決算委員会 第9号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1982/07/05
会議録
○委員長(竹田四郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 去る五月十四日の本会議におきまして、本委員会の委員長に選任されました竹田四郎でございます。浅学非才の未熟者でございますが、その責任の重大さを痛感いたしております。幸い、皆様の御指導と御協力によりまして、過ちなくこの大任を果たしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしく御支援、御鞭撻を賜りますようにお願いいたします。(拍手) この際、前委員長和田静夫君から発言を求められております。和田静夫君。
○委員以外の議員(和田静夫君) お許しをいただきまして、一言御礼を申し上げます。 私が本委員会の委員長を仰せつかりまして以来一年間、理事、委員各位、事務局の皆様の御支援と御鞭撻により、決算審査も順調に推移いたしました。この間、私は財政運営における決算審査の意義を高めることに努力いたしたつもりであります。それがもし成果あるものであったとすれば、これはひとえに皆様方の御支援、御鞭撻のおかげでございます。心からこの際感謝を申し上げます。 今日、財政再建が重要な局面に差しかかっておりますし、本委員会の役割りは前にも増して重要さを高めております。明敏な新委員長を中心に、皆様方の御研さんによりまして、本委員会の真髄を発揮していただけますよう御期待を申し上げます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(竹田四郎君) まず、委員の異動について御報告いたします。 ————————————— 去る五月十三日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として私竹田四郎が選任されました。 また、五月十四日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。 また、五月十八日、佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。 また、六月二十六日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任されました。 また、七月一日、坂倉藤吾君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。 —————————————
○委員長(竹田四郎君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。 目黒今朝次郎君から、去る五月十四日、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に粕谷照美君を指名いたします。 —————————————
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十四年度決算外二件、昭和五十五年度決算外二件を便宜一括して議題といたします。 まず、昭和五十四年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十四年度予算は、昭和五十四年四月三日に成立いたしました。 この予算は、厳しい財政事情のもとで経済情勢に適切に対応するとともに、できる限り財政健全化に努めることとして編成されたものであります。 さらに、災害復旧等事業費、国家公務員の給与改善費等について所要の措置を講ずるとともに、租税収入の増加等に伴い、公債金の減額を行うこととし、補正予算が編成され、昭和五十五年二月十四日その成立を見ました。 この補正によりまして、昭和五十四年度一般会計予算は、歳入歳出とも三十九兆六千六百七十五億円余となりました。 以下、昭和五十四年度決算につきまして、その内容を御説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は三十九兆七千七百九十二億円余、歳出の決算額は三十八兆七千八百九十八億円余でありまして、差し引き九千八百九十三億円余の剰余を生じました。この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十五年度の歳入に組み入れ済みであります。 なお、昭和五十四年度における財政法第六条の純剰余金は二千百四億円余であります。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額三十九兆六千六百七十五億円余に比べて、千百十六億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額二千七百十億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十四年度の歳入の純減少額は千五百九十三億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入、雑収入等における増加額四千百八十六億円余、公債金における減少額五千七百八十億円余となっております。 一方、歳出につきましては、予算額三十九兆六千六百七十五億円余に、昭和五十三年度からの繰越額二千四百九十一億円余を加えました歳出予算現額三十九兆九千百六十七億円余に対しまして、支出済み歳出額は三十八兆七千八百九十八億円余でありまして、その差額一兆千二百六十八億円余のうち、昭和五十五年度に繰り越しました額は六千三百四十二億円余となっており、不用となりました額は四千九百二十六億円余となっております。 次に、予備費でありますが、昭和五十四年度一般会計における予備費の予算額は三千五百億円であり、その使用額は二千三百二十四億円余であります。 次に、昭和五十四年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 次に、昭和五十四年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払い並びに昭和五十四年度政府関係機関の決算でありますが、これらの内容につきましては、昭和五十四年度国税収納金整理資金受払計算書及び各政府関係機関決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が、昭和五十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書の概要であります。 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十四年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十四年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要につきまして御説明いたします。 昭和五十四年度に増加しました国有財産は、行政財産一兆四千二百二十九億四千四百五十三万円余、普通財産一兆千九百五十八億六千八百五十一万円余、総額二兆六千百八十八億千三百四万円余であります。また、同年度に減少いたしました国有財産は、行政財産四千七百三十二億八千七百二十一万円余、普通財産二千八百九十四億六千三百五十七万円余、総額七千六百二十七億五千七十九万円余でありまして、差し引き一兆八千五百六十億六千二百二十五万円余の純増加となっております。これを昭和五十三年度末現在額二十六兆四千四百九十二億八千四百九十二万円余に加算をいたしますと、二十八兆三千五十三億四千七百十七万円余となり、これが昭和五十四年度末現在における国有財産の総額であります。この総額の内訳を分類別に申し上げますと、行政財産十七兆二千二百八十五億二千七百三十万円余、普通財産十一兆七百六十八億千九百八十七万円余となっております。また、国有財産の総額の内訳を区分別に概略を申し上げますと、土地七兆二千七百八十九億四千八百十四万円余、建物三兆四千五百十六億六千八百五十二万円余、政府出資金等九兆六百六十三億六千四百三十六万円余、その他八兆五千八十三億六千六百十四万円余となっております。 次に、昭和五十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要につきまして御説明いたします。 昭和五十四年度中に増加しました無償貸付財産の総額は五百四十七億千六百九十五万円余であり、また同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は三百七十七億千五百十万円余でありまして、差し引き百七十億百八十四万円余の純増加となっております。これを昭和五十三年度末現在額三千八百七十七億八千七百七十六万円余に加算をいたしますと、四千四十七億八千九百六十一万円余となり、これが昭和五十四年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。 なお、これらの国有財産の総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十四年度決算検査報告並びに昭和五十四年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。大村会計検査院長。
○会計検査院長(大村筆雄君) 昭和五十四年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 会計検査院は、五十五年十月十四日、内閣から昭和五十四年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十四年度決算検査報告とともに五十五年十二月十日内閣に回付いたしました。 昭和五十四年度の歳入、歳出等に関し、会計検査院が、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について検査した実績を申し上げますと、書面検査は、計算書二十三万九千余冊及び証拠書類六千九百二十七万余枚について行い、また、実地検査は、検査対象機関の官署、事務所等四万二千余カ所のうち、その八%に当たる三千四百余カ所について実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して約千四百七十事項の質問を発しております。 このようにして検査いたしました結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を説明いたします。 まず、不当事項について申し上げます。 不当事項として検査報告に掲記いたしましたものの件数、金額は、合計百五十七件、二百三十億千四百四十三万余円であります。 これを前年度と比較いたしますと、件数で七件の減少、金額で百八十四億五千七百四十六万円の増加となっております。 このうち、収入に関するものは、五件、十七億七千九百五十万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収額に過不足があったものや、保険料の徴収額に過不足があったものなどであります。 また、支出に関するものは、百三十四件、二百十億八千百五十八万余円でありまして、その内訳は、予算経理に関し、架空の賃金、旅費または会議費を別途に経理し、会食等の経費に充てていたものなどや、給与の支出及びその決算処理が不当と認められるものが、労働省及び日本電信電話公社において、計四件、百九十八億二千八百五十八万余円、補助金に関し事業の実施及び経理が適切でなかったものが、厚生省、農林水産省、通商産業省、建設省等において、計九十九件、四億七千九百八十一万余円ありましたほか、日本鉄道建設公団において隧道工事に伴う飲料水の渇水対策補償費の支払いが適切でなかったもの一件、二億五千六百九十万余円などが主なものであります。 以上の収入、支出に関するもののほか、保管中の物品や郵便貯金の預入金等に係る職員の不正行為が文部省及び郵政省において、計十八件、一億五千三百三十四万余円でありました。 次に、意見を表示し、または処置を要求した事項について説明いたします。 五十五年中におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により、是正改善の処置を要求いたしましたものは、農林水産省及び建設省に対するもの、それぞれ二件、大蔵省、通商産業省、郵政省、中小企業金融公庫、日本道路公団に対するもの、それぞれ一件、合計九件、不適正経理額にして四千百五十二億九千二十二万余円であります。 そのうち、主な事例について説明いたしますと、農林水産省及び建設省の補助事業において、年度末に事業が完了していないのに、予算の繰越手続をとることなく、事業が完了したように関係書類を作為して補助金を受領していた事態が検査の結果多数発見され、また、郵政省において、第三種郵便物の法定要件を具備しないものを低料金の第三種郵便物として取り扱っていた事態が多数発見されましたので、これらについての是正改善を求めたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。 これは、検査の過程で会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により、意見を表示し、または処置を要求すべく質問を発遣するなど検討しておりましたところ、当局において、本院の指摘を契機として直ちに改善の処置をとったものでありまして、防衛庁において物品増減及び現在額報告書に多額の計上漏れ等があった事態や、工事費の積算基準が適切を欠いていたものなど、十一省庁等について計十三件、不適正経理額にして千三百四十二億六千二百十三万余円を掲記いたしております。 最後に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。 この事項は、事業効果等の見地から問題を提起して、事態の進展を図るために掲記しているものでありますが、昭和五十四年度決算検査報告には二件を掲げておりまして、農林水産省における国営農地開発事業によって造成した農地の利用に関し、また、森林開発公団における大規模林業圏開発林道事業の施行に関し、それぞれ事業の実施状況や投下された国家資金等の検査結果を踏まえ、投資効果が発現されていない事態について問題提起を行ったものであります。 以上をもって検査報告の概要の説明を終わります。 次に、昭和五十四年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 会計検査院は、五十五年十月二十四日、内閣から昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十四年度国有財産検査報告とともに、五十五年十二月十日内閣に回付いたしました。 検査の結果、昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十四年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、昭和五十四年度決算検査報告に「不当事項」等として掲記したものはありません。 以上をもって概要の説明を終わります。
○委員長(竹田四郎君) なお、ただいま聴取いたしました昭和五十四年度決算外二件等の概要につきましては、詳細にわたる説明を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十五年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十五年度予算は、昭和五十五年四月四日に成立いたしました。 この予算は、公債発行額をできる限り圧縮して、財政再建の第一歩を踏み出すとともに、国民生活の安定と経済の着実な発展に配意することとして編成されたものであります。 さらに、農業保険費、災害復旧等事業費等について所要の措置を講ずるとともに、租税収入の増加等を見込むこととし、補正予算が編成され、昭和五十六年二月十三日その成立を見ました。 この補正によりまして、昭和五十五年度一般会計予算は、歳入歳出とも四十三兆六千八百十三億円余となりました。 以下、昭和五十五年度決算につきまして、その内容を御説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は四十四兆四百六億円余、歳出の決算額は四十三兆四千五十億円余でありまして、差し引き六千三百五十六億円余の剰余を生じました。 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十六年度の歳入に繰り入れ済みであります。 なお、昭和五十五年度における財政法第六条の純剰余金は四百八十四億円余であります。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額四十三兆六千八百十三億円余に比べて、三千五百九十三億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額六千四百十億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十五年度の歳入の純減少額は二千八百十七億円余となるのであります。 その内訳は、租税及び印紙収入、公債金等における減少額三千七百六十二億円余、雑収入等における増加額九百四十五億円余となっております。 一方、歳出につきましては、四十三兆六千八百十三億円余に、昭和五十四年度からの繰越額六千三百四十二億円余を加えました歳出予算現額四十四兆三千百五十五億円余に対しまして、支出済み歳出額は四十三兆四千五十億円余でありまして、その差額九千百五億円余のうち、昭和五十六年度に繰り越しました額は五千三百九十一億円余となっており、不用となりました額は三千七百十四億円余となっております。 次に、予備費でありますが、昭和五十五年度一般会計における予備費の予算額は三千五百億円であり、その使用額は二千五百二十億円余であります。 次に、昭和五十五年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 次に、昭和五十五年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払い並びに昭和五十五年度政府関係機関の決算でありますが、これらの内容につきましては、昭和五十五年度国税収納金整理資金受払計算書及び各政府関係機関決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が、昭和五十五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書の概要であります。 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十五年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十五年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十五年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要につきまして御説明いたします。 昭和五十五年度中に増加しました国有財産は、行政財産四兆千九十一億二千三百五十一万円余、普通財産三兆三千八十四億六千百六十八万円余、総額七兆四千百七十五億八千五百十九万円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産は、行政財産一兆五百四十六億五千七百七十三万円余、普通財産九千八百五十六億三千二百二万円余、総額二兆四百二億八千九百七十六万円余でありまして、差し引き五兆三千七百七十二億九千五百四十三万円余の純増加となっております。これを昭和五十四年度末現在額二十八兆三千五十三億四千七百十七万円余に加算いたしますと、三十三兆六千八百二十六億四千二百六十一万円余となり、これが昭和五十五年度末現在における国有財産の総額であります。 この総額の内訳を分類別に申し上げますと、行政財産二十兆二千八百二十九億九千三百八万円余、普通財産十三兆三千九百九十六億四千九百五十二万円余となっております。 また、国有財産の総額の内訳を区分別に概略を申し上げますと、土地十兆四千六百五十億七千百二十五万円余、建物四兆二千八百四十四億八百八万円余、政府出資等十兆四千百九十九億五千十三万円余、その他八兆五千百三十二億千三百十四万円余となっております。 次に、昭和五十五年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要につきまして御説明いたします。 昭和五十五年度中に増加しました無償貸付財産の総額は二千八百十四億九千三百二十六万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は九百五億九千三百七十七万円余でありまして、差し引き千九百八億九千九百四十八万円余の純増加となっております。これを昭和五十四年度末現在額四千四十七億八千九百六十一万円余に加算いたしますと、五千九百五十六億八千九百十万円余となり、これが昭和五十五年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十五年度決算検査報告並びに昭和五十五年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。大村会計検査院長。
○会計検査院長(大村筆雄君) 昭和五十五年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 会計検査院は、五十六年十月十三日、内閣から昭和五十五年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十五年度決算検査報告とともに、五十六年十二月十五日内閣に回付いたしました。 昭和五十五年度の歳入歳出等に関し、会計検査院が国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について検査した実績を申し上げますと、書面検査は、計算書二十三万九千余冊及び証拠書類六千九百二十六万余枚について行い、また、実地検査は、検査対象機関の官署、事務所等四万二千余カ所のうち、その八%に当たる三千三百余カ所について実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して約千三百事項の質問を発しております。 このようにして検査いたしました結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を説明いたします。 まず、不当事項について申し上げます。 不当事項として検査報告に掲記いたしましたものの件数、金額は、合計百八十件六十九億三千九百五十万余円であります。 これを前年度と比べますと、件数で二十三件の増加、金額で百六十億七千四百九十二万円の減少となっております。 このうち、収入に関するものは十一件二十六億二千四百八万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収額に過不足があったものや、保険料の徴収額に過不足があったものなど、例年同様の指摘事項のほか、職員の不正行為による損害を生じたものが、法務省、日本電信電話公社等において計六件、一億四百四十七万余円、その他、法務省において刑務作業製品展示会における販売代金の一部を別途に経理していたもの一件、三千四百六十三万余円が含まれております。 また、支出に関するものは百四十二件、四十億六千四百二十三万余円でありまして、その内訳は、工事に関し、予定価格の積算が適切でなかったため契約額が割り高になったもの、監督、検査が適切でなかったため、設計と相違して施工したものなどが、日本国有鉄道、日本道路公団、首都高速道路公団等において計八件、六億九千三百九十九万余円、補助金に関し、事業の実施及び経理が適切でなかったものが厚生省、農林水産省、通商産業省、建設省、日本私学振興財団等において計百十四件、二十五億八千六十四万余円などのほか、日本鉄道建設公団における建設機械等の損害額の過大支払い一億五千八百万余円や、日本発馬機株式会社における部品代の水増し支払いなどが主なものであります。 以上の収入支出に関するもののほか、簡易生命保険の保険料等に係る職員の不正行為が郵政省において二十七件、二億五千百十八万余円ありました。 次に、意見を表示し、または処置を要求した事項について説明いたします。 五十六年中におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により是正改善の処置を要求いたしましたものは、農林水産省に対するもの三件、日本電信電話公社に対するもの二件、厚生省、住宅金融公庫に対するものそれぞれ一件、計七件、指摘金額にして三百五十一億二千三百五十二万余円であります。 農林水産省に対しては、自然休養村整備事業等の実施、飼料用小麦の売り渡し予定価格の積算、及び林道事業の実施に関し、厚生省に対しては、保育所措置費補助金に関し、日本電信電話公社に対しては、市内交換機設備の設置及び利活用、ステップ・バイ・ステップ交換機の撤去スイッチ類売り払い予定価格の積算に関し、住宅金融公庫に対しては貸付資金の調達に関し、それぞれ適正化するよう是正改善の処置を要求したものであります。 次に、本院の指摘に基づき、当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。 これは、先ほども説明いたしましたように、検査の過程で本院の指摘を契機として当局において直ちに改善の処置をとったものでありまして、工事費の積算基準が適切でなかったものなどに関し、日本国有鉄道の三件を初め、十省庁等について計十六件、指摘金額にして八十九億七千八十八万余円を掲記いたしております。 最後に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたしますと、昭和五十五年度決算検査報告には計五件を掲記しておりまして、その内訳は、農林水産省における国営干拓事業の実施、及び水田利用再編対策事業における管理転作奨励補助金の交付に関するもの、日本国有鉄道における貨物営業に関するもの、日本住宅公団における用地の利用及び住宅の供用の状況に関するもの、雇用促進事業団における移転就職者用宿舎に関するものでありまして、これらの事業運営や投下された国家資金等に対する検査の結果、事業運営上あるいは投資効果上問題があると認められた事態について問題を提起いたしたものであります。 以上をもって決算検査報告の概要の説明を終わります。 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁などにおいてもさらに特段の努力を払われるよう望んでいる次第であります。 次に、昭和五十五年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 会計検査院は、五十六年十月二十三日、内閣から、昭和五十五年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十五年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十五年度国有財産検査報告とともに、昭和五十六年十二月十五日内閣に回付いたしました。 検査の結果、昭和五十五年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十五年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、昭和五十五年度決算検査報告で不当事項等として掲記したものはありません。 以上をもって国有財産検査報告の概要の説明を終わります。
○委員長(竹田四郎君) なお、ただいま聴取いたしました昭和五十五年度決算外二件等の概要につきましては、詳細にわたる説明を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 さらに、昭和五十四年度、昭和五十五年度両年度決算中、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の概要につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 以上で昭和五十四年度決算外二件及び昭和五十五年度決算外二件に関する概要説明の聴取を終わりました。 —————————————
○委員長(竹田四郎君) 次に、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十五年度特別会計予備賢使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各劣各庁所管使用調書(その1)、昭和五十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上八件を一括して議題とし、審査を行います。 まず、これらの説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件並びに昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十五年度一般会計予備費予算額三千五百億円のうち、昭和五十五年四月五日から同年十二月十九日までの間において使用を決定いたしました一千三百九十九億九千五百三十五万円余につきましては、すでに第九十四回国会において御承諾を得たところであります。 その後、昭和五十六年一月二十七日から同年三月三十一日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千百二十億七千八万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、公立学校施設災害復旧に必要な経費等の四件、その他の経費として、国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の二十三件であります。 次に、昭和五十五年度各特別会計予備費予算総額三兆三千四百四十三億九千五百六万円のうち、昭和五十五年十一月二十五日から同年十二月九日までの間において使用を決定いたしました百十一億七千七十四万円余につきましては、すでに第九十四回国会において御承諾をいただいたところであります。 その後、昭和五十六年二月七日から同年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千八十二億五千四百四十万円余であります。 その内訳は、外国為替資金特別会計における国債整理基金特別会計へ繰り入れに必要な経費等七特別会計の十一件であります。 次に、昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十五年九月二日から同年十二月十九日までの間において経費の増額を決定いたしました二百三十六億二千五百万円余につきましては、すでに第九十四回国会において御承諾を得たところであります。 その後、昭和五十六年三月十三日から同年三月二十七日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、六百五十一億六千七百四十一万円余であります。 その内訳は、資金運用部特別会計における預託金利干支払いに必要な経費の増額等三特別会計の三件であります。 次に、昭和五十六年度一般会計予備費予算額一千六百四十二億円のうち、昭和五十六年五月一日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました金額は、四百三十四億四千四百八十八万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業に必要な経費等の十一件、その他の経費として、広島県選挙区選出の参議院議員の補欠選挙に必要な経費等の二十三件であります。 次に、昭和五十六年度各特別会計予備費予算総額三兆七千六百五十一億四千六百八十七万円余のうち、昭和五十六年十二月八日から同年十二月十五日までの間において使用を決定いたしました金額は、十二億五千七万円余であります。 その内訳は、農業共済再保険特別会計農業勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費及び港湾整備特別会計港湾整備勘定における退職手当の不足を補うために必要な経費の二件であります。 次に、昭和五十六年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十六年九月十八日から同年十二月十五日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、八十五億九千四百二十五万円であります。 その内訳は、治水特別会計治水勘定における河川事業及び砂防事業の調整に必要な経費の増額等四特別会計の七件であります。 以上が、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件並びに昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十五年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額一千億円のうち、昭和五十五年発生河川等災害復旧事業費補助につきまして、昭和五十六年二月二十七日の閣議の決定を経て、総額百四十三億二千八百万円を限度として債務負担行為をすることといたしました。 次に、昭和五十六年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額一千億円のうち、昭和五十六年発生直轄河川災害復旧費につきまして、昭和五十六年十二月十五日の閣議の決定を経て、総額四億六千万円を限度として債務負担行為をすることといたしました。 以上が、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件の概要であります。 以上であります。
○委員長(竹田四郎君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○目黒今朝次郎君 ただいま議題となりました昭和五十五年度一般会計予備費の(その2)、五十六年度一般会計予備費使用総調書(その1)をこう一覧表で見ますと、災害関係、スモン病対策にかかわる関係、選挙にかかわる関係などなどについては、憲法の八十七条に定める予備費の項としてはそれなりに理解できるわけですが、ちょっとこの調書を見て理解に苦しむ点がありますので、二、三まず冒頭質問をいたします。 五十五年度一般予備費で国民健康保険国庫負担金八百二十二億と、旧軍人恩給の不足百三億と、金額でもこれ一番多いわけでありますが、健康保険関係で国庫負担金使うとか、遺族の恩給費で予備費を使うというのは、ちょっと予算の積算の際にどういう経過があるのか。特に予想しがたい病人のことでありますから、予想しがたい事件があればそれなりにわかるわけですが、積算としては、この八百二十三億は幾ら医療費が多いといっても、この出っ張りはおかしいじゃないか。恩給費の件もしかり、まずこの二つの件について内容の御説明をお願いしたい、こう思うんです。
○政府委員(宍倉宗夫君) 国民健康保険助成費の予算の見積もりでございますが、予算の見積もりに当たりまして、最近の実績を基礎にして見積もりをいたすわけでございます。そういうことでございますが、何せ国民健康保険の保険者というのは三千を超える団体がございますし、いま先生がおっしゃいましたように、その年々によって、はやり病などが起こることもございます。たとえば、五十五年でございますと、あの年は夏が冷とうございまして、夏かぜがたくさんはやったということになりますと、どうしても医療費がかさむということになりまして、いま先生おしっゃいましたように、この年では八百二十三億だったと思いますが、予備費をお願いをいたしているわけでございます。 いまおっしゃいましたように、予算というのは、歳出の見積もりでございます。見積もりでございますからして、どうしても過不足が出てくるのはいたし方ないことではございますけれども、それにいたしましても、八百二十三億というのは、当初の国民健康保険助成費の三・数%になりますが、その程度の誤差というのは過去にもなかったわけではございません。しかしながら、そういった誤差はなるべく少なくなるように、当初の見積もりに気を使い、また同時に執行に当たりましても、乱に流れないようにいたしてまいらなければならないものと存じております。 なお、もう一つ恩給費について御指摘がございましたが、恩給費につきましては失権部分の見積もりというのはなかなかむずかしゅうございます。その見積もりが、この年におきましては現実、若干狂いが生じたというようなことで、予備費の使用が出てまいってきているわけでございますが、なお予算の見積もりにつきましては、今後とも適正を期してまいりたいと存じております。
○目黒今朝次郎君 経過はわかるんですが、私は厚生省から参考までに五十一年から五十五年までの予備費の使用状況を取ったんですが、パーセンテージで五十一年が当初予算に対して一・二%、五十二年が〇・八、五十三年が一・七、五十四年が〇・二、五十五年のこの八百二十三億が三・九と、この五年間見ますと物すごい見込額が出っ張っておるんですよ。厚生省の事務当局から聞くと、インフルエンザが流行して、そこに使ったと、こういうプラスアルファーがあったということは事務当局から説明を求めましたが、これらについてはやむを得ないものとしてはわかりますが、今後もそういうことのないように最大の事務当局の御折衝をお願いしたい、こう思うんです。 それから大蔵省、運輸省と退職手当の不足というのが出てるんですが、これはどういうことなんですかな、退職手当の不足というのは。どうもちょっと解しかねるので、これの説明願いたいとこう思うんです。
○政府委員(宍倉宗夫君) 退職手当でございますが、御承知のように、現在までのところ、国家公務員には定年制というのはございませんものですから、各省におきまして、その年その年におきます退職人員の見積もりをいたしまして、予算要求をし、また予算計上をお願いいたしているわけでございます。そういうことなものでございますから、現実に退職する方が発生いたしますときに、どうしても過不足が生じてまいります。どちらかと申しますと、これまでは予算が過剰、つまり不用を生じる事例が多うございまして、何回か国会からも退職手当について不用を生じることが多いぞというおしかりをいただきまして、ここ数年シビアにやってまいってきておりますが、その結果徐々に今度予備費を使用するケースがふえてまいってきております。そこのところは各省におきまして、ある年は不用を生じ、ある年は予備費の使用を必要とするというふうに、各省によって違ってまいります。退職手当ということで見ていただきますと、毎年毎年予備費の使用が出てくるわけでございますけれども、その内容ば各省によってこうばらつきが、ある年は予備費使用、ある年は不用といったようなかっこうになってきているものもあるわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、予算の見積りが過不足ないということは理想の姿でございますから、それを目指しまして、なお適正な見積もりに努力をいたしてまいりたいと存じます。
○目黒今朝次郎君 いろいろ理由はあるんでしょうけれども、ただ運輸省が二十四億七千三百四十八万六千円、もう一件、同じ五十六年度で運輸省で十一億と、運輸省だけが二回で三十五億、こういうのも、一体運輸省が切瑳琢磨してどんどん人をやめさせた結果、退職金が——これは渡辺大蔵大臣から見ればこれは優良の良だと、ほかの官庁はと、こうなるんでしょうけれども、運輸省だけがこう出っ張るというのは、どうも解せないんで、まあこれ以上追及しませんから、この問題についても後ほどまた事務的に御説明してもらいたい。 それで、私はこの一覧表を見てますと、災害関係で、河川の復旧とか、道路の復旧とか、学校校舎の復旧とか、そういうようなのがこう出ているんですがね。いわゆる人的災害といいますか、死亡とか、負傷とか、こういうものについては一体五十五年、五十六年、災害に伴ってどのぐらいの死亡あるいは負傷、負傷も漠然としますが、一カ月以上ぐらいの重傷ですね、これが年間どのくらい出ているのか、関係省から説明願いたいと、こう思うんです。
○政府委員(荒井紀雄君) お答え申し上げます。 昭和五十五年度におきます災害によります死亡者及び負傷された方々の人数でございますが、行方不明の方を含めまして死者二百六十八名、負傷者二千七百二十三名となっております。 この主な災害でございますが、五十五年度におきましては六月二日から八月五日までの豪雨、それから八月二十一日から九月一日までの豪雨等の風水害による被害によりまして亡くなられた方が百名弱いらっしゃいます。 それから、五十五年度の特徴としましては、十二月中旬から五十六年の三月上旬にかけまして、いわゆる五六豪雪と言われました、あれによりまして亡くなられた方が百五十三名、負傷者二千百四十四名ということが大きい原因になっております。 以上でございます。
○目黒今朝次郎君 この死亡あるいは負傷をした方々には、自然災害等もあるでしょうが、こういう方々に対する弔慰金なり、見舞い金の支給について、どうなっているか、厚生省から実績を教えてもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(金田一郎君) お答え申し上げます。 昭和五十五年度における災害弔慰金の支給件数は百二十九件、災害援護資金の貸付件数は七百三十八件でございますが、それぞれに対しまして九千万円及び二億一千三百四十三万九千円の国庫負担が行われております。
○目黒今朝次郎君 それは、災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の三百万円以内、あるいは三章八条の療養を要する期間がおおむね一カ月以上の負傷者、これを基準に支給をしていると、こういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(金田一郎君) そのとおりでございます。
○目黒今朝次郎君 自治省にお伺いしますが、各都道府県でレクチャーの際に、各ブロック一カ所で結構であるから、いま厚生省が答弁したようなシステムで自然災害の死亡者、あるいは負傷者に見舞い金なり、弔慰金を払っている条例なり実績があれば、ひとつ参考までに御提示願いたい、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(津田正君) 都道府県で災害で死亡、あるいは傷害に対して見舞い金を支給することにつきまして条例化している例はございません。全然ございません。
○目黒今朝次郎君 全然ないですか。そうすると、この法律で各市町村はこれに基づいて云々というこの項は、ほとんど地方では発動されてないと、こういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(津田正君) 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の制度は、市町村が条例を設けて、こういうような弔慰金の支給、あるいは災害援護資金の貸し付けを行うことになっておりまして、その市町村が支出したものについての財源として、国の二分の一とともに都道府県が四分の一負担すると、こういうたてまえになっておりますから、窓口が市町村にしぼられておる、こういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 表現が悪かったら都道府県を市町村に直しますが、各地方自治体で、災害が発生した際に、死亡に対しては弔慰金、負傷に対しては見舞い金、あるいは家屋の損害に対する見舞い金、そういうことを市町村が条例なりいろんなことでやっておる自治体はないんですか、この法令以外に、自主的に。
○政府委員(津田正君) 法律に基づく以外のいわゆる見舞い金等につきまして、市町村で条例化しておるものはございます。
○目黒今朝次郎君 では、条例化しているのがあれば、その明細書、一覧表を、きょうは時間がないから、後ほどで結構ですから出してください。 ただ、条例化しているということはわかりました。いいですか、それで。
○政府委員(津田正君) 先生の御質問が、まず都道府県で条例化されているかという御質問でございましたが、都道府県は例がございません。市町村はございます。 また調査いたしまして、先生の方に御連絡申し上げたいと思います。
○目黒今朝次郎君 国鉄にお伺いしますが、自然災害あるいは国鉄などの責任で事故が起きた際に、一般人が負傷しますね、負傷または死亡、そういう乗客、あるいは一般人が死亡または負傷した際に、国鉄として見舞い金を出しているのか、出していないのか。出しているとすれば、何に基づいてどのくらいを目安に出しているのか。外部の人ですね、乗客に対して。どうですか。
○説明員(半谷哲夫君) 一般の災害でお客さんに負傷者等出ました場合には、国鉄からその治療費の負担並びにお見舞いのお金は出しているわけでございます。その金額につきましてはちょっといま資料を持っておりませんが、それぞれの内部的な基準がございまして、それをお支払いしているという状況であります。
○目黒今朝次郎君 それについて後ほどで結構ですから具体的に資料を出してください。 私がなぜそれを聞くかというと、さきの決算委員会で、福島県会津の只見線にかかわる事故について私は質問をいたしたことがあります。その後かれこれ一年ほどたっているんですが、私の方から関係者の方に再三その後の経過について説明を求めても、うんともすんとも返事もしない、そういうような不誠意がありますので、この際具体的にお聞きしますから、関係者でぜひ御答弁願いたいと思います。 まず、建設省、自治省にお伺いしますが、福島県の県道小栗山−宮下線というのは一体だれが管轄しているんですか。建設省、自治省どっちでも結構です。
○政府委員(沓掛哲男君) 道路法に基づき福島県が管理いたしております。
○目黒今朝次郎君 この県道小栗山−宮下線土砂崩れ調査検討会議に建設省がかかわりを持っていると思うんですが、だれがかかわりを持っていますか。
○政府委員(沓掛哲男君) 建設省が直接これにかかわっておるわけではございませんで、福島県が学識経験者をもってこの会議を構成いたしておりますが、その構成メンバーの中に建設省の土木研究所の室長さんが参加いたしております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、建設省の安江朝光というんですか、この方が福島県の委嘱でこの検討会に入っているということは認めますね。——そうしますと、おたくの直轄の方が行っているんですが、この報告書については、これはいつできたんですか。
○政府委員(沓掛哲男君) この検討会議は昭和五十五年十二月十一日に設置されまして、その後、この専門家による調査、検討がなされ、最終検討が昭和五十七年一月十四日に総合審議として行われ、報告書として出されております。
○目黒今朝次郎君 一月十四日に福島県知事に出したんですか。
○政府委員(沓掛哲男君) 知事にその日に出したかどうかは私も確認いたしておりませんが、最終審議が一月十四日に行われまして、そのものが知事に報告されていると。日時については確実じゃございませんが、最終審議は一月十四日であるということでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、この県道は福島県が管轄しておりますが、この事故の原因とか内容とか、そういうものにかかわる問題については、おたくは答弁能力あるんですか、ないんですか。
○政府委員(沓掛哲男君) 直接的な内容につきまして答弁能力があるかどうかと言われると、直ちに答弁能力があるというふうには申されませんが、先生から御質問いただきましたので、この調査報告書は私一応読まさしていただいておりますので、そのわかる範囲内でお答えさしていただきたいというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 その前に、国鉄側はこの前の私の質問に対して、国有鉄道施設局の土木課長村上温さんという人は、決算委員会で私の質問に対して、いま福島県側が学識経験者で検討中なので、その検討を待って原因その他について答弁しますと、そういうことになっておったんですが、いま建設省一月十四日に最終で云々とあったんですが、これは国鉄側は正式に福島県側から報告を受けているんですか、受けてないんですか。受けているとすれば、いつ、だれが受けておったんですか。
○説明員(半谷哲夫君) 私どもの方の出先機関であります仙台の鉄道管理局、これが県側から調査結果の説明を受けたというのは、本年——五十七年の四月九日と聞いております。
○目黒今朝次郎君 それはだれが受けて、どういう説明受けたんですか。
○説明員(半谷哲夫君) これは恐らく仙台の管理局の、こういう施設を担当しておりますのは施設部でありますから、施設部の職員が県庁の道路維持課の方からの説明を受けたということになっております。
○目黒今朝次郎君 道路維持課からその報告書を受けて、一体国鉄当局はどういう説明を受けて、どういう専門的な分析をやったんですか。
○説明員(半谷哲夫君) 事故が起きました直後、その原因につきましていろいろ県に問い合わせたわけでありますが、これにつきましては、先ほどお話のありましたように、学識経験者による調査を行うということでありましたので、その結果の出るのを待っていたわけであります。その結果は、先ほど先生からお示しになりましたこの委員会の調査報告書ということでまとめられておりまして、内容的に見ますと、やはり何といいますか、この災害が人災という範疇に入るのか、あるいはいわゆる天災ということになるのかということにつきまして、いろいろ説明が書かれているわけでありますが、県の方からは、やはりこれは天災ということである。結論的にはそういう説明を受けているわけであります。
○目黒今朝次郎君 天災と言うなら、この条文のどこを根拠に天災と言うんですか、教えてください。この「事故原因」とありますが、事故原因のどこが天災なんですか。ちょっと教えてください、天災の根拠。
○説明員(半谷哲夫君) これは私どもの方から御答弁申し上げるのが適当かどうかわかりませんけれども、私どももこの事故原因の最終的にまとめられました文書を見まして、いろんな原因等述べられておりますけれども、結局この災害を起こした決定的な原因として、何といいますか、その付近でやっていた工事が原因であるとかというようなことには決定的にはなってないということでありますので、これらを総合いたしますと、県のおっしゃっているようなその判断が妥当であるのかというふうに判断したわけであります。
○目黒今朝次郎君 だからこの根拠の、(イ)、(ロ)、(ハ)とあるんですが、(イ)、(ロ)、(ハ)のどこが、そういう抽象的じゃなくて、私も現地に二回も行って見ているんですから。ここが落石したんですよ。ここが工事中。この工事中と直接関係ありませんよ、そんなこと。何チンプンカンプン言っているの。工事中と関係ないですよ。この土砂が崩れてきたんですよ。国鉄側しっかりしてくださいよ。県が管轄する国道の土砂が崩れて、気動車が脱線転覆して、運転士が死ぬ一歩手前までいったんでしょう。あれが普通の旅客だったらどうですか。何十名という死亡者を出したでしょう。回送列車だからよかった。運転士だけがけがした。そんな重大な被害を国鉄が受けて、そんなのんびりしていていいんですか。合理化問題で職員に厳しいこと言っておって、一体この国鉄の損害幾らですか。負傷者の見舞い、医療費、車両の破損、線路の復旧、それから列車が約二十時間とまっておった、それに伴う損害、総額単純計算で幾らですか、国鉄の損害は。
○説明員(半谷哲夫君) この災害が起きましたときの直接の復旧費、これが約三百万ぐらいであります。それから、そのときに気動車二両が、一両が下に落ちるというような事故になりまして、二両が廃棄ということになりました。したがいまして、この気動車二両分、これが損害として出てきております。それから治療費、この乗務員、気動車運転士が重傷を負いましたけれども、この治療費が約百二十万ぐらいかかっております。それから運転士に対します補償につきましては、医師の最終的な判定を待ちまして算定するということで、現在検討中であります。
○目黒今朝次郎君 総額幾らですか。
○説明員(半谷哲夫君) 気動車の価格がちょっといま手元にございませんけれども、気動車二両含めまして、治療費、復旧費四百二十万プラス気動車二両分ということでございます。
○目黒今朝次郎君 幾らですかと聞いている。
○説明員(半谷哲夫君) ちょっと気動車の現在価格いまつかんでおりませんので、後ほどお知らせ申し上げます。
○目黒今朝次郎君 私はここに写真全部ありますがね、脱線の現場、それから鉄橋から墜落して川の中に入ってしまった状況。それから建設省ね、現に災害が起きて、道路の水際のここで現にとめておったんですね。復旧作業やっておったんですよ。この復旧作業やっておった上なんですよ。だから土質は同じじゃないですか、同じ山ですから。それで、私はこれが自然災害だということば、これ幾ら読んでも私はわからないんですよ。ですから、きょうはこれ以上言ったって時間がいたましいから、これが自然災害だという根拠を、私も技術屋の端くれですから、これ教えてくださいよ。ずいぶんわれわれも全林野、国有林に世話になっておりますからね、山をずいぶん歩いています。ですから、これが自然災害だという根拠を、この(イ)、(ロ)、(ハ)では、私が頭が悪いのかどうかしれませんが、私わからないんですよ。だから、おたくに失礼だけれども当事者能力あるんですかと言ったのは、わからなければ、この専門家の何とかという建設省の専門員になった方、この人に参考人として来てもらって、あるいは福島県の土木部長さんにここへ来てもらって、それを教えてもらいたいと思って私は言ったんです。ですから、きょうはここでは時間がありませんから、専門的にひとつ解明をしてもらいたいということを、国鉄側と建設省に要請だけしておきます。そして、その事務的な折衝いかんによっては、参考人として関係者を招致したいと思っております。 それから、国鉄側にもう一回聞きます。あなたの方では、宮下−早戸間、この脱線事故が起きた五十五年の十二月までに、一月七日四十七キロ、一月九日四十六・八キロ、一月十六日四十七・八キロ、一月十七日五十二・六キロ、二月十日四十六・九五キロ、二月十二日四十七・六キロ、二月十四日五十一・三キロ、同じく二十四日四十六・何キロと、ずっと計算したら、一月、二月だけでも、この落石事故のあったところに十何回落石があって、乗務員が通告しているんですよ。あそこは土砂崩れがあります、石が崩れてきました、危のうございます、要注意個所です、何とかしてくださいと。五十五年からずっと乗務員がその都度申告しておって、全然手を打たないで、そして五十五年の十二月一日、こういう重大事故が発生しているんですよ。この事実関係は確認されていますか。落石事故が、只見線はほかの個所も落石が多いけれども、特にこの区間は乗務員からこういうふうに毎月毎月三件から五件同じ個所が申告されておる。その前後ですね、落石場所から百メーターから三百メーター前後、ずっと毎月三件から五件、多いときは十件、五十五年に入って一月、二月、三月−十二月まで。これだけ現場の方に要注意個所として申告されておるのに、何ら手を打たないまま今回の事故が発生したというのは一体どういう因果関係なんでしょうか。常識から見れば、私も乗務員を経験していますからね、やっぱり落石があれば早いところ国道を巡回するとか、県の方に言うとか、あるいは営林署に言うとか、何とかして事故の起きないように事前の措置をするのが管理責任者の仕事じゃないですか。ある日突然あったのなら私もわかります一これだけの落石事故があって、現場長に再三再四育っているにかかわらず、どういう手を打ったんですか、国鉄側が。そして、県の方はどういう通告を受けて、どういう予防措置を打ったんですか。にわかに雨が降るわけじゃないですよ、これは。そういう前後の関係から考えますと、この報告書は責任を逃れるためのでたらめだ。管理者としてそういう事前通告に対してどういう予防措置をとったのか、これについて国鉄側と建設省に、そういう通告に対してどういう措置をとったのか、ひとつ御答弁願いたい、いかがですか。
○説明員(半谷哲夫君) いま目黒先生から御指摘のように、この只見線というのは非常に地形条件の厳しいところを線路が縫うように走っておりまして、私もかつてこの管内を担当いたしておりまして、この状況はつぶさに承知しているわけでございます。落石の問題と同時に、豪雪地帯でありますので、雪に対する対策も非常に重要な線であります。したがいまして、私どもといたしましては、この只見線の沿線を見まして、いま御指摘のような落石がある、あるいはなだれの危険性のあるというところを重点的に毎年金を入れまして、四億から五億ぐらいの金を入れまして、この沿線の防災強化対策に努めてきております。五十六年度におきましても約四億の防災対策の金を投じているという状況であります。 それから、先ほど御指摘の五十五年十二月の災害というのは非常に残念ではありますが、国鉄線の上の方を県道が走っておりまして、その県道のさらに上部の方、先ほど先生がお示しいただきましたようなのり面が崩壊して、それが県道を埋め、さらに線路にかぶさったという状況でございまして、こういった国鉄用地を離れましたこののり面につきましても、危険と思われる個所につきましては、それぞれ道路管理者なり、県なりにお話を申し上げまして、その対策をとっていただいているということでございます。事故の起きました個所につきましても、実は県道が拡幅された後の状況を見ますと、やはりのり面の強化が必要じゃないかということから、県の方にそのことを申し上げ、それに基づきましていろいろ県で対策工事を実施中という段階でこの事故が起きたわけでございます。そういうことで、私どもも決してこれを放置しているんじゃなくて、何とかこの災害を起こさないようにということでいろいろ対策をとってきているわけでございますが、不幸にしてこの事故を起こしましてまことに申しわけないと思いますが、今後とも十分注意していきたいというふうに考えております。
○政府委員(沓掛哲男君) 先生いまのり面崩壊の原因がどうかということでございますが、これは大きく分けて二つあると思います。一つは、この事故発生直前の二カ月間、降雨日数が実に四十二日と長きにわたっております。また、直前十日間は連日降雨がございました。また、この崩壊した地質は礫まじりの粘土層が多うございます。したがって、非常に長い期間の間に徐々に水が浸透して、この地質が水で飽和され、間隙水圧が高まって、崩壊に導かれたものというふうに思っております。 いま申しましたように、非常に長期間にわたる秋雨、そしてまたいま申しましたような地質、そういうものが絡み合っての事故の原因だというふうに思っておりまして、こういうものを事前に予知するということは不可能であり、私たちとしてはこういう事故を不可抗力的だというふうに考えております。実は五十五年の当初に、こういう道路ののり面の崩壊、あるいは落石防止を行うための全国一斉の総点検を行っておりますし、当然この沿線についても点検が行われております。その際、通常の調査方法で行った結果、支障がないであろうということで、この地点は全国で集められた七万七千カ所の危険個所には入っておりませんが、現在建設省といたしましては、この五十五年度の総点検に基づく七万七千カ所の危険個所の対策を鋭意進めているところでございます。
○目黒今朝次郎君 答弁が総括的じゃわかんないです。この脱線したここは四十八キロでしょう、国鉄の事故報告によると。国鉄側も四十八キロ前後に乗務員が——実際遭ったのは乗務員でしょう、毎日運転しているから。その前後に落石があると、土砂崩れがあると、さらさらさらさら崩れてくると、おかしいおかしいと言っているんでしょう。おかしいおかしいということを乗務を終わって、助役を通し区長に言っているんでしょう。それを受けて、一体国鉄側は線路の安全のためにどういう対策を打ったか、乗務員の申告に対して。そのことを言っているんですよ。何億投じたなんて言ってないですよ。その際に、当然として国鉄敷地内は国鉄の管理者が責任ある。ところが、国有林とか、民有林とか、あるいは道路という場合には、おのおの管轄責任者がおるんでしょう。たとえば国有林であれば、営林署にどうもうちの乗務員が言っているから山を点検してくれと、あるいは道路管理者には、どうもうちの乗務員が毎日落石があるらしいと、あの辺を点検してくれと言って関係者に通告するのが当然じゃありませんかと私言っているんですよ。その通告をしましたかと聞いているんですよ。県の方はそういう通告を受けましたかと言っているんですよ。受けてどういう予防措置を打ったんですかと、そういうことを具体的に脱線個所で私は言っているんですよ。 これはちなみに私が行ったときの国鉄の防護さくは私の背ぐらいだ。こんなのが倒れている。ところがあなた、この事故が起きてからこんなりっぱなものをつくったんですね。これは私の背の三倍ありますよ、こんな鉄筋使って。 仮に、乗務員から通告があった際に事前の手を打っていれば、私が言っている古い防護さくではこれは危険だなと、早急に手を打つ必要があるなとか、あるいは土砂崩れのくいを打つ必要あるなという手を打っていれば、この上の方の崩壊はないじゃありませんか。この辺が危ない危ないと言っているんですから。手を打ってここに食いとめるくいを打てば、この落石はなかったじゃありませんか。あなたは雨が降っていると言っていたでしょう。雨が降っている、落石があると、乗務員がハンドルを持ちながら毎日見ているんだから、危険を知っているのは乗務員でしょう。あなた方は専門家だと言ったって見ているわけじゃないでしょう。乗務員はハンドルを持ちながら見ているんですから、毎日。きょうも落石した、きょうも落石したと、危ないな危ないなって。とうとう本番にひっかかっちゃった。そういう事実関係は否定しますか、肯定しますか。私はそういう具体的事実を突いているんですよ。それに疑問があったら国鉄側で現場長に対する乗務員の申告書を全部持ってきなさいよ。これ私一覧表をみんな持って来たんだから。この間現地調査へ行って、乗務員の申告書。この乗務員の申告書に対して、国鉄はどういう手を打って、通告を受けたのか受けないのか、そういうことを具体的に答弁してください。
○説明員(半谷哲夫君) いま御指摘のありましたこの現地の状況の乗務員報告というのは、局としてはすべて聞いております。 それで、ちょうどこの事故が起きましたときに、こののり面の防護の工事、県道ののり面防護の工事を県が実施中でございました。ちょうど、この工事を実施している付近で土砂崩壊が起きているわけでありますが、こののり面強化を国鉄から県に申し入れたというのが昭和五十五年、時期ははっきりいま記憶しておりませんが、五十五年に県に要請いたしまして、県の方もこの状況を調査した上で、県道ののり面強化工事を五十五年十月から実施、始めていたわけでございます。 これは、いま先生御指摘のように、崩壊した個所まではこのコンクリートのブロックを積み上げるわけでありますけれども、それはいきませんけれども、この下の方を押さえるということによって、上の崩壊を防ぐという効果が当然あるわけでありますから、こののり面防護工というものが実施されつつあった段階で、不幸にしてこの事故が起きたということでありまして、当然乗務員からのいろんな状況、それからこの沿線の施設を管理しております職員等が現地を見まして、県に申し入れをし、県の方が調べて工事を出す、その工事を実施中に起きたという状況でございます。
○目黒今朝次郎君 そうするとあれですか、国鉄側はあくまでもそういうふうに主張するんですか。そうすれば、一体この乗務員の、これ聞いてくださいよ、これは私によこした、けがしてからですよ。 それから、警察庁にお伺いしますが、警察庁はこの事故発生と同時に、東北工業大学の先生を使って現場鑑定をやっていますな。現場鑑定の結果はどうなったんですか、警察庁、福島県警使って。
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。 事故発生の直後に、福島県警察では現場検証のほか、この土どめ工事の発注者でございます県の会津若松の建設事務所の設計担当者とか、あるいは現場の監督員、こういう人たちに対しまして、工事設計の適否及び施工に至るまでの状況、あるいは現場での工事の監督の実施状況、そういう事実、それから現実に土どめ工事をやっておりました工事の請負業者に、これは佐久間建設というところのようでございますが、そこの工事の責任者とか、作業員について、設計書のとおり工事が行われておったかどうかとか、あるいは監督員の監督指示がどのように行われておったかとか、そういうような問題、さらに国鉄側の関係者につきましても、平素の運行管理の状況、そういうものを捜査の基本的な事項として一応調べているわけでございます。 そうしたものと同時に、並行いたしまして、先ほど御指摘がありましたこの鑑定の問題につきまして、東北工業大学の工学部に鑑定を嘱託をいたしたわけでございますが、ことしの二月に一応の回答を得ております。 その回答の結果を現在踏まえて刑事責任を問い得る内容があるかどうか、あるとすればどの範囲になるか、そういうことの最後の詰めをやっているわけでございまして、したがいまして、捜査の一つのこれは大事な要素になるわけでございますから、鑑定の結果についてはいまのところ私どもの立場としては公表いたす気持ちがない、こういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 とにかく一人の乗務員が瀕死の重傷を負って、いまだに脊髄が折れて、毎日毎日苦悶していると、こういう現状です。私も乗務員の経験者として、まあ国鉄問題が世間でいろいろ言われますが、こういう事故のために乗務員が苦しんでいる、仙台はこのほかにも五件ぐらいありますかな、乗務員がけがしたやつ、ここ二、三年の間に。したがって、そういう輸送の一線にある乗務員に、こういう苦痛を与えて、事故発生してみれば不可抗力だ、不可抗力だと言って逃げていってしまうということについては、私は同僚として、動力車乗務員の経験者として絶対黙っていられないですよ。したがって、いま鑑定の問題で刑事責任追及だということはまだわかりますが、ひとつ国鉄側と建設省に、何度も言いますが、この報告書が根拠であるならば、その報告書が不可抗力だということを理論的に、具体的に、客観的に説明することをひとつ要求します。 それから、乗務員の申告に対して、何月何日の申告について、会津若松の区長が何月何日道路管理者のだれにどういう通告をして、管理者がそれを受けてどういう措置をしたか、それを具体的な日時を追ってひとつ資料として提起をしてもらいたい。 それからもう一つ、福島県側は、乗務員がこれだけけがをして、家族がパートまでやめて、奥さんがもう一カ月も寝ないで看病している。その実態に対して、不可抗力だとは言いながら見舞いにも来ない、花束一つ持ってこない、全然見て見ぬふり、そんな非人間的なことがあるかどうか。たとえ不可抗力であっても、管理者は管理の責任があるでしょう。乗務員の責任でけがしたんじゃないでしょう。その乗務員に対して御苦労をかけましたねと、早く治ってくださいと言うぐらいの、私は福島県知事なり、福島県の土木部長がやるのが当然じゃないですか、人間として。それを一切知らんふりということはどういうことなのか。それを漫然と汽車を走らす国鉄側もどういうことかと、私はこう思うんですよ。こんなところ乗務員はもう危険だから走れないと言えばそれまでじゃないですか。そうするとポカ休だ、順法だと言って文句言うでしょう。何がポカ休、順法ですか、そんな危ないところ乗れませんよ、乗務員は。したがって、私はそういうことについて、やっぱりあなた方は行政当局として、福島県知事に対しても人間らしい取り扱いをすべきだという三点について要求します。いかがですか。
○政府委員(沓掛哲男君) 先生いま三つの御要請がございましたが、前の二つについては早急に事実関係等を調査の上御報告さしていただきたいと思いますが、第三番目の点については、これはあくまでも福島県が当事者能力をもっていたすことでございまして、いままでの私たちの得られている情報から、私たちが特に福島県にこうしろと申し上げる立場にはないというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 委員長にお願いします。 この解明を事務的に行いますから、その事務的な解明を含めて、この直接の責任者である福島県知事に、この事故の問題について参考人としてひとつ次回の委員会に出席してもらって、事故の真相を究明するということを考えたいんでありますから、後ほど理事会で諮ってもらいたいと要請しますが、いかがですか。
○委員長(竹田四郎君) 理事会に諮って協議をいたします。
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、これはずっと離れて、もう時間がありませんから、鹿児島県の志布志のオリタタクシーにかかわる問題ですが、この件については労働省は直ちにこの実態調査をして報告をいただきました。ところが運輸省の自動車局からはナシのつぶてなんですが、時間もありませんから、運輸省の自動車局長、私は五月の十七日、鹿屋から鹿児島の陸運事務所長、それから帰ってきて本省の旅客課長に電話で申し入れて、この件については大変な事態であるから頼むと、こういう要請したんですが、その後どうなっているんですか、これ。
○政府委員(角田達郎君) 鹿児島県のオリタタクシー、いまは第一交通というふうに名前変えておるようでございますが、この件につきましては、鹿児島県の陸運事務所、それから福岡陸運局、重大な関心を持って見守っておるわけでございます。 それから、ただいま先生から自動車局の旅客課長に御照会をいただいたというお話ございましたが、確かに私の記憶では六月の十九日に先生から旅客課長あて御照会がありまして、その後旅客課長から先生の秘書を通じまして、争議の模様をお伝えしたと思いますが、現在のところは七月一日に会社と組合との団交をやっております。次回の団交の日時は未定でございますが、いずれにいたしましても、私どもタクシー、公共交通機関でございますので、事業が安定して遂行できるように重大な関心を持って見守っておるわけでございます。ただ、私どもは労使問題につきましての直接の所管官庁ではございませんので、この労使問題につきまして道路運送法上の権限を使う場合がございますが、その場合につきましても、労使双方に不当な介入にならないように慎重な対応をしておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 私も社労委員長だから、そんなお説教もらわなくてもいいんですよ。後ほどあなた労働省から、鹿屋労政事務所長と県の労政課がどれだけ努力しているかということのプリントをもらいなさいよ。これをもう一回あなたの方で読んでみてくださいよ。この案件は労使関係なんというものではない。むしろ道路運送業をやっている、道路運送法上の免許許可の基準にこの社長さんですか、社長さんが適合するんだろうかどうだろうかという、これは道路運送法上の適格性の問題ですよ。私これずうっと全部読ましてもらうと、すべてと言っていいくらい、地労委のあっせん、あるいは裁判所、そういう形で一定の集約をするんですが、土壇場にいくと全部社長さんが、あれはパアだ、あれはパアだと言って、いいところまでいくんだけれどもパア、いいところまでいくんだけれどもパア、パアパアでこれ三回、四回狂うんです。そうして、パアパアになって、どうにもこうにもならなくなると、何とかという、まあ組合では暴力団と言っているようですが、大分前歴のある方らしいんですが、私は会ってませんからわかりませんが、その方を使っていわゆる実力行使。これは大分志布志の警察も手をやいているらしいんですが、そういう方に公共交通としてのタクシー会社運営の適格性があるんだろうか。そういう社会正義を社会通念上履行できない人に免許を与えることがいいのかどうかという陸運行政なんですよ、これは、労働行政じゃなくて。労働行政はうまくいっているんですよ。ですから、この陸運行政の適格性について、私も何回かタクシー案件やりましたけれども、最後は陸運行政の適格性ですよ。このことについてもう一回本庁として洗ってみる必要があると私は考えるんです。労働行政なら私社労でやります。社労でやらないのは、その関係をあなたに聞きたいから決算へ持ってきたの。ですから、もう一回この適格性について洗ってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(角田達郎君) ただいまの点につきましては、十分調査検討をさせていただきたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 それから、この会社は五十七年——ことしの四月の二十八日に北九州の第一交通に譲渡をして、またややこしくなったんですがね。それで、これは神風タクシーの段階だと思うんですが、タクシー会社が紛争中の問題については、譲渡という形で責任逃れをする、あるいは労働債権を食い逃げするということがあって、争議中の会社の譲渡は原則として慎重にやると、そういういわゆるわれわれ運輸委員会におけるやりとりと、いわゆる全自交という組合と会社の組合があったんですが、私はそれを記憶しているんですが、このオリタタクシーと第一交通の譲渡関係は、いま申し上げたかつての運輸委員会の神風タクシーの議論の際の陸運局通達がやっぱり適用されると、そういう争議だと思うんですが、この件についてもひとつもう一回洗ってもらいたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(角田達郎君) 先生からのお話のように、五十七年の五月二十日に陸運事務所に譲渡、譲受の申請が出ておりまして、私どもこういうような争議中の会社につきましての譲渡、譲受の申請については、慎重に対処するという方針をとっております。したがいまして、私どもとしては、この会社につきまして譲渡、譲受の認可をしておりません。ところが、五十七年六月十六日に会社側は譲渡、譲受の申請を取り下げておりまして、それで、その後株の売買によりまして役員が変更されたと、こういうような状態になっています。
○目黒今朝次郎君 そうすると、まだ譲渡の許可は出してないというんですな。
○政府委員(角田達郎君) はい。
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ。五十七年五月二日、組合側がその譲渡問題に絡んで、この組合がストライキに突入する前の未払い賃金約千三百五十五万円の代償として、このオリタタクシーの不動産の差し押さえの仮処分を申請して、五十七年の六月四日、鹿児島地裁は仮処分を組合の申請どおり決定すると、こういう事実関係があるんですが、これはいわゆる会社は組合側の了解なくてこの財産は一切動かせないという仮処分決定でありますから、会社の方が本訴を起こさない限りはこの仮処分の決定は生きていると、こういうように思うんですが、これについては運輸省の取り扱いどうしますか。
○政府委員(角田達郎君) その点につきましては、まだ私十分承知しておりませんでしたので、なおよく調査をいたしまして善処したいと思っております。
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ。最後に、五十七年六月十五日ですね、朝四時二十五分、いわゆる組合側に事務所を貸しておるその事務所に、電話線を切って部屋の中に何者かが四十名ぐらいで殴り込みかけて、組合の机、事務所書類、布団、いろんな器物、それを全部外にほうり出して、その上で会社の営業車の車の屋根に上がってばんばんたたいたり、フロントのガラスを全部壊したり、中の自動車の器材をぶっ壊したりと、こういう事件があったんですが、わかっていますか。これは何のためにだれがやったんでしょう、四十名も殴り込んで。これが労働問題ですか。これが正常な経営者ですか、いかがでしょうか、陸運行政として。
○政府委員(角田達郎君) ただいま先生がおっしゃいましたように、六月の十五日にオリタタクシー側の関連会社の人間が来て、組合側の事務所に参りまして、いまおっしゃったような暴力的な、あるいは暴力行為といいますか、そういうような行為をしたということは私ども福岡陸運局から報告を受けております。ただその場合、非常に暴力的な行為でございまして、警察官が来て組合側と、それからそういうような行為をやっている者との中に入ってその場をおさめたと、こういうようなことを報告を受けておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 これはここに写真、私が行ってもらってきました、これ。全部これ現物。これはちゃんと画面の中に八〇年六月、日にちまで入っているからこれは隠し看板ないよ、これね。こういうのがあなたの言う運輸行政の免許、認可を与える社会的な適正な基準と、適正な能力と。これは社会的な適正な能力ですか、組合が無抵抗なのに四十人も殴り込んできてこれをやるというのは。これだけでももう社会的にここの経営者は問題があるんじゃありませんか。いかがです、これ。
○政府委員(角田達郎君) ただいまの事件につきましては、これは当然警察側の方で刑事事件になるか、あるいはならないか、その辺の御判断をされると思いますので、その辺の状況を見まして私どもとしても善処したいと思っております。
○目黒今朝次郎君 あのね、何でもかんでも、それは禁錮何年とか、なんとかかんとかありますけれども、そんなこと自主性がないから、しょっちゅうタクシーの争議が北海道から九州まで絶えないんじゃありませんか。おかげさんで、私もあんたのところのタクシーの争議に、本当にいま一カ月のうち三分の一はタクシー争議で連れ出されますよ。もう少し社会的な適格性を持つ人に免許を与えてくださいよ。したがって、私は警察の手を待つまでもなく、労働行政であったといっても、結局業者が一番弱いのは免許の取り上げですよ。差し押さえ。そうなると、青くなって目黒先生、目黒先生と出てくる。そう言わない限りは、労働省が何を言おうと、労政事務所が何を言おうと、天に向かってつば吐くと同じですよ、タクシーの経営者というのは。だから、もう少し、やっぱり運輸省は免許行政の官庁ですから、そういう点ではもう少しこれについて的確なやっぱり指導性を発揮してほしいと。何も北九州の第一交通グループなどに気を使う必要ないですよ。自民党のだれかりっぱな議員さんがおるらしいけれども、しかし自民党の議員さんだって、こういう事故については、それはよかったなんてだれも言う代議士いないと思うんですがね。自民党の議員はそんな失礼な議員さんおりませんから、やっぱり悪いは悪い、いいはいいとけじめをつける陸運行政、免許行政やってもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
○委員長(竹田四郎君) 目黒さん時間です。
○政府委員(角田達郎君) 今後十分気をつけまして、業者の指導に当たりたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 最後。 早急に実態調査をして報告してください。報告の内容によっては私はまた再度現地に飛びます。それを要請してきょうは終わります。
○委員長(竹田四郎君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 —————・————— 午後一時四分開会
○委員長(竹田四郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、三治重信君及び塚田十一郎君が委員を辞任され、その補欠として木島則夫君及び田代由紀男君が選任されました。 —————————————
○委員長(竹田四郎君) 休憩前に引き続き、予備費関係等八件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○粕谷照美君 本日の主要議題であります予備費関係について伺う前に、大蔵大臣に二、三伺っておきたいと思うのですが、一つは国債整理基金の返済についてでございます。 五十六年度の税収不足の穴埋め方法に関連して、大臣は、六月三十日の参議院予算委員会で、国債整理基金からの借入金の返済の繰り延べを示唆をされております。 きのうのNHKの国会討論会においては、いろいろありましたけれども、要は借金をして基金に返済するだけの余裕があるかどうか考えてほしいとか、あるいはいつ返すかについては決めてない、こういうお話をされまして、現行法律に基づかない場合もあることを国民の前に知らされました。返済を繰り延べなければならないという、その理由は何かを明確に承っておきたいと思います。 私どもは、原則としてやはり法律どおりにやるべきだと、こういう立場に立っているものでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 原則としては当然法律どおりにやると、これはもう法律がそうなっておるわけですからそれでいいと、私もそう思っております。 ただ、いろいろ景気論議というのがございまして、また五十七年度の税収も不足するんでないかと言う方もございます。これも前年度の発射台が低くなれば、その次の年度は少なくなるというのは、まあ一応そういう考え方が当然あるわけでございますから、そういう人たちの間で、そうすると国債の追加発行が必要になるんでないか。そういうような時期にさらに国債を整理基金に返済するとなれば、その分も追加の国債ということになるんでないか、そうなるといろいろ問題があるねと。大量に国債を出すことが景気対策上いいのかどうか、国債の消化という面でどういう影響が出てくるかどうか。こういうような問題もあわせて考えれば、非常に金のないときに新しく借金をして、それでまたもとどおり貯金箱に入れるということは、現実的でないんじゃないかという方もございます。したがって、そういうような意見があっても、現行は法律でちゃんともとへ戻すという法律になっておるわけですから、現在のところはもうそれに変わりはございません。ございませんが、そういうような御意見もあることも事実でございますので、この際は何を優先をするのか、景気を優先するのか、国債消化をしやすくするということに重きを置かなければならないのか。そういう問題も含めて、もっと先になってから、それは検討しないとは申しませんと、一つの検討材料であるというような程度のことであって、私がいま法律を直すということを特別に示唆をしたというわけでもございません。
○粕谷照美君 もっと先になってからと、こうおっしゃいましたけれども、そのもっと先というのは、どういう条件の場合のことを言うのでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、国会論議でも景気対策のための臨時国会を開けと、あるいは五十六年度の歳入欠陥に続いて、五十七年度の税収の不足ということも予想をされるということになれば、去年のようにずうっと先送りになってからということでは今度は困るですよ。税収不足というものがあらかじめ予想されるんならば、それを早目に手当てをしておくべきではないかという御意見があることは皆さん御承知のとおりでございます。それに対して、私どもとしては、ともかく予算も通ってまだ二カ月しか経過していない。六月、七月で三カ月ですね。その段階で幾ら足りなくなるかと言われても、そういう懸念はあることは承知をいたしますが、数字的に幾ら幾ら、何税で幾ら、何税で幾ら、何税で幾ら足りなくなるかと言われても、いまの段階では予想がつかない。したがって、そういうものの予想がつく段階において、景気の動向も見ながら、補正の問題はその時点で判断をしたいということを言っておるわけでありますから、少なくともいま言ったような時期以降の話。まして、国債整理基金への繰り入れといいますか、繰り戻しというのか、それはことしでなくていいわけですから、来年度でいいわけですから、それ以降来年までと。来年も、当初でやるのか、あるいは補正でやるのかという問題もありますが、普通ならばやはり当初でそういう方針を決めるというのが常識的ではないかと、そう思います。 そういたしますと、いつの時点で判断するかということは、仮に五十七年度の補正予算が行われるとすれば、その時期以降五十八年度の予算編成の終了時期までの間に、どちらにするかという判断を決めるのが常識的ではないか。あるいはさらにずれることもあり得るというふうに考えております。
○粕谷照美君 その情勢についてはわかりましたけれども、それに関連いたしまして、補正予算の臨時国会に関連して、きのうやはり大臣は、財政当局としてはと、こう断わられながらも、やはり臨時国会が必要であるというような立場を表明されたように私は思いましたが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはせっかく与野党から経済見通し、あるいは五十七年度の歳入についての歳入不足というものが、世界的な経済事情、日本国内の事情等からも考えて、景気がここで急激によくなるということはなかなか考えられないのでないかというようなお話が相次いでございます。したがって、それらの方々はなるべく速やかに臨時国会を開いて補正予算を出すべきだと。大体国会のこの間の討論会、あるいはその他の御質問等でも、そういうふうな意見がかなりあるわけでございます。それに対しまして、仮にそういう事態になるとすれば、ぎりぎり押し詰まって十二月とか、もう補正予算が来年の二月ごろというようなことになったのでは、仮にそういう事態が起きた場合ですよ、それは大量の国債を二、三カ月で消化するということも困難でございますし、仮にそういう事態が起きるとすれば、資金繰りの面で、大蔵省証券の限度枠というのは七兆円ぐらいしかございませんし、それで手当てをするとしても限界がございますから、やはり税収がどんどんどんどん予定どおり入ってこないという事態がもしあるとすれば、年度途中で増税案なんか出せるわけもないし、何らかの措置を講じなきゃならんということになれば、もう一月とか、十二月というころになっては、これはそれまで資金繰りの点でも問題がございますので、なるべく早い方がいい。そういう事態がはっきりわかれば、なるべく早い方がいいということですから、そういう意味で私はなるべく早くと。なるべく早くといっても、そういう事態がわかるのには、いろいろな資料が出そろわなければわからないわけですから、経済企画庁などでも、一応のそういう経済見通しの修正とか、改定とか行うというには、やっぱり半年ぐらい過ぎてみないとそういうデータはなかなかそろわんということでございますから、早くといっても、これもまた限度がある話でございます。したがって、できる限りというのは、そういうようなデータがそろって、一応の見通しが曲がりなりにも立つというときが来れば、そういう中でできるだけ早く。ということは、年末とか、それまで待たないで、もっとできるだけ早くというふうに私は考えております。そういうことを希望するということを申し上げました。
○粕谷照美君 もう一つですけども、財政運営に関する政府の見解ですが、六月の二十九日の参議院予算委員会で、寺田委員の質問に対して、大臣は、五十八年度の予算編成に関連して、大型間接税は導入しないと答弁をされる一方で、しかし、一切の税を新しく何も考えてはいけないと言われては蔵相は務まらないと、こういうふうにおっしゃられまして、翌日の新聞は、増税といいますか、新しい税を考えているのではないかと、一斉にこのキャンペーンを張りました。 伝えられるような新しい税を大臣が考えていらっしゃるとすれば、その内容は何か、この辺を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私が考えてもいないことを新聞書くものですからね、新聞見た私もびっくりしたんですよ。やれギャンブル税だ、広告税だ、何税だって、ぞろぞろぞろぞろ具体的な税目が出ておりましてね、どこで聞いたのか、私は言ったためしはないし、主税局やなんかに聞いてみても、だれもしゃべった人いないというので、どこからそういうのが出てくるのかなと私もびっくりしているんですがね。 ただ、私が言ったことは、要するに歳入と歳出——歳出というものについて、私は極力抑制ぎみでいかなきゃならんし、仮に五十七年度予算の問題についても、成立はしたからといって、全部まだ執行しているわけじゃありませんから、そういうように税収が思ったより少ないということになれば、一応成立した予算であっても、その中で抑えられるものはもう抑え込んでいこうという考え方を持っているんです。まして五十八年度予算については、新聞にも出ているように、マイナスシーリングで、予算の一般歳出全体としても去年よりもできるだけ少なくしたいと。少しでも少なくしたいという考えを持っているわけです。 しかし、これも限界がやっぱりございますからね。少なくしたいといったって、じゃ二兆円、三兆円足りないんだから、一割とか一割五分とか、全体の予算切れるかといったって、これも現実問題で、一つ一つの項目に突き当たってみればおわかりのように、一番大きなものは社会保障費九兆円とか言いますからね。それから文教費の四兆八千億とか、公共事業費の六兆五千億とかと、これ大口ですね。これ、ばさっと切るといったって、どれ一つとったって、ばさってわけにはなかなか現実はいかない。むしろ年金を初めふえる要素もあることも事実。したがって、それに税収が対応しないということになれば、足りない分はみんな赤字国債だということになれば、赤字国債減らすんじゃなくて、これは赤字国債ふえちまう、逆に。それも困る。これも国民はふやすなと、こう言っているわけですから、そういう問題が一つある。 それからもう一つは、一方で所得税減税をやれというような御要望があることも事実。その一方で、財源はという話をすると、こういう財源があるじゃないか、ああいう財源があるじゃないかと、いろいろな野党の中からも具体的な予算編成上の御提案もございます。こういう税金を取ったらいいと、いまの税目にないようなものもやったらいいという現実的に御提案もあります。いままでは、それはいろいろ問題がありますとか言って、私どもも検討はしておりますがちょっと無理じゃないかと思っているものもあったわけでございますが、せっかく御提案もあることでもあるし、そういう場合には、どうしてもというときには、何らかの不公正是正というような考え方から言っても、ある税目を引き上げて、ある税目を下げるということだってあるわけですから、ある税目を今度新しくつくるといっても、それは不公正是正でやれと言っている人もあるわけでして、一切合財もう税目ごとの増税は、新しいものも一切認めないんだと、こう言われて手足を縛られてしまったのでは、大蔵大臣はとても、ますます選択の幅が小さくなっちゃう。したがって、私としては増税なき財政再建というのは、総理がおっしゃっておるように、まず行政改革をやるに当たって、でかい大型の新税をどんと用意して財政改革をやる。そういうものを用意して行政の改革をやって、経費のカットをやるんだと言っても、なかなかこれはなまくらになっちまう。したがって、そういうことはやらない。しかしながら、ぎりぎり切ってもなおかつ少しくらい足りないとかどうとかという問題について、そこまで、不公正是正もやらないんだと。増税になる場合は不公正の是正もやっちゃいかんと、そういうふうなことではないんじゃないのかというふうに私は思っておるものですから、増税なき財政再建ということとは矛盾しない範囲においては、検討されるべきものもあっても仕方ないじゃないですかと、また当然じゃありませんかということを申し上げているわけで、具体的にどの税目をどうと、増税するということまでいま考えているわけではないんです。そういうふうに追いつめられたぎりぎりの段階においては、いまのうちから増税と名のつくものは一切合財やりませんと言って、にっちもさっちもいかなくなって、あのときそう言ったじゃないか。何だ大蔵大臣、あのとき一切やらないと言って、また出してきたと。またしかられますからね、私は。そういう事態があらわれるかどうかまだわからんことでもあるので、したがって、大型の消費税のようなでかいものをどんということはやらんが、その他のことについては確約しないという程度に考えていただきたいと思っております。
○粕谷照美君 確約をしないということは、やりたいと、本音はそうだというふうに理解をしてよろしいのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これ、やりたいと理解してよろしいかと言われても困るんでしてね。私もなるべくはやりたくないものもございますし、しかし、不公正の是正というような観点からというごとになれば、それはやるべきだということもあり得ますからね。ですから、予算の歳入歳出との見合いの問題、景気の動向、いろんなものを絡めまして総合的に判断をしなければならない問題である。ただ、いまのうちから、もうそういう不公正是正の増税も一切やらないということの約束は私はできませんということを言っているわけです。別に逃げ道をつくっているわけじゃないですよ。 そういうことで、いましゃべっちゃうと、また後になって、あれ前にしゃべった。何月何日の議事録見てもやらんと言ったじゃないかと言われても困るから、そのとき困らんようにいま言っているだけのことでございます。
○粕谷照美君 大蔵大臣が慎重になるわけもわかるわけでありますが、この問題については本格的な場所でまた討論をしていきたいというふうに思います。 それではきょうの議題になっております予備費関連に移りますが、まず最初に予備費の規模について伺います。 予備費は憲法第八十七条及び財政法第二十四条の規定に基づいて、国会の議決を受けた金額の範囲内で内閣の責任で支出し、かつその使用については事後に国会の承諾を受けることになっているので、財政処理の事前議決の原則に反するものではないという、こういう通説が通っているようであります。しかし、事後承諾制をとっていると、こういうことからは、予備費の規模を大きくするということは好ましくないと、こう考えますけれども、御見解はいかがでしょう。
○政府委員(宍倉宗夫君) 予備費の性格につきましては、いま先生おっしゃったとおりかと思います。 予備費の規模をどのくらいがいいのかということでございますけれども、予備費そのものを設けるということは、つまり歳出の見積もりということがはなはだ現実的な問題としてはむずかしゅうございまして、事前議決の原則の中で全部処理し切れない現実があるということで、その現実と事前議決という原則との、何といいますか、調和というのか、妥協というのか、その接点が予備費の制度なわけであります。したがいまして、予備費は、完全に見積もりが常に正確にできるということならば予備費はなくてもよろしいものかと思いますが、憲法上も認められておりますように、そのこと自体が無理なことなものですから予備費がある。 そうすると、それじゃ予備費はなるべく小さい方がいいのか。小さい方がいいという面は確かにあるわけでございますが、しかし、余りにも小さきに過ぎますと、その現実と原理、原則との間の接点としてうまく働かないという場合もございます。したがいまして、その制度上の作用というのが一番効果的に発揮できる規模というのがまあ一番望ましい姿なんではなかろうかと、このように思っております。 それはじゃ一体どのぐらいなのかということでございますけれども、全体の予算規模に対しまして、たとえば戦後の実績でございますと、一%ないし二%ぐらいだったというのがいままでの実績であることはよく御承知のとおりでございまして、五十七年度予算でございますと、現在財政再建ということで一生懸命歳出の方を抑制いたしております関係もございまして、〇・七%ということで、歴代のうちでも低い方のパーセンテージになっております。この辺のところというのが低い方の限界ではなかろうか。余り低くいたしますと、何があるかわからないというのが世の中でございまして、天変地異などがありましたときに、うまく対応できないという面もあるのではなかろうかと思っております。
○粕谷照美君 もう一つ伺いますけれども、膨大な歳入欠陥の発生によって、深刻の度を一段と加えた財政危機のもとで、予備費の使用残額というのは非常に貴重だというふうに思います。五十六年度の一般会計予備費、これはもう出たのではないかと思いますが、確認だけしておきたいのですが、使用残は幾らでございますか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 五十六年度の予備費の使用残額は二百二十二億七千八百万円でございます。
○粕谷照美君 ではその予備費の中で、先ほど午前中に目黒委員も触れられましたけれども、退職手当の不足を補う予備費使用でございます。国家公務員の退職者が毎年増加しておって、これに伴って五十五、五十六の両年度において四つの国の機関で退職手当の予算に不足が生じております。そして予備費が使用されております。それは、五十五年は国会、会計検査院、郵政、これで三億八千六百十八万余、五十六年は国会、会計検査院、大蔵、運輸で五十四億二千三百二十八万円、非常に大きいわけですね。この退職者がふえて予備費を出さなければならなかったという理由は一体なんでしょう。
○政府委員(宍倉宗夫君) 午前中も御説明申し上げましたように、退職手当につきましては、各省で当該年度におきます退職予定者を見積もりまして、予算要求をし、それに基づきまして予算の計上をいたしているわけでございますが、現実の退職予定者の見込みが狂ってくるわけであります。その場合、数が狂う場合と、人間の数は狂わなくても、何らかの事情で、何といいますか退職手当をたくさんいただく方——多い方と少ない方とありますから、多くいただく方がおやめになるというようなことになりますと、不足が生じてくるというようなことでございます。 いま先生お話しございましたように、五十六年度でございますと、私のいま手元にございます調べによりますれば、予備費で百十六億円、五十五年度で予備費で三十四億円という退職手当の支出をいたしております。これは五十三年度、四年度に比べますといずれもやや高い数字。ちなみに申し上げますと、五十三年度は六億、五十四年度は二億でございましたから、やや高くなっております。それは先ほど申し上げましたように、むしろこのところ不用額が多いのではないかという御指摘がございまして、不用を生じさせないように、各省としても気をつけながら見込んだということのはね返りが、むしろ予備費の使用が大きくなってきたということになってきているのかもしれないという反省もいたしてございます。 いずれにいたしましても、当初の予算の見積もりにおきまして、過不足のないように、適切に見積もるということが大事なことでございますから、今後とも気をつけてまいりたいと存じております。
○粕谷照美君 やめなさいなどと言って圧力をかけて、やめる気持ちもなかった人たちがやめて、急に退職金がふえましたなどということではまた困るわけですけれども、私は一番問題は、国家公務員退職手当法が改悪をされて、自分の退職金はもう一年勤めていたら減るのではないか、こういうことでおやめになった方が急増した、それが一番問題点だなというふうに思うのですが、それにしても、五十五年は三省庁、五十六年が四つの機関だという、ここのところで、ほかは出ないのに、なぜこういうことになっているのかという点が非常に不思議でならないわけであります。 しかし、それは本質ではありませんから次に移りますけれども、この際、定員と実員の問題について人事院に伺いますが、行政管理庁の公務員定員削減は、公務員労働者に過酷な労働を押しつけているというふうに私は考えます。 各省庁における定員は果たしてそれでは定員いっぱいに在職をしているんだろうか。定員と実員、実員が予算定員より足りなければ欠員ということになるわけですが、この辺の調査をしたものがあるでしょうか。——それでは人事院ちょっと連絡の間違いがあったようですから、各省庁にお伺いをします。 私が調べたものがあるんですけれども、これは人事院が定員内職員数として把握をし、毎年の年次報告書で発表しているものによって行ったものであります。非常に大ざっぱな調査ですけれども、大体毎年一万人ぐらいが欠員であるわけです。五十四年度予算定員と比較して、五十五年は七月一日で約九千六百人、五十五年度末の定員に対しては八千九百人というふうになっておりまして、一体これはどういうことなのかという不思議な思いがしてならないわけであります。 それで、たとえば文部省ですね、毎年大きな数の差があるわけですけれども、その理由は一体何かということです。教育をしっかりしてもらわなきゃならないわけですから、これだけ予算定員があるのに、それが埋まらないでいるということは、非常に残念なことでありますね。しかし、文部省という、教育という非常にむずかしい条件のもとで、定員さえ埋めればいい、だれでもいいから来てくださいというわけにはちょっといかないだろうというふうに思いますので、この辺についてどのような努力をされているのか。恒常的であるということが問題なんですから、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の文部省におきます欠員の問題でございますが、大部分が国立学校の教官にかかわるものでございます。 そこで、国立大学の教官について欠員が多いという点でございますが、これは大学の教官につきましては、先生御案内のとおり、各大学の教授会等において欠員が生じました後、全国に、たとえば公募をするというようなことで適材を求めるとか、あるいは業績の評価について大変慎重に審査をして人事を行うというような、教官人事にとって、非常に一般の国家公務員とは大変異なる特異性があるということがまず前提としてあるわけでございます。 国立大学の特別会計全体では定員が非常に多いし、したがって、欠員が多いということがあるわけでございますが、御案内のとおり、大学の組織というのは個々の講座なり学科の全体の集積の上に成り立っているわけでございまして、個別の組織そのものでは、いわば一時的な過渡的な欠員ということになるわけでございます。かねて、文部省といたしましても、欠員補充については慎重を期しながらも迅速に対応するように各大学にも求めているところでございまして、それらの欠員状況については、漸減傾向にはあるわけでございますが、なお御指摘のような状況があることは、私どもも改善については大学の管理運営の適正化という観点から、今後とも十分指導をしてまいりたい、かように考えております。
○粕谷照美君 じゃ、会計検査院はどうでしょうね。これ私が調べてみますと、大体二十人から十六人、十人、こういうふうに相当の数があるわけですね。会計検査の充実がうたわれていて定員増などが図られていながら、こういう欠員が連続しているということは非常に問題があるというふうに思いますが、いかがですか。
○説明員(志田和也君) お答えを申し上げます。 欠員の状況を、最近三カ年の七月一日現在で申し上げますと、五十五年度が十二名、五十六年度が十六名、本年度が三名でございます。このように欠員が出てまいります理由でございますが、年度当初はほぼ満杯の採用をいたしまして、ことしの例で申し上げましても欠員はゼロで出発をいたしておりますが、その後逐次自己都合等の退職が生じてまいりまして、本年度の場合も現時点で、七月一日時点で三名の欠員が生じておるわけでございます。もちろんこの欠員補充のためには努力をいたしておりますが、私どもの検査業務は御承知のように幅広い知識と、豊富な経験を必要とする独特の業務でございまして、もちろんこれに適した人材を広く一般に求めておるわけでございますが、採用しても、直ちに本院の業務に十分適応できますような優秀な人材というものは、年度途中にはなかなか得がたいものがございます。それで例年、四月一日に人事院が行いますところの国家公務員の採用試験に合格した者の中から選考いたしまして、ある程度まとまった数を採用いたしておるわけでございます。
○粕谷照美君 私いまの点は非常に問題だというふうに思うんですね。定年退職者が何人ぐらいいるかという——定年と言いませんが、いわゆる定年退職者、これからは定年ということになろうかと思いますが、何人ぐらいいるかというのは、大体わかるわけですから、年度当初に採用した人が、四月に採用した人よりも質が落ちるとかいうような物の考え方では困るんでありまして、人事院にしても中途採用というのをちゃんと認めているわけです。資料をいただいておりますけれども、年間の中間採用者というのもいるわけなんで、本当に人員が足りないのであれば、私はそれを埋める努力というものをやってもらいたい、こういうふうに考えているところです。 ところで、環境庁来ていると思いますが、環境庁は、五十一年が五十三、五十二年四十、五十三年五十一、五十四年四十二、五十五年四十。実態が九百人弱というこの定員の中では割合が非常に多いと思うのですが、これ調査が間違っているのでしょうか、どうでしょう。
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。 ただいまの数字はそれ自身間違いではございません。予算定員と職員数との間にそのような欠員状況があることは事実でございますが、この大半は国立公害研究所と、国立水俣病研究センターの研究職、いわば専門職種の人々によって占められておるわけでございますが、実はこの研究所、それぞれ経緯、事情がございますが、いずれにしましても設立されて決して長年月たっているわけではございませんということが一つありまして、いずれの研究所もいま定員面におきましても整備途上にある、拡充過程にあるという点が第一点あろうかと思うわけでございます。 それから第二点は、公害の研究、あるいは水俣病の研究というような未開拓な分野を目指す、いわば新しい学問分野を控えまして、一方国際的にも通用するような、一級の研究機関を目指しているというようなことから、第一点は、どうしましても新規の大学卒だけで埋めるというわけにはまいりませんで、たとえば、大学の助手とか、助教授とか、教授とか、こういう人、つまり経験者をいただく、こういう状況があるということが一つありますし、それともう一つは、大変新しい学問分野でもありますので、その専門分野が必ずしもうまく適職者、ぴったりくるような人がなかなか見つけにくい、このような背景もございまして、年度途中における迅速な採用というのが非常に困難な実情にある、率直に申し上げてそういうことが言えると思います。しかし、次の年度の当初には大体それをカバーできるというような状況にあるわけでございまして、今後とも補充につきましては、大学の関係機関等からの協力を求めまして、せっかく適職者を早く埋めるように努力をしてまいりたい、かように考えておりますし、そのようにさせていただきたいと思っております。
○粕谷照美君 私は、この定員と実員の差について、財政当局から非常に厳しい締めつけがあるのではないだろうか、こう思っていたのですが、いまの説明で大体のことはわかりましたが、しかし、せっかく定員を確保しているわけでありますから、各省庁においては御努力をいただきたい、お願いをしておくところでございます。 次に、税の問題に入りますけれども、ことしの二月の衆議院予算委員会へ政府が提出をいたしました業種別所得者数と所得税納入人員の推移、これを私は見ました。五十五年度におけるサラリーマンの納税者の割合が八三%、五十六年は九〇・五%に上昇する見込みですが、サラリーマンの納税者がこのように上昇していくという、その理由は一体どういうふうに考えておりますでしょうか。
○政府委員(水野勝君) このところ昭和五十二年度の改正におきまして、所得税の減税が行われて以来、減税はされてないわけでございます。そうしたことも一つの原因になりまして、納税者割合の上昇という現象は確かにあるわけでございますが、これは給与所得者、あるいは申告所得者それぞれの種類の納税者につきまして、一般的にそうした現象が見られるわけでございまして、必ずしもサラリーマンの場合にだけ上昇しておりますとか、そういうことでもないかと思われます。しかし、納税者割合につきましては、そうした減税の問題も原因いたしておりますかと思いますが、一般的にはそれぞれの種類の所得者の平均的な所得水準、それがどんなふうに分布しているか、それがどういうふうに推移しているか、そういったこととも関連いたしますので、なかなか一概には申し上げられないんではないか、こんなふうな気がいたすわけでございます。
○粕谷照美君 サラリーマンだけでないというんですか、伸びているのは。
○政府委員(水野勝君) サラリーマンの場合も上昇しておりますが、普通のいわゆる事業所得者でございますか、そうした事業所得者につきましても、やはり五十年代以降は若干上昇が見られるわけでございます。
○粕谷照美君 説明をもうちょっと正確にしていただきたいと思いますね。これおたくが出したんでしょう、衆議院の予算委員会に。たとえば五十一年一五・七、五十二年一七・二、五十三年一八・〇、確かに伸びています。しかし、五十四年に行ったら一四・六になり、五十五年に来たら九・八になっているじゃないですか。
○政府委員(水野勝君) 所得者の種類といたしましては、大きくは源泉所得税の対象者でございます給与所得者と、それ以外の申告所得者に分けられるわけでございますが、申告所得税の納税者につきましても、たとえば農業所得者でございますとか、農業以外の普通の営業所得者でございますとか、いろいろあるわけでございます。農業所得者につきましては、その年の作柄状況等によりまして、異常な災害がございますと低下したりすることもございますが、農業以外の一般的な申告所得者につきましては、少しずつ上昇している。農業につきましては、低下したり、激減したりする場合もあるわけでございまして、いろいろな場合があろうかと思われます。
○粕谷照美君 決まり切ったことを説明していただくわけですから、もっと正確に物を言っていただきたいと思います。 それじゃ、その次伺いますけれども、その非常に上昇していくサラリーマンの人たちが、大変税についての不公平感を持っている、まあ先ほど大蔵大臣がおっしゃったように。この不公平を是正してもらいたいという気持ちを持っているということですね。 じゃ、一体、どういう内容の不公平感を持っているのかということについては、総理府の世論調査があるわけであります。その内容で、不公平だと思う事柄で、サラリーマンと商工業、農業等の自営業者の間の納税方法の差に問題がある、これが三一%。所得の高低と税負担の関係に問題があるとする人、こういう人たちが二七%。三位が脱税が摘発されていない、こういう怒りを含めた意識を持っている人たちが二六%であります。 それで、国税庁の調査が出ておりますけれども、この調査内容は、税の捕捉率については触れていないで、税の不公平感は多分に自営業者の所得分散による節税からきていると分析しているように思われてなりませんが、裁判でもサラリーマンのトーゴーサンの問題はある程度確認をされているわけでありますが、大臣、この国民の税の不公平に対する世論をどういうふうに受けとめていらっしゃるか、お伺いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一概に不公平不公平と言いますが、考えられることは二つあるんじゃないか。一つは、制度面においてどうも納得いたしかねるというような不公平感。あるいは制度は同じなんだけれども、どうも執行面においてサラリーマンなどは収入が一〇〇%捕捉をされておるが、自営業者についてはどうも完全に所得が捕捉されていないんじゃないかというような不公平感、この二つが大体あるんじゃないかと思っております。 制度面の問題というのは、私は実は物の考え方の問題でございまして、必ずしもそんなに不公平が多く存在しているというようには思っておりません。思っておりませんが、時がたち、時代が過ぎてまいりますと、十年も前にはまあ特別措置法でもそういうことをやってやることが必要でないかとみんなが漫然と思っておったようなことも、時間の経過とともにいまやそんなところをめんどう見る必要はないというような事態になっても、なおかつ昔の制度が残っているというようなことについては、つくったときはそれなりに効果があったが、いまやその必要性がないんじゃないかという判断に立てば、そいつが残っていることは不公正であるというような国民感情に私はなってくるんだろうと、そう思っておりますから、措置法については、その中身について効果があるのか、あるいはいまでもそういうことがなければならないのかというようなことなどを常に振り返って謙虚に判断をし、洗い直しをその都度その都度していって、国民の理解と協力が得られるようにすべきであると、そう思っておりますし、執行面の問題については、これはもう実調率をふやして、きちっと全部その調査が進むということが一番いいんでしょうが、現実の問題としてなかなか税務署だけ、どこの役所でも人をふやしてもらいたいというところもございますね。しかし、大蔵省だけが優先的にそいつだけとってしまうということもなかなかこういう行革の中で言うべくしてできない。しかしながら、やはり技術的な面の研修を重ねる、あるいはコンピューターその他を駆使して、高度な分析等も行って悪質なものだけをはじき出して、集中的にそういうものの実態調査をやって、脱税等があった場合には一罰百戒ということで、そいつを処理していくというようなことをやって、ともかくそういうような執行面における脱税というものが見逃がされるということのないようにしていく必要があると、そう思っておるわけであります。
○粕谷照美君 六月の二十九日の新聞ですか、国税庁は申告納税制度下における税理士の役割りは非常に重大だと、こういうことで、全国の各国税局に税理士の指導、監督の強化を指示した、こういうことが載っております。表題が「脱税の〃共犯〃許さぬ」と、こう大変ショッキングなことでありますが、大蔵大臣も税理士と非常に関係が深いわけでありますけれども、こういうものをいま出すという、その情勢分析というのは一体どういうことですか。そしてこれを出すことによって、成果が上がるというふうに考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(酒井健三君) 御承知おきのように、税務行政を取り巻く環境は、課税対象が年々ふえていくとか、取引が複雑また国際化するとか、質量とも年々厳しさが増しているわけでございます。ところが、一方国民の税負担の公平確保の要請というものはきわめて強いものがございまして、私ども国税庁といたしましても、限られた人員の中で一層適正公平な課税の実現を図るよう、先ほど大臣が申されましたように、コンピューターの活用であるとか、そういうような事務の合理化、調査の充実等に努めてきているわけでございます。 ところで、申告納税制度のもとにおきまして、適正な、また公平な課税を実現するためには、どうしても税務の専門家として納税者の申告書の作成であるとか、税務相談等を行っていただくというようなことで、税理士の役割りに期待するところが非常に大きいものはございます。このような社会的な使命を有する税理士と、私ども課税当局とが絶えず密接な協力関係を保つことも重要と思われます。そういうようなことで、従来から税理士の役割りを重視いたしまして、税理士の指導による適正な申告を期待しまして、これによりまして、実効あるものとするための方策を今後どういうふうにしていくかという点については、検討いたしているところでございまして、そういうようなことによりまして、今後改正されました税理士法の御趣旨に沿って、正しい申告が実現されるように努力してまいらねばならないと思っておりますが、御指摘の新聞記事にございましたような通達は、私ども改めては出しておりませんで、ただ基本的な考えとしては、先ほど申し上げましたようなことでございまして、この基本的な考え方につきましては、何ら変化がないということでございます。
○粕谷照美君 税を正しく納めるというのは、国民としては私は義務だというふうに思いますから、そういう立場に立っていま質問しているつもりでございます。しかし、先ほどの世論調査の中でも、脱税があると、こういって怒っているのが二六%いるわけですが、これに関して節税というものと、脱税というものは非常に判断がしづらい、紙一重のところがあるんではないか、こういうふうに思うのです。 それで、この文芸春秋の七月号に「国税庁査察官脱税を追いつめる」というのが載っておりまして、非常におもしろく、御苦労話を聞くのにおもしろいと言っては申しわけないんですけれども読ましていただきましたし、国税庁の一線の方々の御苦労も本当によくわかったわけですが、その中に、税の不公平感で最近は投書が多くなったというような言葉が載っております。それで、司会者が投書が来ると丹念に実地調査をするのかとこう聞いておりますと、やります、投書が来るとすぐその人の申告状態やなんかを調べます、物の一分もたたないうちにわかりますと、こう非常に、コンピューターを使っているのかどうかわかりませんけれども、実に強力な税務署の状態がわかるわけですけどね。そうしますと、投書であってすらすぐそうやって調査をするわけですから、国会で問題になったというようなことは、もうすぐにも調査をされていると思いますが、いかがですか。
○政府委員(酒井健三君) 投書にもいろいろ性質がございまして、正義感にあふれて行われるような投書であるとか、あるいは内部紛争による投書とか、いろいろのものはあるわけでございます。私ども投書がございましても、ちょっと文芸春秋で言っているのは、ややジャーナリスティックに誇張された面があるかもしれませんが、いろいろ人的な制約、資料的な制約もございますので、必ずしも全部が全部の投書につきまして、直ちに調査を着手するというわけにはまいりかねる状況でございます。しかし、そういうような投書がございましたときには、持っている資料やなんかにつきまして、まずそういうような可能性があるのかどうか、そういうものを検証し、いろいろ規模等の問題もございますので、そういうバランスを考えて調査対象の中に加えていくというようなことをやっているわけでございます。 国会で御議論のございました案件につきましても、必ずしも全部が全部やれるというような体制ではございませんが、私ども、国会におきます議論、あるいはまた新聞雑誌等において取り上げられました社会的に注目を浴びる事案につきましては、そういうことを十分踏んまえまして、必要なものについては調査を行っていくということでございます。
○粕谷照美君 それで、一月の十九日、二十日、この決算委員会で新田中金脈とも言うべき新潟遊園事件が取り上げられているわけです。これは商法による会社の登記を、私どもから見れば脱税をいたしまして、節税というよりは、実質的な脱税をした事件が御記憶にあると思いますが、この件についてはいかがですか。
○政府委員(酒井健三君) そういう御議論がありましたことは十分承知いたしております。
○粕谷照美君 承知をしているだけでは困るのでありまして、先ほどのように投書であってすら一分間で物がわかる、よく調査をするというのでありますから、もうこれは五十六年度のことでありますので、調査もされているというふうに思いますし、一応の結論というか、話し合いなども出ているというふうに思いますが、その辺はどうかという質問をしているのです。
○政府委員(酒井健三君) どうも失礼いたしました。 お尋ねの法人は新潟遊園のことかと思いますが、この法人の決算は三月が決算でございまして、五十七年三月期の法人税の確定申告書は、つい先日の六月の末に所轄の税務署に提出になっているわけでございます。その申告内容を私どもこれから十分検討いたしまして、今後どのように対処していくか判断していくことになろうかと思います。検討に当たりましては、国会で種々御論議があった事項や、新聞、雑誌等でいろいろ指摘されました情報等を十分念頭に置きまして、今後の対処方を判断する考えでございます。
○粕谷照美君 もう時間がありませんから、一言だけ。 税務署が、弱い者に強く、強い者に弱いのではないか、これはちまたのうわさでありますから、きちんとした姿勢を見せていただかない限り、庶民はこういう脱税の方法があるんだなということをどんどんまねていくというふうに思うのです。きちんと対処をしていただきたい、心からお願いします。 大蔵大臣、最後にですけれども、サラリーマンがもう五年間もずっと所得課税の最低限を抑えられているわけでありまして、どんどんもう納税者がふえている。大蔵省にとってみればうれしいことかもしれませんけれども、庶民にとってみれば、大変な税金を増税をされているような感覚があるわけです、庶民というよりはサラリーマンにとっては。この辺のところで減税をやるというお考えはないのかどうか、それを伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も課税最低限を五年間据え置いておるということに対する勤労者の重圧感といいますか、不満、よく知っております。しかし、諸般の事情等から、政府としては所得税の減税ができないということを申し上げてまいりました。しかしながら、各党において、衆議院の大蔵委員会で各党が集まって、中・長期にわたる問題も含めまして、所得税減税の問題について目下検討中でございますし、政府としても、参議院の予算委員会の決議等の趣旨も踏まえまして検討しておるところであります。
○峯山昭範君 私は、官房長官お時間の都合があるそうでございますので、官房長官に初めにお伺いをしたいと思います。 六月八日にロッキード事件の政治家被告に対する判決が出たわけでございますが、それから一カ月たとうとしております。われわれ国会におきましても、この問題についての議論も相当行われてまいりました。しかし、具体的に何ら対処することなく現在まで来ているわけであります。 そこで、まず官房長官といたしましては、今回の判決に対して、それをどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、長官御自身の御感想で結構ですから、初めにお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理大臣がしばしば申し上げておりますとおり、この判決は、裁判所におかれまして長い時間をかけ、慎重に到達せられた結論でございますから、厳粛に受けとめております。判決そのものについてとやかく批評がましいことを申すことは適当でない、こういうふうに政府としては考えております。
○峯山昭範君 当然厳粛に受けとめなければいけない問題であろうと思います。 その中でも、少なくとも今回の二人の被告に対する判決は、一人の橋本被告の方は、現職の運輸大臣当時の問題をテーマにされての判決であります。また、片っ方の佐藤被告の方は、これも現職の運輸政務次官という役職のときの事件であります。それだけに、これはただ単に裁判所の判決に対して厳粛に受けとめているというだけではなくて、政府自身が自分のお役所における最高指揮官のいわゆる事件なんですね。そういうふうな意味では、それ相応の処置、対応というものが当然必要になってくると私は思います。現在大臣も交代をし、政務次官も交代をしておりませんけれども、しかしながら、そこでそういう事故があったという事実は、これはもうこういうふうに認定をされ、そして判決もあったわけであります。二度とこういうふうな事故を起こさないための対応というのは、われわれ国会におきましても、それ相応の対応をいましているわけでありますけれども、政府は政府として、それ相応の再発防止に対する対応策というのが必要であると私は思います。政府としては、この問題についてどう対応していらっしゃるのか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 申すまでもないことでございますが、政府としては一段と綱紀を引き締めまして、行政に誤りのないようにやっていきますように自粛自戒をいたしております。
○峯山昭範君 そうしますと、私たちはこれは国会でこの問題が起きましてから、御存じのとおり、この二人の被告に対する問題と同時に、灰色高官という問題も出てまいりました。われわれ国会におきましては、現職の佐藤被告に対しましては議員の辞職勧告決議案というものを各党が出しまして、そして、いまこれは衆議院でございますから、衆議院の本会議にどういうふうに上程をするかということを議論をいたしておりますけれども、これもなかなか一筋縄ではいかないようであります。 また、もう一つの灰色高官の問題につきましては、御存じのとおり、議院証言法の改正という問題で各党が協議を続けております。これ協議を続けておりますが、この問題については多少分野が違うかもしれませんが、官房長官はどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 議院証言法を改正すべきか否かにつきましては、ただいま衆議院の議会制度協議会において検討を続けておられると承知をいたしておりますが、これはいわば院の問題でございますので、政府側としてそれについてとやかく申し上げることは差し控えるべきかと存じます。
○峯山昭範君 そういうふうに言うだろうと初めから予想していたわけでありますけれども、官房長官、この事件が起きましてから、私の手元に、これは衆議院におきます議院証言法に関する小委員会の会合の経過をずっと詳細に書いたのがございますが、とにかく六月の十八日に議院証言法改正小委員会初会合がございまして、議院証言法改正をめぐる与野党の協議の中身が詳細に打ち合わせがありました。これは改正点八項目のうち六項目が合意、残る二項目については、二項目の中の一、尋問事項の制限と証人告発の件で意見が一致せず、改正が延び延びになっているという事実関係の確認がございまして、この日の委員会で自民党から、補佐人に異議申し立て権を認める件、それから二番目に、テレビ、ラジオの同時中継は証人の了解を得た上で行うよう改正項目に加えると提案、これら自民党から二項目の提案があったわけであります。六月の二十一日に、同じく小委員会が開かれたんですけれども、自民党が党内協議を口実に引き延ばしを図る。それから二十三日に三回目の小委員会が開かれたんですけれども、この小委員会では、二十二日に自民党で議院証言法改正並びに国政調査権行使に関する調査特別委員会委員長に竹下委員長が就任をされて、二十三日の委員会では先般から協議をしてまいりました議会制度協議会に提出した自民党の八項目改正案は党機関で決定したものではないと、これは私案であるというふうに言ってきたということから始まりまして、ずっと六月二十五日また同じようなことがありまして、今度はこれは従来の八項目プラス二項目について、これは十八日にあった件の二項目、正式に補佐人に異議申し立て権をつけるということ、二番目に、テレビ報道は証人の同意と委員長の許可を必要とするという二つの項目に、さらに尋問事項の制限の中に著しい誘導尋問、または誤導質問を加えたということで、だんだんだんだんこれ議院証言法がややこしくなってきて、ますます改正の可能性がなくなってきているわけであります。そういうふうな中で、これはみんな党のことだから関係ないとあなたはそこでいまおっしゃろうとしているわけでありますが、この問題についての委員長さんである自民党の竹下委員長を、政府の代表として訪米をさせるという話が先般から新聞でも報道されておりますが、これは閣議の中でもこの問題について総理の発言を引いて大臣が、総理は証人喚問問題は自民党の竹下幹事長代理に処理するよう指示しているというが、その竹下氏の訪米はこの問題を逃げることになるのではないかと、そういうような議論があったやに報道されているわけでありますが、実際問題としてこの問題を早く決着をつけて、われわれとしても早くこの国民の期待にもこたえたいわけでありますけれども、関係ないとは言いながら、その関係者を訪米さしたり、どうこうするということは、おのずからこれは本当は一体で、官房長官は立て分けて物を言っておりますけれども、本質は一緒なんですからね。ですから、そういうような意味で私は非常に大きな問題であろうと思うんですが、この点についてはどういうふうになっておるわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 竹下登氏を特派大使としてノックスビルに派遣いたしますことは、これは政府の責任でございますので、御説明を申し上げますが、現在開かれております万博のジャパンデー——たしか十三日てあったかと存じますが——にわが国を代表して臨むということが必要でございます。このことは、ことしの一月ごろでございましたか、すでに話題に上っておりまして、たまたま各党派——共産党以外の党派でつくっておられます超党派の科学技術の議員連盟のたまたま竹下氏は会長でございますので、適当であろうということで人選をいたしました。 なお、この機会にやがてわが国で開かれるべき筑波博へのアメリカ側の参加方を要請をするということも使命の中に含まれておるというふうに承知をしております。 なお、その竹下氏のただいま問題の議院証言法の改正との関連でございますが、自民党内に委員会ができまして、その責任者をしておられるわけでございますけれども、総理大臣からすでに竹下氏に対しては、ただいま峯山委員の仰せになりましたような幾つかの点について、できるだけ弾力的に考えるようにということは何度か明確に伝えてございますし、また、それを受けまして、聞くところによりますと、たしか明日であったかと思いますが、衆議院の議会制度協議会に竹下氏が出席をいたしまして考え方を申し上げると、ちょっとこの辺誤伝があるかもしれませんが、大筋ではたしかそういうことのように承知をいたしておりまして、したがいまして、このノックスビルへ特派大使として今週末出られるということと、ただいまの議院証言法の仕事とは、いわばぶつかりませんように、片っ方のゆえに片っ方がおくれる、あるいは支障を生ずるということがないように竹下氏において考えておられると承知をいたしております。
○峯山昭範君 これは、もし生じるようなことが出てきた場合は、この問題解決しなければかわりの人を出すというふうなところまではお考えになっておりませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまそのようなことは考えておりません。
○峯山昭範君 しかし、実際問題としてはこれはそこまで考えなきゃいけないということになるんじゃありませんか。それが一つと、それからもう一つは、われわれ参議院の方としては、衆議院でいまやっていることとは多少はニュアンスが違いまして、参議院の方としては、先般の予算委員会でも相当議論になりましたように、現行の議院証言法でも十分やれるんじゃないかと、そういう考え方を持っておりまして、政府としては、この証人喚問という問題については、議院証言法については問題があるとお考えになっていらっしゃるわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 参議院におきましてそのような御意見があるということは、先般予算委員会でも重々承りまして、それにつきまして総理もそれは承知をしておりますということを申し上げております。 なお、後段の御質問は、これは政府の問題ではございませんので、特に意見を申し上げるべきでないと思います。
○峯山昭範君 いずれにしても、これは政府の問題と、それから党の問題とを立て分けてお話しになっていらしゃいますけれども、いずれにしても、これはわれわれ国会としても一日も早くこの問題をきちっと解決しなければならない、もう一カ月たっているわけですからね。とにかく今国会中に全部この問題を解決しなければならない責任を負わされていると私は考えております。 そこで、次に、官房長官の問題だけにしぼってお話をお伺いしておきたいと思うんですが、これは大蔵省とも多少関係があるわけでありますが、例の十一人委員会ですね、これは官房長官が中心になっていらっしゃるそうでございますが、先般第一回の会合も開かれたように新聞に報道されておりますが、これはどういう趣旨でつくられた会議なんでございましょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) すでにいろいろな機会に申し上げておりますとおり、非常に問題の多い財政事情でございまして、五十六年度の税収が相当な歳入欠陥を生むということでございます。しかし、財政再建は引き続きしなければならない課題でもございますし、そのためには歳出の大きな削減合理化がどうしても不可欠の問題だというふうに考えられます。そのような状況に照らしまして、財政再建策につきましての基本的な考え方、それから五十八年度予算の編成につきまして、五十七年度はゼロシーリングという方法で臨みましたが、それだけでは十分でないというふうに大蔵大臣は考えておられるといったような問題につきましても、政府と与党の間で十分に意見交換を行っておくことが望ましいと考えまして、意見交換の場として設定をいたしたものでございます。
○峯山昭範君 これはそうしますと意思の決定機関ではなくて、言うたら連絡調整機関ということになるわけでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 決定機関ではございません。
○峯山昭範君 それで、これからはいろんな問題があるわけであります。いま官房長官も申されておりましたが、これから大蔵大臣と議論をしなければならないわけでありますが、来年度の予算編成にわたりましての、いわゆるマイナスシーリングのマイナスを何%にするかという問題もありましょうし、それから、そのほか新聞報道によりますと、具体的に幾つか書いてございます。公共事業など投資部門や生活保護費等にはこの削減率を掛けないとか、あるいは特別枠は防衛費など五十七年度並みの例外を設けるとか、そういう原則等についても、いろいろこう十一人委員会で討議する中身なんでしょうかね、ここに書いてあるのは。これは実際問題としては十一人委員会で検討する項目といいましょうか、そういうようなのは具体的には決められているんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 抽象的に申し上げますと、先ほど申し上げましたような現代の問題、そういう問題意識に照らしまして、この委員会を意見交換の場として設けたわけでございます。 現実に、第一回の会合におきましては、ただいま私から申し上げましたような財政の事情につきまして、大蔵大臣並びに事務当局から説明がございました。また、それを中心に財政、経済の運営につきまして活発な意見の交換があったわけでございます。どのような、いわばアジェンダと申しますか、そういうことでやるかというようなことを別に厳格にこうこうでなければならないというふうには考えておりませんで、ただ基本的な問題意識は、冒頭にこの委員会を設けるに至りました背景として御説明したところにあるということでございます。
○峯山昭範君 わかりました。 詳細いろいろお伺いしてもあれですから、そのほかあとここでもう一つだけ聞いておきますと、いわゆる臨調の答申の問題がありますね。これから本答申が出されるわけでございますけれども、臨調答申に対する扱いですね、こういうような問題がこういうところで議論されることになるんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は臨調がどういう問題を答申されるかが明らかでございませんから、したがいまして、そういうものは一切この委員会での議論の対象にならないと申し上げるのもちょっと早計かと存じます、答申の内容がわかりませんので。ただ、基本的にこの委員会は財政を中心にした当面の問題についての意見交換をしていきたいと、基本的にはそういうふうに考えております。
○峯山昭範君 官房長官、結構です。 それでは大蔵大臣にお伺いいたします。 いろいろとお伺いをしたいわけでありますが、非常に短い時間でございますので、大臣、端的な御答弁をお願いしたいわけでありますが、先ほどから大臣の答弁をお伺いしておりまして、日本の将来のために、それこそ国の財政のかじ取りを大臣やっていらっしゃるわけであります。そういうふうな意味では非常に大事な重要な役目でございますね。ですから、私は大臣自信を持って、日ごろの大臣らしくずけずけ言っていただきたいと思っているわけであります。何でかと言いますと、先ほどから増税の問題につきましても、何となく奥歯に物の挟まったような言い方で終始いたしておられますし、また変なことを言うと次の国会や委員会で、お前いついつの委員会でこう言うたやないかと追及されるからそういうわけにはいかないというふうな御答弁でございますけれども、たとえ後の委員会で何と言われようと、やっぱり信念は信念として、言うべきことはちゃんと言った方がいいんじゃないか、であればこそ、この大変な時期に大臣をお務めになっていらっしゃるんじゃないかと私は考えているわけであります。そういうふうな意味でぜひずけずけと言っていただきたいことを初めに申し上げておきたいと思います。 そこで、これは細かい問題にも入りますので、事務当局でも結構でございますが、先般の予算委員会におきまして「財政運営についての対処方針と検討の方向」という資料につきまして、主計局長からだったですか、御説明がございました。この資料に基づきまして、幾つかどうしても聞いておきたい点がございますので、お伺いしておきたいと思います。この資料に基づいて質問をしてまいりたいと思っております。 昭和五十六年度の決算の不足額、この資料によりましても二兆五千二百億プラスマイナス一千億円ということになっておりますね。これに対処いたしまして、決算調整資金から二千四百億円を組み入れると、こういうふうになっております。この二千四百億円の資金でございますが、これはもともとどういうふうな資金運用を、あるいは資産運用をしておられるものになるのか。その二千四百億円につきましては、その資産の売却の形をとることになるのかどうか、あるいは預託金の引き上げということになるのかどうか、預託をしておられるとすれば。それで、もし預託しておられる場合は、いかなる条件でそれを売却なり、あるいは解約をされるのか、これは具体的にはどういうふうになっておりますんですか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 先生御承知のように、二千四百億とございますが、最初に決算調整資金を五十三年度だったと思いますが、つくりましたときには二千億入れたわけでございまして、それを資金運用部に預託をいたしておりまして、その預託利子が、まあ積み上がってまいりまして、現在といいますか、五十七年三月末で二千五百二十八億になってございますが、これがちょっと私しさいの明細はいま手持ちいたしておりませんが、七年物で預託しているものが大部分でございますものですから、それが途中で解約することになるというようなことで、そういたしますと金利が、条件が違ってまいる関係もございまして、実際には二千四百億円程度の資金が利用できるということになるわけでございます。でございますから、先生お尋ねのことで申し上げますと、資金運用部へ概して七年物の預託で運用をいたしておる、こういうことでございます。
○峯山昭範君 わかりました。ということは、二千五百二十八億あるわけですね、現在。五十七年三月現在とおっしゃいましたね。私も七年物で運用預託をされているというふうに聞いておりました。それでそのうち使われるのが二千四百億ということですね。 それから次に、国債整理基金から決算調整資金への繰り入れによる同資金からの組み入れが、この資料によりますと二兆二千八百億、プラスマイナス一千億、こういうふうに予定をされているわけでありますが、この繰り入れによる国債整理基金には、具体的にはどういうふうな影響が起きてくるのか、この点はどうですか。
○政府委員(加藤隆司君) 五十七年の六月末の国債整理基金の残高は三兆六千二百二十六億円ございます。 その内訳でございますが、長期国債が一兆四千九十三億円ございます。それから政府の短期証券、これが二兆二千百三十三億円ございます。 したがって、いまのこの資料によりますと、二兆二千八百億プラマイ千億になっておりますが、この短期の方で運用しておるものをこれに充当するようなかっこうになる、そういう影響が出てまいります。
○峯山昭範君 いまの数字をもう一回後でおっしゃっていただきたいと思っております。 私の手元に国債整理基金における国債及び借入金に係る償還財源の繰入額等、償還額及び年度末基金残高表というのがあります。これの年度末の基金残高によりますと、五十五年の決算で三兆五千七百七十七億、それから五十六年度の予算で三兆四千九百六十六億、それから五十七年度の、これは予定で四兆二千九百六十八億、こういうふうになっておりますが、ただいまの数字でございますが、初め三兆六千何ぼ言いましたね、そこのところから数字の点をもう一回、それから長期物、短期物の金額と両方お願いします。
○政府委員(加藤隆司君) 五十七年の六月末でございますが、総残高が三兆六千二百二十六億円でございます。 内訳でございますが、長期国債で運用しておる分が一兆四千九十三億円でございます。それから、短期で運用しております分が二兆二千百三十三億円でございます。
○峯山昭範君 いまの両方合わせまして三兆六千二百二十六億ということでございますね。 そこで、先ほど申し上げました残高表によりますと、この中から先ほど申し上げました約二兆三千億円の組み入れによりまして、国債整理基金の残高はどのくらいになるわけですか。
○政府委員(加藤隆司君) 総残高の三兆六千億から二兆二千億落ちた姿になるわけでございます。
○峯山昭範君 それで、先ほど私の手元でお伺いしていた金額と多少違うわけでありますが、長期国債それから短期物ですね、長期物の国債が一兆四千九十三億、それから短期が二兆二千百三十三億、この中から二兆三千億を繰り入れるわけですね、これはどういうふうにして繰り入れるわけですか、具体的には。
○政府委員(加藤隆司君) この短期の方をキャッシュに直すわけでございますが、これは政府短期証券で運用しておりまして、これの売却をやるわけでございます。
○峯山昭範君 短期物の証券を売却するということですが、これは短期物だけでは足りませんね、実際は短期物だけを予定しておられるわけですか。
○政府委員(加藤隆司君) 目下のところは、主計局の方の決算の数字が、ここに書いてございますように、プラスマイナス千億ということになっておりますので、最終的にどうなるかという問題がございます。 それで、お尋ねのように、もし足りない場合は長期物の中で日本銀行からこの国債整理基金が運用のために、私の方から見ますと売り戻し条件、先方から見ますと買い戻し条件で買った分がございますので、これが約四千億ございます。これを動かすという可能性がございます。
○峯山昭範君 そうしますと、それによるいわゆるそれぞれの市場とか、そういうふうな影響、これはどういうふうにお考えでございますか。
○政府委員(加藤隆司君) これは言うならばマーケットに出ませんので、影響が市場に対してはないと見ております。
○峯山昭範君 それで、先ほども質問がありましたが、大蔵大臣、先ほど国債整理基金を取り崩した場合の穴埋めの話であります。これは先ほど大臣いろいろとおっしゃっておりましたが、これはやっぱりいろんな問題があるんではないかと思っております。 先日の参議院の予算委員会におきまして、一日の日だったと思いますが、大臣から、いままでは二兆三千億というような取り崩しをした場合に、それを法律では「予算の定めるところにより」と、こうなっているわけですね。繰入金に相当する金額を一般会計から資金に繰り入れ、直ちにそのまま穴埋めをする、この「予算の定めるところにより」というのが結局予算措置上、翌年度のいわゆる予算に戻すというふうに法律上はなっているわけですね。これは大臣先ほどもいろいろ御答弁になっておられましたが、これはやっぱりどういうふうにするかという方針をある程度腹を決めておかなければいけない問題ではないか、実際そういうふうに考えているわけです。したがって、われわれとしては、今年度で借りても来年度の、少なくとも先ほど大臣は当初とおっしゃいましたが、当初予算で本当はきちっとしないといけないと、それは原則だろうと思うんですが、そこら辺のことも含めまして、この問題についてはどういうふうに考えておられるのか、または、少なくともこの条文を改正をしてあるいは多少分割してやらざるを得ないようになるんではないか、そういうことも含めて検討をせい、こういうふうに大臣としてはおっしゃっているのかどうか、そういうことも含めまして一遍御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは結論的に言うと、まだ決まっていないんですよ。それは先ほど申し上げましたように、税の収入がどれくらい入ってくるのかという見通しがまだはっきりしないということ、それから、来年の経済見通し、それから税収の見通しもわからない、したがって、それがある程度わかる段階になって、本来から言えば来年度返済するというのが法律の定めでございますから、いまのままでは返済しなければならない、これは決まっておるわけです、法律で。だけれども、それを仮に返済をするという場合は、また返済する金の調達をしなければならないということに当然なります。したがって、返済された金が直ちに使われるわけでなくて、それは貯金箱に入るわけですね。もちろんある程度の利息はつきますが、貯金箱に入る。貯金箱に入れるために外部からそれよりも高い利息で金を借りてくるというようなことをどうしてもしなければならないのかどうか。これはよく言う一種の歩積み両建てみたいなものなんですね。要するに歩積み両建てというのは、銀行が金を貸す、金を貸すけれども、返済するときに返済しやすく、最初から天引きして貯金積めと、貯金積んでおるわけです。これは法律で、やはり将来の返済のために、返済が楽になるように、借金をしてもその一部を貯金を積ませる。将来のことを考えてやっているわけですから、それはそれなりに一つの目的がある。しかし、このように非常に財政窮乏の中で、一方で借金をし、一方で貯金をしということの、余裕があればもちろん一番いいわけですが、仮にそれをやった場合に、余分に国債を発行しなければ、その貯金ができない、積み立てができない。そのどちらに、財政上または経済に対してどっちが影響力があるか。いまになってみると、そういう問題も含めて総合的に判断をしなきゃならんという事態も全くないとは思われない。じゃいまの段階で法律を改正して、それで定率の繰り入れをやめると、暫定的でもやめるということをいま言明できるかと言われましても、先ほど言ったように、来年の経済見通しなり、税収の見通しなりがわからなければ、いまの段階から、それは廃止するんだということを私が言える立場にはまだないわけです。しかしながら、これは真剣に諸般の事情も考えなければならないような事態になっていることも事実なので、いずれ、これは法律改正の問題でございますし、大論争のあるところですから、国会の皆様とも相談をしなければならない問題なんです。その方針はまだ決まっておりませんが、いろんなことについても、こういう非常事態でありますから、いろいろ勉強はしていきたいと、そう思っております。
○峯山昭範君 いずれにしても、大臣おっしゃるとおりだろうと思いますけれども、税収見通しにしましても、来年の経済の見通しにいたしましても、いま飛び抜けてよくなるなんてことは具体的な問題が何にもないわけですから、それはよくなるということはないとわれわれも思うわけです、実際問題として。そういうふうな意味では、これは大臣がおっしゃるように、それがはっきりしなければというふうに大臣はおっしゃっておりますけれども、やっぱり最悪の状態も見込んで勉強もしておかなければいけないと、こういうことになるんだろうと思いますね。 そこで、来年度の予算編成の問題につきまして幾つかお伺いしておきたいと思います。 一つは、概算要求の中でマイナスシーリングの問題が云々されているわけでありますが、私の手元にありますいろんな資料、新聞報道等によりましても、マイナスの枠ですけれども、これはいろんなところで五%という切り込みを行うというふうな話が進められているようでありますが、これは徹底してその方針で進められる方針でございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いずれにいたしましても、行政改革をやって、まず赤字国債からの脱却と言うからには、経常経費の徹底した合理化、削減、抑制、これをしなきゃならん。これはどなたも異議が実はないわけです。だからといって、経常経費にもいろいろございまして、義務的人件費というようなものを切り詰めると言っても、現実の問題としては、少なくしてしまうということは非常にむずかしい。それから年の中途で年金のベアが決まった、ことしは数カ月分だけれども、来年になったら十二カ月分になってしまう。来年になってから、ことしベアしたものをともかく単価を来年下げるなんということは、これも言うべくしてできない。それから、やはり国際条約に基づくいろいろな契約等があって、その歳出化の問題についても、極力抑えていくにしても、そのこと自体をマイナスにしてしまうということもなかなか言うべくしてむずかしい。それから、生活保護のような問題、それからいろいろな保険、医療保険とか、国民健康保険とか、こういうようなものは、やはりそういう病気が発生したりなんかすれば、自動的にそれに対して幾ら幾らという法律に定められた支出が行われるのであって、これも制度的に少なくするということもなかなかこれは実際問題としてむずかしいというふうなものがあれば、そういうようなもの、もう少したとえばエネルギーの問題とか、海外経済協力の問題とか、世界に対して五年たったら倍にしますと約束をしておって、来年だけは去年よりも減らしてしまう、伸び方は少ないにしても、ことしよりも減らしてしまうということも現実的でないということになれば、そういうようなものは抑えながらも、ことしより減らすことは少なくともむずかしい。ということになると、そういうものを除いたその他の経費について、五、六兆円になりますか、それは極力抑えなきゃならん。五十七年度予算はそれをゼロにした。中で多い少ないはありますよ、中で多い少ないはありますが、総額としては伸び率ゼロ。だけれども来年度予算はそれを伸び率をゼロでなくてマイナスにしようというように考えておるわけです。そこで、五%を一応目標に、いま言ったものを除いた一般歳出をマイナスする、つまり前年対比九五%にして、その範囲内で予算の要求をやってもらってはいかがかと、まあ五%と断言をここでしちゃっていいのかどうか、ちょっと問題があるんです。あるんですが、一応五%と決まったわけじゃないんだけれども、七、八%、一〇%と言ってもちょっと現実的でない。ぎりぎりできる線というのはどれくらいかということで、これもいろいろ議論のあるところなんです、実際は。物価は多少上がるわけですから、数年間据え置くだけだって行政費は実際は七〇%ぐらいの、量的にいうと七〇%ぐらいの削減になっているわけですから、それをさらに切るというわけですから。したがって、そう大きなことを言っても、できそうなことを言う人はあるんだけれども、なかなかむずかしいですね、これは。したがって、一、二%ではもちろん足らんということになれば、五%ぐらいかなと。党ともまだ話してない、数字をきちっと言ったわけじゃないので、余りしゃべり過ぎてまたおしかりを受けるかもしらんけれども、五%ぐらいかというのが頭の中にあるわけです。
○峯山昭範君 あと二点、大蔵大臣にお伺いしておきたいと思います。 一点は、いま大臣おっしゃるように、マイナスシーリング五%なんというのは、なかなか言うべくしてこれは実行は非常にむずかしいという問題もあると思います。それは、大臣のおっしゃる意味はよくわかります。そこで、一つは、そういうふうな中で、別枠は設けないという問題もずいぶんおっしゃっておりますけれども、大臣も先ほどおっしゃいましたように、海外の経済協力の問題とか、いま幾つか項目をおっしゃいましたが、それはよくわかります。当然そういうような問題についてはそれなりの配慮をしなければいけないと思います。ところが、多少われわれとしてどうしても問題になるのは、防衛費に関する別枠の問題ですね。これがやっぱり八%増の枠を認めるとか認めないとかいう議論が相当出ているわけであります。実際問題としては、五%マイナス各省庁している中で、八%増ということは大変なことだろうと私は思います。この点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのかというのが一つ。 それからもう一点は、これは増税の問題であります。 先ほども議論ございましたが、増税なき財政再建というのはどういうことかということで、大臣のお話、予算委員会や、先ほどもお聞かせをいただきました。その意味はよくわかります。当然不公平税制の是正をやっちゃいかんということじゃないと私は思っております。それはそれなりにきちっとしなければいけないと思いますが、それと同時に、たとえば大衆消費税みたいな大型の増税はしないと、それもよくわかるわけですね。しかし、増税なしの中身の意味というのについては、非常にむずかしい問題があるわけです。それで、新聞報道等でも、いろんな新税についての考え方がもうすでに報道されているわけですね。それで、当然大蔵省としてもずいぶんいろんな角度から御検討をしていらっしゃるんじゃないか。大臣の耳に入ってないにしても、それぞれの分野では、この財政再建をやるために、どこら辺から税をふやすことができるかという検討は当然私はやっていらっしゃると思います。そういうような意味で、いわゆる増税とは言わないまでも、不公平じゃなくて不公正と先ほど大蔵大臣おっしゃっておりますが、そういうような意味での税の改正ですね、法律の改正も含めまして、そういうことはどういうふうに大臣の頭の中にあるかということ。さらには、土光さんとの話し合いの中でも、その問題がいろいろと出てきたそうでございますが、それも含めまして御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 三日ぐらい前ですか、私は七時のNHKのニュースを見たらば、大蔵省は八%防衛費の別枠増額を認めたと、二回やりましたね。大蔵省というのはどこにあるのか、私は知らないですよ。事務当局ともそういう話はしておりません。極力これは抑制せねばならん、減らすということは現実的にできないだろうと。極力抑制をしなきゃならんという話は相談はいたしておりますが、八%ともかく認めたなんて、少なくともまだ数字は固まってない。われわれそれも低いことを考えておる中で、確定的なことを報道を何回も何回もしまして、何でああいう報道をするのか私は非常に疑問を実は持っているんです。大蔵省は固めたと、大臣は固めない。主計局長も次官も知らない。担当主計官も固めない。どこからああいうのが出てくるのか私は疑問なんです、実際は。したがって、少なくとも現在の段階において、そういうことはあり得ないというようにお考えいただいて結構でございます。 それから、増税の問題につきましては、これはいま先生がおっしゃったように、もう一切税目についてはさわっちゃいかんなんて言われたら、それは是正も何もできるものじゃないわけですから。ですから、私は総額の問題として、特に大型な新税は総理もやらないと言っているわけですから、鈴木内閣のもとにおける大蔵大臣として、私がやるというようなことを言うわけにはまいりません。ただ、不公正の是正はやれと、その不公正とは何だという問題についてはいろいろ議論がこれあるところでございまして、時代が変われば、その当時としては妥当なものであっても、いまは妥当なものではないと、もう見方によっちゃ不公正と思われるんじゃないか。それはもう見解の問題がありますから、これはやっぱり時代とともに変わるんですよ、特別措置法なんというものは。だから、私は、当時としてはよくても、いまとしちゃなくたっていいという話もあってしかるべき問題でございますから、そういうようなものの見直しというものは当然やっていかなきゃいかんし、新税の問題についても具体的にどうこうということを考えておりませんが、やっぱり源泉税がぴしぴしと上がっていく中で、片っ方ではもう非課税のものがいっぱいあるということについては、財源確保の点からどうなんだというような御議論もいろいろございますので、幅広くこれは検討をしていきたいということであって、具体的にどことどこというようなことが決まるのはやっぱり秋口になるんじゃないか。真剣に具体的検討を政府税調等で仮にやるとすれば、秋口以降ということであって、いまはなかなか国会の問題もございますし、シーリングの問題で頭いっぱいでございますし、なかなか収入面までは手が及ばないと、大蔵省としても。それも偽らざる実態でございます。 いずれにしても歳入歳出の抜本的な見直し、洗い直しというものをやっていかなければ、私はとうてい行政改革の精神に沿っためり張りのついた予算というのは組めないんじゃないかと、そう思っておるわけでございます。
○峯山昭範君 田邊長官にお見えになっていただいておりますので、非常に短い時間ですけれども二、三お伺いしておきたいと思います。 今回の予備費の中で、特に沖繩開発庁関係で、沖繩における人身被害者特別支出金の支払いに必要な経費ということで、四千九十二万八千円が支払われているわけであります。この問題は沖繩返還協定のときにずいぶん委員会で議論をいたしましたけれども、これは実情はどういうふうになっているのか、初めに事務当局からで結構ですが概要を説明してください。
○政府委員(関通彰君) 予備費の支出をお願いいたしました沖繩におきます人身被害者特別支出金の経緯でございますが、先生いまお触れになりましたように、復帰のときすでに、復帰前米軍によります人身災害について、当時米軍の制度で補償救済の措置はとられておりましたが、何らかの理由によりましてそのような救済を受けてない方がある、何らかの措置をとるべきであるというお話があったわけでございます。 復帰のとき資料が整備されておりました終戦後から昭和二十七年の講和発効時までの分につきましては、復帰直後、昭和四十七年と四十八年に特別措置がとられておりまして、被害者に特別交付金が交付されております。 講和発効時以後復帰までの分につきましては、資料等の整備がされていなかったものでございますから、その後地元で県知事、全市町村長が構成員となられました協議会がつくられまして、その協議会で実態を調査されまして、四十九年、五十年、五十二年の三回に分けて資料が整備されたわけでございます。 これを受けまして、政府では、昭和五十五年に被害者の方々に特別交付金を交付することといたしまして、総額二億七千四百七十八万円の特別交付金を交付いたしております。総件数は五百十四件でございます。
○峯山昭範君 これは事務処理が非常におくれてますね。沖繩復帰してことしでもう十年になるわけですがね。なんでこんなにおくれたんですか。
○政府委員(関通彰君) 何分復帰前の米国の統治時代の事案でございまして、復帰時、昭和四十七年当時、そのような方々に何らかの救済措置というお話はございましたが、具体的な個々の事案についての資料等が必ずしも十分に把握されてなかったわけでございます。そのため、先ほど申し上げましたように、地元におきましても、県知事、全市町村長が構成員となられまして、協議会を作成されまして、資料等の整備が行われたわけでございます。それを受けまして、このような措置を講じたものでございますので、その間かなりの時間が経過したというぐあいに御理解いただきたいと存じます。
○峯山昭範君 もう時間ありませんから端的に言う以外ありませんが、今回の補償もこれは死亡に対して百四十六件、平均百二万円ですか。障害は三百六十八人、平均三十四万二千円ですか。これは国内におけるいろんな事故等から比較いたしましても、非常に金額が安いんですが、これはどういう基準からこういうようになっているんですか。
○政府委員(関通彰君) 交付の基準を申し上げますが、この交付の基準は、実は復帰前の人身災害につきましては、復帰時に終戦時から昭和二十七年までの事案につきまして交付金が交付されておりますので、実は講和発効時以後の分につきましても、それ以前にすでに交付した基準に原則としてならいまして算定をいたしたものでございます。内容は、障害等受けられました方につきましては、療養に対する交付金、あるいは休業に対する交付金、あるいは死亡された方につきましては、遺族に対する特別交付金等を復帰直後に措置いたしました講和前の方に対する事案の基準に沿って算出したということになっております。
○峯山昭範君 もう衆議院でも議論されておりますから、余り詳しいことは言いませんけれども、まず一つは、昭和二十七年以前ですね、以前がもうすでに交付金が交付されておる。それで、その基準に基づいて四十七年までの分を算定したと、こういうことですね。要するに二十七年以前は人数が何人いて、そして死亡件数何件、障害等が何件、平均どういうようになっているのかということが一つ。それから、いまの五百十四件が、このこと自体金額は非常に安いということは、死亡の一人平均が百二万円ですから、死亡の最低は幾らといいましたかね、七十三万円とか聞いてますね。そんな安い金額が昭和二十七年以前の基準でこうなっているということは、少なくとも昭和二十七年以前の事件がそういうふうな非常に安い金額で解決をしておるということですね、逆に言えば。ですから、そこら辺も逆に問題があるんじゃないか。人間の命一つがそういうふうに非常にむちゃに扱われていたとしいうことが、復帰前の沖繩ですでにそういうことにあったということも言えるわけですね。ですから、その点はどうなるのか、一遍そこら辺のところはやっぱりもう少し二十七年以前の交付金の交付の金額の基準にすればこうなるということですから、確かに後の方をふやせば問題出てくるかもわかりませんが、この問題は全体的にやっぱり問題があるということですね。この点は大臣から後でお答えください。 それからもう一つは、昭和五十五年に支払ったという今回の予備費の中で出てきたこれで終わりなんですか。この後はどういうふうになっているのか、五百十四件の後はどういうふうになっているのか。またずいぶん出てきそうなのか、あるいはもうこれで大体終わりなのか、これからの見通し等も含めて、初めに事務当局からお答えをいただいて、後大臣からこの問題について、やっぱり沖繩の問題は非常に大きな問題でありますし、当時沖繩の返還交渉のとき、あるいはその後の条約締結のとき等対米請求権の問題についてはずいぶん議論をした問題でありますけれども、具体的な問題出てまいりましたので、この問題に対する大臣の所信もお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(関通彰君) 人身災害案件につきましては、五十五年度の特別交付金の交付で完了いたしております。ただ、先生も御承知のように、対米放棄請求権に関しましては、人身災害以外に漁業補償の問題、あるいは土地関係の案件等がございます。五十五年の人身災害の特別交付金以外に、漁業関係の事案につきましては、昭和五十三年から五十五年の間に総額三十億円の特別交付金を交付いたしております。それから土地関係の案件につきましては、総額百二十億円の特別交付金の交付をするということで、協議会等と合意をいたしておりまして、すでに昭和五十六年度からその交付を始めているところでございます。
○国務大臣(田邉國男君) いま御指摘がございました点でございますが、確かに現時点で考えますと、非常に金額に大きな差があるという感じは私もいたしております。ただ、従来のこの人身被害者特別支出金という問題が、講和条約前にアメリカの施政権内にあった当時の措置をやはり踏まえて対応しなければならない、そういう事情がございまして、私ども現在とっておる措置は、御指摘のあったように金額的には非常にいろいろと問題があるやに聞こえるわけでございますが、ここは大変にむずかしい問題で、損害賠償のような法律上に基づく補償責任というようなことで出せるものでなかったために、従来のいわば講和条約前の一つの方式をとってこれを対応をした。この処理の仕方については私はやむを得ない措置である、こう考えております。
○柄谷道一君 昭和五十五年及び五十六年度の一般会計予備費使用総調書及び各省庁所管使用調書等の内容につきましては、災害の復旧に要した費用、訴訟における和解の履行に要した費用、補欠選挙に要した費用など、特に使用目的を逸脱しているとは思われませんので、民社党としては承諾するものでありますけれども、衆議院決算委員会でわが党の和田一仁委員が指摘いたしておりますように、昭和五十五年度の総理府所管の沖繩における人身被害者特別支出金等は、あらかじめ計上し得ると思われる支出でございまして、財政法二十四条の「予見し難い予算の不足に充てる」とする予備費使用の規定に照らして妥当性を欠くのではないかという疑点も残りますので、予算編成時、今後一層厳正に対処するようにこの際求めておきたいと思います。 ところで、予備費の当初予算計上額でございますが、昭和五十四年以降機械的に三千五百億円が続いております。しかも、毎年度予備費の相当の使用残を残しております。 〔委員長退席、理事粕谷照美君着席〕 もちろん予備費というのは予見が困難であるとしても、予算編成の際に一工夫あってしかるべきではないか。特に、五十四年、五十五年の両年度、補正措置も行われていないわけでございます。当然予備費に全額使わないという見通しが立つならば、中間年度適正な補正措置が加えられてしかるべきである。こうした点は是正を必要とすると思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 予備費の金額につきましては、先ほども御質問ございましてお答え申し上げましたが、御指摘のように五十四年度以降三千五百億ということで、ここ四年続いておるわけでございます。金額的には、先ほども申し上げましたように、私どもといたしましてはもう少し正直言いまして大きい方が、財政の運営、執行には便宜であるとは思っておりますけれども、しかし、現在の厳しい財政事情の中でございますから、とてもそういうこともできず、したがいまして、現在、五十七年度では、予算総額に対しまして〇・七%程度というふうに、きわめて小さいところでおさまっているわけであります。この三千五百億の予備費につきまして、それぞれの年度におきまして、使用の残額というのが違ってございます。五十六年度は先ほども申し上げましたように二百二十三億ばかりでございましたが、五十五年度の使用残額、最終的には九百七十九億、それから五十四年度は千百七十六億でございましたが、十二月の時点におきまして、どの程度今後の予備費の使用見込み額が出てくるんだと、 〔理事粕谷照美君退席、委員長着席〕 こういうことの見込みとの兼ね合いで、予備費を補正減するか、補正でさわらないでおるかということを決めるわけでございますが、五十四年度の十二月の時点では千四百億円程度、五十五年の十二月の時点では二千百億円程度当時残ってございましたが、五十年度以降の実績では、多い年は二千百億円ぐらい。少ない年ですと四百数十億円ぐらい使ってございますので、その兼ね合いも見まして、五十四年度、五十五年度はそのままさわらずにおいたわけであります。でございますが、先生おっしゃるように、余り大きな金額が最終的に残るのもいかがかという御指摘もございます。この辺のところは慎重に考えてまいりたいと思います。
○柄谷道一君 大会派と違いまして質問時間が短いわけです。毎年度幾らの予備費が残っているかぐらいは資料として私は承知しておりますから、簡潔に質問にお答えいただきたい。 私の言いましたのは、大臣、気まぐれと言ったら失礼でございますけれども、補正予算でちゃんと措置する年もあれば、全然措置をしない年もある、こういった点は一応一考の上、必要な是正が必要だということを申し上げておるわけです。この点は要望として伝えておきたいと思います。 ところで、五十五年特別会計予備費のうち、約八百二十三億円が外国為替資金証券の利子の支払いが予算で予定したものよりも増加することに伴いまして、その支払い財源を国債整理基金特別会計に繰り入れる経費に充てるために支出されております。これは国債整理基金の機能が、将来の国債の償還に備えて資金をプールするということのほかに、他の特別会計の借金の利子のトンネル機関としての機能を持つことを意味しております。これはもちろん法律で定められていることでございますけれども、一応その立法趣旨を改めて簡潔に御説明いただきたい。
○政府委員(宍倉宗夫君) 立法の段階、つまり明治三十九年にこの特別会計できておるわけでございますが、そのときの立法趣旨をたどってみますと、第一に、日露戦争遂行のため、外国——特に英国で公債を発行いたしまして、その公債の元利償還及び利子支払について、日本の信用を確保するというような目的が一つあったようでございます。 それから二番目に、そういうことで基金をつくりますと、公債の市価維持等のため運用するに当たりましては、なるべく基金そのものの金額が大きい方が機能的に働きやすいというような議論があったようでございます。でございますから、先生おっしゃるように、何もかも、言葉が適当かどうかわかりませんが、どんぶりになっているじゃないかというふうになっているのは、そういった趣旨からきているのだろうと推察されます。 それから三番目に特別会計が発行する借換債収入のほか、元本償還額、利子みんな特会で経理することば行政上最も便利だ、こういうような議論もされているようでございます。
○柄谷道一君 いずれにしても、これは明治時代につくられた制度であり、かつ確かに国の債務の明確化とか、一元的整理という意味で便利だという利点はあると思うのですけれども、果たして現状のまま今後も推移していいかどうか。この点についてはひとつ検討を願いたい。特に、外国為替資金特別会計からは昭和五十七年度予算で剰余金六千三百六十億円のうち、約二千億円が一般会計に繰り入れられております。これは五十六年度の円安に伴うものであったと、こう思うわけでございます。特に、この外国為替資金特別会計関係は、円相場の乱高下によりまして相当の影響を受けるものでございます。こういう新しい事態に備えて、現行の制度がいいのかどうか、これらも再検討の必要があるところではなかろうか、これは要望でございます。 ところで、五十七年度も相当円安によって、かなり大幅な剰余金が出るものと思われますけれども、その見通し及びその処理方針はいかがでございますか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 五十七年度の予算では、五十七年度末に実質黒字といたしまして一兆三百三十七億円を予定しておるわけでございますが、これはいま先生御質問でございましたように、為替相場が上下変動いたしますと変わってくるわけでございます。いま私が申し上げた数字は、為替相場に変動なしという前提の数字でございます。したがいまして、実際問題としては、そこが変動してまいるわけでありますので、当然最終的には先ほど申しました数字は違ってくると存じますが、じゃ幾らになるんだということにつきましては、事柄の性質上、残念ながら確たることを申し上げることはできないのであります。
○柄谷道一君 問題を次へ移しますけれども、大臣にお伺いしますが、大蔵省は予算委員会提出資料で、五十六年度の税収不足を、対補正予算比二兆九千億円プラスマイナス一千億円、当初予算と比べて約三兆三千五百億円不足になるであろうという資料を提出しておられます。そこで、補正予算と比べ、差し引き歳入歳出予算上の不足額二兆五千二百億円のうち二兆二千八百億円は、国債整理基金から借り入れる、こういう方針を示されておるわけでございます。しかし、これは他の委員からも指摘されましたように、五十八年度までに返さなければならないという現行の制度になっております。ところが、大蔵大臣は、六月三十日の参議院予算委員会で、わが党の柳澤錬造委員の質問に答え、現行法どおり五十八年度までに返すということは確定的には言えない、こう述べられまして、法改正により五十九年以降に繰り延べる可能性があることを示唆されました。また、本日の峯山委員からの質問に対して、繰り延べるという方針は決定していないけれども、そういうこともあり得るという答弁をされたわけでございます。これは自民党の財政再建議員研究会が、去る六月二十四日総理大臣に提出いたしました提言と軌を一にする発想であろうと思います。この点法改正の可能性ありと、こうわれわれは受け取ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現段階では断定的なことを申し上げることはできません。できませんが、経済は生き物でありますし、財政は経済の実態に即して運営をせざるを得ないのも現実の姿でございます。したがって、今後の経済見通し、税収の見通し等によって、どういうふうにすべきか検討を迫られるようなこともあり得ると考えております。
○柄谷道一君 今後検討することがあり得るということでございますけれども、私はそのような発想は、一つには財政の節度を失わしめるものではないか。さらに、この問題は国債の市場消化難という発行市場の制約を考えた苦肉の策とはいえ、実質的な赤字国債と同じものでございます。それによって仮に五十九年度赤字国債脱却の公約を果たし得たとしても、それは表面上のことであって、実質的な財政再建につながるものではないと、私はそう読み取るのが財政法の精神であろうと思う。大臣のさらにしかとした答弁をお伺いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 断定できないんですからしかとした答弁はできません。できませんが、そういう見方があっても不思議はない、やっぱり見方の違いでございますから、御承知のとおり、国債整理基金に金を借りるときに預金を積む、そんな余裕があるのかという議論はもう最初から実はある議論なんです。しかしながら、やはりそれくらいのことをしないと、財政の節度がなくなるじゃないか、いまおっしゃったような御議論ですね。だから、やっぱりそれはきちっとして、借りた金は返すんだから、その一部は積み立てておくというのも、やはり赤字国債を出すブレーキになるではないか、だからそうすべきだ、こういう議論もありまして、そういう趣旨でつくられたというふうに私は承っております。したがって、現行法どおりでいくのが私はいいと思っておりますけれども、しかし先ほど言ったように、ともかくこの規則が優先するのか、現実の国民生活が優先するのかというような問題を総合的に考えた場合、また元へ戻して、貯金をするために別にそれだけ余分に借金をするということの方は一体どうなのか。そのプラス・マイナスというものも、そういう場合においては、やはりあんまり硬直的に考えないで、実態論上、実益的に物を見るということも全部拒否だという、そういう固い頭ではないということでございます。
○柄谷道一君 何か私の頭が固いような御答弁なんでございますけれども、私はどうも大臣、この問題は単式簿記的発想でつじつま合わせだけやるということは、私は財政の節度という点から大変な問題を起こすと思うんですよ。昭和六十年以降の国債償還に備えて、昭和四十二年度から十五年間にわたって積み立ててきました三兆五千億円の国債整理基金のうち、約二兆五千億円の金額を単年度の歳入欠陥のために取り崩す、しかも返済期限を延ばす。これはイコール赤字国債の発行と同じでございます。しかも、そのために年間約二千億円程度の運用益を失う、これは国債の償還に備えて積み立てをしようというこの法の精神にもとるものである、私はこのことを強く指摘をいたしまして、今後大蔵省の出方を注意深く見守っていきたい、こう思います。 そこで、大臣は同じく柳澤委員の質問に対しまして、一般会計から返す以外に方法がないかどうか知恵を働かせる必要がある、こう答えておられます。これは一体何を意味するんでございましょうか。一般会計から借りた以上、決算資金法にも明定されておりますように、一般会計を通じて返済するのが筋であります。際限なく現在の制度をいじくり回して、このことにより一層財政節度というものに対して疑点を残すというような発言は慎まれるべきではないか、こう思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ一般財源と言った方がいいのかもしれませんがね、私が一般会計という言葉を使ったかもしれませんが、要するに一般財源から返済をするということ以外はないのかどうか。結局借りた金は翌年の予算の一般財源でお返しするということは法律で決まっていることですから、そのこと以外はもうないのかどうかということを検討する場合もあるということは、それは臨時的にそういう制度を停止させるということも考えられるかもしらんし、あるいはその他のことを何か考えつくようなことがあるかどうか、検討いたしておりませんからわかりませんが、いずれにしても、いま柄谷委員がおっしゃったように、節度がなくなるという議論はあるんです。それはあるんですが、まあ運用益がなくなる。しかし、ほかに借金したらその部分だけは、借金分はさらに今度はよけいな国債費がふえる、同額またはそれ以上のものがふえる、それも事実ですね。したがって、そこのところは、利息の話はプラス・マイナスでございます。ただ、返済するという場合には、国有財産その他売り払いというような金の一部も入るかもしれませんし、それから、積立金を取り崩すというようなこともあるでしょうし、あるいは税で返すか、金に色はついていないわけですから、どこで返して、どの金がどこへ行ったということは厳格には申し上げられない。しかしながら、そういう制度をこの非常な苦しいときにも、全部現行法律どおりやった方がいいということなのか、それ以外には一切考えられないのかというと、それ以外のこともこういう異常事態ですから考えざるを得ない場合もあり得るということを私は言っているわけでございます。赤字財政赤字財政と言うんですが、それは考え方でして、預金を借りてきてそしてその赤字を少なくすると言うと、別にそれじゃ預金が減ったんだからそれは赤字国債と同じじゃないかとか、財産を売り払ったとすれば、もともとある財産がなくなっちゃったんだから、それは赤字財政と全く同じじゃないかとかいう、広げて解釈すれば、すべて税金で収納した代金で払う以外はみんな赤字国債の発行と同じじゃないかという議論も、それはやってできないことはないと思います。しかし、そこまでわれわれは考えておらんのでありまして、やはり赤字国債からの、特例国債依存の体質から脱却するということを言っておるわけでございますから、やはりこういう時期には余裕のあるものは全部国も財産も不要財産は売り払ったり、あるいは積立金を減らしたり、あるいは特殊法人その他からも納付金をお願いをしたり、いろんなありとあらゆる財源確保の方法は講じてやるべきだという意見も一方にあるわけですから、ですから、そういうものを勘案しながらどうするかということを考えてまいったときに、国債整理基金というのは借りたらば必ず二年以内に元へ戻せという法律があるけれども、その法律どおりにやれるかどうか、やれれば一番いいことなんですが、そういう問題も含めて検討しなければならないこともあり得るということを私は申し上げているんです。
○柄谷道一君 まあ知恵をしぼって帳じり合わせをする、これは大変な御苦労だと思うんですけれども、しかし、決算調整資金に関する法律とか、財政法とか、現行の法律というのはやはり長い歴史のもとにつくられておる法体系でございます。これを余り便法的に、ただ帳じりを合わせるために財政節度というものが根本的に揺らぐというようなことだけは、これは後世に渡辺美智雄大蔵大臣としての悪名を残す結果にもなると思うんで、この点は慎重な配慮を求めておきたいと、こう思います。 ところで、五十六年度の歳入不足は明らかになりましたが、私の方でこれ試算してみました。五十七年度、これは五十六年度の税収の伸びを当初予算に比べ一〇%不足、五十七年度の弾性値一・六、これは五十七年予算ベースでございます。経済成長が名目成長率六・四%、こう仮定して計算いたしますと、五十七年度の歳入不足は四兆九百億円。五十八年度は税収の伸び十二%と仮定をして、同じく経済成長六・四%といたしますと、中期展望に比べ四兆五千四百億円の歳入不足、これ別の視点から五十七年の税収伸び率を、五十一年から五十六年度平均の平均伸び率一〇・五五%として四兆八百億、五十八年度の税収伸び率同じく平均十二%として四兆五千三百億、どの方法によりましても、おおむね現在予想されるのは五十七年度約四兆円強の歳入不足が生じ、五十八年度は中期展望と比較して、四兆五千億円を超える歳入不足を生ずる、こういう試算が成り立つわけでございます。恐らく経済成長率等はまだ予測できないという答弁だろうと思いますが、私のそのような前提を置けば、この数字間違いございませんね。
○政府委員(水野勝君) いろいろ前提の置き方があろうかと思いますので、その前提のよしあしにつきまして、私どもちょっといろいろ申し上げることは差し控えたいと思いますが、いずれにしましても、五十六年度におきまして、当初予算に対して三兆何がしのものがあるということからしまして、税収動向五十七年度、五十八年度非常に厳しいということはわかるんでございますが、それ以上具体的な金額等につきましては、何ともお許しをいただければと思います。
○柄谷道一君 お許しをいただきたいと言われれば、これ以上の質問の仕方はないんでございますけれども、しかし、私がいろんな指標によって計算しましても、それはプラス・マイナスは出ると思いますよ、おおむね五十七年度四兆円台の歳入欠陥、五十八年度も五兆円前後の歳入不足が生ずるであろうということは、これはもう避けがたい一つの趨勢であろうと思うんです。 そこで、昨年十二月、主税局は国会における答弁で、五十六年度の不足額は最大限で一兆円強と、こう説明されました。余りにもかけ離れた五十六年の税収不足でございます。しかも、五十六年から五十八年のこの三カ年間に約十二兆円前後の見込み違いを生ずるということは、これは単なる見込み違いという言葉で済まされない、政治問題にまで発展する私は重要な内容を含んでいると思うわけでございます。 そこで、大臣は、二月三日の衆議院予算委員会で、福田主税局長が、見積もりを誤った責任は私にありますという答弁を引き継いで、部下が責任を持つものは大蔵大臣が責任を持つのはあたりまえである、私が承認しているのだから、私の責任において見積もっていると言って差し支えない、私が責任を持って処理し、結論が出てから、私がしかるべき責任をとると、こう議事録の中でも明記されているわけです。私は、大臣が部下に責任を転嫁しないという姿勢、責任を持って事後処理に当たるという決意、しかも処理をつければみずから進退を決するという潔い政治姿勢に私は敬意を持つものでございます。 そこで、いま言いました三年間約十二兆円前後の見込み違い生ずるわけですね、そして、総理の公約自体の実行も危ぶまれるという事態になってきた、そのことに対してしかるべき政治責任をとるということは、大臣の出処進退を含んでの決意であるのかどうかお伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 三年間十二兆と決めてかかられましても、そんなことはまだわからん話でございます。それは景気の動向、世界経済の動き、そういうものが一切かかってくるわけでありますから、これはどれぐらいなものがなるかということは断定いたしかねる、部下の責任は私の責任、当然のことでございます。したがって、私としてはしかるべき責任をとるということも、これもあたりまえのことでございます。どういう責任のとり方だと、その責任のとり方というものは事務的責任なのか、政治責任なのか、政治責任というのは政治の世界でとる責任でありますから、そのときの政治情勢によってとる責任であります。
○柄谷道一君 じゃ、具体的にお伺いしましょう。 私は、これ一大蔵大臣の政治責任というよりも、むしろこれ内閣全体の責任と言うべきであろうと思うんです。大臣が勝手に予算案決められたわけじゃなくて、これは閣議で決めたわけですからね。 そこで、この政治責任のあり方につきましては、私はあす幸い総理に対する質問がございますから、その際にただすといたします。 ただ、いま十二兆円前後出るか出んかわからんと言われましたけれども、膨大な三年間に歳入欠陥を、見込み違いを生ずるであろうことは動かし得ない事実です。とすれば、この際、これに対応する道としては六つあると思うんですね。 一つは、臨調答申を一〇〇%実施をして、例外項目を厳しく査定し、マイナスシーリングによって歳出のカットを図る、これはもう当然のことでございます。しかし、これだけでは補い得ないであろう、とすれば、第二に考えられるのが、大型、新型の増税は総理の決意表明によってできないとしても、不公正是正の名において、かつ、総理の決意表明は既存税制の範囲内の増税は含んでいない、したがって、公約違反にはならないとして、相当規模の増税を行う、これが第二の道でございます。 第三は、補助貨幣回収準備資金の取り崩し、専売納付金等の増額等、さらには電電民営化に伴う資産売却など、恒久的とは言えない一時的苦肉の策によってつじつまを合わせる、これが第三でありましょう。 第四は、総理公約の赤字国債発行ゼロは五十九年度であって、途中の年度で、しかも補正予算で増発しても公約違反ではないといたしまして、赤字国債を追加発行するという道であります。 第五は、赤字国債と建設国債は別である。したがって、建設国債を補正予算で発行することによって、積極的経済政策に転換する。そのことによって自然増収を図るという道であります。 第六は、五十九年赤字国債脱却の目標をずらすという道でございます。 どうも予算委員会の質問では、大蔵大臣はどの道を歩こうとしておられるのか、国民は十分に理解できません。したがって、この際渡辺節を通じて、国民に明確な進路をお示しをいただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御列挙になりましたようなことは、みんな検討いたしたいと思っております。 ただ、建設国債を増発すれば景気がよくなると、そういう短絡的にはいかないんじゃないか、それでできることでしたらば、そんなむずかしい話じゃないことでございますから、それはメリット、デメリット、問題は物価の問題、あるいは将来に対する負担の問題等もございますので、景気をよくするということは言うべくして非常にこれはむずかしい問題でございます。それが自由にできるんならば、世界じゅう不景気や失業に悩む必要はどこにもない。学者も何も全部おってやっておるわけでございます。何と言っても私は国民生活の安定、これにやっぱり最大の主眼を政治というものは置くべきじゃないのか。時間かかるかもしらんけれども、やはり物価が思ったより安定したということで、税収に影響が出たことも事実だけれども、タイムラグの問題もありまして、初めてことしに入ってから実質賃金がふえ、実質消費支出が二月、三月伸びると、こういう事態がずっと続けば、これは決して経済全体にとって悪い結果ではございません。必ず私はいい結果をもたらすと、そう思っております。御承知のとおり、もう三月や四月ではわからない。やっぱり半年、一年という時間が必要であります。七%の春闘ベアがあって、四・七%ことしの消費者物価が上がるという見通しを立てておったわけでありますが、現在の趨勢値でもしいくとすれば、二%台の物価で納まるということもあり得るわけでございますから、四月は二・七%、五月が二・三%というように、消費者物価が当初見通しよりもさらに一層鎮静化の方向に向かっていると、私はこれをずっと上げる方向に持っていくということはいかがなものかと、実は思っておるんです。したがって、そういう点も考えながらやらなければなりませんし、何といってもGNPの二百七十七兆の中に占める個人消費支出というものが百六十兆、五八%近くある。公共事業が二十四兆で八・七%、約九%ぐらいのシェアでございます。民間設備投資が約一五%ぐらいのシェアでございますから、景気に対する、経済規模に対する影響力というのは、何といったって圧倒的に多いものが国民の消費支出なわけです。本当の景気というものはそれが問題でございますから、それが徐々にではあるが、順調に安定的に伸びていくという方法をどうしたらいいのか。その中の一つとして公共事業、全然私はだめだと言ってるわけじゃありませんよ。ありませんけれども、公共事業だけで積極財政に転向できて、いまの日本経済が寝せ起こしできるというものでもないというように私は考えておるわけでございます。したがって、いろいろな御意見も全部拝聴しながら、いろんな資料を見て、そうして最終的にその中で最善の策と思われるものをとってまいりたいと、そう思っております。それはいま柄谷委員が言ったような、全体の問題、いまおっしゃいましたが、それらの問題全体について検討をいたしております。
○柄谷道一君 時間もありませんが、現在その道を示すというのは困難だと。予算委員会では、五十七年度第一・四半期、すなわち四、五、六、この経済指標を見て、そしてどの道を歩むか、この選択を行いたいと、こう私は受けとめております。したがって、いまの大臣非常に回りくどく言われましたけれども、マイナスシーリングの方向ははっきりしておるけれども、あと赤字国債の発行、追加発行も含めて、いま赤字国債を追加発行しないということは断言できない、すべては今後にかかるという大蔵省の姿勢であると、そのことの是非はまた改めて議論しますが、そう受けとめておきます。 そこで、時間があと三、四分しかございませんのでお伺いしますが、運輸大臣に、国鉄再建につきましては臨調の部会報告が行われましたけれども、しかし、現在の時点をとらまえますと、民営分割化の、いわゆる臨調部会報告支援論、それから現状の経営形態のまま合理化するという自民党の部会案、さらに小坂運輸大臣私案等が渦巻いているのが現状ですね。そこで、七月二十八日に臨調の本格答申が行われましたら、いままでの議論というのは一切大臣の責任においてこれを抑えて、残るのは臨調答申だけである、こう理解していいか。 郵政大臣には、同じく自民党の電電基本問題調査会が五月十三日に電電公社の経営形態を変更する理由はないという意向をまとめたと、こう報道されておりますが、これも運輸省同様、臨調答申の出るのと同時に、審議の主体になるものは臨調答申のみである、これが政治生命をかけるという鈴木内閣の大臣の政治姿勢ではないかと、こう思いますので、お伺いしておきたい。 さらに、大蔵大臣に一問お伺いしたいが、大臣は七月三日午前、土光会長とお会いになっておりますが、その際、口頭で大臣から、五十七年度の人事院勧告は行わないよう臨調で考えてほしい、こういう要望をされたと承知しております。私は、もしそのことが事実とすれば、一般職の職員の給与に関する法律第二条に定めてあります人事院の権限と独立性を損なうものであり、かつ国家公務員法二十八条に定める情勢適応の原則に違反するものであり、かつ、国家公務員の労働基本権の制限に関する代償措置を強調した昭和四十八年四月二十五日の最高裁大法廷の判決の精神にもとるものではないか、こう思います。この点に対する大臣の見解を伺いたい。 以上三つの点を質問いたしまして私の質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が土光さんに会う前に、ある新聞はでかでかと、土光さんに私がいまあなたのおっしゃったようなことを要請するとか書いてありましたよ。私の方がびっくりしまして、考えてもないことが、いかにも私が考えているようなことを書いてありました。その後で土光さんとお会いいたしましても、私はいま言ったように、人事院の勧告を抑制するようにしてくれというようなことは、土光さんに頼んでもこれは仕方のないことでございますから、それはそういうお願いはいたしません。事実でございません。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いろいろな国鉄問題についての見解が公表されていることは事実でございますが、臨調の本答申が示されまするならば、われわれといたしましては十分吟味をさしていただき、そしてまた尊重して、今後に対処してまいりたいというふうに考えてます。
○国務大臣(箕輪登君) 臨調の四部会報告が出され、その内容についても私は承知でございます。その上で自民党の基本問題調査会が検討した上、自民党の調査会としては、四部会報告と相反する結論を出していることも私は承知であります。ところが、その後臨調側と、また党側と両々相まって、さらに継続的に御相談をしているという話も承っております。その上で恐らく実行可能な臨調の答申案が今月の末に出されるものと私は考えております。したがって、先生の御質問がございましたけれども、いま鋭意検討中の臨調の審議を期待をしながら見守っている段階であります。いずれ答申が出ますと、お話にありましたように、臨調の答申を最大限尊重しようという内閣の方針がございますので、その方針に従って、私どもは対処したいと、こう考えております。
○安武洋子君 予備費の支出の中に、鈴木総理の外国訪問、主な内容といたしまして、レーガン米大統領との日米首脳会談、このために予備費が支出されております。この日米首脳会談は、レーガンの核軍拡路線、これに同調いたしておりまして、日米軍事同盟の一層の強化、そしてわが国の軍事予算を突出すると、こういうことを約束したものでございます。レーガンの限定核戦争構想がいま進められているときに、日本を核戦争に巻き込むものというようなことで、私どもはこのような予備費を承認することはできないと思っております。 そこで、レーガン政権によります限定核戦争構想に基づきます米核戦力の増強が進められているいま、この限定核戦争と、在日米軍基地の関係について質問を進めていきたいと思います。 レーガン大統領はちょうど昨年の十月の二日、米核戦力の増強計画を発表いたしました。この中で戦略核戦力の生き残り能力と耐久力の改善強化、これに主眼を置きまして、核攻撃を受けた後においても指揮、統制、通信、情報システムを確保し得る改善措置をとる、こう言明いたして、指揮、統制、通信、情報、この改善、これを優先課題にしたわけです。こうした発言を背景にいたしまして、八二年の会計年度に、軍事建設予算で在日米軍基地の強化が打ち出されております。 この強化計画の一つといたしまして、八一年の一月に、米空軍省が下院歳出委員会に提出いたしました空軍省予算に、米核戦力増強の重要な計画が載っております。これはここに持ってまいっておりますが、この千九百八十四ページでございます。 この予算書を見てみますと、まず第一点といたしまして、この中には戦略空軍、これはB52核爆撃機を主力とする戦略核部隊であると。このB52核爆撃機を主力とする戦略核部隊の通信網の増強を行う、こういうことです。 第二点は、この通信網は横田空軍基地、所沢、大和田通信所を結ぶ送受信の改善であり、そして、これが建物改良工事はこの八二年の三月から着工され、そして通信装備は来年の九月から完装される。そして、八四年の一月には完了の予定となっているというものでございます。 それから第三点、この増強計画はスコープ・シグナルIIIというニックネームで呼ばれている、こういう計画に基づくものであると、こういうことでございます。 これは予算書にも載っていることでございますので、もうとっくに御承知と思いますが、時間がないことでございますから、私がいま申し上げたことは間違いないかどうかということを、イエスかノーでお答えいただきとうございます。
○政府委員(淺尾新一郎君) いま委員が御引用になりました点、大筋においてそのとおりでございます。
○安武洋子君 ではいま一つ、今度は昨年の三月の二十五日でございますが、下院軍事委員会でのライト米空軍省技術・管理副部長の証言でございます。これは二百九ページでございます。 これによりますと、一点目はスコープ・シグナルIIIというこの計画というのは、アメリカの本国四カ所、それから海外の六カ所で進められているということです。 第二点目といたしましては、すでにアメリカ本国の四カ所、これは戦略空軍司令部のあるオファット、マクレラン、アンドリュース、キースラー、ここでことしの七月、今月でございますけれども、完了の予定であるということ。それから、海外の六カ所というのは、フィリピン・クラーク基地、グリーンランド・ツーレ基地、アラスカのエルメンドルフ、それからイギリスのクロウトン、トルコのインシルリク、そして日本の横田であると。この点、これも間違いございませんね。イエスかノーかでお答えください。
○政府委員(淺尾新一郎君) 八一年の三月の二十五日の下院軍事委員会の議事録によれば、いま引用になられたような予定で工事を進めて、一部においては恐らく工事は完了されているであろうと思われます。
○安武洋子君 では、いま私が申し上げましたスコープ・シグナルIII、こういうニックネームの計画というのは、どのような内容でございましょうか。
○政府委員(淺尾新一郎君) このニックネームで呼ばれております計画は、アメリカの戦略空軍等の通信機能を改善することを目的にして、通信設備施設の改善を内容とするものでございまして、計画自体で約六千二百万ドル程度の予算が見込まれているというのが全体の計画です。
○安武洋子君 大変簡単なお答えでございましたが、このスコープ・シグナルIIIというこのニックネームでございますが、私どもが米軍資料で調べてみますと、これはB52核爆撃機を主力とする戦略空軍の通信システム増強、そして、その中の一環として世界的規模の高周波シングル・サイド・バンド、これは議会の資料の中にも出てきておりますけれども、マクレラン、アンドリュース、オファットに配置されている、こういうものでございます。そして、この高周波シングル・サイド・バンド、これはどういうものかと調べてみました。すると、この高周波のシングル・サイド・バンドといいますのは、オファット基地発行の「戦略空軍の発展」、これはJ・ホプキンスという方が書いておられますけれども、これは国会図書館にもございます。シングル・サイド・バンドといいますのは、戦略空軍爆撃機のポジティブコントロール、こういうものを行うものであるというふうになっております。また、空軍教範でも同じようにポジティブコント.ロールを行うものであるというふうなことになっております。これは、私は防衛庁もこういうことは篤と御存じと思いますけれども、この戦略爆撃機へのポジティブコントロールということは、防衛庁はどのように承知なさっておられるでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(新井弘一君) ただいまのお尋ねでございますけれども、私どもといたしましても、B52等の米戦略空軍部隊は戦略空軍指令部、これは先生おっしゃいましたネブラスカのオファットにございますが、そこから通信衛星、あるいは各種無線、有線システムによって指揮、管制を受けているという点を理解しております。ただ、それ以上、その具体的内容はどうかということになりますと、何分にも秘密の事項にわたる部分が多いということから明らかにされていない。したがいまして、これ以上の点について御質問に答えることは遺憾ながら困難でございます。
○安武洋子君 秘密でも何でもございませんでしょう。お調べになろうと思えば、直ちにわかることではございませんか。これは国会図書館にも入っております先ほど申し上げましたオファット基地発行の文書の中、「戦略空軍の発展」、これにも出てまいります。それから、空軍士官学校発行の「戦略通信入門」、これにもちゃんと出てまいります。これには、ポジティブコントロールと申しますのは、敵の領土の外側の地点に向けて爆撃機を発進させると、そして、その指定地点に到着した後に、爆撃機は目標に前進するゴーのコードのない限り、彼らのホームベースへ自動的に帰還する、こういうことでございます。すなわち、爆撃機が指定地点に来る、突入命令がイエスとかノーとかではこれは混乱をいたします。ですから、ゴーのサインのみに限定する。ゴーのサインがないと、これはもとのホームベースに帰ると、こういうことがポジティブコントロールです。つまり、戦略爆撃機B52に対して単に先ほどのお答えのように管制をしているというだけではございません。重要なことは、この戦略爆撃機B52に対してゴーの突入命令を出す、こういうことなんです。ですから、こういう体制になっていることを、私は防衛庁が御存じないとはよもや思いもかけないことでございますが、本当に防衛庁はこういうことを御存じないんですか。
○政府委員(新井弘一君) 先ほどお答えしたとおりでございます。
○安武洋子君 日本の横田が挙がっている。横田と所沢、大和田、こういうところがちゃんとこの増強計画の中に入っているわけです。そして、アメリカ空軍の資料ではっきりしているのに、そういうことを知りませんというお答えをなさるということは、私は大変無責任だというふうに思います。 それで、こうしたシングル・サイド・バンドの強化計画でございますけれども、スコープ.シグナルIIIです。この計画の一つが日本の先ほど申し上げた三つの地点、しかもこれは首都圏でございます。こういうところで進められているわけです。それで、海外の基地すべてを、先ほど私申し上げました基地を全部地図の上にプロットしてみます。そうするとどうなるか。これはソ連とか、東欧とか、その他の社会主義国、あるいは非同盟国、ここをぐるっと取り囲むようになっているわけです。まさに発進したB52、この爆撃機に対して、一たん有事になればゴーサインを発信する。この体制の一つとして横田、所沢、そして大和田があると、機能するようにつくられているんだと、こういうことがまさに明白になるわけなんです。 いま核の持ち込みというのが重要な問題になっております。しかし、核の持ち込みと匹敵するぐらいこの問題も大変重要なことではなかろうか。アメリカの核戦略に従って、戦略爆撃機B52、これはレーガンの演説の中にも出てまいります、現有のものは巡航ミサイル搭載のために改良すると、そしてB1戦略爆撃機、これも含めて一九八二年、ことしでございます。三千機以上の巡航ミサイルを搭載すると、こういうことをはっきり言っている。このB52に対して、一たん有事になればゴーサインを発信するという通信基地がどんな運命になるか。これは真っ先にゴーサインを出せばねらわれるのが日本の横田であり、大和田であり、所沢である。いまレーガン大統領は人工衛星ですら通信機能を持つものは攻撃するんだと、宇宙開発も軍事優先だと、こういうことを言っているわけです。固定した日本の首都圏にあるこの通信基地、一たん有事になれば真っ先にねらわれるというのは、だれが考えてもわかることなんです。こういうシステムになっている。私はこういうものを容認すべきでないと思いますが、外務大臣、御所見をお伺いいたしとうございます。
○国務大臣(櫻内義雄君) 安武委員の論旨はよくわかりました。ただ、それはそういう危険性がある、そういうことを前提にされておるんだと思いますが、私どもが繰り返し申し上げておることは、核の抑止力ということを重視して、その抑止力があるために不幸な事態が起きないんだと、こういう前提に立っておりますから、おっしゃることはよくわかるんですよ。しかし、ああいう悲惨な憂き目を見て、また核を使用すれば、広島や長崎のようなことでない、もうとてつもない天文学的な恐ろしいことが起きるんだよと。しかし、広島、長崎でもああなんだよということを日本は言っておるわけですね。しかし、東西の軍事力の不均衡、そのことが戦争を誘導するおそれがあると。したがって、できるだけ軍事力のバランスは、低いレベルで均衡を保っておる方がいいんだと。最近、御承知のようにヨーロッパでは、通常兵力は東がまさっておると、こういうことで、ミッテランさんでも、サッチャーさんでも、核の必要ということを言っておられる。これはとりもなおさず抑止力を考えておるわけですから、安武委員のおっしゃっておることをそのまま、そういうことでこういう施設をやることが不都合だというふうにはとらないのであります。
○安武洋子君 外務大臣、私はいまアメリカのいろんな資料を挙げて、こういう体制になっておりますよということを申し上げました。私が想像で申し上げているのでなくて、これはすべてアメリカの資料に基づいているわけでございます。 外務大臣にお伺いをいたしますけれども、アメリカのこの核戦略のもと、防衛庁も知らないとおっしゃっているときに、日本の首都圏で横田、所沢、大和田というようなところが、B52が巡航ミサイル搭載、核搭載して、そして発進していると。このB52に、一たん有事、それだけではありません。このごろ大変コンピューターミスも多いわけです。そういうときにゴーの発信をする。そうすれば、相手から必ずこの基地は真っ先にやられる、こういうことはおわかりでございましょう。日本国民をそういう危地に立たせるというふうなこと、そういう危ないものが日本の首都圏にあるというふうなことについて、大臣は、日本国民に責任を持たれる。日本国民の安全を守らなければならない大臣は、何よりもそれを優先しなければならない大臣は、このことを妥当とお考えなのかどうか、そういう立場に立って、日本国の大臣としての立場に立って、私はもう一度御答弁を願いたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは安武委員が御自身御検討の上御紹介のように、海外十カ所の施設の一つと、こういうことで、いかなる場合にでも対応しなきゃならない、こういう立場から計画されておることであって、これは核の抑止力を肯定する立場からすれば、現在の極東におけるソ連の軍備状況からしても、そういう施設が抑止力の一環として持たれる、これは私どもの立場からすれば理解はできるところであります。
○安武洋子君 あのね、いかなる場合にも備えられるように、それは日本がいかなる場合じゃないわけです。日本は全く平穏無事である。しかし、アメリカのいかなる場合のゴーサインを受けて、そして、日本がその通信を発するばかりに惨禍に遭う。しかも、日本の首都がというふうな、日本民族の滅亡にかかわるような事態なんですよね。核の抑止力とおっしゃいますけれども、それは恐怖のバランスではありませんか。コンピューターミスが一つ起こればどうなるんですか。そういうことも私は十分に考えていただきたい。日本の外務大臣であるならば、こういう危険な基地の増強をやめるべきだ、もちろんこういうものは撤去すべきだと、そういう立場に立っていただいてこそ、日本の外務大臣ではありませんか。この基地の近くの方々は本当に毎日大変なことになるということで、危険を感じていらっしゃるわけです。安穏に生活できないわけです。そういうこともおわかりをいただかないと、私は単に何だか核の抑止力だ、そんなことをおっしゃいますけれども、とんでもないことだということを強く申し上げます。 大変時間が迫っておりますので、ここで大臣に、必ず先ほどの立場に立っていただきたいということを申し添えるとともに、先ほどまで大臣は韓国の外相と会談をなさってこられたと思いますが、その内容につきまして、まず、どのようなことを話し合われて、どのような合意がなされたのか、そして、どのような会談の到達点になったのかということを一点お伺いいたしとうございます。そして、その結果、外務大臣が御自身も韓国の方を訪問されることになるのかどうか。こういう二点をお伺いいたしとうございます。
○国務大臣(櫻内義雄君) 今朝十時半から十二時までと、午後一時半から二時半までの二回お会いいたしました。安武委員御承知だと思いますが、李新長官は私は初対面でございます。それから、アメリカ訪問の帰途お寄りになっておりますので、隣国の外相として、せっかくアメリカを訪問されるのであれば、お帰りにお寄り願って、初めてのことで、お会いができれば大変幸いであると、その私の要請を受けられておいでになりましたから、したがって、この外相会議では、一般的な国際情勢、なかんずく、アジアの関係とか、あるいは、アメリカからのお帰りでありますから、対米関係とか、そういう一般情勢についていろいろとお話し合いをする、特に情勢を聞かしてもらう、こういうことが一つ。 それからもう一つは、恐らくその点が御聴取を御期待願っておると思うんですが、懸案の経済協力問題、これは私の方からは、従来、先方の示したプロジェクトに基づいて種々検討した結果がございますから、新しい長官に日本の見解というものを詳しく申し上げておく方がよろしい、こういう立場で種々申し上げた次第でございます。そういうことでありますから、今回何か両国の間で交渉をしようとか、何か結論を得ようとか、そういうことではなく、隣接国同士としての腹蔵のない話し合いをする、こういうことで終始いたしたわけであります。
○安武洋子君 訪韓なさるかどうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 世上報道されておる訪韓のことは、何か私が、懸案になっておる経済協力問題について、韓国との間で話をするんではないかというような見地で報道されておりますが、現在、私自身が、この十月ぐらいまでのいろいろな外交スケジュールですね、たとえば今月末から日豪会議に行くとか、あるいは九月には中国に総理の随行をするとか、その後のガット閣僚会議等等を考えますときに、新聞報道のような計画はいま考えておりません。
○森田重郎君 これは農林省にちょっとお伺いしたいんですけれども、五十六年度の予備費の使用につきまして、「国内産糖製造事業等特別対策に必要な経費」ということで、これは事項でございますが、農水産省関係の糖価安定対策費、これが十一億一千五百九十九万五千円計上をされております。その説明を見ますと、「甘味資源作物の生産の振興及び国内産糖の製造事業の健全な発展を図るため、国内糖価の動向等から、国内産糖製造事業者が昭和五十五年産さとうきびの買入代金のうち最低生産者価格を超えて生産者に支払った金額について、その一部を同事業者に対し緊急に助成するため」ということで、五十六年八月十四日、閣議決定がなされておるわけでございますが、この説明、そしてまたこの使用決定に至った経過等につきまして、ちょっと御説明をいただきたい、かように思います。
○政府委員(渡邉文雄君) ただいま先生御指摘の金額の予備費は、五十五年産のサトウキビにつきましての決定金額でございます。決定は五十六年に全部収量が終わりまして、製品ができ上がりまして、その時点で判断したために、五十六年度のあれになっておりますが、内容的には五十五年産のサトウキビについて、サトウキビの最低生産者価格及びこれに伴います国内産甘庶糖の価格決定を行うわけでございますが、その際にサトウキビの生産奨励のためにつけられました奨励金部分につきまして、その一部といいますか、その奨励金につきまして政府といたしまして助成する必要があるということで支出をされたものでございます。 内容的には、御案内のように、国内で現在北海道のてん菜糖と、沖繩南西諸島等のサトウキビによりまして、国産糖が約三割ぐらいの自給率になっておりますが、その生産振興、あるいはその維持に必要な経費というふうに考えております。
○森田重郎君 そこで、国内の生産業者の問題につきましては、ただいまの説明で大体わかりましたが、糖価全般の問題につきまして、砂糖の価格が急速に下落をしておる、御承知のとおりです。値崩れが特に目立つのは、メーカーの出荷価格、それから問屋の卸売価格、これは過去これほど価格下げが続いた例はないというふうに私なりに理解をいたしておるわけでございますが、しかし、一般的にいいまして、スーパーの店頭売りの価格というようなものは、最近はちょっと下がっておる傾向にもあるようでございますが、まだまだ一般の消費者の受ける恩恵というのは大変少ないような感じがしてならないのでございますが、これからのメーカー出し値、そしてまた卸売価格、消費者価格、小売価格、この辺の価格動向等につきまして、お考えがあったらひとつお聞かせをいただきたい、かように思います。
○政府委員(渡邉文雄君) ただいま御指摘のように、最近の国内におきます砂糖の価格はかなり下がっておるわけであります。特に、ことしの四月以降それが目立つわけでございますが、これの原因は、一つには何といいましても、五十二年の末から施行されております砂糖の売り戻し特例法という法律の期限が、ことしの三月末に切れたことに伴います反動といたしまして、急激な価格の下落というのがあるというのが一つ挙げられようかと思います。それからもう一つは、ことしの三月中旬以降国際糖価がかなり需給緩和という情報のもとで下がってきております。そういったことで、国内の市場におきましても先安感というようなものが支配的になったというようなことが挙げられようかと思います。先生御指摘のように、卸売価格はかなりの下落をしておるわけでありますが、現在の価格水準自体は、精製糖企業のコストをかなり大幅に下回った価格水準であることは事実でございます。したがいまして、この価格の動向が今後とも長く続くというふうには私ども思っておらないわけであります。しかし、価格が、卸が下がったということで、小売価格につきましても、現在までのところ約十七円程度の下落があるわけでございますし、一方、ただいま先生お触れになりましたように、スーパーマーケット等では、卸売価格が下がったということを反映いたしまして、いわゆる目玉商品的な安売りの対象に最近かなり頻繁に使われているというようなことの報告も受けておるわけであります。いずれにしましても、そういった特例法が三月末に切れたということに伴う反動としての価格下げという要素が多いわけでございますので、この状態が非常に長期に続くというふうには私ども考えておりませんし、しばらくの間には適正な水準に戻っていくんではないかというふうに考えておるわけであります。
○森田重郎君 最近異性化糖に非常に食われておるというようなことも聞いておるんですが、この辺いかがでしょうか。
○政府委員(渡邉文雄君) 御指摘のように、五十年代に入りましてから異性化糖の生産が急増をしてきてまいっております。砂糖に換算いたしますと、約五十万トン近い異性化糖の生産があるわけでございまして、これが砂糖の需要先を相当転換をしたということは事実だろうと思います。ただ、異性化糖自体には物理的な性状からします使用上の不便さが伴うという欠陥もございますので、この調子で今後とも異性化糖が無制限に伸びるとも思ってはおりませんが、いままでのところ異性化糖の影響で砂糖の需要がかなり食われたと、そのことが砂糖のリファイナリーの過当競争を少しあおっているということもあるだろうとは思っております。
○森田重郎君 重ねて伺うようでございますけれども、大口需要家の、要するに菓子メーカーさんとか、そういうようなところは大変価格が下がっておるというふうに感ずるんですがね。やっぱり一般大衆の、消費者の方々とのその辺の段差、格差というものは相当大きなものがあるような気がするんですが、いかがでしょうか、その辺。
○政府委員(渡邉文雄君) 確かに、大口ユーザーは、現在の砂糖水準については、これほど下がるとは思っておらなかった節もございまして、かなり喜ぶといいますか、そういう感情は持っているだろうと思います。ただ卸売価格が下がったとイコールには小売価格は下がっておらないのは、先ほど申しましたように、一つはタイムラグの問題もございますが、やはり今回の価格下落というものがかなり一時的な現象ではないかという見方が支配的であるということもあろうかと思うわけでありますが、いずれにしましても小売価格もタイムラグの期間も経てきたということで、徐々に下がりつつございますので、その格差は次第に当面は埋まってくるだろうというふうには考えております。
○森田重郎君 これは砂糖の例の売り戻しの臨時特例法が去る三月に切れて、四月から各メーカーが相当増産体制に踏み切ったというようなことで、これはメーカー側にもいろいろな問題があろうかと思いますが、この辺でさらに行政指導の面を強力に進めていくというような、そういうお考えは現在のところございませんか。
○政府委員(渡邉文雄君) 一番供給が需要を上回っているということがもちろん基本なわけでありますが、期限が切れました三月末から、新しく糖価安定法の改正法案が通るまでの間に約十二日間あったわけでありますが、その間に私どもかなり業界を指導したつもりではございますが、一部のメーカーがかなりの量を入れたという事実がございまして、そのことが業界全体の足を引っ張るといいますか、糖価の足を引っ張るという原因をなしたことは事実でございます。しかし、現在のところメーカー間にも反省の兆しが見えてまいってきておりまして、私ども折を見てメーカーとも会い、現在の異常な状態をなるべく早い時期に正常な状態に戻すべく、できるだけの指導はいたしたいというふうに考えております。
○森田重郎君 わかりました。 これは大蔵大臣にひとつお伺い申し上げたいと思うのですけれども、そういうこと自体は、これは立法府の問題だからと言われてしまえばそうなんでございますけれども、特にあえてお伺い申し上げたいと、こう思うのです。というのは、非常に抽象的な漠然とした問題なんですが、決算審査のあり方と申しましょうか、決算審査の方針、実は戦後、国会において憲法九十条に基づいた決算審査のあり方というのが、これまで大変いろいろな角度から論議をされてきたように承知をいたしておるわけでございますが、特に昭和三十五年、六年、七年、この辺で一つの審査方針というものが改定をされたと、詳しくはこれは参議院では三十七年の五月五日の第四十回国会ですか、衆議院の方では三十五年の七月二十日ですか、第三十五回の国会で新たに改正されたと、それによりますと、決算審査の方針というのは、これは衆参両院ともに、言うなれば会計検査院さんの検査報告中心の審査方法というのを改めて、それで予算全般に着目しつつ決算を審査する、そういう形になったようでございます。参議院では、審査結果を国会の予算審議及び立法に反映させる、そういう意味の新方針を掲げたというふうに私は承知いたしておるわけでございますが、実際に予算編成の過程で決算の結果というものが予算編成に反映をされておるものなのかどうなのか。五十四年度、五十五年度を一括して審査する、まあ理想的な姿じゃございませんけれども、そういうような中で、決算の審査というものが現実に予算編成に何か反映をしておるか、その辺は実際どんなものなんでございましょうか、大臣でなくても結構でございます。
○政府委員(宍倉宗夫君) 決算委員会で御審議いただきまして、その結果毎年、いわゆる警告決議というような形で私どもいろいろな御指摘をいただいているわけでございます。その御指摘につきまして、そのまま予算編成に生かせる問題と、それから、むしろ予算編成の問題と申しますより、予算の執行に係る問題とございます。それぞれ編成上参考になる事項はそのように、それから執行問題につきましては、執行に当たりまして、毎度機会を見ながら各省に伝えると同時に、私どもも注意を喚起いたしているところでございます。 具体的に、予算編成上どういうふうな取り入れ方をしているんだということにつきまして一、二申し上げますれば、たとえば最近でございますと、電電公社の不正経理問題がございましたが、その不正経理問題での御指摘に絡みまして、超過勤務手当の計上の仕方、あるいは出張旅費の計上の仕方につきまして参考にさしていただきました。 それから、たとえば五十七年度予算について申しますれば、会計検査院の検査機能の拡充強化というような御指摘がございまして、増員を優先的に会計検査院については特に、ただネットで減員が多いところを、ここはネットで増員いたしますとか、それから会計検査院の検査情報システムについての予算を入れるとかいうようなことをいたしてございます。
○森田重郎君 これは国の予算と法人企業、会社の予算、決算と比較して云々するということは、これは当を得ていないかと思いますが、大蔵大臣は一般の民間私企業の経理についても大変有能なアカウンタントであるというふうにも私は伺っておるんですが、実は法人企業なんかの場合は、予算ということよりも、むしろどちらかというとほとんど決算ですべてが決まっていくというようなのが実態じゃないかと思うんですね。要するに、その期の決算結果によって、今期はとにかく配当もできない、大変な赤字だということになれば、責任者の首も飛ぶし、役員賞与、ボーナスというようなものも絶対ない、もらえない、ベアも考えられないというようなことで、決算がただいま御説明の執行だけでなしに、要するに予算につながっていく、国の予算で言うならば、編成作業につながっていくというような感じが非常に強いわけですね。そういう意味からしますと、予算重視ということよりも、決算重視というのが企業の実態じゃなかろうかと、こう思うんです。そういった点について、大臣いかがなものでございましょうか、何かお考えがございましたらお聞かせをいただきたい、かように思います。
○政府委員(宍倉宗夫君) 確かに先生おっしゃいますように、民間の場合と、国の場合と若干違う点ございます。国の予算制度、決算制度は、これは何も日本だけではございませんで、何といいますか、近代国家の歴史的な産物としてこの予算制度、決算制度というものがあるわけでございまして、私どもといたしましては予算、決算両々相まった形で、国の財政運営が効率的に運営できるように努力をしてまいらなければならないものと考えております。
○森田重郎君 こういうことを伺いましたのは、これは私ども自体の問題であろうかと思いますが、衆議院の場合は予算委員会の委員の方が五十名、決算委員会は委員の方が二十五名、ちょうど半分なんですな。参議院の方は衆議院がそういった形であるのに対して、予算が四十五名、それから決算が三十名ですか、大分その辺の構成が違っている。したがいまして、衆議院の方がどうしても予算優先というような形につながっているんじゃなかろうか。われわれ参議院の方は、どちらかと言えば、そういう意味からして決算重視というような考え方から、この決算審査というふうなもののあり方を、今後より一層検討していかなくちゃならんのじゃなかろうかというような感じの中での質問でございます。 それから、時間もうほとんど来てしまったんですが、大臣に一点だけちょっとお伺いしたいと思います。 それは、もうすでに、あれは日曜日でございましたか、各党の政策委員長がお出になって、歳入欠陥の問題につきまして、大臣が御出席なさり、また、田中政調会長も御出席になって、各党間のいろいろ突っ込んだ議論がなされたようなことを、私も実はテレビでちょっと拝見いたしておったんですが、これずばり申し上げまして、この十月とも、あるいはそれ以降とも言われております、あるいは九月というような声もちらっと伺いますが、臨時国会の開会というふうなものと、この補正予算というような問題、これ全般につきまして、もうすでに時間が経過しておりますので、一言ひとつ大臣の御所見をお伺いできれば大変ありがたいと、かように思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほども答弁をさしていただいたわけですが、現在のところ結論的に言うと、補正予算を組むという方針を決めておるわけではありません。ありませんが、御心配、御指摘のような問題が起きてくるとすれば、いろんな指標、それが出るのが九月末というようなことを聞いております。もし、そういうような事態になった場合には、できるだけ早い時期に財政当局としては補正をしたいと、こういうふうに考えております。 —————————————
○委員長(竹田四郎君) この際、大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどの民社党の柄谷委員の質問の中で、財政再建に当たって今後検討を余儀なくされるといいますか、すべき事項として数項目ずっと列挙をされました。私は聞いておりまして、いずれも穏当な検討項目であると思って、そういうものを全部含めまして検討をしたいということを言ってはおったわけでありますが、ついうっかりその中で一つ、五十九年度特例国債脱却の繰り延べという一項目が入っておったわけでございます。これは、もう検討と申しましても、検討するまでもなく、結論が出ておるわけでございまして、これは鈴木内閣の方針として、五十九年度特例国債依存の体質から脱却するという、検討するまでもなく結論が出ておるものでございますので、誤解を与えてはいかんと思いまして、その点を申し上げたいと存じます。 —————————————
○委員長(竹田四郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山田譲君が委員を辞任され、その補欠として大森昭君が選任されました。 —————————————
○中山千夏君 昭和五十五年十月二十八日に内閣がお出しになりました答弁書を拝見いたしますと、こういうことが書いてあります。「「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴わないものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないわけではないが、現行自衛隊法上は自衛隊にそのような任務を与えていないので、これに参加することは許されないと考えている。」。それから、六月三十日の予算委員会で外務大臣が次のようにおっしゃいました。「国連監視団の場合、これについて自衛隊の協力というものはどうかと、こういうことになってまいりますと、これは自衛隊法の改正によって監視団に参加ができる、こういうことでございますので、こういう点は今後検討していい事項ではないかと思う」。自衛隊法の改正を示唆なすったというふうに受け取っていいと思うんですが、私思いますのに、そもそも自衛隊というものが武力である以上、現憲法のもとでは自衛隊の海外派遣はできないのではないかと考えるんですが、外相はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 秦野委員の御質問の全体の流れは、総理が第二回の特別軍縮総会から帰られて、平和維持機能の強化を言われておるが、その強化のためにどういうことを考えられるのかと、こういう平和維持機能についての御質問で、その中で、いま中山委員のおっしゃるような点があるわけでございます。 国連は、平和維持軍を出す場合と、国連監視団を出す場合がございます。平和維持軍の場合については、これは武力行使もあり得ますので、憲法上からも、また現行自衛隊法上からも、これは認めることができません。国連監視団の場合については、憲法上は可能ではあるが、現行自衛隊法ではそういう監視団にも参加はできないと、しかし、もし平和維持機能強化ということから考えるとすれば改正の必要があると、こう述べたんでありますが、その後、同じ予算委員会におきまして、そういう点についての総理の見解はどうかと、総理は私の内閣でいま自衛隊法の改正は考えないと、こういうふうに答弁をされて、それで私も引き続き、ただいま総理がそのように言っておられますので、自衛隊法の改正は考えないと、こういうことですとはっきり申し上げておるわけであります。
○中山千夏君 そうすると、新聞などで幾分鈴木首相とそれから外務大臣のお考えが食い違っているように報道されておりましたが、いま自衛隊法の改正は考えないということで一致していらっしゃると受け取ってよろしいんでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 前日と、その翌日とに答弁が分かれておりますから、その直後に自衛隊法の改正についての追及があれば、いま申し上げたとおりを直ちに申し上げておるわけでありますが、その前の日の質問に伴って、外務大臣が国連のこの平和維持機能の強化に何か前向きであったんじゃないかというふうに扱ったわけでありますが、翌日、冒頭の質問でその辺は明白になっておるわけであります。
○中山千夏君 それでは、もう一度繰り返して念を押させていただきますが、鈴木首相がおっしゃった、いま改正は考えないというところで一致していらっしゃると受け取ってよろしいんですね。
○国務大臣(櫻内義雄君) そのとおりでございます。
○中山千夏君 防衛庁長官はいかがでしょうか。そういう議論の経緯があったようですが、お考えをお述べください。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 総理大臣、外務大臣がお答えになったとおりでございまして、国連軍への自衛隊派遣について、防衛庁は現在までのところ、準備、検討は行っておりません。
○中山千夏君 同じ六月三十日の予算委員会で、外務大臣が国連のナミビア独立支援グループヘの貢献として、選挙監視員の派遣とか、それから資機材の供与を考えているというような発言をなすっていらっしゃいます。これもさっきちょっと読みました政府の答弁書の中にも「国連の「平和維持活動」に対し、従来から実施している財政面における協力に加え、現行法令下で可能な要員の派遣、資機材の供与による協力を検討して行きたい」という答弁書と呼応していると思うんですけれども、この場合の人員ですね、監視員として派遣する人員というのは、どういう職種の人を具体的には考えておられるのか。それから、資機材というのは具体的にはどういうもののことを言うのか、ちょっとお聞かせいただきたいんですが。
○国務大臣(櫻内義雄君) 元来、国連において日本に対する若干の批判がございまして、それは日本は金を出せばそれでいいんだという、そういう姿勢じゃないかというようなことが時折話に出るようでございます。それで、平和維持機能というものはこれは必要なことであると。そこで、秦野委員にナミビアの選挙監視については、これはそういう場合であれば、これは各国協力するんですから、そう多数の人間の必要はないと、まあせいぜい一人か二人というようなことではないかと思うんですが、そういう選挙の監視。また、機材というのは、自動車とか、あるいはマイクとか、そういうような宣伝のためのようなものが考えられると思います。
○中山千夏君 そうすると、監視員として派遣される方は、もし行くとしたらどういうところからいらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(門田省三君) お答え申し上げます。 お尋ねがございましたように、選挙のための監視員でございますので、わが国におきましてこの種の選挙を手がけておられる方々というふうに考えております。つまり、わが国における選挙の際に、いろいろな具体的な手続等々を取り上げる上での経験を持たれた方というふうに考えております。
○中山千夏君 そういう人員派遣とか、資機材の費用というのがありますね。そういうものを予備費で補うということもあり得るんでしょうか。
○政府委員(門田省三君) ナミビアのこの問題に関する国際協力に伴う予算をどのような形で捻出していくかということにつきましては、まだ明らかにされておりません。仮に加盟国が応分の拠出を行うという場合にも、どういう形で行われるのか。たとえば通常の分担金の内枠になるのか、それとも自発的な拠出になるのか等、まだ定かではございません。したがいまして、予備費で賄われるかどうかという点につきましても、ただいまのところは申し上げる段階にはございません。そういうところでございます。
○中山千夏君 ちょっと予備費との関連というのが、この監視員の派遣や資機材のところで気になりましたのは、いままでに国連軍の派遣に係る分担金に予備費を出しているということがございますね。昭和四十八年から数次にわたって出されています。この予備費というものが、よく大蔵大臣は、予算は生き物だ、財政は生き物だとおっしゃるんだけれども、その中でも一番生き物らしい感じを持っている部分なような気がするんですね。そういう予備費の性格からしまして、この国連軍の派遣に係る分担金を充てていくときにちょっと問題があるんじゃないかと思った個所がありましたので、御意見を申し上げたいと思うんですが、この分担金に関しましては各年度の一般会計予備費使用調書の「事項」と、それから「説明」を拝見すると、はっきりわかるようになっています。たとえば四十八年度ですと、「事項」のところに「国際連合緊急軍派遣に係る分担金及び拠出金の支出に必要な経費」、予算科目が「国際分担金其他諸費」というふうになって、予備費使用額が挙げられています。ところが、これ各年度大体そういうふうになっているんですが、昭和五十四年度についてはちょっと問題があるんじゃないかと思います。というのは、五十四年度の(その2)に、「国際分担金等の支払に必要な経費」と「事項」にありまして、「項目」が「国際分担金其他諸費」となっていて、三億九百六十二万円の使用額が挙げられています。その説明には、「外国為替相場の変動に伴い、国際機関分担金等の予算の不足を補うため」としか書いてないわけですね。それで当初予算の各日明細書を見ますと、三億九百六十二万円のうち、二千三百二十三万は国連緊急軍派遣の分担金である、それから二百四十四万円はサイプラス国連平和維持軍の拠出金であるということがわかるわけです。ところが、その残り大半の二億八千万余りというのは、この当初予算の各日明細書にないんですね。これはどこから出てきているかというと、補正予算から出てきている。そこで、その補正予算の各日明細というのを拝見いたしますと、「国際機関分担金」とあるだけでして、そのほか詳しいことが示されてないわけです、細目が。それで独自に調べますと、この二億八千三百九十五万円というものが、国連軍のレバノン派遣の分担金に充てられているということがやっとわかるわけですね。つまり当初予算にもこのレバノン派遣という文字は全然出てこないし、それから補正予算の部分でも、国連軍のレバノン派遣の分担金に充てられたということが出てこないわけですね。すると、これだと、事レバノン派遣の分担金の予備費に関しましては、国会はめくら判を押したことになるのじゃないかと思うんですよ。問題が国連軍への資金援助というのは、もう全然問題がない、ずっとみんなに認められてきていることだというふうな言い方も政府の側にあるようなんですけれども、いろいろと異論もあるところです。ですから、そういう項目について、国会を何か無視したような報告の仕方というのは、財政民主主義に反するんじゃないかと思うんですよね。まず、予備費使用調書に関しては、補正予算でこの件みたいにもし新たな細目が発生した場合には、もっと丁寧に説明をつけていただくべきだと思うんです。それから、また補正予算の各日明細というのは、この事例に関して余りにも大ざっぱ過ぎると思います。何か余り大ざっぱにざあっと出されると、わざと隠そうとしているのかなという疑いすら出てくると思うんですね。もしそうでないんだったらば、そうじゃなくて、ちゃんと財政民主主義を尊重するんだということであれば、全般的にほかの部分を拝見しても、補正予算の各日明細書というのは何か大ざっぱな感じがするので、ぜひ改革をしていただいて、科目をもっと丁寧に明示していただきたいと思うんです。大蔵大臣はいろいろと思い切った改革を財政面でも行っていらっしゃいますから、こういう国会への報告書というものを改革して、もっと明朗な明細書が出てきて、審議がしやすい、積極的に審議の中で議論を巻き起こしてもらうというような積極的な姿勢を補正予算の各日明細書をお出しになるときにとっていただけるんじゃないかと思うんですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に技術的な問題でございますので、政府委員をして答弁させます。
○政府委員(宍倉宗夫君) いまお話を承りますと、補正予算の各日明細書のつくり方が少し不親切ではないか、もう少しそこで丁寧に書いておけばわかるではないかと、こういうようなお話のようでございます。各日明細書は各省、この場合で言いますと外務省においておつくりになるわけでございますが、私ども外務省と御相談をしながら、なお丁寧な、どなたが見てもわかっていただけるようなものに努力をしてまいりたいと思います。
○中山千夏君 ぜひそうお願いしたいと思います。この補正予算のところでぴよっと出てきたものが、全然その科目が出ていないということになりますと、とっても何となく変な感じですし、第一、さっきも申し上げたように、これでこの明細書なり、それから調書なりを拝見して、形式的にはわれわれ判断を下すということになるわけですから、きちんとしたものを出していただかないと、めくら判のそしりを免れないと思うんですね。その辺、外務省もこれから気をつけていただけますでしょうか。
○政府委員(門田省三君) ただいま中山委員から御指摘のございました点は十分念頭に置きまして、そのように対処させていただきたいと思うわけでございます。
○中山千夏君 これは念押しのような形になってしまいますけれども、四十八年度から数次、国連軍派遣に関する予備費の使用というものが書き出されてくるのを見ていますと、最初のうちは大変丁寧にわかるように書いてあるのに、五十四年になったところで突然こういいかげんに、ちょっとわかりにくいように書いてありますと、何か国連軍にお金を出すということが、わりあい気軽に行われてきてしまって、何かいいかげんな気持ちになってきているのじゃないか、そして、そういう気持ちから続けて、お金はもう出しているのだから、今度は自衛隊が行ったっていいんだというようなところへ話が短絡してしまうのではないかという心配があるんですが、そういうことは万々ございませんでしょうね。いかがでしょうか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 前段、御質問の前の半分ぐらいのところまで私の方かと思いますのでお答え申し上げます。 いまお話ございましたように、補正予算の各日明細書の書き方に十分でないところがあるというお話と、それからもう一つ、この五十四年の予備費の使用調書、ここもよくわからなかったと、こういうお話なんでございますが、ここのところはちょっと弁明させていただきますと、外国為替相場の変動部分だけがこの予備費の支出になってございますものですから、その点をまさに変わった要点を書いているわけでございまして、その中身がレバノンの国連軍の派遣分担金かどうかということが重要であるんでなくて、為替相場が変わったということがこの場合は重要でございますので、そのように書いてあるわけでございます。決していま御指摘のようなことで、他意があったわけではないわけであります。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 国連への自衛隊の派遣については、先ほども申し上げましたとおり、自衛隊法は自衛隊にそのような任務を与えておりませんので、これに参加することはできないと考えております。 なお、外務大臣あるいは先般来の総理大臣の御答弁にもございましたように、国連がやっております、またやろうとしております国際の平和と安全の維持のために、国連が十分な役割りが果たし得るように、果たすことができますように、わが国としてもできる限りの協力を行っていくべきものと考えておりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、現在の段階では法の改正がなければできないわけでございます。
○委員長(竹田四郎君) 中山君、時間が来ました。
○中山千夏君 はい。とりあえず時間もありませんことですので、ぜひ補正予算の各日明細について工夫をしていただきたいと重ねてお願いをして、終わります。
○委員長(竹田四郎君) 他に御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより予備費関係等八件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)の採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹田四郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)並びに昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上二件を一括して採決を行います。 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹田四郎君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)並びに昭和五十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上二件を一括して採決を行います。 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹田四郎君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)の採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹田四郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書の採決を行います。 本件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹田四郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。 次に、昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の採決を行います。 本件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹田四郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田四郎君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会 —————・—————