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96回国会参議院1982/04/20

外務委員会 第7号

発言数
185
登壇者
25
会派数
6
開催日
1982/04/20

会議録

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案の審査のため、本日、財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長伊原義徳君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 日本国とドイツ民主共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十一年の国際小麦協定を構成する一の文書である千九百七十一年の小麦貿易規約の有効期間の第六次延長及び同協定を構成する他の文書である千九百八十年の食糧援助規約の有効期間の第一次延長に関する千九百八十一年の議定書の締結について承認を求めるの件、国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案、以上三案件を便宜一括して議題といたします。  三案件についてすでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

秦野章自由民主党

○秦野章君 この前質問したことの継続というか補充的なことでちょっと質問したいのですけれども、海洋法会議の見通しはまず妥結という方向にいきそうですね。それを先に。

栗山尚一外務省条約局長

○政府委員(栗山尚一君) 現在、御承知のように海洋法会議最終段階を迎えておりまして、鋭意先進国側と発展途上国側との間で最終的な交渉が行われておりまして、アメリカも交渉に対してかなり柔軟な態度を示すに至っておりますので、まだ最終的な結果につきまして必ずまとまるというふうに楽観的なことを申し上げる状況ではございませんが、鋭意わが方も含めまして最終的な交渉妥結のために努力を傾注しておる、こういう状況でございます。

秦野章自由民主党

○秦野章君 この海洋法関係の条約締結に至る経過の中で、国内法整備の問題があるわけですね。国内法整備をしておかないと海洋開発の成果についての問題に関係してくるということをわれわれも承知しているわけだけれども、開発途上国と先進国の話し合いというものがうまくいきそうだということなので、まずできるであろうということなんだが、この間私は、海洋法会議ができるということならこれに関連して国際機関が必ずできる。国際機関が新しくできる場合にはなるべく日本に持ってくるように努力すべきだということを言ったわけです。    〔委員長退席、理事鳩山威一郎君着席〕 その後いろいろ聞いてみたら、その国際機関は大方もうほかが先に立候補していて日本に来る余地はないらしいんですね。この前の私の質問に対しては全くそういうような対応の答弁はなかった。そういう努力をすれば来るかもしれぬぐらいの感じがないではなかった。私も不勉強だったのだけれども、海洋法会議ができてどういう国際機関ができますか、見通しとして。

栗山尚一外務省条約局長

○政府委員(栗山尚一君) 現在、新しい海洋法条約のもとで設立が予定されております主たる国際機関といたしましては、オーソリティと呼んでおりますが、深海底開発のための国際機関。それから、いわゆる海洋裁判所と申しまして海洋法条約の実施解釈に関します法律的な国際紛争を解決するための裁判所、この二つが予定されております。

秦野章自由民主党

○秦野章君 予定されて、それはどこか立候補しているのでしょう。

栗山尚一外務省条約局長

○政府委員(栗山尚一君) 先般秦野先生から御質問がありましたときに御説明する機会がございませんで大変申しわけなかったと存じておりますが、いま私が申し上げました二つの機関につきましては、昨年の海洋法会議におきまして、設置場所につきまして選挙が行われた経緯がございまして、この選挙の結果海洋裁判所につきましては西ドイツのハンブルク、それから深海底開発の国際機関につきましては発展途上国のジャマイカ、これがそれぞれ設置場所として決定した、こういう経緯がございます。

秦野章自由民主党

○秦野章君 そこで、ハンブルクとジャマイカに二つの国際機関が分かれて置かれることになったということについては、その国々が、努力をして立候補したから投票した、日本は立候補していない、そうでしょう。私はそこのところをついたわけですよ。そういう機関ができるときになぜ日本は立候補しないのか、それで、特に仲裁機関のような裁判所的な機関なんかは、日本の国にどんどん引っ張ってくるという努力が長い目で見て長期戦略として非常にいいことなんです。国際会議も大いに開かれるようにもなるんだから、そういうときに立候補をなぜしなかったのか、その理由を教えてくれませんか。

栗山尚一外務省条約局長

○政府委員(栗山尚一君) 先生御指摘のように西独、ジャマイカの両国がそれぞれ立候補をいたしまして熱心に誘致運動をやった結果、先ほど申し上げた結果になった次第でございますが、特に海洋裁判所につきまして西独が立候補いたしました過程におきまして、わが国として当時どのような考えのもとに選挙に臨んだかということにつきましては、いま秦野先生の御質問に対しまして大変申しわけございませんが、ただいま私、手元に当時の経緯等の資料を持ち合わせておりませんのでお答えいたしかねる次第でございます。

秦野章自由民主党

○秦野章君 多分そういう資料はないだろうと思うんです。要するに気がつかないで立候補していないんだから、どうして日本が立候補していけないという根拠があるか、私はないだろうと思う。  職員は次々転任してかわっていってしまうけれども、外交の一貫性というものは、国益に関して長期の問題として考える場合には、外務省のセクションどこでやるのか、条約局でやるのか国連局でやるのか官房でやるのかよくわからない、外から見ていると。そういう外交機能の問題でも、今後やっぱり再編成というか、考えていく一環にしてほしいと思う。海洋法を経済局でやっているんですよね。国連局でやったっていいかもわからぬが、いずれにしてもセクショナリズムで全然横の連絡がなく、しかも海洋法会議に参加して経済的主張だけしていればいいというのが多分海洋課の考えですよ。そんなあほな考えで国際政治とは言えないわけですよ。経済、経済、経済だ、それは単なる国際経済にすぎない。国際外交なんだから、安全保障という角度もあるし常に何かがあるんだから、そういう意味においてはこれは一つの例なんですよね。これからエネルギー機関があるのだけれども、担当者もいないからぼくは聞かないけれども、これは将来新エネルギー機関の国際機関というものが必要だという場合に、これはどこがやるのか、通産省がやるのですか。通産省がやるのなら外交を二分化した方がいい。外交を一元化でやるのならあくまでも外務省が、そういうものはどこがやるということをしっかりやっぱり決めてかからなきゃいけない。外交機能のそういう意味における強化ですね。  そのことを私は非常に重大な課題だと思って、これから臨調にも臨んで一つの課題として研究しなきゃいかぬと思っています。まあこれは答弁は要りませんけれども、この間質問したときに全然もうそういう答弁はない、知らぬぷりだ。まあ知らなかったかもしらぬけれども、それは大事な問題ですよ。  私の質問終わります。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 いま秦野さんが言われた今後における海洋法の問題に関しては、日本がもっとやはり積極的に意欲を見せないと、太平洋時代が到来したのにもかかわらず、この太平洋を名実ともにパシフィックオーシャンとしての平和な海にするのには、アメリカからもソ連からもいろいろなところからとげとげしい一つの要請も起きているので無理からぬ面もありますけれども、公海の問題、海底資源の問題、いままであった海洋法の新しい方向づけの問題、この問題はこの模索時代に方向づけだけはやはり行わなければならないと思っております。  私は青島の大学教授から頼まれて、香港の大学から国際法の勉強に来た蕭慶成博士を学生時代からめんどうを見ましたが、最初東大の横田博士につき勉強し、そして東大で法学博士を取ってから国際基督教大学の助教授に招かれ、さらにシンガポールの南洋大学の文学部長に招かれ、そして今回香港並びにこの南洋大学の合併に際しまして、彼自身はいち早く福建のアモイの大学の教授に招かれたのですが、そのときにも、日本それから東南アジア諸国を経めぐって生きた実証主義的な学問をやってきた一人でありますが、彼自身が海洋法に関して古い一つの学問的な集積のあるスペインに呼ばれたときから考えたのですが、海洋法というものが次の国際的なルールを確立する場合において、一定の国だけに固定してこの世界の中の海洋法としてのルール確立には古い国際法学では間に合わないんじゃないか。そういう点において各国に所属を置かなければならないにしても、やはりグローバルな時代には国際法の新しい一つのルールを守り得るような機関が国連の中にでも何にでも発展しないうちは、自分の国の利益だけを擁護すればよいというような国際法の観念はこれから崩れるのじゃないかという点を心配しておりました。  福建のアモイ大学の教授に招かれ、学識があるので直ちに副学長に要請を受けたときにも相談に来て、非常に苦しんで、次の時代に発展すべき学問というものに対して中国自体が全面的に理解し得るだろうかどうか、私は近代化路線の中において一番振り向けなければならないのはその問題で、中国でもやはり私は今度は大丈夫だと思うと。しかし動きがとれないようになっては、副学長として縛られたのでは困るからというふうにまた改めて来て相談をしましたが、私は、率直に意見はしなさい、国際法の来るべき一つの方向づけというものはこうこういう方向づけでなければだめなんで、学問的に生きるのにはもっと自由に濶達に各国に往来し、そうして一流の国際法学者、国際関係学者と意見も交換し、国際的な機関において自由濶達な意見の交換がなされなければ学者としても育たないし、今後育てていくべき海洋法にしてもそれは期待に外れることになるから、これこれの条件が入れられるならば副学長は受けるが、そうでない場合には御遠慮したいということを正確に文字にして出して、それが受け入れられない場合においては一教授として存在するだけで、協力はその程度にしておって、徐々に中国における新しい一つの近代化の歩み方を見つめながら次に対処したらいいんじゃないか、まずそれだけの意見を堂々とやっぱり出すことだよと言ったら、それを出しまして、全面的に受け入れたので副学長になりました。こういうふうに新しい国際人がいろんな特定の民族という形に固定するのでなく、やはりグローバルな時代に必要な一つの知識人として新しいタイプの学者というものも生まれ、私はそれを育てるようにもなると思うんです。  そういう意味において、海洋法の問題で一番新しいルールが当面必要なのは、たとえばミクロネシアにもあるいはその他の太平洋諸国のインドネシアやフィリピンにも彼は呼ばれておりますが、やはりこれらの太平洋に位する国々として、一番太平洋の中における島国として自分たちの生きる道、方向づけは何かということに対しては必ずいろいろな点において、いま核の実験や何かに対する抗議を見てもわかりまするように、私は新しい国づくりと新しいタイプの国際法学というものが生まれると思うのでありまして、日本自身も特に国際関係、外交関係の外務省といろいろないままで結びついている学者を見ると、憲法学者より非常に優秀な人もいますけれども、陳腐で在来の条約を解説するというだけであって、新しい条約をクリエートするという能力において欠けている点においては、日本の憲法学者と称する御用学者と同様に、未来に対して新しい意欲を学問的に貢献すべき要素がない向きが多いと思うのであります。  そういう意味においてむしろ今日は国際関係で各地の具体的な事例にぶつかって困難しながら外務官僚なり通産官僚の優能な方が新しい一つの世界の中における日本の国づくりなり何なりというものを私は正確に把握しつつある人が多いと思いますが、やはり人によっては実際家といっても学問的な理論的な武装なしにはいままでのような国際関係において、ただ単にパーティー、ダンスなんという古い鹿鳴館時代のそれから抜け切れないような関係では情報化時代の外交はできないと思いますが、そういう点において万端おくれをとらないような対策がなされているかどうか、どういう試みがなされているかを外務大臣からお聞きしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 海洋法の問題に関連しまして国際法の新しい方向づけを考えたらどうか、またそれには陳腐な学者でなくクリエートする意欲のある学者が必要である、まあいわば新時代にふさわしい外交をどうするかという御提議であるとこう思うのであります。大変貴重な御意見をちょうだいいたしましたが、現在外務省として御承知のような主要国との間には賢人グループをつくって、そしてそれらの人たちからいまおっしゃるような新時代にふさわしい意見を出してもらおう、こういうことでアメリカとの間、フランスとの間というようなふうに賢人グループがございますが、そういうようなこともただいまお話しになられました今後の新時代にふさわしい外交への肉づけのためにそういうものも活用しながら、同時におっしゃった御意見に伴う外務省内の体制を考えていく、外交演説でも申し上げたように、外交体制の強化という中にはただいまの御高見のようなものも踏まえながら考えていくべきであると、このように思います。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 私はこの前、ミッテランさんが来る前に少なくともベルサイユ・サミットを前にして彼が何を考え、またベルサイユ・サミットの議長として何をあそこで行わんとするかということを酌み取りながら、本番のとき以外には最終的な腹は割らないであろうが、やはり一流の政治家として具体的な方向づけだけは示していくのに相違ないと思いまして、われわれは衆議院においてこの間その話を聞きましたが、さすがに私が点をつけても百二十点ぐらいの点数であって、いままでのやはり日本その他における外交演説というのは、あのミッテランの持っているところの一つのハイレベルのモラルと、理想と現実との調整の問題、それからフランスの利益というものの要求というものは軽率に捨てることなく、それを踏まえて前に向かって前進していくと。これこれのことはできるが、これこれのことはできないんじゃないかというぎりぎりのところまで言っている点において公明正大、明るく、そしてビジョンを持った一つの予測が示されておるので、近代的な政治家として申し分のない一つのタイプの発言だと思うのであります。  やはり日本の今後における外交演説というものももう少し与野党ともに考えなけりゃならない。外交、財政の演説、特に外交の問題が帝国主義時代におけるイギリスの与野党一致しての帝国主義的な要求の上に立った外交論においては、挙国一致の原則がほとんど確立しておりましたが、今日においては声なき声を野党がやはり伝え、与党もそれに耳を傾け、世界に向かって物を言うだけの見識と意欲というものが示されなければ、「またも出ました三角野郎が」で、とにかくつまらない外交演説ほど聞けないものはないと思います。この間私はミッテランの演説を聞いて、やはりギリシャ、ローマ、フランスにまで流れているあの伝統的な、民主主義的であっても賢人政治的な哲人政治的な要素、古い伝統と新しい意欲が示され、そこにはつらつとした態度というものが出てきていると思うのでありますが、これは聡明な外務大臣もあるいは総理大臣も余りあっちこっちのぞき込むような不見識な形で、相手にされないような主体性のない訪問やあるいは演説だけはやらないようにしてもらいたい。  これは社会党にも注意を促さなければならない点があると思いますが、みずからの主体性を確立して、その上に他に向かって物を言うならば別であるけれども、三文記者のように相手の顔色をうかがって様子を聞くというような何か御用聞きみたいな態度というものは、今後における一国のリーダーとしてはリーダーシップを失う点において非常に軽視されることになりますから、いままでのところは苦労人ながら一つの危ねえなあと思いながらも、とにかく鈴木さんなり櫻内さんはじみだが一貫性を通してきたと思います。どうも今日の新聞だけを見ていたのではわからないけれども、それをいままでやってきたが、しかしながら次期政権を目指しての安定ということになるならば、ちょっとここいらで考えにゃならぬというような、骨休めでもしたいような様子が見受けられないとも限りませんけれども、これは余計な危惧かもしれませんが、国際的な信用というものは一貫性がなければ信用は生まれないのであります。そういう点においては与野党とも、どうも事外交に関して非常に私はお粗末な態度が多いので、余りお粗末な態度だと相手から冷笑をもって迎えられる場合もあり得る。ときには黙殺される場合もある。少なくとも傾聴に値するものだと受けとめられない場合が多いと思うんですが、その点は万遺憾ないと思いますが、どうでしょうか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ミッテラン大統領がフランスの元首として初の日本訪問をいたされたわけでございまして、国会における演説あるいは閣僚の協議会、首脳会談、それらを通じて感じられますことは、ただいま戸叶委員がいろいろの角度から申されましたが、私も同感するところが多うございました。  大統領が世界の将来を洞察しながら、日本と相連携していこうと、そういう手を差し延べておる姿がありありと見えておったわけでございますが、戸叶委員のおっしゃるとおりに、ミッテラン大統領がフランスの長い伝統の上に生きながらも新しい意欲を示して、そして国際政治家としてまたヨーロッパにおける、現在サミットを前にして非常に重要な立場にあられる大統領としての所見というものについてはその内容は多岐にわたっておりましたが玩味いたしまして、私どもの今後の政治、外交の上に役立ててまいりたいと、このように感ずる次第でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 日本とドイツ民主共和国との間の通商及び航海に関する条約の質問に入る前に、とにかくいままでソ連圏に属する国として東ドイツには警戒の目をもって日本政府は見ていたようですが、西ドイツと同様きわめて東ドイツの行動というものは通商その他に関しても全体的においても、ただ単に共産圏の国であるからということで特別扱いをすべき性質のものでないということを見定めて今回の通商及び航海に関する条約に入ったと思います。日本の外交というものも観念的なイデオロギーで識別しないで、世界にいろんな形の国家性格を持っている国々があるが、具体的な、現実的な日本の求めている要請に合致するような国際社会においてもこれを除外するようなことのないようにという配慮から、今回のドイツ民主共和国との通商及び航海に関する条約に踏み切ったと思われますが、その点はどうなんですか。

加藤吉弥外務省欧亜局長

○政府委員(加藤吉弥君) 先生御指摘のとおり、一言で東ヨーロッパと申しましてもいろいろ国力、国情が異なった国々でございます。またソ連との関係もいろいろ国によって濃淡、ニュアンスを異にしている次第でございます。総理大臣の施政方針演説にもございましたとおり、わが国といたしましてはこういう東ヨーロッパの諸国の国情によく配慮を加えながらきめの細かい対応をしていきたいと、こういう観点で対東欧外交を進めておる次第でございます。今般調印されました東ドイツとの通商航海条約も、このような現実的なかつきめの細かい検討の結果作成したものと考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 観念的なイデオロギーと偏見によって排他的な形における外交を行う時代はすでにダレスのコンチネントポリシー、歴代の大統領がどうあろうとこのダレスはと言わんばかりにダッチの根性でもって、あの人は長い間一つの封じ込め政策を踏襲してきました。これがためにアメリカは私は大変損をしていると思います、柔軟性がないので。そうしてあれほどりっぱな世界平和秩序をつくり上げるための国連をつくっても、国連自身が十分な機能を果たし得なかったのも、アメリカとソ連の戦時中における軍部の圧力を中心としての、お互いだけは正面衝突しないで内々お話し合いをして、そうして戦時中のヤルタ軍事秘密協定を基礎として、核兵器を持っている国だけで軍縮の問題でもなんでも話し合おうというような暗黙の密約が成立しておったがゆえに、私はいままでこの国際的な社会におけるルールというものが権威のない問題になり、バランスのとれたという名のもとにおいてアンバランスを生じ、競争の結果相互不信を増大して動きのとれないところへ来たことが今日の国際的なルール、新しい一つの秩序、ヤルタ体制の解消によって打開しなきゃならないところまで追い込められたという認識の上に立っておるものでありますが、これはなかなかデリケートな問題で、政府が一気にいま私の質問に対する答えはないと思いますが、いまの病めるブレジネフがアメリカとお話ししたいというのを打ち出したのは、ブレジネフの病気いかんを問わず、やっぱりソ連はこの機会に外交転換をやらなければ世界じゅうにも迷惑をかけるし、ソ連もこれがために非常に孤立化していく危険性がある。アメリカだって変わらざるを得なくなるだろう。それならば先に自分の方が、ポーランド問題のごとき難問題に対していつまでも解決のつかないというような形で続けるより、ここでアメリカの出方いかんによって問題を急激に打開しないと、打開するチャンスを失ってしまうじゃないかというところまで来ておると思うんです。  このときに、フランスなり日本なりの決意というものが非常に重大だと思いまして、この間から二回にわたって私は答弁は要らぬと言いながらも、政府自身がこの動いている世界の潮の流れ、地下三千尺の水の心をくみ取るだけの配慮がないと、本当のおざなりの形でマンネリでいくと、日本自身は何を考え何をやろうとしているのかという私は各国から非常にばかにされるんじゃないかということを心配して、とにかくでき得ることとでき得ないことがあれば、やっぱりその問題に対して正確な実証的な認識の上に立って見通し等をやり、決断できないような政治はいまの時代に必要がないんですから、そういう形においてダイナミックな一つの転換の機会を見失ってはいけないと思いまして、特に私は苦労人の外務大臣と鈴木さんには、もしいまのような彼らと同じような地位を授けられて重大な責任を負わされたとき、自分たちならどうしようかということを考えるときに、だれがやっても大変なことだと同情に値するのですが、同情じゃなく、このときにこそステーツマンシップというものが発揮されなければならないときだと思います。  このときに、いま日本の国家基本法としての憲法は、マッカーサー憲法などというのは大きな間違いで、少なくとも第二次世界戦争の後の惨たんたる状態を見て全世界の人たちが、国連憲章の中の宣言にも見られるように、再び広島や長崎のようなあんな悲惨な原爆戦争あるいはパールハーバーのようなことがないようにという悲願を込めて、私は戦争を食いとめる機関としての国際連合がなされ、その憲章にのっとってその国連のモデルとして私は日本国憲法は定められたものだと思います。したがって、日本国憲法の九条というものは国連憲章の精神を具体的に継承したものであって、私はあれだけの一つの宣言がなし得る学者は、日本においても私はいままでの憲法学者においては不可能なことだと思います。天皇の問題に対しても、象徴という表現は、聖徳太子の憲法十七条の研究を十分した上で、古い聖徳太子の時代とは次元が異なりますけれども、元に攻められたときの危機の場合において、やはり日本の素朴な武士と、日本に渡海してきた惑うなかれという精神をもって難局に対処しようとした、中国の老荘の学の流れをも入れた、庶民の中に気力を蓄えてきたところの禅の無学祖元のような人たち、こういう人たちが一体となって聖徳太子以後における和のなき世界に和を求めた時代よりもさらに厳しく、「珍重す大元三尺の剣 電光影裡に春風を斬る」、首を切るなら切ってごらん、青竜刀で討たれてもそれで切ったと思うのは間違いで、春風を切るぐらいで、私の心を切ることはできないと、福州でうそぶいた祖元のような精神というものが、日本の素朴な武士道の中にも入ったので、後年における官僚軍閥のサラリーマン的な物の考え方と違って、烈々たる私はそこには伝統が流れておったと思うのです。  いまもしも日本が国連憲章を無視して、国連の外堀を埋めるような憲法改正をやるならばやってごらんなさい。たちどころにその政権は大衆の怒りの中に埋没して死にます。滅びます。日本人の根性を甘くなめていちゃいけない。金もらいの右翼擬装と違って右も左もなく、自分たちの祖国を守り、世界の人々を守っていこうというだけの悲願を込めた日本憲法の精神というものは、国連憲章がいま無視されかかっていても絶対に国連は消すことはできません。ヤルタ体制は解消しても、国連はやはり全世界の国民の防波堤です。そういう意味において、いまこの機会に日本の憲法改正論というのは、迎合するところの安直な法理論の中に立って、明治憲法的な無条件降伏の原典をつくったような憲法を再びつくるならば、日本の国は永久に滅びます。こんなばかなことがやった政府はやがて全世界の人たちから笑い物になります。笑い物の見本になります。  いま慎重に考えていくならば、自民党の中においてもいろいろな形の人があると思うけれども、われわれの祖国だけを守る、祖国をまず守り責任を持たなけりゃならないけれど、全世界の迷惑を考えないで、他の国の傭兵になるような一つのしぐさにおいて、外圧に従ってよろめいていくような、酒酔っぱらいなら酒酔っぱらいで済むが、魂がとにかくよろけていくのは、これは一つのノイローゼです。そういう形の不健全な民族によってはその国は保てないと思うのでありますが、最近の新聞を見ると、いろいろどうも総理大臣や外務大臣のところを抜きにして、あるいは新聞記者だって命令によって書くんじゃないけれど、このごろは空気が濁ってきているものだから、濁った空気に妙な巻き込まれる危険性がありますが、新聞の毎日毎日を見ていると、本当に足で、魂で木鐸として物を書いているのかどうか、何番さん何番さんってどこかお通夜の女じゃあるまいし、そういう形でへばりついているボスどもの御機嫌伺いのために物を書いているのか、足を使わないのか、魂を使わないのかわからない面がありますが、今後においては私たちはいやでもこういうふうに挑発を受けるならば、政府に向かって堂々の憲法論争を展開する。  いままではがまんしておったけれども、こういう点は与野党挙げて、十分に日本憲法の精神というものをわからないで、三百代言的な論理、哲学を持たず憂いを持たず、国民の望むところをその中に表示しないで、国の最高機関で多数決で決めればそれでもって憲法改正にもつながるものだというようなたわけたことを言っている限りにおいては、憲法の精神を理解したことにはならないのですから、私は最高機関としての国会というものをそのように悪用することはならぬということは、尾崎行雄先生は明治憲法のもとにおいてもわれわれに対して玉座から砲弾を撃ちつけるようなことは許さぬと言ってあれだけの憲法擁護の運動に挺身した。だからこそミッテランさんがこの間国会に来ての演説の中においても、日本の政治家で引用したのは尾崎行雄さんだけではありませんか。あのときの字句は必ずしも整備されたものではありませんけれども、あの気魄、あの抵抗力、あの人民の声をたたきつけていく根性が日本民族の中に失われてしまって、おれは最高機関の国会議員であるから、多数決によれば、最高機関が決めたことによるから問題はこれで処理できるんだというような薄っぺらな哲学のない、文明史観のないへなちょこ理論がこのごろはやっておりますけれども、民族には民族のもう少し魂と根性があってほしい。  やっぱりミッテランの中にはがまんにがまんをして、社会主義だ何だということにこだわらないでいるけれども、戦争の前に戦争をぶっとめようとしたジャン・ジョレスが殺されていったあの思い出ということは永久に忘れない。そうして平和をたっとぶ平和革命の社会主義の一筋の道を十二年あるいはより以上にがまんにがまんをしてきているが、いまもなお粘り強い忍耐によって政権を一気にとるなどというばかげたおっちょこちょいのやり方をしないところに政治家らしい政治家としての面目があるんだと思いますが、これはどうも与党に聞いてもつらいと思うんですが、これはここまできたらどうしてもいやだけれども、櫻内さんのような人は、多少われわれが怒って罵倒しても怒らないだけの心の準備ができている人だと思いますが、もっていかんとしますか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 前段と後半と大変有益な御所見で、特に後段の憲法所見については年来の御主張を熱意を持ってお説きになっておることは承りました。そこで現実面からいたしますと、戸叶委員がおっしゃいましたブレジネフ書記長がアメリカ大統領との首脳会談を要望しておる、またそれに先立ってアメリカもニューヨークで首脳会談をやりたいという意思表示などをしておりまして、この両超大国が対話の必要性を認めておるということは、これはわれわれも着目していかなければならないのではないか。まあ戸叶委員は、このブレジネフ書記長の提案についてはソ連の外交転換ではないか、孤立化を避けるのではないかというような見方もされました。私もそういう見方ができるのではないか、またこういう動きの中にフランスや日本の決意が重要であると。将来の見通しをつけ決断をすべきであると。こういう点につきましては、これからサミットの重要な国際会議を前にしておりまして、大変傾聴に値すると思うのであります。日本といたしまして今回の重要なサミットに臨むに当たりましては、やはり自由貿易体制の維持であるとかあるいは国際経済の再活性化であるとか、さらにはミッテラン大統領も言われておる軍縮についても話そうではないかというようなことは重要な課題であると、こう思うのであります。  外交について排他的な外交でなくやれというお言葉もございましたが、それらを踏まえましてこれから今年下半期は重要な国際会議が連続いたしますので、戸叶委員のおっしゃるようなわれわれなりの自主的な判断のもとにそれらの会議に対応してまいりたいと、このように考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 この間、まだ一カ月にはならないのですが、通産省の若杉局長ですかの発言は思い切った発言としてヨーロッパでは、いままで慎重に慎重を重ねてきていた日本の官僚の要職にある人があれだけのことを発言をするのは、彼の発意というよりもむしろ日本の産業界の人々が何もかも日本人を裸にしてしまうというような行き方だと、資源もない、科学技術の力で、文化の力で世界に貢献しようとする日本の発展途上国に対する貢献もできなくなってしまうんじゃないか、日本は資源がない国だから、やはり時と場合によっては八方ふさがりでどうにもならない窒息するようなことになると、世界に貢献することもできないからソ連とも貿易をやはり拡大して経済協力も技術交流もしなければならないというふうに受けとられるような発言をされているということは、ヨーロッパの主なる新聞において非常に反響を生んだだけでなく、アメリカにおけるいままで政府の要職にあった前の世界銀行の総裁をやった、ペンタゴンで迷子になったことはないと言われた方でも、ケネディでもあるいはジョージ・ケナンでも、要するにアメリカにおける良識者として、アメリカじゅうの賢人を代表するようなはったりのないまじめな人たちが、やはりレーガンもわかってはいるんだろうけれども、度が過ぎた行き方をするとアメリカ自体が孤立してしまう危険性があるというようなやはり一つの反省を求めると同時に、国民はアメリカにおける最高の知性人や何かの動きとは別に、やはり伝統的なパイオニア精神というものを生かして、古きパイオニアの故地であったフィラデルフィアその他において反核運動がほかよりも予想したより厳しい形において、いままでわれわれは知らされてない点もあったが、いろんなことを知れば知るほど非人道的なけだもののようなやり方をアメリカは戦争において行ってきたんだ。この際これを反省しなければアメリカの歴史も汚れるし、アメリカの未来もない。そういう点アメリカ人というのは感情的に特に婦人が先頭に立って行く、ジャンヌ・ダルクが先頭に立ったのとはまた別な意味において、この世論を形成して非常な強力なものに結集する可能性があるので、ミッテランさんもこういうアメリカの動き、ヨーロッパにおける核戦争を忌避しようとするあるいは廃棄物処理の問題にまで至る抵抗運動を見て、やはりこれに逆らうことはできない。フランス自体もやはり相当世界の声を聞いて善処しなけりゃならないというゆとりだけは、いままでの方針は変えないと言っていながらも、若干今後の先進国会議及び軍縮会議において民衆にこたえるべき何物かを与えなければ絶望的な感じで未来に対して希望を持てなくなると、単なる飢餓闘争よりは非常な厳しいやはり抵抗がそこに生ずるんではないかという非常な心配している面もあります。  どうも日本の行き方を見ると、賢人に任せるのならいいけれども賢人必ずしも賢にあらず、愚人必ずしも愚にあらず、やっぱり聖徳太子が本当に近代憲法と類似したような感覚を持って、維摩経の文殊と維摩との問答の中から得たところの維摩経の精神を聖徳太子が取り入れたのは賢人という言葉を避けて凡に徹したことであります。私は聖徳太子の憲法の中の一番の眼目は、われ必ずしも賢にあらず、彼必ずしも愚にあらず、みんなで話し合ってそうして衆がこれでというのに従っていこうというだけの近代民主主義に相通ずる一つの哲学があの当時すでに把握したということは非常に東洋哲学の中に深遠なものがひそんでいるのではないかと思うのであります。  この間も私は江南の上海の学者連中や、四十年前いま復旦大学の近代日本経済史の中国における最高権威になっている呉杰君とあの寒山寺に行きましたが、寒山がどういうゆかりで寒山寺という名前をつけられたのかというと、あそこの住職を何もやったわけじゃないんです。やっぱりあそこの江南の寒山寺の鐘の音でも聞きながら、江南の風景に触れながら、私はそこに宿ったことがあるというだけで後世の人が竹林の七賢人と言われた必ずしも賢人的なプライドで行動したのでなくて、武人としても文人としても最高の見識を持っているが、時世が悪くてゴキブリ政治家ばかりが横行しておってとても実際政治の表に出るわけにもいかないから、人言って竹林の七賢人、竹の林の中にでも入って仲間同士で時事を語り酒を食らいそうして世をしのごうと、こういう謙虚な形の賢人でありまして、おれが賢人だなんというのはおおむねはったりが多くて売り込みが多くて、いまのレーガンさんの周囲を固めているようなハーバードグループの賢人が多くのことを語っているのと同じように見通しを誤っている。三年、五年後における一つのアメリカの外交政策をも不安定にならしめている。  これではどうしようもないし、いろんな機関をつくるくせがいまの政府にもありますけれども、賢人必ずしも賢にあらず、愚人必ずしも愚にあらず、大衆の生活と心で受けとめている。そこへ私は惻隠の情を持ってそれを酌み取ることのできないような政治は一種の官僚政治の新しいタイプにおけるところの技術であって、そういう哲学を持たないマキャベリーはキッシンジャー程度のメッテルニッヒのような三流の政治家においては本当にわかっていないんです。そういう意味において、いまの政治はなかなか現実に政治家はおくれておっても、官僚がしっかりしておってなかなかりっぱなことをやっていると思いますが、やはり政治家が責任を持ってやる、政権を壟断しない、議会政治というものは長期的政権を許さず、そうして交代がスムーズにいけるようなものでないと民主政治とは言えないのです。いまの選挙制度なりべらぼうな金がかかったり、いまの自民党の中におけるからくりにおいて、いろんな陳情において、自民党でなければ政治ができないような仕組みの中に野党まで組み入れられてしまっては、外交防衛の問題はきわめて重要であるし、憲法の問題も重要でありますが、自分たちが政権だけ壟断していれば何でもできるというような考え方はおおよそ議会政治に背くものであります。これは尾崎行雄さんじゃなくても必ずどこからか暴発が起きます。  そんなことを反省なしによくおっかなくなくてやっていけるものだ。本当に多数党を占めたときに原敬が殺され、犬養毅が話せばわかると言っても話すゆとりがなくピストル一発で撃たれてそのまま息を引き取ってしまった。こういう現実を私たちは一新聞記者としても見てきたのです。それが起きる前まではわかりませんでした。底辺に流れる空気の中には、私がむちゃくちゃを言うようだけれども、恐ろしいほど政治に対する不信の流れが流れておりまして、いつどこから何が起きても一向に差し支えないような条件は私は具備していると思うのであります。やはりわれわれが平和的な議会政治を守ろうとするならば、もっとしっかり世界の中における日本、日本を守るだけでなく他の国々の人々がどれだけ苦労し、惨めな戦争に脅やかされているかをわかって、それにこたえるべきところの政治をやらなければならないと、私はそういうふうに考えております。  そういうわけで、ドイツの一つの例をいろいろお聞きしましたが、よくここまで粘り強く、しかも冷静に問題を処理してきたと思いまして、これは東ドイツのがまん強さと文化の高さをも物語りますけれども、日本自身が観念的なただ単にその国のイデオロギーなり国家性格の違いによって差別をするというようなやり方でなく、私は一つの何でもないようだけれども大きなモデルをつくり上げたと思います。こういうことは官僚の人たちだけじゃなく、政治家が少なくとも最終判断において自分から、いいこと、悪いことにしても全責任を負うという決断をもって対処してもらいたい。ミッテランさんなんか日本の状態を見ちゃいられないと思って来たら、なかなか日本も大したもんだわいという好意ある感想で、やはり日本とフランスとが結んでいかなければならないという考えを持って帰ったようであります。  どうぞそういうふうに胸襟を開いて、お互いに偏見を持たないで、淡々たる心境でこの難局を打開するだけの決意を持つべきであって、あっちこっち余りよろけると船酔いでへどを吐きますから、みっともないからそういうことのないように、一つの政治の姿勢をもっとしっかり、櫻内さんと鈴木さんは船の船頭さんですから、困ったときには船頭の歌でも歌いながら、右に寄り左に若干揺れても仕方ありませんが、中心を見失うことなく、一つの平常心を持って難局に対処してもらいたい。一つ一つのじみな積み上げ以外に、今日における冒険的な暴力革命や戦争、あるいは恐慌などというものに過大な期待を持って、それを革命のきっかけなんかにするというのはよほどこれは頭がどうかしちゃった方が多いのであって、そういう実例は十年前の赤軍の中にも見本があります。そういうデータを基礎として、政治の世界だけでもしっかりと、総理大臣と外務大臣だけでもやっぱり優秀な官僚にも謙虚な態度でやってもらいたい。  時間が来ましたので御返事は要りません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は小麦協定の問題に入りたいと思いますけれども、その前に、いま大変外交課題が山積みしているわけですが、最初に外務大臣に二点お尋ねしたいことがございます。  それは、この連休中に外務大臣は訪韓されて、全斗煥政権から要求されている六十億ドルに関して、あるいは決着をつけようとしていらっしゃるのかどうかと思いますが、最近報道されておりますところでは、外務省案は四十億ドルである、大蔵省案は三十五億ドルであるというようなことが言われております。ともに私は相当の巨額だと思っておりますけれども、外務省はその四十億ドル案で押していこうというお考えなんでしょうかどうか、伺いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 田中委員経過を御承知であろうと思うのですが、実務者レベルの会議を二回やりまして、そしてその間、韓国側は日本に対する要望の内容として十一のプロジェクトを提示された、その提示されたものを、日本の経済協力の行き方からいたしますと、あるものは基金でお世話できる、収益性があるものについてはこれは輸銀でどうかと、そういうようなことを中間回答をしたわけでございます。一度も外務省が何十億ドルというようなことは言っておらないのであります。こういうふうな仕分けでどうかと、これを報道関係の方が見ると、大体そういう仕分けならこうかなという推測になるんですね。  しかももう一つ、御承知のことと思いますが、韓国の要望は商品借款が二十五億ドル、それから十一のプロジェクトが三十五億ドルと、これは六十億ドルの内容として示されておるわけです。日本としては商品借款は困るということを申し上げておるわけでありますが、これらの中間回答に対して韓国側は、いまの韓国の実情からして商品借款をもう一つ考え直してもらえないか、それから日本側が経済協力基金、輸銀と一応のめどを示したのに対しては、韓国側がよりソフトな政府借款をお願いしたいと、それは言いかえますならば、輸銀でなくいきたいという意思表示で、その意思表示を現在どのように考えるかと、こういうことで、大蔵省が何十億ドル、外務省が何十億ドルと、こういうことはないのです。ただ、そういういまのようなものを少し専門的に見ていくとこんな見当かというようなことが報道されておるわけでありますが、現段階は中間回答に対する韓国側のさらに要請してきたものをどう処理するかという、そういう段階にあるわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 事務当局レベルではとうていもう折り合いがつかない、そこで高度のより高い政治レベルで借款の問題は決定しなければならない段階にあると、そういう状況でございますか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま経過を申し上げたようなことで、たとえば日本としてはこの考え以上にはもうできないよというようなことですね。基金と輸銀の仕分けなんかでも、向こうは希望しているけれども日本としてはこうだという、そのこうだというものを出す、それを政治決断と言うならば、それはそのように受けとめていただいてもいいと思うんですね。何かある形があるが、それを政治的に考えて他の形にするとかいうことではない。この韓国側の要望について、これ以上は聞けませんとか、その決断というものが必要で、それを政治決断と言うなら、それはそのとおりであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうしますと、要するにその総額に関して、あるいは援助の形態に関して最高レベルで決める段階までもう来ていると、こういうふうに考えてよろしいですか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) これは韓国側の要望があって、その要望に対して日本側として回答しなければ前へ進みません。だからその回答するについて、いま申し上げたような日本としての最終結論を出すという場合のことがお尋ねのような政治決断かと、こういうのならそれはそう言えると思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この問題をきょうそんなにやるつもりではなかったわけですので、また別の機会にもうちょっとお尋ねしたいと思います。  それからもう一点は、いま大変軍縮問題で反核運動が全世界的に起こっていて、そしてニューヨークでは第二回目の軍縮特別総会が開かれるわけなんですけれども、ジュネーブの軍縮委員会の議長を務められました日本大使大川さんの意見として、朝日新聞のインタビューの中で、二回目の軍縮特別総会を開くのは余り意味がない、軍縮というのはこの四年間ちっとも進んでいない、一つも進んでいない、それは事実だろうと思います。だからああいうものを持っても意味がないんではないかというような意味の意見を述べていらっしゃるわけなんですね。外務大臣はどうお思いになりますか。  つまりそれは、米ソの二つの国が核の凍結をしなさいという要求がアメリカの市民運動の中でもずいぶん強く起きているわけですね。それから米ソの両方が核実験を停止しなかったら一歩も核軍縮は進まないと私も思います。ですから、そういうことから始めなければいけないと思いますけれども、SALTIIすらストップしたままである。そういうときに全世界から普通の市民たちの声がほうはいとして起こっているこの世論というものの力、これがあるということは、やっぱり二つの国がこれ以上核競争してはいけないというふうに考えざるを得ない背景になると私は思うんですけれども、そういう意味で、国連軍縮特別総会を開くのをきっかけにして、世界じゅうの軍縮を望む市民たちの声があそこに集まっていくということと、それから国連の中での各国政府の議論というのは大して効力を発しないような議論であるかもしれない。特に日本の鈴木さんもどういうことをおっしゃるのか、多少私どもも疑問視しているわけなんです。ですからあそこの演説そのものでどうなるということではなくても、あれを見詰めている全世界の人たちの強い願い、これを代表する世論があそこを取り巻く、こういう意味で私は非常に意義があると思っているのですけれども、大川さんが意義は余り認めないと言われていることについて、外務大臣はどうお思いになりますか。

門田省三外務省国際連合局長

○政府委員(門田省三君) ただいまお尋ねのございました新聞紙上に報ぜられておりますジュネーブ代表部大川大使の発言の点でございますが、私このような意見につきましてはかつて耳にしたことがございますので、その観点からお答えさしていただきたいと存じます。  大川大使は、軍縮委員会におきまして非常に熱意を持って、この第一回特総で採択されました最終文書のラインで、軍縮なかんずく核をめぐる軍縮に前進をさしたいということで大変な努力をしている立場にございまして、そのような立場から見ますと、第二回の軍縮特総の際にはしかじかのりっぱな成果があったというものをひっ提げていきたいと、こういう希望が非常に強かったわけでございます。  第一回の後、御承知いただいておりますように国際情勢の推移が必ずしも軍縮にとって適していなかったということもございまして、御指摘がございましたように見るべき成果があったとは言えない状況にございます。しかしこのことは、同じく委員が御指摘になられましたように、全世界の人々の軍縮を望む願い、心、そういったものを国際場裏、つまり国連の場に反映させるということ、そして軍縮にはずみをつけていくということ、これを否定しているものではないわけでございまして、大川大使個人は、特にこの四月におきましては軍縮委員会の議長といたしまして日夜献身的な努力をいたしておりまして、最後のまとめに努力をしているところでございます。このように御理解いただきまして、私どもが決してこの軍縮総会というものを十分評価していないということでない、むしろこういった機会を最大限に活用していきたいという気持ちでおりますことを御理解賜りたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 外務大臣も。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 大川大使の所見については、ただいまの御説明で御理解をいただきたいと思うんでありますが、鈴木総理も国会の予算委員会その他を通じまして、第一回軍縮の最終文書による広範囲な各国の軍縮に対する強い要望、あるいは日本国内で言いますならば各政党の皆さんの御意見、そういうものも踏まえながら、そして鈴木総理としては率先この第二回軍縮特別総会へ臨むと、こういう姿勢を示しておるわけでございまして、私どもは今度の軍縮総会でぜひとも実効のある措置が一歩でも二歩でも前進することを期待をしておるわけであります。田中委員も御指摘のように、核軍縮の上で何が必要であるか。日本としてはまず第一にその実験はやめてもらいたい、また核不拡散条約、これを徹底をしたいと、こういうことを申し上げておるわけでございまして、今度の軍縮特別総会も恐らく最終的には世界各国の相当の元首クラスの人、また有力な方が寄られてそして腹蔵のない意見交換ができるものと期待をしておるわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この問題はきょうはこれだけにしておきます。  国際小麦協定の問題に入りますけれども、今度の議定書は、七一年の小麦貿易規約と八〇年の食糧援助規約、この二つのものについて二年間延長を求めているものだというふうに理解いたしますが、七一年の小麦貿易規約、その規約は本来国際的に小麦、穀類の価格安定のために価格の上限と下限を決め、そして安定的に小麦の取引ができるように最低価格と最高価格を決めるという経済条項があるべきものなんですけれども、これが入っていない。それから途中で食糧援助規約が入ってきたわけですね。ガットのケネディ・ラウンドの交渉の最中一九六七年に食糧援助規約がこれにつけ加えられてきた。そしてその食糧援助規約も八〇年のものを今回また二年、それから小麦協定も二年間の延長を求めているわけなんですが、この小麦の方の貿易規約の方は、二年ずつ六回目の延長です。  新しい協定の見通しを伺いたいんですが、経済条項は入らない。そして現在は国際小麦理事会でパロット事務局長が出した代替案をベースにして交渉が行われているというふうに私は知ったわけなんですが、これが国際的な合意が得られるものなのかどうか、そのパロット案というものの要点、それから一体何が各国が賛成できない点なのか、どこの国がどういうふうな理由で反対しているのか、そのようなことについて御説明を願いたいと思います。

遠藤実外務省経済局外務参事官

○説明員(遠藤実君) 小麦貿易規約でございますが、七八年と七九年に交渉会議が行われましたけれども、これが結局備蓄の問題、それから備蓄に関連いたしますけれども、開発途上国に対する特別措置の問題をめぐりまして結局合意が成立いたしませんでした。したがいまして、そこでパロット事務局長が代替案なるものを提案いたしまして、果たしてこれをベースに正式の交渉会議を開くべきかどうかにつきまして、七九年から非公式でございますけれども、折衝が行われてきたわけでございます。このパロット事務局長のいわゆる新協定代替案と申しますのは、新協定案が三千万トンの国際備蓄というのを基礎にいたしまして国際備蓄の運用、それから開発途上国に対する特別措置の諸点について合意に達しなかったことを勘案いたしまして、随所に現実的なアプローチを取り入れているわけでございます。  まあ大きく申しますと、四つぐらい特徴があるかと思いますが、一つは在庫の備蓄の量でございますけれども、これはまあ三千万トンというふうな目標数量を明記いたしませんで、加盟国別の最低備蓄量、それから全体としてそれの合計としての備蓄在庫の総量というふうな考え方を取り入れておりますのと、それから市況を検討いたします場合に協議を開始するというメカニズムがございますが、このタイミングについてもやはり弾力的なメカニズムを導入していくということでございまして、これは先生が最初に御指摘になりました備蓄の運用についての価格帯の問題がございますが、これも弾力的なメカニズムにおきましては、あらかじめ協定の中で決めた価格水準ではなくて、最近の市況の動向を勘案した価格、移動平均価格というふうに俗に言われておりますけれども、そういったものによることにするとか、それから三番目には、備蓄在庫の放出、積み増しについても自動的なメカニズムではなくて特別理事会の合意により決定する、それから途上国に対する特別措置につきまして、備蓄施設に対する財政、技術的な援助、それから備蓄設備が整備されるまでの間、先進国による備蓄の肩がわり、それから援助評価委員会による援助計画の作成、それから、小麦の輸出課徴金によります備蓄運営融資基金の設立、こういった規定を盛り込んだものでございました。これを中心にいたしまして、先ほど申しましたように、種々折衝が行われたわけでございますけれども、結局輸入国の大部分はこの案を現実的なものとして前向きに評価いたしましたけれども、一部の途上国がこれでは果たして十分な備蓄があるかどうかということについて疑問を提示いたしましたのと、それからアメリカ、カナダ等の輸出国が、特にその後小麦の豊作といったことを背景にいたしまして、むしろ自由貿易体制、そういったものを維持することがまず重要であり、その際に、余り財政的負担を伴うような国際備蓄というものに消極的であったというふうなことがございまして、結局、このパロット案をベースにいたしまして交渉会議を招集するということは困難であろう、こういう報告をパロット事務局長が昨年の暮れに小麦理事会に報告したという経緯がございます。したがいまして、現在のところこの交渉会議が直ちに開かれるという見通しはございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうすると、新協定はできないから、もとのもので延長していくということなんですね。そして、いまのパロット案なるものは日本にとってはこれは成立すればメリットがあるのかどうか、毎回毎回二年ずつもとのものを更新して延長していくようなことを将来も続けていくのかどうか、どういう見通しでございますか。

遠藤実外務省経済局外務参事官

○説明員(遠藤実君) 日本といたしましては、やはり国際備蓄、厳密に申しますと国際管理のもとにおきます国別の備蓄でございますが、この創設を含む小麦協定、小麦貿易規約というのが成立することが市況の安定あるいは長期的な需給の安定につながるということから、ぜひともできるだけ早い機会にこの方向に持っていきたいというふうに考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 日本だけでどうすることもできない問題なので、なかなかこれは困難なことだろうと思いますけれども、もう一つの食糧援助規約の方なんですが、発展途上国に対して毎年一千万トン以上の食糧援助をするという一九七四年十一月の世界食糧会議の目標達成を目指しているわけなんですが、いただいた統計によりますと、現在、日本それからアルゼンチンなどをも含めて欧米先進国の合計七百六十一万二千トンを達成している、そうですね。一千万トンにまだ達しないわけなんですが、その残りはソ連とかそのほかの東欧圏、共産圏の方から出してもらう、こういう考えでしょうか。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) ただいま先生おっしゃいましたように、食糧援助規約の第一条の「目的」のところで、世界食糧会議の決議にございました一千万トン目標というのを本規約の目的として掲げております。しかるに、第三条で規定されております各国の最小拠出量というのを合計いたしますと、いまおっしゃいましたように七百六十一万二千トンということで差があるという御質問だと思いますが、第一にここに規定しております七百六十一万二千トンという量は、各国の最小義務量ということでございまして、当然のことながら各加盟国はこれ以上の拠出を行うということが希望されております。  それから第二番目に、いま先生が御指摘になりましたように、この「目的」のところに、この一千万トンの目標は「国際社会の共同の努力により、」という規定がございまして、この食糧援助規約の加盟国以外の国もこのような食糧援助の重要性ということにかんがみて、食糧援助を増大していくようにという期待が込められているというふうに理解いたしております。現にソ連、社会主義圏というものももちろん対象にはなりますが、それ以上にOPEC諸国等に対して種々勧奨が行われているというのがいままでの状況でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 共産圏ソ連その他がこれに関与して、そして食糧援助をするという見込みがあるのかどうか。それからOPEC諸国も、これは小麦を持っているわけでないからお金を出すんでしょうけれども、その見込みがあるのですか。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) 第一にまずOPEC諸国につきましては、いま先生御指摘のように、これら諸国自体が輸入国でございますので、日本同様資金的な拠出ということになるかと思われます。この八〇年の新規約ができました過程で、一部の国々を通じましてこのような食糧援助規約加盟国の意向というものをOPEC諸国に伝達し、いろいろ働きかけを非公式に行った次第でございますけれども、この食糧援助規約に加盟するという形にはなっておりません。それから、社会主義圏についても同様でございます。現在までのところ加盟するという形にはなっておりません。ただちょっと付言させていただきますと、その一千万トン目標との差でございますが、FAOが食糧援助の統計を非常に早くとりまして発表いたしておりますが、各穀物年度七八−七九ぐらいから始まりまして、最近一九八〇−八一穀物年度に至ります間の食糧援助の総量と申しますのは大体九百万トン前後を左右しておりまして、八〇年−八一年はちょっと減りまして八百八十万トンぐらいになっておりますが、八一−八二年、いま現在、本年の六月三十日までが八一−八二穀物年度でございますが、恐らく九百五十万トン程度までいくのではないかということをFAOでは推計いたしております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 日本はこの規約の中で三十万トンの義務を負っているわけですね。日本は穀物の現物出資ではなくて現金で援助しているわけなんですが、その場合の援助のやり方というのは商社が必要な国々の需要量を御用聞きして歩いて、そして適当に配分する方法で請け負っているというふうに聞いておりますけれども、それで、大変日本の商社というのは便利な存在であると同時に問題もあるかと思いますけれども、ほかの国々はどういうふうにしてこの援助の実際にやり方を行っているんでしょうか。この二つのことを……。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) ただいま第一点、先生のおっしゃいました、商社がいろいろ要望を聞いているという実態はございませんで、各国の要請自体は、政府レベルを通じましてわが国の政府に参ります。その要請が常にわが国の拠出能力を超えた非常に大幅な大量の要請が参るわけでございますが、その際、人道的な観点、わが国と当該国との関係等々を考慮いたしまして、わが国としての能力の範囲内でどの程度の配分ができるかということを決定いたしまして、その決定を政府ベースで相手国政府との間で交換公文によって取り決めます。取り決めました後、たとえば日本の余剰米を使用いたします場合ですと、食糧庁と相手国政府との間で業務取り決めというのが結ばれまして、品質それからいろいろな詳細な内容でございますが、それを取り決めました後、現実にお米をどのような船に載せて相手国に運ぶかというその実際の契約面、それを商社に、日本米の場合には指定商社ということでございますが、を使ってやってもらっているということにすぎません。したがいまして、そういう意味での商社主導型ということは全くございませんので、政府レベルですべてを決めた後の実施をお願いしているということでございます。  それから第二点、ほかの国の例という御質問でございましたが、たとえばアメリカの例で申し上げますと、アメリカは御承知の余剰農産物の処理の法律がございまして、有償延べ払い的なもの、それから無償の援助と二種類行っておりまして、そのそれぞれについてアメリカの農務省がどの程度までやるかというのはかなり差があるらしゅうございますが、非常に大ざっぱに申しますと、農務省が実際の国内での買い付けを行いまして、その買い付けたものを国際機関なり相手国なりに運びます場合の輸送等を民間企業にゆだねているというふうに承知いたしております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうすると、その必要とする国が直接それぞれの政府に申し入れて、日本の場合は外務省が窓口ですね。そしてその割り当てを決めた後、実際にそれを配付するやり方に関しては商社が請け負うということなんですね。そうすると、まあ、アメリカなんかも同じことになるわけですね。あとは企業に任せるということなんですね。ただ、私はよく、発展途上国で災害があったり難民が出たりするときに商社が競争して、日本から出すところの無償援助なんかに関して請け負ってくるというような事実があるように聞いているものですから、商社が先に争ってそこの御用聞きをして歩くというようなことでは、これは非常に困る。そこにいろいろな問題が発生する心配があると思うものですからお尋ねしたわけです。  いま七百六十一万トンの食糧援助で、さっき聞いてみますと九百五十万トンぐらいまで実際には援助しているという話ですから、一千万トンを目標として、その一千万トンという食糧援助の量は、いま援助として申し込んでいるそのほかに世界に難民などたくさん出ているわけですね、その飢餓人口に対して適当な分量だというふうにお考えでしょうか。

門田省三外務省国際連合局長

○政府委員(門田省三君) ただいま御指摘ございましたように、一九七四年の世界食糧会議の際に援助目標として一千万トンということを打ち出したのでございますが、その後世界的に見まして人口の増加というものがございます。それに比べての生産の増加あるいは流通機構の整備、これが必ずしも十分進んでいないという側面もございます。他方また難民の問題が生じております。このような背景で、七九年にFAOでもって策定いたしました統計によりますと、一九八〇年から八五年、この間には食糧援助として必要な量として千七百万トンから千八百五十万トン程度のものが必要であろう、こういうふうな報告が出てまいっているのでございます。このような統計から判断いたしますと、田中委員がただいま御指摘になられましたように、この一千万トンという数字では現在の事情が求めております食糧援助の水準には達しない、かように思えるのでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうしますと、いまあちこちで難民も出ていますし食糧の需要はふえていくわけなんですが、どういう方法をもってそれは克服できるというふうに考えているんでしょうね。FAOの立場でしょうか、それともそれはどこの義務になりますでしょうか。

門田省三外務省国際連合局長

○政府委員(門田省三君) FAO事務局におきましては、このような背景を踏まえまして、この食糧不足を克服するための方法としては、まず第一には生産性を高める。この生産性向上のために必要な技術革新あるいは灌漑、肥料といったような面において国際協力を進めていく必要があろう。同時に流通機構の問題もございます。せっかくの食糧が十分円滑な流通機構に乗らないために末端消費者の手に届かないというようなことがございます。この点の改善を図る必要もあろう。さらにはまた国際的な食糧援助、これは長中期的には先ほど申し上げましたような生産面の向上、流通機構の問題の改善ということがございますが、短期的には、また中期的にも、不足を補う意味での食糧援助というものに力を注いでいく必要があろう。こういうふうな意見を出しております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 日本はカンボジア難民だとかそれからアフガン難民なんかに対して米とか小麦などの食糧援助を行っているということですけれども、それはどのように行われていて、そして確実に難民たちに届いているかどうか。よくそういうことを言われますね、届かないで途中でやみ物資になってしまうというようなことも言われているわけで、そのような点に関して、ちゃんと援助物資が届くようにしなければならないがそれはどういうふうになっているかということと。それから、難民に対する援助物資は食糧以外にもやっておりますね。そういうものはどのくらいになっており、そしてそれは確実に届くようになっているかどうか、そのことをお伺いします。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) 第一に、難民に対する食糧援助規約以外の援助でございますけれども、例示として申し上げますと、後ほど正確な金額を申し上げますが、第一のそれ以外の援助の方法としましては国際機関に対する拠出というものがございます。これは例のユニセフでございますとかUNHCR、難民機関でございますとかに対して拠出を行っている。それから第二のものは、たとえばタイにおきましてカンボジア難民その他のインドシナ難民が多数キャンプを張っておりますところに給水施設をつくりますとか、現在でも派遣しておりますが、日本の医療チームを派遣するという医療協力というような形で難民に対する援助を行っております。  ちなみにどのくらいの規模のものかということを若干例示として五十六年度の数字で申し上げますと、難民関係の食糧援助規約に基づく援助というのが約八十二億円でございますか、これに対しましていま申し上げました二つのその他のもの、国際機関への現金拠出というのが約百三十七億円、それから給水施設、ダム建設等々その他の援助、それから医療協力でございますが、これが約四十一億円とこの程度の規模になっております。  それから御質問の第二点の、確実に食糧その他の援助物資が難民の手に渡ることをどうやって確保するかというお話でございますが、主として食糧等の援助は国際機関、ユニセフ、それから世界食糧計画等を通じて行っております。タイにおります難民等も同様でございますが、特にカンボジア国内におります被災民は、カンボジアの現在の政府との間の政治的な関係ということもございまして、わが国が直接これをコントロールするわけにはまいりませんので、これは国際機関の配付を通じてこれを供与しているということでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま新しい協定に向かって努力をしているんですけれども、それにもかかわらず一方では二国間の穀物協定がどんどん行われている。アメリカなんかは豊作で麦がいっぱい残るから、むしろ国際機関を通してよりは二国間協定でやるということの方を好んでいるという傾向があるかと思いますが、これをどういうふうに考えたらよろしいですか。

遠藤実外務省経済局外務参事官

○説明員(遠藤実君) 二国間の協定がいろいろ結ばれていることは事実でございます。ただ。この取り決めの形にはいろいろございますけれども、これがいわば乱立いたしまして国際小麦市場が硬直化するとか、それから協定が排他的な性格を持っているためにその市場の柔軟性が失われるということになりますと、これはまあ好ましくない事態であると考えておりますけれども、現在ございますいろいろな取り決めと申しますのは、もちろん価格の条項は含んでおりませんし、供給の保障等についても、逆に引き取りの約束につきましてもごく部分的にそれぞれの要求を満たしているというものが圧倒的な多数でございます。その意味では、現在の状況におきましては、特に国際小麦市場の硬直化の大きな要因になっておるというふうには必ずしも考えておりません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 少し問題が変わってきますけれども、三月の末にワインバーガー国防長官が日本に見えたときに、総理大臣が今後の日本の国際政治、外交における基本見解四項目というのを手渡された。私はその第一項目についてこの前質問したわけなんですが、その第二項目のところで、「ソ連、東欧圏は経済的には苦しいと見ている。その中でアフガニスタン、ポーランド問題が起こった。日米は連絡して、経済(制裁)措置を取っているが、この点はもし必要があれば強化したい。」、こういうことを言っているわけですね。つまり、ソ連に対する制裁措置を強化してもよろしいと、アメリカと一緒になって。  現在どういう、アフガン、ポーランド関係で、ソ連に対する経済制裁措置を、どんなものをとっているのかということを、まずお尋ねしたいと思います。

加藤吉弥外務省欧亜局長

○政府委員(加藤吉弥君) アフガンとの関係でとりました措置は、大きく分けて次の二点でございます。  一つは、公的信用供与についてはケース・バイ・ケースで慎重に検討して決めるということ。第二点は、閣僚レベル以上の公的な人事交流を抑制するということ。この措置は現在もなお継続して維持しております。  ポーランド関連で新たにとりました措置は、次の四点でございます。  第一点は、日ソ科学技術協力協定に基づく科学技術協力委員会の開催には当面応じない。第二点は、日ソ貿易年次協議の開催にも当面応じない。第三点は、在日ソ連通商代表部等の拡充については当面検討しない。これは通商代表部の人員の拡大とかあるいは地方における支所の設置、あるいは極東貿易公団の新しい事務所の設置、そういうものは当面認めない、検討しないということでございます。第四点といたしまして、ソ連買い付けミッションの本邦在留期間、これは本年の末までということになっておりますが、その延長については今後の情勢を見守った上で、慎重に対処して検討したい。  以上が、現在アフガン及びポーランドに関連して日本がソ連に対してとっております措置のすべてでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまの御説明ですと、別に経済制裁らしいものは余りないわけですね。しかし、私は不思議に思いますのは、ポーランドの戒厳令をしいているというその状況に対して、なぜソ連に制裁を加えるのか、つまりそれはソ連の圧力によって行われているものというふうに日本は考えて、そしてポーランドに関連してソ連への制裁措置というようなことをやっているのかどうかということですね。

加藤吉弥外務省欧亜局長

○政府委員(加藤吉弥君) 制裁的なものは含まれていないという御指摘でございますが、私どもも制裁という言葉は一度も使っておりません。対ソ措置ということで、あえて制裁という表現はとっておりません。  しかし、こういう措置をソ連に対してとる理由いかんという御質問でございますが、これは田中先生ただいま御自身で御指摘なされましたとおり、今回のポーランドの事態、昨年の末以来の戒厳令その他の事態は明らかにソ連の圧力のもとに生じたものであり、ソ連が責任を有すると、こういう認識を持っているわけでございます。これは日本のみならず、アメリカ、西側諸国がひとしく持っている認識でございます。  この措置の目的と申しますのは、やはりソ連政府に自制を求めるということ、それから将来さらにこれがエスカレートしてソ連の軍事介入というような事態に立ち至らないようにソ連の行動を抑制すると、こういう目的で措置をとっているわけでございます。  繰り返しになりますが、ソ連の責任という認識、それからソ連に対するこういう措置、これはすべて西側との協調、西側の結束という枠内で行っているものでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまのお答えですけれども、これはレーガンの方針に日本が同調しているわけなんですね。それで西欧諸国は同じような措置をとっているわけではない。日本のように、レーガンが制裁措置を要求したらすぐにそれに同調する。大変レーガンの御機嫌取りのようなことは、きょうはもう時間がなくなってしまいましたから十分にこの点について議論できませんけれども、西欧諸国は同調していないと思うんです。ですから、この辺がやはり日本の外交姿勢としてレーガンの外交方針に全く同調しようとする態度、私はそれはもっと自主的に日本の立場において考えるべきことだというふうに思っておりますが、鈴木総理がワインバーガー国防長官に手渡した四つの基本見解ですね、その中には、一つは、中国はソ連に近づけないようにしておくべきだというようなこと、中ソの和解は好まないアメリカに同調する立場を表明しているし、それからその後今度はベルサイユ・サミットでも問題になるであろうところの米日欧の間の経済摩擦の問題などがあるので、大変レーガンの御機嫌取りのような感じのするものを手渡しているわけなんですね。これは先ほども戸叶委員が言われていたけれども、私たちは何もミッテランの言ったこと全部に賛成しているわけではないけれども、ああいうきりっとした態度が必要ではないかと思うんですけれども、これは外務大臣に伺って、もう少しこの問題はまた別の機会に続けたいと思います。

加藤吉弥外務省欧亜局長

○政府委員(加藤吉弥君) 大臣の前に事実関係を若干答弁さしていただきます。  まず、レーガン大統領の措置に対する同調であると。西欧諸国はそうしていないじゃないかという御指摘でございますが、私どもの見るところ西側西欧諸国はむしろ日本以上のことをやっておるというふうに考えております。  一、二例を申しますと、たとえば西独でございますが、ソ連との科学技術協定、海運協定、国内河川通航協定交渉を当面行わない。対ソ経済協力を厳格に適用していく。ECの貿易上の措置に参加する。というようなことを言っております。  イギリスは、漁業面でソ連の漁業加工船に対し許可を与えない。海運協定の諸項目について再交渉を行う予定はない。その他各国とも大体日本と同じような措置をとっております。  さらにそれに加えましてEC、ヨーロッパ共同体としてソ連からの輸入の一部についてこれを禁輸する。という措置をとっている事実がございます。  こういう点から判断いたしまして、レーガンと申しますかアメリカ政府がとっている措置に見合う措置を西欧諸国もとっている。西側の協調ということがこの点で守られている、もちろんその国情とか、いろいろな国益の判断等によりまして各国のとっている措置は必ずしも全部共通ではございませんけれども、その趣旨と目的という点において西側の結束ということはかたく守られている、かように認識しております。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ポーランド問題が起きた以降、国際的に非常な関心が持たれておるということは、これはひとしく認められるところだと思うのです。そしてさらに、ポーランドに対してソ連の軍事介入でもあったらばこれはゆゆしいという、そういう見解を西側はとってきておると思うのであります。そういう事態が起こらないようにどうしたらよいか、それには西側が結束して対応していこう。こういうことから西側の諸国がそれぞれ先ほど加藤局長の方から御説明を申し上げたような措置をとっておる次第でございますが、その措置については、お互いにその措置によって起こる事態を損わないように足を引っ張るようなことはしまいぞと、こういうことでそれぞれの国の事情に基づいての、そこに若干の差はあるがアンダーマインしないということで、これも横断的な結束が図られておると思うのであります。  そういうことでありまして、決してアメリカに追従しておるとかいうことでなく、アフガニスタン問題、ポーランド問題に対してこういう事態を速やかに解消したい、それにはソ連の自制を求めることが必要だと、こういう点からいろいろな措置をとっておるということを御理解いただきたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 時間が参りましたので、それについての議論はもうやめますけれども、そういうことをしながら、一方で西欧諸国は経済的な大いに物も売ったり、アメリカだって穀物をソ連に大量に売らざるを得ないような状況にもあると思います。ですから、その辺のことはそれぞれの独自性において経済的な交流はどんどんやっているというようなことですね、ソ連ともやっているというようなことをまたもう少し注目していただきたいと思いますが、これはまた後で議論さしていただきます。

鳩山威一郎自由民主党・自由国民会議

○理事(鳩山威一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。    午後零時十三分休憩      —————・—————    午後一時三十分開会    〔理事鳩山威一郎君委員長席に着く〕

鳩山威一郎自由民主党・自由国民会議

○理事(鳩山威一郎君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 日東独通商航海条約と、それから国際小麦協定の延長議定書につきましては後にいたしまして、きょうは伊原参考人をお呼びしております。お忙しい方がいらしてくださっておりますので、国際科学技術博覧会政府代表設置臨時措置法案、この件から質問に入りたいと思っております。  御案内のように一九八五年筑波研究学園都市で行われます国際科学技術博覧会は、わが国といたしましては大阪の万博、沖繩海洋博に次いで三回目の万博であります。万博を決定いたしまして今日まで協会の役員の方々、各界の皆様、それに携わっておる皆様、本当に御苦労さまでございました。これからが言うならば本番の本番になってくると思われるわけでありますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  最初に外務省、科学技術庁及び国際科学技術博覧会協会の考えられる問題点の態様を挙げまして、その一つ一つの具体的な対策を質問いたしたいと思います。幸いにきょうは各省の第一線の責任担当者の方々に御出席をしていただいておりますので、それぞれの立場で対応策を順次回答をしていただきたいと思います。  まず最初に外務省の方にお伺いをいたします。これは大臣にお伺いした方がいいと思うのですが、政府代表を設置する処置に対する考え方でございますが、考えてみますと、この法案が十月一日施行ということになっております。そうしますと諸外国への招請も昨年の九月の二十五日に閣議決定されすでに折衝を開始しているような状況の中で万博のPR等の活動中である今日、いわゆる政府代表と実務担当、人事内定して実働している段階じゃなければならないと思うのですが、開催まで逆算してみますと二年十カ月に足りないわけであります。十月までということを引きますとさらに六カ月も短縮するようになってくる勘定になってまいりますが、十月一日に政府代表及びその実務の担当官を発令するということでは非常に遅いんじゃないか。内定していられると思いますが、この辺のことについてまず最初にお伺いをいたしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) お話しのように十月一日から施行と、こういうことで多少もう少しゆとりがある方がよかったかという感じがなきにしもあらずでございますが、政府としては最近における行財政改革の精神に沿ってできるだけ機構と給与を節約するという観点に立ちまして、ぎりぎりの十月一日とした次第でございます。  なお、その人事についてお尋ねでございましたが、井川前駐仏大使を充てる考えでございますが、当面外務省が担当している科学万博の渉外的事務を中心とする仕事に従事していただき、これによって対応をしておるような次第でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 後でそれぞれまとめて一つずつお答えしていただくようになると思いますが、まず外務省関係としては、在外公館員の科学万博に対する対応の出展国との締結、万博のPRの問題、展示出品物の内容によるチェック作業、外務大臣がベルサイユのサミットの方に行かれる関係、それらのことは後でお伺いするといたしまして、科学技術庁及び国際科学技術博覧会協会のお立場の方々に先ほど申し上げました問題になる点を一つずつ言ってみたいと思います。  一つは会場整備事業、一つは国内外の出品展示会場の建築施設事業、開催日までの各国特色の出品展示となるための建築物ですね、施工が重要な課題になってくると思われます。さらには会場が四カ所の入口に伴ってきます道路事業、これはあと細かく質問をしますけれども、首都高速とかバイパス、地方道路、街路、こういうものがございますが、また一つには上下水道の事業、輸送計画事業、これは国鉄もありますし、バス、自家用車その他もございますが、もう一つには河川事業、一つには宿泊対策、さらにもう一つには保安対策、このようなものが大きな問題点として取り上げられてくるんじゃないかと私は思うわけであります。  そこで、いま大臣から内定をされておられる人事のお話がございました。それに基づきましてお伺いをするわけでありますが、諸外国に対する在外公館員の万博のPR、これはもちろん協会との共同作業にはなると思いますが、たとえば航空路から万博の会場、観光の各国国情向けの早わかりパンフレットをつくったり、一目見ればよくわかるよいものをつくってアピールをしなければならないと思いますし、また日程によっては観光コースのあり方等のことを案内したパンフも考えてよいんじゃないかと、このようにも思います。この点。  それから、招請国の日本としての外国政府への参加招請を何カ国ぐらい見込んでおられますか。また、外国政府、国際機関の参加をどのくらいに期待しておられますか。また、今日までそれらの反応について御説明を願いたいと思います。

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) 第一点の科学技術博覧会に関します広報でございますが、先生御承知のとおり昨年の十月十五日付で百六十一カ国及び国際機関五十四の機関に対しまして外務大臣の招請状を発出しておるわけでございます。この機会にもこの科学技術博覧会の考え方、概要、いかなる構想を持って科学技術博覧会を運営するかといったようなことも添えまして、相手国それぞれの国の外務大臣等に招請の案内をいたしているわけでございます。今後いろんな形で招請活動を活発にしていかなくてはならないわけでございますが、そういう機会を数多くとらえまして、ただいま先生御指摘のございました広報活動というものをやってまいりたいと外務省としては考えております。もちろん、もとになります広報資料というものは運営の主体であります博覧会事務局の方が中心になっておつくりになるわけでございますが、外務省といたしましても諸外国から見て理解の行き届く広報資料がつくれるように協力をさせていただきたい、かようにまず思っております。  それから第二点は、冒頭でもちょっと申し上げましたが、百六十一カ国、五十四の国際機関に招請状を出しておるわけでございますが、目下のところ反応はまだそうはかばかしくないのが現状でございます。たとえばリビアでございますとか民主カンボジアあるいはタイといったようなところから参加の意図が表明されておりますし、国際機関としては東南アジアの文部大臣機構あるいは国連のUNDPといったところから参加の意図表明が来ておるわけでございます。今後の見通しでございますけれども、私どもといたしましては沖繩の海洋博の実績、つまり三十六カ国と三つの国際機関が参加をいたしたわけでございます。これの規模を上回るものを実現していかなくてはならないかと、かように考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 閣議決定されたのが相当遅かった関係もありますし、招請もなかなか容易じゃないと思いますけれども、これはいまお話にありましたように、五十四カ国全部の国が参加されるようになれば非常に沖繩に比べて進んでいるというふうに思いますが、沖繩以上じゃなきゃ私はならぬと思います。そういうふうなことから考えて、これからが大変な作業だと思いますので、お骨折りをしっかり願いたいと思います。  それから昨年の国内法の成立しましたときに、博覧会の参加招請については発展途上国からの積極的参加が得られるよう努力すべきであるという衆参両院の委員会の附帯決議がつけられてございます。現在、発展途上国の参加希望国はどのぐらいありますか。先ほどちらっと二つ、三つございましたけれども、その辺のことと、もう一つはその発展途上国にはそれぞれの国のいろんな事情があるだろうと思うんです。そういう事情の中に招請される苦労というものは私もわからないわけじゃございませんけれども、この辺についてどの程度の留意をなさっておられますか、この辺のところをお伺いをしたいと思います。

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) 昨年の特別措置法の御承認の際に先生御指摘の附帯決議がありますことは私ども承知しておるわけでございます。  そこで、発展途上国の参加を促すためにどういうふうにしてこれをやっていったらいいかということになるわけでございますが、私どもといたしましては、科学技術の博覧会ということでございますけれども、いわゆる先端技術ということに代表されるような科学技術だけではなくて、やはりそれぞれの国に固有に育っている文化、あるいは生活を支える科学といいますか技術といいますか、そういうものがあろうかと思うのであります。したがいまして、発展途上国の御参加を数多く得られるためには、私どもとしてはそれぞれの国の事情に合った出展をしていただくようにまず案内をしてまいりたいと思うわけでございます。  それから第二点。これはお気づきの点だろうと思いますけれども、発展途上国それぞれ財政事情等を抱えておりますので、必ずしもそういう観点から、積極的な意欲を示し得ない国もあろうかと思うのでございます。私どもといたしましては、具体的にどのような方法が考えられるかというのはいまここでお示しできるものが実はないわけでございますけれども、いずれにいたしましても国際博覧会事務局などとも相談をしながら、発展途上国の経費の負担等につきましてできるだけの配慮ができるような相談もしてまいりたいと思っておるわけでございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 いま御答弁のありましたように、相当財政的な問題等の中で御苦労なさると思いますが、それぞれの国の中には伝統的な、私どもの知らないいいものがあるということも前の博覧会等々を通じましても見落としているようなものもあるわけで、ああ、あれもあったのかというようなすばらしいものがあったというふうな、後で気がつくようなこともあったことは事実でございます。そういう伝統を考慮に入れながら、いま御答弁がありましたように、ひとつ協会側ともよく打ち合わせをなさって進めていただきたいと思います。  次には、協会の方にも関連すると思いますが、出展調整期間から試運転時期は遅くとも私は五十九年の十二月までにはあらゆる準備が終わって、六十年に入れば調整完了というスケジュールにならなければならないということを考えていきますと、外交招請というものをある意味では相当積極的に急速に進めていかなきゃならない。先ほどもちょっとこの点には触れましたのですが、スケジュールに合わした行き方、とにかく開催日は決まっているんですから、それに伴う働きかけというのは大変なことだと思うんですが、この辺についてのお考えを伺っておきたいと思いますが。

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) 先生御指摘のとおり、六十年の三月から開催でございますから、逆算いたしますとまさしく五十九年の末までには展示物品の船積みであるとかあるいは通関手続等すべての準備が完了をしていなければならないかと思うわけでございます。  冒頭に御説明申し上げましたように、参加する国の数がまだ多く出ていないわけでございますので、個々の政府代表の任命を待つまでもなく、私どもとしては外交チャンネルあるいは政府の高官が当該国へ出張する機会などを通じまして、できるだけ多くの国のまず参加の意図表明が得られる努力を行わなければならないというふうにまず考えておるわけでございます。その上で、いわゆるこの政府代表者というものがそれぞれの国から任命をされますので、その政府代表者会議などをできるだけ時期を失せずに会合することによって細かい準備を進めてまいらなければならないと思っております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 各国との締結の問題もありますし、これは容易なことではないと思うんです。したがいまして、念を押す意味で私は申し上げたわけです。大変な作業だと思いますけれども、言うならば、もうすでに先ほども申し上げましたような、人が見てわかりやすい、あっ、これは行ってみようかというふうなパンフレットがもうすでにできて、そして招請されているような段階じゃなきゃならぬ、このように思うわけです。それらの点につきましてもまだ進んでいないように思いますし、また非常に科学万博という大きな魅力に各国はそれぞれの関心を深く持っていると思うわけですから、さらにこの点につきましては、私は要請を強めておきたいと思っております。  外務大臣、六月のベルサイユ・サミットに御出席なさいまして、科学万博の意義について何らかの形で参加国の首脳人の方にPRをしていただいて、その線からでも大きく働きかけを諸外国に呼びかけていってもらうようなお考えをひとつお聞かせ願いたいと思いますが、どうでしょうか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 宮崎委員からそういう御発言で、まことにありがとうございます。  従来とも諸外国の要人の来日など、あらゆる機会をとらえてPRに努めておるわけでございますが、主要国首脳会議は、世界経済上の重要問題について首脳が大所高所から意見の交換をする場でございますので、随行をいたします私などが万博のPRをするということはなじまないとは思います。しかし、食事の際など機会があれば、御趣旨を体して適切な対処をいたし、この科学万博が多数の参加国によって成功を期したい、こう思います。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 その御熱意が大きく世界じゅうを揺すぶっていくんじゃないかと思いますので、この点よろしくお願いをいたしたいと思います。  それから、科学技術庁と協会の方々にお伺いをしたいんでございますが、御案内のように、昨年の第九十四国会において国内法の特別措置法案が成立しました。そして、昭和五十六年の四月十七日に公布、施行されてちょうど一年たちました現在、万博の当初からの計画に対して、今日までの進捗状態といいますか、それらの点と、もう一つは、先ほども申し上げました両院の附帯決議で、博覧会への出展については「わが国固有の文化及び伝統工芸等に関する科学技術の紹介に努めるとともに、中小企業の積極的参加について配慮すること。」等という、まだほかにもございますが、これらの附帯決議をあわせながら御答弁をお願いしたいと思います。

平野拓也科学技術庁計画局国際科学技術博覧会企画管理官

○説明員(平野拓也君) 博覧会の準備でございますが、五十四年の閣議の御了解をいただきまして以来、ほぼ準備は順調に進んでおるわけでございます。  この準備は、大変多岐にわたりますので、幾つかの点につきましてその概略をかいつまんで御説明申し上げます。  まず、会場の用地の関係でございます。これは、閣議了解に従いまして茨城県がこれを取得するということで、県は鋭意その取得に努めてまいっておりまして、現時点におきましてその約百ヘクタールのうち九九%以上、ほとんどすべて買収が済んでおりまして、あと若干残っておりますけれども、これも近々のうちに取得が完了するというふうなことでございますので、ことしの夏から始まります建設準備には全く支障がないであろうというふうに考えておるわけでございます。  それから、その会場用地に会場を建設するわけでございますが、これは博覧会協会が担当するということでございまして、先日その会場の基本計画の第一次の構想というものが決定を見まして、いま関係方面とそのすり合わせを行っておるという段階でございます。これは、そのテーマにふさわしい会場地を造成するというふうなことを骨子といたしまして、いまその具体的な作業等について協会を中心に作業を進めておるということでございます。  さらに、会場へ二千万人と言っておりますが、観客がそこにおいでになるわけでございますので、これの輸送というのが大変大事でございます。これにつきましては、昨年の十一月に関係閣僚会議におきまして、当面緊急を要する関連公共事業といたしまして道路関係、それから鉄道関係、河川関係あるいは下水道関係といったようなものにつきましての御決定を見まして、現在それぞれの機関におきまして用地の取得あるいは建設作業に入っていただいておるということでございます。  それから鉄道の観客輸送につきましては最寄りの駅を今度新設するわけでございますが、そこからの二次輸送の問題でございますが、これにつきましても運輸省等の御指導を得ながら、博覧会協会において現在その具体策について準備を進めておるという段階でございます。  それから出展についてでございますが、これは国内的には政府出展と民間の出展がございます。  政府出展につきましては、これは過去の二つの博覧会と同様に、主催国政府としてふさわしい出展をするということで、現在私どもを中心に政府部内及び部外の有識者のお知恵をかりましていまはその基本計画を練っておるという段階でございます。これにつきまして、先生の御指摘のような両院の附帯決議等で、まずその固有の文化、工芸といったようなことも政府出展で大いに取り扱っていきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから民間出展でございますが、これにつきましては、協会の方で現在第一次の出展の受付を行っておられまして、ほぼ出足はいいというふうに承っているわけでございます。  さらにあと、宿泊とか医療対策とか消防対策とか、いろいろな問題が数多くございます。これらにつきましては、博覧会協会が関係省庁及び茨城県等と協議をしながら、いや鋭意準備を進めておるということでございます。  大体、かいつまんで以上のようなことでございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 ただいま御答弁がありましたけれど、協会では民間出展の受付を十六日からお始めになって五月の十五日までということですが、その最初の日に九つの企業グループからの申し込みと聞きましたが、民間パビリオンに割り当てられているという六万平方メートルの床面積で十分であるかどうかという点も私は一つの危惧な面があるわけですが、いま科学技術庁の方から御答弁のありましたものに補足がありましたらしていただきながら、ただいま御質問しました六万平方メートルということで足りるのかなという私はちょっと疑問があるんですが、その辺のことをお伺いしたいと思います。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 民間出展につきましては、三月中旬に東京と大阪で説明会を開かせていただきました。大変な盛況でございまして、特に中小企業の御関係の方が三分の一以上、こういう状況でもございました。それを踏まえまして、四月十六日から一カ月間受け付けをさせていただいておりますが、本日現在におきまして十一社がお申し込みをいただいております。これで先ほど先生の御指摘の床面積六万平方メートルのほぼ半分はいままでの申し込みで満たされておるというのが実情でございます。  なお、いろいろ私どもの事務局にそれ以外の企業なり企業グループからもお問い合わせがございまして、そういうものを含めますとほぼ予定の面積が満杯になるのではないかと思われます。なお、先生の御心配は、あるいは六万平米を超えたらどうするかと、こういうことも含まれるかと思いますが、私どもといたしましては、もちろんその六万平米というのはある程度融通がきくわけでございますから、多少の増減が可能でありますことと、さらには各御出展の企業の間での御調整と、こういったものもお願いできると思っておりますので、そういう点も含めまして的確な対応をさしていただきたい、こう思っております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 国内あるいは外国の出展がいろいろ特色のあるものでありまして、会場施設の設営等が非常に期間内に完成することは容易なことじゃないと思うんですが、ともかくも観客の偏らない展示方法といいますか、会場設置のあり方、これらも私は過去の博覧会を通じて心配する点があるんですが、その辺の考慮が大事じゃないかと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 会場計画を私どもが設定いたします場合に、先生御指摘のような観点が非常に議論になりまして、具体的にどう対応するかということでございますが、まず一つには、予想されます入場者数と展示館の床面積との関係で、できるだけ床面積を広く余裕をとって設けたい、こういう配慮をいたしたわけでございます。いま一つは観客の動き、動線と称しておりますが、観客の動線につきましていろいろ勉強をいたしておりまして、ごくざっとごらんいただく観客用の動線、それから非常に専門的に細かく見たい、そういうふうな観客の動き、そういったものを十分検討いたしまして、それらを踏まえまして政府館、外国館、民間館の配置を適切に行うことによりまして、少なくとも過去の博覧会よりは混乱の少ないものにさしていただきたい、こう考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 おっしゃるとおり、万博のそれらが非常に大きな問題点になって、偏ってしまってある面だけはいっぱいになって、ある面は閑散として、前の博覧会なんか通じまして国民のそういう声が大分聞こえたものですから、特にいまのことをお伺いしたわけでありますが、先ほども外務省の方にお伺いしたのですが、発展途上国それぞれの国の事情に対応できる援助の問題等につきましては、どうかひとつ協会側の方とも十二分にお話し合いをしていただいて御検討願いたいと思います。  それから次は、観客の宿泊が大きな問題になってくると思うのですが、この辺の御構想はどんなふうにしておられますか。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 観客の宿泊につきまして、私どもではいろいろ関係方面の御協力をいただきながら調査を進めてまいったわけでございますが、残念ながら会場周辺にはホテル、旅館等の宿泊施設はそれほど収容能力の大きいものはたくさんはございませんで、たとえば会場から三十キロメーターぐらいをとりましてへその範囲内でちゃんとした宿泊施設を持っておりますのは、一日当たり二千人程度ではないか、こう考えております。できますればホテルとかそういった宿泊施設をさらに博覧会に向かって増強していただければありがたいわけでございますけれども、博覧会終了後にどれだけ需要があるか、そういったことも想定いたしますと余り多くを望めないというのが実情であるかと思われます。私どもといたしましては、先ほど申し上げました調査、それで見ましても入場予想者のうち東京近郊の親類、知人宅で宿泊する、そういうふうなことをお答えになっておられます方が半分程度はございますし、東京におきます宿泊施設というのはこれは十分あるわけでございますので、基本的には観客の宿泊は東京を主力として考えたい、こう思っております。  しかし現地におきましても、特に青少年の観客がたくさん期待されるわけでもございますから、キャンプ施設あるいは民宿、そういった比較的簡易な施設の整備につきまして、これは茨城県当局を初め関係機関の御援助をいただきまして、かなりの対応をさせていただきたいと思っております。なお、このような小規模な施設につきましては、いわゆる旅行業者のあっせんルートに乗らない面がございますので、それにつきましてどのようなあっせん組織をつくるかということをいま鋭意検討中でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 お話がありました民宿ということがありましたけれども、沖繩では後みんなバンザイしちゃったわけですね。民泊ということもそれぞれ考えられるお話だと。一つはそういうものもあると受けとめたわけですが、いずれにしましてもこれは大変なことだと思います。あの付近ですと水戸、これは完全に収容できるんじゃないか。土浦も若干できるんじゃないか。東京もそうだというふうなお考えなんかもおありだろうと思いますが、いずれにしましても、これが愉快、不愉快な気持ちを与える大きな作用をするわけですから、この点には十二分に留意をしていただきたいということを要請をいたしておきたいと思います。  もう一つは、各諸外国から参加の出展をするために早く現地に、会場に着かれる方々が作業の関係でおいでになると思うのです。こういう方々に対する宿泊の手だて、こういったようなことももう当然お考えになっておられるのだと思うのですがこの辺についてはいかがでしょうか。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 出展の準備のためにかなり早い時期に来日される外国人関係者はある程度予想されるわけでございますが、そういう方々の宿舎といたしましては研究学園都市周辺のホテル、それに足りない場合は東京都内のホテル、そういうものをとりあえず充てるということで対処してまいりたいと思っております。さらに会期が近づきますと、実はいま建設省及び住宅都市整備公団にお願いしておりますが、住宅都市整備公団の施設を御貸与いただくというふうな可能性も出てまいりますので、そちらの方で対処させていただきたい。いずれにいたしましても、外国出展参加の関係要員はその住宅の事情において御不便をかけることがないようにいたしたいと。ちなみに過去の例から申しますと、参加の要員は多分千人程度が考えられるのではないかと思っておりますので、それにつきましては十分遺漏のないように手当てをしてまいりたい、こう思っております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 観光事業者といいますか、それに対する指導、啓蒙というものはどのように行われておりますか。これらの方々が相当の観客を誘導する、または募集するというような形になります。こういったようなこともお考えだと思いますと同時に、展示物の限られた日程のスケジュールの中で、先ほども外務省の方に伺ったのですが、据えつけの試運転までの運営等が最大の重要な作業になってくる。この辺の調整なんかも非常に大事な点だと思うんですが、国内の方はともかくとしても、外国の方がいろんな特異な建築物をつくらなきゃならないということになりますと、その建築の問題も、それから試運転の時期なんていうことも問題点になってくると思いますし、そういったようなことが非常に心配でありますし、もう一つには開催期間中の開場時間が何時であり、そして閉場時間がどうなるのか、これは三月はまだあちらの方は少し寒いんじゃないかと思いますし、三月、四月はちょっと緩められないと思いますが、夏季の期間というものは学校も休みになりますし、ピーク時になってくると思うんですが、こういった点の時間差によってすべての対応策というものが輸送関係とかいろんな面で大きく変わってくるようになると思いますが、この辺のお考えなんかもまとめてひとつ簡単にお答えを願いたいと思います。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 観光事業者に対するPRにつきましては、運輸省の御指導をいただきましていろいろな旅行業界に対しまして受け入れ準備の組織をおつくりいただくようにお願いをしておるわけでございます。また、私どもの広報委員会というのがございますが、そこの委員には国鉄、日本航空及び日本旅行業協会、こういったところからの御参加もお願いいたしておりまして、博覧会の広報に関するいろいろな戦略を御検討いただいておるわけでございます。  それからいま一つ、準備、特にいろいろな展示物を期間に間に合わせて設置し、試運転をするという点につきましては、特に外国の出展がある程度おくれて決まったときにどういうふうに対応できるかという御懸念の御質問かと思いますが、私どもといたしましては、短期間にそういう仕事をやれるように国内のそういう能力のある業者を御推薦するとか、そういうふうなことも考えられるわけでございますし、安全性に十分重点を置きながら、最後の場合には多少突貫工事的なことも期待しながら十分開会に間に合わせることができると、こう考えております。  次に、開場、閉場の時刻でございますが、これにつきましては一応協会の方で素案はできておりますが、なおもう少し詰めまして、六月ごろにある程度の案を固めたいと思っております。考え方といたしましては、御指摘のように、四月の中旬ごろまではまだ気候もそれほどよくございませんので少し開場、閉場の時間を短かくさせていただく、ゴールデンウイークからは朝も少し早く夜も少し遅くと、こういうふうにさせていただきたいと、こういうふうに考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 国鉄の新駅のこともお考えでございますが、駐車場の規模というもの、それから四カ所の会場の駐車場の規模、その辺のことをちょっと伊原さんからお伺いをいたしたいと思うんですが。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 駐車場につきましては、会場内にある程度のものを当然設けるわけでございますが、最近のように非常に自動車の保有台数がふえてまいりまして、観客の相当部分の方は自動車に依存すると、こういう情勢でございますので、かなりの面積のものを場外に設けなければいけないと考えておりまして、これを目下茨城県当局にお願いをいたしまして、地元に適当な土地を探していただいておるという段階でございます。場内に対しましてその三倍ぐらいの面積のものを外に設けたい。それは、観客が入ってまいります方向が主として三つの方向が考えられるわけでございますので、その三つの方向のそれぞれに一カ所ずつ場外に駐車場を設ける、こういうふうなことを考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 国鉄の関係のことをお伺いいたしますが、観客輸送対策について、協会側との話し合いの中で、何人ぐらいを輸送する御予定か。また、それはどのようにされるのか。  もう一つは、せっかく万博の新駅を設置するのですから、直行する臨時列車を仕立ててもよろしいんじゃないかなというふうに思うわけです。  もう一つは、新駅に急行なんかはとまってもらったらいいんじゃないかなという要請も当然これはあると思うんですが、このことにつきまして。  それからもう一つは外国からの観客の対策、列車対策といいますか列車なんかをどういうふうに案画されるか、その辺まとめてひとつ要領よく御答弁を願いたいと思います。

有馬訓祥日本国有鉄道旅客局営業課長

○説明員(有馬訓祥君) 入場人員二千万人という御計画でありまして、そのうち一千万人を国鉄で運ぶという想定になっております。一千万人のうち常盤線で申しますと、水戸方面等からお見えになるお客さんが大体七十六万人ぐらいいらっしゃるということですから、一番大きな量は東京、上野方から常磐線に入られる九百二十四万人というのが国鉄で運ぶお客さんの数になるわけでございます。九百二十四万人のうち、一応百万人程度は取手から関東鉄道の常総線の水海道という駅を経由してお入りになる、これは乗りかえになりますけれども、あと残りの八百二十四万人というお客さんが常磐線で直通でということで、協会の方から新駅を一つつくることについて協力してほしいというお話を伺っておりますが、新駅ができますとそこを経由して会場にお入りになる、こういうことになるわけでございます。  八百二十四万人と申しますと、お客さんの入場につきましてはやっぱり波動がございますので、大体私どもとしましては、波動が非常に高いところで大体朝八時から十時ぐらいまで、これがまあ上野口でお客さんが集中される時間だろうと、そう考えておりますので、この時間で見ますと、大体四万六千人ぐらいのお客さんをお運びしなきゃいかぬと、こういうことでいまのところ計画を立てております。それに対しまして、この八時から十時という時間帯につきましては、現在は急行が三本と土浦、水戸方面に行きます中距離電車が三本走っておりますが、これだけではとても輸送力は足りませんので、通勤対策を兼ねまして、現在十二両で走っております中距離電車を十五両にしていくという、そういう対策。それからもう一つは、中距離電車を八本程度増発をすると、こういう考え方で、まあピークのところでは定員の倍お乗りいただくと。そうすると、乗車時間約一時間弱でございますので、定員の倍御利用いただくということで計画いたしますと、私どもとしてはほぼ八百二十四万人近く運べるのではないだろうかと、こう考えております。そのほかに、全国遠いところから参ります団体やなんかがございますので、こういうのは別途お運びをするということになっております。  そういうことで、新しい駅ができますと上野からそこまでは直行ということでございますが、たとえば大阪からでございますとか、そういうところから直行を入れていくということはこれは非常に設備上の制約等がございまして困難でございます。ただ、いまの一千万人というのは私どもとしては運べるというふうに考えております。  それから、いまお話がございました外国人の輸送、それから新しい駅に急行をとめるというお考えでございますが、私どもとしては外国の方が日本にお見えになった場合には、やはり基本的には東京に一度お入りになるというふうに考えております。したがいまして、東京から会場までお行きになるということになりますと、いま申しました日本の観客が使う輸送力そのものを使うという方法もございますが、やはりなれないお客さんでございますし、それからピークのところでは定員の倍ぐらいお乗りいただくということも計画の基本に入ってございますので、ここにいま特急が十二本と急行が十一本走っておりますので、これを土浦あたりにとめまして、私どもとしてはこれのグリーン車だとか指定席車をうまく使いまして外国のお客さんをお連れするという、そういう考え方がいいんではないだろうかなというふうに考えております。この辺は協会の方ともよく御相談をしながら、具体的な問題として詰めていくことだろうと考えております。  それから、そういう列車を新しい駅にとめたらという先生の御指摘でございますけれども、まあ一つの考え方から申しますと、余り一つの駅に大きなお客を集中し過ぎますといろいろの問題が発生いたしますので、私どもとしては特急、急行は土浦あたりから会場にアプローチしていただく。それから中距離電車等のお客さんは新しい駅から集中して会場に行っていただくというような形の方がむしろ全体の処理としては好ましいんではないだろうかなという、そういう感じを持っておりまして、これは具体的に今後運輸省の御指導を得ながら協会とも御相談をさしていただいて詰めてまいりたいと、こういうふうに考えております。  以上です。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 運輸省の方はどうですか、その直行の臨時列車を仕立てていかれるようですが、それを駅へ直通で行くんですから、とめていくようにすると予算の面で大分人的、時間的、いろんなもので費用がかさばってくるようになるわけでありますけれども、この辺のことをどういうふうに受けとめておられますかね。

秦野裕運輸省鉄道監督局国有鉄道部業務課長

○説明員(秦野裕君) 鉄道で輸送いたします方法につきましてはただいま国鉄の方から御説明したとおりでございまして、それを臨時駅で全部まとめて集中的にやるか、あるいはいま国鉄から話のありましたように、土浦なり別の駅である程度ばらして対処するか、それは実はその次のバスの輸送との絡みもございますものですから、その全体の輸送システムとしてどういうシステムが一番効率的であるかということを含めまして、先生のいまの御指摘も含めまして、今後検討してまいりたいというように考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 予定しております時間が大分詰まってきましたので、建設省の方の道路事業の関係、それから上下水道の関係、河川の関係、こういったものも道路問題の大変な、総合交通体系の中から輸送というものをお考えにならなければならないと思うし、また新規のもの改修するもの、それらで相当な時日を要すると思いますが、こういった点についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。

萩原浩建設省道路局企画課長

○説明員(萩原浩君) 科学技術博覧会に係ります道路整備につきましては、昨年の十一月六日の関係閣僚会議におきまして、五十六年度以降総事業費三千九百五十五億円に及びます関連道路整備計画が了解されてございます。  これの主なものを申し上げますと、広域的な幹線道路として、博覧会の開催までに常磐自動車道三郷−日立南間百五・二キロ、約千七百十二億円、東関東自動車道成田−大栄間十一・八キロ、約二百三十億円、並びに首都高速道路足立−三郷線等十五・二キロ、約八百三十三億円の供用を図ることといたしております。さらに、会場周辺の道路につきましては、約千百八十億円を投じまして、観客の円滑な輸送を確保するよう努めるつもりでございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 これは簡単にこの予算の割り振りだけおっしゃったのですが、成田から羽田から、そしてまた周辺から首都高速から幹線から、いろいろ交通網というものが相当多岐になってくると思うんですね。それに伴って街路、そういったようなものも含めてのことですから相当な事業だと思うんです。これが一つの大きな血の道になる、血液の循環路になる、そういうふうにも思えるわけです。これに対する満々の自信がおありのような御答弁でしたけれども、大丈夫ですか。

萩原浩建設省道路局企画課長

○説明員(萩原浩君) 先生御指摘のようにいろいろな輸送の問題がございます。先ほど御指摘がありましたように、二千万人のうち一千万人を道路で運ぶと、こういう計画になっておりますが、私どもとしては十分余裕を持ってこの一千万人を処理できるというふうに考えておるわけでございます。幸いにいたしまして、数カ月前に柏−流山のところで非常に用地問題が難航しておりました常盤自動車道、これが用地問題解決をいたしまして、いま一斉に工事にかかっているところでございます。したがいまして、五十九年度いっぱいには完全にこれが開通するということができますし、首都高速も三郷で同じくドッキングすることができるということでございますので、十分それに対処できると存じます。また、会場の周りにつきましても、協会ともいろいろ御協議いたしまして万全の策を講じてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 御自信があるので非常に安心をするわけでございますが、一番安心されるのは国であり、そしてまた協会の方々の一番心配をされるところですから、万全を期していただきたいと思います。  次は警察庁の方に質問をいたしたいと思いますが、万博に対する輸送の安全対策、それから開催中には各国からかなりの要人の方々もおいでになりますが、これらの警備体制、また交通規制、あるいは交通事故をなくしていくその対策といいますか、とにかく大混乱を起こす事態が生じてくると思います。現在毎日のように報道されております自動車事故というものを考えてみますと、相当な決意とそしてその処置をやっていかなければ安全対策というものはなかなかむずかしいんじゃないかと思います。この辺の配慮、こういった点につきましてどんなようなお考えをお持ちでございますか。

福島静雄警察庁交通局交通企画課長

○説明員(福島静雄君) この博覧会へは合計二千万人の入場者が予測されておるところでございますが、会場予定地は鉄道沿線から遠いために、観客等の輸送は最終段階ではすべて自動車交通に頼らざるを得ないと見込まれております。このため、開会の期間中は朝夕の時間帯を中心に会場周辺の道路やそこに至る幹線道路に大量の交通が集中することになりまして、混雑の常態化、交通事故の多発及び交通公害の発生等が予想されますので、事前に十分な交通対策を講じておくということが不可欠であると考えております。そこで警察といたしましては、主催者や関係機関に対しまして、鉄道、バス等の公共輸送機関を中心とした適切な輸送計画の策定と実施、また道路、駐車施設の整備等につきまして要望、働きかけを行っているところでございます。また、警察自体の対策といたしまして、茨城県警察を中心といたしまして関連道路に対しまして必要な交通規制の実施、交通安全施設等の整備を行いますとともに、交通管理センターの活用によりまして交通情報の収集、伝達等の広域交通管制の措置をとることといたしております。  なお、今後の交通状況の予測を詰めてまいりますとともに、これらの対策によりまして開催時における交通の安全と円滑を十分に確保いたしますとともに、沿道の生活環境へ及ぼす影響を最小限度に食いとめますよう今後鋭意努力してまいる所存でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 伊原参考人にお伺いしますけれども、科学万博が無事成功裏に終了した後の対策ですね、その構想は学園都市をバックアップするようなすばらしい構想をお考えになっておられるんじゃないかと思いますが、この辺のことをお伺いをいたしたいと思います。

伊原義徳財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長

○参考人(伊原義徳君) 筑波研究学園都市におきまして博覧会を開かせていただきます大きな意義づけの一つとして、先生御指摘のように博覧会が終わった後の都市としての発展というものが重要であるということでございますが、その点につきましてまずひとつ申し上げられますことは、会場用地は茨城県が工業団地として造成されますその事業、それを一時お借りすると、こういうことになっておりますので、将来工業団地として筑波の都市の中において一つの生産拠点という位置づけが行われるかと思うわけでございます。研究学園都市として全体的に調和のある発展ということで研究教育のみならず、たとえば工業といったものの導入というふうなものも人口の定着の促進、雇用の場の拡大あるいは町村財政基盤の充実という面で必要であろうかと、こう思うわけでございます。この点につきましては茨城県が長期的にこの研究学園都市の熟成と地域の均衡ある発展を目指していろいろ御計画中であると聞いております。協会といたしましても、国土庁の御指導をいただきながら茨城県当局と十分御協議をいたしまして、私どもの博覧会の事業が筑波研究学園都市の将来の発展のために少しでもプラスになるようにいろいろ考えさしていただきたいと、こう考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 大臣、この科学万博が成功裏に終わって諸外国からの交流がいよいよ深められてくるということはこれは当然でございます。わが国の技術水準はもとより諸外国の技術水準というものも、また発展途上国の技術開発、育成、援助、そういうものの大きな役割りを担っていることになると思いますが、この万博につきまして大臣の所見のほど、決意のほど、お考えのほどをお聞かせ願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) よく日本は資源のない国と言われるのでありますが、そういう国の将来性を考えるときに何が一番いいかと、それはこういう科学博のようなものをやりまして、そして将来に向かって日本国民が一層頭脳開発をやっていくと、この頭脳開発こそが日本の資源の源泉というような意気込みでこれをやっていったらどうかと、またそういうことをやり得る素地を十分持っておる。今度のミッテラン大統領が見えてもひとつ前向きのことを考えましょうと。何を言っておられるかというと、日本とフランスと相連携して技術面で協力していこうじゃないかというようなことも最近言われたのでありますが、そういう見地からいたしますと、日本のようなこういう国土の貧弱な状況の中で何が適切かということになってまいりますと、こういう科学技術博覧会をいたしまして日本が各国とこういう面で協力していく、また、いま宮崎委員のお示しのように、発展途上国のおくれている面につきましても、こういう面で大いに今度はお役に立っていくというようなことから、いろんな角度から言って日本にとりましてこの国際科学技術博覧会が成功して、またそのことによって世界が日本に新たなる認識を持ち、また日本はこの科学技術面で国際的に一つの責任を負っていくと、こういうようなことで大変有意義なことであると思うのでありまして、国会の皆さんの御協力のもと、また私どもの努力によりましてりっぱな成果を上げたいと、こういう考えを持っております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 伊原参考人、お忙しいところ大変ありがとうございました。万博の質問はこれで終わらしていただきます。その関係の方々ありがとうございました。  次は、七一年の国際小麦協定の件でございますが、午前中も同僚委員からお話がありました問題につきましては省略をいたしまして、私は開発途上国向けへの食糧援助について、河本経済企画庁長官が企画庁の事務局に具体案を指示されたと言われている発展途上国に対する新しい食糧援助制度の創設の考えを、五月中旬行われると言われておりますOECDの閣僚理事会で提唱をされるんだというようなことを伺っているわけでありますが、外務大臣、この件御承知でございましょうか。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) ただいま委員御指摘の河本大臣の御見解は先般新聞紙上に大きく報道されましたが、それ以前にも雑誌等にいろいろ御発言になっておられまして、世界の栄養不足の人口が開発途上国におきまして約四億九千万人を数えるその栄養不足の人口を、最低水準の栄養を確保するための食糧援助としては穀物で換算いたしまして約二千五百万トン程度、金額にいたしますと六十億ドル程度が必要である。そのために日本が、他の先進諸国等々に呼びかけまして基金をつくって、それによってアメリカ、カナダ等々食糧増産の余力のある国から食糧を購入して供与すると、こういう趣旨の構想であると承知いたしております。先生も御承知のように現在わが国が行っております、ただいま御審議を願っております食糧援助規約におきましても日本の余剰米、それからタイ、ビルマ等の第三国米と並びましてアメリカ産の小麦も年によって違いますが、三万トンから三万五千トン程度、金額にいたしますと六百万ドルから八百万ドル程度のものを開発途上国に購入する資金を供与している状況にございます。  まず食糧援助規約上の援助を利用してアメリカ産小麦の購入をふやす問題というのが一つあり得るかと思いますけれども、御承知のように、まず日本につきましては余剰日本米の活用という問題が一つございますのと、それからタイ、ビルマ等開発途上国から自分たちの生産している米を食糧援助に使ってもらいたいという非常に強い要望がある。食糧援助規約にもただいま御審議願っておりますように、加盟国の産品を利用するという原則と並んで開発途上国の産品を優遇するようにという規定もございますので、これを非常に拡大するということにはいろいろな問題があろうかと思われます。いずれにいたしましても、本年御承認を得ました予算におきまして、本食糧援助規約に用います予算が総額で二百六億円程度でございます。うち五十五億円が運賃、保険料ということになりますので、本体分としては百五十億円そこそこと、これが日本の義務量三十万トンに対応するわけでございますが、ということですので、金額のけたということから言いましてかなり小さなものであるということが言えるかと思います。  それから第二に、それでは日本が開発途上国に資金を貸し付けてそれによって米国産の小麦を買ってもらうという方式はどうかと、これも示唆されておられるわけですが、これにつきましては、現在の経済協力の制度から申しますと円借款ということになるかと思いますが、円借款の場合には御承知のように調達先というのがアンタイドされておりますので、特定の国を決めてそこからの購入に充てるということはかなり困難があるかと思われます。現行の制度というものを活用いたします場合には、このように種々のかなりの問題点がございますので、現在、経済企画庁、大蔵省も含めまして事務的に本件の検討を財源問題も含めて行っているということはございません。したがいまして、OECD閣僚理事会が五月中旬に開かれますが、その際に本件を取り上げるということも別段決定いたしてはおりません。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 時間がございませんので、いまの提案の背景には、お話もありましたように飢餓人口約四億九千万とおっしゃられた、現行制度は二千五百万トン、約六十億ドルの不足をする計算から出されたものと思うというようなこともありますが、国連の児童救済基金、ユニセフの報告書によりますと、一九八一年は一億人の児童が空腹のまま寝床に入り、一千万人の心身障害を受け、二億人が学校にも行けずに放置されている。一日当たり四万人の児童がひっそりと死亡し続けた年であったと報告されております。その後の状態はどうかというと、現況は悪化するおそれが非常に強いと報告書が訴えております。これはこれからの人類の発展の夢と希望とを開くことのできる児童たちであります。いまこうしているときにも、多くの飢餓に泣くとうとい人命が失われているということを取り上げてみている点からも私は納得できると思いますし、さらにまたアフリカ大陸の飢餓難民は、五百万人以上の人がやせ細った体を引きずるようにしてさまよっているとも言われております。  こうした事実等を考えて、いま御答弁になりました一つ一つの細かい点につきましては時間がございませんのできょうはお伺いできませんけれども、こうした事実の点を大臣としてどう受けとめられておりますか、その対応についてのお考えを伺っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) いまお話の出ました飢餓の問題は、これは大変深刻な問題だと思います。昨年の南北サミットにおいても、鈴木総理が取り上げられまして、目下の緊急の課題であるとこう申したのでありますが、このためわが国は、食糧援助規約に基づく国際機関を通ずる食糧援助を実施しておって、先ほどからお話が出ておる次第でございますが、より抜本的には開発途上国における食糧増産、農村・農業開発が重要であると、このように思うのでありまして、この分野における援助の拡充に努めていきたいと、かように考える次第でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 時間が参りましたので、たった一つだけ、日東独通商航海条約の中で、今後の問題として一言触れておきたいと思いますが、法務省に東独向けの渡航目的及び日本人の出国者、五十三年から五十六年のを調べてもらいまして、その資料を見ますと、学術研究調査というものが非常に少ない。それから、留学技術習得の人が非常に少ないという点、また技術交流についてどんなふうに考えておられるのか。この東独との通商条約について人的交流というもの、文化交流という点につきましてお伺いをいたしたいと思います。  ちなみに、留学と技術習得の欄を見ますと、昭和五十三年が二名、五十四年が二名、五十五年が八名、五十六年が六名と、こういうふうに言われております。これらの点を考え合わせて御答弁を願いたいと思います。

田中義具外務大臣官房審議官

○政府委員(田中義具君) 御指摘のように、学術研究留学生、技術者等の交流の面においては、現在のところ、実績で見る限り必ずしも交流が大きいというふうには言えない状況にございますけれども、本条約の締結によって、わが国と東独との間の経済交流も一段と促進されることが期待されておりますし、それに伴って経済、産業も含む全体としての人的交流、人的往来というものも徐々に拡大していくことが予想されるところであります。さらに、もう少し広く文化面を含めての両国の相互理解増進のための人的交流というものも、今後そういう全般的なわが国と東独との関係の緊密化ということに応じて、さらに拡大をしていくことが望ましいというふうに考えておりますので、そういう方向で政府としても可能なことはやっていきたいというふうに考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 大臣にいまの答弁に対する東独との通商の問題についてお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 今回のこの通商及び航海に関する条約は、戦後二十六カ国と締結しておるわけでございますが、ドイツ民主共和国との間でこの種の条約を結びまして、両国の友好関係が深められていくということについて大変意義を感ずる次第でございまして、この条約によりまして両国のそういう面の促進が図られるということを大いに期待をしておる次第でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 終わります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 まず、国際小麦協定に関連してちょっとお尋ねしたいんですが、小麦貿易規約ですね。いままでこれは繰り返し問題にされてきた、つまり価格帯の問題や供給の安定、こういうふうな問題について事実上商品協定としての内容がない、そういう点は非常に欠陥ではないかということが繰り返し問題にされてきたと思うんですね。この点について政府がいままでこの種の協議の中で、こういう商品協定としての体裁を整え、充実した内容にするようにどういう点で努力をされたのかということが一つと、それから今回、先ほど午前中問題になりました備蓄や、それから開発途上国に対する特別措置の点で一致しなかったということから、パロットの新協定代替案なるものが出された。これに対して日本政府はどういう態度をとったのか、まずこの点をお伺いしておきます。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答え申し上げます。  いま御質問の価格帯の問題でございますが、小麦貿易規約の方につきましては、日本が特定の提案を行ったというようなことはございません。ただ、一般にこういう商品協定交渉におきまして、日本は世界の主要貿易国の立場で価格帯の問題を含む提案、それから各国間の立場の取りまとめといったことにつきまして積極的な努力を適当と認める場合は、たとえばココム協定なんかそうでございますが、やってきております。  それから、パロットの代替案についてでございますが、基本的には日本としてはこれに賛成ということで対処してきたわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 午前中の御答弁の中では、パロットの提案に対してアメリカは反対をしたと、これについてはどうもアメリカの小麦の豊作ということも関連してというふうな説明で、私としてはどうも納得しかねるんだけれども、たとえば開発途上国に対する援助のあり方の問題で、アメリカとしては、現在の場合には国際的な機関に対して援助をするよりも二国間での援助の方に重点を置くというふうな態度がありますし、それから共通基金に対する問題でもアメリカ自身のとっている従来からの考え方があるし、こういう消極的な姿勢がこのパロットの提案に対しても反対をしたということが根底にあるのではないか。この点についてはどうですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 豊作の点でございますが、午前中にお答えいたしましたとおり、私どもとしてはその問題も関係があるというふうに考えております。ただ、いまお話しの共通基金との関係につきましては、アメリカはむしろ基本的には個別の商品協定を支持、強化育成していくというのが基本的立場でありますので、共通基金との関係でパロットの代替案に消極的であったということでは恐らくなかったろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この問題で大臣にひとつお尋ねしておきたいのは、アメリカが食糧を戦略物資として使っている。この点についてはいろいろ異論のあるところかもしれませんが、実際問題として特定の政治的な目的のために食糧の輸出をとめたり、あるいはそれを開始したりというふうなことは、現実にはやっぱり戦略物資としてそれが使われておるということに客観的にはなるだろう。だから、こういう点についてはいままで日本政府としては同調しないという態度をとってこられたと思うんですが、やはりこういうようなアメリカが好むそういう食糧援助にだけ日本政府が力を入れるというふうなことになれば、それは結局は同調するというふうなことになりますし、また食糧輸出の問題に関して言いますと、お米の輸出についてはいろいろとアメリカの市場を妨げるからといってアメリカから圧力がかかったというふうな経緯もあるわけで、アメリカの食糧援助を戦略物資として扱うというふうな態度については、日本としてはやはり今後毅然とした態度をとって、独自の観点から食糧の援助が本当に人道的な立場から行われるというふうな点は貫いていくべきではないかというふうに思いますが、大臣、この点についての御所見をお伺いしたいんです。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えさせていただきたいと思います。  まず、アメリカがどういう態度を表明しているかということでございますが、レーガン大統領は、アメリカの安全保障が脅され、たとえば対ソ全面禁輸を必要とするというようなことになれば、それに見合った措置を考えなければならないということを言っておりますが、あわせてこのような極端な状況にならなければ、農産物を外交政策の手段として用いる考えはないということを明らかにしているというふうに私ども聞いているわけでございます。それで……

立木洋日本共産党

○立木洋君 事実関係はいいです。つまり日本政府の考え方を私聞いている。どういうふうに対応されるか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) ただいま先生御指摘のございました食糧輸出と援助の関係でございますが、これは一方におきまして援助のあり方という問題があると同時に、片っ方で通常貿易に与える影響ということがございますので、その両方の要請から現在のような仕組みがとられているということで説明申し上げればよろしいかと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私が聞いているのはそういうことじゃなくて、政府のお考えを聞いているんだから、大臣からどういうお考えかということだけ聞けば私は結構なんです。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 日本は、食糧の不足しておる、あるいは非常な困難に直面しておる国に対して食糧をどうするかというときには、これはもう全く人道的に考えてやるということで、たとえばポーランド問題についていろいろな措置をとるにいたしましても、人道的見地から食糧はこれは出そうというような考えに立っておるわけでありますから、こういう食糧を特に日本として何か戦略物資的に扱うと、そういうような考えはございません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それから科技博の問題でこれも一言だけ。先ほど同僚議員が大分詳しく聞いたのでダブる点は全部省きますが、一点だけお尋ねしたいんですが、朝鮮民主主義人民共和国には招待がなされていないということなんですね。これはどういう理由かということだけ最初にちょっとお尋ねします。

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) 今度の特別博覧会でございますが、これは御承知のように国際博覧会条約に基づく特別博覧会ということで開催されるわけでございます。したがいまして、その条約の第十一条に招請につきましての手続を定めておるわけでございます。そこにおきまして外交上の経路を通じて行うということを定めておりますが、いかなる国を招請するかということは定めていないわけでございます。これは私どもの理解するところでは、いかなる国を招請するかというのは主催者側の判断をする事柄であろうというふうに理解をするわけでございます。したがいまして、日本政府といたしましては、国交のない国に対しては従来とも招請を行っていないことはもう先生御承知のとおりだと思いますが、今回も同様な観点に立ちまして、国交関係のない北朝鮮に対しては招請状を発出してないというのが実情でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これも大臣に一点だけお尋ねしておきたいんですが、万国博の場合にも朝鮮民主主義人民共和国は招待していませんでしたし、それから沖繩の海洋博でも招待していなくて、今度の科技博も同様招待してないんですね。これは国交が樹立してないということから今度の場合には国際博覧会条約の十一条に関するということだという説明ですが、私はやはり、これは政治的によく考えてみる必要があるんではないかと思うのは、とりわけ科学、技術あるいは文化、そういう面では国交があるなしにかかわりなくやはりもっと門戸を開いて、そういう交流を国際的に意義あらしめるようにするという必要があるんではないだろうか。これは、いま韓国に対する六十億ドルの問題があるから、余り北に関して日本政府が好ましい態度をとれば、それがかえって悪影響を及ぼすんではないかというふうな考え方ではないだろうとは思いますけれども、やはり直接朝鮮民主主義人民共和国とも交流をして、その中からいろいろ相手の見解も聞き、こちら側のことも述べるという、とりわけこれは政治的な問題ではないわけですから、そういう点ではもう少し今後の日本政府のあり方としては検討をされてもいいんではないかと思うんですが、その点大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) お尋ねの御趣旨は私も理解できます。これは文化、あるいは科学の交流はしてきておるということをよく申し上げておるわけでありますが、ただいま御説明がございましたように、国際博覧会条約十一条によって招請国の政府のみが外交上の経路を通じて被招請国の政府に対して行うという、純粋に事務的に考えてみて、現在外交ルートのない北朝鮮につきまして招請を行わなかった、行わないと、こういうことで、また他の博覧会の事例を見ましても、外交関係のない場合については招請を行ってないのが通常のようでございますので、これは余り深く考えずに、そういう見地に立っておるということで御理解をお願いしたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 科学、技術、文化、そういう面での交流については積極的な姿勢をとっていただくように重ねて強く要望しておきたいと思うんです。  次に極東有事の問題についてお尋ねしたいと思うんですが、極東有事問題に関してのガイドラインに基づく日米間の協議が一月の二十一日から始まったということで、これは非常に私はやっぱり重大なことだというふうに思います。それは今後の日本のあり方の問題にかかわる、憲法にかかわる重要な問題であるという点だけではなくして、将来の日本の運命を決める上でも重要な意味を持つという点から、きょう若干の問題についてお尋ねしたいと思うんですが、この極東有事における日米間の協力という点については憲法上の制約があるということだと思うんですが、この憲法上の制約というのは、どういう点に制約があるのか、その制約の内容について淺尾さん、ひとつお答えいただきたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) まず立木委員もよく御承知のとおり、このガイドラインに基づく研究でございまして、ガイドラインの中では憲法の問題にはタッチしない、扱わないということでございます。したがって、いま委員が御指摘の憲法上の問題は何かというお尋ねでございますが、この研究の中で、そういう憲法に触れるようなことは出てこないというのが大前提になっているわけでございます。  もう少し申し上げれば、極東有事の研究というのは、日本がアメリカと直接軍事的な協力関係に立たないということでございますので、いわゆる国家が実力を行使する、そういうようなことは全く想定してないということは申し上げておきます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 つまり、いままで再々よく言われていました集団自衛権の行使に当たることはやらないということが一つですね。いいですか、それは。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) お尋ねのとおり、集団的自衛権の行使に当たるものはやらないということでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いままでの御答弁見てみますと、集団自衛権の行使に当たるような協力をすることは憲法上考えられないという述べ方、あるいは具体的には集団自衛権に及ぶようなことは憲法上できない、こういう答弁の仕方があるんですが、集団自衛権に及ぶようなこと、あるいは集団自衛権に当たるような協力とは具体的にはどういうことでしょうか。まず淺尾さんの方からお聞きをいたします。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 従来から集団的自衛権の行使にかかわるものとかあるいはそれに関する協力とかいう言葉を使っておりますけれども、要するにここで言おうとしていることは、国家としての実力の行使というものはしないんだということに尽きるんじゃないかと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 つまり、武力の行使というその唯一の形態ですね、集団自衛権の行使というのは武力の行使だけの形態であって、武力の行使以外の形態はあり得ないと。集団自衛権の行使という範疇には武力の行使以外の形態はあり得ない。ただ武力の行使だけだというお考えですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 私も法律の専門家でございませんけれども、私の理解しているところによれば、集団的自衛権の行使というものは国家による実力の行使ということを意味するというふうに理解しております。

栗山尚一外務省条約局長

○政府委員(栗山尚一君) 御質問の御趣旨が、国際法上の集団的自衛権というものがもっぱら武力の行使を念頭に置いたものかという御質問であれば、一般的にそのようなもの、概念上そのように考えられておるということでよろしかろうと思います。ただ、全く武力の行使だけに限定された概念であるかということになりますると、これは国際法上いろいろ学説等がございまして、武力の行使以外のものが集団的自衛権として理解あるいは説明されないかと言えば、それは必ずしもそうではないと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 長官、お忙しいところ来ていただいたんですが、集団自衛権の行使はこれはもちろん憲法上許されない、これはもうはっきりしているんですね。ただそれだけにとどまらないで、他国の武力の行使に協力する場合でも、これは憲法違反ではないかという点については、どういうふうに解釈しておられますか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) 先ほど来外務省の政府委員が申し上げたことに尽きると思いますけれども、他国の武力の行使に協力する場合も、その協力の内容がわが国として武力の行使である場合こういうことはできない、こういう意味でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると、他国の武力の行使について、武力行使以外の協力はどのような場合でも憲法違反にはならないという解釈になるんですか。ちょっとこれ重要な問題なので正確にお答えいただきたい。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) そこは今後、いわゆる極東有事の際におけるわが国の便宜供与についての研究作業というものが漸次具体化されるに伴っていろいろ具体的な事態が出てくると思います。したがって、いま決定的なことを申し上げるのはかえって適当じゃないと思いますが、私は便宜供与というものの中には、当然のことながら武力の行使以外の便宜供与というものも概念的には当然あると思います。したがいまして、そういう範疇に属するものである限り、それは自衛隊法その他の問題はあるにしても憲法に直接触れるものではない、そういう範疇はあると思います。ただ、具体的にどういうものがあるかについては、今日の段階では明確にすることはできないと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 つまり他国の武力行使に対して協力する形態ですね、これはまあ今後どうなっていくかという問題があるから、いまからこういう場合はああだ、ああいう場合はこうだというようなこと、それはなかなかむずかしいでしょうが、これについては憲法に違反するという、それがただ単なる武力の行使だけではなくて、他の形態でも憲法に違反する形態はやっぱりあり得るだろう、また憲法に違反しないという場合もあり得るだろうし憲法に違反するという場合もあり得るだろう、武力行使以外の協力の形態によっては、というふうに理解していいですね。いまはだからむずかしいから答えられないというのはそういう意味ですね。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) それは武力行使というもののそれ自体の範疇をどうとらえるかによっても違うと思います。したがいまして、一つの例として申し上げれば、米軍の武力行使に対してわが国は基地を提供するという関係があるわけでございます。そういう基地の提供という関係はそれ自体としては武力行使ではないと思いますし、現にガイドラインでもそういうものを前提として説明がなされているわけでございます。したがって、そういうふうに明らかに武力行使ではないものもあると思いますが、それじゃ武力行使以外でも憲法上できないものがあるかどうかという直接の御質問に対しては、これはいまの段階で武力行使というものをもう少し具体的になってきた場合に詰めなければならない問題じゃないかと私は思っております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 具体的に進んでいっちゃうとなし崩しにやられる危険性があるので、やっぱりはっきりさしておく必要があるだろうというのが私の考えなんですね。  それではもう一点、大分以前の話ですけれども、岸総理の時代に、御承知のように林法制局長官が述べられておりますね。ここでは岸総理は、自衛隊の米軍に対する協力について補給という日本に関係のない、つまり米軍の出動に対して何か協力するということは起こり得ないし、またそういうことは憲法上許されておらないということを述べられました。これに対して林さんの方がさらにそれを敷衍して、極東の平和と安全のために出動する米軍と一体をなすような行動をして補給業務をすること、これは憲法上違法になるだろうというふうなことが述べられてありますが、この出動する米軍と一体をなすような行動をして補給業務をするということは、すでに当時でも明らかにされた憲法上違反の概念に当たっているわけですが、この内容についていま長官はどういうふうに判断なされているのか、この一体をなしてというここらあたり少し御説明いただきたいと思います。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) 一体をなすような行動をして補給業務をやるというふうに書いてありますが、これはその補給という観念の方から見るのじゃなくて、それ自体が武力行使の内容をなすような直接それにくっついていると、そういうようなものはむしろ武力行使としてとらえられる、そして憲法に反するというような意味で林元長官が言われたのだと、そういう意味では私が先ほど来申し上げていることと基本的には違いはないように思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 どうも私はちょっと違うんではないかと思うんですがね。これはたとえば日本の自衛隊の場合には、これは政府が再々答弁されておられるように、あれでしょう、日本に武力攻撃がかけられた場合、いわゆる自分の国を守るためのものであって、他国の紛争に武力的に介入するというそういう任務などは自衛隊は持っていない、これは言うまでもないことなんですね。ところが、仮に極東で武力紛争が起こった、そこに米軍が出動したと。そうした場合に、そういう外国の武力行為に関しては本来かかわりを持たないというのが自衛隊の性格だ。これは政府自身が認めている。私たちは自衛隊そのものを肯定していませんけれども、政府の答弁でもそういうふうに述べられている。ところが、その外国に米軍が出動した武力行使に自衛隊が補給だとか輸送だとかなどに直接的に協力するということがこれは憲法上許されるのかどうなのか、これはどうですか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) もとへさかのぼって申し上げますが、私どもが集団的自衛権の行使はできないと、集団的自衛権の行使はその概念としては当然に武力の行使であると、こういうことを申し上げているわけでありますが、それは憲法九条というものの解釈として申し上げているわけでございます。憲法九条では私どもの解釈からいえば自衛のための武力行使は許される、自衛のため必要最小限度の武力行使は許されるけれども、他国を助けるというような意味の武力行使は許されない、したがって集団的自衛権の行使は許されない、こういうふうになるわけです。したがって、一般的に他国の武力行使に対して一切協力をしてはならないというふうには考えていないわけで、現に安保条約なり極東有事の際の研究というものもいままで申し上げたようなことを前提としているわけでございますから、そういう意味では一切自衛隊が武力行使以外の面で協力をしてはいけないというふうには憲法解釈としては私どもはそういう結論は出てこないわけです。ただ、自衛隊法その他の関係によりまして、現在の自衛隊というものはそういうことは法律上任務としては許されてない、したがってそれはできないと、こういうことでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると、たとえばP3Cによる戦術情報を米軍に提供するという行為はこれは憲法上どうなるんですか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) それも先ほど申し上げた九条の解釈に照らして判断されるべきものだと思いますが、私はそれ自体は武力行使でないならばそれは憲法九条のもとでは禁止されていないというふうに考えます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私はこれはだんだんだんだん拡大解釈されていき、きわめて危険じゃないかと思うんですがね。いままで、たとえば先ほど長官は基地の提供の問題を言われました。長官、こういう場合はそれではどういうふうになりますか。日本は日米安保条約がありますね。日米安保条約によって土地が基地として米軍に提供されている。これはいいか悪いか論じることは別として、提供されている。これがたまたま米軍がベトナムでああいう戦闘状態に入ったのでそれが使われたという場合、これはそういう答弁をいままでされておった。それではなくて、今度極東で仮に有事が起こったと。仮定が悪いですけれども、朝鮮なら朝鮮半島で起こったと。それに基づいて日本側がいままで使用しておった自衛隊の基地をその時点で新たにその行動のために提供するという性格になると、これはたまたま条約上結んでおって、そしてそれが使われたというのと、そういう事態が起こって新たにその武力行使のために提供したということは性格が違うだろうと思います。これは性格が同じなんですか。性格が違うとしたら、それはどういうふうに考えたらいいんですか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) 結論から申し上げれば同じだと思います。と申しますのは、一たん有事が起こった際に、その際に改めて自衛隊の基地を共同使用させるということも含めて現在の安保条約では基地を提供してるのだと思います。ですから、有事でないときの基地の提供も、それからいま委員が御指摘になったような有事になってからの基地の提供も、本来安保条約の基地の提供ということの中に含まれているわけでございますから、そういう意味では同じだと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これは憲法上の解釈になりますけれども、たとえば先ほど言われました武力の行使の問題に関する九条ですが、ここでいえば「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」云々というふうになっているわけですが、この場合には私は、たとえば極東で有事が起こった場合に、これは米軍が武力で解決するために行動を起こした、これに対して日本がその武力紛争にかかわる明確な意図を持ってこれに協力するということは、これははっきりとやっぱり武力紛争によって問題を解決するという手段に出たことに私はなると思います、日本の政府が明確にそれに介入する意図を持って援助を提供した場合には、輸送にしろあるいは補給にしろ。これまで協力が憲法上違反にならないということになったら、これは憲法の大変な改憲解釈であって、私は重大な問題になるんじゃないかと思うんです。日本政府がその武力に介入する明確な意図を持って協力する、どうですか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) 先ほど来申し上げていることをまた繰り返すようでございますけれども、憲法第九条の解釈としてわが国は自衛のため必要最小限度の武力行使ができるということがまず出発点になっているわけです。他国に対する協力もそういうものを越えた武力行使はできないと、こういうことに当然なるわけであります。したがいまして、いま委員が言われたように、他国同士の紛争に何らかの意味で、何らかの方法で関与するということが一切憲法九条のもとで禁止されているというふうには私どもは考えてないわけです。ただし、そういう外国同士の紛争について協力といいますか、何らかの意味で関与をするということについての別の立場からの議論というものは当然あると思いますが、憲法がぎりぎりの憲法解釈としてそこまで禁止しているというふうには考えていないわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると以前に、これは高辻法制局長官がこれも四十五年に述べたことですけれども、たとえば義勇兵が民間人としていわゆる外国の武力紛争に行く場合ですね、民間人が出かける場合にはこれは憲法上の問題ではない、ところが募集業務に関するなど政府の意図が加われば憲法違反だという立場を主張してこられていたじゃないですか。政府の明確な意図として加わった場合にはこれは憲法上違反だと。明確な武力行使という形じゃなくてもですよ。出て行くのは、義勇兵として民間人が出て行く場合でも、これは明確に政府が募集業務をやって加わるという意図を提起した場合には憲法違反だと言ってきたじゃないですか。それを変えるんですか。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) それはあたかも政府が主体となって、そして武力行使をやるというのと人的には同一視される、そういう趣旨で義勇兵の、単純な義勇兵じゃなくて政府の意図が入っていると、そういうことを言ったのだろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると、繰り返しますけれども、私は自衛隊というのは、これは政府のあれで言っても日本に対して攻撃がかけられた場合のいわゆる防衛的なものである、外国の武力紛争に介入するという性格を、任務を持ったものではないということは、これは問題ははっきりしているだろうと思うんですね。いわゆる朝鮮半島で有事が起こったら、自衛隊がそこに出かけていくというふうなことはこれはできないということは明確だと思うんですね。ところが、私が先ほど来言っているのは、そういう性格を持った自衛隊、これはあくまで憲法九条で外国に対して武力行使によって問題を解決してはならないというその性格ですよね。これには私が先ほど来言っているように、たとえば米国が極東で有事が起こって出動した、それに対して補給が必要だと、あるいは輸送が必要だと、いろいろな事態が起こり得るだろうと思うんですよ。そうした場合に自衛隊が、たとえば空中給油をやるとか、補給の仕方でもいろいろなことがあるだろうと思うんです。だから、武力行使という問題そのものの概念をきわめて狭く考えて、補給だとかあるいは協力のあり方という問題でつまり一体となって行動する。だからそもそもは自衛隊はそういう行動をしてはならないんだと、武力行使で事態を解決することに直接介入するような、かかわるようなそういう協力をしてはならないんだというのは、私は憲法上の考え方としてはっきりされなければならない点だと思うんですよね。何といいますか、前々から議論されているように、たとえば米軍が日本の国内で物を買う場合に、便宜を提供したとかいうふうな、そういうかかわり合い方もそれはあるかもしれませんよ、便宜供与という言葉の中には。しかし補給だとか輸送だとかのかかわり方にはいろんな形があるだろうと思うんですね。そういう直接一体となって行動をなすような、それが直接相手に対して鉄砲を撃つという行為ではなくても、それはまさに憲法違反になるんじゃないですか。いまの時期に答弁できませんがというのがだんだんとなっておるようで私もあれですけれどもね。やっぱりそれははっきりしておいていただかないと、そういうことは当然考えられ得るということは、やっぱり明確にしておいていただかないと、何か鉄砲を撃つ以外の協力は全部憲法違反でないみたいになるとこれは大変な問題になるので、長官ちょっと慎重に御答弁いただきたい。

角田禮次郎内閣法制局長官

○政府委員(角田禮次郎君) まず、ちょっと議論が私の申し上げていることと立木委員のとらえ方が食い違っているようでございますが、私は自衛隊ということを言っているのじゃなくて、国としての協力という意味で申し上げておるわけでありますが、国としての協力というか関与の仕方としても、かつて、御引用になりましたような林長官の答弁の範囲内のものは、これは憲法違反になりますということを認めているわけでございます。したがって、何から何まで補給という名において許されるとは最初から申し上げておるつもりはないと思います。ただし、それが具体的にどこまでということについてはいまの段階で、研究作業がいま始まったばかりでございますから、そういうことについては確定的なことを申し上げることは差し控えたいと、こういうふうに申し上げているつもりです。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大分無理な質問をした面もあるかもしれませんが、私は、非常に重要な問題なのでお尋ねさしていただいたわけです。  淺尾さん、お聞きのような状況なので、私はやはり私たちの基本的な考え方というのは、極東有事にそもそも協力するということ自身が私は問題だというこれは私の考え方ですね。  それで、これは最後の質問にしますけれども、最初から一九七五年にガイドラインの問題で日米間の協議が問題になったとき、これは憲法上としては問題だと、だから極東の平和と安全の問題に関しては一切かかわりないと、そういうことは協議の対象にしたくないということは日本の政府側は考えておった。それが協議の過程でだんだん引きずられていって、五条だけではなくて六条の協議まで入ってきた。六条の協議が入ってきたということ自身は、つまり極東の有事なんです。極東の有事に何らかの形でかかわれというのがアメリカ側の要求で、これはかかわれないという姿勢を私は毅然としてやっぱり貫くべきだ、これは一線として、という考え方があるので、今後の事態については直接の担当部局の責任者が淺尾さんだろうと思いますが、そういう点ではやっぱり日本の憲法の立場等々よく踏まえた上でこれは考えていただきたい。具体的に問題がそういうふうに進行すればきわめて危険な事態になるので、私はきわめて重大な憂慮をしておるということをきょうの機会に率直に述べさせていただいて、私の質問はまた次に何らかの事態が起これば、この問題について改めてお尋ねするということにして、きょうはこれで終わらせていただきます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 きょうは条約と法案のみについて質問をさしていただきたいと思います。  初めに国際科学技術博覧会についてお尋ねをしたい。科学技術博覧会は技術立国を目指すわが国にとって大変重要な行事でございます。しかし財政的にもまた行政改革を進めている折からも大きな制約があることは高度成長華やかなりしころの催し物とは趣を異にすることは当然であろうと思う。したがって、開催のための諸経費については、関係各省の既定経費の枠内で捻出をするという閣議了解、これは五十四年の十一月の二十七日になされ、その結果、規模が当初の予定の百五十ヘクタールから百ヘクタールに圧縮をされたと、こういう経過をたどっている。規模の点は別としまして、この閣議了解で述べているような制約のもとで、博覧会の開催、運営というものがうまくいくのかどうか、この辺の見通しから伺いたい。

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) ただいま先生御指摘のございました閣議了解のもとにおいて、今回の科学技術博覧会が開催されるわけでございます。このような財政状況のもとにおきまして科学技術博覧会を開催するわけでございますから、御指摘のありました閣議了解におきましては、率直に申し上げまして非常に厳しい制約がつけられたという感じはいたしますけれども、与えられた経費の中であらゆる工夫をしながら、今回の科学技術博覧会の成功を図りたいというのが私ども政府の立場であり、また外務省としましても、そういう環境ではありますけれども最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 また、この代表設置臨時措置法案は、本年の十月からの施行でありますけれど、本来ならば本年の四月から設置したかったのを、財政上の制約を理由に予算が六カ月間削られたのがその理由ではなかったかと思う。しかし外務省では待命中の井川大使が臨時に本省の事務に従事をするということで、博覧会担当として活動をしているということもよく伺っております。井川大使の俸給と、この法案で定めている代表の俸給九十一万と、それほどの大差がないんじゃないかと思われるわけです。それならば施行期日を本年の四月としても、予算上大差はなくて、六カ月おくらせたのは余り意味がないんじゃないだろうかと思うわけでございます。この十月の施行ということで、政府代表の任務遂行に支障はないのかどうか、その財政上の制約とか行革ということももちろん大事ですね。しかし、大局的に物を見るということがやはり大事だと私は思う。そういう意味で十月からの政府代表の任務遂行に支障はないかどうか、この辺を確認をしておきたい、いかがでしょうか。

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) 今回の博覧会の政府代表の任命につきましては、私どもとしては科学技術博覧会の任務の重要性といいますか、内容を国際的に評価し得るような博覧会にしていかなければならないという重要な任務を政府代表としては負うわけでございます。したがいまして、昨年の四月に国際博覧会事務局の承認を得た博覧会となるわけでございますけれども、私どもといたしましては、新しい機構という意味で政府代表の設置を希望いたしたわけでございます。昨年の四月に国際博覧会事務局の承認を得ているわけでございますので、政府代表の任命というものもできるだけ早く実現しなくてはならない、また、した方が適切であったかと思うわけでございますが、この十月一日の任命を待つまでもなく、私どもとしては外務省の権限の中でこの博覧会事務局の準備に万全を期してまいりたいというふうに考えているわけでございます。    〔理事鳩山威一郎君退席、理事大石武一君着席〕  十月一日からの任命で間に合うのかどうかという御指摘であったかと理解いたしますが、私どもといたしましては十月一日がぎりぎりの線であろうかというふうに考えますので、十月一日に発令になりますれば精力的に活躍をしていただくというふうに考えております。もちろん十月一日に至る前も、当然外務省の担当の事務がございますので、その範囲の中において博覧会の準備に万全を期してまいりたい、かように考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 博覧会の会場の跡地の利用の問題についてはあるいは外務省の所管から外れる問題もあるかと思うけれど、博覧会のメーン会場の用地百ヘクタールについては、将来茨城県が工業団地を造成する予定だということが衆議院における政府答弁で明らかにされている。国際科学技術博覧会協会がつくったこの博覧会の「基本構想」の中では、「この博覧会を契機として、筑波研究学園都市は広く世界に開かれた人類共通の資産として育てられ、二十一世紀における世界の科学技術のセンターとしたい」とも述べておりますね。みんなそれぞれ考え方が違う。この世界の技術センターとしてここを育てていきたいという構想も私、大変結構だと思うけれど、フランスのパリに置かれる世界のコンピューターセンターですか、こういうものとも複雑な利害関係が将来出てくることだってあり得ると思うんですね。ですから、その辺はやはり世界的な規模、世界的な視野に立って将来構想というものを決めていかなければいけない。したがって、これはあるいは外務省の範囲から外れるかもしれないけれど、将来構想に調整を要する点があるということでは、私は外務省の見解は伺えると思う。どんなものですか。    〔理事大石武一君退席、委員長着席〕

佐藤嘉恭外務省経済局外務参事官

○説明員(佐藤嘉恭君) 御指摘のように筑波学園都市を広く世界に知らしめるという意味で、今度の科学技術博覧会というものも一つの大きな役割りを果たすものだと思います。先般、ミッテランフランス大統領もこの学園都市を訪れて、先端科学技術の問題についての日本からの紹介があったわけでございますが、他方、フランス側が考えておりますミニコンピューターのセンターの件でございます。確かにフランス側においても日本の積極的な参加を求めてきているという経緯がございます。ただ現在のところ、フランスが考えている実態が必ずしも明らかでない面もございますので、私どもとしては科学技術博覧会の後につくられる跡地の施設の利用の問題とフランスが考えているこのコンピューターセンターのかかわり合いというものについては、今後のフランス側の具体的な提案を待ちながら対応をしていかなければならないのではないか、またフランス側の具体的内容がわかってまいりますれば、これは必ずしも外務省の所管でないかもしれませんが、科学技術庁なり関係の方面の御意見も伺いながら対応をしていかなければならないかと思っております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 とにかく世界的な規模と世界的な関連において行われるわけでありますから、一つは国内の調整ですね、跡地の問題をどうするかという問題、それからやはり世界との関連づけにおいてやはり十分な意思疎通をもって将来性のあるもの、将来構想のあるものにしていただきたい、これは私の希望としてお願いを申し上げておきたい、こういうことです。  次に、日本と東独の通商航海条約について伺いたいのだけれど、この条約の締結には東ドイツ側が非常に積極的な姿勢を示したということでありますけれど、わが国にとってこの条約締結のメリットはどこにあるのですか。

田中義具外務大臣官房審議官

○政府委員(田中義具君) この条約は一九七三年五月にわが国と東独との外交関係が設定されて以来初めての国会承認条約でございまして、この条約はわが国と東独との経済貿易関係の発展のための基本的な枠組みを構成するとともに、両国間の人的交流の促進にも貢献する、そういう条約でございまして、したがって、これは日本と東独との間の関係の基礎を一層安定的なものにするという意味において、わが国にとっても非常に意義のある条約と考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 日本としましては、こういった内容の条約を締結することによって、東独をガット体制に引き込むことができるというメリットがあるんじゃないかと思うわけでありますけれど、日本はすでに同様の内容の条約をアルバニアを除くほかの東欧諸国とも締結をしている、これまでに東欧諸国とこの種の条約を締結した効果ですね、具体的にはどういったところにあらわれているかお示しをいただきたい。

田中義具外務大臣官房審議官

○政府委員(田中義具君) わが国は東独以外の東欧諸国との間では一九五九年チェコスロバキアと通商条約を結んでおりますし、一九七〇年にはブルガリア及びルーマニアと結んでおり、一九七六年にはハンガリー、一九八〇年にはポーランドとの間でそれぞれ通商航海条約を締結しております。これらの通商条約の締結の結果、その後これらの諸国とわが国との間の経済貿易関係、さらには人的交流も含めて両国間の全般的な関係が発展しているという効果が上がっていると考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 次に、東欧の経済の問題に多少触れたいのですけれど、東欧諸国の経済は近年多額の対外債務を抱えて非常に悪化をしているというのが現状ですね、比較的順調な東ドイツでさえも対西側の債務残高が百億ドル以上、このように推定をされているわけです。こういった東欧諸国の経済の悪化、また債務の累積、累増から、わが国の大手の商社は東欧貿易の見直しを初め、特にその経済状態の悪いポーランドの駐在員の削減などを行ったりまたルーマニアについても削減を検討するなど、東欧貿易を縮小する動きも伝えられているわけですね。政府としてはこういった経済情勢下にある東欧との経済関係についてどんな見通しを持っているか、特に対ソ禁輸措置をとった以後こういった傾向は私は大きいと思いますが、政府はどういう現状認識をしてこれからどういう見通しを持っているのか、これからの東欧貿易の関係についてその辺をひとつ明らかにしていただきたい。

田中義具外務大臣官房審議官

○政府委員(田中義具君) わが国と東欧諸国との貿易関係につきましては、従来比較的順調に推移してきていたのですが、最近におきましては、先生御指摘のとおり対外債務の増大等によりまして東欧諸国との貿易関係に懸念を表明する向きもあるように承知しております。そういうことで若干問題が出てきているのですが、東欧各国とわが国との間には経済貿易関係上の諸問題についていろいろその問題を検討し、意見交換をしていくための機構としまして官民双方のレベルにおいて経済合同委員会等の組織がございます。そういう場を使いまして、御指摘のような問題等についてもいろいろ話し合いを行って、問題があればそれをさらに考えていくというようなことで対処していく方針をとっております。政府としましては、今後ともこれら東欧諸国の経済状況についてはできるだけ情報を集め、十分の情勢分析を行って、時宜にかなったアドバイスを関係者に対しても与えていくというふうにしたいと考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 わが国と東欧諸国との貿易は、いずれもわが国の出超ですね。東ドイツにおいてもまさにそのとおりでございます。今回の通商航海条約の締結について東ドイツ側が積極的に態度を示してきたのは、わが国からの科学技術の導入を図りたいためと思われ、大型プラントの輸出等によってこの出超傾向はますます続くものと、こういうふうに思われるわけです。多額の対外債務を抱える東独にとって支払いなどで問題の生ずるおそれはないのか、また東独との貿易の不均衡を是正できるのか、これは言い過ぎかもしれませんけれど、こういった可能性はあるのかどうか、この辺の見通しを聞かしていただきたい。

田中義具外務大臣官房審議官

○政府委員(田中義具君) わが国の出超という貿易不均衡の問題は、確かに御指摘のとおり東欧諸国との間に存在しておりますけれども、先ほど申し上げましたような官民レベルでの経済委員会等を通じまして、これらの諸国との間で協議を行って一つ一つの問題点について検討するという形でこの是正の方途を探しているという状況でございます。  東独との貿易関係を見てみますと、双方のこのような努力もあって、先方の対日輸出も年々順調な伸びを示しておりまして、今後ともこのような傾向が続くように、貿易インバランスの改善のために双方で一層の努力をしていきたいと、そのように考えています。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 小麦協定について少しく触れておきたいと思いますけれど、現行の七一年の小麦協定がいわゆる経済条項を欠いているために、ソ連の大量の買い付け等の結果生じた小麦価格の激変に対応できなかったことはこれはもう周知の事実でございます。新しい協定の作成の交渉は備蓄の規模などをめぐって行き詰まっているようでありますけれど、現在のように需給が緩和しているときこそ価格安定のためのメカニズムを決定しておくチャンスであって、需給が逼迫をして価格が高騰してからでは、新協定の作成はますます困難になるんじゃないかというふうに思うわけであります。政府はこういった点に関してどういう見解を持ち、またどういう態度で交渉に臨んでいるのか、まずこの点から伺いたい。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  ただいまの木島委員の御見解、私どもも同じような見方をしているわけでございまして、まさに一九七〇年代突然小麦の値段が上がって、そこで経済条項を含む協定をつくろうと思っても、原案ができるのが一九七八年になって初めてというようなことでございますので、現在同じようなことが起こりましたら、突然急に経済条項を持った協定をつくろうと思ってもなかなかそう簡単にいかないというのはまさに委員御指摘のとおりと考えております。そういう立場からすれば、まさにいまのように小麦の需給が安定し、かつ比較的緩和している状態のときに特に努力をするというのがいいことだと思いますけれども、委員御承知のとおり、この問題はその七八年にできました経済条項を含む協定案についての検討というものがなかなかうまくいかず、事務局長の代替案も基本的に経済条項の問題をめぐって進展が行き詰まっているわけでございまして、いますぐどういう代替案が考えられるかといいましても、なかなかその辺むずかしい問題と思いますけれども、私どもといたしましては、あくまでもそういう新協定の作成というものが現在のような状況であればあるほど必要であり重要であるという立場で、新協定の作成の努力というものを引き続き行っていきたいと思っておりまして、これは七一年協定の延長ということできておりますけれども、新協定の作成についての作業というものは引き続き行うことになっておりますので、その場を通じて努力を重ねていきたいというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 二国間協定によって穀物の供給を確保する例としては、米ソの穀物協定を初め、米国とアルゼンチンあるいは米国と中国、米国とメキシコといった協定があるようですけれど、こういった協定によってソ連などが不作に際していたずらに買いあさる必要がなくなり供給が確保されれば、それは世界市場の安定につながるという見方もできましょけれど、他方でこういった二国間協定は市場の固定化と申しますかね、排他的な性格を持つものであって、もしその生産国が不作となり生産国の在庫が逼迫するような場合には、そういった二国間協定を持たない国々は供給確保の点で不安を覚えることになるんじゃないだろうか。したがって、このような二国間協定というものは国際小麦協定を通ずる国際協力体制からすれば必ずしも好ましい傾向とは言えないんじゃないかと思うんですけれど、政府の見解を聞かしていただきたい。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  私ども木島委員の御指摘のとおりであると基本的には考えているわけでございますが、と申しますのは、確かに二国間協定によってそれが非常に市場を圧迫して市場の硬直性、排他性というものをもたらすようになれば、御指摘のとおり非常に望ましくない事態が起こるわけでございまして、そういうことは望ましくないと考えている点は御指摘のとおり私どもも同じように考えております。ただ、実際のいままで締結しております二国間協定を見ますと、必ずしも輸出入国、それぞれの輸出と輸入のサイド、つまり輸出国にとっての価格保障、輸入国にとっての供給保障というものが二国間協定で完全にカバーできるようなふうにはなっておりませんで、むしろ輸出国にとっても輸入国にとってもこの二国間協定というのは部分的にしか必要な目的を達成しないというようになっております。たとえばアメリカとソ連との場合をとりましても六百万トンまで大体供給いたしましょうと、八百万トンまでも大体アメリカはソ連の要求に応じますと、しかしそれ以上は二国間で協議いたしましょうということで、一定の限度内にとどまっているわけでございます。そういう意味では、現在のような状況ではまだ二国間協定の存在がそういうものを持っていない国に対する食糧の供給を非常に不安定にするというところまではまだいってないんじゃないか。またそういう国もそういう事情があるからといって、たとえばアメリカやソ連がそういう多数国間協定の作成を妨害するという、反対するというところまでは、その理由によってそうなるということまではいかないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。ただ、基本的にはおっしゃるとおりでございまして、私どもといたしましても、基本的には多数国間協定の作成を促進して全般的な世界の食糧需給の安定を図っていくというのが基本であるというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 そこで、その新協定の成立の見通しが暗いとするならば、わが国としてはそれを待たないで将来の需給の逼迫に備えて百万トン等何がしかの備蓄を自発的にするつもりはありませんか、どうですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答え申し上げます。  確かにわが国としても食糧安全保障の立場から、適当規模の国内備蓄をするという必要があるというふうに私どもも考えているわけでございますが、現在、農林水産省の食管制度のもとで輸入小麦九十一万トン、これは二・六カ月分相当でございますが、の在庫を事実上自発的に持っているわけでございます。それからそのほか国内産小麦の在庫が二十万三千トンございまして、合わせて百万トンを超える在庫がございます。今後どうかということもあろうかと思いますが、いまのところはそういうことでございまして、将来は食糧全体の需給状況も考えながら農林水産省とも相談してどういうふうに考えていくか、適切に対処できるようにしていきたいというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 さて、現在世界で行われている開発途上国に対する食糧援助というものは、先進国間の食糧援助規約に基づく無償援助が大部分でございますけれど、このほか災害緊急援助等の形で行われるものもあるわけですね。しかしそれらの規模は四億九千万人の飢餓人口を救うには非常に大きな隔たりがある。さらにその二千五百万トン約六十億ドルが必要であると、こういうふうに言われている。こうした事情を背景に、現在日米欧のほか産油国が合計四十億から五十億ドルの資金を出し合って、アメリカとかカナダなどから穀物を買って途上国に供与をするという新しい食糧援助制度の創設を検討していると言われておりますけれど、こういった検討は政府部内で行われているのかというのが第一点。  また、政府はこういう構想によってわが国に対する米国からの農産物の輸入拡大要求を緩和させることをもねらっているのかどうか、この点について二点伺いたい。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) お答え申し上げます。  先ほど、ちょっと関連した御質問に対してお答え申し上げましたが、河本大臣がいろいろの場におきましていま委員が御指摘になりましたような構想を明らかにしておられることは御承知のとおりでございます。そのわが国の対応ぶりということにつきましては、また繰り返しになりますけれども、現行の経済協力の予算、財源、仕組み等々からいたしますと、現在アメリカ産の小麦を三万トンないし三万五千トン程度利用して開発途上国の食糧不足に対応している、この程度の規模のアメリカ産小麦の利用を一けたないし二けたぐらい拡大するということは現行の予算規模等々から見ますときわめて困難な点が多いということでございます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 もう一点伺います。不安定な需給動向に対処するために国際的な備蓄機構が必要だという声は、この前の食糧会議、一九七四年の世界食糧会議で強く主張をされたわけですね。しかしその後需給の緩和、豊作などによってこういった構想は後退をした、薄れた感じがございますけれど、需給の逼迫という基本的な基調というものは私は変わってないように思うわけですね。FA ○あたりの観測によりますと、大変な数字を挙げている。細かいことは申し上げませんけれど、たとえば一つFAOの最近の予測では、現在の情勢が続く限り開発途上国の需要超過、つまり輸入必要量は一九七五年の四千七百万トンから一九九〇年には一億一千四百万トン、また二〇〇〇年には一億七千七百万トンへと増加をすることになると、こういった供給不足の基調のもとに六年ないし八年のサイクルを描く世界的な豊凶変動の谷が訪れれば、一九七三年から一九七四年の食糧危機を大きく上回るような事態も予想されると、こういうことでございます。そこで、アメリカが対ソ禁輸をしたことを絶好のチャンスというような言い方は慎まなければいけませんけれど、こういうときに思い切って日本が積極的な姿勢を示すこと、たとえば日本の応分の担当量として一千万トンぐらい、こういうことを積極的にやってはどうかということを政策フォーラムあたりが緊急提言として積極的な提言をしていることはもう皆さん御承知のとおりですね。  今度は大臣にお伺いをしたいのでありますけれど、どうなんでしょうか。いたずらに世界穀物備蓄計画についての国際的な合意を待つことなく——待つことは座して食糧危機を待つことにほかならないわけで、こういう情勢下で日本が積極的にこういった主導権をとることはどうだろうか。そのことが日本の食糧保障、食糧安保の実を上げ、さらにこういった機運を世界的に広げることで、前回の食糧会議が提言をしたようなそういった状況に持っていかれるのではないかというような意味のことをこの政策フォーラムが緊急提言として行っております。大臣、いかがでしょうか、大臣のこの問題に対する率直な御見解を伺いたい。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 基本的には、私はこの計画について賛成でございますが、日本でたとえば小麦をつくる場合あるいは米をつくる場合、一体これを国際的な枠組みの中で競争力を十分持つものであるかどうか。現在の日本の稲作が過剰であって、価格問題は別として国際的な食糧援助政策の中に役立っておることは認めるわけでありますが、しかし価格の面から考えていくとこれはなかなか問題があるわけでございます。それでは、日本の農業を国際競争力のあるものにこういう備蓄計画の中で持っていけるかどうかということについては、相当の努力、工夫が要るのではないかと思います。しかし、一方におきまして飢餓線上にある多数の人間を考える場合、物としての需給の上では価格は高いがなお役立つと、こういうところでありますから、こういう面も考えながら、基本的にはいま食糧会議などで取り上げられておる問題が、絶対量の上からはまた日本も考慮の余地のあるところだと思うのです。そういう面からよく考えていきたいと思います。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 最後にもう一点、これは非常に具体的な問題でございますので、事前に御通告を申し上げております。  実はブラジルのセラード地帯というところは、土壌改良とかあるいは陸内輸送の整備等によっては安定した穀物の生産地帯になり得るという見通しが立っているところのようでございます。わが国としては、この地域の農業開発に対して資金あるいは技術等の援助を強力に推進すべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、外務省のお考えを聞かしていただきたいと思います。

藤田公郎外務省経済協力局審議官

○説明員(藤田公郎君) ただいま委員御指摘のように、ブラジルのセラード地域と申します総面積一億八千万ヘクタール、可耕地——今後耕作可能な地域が五千万ヘクタールと言われておりますが、このセラードという荒地みたいなところでございますが、酸性土壌、これを改良してブラジルの経済開発にも資するとともに、長期的にはわが国の食糧安全確保という見地からこの開発に協力しようということで、一九七四年田中総理ブラジル御訪問の際に共同声明にうたわれまして、その後両国の関係者の間で種々詰めを行いました結果、一九七六年のガイゼルブラジル大統領の御訪日の際に、わが国として協力を行っていくという共同声明を発出し、その直前に閣議了解をもちまして、政府としてもいま私申し上げましたような見地から関係者の努力に援助をするということで、現在までのところ国際協力事業団の投融資事業ということで、総額五十一億円程度が投資または融資の形で支出されております。これはまだ試験的事業ということで、面積としましては五・九、六万ヘクタールのものでございますが、これがもうすぐ今月くらいから第二回目の収穫を得るということになっております。この試験的事業の成果を今後見つつ、この協力を今後どういうふうに進めていくかということもあわせて考えていきたいと思っております。ちなみに、つくっておりますものは大豆、コーヒー、トウモロコシ等々を現在はつくっております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 非常に可能性のあるところのようでありますから、その試験の結果を着実に踏まえてひとつ積極的な働きかけ、いわゆる開発をしていただきたい、援助をしていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。  以上で結構でございます。

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 以上で三案件に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  日本国とドイツ民主共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  千九百七十一年の国際小麦協定を構成する一の文書である千九百七十一年の小麦貿易規約の有効期間の第六次延長及び同協定を構成する他の文書である千九百八十年の食糧援助規約の有効期間の第一次延長に関する千九百八十一年の議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、三案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 次に、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の締決について承認を求めるの件、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十二年十一月十日及び千九百七十八年十月二十三日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を便宜一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。櫻内外務大臣。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま議題となりました千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  近年、海上における人命及び財産の安全の確保並びに海洋環境の保護の促進を図るため、船員の技能に関する国際基準を設定する必要性が認識されるに至り、政府間海事協議機関における検討を経て、昭和五十三年七月七日にこの条約が作成されました。本年二月十九日現在、この条約は、効力を生じておりません。  この条約は、船員の訓練及び資格証明並びに当直に関する国際基準を設定すること等について定めたものであります。  わが国がこの条約を締結することは、海上における人命及び財産の安全の確保並びに海洋環境の保護の見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  船舶所有者等の責任の制限に関する条約としては、昭和三十二年に海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約が作成され、わが国も昭和五十一年にこれを批准しております。しかしながら、その後同条約の再検討の必要性が認識されるに至り、政府間海事協議機関における検討を経て昭和五十一年にロンドンにおいてこの条約が作成されました。本年二月十九日現在、この条約は、まだ効力を生じておりません。  この条約は、責任限度額の引き上げ等により被害者の救済を図るとともに、一層合理的な責任制限の制度等について規定しております。  わが国がこの条約を締結することは、船舶事故により生ずる被害につき妥当な救済を確保するとともに、海運業の安定的な発展を図る見地から有意義であると考えられます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  最後に、千九百七十二年十一月十日及び千九百七十八年十月二十三日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この条約は、千九百六十一年の植物の新品種の保護に関する国際条約の内容を基礎として、昭和五十三年十月二十三日にジュネーブで作成されたものであります。  この条約は、植物の新品種の育成者の権利を保護することにより新品種の育成の振興を図り、もって農業の発展に資することを目的として、育成者の権利が保護されるための条件、保護される権利の内容等について規定しております。  わが国がこの条約を締結することは、育種の分野における国際交流を促進することによりわが国のみならず世界の農業の発展に資するとの見地から有意義であると考えられます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。

稲嶺一郎自由民主党

○委員長(稲嶺一郎君) 以上で趣旨説明は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会      —————・—————

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