公害及び交通安全対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1982/04/09
会議録
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨八日、川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君が選任されました。 —————————————
○委員長(坂倉藤吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に日本航空株式会社の役職員を参考人として出席を求めることとし、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂倉藤吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(坂倉藤吾君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○本岡昭次君 まず初めに、航空交通の安全について質問をいたします。 運輸大臣にお伺いをいたします。もう日航事故以来二カ月を経過しまして若干時期外れの感がないでもありませんが、当委員会として航空交通の安全確保についての審議を幾たびか計画しましたが、いろいろな状況によって開かれず今日に至りましたので、きょうはその問題から質疑をさせていただきます。 二月九日の日航の事故は、一言で言えば運輸省の航空行政の怠慢から生じたものだと私は考え、運輸省の、また大臣の責任は重大だと考えています。 と申し上げますのは、航空行政の中心は航空安全をどのように確保するかということでなければならぬと思っています。そして、その航空安全の中心は、人間の命をどう守るかということであり、機械がいかに進歩しようとも、やはり飛行機を操縦するのは人間である。その人間であるパイロットがいかに人間として心身とも健康な状態が確保されているか、そこのところがきわめて重大であると私は思い、人間教育というのですか、人間を大切にするというそのことが決め手であると私は思います。しかし、私の調べる限りでは、その基本である人間が軽視されたところの人間不在の航空行政が今回のこの事故につながったのではないか、このように私は見ているわけですが、運輸大臣のお考えなり、また、理由はいろいろあるにせよ、事故が起き、とうとい人命が傷つき、また命を失い、多くの家族がそのために大変な苦しみを味わっているわけですから、その責任は免れないと思います。こうした点について運輸大臣のお考えを率直にお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま委員からお話のございました諸点につきまして、運輸大臣といたしましては全くそのとおりに考えているところであります。そして、今回の日本航空の事故はきわめて残念なことでありまして、こうしたことの原因その他の調査につきましても全力を挙げていま調査中でございますが、特に事故調査委員会を中心にしての物的な面、そしてまた運輸省航空局による日本航空に対する立入検査をいたしまして、こうした事故を二度と起こさないためのわれわれとして考えられるすべての問題点を指摘いたしまして、日本航空に対しまして勧告をいたしたところであります。 本日、日本航空の高木社長から、前回の運輸省から提案いたしました諸改善提案につきましての回答が寄せられたわけでございまして、私はこれを読みまして、日本航空といたしましても、航空政策の基本がやはり委員の仰せられましたように、一歩誤ればこれは人命に対して非常な大きな影響があるという事態、つまり安全の確保ということについて心を新たにして新体制を組み、今後の事故再発を全力を挙げて防止するという意欲を示しておるのでございます。 私たちといたしましては、そうした問題と同時に、先般の事故で亡くなられました方々に対してできるだけの補償を申し上げること、並びにまた、傷つかれて負傷された方々に対しての医療並びにアフターケア等につきましても日本航空自体が積極的に努力をいたしておるわけでございまして、これらの点を今後はきわめて重要な航空政策の重点として、他の航空会社に対しましても事故発生と同時に通達をし、航空事業の持つきわめて重要な社会的な意義というものを認識して経営に当たってほしいということを申しておる次第でございます。
○本岡昭次君 いま大臣の答弁の中にありました日航から勧告に対する回答を寄せられたということについては、後ほどお伺いする機会をつくりたいと思うのですが、今回のこの日航の事故は、いまから十三年前に航空審議会が、航空機乗員の航空適性の確保についてという航空安全にとってきわめて重要な内容を持つ答申を行ったことと私は深くかかわっていると見ています。ということは、十三年前に、航空機がどんどん発達する、大型になる、そしてコンピューターによる操作も多くなる、その結果、航空機乗務員の適性確保というものがさらに重要な要件になってくる、こういう指摘を行って、早急に運輸省として、あるいは日航として具体化しなければ大変なことが起きますよという警告も含めて、その具体的措置を早急に求めたというのが十三年前の答申の中にあります。答申を読みますと、まさに将来を予知したすばらしい答申だと、私はこのように見ています。 しかし一方、それを受けた運輸大臣あるいは運輸省がそれを一〇〇%実施したかというと、そうではなかった。ここに私はその怠慢ということを具体的に申し上げたいと思います。幾つか改善すべき具体的措置が提言としてなされておりまして、それはいわばつまみ食いをされたような状態になっているわけです。やったものもあるし、やらないものもある。 そこでお伺いしたいのは、実施した分はそれでいいとして、手をつけなかったその要請内容について、なぜこれをやらなかったのかということについてお伺いをしたいのです。 私がその答申を読んだ限りでは、次の二点は実施されていないと思うのですが、いかがでしょうか。一つは航空局に配置すべき航空医学、航空心理学の専門家、二つ目は国が設置すべき航空機乗組員適性検査機関。これは航空機乗員の航空適性確保について国が責任を持ってやらなければならない、早急に措置をするべきであるといって勧告されたその具体的な中身ですが、この具体的措置、十三年間なぜ放置してきたのかという点についてひとつ説明をいただきたいと思います。
○政府委員(松井和治君) ただいま御質問ございました昭和四十四年におきます航空審議会の答申がございました。先生御指摘のようにこの答申はきわめて重要な中身を含んでおりまして、私どもといたしましては、乗員の航空適性の確保に関する基本的な方策といたしまして、この項目の掲げられております検査機関の指定でございますとか適性審査会の設置でございますとか、あるいは国際的な検査基準の明定でございますとか等々につきまして直ちに実施に移したわけでございます。 ただいま先生御指摘の二点につきまして申し上げますと、航空局に航空医学あるいは心理学の専門家を配置すべしという点につきましては、運輸省という役所の性格上なかなか医学の専門家を直接の職員にすることがむずかしゅうございますが、防衛庁の医学の専門家を実は私ども運輸省航空局に併任をいたしまして、現在二名の方が配置されております。 それから、第二点の航空医学、心理学に関する検査研究機関の設置という点につきましては、確かに御指摘のとおり国立の検査研究機関という形では設立されておりません。その理由は、やはり人材の確保なり組織の確立ということがなかなか困難な点があったわけでございますが、それならばそういうことを放置していたかと申しますと、私どもといたしましてはこの審議会の答申の趣旨を十分尊重いたしまして、まず第一番にこの検査研究機関で行うべき業務の一つである身体検査基準の策定につきましては、先ほど申し上げました身体検査証明審査会という十数名の各科の専門医師が網羅されております機関がございます。この審査会にお諮りいたしまして、御意見をちょうだいして現在の身体検査基準を定めておるわけでございます。また研究の部門につきましては、私ども航空振興財団という財団を通じまして、そこからの補助金を交付することによりまして民間団体等における研究を進め、それを私どもの航空身体検査業務に生かすというようなことで、答申の趣旨は極力尊重してその答申の趣旨に沿うよう努めてきたというふうに考えております。
○本岡昭次君 運輸大臣、いまお聞きいただいたと思います。運輸省としてあるいは航空局として直接その答申の提言すること、あるいは具体的措置として示されたことはやれなかったけれども、答申で述べられている趣旨については実現するようにいろいろ考えてきた、こういうことでございます。しかし事故は起こった。それが乗員の適性、安全確保の問題についてやはり起こったと言わざるを得ない状況を考えてみますときに、ひとつ大臣にここははっきりお答えをいただきたいのです。 まず第一点の航空局に配置すべき航空医学、航空心理学の専門家という問題、いま運輸省の中にそうしたお医者さんを配置するというのはどうもということ、そして防衛庁にあるお医者さんに一緒に受け持ってもらっているという、そういうことでいいのかどうか。あるいはまた航空医学、航空心理学の専門家、十数名というわけでなく、これは恐らく二、三名のことだと思うんですが、そういうようなことすら運輸省の機構上置けないのか。お医者さんを置くということは、運輸省にとってこれはもうどうにもならないことなのか。あるいはまた、それは人件費、経費の問題なのか。今度の事故を見ればそんなことにこだわっている状態でないと私は思うんですが、これは運輸大臣の決断でこの程度のことはできるのじゃないかと思います。 いま一つの航空機乗組員適性検査機関の問題も、審査会に諮るとか民間団体の研究にゆだねているとかいうことはございましたが、しかし、片桐機長の健康状態について、そうした審査会等々はパスをして何ら問題ないという形で経過していたことがこの事故につながっているということから見れば、国が責任を持ってパイロットの健康状態を管理するというふうな事柄について十分機能していなかったということをみごとに証明をしている、このように思うんです。だから国が責任を持って乗組員の適性検査を進めるという機関の設置、この問題も早急に手がけるべきだ。これも大臣の判断と決断でできることではないか。とうとい命を犠牲にしたというこの事故を目の前にして、いま十三年前に提起されたことをやることが運輸省としてそうこだわったりすべきことではない、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 御指摘のとおりだと思うのでありますが、大変残念なことでございますけれども、特に心理学とかそうした精神医学と申しますか、そうした面においての人材が得られなかったということが、大変にこの制度を省としてきちんと設置することがおくれたゆえんであるというふうに聞いておるのでございます。 私思うのでありますが、特に精神医学あるいは心理学あるいは航空心理学というようなものについてのフィールドにおられる医師の方々の数もきわめて少ないので、結局便法として、防衛庁においてもあれだけの飛行機を飛ばしておりますので、防衛庁としてはそうした専任官を任命して対応しておるわけなので、その方々の力を運輸省としてもおかりをせざるを得ないというところに、いま御指摘のようなことになった一つの理由があると聞いておるわけでございます。 今度の事故にかんがみまして、こうした問題が非常にクローズアップされ、また国民感情としてもそうした問題に対する対応が不十分であったという御指摘を受けて、われわれも大いに反省をしているところでございまして、今後はできるだけ、こうした答申の趣旨をもっと明確に生かすような組織あるいは人材の確保ということについて、一層努力を払ってまいりたいと思っておるところです。
○本岡昭次君 早急にその検討を行って、この昭和四十四年、十三年前に行われた答申の一〇〇%実現と具体的措置を達成することをやっていただきたいということを強く要望しておきます。 そこで、その答申の中に「国が欧米諸国にみられるように、民間航空に係る」云々と、ずっと書いてあるんです。ということは、欧米諸国ではこうした航空機乗組員適性検査機関というふうなものがすでにつくられていろいろそれは機能しているということから、この答申は「欧米諸国にみられるように」というふうに書いているんだと、こう見るのですが、少なくとも運輸省としても今回の事故にかんが昼また、こういう機関がなかったことが事故を生み出した原因ではないかというふうなことがもうすでに論議されておりますから、当然、一体欧米諸国ではどのような検査機関が先進的に設置され、それがどういうふうに有効な役割りを果たしているかということは調査済みであると、このように思うのですが、ひとつ一、二の例を紹介していただきたいと思うんです。
○政府委員(松井和治君) 昭和四十四年の航空審議会のこの答申が出されます前に、専門の医師の方数名を欧州及びアメリカに派遣いたしまして、欧米各国の身体検査の制度あるいは実情等につきまして調査をお願いいたしました。実は欧州並びにアメリカの制度はそれぞれ相違がございますが、一応各国とも国際民間航空機構、ICAOの基準に合致した基準を立てている。これは共通をいたしておりまして、私ども日本でもICAOの基準に合致した基準になっておるわけでございまして、日本の場合は医学の専門家の御意見によりますと、むしろICAOの基準よりも若干きつい基準になっておるということでございます。 しからば外国の制度はどういうことかと申しますと、アメリカにおきましては現在日本でとっております制度と全く同じでございまして、国が特定の医師を指定いたしまして、その指定されました医師が身体検査証明をする、こういう制度でございます。またイギリスにおきましても同様でございまして、医療機関を指定し、医師を指定いたしましてそこで検査が行われる、こういうような制度になっております。したがって、私どもといたしましては、その英米流の身体検査制度をわが国にも導入し、この答申の指定医療機関、指定医制度ができ上がった、こういうことでございます。なお、国によりまして、第三者的な検査機関というようなものを設立している国も全くないわけではございませんが、むしろただいま申し上げましたように英米等、特にアメリカのような非常にパイロットの数も多い、そういう国におきましては指定医制度というものを活用しておる、こういう現状でございます。 ただ、私ども今回の事故にかんがみまして、実は十数年の間の各国の制度の変遷というようなものも極力ICAOを通じて情報は仕入れておるつもりではございますけれども、なおジェット化がその当時に比べますと大変進んだ状況にございますので、実は私ども今回の事故を契機といたしまして、まことに遅まきながらという御指摘は受けるかもしれませんが、再び専門家をアメリカあるいは欧州等に派遣いたしまして、現実の状況あるいはそれを受けた航空会社の健康管理の状況、こういうようなもの、特に前回の調査では航空会社の健康管理の状況が十分調査されているとは申しがたい面がございましたので、そういう点も含めて改めて調査をし直すということを現在検討しておるところでございます。
○本岡昭次君 ちょっと私の質問の仕方が悪かったのか、的外れな答弁がありました。 私は、答申の中にある言葉として「国が」と入っている。国がやるのですよ。民間じゃないのですよ。日航がやるのじゃないんですよ。「国が欧米諸国にみられるように、民間航空に係る航空医学・心理学に関する検査研究機関を早急に設置することが不可欠の要件である。」国がそうした検査機関を早急に設置することが不可欠の要件である。それは「欧米諸国にみられるように」と言うのだから、欧米諸国にはそういうものがもう十三年前にはすでにある。だからそういうものをつくることが不可欠であると、こういう答申をしているのでしょう。身体検査をどう行うかということを私は尋ねているのじゃない。十三年前にすでにあった欧米諸国の航空医学あるいは心理学に関する検査研究機関というものは、どういうものであったのかということを具体的にお尋ねしている。
○政府委員(松井和治君) 十数年前の調査におきましては、アメリカにおきましてこの航空機乗員の航空適性に関する研究機関が存在しております。また、フランスにおきましてはフランス空軍に所属いたします研究機関がございます。しかし、これらはいずれも研究機関でございまして、検査を行う機関ということではなくて、検査の方は先ほど申し上げましたような指定医制度の活用ということで行っておる状況でございました。
○本岡昭次君 もう少しよく調査をして勉強しておいていただきたいと思うのですが、そこのところをここでやりとりする資料は、そう具体的に私は持ち合わせているわけでもありませんし、また、調査をされるということですから、その調査に基づいてそれを論議する機会をつくりたいと思いますが、しかし、私のいま持っているこの新聞の内容によりますと、アメリカにしても、単に民間にパイロットの航空適性の問題を任せっ放しじゃない、ほとんど民間にそれを任せるということじゃなくて、国がやはり責任を持って航空身体検査の問題についても深くかかわっている。アメリカの連邦航空局の場合、ワシントンの本部には航空医学で博士号を取った航空医官三人がスタッフとして常駐して、そしてこの三人が航空会社から上がってくるパイロットの航空身体検査証明書に目を光らせて、その内容で問題がある、あるいはこれは見なければならぬという必要があるならば、航空会社に出て行って厳しくチェックをしていく。最近、片桐機長のときのように、ただ文書だけでパスさせてしまって、本当の身体的な問題がチェックできなかったというふうな日本の状態とはかなり違っているということが報道されておりますが、そうした点について、いま言われたような程度の実態しか航空局としてはつかんでおられないのですか。
○説明員(長澤修君) ただいま先生御指摘の、ワシントンにおいて、医学の専門家がパイロットについて上がってきます身体検査のレポートについて任務をしておるという、そういう機能でございますけれども、私どもとしましては、これと同じような機能をその当時の答申に基づきまして防衛庁の医学の専門家の方を兼任をしていただきましてやってきておったわけでございますけれども、現実にこのような事故が起こってみますと、やはりその運用についてなお十分でなかったのではないかという点も反省されますので、いろいろ目下専門家の方の御意見を伺いつつ対応を検討しておるところでございます。
○本岡昭次君 早急にひとつ対応する体制をつくり上げてください。 それでは、次に進みます。 同じく昭和四十六年にまた航空審議会が答申をしております。その四十六年の答申に基づいて航空保安施設整備五カ年計画というものが打ち出されておりますが、四十六年からの五カ年計画ですから、もうすでに五十一年にはそれが終わっているということになりますが、その五カ年計画の中に、私は専門家でございませんのでちょっと棒読みで申しわけありませんが、ILS整備五カ年計画というものがあって、羽田、大阪空港をILSのカテゴリーIIという状態に置くんだと、こういうことがあります。 それで、そのILSのカテゴリーIIとは一体何かというと、進入着陸援助施設というのですか、着陸するために援助を行う施設でございますが、通常のILSは限界高度が六十メートル、この間事故を起こしたときにその六十メートルというのがどういう意味を持つかということはいろいろ新聞で報道されておりましたが、このカテゴリーIIというのは、その進入限界高度が三十メートルのところまで援助をすることができるということのようです。 そこで、羽田あるいは大阪空港にこの五カ年計画のカテゴリーII化が行われているのかどうか。もし行われていたとしたら、その進入限界高度が六十メートルでなく三十メートルであったはずだということになったときに、今回の事故との関係では一体どうなっていたのかというふうなこと、私は専門家でありませんのでよくわかりませんが、そのカテゴリーII化の設置の問題と、もしそれが設置されていたらどういう状況が起こっていたのかということのひとつ説明をいただけませんか。
○政府委員(松井和治君) 昭和四十六年の航空審議会の答申におきまして、先生御指摘のILSのカテゴリーII化ということが答申されておりました。羽田並びに大阪の両空港に設置すべきである、こういう答申がなされたことは事実でございます。私どもその答申の実現に努めるべく実はいろいろ調査を行いましたところ、カテゴリーIIにいたしますためには、ILSの性能向上を図るわけでございますが、この電波を出します前方に、電波の反射用地といたしましてカテゴリーIの場合に比べますとかなり広大な平たんな土地が必要でございます。羽田の場合、大阪の場合とも、周辺の地理的環境等から見まして、このカテゴリーIIへ性能向上をするということはきわめて困難な状況にございました。 そこで、私どもといたしましては、現在の羽田は先生も御承知と思いますが、沖合いの方にさらに埋め立てをいたしまして滑走路を延ばすわけでございますが、その際にはカテゴリーIIの用地も含める形で、新しい滑走路にはカテゴリーIIのILSを設置するという予定にしておるわけでございます。また大阪空港につきましても、周辺の状況から当分カテゴリーIIのための用地の獲得ということは困難でございまして、これまた新空港の設置まで残念ながら現在のカテゴリーIで運用せざるを得ないという状況でございます。 しからば、カテゴリーIとカテゴリーIIとが何か航空の安全に非常に大きな支障があるかと申しますと、そういうことではございませんで、今回の事故後、航空事故調査委員会の手におきまして私どもの航空保安施設の状況も現在お調べになっておりますが、私ども自身が事故の直後、このILSの電波が正常に作動していたかどうかということにつきまして調査をし、またフライトチェックをいたしました結果、全く正常であったということが確認されております。そういうような状況から見ましても、今回のカテゴリーIのILSが事故の発生につながったとかそのような事実は全くないということでございまして、何かカテゴリーIとカテゴリーIIとの間に安全上非常に大きな差があるというふうにもしお考えでございましたら、それは全くの誤解でございますということで御答弁申し上げたいと思います。
○本岡昭次君 そうすると、なぜカテゴリーII化を大阪と羽田に進めるようにという答申が出されるのですか。安全上カテゴリーIであろうとIIであろうと同じだということであれば、なぜ無理してそれを設置するんですか。
○政府委員(松井和治君) それは先ほど先生御指摘ございましたように、カテゴリーIIの場合でございますと、最低の進入限界高度が六十メートルから三十メートルに下がる。それから滑走路の視距離、気象条件がカテゴリーIの場合八百メートル以上でございますが、それがカテゴリーIIの場合には四百メートルになるというようなことでございますので、ある種の気象条件が非常に悪いような場合でありましてもカテゴリーIIの場合は進入が可能になるということでございまして、空港としての就航率の向上に大変大きな寄与をするということから、世界各国ともカテゴリーIからカテゴリーIIへのILSの性能向上を現在進めておるということで、私どもも極力それを進める努力をいたしておりまして、現在成田空港においてはカテゴリーIIのILSが設置されております。
○本岡昭次君 いや、あなたの先ほどの答弁は、安全の問題について何ら関係ないということではなくて、安全の問題に関係があるんでしょう。それをはっきりしてください。
○政府委員(松井和治君) 安全に全く関係があるかないかということの判断はむずかしゅうございますが、ただいま申し上げましたように、気象条件が悪いときでもカテゴリーIIの場合でありましたならば着陸が可能になるということでございまして、カテゴリーIIの場合ですと、ある一定の高度、一定の距離までで滑走路が視認できない場合には、着陸しないで進入復行して、別の空港に行くかあるいはさらに進入をやり直すというようなことが必要になるわけでございます。したがって、そういうようなことで進入復行等を行ったりする場合に、真っすぐ入る場合に比べて安全上どうかというような問題も全くないわけじゃございませんでしょうけれども、しかし、直接に進入するに際しての安全がカテゴリーIとカテゴリーIIとで大きく異なるとか、そういうようなものではないというふうに考えております。
○本岡昭次君 そうすると、カテゴリーII化というのは、着陸するに際して気象条件にできるだけ左右されないようにということだけがIからIIにする意味なんですか。
○政府委員(松井和治君) 私どもといたしましては、気象条件が悪い場合でも着陸ができる、つまり全天候式に近づくという意味合いが最も強いというふうに考えております。
○本岡昭次君 そこでもう一つ全く素人的な質問をいたしますが、二月九日の事故のときの状況というのは、六十メートルということが一つの何か基準のようになって、そこで手動ですか、自動から操縦士の手にゆだねられたということ、そこから問題が起こったと、こういうふうになっていたと思うんですが、それは事故調査委員会が最終結論を出さなければその真偽のほどはわかりませんが。そこで、カテゴリーIIになった場合には、自動からパイロットが自分の手で最後の着陸に入るというその時点というのは、地上から三十メートルのところに来てパイロットが自分の手で着陸するというふうになるのだと。もちろんそれ以前でも自動から自分の手で手動で切りかえてもいいのだろうとは思いますが、機械的に、形式的に見ればそういうことになるのですか、ならないのですか。
○説明員(長澤修君) ただいま先生のお話しのとおりでございまして、カテゴリーIでございますと、六十メーターのところまで地上から発射をいたしております誘導電波によりまして計器着陸をしてまいりまして、六十メーターのところでパイロットの目による操縦に切りかえるわけでございます。カテゴリーIIでございますと、そのカテゴリーIIをそのままフルに運用します場合には、地上高三十メーターのところまで地上から発射する誘導電波によりましておりてまいりまして、三十メーターのところからパイロットの目による着陸に切りかえるということでございます。
○本岡昭次君 そうすると、羽田空港にカテゴリーIIが設置されているのといないのと、今回の事故は何か大変なそこに問題が起こってくると私は思いますがね。カテゴリーIIが設置されておれば、三十メートルまでその飛行機を電波で誘導することができた。そしてあの危険な状態が起こったのは六十メートル、三十メートルと、その間で操作上起こったということですから、それは私の言う素人的な判断が的を射ているかどうか別にして、この昭和四十六年の答申、そして整備五カ年計画をいろんな意味でやっておれば、カテゴリーI化をやっておれば、いま何か羽田の沖へ延ばしてカテゴリーII化をやろうとしているのだという話がありますが、十年前にそうした問題が指摘されて、それをもっと早く実現しておれば今回の事故は防げたかもしれない、こういうふうに私は思えて仕方がない。ここのところにも運輸省の安全に対する、航空安全に対する考え方が何か非常に甘いのではないかという気がしてならないのです。 それは私の全く一方的な断定かもしれませんが、羽田空港をいま延ばすのなら、なぜもっと早く延ばしてカテゴリーII化をしておかなかったのかということについて、これはやはり一方答申がありながら、いろんな困難があっても、困難を排除して航行安全のいろんな整備をすべきその責任を怠ったというふうにこれは言わざるを得ない、このように思います。この問題はそうではないというお答えをおっしゃると思うから、もう答えは要りませんが、私は一方的に素人としてこれがあったらああいうことはなかったと、こういうふうに思い、責任を追及したいのです。 そこで、それに関連して、これは運輸大臣に、そうしたやりとりをお聞き願ったのですから、その上でひとつ答弁をいただきたいのですが、昭和五十六年三月三十一日、中央交通安全対策会議の「交通安全基本計画」なるものがあります。ここには陸上、海上、航空それぞれの交通安全について基本的な考え方がいろいろ述べてあります。しかしこの「航空交通の安全」というところ、そして「航空事故の発生状況とその防止」と、こう書いてあるのですが、その中には四十四年の答申あるいはまた四十六年の答申、そうしたものにかかわるいわゆる航空機乗組員の航空適性確保ということの重大性、そのことに対して国があるいはそれぞれの航空会社がどういうふうに力を入れるべきか、また飛行場の整備もどのように力を入れるべきかというようなことは一向に書いてない。ただ事故がだんだん減ってきてよくなっていますというふうな、非常に安易な立場でここに書いてあります。 しかし、考えてみれば日航は昭和四十七年にニューデリー、モスクワ、あるいは五十二年にアンカレジ、クアラルンプールでそれぞれ大きな事故を起こしていて、その事故自身が今回の羽田の事故と同じように、乗組員の航空適性確保という問題にかかわって起こった事故であるということを認識するならば、もっとこの航空交通の安全という立場から、航空機乗組員の航空適性確保という問題を大きく取り上げてその万全の体制をしくことをこの中に強調すべきであった、こう思うんです。この中にはほとんどと言っていいほど書いてない。 ひとつ運輸大臣、これをもう一度見直してここは書き直すべきだ、こんな安易なことでまた事故が起こったら大変ですから。この責任者はやはり運輸大臣だと思いますので、いまの私のやりとりをお聞きいただいて、航空交通の安全の見直し、そしてこの計画自身をもう一遍補強し直す。五カ年計画ですから。そして先ほど言いましたカテゴリーII化の問題についても運輸省の行政上の責任というものもあろうかと思うので、そうした点について運輸大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま御指摘の交通安全基本計画でございますが、大体これは五年ごとに中央交通安全対策会議でいろいろと審議をされておるのでありますが、毎年度問題をとらえながら逐次内容を豊富にしておるわけであります。五十七年度におきましては、特にわれわれとしては先般の日本航空の事故等にもかんがみまして、特に航空機乗組員の航空適性管理その他につきましては、計画の内容を一層緻密なものにしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。
○本岡昭次君 ぜひそれは書き直していただきたい、こう思います。 それから運輸大臣は、いま私がやりとりしましたカテゴリーII化の問題はどういうふうにお考えになりますか。羽田にカテゴリーII化を計画どおり実施されていたらという立場に立つ私のやりとりを、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員は大変、素人だとかなんとか言っていらっしゃいますが、そんなものじゃないと思います。このカテゴリーIIの問題は、やはり航空安全から言うならば、高度が六十メーターから三十メーターという非常に低くまで機械による誘導が可能だということは、特に霧や何かが発生した場合には大変有効な安全装置だろうと思うのでありますが、遺憾ながら羽田空港のスペースが非常に制約されてしまっておることと、また大阪空港は御承知のように周りが密集地になっておりまして、先ほど来局長から御答弁申し上げているように、このIIを置くのには前方に大きな空間地が必要であるということから、土地が取れなかったということが最大のIIに切りかえられなかった原因だというふうに聞いております。 しかし今日まで、大体六十メーターまでの下降を誘導し得るならば、それから後は大体のパイロットならばそんな思わぬような事故の起こる可能性はきわめて少ないということでおったわけです。しかし、今度羽田の空港の沖合い展開もようやく緒につくわけでございますので、ぜひとも沖合い展開の際にはIIに切りかえる、これは面積的に可能だというふうに考えております。遺憾ながら大阪空港はどうにもならないわけでございますが、やはり関西新空港等を早くつくって、そして大きなスペースを持たなければならないというふうに考えておりますが、大変適切な御指摘をいただいたと思っております。
○本岡昭次君 それでは関西新空港の問題とか大阪空港の問題が出ましたので、それに入っていきますとどんどんと時間が過ぎますので、運輸大臣に対してのこの問題について若干あと二、三の問題にしぼって終わりたいと思うのですが、先ほど運輸大臣の答弁の中に、きょう日航の方からこの「安全運航確保のための業務改善について」の勧告に対する回答が来たというふうにおっしゃいましたが、その回答を受け取られて、率直なところどういう感想をお持ちですか、この改善勧告出された立場から。回答をもらわれたんですので、なかなかりっぱな報告だとか、誠意を持って運輸省の改善勧告にこたえてくれたとか、いやそうでない、これではだめだとか、いろいろ評価の仕方があると思うんですが、運輸大臣はどういうふうに評価されますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 立入検査を運輸省でいたしまして、そしてわれわれとしては改善の問題点を指摘したわけでございますが、今日の日本航空からの回答と申しますか、答えはきわめて誠意に満ちておるというふうに考えます。
○本岡昭次君 その内容を具体的にここで報告をしてもらってやりとりする時間もありませんから、またそれは別の機会に譲るといたしまして、ただ一点だけ、その勧告の中に「乗務スケジュールの中に、宿泊地における休養時間が十分とはいえない事例が見受けられる。従って乗務割の基準中に、宿泊地における休養時間に関する規定を定め、その確実な実施を図る必要がある。」ということがあります。私もこの問題は事故が起きたときに第一感、大体最終便で行って、そして明くる日の始発にそのパイロットが乗って帰ってくる。トンボ返りをやっているという事実。私も福岡等へ、沖繩へ飛行機で行ったことがありますが、こういう状態で飛行機を運航しているのなら、本当にこれはもう乗客として安心できないなあということを第一感思ったわけで、ここの勧告の内容はまさにそうした国民がひとしく抱くような疑問点に対して日航に迫っておられるということで、まことに適切だと思います。 そこで、どういうこれに対する回答が来たかということなんですが、それは午後から日航の社長等がお見えになるので、そこでお聞きすることにいたしますが、運輸省として、運輸大臣として、それでは、「宿泊地における休養時間が十分とはいえない事例が見受けられる。」と、こうおっしゃっているのですから、逆に言えば、十分な休養時間というものはどういう時間を指して十分な休養時間というふうにとらえておられるのか、あるいはまた「休養時間に関する規定を定め、その確実な実施を図る必要がある。」こういうふうに勧告しておられますが、運輸省が期待する「宿泊地における休養時間」というものは、一体それはどういう時間を期待しておられるのか。もう勧告に対する報告が来ているのですから、運輸省の期待しておられること、運輸省が考えておられることはどういうことであったのか、ひとつお伺いしたいと思う。
○政府委員(松井和治君) 乗務員の宿泊地における休養時間につきましては、これは役所として何時間と決めつけるというのはなかなかむずかしい点もございます。したがって、私どもの勧告の中でも、何時間のという具体的な数値は入れた勧告にはなっておりません。ただ、これは私どもといたしまして宿泊地の睡眠時間というものを考えましたときに、やはり常識的に見ましても睡眠時間が八時間というのが通常ではないだろうかというのが、私どもの基本的な考え方でございます。そういたしますと、その睡眠時間に、晩の睡眠いたしますまでの若干の時間、起床いたしましてからの若干の時間というものが当然加わるわけでございまして、それがホテルにおける滞在時間となり、また、ホテルと空港の間のアクセスの時間が前後にとられるということから、おのずから「宿泊地における休養時間」というものが定められるべきものだというふうに考えております。
○本岡昭次君 睡眠時間は八時間、そしてあとプラスホテル、そしてプラス移動する交通機関の利用時間、それを加えればもうおのずからはっきりしてくる、こういうことですが、通常のパイロットが泊まるホテルと空港との距離、大体推測もできるし、またホテルに着いて睡眠に入るまで、あるいは起床してからホテルを出るまでの滞在時間、こういうようなのも一応運輸省として測定ができる、こう思うのですが、いま少し大体このぐらいは最低必要だと思いますよというようなこと、ここではっきりしていただいてもいいのじゃないですか。
○政府委員(松井和治君) 先ほどの答弁と若干重複する点があろうかと思いますが、私どもは、空港とホテルとの間のアクセスというのはこれは一律に決めがたい点がございますが、ホテルにおけるいわば休養時間、これは睡眠時間を含む時間といたしまして、先ほど申しました睡眠時間八時間に前後一時間ずつ、合計十時間というのが通例ではないかというふうに考えております。
○本岡昭次君 ありがとうございました。 最後に運輸大臣にお伺いします。 先ほど大阪空港の問題も出されたわけですが、大阪国際空港の安全運航の問題について、いままで大阪空港周辺の地域住民あるいは地方自治体の関係者はそれぞれ大変心配をしておりました。まさかのことが、万一のことが起きたら一体どうなるんだという心配ですね、飛行機の墜落事故等の。それが羽田空港における事故に際して、これは現実のものとなる可能性がある、もし大阪空港でこういうことが起こったらどうなるかということで、運輸省に対してもあるいは日航に対しても、関係地方自治体からもあるいはまた地域住民の組織からもそれぞれ要求書なり要望書が届いているはずです、大阪空港の安全対策ということで。 しかし、その中の大事なものは、やはり減便をすることではないかということがその中の中心であるように思います。それからいま一つは、一昨日も公害の問題で運輸省の方と質疑をしましたけれども、九時以降の飛行中止という措置がもし解除されるというふうなことになれば、騒音の問題もさることながら、安全対策の問題も一層危険なものになってくるというふうな認識も非常に強いのです。 したがって、安全対策という立場から、減便という問題に対する地元の要求、あるいはまた九時以降の飛行中止ということを行政的にいまされているこの状況を今後も引き続きひとつ続けてほしいというこうした地元の要請、そうしたものについて、運輸大臣として大阪空港周辺の地域住民なりあるいは地方自治体関係者が将来についてある程度安心できるというふうな御答弁をいただければありがたいと、こう思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は先般の大阪空港騒音の最高裁判決が出たときに原告団の方々とお話をしたときに申したとおりでございまして、九時以降の飛行はやらせませんよということと、それからいまあなたからお話がありましたが、増便をするということは、特に大阪というよりも地方の人々から、他の飛行機に乗る人から大変に強い要求が出ておるのでありますが、現状以上の増便はしないということで進めております。
○本岡昭次君 それでは二番目の道路交通事故の防止の問題に入ります。 昭和五十二年以降、道路交通事故の死傷者数の増減状況をひとつ簡単に御報告願いたいと思います。
○政府委員(久本禮一君) お答え申し上げます。 昭和五十二年以降の交通事故の死傷者の増減状態でございます。五十二年を起点にいたしまして、増減で死傷者別に申し上げます。 昭和五十二年は前年に比べて七百八十九人、八・一%減少いたしております。昭和五十三年、五十四年、いずれも引き続きまして一・八%、三・六%それぞれ前年対比で減少しております。ところが昭和五十五年におきましては二百九十四人、三・五%前年に比べてふえたのでございますが、昭和五十六年におきましては四十一人、〇・五%でございますが、再び減じております。以上が死者の状況でございます。 負傷者につきましては、昭和五十二年を起点にしますと、五十二年は前年に比べて二万七百四十六名、三・四%減少しておるのでございますが、これをボトムにいたしまして五十三年以降は四年連続して増加でございます。その増加の状況は、五十三年が前年に比べて〇・二%増、五十四年は〇・四%増、五十五年は〇・四%同じく増、五十六年は一・四%の増という増減状態になっております。
○本岡昭次君 その死傷者数の中に幼稚園とか保育園の園児、小学校の児童、中学校の生徒の数はどのようになっておりますか。五十二年度以降、ひとつ数字で報告していただきたい。
○政府委員(久本禮一君) ただいまの数字の年齢別のとり方でございますが、中学生以下という形にとれるようになっておりませんので、申しわけございませんが、十五歳以下ということでお答えさせていただきたいと思います。 十五歳以下の子供の割合は、死者におきましては昭和五十二年が一三・八%、昭和五十三年が一三・九%、昭和五十四年が一二・六%、昭和五十五年が一一・二%、昭和五十六年は一〇・三%でございます。これは死者の中における十五歳以下の子供の割合でございます。 負傷者につきましては、昭和五十二年が一七・三%、昭和五十三年が二八・七%、昭和五十四年が二八・五%、昭和五十五年が一六・四%、昭和五十六年が一五・二%といった割合でございます。
○本岡昭次君 その中で通学途上、登校、下校中に交通事故に遭って死傷という状況になったその人数は、どのぐらいになりますか。
○政府委員(久本禮一君) 中学生以下の子供の歩行中の交通事故の死者、重傷者の統計がございますが、その中で通学途上、登下校時において死傷したという者の割合は、昭和五十二年におきましては一一・九%、五十三年が一三・五%、五十四年が一三・九%、五十五年が一五・〇%、五十六年は一五・八%でございます。ただし、昭和五十六年からは軽傷者を含むことにしておりますので、その割合でございます。
○本岡昭次君 いまの報告を聞きますと、全体として道路交通事故による死傷者の数は減少傾向にあるということですが、しかし、最後に御報告願った通学通園途上の交通事故は増加傾向にあるということになります。これはどういうふうにこの状況を見ておられますか。
○政府委員(久本禮一君) 通学途上における死傷者の数の推移につきましては御指摘のとおりでございます。全体の交通安全の趨勢の中で大変遺憾な現象でございますが、これはいろいろな態様がございますので一概に申すことは困難でございますが、先ほども御報告いたしましたように、昭和五十三年以降、交通事故負傷者の数が増加傾向をずっとたどっております。そういった意味で、交通安全の問題につきましては、死者について昭和五十五年に十年ぶりに増加に転じたというようなことを申し上げましたように、やはりだんだんこういった車社会の中でそれを確保することがむずかしくなってきたということの中における現象と並行しているものではなかろうかと考えております。
○本岡昭次君 自治大臣がお越しなんですが、報告によりますと、小学生の通学途上の事故というのが昭和五十二年五百九十四件ですか、それから五十三年六百二十五、五十四年六百七十三、五十五年八百二十二、五十六年はどういうわけか軽傷者も含むということになっておりますから、ここで統計上の比較ができないのですが、五千八十六、恐らくこれは増加していると思うのですが、この通学通園途上の事故が、小学生は確実にこのようにふえていっています。中学生の方も、ふえたり減ったりしながらも五十五年では五十二年が九十一件に対して百四十三件というふうに、幼稚園児も三百八十八から三百三十四になっておる。 こういう状況で、その全体の中に、小学生あるいは幼稚園児、中学生という子供たちの通学通園途上の事故をどのように防止していくかという問題がやはり重点的に行われていない。軽視しているとは言いませんけれども、どこか全体の道路交通安全というのですか、事故を防止するという大きな政策、対策の中からそこが死角になってしまっているのではないか、隠れているのではないかというふうな気がしてならないのです。ひとつ自治大臣、率直なお考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(世耕政隆君) これは交通の量がそれだけ変わってきたし、それに伴って道路とか歩行の領域が非常に狭く狭められてきているということ、いろんな社会的な現象があると思うのですが、従来から、子供さんとか老人等の交通事故防止についてはこれを最重点に置いて対策を進めてきているところですが、この数字で見るとなかなか思ったような効果が上がっていないのでちょっと残念でございますが、こういった子供さんや何かの痛ましい事故を根絶するために、大体三つの方向に分けていろいろ対策を練っているわけでございます。 その一つは通行中の、通学途上の交通規制であります。それから指導取り締まりであります。それから三番目には安全教育の完全な実施、なかなかこれは思うように完全というわけにはいかないのですが、それの実施を強くいままでこの三つを組み合わせて対策を練ってきたわけでございますが、今後とも一層ほかの方法も講じて強力に進めていかねばならないと存じております。
○本岡昭次君 もう一度資料から見た実態をここで確認しておきますが、死傷者の中に占める十五歳以下の者の割合というのは、死者も負傷者も確実に減少しています。ずっと減少しています。これは全体としては道路交通安全に対する施策というものが数字から見ればうまくいっているというふうに言える。しかし今度は通学通園途上になると、それは逆転するということですね。だから通学通園途上の園児、児童生徒の安全を具体的にどう確保するかという問題をこの統計はもっと重視をしなければいかぬということを示唆している、こう見なければならないんです。 それはいま言われましたように、交通規制の問題とかいろいろおっしゃいましたけれども、もちろん通学途上には車を乗り入れてはならぬとかいういろいろな規制で児童生徒が守られています。それは私もよく知っていますが、しかし、道路の構造上の基本的な欠陥として、依然として歩道のない道路に子供が車と一緒になって通っているという状態、あるいはまた通学の専用路というものの設置が依然として少ないということ、あるいはまた立体交差というふうなものがなかなか進まないで、そこから派生的に起こってくる事故、あるいはまたバイパス建設というものがおくれて、先ほど言ったように増大する交通量の中に子供たちがもまれて、そこから事故が起こる、こういうことになっていると思うんです。したがって、もっと重点的に子供たちの登校、下校という状況を一〇〇%守ってやるんだという緻密な計画を立てて、子供がそんな歩道のないような道路、自動車や自転車が一緒になって走っているようなところを通わなければならぬという状態は一切とめるというふうなこと、あるいはまた歩道は完全に整備するとかいうふうな措置をもっと緻密に具体的にとっていただきたい、こう思うのですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のとおりだと思います。そこで、これからできるだけ可能な、できるだけ多くそういった行き帰りの通学途上の道路とか、それから歩道とか、あるいはこれがどういうふうな、詳しくは私もよくわからないのですが、とにかく安全に子供さん、老人なんかが通れる場所をもっと幅広く確保していくことも大きな一つの今後の安全対策の要因だと思います。 詳しくは、局長の方が詳しいのでお答えいたします。
○政府委員(久本禮一君) 先生のお尋ねの御参考に若干の数字を申し上げてみたいと思います。 これは直接歩道のあるなしによる事故可能性の云々ということではございません。そういう数字は非常に出しにくいので申しわけございませんが、これは私どもの資料ではございませんが、歩道の整備率は昭和五十年から五十五年にかけまして、五十年が三・一六%、五十五年が五・二一%というふうに上げられたというふうに承知をしております。そういった道路の中で、そもそも交通事故の中で歩行者、人と車とのぶつかり合った事故、これは横断の事故を除きまして、同じ方向で車とぶつかったいわゆる対面、背面事故というふうに言っているわけでございますが、この事故の趨勢を見ておりますと、五十年が一万三千四百八件であったものが五十五年には一万四百二十八件に下がっております。これはやはり歩道整備の進捗と並行してこういった形の事故が減少してきたということを示す一つの数字であろうというふうに思うわけでございまして、こういった施設の整備は、これは疑うまでもなく、御指摘のとおり基本的な歩行者の安全を守る施策であるというふうに考えておるわけでございます。 こういった点につきましては、特に一線の交通警察もいろいろ地方におきまして関係機関と御相談をしながら進めるように努力をしているわけでございますが、私どもといたしましてもそれに先行して、あるいはいろいろ関係機関と協議をしながら、交通規制で同じような効果のあるような措置を進めていくということは子供の登下校の安全を守る基本的な施策であると考えております。この点につきましては現実にかなりの進捗を見ていると思っておりますが、いま御指摘のようなこういう登下校の数字の趨勢を見ておりますと、さらにこの点について腹を引き締めて強力に進めていかなければならないというふうに考えております。
○本岡昭次君 いまの御答弁を信頼して質問を終わりたいと思うのですが、自治大臣、地方自治体の設置する学校に通う子供たちですから、一体だれが責任を持つのか、いやそれは文部大臣か、いや自治大臣か、いやそれは道路は建設だ、いや走っている車は運輸省だといった責任のなすり合いではどうにもならないので、通学あるいは通園途上の事故で子供が死んだり、あるいは大けがをしたりすることが増加していくというふうなことは、これは絶対容認できないことだと思いますので、万全の措置をきめ細かくとって、くどいようですが、個々の事故も一緒に減少するような配慮を政策的にとっていただきたい、このように思います。そういう意味で、バイパス建設とかいったようなものの促進方もひとつ強力に要請をしておきます。 次は、児童公園の整備の問題について若干お伺いをいたします。 質問の通告ではいろいろ細かい答えをいただこうと思っていたのですが、時間がありませんので、また後ほど第三次都市公園整備五カ年計画なり、あるいはその第二年次あるいは初年度の事業の執行状況等々については、申しわけありませんが、また資料としていただければありがたいと思いまして、問題の結論の部分だけ質問をさせていただきたいと思います。 と申しますのは、私は昨年の当委員会で児童公園の整備の問題を当時の中山総務長官なりあるいは斉藤建設大臣と長時間にわたって論議をして、ある一つの結論というのですか、確認をしたような事柄がありましたので、それがどのように実行されていったか、大臣の答弁がその場限りではなかった、やはり大臣の答弁というのは責任を持ってやっているんだという裏づけになるような御答弁をぜひいただきたいと思うのです。 まず第一点の、当時の中山総務長官が、議事録にもはっきり載っておりますけれども、児童公園を設置する重点的な考え方について次のように答弁をされました。というのは、児童公園の設置状況、児童公園だけじゃなくてこれはレクリエーションセンターとかスポーツセンターとか、要するに児童の遊び場というのですか、児童生徒の遊び場、そういう場所の設置状況と青少年の犯罪非行の発生状況が大変関連している、これは相関関係を持っているように思うということを具体的に各県名も挙げられて答弁をされまして、そこで五十六年度から五十七年度については建設省、文部省、自治省とそれぞれ相談をして、青少年の非行とかあるいは犯罪、そうしたものをなくしていくということと交通安全という問題が総合的に対応できるように、非行あるいは青少年犯罪が多発している場所にできるだけ多くそうした児童公園を設置するよう努力したい、このように述べられたわけです。 そこで、中山総務長官のお考えがその後どのように建設省、文部省、自治省と相談して具体的に実行に移されようとしているのかという問題についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(田邉國男君) 青少年の非行防止また健全育成の観点から、総理府におきましては、ただいま御指摘がございましたように関係各省庁と連絡をとりまして、青少年の健全育成施設の整備充実に実は努力をしてまいりました。したがって、子供の遊び場としての児童公園、また体育施設の整備、それらの配置につきましても関係省庁と十分協議の上努力をしてまいったわけであります。したがって、昭和五十六年度におきましては児童公園は約九百カ所、体育施設は約三百カ所の新設を行いました。したがって、五十七年度は都市公園の整備五カ年計画の第二年度に当たりますので、事業費を約百三十六億円、したがいまして児童公園は八百三十七カ所を実は予定をしておるわけでございます。この関係の施設の整備につきましては、さらに関係省庁と十分連絡協議をいたしまして重点的な配置をしてまいりたい、こう考えておる次第であります。
○本岡昭次君 いや、してまいりたいじゃなくて、去年三月に中山総務長官がそういうふうにすることが大切であるというふうにここで答弁されたのですから、どういうふうに建設省、自治省、文部省と協議をして青少年の非行なり犯罪が多発する地点を重点的にまず立てていこうという事柄がいま実行されようとしているのか、どういう協議ができたかということを報告してもらいたいのです。
○政府委員(浦山太郎君) 私どもといたしましては、従来から関係の各省とただいま御質問の御趣旨にございましたようなそういった趣旨等も踏まえまして協議をしておるところでございますけれども、具体的には私どもが主宰をいたします青少年対策関係省庁連絡会議、あるいは体力づくりの関係の省庁会議というのがございまして、こういったところで私ども申し上げたような趣旨のことを御説明し、非行防止の観点からの協力を求めてまいってきておるということでございまして、建設省の方からもお話があると思いますけれども、そういった趣旨に応じまして御努力をいただいている、こういう内容でございます。
○本岡昭次君 御努力いただいておりますと言って、私が言ったでしょう、大臣の答弁というのはどれだけ責任を持って答えていられるか。私はこれは二年目ですからね。毎年、去年尋ねたことはその翌年ずっと聞いていこうと思うんですよ。大臣答弁というのはその場逃れの答弁でない、やはりここで答弁されることは責任を持ってそれが具体化されていくんだと、その過程はどうであれね。そうでなければ、その場の言い逃れということになりますからね。だから、一年前にそういう協議をしてとおっしゃったのなら、どういう協議をして、何カ所かつくられたのだから、そのうちの何カ所でもそうしたことを配慮してつくりました、あるいはまた五十六年度はそこまでいきませんでしたけれども、五十七年度はこういうふうにしようと思っていますとかいう何かがなければ、大臣の言い逃れじゃないですか。無責任な答弁、そんなものをずっと私ら大臣に聞かされているのなら、何ぼこんなところで議論したって意味がないということになるでしょう。そんな答弁じゃだめですよ。大臣がかわったら全部変わるのですか。
○説明員(塩島大君) 建設省といたしましては、先ほど総理府の方から御答弁がありましたように、青少年対策関係省庁連絡会議、これは建設省も当然メンバーでございますが、それから体力づくり関係省庁会議、こういったような場で議論あるいは情報等をいただきまして、それを踏まえた上で地方公共団体に行政指導しつつ児童公園の整備に取り組んでいるところでございます。
○本岡昭次君 そこに自治大臣おられますけれども、こういう御相談を自治省としてお受けになっているのですか。
○国務大臣(世耕政隆君) いろいろな折に触れて御相談を受けていると思います。
○政府委員(浦山太郎君) ただいま申し上げました青少年対策関係省庁会議、それから体力づくり関係省庁会議、いずれも自治省もメンバーになっておりまして、私どもの方からお話を申し上げておる、こういうことでございます。
○本岡昭次君 そんな抽象的な話を聞いているのじゃないんですよ。だからやってないということですよね。大臣の答弁というのはそんな軽いものですか。 私は非常に長い間議論して、やっぱり議論した結論を得たいと思いますよね。青少年の非行の問題とか犯罪の問題というのは、いまこれは社会的問題になっておるんでしょう。それをどう解決するかということに全省庁が力を挙げている、非常にいいことだと。公園一つつくるにしてもそういうことに配慮してつくっていこうということ、これほどいいことはないじゃないですか。私はいつも議論したらけんかばかりしておるんですがね、たまに一致していいことがあったなと思っても、つくってもらえないのじゃ何にもならない。まああなたは大臣じゃないからどうにも仕方がないけれどもね。ひとつ次の委員会のときに、もう少し責任を持ってこの大臣の答弁を裏づける具体的な答えをしてください。一年間これをどういうふうにしたのか。しなかったらしなかったでいいじゃないですか。そういう抽象的な答弁じゃなくて、こういうふうに言ったけれども各省庁の協議はしなかったとか、したのなら、どういうものをしてどうしたかという問題を次のときまで保留しておきます。 それから同じく児童公園づくりについて、当時の斉藤建設大臣との話し合いの中で私は、児童公園をつくる、結構ですと。しかし単に〇・二五ヘクタールの空間を一万人の人口のところに四カ所つくるというふうな、そういう形式的なことではだめでしょうということを申し上げた。というのは、その公園自身が子供たちにとって非常に自由な空間として存在をしていなければならないだろう、それから子供たちがそこで創造的な遊びができるような状況がなければならないだろう、それから自然と触れ合うような条件がなければならぬだろう、この三つを具備していなければ、幾らそこに〇・二五ヘクタールの児童公園をつくっても、それは無意味になる。子供は遊びに来ないしね。だからつくるにしても、そういうものを一つの条件としてひとつ設定してもらいたい、なお遊ぶ主体は子供なんですから、やはり公園をつくるについて子供たちの意見を十分聞いて、そして子供たちの考えを取り入れてその児童公園なるものを設置をしていってもらいたいというふうに私は要望しました。 大臣は、児童公園づくりについて、おっしゃるようにそうした要件を具備することも大事ですし、画一的なものを機械的につくっては何にもならないから、それぞれの地域に住んでいる子供たちの意見も大切にして、その考えも聞きながら具体的に公園をつくっていくということをこれから検討していきましょう、こういうふうにおっしゃったわけですが、昨年つくられた公園の中で、私が言ったようなこと、あるいはまた大臣が子供たちの意見を聞いて児童公園をつくるということは大事なことだとおっしゃったが、そうしたことがどこの地域で取り入れられてその児童公園がつくられるようになったかという点について、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○説明員(塩島大君) 先生御指摘の児童公園の整備につきましては、市町村が中心にやっているわけでございますが、具体的な例をということでございますので、たとえば東京都の多摩市では市内の小中学生から、「私の考える公園のアイデア」、これは絵と作文でございますが、こういったものを募集しまして、公園の設計にそれを反映させていただいたということでございます。 それからなお、昨年先生の御指摘をいただきまして、私どもといたしましては、全国的な視点から利用実態調査を五十七年度実施する予定でございまして、この利用実態調査によりまして、児童の利用の状況を踏まえた上で児童公園の整備に努力してまいりたいというように考えておるところでございます。
○本岡昭次君 地方自治体が公園を設置するということですから、そこでその設置するに当たっていろいろな方法があるでしょうが、そこで遊ぶ子供たちがどういう公園をつくってほしいかということについての意見を聞く場をどう持てとか、具体的なそういう措置について建設省が文章化するとか指示するとかいったようなことはあったのかなかったのか、それはどうですか。
○説明員(塩島大君) 先ほど先生の御質問のようなことにつきましては、都市計画の主管課長会議とかそういう場で、あるいは個々の設計指導とかそういった場で指導をしていっているところでございます。
○本岡昭次君 それでは、そうした児童公園を全国的にたくさんつくっているのですから、どういうふうにその指導が組み入れられて、児童公園の設置者が子供たちの意見を取り入れてどのような公園ができたかという報告を求めて、全体として公園づくりがやっぱり子供たちを中心につくられていっているというふうなことを、具体的にひとつ数字でもって、また具体的な内容でもって私は伺いたいと思いますので、ぜひその調査、各自治体にその報告を求めるということをやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(塩島大君) 調査いたしまして御報告いたします。
○委員長(坂倉藤吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 午前中質問しました児童生徒の通学路の安全確保について、質問を一つ午後に回しましたので、それをまず初めに簡単にお答えいただいて、日航の関係者の皆さんがお忙しい中、来ていただいておりますので、その後の質問に入ります。 そこで、時間をかけて私が児童生徒の通学路の安全確保の問題についていろいろ指摘をし、その具体的解決の一つとして、バイパスの設置や立体交差あるいはまた高速道路の延長というふうなものについてそれぞれの地域住民からの要望をたくさん私も受けているわけで、そうしたものを全部ここで申し上げるわけにはまいりませんが、昨年この委員会で質問をいたしまして答弁をいただいているもの等が、その後どういうふうに進捗しているかという点に限って御答弁をいただきたいと思います。 昨年、阪神高速の大阪−池田線の延長事業、あるいは阪急宝塚線の川西能勢口駅周辺の立体交差についてお伺いしましたが、その後どういう状況になっているかということと、いま一つ、国道二百五十号相生バイパスの問題も児童生徒の通学路の安全確保に非常に重要な意味を持っておりますので、これがどういうふうになっているか、この三点について簡単に御報告していただきたいと思います。
○政府委員(渡辺修自君) 阪神高速の池田線と相生幹線について先にお答えを申し上げたいと存じます。 池田線の延伸でございますが、御承知のように猪名川上流域の大変な宅地開発という重要な意味合いを持っておるわけでございまして、その後の状況でございますが、五十六年二月に大阪府の部分の都市計画決定がなされました。また、五十六年三月に兵庫県部分につきましての都市計画決定がなされております。これを受けまして、建設大臣から阪神高速道路公団に対しまして昭和五十七年の一月、今年の一月でございますが、基本計画の指示をいたしました。また、三月に公団は工事実施計画書について建設大臣の認可を得たわけでございまして、事業開始ということに相なったわけでございます。すでに地元の市会の全員協議会とかいろいろなところで御説明をいたしておりますが、なお今後は地元の説明会等を開催いたすべく準備を進めております。先生御高承のように、非常に人家が連檐いたしております区間でございますので、用地買収等につきまして地元の御協力をぜひいただきたいというふうに考えております。ただいま認可しております内容といたしましては、五十六年ないし六十二年度という一応の工事計画にいたしております。 次に、国道二百五十号の相生バイパスの関係でございますが、これも二百五十号線が相生市の中を直角曲がりが三カ所もありまして大変混雑しておる区間でございまして、こういうものをバイパスとすることは、午前中御指摘がありましたような交通安全の見地からも大変重要なことと思っております。五十七年度は、姫路側の方から工事が始まっておりますが、那波大橋下部工を完了させる、同時に上部工の製作、それから改良工事の一部を実施しておるわけでございまして、今後とも事業の進捗を図ってまいりたいというふうに考えております。
○説明員(松下勝二君) 阪急電鉄の川西能勢口の連続立体交差事業についてお答え申し上げます。 川西市の阪急宝塚線及び能勢電鉄の妙見線の川西能勢口駅周辺の連続立体交差事業につきましては、昭和五十四年度より能勢口駅を中心として約一・九キロメートルの区間につきまして実施いたしております。当該区間におきます七カ所の踏み切りの一括除却によりまして、交通安全と交通渋滞の解消及び駅周辺の市街地の一体的発展を図ることを目的といたしておるものでございます。 事業着手以来、昭和五十六年度末の累計の事業費は約十二億円に上っておりまして、進捗率は全体で約六%、用地取得については約一二%となってございます。本事業につきましては、今後とも鋭意用地の取得を進めて事業の進捗を図るように努めてまいりたいと、このように考えております。
○本岡昭次君 いずれも児童生徒の通学路の安全確保あるいは道路交通の安全について重要な事業ですので進捗していただくことを要望し、また、そのほか計画に乗っているものの早期完成をここで強く要望しておきたいと思います。 それでは日航事故の問題について質問をいたします。 日航社長もお見えになっていただいておると思いますので、まず初めに二月九日の羽田空港における事故について、もう二カ月もたっているわけでございますけれども、当委員会として初めての航空交通安全についての審議でございますから、社長としてこの日航事故の問題についてどのような責任を感じ、今後どういうふうにこの事故を教訓として対応されようとしているか、ひとつお話をいただきたいと思います。
○参考人(高木養根君) 日本航空の社長の高木でございます。 ただいま本岡先生から御指摘をいただきましたように、去る二月九日に羽田沖におきまして二十四名様のかけがえのない貴重なお命を亡くし、また大ぜいの方々が重軽傷をお負いになるというような大変な事故を起こしまして、私ども本当にその責任の重大なことを痛感しておる次第でございまして、私どもとしては、何としても二度とこういうような事故を起こさないための体質の改善ということに全力を挙げて努力いたしますとともに、この事故においてお亡くなりになりました方々の御遺族に対しまして、また、重軽傷をお負いになりましたお客様の多くの方に対しまして誠意を尽くして事故後の処理をやってまいりたい、これこそが私どもの責任を果たす道であるというふうに考えておりまして、全力をもってこうした事柄と取り組んでまいりたい、このように存じております。
○本岡昭次君 いまの御答弁の中に、社長みずからが事故を起こさない体質というものをつくり上げていかなければならぬ、こういうふうにおっしゃっているわけで、日航にも事故を当然引き起こすべき体質あるいは内部の体制というものがあったということを反省してのお言葉だと私は思うのですが、社長として、端的に言って、それではどういうことがこの事故を引き起こすということにつながる日航の持っていた体質というのですか、体制であったと、こう思いますか。
○参考人(高木養根君) これは一口をもってはなかなか申し上げかねるわけでございますけれども、やはり何といいましてもお互いの間の、御承知のようにこの航空の仕事と申しますのは非常に多くの組織と非常に多くの職種、そういうものが本当に力を一つにしましてやってまいりませんと、なかなか完全な航空輸送サービスというものが生産できません。そこでやはり人と人とのつながり、コミュニケーションというものが非常に大事な要素だというふうに考えるわけでございまして、あらゆる面でそういう点についてさらに十全のコミュニケーションが行われるように進めていきたい。こういう点において残念ながら欠けるところがあったというふうに存じております。
○本岡昭次君 私も専門的な問題についてはよくわかりませんが、いま社長もおっしゃったように、日航全体が力を一つにしてやっていくということ、あるいはまた人と人とのつながり、つまり、しょせんは人間がこれは操縦をするものであり、また乗っている人も人間なわけで、人間をいかに大切にするかという、そうした人間の尊厳というものを絶えず日航の仕事の最重点的な問題に置いて考えていくということが欠けていたところにつけ込まれた事故であるというふうに私は見ているのです。私も素人ですから、国民の多くも事故調査委員会の結論を待つまでもなく私と同じような認識、考えを持っていると思います。 そういう意味で、日航が今後体質を改善されるとおっしゃるならば、どうか人間というものを大切にするということを、日航の仕事の中のどんな部面においてもそれを大切に置いて、人間の尊厳ということが、いかに機械が発達しようと、あるいは飛行機がコンピューターによって動かされるという分野がいかに多くなったといえども、最後は人間というものがどう機能し、どう動くかということに最後の帰結するポイントがあるんだというそういう点、専門家の社長にこんなことを素人の私が申し上げるのはまさに釈迦に説法だろうと思うのですが、しかし、専門家がともすれば陥りがちなのは、こうしただれもが考えるごく常識的な普通なところが専門家であるがゆえに忘れてしまって、そこに大きなこうした事故の発端が導かれる、私はこのように思いますので、十分そうしたところをひとつこれからもかみしめて、事故が二度と起こらないようにやっていただきたいということを強く要望しておきます。 そこで、運輸省の方が日航に対して改善勧告をいたしました。二月たっていま資料として配られておりますが、改善策ができたわけですが、二カ月間かかって日航が勧告に対する回答をつくられたわけで、これを運輸省に提出するについての日航のいまの気持ち、またこの作業を進めるについての基本的な姿勢、それを伺って、その上で私もこれをじっくり検討させていただきたいと思うのですが、そういう点についてひとつお伺いします。
○参考人(高木養根君) お答えいたします。 ただいま本岡先生御指摘の、きょう実は運輸大臣に私からこのようにお答え申し上げますということで御提出申し上げたわけでございますけれども、この内容は、事故後運輸省が当社に立入検査に入られまして、その結果に基づいて安全運航に関連しての業務の改善勧告というものをいただきました、その勧告に対する具体策でございます。そういう意味で、私どもとしては、さらにもっと広くいろいろな角度から、いろいろな視点から改善すべきものを改善するという努力を傾けてまいるわけでございますが、特に、本日お手元にございますこの文書は、ただいま申し上げましたような趣旨でつくりましたものでございますので、この中には非常に具体的な特定の問題からかなり広い問題いろいろとございますが、これのみということでなしに、これを含めまして早急に具体的措置をとり、そうして全力を挙げまして、とにかく二度とこういう事故を起こさないように取り組んでまいりたい、こういう覚悟でございます。
○本岡昭次君 この全般について触れる時間もありませんし、まだ私も十分見ておりませんので、午前中運輸省と質疑を交わしました内容について関連して日航にお尋ねをいたします。 この改善策の六ページのところに「運航乗務員の国内線宿泊地における休養時間につきましては、ご指摘の趣旨をふまえできる限り早急に労使間協定の改訂を行い規定化し、確実な実施をはかってまいる所存であります。なお、当面は国内線宿泊地における休養時間が不足することのないようスケジュールの作成及び運用に充分配慮いたします。」このように書いてあります。 このことについて午前中、勧告をした側の運輸省としてはどう考えているんだということを尋ねますと、睡眠時間は最低八時間なければならぬだろう、それからホテルに着いて睡眠に入るまでと起床してからホテルを出るまでの時間は最低それぞれ前後一時間なければならないだろう、それから空港よりホテルまで、またホテルから空港までの交通機関を利用するに要する時間が加味される、これが最低だというふうなことがありました。これはだれが考えてもそうだろうなと思うようなごく常識的な一つのものであって、あくまでこれはだれもが考える最低であろうと思うんですが、しかし日航の方は、事故が起こった後もそうした最低与えるべき休養時間、それが労使協定そのものもいろいろな解釈はあるにしても、結果としてはそれが守られずに、十二時間を割る、あるいはまた十時間を割るような休養時間で飛行機を運航していたということが内部から指摘をされ、私もいまここに資料を持っておりますが、この問題は、このように指摘をされてこれから検討するということじゃなくて、現にある労使協定を守れば済むことではないかと私は思いますが、また労使協定を守るということは、言ってみればこれは人間を大切にしていくということについての大事な筋道であろうと、このように思います。その点はいかがですか。
○参考人(野田親則君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。 会社には、一番もとになる規則として運航規程というのがありまして、それに一番もとになることが決めてあります。さらにそれに加えまして、ただいま先生御指摘のように、乗員組合との間には、会社と組合との間に協定というのがありまして、それは運航規程が定める枠の範囲の中でもう少し安全側に決まっているというのを協定されているというのが通常でございます。 ところで、このいまの点に関しましては、当社の現状は、任意の時刻からとった二十四時間という時間をとりまして、その間で勤務時間が不当に長くならないように、それから休養時間が十分あるように、あるいは飛行回数がやたらに多くならないようにと、そういう三点から制限を課して決めてある、そういうのが実情でございます。 そこで、当社の場合国際線と国内線と両方あるものですから、その連続する二十四時間の中で適当なる時間配分をするということで国内線も国際線も一様に律しておりますが、私どもの承知しております範囲では、たとえば他の国内線の会社ではそうでなくて、もとの規則は二十四時間でございますけれども、具体的な組合との協定に関しては、ある休養時間から次の休養時間まで、いわゆる暦日の中で勤務と休養とを適正に配分するという形で協定が行われております。 そこで、ただいま日本航空でやっておりまして、ある便に関しては宿泊地で時間が足りないではないかという御指摘でございましたけれども、これは現行の運航規程もしくは組合との協定に完全に合致してやっておるわけでございまして、しかしながら宿泊する時間が短いのではないかという御指摘をいただいているのであります。そこで、この問題は協定でございますので組合との合意が必要でございますから、目下の会社の考えとしましては、国内線に関しては任意の連続する二十四時間ではなくて、暦日の中で休養時間とか勤務とかを取り決めるという方法で合意を新たにしたいという希望を持っております。しかし、これは相手がございますものですから、そのように協定が変わるためには時間を要するわけでありまして、そうなるまでの間、実は本日から以後は宿泊地におけるホテルでの時間が十時間を割らないような乗務割りを実行に移しております。事故後昨日までは、お説のように十時間を割るケースというのはございました。ただし、それは全体の便の中でそう多くはございません。それから特定の個人に集中するわけでもございません。ということで、そういう点ではおしかりを受けるかもしれませんが、本日以後は組合との協定が成り立つまでの間、ホテルにおける時間が十時間を割らないように配分をするということで実行してまいります。 なお、休養時間と申しますのは、会社によって定義がまちまちでございまして、当社の場合はホテルに着いてからホテルを出るまでというのを休養時間として定義しておりますが、会社によってはそうでない、移動の交通時間を休養時間に入れておるところもあり、さまざまでございます。そのようなわけで、わが社の定義によるホテルでの時間、自由時間というのは十分な時間であるというふうに考えて、これを最低限とするような当面の運用をやってまいります。 以上です。
○本岡昭次君 改善されることは非常に結構なんですが、改善できるということは、日航がその気であれば初めからできておったのじゃないかというふうに私は思います。労働組合との協定とは合致していたんだということですが、しかし運用上の問題として、労働組合は必ずしもあなたのおっしゃるように納得していたものではなく、絶えずそれは組合側としては不満が渦巻いていた問題であったというふうに私は聞いておりますが、私は第三者でございますから、そこの是非をここで追及する気はありません。ただ、そのように問題が起こったら改善をするという、その事柄はやはり問題があると思います。ここで責任を追及したからといって亡くなった方がいま生き返られるわけでもありませんけれども、しかし、今回の事故は、これは片桐機長の操縦のやり方がどうのこうの、また精神的にどうのこうのと機長の責任じゃなくて、やはり会社がパイロットをどのように処遇をしてきたか、あるいはまたパイロットの人間としての心身とも健全なる状態を保持するためにどういう努力がなされたかということが私は問題だ、こう見ております。だから改善されることは好ましいことですし、一日も早くやってもらいたいが、できるものをしなかったという責任は私は免れない、このように思いますので、その点は強く厳しく申し上げておきたいと、このように思います。 そこで、この六ページのところに「早急に労使間協定の改訂を行い」というふうに書いてありますので、文字どおりこの労使間協定の改訂をやってもらわなければならぬわけですが、そこで運輸省にお伺いしますが、航空法第六十八条というのがあって、その中に乗務割りの基準に従って航空業務に従事せよというふうに定めてあります。この内容がどの範囲までわたるのかということについて必ずしも私は明確な答えを持っていませんが、少なくとも、いま私と日航との間で論議しているこの航空乗務員の健康管理の問題として非常に大事な休養時間の基準を、運輸省として航空安全のためにあるいはまた航空乗務員の適正確保のために最低どこまでという一定の基準を置いて、これ以下は絶対に認めないというふうなものを持っておくべきでないかというふうに考えるのですが、その点についてはいかがですか。
○説明員(長澤修君) お答え申し上げます。 航空法第六十八条に基づきまして、航空法の施行規則の百五十七条の三に「乗務割の基準」を決めてございますが、その考え方といたしましては、これは国際的な通念によるものでございます。航空法上いろいろな安全上の規定がございますが、こういうものは主として国際民間航空条約の附属書で技術的に決められているものに準拠しておるものが大部分でございまして、わが国におきましても連続する二十四時間、それから一暦月、三暦月及び一暦年、これらの期間の乗務時間を制限することによって一過性及び累積性の、つまり勤務が連続して起こるために累積して起こってくる、そういう疲労を防止するということを目的としておるものでございます。 この二十四時間のとり方につきましては、深夜便あるいは国際線のように時差があるところを運航する場合があるというようなこと、これらを考慮いたしますと、暦日単位だけで規制するのは適当でないという面もございまして、連続する二十四時間というものを単位として乗務時間を制限するというのが国際的な通念でありますし、わが国もこの同じ考え方によっておるわけでございます。 現在、日本航空では、国内線では連続する二十四時間のうちの乗務時間の制限を八時間ということにいたしておりますが、今回の事故の事例では、先ほどから御指摘ございますけれども、宿泊地における休養時間において実際上必ずしも十分ではなかったというふうに考えられる事例でございますので、日本航空に対して宿泊地における十分な休養時間の確保について勧告を行ったという次第でございます。
○本岡昭次君 事故が起こって、調べてみたら十分でなかった、だから勧告したというのも、私は運輸省の航空局として、指導官庁として手落ちだというふうに思うんですよ。午前中に私がいろいろ質問しましたけれども、どうもやはり航空行政というものに対して非常に大きな不安を持ちます。局長の答弁を聞いて、私は食事をしておってだんだん後で腹が立ったのですが、どうもこれで任しておけるのかなという気になるんです。そしてこの勧告をして、日航が返事を出して、さあ、あと日航やりなさいよということでは私はだめだと思うんです。やはり責任はあくまでも運輸省だ、運輸省の航空局だという立場が貫いていなければだめだ。 そして、いまの休養時間の問題にしてもそうです。それは日航が内部で規程を改正され、労働組合との間で交渉して協定を結ばれる、それは民間の会社として当然すべきことなんですが、その後勧告をされた運輸省が、それでは勧告したことがどれほど誠実に実施されているか、それが日航の内部で体制としてとれているかということを十分今後指導していく、それでまた具体的な内容について報告を求めて、勧告どおりにいっているのかということについて事後それにかかわっていくという姿勢がなければならないというふうに思います。 また、もう一点は、運輸省自身がしなければならないことをどれだけやるかということがまず先行すべきであろうと思います。日航にこれだけのことをやれと言うのじゃなくて、運輸省みずからがやらなければならないことをまず率先してやっていくということですね。それは私が先ほど言いました昭和四十四年のあの十三年前の答申、これをいまに生かして、あそこに書いてあることを一〇〇%実現せよ、国が責任を持ってその適性、安全確保の問題について対応せよと、それを抜きにして日航に勧告して、答弁を求めて、日航日航と言うそういう態度を絶対とってはならぬということを私は強く考えているわけなんですが、この報告が出た段階において、運輸省の態度と考え方というものについて再度、完全に事故を防止するという立場から局長並びに大臣の答弁を得たいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 日本航空からきわめて誠実な回答とこれからの行動目標が示されたわけでありますけれども、われわれもただこれを机上で見るだけではもちろんございません。今後できるだけ定期的に、問題がどこまで実際になされておるのか、そしてその効果がどれほどあるかということにつきましては、常時日本航空と接触を保ち、われわれも行動して安全の確保に努力をしてまいりたいと思っております。
○政府委員(松井和治君) ただいま御叱正を賜りまして、まことに恐縮しております。私ども従前から、航空運送事業に対しまして毎年少なくとも一回の安全性の確認のための監査をいたしておりまして、その際、常に細かい点まで気を配っておったつもりでございますけれども、先生御指摘のような具体的な事例についての目の行き届かない点があった点について深く反省をいたしております。今後、日航に任せっ放しというようなことのないよう、今回の勧告をいたしました事項の実行を含めまして、広い意味の安全性にかかわりますすべての問題について十分指導監督をしてまいりたいと思いますと同時に、航空の安全にかかわります問題として、運輸省みずからが設置し、運用しております航空保安施設につきましてさらに整備に努めまして、あるいは性能の改善に努めまして万全を期してまいるつもりでございます。
○本岡昭次君 午前中から論議しました航空局に航空医学あるいは航空心理学の専門家を設置することというようなこと、防衛庁のお医者さんに頼っているということじゃなくて、独立したものを持つということや、国が検査機関を持つという問題についても、まず運輸省がそれを実行して、日航に対して範をたれるということをやってもらいたいということをまず要望して、最後に日航について一言だけお伺いして終わります。 実は、副操縦士の問題なんですが、これも私が非常に奇異に感じたことは、副操縦士の訓練のために、通常運航している飛行機の中で操縦士が、たとえばこの間のように何か非常に急旋回をするとか、故意に訓練のために通常でないいろいろな操作をやって、そしてその異常な操作を副操縦士に是正させるというふうなことが通常の運航の中で行われているということを聞いて、大変驚いたのです。そんなことをやっておられては普通の乗客は安心して乗れないわけで、訓練は当然必要だと思うけれども、通常お客さんを乗せて飛んでいる飛行機の中で副操縦士のその種の訓練を行うというふうなことは、絶対にこれはもうやめてもらいたい。今回ももしそういうことがなければ、機長の心身の異常から起こったものか、自分の訓練のためにやっておるものかというのは副操縦士には全く判断がつかぬわけで、絶えずああまた訓練か、また訓練かと対応しておったのではこれはどうにもならぬわけです。私は何という恐ろしいことをさせているのかなと思って、本当に驚いたのですがね。こんなことはすぐやめよと言ったらとまることですよね。あるいはこれは操縦士が勝手にやっているのかどうかわかりませんが、これだけはもう絶対にやめてもらいたい、このことを要望して終わりますが、どうですか。
○参考人(野田親則君) 問題の、飛行の途中で機長が副操縦士の訓練の意図を持って何かやったということは、私は私ども会社の者はそういうことがあったと信じておりません。 一般的に副操縦士、わが社の副操縦士は、資格といたしましては上級事業用操縦士という免許を持ち、なおかつそれに加えまして、乗務する飛行機、型の飛行機の、横文字で恐縮ですが、タイプレイティングといいますが、ある型の飛行機を操縦できるという資格をさらに加えて持っておる。そういう基本的な資格を持って副操縦士として訓練をしておるということでございまして、その中で実際問題としては非常に副操縦士になりたての若い人、あるいは副操縦士を長いことやってやがて機長になる人、その間にいろいろな段階があるわけでございまして、一般的にはどういうことをやってよろしいとか、あるいは特殊な場合にはどういうことしかやっちゃいけないとか、具体的な御説明は省略いたしますが、そういう練度、経験、副操縦士としての練度の長い、浅い、深いによっていろいろな段階でやっていいことが決まっておるということでございます。 しかしながら、基本的には副操縦士というものは、その型の飛行機を操縦するという仕事を持って乗っている人でありまして、機長が操縦することもあり、副操縦士が操縦することもあるというのが大原則であります。そして、そういう操縦が任務であるのと同時に、他面から見ると、経験を蓄積して一種の訓練的効果があるということも事実であります。そういうことで、一般的な操縦者はその飛行機の操縦ができるという状態のもとに、機長とともに操縦という任務を分け合い、任務を分担しながら飛んでおる、こういうことでございますので、そのような御理解でいただきたいと思います。 なお、何かの事情があって、非常に特殊な状態に飛行機がなったときには、機長が操縦している間といえども副操縦士がそれを直すような助言とか、あるいは手を出すということも場合によってはございます。そういうことでございまして、この今回の問題の飛行に関して機長が副操縦士の訓練のために何か特殊なことを人為的にやったという点については、私どもは承服しかねる、まだ信じかねる状態でございます。
○本岡昭次君 終わります。
○小平芳平君 私も二月九日の日航機羽田沖事故についてお尋ねをいたします。 いまの本岡理事の質問も私の質問の中にも出てきますが、ダブっては質問いたしませんので、いまのような説明だけでは納得できないものが残るわけです。したがって、逐次質問してまいります。 まず、運輸省の事故調査委員会は、二月十九日に発表されました、これは中間発表ということだそうですが、この中には、二月八日の飛行について「急激な高度の変化」「速度の変化」があったというようなこと、あるいは二月九日の当日の飛行について、飛行場を目前にして「急速な降下をしながらも対気速度が減少するという飛行経過をたどった」というような点、それから最後の部分に、ボイスレコーダーに「Captainやめて下さい。」というようなことが入っているというような点は、印刷して配付されたものを拝見しております。それで、それらの点に間違いがないかどうか、それからあわせてその後に何か判明したことがあるかどうか、お尋ねしたい。
○説明員(中村哲君) 二月十九日に私どもが中間的な調査の結果をまとめまして、小坂運輸大臣の方に御報告申し上げまして公表いたしたことは、まさにただいま先生がおっしゃったとおりでございますが、その後も私ども運輸省航空事故調査委員会といたしましては、多数の関係者の御協力をいただきながら鋭意その原因究明に努めておるところでございます。 現在のところ調査は順調に進展いたしておりまして、気象条件、航空保安施設、進入灯の損壊状況、あるいは機体の損壊状況、脱出救難等に関します事実につきましては、その調査はほぼ終了したと申し上げられるような段階に至っております。エンジンの分解調査につきましては本格化いたしたところでございます。それからボイスレコーダー等の記録につきましては、事故の少し前の段階までのものにつきましてはこれまたほぼ終了段階にある、かような段階でございますが、きょうこの場で具体的にどういうことがわかっているのかということを申し上げられるまでにはまだ至っておりませんので、御容赦いただきたいと存じます。
○小平芳平君 警察庁に伺いますが、警察庁からも前の段階では現時点においての事情聴取はこれこれだというようなことは伺ったことがありますが、特に事情聴取にしても、大変なけがをしておりましたから十分な事情聴取ができないという状態にあったわけですが、その後はけがもおいおい快方に向かいつつあるか、特にこの当時は事情聴取すらむずかしいと言われた機関士の方も快方に向かいつつあるかどうか、事情聴取が進められる状態かどうか、お尋ねします。
○政府委員(中平和水君) 現在までの捜査の状況を申し上げますと、御案内のように、事故発生以来もうすでに二カ月を経過したわけでございますが、この間関係者からの事情の聴取、事故機の検証、鑑定の依頼、こういうものを中心にして調査を進めてまいったところでありますが、関係者の取り調べにつきましては、片桐機長ほか事故機の乗員の取り調べを初め、乗客、目撃者、遺族、それから日航側の関係者約五百名の取り調べを一応終えておる、こういう段階になっております。それからまた、現在病院に入院中の片桐機長、石川副操縦士、小崎機関士等につきましては、健康に配慮しつつ取り調べを進めてまいりましたが、ただいま御指摘のありましたように健康の状況も次第に回復に向かいつつありまして、事故当時の状況についても逐次明らかになりつつある状況であります。また、小崎機関士につきましては、ほとんど記憶喪失に近い状態でありますから、まだ十分に事情を聞ける状況にはないのですが、逐次事情が少しずつ聞けるような段階になりつつある、こういう段階でございます。 それから、いままでの捜査の結果を概括的に申し上げますと、今回の事故の直接の原因は機長の操縦のミスによる疑いがきわめて濃厚であります。したがいまして、刑事責任といたしましては、機長の業務上過失致死傷罪の成否が問題の中心になってまいるわけでございます。そのほか、かねてから申し上げておりますように航空機過失危険罪とかそういうものがございますが、そしてこの種の事故の刑事責任を明らかにする上での科学的な鑑定、これが犯罪立証上きわめて重要な役割りを持つわけでございます。この問題につきましては、ただいまお答えになりましたように、航空事故調査委員会に対しまして、鑑定処分許可証を得まして鑑定の嘱託を依頼をしておるわけでございます。その中でも特にボイスレコーダー、フライトレコーダーの解析の問題、あるいは海中に投棄されておりました第二あるいは第三エンジン等引き揚げた段階でリバースの状態になっていた、これがその原因が一体何であるかということを科学的な検証ではっきりさせたい、あるいは操縦桿の機首下げの操作が具体的に行われたかどうか、こういう問題につきましてなるべく早期に鑑定の結果を出していただけるように依頼中でございまして、これまでの関係者の取り調べとこれらの鑑定の結果等を踏まえまして刑事責任の有無の判断をいたしたい、そのような考え方のもとに捜査を進めてまいっておる、こういう段階に至っております。 また、これまでの取り調べの結果によりますと、機長はかなり以前から心身の不調を訴えておったわけでございます。したがいまして、今回の事故までの間における日本航空側の健康管理あるいは運航管理等の面において過失がなかったかどうか、そういう点についても刑事責任の有無を明らかにすべく捜査を進めておる、こういう状況でございます。 このような次第でありまして、何分にも事件自体が非常に複雑な事件であり、真相の解明には相当に広範な関係者からの事情の聴取、鑑定、それから資料の収集あるいは記録の収集、こういうものを必要とするわけでございまして、結論を出すまでにはかなりの期間を要しますが、私どもの判断といたしましては、警視庁における捜査はおおむね順調に進んでおると、このように理解をいたしております。 なお当然のことではございますが、高速度交通機関のしかも大量の死傷者を出した大きな事件でありますだけに、警察庁といたしましては刑事責任の有無を一日も早く明らかにすることによって、結果としてこの種の事故の再発の防止に寄与してまいりたい、このような捜査方針で臨んでおる次第でございます。
○小平芳平君 よくわかりましたが、時間の関係で内容を確認する時間がないままに次へ進みます。 次に日本航空にお伺いしますが、ただいまの御答弁を聞かれて管理責任を感じますかどうか。
○参考人(高木養根君) 私どもとしては感じます。
○小平芳平君 どのように感じられますか。
○参考人(高木養根君) これは最終的にはやはり事故調査委員会並びに捜査当局、これの結論が出ませんと確定的には申し上げられませんけれども、ただいまのお話を伺っても管理責任は感じるということを申し上げたわけであります。
○小平芳平君 先ほどの本岡理事の指摘された点ですが、そのことも含めてお尋ねしますが、機長と副操縦士はいかにして飛行機を運航するかという共同責任体制にあるのではないかというふうに理解をいたしております。ところが、必ずしもそうでないような状態が報告されているわけです。これは二月二十四日のフジテレビの小川宏ショー、朝の番組ですが、ここではいろいろな内部告発があったということを挙げて語っておられました。その中で、一緒に乗りたくない機長が十三人いるという告発があった、フジテレビで確認した機長だけでも三人は確認できたと、イニシアルまで挙げまして言っているわけですね。それで、そのうちの二人は殴ったりけったり暴力をふるって困るというんですね。それからもう一人は副操縦士の技量をチェックするといって逆噴射をかけるというふうに言っているんですね。こういうような点は会社として確認されましたか、あるいは問題に一切しませんでしたか。
○参考人(野田親則君) ただいま先生が御引用になりましたテレビは、私自身は見ませんので具体的な所感は申しかねますけれども、そこに挙げられましたケースは確かな事実であるかどうか非常に疑わしいというふうに感じております。それから、会社としましてはそれを一々確認をするということは十分しておらないようでございます。
○小平芳平君 そのほかもっといろいろなことを挙げておりましたですが、そういう点は省略いたしまして、この殴るけるという暴力行為、あるいは逆噴射をかける、こういうことはあってはならないこと。私が自分で確認したのじゃないけれども、フジテレビは確認したといって放送していたわけですが、こういう事実がもしあれば、それはあったら大変だというふうには思われませんか。
○参考人(野田親則君) いま御例示になりました殴るけるというのは、私が感想を申し上げるまでもないと思いますので、割愛させていただきます。 それから逆噴射云々は、これは機種によって違うことでございますが、ある機種によっては、そのときの航空交通管制によってそれを使わないとそのとおりに飛べないということがございます。それは目的を持ってちゃんと使うということがあるわけでございまして、その限りにおいては別に問題のあることではない。適切でないときに使うと問題であるということでございますので、逆噴射云々という件は、どのようなときにそれを使ったかということを知りませんと、それが問題のある行為であるかどうかということは判断いたしかねるところでございます。
○小平芳平君 それから事故が起きた場合、大変不幸にして羽田沖事故のような事故が起きた場合に、機長としては何をやるべきだというようなことは決まっているのですか。
○参考人(野田親則君) そういう危急の事態が発生しましたときは、原則はもちろん機長が飛行機全体の指揮官でございますので、救難脱出等のすべての采配を振るというのが事故発生後の任務であります。しかしながら、それは身体的に能力が残っているか否かということとかかわり合いがあるものですから、したがいまして、指揮順序というのが規程上決めてありまして、機長がだめなら副操縦士がそのかわりをする、それがだめならだれというふうに、ずっと場合により指揮をとる順位というのが会社で決めてございます。それに従いまして、実際の局面では多分に応用動作的なことも起こってまいりますけれども、そういうことで行動するわけであります。今回の場合は、正副両操縦士とも脊椎の損傷を受けておるということは事実のようでございまして、そういう意味で完全に行動の自由があったかどうか、その辺は疑わしいのでありまして、そういう点では多分に制約を両名ともこうむって行動をしたというふうにいまのところ思っております。
○小平芳平君 警察庁で事故直後の行動をいろいろお調べになった段階で、乗務員が適切な行動であったかどうか、ここで適切であったかどうかを述べることができますですか。
○政府委員(中平和水君) その問題、航空法の七十四条あるいは七十五条に関連する問題だというふうに考えますが、七十五条には御案内のように罰則もついておるわけでございまして、そういう立場から私どもも事実関係の把握には努めてまいっておる状況でございます。ただいまさらに、日航の方から説明がありましたように、本人はかなり重傷を負っている、こういう状況もございますので、そういう状況の中において七十五条を働かしていくだけの、責任を持てるだけの内容があるかどうか、そういう問題は私どもも慎重に事実関係を把握した上で結論を出してまいりたいと、このような考え方で臨んでおります。
○小平芳平君 事故調査委員会から、最初に私が読み上げたような八日の日の操縦はいかにも非常識であるというふうな、「異常な飛行を行ったことが記録されている。」となっておりますが、その八日の日の異常な飛行は会社へは報告をされたのかどうか。
○参考人(野田親則君) 二月八日の夜の最終便の飛行でそのことが起こりましたが、その最終便の飛行が終わりました後、そして明くる朝の事故になりました便が始まる前、その間の時刻の間には、会社の方はいわゆる異常なる飛行についての報告は受けておりません。
○小平芳平君 その二月八日の異常飛行が的確に把握されていたら、二月九日の事故も起きなかったのじゃないか、未然に防止できたのじゃないかということがきわめて残念である、遺憾であるというふうに受けとられておりますが、いかがですか。
○参考人(野田親則君) 私どももこの事故を後から振り返りますと、いま先生のお述べになりましたと同じ感想を持つわけでございますが、この点は、いわゆる異常なる飛行というものを一番ぴんと感じたであろう機長の隣に座っている副操縦士がどの程度に感じたかという、その感じ方がキーポイントだと考えるわけです。私どもが副操縦士を通じてその点を調べて知り得た範囲においては、もちろん普通とは思わなかったけれども、大変重大なる異常だという程度にまで感じたかどうか、その辺が大変疑わしゅうございます。もし副操縦士が大変異常だと感じておれば必ず報告があってしかるべきだと、こう思うわけでございますが、それがどの程度に感じられたかということを大変知りたいところでございまして、もちろん御当局の調査でもそういうところに触れておられると思いますが、それに多分にかかっておるというふうに考えております。
○小平芳平君 その点は警察庁なり事故調査委員会から何かお答えいただくことはありますか。
○説明員(中村哲君) ただいま先生のおっしゃられました疑問点につきましても、現在私ども調査を進めておるところでございます。
○小平芳平君 そういう点が、機長が管理職ということで、これは衆議院で再三出ておりましたが、十分に意見が言えないということがないかどうか。またそういう点は今回の、きょうのこの業務改善策についてどうとられておりますか。
○参考人(高木養根君) お答えをいたします。 ただいま先生が御指摘のような問題につきましては、私どもは機内における三人の運航乗務員の関係は、これはあくまで機長、それから副操縦士、航空機関士ないしセカンドオフィサー、こういう三人のそれぞれの職務の関係のつながりでございまして、いわゆる機長管理職制度というような処遇の問題とは全く関係がないというふうに考えております。具体的に今回の、ただいま御指摘の八日の福岡への最終便のフライトにおける異常な運航ということにつきましても、機長管理職制度が関係していくとは考えておりません。そういうことで、けさ運輸大臣に提出をいたしました改善策についてもこの問題には触れておりません。
○小平芳平君 触れておらないということはちょっと胴に落ちませんですがね。それきわめて大事なことじゃないですか。副操縦士が、事故調査委員会が異常な飛行であったというふうに言っていることを報告しないし、だれも言わなかったということは、こういう体制はきわめて危険な体制じゃないですか。
○参考人(高木養根君) お答えをいたします。 先ほどちょっと御説明を申し上げたかと思いますけれども、本日運輸大臣に御提出申し上げました改善策は、運輸省から事故後に会社に立入検査がございまして、その検査結果に基づきまして、安全に関連しましての業務の改善勧告というものをいただきました。その改善勧告に対する具体的な対応策ということで本日提出申し上げたわけでございまして、私どもとしては元来そういう関係はないと考えておりますし、それから今回の御勧告の中にもそういう点では触れてなかったわけでございます。
○小平芳平君 大体予定している時間が来ましたが、運輸大臣、いまのような点は安全運航のための一番大事な点じゃないですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私、けさほど来日本航空から提出されました回答書を読んでおりますと、この中に、社長のいまの答弁が舌足らずというのですか、言葉足らずであったと思うのでありますが、「飛行中の異常な操作を速やかに把握し、適切に対処するための報告制度が十分に機能していない。従って現行の報告制度を見直す等により、的確な把握及び処理の体制を整備する必要がある。」という私らの方の勧告に対しまして、日本航空から、お手元にすでに行っていると思いますが、要点を申し上げますると、乗員がいつでも異常操作等について報告し得るよう成田所在の乗員部に二十四時間体制の専用電話を設置し、報告に対しては直ちに責任者が対応することとする。なお、健康管理組織の整備等によって異常乗員の未然防止に努める。また、現行の安全情報収集制度は長期的安全対策のために活用いたします、まとめて申し上げるとこういうような回答をもらっておるのでございまして、ただあの場合の、前夜の飛行に対しての報告というものがなぜなかったのか、その辺についてはわれわれも知りたいところでございます。しかし、いずれにいたしましてもその報告は日航本部としては受けていなかったようでございますので、そのような勧告をいたして、いま読み上げましたような内容で日本航空は改善に努力をする、またそのような制度を今後進めていくという回答を得ているわけでございます。
○小平芳平君 四項ですね、いまの四項の専用電話を設置するということは、私も読んで最初に感じました。最初にぴんときましたが、大体そういうことを報告するかどうかですね。日航としては、社長さんとしては二月八日の異常が報告すべきことであったかどうか、報告すべきことではなかったのじゃないかというふうにとられて、それでよかったというふうにされたいでしょうけれども、幾ら専用電話ができても、かけなくちゃ何にもならないでしょう。かける人がいなくちゃ専用電話も何にもならないわけですね。そういうことを申し上げたかったわけです。 それで、いずれにしても事故の再発を防止するようにしっかり運輸大臣にがんばってほしいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 小平委員のただいまの御指摘は大変にありがたい御指摘だと思います。あるいは日本航空側がコーパイロット、あるいは何というのですか、機関員というのですか、その人たちがまあまあこんなことと軽く思ったのかもしれないのですが、いずれにいたしましてもそれが多数の乗客に大変な大きな損害を与えたということでございますから、細大となくそのような異常を感じた場合には報告するように、重ねてこの場をかりて日本航空の当局者に私からも申したいと思っておるわけでございます。
○小平芳平君 終わります。
○中野鉄造君 きょうは参考人の皆様、大変御苦労さまでございます。私もただいまの小平委員に引き続きまして数点、日本航空側にお尋ねしたいと思います。 先ほどの質問に関連いたしますけれども、副操縦士から機長に昇格する場合の業務上の必須課程と申しますか、そういうものは何かありますか。
○参考人(野田親則君) 業務上と申しますと、操縦席の中の運航乗務員としての業務というふうに私は解釈させていただきます。そういう意味におきましては、副操縦士がどんどん経験を積んで技量を蓄積して機長になるというためには、機長というのは一つの飛行の最高の責任者、それより後ろはもうないわけですから、どんな場合でも機長が最終的に事態を処理する、こういう責任を負わされているわけですので、それだけの能力、経験を積むということが必要でありまして、そのために技術、知識等々の訓練とか経験とか、そういうものを蓄積して、会社で決めましたある基準に達したときに審査を経て上の機長に昇格をする、こういうことになるわけでございまして、時とともにそのやり方というのは変えてまいっております。 最近は、副操縦士が最終的に機長になる前には、機長の仕事とほとんど同一のことをやるというのが最終段階でございまして、もうちょっと具体的に言いますと、身分は副操縦士ですけれども、機長席の方に座る、そしてそれを指導する機長の人が副操縦士側に座っておるというかっこうで、機長の業務とほとんど同じようなことを相当期間やるということで技術的な面はその上の段階に入るということになっております。 機長に昇格する課程を具体的に申しますと大変ややこしゅうございますものですから、非常に雑駁な御説明となりましたが、いろいろな課程がございますが、最終段階では左側の機長席に相当するところに座って機長の任務と非常に似たようなことをやるというところを経て、これが大体副操縦士が機長になる最終関門であるというふうに御理解願いたいと存じます。
○中野鉄造君 そうすると、その昇格認定の一つとして、たとえばそれまでずっと同乗しておった正規の機長の推薦と申しますか、そういうようなものも必要になってきますか。
○参考人(野田親則君) 副操縦士が左側の機長席に座って、右側でそれを指導し得る機長というのは特殊の機長でありまして、そういう素養のある、そういう訓練を受けた機長がそういう立場になれるということになっております。その限りにおいては、副操縦士が最終段階になりましたときに、それを見て指導するという人はどの機長でもいいというわけではございません。ある特殊に決まった人たちが少数おって、その人たちがそういう副操縦士を訓練したり指導したりする、こういうことでございますので、そういう指導する立場の機長の意見というのは、もちろんそういう評価の要素となります。 それから先ほどちょっと申し忘れましたが、副操縦士が機長になるためには、必要条件として定期操縦士としての資格を取る。これは国家の資格制度でございまして、それを取らないとその他のものを幾ら高度に磨いてもだめだということでございますので、それをつけ加えさせていただきます。 指導する機長の意見というのは、もちろんその評価の要素になります。ただし、これは少数ではございません、単数ではございませんで、かなり多くの人の意見がそこに入るということが実情でございます。
○中野鉄造君 日本航空の場合、機長は管理職であって副操縦士はそうでないということをお聞きしたのですが、そうでしょうか。
○参考人(野田親則君) そのとおりでございます。 多少加えさせていただきますと、少数でございますが、副操縦士であるけれども管理職であるとか、あるいは航空機関士であるけれども管理職であるとか、そういう方もあります。
○中野鉄造君 他社はどうですか。
○参考人(野田親則君) 私がお答えするのは適当でないのかもしれませんが、私どもが承知している範囲では、機長というものがすべて管理職であるという制度は日本航空に特有だというふうに承知しております。
○中野鉄造君 そういうようになっている大きな理由はどういうところにあるのですか。
○参考人(高木養根君) お答えをいたします。 いままでもたびたび話が出ましたように、機長と申しますのは、御案内のように航空法その他の規定によりましても非常に大きな権限、責任を与えられております。具体的にちょっと申し上げますと、たとえば他の乗員に対する指揮監督権、あるいは出発の決定権及びその確認義務、それから安全阻害行為等の抑止権、旅客に対する命令権、危難に際しての献身義務、他の運航乗員の違反行為に対する機長の刑事責任というような、他の乗員には見られない非常に多くの権限と責任、これが機長に法律上与えられております。 なお、企業の立場で考えますと、御案内のように私ども航空輸送事業を営んでおります者は、申し上げるまでもなくいわゆる航空輸送サービスというものを社会に、お客様に提供しておるわけでございまして、まず第一に安全で、そして快適な航空サービスというものを社会に提供する、その航空輸送サービスの中心は何といいましても飛行、フライトということでございます。そして、このフライトにつきましては機長が最終の責任者でありまして、社長といえどもこれにかわることはできません。 機長がただいまお話が出ましたように最終の責任者であるということで、いまや何百人という貴重なお客様の生命をお預かりし、そしていまでは大型機ですと二百億近い会社の財産を預かってこれを運用する、こういう非常に会社の運営上におきましても重要な権限と責任を持っておる。こういうものにつきましては、いわゆる処遇上、私どもとしてはやはり管理職として処遇するのが妥当ではないかと、こういうことを考えておるわけでございまして、私どもよく申しますのに、機長というのはいわゆる社会的な地位である。社会的な地位であって、たとえば特に欧米のように日本よりも先に航空の事業が発達したところでは、キャプテンといえば非常に社会的に尊敬をされる地位にあるわけでございますけれども、わが社におきましては、実は四十五年にこの管理職制度を導入いたしましたその時分には、社内におきましても、機長のあるべき取り扱いについて不十分ではないかというような意見が機長自身にもありました、正直に言いまして。 そういうようなことで、私どもとしては、それだけの大きな権限、責任を持ち、会社の運営上も非常に重要な会社経営上の立場にある機長は、これは管理職にしてしかるべきである、副操縦士以下の他の乗員とは画然と処遇を別にしてしかるべきであるというのがわれわれ日本航空の経営の衝にある者の考え方でございます。
○中野鉄造君 いまの社長のおっしゃること、一応わかるような気もいたしますけれども、一般の企業においては、いわば課長以上を管理職と言っておる。しかし、その課長の上には部長がおる、あるいは局長がおる、いずれも管理職という職務には違いないけれども、そこに管理職の中でもランクをつけておられる、そういったようなことでもいいのじゃないかというような気がいたしますけれども、そういう意味で、いわば副操縦士も管理職に入れる、そしてあくまでも副操縦士は副操縦士、機長は機長、そういうことではやっぱりだめなのですか。
○参考人(高木養根君) そういう意味では、ただいま野田専務からもお答えいたしました。私、正式な人数は覚えておりませんが、副操縦士でも数名の管理職がおります。それから航空機関士では、これも数字はただいま正確に覚えておりませんけれども、たしか八十名前後の管理職がおりますし、それから客室乗務員でも現に六十名を超える、私どもの職名で専任チーフパーサーと言っておりますけれども、管理職がおります。 そして、先ほど御説明申し上げました航空法の規定から言いましても、こういった他の乗務員、運航乗務員も客室乗務員も、仮に管理職でありましても運航中はすべて機長の指揮下に入るわけでございます。すべて機長の指揮下に入るわけでございまして、そういう点から考えましても、私はやはり機長はすべて管理職であってしかるべきである、こういうふうに考えております。
○中野鉄造君 そういたしますと、先ほど小平委員からも指摘があったようですが、そうした管理職の機長である、片方はそうでない副操縦士というような関係で、いまの御答弁によりますと今後もいかれると思いますけれども、今回の事故の遠因として、こうしたいわゆる業務管理システムの中での日常の人間関係というようなものも、これは軽視できないのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(高木養根君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、先ほど私の答弁が非常に不十分であったかもしれませんけれども、本当に私考えておりますのは、そして常々会社の社員に呼びかけておりますのは、航空輸送業というようなものは、非常に複雑多岐な組織のもとに、非常に多くの職種の者が一致協力していわゆる航空運送サービスというものを生み出す、こういう仕事でございますので、本当にサービスの仕事というものは、一貫した輪のように、どこか途中でとぎれることなくお互いに連携した、いわゆる連係プレーのもとに生産せられるものでありまして、その意味では協力一致というのはどうしたらできるかということを考えると、これはやっぱりお互い同士、お互いの組織観、お互いの職種観、各人の間で信頼関係がなければいけない、こう思うわけでございます。信頼関係のない者の間に協力と言っても、これは口先だけで、真の協力はできない。そうすると、信頼関係といったらどうしたらできるかということを考えますと、私はこれは相互理解だと思うのです。お互いの間の理解を深め、理解し合うということで、そういういい人間関係があって初めてりっぱなそういった航空運送サービスというものも生み出せるということで、常々私自身、社員諸君に相互理解ということからまず始めようということを訴えておるわけでございます。 私は本当にそういうことが、特に私がいま申し上げましたような航空運送業というような業態からいいますと、いろいろな分野の仕事をいろいろな職種の人が一緒になってそういうものを生み出すという意味で、協力が絶対に必要であり、そのためには信頼関係が必要であり、そのためには相互理解が必要であるということを実は私痛感しておるわけでございまして、そういう意味で、いい人間関係を社内に充満させるということは私の念願でもあるわけでございます。
○中野鉄造君 もうそのことは本当にこれは軽視できない大事な問題じゃないかと思うんです。私どもが自分で車を運転しておっても、非常に精神的に不愉快なときはどうしても運転というものが粗雑になってみたり、あるいはミスを起こしてみたり、そういうようなことがありがちなわけなんですが、ましてや、とうとい人命を数百名乗せて、そして高価な飛行機を複数の人たちで運航させるわけですから、単独でさえも不愉快なときはなかなかどうかするとミスを起こす。ましてや複数の人間が、しかもそこにいろいろなおもしろくない人間関係のある同士が乗った場合には、これはどういうことになるだろうかと想像にかたくないような気がいたしますが、ひとつその点は今後大いに留意していただきたいと思います。 これは運輸省の航空局の方にもお尋ねいたしますが、まず離陸してしばらくいたしますと、いろいろ万一のときに備えての非常口の説明だとか、ああいったようなものがなされますね。あれと一緒に、落ち方にもよるとは思いますけれども、本当は衝撃を少しでもやわらげるというようなために、万一のときにはこういうふうにして頭を下に下げてこうしてといったような、そういう姿勢といったようなものもやっぱり教える必要があるのじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○説明員(長澤修君) ただいま先生御指摘の万一の場合のショックをやわらげるための指示といいますか、指導ということでございますが、現在各航空会社におきましては、客室乗務員が乗客の皆様方にいろいろ酸素の装置の使い方とか、そういったものを説明するときに、カードにそういう衝撃を受けるときの姿勢をどういうふうにしたらいいかということを書いたものをお示ししまして、一応それを参考にしていただくようにいたしております。その場合、たとえばハイヒールのとんがったような靴は脱いでいただくとか、あるいは万年筆その他万一の場合に体にけがを与えるというようなものは外していただくというようなことも含めて、そういうことを乗客の皆様方にわかっていただくようにしておるわけでございます。
○中野鉄造君 確かにそれは前の背もたれのところにありますね、カードは。だけれども、現実に余りなかなか読みはしないのじゃないかと思います。ですから私が言っているのは、どっちみちあの説明をされるわけですから、そういうときに、いま少しそういうものを注意を喚起する意味においてお読みくださいだとか、あるいは姿勢を示すだとか、あるいはスクリーンのあるところではそういうことを指示するだとか、そういうようなものをやってはいかがかと、こういう意味でございます。
○説明員(長澤修君) 貴重な御意見でございますので、十分検討して遺漏のないようにやってまいりたいというふうに思います。
○中野鉄造君 それと運輸省の方にお尋ねいたしますが、これは今回の事故に直接関係した事柄ではないわけですが、わが国のいわゆる航空三社と言われる会社間で、いい意味でのサービス合戦といいますか、悪く言えば過剰な競争意識があるようですが、これは企業である以上ある程度の競合というのはこれは当然かもしれませんけれども、過ぎればこれはいかがかと思うんですが、ずばり言ってその現況と今後の指導の方針をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(松井和治君) ただいま先生からお話ございましたように、航空企業が現在三社で国内の路線を運営しておるわけでございまして、ある路線は三社が競合して運営しておる路線もあり、また二社が競合して運営しておる路線もあるわけでございまして、その間いい意味の競争が行われ、お客様に対するサービスが向上するということは、これは結構な話だと私も思いますけれども、それが現在のような航空需要の低迷期を迎えまして、自社のお客様をふやさんがために、いわば他社のお客さんを自社に引っ張るための何か特別の言ってみればサービスを行うというようなことは、これはやはり私ども三社の秩序ある路線運営を望む役所といたしましては決して好ましいことではない、つまり客引き行為みたいなことが行われるということはまことによろしくないというふうに考えておりまして、その辺私どもといたしましては、現在三社に対しまして、こういう需要低迷期においては競争も必要であるけれども、しかし協調も必要であるということで、常々三社間で、たとえば三社間の連絡体制をよくするとか乗り継ぎを便利にするとか、あるいはダイヤを調整する、そういうことで三社が共同した歩調をとって、しかも安全に運航することが全体の航空輸送需要を増す方法であろう、それが航空界全体のプラスになるということで常々指導しておるところでございまして、御指摘の点につきましては今後とも十分注意してまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 では次に、自動車事故関係についてお尋ねいたしますが、佐賀県におきまして、ことしの一月、払暁に警ら中の警察官が、折から暴走してきた二輸車を赤色灯を回転させて停止させようとして十数メートルはね飛ばされて、意識不明のまま約一カ月後に殉職したという痛ましい事故がありました。こういう警察官の暴走族によるところの殉死事故というものは全国各地でときどき起こっておりますけれども、こういう事故を教訓として何か今後取り締まり上の防止対策、そういうものをお考えになっておりますか。
○政府委員(久本禮一君) 先生御指摘の事案は、本年一月十日の早朝に佐賀県の区域で起こりました警察官の殉職でございます。こういった事案につきましては、特に交通の指導取り締まりあるいは事故処理というものが危険性の多いものであるという点から、従前も、あるいは器材あるいは教育の面につきまして、特に事故防止がこういった場合における大きな要点であるという指導をしてきたところでございますが、こういう事故が発生したという点につきましてはまことに残念であり、今後、おっしゃるとおり絶対に起こさないような努力をしてまいりたいというところでございます。 具体的には、やはり警察官一人一人が、こういう事故処理あるいは取り締まりの現場では常に危険が伴うものであるということを意識することが大切でございますので、今後とも職場における教養等は十分に繰り返しまして、この着意について徹底をいたしたい。返す返すも職務意識にはやる余り危険を冒すようなことがないように、十分に心構えを持たせていきたいということでございます。 さらに、このような措置は常々車をとめるということを伴いますので、車両の停止器材等につきましては、現在もいろいろなものを用意をしておるところでございますが、今後も絶えず研究いたしまして、どういったものがこういう措置に有効であるかという点につきましては絶えず研究検討を繰り返しながら、新しいものを導入するような努力を今後とも続けてまいりたいということであります。
○中野鉄造君 次に交通事故における救護システムについてお尋ねいたしますが、現行の救護システムの大略をお伺いしたい。
○政府委員(久本禮一君) 現在、交通警察の指導の対象といたしましては、運転者が交通事故による負傷者に遭遇した場合に、道交法の規定によりますところの救護措置をとれということを中心にいたしまして、これを有効に進めるための方策というものが中心でございます。
○中野鉄造君 これはちょっと古くなりますが、昨年の十月六日付の読売新聞の夕刊に「〃救急車治療〃認めればもっと命救える」と、救護システムの改善強化を求める報道が記載されておりましたけれども、いわゆるピンセットも使うことができない消防救急隊に初期救命処置を認めるよう、急患搬送態勢の転換を求める声が強いようですが、いかがですか。
○政府委員(久本禮一君) 救急業務につきましては、現在は主として消防行政が御担当でございますので、私の方からこの点につきましてはちょっと詳しくお答え申し上げる用意がございません。
○中野鉄造君 道路交通法七十二条には、交通事故があった場合、当該車両等の運転者その他乗務員は負傷者を救護しなければならないと、こうありますけれども、この救護という意味は具体的にどういうことをすることですか。
○政府委員(久本禮一君) 先生御指摘の救護の措置でございますが、この規定は御承知のとおり罰則を伴っております。したがいまして、そういう側面を考えますと、一般に申せば必要最小限度だれでもそこまではしてほしい、しなければならないというものではないかというふうに考えるわけでございまして、具体的に申し上げますと、たとえば交通の頻繁な道路における事故の場合には、被害者を急いで安全なところへ抱きかかえていくということとか、あるいは病院、救急隊に迅速に連絡をするとか、あるいは場所によりましょうが、自分の車で最寄りの病院に連れていくこともあろうかと思いますが、まあそれに関連をしてだれでもわかるような、たとえば血を流しているというようなときに応急にあり合わせの布で巻いてやるといったようなことが、この救護義務における普通のケースではなかろうかというふうに考えております。 ただ、実際には負傷者の被害実態あるいはその交通通信手段、医療施設までの距離等のいろいろな条件が千差万別でございますので、具体的にこうだということはなかなか申し上げにくいところでございますが、類型的なことで常識的に申し上げると、そういうことだろうというふうに考えております。
○中野鉄造君 WHO、つまり世界保健機構が昭和四十一年に発表した自動車事故の疫学的報告によりますと、自動車事故死の二〇%がもし速やかに応急手当てを受けていれば命が助かったと、こういうことが報告されておりますけれども、わが国の今日の交通事故による死亡者は、これはふえる一方でございます。そこで、先ほどから申しております救急法あるいは応急手当ての普及というものが事故対策の一つとして重要視されてくるのではないかと思いますが、現在免許取得者及び一般ドライバーに対してこうした応急手当ての教育というものはなされておりませんね。いかがですか。
○政府委員(久本禮一君) ドライバーに対する応急手当て措置の教育の現状でございますが、これは大きく申し上げまして、免許を取りますときと免許の更新をするときの二つに分けられると思います。具体的には、免許を取りますときには、その大部分が指定自動車教習所で勉強するわけでございますが、この教習カリキュラムに救急措置の問題が盛り込まれております。また免許証を交付いたしますときに安全運転ノートというのを事実上配るわけでございますが、その中には半ページ、交通事故が発生した場合の応急手当ての仕方を盛り込んでございます。これはごく常識的なものではございます。 それから更新の場合でございますが、これは更新の手続の際に、その講習に際して交通の方法に関する教則を配ります。その普及版の中に、交通事故があった場合の応急手当ての仕方は一ページにわたって記載をいたしております。そのほか、この講習等に使う教材には警察庁の方からスライドで救急のコースが含まれておりまして、これを更新の際に他のスライド等とあわせて有効に使うようにという指導で使わせておるという状況でございまして、おおむねこういったようなことが現在の運転者の免許取得あるいは更新の際における救急関係の教育の内容でございます。
○中野鉄造君 自動車メーカーであります本田自動車では、ファースト・エイドという独自の救急法の教育システムを五十四年から始めまして、医学博士の岡村先生のもとでこの講習をやっているようですが、現在約三万二千名の人たちがこの岡村先生の講習を受けてそれを習得した。そして、その三年間で百十五件の救助を行ったというような報告も出ておりますし、こういう活動がいろいろなところから注目をされ、高い評価を受けているようですが、これはいわゆるやればできるという一つの証拠じゃないかと思います。 たとえばその中で、呼吸が停止して適切な応急手当てをした場合、三分以内だと七五%が助かる、四分以内だと五〇%、五分で二五%、七分ではゼロと、こういったような応急手当ての緊急な必要性というものがこの中でも言われているようですけれども、いまも申しますように、いまのお答えの中にも一応のことはやっているということではございましょうけれども、もう一歩進んでやはりこうしたことも研究される余地はないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(久本禮一君) 先生の御指摘は大変有益なものであるというふうに考えております。おっしゃった本田技研が救急法の専門家によりまして、社員の方々に救急法の指導を行っているということは聞き及んでおります。こういったような形で民間企業が一つの車社会における心得として救急法の普及活動に力を入れられるということは、大変私どもとしてもありがたい、好ましいことでございまして、こういったような実はすそ野が広がるということが、この問題が理解を得、具体的ないろいろ指導を進められる一つの手がかりになるのではないかというふうに思うわけでございまして、こういったようなものは、本田技研とも了解を得ようと思いますが、そういった形でいろいろとにかく適切な好ましい事例として紹介もし、そういったことに着目をする者がふえてくれればという期待は大いに持っておるということでございます。
○中野鉄造君 そのほかにも、ある運送会社では救急法を研修したところ、ドライバーとしての自覚が深まって、それ以来事故が起こらないという二次的効果も出ているようですし、西ドイツやスイスでは運転免許取得の条件としてこれが入っているというようなこともありますし、ひとついまおっしゃったようにこれからも鋭意進めていただきたいと思うのですが、特に警察官に対する救急法の教育は現在どのようになっておりますか。
○説明員(浅野信二郎君) お答えいたします。 事故などで負傷した方々に対して応急の措置をとりますことは、個人の生命身体の保護に任ずる警察の責務でございます。警察学校の初任科におきましては、負傷者が医師の医療を受けるまでの間、警察官の職務として必要な応急手当てができるようにするため救急法の授業を行っております。この授業は実習を主体といたしまして、出血や傷の応急手当て法、人工呼吸法、頭部損傷などに対する措置、骨折、脱きゅうなどに対する措置などにつきまして、警察官として必要な基本的な知識及び技能を習得させることとしております。特に事故現場における初期の対応といたしましては、応急措置をとる前提として、顔色、外傷、出血、呼吸の状態、意識の有無等について負傷者の状況を観察し、意識のないときは気道を確保すること、頸椎や頭部に重大な損傷があるときは不用意に動かさないことなどに留意した後、必要な応急手当てをするように指導しております。
○中野鉄造君 いまおっしゃったように余り不用意に素人が動かしちゃいけないということが徹底しているのか、そういうことをしたために自分に責任が転嫁されるというようなことになったら大変だから、さわらぬ神にたたりなしみたいなことで、救急車が来るまでじっと見守っておるというような、そういうケースが多いように思うのですが、いかがですか。
○政府委員(久本禮一君) 先生御指摘のような点まではなかなか具体的にデータとしてとることは困難でございますので、明確なお答えがいたしかねますが、そういうことも現実にはあろうということは容易に想像できょうかと思います。こういった点につきましては、やはりおっしゃるように、だんだんこういった問題についてのいわば一般常識的な理解が深まることによって、おのずから解消していくであろうというふうに考えております。
○中野鉄造君 もう時間も迫ってまいりましたので、最後に車検制度についてお尋ねいたします。 車検制度の見直しに際しての定期点検のあり方が、現在非常に問題になっておりますけれども、この定期点検の罰則ということについては、臨調からもこれは反対の意が表明されておりますし、またユーザーからもかなりの反発が多いようですが、運輸技術審議会の答申の中の、定期点検項目を簡素化し、ユーザーの自主的管理を推進するという点とこれは矛盾を感じるわけですが、いかがですか。
○政府委員(宇野則義君) 今回、道路運送車両法の一部改正案につきまして国会に法案を提出し、ただいま審議をいただいておる最中でございますが、この法案におきまして、定期点検整備というものが一つの大きな柱になっております。 この定期点検整備は、ユーザーの自己責任に基づくものであるという、ただいま先生御指摘のこの基本をできる限り尊重して考えてまいったつもりでございます。したがいまして、定期点検の義務というものが現在もございますが、今回法律の中の案といたしまして織り込みました順序といたしましては、定期点検を実施していないということが判明した場合には、まず、陸運事務所の自動車検査官が担当することになりますが、点検をするようにという指示をしていただく。その指示をするというその行政行為に対しまして、それを実施の確認をするために報告してくださいという義務を一応織り込んでおります。したがいまして、点検を実施してないということ、それから点検をしてくださいという指示をすること、ここまでは実は罰則をつけておりません。で、最後に、申し上げましたように行政行為といたしまして指示をした、その実施の措置がとられたことを把握するという意味で報告するようにという義務をつけておるのですが、その義務に対しまして違反した場合に、過料という形で罰則をかけておるわけでございます。 この目的は、定期点検整備の励行の必要性ということが運輸技術審議会でも強く指摘されておりますので、その必要性にかんがみまして、点検の実施に係る行政指導を効果あるものにするための必要最小限の制度だというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今回法案に織り込んでおります制度は、点検整備がユーザーの自己責任に基づくものであるということを基本にしながら、行政指導によりユーザーの自主的努力を促すという指導啓蒙を図ることをねらいとするものでございますので、ユーザーの自己責任の原則というものと矛盾するものではないというふうに考えておるところでございます。
○中野鉄造君 最後になりましたが、そうしますと、定期点検を実施しているか否かということは、たまたま何かのときにその車両の所有者あるいは運転者に聞く以外にその方法はないわけですね。
○政府委員(宇野則義君) 今回の法案の中に、定期点検記録簿を自動車に備えつけるようにという条項を起こしてございます。したがいまして、一例として申し上げますならば、街頭検査等のときに車の状態をチェックいたしますが、その際に、その定期点検記録簿が備えつけられているかどうかということをまず最初にチェックをいたしまして、その中にどういうことが記載されているかというようなことをチェックしながら確認をしていくということになろうかと思います。
○中野鉄造君 最後に一つ。そうすると、そういう街頭検査だとかそういうようなときに遭遇しなかったならば、定期点検を二期、三期すっぽかしておっても別に何ともない、こういうことですね。
○政府委員(宇野則義君) 現在の規則の中にもございますけれども、自動車の検査を二年に一回ごとやっております。そのときにも定期点検の記録簿を提示するという制度になっております。そのときにも確認できるわけでございますが、検査のときには大体二十四カ月点検を実施してくるのが実態になっております。その定期点検記録簿を拝見させていただいたときに、過去において途中の段階のものを実施してなかったということがあるいはわかろうかと思います。そういう場合には、指導としてこれからの中間点検については十分やっていただくようにという指導をすることになっております。
○中野鉄造君 終わります。
○沓脱タケ子君 それでは、日航事故についての事故対策についてお伺いをいたしたいと思います。 二月九日に羽田沖で事故が起こりまして、二十四名の亡くなられた方、多くの負傷者という大事故を起こしましてちょうど丸二カ月でございます。こういう事故は二度と起こさないという安全対策、この保証が何よりも大事でございますし、そのことが亡くなられた方々に対する唯一のはなむけであろうと思うわけでございます。同時に全国民的な要求でもあるわけでございます。いろいろとお聞きをしたいことがたくさんあるわけですけれども、限られた時間でお聞きできる範囲で聞いていきたいと思っています。 まず日航社長にお伺いをしたいのですが、端的に聞いていきますが、会社は、片桐機長がうつ病とか、うつ病の疑いがあったということは知っておられたのか、知っておられなかったのか、その点だけお聞きをしたい。
○参考人(高木養根君) お答えをいたします。 私ども会社としては存じておりませんでした。
○沓脱タケ子君 運輸省は心身症という既応があったということを御存じですか。
○政府委員(松井和治君) 私どもは承知しておりませんでした。
○沓脱タケ子君 会社が知らなかったということについて、私は私の立場で非常に不思議な気がしてならないのです。片桐機長の奥さん、きのうもテレビで報道されていたようですが、奥さんの話では、五十五年の十一月の段階で御主人と一緒にセント・マリアンヌ病院に診察を受けに行ったところ、岩井医師から、うつ病であるかもしれないと言われた。五十五年十二月三日には、しかし診断書には心身症というふうに書いてある。さらに奥さんが、それが心配になって、その後須田乗員部副部長に、当時そうだったのだそうですが、主人はうつ病ですといって報告に行っているんですね。その後慈恵医大に移ってからも、五十六年の四月に竹山先生からはうつ病だと聞いた。この病気は長くかかると言われた。そして五十六年十二月に、昨年の十二月ですね、竹山先生から、あなたは離婚を考えているのではないか、こういう病気の家族にはよくあることなのでというふうな話まで聞いたというわけです。 セント・マリアンヌ病院の岩井先生、それから慈恵医大の竹山先生、竹山先生は日航の非常勤嘱託ですか、非常勤の先生でしょう。この二人が奥さんにうつ病の疑い、あるいはうつ病だということを伝えておるし、夫人も会社に、そして上司に言いに行っているわけです。私はそのことを全然会社が知らなんだということが不思議でしょうがないんですね。 もう一つは、この間、二月二十八日ですか、日航の機長会がやられているんですね。機長会でも同僚の機長がこういうふうに言っておられる。「私は今回の羽田沖事故の当事者、片桐の同期生です。」ということで発言をしておられる中でこう言っています。「彼は一年以上前から表情のない男になっていた」、「彼の家に頻繁に行くだけでなく、彼のかかっていたセント・マリアンヌ或いは、健康管理室の医師にも会い、話も聞きました。今回の事故で、社内外の心身症の方々が、ひどい迷惑を受けていると聞いておりますし、こんな事は、私が事情聴取を受けた刑事はすでに知っていた事でもあるので、はっきり申し上げますと、彼は「うつ病」であったと私は聞いていました。」、それで、心身症などという言葉は初めて聞いた、セント・マリアンヌ病院の先生は、うつ病だからということで機能を正常にするために投薬をしているんだ、健康管理室の先生ともこの前提で話をしてきたと。 で、この方のおっしゃったのでは、奥さんが十二月に健康管理室の精神科医に会いに行って、「私は恐い、今後も治療を続け、薬も続けて下さい。」と泣いてお願いに行ったというふうなことで、奥さんが大変心配をして、この状況の中で、事故後に自分のお母さんが亡くなったのだけれども家にも帰らないでやっているというふうなことが述べられているのですが、この話は、高木社長は機長会に御出席だから御存じですね。
○参考人(高木養根君) ただいまの機長会での山崎キャプテンの、機長の話は私聞いておりまして、承知しております。その他の点につきましては野田参考人からお答えをさせたいと思います。
○沓脱タケ子君 私は非常に不思議だなと思うのは、「片桐機長の乗務と病歴」というのをずっと拝見していて思うのですが、事故が起こったのはことしの二月九日ですが、五十五年の十一月二十六日に吐き気を訴えた。二十七日には慢性胃炎だということで三週間の静養の診断で乗務を停止した。乗務の停止中に、休養期間中ですね、十二月十五日には身体検査証明書に「異常なし」と書いて運輸省へ出している。これでは知らぬはずですわ、異常なしと書いているんですね。私はこれを見ていておかしいなと思うのだけれども、十二月三日には心身症というさっきの話ですね、聖マリアンナ病院の診断書が出ているわけです。そして十二月の十五日には、いま申し上げた健康診断証明で異常なしと。十七日には日航の乗員管理室で病状回復。十二月の二十三、二十四日には機長資格維持試験というのをやっている。 それからすぐまた一月二十七日には、今度はしばらくして病状が消えたので通勤可能になった。それが一月二十七日なんです。五日たって二月の二日にはまた今度は自宅静養二週間ということになって、さらに同じ二月の二十六日には、日航管理室はさらに一週間の静養を指示している。三月五日には同乗観察による専門医の観察が必要だと判定をした。三月二十日には同乗飛行の結果、精神科医の診断の必要があると判定をされた。五月の十八日には抑うつ状態で復帰まで一カ月という判定をされた。五月十八日にそう言われて、六月の十日には航空身体検査証明では異常なしでパス。八月の十三日には経過良好、しかし自律神経失調症が見られるため「副操縦士」の制限つきで乗務可能と判定。十一月の十日には抑うつ状態も経過順調で、国内線に限って機長復帰可能と判定。十二月の七日には六カ月チェックをまたパスしたというのです。それで間もなく二月の九日に事故を起こしているわけです。 この経過を見てみますと、私、精神科は全くずぶの素人でわかりませんけれども、五十五年の十一月からずっと断続的にチェックされているんですね。病気の状態というものが、ちょっと悪くなった、二週間休め、やれ一週間だ、二週間の静養だというのを繰り返し繰り返しやっているんですね、二年間。こういう状態で機長に復帰をされて、復帰されて間もなく事故が起こったわけですが、常識的に見てこういう休養を命ずる休養を命ずるという状態がずうっと繰り返されていて、それで半年ずつのチェックのときにいつも異常なしということになっているということはどうしても理解に苦しむのです。日航ではこういう状態が異常なしという判断なんですか。ちょっと常識では考えられないので、その辺聞きたいんです。
○参考人(野田親則君) ただいまの非常にたくさんのポイントがありましたので、一番最後の点だけ最初にお答えさせていただきます。 片桐機長は、私のいまの記憶では五月、十二月に六カ月ごとの身体検査の時期が来まして、それらのときに身体検査を受けております。それが一つ。もう一つは、五十五年の十一月末から異常が出たわけですが、五十五年の十一月末から最近の事故に至るまでの病状を非常に大まかに見ますと、六月ごろ若干病状が逆戻りをした。しかし、全体を見るとずっとよくなってきている。たくさんの医学的な個々の診断書あるいは意見書等を見ると、そういうふうにとれるわけであります。 そこで、五月と十二月ごろに受けた二回の航空身体検査といいますのは、官で決められました、乗員としていいかどうかという意味の身体検査ですが、それは非常に具体的に細かくやり方が決まっておりまして、その検査をする医療機関、あるいはそれを判定できる医師、そういうものが政府から認められておる。そういうものによる検査ですが、その検査には心身症というものは本人が申告すべき既往症の中に入っていないということでありまして、まあ書くとしますと、心身症から来る症状である胃がおかしくなったとか等々症状はいろいろなところに出るそうですが、そういうものを書けば書く。そういうことでございますが、たまたま航空身体検査を受けた時期には病状が非常によくなっておって、そういう点でもコメントすべきほどではなかったということを聞いております。そういう意味で、異常なしという意味は、航空身体検査のやり方に照らして不合格疾患というものはいまありませんと、こういう意味であります。 それからもう一つ最後に、そうであろうとも、どんな病気であっても、その身体検査を受けたときにぐあいが悪ければだめですよという項目がございますが、その項目にも、たまたまその試験のときには非常に軽快になって、治っておって該当しなかったというのが私どもが担当の医師から聞いた説明でございました。 そこで、一年余りの間、非常に長いことお医者さんからいろいろな手当てを受け、観察を受けて最近に至ったということはそのとおりでございまして、いまいろいろ具体的にお述べになりました、一番最初のころはモスクワ線の乗務の途中で本人が異常を感じて、そして勤務を休む状態になって、そしてセント・マリアンヌ病院の精神科にかかって、その結果は、明くる年の一月の末にもうよくなったから平常勤務が可能であるという意味の、心身症という名前の診断書をいただいております。 〔委員長退席、理事本岡昭次君着席〕 その後が、会社の健康管理室が受け継いでずっとやりましたものでありまして、竹山医師というのは、その二月ごろからこの患者についていろいろめんどうを見ておる。そういうことでございました。 そして、セント・マリアンヌ病院からは平常勤務可能であるという診断が出ましたけれども、会社としてはそれに大事をとって二カ月ぐらいのいろいろな手当てをして、副操縦士の楽な勤務というところから始まって、乗務をぼつぼつ様子を見ながら回復過程に入った。その中で、六月ごろ一たん病状が逆行しました。そこでまた休んだということが一たんございましたが、その後また治ってきて、夏を過ぎたころ、もうこれは大丈夫だという関係者の判断で機長に戻るという過程を踏んだわけでございました。 そこで、事故が起こりました後にいろいろなことが耳に入りました。そして、そういうことが前からわかっておればあるいはお医者さんの判断、診断というものも変わったかもしれない。この辺は専門の方に伺わないとわからないのですけれども、そういうことを素人の私どもも感ずるわけでございまして、この点がまさに会社における乗員の健康管理をいかにやるかということの今後の課題を示しておると思います。 そういう意味において、きょうお答えしました、大臣に提出した健康管理の制度をこのようにやりますということは、われわれがいままで集めました知恵によって、こうすれば会社としてはまず万全であろうということを御報告申し上げたわけでございますが、やはりこれで一〇〇%ということではなくて、たとえば家族の人の協力であるとか、あるいは同僚とか、あるいはコミュニティーの人の協力であるとか、いろんなことがないとこういう種類の病気というのは的確に一〇〇%正確につかむことがむずかしい。この辺が企業としての健康管理の今後の課題であるというふうに感じておる次第であります。
○沓脱タケ子君 そんなこと聞いてないんです。おととしの十一月からの病歴で、事故を起こす二月の九日まで一年三カ月ほどでしょう。その間に一体何遍休養を命じている。そんな状態だったら、たとえば医者や看護婦だってこれは人命を扱う仕事ですよ、こういう病状が常に不安定で休養ばかり命じなければならないような人だったら、これは通常は仕事にはつけられない状態です。そういう人までも日航は仕事をさせているんだなということの心配が一つ。 もう一つは、奥さんがうつ病だということをわざわざ会社へ言いに行っている。それさえも知らなんだというようなことで、うつ病といったら不適格疾患でしょう。精神病ですよ、うつ病といったら。あなたのところは航空身体検査マニュアルを守らぬのですか。守っていると言うのだったら、ちゃんと聞いて知っているのに心身症だなどと言うて偽りの報告を運輸省へ出して、そしてフライトをさせていたと言われてもしようがないじゃないですか。運輸省は心身症さえ知らぬと言っているのだから。 だから、先ほどこの報告をもらいましたが、健康管理問題は一番先に書いてあるから見せてもらいました。医者もふやす、精神科医もふやすと書いてある。何ぼふやしたって、本当に誠実に正しく管理をし、実情を正確に報告するというふうに日航がやってくれるのでなかったら、何ぼ体制をつくったって、そんな偽りやうその報告ばかり出しておったら、運輸省、まあ運輸省もしり抜けなんですけれども、わからなかったんだから。そういう状態では国民は安心ならぬのです。運輸省どうです。
○政府委員(松井和治君) 先生御指摘の乗員の健康管理問題につきまして、私どもが身体検査証明制度をとっておりますが、これは御指摘のように六カ月のいわば断面的な症状でございまして、実はそれを補完する措置といたしまして、四十四年の答申に基づきまして、各航空会社が健康管理室を設けるという制度で補完をするという制度をとってきたわけでございます。 御指摘のように、今回の事故が判明いたしましてから、私どもも立ち入り検査の結果このような事実を知り得たわけでございます。私どものねらっておりました日常の健康管理が六カ月ごとの身体検査になぜ反映されなかったのか。私どもといたしましてもこの点は大変残念に思っておりまして、日常の健康管理と六カ月ごとの身体検査証明の制度をどうやって結びつけるか、どうすればそれが改善できるかということにつきまして、現在専門の先生方にお集まりいただきまして検討をさせていただいておる、そういう次第でございます。
○沓脱タケ子君 それで、私言いたいのは、うつ病だと言われているのだから、うつ病というたら航空身体検査マニュアルでは不適格疾患の中に入っていますよね。それを知っていてもしあなたのところでやったのだったら、日航は航空法違反ですよ、ぬけぬけとそういうことをやったのだったら。やったとしか思えないんですよ。奥さんも言いに行っている、友人も言いに行っているというのに、会社は知らなかった、そういうことは私ども信じられないです。そういう責任、一体どうするんですか。社長、国民に納得できるようにひとつ説明してくださいよ。
○参考人(高木養根君) 先ほどもお話し申し上げましたように、私どもとしてはそういうことは承知しておりませんでした。ただいま、奥さんから会社の当時の副部長にお話があったとか、確かに先ほどもお話し申し上げましたとおりに、事故後の機長会の席上におきまして山崎機長からの発言、これは確かに私聞いて承知しておりますけれども、その以前に、たとえば聖マリアンナ病院の岩井先生の会社に対する御連絡でも、診断書としては心身症でありまして、うつ病ではないわけでございます。そういうことで、会社として知り得なかったというのが事実だと私は信じております。
○沓脱タケ子君 その心身症も運輸省に出した身体検査書には書いてない。だから運輸省は知らぬと言うている。私はこれは問題だと思うんですよ。運輸省の責任も重大だと思うのだけれども、大体日航の嘱託医と運輸省の身体検査医とを同じ人がやっているというのは、それはあきませんがな。申請する人が、よう知っているけれども異常なしと書かされるということで書いた。それで出てきたのを、この人悪いんやなということを知っているけれども、まあ黙って通す。こんなことをやっていたら話になりませんわ、運輸大臣。これは山口音胤先生ですか、この先生、去年の暮れにおやめになったそうですけれども、航空身体検査証明審査会の委員でしょう。それで片や日航の健康管理室長でしょう。これはあきませんで。幾ら厳正にやったと言われたって、心身症さえ運輸省に出ていないのだから。こういうことをやっていたのではだめなんで、私は、こういうことをやる日航の体質があるのじゃないか、その辺のところを厳正に民主的にやっていくという点を確立してもらわないと、何ぼ業務改善対策と言われてもあかんのやないかなと思っているんです。その辺は大臣、どうです。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いまの御指摘の点は、われわれも今度の事故以来大変反省をしているところでありまして、また、病気の種類にもよるのだろうと思うのでありますが、的確な、しかも正確な情報が必ずしも記載されなかったということでありまして、こうしたことが二度と起こってはならないので、現在はそうした面についても日本航空側により深く各個人の健康状態、場合によってはその心理状態にまで情報を得る努力をしてもらわなくてはならないというふうに思っておるところでございます。
○沓脱タケ子君 時間が迫ってきておりますので、あとちょっと聞かしていただきたいのですが、社長ね、警察庁でも御調査の対象になっているというからあれなんだけれども、本当にうつ病だというのがわかっていた、にもかかわらず心身症だと言って、偽って異常なしだと言ってフライトをさせていて起こした事故は、もし今度のように事故が起こったら、病人を乗せた会社の責任ですよ、あなたの管理責任ですよ。そういうことを二度とやってもらっては困るという点で、これは歯どめをかけてもらわなければならない。 もう一つ私心配をしますのは、今度の新安全対策でもそうなんです。これは過日の三月十八日の本院の運輸委員会で問題になって、運輸大臣が至上命題の安全確保については労使間で十分話し合うことを強く期待するという答弁をしておられるんですが、私ちょっと心配なんで聞いておきたいのですが、高木社長、この新安全対策というのは、労働組合にもお話をして協力を求めるように協議をなさいましたか。
○参考人(高木養根君) 端的にお答え申し上げますが、今回の対策を運輸大臣に御提出申し上げる以前に組合とは協議はしておりません。ただし、本日もうすでに組合の方に、こういうことでお答えをしましたということで説明をしておるというふうに理解をしております。
○沓脱タケ子君 大臣も十分に話し合うことを強く希望する、期待するとわざわざおっしゃっている。大臣のせっかくの御意見をむだにするような態度をおとりになっちゃ困るんですよ。私は、こういう重大な事故が起こったときには、会社が中心になって会社の関係者のすべての御意見を結集し、英知を集めて、二度と事故が起こらないような対策というものを組むべきだと思うんです。会社だけ考えたらいいんだというような態度はきわめて非民主的ですよ。だから、聞こうとしないという態度が端的に出ているのがこういう文書でしょう、会社から組合に対して「法的措置も含め、断固たる措置をとる用意がある」、事故についてごちゃごちゃ言うなという通達まで出しているわけです。こんなことをやって、職員の協力関係、信頼関係を集めて、英知を集めて、事故を起こしたところの難局を切り抜けていくということができますか。そういう非民主的なところを改めなければ、私は日航がごちゃごちゃ言うたって何回でも事故を繰り返す心配を感じます。国民が本当に安全管理を任せられるなと思えるような、やはり全体の職員の意見を結集し、英知を集めて、民主的な形で本当に安全を確保していく体制をとるというふうにしてもらわなければ安心できない。 たとえばさっきの話でもそうでしょう。時間がないから言わないけれども、八日の日の異常操作、報告がなかった。報告できる体制にないじゃないですか。成田と羽田にしかセーフティーリポートのボックスはないんです。福岡からもう一遍東京へ帰って初めて、出す気があったら出せるんですよ。そんな状態にしておいてはあかんですよ。職員みんなの意見を結集して、英知を集めて、力を合わせられる体制をつくるという立場をおとりにならぬとだめです。組合に対してこんなあほみたいなことを、「法的措置も含め、断固たる措置をとる用意がある」というようなことをこの大変なときに言うておるようなことではだめだと思いますが、いかがですか、社長。
○参考人(高木養根君) まず、安全の問題についての組合ないしは従業員、社員との話し合いでございますが、これはただいま、端的にお答え申し上げますとということで、今回の具体案を作成し御提示する過程では組合とは話していないということを申し上げましたけれども、従来、随時安全問題について組合とも話し合っておりますし、社員のいろいろな部署における意見も吸い上げて検討しておるということを申し上げます。 それから、いま御指摘のございました点でございますけれども、私どもとしてはこういう事故を起こしまして、役職員全部が本当に申しわけないという気持ちで、世間に対し二度と事故を起こさないという決意でみんなが協力してまいらなければならないときに、一部の組合の役員が事実に基づかないでいろいろと発言をされたということについては十分に留意してほしいということを警告するのは、経営の立場として私は当然ではないかというふうに存じております。
○沓脱タケ子君 時間がないので終わります。
○中村鋭一君 参考人にはお忙しい中、過去二回にわたってお運びをお願い申し上げました。きょうが三度目になりますけれども、本当に御苦労さまでございます。委員の一人として厚く御礼を申し上げます。 運輸省にお尋ねいたしますが、先ほど来からの当委員会の質疑の中でも何回も繰り返しお尋ねがあったと思いますが、今回の日航の事故は片桐機長の病気に起因するところが大きいと、これまでに判明した範囲でも思われるわけですが、そこで、そのチェックですけれども、乗員の健康チェックは現在TDA、ANA、JAL、三社ばらばらに行っている現状ですけれども、これを中立公平な第三者機関ですね、お医者さんのプールも含めまして、そういった機関にゆだねて、それも非常にラピディティを高くして、頻度を高くしてチェックを重ねていく、こういう考え方は運輸省としてはおとりになれないのでしょうか。
○政府委員(松井和治君) 実は、この問題は身体検査制度発足のとき以来の大変大きな宿題でございまして、もちろんそういうような機関をつくれれば大変理想的なことかと存じますが、私どもといたしまして直ちにそういう機関の設立がむずかしいということから、審議会の答申の指定医制度、指定機関制度というものをつくると同時に、先ほどもお答え申し上げましたが、会社における日常の健康管理制度と相補完するような形で身体検査を進めてきたわけでございます。 しかも、その基準につきましては、私どものいわば諮問機関という形で御審議を賜っております専門の医学の先生方の十分な御検討を経た上で、ICAOの基準をそのままとることなく、さらに若干の改良を加えたものを基準として示しておるわけでございます。また、マニュアルにつきましても、その委員会の先生方の御意見を伺いながら各指定機関にそれを流して、できる限り同一レベルの診断をしていただくということに努力をしてきたわけでございます。 ただ、しかしながら、先ほど来申し上げておりますとおり、今回の事故によりまして日常の健康管理制度と六カ月ごとの定期検査との間のつながりというものが必ずしも十分にとれていなかったという点の反省から、いま私ども、先ほど申しました審査会の先生方にお集まりいただきまして、現在行われております身体検査制度の改善の今後の方向につきまして御意見を伺うということで、すでに二回の会議を重ねたところでございます。その際に、御指摘のような中立的検査機関ということももちろん一つの議題として上がっております。 ただ、現実の問題としまして、先生方のいろいろな御指摘もございますが、そういう機関をどういうところにつくるのか、また、その機関でどういうことを行わせるのか、そこにお集まりいただくお医者さんに検査だけをしていただくということではとても先生方には集まっていただけないという御指摘もございます。何がしか研究部門等を併設するというような必要性もあろう、あるいは他の臨床との関係というようなものも出てくるであろう、要するに検査部門だけというような形での機関の設立というのはなかなか人材が集まりにくいというような問題もある。 それからまた、先ほど来申しておりますが、日常の健康管理をしておられる医師は、その個人個人の健康状態について一番よく知っているいわゆる主治医でございます。その方の日常の健康管理の結果をその中立の第三者の検査機関に、六カ月六カ月の断面的な判断をする際にどうやって反映させるか、日常の健康管理を行っている機関から日常の健康管理の状態を第三者の中立機関にいわば資料として提供することが、医師としての守秘義務に触れるか触れないか、いろんな問題がございまして、現在先生方の間で活発に議論をちょうだいしております。 そういう状況でございますので、今後先生方の御意見を伺いながら改善の方向を見出していきたいというふうに考えております。
○中村鋭一君 こういう第三者の中立なチェック機関をつくりたい、それについてこういういろいろな障害があるから、その障害をまず排除しながらできればつくりたいというのと、絶対につくるんだということを先に決めて、つくるについてはどういう障害があるから、その障害を一つずつ取りのけていこうというのとでは大分違うと思いますから、運輸省としても積極的にこの問題については今後とも取り組んでくださることを要望しておきたいと思います。 参考人にお尋ねいたします。 先ほど来から本委員会の中野委員も指摘しておりましたし、社長もおっしゃっておいででございましたが、こういう事故をなくすには、まず何よりも日本航空の社長以下、全社員が一致結束して風通しをよくして仲よくして、大量に少しでも速く徹底して安全に乗客を輸送する、そういう使命に目覚めることが大切なわけでございますね。当然ながら、労使の慣行というものも、いま沓脱委員も指摘しておりましたけれども、上から一方的に押しつけるでもいけませんし、下から一方的に諸要求をぶつけてとにかく経営者はいけないんだというのでもいけない、こう思うわけでございます。 そこで、労使の問題について、関連でもございますからお尋ねをいたしますが、現在日本航空には労働組合は幾つあって、その名称は何と言い、構成の人員数は何人で、その労働組合を構成する主な職種並びにその労働組合の略称をお尋ね申し上げます。
○参考人(萩原雄二郎君) お答え申し上げます。 一月一日現在で、全日本航空労働組合、これは略称全労と称しております。その全労が一万一千七百五名でございます。七二%に当たります。そのうち客室乗務員が約一千八百名おります。それから客室乗員組合、略称客乗と称しておりますが、これが二千七百七十八名、一七・一%に相当いたします。これはチーフパーサー、パーサー、スチュワーデスという職種でございます。それから日本航空乗員組合、これが千四百七名、八・七%でございます。コーパイロット、フライトエンジニア、セカンドオフィサー及びその訓練生から構成されております。それから日本航空労働組合、これが三百五十六名、二・二%でございます。これは地上職でございます。 以上が構成でございます。
○中村鋭一君 今回の事故に際して、いま御提示願いました四つの労働組合から申し入れあるいは要求等はございましたか。もしありましたら、簡潔に、ヘッドラインで結構でございますからお教え願います。
○参考人(萩原雄二郎君) お答え申し上げます。 先ほどの全労は声明を発表いたしまして、端的に申し上げますと、労使の立場、各労組の理念の違いを越え、日航に働く全従業員が初心に返り、心を一にして安全運航に向けて努力すべきであるというふうな声明を発表しております。乗員組合は、事故の原因を主として機長管理職制度、機長養成制度並びに労務政策にあるというふうに断じております。特に機長管理職制度の廃止に重点を置いているようでございます。また、客乗組合並びに日航労組も同様の趣旨でありますが、特に客乗組合は、労務政策が二つの組合に分かれておるものを会社が推進しておるということで分裂政策であるというふうに非難して、これが事故の原因の底辺をなしておるというふうに断じております。また日航労組は、特に賃金差別問題について、これを解決しなければいかぬというふうに言っております。 以上でございます。
○中村鋭一君 そうしますと、いま伺った範囲では、四つある労働組合の中でいわゆる全労が、労使一体となって国民の信頼を回復しなければ相ならぬ、だからそのためにわれわれは一生懸命手を結んでやりましょうと、こう言っているわけですね。あとの三つの組合は、主として今回の事故の近因、遠因は経営者側にある、管理者側にあると追及の姿勢をとっている、このように理解してよろしゅうございますか。
○参考人(萩原雄二郎君) 先生の御趣旨のとおりでございます。
○中村鋭一君 もう一遍お尋ねいたします。全労は構成人員は何人で何%だったですか。
○参考人(萩原雄二郎君) 全労は一万一千七百五名、七二%でございます。
○中村鋭一君 そうすると、日航の四つある労働組合の中で七〇%を越える組合員を擁しております全労は、まさに労使一体となって国民の信頼を今回の事件を契機として回復しなければならぬ、こう言っているわけで、私はこのことは非常に敬服に値する、評価に値する声明であった、このように思います。会社としてもこういった労働組合の諸君とは本当に手を携えて会社の再建、信頼の回復に努めていただきたいと思う次第でございます。 さて今回、当然ながら日航の労働組合の皆さんも、いわゆる春闘、賃闘ですね、賃上げの闘争を展開していらっしゃる、こう思いますけれども、この四つの組合のそれぞれのベアの要求額、それから闘争の方法ですね、たとえばスト権を確立した組合はこの組合である、この組合はスト権は確立しておらない、あるいは日常の闘争のやり方でも、リボンはつけない、腕章はつけない、こういう何十人という死者を出した大事故でありますから、社員としても余り乗客の目に触れるところでビラ配りをしたり、会社の経営者側の責任を追及することを一般の国民に訴える、そういうところを見せたくないというような考え方をしている組合もあるかもしれませんし、あるいはスト権を確立して断固闘うんだ、こう言っている組合もあるかと思いますが、その辺を簡略にお示し願います。
○参考人(萩原雄二郎君) 全労の要求は、定期昇給等を除きまして、いわゆる純ベアの率にいたしますと五・五%、それ以外に人事賃金制度の改定としまして一・八%の要求がございます。これを金額にいたしますと、大体において地上職で一万四千四百円、五・五%、純ベアの方でございます。それから乗員組合は一五・七%の純ベアを要求し、それ以外に夜間手当等として九%の要求がございます。その金額は十一万八千七百円になろうかと思います。また夜間手当は約七万円の要求でございます。それから客乗組合は純ベア要求が一五・三%、その金額は四万三千七百円、それ以外に夜間手当といたしまして一〇%の要求がございまして、それは約三万円ということでございます。また日本航空労働組合、地上職の組合でございますが、一九・三%の要求でございます。金額にしますと五万三百円になろうかと思います。これは会社側試算でございます。 それから闘争のやり方につきましては、全労は、ことしはこういう事故を起こしまして、リボンとか着腕とか、そういう闘争は一切行わないということで早期に収拾したいというふうに表明をしております。乗員組合、客乗組合は、それに対しましていままでと同じような闘争態勢をとりまして、二十二、二十三日を航空の山場としまして全面を含むストライキを構えております。スト権もすでに確立しているというふうに聞いております。
○中村鋭一君 いまおっしゃいましたね、乗員組合は、これだけの事故を起こして、これだけ遺族の人々が泣いているんです。これだけたくさんのけが人出しているんです。国家的な大問題です。そのときにスト権を確立して、二十二、二十三日の両日にストライキを構えているといまおっしゃったのですか、もう一遍確認いたします。
○参考人(萩原雄二郎君) ストライキ権がすでに確立しております。それで二十二、二十三日を全面を含むストライキとして指定しております。 以上でございます。
○中村鋭一君 もう一点お伺いいたします。早く収拾しようじゃないか、こう言っております全労の要求額は幾らで、それでスト権を確立して従来どおりの闘争態勢を組んで、場合によっては二十二、二十三の両日に全面ストライキも辞せずと言っております乗員組合等は、要求は額にいたしまして幾らですか。
○参考人(萩原雄二郎君) 全労は地上職で一万四千四百円、五・五%、プラス人事制度の見直しとして一・八%、四千六百円でございます。乗員組合は一五・七%、十一万八千七百円、プラス夜間手当として九%、約七万円、客乗組合は一五・三%、金額にしまして四万三千七百円、プラス夜間手当として約三万円ということでございます。
○中村鋭一君 コーパイの平均給与は幾らですか。それからスチュワーデスの平均給与。諸手当等を含めてお答え願いたいのですが、たとえば夜間の乗務手当等含めて平均給与は、コーパイとそれからスチュワーデスで幾らになりますか。
○参考人(萩原雄二郎君) 副操縦士等の運航乗務員の平均給与は月額七十五万四千三百円でございます。これは乗務手当を含んでおりますが、その他の基準外は含んでおりません。スチュワーデス、パーサー等の客室乗務員——スチュワーデスだけの数字がここにござません——等の金額は二十八万六千二百円でございます。それから地上職の平均給与は二十六万九百円でございます。平均年齢は、運航乗務員につきましては三十四・三歳、スチュワーデス等の客室乗務員につきましては二十七・三歳、地上職は三十三・七歳ということでございます。
○中村鋭一君 いま伺いますと、コーパイで三十四歳、ざっと七十五万ですね。地上職員で、余り違いませんね、三十三歳七カ月とおっしゃいました。 〔理事本岡昭次君退席、委員長着席〕 大体似たような平均年齢で二十六万ですね。この地上職の皆さんが主として構成しております全労の要求は五・五%、これを満額獲得いたしましてもおよそ一万五千円でございますから、二十八万円弱になります。それに対しまして、たとえば乗員組合のコーパイは平均給与七十五万、ただいまおっしゃいました手当を合わせますとおよそ二十万になりますから、九十五万円ということになります。同じ日航の職員で、平均給与二十六万の皆さんが、スト権も確立せずに労使一体となって今回の事故の信頼回復に努めようと言い、一方では平均給与七十五万円の乗員組合の皆さんがスト権を確立して、その上で二十万になんなんとする増給を要求しておいでになるわけでございますが、これについて会社側の端的な御見解をお聞かせ願います。
○参考人(萩原雄二郎君) 全労は同盟に所属しておりまして、社会的な同盟の線というものを要求の基礎にしておりますが、乗員組合、客乗組合等はアンケートによる要求という方式をとっておりまして、今回のみならず大変に高い要求をいつも提出しておるということでございまして、特に昨今の事故並びに航空界の非常な不況という状況におきまして、このような高い数字を要求することはきわめて遺憾であるというふうに考えております。
○中村鋭一君 過去、日航のストライキは、年平均にいたしますと何回ぐらいありましたですか。それからストライキ、指名ストも含めて、延べ人員は年間何人ぐらいになっておりますか。
○参考人(萩原雄二郎君) 四十九年度以降ストライキの数は、年によって違いますが、四十九年には客室それから乗員と両方、八日ないし七日ということでございました。一番多いのが昭和五十三年でございまして、客室が十五日、乗員が九日という数字でございます。昨年と一昨年はやや鎮静してまいりまして、二日、二日というふうな状況になっております。 参加人員につきましては、態様が部分スト、全面ストそれぞれに分かれておりまして、ここではちょっと数字を持っておりませんが、先ほど申し上げましたような千八百名ないし千四百名という組合員がほとんど全面ストの場合には参加しておるというふうに御理解いただきたいと思います。
○中村鋭一君 ということは、社会通念上一般の勤労者の平均給与と比べてはるかに高い給料を取っている皆さんが年間数回に及ぶストライキを構えて、そうして安全に大量にスケジュールに従ってお客さんを輸送するべき使命を担っているにもかかわらず、それを阻害しているという事実がここに浮かび上がってくるわけでございますけれども、今回もし二十二、二十三日にストを構えた場合は、日航としてはこの乗員組合等が要求しております大幅なベアに屈してストライキを回避されようとするのか、それとも断固としてそこにけじめをつけて、特に今回こういう事故があったのですから、同じ労働組合でも一方ではストはやらないで話し合って再建しようと言っている組合もあるわけですから、その点はどのようにお考えか、お聞かせ願います。
○参考人(萩原雄二郎君) 今回の事故に伴いまして、社会的責任からしても当社は社会水準のようなベースアップはとてもできるところではないということを、すでに組合にも団交を通じまして申じ上げております。それからまた、その事故に加えまして昨今の、先ほど申し上げましたような経営の状況からいたしまして、とても高い水準が出せるものではございませんので、会社としましては、今回の回答につきましては慎重に対処していきたいというふうに考えております。
○中村鋭一君 最後に、当然ながら労働者にとりましてストライキは固有の権利でございますから、労働組合がストライキを決行し、そうして自分たちの労働者本来の権利の拡大にお努めになるのは、これは当然のことであります。しかし、社会通念というものがあります。特に今回の事故がございました。その点を経営者としても十分に留意をされて、よき労使の慣行に当たっていただきたいと思います。 社長に一言申し上げますけれども、巷間では、今回の事故の責任を社長が辞任をもってとるべきだと、こういう声があります。しかし、たとえばあのホテル・ニュージャパンの横井英樹社長の対応と今回の事件についての高木社長の対応を見ておりますと、私市民の一人として、高木社長が全御遺族の御家庭を訪問されて、本当に誠心誠意申しわけないとお謝りになりました。そのことを私は評価いたしたいと思います。そうして、単にやめて済むものではない、こう思いますので、完全に今回の事故の決着がつくまでその職におとどまりになってがんばってくださるように御期待を申し上げまして、私の質問を終わります。
○江田五月君 参考人の皆さん、本当に御苦労さまです。 二月九日に日航機の事故が起きて二カ月、この事故は本当に国民全部が、あるいはひょっとしたら世界じゅうの人たちがびっくりした、大変な衝撃を与える事故でありました。二十四人の人が亡くなり、大ぜいの人が大変なけがをしたわけです。その後、たとえば「機長、やめてください」とか、心身症であるとか、逆噴射であるとかいうような言葉が流行語になっている。恐らく日航関係の皆さん大変な痛恨事だと思います。 国会で特にこの事故をテーマにして皆さんにお話を伺うということはこれで終わりになるかもしれませんが、ひとつこういうことがないように、これから本当に真剣な対応をしていただきたいと思いますが、国会でいろいろ具体的な細かなことを伺うということは、実はそう軽々にできることではありません。きょうは参考人としてお見えくださっているわけですから偽証ということはありませんが、しかし、ひょっとしたら参考人としてお話しくださっていることでも刑事責任を左右する際の証拠となる場合もあるわけです。先ほど高木社長は、片桐機長がうつ病であったことは会社としては知らないというお答えでしたが、会社として知らないということは一体何なのか、具体的にどこまで情報が入っていて、どこからとぎれているのかということをもっと具体的に追及していくと、それは刑事責任の有無にも関係してくるわけですから、余りそういうところまでこの場で立ち入るのはどうかなという感じがいたしますが、いずれにしても、これで国会の議論で俎上に上げられることは一応終わりになるというときに当たって、どういうお覚悟でございますか、あるいはどういう感想をお持ちなのか、最初に伺っておきたいと思うんです。
○参考人(高木養根君) 二月九日にあの大変な事故を起こしましてから二カ月経過いたしまして、私にとりましてはこの事故はいまでも昨日起こりましたように本当に痛恨事でございまして、私としては二度とこういう事故を起こしてはならないということを心で誓い、真剣に安全対策に取り組んでいきたいということが一つ。それからもう一つは、私、御遺族の皆様にはお一人お一人お目にかかって本当に心からのおわびを申し上げたいということでまいりましたけれども、本当に誠意を尽くして事後処理をやっていきたいというかたい決意を持っております。
○江田五月君 具体的な話に入ってみたいと思いますが、過去の事実の追及ということではなくて、これからどうするか。まず身体検査ですが、昭和四十四年の四月十日に航空審議会が運輸大臣に提出をしました答申、この中に、これは八ページですが、「航空機乗組員適性検査機関の設置」、これは午前中にも指摘があった点ですが、「航空機乗組員の航空適性を確保し、航空機の安全運航に寄与するためには、国が欧米諸国にみられるように、民間航空に係る航空医学・心理学に関する検査研究機関を早急に設置することが不可欠の要件である。」この検査研究機関というものは設置されておるのですか、おらないのですか。
○政府委員(松井和治君) 諸外国の航空身体検査制度につきましては、四十四年の答申が出ます際に、先ほども御答弁申し上げましたとおり調査団を派遣して実態を把握したわけでございます。米国と欧州の主要国に参りまして、必ずしも実態のつかめなかった国もございますが、主要な国についての調査をしてまいりました。その際に、検査研究機関でございますが、欧米諸国の実態は先ほども申し上げましたが、研究機関でございまして、しかもそれはここに書いてあります「国が」というのは必ずしも全各国がそうだという意味ではございませんで、アメリカと西独は民間の研究所がございます。それから英国、フランス、カナダ、イタリア等は軍と民の、何と申しますか、一緒になりました形での研究所が存在する、こういう実態でございます。
○江田五月君 私はここに書いてある、「検査研究機関を早急に認置することが不可欠の要件である。」とある検査研究機関は、設置されているのですか、されていないのですかと聞いたのです。
○政府委員(松井和治君) 設置されておりません。
○江田五月君 これは運輸大臣、ひとつ真剣に考えていただく必要があると思うのです。航空医学も、私は全然素人ですから知りませんが、宇宙にまで人が行って帰ってくるような時代ですから、恐らく非常に日進月歩のものがあろうと思うんです。しかも国際的にも日進月歩のものがある。国内でも恐らく大変な進歩がこの十年来ずっと続けられてきているのじゃないかと思うんです。こういう航空医学とか心理学とかの最高の水準、一番最近最新の水準を踏まえた身体検査というものが航空機乗組員の皆さんには適用されてしかるべきであるし、それはいわば航空機を安全に運航させていくという事務に携わる者の一つの責任じゃないかと思うのです。国内においても単に運輸省の関係というだけではなくて、たとえば文部省であるとか厚生省であるとか、各大学であるとか、そういうところとも連絡を密にしていく、あるいは国際的にも連絡を密にしていって、現在の航空医学の水準、あるいは身体検査の実情、こういうものについて情報収集の体制をきちんととり、研究の体制もきちんととって、身体検査という点からも航空機の安全運航を確保していく、このことをひとつ真剣に考えていただきたいと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いろいろと今日までの事態の中では、こうした高度の研究あるいは高度の診断にふさわしい技術者と申しますか、まことに得がたいということなんです。それはそれといたしましても、そう完璧なことを期待する前に、やはりできるだけの現在可能な範囲でのあれをやろうと言っておるんです。ただ、すでに航空局長の諮問機関といたしまして、この道の専門家と言われる方々の委員会をつくっておるわけであります。それがここで言われておる「国が」というのはなかなかできないので、運輸省限りのそうした委員会をつくっておりまして、そこでいろいろと本格的に取り組む場合のことや、また、いろいろな問題が起こっておることについての諮問に応じていただくという組織にはなっておるのであります。今回の事故でその点なお十分に作動する必要を痛切に感じておりますので、前向きに進めていきたいというふうに考えております。
○江田五月君 ひとつよろしくお願いします。 これは、特に航空医学などに通じた人を得るのはなかなかむずかしいことだという大臣のお話も、そのとおりだと思いますが、しかし一方で、日本の国内でも各大学などにも協力を求めれば人はいるんだという話もありまして、運輸省限りでなくて、そういう関係省庁の協力もひとつ取りつけることを大臣にお願いをしておきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) そうした努力もひとつやってみたいと思います。
○江田五月君 身体検査の手続について、これは恐らく改善すべき点がたくさんこれから出てくるのじゃないかと思います。たとえば先ほども指摘がありましたような、会社の中のお医者さんと運輸省サイドのお医者さんとが同じ人だというようなことではこれはどうしようもないわけで、身体検査の手続上なるべく多くの医師が判断に関与をしていくということも必要だろうと思いますし、あるいはまた身体検査基準にしても、基準自体が、基準というのは大体こんなものですけれども、細かなところまで詳細に規定されているわけではない。マニュアルがあるわけですけれども、マニュアルもそんなに細かなものになっているわけではありません。 大体、私も医学はよくわかりませんが、病名ですね、病名というのはある意味では一つの価値判断みたいなものなんですね。うつ病といっても、うつ病というのは一つのタイトルでして、うつ病の中にもいろんなものがあるわけで、ボーダーラインになると、うつ病の方へ転ぶのか、それともそこまでは至らない、単に神経衰弱という程度の方になるのかというあたりになると、これはわからないわけですね。ですから、病名だけでマニュアルをつくってみても、本当に実際に機能するかどうかというのはわからないわけで、身体検査を受ける者が年間一万人ぐらいいるわけですね。そうしますと、やはりそこにいろいろな判断例があると思うんです。そういうたくさんの判断例を集積させて、そして身体検査マニュアルも豊富にしていく、中身を詰めていく、そういうフィードバックのシステムというようなものを考えていく必要があると思いますが、身体検査制度の改善といいますか、こういうことを一体どうお考えか、これも時間がありませんから簡単にお答え願います。
○政府委員(松井和治君) ただいまの江田先生の御指摘まことにごもっともでございまして、私どもも今度の事故をきっかけにいたしまして、制度に改善を要する点がないかどうかということを直ちに専門の医師にいわば諮問の形で投げかけまして、ただいま先生御指摘のマニュアルを豊富にするということにつきましても、現在そうすべきだという方向で、それじゃそれを具体的にどうするかというところまですでに進んでおります。 たとえば一例だけ申し上げますと、マニュアルの中に診断の方法まで記入したらどうかというような御意見もございます。たとえば心臓の診断をする場合の負荷のかけ方をどういうふうにするか、ただ一定の負荷をかけてというのではなくて、きっちりした診断方法まで記入したらどうかと、いろんな御意見が出ております。したがいまして、過去の十年間の貴重な実例を取り込むということと、もう一つ、ICAOの国際的な基準が現在改正の作業が進んでおります。早ければ五月にも一部改正が行われる予定でございます。その改正の案も私どもとしては参照させていただきまして、この際全面的な見直しをしたいというふうに考えております。
○江田五月君 この航空機乗組員の皆さんの健康管理の問題については、四十四年の答申もありますが、その前に三十九年九月十一日、航空審議会委員長から運輸大臣に対して答申がなされておりまして、その答申の中に、たとえばこれは十六ページになるんですが、「各会社における健康管理の完全実施」というような非常に細かな項目にわたったものがありまして、その中には「操縦士の家族ぐるみのカウンセリング」というようなものも入っているんですね。三十九年にこういう「家族ぐるみのカウンセリング」という答申が出ながら、これは各航空会社にそういうことをやれという答申になっているわけですが、その後なかなかこういう家族ぐるみのカウンセリングなどができるような体制にはなっていないように見受けられますが、この実情はどういうことになっておりますか、運輸省はどう把握をされておりますか、日航の方はどういう実態になっておりますか、伺います。
○政府委員(松井和治君) 御指摘の点につきましては、まず実態を申し上げますと、日本航空におきましては主として健康管理室の医師がいわばカウンセラーを兼ねておるという形で運用されておりまして、また全日空につきましては医師以外に二名の調査役を、これは医師の資格を持っておらない人でございますが、健康管理室に配置いたしましてカウンセリングに当たっておるというのが実態でございます。 今回の事故にかんがみまして、本日日本航空から提出されました回答の中に、お気づきかと思いますが、さらにカウンセリングの体制を充実するよう先輩乗員、機長の経験者を二名さらにカウンセラーとして配置するという報告をきょういただいたところでございます。
○参考人(野田親則君) 三十九年のあの審議会の答申に対して、申しわけございませんが、私自身も非常に認識が薄うございまして、会社の中で関係のある者に確かめました範囲で、この項目にかんがみて具体的に会社が行動をとったということはまだわかっておりません。したがいまして、非常にその点に関しては不完全な状態であります。
○江田五月君 特にパイロットあるいはコーパイその他、乗務員の健康の問題というのは多くの人の命にかかわる問題なので、私はこの乗務員の皆さんの厚い待遇のことなども考えれば、産業医、それから指定医、あるいは主治医あるいはその人がかかった医者、どこであってもこういう医師が得た情報というものが、医療法とか医師法とかの制約なしにどこかで集中的に管理されるような制度は一度検討してみなければならぬのじゃないか、これはなかなかむずかしい点もありますが、というような気がしますが、この点はお答えいただくまでもないので提案だけしておいて、次に移ります。 今回のこの事故は、機長管理職制度というものが元凶なんだというふうに言われる場合もありまして、果たしてそうなのかどうなのか、よくわからないのですが、管理職というのは、日航の場合は機長が全員管理職になっているわけですが、機長は管理職として一体何をするわけですか、あるいは何をするように求められているわけですか。
○参考人(高木養根君) お答えをいたします。 この機長管理職制度につきましては、いままで何回もここで話が出まして、いろいろお答えをしておるわけでございますが、基本的には機長というものが法律上も社会上もあるいは経営上も与えられているその非常に大きな権限と責任、これから見て、まず第一に処遇上管理職にするのが当然ではないかということが一つあるわけでございます。 それから、ただいま先生から御質問のありました、管理職という面で一体会社は何を期待しているのかということにつきましては、いま申し上げましたように、機長自体の職務がすでに管理職としての内容を持っているということのほかに、普通の意味における管理職としての職能といいますと、たとえば人事の問題、人事管理の問題につきましては、これは意見を求められればということが主になりますけれども、グループリーダーを通じて他の乗員の人事考課について意見を具申するというようなこと、あるいはこれは航空法にも関係がございますけども、いわゆる勤務管理ということにつきまして、そのフライト中に勤務時間その他の問題について問題が出ましたときに、他の乗員の意見も聞きながら機長が決定をするというような勤務管理上の要請もございます。 それから経営上のいろいろな問題につきましても、機長としていろいろな機会に会議その他に参加することによりまして、経営上のいろいろな問題について参画をするというようなことが求められております。
○江田五月君 その機長というのが、法律上もあるいは実際のフライトの実務の上からも大きな最終的な責任を負う、そしていろいろな判断はやはり機長が最終的に行っていく。コックピットの中あるいは客室の方も含めて、乗務員すべてを機長が指揮して、監督していかなければならぬ。しかもその指揮監督というのは、一つの何というのですか、人格的なリーダーシップでもって人を引っ張っていかなければならぬ。そういうようなことを考えますと、管理職という名前がいいのかどうかはわかりませんが、やはり一つのフライトを行うチームの中のトップだ、一番責任があるんだということを機長に要求するのは、これは当然のことだと思うんです。仮に会社が、何かいま国鉄では現場協議とかなんとかというようなことがしきりにあるようですけれども、フライトの最中でも、いつも労使の対立のことが問題になって、そしてその場で機長が会社側として何か行動しなければならぬというようなことを機長に要求されておるのならば、またこれはちょっと話は違うんですが、そんなようなことがあるのですか、どうですか。
○参考人(高木養根君) お答えいたします。 私どもとしては、別の機会にも申し上げたことでございますけれども、フライト中は、やはり機長、それからコーパイロット、副操縦士、あるいは航空機関士、セカンドオフィサーという名であらわされますように、実際にフライト中の仕事について、一方が管理職で一方が組合員というような問題は起こっておらないというふうに理解しております。フライト中はあくまで機長であり、副操縦士であり、航空機関士である。それぞれの協力によってフライトの業務が行われておるというふうに承知しております。
○江田五月君 一部には、機長が組合員でないから、だから仲間意識を機長と共有することができない、したがって機長の側からもほかの人にいろいろ相談できないし、ほかの者も機長をどうも煙たがるというようなことがあるんだというわけですが、しかし、フライト中のそれぞれの職務の分掌というのは、これは組合員か組合員でないかというようなことで左右されてははなはだ困るわけでして、フライトの職務に携わっている仲間だという、そういう仲間意識というのは、組合員の組合員であるという仲間意識を共有するかどうかによってつくられるものではなくて、やはり一つのフライトをお互いに担当しているというところから仲間意識を持っていただくことになっていかなければいけないのじゃないかと思いますが、その点、本当に顧みて全く心配ないと言い得るのかどうか。何となくちょっと落ち度があったのじゃないかという感じもするのですが、ひとつ改善願いたいところですが、いかがですか。
○参考人(野田親則君) 本日運輸大臣にお答え申し上げました七項目の一つが、いまの御指摘に大変関連があると思います。乗員組織というくだりでございまして、具体的に申しておりますことは、まず乗員のグループというものは機種で分かれておる、これが一番大きな分かれ方。その中が路線で分かれておる、ヨーロッパとか等々。その中がまたグループというものに分かれておる。そして、そのグループというのが普通で言う適当なサイズのグループ、集団でありまして、これがうまく働いてくれるということが、いま先生御指摘の乗員としての仲間意識が醸成されるとか、意思の疎通ができるとか、キーポイントはそこにあると思うのですが、そこの働きが不十分だということも会社は認識いたしております。 その辺をいかに改良していくかということが、今回の事故にかんがみてとる対策のうちの一つの目玉であるというふうに考えておりますので、これは現状の足らざる点を認識するとともにここに大いに力を入れて今後努力をしたいということを申し上げます。
○江田五月君 これでもう最後にしますが、機長が管理職であるかどうかは別として、機長というのはやはり航空機を運航していく技量の点でもすぐれていなければならないし、しかしそれだけではなくて、判断力についても偏った判断でなくて、やはりしっかりした判断ができなければいけない、冷静でなければならない、沈着でなければならない、人格的にもすぐれていなければならないというようなことが要請されると思うんですね。そう考えてみますと、どうも非常に残念ですが、片桐機長の場合は、管理職であるかどうかは別として、管理職ならなおさらのこと、機長たるにふさわしくなかったのではないか、今から考えてみて。 いま日航の機長は、なかなかお答えにくいかもしれませんが、一体機長たるにふさわしい人ばかりできちんとでき上がっているのかどうか、もう一遍念には念を入れてよく点検をしていただきたい。この機長が、日航の業務の運航上、経済性の観点から、これだけの人間がいるからというので粗製乱造で機長にどんどんしてしまうということのないように、ひとつ念には念を入れた運営をしていただきたいと思います。その覚悟だけ伺って質問を終わります。
○参考人(高木養根君) 確かにまさに先生の御指摘のように、機長というのはフライトの最終の責任者であり、指揮者でありますので、これは技能はもちろん統率力、判断力その他において、どんな危急の場合でも正しい間違わない判断ができるような人間性をやはり持っていなければならぬということでございまして、私どももそういう意味では現在の日本航空の機長を、確かにこの間の事故を起こしたような問題はありましたけれども、一般的に言いまして信頼しておるわけでございますが、ただ健康的な理由で現在、実は乗務を降りてもらっている機長が何人かおります。そういう特に健康管理面につきましては、先般の事故の例もこれあり、今後ますます万全の配慮をしていきたいと、このように考えております。
○美濃部亮吉君 私も日航機の墜落事件にしぼって御質問をいたします。 いままでのお話を伺ってみましても、飛行機の安全な運航につきましては、操縦室の中にいる三人、機長と副操縦士と機関士、この三人の緊密な連絡、関連、それが非常に大切だと思いますけれども、いかがでございましょう。ノーかイエスで結構でございますから。
○参考人(野田親則君) そのとおりでございます。
○美濃部亮吉君 それはもちろん、操縦の関係においては序列と申しましょうか、役割りと言いましょうか、それがきちんと決まって、そうして最終的な判断は機長が下さなければならない、それもよくわかっております。しかしながら、機長が最終的な判断を下すまでには、副操縦士あるいは機関士の意見も十分に参酌をして、聞くべき点は聞いて、そうして最終的判断を下すべきものである、そう考えますが、いかがでございましょう。
○参考人(野田親則君) いろいろなケースがございますと思いますが、時間的余裕がある場合にはそのように運ぶべきだと思います。反対にそういう余裕がなくて、とっさに決めるというような場合もございますので、一概には申しかねる場合もございます。
○美濃部亮吉君 それでは少し話を変えまして、一九七二年以来、日航機を除いて、その他の日本の航空会社は墜落事故というものを起こしておりません。それに対して日航機は、一九七二年六月にバンコクとニューデリーの間で墜落いたしておりますし、同じ七二年九月二十四日、テヘランとボンベイとの間で墜落事故を起こしております。それから同じく七二年十一月には、モスコーの空港を離陸した直後に墜落いたしております。それから一九七五年にはアンカレッジで離陸の際に墜落事故、それからまた同じく一九七七年アンカレッジで、これは旅客機ではない、牛を運搬するという場合の事故でございますけれども、事故を起こしております。同じく七七年九月にクアラルンプールでも墜落事故を起こしている。そうして八二年の二月の羽田事件を起こしています。日航機だけが七件の墜落事故を起こしているというのは事実であると思いますが、間違いはないでございましょうか。
○参考人(野田親則君) いま先生のお述べになりました日にち等に若干のあれがありますが、それを除きますと事実でございます。
○美濃部亮吉君 そうして、こういう事故を通じましてその原因が委員会で究明されまして、それの発表によりますと、その原因はすべて、メカニカルなハードウエアの原因ではなくしてソフトウエア、つまり人的関係、機長以下の人的関係によるものばかりでございます。今度の羽田も恐らくはそれに属していると思います。 そういうふうに考えますと、その操縦士以下の三人の操縦席にいる人たちの間の関係について、ほかの飛行機会社は何らの問題がないにもかかわらず、日航機だけがこういうふうにたびたび事故を起こしている。しかもソフトウエアに関連する事故を起こしている。ということは、日航機にそういう点について問題があるのではないかということを素人の私でも考えるのですけれども、そういうふうに考えるのは妥当ではないのでしょうか。
○参考人(野田親則君) 七件の場合がすべてメカニカルな理由でない、したがってこうだというふうにお述べになりましたが、事故の直接原因たり得るものはその二つだけではございませんでして、たとえば環境、飛行機の外側のこと、気象であるとか飛行場であるとか通信であるとか、飛行機から見ると外の条件というものも関与する場合がございます。したがいまして、この七つの場合を合わせて最大公約数を求めるということは大変むずかしい。私どもはこの事故はそれぞれ特殊の理由と原因とからくりで起こったものと思っております。それで、それぞれ教訓として十分に生かさなければならない。生かすということは、すなわち将来同種のことを起こさないようにするという意味でございますが、そういうふうに役立てねばならないと思っております。 したがいまして、メカニカルでなければヒューマンだと言うのは、まことに率直に申して申しわけないのですけれども、やや簡単化過ぎるのじゃないか。仮に最終的に乗員が絡んでいたとしましても、その乗員が何かミス、簡単に言うとミス、それを起こす背景のものというのをよく気をつけて処理するというのが私どもの事故対策の要諦でございますので、直接原因だけに着目してそれに手当てをするというのでは不十分である。そこに至る手前に、それを助長した何ものかがあるだろう、たとえば誤解を招くとか等々いろんなことがございますので、そういう第一原因の奥の方にあるもの、そういうものを十分手当てをしなくてはいけないという考えに立っております。
○美濃部亮吉君 もう結構です。しかし、それは変だと思うんですよ。気象条件とかいう例をお述べになりましたけれども、気象条件は周囲から起こった環境で、その環境のもとにどういうふうにしたらいいか、逆噴射をしたらいいか、逆噴射をしたらいけないか、それはヒューマンな問題であって、何といいますか、原因は方々にあると思うんです。しかしながら、最後に決定するのはヒューマンが決定をする。そういう意味において私はヒューマンとメカニカル、あるいはソフトウエアとハードウエアというふうに分けることができるのではないだろうか。それをさらに細分類すればたくさんに分かれますけれども、最終の分類はヒューマンとメカニカルというふうに分けられるのではないかと思います。 その問題はそれくらいにいたしまして、いまの羽田の事故に返りますけれども、先ほど沓脱さんが話されました、ことしの二月二十五日、羽田の東急ホテルで開かれました会社役員と従業員百四十名との懇談会で、片桐さんの同僚のある人の話でございますが、沓脱さんが、うつ病ということを奥さんから聞いたという話をされましたけれども、それ以外にも聞き捨てならない証言といたしまして、片桐さんは副繰縦士の間は非常に快活な、冗談を言って、むしろおしゃべりのような人であったけれども、ATRに指名されて、そしてレフトシート訓練に入るとだんだんと性格が非常に変わってきて、そして笑わなくなって、好きだったマージャンもやらなくなって、休みの日にもどこにも出ないで家にばかりいる。そして、沓脱さんも言われましたけれども、完全に無表情な人になってしまった。 そのことは、私は機長の訓練の間にやはりそうなってきたのではないだろうか、そういうふうに思われまして、そうして片桐さんも、自分の行動が上の方に密告されて、その結果として機長になれないのではないかということを非常に心配してだんだんと無口になり、表情がなくなる。そうして、日航の操縦士のATRの期間は、昔は二年であって最近は一年になったそうでございますけれども、ほかの会社は四カ月ないし五カ月であり、それから欧米諸国家の飛行会社でも四カ月から五カ月である。非常に長い。そこに僕は何かがあるのではないか。片桐さんがそういうふうに性格が変わってきたということは、単に片桐さんだけに限らないと思うんです。 その証拠には、アンカレッジの事件の、牛を運んできたときに、副操縦士は凍っていて危ないから出発しないがいいということを忠告したにもかかわらず、東京からの連絡で出発しろという電話があって、その電話に従わざるを得ないというので出発して、そうして墜落した。そういうことがあったという事実があるので、機長になる訓練の間にどうしてもいろいろな圧迫を受けて、従業員の立場から経営者の立場に変わっていくのじゃないか、そういうことが考えられるのですけれども、いかがでございましょうか。
○参考人(野田親則君) ただいま非常に多くのことがありましたので、順序不同になるかもしれませんが、お答え申し上げます。 終わりの方で、アンカレッジから出た飛行機の事故云々がございましたが、これは私の記憶では二つぐらいのケースがごっちゃになっているように思います。その意味において不正確である、二つのものをつなぎ合わせてあるというふうに感じましたので、正確にはそういうことではない。 それから、機長になる課程が、わが社の場合は一番理想的にいきますと十二カ月ぐらいで終わるようになっていますが、現実にはなかなかそういかなくて、十四カ月とか十五カ月とか、それぐらいかかるのが現状でございます。これは過去のいろんな経験から現状がそうあるわけでございまして、過去の事故対策として、もっと機長昇格を慎重に、機長昇格の訓練を充実してやろうというようなことから今日のやり方があるわけでございまして、一般論から言いますと、機長になるためにはそれだけ十分な訓練をする方がよろしいということであります。中身が合理的でありさえすればでございます。 そこで、一般的に副操縦士から機長に上がる人の最近の経験を見ますと、やはり相当にその人のエネルギーを使ってその十数カ月の期間を乗り切るというのは事実のようでございます。したがって勉強とか、まあ家庭の生活もかなりそのことにオキュパイされる。それから家族の人もその御主人の勉強にやはり影響されて、家族の人の協力というものも非常に必要である。そういう、言ってみると他に余りそれに匹敵するぐらいの職業はそうないと思いますけれども、かなりむずかしい関門を努力によって通り抜けて、そして機長というところに到達するということは事実のようでございます。したがって、ある場合には家族にしわ寄せがいくということもあります。それから、本人の性格でそれに耐え切れなくなるということもあるかもしれません。 しかし、先ほどからるるいろいろなことを申し上げておりますように、五百人ぐらいのお客さんの身体を預かり、生命を預かって、非常に異常なときでも正しい行動ができるという、そういう高度な要求のためには、やはりかなり過酷と思われるような訓練も必要だという過去の会社の経験からそういうことをやっているわけでございまして、この点は現状は悪くないというふうに思っております。
○美濃部亮吉君 時間がございませんから、失礼ですけれども、先に進ませていただきます。 先ほど申しました東急ホテルの懇談会の席上で、尾崎副本部長は次のようなことを言われたそうでございます。 機長管理職制度反対という意見は左翼勢力に汚染された意識で、それが果たして正しいかどうか、これは大問題であります。右翼の理論というものはごく単純だから、突っつけばすぐぼろが出ますが、左翼の理論は巧妙にしぶとくやってきます。北方領土を見ても、アフガニスタンを見ても、ポーランド問題を見てもわかります。 これはとんでもない短絡と言おうか、私が治安維持法で警察につかまったときの特高の考えどおりだと言っても言い過ぎではないほどの短絡的な意見であって、これが日航のすべての上層部の労働組合に対する見解だとは言いませんけれども、幹部の重要な職にいる人がこういうふうなことを組合に対して考えているということはとんでもないことであって、こういうふうな考え方が、機長はそういうとんでもない左翼思想に汚染されている労働組合に入っている人はとてもできない、それだから管理職にして労働組合から切り離す、そういうことになったのではないかと推察されますけれども、いかがでございましょうか。
○参考人(高木養根君) ちょっと余談になりますけれども、先ほどからお話ございますように、当該機長会と役員との懇談会には私も出ておりましたので、いま美濃部先生御指摘のように、確かに尾崎取締役がほぼそのような発言をしたというのは私も承知しておりますが、そういう考え方で機長管理職制度を導入したのではないかという御疑念でございますけれども、それは全く無関係でございます。 この機長管理職制度を導入しましたのは四十五年でございまして、もう十年以上前になるわけでございますが、ちょうどわが社でいわゆるジャンボ、当時三百六十一席の国際線用でございますが、ジャンボを導入したときに、これだけ大ぜいのお客様の御生命を預かる機長の責任の大きさ、それから権限の大きさ、そういうことから処遇として管理職にするのが適当であるということで決めましたことでございまして、決して尾崎取締役が発言しましたようなそういった考え方で導入したのではございませんので、その点はぜひひとつ御理解をいただきたい、このように思います。
○美濃部亮吉君 しかしながら、機長に管理職という特別の枠を当てはめまして、一般の労働組合員、換言すれば従業員から別の枠の中に入れる、そういうことをやっておりますのは、日航を除外しては日本の航空会社は一つもございませんし、また欧米の航空会社にもない、そういう特異な制度である。そういう特異な制度をやっている日航機がたびたび事故を起こす。そこに何かの関連があるのではないか、僕はまことにそう考えざるを得ないと思うんです。それですから、私は飛行機はきわめて安全なものであるというので、あらゆる場合において飛行機を利用いたしましたけれども、いまのようなことを知ってまいりまして、これはとても危ない、いつ飛行機で命を失うかわからぬというので飛行機に乗ることは一切やめて、今度大分に参りますけれども、これも電車を使うことにいたしました。そういうふうに考える人が僕はふえると思うんですよ、いまのような皆さん方の態度を続ければ。そうすれば日航それ自体の運命にも関することであって、その点、私がどうこう申すことはできませんし、またすべきでもないと思いますけれども、ただ、私に言えることは、いまの管理制度を初めといたしまして健康管理その他、操縦室の中の空気が最上になるように、そうして管理制度がそれを阻害する一つの要因になっているということは私は明白だと思いますので、どうぞそういう点、よく本当に意見を交えずに公平に考えていただきたいということをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(坂倉藤吾君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会