外務委員会 第4号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/08
会議録
○委員長(稲嶺一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 千九百八十年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件、第六次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、千九百八十一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百七十六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件、アジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件、以上四件を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。櫻内外務大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま議題となりました千九百八十年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、千九百七十五年の国際ココア協定にかかわるものとして、昭和五十五年十一月十九日に、ジュネーブで開催された国際連合ココア会議において採択されたものであります。 この協定は、緩衝在庫の操作によって国際市場におけるココアの価格の変動を防止し、もって、ココア生産国の輸出収入の安定を図ること及びココア消費国への十分な供給を図ることを目的としております。ココア協定として最初の千九百七十二年の国際ココア協定以来締約国となっていたわが国がこの協定を締結することは、ココアの価格の安定に寄与するとともに、開発途上にあるココア生産国の経済発展に引き続き貢献する等の見地から有意義であると考えられます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、第六次国際すず協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、本年六月三十日に終了する第五次国際すず協定にかわるものとして、昭和五十六年六月にジュネーブで開催された国際連合すず会議において採択されたものであります。 この協定の内容は、累次の国際すず協定同様、緩衝在庫の操作と輸出統制によって国際市場におけるすずの市場価格の変動を防止し、もってすず生産国の輸出収入の安定及び消費国への十分なすずの供給を図ることを目的としております。 第二次国際すず協定以来、累次のすず協定の締約国であるわが国が、この協定に加盟することは、すず貿易に関し消費国としてのわが国の立場を反映させる上で、また、東南アジアを中心とするすず生産国の経済発展に引き続き協力するとの観点から有意義であると考えられます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、千九百八十一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百七十六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 昭和五十年に作成されました現行の千九百七十六年の国際コーヒー協定は、国際市場におけるコーヒーの価格の変動を防止し需給の均衡を図るための仕組みにつき定めておりますが、この現行協定が昭和五十七年九月三十日に失効することとなっておりますので、昭和五十六年九月にロンドンで開催されました第三十六回国際コーヒー理事会において、その有効期間を一年間延長することが決議されました。この有効期間の延長は、現行協定の修正または更新についての交渉に時間的余裕を与えるとともに、現行協定のもとでのコーヒーに関する国際協力を継続するためのものであります。 わが国がこの有効期間の延長を受諾することは、安定的なコーヒー貿易の維持に資するとともにコーヒー生産国の経済発展に引き続き貢献するとの見地から有意義であると考えられます。 よって、ここに、この有効期間の延長の受諾について御承認を求める次第であります。 最後に、アジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、万国郵便連合憲章に基づく限定連合の一であるアジア=太平洋郵便連合の基本文書でありまして、昭和五十六年三月二十七日に、ジョグジャカルタで開催されました第四回大会議において現行の条約にかわるものとして作成されたものであります。 この条約は、アジア=太平洋地域における郵便業務に関する協力を促進すること等を主たる目的とするもので、連合の組織、加盟国間の通常郵便業務等について規定しております。 この条約は、昭和五十七年七月一日に効力を生ずることになっております。 わが国がこの条約を締結することにより引き続き連合の活動に参加することは、この地域の諸国との国際協力を促進する見地からも有意義であると考えられます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上四件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(稲嶺一郎君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○松前達郎君 ただいまの三つの協定に関してまず最初に、質問をさしていただきたいと思うんです。いまの協定はいま大臣から説明のございましたココア協定、すず協定、この二つの協定については性格的には非常に共通したような内容の協定であろう、こういうふうに私理解をしているんですが、それはどういうことかといいますと、安定供給等も含めた基本的な構想の中で緩衝在庫制度が導入をされておる。それともう一つのコーヒー協定、これについては方法が多少異なっておりまして輸出割り当て制度を採用をしている、こういうふうなことだろうと思うんですが、緩衝在庫制度の採用あるいは輸出割り当て制度の採用、この二つの方法がこの三つの協定の中にあるわけですね。それぞれ異なった方法をとっていこうということだろうと思うんですが、この二つの制度の相違について、どうしてこういうふうに二つ変わったものが採用されているのか、それについて外務省の見解をまずお聞かせいただきたいと思うんです。
○説明員(遠藤実君) 先生御指摘のとおり、この三つの商品協定には緩衝在庫の方式、それから輸出割り当ての方式、それに緩衝在庫と輸出割り当てを両者を併用いたしました方式とそれぞれ三つ異なった方式を採用しております。そこで、商品協定ができるだけプライスメカニズムを活用しながら需給ないし価格の安定を図るという意味からいきますと、私どもといたしましてはできるだけ緩衝在庫の方式が望ましいというふうに考えているわけでございます。しかしながら、緩衝在庫につきましては、商品によりましては非常に巨額の緩衝在庫を持つための支出が必要であるとか、それからまた伝統的に緩衝在庫よりは輸出割り当ての方式によっているとか、そういう沿革的な経緯等がございましてこういう異なった方式を採用するに至っているわけでございます。特にコーヒーは、これはかねてから輸出割り当ての方式によっているということが一つの特徴でございまして、コーヒーにつきまして緩衝在庫を持とうといたしますと、その貿易量等にかんがみまして大きな緩衝在庫、したがって巨額の資金を必要とする、そういうことになろうかと思います。
○松前達郎君 すずの協定の方は、アメリカがこの協定に加盟をするといいますか、最近加盟したわけですね。それで、その理由としてすずというものが戦略物資であるということからアメリカの場合、備蓄とかそういうものも含めていろいろ事情があったというふうに理解をしているのですが、すず協定の場合は緩衝在庫制度がまず正面に打ち出されておるのですけれども、その上に輸出統制というものも考えられるということが言われているのですけれども、これは戦略的な意味を持っているという言葉、これが前に出てくるわけですが、その戦略ということとの関連があるのかどうか、その点について御説明いただきたいと思います。
○説明員(遠藤実君) 確かにすずは米国の戦略備蓄の対象にはなっております。なっておりますけれども、直接国際すず協定との関連でそれが障害になったとかいうことはないというふうに理解しております。むしろ戦略備蓄が協定の運用と全く独立に、しかも協定の運用を阻害するようなかっこうで戦略備蓄が運用されますと、いろいろ問題も起こってくるということで、協定の中でもそういった手当てをしようというふうに考えていたわけでございますけれども、その場合にアメリカが入らないということになりますと、この協定との関係でアメリカが戦略備蓄を操作する場合に、この協定の枠内で協議するという義務はなくなるわけですけれども、ただ実際上はアメリカとしては、この協定の運用を害するような戦略備蓄の操作はしないというふうに言明していると理解しております。
○松前達郎君 そうしますと、戦略的な意味でないというふうに受け取っていいということになりますけれども、いまの三つの協定で最も関係の深い国、これは輸出入の量ということになると思いますが、最も影響するというか、関係の深い国というのは一体どういう国々が関係を持つのか。
○説明員(遠藤実君) 御案内のように、すずの主要生産国は特にASEANに集中しておりまして、世界の生産量のうちASEAN諸国がシェアで六四%を占めます。わけてもマレーシアが三〇・八%で、これが最も突出した生産国であります。さらにそれに続きましてタイの一六・九%、インドネシアの一六・三%と、これは一九八〇年の一部推定が入りますが、国際すず理事会の統計月報によるものでございます。これが生産でございますが、輸出につきましてもやはりマレーシアが一位を占めております。他方、消費の方は、これはアメリカ、日本の順でございまして、アメリカが二五%、日本が一七・六%を占めております。
○松前達郎君 いますずについて説明されたわけですが、このすずというのは、たとえばこれは古い話になりますが、大東亜戦争のときですね、やはり戦略物資として非常に重要であるということで、マレーシアあるいはビルマもそうだったかと思うんですが、その辺までのすずを押さえてしまうということですね、そういう目的もある程度あって日本が出兵をした、こういうことも考えられるわけですね。ですから、先ほど戦略という言葉が入ってきていますので輸出統制という問題、これが戦略的な意味に使われないということがやはりここで一番重要なことじゃないか。せっかく緩衝在庫制度を導入しても、その辺が崩れてしまうと非常に問題が出るのじゃないか、こういうふうに思ったものですから質問させていただいたわけです。戦略的な意味を含まないというふうに解釈をするということであれば結構だと思います。 協定についてはそのくらいにしまして、次に米国とソビエトの核戦力の問題、これについてお伺いしたいと思うんです。それと同時に、最近ではアメリカのレーガン政権が言っているのは、ソビエトの核戦力の方がアメリカより優位にあるんだというふうなキャンペーンをしながら、国内対策あるいは国際的な方針を打ち出している。ですから、米ソの核戦力についての認識と、さらにその中で語られておりますソビエトの脅威という問題ですね、こういうふうな問題についてお伺いをいたしたいと思うんです。総理が参議院のこれは五日の予算委員会の総括質問だったと思いますが、アメリカとソビエトの核戦力の比較について、核弾頭の数あるいは配置ですね、こういうものから見ますと現状ではソ連が優位であると、こういうふうに述べておられるわけです。したがいまして、レーガン大統領が推進をいたしております核弾頭の大増産計画、これについては核バランスから見た上ではやむを得ないんじゃないかと、こういうふうに総理がおっしゃっておられるわけです。この点について外務大臣はどういうふうな見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 米ソ間の核戦力についての見方がいろいろあると思います。私は、当面最も関心の持たれるヨーロッパ地域においてどうかということについては、ソ連が優位だという説の方が多いように断いておるわけでございます。いずれにしても、レーガン大統領としては東西の軍事力の均衡、そしてその均衡についてはオタワ・サミット以来各国が、持に西欧諸国が低いレベルでの均衡ということを主張しておりますの。で、そのことも念頭に置いての均衡ということをレーガン大統領は考えておるのではないか。アメリカも対ソの対話ということの必要性があると、こういうことで、現に中距離核戦力の削減交渉に応じておるわけでありますから、レーガン大統領も低いレベルの均衡ということは考えておられるものと思うのであります。こういうレーガン大統領の考え方については、いわゆる核抑止力の見地からいたしまして日本としても理解を持っておる、こういう次第でございます。
○松前達郎君 先ほど私が申し上げました総理の答弁でございますが、これと同時に防衛庁の方では、これはたしか塩田防衛局長がおっしゃったのだと思うんですが、ICBMとかIRBM、これらに関してはこの発射基地、サイロの数、これはソ連が優位である、これは人工衛星からの情報で恐らく確認されていることだと私は思います。しかし核弾頭はアメリカの方が種類が非常に多い、数も多い、さらに長距離爆撃機などではアメリカの方が優位であろう、こういうふうに言われておられるわけです。ですから、脅威というものが一体どっちが優位かというのはいろいろ見方があるかもしれませんが、私はどうもいまの総理の言われたような認識というものは、アメリカの脅威の説明をそのまま受け入れているんじゃなかろうか、こういうふうに考えているわけですが、最近になりますといろいろなアメリカの関係者の方からも決してそうではないという、アメリカが劣勢ではないということも言われ出した。ですから、決して現状ではアメリカが劣っていると考えられないわけなんですね。こういうことについては外務省の方は情報としてどういうところからとらえているのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(淺尾新一郎君) いま大臣も答弁されましたように、米ソの核戦力の比較をどう見るかということは、やはり当事者同士でないとなかなか正確なところはわからないわけでございます。ただ私たちが理解しているところ、それは仮に、現在米ソの間である種類の核戦力について不均衡があるにしても、いまの趨勢を続けていくと一九八〇年代の中葉においては、やはりアメリカがソ連に核戦力の面で劣っていくということから、現在の政権は国防力の充実の一つの柱として核戦略の近代化というものを図ってきている、こういうふうに考えております。これについてアメリカの国民も、いろんな世論調査がございますけれども、やはりレーガンの国防政策については、八一年の三月から八二年の二月までの統計がございますけれども、支持率が三月では六四%、それから同じく六月では五七%、十月六一%、それから本年の二月五五%ということで、下降はしておりますが依然としてレーガンの国防政策を支持しているということが言えるのではないかと思います。
○松前達郎君 その辺が、支持する、しないという判断の基礎になるのがやはり提供されている情報だと思うんですね。これについて果たしてつくられた情報なのか、あるいは正確に発表された情報から推定しているのか、その辺が非常に大きな問題なんですが、ICBMなどについては比較的はっきりしていると思うんです。ソ連の場合ですとSS16というのからSS2〇までの間ですね、わりと近代化されたICBM、これが配備をされているわけですが、まあSS16というのはSS2〇と組み合わせてブースターの役目をするということですから、アメリカのミニットマンというミサイルがありますが、これとほぼ同じようなものである。現在は、ソビエトはこれについては配備をしていないらしい。SS17というのが大体百五十機、SS11にかわってサイロに収納をされているとか、SS18というのがやはり三百六十基現在配備中である。SS19、これは一九八一年に配備を完了している、この数は三百二十基。この数が正しいかどうかわかりませんが、大体そういう状況だというのがはっきりしているわけですね。で、SS2〇は、これはいま問題になっている中距離のミサイルですが、ヨーロッパに百八十基以上配備されている、こういうふうなことが発表をされているわけです。そしてソビエト側の発表だと、一九八一年十一月現在で、西側向けのミサイルがSS2〇を含めて、これは中距離ミサイルのグループだと思いますが、全体で五百十四基を配備をしているんだと。ICBMのサイロの数が、一九七二年の五月にSALTI、この時点で大体九百七十基。さらにその時点での建設中が六十六基、これはソビエトのミサイルのサイロですけれども。そういう状況であったのが、現在ではSS11用のサイトがほとんどSS17と19に置きかえられてきている。したがって、その数が推定するところでは千三十六カ所、そのほかにSS9というミサイルの三百十二基のサイロがSS18に転用をされている、こういうふうな大体のことが言われているわけです。したがってトータルしますと、ソビエトのICBMサイロが数は千三百五十ぐらいになるんじゃないかと、こういうふうに見られているわけです。この数が正しいかどうかは別としまして、そういうふうに推定をされている。 これに対してアメリカ側が、これも悪評高いタイタン2、このタイタン2というのは古いタイプのロケットで、非常に有毒ガスを発生するロケットですけれども、レーガンはこれを撤去するというふうに約束してまだやってないのですけれども、これがいままだ五十四基残っているわけですね。それからミニットマンの2、3、これが千基、合計千五十四である。この数だけ見ますと、確かにアメリカの方が数は少ないわけですね。ところが、弾頭の数、核兵器として保有している数はアメリカの場合約三万個程度保有をしている。ソ連を破壊するためにはこの三万個で十分だというふうなことを米国防情報センターが発表をしているので、これから見ますと、特別にいまあわててアメリカがソビエトに優位を求める必要がない、そういうふうなことも言われているわけなんです。 また同時に、これはもう数では確かにそういうことであるけれども、命中精度の問題ですね、これがやはり最近はソビエトも上がってきたと思いますが、これも国会の防衛庁の塩田防衛局長の答弁には出てきますが、アメリカのミニットマンで一万キロ飛んでCEPが約二百メートル、ソ連の場合のSS19でCEPが四百六十メーター、SS18で二百六十と、こういう状況ですから、命中精度に関して言いますと、これはアメリカの方がまだ優位である。しかも、弾頭の複数化、これを見ますと、アメリカの方が積載されている複数弾頭の数が全般的に多いのじゃなかろうかと、こういうことになろうと思うんですが、防衛庁の方として、いま私申し上げたのはいろんな情報を総合してみたのですけれども、このような見方はいかがでしょうか。
○説明員(三井康有君) まず弾頭の件でございますけれども、先生先ほどアメリカが三万個というふうにおっしゃいましたが、これは先ほど先生がお挙げになりましたICBMとかSLBMとかあるいは長距離爆撃機という戦略核兵器の弾頭数ということでございますと、米国は九千発でございます。これに対してソ連は現在のところ七千発というふうに見られておりまして、確かにいまの申し上げた数字をもっても二千発米国が多いわけでございますが、この理由は米国のMIRV化——多弾頭化という技術が先に導入されましたためにこういうふうになっているわけでございます。ところが、最近の趨勢を見てみますと、米国の九千発という数はここ数年ずっと一定しておりますが、これに対しましてソ連の方は、ソ連自身のMIRV化技術が最近急速に発達しましたために、年間約千発の割合でふえております。したがいまして、遠からず弾頭数につきましても米国にソ連が追いつき、あるいは追い越す可能性があるんではなかろうかと、このように考えております。 それから命中精度の点でございますが、これは先ほど先生がおっしゃいましたことと大体同様に私どもも考えております。ソ連の命中精度も急速に上がってきておりまして、CEPという概念を使っておりますが、これによりますと、大体命中精度は二百メーター台のオーダーにソ連もなってきておると、このように理解しております。
○松前達郎君 いまのはICBMを大体中心に申し上げたわけなんですけれども、最近ではIRBMというのが新たに非常に脚光を浴びてきている。潜水艦に搭載されている弾道弾ですね。これについてはアメリカの場合、核戦力を持つ潜水艦というのが四十一隻で、ミサイルが六百五十六基だと。それに対してソビエトが、これは潜水艦の数は非常に多いわけです。七十六隻で大体千基前後のミサイルを積んでいる。こういうことですが、これもまた命中精度の問題と似ておりますけれども、ソビエトの場合の潜水艦の稼働率といいますか、ドックから出て実際に行動しているパーセンテージというのが比較的低いんじゃないか。まあ一説によれば、七十六隻も持っていながら十隻程度しか常時活動をしていない。極東にはその中の二十四隻ということでしょうけれども、そういうふうなことが言われているわけなんですが、これらについても、たとえば最近のオハイオ等のアメリカの核潜水艦ですね、この場合だと恐らく弾頭が一つのバスに十ぐらい載っているんじゃないか、ソビエトの場合はそれに対してそんなに多くない三つから六つぐらいの複数の弾頭であると、こういうことになろうと思います。こういうことから見ると、やはりIRBMに関しても実際にそれを即実戦に使える弾頭数からいくとどうもアメリカの方が優位ではないかと私は判断するわけです。この点はどうですか。
○説明員(三井康有君) まず稼働率の点でございますけれども、これはいずれの国におきましてもどの程度の稼働率であるかということは相当の軍事機密でございまして、いわんやソ連の場合につきましては、私どもなかなか資料を持ち合わしておりませんので正確な判断はしがたいのでございますが、いずれにいたしましても、いざ有事という場合にはソ連としても当然にその稼働率はほぼ一〇〇%に近い形に上げてくることは間違いないというふうに考えております。そのために、現在ソ連のSLBMが約千基を超えているのに対して、米国側のSLBMが五百基余りしかないということは私ども大いに注目しておる次第でございます。
○松前達郎君 こういうふうなことでいわゆる核戦力の比較をしてみても、見方によっては必ずしもアメリカが劣っているとも言えないし、ソビエトが非常に優勢であるからアメリカがこれからその方に力を入れていこうということも、そう大きな理由にならないような気もするんですね。 そこで、これは軍事支出の面と非常に関係が多いものですからいま申し上げたわけですが、脅威の説明というのがアメリカの軍事部門の手でもってアメリカ国民に対して行われている。これについてやはり相当批判もあるわけですね。一つの例を挙げてみますと、これは御存じだと思いますが、ストックホルム国際平和問題研究所、SIPRIという、これはスウェーデンの議会の決議によってつくられて、資金の九〇%以上をスウェーデン政府が出しているそういう研究所がストックホルムにあるわけですが、これの報告が年鑑でしょっちゅう出てくるわけですね、毎年。この情報、報告等について外務省並びに防衛庁としてどういうふうに評価されているか、まずそれをお聞きしたいと思う。防衛庁からで結構です。
○説明員(三井康有君) 私どもはいろいろ情勢判断をいたします場合に、もちろんSIPRIの資料も一つの重要な材料といたしまして、その他英国の戦略研究所が発行しております「ミリタリー・バランス」でございますとか、あるいはジェーンの各種の年鑑類といったものとあわせましていろいろ活用しておるわけでございます。
○松前達郎君 そうしますと、SIPRIというのは政府の機関じゃないわけですね。ある意味で言うと民間の比較的何といいますか、情報が偏らない、そういう平和研究所だと私は理解しているんです。この「軍備か軍縮か」という一つの大きな問題を取り扱ったSIPRIの文献の中に、脅威の説明についてこういうことを言っているのですね。軍事部門の手の内に説明があると。要するに、軍事支出を正当化するために脅威の説明が軍事部門の手で行われているということが非常に問題なんだと、そして独自の情報をほとんど持たない局外者ですね、これは軍部の脅威の説明に偏見があるか否かを判断する立場にない。たとえば一九七〇年代初めには、アメリカではソ連のミサイル戦力の増強に対して厳しい脅威の申し立てというのが行われていたけれども、実際にソビエトは一九六〇年代の後半に米国が広げたギャップ、これを埋めるために大いに努力をしていた、これは事実であろうと。しかし、一九七六年のアメリカのCIAの発表、ソ連のGNPに対する国防費の比率推定、これを六%から八%の間にあったやつを一一から一三%に引き上げた。しかし、それには注釈がついておりまして、ソ連では民間部門の大きな犠牲で軍事部門が維持されている。ですから、その力というのは案外考えているよりは弱いという、そういう報告もつけ加えられているわけなんですが、このSIPRIの論文といいますか、それによりますと、その後の方が完全に削られちゃって軍事支出の推定だけでいわゆるソビエトの脅威というものが国民の中に流されている、こういうふうなことが言われている。 ここにこう発表されているわけですが、まあ一方の大国ブロックの国民、これはどっちでも同じですが、誤った情報を提供されているんだと、こういうふうに言われているのです。 なぜ私そういうことを言うかといいますと、立場、立場によって情報というのは非常に強調されて出てくる。これはもう仕方がないと思うんです。アメリカの場合は政府予算の中に軍事部門の予算を増強する、そのためにはやはりそういった情報も流すでしょう。あるいはいまのストックホルム国際平和研究所の場合ですと、これはどこの政府にも属してない研究所ですから、あちこちの情報がとれるから客観的にいま申し上げたような判断をしている。そういうふうなことになろうと思いますね。ですから、日本の場合はもっぱら外国の情報に頼らざるを得ない。といって日本の海域を戦略潜水艦がうろうろしていても、それについての情報というのは日本独自に全然集められない。あるいは最近SS2〇というのが欧州から削減をされた場合、ウラルからこっちに配備されれば、これは新たな、ヨーロッパとソビエトの問題と同じ問題を日本がしょい込むことになる、こういうことも考えられるわけですね。ですから、そういう意味から言って、やはり独自のわれわれの情報というものの収集と、いわゆる平和研究に対する機関がなければ私はこれはまずいんじゃないかと、そういうことを痛感しているんです。そういう意味を含めて、いまその情報の問題と内容等について申し上げたわけなんですが、外務大臣いかがでしょうか、平和戦略研究というもの、これを政府の中でやるとまたいろいろ問題があるかもしれませんが、何らかの機関でもって設置をしていくということをお考えになっておられるかどうか、その点ひとつお伺いします。
○国務大臣(櫻内義雄君) 民間における戦略研究というのは、現在、日本でも若干のものがあるという認識を持っております。しかし、その活動が十分であるか、相当長期間にわたってすでにやっておるというように認識を持っておりませんので、最近、松前委員のおっしゃるようなそういう認識がわが国の民間にもあって、だんだん能力がついてきておるように認識はするのでありますが、基本的に申しまして日本がもっとそういう面に力を入れて、そして正確な情報を得るということは、これは好ましいことだと思っております。
○松前達郎君 平和の問題、これはたとえばストックホルムSIPRIの例は平和研究所というのですが、平和を研究するときに、やはりそれぞれの国がどれだけの軍備を持ち、どういうふうにそのバランスを保とうとして、どういう努力をしているのかということも含めてわれわれは認識した上で平和を論じていきをせんと、これはできないんじゃないか、お念仏みたいに言っててもできないと思うんです。そういう意味で、たとえば国連大学とかあるいはその他の政府の直属機関じゃないところに、そういった国際平和に関する研究所というものを設立するというのが、私は日本独自の考え方というものを打ち出す基礎として非常に重要じゃないかと、こういうふうに考えておるわけなんで、これについてはほかの機会にまたいろいろと申し上げたいと思います。できましたら、そういうのができれば、非常にわが国の平和に対する推進に大いな寄与をするものだというふうに考えておりますので、いま申し上げたわけであります。 次に、核の問題についてはまだ次の機会に譲りますが、シーレーンの問題、これが最近また非常にクローズアップされてきておるわけなんで、これも何か、シーレーンというのは別に線路が敷かれているわけではない、道路があるわけではない、何もないわけですね。そしてしかも、シーレーンの防衛という問題が非常に漠然とした内容のように見受けられるわけなんで、それについてお伺いをいたしたいと思うんですが、はっきり言いますと、日本とアメリカの間でシーレーン防衛に関する考え方の相違があるんじゃなかろうか。総理は対米公約でない、こういうことをおっしゃる。ブラウン前国防長官は日本の北西太平洋での地域防衛という受けとめ方を否定している。私、どうしてこう申し上げるかといいますと、以前にこの委員会で塩田防衛局長にお尋ねしたときに、ある地域を防衛するんだということ、それをおっしゃったわけですね。シーレーンというものと、それから地域防衛というのが必要なんだと、こういうことをおっしゃった。しかし、ブラウン前国防長官はそれを否定する。それから、これも新聞によりますと、矢田統合幕僚会議議長は、大綱水準を達成してもシーレーン防衛の防衛能力は不足だと、こういうことをおっしゃっている。塩田防衛局表は、防衛計画の大綱に達すればシーレーン防衛の能力は向上するんだと、十分だとはおっしゃってないんですか、向上するんだと、こういうふうにおっしゃっている。そこでまたワインバーガー国防長官は千海里の海上交通路防衛分担を太いに強調して、十年以内に達成しろと、こういうふうなことを言っている。 いろんなことがいまシーレーンに関して言われておるわけですが、実際、具体的に千海里のシーレーン防衛というのは一体何なんだと、どういうことをするんだと、何をどう防衛しようとするのか、大変なことだと思うんですね。完璧なことはできないと思いますが、そういうことを一体防衛庁としてどういうふうに考えておられるのか、それをひとつお伺いしたいんです。
○説明員(澤田和彦君) お答えいたします。 シーレーンといいますと、いま先生おっしゃいましたように、道というものが引かれているわけではないわけでございまして、一般的に申しますと、海上交通路という意味で使われていると思いますが、御承知のようにわが国は周りを海に囲まれておりまして、狭い国土で多くの人口を抱えておりまして、エネルギー、食糧その他の資源を海外から輸入していると。このためわが国にとりまして、海上交通路の安全を確保するということはわが国の生存のためにきわめて重要なことであるわけでございます。それで、何を何から守るのかということになりますと、具体的にはわが国のシーレーンの防衛ということは、有事にわが国の海上交通路が、具体的には海上交通路におきますわが国の生存のために重要な物質を運んでくるわが国の船舶がわが国を侵略しようとする国の、主として潜水艦が中心だと思いますが、潜水艦等から攻撃されるのを防ぐと一般的に言うことができるだろうと思います。そして防衛庁といたしましては、これはもうしばしば国会で御答弁申し上げておりますように、わが国から数百海里、それから航路帯を設ける場合にはおおむね一千海里程度の範囲内におきましてわが国の周辺海域で、自衛隊がそこにおきますわが国の海上交通の保護を行えるようになるということを目標にして、従来から逐年海上防衛力の整備を進めているわけでございます。それで、現在の海上防衛力では机は不十分なわけでございますが、いま先生おっしゃいましたように、塩田防衛局長も御答弁しておりますように、現在防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を達成しようとして努力しているわけでございますが、この水準が達成されれば、この海上交通保護の能力も現在に比較すれば相当向上するものと考えているわけでございます。
○松前達郎君 そうしますと、さっき私申し上げました地域防衛という言葉がありますね。シーレーンとどういうふうな関係なのかちょっとよくわかりませんが、地域防衛とシーレーン防衛の相違というのはあるのですか。
○説明員(澤田和彦君) 地域防衛という言葉は、具体的に、あるいは正確にどういうことを指すのか必ずしも定かでございませんが、もしいま松前先生がおっしゃっている地域防衛という言葉が、一つのある区域を定めまして、その区域といいますかその海域でございますけれども、その区域の中は全部日本の何といいますか、防衛、警備の縄張りの中であるというような意味で、そこの中のものは全部日本が責任を持って対象が何であれ守るんだというような意味でありますと、これはわが国が考えているものではないわけでございます。わが国が考えております海上交通路の保護といいますのは、たびたび申し上げますように、わが国周辺数百海里、航路帯を設けます場合にはおおむね千海里程度の範囲内におきましてわが国の生存のために必要なわが国の海上交通路を保護するということでありまして、いま先生がおっしゃいました地域防衛という言葉は、一定の範囲を定めて、その中では全部わが国の安全と関係ないほかの国の船まで守るというような意味ではございません。
○松前達郎君 そうしますと、ある一定の海域というのはわが国周辺の数百海里というふうに考えていいんですか。
○説明員(澤田和彦君) いま申し上げましたように、わが国の防衛のために、もっと具体的に言えばわが国の生存のために必要な物資をわが国に運んでくるわが国の船舶を守る、つまりわが国の海上交通路の安全を確保するために、海上防衛力の整備に努力しているわけそございますが、この整備の目標としましてわが国の周辺数百海里、航路帯を設ける場合には千海里の程度の中で、そういうことが行えるという能力をつけようというのが現在の防衛力整備の目標であるわけでございます。
○松前達郎君 わが国周辺の数百海里というのはわが国周辺ですから、全部の海域ですね、周りの。これの防衛能力と、さらにそこから飛び出していって、飛び出すというか、ずうっと延ばしていってシーレーンというのがそこから出てきている、そこの防衛と、この両方というふうに解釈していいんでしょうかね。その海域防衛、特定の海域防衛とシーレーンの防衛ということは、その二つが組み合わさっているのだというふうに考えていいんですか。
○説明員(澤田和彦君) 一般的に広い意味では、航路帯を設けます場合の千海里のことを含めて周辺海域という場合もございますが、いま私が申し上げたように周辺海域数百海里、航路帯を設けます場合にはおおむね一千海里程度といいます場合には、この数百海里というのはもう少し一千海里に比べて小さい概念でございます。しかし、これも数百という言葉がありますように、全部わが国周辺どこも同じ距離ではないわけでございまして、当然日本海側でありますとか、あるいは北とか面とか、そういう外国と接しているようなところではおのずからその幅はずっと狭くなるし、それからまたわが国の主要な海上交通路があります南の方、太平洋の方につきましてはその幅は広くなると、このようにお考えいただきたいと思います。
○松前達郎君 何せ非常に広い太平洋が相手ですから、とてもこれは防衛するといっても大変なことじゃないかと私は思っているんですけれども、それではたとえばシーレーン防衛に限ってお聞きしたいんですが、一体具体的にどういうことをやるのですか。
○説明員(澤田和彦君) シーレーン防衛といいますか、海上交通路保護といいますものの目的や意義については一般的にいま申し上げたとおりでございますが、具体内にとおっしゃられますと、これはわが国を侵略しようとする国が、わが国の海上交通路を攻撃するそのやり方がいろいるありますので、一概には申し上げられませんけれども、たとえばその侵略国の手段が潜水艦によるという場合を考えますれば、これも従前から国会でいろいろ御答弁しておりますが、主として海上自衛隊の艦艇あるいは対潜哨戒機というような装備をもちまして、具体的な方法とおっしゃられますと、ある場合にはいわゆる船団、船舶を直接に護衛するという場合もあると思いますし、あるいは間接護衛というような方法もあると思います。それから、その前提として対潜附戒機による哨戒というようなこともあると思います。
○松前達郎君 そうしますと、護衛の任務といいますかね、わが国の船がシーレーンで攻撃を受けないように護衛する。有事の際、有事の隊とおっしゃるんですが、有事というのは突然起こるんで、有事になってから行ったって、いまのちょうどイギリスとアルゼンチンのあれみたいにそう簡単なものじゃないと思うんですね、有事と言っても。ですから、ある意味で言うと常に有事の状態なんでしょう、潜水艦の行動というのは常に作戦行動として行っているわけですね。ですから、どうなんですかね、有事になって応援に出かけるんだということなのか、あるいは常日ごろこういう対潜哨戒その他を含めた哨戒活動を行って情報を集めて、それに対する対応がいつでもできるようにしておくのか、どっちなのか。ちょっとその辺が、言葉で有事、有事で、有事という言葉にまあ関連あるんですけれども、そういうふうに言われてみても何かぴんとこない面があるんですが、たとえば対潜哨戒機が哨戒をしていくというその範囲ですね。そうすると、シーレーン防衛をやるときは当然そのシーレーンに沿って全部その対潜哨戒機で哨戒していくのかということですね。そうして、あるいは攻撃型潜水艦を見つければその潜水艦に常につきまとって、その潜水艦の行動を常にわれわれとして情報を入れておいて、いっても攻撃できるようにしておくのか、具体的というのはそういうことを私伺いたかったのですけれども、その点はどうなんですか。
○説明員(澤田和彦君) まず、有事という言葉を使いますとき、私どもは一般的に言いますと、自衛隊法に言う防衛出動が下令されるような事態ということを考えているわけでございます。したがいまして、わが国が武力侵略を受ける、あるいはそのおそれが非常に高いということでないとまず有事という概念ではありませんし、海上自衛隊にしましても、いわゆる出動するということではないわけでございます。
○松前達郎君 そうしますと、日米安保条約との絡みが出てくるんですね。その一千海里の防衛というのは日本に一切任せるんじゃない、アメリカがその防衛責任をある程度持っているんだと、まあこういうことが言われているわけなんですが、そうするとどうなんですか、とにかく何か事が起こったら出かけていけばいいんだということですね。
○説明員(澤田和彦君) 事が起こってから出かけていくという意味でございますが、もちろん平素から自衛隊——これは海上自衛隊に限りませんけれども、訓練の目的あるいは哨戒活動というようなことは平素の業務として行っているわけでございます。しかし、その出かけていくという意味が実際に実力、つまり武力の行使を行って海上交通路を防衛するということであれば、これはいまお話し申し上げましたように、わが国が武力侵略を実際に受けると、こういう事態のときでございまして平時ではございません。
○松前達郎君 ちょっとその辺が有事とか平時とかいろいろの解釈ですね、これがまた非常に混乱して、私自身も混乱してきているんですけれども、非常に大きな計画なものですからね、これを実現しようと思ったら、常日ごろ平時でもいわゆる情報収集をしなきゃいけないだろうと。そのためには対潜哨戒機も常に飛ばしていなきゃいけない。もしかそれがてきないとなれば、艦船というか商船が攻撃されて沈んでから出かけていけばいいということになるわけですね、というのは公海上でのことですから。その辺が、シーレーン防衛というのは一体何なのかというのが私もまだはっきりしたいものですから、きょうお伺いしたわけなんですが、シーレーン防衛については、またもうちょっと私の方も勉強しましてお伺いしたいと思います。 そこでもう一つお伺いしたいのは、ちょうどイギリスとアルゼンチンとの間でのフォークランド紛争というのが毎日新聞をにぎわしておりますけれども、これについて英国から日本政府に要望があったというふうに報道されているんですが、それについてちょっと御説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(加藤吉弥君) 昨四月七日、在京イギリス大使を通じましてサッチャー首相から鈴木総理あての親書が到着いたしました。 その内容としては三点ございまして、アルゼンチンに圧力を加えるため、まず第一に武器輸出を禁止してほしいということ、第二点といたしまして。アルゼンチンからの輸入を全部または一部禁止してくれということ、三番目に、アルゼンチンに対する輸出信用供与及び民間の投融資の奨励策を自制してほしいと、その三点を求めてきております。
○松前達郎君 まあ、その要望が来ているわけですが、それに対してわが国としてどう対応するかという問題、これがまた両国とも関係は悪くないわけですね。だから、それに対して板挟みになるというかちょっと苦慮するものがあるんじゃないかと思いますが、まあ武器の輸出に関しては、わが国は武器輸出はしないという原則がありますから、これは当然考える必要ないと思いますが、そのほかの民需用のものですね、こういうものについてもやはり輸出を控えてくれというふうなことがイギリスから要望されているんですか。
○政府委員(加藤吉弥君) 武器以外の一般の貿易、特に輸出を差しとめてくれという要望はございません。
○松前達郎君 そうしますと日本の場合、輸出に関しては問題ないわけですね。
○政府委員(加藤吉弥君) 輸出信用の供与は差し控えてほしいという要望でございますので、まあ大型のプラントとか信用供与を伴うような輸出については当然制約してほしいと、こういうことだろうと思っております。
○松前達郎君 それでは、それに対して日本政府として、新聞報道にもありましたけれども、どういうふうに対応するということになっておりますか。
○政府委員(加藤吉弥君) 事態はまだ非常に流動的でございます。こういう貿易あるいは経済面での措置以外に、平和的かつ外交的にやり得ることは非常にたくさんあろうかと思っております。かつ関係諸国の動向も注意を要する点であろうと思います。こういう流動的な諸情勢をよく踏まえながら適切な対応をしていきたいと、かように考えております。
○松前達郎君 まあ、これも非常にむずかしい問題の一つじゃないかと思うんですけれども、これについてもひとつ余りあちこち顔色をうかがわないで、独自の判断で対応していただければというふうなことを要望しまして、私の質問は終わります。
○戸叶武君 きょうはアジア=太平洋郵便条約の締結について審議をする日でありますが、私は原始的な時代における民族と民族の結びつきのいろいろな変遷を経て、今日情報化時代に郵便条約が結ばれるということは非常に意味のあることであり、情報化時代における技術協力においては、日本は決してアメリカにひけをとらないだけの私は実績を上げつつあると思うのであります。 そこで、アメリカはアルゼンチンにおける、ひとつの軍部を中心とした革命も軍部支配、あるいは情報関係の発達に伴ってアルゼンチンの情報関係、特にこの郵政関係の部門を独占すべく軍部を使ってのクーデターの断行だとも言われておりますが、そういうことを中南米及び中東においても幾多起こしております。すべてがアメリカに遠慮していままで秘密になっておりますが、日本のいまの情報化時代における非常に進歩したものをつくり上げた際においても、貿易面におけるアンバランスを理由とし、あるいは軍需産業及び日本の発達した企業にも何かいろんな絡みつきによってアメリカの独占を促進しようという傾向がなきにしもあらずでありますが、すでに松前さんからも言われた海洋における防衛の問題に名をかりてのアメリカの独善的な行き方に日本が何か屈しなければならないというような事態がいま醸し出されている面もあるようですけれども、外務大臣はこの複雑な、いろいろに絡みついて日本にねじ込んでいるこの諸問題に対してどういうふうに対処しようと考えておられますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 御質問は、アジア=太平洋郵便条約に関連して、情報関係についてアメリカはそういう面の独占を図ろうとしているのじゃないか、日本はそういう点をどう考えるかというふうに受け取ったわけでありますが、日本の電電関係また情報関係の高度な機器類につきましては、米側がしばしば日本の市場開放の上で強い要望を示しておるように、その面では日本はアメリカには劣っておらない。しかし、そういう優秀な機器を駆使して、しからば十分な情報活動をやっておるか、情報収集ができておるのか、こういうことになってまいりますと、その点については先ほどの松前委員の御質問にもお答えしたように、民間の研究機関も最近に対きましては多少活動はしておりますが、まだまだ十分なということは言えない。また外務省における広報活動につきましても、最近の経済摩擦問題に関連をしてもっと広報活動を拡充しようということで現在努力をしておるわけであります。本年の外交方針の演説の際にも、そういう面の体制強化についても今後お願いしなければならぬことを訴えたわけでございますが、戸叶委員の御質問の御趣旨に沿いまして、情報収集あるいは広報活動について、一段と日本としての独自の活動の必要性は痛感しております。
○戸叶武君 アメリカとソ連が戦争末期に、軍部の要請に応じて戦争を早く片づけよう、そうでないと敗戦の機運あるいは内部からの不平不満が勃発して容易ならぬ事態が両国に起きるという認定のもとに、戦時中の軍事秘密協定としてのヤルタ協定は一個の謀略協定としてつくられたものであって、次の平和を保障する前提条件としてり講和条約というものは、ベルサイユ講和条約前後から発達した国際法の理念をもってしても、他国の領土をその国の主権を無視して、勝ったからといってそれを領有することは許されないという原則が確立していることはアメリカもソ連も大体はわかっているはずであります。にもかかわらず今日において、戦時中におけるヤルタ協定の密約、それから発展した原爆競争、そういうものによって、国連が少なくとも国際紛争における調整をやるべき機構として設けられたにもかかわらずこれを無視して、米ソ両国が核兵器を持ってお互いに均衡を保つというのから、このごろは優位な地位を得て相手を抑えようというようなブレーキのきかないところにまで来ても、依然として国際連合を無視して、核兵器の調節をやるのには米ソ両国が主として核兵器において対等あるいはおのおの優位を誇っておって他の国には関係がないのだから、まあフランスあたりは入るならば入ってもらうと言ってもフランスからは拒否され、そういう形で国連機構を無視してのヤルタ体制のもとにおいて、とにかく米ソにおけるところの力の均衡という名のもとにおけるこの力の政治を持続させようという気配が多いのでありますが、この六月の二回目の国連軍縮総会においては、私は各国とも国連を無視した米ソ両覇権国の力の均衡からエスカレートして、そうして核兵器における競争には相当な金がかかるのだから、米ソ両国は正面衝突はしないにしても、これを勢力圏に売りつけることによってこの核の均衡あるいは優位を争うというような形が持続する限りは、あたり迷惑な話で、何ら軍縮会議の意義というものがないと思うんですが、米ソ両国の力の外交は限界に来ておって、自分たちも弱っていると思います。レーガンにしても、あるいはいまのブレジネフにしても、病が重いというふうに言われたのが健康を取り戻した模様でありますけれども、この複雑怪奇なる危険な頂点に立ったときに、自分自身が一番苦悩せざるを得ないところへ来てお気の毒だと思います。国際的に孤立して、今日においてソ連がポーランドに軍事介入もできなければ、アメリカがやるぞやるぞと言っても中南米に私は軍事介入はできないと思うのです。どんなに銃器を持つことをやめさせようとしても、一年前に副大統領のシンパのメジャー、石油成金の一人の子供がレーガンを撃ったのは大統領に一番近い距離からピストルを放っているんではありませんか。病めるアメリカ、病めるソ連。危いのはよその国よりも自分の足元から国際的に孤立化し、世界のどの民族をも説得できないような孤独の中に、平和と未来の安心感を与えることはかくのごとく困難であるということの実例が一年前に示されているんじゃありませんか。 私はこういうニヒルな状態を生んだのは、青年たちの奇形児を戦争が生んだのです。白人と黒人の分裂も、戦争に行くならば大変な待遇をしてくれると言いながら、ベトナムの戦場においては麻薬を飲ませて半気違いにさせて、後で帰ってきてからヒッピーの群れに投じなければならないような、民族的なこの混乱を生んだのもそういうことではなかったか。日本に原爆を投下しなのも、日本が白色人種であったら果たして投下できたであろうか。カイザーの黄禍論と同じように、アメリカ軍部は日本を手なずける一面においてあのアメリカにおけるところの日本人排斥、中国人排斥の運動具表色人種と白色人種とは違うというような観点に立って平気で他民族を殺戮したのではありませんか。われわれはがまんしがたいことをがまんしてアメリカとの摩擦を避けようとしてきているが——今日ポーランドは何が悪いことをしたのですか。中央ヨーロッパにあれだけの偉大な民族国家をつくっていたにもかかわらず、ドイツのナチは彼らはユダヤ人なるがゆえに虐殺し、また、ソ連はそれに対して奴隷労働を強いてポーランド民族の独立を阻止していったじゃありませんか。 こんなばかげた偏見に満ちたやり方に上ってグローバルな時代における世界新秩序の原則が確立できるかどうか。われわれは、領土を返せという自民党の考えている北方領土だけ返せなんというけちなことは言わない。井伊掃部の主体性のない腰抜け外交が帝政ロシアの冒険主義者をして日本の北方領土に対する苦悩を無視して、そうしてあのような卑屈な外交をやったので、下田条約などというものは日本民族にとって最も屈辱に値するものであり、帝政ロシアを滅ぼしたのも彼ら冒険主義者であり、日本の徳川幕府を瓦解させたものは井伊掃部を初めとしての主体性のない腰抜け外交です。日本の外交は少なくとも開国主義者であったところの佐久間象山にしても、攘夷党の先駆者であった吉田松陰でもその純粋さによって、ばかげた右翼とは違って純粋な吉田松陰は身を殺して仁を成す。まず外国に命がけで渡って外国の実情を知り得た後において、外交の自主権を発揮しなければならないという観点に立ち、また、佐久間象山はあれほど蘭学の権威であって開国論者であったが、主体性のない腰抜けどもの腐敗政権のもとにおいて日本の外交は確立しないという観点から吉田松陰を激励していったのではありませんか。日本外交の原点はかくのごとく大和心というものを発して初めて日本の明治維新の転換ができ得たのであります。 いま何です。革新と称してそれぞれに責任を持つことを忘れた第五列と、アメリカのメジャーや軍部と結んで外圧を加えることによって韓国の軍部政権などとまで結んで、これに加担するならば堂々と金がもうけられる、コミッションもとれる、ばかげた考え方で日本の政治を乱しておりますが、こんなことで日本の国が建つと思いますか。私はいまこそアメリカのため、ソ連のため、いまをおいては他の時期はない。ポーランドを救え、ポーランドを救わなければ、ポーランドがヤルタ協定の解消を求めてグローバルな時代における世界新秩序を求めると開き直ったときに日本はどっちを向いて走ることができるのです。 私は来るべき国連軍縮会議は米ソが願うようなインチキ軍縮会議と違って、グローバルな時代における世界の新秩序を、自主的にアメリカにもソ連にも恥をかかせないでみずから清算することによって新しい新秩序を方向づけなければならない。国連の精神をもう一度復活させなければならない。国連憲章を母体として日本憲法はできたのであって、あの九条は国連憲章の目玉です。戦争を再びやらないというのが国連において示した世界各国の人々の偽らざるところの念願じゃなかったのですか。マッカーサーの憲法じゃありません。日本はその国際平和維持機構としての国連の精神を精神とし、これを母体としてそのモデル的な憲法をつくったのであって、いま総理大臣が和ということを言っておるけれども、和のない世界に和を求め、エリートなどというふざけた独善に官僚を走らせないで、市民の中にあって坊主にもならず寺院にも入らず、市民とともに語り合って九の生活に徹した維摩大居士のあの悟りを取り入れて聖徳太子の憲法十七条もつくり上げたのであります。 エリート。何がエリートだ。自分がエリートと思うやつにろくなやつはいない。こういう冷たい官僚、軍閥政治によって日本の国が滅びるとするならば、和のない世界に和を求め、自分たちがエリートと他からも思われる人が、法華経の最後の経文が最高だというような解釈をした青年時代と変わって、日本の基本法をつくるときに和のない世界に和を求めたあの人間聖徳太子の精神がどこにあるのか。総理大臣の和は全くわからない和の方にいっちゃって、和のない世界に逃げ回るようなことをして責任を果たさないと、日本という国は全く強い者には腰を抜かし、それを合理化する名人であって、一つも自主的な人類に対する奉仕を行わない民族だといって、このあたらチャンスにおいて軽べつされる存在になると思いますが、あなたは苦労人で、鈴木さん以上に、いまの自民党のわけのわからない近代憲法を理解できない人たちを相手に、その先頭に立っていろいろな苦労をしているのだから、なかなか表現はむずかしいと思いますが、この国連会議に出ないのなら別です、出てしかも所信を述べようというところまで総理大臣がのし出してきたときに、そこいらで腰を抜かしたら世界じゅうの物笑いになってしまいますが、あなたは腰を抜かさないように十分苦労人としていたわることができるでしょうか。総理大臣にかわって、総理大臣より以上に苦労しているあなたから、そのことをお聞きしたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) いろいろ御高見を承ったわけですが、力の政治の持続について厳しい御批判、特にそのことが軍事力の均衡だというようなことで自分自身が苦労しているんじゃないかと、これは私もそういう傾向のあることを遺憾に思っておるわけでありますが、また強大国の動きについての厳しい御批判で、ベトナム戦争、ポーランドの問題をお取り上げでございましたが、これはそれなりに米ソいずれもよく考えなければならない点を御指摘であったと思います。 それで、戸叶委員のお考えの理想としているところは、グローバルな世界平和の確立というところに焦点があったように受けとめたのでありまして、そのためにはポーランドを救わなければいけない、あるいは国連中心主義の再確認をすべきである。さらには、今回の国連の軍縮会議に成果を上げるように日本もしっかりせい、腰抜かしてはいかぬ、強い者に圧力を加えられるようなことではだめだ、軽べつされる存在であってはいけない。 大変ありがとうございました。御趣旨に沿ってがんばりたいと思います。
○戸叶武君 言いづらいことですが、アングロサクソンというのはわりあいにイエスかノーかはっきりしたことを言い切る、ときどき独善はありますが、おもしろい民族です。だからこそ、ジョンソン大統領のことなんかをキッシンジャーは褒めておりますが、ジョンソンさんは天皇にお目にかかるときも、自分はかつてアメリカの代表としての大統領もやったのだ、その経験の上に立って日本から学ぶべきものもあるけれども、日本のやっていることを見ると心配でならない点もあるからというので、台湾の問題なんかも天皇にあえて質問するという形で提言を行ったが、そのとき外務省の通訳の非常に達者な人が前置きに、アングロサクソンは答えはイエスかノーしかないんだから、イエスかノー以外の答えは要らないというような前提条件を設けたようですが、天皇はいつも使っている「ああそう」という形で、謹んでお話は承っておきますと。 日本憲法においては政治に関与しないということを、アメリカも当時この日本憲法に国連からいろんな示唆を与えたときには押しつけたはずです。日本は長い経験を持って、明治憲法の動きのとれない天皇の軍隊、あるいは軍事費の削減はできないというような考え方では、無条件降伏への元も子もなくなってしまうような敗北に追い込まれて、天皇自身が人間に返ると宣言して、涙を流して世界に向かって訴えたのがいまの憲法です。 伊藤博文などというのは、ドイツのカイザーやビスマルク——ビスマルクの方が少し気がきいているけれども、あれらにおだてられて、何にも知らないで薩長がプロシア的な一つのドイツ連邦における役割りを果たすために押しつけたそれよりも絶対主義的な憲法であって、通用しない憲法であります。にもかかわらず、それをわかっているのかわかってないのか、昔の内務官僚は御用学者のそういう陳腐な、日本を無条件降伏に導いた原点であるところの憲法に戻れというような単純な頭脳構造において、この憲法改正を叫んでいるけれども、私はあなたのような苦労人と憲法改正論で議論したらあとで困ると思ったから、アジア調査会で要請されたときも私は逃げております。それは、政治の経験と世界の動きを見れば、あんなばかげたちょんまげ主義よりももっとひどい、陳腐で世界に通用しない憲法が復活されっこない。もう少し頭を洗ってくれば、政治家になる人はそれ相応のやっぱり見識があり、経験を経れば多少私は変わってくれる。なまはんか論戦をやるとそこに記録が残るからと思って、まあ衆議院段階における同じような、高文を通って非常に昔は秀才だと思っているような愚劣な、あの論争にたまって一年間目をつぶっておりましたが、与野党ともにこの問題に対して的確な高見すべきところのものは出なかったと思います。出ないのが幸いだと思っておりますが。 そういう形において、今度は国際舞台においてアメリカやソ連が考えるのとは違って、アメリカやソ連の軍部や力の権化としてのマキャベリズムをゆがんだ形においてしか理解できない人たち。メッテルニッヒあたりを大したものだと思っているけれども、ナポレオンにおいて撃砕されていったじゃありませんか。ああいう蘇秦張儀の徒、秦の国を減ぼした権謀術策や、以下の乱世におけるところの古代史によって世界の新秩序というものはつくられっこないのであります。いま、アメリカでもソ連でも、私は知る人ぞ知るでわかってきていると思います。動きがとれないアメリカとソ連に対して、日本は思いやりのある態度で相手の面目を傷つけることなく、ポーランドを救えという悲痛なポーランド民族の戦いの中に、イデオロギーを抜きにして民族の悲願というものを受け入れるだけの雅量がなくてどうして世界の新秩序ができるかどうかというのを、日本が言わなくてもスカンジナビア半島におけるりっぱな政治家はそのことを言い切っている。 フランスでもドイツでも自分の国の立場を主張する面もあるけれども、革命と戦争においてどれだけむだをやったかということを身をもって体験している国であり、日本もひどい目に遭って、アメリカが言うなと言っていることが、現実において三十年以上過ぎてやっと広島、長崎の原爆の被害を目の当たりに見たときに、アメリカの婦人、レーガンの奥さんですらもこの婦人運動には従わざるを得ないところまで来たと思うのです。女は強いですよ、男より。やはりそういう意味において、世界の婦人たちが子を生み、未来に対して理想を抱く、よかれと祈って子供たちを育てている母親が戦争反対という叫び声を上げているのは、いわゆる何でもかんでも反対という議論、あるいは観念的な左翼主義とは違う人間本来の私はヒューマニズムがそこには宿っていると思うのです。特に苦労人の鈴木さんやあなたは身をもって体験してわかっているけれども言うこともできない。この間も話しをしましたが、何やら桜のほこりでもって春がすみがつくられた中で、どっちを向いて政府は走っているのかわからないような、国の運命を決する外交の問題に対して、個々の一つ一つを取り上げて質問してみてもどうにもならない。 本当に魂が入っているのかどうか、答えはなくても腹ぐらいは探ってみないと。とにかく国連軍縮総会に送り、サミットの会議に送る総理大臣や外務大臣を信じないというわけじゃないけれども、あそこで恥をかかせたくない、その恥は日本民族全体の恥だから、私たちはいま武器なき民族が抵抗せんとして体を張って、国会で気違いと言われようが何と言われようが、本当は総理大臣や外務大臣の胸ぐらをとって訴えたいような気持ちで私たちはいまおります。いや、あなたは口には出さない、鈴木さんも口には出さないけれども、やはり慎重に世界の動きを見て対処しようというので、いまここで私は御返事を聞くのは無理と思いますから、そんな売名的な行為はいたしません。けれども、これのいかんによって日本の国は世界からなめられます。勝ち負けよりも民族がなめられてしまうようなことは、日本民族として耐え忍びがたきものを私たちは感ずるのであります。 時と場合によっては、われわれみずから蜂起して日本の改革を断行しなければならぬ、良識ある人々は立ち上がって、いまのようなふざけた政治からわれわれは言論を取り戻し、国民の中から新しい建て直し運動をやらなければならないということを考えると、きょうはちょうどお釈迦さんの誕生日ということですから、半分ぐらい悟ったがごとく悟らざるがごとく、私たちはお釈迦さんの生まれたときには何もわからなかったでしょうが、お釈迦さんを崇拝した西行は辞世として、お釈迦さんのような死に方をしたい、これが一個の悟りの人生観であったと思います。花の下で眠るがごとき大往生をしたいというのは、断食で死んだのだと思いますが、お釈迦さんにあやかって、二月の十五日にお釈迦さんは死に、西行はその翌日の十六日に死んでおります。花の下は桜ではありません。やはりベストを尽くして眠るがごとき大往生を遂げていった悟りの中に自分の人生観を託していったのだと思います。 私はもう、寿命は九十九まで生きるといいますが、それほど長く生きては迷惑ですけれども、あなただってこれから三十年生きるのは大変です。これが勝負のしどころです。櫻と名のつくにおいてはお釈迦さんよりは現世において苦悩の限りを尽くして、日本における政治家として名も要らぬ、地位も要らぬ、日本民族をしてなめられないような心境で、日本を救った政治家が一人櫻内というのがあったと言って私がほめても、いやおれは豆腐屋の出だからと言っていますが、豆腐はいまほど世界から歓迎されているときはないのですから、どうぞそういう意味において、豆腐であろうが桜であろうがいいのですが、最後の務めをやっぱりがっちり国際社会で残すことが、総理大臣になることよりも日本の政治家として一人や二人そういう人があったという物語だけでも、世界の物語として残るならば、イソップ物語よりもアラビアンナイトの物語よりも、私はすばらしい物語として後世に残ると思います。 櫻内さん、私はこのむずかしい段階を前にして、総理大臣からも外務大臣からも、言論の自由があるけれども、なまはんか言ったために本当に自分たちが命がけの最後の役割りを果たせなかったと言われるのがいやですから、どうぞりっぱな最後を果たしていただかれんことをお願いして、私の質問は細かい点は抜きにしますが、せめて、この情報化時代は世界じゅうでわかるわけですから、レーニンですらも二重スパイを使わなければ本当の情報は入らないと言ったぐらいです。南京政府の繆斌でも重慶と南京との両方の二重スパイです。鹿地亘夫妻がどうであったかはわからない。しかし乱世においては秘密はない。本当のことを知って情報化時代は機械だけではない、機械だけでやったのでは、官僚組織だけでやったのではフランス大統領選挙にも負けることがわからないし、アメリカの大統領選挙においてもあのようなジャーナリズムや情報機関と逆の結果が出るとはよも知らない。問題は人間の心の底に流れている地下三千尺の心をくみ取る気持ちがなくて、機械ばかり備えても奇怪至極であって、本当の真実をつかまえることはできないと思うのであります。 どうぞそういう意味において、このインドネシアにおいて本当に新しい近代国家をつくる技術経済協力のモデル地域として、いまは軍事故権だから危ない面もありますけれども、よその国の政治にはわれわれは関与はしない、けれども、いろんな技術なり情報なりをキャッチしながら、あのインドサラサのような民芸品の伝統を残したり、いまの木の彫刻や何かを残して、能力ある民族です、中国と同様に、東南アジアにおいては。やはりインドネシアとかあるいはタイとか、イギリスが壊していってくれた漢民族の合作からできた漢人社会の持っているこの李完用のようなすぐれた政治家があるとこるのシンガポールとかあるいはマレーとか、具体的にその国々の立場立場を理解し、思いやりを持って、一定の形式的なものだけにとらわれないで、いたわりを持ちながら近代化の道しるべになる愛情、謙虚さ、そういうものが日本の東南アジアにおける外交として躍動しなければ、真理は常に具体的でなければ大衆には理解しがたくなると思うんですから、米ソも私はこの危機においてへまをやれば世界から全部を失います。だれも言うことを聞かなくなります。ひとり相撲じゃ何もできません。ロビンソンクルーソーの時代はまだ愉快でありましたが、これこそ孤独に耐えられないものはないと思います。 そういうときに、ソ連もアメリカも耳を傾けてくれないときに、思い切って謙虚な形で物をはっきり言う、一気にそのとおりにはいかなくても、本当のことを言う日本人がいたということを、日本の政治家はうそばっかり筑波山ではなくて、やはり本当のことも言う、大切なときには本当のパートナーシップを発揮して、同盟に類した国々に対して武力的な提携はしないが協力は惜しまないというだけの気概、貫く精神、これを私は示してもらいたい。個々の問題よりも、いま世界の中における日本だけしか果たせない役割りを果たさなけりゃならないときに、あなたのような苦労人がいたことによって、けれんのない本当の外交ができたという記録をみごとに達成してもらいたいことを私はお祈りして、質問でない、政治家としての見識をあなたの中にぶち込みたいと思って、きょうは私の質問の名による菊説教を効果あらしめるために、いつもよりちょっと時間を短くすることにしました。お願いします。どうぞお釈迦さんの生まれた日はわからないけれども、死ぬときはりっぱだったということだけをお忘れなくお願いいたします。
○国務大臣(櫻内義雄君) いろいろと承ったので十分頭に入ったかどうかと思うのですが、憲法についての御所見を言われ、また重ねてポーランド問題について、民族の悲願を入れなければいけないというお話でございました。また、情報化社会について、機械ばかりでなく人間の心が大事だ、こういうお話で、最後に、この国際情報社会の中での通信分野についての御所見がございました。特にASEAN諸国について触れられたわけでありますが、私はこの通信分野は開発途上国における基本的インフラストラクチュアとしてきわめて重要であるという、そういう認識を持っております。 なお、国連軍縮総会、サミットに際しての心構えをいろいろおっしゃっていただきました。まことにありがとうございました。
○渋谷邦彦君 本日は四つの協定と条約案件が審議の対象になっておりますけれども、初めに私は国際すず協定に関連した問題を中心に若干御質問申し上げ、残余の協定等については同僚議員から質疑をしていただくというふうにいたしたいと思います。 今回、すずという大変重要な資源の一つが審議の対象になっておりますが、このすずに関連いたしましてベースメタルあるいはレアメタルを総合的に考えの中に入れながら、今後の国としての対応というものをどう一体考えていったらいいのか、もうすでに通産省あたりが中心になって五つの品目の備蓄対策の計画を進めているやにも聞いておりますが、申し上げるまでもなく、この数年来アメリカを初めヨーロッパでは非常に深刻な受けとめ方をもってこの希少資源と言われているような資源に対して具体的に推進を図っているということが指摘されております。わが国のように大変資源の乏しい国といたしましては、むしろ第二の石油と言われているぐらいの貴重な資源であることを考えてみますれば、今後の先端産業の発展を考えても、この備蓄あるいは在庫という、どういうふうな受けとめ方をした方がいいのかわかりませんけれども、きわめて重要な政治課題ではなかろうかというふうに判断されるわけであります。 そこで、総合的に今後の展望を踏まえつつ、国としてこうした希少資源に対する対応というものにどういま取り組んでおられるのかという点から、確認をしながらお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 非鉄金属の重要性を御指摘にかなったわけでございます。 日本のようにこれらの資源に乏しい地域といたしましては、その安定供給確保のためのあらゆる努力が必要ではないかと思います。そのためには、関係国との間の友好協力関係の維持強化を図るということが一つだと思いますし、また、いまお話の出ておりましたように備蓄施策をどのようにやっていくかということだと思います。いずれにしても、国際的にもこれらの資源に対しての非常な関心の深まっておるときでございますので、ただいま申し上げたような前提に立って、安定確保のためにはあらゆる努力を払わなければならない、このように感じておる次第でございます。
○渋谷邦彦君 まさに概念としてはそうだと思うんですが、いま具体的に実行の段階に入らなければならない、そういう状況ではないかというふうに思うのであります。すでに、河本さんが通産大臣のときだったと思うんですが、レアメタルについて非常な関心を持たれて、将来国としてもこれを推進しなければならないという、そういう構想を明らかにされた経緯が実はございます。しかし、その後果たしてどう進んでいるのか。従来は民間企業に依存しながら、まあ在庫と言った方がよろしいのかと思いますけれども進められてきたという状況でありますけれども、しかし、資金力というものについては限界がありますし、幾ら利子補給をやったからといって、それですべてが賄えるという状況ではあるまい。やはり特に重要な資源については、国がこれを備蓄するという方向にいくことがきわめて望ましい行き方であり、しかもいま申し上げたように、それが具体化されていかなければならない段階にきているんではないだろうか。それを強調しなければならぬことは言うまでもないことなのでありますけれども、その希少価値を持っているがゆえに、各国がその利害関係というものを常に頭に入れつつ争奪戦というものがやはり繰り広げられる危険性というものが非常に濃厚であろう。特に南アフリカがその一つの例であろうかとも思います。こうしたものが平和的に活用されるということは、われわれとしての将来ともにわたる願望であるにかかわらず、これが戦略物資として活用されるということになりますと、異常な事態というものが考えられないわけではない。こういったことも今後日本として独自の国際的な協定というものを締結するような方向に向ける場合でも、いろんな考えを総合的に整理をして進めていく必要が一方においてはまたあるであろう。こういったことを包含しながら、重ねて、いま申し上げたことについてどう一体計画を持ち、そして進められようとしているのか。
○説明員(島田隆志君) いま先生から御指摘ございましたように、レアメタルは鉄鋼業あるいは機械工業、あるいは電子工業等のわが国の産業にとりましてもきわめて重要な物資でございます。しかも、ほとんど海外に依存している、また資源が偏在しているというような問題もございますので、通産省におきましても、経済安全保障の面からこれにどう取り組んだらいいのかということで、一昨年来産業構造審議会の中に小委員会を設けていろいろ勉強もしている段階でございます。それから、とりあえず五十七年度から五つのレアメタルにつきまして、ニッケル、クロム、コバルト、タングステン、モリブデンの五品目につきまして、政府から一部利子補給をしまして総額約百十億の備蓄をやろうということで、先般の予算、政府原案の方にも出していただいたわけでございますが、今後とも先生の御指摘のとおり、果たして民間だけでいいのかというような問題もございます。私ども先生の御意見も踏まえながら今度どういった形で、資源政策としましては備蓄もございましょうし、鉱物資源の安定供給というような面からもございます。それらの資源政策の一つとしまして、国家備蓄をどうとらえていくのか、この辺については、今後先生の御意向も十分踏まえながら検討してまいりたいと思っております。
○渋谷邦彦君 実は私、昨年の予算委員会で初めてこれを取り上げたいきさつがございます。そのときに田中通産大臣は、これは重要な課題であり、強力に検討を進めて具体化の方向へ考慮していきたいというふうに申されてすでに一年になる。もういろんな分析、検討という段階を終えてそれが具体的に進められなければならない段階ではあるまいかというふうな私自身としては判断を持つわけですけれども、しかし、事ほどさようには一気に簡単に進む問題じゃないことは十分私も承知をしているつもりです。しかし、いま言われたように、国としてもその必要性というものを認め、そして判断された以上は、これはもうあとは具体化の方向へ持っていく必要が望まれるということになろうかと思います。いろんな突発事態というものが起きる可能性というものはありますし、またそれを常に考慮の中に入れて安定供給に事欠かないということが私はきわめて大事であろうと思う。モリブデンについてはアメリカが相当量の供給源になっておるというふうに言われております。ところが、かつてストライキが起こったときに、この供給がとまったことがありました。大変国内産業に重大な影響を与えたということが実はあります。これは単なる一つの例です。そのほかいろんなことの紛争であるとか、戦争という言葉をここで出すのはいかがかと思いますけれども、そういったことが起こった場合、完全に輸入がとまるという、そういう日本としてはかねがね申し上げているように宿命的な位置に置かれているだけに、考えようによってはきわめて不安定な状態に常に置かれているということが指摘されるわけでありますので、これはむしろ早急にと重ねて申し上げるような方向で取り組んでいただかなければならないだろう。 さてそこで、現在日本において、在庫と言った方がむしろいまの段階としては適切かもしれませんけれども、ベースメタルにしてもあるいはレアメタルにいたしましても、どのくらいの消費量を抱えているのか。何日分の消費量を抱えているのか。そしてそれは、間断なく外からちゃんと供給がなされているのかどうなのか。現状としては、特に国際的な問題が起きない限りは、現状のままであれば全く安定した行き方が保たれるのかどうか。こういった点についてはどのように判断されていらっしゃいますか。
○説明員(島田隆志君) 在庫といいますか備蓄につきまして、生産者が持っております在庫あるいはユーザーが持っておる在庫以外で、いま私ども一つは輸入安定のための備蓄を財団法人金属鉱産物備蓄協会あるいは軽金属備蓄協会で、またレアメタルにつきましては、特殊金属備蓄協会におかれまして民間備蓄という形でお持ちになっているわけでございますが、その量が銅につきましては約四千八百トン弱でございます。それからアルミにつきましては二万九千三百トンで、銅につきましては約一・三日分、それからアルミについては七日分、それからニッケル、クロムにつきましては、ニッケルが約七日分でございます。それからクロムが二日分という、これが在庫以外の備蓄でございますが、在庫量につきまして主なもので申し上げますと、たとえばアルミ地金でいきますと百六十六日分、銅で申し上げますと大体四十四日分、亜鉛で申しますと約二カ月強で六十四日分というような状態でございます。これでもって十分なのかというふうな御議論かとも思いますが、一部のものについては非常に需給がだぶついておりまして、むしろ在庫を抱えて困っているというような事態もございますが、レアメタル等については何日もては大丈夫なのかというところがなかなかむずかしい問題でございますけれども、全般的に申し上げますと、必ずしも十分ではないということは言えるのじゃないかと思っております。
○渋谷邦彦君 いままでヨーロッパあたりを例に考えると、フランスにしても西ドイツにしても、あるいはスウェーデンにしても、大体二ヵ月から多いものでは半年というのが常識のようでございます。日本の場合、いろいろヨーロッパと直ちに短絡的に比較できない側面というものはあろうかと思いますが、しかしいま述べられたように物によっては一日半分だとか、その輸入がとまった場合どうなるんだという問題、それは産業界に大変ショックを与えないではおかない。そうすると、結局回り回ってそういう希少価値を生んでいきますと国民生活にまた重大な影響を与えるという、そういうつながりが出てくるんですね。産業界だけじゃない、われわれ消費生活にとっても大変大きな影響を与えずにはおかないという側面を持っているだけに、特に重要資源についてはいま申し上げたような、果たして期間的に、また量的に、抱えて困っているというようなことがあってはもちろんなりませんし、相当そういった点についても慎重に、詳細に分析、検討がなされているのであろう、いろんな各国との比較を対照しながら。しかしそれにしても、もう一年以上たっているのですから、何らかの結論が出てもいい段階ではないのかというふうに実は思えてならないわけです。 きょうは通産の方来ておられますけれども、むしろ外務大臣も経済閣僚の一人として当然これはもう考えの中に入れつつ推進を図る、そういう役割りを果たしていただきたいなと、先ほどもやはりその必要性については肯定をされておられたわけでございますので、実際いろいろ考えてみますと油以上の問題が起きはしまいかということを、私一人だけじゃないだろうと思いますね、そういう不安感を持つのは。事が起こってからではもう取り返しがつかないというふうに思えてなりません。そこで、重ねて櫻内さんに要請申し上げたいことは、やはりこれは強力に推進すべきではないか。具体的な一つの結論を出すような方向に取り組む必要があるんではないか。概念的にはわかるんですよ、やらなくちゃならぬということは。しかし、ほかの国々がどんどん手がけて具体化しているそういう状況を踏まえてみた場合に、日本の手の打ち方というものは少々遅きに失しているうらみがあるんではないだろうかというふうに思えるんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま通産当局から備蓄の状況についてお示し申し上げたのでありますが、先ほども、民間備蓄中心では資金力も不十分である、利子補給程度ではどうかと御意見も出ておりました。小委員会の検討の結果は、ニッケル、コバルト等の五品目を中心にして備蓄の推進をしておると、こういうことであったと思いますが、お話の御趣旨は十分わかりました。この希少物資のどの一つもが、もし需要にこたえる備蓄がなかったというときにはもうその点から非常に大きな影響を受けてしまうということを考えますときに、今後の国家備蓄あるいは民間備蓄を含めての備蓄対策の重要性は、これはもう言うまでもないことと思うのでありまして、関係省庁協力いたしまして、どういう備蓄あるいは安定供給確保ということについて一段と力を入れていくことについて私も協力を惜しまないものでございます。
○渋谷邦彦君 先ほども関連して同僚委員からも発言がありましたけれども、それに対しての答弁の中でも、特にレアメタルについて考えてみた場合に、大変その産出国が偏在しているという、こういう傾向が強いようであります。なかんずくアフリカ、その中でも南アフリカ等に偏在している。いままでたとえばアフリカあたりにスポットを当てて日本とのいままでの交流いかんということを考えてみた場合に、非常に希薄ではなかったかという感じがしてならないわけであります。特に発展途上国に対する日本の一つの基本的な政策の一環として経済協力を今後も持続的に続けていく。まあ、あっちもこっちもというのは大変なことではありますけれども、特にそうした地域に対する日本としてのあらゆる面の、技術面もそうですし、あるいは資金面にしてもそうでしょうし、できる範囲で協力を惜しまないという、こういうことがいままで欠けてはいなかったかという点が一つ。 それからやはりソビエトあたりを例に考えてみると、相当アフリカに対する着目をしている。またいろんな手の打ち方をしているようでありますが、そういったことで、絶えずそれがあるいはきっかけになって紛争の種にならないとも限らぬというようなこともあるようでございます。確かにいま申し上げた地域というのは政情も不安定でございますし、また、どちらかというと、日本から見ても非友好国的な色彩が強いのではないか。こういう点の一体交通整理というものは、今後どのようにそれを整理されながら強いきずなをそこでつくっていくか、当然これは外務省としてもお考えになっている問題の一つであろうというふうに思えてならないわけですが、ここらあたり少し述べていただけませんか。
○説明員(遠藤実君) 御指摘のとおり、確かにレアメタル等が政情不安な地域にかなり偏在しているものがあるわけでございますけれども、これにつきましては、基本的にはそういった地域の安定が保たれるということが最も重要でございまして、そのために日本としてもできるだけの努力をするというのが基本的な政策でございますけれども、同時に、そういった地域につきまして特にどういった政治、経済の動向にあるかということと、それからレアメタルをさらに特定いたしまして、あるいはレアメタルを中心にどういった需給関係になりそうかと、こういった見通しについてできるだけ情報の収集をするというふうに心がけているつもりではございます。ただ、何分にもこういった問題につきましては、事前に情報を察知し収集するという点が必ずしも十分でないという御批判があるいはあろうかと思いますし、私どもといたしましても、そういった面をさらに充実していく必要があるというふうに考えておりまして、特にアフリカ地域等におきましても、資源の安定供給の確保といった観点からも情報の収集活動の強化を図るということを検討している次第でございます。
○渋谷邦彦君 こうした協定の審議に当たりますと、関連していろんな問題が出るはずだと思うんです。返ってくる答えを聞いておりますと、努力する、不十分だと思うのでそれらを何とかここは今後十分調査もいたしますということで返ってきちゃうわけです。具体性が実はないわけですね。いまアフリカの例を申し上げたのですけれども、ASEAN地域だってそう、あるいは中南米においてもそうなんです。未開発地域というものはたくさんある。一体日本として何ができるんだろう。いまあなたは情報とおっしゃった。それも大きな問題点の一つです。あるいは調査するにしても探査するにしても、あるいは向こうの国の要求があってやる場合、あるいはこちらが独自の立場でいみんな外交ルートを通じてやる場合、いろんな手段というものがあるのではなかろうか。そういったことがどのように推進されているのかどうなのか、それでどういう効果が上がっているのかどうなのか。ただ横手傍観していたのでは少しも進まないであろう。また日本に対する認識も評価も依然として、特に非友好国的なそういう国柄にとっては、かえって自分の国が日本の進出によって混乱を巻き起こしかねないなんという、ゆがんだ考え方を持つ場合がないではない。いろんなそういう側面があろうというふうに思うんです。そういったことも十分頭の中に当然のことながら入れつつ、そういう産出国に対して日本として何ができるのか。そして安定供給を図るためには今後どういうふうに、努力をするにしても、いま一つの具体的な計画の中にはこういうものがありますというところまで進んでいる段階で私は当然ではないかと思ったのですけれども、どうもまだ余り進んでいるような状況でもなさそうで、全くないとは言いませんよ。そういう点についてどう一体取り組んでいったらいいのか。
○説明員(島田隆志君) 一つは、先生の御指摘のとおり、今後の資源安定供給対策、確保対策の中で、やはり情報の収集体制の強化というものがまずは必要だろうかと思っております。私どもは金属鉱実事業団におきまして、やはり今後の資源戦略あるいは開発あるいは経済協力、そういう友好関係を保ちながらどういう形でいくかと、それぞれきめ細かな対応をしていかなければならないと思いますが、金属鉱業事業団の中に資料センターというのを持っておりまして、世界で十カ所ほど資源産出国あるいは消費国の、あるいはロンドンだとかアメリカとかパリみたいなそういう情報の集まるようなところ等に海外調査員を置きまして、地質の講習あるいはそういう技術的な問題だとか、各国の鉱業事情あるいは鉱業政策、そういうものを一元的に収集しまして、それを政策に反映していこうという一つのシステムをとっております。レアメタルにつきましても、今年度、五十七年度からその辺を強化していくということで予算もいただいております。 それからもう一つは、金探のほかにまたいろいろジェトロだとかいろいろあるわけでございますが、それから先ほど外務省の方からお話ございましたように、やはり日本は資源の大部分を海外に依存せざるを得ないということで、資源生産国との間の経済協力、技術協力、そういった面からの非常に広い観点からの友好関係の維持というものが必要じゃなかろうかと思います。具体的には、やはりこれも私ども金属事業団の中に、資源開発協力基礎調査ということで資源保有国からこういうものを調査していただきたいというようなものがありますと、それに対して調査していくということで具体的に進めております。今後ともそういう制度を十分活用しながら先生の御指摘のようなものに対して対応していくように対処したいという所存でございます。
○渋谷邦彦君 本来ならば、きょう安倍通産大臣に出ていただいて政治的な判断をお示しをいただきたかったのですけれども、それはまた機会を見て申し上げたいと思います。 そこで、いま申し上げたことをもう一遍集約して考えると、やはり情報の収集というものが非常に大きなポイントを占めるだろうと思います。残念なことに、現在のその仕組みの中では必ずしも正確な、豊富な資料の入手というものが僕は非常に困難ではないだろうかと。いまおっしゃった資料センターに一体何人の職員がいるんですか。概数で結構です。——いまそこで数字的なものを挙げよと言っても、ちょっとそこまで私申し上げるつもりはなかったのだけれども、決して多い数ではない。また金属鉱業事業団の機能にいたしましても、果たしてい童言われたような世界に視野を求めて実際効果あらしめるような動きができるのかどうなのか、私にとっては非常に疑問視するような側面があるんです。行革のこういう時期でございますからね、あながちそれをふやせとかなんとかということを言うことはちょっとはばかりますけれども、しかし現実問題として、日本の将来という生存にかかわる問題を考えてみた場合に、必要な部署というものはやはりそれなりに対応することが、当然求められるであろうというふうに思いますし、それで、いま申し上げたように的確で、そして豊富なということになりますと、残念ながらその状況というものは非常に厳しいものがあるんではないかというふうに思えてならないわけです。できますか、実際に。 そこで、やはり外務省の出先があるのですから、そういったところと当然連携をとりながらいろんな情報の入手をする、あるいはそれに応じて探査もするというようなことになるんだろうと思うんです。しかし、その辺が果たしてかみ合っているかどうかということの問題もある。そういうことを総合的にやっぱり一つの方針というものが明確にされませんと、結局大事なことはわかっているけれども、行き当たりばったり。これもやらなくちゃならない、あれもやらなくちゃならない、そうしているうちに、今度それがいつの間にか別な問題に取り組まなければならぬというような状況の繰り返しては、いつまでたっても解決の糸口も探れないということを私は心配するのです。そういった面でのやはり機動性というものを発揮することが、これから非常に強く私は求められると思うんです。その辺はどうでしょうね、外務大臣としてどんなふうに対応すべきか。これは外務省だけの話ではもちろんないと思うんです。しかし全部関連がありますから、どこが中心になってやるもよしということで、これは本気になって、やっぱり本腰を据えて取り組まなければならない私は課題だと思うんです。いかがですか。
○説明員(遠藤実君) 先生御指摘になりましたように、問題は非常に多角的かついろいろな面にわたっております関係上、一つの非常にはっきりしたかっこうでの体系が必ずしも、直ちにそういったかっこうで措置がとられてない、あるいはとられにぐいという面があることは事実でございます。ただ、そういったことを一応前提にいたしましても、非鉄金属全般といたしましてはいろいろな国際的な意味での情報交換あるいは調整といったものも、現在は鉛とか亜鉛、そういったものについてございますけれども、これについても、できるだけそういった対象を広げていくということが一方では必要でないかというふうに考えております。 それから、特定のレアメタル等についてどういう需給関係になっており、日本がまたそれの探査あるいは開発に力を入れる必要があるという問題につきましては、これは外務省のみならず通産省とも十分に協議をいたしまして、またそういった問題について、特に生産国との関係が問題になるといたしますと、そういった国との間には経済関係はもとよりといたしまして、そのほか経済協力とか文化等の面でも広く友好関係を樹立していくと、こういうことで対処していく必要があるというふうに考えております。 情報交換につきまして若干戻りますけれども、これは実はOECDあるいはUNCTAD等の参加によりまして、いろいろな緊急会でありますとか委員会がございまして、こういったところに日本としては積極的に参加してきているわけでございますが、必ずしも全部のメタルについて一つ一つ十分な場が確保されているというわけでもございませんので、その辺はさらに今後の検討課題かと存じております。
○渋谷邦彦君 希少資源と言われておりますように、使えばなくなっちゃうわけですからね。したがって、これを世界人類が共有しながら平和的に生きていけるという、これが基本でなければならぬと私は思うんですけれども、ただ、これも非常に残念なことですけれども、軍事的に活用される、そういうためにこういった希少資源というものが特にやはり米ソ二大国によって占められているおそれはないだろうか。いろんな資料とか日本工業会あたりの調査によっても、アメリカあたりは備蓄が戦略備蓄というふうに明確に目的がはっきりしているのがあるんですね。その他は大体経済的に安全を保つためにとか平和時のための備蓄であるとか、あるいは民間の備蓄であるとか、日本のように安定化の備蓄であるとかというふうにいろんな備蓄目的というものがそれぞれあるようです。ただ恐れることは、これが傾斜的に軍事的に活用されるということが非常に心配になる。そういった面を排除する上からも、何らかの形で国際的な秩序とルールをつくる必要があるんではないだろうか。そういったところに安定供給というものがその国々の要求に応じてできるという道を開くことも必要ではあるまいか、そういった点について、無資源国の日本としてはやはり先頭に立ってそういう話し合いの場を、UNCTADもそれは当然あるでしょうけれども、なかなか具体的に結論は出ないようです。けれども、これは重要な事柄だけに、今後強力にこれも推し進めていく必要があるんではないかという感じがしてならないんですが、そういった国際秩序あるいは安定供給という面から国際間における話し合いを持ち、そして協定を結ばれるような、あるいは新しいルールづくりというものができるかできないか。できる可能性があるとするならばどうすればいいのか。こういった点について、政府としての考え方をお聞かせをいただきたい。
○説明員(遠藤実君) できるだけこういった一次産品、特にまたその中でもいろいろ今後払底が予想される物資等につきましても、やはり国際的な一つの秩序というものがあることが、長期的に需給関係を安定させ、あるいは価格を安定させるというためにも必要ではないかというふうに一応一般論としては考えられます。ただ、この商品の性質あるいはその分布等によりましてなかなか従来のパターンの商品協定といった枠組みに乗っかってこないというものもかなりあるのではないかというふうに考えております。それから、たとえばタングステン等でございますけれども、これについて、三省間で協定の作成あるいは商品機関の設立といった問題についての検討が行われておりますけれども、こういった動きに積極的に日本としては参加貢献をしていきたいと考えている次第でございます。ただ、従来の経験からいきますと、ある程度の量の貿易国際取引というのがあり、それの価格形成等があるいはバッファーストックによりあるいは輸出割り当てにより、そういったことで一つの安定した市場ができ上がるといったものが従来商品協定として取り上げられておりましたので、なかなか御指摘のオールレアメタルのすべてについてその辺が当てはまるかどうかむずかしい問題もいろいろあろうかというふうには考えております。
○渋谷邦彦君 確かに一挙に何もかもということは、それはできることとできないことが私はあると思うのです。そうした中から、日本として必要なものということを想定しても場合によったはいいんではないかと思うし、まずできることからその可能性を模索しつつ、あるいは一つのそういうルールづくりというものをやっても決してむだではないんではないんだろうか。いたずらに混乱を起こすよりも、むしろ安定供給ができる方向へ道が開けるとするならば、何もかもやはりむずかしいんではなくして、可能性のあるやつもあるわけでしょうから、いまの答弁を聞いておりますと。やっぱりそういうことを強力に進める必要がある。ただいろんな仕組みが非常に複雑に絡み合っているということは、それも十分私自身もわかるような気がするんです。だからと言って、じゃしようがないんだからという、それではまたならぬということも言えるであろうという点で、やっぱり今後ともまず可能性のあるものをもう一遍そこで整理をしながら、一つでもいい、場合によっては二つでもいい、また新しいそういう希少資源についてのルールづくりというものをやるべきではないか、どうでしょうね。外務大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) 希少物資の確保は国策的に重要なことは言うまでもないわけでありますが、希少物資だけに、下手をすると市場を撹乱される要素も持っておるわけでありますから、先ほどからお話が出ておるように確実な情報収集に努める、それからそれに基づく調査をする、それから概して発展途上国にそういう資源のある場合がございますから、それをいかにして日本の持っておる経済協力政策の中で考えていけるか、これは要するに資金の提供であるとかあるいは技術協力とかという問題が起きてくると思うのであります。またきょうすず協定の問題から商品協定のあり方、これもやはり配慮をしていく必要があるかと思いますが、渋谷委員のおっしゃるように、これはいよいよとなって必要なものが入ってこない、確保できないというようなことであってはいけないんでありますから、すでに田中通産大臣当時からこの種の話が出ておるという御指摘で、もうすでに一年もたっているじゃないかということでございますが、この際、もう一度関係省庁においてこれらの問題を、その重要性を認識し、しっかり受けとめてこの基本的な施策の確立をすべきではないかと。いろいろなことを考えておるうちに、その間にもどんどん事態は進行していくのでありますから、従来とり来ったいろいろな対策を適切にやるとともに、もう一つその上に御指摘のとおりなことを踏まえた基本的な政策を打ち出すべきだと。私としても先ほども申し上げましたように、関係省庁と協力をいたしてこれらの施策の推進に遺漏なきようにいたしたいと思います。
○渋谷邦彦君 それでは、すず協定に関連する質疑を一応ここでとどめておきまして、残りの時間、最近の国際情勢について若干触れたいと思います。 先ほども質疑がございましたが、フォークランド諸島についての情勢がきわめて険悪化しつつある方向へ進んでいるようであります。当然わが国としても何らかの対応というものが迫られるであろうというふうに考えられます。伝えられるところによりますと、総理あてサッチャー首相から新書が届いているやにも聞いておりますし、恐らくイギリスの方針に同調してくれないかという趣旨のものであろうかと。こういった点について総括的にまず最初お伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(枝村純郎君) 御承知のとおり、私どもといたしましては、ああいうアルゼンチンによる武力行使ということが発生したということは大変遺憾でございまして、これはひとつ柱としてしっかり立てて対応していかなければいけないというふうに思っております。同時に、英国とアルゼンチンともに友好国でございますので、これの間の紛争というものが平和的、外交的手段によって早急に解決さることを望む、こういうことが基本的な姿勢でございます。 先ほどお尋ねのございましたサッチャー英首相より鈴木首相あての親書につきましては、昨日夕刻、在英大使館からこれが接到いたしまして、先ほどの質疑でもお答え申し上げましたように、内容といたしましてはアルゼンチンに対する圧力をかけるということに協力してほしいという趣旨で、具体的には武器供給の停止、あるいはアルゼンチンからの輸入の一部あるいは全面的な停止、さらにはアルゼンチンに対する輸出信用の供与の停止でありますとか、民間投融資の奨励策を自制してほしい、そんなことが内容でございました。 こういう要請を受けましての対応でございますけれども、これについては、まだこの紛争をめぐる情勢は非常に流動的でございますし、先ほど申し上げましたようなわが方の基本的な姿勢というものを念頭に置きながら、関係国の出方を見守って適切な対応をしていきたいということでございます。
○渋谷邦彦君 今回の紛争は大変長い歴史的な経過の中で、決して突発的に起こったということではない、あるいは見方によっては、いままでイギリスあるいは宗主国であるスペインとの間に繰り返されてこういう紛争が続いてきた、そういう経過があるだけに大変厄介な、日本としてもその対応が必ずかしい面を借っているのではないだろうか。ただ友好国でありますだけに、どちらにも同調しかねるという問題があるんですね。イギリスのサッチャー首相からそういうふうな要請があったから、じゃそのように経済制裁、まあ武器輸出なんということはこれはもともとできるわけはございませんからそれは論外といたしましても、その他の経済制裁についても、やれば一体その報復措置としてどういうことが起こるかということがわれわれはすぐ頭に浮かんできます。申し上げるまでもございませんが、あそこには三万数千の在留邦人がおります。しかも、営々として何十年という長い間築き上げてきたそういう財産等もございましょう。そういうようなことの背景もありますので非常にとりにくい面があるんじゃないのか。今度は、アルゼンチンの方からも日本に対してあるいは内容の違った要請というものが来るかもしれないかといって、日本がただ要請を受けっ放しというわけにもいかない。願わくば話し合いによって平和的にこれが解消できることが一番望ましい。すでにもうアメリカのヘイグ国務長官がロンドンへ飛んだということも聞いておりますし、そしてその帰り道、ブエノスに寄るというようなことも伝えられているようでありますが、こういったことがまとまってくれれば大変ありがたいと思うんでありますが、しかしアルゼンチンの外務大臣の言葉をかりて言うなら、絶対交渉には応じないという大変かたくななそういう姿勢も伝えられているのであります。 いままでいろんな入手された情報をもとにされて、いま直ちにこういうふうに解決するだろうという推測はできないにしても、これは紛争が拡大する方向に行くのか、あるいは円満に解決する方向に行くのか、そのどちらかだと思うんですね。その円満に解決する方法の中では、英国がアルゼンチンから租借を受けるというような形でのそういう話し合いというものができないかというようなこともアドバルーンとして上げられているようであります。そういったことが、しかし果たして可能性があるのかどうなのかという問題。大変遠い国だけあって、とかくわれわれとしては無関心になりがちの問題でありますけれども、しかしもうすでに中国が絡み、ソビエトが絡んできている。あのアルゼンチンの占領は正当であるというようなことを打ち上げている。しかし中国は、むしろやはり平和的に外交折衝を通じてこれを穏便に解決することが望ましいという表明をしております。ところが、中南米のもろもろの国は、いままでの植民地的支配というものが頭にあるものですから、ベネズエラですらも人権問題についてアルゼンチンに対する批判的なそういう態度を示してきた中でも、このフォークランドについては同調しているという、そういったことも伝えられている。非常にいろんなふうに絡んでいる。 そういう中で、いままでの日本とアルゼンチンの関係、日本とイギリスの関係を考えてみてもどっちにも肩入れができない。さてそこで、日本として平和的な解決をするためには、ただアメリカのそういう仲介だけを待っていいものか、あるいはもっと時間的な経過を待たなければならないのか。まあ結局は時間的な経過を待ってみたところで、どちらか一つの方向の結果というものが示されていくのだろうと思いますけれども、その辺はいま枝村局長の答弁を聞いて外務大臣としてはいまどんな政治的な判断をお持ちになっておられるでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 最近におけるこの種の国際問題、紛争事件については、たとえばカンボジアの問題あるいはゴラン高原の問題、その都度安保理事会が中心で動いておるわけであります。また、その安保理事会のとった措置というものはある程度の効果あるいはある程度の抑制措置にはなっておると、こう思いますので、安保理事会の理事の一員の立場がある日本としては、特に安保理事会での行動というものが重要ではないか、これが第一でございます。 それから、先ほどからの応答で私どもも認識しなければならないことは、イギリス、アルゼンチンともに日本としては友好的に本日に至っておるわけであります。その間にこの不幸な紛争が、今回はアルゼンチンの武力行使ということによって事態を悪化せしめたわけでありますが、そういう現実を直視いたしますと、何としてもこれは外交交渉による平和的解決の路線に乗せる必要があるのではないか。幸い安保理事会の一応の決議があってそしてこれが大多数で可決をされ、そういう状況のもとにその決議の中で話し合うようにと。それでこの話し合うことについては別段アルゼンチンも異論がない。ただ、前提とする撤兵、撤去という問題、これをどう反応するかという問題がございますが、この外交交渉による平和的解決ということが考えられると思います。 それから、日本としていま一番問題はイギリスからの要請でございますが、この要請につきましては、現在の流動的な状況のもとにすぐイエス、ノーという結論を出すということはこれはなかなかむずかしいことであり、サッチャー首相の書面の中にも、日本のアルゼンチンとの従来の関係から非常にむずかしい問題であろうというそういう理解を示す文言もございまして、これはいまの流動的な事態をよく検討しながら今後どのように措置するかと、こういうことではないかと思います。現在アメリカが調停に動かれておるということ、これはお話の中にも出てまいったわけでございますが、アメリカとしてはイギリスとの関係も深いし、またアメリカの中南米に対する従来の関係からして、今回の調停というものを恐らく両国においても耳を傾けてヘイグ長官の話を聞かれるものと思うのであります。そのことによって私は打開されるものがあるのではないかと、こういう期待を持っておるわけでございまして、以上の見地から総合いたしまして、日本としては外交交渉による平和的解決に対しての側面的な支援、あるいはアメリカの調停に対しての理解、支援、そういうようなことと、それからイギリスの要請については、こういう流動的な情勢の中で即断するということでなく、もう少し事態の推移を見守りたいと、こういう当面の考えを持っております。
○渋谷邦彦君 最後に、もうすでに在日イギリス大使あるいはアルゼンチン大使とも接触を持たれて状況の聴取をされたと思いますが、それはもうなさっておりますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) これはなかなかむずかしい問題でございますね。すでに英国大使が外務省の方に来訪をされサッチャー首相の文書をお持ちいただいたことは明白になっておるわけでありますが、アルゼンチン大使について、こちらから仮に呼びかけるということになりますと、それは方法いかんによるとむずかしい情勢にもなるわけでありますが、まあアルゼンチン大使の方もこのような大変な事態でありますから、きょうにでも種々説明に外務省の方へ来るというような情報も入っておる段階でございますから、それはそれで受けていいことだと思うのであります。まあひとまず両紛争当事国の大使のお話を聞く、こういう姿勢で、こちらから何かアクションを起こすということになりますと、その起こし方いかんによっては大変問題になりますので、いまの段階では両関係大使のお話を承ってそれをよく検討分析をしていくと、こういうことでございます。
○委員長(稲嶺一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後一時七分休憩 —————・————— 午後二時三十分開会
○委員長(稲嶺一郎君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○宮崎正義君 協定と条約の案件に入る前に一言お伺いをいたしたいことがありますが、高島駐ソ大使が本日出発をされまして、今回の日ソサケ・マス交渉について、本来ならば七日からモスクワで開かれることになっていたのが本日までに及んで、何か十三日ごろから会議が行われるといってとでございますが、高島駐ソ大使に何らかの指示をなさいましたかどうか、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 高島大使赴任に先立ちまして私と打ち合わせがございましたが、その時点ではただいま御質問のようなことがございませんでしたので、別段この件について特に指示を与えておりません。
○宮崎正義君 毎回大事なことですから、恐らく大臣が御心配なさって早期妥結のために何かお話があったかと思いましたのでお伺いしましたのですが。 そこで、過去四年間早期妥結で成立をしてまいりまして、今回もこういう安定的な継続ができるかどうか、予定されております十三日から交渉に入れるかどうか、その辺のことについてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(加藤吉弥君) ただいま先生御指摘のとおり、ソ連側は予定の七日の直前になりまして技術的な理由、準備不足、さらに詳しく申し上げますと生物学的な統計資料が出そろっていないという理由から、十二日開始ということを新たに提案してきた次第でございます。日本側としては、一日も早く交渉を開始したいということで、モスクワにおきまして鋭意ソ連側と折衝している状況でございますが、現在までのところソ連側の態度は非常にかたく、恐らく十三日以前の交渉開始はきわめて困難であろうと、かように考えております。 ただ、サケ・マスの漁期との問題もございますし、また国会に協定の御審議を願うという日程もございますので、開始は若干例年よりはおくれることになりましても、できるだけ早期に交渉をまとめて、実際の出漁等に支障ないように万全の努力を傾ける所存でございます。
○宮崎正義君 操業がおくれるということは、予定しております漁民の人たちにも相当な生活権がかかってくることでございますし、また交渉問題につきましては、漁業協力費の問題も含まれておりまして、かなりのことが要請されるのじゃなかろうかという疑念もあるわけですが、水産庁の方のお考えはどうでしょうか。
○説明員(真鍋武紀君) 交渉の見通しにつきましては、交渉開始の直前でございますので、現在のところ何とも申し上げられないわけでございます。しかしながら昨年十一月に日ソ漁業委員会を開きまして、この席におきましてサケ・マス資源につきましてもソ連側から資源見解が表明をされております。ソ連側の資源見解から見ますと、わが国のサケ・マス漁獲に対しましてソ連側は相当厳しい態度で臨んでくることも予想されるわけでございます。しかしながら政府といたしましては、わが国のサケ・マス漁業の維持、安定を図るというふうな基本方針のもとで努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 御指摘の日ソサケ・マス漁業協力費につきましては、ソ連側からは本年の交渉におきましても要求がなされるものと考えられるわけでございますが、交渉の直前でございますので、この問題について発言することは差し控えさしていただきたいと思います。いずれにいたしましても、サケ・マス漁業の安定的な維持、継続を図るというふうな見地に立って粘り強く交渉を続けてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○宮崎正義君 先ほどソ連側の延期の理由について、生物学的統計資料が不備のためにという一つの理由が述べられましたけれども、いま報道されておりますところのソ連の国政の変動があるやもしれぬというような報道があります。それらのことには関係ないとは思いますが、その辺のことは一切関係ないと判断してよろしゅうございますね。
○政府委員(加藤吉弥君) ソ連の国内、特に政府内部のことでございますので、私どもとしてもつまびらかな事情は承知しておりませんが、従来のこの種の交渉の経緯とか、その他諸般の情報を合わせて考えてみましても、今回のサケ・マス交渉の遅延がソ連の首脳部の異動とかあるいは変化とか、そういうものとかかわり合っているという確証は持っておりません。恐らくそういうことはないと私どもも信じております。
○宮崎正義君 ともあれ、この日ソサケ・マス交渉につきましては大臣も相当なお考えをお持ちだと思いますが、改めて大臣のお考えをお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 過去の交渉経緯を見ますと、大体二週間前後で交渉が終わっておるように思います。そこで現在予定されておる十三日からの交渉開始ということになりますれば、漁獲の上に支障のない時期には妥結ができるのではないかと、機械的といいましょうか時間的と申しましょうか、そういうふうに見受けられるわけでございますが、当方が予定しておるように進んでない過去の事例もしばしばございますし、今回は不漁の年ということも言われておりますので、その辺を懸念をいたしておるわけでございますが、この交渉に際しまして、漁民の皆さんに御迷惑のかからないように当方としては誠意を尽くして交渉をするように努めさせたいと、このように思っております。
○宮崎正義君 過去に農林大臣もお務めなさって、十分にこの問題については大臣は御承知のことで、いまのお話を伺いまして一層強く御決意を聞いたような思いで承っておりました。 そこで、ココア協定についてお伺いします。 緩衝在庫操作にも非常に売りが多くなってきて在庫資金も不足が出てきたというふうに言われておりますし、この協定には、生産国としての象牙海岸が価格帯の水準が同国の要望に比べ低いという不満、そういう理由で不参加であるとか、あるいはマレーシア等も準備不足のために参加しなかったとか、また一方には、消費国の大国であるアメリカが価格帯が高い理由で不参加であるとか、アメリカにはまだもう少し違った理由もありますが、その他、カナダ、オーストラリア等大きな消費国がいまだ不参加でありますが、これに対して、日本としてどう手を打っていかれようとするのか、この辺のことについてお伺いをしたいと思います。
○説明員(遠藤実君) 御指摘のとおり、一方におきましてはアメリカ、カナダ、豪州等の大口消費国が、それからまた生産国の方におきましては最も大口の象牙海岸が入っていない、不参加を表明しているということでございまして、わが国といたしましては、こういった一次産品問題の解決は、まあ生産国とそれから消費国、これの相互協力によって達成されるべきものであると考えておりまして、そういった意味で象牙海岸及び米国等の主要な生産国、消費国が協定に参加することがぜひとも望ましい、こう考えております。したがって、わが方がこの協定に参加いたしました際には、いま申し上げましたような諸国はもちろん、そのほかマレーシアであるとか、トーゴその他の国につきましても、この協定に参加するという方向で、他の協定加盟国とも協議していきたいと思います。
○宮崎正義君 御案内のように、発展途上国の多くは輸出の大部分を一次産品に頼っているということは言うまでもないことであります。その意味で、一次産品の価格安定というものが発展途上国の経済発展のためには欠かせない条件であるということは御案内のとおりであります。レーガン政権になると、国連援助は必ずしも同盟国強化にはつながらないというような姿勢を強く打ち出して共通基金への出資、協定の批准を見合わせているという、こういったようなために、現在は二十一カ国しか批准をしていないという問題点、いま申し上げましたように、一次産品共通基金の設立が非常に危ぶまれてきているという状況の中において、大臣がベルサイユのサミットにお出かけになりますが、この一次産品問題についてレーガン大統領に重要な問題として話し合いをなさるかどうか、このことを一言お伺いをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) アメリカが第一勘定に対する最大の出資国でございますから、その参加が本件協定の発足についてきわめて重要であるということは申すまでもございません。そこで、お話しのベルサイユ・サミットの場あるいは適当の場において、アメリカに対して早期締結方の呼びかけをしてまいる考えでございます。
○宮崎正義君 緩衝在庫の資金の確保というものは、健全な運営に将来及ぼすわけですから、ぜひその点を強調なさっていただいて、先進国である私どもが、発展途上国をこのように発展さしてきたという歴史にも残していくようなことになるわけですから、その辺よろしくお願いをしておきたいと思います。 時間の関係がございますので、ココア協定はそれだけにして郵便条約の方に入りたいと思います。問題点だけを提案をしておきまして、お答えを願いたいと思います。 一つは、今回のこの条約の中で新たな改正点の一つとして、第三条の連合への加盟の条件として、現行の条約では加盟国の三分の二以上の承認が必要であったものが改められまして、加入の正式の宣言だけあればいいんだというふうなことになりまして、加盟した後いろいろな地域内で問題点が起きないかどうか、その辺が心配の一つですが、また、これの地域内の関係諸国は四十四カ国あるように伺っておりますが、四十四カ国ありますが、未加入の理由はどんなようなものでありますかどうか。 また、角度を変えましてもう一つお伺いしたいことは、この郵便物を取り扱っております国内の郵便局の方々の勤務状態で非常に心配な点があるのは、毎年、研修生というのを十五名あてつくりまして、そして外国郵便物の処理に当たられているということでありますが、この業務に当たっている研修士がどういうふうな配置になって、どのような今日現況であるか。現在やっている人数で足りるのかどうなのか、その辺のことが心配なわけです。行革云々で人減らしの問題等がありますが、先ほども渋谷委員の質問にもありましたように、不足して労働過重のところにはやっぱりそれ相応の対応をしなきゃならない、こういう観点の上から、研修生の問題について郵政省の意見等もお伺いをしておきたいと思います。
○説明員(遠藤哲也君) 宮崎委員の御質問の最初の二点、私からお答え申し上げます。 最初の点でございますけれども、今回の改正条約によりまして、この地域の資格のある国はだれでも手を挙げればこの条約に入れるということになったわけでございまして、これはむしろ、なるべく多くの国がこの条約に入ることによって、いわゆるこの地域の郵便業務の改善とか利用者の利益のために、むしろ非常によくなったのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから第二番目の点でございますが、この条約の地域、つまりアジア・太平洋地域、これはイランから東側のアジア及び太平洋でございまして、これに値します国は全部で三十カ国でございます。このうち現在の条約に入っておりますのは十六カ国、したがいまして十四カ国が残っているわけでございますが、アフガニスタン、ブータン、ビルマ、フィージー、イラン、民主カンボジア、モルジブ、ネパールそれからナウル、北朝鮮、トンガ、ベトナム、トバール、モンゴル、以上の十四カ国が現条約には未加盟国になっておりまして、この国々につきましてももし希望すれば新しい条約ではいつでも入れると、こういうふうになっております。
○説明員(梶谷陽一君) 先生御指摘の三番目の問題について、私から御回答申し上げます。 外国郵便訓練は、外国郵便専門局におきます郵便業務に必要な専門知識それから技能を有します中堅職員を養成することを目的といたしまして、昭和二十九年から始められております。全国の郵便局の職員の中から選抜されました約十五名を対象といたしまして、一年間の訓練を行っておるわけでございます。この一年間の訓練課程のほかに、全国の郵便局におきます外国郵便事務を取り扱う上で必要な専門知識を修得させるために、郵政研修所それから外国郵便専門局で毎年約四百名ほどの職員を対象とした訓練も行っております。さらに、英語会話とかあるいはフランス語につきましては、部外の専門の学校に委託して訓練も行っております。
○宮崎正義君 取り扱っている郵便量がふえている状態から考えて現状のままでいいのかどうなのか、その辺のことを本来ならばきょうは郵政大臣にでも来ていただいてこの問題を掘り下げていきたいつもりでいたのですが、それはできませんので、その辺の事務量の問題、労働力の問題、それらの点について十分であるのかないのかということを先ほどお伺いしたわけなんですが、その回答。
○説明員(梶谷陽一君) 事務取扱量に比べて研修生の数が十分かどうかという御指摘でございますが、先ほどちょっと触れましたように、外国郵便専門の一年間のコースというのは、これは十五名ほどしか訓練をやっておりませんけれども、そのほかに、短期ですけれども外国郵便関係のやはり訓練というのを四百名ほど行っておるわけでございます。たとえば東京にあります国際郵便局というところでは、これらの研修を受けた職員が約百名配属されております。そういう点で、現在の訓練でいまのところはほぼ十分というふうに考えております。
○立木洋君 協定のお尋ねに入ります前にちょっとお尋ねしたいんですが、最近、新聞の報道によりますと、大分大詰めに来ているように言われておりますいわゆる対韓援助の問題ですが、大体どういう段階までいま来ているのか、また、その過程の中でどういう点がほぼ固まり、またどういう点がまだ残されているというふうに考えたらいいのか、そこらあたりの状況を少し御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(木内昭胤君) 御承知のとおり、二回にわたりまして実務者協議を行いまして、とりわけ二月中旬に東京でやりました実務者協議には大蔵省等の経済官庁も加わりまして、かなり詳細なデータを入手いたしますとともに、先方の詳細な説明を承ったわけでございます。それをもとにしまして検討の結果、三月十九日には私どもの大まかな考え方というものを先方に伝えたわけでございまして、すなわちこの十一のプロジェクトのうち、収益性の低い社会インフラ開発の分野の事業につきましては、経済協力基金の円借款がなじむのではないかと、しからざるものにつきましては輸出入銀行の御融資がなじむのではないかというような私どもの立場を先方にお伝えしますとともに、商品援助というのはなかなかむずかしいんだということも先方に伝えた次第でございます。 これに対しまして先方から、日本側の考え方というのはなかなか厳しいと、韓国は国際収支の面でも現在非常に困っておる、とりわけ世界の景気も後退したままであり輸出も思わしくないという意味から、国際収支上の困難にも遭遇しておるのであって商品援助という側面もお考えいただけまいかと。それから、輸出入銀行ということになりますと、条件も基金の円借款に比べてはるかに厳しいので、できる限り円借款で取り上げてほしいということを四月の初めに申し越してきたわけでございます。したがいまして、日本側と韓国側との考えの間には相当の開きがございまして、その意味におきましては、現在、日韓交渉は難航いたしておるわけでございます。また、私どもに限って申しましても、各省庁のそれぞれのお立場もございますので、必ずしもそこら辺の調整がいまだしというのが現状ではないかと思われるわけでございます。
○立木洋君 外務大臣、お見通しの方はどんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま木内局長からお答えをしておるように、まだ目鼻が整ったというような状況には立ち至っておらないのであります。 きょう韓国から前田大使が帰られまして、大使がどのようにこの交渉の経緯を受けとめておるか、韓国側の姿勢についてもう一つ突っ込んで話してみたいとこう思っておる段階でございまして、また韓国側がわが方の中間回答に対してのいろいろ意見を述べましたことについても、当方がこれについての特段の意思表示をしておらない段階でございますので、なお若干の期間を要する見通してございます。
○立木洋君 局長、いままで韓国に対して行ってきたいわゆる援助のやり方といいますか形式といいますか、それと今後進めようとしておる、まだ決まってはいませんけれども、どういう点での違いが出てきているでしょうか。
○政府委員(木内昭胤君) 国会でもたびたび御答弁申し上げておるわけでございますが、私どもとしましては、日本政府の経済協力の一般的な方針に即して対応するということを韓国側にも御説明申し上げておるわけでございます。それにつきまして韓国側もだんだんに御理解をいただきまして、したがいまして先ほど触れました実務者レベルの技術的な意見の交換あるいは資料の突き合わせ等は、これは従来から私どもがやってきました方法にのっとっておるわけでございます。したがいまして、今回改めてそのようなやり方を変えるつもりはございませんで、それぞれのプロジェクトにつきましてさらにフィージビリティースタディー等々を重ね、現地には、仮にあるプロジェクトを取り上げるということが決まったならば、そのプロジェクトについての調査団を現地に派遣する等の作業を経まして、大まかなところが決まりますればそれにつきまして合意に到達すると。合意は交換公文に盛られるわけでございまして、閣議の御決定を経まして固まるわけでございます。そういった仕組みというものは、ほかの国に対してもまた従来韓国に対しても行ってきた方法でございます。
○立木洋君 この際一言大臣のお考えもお聞きしておきたいんですが、安保絡みの援助という点については大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 過去におきまして要請があったときに、背景説明としてそういう話が出たこともあるということは聞いておりますが、私が就任後に韓国側から受けた要請の中に、そういうようなことはみじんもないわけでございます。局長の方から申し上げておるように、十一のプロジェクトは日本の経済協力の基本方針に沿う経済開発であるとか民生の向上とか、そういうような関係のものでございまして、またそれらのプロジェクトについて、二回にわたる実務者会議において先方からいろいろ御説明をちょうだいしておりますが、その間にございましてもいまお尋ねのようなこの安保絡みというような、そういうことは全くないと申し上げてよろしいと思います。
○立木洋君 それで、こういうふうに理解していいんでしょうか、安保絡みという点では当然大臣のお立場としては賛成しない、現在の進めておる状況では安保絡みという点では歯どめがかかっておる、そういうことにはならないだろうというふうに考えていいでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) そもそも基本となりました経済五ヵ年計画、その内容からいたしましてもそういう懸念はございません。そしてその中で、特に日本に対してこれらの点に協力を求めたいというものが参ったのでありまして、それを検討の結果が、収益性の伴うものについては当方より、これは輸銀の関係ではないかとか、この辺はODAでいけるかとかというようなふうに話を取り進めてまいりまして、その経緯からいたしまして基本の五カ年計画の中からいたしましても、またその中で特に日本に要請をいたしました今回のプロジェクトにいたしましても、これは一昨年来の韓国の経済情勢、民生の状況からしたこれからの計画であって、その中に安保絡みのものというのは全くございません。
○立木洋君 きょうは協定と条約ですから、この問題については次の機会にもう少しお尋ねすることにして、次に協定の点でお尋ねさしていただきます。 最初にココア協定についてですが、この協定が一九七二年に成立してから七〇年代市場価格が協定の価格帯を上回るという状態で全く機能しなかったわけですね。八〇年代に入って、とりわけ最近ココアが過剰基調で価格が低迷しているというふうな状況を聞いているわけですが、この価格がなかなかむずかしいとは思うんですが、価格がどのように今後なっていくか、その見通しがもしわかりましたらお尋ねしたいんですが。
○説明員(遠藤実君) 御指摘のとおり、過去しばらくの間非常に高値が続いております。そこで、特に昨年六月でございますが、月平均で一ポンド当たり〇・七五ドルというふうに実は下がってきておりまして、ところがその後この協定の発効が明らかになった昨年七月以降は上向きに転ずると。そして九月の末には一・〇五ドルまで回復しているということでございまして、ある意味ではなかなか高下が激しいとも言えますので、今後非常に正確にこれを見通すことは若干困難を伴うわけでございますけれども、国際ココア事務局が発表したところによりますと、今後とも過剰ぎみに推移するということでございまして、まあいわば軟調ぎみに推移するのではないかというふうに考えられております。
○立木洋君 ココアの緩衝在庫が二十五万トンですか、というふうに言われていると思うんですが、これは世界の貿易量から見たら大体どれくらいの比重になるんでしょうか。
○説明員(遠藤実君) いまちょっと——正確な数字は後ほど御説明申し上げたいと思いますけれども、およそいまラフに、簡単に計算したところによりますと、恐らく〇二一%ぐらいではないかという感じでございます。
○立木洋君 〇・二%というのはちょっとおかしいじゃないでしょうかね。世界の貿易量が約百十万トンなんだから二割余りになるんじゃないですか。緩衝在庫が〇・二%ということでは全く機能しない、どうですか。
○説明員(遠藤実君) 大変失礼をいたしました。これはちょっと計算が違っておりまして、二五%ということでございます。
○立木洋君 二〇%余り、つまり二五%ぐらいだと緩衝在庫として大体機能するというふうに見ることは、国際的な常識としては妥当なんでしょうか、どうなんでしょうか。
○説明員(遠藤実君) 確かに通常は二〇%ぐらい、あるいは二五%ぐらいが緩衝在庫としての機能を果たすために必要あるいは適当な量というふうに考えられているようでございます。
○立木洋君 この二十五万トンの緩衝在庫をつまりあれする資金ですね、いま資金はどれぐらいあるんでしょうか。
○説明員(遠藤実君) 二十五万トンを購入する場合に、どの価格で購入するかということが一つ問題になりますけれども。下方介入価格というのが一つございます。これが一・一ドルでございますけれども、これでいきますと六億六百万ドルでございますが、現在千九百七十二年協定と七十五年協定から引き継がれました資金が二億二千百万ドルであります。そういうことがございまして、ことしの一月、八万八千トンの在庫を購入したわけでございますが、この時点で二億八百万ドルが使われまして、そこで資金の不足に直面するということになったわけでございます。
○立木洋君 ざっと計算して六億から七億ドルぐらいですか、それが二億数千ドルという状態ですから大変不足しているわけですが、この不足した状態、これは緊急な事態になった場合にどういうふうにして補うというか、解決をつけるのか。そこらあたりはどういうふうになっているんでしょうか。
○説明員(遠藤実君) 現在、この緩衝在庫の管理官といいますか、これがいろいろ奔走しているわけでございますけれども、まず国際ココア理事会といたしましては、拠金を本年の十月からポンド当たり一セントから二セント引き上げる、それから緩衝在庫の管理官に対しまして、市中銀行から借入契約を行う、それからまた融資を申し出ている銀行とも借入交渉に入るということを指示しているわけでございます。銀行からの借入金額がどの程度になりますか、ちょっと明らかでございませんけれども、いずれにしても、場合によってはまた拠金の三セントへの引き上げということも必要ではないかという討議もございます。
○立木洋君 これは一次産品の共通基金が発効しておれば第一勘定から出すことができるのだと思うんですが、今日南北問題の解決の上でこの一次産品の共通基金ということがきわめて重要視されているわけですけれども、この一次産品の共通基金に加入してない主な国というのはどういう国があるでしょうか。
○説明員(遠藤哲也君) むしろ加入といいますか、批准をしております国が現在二十二カ国あるわけでございます。したがいまして、その二十二のうちで先進国グループにつきましては、日本、イギリス、豪州、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、以上七カ国が先進国から批准をいたしております。それから発展途上国の方では、現在十四カ国批准をしております。それから中国が批准をしておりまして、合計二十二カ国でございます。
○立木洋君 ソ連など社会主義の国が加入してないのは、これはどういう意味でしょうか。
○説明員(遠藤哲也君) この点まだ承知しておりません。
○立木洋君 大臣にお尋ねしたいんですがね、やはり私はソ連など社会主義国としても、当然こういう一次産品の共通基金に積極的に加わって、それで国際的なそういう経済問題に対して役割りを担うべきだと思うんですがね、これが全然加入しないということはどうもよくないんではないかというふうに私は思っているんですが、大臣、いかが判断なさるでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 東西の関係というようなこともございますが、しかしこの有力国であるソ連が加わっておらないということに対して懸念をお持ちになる、ソ連もまた国際的な役割りを担うべきだと、これはおっしゃるとおりに私も受けとめるわけでありますが、ただ私はその経緯について十分知識を持っておりませんので、ただ客観的にそういう判断をして妥当なのかどうか、その辺はちょっとわかりかねますが、御見解につきましては十分理解ができるところでございます。
○説明員(遠藤哲也君) 立木委員の御質問に対しまして若干補足説明させていただきたいのでございますが、日本はなるべく多くの国が早く入っていただきたいということで、たとえば最近開かれましたUNCTADの理事会、それから昨年でございますけれども、国連総会におきまして早く多くの国が、少なくとも必要最低限の国がこの協定を批准して、協定発効が早急に実現されますように呼びかけてきております。
○立木洋君 これは聞くところによれば、この発効の条件というのが加盟国が九十カ国ですか、それで第一勘定の出資が現在は決められた額の二〇%ぐらい……
○説明員(遠藤哲也君) 二二%でございます。
○立木洋君 二二%で任意の拠出金、これは九十数%までいっているんですか。そうすると、加盟国が九十に対していま二二というのは非常に少ないんですよね。ですから、これは先ほどの読み上げたあれからしましても、先進国の中でもやっぱりアメリカが加入してない、それからソ連なども加入してない。これはいま言われましたように、当然積極的に呼びかけていると言っていますが、このUNCTADの事務局長のコレア氏自身も、日本の南北問題での果たす役割りが非常に増大してきたと。だから、今後の途上国援助は日本の役割り、こういう点に期待をするというふうなことも述べられているわけですが、こういう一次産品共通基金の加入に対して、他国に対しても、こういうアメリカあるいはソ連などのところに対しても積極的に働きかけて加入させるというようにしてはいかがかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) そういう強力な国が参加されることが好ましい。先ほどアメリカについて、機会があれば大いに勧めたいと、こういうことを申し上げてきたわけでございまして、ソ連につきましても同様のことが言えると思いますが、ただ私は、現状に至るまでどうしてソ連が外れておるかということについては、その経緯を十分存じ上げませんもので、御見解はよくわかるということを申し上げておるわけであります。
○立木洋君 その点御検討いただいて努力をしていただきたいと思います。 それからコーヒー協定ですが、これは成立してから後の経過を見てみますと、やはり輸出割り当てを導入する価格、この問題をめぐっていろいろ経緯があったというようでありますし、また今度この指標価格が改定されたというふうな後に至っては、今度はこの輸出割り当て量の規模だとかあるいは国別の配分だとかをめぐっていろいろトラブルといいますか、そういう対立があるように聞いているわけですが、それからこの輸出割り当て制度というのは価格が高騰するときには割り当てが停止されるというだけであって、価格が下回って初めてこれが導入されて機能する。しかし、実際にはいまこの輸出割り当てを行っても十分に機能してないではないか、価格の状態を見ると、そういう感じもするんですね。ですから、現在のこの輸出割り当て制度というので、コーヒーの価格の安定ということを図る上でこれで十分だというふうに考えることができるのかどうなのか、どうも疑問が残るわけですが、この点はどういうふうに判断されておられるでしょうか。
○説明員(遠藤実君) 御指摘のとおり、確かに輸出割り当ての適用に関しましていろいろな利害の対立があることは事実でございます。それからまた、確かに輸出割り当ての制度というのは一定価格以下への価格の下落を防止するというメカニズムになっているわけでありまして、上昇している場合にそれを抑制するための具体的な措置が盛り込まれていないということも事実でございます。したがって、価格が上昇しているときに消費国側として受けるメリットはそれ自体としては乏しいものになっているということはございます。ただ、一定価格以下への価格の下落を防止するということは長期的な供給力を維持するということで、結局消費国にとっても長期的にはメリットを有する、こういうふうに考えているわけでございます。ただ、もちろんその輸出割り当て制度に限界があることは事実かと思います。
○立木洋君 午前中でしたか、同僚議員からもお尋ねがあったと思うんですが、緩衝在庫という点で言えば、確かに品質がいろいろたくさんあるとかあるいは規模が、貿易の量が大変な量に上るだとかその在庫をどこの国に置くかだとかいろいろ問題があることは確かにそうなんですが、輸出割り当ての制度だけでは、価格が高騰したときにどうするかという問題がやっぱりあるわけですね。コーヒーの量というのは日本でもどんどんふえてきて大分コーヒーを飲む人も多くなっているというわけだし、もう少し何か積極的にこの問題でコーヒーの価格の安定、需給の安定を図るような緩衝在庫の問題でも積極的に検討するかあるいはその他の方法がないのかどうなのか。ただ、十分ではないけれども何とかなるだろうということで日本側としてはこれを済ましていくのか、そこらあたりはどうなんですか。
○説明員(遠藤実君) 緩衝在庫の制度でございますけれども、現行の協定におきましてもその可能性は研究するということになっているわけでございます。しかし、まさに先生御指摘になりましたように、緩衝在庫につきましては、コーヒーの場合交易量が大きいとか、それからさらに銘柄とか品質が非常に多岐にわたっているということで、緩衝在庫について非常に技術的な困難な点があるということ、それから多額の運用資金を伴うということがございまして、可能性は研究することになっているわけですけれども、なかなか具体的な作業に入るというふうな機運にはないということでございまして、ごく一部の国からその必要性は主張されてはおりますものの、具体的な提案という形では出ていないのが実情でございます。
○立木洋君 現存する商品協定にしても、いろいろまだ不十分な問題があったりするわけですし、それから一次産品の共通基金の問題では、先ほどのように九十カ国にはほど遠い状態だと。ですから、やはり外国に資源を依存するわが国としてこの問題は、そういう一次産品に依存しておる国々がまだまだ途上国としては多いわけですし、こういう国際的な経済のあり方の面でもっと積極的な日本の国として役割りというか、問題を提起して、商品協定がうまく機能するような、そういうような点でも日本としてはもっと努力する必要があるのではないかというふうに考えるわけです。こういう点できるだけ前向きに御検討いただきたいというふうに思うんですが、この協定の最後の質問で大臣の御見解を伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御所見を交えてのことでございましたが、これらの協定を進める上におきまして、御意見大変結構なことだと思います。
○立木洋君 じゃ、郵便条約のことについて今度お尋ねをしたいと思うんですが、低減料金の問題ですが、船便による書状、はがきはこれまでの二五%引きから一五%引きになる、実質一〇%の値上げということですが、どういう事情でこういうことになったのか、その事情をちょっと御説明いただきたいんです。
○説明員(梶谷陽一君) APPUの加盟国の数が増加をしてきているわけでございますが、その増加に伴いまして加盟各国の財政事情などから、従来の引き下げ幅のままでありますと、条約に定めてあります低減料金を設定することができないという国が出てきたためでありまして、そういうわけですべての加盟国が条約に規定されている低減料金の限度内において適正な料金を設定することができるように緩和されてきているわけでございます。またこの引き下げ幅の緩和によりまして、今後はこの域内の多くの国がこの連合に加盟することも予想されまして、またそれが連合の発展にもつながるというふうに考えておるわけです。
○立木洋君 このアジア=太平洋郵便条約のこれまでの低減料金が一九六五年の第一回大会議からずっと料率が変化してきたわけですね。これに対する日本側の対応がどうだったのかということが一つと、それからもう一つは、いま言われた万国郵便連合ですね、UPU、これが第一回大会議から現在に至るまで基本料金が変化してきているわけですね。それに対して日本政府としてはどういうふうに対応してきたのか。この二つの流れと日本政府との対応をちょっと説明してください。
○説明員(梶谷陽一君) UPUの基本料金の方でございますが、これは大会議を開催するごとにここのところずっと改定をされてきております。最近の例ですと、東京大会議それからローザンヌ大会議、それから先般、七九年の秋に開かれましたリオデジャネイロの大会議、いずれも基本料金は改定されてきております。このUPUの基本料金の改定に伴いまして、日本から差し出します外国郵便料金、この改定もこの条約の発効とともに改正をやってきております。ほぼ同時期に改正をやってきております。 そういうわけで、このUPUの基本料金の方が変わってきますと、APPUの方の低減割合をそのまま据え置いておく場合であっても、このAPPUの方の低減料金はUPUの料金の改定幅と同じ比率で動いております。ところが、わが国につきましては、このAPPUの加盟以来、この低減割合の率というのは、当初が六〇%、それから先般のメルボルンのAPPU大会議では七五%、それから今度の大会議では八五%に改定されてきておりますけれども、わが方はこの加盟以来ずっと六割を適用してきております。
○立木洋君 このアジア=太平洋郵便条約での低減料金の料率については、いま申されたように変化はしてきているけれども、日本側としては変えないでずっときた。UPUの方は基本料金は上げてきているわけですね。今回の場合、アジア=太平洋郵便関係の低減料金の料率でいきますと、書状が大体九十三一五円ぐらいになって、はがきが六十八円ぐらいかになるのだと思いますが、当然今回の場合は、これは値上げが可能になっても値上げはしないでそのままとどめるという態度は守っていかれるんだろうと思いますが、いかがですか。
○説明員(梶谷陽一君) 私どもといたしましては、この条約の発効を機にしてAPPUの料金を引き上げるということは、当面は考えておりません。
○立木洋君 当面はというのは、その当面というのがなかなかわからぬのですよ。きょうは当面だけれども、来月になったらもう当面でなくなってしまうようなニュアンスがあるので、もう少しはっきり、やはりいままでずっと低減料金の料率が変わっても上げてこなかったわけだから、今回もその点は堅持してまいりますというふうに言っていただけると大変安心するんですがね。当面という言葉でいいかげんに言われるとちょっと困るので、そこらあたりをちょっと明確にしておいていただいて私の質問を終わりたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(梶谷陽一君) いまのところはこの六割という低減の割合でいきたいというふうに考えております。いずれにしましても、この条約の施行に伴って六割を七五%なりあるいは八五%にするということは考えておりません。
○木島則夫君 最初に協定、それから条約関係の質疑をいたしまして、その後、当面する日韓経済協力問題、時間がありますれば日本とASEANとの関係について言及をしたいと思います。 まずココア協定からお尋ねをいたします。 最大の輸出国である象牙海岸と最大の輸入国であるアメリカとが不参加のために、昨年の八月一月から暫定的に協定を発効させたということでございます。最大の輸出国と最大の輸入国がともにらち外者というかアウトサイダーになることによって、協定が十分に機能せず、価格の安定という本来の目的を達することができなくなるというおそれはないのかどうか、これが第一点。したがって、協定を実効あるものにするためにアメリカに参加を促すつもりはないか。まずこの二点についてお答えをいただきたい。
○説明員(遠藤実君) 確かに大生産国、大消費国がこの協定に参加しておりません。したがって、むしろこれは完全な意味で価格の安定ということが有効に達成されるかどうかにつきまして全然不安がないわけではございません。しかしながら、暫定発効の場合でも協定上緩衝在庫の規模は縮小されていない、それからこういった諸国の参加なしに暫定発効して、この緩衝在庫の運用が開始されたということでございまして、この運用が行われました昨年九月以降は、ココアの市況も改善を示してきているということで、暫定ではございますが協定発効の効果はあらわれていると、こう考えております。 他方、アメリカ側の参加でございますが、わが国が協定に参加いたしました際には、こういった国が参加するようほかの協定加盟国とも協議したいと考えております。
○木島則夫君 ところで、その交渉の過程では、アメリカは緩衝在庫の財政基盤を強くするために拠金額の引き上げのほか、政府の義務出資の導入を主張したわけですけれど、わが国はEC諸国、ソ連などとともに新たな財政負担に難色を示したということも聞いております。 緩衝在庫の運用に必要な資金を確保するために、アメリカの主張するような財政支出を義務づけないでも、拠金額の引き上げたけで十分だという見通しなのかどうか、この辺もお尋ねをしておきたいと思います。
○説明員(遠藤実君) 確かに緩衝在庫資金の不足の問題がございまして、したがって本年の十月から緩衝在庫への拠金が現行の一本立て一セントから二セントに引き上げられるということになっております。これによりまして、一応試算では約一万トン分、二千六百六十万ドルの増収が見込まれるということになっております。
○木島則夫君 すず協定に関連しまして、アメリカは第五次協定になって初めてこれに加わって、第六次協定の採択会議にも参加していたのだけれど、昨年の十月に一転してこの協定に加盟しないことを明らかにした。この協定は、附属書に掲げられた生産国の百分率の総計と消費国の百分率の総計のそれぞれ八〇%を占める国が批准書を寄託することによって発効することになっているが、アメリカが加盟しない場合に、同国が附属書の百分率の二六・九一%を占めるために消費国側の百分率が八〇%に達しない。したがって、七月一日以降の確定発効の見通しが立たないことになって、暫定発効という手続によらざるを得ないというふうに思うわけでありますけれど、米国の参加の見通しはどうなんでしょうか。
○説明員(遠藤実君) 米国は、御指摘になりましたように第五次に参加いたしまして、第六次協定につきましても交渉には参加したわけでございますが、最終的には結局生産国と消費国の利益が均衡していないと、こういう主張をしておりまして、そこで昨年の十月に第六次協定には参加しないという発表を行っております。そこで、当面はその参加の見通しはないというふうに考えております。
○木島則夫君 このすず協定にしろあるいはココア協定にしても、ともに一次産品共通基金との関係についての規定があるわけですね。同基金は、商品協定の緩衝在庫のために資金を融通することを主な目的とするものであるけれど、同基金の当初の発足目標である三月三十一日を過ぎても発効要件の一つである九十カ国の批准は得られず、わずかに二十二カ国が批准したにすぎない。一体、九十カ国というような国の批准を要するという要件が厳し過ぎるということはないのかどうか。また、この基金発足のもう一つのネックは、アメリカが多国間援助よりも二国間援助を重視をする対外援助政策の変更を理由にして批准を拒否しているということですね。鈴木首相は四月三日の参議院予算委員会で、ベルサイユ・サミットでアメリカのレーガン大統領と個別に会談をする際にアメリカの批准を要請をしたい、こういうふうに答えていらっしゃるわけでありますけれど、アメリカへの働きかけについて、外務大臣のお考えをただしておきたいと思います。いかがなものでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどからお答えを申し上げておりますように、アメリカの参加が好ましいことでございまして、いままでにも要請をしておりますが、今後におきまして、サミットその他の場で参加を要請していきたい、このように思います。
○木島則夫君 ひとつ積極的にそういったアプローチをしていただきたいと思います。 国際コーヒー協定の問題について伺います。この有効期間の延長決議は一九七六年の現行協定が本年九月三十日に失効することにより、その有効期間を一年間延長しようとするものである、こういうものでございます。新協定がつくられずにこのような形で延長することに至ったわけでありますけれど、新協定作成の見通しについてはどういうふうにとらえておいでになるか、いかがですか。
○説明員(遠藤実君) 新協定につきましては、従来と同じように輸出割り当てを基本的なメカニズムとすることについては名園の間で特に大きな異議はございません。ただ、この輸出割り当ての実施方法等につきまして、いういろ交渉が行われているわけでございまして、本年の六月末までに何らかの決定が行われるものと考えております。
○木島則夫君 一九八〇年以降、コーセー価格が急落をしたために、一九八〇年−八一年コーヒー年度において、コーヒー生産国に対する輸出割り当てが発動され、今日に至っているわけです。輸出割り当ては今後もしばらく継続されるものかどうか。また、コーヒーの価格の推移の今後の見通しなどについて、これも簡潔で結構ですから、ひとつ答えていただきたい。
○説明員(遠藤実君) コーヒーにつきましては、生産量が増大しているということと、それから先進国の消費低迷等がございまして、世界的に供給過剰という傾向にございますので、したがって、輸出割り当ては今後もしばらくは継続されるものというふうに考えております。 なお価格につきましては、大変予測はむずかしい面もございますけれども、非常な大きな霜害などあります。こういったものによる不作が生じない限り、大きな上昇はないものと見込まれております。
○木島則夫君 次は、アジア=太平洋郵便条約について。 郵便の分野において国際協力あるいは国際技術協力を進めるということは日本として非常に大事な分野であろうというふうに思います。昨年万国郵便条約を審議した際に、世界に対するわが国の技術協力について言及をしたわけでございますが、アジア・太平洋地域ではいまどんな貢献をしているのか。たとえば職員交換の実績、あるいはバンコクにある郵便研修センターへの協力など、これも具体的にひとつ御説明をいただきたい。
○説明員(藤田公郎君) ただいま御質問のアジア・太平洋ということに限って申しますと、郵便分野での協力は主として研修生の受け入れ、それから専門家の派遣を中心とします技術協力でございます。 若干詳細に数字を申し上げますと、昭和二十九年以降五十五年度末までにアジア・太平洋地域から受け入れました郵便関係の研修員の数が三百二十四名、それからこちらから派遣いたしました日本人の専門家が三十一名ということになっております。その一つの典型的な例として、研修生の受け入れの点で申し上げますと、国際協力事業団が実施しております集団研修コースというのがございますが、その一つとして郵政幹部セミナーという郵政関係の幹部を教育するセミナーというのが定員十五名でやっておりますが、これは五十七年度は全部アジア・太平洋地域の方に向けるということにいたしております。 それから委員の御質問の第二点のバンコクのセンターに対する協力でございますが、現在日本人の専門家を一名同センターに派遣いたしておりまして、研修のカリキュラムの企画立案、それから郵便業務関係の講義ということを行っております。ちなみに、この専門家の派遣に関連いたしまして五十五年度に同センターに対しまして二千三百万円相当の器材を、これは郵便機械化訓練用器材というものを贈与いたしております。大体こういう実績になっております。
○木島則夫君 やはりアジアの中における日本の立場、それから経済大国としてのそれ相応の協力、こういったものは今後とも積極的に続けていっていただきたいということで、協定、条約に関する御質問は一応締めておきたいというふうに思います。 次に、対韓援助の問題についてお伺いをしておきたいのでありますが、日韓経済協力の話し合いはいよいよ微妙な段階に差しかかったというふうに私は認識をいたしております。韓国側の見解は、資金協方においては輸出入銀行や市中銀行の融資を含めるならば、融資の条件をODA並みにすることとか、また、資金協力とあわせて商品借款が欠かせないものであるという見解のようでございます。これに対する日本側の見解としては、対韓資金協力にはODAの円借款のほかに輸銀とか市銀の融資を併用する、ODAによる商品借款の供与は無理ではないかというような両者の見解と私は受け取っております。依然として両者の格差は大きいわけですね。果たして、事務レベル協議で決着がつくものかどうか、あるいはこれが政治決着になる可能性も非常に大きいのではないかと私は思うわけでございます。したがって、五月の連休に韓国を訪問して、日韓外相会談で決着を図るということになりますと、今月の中旬には日本側の態度の決着がないといけないんじゃないだろうか、こんなふうに思うわけでありますけれど、見通しについて触れていただきたいと思いますが、どんなものでしょうか。
○政府委員(木内昭胤君) すでに二回ばかり実務者協議を聞かしていただきまして、プロジェクトについての先方の資料あるいは考え方はかなりわかってきておりまして、その後、外交ルートを通じまして、韓国側にわが方の考え方を披瀝し、先方からもそれに対する韓国側の考え方の開陳があったわけでございます。依然として、その段階におきましても、ただいま木島委員御指摘のとおり、考え方に隔たりがあるわけでございまして、すなわちODAの占める割合につきまして、日本側は当然のことながら韓国側の考えよりも割合が少ないわけでございます。したがいまして、この調整になお手間取っておるわけでございますが、確かに仮に五月に外務大臣に御訪韓いただく場合には、時間的に非常にきつくなってきておることは事実でございます。その意味で、果たしてそれまで私どもの準備が整いまして外務大臣の御満足のいくような御出張になり得るかどうか大変問題でございます。しかしながら、他方から見まするならば、これをいつまでもこのままにしておいてはいけないという気持ちは、日本側にも韓国側にもございまして、際限なく議論をしておるわけにいかないわけで、たとえば五十六年度分だけでも話し合おうというような活路も見出し得る余地は決して絶無ではない、そのように考えるならば、五月の外相会談ということは少なくとも理論的には、そしてはなはだむずかしいと申しながらも、実際的にも可能性はあるのではないかと思われます。
○木島則夫君 実務レベルでの詰めがむずかしいものと見られる最大のものは、一つは商品借款だと思いますし、それから資金協力の面で融資条件の緩和などあるはずでございます。こういった詰めを、今後積極的にしていただくことはもちろんでございますけれど、私はここで申し上げたいことは、日韓の経済協力の底辺にある視点ですね、いわゆる立場、こういったものをもう一度再確認をしていただきたいという意味でこれから申し上げたいと思う。日韓経済協力を進める視点を忘れていただきたくないという意味であります。 それは、地理的にも最も近い国でございます。歴史的にも非常に密接な関係を持っている日韓両国でございます。特に今日までの日本と韓国との間に織りなされた特別な関係を除いて日韓の問題を扱うことはできない。特に、韓国の現政権が新たな民主国家を志向して、あらゆる努力を傾注している状況を私どもは率直に評価をして、日本として可能な限りの協力をなすべきであるという、こういう日韓両国の置かれた特別な視点に立って、この問題の解決を図ってもらいたいと思うわけでございますけれど、この点についての外務省の御見解を伺いたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 木島委員のおっしゃるとおりに、最も近接しておる両国のこの関係あるいは過去における歴史的経緯、そういうものを踏まえまして、いま全斗煥大統領のもとに営々と建国に努力をされておるそういうことを考えますときに、この韓国における経済の安定が期せられ、民生について向上が図られていくということは、隣国として好ましいことだと思います。そういうことから、今回の要請に対しましては、私なりにそういう関係を重視して臨んでまいったわけであります。特に一昨年来の経済成長率がマイナスになり、困難に直面しておるという事情からいたしますと、日本の国際的に示しておる経済協力の基本の方針あるいはそのやり方、そういうものに照らしましてでき得る限りの可能な支援を惜しまない、こういうことで、先方の要望につきましては二回にわたる実務者会議で十分意見を徴し、こちらの考え方も申し上げ、その結果が中間回答として、大まかに申し上げて、ODAについてはこの辺のことを、また採算のとれるプロジエクトにつきましては輸銀ではどうかというように、当方としてもできる限りの誠意を示してまいったわけであります。それに対してまた韓国側からの率直な要望がされておるわけでございまして、これに対する現在検討をしておるということで、木島委員のおっしゃるように、長い両国の関係からいたしまして、最終的に日本の従来の方針の中ででき得る限りのことをしよう、こういうことで努力をしております。また、きょうはこの委員会を終わりますと、前田大使が一時帰国をしておりますので、先方の意向も十分大使から聞き得るものと思っておるわけでございます。
○木島則夫君 確認をさしていただきます。対外経済協力についてはもちろん日本の自主性、そして日本の基本的な姿勢というもの、ベースというものは当然あるはずでございますけれど、そういうものはそれとして踏まえて、日本と韓国との特別な関係というものも配慮をして積極的なアプローチをなさる、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますね。
○国務大臣(櫻内義雄君) この両国の関係からいたしまして、可能な限り積極的な筋力を惜しまないそういう方針でおります。
○木島則夫君 またこの問題は、来週一般調査の時間もございますので、そのときに時間を分けて、そこでもう少しお話を詰めさしていただきたいと思います。 さて、このところ日米経済摩擦、貿易摩擦あるいは日欧の摩擦など、米欧との間にのみ問題が集中をしてしまって、一番足元というか一番身近で一番大事なASEANとの関係が、何かこうかすんでしまったと言うとおしかりを受けるかもしれませんけれど、ちょっと希薄になった感じがしないでもないわけであります。しかも六月の十七、十八日にはシンガポールでASEAN五カ国と域外六カ国の外相会談も開かれるというこの時点に立ちまして、ひとつ基本的なASEAN関係の問題について外務省の見解をお聞きしておきたいと思います。 まず、最近の日本とASEANとの経済関係の動向を簡潔に説明してくださいませんか。
○政府委員(木内昭胤君) 日本とASEANとの経済関係、経済協力の分野では私ども順調に取り運ばれていると思います。ただし、通商の面では、これは何と申しましても世界的な不況の中にASEANも日本もアメリカもヨーロッパもおるわけでございまして、その限りにおきまして、日本のASEANからの輸入需要が伸び悩んでおるわけでございます。このことは日本との関係のみならずでございまして、したがいまして、ASEAN諸国の一次産品輸出が低迷し、これがASEAN諸国の財政にもかげりとなってあらわれてきておるわけでございます。これまでASEANがきわめて順調な経済成長を遂げてきたわけでございますが、ことしは一歩伸び悩み、来年になりますとさらにこのかげりがふえるのではないかということで、単に日・ASEANという関係のみならず、世界的な枠組みにおいて心配される点でございます。
○木島則夫君 政府開発援助の面では順調に推移しているけれど通商の面で問題があると、それは世界的不況の中で一次産品の輸出に停滞が出てきていると、そしてそれがかげりとなっていて、これは単にASEANの枠の中での問題ではなしに世界的な影響も配慮しなきゃならないと、こういう御趣旨として受け取ったわけでございます。それに対する日本政府の対応ということがこれから問題になると思いますけれど、これは具体的にひとつお示しをいただきたい。どんなものでしょうか。
○政府委員(木内昭胤君) ミクロ的にはなかなかむずかしい側面がございます。先般の東京ラウンドにおきまして、エビであるとかイカであるとか、あるいはパームオイル等の熱帯産品に関しましてかなりの関税の引き下げをやったわけでございますが、たとえばパイナップルなんかにつきましては沖縄との関係もあるわけでございまして、その観点からかなり一つの壁にぶつかってきておるわけでございます。もちろんパイ缶の問題を除きまして、努力いたすべきところは一層関税障壁あるいは非関税障壁の取り払いに引き続き努力を重ねるべきでございますが、なかなか容易でないという事情があるわけでございます。 それから、貿易の問題でASEAN諸国との間で一番アキュートな関係はタイとの関係でございまして、これは構造的な意味合いからも慢性的に日本側の出超になっておるわけでございます。本年度の御了承いただきました予算におきましても、タイに貿易研修センターを設けまして、タイとの貿易が促進されるよういろいろ努力をいたしておるわけでございますが、恐らく限度があるんじゃないかということで、決して楽観はいたしておりません。しかしながら、このタイの経済開発に一つの朗報と申しますのは・最近見られます天然ガスの開発でございます。そのようなことで、天然資源等の開発が順調に進むならば、タイもマレーシア、インドネシア同様いい見通しが図られるわけでございます。残る問題はフィリピンでございまして、フィリピンとどのように対応していきますか、恐らくこの点が一番厄介な問題ではないかと思われるわけでございます。
○木島則夫君 いまアジア局長がおっしゃるように、タイに対しては確かに出超、それからフィリピンからはバナナとか砂糖とか木材が日本に入ってきておりますけれど、バナナのたとえば関税を引き下げるとかあるいは量をふやすということになると、国内でつくっているバナナと抵触をするとか、いろいろ問題があることも事実のようでございます。しかし、私いま思うんですけれど、このところ日米、日欧の方向に日本の顔が全部向かっていて、門戸も開放しましょう、関税率も引き下げましょう、事務的煩瑣もこれを解消していきましょうというお答えがどんどんどんどん出ている中で、必ずしもASEANに対するそういった配慮が行われているかどうか、この辺も不満の存するところではないかと思うんですけれど、現在なるほど政治状況あるいは経済状況は比較的安定をしている。しかし、このままの安定が続くとも思わないという先ほどの状況判断にもかかってくるわけでありまして、この辺、現在政府が進めている総合経済対策は欧米向けに何か偏っているように見受けられるけれど、ASEAN諸国にも貿易面での対日本満が有するんじゃないか。有するとすれば、政府はこれにどう対応するかという、先ほどのお話の中にも含まれたわけでありますけれど、なおかつ補足的なことがあればアジア局長から御説明いただきたい。
○政府委員(木内昭胤君) 御承知のとおり、日本とASEANの貿易総額は日本の世界貿易総額の八分の一にも達するわけでございまして、その限りにおいて改良を要すべき点は多々あるわけでございます。なるほど昨今の日米貿易摩擦あるいは日ECとの陰にひそんで御指摘のようにかすんでおるという面もあるわけでございますが、この問題につきましては、六月の中央にシンガポールでのASEAN拡大外相会議に御出席の櫻内大臣と関係国の外務大臣と重要な話し合いのテーマに相なるかと思います。個別的には、先ほど申し上げましたとおり、できることできないこと、いろいろあるわけでございますが、より根本的にはやはり世界の経済、景気の立ち直り、日本につきまして申し上げるならば、何とか内需の喚起によりまして対世界、すなわちASEANを含みます諸外国からの輸入需要がふえるということが問題の解決の大きなかぎにつながるのではないかと思います。
○木島則夫君 時間が余りございませんので、もう少し詰めたいのですけれども、事実ASEANはいま自主的にそれぞれの自国において経済社会開発に積極的に取り組んでおります。政府の対ASEAN経済協力方針、世界各国主要国の中で、日本の対ASEANに対する経済協力というものは相当大きな比重を占めていることは私も承知をいたしておりますけれど、その辺について経済協力の方針ですね、どんなものですか。うまくいっているかどうか。
○説明員(藤田公郎君) 御承知のように、わが国の政府開発援助の約七割がアジア、そのうちでもASEAN諸国が三割という趨勢をずっと維持しておりましたが、一九八〇年におきましてはこの三割を超しまして三五%ぐらいがASEANに向けられております。昨年の一月鈴木総理がASEAN諸国を御訪問になりました際にも、わが国とASEAN諸国との間の経済協力関係というのはきわめて円滑に進んでいるということで、名園からきわめて高い評価を得たというふうに承知いたしております。
○木島則夫君 確かに政府の援助というものは世界各国に比べてやっぱり相当大きな比重を日本が占めている。それは一面から言えば私は当然だろうと思いますね。そういう面がありますので、貿易などの面で不満があってもそれをあらわにできないというような実情にも置かれているわけでありますから、この辺にも細かい配慮があってしかるべきであろうというふうにも考えます。 いまあなたのお話の中に、昨年の一月総理がASEANを歴訪されたときに、経済協力面でいろいろの約束をされておりますね。ずいぶん多くの約束をされておる。その一体約束をされたことが、ちょうど一年三カ月たった現在、どのくらい履行されているか。余り細かいと時間がもうないので、重立ったものについて報告をしてもらいたいんです。
○説明員(藤田公郎君) 五ヵ国を図られました際に、経済協力面での総理のお話は、大きく分けると二つに分かれるのではないかと思います。 一つはASEAN全体を対象にしている協力問題でございまして、第一は特に鈴木総理が強調されましたASEANの人づくりというプロジェクトを主唱されまして、そのためにわが国としてはASEAN五カ国にセンターを設ける。それからわが国にもリエゾン的なセンターをこれは沖縄に設けるということでございます。そのためにわが国としては合計で一億ドル程度の無債資金協力及び技術協九を行う、こういう意図表明をなさいまして、ASEAN諸国からきわめて高い評価を得たわけでございます。このASEAN人づくりに関しましては、過去二回、同年の三月及び十月の二回、五カ国と日本が集まりまして、二回の準備会議を開きまして、ほぼ五カ国のプロジェクトが固まっております。現在、国によりましては四回ぐらいの調査ミッションが行きまして、各国との間に細部の詰めを行っている状況でございます。現在もマレーシアにたしか調査団が行って、向こう側との細部打ち合わせをやっておる状況でございます。このために五十七年度予算には四億円の予算を計上していただいております。それからその受け手と申しますか、リエゾンになります沖縄の国際センターにつきましては、現在県の方でもいろいろ努力を願っておりまして、本年の予算に三億五千万円の計上をいただいております。 それからもう一つ、ASEAN全体ということでございますが、これは実は昔からございましたASEANの工業プロジェクトというのがございまして、インドネシア、それから続いてマレーシアがそれぞれ尿素プラント、尿素の工場をつくる計画を進めてきたわけですが、インドネシアにつきましては若干資金面での不足が出たということで、追加の借款を約束されまして、それも交換公文の締結を下しております。それからマレーシアに対する尿素プロジェクトにつきましても、本年の二月交換公文の締結を下しました。これがASEAN全体ということかと思います。それからASEAN五カ国それぞれとの間で二カ国間の経済協力の約束をしておられますが、それは現在まで昨年度いっぱいですべて交換公文を下したということで、すべて約束は履行いたしております。
○木島則夫君 冒頭にも申し上げたように、日米貿易摩擦あるいは日欧の摩擦、こういった面にいま日本の顔が向いてしまっていて、一番近くて一番大事なASEANの問題、ASEAN関係ということがどうも希薄になっている感を否めない、こうであってはいけないんだという意味で、いろいろ実情をいま聞いたわけでございます。 仰せもう時間が参りましたので、問題点はまたの一般調査の機会に譲ることにいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 —————————————
○委員長(稲嶺一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、安孫子藤吉君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君が選任されました。 —————————————
○山田勇君 まず最初、郵便条約についてお尋ねをいたします。 アジア=太平洋郵便条約の締結については私たちは異存はありませんが、わが国とアジア諸国との郵便物の交換量は、わが国と全世界の交換量の約三割を占めている今日、これからも一層加盟国として郵便業務の質の向上、技術協力など積極的に取り組むべきだとは思います。具体的にはどのような御協力をなさっておられますか、先ほど来、木島委員の質疑の中でいろんな研修生の交換その他機械の購入等聞きましたが、将来の展望として、今後こういう協力もやりたいという何か夢があればひとつ協力についてお話をいただきたいと思います。
○説明員(藤田公郎君) お答えいたします。 詳細郵政省の方からもお答えがあるかと思いますが、先ほど木島委員の御質問に対してお答え申し上げたところでございますが、郵便関係についてのわが国に対する開発途上国、特にアジア・太平洋諸国からの要望というのは非常に強いものがございますので、先ほど申し上げましたように郵政幹部の研修——幹部になられる方の、先生の先生と申しますか、そういう研修面でのわが国の協力というのを非常に評価いたしております。これが第一の点かと思います。それからもう一つは先ほどもお話に出ましたバンコクにございますセンター、これの中枢的な役割りを果たす企画面での専門家の派遣という行動を通じまして、アジア・太平洋地域における実際の需要——何を必要としているかということの把握を通して、今後のわが国の郵務面における技術協力の方向づけ等々も考えていきたいと、こういうふうに考えております。
○山田勇君 次は、すずについてお尋ねをいたします。 第六次国際すず協定が締結されることにより、開発途上にあるすず生産国の経済発展に寄与することになれば、これは大変喜ばしいことと思います。市場価格は昨年の春ごろから下落し、五月、六月が最低でその後本年二月半ばころまで最高価格すれすれで推移し、それが二月の末突然下落したということですが、これらの背景を説明をしていただきたいのと、この協定があっても価格の大幅な変動は防げないのでしょうか。アメリカは余剰すずを商業ベースで放出しておりますが、これは市況に影響はありませんか。この三点についてお尋ねをいたします。
○説明員(遠藤実君) まず第一点でございますが、御指摘のような市場価格の推移を見たことは事実でございます。この二月に最高になった後に二月の末に下落をいたしまして、協定の下限価格まで下落して今日に至っているわけでございますが、ここで一部の業者が大量の売り出動に入りたいうふうな話もございます。しかしこれの背景はと必ずしもつまびらかにいたしません。しかし基本的にはやはり以上のような価格変動がございましても、なおこの消費が伸びを示していないということからいきまして、基本的には供給が過剰の状態にあるというふうに考えられております。 それから第二点でございますが、こういった価格の変動がすず協定があっても防げないのであろうかと、こういう御質問かと存じますけれども、この点につきましては確かにかなり激しい変動であったというふうにも考えますけれども、にもかかわらず国際すず理事会が決定いたしました最高価格と最低価格の間で推移してきているわけでございまして、この協定の存在あるいはその協定のもとにおきます適切な運営というものがなければ、恐らく変動幅というのははるかに大きかったのではないかと、こういうふうに考えております。 それから第三点でございますが、戦略備蓄につきましては、この協定の中では戦略備蓄、たとえば米国の戦略備蓄等を放出いたします前には、国際すず理事会と協議を行ってその上で売却をするというプロセスを経てきております。したがって、この協定に仮にアメリカが参加しないということになりますと、そこは国際すず理事会との協議なしに戦略備蓄を放出するということも可能なわけでございますけれども、ただ、アメリカの場合は昨年の十月に第六次の協定への不参加を決定いたしました際に、協定に参加しなくても産消国の共通の問題、これについては緊密に理事会とも協力をしていく、こういう態度を示しておりまして、したがって戦略備蓄の売却につきましては過度の市場混乱を引き起こさないように実施していくというふうに表明しております。
○山田勇君 次は、ちょっとコーヒーについてお尋ねをいたします。 一九八一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された一九七六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾については異存はありませんが、輸出割り当てメカニズムに関する生産国間の意見の未調整があるため、新協定作成の交渉がおくれているということのようですが、どういう点が未調整なのですか。
○説明員(遠藤実君) 輸出割り当てを基本とするという点につきましては各国とも異論がないわけでございますが、輸出割り当てを運用する場合の基本輸出割り当て量をどういうふうに算出するかという問題、それからごく少量の輸出国の場合にはちょっと扱いが特別になっておりますけれども、これをどういうふうに算入するかという問題等、輸出国の間でその考え方の相違がございまして、まだその調整が済んでいないという状況でございます。
○山田勇君 外務省のこの説明書というものの最後の部分、「国際コーヒー理事会の運営に係る我が国の分担金拠出については、予算において所要の手当てが行われている。」というふうに明記しておりますが、この予算の金額というのはどのぐらいのものですか。
○説明員(遠藤実君) 五十七年度につきましては二千九百六十万三千円、これが予算上の手当てでございます。
○山田勇君 次は、日韓経済協力問題についてちょっとお尋ねをいたします。 五十六年度から向こう六カ年で円借款十五億ドルと輸銀、市中シンジケートローン二十億ドルの混合借款三十五億ドルを平均金利六%で供給するということを近く外交ルートを通じて韓国に提示し同意を求める、そのために大臣が五月の連休中に訪韓して決着をつけるという内容が新聞に報じられておりますが、政府としてもこの枠で決着を考えておられるのですか。
○政府委員(木内昭胤君) 韓国からは御承知のように六十億ドルの御要請がありまして、これをなるべく安い金利の長期の借款で賄ってほしいと、すなわちODAでやってほしいという御希望があることは御承知のとおりでございます。しかしながら、遺憾ながらこれはとてもほかの国との均衡から見ましても、お話がきわめて唐突であったということからしても、私どもとしては容易に消化できない側面があるわけでございます。しかしながら、韓国と私どもとの関係の重要性にかんがみまして、可能な範囲で御要請におこたえすると、そういう意味では円借款の額もそうけちったものではなくしかしながら円借款だけではとても賄い切れませんので、輸銀等の資金もあわせて御用立て申し上げる、その全体のパッケージの金利が仮になるべく安いものになれば韓国側としても御納得いただけるんじゃないかという考え方があるわけでございます、しかしながら、技術的にそう簡単に金利を安くするというわけにもまいりませんので、その面でどのような道が可能か、目下技術的に調査中であるということで御理解いただきたいと思います。
○山田勇君 先ほど木島委員の質疑の中で十一ブロックのプロジェクトがある、その中で随意わが方がのめるプロジェクトがあれば調査団を派遣し等々で、またそういういろんなことを検討していくということですから当然三十五億ドル、これは定かじゃありませんよ、けれど、その金額に上積みをしていくという幅はあるのですか、今後交渉の過程で。
○政府委員(木内昭胤君) 上積みと申しまして、ちょっとよく私、理解できないのでございますが……。
○山田勇君 当初六十億ドルに対して外務省筋としては三十五億ドルぐらいというような金額が出ているというようなことが新聞に報じられているわけですが、それでは韓国側はとうてい納得いかない、当然それに対する何らかの上積みを乗せていくという気持ちが外務省の方にあるのかないのかということをお聞きしているわけです。
○政府委員(木内昭胤君) 数字は、結局いろいろなプロジェクトを検討いたしまして、手がけることのできるプロジェクト、それからそうでないプロジェクトもあるわけでございまして、手がけることが非常に至当なものであり、社会経済発展に役立つものであれば、これは取り上げていくということでございます。その総額がどのようになるかというのは個々のプロジェクトの積み上げによって決まるわけでございまして、もちろん無際限に金額がふくれ得るわけではございませんけれども、すべてプロジェクト次第ということからごらんいただければ、必ず十五でなければいけないとか二十でなければいけないということではなくて丁増減の幅はあり得るものと考えております。
○山田勇君 連休ということで国会が休会中ですから当然お休みのところ、大臣も訪韓されていろいろ最終的な決着といいますか、最終の交渉に入られると思うんです。でも、ちょっとここに至ってテンポがふわっと速まってきたということを考えてみますと、やはりこれはベルサイユ・サミットまでに外務省の方針としては解決をして、手みやげとは言いませんが、総理、外務大臣がサミットに臨むまでにこの韓国の借款の問題については解決を図りたいという熱意がテンポを速めているはうに思うんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 昨年就任以来この要望が参っておるわけでございますが、山田委員も新聞等で御承知だと思うのですが、私の五月以降の日程が非常に詰まっております。そういうことから、どうも五月の休みがやはり山場だと、こういう判断に第三者的な見地からずっと言われてきておるわけであります。またそのことは、確かにその後におきまして行って話し合いがすぐ済むものであればそれは近いところでございますからいつでもいいのでありますが、若干問題が残っておって外相レベルでも甲乙論じなけりゃならぬというようなことになりますとなかなかそう簡単ではないというようなことで、期せずしてこの連休ということが取りざたされるわけでございますが、現在の状況で申しますと、中間の回答をしてそれに対しての韓国側のさらに要請が来ておる、こういうことでございまして、きょうあたり前田大使が帰ってまいりまして、韓国の主張というものが大使からどの程度報告されますか、それによりまして外務省あるいは財政当局との間で検討いたして、幸い話が順調に進んでいきますならば、それは今度の連休あたりに外相会議を持てるのではないか、こう思いますが、何かテンポが速まっておるように見られますが、内容的にはなかなか最後の協議はそう簡単ではないと想像しております。
○山田勇君 アジア局長は大変お人柄のいい方ですし、交渉に臨んでもニュースなんか見ておりますとにこっと笑って握手なさって、なかなか貫禄がございます。委員会に来るとこわいんですがね。一生懸命がんばって、両国間に本当に納得のいく交渉であり、国民も喜んで、隣国韓国に対する借款を明朗化していく形の中でぜひ交渉を進めていただきたいと思います。 最後に、時間もございませんが留学生の問題についてちょっとお尋ねをいたします。 日本国では世界各国から七千人を超える留学生が学んでおりますが、その八割がアジア地域からということですが、どこの国からがいま最も多いですか。
○説明員(長谷川善一君) 毎年五月一日現在の統計をとっておりますが、現在日本に参っております留学生の中で最も多い地域は台湾でございます。約三千名でございます。
○山田勇君 中国、韓国、台湾からの留学生はその国のトップクラスが多く来ているようですが、東南アジアの諸国では欧米留学が伝統的に多いということで、留学から帰った人がその地域でのリーダーとして活躍をしている。したがって東南アジア諸国とわが国との関係もなかなか強まらないとも言われております。東南アジア諸国からわが国へのトップクラスの人々の留学が少ないということは、日本に留学するより欧米に留学する方が帰国後のメリットが高いということになると思いますが、この点、東南アジア諸国との友好親善を深める意味からも受け入れ体制などの改善の余地はないんでしょうか。これは四月五日の読売の「留学生は将来の懸け橋だ」という社説から引用さしてもらっておりますし、私いま留学生のいろんなことをさしていただい関係上、特にこういうふうに私も感ずる面があるのでお尋ねをいたします。
○政府委員(橋本恕君) 留学生の受け入れを十分に細心の配慮を払いましてだんだん整備していくというこの努力と、それからもう一つは、日本に留学された方々がそれぞれの本国にお帰りになった後、いわゆるアフターケアといいますか、日本政府でありますとか民間も含めまして、日本に留学してよかったなという結果が生ずるように、そういう方向で今後とも努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○山田勇君 東南アジアの方は特に学位社会で、博士号なんかを取るとその点非常に向こうでも社会的な地位が高いんですが、どうも東南アジアの学生は、語学のハンディもありましょうが、日本の学生と同じような基準で判定するものですらなかなかこの博士号というようなものは取れないということなんですが、何か文部省として特別な学位制度の導入だとか、特別な何かお考えがございますか。
○説明員(長谷川善一君) 留学生の学位の件でございますけれども、発展途上国からの学生の中には学位の取得を目的としている者が相当参っております。また学位を取得して帰らなければ本国で十分に留学が評価されないというような事情にあることは御指摘のとおりでございまして、文部省といたしましてもこれは非常に重要な課題であると考えております。 学位のうちでも修士号の取得状況につきましては、毎年留学生の中で三百を超える者が取得しておりまして特に問題がないわけでございますけれども、博士号につきまして、特に人文、社会科学などの分野では、日本人学生に対しても授与された学位の数というのはきわめて少ないという状況でございます。戦前から培われてまいりました学位の伝統がございますので、早急の改善というのはむずかしいわけでございますけれども、外国人留学生に対しましては言葉の面で不利となるというようなことがないように、英語で論文作成を認めるとか、留学生の専攻テーマなどにつきましても特に配慮をするというような必要性を感じておりまして、そのように大学当局に理解を求めております。こういうような努力をさらに重ねてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 先生御指摘の特別の学位の制度の導入という点でございますけれども、この問題は大学院の制度ときわめて密接に関連いたしております。現在、文部省の中で学識経験者による調査会を設けまして、理学左に対する学位の授与のあり方も含めまして、大学院の諸問題につきまして調査研究を進めておるところでございます。
○山田勇君 これは最後の質問にしたいと思いますが、話はちょっと別になるかもわかりませんが、日本から海外へ留学の際、大学生は、海外で学んでそしてある程度向こうの大学のカリキュラムを消化しますと単位を持って大学へ戻ってきます。そうしますと、二年で留学してもその単位を持って帰ってくれば三年へ進級するという制度になっておりますね。これもまあ近々のことにやっとそうなったのですが、私がお尋ねしたいのは高校生のことなんです。これから本当の国際人として、そういう人的な大きな交流というのはやっぱり高校生ぐらいからぜひやっていただきたい。これは次の委員会で、またおいでいただきましていろいろ問題がある点もあるのでお話ししますが、この高校生のことについてきょうちょっとだけお尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(長谷川善一君) こういうような国際化の進展の時代に当たりまして、高校生の時期に外国の学校にある期間生活をするというような体験を積むということはきわめて有意義なことでございまして、文部省といたしましても、現在主として民間団体の活動によって高校生の交流がなされておるわけでございますけれども、文部省、外務省もそういった活動を各方面から援助をし、協力をいたしておるわけでございます。 先生御指摘の、高校生が海外に留学する場合、その多くの者は休学という形で学校の許可を得て出かけるわけでございまして、この生徒が帰国いたしますともとの学年に復帰するということでございまして、留学先の学校における教科料目の履修あるいはそれに伴う単位の修得など、そういった成果を文部省の方で定めております指導要領に基づく履修あるいは単位修得というぐあいに現在のところは認めることができないわけでございます。現在の制度はそういうわけでございますけれども、後期中等教育、高校段階の教育の多様化あるいは弾力化、そういったことにかかわる問題として文部省としても意識しておりまして、現在行われております中央教育審議会の審議の対象になっておる次第でございまして、その審議の結果を待って対処してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○委員長(稲嶺一郎君) 以上で質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、千九百八十年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、第六次国際すず協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、千九百八十一年九月二十五日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百七十六年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、アジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(稲嶺一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(稲嶺一郎君) 次に、日本国政府とスペイン政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国政府とバングラデシュ人民共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国ドイツ民主共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十一年の国際小麦協定を構成する一の文書である千九百七十一年の小麦貿易規約の有効期間の第六次延長及び同協定を構成する他の文書である千九百八十年の食糧援助規約の有効期間の第一次延長に関する千九百八十一年の議定書の締結について承認を求めるの件、国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案、以上、五案件を便宜一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。櫻内外務大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま議題となりました日本国政府とスペイン政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国とスペインは、ともに古い歴史と文化遺産を有する国であり、両国間ではこれまでも種々の分野において文化交流が行われてきております。両国政府は、このような文化交流をさらに促進するため文化協定を締結することとし、交渉を行いました結果、昭和五十七年三月五日にマドリードにおいて、両国政府の代表者の間でこの協定の署名を行った次第であります。 この協定の規定内容は、戦後わが国が締結した各国との文化協定とほぼ同様であります。 この協定の締結により、両国間の文化関係に基