公職選挙法改正に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1982/05/14
会議録
○委員長(上田稔君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。 また、昨十三日、小山一平君が委員を辞任され、その補欠として矢田部理君が選任されました。 また、本日、名尾良孝君が委員を辞任され、その補欠として杉山令肇君が選任されました。 —————————————
○委員長(上田稔君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(参第二号)を議題といたします。 まず、発議者宮之原貞光君から趣旨説明を聴取いたします。宮之原君。
○宮之原貞光君 提案理由の説明を申し上げます。 参議院議員選挙の全国区制改革を内容とする日本社会党提出に係る公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案の理由並びに法案の概要を説明いたします。 全国区制の改革につきましては、すでに選挙のたびに選挙費用の過重な負担、候補者に対する過酷な労力などを理由に改正論議が高まってきておりますが、こうした選挙状況を顧みるとき、われわれは早急に全国区制の抜本的改革を図る必要があると思います。しかしながら、全国区制の改正は選挙制度の基本に関する問題であり、その改正は候補者における事情のみで判断すべきものでないことは当然であります。 わが党は、議会制民主主義の発展のため、かねてから改革の方策を模索し、すでに六年前に拘束名簿式比例代表制の導入を提唱し、各党の動向を注視してまいりました。一方、自由民主党は、昨年第九十四回通常国会に全国区制度改正案を提出し、秋の臨時国会で再提出され、継続審議となっており、今国会でその成立を図ろうとしております。 選挙制度の基本的な仕組みを改正するに当たっては、他党の理解を得るため最大限の努力をいたすべきことはもちろんでありますが、すでに自由民主党による単独提出がなされ、その実現の意図が現実のものとなった以上、野党第一党としてわが党は、年来の主張を法的に具体化し、公党の責任を果たさなくてはならないと考えます。あえて地方区の定数是正など緊急課題と切り離し、日本社会党独自の全国区制改革案を提出した次第であります。この際、われわれは拘束名簿式比例代表制を根幹としつつも、自由民主党案との相違点を明らかにし、議会制民主主義の発展に資したいと考えるものであります。 そもそも全国区制は二院制の特色を発揮するため採用されたもので、全国を一体としてとらえる考え方は今日もなお存在理由を失っておりません。したがって、全国区制改革の課題は、少数代表の原理に立ち、現行制度の弊害を是正しつつ、国民の公正な判断を議員の選挙に反映させることにあると思います。 わが党は、慎重にかつあらゆる角度からこの問題を検討した結果、今日政党が国民の政治意識に着実に定着しておるものと判断し、また将来にわたるその機能と役割りを評価し、拘束名簿式比例代表制を選択することといたしました。 わが党が提案しております改正は、特に次の諸点に留意いたしております。 第一は、憲法問題についての論点を整理し、合憲性を十分確認の上、なお具体的制度の法制化に当たっても疑念のないよう最大限の配慮をしたことであります。名簿届け出政党等の要件、議席の配分等について小政党等に特段の配慮をし、そのため参議院における現在の各会派が名簿届け出政治団体としての適用が図られるようにいたしておるのであります。 第二は、わが国における選挙の実態を踏まえ、名簿登載者と有権者との結びつきを重視し、選挙運動の方法を拡大したことであります。すなわち、名簿登載者たる候補者が全く選挙運動を行わないで議員となることには有権者との触れ合いや選挙区選出議員候補者の選挙運動とのバランスの上からも問題がありますので、政党本位の選挙の本旨にもとらない範囲で、名簿登載者の選挙運動を認めることといたしました。 以下、改正の大要を申し上げます。 その第一は、候補者名簿についてであります。比例代表選出議員の候補者を順位を付して記載した候補者名簿は、一定の要件を備えた政党その他の政治団体に限り届け出ることができるものといたしております。 一定の要件とは、三人以上の所属の国会議員を有すること、直近の衆議院議員総選挙または参議院議員通常選挙において全有効投票の二%以上の得票を得たものであること、五人以上の所属の比例代表選出議員候補者及び選挙区選出議員候補者を有することの三つのいずれかの一つに該当することであります。これは参議院における政党政治の現況を踏まえ、いわゆる立候補の自由に関し配慮したものであります。候補者名簿に記載されることができる者は、参議院議員の被選挙権を有し、かつ当該政党その他の政治団体に所属する者であるか、所属しなくても当該政党その他の政治団体からの推薦がなされた者であればよいことといたしております。名簿登載者の選定及びその順位の決定は、当該政党その他の政治団体が任意に行うことといたしておりますが、名簿登載者の選定機関に関する必要な事項を届け出なければならないものといたしております。 第二は、供託金についてであります。まず、比例代表選出議員の選挙における供託金の額を名簿登載者一人について三百万円とし、政党その他の政治団体がこれを供託しなければならないといたしております。なお、国政選挙におきましては供託金の額を現行の一・五倍に、地方選挙におきましてはその額を現行の一・五倍ないし一・二倍程度に引き上げることといたしております。 第三は、投票の方法についてであります。投票は、選挙区選出議員選挙及び比例代表選出議員選挙ごとに、それぞれ一票を投票するものとし、比例代表選出議員選挙におきましては、政党その他の政治団体の名称を記載して行うことといたしております。 第四は、当選人の決定についてであります。これにつきましては、候補者名簿を届け出た政党その他の政治団体の得票数に比例して、修正サン・ラグ式により、それらの政党その他の政治団体ごとに当選人を決定し、それぞれの候補者名簿に記載された順位により当選人を定めることといたしております。これは小政党等への配慮のあらわれであります。なお、欠員が生じた場合は当該名簿届け出政党の次順位者の繰り上げ補充を認めることといたしております。 第五は、選挙運動についてであります。比例代表選出議員の選挙における選挙運動は、候補者名簿を届け出た政党その他の政治団体が行うたてまえでありますが、当然その政党その他の政治団体を代表して、名簿登載者及びその四倍に相当する員数の幹部が中心になって行うのであります。その選挙運動の態様は、おおむね現行参議院全国区制で認められたところに従い、その規模は現行の三分の一程度のものを考えております 第六は、選挙運動費用についてであります。比例代表選出議員の選挙につきましても、出納責任者を選任することといたしております。選挙運動に関する支出の金額は、比例代表選出議員の選挙では、名簿届け出政党一につき、名簿登載者の数に応じた額と一定固定額とを合算した額を超えることができないものといたしております。 第七は、確認団体の政治活動についてであります。十人以上の所属候補者、その中には名簿登載者を含んでおりますが、そうした候補者を有する確認団体の政治活動は、現行どおりといたしておりますほか、十人未満の所属候補者を有する名簿届け出政党は、確認団体として選挙運動期間中、政談演説会を開催できることといたしまして、選挙の平等に配慮いたした次第であります。もちろんこの政談演説会の告知のため、またはその会場内に使用するポスターの掲示等所要の措置も講じているのであります。 第八は、罰則についてであります。名簿登載者の選定の重要性にかんがみ、名簿登載者の選定に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受、要求もしくは約束した選定機関の構成員その他の選定の職務を行う者、これにはその職務を補助する者も含めておりますが、それらの者につきまして、他方財産上の利益を供与いたしました者につきましては、いずれも罰則を設けております。 以上のほか、選挙区選出議員の選挙につきましては、現行の地方区の選挙制度の例によるものといたしております。 最後に、施行期日につきましては、この法律は、公布の日から施行し、改正後の公職選挙法の規定は、施行後初めて行われる参議院議員の通常選挙から適用するものといたしております。 以上、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(上田稔君) 以上で説明の聴取は終わりました。 この際、お諮りいたします。 本案の審査中、金丸三郎君及び松浦功君の出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三分散会 —————・—————