社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/04/13
会議録
○委員長(粕谷照美君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 前回に引き続き、老人保健法案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○目黒今朝次郎君 私は、老人保健法案に入る前に、これはちょっと担当が違うんですが、大臣も国務大臣として聞いてもらいたいんです。私は四月八日、ヤクルトおばさんの待遇改善の問題をめぐって労働省なり労働大臣に問題を提示してお願いしたわけであります。特に、中央ヤクルト販売会社が一面では請負業務のような仕事をやって、一面では雇用形態のあるような二重帳簿を使ってやっていることはけしからぬということで、労働大臣もそれを認めて、やっぱりよろしくない、それは直すということでお約束してもらったんです。 それはそれなりに結構なんですが、私たまたま質問を終わった八日、うちへ電話がかかってまいりまして、酒井さんという女の方です。御主人は郵便局に勤めておる方でありますが、四月の八日夜遅く三人の男の方が自宅に来たと。それは中央ヤクルト販売会社の大内課長、それから間瀬係長、それから石岡青山センター所長、三人が自宅に乗り込んでまいりました。この方は前にヤクルトおばさんとして働いておったんですが、余り約束が違うということで途中でやめた方なんです。ヤクルト問題で質問した際に——いわゆるヤクルトの品物を請け負って、それが全部消化できないときは会社から金をお借りするんですが、その金が三十万ほど残っておった。毎月三万円ずつ十カ月払いしますということで契約ができておったんですが、私の質問に協力したことへのいやがらせで、あと十一万残っておったらしいんですが、その十一万を今晩返せ、今晩返さなければ帰れないということで、いやがらせをやってきたと、こういうことなんです。 それで、私は九日の日早速労働省の職安局長に話をして、国会の問題に協力した人に的をしぼって、大の男が三人も乗り込んで、子供の泣く前でサラ金の取り立てみたいなかっこうでやっているということについては余りよろしくないと。私は、きょうは厚生日ですからこんなことを言う気はなかったんですが、そうして労働省に申し上げて、労働省がヤクルト会社に話して、善処しますと言っておったら、きのうまた夜、職場と自宅に電話をよこして、おまえ、国会議員の目黒議員に何か持ち込んだらしいけれども、何言うか、貸した金を返せと言って、またきのう労働省から注意があったにかかわらずやっていると、こういうことなんですよ。ゆうべ来たのもやっぱり石岡という青山センターの所長らしいんですよ。 国会が国民のいろんな労働条件、基本権を審議するに当たって、それに協力する方々にこういういやがらせをやるとは何事であるか。いやがらせがイコール、どんなに社長が弁明しても、国会で私が取り上げたことを裏書きしているんじゃないですか。それは今後議論するとして、国会の審議に協力して情報を提供した方にこういういやがらせで家庭生活を破壊するということはもってのほかだ。今後の審議にも影響しますから、これは厚生大臣としてしかるべく、きょう昼休みで結構ですから、労働大臣なり関係者と連携をとって、中身は職安局長が十分知っていますから、労働省も心得ていますから、きょうは労働大臣いませんから、ひとつ大臣にお願いしたい。 同時に、労働省に対しても、あなたたちは私から問題を受けて、向こうにだめ押しして、行政が指導してもなめられて、きのうまた同じことを繰り返しておる。そんなに一体労働省はヤクルトに弱いんですか。何かくされ縁があるんですか、前の藤尾労働大臣、初村労働大臣。私は人格を尊重して黙っていた。こんないやがらせをやるんなら、藤尾労働大臣の香港における醜態をもう全部国会ではらす。なめるにもほどがある。したがって、労働省はやっぱり言われたらきちっとあなたたちも責任を持ってやってもらいたい。そういうことをお願いして、労働省と大臣から、国会審議の権威に関することですから、しかも緊急に——ゆうべまた来ているんですからね。きょうだめを押さないと、また今晩来るかもしれません。そういうことはよろしくないんで、ひとつ例外ですけれども、大臣に一言、国務大臣としてお願いしておきますが、いかがでしょうか。労働省も見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
○説明員(伊藤欣士君) ただいまお話しの件、詳細まだ承知いたしておりませんので、ただいま先生のお話しの件につきましては、早急に調査いたしまして対処いたしたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 詳細初めて実は聞いたわけでございますが、やはり国政調査権、また国会での質問権、それに対する情報の提供等についてただいまお聞きしたような内容の脅迫めいたようなことがあったようでございますので、その点よく調べまして、後刻報告を申し上げます。
○目黒今朝次郎君 大臣お願いします。 しかし、労働省、あんた怠慢だね。私はきのうおととい職安局長関さんに電話で言って、私の部屋にも三回来ているんですよ、おたくの情報連絡係が。三回も来ておって、あなた自身がきょう質問するのに中身を知らないなんということは——そんなことだからなめられるんですよ、これは。まあ、あなたに言ってもしようがないけれども、そういう怠慢ぶりは承知いたしませんよ。国鉄も文句言われるけれども、国鉄は連絡おくれたら脱線転覆だよ、あんた。おまえら机の上だから、脱線転覆しないでそんなのうのうとしているけれども、やっぱり言われたことはきちっと守ってやってくださいよ、行政は。だてに暇つぶしてやっているわけじゃないんだから、私だって。お願いしますよ、それは。 じゃ、老人保健法案の問題に入る前に、大臣も大正十一年、私も十一年でありますから、戦前、戦中、戦後のお年寄りの取り扱いというものについては、ずいぶんそれなりに理屈抜きで経験してきたはずです。家の中でいろいろ処理されてきて、貧しければ恵み合いという形の中でこの老人問題がやられてきたということはわれわれも、じいちゃんばあちゃんを含めて経験しておるところであります。戦後、多産多死から少産少死と人口革命の進展、いろいろお互いの問題、あるいは生存権あるいは環境権あるいは健康の問題、老後問題、老人問題、そして今日社会問題になってきておるわけでありますが、今日、戦後を考えて老人問題を考える際に、一体お年寄りというものについて、どういう社会観といいますか、どういう考え方で基本的に取り組もうとしているのか、まず入り口で厚生大臣から御見解を聞きたいと、こう思います。
○国務大臣(森下元晴君) わが国は儒教の思想等で昔から、親に孝、先輩を大事にしようという伝統的な考えがあったことは事実でございます。しかし、その一方、またおば捨て山というようなことで、老人を非常に軽視したこともあったようでございます。戦前、戦中、特に戦中は身は鴻毛よりも軽さというような時代を経て、現在は地球よりも人命は重いというように、社会情勢、また人間に対する、生命に対する価値観が大きく変わってきたわけでございまして、憲法にも定められておりますように、人権は尊重すべきである、また社会保障、社会福祉等を通じて御老人を大事にしていこうというように法的にも義務づけられておることは私は結構だと思います。 ただ問題は、医療とかそれから薬、また各人の自覚によりまして、非常に高齢化社会になってまいりまして、社会情勢がかなり変わってきたわけでございまして、そのために年金とか保険等の仕組みも、ここらあたりでぼつぼつ考えていかなくてはいかぬという一つの転換期になっておることは、臨調また各政党でもそれぞれ、この基本的な考え方についての見解を発表されておるし、また検討中であるということを考えました場合に、われわれもそのとおりであるというふうに実は認識をしております。 それと、老人に対する考えは、同じ長生きするのであれば、健やかに元気に長生きをしたいと、こういうような考え方でございます。そこに医療制度のあり方、いかにあるべきかということで今回老人保健法案が出されまして、その趣旨に沿ってお願いしようということになっておるわけでございます。生命を得た以上やはり長生きしたいと、また長生きする以上は、いま申し上げましたように、健やかに長生きして天寿を全うしたい、そういう基本的な考え方の上に立って、私はいろいろ諸外国のいい点も取り入れますし、また日本の伝統的な老人に対する考え方、また家庭、また社会に対する考え方をいかにしていくか、こういう中で老人対策をいかにすべきであるかという命題が生まれてくるように思っておりまして、厚生行政の基本もそういう一つの考え方の上に立って進めてまいりたいと、このように思っておる次第であります。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、戦後ずっといま言ったような問題があるわけでありますが、わが国は、急激な人口の高齢化あるいは老齢人口の問題が言われておるわけであります。従来まで六十五歳以上という輪郭で議論をしてきたわけでありますが、この老齢人口の将来についてどういう展望を持っているのか。五年か十年で結構ですから、それらについて、これは事務局でも結構ですから、見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 将来の老齢人口の推移でございますが、現在六十五歳以上の人口は千百二十二万人と推計をされておりまして、総人口に対する割合は九・五%ということになっております。 これが将来どういうふうに推移をしていくか。昨年の十一月に人口問題研究所が新しい将来の人口推計というものを発表したわけでございますが、それによりますと、昭和六十五年には六十五歳以上の人口が千四百二十九万人、総人口に対する割合が一一・六%、それから昭和七十五年には千九百九十四万人、一五・五%というふうになってまいりまして、昭和九十五年ごろにピークに達するというふうに推計されております。その場合における六十五歳以上の人口は二千七百九十五万人、総人口に対する割合は二一・八%と、諸外国でも例を見ない高齢者の多い国になるというふうに推計をいたしております。
○目黒今朝次郎君 日本は、いま言ったとおり、五十五年九%から、六十五年一一・六%、七十五年一五・五、あるいは九十五年二一・八と、こういうふうに非常に高い伸び率を示している。これを外国のヨーロッパ、たとえばスウェーデン、イギリス、西ドイツ、フランスなどと比較した場合に、日本的な特異性がある、そういうふうなことがよく言われておるわけでありますが、日本的な特異性ということは一体どういうことなのか、この際具体的にお示し願いたい、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 諸外国の高齢者の人口の占める割合でございますけれども、たとえばアメリカについて申し上げますと、現在は六十五歳以上の人口比が一一・二%、フランスの場合には一三・七%、イギリスの場合には一四・九%、西ドイツの場合には一五・一%、スウェーデンの場合には一六・一%と、大体一四、一五ないし一六%ぐらいが諸外国の現在の老齢人口比率でございまして、それに対しまして、現在の日本の老齢人口の比率は、先ほど申し上げましたように、九%でございますから、まだ低いわけでございますけれども、これから諸外国の場合にはそれほど老齢化人口の比率が高くなりません。それに対しまして、日本の場合には大変速いスピードでどんどんこの比率が高まっていくということが一つの大きな特徴でございます。 ちなみに、よく比較をされるわけですが、高齢化の速度を諸外国と日本の場合で比較をしてみますと、六十五歳以上の人口比が七%から一四%ぐらいに達するまでの期間というものを各国で比較をしてまいりますと、フランスの場合には約百三十五年という長い期間がかかっております。スウェーデンの場合には八十五年という期間がかかっております。それから、西ドイツの場合には約四十五年、イギリスの場合にも約四十五年、それからアメリカの場合には約七十五年かかるというふうに推計をされております。これに対しまして、日本の場合には一九七〇年が七%でございまして、一四%ぐらいに達するのは一九九六年、何と二十六年ぐらいで七%から一四%に達する。非常に短い期間、急速のスピードで高齢化が進むということでございます。 それからもう一つは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、高齢化の割合というものが日本の場合には何と二〇%を超える。前回の人口問題研究所の推計によりますと、大体一八%あるいは一九%ぐらいがピークではないかというふうに推計をされておったわけでございますけれども、昨年の新推計によりますと二一%にもなる。諸外国でも例を見ない高齢者の多い国になるという点が、またほかの国と際立った大きな特徴であろうかと思います。
○目黒今朝次郎君 そういうような短期間に高齢化される、特に戦後そういう傾向があるわけでありますが、じゃそれに対応するわが国の終戦後の老人対策の経緯というのがどうだったのか。いま審議官が答弁したような激変ですな、激変に対応するために今日までどういう対応をしてきたのか。もうポイントポイントで結構ですから、老人福祉法ができるとか、あるいは無料化をやるとか、そういう問題、どの時点にどういう対応をして、それはこういうものを求めたんだ、そういうことについて、ひとつポイントポイントでいいですから、五年刻みか十年刻みか知りませんが、おたくの方で掌握できるところで、そういう激変に対する老齢化対策として国がどういう手を打って、どういう効果があって、どういう問題点があったのか、その辺まで回答願えれば幸いだなあと思うんですが、ひとつお答え願いたいと思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 高齢化社会に対応する対策、いわゆる高齢化対策として、国全体としてはいろいろな観点からの対策が必要かと思いますけれども、厚生省の所管、社会保障について申し上げますと、やはり一つの柱が年金制度だろうと思います。年金制度につきましては、昭和三十六年に国民皆年全体制ができまして、被用者だけではなしに、全国民が何らかの年金制度の適用を受けるようになったわけでございますけれども、その後昭和四十年代にかけまして厚生年金、それから国民年金を通じまして、年金制度についての飛躍的な拡充充実が図られてきたわけでございます。こういったことによりまして、現在では年金制度の水準は諸外国と比べても遜色のない水準に到達したというふうに考えている次第でございます。 それから老人福祉、福祉対策の面でございますけれども、昭和三十八年に老人福祉法が制定をされました。これによりまして、老人福祉対策の画期的な充実が図られてきたわけでございます。社会福祉施設、老人福祉施設の整備にいたしましても、あるいは在宅福祉サービスにつきましても、老人福祉法に基づきまして今日まで年々充実が図られてきたと思います。 それから医療の面でございますけれども、医療の面について申し上げますと、国民皆保険体制ができましたのが昭和三十年代の半ば、昭和三十六年紀国民健康保険というものが全国民強制適用になりまして、皆保険体制というものができてきたわけでございまして、その後昭和四十年代、それから現在にかけまして給付の改善充実というものが図られてきたと思います。特に、老人について昭和四十八年にいわゆる無料化制度というものが発足をいたしまして、医療保険の自己負担分というものを公費で負担する制度ができた。これも老人福祉対策の沿革といいますか、これまでの推移の中で画期的なごとであったのではないかというふうに思っております。 そのほか、老人に限りませんけれども、疾病の予防対策、保健対策、そういった対策も年々充実をされてきておるというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 いろいろあったと思うんですが、同時に一般的に言われているわが国の平均寿命の関係で、昭和二十二年の統計を見ますと、男は五十・〇六、女は五十三・九六と、こう言われているのですが、今日これは——私も子供のときは人生五十年というふうに教わったんですが、人生五十年を超えて私ももう六十になった。いまは男女とも、七十二とか七十三とかと、世界にもまれに見る高齢平均寿命と、こういうふうに現在展開してきているわけですね。 ですから、現在世界にまれに見るような高い平均年齢を男女とも確保できた原因といいますか、背景といいますか、それは何によって今日七十二、七十三というふうに確保されたのか。その原因、背景などについてどのように厚生省としては受けとめておられるのか。その受けとめ方について御見解を聞かしてもらいたい、こう思うのです。
○説明員(竹中浩治君) わが国の平均寿命でございますが、医療技術の向上あるいは公衆衛生の進展、生活水準の向上等によりまして、いまお話しございましたように、戦後著しく延びてまいっておるわけでございます。現在一番新しい数字が昭和五十五年でございますが、男が七十三・三二歳、それから女は七十八・八三歳というのが平均寿命で、世界でもトップクラスであるわけでございます。 これまでの平均寿命延長の要因と申しますか、内容と押しますかを見てみますと、昭和三十年代までは乳児死亡率の低下というのが非常に大きく寄与いたしておりますし、それに続きまして、二十歳代、三十歳代の結核死亡率の低下というものが大きな要因妃なっております。ところが、昭和四十年代以降になりますと、高齢者を含めましたすべての年齢層について、若い層だけではございませんで、すべての年齢層について死亡率の低下が寄与をしておる。この中では脳卒中等のいわゆる循環器疾患による死亡の低下というようなものが大きなものだと考えております。
○目黒今朝次郎君 四十年代までは説明があったんですが、四十年代から昭和五十年代は傾向としては変わりはないんですか。
○説明員(竹中浩治君) もちろん、四十年代の初めごろには、乳児死亡率でございますとか、あるいは結核の死亡率の低下がある程度の寄与をいたしておりますし、五十年代に入りますと、そういったものよりも、先ほど申しました循環器疾患の死亡率というもののウエートが非常に高いということでございます。
○目黒今朝次郎君 参考までに、乳児死亡事とか新生児死亡率。昭和二十年代がどのくらいで、おたくが言った昭和三十年代末期にはどのくらいの減少ぶりを示したか、数字があったら参考までに教えてもらいたい。
○説明員(竹中浩治君) 乳児死亡率は、出生千に対してでございますが、昭和二十五年が出生千に対しまして六十・一でございます。昭和三十五年で申しますと、それが約半分になりまして三十・七、四十五年が十三・一、一番近いところの五十五年で七・五というのが乳児死亡率でございます。
○目黒今朝次郎君 そういう乳児死亡率が非常に激減して平均寿命を押し上げたという点はわかりました。 それからもう一つ、妊産婦の死亡率が非常に高いということも聞いているんですが、赤ちゃんを産む妊産婦の方の死亡率、これはどんな状況でしょうか、参考までにお教え願いたい、こう思うんです。また、これについてはどういう改善策を考えでいられるか、それについてお答え願いたいと思います。
○説明員(竹中浩治君) 妊産婦死亡率でございますが、昭和二十五年、これは出生千対でございますけれども、昭和二十五年で一・七六ということでございましたが、昭和五十五年には出生千対〇・一八ということで、着実に改善をされてきてはおります。しかしながら、諸外国と比較をいたしますと、この出生千対〇・一八というのは、必ずしも低い数字ではございませんで、わが国の死亡率の一つの問題になっているかと思うわけでございます。 で、この妊産婦の死亡率でございますが、妊産婦対策ということで、従来から妊産婦の健康の保持増進、特に妊産婦に対します健康診査、保健指導、あるいは妊娠中毒に罹患をしている妊産婦に対する療養援護、こういった事業を推進をいたしておりまして、そういったものを通じて今後改善を図っていきたいと考えておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 昭和二十五年から比べて五十五年は〇・一八と改善されている、しかし諸外国に比べて必ずしも十分な数字でないと、こういう話があったんですが、結局いま問題になっておる職業婦人の問題、あるいは農家の婦人労働の問題、そういう問題が妊産婦の死亡率あるいは流産の増加ということに因果関係があるということをよく言われるんですが、労働省関係はこの妊産婦の死亡あるいは流産というものに対して人口問題からどういう検討をされておるか。労働省から職場環境の関係でどんなことを考えているかお答えを願いたい、こう思うんです。
○説明員(伊藤欣士君) 妊産婦、婦人労働者の問題につきましては、実は婦人少年局の方が担当しておるわけでございますけれども、婦人労働者の立場から、子孫を残すという女性の非常な役割りを持っておるわけでございます。そういう意味で、労働基準法関係等におきまして、出産の問題、育児の問題については基準法上等もいろいろな面で配慮されておる、そういうような形の制度を維持するということでやっておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 きょうは長工場だから、夕方五時までゆっくりやるんだから、いま言ったような抽象論では物になりませんから、政府委員の方で連絡して、具体的に厚生省のように数字でしかじかな数字だ、傾向値はこうだ、これに対して悪かったら悪い原因、そしてそれの対応策、よかったらよくなった原因と今後の取り組みということを数字で答弁を後ほどお待ちしております。よろしくお願いします。 それで、いま赤ちゃんとか妊産婦の問題がわかったんですが、しかし、先ほど統計部長至言うとおり、わが国の疾病構造が大分変わりまして、肺結核というようなものからだんだんがんとか、循環器とか、脳関係とか、そういう方向の成人病の構造に変わってきているということが言われるんですが、年代は、昭和三十年代、四十年代、いろんな年代があると思うんですが、どの年代からそういう疾病構造の変化が顕著になってきたのか、それに対して厚生省は医療保険の面からどういう対応をしてきたのかということについて、この疾病構造の変化に対応する厚生省の取り組みについてお聞かせ願いたい、こう思うんです。
○政府委員(三浦大助君) 最初に疾病構造でございますけれども、かつて肺炎とか気管支炎、こういうものによる死亡が非常に多うございまして、その後結核が非常に蔓延した時代がございます。昭和二十六年から死因順位で見ますと、第一位が脳血管の障害、それから悪性新生物、心疾患と、こういう順番になってきておるわけでございますけれども、昭和五十六年には悪性新生物が恐らく第一位を占めるんじゃないだろうか、こういうふうに推測されておるわけでございます。 で、六十年代、七十年代の三大死因の推移を粗死亡率で見ますと、脳血管疾患というのは昭和四十五年まで増加の傾向にございました。しかしこれはその後減少に転じております。悪性新生物、がんのようなものは一貫して増加傾向にあるわけでございます。それから心臓の疾患も大体増加傾向にございます。 それから人口の高齢化現象を補正いたしました訂正死亡率、これは年齢階級で見ているわけでございますが、脳血管疾患というのは昭和四十年以降一貫して減少の傾向を示しておるわけでございますが、がんのような悪性新生物につきましては、男性の方でややふえて、女性で減少傾向を示しておる。それから心臓疾患につきましては、減少傾向にございましたが、最近ではほぼ横ばい状態だ、こういうことでございます。 で、こういうものに対する対策でございますが、がんの予防対策につきましては、昭和四十四年から一応のスタートをしたかっこうになっておりまして、五十三年になりますと、健康づくり推進運動という総合的な健康づくり運動が始まっておるわけでございますが、それから循環器疾患対策につきましては、厚生省が最初に都道府県に対して、いろんな健康診断の実施とか、そういう対策の通知を出したのが昭和四十九年以降でございます。その他農村の保健問題も成人病を含めて非常に重要でございますので、農山村保健対策というようなかっこうで昭和四十五年以降いろいろ対策を立てておる。四十年代後半からこういう成人病対策がスタートしておる、こういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、昭和四十五年後半から成人病対策が始まったと。いま五十六年、十年ちょっとですな。十年ちょっとのおたくの対策を一応振り返ってみて、どういう点がよくてどういう点がまだ足りないか。こういうふうに、総括といっては変でありますが、大体十年一くだりというのがありますから、十年やってみてどの点がよくてどの点が悪かったか。これは悪い質問ではなくて、後で出てくる老人保健法案にどこで結びつくかという、一つの生きた教訓になると思いますので、十年間成人病対策をやってみて、いい面と悪い面、これをひとつ参考までに聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(三浦大助君) 一口に言うのは非常にむずかしゅうございますけれども、ほぼまとめて申し上げますと、要するに脳血管障害のようなものにつきましては、栄養関係の教育というものが非常に浸透してまいっておりまして、これは国民栄養調査に見られますように、主として減塩食——塩分の摂取量が非常に減ってきたということにも見られますように、かなりこれがいまの統計で申し上げましたように減ってきておる。これはこういう衛生教育あるいはいろんな対策の成果ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。 それからがんのような悪性新生物対策につきましては、これはまだ原因もよくわかっておらないこともございますが、ただ、これにつきましては非党に衛生教育は浸透してまいりまして、かなりな市町村で実際検診が行われている。市町村にいたしまして、検診を実施しておる率が現在でも九七%ぐらいあるわけでございます。 それからもちろん、循環器痴愚のようなものにつきましても、これの検診体制はいま市町村で、大体九三%ぐらいの市町村が現在やっておるということで、対策は徐々に進んでおるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。 ただ、こういう病気の発見から治療、こういうものがいま着々と進んでおりますけれども、特にこういう脳血管障害のような病気になりますと、あと後遺症が起こります。そういうものの後の機能訓練、それからまた寝たきり対策、老人病対策というようなものについては、これからもっと前進させなきゃいかぬだろうかというふうに考えておるわけでございまして、この点、今回御提案申し上げております老人保健法案の中で一貫したこういう対策をとるようにいま考えておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 私も専売の仕事を調べてますが、ここ十年来塩の消費量は、特に食品衛生の塩の消費量がぐっと落ちている。いま言われたように栄養指導が功を奏してきたと。塩の業者については、おれのところ商売なくなって困ったという文句がありますがね。しかし、いま言っていたところで大事なことは、栄養関係の指導をやると、相当程度老人の成人病には大きな効果があるんだ、逆に必要なんだということを、いま十年の総括の一つとして、言えるもんだなと私は思います。ただ、がんとか循環器関係についてはまだ不十分な点がある、しかし懸命に努力をしておるという点については私もそれなりに評価をしたいと思います。 それで、この成人病がふえてくるということから考えると、有病率の高い老人というのが問題になってくるんじゃないかということをよく言われるんですが、有病率の高い老人人口の傾向と、それに対する対応の仕方ということについて見解をお教え願いたい。特に、有病率の状態については、具体的な統計数字があれば、その数字を示してお教え願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(三浦大助君) 有病率につきましては、これは国民健康調査というのを毎年やっておるわけでございますが、これで見ますと、これは聞き取り調査でございますが、大体一一%。これは昭和五十五年の統計でございますが、一一%ぐらいの人が何らかの体の調子が悪いということを訴えておるという統計がございます。これは全年齢でございます。 この中で特に七十歳以上を取り出してみますと、その有病率は四一・四%、四倍近い有病率になってまいりまして、ほほ二人に一人ぐらいが何らかの異状を訴えておると、こういうことになっておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 後でまた成人病のことをお伺いしますが、成人病のほかに、お年寄りなり四十代から上の方のことを考えますと、成人病のほかにどんな病気があるんだろうか。たとえば、環境庁に伺いますが、公害に関するいろいろな病気なども老人の将来の健康ということに大変な因果関係を与えているんじゃなかろうか。こう私は一例として思うわけであります。 また、私も酒の飲み助ですけれども、アルコール中毒というようなのがいつもちょいちょい出ておる。それが年をとってから陰に陽に影響を及ぼす。 そういう問題などいろいろありますが、特に成人病以外にお年寄りの病気ということを考えるとすれば、環境庁の関係からどういう問題などを把握しておるか。また厚生省とどういう連係動作をとっておられるのか。公害の問題について環境庁の方からお教え願いたい、こう思うんです。
○説明員(藤川鉄馬君) お話しの点につきましては、現在公害健康被害補償制度というのがございます。この公害健康被害補償制度は、公害によりまして健康被害を受けた者に対しまして民事責任を踏まえ、すなわち汚染者による民事責任を踏まえまして、迅速かつ公正な保護を図ることを目的として、これら公害健康被害者に対しまして各種補償給付の支給あるいは公害保健福祉事業などを行っているところでございます。 具体的には第一種地域及び第二種地域がございますが、その第一種地域の中におきましては、慢性気管支炎、気管支ぜんそく、ぜんそく性気管支炎及び肺気腫の四つの病気が指定されまして、そして指定地域、政令でもって指定されました地域に居住あるいは勤務することによりまして一定期間の暴露を受けた場合には、都道府県あるいは県、区等にあります認定審査会の答申を経まして、それぞれの長が認定をするという仕組みになっております。そして先ほども申し上げましたように、これらの方々に対しまして各種療養の給付、あるいは障害補償手当、あるいは公害保健福祉事業等を行っているところでございます。
○目黒今朝次郎君 いま言ったような認定審査会でいろいろな病気が認定されて取り扱いされておるわけでありますが、それらの発病なり罹病した方々と、七十歳なり六十五歳以上のお年寄りの健康の関係というものについては追跡なり検討をしたことがあるかどうか、参考までに聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○説明員(藤川鉄馬君) 現在、公害第一種地域におきます認定患者約八万人おりますが、その中でもって六十五歳以上の患者さんが二〇%ございます。 それで、この公害健康被害補償制度は、先ほども申し上げましたように、たとえばその費用負担につきまして、汚染者が共同して負担をするという一種の民事責任を踏まえた仕組みということになっております。その意味におきまして、これは一般の高齢者対策という性格のものではございませんで、公害により健康被害を受けた方々に対して、汚染した者の共同負担による民事責任を踏まえているというものでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、その現在認定されておられる患者さんが六十五歳以上で二〇%ございますので、各種保健福祉事業を行うに当たりまして、たとえばリハビリテーションあるいは家庭訪問指導等公害疾患の特性に応じた内容となっておりまして、かような意味におきましても、公害疾病の年齢構成上の特色に配慮したものとなっているかと存じます。
○目黒今朝次郎君 六十五歳以上が二〇%もいらっしゃるということになりますと、一万五、六千、こうなるわけですね、二〇%というと。 そうすると、厚生省にお伺いしますが、今回の老人保健法は七十歳以上、こういう前提で考えますと、公害認定患者で、いま六十五歳以上の数ですから、七十歳以上となると、甘く見て一万人近くはいらっしゃると思うのですがね、七十歳以上。この公害認定患者は、今回の七十歳以上の老人保健法ではどんな取り扱いになるんですか、公害認定患者。
○政府委員(吉原健二君) 新しい老人保健法と公害健康被害補償法の関係でございますけれども、公害健康被害補償法が優先適用になるということになっておりまして、老人保健法からは医療の給付は行われないという仕組みになっております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、優先適用ということになりますと、公害補償法の取り扱いと、今回の保健も含めて、いろんな仕事がありますが、先ほど言った病気になった後の機能訓練とかなんとかということが不十分だ、こう言われていますが、そういう問題を受けて両者を比較した際に、一〇〇%条件が合っていればいいけれども、どちらか条件の格差があった際に、たとえば老人保健法が有利だという場合にはどういう取り扱いになるんですか。
○説明員(藤川鉄馬君) 公害健康被害補償制度におきます給付につきましては、まず療養の給付につきましては、これはいわゆる自己負担というものがございません。その意味におきまして、これは四つの疾病につきましては、汚染者、すなわち産業界から徴収いたします汚染負荷量賦課金及び移動発生源としての自動車から徴収するものとして自動車重量税収入の一部、これをもって医療給付を行っているところであり、またそれ以外にも障害補償手当等々の支給を行っているところでございます。
○政府委員(吉原健二君) 公害患者の方々の医療と老人保健法の関係でございますけれども、公害患者の方々が、指定疾病について申し上げますが、公害病と指定された疾病につきましては、公害健康被害補償法の方が優先になりまして、老人保健法が適用にならないということになります。ただ、実質的にそのことによって患者の方々が不利になるということはございません。 それから医療以外のたとえば予防でありますとか、あるいは訪問指導でありますとか、リハビリテーションでありますとか、老人保健法では医療以外にいろんな保健事業をやるということを考えておりますけれども、そういった事業につきましては、公害患者の方々にも当然適用していきたいということを考えております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、指定疾病には不利益がないと、こう思うけれども、不利益があった場合には不利益のないようにきちっとする、こういうふうに取り扱いを解釈して、医療以外の保健の問題については平等に適用されると、こういうお考えですね。——じゃそのように確認しておきます。これは今後の原爆の関係もあるものですから確認しておきます。 それから環境庁にもう少しお伺いしますが、六十五歳が二〇%以上あるということになると大変な影響力があるなど、こう見ておりますのですが、この前環境庁長官が、霞ケ浦の湖の底のあそこの環境整備、あの問題について通産省の反対があってなかなか国会に提案できないと、こういう話があったんです。私も選挙区の関係がありますから、あの辺に行きますと、あの湖の周辺にはお年寄りがいっぱいいらっしゃって、問題と言われている水を使ったり、あるいは農作業をやったり、あるいはあそこから川魚をとったり、海魚と川魚のチャンポンみたいな魚をとって生活しているわけですね。ですから、通産省の反対があったとしても、人間の命を預かる環境庁なり厚生省が、冒頭厚生大臣が人間の命は地球より重いと言っているのですから、地球より重いと言っていながら、人間の生命に二割もかがわりあいのある公害の問題について国会に提案できないというのは、私は政治姿勢から見ておかしいのじゃないか。したがって、通産省の反対は、企業側のいろんな条件で反対をしておるんでしょうが、この際人間優先という原点に返って、いま環境庁で問題になっておる法案については断念なんていうことまだ言わないで、きょうまだ四月の十三日ですからね、国会は五月十九日まであるんですから、あと一カ月以上あるんですから、やはりこれを国会に提案する、人間の命を大事にするために。老人保健法でいろんな小手先を議論するよりも、病人をつくらないというのが前提ですから、そういうことがやっぱり先行すべきじゃないか。こう思うのですが、私は環境庁だけに無理かもしれぬけれども、ひとつこのことについて再度御見解を聞くなり、また命を預かる厚生省がいろんな産業政策よりもこれは優先すべきだという見解に立ってもらって努力してもらいたい、国務大臣として努力してもらいたいなあ、こう思うのですが、両方から御見解を聞きたい、こう思うのです。
○説明員(藤川鉄馬君) 先ほど先生のお話承りました中で公害病認定患者の中の老人の内訳でございますが、これは現在の制度が発足いたしましたのが四十九年でございまして、そのころは一三、四%でございまして、それが今日先ほど申し上げました六十五歳では二〇%という状況になっております。これはどちらかといいますと、老人の場合にはなかなか治りにくいということから制度の適用になっている。それに対しまして、若年層の場合には比較的その制度の離脱者が多いということによっているものでございます。 それからただいま先生から霞ケ浦のお話承りましたが、私その所掌をしておりませんので、ただいま先生から承りました内容につきまして大臣に報告を申し上げたいと思っております。
○国務大臣(森下元晴君) 人の命は大変大事である、これは当然でございますが、特に出生率が大変低下しておりまして、わが国の人口問題という問題も非常に重要な問題で、生まれてきた以上りっぱに育ってもらいたい、そのためには病気にならないということが原則でございますし、これはお年寄りに限らずすべての人が健康で働く、健康で生きる喜びをかみしめていく、これは厚生行政の基本でございます。そういうことで保健活動それから衛生関係、そういうことを学校教育等の部門を通じて指導する。健康のありがたみ、また命の大事さ、そういうことになりますと、自分の、自助と申しますか、努力ももちろんやりますし、また公的な保健衛生に関する指導とか、それから保健所、また町村を通じましての保健活動、そういうことを通じまして病気にならないということ、これは大事でございます。 その中でいま御指摘のこの環境問題、これは当然文明、文化が進むといろいろな副作用が起こりまして、いままで予期せざる公害等によって、そして自分の意思にかかわらず病気になってしまう、また病気になるという問題が起こっております。いままで経験したことのないような公害のための病気が、原因も発見されずに、発見されたときにはもう間に合わないというようなことも間々ございまして、先ほどから言われるように、従来は結核とか脳卒中とかというようなものが非常に高い死亡率を持っておったのが、最近はがんである。このがんの発生も、原因不明というような非常にむずかしい原因によってがんが発生しておる。病気の種類も非常に複雑多岐になって、何が原因であるか、その中に公害関係、環境関係による水の汚染とか空気の汚染による病気もあると思いますし、それに対応した保健衛生、これは早ければ早いほどいいわけでございますけれども、一応老人保健法では四十歳、このあたり統計的に見ますと急に病気になる方がふえておるようでございまして、これもそれがいいかどうか、一応データでそういう基準を置いてございますけれども、十分病気にならないように、しかも多様化した病気の原因をつくり出しておるということを考えました場合に、保健衛生、病気にかからないということが大事であろうと私も痛感を実はしておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 NHKのテレビで見ていると、霞ケ浦の汚染のどろどろしたやつがよく画面に出るんですが、あのどろどろした湖底につながる水を近辺の住民が飲んでいるのかと思うと——また、たんぽに水を引いて、安中裁判じゃありませんが、一回たんぽが汚染したら、農家にとっても住民にとっても大変なことですよ。そういう点から見ると、いまちょっと厚生大臣から詳しく説明がありましたが、鈴木内閣としてこの湖の汚染防止ということは、環境庁の方も、大臣によくお話しすると、こう言いましたが、琵琶湖の問題も含めて、私はやるべきじゃなかろうか。それが本当に人間を大事にする鈴木総理の姿勢であり、農民の代表だと言っていながら農民やお年寄りを苦しめる政治姿勢はよろしくないと、こう思いますんで、重ねてこの環境庁の法案について提出方を心から要請しておきます。これは要請する以外にない。 それからもう一つは、死亡率という問題については、各地域格差がどうなっているんだろうか、北海道から沖縄まで一律じゃないではないか。したがって地域格差についてどんな現状なのか、全体の死亡率。それに対する厚生省の対応はどうなのか。資料があったら後ほどもらいながら、同時にその地域格差に対してどういう取り組みをしているかお教え願いたい、こう思うんです。
○説明員(竹中浩治君) 昭和五十五年の都道府県別の死亡率でございますが、これは人口千対でございまして、最も高いのが島根の九・〇というのがございますが、それ以外に鹿児島の八・九、この辺が高い数字になっております。それから低い方では埼玉、千葉、神奈川、こういった大都市周辺が人口千対の死亡率では低くなっております。
○目黒今朝次郎君 それをいま問題になっている六十五歳の老人に対象をしぼった場合はどんな数字になるでしょうか。
○説明員(竹中浩治君) いまちょっと手元に資料がございませんが、九州、四国、その辺は老人人口が多うございますので、先ほど申しましたようなことで全体の死亡率が高まるということでございます。ちょっといま手元に数字がございませんので、失礼いたします。
○目黒今朝次郎君 六十五歳以上の各都道府県に占める人口の割合ということは、数字をもらっておりますからそれはわかるんですが、死亡の割合というのは、後ほどあったらひとつ資料として提供してもらいたいと思うんです。 ただいま説明を聞いて、千葉とか神奈川とか埼玉とかという都会地が、俗に言う都会地が死亡人口が少なくて、島根、鹿児島あるいは東北が死亡率が高いということは、それなりに私は原因があると思うんですよ。その原因、これは六十五歳とか七十歳のお年寄りの死亡も、傾向としては同じ傾向を持っておると、こう思うんですが、この都道府県別の地域格差の大きな原因は何だろうか。食生活だろうか、環境だろうか。それに対する対応はどうあるべきだろうか。そういう分析をしておられるかどうかお聞かせ願いたいと、こう思うんです。
○説明員(竹中浩治君) 先ほど申し上げました数字は全体の死亡率でございますので、四国、九州等は老人人口が多いために死亡率が高い。逆に、埼玉、千葉、神奈川等は、老人人口の割合が少ないために、死亡率として低くなっておるわけでございます。 そこで、先生のお尋ねは恐らく、六十五歳以上なら六十五歳以上を分母にいたしまして、あるいは六十歳代、七十歳代というものを分母にして、その年齢での死亡率が都道府県別に格差があるかどうかというお尋ねであろうかと思います。現在ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、一般的に申しますと、東北から関東の北部にかけましては脳卒中死亡率が非常に高こうございますので、恐らく五十歳代、六十歳代あるいは七十歳代の前半ぐらいまでは東北、関東北部の死亡率が高いのではなかろうかと思っております。後ほど資料を用意いたしまして、お目にかけたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 これは私も通告しなかったから一半の責任はありますが、私がいま言ったところの地域別の死亡状況、それからいま言った老人病とか脳卒中を含めて、いわゆる老人病に近い病名を挙げてみて、それの死亡状況ということをぜひつまびらかに調査をしてもらいたいと思うんです。 それはなぜかというと、全国一本の老人保健法をつくっても、おたくの法案では実施主体が今度は市町村ですね。市町村が実施主体になるわけでありますから、中央でどんぶり勘定で計画したんではどうしても絵にかいたもちになる。いわゆる老人が本当に居住している各市町村市町村、その市町村市町村の対応をきめ細かくやらないと、この法案の本当の生きた精神が出てこない。その対策を立てるためには、私がいま言った分析と対応なり、それが必要ではなかろうかと、そう考えて提案をしておるわけでありますから、三時ごろまでに間に合えば出してもらうし、間に合わなかったら後でも結構ですから、ぜひいまの分析と対応の資料を提出願いたい、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(竹中浩治君) そのようにさしていただきます。
○目黒今朝次郎君 次は、医療費の伸びの推移について資料をもらいましたけれども、どうなっているのかひとつお教え願いたい、こう思うんです。
○政府委員(大和田潔君) 国民医療費の伸びでございますが、昭和五十五年度十一兆九千八百億円。それが五十六年度は十二兆八千六百、五十七年度は十三兆八千八百というふうな見込みでございます。この間の伸び率は、五十五年度は九・四、五十六年度は七・三、五十七年度は七・九というような見込みをしておるわけでございます。 先生おっしゃいました今後の動向ということになりますと、今後の動向を的確に予測いたしますことはなかなか困難でございますけれども、仮定を置きまして、五十五年度から五十七年度までの平均伸び率、これは八・二でございますが、これが今後も推移してまいりますと考えますと、昭和六十年度におきましては、国民医療費は十七兆六千億円程度になるというふうに見込まれるところでございます。
○目黒今朝次郎君 おたくからもらった資料と社労の調査室からもらった資料が若干違うんですけれども、大した数字じゃありませんから申しませんが、国民医療費の伸びですね、昭和四十八年から五十七年までのがあるわけでありますが、伸び率を見ますと、四十九年は三六・二、五十年が二〇・四、五十一年が一八・四、五十二年が一一・七、五十三年一六・八、五十四年九・五、五十五年が九・四、五十六年は七・三、五十七年が七・九。 こういう伸び率を見まして、五十二年まではずっと二けた台の伸び率を示して、五十四年から一けた台に下がっている。この傾向値なんですが、この傾向値は何に起因するんでしょうか。私もあっちこっち厚生白書などをしさいに見て勉強してみたんですが、その傾向値がなぜこうなったんだろうか、五十四年を境にして。これについておたくで分析しておったら、この際今後の問題もありますから教えてもらいたい、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(大和田潔君) その辺の問題、実はなかなか分析がむずかしい問題でございます。 五十三年度まではおっしゃいますように二けた、しかも五十年度あたりは二〇%というこの辺の伸び率につきましては、例の石油ショックということがございまして、この辺は理解できるわけでございますが、それが五十四年度以降一けた台になってきております。 さらに、推計でございますが、五十六年度あたりはかなり低くなるというふうに推計しておるわけでございますが、これは一つは、たとえば富士見病院であるとか、いろいろな医療機関の不祥事件が起こってまいりましたし、そういったようなことによりまして、お医者さん側の反省というようなこともあるんではなかろうかというふうにも考えられます。 また、私ども、特に皆様方、国民世論から、この医療費の適正化につきまして非常に強い御注文、御主張があったわけでございまして、そういったようなことから医療費の適正化、これは指導監査であるとかあるいは審査の適正化、あるいは医療費通知といったようなこと等におきまして、私ども努力をしてまいったわけでございますが、これらも反映しておるんではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 一応私どもの考えといたしましては以上のとおりでございます。
○目黒今朝次郎君 これはやっぱり大事な問題点を抱えているなと思うんですよ。約一七%が五十四年で九・五ですからね、約四割。四割も伸び率ががたんと下がったというのは、仮におたくの答弁を戻しのまま受けるとすれば、いかにお医者さんというのが乱診乱療、ぼろもうけをしておったか。この際、国民世論の前に若干軌道修正をした、こういうことで医療費の面から反省があらわれた、こういうようなデータにもなりますしね。ですから、そういうことになれば、今後の医療費の問題についても、もっともっと取り組む余地があるんではないかということを客観的に裏づけしたデータだ、こう言われても仕方がない。ですから、これもきょうとは言いません。きょうとは言いませんが、早い機会にこのデータの分析をもう少し詳しくやってもらって、参考資料として、委員会とはいいませんが、目黒議員の方に御提出をお願いしたい、こう思うんです。いまの答弁はいまの答弁で受けとめておりますが、そういう詳細な分析と具体的データを御提示願いたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) どういうデータということは、なかなかむずかしいと思いますが、できるだけやってみたいと思います。 なお、先ほど申しましたことに付け加えさせていただきたいと思いますのは、医療費改定、従来医療費改定は二年置き等でやってまいったわけでございまして、医療費改定の平均もかなり高い平均でやってまいったわけでございますが、それが昨年五十六年の六月、三年ぶりで医療費改定を行いまして、それらの期間におきまする医療費改定率というものが、平均が非常に低く見込まれるといったようなこともカウントされなければならないというふうに考えておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 そういうことも含めて、いま四点挙げていますから、医療費改定でどのくらい、あるいは乱診の反省でどのくらいとか、適正化、監査、いろんな項目ありますから、そういうのをひとつできれば細かい分析をしてお願いしたい、重ねて要請します。 それからもう一つ、諸外国の議論があるんですが、西欧諸外国の医療費の伸びぐあいというふうなことはどんな傾向になっているんでしょうか。これもまた冒頭申し上げた人口構造の変化とのかかわり合いがありますからお教え願いたい。
○政府委員(大和田潔君) 諸外国の医療費の推移でございますが、これは非常に大まかに申し上げますと、過去十年程度についてみますと、一九七〇年代の前半におきましては、どこの国もかなり急激な上昇を示しておるという傾向が出ておるわけでございます。それが一九七〇年代の後半にはやや鈍化をしている。そういう傾向を見せておりますし、それからわが国におきましても、先生先ほど御指摘のように、五十四年以降は落ちついてきているといったような、こういうような傾向を示しておるわけでございます。 それで、一応諸外国の医療費というものがどの程度であるかということを御参考までに私申し上げてまいりたいと思います。それは額で申しますと、たとえば日本は一九七八年においては十兆四十二億円であるとか、西ドイツは十兆七百億円であるとかというようなことになるわけでありますが、一応これは国民所得との対比で申し上げた方がよろしかろうと思いますので、国民所得に占める割合で申し上げますと、一九七八年でございますが、日本は六%、西ドイツが非常に高こうございまして九・五二%、それからフランスが九・〇五%、それからアメリカが八・三七%、イギリスが六・一七%、こういったような数字を示しておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 ありがとうございました。 次は、去年の十一月に、人口問題研究所で将来推計の人口を発表しているわけでありますが、それによりますと、子供数が減少して五十六年には一・七二、こういうことを発表しております。将来の問題として、昭和六十年には平均が一・六八、こういう子供さんの生まれる傾向、数字を示しているわけでありますが、この人口問題研究所の新しい推計の問題が、今後の老人問題、あるいは人口問題にどういう因果関係を与えるんだろうか。こういうことについて厚生省の見解なりあるいは分析をしておれば見通しなどについて、今後の医療にかかわる問題でありますからお教え願いたい、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) いまお話ございましたように、出生率の低下傾向が進んでいるわけでございますけれども、これが将来のわが国の高齢化社会にどのような影響を与えるかということでございます。高齢化社会、活力ある高齢化社会というものを実現していくためには、高齢者を支える若い人、あるいは働く人というものがいなければならないわけでございます。そういった意味におきまして、これからはまず第一に働ける人口階層というものをふやしていく。具体的には、高齢者の雇用対策を進めるということが第一の課題ではないかと思います。 それから出生率の問題でございますけれども、現在確かに非常に低い水準に来ておりますけれども、この低い水準に来ている出生率というものは、先ほどの人口新推計によりますと、昭和六十年ごろを境に反転をいたしまして、少しずつ回復していくのではないかというふうに見込まれております。大体現在の人口水準を維持していくための率というのが二・〇九だというふうに言われておりますけれども、六十年以降徐々に回復して、いずれ二・〇九という水準に達するのではないかというふうに見込んでおりまして、将来ともこの出生率がどんどん低下をしていって、子供の数なり、あるいは若い働く人の数が減るというふうには考えておりません。 対策といたしまして、したがいまして、何といいましても、最初にも申し上げましたような健康な老人づくりということと、雇用対策を進めていくということ、それから生まれた赤ちゃんなり子供さんなりというものが健全に健やかに育っていくような対策を進めていく、あるいは環境を整備していくということが一番大事なのではないかというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 そうすると、いま審議官の話によりますと、この人口問題研究所の推計ということから来る将来の老人問題ということについては、六十年をピークに子供さんたちがまた生まれてくるから余り心配ないじゃないか、こういう御推計ですね。そうでもないですか。 これはちょっといま資料が見つからないですが、二、三日前にILOが日本の雇用問題ということで発表した数字によりますと、人口問題研究所が提起をした、将来生まれる子供が少なくなって、お年寄りだけがどんどん多くなって、大変な時代に日本が追い込まれるというILOの報告があったものですから、その関連でお聞きしたんですが、いま審議官の話によると、余り心配ないのじゃないか、こう言うんですが、私の受け取り方の誤解でしょうか。
○政府委員(吉原健二君) 決して将来もう心配ないということではございませんで、一番最初に御質問にお答えして申し上げましたように、日本の高齢化の度合いというものはもう諸外国に例を見ないような程度に達するわけでございますので、私は将来の問題というのは決して楽観をしているわけではございません。 数字的に見ましても、老人一人を支える生産年齢人口の数というものを見てみますと、現在は老人一人を支えるのに生産年齢人口が七・四人でございますけれども、将来七十五年には四・三人というふうに減ってまいりますし、さらに昭和九十五年には二・八人、三人弱で一人の老人を支えるということになっておりますので、これは容易ならないことだと思います。 さらに、いまお話のございました子供の生まれる率なり数というものが減っていきますと、この数というものがもっと厳しい状態になるわけでございますから、昭和六十年ごろを境に反転をしていったとして、いま申し上げましたような生産年齢人口と老齢人口の割合になるわけでございますので、将来の高齢化社会への対応ということを決して私ども楽観してはならないと思いますし、いまから着実にその準備を進めていく対策を講じていくということが本当に必要だろうと思っております。
○目黒今朝次郎君 そうすると厚生大臣、老人問題というのはイコール、いま審議官が言った生産年齢をどう確保するかということも大事ですから、子供たちを含めて人口政策というのを、戦前の産めよふやせよじゃありませんが、人口政策ということも並行して考えないと、老人問題は行き詰まるということを教えているんじゃないでしょうか。したがって、人口問題、これは三十代、四十代あるいは二十代も含めて、人口問題ということについても前向きに取り組んで結合させるべきだと、こう思うんですが、これは国の政策に関することですから、大臣のこの点に対する見解を聞きたいと思いますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森下元晴君) このまま置けば大変なことになると、これは御指摘のとおりであります。高齢化負担は日本が量大であるとか、それから二十一世紀は日本の時代であるとか、世紀であるとかと言う人がありますけれども、人口問題だけ一つ考えましても大変な負担になって、いまからその準備をしなくてはいけないということでございますし、同時に老人保健法は老人対策だけではない。これから生まれてくる方々のこの数の問題、またその生命をいかに生産年齢層としてりっぱに国が政策的にやっていくかというような問題まで含めて、人口問題の中の老人問題である、老人保健の問題である、また、直接関係ございませんけれども、老人の生活を保障する年金の問題である。こういうことでございまして、まさに御指摘のとおりでございます。三人でお一人の御老人を支えなければいかぬというようなことになりますと、生産年齢層はなかなか意欲がなくなると私は思うわけであります。そういうことにならないように、人口問題の中で高齢化社会を迎えるためにはどうしたらいいかという、非常に基本的な問題も同時に考えなくては老人保健法のせっかくの考え方もうまく実現できない。このような観点に立って、御指摘のとおり私どももよくそういうことを踏まえまして、いわゆる若い方の連帯の意識もお願いすると同時に、人口問題についてもよく考えていきたい、このように思っております。
○目黒今朝次郎君 ぜひそのようにお願いします。 それから今度の老人保健法の問題の出発点は、厚生大臣の私的諮問機関である老人保健医療問題懇談会、これが五十二年の十月二十六日ですか、御提言があって、これあたりから具体的な作業が始められた、こういうふうに私受け取るんですが、この受け取り方は間違いないでしょうか。
○政府委員(吉原健二君) 御指摘のとおりでございまして、現在の老人医療の制度の仕組みができましたのは、御案内のとおり昭和四十八年でございますが、その後すぐいろんな問題が出てまいりまして、将来の老人医療制度のあり方につきまして、厚生大臣の私的な諮問機関として老人保健医療問題懇談会というものを五十一年につくらしていただいたわけでございます。そこで約一年かかっていろいろ御検討、御論議をいただきまして、五十二年の十月に厚生大臣あてに意見書をいただいたわけでございます。今度の老人保健法案の基本的な考え方というのは、いま申し上げましたこの懇談会の報告書、この考え方に沿って立案をいたしたわけでございます。
○目黒今朝次郎君 これはもちろん厚生大臣に御提言があったのですから、各省と十分連携しながらこの報告を消化するための取り組みということをされたと、こう思うのですが、そういう取り組み方について、なされた状態などについては私の考えと違いないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(金田一郎君) この意見書が出ました段階におきまして、当時におきましても、関係各省と老人問題についてはいろいろ常時協議をいたしたわけでございますので、関係各省にこの意見書を手渡し、協力の要請も当時いたしております。 以上でよろしゅうございますか。
○目黒今朝次郎君 それで、私はこの報告書を全部すっと一通り読ましてもらったんですが、この報告書の中で二つ、三つ大事な問題があるなど、こう思いますのでお尋ねいたします。 まず、この報告書を消化するに当たって、こういうふうに述べているんですね。わが国の経済が安定成長の段階で、「今後の老人保健医療対策の整備充実は、経済の動向をも踏まえながら対応していく必要がある。」、「施策をより合理的、効率的に推進するとともに、国民全体の欲求の優先度を総合的に勘案して重点的に」財源配分をしなければならないと。なかなか名文句を書いてあるわけですね。 ですから、これは今後の保健法の国庫負担の問題にも関係ありますから、まず最初に厚生省から、この言わんとするところをもう少し具体的に。厚生省はこれを受け取って、「施策をより合理的、効率的に」「優先度を総合的に」と、こう言っているんですが、具体的に何を優先的に考えたのかということを教えてもらいたい。厚生行政で何をやろうというふうに考えたのか。先ほど年金などの問題もありましたけれども、老人保健全体の問題で何を優先的にやろうと考えたのか、お教え願いたいと、こう思うのです。
○政府委員(吉原健二君) この懇談会の意見書で指摘をされております現在の老人医療制度の問題点は三つございまして、一つが、現行の対策というものが医療、もっと具体的に言いますと、医療費の保障ということに偏り過ぎているではないかということが第一でございます。 それから第二に、いま申し上げましたことと関係が深いわけですけれども、保健サービスの一貫性に欠けている。医療だけではなしに、これからの医療というものは予防から治療、それからリハビリテーションに至る包括的な医療でなければならないということが言われているわけでございますけれども、そういった予防からリハビリまでの一貫した保健サービスに欠けているというのが第二点でございます。 それから第三に、医療費の負担に非常に不均衡があるということでございます。現在各医療保険制度で実質八割、残りの二割を老人福祉法による公費負担ということで医療費が負担をされているわけでございますけれども、特に保険で負担をされている八割の分につきまして、国民健康保険、それから被用者健康保険、被用者健康保険の中でも組合管掌健康保険、政府管掌健康保険、いろいろあるわけでございますけれども、そういった各保険制度間の費用負担に著しいアンバランスがある。 こういった三つの点が指摘されているわけでございまして、この新しい老人保健制度では、こういった現行制度の持っている問題点なり欠点というものを是正をしていくということがまず第一。それから同時に、先ほどから御論議がございます今後の人口の老齢化、老齢人口の増加というものに対応した新しい考え方の、しかも連帯と公平ということに基礎を置いた制度というものを創設する必要がある。そういったところに国庫負担も優先的な配分、必要なところには手厚い配分をしていく必要がある。こういうことが指摘をされているわけでございまして、そういった考え方に基づきまして、今度の老人保健法案でも、事業の種類、あり方、それから対象年齢、それから各費用の負担の方法、国なり公共団体の負担、それから保険者間の負担の公平、そういったものにつきましても、意見書の考え方にできるだけ沿った形で立案をし、関係者の御意見等も伺ったつもりでございます。
○目黒今朝次郎君 その問題の三点のやつはまたあとで話をするとして、私は厚生省は、問題の三点を摘出してそれを消化する、そういうことが重点的と受け取っていますと、こういう御理解だと思うのです。 そこで、経済企画庁来ていますか。——おたくの方もこの報告書もらっていると思うのです、先ほど関係各省にやりましたと言っているのですから。 経済企画庁にお伺いしますが、経済の安定成長と経済の動向と老人医療、この関連。経済の安定と経済の動向、それから老人医療をどうするか。わかりやすく言うと、庶民的に言えば、経済の伸びが悪いから老人保健とか老人医療費もがまんしてくれ、経済が厳しいから個人負担をしてくれ。そういう形で経済の安定と老人問題をとらえているのか。経済安定とか経済の動向が少し厳しくとも、辛くとも、お年寄りは戦前、戦中、戦後を含めて日本の経済を支えた方々であるから、景気が悪いからといってすぐ個人負担に転嫁するという経済政策はとらないという考えでこの報告書を受け取っているのか。その辺、経済企画庁として、経済の動向と老人問題ということをどう受けとめておるか、経済企画庁の見解を聞かしてもらいたい、こう思うのです。
○説明員(鏑木伸一君) なかなか大きな問題を御指摘いただきまして私の任に余る点もございますけれども、経済企画庁におきましては、現在新経済社会七カ年計画というものを持っておりまして、その計画の中で、「老人保健医療制度については、老人に対する総合的保健医療対策の確立の要請などに対応するとともに、公平かつ適正な費用負担のあり方について検討を進める。」、こういう記述がございます。こういった考え方からいたしまして、老人保健法案は計画の趣旨に沿ったものである、そういうように基本的に考えております。 なお、老人保健法案が実施された場合にどういった国民経済に対する影響があるかという点が関心のある点でございますけれども、この法案の趣旨からいたしますと、総合的な保健医療対策を講ずるということで、医療費の節減効果もあるというような趣旨と理解いたしておりますので、長期的に見まして国民経済的にメリットがあるであろう。こういった考えもあり得るんではないか、そういうように理解しております。
○目黒今朝次郎君 私は、この老人保健法の問題は単に厚生省だけの問題じゃないと思うんですよ。最近経済四団体が、後で経済四団体の問題は議論しますが、経済四団体が、膨張する国民医療費、老人の医療費でこういう財政調整をやった際には経済界が成り立たない、こういう問題提起をしているわけですね。ですから、老人保健法の問題は単に厚生省だけの問題ではなくて、経済運営全般の問題に非常にかかわり合いを持っている。こういう点、角度を変えて経済企画庁も、縦割り行政ではなくて、みんなで考えるという姿勢をとらないと、この問題は十分解決しないということで、いじわる質問ではなくて、この報告書をもらった段階で、厚生省だけでこれをこなしたんなら問題がありますが、関係各省にも配付して御協力をお願いしますと言ったんですから、経済企画庁ももっとこの問題のかかわり合いというものを真剣に検討してほしかったと、こう私は思います。おたくが答弁した努力は子とします。しかし、この経済の動向と老人医療あるいは国民の医療ということについてもっと突っ込んで考えてほしかったということをきょうは要望しておきます。 それで大蔵省、厚生省は三つの点を重点というふうに受け取ったと。しかし、この指摘は、重点的に財源を配分ぜいと指摘しているんですが、重点的に財源を配分ぜいということは、大蔵省サイドでは老人医療問題についてどういうふうに受け取っておるのか。金がないから、国庫補助を引き揚げるからお年寄りは金を出してくれと、そういうふうに受け取ったのが大蔵省の重点的配分なのか。いやいや、お年寄りは非常に苦労しているから金は要りません、国庫で十分に見るために努力しましょうと、そういうふうに受け取ったのか。この報告書を厚生省からもらいまして、重点的に財源配分ということを大蔵省はどのようにとらえて厚生省と折衝されたのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(篠沢恭助君) 全般的な問題といたしまして、繰り返し申す必要もないことではございますけれども、今後の高齢化あるいは年金の方での大きな成熟化、いろいろな問題がかかってまいります。それで、社会保障に関する費用の増大、これはいろいろ節減、合理化という見直し、いろいろなことも考えていくわけでございますが、どうしても相当な費用の増大ということは避けられないわけでございますから、それに伴う国民の費用負担ということとのいろいろなバランスを考えていかなきゃいけないという大きな枠がかぶっていると思うのでございます。そうした枠の中で、この老人保健法における一部費用負担の問題でございますとか、あるいは公費負担分についての国の役割りのあり方でございますとか、それから各保険者の拠出金あるいは保健事業に対する国の寄与、そういったもの全体のバランスを厚生省からいろいろ御説明を受けまして、考えた上でこの法案に対しまして、私どもこの法案の形に結実する段階で賛成を申し上げているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 枠内のバランスという言葉じりをつかまえるわけじゃありませんが、枠内のバランスという言葉を使いましたね。老人の保健医療というものをどう考えるか、その考えの視点が、お金を預かっている大蔵省ですから、どうしても財政の枠内あるいは皆さんのバランスということであると思うんですが、おたくの考えを私は了承いたしません。了承いたしませんが、こういう提言はそういうふうに受け取ったと、いま一応受けとめておきます、問題点は今後やりますから。 それからもう一つ、大臣、いまの財源と関係があるんですが、「財源確保のため国民の負担の増加が必要」という点をそれはうたっているわけですね。その中で「国民の合意」が必要欠くべからざるものだと、こういうことを言っているわけですよ、国民の合意。そうすると、国民の合意ということになりますと、これは厚生省は、あるいは大蔵省も含めて、この国民の合意をとるために具体的にどういう取り組みをされてきたのか。 国会の議論も一つの国民の合意の場であることは間違いないと思うんです。しかし、もっといろんな学習会、研究会を開くとか、あるいは住民の意見を聞くとか、あるいは年代別、五十代、六十代あるいは二十代、三十代、そういうところで意見を聞くとか、あるいは奥さん方が集まる社会学級、各階層の奥さん方あるいは農協の婦人部、消費者団体、そういうところにどんどん出ていって皆さんの意見を聞くとか、そういう行動的な組織的な運動なりをどうなされたのか。そういうことについて、たとえば県単位にこうやりました、ブロック単位にはこうやりました、あるいは階層別単位にはこうやりましたと。何月何日とは言いたくありませんが、その際の意見としてはこういう意見がありましたと。それからいろんなお年寄りの施設がありますが、そういうところに行って意見を聞くとか、そういう行動をどうなされたのか、それを一つ。法案を提案するに当たっての前段行動としてどういう取り組みをなされたのか、お聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 新しい老人保健制度のあり方につきましては、関係者なり関係団体の利害というものが複雑に相反する面がございますので、私ども法案の提案に至りますまでにいろんな努力をしてきたつもりでございます。考え方といたしましても、一つの案を初めから決めて出すようなことをせずに、いろんな複数の案を発表し、御提示をして御意見を聞く。そういった御議論の中で一つの案に煮詰めていくというようなやり方をとったわけでございます。 具体的にどういった方法をとったかといいますと、まず関係団体でございますけれども、この老人保健法案の関係団体としては、たとえば地方自治体関係の団体、市長会とか町村会とかございますし、それから先ほどお話のございました経営者団体、日経連等の団体がございます。それから保険者団体といたしまして国保中央会というのがございますし、また組合関係の団体といたしましては健保組合といったようなものもございます。それから医療を担当する団体といたしまして、御案内のとおり日本医師会等の団体があるわけでございますし、それから老人団体、こういった大変多くの関係団体に繰り返し繰り返しこの法案の考え方について御説明をし、御意見を承って、それでもってこの法案をまとめていったわけでございます。 それから法案を出すまでに、社会保障制度審議会と社会保険審議会という二つの審議会にお諮りをする必要があるわけでございまして、社会保障制度審議会では、この案を発表する前の段階で、幅広く老人保健医療のあり方につきまして、二年ほど前になるかと思いますけれども、包括的な御諮問を申し上げまして御議論をいただいたわけでございます。一応その御答申に基づいて法案の形にまとめまして、改めて社会保障制度審議会に諮問をして御意見を聞くということもいたしました。それから社会保険審議会に対しましても、法案要綱の形で御諮問をし、御意見を承ったわけでございます。この二つの審議会には関係団体、関係者の方々、それから学識経験者、大変多くの方々が委員になっておられまして構成をされておりますので、特にこの二つの審議会の場で十分御議論をいただく。そこでの御意見というものは十分この法案の中に取り入れるというような形でこの法案をまとめまして国会に提出をさしていただいたわけでございます。 以上のほかにも、この老人保健医療のあり方あるいは将来の社会保障のあり方につきましていろんな調査がございます。政府が行っている調査にも、総理府がやっております調査でありますとか、あるいは厚生省自体がやっておりますいろんな調査がございます。そういった調査の結果というものも踏まえたつもりでございます。
○国務大臣(森下元晴君) この問題、私非常に重要な意味を含んでおる御質問だと思うわけであります。 いままでは、私どもは実はきれいごとを言い過ぎてかえって失望感を与えた点があったように思うんですが、もうこの段階で、先ほどから御議論ございましたように、二十年後、四十年後にどうなるのか、もうILOの方からむしろ御心配いただいておるような内容でございますし、老人保健法案も数年前から、その間に大臣もずいぶんおかわりになっておりますし、きれいごとではなしに率直に訴えて、それが啓蒙啓発運動になって御理解をいただかなければいかんと私は思います。 小負担で高福祉ということは非常に財政的にもむずかしいと思うんです。だから、将来たとえば中福祉で中負担にするのか、高福祉、中負担であれば国がどの程度それに覚悟をして公金を投入していくかというようなことまでも含めて大方針を決めないといかぬと思います。先ほど厚生省としてはこの老人保健法のねらいをいろんな観点から申し上げました。その中に多少財政的な意味、保険財政の問題、それから格差是正の問題、財政調整——国民等しく平等でなければいけない社会保障が、率直に申し上げてばらばらでございまして、しかしそれぞれの団体に聞きますと、総論は賛成であって、各論になってまいりますと反対が出てくる。 これは政治の世界も同じでございますけれども、それはそれとして、私はこの段階では、率直に申し上げて、国民の合意を得る、これが基本でございまして、その場限りの耳ざわりのいいことを申し上げて合意を得ても、これはもう何もしないうちに破綻することは事実でございますから、いままでと違った意味で私どもはいろんな機関を通じて率直な御意見をお聞きする、また私どもも率直に事を申し上げる、将来についての。そういう一つの転換期にきておるんじゃないだろうかということで、この老人保健法案、まさに重要法案でございまして、いろいろと御意見をお聞かせを願っておるわけでございます。 私は、そういう意味では、老人保健法案を通していただくことによって今後の社会福祉また社会保障のあり方についての一つの方向が示されるような感じもするわけでございます。ひとつ御協力よろしくお願いします。
○目黒今朝次郎君 局長がいろいろな団体にお話ししてとか、あるいは審議会をやったということは、多分そうでしょう。ただ私、五十二年のこの懇談会の提案が非常に大事な問題を含んでいる、そうとらえておったんですよ。たとえば「老人の特性」で、老人の特性を四点ほど分析して、お年寄りというのはこういうものだということを「老人の特性」で取り上げていますね。これは国民全体の問題としてやらぬならぬということで、国民の合意という問題、財政も従来の慣行にこだわらないで、抜本的な財政の裏づけも必要だという非常に大事な問題を提起しているなと思ったんですよ。だから、すれ違い答弁になったのですが、おたくの方が法案をつくる前に、この懇談会の提言について、少なくとも厚生省だけでなしに、労働省あるいは大蔵省を含めて中央官庁できちっと意思統一するとか、あるいはいろいろな団体に対してもきちっと意思統一をしてもらうとか。 それからおたくは地方自治体に聞きましたと言うけれども、地方自治体の担当者を集めて、今度の老人保健法の根幹になっているこの懇談会の提言がわかっていますかと聞いたって、率直に言って申しわけないけれども、各県知事さんとか村長さん、市長さんというのは、老人は大切ですねということはあっても、それを具体化するために自分の部落の町民とか村民にどういう合意をしてもらうか、どういう取り組み、心構えが必要かということになりますと、町長さんも村長さんもそこまでいってない。これは自民党、社会党を含めて、婦人団体に聞きましても、お年寄りは大変ですねと。わかっていますけれども、じゃ自分たちの家庭からどういうふうにするかと言われますと、そこでさっき大臣が言った総論賛成、各論反対といいますか、そこまで踏み込まないままに法制化の作業が進んでいったというところに、取り組みの過程における問題点があったのではなかろうかな、こんなふうに私は指摘をしたいと思うんですよ。 ですから、今日段階で、最近衆議院で修正してから経済四団体がのろしを上げられてみたり、あるいは日本医師会は日本医師会で別なのろしを上げてみたり、健保連は健保連でまた別なのろしを上げてみたり、そういうこと自体が、前段において十分でなかったからそういうのろしが上がってきているのでないでしょうか。私の認識が足りないのでしょうか。ですから、最も必要とする国民の合意という問題に対しては不十分だったなと、こう私は指摘せざるを得ないんではないかと思うんですが、この辺は、目黒議員はそう言うけれども、われわれはこの辺がいい点だと、こういうふうにお思いなのか。その点はもう一度努力をする必要があるのではないか、この国民の合意という問題で。この点はどうでしょうか、大臣。
○国務大臣(森下元晴君) もちろん、この法を通していただきましても、やはり御協力をお願いしなければいけないし、合意を得ながら執行する。また同時に、よりよきものにするためには、またやりながら合意も得ていかなくてはいけない。だから完全に初めから一〇〇%合意ということはなかなかむずかしいと思います。ただ合意の確立と申しますか、どの程度まで合意されておるかという質の問題だと思うわけなんですがね。 そういうことで、決してこの法案が百二十点の点数をつけられると私は思っておりません。百点に近ければいいと思っておりますけれども、しかし五十二年にも決めていただきまして、りっぱな理想を掲げてやってきておるわけでございますから、もっと早く通していただけばよかったわけでございますが、きょうまで延びてきた。この段階ではどうしてもこれは通していただいて、そうして並行して合意を得るべく全力を挙げていこう。またこの法案を通していただいた後も、ただやりっ放しじゃなしに、多くの方々の御意見も聞いて、法の運用は行政府でやるわけでございますし、法の精神というものもよくわかっておりますし、幾らりっぱな法案をつくりましてもその運用で悪ければ、これはまた国民の合意を得られない場合もございますから、私どもはそういう運用面におきましても、よく法の精神に立脚いたしましてりっぱに運営をしていきたい、このように思っております。
○目黒今朝次郎君 私は午後の問題で触れますけれども、支払い側の経済四団体、それから組合保険にかかわりある総評や中立労連、それから政策推進会議、同盟、現時点でこぞって反対しているんですからね。反対の問題点は後ほどまた議論しなければならぬと思いますが、こぞって金を出す方が反対している法案を、いま大臣の気持ちはわからないわけじゃありませんが、強行してみたところで、これは金も集まらないし、老人に悲憤感を与える、こういうことがあってはならない。こう思うのでありますから、今日の段階では、国民の合意という点から考えると、本委員会で十分な慎重な審議をする。関係者から参考意見も聞くだろうし、連合審査も必要だろうし、あるいは北海道から沖縄まで現地に行ってみて、現地の関係者からいろいろな話を聞く。そういうあらゆる手段を通じて国民の合意を得るための最大の努力をする。そういう本法案提出者の厚生大臣の心構えが必要ではなかろうか。こんなふうに思うのでありますが、これは前の厚生大臣に聞くことですけれども、しようがない、大臣かわったんだから、そういう点で厚生大臣の今日時点における心構えをまずお聞きしたいと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森下元晴君) この国会の審議を通じまして、あらゆる手段を尽くしまして多くの方々の合意を得るべくそういう機会を持ちたい、また関係諸団体の御意見も聞きたいと、このように思っております。
○目黒今朝次郎君 その辺はひとつわれわれも努力しますから、政府側の方でも御協力をお願いしたい、こう思うんです。 それで、おとといのテレビ討論会で自由民主党の梶木国対委員長がちょっと言葉外しておったんです。今回の老人保健法案の問題は。昭和四十八年から医療の無料化が始まって、ちょっと年寄りのむだに医者に行く、かぜ一つ引いても病院に行ってあそこで油を売っている、それで薬をもらってくる。こういうお年寄りの気ままがけしからぬから、今回は一部負担も取るんだと。こういう意味の発言をテレビ討論会でやっていましたが、これが自民党の本音なんでしょうか。お年寄りはむだな検診を、診療を受けているというふうに受けとめておられて、それを抑制する手段として今回この法案の中身にいろんな問題を持ち込んだと、現存するお年寄りについてそういう認識を持っておられるのか。これは一番出発点の大事なことですから、私は大臣から直接、いや、だれがそう言ったか知らぬけれども、厚生省はそんなこと思っとらぬ、こういうことなのか、どっちなのか。ひとつまず大臣のお答え願いたいと、こう思うんです。
○国務大臣(森下元晴君) 厚生省としては、そういうことは思っておりません。 ただ現象として、ほんの一部の御老人の方の中に言われるような濃厚診療と申しますか、まだほんの一部の方ですが、老人を何か濃厚診療の対象にする、どちらがいいか悪いかは別にして、そういうことがあることは事実のようでございます。いろんな病院等の不祥事の中にそういうデータが出ておることも事実でございます。しかし、だからといって、この保健法によってそういうことを全部取り締まるんだということとは、全然別個の問題でございますので、その点、厚生省としては、そういう次元からでない点でこの保健法案を出さしてもらっておるということを申し上げます。 誤解されると困りますので、おととい私聞いておりませんので、どういう表現をされたか知りませんけれども、そういうような仮に誤解を与えたのでございましたら、私は恐らく御発言の趣旨はそうでなかったと深く党員としても信じております。
○目黒今朝次郎君 私は、テレビで一党の国会対策委員長が発言するというのは大事なことだと思うんですよ。人間的な厚生大臣の気持ちはわかりますがね。しかし、あれを聞いておる国民なりお年寄りから見れば、大変なショックだと。いろいろな座談会とかなんとかではそういうことがあったとしても、テレビ討論会というところでね……。 ですから私は、これは厚生省の責任において、梶木国対委員長が発言したその根拠はこれだ、こういうデータが、こういう資料があるからこういう発言をしたんだという、科学的理論的なデータをこの国会に私は提示する義務があると思うんですよ。これがなかったら、自民党の政調会長でも調べて、国民に向かって釈明する義務があるんですよ。しかじかのデータがあるからこうなんだ、だからお年寄りの皆さんも協力してください、あるいは医療機関もお互いに注意しましょうや、国民も理解しましょうやと、そういう合意が私は必要だと思うものですから、具体的な資料をきょうじゅうぐらいには出してもらいたい。ぎょうしゅうに提出できなかったら、二、三日待ってくれというんなら、次の委員会で出しましょうと。どっちにしても、国対委員長の発言を裏づける資料を出してもらわないとわれわれは議論のしようがない。こう思いますので、ぜひ御提示を願いたいと、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(森下元晴君) よく自民党の梶木国対委員長の御発言の内容を調べまして、その上でいまおっしゃいましたような資料を早急に山さしていただくように手配をいたします。
○目黒今朝次郎君 では、それは要請しておきます。 私の手元の資料を見ますと、無料化発足前に自覚症状があった者が、六十五歳以上調査対象の七〇%がおった、そのうちの三分の一はお医者さんに行ってなかったと。しかし、自称お医者さんに行かなかった八七%はやっぱり診察を受ける必要があるというふうにお医者さんが判断したと。これはわかりやすく言うと、お年寄りは何らかの病気を持っているから、病院に行くような客観的な条件下に常にお年寄りがあると。ごく一部ではあるけれども、健康な人がありますが、お年寄りはいろいろな条件がかみ合ってお医者さんの世話になる必要があるということを裏書きしているものだと私は思うんです。 いま言われた怠け者がということについてはちょっといただけない。お年寄りをそういう温かい目で理解する必要があるんじゃなかろうか。仮に病院に行っておっても、しゅうとと嫁とうまくいかなかったり、ばあさんに意地悪されたり、じいさんに意地悪されたり、何とか言って心の憩いを求めたいといって病院に行く方もあるんじゃないですか。そこを年寄りの心情として理解してやらないで、むだに医者にかかる人ということは過ちだ。こう思うんですが、この私のデータから言っても、私は討論会の発言は訂正をしてもらわにゃならぬと、こう思うんですが、いかがでしょうか。これは事務官でも結構です。
○国務大臣(森下元晴君) それは党としての代表として出ておるわけでございまして、よく内容を私、実は残念ながら、聞けばよかったんですが、お聞きしないし、だれもきのう聞いておらぬようでございますし、非常に大事な問題でもございますし、決して自民党の真意はおっしゃるような内容ではないはずでございますけれども、そういう仮に誤解を与えたとすれば、そうでないという裏づけをするような資料はここで提出しなければいけないと思っております。 それと、先ほど御老人がそう大して病気でもないのに病院においでになると。これは私も心情的にわかるわけです。御老人は病気になりやすいし、何か病気を持っておるのが御老人の特性でもございますし、しかも心情的に非常に孤独と申しますか、さびしい気持ちを持っておるのも、これは老人の特性でございますから、私は別に病院に行くことが悪いとか、そういうふうに思っておりません。ただ間々、例として、御老人に対する費用がかかり過ぎておるというような事例が、レセプトなんかを調べた場合に出てくることがたまにあったわけでございまして、そういうことで病院のはしごをするような話が出てきたり、ほとんどない、少数しかないことが、すべてがそうであるような、まことに御老人にとって余りよくない影響を与え、当然われわれが尊敬しなければいけない老人がかえってそういう立場に追い込まれることは、忍びがたいものでございますから、そういう誤解は解くために厚生省はいかなる資料でも出したい、そして釈明もして御老人の立場がそうでないということをいたしたいと、このように思っております。
○目黒今朝次郎君 じゃ最近、昭和五十一年から五十五年、五十六年でも結構ですが、七十歳以上のお年寄りの受療率といいますか、病院にかかっている率、百人当たりどのくらいになっているか、これを参考までに、いまの問題を解明する意味でも、七十歳以上の老人の受療率を五十一年から百人当たりどうなっているかお示し願いたい、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 患者調査による受療率で申し上げますと、昭和五十年に百人当たり七十歳以上で十八・八六でございましたが、五十三年には十九・三三、五十五年には十九・〇五という推移になっております。
○目黒今朝次郎君 五十四年が十八・六八、五十一年が十九・一二、五十二年が十九・八六、五十三年十九・三三、五十四年が十九・六六、五十五年が十九・〇五。四十年が十・八四ですから、四十年から比べるとずっと上がっていますが、ここ五十年代に入ってずっと横ばいですね。横ばいだということは、病院に行くことの必要な老人が行っておって、俗に言う必要のない方々が行っているなどということはこの統計からも裏づけされないと、こう思うんです。まあ、この問題はこれ以上言いませんが、ひとつお年寄りの問題についてはぜひそのようにお願いしたいと、こう思うんであります。 それから自己負担の問題が出ておるわけですが、これは大蔵省からさっき財政的なことがありました。この自己負担の導入ということは老人医療の抑制ではないとは言っておるんでありますが、実際お金を出すと、こうなると心理的にも行動的にも抑制が働く、こう思うんです。この自己負担の導入について厚生省はそういうことのかかわり合いをどういうふうに分析し判断したのかお聞かせ願いたい、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 一部負担の考え方でございますけれども、基本的な考え方、趣旨といたしまして、現在の全く無料であるということが健康に対する自覚を弱めている、あるいは一部に行き過ぎたような乱診といいますか、乱療というものも招いているような結果になっているというようなことがございますので、新制度における一部負担の考え方は、健康に対する自覚をまず持っていただきたいという趣旨でお願いをしているわけでございます。 したがいまして、お年寄り、老人の方々の負担能力というものも十分考える必要があるということで、無理のない範囲で、実際にかかった費用のごく一部を負担していただくという考え方に立ってお願いをしているわけでございます。 それからいま御指摘のございましたように、一番考えなければならないのは、この一部負担によって必要な受診といいますか、本当に必要な受診というものが妨げられることのないようなものでなければならないということ、こういったことを総合的に考えまして、政府案では、外来の場合に一カ月五百円、入院の場合に一日三百円。四カ月間というお願い、提案をさしていただいたわけでございますけれども、なおかつ少し高過ぎるではないかというような考え方から、衆議院で御修正があったというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 一部負担で健康に対する自覚を呼び起こすというようなことは、われわれも戦前派でずいぶん精神訓練を受けた階層ですが、一部負担で自覚を呼び起こすということは、口では簡単ですが、どういうことなんですか。その裏を返せば、一部負担をしなければ自分の健康がどうなっても構わないというのが年寄りの心情か。そんな心情は、いまの年配の方々は——私は六十歳、大正十一年生まれですから、少なくとも七十歳は大正一年か二年ですか、そういう大正年代の方々の当時の物すごい戦時訓練を受けた、朕惟フニ皇祖皇宗から、兵隊へ行ってからの歩兵操典、軍人の陸軍訓、海軍訓、そういう精神状態で教育を受けた現行の年輩者が、一部負担をすることによって健康の自覚を呼び起こす、そんなことはごまかしだ、そんな精神状態にはない。むしろあなたが言った、負担をすることによって必要な受診も受けまいという方の方がウエートが高いんじゃなかろうか。 これはこの前、社会党の調査団が石川県に行きまして調査してまいりました。石川県の世論調査を見ますと、アンケート調査では、取られればめんどうくさいから行かない——東北弁だから勘弁してください。めんどうくせえから行かねえという方の方が多かったんです、アンケート調査で。そうすると、老人保健法が年寄りに本当に健やかな生活をしてもらうという法のねらいに入り口で逆行してしまうんじゃないでしょうか。私は、この精神状態だけは厚生省の皆さん、考えを直してもらいたい。こう思うんですが、私の言うことが無理でしょうか。おたくの言うことが現在、客観的に合うんでしょうか。これは審議官、その辺はもう一回考え直してもらいたい。本当にお年寄りの心情をもう一回聞いてもらいたいなと、こう思うんですが、これは総論賛成、各論反対なんという問題じゃないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉原健二君) 先生のおっしゃいます御意見、考え方も十分理解できるわけでございますけれども、確かに老人医療の無料化制度ができまして、老人の方々がお金の心配なしにお医者さんにかかれるようになった。安心してかかれるようになったという点は大変評価をしなければならない、よかったことだと思いますが、ただその反面、ただであるがゆえに日ごろの健康保持に対する自覚や努力を弱めているようなことになってはいないか、それから、ただであるがゆえに行き過ぎた受診というものを招いてはいないんだろうかというような御指摘が、まあまあ、いろんな方面から毎年高まってきているというようなことも、率直に言いまして、私は事実だろうと思います。そういったことから、一部負担制度、無料化制度に対する反省というものが生まれてきている。 そういったことを背景にいたしまして、今後の高齢化社会、それから健康な老人づくり、あるいはこれからもふえていくであろう老人医療費の公平な負担、それを国民一人一人が公平に負担していくというような考え方に立ちまして、老人の方々に無理のない範囲で一部をお願いをするということにさしていただきたい。ただその場合に、繰り返し申し上げますけれども、あくまでも必要な受診、正常な受診というものをその一部負担によって妨げるとかあるいは抑制するような結果になってはならないということは、十分配慮したつもりでございますし、実際に老人の方々、老人関係の団体の御意見も十分踏まえまして、こういった一部負担を御提案をさしていただいたわけでございます。
○目黒今朝次郎君 ちょっとしつこいようですがね。たとえば私らもちょいちょい病院に行きますよ。私もいまちょっと足が悪くて病院に行っていますが、あの「寿」と書いた老人医療無料の方が大分来ていますよ。そういう世論とかなんとかという抽象的でなくて、たとえば日本医師会の皆さんが七十歳以上の方々の健診の実績を見た。健診の実績を見たけれども、何件のうち仮に一割、百件のうち一〇%は病院に来なくとも家庭で十分対応できるものだ、にもかかわらず病院に来ておったという客観的なデータがあれば、それなりに私も分析のしようがあるんですよ。この老人医療を扱っている方々に、日本医師会なり歯科医師会も含めて、第一線の現場の皆さんから、あるいは病院、公立病院からでも、そういう客観的にあなたが主張するようなことを裏づける具体的なデータがあるんですか。私の知る限りでは——私も質問しようと思ってあっちこっち回った。私の生まれ故郷の仙台市、あるいは大河原の町役場、あるいは大河原の病院を回ったけれども、あなたが主張するように、無料化のために健康を害している、無料化のためにむだな診療をしているという意味のデータは、遺憾ながら見つかりませんでした。保健婦さんからも保健所からも教えてもらえませんでした。したがって、あなたがいま言ったことを立証する、裏づけする客観的なデータはあるんですか、ないんですか。あるならば客観的なデータをぜひ出してもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(吉原健二君) 事柄の性質から言いまして、なかなかその客観的なデータというものはむずかしいと思いますし、手元には持っておりません。 ただ、一つ参考になりますのは、この老人医療の無料化制度につきまして、五十五年に行政管理庁が行政監察をした報告がございます。それによりますと、これも非常に極端な例だと思いますけれども、たとえば七十一歳の女の方が一カ月に五十三回いろんな医療機関に通院をしていたというような例も挙げられておりますし、もう一つの例といたしまして、たとえば五十三年一年間に、七十二歳の男の方のようですけれども、三百二十日間一年間に受診をしていたというようなことが、行政管理庁の監察結果にも報告をされているわけでございまして、こういったことが果たして現在無料であることの結果がどうかというのは、確かにむずかしいと思いますけれども、そういったこととは決して無関係ではないだろうと思いますし、現に私ども県なり市町村の方々といろいろざっくばらんなお話し合いをさせていただきますと、現在の無料化制度によってかなり——かなりと言うとあるいは言い過ぎになるかもしれませんが、いまもお話のございましたように、本来医療機関に必ずしも行く必要のない方が相当数病院に行かれている、あるいは入院をされている。それはやむを得ないそれぞれの家庭の事情、あるいは個人の事情によって、やむを得ないようなことが背景にあるとは思いますけれども、そういったことがあるということは、いろんな機会にいろんな方々から実は伺うわけでございます。
○目黒今朝次郎君 少なくとも老人医療無料化という制度がなかったならばいいですよ。ここはよく聞いてください。老人医療の無料化ということを国の制度として制度化したんですよ。その制度を修正するんですから、制度を修正するには、提案者である厚生省が、少なくともこれこれの客観的な条件があるから、これこれによってしかじかに修正するんだ、修正すればこういう因果関係があるんだと、そういうのは私は提案者の最低の義務だと思うんですよ。制度を直すのに客観的な裏づけがないままに提案するばかはないです。 われわれ国鉄だって同じですよ。ずいぶん国鉄は文句言われるけれども、たった一人の酒飲み運転のために、全部の運転士が酒飲んでいると。そうだったら二百十キロの新幹線毎日酔っぱらい運転ですよ。現実に毎日走っているでしょう。だから、乗務員約五万ですから、五万分の一ですよ。五万分の一があっても、本人は首になって、国鉄総裁呼ばれて、われわれ乗務員も、私も乗務員ですが、われわれ乗務員も世間からたたかれている。それはやっぱり酒飲みしたという客観性があるから、たたかれてもやむを得ないと思うんですよ。同僚の一人としてお互いに注意しましょうと。 それと同じくあなたたちが現にある無料制度を修正するんですから、あなたのような答弁では、客観的根拠なしと私はいま言わざるを得ないんですよ。客観的根拠がないものを法案の中身にすれば、法案の効力なし、したがって撤回をお願いする以外にない。もしも再度修正するならば、客観的な事実をもってこの国会に出して、その客観的な事実に基づいてどう修正するか、どういうふうに制度を変えていくかというのが筋道ではなかろうかと、こう思うんですが、これは大臣どうでしょうか。客観的な事実行為がないのに修正するというのは、やっぱり越権行為だと、こう私は思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(森下元晴君) 健康への自覚を持っていただくという言葉、非常に深い意味を持っておりまして、決して直接にそれによって財政的な支出を抑えるというだけにつながっておらないと、私はこのように思うわけであります。すなわち、今回の老人保健法案でも、いろいろ問題がございますように、多少財政調整的ないわゆる御負担も願うという画期的なもので、いままでの一つの路線が変わっていく。 いわゆる保険の一本化を将来やるべきであるというような考え方を臨調あたりでも持っております。それは、社会保障制度はすべて平等に負担して、また平等に給付を受けるというのが私は基本的な考えでございますが、それぞれの歴史とか沿革があって、数種の保険制度に分かれておるわけなんですが、今回老人保健法を老人の特性によって新しくつくろう、そして健やかな御老人が老後の生活を送ってもらう。こういう大きな目的を持っておる中で、いろんな方にも実は負担をかけて、いろいろ御不満の点もあって、反対の意見も聞いておるわけでございます。そういう中にあって、御老人の方にもひとつ少々負担をしてやろうでないかというような期待も私はあるわけであります。 ただ、老人だからすべて何でも無料だという考え——それから先ほどおっしゃいましたように、明治、大正、昭和と生き抜いてきた、これからの三十年後、五十年後の老人と違った意味で、ある面で非常に貴重な世代であって、本当に物のなかった時分、また戦乱という中で生き抜いてきた方で、われわれももちろん尊敬もしなければいけないし、大切にして余世を安楽に暮らしてもらいたい。その一面、またわれわれもそういう方だからこそ、こういう国の財政情勢もあるし、またこの増大する医療費の中であちらこちらに御負担を願っておるんだから、御老人の方にもそういう意味で余り負担にならない程度の御負担を願って、ともに保険行政に協力してやろうと、そういう実は私どもの期待感もあるわけでございます。 したがって、いろいろ経済的に御不自由な方とかは特例もあるようでございますし、金額的にもまたこの運用の面において御満足いただける。私は、いままでの無料が急に有料になるわけですから、おっしゃるように、そういうデータをもって示せと言われることもよくわかりますけれども、この法案そのものがもう画期的な、今後の福祉行政はいかにあるか、また社会保障制度はいかにあるかというような内容の法案でございますので、むしろわれわれは御老人の方々が、すべて国民がひとしく分担してやろう、そういう気持ちをこの金額によって出していただきたいということを申し上げたいと思います。
○委員長(粕谷照美君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 —————・————— 午後一時三十三分開会
○委員長(粕谷照美君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、老人保健法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○目黒今朝次郎君 午前中の質問の残りで、労働省、勤労婦人の妊産婦の問題について御説明をお願いいたします。
○説明員(佐藤ギン子君) お答え申し上げます。 最近、既婚婦人が大変増加いたしてまいりまして、出産後も勤め続けるという方たちが大変多くなっておりますので、母性の健康管理対策というのは、私どもにとって最重点対策の一つになっているわけでございます。 まず、この問題につきましては、基準法で母性保護規定がございますので、これが十分に守られるようにということが第一点でございますが、このほかに、私どもでは、勤労婦人福祉法というのがございまして、これに基づきまして、事業主にいろいろな努力義務を指導をいたしているということでございます。まず妊娠中、それから産後、健康診断をお医者様から受けられますような時間を事業主が労働者のために配慮するということができますように、事業主に指導をするというのが一点でございます。 それからまた、その指導を受けました結果、いろいろ守らなければならないことが出てくるわけでございますが、こういう点についても、就労中にそうした御指示に従って健康を保持できるように使用者が配慮するようにということも指導しているわけでございます。 このほかに私どもでは、女性が多く働いております事業場では、健康管理推進者というものを設けるように勧奨しているわけでございまして、そういう事業場では、健康管理推進者が事業主に必要な助言を行い、また勤労婦人に対しても必要な相談指導を行うというようなことをいたしているわけでございます。 また、こういう問題を扱っていきます上で、各都道府県にございます婦人少年室の室長は、必ずしもこうした問題の専門家ではないわけでございますので、母性の健康管理指導医というのを置きまして、これは大体産婦人科のお医者様でございますが、こういう方たちにいろいろ御助言をいただきながら、事業主に対する指導をしていくというようなことをいたしているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 どうもありがとうございました。結構です。 それでは、さっきの自己負担にちょっとだけ追加しますが、厚生大臣、これ検討してもらいたいんですが、ある県の——県名は言いません。ある県の約二千人ぐらいの方々に老人保険の患者負担についてどう思いますかとアンケートをとりましたら、大体五十歳以上ぐらいの方々は、戦前、戦中、戦後、長い間苦労した方ですから無料でいいじゃないですかと、いままでやっておるとおり。それから二十代、三十代、こういう方々は、われわれの世代になれば、われわれが老齢になった段階のことを考えると、いまから覚悟しておれば所得に応じた負担はある程度やむを得なかろうと、いまから準備していればね。もう十年か二十年後ですよ。しかし現にお年寄りの方は、おじいちゃんおばあちゃん含めて大変苦労した方だから、当面は従来どおり無料にして一定の段階で漸進的に有料化に切りかえていく、そういう緩和策が必要ではなかろうかというのが、大体二十代、三十代の年配の御意見でした。私は、なかなか的を射た、正しいと言うと語弊がありますが、いい感覚を持っているな、こんな気がしたんです。 ですから、何歳で年齢を切るかということは別問題にして、従来無料の方は無料にして、一定の段階で何歳以上、それから漸進的に切りかえていって、将来は応分の負担をしてもらう。そういう緩和曲線といいますか、緩和曲線を入れることが必要ではないかなと、こんな気もいたします。 衆議院で一部減額、期間が短縮されたということは、うちの国対委員長が言ったとおり、一定の前進であることは認めますが、いま言った世論調査なども参考に、まだ日時がありますから十分に検討してもらいたい。検討した結果はどうなるかはまだわかりませんが、一つの世論の提案としていいことをついているなと思いますので、御参考までに提供して御検討方をお願いしたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森下元晴君) 若い方々の戦前、戦中、戦後と苦労した御老人に対してのそういう御配慮は、これはありがたいと思います。 ただ問題は、私ども、その激変緩和的にこの金額でごしんほう願いたいという数字が出たわけでございまして、先ほど申し上げましたように、それによって老人の乱診乱療を防ぐというのがすべての目的でないわけでございまして、社会保障制度というものは国民すべてが負担していこうという中において、先輩である御老人の方々にも無理のない程度で、今回の厳しい財政状況でもあるし、各府県の財政調整的な意味合いもある今回の改正でございますから、ひとつごしんぼう願いたい。そういう趣旨もあるということを御認識いただきまして、私どもの方もこれから、日はありませんけれども、啓蒙啓発運動、またいろんな方の御意見も聞くようにいたしたい、このように思っております。
○目黒今朝次郎君 ぜひ、一回提案したから引っ込めるということは、行政のいろんなメンツもあるでしょうけれども、若い世代がそう思っているということも含めて、やっぱり検討に値する、こう思っていますので、要請しておきます。 それで、文部省に。私は若い世代の動向などを見まして、午前中からいろいろ議論されて、いま段階じゃなくて将来も含め、いまの小学校、中学——高校までどうか知りませんが、そういう方々に学校教育の中でそういう問題を提起していく。あるいは、午前中申し上げた懇談会の中などを見てみますと、家族のあり方などについても、お年寄りを大事にしないというわけじゃないでしょうけれども、いわゆる同居率が非常に低い。そういう点も出ておるわけでありますから、そういう高齢化社会に対する文部省の教育の取り組み方などについて御検討されておれば聞かしてもらいたいし、そういうものについて、あるいは広く学校だけでなく社会学級とか、いろんな地域における学習会であるとか、そういうところでも、教育という点がかかわり合いを持っていると私は考えるわけであります。高齢化社会においてお年寄りを大事にしたり、あるいは社会保障に対応する国原負担について円滑に物事を決めていく、そうい国民合意の基礎、基盤が教育にはあるんじゃないか。こんなふうに考えますので、参考までに御見解なり取り組みの経過などについてお示し願いたい、こう思うんです。
○説明員(五十嵐耕一君) お答えを申し上げます。 ただいま先生から御指摘のございましたように、日本の社会は急速に高齢化社会を迎えつつあるわけでございますが、そういう時点におきまして活力のある社会を維持していくためには、まず高齢者の方々がみずからの生きがいのある生活を創造していくということが大事であると思います。それとあわせまして、高齢者とそれよりも若い世代との間の相互理解を深めていくということがまた大事であろうというふうに考えるわけでございます。 そういうことから、文部省といたしましては、昭和四十八年度から、市町村が社会変化の理解、あるいは若い世代との交流、理解、健康の増進、趣味や教養の充実のために開設いたします高齢者教室に対しまして、補助をいたしますとともに、高齢者の能力を、たとえば子供会の指導者を含めました、そういう社会教育の指導面に生かす高齢者人材活用の事業も進めているところでございます。 また、高齢者にふさわしいスポーツ活動を推進いたしますために、昭和五十五年度から、市町村が行います高齢者スポーツ教室に対して補助を行っておるところでございます。 また、昭和四十九年度から補助をしております婦人学級におきましても、高齢化社会に対応した家庭、社会生活のあり方について学習する機会を提供しているところでございます。 それから学習指導要領におきましても、たとえば小学校の「道徳」の中におきましては、家族の人々を敬愛するということでございまして、そういう点の指導もしておりますし、また中学校の学習指導要領におきましては、「道徳」の中におきまして、家族や日常接する人々、さらには先人たちに支えられている自己の立場を自覚させまして、尊敬と感謝の気持ちを深めるというようなことの指導もしております。 また、高等学校におきましては、「現代社会」の中におきまして、人口問題の中で高齢化問題を正しく理解するということも進めておるわけでございまして、今後とも先生の御指摘のございましたような高齢化社会に対応した学校教育、社会教育を通じました、その面におきます充実につきまして、さらに努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 教育の占める役割りというのは非常に大事でありますから、さらに、常にいま厚生省が出しておる問題点に焦点を合わせた学校教育、社会教育等のあり方についてなお一層の御配慮をお願いしておきたいと思います。 それで、私は、われわれ社会党が今回の問題についていろいろ議論している中身にいまから入りたいと思いますが、その前に、中央公論の今月号を読んだんです。「奪われた老いの人生」というルポが書いてあるんですが、私はこれ読んでみてびっくりしました。 それは昭和五十六年九月二十日、埼玉県上尾であった事件であります。これは相当裕福な家庭に育ったじいちゃんばあちゃん、主人が七十四歳、奥さんが六十一歳、若干強度のノイローゼ気であったというんですが、別居をしておったんですね。別居をし おったんですが、子供さんが何回うちを訪ねてもおばあちゃんがうちへ入れない。おかしいな、おかしいな、三カ月もじいちゃんがいない。それで、中へ入ってみたらもう亡くなっておった。しかも、立ち会ったお医者さんが言っているんですが、井下田という医師が、「私の医師生活の中でも、あれほどに凄まじい死体を見たのは、後にも先にもないだろう。ミイラという生やさしいものではなかった。内臓はすっかり溶けて、体は空洞化しており、皮膚の数カ所に穴が空いていた。後頭部から懐中電灯の光をあてれば、頭皮を通して光が見えるほどだった」、こういうことを言っていました。 それから最も残酷なのは、おばあちゃんが、おじいちゃんの体からウジ虫がたくさんわいてきたので毎日毎日指でつぶして食べておった、そしていままで生活してきた、こういうことが書いてあるんです。 子供さんが男の子三人いる。すぐそばに三男坊が別居している、すぐそばに。そういう子供さんが三人おって、裕福なサラリーマン生活をしておって、そしてこういう死に方をしている。おばあちゃんがウジ虫を食いながら生きておったというのは、これは人ごとではない。われわれは、現代サラリーマンであっても、いつ心身の障害でこうなるかわからないということを端的に教えているのではないでしょうか。こういうアンケートがもう四種類、五種類あるわけです。こういう現状を、ルポの一部分だということではなくて、共通性を老人問題は持っている、私はそう受けとめるんです。 したがって、午前中から言った成人病あるいは慢性病、こういうものについては、俗に言われる薬づけ、検査づけという弊害もあるだろうし、そういう面ではいろんな面で社会問題化されておるわけでありますが、社会党の私たちはお年寄りに対しては、生活療法という言葉を使っておるわけでありますが、生活に根をおろした、精神的、肉体的、あるいは環境的、あるいはぼけなんという話も言われますが、そういう老人ぼけ、ノイローゼ、そういう点では、午前中の報告書にも指摘しておるとおり、年寄りの特性というものに十分対応するためには、生活実態に、地域実態に根差した、年寄りの立場に立った療法と対応の仕方ということを考えてやる必要がある。私はこれを生活療法という言葉で表現しておるわけでありますが、こういう考え方、現代の薬づけ、検査づけの中における老人に対する対応の仕方、これはわれわれは間違いないと思うのでありますが、厚生大臣から、このわれわれ社会党が取り組もうとする考えについしの見解をまず聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○国務大臣(森下元晴君) 老人に対する医療というものは、私は治療ばかりがすべてでないと思っております。 いま中央公論のお話のように、そういうような悲劇が起こっておるというところに、予防とか、それからホームヘルパーのような方を派遣してときどきそういう家庭を見守るとか、それも大きな意味の医療であるし、また老人対策である。最近はホスピスというような——私も詳しいことはわかりませんけれども、精神的に老人は孤独でございますし、将来に対する不安を持っておる、いわば心の病気を持っておる方もたくさんおると思うんです、そういう意味で、そういう意味の幅広い医療、それは医療という名前がふさわしいかどうかわかりませんけれども、栄養の問題から始まって、健康教育、それから肉体の適当な運動、それから心の方の健康の問題、いわゆるホスピス、そういう総合的に幅広く対処していく。それと、さっき文部省の方へお尋ねになりましたが、核家族も結構なんですが、行き過ぎますと、そういうような親子のせっかくの伝統的な関係が切れてしまう。私は日本の社会制度また家族制度のいいものは見直す。それを医療等に含めていけばいいんだというような基本的な考えを持っております。
○目黒今朝次郎君 基本的には了解してもらったと思うのでありますが、この生活療法というのは、いま言った環境、食事、運動、休養を総合的に結合して行う。特に病気と体、それからおのおの体質があります。高血圧の方もいれば低血圧の方もおります。そういう体質、そういうものを一貫してコントロールできる、俗に言うかかりつけの医者、あるいはホームドクターを考える。 米軍に占領された沖縄の医療の中に、ホームドクターまではいきませんが、保健婦さんとつながりを持っているような制度もありますし、中国大陸ですね、中国の医療制度の中にもホームドクター的なあり方というやつが一部導入されておることも、われわれは中国に行って聞いたり見たりしてきているわけでありますが、米軍なり、あの広い中国大陸でもやろうと思えばやっているわけでありますから、ホームドクター的な考え方、これを特に七十歳以上の御老人には制度運用として考えていくべきじゃなかろうか。何人受け持つかは別にして、考え方としてはそういうことをお年寄りの対応というために取り入れていくべきじゃなかろうか。こんなふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 先生お話しのように、単に治療だけではなしに、食事、環境、生活全般にわたりまして包括的なアプローチをするということは非常に大事なことでございます。現に医療の世界でも最近、プライマリーケア学会というふうなことでそういった問題に幅広く対応していこう、また看護の分野からもそういった地域看護というふうな点から、いろんな職種の人とチームワークを組んでそういう点にアプローチしていこう、そういうふうな動きが出ているわけでございまして、それは大変結構なことだと思うわけでございます。 ただ、ホームドクターを法制上の問題として確立するということになってまいりますと、そこのところに若干私どもといたしましては、ホームドクターというのが、そういった趣旨については当然そういった方向でいくべきでございますし、現にいろいろなところで、開業医あるいは病院等の外来の一部でそういった動きが行われているわけでありますけれども、実際の場面においてこういったことをやっていくということも非常に大事なことであって、いま直ちにこれを法制上ホームドクターという形で、制度として、つまりシステムとして、あるいは診療報酬の支払いの形というふうな点で、これを直ちにそういった方向に持っていくかどうかという点につきましては、もう少し検討が必要なのではないか。いまのところ、現に医療の第一線、あるいは地域看護、あるいは公衆衛生をやっておられる現場で、そういったホームドクター的な物の考え方、包括医療というふうな考え方で進んでいけるように政府として進めていくべきではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
○目黒今朝次郎君 これはある程度発想の転換をして、発想の転換に見合った教育制度あるいは検討ということが付随しないと、局長の言うとおり一遍にぼんとなるということは無理かと存じます。しかし午前中から言っておったとおり、戦後急激に疾病構造が変化したという現状、あるいは十年か二十年後を考えると世界で一番お年寄りを抱えるのは日本だ、こういうILOの報告まで出てくる現状ですから、そういう意味では発想の転換なり対応策を考える必要があるのじゃなかろうか、こう思っております。 私も素人でありますから余りわかりませんが、いままでの医学教育というのは、薬、機械、検査、そういうものが非常に専門化になって、それはそれなりに午前中の話でいい側面がありますが、医学教育、医師の養成という問題についても、いま局長が言ったような考え方はいいことだ。しかし取り入れるにはちょっとまだ臨床的にも実際的にも問題があるというのであれば、その条件づくりをするための総合研究なり、あるいは総合的な対応なりということが、三年なり五年なりある程度中期的な考えを持って、文部省なり、あるいは医師会なり、あるいは関係者とプロジェクトを組んで、いいことは思い切って取り組んでみる、そういう前向きなことが必要じゃなかろうか。ですから、われわれのホームドクター制度、その問題は、将来を見て言えば、あすの保健事業が各町村にずっと根をおろしていくための中核的な存在にもなるんじゃなかろうか。こんなふうに考えますので、この問題についての前向きに検討する対応方について、政府委員が無理ならば厚生大臣でも結構ですから、厚生省側からそういう総合的なプロジェクトもつくって検討していこう、そういう考え方をぜひお示し願いたいなと、こう思います。
○政府委員(大谷藤郎君) 先生の御趣旨に私ども全く賛成でございまして、そういった試みを逐次いろいろな方法で、そういう方向に進んでいくべきだと思っております。したがいまして、数年前から、たとえばアメリカにそういった包括的な医療を行うプライマリーケアのインストラクターを養成するために留学をさせておりますとか、あるいはこれは公衆衛生局の分野でございますけれども、昭和五十三年度から国民健康づくりという名前で医師、看護婦、保健婦、栄養士、いろいろな職種の人がパートナーを組んで地域で活動していく、地域を基盤にした総合的な健康づくりという方向に狭い医療の枠から持っていったらどうか。そういうことでいろいろな立場からそういう方向に進めているところでございます。先生の御趣旨十分踏まえまして、今後ともそういう方向に努力いたしたいと存じます。
○国務大臣(森下元晴君) 医務局長の御説明で十分かと思いますが、私は病気の御老人だけではなしに、健康な老人もいつ病気になるかもわからないということもございますし、ホームドクター等の方々が生きどき見回っておあげするということは非常にいいことだと思います。 よく老人クラブなんかへ参りますと、わしは病気しないと自慢する方もおられまして、それは非常にいいことでございます。病気もしないし、ちっとも財政的な負担もかけないから勲章ぐらいもらってもいいなあと、笑い話で言われるまことにわれわれにとってありがたい方も実はおります。みずから自分の健康に気をつけて、そして八十も八十五になってもかくしゃくとしておる。そしていろいろ人の世話までしておるというような方には別に何の恩典もないわけで、保険だけかかっておるわけでまた御不満があるわけです。何か表彰、褒賞の制度があれば——別に表彰しておだてるという意味ではございませんけれども、心から感謝申し上げるということも必要なんじゃないか。中には九十まで生きて、そして最後にお医者さんに世話になったのは死亡診断書だけだったというような方も実はおられるわけですね。われわれは実はそうありたいと思うのです、本当は。お医者さんもおりますけれども、世話になるのはもう最期の死亡診断だけ、あと健やかに長生きして天国に行けるという、これは理想的な姿で、そのためにはやっぱり若いうちからちゃんと診断はたびたびしていただかなければいかぬと思います。自分の健康でも自分がわからぬ場合がございますから、そういうような一つの理想的な実は考えも持っておるわけでございまして、これは蛇足になりましたがお答えといたしたいと思います。
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、私は、教育の問題と同時に、生活療法のためには、住宅のあり方というのを変えていかないといけないのじゃなかろうかと、こんなふうに考えます。ことしか来年か知りませんが、建設省でもいろいろ議論になっておった身体障害者向きの公営住宅ということも、わずかではありますが、長い間の懸案を公営住宅に導入していくという点は、非常に積極的な取り組みとして私は評価をし、将来拡大していってもらいたいと、こう思うんであります。お年寄りを抱える家庭生活、住宅のあり方ということもこの際意欲的に検討し、あるいは住宅界を指導するということも行政の責任じゃなかろうかと、こんなふうに考えますので、建設省の方でお年寄りを抱える住宅対策ということについて御検討されているかどうか、ひとつ考え方などを聞かせてもらいたい、こう思うんです。
○説明員(北島照仁君) 住宅政策の目標といたしましては、すべての国民が良好な住環境のもとにおいて安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにするということでございますが、御老人の方あるいは身体障害者の方々にとって住宅というものは、安定した住生活を送る上において一般の方々よりも特に必要なものだというふうに考えております。 このような考え方から、昭和三十八年に老人福祉法ができた翌年でございますが、公営住宅の中に老人世帯向け特定目的公営住宅という制度をつくりまして、老人世帯、すなわち老人だけ、あるいは老人と十八歳未満の子供さんというそういった世帯に対しまして、特別の設備、構造といいますか、を配慮いたしました住宅を供給してきたことが一つございます。 三十九年にそういった公営住宅の制度をつくりましたわけでございますが、昭和四十七年から公団住宅あるいは住宅金融公庫融資につきまして、老人の世帯あるいは老人がおられる世帯に対しまして、公団住宅でございますと、入居の優遇といいますか、一般の方々よりも当せん率をよくするというような制度、あるいは住宅金融公庫につきましては、老人同居世帯の場合には、現在の金額で申しますと、六十万円とか百二十万円とかよけいにお貸しするという制度を導入をいたしたわけでございます。 さらに、昭和五十五年度からでございますが、いま先生から御紹介ございましたように、公営住宅につきまして、普通の場合でございますと単身の方は入れないわけでございますが、老人の方あるいは身体障害者の方につきましては、そのほかございますが、等々につきましては、単身でも入居できるという制度をつくったということでございます。 今後とも住宅政策におきまして老人あるいは身体障害者等の方々につきましての配慮をやっていこうと思いますが、特に五十六年度を初年度といたします第四期住宅建設五カ年計画の、これは昨年の三月閣議決定したわけでございますが、その中におきましても、「公的資金による住宅の供給に当たっては、老人・母子・障害者等の世帯について特に配慮して、その住宅の確保に努めること。」というふうに定められております。今後その線に沿いまして住宅政策の充実を図ってまいりたいと思います。
○目黒今朝次郎君 どうも御苦労様です。 それで大臣ね、さっきの雑誌の悲劇を見ますと、あるいは午前中僕が言った懇談会の報告などを見てみますと、年をとったら子供と同居する、結婚して離れておって、それで一定の孫でもできた適当な段階にまた同居する、そういう同居することがいろんな面で日本的じゃなかろうかという話がよく出てるんです。また反対論もあります。いやプライバシーが侵されるから、じいちゃんばあちゃん年寄り二人でのんびり暮らした方がいいという反対論もありますが、世論調査を見ますと、一定の段階が過ぎれば子供と同居する、あるいは近くに居住するということが望ましい、それがお年寄りの健康と人間的な潤いにむしろプラスをしているということが、世論調査の結果多いようであります。しかし問題になるのは、土地が非常に取得しにくい。したがって、年寄りと一緒にいると、住宅の広さという点で金もかかる、同居したくても住宅問題でむしろブレーキがかかっているという世論調査などもあります。 それで、お年寄りの要望にこたえるためには、いま建設省が言った問題にさらに加えて、そういう七十歳以上のお年寄りと同居する、そのために住宅を建設するという場合には、減税措置か何かで建設の誘導ができるような施策を考えるべきではなかろうかという問題提起があるわけでありますが、これは建設省、ちょっと税金の関係ですから無理だと思いますが、国務大臣として、お年寄りを扱う担当大臣として、そういうこともそう言われてみればそうだな、こういう気持ちで大蔵省あたりと検討し、建設省と検討してみると、そういうお気持ちがあるかどうかね。そんなこと言ったってそれは無理だわいと、こういう情勢か。大臣の見解をまず聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
○国務大臣(森下元晴君) 私も実は賛成でございます。ただ、財政的にそれに耐えるだけのものがいまあるかどうか別にして、まことにこれは結構な御案でございます。 ただ、昔の大家族家庭は、もうオープン過ぎまして、かえって不自由な点もございました。それから嫁なんか非常に窮屈な思いをしたというようなことも聞いておりますし、近代的な建築法では同居しているような、しておらないような、しかもお年寄りが生きがいを感ずるようないろんな組み合わせがあると思います。若夫婦が外に出ても、おじいちゃんおばあちゃんが孫のお守りをしてくれるとか、何か日本的な過去のいい点と、また新しい考え方を取り入れた住居というものは必ずあると思うんです。 たとえばトイレなんかでも別にしておけばいいわけです。それから台所でも別にすればいいわけで、昔の財政状況といまの経済とはかなり違っております。建築法も非常に優秀になりましたから、まあ土地が問題でございますけれども、工夫すればあると思いますし、それが本当の在宅福祉と申しますか、家庭福祉である。お年寄りのためにもなるし、またすべての家族のためにもなるということで、予算が伴う問題でございますけれども、これは前向きで考えていきたいし、もうすでに、私ちょっと連絡がまだできておりませんけれども、そういう考え方は厚生省にもあると思いますし、あればより推進いたしたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 大都市はなかなか土地問題で大変な困難があると思いますが、むしろ地方の中都市ね、中都市は、午前中やったとおり、七十歳以上の方々も多いわけでありますから、地方都市、まあ農村は別にして、中都市あたりひとつモデルに選定して精力的に取り組んでみたらどうかということも付言してひとつ要請しておきます。 それから次に、生活療法の関係で、特に栄養士の協力という点が非常にお年寄りに大事じゃなかろうか、こんなふうに考えております。私たちも含めて、成人病あるいは慢性病の克服には食べ物を注意しなさいと医者に行っても言われるし、また家庭でもそういうことを言われるし、あるいは新聞などを見ますと、食生活の重要性ということがよく言われておるわけでありますが、われわれが点検いたしますと、現在病院から届けられるのは、病院の献立表とカロリー程度であって、具体的にこうせい、ああせいということについては、ちょっと不十分な点があるんではなかろうか。こんなふうに考えるわけでありますが、栄養士の協力という点でどういうふうに考えておられるか、厚生省側の御見解を聞かせてもらいたいと、こう思います。
○政府委員(三浦大助君) 今度の法案の中で訪問看護というのがこの一つの大きな柱になっておるわけでございますが、これは一応保健婦さんが実施するということになっておりますけれども、その中身というのは、一つに食事とかあるいは栄養指導という非常に大切な項目がございます。これにつきましては、当然栄養士さんの協力を得ないとできないわけでございます。そのほかにも健康教育あるいは健康相談という大きな柱がございまして、ここでもそういう栄養指導ということを、従来もやってきておりますが、なお一層強力にやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 ことしの三月、大阪で栄養士の社会的役割りを考える集いという栄養士さんの集まりがありました。そこで、いろいろ意見が出たわけでありますが、その中の一つとして、机上の分析表とにらみ合っている単なる事務屋にすぎないという反省の声があったわけであります。これはおのおの置かれている立場によって違うと思うのでありますが、そういう反省が出ているということについてどういうふうにお受け取りになるか。それは考えの違いだ、こういうふうになるか、そう言われてみればそういう点もあるなあというふうに受けとめるのか、ひとつお考えを聞かせてもらいたいと、こう思います。
○政府委員(三浦大助君) 栄養士さんの仕事というのは、要するに、地域社会に出ていっていろいろ栄養指導をするという仕事と、それから病院の中でそういう分析表とにらみ合って患者さん方のいろいろ食事の指導をするという二つの仕事があると思いますが、先生いまおっしゃったのは後者の方の話ではないかと思います。 私どもこういう地域社会の栄養指導は保健所が中心になってやっております。要するに、日本人の栄養所要量というようなものを五年に一回、常にその時代に見合って改定しております。これを見ますと、二十代はどうする、三十代はどうする、非常にきめ細かな表ができておりまして、具体的にいろんな指導ができるようになっておるわけでございます。また、これからの栄養指導の重点目標というようなものもつくりまして、たとえばただいまの目標というのは肥満の防止だとか、それからいま非常に女性の貧血が問題になっておりますので、そういう貧血の防止、それから午前中お話の出ました食塩の過剰摂取による高血圧の予防とか、あるいは動物性脂肪の摂取の偏重によります動脈硬化の防止とか、こういうものを重点的に取り上げて、地域社会でその社会に見合ったテーマでいま一生懸命やっておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 これは私の経験ですが、私も余り体が丈夫な方じゃありませんから、あっちこっち本をあさって見るんですが、実際栄養士さんが、いま局長の言ったとおり、年代別あるいは時代別にいろんな分析表をつくる。それを実際そこに住んでおる市民の生活に大衆化させるための取り組みといいますか、たとえば奥さん方を集めて講習会を開くとか、あるいは区報に出すとか、区ごとあるいは中学単位ぐらいに集めてお母さん方を指導するとか。栄養士の分析を国民生活に結びつけるためのいわゆる大衆化といいますかな、われわれは特に大衆化という言葉を使うんだが、その大衆化というところに欠ける点があるんではなかろうか。そのことが、一生懸命栄養士さんが分析しておって、患者さんにやっておっても、何か机の上の事務屋さんだという感覚を持つ側面を与えているんではなかろうか、そんなふうに私は受け取ったんです。ですから、栄養士の活動の大衆化ということについて工夫をすることが必要じゃなかろうか。それがお年寄りにもずっと波及していく。あるいはお年寄りからずっと逆に大衆化していく。老人のいろんな設備がありますね。そこを保健婦さんと一緒に巡回をして歩いて問題を把握するとか、そういう大衆化、行動化という点に欠ける点があるんじゃなかろうか。こんなように思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(三浦大助君) いま御指摘のようなこと、実際には保健所でかなりやっておるんですけれども、非常にじみな仕事で日につかないかもしれませんが、たとえば理論的にいろいろ栄養士さんがつくりまして、それをキッチンカーで行くとか、あるいは公民館を使ってお料理教室をするとか、それから地域に根差すために婦人の健康づくり運動というふうなものもいま盛んにやっておるわけでございますので、いま御指摘ございましたようなことを踏まえて今後さらに一層強力に進めてまいりたいと考えております。
○目黒今朝次郎君 私は、去年ですかおととしか、山形県をずっと農村地帯も含めていま問題のようなことで歩いたんです。その当時を振り返ってみると、やってないとは言いませんが、やる度合いが非常に少ないか、あるいは地域に偏重している。これは保健婦さんとか、いろんな設備の関係があるでしょうがね。私は石川県の報告書をもらっていますが、石川県の報告書を読んでも、なかなか大衆化しているというところまではちょっとほど遠い。こう思いますので、やってないとは言いませんが、そういうことについてさらに創意工夫を重ねて関係市町村と努力してもらいたいと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(三浦大助君) 御指摘のとおり、さらに一層この連動を深めていきたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 次は、病院にわける冷凍食品の導入についてちょっとお伺いいたします。 医療食という名の冷凍食品、副食のカロリー、それからたん白質六〇%以上のものが導入されて、患者一人一日当たり百四十円の加算になるという制度があるそうであります。この制度は五十三年に百円で発足いたしましたけれども、五十六年の六月の点数改正で現在十四点、百四十円加算、こうなっておるそうであります。病院というのは患者さんが入っているところでありますから、手間と暇をなくすということはわからないではありませんが、病院関係者に聞くと、厚生省がこの冷凍食品の導入を奨励しているという話を聞いているわけでありますが、実態はどうなんでしょうかお教え願いたいと、こう思います。
○政府委員(大谷藤郎君) 先ほどからお話ございます高齢化の進行によりまして慢性疾患患者が非常にふえております。そういった場合に、その疾病治療の中での病院給食というものの役割りは非常に大きくなっているわけでございます。そういうことで、医療食の普及に伴いまして給食内容の栄養水準というものが保障されて、その全般的な質的向上が図られていくということであるならば、これは大変結構なことではないかという考えでいるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 しかし、冷凍食を奨励しているということが本当なのかどうか、奨励しているとすれば、どういう食品だから奨励するんだという裏づけが必要だと思うんです。おたくからもらったこの医療食の製造業者一覧表、これを見ると、必ずしもこれは奨励する食品をつくっておるメーカーではないと思うんですがね。冷凍食を奨励するという根拠、背景は何なのか。手間が省けるからだけなのか。私はいささか疑問に思うわけであります。厚生省が、いや、それは奨励しているんではなくて、あるものは使えという程度のことなのか、その辺の使い分けを病院における冷凍食について教えてもらいたい。こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) これは医療食特別加算の点数の関係でございますので、私の方からお答えをいたしたいと思います。 この医療食特別加算でございますが、これは五十三年の二月の診療報酬改定の際に新設をされたわけでございます。これは先ほど医務局長から申しましたが、この給食の質的向上を図っていく、こういうような趣旨でございますが、これは実は調理加工後の栄養成分の分析というものがびしっと行われるということが給食の質的向上に資するんではなかろうか。この医療食特別加算につきましては検査機関がございます。ただいま先生おっしゃいましたように、いろいろな製造業者から冷凍食品等が来るわけでございますが、その調理前、調理後、その時点において栄養成分が分析される、しかもその栄養成分分析値が保たれているということが必要で、それをぴしっとした検査機関でもって検査をしていく。こういったようなことに非常な意義があるわけでございまして、それによりまして給食の質的向上を図るという趣旨で導入をされたわけでございます。そういったようなことから、この医療食特別加算というものを十分よく利用して給食の質的向上を今後とも図っていきたいと、こういう趣旨であるわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 カロリーとかたん白質六〇%以上のやつを検査機関が検査をしていると、そういう話でありますが、これはうそか本当か知りませんが、おたくが言った財団法人日本医療食協会が検査をするんだそうですな。ところが、この検査の構成メンバーはどうなんだと聞いたら、おたくからもらった資料の左側にある、いろんな医療食をつくっておる製造元の代表が集まってこの医療食協会をつくってそこが検査をする。自分のつくったメーカーの品物をこれはだめだというばかはいないでしょう。そんなでたらめな検査機関ありますか、あんた、目黒株式会社つくったら、全然関係のない検査官が検査するというんなら話はわかるけれども、私が自分でつくって自分が検査官になりかわって、この食品はいいですよと言って病院に送りこむ。そんなシステムは社会的に容認されますか。この日本医療食協会というのは検査機関だそうですが、この構成メンバーはだれですか。全部メーカーの代表じゃないですか。違いますか。
○政府委員(大谷藤郎君) 日本医療食協会は財団法人でございまして、メーカーの代表そのものではございません。また理事にもたとえば多数の医学関係の専門家等も入っておられまして、財団法人として行われているというふうに私どもは理解しているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 じゃ具体的に名簿出してください。名簿出して、その人がどこの会社の出身かということがわかれば、私の言うことが本当か、あるいはあなたの言うことが本当か、あるいは何人か入っているけれども、構成の三分の二以上はメーカーの代表がはっきりする。自分のつくった品物を自分が不合格にするばかはないでしょう。そんなことは俗に言う癒着だというんです、癒着。だから、医療食が入ったというのはむしろ業界との癒着のためだ。こういう医療食、副食カロリー、たん白質六〇%強という基準をつくっているけれども、裏を返せば、業界と病院との癒着じゃないかと、こういう疑いを持たざるを得ません。 したがって、いまできなければ後ほどで結構ですから、この検査機関の委員の名前と、その委員がどこのメーカーの代表が。これはおたくからもらった資料です。私が集めた資料じゃありませんよ。おたくからもらったこの資料でメーカーの代表とどういう関連があるか、後ほどで結構ですから、具体的に提示をしてください。それを見れば、私の言っていることが本当かどうかわかるわけでありますから、お願いしたいと思いますが、いかがですか、
○政府委員(大谷藤郎君) 後ほど御提出させていただきます。
○目黒今朝次郎君 それでは、私は手間が省けろということはわからないわけではありませんが、少なくとも病院に入っている患者さんには、お魚類とか、ハムであるとか、牛乳であるとか、豆、ホウレンソウぐらいは新鮮なものを差し上げるというのが人情じゃないでしょうか。ホウレンソウでも生を持ってきて加工して差し上げる。冷凍物を食わせるというのはちょっと冷酷じゃないですかね。しかもこれはお年寄りの方に限って利用度が多いというのですね。お金のある人とは言いませんが、一般の方には生のホウレンソウをやって、六十五、七十の皆さんには冷凍食を使う。これはちょっと味気ないな。早く年寄り死んでしまえというようなものですね。そういうことは間違いじゃないですか。私はこう思うんですが、少なくとも先の短い皆さんには新鮮な生を使う、魚を食べてもらうというのが人情じゃないですかな。したがって、年寄りに対する医療食の取り扱いについては再検討してほしい。私はこう思うんですが、これは政府側どうですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 確かに先生おっしゃいますように、新鮮な材料で新鮮な調理された食事がいいということは当然のことでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、慢性疾患の中ではたとえば糖尿病でありますとか、あるいは腎臓病でありますとか、いろいろな特殊な代謝系の疾患等におきましては、厳密にそのカロリー計算、あるいは元素その他栄養素等のものが化学的にきっちりとされたものでないと、病気が悪化するというふうなこともございまして、確かに本質的にはそういったものがすべて新鮮な材料でなされるということが一番いいことだと思いますが、一方では現在の医学のそういう進みぐあいの中からそういった問題が派生しているという点も御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○目黒今朝次郎君 私はそういう医療に必要な食事というところまでどうこうせいという気持ちじゃないんです。だけれども、おたくからもらったこの会社の名簿と、そこが出している品物と、医療食として使われている中身を並べてみると、ちょっと行き過ぎじゃありませんかという気がしたのです。医療食として医師の診断で必要なものは、それはお年寄りに一番いいことですから、それまで否定しようとは思いません。そういうことでお願いしたい。 これは参考までに、世田谷の小学枝では、この前行ったら、学校給食用としての材料は野菜、魚全部直送して学校給食するので、新鮮な魚を見ただけで子供たちが食欲をそそわれて食べる。トマトでも本当にうまそうなトマトが出る。冷凍のではないんですね。そうすると、子供たちはそれを見て、ああ、きょうの昼のトマトはおいしいなといって食べる。そういうのが健康と思いやりというものじゃないでしょうか。米をなかなか食べないということも、そういう創意工夫をすれば、子供たちだって米を食べるということになると思うんですよ。 したがって、そういう意味では、食生活という観点からいろいろ問題を提起しましたが、そういうことについては、病院によっては産地から直送ということなども考える。現にやっている学校なり施設があるんですから、厚生省はそういう方向に政策を誘導するということがお年寄りに対する心遣いだ、そして結局は金のかからない方法だ、こう私は思うんですよ。そこへいくんだ、結局は。そういうことについて全国的な点検をして必要な措置をしてもらいたい。できればそういうことについては助成金を出すというくらいの親切心があっていいじゃないかと思うんで、ひとつ見解を賜りたいと、こう思うんです。
○政府委員(大谷藤郎君) 先生のおっしゃることごもっともでございます。そういった医療食につきましては、適材適所と申しますか、それぞれ使い方があると思います。ほどほどにしていかなければいけないし、それが適切であるかという問題についても十分検討してやっていかなければならないと存じます。私どもとしても、先生のお話を承りまして勉強さしていただきたいというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 じゃ、よろしくお願いします。 次に、がんとか脳疾患とか心臓疾患の問題については午前中も言いましたが、死亡率、罹病率、各地域ごとにアンバラがあるということをお話し申し上げました。しかし立場を変えて見ると、こういうがんとか脳疾患とか心臓の問題ということを職場の段階で見ますと、組合健康保険の場合についても、あるいはその他の場合についても、健康管理者がおって、こういう最悪の病気の予防とか、病気になった場合にどうすれば回復できるかということにきめ細かく対応しているわけです。そういう職場の対応から見ると、各市町村を含めた地域の対応というのはちょっと不十分ではなかろうか、こんな気がするわけであります。したがって、地域における保健所、保健婦あるいはお医者さんを含めて、こういうがんとか脳疾患とか心臓疾患、これらに対する予防と治療の地域対策ということについてはどういうふうに取り組まれておるか。われわれがあっちこっち歩いたみたところでは、職場の取り組みと比べましておくれておる、こういう気がするわけでありますが、これらに対してはどういうふうに受けとめて、どういう指導をされようとしているのか。今回の老人健康法案でそれにどういう対応をしようとするのか、御見解を聞きたいと思うんです。
○政府委員(三浦大助君) 御指摘のように、確かに被用者につきましては、職場で非常にいろいろ管理が的確にやられておると思いますが、一般住民、つまり自営業者あるいは家庭の主婦に対する健診というのはいままで一番大きな問題であったわけでございます。 したがいまして、いままでは、先ほどちょっと申し上げましたが、検診事業、つまり循環器疾患、胃がん、子宮がん、この辺の検診事業につきましては、受診率の問題がございますけれども、一応九〇%以上の市町村で検診事業が行われておったわけでございます。ただ循環器のような疾患は後遺症を残しますし、そういう人たちに対する機能訓練あるいは家庭訪問、それからもっと前の段階のいろいろな健康教育、こういうことを保健所を中心でやっておったわけでございますけれども、なかなか一般住民の方は的確にというふうにはいままでできなかったわけでございます。 したがいまして、これから老人保健法案を契機として、四十歳以上の方々にこういうヘルスサービスを徹底してやっていこうということでございまして、一つは一般の健康診査、それからそこで要注意者に対する精密検査が行われるわけでございます。その中でも子宮がんとかあるいは胃がん、循環器疾患、こういうものを中心にこれから力を入れてやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 いま、職場の健康管理に比べると、地域への取り組みというのは若干落差があるということはお認めになっていると思うんですが、これは今後地域の対策で保健所の問題と市町村の保健センター、こういう問題があるわけであります。 市町村の保健センターの問題についてはいろいろまた議論もありまして、社会党としてはむしろ現存する保健所、これを十分に育成強化すべきだと、こういう考えを持っておりますので、われわれとしては保健所を、今回の法案の中にもいろいろ保健所、保健婦の問題は出ておりますが、保健所を中心にいま言った健康管理をさらにきめ細かく、小学校単位がいいか、中学校単位がいいか、いろいろ事情はあると思うんでありますが、そういう健康管理をむしろ職場並みに、地域を職場並みに格上げするように特段の配慮をお願いしたい。 これは後で出てくる分担金の負担の問題とかかわり合いを持ってくるわけですよ。国民健康保険の方の関係のしりぬぐいと言っては変ですが、後始末、組合健康保険の分担金が多くなるという問題ともかかわり合いを持ってくるので、地域のこういうがん、あるいは子宮がん、心臓疾患、こういう方に対する対応、取り組み、健康管理あるいは対策というものをレベルアップするための最大の努力が当面の課題ではないか。こんなふうに思いますので、御見解をお聞かせ願いたいと、こう思うんです。
○政府委員(三浦大助君) このたびの老人保健法案の中で四十歳以上の方々に対しましては、七十歳以上の方々に対しましては全員でございますが、四十歳から六十九歳までの方々に対しましては、必要があると認めた人に対して健康手帳を配付することになっておりまして、そういう手帳を中心にまた一層健康管理は徹底してやっていきたいと思っております。 ただいま御指摘の保健所と市町村保健センターの関係でございますが、これにつきましては、今度の老人保健法の実施主体が市町村になっておるわけでございまして、一応保健所と申しますのは非常に機能が高いところでございまして、市町村保健センターというのは地域住民のいろいろ保健をサービスする場とお考えいただければいいわけでございまして、当然これらにつきましては、だんだん高度な機能を備えるように持ってまいりたいと思っておりますが、一応市町村保健センターを一番主な今度の保健サービスの実施主体というふうに私ども考えておりまして、保健所と申しますのは、さらに専門的な知識の普及と申しますか、あるいは専門家の派遣、あるいは僻地とかそういう保健婦のいないようなところに対します応援体制の確立、それから市町村のいろんな横の連絡とかあるいは企画の指導立案に当たるといった、そういうことを保健所の方にお願いして、本当に地域に密着したいろんな保健サービス事業は市町村で、こういう市町村センターのようなところを中心にやってまいりたいというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 いまはおたくの方の法案提出に当たっての考え方、保健所と市町村保健センターの関係についてお話があったと思うんですが、私たちは若干見解を異にしておるものであります。したがって、その問題については後ほどまたお話し申し上げたい。われわれとしては、保健所を重点とした対応が最も現実的だと考え、また法案の中身を見ますと、保健所でやれないやつはまたお願いするというような委任条項もありますから、そういう問題を含めて、まだわれわれとしては納得できないという立場を鮮明にして、具体的な問題は後ほどやりたいと思っております。 それからもう一つは、今回の臨調からもありまして、市町村で実施している国民健康保険の医療費通知運動、これについてはどうなんですかな。 ここに、お医者さんが患者にかかった内容をお知らせいたしますというあれ、これは七尾市からもらってきたんですが、これを見ると、あなたの家族は一年間幾らかかりましたというどんぶり勘定をお医者さんから患者に渡す、こういうシステムのようですね。これは私素人でわかりませんが。これは七尾市の公報で、昭和五十五年四月から五十六年三月までの医療費がどれだけかかったか。一人当たり、県は平均十一万六千九百四十八円、市は十二万六千二百十四円。一世帯当たり、県は三十四万四千三百六十四円、市は三十五万五千六百三十一円。こう書かれておりまして、あなたは幾らかかりましたかと通知が行くんですよ。これが第二臨調から答申のあった医療費の適正化ということの一環なんだろうか、こう思うと、首をかしげるんです。第二臨調から答申のあった医療費の適正化、お医者さんから患者に中身を通知するという問題については現在どうなっているんですか。
○政府委員(大和田潔君) 医療費通知、これは健康保険組合あるいは政管健保、それから国保、これがすでにやっておるわけでございます。 それで、この医療費通知につきましては、自分の病気とか医療費についての認識を新たにするといった観点から、健康管理等の面で効果があるというふうに私ども考えておるわけでございますが、とにもかくにも、この医療費通知につきましては、できるだけ全保険者が早急に実施をするということが私どもの念願であったわけでございます。 現在におきましては、国民健康保険で申しますと、実施率が五十六年十二月末までで九一%、五十七年三月末で大体そのほぼ全保険者が実施したところでございます。 ただ、先生がいまおっしゃいました七尾市の例でございますが、実は私どももできるだけ早く全保険者が実施するようにということで、できればきめ細かく、たとえば医療費の通知については一カ月分、ある月について御通知申し上げるというようなことをやることがいいんではないかというふうに思うのでございますが、できるだけ早く全保険者に実施をしてもらうということで、当初は、これは一カ月分あるいは数カ月分または一年分をまとめる方法でもいいから、とにかく通知をおやりなさいという指導を、これは五十五年の七月でございますが、やっておるわけです。この医療費通知につきましては、今後はなおその中身の充実強化というものを図っていかなければならない。たとえば通知の内容であるとか、回数であるとか、あるいは実施方法につきましても、改善、充実を図るようにいたしたいということで保険者を指導していく考えでございますので、七尾市につきましても、私どもといたしましては、さらに充実するような方向でやっていってもらいたいというふうに指導をしていく方針でございます。
○目黒今朝次郎君 昭和五十五年の七月四日の保険発第五十一号、この書面はもらっておるんですが、この書面から見ると、この七尾市のこれは書面には対応しているわけですね、書面からは。でも、せっかく通知を出すんですから、どんぶり勘定で年間幾らというやつ——もらわないよりはいいことだろうけれども、たとえば私がちょっとぐあいが悪くて医者に行ったと。そしたら注射が幾らで検査が幾らで治療が幾らだ、その総合計が幾らだと。毎日毎日出さなくとも、せめてかぜをひいて病院に行って治った、そのワンサイクルぐらいは、幾らかかりましたかというぐらい教えないと、第二臨調が提起した意味をなさないんじゃないですか。受診年月、受診者名、入院・通院・歯科・薬局の別、入院・通院の日数、医療費の類と、これではこの通知表の目的が達せられないんじゃないかと、こう思うんです。わからないよりはいい。わからないよりはいいけれども、いわゆる医療費の適正化という視点から見ると何らこれは意味をなさない、この通達は。そう思いませんか。
○政府委員(大和田潔君) 実は、この医療費通知は、保険者から本人に文書で本人分、あるいは被用者保険の場合は事業主に文書で差し上げる。これが被保険者のところへいくというようなことでございます。したがいまして、これは医療の秘密に属するようなこと、あるいは病名といったようなことについては、これは書くことがふさわしくないわけでありまして、その辺は私どもは非常に神経質に各保険者等を指導しておるわけでございますが、いま先生おっしゃいましたことで、確かに一年間を丸めて通知するということは、これはもっと改善しなければならない。これは先ほど私が申しましたとおりでございまして、ほかのたとえば政管健保でもってやっておりますのは、月の医療費というものを、ある一カ月の医療費を御通知申し上げているということになりますと、かなり具体的にみずからかかった医療費が幾らかということがわかってくるわけでございます。少なくともそういったような方向で指導していきたい。 国民健康保険におきましても、先ほど申しました五十五年七月の通達には、できるだけ早くすべて実施するという観点から、かなり大まかな一年分というようなことを書いてあります。これはできるだけ早く一カ月分についての通知を行うように指導してまいりたい、これは改善してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 十分納得できませんが、改善するということを言っているんですから、どういう内容の改善がまだわかりませんが、今後機会があればまた事務レベルを通じていろいろお教えを願ったり、問題を提起します。これは不十分だと思いますから早急に改善する方向について御努力願いたい、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(大和田潔君) そのようにいたしていきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 次に、衆議院で老人保健審議会の問題が修正になったわけですが、衆議院におけるやりとりを見てみますと、非常に不可解さを感ずるのです。これについては大臣、前の村山大臣から具体的に引き継ぎがあったのですか、この衆議院のやりとりの関係については。全然ありませんか。
○国務大臣(森下元晴君) 引き継ぎ事項の中には書いてございました。私もあえて聞けばよかったのですが、詳細には実は聞いておりません。しかし引き継ぎしたことは事実でございます。
○目黒今朝次郎君 私は、一番国民に明らかにしてもらいたいのは、われわれいまから老人保健法案の具体的な中身に入るのですが、この衆議院の議事録でやりとりを見てみますと、わが党の佐藤誼代議士が日本医師会の十月一日発行の第八十六巻の雑誌を取り上げながら、九月十六日の段階でもう日本医師会と厚生省の幹部が話し合いをして、一番骨格となる老人保健審議会、これを骨抜きにしますということを、これは吉原審議官が国会ではそうじゃありませんと答弁しておりますが、吉原審議官も一枚加わって——国会では法案を審議する、舞台裏では法案の骨抜きを日本医師会と自民党がしている。こんなばかげた芝居ありますかな。われわれおたくたちが出している法案についてどこまで信頼して議論していいのかわからないじゃありませんか。 議論は国会の場でしょう。国会の場で十月二十九日審議している前に、九月十六日の日本医師会と厚生省の幹部の話し合いで、法案を骨抜きにしますということが決まっているというのは、これはどういうことなんですかな。それからさらに十月二十日。十月二十九日の社労の審議の段階で、その一週間ほど前の十月二十日の段階で、当時の武見会長は完全に老人保健審議会はつくらないということを会報に流しているわけですね。それで自民党の修正案とぴったり合ってるんですよ、これは。さらに、ぴったり合っているその自民党の修正案が、衆議院段階で公明党、民社党賛成で、社会党、共産党反対で修正可決されている。全部これ一連の線に合っている、私は自民党が修正案を出さないのなら、前の大臣のことを一歩下がって信頼しないわけじゃありませんが、大臣の答弁したことが事実行為として全部否定されているという点から見ますと、法案審議の、何といいますかな、政治的な責任といいますか、そういうことを考えますと、いまから中に入ろうとする問題についてはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。私が一生懸命質問してあなた方が答えても、別なところで舞台が回って変なかっこうになるとなりますと、これは何を根拠に一体審議していいかということになりかねない。この一連の物理的な関連から言いますと、全く人をばかにしている、こう言っても私は過言ではないと思うんです。 この衆議院のやりとりについて、一体法案審議に当たって大臣なり関係者はどう考えておるのか。また、ここに出てくる吉原審議官、本当になかったのか。あったならば、男らしく私は責任をとってもらいたい。そのけじめをつけないでずるずるべったりいったんではどうにもならぬ。こう思いますので、その辺の関係をまず法案の中身に入るに当たって聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) いま御質問のございました衆議院の修正につきましての日本医師会と厚生省の関係で、私の名前が医師会雑誌に出ているようでございますけれども、そこに記載された事実につきましては、衆議院の社会労働委員会でも御質問がございまして、そういう事実があったのかなかったのかはっきり言えという御質問があったわけでございますが、そこでもお答えいたしましたとおり、そういった事実はございません、全くございません。 それからそのことにつきまして、また別な委員会で前村山大臣にもたしか御質疑があったかと思いますけれども、そのときも村山大臣から、大臣としてそういう事実はなかったということを、たしか参議院の行革委員会だったかと思いますけれども、お答えをさしていただいたと思います。そういうことでございますので、ひとつ御信用、御信頼をいただきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 私も吉原審議官のただいまの発言を実は信じたいと思います。民主主義、議会制度のもとにおきましては、政府が出した法案が修正になったり、また附帯決議がついたりすることは間々ございます。ただ、それが公明正大と申しますか、堂々とこの審議の中でやられておるのか、いま御指摘のありました不明瞭にやられておるのか、それは私もわかりません。しかし、私としては、りっぱにやられておるんだという確信を持って、今回も衆議院から送られてまいりました内容についてお願いするわけでございまして、御指摘のような暗い内容はなかったと、そう信じたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 いや、なかったとか、あったとかって言ったって、客観的事実が問題ですよ。物事っていうのは客観性ですよ。したとか、しないとかって言ったって、刑法じゃありませんが、やっぱり客観性ですよ。国鉄の乗務員が、私は乗務員ですが、信号は赤だ青だと言ったって、だれも見てないものですから、機械が壊れてても、機関士は信号に負けて刑務所にぶち込まれる。三河島事件もそのとおり、桜木町事件もそのとおり。だから客観性ですよ。私はそういう客観性でずっと人生を六十年生きてきた人間ですから、どんなに、ありません、ありませんと言ったって、この日本医師会の九月十六日の議事録、十月二十日の議事録、その議事録どおりに自民党の修正案が出てきて、それで国会でやられてるじゃありませんか。 片方では、厚生大臣が、老人の特異性から言って現在の出来高払いでは問題がある、ですからいろんな知恵を集めて、この老人審議会であらゆる英知をしぼってやりましょうやと、一生懸命答弁しておる陰で、この法案の骨格になるこの審議会が骨抜きになるような作業を、厚生省の高官と自民党の皆さんと日本医師会がやっている。どんなに釈明しようとも、十一月の十二日のこの修正案にそっくり出てるじゃありませんか。一部出ているとか出ていないというのならいいんですよ。全部まるまる一緒じゃありませんか。九月の十六日の日本医師会の会報に出てる中身まるまるが、この十一月十二日のいわゆる自民党提案、野党二党が賛成したこの修正案じゃないですか。これが舞台裏で行われていないというふうに客観的に何が説明できるんですか。 それは審議官、そんなきれいごと言ったって、厚生省幹部っていうのはあなたでしょう。あなたが中に入って二枚舌使いながらこの法案を骨抜きしたんじゃないですか。法案を骨抜きにしておって、この参議院でいまからやれと言ったって、午前中からずっと言ってきたことが結局この場限りの答弁であって、根底はちっとも変わってない、特にあなた自身を含めて厚生省の姿勢は。医師会べったりだと言われて抗弁のしようありますか。 佐藤謙員がいみじくも言ってるとおり、うそでないならば、大臣とあんたが日本医師会に向かって公開の文書を出して、これは間違いである、したがって日本医師会の責任でこの中身を訂正してほしいと、そういう公文書を出す行動をしましたか。そういうことで客観的に関係はなかったということを明らかにしない限りは、この問題の不信感はぬぐい切れないと、こう思うんですがね。その不信感をぬぐい去るための客観的な裏づけを私にくださいや。そうしないと、私はだれを相手に何を信頼して、いまから組合保険の関係とか、料金の性格論、拠出金の性格論をやっていいかわからない。法案提案者が裏切っているんだから、何を根拠にここで議論すればいいんですか。それを教えてください。
○政府委員(吉原健二君) 私自信全く身に覚えのないことでございますし、事実ではございませんので、そう申し上げるしかない。それを御信用いただきたいとお願いするしかないわけでございます。 このことにつきましては、前村山大臣が武見医師会長にも直接お会いになりまして、そういう事実があったかどうかということをお確かめいただきまして、そういうことはなかったという御返事を得まして、その旨を参議院の行革の委員会でございましたか、御発言、御答弁をさしていただいたということもございますし、その点はひとつ、まあ、いまの大臣ではない、前の大臣のときでございましたが、ひとつ御信用をいただきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 人間の口というのは便利なもんですからね。御信用をいただきたいと言ったってだめなの、客観的にしかじかでありますから御信用くださいという客観性がないと。だから、あなたが武見会長なら武見会長に公文書を出して、あれは誤りでありました、 〔委員長退席、理事安垣良一君着席〕 したがって医師会の機関誌の誤報であります、おわびいたしますという返事でももらう。それが客観性というものですよ。あなたがどんなに何ぼ武見会長云々と言ったって私は信用するわけにいかぬ。だから、あなたが、この医師会の問題について、厚生省の最高幹部がかかわりを持ってなかったという客観性を証明できない以上は、私はこれの審議はやれない、法案の中身について。そう申し上げているんです。ですから、うらの佐藤謙員が、そうなら客観性を証明したらどうですかということを言っているでしょう。それをなぜいままで——これは去年の十月でいまは四月ですからね。 私はこういう言葉を使ったら議会侮辱だと怒られるから使いません。(資料を示す)この三つの字、草冠の何とかというのを使うと、目黒議員懲罰動議と言われるから、私は使いません、この言葉は。だけども、本質は医師会とあなたがかかわり合いを持っておったこと。あなたという個人でなくて、これを立案した事務当局の最高責任者が絡んでおったというのは、これは政治的に大変重大な問題ですよ。ですから、その客観性をきちっと解明できない以上は、法案の中身に入ることについては問題があり過ぎる。あなたを信用するわけにはまいらぬ。だからあなたを相手に法案の議論をやるわけにはまいらぬと、こう思うんですが、その客観性を証明するための何らかの措置をとりますか。
○国務大臣(森下元晴君) これは昨年の十一月二十七日、参議院行政改革特別委員会、玉置委員長のときでございました。そこで、この問題に絡みまして御質問があったことに対して、村山大臣からお答えを実はしております。その内容は長くなりますので、簡略して申し上げますと、「玉置委員長のお取り計らいで、やはりはっきりしないらしいから、とにかく直接医師会と接触をとって、それでさらに明確にしろと、こういう御指示がありました。それが十一月十日だと思います。それで翌々日の十二日の日でございますが、私」すなわち当時の村山厚生大臣でございますが、「私が直接武見会長に会いまして、あなたは厚生省のだれかと直接お会いになって、そして修正問題について話し合ったことがありますかということを聞きましたら、言下に、一切そういうことはありませんでしたと、こういうことの言明を受けましたので、そのことを御報告申し上げておきます。」というような答弁を大臣からしておりますし、大臣のその答弁を私は信じておるわけでございまして、それが一つのよりどころでございます。 そういうことで、お尋ねの客観性ということの問題については、当時ちょうど私は所管でございませんでしたので、その点についてはわかりません。ただ、村山大臣の議事録に残っておる御発言の内容、これは信じておるわけでございます、これが客観的な措置であると。
○目黒今朝次郎君 村山大臣が何を言おうと、それは御自由だと思うんですよ。しかし、これは日本医師会の公的な機関誌ですし、しかも社会的に市販されておる。これは医師会が特定の人にやっている本じゃないですよ。これは私も毎月送ってもらってますし、買おうと思えばどこででも買えるんです。そういう公的な機関誌ですから、機関誌で一番大事な問題に疑惑を持たれるようなことがあって、仮にあなたが言ったとおり、いま行革特別委員会の大臣答弁があったと言うならば、それに対応する医師会の意思表示がないと本物にならないでしょう、一方通行で。 個人名で言われている。しかもあなたは最高幹部ですからね、この老人保健法の。課長さんとか係長さんではない。その人を悪く言うわけじゃありませんが、あなたは最高幹部ですからね、この保健法案を立案した。しかもこの法案の一番骨格のかかわり合いに医師会と接触があったということを医師会の機関誌に書かれて、はい、そうですか、というようでは——私は、行革委員会がどうあろうと、ここは社労委員会ですから、社労委員会の目黒議員としては了解するわけにまいらぬ。したがって審議の中身にはなかなか入れない。だれを信用していいかわからない、最高幹部に疑いを持っているんですから。大臣は政治的な責任、あなたは行政的な立案の責任者です。その行政的な立案の責任者が法案を出しておって、その法案の最も骨格に疑惑を持っているという段階では、ちょっと質問せいというのが無理じゃないですか。 だから、私は何も議事をとめる気はない。日本医師会ときちっと話しして、しかるべく、そういうことはなかったという釈明書なら釈明書をもらう。そういう事実行為をして、国会に向かっても、社会に向かっても、そういう疑惑はありませんでしたということを客観的に医師会も証明し、あなたも表明して、身を潔白にして議論に入るということが必要条件だと、私はこう言っていることなんです。ですから、審議官、そうでなかったら、あなた自身が日本医師会に行って、何月何日何号のどこの部分は誤りであるという釈明書をもらってくるぐらいの度胸があっていいじゃないですか、あなたの全人格に関する問題だもの。それを人を使ってどうのこうのという筋合いじゃないじゃないですか。その点あなた自身どうですか。日本医師会に行って、十月一日発行のこの議事録は誤りである、審議官に迷惑をかけて申しわけないというようなのを一札もらってきて、身の潔白を証明してから審議に入るということはどうなんですか。それをちゅうちょする筋合いのものではないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(吉原健二君) いまお話のございましたように、事務当局といたしましては、私の責任において法案をまとめて国会に山さしていただいたわけですから、その法案につきまして、国会提出後に関係団体等と修正の話を私がするということは、これは考えられないことでございますので、そういうことがなかったということは、ひとつ御信用いただきたいと思いますし、それから参議院の、いま大臣が申し上げましたように、委員会の場で、公式の席で大臣自身が武見医師会長ともお会いになりまして、そういうことはなかったというふうにおっしゃっておられますので、それは何よりの私は客観的な証拠だろうと思います。それは御信頼いただきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 当事者が何ぼしゃべったって、あなたは疑いをかけられている当事者でしょう。だから疑いをかけた方が何も言わないで、疑いをかけられた方だけ釈明したって、これは裁判所でもどこでも釈明になりませんよ。目黒のばかやろうと言って、私がばかじゃありません、ばかじゃありません、どんなに釈明したって、目黒のばかやろうと思っている連中はばかと思っているんじゃないですか。それと同じじゃないですか。日本医師会と接触したということを向こうが言ったんだから、言った方がこれは誤りであった、審議官に迷惑かけて申しわけないと向こうの方から言ってこないことには、社会通念上話にならないですよ。大臣であろうと総理大臣であろうと、あるいは一般の市民であろうと、それは甲乙ない、こういう問題は。大臣が言ったから信用してくれと言ったって、それは信用ならぬ。言った日本医師会の方からしかるべき釈明がなければ私は承服できない。そういうことです。理事会やってください。
○理事(安恒良一君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕 〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
○委員長(粕谷照美君) 速記起こして。 暫時休憩をいたします。 午後三時十三分休憩 —————・————— 午後三時二十六分開会
○委員長(粕谷照美君) ただいまから委員会を再開いたします。 先ほどの目黒委員の御要求につきましては、理事会扱いといたします。 質疑を続行いたします。
○目黒今朝次郎君 若干不満もありますが、しかし時間をかけて審議をするのが目的ですから、理事会を信頼して、一応任せて、質問を続行します。 次は、いまいろいろ問題になっておる組合保険の拠出金というか、分担金というやつがいろいろ問題になっているわけでありますが、五十六年のペース、五十七年のペース、六十年ベース、それから六十五年ベース、この時点で組合保険の分担金がどういうふうに変化していくのか、具体的な数字で教えてもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) まず、五十六年度ベースで申し上げますと、組合健康保険の負担増が、五十六年度の満年度ベースで試算をいたしますと、六百三十億の負担増ということでございます。それから五十七年度ベースで申し上げますと七首八十億の負担増ということになります。ただし、五十七年度は十月実施でございますので、予算的には五ヵ月分で済むわけでございますが、その場合の金額が三百三十億でございます。 将来それがどうなっていくかというのは、大変不確定な要素が多いわけでございますが、昭和六十年度の満年度ベースでは、組合健保の負担増は千億をちょっと超す程度、千九十億程度ではないかと見込んでおります。六十五年がどうなるかというのは、非常に先のことでもありますし、各制度別の負担金額がどうなるかということは試算をいたしておりません。
○目黒今朝次郎君 衆議院で使ったこの試算Iは五十六年度、試算IIというのはいつの年度の数字ですか。組合保険千六百五十億という数字が出ているんですが、これはどの時点の数字なんですか。
○政府委員(吉原健二君) 五十六年度ベースの組合の負担増千六百五十億というのは、当時保険者の負担の仕方に二つの考え方を持っておりまして、一つが試算I、一つが試算IIでございます。 試算Iというのは、各保険者に老人医療費の総額を案分する場合に、加入者案分と実績案分を二分の一ずつという考え方で案分するのが試算のIでございます。それから試算のIIというのは、全部を加入者案分だけて案分する、加入者の割合だけで案分するというのが試算のIIでございます。 そうなりますと、組合健保の方が加入者の数が大変多うございますので、負担増の金額も試算Iの場合に比べまして千六百五十億と大きな金額になるということでございます。
○目黒今朝次郎君 昭和六十五年はなかなかまだ推定がむずかしいと、こう話があるわけでありますが、昭和五十六年度から五十七年度だけを見ても、これは衆議院段階の試算は五十六年の試算でしたが、五十七年度になりますと、前年度比百五十億、単純計算ですが、単純で百五十億ふえているわけですな。それから五十七年から六十年度まで、これも単純計算で三百十億とふえていく。こういうことから、経済四団体で、これは一体どこまでいくんだろうかという問題が出る、こう思うんですがね。 ですから、午前中申し上げた由民医療費の動向、老人医療費の動向から見ると、この傾向は、倍になるかあるいは〇・九かわかりませんが、相当加速度的に組合の負担がふえていくということは傾向としては言えると、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉原健二君) 私ども将来の老人医療費全体がどうなるかはっきりしたことが申し上げられないわけですけれども、傾向としては、これまでの伸び率よりかむしろ少なくなっていくだろう、老人医療費全体の伸びがですね。先ほど国民医療費全体の伸びについての御論議がございましたけれども、老人医療費について見ましても、昭和五十年度以降最近までの伸び率が漸次下がってきております。最近のここ両三年程度の老人医療費の伸びを見てみますと、たとえば五十四年までは一六%ぐらいでございましたけれども、五十五年は一四%、五十六年は一一%、五十七年は一三%と、最近三年間の平均では約一三%ぐらい。それ以前は一五%とか二〇%という大変高い伸びであったわけですけれども、最近は国民医療費の落ちつきと同様な傾向を示しておりまして、一二あるいは一三%というふうにきているわけでございます。したがいまして、この傾向がなお当分続くとすれば、六十年ぐらいまでに老人医療費は一二ないし一三%ぐらいの伸びでふえるのではないか。 その場合に拠出金がどうなるかということでございますが、この拠出金は、実際にかかった老人医療費というものを各保険者に公平に負担をしてもらうということでございますので、拠出金の増加額も大体そのような割合でふえていくのではないかというふうに見ているわけでございます。 五十六年度と五十七年度を比べてみまして、一挙に六百三十億から七百八十億、ずいぶんふえたではないかという御疑問があろうかと思いますけれども、これはいま申し上げました、単に医療費の伸びが五十六年度と五十七年度で大変大きいということだけではございませんで、衆議院の修正によりまして、六十五歳から六十九歳までの寝たきり老人がこの老人保健法の対象に加えられたことが一つございます。 それからもう一つは、一部負担の金額が軽減をされたことがございます。それから老人医療費の伸び。老人医療費の伸びのほかに、そういった衆議院の修正によって、この老人保健法で持つ老人医療費というものが広がってきた、各保険者が持つ金額が広がってきたということから、五十六年度と五十七年度で相当の組合健保についての負担増。それは組合健保だけではございません、ほかの政府管掌健保についても同じでございますし、共済についても同じですけれども、負担増が相当大きく出てきたということでございまして、この傾向がさらに五十八年、五十九年、六十年と続くかといいますと、そうではないだろう、むしろそれほど伸びないのではないか、またそういうふうに期待をして、あるいはそういうための施策をやっていかなければならないだろうというふうに思ってます。
○目黒今朝次郎君 ですから、たとえばいま言った三つの問題を仮に肯定したとするわね。五十七年から六十年のこの三年間を見ると三百十億ですから、単純では百億ぐらい伸びているわけですな、五十七年。そうすると、単純に百億伸びているということを仮定すると、この百五十億の伸びは、その純増は百億程度だけれども、五十億程度は寝たきり老人とかそういうものも付加されたから伸びたんだと、こういう説明が成り立つのか。逆に言えば、衆議院の試算の状態と今日段階で、寝たきり老人というものが大体どの程度になって、どの程度ふえたのか、そういうことを説明されれば傾向値としてはある程度理解できるんじゃなかろうか、こう思いますんで、その辺がわかっておれば教えてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 六十五歳から六十九歳までの寝たきり老人を対象に加えたことによる医療費の増が五十六年度では約三百九十億でございます。五十七年度では四百七十億でございます。 それから一部負担が軽減されたことによる負担増、増加というものが、政府原案では一部負担が五十六年度では六百十億と推計をしておりましたが、修正後では約四百八十億というふうになっておりますので、その差額約百三十億が一部負担の軽減による医療費の負担増でございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、この数字が合わなくなってくるんですが、ここで数字のやりとりしてもしようがありません。 さっき審議官は、百五十億という五十六年試算と五十七年の落差が大きいのは大体三つの原因だと、こういう説明があったものですからお尋ねしたんですが、いまの説明聞くと、その落差の傾向値というのは百億、五十億がプラスアルファだと。これは後でまた数字的なものですから詰めることとします。 それで、この負担のことを考えると、各保険の制度別の七十歳以上の皆さんの占める割合というか、加入率といいますか、加入率というのは、傾向としては、衆議院でも議論されているんですが、この加入率というのは今後とも大体傾向としては変わらない、そういう認識なのか、あるいは現在の医療の実態から見て変わるかもしらぬ、こういう可能性を持っているのか。この辺、六十年でも結構ですから、推算した数字があれば、加入率の状況ということについて、いままでのは資料がありますから、今後の見通しということについてお教え願いたいと、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) 各制度別の七十歳以上の加入率でございますけれども、老人、七十歳以上の人口が相当の率でもって毎年ふえていくわけでございますから、各保険制度別の七十歳以上の加入者の割合というものも、当然平均して全体の伸びの割合でふえていくということにならざるを得ないわけでございます。 で、五十七年度で被用者保険全体としての七十歳以上の加入率をどの程度見込んでいるかといいますと、三・五一%でございます。それに対しまして、国民健康保険は九・九七%、一〇%弱ということでございます。これが各制度を通じまして今後ともふえていくということははっきり言えると思います。
○目黒今朝次郎君 そうすると、拠出金を算定する分母が保険別の加入率、分子が全体の平均値というのが調整率という言葉で使われておるんですが、この調整率の動向というのは、いま言ったように、いろいろ変わる、全体が変わっていくという理屈になりますと、調整率そのものには大きな変化がないというふうに見ていいんでしょうか、この拠出金算定の調整率。
○政府委員(吉原健二君) 加入者調整率でございますが、現在、五十七年度の加入者調整率は、被用者保険、たとえば政管健保で申し上げますと一・五一という率になります。組合健保で言いますと一・九八という率になります。国民健康保険で言いますと〇・五九という率になるわけでございます。 結局、この率が将来どう変わっていくかということは、各制度別の七十歳以上の加入者の割合というものが各制度別にどう変わっていくかということでございまして、私はこれからはそれほどこの加入者調整率というものが大きくは変わってこないだろうと思いますけれども、傾向としては国民健康保険における七十歳以上の加入者の割合が、従来の傾向から考えまして、被用者保険よりも少し高い率で伸びていくだろうというふうに思っております。したがいまして、加入者調整率も、そういったことのいわばうらはらの関係になりますから、国保の方の加入者調整率の方が少し数が減っていく、組合とか被用者健保全体の方が多少ふえるのではないかというふうに思っています。
○目黒今朝次郎君 いま言ったこの数字を見ますと、コンマ以下は繰り上げるとしても、五十七年度で国保がコンマ六、それから組合の方が一・九八、繰り上げで二・〇、あるいは政管の方が一・五。 それで、今後国保の加入がふえていくということになりますと、国保の負担の方が若干軽くなって、そのはね返りが組合とか政管ですか、それから共済とかというふうにいってしまうということになると思うんですよ。そうしますと、経済四団体の皆さんとか、あるいは政策推進会議の皆さんが提言しているように、やっぱり組合健保、共済の拠出金が全体の傾向よりも多くなっていくという御心配はそれなりに裏づけされているなと、私はこう思うんですがね。 それで、大臣、今回の法改正で、衆議院の議事録でやりとり見ますと、結局は国庫負担金が結果的には少なくなっている。全体の国庫負担の率も下がっておりますし、金額そのものについてもマイナスになっている。こういういまのところおたくの提案の試算なんですけれども、私はこの国庫補助の問題については、社会保障害議会なり社会保険審議会でのいろいろ議論などを見ますと、国の助成というのは減らすべきじゃないと、拡大こそすれ。今回の取り扱いに限って七百九十億も国庫補助を浮かすということについては余り芸のないことじゃなかろうか。他の負担、組合保険とか政管とか共済保険の皆さんに負担してくださいという限りは、政府も精いっぱい出しますから、それでも足りませんから、皆さん御負担のほどをと言うのが常識じゃないですかな。政府の方は七百九十億もさっさともうけておって、金が足りないから負担してくれと。これではちょっと世間の相場が通らないんじゃないかと、こう思うんですがね。一般の方は世間の相場で見ていますからね。この国庫負担金の減額と、いま言った各組合の拠出金という因果関係は、政府なり厚生省はどういうふうに理解をして、国民にどういうふうに理解してもらうというつもりで提案しているのか、この辺を少し聞かしてもらいたいなと、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) この新しい老人保健法におきましても、国の責任、あるいは地方公共団体を含めました公的な責任というものは十分意識してしかるべき責任を果たすというような考え方で法律をつくったつもりでございます。実際問題といたしましても、従来、現行制度のままですと、国と地方公共団体の負担割合というのは一八・三%、二〇%を少し下回るような負担割合に現行制度ではなっているわけでございますが、新老人保健法におきましては、これを三〇%、二九・五でございますが、約三〇%まで、五割以上公費負担の割合を高めるという措置をとっているわけでございます。金額的に言いましても、公費負担、老人福祉法による国の負担が現行制度ですと三千六百五十億でございますけれども、新制度におきましては五千九百十億と、二千二百六十億国の負担がふえるということになっているわけでございます。 それで、保険者の負担が逆に、現行制度ですと約八〇%でございますけれども、新制度ですと六八・力と、七割を少し切る率に下がっております。保険料は、被用者保険それから国民健康保険を合わせました保険料で負担する部分が、現行制度と新制度でどうなっているかと言いますと、四六・五が四四・力と、率におきましても若干下がっておりますし、金額におきましても、国民自身に実際に負担をしていただく保険料による負担部分というのは四百六十億円軽減をされているということになるわけでございます。 で、保険料全体としては軽減をされているんですが、各制度別に見ますと、組合健康保険の方が約七百八十億ふえて、国民健康保険の方が千五百七十億ふえる。そういうことの結果として組合健保の負担がふえるということになっているわけでございます。これは各保険者に、あるいはその各保険に入っておられる被保険者なり事業主の方に公平に負担をしていただく、一つの物差しをつくりましてそれを公平に当てはめていった場合に、結果としてそうなる。 なぜ組合健保がふえるかと言いますと、いままでの負担が非常に軽かったから、組合健保の負担が今度の法律によりましてふえるということになるわけでございます。なぜ軽かったかと言いますと、七十歳以上の加入率が、数字で見ましても約三%足らずでございます、組合健保は。平均が約六%、組合健保は約三%、国民健康保険が約一〇%、そういうバランスになっている。したがいまして、加入者率、加入者の割合で調整をいたしますと、どうしても組合健保の負担が重くなるわけでございます。その結果として組合健保の負担が七百八十億になって出てきたわけでございます。 実際問題として、なぜ組合の加入率が少なくて国保の加入率が多いかといいますと、従来組合健保に入っておられた方も退職後は政管健保に移り、国民健康保険に移る。そういう結果、国民健康保険の七十歳以上のお年寄りの割合が高くなっている。つまり組合健保のOBの方が多数国民健康保険に入っておられるために、組合健保の負担が軽くなり、国民健康保険の負担が重くなっている。それを是正した結果こういったことになっているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 これは調査室からもらった資料の四十四ページ、いま審議官が説明したいろいろの国庫の補助の全体を再掲しますと四四・四%、それから今回の新制度で国庫補助のやつをいま言ったことも全部含めて再掲すると四三・六%、国庫補助率ですね。これは衆議院でも大臣が否定しなかったんじゃないか、若干下がっているけれども大きな変動はないということで、いま議事録を持ってきておりませんが、大体現行は四四・四%、新制度が四三・六%、〇・八%国庫補助が減っている、その金額が七百九十億だと。この点は、これはいまいろいろ制度間の説明されましたけれども、今回の制度で国庫補助が総体で四三・六%、〇・八%減って金額で七百九十億と。これはおたくの方では認められるんでしょう。
○政府委員(吉原健二君) 国庫補助全体として見ますとおっしゃるとおりでございまして、現行制度ですと、あるいはちょっとお手元の資料と数字が違うかもしれませんが、私どもの試算ですと、現行制度のまま国庫負担合計が四六・二、新制度ですと四三・六になるわけでございまして、その差が金額的に七百九十億ということでございます。 これはなぜそうなったかと申しますと、国庫負担というのは、先ほど申し上げました公費負担のほか、国民健康保険に対して、いま給付費に対しまして四五%の補助をいたしておりますし、それから定率の補助以外に、国民健康保険につきましては、特に老人のための臨時調整交付金というのを出しているわけでございます。老人のための臨時調整交付金というのは、先ほどから申し上げておりますように、国民健康保険に老人の割合が非常に高い、そのために国民健康保険の財政が大変に苦しくなっていろというようなことから、老人のための臨時の特別の補助金としていわゆる臨調というものを出しているわけでございます。 この新制度ができますと、各保険者間で負担の公平を図ることができるわけですから、その国民健康保険に対する老人分の臨調というものは要らなくなるわけでございます。その老人分の臨調が、五十七年度で推計をいたしますと、約千二百億になるわけでございますけれども、その千二百億の老人分の臨調が要らなくなる。これは制度の結果、仕組みの結果当然私は不要になるものだと思いますけれども、その結果として、国全体の負担が、いわば臨調分が要らなくなるために、七百九十億の負担減になる。しかも臨調分全額ではございませんで、臨調分の減額分は千二百億でございますけれども、国の負担として出てくるのは七百九十億でございますから、いわば定率の負担分、この制度本来の分に対する国の負担としては、むしろ従来よりも国の責任は重くなる、負担率は上がるということになっているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 臨調、この資料では千二百十億ですか、それで七百九十億余るんですから、三分の一は出して三分の二ぐらいは残ると、こういう算術計算になると思うんですよ。でも私は、いままで出しておった国民健康保険に対する助成としての臨時対策千二百十億、これはいままでざっと出してきたんですから、これはこれとして認めて、むしろこの際従来の臨時という性格を変えて恒常的なものにする。ですから千二百十億も含めて財政の再計算ができなかったものか。千二百十億を含めて再計算すると、たとえば組合負担が、おたくが言った七百九十億というよりも若干減って六百億なり六百五十億なりとなったんではなかろうか。あるいは、午前中議論された個人負担、患者負担は百二十億ですね。さっきの二十代、三十代の御意見じゃありませんが、向こう五カ年間ぐらいは現行どおり無料にしましょう、しかし五年後からは少しお金をいただきますよという緩和措置をすれば、この百二十億というやつも七百九十億の中で消化できたんではなかろうか。ですから、新しい制度に移行する際に、いろんなじぐざぐがあるけれども、余り抵抗なく理解を求めて移行するという緩和措置を考えれば、新聞にがんがん書かれたように、組合保険はふえる、お年寄りから金をもらう、しかし政府の方はどんな理屈言ったって七百九十億ポケットに入る、こういうのは余りいいかっこうではないではないかというのが、一般の新聞論調、その他の世論ではないでしょうか。 ですから私は、ここのところは、この前自民党さんが質問して始まったばかりですが、この辺の七百九十億の、食い逃げとは言いませんが、いままで出しておった金を財布の中に引っ込める。こういうことは、一部防衛費が七・五%突出したからそれに持っていくためにやったんだろう、お年寄りを犠牲にして鉄砲とか大砲をつくるのかという世論を形成する一つの目玉にされてしまうということで、社会常識から言って余り好ましくないと私は思うので、ここは少し今後の問題として十分に配慮してもらいたい。 ここでわかりましたという答弁はできないだろうから、調整をする一つのポイントじゃないかとこんなふうに思いますので、このポイントについて深い理解を示して、どうこうなるかはあと一カ月ぐらい論議しますからわからないとしても、精力的に検討してもらいたい、こういうふうに思うんです。せっかくとった財源で、大蔵省に怒られるかもしれませんが、ここは審議の中身ですから、大いに留意をしてもらいたいと思うんですが、これは審議官じゃ大変ですから、大臣どうですか。
○国務大臣(森下元晴君) 制度が大きく変わるということは、国民にショック、特に保険者にショックを与えるわけでございます。そこで、いろいろ私の方でも啓蒙啓発運動がちょっと足りなかった点もあるかもわかりませんが、金額的にはそういう防衛費に決して持っていかれておらないんで、予防とか保健関係の方に実は回しておるわけでございます。全般の保健行政、健康を守ろうという点については総体的な金額は減っておらないわけですが、ただ問題は、それがいわゆる負担金、補助金の率で見ますと、どうも何か国がかなり滅しておる、国の負担の肩がわりを健保組合に結論的にはさしておる、そういう印象を与えておるかもわかりませんが、そうでございません。国は国として十分責任を果たしておると思っておりまして、ヘルスの方にも充てているということの理解をしていただくために努力をわれわれしていきたい。認識が大事でございますし、その点が私どもとしても今後残された問題でございますが、啓蒙啓発運動、認識を深めていただく、そういうふうに全力を挙げたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 検討してもらいたいと思います。 それからもう一つ、審議官、サラリーマンがずっと組合保険とか共済におって、やめるとOBになって国民健康保険の方に帰ってくるということは、それなりに私はわからないわけじゃないんですが、社会党の方からこういうサラリーマンの方々のOBの健康保険の取り扱いについて、私は四、五年前予算委員会か何かで一回提議したというかすかな記憶があるんです。 OBになって二年ですか、私も国鉄をやめたとき二年ぐらいありまして、いま私は国民健康保険の対象ですが、五年がいいか十年がいいか、少なくとも定年から年金に移行するように、職場の働いておるサラリーマンがやめて、ある程度健康保険を五年か十年適用されて、一定の段階で国民健康保険にかわっていく。そういう緩和措置を考えることがつなぎとして必要ではないか。一方は雇用を含めた生活の方、一方は医療保険の方、そういう二本建てから考えると、あなたの言葉じりをつかまえるわけじゃないですが、社会党が長い間提案しておる職域におけるOBの健康保険の扱い、それと今回制定される七十歳以上の老人保健法とのつながりということを体系的に検討することに価値がある。そういう問題を結合しながら、組合保険の皆さんに、今回は制度の改変がありますのでよろしくと、そういう形でやればある程度説得力がある、私はこう思うんですよ。同時に、国民健康保険を抱えている市町村の悩みということもある程度解消していくんじゃなかろうか。したがって、私はこの職場における共済組合、あるいは組合保険、あるいは政管関係の問題についてひとつ前向きにわが党の提案について考えてほしい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) ただいま目黒委員のおっしゃいましたことは、例の退職者医療制度というようなことで論議されている点でございます。これにつきましては、先ほどおっしゃいましたように、五十一年の健保法改正で任意継続被保険者制度、これが一年間延長されたわけでございますが、ただ一年間延長されましたが、任意継続でございますので、保険料は事業主分も本人持ちというようなことになって上がる。しからば何かもっと抜本的なことを考えたらどうだというような議論もある。私どもも実はいろいろ考えておるわけでございますが、なかなかむずかしい問題もある。退職者の医療につきましては、平均をかなり上回る医療費、これをどのように負担していくかという基本的な問題が実はあるわけでございまして、この問題につきましても、老人保健制度の実施に伴う負担の状況などを考慮する必要があると思いますので、今後さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、なかなか容易な問題ではございませんけれども、今後検討を進めていきたいというふうに考えておるわけであります。
○目黒今朝次郎君 いろいろ問題がありますけれども、体系としては価値ある体系の一つだと、こう思いますから、むずかしい問題もあると思いますが、ぜひ精力的に、年金と定年の問題と同じように精力的にひとつ取り組んでもらいたいということをあえて要望しておきます。 それから拠出金の関係が出たついでに、この新しく出た拠出金というのは従来の社会保険料なのか、あるいは税金なのか、あるいはその他のことなのか。この拠出金の性格をめぐって衆議院でも若干の議論があったわけでありますが、これについていまどういうお考えがお聞かせ願いたい。衆議院の議論は一応私は読んでおります。読んだ上で、今日段階でどういうことなのかお聞かせ願いたい、こう思うんです。
○政府委員(吉原健二君) この拠出金の性格でございますけれども、結論から申しまして、保険者からの拠出金、それを、被用者保険、組合健康保険なり政府管掌健康保険につきましては、加入をしておられる被保険者及び事業主の方からいわば老人保険料という形で拠出をしていただくということにしておりますが、その老人保険料の性格は従来の保険料と実質的に違ったものではないというふうに思っております。税金ではございませんで、従来の保険料と本質的には同じものであるというふうに思います。 それはなぜそういうことになるのかといいますと、この新しい老人保健法というのは、従来各医療保険制度でやっておりました老人医療というものをいわば共同で、共同事業の形でやっていこうと、その共同事業の費用分担というものを一つの実績とそれから加入者率、加入者案分によって案分をしてお金を出していただくということでございまして、あくまでもその根っこは現在の医療保険制度各制度の上に乗った形で新しい制度というものを考えているわけでございます。 したがいまして、従来の保険料の中にも老人分に充てておった保険料というものが入っているわけでございます。政府管掌健康保険にいたしましても、組合管掌健康保険にいたしましても相当割合が、大まかに言いまして一割程度は、あるいはそれ以上の割合で老人保険のために充てられていたわけでございます、老人医療のために。それを今度の制度では市町村が実施主体になりますから、会計を一つにプールしまして、一本にしまして、そして実施主体も市町村ということで、市町村を通じて医療機関に支払うという仕組みをとっているわけでございます。ですから、あくまでも新しい制度を現行の医療保険制度とは別個につくったんではなしに、現行の医療保険制度の上に老人の医療というものを共同でやる仕組みとしてつくった、その財源を老人保険料という形で各制度から拠出をしていただくということにしたわけでございますから、そういった実質的な関係、そのいただいたお金が老人の医療のために使われる、医療機関に払われるという関係は、従来とは全く変わりがないわけでございまして、そういった意味におきましても租税ではありませんで、従来の保険料と法律的にも本質的にも全く違ったものではないというふうに思っているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、衆議院でも十月二十二日、これは法制局の工藤政府委員だと思うんでありますが、読んでみますと、「社会保険料的な要素があることは否定できないだろうと思います」。しかしながら、本法によります「医療の実施の仕組み全体、こういうものから考えてまいりますと、医療保険各法で従来取っております社会保険科と同一性格のもの、ここまでは断定できないだろう、かように考えております」。こう答えているんですが、法制局、この十月二十二日の衆議院の社労で答弁した考え方は、似通ってはいるけれども、そのものずばりじゃないと、簡単に言えばこういうことですな。似通っておるけれどもずばりじゃない、わかりやすくわれわれ東北流に言えば。そういう意味を言っているんですが、この考え方は現在どうですか。
○政府委員(工藤敦夫君) ただいま吉原審議官からお答えしましたこと、それから先回の衆議院の社会労働委員会で私が答えましたこと、若干私が答えましたことが衆議院段階において言葉が足りなかったのかもしれませんので、補足してもう少し申し上げてみますと、保険者拠出金というのは、いま吉原審議官申されましたように、実質的な意味におきまして従来と同じであるという点は、私も全くそのように考えているわけでございます。 ただ、衆議院段階でと申しますか、申し上げましたのは、保険者拠出金の法的性格といいますか、いわゆる講学上の分類をしてみたらどうなんだというふうな感じで私はお答えをしたわけでございまして、そういう意味から申し上げますと、保険者拠出金というのは、老人保健法に基づきまして、市町村長が老人に対して実施します医療に要する保険、医療に要する費用、これに充てるために保険者から徴収するいわゆる負担金でございます、もう少し申し上げれば、いわゆる負担金と申しますと、特定の公益的な事業に対しまして特定の利害関係を持つ、そういう者に対して課する公法上の負担金、こういうふうな金銭給付、こういうふうなことでございます。そういう意味で、私は、若干舌足らずで申し上げたところがあるいはちょっと違った印象があったのかもしれません。 この場合におきましても、市町村長が老人保健法に基づいて行います医療の実施というのは、いま吉原審議官の方からございましたように、各保険者によります老人である加入者に対する医療の給付の共同事業的なものである、そういうふうに解することができるということ。それから、したがいまして、第二に、被保険者全体につきましての給付と負担、この関係につきましては、現行の社会保険の制度と相違はないということ。第三に、保険者拠出金として負担する分を現行の医療保険の各制度の仕組みを通じまして、そういう形で被保険者から保険料として徴収する、こういう仕組みをとっております。 そういうことから見ますと、保険者拠出金を被保険者の側から見ますといわゆる保険料的性格を持っている、こういうことでございまして、格別私と吉原審議官の答弁に食い違いはないんではなかろうか、かように思っております。
○目黒今朝次郎君 言葉じりをつかまえるわけじゃありませんが、審議官の方は従来の保険料と同じ性格だ、法制局の方は保険料的性格だと。的ですね、的が入ると入らないでは違うんですよ。保険料的と言うと、じゃ現在の健康保険法のどこに当てはまるのか。こういうふうな疑問を持ってくるんで、保険料的というのは言葉の走りだったのか、現在の健康保険法に言ういわゆる保険料と同一性格なのか。その点を、言葉じりつかまえて申しわけないんですが、ぽっと耳に入ったものですから、教えてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(工藤敦夫君) 失礼しました。もう少し申し上げればよろしかったんですが、ここの場合には仕組みが二段になっておりまして、被保険者と保険者の関係、それから保険者と市町村の関係、こういう二段になっておりまして、いまのお尋ねが拠出金の関係であると私理解しましたものですから、拠出金のもともとの性格は、保険料として集まったものを、学問的にいえばここはいわゆる金銭給付として出しているものであろう、ただそれを最終段階の被保険者の方から見れば、これはあえて吉原審議官の言葉で申し上げれば保険料である、こういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 それじゃ審議官、法制局の方は二段論だ、実際金を出す方から見ると保険料だと、こういう理解でいいですか。ですから、この前衆議院で大原先生から質問があって、若干うやむやといっては変だけれども、明確を欠いておったという点については、被保険者から見れば保険料だと、こういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(吉原健二君) 実質的に同じだと御理解いただいて結構かと思います。
○目黒今朝次郎君 そうすると、現在の健康保険法で、保険料を上げる際にはいろいろな法的な手続がありますね。だから、今回、この法律が通って、賦課金という名目で、実際は老人保険料あるいは保険料率という関係では結局、被保険者から見れば新しい制度の設定じゃないか。こう思うんで、当然審議会の議を経なきゃならぬ。将来の変更の場合も同じだと思うんですが、この辺はどうでしょうか。
○政府委員(吉原健二君) この法案では老人保険料につきまして審議会の議を経ないことにしている、その理由でございますけれども、この老人保健法におきましては、必要な医療費というものを各保険者で公平に負担をしていこう、いわば実際にかかった費用を各制度ごとに一つの基準、物差しで案分をしまして、それを出していただこうという仕組みをとっているわけでございます。 で、その各保険者に案分をされますのは、たとえば昭和五十七年度におきましては、組合健康保険の場合には三千八百億ですね。金額で具体的に申しますと、三千八百億組合健保から出していただきたい、政管ですと四千五十億を出していただきたい、こういうことになるわけでございます。それを政管健保なら政管健保で、各事業主なり被保険者から出していただきますときに、いままで保険料ということで一定の保険料率を決めて、その保険料率で出していただいたという仕組みをそのまま使うために、政管健保ですと四千五十億の金額をいわば保険料率に換算をして出していただく、負担をしていただく、こういう仕組みをとっているわけでございます。 そういったことによりまして、審議会で料率を決めるということではなしに、いわばこの法律そのものによりまして、毎年度政管健保なら政管健保が負担をすべき、拠出をすべき金額というものがこの法律に基づいて決まってくる。それをそのときの標準報酬によりまして保険料率に換算して、通常の保険料と同じやり方で出していただく、同時に払っていただく。こういう仕組みをとっているものですから、いわば審議会で料率を決めるということではなしに、むしろ法律そのものに基づいて政管健保が拠出をする金額が決まってくる、便宜料率に換算して一緒に払っていただく、こういう仕組みをとっている。また、そういう仕組みをとらざるを得なかったわけでございます。国民健康保険なり、日雇健康保険なり、船保なり、共済なりを考えました場合に、そういう仕組みをとらざるを得ないということでそういう仕組みをとっているわけでございまして、したがいまして、手続上も、老人分につきましては、法律そのもので拠出すべき金額が決まってくるわけですから、社会保険審議会の議を経ずに老人保険料率を決めて出していただく、こういう仕組みをとったわけでございます。
○目黒今朝次郎君 金を出す方がその出した金が妥当なのかどうなのかということをチェックしたり審議しないまま、法律で分担金制度をつくったのであるから問答無用で出しなさいということは、つくるのは勝手だけれども、金を出す組合員から見れば、ちょっと不穏当じゃないですかな。たとえそこはダブるというふうなかっこうであっても、金を出す方が、どういう中身でこれだけの負担金が来たのか、その中身に過ちがあるのかないのか、そういうチェック機能も含めて議論する場が、給付と負担の社会保険審議会の審議の場だ、いわばそういう性格を持っているのだと、こう思うんですよ。だから、老人保健法も七十歳以上の年寄りの保健と医療をやるというだけであって、中身については同じ性格のものじゃないですか。だから、いわゆる分担金が妥当かどうかという問題と分担金それ自体の問題は、いま言ったような二分の一で調整額をぶっかけるというふうに決まっていますが、負担金算出そのものが、その中身がいいかどうかということも、金を出す方から見ればチェックする権利があると言って私は言い過ぎじゃないと思うんですよ。 それは国鉄共済組合だって、私もずっと勤労の委員長とか書記長をやっておって、国鉄共済組合の掛金を上げるという場合には、一体国鉄の共済組合の運営それ自体が正確に的確に行われるかどうか、不正がないかどうか、むだがないかどうか、共済組合の事務局が提案してきたものを、組合は組合から出た委員として、二十万、三十万の組合員を代表してチェックするわけですよ。そうしてここは直せ、ここが足りないという取捨選択をして、それで総額を出して、それでどうするかと。これが国鉄共済組合の実際の保険料の私はチェックだと思うんですよ。これは健康保険でも同じだと思うんですよ。 したがって、そういう点から見ますと、私はいま言ったことについては、立案者の取り組みについては理解できますが、本質論から言って問題がある、こういう気がいたします。したがって、きょうはそこまで問題を提起をして、あとは同僚議員か、あるいはまた機会があればやるということにしたいと思います。これは答弁は要りません。 きょうは悪徳医師の問題とか保健事業の問題、いろいろまだあったんです。大体五時間分準備したんですが、まだあと三分の二程度ありますから、あと五時間ぐらいはたっぷりやらしてもらわないと私自身も納得できませんから、そういうことを委員長に要請して、五時間の時間がまいりましたからとりあえずやめておきたい、こう思います。 どうもありがとうございました。
○渡部通子君 審議に入りますに当たりまして、三点ばかり単刀直入に伺いたいと思っております。現段階で返事が不可能だとおっしゃるならば、感触だけでも結構ですから、三点お聞かせいただきたいと思います。 まず第一点は、先月二十五日、日経連など経済四団体が自民党に対しまして申し入れを行っております。医療費や拠出金の増大に対する歯どめ策が必要だということ。あるいは老人医療の診療報酬に関する検討は、衆議院段暦の修正で中医協になったわけですけれども、原案どおり老人保健審議会で行うべきだ。こういった点から財界の中に根強い反対論がある。これに対して政府は従来どおりの方針を貫くおつもりなのかどうか、この申し入れに対してどう対応なされるのかまず伺います。
○国務大臣(森下元晴君) 経済四団体が自民党の三役、それから参議院の議員会長に対しまして行った申し入れにつきまして、いまお尋ね三点あったわけでございますが、この法案は高齢化社会の到来に対処いたしまして、総合的老人保健対策の推進により、できるだけ老人医療費の節約を図ると、またその公平な負担を目指すものでございまして、関係団体にも十分その趣旨を理解いただき、法案が早く通るようにお願いしたいと、このように実は思っておるわけでございます。 以上でございます。
○渡部通子君 余りはっきりしたお答えでなく、後で議事録でもよく読ましていただかないと理解がしがたいんですね。 次に、三月二十四日、厚生省と日経連そして健保連の担当者間で非公式協議が行われた。これは新聞報道でございますが、「厚生省側は「医療費が増大する場合、拠出金額については再検討する」など、法案修正の可能性を示唆した」、こう報道されておりますが、現実に他方面からも再修正の動きもございますんですけれども、厚生省としてはこういうおつもりなのかどうかお気持ちを伺わせていただきます。
○政府委員(吉原健二君) いまお話ございましたように、健保連なり日経連、経済固体等から御意見が出ておるわけでございますけれども、大臣からお答え申し上げましたように、私ども十分関係団体の意見も踏まえ、審議会の御答申も得て法案を提出さしていただいたわけでございますので、いまこの時点で、そういう御要望があったからといって、私どもとして修正ということはなかなかできないことでございますし、この法案の内容、趣旨について誤解のある点もあろうかと思っておりますので、正しい理解をしていただくように、いま申し上げました関係団体の方々にいろいろ御説明なりお話をしているわけでございます。一部の新聞報道にいまお話のございましたようなことが報じられておりましたけれども、そのような事実は全くございません。あくまでも現在いまここで参議院で御審議いただいております法案の趣旨、内容について十分理解を求めている、また経済団体のおっしゃること、大変非常にむずかしい要求もございます。そればかりと言ってもいいのかもしれませんが、そういったことでもございますので、この御審議中の法案の内容についての十分正しい理解について御説明を鋭意さしていただいているという状況でございます。
○渡部通子君 もう一点伺っておきますが、この老人保健法が今国会で仮に成立した場合、ただでもくすぶっております医療費値上げの問題、引き上げの問題、これが起こってくるのではないかと心配をいたしておりますが、これに対するお考えはいかがですか。
○政府委員(大和田潔君) この問題、つまり老人保健の問題と健康保険の診療報酬とは、言うまでもない話でございますけれども、別個の問題であると考えておるわけでありまして、診療報酬改定につきましては、保険医療機関の経営状況等を総合的に勘案いたしまして、中医協における御議論も踏まえまして慎重に対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○渡部通子君 これについては別個の問題というのは、政策論的には別個でしょうけれども、政治的には別個とは言えないわけでございまして、大臣からこれについては御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) いま局長から申し上げましたが、老人保健法の制定によりまして医療費を上げる、その連動性は全然ございません。その問題どこの老人保健法の問題は別個の問題として扱うわけでございます。
○渡部通子君 さてそこで、八〇年代の福祉政策のあり方といいますか、施策の進め方といいますか、厚生行政の目指すものの基本的な見解を一応伺っておきたいと思います。 七〇年代までの福祉施策というものはいわば欧米先進国の後追いで、社会保障制度、国民へのサービス、それから処遇内容の学習、こういったことが質的には課題があるといたしましても、少なくとも制度としてのフレームはかなりのレベルまで行ったのではないか、こう思われます。これから八〇年代は福祉の普遍化とともに国民各階層のニーズが非常にいろいろになってきておりますので、きめ細かな対応が求められていると思うわけです。 そこで、社会保障制度、福祉体系のあり方として、公的扶助あるいは相互扶助、また最近政府が常に強調されております自助の問題ですね、その相互関係、領域、それからシステム化、こういうものについてどのような考えをお持ちでありますか。多少哲学的な問題も含みますけれども御見解を聞きます。
○国務大臣(森下元晴君) 確かにこの社会保険制度、また福祉に対する考え方が一つの転換期を迎えておることは事実でございます。かつての欧米先進国と言わしていただきますけれども、そういう国々でも福祉を見直そうというような考え方がかなり強く出ておりますし、わが国の場合も高度経済成長の波に乗りましてかなり追いつき追い越せてきた。こういう段階で景気が非常に悪くなったとか、また高齢化時代を迎えまして、臨調におきましてもまた各政党からも、福祉に対する一つのビジョンと申しますか、高齢化社会を迎えて福祉はいかにあるべきか、年金はいかにあるべきか、また保険制度はいかにあるべきか、こういうようないろんな考え方が出されておりますし、特に個人がどの程度自助自立の精神をこの福祉の中で発揮していくかというような問題、それからいまお話ございましたような公的な扶助はどの程度まで介入するのかというような問題も実は起こります、 すべて国がやるのでございますと、これは活力ある社会という方向に反しますし、また国が全然ノータッチでも、これはもう大変なことでございますし、福祉の精神に反しますし、いわゆる公的な割合、また個人の割合、また社会の果たす割合、いろんなそういう仕組みの割合の観念等につきましても、かつての先進国のいい点は取り入れますし、悪い点はこれを除きまして、日本型の福祉と申しますか、そういう一つの方向を確立すべき時代が来た。先ほどもいろいろ目黒委員からも御指摘がございましたけれども、たとえば親と子の関係とか、または住宅問題に至るまで、いままでの考え方に多少修正すべき問題が出てきたんじゃなかろうかというような考え、それから年金、保険の一元化の問題、従来から平等であるべき年金、保険において負担と鈴付が官民格差とかまた官官格差、また民民格差と、そういうバランスが崩れてきたような問題も含めまして、新しい時代に対しまして福祉の見直し、また社会保障制度の見直しというものを考えていかなくてはいけない。 そういう意味で、私は老人保健法は画期的で、これは特に心身の特性を持っております老人の健康を守るためにどうしたらいいかというのが老人保健法でございまして、ぜひこれを早く通過させてもらいたいと、このように実は思っておるわけでございます。
○渡部通子君 この問題で議論をしようとは私も思っておりませんで、厚生大臣の御見解を伺うにとどめますけれども、いまお言葉の中にも日本的福祉という問題が出てまいりまして、私たちが一番心配をいたしますのは、福祉の根幹に自己責任の原則がなきゃならぬということはよくわかるところでございますけれども、日本型福祉というのは、間々自助の領域が非常に拡大をされていくという方向に突っ走るおそれというものが多分にあるわけでございまして、その辺はひとつ厚生省としては十分に歯どめというか、領域分担というか、その辺をからっとして、これから財政が苦しくなる世の中でございますから、そういう中ではむしろ相互扶助、公的扶助というものをしっかりと確立していく、その領域を厳然と守っていただくと、こういう方向の衝に当たる大臣としてこれからがんばっていただきたい。これを御要望しておくにこの問題はとどめておきたいと思います。 そこで、国民健康保険法、健康保険法及び共済短期給付等におきましては、相互において給付の格差、負担の不公平など種々問題がございます。昭和五十二年の十一月の本委員会におきまして政府が提案なされました医療保険制度改革の基本的考え方について、十四項目の御提案でございますけれども、これはまさに抜本改正へのプログラムを示したものとして私たちは歓迎をいたしました。で、仮に老人保健法案が成立したといたしまして、これらの医療保険法の改正はいつごろ、またどのような内容で行うのか。この医療保険の格差是正と本案とのかかわりですね、これがどう連動していくのか伺っておきます。
○国務大臣(森下元晴君) 五十二年に十四項目の問題が出されまして、それ一つ一つ実は解決をしてまいりました。全部できておりませんけれども、その中の一つがこの老人保健制度の問題でございます。そういうことでこの老人保健制度が設立された後も、限りある医療資源を適切に活用する観点から、医療費の適正化対策を一層推進するほか、国民健康保険については国とか地方の役割り分担を含めまして、医療保険制度全体の大系の中で制度のあり方について検討していく。そういう問題もございますし、いわゆる医療法をいかにするかとかいう問題も派生的に私は別の問題として出てまいると思いますし、もろもろの問題が前向きで出てくる。 また、先ほど申しましたように、新しい時代に対しまして社会保障、社会福祉のあり方、この具体例が出されるべきである。しかし、その根幹には、先ほどの相互扶助の精神、また公的負担の問題、それと自助、この分担割合を明快にしたその基盤の上に立って、私は十四項目がまず先行すべきであると、このように考えております。
○渡部通子君 そうしますと、この老人保健法の成立によって十四項目の抜本改正というみのが大いに前進をすると、こういうお立場でございますね。 そうしますと、この老人保健法の一番の私たちが評価する点は、予防給付の導入、そういう点は評価するわけでございますが、そうしますと予防給付の導入とか、医療費偏重の見直しとか、こういったことは、この十四項目の、あれですね、抜本改正に関してこういうものがどんどん次から次へと考えられていくと、こういうふうに厚生省はとらえていらっしゃるわけですか。
○政府委員(大和田潔君) 先ほどの十四項目につきまして、一つ一つ御説明いたしますと長いことになるわけでございますが、たとえば制度間格差の是正、当面、健康保険組合間の財政調整の実施というような項目、これは第一でございますが、これは五十五年の健康保険法改正によりまして組合相互間の財政調整を実施しておるところでございます。 また、二番目の本人家族の給付水準の格差是正等を中心とする給付改善、これも完全ではありませんけれども、五十五年の健康保険法改正で実施をいたしておるということでございます。 そして、たとえば差額ベッド等の保険外負担の改善につきましても、これは逐次実施をしておるところでございますし、また物と技術の分離、技術料重点の診療報酬の改善ということにつきましても、昨年六月の診療報酬改定の際にこのような方向で実施をしてまいったというようなことで、実はこれらの中で一番大きな問題として残っておりますのがいまの老人保健医療制度の整備ということでございます これがいま御審議いただいております老人保健法案によりまして一成をされるということでございますし、また先ほども目黒委員の御質問にございました退職者継続医療給付の検討というのは、これは検討中ということで残っておるわけでございますが、その他のことにつきましては、ただいま申しましたようなことで大体前向きに片づきつつある。 そこで、私どもの方といたしましては、先ほど大臣が申しましたように、これからの問題といたしましては、医療費適正化対策を一層推進していかにゃならぬという問題が大きな課題として残っておるわけでございますし、また地域保険である国民健康保険につきましては、国、地方の役割り分担を含めまして制度のあり方について検討していかにゃならぬというものが大きな問題として残っておる、このように考えておるわけでございます。
○渡部通子君 そこで、老人保健法がこれが成立をいたしますと、確かに国保の老人医療費は軽減されることは明らかでございますけれども、国保の抱えている体質ですね、お年寄りの医療費は割り高だし、保険料の負担能力は低いというこの体質改善までいくのかどうか。体質が改善されると考えられているのかどうか。これを伺います。 と申しましても、総人口の高齢化というものが非常に急速に道行しております現状で、国保はさらに高齢者集団となる、こういうおそれは十分考えられるわけでございまして、そのことは国保の財政基盤というものが、本法案が成立して国保の出費が軽減されるとはいうものの、さらに悪化をするのではないかという、こういうおそれを感ずるからであります。したがいまして、先ほどから議論になっておりましたけれども、被用者の雇用延長、いわゆる定年延長ということはもっと進められなければならないし、あるいは退職者継続医療措置、これは先ほどの質問でも検討するとおっしゃってはおりますけれども、長年の懸案がなかなか進んでいない。いま任意で二年ということでございますけれども、これがもう少し具体的に考えられてしかるべきではないか、早急の施策ではないかと、こう思うわけですが、いま申し上げました点はいかがですか。
○政府委員(大和田潔君) 前段言われました国民健康保険につきまして、これは大臣が先ほどお答えいたしましたとおりのことでありまして、先生おっしゃいましたように、この老人保健法によりましても、国保の諸問題がすべて解決するというわけにはなかなかいかぬと思います。臨調の第一次答申で提案のありました、たとえば療養給付金の一部都道府県負担問題を初めといたしまして、最近いろいろ国保制度をめぐりまして、経営主体であるとか財源負担問題等、いろいろの問題が提起をされていることは事実でございます。これにつきまして、このために国保制度のあり方を検討するという目的で、厚生大臣の私的諮問機関といたしまして国保問題懇談会を発足させたわけでございますが、この懇談会におきましては、国保の経営主体それから保険料、財政負担など、国保制度全般について議論していただきたいというふうに考えておるわけでございます。国保につきましては、そういうようなことで検討をしていかにゃならぬというふうに考えておるわけであります。 それから退職者医療制度でございます。これは先ほどもお答えいたしましたとおり、五十一年に任意継続被保険者の制度を二年にいたしました。一年延長いたしたわけでございますが、もっと抜本的にこれを検討すべきじゃないかという、こういう御主張がかねてからあるわけであり、私どももいろいろ検討をしておるわけでございます。しかしなかなかむずかしい問題が多うございます。かなり平均を上回る、退職者の医療費は。たとえば五十五年の四月の政管健保一人当たり医療費を見ますと、平均が八千八百円である。それが六十歳から六十四歳までの人の医療費を一人当たりとってみますと、二万一千円である。大体二・四倍ぐらいの差がある。こういう方々が退職者医療制度の対象になってまいるわけでございますけれども、こういったような方々の医療をどうやって負担していくかという問題が大変むずかしい問題でございます。この老人保健制度の実施に伴いまして、負担の問題が状況が変わってまいりますが、そういったようなことを考慮しながら今後ともやはり十分検討していかにゃならぬというふうに考えておるわけでございます。
○渡部通子君 非常にまどろっこいことでございます。むずかしいことはよくわかりますが、これについての鋭意検討をお願いしておきます。 第二臨調の第一次答申で、「医療費については、総額を抑制し、医療資源の効率的利用を図る」云々と、こうございますけれども、医療費の総額の抑制ということが各方面からいろんな意見も出ておりますが、可能とお考えかどうか伺います。
○政府委員(大和田潔君) これは実は総額の抑制というのはなかなかむずかしい問題であると思います。西ドイツにおきましては疾病費用抑制法を実施いたしまして、総額の抑制というようなことで疾病費用抑制法の施行をしておるわけでございますが、西ドイツにおきまするこういう制度ができましたのは、総額請負制をとっておるわけでございます。日本におきましては、御承知のように総額請負制度はございませんで、いまこれを総額を抑制していくというような仕組みはなかなかとりにくい。私どもといたしましては、医療費の適正化対策というものを積極的に推進するということによりまして、効率的な医療資源の活用を図っていくことができるというふうに考えておるわけでありまして、医療費の伸びを適切な範囲にすることも医療費適正化対策を進めることによってできるんではなかろうかというふうに考えて、そのような方向で努力をしておるところでございます。
○渡部通子君 医療費が際限なく伸びるんではないかという不安というものは、国民の中に根強くあるわけでございまして、 〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕 いまむずかしいというお話で、確かに医療費の総枠をこれだけというふうにかっちり決めるのは大変困難なことだろうと私は思います。ですけれども、老人医療費を総枠で毎年見直していくとか、あるいはGNPの伸びに比例して考えるとか、あるいは賃金の伸びとか、あるいは老人数の範囲の中で考えるとか、そういったことを、一つの枠をはめるというよりは、努力目標として設定をするという、こういう緩やかな考え方を導入することは考えられませんか。
○政府委員(大和田潔君) いまおっしゃいました努力目標ということも一つの考え方であろうかと思いますが、要はこの医療資源を有効適切に用いていく、つまり医療費の増高というものを国家的に緩やかなものにしていくというようなことが必要でありまして、そのためには繰り返しになるわけでありますけれども、医療費適正化対策、現在やっておりますこれを積極的に推進していくことが何といっても目下の急務ではないかというふうに考えておるわけであります。
○渡部通子君 いろんな不安が、医療費が伸び過ぎるのではないかという不安、それに対して拠出金に象徴される負担というものが青天井にどこまで伸びていくんだろうかというような不安、それから支払いというものが、いまの出来高払いがデメリットの方に働きますと、青天井に支払われていくのではないかというような不安、財政をめぐってのそういった不安、大体国民の心配の種、焦点は私は定まってきているような気がするんですね。ですから、そういう問題に対して厚生省が鋭意前向きの回答を出すということが、この法案が成立するかしないかの決め手になるのではないかと、私はそういうふうに考えるわけです。ですから、私も素人なりに問題点をしぼって御質問を申し上げているわけでございます。 それではその次に、診療報酬の支払い方式の問題についてでございますが、いまも申し上げたように現行の出来高払いというものが、これはデメリットに働いた場合には、医療費のむだや不合理を誘発する要因になっていく。これは常識的に心配の種になっていることでございます。現行方式の見直しにつきましては、すでに社保審あるいは制度審あるいは臨調答中でも医療費適正化対策として言及をされているところでございます。私は、特に老人医療につきましては、この疾病の特性に着目した支払い方式というものが当然考えられていいはずだと思うわけですね。医療需給の調整に当たる厚生省としても、当然この点は重要視すべきだと思いますが、これに対するお考えはいかがですか。
○政府委員(吉原健二君) 老人の診療報酬あるいは支払い方式のあり方につきましては、衆議院でもいろいろ御論議がございましたし、その附帯決議におきましても、老人の心身の特性を踏まえて現行の出来高払い方式の改善を図るべきであるというような附帯決議もございますので、その御趣旨に沿って、中医協におきまして十分制度の発足に先立って御議論をいただきたいと思っております。 〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕 総額請負でありますとか、あるいは登録人頭払いの方式でありますとか、諸外国でやっておりますような方式の是非、そういった問題についても、私ども率直に言いまして、いまそういった方式を日本の場合に直ちに導入するということは実際問題としてはなはだむずかしいし、また導入できる条件には率直に言ってないと思いますけれども、だからといって現在の出来高払い方式をそのまま老人の場合に持ってくるということは考えておりませんで、出来高の長所を生かしつつ、またその短所を是正していくような方式というものを考えていきたい。 そういったことによりまして、先ほどから御質問がございますが、老人医療費につきまして、将来も老齢人口の増加等に従いまして医療費自体が伸びていくのは、私はこれはもう避けられない、やむを得ないことと思いますけれども、ちょっとお話のございましたように、経済の成長率でありますとか、あるいは賃金の上昇率あるいは老齢人口の増加、そういったものと余りかけ離れたような姿で老人医療費がどんどん伸びていくというのは、やっぱりこれはよくないことだと思います。できるだけそういったものに見合った形になるように。 これは診療報酬支払い方式だけの問題ではないと思います。最大の施策というのは、病気を少なくすること、予防等によって病気を少なくすること、これが一番基本であると思いますけれども、そういったことでありますとか、あるいは医療担当者なり国民の方々にコスト意識を持っていただく、それから診療報酬の合理化を図る、あるいは医療供給面での対策についてもいろいろ考えていく、そういうようないろんな対策というものを組み合わせた形で進めることによって、医療費の伸びというものをできるだけ少なくするように、少なくなるようなことでやっていかなければならないというふうに思っております。
○渡部通子君 その施策を総合的に進めなきゃならないということは重々わかっています。それはもう当然のことで、それが一番大事なことだろうとは思いますけれども、老人の疾病構造というものが慢性的であるというような特質から見て、出来高払いというものがなじむかどうかということは、これは大変むずかしい問題、いろいろ疑念のある問題だと思う。だからこそ、これは老人問題を専門に扱う老人保健審議会で十分議論してもらうということが一番いいことであろうし、政府原案ではそうなっていたわけでございますね。 で、老人医療における支払い方式についての調査検討、あるいは保健事業の基準設置についての調査検討、また保険者の財政調整、こういったものもすべて老人保健審議会にゆだねられていたのが原案だったと思うわけです。私は、これは妥当なことだし、総合的に検討するのは当然だと思うんですが、これが財政調整のみを残して、支払い方式の検討は中医協に、保健事業は公衆衛生審議会に、こうなったことが骨抜きだと言われる一番の問題点だと思うんです。先ほどもこれが議論されたわけですけれども、衆議院でこれが修正されたというのは、理由は端的に言って何なんですか。
○政府委員(吉原健二君) 衆議院、国会の御意思としての修正でございますので、私どもの方から申し上げにくい点もございますが、私どもが理解しておりますのは、端的に言いまして、こういった行政改革の折でもございますし、新たに審議会をつくるというようなことをせずに、既存の審議会をできるだけ活用すべきではないかというようなことが第一にあったと思います。 それから老人の診療報酬あるいは支払い方式というものを御議論いただく場といたしまして、健康保険あるいは国民健康保険等の診療報酬等を御案内のとおり中医協で扱っている、中医協がそういった診療報酬なり支払い方式を御審議、御議論いただく専門の審議会、協議会としてあるわけでございますから、そこでそういったものとの関連も考えながらやることにしたらよいのではないか、その方がよいのではないかという国会、衆議院としての御判断でかような修正になったのだというふうに理解をいたしております。
○渡部通子君 それは厚生省さんは納得をなすったんですか、それとも渋々いたし力なく従ったのですか。
○政府委員(吉原健二君) 厚生省といたしましては、先ほど渡部先生からお話ございましたように、老人保健、新しい総合的な制度でございますから、診療報酬も、それから予防、そういったヘルスの問題、それから拠出金の問題、そういったものを新しい老人保健審議会という場で総合的包括的にやっていただくのがよいのではないかと、実は提案をするときに、こういった時期でございますから、新しい審議会をつくるのは国全体の行政改革の方針にも反するではないかというような考え方もございまして、実は既存の審議会の活用ということも考えたわけでございますけれども、最終的な判断として、新しい審議会で総合的にやっていただくのが一番望ましいのではないか、いいのではないかということで、政府案をそういう形で提案をさせていただいたわけでございますが、衆議院の御審議の段階で、先ほど申し上げましたような理由で、こういう修正をすべしということで国会としての御意思で決定をされたわけでございますので、私どもとしてはやむを得ないというふうに思っているわけでございます。
○渡部通子君 やむを得ないということでございますが、私もこれは大変な不本意で、何とか政府提案を与党が修正なすったということも余り褒められたことではないとも思いますし、政府原案に戻すということも含めてこの問題についての大臣の御見解を伺っておきます。
○国務大臣(森下元晴君) 審議の段階で私からそのようなことは申し上げるわけにはまいりません。せっかく慎重審議されておるわけでございます。 なお、衆議院の段階においで、いま審議官からやむを得なかったという答弁があったわけですが、いろいろ附帯決議等もついておりますし、私どもの出しました考え方については、その附帯決議においてその精神が生かされておるということも了解できるわけでございます。
○渡部通子君 いまの段階では政府原案に戻すなどということについては考えられないと、こういう御答弁でございますが、それならば、中医協が今度これを扱うということになりますが、中医協で支払い方式の見直しも含めて検討することは期待できるわけでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) 中医協は社会保険の診療報酬を審議する専門機関として設置されておるわけでございます。診療報酬額を審議するということが所掌事務になっておりますので、先生おっしゃいましたようなことで、これは審議ができるというふうに私どもは考えておるわけであります。
○渡部通子君 支払い方式の見直しも含めて審議ができると、こう受け取っていいんですか。
○政府委員(大和田潔君) これはできるというふうに考えておるわけであります。
○渡部通子君 局長はできるということでありますが、これについては大臣からも御見解を伺わなければなりません。なぜかならば、巷間いろいろ言われていることに、私は中医協の中身は知りませんけれども、公益委員のお立場というものが余り強くなくて、支払い方式の改定までも、見直しまでも含めて中医協で審議をさせるということは、実質的にこれは骨抜きになったのではないか、それは不可能だ、こういう意見が大変に強うございます。大臣が必ずここでできるというんならば、それはお約束として守っていただかなければなりませんが、そうでなければ、中医協の改組も含めて、公益委員の権限とか数とかをもう少しふやすという形にして中医協にゆだねる以外にはないのではないかと、私はこう考えますが、いかがでしょう。
○国務大臣(森下元晴君) 私は、中医協がこの老人保健法の趣旨をよくわきまえていただいておると思います。決して支払い側の我田引水にならないということを信じておりますので、そういうことにはならないと思っております。
○渡部通子君 いま、支払い側の我田引水にならないという……
○国務大臣(森下元晴君) 訂正をさせていただきます。支払い側ではございません。診療側でございます。
○渡部通子君 大臣がいま御答弁をなすったそれはわかるんですけれども、先ほどの目黒委員の質疑にもありましたように、この法案自体の骨抜きで医師会との接触があったのではないかというような心配もされています。それから現実にいままで中医協ではなかなか医師会側の力が強かった、診療側の力が強かったということが従来の経過であります。今度は医師会の会長さんもおかわりになりましたけれども、よけい開業医の代表ではないかというようなことがやはり懸念をされております。こういう中医協の実態の中で、大臣はお約束なすったけれども、これが実際、この保健法案を通すに当たりまして、国民を説得し得る御答弁になり得るかどうかはなはだ疑問です。したがって私は、この中医協の改組を含めて、政府原案に戻せない、あくまでも中医協でおやりになるんだ、これを信頼するんだと大臣がおっしゃるからには、中医協の中身について国民に納得できるような中医協のあり方というものを大臣からお示しいただかなければなりません。
○国務大臣(森下元晴君) 国民の健康、診療等にすべての最終の責任を持つのは厚生省すなわち厚生大臣ということになっておりまして、その機関として中医協の存在があるわけでございますから、決して診療側の利益代表としての中医協でないと確信しておりますし、また今後そういう面につきましては、厚生省としても公平に行われるように全力を挙げていくべきであるし、またそうしたいと思っております。
○渡部通子君 大臣がそうおっしゃいますから、きょうのところはそれを承っておきます、今後を見なけりゃならないんですが。 じゃ、せめて老人の疾病構造の特異性にかんがみまして、老人医療につきましては、出来高払いの中にも件数出来高払い、これを導入することをお考えにならないか。高度の治療とか手術とか大病に対する高額な医療ということは別にいたしまして、慢性的な疾病に関しましては、件数出来高払いというものを老人医療に関して導入するお考えはないか伺います。
○政府委員(吉原健二君) 老人の方々の病気に高血圧その他慢性的な疾患が多いということはそのとおりでございますし、そういったものについて件数払い的な考え方が入れられないかという御議論があるということもよく承知をいたしているわけでございますが、反面、老人の病気の特徴には非常に個人差が多い。若い人と違って大変個人差が多いし、症状なり症状の出方も人によって違ってくる。あるいは薬や検査に対する適応とか反応も相当人によって違いがある。そういったようなことも言われておりますので、慢性疾患だから診療報報酬は全部一件幾らでいいというような方式が果たしてとれろのかどうか、いろいろ問題があると思います。 どうしても、いまもちょっとおっしゃいましたように、仮にそういった考え方を入れるにしても、特別な検査あるいは特別な薬、手術が必要な場合には、出来高で支払うというようなことは考えておく必要があると思いますし、そういった問題全体を含めまして、大変むずかしい議論だと思いますので、中医協におきましてその専門家の御意見も伺う必要があると、こういうふうに思っているわけでございますが、いずれにいたしましても、いまの出来高払い方式そのままを老人の場合に適用することにつきましては、私どもいいとは思っておりませんので、いまおっしゃいましたような考え方も含めましてさらに十分検討させていただきたいと思いますし、中医協の場におきましても議論をお願いしたいというふうに思います。
○渡部通子君 大臣、いま申し上げましたように、老人医療の支払い方式につきまして、早急に検討することを中医協に諮問はされますか。
○国務大臣(森下元晴君) 附帯決議にも書いてございますように、老人の特性に適合したというふうに附帯決議をつけていただいておりますので、それをよく踏まえまして支払い体系に対処していきたいと、このように弾力的に考えております。
○渡部通子君 至急に諮問をなさいますかと私伺っているんです。
○国務大臣(森下元晴君) 諮問はこの法律が通ってから早急にいたしたいと思っております。
○渡部通子君 私、いま国民が一番心配をしております、医療費がどんどんどんどん支払われていくのではないかという点について御質問をしたわけでございます。一生懸命努力する、努力するというお返事はいただいたのですけれども、どうもまだ不安なんですね。診療報酬の見直しを含めて老人保健審議会でやるという原案に戻すということはどうも余り考えられない。じゃせめて中医協を改組して、中医協でそれが十分審議されるようになるかどうか、これも改組はちょっと考えられない。現行のままでやってくれるとは言うものの、これに対しては過去の歴史を、実績を考えてみても余り信用できない。じゃせめて件数出来高払いを老人医療に対して導入するかというと、それも検討はするけれどもお返事はしかねる。 私ずっと譲って伺ってきたんですけれども、これじゃどうしても医療費がどんどんたれ流し的に使われていくということについて歯どめというものが考えられないんですね。これじゃ国民の皆さんに対して、医療費もかなり診療側としては節約ができますよと、こういうことが説明しにくいのです、私としても。だから、この点についていままで御答弁はいただいたけれども、もう少し具体的に何とかできるという御答弁はいただけませんかしら。
○政府委員(吉原健二君) 医療費の歯どめの問題、私どももそういった歯どめができればこれは大変望ましいというふうに思います。しかし、医療費はこれこれ以上の額を超えてはならないというようなことが実際問題としてできないわけでございます。そういったことから、予防の問題でありますとか、あるいは診療報酬の問題でありますとか、あるいは一部負担の問題でありますとか、そういったいろんな対策をいろいろ組み合わせながら医療費の伸びをできるだけ抑えていく以外にはない。 医療費の歯どめということで、一つやればそれが決め手になるというような対策というのは、私ども真剣に毎日検討しておりますけれども、決め手になる一つの対策というのはない。やっぱりいろんな対策を総合的に組み合わせながら進めていく必要がある。さらに、こういった医療の面だけの対策ではなしに、医療供給体制はむろんのこと、福祉の面での対策でありますとか、あるいは雇用の対策でありますとか、そういった高齢者に関するいろんな対策というものを総合的に進めていって、医療費にかかるお金というものをできるだけ少なくしていくというようなこと以外にはないのではないか。大変どうも不満足な答弁になったかもしれませんけれども、そういうふうに考えている次第でございます。
○渡部通子君 ちょっと質問の観点と違うんです、お答えが。医療費全体に対して私が歯どめをと言っているわけではないんです。出来高払いによるデメリット面ですね、濃厚診療がやられるとか、あるいはお年寄りの慢性疾患に対してどんどん薬が使われていくとか、検査づけにされていくとか、そういうことに対する出来高払いのデメリット面に対する歯どめをつけない限り、特に老人医療に関しては、それに対する何らかのお答えはありませんかと聞いているんです。
○政府委員(吉原健二君) わかりました。 出来高払いのデメリットというのは最大の点がいわゆる薬づけ、検査づけの医療になりやすいということだろうと思います。その点につきましては、昨年六月の医療費改定で、率直に言いまして、かなり是正をされてきたのではないかと思います。必ずしもその結果が数字の上でまだこのとおりだというふうに申し上げるほど出てきてはおりませんけれども、昨年の医療費の改定で薬価基準の適正化、大幅な適正化をやったというようなこと、それから検査につきましても、すでに自動化されている検査についての点数の適正化、合理化を図ったというようなことで、私は現在の出来高払いの持っている欠点というものはかなり是正をされてきたと思います。 こういった方向での医療費の改定、合理化というものは、医療費全体としてもこれからも進めていく必要があると思いますし、老人についての診療報酬を考える場合には薬づけとか検査づけの医療というものをさらに少なくするような方策を考えていく。具体的には薬や検査よりも予防だとか、生活指導だとか、リハビリテーションでありますとか、そういった面に重点を置いた、ウエートを置いたあるいはそれを重視したような点数設定を考えていく。いま件数払いというお話ございましたけれども、件数払いとまでいかなくても、ある程度一定範囲の投薬でありますとか、検査でありますとか、そういったものは包括できるものは包括していくというような考え方も入れながら、いまの出来高払いの欠点、デメリットというものをなくすような体系というものを考える必要があると、こういうふうに思っています。
○渡部通子君 大変苦しい御答弁をいただいたと思うんです。薬の問題につきましては、また日を改めて次回に詳しく伺うことにいたしますが、それは薬価が多少プラスにはなったとはいうものの、まだまだでございます。私が申し上げたいことは、根幹は、やはり政府原案が後退したということに対してそれが一番の問題なわけですよ。だからそれが原案に戻せれば一番問題はないわけで、この老人保健審議会に財政調整のみを残したなどということはもってのほかだと、私はそれを申し上げたいのです。それを御答弁いただけないから、いろいろ周辺事情をお話くだすっているのだと思って、それはそれで承っておきますが、私は意見として先ほどから申し上げておりますとおり、原案に戻せないのならば、せめて中医協の改組をする。それができないのなら、せめて件数出来高払いを至急に老人保健医療については導入をするとか、そういったことを抜本的に考えていただかない限り、出来高払いのデメリットを老人保健においてせめて是正をしなければ、これは今度は保険全体の問題になってきますから、老人保健においてすらそれができないと、全体に対して、診療費のむだ、たれ流しというか、それについて歯どめをかけるなどということはおよそ不可能になってくる。せめてこの本法案について、この件について厚生省としても大臣としても鋭意もう一度お考え直しを願いたい。これを強く要望して大臣の御答弁をいただいてきょうは終わりたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) いま渡部議員がいろいろおっしゃいました結論は、濃厚診療になって乱診乱療にならないようにということに尽きると思うのです。そのためにはこの医療費の適正化ということで、これに全力を挙げていきたい。 なお、私どもは地域医療とかそれから医療法人の問題を抱えております。それから科学的なレセプト審査等を含んでおりますこの医療法の改正問題ですね、こういう問題が出てくるわけでございまして、できるだけこれも早く、前々からの懸案でもございますし、そういう問題とセットになって初めて医療費の適正化ができると、私はこのようにも実は考えておるわけでございます。この問題は発言しまいと思いましたけれども、いろいろ問い詰められるものでございますから、そういうことも考えておるということを申し上げまして御答弁にいたしたいと思います。
○委員長(粕谷照美君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会 —————・—————