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96回国会参議院1982/04/01

商工委員会 第8号

発言数
264
登壇者
28
会派数
6
開催日
1982/04/01

会議録

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  昨日に引き続き、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会、経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫の審査を行います。  この際、政府から昨夜起きました鹿島臨海工業地帯内の鹿島石油鹿島製油所爆発事故につきまして、発言を求められておりますので、これを許します。神谷立地公害局長。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○政府委員(神谷和男君) 御報告申し上げます。  昨日三月三十一日午後八時二十八分ごろ、茨城県鹿島郡にある鹿島石油株式会社鹿島製油所第一重油脱硫装置、日産四万五千バレルの原料重油挿入ポンプ安全弁付近から重油が漏洩し、それに何らかの原因で着火、爆発いたしましたが、午後十一時二十九分、タンク類等に類焼することなく鎮火いたしました。  この事故により、運転員十名のうち一名が死亡、七名が重傷、全員やけどでございます。  事故の原因につきましては、現在現地で調査中でございますが、推定され得るものといたしましては、安全弁からの重油の漏洩、あるいは配管の継ぎ目からの重油の漏洩、または配管そのものからの重油の漏洩のいずれかにより出火したものと推定をいたしております。関連法令の違反の有無は現在不明でございます。  当省からは、保安関係並びに資源エネルギー庁の石油部関係の担当官を現地に派遣をいたしております。また、直接、高圧ガス取締法の責任の衝にある茨城県に対して、当省から直ちに緊急停止命令を当該装置にかけるよう要請をいたしております。原因が判明次第、改めて御報告させていただきます。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 爆発事故の緊急質問をしたいと思いますが、経企庁長官が何か外交的な問題でお会いになる人があるという申し出がございましたものですから、最初に経企庁長官に対する質疑を終わりまして爆発事故の問題に移りたいと思います。  三月中旬に発表されました国民所得統計の速報によりますと、五十六年度第三・四半期の実質GNEは前期比で〇・九%、年率で三・五%のマイナスになったことから、再び景気が落ち込むのではないかと懸念されておりますが、まず最初に景気の先行きについての基本認識をお尋ねいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 第三・四半期の景気動向がいまお述べになりましたような状況でございますので、政府といたしましては、三月の中旬に当面の経済運営についての方針を決めたのでございます。その一つは、引き続きまして金融政策を機動的に運営する。それから第二点は、五十七年度の公共事業、中央、地方を通じて上半期七五%以上技術的に可能な限り最大限前倒し執行する。第三は、ことしの住宅建設計画のうち、公的な住宅が全体の建設計画の約半分近くございますが、それをできるだけ上半期に繰り上げ執行するということ、さしあたり以上のようなことを決めたのでございます。  全体の公共事業量は土地代を除きまして約二十四兆と想定をしておりますので、相当の効果があろうかと思いますが、これによりまして後半景気が回復することを期待しておりますけれども、もし計画どおり景気が回復しないということでありますならば、その時点においては有効で適切な政策が当然とられなければならぬと考えております。  いま世界経済全体が昨年の後半からことしの前半にかけまして最悪の条件である、戦後一番厳しい状態になっておると言われております。しかし、幸いにようやく第二次石油危機の調整期も過ぎたのではないか、私どももこのように判断をし、欧米諸国の政府並びに権威のある国際機関等におきましても、ことしの後半以降景気は回復するであろう、そういう見通しを発表をしておりまして、私どもも特にアメリカの経済は後半回復することを期待しておりますが、それらが牽引車になりまして世界経済も回復の方向に行くであろう、このように考えております。国際情勢も好転をいたしますならば、内需の拡大政策と相まちましてわが国の経済も後半は立ち直りの方向に行くであろうと思いますし、また、行かないといろんな面で今後行き詰まりますので、そういう方向に政策努力を集中していきたいと考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 最近の国際収支は内外の金利差を反映いたしまして長期資本流出が引き続き高水準で推移していることは御承知のとおりでありますが、大蔵省が三十日発表いたしました国際収支状況速報によりますと、貿易収支の、輸出は前年度同月比三・〇%の減となっておりまして、総合収支では三カ月連続の赤字となって輸出のかげりが色濃くあらわに出てきている状況でございます。また、円安基調の続いている中で、昨日衆議院の大蔵委員会で日銀の前川総裁が、対外資本取引の有事規制の発動につきまして慎重に対処するとの発言をされたところから、投機筋がドル買いに走ったためか円安にはずみがつきまして、御承知のとおりに二百四十八円台にまで下がっております。この円安防止策についてこれは経企庁長官、また通産大臣も関係ありますから、お考えをお聞きしたいと思います。  また、今後の新たな貿易摩擦の火種ともなりかねない長期資本収支の大幅赤字による為替レートの悪化及びこれまで経済成長の牽引力となってきた輸出のかげりについて国内経済に及ぼす影響をどう評価されていらっしゃるのか、あわせてお尋ねいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いま円安になっております一番大きな原因は何と申しましてもアメリカの高金利だと思います。アメリカのこの高金利のためにいま御指摘がございました資本の流出も続いておるのでございます。そして、また行き過ぎた円安のために物価にも影響が出てきております。特に卸売物価はやや上昇ぎみになっております。したがいまして、非常に大きな影響が出ておるわけでございまして、私はこの貿易摩擦の中でも円安の問題は非常に大きな課題ではないか。むしろ市場の開放体制も大事でありますが、現実に及ぼしておる影響から考えますならば、この方がはるかに大きいのではないか。昨年の初めは二百円という水準でございましたが、きょうの寄りつきは二百四十七円だそうでございまして、約二四%の円安になっておるということでありますから、アメリカの商品が二四%高くなっておる、こういうことも言えるわけでございまして、貿易摩擦を抜本的に解消するということのためには、市場の解放体制、この問題をやはり解決する必要があろうかと思います。  もちろん内需拡大の問題も本格的な解決のための当然の条件でございますけれども、やはり円安という問題はわが国経済にいろんな角度から非常に大きな影響を及ぼしておると思います。一説には、日本の基礎的な条件がある程度悪くなったのではないか、そのための円安なのではないか。あるいは国際情勢が非常に流動的である、これもその背景にあるのではないか。特に中東情勢が流動的であるということがその原因ではないかという説もございますが、私どもといたしましては、やはりアメリカの高金利が最大の理由だろう、このように判断をしております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま経企庁長官のお話しのとおりに思っておりますが、最近円安が加速をされておる、これは日本の経済の実力から見ますと余りにもかけ離れた円安の趨勢でありまして、いまお話しのように、やはりアメリカの高金利政策が続いておるということがその根本的な原因であろうと思いますが、特に最近では資本の流出が過度に行われておるというところにも、最近の円安加速の大きな私は要因があるのじゃないかと思いますし、また十−十二月の日本経済がマイナス成長であったというふうなことも微妙に反映をしておるのじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。  輸出は、円安が加速されることによってまた伸びていく傾向が出てくるわけでありますが、現在のところでは十一月から続いておるところの輸出の鈍化の状況は、その方向が変わっていないということでありますが、しかし輸出の中で依然としてアメリカと中近東に対しては輸出が非常に伸びておる。これは日本の輸出全体の姿、日本の貿易のあり方から見ますと非常に心配をされる。特に貿易摩擦という観点からは非常に私は心配をしておる現象でありまして、何としても内需の振興を図っていかなきゃならない、そして貿易摩擦を解消して貿易の拡大均衡を今後とも堅持していかなければならない、こういうふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 通産省より鉱工業の生産動向について御説明をしていただきたいと思います。

石丸博己通商産業大臣官房調査統計部長

○説明員(石丸博己君) それでは鉱工業生産の動向につきまして御説明申し上げます。  鉱工業生産の動向は緩やかな回復基調で推移してきたわけでございますけれども、最近に至りまして内需の伸び悩みあるいは輸出環境の悪化などから生産には力強さが見られず、今後の動向を注視する必要がある、こういうふうに判断しております。数字的に申し上げますと、生産は昨年の十一月前月比マイナス〇・三%という数字を記録いたしまして、その翌月十二月には前月比マイナス〇・七%、それから本年一月には〇・一%のマイナス、こういうことになりましたわけでございますが、本年の二月の速報のベースで申し上げますと、前月比にいたしまして〇・五%のプラス、こういうふうになっております。それを若干業種別の傾向として申し上げますと、従来好調に推移してまいりました機械工業、これが輸出の環境の悪化などによりまして、最近弱含みに推移しておりまして、また素材型産業におきましては昨年の後半から一部業種を除きまして在庫調整が進展しておりまして、それによりまして若干の生産の同役傾向、こういうものがあったわけでございますが、この傾向も最近は再び鈍化している、こういうような状況にございます。  以上でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいま御説明をお受けしましたが、生産が若干はふえておりますけれども、一方で出荷が減り、在庫もふえている、その原因は引き続いての内需不振と輸出のかげりではないかと思うわけでございますが、このため経企庁が実施しました企業経営者見通し調査にも景気の先行きに悲観的になっている経営者があらわれている、こういう状況が出ておりますけれども、このような状況を打開する方途を何かお持ちでしょうか、お聞かせいただきたい。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) やはり経済の現状から判断をいたしまして、将来にやや悲観的な見通しを持っておる経営者が若干出ておるということは事実でありますが、経済はこういう心理的な影響を非常に大きく受けますので、実は私どもも大変心配をしておるところでございます。  そこで、やはり先ほど申し上げましたように、いま落ち込んでおります内需を一時的に回復する方法といたしましては、公共事業や公的住宅の繰り上げということを決めておりますが、しかし引き続いて年度間を通じて、また来年度を展望して、内需拡大策についてはこういう政府は確固たる方針を持っておる、並びにわが国の経済の中期的な展望等について明るい見通しを皆様方が持っていただけるような、そういう具体策をできるだけ早く立てまして、そして将来の日本経済の展望につきまして確固たる見通しが立てられるような、そういう私は政策づくりが必要ではないか。いまの状態ではやはり心理的に相当悪影響が出てくるのではないか、このように思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 お忙しいと思いますから最後にお尋ねしますが、景気振興のため公共事業が上期七五%以上の前倒し、総理は八〇%という御発言もなさっておられますけれども、発注する方針とのことでございますが、環境問題などで本格的な発注までの時間的なずれ込みがあり、また総額が抑えられている以上、幾ら前倒しをいたしましても、後半での息切れが心配されるなど、どの程度の効果が期待されるかちょっとわからない状態ではないかと思うのでございますが、現在の地域間あるいは業種間で大きな格差のある破竹型経済の中で、発注の仕方によりましては波及効果の及ばない地域業種がありまして、一層の格差を拡大させるのではないかと、経済の跛行性に対する対応というものが非常に大事な点ではないかと思いますが、これに対してどのように対処されるのでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) これはあるいは建設省の方から御答弁があるのが適切かと思いますが、私がかわって全体としての意見を申し上げますと、跛行性が出ておりますのは三つの分野であります。一つは業種間での跛行性、それから地域による跛行性が非常に厳しくなっておると思います。それから事業規模による跛行性といろいろございますが、この事業規模による跛行性をある程度解決するためには公共事業で中央、地方通しましてできるだけ中小企業に発注をふやしていくと、そういう判断が必要でなかろうかと、こう思っておりますし、現にそういう方向で進めておるところでございます。またこの地域間の問題につきましては、第一次産業と公共事業でその地区の経済がもっておると、こういうところもございますし、それからまた、時期によりまして仕事のできる時期とできない時期と、こういう地域もございますので、そういうことを勘案しながらやはり発注することが望ましいと、このように思います。業種間の問題につきましては、これは通産省の方で個別政策を進めておられますので、私からは答弁は省略させていただきます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 続きまして、鹿島石油の爆発事故についてお尋ねをいたしますが、ただいまも簡単な御報告がございましたが、今回の事故の特徴というのは高圧、高温の脱硫装置の安全のために設けられた安全装置の事故であるということが第一点として取り上げられるのではないかと思うのでございます。また第二点は油漏れの事故を知らせるベルがかえって人身事故を招いているという、この点が大きな特徴ではないかと思うわけでございますが、この二つの点の立場から今回の事故の報告はございましたが、もう一度私がいま二点が今回の事故の特徴であるということを申し上げました。この立場から事故の報告をしていただきたいと思います。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) お答えいたします。  いま先生から二点の御指摘がありましたんですが、後の方のベルの問題につきましては、鳴ったかどうか私どもの方はまだその点は確かめておりませんですが、御指摘の安全装置の事故であろうと、これも冒頭で局長が御説明しましたようにフランジなのかあるいはパイプなのかあるいは安全装置のところなのかと、その辺もいまのところ想定の域を出ないところでございますので、今後原因究明をして、そして明らかになりましたならばそれ相応の対応を考えたいというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 県警の現在までの掌握された範囲内での御見解はいかがでございましょう、警察庁の立場として。

田中和夫警察庁刑事局保安部外勤課長

○説明員(田中和夫君) お答えいたします。  ただいままで警察といたしましては、事件の発生と同時に約二百名近い捜査員なりあるいはその他の署員を充てまして一応捜索したのですけれども、原因がまだよくつかめないということでもって、裁判所の令状を得まして本日十時半から再度検証に入ると、こういうような状況でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 けさの新聞報道によりますと、県警ではこの点検で安全弁などの操作を誤ったかパイプのつなぎ目から何らかの原因で高温のガス状の重油が漏れ空気に触れて自然発火、爆発したものと見られるという報道がされておりますけれども、これはいかがでしょう。

田中和夫警察庁刑事局保安部外勤課長

○説明員(田中和夫君) お答えいたします。  ただいままで私どものところに入りました報告ではそのようなことまで詳しく入っておりませんです。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 新聞の方が詳しいわけですか、どうですか。新聞にはちゃんと出ている。

田中和夫警察庁刑事局保安部外勤課長

○説明員(田中和夫君) 私たちの報告ではそこまで出ておりませんので、新聞とはちょっと違うと——

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 新聞と違うって、新聞に出ている。

田中和夫警察庁刑事局保安部外勤課長

○説明員(田中和夫君) 私どもは、新聞に報告したかどうかということも承っておりません。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ここの鹿島石油の、このような臨海工業地帯に接した近代設備を誇りましたコンピューターで操作されているこういう工場が、コンピューターによって安全チェックされているはずのコンビナートが、しかも夜間にこういう事故が起きたということは、いままだ原因が究明されておりませんということでございますが、常識的に考えてですよ、常識的に考えてすべてコンピューターで安全チェックをしているところでこういう事故が起きたということ、これはどういうことなんですか。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) 常識的にはおっしゃるとおりこういったような事故が起こらないような形になっているはずでございますが、不幸にして結果的には実際そういう事故が起こったということを私どもはその事実を踏まえてこれから原因究明、あるいはその後の対策を真剣に考えていきたいというふうに考えています。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま考えられないことが起こったから真剣に考えていくということですが、通産大臣、これは常識としてどうですか。こういう事故がいま起きるわけがないところで起きたというけれども、現実には起きているんです。大臣、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに常識的には検査もこれまで十分してきておるはずでありますし、鹿島基地でこういう事故が起こった前例もないわけでございますし、こういう事故が起こるはずがない。それが起こったということでありますから、いま調査をしておりますが、その調査によって原因は徹底的に明らかにしなければならない。何か問題があったから起こったことは間違いないわけですから、これはきのうのきょうですから、いま全力を挙げて調査をしておりますし、一日も早くこれを突きとめてそして明らかにしなければならないと、こういうふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま大臣も起きてはならない事故が起きた。何らかの問題があったはずだとおっしゃった。で、私も昨晩から、昨晩のテレビあるいはけさのテレビ、新聞、そういう状況から掌握できる範囲内でございますけれども、そのテレビ、新聞共通して言われていることは、何らかの問題があったということは、そういう重油が漏れたところに何らかの火が引火したと、こういう報道を私新聞から何から全部見てみました、ニュースも聞きました。これは作り事じゃないと思うのですよ。そういうようなところに何らかの火がという、何らかの火というものはどういう火があったと想像されますか。まだ原因を究明してないと言われればそれまでですけれども、火がなければそういう爆発するわけないじゃないですか。これは報告が、受けておりませんとか、なくてもテレビもラジオも報道しているんですから、この点どうなんですか。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) 火源の問題につきましては、新聞等ではいろいろと静電気の問題とか、あるいは高温、高圧の流体が噴出するということですから空気に触れて発火というような問題も報道されておりますけれども、私どもの方ではいま軽々に火源についてどうこうということは申し上げられなくて、今後その点はもちろん原因捜査のポイントじゃないかというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 捜査の重大なポイントの一つであるわけなんですね、いまおっしゃったのは。これは、あってはならないところにそういう火が、あったかないかわからぬ、あったから爆発したんですから、これは今後究明をすべきことだと思います。  それと、いまさっき私が、今回の事故の大きな問題点として二点あると申し上げましたもう一点ですが、油漏れの事故を示すベルが鳴ったために赤ランプがついて警報器が鳴ったから八人がそこへ駆けつけました。そうして爆発事故が起きた。警報器が鳴ったからそこへ行って事故が起きたということは、これはただ単なる事故でなくして、必ず警報器が鳴った場合にはマニュアルな態度をとるべきだと思うのです。そういうような警報器が鳴った場合にはどのように行動をすべきか、規定されたとおりの行動であったのかどうか、また、このように八人の人がその場所へ行ったために起きた災害ですから、これは偶然の事故ではないと思うのです。特に、勤務している労働者の皆さんがこういう事故に遭っておりますが、これは労働省の立場としてどうお考えでしょうか。まず労働省。

小俣和夫労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○説明員(小俣和夫君) お答え申し上げます。  ただいまの点につきましては、私どもも非常に遺憾な事故だと存じておりますが、労働安全衛生法に基づきます労働安全衛生規則におきまして、各事業場はそういった場合の作業規程をおつくりいただくということになっております。この鹿島製油所におきます作業規程の内容を、現在までどうなっているか私どもではまだ把握しておりませんが、そういった面も含めましてこれからの対応を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま労働省からお答えいただきました作業規程は、どのようにお決めになっていらっしゃったのか、御説明いただきます。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) 実際に警報器等が鳴った場合には、具体的にどういうふう柱行動をとるかというふうな作業規程は会社の方でつくっておりますが、今回の事故につきましてはそういうふうな、先ほど申し上げましたように、警報器が鳴ったから現地に向かったというふうにはいま聞いておりません。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 これはね、聞いてないと、こうおっしゃれば聞いてないということでしょうけれども、昨晩のテレビからラジオ全部そういう報道をしておりますよ。その報道はどこから出ているんですか。聞いてないとおっしゃったけれども、報道はどこから出ているのか、大臣、どうでしょうか。これだけテレビでも、いいかげんな報道はしませんよ、ラジオでも。私も現場を見ていないけれども、いまさっき言っているとおりに、テレビ、ラジオ、けさの新聞の範囲内ですけれども、全部同じ立場で報道しているんです。それが聞いてないということはうそであると。まだ聞いてないくらい通産省として掌握がされてないのか、怠慢であるのか、即座にやったのか、大臣、どうでしょうか。これを聞いてないと、事実を聞いてなかったら大変なことですよ。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) それぞれマスコミはマスコミなりの取材活動を通じて原因の調査をしておると思います。同時にまた、通産省としても昨日から係官を派遣いたしまして、調査を懸命にやっておるわけですが、やはり責任ある役所の立場としては、調査をした結果、確たることでなければ申し上げられないと。ただ、想像を交えた判断は慎まなきゃならぬわけでございますので、それについていま答弁をいたしましたように、はっきりした確たるものをまだ自信を持ってつかんでないと、こういうことであろうと思います。  調査の方は懸命にやっていることは御承知のとおりであります。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、お尋ねしますが、これまでにもこの基地におきまして一部の小爆発が起きて数人の人が軽いけがをした事故はあった、こういうことをお聞きいたしましたけれども、これ報告してください、いままでの。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) この鹿島石油では、私どもの調べておるところによりますと、昭和四十六年から最近に至るまで大体十年間でございますけれども、十年の間に八件の事故を起こしている。いずれも死者は伴わない災害でございますけれども、火災あるいはガス漏洩等の災害を起こしているということは調べでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 その八件、何年度の月日そしてどういうあれだったか、御説明ください。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) まず四十六年七月二十二日の災害でございますが、これは接触分解装置常圧蒸留塔の底から油が流れて火災が起こったということで、これは二人の負傷者を出しております。それから次に四十六年八月二十八日でございますが、LPガスの漏洩があって、これは人的被害もなしということでございます。四十七年七月五日重油出荷配管の漏洩、これも死傷者はございません。四十八年五月八日常圧蒸留塔の火災、これは二人の負傷者でございます。四十八年六月二十二日これは火災がございまして負傷者一名。五十年四月十七日水素製造装置の熱交換器漏洩火災ということがありまして、これも死傷者はございません。それから五十四年八月一日でございますが、減圧蒸留装置の熱交換器火災これも死傷者はございません。五十五年五月二十九日これは硫黄回収装置の排水タンクの火災でございまして、これも死傷者はございません。  以上八件の災害でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま事故の起こった八件の報告をしていただきましたが、一貫しておっしゃるのは死傷者がなかった、死傷者がなかった、死傷者がなければこのような事故は大した事故でないと見ていらっしゃるのか、こういう事故が死傷者がなかったから、いまの私の受けた感じですよ、ただ単なる事故としてきた、そういうところに私は油断があったのではないかと思うのですが、大臣どうですか、反省すべき点があるのと違いますか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは常識的な答弁ですからそういう意味で聞いていただきたいと思いますが、私もいまお話を聞きまして死傷者は確かに出ていなかった。これは幸いであったと思いますが、こうして何回も事故があったということについてはこれはやはり果たしてこの保安体制といいますか、そういうものが完全に整備されておったかどうかということについては一度検討をしてみなければならないというふうに私も思うわけでございます。そうしたこれまであった事故が今日の事故につながっておったということになるのかどうか、そういうことも今度の事故を契機として反省をしなければならない問題点じゃないかというふうに常識的に思うわけです。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま今回の事故につながっていたかどうかということは、つながっていたわけなんです。だから毎回同じことを繰り返してきているわけなんですから、そういう意味から安全対策の一つとして高温高圧の装置の部品というものは、私も専門家ではありませんけれども、経年劣化が激しいのでありますから検査をすることも大切でありますが、定期的に取りかえるようにすべきではなかったのか、私はそう思いますが、そういうような検査はどうなっていたのか。また、年一回の検査では劣悪化あるいは損傷が発見できないのではないか。だから前回の検査で見落としをしていたのではなかろうか。こういうところがいま大臣は過去の事故が続いていたか続いていないかそこは明らかでないとおっしゃるけれども、私は続いていたということを指摘するのですけれども、これに対してどうですか、またこのようにすべきじゃないですか、いかがですか。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) ここの点検の問題でございますが、鹿島の定期修理は一番最近で五十六年の五月末から七月にかけまして装置を全部ストップしまして定期修理を行っておったわけです。その間保安検査を実施しておりまして、六月、七月これは集中的にこの期間やったわけでございますけれども、その後も九月あるいは十二月に保安検査を実施しております。  なお、この詳細の検査の状況につきましては県に委託してやっておりますので、状況をいま問い合わせ中でございますが、定期的にそういうふうな検査は実施しているということでございますので、御指摘の十分な材料、そういったものが完全に使われるといいますか、そういう状況を含めて検査をやってきておる、そういうことでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 五十六年の五月末から七月まで検査をされたとおっしゃるんですが、これは検査体制はどのようになっているんですか。明確にお示しいただきたい。最近いつごろ検査をしたのか、その検査をしたときに指摘すべき点が何か報告をされているのか内容を明確に教えてください、その検査のたびごとに。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) 先ほど県に問い合わせ中と申しましたが、この検査は機関委任事務でございまして、県の方にこれを委任しているわけでございます。したがいまして、実際の検査というのは県が検査を実施するという体制になっております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃあ、県が検査をするけれども、安全対策上そうすると鹿島石油基地においては何もやらないのですか。あくまで県が検査をしているんだから検査をしているんだからとそういう言い方なんですけれども、会社自身としてはそういうことはやらないのですか。安全対策上もやらないのですか。どうなんですか。いま県に委任をしている、これはどうなんですか。じゃあ責任はこれは県が見落としていたということになるんですか、県に委任しているという、だから私の方は知りません、当事者であるべき人がそういう発言でよろしいのですか。これは県に委任してましたから、県が見過ごしていたということになりますと県の責任になるんです。この点どうなんですか。これ大事なことですよ。大臣どうですか。県に委任しているから、県に委任しているからというがどうなんですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) それは何としても企業の事故でありますし、企業が保安体制とか点検とかいうものはこれは企業自身の責任においてやらなきゃならぬというのは当然のことでありますから、私は一義的には企業が事故を起こさないということが最も大事なことですから、これは責任があると思いますが、そうした点検体制については国の方から県に委任しているということで、県が責任を持って点検等について監視、監察をするということになっておると、こういうことですが、しかし、国全体としてやはりこうした事故が起こるというようなことは国全体のあり方として政府としてはもちろん非常に大きな問題だと考えて、これからのいろいろの保安体制とか点検体制については検討をしていかなきゃならぬ問題点があれば取り上げてやらなければならぬ責任があると、こういうふうに思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そうしますと、高圧ガス法の問題上からどうなるのか、あわせて労災法などの点からどうなるのか、両省からお答えいただきたいと思います。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) 今回の事故の原因の問題が一つございまして、この第一重油脱硫装置の原料重油装入ポンプという装置につきましてとれは圧力が百四十キログラム・パー・スクエアセンチ、温度二百六十度と非常に高温高圧の状況での重油を処理する装置ということになりますので、私どもの方としましてはこれは高圧ガスに当たらないということで、高圧ガス取締法の適用を受けないんじゃないかというふうにいまは見ておりますんですが、実際にどういうふうな原因その他究明が進みませんとそこははっきりしないというふうに考えておりますが、なお全体としてやはり石油コンビナート全体の保安の問題、災害防止の問題というのはこれはございますので、その辺で私どもの方としましてはこの問題に対してやはり原因究明を行っていく、そして対策を十分考えたいというふうに思っております。

小俣和夫労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○説明員(小俣和夫君) 労働省といたしましては、労働安全衛生法に基づきまして、事業者に対してたとえば定期自主検査を二年に一回ごとに事業者に検査をしていただいて安全の確保を図っていただくとか、あるいは作業規程をおつくりいただくとか、あるいは火気の管理をお願いするとか、そういうような規定がございますので、今回の事故につきましてはそういった面で違反があったかどうか現在調査をいたしておるところでございますが、調査結果を待ちましてしかるべき措置をとりたいと、こう思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま事故の全体を私もお聞きするわけにいきませんけれども、さっきこの鹿島石油の事故が八件最近起きているということですが、ほかにもこういう基地がたくさんございますが、ほかの基地に比べてちょっと事故が多過ぎはしませんか、この事故は。どうですか。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) 石油化学コンビナートにおける主要な事故例でございますが、大体年間七件ぐらい事故が発生しておりまして、そのうち三割から四割人的被害が生ずるというようなコンビナートの災害の状況でございますが、四十八年から五十六年の間に件数で八十二件、これは相当長い期間なんです。四十八年からでございますから、相当長くなりますんですが、その八十二件のうち、鹿島の場合、これはちょっと統計が先ほど八件の事故と申しましたが、その中に高圧ガス取締法の関係の事故というのはさらに少なくなっておりまして、いま私が申し上げた主要事故例八十二件というのは、高圧ガス取締法の関係の事故例でございますが、そのうち三件ということになっておりまして、八十二件のうちの三件、それをどういうふうに評価するかという点もあろうかと思いますが、必ずしも鹿島が相当多いというふうには言えないのじゃないかというふうに思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いまの立場では多いか多くないかわからぬけれども、多くないとおっしゃるけれども、ここの鹿島石油の態度は余りよくないと思うのですよ。なぜなれば、いま御答弁になりましたこういう災害防止の問題、保安の問題等そういうふうにやっておりますということでございますが、地元の住民がこういう基地があればいつ災害が起きるかわからないと不安を抱いていた、とうとう来ましたかということで、今回の新聞にも報道されておりますけれども、消防からも企業からも何も地域住民に対してどうしてくれというようなことも言われてきてない。会社の広報車で知らすくらいのこういう行動があってもよいではないか、こういうような声がいっぱい言われております。それよりもこの地域住民の人に聞きましたが、避難訓練をやってもらいたいという申し入れをこの鹿島石油に地域住民がやっている、こういう事故のために。再三申し入れを今日までやっているにもかかわらず無視されている、こういう会社の姿勢。いま答弁を聞きますと、死傷者がなかったからなかったから、いろいろなことを言っているけれども、保安だとか災害防止にはやってまいりましたと言っているけれども、そういう避難訓練すら地域住民から申し込みがあっているのをやっていないという、これは大臣どうですか。これは企業の姿勢にも問題があると思いますが、どうですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 田代委員からいま初めてそのことをお聞きするわけなんですが、そういうことも含めて調査をいたしまして、今後保安体制を確立していくためには、やはり企業だけではなくて、周辺に居住されておる住民の立場も考えて十分対策をこれは講じていかなければならない問題だと、こういうふうに考えます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 大臣もお忙しいということで、私の質問時間は十分自主的に削ります、約束していたから。それは守らなくちゃなりませんから最後の質問になりますが、いま私は質問の中でも申しましたけれども、こういうような高温、高圧の装置の部分というのは経年劣化が激しいんですから、検査することも大事ですけれども、定期的に取りかえるように私はすべきではないかと。経年劣化対策をここでもう一度強力に図っていただきたいという点が一点と、私がこの問題を通じて全国の各地のあれと比較をしましたら、八十二件の事故が起きているという報告でございますが、もしもそばにありましたタンクにこれが引火していたならば大爆発になっております。幸いそれは免れた。そういう意味におきまして、石油コンビナートの総点検をすべきではないかと思います。総点検を早急におやりになるべきではないでしょうか。大臣にこの二点について私、質問いたしまして質問を終わりたいと思います。  その前に、ほかに公取初めエネルギー庁の関係の方に質問を通告しておりましたが、きょうは御承知のとおりに、緊急に鹿島石油の問題が入りましたものですから、質問ができませんけれども、わざわざおいでいただいて申しわけございません。御了承してください。以上で、大臣からの答弁を受けたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) こうした事故が起こったわけでございますし、しばしば死傷者はないとしても事故が起こってきておるわけでありますし、この高圧関係の事故というのはまかり間違えば大変な事故にもなりかねないとも考えられるわけでございます。これまでにもそうした保安体制、検査体制というものは全力を挙げてやっておるわけでございますが、今日のこの事故を契機にしましていま調査しておりますから、原因をまず明らかにしなければなりませんが、やはり全国的にコンビナートの保安体制、検査体制のあり方についてはひとつ総点検をして、そうしてこれからの対策を、今日の事故を踏まえてこれからの対策を進めなければならないと、こういうふうに考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ただいま鹿島の事故について一連の報告とやりとりがありましたが、私も現地の事情に詳しい専門家と連絡をとっていろいろ事情を、報告を聞いたんでありますが、政府の通産省の報告も、漏洩の三つのケースということを先ほど述べられました。私どもの聞いておりますのも、安全装置やパイプ類に裂罐現象が起きていると、こういうふうに言われておりました。結局、会社側がもし安全優先の点検と保守の体制をとっておるならば今回の事故は避け得たということを私は痛感いたしました。  それで、大臣に重ねてお伺いしますが、この際こういう原因の徹底的な究明、特に裂罐現象の実態、こういうものを私、通産省としては、現場にじかに立ち入り調査も含めて、いまお話がございましたが、すべてのコンビナートを総点検すると、そして、その結果を私ども国会の方にも御報告を至急にいただきたいと、こう思うのでありますが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の事故につきましては、早速通産省から係官を派遣いたしまして、各方面と協力をしながら原因の調査に努めておりまして、早くこの原因を明らかにしなきゃならぬと思うわけでございますが、コンビナートにおける事故というものは、まかり間違えば大事故にもつながりかねないわけでございますので、いままでは相当にやはり保安体制は進めてきておるわけですが、この今日の事故をひとつ契機にして全国的にコンビナートのそうした保安体制、保守体制といったものについて総点検をしなければならないと、こういうふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その結果をぜひお知らせ願いたいというふうに思います。  それからもう一つの問題は、多くのコンビナートが太平洋沿岸に設置されておりますが、鹿島は不幸中の幸いといいますか、人家からかなり離れたところにあったために大災害に至りませんでした。しかし京葉、京浜、その他多くのコンビナートが人家の密集地帯に設置されているという状況のもとでは、たとえば数十メートルしか離れていないところもあります。こういうところでもし起こっておれば大事故になるおそれがあったわけでありますが、私どもはこれまでコンビナートと住宅地帯の間に防災緑地帯を設置するように主張してまいりましたが、これがまだ実現しておりません。この際、今度の教訓にかんがみて強力にこういう措置を推進すべきであると思いますが、大臣いかがでございましょうか。

檜山博昭通商産業大臣官房参事官

○説明員(檜山博昭君) ただいまのコンビナートと、それから一般の民家との問題でございますが、これは規則でもってコンビナートからその離間距離を二百ないし三百というふうに決めておりまして、そのコンビナート内での災害が周辺の民家に及ばないような、そういうふうな規制の仕方をしておりますので、先生の御指摘の二十メーターとかというお話はちょっと私どもの方としてはそういうふうな事例があるのかどうか。少なくとも規則ではそういうふうになっておりますから、最低二、三百メーターは離れているということで、十分構内の災害が周辺に及ばないという形になっているわけです。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、数十メートルというふうに申しましたんですが、防災緑地帯という構想は大臣いかがでございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま説明員からお答えをいたしましたように、コンビナートの保安体制というものを確立するための対策、民家との間に相当の距離を置くということは法令によって定められておると、こういうことですから、その地帯がいわば緑地帯といいますか、防止地帯といいますか、そういうことになっておると、こういうふうに理解しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そういう構想をぜひ推進していただきたいと思います。  それで、私きょうは主に貿易摩擦問題についてお伺いしたいと思うのでありますが、この点で政府はすでに去年の十二月十六日の経済対策閣僚会議で東京ラウンドに基づく関税率の引き下げの二年繰り上げ実施、あるいはまたことしに入っても非関税障壁の改善に取り組んできておるわけでありますが、その内容は、日本としてはいわば出血を伴うような非常に厳しいものであり、むしろ言うならばアメリカに代償を求めてしかるべきほどの譲歩策だと、私はそう思うのでありますが、まず通産大臣の見解をその点について伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これまでわが国がとった市場開放対策、いまお挙げになりました東京ラウンドの一括前倒し措置あるいは非関税障壁の改善措置、これはそれぞれわが国にとりましてはいまお話しのように、いわば出血を伴うという形になるわけであります。  たとえば東京ラウンドの二年間前倒しによりまして大体二億ドル近くのわが国の財政負担がふえるわけでございます。これは千六百五十三品目一斉にやった。これによって二億ドルの財政負担がふえていくわけであります。その他非関税障壁の改善等によってそれぞれやはりわが国としてのこれに伴う財政面等の負担がふえてくることは間違いないわけでありますから、これら一連の措置は、そういう意味においてはいわば身を切って市場開放対策を実行した、こういうことでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私がお聞きしたのは、たとえば二月十六日の「エコノミスト」に大臣の対談がありますね。この中に、「これなどは日本が代償を求めてしかるべき」と、こうおっしゃっているんだけれども、こういう所見はいまもお変わりないのですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 当然、関税の問題というのはガット等において多国間で論議をされて、そしてその結果として、お互いの犠牲といいますかお互いの負担において決めていくわけでありますから、東京ラウンドもそういう形で決まってきているわけですから、一方的にわが国がとったということは、普通ならば当然代償措置というものはとってしかるべきだ、あってしかるべきだ。それをあえてわが方としては、貿易摩擦を解消しなきゃならぬ、自由貿易体制を守らなきゃならぬ、こういう見地から一方的にとった措置であります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 だから代償を求めてもしかるべきほどの犠牲を払っている、こういうことですね。  ところが、それほど譲歩しながら、先日の経済対策閣僚会議では、鈴木総理がサミット前の五月をめどに市場開放策の第二弾の措置をとれるように検討を指示しております。その中には、死活の問題として農民が強く反対している牛肉、オレンジの輸入枠拡大が含まれている、こう伝えられておるのでありますが、私は仮にも残存輸入制限品目の二十七の一つでも譲るようなことがあるならば事はまことに重大だと思うのでありますが、いまの大臣のそういう御決意にかんがみて言うならば、よもやそんなことはないと思うのですが、確認をいたしておきます。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは農産物については私から申し上げる筋合いはないわけでありますが、貿易問題全体としてとらえた意味で申し上げたいと思いますけれども、これは日米貿易小委員会においてこの農産物についてのこれからの取り扱い方というのが日米間でもう決まったわけです。これは、四月中にスタディグループをスタートさして両国間で話し合いを進めて、十月以降本格的な交渉に入ろう、こういうことが決まっておるわけですから、その線に沿ってこの問題は対処されるわけであります。そういう中にあって、わが国の主張は主張なりにしなきゃならぬことはこれは当然至極のことであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると、二十七品目、これは譲ることがあり得る、こういうことですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは今後の交渉もありますし、世界情勢あるいは国内情勢、いろいろの問題を判断しながら最終的には結論が出されるわけでありますが、わが国としては、わが国がどうしても守らなきやならない一線はあるわけですから、これはきちっと私は守っていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 先ほどとこれと大分トーンが違うのですが、そこで伺いたいのですが、いままでわが国は、アメリカのいろんな圧力の中で、鉄鋼、自動車、カラーテレビ、半導体あるいは電電など、いろんな輸出規制や市場開放の措置をとってまいりました。その結果日本の対米貿易黒字幅は減少したんですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、昨年の十一月ごろからは御承知のように円安が続いておりますけれども、世界全体に対するわが国の輸出は非常に鈍化して今日に至っておるという実情でございます。この数カ月間は国際収支をとってみましてもマイナスに転じておる、こういうことであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私が伺っているのは対米貿易黒字幅のことであります。

黒田真通商産業省通商政策局次長

○政府委員(黒田真君) 最近の動向を見ますと、日本の統計に基づきます貿易ベースでの通関統計の収支の差は、昨年、八一暦年において百三十二億ドルでありますが、それはその前年の約七十億ドルに比べて増加しておるということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣、ふえているんですよ。それだけの措置をとりながら、かえって、かえってといいますか、むしろ黒字幅の減少どころか増大しているんです。  そこで伺いますが、仮に牛肉やオレンジなど、こういう輸入枠拡大あるいは残存輸入制限品目の撤廃、これをやると黒字幅は大幅に圧縮できるんですか。どういう見通しですか。

黒田真通商産業省通商政策局次長

○政府委員(黒田真君) いま御指摘のような幾つかの品目について、いろいろな試算がございましてよくわかりませんが、それらの物資について目いっぱいの輸入がアメリカから行われたとしても、現在あります規模の収支じりというものが大幅になくなるというようなことはまあないというのが通説かと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 おっしゃるとおり、ほとんど影響ないのですね。  ということは、第二弾を日本政府が打ち出したとしても日米間の貿易インバランスは解消できぬのです。日本だけが一方的に譲歩するんじゃなしに、まさに大臣がここで言っているように、アメリカに対しても言うべきことははっきり言うという立場が必要でありますが、大臣はこの中でも、「日本の貿易が非常に伸びたといっても、円安が大きな引き金になっており、その円安の引き金になっているのは、結局アメリカの高金利政策なんですからね。」とこうおっしゃっている。これは先日来この委員会でも繰り返しおっしゃっているところであります。つまり、原因の一つはこの高金利にある。これについてもアメリカ政府がこれを改めるように堂々と主張なさるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはもうあらゆる機会を通じましてアメリカの高金利に対する批判は行っておりますし、是正を求めておるわけです。日本だけじゃなくて、ECの諸国も最近では正式に文書にしてアメリカ政府に提出をするということまで、世界全体挙げてアメリカに対して高金利政策の是正を求めておる。これはもう世界のいまの動きになっておるわけであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そこで、わが国がただ譲歩するだけでなしに、やっぱり正々堂々と正当な主張を述べるべきだ。たとえば、御承知の日米賢人会議議長であるインガソル元駐日大使も、もし自分が日本人なら、アメリカに対して、金利を下げること、そのためには財政赤字を縮小してほしいと言うでしょうと、これは各紙に報道されておりますが、こう述べております。そうしますと、この財政赤字の原因ということになりますとレーガン政権の軍拡予算にも触れざるを得ぬと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはもうアメリカはアメリカの経済政策、アメリカの財政政策によって国で運営をやっておられるわけですから、日本がこれに対してとやかく言う筋合いはないと思いますが、日本にいろいろな貿易摩擦等が非常に激しくなってそれに対してインバランスの是正等が求められておりますので、これに対してはわれわれは、高金利が大きな原因じゃないでしょうか、ですから高金利政策というものを改められることがインバランスを改善する大きな道につながりますよと、こういうことを主張しているわけで、アメリカの国内政策に対してわれわれがとやかく言うことは私はまさに内政干渉にも当たることじゃないか、こういうふうに思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これを僕は政策論争としてもお伺いしているつもりなんですが、また同時にアメリカに対するわれわれの態度としても聞いているんですが、まず前者の問題で言いますと、私、レーガンの経済政策というのは、この財政赤字というのは国債の増発を招き、そしてそれが市中金融の逼迫という循環をしていると考えるのでありますが、ではなぜ財政赤字か、なぜそうなのか。結局最大のものは軍事費の突出、いわばレーガンの大軍拡路線にある、私はそう思います。  ところで、三月二十五日の日経新聞によりますと、日本政府はアメリカ政府に対して、経済運営の基本方向を変えるよう強く求めることになったと、こう報道されております。そしてアメリカの国防費の削減やあるいは財政赤字の縮小、これを米国に求める意向である、こう報じておりますが、私は何も内政干渉とかそういうことでなしに、本当に貿易摩擦を解消していくということであるならば日本政府はこれをこそアメリカに堂々と主張すべきだと思うのですが、この報道は間違いなんですか、どうなんですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) そういう話は何も聞いておりません。ただ、アメリカがインバランスが拡大をしているということで日本に対して批判をいたしておりますので、これに対してはその原因はアメリカの高金利政策にありますよということは日本の主張として堂々と言っているわけですが、その他の問題について日本がどうだこうだ言うとか、言ったとか、そういうことは全く聞いておらないのであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、この日経が報道している「国防費削減や財政赤字縮小」、「米経済運営に注文」という記事は誤報ですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も政府の一員でありますが、そういうことは全く聞いておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、先ほど来アメリカに対していろいろ物を言うと言いながら実際には次から次へと譲歩、譲歩を重ねていく。現に三十日の経済対策閣僚会議でも農業、中小企業を犠牲にするような残存輸入制限品日の緩和に手をつけようというふうにしていると報ぜられています。  しかし、お伺いしますが、農産物を中心とした日本の残存輸入制限品目二十七品日、これもアメリカやヨーロッパと比較して決して特別に多いとは言えない。たとえばアメリカの場合ガットの義務免除規定、いわゆるウエーバーでありますが、ここで二十品目が実際上輸入制限品目となっております。またフランスの残存輸入制限品日は四十六品目であります。またEC域内での農業保護は非常に徹底しておりまして、しかも日本はすでにアメリカ農産物の最大の市場になっております。これは大臣御承知のように日米経済関係グループの報告、一九八一年の一月でありますが、この中にもアメリカ農産物は日本の市場が最大のものであるというふうに指摘していると思いますが、間違いございませんでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は農林大臣のときからアメリカに対しましてもいまお話のような点についてはしばしば主張をいたしております。日本が確かに残存制限品目を二十二品目農産物は持っておりますけれども、反面いまお話しのようなウエーバー条項によって、これも十二品目ぐらいじゃないかと思いますが、あることも事実であります。また日本が最大のアメリカの農産物の輸入国であるということもしばしば言明をいたしておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 つまりいま大臣もおっしゃったように、言いかえればすでに開放し切れるだけのものは開放しているということなんです。それ自身を日米経済関係グループもいわば認めているわけです。その上にさらに農産物の輸入制限を緩和する必要というのはさらさらないというのが私実態だと思うのです。まして先ほど御答弁でもお認めになったように、それをやったところで貿易摩擦が解消されるような保証は何らない。ほとんど大勢に影響がないということになれば、私はじゃそこでアメリカに対して毅然とした態度をとると同時に国内においてなすべきことはやはり通産大臣としてあると思うのです。  それは一つは日本国内での需要の拡大、すなわち個人消費の拡大あるいは中小企業の仕事をふやす、そういう方向で日本国内の景気対策をとること。もう一つは、自動車などに象徴されている日本の大企業の輸出競争力を支えている低賃金、長時間労働、過密労働、下請、中小企業への過酷な発注条件、こういうものを改善していく、この二つの方向こそが日本国内においてみずからわれわれが打開していく、取り組むべき課題だと、こう私は認識いたしますが、大臣いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しの内需拡大については私も同意見でありまして、今後ともやはり中小企業に対しては特に力を入れていかなきゃならない、こういうふうに考えておるわけでありますが、ただ何か大企業の輸出を優先させるために非常に労働条件が悪いということでございますが、これは私は現在の日本の労働条件というのは決して先進国の中においておくれをとっているものではない、こういうふうに思いますし、大企業等が確かに輸出をいたしておりますが、これは何も昔のようなダンピングで輸出しているわけじゃなくて、世界的にも日本の労働条件は先進国の中で最も妥当な水準であるということは、これはもう評価されておることは御承知のとおりであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は内需を拡大していくという場合に、たとえば公共事業、しかもそれは大型プロジェクトのそういうところを前倒ししてやっていくという、そういう内需刺激、喚起しやなしに、一番やっぱり草の根からといいますか、国民一人一人のそういう購買力、国民一人一人のいわば労働条件なり生活条件を改善していくというところにこそ最大のやはり解決のかぎがあるということを申しているわけであります。いま大臣は日本の労働条件は決して国際的に劣悪でないと、こうおっしゃったけれども、そうじゃないのです。  私は幾つかの資料を用意しておりますが、時間の関係で二、三紹介しますと、たとえば日銀の国際比較統計で労働生産性の国際比較を見てみますと、一九七六年を一〇〇として、一九八〇年は日本は一三〇という飛躍的な伸びです。西ドイツはこれに対して一〇八・七、アメリカは一〇六、イギリスは一〇一・七です。ですから、日本の労働生産性の異常な伸び、これを支えているのが結局超過密のもとでの長時間労働、これによって支えられているんです。あるいはまた東京の商工会議所がまとめました国際比較統計要覧によりますと、日本は一九七八年から八〇年の三年間に賃金の伸びがいずれも労働生産性の伸びを下回っております。そして、アメリカ、西ドイツ、イギリス、フランス、カナダ、どの国と比較してもこういうふうに労働生産性を下回る賃金というようなのは日本だけであります。しかも労働時間は群を抜いて長い。こういう実態を私は、これは労働省だとか、先ほどお聞きするとこれは農林省とかということじゃなしに、やはり通産大臣として真剣に日本の実態、そしてまた貿易摩擦の実態を見られたときに、こういう実態を放置したままで内需拡大ということを言っても、それは口先だけのことになる。同時にまた、日本の大企業製品の競争力も不当に強いということでますます貿易摩擦を激化するという実態を私は直視して、通産大臣として貿易摩擦のためにもこういう点にこそメスを入れられるべきじゃないか、こう考えるんですが、いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私はここに統計の資料等持ち合わせておりませんけれども、日本の労働生産性が高いことは、これは事実であろうと思うわけでありますが、労働条件につきましては、確かによく日本の労働時間等についての批判が出ていることも聞いておるわけでございますが、全体的に見て、日本の労働条件が先進国の中で悪い、こういうふうな批判は聞いたことはないわけですから、私は、そういう意味におきましては、日本の労働の全体的な条件というものは、世界の中でその水準あるいは水準以上のものである、こういうふうに認識をいたしております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 全くの認識不足、あるいはあえて目をそらしておられると言わざるを得ぬのですが、大臣のお時間もあるようですから、私の質問はこれで終わります。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 内外諸情勢が大変変化をしておりますし、また、そういうふうな状況の中で、先ほど来いろいろと御指摘がありましたが、いろんな問題が山積をしております。不況はますます深刻化いたしておりまして、まことに憂慮すべき状態であろうと思いますが、そういう情勢の中でありますから、当然とは言え、特に中小企業の経営がますます苦しくなっておりまして、わが国の経済にとっては最も重要な中小企業が活力と希望を失いつつある、このように私は感じております。恐らく大臣も中小企業庁長官も御同様お考えであろうというふうに思いますが、そういうふうな情勢の中でありますが、特にこのようなとき、非常に厳しい予算規模の中でありますけれども、五十七年度の中小企業関係予算については、通産大臣あるいは中小企業庁長官等の御努力の跡が十二分にうかがえる、十分ではありませんけれども、大変御努力されたということについては私も認識をしておりまして、敬意を表するわけでありますけれども、ただそこで、こういう財政状態の中でありますからやむを得ないことでありますが、同時に、私は、中小企業関係の対策というのは、必ずしも金がなくても、あるいは金によらなくても、中小企業のいろんな安定対策、振興対策というものがずいぶんあるというふうな、そういう認識を持っておるわけですね。法律の運用であるとか、あるいは行政の指導いかんによりましてはかなり効果が上がる、金が少なくても効果が上がるという面がたくさんあるわけでありますので、そういうふうな点からしても、今後一層政府のひとつ御努力をお願いいたしたいと、このようにまず希望いたします。  そこで、大臣もお疲れでありましょうから、主として、きょうは長官にお越しをいただきました。中小企業関係の問題にしぼって、時間の関係がありますので、数点お伺いをいたしたい、かように考えます。  まず、官公需の適格組合の育成について、特にこのような不況の中でありますが、どのように今後進めていこうとされておられますか、一つまずお伺いいたします。

勝谷保中小企業庁長官

○政府委員(勝谷保君) 官公需適格組合につきましては、毎年度閣議決定されております中小企業者に関する国等の契約の方針というのがございますが、この方針の中におきましてこれらの組合の積極的活用を図るよう定めているところでございます。さらに、定めました上で、官公需にかかわる中央と地方の推進協議会というのがございますが、この協議会の会議の席上を通じまして、その活用を積極的に行うようにということを関係各省、地方の官公需の発注機関に要請をいたしておるところでございます。また、適格組合自体の体質を強化いたしませんと受注ができませんものですから、その体質強化のためには、希望いたします組合に対しまして、全国の中小企業団体中央会というのがございますが、この全国中小企業団体中央会を通じまして、いささかの予算を計上さしていただいておりますが、専門の指導者を派遣いたしまして受注体制の整備の指導に当たっております。  若干数字を申し上げますと、五十六年度は二十八組合をいたしましたが、このうちで半数の十四はこの適格組合でございます。このために適格組合の認定数、これは毎年ふえておりますが、さらには適格組合の受注の実績も年々着実に増加いたしておりまして、昭和五十一年度末には百七十七組合でございましたが、五十六年度末にはこれが三百八十一組合となっております。受注実績も、五十一年度が百三十五億円でございましたが、五十五年度には四百十二億円に達しているところでございます。私どもといたしましてはこれで十分とは考えておりません。今後とも、各省庁等の発注機関に対する官公需適格組合制度の周知徹底を図りますとともに、組合に対します指導を強化いたしますことによりましてこの適格組合の育成に努めてまいりたいと考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 建設省、お越しをいただいておりますね。——建設省は、この適格組合について、特にいま建設関係は非常に不況でありまして、最近また談合問題等でいろいろと入札制度の改善等言われておりますけれども、中小の建設関係の企業あるいは建設関連の企業が大変不況で困っておるわけですけれども、建設省はこの適格組合に対してどのように取り扱っておられますか。

谷田部嘉彦建設省計画局建設振興課長

○説明員(谷田部嘉彦君) 建設省の建設振興課長でございます。  先生のお話でございますが、建設省といたしましては、これは一般論でございますが、中小建設業の保護育成を図るためには、まず受注機会の増大と企業体質の改善を図ることが必要であると考えておりまして、まず、受注機会の増大のためには、かねてから所管事業の執行に当たって、発注標準の遵守、これは、工事の規模によって、それぞれ中小向け、大企業向けと、こういうふうに分けていくわけでございます。それから分割発注の推進、共同請負制度の活用、こういった措置を講じてきたところであります。また、昭和五十六年度においても、中小企業者に関する国等の契約の方針に定められた契約目標、これは、建設省の場合は国で四六・二%、公社公団二六・四%合計で三三・二%でございますが、この方針に沿った発注を行うべく努力してきたのでございます。  また、中小企業の近代化、体質改善のためには、中小企業近代化促進法等の業種別の近代化の推進、あるいは協同組合の活用による中小企業者の協同化、こういった施策を進めてきておるところでございます。  先生御質問の官公需適格組合につきましては、資格審査に当たってその証明書を添付させるとともに、官公需適格組合の証明を受けた事業協同組合については登録のための総合点数の算定に当たり有利な取り扱いをしております。現在のところ、この実績も次第に上がってはおりますが、必ずしも非常に普及しているというところまでまいっておりませんが、今後とも官公需適格組合の受注機会の増大に努めてまいりたいと考えております。    〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕

井上計民社党・国民連合

○井上計君 建設省もお答えではいろいろと御配慮いただいているようでありますが、実は、昨年、中小企業団体中央会が適格組合につきましていろんな調査、アンケート調査をした資料があるわけです。時間がありませんから私多くを申し上げられないのですが、その中で、建設及び建設関連関係の企業で官公需を五十五年度に受注できなかった組合のアンケートがあるのですが、これで見ますと、入札参加資格の登録を受け付けてくれなかったというのがある。入札参加の通知がなかったというのが、これが約四八%ぐらいあるのですね。これは九十三組合の調査ですが。それから、適格組合を大変冷遇をしておるという不満が建設及び建設関連を合わすと約三五%ぐらいある。それから、分割発注をしてくれない、こういうふうな不満が、これは三〇%程度ある。それから、実績がないので排除された、こういうのがやはり三五%程度ある、こういうことなんですね。もちろん、これは、それぞれの業者のいろいろな考え方がありますから、多少事情もあろうかと思いますが、そこで自分たちの反省、すなわち自分たちが営業活動が不足をしておった、こういうふうな反省をしておるのは大体二〇%ぐらいということでありますから、やはり適格組合に対して、特に建設省関係の発注者はもっともっと理解をしてほしいという非常に強い要望が出ておるんです。いろいろとお考えいただいていると思いますけれども、ぜひ今後ともそれらのことについては十分御配慮をひとつお願いをいたしたいと、こういうように思います。  なお、要望の中に中小企業庁と建設省と、それから地方自治体とそれぞれの間に適格組合についての認識に非常にずれがある。中小企業庁の育成等についてはよくわかる。しかしそれがだんだん下へいくとずれがあって、特に地方自治体あたりでは全く冷たい、こういうふうな不満が個人的にも私の手元にもかなり来ておりますので、これについては特にひとつ要望しておきます。時間がありませんからもう余り多く申し上げませんが、どうかひとつ発注者側においては適格組合に対する育成をさらに強化をしていただくように重ねてひとつお願いをしておきます。どうも建設省、結構でございます。  中小企業庁長官、先ほどもお話しいただいておりますけれども、さらに官公需の中小企業に対する発注比率を高めていただくように今後とも十分ひとつ御努力をいただきたいと思いますが、これらについて比率を高めることについてはどのような方針をお持ちでありますか、お伺いします。

勝谷保中小企業庁長官

○政府委員(勝谷保君) 先ほども申し上げましたが、政府は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律、いわゆる官公需法でございますが、この法律に基づきまして毎年度、先ほど申し上げましたような閣議決定をいたしまして事業協同組合等の活用、分割発注の推進、このような推進策もあわせて御決定いただいておりますが、これらの各種の施策を講ずることによりまして中小企業者の受注機会の増大に努めているところでございます。この結果、最近の官公需総額に占めます中小企業者への発注割合の実績は年々少しではございますが、着実に増加してきておりまして、五十五年度は三六・三%となっているわけでございます。さらに五十六年度におきましては同法施行令の一部改正によりまして官公需発注機関の大幅な拡充を行いますとともに、七月十日に先ほどの国等の契約の方針を閣議決定をしていただきましたが、この決定におきまして中小企業向けの比率を過去最高の三六・八%という高い目標を掲げたところでございます。目下その実効を上げるための努力を続けております。さらに昨年の十月二日に決定されました経済対策におきまして、その確実な達成に努めることということがさらに決定されました。したがいまして私どもその徹底に各省とともに努めているところでございます。五十七年度におきましても、各省庁との協力のもとに官公需の中小企業向け発注比率の向上につきましては、これは大体六月ごろになるわけでございますが、できるだけ関係各省と話し合いをいたしまして、比率を高めますとともに、景気等の関係ではできるだけ前倒しができないかという話し合いを進めていきたいと考えているところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 なお一層の御努力をいただきたいと思いますが、非常に不況が深刻でありますので、従来余り官公需に重点を置いていなかった大企業が、これは建設だけじゃありません、いろんな分野で、物品販売でもそうでありますが、官公需にさらにウエートを置く方針をとりつつある大企業が多くなっておると、こう聞いております。中小企業に対する官公需の発注比率をぜひ目標どおり、あるいは目標を上回るような御努力をいただきますように大臣にも、長官にもさらに要請をしておきます。  さてそこで、今後どのようにさらに産業界の環境が変わるのか、あるいは技術革新がどこまで進むのか全く予断を許さぬという状況でありますけれども、そのためにはどうしても先見性が企業経営には絶対必要であろうと、こう思います。ところが、中小企業には先見性といってもなかなかそのようなものを予知する能力、資力もないわけでありますが、中小企業庁としては、中小企業に対するそのような情報化対策といいますか、そのようなこと等については新年度の予算等から見て若干そういうものがあるようでありますけれども、どのようにお考えでありますか、お伺いいたします。

勝谷保中小企業庁長官

○政府委員(勝谷保君) ただいま先生御指摘をいただきました点につきましては、五十七年度の新予算、この背景にあります新政策の最も大切な命題といたしまして、私ども第一にソフトの経営資源の充実ということを挙げておりまして、その中でもとりわけただいま御指摘の情報化対策の重要性を取り上げたわけでございます。と申しますのは、中小企業を取り巻きます厳しい経済環境を克服いたしまして、合理化を達成していく、八〇年代を生きていくためには、御指摘のとおり、東京に過度に集中しております情報を的確に中小企業、特に地方の中小企業者が取り入れまして経営に及ぼしていく必要があるという認識を持っているからでございます。  特にそのためには情報収集にコンピューターの導入等もあわせて考えるべきではないかということでございまして、私どもの施策の第一は、中小企業情報センターの地方情報センター育成でございまして、各都道府県に一つずつ地方の地域情報センターを設けるということを都道府県と一緒に進めておりまして、着実に伸びております。五十七年度におきましてもその数をふやしていくという方向でございますし、さらにこの情報処理が的確にできる人材の養成ということが必要ではないかということを考えておりまして、ここらの点で中央の情報センター、地域情報センター、さらには人材の養成、こういう三つの柱を中心に五十七年度の施策を展開しているところでございます。  若干恐縮でございますが、個別の政策を簡単に御説明を申し上げますと、第一に情報化システム利用促進センターの創設ということを五十七年度は考えております。これは中小企業者のコンピューター利用の促進を図りますために総合的な指導センターを中小企業事業団に設置いたしまして、中小企業者が必要なときはここに参りましてコンピューターを作動してみる。さらには中小企業者のために必要なソフトの開発に努めるというようなことをいたすセンターを創設いたすわけでございます。  第二は、先ほど申しました地域情報センターを新たに逐次設けていきまして、同センターを中心といたしました地域の情報化の推進に努める。いままで二十九カ所でございましたが、これを三十二カ所に五十七年度はふやすことにいたします。また既設の地域情報センターのうち、六ヵ所につきましては汎用性の端末機を設置いたしまして、地方の中小企業者が事業団の情報を初め外部データをオンラインで直ちに取り入れるということができるようなシステムの開発に着手をいたします。  もう一つは、事業団に情報検査室のオンライン化ということを考えますし、さらにはプログラム信用保険制度の創設でございまして、これは信用力の乏しい中小企業者のコンピュータープログラム入手利用を促進いたしますために、中小企業者向けのプログラムにかかります割賦販売及びリース事業に対する信用保険制度の創設でございまして、近くこの法律は商工委員会で御審議を賜るということになっているものでございます。  最後には、さらにマイコン利用拡大研究及びマイコン研修の充実のために大学を中心といたしまして研修を続けていくということになっておりまして、まだ必ずしも十分とは私ども考えておりませんけれども、先生御指摘の情報化の充実という点につきましては、中小企業施策の重点項目として今後も推進をいたしてまいりたいと思っているところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 いま長官から御説明いただき大変期待をしております。特に端末機の設置は、大変これは中小企業にとっては非常に有効に活用できるというふうに期待をしますし、また例の、当委員会に付託されておりますけれども、いまお話ありましたが、コンピューターのプログラムの購入についての信用保険制度の導入、これなんかは大変画期的なことだというふうに私は評価をしております。これはいずれ今度の法案審議のときにまたお伺いしたいと、こう思っておりましたが、ただ、このような情報化対策、情報化設備等をいろいろとお考えいただいて設置されても、なかなかそのようなものがあるということを知らない、できるということを知らない中小企業者が実は残念ながら多いのですね。したがって、それらの人たちに知らすような啓蒙宣伝についてもまたお考えをいただきたいと、こう思います。  時間がありませんので、最後にもう一つお伺いしたいと思いますが、中小企業の活力の維持のためにはいろんなものが、必要要因がありますけれども、その一つ、最大のものが私は事業の経営の永続性である、永久的であるというふうなことがこれまた絶対必要だ。可能性があるというふうなそういう希望と期待を経営者が持つことが絶対必要だというふうに考えておりますが、ところが中小企業の事業用資産あるいは同族法人の非公開株式の相続等の場合の現在の評価方式が非常に大きく問題になっていることは、これはもう御承知のとおりであります。私もこれはもう長く、ずいぶん古くなります、中小企業団体中央会の税制委員長時代に提言したわけでありますからもうすでに十三年たちましょうか。また、国会でももう再三再四この問題については提言をし希望してまいりました。おかげでようやくといいますか、中小企業庁ではこれらのことに大変御留意をいただいて、承継税制問題研究会をつくられて昨年の三月にその答申が出ておるわけでありますけれども、特に最近は世代交代が非常に激しくなってまいりまして、現行の相続税制でいくために事業の継続が不可能あるいは困難だというケースが頻発をしておるわけでありますが、一層ひとつこれについては今後とも強く進めていただきたいと、かように考えております、もちろん大蔵省の問題ではありますけれども。そこで、中小企業庁としては、これを今後どのように進めていくか、どういう方針でおられるのか、ひとつぜひ承りたいと思います。なお、これらのことについて大臣からもひとつ所見を承りたい、かように考えております。  以上で質問を終わります。    〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕

勝谷保中小企業庁長官

○政府委員(勝谷保君) 中小企業の事業経営の継続と後継者への円滑な承継を図りますために、現行の相続税制の改善を求める声が強いことについてはただいま先生の御指摘のとおりでございまして、この背景といたしましては、第一に中小企業経営者の高齢化ということがございまして、戦後企業を始められました中小企業の方々のうちの三割が六十歳を超えているというような状態でございまして、そろそろ次の世代への交代の時期を迎えているわけでございます。次に、いま一つは、近年におきます土地価格の高騰が見られますが、これによりまして相続税の負担がきわめて高いということで土地の一部を切り売りしなければ相続ができないということでございます。  通産省といたしましては、中小企業はわが国経済の活力を支える重要な存在であるとの認識を踏まえまして、相続税の支払いのために中小企業の円滑な事業承継が阻害されるということのないように税制面での改善のために努力をしているところでございまして、このため昭和五十七年度の税制改正におきましては、先ほど御指摘のような研究会の成果を踏まえまして、取引相場のない株式の評価方法の改善と、いま一つ個人事業者の場合の土地の課税価格の軽減を要望してきたところでございます。この結果、種々検討がなされまして、このたびは取引相場のない株式の評価方法の改善につきまして五十八年度から実施する方向で今後検討するということになったわけでございます。私どもは、今後大蔵省においてその具体策の検討が行われるに際しましては、中小企業庁内に対応する研究会を設けますとともに、大蔵省のその検討会にもしかるべき委員を派遣いたしまして、十分中小企業者の意を具現するようにいたしたいと思っております。さらに問題として残っておりますのは、土地の課税価格の問題がございます。同族会社のみが相続税で何らかの手直しがあって個人事業主はないということでは片手落ちの点もございますので、きわめてむずかしい理論的な問題を残しておりますが、今後息長くこの問題は取り組んでまいるべき必要があるというように考えているところでございます。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま中小企業庁長官が申し述べましたように、やはり中小企業の円満な承継というものを実現するためには税制の改正というのが必要であるわけで、五十七年度で何とかしたいと思っておりましたけれども、実現を見ませんでしたが、何とか五十八年度は財政当局とも十分協議をし、皆さん方のいろいろと御協力を賜って、これはもう五十八年度はどうしても実現をしたいということで全省を挙げてこれに取り組む決意であります。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 実は、昨日も当委員会に出席をいたしまして、通産大臣の貿易摩擦に対する考え方を伺いました。また、これまで決算委員会あるいは商工委員会等を通じまして、大臣のそういった意味での御所信というようなものについてすでに何回か承っておりますので、きょうは実は御遠慮申し上げようかと思ったんでございますけれども、せっかく参議院制度改革の一環としての委嘱審査ということでございますので、あえて一問だけひとつ大臣のお考えをお聞かせいただきたいと、かように思います。  実は、私、先般貿易摩擦の問題というのはインバランスの問題と、それからもう一つはやはり欧米から日本を見た場合に日本はアンフェアだという、このアンフェアの問題とインバランスの問題が何か混在しているような感じがしてならないというような意味のことをちょっと申し上げたかと思うのでございますけれども、実は第一次大戦前はかつてのドイツが大変成長、発展をした。一九三〇年代ぐらいまではアメリカ経済、そしてまたある意味ではわが国日本経済も非常に大きく伸びていったというようなこと、それから第二次大戦後は、これは日本、西ドイツ、これらの国が大きく飛躍、発展をしたと。だから、世界経済の活性化というふうな点から考えれば、ある意味では撹乱要因にもなるような意味で成長、発展する、そういう国がやはり一つや二つあってもいいのじゃないかというふうな感じがするわけでございますが、ただ現在の貿易摩擦の問題を通じて感ぜられますことは、先ほどもアンフェア、インバランスという言葉をあえて使わせていただきましたけれども、どうも一歩一歩と波打ち際に押し寄せられていくのではなかろうかというような不安感が常につきまとってならないわけでございます。総理みずからがとにかく陣頭に立ってこの貿易摩擦問題の解消に当たるということをおっしゃっておられますが、これは当然そういうことであって、大変結構なことかと思いますが、どうも仮に今回の貿易摩擦問題が解消をしても、先ほど市川委員からもちょっと御発言があったようでございますけれども、次は、この点の一角が崩せたから、日本という国はとにかく言うだけのことを言い、徹底的に、言葉は悪いかもしれませんけれども、とことん突き詰めれば言うことを聞いてくれるんだというような考え方から、またまた安保ただ乗り論的な論理をひっ提げて対日姿勢が強くなってくるというような感じがしてならない、これは私の個人的な見解なんでございますが。したがいまして、大臣も先ほど来何回かおっしゃっておりますように、正論は正論として並々と吐くと、こうおっしゃっておりますが、私はもしそういう姿勢であるならばそれはやはり徹底的にこの際言いたいことは同盟国とか同盟という言葉を使うとちょっとこれ問題になるかもしれませんが、言うなれば同盟関係にあるというそういう枠組み、大前提はこれははっきりしているわけですから、そういう中で堂々とひとつ正論なりわが国の立場というものを主張し続けていただきたい、かように思っておるわけでございます。  この間も実はこれはある経済雑誌でしたか、何かちょっと見ておりましたら、海外で日本の商社員とそれから現地の方とたまたま接触事故か何かがあって一悶着があったと。その際に語学が不自由なために日本の方の言いたいことが言えなかったと。それで結局は相手さんの言うとおりになってしまったと。自分の主張というものが通るということがそれがまさに正論なんだというような感じがどうもアメリカの方あたりには強く感じられるような気がしてならない。そんな意味からも特に大臣も再三おっしゃっておられますように、わが国の立場というものは言うべきことは徹底的に言うというような姿勢でひとつ今後の貿易摩擦問題に対処していただきたい、かようなことを申し上げ同時に大臣のお考えをお聞かせいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにおっしゃるように、貿易摩擦を解消する方法としてはもうフランクにぶつかって言うべきことをきちっと言わなきゃならぬと思いますし、また反面日本がもうすでに世界の経済の中で一割を占めておるそういう強い立場に立っておりますから、やはりやらなきゃならぬことも果たしていかなければならぬのじゃないか、国際責任を果たすということも大事じゃないかと私は思っております。  インバランスといまのアンフェアという問題がこれが当面の焦点ですが、インバランスの方はこれは日本は中近東から油を六百億ドル買っておるわけですから、それの帳じりを合わせるためにどこかで輸出を伸ばしていかなければならない。そこに日本の生存の意義の原点があるわけですから、これはやはりインバランスを勝手に解決するなんということは不可能であるし、それは認めておるわけでございますが、しかし、最近非常にインバランスの拡大をしたということでありますから、日本は輸入の努力をさらにする、アメリカ、ECとも一層の努力をさらにしてもらう、あるいはインバランスを解消するとするならばアメリカの高金利も改めてもらうあるいはまた日本が欲しい物を売ってもらう。たとえばアメリカのアラスカ石油なんかもあそこでストップしないでそれを堂々と日本に輸出すればインバランスは大きく改善できるわけですから、そういうことを徹底的にやってインバランス問題に対処しなければならないと思いますし、同時にまたアンフェアという問題はいろいろな見方がありましょうが、アメリカから言うと日本の市場というのはどうも制度の面においては相当開放されているのだけれども、手続の問題にしてもあるいは流通機構の問題にしても、国内のいろいろな商慣習から見ましてもあるいはサービスその他の面からしましても、どうも入りにくいという声があることは事実であります。また確かに日本の歴史、伝統、今日までの国としての歩みの中でそういう面もなきにしもあらずだと思うのですね。そういうものはやはりこれだけの国際国家になったわけですから、ある程度は国際基準に合わせていくということで努力をしていく必要があるんじゃないか。  言うことは言い、なすことはなして、そして私はサミットまでに一応の設計図をかいて、日本の方針を出す、これ以上はやりません、これまではやりますということを一応出す。サミットではまさに貿易摩擦等が収束の方向に進むように首脳間で徹底的に論議してもらう必要があるんじゃないか。そのときに日本がある程度のことをやれば、サミットで鈴木総理もアメリカの高金利政策を批判するということも堂々とできるのじゃないかと、こういうことでサミットまでに一応の方向を出して、そしてサミットでもって何とか貿易摩擦は収束の方向へ、一挙には解決しないと思いますが、収束の方向へ進んでいくような方向へ持っていかないと、貿易摩擦が妙な政治対立ということになって国家間の対立にまで及んだら大変だ、そして自由貿易体制がここで崩れてくるということになったらなおさら大変だと、こういうふうに考えておりまして、そういう基本的な方向で私も努力してまいりたいと思っております。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 終わります。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩をいたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時十分開会

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 まず私は昨三十一日夜の茨城県神栖町の鹿島コンビナートで爆発事故があり、流出した重油が約三時間にわたって燃えた事故について午前中の本委員会において報告がありましたが、緊急な問題として二、三ただしたいと思います。  幸い、近くの重油タンクへの誘爆は免れましたが、作業中の従業員の一名が焼死し、七名がやけどで重体という今回の事故であります。原因については究明中でありますが、各報道によりますと、「脱硫装置の安全弁に異常があったか操作ミスとみられている」ことが報じられております。「爆発の衝撃音と約三十メートルの高さにまで噴き上げて夜空を焦がす火柱に、付近の住民は一時パニック状態。石油タンクと”同居”する恐怖におののいていた。」こういうように報じております。また報道でありますが、鹿島製油所の水野所長さんと中村組のこれは作技術部長というのでしょうか、三十一日午後十一時三十分から記者会見をしております。その際、「直接脱硫装置の原料張り込みポンプ吐出側の安全弁付近に異常があり、ここから重油が漏れて何らかの火で引火、爆発した。直接脱硫装置は、重油中の硫黄を取る装置で、漏れた油が高温高圧のため、爆発したのが原因だと思う」、こういうふうに語っているわけです。  そこで、安全管理についてお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、御承知のとおりに石油コンビナートに関しましては石油コンビナート等災害防止法、通産省、高圧ガス取締法、これも通産省、消防法、これは自治省所管、労働安全衛生法、これは労働省所管、等々に基づいて監督指導が行われていると思うのです。この種の事故というのは初動の最初の初期操作がきわめて私は重大であると思っているんです。少なくとも高温、高圧であることはわかっているわけでありますから、こういう初期操作等々における面も含めた全体的な安全管理体制、こういうものを実施しているはずであります。欠陥はなかったのかどうか、この点についてまず伺うところであります。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○政府委員(神谷和男君) 事故の状況につきましてはただいま先生から御紹介、御指摘のあった概要のおおむねそのような推移とわれわれも把握をいたしております。引火の直接原因その他若干記者会見で断片的にいろいろ外部に発表あるいは表明されております事実が報道されておりますが、正確な原因あるいはその因果関係等につきましてはなお検査中でございますので、これは正確な検査を待った上で取りまとめをいたしたい、このように考えております。  具体的な取り締まり等につきましては、御承知のように高圧ガス取り締まり関係では年一回の保安検査あるいは定期的な自主検査等を行っておるほか危害予防規程等都道府県知事の認可に基づいてマニュアル的なものを定めておりますし、石油コンビナート等災害防止法におきましてはレイアウト規制を行うほか、自衛防災組織あるいはそれらが備えるべき資機材の整備、保有義務あるいは防災規程の届け出あるいはその遵守といったようなものを定めておるわけでございますが、今回の事故の原因は調査にまつといたしまして、その後の推移といたしましては、自衛消防隊は直ちに地元の消防隊と合同いたしまして消防庁の指揮下に入りまして消防活動に当たり、いわゆる装置につきましても直ちに減圧の操作を行うとか、あるいは他の関連のブロックとの遮断を行う等々によりまして、逐次類災あるいは災害の拡大の危険を防止し、十一時二十九分鎮火に至ったものでございます。  私どもその間におきまして、法令違反あるいは従来のいろいろなわれわれの行政等に関して反省すべき点があるかどうかという問題につきましては検査の結果を待った上で分析し対処してまいりたいと考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 石油コンビナート等の事故というものは重大な災害となることから、その安全管理体制を徹底さ世、このような事故の再発を防止しなければならない、これはもう十分御承知のとおりだと思います。  いま幾つか申し上げましたとおりに、各省にそれぞれまたがって、言うなら複雑化をしていると思うのです。したがって、災害防止のための監督指導体制、これについては行政管理庁も指摘をしているはずなんです。したがって、私はこれらを整理すべきときではないか。言うなら、災害の分類をしますと、要因というもので幾つかある分類を大きく分けますと、私はこう思うのです。  一つは機械あるいは設備、そういう設備、装置の安全チェック、言うなら点検、保守ですね、そういうものの保安対策、これが一つあると思うのです。二つ目は作業をやる人ですね、操作をする人の安全管理ですね。御承知のとおりに昨晩の事故というのは点検をしていたところで爆発をしたと、こういう報道ですから、人の安全、作業の安全、これも当然管理をしていかなきゃならない体制の一つだ。それから三つ目、これは周辺の地域住民の不安を一掃する。したがって広い地域にわたるわけですから、環境とか住民の生命、命ですね、そういうものもやっぱり基本とした安全体制ですね、こういうものが私は大きく分類すると幾つかある、そういうものが構成されてくると思うのです。したがって今回のような、幸い誘爆は免れましたが、間違えば重大災害、大変な災害になるわけですから、今後のそういういろいろ各省庁間でやっております安全管理体制というものを、私は、地域の石油コンビナートにおける総合的な安全管理体制、これを確立していく必要がある、こういうふうに思うのです。その点について大臣の所見を伺いたいと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま事故につきましては原因の究明に努めておるわけでございますが、こうした事故がさらに大きな事故につながっていくということは絶対に防いでいかなきゃならぬ。この事故を契機にして、事故に関連をする点に重点をしぼりまして全国的な総点検を行ってこの安全体制を今後にわたって確立をしていきたいと、こういうふうに考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 大臣から午前中そういう姿勢も述べています。したがって子といたしますけれども、大臣も御承知のとおりにいままで対応というのがどうも事故が起きてから対策を考えると。言うなら後追い対策なんですね、後から後追いをしていく。私はやっぱり事前にこういう幾つかの災害、幾つかの事故というものの教訓を生かして、事前にそういうことのないように防止していくことこそがきわめて大事であるということは御承知のとおりであると思うのです。したがって、後追いでなくやはり安全の先取りをしていく、この姿勢が私は大事だと思うし、そういう点でいま大臣から総点検を行う、こういうふうな姿勢が示されました。私は、ぜひ先ほど指摘しましたような総合的な安全管理体制をこの際確立をする、こういうひとつ大臣の再度の御決意をいただき、そして所見を伺い、それから労働省の方からせっかくおいでいただいているわけですから、この労働安全の関係からこういう総合安全の対策確立についてどういうような取り組みを持っておられるか、労働省についてもあわせて伺いたい、こういうふうに思うのです。

小俣和夫労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○説明員(小俣和夫君) お答え申し上げます。先生御指摘のありました総合的な安全管理体制をとり得るよう労働省といたしましても積極的に取り組んでまいりたいと思いますが、当然のことながら関係行政機関とも十分な連携をとりつつ進めてまいりたいと思っております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) こうしたコンビナートの保安体制につきましてはこれまでにも国や県、それから企業、それぞれその確立のために尽くしてきておるわけでございます。しかし、そういう中でこういう事故が起こったわけでありますから、この原因というものは厳にはっきりさせなきゃならない、そしてはっきりさせた上で先ほど申し上げましたように全国的な総点検を行って総合的にやはりこうした事故が今後とも続発することのないように、起こらないように総合的な保安体制というものを確立していかなきゃならない、そういうふうに考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 本問題に関して最後になりました。したがって要請をこの際申し上げて終わりたいと思うのですけれども、今回のこうした事故における死傷者の遺家族の方々に対する万全の援護措置、これはやっぱり十分していただきたいと、こう思うのです。大臣から、それから労働省の方でも労災の問題もあると思うので、これらについても万全の援護措置をとっていただくように要望をいたしておきます。労働省の方も労災もあるからちょっとそれに対してのコメントをいただきたいと思いますけれども。

小俣和夫労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○説明員(小俣和夫君) 労災補償につきまして迅速な支払いができますよう万全の体制をとりたいと存じます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 大臣もう御退席になると思うのですけれども、最後に、要望しました点十分な万全な援護措置をとると、こういうことで受けとめてよろしゅうございますか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これに対しては十分な国としての現在の制度の中でできることは十分しなきゃならないと考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 次に、せっかくの機会でありますから、石油の製品に関しまして、せっかく経企庁の長官もいらっしゃいますので、私は物価対策の面からシーリングプライスに関する問題について長官にお尋ねをし、関係省庁にそれぞれ尋ねていきたいと、こういうように思っているんです。  御承知のようにだぶつく石油、OPECでは減産に次いでまた減産、値下げを余儀なくされているというのに、わが国ではまさに逆に原油過剰の中で値が上がる状況である。まことに不可解と言わざるを得ないところであります。出光や丸善、三菱などが三月一日からガソリンの値上げに踏み切りました。日本石油も四月一日、きょうから末端価格にして三円から五円値上げをするように報道されているわけなんです。そこで、すべて物の値段というのは需給次第で、物が少なければ値が上がる、物が余れば値が下がるというのが常識に考えられるんですよ。その常識が通用しない、こういうふうに思うのですけれども、そこで今回のシーリングプライスの廃止について伺うのですけれども、長官、物価安定、そしてその対策の面からこのシーリングプライスの廃止についてはどのようにお考えになっているのか、まず所見を伺いたいと思うのです。  それからまた通産省資源エネルギー庁に伺いますけれども、なぜ廃止をされたのか、この点をまず伺いたい。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) シーリングプライス制と通常言われております行政指導でございますが、私ども石油の長期的な安定供給ということを考えますと、できるだけ民間活力を利用し、また市場メカニズムにゆだねるというのが望ましいという基本的な考え方をとっておりまして、石油審議会あるいは最近の臨調における議論もこういう方向で、価格介入というものは極力避けるべきであるという方向が出ております。  ただ、先生御指摘のように石油というのは非常に重要なエネルギーでございますので、それの極端な変動というものが国民経済あるいは消費生活に悪い影響を及ぼすことをまたできるだけ排除しなければならないという、他方そういう要請があるかと思います。このために、五十二年の末にイランの革命を契機といたしました石油ショック、第二次石油ショック、これが起こりまして供給が極端に不足をいたしてまいりました。従来、わが国の輸入は主として長期契約によって輸入をいたしておりましたが、その当時長期契約による供給がイランからとだえまして、スポット契約が一〇%を超えるかなりのウエートになって、これがまた急騰いたしました。そのときにそのような国際的な価格の高騰というものがわが国の経済に及ぼす影響についてかなりの心配をされたわけでございまして、ただコストがアップをした分についでこれが市場で転嫁されるのはやむを得ない。しかしながら、供給が不足をした事態においてそれに便乗をして値上げをするというようなことは排除されるべきであるというように考えまして、その当時この新しい緊急避難といたしまして行政指導が導入されました。これは値上げをいたしますときには事前にコストアップの要因を私どもに説明をいたしまして、われわれも便乗値上げではないという判断を示すということにしたわけでございます。ところが、御承知のように最近は国際的に石油の供給がだぶついてまいりまして、価格も下がりぎみになっております。したがいまして、需給面からまいりましても、便乗値上げというようなことが行われる可能性はないという判断をいたしました。したがいまして五十三年に緊急的に導入いたしましたこの行政指導も廃止をしても問題は起こらないのじゃないかという判断をいたしまして、現在四月末をめどに廃止を検討いたしておる、こういう状態でございます。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 石油価格は、物価政策、経済政策にとりまして非常に大きな課題だと思っております。そこで私どもといたしましては、石油の需給関係を十分配慮した適切な価格形成が望ましいと思っておりますが、同時に中長期的に考えまして安定的な供給も確保されなければなりません。この二つの課題をどう解決していくかということについて、いま通産省から御説明があったわけでございますが、ぜひとも二つの問題を調和をとりながら、最も適切な解決策を見出してもらいたいと、こう思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 いまお答えいただきましたように、石油の需給関係が緩んでいる。それから需要が落ちついて便乗の値上げの心配がない、こういうような理由ですね。それで報道によりますと、通産省エネルギー庁は石油業界最大手の日本石油の石油製品の値上げについて、一キロリットル当たり平均三千円、幅を提示したわけですね。じゃあ一体その根拠は何か。また日石の値上げについてはどのように対応をしてきたのか。この点もひとつ伺いたいと思います。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) 特定の石油会社の経理内容について公開の場で申し上げるのは問題があるかもしれませんが、最近の円安傾向、これが非常に大きな影響を与えております。先生最初に御指摘のように、石油の需給が緩んでいてかつ国際的に値下がり傾向にあるときに国内で値上げがあるというのは非常にわかりにくい、全くそのとおりだと思います。これは非常にわかりにくいと思います。  なぜこういう問題になったかと申しますと、石油の価格の八〇%以上が原油代になっております。原油代はドルで当然購入されるわけですが、それが円に換算をされますときにドルの円レートというものが影響してまいります。御承知のように、昨年の初めには一ドル二百円程度でありましたが、昨日では一ドルが二百五十円に近いという状態でございまして、二割以上の円安になりました。ということは、当然ながら石油会社の原料の価格というものが、原料コストというものがそれだけ上がってきたということになるわけでございます。これが非常に大きな影響を及ぼしております。  それからもう一つは、これもわかりにくいんですが、国際的に下がっているときになぜかという問題、これも確かにわかりにくうございますが、実は石油は安定的に供給をする必要があるということで、できるだけ長期契約によるということを基本にいたしております。ところが長期契約と申しますのは政府の公式販売価格で販売されておりまして、たとえばサウジアラビアの場合にはアラビアンライトは三十四ドルで販売されております。先日もOPECの臨時総会におきましてもこれは変えないということが決定されました。ところが他方、スポットはアラビアンライトが二十八ドル台と言われております。もし長期契約をキャンセルをいたしましてスポットで購入をすれば、バレル当たり五ドル以上の安値になります。これは非常に魅力があります。しかし長期的に考えますと、それをやった場合には後々大変な問題が起こるということでございます。ここが非常に問題でございます。現在、わが国に入っております油は、三月現在入者ベースで大体スポットが四%程度かと思います。会社によって差がございます。平均はそういう感じでございます。したがいまして、大宗は政府の公式販売価格が下がらなければ基本的にはコストが下がらない、こういう状態で、御指摘のように非常にわかりにくい状態でございます。石油会社も私どもももっとこういう状態を国民に知らせるという努力をすべきだという反省をいたしております。そういう状況で残念ながら値上げせざるを得ない、こういうことでございますので御了承いただきたいと思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 民間灯油は入っているんですか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) 当然民間灯油につきましても、コストアップについて私どもは認定をいたしましたが、日本石油は自発的に一月需要期明けまで値上げを延ばすという判断をしたというふうに伺っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 灯油はいつごろ値上げを考えているんですか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) 日本石油は一カ月後に値上げの通告をするというふうに決めたと聞いております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 さらに具体的に聞きますけれども、値上げの際のいまお話がありました円安傾向にある、基準となったのはレートを幾らで試算されたんですか。きのうのこれも報道によりますと大変な円安で、二年ぶりの大幅な円安で一ドル二百四十八円、こういうふうに報道されているんですけれども、一ドル当たり幾らに試算されたのか、その辺も重要になってくるんですけれども、いかがでしょうか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) これは各社によって差がございますが、通常はシーリング価格を改定をする申し出があった時期から一カ月程度の過去の平均ということをやっておりますが、今回の場合にはしたがいまして二百三十円の上の方から二百四十円弱というのが各社の平均的なレートになっております。したがいまして、現在二百五十円ということではまるまるこのシーリング価格の値上げが実施されたとしてもなおかつ赤字という状態にならざるを得ないかと思います。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 そうすると今回の値上げの理由が、最近の円安による経営の悪化と、こういうことを挙げているわけですね。いまのような円安傾向で大変なことになれば、これはたとえ値上げしても採算がとれない、こういうふうになるわけでしょう。そうするとまた直ちに再値上げをしなきゃならない、そういうふうになると思うのですけれども、どうなんですか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) 為替の動きが非常に大きな原因であるというふうに申し上げましたが、もちろんそのほかにも各種のコストの変動、金利いろいろございまして、為替変動のみが今回の値上げの原因ではございません。  それで実はいま御指摘になりましたように非常にむずかしい点でございまして、為替の変動というのが現在の自由価格制の場合には大きく変動するわけで、それに従って国内の石油製品の値段が上下するというのは好ましくないというふうに考えておりまして、できるだけ安定的に推移する。たとえば円高になって差益が出た場合にはそれを企業が抱いておいて、円安のときに差損が出た場合にはそれによって補てんをするというような、何か安定的なメカニズムが必要ではないかというふうに考えております。ただ税制上もいろいろ問題がございますし、経理上も問題がございまして、なかなかそういう理想的にはまいりませんが、私どもといたしましては為替レートの変動のみによっては価格が余り大きく変動しないように、なるべくそういうことが望ましいというような考えでおりまして、そういうふうに指導いたしたいと思っておりますが、ただ余りにも大きな変動がありますときにはやむを得ずいま申し上げましたような改定ということも出てくるかと思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 論理的には円安だから値上げをする、しからば円高になれば当然値は下げる、こういうことですね。そういう点もあわせて伺うのですけれども、いかがですか。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) もちろん円高になった場合の差益によりまして、過去の損を消しましたりあるいは借金を返したり、やるべきことはたくさんございますけれども、もちろんもうかった分は需要家に還元をするというのが望ましいかと思っております。ただいま申し上げましたように、石油の価格というのはなるべくなら安定している方が望ましいということも事実かと思います。したがいまして、私どもとしてはできるだけそういう為替の変動というものが価格に及ばないのが望ましい。たとえばきょう二百五十円でございますが、それじゃ私どもが査定をした価格から十円安くなったから十円分すぐ上げるかというと、それは実際上も不可能ですし、また望ましくない、こう考えております。したがいまして、まずその範囲で値上げをし、コストの回収を努力する、その間に円高にでもなればまた過去の赤字が消せるというふうに、できるだけ安定的にするということが好ましいと思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 日石の値上げは四月の一日、きょうからですね。他社はどうなっているんでしょうか。それから他の元売りも四月一日から値上げをするというふうに聞いているんですけれども、幾らぐらいの値上げがあるのか。それと同時に、値上げについては通産省がヒヤリングをすることになっているわけでしょう。これはどのように対応してきたんですか。それもあわせて伺いたいと思います。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) 実は、会社により対応は異なりますが、一般論として申し上げますと、従来アラムコ系——サウジアラビアのアラムコから油を供給を受けていたアラムコ系とそうでない非アラムコ系に分けまして、非アラムコ系の方が経理が非常に悪化いたしておりまして、これが三月一日に大体三千円ぐらいの値上げを通告をいたしております。それからアラムコ系、これは日石もそれに入るわけですが、これが四月一日に三千円の値上げ通告をいたしておりますが、そのほかのアラムコ系につきましては、一部は過去に上げようとして上がらなかった分がございますが、平均的に見ますと、三月と四月に分けて大半のものが三千円程度の値上げを通告しているというふうに言えるかと思います。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 先ほども私指摘しましたけれども、今回のシーリングプライスの廃止後に、じゃ価格のキャッチアップというのはどのように対応されていくのか、具体的に私示していただきたいと思うのです。それから、廃止後便乗値上げが行われた場合、これはあなた方行政の手落ちであると思うのですね。その責任についてはどういうようにお考えになっていますか。これをあわせてひとつ伺いたいと思います。

野々内隆資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(野々内隆君) 実は、そのシーリングプライスという行政指導をいつ廃止するかという時期の問題が一つございまして、私どもは前回のOPEC総会の後、もうこれで国際的に急に値段が上がるということはないだろうという判断で、直ちに廃止してはどうかというふうに思ったんですが、各社の、各石油会社に値上げの動きがあるということでございまして、その時期に廃止をいたしますとどこまで上がるかわからないという御心配があるということでございましたので、実態としてはそういうことはないと思いますけれども、御心配がございましたので、現在値上げの意向のありますところについてコストのチェックをいたしまして、その動きを見ております。それで、四月末にでもなれば、もうそういう動きもなくなるし、落ちついてくるだろうということで、現在四月末をめどに廃止ということを考えております。  で、廃止後はどうするかでございますが、基本的には市場メカニズムに任せるということでございますが、社会的に非難をされるような問題、こういう問題が起こるというのはまた話は別でございますし、それから石油ショックのような緊急事態、これもまた別だと思いますが、一般的には消費者モニターその他価格をウォッチするシステムもございますので、それから苦情処理というような制度もございますので、そういうものを通じてウォッチをしていきたい、こういうふうに考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 公正取引委員会に伺いますけれども、きょう、四月一日からの各元売りの今回の値上げですね、どうも考えますとやみカルテルのような、こういうふうに思われるんです。公正取引委員会としてどのようにお考えになっているかこの際伺いたいと思うし、また今後どのように対応していくかもあわせまして公正取引委員会から伺いたいと思います。

伊従寛公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(伊従寛君) 一般に業界の状況にもよりますが、ほぼ同一時期に同一の価格が上がるということにつきましては、カルテルが裏にあるのではないかという疑いが持たれるわけでございます。しかし、ほぼ同一時期に同一の値上げが行われただけで直ちにカルテルがあると断定するわけにはまいりません。石油の値上げにつきましては、石油という製品が経済上きわめて重要な物資でもございますので、この値上げの状況につきましては重大な関心を持って今後の推移を見守っていきたいと思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 通産省、エネルギー庁それぞれからお答えいただきましたけれども、私どもが心配するのは便乗値上げが出てきたり、そういう場合にやはり行政上の責任が問われるぞ、あるいはいまでもガソリンの末端価格、消費者、国民というのは大変な、わからない、わかりにくいことで、非常に関心を持っているわけですね。しかも、何でこんなときに値上げするんだろうというようなことにも十分な理解がいかない。やはり行政の責任を私は問われると思う。ですから、今後もないように、廃止しても、私は十分な行政指導はしていく必要がある、これは要請をしておきます。  大体時間が参りましたから、せっかく長官おいででありますから、最後に長官の所見もいただきたいと思うのですけれども、いままで質疑を通じてお聞きになったとおりに、今回の値上げによって私は便乗値上げがないように願っているわけなんです。石油業法によれば標準価格、こういうのがあるわけですから、物価の安定、物価対策の面から引き続きやはり監視をしていく必要がある、こういうふうに思うのです。国民生活を守る立場からひとつ長官の御所見を伺い、私に与えられた時間も参りましたので、私の質問を終りたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いま通産省からは、現在の石油事情のもとでは便乗値上げは起こさない、あり得ないと、こういうお話でございますから、私どももその方向に行くことを期待をいたしております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 長官にお伺いいたします。  先日、所信表明の質問の際にも若干触れたわけでありますが、貿易摩擦及び国内の景気の問題であります。それに関連して再度質問いたしますが、というのは、それ以降、これは毎回会館に配布されるわけであります。政府の広報誌かなと思ってもみたり、しかし、内容を見ますとそうでもないのでありますが、この「フォト」、これは御存じだと思うのです。お見せしなくてもおわかりのことと思いますが、これに「世界経済の再活性化へ 日本の対外経済政策を考える」という見出してございまして、長官と内田東京大学教授の対談の記事が載っております。私もずっと拝見をいたしました。そして、長官の述べられておりますところの個所個所におきまして、おおよそ共感を覚える点が実はあるわけでございます。したがいまして、長官のお気持ちはこれをもちましてその考えの方向性というものは理解できるのでありますけれども、もう少し詰めた考えをひとつお述べいただけるならば聞いてみたい、こう思います。そこで、またそれについては私もこう考えますが、いかがですかと、こういうことになるわけでございます。しかしながら、これはあくまでも抽象論議に終わりかねない問題でもあろうかと存じますが、どうぞひとつ率直に御意見をお聞かせいただきたい、こう思います。  そこで、この対談の中で、日本の競争力が非常に強くなっているので少しくらいの対策では解決しない、こうお述べになっておられます。関税の問題が主であるようでありますが、とにかくこの委員会でも一方的な議論といえばそれまででございますが、非関税障壁の撤廃問題であるとか、関税の引き下げであるとか、市場開放の問題であるとか内需の拡大という問題、また確かに産業あるいは技術協力云々という問題もとらえられてきておるわけでありますから、ただ単にこれは関税だけの問題ではなくて、少なくともこれらの問題をすべて要求どおりに開放した場合にはいかなる結果になるか、それをもってしても貿易摩擦は解決しないのではないか、こういう議論等がありました。議論を仕掛ける方の意見としてそういうことが多かったかもしれませんが。  いずれにいたしましても長官がおっしゃっておりますことは、少なくともいまとらんとするようなそういう対応の仕方ではつまりは今日日本の競争力というのはきわめて強くなっておるのでまあ解消はしないであろう、こう私は受け取っているわけてあります。もっともそのために、先ほど来申し上げましたような、技術協力であるとか産業協力であるとかということは触れられておりますけれども、この競争力がきわめて強いというところに私は関心を持ったわけでございまして、だとするならば、一体どうすればよろしいのかという点についてお考えがあれば伺ってみたいと、こう思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 昭和五十三年の九月に東京ラウンドでは、工業製品を中心に関税率をどう下げるかということについて合意をいたしましたが、そのときはお互いの経済力の強さを比較検討いたしまして関税の引き下げ率が決まったわけでありますが、そしてそれを八年かけて昭和六十二年まで、一九八七年までの間にやりましょうと、こういうことを決めたのであります。  ところが、東京ラウンドが妥結いたしました直後に第二次石油危機が起こりまして、わが国はその石油危機に際しまして、当時比較的経済が安定をしておりまして、力が回復をしておりましたので、適切な対応をすることができました。したがって、余り大きな被害が出てこなかったのであります。引き続いて生産性向上のための設備近代化投資あるいは省エネルギー投資なども非常に大規模に進められました。物価は比較的安定をした状態が続く。ところが、アメリカ、ヨーロッパはインフレになりまして、しかも経済の状態が悪いものですから、なかなか設備近代化の投資ができない。そこで私は、東京ラウンドが妥結いたしましてから現在までの三年余りの間に事情は一変しておる。先方の力がむしろ相対的に低下ぎみである。わが国の生産性は非常に進んで、競争力は拡大した。だから、当時はバランスがとれておりましたけれども、現在の時点ではバランスがある程度崩れておるのではないか、こう思われます。あの時点におきましても自動車などは相当な力がございまして、欧米からは関税をゼロにしろとまでは言われなかったのでありますが、わが方で進んで自動車の関税はゼロにしたのであります。現時点では私は、日本の主要な商品の中でこの関税をゼロにしても十二分に対抗できるような商品も数多く出てきておるのではなかろうかと、こう思いますが、当然そういう点を十分勘案して、通産省の方でもいろいろ御検討していただいておると思います。  そこで、現在の通商摩擦をやはり抜本的に解決をするためには、幾つかの点を考えていかなければなりませんが、まず第一番日が市場の開放体制だと思います。  これはいま世界各国が不況で苦しんでおりまして、OECD二十四カ国で三千万の失業者を抱えるという状態でありますから、そのために現在の政権にひびが入っておる、政権が存続できるかどうかという瀬戸際に立っておるという状態でありますから、私どもから見ますと少し無理を言っておられるなと、こういう感じのことも相当ございます。しかし、何分にも先方の事情を考えますと、やはりわが国が率先して市場開放体制をとりまして、そして保護貿易的な傾向を食いとめる、そういうことはぜひ必要だ、こう思っておりますが、仮に先方から言われておりますような開放体制を全部わが国がとりましても摩擦は私は解消しない、こう思っておりますのは、一つは、根本的には先ほど申し上げましたような競争力の差が非常に開いておるということが一つ、それからもう一つは、最近の非常な円安のために、少々関税を引き下げましても円安による影響の方が一けた違う、こういう感じがいたします。一けた大きい、こういう感じがするんです。したがって、この問題を何とか解決をしない限りアメリカの商品が日本に入ってくるということはなかなかむずかしい、こう思います。その最大の原因はアメリカの高金利にあるわけでありまして、私はアメリカはこのことについて自覚をしてもらわなければならぬと、このように考えております。  それからまた同時に、わが国の国内の購買力が相当落ち込んでおりまして、内需が弱いという状態でありますから、この内需を強化するということも当然考えていかなければならぬと思います。  しかし、抜本的にはやはり世界経済全体の再活性化と、世界経済全体がよくなりますと非常識な議論が影をひそめるということでありますから、だから幾つかのことを総合的にやっていかなければならぬ、こういうことをいま痛感をいたしておるところでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その趣旨のとおりにここには書かれておるわけですね。  そこで、そのアメリカの金利の問題、それから円安の問題、だから安く、なお向こうへ入っておるというようなこと、いろいろありましょうけれども、まあいずれにいたしましても、集中豪雨、こう言うけれども、とにかく相手国がそれだけの需要が強いと、買いたくないものを無理して日本が輸出しているわけではなかろうと、こう思うのですね。いろいろな政治的な動きが仮にあったといたしましても、それだけ相手国の国民からは求められている品を日本は輸出できるようになっておる、こういうことも一面これは言えると思うのです。  そこで、かつての話で恐縮でございますが、公審国会の際に、公害問題、いわゆる技術革新されまして、相当にこの公害というものをなくすことができるような日本の技術水準ではなかろうか、完全にとは言わないまでも。当時、宮澤通産大臣でございましたけれども、とにかくそれは金をかければかなり公害を防止できる、これはまあ総体的な物事を言っておりました。食品公害もございましょうし、またその他の工場に関連する公害の問題もありましょうけれども、技術的にはかなりこれを防止することができる、しかし日本は貿易立国でございますから、国際競争力をつけるためにはやはりコストを下げねばなりません、こういう答弁に終始いたしまして特に結論は出ませんでしたが、しかしその際には、安いからといって生命に危険がある食品を食べたいとは国民は望んでおらないであろう、食品の場合を例にとりますが、その公害を防止する措置をとって初めて本当の価格であり、それがいまの水準よりも高まったとしても、その価格を国民は喜んで受け入れるのではないか。そして、それを防止するために必要である、国際競争力の関連を考えるならば、つまりは公害防止のための国際協定を締結して、そして競争条件を統一してはどうかと、こういう議論を私はしたことがあります。結論は出ないままに終わったのでありますけれども、とにかくやってみなければわからぬということになるのかもしれませんが、今日の貿易摩擦の状態というものがとにかく少しばかりの対応策ではこれは解決しないほど日本のいわゆる競争力が強まっておる、こういう理解に立つとするならば、その辺のところをもう少しこれは検討をしてみなくてはならないのではないか、こう実は思っております。  先ほど市川委員が通産大臣にではありますけれども、内需の拡大というものは一体どうするんだという突っ込んだ質問がありました。私もそういう角度で物を考えてみたいと、こう思うのでありますけれども、これは単に賃金を上げたらどうだ、こういう議論もありましょう。しかし、相手国の文化水準であるとかあるいは生活環境あるいは生活水準、そういうものと、日本もまたどの程度それと比較をいたしまして高いのか、あるいは低いのかということはいまにわかに即断はできませんけれども、低いであろうという見方はこれはできると思うのですね。経済大国などと言われておりながら、ウサギ小屋の働きバチ、こう言われておるわけであります。ということを考えてみますと、つまり内需拡大といってみても、つまりは安い物を多く輸出できるということは、労働生産性が高くなって付加価値を高めておる。とすれば、その付加価値を適正に配分するということが私は最も大切なことではなかろうかと、こう思いますね。  働く人の労働条件あるいは生活水準を高めみためには、所得もそれなりの保障をする、あるいは税金も納めて、もって社会資本の充実にこれを回すというようなそういう発想というものが必要ではないか。そして、つまりは競争力を少なくともバランスをしていくというような努力をしなくてはならないのではなかろうか。それは中期的に見て、あるいは短期的に見て、さまざまありましょうけれども、中、長期的に見て、国際間でよくその点を話し合って、つまりは日米安保条約の中の第二条、経済協力条項というものが今日の経済情勢の中でどういう役割りを果たしておるか私は存じませんけれども、いずれいろいろと聞き回ってみたいと、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、何かしらん相手から言われたことについてずるずるずるずる引っ込んでいくということになれば、アメリカが日本に対して敵国であるなどということが新聞にちらほら出てくるようでは、日本の国民もまた心よからず思うであろうというふうに、何も反米感情を盛り立てるわけじゃございませんけれども、そういうことにでもなったらまた大変である。したがって、この際は、つまり国際間の整合性あるいは関連性を考えて、日本の一言で言う内需拡大という面についても、それぞれ計画的な一つの手法というものを用いながらバランスを全体的にとっていくということが必要ではなかろうか、こんなふうに素人なりに考えておりますが、いかがでございましょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、現在の欧米の状態ですと、わが国の経済の競争力と欧米の経済の競争力は、関税等で若干バランスをとりましてもすぐまた日本の方が強くなるのではないかと、こういう感じがいたします。  それはなぜかといいますと、経済の条件が非常に違っておるということであります。一つは、アメリカは最近物価は一けた台でありますが、ヨーロッパでは二けたの国が大部分であります。物価が非常に違っております。それから失業者の数がこれまた非常に違っております。何しろやはり二けた失業の国が多いわけでございますし、それから貯蓄率とか金利水準とか現在の経済成長率、それから国際収支、こういう点をいろいろ比較検討いたしてみますと、一時期調整をとりましてもすぐまたわが国の方が強くなるのではないか。特に軍事費の負担等が相当経済の発展に大きな影響がございますので、なかなか欧米と日本が話し合いでバランスをとるというようなことはできないと、私はこのように思います。  そこで、いまもうちょっと内需を拡大したらどうかと、こういうお話があったわけでございまして、内需を拡大すれば何も外国へ無理して物を売らなくても国内でどんどん売れるようにすればいいではないか、そうすると貿易摩擦は解消する、こういうお話でございまして、内需の拡大によりましてこの問題が解決、まあ全部はできませんが、相当多くの部分ができると思いまして、私どももそれは非常に大きな柱だと、こう思っております。ところが、内需を拡大するということのためには、一つは民間の設備投資、これがGNPで約一六%ぐらいのシェアを占めておりますので、これを計画どおり進めるためには、やはり金利をもっと下げる、こういう条件をつくり出すということが必要でございますが、これはアメリカの現在の金利政策のために手かせ足かせをはめられておりましてうまくいかない、こういう問題がございます。ただ、大企業の方は力がありますから、少々金利水準が高くても証券市場で有利な資金を調達いたしまして、そして計画どおりの投資は進めておりますけれども、中小企業の方はそうはいかない。やはり金融条件をよくしませんと投資計画が先送りになる場合が非常に多いわけであります。それから、公共事業は御案内のように四年間横並びになっております。現在の日本の社会資本投資は、発展途上国に比べてはこれは進んでおるけれども、欧米先進工業国に比べては非常におくれておると、私どもはこう考えておるんですが、まあそういうこととは別に四年間一応据え置きになっておるわけであります。  それから、やはり内需の一番大きな柱である国民の所得が伸びないという大きな課題がございます。所得をどう伸ばすかということにつきましては、申すまでもなく、所得がふえるということと、公的負担が減るということ、それから物価が安定するということ、その三つが条件でございますが、現時点で政府が積極的にやれる対策といたしましては物価政策しかない、こういう状態でございます。  しかし、こういう状態では実際は財政再建もおぼつかないということで、政府の方といたしましては考え直さなきゃならぬということになりまして、とりあえず公共事業を五十七年度の分については最大限前倒しをしてみよう、同時に公的住宅の部分についても最大限前倒しをしてみよう、まあこれで景気がよくならなければ、そのときは有効適切な手段を考えていかなければなりませんが、後半の仕事が減れば心配ではないかと、そんな半年も先のことを言うほど悠長な状態ではございませんので、とにもかくにも現時点最大限の前倒しをして仕事の量を確保していく、こういうことをいま進めておるところでございます。幾つかの政策を並行して同時にやりますと一遍に景気はよくなるわけでありますが、その中のごく一部分しか、しかも断片的にしかやれないというところに景気政策を進める非常にむずかしい点があろうかと思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 どうも私の青いぶりもまずいし、また勉強も不足でございますからなかなか理解しにくい面があったのかと思いますが、私の聞きたいところはなかなか出てこないようでありますから、これはこの程度にいたします。別途また機会を改めていろいろと意見の交換をやってみたい、こう思います。  またこの中で、いまの答弁にもございましたが、諸外国の、欧米諸国の不景気の原因は防衛力にかなり使っておる、それがやはりかなりの影響を与える、こういうようなお話であります。この中で、とにかく世界の防衛力の総額というのは六千億ドル近い、そのうちの何%か回せばいわゆる飢餓線上にある諸国民を救済することもできるし、世界の経済の活性化にも役立つんだ、こういう意味のことが書かれておるわけであります。私もまたもっともだと、こう思うのでありますが、そういう意味でわが国とこれを比較して考えてみるわけでありますが、とにかくそういう意味では防衛費に対して私どもいろいろ注文をつけてずっと今日まで参りました。そういう意味ではこの国内の経済問題にかなりの好影響を与えてきたのではないかなどとも思ってみるわけでありますが、しかし今日の政府の防衛増強に対する熱意というものはかなり高い。そして、ことしの予算なんかでは、これは福祉の問題あるいは教育の問題であるとか、国民民生費に対する予算というものは厳しく抑えて、しかも防衛力だけを七・七五%ですか、とにかくいまだかつてないほどの大盤振る舞いをしている。防衛庁が要求している要求額よりも上積みをして決定をしているというような、まさに国民の目から見た場合には奇異な感に映る決定をしておるわけでありますね。その関連でいわゆる日本の防衛費、つまりは長官のお考えの中には防衛費は世界経済の活性化のためにはこれは阻害要件であると、こういう明らかな見解をお持ちであるわけでありますから、わが国と比肩をいたしましてどのように考えるのかという問題、これは予算委員会等でかなり詰められておるようでありますが、と同時にまた日本の防衛費をGNPの一%以上にせよとか、あるいはアメリカの方の要求としては二%、二・五%、まあアメリカの議員の言っておりますことはかなり勝手なことを言っておるようでありますけれども、はて、ではその限界をどこに置いたらよろしいのかという問題についてお考えがあればお伺いをいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 欧米諸国の防衛費は平均で五%前後だと、こう思っておりますが、世界の中には一〇%を超える国もございまして、最近急速に世界全体の防衛費が拡大をいたしまして現在では六千億ドルぐらいだと、このように言われております。そこで私は、いま世界で飢餓の状態にある人たちが四億五千万あると、これは国連の調べでありますから間違いない統計だと思いますが、そして毎年五千万の人がそのために死んでおると、こういう深刻な状態になっておるわけでありまして、この人たちをとにかく飢え死にさせないということのためには六、七十億ドルあればそれだけの食糧が確保できる。そして、この発展途上国、平均の活動をしてもらうためのカロリーを摂取させるだけの食糧を確保するためには百六十億ドルぐらい農産物があれば確保できると、それは可能であると、このように言われておるのでございまして、これは専門家の調べでありますから間違いないと思いますが、そしてしかも世界にはそれだけの食糧を増産する余力がある、こういう状態であるのにかかわらずそういう問題が解決をされないで、六千億ドルの軍事費が支出されておると。これを二、三%節約をすればこの問題は解決をするではないかまた、アメリカなども日本に対して農産物の細かいことを言わなくても、こういう問題に対してもう少し真剣に取り組めば、アメリカの農産物、いまでもなお非常に大きな拡大の余力があるわけでありますから、アメリカの農業問題も大きく解決するわけでありますから、余り細かいことを育ってはかりおらぬで、もっと大局に目をつけるようなそういう政治がアメリカにとっても望ましい、こういう趣旨のことを香ったのでございます。  そこで、日本の場合は、そういうことは言っておるけれども軍事費がふえておるではないかと、それと矛盾しておるではないかと、こういうお話でございますが、日本の場合はなるほど七・七五%でありますから、去年の伸び率よりも幾らかふえておりますけれども、内容を検討しますと、人件費を除外しますと中身はほぼ横並びになっておりますし、それからいずれにいたしましても昭和五十一年の秋に内閣で決定いたしました防衛費は当分の間一%を超えないというその基本路線は守って、そして防衛政策が進められておるということでございますので、日本が現在進めておる程度の防衛費は御理解していただけるのではないかと、このように考えておりまして、いま申し上げました食糧の問題とは私は矛盾は来さないと、こう思っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 通産省の貿易局長は来ていますか。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 来ていないね。——貿易局長見えてますか。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いいです。きのう大木委員が、通産省の局長の発言内容が新聞に出ていたというあれは貿易局長ですか。いま聞くのはおかしいな。ちょっとあれはどなたが言ったのか、きのうの大木委員の発言を聞きまして、感じて、思いつきで物を言うような結果になりますが、市場閉鎖されたならば共産圏とも云々ということであります。大木委員は、まあその気持はおれもよくわかると、こういう青い方であります。だから、特別そんなふうに考えなくても、日ソ貿易をもう少し拡大するような方向で素直に考えてみたらどんなものだろうと、こう思っておるわけです。そこで、アメリカがアフガンの問題やあるいはポーランド問題で西側陣営諸国に対して制裁措置について協力要請をいたしてきておるようでありまして、アフガンの問題のときにもある程度の措置をとられた。そしてまた、ポーランドの問題につきましてもある程度の措置をとられたようであります。いろいろ聞いてみますと、まだ実害がないというような話でございますけれども、しかしこれは相手国に対しましてはかなりの心理的影響を与ておるわけでございまして、数字なんかも見ます限り、そういう状態であっても額といたしましては多少の伸びを見せておるとは言っておりますけれども、これは何もそんな協力するかしないかなどと特別に考えないで素直に貿易拡大を考えていかれた方がよろしいのではないか、こんなふうに思っておるものですから、まあまあ余り大きな外交絡みの議論をするつもりはございませんが、そうやってはいかがかと。とにかく制裁措置なんというものは、よしんば形だけのものであっても、そうしましたということになりまするとこれは日ソ両国に大きなかげりを将来に引き起こすという懸念もあるわけでありますから、素直に考えて、そういうものは取っ払ってひとつ日ソ貿易拡大も考えてみてはどうか、こう思うのでありますが、いかがなものでしょうか。

若杉和夫通商産業省通商政策局長

○政府委員(若杉和夫君) 御承知のように、日本はポーランド問題と関連をいたしまして、先般、西側諸国との協調結束ということから対ソ措置を発表しておるところであります。先生すでに御指摘がございましたように、これはあくまで西側の協調と結束あるいは連帯という精神、それからもっと砕いて言えば西側諸国とのバランスもとりながらということも含んでおるわけでございますけれども、そういうことで実施しております。  シベリア開発等につきましては現実に何といいますかそう支障なく進められておりますし、全体的な像としてはそれほど大きな影響を現実の商売には与えておりません。全く与えていないということではないのですけれども、それはもう先生おっしゃったとおり数字等にも出ております。したがいまして、問題は、そういうものを全部取っ払って素直にやれという御質問でございますが、これはやはりアフガン問題あるいはポーランド問題を含めまして、少なくとも西側としては対ソ関係について協調と連帯のもとに結束して当たるという精神はやはり日本政府としてはとらざるを得ない、こういうポジションでございます。ただ、率直に言いまして、商売の問題については十分総合的な国益を考えまして実施していくということでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 やめます。

金丸三郎自由民主党

○金丸三郎君 私は、中長期の今後の経済の見通しの問題、景気対策と行政改革との関係、対外経済関係、それから最後に失業問題の四点についてお伺いをいたしたいと思います。  第一の問題は、一月の二十五日の閣議決定の「昭和五十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」の中に、「中長期の安定成長軌道に即した適切な経済成長を実現することが肝要である。」、こういうことがございます。この「中長期の安定成長軸道」というのが、どうも日本人は経済成長率を非常に気にいたしますので、およそどのようなことをお考えになっていらっしゃるのか、これが質問の要点でございます。  実は昭和四十一年から五十六年までのわが国の実質の国民総生産の見通しと実績の関係を調べてみますというと、昭和四十七年に日本の高度経済成長は終わっておるような感じがいたします。これまでは一〇%以上の高度経済成長を遂げ、四十五年、四十六年が八・三、五二二という実績で、四十七年が九・七%でございました。四十八年度以降、五・三とか〇・二、三・六、五・一、五・三、五・二、五・五、五十五年度が四・八の実績でございます。五十六年度が三%を割るかどうかというようなことのようでございます。これから感じますことは、高度経済成長期が四十七年度で終わりまして、それから後はおよそ五%台の成長を続けてきた。どうも五十六年になりまして四%も割ってしまっておるようでございます。で、今後の経済成長が五%台をまた回復できるのか、いわば維持できるのか、四%台でいけるのか、三%台になっていくのか、中長期のそういう見通しをお伺いいたしたいということでございます。  と申しますのは、私がいろいろ経営の責任を持っていらっしゃるお方々と話をいたしてみますというと、まあ五%もなかなか困難ではないか、われわれはもう三%でもいいからとにかく安定した経済成長のもとで安定した経営がやりたい、どうもこれが大方の願望じゃなかろうか、こういう実は感じがいたしますので、その点についての長官のお考えをお伺いいたしたいのでございます。  それから第二は、この「経済運営の基本的態度」にも、国内民間需要を中心とした景気の着実な回復を促進する一方、行財政改革を着実かつ計画的に実施するということがございます。行革をやれというのも私は国民的な声だろうと思います。しかし、本日の朝以来の質問に対する通産大臣と河本長官のお答えにもございましたように、いろいろな面で格差がございます。ことに地域的な格差のひどいところ、また企業では零細企業、こういうところでは、景気対策をぜひやってもらいたいという、私はもう渇望に近い非常に強い要望だと思います。これについてのお考えも承ったのではございますけれども、さらに改めて、本当にどのようなふうにして、このいわば二律背反的な要望であると言ってもいいわけでございますが、その景気対策につきましてもう一遍長官のお考えをお伺いいたしたいと思います。  一応、以上お伺いいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 第一次石油危機が起こりましたのは四十八年の秋でありますが、それ以前はずっと日本は高度成長を続けてまいりました。ところが、石油危機が起こりましてから、世界経済も混乱いたしましたが、日本経済も非常に大混乱に陥りました。実はその当時わが国の成長の見通しについての議論で非常に有力になりました議論は、日本はこれからはもうゼロ成長か、きわめて低い成長を続けること以外不可能ではないか。当時ローマ・クラブなどの影響もございまして、ローマ・クラブが資源有限論等を展開いたしまして、これからの世界はゼロ成長だあるいはマイナス成長だ、こういうことを宣伝したものですから、その影響と石油危機の影響がございまして、実はゼロ成長理論または低成長理論が日本で非常に強くなったのでございます。  そこで、政府では、もしゼロ成長とか低成長でわが国が将来やっていけるならばそれでもいいが果たしてどんなものであろうかということで、まずエネルギー需要について約一年間内閣に調査機関をつくりまして検討したのでございます。その結果、エネルギーの面からは少なくとも日本の安定成長を——安定成長といいますのは日本が生きていき、同時に発展をしていくという成長でありますが、安定成長をエネルギーの分野からは阻害するものは何もない、制約するものは何もない、こういう結論が一年ぶりに出ました。それを受けまして、昭和五十一年の五月に昭和五十年代前期の五カ年計画というものができたのでございます。六・三%の経済成長を今後五カ年間続けましょう、そのことによって日本を安定成長路線に定着をさせ、雇用問題を解決し、経済の国際競争力を維持していくことができる、こういうことでスタートしたのでございます。しかし、いまお述べになりましたように、六%近い成長にあった年もありますが、大体五%台、目標よりも約一%低い五・二、三%成長を三、四年間続けたことはいまお述べになったとおりでございます。一  そこで、第一次石油危機が昭和五十三年に一応安定しましたので、今度は五十年代後半の経済成長をどう進めるべきかということにつきまして、やはり相当時間をかけましてこの作業をいたしまして、五十三年の年末ごろに七年計画というものができたのでございます。ところが、それができますと同時に第二次石油危機が起こりまして、五十四年の七月には東京で東京サミットが開かれる、そこでエネルギー問題を中心に議論しようということになりましたので、もしこの東京サミットにおいてわが国の成長がエネルギーの分野から新しい制約を加えられるということになりますと、せっかく新七カ年計画をつくりましてもそれが実行できませんので、そこでこの決定を実は八カ月間以上延ばしたのでございます。案はできたんですけれども閣議にもかけない、決定をしない宙ぶらりんのまま、とにかくサミットが終わるまで待ちましょうということで待ちました結果、御案内のように、東京サミットにおきましても日本に対してエネルギーの分野での制約は出ましたけれども、これは日本の将来の成長を抑制するものではない、そういう結論になりまして、五十四年の八月に新計画が決定をされました。そして、これは五十年指標で計算をいたしますと平均五・一%成長を七カ年間続けていきましょうと。このことによって日本の雇用問題を解決し、あわせて経済の国際競争力を維持拡大していく、そういう路線を選択いたしましょうと。また、別の言葉で言いますと、これは国民生活の安定向上、それからわが国が国際社会に貢献できるようなそういう力を経済の面で持つ、こういう内容になっておるのでございます。  ところが、第二次石油危機が、御案内のようにじわじわと浸透してまいりました。第一次は一挙に石油の値上げがありましたので影響は一遍に出てきたのでございますが、第二次の場合は数回の値上げがございましたが、じわじわ浸透してまいりまして、現時点では世界経済が最悪の状態になっておる、このように私どもは判断をしております。昨年の後半からことしの前半にかけてが最悪の状態ではなかろうか、こう思っておるのでございます。ある説によりますと、戦後最悪の状態になっておる、こういうことを言う人もありますし、また一九三〇年以来の五十年ぶりの世界恐慌以来の最悪の状態である、こういうことを言う人もございますが、それはそれといたしまして非常に悪い状態が続いておる。したがって、日本もその影響を受けておるということでございます。  そこで、いま世界経済が最悪の状態になっておる現時点からは五%成長なんかとてもできっこないのじゃないか、こういうことを言われる向きが大変多いことも事実でございます。実は昨年の秋五十七年度の経済見通しをつくりますときに、政府部内でいろいろ検討いたしました。そのときに、現状のまま進めばどうなるかということについて専門家に検討させましたところ、三・八%見当の成長しかまあできないだろう、こういう結論が出たのであります。当時わが国の十五の権威ある研究機関の発表も平均いたしますと大体三・七%になっております。したがいまして、政府部内の、このまま推移をすれば三・八%という数字も私はそんなに間違った数字であるとは思っておりません。ただしかし、その場合に雇用はどうなるかということになりますと、失業者が相当ふえる。それから税収はどうか、税収は激減をする。それからもう一つは国際経済摩擦これはどうなるか、これは非常に厳しくなるでしょうと、こういう回答が出たのであります。それでは日本の抱えております課題が解決できませんので、いろいろと政策的努力を加えて、そして工夫をした場合にはどうなるかという計算をしてもらいましたところ五・二%成長はいけるでしょう。ただし、経済がいま激動期にございますから、その激動に即応して機敏で適切な政策を常に展開していくことが絶対の条件である。世の中が変わっておるのに何もしないというようなことだととても五・二%成長は達成できませんと、こういう結論が出たのであります。  そこで、私どもはそういう前提のもとに、機敏で適切な経済政策を展開するという前提のもとに五・二%成長というものを達成目標ということにしたのでございまして、この見当の成長ですと先ほど申し上げました雇用の問題、それから国際摩擦の問題、それから税収の問題もほぼ政府の見通しどおり解決できるということでございますので、引き続きむずかしいときではありますけれども、いろいろの工夫をしながらこの目標達成のために努力をしてまいりたいと考えております。  行革と経済という問題が出ておりましたが、私どもいまの考え方は行革という非常に大きな課題がございますが、これはあくまで成功させなければならぬと考えております。国民的支持もございますし絶好のチャンスでありますので、これはどうしてもやり遂げなければならぬと思っておりますが、同時に景気も並行してよくしていく、経済の力も行革と並行して拡大をしていく、そういう政策をとりませんと財政再建ということができませんので、政府の方といたしましてはこの二つの大きな課題を同時に進めていく、そして五十九年度の財政再建という目標を達成したい、このように考えておるところでございます。

金丸三郎自由民主党

○金丸三郎君 お考えやら御苦心のほどはよくわかりました。私も日本の経済成長率が五%になると失業がふえるという専門家の意見を聞いたことがございます。わが国の失業者の状況を見ますというと、昭和四十七年が七十三万人の完全失業者で、それまでは五十万、六十万という数字でございます。昭和四十八年が六十八万で四十九年が七十二万、昭和五十年に百万に達しまして、五十一年以降毎年ふえて、五十六年は約百二十六万という、こういう見通しのようでございまして、やはりある程度の高度の成長率を目標として政策努力を重ねなければならないという政府のお立場はよくわかりますし、また当然であろうかと思いますが、現実に、それではそれができるのかということが私は一つの問題であろうと思います。  これに関連をいたしまして、一国の経済がもうわが国だけでやっていけない。わが国の高度経済成長は国内の需要も非常に旺盛でございましたが、また一方に輸出が盛んであった結果であったことはもう明瞭な事実でございます。  そこで、お伺いいたしたいと思いますのは、この基本的態度にございますが、調和ある対外経済関係の形成を図っていくということがございます。私も、今日世界各国がいろいろな国内事情あるいは軍事的緊張あるいは経済政策の失敗、いろいろなことから錯綜して経済関係の摩擦が強くなっており、私は今日はそれが非常に政治問題化しておるというような感じがいたすのでございます。わが国の今後の経済の運営も、日本だけではもちろんやっていけない。同時に、対外関係が経済的な側面からだけではどうも解決できない、政治がそれに絡んできておる。その絡み方が、数年でおさまるのか、あるいは相当の長期間続くのか、これは容易にだれにも予測はつきますまいけれども、この調和ある対外経済関係の形成ということについてどのようにお考えになっておいでになりますのか。現実にこの衝に当たるのは通産省でございましたり、あるいは農林省であったり、あるいは郵政省であったりするのかもわかりませんけれども、いわば経済参謀本部の経済企画庁としてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、これをお伺いいたします。  時間の関係もございますので、次に労働省の関係の方に失業問題についてお伺いいたしますのは、私がさっき申しましたように、単純に過去の経済成長率の実績と現実の失業者の発生の状況を見ますというと、どうも五%程度の経済成長からわが国の失業者がふえてきたようです。ほぼそのような相関関係があると労働省で見ていらっしゃるのか。この相関関係は偶然であって、現実にそういう相関関係はないとお考えなのか。  それから、五十六年三月までの失業者の見込み数、私が手に入れましたものでは百二十六万となっておりますが、この数と今後の見通し、対策、そういうものについて御説明をいただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 調和ある対外経済政策ということでありますが、その一つは、当面の経済摩擦を解消するということであります。それから第二は、中長期的に考えまして、産業投資、技術開発協力、こういう面で各国と協力をして世界経済全体の発展のために努力をする、こういう当面の問題と、中長期的な課題を含んでおると思います。そして、このことによってわが国はどういう状態をつくり上げることを目標としているかといいますと、その一つは、世界経済の再活性化でございます。それから第二は、自由経済、それから自由貿易体制、これが維持できるようなそういう条件づくりに日本としては率先協力していく、この二つの課題が実現することを目標としておるということだと思います。

中村正労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(中村正君) 経済成長率が五%台になると失業者が増大する、その関係は果たして偶然が、あるいは相関があると考えるかというお尋ねでございますけれども、確かに一般的に経済成長率が下がればそれは失業をもたらすという相関があるということは考えます。しかしながら、それが明確な数字的な関係をもって五%になれば百二十六万になるというような関係であるとは考えられません。すなわち、経済成長率の動きによってどの程度失業者の増大がもたらされるかという点につきましては、一方で需要サイドでございます経済全体の姿がどうなっておるのかとか、あるいは労働力の需要がそのときどうなっておるかとか、あるいは供給の方がどのような状態だとか、いろいろな関係がございまして失業率というのは発生するんではないかと存じます。最近では五%台の経済成長率が確保されれば、確かに労働需要にそれほどの強さは期待できませんけれども、しかし雇用失業情勢は徐々に改善していくのではないかというふうに考えております。  そして、お尋ねの今年度の失業の見通しはいかんということでございますが、御存じのように、見通しにおきましては今年度の失業は百二十五万と想定しております。現在のところ、ちょうど四月から二月までの結果をとらえてみますとほぼ百二十五万の線になっております。ただ、通常三月の失業者の数というのは一般にやや高めに出る点がございますので、さて三月いかんということになりますけれども、情勢から見ますと百二十五万という見通しについてそう大きな差はないという結果になるんではないか、危険ではございますが、そのように考えております。  それから、対策いかんでございますけれども、やはり何と言いましても経済自体が強さを持っていないと失業は解消しないということから、かねてから経済運営に関しましては、公共事業の前倒しであるとか、あるいは内需中心の着実な景気の拡大ということを政府としては考えておりまして、その影響を受けて雇用の安定ということが図られていくことを期待しておるわけでありまして、これによって失業者が減少することを期待しております。ただ、それに付随いたしましてといいますか、それとパラレルに雇用対策の面におきましても、まずは失業を発生させない、予防に重点を入れるというような観点から、雇用調整助成金という制度がございますが、それを機動的に活用するとか、あるいは安定機関にいろいろな求職者が見えます。その方々の再就職を図るために求人開拓に努めるとか、あるいは就職が困難な方々についてはいろいろな助成がございますが、それらを活用して再就職の促進を図る、このような対策を講じてまいりたい、こう考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 最初に河本長官にお尋ねをいたしますが、総理は、三月三十日の閣僚会議で当面する貿易摩擦問題について、五月のOECD理事会、六月のパリ・サミットに向けて第二段階の市場開放策を取りまとめるよう指示した、こういうふうに言われておりますけれども、第二段階のまとまった対策とはどのようなことか、対応策の取りまとめ役の責任者としての河本長官にこの点をお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 一昨日の経済対策閣僚会議で総理から五月十日、十一日のOECDの閣僚理事会、それから六月初めの七カ国サミット、これを念頭において早急に対応策をまとめたい、こういう趣旨の発言がございました。で、それを受けましていま関係者の間で折衝を急いでおるところでございますが、実はまだ中身を、結論は出ておりません。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 結論は出ておりませんが、骨子となる点はどうでしょうか。    〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) やはり骨子となりますものは、骨子といいますか、いま日本の貿易摩擦で抱えております問題ですね、抱えておる問題は、農産物の問題あるいは非常に競争力の強い工業製品の問題をどうするか、あるいは先端技術の問題あるいは政府調達の問題、サービスの問題、あるいは流通機構の問題、こういう諸問題がございますが、こういう問題の取り扱いをどうするかということについての相談だと考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 昨年の対米自動車輸出の自主規制を先進国首脳会議の前の五月に急ぎ実は決着したわけです。当時は自動車という個別商品であったわけでございますが、今回は市場開放と、中には簡単にできるものと短時目には回答の出せないものとが実はわれわれが見てもあるわけです。このようなことから私は急いで、何も五月のOECD閣僚会議、六月のパリ・サミット前にまとめることは、非常に将来のためにあわてたために禍根を残すようなことができるのではないかと心配するわけでございますが、この点河本長官はどうでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 実はいまお述べになりましたような意見もございます。しかし何分にもいま世界経済全体の状態が悪いものですから各国ではやや常識外のような発言が相当ございまして、そのために保護貿易的な傾向が出てくるということを私どもは非常に恐れておるのでございます。  やはり日本はもうすでに世界経済の中でその規模は一割以上の規模に達しておりますし、非常に大きな世界国家としての力を持っておるわけであります。したがいまして、日本といたしましては、世界経済の再活性化のために、あるいはまた自由貿易体制を維持するために、やはり積極的にいま対応していくことが必要でなかろうか、このように私どもは判断をしております。説明をしたり言いわけばかりしておりますと、結局日本としては信用を害しまして世界からどうものけものにされる、そういうことになりましてはこれ大変でございますから、日本の現在の、世界において占めておるその力の強さ等を考えまして、私どもはできるだけ積極的に対応していく、逃げ腰ではなく積極的に対応していくということが必要でなかろうかと、このように判断をしております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それはもう積極的に取り組むことは、やはり世界に対する信用の大事なことでございますが、何も五月のOECD閣僚会議とか六月のパリ・サミットと、こういうものを一つの期限にして、それよりも本当に日本がアメリカに対してもECに対しても対応できるような、そういうものをじっくり煮詰めて、まともなところで当たるということが私は本筋ではないかと、期限というのはそこについて多少の問題はあっても、内容の充実というのが大事ではないかと、こう思うのですが、その点どうでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、五月のOECDの閣僚理事会、それから六月のサミット、それを念頭において積極的にやっていこう、こういうことでございまして、それでは具体的に一体どうするかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、相談しなければならぬ課題はもうおよそ決まっておるんですけれども、それをどう解決するか、どう対応するかということは、これから相談をするわけでございまして、いま決まっておるわけではございません。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、通産大臣、昨年の五月の、オタワ・サミットを前にして、アメリカの自動車産業の不況の問題と、それからやはり強い圧力もあって、通産大臣声明の形で自主規制措置をとったわけでございますが、これは御承知のとおりだと思いますが、当時、オタワ・サミットの前に急いで自主規制措置をとることはわが国にとっては大変な問題だったわけです。ところが、この自動車規制措置によっても結局は、アメリカの自動車産業はいまだに不況から脱出できない現状にあるわけです。だから、そういうことを考えてみると、一体何のために決着を急いだのかという点に大いに疑問を持つわけですが、通産大臣、この点どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 去年の段階におきましては、これはもうまさに貿易摩擦のはしりという中で自動車摩擦が起こったわけですね。アメリカとしても強く日本に対して自主規制を求めるという要求がなされた。これの背景には、いまお話しのように、アメリカの自動車産業が非常に悪化しておる、日本の自動車の、乗用車の輸出が急速に伸びておる、こういう中でアメリカが危機感を持って日本に対応を迫ってきた、こういうことで日本も全体的に自由貿易の原則から言えば、これはもう自由に任せるべきでしょうが、しかし、やはり集中豪雨的なものを避けるということが自由貿易体制、日米関係を安定さしていくということにもつながっていくわけですから、日本独自の判断でああいう措置がとられたものと、こういうふうに解釈をしております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 通産大臣は、三月二十九日に五十七年度の対米自動車輸出台数の枠を五十六年度と同じ百六十八万台とするという発表をなさいました。昨年五月の決着の内容からいけば、五十七年度は百六十八万台にプラスアルファを、上積みをできるということになっておったわけです、あの声明の内容には。だがしかし、この点新たな貿易摩擦というのが発生しているというやはり考慮等は、私どもも考えますけれども、五十七年度も対米自動車輸出を前年度並みの百六十八万台にしたというのは、どういう理由なのかという点と、このままでいくと、一向にアメリカの自動車産業というのは、不況から脱出できない状況にあるわけです。今後も日本が、対米自動車輸出においては、依然として横ばいないしはダウンする心配もいま考えられるわけです。  そこで、お伺いしますが、五十七年度の対米自動車輸出台数百六十八万台は、年度途中で改正するという条件でもついているのかどうかという点と、五十七年度の今後の見通しとあわせまして、五十八年度以降のわが国の対米自動車輸出の今後について、通産大臣に状況をお願いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いまアメリカの自動車業界は、非常に悪いことは申すまでもないわけでありまして、五十六年度はアメリカが大体九百五十万台ぐらい生産できるだろうというのが、いまの情勢では八百二、三十万台というふうなところに落ち込んでおるわけであります。失業者も二十五万人と言われておりますから、相当出ているわけでございます。そういう中で実は、去年百六十八万台ということで自主規制をいたしました。そして、アメリカとの間では、五十七年度につきましては、もしアメリカの自動車の生産が五十六年度より伸びたら、伸びた分の一六・五%は輸出を伸ばす、こういう約束もあったわけでございます。しかし、私は、いまのアメリカの自動車産業、五十六年度も落ち込んでおる、五十七年度のことはわかりません。アメリカの政府はアメリカの経済情勢が好転すると、こういうふうに言っておりますからあるいは伸びるかもしれませんけれども、しかしいまの状況では余り多くは望めないのじゃないかと私は思うわけであります。そうした中に、貿易摩擦ということで日本に対して市場開放を求める声が非常に強い、あるいはまたインバランスの改善を求める声も非常にきつくなっておる。そうした全体的な面を判断をいたしまして、やはりこの自動車問題について日米間でこれ以上ぎくしゃくしてはならない、こういう判断から百六十八万台、五十七年度も据え置くということに決断をいたしたわけでございます。  なお、五十七年度にもしアメリカの生産がふえたときにどうなるか、こういうふうなことについては何も約束はいたしておりませんし、われわれとしてはとにかく五十七年度も百六十八万台と、そしてまた、そういう問題は、アメリカの景気が非常によくなって自動車の生産が大変伸びるというときはそのときの段階でまた話し合うことがあろうかと思いますが、いまは何もそういう点についてはコミットといいますか、そういうものはしてないわけでございます。なお、それ以降の問題は、それはその時点になって話し合えばいいことであろうし、何らの約束をいましているわけではないわけであります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それでは、五十七年度の途中で、いま大臣のおっしゃったようにアメリカ市場の好転というような問題があれば、やはり通産大臣の声明どおり、途中で変更、上乗せもでき得る可能性があると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま五十七年度で何も私の方でコミットはしていないわけです。何もしていないわけでございますが、まあ仮の話でありますけれども、アメリカの自動車生産が非常にふえるというときになれば、そのときにおいて考えればいいことじゃないかと、こういうふうに思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 あのときの大臣の声明というのは、私は原則であると、こう思うのですね。そういう点で、二年目における市場の拡大量の一六・五%のアップというものはある程度までやはり大臣として、相手方の経済環境が悪いということで理解はできますけれども、一応やっぱり折衝の議題にすべきではなかったのかというように思うのですが、その点どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、私もアメリカへ参りましたときも自動車問題が出まして、この五十六年度の問題についてはいろいろとアメリカとの間で議論をして、そうした一応の決着がなされてルールが約束されておるわけですから、そのルールどおりひとつぜひともやってもらいたいということは何回か強調してきたわけでございますが、その後の状況の推移を判断をいたしまして、これはやはりこれ以上問題を大きくすべきではないと、こういうことで私の責任において決断をいたした、こういうことでございます。日本の自動車業界はそれに対して不満を持っておることは、これはもう事実でございますが、やはり今日の貿易摩擦、日米関係、そういうもの、あるいはアメリカの自動車業界の状況、そういうものを考えればやむを得ない決断であったと、私はそういうふうに考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 三月三十日に公表されましたガット事務局長の年次中間報告によりますと、八十一年の世界貿易は金額ベースで約二兆ドルであり、これまた八〇年に比べまして一%の減でございます。また、一九五八年以来初めてマイナス成長を記録しておるわけでございますが、ここで八二年は第一・四半期でも世界貿易は明白に後退が続いているということが表明されておるわけでございます。  いま日米二国間の貿易収支の不均衡を理由に貿易摩擦が激化しておりますが、私はやはり多角的貿易の原則に立って考えることがこの際必要ではないかと、こういうふうに思うわけです。そういう点で、私は二国間だけの均衡を主張することは、貿易によって立つべき国際分業をやはり否定することにもなるのではないかと、こういうふうに心配するわけでございますが、通産大臣、この点はどうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) まさに私は御指摘のとおりだと思います。貿易の問題はただ二国間に限って論ずるということは、これは貿易自体の多角性という面から見まして間違っておるんじゃないかと。ですから、アメリカが日米関係だけのインバランスを大きく取り上げるといいますけれども、アメリカのECに対する輸出超過というのもまた相当大きいわけでございまして、アメリカ自体もまた国際収支は五十六年度は黒字だと、こういうことでございますから、われわれは貿易問題というのはただ二国間だけで、二国間の単純なインバランスというようなことで論ずることはこれは間違いであって、広くガットの場、そのためにガットがあるわけですから、ガットの場であるとか、あるいはOECDの場で論ぜられるべきじゃないかと、こういうことを主張し続けておるわけであります。基本的には、これは世界全体の今日の貿易体制の中では確立しておる原則であろうと、私はそういうふうに考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 欧米諸国の対日市場開放要求はますます強くなってきておりますが、これはやはり世界景気がよくなれば自然消滅するとの見方もあるわけでございますが、しかし中長期的な摩擦サイクルからは日本はやはり逃れることができないような現状に追い込まれてきておるわけでございますが、この点、河本長官はどのようにお考えでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 私はやはり世界経済全体が活力を回復しまして、そして各国の購買力が拡大をする、そういうことになりますと、大部分の問題は私は解決できるのではないか、こう思いますし、世界各国も余り非常識な議論をやらない、このように思います。  いま自動車問題についてお話がございましたが、たとえばアメリカの自動車業界が年間千二、三百万台というかつての水準に回復をしますならば、もう四、五百万台の市場が拡大をするわけでありますから、わが国の自動車問題も当然自然に解決するということでありますから、やはり何と申しましても世界経済全体が力を回復する、これがやはり一番のキーポイントであろう。しからば、一〇〇%問題がなくなるかと言われますと、あるいは若干の問題が残るかもわかりませんが、大部分の問題はそれで解消できるのではなかろうかと、こう思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 日本の経常収支は昨年十一月以降におおむね均衡ラインに入ってきたと、こう見ていいのじゃないか、こう思うわけですが、ここ数カ月の間にも国際収支の基本である経常収支は明らかに変化が日本の場合も起こっておるわけでございますが、貿易摩擦の方はここに来て一段とエスカレートしつつあるわけでございます。この点が非常に平衡してないという見方があるわけです。  貿易摩擦に対する対応も経常収支が五十三年度のころの大幅黒字のときの状況と同一視するというのはちょっとおかしいのではないかと、大幅黒字のときといまとではおのずからやはり変わってきてしかるべきだと、こういうふうに考えるわけでございますが、長官、この点はどうでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 確かに五十三年当時よりも現在の経常収支の黒字幅は減っております半分以下に減っておるのではないかと、こういう感じがいたします。  それにもかかわらずなぜそのときよりも摩擦問題が厳しいかといいますと、五十二年当時は世界全体が第一次石油危機から立ち直りまして、おおむね相当な力を回復しておったと思うのでございます。アメリカなども四、五%成長、ヨーロッパも三、四%成長ということでございまして世界経済が相当な力を持っておった。したがいまして、議論にはなりましたけれども、そんなにいまのような深刻な状態ではない。失業者も非常に少なかった。現在はOECD全体で三千万に達するという失業者でございまして、それぞれの政権にひびが入りつつある、こういう深刻な状態になっておるということが、五十三年当時と現時点では違っている点でなかろうかと思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここで、貿易摩擦への対応の仕方として、日本としての態度でございますが、やはりやるべきことはやり、言うべきことは言うという意味で、    〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕 経常収支は日米ともに黒字で均衡のとれたような現状になってきておるわけでございますので、やはり当然のことながらここで考えられるのは、非関税障壁をこの際一掃することが解決策の一つのポイントではないかと思うわけでございますが、これが残っておるということはわが国もやはり相手側に強く言うべきことも言えなくなるという、こういう日本側の一つは後ろめたさが残ってくると、こういうようなことで、相手方との交渉にもその点が納得させるものを欠いてくるんではないかと、こういう点で非関税障壁の一掃問題については長官はどのようにお考えでございますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 一月の終わりに、非関税障壁の一部であります輸入検査手続等については若干改善をいたしました。しかし、まだ幾つかの大きな問題が残っておりますので、やはりこの非関税障壁の改善あるいは撤廃、こういう問題につきましては今後も引き続きまして積極的に取り組んでいかなければならぬ課題だと考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 河本長官に最後に。  参議院の予算の集中審議の中で河本長官は、五十六年度の経済成長率は目標の実質成長率四・一%を達することはきわめてむずかしいという意味の公式な見解を示されましたが、五十六年度の実質成長率は現時点の見通しては、いろんな状況等から推しまして、二%台にまで落ち込むんではないかというような観測もいま論じられておるわけでございますが、経企庁としての見通しはこの点どうでしょうか。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 十−十二月がマイナス〇・九と、予想外の大きい落ち込みでございました。この原因が、経常海外余剰がマイナス一・三、大きい理由になったわけでございます。しかし、一−三月はそんな大きいマイナスにならない。と申しますのは、船舶が一月以降にずれ込んだというふうな事情もございます。それから内需につきましては、十−十二月民間内需は〇・七のプラスというふうな状況でございます。さて、一−三月はということで、実は一月の家計調査を大変注目をしておりましたら、本日、けさの新聞にも出ておりましたように、わずかではございますけれどもプラスという数字が出たわけでございます。したがいまして、内需につきましては、きわめて緩やかではございますけれども、十−十二月に出ましたプラス傾向は持続するであろう、こういう感じがいたしてございます。  したがいまして、一−三月について十−十二月と同じようなマイナスを予想する必要がないということでございますが、さてどの程度になるか、いまは明確には言えないわけでございまして、われわれといたしましても四・一%はとうていだめだと考えております。三%台、あるいは三%前後ということではなかろうかと考えておるわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それじゃ、河本長官は終わりました。  次に、通産の関係で、金の先物市場の問題等の被害状況で、二、三点質問をいたしたいと思います。通産省が認可されました東京金取引所が、去る三月二十三日に業務を開始されましたが、その認可された理由を簡単にお伺いしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) この数年来でございますが、金につきましてはいろいろな方面でその需給が高まってまいりまして、金の流通量も非常にふえたわけでございます。そういった中で、この金につきましての価格の公正な形成の必要でございますとか、あるいはリスクヘッジの必要でございますとか、そういうふうなことが徐々に起こってきたわけでございますが、そういった金の需給の高まりとまた一方並行いたしまして、いわゆるこの金取引にまつわるいろいろな紛議と申しますか、トラブルもふえてまいりまして、そういった状況からこの一方におきましてリスクヘッジや価格形成の公正を期する意味、あるいはまた他方におきましてトラブルの解消というふうな時代の要請を踏まえまして、金の先物取引を正式に発足させるべきであるというニーズが高まってきたわけでございます。  そういったニーズを経まして、そうして私どもも民間の専門家等も含めましていろいろ検討いたしました結果、この際、金を商品取引所法に基づく政令指定品目にいたしましてこれを上場するのが適当であるというふうな御答申等もいただきまして、ただいまお話のございましたように、今般金の先物取引市場を発足させたというふうなことでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここでやはりいままでの経緯から推しまして、市場開設についての今後の問題としてやはり現行商品取引所法が流通経済法であって消費者保護法ではないという点ですね、消費者保護の面から非常に不十分であるという点と、それから商品取引業界の体質と、あるいはそれによりまして金という品物がきわめて一般大衆の関心を集めやすいという、そういう関係性もありまして、そのわりにはこれに対する知識というのは非常に乏しいという点もございまして、たとえ公認であっても、今後大衆トラブルの発生というのが非常に懸念されるわけでございますが、まだ始まったばかりでございますけれども、当局としてはこの点についてひとつどのようにお考えがお聞かせいただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) ただいま申し上げましたような要請に基づきまして今回新しく市場を発足させたわけでございますが、ただいま御指摘のございましたように、この先物取引につきましては、特に金という国民の中に大変関心を集めている物資であるだけに、いろいろと取引にまつわるトラブルが発生することを私どもも非常に関心を持っているところでございます。  こういったいわゆる委託者の保護という観点を今回の金市場の成立、発足に際しましては特に重点を置きまして、会員の選定あるいは取引員の許可等につきましてはもちろんのこと、今後この運用につきましても、取引に際しましての委託者保護という観点に非常な重点を置きまして今後運営してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いままでの経緯から推しまして、いまおっしゃったことに言葉を返すようでございますが、やはり一般国民は金を購入することと金の先物取引に参加するというこの区別についての認識が非常にむつかしいという点でございます。そしてたとえ危険開示書類が何枚ばらまかれたとしても、口のうまい外務員等が一般市民をだますという、こういう傾向の実は取引がずいぶんあるわけです。このために、やはり区別のPRと一般市民が先物取引に参加するということは非常に危険だと、こういうPRというのを政府はしっかりやらなければ、これはなかなか理解されにくいのじゃないかと思うし、またこれによる被害というのが後を絶たないのじゃないか、こう思うわけですが、この点どうでしょうか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) ただいま御指摘のとおりと私どもも考えておりまして、この委託者に対するPR、これは非常に重要なことだと思っております。それで、従来から、たとえば商品取引委託のしおりというふうなものも、商品取引員に指導いたしましてそれを交付させるとか、あるいはまた新聞等におきまして、この商品取引に対する十分な理解を得せしめるように、そしてまたこの商品取引というのは決して常にもうかるというものではなくて、非常に危険もあるものだというふうなこともPRするように努めてきたわけでございます。  特に今回、金につきましては危険の開示義務というものを課しまして、勧誘をし、契約をするに際しまして、この金の商品取引あるいは先物取引というのは非常に危険も伴うものであるということを十分相手に知らしめるということを義務づけるということもしているわけでございまして、そういったいろいろな手を講じまして、できるだけ一般の委託者の紛議をなくしたいと考えておるわけでございます。ただいま申された趣旨を十分体しまして、今後ともこの点に力を注いでいきたいと考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、この商品取引員の許可について、やはりかつての悪徳業者が参加しておるというふうな報道等も出ておったわけでございますが、この許可の基準はどういうふうになっておるかということです。また、今後この取引員をふやしていくという傾向なのか、それとも厳重にチェックして監視していくという方向が、どちらですか。その点をお伺いしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 取引員の許可の基準でございますが、次のような点を特に注意して行ったわけでございます。  一つは、純資産額につきまして五億一千百万円という、これは従来の取引員の許可基準からいたしますと大変に高い金額でございますが、そういった基準を設けたのが一つでございます。    〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕  それから、受託業務をいたしまして、その収支の見込みが良好であるということ、さらにまた受託業務を公正適確に遂行する知識経験並びに社会的信用があるということ、こういったような点が特にチェックポイントとしては重要な点とされたわけでございます。こういうふうな点から、まず商品取引所におきまする資格審査委員会というものが定款において設けられるわけでございますが、そこで十分審議をし、そしてそういったものを踏まえまして私どもの方で許可をしたということでございます。  なお、この商品取引員の定数につきましては、現在定款で四十ということになっておりまして、今回四十名の法人が許可を受けたわけでございますが、今後につきましては、これからのいろいろの取引所の状況を見ましてその定数についてどうするかということは考えていきたいと思います。これを増員するということも当然あり得るわけでございますが、まだ発足したばかりでございますので、今後の状況等もよく見ていきたいというふうに考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 四十社については、一応他のものの品物も扱えるということで四十社は許可制になっておるわけですが、これもひとつ厳重なチェックをお願いしたいという点とあわせまして、百四十四社はこの市場に参加できるという業者になるわけですが、その点は許可制になっていないようですが、その業界等の一つはチェックによるというように聞いておりますけれども、こういう点についてもやはりこれは通産大臣の認可によってきちっと保たれておる団体でございますので、定款等の一つは実行の厳守という面から言っても、この百四十四社についても一応定款を通してチェックすべきじゃないかと、こういう見方があるわけですが、この点はどうでしょうか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 百四十数名のこれはいわゆる会員のことかと思いますが、会員につきましては、やはり資格審査委員会で審査いたしまして、取引所の理事会で決定してこれを認めているということでございます。  会員につきましては、取引所を十分指導いたしまして、不適格者が会員になることのないように私どもも指導してまいるわけでございますが、現在、この会員になること自体につきましては通産大臣の許可制にはなっておりません。これは、御承知のように会員の行い得る取引といいますのは、自分が直接取引に参加するという場合にはもちろんできるわけでございますが、この商品取引員と違います点は、商品取引員は、一般の人からの委託を受けてそれをつなぐという特にトラブルが発生しやすい取引をするわけでございまして、これにつきましては大臣許可ということになっているわけでございます。現在のところ、会員になることだけでは許可の対象にはなっておりませんが、御趣旨はよくわかりますので、私どもも今後とも取引所に対しましては十分指導してまいりまして、問題の起こらないようにしていきたい、というふうに考えます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 やはり取引団体そのものが通産省の指導あるいは結局そういうチェックの対象団体ですから、とそういう面を通してひとつこの点も強力にチェックしてもらいたいと、こう思います。  次に、先ほどもお話に出ましたように、金の市場の開設の理由というのはブラックマーケットをなくしていくというところにも一つの目的があるわけでございますが、このブラックマーケットの開設禁止が昨年九月二十四日にあったわけですけれども、それ以降被害はかなり起きておるという状況を私たちもつかんでおるわけでございますが、この点はどうでしょうか。通産と警察の方からお答え願いたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) いわゆるブラックマーケットといいますか、そういった市場におきます被害の実態を正確に把握することはなかなかむずかしいのでございますが、私ども通産省並びに農林省への相談件数というふうなことでこの点をチェックすることが一つの可能な数字になるわけでございます。  これによりますと、いわゆる国内関係とあるいは海外の関係とを一応分けてみますと、国内関係の相談件数といたしましては、五十六年度を見ますと、大体、月によってかなり相違はございますが、四、五十件から百件ないしは多いときには百二十件とか百四十件とかいうふうな力もございますが、おおむね五十件ないし百件ぐらいということで推移している状況でございます。    〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕  それから一方、海外へのいわゆる委託の勧誘にまつわるものでございますが、これは昨年の九月ごろまでの状況では、大体毎月十件ないし二十件という程度の相談件数が寄せられておりますが、十月以降かなりふえておりまして、たとえば十月には百十四件、あるいは十一月が七十三件、十二月は四十五件というふうに若干減っておりますが、そういった状況が国内並びに海外にかかわる相談件数の推移でございます。

仲村規雄警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(仲村規雄君) 警察といたしましてもこの問題につきましては関心を持っておるところでございます。被害者からの申告に基づきまして、昭和五十四年の十一月以降、金の先物取引を仮装いたしました詐欺等の事犯につきまして、全国で二十四業者、百七十八人を検挙いたしております。また、最近におきましても、いまお尋ねのようなこういった事案につきまして情報を幾つか聞いておるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここで、なおやはりずっと被害状況が続いておるということで、その内容を見ますと、現物取引を装ったペーパー取引だとか、あるいは先ほども出ましたようなプラチナとか銀等のブラックマーケットとか、あるいは海外市場を舞台にした取引などによって依然として被害が続出しておるわけです。先日も国会内で金先物取引被害撲滅大会が開かれて、その被害実態と今後の対策が実は訴えられておったわけでございますが、その内容を見ましても、五十二年から五十七年度にあってこの委員会等が調査した人数だけでも九百人を突破してその金額は四十五億円というような膨大な被害が実は出ておるわけです。この点当局としてこの被害状況と、その被害の特徴というのはどんなところにあるかということをひとつ御説明願いたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 商品取引にかかわる被害でございますが、これはよく言われますことは、非常に勧誘が巧妙であるとか、あるいは非常にしつこいとかというふうなことがよく言われるわけでございまして、それに対しまして被害者の側のどういう方が多いかということにつきましては、私どもへ相談に見えます方におきましても、御自分の身分は申されない方が半分あるいはそれ以上でございまして、そういった制約はございますが、わかったもので言いますと、やはりサラリーマンでありますとか、教員あるいは主婦というふうな、いろいろな階層にわたっているわけでございます。いずれにしましても、そういったことでなかなか金額も相当張る取引でございますので、私どもも国内あるいは海外の取引にまつわりますこういった紛議につきましては、今後ともできるだけこれをなくす方向で努力していかなければならないというふうに考えているわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 先日も被害者の対策委員会の人たちの話等をずっと総合いたしまして、やはり被害者が老人だとか婦人等の社会的に非常に弱い人たちに多いということ。そういう弱い人たちを利用しての業者のペテン的なやり口というのがひとつ私は許せないという問題であります。この点について、やはり刑法による詐欺横領あるいは出資法、外為法、信託業法等での取り締まりが一つは考えられるのじゃないかと思いますが、警察当局はこの点どうでしょうか。

仲村規雄警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(仲村規雄君) 金の先物取引をめぐる事案が犯罪に該当するかどうかということにつきましては、それぞれのケースにつきまして具体的な事実関係を慎重に調べて判断しなければならないというふうに思うわけでございます。ただ、しかしながら一応どんな場合にそういった法律に触れるかということを一般的に申し上げてみますと、たとえば全く実体がないのにこれがあるかのように装いまして先物取引を勧誘いたしまして一般投資家から証拠金品、証拠金名目に金銭をだまし取るという場合には刑法上の詐欺になる場合もございます。また、一般投資家から先物取引の証拠金として預りました金銭等を受託後に委託にかかる取引に使わないで、勝手に処分したりする場合、こういった場合には横領罪になるという場合もございます。あるいはまた証拠金名目で預り金を薬として行った場合には出資法の違反になる場合もございます。また、さらに大蔵大臣の指定業者以外の者が海外取引所と金の先物取引を行う場合に大蔵大臣の許可を受けずに外国法人等に証拠金を受託したり、あるいは売り買いの差金の相殺決済等を行いますと外為法の違反になる場合もございます。またさらに無免許で金の信託の引き受けを業として行った場合には信託業法違反になる場合もございます。  しかし、いずれにいたしましても初めに申し上げましたように、事実関係に即して慎重に検討する必要があろうかと思うわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 エネ庁では、五十五年二月の衆議院の予算委員会で現物業者の登録業法を示唆してみえますが、この点はどうでしょうか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) 金取引をめぐるトラブルが非常に多いわけですので、これに対して一般の投資家といいますか、一般の消費者が被害を受けないような措置はどうしても考えていかなければいかぬということで、私どもも従来からそういう取引に当たってはできるだけ現物を信用のある店で買ってもらう、こういう意味での啓蒙、PR、講演会、こういうものをやっておるわけですが、同時に信用のある店を推薦するというようなことが非常に大事じゃないかということで、五十四年末に日本金地金流通協会というものを設立しまして、そこで信用のおける店を登録させる登録店制度というものを発足させたわけでございます。こういうことで最近登録店数もふえてまいりまして、現在では三百三十五、各都道府県に少なくとも一つ以上あるということで、ほとんど全国的にそういう登録店網が拡充されるということになってまいりまして、こういう店で安心して金地金を買ってもらう、こういうPRを今後ともしていきたいというふうに思います。  悪徳業者を規制するという点につきましては、まず先物取引についてはようやく取引所ができて先物取引は一般的に禁止されたわけでございまして、あとはこういう現物、現物まがいの取引でございますが、こういう面について全面的に規制するということになりますと、一般の自由な流通を相当妨げるという逆のデメリットも出てまいりますので、現段階では私どもはこの協会を使いまして信用のおける登録店というものを拡充し、それから一般の消費者には金を買うに当たっての、こういう登録店という制度があるとか、それから具体的に買うときは信用のおける店で現物をキャッシュで買ってくださいというような問題も含めまして、いろいろPRもし、そのための施策も講じていく。こういうことで当面対処していきたいというふうに、これで十分であるかどうかという点についてはもうしばらく様子を見たいというふうに思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 そこで、もう一点。金以外のプラチナや銀や石油といった非政令指定商品の私設市場の開設というのは、やはり五十五年四月の政府の商品取引法の八条の逆転解決によりまして、これは野放しになっておるんじゃないか。こういう点で五十六年三月には商品等の取引問題研究会の中間報告が実はなされ、その中の意見としてやはり逆転前の解決こそ立法趣旨を考えている点である、こういうふうにも指摘されておるわけでございますが、この点とあわせて海外商品取引についてもかなり被害が出ておるわけでございますが、このことについては五十六年三月の、やはり同じく商品等の取引問題研究会の中間報告では許可制にすることが多数の意見と、こういうふうに述べられておるわけでございますが、この二点、いわゆるプラチナや銀や石油といった非政令指定商品と、それからもう一つは海外商品取引についての、この二つの面からも被害がずいぶん出ておるわけでございますが、これに対する当局の考え方をお聞かせ願いたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 国内につきましては先ほど来申し上げましたように、金につきましては上場商品にすることによりまして、いわゆるブラックマーケットは禁止されたわけでございますが、それ以外の商品につきましては法律上は禁止ということにはならないことになっておりますのは、ただいま御指摘のとおりでございます。  それから、また海外につきましても何かとトラブルがあるということで、私どももこれは重大な問題というふうにとらえているわけでございますが、    〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕 この国内、海外の問題につきましては、私どもただいま商品取引所審議会に対しまして、昨年来通産大臣から諮問をいたしまして御審議を願っているわけでございます。いろいろと技術的な点もございます。そういった点を現在詰めているところでございまして、私どもといたしましては、そういった審議会の意向も踏まえまして、これについては対処していきたい。問題の重大性につきましては御指摘のとおりでございまして、これを行政的な、あみいは立法的措置も含めましてどういうふうに持っていくかということは審議会でもいま詰めているところであり、また私どももその点を検討しておるところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いや、その審議会で検討はいいのですけれども、やはり特に海外商品の取引については、審議会等で検討されておるわけですが、どういう方向性にいま審議の結論が出つつあるか。またこれはやはり法制化の一つは見込みがあるかどうか。この二点についてはっきりしてもらいたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 取引の規制でございますので、基本的な考え方といたしましては、いわゆる経済法という考え方で取引を規制するという考え方が一つございます。一方、いわゆる取締法といたしまして問題をチェックしていくという考え方がございまして、現在の商品取引所法は、御承知のようにこれは経済法という立場から規制ないしはその他の規定が置かれているわけでございますが、私どもといたしましては目下考えておりますのは、規制法といたしましてこの問題をどう処理すべきかという観点で考えているわけでございます。  なお、たとえば許可制にするかあるいはいわゆる行為規制としての法律にするかというふうなこともいろいろとテクニカルにもむずかしい点もございまして、現在検討しているわけでございますが、目下私どもといたしましては、できればそのうちでできることからでも、たとえば立法化するということも含めまして検討しているというのが目下の状況でございます。できるだけ御趣旨に沿ったような方向で考えたいと思っておりますが、いま現在まだ最終的に結論が出されていないという状況にございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 今後の商品取引行政の指針としては、多くの人たちが五十五年十二月の制度問題研究会の報告をやはり生かすべきであると、こういう意見が圧倒的に多いし、また消費者保護の面からもその精神を生かして、商品取引規制法の制定を考えるべきではないかと、こういう意見が圧倒的に多いわけですが、この点について、ひとつ当局から御説明願いたい。  あわせまして、通産大臣からこのように金の問題が、これを運用する面におきまして非常に被害等が出ておる、こういう問題について通産大臣としての対処の仕方について御意見をいただきたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 先ほど申しましたように、この研究会の指摘事項等につきましては、私どももできるだけ趣旨に沿った方向で、行政上あるいはできれば立法的な措置も含めまして、さらに努力してこの点を詰めていきたいというふうに考えております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回、金の取引所ができたわけでありますが、これは今日の国際情勢、国内情勢を判断してメリットがあるということでつくったわけでありますから、このメリットを十分今後とも生かしていかなきゃならぬ。同時にまたいろいろとトラブル等が起こらないように、今後の金取引所の運営に当たっては十分配慮をしてまいりたいと思いますし、その他の海外との取引の問題であるとか、いろいろと国内でのその他の物資の取引に絡んだいろいろと問題が出ておりますから、こういう問題については審議会等でも十分いま検討していると思いますから、それを踏まえて適切なひとつ対処、場合によっては法律をつくって国会へ出す、あるいは法律を改正するということも含めて検討を進めてまいりたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 午後は経企庁の分野でありますので、まず河本長官にお伺いしたいのでありますが、長官は本委員会の所信表明においても、消費者行政の推進を強調なさいました。今日のように不況あるいは個人消費支出の低迷などという状況のもとでは、消費者の利益を守るということは非常に重要なことと考えますが、河本長官の基本的所見をお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) お説のとおりでございまして、消費者の立場を守っていく、消費者の利益を守るということは当面の非常に大きな課題でございまして、その趣旨を私も具体的にどうすればいいかということについて所信表明で明らかにいたしました。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そこで消費者保護、いま長官も言われた非常に重要だという立場から、先ほど馬場委員からも取り上げたんでありますが、今日大きな社会問題になっております商品取引、特に金先物取引をめぐる問題について若干ただしたいのであります。  通産省は昨年九月に商品取引所法に基づいて金を指定商品にし、さらに本年の三月二十三日には公設の東京金取引所を開設いたしました。この大きな目的あるいは副次的効果の一つに私設市場、いわゆるブラック市場での一般大衆投機家の被害が相次ぐ中で、こうした被害を食いとめるという点にあったと思うのですが、いかがですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 今回の金市場の創設につきましては、ただいま御指摘のようないわゆる紛議と申しますかトラブルをできるだけ防ぐという目的もあったことは事実でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その結果、この金先物取引から締め出された悪徳業者が、香港などの海外市場や、プラチナ、銀などの私設先物取引に進出して、相次ぐ被害者が続出し、相談が相次いでいるというのが先ほど通産並びに警察からお話があったとおりだと思うのです。私どものところへも相談が多く来ております。これは大阪の例でありますが、たとえば七十四歳のある老婦人宅に勧誘員がやってきて、私に預ければ銀行以上に利子がつく、こういう言葉巧みにだまして預金通帳と印鑑を持ち出して、とらの子の五百五十万円を相場に投げ出して、ほとんど巻き上げてしまうというような事態も生まれております。そのほか身障者あるいはひとり暮らしのお年寄り、主婦、まさに社会的弱者をねらい撃ちにしているというのが一つの特徴であります。    〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕 こうした海外取引あるいはプラチナ等のブラック市場での被害続出に対して、通産省は海外取引については商取審の答申を待って新立法を今国会にも提出するという意向のようでありますが、この点を含めてどのような対策を講じようとされているのかお伺いしたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 海外あるいは国内の両面にわたりましていろいろ御指摘があったわけでございますが、現在商品取引所審議会で御審議をいただいております。先ほどもちょっと申し上げましたが、どういう観点からこれを規制するか、もちろん行政的な措置も必要でございますが、一方立法的な措置も含めまして、私ども鋭意検討しているわけでございます。特に海外の問題で最近いろいろとまたトラブルも聞いているわけでございますが、海外につきましては、取引所が国内になく海外にあるというふうなことで、当然のことながらチェックの仕方につきましてもいろいろ工夫が必要になるわけでございまして、そういった点の技術的な方法等も含めまして、いま鋭意詰めているところでございます。  正直言いまして、いまこの場でこれにつきまして結論的なことを申し上げるところまできておりません。ただ、私どもはその問題の重要性というものは十分踏まえまして、いまいろいろと急いでそこを詰めているというのが現状でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今国会に提出する予定はございますか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 私どもといたしましては、国内、海外両方あるわけでございますが、特に現下の緊急性としてみれば、海外の方がまず第一かというふうに考えておりまして、いまの段階ではそこを中心に検討しておりまして、もし成案が得られれば今国会にでも提出したいと考えておりますが、いろいろ先ほどから即しました点もございまして、この辺を詰めているというところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ぜひ急いで進めていただきたい。今国会に新立法を出すという御意向として承ります。  ところで、今回公設の東京金取引所が開設するに当たりまして、通産省は百四社の会員と四十社の商品取引員を認定したのでありますが、この中にエース交易、大倉商事などといういわゆる問題会社が入っている。なぜエース交易など問題企業が取引員として認められたのかという問題であります。  商品取引所法四十四条、社会的信用すなわち営業姿勢に問題がある場合には取引員として認定しないことに相なっております。ところが、このエース交易は、われわれが、全国商品取引被害者の会というのがありますが、そこから聞いたところによりますと、いまわかっているだけでも四十件以上、約三十億円以上の被害が発生しております。さらに大倉商事、ここは同和商事という会社と合併したのでありますが、この同和商事が贈収賄事件で裁判中というしろものですね。そして大倉商事の営業の中心がこの同和商事から移ってきたいわばメンバーで占められておる。こういう会社がどうして取引員として認定されたのかお聞かせ願いたい。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 私どもといたしましては、商品取引員の許可に当たりましては、いま御指摘のような社会的信用という点のチェックを当然いたしているわけでございます。実態的なやり方といたしましては、まず第一義的には商品取引所の中に審査委員会が設けられまして、審査委員会でいろいろとチェック、審査するわけでございます。この中で、たとえばいろいろな法律にもございます欠格条件もございますが、さらに定款におきましても海外の商品取引所における売買取引におきまして一般投資家との間で紛議が多発しているというふうなものについても勘案しているわけでございまして、そういった審議を経て行ったわけでございます。もちろん四十社すべての企業が過去におきまして紛議がゼロであるということではないかもしれませんが、四十という定員の中で審査委員会でも十分チェックされ、またそういった面からのチェックを経ましてこの四十社を私どもも許可したわけでございまして、そういった意味では、いわゆる法律に言います社会的信用は十分にチェックして許可されたというふうに私どもは思っているわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いまの御答弁でありますが、通産省は実態を私あえて言うならばつかんでいないと思う。ですから、被害者の会から実情を聞くなど、私がいま指摘したような点について通産省としても一度実情を調査していただきたい、どうですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 実情につきまして、先ほど申しました、たとえば審査委員会の中には業界の代表も入っているわけでございますが、あるいはマイニング関係あるいは総合商社の代表等々も出まして十分審査したわけでございまして、私どもも過去からのいろいろなデータ等も十分チェックいたしまして行ったわけでございまして、その点につきましては法律の趣旨に即しまして審査を行ったというふうに理解しているわけでございます。  もちろん、これから金の市場の発足が行われたわけでございますから、今後とも十分問題のないように指導していくつもりでございますし、今後とも十分いま御指摘のあった会社も含め、すべての商品取引につきまして十分な指導をしていきたいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 指導じゃなしに、改めて調べてほしいのです。  重ねて聞きますけれども、東京金取引所の定款がここにありますが、これによりますと、第七条「会員たる資格」によると、海外先物業者で悪質な会社は東京金取引所の取引員としての資格がないことになっています、御承知のとおり。ところが、いま私が言いましたこのエース交易の取締役で会長の榊原秀雄、この人物はエース交易の二〇%の株主で、また前社長でもあります。実質的にエース交易を支配している人物でありますが、この人物は国際商品取引員協会の理事長をしていた人物です。この国際商品取引員協会なるものは、もともと金のブラック市場が締め出されることに対抗して香港などの海外市場に進出することをねらったものなんですね。いまは名前を国際商品取引業協会と変えてはおりますけれども、榊原はその初代の理事長です。現在は、榊原は表向きは理事長はおりましたけれども、依然として顧問をいたしております。こういう人物が実質的なオーナーとも言えるエース交易が東京金取引所の取引員になるのはおかしいじゃないですか、どうですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 今回のチェックは先ほど申しましたようなことでやったわけでございまして、その会社が海外の取引におきまして紛議を多発させているかどうかというふうなことが定款にもございまして、そういった観点からもチェックしております。それから、また関係会社につきましても、法律に基づきまして届け出を求めた者につきましてもチェックしておりまして、そういった観点からこれを許可したわけでございます。  ただいま、国際商品取引業協会でございますか、それの前の理事長をしておったというふうなこともあったようでございますが、私どもは……

市川正一日本共産党

○市川正一君 あったと知っているのか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) そういうふうには私聞いております。——それにつきましては、この企業としての過去の実績、たとえば当該企業及びこれの関係企業として届け出の出ている者につきましての実情を調査した上で今回の処置をしたわけでございまして、この協会の理事長をしておったという、すなわちそれだけでこの企業を不許可にするということも必ずしも言えないという判断もあったわけだと思いますが、いずれにしましても、この企業並びに法律に基づきます関係企業としての届け出の出ている者につきましては十分チェックしてございまして、私どもはそういった観点からこの企業を四十社の中に入れて許可することが妥当であるというふうに判断したわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 重大だ、それは。知ってやっているんじゃないか。ここに持ってきた、あなたもよく知っているだろうこれは、オピニオン社という出版会社、これも榊原がやっているところですよ。ここが業界紙を出しておる。この中に、最近まで榊原が国際商品取引業協会の理事長をやっておったということが明記されておるだけでなしに、ここにずっと出ているこの協会の名簿を見てみなさい、札つきじゃないですか。たとえばここにミリオン貿易あるいはグランド貿易あるいはまた大倉商事、ウェリンク・ジャパン、みんな札つきの悪徳ブラック市場の業者じゃないですか。こういう連中のトップが榊原だ。その榊原がやっているのがエース交易じゃないか。現に最近までエース交易の会長室に国際商品取引業協会の事務所を置いているじゃないですか。こういう人物が取締役でありそして株主をやっておるエース交易が、定款やあるいは商品取引所法に照らして果たして資格要件を持っているんですか。あなた、これで資格要件を欠いてないと、こう断言できるんですか。もう一遍聞きたい。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 私の理解するところにおきましては、このエース交易自体は香港取引所につきましては準会員というふうには聞いておりますが、業務そのものは必ずしも行っていないというふうに聞いております。  いずれにしましても、先ほど申しましたように、過去における紛議の件数とか状況を調べまして今回の決定をしたわけでございまして、そういった観点からいたしますと、この企業が定員四十社の中に入って許可されたということにつきまして私ども……

市川正一日本共産党

○市川正一君 したんじゃないか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 許可したということにつきましては、先ほどから申しておりますように、取引所内におきまする資格審査委員会の審議の状況も踏まえ、そういった基準を勘案いたしまして許可したわけでございまして、そういうことにつきましては今回の四十社の決定というものは私どもは妥当な措置であるということで行ったわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ますます重大です。いろいろあなたはこのエース交易を弁護なさいますが、じゃ聞きますが、われわれの調査によると、この取引員の認定に当たって、あえて私からは名前は言いませんが、何人かの国会議員が通産省に特定の企業を取引員として認定するよう要請してきたという事実を私ども聞いておりますが、通産省、そういう事実はあったんですかなかったんですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 各個別の企業のことはともかくといたしまして、今回のいわゆる許可に際しまして、関係の方から問い合わせでございますとかあるいは御照会でございますとかいうのがあったことは事実でございます。私どもはそういったケースにつきましては、この許可につきましての基準でございますとかいろいろな考え方をよく説明いたしまして御理解を願ったわけでございますが、そういった意味で照会なり問い合わせなりがあったということは事実でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると、そういう問い合わせなり御照会、いわばそういう話があった企業に、エース交易それから大倉商事というのは入っていましたか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 私、いま十分なあれは記憶しておりませんが、個々の企業につきましてどこについてどうということでなしに、この商品取引員の許可ということにつきましてのことを申し上げたわけでございまして、個別にどこに対してだれがとかというふうなことは先ほど申し上げたわけでございませんし、その点につきましては、個別の企業についての問題といたしましてはここでは私も御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いや、個々のというのじゃなしに、全体の中にエース交易は入っていたか、大倉商事は入っていたかということを一般論として聞いているわけです。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 今回、申請も百社を超えていたわけでございますから、いろいろの企業につきまして照会なり問い合わせがあったと思いますが、私どももそれがたまたま私に対してという場合もありますし、そうでない場合もございまして、いま十分それはチェックしたようなものはございませんので私もそこは把握しておりませんが、一般論としては問い合わせその他あったということは事実でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 なぜそういう政治家からいろいろ介入したりあるいは圧力をかけるような行動が必要なのか、そしてまたなぜこういう問題企業を通産省は認めるのか、国民にとって全く不可解です。われわれの調査では、このエース交易それから大倉商事を取引員として認定するようにある国会議員が江崎商務サービス室長の自宅まで電話を入れたという事実が明白です。また、政治献金をもらっているという情報も入っております。エース交易、大倉商事を認定するよう通産省に働きかけた政治家は一体だれですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 私はその件については承知しておりませんが、あくまでも先ほど申しましたように、今回初めての金の商品取引員の許可でございますから、いろいろ問い合わせその他があったことは事実でございますが、そういった個別につきまして、どの企業についてだれがということはいまここで承知しておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 承知しないけれども、そういう事実があったと。また、だれがどうだなんというのはわれわれの方ではわかっております。  最後に聞くけれども、こういういろんな問題点を指摘したけれども、これについて事実であるのかどうか調べていただきたい。そうして、事実であるならばしかるべき処置をするのが当然であると思いますが、どうですか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 取引員につきまして委託者と紛議を起こすようなことはできるだけ避けなけりゃいけないと、防止しなければいけないというのが私どもの今回の金市場の発足に際しての考え方のうちの大きな部分の一つでございますから、今後ともこの商品取引員のビヘービアと申しますか、そういったものにつきましては十分よく監視をし、この金の取引所がいわゆる国際取引所といたしまして十分、りっぱな取引所として発展するように特にこの商品取引員の指導につきましては十分監視してまいりたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私が聞いているのは、私がいま言うたようなことをちゃんと一遍調べてくれと言うのです。調べぬのか、どっちです、それをはっきり言ってくださいよ。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 今回の取引員の許可に際しましても私どもは十分調べたつもりでございますが……。

市川正一日本共産党

○市川正一君 改めて言っているのや。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) なお、私もいま十分細かいことを知っているわけでございませんので、よく担当の方にその点につきましては申しまして、検討さしていただきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 終わりです。  河本長官、お聞きのようなことです。問題は、通産省所管のことではございますけれども、冒頭お聞きいたしましたように、消費者保護の観点から経企庁としても可能な手だてをぜひ講じていただきたいと思うのでありますが、最後に一言御所見を承りたい。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 今回、金取引所が長い間の経過を経まして発足をいたしましたのは、従来この金取引に絡んで多くの善良な市民が大変迷惑をした、大変な損害をこうむった、それをなくしようというのが一つのねらいであったと思います。そのほかにも目的はあるんですけれども、それが一つの大きな私はねらいであったと思うのですが、せっかく取引所がスタートしたわけでありますから、今後は公正な取引が行われまして、被害に泣く人が出ないような、そういうことを強く期待をしております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 公取委員長に二、三お伺いをいたしたいと思いますが、独占禁止法が公布されましたのが昭和二十二年であります。その後幾多の改正が行われ、特に昭和五十二年でありますか、五十二年にはかなり大幅な改正が行われました。ところが、昭和五十二年の大幅改正というのは非常に厳しくなったというようなふうに私は理解しておるんですが、しかし総体的に、大筋においては昭和二十二年の制定当時と余り変わりがないと、こういうふうな認識をしております。ところが、昭和二十二年といいますと終戦後問もなくでありまして、飢え死にするかどうか、何百万人が飢え死にするおそれがあるというふうなことが言われておった当時でありますし、またすべての商品が不足をして、物価統制令等によってほとんどの物が価格統制がされておったと、こういう時代でありましたから、三十五年後の現在では大幅にというか、文字どおり今昔の感にたえないというほど変化をしておると、こう思います。  特に最近は、高度成長時代にあらゆる業種、あらゆる企業が量産体制をとりまして、言えばそういう状態で現在、ほとんどの企業と言っていいと思いますが、特に製造業等においては過剰設備、供給過剰、そうしてこれがはなはだしい過当競争になっておりまして、この二、三年来ではもう全く企業が採算を無視して、生きるためには赤字であろうと何であろうと、欠損であろうと売らざるを得ない、こういうふうな状態の企業が多くなって非常に業界を混乱させ、また日本経済の混乱ということにもそれらのものが原因しておるんではなかろうかと、こういうふうに私は考えておりますけれども、委員長はどういうふうな認識をしておられますか、またそれについての御見解を簡単で結構でありますからまず承ります。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) いまのお話の中に高度成長経済から安定成長経済移行の問題が含まれておると思うわけでございまして、経済の体質が変わります過程におきまして、一部の産業につきましては設備の過剰の問題も生じてまいるわけでございますし、また景気変化の過程におきまして需要が停滞して生産が過剰になる。場合によりましては、独占禁止法の中にもいわゆる不況カルテルの制度があるわけでございますから、短期的な問題につきましては不況カルテルの活用ということが可能でございますし、また中小企業ということになりますと、いわゆる団体法というのがございまして安定事業の施行というのが可能でございますから、高度成長の経済過程から安定成長構造へ変わります過程におきまして、いわゆる構造不況問題が発生いたします場合には、設備の処理、廃棄というようなものが必要になってくるわけでございます。そういう問題につきましても現行の独占禁止法なりあるいは中小企業団体法というものは相当程度の用意があるというふうに考えておるわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 団体法あるいはカルテル行為等についての問題は最後に若干触れてみたい、こう思っております。  そこで、私は昭和五十二年の十月であったと記憶しておりますが、当院の予算委員会で私、公取委員長に、当時の情勢の中でも中小企業団体が非常にそういう問題についての指導について苦慮しております、中小企業団体の本来の任務というのは、傘下の組合員の経営改善あるいは合理化指導というのが最も必要な、また大きな事業であるわけでありますけれども、経営改善指導を十一分にやっていこうとすると、もう必然的にそこには原価料金あるいは積算というふうな、やはり価格の問題はどうしても避けて通れぬわけでありますが、ところが、それらの指導いかんによりましては、あるいは指導の方法が法律の違反あるいは違反の疑いがあると、こういうふうなことで非常に各団体でも大変やりづらい、困っておるというので、実態を申し上げて委員長に弾力的なひとつ運用をぜひお願いをいたしたいと、こういう要望をした記憶があるわけでありますが、そのときに委員長は、ガイドラインを近く示してそれらのことについては適切に処理したいと、こういうふうなお答えをいただいております。  事実、その後、約半年ぐらいたってからだと思いましたけれども、ガイドラインをお示しいただきました。ところが、そのガイドラインなるものが私は実態となかなか適合しないというふうな、そういう認識をしておるんですけれども、現在ではどのようにお考えでしょうか。まあ団体法等によっていろいろとあるというふうなお話でありましたけれども、どのようにひとつお考えでありますか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 昭和五十二年の十月、井上委員から当時の予算委員会で御質問いただいたことは鮮明に記憶をいたしております。私も就任直後でございましたから、いまよりより一生懸命お答えしたという記憶を持っておるわけでございまして、そのとき、いまお示しがございましたように、中小企業の団体の構成員に対する指導の問題に関連しまして、標準料金とかあるいは標準価格の問題に触れざるを得ない場合があるのではないか、そういう場合につきましては何らかの意味での弾力的な措置が可能であるかどうかについてのお尋ねがあったわけでございまして、そのとき、まさにいまお示しがございましたように、近く事業者団体の活動に関する一般指針というものをつくってその方針を明らかにしたいということをお答えしたわけでございます。  五十四年の八月にガイドラインができたわけでございますが、そのガイドラインの趣旨は私が五十二年当時にお答えをした内容とそう大きく変わっておらないわけでございまして、いやしくも価格とか料金に触れる問題につきましては独禁法に触れる可能性が強いということを明らかにしておるわけでございまして、そういう点で申しますと、先生の御質問に対して必ずしも十分お答えしてないということになろうかと思いますが、その後の経過を見ますと、たとえば環境衛生の分野につきましては、標準料金とかあるいはその事業活動の範囲とかという問題につきましてある程度の法令的な規制ができるようになっておるわけでございまして、そういう限られた分野でございますが法令的には進展もございます。  それから、基本的に申しまして、零細企業あるいは中小企業の行う行為に対しまして、私どもは温かい気持ちで見守っておるわけでございまして、たとたば自動車の中古車につきまして標準料金の設定の問題がございまして、こういう価格設定の基準が明らかでないものにつきましては、実際の売買事例等につきまして調査をして、その売買事例の結果を団体の構成員に示すという程度は差し支えないというような指導もいたしておりますし、あるいは料金計算の基礎となる原価の基準等につきましての指導もこれは差し支えないということを言っておるわけでございまして、そういう点で申しますと、かなり標準料金なり価格につきまして、いわばすれすれのところまで事業者団体としてある種の行為を行うことに対しましてもわれわれの方は寛大な措置をとっているわけでございます。ただ、そういうふうに申し上げますと、一体どこまで可能であるか、許されるかという問題があるわけでございますので、現実には幾つかの団体からこういう条件であればどうだろう、こういうところまでであれば許容されるかというようなことにつきまして照会を受けているわけでございまして、そういう御照会に対しまして回答した例も幾つかあるわけでございますから、私どもとしましては、事業者団体の活動指針の運用として個別的なケースにつきまして対応いたしておりまして、それなりの進展なり、あるいはそれなりの成果というものはあるのではないかというふうに考えておるところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 公取委員長のいま改めて大変御親切なお答え、非常にうれしく思います。  といいますことは、当時私も委員長からお答えいただきましたこと、その後またいろんな経過等についてはかなり承知をいたしておりまして、あのときにたしか弾力的だというふうなことにはなかなかというふうな意味のちょっとお答えがあったという記憶もありますが、しかし、実際には私どものいろんな中小企業の実態等からしてかなりごしんしゃくいただいているような運用がなされておるなあという、十分ではないけれどもそういう感じは持っておりました。ただ率直に申し上げまして、委員長がお考えになっているそういうふうなお気持ちがなかなか窓口の担当者まで十分伝わっていないというふうなことを実は聞くことがあるんですね。その点についてはひとつぜひきょう要望しておきますけれども、委員長の方針が窓口の担当の人たち、実際に直接そういうふうな問い合わせ、あるいは指導をしていただく方々にも十分浸透するように、ぜひ委員長にひとつ御配慮をいただきたい、こう思います。  そこで、課徴金の問題でありますが、幾つかの最近業種が独禁法違反で課徴金を受けております。ところが、中にはとても課徴金が払えぬと、課徴金倒産だというふうなことを言い出しておる企業も実はあるというふうに聞いておるんですけれども、何も課徴金がいけないという意味じゃ毛頭ありません。が、やはりこれらも、法律違反をやった者にじゃあ穏便に目こぼしをというふうなそんなことではありませんけれども、そういうふうなことの配慮も必要ではなかろうかということと、もう一つは五十二年の改正で二十万円未満については云々というふうに改正になっておりますけれども、五十二年と現在ですからやや二十万円という一つのラインを少し考えていく必要があるんではなかろうかと、こう考えておる。これは特にお答えというよりも要望であります。  そこで、時間がありませんので適用除外について若干伺いたいと思うのですけれども、先ほど御答弁の中でカルテルの認可、あるいは団体法に基づいてのいろいろとそういうふうな行為が認められておると、こういうふうなことであり、事実はそうであります。承知しておりますけれども、ところが実際には現実の問題としてはなかなかカルテルの認可もおりない。それから、団体法による調整事業の認可もそう容易にはおりないというふうなことがあろうと思うのです。それからもう一つは、実際に調整規程をやろうとしても申請のための準備に非常に時間がかかって、その間にもうすでにどうにもならぬというふうな状態に落ち込んでいくと、こういうこともあろうかと思うのですけれども、これらについては今後やはり運用の問題であろうと思いますけれども、十二分にひとつお考えをいただきたいというふうに思います。  時間がありませんから細かい条文等によってのいろいろと私の質問は省略いたしますけれども、すべておわかりのことでありますから、そういうこと等についても十分御配慮をいただけるものと思いますが、適用除外についてやはり私は、いろいろと適用除外の法律がありますけれども、実際には事実上調整規程の認可を受ける、あるいはカルテルの認可を受ける以外には、先ほど環衛業種については例の環衛法の改正によるところの適正化基準等によってこれは環衛業種はそんなことが認められるようになりましたけれども、ほとんどのやはり中小企業業種、特に製造業の業種においては事実上現在カルテル行為をそう簡単にできない。また、調整規程の適用についてもそう簡単には認められないというふうな状態にあろうと思いますので、適用除外等についてできるだけ法を犯さない範囲内で、さっき委員長すれすれというふうなお答えがありましたが、十二分にひとつ配慮をお願いいたしたいと、かように考えております。これは要望を含めて申し上げたわけでありますが、時間がありませんから細かい点は次回何らかの機会にまたいろいろとお願いをするといたしまして、以上ひとつ要望を含めてこれで質問を終わります。ひとつお答えをよろしく。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 協同組合の協同経済事業につきましては、一定の条件のもとで適用除外になっておるわけでございますから、団体法に基づく安定事業あるいは調整規程の作成認可という所定の手続を経なくてもある程度の活動ができることは井上先生よく御承知のとおりだと思います。  それから、安定事業の認可につきましてはまず所管省の審査がございます。その審査の結果に基づきまして公正取引委員会に協議があり、そして認可になるわけでございますから、おっしゃるように関所がいろいろあるという問題もあろうかと思いますが、現在のところ二百八十程度の安定事業が認可になっておるわけでございますし、また近く生糸等につきまして安定事業をしたいというような申し出もあるわけでございまして、私どもはことさらに認可をおくらせるとか、認可の条件を厳しくするとか、そういう考え方は持っておらないわけでございます。ただ、お示しがございましたように、やはり安定事業なり調整事業なり、あるいは不況カルテルを結成しようということを決意してから実際に資料等を調製して役所に申請書を出して、認可になるまでにある程度の期間がかかることはこれまた事実でございますから、私どもとしましてはなるたけ審査を簡便に行うように留意をいたしておりますし、審査はなるたけ簡便に、しかし途中での見直しは勇敢にというような考え方で今後対処していきたいというふうに考えているところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 委員長、もう一つ。  公取委員長、いま適用除外について、協同組合等についてはこれはもちろんよく承知しています。ただ、協同組合の適用除外が現在の中小企業団体の組織法から言うとなかなか実情にそぐわぬというようなことがあるわけですね。細かい点は省略します。特に従業員二十名以下の事業者であって、それから構成員が十九人を超えていないものとかね、いろんなことがあるわけです。実際には協同組合の単位はかなり大きくなっています。製造業の場合には従業員二十名以下の事業者だけで組織しておるあれでは事実上余り効果がないと、こういうふうな点でありますからね。いまこれを詰めてどうとかいうことじゃありませんけれども、確かに協同組合の場合には適用除外対象になっていますけれども、実際には適用除外対象になる要件を備えておる協同組合は事実上こういうふうなことを実はやるだけの力もないし、やっても効果がないと、こういう実態があるわけでありますから、その点私は適用除外の問題で申し上げておる、こういうことであります。

伊従寛公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(伊従寛君) いま先生御指摘の「従業員の数が二十人をこえない事業者である個人が相互扶助を目的として設立した団体であって、構成事業者の数が十九人をこえないもの」といいますのは、これは協同組合と別に、この団体につきましてはそれ自体は全部適用除外でございます。協同組合につきましては、これは独禁法の二十四条で、中小企業等協同組合なんかで一定の資格のあるものにつきましては、協同組合と認めているものにつきましては二十四条の方で適用除外がございますので、さらに緩やかな資格要件で適用除外が認められております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 じゃもう一問。審査部長ね、実は二十四条、ところが二十四条もかなり厳密に、要するに要件として適用を受けるわけでしょう。そうすると、この二十四条に「左の各号に掲げる要件を備え、且つ、法律の規定に基いて設立された組合(組合の連合会を含む。)」、この場合四項目ありますね、左の要件が。これを実は全部この要件を備えておるということを言われると、事実上そんなに要件を備えて適用除外になる協同組合は余り数多く存在をしないということになるんじゃないのですか。

伊従寛公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(伊従寛君) 二十四条に四号にわたりまして要件が規定されておりますが、この要件につきましては中小企業等協同組合法あるいは農業協同組合法といいまして、いわゆる協同組合法におきまして推定規定を置いておりますので、たとえば中小企業等協同組合法に基づく協同組合であれば、これは自動的に大体ほぼ四つの号につきましての要件は満たしているというふうな形で考えられますので、その点につきまして特にこの四つの号が問題になるということはございません。むしろ協同組合の場合に協同経済事業に該当するかどうかの問題の方が重要で、先ほど委員長がちょっと触れられましたが、その方が大きな問題だろうと思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 委員長、済いません、大事なことですからもう一つ。  それでは中小企業等協同組合法に基づく協同組合の場合は、協同事業であるかどうかという認定の問題はありますけれども、大体じゃあ総体的に適用除外を受けられるものと、そう理解していいですか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) いまおっしゃるとおりであろうと思います。ただ、二十四条はただし書きがございまして、先生御承知と思いますが、このただし書きが物を言うと申しますか、ここが問題であるわけでございまして、適用除外ではございますが、しかし協同組合として不公正な取引方法を用いる場合とか、あるいはカルテルをやって価格を上げるということになりますと適用除外がまたなくなるわけでございますから、協同組合が普通の事業者団体になってしまう。そして独禁法の適用があるということでございますから、したがって、まず何といいますか、適用除外になりましても事と次第によってはまた適用になる、そういう網がかぶっているということであろうかと思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 実際には、それでほとんど認められていない、こういうことで私は実は申し上げたわけです。  終わります。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 以上をもちまして、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち、公正取引委員会、経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) この際、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査中、鹿島臨海工業地帯内の鹿島石油鹿島製油所における爆発事故につきまして委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会

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