商工委員会 第10号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/13
会議録
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る九日、高木正明君が、また、去る十二日、市川正一君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として楠正俊君及び下田京子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(降矢敬雄君) 臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明並びに補足説明はすでに前回の委員会において聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿具根登君 鉱害二法案につきましては、すでに復旧法案の方は三十年、賠償法案の方は二十年、こういう経過をたどっておるんです。そして前のを調べてみますと、二十七年に復旧法が制定されたそのときの説明、十年たってまた十年延期の説明、さらにまた十年の延期の説明、これを聞いてみますと全部同じ説明である。質問もほとんど同じ質問が繰り返されておるわけです。そうしますと、いつの場合でもこの十年間で鉱害は全部終了いたしますと。これはもちろんそういう気持ちでやらねばならないことはわかっております。そしてそれなりに成果の上がっておることもわかります。しかし、たとえば十年前の質問の中でもとってみますと、この十年間に残った賠償額はどのくらいあるか、こういう質問がされております。それについて、約一千億そこそこ、一千二百億ぐらいのものが出されておる、それを十年で賠償するのです、こうなっておるわけです。ところが、今度は二年間さらに調査されて六千六百七十億。その内容を聞いてみますと、いわゆる石油ショックで非常に物価が上がってきた。だから、約四倍に物価が上がってきたから六千六百億はちょうどこの前の一千億と変わらないようになっておる、こういうことになってくるわけです。 そうすると、この十年間ではどれだけの賠償をやられたか、さらに物価を今後どのくらい見込んでこれをやられたか。そうしませんとまた十年後同じ質問をしなけりゃならぬ、同じ提案をしなければならぬ、こういうことになりますので、この十年間のやつをひとつおさらいをしていただきたい。 さらに、その中に、赤水が出たとかあるいは浅部の陥没とか、こういうのは考えておらなかったというような釈明がついておるようですけれども、そういうことは常識です。炭鉱を掘った跡に赤水が出てくるとか、浅いところが陥没するとかというのはそれはあたりまえのことなんです。それが三十年もたった今日それを論議しなければならないというようなことは一体何なのか、これをひとつ御説明をお願いいたします。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のとおりに、昭和四十七年の延長の際に千七百億円程度ございました累積鉱害をその十年間で最終的に処理をするという方針で法律の延長をお願いいたした次第でございます。その当時からその後の経過を踏まえてみますると、いま阿具根委員も御指摘になられましたとおりに幾つかの要因がございまして、これが最終的な処理を図り得なかった事情がございます。 御指摘になりましたように、一つには、石油危機に端を発する物価上昇で復旧費が上昇したという要因がございます。 またさらに、四十七年当時にはまだ内陸部におきまして石炭を掘採をいたしておりまして、特に筑豊地域では二十数鉱山が稼行をいたしまして二百二、三十万トンの出炭がございまして、その後そういったところから新しい鉱害が発生してきたというような事情がございます。 さらに三番目には、いま当然のことであるとこういう御指摘がございましたが、湧水、浅所陥没といったような鉱害があらわれてまいったわけでございます。これはもちろん当然想定されるという御指摘でございますが、その当時といたしまして、今度全面的に筑豊地域で閉山になったということで、従来くみ上げておりましたような水が今度は地下水の水位の変動というかっこうにあらわれてまいりまして、そういった事情から、地下水の水位の変動ということを通じながら湧水あるいは浅所陥没といったような新しい形態の鉱害が出てきたわけでございます。さらに、科学認定調査あるいは裁定といったようなことから従来想定し得なかった鉱害が出てきたということでございます。 私どもとしても、十年間で最終的に処理を図るということで鉱害復旧事業団の機能の充実等を図りながらいろいろ努力はしてまいったわけでございますが、いま申し上げましたような事情で、まだ現時点で言えば約六千億程度の累積鉱害が残っておるということでございます。これに関しましては、御承知のように大体石炭の稼行区域も海の方になってまいりました。内陸部の稼行炭鉱というのは北海道の一部、これもかなり山林の中ということでございます。それからまたさらに鉱害がかなり安定をしてきておるという事情がございまして、毎度同じ答弁ではないかという御指摘ではございますけれども、私どもそういう事情を考えてみますると、今後の十年間にこの最終的な処理を図る、こういうことは十分可能ではなかろうか。また鉱害部会の諸先生方の技術的あるいは法律的な御検討の結果でも一応そのようなかっこうでやっていけるんではないかということで、特に政府としても最終的な処理を図るように万全を尽くせという御答申をいただいておるわけでございまして、いま申し上げましたような事情がございますことを御賢察いただきまして、私どもとしてもぜひこの十年間に最終的な処理を図りたい、かように考えております。
○阿具根登君 ちょっと具体的になりますけれども、有賀力炭鉱、無資力炭鉱についてはこの比率を後でお伺いいたしますが、大体この鉱害の大きいところを考えると九州は当然です。この中に福岡が一番でしょう。佐賀、長崎、常磐こういう順番に被害の大きいところはなっておると思うのです。そうしますと、各県の残存被害状況、三十年やってきた、賠償では二十年やってきた、そして今度六千七百億の、鉱害復旧が残っておりますが、その内訳は福岡がどのくらい、それから佐賀がどのくらい――できれば佐賀は杵島であるとか古賀山であるとか、もう古賀山は終わったのか、杵島は終わったのか、そういう大きいところ。それから福岡は三井の山はどうか佐賀はどうか、こういうところは大きいのがありましょうし、それから古河系統がある、こういうところがどのくらいいま残っておるのか。長崎は一体世知原はどうなったかというような問題、北松はどうかというような問題も、炭鉱はなくなってしまったけれども鉱害だけは非常に多く残っておると思うのです。その各県別にできれば昔の企業別に教えてもらいたいと思うのです、どれだけ残っておるか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもとしては五十四年度の初めの時点におきまして鉱害量調査を実施いたしたわけでございますが、これにつきましては鉱業権者あるいは関係道県あるいは市町村等に調査票を配布いたし、また鉱害事業団の企業の協力を得て調査をいたした次第でございます。これはその法律を延長すべきかどうかということを調査することが主眼でございまして、その結果、いま御指摘のとおりに六千六百七十億円という鉱害量が一応想定された次第でございます。 これが道県別にどういうことになっておるか、あるいは企業別にどうかという点がございますが、この点に関しましては今後さらに鉱害の基本計画をつくります段階で、これが一体何県にどのくらいあるかという点はさらに精査をしていくわけでございますが、おおむね概要を考えて想定して見ますると、福岡県が全体の約七五、六%程度になります。佐賀県が御指摘のとおりにそれに次いで多うございまして全体の一七%程度、それから長崎県及び熊本県これがそれぞれ三%程度になろうかと思います。残りがその他の地区と、こういう状況に相なっておる次第でございます。
○阿具根登君 それから福岡が七五%、確かに一番多いところですが、その福岡の中で有賀力はどこどこなのか、無資力はどこどこなのか。さらに公共事業については五〇%有賀力は賠償しなければならない。農地が一五%ですか、家屋が三五%、それに恐らく公共施設はもうほとんどないと思うのです。これは学校なり道路なりあるいは水道なりというところでしょうからほとんどないと思いますが、この有資力が責任を負わねばならぬ五〇%の公共事業はどれくらい残っておるか、これを教えていただきたい。
○政府委員(福川伸次君) いま福岡県が大体七五、六%と申し上げたわけでございますが、その中で有資力鉱害のウエートが高いものはどうかということでございますが、福岡県で例をとって見ますると、三井鉱山あるいは古河鉱業といったあたりがこの有資力の鉱害として残っているわけでございます。それで全体の中で公共施設がどのぐらいかということでございますが、私どもとしては大体六千六百七十億円、全体で見まするとそのうちの公共施設が六百八十億円程度、したがいまして、大体概括的に見ますると公共施設の分が全体の一割程度ということがこの福岡県の鉱害の現状ではなかろうかと、かように考えております。
○阿具根登君 そうすると、公共施設の一割がまだ残っておると、一割の中で恐らく公共施設、学校とか役場とかそういう問題はもう三十年もたっておりますから全部終わってしまっていると思うのです。そうすると、あとは河川ですか、水道ですか、どこですか。
○政府委員(福川伸次君) いま私、申し上げましたのは、鉱害量の中で一割程度ということでございます。御指摘のとおりに、学校等はかなり復旧が進んでおるわけでございます。残っております鉱害で大きいものというのは、いま先生も御指摘のとおりに河川あるいは上下水道、こういうものが多く残っておるわけでございます。したがいまして、道路とかあるいは学校とかこういったものはかなり復旧が進んだと、かように考えております。
○阿具根登君 それからもう一つ、家屋の問題で三五%有賀力で、家屋は一回復旧すればそれで大体終わりになっておりますが、実際それは適用されておるのかどうか。それから農地の問題につきましても、私が知っておる範囲内では陥没したところを一回復旧しても何年かたてばまたひび割れがくる、陥没する、二回も三回もこれは補修しなければならぬ、こういうことになっておると思うのですが、実際そうなっておるのか。そしてもう農地は固まってしまったのか、その点を一つ。 それからもう一つは、有賀力の炭鉱がいま鉱区を持っておる。これは別の方からもお答えがあると思うのですがね、この鉱区は一体どう考えておられるのか。たとえば率直に申し上げまして、いま有資力は三井と古河だとおっしゃった。三井と古河が鉱区を持っておるのですね。鉱区そのものに対して私は一つの疑問を持っておるのです。これは先願主義で早く申請した人が鉱区の保有者になっておる、権利者になってくる、掘りもせぬ鉱区をいつまでも持っておる、こういうことがいまでも許されていいのかどうか。これだけの鉱害を与えて三十年もかかってもまだ鉱害が終えんしない。こういう状態の中でもやはり依然として掘りもしない鉱区を自分の財産としてその方面にいっぱい持っておる。この鉱区、掘れるような鉱区はどのくらいあるか、わかったら教えてもらいたい。振れもしない鉱区を持っておる。私なぜこんな質問をするかと申し上げますと、この鉱害が終わっても石炭の需要というものは私はまだ続くと思うのです。そうした場合に、大々的な炭鉱で掘ることはもうできない、九州あたりはもうそんな鉱区はないと私は思っておる。そうすると、いま残っておる鉱区は、そういう大資本じゃ振れないけれども、これはタヌキ掘りとかあるいは露天掘りとか、手をつけていけばまた二次、三次の鉱害を出すもとになるじゃないか、振れもしないような鉱区だったならばもう事業団でも政府でも買い上げてしまったらいいじゃないかと、私はそう思うのです。 これはひとつこういうことを思い起こしてもらいたいのです。北海道の朝日炭鉱の場合、これは名前も申し上げますが、鉱区は北炭の鉱区でした。それを鉄源が掘っておったんです。そして、りっぱな選炭機もできておった、立て坑もあった、そして社宅もりっぱにできておった。それで、通産省と私たちも御相談に応じましたけれども、そこを掘り進めばりっぱな鉱区もあるし、やれるということで、これは鉄源の、もう亡くなられましたけれども、社長は、通産省の指導に天の声だと言って喜んでこの探鉱を進めたわけです。ところが、鉱区を北炭が持って譲らない、掘らせない、そのため残念ながら閉山になってしまった、こういう状態があるんです。それならいま北炭が掘っておるかというと、掘っていないんです。自分は、もう十何年たつ、二十年近くたって、掘ってもおらないものを全然譲らないのです。そのために残念ながら朝日炭鉱は閉山してしまった、そういう実績を私は見ております。私も現場にも何回も行きました。坑内も見てきました。 そういうように先願権を盾にとって、全然自分じゃ振れもしない鉱区を握っておいて、そして他人に渡さないと、こういう状態であっていいだろうか。これは合理化関係のとき質問したかったんですけれども、僕の番がなかったから質問しておりますから、ひとつその点御説明してもらいたいと思うのです。
○政府委員(福川伸次君) 第一点は、その鉱害の復旧に関して何回も復旧をやっているんではないかと、こういう御指摘でございました。 公共施設それから家屋等の復旧に関しましては、工事が終了いたしました時点でその効用が回復されるということでございますので、したがいましてその時点で鉱害賠償責任は消滅すると、こういうのが原則でございます。ただ、その場合でも復旧工事そのものに瑕疵があるという場合には、これは司法上の瑕疵担保責任ということから、それの補修等をするということは十分考え得ることでございます。 それから、農地等に関しましても原則は同様ではございますけれども、物理的に復旧工事が完了をいたしましても、これは地味が前のようになっておるかどうかということで、復旧いたしますときにはまた土砂を入れたり、いろいろなことがございまして土質の変化が起こることがございますので、その地味が回復をいたしませんと効用が回復したと言えない、こういうことに相なるわけでございまして、そのような観点から、たとえばその復旧工事が行われました後、農林水産省の方におきまして効用回復検査を実施いたしますが、その結果、たとえば排水不良が起こるとか、地味が十分回復していないということが明らかになりました場合には追加工事を行う、こういうことでございまして、制度が設けられて昭和四十二年度からそのようなかっこうで処理をいたしております。したがいまして、農地等につきましては、いま申し上げましたような観点から追加工事を行っておりますが、それ以外の場合に、家屋等あるいは公共事業を含めまして、追加的にさらに何回も何回もやり直すということは、私どもとしてはいたしていないつもりでございます。 それから第二点といたしまして、いまの鉱業権を持っている者との関係がございました。現在の鉱業法及び石炭鉱業合理化法の体系によりますと、これは御承知のとおりに、現在石炭の臨時的な措置といたしまして、合理化法によりまして非能率炭鉱を整理いたしまして、合理化的な炭鉱を造成していくということでいろいろな施策が講ぜられておるわけでございます。 御指摘のとおりに、鉱業法におきましては鉱業着主義務というのが課されておるわけでございまして、先願主義によりまして国が鉱業権を設定いたしますが、それの権利の上に眠ってはいかぬと、こういうことから、鉱業法によりまして着主義務が課されております。しかし、石炭の場合には、非能率炭鉱の発生を防止するという観点から、坑口の開設の許可という制度が設けられておりまして、一定の合理化効果を上げる炭鉱でございませんとその坑口の開設の許可がおりない、こういう状況になっておるわけでございまして、したがいまして、いまの鉱業法の着主義務との調整を図らなければならないということで、法律的に石炭鉱業の場合には着主義務が外れておる、こういうことでございます。 もとより、その鉱業権を持って鉱業を実施いたしますときには、将来鉱害の発生ということにつきましては、飯十分考慮して操業にかからねばならないわけでございまして、その意味では周辺地域社会との合意ということが十分必要に相なるわけでございます。鉱業権の権利の上に眠っておるということがいかがかということでございましたが、申し上げましたような法律によりまして、非能率炭鉱の発生を防止する観点から、坑口開設の許可をもって一定の範囲でしかやらせないということでございますので、そういった鉱業権と言いながらも一種の財産権でございますためにそのような調整が図られておる、こういうことになっておるわけでございます。 その鉱業権者が、従来の鉱害の賠償ということにつきましては、もちろん政府も相当の助成策を講じてこの鉱害の復旧ということに努力をいたしておりますが、有資力の場合、鉱害賠償の本来の考えから申しますと、当然のことながらいわゆる賠償義務者が賠償の責任を負うということが原則でございますから、そういった鉱業権を持っている人たちというのは、鉱害の復旧ということにつきましては十分努力を払うべき立場にございます。いま申し上げましたような観点から、そこらに両方で鉱業着主義務との調整を図るというのが現在の法律的な制度に相なっている次第でございます。 それから、それに関連いたしまして、朝日炭鉱の例を引かれてお話がございました。その朝日炭鉱そのものが、いまお話しの鉱害との関係ということよりはむしろ鉱業権者相互間の調整ということで、このときいろいろと問題があったというふうな御指摘がございましたわけであります。このときはそれぞれ鉱業権の調整との観点から、両者でいろいろ話し合いが行われたようでございます。結局、いまお話しのように、朝日炭鉱は最終的に閉山と、こういうことに相なったわけでありますが、いまそういった両方の鉱業権の譲渡等の問題につきましては、先ほど申しましたような合理化法の体系ということがございまして、これはあくまでも両鉱業権者の話し合いによって処理されることでございますし、あるいはまた、あのようなケースでございますと、あるいは場合によっては、当時通産省としても、いろいろな観点からその合意形成ということについて努力をいたしたわけでございますが、法律のたてまえということから申しますと、先ほど申し上げましたようなことで処理するというのが現在の体系に相なっている次第でございます。
○阿具根登君 それで、鉱区権の問題で、たとえば有資力だから農地で一五%これは責任持たねばならぬ、住宅で三五%と、こうなっておるんですが、無資力の場合は一切を買い上げられておるから、これはやむを得ぬです。しかし、有資力の場合は、そういう鉱区を周辺に幾つも持っておって、これはいま言われたように財産です。そういうのを持っておって、そして物価の上がるのを待っておる、鉱区の上がるのを待っておると、こういう状態を許しておいていいのかどうかですね。それが振れればいいんです、振れれば。しかし、振れずに、ちょうどいま土地のいろいろな問題がありますように、鉱区も一つの権利であり、財産であるから、だからそれをいつまでも自分が持っておる、だれも掘ることもできない、掘らせもしないと、そして、鉱害はまだ依然として残っておると、こういう状態でいいかどうか。そういう場合は、やはり鉱害も相当な荒れ方をしておるんですから、だから、掘らない鉱区は、もうこれは先願権で権利はあるけれども、何とか外してもらいたいというふうなことはできないのか。 これは、今度の合理化措置法の改正でも、隣接鉱区の法定の緩和というのがありましたから、私は喜んでそれに賛成したんです。で、賛成したけれども、そういうふうで、自分の鉱区は離さないということであったら、なんぼ隣接鉱区を緩和しても、これは振れないのです。そうかといって、別に穴をあけて、立て坑をあけて石炭を掘るといったら、いま百億や二百億じゃこれはできないのです。そうすると、それだけの資本を投下して、それを取り戻すということは、いまの炭鉱ではできないのです。これは、政府の支援でやっとこさ息をついている炭鉱です。できないのです。そういうのをわかっておりながら、なぜ先願権というやつに縛られてしまって、そして自分の財産で持っておくのかと、これが言いたいのです。自分が掘ればいいのです、掘れば。しかし、掘るだけの資力を持たぬはずです。また、福岡にもそういう炭鉱はほとんどないと思うのです。あれば、先ほども申し上げましたように、露天かタヌキ掘りか、そういうものしか、恐らくもういいところは掘り尽くしておるから、ないと思うのです。そうすると、そういう権利だけ、財産権だけを持っておるということは、いいことだろうか悪いことだろうかと、ちょっとこれは疑問を抱くわけなんですが、いかがですか。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のとおりに、昔稼行いたしておりました筑豊、こういったあたりには、もちろんある程度の残炭量はあろうかとは思いますが、いま先生まさに御指摘のとおりに、将来の鉱害等々を考えますれば、恐らく掘り得るところというのはほとんどないだろうと私も思います。 で、また、もちろん現在鉱業権者が鉱業権を持っておると、こういうことにつきましては、これは、その鉱業権者は鉱害賠償責任を負っておるわけでございまして、自分の鉱業権の中で起こりました鉱害というのは、その鉱業権者は当然処理をしなければならない、こういうことでございます。 しからば、その鉱業権者がそこをさらに掘るのかどうか。これは、先生の御指摘は、掘らないで置いておいて、ほかでだれかが掘り得るのにそれを掘らないで、権利の上に眠っているのはけしからぬではないだろうかと、こういう御指摘であろうと思いますが、現実のケースを、どれを先生想定していらっしゃるか私もちょっとつまびらかにいたしませんが、現実で、いまその将来の鉱害の発生、先生おっしゃるように、露天掘りと、こういうことになりますと、それは相当その土地の使用ということもございましょうし、それから地域社会との調和ということも十分考えなければならぬと、こういうことに思うわけでございます。したがいまして、そういった当事者間でも、もちろんその経済性の評価の話し合いもしなければなりませんし、さらにまた、鉱害の処理ということをどういうふうに当事者間でするかという点も御議論がなされなければならない。また地域社会、地域の周辺の方々との理解、合意をどうやって取りつけていくのかと、こういうことに相なると思います。 で、現実にも、先生御指摘のとおりに、そういった将来の鉱害発生の費用、あるいは従来の鉱害の処理と、こういうことを考えますと、いまそこを果たして探鉱するということが現実的であるのかどうかという点は十分吟味してかからねばならないというふうに思います。鉱業権が存在いたしますことは、その鉱業権者はもちろん、その鉱業権は消滅いたしましてでもでございますけれども、鉱業賠償責任は負っておる。これはもちろん政府も相当の助成措置を講じております。これは、国土の保全、民生の安定という観点から相当の国費を投入はいたしておりますが、その比率の多寡は別といたしまして、これはやはり鉱業権者がその賠償責任を全うしていただくということがたてまえでございます。 したがいまして、いま御指摘のような採掘権というものの上に権利が眠っているというのがどういうことであるかという点はございますが、私どもとしては、まず鉱業権者がその処理をしていただくと。そして、もしそれが鉱害の処理も行われ、さらにまた、将来の鉱害につきましても、それが大体大してもう鉱害にならぬだろうということで周辺の人たちの御理解が得られれば、これは私どもとしてはやはり当事者間でそれの話し合いということがつき得ると思います。したがいまして、いまそういうことが可能かどうかという点の実現可能性は、現実問題として私どもとしてはむしろ少ないのじゃないかと思いますが、もし仮に先生御指摘のようなケースがございますれば、鉱業権者相互間でその辺の話し合いをして解決していただくということではなかろうかと。しかし、現実に賠償の問題、地域社会の問題等を見ると、かなりむずかしい問題があるんではないかと、かように考えております。
○阿具根登君 おっしゃるとおり、これはもう、ただ鉱業権者同士が話し合いをしたといっても、地域の了解がなければできないから、実際はできないことなんです。だからこういうことを言っておるわけなんです。できないやつを、いつまでも権利だ財産だと持っておるのがいいのかどうか、何かをやっぱり考えておるのじゃないかと。 なぜそういうことを言うかと申し上げますと、貝鳥、いま無資力炭鉱です。貝島の露天掘りの跡、私はもう四、五年見ておりませんから、断定的には申し上げられませんけれども、私が五、六年前行って見てきたときは、もう非常に危険な区域だ。それで近所の人に聞いてみたんですが、子供が走るとはらはらしますと。大きなダムです。すごいダム。これはやはり石炭だけ掘るわけじゃありませんからね、石炭を掘るためには上の土を全部掘らなければならぬから、大きな池になるのはあたりまえのことなんです。そういうのを現実に見てきておるから、また石炭景気だというようになってきたならば、手近なところをそういうことでやられるのじゃなかろうか。そうしてやった後は無資力だということで、政府が全部責任を持たなきゃならぬ、県が責任を持たなきゃならぬと、こういう状態になりはしませんか。それならば、事業団がいままで閉山で買い上げたように、振れないやつは処理したらどうだろうかという考えでやっておるわけなんです。 そこで、貝島の問題が出しましたから、あのダムが幾つか、三つか四つあったと思うのですが、あの大きなダムは一体どういうようにこれは復旧しようとされておるのか。あれを埋めていくといっても容易ならぬことだろうと思うし、あれを池にして、遊園地にするとか何とかという声も聞いております。けれども、実際問題としてどういうことなんだろうかと、こういうことを考える場合、日炭の場合でも、大きな池があって、これのがけが壊れたら周辺の家屋は皆流れますよというような、非常に大きな陳情があったこともよく知っております。そういうこともございますので、あの掘った跡のダムは一体どうなるのか、堤は、あの池は。そういう点ひとつお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(神谷和男君) 御指摘のように、貝島炭礦の露天掘りの跡に四つの大きな池がございます。特に先生御指摘の点は、措置がなされていなかった三つの大きな池だろうと思います。その三カ所につきましては、揚水をとめたことによりまして水位が上昇をして岸壁を痛めるおそれがあると、それが事故につながるおそれがあると、こういうことで非常に問題になっておりまして、五十四年の五月に更生会社になっておりました貝島炭礦に排水路を設けさせまして、これによって水位を一定に保つという措置をいたしました。 さらに、福岡県におきましては慎重の上に慎重にと、こういうことで、五十四年、五十五年の両年をかけまして、ため池の水利上の安全性についてということで、この三つの地並びにそれに連なっておる地下水の流れといったようなものについての調査を実施いたしまして、通産省、宮田町並びに更生会社もこれに参加をいたしております。その結果といたしましては、水位は標高十三ないし十四メートルでほぼ一定しておる。それから、結論だけを申し上げますれば、宮田町市街地地方へ直接地下水が流出するおそれはないということで、水利上の安全性も一応確認されておりますし、周辺につきましての防きくその他はなされておる、こういう状況で、現在のところ安定しておると了解をいたしておりますが、これらの跡地については、先生も御指摘のように、更生計画の中で、たとえば水資源に利用するとか、あるいは埋め立てて土地にして活用するというような計画が計画の中に盛り込まれておりまして、まだそのいずれにも決定をしているというふうに了解をいたしておりません。こういう状態にございますので、私どもといたしましては、現地の監督局等にその後の状況を、やはり先ほど申し上げましたような措置あるいはその調査の結果どおりになっておるかどうかということを現在監視を逐次させておると、こういう状況にございます。
○阿具根登君 その宮田町の問題なんですが、四つのうちにたしか二つは埋めるんだと、埋めて農地にするのも結構だと思うのです。さらにまた、私が一番心配しております一番大きなやつは、堤防の破壊の心配さえないとするならば、それは水資源に使われるならこれはまた結構なことじゃないか。そういうように、やっぱり災い転じて福になす、もとに復旧するだけが目的じゃなくて、より有利な、より町民、市民の希望に沿うような復旧の仕方は私は非常にいいんじゃないかと、こう思うのです。それで、それはあとの二つだけですか、池として残して水資源にするということは。そうすると前の二つは農地にするんですか。
○政府委員(福川伸次君) いま御指摘のとおりに、その四つございますうちの二つは防災安全対策、防災工事を施しまして水資源開発に活用いたしまして、あとの二つの方は、これは埋め戻しを行いまして、その跡地利用を考えていると、こういうことでございます。 現在、宮田町におきましてもいろいろその跡地利用計画というのを御検討いただいておるわけでございますが、いま更生計画におきましてはそういったことで実施をいたしまして、さらにその後は地域振興のために効果的に使うと、先生おっしゃいますように災いを転じて福になすような計画を関係者でつくっていただく、こういうことで会社も対応を考えておる次第でございます。
○阿具根登君 そこで、問題はボタ山ですがね。ボタ山はいまどのくらい残っておりますか。 それから、有資力の炭鉱が持っておるボタ山は幾つありますか。
○政府委員(神谷和男君) 四十八年から五十年度の調査によりますと約九百ボタ山がございます。このうち有資力のものが三割、義務者が不存在あるいは無資力のものが約七割、こういう状況と承知しております。
○阿具根登君 九百もあるボタ山が全部安全であるかどうか、ボタを捨ててつくった山ですからまあ二十年もたてば草も生えるでしょうし、木も生えるかもしれぬけれども、しかし、これは長期の雨が降ったり、大雨が降ったりしたならば、必ず流れ出る私は危険があると思うし、また、さっきの赤水じゃないけれども、黒い水が流れ出るだろう、こういうことも心配されるわけですが、九百もあるボタ山が、どれでも完全な防災措置を持っておられるかどうか。ある一部ではまだ大雨が降ったら黒い水が流れてくるとか、あるいはずれてきやせぬかという心配が相当あるということも聞いております。その点お伺いするのと、有資力の炭鉱がボタ山を三割持っておる。これはボタ山も金になるんですものね、ただじゃまになるばかりじゃないのです。そうすると、これにまた利害が動くわけなんです。そういう点はどういうふうにお考えになっておるかお知らせ願います。
○政府委員(神谷和男君) 有資力のボタ山につきましては、私どもの監督官が監督検査を行い、その都度必要な防災工事の指示を行っております。したがいまして、私どもの通常の監督行政の中で対処できるというふうに考えておりますし、無資力のボタ山につきましては、もう御承知のように、その中の危険な状態にあるものについて補助金制度により防災工事を実施いたしておると、こういう状況にございます。 ボタ山の利用、活用面につきましては非常に複雑な状況にございまして、私ども監督にある者がなかなか立ち入ってそこまで介入することはできませんけれども、できるだけ活用し、利用していただき、基本的に申し上げまして、放置していろいろな災害が起こらないように、十分の手を打っていただきたいと思いますし、私どもといたしましては、所要の監督を年々数十件ずつ行っておると、こういう状況にございます。
○阿具根登君 この九百もあるボタ山を災害が起こらないように、まあいろいろ設備してやっておられるということは結構なことですけれども、その九百もあるボタは何にも使用できないのか、山として残すのか、それともいろんなコンクリートの材料になるとか何とかかんとかということもあって、企業も相当触手を伸ばしたようですが、それだけの山を、まあいい資源じゃないかもしれぬけれども、一つの資源としてこれは活用することはできないのか。そうしないと、逆に先ほど申し上げましたような利害関係でいろんな動きがあるように私聞いておるんです。だから、いろんな利害関係で動くその原因は、やはり危険だからというのが一番最初についてくるわけなんです。そうすると、危険だからということになってくると、これはボタ山をのかしてもらわにゃいかぬというふうになってくるのはあたりまえです。それで、それならば、公害局は絶対安全です、どんな雨が降っても結構です、危険性はありませんと、これを言い切れるかどうか。一方では、これは危険だから、早く処理しなければならぬ、こういう意見が出てくる。しかも、九百もあるボタ山を処理すれば農地にもなるでしょうし、あるいは工業団地にもなるでしょうし、住宅地にもなるでしょうし、そういうやはり理論的な組み立てもつくってこられるわけです。それで、現在、九百もあるボタ山はそのままじっとしておられるのか、あるいはこれを有効に使用する考えがあるのか、どういうことなんですか、三割の問題は別として、七割は無資力ですから。
○政府委員(神谷和男君) 基本的に、御指摘のように、活用できるものはできるだけ活用していきたい。たとえば、水洗炭として再活用できるか、あるいはセメント原料として活用できるというような道もおのおの考えていくことが必要でございますし、さらに、適した状態にあれば取り除いて工業団地にするとか、あるいは住宅用地にするとかというような用途も検討され、また現実にそのように活用されている例があることは御承知のとおりでございまして、そういう方向でできるだけ活用をしていきたいし、成形された結果として危険が排除されるということが一番望ましいと考えております。 しかし、御指摘のように、非常にたくさんあるわけでございますし、応急的な措置も講じなければならないところがあると、こういうことでございますので、その都度状況を監督しながら措置はさせていく、こういう状況にございます。 また、山間部等にありまして、いま申し上げましたような活用が非常にむずかしいというようなものに関しましては災害防止の観点に立った危険排除の措置を講ずるというケースも多いわけでございますから、いかなる場合にも、どんな雨が降っても大丈夫かという御質問でございますが、われわれといたしまして、保安関係に携わっておる者、大丈夫ですと申し上げなければいかぬわけでございますが、理論的にそう申し上げるのもやはりいかがかと思いますので、まず、絶対大丈夫という確信が持てるように日々努力を重ねておるというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
○阿具根登君 非常にはっきりした御答弁をいただきまして安心したわけですが、私たちが参る場合でも、やはりボタ山の危険性を言われるわけなんです。もともとなかったところに山ができておるんですから、これを取ってしまえばもとの姿になるじゃないか、なぜこれを浅さにゃならぬか、ましてこれを、資源の一部に使えば一石二鳥じゃないか、何でこれを、もとここに炭鉱がありましたよと、「兵どもの夢の跡」じゃないけれども、そんなものを残しておく必要はないじゃないか、どうして資源に使わないのだという意見がまた強くあるわけなんです。 だから、最初おっしゃいましたように、そういう資源に使われるやつであるならば、これはやはり大切な資源ですから、それをひとつ使う方に進めてもらいたい。そして、跡地はそういうふうに住宅地なりあるいは団地なり、あるいは農地なりに使われますから、狭い国土ですから、しかも炭鉱で荒らされて、荒らされたところのそれは人間のつくった山ですから、そういう点で、ひとつ皆さんの格段の御努力をお願い申し上げたい、かように思っております。 それで最後になりましたが、石炭部長の先ほどの答弁の中で、農地もやはり一遍で復旧しなければならないのだ、しかし二度、三度ということもありました、それは確かにあるんです。それで、家の場合でも、やっぱり一遍でもう復旧は終わりだということになってはおるけれども、しかし、そうでないところもあるだろうし、いろいろそれは懸念のあるところもございます。しかし、附帯決議にもお願いしておりますけれども、この鉱害地というものはなかなか錯綜しておりまして、非常に事業団の方々は苦しんでおられるんです。これは私も知っております。この事業団ができた当時は、暴力ざたまで起こって、そして問題を醸したこともございます。いろいろあるだろうけれども、公平にひとつ復旧をやっていただきたい、こういうことです。公平にひとつ復旧をやっていただいて、もう三十年たったんだから、もうあと掘るものだって三十年も掘れば大抵掘り尽くしますよ。その後始末が三十年かかっても済まぬということではこれはどうにもならぬ。もう今度の十年間では後始末が全部できるように特段のひとつ御努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○馬場富君 上程されております鉱害法について一、二質問いたします。 この鉱害二法が今回再び十年間延長すると、こういうことになったわけですが、この理由は、それからまたその根拠をお伺いしたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 前回の改正時以降、昭和四十七年に策定いたしました鉱害復旧長期計画に基づきまして、復旧に努力をいたしてまいったわけでございますが、その後、五十四年度の初めに実施いたしました全国鉱害量の調査によりますと、その時点で六千六百七十億円の累積鉱害が残存をいたしておりまして、その後五十四、五十五、五十六と復旧をいたしましたので、現在時点で、しかも、現在の時点の価格に引き直してみますると、まだ六千億程度の鉱害が残存をいたしておるというのが現実でございます。従来も復旧にいろいろ努力をしてまいりましたが、なおかつこのような多くの鉱害が残っております背景は、四十七年以降新たな採掘が行われまして、なおかつ鉱害量が発生したものがあるということが第一でございます。 それから二番目には、その地域全体におきまして、たとえば筑豊地域のように全面的に閉山が行われる、こういうことから地下水の水位の変動が生じまして、その当時予想しなかったような湧水だとかあるいは浅所陥没といった新しい形態の鉱害が出てきたということが第二番目でございます。 三番目には、二度にわたります石油危機の発生で物価が非常に上昇をいたしまして、復旧費が大幅にふくらむ、こういうことから四十七年につくりました長期計画に織り込まれました鉱害のうちに、復旧し切れなかったものが生じたということが三番目でございます。 さらに四番目には、その後科学調査あるいは裁定といったようなことからいわゆる復旧すべき鉱害と判断されたものがその後ふえてきた、こういうことが現状でございます。したがいまして、このような事情から、石炭鉱業審議会でこの法律の将来のあり方について御審議を煩わしたわけでございますが、十年間程度延長する必要があると、こういうことでございます。 私どもといたしましては、最近、その採掘区域が大体ほとんど海洋の、海の方に行ったと、それから内陸で一部でございますが、これも山林の地域であるというようなことから、今後新たな鉱害が発生する可能性は非常に少なくなってまいっておりますし、まだかなり終閉山が進みまして、その後鉱害もかなり安定に向かっておるというようなことから、現在想定されました約六千億程度の鉱害というようなことを最終的に処理することによりまして、従来からいろいろ問題になっておりました累積鉱害の最終的な処理が図り得ると、かように考えております。
○馬場富君 ここで大臣にお尋ねいたしますが、先ほども質問が出ていましたけれども、十年前も今回も同じような理由でやはり延長されるという質疑が出ておりましたが、今回の十年間の延長で残存している累積鉱害を完全に処理することができるかどうか。その見通しと政府のこれに取り組む措置について大臣から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今後十年間でいまお話がありましたように、鉱害復旧は何としても全面的に終えたいと、こういうことで今回の改正をお願いいたしたわけでございまして、いろいろと十年間の今後の変化はあるわけでありますけれども、しかし、私どもは、これまでの経験を踏まえまして、何としても十年間では終えて再び延長しないでも済むようにやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○馬場富君 産通省は、全国鉱害量調査を昭和五十四年七月から二年間にわたって実施したわけでございますが、その調査結果をもとにして、現行の昭和四十七年策定の鉱害復旧長期計画を見直して現状に合うようにすべきだと、私どもはこういうふうに考えるわけでございますが、今後の、地域別に鉱害復旧を計画的に進めるなどの基本方針を定めるかどうかということも一つあるわけでございますが、この点について長期計画の点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、今回の延長法案が成立いたしました暁には、鉱害量の調査結果を含めまして、鉱害の復旧長期基本計画、これは見直さなければならないと、かように考えております。 その計画の策定に当たりましては、いま先生御指摘のように、できるだけ地域ごとにその鉱害の実態に応じまして、計画的、効率的復旧ができるように配慮すべきであるというふうに私どもも考えております。先生の御趣旨に沿いまして、私どもとしても復旧計画の見直しに努力をしてまいるつもりでございます。
○馬場富君 それは、見直しの計画はいつごろできる見通してございますか。
○政府委員(福川伸次君) いま調査結果を精査いたしておるところでございますが、さらにこれを石炭鉱業審議会にお諮りいたしますと同時に、関係各省庁、あるいは関係の道県、地方公共団体等、御意見も聞くわけでございまして、なるべく早くその計画を策定いたしたいと思っておりますが、大体私どもとしてもことしの秋にはこの基本計画をつくり直して早急に取り組んでまいりたいと思っております。
○馬場富君 次に、この鉱害対策の財源の問題でございますが、省エネルギーの浸透と景気不況等による原油輸入の減少傾向で原重油関税の税収は減少しておるわけでございますが、これに伴いまして、原重油関税を全額繰り入れているこの石特会計の、石炭勘定の予算も減少してきておるわけでございます。そういう点で、本年度、五十七年度予算では石炭勘定は前年度比一・八%減の千三百六十二億円となっておるわけでございますが、石炭対策の財源となっている原重油関税が、今後原油輸入が急増しそうもないという状況から急激に伸びるという気配もございませんので、安定したやはり財源措置がここで必要となってくるんではないか。だから、石特会計、石炭勘定は本年度千三百六十二億円で、鉱害対策費は五百八十億円、約四三%を占めておるわけでございますが、先月三月二十五日に開かれた当委員会で、石炭鉱業合理化臨時措置法の二部改正の法律案の審議での参考人の意見の中で出ました、礒部、稲葉両参考人とも、鉱害対策費等については、社会的、地域的政策であるから一般会計に移して計上すべきであるとの提案が実は出たわけでございますが、この点につきまして通産大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 石炭勘定は、従量税であるところの原重油関税収入で現在賄っておりまして、今後の当勘定の歳入見通しは、基本的には石油輸入量の見通しいかんによるわけであります。今後の石油輸入量につきましては、いま総合エネルギー調査会需給部会で長期エネルギー需給暫定見通しの改定を審議願っておるところでありまして、現時点で定量的な見通しを述べることは差し控えさせていただきたいと思います。近いうちに見通しの結論が出ることになっております。 鉱害対策費を含む石炭対策経費につきましては、原因者負担の見地からその財源を原重油関税に求めているところでございまして、こうしたいままでの経緯から、現下の一般会計の財政事情を見ましても、鉱害対策費を一般会計に移すということはきわめて困難である。いろいろな御意見はありますけれど、困難である、こういうふうに考えております。
○馬場富君 ここで、じゃ十年間に、五十四年度の調査価格で六千六百七十億円と、こう言われておる鉱害のこの全量を完全に復旧できるような安定的財源が他に一応考えられておるかどうか、この点どうでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) いま六千六百七十億円、これは昭和五十四年度初めの時点で、現在時点、その後の復旧規模等を考慮をいたしますと大体六千億程度ではなかろうかというふうに思っております。で、五十七年度の予算につきましては、鉱害復旧事業費の補助金が五百二億円、いま先生御指摘のとおりに五百八十億円の鉱害対策費を計上いたしておりますが、復旧事業規模が六百八十四億円を予定いたしております。したがいまして、十年間の延長ということは、現在程度の大体の規模で考えて十年に復旧が可能ではないかというふうな判定をいたしたわけでございます。 さらに今後、当然その六千億円を、初年度六百八十四億円、これを順次処理してまいるわけでございますが、今後の鉱害対策、私どもといたしましては、当面、いま大臣が御答弁申し上げましたように石炭勘定の中で、石特会計の中で処理をしてまいる、こういうことで考えておるわけでございますが、その中で、今後のいろいろ財源状態等推移を見ながら、この鉱害対策の予算の財源の確保ということにつきましては今後の事業規模、さらには財源の状況等見ながらその資金の確保には努めてまいる所存でございます。
○馬場富君 ここで、最近の国内の出炭量の現状についてお尋ねいたします。 第七次石炭政策では年産二千万トン体制が目標とされておるわけでございますが、最近の出炭量は千八百万トン内外に落ち込んでおると、こういう状況でございますが、この落ち込みの理由をまず簡単に説明していただきたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) まず最近の出炭でございますが、昭和五十五年度におきましては千八百十万トンの生産でございました。昭和五十六年度、ことしの三月に終わります一年間には、上期は八百七十七万トンでほぼ前年並みの生産でございましたが、下期におきましては、十月に夕張新炭鉱の災害の影響等がございまして減少になりました。五十六年度全体では千七百四十七万トンということで、千八百万トンを割り込んだ次第でございます。 で、いま先生御指摘のとおりに、第七次政策におきましては、現状維持を基調として、将来の環境の変化を待って、将来において二千万トン程度の生産水準の達成を目指すと、こういうことに相なっておるわけでありますが、第六次政策、ことしの三月に終わりました第六次の政策におきましては二千万トン以上の生産の規模を維持することを目途とすべきである、こういうことになったわけですが、いま先生御指摘のとおりに、昭和五十年以降すっと逐年二千万トンを下回ってまいったわけであります。 その理由でございますが、これは一つには、その当時想定をいたしましたより以上に円レートが上昇をするというようなことから内外炭の価格差が非常に当初よりも拡大をしたということが第一点でございます。さらにまた第一次オイルショック以後、鉄鋼業等需要業界が著しい不況に陥ったというようなことからこういった需要の減に相なったわけであります。さらにまた経済的に可採炭量が枯渇をいたしました炭鉱で閉山に向かったというような理由がございます。またさらに災害等によっての減産があったといったような事情もこれに加わっておるかと思います。 今後、第七次政策におきましては、現状、現在程度の生産水準の維持を基調としていく。こういうことで、できるだけ長く安定的な生産を図っていく。さらに今後の需給環境の変化、石炭企業の経営の改善というようなことがございますれば、さらに消滅鉱区の再開発等の措置も含めまして、将来もやや明るさのある、将来において二千万トン程度を目指す、こういうことで対応してまいりたいと考えております。
○馬場富君 ここで、石炭の長期需給見通しの占める位置についてちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、いま長期エネルギー需給暫定見通しの改定作業が行われておる、このように報道されておるわけでございますが、この中で、国内炭については現在の見通しては二千万トン体制の長期維持というのが言われておるわけでございますけれども、この見直しの中で、石炭に対する目標の数字は示さないことにするという一部報道もなされておりますが、この見直しの中で、国内炭はどのような一つは目標で考えられておるか御説明願いたいと思います。
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話のございました長期エネルギー需給暫定見通しにつきましては、現在総合エネルギー調査会の中の需給部会の企画専門委員会というところで検討されておるわけでございまして、まだ最終的な結論が得られておりません。ですから、それぞれのエネルギーの各項目についてどういう位置づけをするかという点もまだ決まってはおらないわけでございますが、国内炭につきましては、昨年八月の七次答申という線がございまして、ここで当面、現存炭鉱における現在程度の生産の維持を基調としつつ今後の石炭企業の経営の体質や需給環境の改善において生産の拡大を期しつつわが国の石炭鉱業の自立を目指すべきであると、こういうことで答申の中にも将来の環境改善、それから自助努力いかんによっては二千万程度の生産の水準を目指すことが可能だという答申を得ておりますので、この答申の線は私ども石炭政策を進める立場からいたしますれば当然尊重すべきものでございますので、現在総合エネルギー調査会の検討に当たりましてもこの答申の線に沿った形で石炭の位置づけを打ってもらうよう私どもからもお願いをいたしますし、現在その方向で審議が進められておるという段階でございます。
○馬場富君 ここで、では重ねて、長期エネルギー暫定見通しの見直しが進められておるということでございますが、これはどのようないま状況にあるか、先日報道等でもその見通しの骨格ができたと、こういうように報道されておりますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(小松国男君) 先生いまお話ございましたように、一部新聞紙上に確かに数字がいろいろ出ておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在総合エネルギー調査会の需給部会の企画専門委員会で目下審議中と。大体今月下旬には何らかの結論を出してもらうという最終段階に入っているわけでございますが、現在の長期需給暫定見通し、これが六十五年度石油換算で七億キロリットルという需要見通しを掲げておりますが、現在の需給動向から見ますとこの数字は相当下方修正される。そういう中で一方エネルギーの供給の安定を図り、代替エネルギーにつきましては原子力を初めとして最大限の努力をする。それからさらに、今後の石油を含むエネルギーの各コスト動向、価格動向、これを入れまして新しい事態に沿った需給見通しをつくるということで現在作業をしておる段階でございます。 そういうことでございますので、現段階で私どもとしては審議途中の数字でございますのでまだ申し上げる段階にございません。
○馬場富君 それではその骨格的なことで、いまちょっと一部御説明いただきましたが、エネルギーの需要の総量を落とす、一方、石油については当面の需要量が減少しているということから長期的な供給見通しをやはり勘案しておるというような報道も出ておりますし、それからそのためにその供給目標をやはり下げていくということとあわせて原子力も立地がおくれている実情から目標を下げると、それからまた新エネルギーの開発については実情に即した目標量を計上するというようなこのことは新聞等で報道されておりますが、ここらあたりはどうでしょうか。
○政府委員(小松国男君) 新しい事態の変化に対応して現在、見通しの改定をお願いしているわけでございますので、いま先生からお話ございましたように、全体としての需要は当然落ち込むわけでございまして、これは省エネルギーが相当進んでおりますし、代替エネルギーの開発導入も進むというようなことで、石油自身につきましてもかつて考えておった数字に比べますれば相当低い水準で今後とも推移していくと。ただ、原子力を初めとする代替エネルギーにつきましては、最大限の努力をいたしまして脱石油を図っていくと、この基本方針は変えておりません。 ただ、その段階で、そういう方針には変わりございませんが、現段階でその各プロジェクトの動向その他を見ながら最終的な数字を確定していくということでございます。それから新エネルギーにつきましても、将来のエネルギー供給を担う大事なエネルギー財源でございますし、技術開発という点につきましては、むしろ今後日本の持ち味を生かし、日本のエネルギー構造を強くしていくためには技術開発も非常に大事でございますので、これにつきましても最大限の努力をすると。ただ、現在の価格動向、コスト動向その他を見て、どの段階でどの程度の量が実際にエネルギー供給の戦列に参加できるかということになりますと、おのずからいままでの見通しはなかなか厳しいという事態でございますので、そういう実態も踏まえて現在、検討をいたしておるところでございます。
○馬場富君 見直しのことは別としましても、やはり現実、いまお話もございましたように、現在の世界の生産量で推移したとしても実は三十年後には石油も枯渇するというような状況判断もございますし、そういうようなところから今度の見通しの中で特に考えなきゃならぬのは代替エネルギーの開発と新エネルギーの開発ということがどうしてもやっぱり焦点になっていくと、いまの御説明もそうだったんですが、この二つが一つの今後の要点の中の最大の焦点ではないかと思いますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(小松国男君) いま先生がおっしゃられたとおりでございまして、私どものエネルギー政策の立場からいたしますと脱石油を今後とも従来方針どおり図っていくということで日本の脆弱なエネルギー構造を変えていくということでございますので、そのためには、代替エネルギーの開発導入、それから特に新エネルギーその他についての技術開発、こういうものについては積極的に進める、こういうことで最大限の努力をして数字がどうなるかということで現在見通しの作業をいたしているというところでございます。
○馬場富君 ここで需要量が七十年度には現在の計画でいきますと二倍という前提があるわけですけれども、いままでの暫定見通しの五十四年八月試算ですね、これでいきますと五十一年から七十年に対しては二倍という需要量の増加が見込まれておるわけでございますが、これはやはりそういういまの角度から言いますと非常にこの数字というのはむずかしくなってくるということになると思うのですね。長期需給見通しては、経済成長率を五十四年度から六十年度までを六%弱と、こういうふうに見込んでおりますし、それから六十年度から六十五年度は五%、六十五年度から七十年度までは四%という、こういう成長率にのっとって、GNPの弾性値が五十二年から六十年までは〇・七七、六十年から六十五年までは〇・七五、六十五年から七十年までは〇・七二という数字が一つは基礎になっているわけです。しかし、最近のGNP弾性値は短期的には〇・五を割っておるのが現状でございますし、特に五十五年度は経済は成長したが、エネルギー需要量は減少という状況ですね。で、GNPの弾性値もマイナスという状況が実は出ておるわけでございます。仮にこの弾性値が〇・五とすると、七十年度のエネルギー需要量は、その換算でいきますと六億キロリットル程度であるという試算が実は出てくるわけです。この長期需給見通しの中で弾性値の〇・七二それから〇・七七というのは実態から見て明らかに高過ぎるという状況が出てくるわけでございますが、この点見直しに当たってはここらあたりがやはり大幅に下方修正されなきゃならぬと、こういう数字が出てくるわけですが、この点どうでしょうか。
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話がございましたまず経済成長の問題でございますが、現在非常に景気が低迷しておりまして、ここ二、三年の経済成長率はわりあいに低いわけでございますが、長期的には五十七年度も一応五・二%という目標を立てておりますし、私どもとしては五%程度の経済成長が可能だという前提で現在見通し作業をいたしております。ただ、この見通しについてもまだいろいろその前提としての議論も行われているわけでございますが、エネルギーの長期需給安定という観点からいたしますと、成長率は余り低く見積もるということになりますと将来問題が起きてまいりますので、その点については政府の経済計画の路線に沿って基本的には考えていくと、この方針を変えておるわけではございません。 ただ同時に、そういう経済成長を支える今度はエネルギーの立場からいたしまして、先ほど先生から御指摘のございましたエネルギー弾性値が最近相当落ち込んでいるんではないかと、こういうことで新しいエネルギーの需要をはじくべきだというお話でございます。ただ、エネルギー弾性値というのは、私どももいろいろ数字は持っておりますけれども、確かに過去に比べましてここ数年は急速な落ち込みはいたしておりますが、現在は特にエネルギー多消費産業でございます基礎素材産業を含めてこういうものの需要が非常に落ち込んでおるということでございまして、現在のエネルギー弾性値が長期的に適用になるかどうかという点については慎重に考えざるを得ないと思います。ただ、長期的に見ましても、産業構造自身は同じ経済成長率でございましても組み立て加工型の産業の方の成長率が高い。それから基礎素材産業、エネルギー多消費型の産業の方の成長率の方が当然低いわけでございますので、そういう観点から長期的に見ましてもエネルギー弾性値が従来よりも低くなるということは言えると思います。 ただ、どの程度の数字になるかという点はむしろ結果的に出てくるわけでございまして、私どもといたしましては、今後の省エネルギーがどう進むか、それからその中で産業構造がどう変わるか、加工組み立て部門、それから素材部門の産業構造がどうなっていくか、そういうものを具体的に積み上げながら、最終的に昭和六十五年度の数字ないしはいま先生からございました七十年度とか七十五年度の数字がどうなるかということで検討を進めておるわけでございます。そういうことで、エネルギー弾性値はむしろ結果論だというふうに考えていますが、見通しとしては、いま先生からお話がございましたように、過去に比べましてエネルギー弾性値が相当低い水準になってくるということはおっしゃるとおりでございます。そういう観点で現在全体の需給見通しを行うということでございます。 ただ一方で、エネルギーにつきましては、日本の場合非常に供給構造が脆弱でございますし、安定供給というのがエネルギー政策の立場から非常に大事でございますので、そういう面からもエネルギーに不足がないようなそういう立場も十分入れた形でこの見通しの作業をしていく必要があるということで、現在そういう観点から総合エネルギー調査会で御検討いただいておるということでございます。
○馬場富君 ここで大臣にこの需給見通しについて一点質問いたしますが、長期エネルギーの見通しについては、これはやはり政策上重要な問題でございますので大臣に重ねて質問いたしますが、この見直しに当たっては総量的にはやはり大幅に下方修正が余儀なくされるんではないかという点だけは、もうこれはいろんな数字からいってはっきりしてくるんですけれども、この点大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 需給部会でごく近いうちに答申が出されるわけでございますが、まだその具体的な内容について私もよく承知をいたしておりませんけれども、基本的には六十五年までに石油依存度を五〇%以下に抑えると、こういう基本的な見通しを出していただけるということであります。現在すでに七〇%を切っておるわけでございますから五〇%に抑えると、こういうことでそのための代替エネルギーの大きな役割りといいますか、それが非常にウエートが高くなってくると、こういうことになるわけでございますが、御案内のように、省エネルギーといいますか、省石油が非常に進んでおるわけですから、そういうことがいろいろとこれからの見通しの中に反映されることは当然のことであろうと、こういうように考えております。
○馬場富君 その見通しの中でもう一つ、政府は原子力開発の推進を促進しなければ将来的にはエネルギー需要を賄うことはできないということを強くPRしてみえるわけでございますが、いまこういう現状下にありまして、下方修正しなきゃならぬというような状況下にありまして、確かにやはり原子力は代替エネルギーの中の一つの大きな柱として重要ではございますけれども、需要見通しも非常に流動的になってきておると先ほどからの説明等でもありますので、この点については、原子力は大幅にふやさなきゃいかぬと、こういう議論というのはここで成り立たなくなってくるんではないかという点があるんですね。だから、原子力の開発等についても急いだり量を大量にふやしていかなきゃいかぬという政府の基本的な考え方は修正しなきゃならぬのじゃないかと、こういうふうに見るわけですけれども、この点はどうでしょうか。
○政府委員(小松国男君) 全体のエネルギー需要につきましては、確かにこの前の暫定見通しをした段階と比べまして相当需要が落ち込むということでございますので、まず全体の需要見通しの数字が、恐らく現在の七億キロリットルが相当下方に修正されるということになると思いますが、その中で代替エネルギーの開発導入につきましては、私どもとしてはこれについてはむしろ最大限の努力をし、最大限の協力のもとに立地を進める、特に原子力につきましてはその供給量をふやす方向で今後とも努力していきたいというふうに考えております。 と申しますのは、石油に対する依存度が他国に比べて日本では非常に高いわけですし、脱石油を早急に図る必要があります。また、現在石油需給は非常に緩和しておりますが、中長期的に見ますと、先ほど先生からお話ございましたようにタイト化する問題、それから長期的には石油というのはまさに埋蔵量その他から言っても枯渇する事態も考えられるわけですので、そういう観点から見ましても、日本のエネルギー構造をできるだけ安定的なものにいたしますためには、脱石油を図っていくというこの路線は従来と変えるわけにはまいりません。ですからそういう意味で、全体の需要量は若干落ち込みますけれども、石油以外の代替エネルギーの開発導入につきましては従来路線に沿って、むしろそれ以上に積極的に進めるということでございます。 ただ、現段階でいろいろ立地の問題その他がございまして事実上不可能だというようなものにつきましては、当然見通し修正ということが必要になりますが、方針としてまた政策としては、原子力それから新エネルギー、こういうものについては今後とも政府としても十分の助成をし、また民間の協力を得、それから一般国民の理解を得てその積極的な推進を図ると、この方針は変わっておりませんし、そういう政策的なスタンスに立って現在需給見通しの改定作業を行っていただいておる段階でございます。
○馬場富君 最後に、石油の供給量については、長期エネルギー需給暫定見通しとしては、東京サミットの合意もございまして、下限値で年間三・六六億キロリットルを長期的に確保するということになっておるわけでございますが、実際の需要量は五十四年では二・八億キロリットル、五十五年では二・五億キロリットル、五十六年では二・三億キロリットルと最近では減少という傾向に出ておるわけでございますし、世界的に見ても、OPECの生産制限などの状況から見ましてわが国が年間三・六六億キロリットルの輸入を長期的に続けるということはもはや困難な状況になってきたんじゃないかと、こういうことを思うわけでございますが、大臣はこの点についてどのような御所見を持っておりますか。
○政府委員(小松国男君) いまお話ございました東京サミットの六百三十万バレル、三・六六億キロリットルという数字、これは輸入上限ということで決まったわけでございまして、それをベースに五十四年の暫定見通しができているのは先生の御指摘のとおりでございますが、また、先生先ほどおっしゃいましたように、ここ二年続きで石油の需要というのは落ち込んでおりますし、恐らくことしも大体横ばい、日本の場合でも大体横ばい程度かもしれません。それから、世界全体としても若干微減というような見通しがありますので、そういう意味では三年続きで石油の需要というのは低迷いたしております。こういう段階でございますので、私どもとしてもこういう動向を踏まえて現在長期需給暫定見通しの作業を行ってもらっているわけでございますし、特にまた先ほど来申し上げておりますように、日本の場合には脱石油を図っていくという政策を進めておりますので、そういう観点からも東京サミットで決まりました上限目標としての六百三十万バレルはむしろ下方修正してもいいのじゃないかという観点で、三・六六億キロリットルにはむしろこだわらないで脱石油を図っていくと、こういう観点で現在需給見通しの作業を進めております。そういう観点から申し上げますと、当然その数字は下回ってくるというふうに考えております。
○下田京子君 まず、今回の法改正によります鉱害対策の基本的な決意といいますか、その点を大臣にお聞きしたいわけなんですが、十年延長は今度が最後だよというお話でございますが、実は前回昭和四十七年の期限延長のときもそういうお話であったかと思うのです。現在六千六百億円を超える残存鉱害量という問題につきましては、予期せぬ新しい鉱害の発生ということももちろんあったと思うのですけれども、一つの大きなポイントになりますのは何といっても、他の委員からもいろいろ御指摘があったかと思うのですが、有資力鉱害の問題をどうするかということだと思うのです。 政府といたしましても過去に鉱害賠償資金の融資条件の改正などいろいろやってきていることは知っているわけなんですけれども、この有資力の企業に対してどう指導していくのかという点がやはり今後十年間に早期に鉱害対策をやるという点の一つの重大な基本的な課題ではないか、そういったことを含めまして今後どう対応されていくのかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) いま下田委員の御指摘のとおりに、私どもといたしましてもこの十年で最終的な処理を図るということに強い決意を持って臨むつもりでございます。 そのためには、石炭鉱業籍議会からの答申の中にもうたわれておりますように、まず計画的でなおかつ効率的な復旧を図るということのために鉱害復旧長期基本計画、これを策定いたすつもりでございます。 さらに、その中におきまして、いま御指摘のような有資力鉱害というのも今後それを進めていかなければならないということに当然の問題としてなるわけであります。もちろんこの有資力鉱害につきましても、先生も御承知のとおりに、農地あるいは公共施設、さらに家屋等によりまして率は違いますけれども、他の事業に比べますとかなり高率の補助金が交付されます。さらにまた、鉱害復旧資金の融資制度も今回融資条件をやや緩和する形でその措置を講じた次第でございます。 したがいまして、今後長期復旧基本計画の線に沿いまして、いま残っております約六千億程度の復旧、これを私どもとしてもその計画の線に沿って十分有資力鉱害の復旧ということも努力をしてもらわなければなりませんし、またそのような措置、指導もしてまいるつもりでございます。 その際、特に非常に問題になりますのは錯綜しております地域の復旧の仕方でございます。この点に対しましては、もちろん効率的に計画的に復旧いたしてまいります場合には、こういった幾つかの鉱業権者、さらにはまた担当いたします鉱害事業団、さらに地方公共団体の力もかりながら、これを整合性のある均衡のとれた形で復旧をしていく。必要があれば関係者で協議の場を設けてこれを効率的にやれという趣旨の御答申もいただいておるわけでございまして、計画の策定面のみならず実施面におきましても、いま申し上げた点も含めながらこの鉱害の長期計画の実施に遺憾なきを期して最終的な処理をぜひ図りたいということで取り組んでまいる所存でございます。
○下田京子君 大臣の決意も一言。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま石炭部長が申し上げたような方向で十年間の間に何としても残存鉱害を処理したいと、こういうふうに考えております。
○下田京子君 錯綜した地域であるだけに、やはりポイントをしぼってまた対応いただきたいということを再度申し上げておきたいと思います。 次に、当面するエネルギー政策の中でも重大な関心事になっておりますが、北炭夕張再建問題についてお尋ねをしたいと思うのです。 〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕 去る十日、九十二名の遺体が最終的に収容されて合同葬が行われました。私は遺族の皆さんのことを思いますと、また再び無念の涙で胸がいっぱいではなかったかと思います。大臣も出席されておりますけれども、二度と再びこのような犠牲者を出すまい、とりわけ労働者を犠牲にしたエネルギー政策、改善しなければならない、そういう決意を新たにしたんではなかろうかと思うのです。しかし、いまだに管財人の選定が難航している状態であります。こういう中にあって政府は再三会社や関連グループの説得ある対策を行っていきたい、こういうことをお述べになっていたかと思うのです。 そこで、お尋ねしたいわけなんですけれども、この説得ある対策ということは一体どういうことをお考えなのか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先日の葬儀に出席をいたしまして、事故の重大さ、悲惨さというものを改めて痛感をしたわけでありまして、こうした惨事を二度と繰り返してはならない、こういうふうな思いを新たにしたわけです。 北炭の今後の課題につきましては、これは管財人をまず人選をする、選ぶということがいま当面の最大の課題でして、政府としてはこれに対して全力を挙げている、こういうことであります。 〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕
○下田京子君 管財人の選定ということが大前提だと。ただし、どういう方向で再建をされるのかという、このこともまた大事な問題ではないかと思うのです。この基本的な再建方向をしっかりと政府みずからが心に据えてかからなければ、私はこれはまた再び労働者や地方自治体、多くの皆さんの犠牲の上に再建ということが出てくるんではないか、大変心配しているわけです。 実は私、去る十六日、現地代表の皆さんと御一緒に北炭本社やあるいはまた三井観光開発に行ってまいりました。その際に三井観光開発の山本常務が言っておりました。まだあの時点で再建問題について具体的に相談はないのだけれども、三井観光開発というところは北炭があって生まれた企業だと、北炭をつぶすということは三井観光開発もつぶれることになる、だから何としてもつぶすわけにはいかない、こんなことをおっしゃっておりました。いま大臣もお話になりましたし、また現地でも記者会見等で山の再建はどうしても図らなければならないと、こうおっしゃっておりますけれども、問題は一体北炭並びに三井観光など三井グループの責任、こういうものをどうとられていくのか。繰り返し政府が言っておられましたそういう関連グループの説得ある対策という点では、全面的なやっぱり支援ということが必要ではないかと、こう考えるわけなんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 北炭新夕張はいま更正法適用を受けて、裁判所の手に、今後のあり方についてゆだねられているわけですが、今後どうするかということは、新管財人を早く選んでいただいて、それで新管財人の手によってこの再建計画等が裁判所のもとで練られていくわけですから、私たちはまず今後どうするかという問題を考える場合にも、新管財人が早く選ばれる、そのために政府としても側面的に全力を挙げておる、そして石炭協会にその人選を依頼しておりまして、できれば十日以内にということでいまその人選が進められておる、早く選んでいただきたい、こういうことであります。 三井関連グループにつきましては、これまでもああした事故以来協力が行われているわけですが、さらに今後とも山を残すという形の中でいろいろと協力をする責任は私はあるんじゃないかと、こういうふうに思っています。
○下田京子君 石炭協会に管財人の人選依頼をしているということなんですが問題は確かに今回の再建に当たっても三井関連グループなど、一定のいろいろな対応をされているというお話でありますが、私はこうした関連グループの責任がどうとられているのかどうかということをやはり明確にすべきじゃないかと思うのです。その点いかがですか。
○政府委員(福川伸次君) 従来、この三井観光開発あるいは広く三井グループ、これはこの北炭関連と非常に密接な関係がございます。事故発生以来、三井観光開発といたしましても、私どもも非常に苦心をいたしましたが、一月分の給料の支払い等のために三井観光開発から、従来の真谷地に譲渡いたしますことにいたしました滝ノ上等の電力所のかわり担保の提供を求めるというようなことで、三井観光開発の方でもいろいろその辺は御検討をわずらわしたわけであります。さらにまた、弔慰金の支払いにつきましては、これは三井観光開発が担保を提供して三井銀行が資金を融資する、こういう経緯をもっていたしてまいっております。もちろん、従来からこの北炭のためにそれぞれ三井観光は数十億の融資を行い、あるいはまた三百億近い担保を提供いたしたということは事実でございます。三井銀行もそれなりの融資をいたしてまいりました。 しかし、いまこの災害の発生ということ自体を踏まえて見ますると、これはあくまでも企業内の災害でございますわけですし、私企業ベースとして会社更生法という道を選んだわけでございまして、私どもとしても現行制度としてできるだけの協力はもちろんいたしますし、現にいたしてまいりましたし、災害発生以後、すでに十数億の財政資金の投入もいたしたわけでありますが、やはり基本は企業の自己努力と関連グループの支援ということが、この企業内災害あるいは会社更生法ということの範囲のそういう体制の中では、非常に重要になってきているというふうに思うわけであります。したがいまして、私どもとしてもできるだけのことを三井観光あるいは三井グループということについてもお話しもしてまいったわけでございます。 そこで、今後は再建に向けてどうするかということでございまして、再建のためにはこれが果たして従来の北炭夕張株式会社の資金的な能力、技術的な能力あるいは経営管理能力、これを考えてどういう道が一番いいのであろうかと、さらにまた従来の債務、これをどのようなかっこうで処理していくかと、こういうことの問題に移ってくるわけでございまして、私どもといたしましてはいま大臣が御答弁申し上げましたように、管財人の選任が何とかして行われて、さらにそのもとで適切、適正な計画の策定、再建へ向けての道が開かれていくということを見つけ出していく努力を、側面からも支援もしてまいりたいと、かように思っております。
○下田京子君 再建に当たっても会社関連グループ、とりわけ三井観光開発の責任というのは、私は重大だと思うのです。そこをやっぱりはっきり据えて御指導いただきたいと思うのです。 資料をごらんいただきたいと思うのですけれども、実は大沼大規模年金保養基地というものがこれは厚生省の年金福祉事業団の事業でやられたわけですけれども、この土地買収に絡んで三井観光開発が非常に利益を得ているという例であります。この事業というのは昭和四十七年十月に構想が出されました。四十九年三月に厚生大臣の指定を受けて、五十五年七月にオープンしているわけです。この基地の土地はもともと内務省の土地でありまして、それが昭和十八年に北炭の土地になっています。そして、四十五年に北炭の子会社、北海道牧場というところに移っているわけです。そして事業が具体化した四十八年ですね、三井観光に所有権が移転しているという実態です。そして、その直後に土地開発公社を経由して実は年金福祉事業団に三十五億円というお金で売買されているわけであります。つまり、北炭、三井観光グループの間で土地が転がされた、そして事業団に高く売りつけられた、その利益は三井観光に入ると、こういう手口で土地が売買されていったわけですね。大臣、この事実御承知でしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま初めて拝見させていただきました。
○下田京子君 どんな御感想でございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお聞きしただけですから、その辺の事実は、これは事実であるかもしれませんが、それなりに受け取っております。
○下田京子君 事実でありますが、それなりに受け取るという、大臣何か感想になっていない。 ここに実は登記簿謄本から、厚生省の基本計画の概要から全部ございます。お調べください。そして、あわせて――実はこれだけじゃないのです。次の資料をごらんいただきたいと思いますけれども、これは農林水産省の事業でして追分国営農地開発事業、この事業は調査期間が昭和四十五年から四十六年でした。全体計画期間が四十七年、工期は四十八年から五十六年で行われたものであります。この事業も資料の内容のように土地が移転しているわけですね。それからさらに、資料をごらんいただければおわかりだと思いますが、新千歳空港、これも同じ手口でございます。 もう時間もありませんから事細かく申し上げませんが、いずれもいまの三案件についてはここに登記簿謄本全部ございます。そういう状態で、問題は一体何かといいますと、これらの用地はいずれも北炭が大正時代や戦前から所有していたものなんです。しかも、もとをたどれば明治四十年代に内務省から払い下げていただいたものであります。それが、大変不思議なことなんですけれども、国や事業団、また北海道など公的機関が買収する直前に必ず北炭の手元を離れて三井観光に移っているというところが特徴的なんです。つまり、ここではっきりする第一の問題は、土地転がしによる買収価格のつり上げ、そして二つ目に問題になることは、結果として土地の売買による利益が三井観光に入るということなんですね。こういう実態でありますだけに、大臣初めてだとおっしゃいましたが、改めてどういう御感想をお持ちなのか、そしてまたどう対応されますでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 別にこれは対応というよりも、企業内でいろんなことが行われて今日に至っておるんでしょうから、それ以上私が何も言う筋合いはないと思うのです。
○下田京子君 全く一企業の話、北炭再建との話でないにしても、実はその企業の経営問題だから関係ないよというようなお感じではやはりこれは問題だと思いますよ。しかも、私が申し上げていますのは、三井観光開発というこの企業がどれだけ北炭再建にとって責任ある態度をとるべきなのかという点での具体的な裏づけを話しているわけですよ。 さらに問題があるんですけれども、三井観光開発が北炭再建のために資金援助を強力にすべきだと、この関連でもう一つ申し上げますと、実は明治年代に内務省が北炭に山林を無償で払い下げた面積が同じくここにも資料があると思うのですけれども一万八千九百六ヘクタールです。それで、現在山林の所有はどうなっているかと言えば、北炭が一万二千二百六十一ヘクタールで、三井観光が一万百二十一ヘクタールということで、ほぼ半々になっているんです。問題は、無償で払い下げられたものが払い下げ目的と違う名目で三井観光の手に移って資金づくりに利用されているという問題なんです。ここに問題があるんです。 さらに、第二の手口ですが、これはまさに長期融資の高金利政策問題です。資料をごらんいただきたいと思います。これは五十一年三月末、五十二年三月末、五十三年三月末と、それぞれ関連グループ及びユーザーからの長期の借入分がここに出ております。三井関連グループ、特に三井観光の場合は一二・三%です。新日鐵、日本鋼管、東京瓦斯などこうしたユーザーに比較して四・三%も高い金利を取っております。下段をごらんいただきたいと思いますが、住友グループに比較いたしますと何と九・三%も高い金利で融資しているという驚くべき実態がわかるわけです。これはまさしく北炭を食い物にして三井観光開発が資金をつくってきたんだと言わざるを得ない第二の事例ではないかと思います。ましてやこの時期に国は百六十五億円の融資を無利子でしているのです。こうして国から無利子のお金を借りて、そして一方ではその関連三井グループが全く高金利でもって北炭に貸していると、こういうことが許されていいのだろうか、重大な問題だと思うわけです。再度大臣に御感想をお聞きしましょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 企業間のことですからどういう事情か、ただこの資料だけ見てもよくわかりませんけれども、われわれがこれに対して何も言う筋合いはないのじゃないかと思います。
○下田京子君 大臣がそのようなことを言い続けておれば、やはりこうした三井観光開発を中心とする関連グループに対してどういう姿勢で臨むかという点での姿勢が問われるのじゃないかと思うのです。 あえてもう一度聞きます。大臣いいですか。この五十一年、本当に北炭の経営はもうこれからだんだんひどくなっていくわけなのです。そういうときに関連グループがこういう対応をされていたという点についてきちんとしたやっぱり責任ある態度をとるべきじゃないかと思うのですけれども、どうです。
○政府委員(福川伸次君) 急なお尋ねなので私も正確な資料は持ち合わせておりませんが、この住友のお尋ねの資料につきましては、これはたしか昭和四十年代の後半に非常に住友石炭鉱業が経営が危機に陥りましたときに関連グループがこのようなかっこうで低金利で資金の支援をいたしたものと記憶しております。 北炭に関しましてはいま御指摘のように五十一年の三月あるいは五十二年の三月はこれは従来かなり関係グループが高い金利でいたしておりましたが、御承知のように五十年に幌内炭鉱に火事災害が起こりまして、これをめぐります再建計画というのがたしか五十二年になってできてまいりました。その後、ここにも五十三年三月には三井銀行は三・五という金利が出ておりますが、そのほか三井信託、三井物産等もこれに応じまして、金利の棚上げ等の措置を講じております。現在、私の記憶ではたしか三・五かあるいは三・七五で全部棚上げをいたしておったと思います。この時点では確かに三井観光は御指摘のように高金利でございましたが、いま御指摘のような北炭も非常に経営が行き詰まるというようなことでございまして、その後この三井観光に関する金利もこれよりはたしか私の記憶では若干下げた対応をいたしておると思っております。
○下田京子君 五十一年にすでにこの北炭の経営が悪化しているということは御承知だと思うのです。なぜならば、北炭の社長でもあった、現在三井観光開発社長をしております萩原さんですね、この方が実は幌内のガス爆発火災で北炭の経営が極度に悪化しているということで、五十一年の十月だったと思いますが、参議院の本商工委員会でこう述べているのです。北炭は五十二年度まで極度に資金が逼迫する、資金不足は百三十億にも達する、政府も北炭が独力で資金調達について非力であることを十分御承知なので心配している、御心配くださるのはありがたいが、小言だけいただいても再建の力にはなりませんと、こういうふうに開き直っているのですね。ですから、五十一年当時もう大変な事態ははっきりしていたのです。にもかかわらず、五十一年、五十二年どこういう高金利でもって融資をしていたというのは、これは紛れもない事実なんですね。 一方、問題なのはこの萩原さんという方が国会でこういうことをお述べになっていて御自分の三井観光開発では何をしていたかといいますと、熱海観光道路というところを吸収合併しています。しかも時価数百億円とも言われる札幌グランドホテルを建設し、それから三井アーバンホテル銀座の工事等に次々と資金をつぎ込んでいるのです。こうしたことは道義的にたって私は許されないのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(福川伸次君) この北炭の社長、会長、それから三井観光に彩られて、萩原吉太郎氏がそれぞれいろいろな北海道の観光開発等の事業に力を入れようということは私どもも承知をいたしておるわけでございますが、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、いろいろ過去にそれなりの経緯があったわけでありますが、それは私どもとしてはその時点においてそれぞれ適正に処理されたものと考えておりますが、むしろいま問題は、これからの北炭夕張の再建というのがどういう形に相なっていくんであろうかという点に一番私どもとしては今後の問題を、焦点を当てて、裁判所の管轄によりましてその方向を見出していくということが問題ではないだろうかと思います。その過程で一体この夕張炭鉱の再建ということをやはりこの北炭グループの中で考えていくのがいいのか、あるいはもう少し別途の道を考えていったらいいのかどうかという点を十分関係者の間で議論をしていただくということが重要であろうというふうに思います。 もとより先ほど申しましたように、企業内災害ということでございますので、その処理ということについて企業の自己努力、あるいは関連グループの支援ということが基本であるという点は私どもとしても従来申しております。それも基本に据えて今後の対応を図りたいと思っております。
○下田京子君 ですから、その再建の一つのポイントになるのが政府がいままで何度も言ってまいりましたが、会社や関連グループがどういうふうな説得力あるような対応をするかと。だからそういう説得力ある対応をさせるために政府が大臣を含めてどう対応し、指導していくかということなんですよ。 萩原氏が特別力を入れてつくってきたのが実はその三井観光開発なんですね。私が言うまでもなく御承知だと思うのですけれども、現金皆無で北炭から一千八百万円借り入れて、北炭の保証で十六億円借り入れをして活動開始、観光事業の基盤がなったと、「一財界人書き留置候」という本の中で萩原氏自身が述べています。まさしく北炭あって生まれ育ち大きくなった会社が三井観光開発なんですよ。ですから生みの親とでも言いましょうか、いま現在その北炭が苦しんでいるときですから、当然三井関連グループ、特に三井観光開発の責任は重大だということを私は繰り返し述べているわけなんです。 そこで、もう時間もないのであれなんですけれども、もう大変なパンフレットなんかもお出しになっていて、こういうもの、これはもうごらんいただければおわかりだと思うのですけれども、大変な資産づくりがなされてきております。しかも、こういうことをやっていながら一方で同じ時期に労働者に対してはどんなことをしてきたかということですよ。先日も予算委員会で私が質問いたしましたけれども、北炭四社で賃金未払いが五十七年の一月一日現在で百七億五千二百四十二万円でしょう。その中に退職金が九十七億六千八百五十万円も含まれているんですよ。退職して、なおかついつもらえるのかもわからないあの山を離れていった人たちもおるわけなんです。そのめども明確になってない。こういう犠牲をもうこれ以上許すことができないのじゃないかと思うのですよ。こういう体質がやはりあの大変な災害を生み出した本質だと思うのです。とすれば、本当にもうこれ以上労働者の命を犠牲にしない、国や自治体の資金を食い物にして、そしてみずからの企業を肥え太らせていくというふうな三井観光、とりわけこの萩原商法とも言うべきこういうことをきちっと見てかからないと私は容易ではないのじゃないかと思うのです。 そういう点で時間もなくなりましたので、大臣に改めてお伺いしますけれども、一つは、労働者にこれ以上の犠牲をもうかけない。二つ目に、いまずっと申し上げてまいりました三井観光開発はもとより三井関連グループなどの道義的な、また政治的にも何よりも、経済的な具体的な対応ということをきちっと明確にして指導に当たるべきじゃないか。この二点、これは大臣にはっきりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどからお答えをいたしておりますように、北炭新夕張については会社更生法を申請して、目下裁判所の手にゆだねられておる、こういうことでありますし、これからの問題をどういうふうに具体的に処理するかということは、これはもう管財人をまず選ぶということが第一であろう、そういうことでわれわれも努力を続けておるわけでございます。そういう中にあって、やはりこれからの山を残していくというためには今日までも北炭関連グループにわれわれも要請をしていろいろと協力を求めてきた、それなりの協力もあったと思うわけでございますが、今後ともやはり山を残そうということになれば私はやはり北炭の関連グループにもこれまでのあり方というものも考えてもらって協力をしてもらわなければならない、こういうふうに考えますが、今後の問題でございますから、私たちも裁判所の判断を見守りながら今後政府として協力を求めるところは求めていきたいと、こういうふうに思っております。
○下田京子君 最後に一言だけ、大臣もう少し明確な私は決意が聞きたかったんです。一般的な決意ではなくて、裁判所の判断にゆだねる云々ではなくて私は明確に言っているんです、労働者や自治体にこれ以上の犠牲を出すなど。同時に会社関連グループのいま新たな事実も私は申し上げて責任を問うたわけです。そういうことも踏まえたきちっとした指導をいただきたいということであります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほど申し上げたとおりであります。
○井上計君 各委員からもうほとんど質問も出尽くしております。時間も大分経過しておるようでありますから要望を含めて数点きょうは簡単にお尋ねをいたしますので、簡潔なひとつ御答弁をお願いいたしたいと思います。 この二法の延長によって石炭鉱害の復旧工事が今後さらに進むであろうということは大いに期待をしております。しかし先ほどから御答弁がありますように、この十年間でもう打ちどめにする、こういうふうな方針だとすると、今後さらに従来以上にテンポを上げていかなくてはいかぬであろう、こう考えますけれども、そこで問題になるのは、この厳しい経営環境の中で有資力者の復旧財源の問題であろう、かように考えます。私ちょっと聞いたところによりますと、全炭鉱の資料でありますけれども、三井石炭鉱薬では年間約七十億円を超すような資金を復旧のために必要としておる。炭価改定が行われておりますけれども、大体トン当たり千円程度、七十億円というと三井石炭鉱薬では大体トン当たり千円程度だそうでありますから、炭価の改定分はそっくりこちらの方にいわば消えてしまう。したがって、このしわ寄せはかなり労働者にきておる、こういうふうなことも聞いておるわけでありますけれども、これでは労働者は労働意欲がなくなってしまうのだというふうな、そういう愚痴も実は寄せられております。そこでこれは要望でありますけれども、今後補助率の引き上げ、賠償資金融資制度の貸付条件の緩和、これらを考慮すべきであろうと思います。 それからもう一つ、さらに臨鉱補助金あるいは鉱害融資金の有賀力者への重点的な配分、このようなことについてどうお考えでありますか。
○政府委員(福川伸次君) いま有賀力の処理のためにもう少し補助率の引き上げができないかというお尋ねが第一点であったと思います。現行の国及び県を合わせました補助率は大ざっぱに申しますと農地では八五%、公共施設では五〇%、家屋では六五%ということで、すでに相当高率に相なっているわけでございます。本来この鉱害の原因というのは原因をつくりました鉱害賠償義務者、鉱業権者がその責任を負担するということが原則でございます。さらにまた国あるいは地方財政、これまた非常に窮迫をいたしておるわけでございます。いま申しましたように非常に高率のすでに補助率になっておりまして、道路その他の公共事業等のバランスから考えますと、私どもとしては現在のこの補助率というのはすでに相当高率であって、これをさらに引き上げるというのは現状では非常にむずかしいのじゃないだろうかというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、いまの制度をさらに有効的に使っていく。これまたいろいろ石炭鉱業審議会でも御議論がございましたけれども、非常に鉱害関係が錯綜いたしているような地域につきましては、むしろこれを効率的にやっていく、さらに関係者の間で十分意見を調整しながら均衡のとれた形でやっていくという、運用面の改善を図るというようなことで、これを有効に使っていくことで対応いたしたいというふうに思っております。さらにまた、もちろん復旧費の補助金の配分につきましては、それぞれ地域ごとの残存量あるいは被害の程度を勘案しながら、なおかつ広域的な観点を踏まえてこの補助金を有効に使っていくということで対応をいたしたいと思っております。 さらに、有資力の鉱害につきまして、いわゆる融資制度を重点的に配分できないかというお尋ねでございますが、今回も、今年度から、金利は従来どおり三・五%でございますけれども、しかしながら融資比率を従来七〇ないし八〇を八五%に引き上げる、さらにまた、返済期限を三年据え置き八年を四年据え置き十五年ということで、相当私どもとしてはそれなりに思い切ってこの賠償融資の貸付条件の緩和を図ったつもりであります。これを長期基本計画との関連を踏まえながら十分効率的、重点的な配分を図って有賀力賠償義務者の鉱害処理ということの促進を図りたいと思います。
○井上計君 いろいろと善処されておることもよくわかります。了といたしますが、さらに今後とも効率的な運用がされるように大いにまた一段の御努力を要望しておきます。 そこで、いまの問題と関連をしますけれども、復旧工事の施行者が有賀力賠償義務者と地方公共団体と石炭鉱害事業団の三者であるわけでありますけれども、聞くところによると従来しばしばこの三者間で相互調整が十分にとれていないために復旧工事が遅延したりあるいはむだな二重復旧投資といいますか、このようなものが生じていることがしばしばあるというふうなことを聞いておるんですけれども、去る三月二十五日でありますが、衆議院の石特委員会でわが党の委員からこれらの点について質問をいたしまして、石炭鉱業審議会の鉱害部会の加藤部会長から事実上の一元化体制を考える必要がある、このようにお答えがあったようでありますけれども、通産省としてはどういうお考えでありますか。
○政府委員(福川伸次君) 鉱害部会を主宰していただきました加藤部会長、この問題を非常にいろいろ意欲的に取り組んでいただき、その方向をお出しいただいたわけでございます。答申の中では、「計画的、効率的校復旧事業が行われるよう、賠償義務者、県、市町村、石炭鉱害事業団等の関係者の協議の場を設け、」というようなことで、いまお尋ねのようなポイントの対応をするように、こういう御答申をいただいておるわけでございます。そうした協議の場を設けて、「全体的に整合性のとれた復旧計画を作成し、そのもとに、施行者が適切に調整、分担を行い、地区全体として速やかに鉱害復旧が進むよう配慮すべきである。」、このような御提言でございます。加藤部会長が当委員会でお述べになられました事実上の一元的な処理というのは、こういった関係者の協議体制をもって、そしてその地区全体を計画的に処理する、こういうことであろうというふうに思います。 私どもといたしましてもこの趣旨を十分尊重いたしまして、全体的に整合性のとれた復旧計画のもとに施行者間で適切に対応していくというふうに配慮してまいる所存でございます。
○井上計君 はい、わかりました。 次に、従来もこれまたこういうふうなケースが多くあったと聞いておりますけれども、復旧手続が大変複雑である、あるいは紛争処理制度が十分でないと言うと、あるいは適当な表現ではないかもしれませんが、それらによってかなり復旧工事がおくれておるというふうなことがあったと、こう聞いておりますけれども、そのためには今後復旧手続を円滑化していく、あるいは紛争処理制度を強化するということが必要であろうかと思いますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 鉱害紛争当事者間での話し合いがつきにくいようなケースというのが今後増大する可能性は当然考えられるということが答中でもうたっておるわけでありますが、このために紛争処理を担う裁定あるいは和解の仲介と、こういった制度がございますが、したがって、このような制度の運用ということは、これは今後さらに重要度が増していくであろう。この制度の運用に当たりまして、今後中立公正な機能が十分発揮できるようにしていくべきであるという御答申をいただいておるわけでございます。で、いまこの裁定委員会という制度が設けられておりますが、その権限につきましては、現行法でも当事者あるいは利害関係人からの報告、もしくは資料の提出を求める、あるいは事実関係につき実地調査を行うといったようなことができることになっておるわけで、従来でも円滑な裁定制度がなされるような配慮がございますが、なお、しかしながら問題がないわけではございませんで、ただいま裁定の事務手続とか、たとえて申しますと不受理規定の整備、あるいは相手方が居所不明の場合の取り扱いといったような面でさらに改善すべき点があろうかと思うわけでございます。答中でもうたわれておりますように、こういった裁定あるいは和解の仲介といったようなものの制度の運用に当たりまして、中立公正な機能が十分発揮できるように今後私どもも実情に即して検討を進めてまいる考えであります。
○井上計君 従来、いわば俗に言うごね得の人もかなりあったというふうなことも耳にしておりますので、十分ひとつ善処をしていただきたい。さらに要望しておきます。 最後の要望でありますが、赤水湧水の対策について、設備等については補助対象になっておるようでありますが、維持管理体制が補助対象になっていないと、このように聞いておるんですが、そうだとすると維持管理体制についてもいわば赤水湧水のいろいろな、何といいますか、性格といいますか、要するにすでに閉山をされておるところの湧水が有資力者のところまでしみ込み、流れ込んでおる、それらも含めた湧水をしておるというふうなケース等からして、これも補助対象に入れてもいいのではないか、このように考えますが、要望を含めてひとつお尋ねをしておきます。
○政府委員(福川伸次君) 赤水湧水処理についてでございますが、これは本来でございますれば、原則といたしまして賠償義務者が行うべきであるわけでありますけれども、ケースによりまして、国土の保全、民生の安定の観点から復旧法に基づいて赤水処理施設が設置される、こういうふうなことにつきましては補助も行っております。その施設の維持管理費についてのお尋ねでございますが、基本的には施設を設置いたしました賠償義務者がこれは本来負担すべきものであるということでございまして、現在もそのようなかっこうで運用してまいったわけでありますが、いまお尋ねのように、有賀力賠償義務者の処理している赤水の中に他の賠償義務者にかかるものが含まれているんではないかという御指摘が一部にございます。 従来それは有賀力として自分で設置なさったわけで、その管理費用というのは本来、賠償義務者が負担していただくべきものではありますが、いまお尋ねのような場合には何らかの助成を行うべきかどうか、何かで行うとすればどういう判断、基準、どういう負担区分で考えていったらいいか、これは非常に技術的にもむずかしい問題がございます。私どもとしても実情に合わせてひとつ慎重に検討さしていただきたいと思います。
○井上計君 終わります。
○委員長(降矢敬雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、村田君から発言を求められておりますので、これを許します。村田君。
○村田秀三君 私は、ただいま可決されました臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、法律の有効期間内に累積鉱害が最終的に処理されるよう、全国鉱害量調査に基づいて鉱害復旧長期計画を速やかに見直し、地域の実情をふまえた、広域的かつ合理的な復旧基本計画の策定をはじめ、必要な諸施策の円滑な推進に努めること。 二、鉱害復旧事業の実施にあたっては、他の公共事業・産炭地域振興事業等地域政策との整合性について十分配慮するとともに、地方公共団体との協力の緊密化等鉱害復旧体制の質的充実により、施策の計画的効率的実施に努めること。 また、賠償義務者が錯綜している地域についても、施行者が適切な調整・分担を行い、速やかに鉱害復旧が進むよう指導すること。 三、有資力鉱害の復旧促進について、適切な措置と指導に遺憾なきを期すること。 四、復旧対象となる鉱害の認定にあたっては、地域の実態に応じ、合理的かつ適確な判断を行うよう努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(降矢敬雄君) ただいま村田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 全会一致と認めます。よって、村田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、安倍通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。安倍通産大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましてその御趣旨を尊重いたしまして努力してまいる所存であります。
○委員長(降矢敬雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(降矢敬雄君) 次に、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。安倍通商産業大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 わが国におきましては、昭和十二年のアルコール専売法の施行に伴い燃料用アルコールの自給力を急速に向上させることを主たる目的として、国みずからによるエチルアルコールの製造が開始され、その後工業用アルコールの安定供給等にその役割りを変更しつつ、国営によるアルコール製造を行ってまいりました。 しかるに、最近に至り、行政の簡素化及びアルコール専売事業の効率化を図る観点から、その経営形態のあり方について学識経験者から成る機関において慎重な審議が重ねられてきたところであります。 政府としては、これらの審議結果を踏まえ、かつ、石油危機以降アルコールが将来の石油代替エネルギーの一つとして世界的に期待を集め、わが国においてもその開発・利用の推進が必要とされている事情を勘案し、アルコール専売事業の製造部門を本年十月に新エネルギー総合開発機構へ移管することを決定いたしました。この決定を実行するため、今般アルコール専売法等について所要の改正を行うことを内容として、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の要旨につきまして、御説明申し上げます。 第一は、アルコール専売法を改正いたしまして、政府が新エネギルー総合開発機構にアルコールの製造を行わせることであります。政府は、毎年度開始前にアルコールの収納に関する計画を定めて機構に通知し、これを受けて機構はアルコール製造に関する業務を行うこととなります。これに伴い、機構におけるアルコール製造業務に係る経理区分等について所要の規定の整備を行うこととしております。 第二は、アルコール製造事業の機構への移管に伴いまして、通商産業省基礎産業局アルコール事業部を廃止する等通商産業省設置法の改正を行うことであります。 第三は、アルコール専売事業を公共企業体等労働関係法の適用対象から除外することであります。 第四は、アルコール専売共済組合を廃止し、通商産業省共済組合へ統合するため、国家公務員共済組合法を改正することであります。 その他国から機構への権利義務の承継等所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬雄君) 次に、補足説明を聴取いたします。真野基礎産業局長。
○政府委員(真野温君) アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして補足説明を申し上げたいと思います。 ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨について、さらに補足して御説明申し上げます。 アルコール専売事業につきましては、行政機構の簡素化及びアルコール専売事業の効率化を図る観点から、学識経験者から成る機関によりましてその経営形態のあり方についての審議が重ねられてきたところでありますが、これらの審議結果を踏まえ、政府として、アルコール製造事業を本年十月に新エネルギー総合開発機構へ移管し、これに伴いアルコール専売事業を公共企業体等労働関係法の適用対象から除外するとともに、通商産業省基礎産業局アルコール事業部を廃止することが決定されたところであります。本法律案は、この決定に沿ってアルコール専売法等について所要の改正を行うことを内容とするものであります。 次に本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、アルコール専売法の一部改正につきまして御説明申し上げます。 現行のアルコール専売法はアルコールの製造につきましてこれを政府及び政府の特許、許可または委託を受けた者に限って認めておりましたが、アルコール製造事業の機構への移管に伴い政府が機構にアルコールの製造を行わせることとし、機構にアルコール専売法に基づくアルコールの製造の機能及び義務を付与することとしております。機構がアルコールの製造を行うに際しまして、機構がアルコール専売法の定めるアルコール製造者に関する諸規制に服することとするほか、政府は毎年度開始前にアルコールの収納に関する計画を定め、これに基づきまして機構の製造したアルコールを収納することといたしております。また、機構の業務にアルコール製造に関する業務を追加するとともに、機構は同業務に関する経理につきましてはその他の経理と区分して特別の勘定を設けて整理することとしております。なお、政府の特許、許可または委託を受けてアルコールの製造を行う者につきましては、特許製造者が現在存在しなくなったことからこれに関する規定を削除いたしますほかは、基本的に現行の取り扱いを維持することといたしております。以上の改正及びこれに伴います所要の規定の整備が今回のアルコール専売法の改正の内容でございます。 第二に、通商産業省設置法の一部改正につきまして御説明申し上げます。 アルコール製造事業の機構への移管に伴いまして、行政の簡素化を図る観点から通商産業省基礎産業局アルコール事業部を廃止することとしております。このため通商産業省設置法について同部に関する規定を削ることとするほか、所要の改正を行うことといたしております。 第三に、公共企業体等労働関係法の一部改正につきまして御説明申し上げます。 アルコール専売事業は国の経営する企業として現行の公共企業体等労働関係法の適用の対象となっております。このたびのアルコール製造事業の機構への移管に伴い、国のアルコール専売事業に公共企業体等労働関係法を適用する必要がなくなるため、同法の適用対象から除外することとし、関係規定の改正を行うこととしております。 第四に、国家公務員共済組合法の一部改正につきまして御説明申し上げます。 現行の国家公務員共済組合法におきましては、アルコール専売事業職員について通商産業省共済組合とは別個に独立の共済組合を設けることとされており、これに基づいてアルコール専売共済組合が設置されております。このたびのアルコール製造事業の機構への移管により組合員が大幅に減少し、アルコール専売共済組合を独立に運営することが著しく困難となる等の理由によりアルコール専売共済組合を廃止し、通商産業省共済組合に統合することとし、関係規定の改正を行うことといたしております。 最後に、附則につきまして御説明申し上げます。 附則におきましては、国から機構へのアルコールの製造に関する権利及び義務の承継について規定するほか、本則による各法律の一部改正に伴う経過措置、関係法律の一部改正等所要の規定の整備を行うこととしております。なお、この法律の施行目は、一部の規定を除き、本年十月一日といたしております。 以上、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案につきまして、その内容を補足して御説明いたしました。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬雄君) 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会 ―――――・―――――