科学技術振興対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1982/03/24
会議録
○委員長(中野明君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十二日、藤田進君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。 また、一月二十五日、丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として田中寿美子君が選任されました。 また、昨二十三日、佐藤昭夫君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。 —————————————
○委員長(中野明君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 中川科学技術庁長官から科学技術振興のための基本施策についてその所信を聴取いたします。中川科学技術庁長官。
○国務大臣(中川一郎君) 第九十六回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。 わが国は、国土が狭く、石油を初めとする物的資源にも恵まれておりませんが、幸いにして、国民は高い知的能力を有しております。この知的能力を最大限に活用して創造的な科学技術を積極的に振興し、次の世代における発展の礎を築くとともに世界の進歩に貢献していくことが、われわれの世代の果たすべききわめて重要な責務であります。 特に、近年、科学技術の振興に関しては、広く各界の認識が深まるとともに、その積極的推進に対する機運は大きな盛り上がりを見せております。 このような状況のもとで、私は、一昨年、科学技術庁長官に就任して以来、科学技術立国政策の推進のために精力的に取り組んでまいりましたが、今般引き続き、科学技術行政を担当することとなり、決意を新たに、従来にも増して、その強力な推進を図ってまいる所存であります。 以下、昭和五十七年度における科学技術庁の主要な施策につき、所信を申し上げたいと存じます。 まず第一は、科学技術会議の総合調整機能の強化であります。 科学技術の一層の振興を図るためには、わが国科学技術政策に関する中核的存在である科学技術会議が広い視野に立って総合調整を行い、わが国の科学技術に対する指導的役割りを強力に果たしていくことが重要であります。 このため、科学技術会議の方針に沿って運用される科学技術振興調整費の強化拡充を図るなど、同会議の総合調整機能の強化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 第二は、流動研究システムによる創造科学技術の推進であります。 わが国は、現在、応用技術、生産技術の面では世界のトップクラスにありますが、世界をリードし、将来の発展への基礎となる先端的、基盤的科学技術の面では、欧米に比べてかなりおくれており、これらの分野の強化が必須であります。 このため、産、学、官のすぐれた研究者を結集して次代の技術革新を生み出すための研究を行う創造科学技術推進制度の大幅な拡充を図ることとしております。 第三は、原子力研究開発利用の推進であります。 エネルギー供給の大部分を海外からの石油に依存しているわが国が、今後、エネルギーの安定供給を確保していくためには、石油代替エネルギーの開発を図ることが不可欠であり、その中核である原子力の研究開発利用を強力に推進する必要があります。 原子力研究開発利用の推進に当たっては、安全性の確保を図ることが大前提であり、原子力安全規制行政の充実、安定研究の推進、放射線障害防止対策の強化等原子力安全対策を強力に展開するとともに防災対策の充実を図ってまいります。 また、原子力に関する知識の普及に努めるとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉向上を図り、国民の理解と協力を得つつ、原子力発電所の立地の促進を図ってまいります。 原子力発電を一層拡大していくためには、原子力発電規模に見合った自主的な核燃料サイクルを確立することが不可欠であり、ウラン濃縮の国産化、使用済み燃料の再処理対策、放射性廃棄物の処理処分対策等を推進いたします。また、核燃料の有効利用を図る観点から、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設などの新型動力炉の開発、さらに人類の未来を担うエネルギー源として期待される核融合の研究開発をより積極的に推進いたします。 なお、原子力船「むつ」につきましては、地元の皆様の御理解、御協力を得て、佐世保港における修理を終了し青森県大湊港へ回航するとともに、速やかに新定係港の整備を進めてまいります。 第四は、宇宙開発の推進であります。 人類の新たな活動領域である宇宙空間を利用することにより、国民生活の向上を図るとともに、宇宙開発の世界的進展の一翼を担うべく、人工衛星及びそれらの打ち上げ用ロケットの開発等宇宙開発の積極的な推進を図ってまいります。 このため、昭和五十七年度におきましては、通信衛星一号、技術試験衛星III型を打ち上げるほか、放送衛星一号、静止気象衛星一号、海洋観測衛星一号等幅広い分野における各種人工衛星の開発を推進いたします。また将来の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術により、打ち上げ重量を飛躍的に高めたH1ロケットの開発を進めるなど人工衛星打ち上げ用ロケットの開発の推進を図ります。 第五は、海洋開発の推進であります。 国土が狭く、資源に乏しいわが国においては、海洋の豊富な資源、エネルギー等の活用を図るため、海洋科学技術に関する研究開発を積極的に推進していく必要があります。 このため、昭和五十七年度におきましては、水深三百メートルまでの潜水作業技術の研究開発に不可欠な海中作業実験船の建造に着手するとともに、昨年完成した二千メートル級潜水調査船による深海調査活動を開始するなど総合海洋科学技術プロジェクトを積極的に推進することといたしております。 第六は、防災科学技術の研究開発の推進であります。 防災科学技術は、地震災害、雪害等のさまざまな自然災害の防止、軽減を図り、国民の生命、財産を守る上できわめて重要であり、その研究開発を積極的に展開することとしております。 特に、地震予知につきましては、地震予知推進本部を通じて関係各機関における観測、研究の総合的な推進を図るほか、当庁といたしましても関東、東海地域における観測、研究の強化等を積極的に進めてまいります。 また、雪害対策につきましても鋭意研究を進めてまいります。 第七は、各般の重要な総合研究の推進であります。 生命現象や生物機能の解明とその成果の応用により、広範多様な分野における技術革新と人類福祉への寄与が期待されるライフサイエンスにつきましては、人工臓器等の研究開発を推進するとともに、遺伝子組みかえ研究の一層の推進を図るため、最高度の物理的封じ込め機能を有する総合的な研究施設の建設を進めてまいります。 また、航空技術の研究開発につきましては、空港の敷地問題を解決するとともに、航空機騒音の軽減に役立つファンジェット短距離離着陸機の実験機の製作を昭和五十八年度の完成を目途に進めてまいります。 さらに、リモートセンシング技術の研究開発、レーザー科学技術などの基礎的な研究、極限科学技術関連材料などの材料技術研究開発、資源の総合的利用方策の調査を進めるとともに、独創的な国産技術の企業化を委託開発により推進することといたします。 第八は、科学技術振興基盤の整備であります。 科学技術に関する基本的な計画の策定、筑波研究学園都市における研究交流活動の促進、科学技術の普及啓発活動の推進を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図るため、科学技術情報の全国的流通システムの整備を促進いたします。 第九は、国際科学技術博覧会の開催準備の促進であります。 二十一世紀を創造する科学技術のビジョンを内外の人々に示し、科学技術に対する理解を深めるとともに、わが国技術水準の向上、科学技術の国際交流の促進等を図ることを目的とした国際科学技術博覧会を昭和六十年に筑波研究学園都市において開催することとしております。 このため、昭和五十七年度からは、会場及び政府館の建設に着手するとともに、諸外国の出展を促すための招請活動を積極的に進める等国家的事業としてふさわしい博覧会となるよう精力的に開催準備を進めてまいりたいと考えております。 第十は、科学技術に関する国際協力の推進であります。 わが国の国際的地位の向上に伴い、わが国が科学技術を通じて、人類の繁栄と幸福へ貢献することが期待されており、科学技術における国際交流の重要性が高まっております。このため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力など先進国との協力の推進を図るとともに、中国、東南アジア地域等の開発途上国との科学技術協力を推進してまいります。 以上、昭和五十七年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し上げましたが、これらの諸施策を実施するため、昭和五十七年度予算といたしまして、一般会計三千百九十二億円を計上いたしますとともに、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計におきまして、科学技術庁分といたしまして、六百六十八億円を計上いたしました。 エネルギー問題を初め、わが国が現在直面している諸問題を解決し、豊かで明るい人類の未来を建設するためのかぎとなるのが科学技術であります。私は、科学技術行政を担当する者として、その使命の重大さを深く認識し、科学技術の振興に誠心誠意努力してまいる所存でありますので、委員各位の御指導、御支援をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を衷心よりお願い申し上げる次第であります。
○委員長(中野明君) 以上で所信の表明を終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十五分散会