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96回国会参議院1982/03/31

商工委員会 第7号

発言数
99
登壇者
24
会派数
2
開催日
1982/03/31

会議録

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨三十日、対馬孝且君、江島淳君、内藤健君及び世耕政隆君が委員を辞任され、その補欠として高杉廸忠君、福岡日出麿君、上田稔君及び金丸三郎君が選任されました。     —————————————

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 昨三十日、予算委員会から、本日及び明四月一日の二日間、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会、経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  まず、安倍通商産業大臣から説明を求めます。安倍通商産業大臣。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 昭和五十七年度通商産業省関係予算案等の商工委員会における御審議に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  わが国をめぐる国際環境は、まことに厳しい情勢にあり、わが国といたしましては、国際社会の責任ある一員としての自覚を持ち、自主的、積極的な役割り分担へと抜本的な姿勢の転換を図ることがきわめて重要な課題となっております。  また、国内面では、来たるべき高齢化社会に向けて、活力とゆとりにあふれた福祉社会の建設を進めるべく、みずからの知恵と力によって発展の原動力をつくり出していくことが求められております。  かかる基本方向を念頭に、現下の内外諸情勢を展望するとき、解決すべき課題は決して少なくありません。  その第一は、自由貿易主義の堅持と円滑な対外経済関係の構築、第二は、民間活力の活用等による内需中心の安定成長、第三は、脆弱なエネルギー供給構造の改善等エネルギー安全保障の確立、第四は、独創的な科学技術の振興と産業の創造的知識集約化の推進、第五は、中小企業の発展基盤の確立、第六は、魅力ある地域経済社会の形成と国民生活の質的向上であります。  これらの課題の達成のために、私は全力を挙げてまいる所存であります。  昭和五十七年度通商産業省関係予算案及び財政投融資計画の作成に当たりましても、このような基本的方向に沿いまして、一般会計七千九百十一億七千万円、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計五千四百三十五億五千百万円、電源開発促進対策特別会計千八百四十二億二千六百万円、財政投融資計画五兆七千八百五十八億円等を計上しております。  以下、この通商産業省関係予算案等の重点事項につきましては、お手元に資料がお配りしてありますが、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 次に、河本経済企画庁長官から説明を求めます。河本経済企画庁長官。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 昭和五十七年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、百十九億一千万円となっており、これは前年度予算額に比べて一億七千七百万円の増額であります。  また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、二千二百二億円を予定しております。  以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、経済政策の総合的機動的推進に必要な経費として、三十五億七千八百万円を計上しております。  この内訳の主なものは、物価の安定を図るための調整費等であり、生活必需物資の需給・価格動向の調査監視、物価に関する適確な情報の提供、その他各省庁の所管する物価対策を機動的に実施するための経費として、三十二億三百万円を計上しております。  また、内外の経済動向を調査、分析するための経費として三億一千七百万円、基本的経済政策の企画立案を進めるための経費として二千一百万円を計上しております。  第二に、国民生活行政の推進に必要な経費として二十七億五千三百万円を計上しております。  この内訳といたしましては、国民生活センターの機能を充実するとともに、消費者行政を推進するための経費として二十四億六百万円、省資源、省エネルギー型生活の定着を促進するための経費として二億三千九百万円、国民生活政策体系の検討等のための経費として一億七百万円を計上しております。  第三に、経済社会に関する長期的総合的な調査研究に必要な経費として、十八億八千三百万円を計上しております。  この内訳といたしましては、わが国経済社会の長期的進路の検討等のための経費として五億二千五百万円、総合研究開発機構の行う総合的な研究開発を推進するための経費として六億七百万円を計上しております。  また、世界経済の動向予測に関する研究、新国民経済計算体系の整備等のための経費として七億五千一百万円を計上しております。  第四に、経済協力等対外経済政策の総合的推進を図るための調査、検討等に必要な経費として一億六千三百万円を計上しております。  最後に、海外経済協力基金でありますが、昨年一月に定めた新中期目標に沿って政府開発援助の拡充を図ることとし、そのため同基金の事業規模として、五千三百五十億円を予定しております。  この原資は、一般会計からの出資金が一千四百七十億円、資金運用部資金からの借入金が二千七十二億円、政府保証債が百三十億円、自己資金等が一千六百七十八億円となっております。このうち一般会計からの出資金は、大蔵省に計上しております。  以上、五十七年度における経済企画庁の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 次に、橋口公正取引委員会委員長から説明を求めます。橋口公正取引委員会委員長。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 昭和五十七年度の公正取引委員会関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は、二十六億五千九百万円となっており、これは前年度予算額に比べて一億六千六百万円、六・七パーセントの増額となっております。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、独占禁止法施行経費として一億九千三百万円を計上しております。  独占禁止法施行経費には、違反事件審査関係経費、不公正な取引方法に対する規制の明確化等を図るための経費、政府規制及び独占禁止法適用除外の見直しのための経費などが含まれております。  第二に、流通問題総合対策経費として千七百万円を計上しております。  流通分野における競争阻害要因を明らかにし、所要の措置を講ずるための経費であります。  第三に、国際関係事務処理経費として千五百万円を計上しております。  わが国経済の国際化、諸外国における独占禁止法の制定、強化に伴い、諸外国の独占禁止法施行機関との連携の促進を図るための経費であります。  第四に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として二千百万円を計上しております。  法運用の強化と啓蒙普及活動を積極的に行い、下請取引の公正化を促進するための経費であります。  第五に、不当景品類及び不当表示防止法施行経費として一億七千二百万円を計上しております。  公正競争を維持促進することによって、消費者の保護を図るため、不当表示等に対する規制体制を整備し、景品表示行政の積極的推進を図るための経費であります。  最後に、その他人件費等の予算として二十二億四千百万円を計上しております。  以上、昭和五十七年度における公正取引委員会の予算について、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 ただいまから予算委員会の委嘱審査、まさにこれは本院始まって以来初めてのことでございます。これは参議院改革の一環として、各党合意いたしまして、本院規則まで改正をいたしまして着手いたしました審査方式であるわけでございまして、それだけに国民も、またこの改革に合意をいたしましたわれわれも大きな期待をかけておるところでございまして、その期待される効果が現実のものになるように私どもも努力をしなければならぬ、こう思っておるところでございます。でありますから、政府におきましても、恐らく予算の本委員会において議論されたような事柄、あるいは大きな問題また小さな問題さまざま出てくるでありましょうけれども、堅確に着実に物事が一つ一つ進んでいくようなそういう形で御答弁をいただいて、この審査が実りあるものに終了することができますようによろしくお願いを申し上げたい、こう思います。  そこで、余りにもあたりまえなことをこれからお伺いするわけであります。余りにも当然なことの質問でありまして、むしろ戸惑うのではないかと、こんなふうにも懸念をされるわけでありますが、いろいろ予算委員会で審査の方式、注文がつけられておるようでありますけれども、しかし物事言いっ放し、やりっ放しということでは、この審査に当たるわれわれといたしましてもいささか不満が残る、こう実は考えざるを得ないわけでございます。でありますから、大きな予算の修正などというようなことはここで議論することはできないにいたしましても、少なくとも政策論議をいたしまして、そして予算の配分等について、つまり政府が結論を出しましたその数値についていかがかというような議論がありまして、そしてある程度なるほどと思ったならばこの変更にやぶさかでないという態度が私は必要であろうかと、こう思います。  そこで、少なくとも款項の変更はもちろんここでやろうなどといっても、これはきわめてむずかしいわけでありますが、少なくとも目の変更、流用、このことはつまりは議論の過程で合意されたものは国会の意思としてこれを流用することにやぶさかであってはならない。平常の場合におきましても、財政法三十三条でございますか、ただし書きで目の変更は大蔵大臣の承認を得れば、これを流用可能であるというように定めてあるわけでありますから、いずれにいたしましても目をきちっと定めましたことは、勝手に流用してはならぬという、そういう法のたてまえもあることは万々承知はいたしておりますけれども、少なくとも議論の過程で合意されたものならば、これは予算書を書き直すという今日的の仕事は後に送りましても可能である、こういうふうに私は理解をしながらこれから質問を進めたいと思いますが、大蔵省から本当は大臣に来ていただきたいところでございますけれども、なかなか今日の審査の方法からいたしまして物理的にそれは不可能でございます。主計官に来ていただいておるところでございますが、その辺のところをひとつ御確答いただきたい、こう思います。

日吉章大蔵省主計局主計官

○説明員(日吉章君) 歳出予算につきましては、当初計画のとおりにその予算の目的に従いまして執行いたしますのが理想ではございますけれども、先生もただいま御指摘になられましたように、予算編成後におきます情勢の変化あるいはまた計画を変更する必要があるというふうなこと等々によりまして、当初予算どおりに実行することが不可能な場合、あるいは実行することができましても、その趣旨から考えまして、それがかえって不適当と思われるというふうな場合もあり得るかと思います。こういう場合を予想いたしまして、現在の財政法上も国会の議決と法令の範囲内におきまして目間の流用等が認められているところでございます。しかしながら、やはり国会で御議論をいただきまして予算を議決していただきましたたてまえから申しますと、この日間流用等は無制限に行うということになりますと、予算のたてまえ、あるいは国会で御議論いただきました趣旨を損うことになりますので、それはあくまでも形式上認められた範囲内であるとはいえども、合目的的に目的に沿った形で流用が行われるということでなければならないかと思います。そういう点を私どもも執行の段階におきましては十分認識いたしまして、許されました法令、議決の範囲内におきまして最も時宜に適した形で、場合によりましては弾力的に流用等を行わさしていただきたい、かつ、これまでも行ってまいりましたし、御審議いただいております五十七年度の予算におきましても、今後の情勢の推移いかんによりましてはそういう場合もあり得るかと、かように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そういうような御答弁でございまして、これは法律の解釈でございますから、そのように書かれておりますから当然でありますが、国会で議論をいたしまして、そして合意した、行政府と国会側、よしんば野党である私がいろいろ質問をする、意見を出す、そういうものについて行政府とまた社会党である私個人との間で合意に達せんとする場合には、与党である、他の野党もまたそれに賛意を表してこれは合意に達する、こういう場合があるわけでありますから、そういう意味では、つまりはその意を体して行政府は執行に当たる、こういう答弁にもなっておると私は理解をいたしますので、その立場で理解をして進めたい、こう思います。  それから、もう一点でありますが、これは委嘱審査の場所で申し上げるには余りにも大きな問題のようにも考えられるわけでありますが、この際ひとつ大蔵省の方にも理解をしていただくというよりも、これはあたりまえでありますから理解もハチの頭も実はないわけでありますが、本年度予算が参議院に送られてまいりまして、自然成立の時期は四月七日ということに実はなっております。しかし、予算というのは、三月三十一日までのはずであるわけでありまして、これはだれしもが否定できないと私は思います。  そこで、これまでも間々新年度に入りまして初めての支出が生ずる段階までは暫定を組まなくてもよろしいというような、そういう説明を受けながら私どもこれまでタッチをしてきた経緯があるわけでありますが、しかし今度は最初の支出がありますところの週明けの五日、それを越えて七日でもまあ大蔵省にはいろいろと流用できる金があるような話もございまして、支払いには支障ございませんなどということで、実は七日でもよろしいというような方向で今日まで流れてきているように私は見受けるわけです。しかし、二、三日前の新聞を見ますと、ここのところに至って大蔵省は、やはりこれは何ほど考えてみても、あるいは譲歩してみても、最初の支出をする五日に予算が打ち上がらない限りはこれは問題だというようなことが言われ始まったと新聞に出ております。私は、万々妥協をいたしましても、まあまあその辺のところかなあというような感じはしますけれども、それでもこれは便法でございます。最近、やはり予算に対する、いわゆる執行責任者である大蔵省等の考え方というのは案外ルーズになってきておる、こう実は言わざるを得ないわけでございまして、つまりは五日が本当なのか、あるいは七日が本当なのか、あるいは三月三十一日に打ち上がらなければいけないのであるかという点について、明確に、やはり事務的にこれは答えられる問題でございます。ひとつお答えをいただきたい、こう思います。  と同時に、これは大蔵省だけの問題ではございません。ここにはいま通産大臣のみでございますけれども、内閣にもかかわる問題であるわけでありまして、その間の所信について通産大臣からも一言承っておきたい、こう思います。

日吉章大蔵省主計局主計官

○説明員(日吉章君) 年度予算につきましては、前年度内に成立をさしていただきまして、翌年度の当初からその予算に基づきまして予算の執行が行われるというのが大原則でございます。したがいまして、私ども、昭和五十七年度予算につきましても、政府といたしましてはこれまで年度内にぜひ成立さしていただけるものと期待してまいっておりましたが、ただいま伺いましたところの審議日程によりますと、年度内の成立はきわめて困難な状態になっているというふうに伺っております。  しかしながら、これによって生じます予算の空白期間というものにつきましては、前例もわずかではございますがございますので、その間でもし執行可能な範囲内であるならば、暫定予算を作成せず、必要最小限度の財務処理を行うことによって対処いたしたい、かように考えております。しかしながら、これはあくまでも異例の措置でございまして、前年度予算から持っております繰越資金の範囲内とか、あるいは立てかえ金で処理し得る範囲内というふうなことで、おのずからその範囲は限られておりまして、いま先生から何日まで可能かという日数を限ってのお尋ねがございましたけれども、過去の例等によりましても、暫定予算を組まず空白期間が生じました例は幾らかございますけれども、大体におきまして一日あるいは二、三日というふうなところでございまして、ここで確定的に何日と申し上げるわけにはいきませんけれども、大体過去の例から考えまして、そういう範囲内であるならば、万やむを得ず異例の措置といたしまして、私がただいま申し上げましたような立てかえ金による処理だとか、あるいは持ち越し資金の範囲内での使用というふうな方法によりまして対処が可能なんではないだろうか、かように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その財政処理がけしからぬと私は思うのですよ。そんな隠し金を持っているのかどうかわかりませんけれども、ここに現金があるからそれは予算成立しなくても支出していいのだなどというのは、これはもう法律違反ですよ、明らかにこれは。だから、まあまあいろいろ言い回し、あっち回し、こっち回ししているようでありますけれども、明確にそれは違反である。これはもう明確にそう構えていただかねば困る、私はこう思いますよ。いまここで議論しても仕方がありませんから……。  同時にまた、つまりは参議院の審議日程は七日まであるわけであります。予算と条約は遺憾ながらこれは衆議院の議決が主であるわけでありますから、参議院では一ヵ月きりこれはないわけでございまして、その点はまことに議員個人としては残念であります。しかし、それだけにその間いっぱい慎重に審議を続けたいという気持ちには変わりないわけでありますが、にもかかわらず五日が限界だから二日余して早く採決しろなどというような失礼な話はないわけであります。でありますから、これは参議院の立場としても、参議院の改革を考えるという上においても、この辺のところは将来の扱いとしては政府当局も大蔵当局も、まさに財政民主主義、財政法にのっとった運営がなければならぬということについて私は強調をいたしておきたいと思いますが、通産大臣の所見を伺いたいと思います。

日吉章大蔵省主計局主計官

○説明員(日吉章君) 大臣御答弁の前に、私先ほど御説明申し上げました点で若干説明不足の点があったかと思いますのでブレークダウンして申し上げさせていただきますが、先生御指摘のように、新たな、新規の債務負担を予算なくして起こすことは、これはでき得ません。したがいまして、私が臨時、異例の措置として申し上げました持ち越し資金の範囲内での使用と申しますのは、あくまでも前年度債務負担に係る部分の翌年度の執行というようなことでございます。それから、立てかえ払いといいますのは、これはあくまでも国にかわりまして、国以外の者がそれを立てかえることによって対処すると、こういうふうなことでございます。あるいはまた光熱水料のようなもの、次元が少し変わってまいりますけれども、そういうふうなものにつきましては、すでに会計法上これにつきましては長期的な契約を結ぶことが認められておりますので、これは法律上可能というようなことになってございます。  したがいまして、そういうふうなことでございまして、予算なくして新たな債務負担を起こしたのと同じようなことを執行し得るということではございません。したがいまして、その間にはおのずから物理的に限られた日数しかないと、その空白期間が長くなりますと、どうしましてもそれは執行が不可能になると、かような意味でございまして、決して空白期間が短ければ安易に、便宜的に対処し得るというふうな意味ではございませんので、その点誤解のないように補足して説明さしていただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 予算の取り扱いにつきましては、いま大蔵当局から説明をしたとおりであろうと思うわけでありますが、私どもとしては、この参議院におきまして予算案が慎重に審議をされまして、暫定予算にならないで成立をさせていただきますように心から期待をいたしております。(「六日になったらどうなんだ」と呼ぶ者あり)

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 野党から応援団の声がかかりまして、まあこれは議論すれば切りがないと思うのです。持ち時間もないのでこの辺にしておきたいと思いますが、まだ答えが出てこないのが、いわゆる二、三日の例はあると、その際はまあまあひとつ目をつむろうと、こういう話なんだけれども、現実の流れとしては七日まで一ヵ月の日程があるわけです。したがって、五日を越えて、五、六、七、これをどう処理するのか。よしんば一日であろうと二日であろうと、法律に基づいて、またその精神——精神を尊重するというだけではなくて、これは現実問題もう事務的に考えてみても、五日以降などというのは許される話では私はないと思うのですね。であるから、つまりは五日以降をどうするのかという問題ですね。これは政治論は話はまた別ですよ。いま通産大臣が答弁されたのは、これは多分に政治論のお話もあるわけでありますから、まああと答弁は求めませんけれども、そこのところを事務的に考えて、法律的に考えてどうなんだということを明確に持っていないから、こういうだらしない結果になるんですよ。ルーズに考えられるわけだ、そうでしょう。  だから実際は、主計官にいろいろ申し上げるよりは、これは大蔵大臣に申し上げた方がいい話ではあると思いますよ。しかし、物理的に出席できない状態であるからおたくに来てもらっているわけだが、とにかくその議論の経過というのは尊重してもらわなくちゃならぬ、少なくとも。そこをどうなんだかひとつ明確に答弁してください。

日吉章大蔵省主計局主計官

○説明員(日吉章君) 個々の経費の内容によりまして対応が変わってくるかと思いますので、若干問題になろうかと思う点を例示を申し上げながら御説明さしていただきたいと思いますが、先ほど申しましたように、光熱水料のようなものにつきましては、法律上の根拠がございまして、予算との関係なくして年度を越しました契約がなされ得るということになっておりまして、これは問題がございません。その他、たとえば国会の立法事務費というふうなものは、両院議長で御決定いただくというようなことになっておりまして、法律上決まっているわけではございませんので、その点は支給日をおくらせるとか、あるいはまた法律上決まっていないようなものは後払いの方法によっていただくとか、あるいはまた前年度からの持ち越しの物資あるいは持ち越しの資金によって処理し得るようなものは処理していただくとか、それからまた先ほども申しましたように、積立金によって立てかえ払いをしていただくことができるものはしていただくというふうなことになろうかと思います。したがいまして、それぞれ個々によって対処し得る対応は違ってくるかと思いますけれども、そういうふうなやり方をやりまして、何とか実施でき得る限度が、過去の例からいきますと、大体二、三日程度というふうなのが非常に多うございまして、本年度につきましてもしさいに検討してみましても、やはり例年と同じような状況になるんではないだろうかと、かように考えております。  したがいまして、通産大臣からもお答え申し上げましたように、私どもといたしましては、できるだけ早く予算を御審議いただきまして成立さしていただくようにお願いを申し上げたいと、かように考えております。(「わかった」「わからない」と呼ぶ者あり)

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いや、これね、わかった、わからないの話じゃないのですよね。私が質問しているのに答えてくれないわけだ、五日以降どうなのかということを。二、三日はわかりましたよ。しかし、五日以降はどうなんだという答えが返ってこないのですよ。早くやってくれと言ってもこれは五日でもやむを得ませんということになれば五日になるかもしれないし、国会の都合で七日になるということだってあるわけだから。そのときにそれじゃ五日以降どうなんだと、これが事務的に考えても答えが素直に出なくちゃならない、実際は。だから、できるかできないかだけを言えばいいのですよ。

日吉章大蔵省主計局主計官

○説明員(日吉章君) 法律上、厳密に歳出日の決まっておりますようなものにつきましては、その日を越しまして予算が成立していない場合には支給すること等はきわめて困難といいますか、できないのではないかと思います。そういうふうな事態になりませんようによく御審議いただきまして、できるだけ速やかに成立さしていただきたいとお願い申し上げたいと思います。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 私は、本院で各党合意に基づく委嘱審査、当委員会における初の審査でありますから、できるだけ実りの多いものにしていきたい、こういう立場から以下御質問をしていきたいと考えております。  まず第一に貿易摩擦について、第二に大店法に関して、第三に溶接にかかわる問題等の当面する問題について、以下通産大臣を初め各関係省庁にお尋ねをいたしたいと思っております。  貿易摩擦についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、先ほど当委員会における通産大臣のごあいさつの中にもありましたとおりに、その基本的方向の第一に自由貿易主義の堅持と円滑な対外経済関係の構築等々が述べられております。現在日米、日欧の貿易摩擦が激化の一途をたどっていますが、この問題について、国外、国内の両面から御見解を承りたいと存じます。  まず、今回の貿易摩擦の最大の原因は何といっても世界的経済不振であると考えます。すなわち、オイルショック後の西欧社会を襲ったデフレ現象、生産の長期的低迷に加え、米国の高金利、欧米の労働者の生産性の低下などにより世界的に長期的な不況にありまして、その代償が経済の良好なわが国に回ってきたものである、こういうふうに考えるわけなんです。したがって、もはやわが国一国としてはいかんともしがたい状況であると思いますが、どのようにお考えですか、通産大臣にまず伺います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 貿易摩擦の最大の要因につきましては、いまお話がございましたようにやはり第二次石油ショックから引き続いて欧米諸国で不況、インフレ、失業が起こりまして、その事態からいまだ脱却できない。そして欧米諸国は依然として苦しい経済の状況にあるわけであります。そういう中にあってわが国はいち早く第二次石油ショックから立ち上がったといいますか、物価の面におきましても世界の中で最も安定をしておる。あるいはまた、経済の成長の面におきましても高度成長というわけにはまいりませんが安定成長を続けて今日に参った。同時にまた、貿易の面におきましても経常収支等が黒字に転ずる、こういうふうなわが国のいわゆる経済の姿というものが諸外国に比べれば非常にいい、こういうことがやはり貿易摩擦、そして日本に対するいろんな批判が始まった要因であろうと思うわけでございます。そういう中で、具体的にはわが国からアメリカに対するいわゆるインバランスが拡大を続けて今日に至っておる。同時にヨーロッパに対するインバランスも拡大をしておる。さらにそういう中でわが国が今日までいろいろの努力はいたしておるわけでございますが、諸外国から見るとまだわが国の市場開放努力が足らない、閉鎖的である、こういうような感情が結局いまの貿易摩擦となってわが国に集中をしておる。しかし、貿易摩擦につきましては、これはわが国とアメリカあるいはわが国とヨーロッパのみでなくて、ECとアメリカの間も深刻でありますし、またアメリカとカナダの間においてもあるわけでございます。全体的に世界全体を覆っておるわけでありますが、特にそういう中で、いまのような状況でわが国に対して批判が集中しておる、こういうことははっきり言えるわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 次に、今日の貿易摩擦においては日本国内の生産、それから流通などありとあらゆる問題が取り上げられていまして、わが国は世界的不況下にあって懸命の努力をしている、こういうふうに考えているんです。今日の発展を維持してきている、こういうふうに思うのです。むしろ世界経済の牽引車たる立場を担っているのではないかと考えているんです。もちろんわが国としても、NTB等反省すべき点もあるでしょうけれども、本質的には欧米の圧力に右顧左べんする必要はない、こういうふうに考えるんです。国際会議の場において、政府は日本の置かれた立場を断固として主張をして理解を求めるべきであると考えるんです。  この点についてどのようにお考えを持っておられますか、見解を伺います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) この貿易摩擦を解消していくためには、基本的にはやはり欧米の経済が立直るということが大事なことであろうと思いますが、批判が集中しておるわが国がこれに対処していくためには、言うべきことはきちっと欧米諸国に対して言わなければならない。同時にまた、わが国がいろいろと批判を受けておる、そういうものを反省をしながらわが国としてなすべきことはこれは勇敢に取り組んでいかなければならない、これが基本的な姿勢でなければならぬと思います。そういう中にあってわが国としてもこれまで、私もアメリカにも参りましたし、あるいはまた三極会議にも出席をいたしたわけでございます。その他外務大臣も参りましたし、いろいろの折衝の中でわが国として言うべきことは諸外国に対しても言っておるわけでございます。いまの貿易の摩擦の生じてくる根本的な原因はやはり欧米の経済のこうした不振にあるわけであるから、これはまずみずから努力をしてもらわなきゃならないし、同時にわが国としてもこれに対して協力することはやぶさかでない。同時にまた、わが国の非常にインバランスが大きくなってきているということは、結局アメリカの高金利政策というものが続いてそれが反対に円を安くしている。それが五十六年度において急激なやはりインバランスの拡大となった、これはヨーロッパについてもそういうことははっきり言えるのじゃないか、こういうこと等も言ってきておるわけであります。同時にまたわが国がいろいろと市場閉鎖的であると言っておるけれども、しかしやはり公平に見て欧米諸国のわが国に対する果たして輸出努力が行われておるかどうか、こういうことになりますと、これだけの大きな一億以上の巨大な市場を持っておるわが国に対して欧米諸国の輸出努力というものはわが国の諸外国に対する輸出努力に比べると問題にならないほど足らない、こういうこと等についても私たちは言うべきことは言っておるわけでございますが、しかしそういうものを超えてアメリカあるいはEC等はわが国の工業製品を初めとする製品が集中的に輸出をされておる、こういうふうなこと等から自分の国の経済とも比較して、あるいは失業等起こってきておりますが、そうした失業は結局日本のそうした貿易によるのだと、いわば感情的な面からも反発が起こっているわけであります。私たちは言うべきことはこれまでも言っておりますし、今後も言わなければならぬと思うわけでございますが、同時にまたわが国としてなさなければならない努力は今後していかなきゃならぬ。それはやはり製品輸入に対してもっとわが国がいろんな面で努力をしていくということも当然であろうと思いますし、またNTBの問題であるとかあるいは商習慣の問題であるとかそうした面につきましてのわれわれの市場開放への努力はいま一歩やっていかなければならないのじゃないだろうか、こういうふうに思っております。同時に、私たちは諸外国に対する工業製品等についてはやはり秩序のある輸出というものを心がけてきております。自由貿易という基本的な方針の中で、自動車を初めとして鉄鋼にいたしましてもあるいはその他の工業製品にしても自主規制的なものを続けておるわけであります。集中豪雨的な輸出というものはやはり避けていくということが肝要なことであろう。こういうことでわが国としても今後やるべきことはいろんな面で取り組んでいかなきゃならない、こういうふうに思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 次に、産業の協力関係について伺いたいと思うのですけれども、国際的に現在日本の求められている政策というものは世界経済の拡大のための役割りを果たすことであると思うのです。したがって、世界的不況からの脱出のため政府は積極的に貿易を推進するとともに、新しい国際的市場を開拓しながらさらに欧米経済の活性化のための技術、産業協力、これらを推進すべきであると考えるのです。  このような点について何らかの大臣としての展望、政策を持っておられると思うのですけれども伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 産業協力というのは日本の経済の発展ということだけでなくて世界経済に貢献をしていく、特にいま非常に苦境に立っておるところの欧米との産業協力を進めれば欧米のやはり活性化に大きくつながってくるということで大変私はその意味は大きいと、こういうふうに思っております。したがって、産業協力は民間が中心になって行っておるわけでありますが、政府としても民間を鼓舞激励をしましてこの産業協力の推進に努めております。そしてまた、これが貿易摩擦を解消する大きな手だてになる、こういうふうにも思っております。わが国の産業もそうした政府の姿勢、そうしてみずからがやはり貿易摩擦を解消するために努力をしなければならぬ、こういう考えのもとに最近におきましては非常に積極的に産業協力を進めております。  日米関係で見ますと、たとえば自動車だけ一つとってみましても、今度、失業の中心であるデトロイトの近くに日本のメーカーとアメリカの大手の自動車業界がロボットの共同開発工場を、生産工場をつくるとか、あるいはまた、最近ではトヨタとGMのいよいよ共同生産の交渉が始まるとか、あるいはクライスラーと三菱の共同生産に対する交渉が始まるとか、いろんな面で積極的な姿勢が見受けられるわけでございまして、これは私たちは、やはり日本の経済の発展ということだけではなくて世界の経済、特に雇用の改善等につきまして大きな意味があると思っておりまして、今後ともこの政策を大きな柱として貿易摩擦の解消のためにも進めてまいりたい、こういうふうに思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 次に、国内経済の面に移りますが、現在の不況の結果国内経済は多くの不均衡が表面化していると思うのです。すなわち中小零細企業の不振、地域経済の不振、業種間格差、これらの拡大、あるいは基礎素材産業の不振、農業に対する批判などがあります。これらはいずれも一国の基幹的役割りを担うものであって、この不均衡を放置しておけば最終的に国内経済の破綻も生じさせるものである、こういうふうに考えるんです。  これらの問題について、まずこの不均衡についてどのように考えておられるのか、見解を伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 昨年からことしにかけましてわが国の内需がふるわない、こういう状況の中でだんだんといまのお話しのように国内経済でも跛行性が目立ってまいったわけであります。産業間におきましては基礎素材関係とその他の産業との不均衡の拡大あるいはまた大企業と中小企業との非常なばらつきといいますか拡大不均衡、中小企業は特に設備投資その他が落ち込んでしまって不振にあえいでいる、そういう状況であります。また地域的にも東北、北海道、四国、九州といったところと他の地域とのばらつきが目立ってきておるわけでございます。これはわが国のやはり全体の経済が少し落ち込んできておる、こういうところにそうした跛行性というものが出てきてしまったということであろうと思いまして、私はこれをそのまま放置すればこれはわが国の経済そのものが失速をするおそれすらあるんではないかという心配をいたしておりますので、こうしたいわゆる跛行の状況を一日も早く正常な形に返していくということがこれからの経済運営の大きなやはり責任であろう、こういうふうに思うわけであります。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 いまも述べましたように、不均衡、矛盾、これはいずれもきわめて重要な問題でありまして、避けて通ることは許されない問題であると思うのです。したがって私は、当委員会においてもあえて農業の問題に関する点について若干お尋ねをしていきたいと思っておるんです。  そこで農林省からもおいでだろうと思いますけれども、わが国の農業の現状についてどのように考えているのか、そして今後の見通し、こういうものはどこに、どういうものがあるのか、根本的なところをひとつ伺いたいと思うのです。

芝田博農林水産大臣官房参事官

○説明員(芝田博君) お答え申し上げます。  わが国の農業は国民の基本的な物資であります食糧の安定供給という大きな役割りを果たしておりますほかに、健全な地域社会の形成、国土、自然環境の保全など非常に重要な役割りを経済社会において果たしているところでございます。  しかしながら、現在はその国土、資源の狭小等の条件によりましてその生産性は国際的に見ましても決して高いものではなく、また二次産業等に比べましてどうしても生産性の伸びがおくれがちでございます。そのようないろいろ不利な条件と厳しい制約を持っておりますが、しかしながら、さきに述べましたようなわが国の経済社会において占めます大きな役割り、それにかんがみまして今後ともわが国農業の総合的な力、特に生産性の向上を進めてまいる必要があると考えているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 現在、農業こそ日米貿易摩擦の元凶である式の批判論が世上をにぎわしているというように感じられるんです。確かに残存輸入制限品目の二十七品目中二十二品目は農産物であります。しかしながら農業は産業体質、規模の移動など、産業としてのモービリティーが困難な特殊な産業であることは御承知のとおりなんです。現にアメリカにおいても農業は輸入制限が行われている品目が多いと思うのです。  そこで伺うのですが、政府はこうした農業の現状を十分理解し、またアメリカ等にも十分な説明、主張を行っているのかどうか、この点を、政府といいますと通産大臣にも私はお聞きしなきゃならないと思うのですが、この点政府はどういうふうにお考えになっているか伺います。

副島映一農林水産省経済局国際部国際経済課長

○説明員(副島映一君) 農業につきましてはガットの基本的な規定自体においても特別な取り扱いがございますし、またその運用の面におきましても各国がそれぞれの特殊な事情に応じていろんな制限措置を講じているというのは先生御指摘のとおりでございます。アメリカも現に残存制限品目を持っておりますし、ECもそれぞれの加盟国で残存制限品目というものを持っております。そこで私どもといたしましても、ひとり日本農業だけが指弾されるいわれはないというふうなことを常々外国との話し合いの席で申しておるところでございます。  また、特にアメリカからは残存品目についての具体的な協議をやりたいといって先ごろの日米貿易小委員会でも再度要求をしてまいりましたので、私どもはむしろその話し合いには応ずるということにしたわけでございます。それといいますのも、いま先生の御指摘がありましたように、率直にこの農業の特殊性と、それぞれの国がやはり制限というのはやっているではないか、また、それぞれの国が農業をそれぞれの立場から守っていく必要があるのじゃないかというようなことをそういう席で積極的にむしろ話し合っていきたいという趣旨で、アメリカとの間で残存品目に関する作業部会を設けて話し合うということにもしたわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 現在、御承知のとおりに、わが国の食糧の自給率というのは約四割、これは国際的な変動、不作等を考えますと、ぎりぎり最低の線であると思うのです。さらにここで輸入制限を撤廃すると、農業を真に利潤を上げられる近代的産業として育成していこうとする動きをつぶしてしまうのではないかというふうに思うのです。したがって、長期的には何らかの形の自由化が必要であるとしても、さしあたっては保護育成政策、これはなお必要であるというふうに考えるんです。考えますがゆえにこの点について確認をいたしたいと思うのですが、政府としてはどのようにお考えですか、伺います。

芝田博農林水産大臣官房参事官

○説明員(芝田博君) 先生御指摘の点でございますが、先ほども申し上げましたとおり、わが国の農業は非常に重要な役割りを持っております一方、厳しい制約条件のもとで非常な困難に逢着しているわけでございます。そしてまた、御存じのとおり農業に対して内外からの批判が強まっているのも事実でございます。しかしながら、われわれといたしましては、わが国の農業の果たしております役割りが、経済的に見ましても食糧の安定供給という大きな役割りでございますし、また、健全な地域社会の形成や国土及び自然環境の保全という経済合理主義では律し切れない重要な役割りもあるということを深く認識いたしまして、わが国の農業につきましては適切な助成が必要であるというふうに考えているわけでございます。  そして、できるだけわが国の国内で生産できます食糧につきましては極力これを国内で賄っていくという方針のもとに政策を進めているわけでございますが、その中におきまして、国民の負担をできるだけ小さくしながら、その食糧の供給その他農業の果たします役割りを果たしていくという観点から、政策の重点は生産性の向上ということに置きまして中核農家の経営規模の拡大及び高能率の農業生産集団の育成、また、土地改良等の農業生産基盤の整備、また、技術の開発普及等に重点を置きまして、生産性を高めつつ国民のニーズに合った食糧を供給していく、そのためには適切な保護助成を行っていくという方針をとっているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 農産物については、第三回の日米貿易小委員会の合意に基づいて四月から米国側と協議をすることになっている、こういうふうに聞いているんです。  そこで通産大臣にお願いをするわけですが、残存輸入制限品目の二十二品目の輸入制限撤廃や輸出枠の拡大等の問題について、先ほど来から私も確認をし、要請をして、しかもお尋ねをしました。しかもお聞きするような日本の農業の現状であります。したがって、これらの問題については今後やはり通産大臣としても政府として協議をされる場合に、日本の産業を守る、こういう立場で臨んでいきたい、こういうふうにお願いをするわけですが、御所見を伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業についていまも農林省から説明がありましたように、世界どんな国でも保護政策をとっておるわけです。これはアメリカといえども論外でないわけであります。特に貿易についてはウエーバー条項なんというのがアメリカの農業、農産物に適用されている、こういうことでございます。わが国としても農産物についてはやはり国際的な責任を果たしていく、自由貿易を守るという見地から、ずいぶんこれまで自由化の努力をしてまいりました。大体もういまではぎりぎりのところに来ておる、こういうふうに私も認識して、これ以上は裸になれない、こういうところまで来ておる状況だと思うわけでございますが、そういう中におきまして、アメリカは依然として自由化というものを強く求めていることもこれは事実でございます。そういう状況下に日米間で合意ができまして、そして四月ごろからスタディグループが始まって協議をしていくわけであります。十月からまたさらに日米間の農産物に対する協議も行われるわけでありますが、そういう私は一つの農産物についての協議のルールといいますか、これからの日米間の農産物についての貿易のあり方についての具体的な論議が行われるわけですから、そういう中で日本として主張すべきことはやっぱり主張していかなきゃならぬ。そしてまた、日本として将来に対してどういう展望を持ってこの問題に対処するかということも明らかにしなければならぬ、そういうふうな議論を積極的に展開をすることによってこの問題についての一つの方向といいますか、結論というものを見出していけばいいのじゃないか、私はそういうふうに思っておるわけでございます。右から左に自由化がどうだとかこうだとかというのは、いまやそういう段階でなくて、すでに具体的な協議に入るわけですから、その場を通じてやっていくということが、もうルールが敷かれておりますから、大事なことであろうと、こういうふうに思っておるわけです。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 いろいろお答えをいただきましたから、この問題については要請をし、終わりたいと思うのですけれども、ぜひいま所見をいただきましたが大臣、これからもいろいろな協議の場においてもわが国の産業を守り、わが国の主張をしながら経済関係についても自由主義貿易の堅持をしながら円滑な対外経済関係をつくっていただく、このようにお願いをしておきたいと思います。  時間の制約がありますので、次の問題であります大店法関係についてお尋ねをいたしたいと思うのです。  まず、先般スーパーの出店調整をめぐりまして中小商店主が通産相を相手取った全国初の行政訴訟で東京民事第三部が原告側の訴えの資格なしと原告側の請求を却下しましたいわゆる門前払いに対して、その結果大店法は中小小売業者を擁護する法律ではないことがはっきりした、こういうふうにして、今後は大店法の第一条の目的に盛り込まれております大規模小売店舗の周辺における中小小売商業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図るというこの第一条の目的、その実現のために抜本的な法改正に向けて運動が展開されつつある現状であるわけです。  その一環として一つには、実力行使による商調協の開催を阻止する、二つ目としては、大店法第三条による受理を拒否するための要請をしていこう、三番目には自治体その他の議会に対しての出店の凍結宣言の要求、こういうものをしていく、こういう運動に戦術が一段と強化する動きが出ているわけなんです。果たしてこうした状況のもとではとうてい現行の大店法が正常に機能するとは思われないのです。政府は現行法のままでいけるという自信があるのかあるいは改正を必要と考えておられるのか、まずその点を伺いたいと思います。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) ただいま御指摘のございましたように、先般江釣子裁判につきましていわゆる却下された経緯があるわけでございますが、最近の状況は、いまもお話がございましたように、大店舗の出店につきまして大変厳しい状況が続いているわけでございます。こういった状況にありまして、私どもといたしましては、昨年の秋以降いろいろと検討を重ねてまいりまして、最近大店法の運用につきまして相当大幅な改善を行ったわけでございます。一言で申しますと、商調協につきましての改善、それからまた、届け出につきましての抑制措置というものを打ち出したわけでございますが、この新しい運用方針につきましていま鋭意その実施に移しているところでございます。これを十分執行することによりまして、私どもといたしましてはいままでの問題が相当程度解決できるというふうに考えているわけでございまして、いま御指摘のような実力阻止の動きでございますとかあるいは凍結宣言の動きでございますとか、そういったものが出ているということは十分認識しておりますが、そういった中でよく地元とも話し合いを進めましてこの問題をできるだけ説得と理解の中で解決していきたいということで、先般来発足いたしました新しいスキームの円滑な実施ということにいま鋭意努力しているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 スーパー業界は、チェーンストア協会の五十六年の売上動向に見られるようにこれまでの最低の伸びと苦しい状態が続いていると、こう言うわけなんですね。加えまして、本年二月より実行されることになった出店の規制によって、各社とも来期五十七年の三月から五十八年の二月までの出店計画についても見通しに非常に苦労している模様であると思うのです。こうした中で、各社とも来期の施策の第一に既存店の活性化を挙げていますけれども、ドラスチックな変更はむずかしく、これといった有効策というものはないというのが実情であるんですね。  そこで、問題の規模の拡大ということになるが、各社の出店計画について政府はどのように考えているのか、それからまたこうした出店の候補地が出店適地にあるのかないのか、それからこの割合というのはどうなっているのか、さらに不適当な地域の場合はどういうふうにするのか、他の地域へ振り向けるというようなことがあるのかどうか、それから第二種店舗についてはどうするのか、こういうような具体的なそれぞれの問題について、私は時間の制約がありますから簡潔で結構です、ひとつそれぞれについてお答えをいただきたいと思うのです。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 各企業の出店の計画でございますが、私ども最近も特に大手につきましては個別にヒヤリング等も行ったところでございます。大手につきましてはそれなりのやはり出店の意欲は持っているわけでございますが、しかしながら、この厳しい商業環境でございますので、それが必ずしも思ったようにはいかないという面もございまして、私どもといたしましては、去年あるいはおととしのペースからすれば相当スローダウンするんではないか、いろいろな状況からしてそうなるのではないかというふうに考えております。  それから、出店の計画が適地にあるのか不適当な地域にあるのかというふうなお話でございますが、この適地か不適地かと申しますのは、必ずしも一義的な指標でとらえることもできません。御承知のように、商業問題というのは各地域のそれぞれ個性のある問題を抱えておりますので、単にある地域に店舗の数が多いからそれだけでもうあとないというふうにも申せませんし、これは多分にケース・バイ・ケースで考えなければならない問題でございますので、一律的に適地がどのくらいで不適地がどのぐらいというふうにも申せないわけでございますが、私どもといたしましては、特に大手につきましては、明らかにそこに集中豪雨的になるとか、そういうふうなものにつきましてはできるだけ指導いたしまして問題をいたずらに激化させないようにしていきたいというふうに考えているわけでございます。  それから第二種につきましての扱いでございますが、御承知のように第二種につきましてはその店舗の規模等々からいたしまして一種と同一に取り扱うということも必ずしも適当でないという面もございまして、それからまたこれも御承知のように法律上は二種につきましては都道府県知事が扱うということにもなっておりまして、私どもといたしましては、二種につきましては各知事におきましてそれぞれの地域の実情に応じた取り扱いをしていただくようにお願いしているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 この集中豪雨的な出店攻勢、あるいはいまお話がありましたようにバイイングパワー、これを行使する納入業者いじめを初めとする各種の弊害というものをみずから取り除くことなしに消費者の信頼を回復することはできないと私は思うのです。流通近代化という名で進められる強引なこれらの商法というものを反省して、消費者本位の体制という点について早急に私は検討する必要があるんだろうというふうに思うのです。望ましいビジョンの確立のための処方せん、これを用意すべきときが来ていると思うのです。こう考えるんですけれども、どのようにひとつその点は考えておられるのか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 商業あるいは流通の環境が非常に変わりつつあるということは御指摘のとおりでございます。そういった状況を踏まえまして、私どももたとえば個人消費支出の伸び悩みという経済環境の厳しさもございますし、あるいはまた消費者行動の変化ないしはまた国民の価値観の多様化と、いろいろな状況の変化がございますので、そういったものを踏まえまして今後の小売業なりあるいは商業なりのあり方を幅広く考えていくという必要があるんではないかというふうに私どもも考えているわけでございます。  先般この大型店問題の懇談会におきましてもそのような答申をいただいておりまして、私どもといたしましてはそのような見地から今後の流通ないしは商業のあるべき姿につきましていろいろと検討してまいりたいというふうに思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 さらにお尋ねをしますけれども、二月一日より実施の運びとなったいわゆる新出店調整基準ですね、この公開については、地域の実情に即した行政指導に当たって逆に混乱を招くとの判断から、はっきり明示しない、いわゆる望洋とした出店調整が行われることにどうもなりそうですけれども、そうなれば行政の不公平という面ばかりではなくてスムーズな対応処理能力の点からも混乱がさらに生ずるおそれが指摘をされるわけですけれども、今後のこうした対応姿勢の成り行きが私はちょっと心配なんです。この点あなたの方では大丈夫だと、こう言い切れますかどうか。ちょっとその所見を伺いたいと思うのですけれども。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○政府委員(植田守昭君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、この商業問題というのは大変地域の実情によりまして多面的な様相を有しているわけでございまして、これをたとえば一義的な数値で割り切る、北から南までのすべての都市のものを割り切るというのはこれまた別の意味でいろいろな問題があるわけでございまして、そういったことから私どもといたしましては届け出を受けまして、それにつきまして通産局あるいは都道府県ないしは地元市町村、さらには商工会議所、商工会というふうなこの問題につきましての関係の機関でよく検討いたしまして事を運んでいきたいというふうに思っているわけでございます。  かえって混乱を招くのではないかというふうな御指摘でございますけれども、今回の大型店問題の新しいスキームにおきましての一つの特徴といたしまして、地元の関係者ともよく話し合うという面を出しておりまして、そういう意味でやはり実情に応じた処理がこれでできるのではないかというふうに私たちは思っておりますし、それからまた地元における出店の際の説明等につきましても、従来以上によく地元説明を行うような指導もすることにしておりますので、そういった点は私ども関係機関よく連携をし合いまして十分対処できるというふうに考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 せっかくですから通産大臣にちょっとこれに関してお尋ねをしたいと思うのですけれども、政府の助成の見直しについて、従来までの通産省の小売業の強化対策の中心点ということは、    〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕 中小小売商業振興法によって、経営の近代化や合理化を目指して、商店街整備、店舗共同化、連鎖化に財政、金融の両面から助成をしてきているんですね。こうした小売商業関係高度化融資の実績というのは、五十三年度以降、残念ながら落ち込みが著しい状況にあるんです。これは、幾ら近代化、共同化を進めても大型店にはどうも勝てない。つまり、大型店と中小小売商との共存共栄はない、こういうようなことではないかと思うのです。こういうことについて大変先ほど来から大臣もお聞きになっていると思うのですけれども、大型店との問題、こういうことで、やっぱり政府の助成策の見直しをしていただいて、十分な小売商工業の振興を具体的に金融や、あるいは財政の面、こういう面で私は助成していく必要がある、こういうふうに思うのです。大臣いかがでしょう。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回、大型店については御承知のように抑制措置をとったわけでありまして、これは相当な強力な抑制措置で現在進行しておるわけでありますが、大型店の中には、ずいぶん私のところにも、少し行き過ぎているではないかというふうな抗議等も寄せられておるようなことでありますが、これはやはり大型が出ていって消費者のニーズにこたえるということも大事なことでありましょうが、同時に日本を支えておる、日本の経済、商業を支えておるのは九九%以上に及ぶ中小小売商ですから、やはり中小小売商との間に摩擦が起こって、そして小売商が崩壊をしていくということになれば、日本の経済の大きな混乱につながっていくわけでございますので、私たちはあえてこの大型店に対する強力な抑制措置をとったわけであります。  そういう中にあって、中小小売商の皆さんも、私は、政府としてできることはやりますけれども、しかし、みずからやはり努力するという自立の精神というのが必要ではないか、そうした自立の精神の中に政府が協力していくと。政府としても、先ほどお話しのような中小小売商業振興対策を積極的に進めておりまして、五十七年度は、中小企業関係予算が横ばいでありますが、その中で、この中小小売商振興対策予算は一二・六%というふうに伸ばしております。また、これから私は、先ほどお話がありましたように、今後の小売商のあり方、ビジョンというものについて、いま大型店舗懇談会等で検討していただこう、こういうふうに思っておりまして、今後やっぱりビジョンを立てながら小売商自体も努力をしていただくと同時に、政府としても、いま予算措置に見られるようないろんな措置をこれから強力に推進をして、こうした問題の解決とともに、小売商が安定をする、同時にまた、大型店舗との調整もスムーズにいくと、こういう方向へ何としても持っていかなきゃならぬ、こういうふうに思っておりまして、そういう方向で努力をいたしたいと思っております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 もう余り時間がありませんから大型店について最後に公正取引委員会にお尋ねをしたいと思います。  五十四年の四月と九月に日本百貨店協会と日本チェーンストア協会が相次いで納入業者との取引の公正化に関する自主規制基準、これを作成をし、自粛しているはずなのに、再び納入業者の訴えが増加していると、こういうふうに私は聞いているんです。  ちなみに昨年末公正取引委員会が、五十三年九月以降二回目のアンケートの調査を実施したところが、納入業者のうちに各種入場券を押しつけられた、あるいはまた海外ツアーを半強制的に勧誘された、こういうものを答えた業者がかなり多いとしているんです。現在、具体的な調査を行っていると思うのですけれども、この点についてまずお尋ねしてどうなんですかと。  それからまた、調査の結果により悪質な実態が明らかになった場合、押しつけの販売あるいは協賛金拠出、これを不公正取引の一般指定から特殊指定に切りかえて、行政指導による監視を強化していく、こういうふうに私は理解してもいいのかどうか、あるいはまた、公取の今後のこれらについての対応についてどういうような対応をされるのか、ひとつ伺って、本問題については終わりたいと思うのです。

相場照美公正取引委員会事務局取引部長

○政府委員(相場照美君) 百貨店、大型スーパー、いわゆる大型小売店が納入業者に対しまして商品を押しつけたり、あるいは協賛金を強要したりという問題は実はかなり根っこの深い問題でございます。したがいまして、私どもとしてはかなり早くから、たとえば昭和五十三年の九月にも納入業者に対しまして調査をいたしまして、その結果、一部、これは具体的には株式会社三越でございますが、三越に対しましては不公正取引の疑いがあるということでもって立入検査を行いました。五十四年の四月にはこれの改善勧告を行ったわけでございます。  そのような状況の中で、実は先ほど先生御指摘の百貨店協会が五十四年の四月、それから日本チェーンストア協会がやはり五十四年の九月にそれぞれ自主規制基準を定めまして、いわば押しつけ販売、協賛金の自粛基準をつくって、これを実施していくということを表明されたわけでございます。私どもといたしましては、こういった自主基準が完全に行われるかどうかについてはかなりいま懸念を持っております。というよりは関心を持っておりまして、したがいまして、五十四年の十一月以降この実施状況、あるいは御指摘のいろんな納入業者の状況、こういったものについての調査を行ってきたわけでございますが、そういった検討を踏まえまして、どうも現在の自主規制基準ではなおまだ十分でない面もあるんじゃないか、あるいはもう少し自主規制基準の内容を具体化して、本当に守りやすいといいますか、はっきりこれこれはいけないのだというふうにこれを持っていくべきじゃないかというようなことも考えておりまして、現在その面については検討いたしているところでございます。  さらに、御指摘の、現在調査しているという状況でございますが、これにつきましては、昨年の暮れあたりからかなり納入業者に対しまして大がかりな調査をいたしておるわけでございます。現在その結果につきましていろいろ検討を続けているところでございます。そういった状況も踏まえまして、さらに自主規制基準の徹底を図るということでもって対処いたしたいと思っておりますが、先生御指摘の特殊指定にすべきじゃないかという問題も含めまして、これは今後の問題として検討さしていただきたいというように考えているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 私に与えられた時間があと十分でありますから、まだまだたくさん申し上げたいこともあるし、ただしたいこともありますけれども、時間の関係で最後の質問になろうかと思いますけれども、溶接にかかわる問題、残余の時間を活用しながらただしたいと思うのです。  私は、去る八十四国会、あるいはまた九十一国会において溶接工の技能検定制度の統一化問題について通産省ほか関係省庁に対して、具体的に私は要望も申し上げながら、問題も提起しながら、今日までただしてまいりました。九十一国会の予算分科会においては議事録にも明らかなように、当時の佐々木通産大臣はこの私の質問に対して、統一化について各省庁で協力をしてやっていくと、前向きの御答弁をされているわけです。まず、この問題について、その後の経緯、これをどういうような協議をし、統一化についての御努力をされたのか、これをお尋ねする次第であります。  同時に、時間の関係がありますから幾つか並べてお尋ねをしておきます。  溶接の検定資格というのは現在十を超えているわけです。その内容も異なりまして、また、各省がばらばらに所管をしていて、そういう現状でありますから、全国で約三十万人とも言われる溶接技術者というのは、各種の資格をとるために試験を繰り返している、こういうような現状であって、その費用も膨大なものになっているわけなんです。また、就業関係にも非常な影響が出ているわけなんです。このような不合理や非効率というものは早急に改善すべきではないか、こういうふうに考えるんです。昨年七月の行政改革第一次答中でも、「行政の合理化、効率化」「機構及び事務・事業の見直し」、これをうたっているんです。溶接検定資格の統一化に当たっての問題点は、私は、ずっと数年間提起をし、統一してくださいという要請もしながらきているんですが、一体どこにこれが統一できないネックといいますか、問題があるのか。これははっきり各省庁で出し合って、私は、これらもう数年かかっているわけでありますから、統一化についてのひとつ具体的な推進をぜひ図っていただきたい。  同時に、通産大臣もお見えでありますから、先般の私の九十一国会における当時の佐々木大臣からもお答えいただいているように、安倍大臣にもこうした当面する緊急課題でもありますから、具体的にこれを推進していく、前向きにお取り組みをいただきたい、これを要請し、しかも、いままで私が指摘してきた点についてはひとつ具体的にお答えをいただきたい。  残った問題について、きょう労働省からも関係省庁からもたくさん来ていらっしゃいますけれども、あとわずかな時間でありますから、十分な質疑ができないかと思います。できない部分については、また機会を改めてただしていきたい、このように思いますので、いま申し上げました点、それから要請申し上げました点、大臣からもひとつ所見を伺いたい、こういうふうに思っております。

石坂誠一工業技術院長

○政府委員(石坂誠一君) まず第一点でございますが、昭和五十五年の十一月に労働、運輸、通産の三省連絡会議を開きまして、この溶接に関する各制度の実態等につきまして、情報、意見交換を行ったわけでございます。ただ残念ながら、どうもその各制度の目的とか技術的なレベルの相違とかいう問題がございまして、そのときに必ずしも統一化の方向について合意が得られなかったというように私は報告を受けておるわけでございます。しかし、このままではいけませんので、今後とも大いに検討していこうという空気であったように聞いております。  それから第二点でございますが、私、たまたま工業技術院でございますけれども、工業技術院の関係におきましては社団法人日本溶接協会というのがございまして、これが自主的な事業としてこの基本的なレベルの溶接技能検定を行っております。これは一例でございますが、御指摘のとおり、十ぐらいの検定資格といいますか、試験制度がございます。そういうことでございまして、先生御指摘のように技能検定制度をどうやって統一するかということは非常に大きな問題だと思うのでございますが、どうも問題点はやはり技術的なレベルの違いということと、先ほど申しましたように目的の違いというようなことが一つと、それからそれぞれが法律を持っておりまして、その法律に従っていわば強制的な意味での何というか義務が課せられておるというようなことが一つあるかと思います。御案内のとおり私どもの日本工業規格に関しましてはこれはほかと違いまして、強制法規ではございませんので、立場はちょっと違いますが、一般的に申しますと、そういった問題がネックになっておるというように思うわけでございます。  今後の問題としましては、労働省の方からせんだってもお話がございましたし、協議の申し出があれば、私どもとしては十分これに対応していきたいというように考えておるわけでございます。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま院長が答弁いたしましたように、御指摘もあることでございますし、いろいろ問題があるわけですが、この技術検定制度の統一化につきましては、労働省からの協議の申し入れがあれば今後十分相談してまいりたいと考えます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 最後にせっかく労働省が来ているんですから労働省に確認をしたいのですけれども、いま大臣からも工業技術院からも御答弁をいただきました。引き続きこれは政府がどこでやれというようなことをここであえて申し上げません。通産省がやるのか、運輸省がやるのか、建設省がやるのか、労働省がやるのか、それを私、特定をいたしませんから、従来労働省から呼びかけられて協議をされているというようなお話ですから、引き続きそういう窓口を労働省で持っていくならば推進化に進む、こういうことで労働省からせっかくおいでですから、確認をして、また私は大臣からせっかく推進のために統一化のためにお話しをいただきましたから、それを了として最後ですけれども確認をし、労働省からはお答えをいただいて終わりたいと思うのです。  以上です。

征矢紀臣労働省職業訓練局技能検定課長

○説明員(征矢紀臣君) ただいまの先生のお話でございますが、ただいまもございましたように、各法律に基づきまして目的がそれぞれ違っている状況の中で、検定制度が行われているということで問題点が幾つかございますが、いずれにいたしましてもそういう問題点がどの辺にあるか等を含めまして、今後さらに引き続き検討いたしたいというふうに考えています。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私は予算に関連をいたしまして、実は三点ほど用意をいたしておったわけでありますが、時間が何分にもございません。これは理事会の協議になるわけでありますが、あす経企庁の時間の中でお許しをいただければまた通産大臣においでをいただきまして、ひとつ御協力をいただきたいということについて冒頭お願いを申し上げておきたい、こう思います。  そこで、きのうは石炭合理化法案をこの委員会が処理をいたしまして、わが方の対馬委員は石炭に大変展望ある質問をしたのでありますけれども、私は水力発電問題についてひとつ重点的に質問をしていきたい、こう思います。  本来であれば数次にわたるとこう言ってもいいと思うのでありますが、特徴的には二次とこう言われております石油危機に発しましたエネルギー問題の見直し、私は当然だろうと思うのでありますが、いや大変だというときにはいろいろ発想いたしまして、対策も考慮され、しかも、その中でも具体的に着手したものもあるわけでありますが、しかし、最近の傾向といたしましては、中近東の石油問題等も影響いたしまして、幾らか観念上も実態的にも緩んでまいりまして、何かしら後ろ向きの話になりがちである。しかも、それはあくまでも経済性の問題、これは当然重視をしなくてはならぬわけでありますけれども、まさに至近的な立場で物を判断して、そしてこの対策をずっと立ててきた傾向というものがあったのではないかという気がいたします。言ってみれば、戦後の復興は石炭が主であった。黒いダイヤと言って、炭鉱労働者もかなりたくさんおりましたし、ここに阿具根先生おりますけれども、とにかく同じ労働問題の話をするにしても、炭鉱労働組合の力には何としてもこれは頭を屈っさざるを得なかったという時期さえ実はあったと思うのですね。油が安いからといって油へ転換をしていった。油が高くなったからといって今度は石炭にせよというような話。とにかく同じ設備投資でも重複して投資されるという傾向というのがあるわけでありますから、あくまでも長期、それは単に原発をつくればこれは減価償却は十五年かそこららしいけれども、耐用年数は三十年とかというような話もありますけれども、そういう短期的な見方ではなくて、まさに長期的、地球的な規模で物を考えて、いわゆるその時点時点における政治の力、財政力を投下して、そして、安定的に推移させるという英知を働かせない限り、私は問題の根本的な解決にはなるまい、こういう立場に実は立っておるわけであります。でありますから、その立場に立って質問いたします。あるいは議論がかみ合わないことがあるかもしれませんけれども、それはそれなりに私は主張は述べてまいりたい、こう思います。  そこで、通産省が五十四年八月に策定いたしました長期エネルギー需給暫定見通しの改定作業を進めておると聞きます。そして、これは新聞に見る限りでございますからその真偽のほどはわかりませんけれども、その中では石炭や水力、地熱等の計画を少しダウンさせるのではないかというような懸念を示す新聞報道もありました。それが事実であるかどうかということと、また、その理由についてお答えをいただきます。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) いま先生からお話がございましたように、エネルギーの供給面からの政策という点はかなり長期的に考えなければいかぬということで、ただいまお話がございましたように、通産省といたしましては長期需給暫定見通しをつくりまして、その線に沿って代替エネルギーの開発導入を進めるということで五十五年十一月には石油代替エネルギー供給目標というものをつくって進めておるわけでございます。  しかしながら、最近、エネルギー需要全体について省エネルギーとか代替エネルギー開発導入が進んでまいりました過程で需要が低下傾向にあるということが一つございます。  それからさらに、それぞれの供給のエネルギー源についても状況がかなり変わってきておる、こういう段階を迎えまして、昭和五十四年につくりまして報告をいただきました長期需給暫定見通しについては改定する必要があるんじゃないかということで、昨年の五月にエネルギー対策閣僚会議でそういう方針が決まりまして、その後、総合エネルギー調査会にお願いをいたしまして、現在、その改定の審議をいただいておる段階でございます。改定作業はいま進んでおりますけれども、恐らく最終的な報告がいただけるのは四月の終わりから五月の初めということになるんではないかというふうに思います。  その中で全体のエネルギー需要が昭和六十五年度こういうことになるか。その中で石油を初め、他の代替エネルギーがどういう位置づけになるか、こういうことでいま見直しをいただいておる段階でございますので、いま御指摘のございました石炭とかLNGとか電力とか原子力とか、こういうものについての最終的な数字は固まっておりません。ですから、この段階でその数字がどうなるかというのは私の方から申し上げることはできないわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、石油需給は緩和いたしておりますが、日本の場合もエネルギー構造から見まして代替エネルギーの開発導入ということは非常に重要でございます。特にその中で石油にかわって今後のエネルギーの供給を担うということになりますと、コスト、経済性の面から言って原子力、それからさらに石炭、それからLNG、これが基本になりまして、さらにそれ以外の新エネルギー開発導入というものがあるわけでございまして、こういう点については現在、石油需給が短期的に緩んでおるということで、そのテンポを緩めるということではございません。むしろ最大限代替エネルギーの供給目標を達成すべく努力する、そういう観点で現在も見直しを行っておる段階でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いまのお答えでは、下方修正するという明確な言葉はございませんでした。  私は、いま石油にかわる新エネということでは経済性、コストを考えれば原子力であるとか石炭であるとか——水力という言葉は、言いましたか。私が聞き漏らしたら、それは再度言っていただきますけれども、しかし、いずれにいたしましても、そういう需給が緩んでいるときにこそ、いわゆる需給が逼迫するための設備投資というものを考えておかなければなるまい。したがって、短期的に国際情勢の中で多少緩んだ。それじゃ来年どうなりますか、いやそれは明確ではございませんが、現実がこうですと、こういう考え方では私は再びまた同じ轍を踏むであろうということを懸念するがゆえに、この際注文をつけておきますけれども、原発の問題は後ほど触れますけれども、とにかく、まあ原発も考えようによってはその燃料を海水からも将来はとれるんじゃないかなどというような夢を持つことは私は一向差し支えないと思いますけれども、いずれにいたしましてもウランであるとかあるいは石炭というものは有限であります。だとすれば、いわゆる長期的に無限のエネルギーというものを考えていかなければ、これは人間今後百年、千年考えた場合には、大きな間違いを起こすであろうということを考えれば、やはりそういう気の長い、われわれ世代で解決できないような話もまたして、これを着実に技術開発をして定着させていくというのが、私は本当の政治であろう、こう実は思います。したがって、いま注文をつけました、つまり答申が出る段階において、少なくとも下方修正されておりましたなどというようなことのないように厳重に私は注文をつけておきたい、こう思います。  そこで、いま経済性の話が出ましたから申し上げます。私も素人でありますから、通産省の方々に来ていただいたり、あるいは電源開発の方に来ていただいたりしていろいろと意見も聞きました。時間があればコストをここで発表しなさいという手もありますが、そんな時間がございませんから、私の考えを述べていわゆる考え方をひとつ問うという形で進めたい、こう思いますけれども、どう考えてみても原発と水力、大まかに言いまして、いまコスト計算されておる電源別のコストのモデル試算表を私もちょうだいいたしました。その数字は申し上げません。かなりやはり水力は高くなっておる。一番安いのは原発、こうなっておるんです。  しかし、私は考えると、先般、原子力委員会の廃炉専門部会が答申をいたしました廃炉に要する経費は数%から二〇%、こう言っておる。数%から二〇%ですからかなりの開きがあるなと、こう思いまするが、いろいろ廃炉の方式をうたっておるようでありまして、一番適切なのは、これは即時解体撤去ということでありますから、この二〇%というのは、これはあるいは解体撤去の場合を想定していることであろうと私なりに理解をしております。これは間違いであれば指摘をいただきたい。しかし、その計算も、何のことはない、これは日本で試算したんではなくて、まだ経験がないわけでありますから、あるいはむずかしいかもしれないが、日本で試算をしたのではなくて、外国の資料に基づいてなされたものであるという。しかし、現在の電力計算の中にはその二〇%のいわゆる廃炉費も入っておらないし、それからまた汚染廃棄物の処理費、これは永久に続くのであります、そういうものの試算も算定をされておらない、こういう説明であります。しかし、それはわずかでございまして、一円にも満たないと、こう言うんです。しかし、私は非常に不思議に思う。私の常識的な算術計算をしましても、それはバックデータがありませんから強力に主張する根拠はありませんが、いずれにいたしましてもどうも解せない。そして考えてみますと、国の原子力関係の予算というのは、これは、正直に申し上げまして、うちの方の調査室がまとめたものであります、通産省ばかりではなくて原子力に関係する各省庁の費用を全部分類をいたしまして集計したものでありますが、これがエネルギー関係だけを見ましても、原子力発電関係は二千七百三十億円になっております。これは去年より百四十億円多い。この中には原子力船であるとかあるいは安全規制であるとかというものも含まれておりますから、つまり関連ないと見られるものを私が試算いたしましても二千二百五十八億円、この数字は私の目の子でありますから、厳密に申し上げまして皆さん方の方の計算が正しくなるでしょう。しかし、いずれにしても、大まかに言ってこれだけの金があるわけです。これも言ってみれば税金を投入していわゆる原発を建設しておるのでありますから、毎年それだけの経費が原発にはかかっておるという認識に立つべきであろう、私はそう思います。  それからもう一つ考えると、まだそういう実態はないようでありますが、将来いずれにいたしましても、私は住民訴訟というものが起きてくる、必ず放射能漏れがあるわけでありますから、つまり公害といいますか、それに対する住民訴訟が起こってくる。そういう危険負担を現在の原価計算に含んでおるかどうかは知りませんけれども、そういう問題も考えてみますと、これはかなり高いものになるであろうという想定ができる。したがって、そういうものも含めて改めて原価計算をする必要がある、こう私は思いますが、所見を伺いたいと思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) いま先生からお話がございまして、原子力発電は安いと言うけれども、必ずしもそうではないのじゃないかというお話でございます。  まあ私どもは原子力発電その他の原価計算いろいろやっておりますけれども、これは具体的な発電所によってコストは相当違うわけですので個別に比較はできませんので、一応まあモデルケースということで計算をいたしましたのが、私どもが一般的に申し上げます原子力は大体十一、二円というのに対して、先ほどお話しの水力は十八、九円、それから石油火力は十九円から二十円、石炭火力は十四、五円というそういうお話を申し上げておるわけでございますが、確かにその中に御指摘のございましたように、廃炉費用とかそれから廃棄物の最終処分費が実は入っておらないわけでございます。この間廃炉の問題に関しましては原子力委員会でも一応の検討が行われ、私どもも従来からその検討は進めておるわけでございますが、この費用が幾らにつくかという点については、確かに先生御指摘のようにいまの段階で幾らということを申し上げることはなかなかむずかしいわけでございます。  ただ、すでに廃炉につきましても技術は確立しておりますし、もう諸外国を含めいろいろ具体的に廃炉をいたした経験もございます。そういうことで一応の費用ははじけるわけですが、先ほど先生から最大限二割じゃないかというお話がございましたが、この二割というのは建設費に対する二割ということでございまして、現在の原価計算その他から考えますと、どう高く見積もっても私どもとしては、現在私どもが原価計算しているものの一割以下にはおさまるんではないかというふうに思っています。  ただ廃炉につきましては、今後ともできるだけ安全にしかもコストを安く廃炉をしていく。まあ廃炉をするに当たりましては、遮断管理、密閉管理をしながらそこを最終的には廃棄いたしまして、それを再利用するということまで日本の場合は考えるのが適当でございますので、そういう観点に立ちまして、安全にコストを安く廃炉の措置をするための研究開発実証試験、こういうものは今後とも進めていこう、こういうことで、原子力につきましてはできるだけ低コストでなおかつ安定的に、しかも一般周辺住民その他から見て安全の問題に気を配って今後とも原子力の推進を実は進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。  先ほどさらにこういう廃炉とか最終廃棄物の費用以外に原子力では相当の研究開発費を含めた予算計上が行われているんじゃないか、また、将来いろいろ災害が起こった場合の費用を考えると、原子力発電というのは必ずしも安いわけじゃないのじゃないかという御指摘でございますけれども、原子力関係というのは、今後もたとえば新型転換炉の問題それから高速増殖炉の問題、さらにはもっと試験研究費としては核融合の問題というようなことで、相当の研究開発費を投じていることは事実でございますが、これは現在の軽水炉をベースにやっております発電コストに本来入れるべきものではなくて、将来の私どものエネルギー問題を解決するための研究開発費ということでございますので、それはその段階でまたコスト問題として考えるべきで、いまその関連のRアンドD費用を現在の原子力費用に計上するのは必ずしも適当ではないのじゃないかという気がいたします。  なお、今後安全の問題から周辺住民に与えるいろいろの心配に、十分その点についてこたえていくという面については、私ども十分検討いたしまして、一般国民から十分理解されて原子力発電が今後とも円滑に進められるように努力いたしていきたいと、かように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いろいろと中身についても議論してみたいと思いますけれども、まあそれはそれにしておきますが、あくまでも経済性という話でございます、コストの問題。私企業としては、これは当然です、建造物、管理費、これは当然です。しかし私はこのエネルギー問題、つまり国がかなりの金を投入しておるんだから、国民の目から見るならば、それもやはり投資の経費であるから、それも原価計算に入れなさい、こういう主張です。これは、何だ、間違った考え方であると言われてもいいのですよ。しかし私はそう考えた方がきわめて素直であろうと、こう実は思います。  それから水力発電の問題ですが、これもいま一キロワット幾らだなどという計算を、ここで高い安いを言うつもりはありません。つまりこれもまたダムあるいは発電機あるいは管理費、そういうまさに規模の狭い範囲の、われわれから言えばですよ、これは企業ですから、それが土台になるのはあたりまえですけれども、しかし水力というのはじゃ一体何だろう。この水力発電ができました際には、ダムが決壊したらどうだという不安感というのはかなりありました。しかし安全強度についてもかなりの研究がなされてきておりますから、最近では下流域の住民だってそう不安感を持つということはなくなったように思います。そうしてみますと、これは一度施設をつくれば、修理にかなり金がかかるんですよという説明もありますが、いずれにしろ三十年、四十年これは使えるわけですね。そのときのいわゆるコストというのは、実際どうなんだろう、単にいわゆる会計法上の、会計法上といいますか、経理の面のいわゆる減価償却の年数は何ぼでございますからコストは幾らにつきますという、そういう単純な計算ではなくて。そうすると非常に、これはゼロにはなりません、何ほど一応分解してみてもこれは全くゼロにはならないわけでしょう、微分・積分学上といえども、これはならないわけですから、ゼロにはならないけれども非常に安いものになる。このことだけはだれも認めざるを得ないわけです。そしていわゆるダムというのはどういう社会的機能を果たしておるかということについても考えてほしい。つまり水の問題は重要であります。本当に重要だと思いますね。これは生活用水あるいは工業用水、もちろんエネルギー源にもなる。そして水の保続性が緑の山を美しくしておる。森林の持つ機能というのは、これは林野庁が計算をいたしておりますけれども、かなり公益的に見て高い価値を持っておる。こういう関連を全部計算をしますと、とにかく、なるほどそこにダムをつくるということは、いま高いかもしれないけれども、しかし将来展望、日本の国土を考え、自然環境を守り国民の生活の将来を考えてみるとするならばきわめてこれは安いものではなかろうか、こう実は思います。そこで、そういうものも計算をして考えるとすれば、五十二、三年ごろ第二次石油危機がありまして、みんな大立ち回りをして、そしてこれは大変だということで水力にも対策を立てて予算もつけ始めた。これはよろしいんです。そして五十七年度の対策も見ました。項目別にはかなりの前進を示していると私も認めます。  そこで提案ですが、これまた原発の問題と同じでありますが、原発はマイナス要素、不安全というのもありますしね。それからまた、廃炉の問題あるいは汚染物質の処理の問題ずっと残されておりますし、これはマイナスの要素がかなりたくさんある。水力はダム建造、あるいは落差が少なくなるからかなりの流量でも新しい発電技術が開発される可能性もある。こういうことを考えてみまして、社会的、公益的付加価値というものを考えてみるならばプラス要素があるわけです。マイナスとプラスになるわけですね。この理屈だけは否定しようがないと思いますよ。したがって、そういう立場で何か一つ試算をしてみたならば、いわゆる国民的な経済性というものの結論が出るのではないか、こう実は考えるわけでございまして、それをひとつおやりになる用意、用意というよりもやっていただきたいと思いますが、これは通産大臣いかがでございますか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) いま先生からお話ございましたように、水力というのはいろいろの意味でメリットがあるわけでございまして、特にこれは純粋な国産エネルギーでございますし、先ほどの治水、利水その他の面から見ましても非常に大事な問題でございますので、そういう観点から初度投資といいますか、初度のコストは非常に高いわけですが、さらにこれが減価償却の範囲を超えて将来も利用されるというようなことを考えますと、確かに全体的に見て水力開発というのは進める必要があるというふうに思っております。    〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕  こういうことで、先ほどの原価計算ということになりますとなかなかむずかしいわけですが、最近時点における水力の発電地点というのはどうしても小規模になりますので、当初の発電コストが非常に高くつくということで、これを賄うために私どもとしても小規模水力につきましては初期段階での補助金助成、建設のための助成をいたしておりますし、それから、水力発電機その他につきましては改良、さらに開発のためのいろいろ助成もいたしております。さらにそういう水力の立地地点につきましても、当然のことながら立地振興のためのいろいろの施策を講ずる。こういういろいろ施策を講じまして、水力についてはできるだけ開発を促進するということで、石油代替エネルギーの開発目標の中でも昭和六十五年度に一般水力で二千六百万キロワットということで、現在から見ますと七百万キロワットを昭和六十五年度までに開発するという目標を立てまして、それに向かっていろいろの努力をいたしておるわけでございます。こういうことで、水力の多面的な利用価値、それからエネルギーとしての重要性、これは私どもも十分認識をいたして今後とも開発を進めていきたいというふうに思っております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどからお話しのように、いま世界的に石油の需給というのは緩んでおるわけですけれども、こういうときにやはりわが国は代替エネルギーを大きく推進していかなければならぬ。代替エネルギー、特に力を入れなければならぬのは国産エネルギーだと思うのです。そういう意味で一つの水力という問題も提起されたわけなんですが、いまエネルギー庁長官が申し上げましたように、戦後は非常に大きな投資を行ったわけでございます。これがいまの水力電力の中心になっておるわけですが、あと残された地点が非常に少ない、残された地点が小さくなっている、こういうこともあって、先ほどのお話のように、やはり経済性が相対的に割り高になっておる、こういう面はあるとは思うわけですけれども、しかし今後やはり水力発電をできるだけひとつ進めていくためにいろいろと開発予算につきましても努力をしていかなきゃならぬと思います。あるいは技術の開発等も行っていかなきゃならぬ。そして、いま長期見通しのあるような線にこれを何としても持っていくということでこれからもそれなりの力を入れていかなければならぬ課題である、こういうふうに私も認識しております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そこで、先ほどの質問の結論というのは、つまりそういう付加価値も含めて、いわゆる経済性を計測してみる気があるかないか、というよりもやってもらいたい、やってみてはどうか、こういうことですから、そのお答えはひとついただきたいと思います。  同時に、いま大臣の答弁でまことに結構でございます。そうであればと、こう言いたいのでありますが、なるほどこの対策要綱を見ますと、それぞれになるほど去年よりは前進していろいろ細かい配慮もあるなという——問題は規模と幅ですね。額の問題です、はっきり言えば。言ってみれば国の予算、これも頼んで試算してもらったわけですから、あるいはおたくの方と突き合わせると額が違うということになるかもしれません。しかし、エネルギー関係予算は五十七年度九千六百四十一億です。これは、そうだかそうでないかという議論じゃございませんから、間違えば後で御指摘いただければ結構でございますが、そして水力発電の費用は、立地周辺地域の対策費を除きますと、わずかに五十二億円です。だから、包蔵水力調査もしてある程度のめどが立って、そしてそれをひとつ着手していこうと、恐らくある程度の計画がなければならない。その計画についても聞きたいと思いますが、きょうは時間もありませんからそれは後日に回しますけれども、いずれにいたしましても、やりますというのは結構でございますが、こちょこちょとやって何かしらお茶を濁しているというような感じきり私には受け取れない。でありますから、結局付加価値というのは、つまり先ほど申し上げましたような水の多目的利用、社会的、公益的機能、この価値というものに対しては国が保障していくのは当然であるわけでありますから、そういえば確かに助成は五十五年から始まりまして、五%、一〇%、一五%、そしてことしからは特別な助成もいたしまして、聞きます限りかなり困難な地域には五%、つまり対象地域の三分の一だけ五%上積みするというようなことまで、なかなか細かい芸当をやっている。これは感心するわけですが、いずれにいたしましても、これでは余りにも小幅過ぎる。包蔵水力は幾らあるのだと、早くひとつ活用しよう、活用することの方が地域住民のためにもなるし、またこれは時間がないから次の質問言わざるを得ないのでありますが、九電力に景気対策のために設備投資を要請したと、こういう話であります、新聞を見る限り。それも結構でございましょうが、そればかりじゃなくて、つまり全国的に、水のないところもあるかもしれませんが、全県に数カ所かこれをしてやった方がむしろ普遍的な景気対策に私はなると、こう思いますよ。そういうことから考えてみると、五十二億というのは余りにも小ばかにした数字だと。観念するところはまことに結構であります。方向もまずいいでしょう。いいですが、実際やるのはこんな、子供だましと言っちゃ失礼でございますが、余りにも小ばかにしているんじゃないかということになりはせぬか。もっとも、これはうちでやりたいからひとつ頼みますというところがなければ、押しつけるということもなかなか容易じゃないでありましょうが、そこでこれをひとつ五十七年度見直してもらいたい。  冒頭の、いわゆる目の流用について申し上げましたのは、それにも意味があるわけでありますが、とにかく宣伝をする、事業主体は、これは多角化しなければならぬという発想のようでありまして、これも結構であります。公営水力発電所、大いに結構であります。ことしは二ヵ所ですよというようなことじゃなくて、五ヵ所になるかもしれない、条件整備がされたらば。そのときに目の流用なんというのは当然あるものだと理解するわけでありますが、つまり今後額の問題をどう考えるかということと、いま目の流用についても、この年度内においても当然そういう条件整備されたならばこれは行いますよという点についてお答えをいただきたい、こう思います。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) まず、先生からお尋ねの第一点の、水力その他関連の発電コストについて総合的、かつ長期的な面から検討をしたらどうかというお話でございますが、これはなかなかいろいろ何を入れるかどうかということで、要素の入れ方その他非常にむずかしい点がございますけれども、これは一度勉強はいたしてみたいというふうに思っております。  それから水力開発につきまして、私どもいろいろ考えている政府の助成がなまぬるいではないかというお話でございますけれども、現在行われております小規模の水力開発につきましては公営企業という形で行われる場合が非常に多いわけでございますが、そういう面からのいろんな要望に対しては、私どもとしても五十七年度予算でそれにおこたえするための対策を講じたというふうに思っております。ただ、いずれにいたしましても、最近時点におきましては水力開発地点という点を十分調査し、そのフィージビリティーの調査をやるということがまずもって大事だということでございまして、昭和五十五年度から私どもも四ヵ年計画で第五次包蔵水力調査をやっておりまして、それがまた中間段階でございますが、中間的には、大体千三百万キロワットぐらいの包蔵水力がまだある、その開発が今後可能ではないかということで、五十七年度からは単に図上の計画だけではなくて、具体的な各地点につきまして地形とか、地質とか、環境調査とか、そういう意味での発電計画というふうな非常に詳細な検討を行うということにいたしておるわけでございますが、こういうものをまずベースにいたしまして、それを計画的に電源開発の線に乗せ、必要な対策は今後とも講じていく、こういうことで、水力の開発については今後とも最大限の努力をいたしていきたいというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私の予定されました時間は間もないのですが、理事の私がこういうことを申し上げて恐縮でございますが、あすの私の持ち時間を少し削って、お許しをいただいて、次の問題に入ります。  ずっと予算書を見ますと、民間輸送機開発費というのがございます。これはわずかな時間でございますから余り込み入った質問もできませんが、そのYX、YXXの開発の現状、これをまず御説明をいただきたい、こう思います。

豊島格通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(豊島格君) YXにつきましては、御承知のように日米伊三国で共同開発事業をしておるわけでございまして、すでに試作機はできまして、五十七年度大体七月ごろまでに型式証明をとるということで、その後量産体制に入っていくということでございます。したがいまして、現在財団法人民間輸送機開発協会で開発を続けておるわけですが、五十七年度においてはわずか四億円程度の予算が計上されておりますが、これは型式承認をとるためのものでございまして、事業のほとんどはもう終期を迎えておるということでございます。  それから、YXXでございますが、これも先生御承知のように、百五十席クラスの新型双発ジェト旅客機の開発でございまして、これにつきましては、将来国際共同開発ということをすることを前提にいたしまして、独自の予備設計といいますか、構想を五十六年度において練っておるわけでございますが、五十七年度におきましては国際共同開発のための予備設計ということをどこかパートナーを見つけてそれとやるということでございまして、現在この種の飛行機につきましては大体、ボーイング、それからダグラスとか、それからヨーロッパではエアバス・インダストリー、この三社が構想を持っておるわけですが、現在とのパートナーといいますか、会社と組むかということは目下検討中である、交渉中であると、こういうことでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私は、飛行機は全くこれ、乗ったことはありますが、技術的にもいろいろな面の知識はまるっきりだめであります。がしかし、どうも新聞で見るとか、毎年の予算を見る限りは、と同時にまた、航空機の最大メーカーといいますか、国際的に見て日本が太刀打ちできるんであろうかというようなことも素人なりに懸念をいたします。だから、実際に本気で取り組む気なのか、どうもわれわれ見ている限りは、何かこう、やらねばならぬからある程度あっちつなぎこっちつなぎしてわさらわさらとやっている、大変失礼な表現でございますが、その程度にきり映らないのですね。だから、どっちの方向を実は政策としては向いて、しかもどれだけやろうとしておるのかということが肝心だと、こう私は思います。したがって、これは大臣でもどなたでも結構でございますが、きちっとひとつしてもらいたい。そのきちっとするかしないかによって一つ方向も変わるし、金も変わるし、体制をつくることについても変わってくるわけです。体制をつくることについてもわれわれ物を言わなくてはならぬということになるかもしれません。その点をひとつきちっとやってもらいたい。  それから、YXはすでにこれは型式許可を取れれば量産体制に入ると、こういうことでありますね。量産体制に入る場合に、現在の日本航空機製造株式会社ですか、そこではできないのですか。技術水準が下だとか、それだけの人がいませんとか、何を言ってもいいですよ。とにかくせっかく法律でつくった会社でありますから、これを活用するという前提に立ってこそ私はまさに世間から褒められる政策だというふうに思います。その点ひとつ明確に言ってください。

豊島格通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(豊島格君) 第一の、通産省の航空機開発行政、本当にどういう態度といいますか、立場で、姿勢で取り組んでいるかというのが先生の御質問だと思います。  先生御指摘のように、民間の航空機につきましては、いわば国際商品でございまして、その八割は大体アメリカのボーイング、ダグラスといいますか、アメリカがつくっておる。それからあと残りも、ヨーロッパで一社、エアバス・インダストリー、これは国際的な共同事業ですが。大きなジェット機は大体そういう分野になっております。エンジンにつきましても、御承知のようにロールスロイスあるいはプラット・アンド・ホイットニー、あるいはゼネラル・エレクトリック、これに若干ヨーロッパの国策会社もございますが、大体そういう分布になっておる。そういう中で日本はどういう態度をとるかということでございますが、御承知のように飛行機は典型的な知識集約産業でございまして、波及効果が非常に大きいということで、これに取り組んでいくということは、日本の今後の技術立国としてこういう先端の技術分野に取り組んでいくことは非常に大事なことである。将来日本の経済ないし産業の命運を制するようなものである、こういう考え方でおるわけであります。  しかし、いま申し上げたような実態でございますので、日本の航空機開発につきましては、こういう国際的なメーカーとの協力関係をつくって、これに日本にある航空機会社が力を結集して取り組んでいくと、こういうことを考えておるわけでございまして、この取り組み方は、将来何とか日本の航空機工業も一本立ちになっていくということを目指しておるわけでございまして、そのために提携する場合にはどういうことを考えるかと言いますと、最初の開発段階の基本的な設計、構想から入って、さらに販売あるいはその後のアフターケアまで含めた一貫した全分野について参加していくと、フルパートナーシップでやっていくと、こういうことを考えて現在交渉をしておるわけであります。そういう国際協力を通じまして技術を身につけるということになりますと、一九八六年から七年、その程度を、現在開発しようとするYXXにつきましてはそのところをねらっておるわけであります。それが完成した時点におきましては、われわれとしては日本の航空機工業、まあアメリカまで一挙にいくかどうかは別として、ヨーロッパ並みの力をつけるということを目標にしていっておるわけでありまして、そういう意気込みでやっておる、また、そういう計画でいろいろ予算も考えているし、あるいは提携の方法も考えておるし、業界も指導していくと、こういうことでございます。  それから第二の点でございまして、YXが量産体制に入る、これは日本航空機製造を使えないかということでございますが、日本航空機製造は、御承知のようにYS11という当時としては非常に進んだ飛行機を開発したわけでございます。それなりに評価を受けたわけですが、この大型をやるだけの力は必ずしもないということでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申しましたような考え方といいますか、今後の日本の航空機工業育成の考え方に基づいてどういう体制でやるかということにつきましては、航空機・機械工業審議会でいろいろと御検討をいただきまして、一つの方向が五十五年に中間答申として出され、さらに昨年の八月でございますか、本答申として出されておるわけですが、そこで申しておりますことは、要するに今後の日本の航空機産業というのは、民間のバイタリティーを活用してやっていくんだと、こういうことでございまして、したがって従来とは若干違った考え方でございますが、民間のバイタリティーを活用していくと。しかし、いずれにいたしましても開発段階というところではリスクも大きいし、あるいは資金も非常にかかるということで、これはヨーロッパでも非常に国が助成をしておるところでございまして、わが国の場合もこの開発段階については国が一定の負担をするということでこれをやっていこう、しかし、製造段階あるいは販売段階になりますと、これは民間だけでやっていく、こういう考え方で今後の航空機工業の振興を図っていきたいと、こういう考え方でおります。したがいまして、YXにつきましても原則として量産体制は民間の手で行うということでございまして、ただ共同事業でございまして、対外的な折衝その他もございますので、その窓口としての共同会社というものはいずれつくらなくちゃいけないわけでございますが、それは組織も非常に簡素なもので、必要最小限のものになろうかと、このように考えておる次第でございます。  なお、日本航空機製造でYS11をつくりまして、その後もプロダクトサポートその地やっておるわけですが、そこに蓄積されました技術あるいはノーハウというものはそこに働いておられる方々が持っておるわけでございます。これにつきましては、今後民間の航空機分野において大いに生かされる、今後の開発に生かされる、あるいは共同開発する場合のたとえば開発プロジェクトを、まあ公益法人であればその中でも生かされる、あるいは共同製作の中でも生かされる。そのようなかっこうで、新しい体制の中で生かしていく方向で進める、こういう考え方でおります。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まだ移行するのかしないのかという質問はいたしておらないのでありますが、いまの答弁の最後の部分ではこれは移行せざるを得ないような——私が聞いているのは、いまの会社で技術はあるんだ、それを今度別なところで生かすんだ、こう言うのだったらばいまの会社を生かせないかと、こう言っているわけですね。その答弁をひとつもらえばいいです。  それから、もう時間もございませんから申し上げますが、まあこの日航製造KKの労働組合との話は何らまだ行われておらないと、こう聞いております。解散反対と言うからには恐らく私なんかよりもこれ業界の内容もいろいろ知っておりましょうし、また自信があるんじゃないかと、こう思いますが、いわゆるYX、まあ百十一機とかもうすでに受注している、こういうことでありますから、型式承認を受ければこれは量産体制に入るという、これはできるんだという自信を持っているんじゃないかと思うのですね。むしろ、そこでやらせるように工夫するのが私は一番いいことじゃないかと、こう思いますよ、率直に言って。それはここでは議論は後送りにいたします。  いずれにいたしましても、要望しておきますのは、つまりこの種問題は常に問題になるわけでありますけれども、とにかく労使の問題が解決しなければやはり無理してやっちゃいかぬ。移行なら移行ということですね。移行措置に関する内容はどうなんだという質問は私はいたしてみたいとは思いますが、きょうはやめます。やめますし、まだそこまでできません。つまり、日本航空機製造株式会社でやれるのかやれないのかという、これはやれませんと、はっきり、しかじかの理由で、ということであればこれは私はもう了承せざるを得ない、それが了解できれば。まだそこまでいっていませんから、移行措置についてはこれはいま何も申し上げません。上げませんが、いずれにいたしましても労使の問題が整理をされない限りは無理しちゃいかぬ、こう実は考えるし、また要望もいたしますが、そのようにひとつやつていただきたい、こう思います。いかがですか。

豊島格通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(豊島格君) 先生、最初の問題は、やれるのかやれないかということでございますが、御承知のように、簡単に申し上げますが、四十年半ばまで生産をやっておったわけですが、生産事業をその後やめてしまったわけですね。それで日航製としてはその後プロダクトサポートと言うんですか、部品の供給その他をやる。それからあと債権の取り立てということをやっておりまして、新しい会社、新しい航空機の技術というものはその土台にはなりますけれども、そのものではない。しかも航空機製造会社そのものほかってでも別にそこで製造をやっていたわけじゃなくて、製造の一つの窓口といいますか、共同会社としてあったわけでございまして、製造そのものを航空機製造会社でやる、こういう筋合いのものではないと思います。いずれにしても製造に直接携わるのは各機体メーカー、こういうことになろうかと思います。  それから第二の点でございますが、この点につきましては、現在問題となっておりますのは、御承知のように民間輸送機開発協会にYXの開発のために出向しておられた日航製の職員が、仕事がなくなったので日航製に復帰するという問題につきまして話し合いがつかないということだと思いますが、会社側もこれに対しまして都労委に調停を依頼しまして、その調停が月曜日でございますか、たしかつい最近出たわけでございまして、そういうことで今後いろいろ労使の間で話し合いが続けられる、正常に続けられることになったと、このように了解しておりまして、われわれとしては、その話し合いといいますか、それを見守っていきたい、こういうふうに思っているわけであります。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあちょこらちょこら聞きにくいところもございました。だけど大意は、まあ承知しましたという、そういう意味じゃございませんで、大意は了解しておる、こういう意味でございますが、いずれにいたしましてもこの問題は細かに詰める段階がなくちゃならぬ、こう思います。委員会でやるばかりが能じゃございませんから、来ていただいていろいろ詰めたいこともこれはありますが、いずれにいたしましても無理はしちゃいかぬと、このことだけは厳重に申し上げておきたい、こう思います。これで私の質問は終わります。

金丸三郎自由民主党

○金丸三郎君 それでは通産大臣を主にいたしまして、まず景気の見通し並びに景気対策等についてお伺いいたしたいと思います。  一昨年から経済同友会の関係の方でございますとか、あるいは経営者協会とか、あるいは商工会とか、金融関係の方々とか、いろいろ経済の問題について話をいたしておりますけれども、一昨年来私は非常に景気が悪くなっておるということを痛感しております。中には戦後、今度のようにとめどもない不況感に襲われておることは初めてだと、泥沼にずんずん体が入っていきまして、足が一向底につくという感じがしないと、こう言われる経営者までございます。どうも私は専門家でもございませんけれども、世界的に経済が氷河期に入ってしまったんじゃないか、あるいは入っていくんじゃないかとすら感じます。どこを見ましてもなかなか経済がよくなるような兆しもございません。しかも、失業が多くなって社会保障費がふえる、国の財政は悪くなる、かたがたいろいろ内乱が起こりましたり、大きな国が侵入してきて不安が起こっておる。政治的な不安、社会的な不安、経済的な不安、これが世界じゅうに起こってこういうような状態になってきたのかなと、実はそういう感じがしておるわけでございます。  その中で、わが国は比較的にいいわけでございますが、今後のわが国の経済がおよそどういうふうになっていくと見ておいでになりますのか、先行きの展望についてお伺いをいたしたいと思います。これが第一点でございます。  第二点は、五十七年度の問題といたしまして、五十七年度の経済成長率は申すまでもなく五・二%ということになっておるわけで、うち四・四%が内需に期待すると申しますか、ということになっております。内需に期待すると申しますと、建設省もあれば、あるいは農水省もある、運輸省もある、決して通産省だけの守備範囲ではございませんけれども、経済企画庁が五・二、四・四という目標を立てるのにつきましては、恐らく通産省にも意見を求めるといいましょうか、があったのではなかろうかと私は思います。これを立てる際の通産省のお考えが一つ。  もう一つは、四・四%の内需について通産省の守備範囲ではどういうことを考えていらっしゃるのか、これをお伺いしたいわけでございます。  それから、これに関連いたしまして、経営者と話をいたしてみますというと、某新聞にも出ておりました。五十七年度の経済成長率について、百人の会社の社長にアンケートをとったところが五%台という意見の人がわずか五人、残りは三%ないし四%台というアンケートを見た記憶がございます。私が経営者と話をいたしてみますと、自分たちとしては三%なら三%で結構だと。そのもとで企業の経営をやっていく方がやりやすいと言いましょうか、こういう意見でございました。私は五%になりますと、日本では失業が起こるからよくないのだという専門家の意見を聞いたことがございます。いまここでその是非を論ずる気持ちで申し上げておるわけじゃございませんけれども、将来の日本の経済成長のあり方として、また世界の現状から考えまして一体五%というのが可能なのかどうか。私は国民全体が安心するためにももっと妥当な経済成長を目指すようなことを予算編成とは切り離して考えていくべきではなかろうかと、実はそういうような考えを持っておるのでございます。この点についてどのようなふうに大臣お考えでいらっしゃいますか、お伺いをいたしたいと思います。  ついでにもう一つお伺いをいたします。これは五十七年度の景気対策として公共事業の前倒しをやろう、八〇%程度やろうということが閣議で話題になったのでございましょうか。そういう報道がございました。昨年も前倒しをやろうということがございました。私が五月ごろになりまして、国の出先機関が実際に発注をしておるか、府県が入札にでも出しておるか調べてみますとほとんどやっておりません。私は八〇%という無理なやり方よりも、七〇%でいいからなだらかにやって早く設計書をつくって入札をさせる、そして梅雨の前に工事に着工ができるようにして、全体の景気を刺激する方がいいんじゃないか、これは大臣の御所管じゃないかもわかりませんけれども、私は景気対策としてせっかく前倒しをやられるんであれば、来年度の目ぼしい景気対策としては住宅政策と地方の単独事業債の八・五%増ぐらいのものじゃなかろうかという感じがするのであります。その予算をうまく使って景気を刺激しようとするのならば、もっと有効に国も予算を使い、民間に仕事をさせるということに配意をしていっていただくべきではなかろうか、こういうような感じがしておるわけでございます。  以上、一応お伺いをいたします。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国の経済は御承知のように、この十月−十二月の経済指標を見ますとマイナス成長ということになりまして、これはまさに予想を裏切ったような状況でございますが、これは五十六年度が内需がずっと不振できておりまして、さらに十月−十二月にかけて外需までが、それまでは外需によって支えられておったのが外需までが停滞をしたと、こういうことからマイナス成長になったと思うわけでございまして、この状況で五十六年度はもうすでに終わったわけでございます。一−三月が六月ごろに出るわけでありますが、もうすでに終わったわけでありますが、私は、全体的に五十六年度の情勢を見ると、四・七%から下方修正をして、四・一%は何とか実質成長ができるだろうと、こういうふうに政府として見通しを立て直したんですが、十−十二月の状況、そして引き続いての一−三月の情勢から見ますと、とうてい四・一%は不可能であろう、いまの状態でいけばこれは経企庁も言っておりますが、三%前後というところ、むしろ三%を切るんじゃないか、こういう心配をいたしておるわけでございます。これはいろいろなところに深刻な影響が出てくる。そして特に五十七年度五・二%という見通しを立てたその見通しの土台がこの五十六年度になるわけですから、五・二%の実質成長を確保するという上においても大変深刻な問題が出てくるのじゃないかと思うわけでございます。このままの姿でいけば、五・二%というものはこれもまた非常にむずかしい状態になってくるんじゃないか、こういうふうに危惧をしておるわけでございますが、五・二%の成長を打ち出したときは、これは経済企画庁を中心にしてはじき出した見通しなんですが、五十六年度が要するに四・一%は間違いなしにあるであろうと、こういう一つの前提のもとに、世界情勢、経済情勢も好転をする、アメリカのいまの経済政策が功を奏して、後半には景気もよくなってくる、そしてまた内需の振興に相当力を入れれば五・二%は間違いない、こういうことで見通しを立てたわけですが、五十六年度がそういう状況ですから、よほどのことをやらないと五・二%はむずかしくなってきておるわけでございます。  そこで、いま政府としては、予算の成立を契機として、これから景気対策にやはり力を注いでいかなきゃならぬ。その一つの方法は公共事業の前倒してございます。これは、八〇%ということは閣議で決めたわけじゃなくて、自民党が八〇%以上ということで、実は閣議の方では七五%以上ということを決めたわけでございます。七五%にするのか七七%にするのか、これから決めていくわけでございますが、かつて昭和五十一年、二年にも七六%というふうな前倒しを実行した例もありますから、私は七五%以上はやれるんじゃないかと、こういうふうに思っておるわけでございます。しかし、七五%以上を実行したときに、後半がどうなるかというまた問題にぶつかるわけで、そういうものがこれからの議論の大きな対象になる、こういうふうに考えるわけですが、いずれにしても七五%以上の前倒しは行う。  それから機動的な金融政策を行う、こういうことも決めております。最近多少は長期プライムは下げたわけでございますが、さらに景気を刺激するために金利を下げることができるかどうかということは、これはアメリカの高金利政策が続いておりますし、そういう中でそういうことができるかどうか、大変むずかしい段階ではありますけれども、できれば、金利が下がればそれだけ景気が出てくることは間違いない。その辺の金融政策をどういうふうに運営していくかということであります。  それから住宅につきましては、五十七年度予算に政府としても力を入れまして、土地減税対策であるとか、あるいはまた住宅資金の確保であるとか、いろいろ現在の予算の中で、できる限りのことを、住宅対策を目玉にしてやっておるわけですから、この住宅政策をこれから前倒しで実行して、そうして百三十万戸という新規住宅の建設が実現できるかどうかということであります。これもわれわれとしては、政府として全体の方向で取り組んでいかなきゃならぬ、こういうふうに思うわけです。  そういう中にあって通産省で何ができるかというお話ですが、これは政府全体がやはり景気対策をやるわけで、公共事業の前倒しをやり、金融の機動的運営、住宅政策を進めていくということで内需が振興してくれば、おのずから日本全体の内需に力が出てくることは間違いないのですが、われわれとしてもそうしたことをやりながら、やはり通産省は通産省なりの努力もしていかなきゃならぬ。私は、民間の活力を活用していくということが大きな課題であろうと思うのですが、実はいまは中小企業の設備投資も非常に悪いわけです。大企業は、まあまあ堅実な設備投資でありますけれども、基礎素材産業は非常に悪いわけでありますが、そういう中にあって、まず民間の設備投資を引っ張る柱としては、たとえば電力設備投資なんかがあるわけですね。これは三兆数千億あるわけですから、これなんかも、いま石油の需給関係、エネルギーの需給関係は緩んでおるわけですから、そうしてこういう景気の状況ですから、電力業界としてはどうも余り乗り気になっておらないわけですが、私は、電力業界にも強く要請をして、五十七年度はひとつ民間設備投資の旗頭になって景気を引っ張ってもらいたい、そして将来的に電力の投資を充実していくということが大事なことであるから、この際やっぱり電力の設備投資を将来的に確保するとともに、景気対策としてもひとつやってもらいたいということで要請をいたしまして、これは五十六年度に比べては五十七年度は大体一〇%ぐらい全体では伸びることになっておるわけでございます。その他ガス協会なんかにも、ガス事業の設備投資に対してもこの前も要請はしましたが、そうした民間の設備投資等をやはり大きく伸ばしていくことができればいい。しかし、これは民間の設備投資というのは、どうしても国の方の公共事業等で、少し前向きに景気がいいなと、秋には出てくるなということでなければ民間の投資は、電力なんかは別として、なかなか出てこない。中小企業なんかも相当老朽施設でありまして、もう設備の更新をしなきゃならぬ時期に来てはおるんですが、しかし中小企業は資力が弱いですから、先を見て、先に景気がよくなるということになれば一斉に設備投資に走っていくわけですが、やっぱりその機運がどうしても来ないわけですから、まず政府が主導的になって景気対策というものをやらなきゃならぬのじゃないか、こういうふうに思っております。  実は四月にも、通産省では通産局長の全国の会合をやりまして、住宅の状況がどうなっておるか、あるいはまた地方の景気の動向がどうなっておるのか、あるいは中小企業の状況はどうかということを全部指標を集めまして、われわれとして方向を打ち出して、そうして政府全体としてのこれからの経済対策にわれわれの意見を述べて、これをひとつ取り入れさせなければならないと、こういうふうに思います。  とにかく、むずかしい状況になってきまして、貿易摩擦で、貿易の方もそうなかなか伸ばすわけにはいかない、そして内需の方もいま申し上げましたように、五十六年度がそういう状況である、したがって、五十七年度にもいろいろ問題を持ち越されておる。こういうことでなかなかむずかしい情勢になってきておるわけでございます。世界から見ればまだまだいい方でございますけれども、われわれとしてはそういう中で、少なくとも物価だけは安定しておりますから、景気の方にも力を入れて、いまの物価なら大丈夫ですから、景気に少し力を入れて、五・二%というせっかくの見通しを持っておりますから、これに向かってひとつ努力をしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけです。

金丸三郎自由民主党

○金丸三郎君 次に、行政改革と景気対策の関係についてお伺いいたしたいと思います。  七月ころ臨調の本格的な答申があるのではなかろうかと、こういう予測でございます。仮に七月に答申があったといたしまして、もし法律の改正を必要といたしますならば、臨時国会が開かれるといたしましても十一月か十二月、臨時国会にもし間に合わないと来年の通常国会ということになってまいります。そうしますと、行政改革によりまして財政的な効果が五十七年度内に生まれるということは考えられないのではなかろうか、これは常識だと言ってよろしいと思います。財界では景気対策よりも行政改革が優先だと、私はその気持ちもよくわかります。命がけで減量経営をやっておって危機を切り抜けておられる人々の経験から言いますと、私はこう言われるのも無理からぬ面もあると思いますけれども、しかし一面、中小企業の人々は本当に景気対策を望んでおります。これは私はもう渇望しておると言っていいと思います。だから、行革の財政的な効果がそうすぐにあらわれないのであれば、どうしても私は景気対策が必要である、まだ五十七年度の予算も成立していないのに五十七年度じゅうのさらに景気対策をどうこうせよということまで私は申す考えはございませんけれども、この基本的な点についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか、これをお伺いいたしたいと思います。  次は、時間もございませんのでもうはしょって質問いたしますが、エネルギーの問題でございます。  私は国民も非常に心配をしておると思いますけれども、石油の消費量が減り、需給が緩和してまいりまして、国民もある意味ではほっとしておる。これはわが国がドイツに次いで省エネルギーが進んでおる、こう申してもいいので、官民一致した努力の結果、非常にいい結果が生まれてきておるんじゃないか、このように思います。今後のおよその石油の需給の見通しと、それからエネルギーについて、石炭とか原子力とかございます。総体の今後の見通し、そう心配せぬでいいのかどうか、国民がわかりやすいようなお答えをひとついただきたいと思います。  次に、繊維の問題でございます。  構造不況業種もたくさんございますけれども、繊維業界も大変困っております。まあ、通産省に絹織物の消費宣伝までおやりなさいとまで言う気持ちはございませんけれども、最近は若い人は帯すら結べないというのが実情で、なかなか着物の需要が減退をしておる。そういう関係の業界も非常に困っておるという状況でございますが、そのような繊維業界に対して、通産省でどのようにお考えになっておるのか、どういうような指導をしようと考えていらっしゃいますのか。  また、私の郷里には大島つむぎというものがございます。韓国産のつむぎの輸入の問題で非常に困っております。韓国との折衝の状況等について明らかにしていただければ幸いでございます。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私からまず総括的にお答えをいたしまして、あと事務当局で答えさせたいと思います。  行政改革と景気の問題、おっしゃるとおりで、いろいろと議論が出ておるわけでありますが、行政改革をやったからといってすぐこれが財政再建に結びつくものでないということは、これはもう自明の理であるわけですが、しかし行政改革は、これはどうしてもやらなきゃならぬというのは、政府・与党の基本方針になっております。臨調でいま議論が行われておりまして、六月か七月ごろには行政改革についての基本答申が出ることになっておりますので、これを踏まえてこれから取り組んでいかなきゃならぬ、大事業であると思うわけでございますが。そういう中にあって、この財政と景気の問題をどういうふうに取り組んでいくかということも大きな問題であろうと思うわけでございます。このままの状況でいけば、結局、自然増収というものが落ち込んでしまって、景気が悪くなれば自然増収が落ち込んでしまうわけですから、肝心の財政再建もできなくなるということになっていくわけでありますから、私は、ある程度景気の安定を行って、そして自然増収を確保するというのが財政再建をするに当たっても大きなやはり前提ではないかと、こういうふうに思っております。  いまは経済界では二つの流れがあるように私は感じます。一つは、とにかく行財政改革をやらなきゃならぬ。そして、日本は外から見ると、物価も安定しているし、あるいは経済成長の方も外国に比べればまあまあのところまでいっているし、貿易も貿易摩擦が出るように輸出が伸びておるわけだから、いまここで景気の対策なんというようなことをやらないで、とにかく財政再建、そして行政改革にすべてを集中したらいいのじゃないかというふうな考え方があります。もう一つは、いま中小企業のお話がございましたけれども、これは中小企業だけじゃなくて第一線の経済界の皆さんも、そんなこと言われたっていまはまさにこのままの状況を続けていけば自分たちがもう沈没してしまう、中小企業もこれでどんどん落ち込んでしまったら一体どうなるんだと。ですから、財政再建をするにしても、いまとにかく景気を出してもらわなければこれはとうてい立ち直ることはできない、どうすることもできないという非常に強い要請がまたあるわけで、私は経済界にはそういうふうな二つの流れがあるような気がするわけでございますが、まあ私は、やはり景気をもう少し出していくという方向へ努力をすべきじゃないか。そうすることが自然増収を生んで財政再建につながっていくので、これが基本でなければならぬのじゃないか、こういうふうに思っておるわけであります。国際情勢にもよるわけですが、われわれ日本自体としても、先ほど申しましたようなあらゆる対策をひとつ講じて、あらゆる知恵を動員してこの景気対策をやるような時期が来つつあると、こういうふうに考えるわけです。  それからエネルギーの問題につきましては、エネ庁長官からもお答えを申し上げますが、全体的に確かにエネルギーは需給関係は緩んでおります。ですから、御案内のように先般のOPECでも千八百万バレルと、サウジがさらにそれを削って、五十万バレル削減をするということで千七百五十万バレルという方向を決めておりますが、しかしこれはいまは大体二千万バレル以下に需給状況がなっておりますから、このOPECの決定は何もいまの世界の石油情勢を変化させるようなものでは私はないと、こういうふうに思っておるわけです。依然としてそういう意味では、需給関係が緩んでエネルギーに関してはいわば非常に安定をしておるということは言えるかもしれませんけれども、しかし中長期的に見れば一体どういうことになっていくかということになれば、エネルギー問題、特に石油問題は、経済問題でありますが同時に政治問題そのものでありまして、中東でどういう事態が起こるかわからない。もしまた不測の事態が起これば、一遍にいままでの状況は全く逆転をするわけでございますから、そういう面もわれわれは考えなきゃなりません。あるいはまた、日本の体質というものは、経済体質はエネルギーについては非常に脆弱でありますから、そういう中で、いまエネルギー状況は緩んではおりますけれども、しかしやっぱり、気持ちを緩めないで代替エネルギー対策というものをこれからも積極的に取り組んで、そして石油の依存度を減らしていく、十年五〇%という大目標は、これは何としても実現するように、これからあらゆる対策というものを講じていかなきゃならぬと、こういうふうに考えます。  繊維についても、確かに不況産業でありまして、いろいろと問題が出ておるわけでございます。しかし繊維業界はなかなか強い体質を持っておりまして、現在でも輸出なんかは繊維はわりあい堅調なわけでありますから、しかし繊維の中では非常に悪い面もありまして、特に絹織物なんかは韓国だとかあるいは中国との競合関係にありまして、ああいう国からの輸出によりまして日本の業界が大変なダメージを受けている、特に需要が減ってきている、こういうところにも問題がありまして、この間の交渉等につきましては説明をいたさせますが、私はやはり需要が落ち込んでいるというところに大きな原因もあるわけですから、需要を拡大していくための、通産省なんかも先頭に立っていろいろと消費拡大運動をやっておりますが、これからもやっていかなければならない。それで、貿易について輸入についてもある程度の調整を図っていかないと大変なことになるわけでございます。同時にまた、地場産業が中心ですから地場産業の体質を強化するためのいろいろなこれからの対策というものも用意をしておりますが、これを推進していくということも大事なことじゃないか、こういうことで、これからも取り組んでいこう、また取り組んでいっておるわけでございます。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) それでは私から、石油の需給動向ないしその他のエネルギーの需給動向見通しについて簡単に御説明さしていただきたいと思います。  最近省エネルギーが相当進みましたし、また代替エネルギーの開発導入が進む、一方景気も先ほどお話が出ましたように非常に低迷しておるということもございまして、原油の輸入というのは相当落ち込んでまいっておりまして、五十四年度の二億八千万キロリットルに対しまして五十五年度は二億五千万キロリットルと、それから五十六年度は、まだ年度では出ておりませんが暦年では二億三千万キロリットルということで、逐年原油の輸入は減ってきております。こういう状況でございまして、国内の需要もこれと見合って減っておるわけでございますので、当面石油については問題はございませんで、先ほど大臣からもお話がございましたようにOPECでの減産その他がございますけれども、当面の需給には余り影響はないというのが現状でございます。それから電力につきましても、五十五年度が電力需要自身が一・七%のマイナスということでございますし、それから五十六年度、これはまだ見込みでございますが〇・六%のプラスということで、電力につきましても需要が非常に低調になってきているということでございまして、全体的に景気の低迷が一つ短期的な要因としてございますが、省エネルギーと代替エネルギーの開発導入も含めてエネルギー関係はきわめて安定的に推移しておるわけでございます。  こういう状況の中で、長期的な見通しを立てる必要がございますので、現在総合エネルギー調査会の需給部会の中に専門委員会を設けまして、長期のエネルギーの需給暫定見通しの実は見直しを行っております。昭和六十五年度の見通しについて現在その見直しを行っておる段階でございまして、恐らくこの数字が四月末から五月の初めには中間報告という形でいただけると思いますので、それを見て今後の問題も考えたいと思います。ただ、いずれにいたしましても現在こういうことでエネルギー全体が安定的でございますけれども、日本の場合依然として石油に対する依存度が六六%と高いわけですので、この脆弱なエネルギー構造を昭和六十五年度では石油依存を五〇%に減らして代替エネルギーの開発導入を図っていくというこの基本姿勢は今後も変えるつもりはございませんし、むしろ中長期的には石油についてタイトな時代が来ることも予想しなければいけませんし、中東の不安な情勢、こういうことも考えますと、現在石油を初めとしたエネルギー需給は緩和をいたしておりますが、今後ともエネルギーの安定供給の確保については万全を期していきたい、かように考えております。

志賀学通商産業省生活産業局長

○政府委員(志賀学君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、いま繊維産業は非常に問題を大きく抱えて苦しんでいるところでございますけれども、その中で特に絹織物業関係は需要が非常に低迷しているということから申しまして特に大きな困難を抱えている状況でございます。  で、そういった絹織物業に対しまして一つの対策の大きなポイントとして、需要をいかにして伸ばしていくかということが大きなポイントでございますが、その場合に、絹織物の需要のうち生糸の消費量ベースで申しまして大体九割が和装需要でございます。そういうことから申しまして和装需要を伸ばしていくということが大変大事なポイントになっているわけでございます。そういう意味合いから、現在私どもといたしましては産地中小企業対策臨時措置法という法律がございますけれども、その法律によりまして産地における和装関係の商品の開発あるいは展示、そういった活動に対しまして助成を行っております。また、繊維産業構造改善事業協会を通じまして、全日本きもの振興会という団体がございますけれども、その団体によります和装需要振興のためのいろいろな事業に対しまして助成を行っているところでございます。    〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕  ただいずれにいたしましても、今後の絹需要というものを考えていく場合に、和装だけではやはり限界があるということでございまして、洋装品あるいは衣料関係以外の新しい需要の開拓ということが同時に重要ではないかということでございまして、そういった洋装関係あるいは非衣料関係の新しい絹素材の開発のためにわれわれとして補助金を交付いたしまして努力をしておるという状況でございます。  なお、現在御審議いただいております五十七年度予算案におきましてそういった新しく開発をいたしました素材についてそれを普及させていくというためのシルクストッフ展と私ども申しておりますけれども、シルクストッフ展の開催についての助成措置も計上させていただいておるところでございます。  なお、大島つむぎについて若干補足させていただきますと、大島つむぎについてはこれは奄美群島あるいは鹿児島本土の一部におきまして大変重要な地場産業ということになっているわけでございまして、大島つむぎに対しましては先ほど申しました産地中小企業対策臨時措置法に加えまして伝統産業の振興に関する法律を適用いたしましてその振興に努めているという状況でございます。  また、韓国との交渉状況でございますけれども、韓国との間で絹織物について政府間で協定を結んでいるわけでございますけれども、五十六年度の交渉につきまして昨年の六月、十一月、それからことしの三月、三回にわたって交渉をやってまいったわけでございます。その間、私どもといたしまして、日本の現在の絹織物業の窮状、実情というものをよく先方に伝えて交渉をしてまいったわけでございますけれども、残念ながらまだ妥結に至っておりません。ことしの六月に、五十六年度と五十七年度と両年度にわたっての交渉をやろうということになっているのが現状でございます。    〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕  なお、前回の交渉のときの韓国側から得た感触でございますけれども、五十六年度の韓国からの輸入については合理的な限度におさまるであろうと、そういうような感触を私どもは得ているところでございます。

金丸三郎自由民主党

○金丸三郎君 それでは最後に二点ほどお伺いいたしたいと思います。  一つは、貿易と申しましょうか、国際関係の問題でございますが、江崎ミッションが米国並びに欧州においでになりました。まあ大臣も御報告をお聞きになっていらっしゃることと思います。このミッションに対するアメリカの要望あるいは不満、ヨーロッパの各国の要望あるいは不満、そういうものの基礎が何であるとお考えになっていらっしゃいますか、またおよそどのようなふうに対処していったらいいとお考えになっていらっしゃいますか、これをお伺いいたしたいと思います。  それから、私が非常に強く感じておりますのは、今日の貿易問題というのは経済問題から政治問題になってきてしまっておるということでございます。経済の政治化ということが数年前から言われておりまして、非常に端的な、余りいい例でないかもわかりませんが、以前、池田総理がヨーロッパにいらっしゃったときに、当時のドゴール大統領がトランジスタのセールスマンが来た、こういうことを言ったということを聞いたことがございます。最近はある国の大統領が武器を売り歩いておるわけであります。ある国の首相が日本に来てぜひ医療機械を買ってくれと言っておられる、外国のいわば農林大臣が来て牛肉を買ってくれ、ミカンを買ってくれ、これが世界の現実です。それぐらいに経済問題が逼迫して政治問題になってきた、私はそういうふうな実は感じ方をしております。だから、ECの問題であれ、アメリカとの問題であれ、純粋に経済問題あるいは貿易問題という考え方だけでは解決はできない、私はそういうふうに考えております。したがいまして、いままでの対応の仕方ではとうていうまくいかぬのじゃなかろうか。対応の仕方につきましても外務省がどういうふうになさるのか。機械類であれば通産省、食品であれば農林省、私はそういうような認識の上に立って日本がどのような態度をとるか、政府の態度の決め方にも一つお考えになるべき点があるのではなかろうかなと、これはよけいなおせっかいかもわかりませんけれども、実はそういうふうな感じがいたしてなりません。これにつきましての大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。  それから、いまの政治問題化してきてしまったという一例として、今度ヨーロッパでビスケットやらあるいはチョコレートをもっと買ってくれという話があった。金額にしては大した問題じゃなかろうと思います。また、零歳児では歯が生えてはおらぬかもわかりませんが、もう一歳、二歳の子供にもいま非常に虫歯が多いんですよ。これは甘い物をとり過ぎた結果で、そういう点から言いますと、チョコレートやらビスケットを少々買ったっていいのじゃないかなという感じがいたすわけでございます。これも純粋の経済問題だけと考えて扱っていいのだろうか。ビスケットやチョコレートの輸入について、農林省なり担当のところではどのように考えていらっしゃるのか。また、私はいまのような感じを持っておりますので、相当高度の政治判断をしなければならない、事はビスケットでありチョコレートに過ぎないかもわかりませんけれども、そういうような判断が今後必要じゃないのかなという感じがいたしております。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 貿易摩擦の根底はやはり世界的不況、特に欧米の不況、失業というところにその根源があるわけでございますが、最近はまさに日本に攻撃が集中をしておるという事態であります。だんだんと政治問題になってきておる、私が心配をするのは、政治問題にはなっておりますけれども、これがまさに政治的対立になってしまうと大変なことになる。アメリカなんか相互主義法案とか出ておりますが、こういうものがどんどん通って、そしてそれによって保護主義が世界を覆う、そして、それによってまた国家間の対立にまで及ぶということになりますと、自由貿易の根底が崩れ去ってしまうということにもなりかねないということを心配をしておるわけでございます。  そこで、何としてもこれは話し合いによって貿易摩擦は解決をしていくという努力が必要じゃ狂いか。そのためにはサミットも必要でありましょうし、ガットもやらなければなりませんし、あるいはOECD、そうした国際的な話し合いの場でこういうものを解決していく努力が肝要になってきておるわけでございますが、その前に非常に激しく要求しておるような日本の市場開放、それから日本のインバランスの縮小といったものに対して日本がどういうような措置をとるかということも、これは日米関係あるいは日本とECとの関係を考えますと、いまから大事な課題になってくるわけです。日本はいままですでにもう関税の前倒しもやりましたし、あるいはNTBについてもある程度改善措置もどって相当思い切ったことをやったわけですが、江崎使節団に対しても彼らが言っておりますように、ある程度は評価をしてもまだまだ不満だと、こういうことでますます要求は急をきわめております。そしてサミットまでには何としてもひとつまとまった方針を出せということでございます。私は貿易摩擦はなかなかそう簡単においそれと一月や二月で完全に解決するものじゃないと思うのですが、しかし、いつまでもこのままほっておいたんじゃ大変なことになってしまう。ですからやはり日本としても主張するところは主張しなければならぬのですが、しかしやるべきことは、一応サミット前にやる、そして方向を打ち出す。やるといってもやれることと、やれないことがあるわけですが、方向をまとめてやはり出していかなければならない。そういうことによって貿易摩擦の収束の方向へスタートを切っていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えております。  幸いにして鈴木総理もそういうお考えでOECDの総会、あるいはサミットの前に一応日本としての総まとめをしようということでいま各省督励をしてこれがまとめをやっておるわけでございまして、それに対しまして通産省としても工業製品等につきましてもあるいは先端技術なんか非常に問題にしておりますから、そういうものについてもやはり積極的に取り組んで開放する、彼らが言っているような、われわれはそうも思っていない面もあるのですけれども、開放しろというような面があったらもう進んで開放していこうという気持ちを持っておるわけです。自動車の問題につきましても先手を打ったような形でアメリカに対しまして八二年度も百六十八万台ということで八一年度と同様に据え置いたわけです。これは八一年度の約束からすれば伸びた分についての一六・五%は伸ばすということにルールができておるのですが、アメリカの自動車産業の窮状、それから貿易摩擦を解消していかなければならぬ、そのための努力をしなければならぬということで決断をして自動車業界には相当不満があったわけですが、あえて私の責任において百六十八万台据え置きということで踏み切ったわけですが、こういう措置はアメリカも大変評価をしております、ブロックというUSTRの代表も大変これを評価をすると、歓迎をするということを言っておるわけでございまして、そうした工業製品についてある程度日本としても集中豪雨を避けて自主規制をするものは自粛をやっていく、同時に、先端技術等については、日本の先端技術については補助金を出して養成をして、そして集中豪雨をする、そして日本の先端技術に対してアメリカは参加できないということですからこれはもう参加しましょうというふうなことで、これから先端技術なんかに対してもそういう姿勢をとっていこう、こういうふうに考えております。  その他いろいろとまだ商習慣の問題とかあるいは残っておる非関税障壁の問題とかあるわけでありますから、そういう問題等もできるだけいま日本としても彼らの要請にもこたえて努力をしていきたい、こういうふうに思っておるわけですが、そういうものを各省で持ち寄って、そして五月の初めごろにはこれだけのことはやります、しかしこれ以上のことはできません、将来は自由貿易体制を確保するために日本としてはどういう方向をとっていきますと、こういうことを打ち出して日本の態度を内外に鮮明にするということが私は大事なことではないだろうかと思っております。同時に、非常にインバランス、インバランスということを言われますけれども、これは基本はやはりアメリカの高金利というところにあるわけですから、日本としても市場は開放して外国の製品輸入についてはできるだけ努力をしますけれども、アメリカ自体もそうした高金利政策というものを基本的には改めてもらわなきゃこのインバランスというものはますます拡大をしていくということも事実じゃないか、そういうことはやはりアメリカに対してもきちっと言うべきじゃないだろうか、こういうふうに思っております。  なかなかむずかしい時期でありますが、タイミングとしては、やはりサミット前に一つの方向を出していくということが、日本が貿易立国、自由貿易体制を守っていく上においてはどうしてもやはり避けては通れない道であろう、こういうふうに判断をいたしておるわけであります。

慶田拓二農林水産省食品流通局食品油脂課長

○説明員(慶田拓二君) ビスケットとチョコレートのお話が出ましたので農林水産省の考え方を御説明いたしたいと思います。  先生御存じのように、ビスケットは昭和四十六年の十月から自由化しておりますし、チョコレートは三十六年の十月から自由化をいたしておりましてAA品目になっておりますので自由に輸入できる品目でございます。ただ、ECが要求しておりますのは、関税がやや高過ぎるということで要求をしておるというふうに承知しております。  ビスケットとチョコレートの業界の状況について若干御説明をいたしますと、ビスケットなりチョコレートなりそれぞれ国内の農業政策との関連で、たとえば砂糖でございますとかあるいは全脂粉乳でございますとかあるいは小麦粉でございますとかあるいはバターでございますとか、内外格差の高い国内の原料を使っておる関係上、非常に国際競争力が弱いという状況が一つございます。それから第二点といたしましては、ビスケットの業界もチョコレートの業界も経営基盤の非常に弱い中小企業が多いということでございまして、ビスケットの場合は中小企業の比率が八七%、チョコレートの企業の場合は中小企業の比率が九五%ということで、中小企業の比率が非常に多いという状況にございます。それから三番目の条件といたしまして、先生もさっきちょっと御指摘になられましたが、最近甘み離れと申しますか、甘味離れと申しますかの傾向からお菓子全体の需要が減退、停滞傾向を示しておるということでございまして、お菓子の業界全体が経営環境から見ますと非常に厳しい状況にあるわけでございます。  そこで、ビスケットなりチョコレートの関税につきましては、こういうふうな厳しい状況のもとでさきの東京ラウンドにおきましてEC側の要請を考慮いたしまして引き下げるということを決定いたしまして、先ほど大臣がお話しになられましたように、さらにことしの四月一日から、すでに決まっておるスケジュールを二年間早めて二年間前倒しということで引き下げを実施するというスケジュールになっております。したがいまして、先ほど申し上げましたような非常に厳しい経営環境にございますので、これ以上の関税の引き下げをやりますと輸入品が増加するというふうなおそれもございまして、国内産業に与える影響が非常に大きいということから、これ以上の引き下げはきわめて困難であるというふうに私どもは判断しておるわけでございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 本日は、予算委員会の委嘱によります予算審議というふうに一応なっておりますので、できるだけ予算を頭に置いて質疑をいたしたいと思いますけれども、一々項目について議論するという時間もございませんので、予算というものを頭に置きながら、やはり現在当面しておりますいろいろの政策問題について御質問を申し上げたいと思います。  ただ、予算について一言申し上げますと、いま五十七年度予算を審議しておるわけでございますけれども、恐らくこれは新予算をおつくりになった作業というものは去年の夏ごろからいろいろやっておられたということで、いささか、数ヵ月前の状況というものが恐らく予算に反映されているだろう。しかしながら、その後の状況の動きというのは非常に急でございまして、恐らくいろいろ細かく点検しますともう少し調整した方がいいのじゃないかというようなものもあるいはあるかもしれない。しかしいまさら予算の修正というようなことではなくて、私としてはひとつ現状に合って、予算をつくったけれどもその執行に当たってはいろいろな項目が緩急おのずから差があると思いますので、現状にできるだけよく合致した運営をしていただきたいということを私の要望として申し上げて、質問に移りたいと思います。  何と言いましても、現在直面しております通産行政の最大の課題ということになりますと、先ほどからの御質問の重複にはなりますけれども、やはりアメリカあるいはヨーロッパに対する貿易摩擦ということになるわけでございます。そういうことでいささか重複の気味がございますけれども、貿易摩擦について若干の質疑をさしていただきたいと思うわけでございます。  貿易摩擦貿易摩擦ということで、いろいろたとえばアメリカとの貿易の収支が日本側の出超が百八十億ドルになるだろうとか、いろいろな数字が動いているわけです。しかし、よくよくいろんな統計資料などを調べてみましても、貿易収支はさることながら、たとえば経常収支というものを見てみれば、必ずしもアメリカが非常に悪い状況とも言い切れないというわけでございます。逆に日本としてもそれほど経常収支の方で余裕があるわけでもないということでありまして、一体そういう状況であるにもかかわらず、なぜアメリカが非常に強く日本に向かって要求をしてくるかというところを、これはひとつ通産大臣も先般アメリカにもおいでになりましたし、その後もいろいろなトップレベルの会談その他でアメリカ側の気持ちというようなものは御理解しておられると思いますので、その辺をどういうふうに見ておられるか、まず質問の最初にひとつ大臣の御所見を伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 結局アメリカの経済が悪いということに尽きるんじゃないかと思うのですが、失業者も一千万人以上が出ておるというふうな状況でありますし、アメリカの象徴と言える自動車産業にしても二十五万人という大量な失業者が出ておる。そういう中で日本の自動車が百六十八万台アメリカに入っていっている、日本には一万数千台しが入ってきてない。あるいは先端技術製品も非常な勢いで入っていっている。そしてインバランスが非常な勢いで拡大をしている。しかしこれは議論すれば何も日本の輸出が伸びたからアメリカの失業が起こっているわけじゃなくて、アメリカ自身の経済運営の問題に私はなると思いますし、それからインバランスの問題を言いますけれども、しかしアメリカは全体としては総合収支の方はこれは黒字になっておりますし、ECなんかに対してはアメリカは貿易は黒字ですし、それから百八十億ドルということをアメリカは言います、日本では百三十億ドルだと。貿易収支としてはそういうふうなインバランスはありますけれども、いわゆるインビジブルの面から見れば五十億ドルぐらいはアメリカの方が黒になっておる、こういうふうなことですし、これはヨーロッパにも同じようなことは言える。日本のたとえば欧米に対する旅行者は五百万人、欧米から入ってきている旅行者は百万人と。そういうところから見ましても、インビジブルの面では相当な黒字があることは明らかなんですが、そして、まあ貿易を二国間だけで言うというのはおかしい話で、全体的に見なければいかぬのですけれども、何としても経済が悪い、そして日本がいいということでいらいらが高じておる。  そしてもう一つは、やはりアメリカというのは大木さんもよく御存じのように非常にアンフェアというものに対する非常な何というか反発心があるわけですね。日本はわれわれは相当な市場開放をしていると思っているんだけれども、アメリカ人から見るとまだまだ日本はアンフェアだと、アンフェアな上に貿易をどんどん伸ばして一方的にアメリカに進出していると、こういう点がさらに重なって日本に対する厳しい態度、そしていまやまさにそれが反目的な態度にまで、感情にまで燃え上がっておるんじゃないかということで相互主義法案等が出ておりまして、貿易摩擦が反日の感情になって、そして日米間の基本が崩れてくるということになれば大変だということで心配をいたしておりますし、何としてもこれは話し合いでもって解決する方向へスタートを切らなきゃいかぬ、それにはやはり日本としても相当な決意を持って取り組んでいかなきゃならぬ、こういうふうに私は判断しているわけです。

大木浩自由民主党

○大木浩君 ただいま大臣からのお話もございましたように、経済問題だけに限って、あるいは貿易という面だけ見ますと必ずしもアメリカの言っていることがこちらとして十分納得できるという感じでもない面も多々あるわけですけれども、やはりいろいろな面から考えなきゃいけない、先ほど金丸委員もお話がございましたけれども。やはり日米関係というのは総合的な関係として把握していただいて、また大所高所からの御検討をいただきたいと思うわけでございますが、さしあたって先ほどからお話しになっておりますサミットというものが六月にあるわけでございますし、今後どういう日程でアメリカなりヨーロッパとお話をしていかれるのか、若干すでに御説明があったわけでございますけれども、たとえばアメリカとの例の牛肉、柑橘の交渉といったようなものはこれは事務的に十月からやろうというような話があるように聞いておりますけれども、片一方では六月のサミットというものがあってさしあたり鈴木総理それこそ陣頭指揮でひとつ方針を出していこうというようなことも言っておられるわけでございますので、全般としてこれから夏から秋にかけてどういう御日程で交渉を進められるのか、その辺をひとつ御説明いただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはそれぞれいま交渉が進められておる面もあります。個別品目等で交渉が進んでおる点もあるわけでして、農産物についてはもうスタディグループをつくって四月ぐらいから始めるわけですが、本格的には十月から始める。これはこのルールでいくわけなんですが、その他アメリカの要求リストの中でアメリカがいまソーダ灰はどうするとか、それからこれについて日本が市場閉鎖的で閉鎖しているとか、あるいは石油化学製品についても同様なことを言っております。紙パルプなんかにも言っております。それから革をどうするとか、先端技術をどうするとか、コンピューターの関連をどうするとか、そういうことをいろいろと個別的に言っておりますが、そういう面はこれからの交渉もしながら、大体それも一応サミット前ぐらいには目安はつけなきゃ私はならないのじゃないか、その他たばこなんか、わが省の管轄ではないのですがあるわけなんですね。そのほか、今度江崎委員会でもやりますNTBの残った問題点ですね、そういう点とかサービス貿易を全体的にどういうふうにするかというふうな日本の態度もまだ決まっておりませんから、そういうものを私は順次これから、表へ出ていくものもあると思いますけれども、やはりサミットまでにはまとめて、そして日本としてはこれだけのことをやります、それ以上のことはやりません、将来に対してこういう方向でいきますということをワンパッケージにして内外に明らかにするということが必要じゃないか。ECの首脳会議でも、そうしないで結局このままずるずるいったらサミットで日本を目標にしてEC諸国は相当攻撃を加えるぞというふうなことを決議しているようでございますし、アメリカも一緒になれば日本が非常に孤立するということになりますから、やっぱりそれまでにある程度のことをやる。そしてサミット等ではむしろ私なんか鈴木総理に言ってもらいたいのは、アメリカの高金利政策なんかに対してもっとこれを改めてもらいたいということを堂々と言ってもらいたい。それには日本がある程度これだけのことをやったということがないと日本も言えないわけですから、私はサミットを成功させるにもそういうことはまとめた形でサミット前には一つの方向を出すべきじゃないか、全部きちっと出せるわけじゃないけれども、やっぱり方向は出すべきじゃないかと、こういうふうに考えております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 ただいまの大臣の御説明でよくわかりましたんですが、要するに六月のサミットまでに一応こういうことはやれるだろうという大枠は示す、しかし、具体的にたとえば数量がどうだとか、そういうことは場合によっては事務方の交渉で、それ以後の時点でのいろいろな議論が出てくるであろう、こういうふうに理解したわけでございます。  ところで、先ほど大臣もちょっとお触れになりましたけれども、やはり貿易というのは二国間のバランスを厳密に常に保てと言ってもそれはできないわけでございますし、日米間においてもなかなかそれはできないだろうというふうに感ずるわけですけれども、ただこういうふうに非常にいろんな意味で外圧が強くなっておるということになっているとやっぱりアメリカ市場だけどんどん伸ばすというわけにもいかぬだろうということは当然の理ではないかと思うわけです。そうしますと、一体どうしたらいいのだろうか、こういうことになってくる。  先日、通産省のある局長さんのお話が新聞にも載っておりまして、あれは、新聞が正しく伝えておったかどうかは別といたしまして、私の理解しましたところでは、要するにアメリカなりヨーロッパなりが日本に対する市場を閉鎖してしまえば日本は非常に困る、もう生きていく道がなきゃ共産圏とでも貿易するよりしようがないじゃないか、こういうお話であったと思います——いずれにいたしましても、これは私は政策の問題というよりは算術の問題として理解したわけでございます。単純にもしも一つの市場が閉鎖されれば、仮に非常に日本の輸出を減らすことができない、むずかしいということであればほかのところを探さなきゃいかぬ、こういう御議論でございまして、別にこれは外交政策のことを某局長さんが論じておられたわけではないというふうに理解はしております。  ただ問題は、私一つこの算術でちょっと間違いといいますか、もう少し考えなきゃいけない要素があるんじゃないか。やはり日本の貿易市場、輸出市場というのは、アメリカ、EC、共産圏ばかりではないわけでありますから、そのほかにいろいろとあるわけでございます。近くのアジアもありますし、その他の第三世界もあるということで、私やっぱりいままで率直に申し上げてアメリカというのは非常に物を売りやすい、何といってもふところの深い市場でありましたから、わりに順調にこちらの輸出も伸びてきた。しかし、なかなかそれはむずかしいぞということになれば、これは今後日本の輸出市場というものをそれぞれの地域についてどういうふうに評価し、どういうふうに伸ばしていくのだということがなきゃいかぬだろうと思います。そういうことで私はその局長さんのおっしゃった話は、多少私は私なりに解釈して、考え方としては一つの市場がとまればほかの方を考えなきゃいかぬということでは全くそのとおりだと思います。そういう点では賛成でございます。ただどこに求めるかということになると、いきなりどうも共産圏だけというわけにもいかないだろうし、またそう簡単に共産圏だけが日本の輸出市場として伸びる可能性があるかと言えば、これはまた政治的な問題は別にしましてもそう簡単じゃないだろうというふうに感ずるわけでございます。  私の手元に資料がございまして、これは雑誌の記事ですけれども、もとは役所の方の資料ですから恐らく役所の方で調査をされたところだと思うのですけれども、今後の輸出市場の多角化のために重点を置きたい新規の市場、こういうのを調査しておられます。そこを見ますと、いろんな業種によって違うのですけれども、これをちょっと見ましても、たとえば繊維産業は中近東二六%、それから化学、ケミカルですね、これが東南アジア二三%、それから窯業・土石、これがオーストラリアとかニュージーランド、それに南アフリカもつけて三〇%、それから鉄鋼について東南アジアが一七・九%、電気機械はアフリカが二〇%、造船は中南米が二七%、アフリカも二七%といったようなことで、やっぱり世界に市場はいろいろあるわけでございます。これは、ただいまのは別に実績じゃなくて、業界がどういうところに出たいか、出れるかという一つの希望ないし予想でありますから、これがそのまま実績あるいは今後の可能性というふうには見ませんけれども、やはり市場の多角化ということを考えていただいた方がいいのじゃないかということでございますが、その辺について、これはもう事務方でも結構でございますが、ひとつどういうお考えを持っておられるか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 通産省の局長の話が新聞に出ておったということでいま御発言がありましたが、ちょっと御説明しておきますが、これは私も後で詳しく聞いたんですけれども、相当やはり新聞なんかに誤って伝えられた面があります。記者会見でやったわけですけれども、ある一紙がこれを報道した。それも前提を抜きにして言っているわけですね。ですから、アメリカが市場閉鎖をすれば、共産圏を相手にしなけりゃならぬ、あるいは武器を輸出しなきゃならぬと。これはとにかく日本ではそういうことはあり得ないことだということを前提にして言っているわけです。それでまた、共産圏につかなきゃならぬ、あるいはまた武器を売らなきゃならぬ、そういう声もそんなことになれば国民の中には出てくるかもしれない、こういうことを言ったわけで、自分の主張を言っているわけじゃないわけですね。ちょっとその辺が誤り伝えられておると思いますので、一応私から御報告申し上げておきます。

中澤忠義通商産業省貿易局長

○政府委員(中澤忠義君) 大木委員のただいまの御指摘は、日本の貿易構造につきまして市場の多角化を図るという意味からもLDCに対する貿易、特に輸出について力を入れるべきではないかという御指摘かと思います。確かに当然のことでございますけれども、日本の輸出入構造を安定的に発展させるためには、欧米のみならずLDC、特に東南アジア等々を含むLDCに対する貿易について力を入れていかなければいかぬということが非常に大きな問題だと思いますが、もう一つの側面といたしましては、やはり日本の国際的地位につきましての国際社会に対する貢献という点から申しましても、途上国に対して日本がいろんな形で経済協力も進めていくというもう一つの側面があるかと思います。  貿易につきましてまず申しますと、やはりLDCとの関係では欧米以上に日本が輸出が超過しておるという側面がございまして、輸出について単純に素朴に力を入れるというような態度ではなかなか、LDCからも反発を受けるということが一つあるかと思います。したがいまして、たとえば通産省がLDCに対して力を入れております貿易の促進策といたしましては、そのような国からその産品の輸入を図る、LDCからの産物の展示会を行うという、輸入も図りながら輸出も安定的に伸ばすという形で、LDCにつきましてもそのような形で進めるということ。それからやはり経済協力あるいは人材の養成、技術の協力という協力面もあわせて行うというような形にしておるわけでございまして、予算に即して申しますと、端的に申しますと、ジェトロのLDC関係の経済協力の関連経費といたしましては、五十六年度は全体の一一%でございましたけれども、五十七年度には二一%という形で、LDCに対する協力関連経費、それから同様に技術、投資等の産業協力の経費というものを伸ばしていくという形でLDCとの関係で安定的な貿易関係を伸ばしていく、経済協力と貿易関係の伸長を図っていく、かような形で、ただいま委員の御指摘のようなLDCとの経済関係の強化ということを図っていきたいというふうに考えております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 ただいまお話のありましたように、新しい市場というか、今後ほかのところへ目を向けるというと、どうしても開発途上国が多くなるわけでございます。開発途上国というのは、一つは何といいますか、いろいろな行政なり法律なりの体制も整備していないということもあるし、あるいはむしろ国際紛争などが遺憾ながらときどき起こるというような面もあって、本当は一生懸命やりたいのだけれども、なかなかむずかしいという市場が多いのじゃないかと思うわけでございます。  たとえば一つの例をとれば、最近は日本としても非常に経済関係が密接になっておる中東地域、こういったところも、国によっては大いにこちらが油を買っておるわけですし、いまのその出超の問題もあります。まあ国によって確かに出超の問題がある。ですから、一方的にただただ売ればいいということではありませんけれども、やっぱり物によっては輸出努力の対象になり得るんじゃないかと思うわけですけれども、残念ながらそういった意味での向こうの輸出市場としての安定性と申しますか、それがなかなか必ずしも理想的な状態じゃないというわけです。しかし、それにもかかわらず、これから日本としていろいろ市場の多角化と申しますか、そういったことを考えるとすれば、そういった市場を相手にしての商売のやり方というのはやっぱりあるんじゃないか。それからまた、そういったところで商売をやる人に対する政府としての肩入れと申しますか、指導と申しますか、そういった面もあるんじゃないかという感じがするわけでございます。たとえば、先般陶磁器業界が、アメリカに売っておりました陶器がなかなか最近は向こうの市場の状況もあってよく売れないということで、新しく新規の市場開拓といいうことで中東に目をつけた、あるいはイラン、あるいはイラクというようなところに輸出を始めた、あるいは輸出のための準備をしたというわけでありますけれども、その後状況が非常に悪くなって、なかなか実際問題としては売れない、あるいは滞貨をつくってしまうというようなわけです。これは未来永劫に売れないならしょうがないわけですけれども、やはり一時状況が悪くなって、多少時期的には滞貨が多くなったというようなこともありますし、そもそもよく考えてみますと、なかなかいま申し上げました陶磁器業界などにも中小企業が多いわけです。そういうことで、そもそも論から申し上げれば、やはり市場調査というか、市場の状況がよくわからない、市場と申しますより、向こうの政情からしてなかなかよくわからないということでありますから、かなりめくら貿易をしているような面があると思います。しかし、だからといってそれは絶対いかぬということではなくて、やはり市場調査といいますか、向こうの情勢をよく調べるというところから始まりまして、実際に商売を進めていく上でのいろいろな促進措置あるいは保護措置、具体的に輸出保険だとかあるいはもっと金融面での協力とか、いろんなことが考えられると思いますけれども、そういった面にもこれから、中東に限りませんけれども、だんだん市場を多角化してまいりますと必ずしも昔のようによくわかった相手ではない市場も出てくるわけでございますから、そういった面についても目を向けていただきたいということで、ひとつ通産当局から何か御答弁いただければありがたいと思います。

中澤忠義通商産業省貿易局長

○政府委員(中澤忠義君) 大木委員が御指摘になった点がまさに輸出面について政府がとるとすれば最も力を入れなければならない点だと思います。中小企業の業界、あるいは中小企業者の場合には、非常に海外におきます情報の収集能力というものが欠けておるわけでございまして、しかし日本の場合には繊維、雑貨等々が中小企業者あるいは中小貿易会社によって支えられておるということも事実でございますので、海外の情報収集なり具体的な市場調査につきまして政府が、あるいはジェトロが力を入れるという点につきましては中小企業者の業界に力を入れておる、重点を置いておるということが大事だと思っております。  具体的には、現在ジェトロには東京、大阪の本部以外に二十八ヵ所の貿易情報センターというものが各県等に置かれておりますが、この貿易情報センターは主としてその地区におきます中小企業者の関係する業種あるいは業界の海外の市場動向をまとめて連絡をするということに力を入れておりまして、一般情報としてはその貿易情報センターを通じまして海外の情報を流すということにしております。  また、ただいま先生御指摘のような陶磁器業界というような業種別の調査につきましても、受託調査でございますとか、あるいは中小企業の海外市場動向の派遣事業というものにつきましてはジェトロが一定の補助率におきましてそのような中小企業者の活動を助成するというふうな形で、中小企業者の海外市場に対するバックアップをするということにしております。たとえばそのような調査をした場合におきましても、いまおっしゃいましたように、たとえばイラン向けの陶磁器でございますと、イランの政変によりましてその輸出がとまるというようなことも過去にあり得たわけでございますけれども、そのような場合におきますアフターケアといたしましては、特別に政府の金融機関におきまして滞貨融資の制度をとりまして、その滞貨の損害につきまして融資をするということも具体的な金融面の助成措置としてはとっておる次第でございます。  また、保険の御指摘もあったわけでございますが、保険につきましては、保険の性格上やはりリスクに伴う率ということで、中小企業者向けに特別の料率を設けるということは非常にむずかしいわけでございますけれども、やはり中小企業者が不測の損害を受けてはいけませんので、中小企業者が非常に利用いたします輸出金融の代金保険でございますとか手形保険につきましては、本省だけではなくて通産局でこれを受け付けるような形にいたしまして、その制度のPRと同時に保険を掛けやすいような形にして、中小企業者が損害をこうむらないようにするというような配慮もしておる次第でございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 先ほどから貿易の話を申し上げておるわけでございますけれども、やはり日本の国際社会における経済活動ということになりますと、同時に経済協力の面というものも考えなきゃならぬのじゃないかというふうに感ずるわけでございます。特に貿易の面で、どうしても日本がいろんな意味で外から注文が多い、受け身の立場にあるというわけですけれども、そういうこともあってよけい、何といいますか、政策的にも日本の国際社会における責任分担ということから言えば、経済協力をもう少し強力に推進しなきゃいかぬだろうという気がするわけでございます。  今度、サミットを念頭に置いていろいろ議論がされておるようでございますし、鈴木総理も国際経済の活性化というようなことを言っておられるわけですけれども、これは活性化といいますとやっぱり活性化のための、何といいますか、オイルが要るわけでありまして、日本としてもいろいろと経済協力を、サミットに限りませんけれども、サミットにおいての議論も含めて経済協力は大いにひとつ強化していただかなきゃいけないだろうと思うわけでございます。  今度の予算でも、経済協力予算は関係各省努力されて大変伸びておる。言うなればいい意味で突出しておるわけですけれども、ただよほど、先般来アメリカがいろいろ言っております、まあドラマチックだかドラスチックだか、とにかく非常に思い切ったことを日本がしてもらいたいということを私いろいろ考えているんですけれども、私なりに。なかなか貿易でいますぐにドラマチックにというわけにもいかぬ面が多いのじゃないかということでございますが、大臣、これはひとつ、サミットに向けて経済協力の面でも大いに検討していただくということを申し上げたいと思いますが、何か御所見があればお聞きしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の貿易摩擦の根源が、欧米諸国のやはり経済の落ち込みということにあるということですから、この再活性化に対して日本が協力していくということは、日本が国際的責任を果たすという意味において非常に重要なことである。これは鈴木総理もそういう認識を持ってサミットに臨まれるわけでございまして、いろいろと恐らくわが国としての基本的な対策を携えて行かれると私は思うわけでございます。その中でもちろん大事なことは、経済協力を進めるODAの予算も一一・四%ということで五十七年度予算は伸ばしたわけですし、今後五年間はこれまでの五年間の倍増という方針も決まっておりますし、これはもう大きく進めていかなきゃならぬ。この方針は、財政再建の中でありますけれど、これを変えるわけにはいかないと私は思いますし、それから産業協力、技術協力というのが同時にまあ非常に私は重要な課題になっておると思います。特に日本からの投資であるとかあるいは技術協力、これはヨーロッパあるいはアメリカに対しても積極的に具体的に行っておるわけですが、これもまあ民間が中心ですけれど、政府として大いに鼓舞激励をしていくということがやはり経済の再活性化ということにもつながっていきますし、貿易摩擦の解消にも大きく貢献していくと私は思うわけでございまして、特に技術協力等についても、日本の先端技術が非常にいま伸びておりますし、世界が注目しておりますから、そういう面でのまた協力体制というものは大きな今後の課題として取り組んでいかなきゃならない問題であろうと、こういうふうに考えております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 経済協力を大いにひとつ推進しなきゃいかぬだろうということはだれでも考えるわけでございますけれども、具体的に相当思い切ったことをやるとすれば、一体何をやるんだろうという議論も出てくると思います。  新聞記事でございますけれども、私の手元に一つ、たまたまこれはことしの正月の一月一日の記事ですけれども、民間の研究機関がグローバル・インフラストラクチュア・ファンド構想というのをいま検討中だというようなことで、恐らく大臣の耳にも入っているかと思いますけれども、この構想が必ずしもいいかどうかわかりませんけれども、やはり何か非常に思い切ったことをやろうということになれば、当然その資金はどうなるんだということで、現在の状況ですと日本もそれは応分以上の協力をしろということになると思うのですけれども、日本も、政府の方の財政状態というのは非常に御存じのような状況でございますから、なかなかむずかしいだろうということで、経済協力を大いにこれから大幅にやるといっても、その財政措置が一体どうなるんだろう。  これは私、各国でいろいろと経済協力を国民の支持を得て大いにやるというためにいろいろな工夫をしていると思うのですが、私正確には覚えておりませんけれども、たとえば経済協力税というようなものをかつて試験的に行った国もあるし、あるいは予算の中で初めから経済協力については別枠にして、かなり大きなものを、何%というようなものを取っておるというような国もあるかと思うのですが、何かちょっと外国の例で参考になるようなことがありましたら、これはどなたですかな、外務省ですか、ちょっと御説明いただきたいと思います。

藤田公郎外務省経済協力局外務参事官

○説明員(藤田公郎君) お答え申し上げます。  ただいま委員がお尋ねになりましたもののうち、財源的に一般の予算以外の財源から賄っている国の例としましては、ベルギーが宝くじを利用しまして、それを政府開発援助の財源に向けているという例がございます。  それから、開発税という特別の経済協力のための税金を設定しております国は、現在のところはございませんが、過去ノルウェーが十年間ばかり経済協力のための税というのを徴収していた例がございます。  それから、そのほかに予算のうちの一定の枠を政府開発援助のために設けるという例としましては、ドイツが一九七九年に、政府の歳出の伸びの倍政府開発援助の予算は伸ばすという閣議決定をしておりますが、実際の実績では必ずしもそのとおりには行われておりませんで、ほぼ歳出増に見合った程度の政府開発援助の予算が組まれているというふうに承知しております。  大体以上のようなところでございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 まあ各国それぞれにいろいろと苦労して知恵を出して経済協力のためのその財源捻出というものは努力していると思うのですけれども、正直なところいまの日本の状況で、たとえば名前をどうつけたところで、税金をもっと取るぞと言われりゃ、なかなかいい答えが出てきそうもないということでございます。  ただ、いろいろ国内問題でも議論をしておると、たとえば赤字国債をふやすのは困るけれども建設国債ならいいじゃないかというような議論もあるわけですから、私は、これは思いつきでございますけれども、たとえば——たとえばですが、国際経済協力のための国債というものが理論的に考えられないかというような感じもするわけでございます。これをいま五十七年度予算で大騒ぎのところで新しいことをなかなか大蔵省も考えられないのでしょうけれども、ひとつこれからやはり認識としては経済協力を相当面期的に、ドラマチックにですか、あるいはドラスチックにですか、強化していくということが出てこないとなかなかおさまらないのじゃないかと思いますので、これはひとつ財政当局、いまここでやるとかやらぬとかというお話じゃございませんけれども、今後いろいろと研究していただくということについて御当局の御意見を伺いたいと思います。

日吉章大蔵省主計局主計官

○説明員(日吉章君) 海外経済協力が重要な点につきましては、財政当局としましても十分認識しているつもりでございまして、先ほど通産大臣からもお話がありましたように、五十七年度の予算の一般歳出の伸びがわずか一・八%の中にありまして、ODAに関連いたします一般会計の予算は実に二けたの一一・四%伸ばしております。そういう点でも私たちの経済協力に対します認識については御理解いただけるかと思います。  ただ、さわさりながら、それに財源がこういう厳しい財政状況の中で必要でございますので、せっかく経済協力国債というふうな御提案をいただいたわけでございますが、ただいまお尋ねいただきましたのでいろいろ検討はさしていただかないといけないかと思いますが、いまお伺いいたしました範囲におきましては非常に問題があるのではないかというふうな感じがいたしております。  幾つか問題として思われますことを申し上げますと、一つは、公債を発行いたしますと、その目的が何でありましてもしょせん借金でございますから、償還財源を後年度において確保しないといけないという問題がございまして、結局は一般財源に依存せざるを得ないというふうなことになります。かつ現時点におきまして発行いたします場合にも、消化面、流通面におきまして通常の国債と市場において競合するという問題が出てまいりまして、現在ございます建設公債及び特例公債、いずれも大量に発行されているというようなことで、市場での消化がいろいろ困難を来しております、そのところに一つ新しい国債を発行するという点は、消化面でも問題があるのではないかというふうな感じがいたします。そういうふうに市場におきましては、目的公債であれ、特例公債であれ、建設公債であれ、同じ金融的な機能を営みますものですから、現在、私たちとしてはもう一刻も早く公債発行額を縮小しまして、特に特例公債からは脱却しないといかぬというふうなことを緊急の課題としまして財政再建に取り組んでおりますときに、さらにある特定の目的を持った公債を発行するということは、財政再建を図っている上からいろいろ問題が出てくるんじゃないか、こんな感じがいたします。さらに、経済協力はやはり援助という性格が色濃く出ておりますものですから、経済協力費の中にはあるいは国際開発金融機関に対します出資金のように資産化し得るものもありますけれども、その大宗はやはり援助というような形で経常的な経費が多くなろうかと思います。そういう点から見ましても、公債として発行するのにはいろいろ問題があるのではないか、こういうふうな感じがいたします。  いずれにいたしましても私たちも経済協力の拡充に積極的に取り組まないといかぬという認識は持っておりますので、予算全体、財源全体の中での整合性に配慮しながらも、なおどこまでどういう形で重点的に資源を配分することができるかというふうな点からの検討を加えていきたい、かように考えております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 いろいろむずかしい点はあると思いますので、ひとつ引き続き別にどの方策ということじゃなくて、全般的に御検討いただくということでよろしくお願いしたいと思います。  ところで、現在貿易摩擦の一つの問題というのは、やはり日本の農業との関連の問題というのが非常にありまして、残存輸入制限も農産物の幾つかの大きな項目が残っておるということでありますけれども、いろいろ言われているわけですけれどもこれからの日本の農業というのは国際的にただ波打ち際で外から来るものをとめるというだけではなくて、みずからの競争力というものもだんだんつけていくということでないとこれはやっぱりなかなか成り立たないのじゃないかという感じがするわけでございます。そういうことで、これからひとつ日本の農業を現在のような貿易摩擦の状況下でどういうふうに強化していくのかということについて、これは農林省に一般論になりますでしょうけれども、お伺いしたいと思います。  それからもう一つは、いろいろ外国からいまの残存輸入制限で数量をもっとふやせあるいは自由化しろ、こういう話もあるわけですけれども、同時に、日本の国内での流通機構についていろいろ批判をされておる。もう少しもっとわかりやすいものにしろ、あるいは流通機構が非常に複雑で必ずしも消費者の利益になっていないのじゃないか、あるいは外国から見ましてとにかくわかりにくい、そういうふうないろいろ批判もあるわけでございます。そういうことでこれから、いまの時点ですぐに自由化するとか、あるいは数量をどうかということは非常におっしゃりにくいとは思いますが、しかし、いろいろ摩擦がある、それに対して対応策をとるという全体の姿の中で、流通機構の改善といいますか、それについてどういうお考えを持っておられるのか、私の理解しておるところでは、ある程度そっちの面も過去に数量の増大と並行的にいろいろ御検討ないしは実施をしておられるというふうに了解をしておりますが、今後の方針についてお伺いをしたいと思います。

中川聡七郎農林水産大臣官房参事官

○説明員(中川聡七郎君) お答え申し上げます。  御指摘の点につきましては、まず農業の体質を強化するということにつきましては、中核農家をわが国の農業の中心に位置づけるとともに、中核農家を中心として農業生産あるいは農地保有の面で相当なシェアに高めていくというふうなことから、第二種兼業農家、御案内のように大変多数ございますけれども、そういう農家の農用地の活用を含めた生産集団の育成等によりまして生産性の向上を高めていくということが第一番に必要であろうというふうなことで考えておりまして、こういう観点から先般法律をつくっていただきました農用地利用増進法に基づきます利用改善増進事業を積極的に推進いたしまして利用権の設定なりあるいは作業の受委託といった幅広い形での規模拡大を進めていく、あるいは地域ぐるみの話し合いということで作付の集団化あるいは作業の効率化といったことを通じます生産性の高い生産集団の育成といったことを重点的に進めていきたいというふうな意味で農業基盤の整備あるいは技術開発の普及等を推進していきたいというふうに考えております。  なお、このようにして生産性の向上に特に力を入れていくということを中心に、あるいはその他流通機構の改善等も含めながら努力してまいりたいと思いますけれども、何分にも国土資源の制約等ございまして、たとえば、アメリカに匹敵するような規模の大きい、生産性の高い農業ということは、アメリカに匹敵するような状態にまで持っていくということは、非常にむずかしい条件があるというふうなことで考えております。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 時間が経過しておりますので、簡略に。

大木浩自由民主党

○大木浩君 最後に一つだけ。いろいろと貿易摩擦の問題がありまして、これは摩擦の前から問題ですけれども、海外広報というものを政府ベースにしろあるいは民間にしろいろいろ行われていると思いますけれども、どうも少しこれだけ摩擦もふえてきておる割には十分にあるいは適切に行われていないのじゃないか。私は政府の方はきょうはあれですけれども、ひとつコメントさしていただきますと民間で非常に私は恐らくいろいろ宣伝費を使っておられると思うのです。ところがたとえばアメリカのテレビなんかを見ますと、大いに日本の自動車のPRが出ておるとか、そういったことは普通のときならいいのでしょうけれども、だんだんこういう状況になってくると必ずしもプラスの効果じゃないのじゃないかというようなことを感じます。そこでこれは民間のやることをどこまで政府がコントロールできるか知りませんけれども、そういったことについてどういうふうにお感じになっておられるかあるいは何か手があるのか、一言お話を伺って私の質問を終わりたいと思います。

黒田真通商産業省通商政策局次長

○政府委員(黒田真君) 本来、企業の行いますPR活動というのは、企業のイメージアップでありますから、その結果逆の感じを持たれるというようなことは、企業自身も当然欲しないはずであろうと思います。確かに、アメリカにおける自動車の広告等について、一部批判を私自身聞いたことがありますが、必ずしも行き過ぎたとは思わないぞというふうな見方もございますし、また一部には、もうあれはアメリカの現地のディーラーたちのやっておることであって、日本の車について広告をしているけれども、広告の出し手はアメリカ人であるというようなこともあったりして、御指摘のように、民間活動自身である上に、それが現地の人の活動であるというような要素もあって、なかなか役所からとやかく申すことはむずかしいかと思いますが、御指摘のような懸念がないわけではないので、今後慎重な良識ある活動を期待したいと思っております。

伊集院明夫外務省情報文化局海外広報課長

○説明員(伊集院明夫君) 関連して一言、外務省の方でやっております海外広報対策、ちょっと述べさしていただきますと、先生御指摘のとおり、民間と政府一体になって海外広報活動は強化していくべきであるというのは全く御指摘のとおりでございまして、外務省といたしましても、東京、それから主要な在外公館におきまして広報連絡会という会を組織しておりまして、民間の企業、それからジェトロ、経団連、その他関係団体と広報活動の調整及び協力ということを行っておりまして、こういう活動を通じましてわが国の総力を結集して海外広報活動をやっていこうと考えております。

降矢敬雄自由民主党

○委員長(降矢敬雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後五時十二分散会

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