公害及び交通安全対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/02
会議録
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会をいたします。 去る三月三十日、予算委員会から、本日一日間、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、公害等調整委員会及び環境庁について審査の委嘱がございました。 この際、本件を議題といたします。 原環境庁長官から説明を求めます。原環境庁長官。
○国務大臣(原文兵衛君) 昭和五十七年度の環境庁関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百六十一億一千九百八十一万九千円であり、これを前年度の予算額四百六十億一千三百八十八万四千円と比較すると、増加額は一億五百九十三万五千円であり、その増加率は〇・二%であります。 次に、予算要求額の主要な項目について御説明いたします。 第一に、公害対策について申し上げます。 まず、環境保全企画調整等の経費については、長期的、総合的、予見的視点に立った環境政策の展望を検討するための経費環境影響評価法制度の実施を推進するための経費、瀬戸内海の環境保全対策を推進する経費及び公害防止計画策定を推進する経費のほか、地球的規模の環境問題に関する調査のための経費及びエネルギーと環境問題について基本的な考え方等を総合的に検討するための経費等、これらを合わせて、五億一千九百五十八万円を計上しているところであります。 次に、公害健康被害補償対策費については、公害健康被害補償制度の円滑な実施を図るほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として、百八十四億八千六百二十八万円を計上しております。 公害防止事業団につきましては、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として、四十四億六千四百二十八万円を計上しております。 次に、大気汚染防止対策の経費については、新たに緊急性の高い有害物質の大気環境濃度等の調査を実施するなどのほか、従来に引き続き、石炭利用の増大に対応した大気汚染防止対策を策定するための調査を行うとともに、窒素酸化物対策として、総量規制の円滑な実施のための各種の調査検討を行うなど、大気汚染物質対策の推進を図ることとし、また交通公害防止対策については、新たに物流に伴う交通公害に対する中長期的な交通公害対策の検討を実施するなどのほか、従来に引き続き、交通施設周辺における環境保全対策についての検討調査を実施するなど、総合的な交通公害対策の検討を行うとともに、自動車公害、騒音、振動及び悪臭についての対策を推進するため調査を実施するなど、八億九千九十九万円を計上しております。 水質汚濁防止対策の経費については、湖沼環境保全対策として、新たに富栄養化に係る環境基準の類型指定を行うための調査について、地方公共団体に対する助成を行うほか、従来に引き続き、湖沼の特性に応じた水質管理指針策定のための調査検討などを実施するとともに、次期の水質総量規制基準を策定するための調査等を行うこととし、さらに、新たに瀬戸内海の富栄養化対策の強化を図るための調査等を実施するほか、従来に引き続き富栄養化及び赤潮防止対策を推進するための調査を行うなど、九億七千五百十七万円を計上しております。 このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費として、一億二千二百三十一万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として、二億一千百三十四万円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、公害監視等設備整備費については、地方公共団体の監視測定体制等の整備に必要な経費として、十一億三千九百十九万円を計上しております。 公害防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一層促進するため、総額四十三億八千二百六万円を計上しております。 このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究経費として、三十二億四千八百四十四万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究機関等における試験研究の総合的推進を図ることとしております。 また、光化学スモッグに関する調査研究費及び公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然環境保全等に関する調査研究費として、九億四千五百三十二万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として、一億八千八百三十万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。 さらに、科学的な行政を推進するため、国立公害研究所の機能を充実強化することとし、これに必要な経費として、四十七億三千六百八十六万円、国立水俣病研究センターに関する必要な経費として、四億四千九百五十五万円、公害研修所に必要な経費として、一億九百十万円を計上しております。 第二に、自然環境の保全対策について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等経費については、自然環境保全施策を適切に推進するため、原生自然環境保全地域の調査等を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図るために必要な経費として、十九億三千八百七十二万円を計上しております。 鳥獣保護については、国設鳥獣保護区の管理強化を図るほか、特定鳥獣の保護事業及び渡り鳥の保護対策を推進するなど、一億九千五百八十一万円を計上しているところであります。 このほか、自然公園等の整備を図るため必要な施設整備費として、三十億九千八万円を計上しております。 以上が環境庁予算案の概要でありますが、このほか、建設省所管予算案として、国立公害研究所の施設整備のため、十二億三千二百万円、国庫債務負担行為三億六千万円がそれぞれ計上されております。 以上をもちまして、昭和五十七年度環境庁関係予算案の説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(坂倉藤吾君) 次に、青木公害等調整委員会委員長から説明を求めます。青木公害等調整委員会委員長。
○政府委員(青木義人君) 昭和五十七年度の公害等調整委員会関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会関係の予算要求額は三億八千八百六十六万六千円であり、これを前年度の予算額三億六千四百六十万三千円と比較いたしますと、二千四百六万三千円の増額であり、六・六%の増加であります。 次に、予算要求額の内訳について御説明申し上げます。 第一は、当委員会に係属する公害紛争事案の審理及び公害の因果関係の解明に必要な調査並びに一般事務処理等のための経費といたしまして、六千五百四十五万九千円を計上しております。 第二は、中央及び地方における公害紛争の処理について、都道府県等との連絡協議するための経費として、五百十二万七千円を計上しております。 第三は、公害苦情の実態を調査し、その処理について地方公共団体の職員に対し指導、研修及び情報提供等を実施するための経費といたしまして、二千三百十三万九千円を計上しております。 その他は人件費であります。 以上が昭和五十七年度の公害等調整委員会関係予算要求額の概要でございます。 何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(坂倉藤吾君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 予算委員会から委嘱されました予算審議の前にひとつお伺いをしたいと思いますが、それは長年の懸案であります安中公害の問題です。三十日の日に判決が出ました。客観的に言いますと勝訴ということになるわけですが、内容的にいろんな問題を含んでおります。あるいは今後、国としてもあるいは各省庁としても十分に対応を考えなければならぬ問題も数多くあるような感じがします。 そこで長官に、安中公害の判決についてどういう御感想をお持ちか、まずお伺いします。
○国務大臣(原文兵衛君) ただいま穐山委員御質問の安中公害訴訟の判決につきましては、判決が出まして直ちに私として談話を発表をしたところでございますが、環境庁としては本判決を真剣に受けとめまして、一日も早く安中については残っている部分の土壌の復元工事に着手されるようにさらに努力をしてまいりたいと思っております。 また、全国の土壌汚染地域につきましては、現在まだ三割程度の進捗率でありますので、残りの七割の地域について少しでも早く事業が完了できるよう、農林水産省等とも協議して、予算の確保など最大限の努力をしてまいりたいと思います。同時にまた、このような事態が再び起こることのないように、関係行政機関と連携をとって、水質汚濁防止法等の厳正な運用に努めてまいりたいと思いまして、これらの点につきましては本日の閣議におきましても関係省庁に協力をお願いしたところでございます。
○穐山篤君 判決を得て地元では例の立入協定というものを結びまして、それなりに問題の処理は進むと思います。問題は国の責任という問題が原告側から言わせるならば指摘をされなかった点が不満であります。いずれそれらの問題につきましては機会あるごとに指摘をいたしますが、きょうはそれは省略をします。 いま長官も言われましたように土壌汚染の地域が指定されているところもすでにあるわけですが、その土壌汚染地域の回復といいますか土地の取りかえといいますか、そのことについてはまだ三〇%程度であります。今後この種の争いが起きるのは予想をされるわけです。そこでさらに早急に促進をしなければならないと思うんですが、どうも過去の実績から見ておりますとその回復は非常におくれておりますね。これはやる気がないのか、あるいは金がないのか、あるいはその他の要因があるのか、いろんなことがあるわけですが、できる限り速やかに土壌汚染地域の回復を図るためにどういう方法をとればもっと促進がされるか、そういう点について長官、特にお考えがあればお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 穐山委員御指摘のとおりの実情でございまして、先ほども申し上げましたように、私どもといたしましても、まだ三〇%程度しか進捗していないという全国的な状況でございますので、一日も早く残りの七〇%についても進めてまいりたいと思います。先ほども申し上げましたように農水省初め関係省庁の協力も閣議でもお願いしたところでございますが、やはり予算を獲得するのがまず第一でございますので、これは農林水産省等にも強力に働きかけまして土壌汚染対策、復元が進捗するように今後も全力を挙げていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○穐山篤君 わかりました。 さてその次に、環境行政の姿勢という意味で一つお伺いするわけですが、きょうここに私、昭和五十五年度の「公害の状況に関する年次報告」というものを持ってまいりました。またさらに、環境庁が設立をされて十周年目、その意味で「十年史」というものが発行になっているわけです。この年次報告書を見まして非常に気がつきましたのは、住民運動というものについてこの五十五年度の年次報告の中には全くと言っていいほど触れていないわけです。 そもそも環境庁が新しく設立をされました背景には、環境を守ろう、自然破壊を食いとめよう、そういう理念と同時に、背景には必ず住民運動というものがあったわけです。その住民運動というものを背景に持ちながらこの十年間環境行政が行われてきたわけですが、どうもこの一、二年、急に住民運動の分野が非常に冷えているということを私はこの本を見ておって痛感をしたわけです。なるほど十年史の方では、これは環境庁の発足が背景に住民運動、地域運動というものがあったわけですから、それは書かれておりますが、極端に言えばどうも最近省略を意図的にしているのではないだろうか、こういう感じがしますが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(原文兵衛君) 環境行政を推進する上におきまして住民の意向等は十分私どもも参酌し、そして環境行政が本当に地について進められるということを念願しているわけでございます。そういうような意味で私どもは住民の意向というものは決しておろそかにしていないわけでございます。 五十五年度の白書の問題につきましては局長の方からちょっと御説明させていただきたいと思います。
○政府委員(清水汪君) ただいまの御指摘の点でございますが、この環境白書におきましては、最近の推移を見ますと、昭和五十年ないし五十一年版あたりにはかなり住民運動というようなところを詳しく書いてございます。その後の白書におきましてはその点が事情が多少変わっているということでございます。 しかしながら、それと見合うというほどには申し上げかねるかと思いますけれども、環境行政の立場におきまして住民の動向をつかむ方法といたしましては、ちょうどそのころから環境庁としましては行政管理庁の地方出先機関に地方情勢の把握、その報告をお願いするというような手だても講じてきております。そのようなこと、あるいは一年置きにやっております世論調査、そういうようなこと、そういったことにつきましては白書の中に報告をいたしておるわけでございますし、それからこの五十六年の、去年の白書におきましても、住民運動自体のたとえばその住民団体の数のようなものの記載はないわけでございますけれども、たとえば公害防止協定の動向というようなものにつきましては各論の部においてこれを取り上げているというようなことがございます。 御指摘の御趣旨につきましては、環境行政をやっていく場合に絶えず念頭に置かなければならない大事な点であるということは十分われわれも心得ていかなければならないと、このように思っておりますので、さらに御指摘の御趣旨につきましては今後の白書の作成の場合にも十分に留意させていただきたい、このように思う次第でございます。
○穐山篤君 長官はまだ日が浅いと言えば語弊がありますけれども、過去の各環境庁長官の業績をいろいろ見てみますと、ときには個人的なプレーもあったんでしょうがわりあいに気軽に外に出ていますね。住民運動の皆さんと話し合いをする、それから現に紛争が起きているところを十分に調査をする、長官の目で具体的に確かめる、こういうことが多かったわけです。現に、後ほども申し上げますが、東京都の屎尿問題であるとか大隅公園の開発の問題であるとか、数えてみますとあちこちに問題がありますし、住民運動が華やかに背景としてあるわけです。長官、就任以来いままで、具体的にそういうチャンスをお持ちになったことがあるんでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 穐山委員の御質問の住民運動というのはいろいろな形で行われていると思います。私が就任してからすぐ予算編成、それから国会というようなことでもって、まだ五十七年度予算も継続中でございまして、なかなかそういうチャンスが持てないわけでございます。 しかし、たとえば住民運動——住民運動ということはなかなか定義もむずかしいかと思いますが、先般、多摩川にサケを呼び戻す運動というようなことも、ちょうど日曜でございましたから私そこに行ってその実態等も見ましたが、なかなか日曜日以外のときに出かけるということは非常に困難でございますが、できるだけ私も機会を求めていろいろと住民の皆さんの声も聞きたいと思っておるところでございます。決して出不精をしているわけでもございませんし、まあおかげで私は大変丈夫でございますから、これからも大いにひとつ努力をしていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○穐山篤君 環境庁というのはいつのときにもある意味で言えば孤独な官庁ですね。ときには抵抗もしなきゃならないし、あるいは何といいますか決断をして、住民の福祉あるいは自然環境の保護のために相当がんばらなければならぬ官庁であります。そういう意味で私は要望を申し上げておきますが、これからいろんな公害、振動その他いろいろな問題がありますけれども、少なくとも環境庁はありとあらゆる問題についてまずノーと言うことを前提条件にすべきだ。イエスというふうな立場を常にとっておりますと結局譲歩するということになりかねないわけですね。いずれの案もとにかくだめと言って、もう一遍研究をさせる、もとに案を戻させるというぐらいの決意をひとつぜひお願いをしたいというふうに思います。 さて、そういう意味でお伺いをするわけですが、長官の方針演説の中で、湖沼法については何とか今度の国会で成立をするように努力をしたい、関係方面と十分に調整をして実現を図りたいと、その情熱、決意が述べられまして、私どももその説に賛成をしたわけですが、現在その湖沼法案なるものはどういう状況になっているでしょうか。その点をお伺いします。
○国務大臣(原文兵衛君) 水質汚濁の問題につきましては、御承知のように河川あるいは海域という点についてはかなりよくなってきているところがあるわけでございまして、もちろんまだ閉鎖性海域あるいは都市河川等について不十分なところもございますけれども、一般論で言いますと河川なり海域の方はかなりよくなってきておる。ところが、残念ながら湖沼はもうよくならないばかりか、むしろ汚濁が進んでいるというところも非常に多いんで、私一番これ何とかしなくちゃいけないと真剣に考えまして、今国会にその湖沼法案を提案して成立させてもらいたいということで、環境庁といたしましてもここずっとこれにかかりきりみたいにして真剣に関係の省庁と積極的な協議を続けさせてきているわけでございます。率直に言いましてなかなかむずかしい点が、こっち側はいろいろと協議を進めているんですが、思うように運んでいない点もございます。しかし、出すからにはやはり実効の上がる、中身のある法案でなくちゃならないということで、この提出法案の期限は少し前に一応の期限は過ぎたようですが、それを延ばしてもらっていませっかく最後の詰めといいますか努力をしている最中でございまして、これからも湖沼問題につきましては私どもいろいろな角度から全力投球をしていきたいと思っておるところでございます。
○穐山篤君 通産省にお願いをしてあったと思いますが、この湖沼法につきましては環境庁が中心になってやっている作業でありますが、通産省の方からかなり注文がついてなかなかこの湖沼法案なるものの骨組みができない。なお仄聞するところによりますと、基本的に物の考え方の違いがあるというふうな感じでありますが、通産省としてどういう考え方を持っているのか。その点明確にしてもらいたい。
○説明員(川口融君) 湖沼の水質を保全するということが大変に重要な問題であるという点につきましては通産省として認識をしているところでございます。したがいまして、そのために特別の方策を講ずるという点に関しまして、その趣旨については理解をできる点があるわけでございます。現在は、この湖沼の水質保全のためにどういう方策が最も有効でありかつ適切であるかという点につきまして、具体的な内容に関し環境庁と御相談をいたしておるところでございまして、この問題につきまして精力的かつ真剣に取り組んでやっておりますし、またこれからもそうしてまいる所存でございます。
○穐山篤君 通産省、基本的にいろんな解説はしてもらわなくて結構ですが、通産省としては、現行いろいろな法律がありますね、下水道であるとか何法というようなものがたくさんある、その現行の法律で全部湖沼関係の保全については可能だというふうにお考えですか。それとも、環境庁が提案、提起をしておりますような考え方にある意味で協調をして新しい法律で対処するというどちらの方を通産省では考えているんですか。
○説明員(川口融君) 私ども湖沼の水質の保全という観点から、御指摘の既存の法律制度等を十分に運用するという点も含めまして、どういう対策が適切であり必要であるかということにつきまして御相談をいたしておるわけでございます。ただ、その具体的な内容、評価につきましては私ども協議を現在受けている立場にございますので、その受けているという立場からしてコメントにつきましては差し控えさせていただきたいと考えております。御了承願います。
○穐山篤君 既存の法律を含めてあらゆる角度から検討する、これはそのとおりだと思うんです。しかし、私の聞いたのは、既存の法律で湖沼の水質保全は十分に全うできる、だから新しい法律は要らないというふうにお考えであるのか、それとも環境庁が考えております湖沼法要綱を多少でも手直しをして新しい法律に乗って水質の保全を行う、どちらの方に通産省は方針的に固めているんですか。その点をもうちょっと明らかにしてもらいたい。
○説明員(川口融君) ただいまの点でございますけれども、既存の法制度以外には必要ではないということを前提にして御相談をしているということではございません。現在の法制度等を活用しつつ全体としてどういう対策、新たな対策を含めましてどういうものが必要であり適切かということにつきまして協議を受け御相談をしているわけでございます。
○穐山篤君 すでに中央公害対策審議会からも答申がされて、それから環境庁の要綱も出ておって、さて通産省ではどこの部分がどういうふうに都合が悪いのか、あるいは改善を必要とするのか、そういう点を明確にできますか。どうでしょう。
○説明員(川口融君) 私ども現在環境庁と御相談をしているわけでございますが、協議を受けて検討をしている状況でございますので、その立場からしてどの点、内容はいかん、コメントどうということにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○穐山篤君 長官、直接通産大臣とこの件についてお話をしたことがありますか。どうでしょう。
○国務大臣(原文兵衛君) 通産大臣には湖沼法はどうしてもこの際必要なんだからひとつ環境庁の協議に対して積極的に精力的に協議を進めるようにしてほしいということを私は通産大臣にはお話ししたのでございます。
○穐山篤君 先ほど長官も言われましたように河川、海域などは環境基準を達成してない割合もわりあいに少なくなったですね。ところが湖沼につきましては残念なことに横ばいないしは上向きの状況にあります。私が申し上げなくてもおわかりのことだと思いますが、特に私ども関心を持っておりますのは、たとえば霞ヶ浦だとか琵琶湖だとか相模湖であるとか、そういうところに非常に関心を持っているわけです。霞ヶ浦の場合には飲料水になっているわけですが、環境基準三PPmに対して一二PPm、四倍も上回っているわけですね。非常に人間の生活にとりましてこれは脅威だというふうに言わなきゃならぬと思うんです。それから、私も行ったことがありますが、釣りで有名な手賀沼というところがあるんですが、ここも五PPmが二七、五倍以上になっている。こういうことを考えてみますと、早急にこの湖沼法案、湖沼法というものを成立をさせて、十分な行政指導ができると同時に歯どめまでかけなければならぬと思うんです。 通産省では、具体的なお話がないんですが、湖沼の汚れるのは主として生活排水だからそちらの方で処理をすれば問題がないというふうに考えているやにどうも姿勢としてあるわけですが、もう少しその点を解明をしてもらいたいと思うんです。どういうわけでこの話し合いが進まないのか、あるいは調整が十分に行われないのか、非常に時間が遷延していることについて私ども非常に不満に思っているわけです。いかがでしょう。
○説明員(川口融君) 御指摘の湖沼の汚濁の原因というものと対策の関係のバランスということも重要な検討のポイントであるというふうには存じておりますけれども、しかしそれは具体的にどういう対策が適切かどうかということにつきましては現在まだ御相談をしているさなかにございます。
○穐山篤君 中央公害審議会からの答申の大きな柱は二つあるわけですね。一つは何と言いましても水質の規制である。二つ目は周りの整備である。この問題についてお話を聞いておりますと、相当これから調整に時間がかかるというふうに見ざるを得ないと思うんですね。そうしますと、長官が決意表明で述べられましたように、今国会で成立を図るように努力したいというお話とは大分食い違いがあるんですが、長官としてこの際どういうふうにされますか。
○国務大臣(原文兵衛君) 湖沼法を今国会に提案したいと思って私どももなお全力投球をしているところでございます。しかし、お話のように湖沼の汚濁がさらに進むというようなことを指をくわえて見ているわけにこれはいかないので、何としてでも汚濁を食いとめさらによくしていかなければならないというようなことで、われわれは湖沼法の提案をするべく努力をすると同時に、また実質的に湖沼の水質を保全するためにいろいろな方法というものも現在検討しておりまして、もちろんこれからも実質上の湖沼汚濁防止につきまして最大限の対策を講じ、それを進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○穐山篤君 長官の気持ちは主管大臣ですからよくわかりますけれども、結局通産省とのかかわり、あるいは湖沼の周りの問題を含めますと当然のことながら建設省との関係が出てくるわけですね。しかし五月十九日までの会期中はもう無理じゃないでしょうか。逆に言いますと、私は無理であればあるほど早く決断をしてもう大臣間の折衝に移す方がよかろう、それは各省庁が事務担当のところでやっておれば、これはもう縄張り根性が出てくるのは当然でありまして、なかなか話はつかないと思うんです。もうこの辺で政治的な判断というものを必要とする時期だというふうに考えます。どうでしょう。
○国務大臣(原文兵衛君) 御指摘のようにじんぜん日を過ごすわけにはいかないわけでございまして、私どもといたしましても、何としてでも湖沼の水質汚濁をいい状況にもっていくためにあらゆる努力をし、あらゆる対策を講ずるという、そういう観点からいまいろいろと考えておるところでございます。
○穐山篤君 長官、本当に真剣にがんばってください、応援しますから。 さてその次に、厚生省おいでになっていますか。——この間の予算委員会の審議の際に東京都の屎尿処理の問題について同僚委員が質問をしました。簡単に言いますと、東京は砂町の屎尿消化槽を廃止して生の屎尿を東京湾五十海里先に捨てる、こういうものであったわけです。それに対しまして予算委員会で厚生省なりいろんなところに対する質問があって、最終的に厚生大臣がこの計画はうまくないので中止をさせるようにいたします、こういう言明がされたわけです。さて、東京都議会は三月の二十六日でしたか最終的に三月議会の締めくくりが行われまして、東京都の知事は、厚生大臣からとかくの話があることは承知をしているけれども東京都は計画を変更する気持ちはない、これは自治権の介入だ、こういうお話があって、結局厚生大臣の言明はほごになったわけですが、その点についてどういう経過と真相になっているか、どういう状況になっているか、簡単で結構ですから明らかにしてもらいたい。
○説明員(杉戸大作君) お答えいたします。 最初に経緯について申し上げますと、三月の十七日に東京都の清掃局長及び下水道局長に対しまして、これは私から今回の都の措置につきましては厚生省の指導方針に反する旨を伝えたのでございます。さらに翌十八日にも両局の部長に対しましてその旨申し伝えました。それから、三月二十四日には厚生大臣が都知事に対しまして、これは電話で重ねて計画の再検討を行うよう要請をしたところでございます。それに対しまして東京都は、厚生省の指導方針は十分に承知しているが、今回の措置は下水道の整備に伴う屎尿収集量の減少あるいは施設の老朽化、都の事務事業の見直し、すなわち行財政改革、それの一環として行う措置でございますので、それから廃棄物処理法とかそのほかの法律の規定に違反する行為ではございませんので、これについて了解いただきたいと、方針の変更はできませんと、そういう返事でございました。 厚生省といたしまして、都のこのような措置につきましては基本的には大変遺憾に存ずるものでございますが、この屎尿処理にかかる事業は市町村の固有の事務といたしまして市町村の責任において計画、実施されておるところでございます。今回の指導につきましては、自治法に基づく助言、勧告といったような措置で行ったのでございますが、その厚生省の方針を十分東京都も承知をした上で総合的な判断に基づいて決定した措置でございますので、厚生省といたしましてはこれはいたし方がない、このように判断しておるものでございます。
○穐山篤君 東京都の個人の屎尿処理浄化槽を含めて水洗のトイレの普及率、それから全国の平均は何%になっていますか。
○説明員(杉戸大作君) 東京都の下水道の普及率は七四%ほどでございます。水洗の普及率は私ども直接いま数字でちょっと持っておりませんが、全国的に申しますと約二千五百万人の方が下水道による水洗化を実施いたしておりますし、また屎尿浄化槽につきましては二千五百万人の方が使用いたしております。東京都はそれに対しましてはるかに高い数字でございます。
○穐山篤君 一億一千万人のうち二千五百万人だけが近代的なトイレで、その他はきわめて日本式、民族的なトイレであると。まああれですね、先進諸国の中でこれほど完備していない国はないですな。非常に恥ずかしいことだと思うんです。特に東京の場合七十何%というのはまだ計画を含めての話だと思います。お隣の北朝鮮のピョンヤンなんかは、私も行ったことがありますが、九九・九%近代的な水洗トイレになっている。 そこで、厚生大臣がおれば政治的な責任をお伺いをするわけですが、担当者としては国会の権威ある場でやめさせますと言ったその発言の重みをどういうふうに責任を感じているか。 それから、環境庁長官に東京の出身でありますので考え方を聞きたいんですが、まあ生のものを東京湾に捨てると、これも逐次少なくなるというならばわかりますけれども、一日の航海数を従来二回であったものを二・五回にしてせっせと生を運ぶというのは環境行政からいってみても好ましくないことだろうというふうに思いますが、長官の立場としてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 屎尿処理は、これはもう陸上処理が原則でございまして、このたびの東京都のこの砂町の屎尿消化槽を廃止して海洋投棄するというようなことは私どもとしてもまことに遺憾だと思っております。先般衆議院の環境委員会におきましてもこの問題が取り上げられましたが、厚生大臣が都知事に対して海洋投棄をしないようにという指示をしたことは当然であり、この運用の所管庁は厚生省でございますけれども、私としても都知事の方にもよくお話ししようということで都知事にもお話ししたわけでございますが、残念ながら東京都の固有事務であるということで都議会においてもそのような決定がされたわけでございます。 しかし、やはりこの海洋投棄につきましては、これは法律もございまして、東京の場合は、房総沖沿岸から五十海里、また伊豆七島からも五十海里離れたところでもって、また海流の状況等も見ながら投棄するということになっておるわけでございまして、私どもといたしましてはこの海洋投入がその法律の条件を十分満たして海洋汚染にならないように十分監視をしていきたいと思いますし、今後も陸上処理を原則としてやるように、さらにまた下水道整備を一層早急に進めていただくということについて、十分ひとつ都の方にも環境庁長官としても働きかけていきたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
○説明員(杉戸大作君) 三月十五日の参議院の予算委員会で大臣が発言をいたしましたのは「計画を見直すよう改めて指示をする」というふうに申したのでございますが、その結果都は計画を変更できないということでございますが、やはり廃棄物処理事業のその市町村の固有の事務としての当該市町村の自然的あるいは社会的、財政的いろいろな事情がございますが、それを総合的に判断したそういう措置に対しましては、遺憾でございますがこれはやむを得ないとするものでございます。しかしながら、厚生省として今回の東京都の措置は大変残念に思っておりまして、東京都に対しては今後海洋投入量をできるだけ早期に削減するよう下水道の整備等に努めるというようなこと、あるいは海洋投入処分の一層の適正化が図られるよう十分に厚生省としても指導してまいりたいと思います。
○穐山篤君 きょうは厚生大臣いませんから、その政治的な責任の問題は別途やりたいと思います。 時間が余りありませんので、志布志湾の石油備蓄についてお伺いしますが、現在鹿児島県当局、知事と環境庁との間の関係ですね、本問題についてはどこまでどういう状況になっているか。かいつまんで御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) この問題につきましては、御承知のように日南国定公園のうちの鹿児島県側の問題でございますが、国定公園につきましては運用は、管理は県知事の権限でございますし、また国定公園のうちの普通地域に何かつくるということにつきましては、県知事に対する届け出ということになっておりますけれども、この志布志湾、志布志の白砂青松というようなこのすぐれた景観を守るということはやはりわれわれとしても大変大事なことでございますので、いろいろと折衝を重ねまして、先般沖合いに五百メートル出す、そしてさらに南の方に六百メートル寄せて面積も少なくするというような鹿児島県からの代案につきまして、それまでにいろいろ折衝がありましたが、まあ最小限これならば景観を著しく台なしにするというようなことでなくて、またもちろん公園の解除につながるということでないということで、検討に値するということを申し上げたわけでございますけれども、その際私は、もうこれ以上は認められない、安楽川以南の白砂青松の海浜はもちろんその前の海面につきましてもこれ以上のものは認められぬということをはっきり言いました。ということは、私どもは正式には承っていないんですが、安楽川以南についてたとえばさらにもし海浜を埋め立てるとかいうようなこと、いわゆる新大隅開発計画というものは、それは認められないんだということを私は知事にはっきりと申しておるところでございます。
○穐山篤君 最初の鹿児島県当局の原案が修正になると、まあ修正についても一応の資料は見ておりますが、石油備蓄といいますと、この計画でいきますと高さ二十二メートル、直径八十メートルのタンクが四十八勢ぞろいをするわけですね。大変な威風堂々としたものだろうというふうに思いますが、その周りに壁をつくって植樹もすると、これがごく簡単な計画のようですが、ところが先日、三月議会での鹿児島県知事の答弁を取り寄せましたが、知事の答弁を簡単に言いますと、志布志湾臨海の開発については当面国家石油備蓄基地実現に全力を傾ける、これは代案といいますか修正案で全力を尽くす、そういう意味だろうと思います。それから今後の開発については経済状況などを見きわめて弾力的に検討する、こうなっているわけです。 さて、鹿児島県の開発計画は、御案内だと思いますが、少なくともあそこは一号用地、二号用地、三号用地というふうに埋め立てを基礎にして工業団地にしよう、そういう計画があるわけですが、それの計画の一環と言えば言い過ぎかもしれませんけれども、それと並行して石油備蓄計画があるわけです。ですから鹿児島県の考え方は四点セットになっているわけですね。ここが知事が弾力的に検討していくと言ったことにひっかかり合いがあるわけです。先ほど長官はここの部分について代案以上は絶対に認めないと。私どもその代案自身にも問題があると思うけれども、鹿児島県当局としては一連の計画の中の一つに石油備蓄基地が入っているわけです。そういうことであってもなおかつこれは検討に値する案であるかどうか。その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 先ほどもお答え申し上げましたように、私どもはいわゆる新大隅開発計画というものにつきましては正式には承っておりませんが、石油国家備蓄基地の位置につきまして検討に値するということを申し上げましたが、それはいわゆる新大隅開発計画を検討に値するといったことでは毛頭ございません。そういうことでこれがぎりぎりである、これ以上のものは安楽川以南については海浜あるいは海面についてももう認められないんだということは知事にはっきり申したし、そしてまた国会でもそれを答弁もしておりますし、また報道関係にも私ははっきりと言っておるわけでございまして、これは環境庁の方針でございます。したがいましてもう今後もこの方針は崩さず貫いていくということをはっきりと申し上げたいと思います。
○穐山篤君 そうしますと、その他の一号地、二号地、三号地というふうなものにはかかわり合いがない。いずれ地元知事は提案を——どうもこの答弁ではそういう問題が出てくる感じがしてならないんです。 さて、検討に値するというふうにお話があるわけですが、先ほども私が指摘をしましたように相当の備蓄基地ですね。なるほど遠くの沖合いには出ましたが、これが四十八基石油タンクが並ぶというのは威風堂々としていることは間違いないんです。喜入の基地を私も見ましたけれども、なるほど大変なものだなという感じをしたわけですが、自然保護あるいは眺望という意味から言いますと、鹿児島県のあそこの地域住民あるいは議会でも、これは非常に障害になるという意味で住民運動が盛んになっているわけですね。長い間の折衝でしょうけれども、この際この石油備蓄基地についてノーというふうな態度を検討したことはないでしょうか。 いままで皆さん方の折衝は、原案が出てきた——私が冒頭申し上げたように、普通環境行政からいうといかなるものでもまずは一遍けっちんを食らわせる、そうして改めて考えさせることが一番いいわけですが、どうも折衝の過程では、これでは認められませんよ、こういう考え方はどうでしょうかということに近い誘導を皆さんがしたような感じで、その結果修正、代案というものが出てきた。言いかえてみますと、環境庁としてはある程度国定公園のところにかかってもこれが決定的でなければしようがない、やむを得ないという原則があってこの代案の折衝あるいは協議に当たったやに私どもは受け取るわけです。これは環境行政の基本的な姿勢の面からいってみてもわれわれは問題がある、こう思うわけです。 そこで、その代案についてもノーというふうな態度をとったことはあるんですか。それとも、この修正、代案ならば検討に値するから作業を進めなさい、そういうふうに重点が移されたのか。その辺明確にひとつしてもらいたい。
○政府委員(正田泰央君) 経過的なことでございますので私の方から御説明申し上げますが、先ほど先生が御指摘になりましたような状況下で県当局が当初考えておりましたのは、白砂青松の浜辺に基地を設けるという構想があったようではありますが、そのころの時点では私の方はもう当然そんなことはだめと。さらに進みまして出島でどうか、こういうような話が出てまいりまして、出島といえども形によっては問題がある、形によっては検討に値するかというふうな過程がございました。さらにしからばほかにどんなところが考えられるかというような問題がございましたので、私どもの方では、公園の区域外はこれは事前指導としてはもう何も言えない範囲内である、さらに陸地ということもあるだろう、そういうふうなヒントというのは幾つもございました。 そういうことも検討いたしたようでありますが、それは向こう様の事情で非常にむずかしいという話がありました。そのうちに、私どもの方で法制的な見解、たとえば普通地域というのはどういうものか、あるいは外というのはどの程度の意味を持っているかというようないろんな断片的な意見交換があったわけでありまして、そういったものをいろいろ見解の交換の上に立って鹿児島県がいろんなことを整理してまいりました。そうして最後の段階で、私どもがいろいろな見解を表明してきたものを総合的に整理してきたものが、先般ただいま先生おっしゃった代案と称するこの件でございます。 以上でございます。
○穐山篤君 もうこれで時間ありませんから最後にしますが、環境庁は景観調査の場所を三ヵ所からよく見てこの程度ならよかろう、こういうことのようでありますが、調査の場所についても私どもは問題点があると思うんです。従来標高四十二メートルと言われております権現山からみんな大隅半島全体をこれは景観だということで心の安らぎを求めていたわけですね。あそこから見てみますと、この四十八基のタンクというのはすっぽり目の中に入る、景観が全く損なわれる、こういうふうに私どもは考えるわけです。したがって、この志布志湾の石油備蓄問題についての環境庁の態度を私どもはイエスと言うわけにいかない。 そういう意味でも一度再検討を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) この問題につきましては、いま自然保護局長の方からいろいろな経過も御説明申し上げましたが、私どもといたしましては、この石油国家備蓄基地そのものをやっていいとかいけないとかいうのは私どもの所管ではございませんし権限でもございませんが、やはりこの景観を守る、そしてまたことに白砂青松を守ろうという、自然を守っていこうという気持ちは一貫しておるものでございまして、いささかも変わっておりません。そういう観点から、国定公園の法制上の問題等もございまして、ぎりぎりのところでもってこの位置ならばまあ検討に値すると申し上げましたが、それ以上のものはもう認められぬと言って自然を守る最後の線を打ち出したわけでございます。 これからいわゆる港湾法等に基づく協議等もございますし、これをつくるについてもアセスメント等も行われるわけでございまして、そういうアセスメントも十分チェックをいたしまして、先ほど穐山委員御指摘のようなたくさんのタンクが立って景観を害するんじゃないか、景観を全然害さないというわけにはいかないと思いますが、周囲に百メートル幅の築堤もつくり、さらにまた植栽も十分にすると、そういう点もアセスメントの段階でもって十分チェックをして、この景観がとにかくぎりぎり守られるように、そして白砂青松に影響を及ぼさないように十分チェックしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○山東昭子君 本日は環境庁の五十七年度予算案と長官の所信表明との関連を中心に質問をしたいと思います。 最初にナイロビ会議についてお伺いします。 長官はことしの所信表明で、「人間活動の規模の拡大に起因する大気中の炭酸ガスの増加、熱帯雨林の減少等の地球的規模の環境問題についても対応が迫られております。」として、本年五月に国連人間環境会議十周年を記念してナイロビで開催が予定されている国際連合環境計画の特別会合において環境保全のための国際協力に積極的に寄与するとされていましたが、その後の予算委員会の審議中に国連の特別委員会の設置等を提案する意向を明らかにされました。現在、発展途上国等の問題あるいは貿易摩擦など非常にぎくしゃくとした国際社会の中で、私はその意義を大変高く評価したいと思いますけれども、具体的にはどのような構想になるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 山東委員御指摘のように、地球環境というものがいまお話があったような熱帯雨林の減少であるとか炭酸ガス濃度の上昇であるとか、あるいは乾燥地帯の砂漠化であるとか非常に憂うべき状態にあるというようなことで、ちょうど一九七二年のストックホルムにおける人間環境会議から十年、これを一つの十年目の節として、この地球環境を守るためのナイロビにおける、百何十ヵ国集まりますか、とにかく国際的な環境総会が持たれまして、そこでいろいろこれからどう何をやっていくべきかということが討議されるわけでございます。 私どもは、日本はこういう面におきまして積極的に貢献する、地球環境を守るために。また同時に、これは各国共通の問題であろうと思いますので、そういう面で日本が物心両面において積極的に貢献をするということが大事であろう。それは、いまもお話がございましたが、いま日本を取り巻く非常にぎくしゃくした状況、国際状況等に対しても、日本にとっても大変いいことじゃないかと思います。同時にまた、環境を保全するという意味においてとにかく平和でなくちゃならないわけでございます。戦争なんというものは環境破壊の最大のものでございますから、そういうものも緊張をなくしていくという面におきましても大変大事な会議になるんじゃないかなと思って、国会のお許しが出れば私自身が行って、ここでもって日本の積極的な立場を表明をいたしたいと思っているわけでございます。 その一つとして、実はこの熱帯雨林の減少だとか炭酸ガスの上昇だとか砂漠化というようなことにつきましても、一体その原因がどこにあるのか、これはどういう対策をしたらいいのかというようなことが十分にまだ解明されてないところがたくさんあるわけです。そういう点につきましても、何かこの国際的な特別委員会というようなもの、世界のハイレベルの方々が集まった特別委員会でもってこういうものを十分調査研究し、検討して一つの結論を得てもらいたい、出してもらいたいというようなことを考えているわけでございます。 そのような意味で、実は南北問題について世界的な影響力を持った報告書が、いわゆるブラント委員会というものが設けられまして、そこでもってこの報告書が出されたわけでございますが、こういうようなものを一つのモデルというようなふうに考えまして、私ども世界的に著名な学識経験者から成るハイレベルの特別委員会をつくってそういうことをやってもらったらどうかということを実は提案したいと思っているわけでございます。それにつきまして外務省等関係当局といまいろいろと相談をしているところでございます。
○山東昭子君 ただいまの構想に関連して、特別委員会を設置される場合に必要な経費負担と予算上の措置はどうなるのか。これは外務省の方にお伺いしたいと思います。
○説明員(小宅庸夫君) お答えいたします。 いま原長官からお話のありました紀元二〇〇〇年を目標とした環境問題の展望、これについての考え方を一つの報告にまとめる、この作業をどういう形でやっていくかと、その観点で独立委員会という構想が出てきたわけでございます。ところが、この進め方につきましては、特に開発途上国にあるんですが、政府代表でむしろそういう作業を進めたらいいんではないか、つまり政府間委員会でやっていこうと、それからまたその二つの方式を折衷していくことも可能ではなかろうかと、いろんな考え方がいま出されておりまして、この辺を中心にことしの五月の十日から予定されております国連環境理事会特別会合で検討をすることになっているわけでございます。したがいまして、外務省といたしましては、ことしの五月の国連環境理事会での検討の結果を踏まえまして、どういうふうにわが国として対応していくのか、特に予算面でどう対応していくのかということは決定していきたいと思っております。 いずれにいたしましても、環境理事会の段階におきましては、いま原長官が言われたとおり独立委員会方式の方が基本的には望ましいと思っておりますので、そういう方向で各国と今後打ち合わせをしていきたいと思っております。
○山東昭子君 どうも日本は、国際的な拠出金ということになりますと、何かちょびちょび出して余り評判がよくないんでございます。ぜひ対応というものをしっかりと検討していただきたいと思います。 次に、自然公園の今後の充実についてお伺いいたします。 その前にちょっと一言。最近志布志問題について大きく報道されましたけれども、若干の誤解があるんではないかなという気がいたします。この問題については原長官になってから方針が変わったように言われておりますけれども、先ほど長官もおっしゃられたようにそうではないということでございます。むしろ志布志湾の開発の限界を明確に示したことにより自然保護、公園行政が前進したと評価すべきだと考えられます。これは答弁は不要でございます。 本題に入らせていただきますけれども、わが国の国立公園は、昭和九年三月に指定された雲仙天草、瀬戸内海及び霧島屋久の三公園を第一号として以来、現在まで二十七ヵ所二百二万ヘクタール、また国定公園も、昭和二十五年七月の初指定以来、五十二番目の日高山脈襟裳を含めて百二十五万ヘクタールに達し、量的な面また景観内容では西欧先進国にまさるとも劣らない水準にあると思われます。ただ、管理の面ではまだ十分ではないという指摘が各方面からされており、これからその面での充実が必要であると思われます。たとえば過剰利用されて貴重な自然が失われるおそれがあるような場合に利用規制制度を導入する、または公園を利用型と保存型に区分して管理体制を考えてはということが言われますけれども、長官はどういう方向で自然公園の管理を充実させるお考えか。また、自然公園法改正の有無などを含めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 現行の自然公園法は、すぐれた自然の風景地の保護とあわせましてその利用の増進を図ることを目的としておりますけれども、いま山東委員御指摘のように、最近公園利用が非常に拡大して、そのためにいわゆる過剰利用といいますか、自動車の乗り入れがふえるとか、あるいはゴミの投げ捨てであるとか、あるいは動植物の採取であるとかいうような、こういう過剰利用によるところの弊害というような面も非常に顕在化してきているわけでございます。そういうようなことで、われわれもこの問題について大変心配をしながら努力をしているところでございます。 ただ、保護と利用につきましては、保護を強化することによって景観が維持されますと同時に、公園の利用者の増加があるいは国民の自然の保護思想の高揚につながるという面もあるわけでございまして、自然保護の徹底が図られるためには、過剰利用による弊害をなくしながら、この両者が一体となっていくことが大事じゃないかなと思っているわけでございます。そういうような意味におきましても、今後そういう点に十分注意をしながら、自然公園法の保護と利用との一体的な運用という面につきまして適切な管理をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 なお、管理面につきましてまだ不十分だという点がございますが、私も実は確かに予算面等においてもそういう点を感じているところでございまして、管理面の強化あるいは過剰利用に対する姿勢というようなものももっと真剣に考え、取り組んでいかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○山東昭子君 次に、国立公園の管理体制と施設整備について具体的に伺いますけれども、私は十年ほど前にアフリカへ旅行いたしましていろんな自然公園、こうしたところも見てまいりましたけれども、そのときに非常にレンジャーの存在価値というものを強く感じたわけでございます。管理事務所の設置個所あるいは管理員、いま申し上げたいわゆるレンジャーと言われる職員の定員というものは、どうも日本の場合ではまだまだ諸外国に比べて不十分じゃないかなというような気がするわけでございます。あるいは諸外国においてその利用者の違法行為に対する規制などについて、日本と比較をしていただきましてどんな状況なのか、あるいは今後そうしたものと比べて日本ではどういうように充実をさせていく御方針なのか、それをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 管理面においてまだ十分でないと、あるいはレンジャー、非常に大事なんですが、その数も少ないというような点につきまして、私もいま山東委員御指摘のようなことについて全く同じように感じているわけでございます。何とかしていきたいと思いますが、具体的な点につきまして局長の方からお答えさせたいと思います。
○政府委員(正田泰央君) 御指摘のように現在メインとなりますところのいわゆるブロック的な管理事務所が全国で十ヵ所でございまして、それから個別の管理員が駐在しております場所が約七十ヵ所、管理員の定員が百五名ということになっておりますが、現在の行政の情勢でなかなかこれ以上の増員というのは認められないわけでございます。したがいまして、私どもが重点を置いておりますところのやり方といたしましては、まず業務の合理化を図っていかなくちゃいけないということでございまして、業務自身が非常に増大する一方でございますが、これをうまくやっていくということで、先般から環境庁長官の権限を管理事務所長に移しまして、事務の合理化と申しますか、スピーディーに事務をやっていくというようなこと、さらには定員増、それからことしから初めて実現いたしましたいわゆる政府部内におきますところの部門間配転、いわゆる自然保護の経験のない人をレンジャーとして配置いたしまして、そういったようなことで手当てをいたしております。さらに自然公園の指導員、いわゆるボランティアでございますが、これが全国で二千人ほどおりますが、そういったものをもっと充実してやっていかなくちゃいけないと、こういうふうに思っております。 さらに、先ほど先生が御指摘になった点に触れるんでございますが、アメリカの制度は端的に言いまして所有権を持っているところで国立公園を管理しているということでございます。日本の場合は、環境庁が所管している土地もございますが、それはほんの一部でございまして、地域を指定して、つまりゾーニングを行いまして、そこを国立公園といたしていろんな規制をしたり利用させたりするという形をとっておりますので、いわば地域、この場合は市町村でありますとか都道府県知事とかというところの仕事もいろいろあるわけでございますが、私どもの方では制度的には都道府県にいろいろな仕事もお願いしたり、あるいは実質的に関与させて、そして先ほど申し上げた百名足らずの管理員を基礎的にサポートしていく。むしろそういったものをベースにしてつまり国、地方を含めて総合的に管理していくという点がアメリカとは全く違ったやり方で、そういうところを重視していきたいと、こう思っているわでございます。 最後に御指摘になりました国立公園ではアメリカの制度が典型的でございますが、アメリカの場合は三千万ヘクタール、日本が二百万ヘクタールと大分違っております。やはりブロック的な機関は日本は十でございますが、アメリカの方は八つございますが、いわゆる地方というものと関係なく国有林などを所管しているような仕事、それも合わせましていわゆるレンジャー的な仕事をやっているということでございまして、その点が管理体制の人的な面では非常に違うんじゃないかと、こういうふうに思っております。 それから、いろんな開発行為の整備、調整、規制、その他利用者に対するいろいろな規制、こういったものが現実問題として日本とアメリカでは精神的風土、あるいは利用者の社会的なビヘービアと申しますか、そういったものが全然違っておりますので、いわゆる水準が非常に違っております。したがいまして、われわれが苦労しているようなことはアメリカでは余り苦労しなくて済む、アメリカで苦労しているようなことは私どもがしなくてもいいというようないろんな事情がございまして、私どもの方も現在、去年から初めてアメリカにレンジャーを派遣して、アメリカのレンジャーとして活躍させております。また、アメリカのレンジャーも私どもの方に参って、いろいろな地域に共同していまレンジャー活動を勉強してもらっておりますが、やはり精神的風土の違いで規制の仕方がずいぶん違っていますので、私どもの方がいわゆる小は空き缶の問題をとらまえましても、非常に細かい仕事と申しますか注意と申しますか、そういうものが非常に必要になっていると、こういうのが現状だろうと思います。
○山東昭子君 先ほどレンジャーの数を伺いましたけれども、最近はどの分野にも女性がいろいろと進出しているようでございますけれども、レンジャーの中には女性は現在いないんでございましょうか。
○政府委員(正田泰央君) 現在はおりませんが、かつてなかなか優秀な方が自然保護の仕事をやりたいということで志願した方がおりましたけれども、やはり山の中に一人で駐在したいという話がございまして、これはなかなか私ども責任が負いかねますので、実情を話してお引き取り願ったケースもございますが、そういうところでない地域については将来は考えられるかなと、こういうふうに思っております。
○山東昭子君 大いに女性のきめ細かな目でまた国立公園自然公園、そういうものも見てもらいたいなと、女性の一人として思っているわけでございまして、心身ともにたくましい女性がふえてまいりましたので、ぜひこれからも御検討いただきたいと思います。 次に、自然公園など施設整備費は五十六年あるいは五十七年両年度とも約三十一億円計上されておりますけれども、最近五年間の整備状況はどのようになっているのか、あるいは今後の目標などをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(正田泰央君) 施設整備費は約三十億で、うちの十億が私どもの国立公園の直轄の費用でございます。二十億が国立・国定公園等の補助金でございますが、過去五年間におきますところの施設整備の個所数でいきますると、五十二年から五十六年まで、二百八十、三百四十二、三百十九、二百八十、二百五十六と、個所数において減少いたしております。また、予算額におきましては、五十二年の二十四億、五十三年の三十億、五十四年の二十九億、五十五年の三十億、五十六年の二十九億とほぼ横ばいでございますが、ただいま申し上げましたように個所数が単価等の関係で減っていると、こういうのが実情でございます。
○山東昭子君 次に、自然保護への国民の参加について伺います。 長官の所信表明によると、「自然保護に国民の参加を求めるための新たな方策の検討等自然環境の保全に関する調査研究を推進する」云々と、こう述べておられますけれども、これは国だけに任せておくんではなしに、私たちの身近な自然というものは私たちでつくっていこうじゃないか、取り戻していこうじゃないか、こうした考え方というものが国民の間にもずいぶん広まってきたんではないかなという気がするわけでございます。私自身もイギリスへ参りまして、ちょうどテムズ川の後ろのあたりでございましょうか、あの辺をいわゆるナショナル・トラスト制度導入というようなことでやっているというような話も聞きましたし、見てまいりましたけれども、これは長官のおっしゃられたことは多分こういう制度を検討することではないかというような気がするんですけれども、そのように理解してよろしいんでございましょうか。また、そうだといたしますと、原長官はかつて知床の百平方メートル運動を現地視察なさったことがあると伺っておりますけれども、それをごらんになったときの御感想を含めてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) イギリスのナショナル・トラスト制度は、御指摘のように一八九五年にこれが設けられまして、その後非常によく機能 して、現在九十五万人でございましたか、その会員を擁しまして、自然あるいは町並み等をナショナル・トラスト制度でもって買い取ってこれを保全しているというようなことでございます。私どももやはり国民参加による自然保護という面でこのナショナル・トラスト制度は非常に大きな参考になると思います。ただ、日本の風土あるいは日本人のいままでの習慣なりなんかからして、どのようにしてこれがうまく日本に取り入れられるかということをいま実は五十七年度予算でもその研究費を上程しているわけでございますが、何かうまくこれを実らせたいということで、今後努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。 なお、知床の斜里町の百平米運動、これは思い切ってよくやったなというふうに私行ったとき感じているわけでございます。これなんかも、また斜里町のほかにもやや似たようなことで、日本におきましても和歌山県の天神崎の土地の買い取り運動あるいは北海道の苫小牧のウトナイ湖サンクチュアリというような例もあるわけでございますが、さらにこういうようなものも踏まえまして、日本として全国的にどういうような制度を取り入れて確立していったらいいかということをいませっかく研究をしているところでございます。
○山東昭子君 次に、すぐれた風景地である自然との交流を深めるため自然歩道が整備されておりますけれども、今後高齢化社会に移行していく中で、熟年者と申しましょうか、シルバーエージの人たちのためにも大変喜ばれているんではないかなと思っておりますけれども、いままでの自然歩道の実績、それから今後の整備計画及び利用状況、どんなふうになっているのか御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 自然歩道の問題は私も大変関心を持っておりますし、またこれをさらに推し進めたいと思っておるわけでございます。私は日本万歩クラブというものの会長をやっておりまして、まだ環境庁ができる前、東海自然歩道というものが最初にできたわけでございますが、そういう自然歩道をひとつつくってほしいというような陳情側に回ったこともあるわけでございます。本年度予算でも首都圏自然歩道というようなものにつきましての調査費また一部の施工費等も計上しているわけでございますが、詳しいことを局長の方からお答え申し上げさせていただきたいと思います。
○政府委員(正田泰央君) 長距離の自然歩道につきましては、四十四年以来、東海道、九州、中国、四国の四つについて整備を行っておりますが、東海、九州、中国のうち東海、九州はすでに完了いたしておりまして、中国はことしじゅうに完了いたします。それから四国につきましては昨年度から工事にかかっておりまして、七ヵ年計画で行いたいと思っております。 そこで、いま長官からお話がございました首都圏でございますが、ことしの予算で約千六百キロメートルということで予算が入りましたので、とりあえず本年度はモデル区間を選びまして整備してまいりたい、こういうふうに思っております。 現在の状況、東海道自然歩道を例にとりますると、先ほど先生がお示しになった点の全体で約七百万人弱ぐらいの利用者がございまして、タイプといたしましては全線を通しての利用者というのはもともと少ないんでございますが、区間を利用するということで特に都市近郊区間の利用者が非常に増加しているという傾向でございます。
○山東昭子君 次に、わが国では毎年五月十日から一週間をバードウィークとして愛鳥の保護が定着をしております。しかし一方では絶滅のおそれのある鳥獣の保護対策も重要であると思います。わが国におけるこれら絶滅のおそれのある鳥獣の種類、生息状況、これは生息数とか場所及び環境庁の保護対策の進め方についてお伺いしたいと思っております。
○政府委員(正田泰央君) 現在、絶滅のおそれのある鳥類といたしましては、トキ、ノグチゲラ、タンチョウ、ヤンバルクイナ等二十九種類を特殊鳥類ということで指定いたしまして、その保護を図ろうとしているわけでございます。また獣類でございますが、イリオモテヤマネコ等の三種類を特に保護すべき獣として決めております。これらにつきましては、それぞれの鳥獣の緊急性に応じまして、特にトキでございますとかあるいはヤンバルクイナでございますとかそれぞれ事情が違いますので、そういったものに対する緊急性に応じてまず生態、生息環境といったものを私どもまず調査をいたしまして、その次に保護区の設定を進めるという手段をとっております。さらに、法律に基づきまして譲渡規制、外国への輸出の制限とか、そういったものを行っているわけでございます。 それから、トキ、イリオモテヤマネコ等特に問題の多い状況にある鳥獣につきましては給餌事業を行って保護を図る。さらに、トキなどその典型でございますが、人工増殖をいま図りつつある。また、イリオモテヤマネコについても人工増殖の方向でいまいろいろな手段を講じておるわけでございます。 国際的な取り組みのいたし方といたしましては、昭和五十五年のいわゆるワシントン条約にも加盟いたしまして、世界各国の一員としてそういったものの絶滅のおそれのある野性動物の国際的な取引について参加いたしておるわけでございます。 この種の問題は行政の面でも国民的な問題でも非常に大きな問題でもございますので、私ども一生懸命努力を重ねているということでございます。
○山東昭子君 最近、いろんな子供たちに会って話を聞くと、こうした珍しいというんでしょうか、絶滅のおそれのある鳥や何かが方々で紹介されるものですから、子供たちの中にもぜひこういうものを一度見てみたいというような声が強いようでございます。これは思いつきなんでございますけれども、環境庁はなかなか予算が厳しくて大変だろうと思いますけれども、やはり子供たちに夢を与える、あるいは興味のあるものに実際に接するというような意味を含めて、何かいろんな学校の中でそうした関心のある子供たちの中から抽せんか何かで一年に一度ぐらいそういうところへ旅をさせて、そして鳥や何かに接する機会というものを、何とかそんな機会をつくっていただけないかなと長官に陳情する次第でございますけれども、そういうお考えいかがでございましょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 大変いいことでございまして、私どもも十分ひとつそういう方向で検討したいと思います。
○山東昭子君 次に、渡り鳥についての国際間の協力も重要と思われますけれども、わが国と諸外国の渡り鳥保護条約の締結状況あるいは対象となる主な鳥類、共同研究の進め方及び今後予定される条約内容についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(正田泰央君) わが国と関係国との条約といたしましては、昭和四十九年の日米、昭和五十六年の日豪、それから先般の日中を批准いたしておりまして国際協力に努めているわけでございますが、このうち保護すべき鳥類は、日米間におきましてはアホウドリ、ヒメウ、マガモ等約百九十種の渡り鳥、それから日本側で二十九種類、米国側で六十七種類の絶滅のおそれのある鳥類を含んでおります、がございます。それからオーストラリアとの関係におきましては、カツオドリ、オオジシギ、ツバメなど六十六種類の渡り鳥、それから日本側の二十九種類、オーストラリア側の三十四種類の絶滅のおそれのある鳥類を定めております。また、日中間におきましては、ナベヅル、カモメ、ツグミなど二百二十七種類が保護対象鳥となっているわけでございますが、日ソにつきましては署名をいたしておりますが、対象鳥類の把握等、技術的な問題のまだ詰めができ上がっておりませんので批准に至っておりません。 それから、御指摘の共同研究は、従来は日米、日豪間におきましては、日米についてはある程度のことをやっておりましたが、日中条約の締結を機会に真剣にまた密度の高い共同研究をしようということがわが国と中国の間で合意ができまして、その中身といたしましては渡り鳥の標識の調査、標識の調査と申しますのは渡り鳥の保護について最も大事なことでございまして、それぞれの国からその鳥がどれだけどういうふうにして渡っているかということが確認できるわけでございます。それからいろいろの資料交換等行っている。また、日豪、日中間におきましては、ことしから標識調査を主体にして共同研究を行っておりますし、その共同研究といたしましては東京と北京あるいはオーストラリアの方で交互に専門家の会議を開いて意見交換を行っているわけでございます。 それから、その他の国を対象とする二国間の条約といたしましては、いまのところ新しい条約の構想というものはございません。
○山東昭子君 次に、これは質問というよりも激励に入るかもしれませんけれども、世界的に見まして日本の環境問題というもの、私自身もOECDのマクニール環境局長などにお目にかかったときに、世界のいろいろな状況を見てやはりすぐれているのは日本とアメリカとこの二つぐらいだと、よその国も大いに見習ってもらいたいというようなお褒めの言葉をいただいたこともあるんで大変うれしかったんですけれども、いまいろいろ専門の学者の話なんかを聞きますと、これからの国づくりというような中で、いま日本人の生活というもの、大体寿命も延びて八十歳ぐらいまでは最低生きるだろうと、二十一世紀というものはそういう時代になってくるであろう。そうすると大体七十万時間は生きている。その中で半分は休んでいる。そして働いている時間はどれくらいかというと、アメリカは六万時間ぐらいらしいですけれども日本は八万時間、勉強は二万時間ぐらいというようなことになりますと、大変あとの時間というものが非常にどのように活用していくのかというようなことでいろいろ問題になってくるだろうと思います。そういう意味で、二十一世紀というものはやはりゆとりのある価値観を追求する時代に入ってくるのではないかなという気がするわけでございます。そういう時代に環境庁というものが今後どのような形で、大都市と地方都市とのバランスの問題であるとか、長官御自身東京にお住まいになっていらして東京都の中のいわゆる環境と申しましょうか、あるいは東京都民の環境問題に対する考え方と地方都市の人たちとの考え方というのはずいぶん私どもも足で歩いてみて開きがあるような感じがいたしますけれども、その辺のところを、長官のビジョンとでも申しましょうか、そんなものをちょっとお伺いしたいなと思っております。
○国務大臣(原文兵衛君) 日本の公害問題あるいは環境保全問題、これはいわゆる高度成長期に急激に大きな社会問題にもなってまいりまして、それに対しまして後追い行政という感はありましたけれども、非常に積極的にこの公害問題についても規制の強化であるとかあるいはまた公害防止技術の開発であるとかいうようなものはずいぶん進んだと思います。そういうような意味において、一時の危機的な状況は一応解消はしたかと思いますが、しかしなお公害問題につきましても、たとえば大気の問題で言うと窒素酸化物、これはなかなかまだ環境基準に達していないとか、あるいはまた水質の問題におきましても、先ほど来問題になった湖沼等におきましてはなかなか汚濁がむしろ進むというようなことで悪い状況にあるというようなこともございます。 さらにまた交通公害、また身近な、空き缶問題がよく例に出されますが、公害問題等、やるべきことはたくさんございますけれども、しかし同時に、私どもはいま山東委員御指摘のようにこれからは快適な環境を創造していくという点にやはり重点を置いてやっていかなければならないんじゃないか。やはり価値観の問題、こういう問題を考えましても、そういう快適な環境の創造というようなことについてわれわれが先頭に立っていかなくちゃならないかと思っております。 同時に私は、日本はすぐれた自然、すぐれた山紫水明といいますか、風景、景観を持っておるわけでございます。同時にまた、各地域、各地方にはそれぞれのまたユニークな文化というものもあるわけでございます。そういうようなものを一体として、人間と自然の調和といいますか、その一体感のもとに立って、文化というようなものも取り入れて、それぞれの地域に特色を持ったいい環境をつくっていく、創造をしていく。またいいものは残しながら、ただ後ろ向きに残していくだけじゃだめでございますから、またやはり新しいニーズに応じてのいい環境をつくっていくというようなことで、そういう問題をひとつこれから環境庁としても十分に研究し調査し、そして取り組んで、国民の皆さんの新しい価値観に基づいた環境づくりというものに努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○山東昭子君 そうしたよりよい環境、快適な環境づくりということはだれしもが望んでいることだろうと思います。そのための追求ということ、やはりそれには環境庁に大いにがんばってもらわなきゃならないんですけれども、そのために私は、茨城の国立公害研究所、これは大変すばらしい機関だと思います。世界的に見てもいろいろな専門家が訪れては大変感心をして帰っていくというような状況のようですけれども、そのためにいろいろ充実をさせていかなければならないのではないかと思いますけれども、今後いろいろな複雑多岐な環境問題に的確に対応し、そして長期的な視点に立った環境行政というものの推進に当たっては、やはりその基礎となる科学的な知識、知見というものでしょうか、そういうものの集積が必要欠くべからざるものであると思うわけでございます。そういう意味で、長官も非常に公害研究所の充実強化というものに努めるということを述べておられますけれども、なお長官の考えておられる、これから何かこんなことを研究をしていきたいというようなことがもしおありでしたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 国立公害研究所は、御指摘のように私は日本が最近設けたこういう研究施設の中でも非常に特色のある、また国際的に見ても相当評価されている研究所であると思っております。しかし、まだまだ施設の面におきましてもまた研究員といいますか人的な面におきましても不十分、充実してない点がございますので、それを十分ひとつ充実させたいと思いますし、同時にまた、いろいろと問題になっております自然の保護という面ですね、また森林の保護といいますか、そういう植生の保護というような面につきましても、この国立公害研究所でもっていろいろとまた研究も進めてもらいたいというようなことも実は考えているわけでございます。 ただ、残念ながらことしの予算、五十七年度の予算案の中ではなかなか十分になっておりません。これは財政再建、ゼロシーリングというような問題もあって不十分でございますが、私どもといたしましては国立公害研究所の充実発展ということについて今後一層の努力をしていきたいと思っておるところでございます。
○山東昭子君 本当にやはり最後は優秀な人材であると思いますし、またその優秀な人材がよりよい環境でいろんな角度から自然保護あるいは環境というものを分析をしていく、そのためのいろいろな諸施策というんでしょうか、そういうものが本当に必要だと思います。今後私どもも微力ではございますけれども一生懸命応援をしたいと思っておりますけれども、どうぞひとつ長官のそうした自然保護あるいは環境というものに対する気持ちというものがやはり大きな成果となってあらわれることを期待をいたしまして、まだ時間はございますけれどもこの辺で質問を終わらせていただきたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(坂倉藤吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、公害等調整委員会及び環境庁を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○馬場富君 最初に、五十七年度環境庁の予算に対して質問をいたします。 先ほど説明のございました昭和五十七年度環境庁予算は一言で言ってみますと非常に変わりばえがしない特色のない予算である、こう言わざるを得ません。たとえば環境庁は昨年から湖沼法制定というすぐれたアイデアを出して国民各層から大変な支持を受けたわけでございますが、しかしいざ立法化という段階になると、湖沼環境保全は建設省に、水質規制等におきましては通産省の反対で立法化ができないというありさまに終わっております。しかも各地方自治体の希望した湖沼対策の財源は財政当局の反対で最初からあきらめ切ってしまっておるのが現状ではないか。これで本当に国民の湖沼を守ることができるかどうかという点について私はひとつ大きい疑問を抱くわけでございますが、この点長官から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 環境庁の予算全体につきましては御指摘のように確かに伸び率もきわめて少ないわけでございます。御承知のように財政再建という前提のもとにいわゆるゼロシーリング予算というものが五十七年度予算の基本になっておるものでございまして、われわれとしてはその中において環境行政を進める上におきまして必要なものを要求したわけでございまして、伸び率〇・二ということは確かに私どもとしても不十分だと思いますけれども、そういう中におきまして環境行政の進展につきまして真剣に努力をしてまいりたいと思います。 なお、ただいま御指摘の湖沼法の問題でございますが、私どもといたしましては、この水質汚濁の問題につきまして、河川、海域等につきましては、一部の都市河川あるいは一部の閉鎖性海域を除きまして、全体としては水質がわりあいによくなってきているわけでございますけれども、湖沼だけはどうもよくならないばかりでなくむしろ悪化が進んでいるという現状にかんがみまして、何とかこれをひとつ食いとめさらによくしていかなくちゃならないと、そのためにはやはり湖沼法が必要であるという観点について関係省庁と積極的に精力的に協議を進めまして何とか今国会に提案したいと思っていま全力を挙げているところでございます。私どもそのような姿勢でもってがんばっているということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○馬場富君 私も原長官を尊敬はしておりますので、ひとつどうかそういう点で国民の大いなる支持がこの湖沼法等にもございますし、行革の折とはいえ環境行政というのはその中でも最もやはり優先して考えられる私は問題である。こういう意味でそういう点強気で今後も対処をお願いしたい、このように希望を申し上げておきます。 今年度の予算の中で、特に湖沼法関係といたしましては、燐の環境基準設定あるいは湖沼水質管理指針のための調査費が計上されているだけありまして、これに対してもっとやはり直接的な潮沼環境とかあるいは水質保全の経費等が必要ではないかと私は思うわけです。そういう点で、たとえば琵琶湖の自然浄化に重大な影響を持つヨシの手入れや育成とか、あるいは手賀沼ではアフリカツメガエルのオタマジャクシを使った浄化装置等も工夫されておるということもありますし、また家庭雑排水対策を進めているというようなところもございます。こうしたアイデアを生かしたひとつ湖沼水質改善特別事業補助金を新たにつくって、法案だけではなくて予算を伴った施策にもやはり環境庁としてはここらあたりで力を入れるべきじゃないか、こう思いますが、御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 湖沼水質保全対策は総合的に行われなければいけないわけでございまして、産業系あるいは生活系あるいは農業、畜産水産系それぞれの発生源を総合的に負荷削減を進めていく、こういうことが基本だと思います。その場合に、先生おっしゃいますようにいろいろな事業が伴うことは当然でございますが、たとえば生活排水対策でございますと何と申しましても下水道整備が主体でございますし、あるいはヘドロ対策ということになりますとしゅんせつ事業というふうになるわけでございますが、これらの事業は建設省所管ということでもございます。それぞれの事業につきましてそれぞれの所管官庁がございまして、そちらの方の努力をこちら期待するわけでございますが、湖沼法をつくろうというその趣旨の一つは、湖沼法の中に計画制度というものがあるわけでございますが、その計画制度計画にのっとって諸事業を進める、その場合にそれぞれの事業官庁もこれに積極的に協力する、そういう体制をつくろうというのも一つのねらいでございまして、そういうような方向で湖沼対策をさらに充実させていきたい、かように存じておるわけでございます。
○馬場富君 先ほど長官の質問の中にも出しておきましたが、もう一点は、各地方自治体が実は湖沼対策の財源を希望した向きもあるわけですが、こういう点についてもこれはすんなりと、財政当局の支出が困難だということでおどかされずに、地方自治体等についてのこういう財源等についてもやはりもう少し前向きで検討すべきでないかと、こう考えますがどうでしょうか。
○政府委員(小野重和君) 確かに地方公共団体の湖沼法案に対する希望の最も重要なものとして財源措置、具体的に申し上げますと補助率かさ上げ、いろいろな諸事業に関する補助率かさ上げの希望があることは私ども十分承知しております。しかしながら、現在の財政事情のもとではむしろ補助率かさ上げを減らすというような方向にあるときに、また新しくそういうものをつくり出すということは大変困難でございます。そういう事情で今回の法案では補助率かさ上げとしてはないわけでございますが、今後の検討課題として私ども考えていきたいと思います。
○馬場富君 局長、そこは大蔵省はいまの行革等の立場からやはり抑えにかかっておりますけれども、環境庁の各予算等につきましては大きいやはり国民の支持があるということを忘れずに、特に湖沼法等については出してほしいという意見が圧倒的に多かったわけですから、よしんばこれが建設省や通産省の圧力によって環境庁が出せなかったとしても私は国民は一歩も下がってはおらぬと、こう思うのです。こういう点については私は優先的に積極的にやはり局長にも取り組んでほしい、こう思いますが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 馬場委員のただいまの御指摘はまことにそのとおりだと思います。私どもも、湖沼の対策として下水道の整備あるいは家庭雑排水の処理等についての諸施設の整備というようなものについて、やはりそれを早急に進めるためには補助というようなものが非常に重要でございます。いま局長から御答弁申し上げましたようになかなか財政事情厳しゅうございますけれども、私どもはこれからも法案のことは法案としてもちろん最善の努力をいたしますが、同時にいま申し上げたような実際上進める上におきましての諸手だてにつきましても積極的に一生懸命やっていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○馬場富君 次に、首都圏の自然歩道の整備開始と今後の予算対策について質問いたします。 自然歩道の整備は国民の共感を呼んだ予算でございまして、いままで整備された東海あるいは九州自然歩道等は非常に好評でございます。現在進行中の中国、四国の自然歩道の整備に連動して首都圏の自然歩道の整備が始まるわけでございますが、これも大変結構なことだと思いますが、しかしその完成が非常に長期間にわたっておる、六十三年というような予定でございますけれども、これは遅過ぎるんではないか、もっとこの点について予算上やはり一、二年のところは努力によって短縮することもできるんではないか、こんなふうに考えるわけでございますが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 自然歩道の整備ということにつきましては、私ももう非常に積極的な気持ちを持っております。最初に手をつけられたのは東海自然歩道でございますが、実はこれが手をつけられる前に、私は日本万歩クラブの会長もしておりまして、自然歩道をつくるということについて陳情側に立っていろいろとお願いしたこともあるわけでございます。首都圏自然歩道も、私はこれはできましたら非常に利用されるんじゃないかと思います。ただ、ことし提案している五十七年度予算は、いままでも申し上げましたような予算事情でもって不十分でございまして、モデルコースにつきましての予算がつけられた程度でございますけれども、馬場委員おっしゃるように今後努力を重ねまして、早くこれがひとつ完成するように努力を傾注していきたいと思っておるところでございます。
○馬場富君 それに関連いたしまして、従来の自然歩道の予算というのは自然歩道の整備が開始されると次の新しい自然歩道の調査費が計上をされてきたのが慣例か通例のようになってきておるわけでございますが、今年度は首都圏の後の調査計画がございません、そこで、私はここで考えるわけでございますが、自然歩道のいまない地域というとやはり東北地方に当たってくるんではないか。こんなことを考えながら、そういう点でみちのく自然歩道だとかあるいは奥の細道自然歩道だとか、こういうような開発もございますし、またもう一つは古来の塩あきんどの行き来した塩の道のルート等もございます。こういうようなものの整備も兼ねた形での自然歩道等も考えられますか。こういう新しい計画を、予算が組まれると同時に新しい計画が計上されてくるというのが通例でございますので、ここらあたりでやはりお考えになるべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(正田泰央君) 御意見のとおりでございまして、方向といたしましてはまだ計画は明確化しておりませんが、東北その他について方針を持っております。また、翌年度の問題につきましては、先生御指摘のような調査、工事というステップを踏んでおりますが、調査後の首都圏で今度工事にかかる、工事が開始されてから次の方の調査をする、こういうことでぜひ実現する方向で考えてみたいと思っております。
○馬場富君 予算については以上で終わりまして、関連の問題といたしまして午前中も論議になっておりました安中の公害判決の問題について二、三お尋ねしていきたいと思います。 この公害訴訟の判決に対する要旨についてまず説明いただきたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 判決の要旨でございますが、幾つかポイントがあると思いますが、大きく言いまして損害問題と責任問題、この二つがあると思います。損害の問題につきましては、額は原告側の要求が十五億でございましたが、判決では八千万というような額になっております。それから一つのポイントとして原告側の要求はいわゆる物的損害、まあ農作物が中心でございますが、損害のみならず、生活あるいは精神的なそういう損害、特に生活問題というような点についての包括請求ということでございましたが、あの判決ではそれを否定しているという点もございます。それから責任問題でございますが、これは被告側に故意責任ありと、こういう判決になっております。まあいろいろございますが、主要なポイントはそういうところにあるんじゃないかと思います。
○馬場富君 この判決の中で、いま要旨が述べられました中の一つのポイントは、いままでなかった例として企業の故意責任というのが認められたというところに一つ大きい重要な、これからやはり公害行政を担当される当局としても大きい意味があるんではないか。こういう点で環境庁長官はこの点をどのようにとらえてみえるか、説明いただきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) この安中公害判決の故意責任が認められたということは、これはやはり非常に大きな、環境行政にとりましても大事な点でございまして、私どもといたしましてもこの判決を真剣に受けとめまして、まあ安中について言えばまだ残っているところの土壌の復元工事に一日も早く着手されるように努力してまいりたいと思いますし、同時にまた、全国の土壌汚染地域につきましては現在まだ三割程度の進捗率ということでございますので、残りの七割の地域につきましても少しでも早く事業が完了できるよう、農林水産省等とも協議して予算の確保など最善の努力を払っていきたいと思います。 私は、実はこの点につきましてきょうの閣議でも発言をいたしまして、関係省庁、関係大臣の協力を求めたわけでございます。なお、このような事態が再び起きないということが大事でございますので、関係行政機関と連携をとりながら、水質汚濁防止法等の厳正な運用ということに今後とも最善の努力をしていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○馬場富君 そこで、次のやはり判決の要旨の中の一つのポイントである包括責任が認められなかったという点でございますが、公害被害の補償が十分でなかったという、やはり原告側にもそういう声がございますし、またそういう批判の声もマスコミ等の中からも起こっております。そういう点について、やはり公害訴訟の目的は被害者救済でございます。こういう点については今後被害者に対する補償のあり方についてやはり検討していかなければならないんじゃないか。そういう点で提案でございますが、公害財産被害補償制度というような、こういうものも一つは創設することが必要ではないか、このように考えておるわけでございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(清水汪君) ただいまのお話でございますが、今度のケースにおきましても、これはまださっき御答弁がございましたように、損害の認定と申しますか、その点につきまして第一審という問題ではございますけれども、いずれにしてもまだ要求と判決との間にかなりのギャップがあると、こういうことでございます。このことはやはり公害ということで認識をするその物的なり財産的な損害というものについての概念といいますか、認識というものがまだはっきり確定的でないということが一つそこにあろうかと思いますが、その点をさらに言い直せば、現象が非常に複雑と申しますか、態様がいろいろあるということを意味するんだろうと思います。 いままでのところで、たとえば油濁による漁業補償のようなものとかあるいは赤潮というようなものについては、それに対応したものとしてたとえば保険的な制度であるとかあるいは共済的な制度というようなものが一つ設けられておって、それなりに対応が行われているということも別途考えられるところでございます。いま直ちになかなか御質問の点について明確にお答えを申し上げることができない点、大変恐縮でございますが、いずれにいたしましても現在のところは訴訟、それから公調委の制度、こういうところで対応をしているわけでございます。 将来の問題としてどうかという御趣旨であろうかと思いますけれども、かつてこの公害の費用の負担法の問題に関連いたしましてやはり議論が行われたことがあったようでございますが、物的の補償、財産被害の補償制度一般というような意味の制度化ということはきわめてむずかしいというような当時の結論になっていたように思います。
○馬場富君 ここで、安中製錬所が故意責任の対象となったのは、昭和二十六年に施設を増設して以来、農民の受忍限度を超えた深刻な被害を与えたということでございますし、それを知りながらひとつは企業側が操業をしておったと。そのために操業によって起こってくる排煙だとかあるいは排水を継続していたところにひとつは企業責任があったわけでございますが、こういう点を通しまして、ここでやはり行政当局の責任ということにつきまして、私は通産省にこの点そういう監督官庁としてどのように考えてみえるか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(坪谷敏夫君) 通産省といたしましては、当製錬所の公害防止に関しまして所要の監督を行ってきたところでございますが、結果として公害が発生したことは遺憾に存じております。ただ、今後両当事者間で本件について適正な解決が図られることを期待しております。 なお、通産省といたしましては、今回の判決を踏まえまして今後とも公害の防止に万全を期していく、所要の監督を行っていきたいと存じております。
○馬場富君 ここは通産省もはっきりしてもらわなければいかぬのは、裁判ではこういう判決があって企業側が悪いということは断定されたわけですけれども、やはり四十四年以降はそういう点では規制を強化してこういう排除をしたということは理解されるわけですけれども、それ以前は、農民たちが本当に大変な中を国へも総理にも国会にもあらゆるところに陳情を続けていったけれども、結局それが四十四年まで放置されてきたということについて、これはやはり監督官庁の責任は大きいと、私はこう思うわけです。そういう点について、これは今後のこともありますけれども、その点はやはり通産省が、たとえ企業の方が守らなかったといっても指導監督はあなたのところにあったわけですから、この責任をどう考えてみえるか、はっきりしてもらいたい。
○説明員(坪谷敏夫君) 通産省といたしましては、公害の防止につき万全の監督を行ってきたわけでございますが、結果として公害が発生したことは遺憾に存じております。ただ、今後とも公害の防止について万全を期していきたいと存じます。
○馬場富君 ここで、通産大臣もいませんのでこれでおきますけれども、当時は環境庁はございませんでしたけれども、いま環境行政を担当される環境庁長官としてこの問題についてのひとつ御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 私も先ほど申し上げましたように、今度の安中公害訴訟についていわゆる企業側に対する故意責任が認められたという点については非常にこれを真剣に受けとめているわけでございます。そういうようなことから、実は一昨日も原告団から私に面会の申し込みがあって、私もお会いして陳情を受けたわけでございます。そのときに、企業側との公害防止協定の締結について環境庁としてもひとつ進めるように努力してほしいというような御意見もございました。これは直接的には鉱山保安法の対象として通産省の担当でございますけれども、私はやはり土壌を守るというような環境行政の観点からも、企業側にもよく言いましょうというふうにお答えをしたわけでございます。 幸いにして公害防止協定は成立したと聞いておりますが、いまも申し上げましたように直接的にこれは通産省の担当でございますが、私どもといたしましてもこういう点の監督につきましては十分に注意を払っていきたいというふうに思っているわけでございます。
○馬場富君 次に、これは安中の公害等はカドミ公害でございますので、どうしてもやはり土壌汚染の問題が起きてくるわけでございますが、安中地区の土壌汚染防止対策地域の指定状況と現在までの復元事業の実績等について御説明願いたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 全国の土壌汚染にかかる汚染農用地でございますが、六千五百三十ヘクタールございます。そのうち指定地域は四千八百二十ヘクタールでございます。対策事業が完了した面積でございますが、それが千八百七十ヘクタールで、約三割といいますか、二九%という状況になっております。
○馬場富君 あわせまして、全国にやはりこういう汚染に関係した地域がずいぶんあると思いますが、農用地土壌汚染防止法による全国の指定状況と、あわせまして復元の実績状況、そしてまたそのひとつ特徴というか、そういうものについて説明をいただきたいと思います。
○説明員(芦澤利彰君) 土壌汚染対策につきましては、土壌汚染防止法に基づきまして対策地域を指定して、しかるべき後に都道府県が対策計画を策定して、所用の客土なり排土なり、そういうふうな汚染の防止、あるいは汚染をさらに除去するための事業が実施されることになっているわけでございまして、現在までに土壌汚染防止法に基づいて地域指定された地域は全国で四十八地域ございます。 その面積は約四千八百ヘクタール程度となっておりますが、この四十八地域のうちですでに対策計画が策定された地域、これは工事が終わった地域も含めているわけでございますけれども、対策計画が策定された地域は四十一地域でございまして、そのうち事業が完了した地域が十九地域ございまして、残り二十二地域については現在事業を実施中でございます。 これらの事業の特徴と申しますか、やはりカドミ、銅等、有害重金属で汚染されました土壌について、ある場合にはその汚染した土壌を排土して新鮮な土壌を客土するとか、ある場合にはその現状のままで汚染した土壌の上に新鮮な土壌を盛って客土するとか、そういうふうな工事が主体になっておるわけでございます。
○馬場富君 これは土壌汚染防止法というような法律があるわけでございますが、私も何点か、たとえば神通川のイタイイタイ病のあの汚染地域だとか、カドミ汚染やいろんな汚染の地域の状況を見ておりますけれども、やはり因果関係が一つはなかなかむずかしいという点もございますし、また因果関係がきちっと成立しても、深耕というのはなかなか非常に予算も伴いますし、また複雑な状況等が出てきて非常にむずかしいという点が多々あるわけでございますが、そういう点について、いま御報告にもありましたように、深耕というのは非常にこれが指定されても解決策というのはなかなか完全なまでにいくにはむずかしい状況が私は多々あるんじゃないかと、そういう点で聞いたわけですけれども、私も現場を回りましてそういうものを感じておるわけでございますが、今回の判決の中でも土壌汚染防止法による環境行政についてさらに積極的な対応を求めているという点があるわけでございますので、こういう点でやはりこの問題についてはあらゆる困難な問題はございますけれども、こういう点の推進には全力を挙げてやっていただきたい、こう思うわけですが、この辺どうでしょうか。
○説明員(芦澤利彰君) 対策の推進上の問題、ただいま先生御指摘のとおりいろいろむずかしい問題ございますけれども、これらの問題点につきましては鋭意検討して、関係都道府県を指導してできる限り早く対策計画を策定し、また対策計画が樹立された場合の対策事業の実施については、関係各省庁とも連絡協議の上、関係県を指導して鋭意努力してまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 ここで、この土壌汚染については、環境庁長官は関係行政機関並びに地方公共団体に対し要請もしくは勧告ができるということになっておりますが、こういう土壌汚染についてのいままでの対処の仕方の中でそういうような例はございますか。
○政府委員(小野重和君) 特に、汚染源対策につきましてそういう規定はございますが、具体的に法律に基づく勧告等をしたことはございません。これは現在、汚染源対策については一定の基準を設けて規制しているわけでございまして、それによって特に現在までの段階で問題が生じているところはない、こういう状況でございますので法律に基づく勧告等をしたことはない、こういうことでございます。
○馬場富君 特にこの土壌汚染対策の実施につきまして、先ほどもお話ししましたように、現場では予算も伴いまた諸条件等も非常にむずかしい、厳しい状況にあるわけでございますので、このように環境庁長官には法律によっての権限が与えられておるわけでございますので、ひとつこういう点をお考えの上、積極的なこの推進について取り組んでほしいと思いますが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 先ほども申し上げましたように私、本日の閣議におきましても、まだ七割も残っている土壌汚染地域の復元については関係大臣に積極的に協力してほしいと、これはやはり予算をもちろん伴うものでございまして、そういう面も含めて要望をしているわけでございまして、今後もその線に沿って極力努力をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○馬場富君 今後の土壌汚染防止のため、判決後原告と被告の間に公害防止協定が結ばれたと聞いておりますが、その内容はどんなふうでございましょうか。
○政府委員(小野重和君) 三月三十一日に公害防止に関する基本協定が結ばれておりますが、三点ございまして、一点は、原告などが、それからその指定する科学者が安中製錬所に立入調査をすることができるというのがまず第一点。第二点は、原告らが立入調査に関して東邦亜鉛に対し資料の提出を求めることができ、またみずから資料を採取することができるということでございます。第三点は、これらの調査費用は東邦亜鉛の負担とするということ、以上三点が主要点でございます。
○馬場富君 それでは次に、地盤沈下対策の法制化について質問をいたします。 公害対策基本法に規定する典型七公害のうちの地盤沈下は、同法制定後十数年を経ておるわけでございますが、今日に至るも総合的規制法が制定されていないのはこの地盤沈下だけでございます。この重要な一つは対策でございますし、これを推進するに当たりましてやはり総合法がないということは実現ができないというにも等しいことではないかと、こう思うわけでございますので、こういう総合法の制定の早期確立を私たちは考えるわけでございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(小野重和君) 地盤沈下に関する総合法制化の問題でございますが、御案内のとおり昭和四十九年に中央公害対策審議会の答申がございまして、その答申に基づきまして環境庁は地盤沈下防止に関する法制の案を用意しまして関係各省ともいろいろ御相談したわけでございますが、ほかの省庁、国土庁とか建設省とかいろいろございますが、調整がなかなか困難という状態で来たわけでございます。そこで昭和五十五年、一昨年でございますが、内閣審議室が入りまして内閣審議室中心に総合法制の検討をしたわけでございますが、これも現在まで調整が済んで成案を得るという段階に至らなかったわけでございます。 しかしながら、地盤沈下の現状から見まして地盤沈下対策をゆるがせにするわけにはいきませんので、総合法制の検討は進めるわけでございますが、一方当面の問題としまして、関東平野北部、濃尾平野、それから筑後・佐賀平野の三地域が全国でも大規模な地盤沈下地域でございまして、これについて関係各省協力して具体的な対策を進めていこうじゃないかということで地盤沈下防止等対策関係閣僚会議が設置されまして、閣僚会議のもとに関係各省が協力して検討するという体制を整えておりまして、現在それぞれの地域ごとに具体的な検討を進めておる、こういう状態でございます。 繰り返しになりますが、一方では総合法制の検討も引き続きしたい、かように思っております。
○馬場富君 ひとつ法制化については強力に推進をお願いしたい、要望しておきます。 次に、地盤沈下の中で濃尾平野の地盤沈下対策について質問をいたします。 濃尾平野は御存じのようにやはり地盤沈下が進行しております。あるいは建造物あるいは各種施設に被害が出ておりますし、特にあそこはゼロ地域でもございますので洪水や高潮等による災害の危険も伴っておるわけでございますが、そういう点につきまして、濃尾平野の地盤沈下の現状とその対策についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 現状でございますが、三十四年に伊勢湾台風がありまして高潮等の災害が非常に大規模であったことから、濃尾平野南部の地盤沈下が注目を集めるようになったわけでございます。その後、地盤沈下は急激に進行したわけでございますが、昭和四十九年に年間沈下量二十三センチメートル、これをピークにその後は鈍化傾向に転じておりまして現在に至っております。昭和五十五年度でございますが、年間沈下量の最大値は、これ三重県の長島町でございますが、三・一センチメートルございましたが、それ以外の年間二センチメートル以上の沈下が記録されている地域は一部を除き姿を消しております。鈍化傾向にあるということでございます。 しかしながら、依然として地盤沈下が続いておるわけでございまして、そのための対策は当然講じなければいけないわけでございまして、これはすでに先生御案内のことと存じますけれども、愛知県、三重県あるいは名古屋市等におきましてそれぞれ条例をつくりまして、新規の地下水採取の抑制、それから既存の地下水採取量の削減ということ、それから一方では代替水の供給事業、これを進めておりまして、そういうような結果が地盤沈下の鈍化にあらわれていると思われます。しかしながら、まだ地盤沈下は続いている状況でございますので、先ほども御説明しましたように関係各省庁協力してこの濃尾平野につきましても具体的な検討を進めている、こういう段階でございます。
○馬場富君 ここで、地盤沈下の原因について説明をお願いしたいということと、それから濃尾平野の沈下の特徴、こういう点についてひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 地盤沈下の原因につきましてはいろいろ議論のあるところではございますが、一般的には地下水採取によって地盤沈下するということが通説のようになっておりまして、そういう意味で、そういう考え方のもとに地盤沈下の対策といたしましては、地下水採取の抑制が主体になり、またそれに関連して代替水の供給事業等が行われる、こういう柱で地盤沈下対策がいままでも進められてきましたし、今後も進められるということなんでございます。 ただ、濃尾平野につきましては地殻変動説というような議論もございまして、その辺どう考えるのか。私どもは現在まで地下水採取が原因、こういうふうに考えておりますが、そういういろんな学説についてどう考えるかというのは今後の問題であろうかと思います。
○馬場富君 私がここでこの質問をしたのは、私も濃尾平野の地域に生まれて、当初から地盤沈下は地方議員のころ、四十五年あたりからずっと取り組んでもきておりますし、また県議会あるいは国会においてもこの点を自分自身も追求しておるわけでございますが、いま局長のおっしゃったとおり、私もかつて調査の段階として、やはり日本の地盤沈下という一連の九州あるいは大阪、東京、名古屋、こういうふうに地盤沈下の問題が地域ごとに出てきておりますが、そういう点で当時地方議会のころにも研究もしてきましたが、当時そういうことから推しまして、いま局長のおっしゃるような揚水説、水を吸い上げる、そういうために地盤が下がるんだ、こういう一つは考え方が定説になり、われわれもやはりそうだと思って実は濃尾平野の地盤沈下も眺めてきたわけですけれども、その後いろんな学者の先生方や自分自身が現地で見るいろんな諸状況等もあわせまして、大阪や東京あるいは九州、名古屋、こういう地域がございますけれども、地域ごとにみんな一律でない、地域ごとに多少いろんな特徴があり差異があるということを、やはり学説からもまた私たちが現地の判断からも、そういうものを最近私は感じつつあるわけです。 それはどういうことかと言いますと、やはり大阪なり関東地域あるいは濃尾地域と地域は分かれておりますが、それなりに地盤沈下の特徴があるということがだんだん私もわかってまいりました。そういう点で何人かの先生方にこれに対する意見も聞いてみましたが、やはりそういう先生方、たとえばいま環境庁等で揚水説、水を吸い上げるから下がるんだという説について意見を出してみえる先生方はいま局長のおっしゃったような意見でございますが、これにやはり正反対の意見もあるわけです。 そういう点で、たとえば簡単な例でいきますと、関西地域の地盤と濃尾平野の地盤というのは完全に違うんだ。たとえば関西地域の地盤というのは粘土質が非常に厚くて、そういうために水を吸い上げることによって地層が下がるということについては非常に因果関係がはっきりしてくる。ところが濃尾平野の問題についてはそういう土質が全然違ってきておる。あそこについてはやはり砂利とか砂というのが交互に組み合ったようなそういう地盤構成になってきている。そういう面でいきますと、水を吸い上げるから下がるんだという説は濃尾平野には必ずしも当てはまらないという学説もずいぶんあるわけですし、また私ども実態の中で眺めてきたものの中でもやはりそういうことについての納得できる諸現象も多々あるわけです。 それで、たとえば先般も会いました地盤沈下等でのなかなか日本的な権威であります名古屋大学の松沢名誉教授あたりの説でいきますと、先ほど局長も言っておりましたように、濃尾平野というのはそういうわけだから水を吸い上げるために下がっておるんではない。これは水対策だけでは絶対にとまらない。やはり先ほど局長も言っておりましたいわゆる地盤の傾動説、結局傾いて動くという説が一つはこの地盤沈下の中にあるし、世界の中でもそういう傾動説によって下がっておる地盤沈下の現象の地域もある。だから、必ずしも日本のように一律に水を吸い上げるから下がるんだという考え方で通してしまうというのは非常に危険性があるし、またこれからもこの対策に取り組んでいく場合に一番大事なのは、真の原因をつかみ、それに対して対策を立てるところに効果は上がるということですね。 そういう点で、やはり真の原因というものについて、もう一歩いま日本の地盤沈下の原因というものについては研究の余地があるんではないか。いままでこれに揚水説をお唱えになった学者もあるでしょうけれどもやはりそうでないという説の学者方もたくさんある。そういうことについて、環境庁はやはり国の地盤沈下対策を考えていく官庁でございますので、偏らずに各方面の意見も聞いて、ここらあたりで真の地盤沈下の原因がこの地域はどういうところにあるか、この地域はどういうところにあるかという分析を一つは考える必要があるんではないか。そういう点でやはり多くの学者の意見を聞いてはどうか。こう思いますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(小野重和君) 地盤沈下にとどまらず環境保全対策全般について言えることでございますが、正しい科学的知見に基づいて行われなければいけない、こう考えるわけでございますが、地盤沈下、特に濃尾平野の地盤沈下対策に関連しまして、私ども地盤沈下広域対策調査検討会という組織を持っておりまして、これにはあの地域の大学の教授の先生方等にも加わっていただきまして、原因等について、対策等についていろいろ御意見を承っておるわけでございますが、いま参加をお願いしている先生方はやはり揚水説なんでございますが、確かに先生おっしゃいますように松沢先生は地殻傾動説を唱えておられるわけでございますが、いずれにしましても正しい知見に基づく対策が行われなければならないことは当然でございまして、そういう先生のおっしゃったような点を踏まえまして、これからも正しい知見に基づく対策を進めるということに私ども努力したいと思います。
○馬場富君 次に、NOXの総量規制の準備状況について質問いたします。 東京、大阪、神奈川県の三都府県で策定されるNOXの削減計画の策定状況とその中身及び環境基準達成の見込みについて質問いたします。
○政府委員(吉崎正義君) 東京、神奈川、大阪の三都府県におきましては、昨年の六月の地域指定以後、総量規制の具体化のための作業を進めておるところでございますけれども、神奈川県がやや先行いたしまして、ことしの三月二十六日に指定ばい煙総量削減計画を公告いたしました。昨日、本年の四月一日から実施をされておるところでございます。 内容でございますけれども、原燃料の使用量が一時間当たり四キロリットル以上の工場等六十六ございますが、それを特定工場等として窒素酸化物の排出量を五十二年度実績に対しまして三〇%余り削減を図ることといたしております。昭和六十年における環境基準の達成でございますが、従来からの対策に加えましてこうした強力な対策を推進することによりまして可能であると考えておるところでございます。 なお、東京、大阪につきましては、施設の数も多いしまた汚染の構造が複雑なために神奈川県よりか若干おくれておりますけれども、目下鋭意作業を進めておるところでございまして、近く総量削減計画の策定を完了すると承知をいたしております。
○馬場富君 昨年導入を見送った愛知、兵庫、福岡のNOXの現状はどういう状況でございますか。
○政府委員(吉崎正義君) 愛知県、兵庫県、福岡県の現状でございますけれども、愛知県と兵庫県につきましては、長い目で見ますと、五十二年から五十五年まででこぼこがありまして、おおむね横ばいと、こういう状況であろうかと言えるのでございますが、依然として両地域とも環境基準を超えておるわけでございます。特に名古屋市等地域、愛知県でございますが、五十五年度は前年度に比べまして環境濃度が悪化をいたしておりますので、県におきましてその原因等の解明を行っておるところでございます。それから北九州市等地域でございますが、ここにつきましては環境濃度の改善の傾向が見られておりまして、五十五年度にはすべての測定局において環境基準の達成を見ております。
○馬場富君 いま局長が説明されたように、特に愛知県については五十五年、五十六年とやはり濃度の点についても上昇しておりますし、また五十四年からは地域も五地域から十地域に拡大される、こういうような状況で、実はマスコミ等もこの点をずいぶん指摘しておりますが、悪化の傾向に入ってきておるわけです。そういう点でこれはやはり総量規制地域の追加を考える必要があるのではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(吉崎正義君) 御指摘にございましたように愛知県につきましては地域指定を留保しておるわけでございますけれども、五十五年度におきまして前年度よりか二酸化窒素の状況が悪化しておりますので、愛知県ではその悪化の原因を明らかにするとともに、今度は五十五年度をベースにいたしまして大気汚染の将来予測について調査を実施しておるところでございます。また、県は愛知県の公害対策審議会に対しまして窒素酸化物対策のあり方について昨年の九月に諮問をして、総合的な窒素酸化物対策について現在鋭意検討しておるところでございます。環境庁といたしましては、これら地元の検討状況をよく見まして引き続き私どもとしても検討を行いまして、六十年までに環境基準を達成するよう所要の対策を進める所存でございます。
○馬場富君 次に、午前中にも質問がございましたが、志布志の開発の問題について二、三点質問いたします。 志布志の開発につきましては従来から環境庁の長官がこれを認めないという態度できたわけでございますし、また住民団体へもそのように答えておったことはわれわれも記憶しておるわけでございますが、二月二十五日に鹿児島県知事へ、県代表に対し、検討に値するという答えが実は環境庁長官から出たということでございますが、やはりこれは事実上開発を認めたということでございますので、この点については変節があったんではないか。こういうようにわれわれは環境庁の態度を理解するわけですが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 昨年出されましたいわゆるFS案につきまして前環境庁長官は、これでは日南国定公園の鹿児島県側の志布志の国定公園の景観を非常に害する、だからこれでは認められないが代案を持ってこいということを言われたわけでございまして、志布志地域について何物も認めないということじゃなくて代案を持ってこいということを前長官が言われたわけでございます。私どもといたしましては、その方針を踏まえまして、国定公園の解除につながるようなものはこれはいけませんと、それから景観を著しく害する、台なしにするようなものもこれはいけませんと、そういう二つの点を条件といたしまして、志布志の白砂青松と言われる景観が著しく阻害されない、もちろん国定公園の解除につながるようなものではないということを前提として、鹿児島県と環境庁の事務当局の間でたび重なる折衝を続けてきたわけでございます。そうして出されてきた最終の案が、まあ従来言われておりました浜辺から二百メートル沖合いという案に対して五百メートル沖合いに出す、そうして景観を考えましてさらに六百メートル南側の方に寄せて、しかもこの面積も縮小するというような代案が出てきたわけでございます。 私どもといたしましては、もちろんどんな案であろうとも景観に全然影響がないわけはございませんけれども、この代案であるならばこれをもとにアセスメントをすることは十分検討に値するという答えを出したわけでございます。ただしかし、同時に私は、この志布志につきましては安楽川以南の浜辺、いわゆる白砂青松はもちろんでございますが、その前面の海面につきましてもこれ以上のものはもう認められませんよということを鹿児島県知事に念を押しまして、この自然を守る、白砂青松を守ろうということをそれによってはっきりと言明をした、こういういきさつでございますので、決して従来の方針を変えたとかというようなことではございません。環境庁といたしましても、自然を保護していくというその考え方は毛頭変わっておりませんので、この点御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○馬場富君 長官の説明はわかりますが、確かにこの予算書にも出ておりますですね、位置もここに出ておりますけれども、確かにFS案に比べればいいということはわかるわけでございますが、やはりいま長官のおっしゃったつくらない方がいいということに結論は私は本当になるんじゃないかと。そういう点で、やはり自然公園の原状を残した、先ほども御説明になった白砂青松の海岸がひとつはあそこの特徴でございますので、そういう地域にこういうものをいずれの場所においてもやはり置くということは、非常に環境を害するという点については、非常に私たちも理解に苦しむわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(原文兵衛君) 馬場委員も御承知のようにここは国定公園でございまして、法律上国定公園の管理は県知事の所管でございますし、また国定公園のうちでも普通地域につきましては県知事に対する届け出で済むという法律上のたてまえになっております。しかしながら、私どもはやはりこれはこの全体の景観に影響があるということで、景観に与える影響が最小限であること、そしてもちろんのこと国定公園の解除などにはつながらないということで、環境庁としては白砂青松というこの自然を守るために最大限の努力をしてきたんだというふうに私どもは考えているわけでございまして、もちろん何かができれば影響ゼロというわけにはいきませんけれども、これは私どもは石油国家備蓄基地そのものがよろしいという、そういう権限もございませんが、ただそれについてのアセスメントをするというようなことについて、この位置、この代案ならばまあアセスメントをしてもよろしいということを申し上げたわけでございます。 したがって、今後この石油国家備蓄基地が建設されるということになりますと、これは公有水面埋立法等に基づくところのいろいろな認可につきまして、環境庁にも協議がございますし、さらにまた県の方でもアセスメントを実施するわけでございます。われわれはそのアセスメントを十分チェックをいたしまして、潮流の問題等も含め、また浜辺から見て、タンクが立つわけでございますが、そのタンクの基地の周りには百メートル幅の築堤を設け、その上に植栽をしてタンクが見えないようにするというような方針を打ち出したわけでございますが、そういうような点につきましても十分チェックして、本当にタンクを覆い隠すことができるかどうかというような点について問題があればこれからもまた注文をつけていくと、こういう考え方でおるわけでございます。
○馬場富君 もう一つは、あの施設に対して、国定公園の解除の問題についてはどのように考えてみえますか。
○政府委員(正田泰央君) 日南海岸国定公園の解除問題につきましては、あの志布志地区が当初から指定されて以来志布志湾の浜辺を中心とするいろいろな諸計画が出てまいりまして、その中身について私ども正式につまびらかにいたしておるわけではございませんが、その過程におきましてあの地域を解除してはならないという各般からの御見解なり御意見がございまして、私どもも志布志の地区を解除する、つまり地域の変更を行う、あるいはその地域をまるまる削る、結果としてその部分が廃止になる、言いかえますならば公園でなくなるという意味の解除というものについては当然のことながらいたさない、国定公園の解除はしないと、解除に影響のあるような問題については困る、こういうことを述べてまいったわけでありますが、先ほど来大臣が御説明申し上げましたように、今回のものにつきましては解除、つまり公園の廃止につながるような、しなければならないような問題ではないと、こういうふうに考えた次第でございます。
○馬場富君 実は県の案でいきますと、公園内に七十ヘクタール、十四基の石油タンク群ができるわけですね。そういう立地の条件から見まして、いままで過去に、たとえば阿蘇国立公園のところに五十四年十二月十四日に六十ヘクタールのやはり施設のための区域の変更を行っております。それからニセコ積丹小樽海岸では五十五年三月二十一日に四十ヘクタールの区域変更がやはり施設のためになされておりますが、こういうものと対比して見てここだけは別だという考え方は僕はちょっと理解に苦しむわけですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(正田泰央君) ただいま先生が御指摘になった数字についてはいずれもそのとおりでございますが、さらにしさいに中身について御説明申し上げますると、私どもが公園区域の変更を行った趣旨は二点ございまして、第一点は市街化区域が著しく進行してまいります。したがいまして、結果といたしまして公園区域として適当でないことになりまして、公園計画を再検討する、公園計画としての妥当性を欠いたということでそこを削るわけでございます。 第二点は、公園区域の中には道路でございますとかあるいは農地でございますとかあるいは森林でございますとか、数多くの境界線問題というものが歴史的にも社会的にも存在しておりまして、そういったものが徐々に変化いたしております。同じ公園区域内でもある町はこの境界線が変わった、ある町はこの農道が変わったと、いろんな事情がございまして、その際整理いたすわけでございます。つまり結果として整理いたすわけでございますが、いま先生御指摘の案件は、まず阿蘇についてでございますが、これの内訳といたしましては、六十ヘクタールではございますが、この内訳は拡張いたした部分が一ヵ所ございましてこれが百三十ヘクタールの拡張を行っております。これは普通地域をはっきりいたしたところでございますが、さらに三町にわたりまして三ヵ所、合計百九十ヘクタールを飛び飛びに削除いたしております。そこで差し引きまして六十ヘクタールというものが境界線の明確化ということで縮少になったわけでございます。 さらに、先生御指摘の二番目のニセコ積丹小樽海岸国定公園でございますが、結果といたしまして四十四ヘクタールの減少に相なっておりますが、これも同様でございまして、四ヵ所を拡張いたしましてこれを合わせますと五十八ヘクタール、さらに飛び飛びの場所を縮小いたしまして四カ所ございますが百二ヘクタール、差し引きまして四十四ヘクタールが減少となった次第でございますが、いずれにいたしましてもおおむね市街化区域の著しい進行、さらに境界線問題、そういったことで従来ともこういったような形で整理させていただいております。 以上でございます。
○馬場富君 今回のこの石油タンク群の施設については国定公園の中の景勝の一つとして見ていいと、だからそれはそういうものを害するものではなくてその中の一つの施設のような理解でいいと、こういうふうに考えていいかどうか。どうでしょうか、その点は。
○政府委員(正田泰央君) 先ほどのこの普通地域内の七十ヘクタールでございますが、これはこの七十ヘクタール、海面上の七十ヘクタールにつきましてその七十ヘクタール分を削除して、公園区域を変更してその部分を公園でなくするという必要がない、こういうふうな判断でございます。
○馬場富君 それでは、結局備蓄基地は公園だと見るんですか。
○政府委員(正田泰央君) 備蓄基地の七十ヘクタール以外の部分はもちろん公園ではございません。七十ヘクタールの部分だけが公園の特別地域を守ります普通地域の中にあるということでございます。
○馬場富君 ちょっとその点は理解できませんが、押し問答になりますので。 次に、先ほども出ました国定公園の景観に影響の少ないということでこれがひとつ理解されておるというように長官との話からも出てきましたが、国定公園の計画上に展望台を置く場所となっておる権現山からはちょうど千メートル以内に入っておるわけですが、同所から基地による視界はおよそ百度です。そうすると、この権現山は特別地域の中にあるわけでございますが、こういう点で、やはり真正面にそういうものがあるとこれはやはり白砂青松をその展望台からは非常に見にくくなってくる、景観に影響がないとは言えないんじゃないか、こう思うんですが、どうですか。
○政府委員(正田泰央君) 国定公園の存廃にかかわるような展望を吟味いたします場合に、御案内と思いますが、地域全体を総体としてとらまえて何が重要な要素であるかということを景観論的に整理いたしますのが歴史的、事実的な、伝統的なやり方でございます。 そこで権現山でございますが、権現山と申しますのは、それが特別地域としてこの公園の中に入りましたゆえんのものは、白砂青松から見て白砂青松を見るというよりは白砂青松から見まして白砂青松に景観を添える一つの標高を持った、また生態学的にもいい一つの山としてとらまえて特別地域に指定いたしてあるわけでございます。さらに、公園の指定をいたします場合には保護する計画と利用する計画がございまして、利用する計画は、たとえばどういうところに展望所を設けたらいいかベンチを設けたらいいかということでございますが、この権現山は間々人も行けば、やはり高いところでございますから展望するなり休む人がいるということで展望所を設けたいという県の意向もあって計画に入れたわけでございますが、その後二十年間ほとんどこの地域が利用されておりませんので、利用計画上の問題は一応いまのところございませんが、先ほども申し上げたとおり展望のとらまえ方といたしましてはそれ以外のところもございまして、そういった数多くの展望点をとらまえて全体に影響がない、こういうふうに考えたわけでございます。
○馬場富君 大変新しい景観の展望説を説明していただきまして、われわれも非常に理解に苦しむわけですけれども、展望とは空ばかり眺めておるかというようなことにもなりかねないわけですけれども、また実は論議してもこれは始まりませんが、実はそういう私たちは疑問があるわけですし、そういう点につきまして、これからの状況の中でやはり白砂青松、その景観というものをひとつ損なわないような形で全力を挙げていただきたいと、こう思います。 午前中あわせまして御質問がありました中で、特にこれ以上の開発は認めないということは先ほども長官も言われましたし、午前中の答弁の中でも長官は確信を持って言われました。そういう意味において、今後あの地域には新大隅計画等がございますけれども、長官にその点につきましては再度確認をいたしますが、これ以上の開発はやはり環境庁としては今後絶対認めないという点とあわせまして、先ほど来何点か出ました私の質問の疑問の中で、今度のやはり備蓄基地の設立に当たって環境を守る立場から長官としてもう一遍御所見を伺いたいと、こう思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 先ほど来申し上げましたが、私どもはアセスメントをするについて新しい代案ならば検討に値すると鹿児島県知事に言いましたときに、安楽川以南の海浜あるいは海面、これにはもうこれ以上のものは認められないのだということをはっきり申し上げました。新大隅開発計画というのは正式には私どもは承っておりません。したがってそういう言葉は使いませんでしたけれども、しかし伝えられる新大隅開発計画が安楽川以南の海浜にさらに一号地とか二号地とか三号地とかいって埋め立てをして工場団地みたいなものをつくるのであれば、それはもちろんのこと、いま申し上げました安楽川以南についての海浜あるいは海面についてこれ以上のものは認められないということで、そういう意味においてはいわゆる新大隅開発計画をこの志布志湾につくることは認められないということになるわけでございます。 この方針は、先ほども申し上げましたが環境庁の方針でございまして、国会においても答弁をしておりますし、また報道関係にもはっきりと申しているところでございまして、今後ともこれは堅持してまいるというっもりでおりますので御理解いただきたいと思います。
○戸叶武君 午前中からの質疑応答がなされているのを見て、私はいま環境庁が将来への展望の点において明確な指導方針というものがいまだ確立しないからアセスメント法案の法制化ができないのか。それとも、法制化という形式よりも、いままで強調しているところを見れば、大阪の空港の問題なり水俣病なりあるいは琵琶湖の問題なり、そういう具体的な問題を処理して、それとの関連において将来どういうふうに環境庁における公害対策というものが行われていかなければならないかということを現実的に模索している最中ではないかと思われるのです。 きょうは実は西ドイツの議員の人たちとの話し合いの場があったので、その方と時間がかち合ってよく全部聞き取れない面もありますけれども、大急ぎで書類を見たりそれから総理府の方の御意見を聞いたり、それから主として予算が具体化されているところの環境庁長官の意見を断片的には聞いているんですが、私はいま日本の個々の問題との取り組みに前向きの姿勢で努力している姿はわかるのですが、公害問題というものはエネルギーの問題、核兵器の問題あるいは食糧の問題とともに、これはグローバルな時代における新しい秩序をつくるために私はいろいろな発想の転換がなされ、物の考え方や法案のつくり方にも一つの質的転換がなされなければならないときだと思いますが、環境庁長官はどういうふうな見通しの上に立ってどういうふうなこの現実との取り組み並びに模索並びに将来の展望を考えているか。その点を簡単でもよろしいですがお聞きしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 戸叶委員御承知のように、日本の公害あるいは環境破壊というものは高度成長に伴って急激に大きくなりまして、また社会問題としても非常に重要な問題として浮かび上がってまいりました。それに対してこれを何とか歯どめをしなければいけないというようなことで、いろいろな規制も設けられるあるいは公害防止技術を開発するというようなことが行われまして、一時のような危機的な状態は一応脱したかと思います。 しかしながら、まだまだ、たとえば水の問題でいいますと湖沼などなお悪くなっていくし、あるいは大気関係でいいますならば窒素酸化物がなかなか環境基準に達成しないというような問題もありますので、こういう問題について努力をしていかなければなりませんが、やはりこれからの環境を守る、環境行政を進めるという上につきましては、何といいましても環境汚染の未然防止ということが非常に重要であると思うわけでございます。私どもは今後ひとつこの未然防止というものに力を注ぎそれに万全を期していきたいと思います。現在実は衆議院の環境委員会で御審議をいただくことになっておりまする環境影響評価法案もそういう趣旨でもって御提案しているわけでございまして、これらの一日も早い成立をお願い申し上げたいと思っている次第でございます。 なお、エネルギーの問題あるいは食糧の問題等に関連して、この環境破壊を防いでいくということは、これはもう日本だけの問題ではなくて世界共通の問題であろうかと思います。地球環境というようなものも、人口の急激な増加に伴いましていろいろと影響されまして、あるいは森林、ことに熱帯雨林が減少するとか、あるいは乾燥地帯の砂漠化が進むとか、あるいは炭酸ガス濃度が上昇してそのことによって地球の温度が上がっていく、これがいろんな方面に影響してくるんじゃないかとか、いろいろな問題が提起されているわけでございます。私どもはそういう点につきまして、やはりこういう地球環境というような面におきましても、日本はいままでのいろいろな経験を踏まえながら、同時にまた国際問題グローバルな点でもって地球を守り、これが人類共通の問題としてしっかりした対策を立てていかなければならないという点において積極的に取り組み、積極的に国際協力という面においても貢献していかなければならないというふうに私どもは考えているところでございます。
○戸叶武君 原さんがそのようにグローバルな時代における新秩序確立への方向づけをわれわれは認めなければならない、それには国際協力も必要であるというふうに明解に御答弁してくださいましたが、私は今日の高度経済成長下における悪い意味の置きみやげとも言うべき公害問題、過去のいろいろな問題を処理すると同時に、将来地球上においてその汚点を残さないようにかち取るだけの国際協力が必要であるという、これは一つの見識だと思います。 そこで、いま国内の問題に非常に重点を置いておられるようですが、私はおととしの二月、ランブイエで開かれたECの代表者と日本の国会の代表者とのフリーディスカッションの場に臨みまして非常に感じたのは、具体的な問題を通じて新しい課題として、この高度経済成長下における悪い意味の置きみやげ、これをどういうふうに処理していくかという問題に対して、具体的なデータを基礎として論議が運ばれているのを見て、やはり三人寄れば文殊の知恵で、自分の国のことだけじゃなくほかの国のやっている苦悩を見ると、そこに客観的なわれわれの観察なり判断も下されるなということを感じたんです。 特にいま、ヨーロッパにおけるサミットの会議あるいは国連の軍縮総会において、私は一番大きな課題として取り上げられるのは、核の問題は一朝一夕ではなかなかむずかしい。私どもの委員長がフランスへ行ったりドイツへ行ったりしているけれども何か歯車の合わないものを感じるのは、向こうは抽象的な原則論じゃなくて、その国のいま当面している問題をどういうふうに処理するかという点で、それぞれの立場から国民の各層の合意を得るために模索している、きわめてプラクティカルな問題として問題を取り扱っているのを見ると、日本は依然として法律万能の国であって法治国家思想から抜け出ない。 ナショナルガバメントを通じてポリティカルなコントロールをする。それには見通しにおいて誤った場合にはそれをも是正する。しかし一応見通しを立てて、その上に立って当面の具体的政策で議論をし、政策上の論争もやり、そういう形から政党政派を抜きにしていずれが正しい回答を国民に与えるかという形において、いままでの一元的な国家論の古い国家理論から目が覚めない、日本の法律分野からの教養だけでその秀才が内務官僚となり、あるいはいろいろな日本の官僚の中枢を占めているが、そういう法治国家思想の非科学的というような、何がためにいつどこでだれがどういう事実をという、この多元論的な国家間の人たちが追求するような方法論というものがまだ実ってない。 恐らくは私は、各省のそれぞれの人材を集めて環境庁というものは、意欲に燃える明日の先取りのために備えて、国際社会においても恥かかないだけのものを持っていこうというので、いま当面の問題と同時に長官の言われたような私は苦悩がなされているんだと思いますが、どうも仕事熱心はいいけれども、日本人はじっくり物を考えるということをしないで当座間に合うようなことに飛びつく習性がこのごろできてしまって、アメリカのハーバードグループが見通しを見失ったと同じく、日本の官僚も大局的にグローバルに問題を処理しなけりゃならないということをわかっていながら実践からは非常に遠のいた面があると思うんですが、長官のような考え方というものが環境庁の中には溶け込んでいるんでしょうか、どうなんですか。あなたも長官になったばかりだけれども、行政における練達の士で思慮の深い人だからそのことをわかってないはずはないと思うんですが、何か個々の問題とは熱心に取り組んでこれこれやった、これは大切なことですが、それはどうなんですか。 今度の軍縮会議においてもあるいはサミットにおいても——ヨーロッパで一番自治体闘争の圧力を受けながら生活と結びついた四十がらみの子供を育ててそうして社会経験を持ったような婦人が、平和と生活を守るためにいま核兵器、核戦争の反対、核兵器の根絶だけでなく一番手近な問題としては核廃棄物の処理というような問題に対して非常に厳しい取り組みを強いられておるのですが、それは科学技術庁の問題でこっちの環境庁、では済まん。日本では通用するかもしれませんが、総理大臣が行ったときに、そこに環境庁なりで苦労している現実を知り、しかもグローバルな時代に備えて国際的な協力によって問題を片づけなければこれは片づかない問題だという形において、日本の政府だけの取り組みでなくて、国際会議における今後主な討議は私はこの問題に集中される危険性が、危険というんじゃなく当然のことだが、あると思うんです。 現に、ECの受け取り方は、日本ではすぐ新聞なんかでも経済摩擦あるいは核兵器の問題だけにしているけれども、私は生活と密着した現実的な具体的な政策というものを行う能力のないガバメントはガバメントとして、小さなガバメントとか大きなガバメントとかというようなごろ合わせなことよりも、不必要なものにされていく危険性があるんじゃないかと思いますが、いまの長官の御意見を聞いて、なるほど環境庁には各省の意欲を持った人材が集まっているだけに、それなりにやはり勉強はしているんだな、実績をつくっているんだなと言うけれども。そういうときに総理大臣なり外務大臣が行って、これは日本の新聞だけ読んでいると核兵器あるいはエネルギーの問題、こういう問題が重点と思っていたら、いずくんぞ知らぬ食糧問題以上に環境整備の問題、これが最大の課題になっていま火を吐こうとしている。 それに対して日本の代表は、マスコミに踊らされるかあるいは財界の一部の人に踊らされるかわかりませんが、ヨーロッパ人の苦悩と感覚とずれた一つのところで相撲をとろうというんじゃ、国際的な協力によって問題を片づけなけりゃならない段階に来たということがわかっていながらそれに沿わない結果が出るんじゃないかと思うんですが、どうです。あなただけでなく、環境庁において苦悩している人たちがこの機会にやはり国際会議の場に出て最大の課題を論議される。それに対して彼らの言うことを聞くだけでもいい。 現実にどういうふうにして、たとえばライン沿岸における大学都市でグリーンパーティーが一つの火を吐いた。しかしパーティーとしてはこれは発展しないで、地域住民闘争として、政党が無能にして新しい時代における新秩序に対する取り組み姿勢がないので、われわれは一応こういう形における闘いを開始したんで、これはもうフランスでもドイツでも、あるいはアメリカのフィラデルフィアの本当のフロンティアの精神に帰れという形の運動が私は先進国の中にも出てくると思うんです。 アジアでは日本がただ一つの先進国であるという一つの自負心はいいけれども、いろいろな病菌や何かの汚染の問題でも、インドネシアあたり一番進んでいるけれども中心都市一歩離れればくそはたれほうだいです。そういう病菌の巣です。アジアは。中国だってその向きがあります。そういうところでお互いにきれいごとやうつろな統計でもって国際会議でしゃべってもみんな世界の人々は知っている。なにあんな体裁のいいことだけしゃべっているだけで一つも国際的な新しい血潮の前進に対して協力する気がないんだというように見られたら、ASEAN体制でもあるいは東西、南北問題に対する解決でも、その土地に合う日本として貢献しなければならないことが貢献もできないで空めぐりに終わるんじゃないかと思いますが、長官はどういうふうに見ておりますか。
○国務大臣(原文兵衛君) 戸叶委員の貴重な御意見を拝聴いたしまして大変感銘をいたしておるわけでございます。放恣に堕してはいけない、グローバルにひとつ考え行動しなくちゃいけないという御意見もあったと思います。環境庁も、環境庁の職員全部もそういう意欲は持っておりますが、果たしてそこまでもう溶け込んできているかどうかということにつきましては、これはなかなかこれからまた大いに努力をしていかなければならないと思っておるわけでございます。 地球環境の問題につきましては私先ほど申し上げましたが、地球環境の破壊の最大のものはこれは戦争である、ことに核戦争であるということはもう間違いないわけでございます。ことしの五月にUNEP、国連環境計画の主催するところの国際的な地球環境に関する総会がケニアのナイロビで持たれるわけでございます。私も国会のお許しをいただければ何としてでもそこに参りまして、日本として積極的に地球環境を守るために貢献をしなければならない、そういう意味で大いに発言もいたしたいと思っているわけでございます。 地球環境を守るということは、これは人類共通の課題であり、またあるいは共通の利益であるとも私は考えているわけでございまして、そういう場におきまして日本が物心両面において積極的な貢献をするという立場を鮮明にし、それを実行していくということになりますと、私は日本に対する国際的なイメージというような問題にも非常にいい影響があると思いますし、あるいは国際間の緊張の緩和とか平和の確保というような面につきましても私はこれはいろいろな面でいい影響があるんじゃないかと思って、実はいまこの会議に出て、いろいろと日本の立場を鮮明にするし、また日本の立場というよりも日本が国際的なグローバルな見地において地球環境を守るためにこれだけのことをやっていこうじゃないかという主張もするし、それに貢献するためにこれだけのことを日本としてもやりますよというようなこともお話ししたいと思っておるわけでございます。 先ほど戸叶委員、西独の人たちとお話し合いしたり、また外国に出かけていかれていろいろな会合にも出て、やはり人が集まっていろいろ相談するといい知恵も出る、まあ三人寄れば文珠の知恵ということもございますが、そういうことは確かにそのとおりだと思います。地球環境の問題につきましていろいろと問題はあるんですが、なぜその問題が起きてきたのか、その問題に対してどう対策すればいいのかというようなことについてはまだ十分な知見が得られてないものもございますので、そういう点を十分研究し検討し、そして対策を、こうすればいいんだというようなものをまとめてもらうというようなことが大事だろうと思います。 私は、そういうような意味におきましても、今度のナイロビの会議におきまして日本として世界のいわゆる学識経験者のトップレベルの人にそういうようなものを論じていただいて、そうしてこれからの地球の環境を守るためにあるいは世界はどういうふうに国際協力していかなければならないのかというような点をまとめてもらうために、特別委員会のようなものを設置してやっていくことがいいんじゃないかと思いまして、そういうような面につきましても日本として提案をしていきたいというふうにいま考えておるところでございまして、またひとつ戸叶委員にもいろいろと御指導もいただきたいと思っておるところでございます。
○戸叶武君 私はいまの国連大学の学長の講演も聞いて、あの黒人の中からあれほど教養の高い均衡のとれた知性人というものが、国連大学の学長にふさわしいような人が出てきたのに非常に私は大きな期待を抱いております。またインドネシアから出てきた副学長もりっぱな人であります。そういう点において国連大学を日本につくったということはこれは非常に意義あることで、やはり外国の優秀な学者なりその家族なりあるいは学生なり、東京に国連大学を設けて、そのブランチとして、夏休みが多いですから来て、いろいろフリーなディスカッションをやったり、あるいはほかへ家庭に泊まり歩いたり、あるいは講義を聞いたり、講義を聞くだけでなく、日本の農業のあり方、日本の工業のあり方、公害との取り組みのあり方、そういうものと親しくやはり触れ合っていくところに触れ合いというものが、トインビーじゃありませんが、百聞は一見にしかずで、人々の心の触れ合いというものが私は新しい一つの文化交流の大きな流れとなっていくと思うんです。 そういう意味において、たとえば国際的にアジアにおいても大きな貢献をするものは筑波の公害研究所です。私は筑波大学の学長が若い人がなり、またこの公害研究所に優秀な人たちが筑波大学でも筑波大学以外でも飛び込んだのを見て、これはアメリカにおいても宇宙科学から公害問題へ一つの未来の夢を託して優秀な学究がなだれを打ってこの未来をかち取ろうというので飛び込んだときと同じように、これは筑波学園都市の中でうまいところを選んで、公害問題の見本になるような、将来少なくとも諏訪湖以上に浄化しなくちゃならない霞ヶ浦もいいかげんにされておる、あるいは東京周辺の利根川べりもラインの沿岸の人々のグリーンパーティーの動きのようなものがまだ盛り上がってない、そういうときに、住民運動と、こういういろんな水の問題、汚水の問題、そういうものと取っ組んでいく絶好の場所にあると思う。 問題は、東南アジアでは高度な教育を受けてもそれを雇ってくれるだけの政府の機能が果たされてない、むなしく学問を抱いて動きのとれないような始末になっているのがインドネシアあたりの若いインテリの軍事政権に対する抵抗の根底になっているんじゃないかと思います。それらに将来に希望を与えるためには、日本よりもっと楽な形においてすぐ実践ができるような人たちに対しても幾つかの資格を与え、政府がそういう人たちを活用していかなけりゃならないような、生活も就職もできる、そして意義あるそこのパイオニアとして公害対策に対して貢献し、また公害対策に対して次の役割りを果たし得るようなとりでを築くことがいま一番大切だと思います。 そういう意味において、昔日本だって薬屋なんというのは大した資格を持たなくてもやれた。医学も、いろいろないまのような高い水準のものになるまでの歯医者さんだって簡単にできた。かえっていまじゃ高くて歯医者なんかにはうっかりかかれない。こういうようなのよりは、私はもっとめがね、レンズだって、西ドイツとスイスの職人の勘のある者を雇えばすぐに熟練工になるという、あの哲学者スピノザがやはりレンズ磨きだったけど。やっぱり大工でも職人でも、何か技術を持った人たちの神経というのは脳みそだけじゃなく血管の中に流れているんだから、一代じゃできないんだから、それを使ってみろと言ったら、たちまちの間に高度なレンズを——ライカなんて昔はわれわれが朝日新聞記者やっていてもなかなか手に入らなかったのが、ライカのレンズはもう日本から全部行くように、そういうふうな、電子科学が発達したからであるが、スイスの時計はもう日本の電子科学によって開発された時計にはかなわない。おれたちは装飾屋になるために山の中にさらにもぐろうというところまでいって、それを向こうで怠慢している間に、なるほどおれら日本人は昔ちょんまげ結って三百年の太平をむさぼったと言うけれども、あの職人、あれがみんな、日本の今日のやはり暗算、そろばん、そういうもののあれが、頭だけの神経じゃなくて体の血管の中に流れて、本能的にやはり新しい高度経済、ドイツとは違った意味における高度経済の成長は三百年の太平の中から培われたのです。 私は、教育は一番科学技術というけれども、科学技術の基礎の中にもう少しやはり教育というものを、役に立つ教育、役に立つ技術を身につけさせることも必要だけれども、そこいらはナイロビから帰ってからの原さんはいまの心構えでいけば相当私は成果を上げると思いますが、ナイロビに行く前にまああなたの代理、もっともわれわれは何といったって世代が違うんで、一緒に空オケみたいなものでもって歌を歌うことは余りできないんですから、やはり明治、大正から続いた夢、ロマン、日本人の根性を養って、新しい時代に適応する技術者をつくらなきゃならない。 それには、あなたが行く前には、ひょっと来ただけでも何でもわかっている長官、偉いやつが日本にもいるんだなとあっとびっくりさせるように、やっぱりあなたにかわる若者をとにかくオブザーバーでもいい、外務省関係の随員でもいいが、総理大臣や外務大臣を国際会議で恥をかかせないために、三通りや四通りのあるいはこうだこうだという急所だけはすぐ間に合うようなデータをいまからつくっておいて、ナイロビの前にいまの私はサミットが勝負どころであって——福田さんなんかなかなか秀才だけれども、やはりあの時分のわれわれと同じころの第一次世界戦争のときになめた経験を基礎としてしか物を言わないから、インフレ、インフレと言っているけれども。 インフレといって、いま上手に日本でもスイスでもドイツでも、うまくアメリカの手に乗らないで、ドルを基準通貨にしておいたようにして、無理な基準通貨論なんかやらないで、水鳥のように水が増してくれば浮くあるいは沈むという形で、金自身の操作に興味をアメリカの株屋なんか持っているらしいけれど、ロシアの方では持っている金をどんどん売っちゃう。中国においても無理して近代化やらなくちゃならないのに、いままで壁の中に張っておいた金でも、このごろはまがいもんじゃない、いいやつがずいぶん香港なんかでも出てきている。買いどきはいまだっていうもんだが、私はそういう点で日本人は達者だと思うんです。 私は原さんが行けば、原さんは温厚な人で、腹立てないで腹にしまって、ポンポンと言って、そして若者に感激を与えて、未来をかち取るような、やっぱり大将はいながらにして多数の者の才能を縦横に使役するというのが、これが将の将たるゆえんであって、そうすれば原宰相ができないとも限らない。やっぱり多数党の中に居眠りしちゃうと、原敬みたいに腹切るどころか殺されてしまう場合もあるので、自民党が、保守党がいつも総理大臣が殺されているのは絶対多数党をとったときに殺されているんです。まさか五・一五事件で犬養毅が軍人に殺されるとは本人自身が夢にも思ってなかったろうから、海軍の少壮将校にピストル一発ぶち込められて、話せばわかるというけれどももうそのときには息が切れちゃって対話ができない。死ぬ前にやっぱり自由に言いづらいことでも、勝手なことを言うやつでも話を聞くといって、そしてそれは腹にためておいて、手足のごとく有能なやつをして次の時代に育て上げるという政治家が——長期政権というのが議会政治じゃ一番禁物になっている。 私は、レーガンでもミッテランでも勝つということを、フランスの議員との懇談会においても、保守党が来ていれば共産党も来ているところで、共産党はえらい目に遭う、思い上がっちゃいかぬということも予見しましたが、予見できるのは——ジスカールデスタンさんなんかすばらしい官僚と情報網を、フランスの官僚ほどりっぱなやつはいないというほど持っていたけれども、何しろ機械と頭だけで判断するんだから、やはり肉体の中の血管にまで本能的に入っている知恵がないからとっさには間に合わない。近代科学の中においてはここが山場だというときにはバンと打たなければもう水は向こうの方へ流れてしまって、後は拍子木で、そして火事は済みましたからお引き取りをと言われたら、日本の消防隊だって何にもならぬでしょうや。 そういうふうに本能的なタイミングを逸しない、ダイナミックな一つの直観、経験を、または直観の中に決断の中に政治的責任の中に将に将たる者は持たなければ、もう年じゅう受け身のへっぴり腰の答弁ばかり。あなたなんか余り模範生だから私はきょうみたいな発言は期待しなかったんだけれども、やっぱり相当な時代を読める秀才だけあって百もわかっているんだから、今度はどういう形かで随行じゃなくてもいいけれども先回りして——フランスで一番社会心理学的な教育なり犯罪の原点であるところの問題を大使館に行っても勉強しているのは自治省と警視庁から行っている役人ですよ、びっくりした、おれは。本当にもう、いままでのようないわゆるデカ根性じゃないんだな。本当にデカは役に立たない。このごろは警視庁も消防署みたいなかっこうになって交通事故、交通署になりつつあるが、交通取り締まりもうるさい罰金なんかばかりでやむと思うがあれは間違いだけれども。 とにかくもう少し私は、日本の官僚も秀才がなるんだけれども、この辺で質的転換をするのは、原さんが変わったんだからおれらが変わらなければ、とてもああいう生まじめな人が、生まじめでありながらそれなりに先取りをしなくちゃならない。ナイロビにまで出かけていくというんだから、本当にいまの国連大学の総長に会ってから行ってください。本当に黒人の中でこれほどの見識と良識と英知を持って、世界を相手に国連大学の学長になってもどこからも文句の出ないような人はもう出ない。インドネシアの副学長だってそうです。 私はその点では永井道雄君にもおまえ永井柳太郎より偉いなと言った。永井柳太郎、演説だけはうまかったけれども、うまいだけの、三回も大臣をやったけれども。あの死ぬときにも、私はこれは死ぬと思って聖路加病院に訪ねていって、私は昔から直言居士だから、あなたは三度も大臣をやったけれどもこれで一生を終わるかもしれないが顧みて一体何が残ったですかと言ったら、彼は爆弾に焼かれている聖路加病院にもう瀕死の状態にあるんだが、威儀を正しゅうして車いすに乗って出てきて、そして感無量のていであれを眺めていると、ネロほど悪いことはしないでいいことをやってきたのに、そういう人がなぜこのような目に遭うのか。 やはり政治家の生命は見識であり、経論を施すというだけの一つのエポックな転換期において、あの人がいたがためにこうなったというようなことを一つでも二つでも残していかなければ、やたらにこのごろは勲一等なんて喜んでいるやつがいるけれども、後でもってみんな戦争が済んだら金鵄勲章の売り物が出たと同じく、はかないですよ。墓がなくなることが唯物論者のエンゲルスの理想だったでしょうが、それじゃかなわないからひとつ露払いのつもりで慎重に慎重を重ねて、何も随行じゃなくてもいいから、やはり現地に派遣して向こうの問題点、問題点はどういうふうに処理されたかというのをぱっと外務省を手伝いに使わせて——外務省だけでは公害問題できないんだから、何でも外務省の縄張りだけを拡大すれば外交だと思っていたらこれは大間違いなんだから、やはり国民外交というものはそういう古い行政の枠内におけるあれを取り除いて大切なことに対しては備えなければ明日の先取りはできないと思うんで、あなたはやっぱりどんどん若いやつを感激させて、派遣して、余り予算がないなんてけちなことは言わないで、そのときはまた後払いということもあるから。 このごろはふざけているんだ。日本の憲法からいけば軍事費なんていうのは、もとを崩すとか何とかいうのはあれは統帥権ですよ、統帥権の復活ですよ、事実上。渡辺君に言って、おまえうっかりあれ返事すると恥かくから、どうせ大蔵省ではおまえみたいなおもしろいずうずうしいやつはいないんだから、動物的感覚で物をやっていって、責任は臨調と土光の方に合わせていながらも、変なことをすると憲法違反で最終的にはおまえやり玉に挙げられちゃうぞ。憲法論争なんかやるべきでないんだ。マッカーサー憲法じゃないんだ。国連がもう戦争をやらないという前提、国連憲章をぶち上げて——万国があのときはみんな聡明で利口で謙虚だったんだ。それを母体として日本の憲法はできたんではないか。それを九条にけちつけるようなことは国連の精神を殺すことになるんで、日本憲法を、モデル的な憲法をつぶすことは国連の無力化、ヤルタ体制のインチキ体制に屈服して米英ソだけに勝手なものをやらせて、奴隷戦争をやらせるようなことになるんだから。 おれはおれ一人でも、腹切るのは痛いけれども、とにかくもう少し、もう死んでも一向だれも嘆く者はないから、ソ連でもアメリカでも遊説でも何でもして行きたいけれども、それは相手の国から——発酵しないといい酒ができないと同じく、やはり相手の国から盛り上がらなくちゃ、フィラデルフィアから盛り上がった、モスクワから、レニングラードから盛り上がったと。ポーランドなんかには手出せないですよ。手出したらソ連の手先と思われるような軍事政権でも、ヤルタ協定打破という形で何にも悪いことしないでいて最大の悲劇に民族が遭っているのはポーランドだから。われわれはポーランドは見ていられないと言ってやるだけで、全部の国が共鳴して、これはアメリカとソ連は孤立しますよ、あんなことはもうできっこないんだから。自分たちだけ安全でほかの人に迷惑をかける、こっちは非常な迷惑だ。 そんなことはよけいな脱線になるかもしれないけれども、とりあえず可能なのは、廃棄物の処理の問題は必ず中心課題としてなってくるときに、それの用意が外務省も防衛庁もできてないときに環境庁だけはちゃんと用意はしているような、これにはこう答えてこう対処してこうすべきだという三通りぐらいの避難方法を持ってぱっぱっとやれば、なるほどすばしっこいのがいるなということになって、私はこれが本当の一番いま無視されかかっているところの——まとまりがつかないようなんだけれども、やはり危機に遭えば、乱世になれば忠臣がわかるし、貧乏すれば親孝行の子供ができるし、いまのようにマージャン賭博やゴルフ賭博に憂き身をやつしている限りにおいては人間の荒廃だけでもって、これは日本はどこからも相手にされなくなっちゃうですよ。これがあなた外交官から事業家から——まあ外務省の場合は比較的そういうのはやらないけれども、労働組合の幹部からみんなマージャン賭博の常習犯のゴキブリ政治家が横溢してしまっちゃ日本の先はなくなって、公害はその辺から直さなくちゃならないけれども、これをうっかり口外すると私は除名され——もう二、三回やられても平気ですけれども、ここまで転げりゃもうおれの首を切ったやつが損するから刃向かうことはできない。やっぱり水戸光圀じゃないけれども、本当のことを言ってコペルニクス的な発想の転換をやらなきゃ私は本当の変革はできないと思うんです。 どうぞ原さん、そういうふうに、私のいったことは余り腹を立てないで、据えかねるとは言わないでがまんして聞いてくれて、温厚だから大丈夫と思うが、積極的に明日の日本を担うような私は本当にエキスパートの官僚をつくってもらいたい。そうでなけりゃ政治家が責任を負わないで思いついたようなことばかり言っていたんでは長期的な計画も何もないし、世界でも相手にしなくなると思うので、いまこの公害問題が内と外から、内よりも外から——ナイロビに行くというのはあなたきょうわかっているから行くんだけれども、これはインドネシアよりナイロビの方はやはりフランスからの文化が流れています。イギリスからの文化のいいところも流れています。インドネシアだって中は大変です。よその国を安全と思っては間違いで、田中さんが行ったときでもあの始末でしょう。 田中さんの娘は偉かったと思うんだ。あれはあのとき何とか言っていた、物価、物価と言っておやじのところでささやいているんだ。物価問題のインフレが真っ最中でいまにも革命が起きようというようなときでしょう。やっぱり女の子というのは動物的、動物的というか子供を産む、体で受けとめる神経が発達しているから一個の女は霊感があるんですよ。渡辺美智雄君には、おまえずうずうしいけれどもおまえのは動物的勘だと言ったら、いや霊感だと言うけれども、ああ動物にも霊感が出てきたかなと言っているけれども、あれは苦労をして、どん底の苦労をしているから不死身ですよ。これはやっぱり強いものだ。 青嵐会の連中の中にはやっぱり玉置君のように人事院勧告を受け入れさせなければ、需給のバランスはできない。景気は、アメリカのまねだけしているのじゃなくて、やはり購買力というものが——余りふところにないやつが金を持てばおのずからそれを貯金、やっと貯金に回す場合もあるが、このごろ貯金がふえたというけれども、買う購買力もあるので、高度経済成長政策のチャンピオンの割合を伸ばしておけというだけで、自分の方は国にやっかいになっても何らのそれに対する犠牲を払わないで、安サラリーマンにだけ税金をしぼり上げるようなことをしていちゃ、経済の原則からいってこれは重農主義であろうがマーカンティリズムであろうが根底は経世の学です。その時代のニーズに応じてやはりマーカンティリズムもフランスにおける重農主義も起きたのであって、いまの経済オンリーのエコノミカルデターミニズム、唯物史観というような単純な哲学的な論理では国の政治は救えないと思うんです。 あなたがナイロビに行くということはやっぱり勘があるんだなと、勘といままでの経験が危機をやはり感じているんだなと思う。ナイロビに行った場合、インドネシアより先です。しかし、アジアにおいては曲がりなりにも軍事政権だけど、やはりもっと経済が安定するならば、インドネシアだって、特にタイだって、シンガポールを中心として新しい動きが出るし、中国だって千七百万ないし千八百万の華僑の大部分は福建、広東から出ているんです。あの連中は孫文革命の際は泣きの涙で故郷を去ったが、海外で成功した連中が資金を出して国の独立を念願したんです。そこへ帰ろうというのが辛亥革命あるいは第一次国共合作。国共合作とか辛亥革命とかという既成概念にとらわれるんじゃないです。民族一体となって燃焼して炎となって近代化をつくり上げなけりゃならない、大地に根をおろした現代路線をつくらなけりゃならない。この六、七十年間における試行錯誤はめちゃめちゃであるけれども、いま毛沢東がどうだとか蒋介石はどうだとか、それぞれの価値があるんだけれども、そういうことの議論ではなくて、いまこそ中国近代化のために三千年の文化道統を噴き出させなけりゃならない。 文天祥が持ったようなあの心意気、あるいは朱舜水が持ったようなあの需教の新解釈は朱子学の系統で、朱子の子孫だとまで言われているけれども、それを四人組は壊したけれども、今度は立て直してどんなものでも取り入れて消化して、日本人の胃袋が達者なように、中国人は胃袋は達者だけれども偏食のくせがあるけれども、やっぱり日本人のようにもっと生野菜を食べられるように果樹も安く食べられるようにやったら、現金が入るからみんな三時、四時に起きて上海の市場に農民は繰り出していますよ。私はびっくりした。やっぱり貧すりゃ鈍すで、最小限度いかに法律をつくろうが強制しようが働らけと言おうが、衣食足って礼節を知るで、特にお百姓は現金をつかまないうちは、やっぱり現金になるようなことでなけりゃいかにおだてられても中国のような不安定なところでは宝を土蔵に隠すだけじゃなく、壁に隠したり、それがどんどん出ているんだ、いま香港では。金は幾らでもありますよ。 そういう点において私は百年の計は人を得るにしかなし、人と木ですよ。本当に緑のグリーンの——中国だってとっさに二十年ぐらい前に並木を敷いたけれども、プラタナスなんかだから早く育ったけれども、何にも大して使い道がないじゃないですか。もっとやはり日本のようなケヤキなりカシなりあるいはイチョウなりそういう木に切りかえなけりゃあの緑は本物にならないんだぞと言いましたが、木より大切なのは人間の生活を安定させ、感激を持たせればおのずから私は秩序というものはでき、法律でもってふん縛ることだけやったら東条——あんな無責任野郎と言われてもいいような東条さんのような貧困な頭脳きりしか出てこない。あれは体の中へ神経が入ってなかった。 どうぞこれは原さん、私はきょうはあなたがナイロビに行くというので特に私は敬意を表する。アフリカの黒人の知能というものは大変なものですよ。フランスの公使をやっていた、美術関係の評論家として大学の学者になろうとした外交官は、いまナポリの総領事で成功して以来、フランスのアフリカに対する工作はやはりマルセイユから行ってますから、それからフランスはわりあいに比較的ほかよりは悪いことをやってなかった。ナポレオンがポーランドで崇拝されるのは革命の解放軍として民族を解放したナポレオン、それはマルセイユの歌がやっぱり同じような……
○委員長(坂倉藤吾君) 先生時間が来ました。
○戸叶武君 時間が来ましたからやめます。お願いは、公害の問題はまず明日をかち取るような人を養成してもらいたい。そういう点においてグローバルな時代にいまから備える先取りの体制をここでつくり上げてもらいたいということをお願いして、一言だけ。
○国務大臣(原文兵衛君) 戸叶委員の大変豊富な知識と経験、また大変高い見識に基づいた御意見、十分に拝聴いたしました。先輩の御意見もひとつこれからも大いに参考にさせていただきたいと思います。 環境行政につきましても、百年の計を環境行政の基本として生かして、グローバルな見地から国際的にも日本のためにも正しいまたりっぱな積極的な行政を進めていこうという熱意を持って対処していきたいと思うわけでございます。 なお、教育問題あるいはことに教育の交流、東南アジアからの研修生といいますか、研究者の受け入れ、また若い官僚にやはり国際的な感覚、またグローバルな見識を持たせるためにこれからも大いに外国にも派遣するというようなことにつきましても、われわれとしても十分これからは努力をしていかなければならないと思っておるところでございます。 いずれにいたしましても、私どもまた気持ちを新たにして今後の将来に向かっての環境行政に正しい進展というものに全力を挙げることを申し上げましてお答えにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○福島茂夫君 戸叶先生から大変広い話を聞いた後ですけれども、空き缶問題について伺いたいと思います。 長官の所信表明によりますると、「空き缶問題等に示されるように国民の理解と協力が不可欠であることから、環境保全に関する広報活動や環境教育にも力を入れてまいりたいと考えております。」ということがこの間の所信表明にあったわけですが、いま空き缶問題は年間に百億個を使用するということで、大変な缶を使用しているわけですが、これらの対策に関しましては地方自治体に任せておいた場合にはその処理方法とか負担のあり方等に関してバラバラで、なかなかスムーズにいってないという面があります。 そこで、関東知事会の方では空き缶等問題推進委員会で検討しておりましたところのデポジット制度の導入に関しましては、これを実行してもプラスチックの容器に移行されるというような点と、また業界の回収責任を地方自治体でこれを明確にするには限界があるということ、さらにまた関係の都県の意見が異なって統一ができないというようなことで、三月三十日にこれらに関しては断念をして、そうして国の方にデポジット方式の制度化と関係業界の回収責任の明確化、再資源ルートの確立等を盛り込んだところの新しい立法措置を要望するというようなことでこれが決定されているということですが、これに関しまして関東地区以外の全国の地方自治団体等の取り組みにも大きな影響が出てくるんではないかというふうに考えますし、またこの問題に関しましていち早く問題にしたところの京都市でもデポジット方式を引っ込めて条例が成立されているということも聞いておるわけでありますけれども、国の行政の一環として画一的に法規制等の措置を講ずると地域によって散乱状況が違う等でこれまたうまく対応ができないふうにも考えられますけれども、環境庁としてはどういうふうにこの問題に対して考えているか、長官の考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 現在の環境問題は、空き缶から地球環境までという大変幅広い問題を抱えているわけでございますが、身近な問題としての空き缶問題も、これなかなか大切な問題であり、ゆるがせにできない問題であると思っているわけでございます。 御指摘のように年間百億本が生産され、約一〇%、十億本がぽい捨てされて、これが環境を乱すだけでなく、資源という面からも大きな問題になっているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてもこの空き缶問題対策につきましてはいろいろと苦心をしているところでございますが、率直に申しまして地方に任せればなかなかばらばらになるし、そうかといって国で統一的な対策がすぐ立てられるかといいますと、これまあいろいろと関連するところも広うございまして、むずかしい困難なところもあるわけでございます。またいまのデポジット制度につきましても、一応デポジット制度というものがいいんじゃないかと考えられるんですが、これまた実行に移すとなるといろいろと問題が多うございまして、すぐ簡単には結論づけられる問題ではないようでございます。 それで、いま私どもの方が、環境庁が中心となりまして関係する十一の省庁の間でもって空き缶問題に関する連絡協議会をつくりまして、いろいろと知恵を持ち寄ってその対策を検討をいたしているところでございます。まあ京都でも条例をつくるということになりましたが、そういうような点につきましてもこれからまたわれわれも一生懸命やっていかなくちゃならないと思いますが、細部のことにつきましては政府委員から御答弁させますが、私は基本の問題としてこれはやっぱり国民の皆さんの関心、同時にモラルの問題ではないかと思うんです。 私は警察に籍を長い間置いたわけでございますが、一部の人はこれはもうもっと徹底的に取り締まりさせたらどうかというようなことも言ってこられる方もありますが、私はやはり取り締まりによってこの問題を解決できる問題でもないし、またそれが基本ではないと思うので、やはりモラルだと思います。ただしかしながら、自動車等から通行中にぽい捨てするというようなことは非常に危険も伴いますので、私、環境庁長官拝命いたしましてから自分で警察庁の方にもすぐ連絡して、非常にそういう危険を伴うような問題につきましては、これはもう指導なりあるいは警告なり、あるいは場合によっては一罰百戒の意味でもって取り締まりをしてほしいということも申しまして、大分県、最近は警視庁あるいは埼玉県等におきましても非常に典型的なそういう交通機関からのぽい捨て等について取り締まりをしていただきまして、かなりこれはいい影響も与えているんじゃないかなと実は思っているところでございます。 さらにまた、昨年は国民の皆様に空き缶問題についていわゆるPRをいたしまして、いろいろと協力をしていただきましてある程度の効果は上がったんじゃないかと思いますが、まだまだこれからでございますので、いろいろとまたお知恵も拝借しながら努力をしていきたいと思います。 なお、細かい点につきましては政府委員から答弁させたいと思います。
○政府委員(大山信君) ただいま長官からいろいろ御説明申し上げましたところでございますが、ただいまの福島先生の関東知事会あるいは京都条例等のことに関しまして若干御説明申し上げますと、いろいろこういった議論につきまして条例化ということで、地方におきまして条例化してやっていこうということで非常に先行的だったのが京都でございますが、京都も昨年十月でございましたか、その条例をつくりまして今度の四月からスタートさせるということでやっているわけでございますが、われわれも新聞で伝うるところによりますと一部まだ大分積み残しの状態でスタートというふうに聞いております。それから関東知事会におきましても、その一都九県のところでデポジット制度を実施したいということでいろいろ検討をしたわけでございますが、先生御指摘のとおりなかなか詰め切れない問題がいろいろあってまだまとめ切れないといったことで、先般の新聞等におきましては一応先生の御指摘のようなことが報じられていたわけでございます。 これらを通じましても結局空き缶問題というのは非常に地域性がございます。したがいまして、たとえば一般の住宅地的な地域の場合あるいは観光地で非常に外部の人が非常に多い場合、いろんなその地域的な特性がございまして、したがいましてそれらに対する対応のありようというのも、またこれ自治体によって非常に違いが出てくるわけでございます。したがいまして、そういったものを一つにひっくくってその大きな網で議論するということはなかなかむずかしいわけでございまして、私どもも先ほど長官からお話しいただきましたように、十一省庁の連絡協議会におきましていろいろ検討をいたしておりますが、やはりそういった点も非常に大きな検討課題でございまして、私どももこの辺につきましては、その議論を進める上におきまして相当な問題点と申しますか、頭に置いて議論せざるを得ない点ということになっておりまして、鋭意検討を進めているという段階でございます。
○福島茂夫君 ありがとうございました。 先ほど長官からぽい捨てをして警視庁につかまって五千円の罰金を科せられたということが、道路交通法の七十六条で罰せられているというようなことに聞いていますけれども、これは車の中だから自分の家へ持っていって捨てればいいのが、そういう道路へぽい捨てするということに対しては、これはもう悪質だというふうに考えますけれども、こういう面に関して、また一方ではこの捨てたところの空き缶をボランティア活動で団体でやっている方と、それから個人で全くわからないで一人でやっている方がいらっしゃるんですが、こういう方に関しては今度は逆に表彰でもしたらいいんじゃないかというように考えますが、団体の場合は地方団体からでも出てくればいいんですが、個人で長くやっている方がいらっしゃるんですが、こういう者の表彰ということはなかなか困難だというふうに考えますけれども、しかし何か機会を得ましたら表彰してもらいたい。私の知っている方で青木という前橋の眼科のお医者さんが、毎週土曜日、日曜日とかけて車でずっと前橋を全部拾い尽くしちゃって、栃木に行って拾って、その缶を売って、一年間で五十万から六十万になったものを老人ホームの方に寄附している方等、こういう隠れた奇特な方が逆にいらっしゃいますので、機会を見てそういう方を表彰してもらいたいということで、これは要望でございますのでよろしくお願いいたします。 次に、交通公害の対策について伺いたいと考えますけれども、自動車、鉄道、航空機等の運行に伴って発生する交通公害は、交通量の増大に伴って重大な問題となっているように考えておりますが、中でも訴訟に至っている事例もあります。これから考えまして、各交通機関別に騒音とか振動及び大気汚染等に関しまして環境基準の設定、発生源の対策、周辺の対策等、あるいはまた交通公害対策が講ぜられておるように考えられますけれども、中央公害対策審議会に対して諮問されているというふうに聞いておりますが、審議の状況と具申の時期等に関しまして伺いたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 先ほど空き缶問題で、ボランティア活動によって団体あるいは個人が非常に空き缶の回収等について御努力いただいている方々がおることは私もよく承知しております。やはりこういう方々には心から敬意を払っているわけでございますが、六月には環境週間も持たれますので、そういう機会に地域環境美化功績者というようなことで表彰する等、あらゆる機会をとらえてこれらの方々に感謝の意を表してまいりたいと思っております。 なお、交通公害につきまして、これいま非常に大きな問題で、環境庁といたしましても中公審等にお諮りして総合的な対策を進めたいと思っておりますが、細部につきまして局長の方から御答弁させたいと思います。
○政府委員(吉崎正義君) 御指摘のようにわが国の交通公害の状況は厳しい状況にございまして、自動車、飛行機等の交通機関ごとに発生源対策、周辺対策等を講じておるのではございますけれども、依然として十分ではございません。私どもといたしましても八〇年代の大きな課題であると考えておるところでございます。このため、関係機関の一層の御協力をいただきまして、現在講じられておる対策を拡充強化することはもちろんでございますけれども、これだけでは問題の完全解決はきわめて困難ではなかろうか。環境庁といたしましては、中期的、長期的に抜本策を講ずる必要があるのではないかと考えまして、昭和五十五年の六月でございますが、お話にもございましたけれども、「今後の交通公害対策のあり方について」ということで中公審にお諮りをしておるところでございます。その際、事務局といたしましてはおおむね二年をめどに御審議を賜りたいとお願いをしておるところでございます。 さて、審議の状況でございますけれども、交通公害部会でもって御審議を賜っておりますが、この部会が現在までに六回開催されております。また同部会に二つの専門委員会が設けられております。一つは、環境保全の観点から望ましい物流、物の流れでございますけれども、大型トラックなどのむだな流れを減らさなきゃいかぬ、こういうことで一つは物流専門委員会でございますが、もう一つは交通施設の構造でございますとか周辺の土地利用を適切に図る必要があるということで土地利用専門委員会でございます。 物流専門委員会につきましては、これまで十一回、土地利用専門委員会につきましては十四回開催されまして、きわめて精力的に審議を賜っておるところでございます。ですけれども、交通公害の問題はきわめて複雑多岐にわたっておりますので、取りまとめをいただきますには、なお若干の日時を要するのではないかと思われる次第でございます。
○福島茂夫君 次に、幹線道路の周辺におけるところの自動車交通騒音対策について伺います。 環境庁は、去る二月十八日に全国自動車交通騒音総合検討調査の中間集計に基づいて夜間の車騒音の実態の試算をまとめたと聞いております。この試算の結果に対して発生源対策、道路の周辺対策等にあるというふうに考えられますが、一層強力な対策が必要だというふうに考えられますが、今後の対策についてお伺いいたします。
○政府委員(吉崎正義君) お話にございました去る二月十八日に交通公害部会の参考資料として提供をいたしました環境庁の試算につきまして若干御説明させていただきたいと思います。 これは全国の幹線道路約十六万キロにつきまして、おおよそ二万ヵ所の交通量のデータと国勢調査に基づきます人口等の既存資料を用いて試算をいたしましたものでございます。環境基準を超えております人口が用途地域内でおよそ四百万人、その他の地域でおよそ二百万人、合計いたしまして六百万人でございます。用途地域内といいますのは、都市計画において用途地域の定められた地域でございまして、まあ大体都市的な地域でございます。そこで四百万人、その他の地域で二百万人、合計六百万人でございます。そこで先ほど申し上げました道路との比率で考えてみますと、用途地域内では四〇%といいますものが環境基準を超えておる。その他の地域では一一%、合計をいたしますと一七%になりますが、そのように厳しい状況に今日ございます。 それから、このような深刻な自動車交通騒音を防止するために、御指摘にもございましたけれども、環境庁といたしましてはさらに一層の強力な施策の推進を図ってまいりたい考えでございます。 具体的に申し上げますと、自動車本体から発生する騒音の規制についてでございますけれども、これにつきましては中央公害対策審議会の御答申がございまして、二段階に分けて規制を進めてきております。第一段階につきましてはすでに完了いたしておりますが、第二段階規制につきましては、乗用車については五十七年規制、中型トラック、バスにつきましては五十八年規制として実施をすることにいたしておりますが、まだ残された車種がございます。これにつきましても自動車騒音公害等の深刻な状況にかんがみまして、でき得る限り早い時期に第二段階達成の目途を得るように目下銃意技術評価を進めておるところでございます。おおよそのめどといたしましては、六十年前後にはめどをつけたい考えでございます。また、交通規制等の交通管理、道路構造の改善、沿道の整備等の各般の施策につきましても関係省庁の協力を得つつ一層の推進を図ってまいりたい考えでございます。 先ほども申し上げましたけれども、中央公害対策審議会におきまして、今後の交通公害対策のあり方について御審議をいただいておるところでありますけれども、審議の内容が広範多岐にわたっておりますけれども、精力的に御審議をいただいておりますので、私どもといたしましてはできるだけ早く御答申をいただきまして、交通公害対策の総合的な推進を図ってまいりたい考えでございます。
○福島茂夫君 ありがとうございました。これで質問を終わります。
○沓脱タケ子君 それでは御質問を申し上げます。 湖沼法案についての問題湖沼法を早期制定をしていただきたいという点で質問をしたいと思っております。時間が限られておりますので端的に聞いていきたいんですが、いただいた資料や出されている資料等によりましてお聞きをしたらいいんですが、私の方が申し上げていきますので違っておったら違うと言ってくださいね。 最近、湖沼の水質汚濁や周囲の自然環境の破壊というのはきわめて深刻になっております。大都市の住民の水がめであります重要湖沼の富栄養化が大変進行して、淡水赤潮とかアオコなどの頻発、上水道のろ過障害、異臭味、マンガン赤水障害、飲み水に大変な障害をもたらしているのは御承知のとおりでございます。 湖沼水質の環境基準の達成率も、これは資料を拝見いたしますと約四割でございますね。五十三年の厚生省の異臭味水対策専門委員会報告でも、浄水場でのろ過障害、水道水のカビ臭、マンガン赤水障害などの発生状況というのは、貯水量五万トン以上の水道水源地で調査対象百二十九湖沼中八十三湖沼に達している。全体の六四%の浄水場が金をかけてその対策をやらなければならない状況になっているというふうに言われています。 さらに、第二回の自然環境保全基礎調査によりますと、全国の天然湖沼の湖岸総延長三千百三十二キロのうち、水際線から幅二十メートルの陸域で人工的改変が加えられている湖岸延長というのは千二百五十五キロ、約四割に達している。さらに、埋め立て干拓についても千ヘクタール以上が五つの湖沼、百ヘクタール以上が十八湖沼に上っているという内容が記されております。お聞きしたら、確かめたらいいわけだけれども、間違いないと思うんですね、おたくの資料なんで。 以上のような水質の悪化、自然環境の破壊というのは、現行法制度が施行されている中で起こっているというのが現実でございます。したがって、その法制の有効な活用もさることながら、湖沼法の早期制定というのは非常に急がれるし、必要ではなかろうかと思うわけでございます。 そこで、湖沼環境保全特別措置法の制定問題ですが、これは午前中にも長官おっしゃっておられまして、今国会では出していきたいという御意見のようでございますが、いつまでに関係省庁と折衝を終わって国会にお出しになるのか、大体およそのめどみたいなものをお示しをいただきたい。
○国務大臣(原文兵衛君) 湖沼の状態は全くいま沓脱委員御指摘のとおり悪化しておりまして私どもも心を痛めております。そういう関係で現行法はいろいろございますが、やはりこの湖沼の悪化を防ぐためには特別法が必要であるということで、いわゆる湖沼法をこの国会に提案したいと思いまして、これは強い念願を持っていろいろと関係省庁と精力的に積極的に協議を進めさせてきているわけでございますが、なかなかまだ合意に達しません。率直に言いまして大変むずかしい状態にあるわけでございます。しかし、私どもは最後までその望みを捨てずにやっておるわけでございまして、いつまでに出せるかといってもちょっと実はいまめどを申し上げられるような状態ではない、大変むずかしい状態にあるということを申し上げて御理解いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 なかなかめども立たないほどむずかしいんだということを率直にお述べいただいたわけでございます。 中公審答申では「湖沼の環境保全を図る上では、湖沼の水質及びその周辺の自然的環境を一体のものとして保全することが肝要である。」と述べられておりますが、準備をされておられます湖沼法案とも言うべきものの中に湖沼周辺の自然環境保全の項目は入っておりますか。
○国務大臣(原文兵衛君) 中公審の答申はおっしゃるとおりでございます。ただ、まず湖沼の水質を守るのが緊急な問題であると、余り幅を広げますとなかなか協議が調いませんのでまず一番大事なものをやろうということで、私どもの方は湖沼環境じゃなくて湖沼水質保全特別法案というようなことで、まず水質を守っていこうじゃないかというようなものをいま提案したいと思って、そういうものでいま折衝しているところでございます。
○沓脱タケ子君 その辺はなかなかむずかしいところだろうと思うんですね。新聞報道などによりますと、建設省が反対しているんで自然環境保全の条項に固執していると湖沼法がだめになるのではないかということで、これを削除して水質保全だけにしたんではないかというふうな報道等もなされておるわけでございますが、その間の経過はいかがなものでしょうか。
○政府委員(小野重和君) 私ども中央公害対策審議会の答申を受けまして、当初は湖沼環境保全特別措置法案という名前でいまおっしゃいました湖辺の自然環境の保全に関するゾーニングといいますか、地区制度、一定の地区については工作物その他自然環境を変えることについての規制を設ける、こういう案をその中に入れておったんでございますが、いろいろ各省との折衝の過程におきまして従来の制度、たとえばこれは環境庁自身の法律でもございますが、自然公園法とかあるいは都市計画関係のいろいろな法制度と同じような効果を持つ制度がございますので、そういう既存の制度を活用するということにし、そういう趣旨の規定を設けるというようなことにした経緯がございます。 なお、中公審答申におきましても、この問題は非常に審議会で議論がありまして、必要に応じてそういうことについても検討すべきであるというような表現になっていることをつけ加えさせていただきます。
○沓脱タケ子君 環境庁がそう言ってしまわれるとあれなんですが、やはり中公審では水質保全と周囲の自然環境を一体のものとしてということで御答申も出ているわけですね。で、建設省が同意をされないという点についてちょっと御見解を伺っておきたいんですが、建設省おいででございますね。 建設省は湖沼法で周辺の自然環境保全の制度化をすることに同意できないというお立場のようですが、それはどういう理由でございますか。
○説明員(弓削田靖彦君) お尋ねの問題につきましては、建設省といたしましては中央公害対策審議会の答申にもございますとおり、湖沼の持ちます治水及び利水機能への配慮並びに都市計画等の既存の制度との調整、また水質の保全と土地利用規制との関係という観点から環境庁と協議を進めました。その結果、環境庁におきまして既存の制度を活用するという形で話し合いが進んだわけでございます。
○沓脱タケ子君 それで、既存の法律や制度で間に合っているからそんな新たに新しい法規制は必要ないというお立場なんですが、現在ある法律、既存の制度ですね、都市計画法、都市緑地保全法、森林法、自然環境保全法、自然公園法、まあどれをとっても制度の目的が違うし、所管庁も違うんですね、こういう関係の既存の制度というのは。これを一体的に自然環境保全の目的で機能させるというのはやはりなかなか今日の日本の行政のあり方から言うてむずかしいんではないか。事実上所管庁ごとに縦割り行政でしょう。だから、ばらばら行政がやられる危険というのは非常に多いわけで、これを統一的に機能させるために湖沼法で一元化をしていくということが非常に大事になってきているんではないかと思うわけです。 その点で建設省どうなんですか。既存の法律を運用の妙を得てとおっしゃるけれども、まあ縦割りでそれぞれ所管庁が違うということになると、そないうまいこと一元的に目的達成ができるでしょうか。その御見解はどうですか。
○説明員(田村嘉朗君) 湖沼水質保全法案につきましてのいきさつにつきましてはただいま環境庁の方からお話があったわけでございますが、私どもの方でいろいろ法案をつくる過程で環境庁から御説明を受けまして必要な調整を行ってきたわけでございますが、当初の環境庁案に盛られておりました湖沼の水質保全、それから湖沼周辺の環境保全のための土地利用規制ということについて、どうすればいいかという議論をしました過程で私どもが申し上げた点は三つばかりございます。 一つは、湖沼の水質保全という観点からは排水規制の拡充強化あるいは下水道の整備ということが最も効果的であり、かつ適切ではないかということが第一点でございます。 それから二番目に、私どもの関係は都市内でございますが、都市の中での土地利用規制というものはやはり各種の土地利用上の要請があるわけでございまして、そういった要請を総合的な観点から調整するということ。そして自然環境の保全を含めまして、この限られた土地の最も合理的な利用が実現されるように行われるべきではないかということを申し上げたわけでございます。 そして、そういう総合的な観点からの土地利用の規制の手法といたしましては、都市区域の中におきましては都市計画制度というものがございまして、その都市計画制度の中に、たとえば開発を抑制する市街化調整区域というふうな制度あるいは緑地保全地区、風致地区その他各種土地利用規制の制度がございます。これはまさに都市計画制度は、各省庁ということに関係なしに総合的な観点から都市内の土地利用を調整していくための制度でございます。また、そういった用途規制のほかに都市計画施設としての公園緑地等の設置によりまして自然的環境の整備保全を図るということもできるわけでございます。 こういったことを申し上げまして、湖沼の水質保全、それから湖沼周辺の環境保全のために必要な新たな立法措置としては排水規制の拡充強化等で足りるのではないかということで、これについては環境庁におきましてもこの趣旨を了解されたというふうに理解しております。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、次に湖沼の水質浄化対策についてちょっとお聞きをしておきたいんですが、湖沼の水域類型の当てはめ方というのは従来COD、BODに注目をしてきたんですね。だから、湖沼の環境基準というのはいわゆるCOD、BODという形で河川扱いというか、河川並みの扱いをされてきたところが多いわけですが、水質環境基準にかかわる環境庁の告示を見ますと、湖沼として環境基準を設定すべき対象湖沼というのは幾つありますか、天然湖沼、人口湖を含めて。湖沼として環境基準を設定するべき対象になる湖沼の数ですよ。
○政府委員(小野重和君) いわゆる天然湖沼とダムを含めまして約八百ぐらいでございます。
○沓脱タケ子君 おたくの資料によると天然湖沼が約五百、人口湖が約三百、約八百ですね。ところが、湖沼としての水域類型の指定がなされている湖沼というのはこのうち——私資料で知っているから言いますが、間違いがあったら訂正してください。このうち天然湖沼で六十九水域、人口湖で三十八水域、合計百七ですね。八百の中で百七しか指定されていない。 環境庁にちょっと聞きたいんですが、八百もある湖沼の中でたった百七しか湖沼としての水域類型の指定がなされていないというのはちょっと理解しにくいんですが、その理由は何ですか。
○政府委員(小野重和君) 天然湖沼の場合とダムの場合と若干事情を異にするかと思いますが、天然湖沼の場合には、環境基準を設定するということは、それに関連して排水規制の問題等、要するに現に汚濁が相当問題になる、あるいは問題になるおそれが多いと、そういう場合に環境基準を設定するということでございまして、ほとんど問題ないという場合は必ずしも環境基準を設定していないというケースが多いわけでございます。 それからもう一つ、ダムの場合はちょっと事情を異にしておりまして、環境基準に当てはめの場合、これを河川として扱うか湖沼として扱うかということでございますが、確かに従来、環境基準を当初当てはめた当時は必ずしも湖沼の水質汚濁についてのいろいろな知見も十分でございませんでしたし、またダムの水質汚濁の状況も必ずしも深刻でないというような事情もございまして河川扱いとしたケースが多いわけでございますが、これは今後の問題でございますけれども、ダムにつきましても今後は積極的に環境基準の当てはめをしてまいりたいと、かように存じております。
○沓脱タケ子君 いやそれはね、たくさん言いわけを聞かなくてもいいんですが、国が県際水域としての環境基準の当てはめをすることになっているたとえば相模湖とか津久井湖の例を取り上げてみましても、富栄養化が進行してアオコが発生したり、ろ過障害や赤水障害、カビ臭というのが起こっているわけですね。こういう事態というのはCOD、BODに注目した水域類型の当てはめを行ってきた従来のやり方が現状に合わなくなってきていることを示すと思うんですね。だから、相模湖とか津久井湖を河川としての環境基準じゃなしに湖沼として変更していって、いわゆる富栄養化防止対策の強化が必要な段階へ来ているんじゃないかという点をお聞きしたいと思ってちょっと聞いたんですね。それはどうですか。
○政府委員(小野重和君) 確かにBODで有機質をはかりますと、いわゆるプランクトンとか藻類、そういうものが十分に出てこないという問題もございまして湖沼についてはCODということになっておるわけでございますので、ダムの問題、従来河川扱いということになっておるが、相模湖の例を指摘されましたけれども、今後は湖沼としての環境基準を当てはめる、CODベースということで環境基準の当てはめを積極的に進めていきたいと、かように存じております。
○沓脱タケ子君 それで、そういう二県以上にまたがっている県際水域というだけではなしに、府県への委託水域の湖沼の基準にあっても当然富栄養化の問題に着目をしなきゃならない段階でしょう。だって燐だとか窒素の基準がないわけですからね。これを決めなきゃならないということになっているので、中公審にこれはかけて基準を諮問するということじゃなかったですかな。三月中にやるというようなことのように伺っていたんですが、これはいつやるんですか。
○政府委員(小野重和君) 富栄養化の原因でございます燐、窒素についての環境基準設定に関する中公審諮問の件でございますが、私ども従来から調査検討を進めてきたわけでございまして、私どもできれば五十六年度中にやりたいということで調査検討を進めてきたわけでございますが、まだその調査検討が終えておりませんので、いま鋭意その作業をしている段階でございますが、できる限り早く諮問をしたいと、かように存じて努力しているところでございます。
○沓脱タケ子君 ここは長官の予算説明にもあったように、湖沼の富栄養化の環境基準設定調査費ということで予算を新年度も、金額は千三百四十二万円というのはわずかですけれども、重点にしているところでしょう。だからできるだけ早く諮問はしてもらわなきゃならぬのではないかと思いますね。 もう一つちょっと聞いておかにゃいかぬのは、湖沼法関係で一番難航している通産省との折衝ですが、これはどうなんですかね。そこがうまくいかないとできないだろうと思うんですが、端的に時間もありませんのでお聞きをしたいんですが、工場とか事業場の特定施設の設置を許可制にするというのはどういう意義があるんです、問題点の一つでしょう、重要な。
○政府委員(小野重和君) この問題は、湖沼対策はまさに総合的に進めなければいけないわけでございますが、いわゆる既設の事業場についてもあるいは既設のいろいろな事業場以外の畜舎等の施設もございますが、そういうものについての規制の強化とかあるいは生活排水対策とかいろいろ進めなければいけませんが、同時に新設あるいは増設の工場、事業場などに対する新しい負荷の抑制、これをする必要があるという趣旨で、その手段といいますか、としての許可制導入というのが私どもの原案にあるわけでございます。
○沓脱タケ子君 通産省にお聞きをしたいんだけれども、通産省だって水質汚濁が非常にこの数年間進んできていると、それから富栄養化に伴う水質障害というのが非常に急速に悪化して解決をしなきゃならないという点では意見は一致しているんでしょうね。
○説明員(川口融君) 湖沼の水質の問題につきましては、これが閉鎖性であるということもございまして、その保全というのが重要な問題であるということにつきましては通産省十分認識をしているところでございます。
○沓脱タケ子君 当然のことだと思うんだけれども、湖沼の水質を悪化させないためには何が大事かといったら、これはもちろん新規の汚濁負荷というものを厳しく抑えるということと、従来の汚濁をできるだけ厳しく抑えていくということが大事だと思うんですね。新規に汚すということは厳しく抑える、それから現状の汚れを解決する、この両面がきわめて大事だと思うわけですが、これは特定施設の新規設置に対して許可制を導入して厳しく規制するということが、やはりそういう点で新規の汚濁を抑えるという意味では非常に重要だと思うんですね。たとえば瀬戸内海法でも、非常につくったときには緩いなと思っていたけれども、新規の施設の場合には許可制を一応ちゃんと導入をしたということもあって、一定の汚濁、うんとよくなったとは言えませんけれども、どんどん悪くなるのをとめるというふうなことにもなっているわけですが、そういう点でいま湖沼の水質汚濁を防止していくためにきわめて大事だと思うんですが、それが湖沼法の一番大きな目的だと思うのですが、通産省が反対している理由というのは何ですか。
○説明員(川口融君) いま御指摘の点の新規設備についての許可制等という点でございますけれども、新規施設の許可制というのは水質汚濁を防止する対策を考える上での手法、手段の選択の問題であると考えております。で、湖沼の水質の保全のために何らかの特別の措置を講ずる、これにつきましては私どもはその趣旨を理解しているわけでございますけれども、実際にどういう手段を選択するか、これにつきましては、湖沼へのいろんな汚濁の原因、それとの対策のバランス等々ということを十分に検討して、最もふさわしい有効な施策を選択をするというのが必要だと考えております。 瀬戸内海との関連の御指摘ございましたけれども、私ども瀬戸内海についてはそれを承知いたしておりますけれども、湖沼につきましては湖沼にふさわしい手段を選択するということで環境庁とも鋭意御相談を申し上げている次第でございます。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので詳しくお尋ねできないんですが、最後に環境庁にお尋ねをしたいんですが、建設省は既存の法律で何とか周辺の自然環境は守れるということで、中公審の答申の片方の柱も入れることをどうやら御賛同ではない。水質汚濁については特定施設の許可制の問題について通産省がもう一つ賛成をしてもらえないということでは大変困難だと思うんですね。湖沼の水質浄化、たとえば水をきれいにせにゃいかぬという点で目的は一致しているんだけれども、それぞれの意見が違うという状況なので、これは環境庁が中心になって、関係省庁との協議、検討というのはきわめて困難だろうということは予測にかたくありませんが、しかしそうかといって協議がまとまらぬからほうっておいたらいいかといったらそうはいかないという状況でございますので、長官大変御苦労だと思いますけれども、ひとつ通産省とも——私は建設省ともと言いたいんだけれども、当面は通産省とできるだけ協議を詰めていただいて、できるだけ早い機会に国会に法案を提出をされるように強く御期待を申し上げたいと思いますので、最後に決意をお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 私どもも、先ほどから申し上げているように何とかして湖沼法を今国会に提案したいと思って、現在も全力を挙げて協議を進めさしておるところでございます。しかし現実にはなかなか厳しい状態にあるということは最初申し上げましたとおり。ただしかし、湖沼がどんどん汚れていくのをほうっておくわけにはいかないんで、さっき燐、窒素の環境基準の問題の御質問ございましたが、あらゆる手法を講じてこの湖沼の水質汚濁の防止については今後も全力を払っていきたいと、こう思っておるところでございます。
○中村鋭一君 原環境庁長官は、前任の鯨岡長官にまさるとも劣らずといいますか、同様に環境行政に熱意を持っておられるとお伺いいたします。また、公害防止事業団の理事長として、自由民主党の環境部会長としてもむしろ公害行政のテクノクラートといいますかエキスパートといいますか、そういう点において実際に実現し体験をしてこられたその豊富なキャリアを生かして、国家百年のために今後とも御奮闘くださることをお願い申し上げると同時に、長官としての現在のお仕事に対して深い敬意をまず委員の一人として表しておきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 中村委員からエキスパートというお話が出ましたが、私はそれほど自分をエキスパートだというふうには思っておりませんけれども、しかし環境行政を進めるという熱意においては私も人後に落ちないつもりでございます。そして、これはまた先ほどいろいろな方から御質問ございましたが、将来に向かってきわめて大事なことでございます。いまただちにどうということ以上に、将来に向かって環境を破壊させないための未然防止ということが非常に大事でございますので、私といたしましてもそういう観点から実際に実効の上がる方法ですね、アドバルーンだけ揚げたってだれもついてこなかったらこれは実効が上がらないわけですから、とにかく一歩でも二歩でも前進して環境破壊を防ぎ環境をよくするために実効の上がる方法で私はこの行政を進めていきたいと、こう思っておるところでございます。
○中村鋭一君 私は前任の鯨岡長官には野党の委員として異例ではありますけれども留任を要請いたしました。私からすれば不本意にも長官はおやめになりました。後任として原長官が御就任されたわけでございますが、私はりっぱな長官が跡を継いでくださいまして心から喜んでいる次第でございます。環境行政、すばらしい、いい法律ができるように、当委員会としても、その一人としてこれからも努力をしていくつもりでございます。 つきましては、いま沓脱委員も御質問でございましたけれども、長官、公害関係ですね、最近どうも環境庁声が小さいという、まあ世論とまではいきませんけれども、そういう評判があります。そこへもってきて、あるいは建設省あるいは通産省がいろいろとその省としてのテリトリーから、まあ私はあえて言いますけれども、容喙、介入をして、国家百年の公害行政を誤っおそれなしとしない。ですから、この点につきましても、長官、勇気を持ってがんばっていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 環境アセスメント法案の現在の衆院での審議状況をお尋ねいたします。
○政府委員(清水汪君) 政府の環境影響評価法案は昨年の四月に衆議院に提出されまして、昨年の秋の臨時国会におきまして提案理由説明を申し上げまして、引き続きこの通常国会に継続審査に付されておりまして、現在衆議院の環境委員会に付託されております。われわれとしては、一日も早くこの審議を進めていただき、かつその成立をお願いしたいというふうに期待を申し上げておるところでございます。
○中村鋭一君 いろいろと本当に長年の間このアセスメント法を論議してまいりました。当委員でも論議はすでにもう私は尽くしたという感じがしているんですね。ところがいつまでたっても参議院の方に送られてこない、じりじりしているんですね。ですからこれはね、それは一長一短あると思います、いろいろと。たとえば電源立地等の問題につきましても、外せの入れろのどうすればいいんだと、地方がどんどん条例つくるじゃないか、こうありますけれども、しかしザ・ベストのものを追求してそれがいつまでたってもできないよりも、やはり次善といいますかベターなものでもつくった方が私は国民のためになる、こう思いますので、この点についてもせっかく御努力をお願いをしておきます。一刻も早く参議院の当委員会で審議を尽くすことができますようにお願いをしておきたいと思います。 私、ここに何通かの手紙を持ってきているんですけれども、これは前の委員会でも御質問申し上げましたけれども、農水省がおおむね完成に近づきつつあります例の島根県の中海の干拓地ですね。ところが、たとえば揖屋地区なんかは干拓が進んだためにハクチョウの渡来が減ったと。だからこれはひとつ環境庁がんばってハクチョウがやってくることができるように何とかしてもらいたい、そういうこれ陳情のお手紙でございまして、前任の鯨岡長官にも御紹介を申し上げ、鯨岡長官からも非常に前向きの御答弁をいただき、また環境庁の行政当局も現実に手を打っていただいたと、こう理解しておりますけれども、ことしの冬の中海並びに宍道湖の方のハクチョウの渡来実数と、それに対する保護の現実的な手当てはどのようになさいましたかお伺いいたします。
○政府委員(正田泰央君) 先般、先生から御質問をいただきましたときの中海及びその周辺地域の渡来の状況は、たしか数字も非常に低いものでございました。五十年が五百六十九、五十二年が六百三十五、五十五年が、つまり昨年のときのお話が二百九十八というふうに減った数字でございましたけれども、ことしの渡来実数は、この三月ごろもう全部引き揚げましたけれども、全部で六百十三羽、島根県で百二十、これは宍道湖のことでございますが、それから鳥取県が四百九十三、一番多いときとほぼ同じぐらいになっているようでございますが、去年お約束しましたようないろいろな生態とかその状況とかどういうこととか、それは精密調査はいまやっておりますので、それを踏まえて来年もこのようにという気持ちでやってみたいと思っています。
○中村鋭一君 大変うれしい数字を伺いまして、これはまあやってくるのはそれはハクチョウに聞かなきゃわかりませんけれども、現実にその渡来数がふえているわけでございますから、一面やはり地元の住民の皆さんの熱意と、その熱意に沿うべく努力をなさいました環境庁の保護行政が実を結んだものであると私は評価をさせていただきたいと思います。なお手を緩めず、ひとつコハクチョウ、本当に観光資源としても島根、鳥取両県は大変これを重視しておりますので、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、最近の新聞報道によりますと、屋久島の屋久杉を切りたいと、こういう話がありました。それについて、切ってもらっちゃ困ると、こういう声がまた一方にありまして、環境庁としてはこれについてわりに早く手を打たれたように私伺っておりますけれども、この屋久島の国立公園の指定現況でございますね、これをまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 屋久島につきましては、御指摘のように屋久島は世界的に見ましても非常に貴重な植生のある地域でございまして、私どもといたしましても伐採がやたらに進んでこの生態系、環境が破壊されてはいけないということで、公園地域を拡張いたしましてこの保護を図っていきたいということでずっといま調査をさせております。先般も実は農水省の方、林野庁の関係になるわけですが、私どもの方の公園地区の拡張までは屋久杉の伐採はしばらくとめるというような農水大臣の御発言もございました。私どもの方もそういう観点に沿って公園地域の変更につきまして早く結論を得たいと思っていま努力しているところでございます。
○中村鋭一君 現在瀬切川ですね、この流域は公園区域に含まれていないと伺いましたけれど、それでいて瀬切川流域の自然環境は十二分に保護されていると環境庁はお考えでございますか。
○政府委員(正田泰央君) 御疑問のとおりでございまして、この地域はいま大臣がお話し申し上げましたようにこの屋久島の中の国立公園の周辺地域としては景観的にも非常に貴重な自然地域でございますので、何とか保護したいと思っておりますが、公園区域ということに指定されておりませんので、御指摘のように十分に保護が図られていくという保証がございません。したがいまして、この地域について計画の見直しと申しますか、そういったものを考えてみたいというのが現在の考え方でございます。
○中村鋭一君 具体的にどのような区域を設定しておいでになるんですか。
○政府委員(正田泰央君) 私どもの方が素案といたしまして林野の方にお話し申し上げたいと思っております。また事実上お話ししている点もございますが、瀬切川上流地域で面積にいたしまして約七百五十ヘクタール、瀬切川右岸の方の林業施業計画で言っておりますところの六、七、八、九という四つの林班でございまして、これは国立公園に隣り合った地域でございます。
○中村鋭一君 いま局長、地図をお持ちですか、手元に。地図はございませんか。いやもうなければ結構でございます。いずれにしても相当に広い区域と理解してよろしゅうございますね。 林野庁にお尋ねいたしますけれども、現在屋久島にはいわゆる屋久杉と言われるものですね、私の理解では屋久杉というのは樹齢一千年以上の杉と、このように覚えておりますけれど、その樹齢一千年以上のいわゆる屋久杉と将来一千年を超えるであろうと思われる小杉ですね、それを分けて数字をお示し願います。
○説明員(野村靖君) 屋久杉につきましては、ただいま先生からお話ございましたように千年以上を超えますものを銘木屋久杉、それから千年未満のかつて藩政時代に伐採等によりましてその後再生しましたいわゆる小杉合わせまして屋久杉と言っておりますが、この屋久杉につきましては屋久島の国有林に分布しておりますけれども、その区域は国有林面積約三万八千五百ヘクタールございますが、このうちのおよそ五割に当たります約二万百ヘクタールに及んでおります。その蓄積につきましては、屋久島国有林の蓄積が全体で約七百六十八万立方メートルでございますが、このうち約百二十五万立方メートルがこの屋久杉ということになっております。
○中村鋭一君 今回伐採を認めようとなさいましたこの瀬切川流域ですね、これは何本ぐらいなんですか。
○説明員(野村靖君) 森林の蓄積につきましては私ども本数という形ではとらえておりませんで、サンプリング調査等に基づきまして蓄積量、ボリュームとしてとらえております。本数としては御説明いたしかねますが、御了解いただきたいと思います。
○中村鋭一君 いずれにしてもそれは相当な大量には違いないですね、そうですね。いまは切ってはいないわけですね。将来切るつもりですか。
○説明員(野村靖君) この瀬切川、特に右岸の森林につきましては学術上も重要であると私どもも認識いたしております。昭和五十七年度から始まります第四次の地域施業計画におきましても、この瀬切川流域の森林の取り扱いにつきましてはさらに引き続き慎重に検討するということで、関係機関、地元等との調整が行われるまでは伐採を行わないということで実施をいたしたところでございます。
○中村鋭一君 林野庁、ということは環境庁が国立公園の区域内に指定をすればこれは切らないということでしょうが、仮に指定しなくても切らないと、こう理解していいんですか。
○説明員(野村靖君) 私ども屋久島全体の屋久杉の取り扱いにつきましては、先ほど約二万百ヘクタールに分布しておると申し上げましたけれども、学術的にも大変貴重なものだという認識のもとにおよそその約八割を禁伐の取り扱いにいたしておりますし、またその残りの区域につきましてもその約三分の二を択伐という施業方法によりまして全体としてその維持に配慮いたしております。で、このような内容につきましては営林局長が樹立いたします地域施業計画というところで明らかにいたしておるところでございます。
○中村鋭一君 環境庁と林野庁にお尋ねいたしますが、この屋久杉のたとえば伐採を許可するとかしないとか、屋久杉をわれわれの一つのむしろ文化的遺産として保護しなければならないとかいろいろな考え方がありますけれど、こういうことについての関係法律ですね、あるいは制度といいますか、にはどういうものがありますか。
○政府委員(正田泰央君) 自然公園法、自然環境保全法、森林法、文化財保護法、その四つだろうと思います。
○説明員(野村靖君) ただいま環境庁からお話ございました法令等によります制限のほかに、先ほども申し上げました地域施業計画におきましては、林野庁といたしましても保護を必要とする森林等につきましては学術参考保護林といったような指定を行いますほか、森林の現況等判断いたしまして禁伐等の森林の取り扱いを定めているところでございます。
○中村鋭一君 これまで屋久杉は現実には八割禁伐とおっしゃいました。残りの二割については段階的に伐採は認めておいでになったわけですね。その伐採を認めるという理由といいますか、何のために屋久島の屋久杉を切ることを認めておいでになったんですか。
○説明員(野村靖君) 先ほど申し上げました屋久杉の中にはいわゆる千年を超えます銘木屋久杉と称せられるものあるいは再生をしてでき上がってまいりました小杉といったようなものがございますが、この銘木屋久杉につきましては林野庁といたしましては伐採をしないという考え方でおります。で、なお必要な木材の供給等図っておりますが、やはり地元産業の振興等の観点から学術上貴重な森林の保護を図りつつその調整を行いまして必要な木材の供給等を図っていかなければならない、こういう要請があるわけでございまして、それらの調整を図りつつ実行しておると、こういうことでございます。
○中村鋭一君 屋久杉でつくりましたたとえば天井板ですね、私友人に木材業者、銘木業者おりますけれども、いいものですと小さいもの一枚が数十万、百万を超える場合がありますね。いわゆる美材としてむしろ骨とう的価値があるとは思いますよ。思いますけれども、現実にいま家を建てて自分の家の天井板に屋久杉を使える人がそういようとは思いませんし、いいにはわかっていますけれどもね。でもやはりこのすばらしい美林を子孫に残すということと自分の私宅の天井板にあの屋久杉を張り詰めることとどちらをとるかと言われたら、私はやはり残す方に軍配を上げたい、こう思うわけですね。しかし一方林野庁としても、現実に屋久杉をあるいは床の間の置き物とかいい机だとか天井板に加工することによって、それを伐採することによって生計を立てている労働者がいるわけでございますから、働いている方たちがいるわけでございますから、その方たちの利害というものも当然ながら重視をしていかなければいけない、こう思いますけれど、今後林野庁として環境庁とどう対応しつつ、どういう方向に持っていくおつもりなのか、御計画をお聞かせ願います。
○説明員(野村靖君) 瀬切川流域の問題につきましては、先ほども申し上げましたように関係機関あるいは地元等との調整が行われるまでこの伐採を行わないということで措置をいたしたところでございますが、この公園計画の具体的な内容につきましては、林野庁としてはまだ承っておりませんが、環境庁から具体的な御協議がありますれば十分内容をお聞きいたしまして、また地元関係者等の広い御意向等も踏まえまして適切に検討してまいりたいと、かように考えております。
○中村鋭一君 林野庁には、やはり屋久島で働いている皆さん、屋久島だけではなくて全国の山林でいわば場合によれば生命の危険を顧みず森林の伐採業務等に従事している林野労働者の皆さん、この皆さんのために先頭に立ってがんばると、そういう使命もあるわけでございますから、その点を十分に勘案しつつ、なおたとえば現実に屋久島のこの杉の美林を千載に残すために勇断をもってひとつ環境庁と協議しつつ、いい結果が出るようにお願いをしておきたいと思います。 長官、私屋久島へ二年前ですけれど一週間滞在いたしまして、これは私事ですけれどテレビの取材に参りまして、あの山の上の方に神代杉あるいは縄文杉という杉がございました。縄文杉は樹齢およそ七千二百年と伺いました。これは実際あの七千二百年でなお若々しく生きている木の下に立ちますと、本当に日本という国はすばらしい、よくここまでこの杉が何百回という台風にも天災にもめげずに生きてきてくれたと、もう誇りと喜びで胸がいっぱいになりまして、全身が感激で震えるような、そんな感じがいたしました。当然ながらその生態系を維持しつつ、ああいったすばらしいわれわれの先人から今日に伝えられました遺産を残すことは、これはもう環境庁としては何としても達成しなければいけない重大使命だと、こう思います。 時間が参りましたので、志布志湾の問題についてもお伺いしたがったんですが、これは省略いたしまして、最後に長官の、たとえば屋久島のあの杉の古木に代表されるような自然保護につきましての御決意を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 私は残念ながら屋久島には行ったことがございませんけれども、いろいろな方々、またいろいろな書物等によっても十分その大切な世界にも珍しい大自然というものを認識しているつもりでございます。中村委員おっしゃるとおりこれは何としてでも守っていかなければならない。同時にまた、日本のこの恵まれた自然環境ですね、ずいぶん破壊をされましたけれども、まだまだいいところがずいぶん残っているわけでございまして、そういうものについての保護保全ということについては全力を尽くしていきたいと思っていることを申し上げます。
○中村鋭一君 終わります。ありがとうございました。
○江田五月君 来年度の予算の審査を各委員会で委嘱して行うというこの参議院の新しい制度が始まりまして、委嘱審査もいよいよもう最後になってまいりました。原環境庁長官、先ほどからお話を伺っておりまして、環境行政に対して並み並みならぬ熱意で取り組まれると、しかもただアドバルーンを上げるというだけじゃだめなんで、実効ある施策を講じていくんだという決意のほどを聞かしていただいておりまして、ひとつ参議院の代表でもありますから、がんばってやっていただきたいと思います。 志布志の問題あるいは屋久杉の問題、湖沼法の問題その他もろもろずっと各委員からお話がありまして、私はさらにこれまでに触れられた問題と違った点を少しお伺いをしておきたいと思います。 まず最初に、臨海環境整備センター法の問題について伺っておきたいと思います。 昨年の六月でしたか、この臨海環境整備センター法が成立をしまして、いま一体どういうことになっておるのかということをまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(清水汪君) この法律、ことしの一月八日に広域処理対象区域としてまず大阪湾圏域のうち滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の各府県が厚生省の告示によりまして指定をされました。それからまた広域処理場整備対象港湾として大阪港、堺泉北港、神戸港及び尼崎・西宮・芦屋港が指定をされました。東京圏につきましては、関係都県の調整をいま進めているところでございますので、調整がつき次第ここも形をなすものと思われます。 それから大阪湾の圏域の方に戻りますけれども、ことしの三月一日に同法の規定に基づきまして事業の実施主体でありますところの大阪湾広域臨海環境整備センターが成立をいたしまして、同センターによりまして調査の実施、基本計画の策定等に入りつつあるというところでございます。
○江田五月君 センターが成立したというのは法の言葉で言いますと何になるんですか。
○政府委員(清水汪君) 設立の認可を受けたということでございます。
○江田五月君 そうすると、いよいよ近畿圏についてはこれで具体的な活動、まず最初は調査と基本計画の策定という、そういう手続に入っていくわけでありますが、いや安心しました。これは運輸省とか厚生省とかのマターだから、聞いてもわからないというふうにお答えになられるかと思いまして、環境庁できちんとそうしたことを押さえていただいておるということを聞きまして安心をしたわけでありますが、この法案の審査の際に、鯨岡前環境庁長官、たとえばこれは運輸、地行、社労、そして当委員会の連合審査の際には、この大阪湾に限らず東京湾にしてもどこにしても原則としては環境庁は埋め立てはしてもらいたくない。しかしながら、いろいろな事情でどうしても埋め立てしなければならないという場合はありますから、そういう場合はいろいろな法律に基づいて詳細に計画を立てるときに被害が最小限にとどまるように私どもは考えていかなきゃならない。つまり基本的には埋め立てというのは環境に影響があることなんだと、しかしやむを得ないから やむを得ないといってもやはり環境を守っていかなければいけないので真剣に対処するという、そういうお答えをいただいておったわけですが、環境庁長官、この東京湾の場合には千二百ヘクタール、四千五百億円かける、大阪湾の場合には八百ヘクタール、二千五百億円かける、こうやって湾に特別の島をつくって、そこをごみの最終処分場にしようというのでいろいろな手段をもちろん講ぜられると思います。しかしやはりそれだけのものを東京湾なり大阪湾の中につくるとこれはどうしても環境に対する影響がないとはとうてい言えない。やはりいろいろな影響が出てくると思うんですが、環境庁としてあるいは長官として、この広域臨海環境整備センターが今後行おうとする業務について一体どういう関心をお持ちなのか、環境保護という観点から。このことをひとつ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 江田委員御指摘のように、埋め立てをする、それも相当大規模な埋め立てをするということになると、当然これは環境に影響がくることはあたりまえのことでございます。ただ、私が廃棄物の処理の問題、これ日本は狭い国でございまして、何かもっといい方法がないのかなということを常々考えているわけでございますが、いろいろ技術的にもいい処理方法が開発されるとかなんとかいうことも望んでいるわけでございます。しかし、港湾の埋め立てによる処理ということは影響があるわけでございますけれども、そういうことについて鯨岡前長官が言ったことは私も全く同感でございますが、やむを得ず埋め立てに廃棄物を使わなくちゃならない場合でも環境に与える影響が最小限でなければならない。そういう点で、環境庁がこれチェックする機会が三段階あると思うんですね。まず基本計画を主務大臣が認可する場合に、これ第一段階として環境庁に協議をすることになっております。それから次に港湾法にいう港湾計画の中でフェニックス計画を定める場合に、このときにもまた環境庁はこれに関与をする。さらにまたフェニックス計画に基づいて海面を埋め立てすることについては、これは港湾管理者の長が行う公有水面埋立法による免許ということがございますが、その際にこれは運輸大臣になると思いますが、認可を行う場合にはいずれも環境庁に対して協議をするということで、その場合にも環境庁は関与することになる。そういう場合を通じて、二重にも三重にも環境に与える影響が最小限で済むようにチェックをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○江田五月君 三つの段階があると、それぞれの段階で環境に影響を与える程度が最小限に済むように厳重にということで安心をするわけでありますが、ひとつ本当に真剣にチェックをしていただきたいと思うんです。 いまのまず最初の基本計画策定のときに環境庁が協議を受けるということですね。この協議を受けた際に、環境庁はこの協議は一体どういう法的効果を持つと認識をされておるか。協議はまあ相談されるだけであって、もう相談はしたよということで環境庁の言うことは無視されるような性格のものだとお考えか。それとも、やはり協議がちゃんと調うということがそこから先の手続を進める上の前提になるんだ、環境庁はノーということも言い得るし、ノーと言うこともあるんだよというようなそういうお気持ちをお持ちなのか。その点を聞いておきたいと思います。
○政府委員(清水汪君) それは申すまでもなく後者の方の立場でわれわれは仕事していく考え方でおるわけでございます。
○江田五月君 本当に一つのごみの最終処分場をつくるという目的はあっても、その目的の達成のために起こってくるさまざまな副作用というものを最小限に抑える方法、ここにもあるあそこにもあると、こういう方法も講じたらいいじゃないか、あれもできるじゃないかと。そういうものがいろいろある場合には、これをやらなければ、環境を保護していくためのさまざまな手段を十二分に講じなければノーと言うこともあるんだという環境庁の環境保護に対する強い姿勢をもってこれに臨むと、そう伺ってよろしいですか。
○国務大臣(原文兵衛君) そのとおりでございます。
○江田五月君 さて次に、ごみの問題をちょっと伺いましたが、ごみ問題のもう一つの問題として、ごみの問題というのは本当にいろいろな分野にわたっておりまして範囲が広いわけですが、散在ごみ、散在空き缶ですね。日本じゅうに空き缶が非常に多くの数散らばって、富士山の山頂から各地の海水浴場に至るまで、白砂青松の自然環境のまことに美しいところでもちょっと見れば空き缶がごろごろと、新婚旅行に行けば空き缶ごろごろと、どこでも空き缶が転がっているというような状態にいま日本がなってしまっておる。こういう状態を何とかしなければいけないと思いますが、まず一体この現状というものをどう認識していらっしゃるか、環境庁長官に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(原文兵衛君) 空き缶問題は非常に身近でしかも環境汚染がすぐ目につくところでもありますし、また資源問題からいっても非常に大事な問題であるということで、私も長官就任早々からこの問題に真剣に取り組んでいるわけでございます。現在、関係する十一省庁でもってこの問題についての連絡協議会を開いておりまして、どうやったら一番効果が上がるかということで検討しておりますが、なかなか関連するところが広うございまして簡単な問題ではないようでございますが、とにかく実効の上がる対策をどうしても立てていかなければならないということで真剣に取り組んでいる、また細部については局長からお答えさせますがこれを続けていきたいと、そして何とか実効ある対策を打ち立てたいということをいま念願し努力しているところでございます。
○江田五月君 私たちの住んでいる環境を守ってそして次の世代にいい環境を伝えていくという、これはもちろん行政の責任もあります。同時にやはり一人一人の国民の責任でもある。みんなの責任なんで、ごみ問題空き缶のぽい捨て問題一つとってみても、これから先一体国民がどういうような気持ちで自然環境の保護に取り組むか、一人一人の問題でもある。 そこで、これもどうも前の環境庁長官鯨岡さんの話ばかり出して恐縮なんですが、去年の六月三日の当委員会でこの問題、前環境庁長官は質問に対して、この国会のすぐ近くに永田町小学校という学校がありますが、そこの生徒さんたちの話を引き合いに出されて、「いまの永田町小学校みたいなああいう運動がそこらじゅうに起こっていますから、」これはごみを、空き缶をぽんと捨てないという運動ですが、「子供までそうやっているんですから、私は、何かの成果が上がることを期待します。しかし、もしそれてことしの夏」——去年の夏ですが、「夏が終わったときに、この夏の行楽期間にやはり去年と同じだったということになれば、メーカーの責任でないなどとのんきなことは言ってられませんから、そのときは思い切ったことを考えなきゃならぬと、こういうふうに決意をしておるわけでございます。」これはこのぽい捨てについてメーカーあるいはディーラーも責任を持ってひとつ対処をしていくというような、そういう施策を考えてはどうかということに対する前長官のお答えだったわけですが、去年このぽい捨てをやめさせるためにひとつ市民運動とも提携をしあるいは労働組合の皆さんとも提携をし一大国民的なキャンペーンをやるんだという、そしてその結果をひとつ見てくださいと、これでひとつやっていこうという、そういうお話だったんですが、どういうことをやられて結果は一体どういうことになったか、そろそろもう結果が出ていると思いますが、これをお答えください。
○国務大臣(原文兵衛君) 去年のキャンペーン、これ、その結果はやや散乱場所が減ったとかいうあれは出ております。そういうことにつきまして後ほど政府委員からお答えさせますが、私はやはり国民全体がこういう問題について関心を持つと同時に、この自然保護ということにつきまして、子供のときからこれをひとつ教育の場でもって十分に取り上げていっていただきたいということで、自然保護憲章というりっぱな憲章があるわけでございます。ところが、これがなかなか小学校教育などに取り上げられておりませんので、私先般も文部大臣にこれぜひひとつ子供のときから小学校の教育にも取り上げるようにしてもらいたいということで、いま文部省の方とも事務的にいろいろとどういう方法でやるかということを打ち合わせをさせているところでございます。
○政府委員(大山信君) 補足説明をさせていただきます。 一昨年の八月から昨年八月までこの一年間の間に、実は一昨年全国での散乱状況を調査いたしました。昨年、また一年後どうなったかということを調査いたしまして、その結果四三%の散乱個所で改善が見られたと、それから六%の場所が散乱しなくなったという答えが出ております。これは、私どもいろいろ政府あるいはその関係業界いろいろ含めまして一生懸命やった結果がこういうことでございますが、それなりの改善があったのではなかろうかというふうに私どもは考えているわけでございます。 それから、この具体的な政府におきますキャンペーンでございますが、これの内容を御説明申し上げますと、昨年の四月十三日に「空カン散乱防止等のための普及啓発活動の充実について」という十一省庁の間での申し合わせを行いまして、普及啓発活動を強化することにいたしました。この具体的な内容といたしましては、政府公報及び関係機関、団体等が発行している機関紙による広報、ポスター、パンフレット、ステッカーの印刷、配布及びマスコミを通じたいろいろな呼びかけの強化等がございます。たとえば政府におきましてやりました中でも、壁新聞の「空カンのポイ捨てはやめて」というようなのを四万枚刷って全国に配布しております。あるいはパンフレットで「空カン公害——とりもどそう美しい自然」といったようなものを二十万枚学校等に配布しております。あるいは大型の立て看板をたとえば東京で言いますと八重洲口のところに立てたわけでございます。こういったのを九都市等に設置したというようなことがございます。それから統一美化マーク、丸いのに、ぽい捨てでくずかごに捨てているのがありますが、そういうのに対する印刷及び自動販売機への貼付とか、富士山のクリーン作戦とか、いろいろなことをやりまして努力したわけでございます。
○江田五月君 いやまあ、本当に大変な御努力をなさってくださったのだと思いますが、さあそこで、そういう努力をこの普及啓発活動で一生懸命やって、恐らくもう精いっぱいやってくださったのだと思うのですが、その結果がいまの数字、改善の方はおっしゃいましたが、散乱に変化なしというのはこれ五〇%あるわけですね、ひどくなったのが七%と、さらにそのほかに散乱場所がこれは前の数のおよそ二〇%ぐらいの数ですか、新しく散乱場所ができてきたと、そうじゃない一〇%ぐらいですか、全国で六千八百十四ヵ所散乱地域があったのに対して新たに六百七十二ヵ所散乱地域が出てきたということですからね。 そういう普及啓発活動をお役所が先頭に立って一生懸命やる、それはもちろんいいですよ。それから道交法などを使ってひどいものを検挙していくというようなこともそれも一つの方法です。しかしそれだけではこれはとてもやまないんじゃないですか。鯨岡前長官が去年おっしゃっておった、一年一生懸命やってみるとやはり去年と同じだということになればメーカーの責任ではないなどとのんきなことは言っていられないから思い切ったことを考えなきゃならぬと、そういうときにもう来ているんじゃないか。思い切ったことが何であるか、これはデポジットがいいのか、あるいはそのほかのいろいろな方法がありましょう。これはみんなでいろいろ知恵をしぼらなければならぬと思います。回収方法について回収産業といったものをどうやって育てていくのかということもありましょう。 それはさまざまなことがあると思いますが、もう捨てる人が悪いので、三Pの原則だというので消費者にだけ、消費者のモラルのアップだけに頼っておるということではそろそろいけないんじゃないか。もっと人間ね、消費者のモラルといっても、たとえばだれが考えてみても自分が夏の暑いときに缶ジュースを百円玉入れてさあやっと飲んでほっとのどを潤して一息ついて、その缶を一体どうしましょうと、その辺に置く場所も何もなかったら、悪いけれどもその辺の道のへりの方にちょっと置いてしまうんじゃないでしょうか。ですから、たとえばたばこだってこれは健康に悪いというのを幾ら言ってもやはり吸うわけでして、モラルだけじゃだめなんで、やはり知恵をしぼってこれからの自然環境を整えていくためにいろいろなシステムをつくっていかなければいけないんじゃないか、そう思うんですけれども。 そして、いまの質問に対するお答えと、ついでに五十六年一月に十一省庁で空き缶問題連絡協議会をおつくりになりましたね。この中で環境庁は一体どう行動されていくおつもりか。それと、京都市できのうから条例で一つの制度が始まったですね。これについて一体環境庁どういう御関心をお持ちなのか。このことをあわせ伺って質問を終わりたいと思います。
○政府委員(大山信君) ただいまの先生の御意見まことに私どもも非常にこの協議会の運営に当たりまして念頭に置いているところでございます。ただ、一つの散乱の改善の問題につきましては、私ども前大臣のお言葉ございましたけれども、空き缶問題に関心が持たれ、それに対して政府並びにボランティアあるいはその地方自治体の努力というのが行われるようになりましてからわりとまだ日が浅い状況でございました、したがいましてその間の一年間の改善というのは少ないんじゃないかということでございますが、これにつきましてはその後ずいぶん自治体の動きとかいろいろな各地の動きが活発になってまいりました。したがいまして、私どもといたしましてはこういった改善の効果というのはまたさらに上がってくるのではなかろうかというふうに期待している次第でございます。 それから、いまの協議会の運営状況等につきましては先ほど福島先生の御質問の際にもちょっと申し上げたのでございますが、いろいろ関係者も多い、散らかる態様も違っている。それに対して一発で効き目のあるようないい施策というのはなかなかむずかしい状態でございまして、私どもいろいろそういった問題を念頭に置きながら鋭意検討を進めているところでございます。できるだけ早くひとついい考えをまとめるように持っていきたいという気持ちでやっている次第でございます。 それから京都府の動き、京都市の条例等の問題につきましては、まあわれわれ各地方自治体におかれましてそれぞれの地域ごとの散乱状況等を踏まえていろいろなアイデアを出しながら御苦労しておられるということにつきましては大変敬意を払うものでございまして、できるだけこういった問題については、いま国が直接関与しているわけではございませんけれども、温かく環境庁としては見守ってまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○国務大臣(原文兵衛君) まあ、メーカー、ディーラー等の問題も出ましたが、そういう問題も含めましていま十一省庁の連絡協議会でもいろいろと検討しているわけでございまして、先ほども申し上げましたようにこの問題非常に大きな問題でございますので、何とか実効の上がる対策を確立したいと思って今後も努力したいと思っております。
○委員長(坂倉藤吾君) これをもって、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、公害等調整委員会及び環境庁についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂倉藤吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(坂倉藤吾君) 次に、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査のうち交通安全対策に関する件を議題といたします。 まず、昭和五十七年度陸上交通安全対策関係予算について説明を聴取いたします。滝田交通安全対策室長。
○政府委員(滝田一成君) お手元にございます「昭和五十七年度陸上交通安全対策関係予算調書」につきまして御説明を申し上げます。 昭和五十七年度の予算総額は、一ページの上段に示しますように九千五百五十一億二千五百万円でありまして、前年度予算額九千三百七十八億七千二百万円に比べまして一・八%の増加となっております。 各項目ごとに御説明いたしますと、一ページの1、道路交通環境の整備につきましては八千四百八十九億三千万円、対前年度比一・四%増を計上しております。 (1)の交通安全施設等の整備は、第三次特定交通安全施設等整備事業五ヵ年計画の第二年度分といたしまして一千二百六十七億五千万円、対前年度比〇・八%増を計上いたしてございます。この内訳は、(7)の特定交通安全施設等の整備、これは警察庁分でございますが、百四十四億六百万円、対前年度比一一・三%減となっております。これは交通管制センター、信号機、道路標識等の交通安全施設の整備に要する費用について補助するための経費でございます。また、(4)の特定交通安全施設等の整備、建設省分は一千百二十三億四千四百万円、対前年度比二・六%増の予算を計上しております。これは歩道、自転車道、立体横断施設、道路照明等の交通安全施設の整備に要する費用について国が負担し、または補助するための経費でございます。 (2)の改築事業による交通安全対策事業、建設省分は四千五百三億三千八百万円、対前年度比〇・四%増となっております。これは現道拡幅による歩道等の交通安全施設の設置並びに現道に歩道等の設置が困難な区間における小規模バイパスの建設等に要する費用について国が負担し、または補助するための経費でございます。 (3)の道路防災対策事業、建設省分は八百三十九億七千百万円、対前年度比一・五%増となっております。落石、なだれ等を防止するための道路施設の整備、路肩整備、交通危険個所の局部改良等に要する費用について国が負担し……
○委員長(坂倉藤吾君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(坂倉藤吾君) 速記を起こしてください。
○政府委員(滝田一成君) (4)の踏切道の立体交差化等は八百十四億四千四百万円、これは前年度比二・二%減となっております。この内訳は、踏切保安設備の整備が二十五億一千五百万円、前年度比で二七・九%の減、踏切道の立体交差化が七百八十九億二千九百万円、前年度比一・一%の減というふうになっております。 二ページの方へ移りまして、(5)の交通安全対策特別交付金につきましては五百十七億三百万円でございまして、対前年度比二二・二%増となっております。これは交通反則金の収入額に相当する金額を交通安全施設の設置に要する費用に充てるため地方公共団体に交付するものでございます。 (6)の基幹公園の整備は、第三次都市公園等整備五ヵ年計画の第二年度分といたしまして五百十二億三千七百万円、前年度比〇・二%減となっております。これは子供の遊び場を確保するための児童公園等の住区基幹公園及び総合公園等の都市基幹公園の整備に要する費用でございます。
○委員長(坂倉藤吾君) 数字は資料いただいていてわかるわけですから、予算の特徴点、そうしたものを特に説明してください。
○政府委員(滝田一成君) (7)の緑道の整備につきましては前年度より三・〇%増となっております。細かい説明は省かせていただきます。 (8)の居住環境整備事業等につきましては、これは前年度より八・六%増となっております。これは居住地区内の交通事故を防止し、または歴史的環境を保全し、あわせて居住環境の改善を図るため地区内街路等を体系的に整備する費用についてでございます。 (9)の自転車駐車場整備事業につきましては、これも御承知のとおり鉄道の駅周辺等で行われる自転車駐車場の整備に要する費用について計上したものでございます。ただ、これは今後実施計画により定まるものでございまして、金額は未定となっております。 (10)の総合都市交通施設整備事業、これもただいまと同じように今後実施計画によって定まるものでございまして、金額は現在のところ未定となっております。 三ページに移りまして、(11)の市町村基礎体力つくり・スポーツ振興事業等につきましては前年度比〇・五%増となっております。 2の交通安全思想の普及につきましては、これは前年度比〇・八%増となっております。これはダンプカー事業者に対する交通安全指導のためのものなどでございます。 また、(4)の交通安全教育指導等につきましては、これは学校における交通安全教育の充実強化を図る経費でございますが、前年度比の伸びとして八〇%増となっております。 3の安全運転の確保につきましては対前年度比〇・四%減となっております。 (1)の運転者対策の推進につきましては、これは前年度比二一・六%増でございます。 (2)の運転者管理センターの運営につきましては、これは前年度比二六・七%増となっております。 四ページに移りまして、(3)の交通取り締まり用車両等の整備につきましては対前年度比一二・四%増となっております。 (4)の暴走族取り締まり等交通取り締まり体制の充実強化につきましては対前年度比一・五%減となっております。 このほか、主なものといたしましては、自動車検査施設の増設でございますとか、民間車検を行う指定整備工場の監督体制の強化等に要するものがございます。 4の被害者の救済につきましては、これは前年度比九・四%増となっております。 (1)の救急業務施設の整備は前年度比一六・一%減でございます。 (2)の救急医療施設の整備につきましては対前年度比〇・二%増となっております。これは救急医療の体系的な整備を図るために、初期の救急医療体制あるいはその後の第二次救急医療体制、さらに重篤救急患者を対象とします救命救急センターの整備などでございます。 このほか、主なものといたしましては、五ページの(5)の通勤災害保護制度の実施がございますが、これは前年度比で一四%の増となっております。 (6)の交通事故相談活動の強化につきましては前年度と同額でございます。 (8)の自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助等につきましては対前年度比〇・六%増となっております。これは内訳といたしましては自動車事故対策センターに要する助成費などがございます。 5のその他は、調査研究費でございますが、総額で対前年度比二〇・四%の増というふうになっております。 以上、簡単でございますが、五十七年度の陸上交通安全対策関係予算について御説明いたしました。
○委員長(坂倉藤吾君) 次に、昭和五十七年度交通警察の運営について説明を聴取いたします。久本交通局長。
○政府委員(久本禮一君) 昭和五十六年中の交通事故及び暴走族の概況と昭和五十七年中における交通警察の重点施策について御説明を申し上げます。 まず、交通事故の概況でございますが、差し上げております資料「昭和五十六年中の交通事故発生状況と暴走族の動向について」に基づきまして御説明申し上げます。これちょっとお断りを申し上げますが、一ページの概要の数字につきましては、これは未確定なものがございまして、その後確定数が出ましたので、本日別にお配り申し上げました「昭和五十六年中の都道府県別交通事故発生状況(確定数)」の資料の一番下の数字で御説明を申し上げます。 昭和五十六年中の交通事故は、発生件数で四十八万五千五百七十八件、前年比八千九百一件、一・九%の増でございます。死者数はこれは変わっておりません。前年比四十一名、〇・五%減の八千七百十九名でございます。負傷者数につきましては、この新しい確定数の数字でございまして、六十万七千三百四十六人、前年比八千六百二十七人、一・四%の増ということになっているわけでございます。一昨年十年ぶりに増加をいたしました交通事故による死者数は、昨年は関係方面の御尽力等もございまして、昭和五十五年に比べまして若干の減少を見たわけでございます。 昨年の交通死亡事故の特徴は、この資料の二ページから四ページに要約してございますので、かいつまんで申し上げたいと思います。 まず、都道府県別に事故による死者数を人口十万人当たりあるいは自動車一万台当たりといった事故率で比べてみますと、依然として都道府県の間にかなり較差が大きいということが認められます。ちなみに滋賀県と東京では四・二倍の差があるといったような数字がございまして、こういうものを詰めていくということが大きな課題であろうというふうに考えます。 今度は視点を変えまして、事故による死者を年齢別に見てまいりますと、世間で言われますように若い者の死者が増加をしておりまして、特に昨年は十六歳から十九歳までの年齢層の死者が一一・七%の増ということで、非常に特徴的であると思うのでございます。 また、事故の形で見てまいりますと、多いものは横断歩道横断中の事故、車同士による正面衝突あるいは細街路からの出会い頭の衝突による事故、それから車両が単独でいわばぶつかってしまうといった事故などが一昨年に引き続きまして増加をいたしております。 いわゆる弱者と言われております歩行者、自転車乗用中の死者数は幸いに昨年はいずれも減少をいたしました。特に歩行者の死亡事故の中に占める構成比は統計上いままでの最低になっておりまして、これはいささか意を休めたところでございますが、なお今後に多くの問題は残しておるという認識でございます。 次に、暴走族の動向につきまして五ページ以下に要約しておりますので御説明を申し上げます。 暴走族は、昨年の十一月現在全国で七百七十グループ、四万六百二十九人、約四万人ということでございます。いずれも数の上では残念ながら昨年同期に比べて増加をいたしております。 年齢別では、少年の構成比が若干減ってはおりますけれども依然として全体の七八・三%、八割近いということで、少年が占める率が高いわけでございます。 暴走族の動きでございますが、暴走族が集まり走り回るといった状況につきましては、共同危険行為等の禁止違反を初めといたしまして、道交法違反あるいはこれらの行為を助長するような各種の違反の取り締まりを強化したところでございます。また、これらに対する行政処分もかなり厳しくいたしましたので、まあこういったようなこともあずかって力があったかと思いますが、その彼らの活動の回数、参加人員、参加車両台数等はそれぞれ若干減っておりまして、やや鎮静化の状態が見られます。しかし、暴走族の勢力はやはり増加をしておりまして、また行動面におきましても、グループ相互間の対立抗争事犯、あるいは共同危険行為など一般市民を巻き添えにするような暴行事犯、傷害事犯等はやはり多うございます。また、そういった点での悪質粗暴化という傾向はやはり強くなっておるというふうに見るわけでございまして、交通警察といたしましては今後も暴走族に対しましては十分襟を正して強力に対策を進めていくという考えでございます。 次に、これらの情勢を踏まえまして「昭和五十七年中における交通警察の運営」につきまして資料に基づいて御説明を申し上げます。 第一は運転者対策でございまして、実効のある運転者教育、きめ細かな運転者対策あるいは高度研修施設建設計画を推進するなどを内容といたしまして積極的に展開をしてまいりたいと思います。特に運転免許証の更新手続につきましては免許証の即日交付制度を今後とも強力に推進してまいりたい。またいままでオープンにしておりませんでしたが、日曜日に窓口を設けまして利用者の便宜を図りたい。それから無事故、無違反者といったいわゆる優良なドライバーに対しましては、講習の負担を思い切って軽減をいたしまして、簡易に更新が終えられるようにいたしてまいりたい。それから特別講習あるいは特別学級といった制度も従前以上に拡大をいたしまして、ドライバーが更新手続に対して感ずる負担の軽減を図ってまいるということでございまして、安全と運転者の負担の軽減の両者を解決するために、できるだけ手続の簡素合理化のための諸施策を積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 第二は、これは道路交通環境の整備でございまして、第三次交通安全施設等整備事業五ヵ年計画の推進、交通情勢に十分対応いたしました合理的な交通規制の推進、あるいは歩行者、自転車利用者などが安心して通行できるような環境の整備等を中心に推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 三番目は、警察官の街頭活動を従前以上に強化してまいりたいということでございまして、歩行者、自転車利用者などの保護活動を強化する、あるいは交通秩序維持や事故防止のために必要な指導取り締まり活動を活発に行うということ、あるいは取り締まりの面でも構造的な違反に対する背後責任の追及、これと並行いたしました事案の根源的対策の推進等を精力的に進めてまいりたいというふうに考えております。 四番目は、暴走族対策の強化でございまして、ただいま申し上げましたように、取り締まりの強化、行政処分の徹底と再犯防止の強化、あるいは暴走族対策会議等の活用などを積極的に図ってまいりたいというふうに考えております。 その他、高速道路における安全かつ円滑な高速交通の確保、交通安全教育等の推進などを中心にいたしまして、必要な諸施策を強力に推進してまいる所存でございます。 以上、昭和五十七年中における交通警察の運営重点等につきまして御説明を申し上げましたが、よろしく御指導くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(坂倉藤吾君) 次に、昭和五十七年度海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を聴取いたします。石月総務審議官。
○政府委員(石月昭二君) お手元にお配りしてございます「昭和五十七年度交通安全対策関係予算」と題した資料に基づきまして簡単に御説明させていただきます。 最初に、海上交通安全対策関係予算でございますが、合計額で千五十億七千三百万円、この額は五十六年度に比べまして三十一億六千二百万円ほど減額となっておりますが、このように減額となりました主な理由は、五十六年度中に整備が完了した航路、防波堤がありまして、これらの経費が減少したためでございます。 内訳を簡単に説明させていただきますと、まず一番初めに交通環境の整備といたしましては五百八億六百万円を計上してございますが、内容は、港湾等の整備、内容といたしましては、東京湾口等十三航路の整備のための経費、そのほか十一港の避難港の整備のための経費のほか、防波堤、泊地等の整備のための経費を計上してございます。二番目に航路標識の整備等でございますが、灯台等の光波標識、そのほかロラン、デッカ等の電波標識等の各種の航路標識の新設、改良、改修のための経費でございます。 二番目に、船舶の安全性の確保といたしまして、内訳といたしましては、船舶の安全基準の整備、これは政府間海事協議機関というのがございますが、これらの勧告に基づきまして危険物運搬等に対する国内基準を整備する等、船舶の構造、設備に関する安全基準の作成を行うためのものでございます。二番目に船舶検査の充実といたしまして一億三百万円ほど経費が計上してございますが、これは、船舶検査、型式承認等を行うためのものでございます。 三番目に、安全な運航の確保といたしまして百六十四億七千九百万円を計上してございますが、内訳といたしましては、救難業務等の充実強化、これは海難防止指導等海上交通安全対策の充実強化を図るとともに安全な運航の確保に必要な警備救難業務の運営を行うためのものでございます。ページを繰っていただきまして、(2)の海上交通に関する情報の充実といたしましては、これは海図の刊行、水路業務、海洋気象情報の提供等海洋気象業務の充実のための経費でございます。それから(3)の運航管理の適正化等といたしましては、旅客航路事業者に対する監査、船員労務監査、船員の災害防止指導等のための経費が計上してございます。それから(4)の船員の資質の向上といたしましては、これは練習船日本丸の代替建造に着手する等、航海訓練所、海員学校及び海技大学校における教育訓練の充実を図るとともに、船舶職員として船舶に乗り組むべき者の資格試験及び水先人試験を実施するほか、海上安全船員教育審議会の運営を行うための経費でございます。 四番目に、海難救助体制等の整備といたしまして三百七十六億五千九百万円が計上してございますが、内訳は、巡視船艇、航空機の整備等、これは内容といたしましては、ヘリコプター搭載型巡視船一隻を含む巡視船艇十二隻の整備と、中型飛行機、これはビーチクラフト200Tというものでございますが、これを一機含む航空機三機の整備を行うためのものでございます。それから(2)の海難救助、海上防災体制の整備といたしまして、海上防災体制の充実強化及び通信施設の整備を行うための経費十一億七千七百万円を計上してございます。 以上が海上交通安全対策関係の経費でございます。 次に、ページを繰っていただきまして、航空交通安全対策関係予算について御説明申し上げます。 総額は二千八十七億五千七百万円でございまして、前年度に比べまして二十九億三千八百万円の増加となっております。 その内訳は、まず第一に交通環境の整備といたしまして二千十三億五千百万円が計上してございますが、内容は、空港の整備、維持運営費といたしまして、空港施設、空港用航空保安施設の整備、運営のための経費が計上してございます。それから航空路の整備、維持運営といたしまして、航空交通管制施設、航空路用航空保安無線施設等の整備及び維持運営のための経費が計上してございます。 次に、航空安全対策の推進といたしまして七十三億四千七百万円が計上してございますが、内容は、航空安全対策として、航空機の耐空証明、機長の路線資格審査、航空従事者技能証明等を行うための経費がございます。二番目に航空機乗員の養成、三番目に航空保安要員の養成のための経費が計上してございます。これは航空大学校及び航空保安大学校における操縦士及び航空保安要員の養成のための教育等の充実のための経費でございます。それから四番目の航空保安施設の検査といたしまして、航空保安施設の運用状況について航空機による飛行検査等を行うための経費が計上してございます。さらに五番目の航空気象業務の維持運営といたしまして、航空気象業務の充実のための経費九億六千三百万円がございます。 最後に、3の航空交通の安全に関する研究開発の推進といたしまして、衛星航法による実験的研究等を行うための経費として五千九百万円を計上してございます。 以上が航空交通安全対策関係予算でございます。 非常にはしょりまして簡単でございますが、これをもちまして海上交通及び航空交通安全対策関係予算の御説明を終わらせていただきます。
○委員長(坂倉藤吾君) 次に、昭和五十七年度道路交通安全対策関係予算について説明を聴取いたします。渡辺道路局長。
○政府委員(渡辺修自君) 昭和五十七年度における建設省の交通安全に関する施策につきまして、お手元の資料「交通安全施策について」五十七年二月というのがございますが、これによりまして御説明申し上げます。 まず、一ページの交通安全施設整備事業に関する緊急措置法に基づく事業でございます。 交通事故によります負傷者はピーク時に比し著しく減少しておりますが、昭和五十三年以降事故件数及び負傷者数については増加の傾向が見られる等、交通事故は依然大きな社会問題であります。このような事態を踏まえ第二次交通安全施設等整備事業五ヵ年計画に引き続き、昭和五十六年度から第三次五ヵ年計画を発足させ、交通安全施設等の一層の整備拡充を図ることとしております。 二ページにございますように、第三次五ヵ年計画においては、歩道、自転車歩行者道の整備を最重点に推進するとともに、その他の交通安全施設についても引き続き整備を推進することとしており、また新しい事業としていわゆるコミュニティ道路の整備及び道路情報提供装置の整備を図ることとしております。 五ヵ年計画の内訳は三ページ記載のとおりでございます。 昭和五十七年度の特定交通安全施設等整備事業については、四ページにございますように、この計画の第二年度として約千五百五十八億円を計上し、交通安全施設等の整備を推進することとしております。さらに同じく四ページ下段にございます一般の道路の改築事業による交通安全対策事業でありますが、小規模バイパスの建設、現道拡幅などの交通安全事業であります。 次に、五ページにございます道路防災対策事業でありますが、昭和四十三年の飛弾川バス転落事故以来、重点的に危険個所の整備を図っているところであります。 次に、六ページから七ページの踏切道の立体交差化等事業であります。踏切事故の防止については、踏切道改良促進法に基づき昭和五十六年度以降五カ年間において改良することが必要な踏切道を指定し、立体交差化事業等により改良を促進することとしております。 昭和五十七年度の事業計画は八ページに記載しておりますとおりであります。 次に、九ページの大規模自転車道の整備事業であります。道路整備事業の一環として昭和四十八年度から整備に努めているものでありまして、昭和五十七年度は継続事業四十一路線、新規五路線の整備を進めていくこととしております。 次に、飛びまして十一ページから十二ページの都市交通環境整備事業についてであります。 まず、居住環境整備事業でありますが、昭和五十七年度は、居住環境整備地区について二十二地区、歴史的環境整備地区について四地区で事業を実施するほか、五地区について調査を実施することといたしております。 次に、十三ページの総合都市交通施設整備事業でありますが、本事業は地域の環状道路、歩行者専用道、広場等都市交通施設を総合的に整備するもので、昭和五十二年度より街路事業で実施することとしております。 次に、十四ページにございます自転車駐車場整備事業でありますが、都市における通勤、通学、買い物等のための自転車利用の増大に伴い、昭和五十三年度から三大都市圏等で地方公共団体が都市計画事業により推進することとしております。 また、十五ページの民間自転車駐車場の整備については、昭和五十四年度に設立された財団法人自転車駐車場整備センターを中心として民間自転車駐車場の一層の整備の促進を図ってまいることとしております。 次に、同じく十五ページにございます駐車場整備事業でございますが、昭和五十七年度は地方公共団体が設置する都市計画駐車場について地方債のほか無利子資金貸付金として事業費約二十二億円を予定しております。 次に、十六ページにございます都市公園整備事業についてでありますが、昭和五十六年度から発足した第三次都市公園等整備五ヵ年計画に基づき、住区基幹公園、都市基幹公園及び緑道の整備を推進することといたしております。 次に、飛びまして十八ページにございます道路の管理についてでございます。道路交通の安全を確保するため、不法占用物件の排除や地下埋設物に対する監査の強化及び共同溝の整備を促進することとしております。 また、大型車、重量車に対する事故防災対策でありますが、関係機関と密接な連携をとりつつ違反車両の指導取り締まりを強化してまいる方針であります。 さらに、二十ページにありますように、道路交通情報を迅速、的確に収集し提供するため、財団法人日本道路交通情報センターを中心として道路交通情報の収集、提供体制を一層充実してまいる所存であります。 次に、二十二ページにございます高速自動車国道における救急対策であります。昭和五十七年度もその拡充を図ることといたしております。 次に、二十三ページにございます道路交通の安全に関する調査研究であります。昭和五十七年度も交通安全施設等の整備に関連する調査研究を重点的に実施することとしております。 最後に、二十四ページにございます建設業者に対する交通安全についての指導でありますが、今後とも交通事故の防止の徹底について強力に指導を進めてまいる方針であります。 以上で昭和五十七年度の建設省の交通安全施策についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○委員長(坂倉藤吾君) 以上で説明聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十六分散会