構の大幅な縮小を生ずる、これが行政機構の簡素化につながると、こういうふうに考えておるわけでございます。 以上二つのポイントが、行政機構の簡素化と事業の効率化ということに長期的に結びついてくる、こういうふうに私ども理解しているわけでございます。
○市川正一君 いろいろおっしゃったんですが、効率的にアルコール工場を運営しようということに、一口にして言えば尽きると思うのですが、じゃそれは、アルコール工場を国営からNEDOに移管しなければどうしてもならぬという特別の理由ということにならぬわけです。 私がお聞きしたのは、一体何をどうしようとしているのかということをお聞きしたんですが、そうすると、国営工場ではこれ以上効率が上がらぬ何か特別の理由というのがあるんですか。
○政府委員(真野温君) 先生御指摘のように、現在までのところでも、現在の国営アルコール工場におきましては、非常な生産性の向上、事業の効率化及び技術の開発を進めておりますが、ただ、国の事業でございますので、そのほかにもいろいろな制度的な制約もございます。たとえば国有財産法でありますとか、物品管理法の適用でございますとか、そういうような制度的な要因もございます。 一方、アルコールの製造につきましては、御承知のように、合成アルコールについては民間の企業が製造いたしておりまして、発酵アルコールについても、将来のいろいろな開発なり需要の展望いかんによりましては、こういった民間の企業化ということも全く予測されないわけではないわけでありまして、そういう意味におきまして、現在の発酵アルコールの製造というものをさらに効率化、合理化していくという必要性があろうかと思います。そういう意味におきまして、むしろ企業経営的な体質を持っておるこの製造部門につきましては、民間の企業と同様な生産の効率化ということをさらに徹底する、こういうことがひとつ必要になってくる場合があるであろうというふうに私ども考えたわけであります。 その場合に、従来行われておりましたいわゆる技術開発でありますとか合理化ということは、従来どおり引き続き行われるというふうに私どもは理解しておりますし、そのため必要な経営管理部門につきましても、NEDOの中におきまして、先ほど申し上げましたような、いわゆる区分経理、事業本部制ということで、より企業経営的なシステムに移行する、こういうふうに理解いたしておりますので、そういう形におきまして、管理なり合理化の必要性というものは、さらにこれに対してこたえていくことができるんではないかと、こういうふうに考えているわけであります。
○市川正一君 お聞きしてもますますわからぬのですね。何で国営工場だったらいかぬのかということがわからぬのですよ。 それで私も、国営でやるべきか民営でやるかということについて、戦後一貫していろいろ議論があったということは十分承知しております。そうして八〇年の六月六日付で公共企業体等関係閣僚会議事務局がまとめたのがこれでありますが、「公共企業体等基本問題会議意見書に関する検討結果報告書」、この中で、国営アルコール工場をNEDOへ移管するという「今回の方針は、情勢の進展に即して、意見書の趣旨を実現するものと考えられる。」、こう述べて、経営形態議論に一定の決着をつけたと、こう理解できるわけでありますが、しかし、NEDOに移管後のアルコール工場の運営のあり方については、結局NEDOの自由裁量にゆだねられることにもなるわけです。 そうしますと、お伺いするんですが、いま七つある国営アルコール工場ですね、これはその地域で原料を購入し、その地域の人たちを雇用するなど地域経済に大きく貢献しています。それとまた密接に結びついている。それゆえに私は、効率という点では、先ほど制度的制約ということをおっしゃいましたけれども、確かに総体的な意味でそれに徹し切れない要素もあるというふうにも考えられるわけでありますが、しかし、こういう地域振興の役割り、いわば国策上の役割りを果たしている国営工場を、ただ企業利益の追求を優先する民間企業並みの効率だけを求めるということになると、結局いまの七工場の統廃合、あるいは一部の廃止などもそこへ直進するというおそれなしとしないと思うのであります。これは、いままで六つの工場が効率が悪いということで、民間に払い下げ、そのうち四つまでが廃止されているという従来の事実からも十分考えられるところでありますが、私は大臣にもこの際しかと伺いたいのでありますが、政府は今後こういうNEDOに移管した後、廃止しないし、また、廃止させないという約束をなさり得るのか、またはその保証があるのか、具体的にお伺いしたいのであります。
○政府委員(真野温君) ただいま先生御指摘の、いわゆる地域経済と国営工場の関連、この重要性につきましては、私ども十分御指摘のとおり認識している点でございまして、そういう意味合いにおきまして、直ちにいわゆる私企業体制、つまり民営工場という形態はとり得ないであろうというふうに理解いたしておるわけでございます。 他方、こういう七工場の将来の展望でございますけれども、確かに過去におきまして国営工場を払い下げ、それが休止するに至ったという事実がございますけれども、ただこの場合、御理解いただきたいのでありますが、当時いわゆる発酵アルコールの工場の製造能力というのは、日本の国内において過剰状態でございました。かたがた、いわゆる石油化学法によります合成アルコールの競争がございまして、これは非常に当時の石油価格が安かったせいもございまして、競争上合成アルコールの方が有利であるという条件のもとにおきまして、いわゆる発酵アルコールの工場の民営化というのが、その存続に至らずして途中で休止するに至ったと、こういう背景があったわけでございますが、その後の条件変化といたしまして、いわゆる石油価格の二度にわたる上昇がございまして、現在発酵アルコールの製造コストと合成アルコールの製造コスト、これは民間において行われておりますが、ほぼ同程度近くなっている、そういう意味におきまして、コスト的にいわゆる発酵アルコールの競争力というのは非常に強くなっておるということが一つと、もう一つは、発酵アルコールの需要先でございます食品工業でありますとか、いわゆる工業用アルコールの中でも発酵アルコールの需要、これが非常に着実に伸びてきておりまして、それを受けまして、現在の国営七工場の稼働率は九〇%以上というような状況でございまして、現在の国営アルコールの工場というのは、十分需要面からもサポートされておりますので、十分な需要があると、こういう状況にございます。 そういう条件に加うるに、今後ともいわゆる発酵アルコールに対する需要、これは工業用アルコールとしての分野のみならず、将来におきましては燃料アルコールという新しい需要分野もさらに出てまいる情勢にございますので、そういう意味におきまして、需要の面におきましてもかつてと違った条件が存在しているわけでございますけれども、そういう意味合いと、先ほど御指摘の、いわゆる地域経済との関連、こういう関連から申し上げまして、現在の国営七工場というものが、これがNEDOへ移った関係から、あるいは廃止されるんではないか、休止されるんではないかというような過去の経験からくる御懸念については、私は現在のところそういうことはそういう条件もございませんし、またそういうものをNEDOにおいて廃止するようなことを考える状況には全くないということを申し上げておきます。
○市川正一君 大臣、いまの答弁でよろしゅうございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま局長が答弁いたしましたように、今後の需給関係から見ましても、いまの工場を機構に移ったからといってこれをやめていくという情勢にはとうていないと、こういうふうに考えております。私はやはり行政の簡素化という意味でも一つの意味があるわけですし、これは長い間の議論の結果、そういう方向で結論が出ておりますし、それからやはり新エネ機構というのをこれから代替エネルギーの開発ということで充実していかなきゃならない機構でありますが、そういう中に入ってさらに一つの燃料アルコールの開発という大きな役割りも付与されるわけでございますから、私はいまの国営からこの機構に移っていくということは総合的に判断をしても非常に時の流れに沿った措置ではないだろうか、こういうふうに考えております。 国営ということになれば、いろいろ制約もありますし、機構になれば今後ともいろいろの面でもっと機動的に動ける面も私は出てくるんじゃないか、こういうふうにも思うわけなんです。
○市川正一君 私は前者の問題について、いまやりとりしてきましたから、いまの大臣の認識についてはいささか異を唱えるわけですが、時間がないので、大臣も触れられたもう一つの側面、すなわち燃料用アルコールの開発の問題について議論を進めたいのですが、これは私、NEDOにアルコール工場がなくても進められるんじゃないか、こう思うのですが、どうしてもNEDOがアルコール工場を必要とする積極的理由というのは、これは一体何なんですか。
○政府委員(石川不二夫君) アルコールの技術開発でございますけれども、従来専売事業の国営工場におきましても、工業用アルコールの製造の合理化に必要な研究はやってきておったわけでございます。今度の移管措置によりまして、国営の製造部門がNEDOの事業部門になるわけでございますが、石油代替エネルギーの開発を中核的に進めておりますNEDOにとりまして、現在太陽、地熱、石炭、やっておるわけですけれども、燃料アルコールの開発につきましては国の研究機関あるいは民間あるいは研究組合、そういうところでいろいろなことをやっております。 そういったものをやはりどこかで一緒にまとめまして、全体的な製造技術システムとしまして実証していく必要があると思います。こういうことをやっていきます場合に、そういったことに必要な設備でありますとか、マンパワーでありますとか、ノーハウ、そういったものを持っておるところがありますと、こういった開発、実証を進めていく場合に非常にぐあいがいいと、こういうふうに考えるわけでございます。
○市川正一君 いまお答えがあったように、NEDOが現在進めているところの太陽、地熱、石炭液化ですね。これはいずれも民間企業などへの委託でやっているわけでしょう。NEDO自身でやっているわけじゃないのですね。ところが、アルコール工場だけはどうしてもNEDOでなければならぬという理由はないわけで、いわば一言にして言えば便利だということなんです、いろいろおっしゃったけれども。そうしますと、アルコールの研究という点では、現在でも国営千葉工場でやっておるわけですね。工業技術院の微生物工業技術研究所、微工研と俗に言っておりますが、ここでもやっております。そうしますと、この国営アルコール工場と微工研がタイアップすれば、もともと緊密な関係にあるわけですから、ここで十分技術開発は可能だと思うのですが、この点わざわざ移管しなければならないという理由にならぬと思うのですが、この点はどうですか。
○政府委員(石川不二夫君) 国営のアルコール工場と微工研は古くから非常に密接な関係を持ってアルコール関係の技術開発と実用化をやってきたわけでございます。ただいまの件でございますが、アルコール専売事業の枠の中で考えますと、これは特別会計で運用されておりまして、できましたアルコールを極力低廉に安定してユーザーに供給するということがございます。そういったわけで、工業用アルコールの品質改良でありますとか、合理化に役立つ範囲では研究ができるわけでございますけれども、燃料アルコールといったかなり大がかりで、かつ時間とリスクのかかるような研究をやるとなりますと別途のいろんな手だてが必要でございまして、そういうためには資金面等々の面、それから、さらに国営ですとやはり何かと制度上の制約がございますが、新エネ機構に置きますと、そこで要するにNEDOは民間の資金と活力を大いに利用するというたえまえのところでございますので、幅広くそういった開発に資源を取り込むことができるのではないか、このように思うわけでございます。
○市川正一君 聞けば聞くほどわからぬのですよ。 で、いま特別会計とおっしゃるけれども、アルコール工場がNEDOへ移ってもアルコールの専売事業特別会計はそのまま残るでしょう。そういう状況でアルコール工場に燃料用アルコールの研究開発をやらせますと、結局、専売事業と関係のない費用が入り込むことになるわけでありますが、これは区分経理とするのか、するとすればどういう方法をとるのか、簡単にひとつ答えてください。
○政府委員(真野温君) 現在、国営アルコール工場におきます技術研究、これはいわゆる生産技術、生産性を上げ、よりコストを下げるという意味における生産技術研究が中心でございまして、いわゆる燃料アルコールの開発のための技術研究については先ほどアルコール事業部長から御説明いたしましたように、非常に広範な開発が必要でございます。 大きく申し上げると三つの分野、一つは原料部門、つまり各種の農産物でありますとか既存の廃棄物等の、いわゆるセルローズ系の原料と申しますか、そういった意味での既存の原料の大量栽培等の技術、こういうことが一つでございます。それから第二が、いわゆる生産技術、いわゆる発酵技術の分野でございます。この中にはもちろん省エネルギーでありますとか、連続方式をとるとかという意味での生産技術一般が入っております。それから第三が、今度はできました燃料アルコールの事業分野でございます。たとえば、いわゆる現在のガソリンエンジンにどうしたら有効にアルコールを活用できるかという意味での利用技術の面、大きく申し上げてこの三つのシステムを組んで開発するのが燃料アルコールの開発でございます。 その場合に、現在の発酵アルコールに関連します国営工場の技術というのはその第二の分野の生産技術の基盤を提供するものだと、こういうふうに理解いたしておるわけでございまして、その上で全体的な、総合的な技術開発につきましてはいわゆる代替エネルギー開発ということで別途の資金措置、総合的な資金措置が必要になろうかと思いますけれども、その際に基礎になる技術については現在の国営アルコール工場の発酵技術を活用し得るということでございます。 さらに、先ほどちょっと申し上げましたように、現在アルコール工場は相当いわゆる用地その他施設を持っております。当然こういった大規模の技術開発の場合には、用地その他の必要性あるいはそこにおけるいわゆるユーテリティ施設、ボイラーでありますとか、そういうものが必要でございますが、そういうものは現在の国営アルコール工場の施設の中に活用し得るものがある。そういう意味で、物的な意味でもこういった大規模な技術開発に活用し得るわけでございまして、単に両方がたまたま一緒ということではなく、むしろ燃料エネルギーの総合的な開発のために全体としての一貫した形がとり得るんではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○市川正一君 じゃ続けて伺いますけれども、新エネルギー開発における工業技術院とNEDOとの関係は、主として基礎研究は工技院で、開発段階はNEDOで、こういう一応の区分を設けておりますですね。そうしますと、燃料用アルコールの開発でも、基礎研究は先ほど言いました微工研で、開発段階は国営アルコール工場でという方式も、これは私、現に可能だし、そうすることも効果的じゃないか。また経理区分がNEDOで可能であるならば、国営のままでもそれはより可能である。したがって国営アルコール工場をNEDOへ移す、いわば積極的な必然性というのはどうしても浮かび上がってこないのですよ、論理的にも。 だから、私は別の角度から伺いたいのでありますが、今度の移管によって公務員の定数は数字の上では削減されますが、予算は減らないと思うのです。そこで、アルコール専売事業特別会計で従来から人件費は見てきたわけですから、この特別会計は残るわけですから、予算上は基本的には変わらないと思うのですが、この点いかがですか。
○政府委員(真野温君) 従来はアルコール専売特別会計の中の事業費でございますから、人件費でありますとか、原料費というのが計上されておったわけでありますが、今回国営工場で製造する発酵アルコール、これはNEDOの製造するものになるわけでございますから、専売事業の特別会計といたしましては、ほかの民間の合成アルコールの工場からの調達と同様に、物品調達費という形の中で両方の工場の製造されたものが購入される。その物品購入費という形で専売の特別会計からNEDOに支払われました中から必要な原料調達あるいは人件費が賄われるという形になろうかと思います。
○市川正一君 いろいろ伺うのですが、アルコール工場がNEDOにあれば便利であるということはわかるんです。それはわかるんですが、しかし、専売事業を継続する上で、また燃料用アルコールを開発をしていく上で、どうしても国営工場をNEDOに移さないといけないというような必然性というのは御答弁の限りではクリアにというか、鮮明にならぬのです。つまり、効率の追求という点は、これは民間であろうと国営であろうと同じでしょう。国営だから効率の追求はしないでもいいというわけではないでしょう、当然やるべきことです。 それからまた、研究開発も現在の体制で進めることも可能なんです。現にやっておるわけです。さらに、公務員の数は、それはNEDOの方に移りますから、名目上は減ります。減りますけれども、予算上はほとんど変わらないわけですから、アルコール専売事業特別会計として。何のための移管かということに相なるんです。結局、これはNEDOの創設の際に、中小企業振興事業団と中小企業共済事業団を合併するとか、あるいは石炭鉱業合理化事業団のNEDOへの吸収だとか、また二年後をめどにアルコール事業部をNEDOに吸収するとか、こういういわば行革の数合わせ、つじつま合わせにすぎぬというふうに言われても私は仕方がないと思うのであります。 そこで、こうした安易なやり方というのは私はやっぱり非常にまずいと思う。しかも、これで地域経済も影響を受けますし、なかんずく直接最も大きな影響を受けるのは、そこで働いている労働者の皆さんであります。この点では同僚議員の多くが触れてこられましたんで、細部についてはもう繰り返しませんけれども、私はこの際大臣に基本的保障という点を確認いたしたいのでありますが、すなわち、国営アルコール工場で働いておられる労働者の皆さんの労働条件が、仮に移管されたという場合においてもいまよりは悪くならぬようにする。国の施策によって民間に移るんでありますから、よくなることはあっても決して後退させない、こういう賃金、退職金、年金などの面で後退させないという点をこの際改めて明確にしていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) どうもいままでの御論議で、いまこのアルコール専売事業をNEDOに移管する、移行するということについての趣旨について、われわれの考えと市川さんの考えが食い違っているようでありますが、私たちは、非常に積極的な意味があると、こういうふうに思っております。 アルコール専売事業につきましては、御承知のように、これまで長い間公共企業体等基本問題会議等で議論もされまして、民営移管なんというのが非常に強く出ておったことは御存じのとおりでございますが、そういう中にあって、やっぱりアルコールの専売事業というものの公益性というものを考えなければならない、こういうことで私自身も民営に移管ということについては疑問を持ってずっと来ております。そういうところへ新エネ機構というものが発足をいたしまして、新エネ機構で代替エネルギーを積極的に開発に取り組んでいく。そういう趣旨で発足をしたわけで、そこで、新エネ機構に移行をすることによって、いわば民営にほっておけば移管をする、移っていく可能性といいますか、そういう議論が大いに出てくる、そういう状況も私はあると思います。いま臨調等でやっておるわけですが、そういう中で、この民営という形じゃなくて、いまのNEDOというのがあるわけですから、そちらに移行することによってこの公益性も保たれるあるいは職員の身分関係においても安定化を図っていくことができる。さらに、いま新エネ機構が目指しておるところのアルコール燃料化という面についても非常に大きな役割りを今後担っていただける。こういうことですから、私は、全体的に見てこれは非常に次代の、将来というものを考えるときに、積極的な意味があるんじゃないか、意義があるんじゃないか、こういうふうに考えておりまして、その辺はひとつ御理解をいただきたいと、こういうふうに思うわけです。 その際、特に重要なことは、いまお話しのような職員の身分の問題だと思いますが、この新エネ機構における待遇というものについては同機構において決められることになるわけですが、しかし、通産省としては移管が円滑に行われるように関係省庁であるとか、機構あるいはアルコール専売労働組合等、各方面の所要の調整を行っていくことといたしております。また、事実今日もやっておるわけでございます。そして、実質的には移行職員が移行後も基本的に現在と全く同種の業務を継続するものであるということから、移行後においての諸待遇で不利益が生ずることのないようにこれはもう努めていかなければならない。その点については、実は私も職員の皆さんがみずからの意思で行かれるわけじゃないので、先ほど申し上げましたような大きな政策の変更といいますか、決定によって行うわけでございますから、その辺は十分われわれとしても考えなけりゃならぬし、きちっとしなけりゃならぬ、こういうふうな判断のもとに、これは何としても不利益が生じないように最大の努力を払っていきたい、こういうふうに存じております。
○市川正一君 終わります。
○村田秀三君 アルコール製造事業、通産行政の中では歴史もあって一定の任務を果たしてきた事業でありますが、新エネルギー総合開発機構への移管のための法案が間もなく、これやむを得ないといいますか、本委員会で採決せざるを得ない運びになりました。本委員会でもこれまでわが方の高杉委員あるいは大森委員、またそれぞれ同僚議員が質疑も終了いたしまして、私が最後の質問者となりました。 そこで、これまでの審議の経過も十分踏まえながら、いささか重複する部分もありますが、だめ押しの感もこれなしといたしませんけれども、次の点について大臣からしかとした誠意ある答弁を求めておきたいとこう思っております。 第一番目の問題はいまも市川委員からもお話ございましたが、この法案提出に至るまでの経緯につきましては、さまざまな、私の記憶では四、五年かかっておるのじゃないかとこう思いますけれども、とにかく議論の経過がありました。大臣からもいまむしろ積極的な意味ということで今回の措置を表明されたわけでありますけれども、それにいたしましてもわれわれといたしましては、いささかやはり胸につかえるものが全くないということはできないわけでございまして、疑問視する問題もあります。しかし、趨勢の至らしめるところここに至ったわけでありますから、ひとつしかとした考え方を披瀝していただきたいと思います。 とにかくまあ今日、臨時行政調査会、公社現業の問題についてさまざまな議論がされております。臨調内部だけではなくて、それぞれの組織の内外においてもさまざまな議論が展開をされておるところであるわけでありますが、私は少なくともいまの大臣の答弁も踏まえて考えてみまして、それらの議論とは全くかかわりない措置である。したがって、新しく任務を付与した新しい機構、それが単につけたりのものではない。将来ともにこれによって、少なくとも政府部内がこの方向が一つの合理性もあるし、また効率性もある、こういう考えに基づいて提起されたことでございましょうから、少なくともつけたりではなくてこれによって任務の遂行を図っていくという決意があるものと私は考えます。そこで、その確信を持った考え方をひとつ披瀝をしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま村田委員が御指摘になりましたように、われわれとしてはこのアルコール専売事業を新エネ機構に移行せしめるということについては、いわゆる合理性があり、さらに効率性があると、こういうふうな観点に立ちまして将来を考えますと、こうした方法が最も妥当な措置である、こういう自信のもとに今回この法律の改正をお願いをいたしておるわけでございます。 そういう意味におきまして今後新エネ機構というものが果たす役割りというものは、非常に大きくなってくるわけでございますから、私たちはいままでの国営事業の中でやっておりました事業をさらに効率化させるとともに、新しい燃料アルコールというものの開発につきまして、積極的な役割りが果たしていけるような今後ともあらゆる努力を傾注してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○村田秀三君 そこで、これは私個人の考えと言えば何でございますけれども、とりわけいま森田委員やあるいは市川委員の発言を聞きながら、その確信を深めたのでありますけれども、この機構というのは一体何であるかということであります。 いまここで、この新エネ機構のできました節、あるいはそれに石炭鉱業合理化事業団をつけ加えた、あえてつけ加えたと私は思いますけれども、そういうことの議論をするつもりはありません。しかしながらその本体が、何といいましても新エネルギー総合開発機構、これは研究開発がその主たる任にあったということはだれもこれは否定しがたいと、こう思うのですね。そういうことで、一つの形の変わった石炭合理化事業、これはまあ後始末というと語弊ございますけれども、そういうものが一つあって、今度はアルコール製造部門、これも合併をするわけでございまして、それには研究開発もいままでよりも積極的になされるであろうし、また、いわゆる新しいアルコール燃料、そういう意味の活用についても積極的に開発され、拡大され、生産も増加していくであろうということで、製造部門、つまり生産したものを流通させる事業もこれを行うわけであります。 そこで、法律論争するつもりもございません。つまり、新エネ機構に何をくっつけても別に法律的に文句を言われる筋合いはございませんという、それも当然でありますけれども、何となくその名称がわれわれの感覚になじまないものを持っておるのではないか、実はこういうふうに思うわけであります。でありますから、その二つの任務をあわせて持つ適切な名称に変更をするとすれば、恐らくいま市川委員が問題提起されましたような、そういういわゆる世上の議論というのは払拭されるだろうと、こう思っております。また同時に、そこに働く人々についても、やはり誇りを持ってひとつ業務を遂行することができるというものがそこから生まれ出てくるのではないか、こんなふうにも思うのでございますけれども、所感のほどはいかがでございましょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、この新エネ機構という名前ですね、特に機構ということを打ち出しておるわけですが、これはなかなかこれからの時代を先取りしたようないい名前じゃないかと。こうした特殊法人については事業団とか公団とかそういうのはあるわけですけれど、新エネ機構というのは、まさにこれから二十一世紀に向かって日本が果たしていく大きな役割りを果たす一つの特殊法人としての非常に斬新な印象を与える名前ではないかと思っております。 内容については、これは研究開発部門もありますし、今度製造部門等もついてきますから、実質的な内容については、これまでの事業団とかあるいは公団とかというものと変わるわけじゃないわけですし、事業団ということにしてもいいし、それは公団ということにしてもいいわけでしょうけれど、しかし、機構という一つの斬新な名前、そしてこれは一面においては民間の活力をこの機構というのは大きく活用していこうということもその中に含まれて、大きな意味として含まれておるわけですから、問題は名前よりは実質であろうと。時代に沿ったような、これから政府としても力を入れたりっぱなものにしていけばいいのじゃないかと、そういうふうに考えております。
○村田秀三君 私もそこにこだわるつもりは毛頭ございませんが、いずれにいたしましても、とにかく今度そこに行って新しく働く人々、この人のいわゆる生活と心の安定をどうやって求めていくかということは、これからのやはり、当面の問題ばかりではなくてかなり重要な問題であろうこう思います。 でありますから、いわゆるこれがちょっと腰かけである、何かの都合でここへ置いたんだなどというようなことであってはならないことは先ほど大臣の答弁のとおりでございますが、まあまあ私は、そういう意味では恒久的にしっくりと理解できるような名称が何かないかなという、そういう問題提起であるわけでありますから、まあこれは今後の問題といたしますけれども、いずれにいたしましても、今後再びこういう事態の起こらないことを私は願いますし、またそういうことのないようにお願いを申し上げておきたいと、こう思います。 そこで、この移行に伴う職員の処遇の問題でございます。行く者、残る者、かなりいろいろな問題がこれはあるわけです。こういう問題については、まあ同僚議員もかなり細かい点を突きましたし、またいろいろな、さまざまな形で問題の提起がなされて、それなりの答えは出されておるようでありますけれども、とにかく行く方々の不安感といいましょうか、これははかり知れないものがあると私は思います。まあ新しい家を建てて、そして古い家から抜け出して移り住む際に、人間としては古い家にも多少の感傷というものはこれはあるものでございますけれども、そういう感傷がわくから、行きたくないなどというような、そんな問題は乗り越えて、少なくとも公務員として生涯の生活をそこに求めて、そこによってみずからの一生を終わらんと決意した人々であるわけでありますから、それが何回も指摘されておりますように政策の都合によって移管させられると、こういうことでありますから、どんなに考えてやっても、また対策してやっても、これで足りたということは私はないと、こう思います。 そういう意味では、さまざまな具体的な内容に触れてそれぞれお答えもいただいておるようでございますから、要はそれをどう実現するか、実行するかであります。とにかく法律は通りました、まあ通ってしまったんだから、あとは野となれ山となれなどというようなことで、そして、まあ少し当面を糊塗すればいいなどというような気持ちであろうとは思いませんけれども、もしもそういうことであれば、スムーズな移行などということは望むべくもないわけでありますから、私たちもこれを信用した責任上、完全に移行措置がどうとられるかについても、まあまあくちばしを入れてみなくちゃなるまいなどと考えたりもしておるわけでありますが、そういう意味で、時間の関係もございますから事細かにいろいろなことは申し上げませんが、とにかく新エネ機構に移るわけであります。移った後どういう心理状況かなどというようなことも考えながら、後ほど理事長にもお伺いいたしますけれども、少なくとも十分にバランスをとって、そして全体が理解できるような措置を結論づけられるように特に希望をするわけでございますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御心配をされております諸点については、私もよくわかります。 まず第一に、この新エネ機構に移って、それが腰かけ的なものになってはいけない。まさにそのとおりでありまして、いろいろと質疑の中にもありましたけれど、暫定的措置で、これがまた民営に移管するというようなことがあってはならないという御指摘もありました。まさにそのとおりでありまして、われわれとしてはそういうことは全く考えておらないわけでございます。 同時に、今回の移行に伴って一番大事な点は、いまお触れになりましたような、移っていかれる職員の皆さんが、移られてからやはり将来に対して希望と安心感を持って仕事に励んでいただくということであろうと思います。それにはやはりそれだけの環境をつくることがわれわれの責任であると、私はそういうふうに自覚をいたしております。 そういう点で、とにかくこれは今後いろいろと新エネ機構でやっていただくことになるわけですが、しかし通産省として、また私は通産大臣として、そういう際にこの職員の方が不利益なことにならないようにということが最も肝心なことである、私はそういうふうに考えておりまして、いまこの点については事務当局にもよく言っておるわけでございますが、通産省として、その間にあって十分その意を尽くして努力をしてまいりたい、これは私自身の大きな責任でもある、こういうふうに考えまして、これはもう誠意を持って取り組んでまいる考えでございます。
○村田秀三君 新エネ機構の理事長にお伺いいたしますが、受け入れ側の心構えというものについて前回大森質問の中からもその考えはうかがい知ることができるわけでございますが、これは私の杞憂であればよろしいのでございますけれども、まああることだと思うのですね。どうも私の認識が古いと言えばそれまでの話でございますけれども、いままでの開発機構というのは、どうしても職員構成というのは研究者でありますから、技術屋や研究者というのは案外人間的にざっくばらんなところがありますけれども、どうしてもエリート意識が高いという言い方をしては失礼かもしれませんけれども、いままでの職員の皆さんがいわゆる現業を受け入れる際にどういう心構えを持っているのであろうかと実は心配をするわけであります。そういうことがあってはならないわけでございまして、少なくとも全機構の職員がまさに融和できるような、そういういわゆる心配りなり、体制を必要とするのではないか、こう実は考えますし、そういう意味においていろいろ労働条件とか何かという問題は抜きにいたしまして、どのように考えられるか。よけいな心配だということであればそれは幸いでございますけれども、とにかく融和して、全体が確かにその任務とする目的は多少違っても、総体的に言えば同じ目的に歩んでいるわけでありますから、同じく志を通じ合いながらやっていかねばならぬと思いますし、そういう、つまり指導も必要ではなかろうか、こう思いますので、その決意のほどといいますか、考え方をお聞かせいただきたい、こう思います。
○参考人(綿森力君) 先生の御質問にお答え申し上げます。 NEDOは新しいエネルギーの開発導入と石炭鉱業の合理化という二つの分野を一年半前に持たされまして非常にまだ違和感があるように感じておったのでございますが、現在では両方が非常に一体になって仲よくやれておると自信を持っております。こういう中にまた大きな工業用アルコールの製造というテーマを持ってアルコールの現業の方たちがたくさん来られるわけでございます。どういう組織をつくりましても、これが所期の成果を上げる前提としてどうしても円滑な労使関係ができ上がるということが重要でございますし、また先生御指摘のように、公務員であった方々が新しい組織の中に移ってくるわけでございますので、不安もございましょう。また新エネルギー総合開発機構という名前に対する違和感もあるかとも存ずるわけでございますが、移行前におきまして通産省の方で労働組合と十分調整を行っていただくことになっておりますし、また、制度が決まりました暁におきましては、いままで審議されておりますように、工業用アルコールの製造という大きな事業を担うことになりますので、私、理事長といたしましてこの部署が組織の中でりっぱに成長し、みんなが気持ちよく働ける部署にしなければ目的を達成することができないと存じます。卑近な例で恐縮でございますが、私自身もこの理事長というポジションに民間からぽつんとほうり込まれた人間でございますので、皆様方の気持ちも十分理解しておるつもりでございますので、この点は全力を挙げて気持ちよく働ける職場をつくりたいと考えております。
○村田秀三君 ただいま決意のほどを承りました。そう私どもも願うわけでありますが、そこで新しい新エネ機構ですか、ここには労働組合という組織はきちっとしたものは存在しないやに聞きました。そこで、今度移行される方々は少なくとも今日まで公労協という特別な公益の中で活動されておった方々であるわけでありますから、直ちにそういう希望があると思いますね。これは全くの心配でそんなことは全然なかろうと私は思いますから、要望だけしておきますけれども、労使の問題は私ども言及するわけにはまいりませんが、よくそういう場合に不当労働行為などということが出てまいりますと、私らもくちばしを入れざるを得ないわけでございますので、そういうことのないようにひとつ要望を申し上げておきたいと、こう思います。 そこで最後になりますが、バイオマスエネルギーの重要性はだれしもが認めておるわけでございまして、しかも積極的な姿勢をただいままで伺っております。そこで、エネルギー総体の計画の中で具体的にすでに計画がなされて、その計画遂行のための具体的な手段ということについてももはや確定されておるのかどうか、これについて、これは局長でもよろしゅうございますけれども御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) バイオマス資源につきましては、御承知のように再生可能かつ国産エネルギーの一つとして期待をされておるところでありまして、中長期的観点からその開発利用の推進を図っていくことは非常に重要であると考えております。そのために、従来から変換利用技術の開発等中心に総合的に施策を進めておるわけでございますが、なおバイオマス研究の中でも最も重点的にやっぱり開発に取り組んでいかなければならない問題、また取り組んでおる課題が燃料アルコールでありまして、この燃料アルコールにつきましては、国営工場に蓄積をされました技術力、ノーハウ、そういったものを生かして新機構を中心にその計画的なかつ効率的な開発というものを今後積極的に進めてまいりたい、そのためにひとつ力を尽くしていきたいというふうに考えております。
○村田秀三君 ただいまの答弁がありましたからでございますが、これはどなたも触れられておることではございますけれども、とにかくそういう積極的な姿勢を地元の方々、特に地域の方々が聞けば、まさかおれの工場は廃止しないでくれなんていう心配もなくなるだろうと私は実は思っております。存在する各地方自治体が非常な決意でいろいろ存続の運動を今日まで続けられておる話も聞いてはおるわけでありますけれども、とにかくいまのような積極的姿勢を聞けば地域の人もそう不安はないだろう、こう私は期待をいたします。ぜひひとつ積極的に取り組まれて……。地域経済の振興のためにも大きく寄与していくことができますし、そうなれば、七工場だけでも足りなくなるわけでありますから、その原材料をどこでどう求めていくか、開発するか、その付近にもまた新しい工場ができる、こういうことになって拡大的方向の政策展開がとられるわけでありますから、そういう意味で私は心から、期待を申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(降矢敬雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、村田君から発言を求められておりますので、これを許します。村田君。
○村田秀三君 私は、ただいま可決されましたアルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管に伴い、同機構におけるアルコール製造事業の安定的な運営を図るため、現在アルコール製造工場の立地する地域の経済振興に十分配意しつつ、一階その効率化に努めるよう指導すること。 二、新エネルギー総合開発機構に移行する職員及び公務員として残留する職員については、それぞれ処遇上の不利益を受けることのないよう十分配慮すること。 三、新エネルギーの開発にあたつては、長期的エネルギー政策の観点から、石油代替エネルギーとしての位置づけを明確にし、積極的かつ効率的な開発推進に努めるとともに、バイオマス・エネルギーの重要性にかんがみ、その総合的研究開発の促進について十分配慮すること。 四、アルコール製造部門の移管にあたつては、新エネルギー総合開発機構において、燃料用アルコールの実用化のため、原料・資源の多様化及び有効利用の研究開発が着実に進められるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(降矢敬雄君) ただいま村田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 全会一致と認めます。よって、村田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、安倍通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍通商産業大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、万全を期する所存でございます。
○委員長(降矢敬雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(降矢敬雄君) 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに小規模企業共済法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。安倍通商産業大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業信用保険制度は、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑に行うため、全国各地の信用保証協会が行う中小企業者の債務の保証について中小企業信用保険公庫が保険を行う制度として創設され、現在約十兆円に及ぶ保険規模に達しております。 最近の中小企業を取り巻く経営環境は、依然として厳しいものがあり、信用補完の面におきましても、中小企業の資金需要への的確な対応の必要性がますます高まってきております。 本法律案は、このような観点から中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、エネルギー対策保険制度の創設であります。中小企業が今後健全な発展を遂げるためには、エネルギーコストの低減を図ることがきわめて重要であります。このような観点から、省エネルギー施設または石油代替エネルギーの利用施設を設置しようとする中小企業者の信用力を補完するために、新たな保険制度としてエネルギー対策保険を創設することとしております。この保険の付保限度額は一億円、てん補率は八〇%となっております。 第二は、倒産関連中小企業者の範囲の拡大であります。冷夏、豪雪その他の突発的事由により、特定の地域の相当部分の中小企業者の経営の安定に支障を生じている場合に、当該地域における特定の業種に影響を及ぼしているときには当該業種に属する中小企業者に対して、さらにその地域において業種横断的に影響を及ぼしているときには当該地域に事業所を有する中小企業者に対して、それぞれ、通常の付保限度額のほかに別枠で利用できる倒産関連保証の特例が適用できるよう、倒産関連中小企業者の範囲を拡大することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 次に、小規模企業共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 小規模企業共済制度は、小規模企業者が相互扶助の精神に基づいて、毎月掛金を積み立て、廃業や死亡といった有事の事態に備えるという共済制度でありますが、小規模企業者にとってその果たす役割は大きく、昭和四十年十二月の制度発足以来加入者は年々累増し、今日までにその在籍件数は百万件を超えております。 現在、制度発足以来十六年余りを経過したところでありますが、本制度は法律上、経済事情の変化に対応すべく、制度の眼目である掛金、共済金等の額の検討を五年ごとに行うよう義務づけられております。 そこで、前回昭和五十二年に改正が行われて以来五年目に当たる本年、改めて制度の見直しを行い、必要な改正を行うために、この法律案を提案いたした次第であります。 改正の趣旨は、最近における所得や物価の推移などの経済事情の変化、小規模企業者から本制度に対して常日ごろから寄せられております要望などを勘案し、本制度の一層の整備を図ろうとするものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、掛金月額の上限を現行の三万円から五万円に引き上げることであります。これに伴いまして、共済金の最高額も引き上げられることになり、税制上の優遇措置と相まって小規模企業者にとって大変魅力ある制度となると考えております。 第二は、共済金の受給のために必要な掛金納付月数を十二月から六月に引き下げることであります。 第三は、第一種共済契約者につき、いわゆる法人成り等の事由が生じた場合、現行法におきましては、中小企業事業団が共済契約を解除することとし、このために、共済契約者には届け出義務を課し、届け出義務違反には罰則を適用することとしておりますが、かかる場合には共済契約は自動的に解除されたものとみなすこととし、かかる場合の共済契約者の届け出義務を廃止することであります。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬雄君) 次に、補足説明を聴取いたします。勝谷中小企業庁長官。
○政府委員(勝谷保君) ただいま大臣が御説明申し上げました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。 中小企業は、大企業に比べまして、資金調達面で不利な立場に置かれているため、政府としては、これを是正するため、各種の中小企業金融施策を実施しているところであります。中小企業信用保険制度は、この金融施策の一環として、中小企業者の債務を保証する全国各地の信用保証協会に対し、その債務保証につき中小企業信用保険公庫が保険を行う制度であり、中小企業者の信用力を補完し、その事業資金の円滑な融通に資することにより、その経営の安定や事業の発展に重要な役割りを果たしているところであります。 しかるに、最近の中小企業を取り巻く経営環境は、依然として厳しいものがあり、その中にあってわが国中小企業が今後とも健全な発展を遂げていくためには、やはり、金融面での十分な対策を講ずることが必要であります。このためには、政府系中小企業金融機関の貸付制度の充実とともに、貸付資金量の大宗を占める民間金融資金の円滑な導入がきわめて重要であると考えており、かかる観点から本制度の一層の拡充を図るため、本法律案を提案申し上げた次第であります。 本法律案におきましては、第一に、エネルギー対策保険を創設することとしております。 わが国中小企業がエネルギー情勢の変化に対応して健全な発展を遂げていくためには、エネルギーコストの低減及びエネルギー使用の多様化を図ることがきわめて重要であります。かかる観点から省エネルギー施設及び石油代替エネルギーの利用施設を設置しようとする中小企業者の信用力を補完し、必要資金の円滑な確保が図れるよう、保険条件の点で特に優遇したエネルギー対策保険を創設することとしております。具体的には、付保限度額につきましては一億円、てん補率につきましては八〇%としており、また、保険料率につきましては、政令で定めることとしておりますが、やはり本保険の主旨に沿った有利な料率を定めることとしたいと考えております。 本保険は、中小企業のエネルギー対策に必要な設備投資の促進に重要な役割りを果たすものと考えております。 第二に、倒産関連中小企業者の範囲の拡大をすることとしております。 災害等の突発的事由により、特定の地域の相当部分の中小企業の経営の安定に支障を生じている場合に、当該地域における特定の業種が影響を受けている場合には当該業種に属する中小企業者に対して、さらにその地域において業種横断的に影響を受けている場合には当該地域に事業所を有する中小企業者に対して、それぞれ、普通保険、無担保保険及び特別小口保険について通常の付保限度額のほかに別枠で有利な条件により利用できる倒産関連保証の特例が適用できるよう、倒産関連中小企業者の定義を改正し、その範囲を拡大することとしております。これは、冷夏、豪雪等の被害を受けた中小企業者の資金調達を容易にし、その経営の安定に大きく貢献するものと考えております。 以上、この法律案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 引き続きまして、小規模企業共済法の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。 小規模企業は、全国事業所の中で圧倒的多数を占めるものであり、わが国経済社会の安定の基盤ともいうべき役割りを果たしております。政府といたしましても、このような小規模企業の健全な発展を図るため、各般の施策を講じてきたところであります。 小規模企業は、その大部分が家庭と企業活動が渾然一体となった生業的色彩の強いものであり、小規模企業対策におきましては、経営能力の不足を経営指導等により補うとともに、経営者とその家族の家庭生活基盤の安定を図ることが不可欠であると考えられます。こうした意味から本共済制度は、小規模企業対策の重要な一環をなすものであります。 本制度につきましては、昭和五十二年の改正以後五年を経過することとなりますが、政府といたしましては、この間の物価の推移等の経済事情の変化、小規模企業者等から寄せられている要望等を勘案して、本制度の一層の整備、拡充を図るため、改正法案を提案申し上げた次第であります。 改正の内容といたしましては、まず第一に、掛金月額の最高限度を現行の三万円から五万円に引き上げることであります。共済金の最高限度も、これに伴い引き上げられますので、本制度の加入者の方々は、廃業、退任等の際の備えを一層充実することが可能となると考えられます。また、第一種共済契約の掛金は、税制上、全額所得控除することが認められておりますので、掛金月額の最高限度の引き上げは小規模企業者にとって大きな魅力となるものと考えられます。 第二は、共済金の受給のために必要な掛金納付月数は、現行制度では十二月とされ、共済契約者に死亡、廃業等の共済事由が生じた場合であっても、その者の掛金納付月数が十二月未満のときは、共済金の支給は行われず、掛金は掛け捨てとなっております。これを、共済契約者に共済事由が生じた場合に、その者の掛金納付月数が六月以上であれば、共済金を支給することとしております。 このことに関しては、かねてより、改善要望が強く出されていたところでありますが、掛金月額が高額化することもあり、小規模企業者にとって本制度を魅力あるものとしていくために、今回の改正においてこの点の改善を図ることとしたものであります。 なお、掛金納付月数が六月以上十二月未満である者に対する共済金の額は、納付にかかわる掛金の合計額としております。 第三は、第一種共済契約の共済契約者につき、いわゆる法人成り等の事由が生じた場合に、現行制度では、中小企業事業団が共済契約を解除することとし、その後、解約手当金の支給等の手続を行うこととしており、中小企業事業団がこれらの事由が生じたことを速やかに知る必要があるため、これらの事由が生じたときには、共済契約者は遅滞なく届け出なければならないものとし、届け出義務違反には罰則を適用することとしておりますが、かかる取り扱いは手続きをいたずらに煩瑣なものとしている嫌いがあるので、かかる場合には、共済契約は自動的に解除されたものとみなすとともに、かかる場合の共済契約者の届け出義務を廃止し、あわせて届け出義務違反に対する罰則を廃止することとしております。 なお、今回の法改正には含まれておりませんが、本制度の加入者に対する共済資産を原資とした融資制度については、事業資金として、掛金の積立額の範囲内で貸し付けを行う現行制度、金利年七・二%、一年に加え、共済契約者が疾病、負傷または災害により経営の安定を図るために必要とする資金について、掛金の積立額を超え、共済金の範囲内で、より有利な条件、金利年七・〇%、三年で貸し付ける特別貸付制度を設けることにつき検討を進めております。 以上、この法案につきまして、補足説明をいたしました。 何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬雄君) 本案に対する質疑は後日に行うことといたします。 ―――――――――――――
○委員長(降矢敬雄君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田代富士男君 五十四年の八月二十一日に策定されました長期エネルギー需給暫定見通しは、その後の省エネルギー努力、また世界的な需給の緩和によりまして、エネルギー需要はかなり下方修正される見通しとなっておりますが、通産省で現在改定作業を進めているわけでありますが、また、去る四月十五日の商工委員会のときも私はこのことで一応は伺っておりますが、ここで長期的なエネルギー需要に関しまして、通産省の見通しの基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小松国男君) エネルギーの長期需給見通しにつきましては、先生いまお話がございましたように、現在総合エネルギー調査会の需給部会の中に企画専門委員会を設けまして、そこで検討をいただいておるわけでございまして、あすの需給部会で最終的な結論が得られて御報告がいただけるものというふうに期待をいたしております。ただ、全体といたしましては、現在の暫定見通し、これが昭和六十五年度七億キロリットルということになっておりますが、現在までの省エネルギーの実態、代替エネルギーの開発導入状況、それからさらに全体的なエネルギー需要の低下傾向、こういうことを踏まえまして、この七億キロリットルは相当下回るということで、現在見通しの議論がされております。 さらに、代替エネルギーの開発導入、これにつきましては原子力、石炭、LNGを三本の柱とし、さらに将来の問題としては新エネルギーの研究開発を進める、こういう観点で日本のエネルギー構造の脆弱性を改善していく、こういう観点で長期需給見通しの審議が行われておるわけでございます。あす最終結論が得られて報告をいただきました以後、政府といたしましてはそれを受けまして今後の代替エネルギーの開発導入目標その他も改定し、積極的なエネルギー構造の改善を図ってまいりたいと、かように考えております。
○田代富士男君 長期エネルギー需給見通しではエネルギー弾性値をどの程度に見ていらっしゃるのか、御説明をお願いしたいと思いますが、また現在進められております改定作業ではこのエネルギー弾性値は基本的に変わらないのかどうか、ここらあたりもあわせて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 昭和五十四年の八月に報告をいただきました長期エネルギー需給暫定見通しの中におきましては、エネルギー弾性値が昭和五十二年度から六十年度までの間で計算しますと〇・七七、それから昭和六十年から六十五年、この間は〇・七五、さらに七十年度見通しというのがございますが、六十五年から七十年度は〇・七二と、だんだん低下の傾向にあるわけでございます。これは五十四年八月にいただきましたエネルギー需給暫定見通しの中におけるエネルギー弾性値なわけでございますけれども、最近の傾向といたしまして省エネルギーが相当進みまして、経済成長に対するエネルギー消費というのは相当低下傾向にございます。そういうことでこの数値はかなりこれを下回ることに、今後いただきます長期需給暫定見通しの中におけるエネルギー弾性値はこの数字を相当下回ることになるんではないか、かように考えております。
○田代富士男君 昨年の末に日本エネルギー経済研究所が行いました予測では、エネルギーコストの高価格ケースと低価格ケースに分けまして、エネルギー供給見通しを出しているわけでございますが、この予測によりますと、たとえば石油などきわめて高価格で推移するとした場合、一九九〇年度においては需要を圧迫いたしまして省エネを必然的に推し進めてエネルギー総需要は石油換算で五・一〇キロリットルと、結果的にはエネルギー弾性値を〇・五三にまで押し下げることになるとされておりますけれども、これを逆に考えてみますれば、省エネルギー等の産業構造のエネルギー節約型への転換を図りまして、極端な話、弾性値を〇・五まで下げることができれば昭和七十年度の需要量を六億キロリットルにまで抑えることができるのではないかと考えられますけれども、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話がございましたように、エネルギー経済研究所の試算ということで、しかも高価格シナリオで計算した場合には、一九九〇年におけるエネルギー弾性値が〇・五%台になるという数字は私も承知をいたしております。ただ、エネルギー弾性値というのは実は結果として出てくるわけでございまして、現在検討が行われております長期のエネルギー需給見通しにつきましては、将来の経済成長をどう見るか、その経済成長の中で、たとえば基礎素材産業のようなエネルギー多消費産業の産業構造がどうなるか、それから組み立て加工型の省エネルギーが相当進みます産業構造がどうなるか、こういう産業構造の動向の結果ということになりますし、実際のエネルギー需要というのはそういう産業構造の変化の中での産業部門、輸送部門、民生部門、それぞれについて需要を策定いたしまして、それを積み上げるわけでございます。積み上げた結果として全体のエネルギー需要見通しが出てまいりまして、これが経済成長との関係で計算をいたしますとエネルギー弾性値が出てくるということでございまして、最初からエネルギー弾性値を〇・何%に置いて将来の需要を算定するということは需要見通しの算定方式としては必ずしも適当ではないというふうに考えておりますし、特に最近におけるエネルギー弾性値というのは非常に変動が大きいわけでございますので、なかなか信頼性のあるエネルギー弾性値を見出すこともむずかしいわけでございます。こういうことで、エネルギー弾性値は結果として出てくるというふうに考えております。 あすその長期需給見通しについての報告がいただけるわけでございますが、先ほど私御答弁申し上げましたように、現在のエネルギー弾性値に比べて最近の省エネルギー傾向を反映し、今後の産業構造の変化、こういうものも加味されておりますので、エネルギー弾性値は相当小さくなるんではないかと、かように考えておるわけでございます。
○田代富士男君 今日の景気低迷の一つの特徴といたしまして、もうこれはすでに御承知かと思いますが、業種別等の跛行性が目立っていることが挙げられているのではないかと思いますが、このような景気低迷の回復策に対しまして通産省としてどのように取り組んでいらっしゃいますか、その御見解をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(植田守昭君) ただいまも御指摘がございましたように、最近の景気動向を見ますと確かにいわゆる跛行性が目立っております。私どもにおきましても全国の通産局を動員いたしまして最近の情勢も調べてみたわけでございますが、御指摘のとおり、業種別あるいは規模別、あるいはまた地域別に見ましても跛行性が依然として続いているわけでございまして、こういった中で従来景気を支えてきたいわゆる加工組み立て産業にも若干の問題が出てきているというふうな状況にあるわけでございます。こういう状況を踏まえまして、政府といたしましても先般の閣議におきまして、いわゆる上半期における公共事業の契約の促進という観点から決定もいただきまして、そういったところをてこにいたしまして、今後金融政策あるいは住宅建設等もあわせまして景気の問題に対処していきたいというふうに考えているわけでございます。
○田代富士男君 景気の動きは一般にはGNPの伸び率でとらえられておるわけでございますけれども、ここで経企庁の二十五系列によります景気動向指数の一致系列の一つであります鉱工業の大口電力使用量から景気の動きを九つの電力会社別にとらえた日本経済新聞データバンクの資料がありますが、その資料によりますと、早くからエネルギー節約型かつ生産性の高い、そういう構造の転換やあるいは省エネ努力を進めていた地域ではこういうエネルギーコストの増大による不況に対しましても強い抵抗力を示したということが述べられておりますけれども、このことから私は日本の産業においてエネルギー多消費産業の省エネ技術革新を含めた産業構造の転換を推進することが御承知のとおりに資源のないわが国にとりましては欠くべからざる道ではないかと思うわけでございます。民間の動向もまたエネルギー多消費構造からの転換の道を必死に模索をしている現段階ではないかと思うわけでございます。そういう立場からこのような産業構造の高度化あるいは知識集約化に対する通産省としてのビジョンをお示しいただきたいと思います。
○政府委員(植田守昭君) 御指摘のように、わが国の場合はこの資源制約を克服しながら国民経済をもっていくというところに大きな問題があるわけでございます。私どもといたしましては、さきに八〇年代の通産政策のビジョンというものも発表しておりますが、それにおきましても個々の経済運営、産業構造政策の中の一つの大きな問題といたしまして、省資源という点からの産業構造の推進ということを考えておりまして、そういった観点から御指摘のように今後一層知識集約的な産業、付加価値の高い産業に高度化していくということがこれからの行く手ではないかと思います。七〇年代からすでに知識集約化の方向に踏み出しているわけでございますが、今後はますますその方向を強めまして、多角的な知識集約産業の展開ということを通じまして、世界の中における日本産業の位置づけをしていくというのが今後の方向であろうと私どもは考えているわけでございます。
○田代富士男君 次に、米国の上院、下院の経済合同委員会でロボットと経済というようなことに対して報告書が発表されておりますけれども、これはわが国にとりましても看過できない内容ではないかと思いますが、通産省としてどのように承知されているのか御説明いただきたいと思います。
○政府委員(石井賢吾君) 上下両院の合同経済委員会の下に通貨財政に関しますサブコミッティーがございますが、ここでいま先生御指摘のリポートが公表されたわけでございます。私どもまだつぶさにこの詳細について検討をし尽くしてはおりませんが、これを承知しておる限りにおきまして、われわれが今後産業ロボット政策を考えるに当たりまして非常に参考になるものというふうに考えておるところでございます。 それでその具体的な内容でございますが、この委員会のスタディーを開始するに当たりまして米国内で一九九〇年までにロボットの導入によりまして百万人の失業者が生まれるんではないかというような悲観論、あるいは自動車産業で十万人の労働者がロボットによってリプレースされるんではないかというような悲観論があることに対しまして、こういった悲観論を次の四つの要素を挙げまして排除をしておるわけでございます。 その第一は、一九九〇年までに仕事量として全体としてロボットにリプレースされ得るのは上限として一〇%である。現実的には五%を下回るであろうというのが第一でございます。それから第二に、ロボットに仕事をリプレースされるという場合におきましても、その労働者のほとんどは再訓練によって別の仕事に従事し、失業から免れるであろうということ。それから第三は、雇用というのは実質経済成長の結果であって、したがってロボットの生産導入によりまして実質成長が伸びる、これによって雇用に対してはむしろよい影響が出るであろうというファクター。第四が向こう十年間に職業再訓練に最重点を置くべきであるという、この四つの要素を挙げまして悲観的な見方を否定いたしておるわけでございます。それでむしろロボットの導入というのが政策策定者への挑戦という観点で見れば、それは失業問題ではなくて再訓練の問題であるというふうに結論をいたしておるわけでございます。
○田代富士男君 ただいま御説明いただいたとおりに、アメリカにおきましても技術革新への取り組みは真剣ではないかと思うわけでございまして、ロボット導入では先進国でありますわが国の方では、民間のコスト低減のための導入が先行しているのが実情ではないかと思うわけでございますが、ロボット導入など、いわゆるマイクロエレクトロニクス革命は省エネの観点からも必要と思いますが、ただいまも説明の中にございましたとおりに、一方雇用の減少など社会への影響も心配される声が大きいわけでございまして、このような点から政府の総合的な対応が必要ではないかと思いますし、一つ間違ったらこれは大変なことになるんではないかと思いますけれども、こういう点に対しまして通産大臣いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在産業用ロボットは世界の中でわが国が一番進んでおるわけでございます。私たちは、いまの産業用ロボットの役割りというのは、危険な仕事であるとか人のいやがるダーティーワークとか、そういうものを負担をしておりまして、現在では私はいわば人間と産業用ロボットの関係というのは蜜月時代じゃないか、いわば相互補完的な関係にあって、同時に日本の技術革新、産業の発展には大きな貢献をしておる、こういうふうに考えますし、今後ともいま説明をいたしましたようにロボットの経済の活性化に与える影響というものは非常に大きな影響、いい影響が出てくると思うわけですね。それによるところの新しい労働力の創出というのも私は生まれてくるんではないか、こういうふうに思いますし、いまここで言われております雇用への非常に悪い影響ということはいますぐ考えられる事態では私はないのではないかと。ただ、しかしこれから急速な勢いでやはり伸びていくということになれば、雇用問題ということも踏まえてこれは考えていかなきゃならぬ。やはり将来に対して考える必要はある。そういうことで、労働省でも産業用ロボット問題について取り上げられておりますが、通産省におきましてもロボット委員会をつくりまして、こうしたロボットのこれからの産業におけるあり方、あるいはまたロボットとそれから雇用との関係、そういうものをいろいろな角度からいま検討を始めた段階でございます。 全体的に見れば、私は産業用ロボットというものをこれから大きく進めていく。これを進めていくということは、これからの世界経済の発展のためには全体的に見れば必要な課題ではないか、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 ただいま大臣からも、現時点においては人間とロボットとの関係はよい関係にある、経済の活性化によい影響も与えるけれども、雇用の面から言ったならば、現在はさほどではないけれども将来は考えていかなくてはならない段階が来るのではないか、そういう趣旨のお話でございまして、現在労働省あるいは通産省で委員会を設けて、このロボットのあり方、雇用との関係等の検討を始めたところである、こういうお話でございますが、エレクトロニクスを初めとする先端技術の進歩というものは思わぬ速度で進んでおりまして、御承知のとおりに長期ビジョンを考える場合は、この視点を抜いては考えられないと思うわけなんですね。そういう意味で、いまからこの問題を検討するということでございますから、長期的な産業構造に対する通産省の基本的な考え方がなければ、これは進めるわけにいかないと思いますが、その通産省の基本的な考え方がありましたならば、これを再度確認をさしていただきたいと思います。
○政府委員(植田守昭君) 先ほどもお話があっておりましたが、わが国の場合は資源制約という問題もございますので、そういった観点からいいましても技術、特に最近これから非常に発達が予想されておりますエレクトロニクス等を中心とします技術の進歩、これを推し進めていくということの必要性は言うまでもないところでございます。と同時にまた、こういった技術を日本として技術立国という立場から技術を進めていくことが、世界への日本の貢献という観点からもぜひ必要であろうかと思うわけでございますが、そういった視点を踏まえまして今後の産業構造を考えていくという場合には、どうしてもそういった技術を中心とした産業、ここに相当の重点を置いていく。もちろんそうだからといって直ちに素材産業がどうであるというふうに短絡的にはいかないわけでございますが、技術の進歩と同時にタイアップした形での素材産業のあり方というふうなこともあわせて考えることは必要でございますけれども、しかしながら、何と申しましてもこの技術というものがこれからの日本の産業を支えるもとになるものでございますし、同時にまた世界への貢献という観点からもこれをどうしても進めなきゃならない、こういう観点に立ちまして今後の産業改策の推進につきましては、いま御指摘のような点も踏まえまして十分考慮して考えていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
○田代富士男君 じゃ、次に貿易摩擦に質問を移したいと思いますが、経済貿易摩擦は、わが国の市場開放及び農畜産物の残存輸入制限をめぐりまして、さきのECによるガット二十三条提訴に引き続き、米国がガット二十二条に基づいて協議したいとの意向を明らかにしたことから、新しい段階に入ったわけでございますが、新しい段階に入ったからというこのときに当たりまして、わが国の立場としては、日本としては言うべきことは言わなければならないと思います。しかし、それと同時に、いま問題になっております市場開放の責任は果たさねばならないと思いますが、まずこの点いかがでございましょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのように、貿易摩擦は火を噴いておるわけでございますが、そういう情勢の中でいま日本がまさにその目標になっておると言っても過言でないわけです。いまのお話のように、ECも二十三条協議と、それからまあアメリカも農産物については二十二条協議ということになっております。 そういう中で私たちは、ガットというのは、これはまあ世界の貿易の秩序を決める最大の機構であるし、私たちはそのガットに入っておるわけですから、貿易の基本方向というものはガットで決められるのが筋であろうと思いますし、協議を求められればこれに対しては進んでこれを受けて立って、そういう中で私たちが主張すべきことは主張をして公正な結論に持っていかなければならないと、こういうふうに考えております。 しかしまあ、それとともに私たちとしていま市場開放対策を各省間で取りまとめておるわけでありまして、何としても早い時期に結論を出して、世界に対して日本としては言うべきことも言ったけれど、これだけのことはきちっとやったんだという姿勢はやはりここで示しておく必要があると、こういうことで努力をいたしておる最中でございます。
○田代富士男君 ECの提訴理由は、御承知のとおりに日本市場の閉鎖性ということを挙げておりますけれども、ECとしましてもわが国を対象とした輸入制限品目が多いわけでありまして、まあECの言い分というものを聞かなくちゃなりませんが、抽象的な問題点が多くてわかりにくい面があるわけなんでございまして、政府としてこの問題をどのように把握をしていらっしゃるのか、またECに対しましてガット二十三条による逆提訴も辞さないという一部報道がされておりましたけれども、ここらあたりはどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(若杉和夫君) 先生御指摘のとおりECの主張内容といいますか、提訴内容についてはなかなか漠然とした市場閉鎖という、市場の流通問題とかあるいは審理の問題とかいろんな問題がございまして、現在その対応について検討しております。まず分析し、クラリファイし、対応の検討をいたしておりまして、御指摘のような問題がございます。同時にまたわが国としてECに対して従来から対日差別を中心にしてその撤廃はかなりやってきております。不幸にしていまだ現在解決は見ておりませんけれども、継続的に話し合いの場でやっております。 いずれにしましても、先ほど大臣がお答えいたしましたようにガットという場で公正にかつ冷静に、けんかをするわけじゃなくて、話し合いといいますか、クールな話し合いで事をスムーズに運ぶ必要があろうかとも思っております。そういう意味で主張すべきことは主張するということでガット逆提訴ということもそれは検討課題にはしておりますけれども、いま現在まだそれについての結論は出しておりません。かような状況でございます。
○田代富士男君 現在は分析、検討の段階であるということでございますが、ECの二十三条提訴、アメリカの二十二条協議という一連の動きの中で、問題が一層明確化したことだけは事実じゃないかと思います。そういうことから、日本としても相応の措置をとらざるを得ないと思うわけでございますが、聞くところによれば、四月二十六日を目途に政府は新たな市場開放策を固めて、五月上旬ごろには打ち出すということが言われておりますけれども、通産省としてはいかなる策をお考えになっているのか、お答えできる範囲内で結構でございます。
○政府委員(若杉和夫君) 通産省といたしましては各般の面にわたってできるだけ前向きに対応しようということで、たとえて申しますれば、流通問題とかあるいはソーダ灰などのように、向こうの主張では競争力のある商品のアクセス問題についてどう対応するかとかあるいはハイテク関係についてスタディグループといいますか、あるいはワーキンググループといいますか、そういうものをつくって前向きに対応するとかあるいは産業協力を進めていくとかあるいは関税の問題とか、各般の面にわたって通産省としてはもうできる精いっぱいのところをやろうということで現在事務的に作業をいたしておりますが、いま現在まだ最終的な、もちろん各省との関連もございますので、うちだけでまとめ切れる問題じゃありませんで、うちの分担については前向きにできるだけの努力をいたしておりますが、全体との整合性その他をとった案という段階にはまだ至っておりません。
○田代富士男君 先日、ECを代表すると、こう言ってもよいかもわかりませんが、ミッテラン・フランス大統領が日本へおいでになりましたけれども、そして日仏交流も新たな局面を迎えたことは事実でございますが、この際、各種会談が行われましたけれども、その会談を通じまして政府として受けとめられた感触というものは、どういうものを受けとめられたのか、ここらあたり御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ミッテラン大統領の訪日を通じまして、日本とフランスの相互理解というのは相当私は進んだんじゃないかと思います。特にミッテラン大統領と鈴木総理の会談は非常に友好的に行われまして、世界情勢あるいはまた軍縮の問題あるいはまた貿易の問題、世界経済の活性化についての協力の問題、広範にわたりまして議論が行われまして、そしてお互いに相協力して努力するという理解も深まったわけでありますが、私も実は、フランスから貿易大臣あるいは研究開発大臣が見えまして、それぞれ個別に会談もいたしたわけでございます。そういう中で、フランス側としては、いまのECの直面しているところの非常に経済的な困難な事態、フランスも同様に失業等に悩まされておる、そして、日本からの輸出が超過をしておる、こういう事態の中で日本に対する批判が高まっておるので、この際、日本に対しても積極的な市場開放を求めたいということでいろんな問題が提案をされまして、特にフランスと日本との関係では、原子力の再処理等についてのフランスの技術を日本として受け入れてもらいたいとか、あるいはまたフランスで航空機等が非常に発達をしておる、その航空機の購入等についても努力をしてもらいたいとか、さらにまた、農産物の関係であるとかあるいはハイテクの関係等でも日本側の協力を求めるような発言もあったわけでございますが、私たちも日仏関係、日本とECとの関係をさらに発展をさせるためにできるだけのことはいたしましょう、そういうことで目下市場開放については最大の努力をしておる。 同時にまた、日仏関係については、今後ともフランスの製品を輸入するための努力は続けていくし、最近は大型ミッションもフランスに派遣をするといったことも提示もいたしましたし、さらにまた先端技術については、政府間であるいはまた民間でも今後とも密接な関係をとりあって協力を進める。あるいは産業協力もいま非常に進んでおるわけですが、さらに力を入れるように日本の産業界に対してもこれを強く求めるといったようなことにつきまして、広範な面について話し合いをいたしました。私は、フランスとしても日本のそうした自由貿易を守る、同時にまた、世界の活性化に対して日本が努力をしようという姿勢については評価をいたしたと思います。 同時に、私たちもフランスが市場開放を求めると同時に、フランス側に対してもわれわれとしても言い分があるわけでございまして、たとえば対日制限品目はフランスは二十品目持っておるような状況でございますから、日本も市場開放をするけれども、フランス側も日本に対してもっとやはり市場を開放してもらいたい、こういうことも強く要請をいたしたわけでございますが、全体的には今度の訪日、そしていろいろな会談によって日仏関係というものは相当前進をしたのではないだろうか、こういうふうに判断をいたしております。
○田代富士男君 ミッテラン大統領がおいでになられましていろいろ話されたその内容いまお聞かせいただきましたが、大統領が就任された直後から強調されておる中の一つに、フランスの経済危機から抜け出す道は科学技術の推進にあるということを言われておるわけでございまして、その点が訪日された際にも各所に出ていたと思うわけでございます。 技術の重要性を訴えて、今回特に技術協力、科学交流の提案があったようでございますけれども、いま通産大臣も先端技術の問題、産業協力の問題等今後やっていかなくてはならないという、そういうお話でございましたが、これも現在までもやっていらっしゃる面と新たにやる面とがあるかと思いますが、そういう点で現状はどうなっているのか、あるいは今後基本的にどのようにやっていくのか、そこらあたりお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 直接私もミッテラン大統領のお話を聞いたわけでございますが、フランスは先端技術については世界で最もすぐれた国である、また、同時に日本も先端技術については非常にすぐれておる。ただ、基本的にはフランスの場合には基礎科学技術といいますか、日本の場合は応用科学技術といいますか、そういう面がすぐれておるんですね。フランスと日本とは技術協力においてもいわゆる相互補完的な関係にある、だから、これは非常に前向きに取り組んでいける協力関係である、こういうことで特に大統領も日本とフランスとの科学技術協力は前進させたいということで、これは確かにおっしゃるとおりでありまして、われわれとしても全く同じ見解を持つわけで、いま非常にぎすぎすしている状況の中で、こうした科学技術の協力ということで日仏間で前進が見られることは、これは日仏間のみでなくて、やはり世界全体の中にも大きな役割りを果たすことになる、こういうふうに考えております。これはぜひともひとつ進めていかなきゃならない、こういうふうに思っているわけであります。
○田代富士男君 いま大臣からも今後これはより進めていかなくちゃならないということでございますから、お願いをしたいと思いますが、これは民間ベースの交流に対しまして、やはり政府といたしましても支援をしていかなくちゃならないと思いますが、この民間ベースの交流に対してどのように支援されるのか、そこらあたり御説明いただきたいと思います。
○政府委員(若杉和夫君) 民間ベースも逐次技術交流が進んできております。現在懸案中のものでかなり大きな内容のものも三つぐらい出ております。全体としていい方向に動いております。しかし、先生御承知のように民間ベースの問題でございますから、基本は民間ベースの契約でございますけれども、やはりフランスはかなりコントロールといいますか、政府のコントロールの強い国でございまして、日本政府としてもやはりいろんな意味で注文をつけたりあるいは環境の造成に努めたりする必要がある、わりとそういう必要のある国だと思います。 そういう意味でフランスとの間では幸い昨年から産業協力委員会というのを通産省と向こうの産業省と持っておりまして、毎年大体二度会議をやって、そして問題点あるいはさらにあっせんあるいは阻害要因というものの除去とかあるいは現実にいま提携しているもののお互いにクレーム等もありますし、そういうものもできるだけ民間側だけではなかなか処理できない問題もありますので、政府の口をかりるといいますか、そういう場でも建設的、前向きな意味で全体をプッシュする意味で政府としてもこれを側面から支援してきている、かような状況でございます。
○田代富士男君 五月の上旬にパリでOECDの閣僚理事会が開かれることになっておりますが、また、本年六月にはベルサイユ・サミット、また、秋には予定されるガット閣僚会議が行われることになっておりますが、それを前にしても西側経済の調整の重要な場になるのではないかと思いますが、現在の世界的な景気沈滞にあえぐ各国よりさまざまな意見が出されると思いますが、わが国としては何を討議し、提案をする考えであるのか御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 五月十日、十一日とOECDの閣僚理事会が開かれまして、六月の初めには三日間七カ国サミットが開かれますが、私はこの二つの国際会議で議論をされます一番大きな課題は世界経済の再活性化という問題だと思います。 いま世界経済の再活性化を阻んでおる最大のものはアメリカの高金利でありますので、当然この問題が取り上げられるであろうと、このように思います。日本としてもこの問題について発言をするつもりでございます。したがって、日本としてもやはりやるべきことはやっていかなきゃいかぬと、こう思っております。 それから第二点は、先ほど来議論になっております自由貿易体制をどう守っていくか、保護貿易的な傾向をどう排除するかということでございまして、わが国が貿易立国として今後やっていきますためにはどうしてもこの自由貿易体制の維持、拡大ということが前提条件になりますので、日本としてはやはりこの市場の開放体制、これを積極的に整備する必要があろうと思います。まあ日本としても言い分はあるわけでありますが、しかしながら大局的な見地に立ってやはりこれに対応する必要があろうかと思うのです。できるだけこの市場の開放体制を政府部内でまとめていきたいと、こう思っておりまして、いま鋭意作業をしておる最中でございます。
○田代富士男君 経企庁長官から、まず第一番目に大事なことは世界経済の再活性化を図ることであるし、また自由貿易体制を守っていかなくてはならないと、そして経済の活性化を図らねばならないということでございますが、国連の事務局で発表されたことがいま報道されておりますが、それによりますと、一九三〇年以来の大幅な景気後退に見舞われる可能性がある、こういうようなことが発表されておるわけでございます。こういうことを考えますと、一九三〇年以来の大不況がやってくるということに対しまして、いま申されたことも大事でございますが、もっと何らかの具体的な面の討議も必要ではないかと思うのですけれども、国連事務局のこの発表の内容とあわせていかがでございましょうか。 また、来月の中旬には日本、アメリカ、カナダ、ECの通商問題を話し合う三極通商会議にこれは通産大臣が御出席でブラッセルで行われるかと思いますけれども、これにも何らかの形で臨んでいかなくてはなりませんけれども、この点経企庁長官と通産大臣御両人からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 世界経済の現状をどう見るかということでありますが、やはりいま非常に深刻な状態になっておるということは、これは事実であろうと思います。何しろOECD全体の失業者が三千万人に達しておるということでありまして、第一次石油危機の始まる前は失業者は約一千万であったわけでありますが、それがだんだんとふえて三倍になっておるということであります。失業者が二けたの国も相当たくさんございまして、そのために先進工業国の政権が全部根底から揺らいでおるという現状でございます。現時点をもうすでに第二次大戦後最悪の状態であると判断をする人もございますし、いやもうそれどころではない、現時点は一九三〇年以来の最悪の状態であると、こういうように判断をする人もございます。いまのお話は、これからさらに深刻になって一九三〇年前後の状態になるであろうという議論が最近になりまして出ておりますが、まあ戦後最悪か五十年ぶりの最悪かは、これは別といたしましていずれにしても非常に深刻な状態になっておることは事実でございます。 そこで、それじゃ一体どうすれば世界経済はよくなるかということでありますけれども、最も有効な手段はやはりアメリカの高金利を直してもらうということだと思うのです。これが私はもう最大の課題でないかと思います。まずアメリカの高金利を是正してもらえば私はそれだけで世界の経済は相当よくなるであろうと、このように思います。 それから、やはり第二次石油危機の影響がいま深刻に覆っておるからこういうことになっておるわけでございますが、いずれこの第二次石油危機の影響は、ことしの年末、後半ということが多少おくれましても来年じゅうにはある程度調整されるのではないかと思いますが、別にやはり第三次石油危機の危険性というものが出ておりますので、現在の時点の最大の課題は、現在の混乱を一刻も早く収拾することと、それから第三次石油危機を起こさないためには一体どうしたらいいかと、こういう課題がこれからの議論の中心になるのではなかろうか、こう思っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 来月の十二、十三日、OECDの閣僚会議が終わった直後でありますが、ぜひその三極会談を開きたいと、これはEC側から実は要請が出まして、アメリカ側がそれをもうすでに了承しておるわけですが、私に対してもぜひとも出席をしてほしいという強い要請が来ております。 ちょうど国会中でもございますし、OECDでいまお話しのように世界全体の経済のあり方等についても議論がされるわけでございますから、まあどういうものかなあと実は思っておるわけですが、しかし非常にアメリカもECも強く私の出席を求めております。どういう意図かそれのところまでは明確にはわかりませんが、しかし恐らく現在の世界貿易の実態というものについて、実情というものについて意見の交換を重ねて行いたいということと、それから日本がいまやろうとしております市場開放対策を詳細に説明を聞きたい、日本がどれだけ誠意を持ってやっておるか、こういうことについて日本の努力を見たいということではないか、こういうふうに思っております。 私はもちろん国会のお許しを得て出るようなことになれば、先ほどからもお話がありましたように日本として言うべきことも言わなきゃならぬと思いますが、同時に、日本がそれまでの間には大体の方針が決まるでしょうから、日本の市場開放対策についてぎりぎりここまでやれたんだ、これは精いっぱいの努力、誠意を持ってやったんだということで詳細に説明をして、そしてまあこの辺でやはり貿易摩擦というものはそろそろ収束の方向へ向けていかなきゃならぬという一つの合意といいますか、そして自由貿易を今後とも守っていこう、そういうふうな合意を取りつけられればいいがなあと、その辺のところに大体問題点が集中するんじゃないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田代富士男君 私の質問の時間が参ったようでございますから、最後の質問になりますが、いま問題になっております経済摩擦解消のために政府としても市場開放の推進などさまざまな策を講じておられる段階でございますが、なかなか効果的なものになっていないのが実情ではないかと思います。これは御承知のとおりだと思いますが、また今後いままで表面にあらわれた自動車とかあるいは電気製品、農畜産物その他にも摩擦が懸念される物がふえてくることも想定されるのではないかと心配しているわけでございますけれども、個別の品目とかあるいは個別の国に関しての対症療法的な取り組みだけでなくして、いまも経企庁長官もお話しになっていらっしゃいましたけれども、より幅広いこれは世界的な立場から世界戦略が必要になってくるんじゃないかと思うわけでございまして、そういうところからサミットの前にいろいろな大事な会合がございますけれども、それを踏まえて六月のベルサイユ・サミットに臨まねばなりませんし、そういう立場から、このサミットに臨む政府としてのお考えを、現段階で発表できる範囲内で結構ですが、お聞かせいただいたらと思う次第でございます。 それから通産大臣には、先日、大森さんと対談をしていらっしゃるテレビを私は、あれは夜中でございましたけれども、ぱっと入れたら対談をなさっていらっしゃる。そのときにいろいろお話ししていらっしゃったのですが、世界の一〇%の経済カバーをやっているわが国であるから、少しくらいのハンディを出すぐらいの立場でやっていかなくてはならないと、こういうようなお話をなさっていらっしゃいましたが、これは少しぐらいのハンディという意味はわからないわけではありませんけれども、通産大臣のこの中身ですね、どの程度か。これは聞く人によればきっとくる問題じゃないかと思いますけれども、ここらあたりいろいろなお考えを持っていらっしゃるお方も視聴者の中にはありますから、それを整理する意味において私は代表で質問いたします。よろしくお願いします。
○国務大臣(河本敏夫君) サミットにつきましては、どのような議題を取り上げるかということにつきましては、準備会議がこれまで開かれましたが、なお後引き続いて開かれることになっております。いままでのところは、まだ最終的に議題は煮詰まっておりません。しかし、サミット最大の課題は、世界経済の再活性化、それから自由貿易体制をどう守っていくか、こういうことが中心でなかろうかと、こう思います。 これまでの会議ですと、そのほかに通貨政策をどうするか、金融政策をどうするか、エネルギー政策をどうするか、南北問題をどうするかと、こういうことも当然議論になったわけでありますが、そういうこともあるいは取り上げられるかもわかりません、これまでのような議題が追加されるかもわかりませんが、中心は先ほど申し上げました二つの問題が中心になるのではなかろうか、こう思っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま経済摩擦で非常に火が燃え上がっておりまして、この中で日本がその攻撃の焦点になっておる。このままでいくと保護主義というものが世界じゅうに台頭して、そして非常に不幸な事態になってくるし、そうなれば自由貿易を中心とするところの日本の発展というものももう重大な影響が及んでくることは事実ですから、われわれとしてはどうしても自由貿易を貫いていかなきゃならない。それにはいろいろとお互いに言い分はあります。日本だって、アメリカに対しても、ECに対しても言い分があるわけで、言われっ放しというのはおかしい話なんですが、議論もしておるわけですが、しかし、現実の問題として、日本が貿易戦争に勝っていることは事実なんで、ですから、こういう際にはやはり日本として自由貿易を守っていくためにある程度のハンディを背負ってでもこれに対処していかなきゃならぬ。私はそれでも日本はそれを乗り切って今後勝ち抜いていくだけの力は持っていると、こういうふうに思うわけで、私がハンディを出してでもと言っているのは、これは現実的には、たとえば具体的には自動車にしても日本は外国からの自動車輸入に対しては関税ゼロ、部品についてもゼロです。ところがアメリカその他については関税を取られておる、日本車の輸出は関税を取られておる上に自主規制をしている。日本の自動車なんかむしろまさにハンディを出していまやって、それでも勝ち抜いておるわけですが、その他先端技術の問題とか工業製品等でもそろそろそれぐらいの覚悟でこれはやるべきじゃないだろうかというふうに私は考えておるわけで、それをやっても日本は完全に勝ち抜いていくことができる。やれないものはとうていやれないわけですけれども、しかし通産省関係の分野では相当われわれは強くなっておりますから、この貿易摩擦を静める上においてある程度のやっぱりハンディを出してでもやれるものがあればやるべきじゃないか、こういう私の積極的な、何とかこの貿易摩擦を収束させなきゃならぬ、それには何といっても通産省の分野で旗を振っていかなきゃならぬ、こういう気持ちを持っているものですから、その気持ちをそういう言葉でにじみ出したと、こういうことであります。
○市川正一君 まず、四月一日、五十七年度予算案の委嘱審査の際に、私は本委員会において昨今社会問題化しております金問題、東京金取引所の設置に伴うところの取引員の選定で何人かの政治家が暗躍したことを取り上げました。特に取引員のエース交易、大倉商事、これについてどの政治家が通産省に取引員として選定を働きかけたか調査するよう要求し、植田審議官もこれを約束されました。まず調査結果について伺います。
○政府委員(植田守昭君) その件につきましては前回もお答えしたとおりでございまして、金の市場の開設に伴いまして商品取引員の許可、その際に問い合わせあるいは質問があったことは事実でございます。 ただ、それにつきましてはそれぞれ問い合わせを受けた者は私の場合もありますしあるいは担当者の場合もございますし、いろいろあるわけでございますが、電話等で問い合わせを受けました場合にはそれぞれこの許可の基準なり考え方につきまして御説明いたしまして御了解を得たわけでございます。通常の問い合わせと同様、そういったものにつきまして私ども特にまとめて記録に残しておるとかそういうふうな整理をしておりませんが、そういった意味での問い合わせがあったことは事実でございます。ただ、ただいまお尋ねの個々のケースにつきましては、私どもといたしましても全体の整理もできておりませんと同時に、個々の問題につきましてはだれがどの企業にどういうことで問い合わせたかというふうなことにつきましては、答弁を差し控えさしていただきたいということでございます。
○市川正一君 問い合わせがあったという、あるいは電話でいろいろ照会があったと、これはお認めになっているわけですが、たとえば私どもが伺っている政治家の中には中村重光議員という名前も聞いておりますけれども、そのほかどういう方がございましたのか、あなた御自身にも電話があったそうですから聞かしていただきたい。
○政府委員(植田守昭君) 全体としてどうであったか、私も十分把握しておりませんが、個別具体的な名前につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○市川正一君 問題がないならば明らかにされていいと思うのですが、どうして言われないのか。 そこで、角度を変えて伺いますけれども、東京貴金属地金協同組合というのが東京都中央区日本橋茅場町一の四の五にありますが、これはどういう業者の集まりですか。
○政府委員(植田守昭君) ただいま御指摘の東京貴金属地金協同組合でございますが、私がこれにつきまして説明を受けているところを申し上げますと、この協同組合は五十三年の七月に東京都の認可を受けた協同組合ということでございますが、その後五十五年の三月に解散いたしまして現在は存在しないというふうに聞いております。
○市川正一君 ここにも謄本がありますけれども、この東京貴金属地金協同組合というのは、東京金属地金市場という市場でありますが、金の先物取引のブラックマーケットを開設していた業者の集まりであります。御存じだと思います。この東京金属地金市場に加盟していた十七社の会社名について通産省は当然御承知だと思いますが、御存じですな。
○政府委員(植田守昭君) いま正確に十七社かどうか私はあれでございますが、その程度の企業が属しておったということは聞いております。
○市川正一君 その中に、念のために確かめておきますが、雪印商事というのが入っていたはずでありますが、御存じですね。
○政府委員(植田守昭君) 組合員の中にそういった名称の企業があったようでございます。
○市川正一君 ここに、東京金属地金市場の加盟店の照会の、いわゆる名簿があります。この中に、トップに雪印商事株式会社がございます。ですから、確認をしておきたい。 さて、話を戻しますが、東京貴金属地金協同組合は、協同組合でありながら協同組合自体としても金の先物取引に手を出す。そのために協同組合法に違反して株式会社東京貴金属代行という会社をつくって金の売買、先物取引に手をつけておりました。そこで、これは協同組合法違反で東京都知事から五十五年の三月に解散を命ぜられている。先ほど御記憶あったと、思い出していただいたと思いますが、そういう協同組合ではないでしょうか。いかがでしょう。
○政府委員(植田守昭君) この協同組合につきましては、東京都から解散命令が出されたか、出すべく準備中であったか、そこが私十分いまつまびらかでございませんが、いずれにしましても、この組合が東京金属取引市場なるものを開設いたしましていわゆる金の私設市場といたしまして一般委託者にも被害を与えていたようでございまして、そういったことから昭和五十五年三月に解散決議を行っているというふうに聞いております。
○市川正一君 協同組合法の五条に違反するものとして都知事から五十五年の三月に解散を命ぜられています。 そこで、この東京貴金属地金協同組合が中心になって行った東京金属地金市場、いわゆるブラックマーケットでありますが、ここの加盟業者との金の先物取引で通産省に対して被害の届け出は相当数に上っていたはずであります。東京金属地金市場というのはこういう事実から見てきわめて悪質なブラックマーケットだというふうに思うが、いかが認識されていますか。
○政府委員(植田守昭君) 東京金属取引市場につきましては、いわゆる金のブラックマーケットの一つといたしまして紛議がかなり多発しておったというふうに聞いております。
○市川正一君 事実、通産省に対しても被害の届け出はございましたか。
○政府委員(植田守昭君) 私いま手元にそういった資料を持ち合わしておりませんが、もし、この市場でかなりの紛議が多発しておったとすれば、そのうちの何がしかが私どもの方へも相談なり何なりに来ていたであろうということが想像できますが、私いまそれにつきましての詳しいデータは持ち合わしておりません。
○市川正一君 かなりの数被害の届け出が、またいろいろの相談が通産省に寄せられています。 では、この東京貴金属地金協同組合また東京金属地金市場の理事長、さらには株式会社東京貴金属代行の代表取締役はだれだったんですか。
○政府委員(植田守昭君) この理事長につきましては舘野整志という人が理事長であったというふうに承知しております。それから代行会社につきましては私の方でちょっといま明確なことがわかりかねます。
○市川正一君 私どもの調査では、いずれも舘野整志、同氏であります。 ところで、こういうブラックマーケットの業者は、今度公設の東京金取引所が設置され国内の金先物取引市場から締め出された結果、香港などの国際市場、あるいは国内ではプラチナ、そういう先物取引に進出して新たに一般消費者の被害を続出さしていたという事態が引き起こされていると思いますがいかがでしょうか。
○政府委員(植田守昭君) 金の政令指定を行いまして新たに東京金市場を発足さしたわけでございますが、この新たなる金市場の創設の目的といたしましては、一つには金の取り扱い量が非常にふえてきましたことを踏まえまして、その価格の公正な形成あるいはリスクをヘッジするというふうな取引所の機能をこれに期待するということと、もう一つは、御指摘のような金にまつわるいわゆるブラックマーケットを、むしろ正式なと申しますか政令指定した上での取引所を発足させましてブラックマーケットを防止するという目的があったわけでございます。こうしたことで先般発足したわけでございますが、金につきましてはそういうことで発足いたしましたが、時折いま御指摘のような他の物資につきまして問題が起こってきているんではないかというふうな御指摘も受けることがございます。 ただ私どもといたしましては、やはりブラックマーケットの状況が今度の金の正式な取引所の発足によりまして、かなりその点についてはその限りにおいて是正への効果を持ったんではないかというふうに思っているわけでございますが、それ以外につきましての問題につきましても、今後とも十分注視していかなければならないだろうというふうに思います。 それから、もう一つの御指摘の点でございますが、海外への問題としてまたいろいろと問題が出ているのではないかという点でございますが、この点につきましてもこの一、二年そういった問題が出ていることは事実でございまして、私どもといたしましてもこれについての対応策ということをかねてから考えてきたわけでございますが、最近に至りまして一応その考えをまとめまして法案という形で実は御審議を願うべく提案さしていただいたというのが最近の状況になっているわけでございます。
○市川正一君 問題は、こういうブラックマーケットの悪徳業者が生き残っていくために政治家へのいわゆる政治献金そして政界工作、こういうのを行っているという点であります。 ここで安倍通産大臣にお伺いいたしますが、あなたの秘書に大塚省三という方がおられる。そしてこの方が会計責任者をなさっておる政治団体に新政研究会というのがございますね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私の後援会の事務をとっております。
○市川正一君 後援会の事務、そして新政研究会という政治団体の会計責任者でもございますですね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 新政研究会はっきり覚えておりませんけれども、私の後援会でいまお調べになったと思いますから、お調べになったらそれはそのとおりだと思います。
○市川正一君 この新政研究会はいまずっと申し上げた金のブラックマーケットの業者から政治献金を受けているのではございませんでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) その辺は私よく承知しておりません。
○市川正一君 それは困るんですね。間違いなく受けているわけでありますが、委員長大臣に領収書をちょっと見ていただきたいのですが。(資料を手渡す)私ここにいまお渡ししました新政研究会の領収書の写しを持ってまいりました。先ほどから指摘してまいりましたブラックマーケット、東京金属地金市場のブラック業者の一つ、先ほども確認いたしました雪印商事です。新政研究会が雪印商事あてに昭和五十四年八月三日に四十万円の領収書を出しております。これはブラック業界からの献金の一部であります。私どもの調査によると、当時あなたの方へ献金をしたブラック業者をいろいろ調べましたところ、メイワ興商、日本興財、東京交易、アサヒゴールド、第一物産、ゴルコンダなど十社で、それぞれ四十万円ずつ合計四百万円出したということであります。大塚秘書も四百万円受け取ったと認めているんです。私は知らないとおっしゃったけれども、仮にも金のブラックマーケットの先物取引を規制し被害者の救済に当たる最高責任者でもある通産大臣がブラック業者から多額の献金を受けていたという事実はまことに重大だと思います。私ここに幾つか新聞を持ってまいりましたが、退職金を根こそぎ取られた、自殺者も出る、そういう被害が続出している今日の事態、これでは被害者は救われぬと思うのですが、大臣、ここに大塚秘書の名刺も添えてありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま初めてお聞きするわけなんですが、昭和五十四年でこれは確かに正式な届け出をしておるわけですから、新政研究会というのは私の後援会の一つであります。したがって、当時正式な政治献金を受けたことは間違いないと思います。
○市川正一君 さらに不可解なことは、大臣の政治資金を調べてみますと、雪印商事からのこの献金は出てないのです。先ほど確認いたしましたブラックマーケットの理事長である舘野整志、同氏からくしくも雪印商事の領収書と同じ日付、すなわち昭和五十四年八月三日付で新政研究会が百二十万円受け取ったということに届けられております。そうしますと、残りの二百八十万円は一体どこへ行ったのか、そしてまたこの雪印を含めて全体の明細は一体どうなっているのかという実態について大臣責任を持って調査して報告していただきたい、明らかにしていただきたい、いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私、この雪印とかいまいろいろお話がありましたような人は全然知りません。それははっきり申し上げますが、しかし私の後援会の責任者が政治献金を受けたとすれば、それは届け出その他はきちっとやっているのじゃないか、こういうように考えております。しかし実態の方は全く私初めてお聞きするわけですね。内容についてはもう全く初めてのことですから、またそういう会社は私自身が承知しておりませんので一応調べてみたいと思います。
○市川正一君 お調べいただけますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 調べてみたいと思います。
○市川正一君 さらに私伺いたいのですが、この献金がどういうところから出てきているかと申しますと、ブラックマーケットにブラック業者が持っている口座から引き落とされたものであります。言うならばまさにダイレクトにブラック業者に吸い上げられた一般顧客あるいは被害者の手数料が原資になっているものであります。私、大臣初めてだと、こうおっしゃいますけれども、これは後でさらに確かめたい問題があるんですが、大臣としてこういう金を献金として受け取っていたということについては今日通産大臣としてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 実態がわかりませんから何も申し上げようがないわけですけれども、またそれらの会社を私は個人的に知っているわけじゃないですからここではっきりした返事は申し上げられませんけれども、私が政治活動をする上においていろいろな団体とかあるいは会社から政治献金を受ける、そしてそれはそれなりに届け出をしておるということはやっておるわけですから、ただそういう会社がいろいろの問題を起こしておるということになりますと大変その点は後援会の方が、何といいますか、少し行き過ぎたといいますか、少しあさはかじゃなかったかと、こういうふうに思います。
○市川正一君 私は、一般的な政治献金の話じゃないのですよ。このブラックマーケットのブラック業者ですね、これが生き残るためにいろいろ被害者に損害を与えている、自殺者も出ている。そういうような業者から金をもらって、その当時通産大臣は確かに政調会長でした。しかし今日、通産大臣としてこういうような金を受け取って、じくじたるものが何らないと、こうおっしゃっるんですか、あさはかという言葉はいま伺いましたけれども。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私自身が知って受け取ったとすればそれはそれなりの問題だと思いますけれども、実際、いま初めてお聞きしまして、私自身がそれを関知しておるわけじゃないのですけれども、しかし、私の後援会であることはこれは事実ですから、そういう意味で、こうした会社がいろいろと問題を起こしたということになれば、それなりに受け取ったことに対して、別にこれがどういう形で受け取ったということについては私何も承知しておりませんが、少し後援会として、いま申し上げましたように、行き過ぎたことをしたんじゃないかなと、こういうふうな感じをいま率直に持っておりますから言っただけのことであります。
○市川正一君 大臣は知らぬ知らぬ、こうおっしゃるんですが、じゃ伺いますが、あなたは萩保二という人物、御存じですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 知りません。
○市川正一君 そうなると話がますますおかしくなるんですが、あなたの秘書の先ほどの大塚省三氏は、この萩保二氏とは非常に親しい間柄、また大塚秘書は、萩氏は安倍さんとも親しい、こう語っております。この萩という人物はブラック業者の一つである日本興財の取締役を五十七年の一月三十日までやっていた人物であります。そして、先ほどの問題になった協同組合の専務理事として、実質的にはブラック業界を取り仕切り、また政界とのパイプ役を果たしてきた人物でもあります。またこのあなたへの政治献金も萩保二が業界に提案して行ったものであります。――首を横に振っていらっしゃるけれども、大臣本当なんですよ。いま縦に振らていますけれども。 それで、さらに付言いたしますと、この萩は日本興財にいた当時、ある顧客に対して八千五百三十キログラムという手振りを行って約十六億円、十六億円もの損害を与えようとした人物でもあります。私、その当時の市場原簿もここにございます。この萩の政治献金の目的はブラック業者の生き残りにあるわけでありますが、実は、政治献金だけでは不十分だということで、昭和五十四年九月六日、ヒルトンホテルで「安倍晋太郎先生を囲む朝食会」というのを彼が主催して開いているんです。私、ホテル側も調べましたが、間違いないことを確認しています。また、出席者から通産大臣、当時は政調会長でありますが、出席したことも確認しております。それで、萩保二ももちろん出ております。これは間違いないでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いろいろの会合にずっと出ておりますから、いま指摘をいただきましたが、陳情したいと、こういうことでそういう会合にも出たことを記憶しております。
○市川正一君 そのときに主催しておりました萩保二にお会いになっているわけでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは会ったと思いますが、私は別にここで何もうそを言う必要はないわけですから、そういうことをまたすべきじゃないと思いますし、全然本人については全く私は知りません。初めてあそこで会ったのじゃないかと思います。
○市川正一君 じゃ、この萩保二にかかわる問題で一、二ただしたいのでありますが、彼は公設の東京金取引所の会員になっている利興貴金属株式会社の取締役でもあります。ところがこの利興貴金属の住所は同じく東京金取引所の会員である利昌金舗と同じ住所なんですね。調べてみるとこれは全くの幽霊企業です。利昌金舗に確かめますと、この利興貴金属に頼まれて本店の場所を貸しているだけであって電話一本もないのです。そして萩保二から郵便物が来たら新宿にある日本興財に回してくれ、こう頼まれているというのですね。事務所もない、電話すらない、こういう利興貴金属がどうして東京金取引所の会員になれたんですか。しかも、ブラック業界の役員をしてきた萩保二がこの取締役に入っておるわけなんです。これは東京金取引所の定款に照らしても明らかにおかしいと思うのですが、通産省はいかがでしょうか。
○政府委員(植田守昭君) 取引所の会員につきましては、取引所自体の実質的な組織でございます資格審査委員会というものが結成されまして、この資格審査委員会で審査し、決定されましたメンバーが理事会の議を経て会員になるという仕組みと申しますか、やり方で定款に定められているわけでございます。そういうことで、今回の金の取引所の会員、百社を超えますが、会員が選ばれたわけでございまして、これは東京金取引所の資格審査委員会並びにそれを経た上での理事会の決定によって選ばれているものでございます。その場合定款におきましては、過去にいわゆる金の先物取引等々におきまして、「一般投資家との間で紛議を多発させる等」の取引を行った者でないこと、ということになっておりますので、そういった定款の条文に照らしてこの審査委員会が決定するという方式になっているわけでございます。
○市川正一君 もっと責任ある御答弁をいただきたいのでありますが、なぜそういう人物、またそういう企業が会員になれたのか。私、通産省からもらった東京金取引所の会員名薄、これを見ましても、利興貴金属は、その下にある利昌金舗と全く同じ住所なんですね。そして電話番号のところは空白、空欄なんです。これ見ただけでもおかしいということは一目でわかるんです。ですから、まじめに金取引所の活動をやろうという業者の人々はこういう悪徳業者が入ってきているということから非常な不信を持っています。そして結局これは安倍さんや秘書の大塚氏と親しいからだと、いろんな疑惑が広がっているんです。 私はこの際、大臣に率直に申したい、こういういろんな疑惑がせっかく新たに発足した金取引所、そして被害がいろいろ続出しているこの中で、世間が、国民が注目しているわけでありますが、この際襟を正す上からも東京金取引所に対して、いま審議官が言いましたけれども、定款の第二章の「会員たる資格」上からいって利興貴金属、あなた方が直接選ぶわけじゃないけれども、しかしこれは通産省の認可事項です。しかるべき指導をなさるのが当然だと思いますが、どうでしょう。
○政府委員(植田守昭君) 先ほども申しましたように、この会員の選定につきましては取引所の中の審査委員会と理事会が決定するわけでございまして、直接いま御指摘のございましたように私どもが許可するとか私どもが選ぶとかいうことではないわけでございますけれども、私どもがこの取引所を監督し指導している立場にございますので、ただいまの件につきましては私も今回聞いたわけでございまして、その中身につきましてはなお十分知悉していない点がございますけれども、そういった点がもし事実であるとすれば、その件につきましてはよく調べまして、必要に応じて取引所の方とも話し合ってみたいというふうに思います。
○市川正一君 いまのは意のある答弁として理解いたします。 そこで、先ほどの朝食会に戻りますけれども、大臣、参加者の話によりますと、あなたはその朝食会で協力をしましょうと言って帰られたということですが、御記憶ございませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 前のことでして、いろいろと陳情とか要請はもう毎日のように受けておりましたから、どういう問題で話したのかはっきり記憶しておりませんが、協力しましょうと言ったかどうか、その点も確かでないです。
○市川正一君 客観的に見ると、まさにその協力の効果が上がっていると言わざるを得ぬのであります。それだけではないのです。その後の経過を見ると、政府のブラックマーケットに対する対応にきわめて不可解な点が少なくないのです。 第一に、商品取引所法の第八条の解釈が急変したことでございます。周知のように、同法の八条について政府は、従来政令指定の上場商品だけでなく、非上場商品についても、すなわち、あらゆる商品について集団的な先物取引を一般的に禁止してまいりました。ところが昭和五十五年四月、内閣法制局第一部長の回答で、第八条は政令指定商品以外の物品について先物市場開設を禁止していないとする、まさに百八十度の転換した解釈が打ち出されています。つまり、問題のブラック市場が違法でないということを、被害者が続出しているまさにそのときにわざわざ打ち出すという奇怪なことが起こっております。 そしてその後、金は政令指定商品になりましたけれども、要するにブラック市場、ブラック業者を認知するという方向に事態が進み、その結果、実際に銀だとかプラチナだとかそういうブラック市場による被害が広がっているわけです。しかもその背後で有力政治家に政治献金が行われているということになれば、まさにこれは重大なつながりを持っていると、こう言わざるを得ぬと思うのですが、大臣はどうお考えでしょうか。
○政府委員(植田守昭君) ただいまの商品取引所法の八条の解釈の問題でございますが、これにつきましては昭和二十六年、当時の法務府意見が出ておりまして、非上場商品につきましてもこの法律は類似施設の開設を禁止しているという解釈が行われていたことは事実でございます。 しかしながら、その後三十年ほど経過いたしまして、直接のきっかけといたしましては私ども内閣の方へ質問主意書が出されまして、これに対する答弁を私どもが作成したわけでございますが、何分にも当時から三十年を経過いたしましてその間の経済状況、取引実態等も大きく変わってきていることでもございますし、改めて政府部内で法制局とも検討いたしまして、その結果、法律の趣旨、目的等からいたしまして、法律に言います商品という概念はこの法律の政令で指定された商品を意味するものであるということが法律の目的あるいは文理解釈その他からそう解釈するのが至当であるということで内閣法制局での解釈といたしましてそういう解釈が出されたわけでございます。 したがいまして、御指摘ではございますけれども、この解釈の変更につきましてはその後のいろいろないわゆるブラックマーケット問題とかそういったこととの間には関係はないわけでございまして、直接のきっかけは、先ほど申しましたように質問主意書が出されましてそれへの回答ということで改めて政府部内でも十分検討した上での解釈の変更でございまして、その間には全く関係がないということは申し上げたいところでございます。
○市川正一君 私は、その経緯と解釈については同意いたしません。 もう一点これに類することで私は伺いたいのでありますが、先ほどもお話がございましたが、金の公設市場ができた結果、今度は国際取引での被害が続出している。そして通産、農水両省に届け出があったものだけでも四百件以上、被害額が十五億に上っている、こう言われています。これを規制するために規制法案を今国会に提出する予定だ、こういうお話がございましたが、きょうの閣議で法案が決定されたと私聞いておりますが、大臣、間違いはございませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 持ち回り閣議で決定をいたしました。
○市川正一君 問題はその法案の中身であります。 私は、その法案の原案と最終案をここに持っておるんでありますが、原案では外国商品市場というのが、海外商品市場というふうに名称が変わりました。 しかし、もっと内容的に重大な違いがあるんです。ちょっと委員長、大臣に見ていただきたいのですが、(資料を手渡す)ここにその法案がありまして、けい紙の方が原案で、そして原稿用紙の升目に書かれたものが最終案というふうに私理解しておりますが、間違いないかちょっと確認をいただきたい。
○政府委員(植田守昭君) 十分調べてみませんと確実なことは申し上げかねますが、御承知のように、私どもが法案を作成する過程におきましては事務的な案と申しますか、そういったものがたくさん次々に出てきますので、恐らくそのうちの途中段階の一つではないかと思うのでございますが、私も正直申しましてそれら次々に書きかえられるものを一々実はチェックできない、それほど頻繁に案が書きかえられるわけでございますので、いまのここで正確にこれがどの段階の第何次案とかということを申し上げることはできませんが、恐らく途中段階における一つのペーパーではないかと思います。
○市川正一君 いずれにしても、たとえば原案の方は通産省の便せんに書いてあります。それであえて大臣に見ていただいたのは、その第四条です。原案といいますか、第何次案かは存じませんが、そこで第四条に契約の解除という条項がもとあったんですね。そして、この一項一号の中で七日間は契約解除しても違約金などを取られないといういわゆるクーリングオフが規定されております。ところが、最終案の方を見るとこのクーリングオフが全くなくなっております。ここで救われるのは一体だれなのか。これは結局国内のブラック業者から国際市場に進出したブラック業者がこのクーリングオフをなくしたことによって救われるということは明白であります。ですから、私はこういう経緯が第何次案かそれは存じませんが、結局最終案では消えていっているということは、まさかブラック業界からの献金が効いたというふうには思いたくはありませんが、もしそうでないとするならば、やはり国内取引、国際取引両面でもっと規制を強化する必要がある、こういうふうに思いますし、また通産省としてはこういう被害届が出ている国際取引、ブラック業者の企業名をいまだに公表しようとしておりません。 〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕 私は、被害を未然に防止するためにも悪徳企業名をこの際公表すべきであると思いますが、この点伺いたい。
○政府委員(植田守昭君) ただいまのペーパーが、いわゆるクーリングオフの規定ということでございますので私も記憶が戻ってまいりましたが、これはごく初期における事務レベルで一時、行為規制をすべて書き上げてみたらどんなになるかというふうなことで、たとえば訪問販売法のような規定をそのまま引き写した形でつくった時期があったと記憶しております。 ただ、これにつきましては、私は一言聞いただけでこれはむずかしい、それは恐らくできないだろうということを言下に申し上げたわけでございますが、と申しますのは、この行為規制という考え方そのものは訪問販売法にすでにあるわけでございます。そして、訪問販売法にはクーリングオフの規定があるわけでございますが、御承知のようにこの商品相場というのはきわめて相場のフラクチエーションの激しいものでございまして、四日なり一週間たって契約を解除するというふうな規定はとうていなじみがたいのでございます。これが通常の販売とは全く違う点でございまして、そういう点から私はこの話を若い事務官から聞きましたときに、直ちにそれは無理であろうという反応を示したのでございますが、そういったことがさらにその後法制局等との検討も経て現在の法案ができたわけでございますが、私はそういう意味でこれは事務的あるいは立法的にもあるいはまた政策論的にも非常にむずかしい問題であるというふうに初めから思っておりまして、このこととただいまお言葉ではございますけれども、何か理由があってこれが消えたのではないかというふうなことは、全くそういうことではございませんので、申し上げたいと思うわけでございます。 〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕
○市川正一君 いまの点について、私は訪問販売、営業所以外のところで契約書を交わしたという後に取引員から契約解除ができるんだという規定は、決してこれは不当なもんじゃないというふうに思います。 これは議論の違うところでありますから何しますが、大臣、朝飯会の話、それから大塚秘書の話、そうした等々の問題について大臣としての政治姿勢、政治倫理に対する信念の問題が問われていると思いますが、以上の議論を通じての所見と決意のほどを承ります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も政治家でございますから、いろんなところから正式な政治献金は受けております。それは届け出ておるわけでありますから、こういう形ではっきりするわけですが、しかし、いまお話のように、政治献金を受けたからといってそれでもって何か金の取引所の会員に私が特に何か無理やりに押し込んだとか、何か政策の変更をやったとかあるいはまたこの法律で作為的に何かしたんじゃないか、こういうふうないま御発言でございますが、全く迷惑至極の話であります。そういう関係は全くありませんから、それははっきり申し上げておきます。
○市川正一君 そうしますと、いずれにしても朝飯会に出たこと、それから萩とは全く面識がなかったということはそうでなかったという一連のことだけはひとつ明確にして、私どもはなお多くの問題を持っていますから、引き続き明確にしていきたいというふうに思います。 私、時間の関係で次の問題に入りますが、ナミレイ事件であります。これは高砂熱学あるいは殖産住宅に続いて通産省所管の財団法人である電気絶縁物処理協会までがPCBの焼却炉の売り込みをめぐって七千万円もの迷惑料を支払わされたということが報道されておりますが、この点、事実関係について通産省からまず伺います。
○政府委員(石井賢吾君) お答えいたします。 財団法人電気絶縁物処理協会は電気PCBの処理実験を推進すべく四十八年に設立されたわけでございますが、これには幾つかの燃焼方式がございます。しかし、五十二年から五十三年にかけまして同協会の理事会及び破砕燃焼技術調査検討会、こういうものを設置いたしまして、実験方法等の検討を行ったわけでございます。この検討の過程におきましてナミレイ社がこの破砕燃焼方式による実験を考えておりましたので、同社の焼却炉の設計図面の変更等がこの理事会あるいは検討会の検討結果を受けまして行われたわけでございます。 さらに、完成後の同社の炉の改造等も行われ、その結果塩化ビニールによる燃焼実験が行われたわけでございます。 こういうような協会の検討と並行いたしましたナミレイ社の実験炉の設計及び施行及びその実験という経緯にかんがみまして、同協会ではナミレイ社が要しました設計費用あるいは実験費用等を考慮いたしまして、弁護士とも十分協議の上で、ナミレイ社に対する支払いを行ったというふうに承知いたしております。
○市川正一君 そこで伺いますが、協会が支払った七千万円に対しては公的資金の一つである自転車振興基金から二分の一の三千五百万円が補助金として出されていると考えますが、そのとおりですか。
○政府委員(石井賢吾君) 日本自転車振興会の機械振興資金から同協会のPCB無公害化処理実験事業に対する助成ということでその一環として二分の一の補助を行っております。
○市川正一君 そうしますと、この補助金はいわば文字どおり公的資金であって通産大臣の認可を受けたもの、となると通産省は当時から事の経緯を知っていたはずであると思いますが、通産省としていわば七千万円にお墨つきを与え補助金を出した責任が存在しないかどうか、この点はいかがですか。
○政府委員(石井賢吾君) 五十二年度におきまして同協会の、先ほど申し上げましたPCB無公害化処理のための実験事業に対しまして二分の一の助成を行うということで、自転車振興会が通産大臣の認可を受けまして事業計画を設定いたしたわけでございます。その事業計画の一環といたしまして、設計費用等委託関係の支出が行われましたので、それに対する助成が行われたということで、これは自転車振興会がその事業計画に即して処理をいたしたわけでございます。
○市川正一君 じゃ法務省に伺いたいと思いますが、見えていますか。――この協会に対する問題について専務理事それから現理事長などから東京地検がすでに数回にわたって事情を聴取しているはずでありますが、この問題でも強要あるいは恐喝容疑で取り調べているのかどうか。
○説明員(飛田清弘君) 検察庁がいまナミレイ関係の事件を手がけていることは事実でございますが、そのうち一部起訴しておりますが、その起訴にかかる事実以外のことにつきましては、現在捜査の段階でございまして、どういうことを調べているとか将来どういうことを調べるであろうということはこの席で申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
○市川正一君 電気絶縁物処理協会に対しても取り調べ中ですか。
○説明員(飛田清弘君) 現在どういう方面をあるいはだれを、どういう関係者を取り調べているということは一切申し上げるわけにはいかない事柄でございます。
○市川正一君 そうしますと、このナミレイの圧力の過程で閣僚級の自民党代議士が積極的に介在した、こう報ぜられております。この自民党代議士とは、一部報道や私どもが関係者からいろいろ得た証言によりますと、石原慎太郎代議士だということでありますが、検察でもこの点は確認しておりますか。
○説明員(飛田清弘君) 現在捜査中の事柄でございますから、それに関してもお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○市川正一君 通産省はどうですか、先ほど来いろいろ経緯は御承知なんだから。石原代議士が介入したと聞いているんではないのですか、いかがですか。
○政府委員(石井賢吾君) 本問題は、先ほど申し上げましたように、財団法人電気絶縁物処理協会の事業の遂行の過程におきまして生じましたナミレイとのトラブルでございますので、一義的に同協会がこれを処理するということでございますので、協会としてどういう方々にコンタクトをとったかということについては具体的には承知いたしておりません。
○市川正一君 だから石井さん、初めに聞いたわけですね、この補助金が単なる補助金ということじゃなしに、通産大臣の諮問によって自転車競技法に基づいて車両競技審議会機械部会で審議して出される文字どおり公的資金じゃないかと、いわば通産大臣の認可を受けたものという性格なんだから、だから全然知らぬ存ぜぬ、通産省としては責任がないんだという問題ではないということを冒頭聞いて、あなたもそういう立場でお話しなすっているんだからいまどうなんですか。
○政府委員(石井賢吾君) この協会が行いますのは、いま先生御指摘のように、日本自転車振興会の資金助成を得て実施いたします事業でございますので、その資金の公正適正な使途を担保するということは私どもとしても振興会と協力してこれに衝に当たっておるわけでございます。私どもがこの支払いに対して資金助成を行ったということについては、先ほど経緯及び結論を出す段階におきまして申し上げましたように、ナミレイ社が同協会の技術検討委員会等の意向を受けて設計変更及び改造等を行い、その実験を行ったという経緯にかんがみまして、弁護士とも十分協議の上で具体的な額を策定いたしたわけでございますので、私どもは当時の処理としては妥当なものとして処理したものというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○市川正一君 この事件の特徴は、単なる強要あるいは恐喝事件ではなしに、有力政治家が深く介在しているという点だと思うのです。ナミレイ事件全体ですでに二百人ぐらいの関係者から事情聴取をしていると言われておりますけれども、法務省に重ねて伺いますが、この中には当然うわさされている政治家も入っていると思いますが、いかがですか。
○説明員(飛田清弘君) 検察庁が捜査してすでに起訴している事件は御承知のとおり、ナミレイ関係者が高砂熱学関係者に対して強要及び同未遂ということで刑法に規定されている犯罪を行ったということで起訴された事件でございまして、それについては調べをしておる、現在そのほかに、若干のすでに逮捕している事実については調べをしておる。しかし、それ以外のことについて検察当局が将来どういう捜査をするとかということにつきましては、これは全くまだ公になっているわけでもございませんし、それから検察が将来どういうふうに捜査を進めていくかということはまさに捜査の秘密に関することでございますから、それについてどのぐらいの人を調べたかということにつきましても申し上げるわけにはいかないところでございます。御了解いただきたいと思います。
○市川正一君 時間が参りましたので委員長最後に、それじゃ私はきょうはそういう政治姿勢にかかわる、またいろいろの疑惑に関して国民の前に明らかにしていただきたいということで質問をいたしましたが、安倍通産大臣にはいろいろ直接にじかにお伺いいたします。先ほど決意も申し述べられましたが、二百万円の内容を調べると、こうおっしゃいましたので、そういう事態について御調査いただいて報告を賜りますことを重ねて要望いたします。
○委員長(降矢敬雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、散会いたします。 午後四時五十九分散会 ―――――・―――――