運輸委員会 第13号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/08/10
会議録
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。 小柳勇君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桑名義治君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に青木薪次君を指名いたします。 —————————————
○委員長(桑名義治君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 中曽根行管庁長官がお忙しいところを御出席願ったわけでありますから、私はひとつそこに焦点をしぼりまして質問いたしたいと思いますので、簡潔にお願いいたしたいと思います。 第二次臨時行政調査会の土光敏夫会長が、七月三十日に国鉄など三公社改革と総合管理庁構想を盛り込んだ答申を鈴木総理に提出したのでありますが、政治生命をかけると公約した鈴木前相は、臨調の示した膨大な赤字国債からの脱出と、高福祉高負担なきところの活力ある日本ということに向けての青写真を指し示したのであると思うのでありますが、三公社問題を除いてほかにはきわめて抽象的な表現が多いと思うのであります。この実現に向けてのスケジュールを、新聞紙上にはよく出ておりますけれども、臨調問題が国会での審議は恐らく私の発言が初めてじゃないかというぐらいに実は思っているのでありますが、スケジュールをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先月三十日に第三次答申をいただきまして、政府・与党におきましてこれを検討を重ねてまいりました。そして党側におきましてまず六日に決定していただき、本日、党と内閣一体になりまして方針を決めまして、本日の閣議におきまして、この第三次答申を最大限に尊重して、そして当面実施すべきものについてはこれを実施し、また基本的、中長期的問題で時間を要するものについては逐次成案を得てこれを実施するとの趣旨の閣議決定をいたし、また、政府声明を発出したところでございます。それによりまして内閣の基本方針が決定いたしまして、この基本方針に基づきましてそれが具体化についてこれから努力をいたしてまいります。 臨調答申で示されました当面の仕事の第一は、国鉄監理委員会の設置の問題でございまして、この問題につきましてはできるだけ早期に設置に向かっての検討をして、法案をつくるべく努力してまいりたいと思っております。それと同時に、国鉄関係の閣僚協の設置ということがございまして、これも九月には発足いたしたいと思っております。 それから、もう一つの問題点は、公的年金の統合の問題がございます。これにつきまして、この問題を担当する国務大臣を指定するという必要がございまして、これも九月には指定をして、そして適当な事務局をつくってこの問題の検討と取りかかりに入りたい、そう思っておるところでございます。 なお、今回の答申は非常に膨大、多岐の内容でございまして、これらをよく分析いたしまして、どういう配置とどういう順序でこれを実行していくか、いわば工程表と申しますか、設計書と申しますか、そういうものの大綱をできるだけ早くつくって、国民にもお示しし、臨調にも御報告いたしたいと思っておるところでございまして、これをいわば今度の行政改革の大綱として閣議決定いたしまして、長期の路線を確立して決定していきたい、そう考えております。
○青木薪次君 大体の概要はわかりました。 総理は土光会長に対して、答申は最大限に尊重し、実現のため最大限の努力を払う、決意を新たにして取り組みたいということを発言していらっしゃいますから、そのことがいま中曽根長官のおっしゃったことに表現されていると思うのでありますが、国鉄再建監理委員会は、総理府を中心として準備室を設けて、そうして九月いっぱいに閣僚協の設置やらあるいはまた法案の準備やらを行うというように解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大体そのとおりでございます。
○青木薪次君 そういたしますと、本日の閣議で最大限尊重する旨の閣議決定が出たわけでありますから、国鉄再建監理委員会法案を臨時国会に提案して、国鉄改革を先行させるということがいまの長官のお話だと思うのでありますが、監理委員会は分割民営化の可否を含めて検討するということになるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄を先行させるというお言葉でございましたが、必ずしも国鉄ばかりを先行させるという意味ではなくして、党と内閣で設けられました行革推進本部の幹事会におきまして、電電の問題及び専売の問題も適宜担当閣僚や関係者を呼んでこの問題の取り組みも実行していくつもりでございます。したがって、着手は三公社同時に着手したい。しかし法案の問題からいいますと、国鉄監理委員会設置法というのが一番最初に出てくる問題であろうと思っております。これにつきましては、なかなか重要な法案でございますので、内閣、党挙げまして鋭意検討してまいりたい、そう思っておるところでありまして、臨時国会がもし開かれるならば、その臨時国会に間に合わせるようにいたしたいと思っております。
○青木薪次君 新聞の報道するところによりますと、中曽根長官は、早ければ早いほど臨時国会はよろしいというように発言されておられると思うのでありますが、監理委員会は各省設置法にも近いぐらい相当権威を持ったものになってくると思うのでありますが、三公社の問題、特に国鉄の問題については、先行しないといっても一番ウエートが高くなってくる可能性というものがあると思うのであります。ですから、この監理委員会へ諮問して、そのことについて政府は従うことになるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは監理委員会設置法の内容に係る問題でございまして、どういう権限にするかあるいはどういう構成にするか等々につきましては、これから政府・与党一体となりまして検討を加えていくところでございまして、いまのところはまだ白紙であります。ただ、臨調答申におきましては、強力な委員会をつくれと、そういう御示唆がございますので、その線に沿ってつくらなければならぬと考えております。
○青木薪次君 臨調の第四部会は三条を提案いたしました。しかし、運輸省その他の政府部内のいろんな意見の相違もあって八条ということになった。八条も限りなく三条に近い。これは行政組織法上どういうように位置づけていいか、御説明していただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調の内部ではさまざまな議論がございまして、強力な機関をつくろうという意味で、決定権を有する合議制行政機関である三条を当初は指向しておったのでございます。しかし、その後いろいろ研究いたしました結果、必ずしもそれが現在の体系になじまないものであるという意見も有力に出てまいりまして、三条、八条ということは答申におきましては明示しておりません。しかし、大体の空気といたしましては、いわゆる三条機関というものの歴史的経緯等考えてみますと、マッカーサーの占領時代に三条機関というものはできました。公取もそうでありますし、あるいは電力九分割のときの公益事業委員会も松木蒸治博士を長にしてできましたし、その他のものもできましたけれども、その後、政府の方針といたしまして、憲法論なんかも出てまいりまして、できるだけこれは整理した方がよろしい、そういうことで、大体裁定機関については三条機関として存置されてあります。たとえば中労委とか公労委とかそのほかそういう裁定を主とするものであります。ただ一つ、ほかの行政機関で残っているのは国家公安委員会であると思います。これは政治的中立性を重んずる、そういう意味で、行政執行の面におきまして残っているのは大体国家公安委員会のようであると記憶しております。 そういういきさつから考えまして、この国鉄の監理委員会というものは、国鉄の再編成を行うということが主であって必ずしも裁定ということばかりではございません。しかし、情勢によっては分割が行われる場合には権利義務関係等が出てまいりまして、あるいは裁定の仕事も出てくるかしれません。これは将来の問題でございます。ずれにせよ、そういうさまざまなことを考えて、そして臨調答申に沿った強い機関をつくる必要はあると思っておりますが、大体の臨調の最終段階における傾向は、必ずしも三条機関にこだわらなくてよろしいという方向に来ていると思っておりますので、さよう心得て判断してまいりたいと思っております。
○青木薪次君 いまの長官の言葉を引用いたしますと、これは再編成という国鉄の大改革を目指した、しかも財政再建と国民に対する福祉の問題も含めて国鉄改革をするというような意味に私は浮け取っているわけでありますが、この関係については、監理委員会というものの役割りというものは、私は国鉄改革のすべてに優先する課題として、また役割ととして位置づけられることになるんじゃないかというように思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大体そのように思います。まあ汽車で言えば機関車に当たるような本ので、列車を引っ張っていく機関車の役割りを比喩的に言えば果たすのではないかと思います。
○青木薪次君 そういたしますと、監理委員会では、たとえば分割民営化ということをあの答申できめつけているというように必ずしも思っておりませんけれども、監理委員会の方で分割民営化の可否を含めて検討すべきであるというようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調答申の趣旨に沿って検討が加えらるべきものでございますから、臨調答申にそのように書いてあればそれを主題にして検討していき、尊重していくべきものであると考えます。
○青木薪次君 分割民営化が初めからありきという立場に必ずしも立っていないというように理解してよろしいですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その辺のデリケートなニュアンスは読む人によってニュアンスも違ってくると思いますが、最終的には分割民営化を実行する、その前にいわゆる十一項目でございましたか、現在国鉄が実行中の種々の厳しい自主規制方式を断行していく、そういうような関係にあると考えております。
○青木薪次君 それは監理委員会が、たとえば新聞によれば、自民党の行革の特別委員会と政府の方の関係その他を含めて中曽根長官が座長になって、そして監理委員会の答申を受けながらこの分割民営化の問題について推進をする。しかしながら、この答申を見る限りにおいては必ずしも分割民営化という問題について初めからそのように解釈をしていない。長官は、見る人によって、これは見方によって違いがあるんだというのでは、私は国民の立場からいっても、あるいはまた政府なり国会の立場からいってもこれは困るのでありますが、端的に言って歯切れのいい長官ですから、その辺をはっきりとひとつ、将来分割民営化するんだということなのか、監理委員会の結論というものがそういう方向になってくるならば政府としてはその方向に従うしかないというふうにお考えなのか、どちらですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調答申におきましては、最終的に分割民営化を目標に確立していると、そのように解釈しております。
○青木薪次君 分割民営化ということになりますならば、これはきわめて問題が実は発生すると思うのでありますが、いまの十六兆、昭和六十年には二十四兆に達するという累積債務とそれから年金等の問題については、これをすべて片づけるというように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは、監理委員会が成立いたしまして、その法的権限に基づいて監理委員会がおやりになることでございますので、いまから私が予断を持って申し上げるわけにまいりませんが、しかし臨調答申を実行する重大な責任を持っておる一つの委員会である監理委員会というものができますると、そういう方向に作業は進められていくべきものではないかと思っております。
○黒柳明君 時間がありませんものですからまとめて三、四問お伺いしたいと思います。 きょう閣議で、従来から、最大限に尊重するということで正式に閣議決定になった、こういう報告でありますが、この最大限という言葉の中身ですけれども、すでに政府閣僚の中でも総論賛成、各論反対、与党自民党の中では批判的な声はもう多々出ております。きょう政府の方針として決まったからには、閣僚で反対の声は出ないはずですし、与党の方も全面的に基本答申にのっとっての作業が始まるであろうと、こう信ずるわけでありますが、この最大限という言葉は、基本答申に含まれたものをすべて実行に移すという意味での最大限なのか、それとも法制化、いろんな作業の過程において若干のずれ、前後はあるけれども、優先順位はあるけれどもというようなことを含んでの最大限なのか、その最大限の意味というものをひとつここで明確にしてもらいたい。 ということは、いま申しましたように、これまではいろいろ各論、総論賛否、あるいは政府・与党の中での賛否、お隣にいる運輸大臣、さらに隣にいる国鉄総裁、これ真っ向から基本答申には反対をしている。こういうことになりますと、非常に私たちも、総理、行管庁長官が立場としまして最大限尊重と、こういう前提。しかもきょうの閣議の統一政府声明、ここらあたりがこれからどう守られていくのか若干の心配がありますので、その最大限というのはすべて基本答申を政府、鈴木内閣として実行する、こういうふうに私は思うんですが、ひとつその意味、内容をお伺いしたい。それが一つ。 それから二つ目は、本年の予算委員会をスタートにしまして総理大臣も、中央省庁の統廃合、当然それは避けて通らない、そこまでメスを入れる、こんな発言もありましたが、基本答申には、国土庁を中心にしたあるいは人事院を中心にしてのわずかの答申しか出ておりません。また地方事務官の統廃合とか、補助金のことについても触れておりません。総理に次いで、あるいは総理と同等にこの行政改革に生命をかけていらっしゃると思う長官としまして、この基本答申に盛られなくてはならないものが相当抜けている。これについて御不満があるとかなんとかということじゃないんですけれども、将来的に見ましてさらに充実したものをつくらなければならないと、こう思っているんでしょうか。あるいはいまの時点においてこの基本答申がベストである、そういう総理の発言、中央省庁、補助金行政のメスを入れる、こういうことまでは当然基本答申に盛られるにこしたことはないけれども、現時点においてはいまのところでまあまあである、こういうふうなお考えなんでしょうか。あるいはそういうものまでも当然盛られた方がいいんだ、よかった、こうお思いなんでしょうか。それが二点目。 第三点目は、いまの青木先生からも御指摘ありました国鉄再建の監理委員会の問題でありますが、マスコミによりますと、反主流派を中心にして早期臨時国会を開け、こんな声が上がっていると、こういうことであります。日程的に見ましても、九月の下旬は総理の訪中がほぼ決まっている。まあ、いま教科書問題がありますけれども、まず崩れない。そうなりますと、八月の二十一日で通常国会の幕がおりますと、最大限一カ月あるいは一カ月余の期間しか臨時国会を開会する時間はない。しかも開会しても四、五十日となりますと、総理がその間に訪中すること必ずしもだめだということはありませんけれども、臨時国会、行政改革のしかも国鉄の一番メーンであるその監理委員会の設置の法案が出るときに、肝心な人がいなくなることについては若干の疑義も感じられますが、いずれにせよ早期臨時国会という声が上がっております。そうすると、その監理委員会の設置法につきましての作業を早急に進めなければならない。少なくともそれについてはもう相当のめどが立ちませんと、早期臨時国会との兼ね合わせがあるんではなかろうかと、こう思うんですが、この点はどのように考えておりますか。 最後にもう一問。これは私の憶測かもわかりませんが、四部会におきましての第三条機関についての問題が答申では触れられず、あるいは八条も三条に限りなく近い、長官は八条に基づいたものと。その間に臨調と政府あるいは与党自民党との間の話し合いの中で非常にやっぱり後退してきたのではなかろうか、こんなことがささやかれておりますが、そんな政治的な圧力はなかったと私は信じざるを得ません。長官がまさかそんなことがあった、こういうふうには言うわけありませんし、先ほどは臨調の方みずからそういうものが合わないんだと、こういう御発言があって、私は了といたしますが、万が一でも臨調の四部会の報告、当初の報告が何らかの政治的な圧力で後退したということはないのではなかろうかと思うんですが、その点ひとつ明確な御発言を願いたい。 以上四つお願いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、最大限尊重という意味でございますが、わかりやすく一般論的に申し上げますと、重要な部分については大部分実行する、そういうニュアンスの言葉ではないかと考えております。応用問題とかあるいは臨調答申の中におきましてよく協議して決定する余白が残されているようなものもなきにしもあらずでございまして、そういう部分についてはそのとおりに従ってやる、応用問題として片づけていく、そういうような性格を持っているだろうと思います。 それから次に、機構その他の問題に余り触れてないではないかというお話でございますが、私は、第三次答申はこの時間的制約の中では非常にりっぱなものをつくっていただいたと、そのように考えて評価しておる次第でございます。 いろいろ行政機構あるいは支分部局あるいは許認可等々の問題につきましては、何しろ二月十日に許認可の答申が出まして、それを国会にお世話になった次第でございますが、それから七月までの間でございますから、かなり忙しい時間であったと思います。その中で非常な精力的な努力をしていただいて、臨調の本調査会におきましても最後の一カ月は二十七回会議をやっております。それぐらい暑いときに御精励を願ってやったその時間的制約もございました中で、かなり充実したりっぱなものをつくっていただいた。残りの機構問題あるいは中央、地方との関係問題、あるいは支分部局の問題等々につきましては、追って答申が出される予定でございます。臨調は来年三月が終期でございますが、三月に至る間にあるいは随時答申という形で出されるか、あるいは三月にまとめて出されるか、これは臨調がお決めになることでございますが、いずれそういう問題も提出されるものと期待しております。また、臨調の御意向もそのように承っております。 それから、臨時国会の問題でございますが、いま国会開会中でございまして、臨時国会のことを申し上げることは言葉を慎まなければならぬ環境にあると思っております。しかし、新しい第三次答申というものが出てまいりまして、政府としても大きな公約をしておるわけでございますから、これが実現に向かってのいろいろな諸方策は当然考え、また国民の皆様方にもお示しする必要があると思っております。それで、あれだけ短い時間に急いで精力的に審議していただいたものでもございますから、こちらの方もできるだけ早期にこれを実行する責任があると思っております。また、やる方策といたしましても、鉄は熱いうちに打てという言葉もありますとおり、そういうむずかしい問題はなるたけ熱気のあるうちに片づける必要があると思いまして、できるだけそのように取り運びたいと思っております。臨時国会という問題は大きな政治問題でございまして、党、内閣一体になって考え、また野党の御意向も承らなければならぬ問題でございますので、いつ開くとかどうするかということば軽々に一閣僚としては申し上げるべきものではございません。しかし、一般論といたしましては、この行革を実行していくために臨時国会はもし開かれ得るならばなるたけ早い方がいいし、またそれに間に合わして国鉄監理委員会設置法等も提出しなければならないと私個人は考えております。 それから、いわゆる監理委員会の三条、八条の問題でございますが、これには外部の圧力というようなものは絶対ございません。 当初、部会におきましては三条委員会という空気が非常に強く、そういう報告になっておりました。しかし、本調査会においてその後鋭意しさいに検討を加えました結果がただいまの答申のような次第になったのでございまして、恐らく一つは先ほど申し上げました行政機関、審議会の取り扱いに関する考え方、それからもう一つは、この国鉄監理委員会というものは非常に大事なしかも微妙な仕事をするものでございまして、仮に行政機関として公取のような行政機関になりますと、これは運輸省とか通産省とか公取とかの横並びの一つの合議制の機関になります。そうなりますと、あることをするという場合には各官庁との合い議が必要であって、それを通り抜けるだけでもこれは大変な問題になるだろう。 また、三条機関には法案の提出権がないのでございます。そういう面からいたしまして、余りそういうものにしても実効性がないではないか。それよりも審議機関、八条機関的なものにして、原子力委員会のようなかなり強いものもその八条機関の中にはあるわけでございますから、これが国会あるいは政党、内閣、あるいは臨調、あるいは運輸省、国鉄等の間を、この微妙な関係を、合意を形成するために人的な力あるいは国民世論の力をおかりして、そうして削岩機が岩を掘っていくように進まなければできないようなものもあると思います。そういう意味において非常に弾力性があり、そうしてかなり融通性もある、そういうような考え方も入れた考え方でないと進まない。普通の行政官庁並みにしてしまうと、実は日本の行政官庁の悪い例で取り囲まれて、派閥意識とか縦割り行政とかいうことでなかなか事務が事務的に進まないという面もございます。 そういう諸般の面から見て、総理府に、総理に一番近いところに置いて、そうして弾力性と機動性を持って、それを人的力も込めて調整し得るものがさらに強力なものになり得るであろうという判断におさまったのではないか、そう想像しておる次第でございます。
○青木薪次君 長官、結構です。どうもありがとうございました。 いま中曽根長官から臨調に対する一応のスケジュールと考え方を聞いたわけでありますが、率直に言って時間がありません。このスケジュールについて、国会を優先すべきであるという立場に立って、粘って粘ってやっと引っ張り出した、こういうことでありますから、なかなかエキスのところまで詰めることができませんでしたけれども、この問題については、同じ閣僚であり、中曽根長官にまさるとも劣らない大物大臣が運輸大臣ですから、そういう意味でひとつ歯切れのいい答弁をしていただきたいというように私はお願いいたしたいと思うのであります。 国鉄改革を三公社と同じ次元で考えているけれども、しかしながら監理委員会というものが先行するということは、やはり国鉄改革を先行させるというように理解してよろしいかどうか、運輸大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 監理委員会の設置ということが、いわゆる党並びに臨調及び政府の間で先般七月末の答申以来議論されておりました。そうした形の中から監理委員会を早期に設置する、そのための準備を政府の中にも持つというようなことに相なったと思っております。
○青木薪次君 総理府の関係で参事官、内閣審議官見えていますね。全然まだ総理府としては聞いていないということでありますけれども、もうすでに、七月三十日に答申が出る前に、いまの中曽根長官の言われたように、早急に準備室をつくって、そうして法案提出の準備をするということでありますけれども、事務的にも全然聞いていませんか。
○説明員(黒野匡彦君) 準備室の設置につきましては、現在、関係省庁間におきましてきわめて精力的と申しましょうか、詰めが行われておることは事実でございますが、現時点におきまして私どもの方からこのようなものになるとかいうことにつきましてちょっとまだ申し上げるだけの段階に至っていないというのが率直なところでございます。
○青木薪次君 準備室をつくるということについては大体考えているんですか。
○説明員(黒野匡彦君) その辺につきまして、事務的にはそのような検討もしておりますが、正式に準備室をどのような形に置くかというか、あるいは準備室を置くこと自体につきましても、若干形式論に過ぎますが、まだオーソライズしたものがございませんで、われわれといたしまして、そう決まったときに備えていろいろ検討をしているという段階でございます。
○青木薪次君 答弁にならないですね、そんなのでは。 では、時間がありませんから先に進むといたしまして、国鉄再建監理委員会の設置に対する法家が準備されている、これは臨時国会に提案する、これも早期にやりたいと、私の質問にも黒柳先生の質問にも出てきたわけでありますが、端的に言って、国鉄改革というものについては分割民営というように答申は書いていると思うのでありますが、非常に抽象的です、その辺は。しかし、長官は分割民営をやるというようにいま明言されました。しかし、そのことについて大臣はどう考えでいますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 臨調の答申には「五年以内に」という時間的な制約までつけて民営分割ということが出ておりました。総括的に政府としてはこの答申を尊重するというわけでございまして、なお、この五年以内になるべく早くという気持ちもあるのだろうと思いますが、これが十分に成果の上がるようにするためにも、われわれとしては十分個々の問題について考え、そしてまた監理委員会が設置されましたら、この監理委員会においても十分その点を議論しながら目的の達成するような方向を選んでまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 分割民営という前提は、すべての累積債務と年金等の問題が解決されるということが大前提じゃないのかと私が聞いたら、監理委員会でそういう方向を決めれば政府としても実行します、こういう答弁でありました。しかし、前提として監理委員会で答申があろうがなかろうが分割民営化という方向をたどるとすれば、この問題が審議されなければ全然はしにも棒にもかからぬ、論議にもならないというように解釈いたしておりますが、大臣も同感でしょうね、この点は。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私も青木委員のお考えが一つの今後の国鉄問題に対処するきわめて基本的な問題であるという認識を持っております。
○青木薪次君 全国七ブロックというのは、島は北海道、四国、九州ということになりますが、本州は一体七ブロックというとあとの四ブロックはどういうところになりますか。
○政府委員(永光洋一君) 臨調の答申では、国鉄を七ブロック程度に分割するということで、その基準が一応書いてございますが、この分割案につきましても、監理委員会がそれらの条件を勘案して決定するということが書いてございまして、現時点においてわれわれがなお言及するところの段階ではないと思います。
○青木薪次君 分割民営というものは現実的でないということと、それから特殊会社として分割するとしても、現実的には株主は国以外には考えられないですね。そうなれば現在の公共企業体と大差はないんです。この経営機関が非常にもろくて採算の悪い地域、線区が多いところでは経営維持がきわめて困難ですから、そんなところで分割民営ができるわけはないし、管理運営の面から言ってもなかなかこの問題がむずかしいというように考えておりますが、国鉄総裁、どういうようにお考えですか。
○説明員(高木文雄君) 私どもは、現時点では必ずしも臨調の御答申にあります民営化なり分割なりというものが唯一の道ではないのではないかというふうに考えております。それは現在大変経営がうまくいってないということは事実でございますけれども、これを正す方法として、分割あるいは民営化ということだけが解決の道であるというお考えが答申には満ち満ちておるわけでございますが、その点については、幾つかその前提として論議されるべき問題があるというふうに考えておるわけでございまして、いま、どういうふうに分けるかとかいう問題にお触れになりましたけれども、その前に、そうした議論をする幾つかの問題がある、非常に重要な問題があるというふうに考えておるわけでございますので、どう分けるかといったようなことは、 〔委員長退席、理事黒柳明君着席〕 鉄道監督局長の御答弁のとおり、いまわれわれとしてまだ考える段階までは来てないということでございます。
○青木薪次君 それはそうだと思います。北海道、四国、九州を分離しただけでも、もう収拾のつかない大混乱に陥っておって、メリットどころかデメリットがすべてになってしまうというように私は考えます。したがって、分割問題なんというのは単なるスローガンとしてはわかるし、一般的にどうこうするということはわかるんだけれども、もしも臨調を最大限尊重するというのならば、そうなってくれば、いま経費が五兆円程度ですね、具体的な数字持っておりませんが。それから収入が三兆余、そのほかに政府からの補助があるというようなことで、差し引き一兆円の余の赤字が出る。こういう勘定だと思うのでありますが、この点について、総裁、現実的にこの問題を先に片づけなければ、分割とか民営なんと言っても、これは全く星をつかむような話になってくると思うのでありますが、この点いかがですか。
○説明員(高木文雄君) 幾つか前提として論議さるべき問題があると思いますが、一つはやはり鉄道をどの程度存続するかどうか。バス輸送とか飛行機とか、そうした公共交通機関の中で鉄道をどの程度今後とも残して使っていかなければならぬかどうかという論議が、実は臨調では必ずしも、大変失礼でございますけれども十分なされていなかったんではないかと思います。分けるとか何かということになります場合にも、まず鉄道をどう残すのか、残さないのかという議論がなくてはいけないんではないかと思います。 その次に、現在は全国の運賃を一本にいたしまして、ある部分では黒字が出る。しかし相当部分赤字が、北海道、九州等、本州でもそうでございますけれども出る。それがプール計算になっておるわけでございますが、これは母堂とか何かいうことと関係なく、分割ということから言いますと、今度はそのプール計算が分解をすることになるわけでございますが、分解をしたものは、分け方によりますけれども黒字の企業体と赤字の企業体に分かれていくことになると思いますが、それをある程度やっぱり相互援助みたいな形が必要でございましょうし、ある程度は助成といったようなことが必要でございましょうが、どういうふうにして赤字の部分と黒字の部分を企業体が異なる場合に調整するかという問題があろうかと思いますし、それとの関連で企業体ごとの運賃水準がいかにあるべきかといったような問題がありますので、そこらを御議論になりませんとそれから先に進まない。もちろんその前に年金の問題とか長期負債の問題もございますけれども、それと、そういうものの解決と同時に毎年毎年の収支について、企業体ごとにどんなふうになり、それをどんなふうに調整するかということについての考え方、思想といったようなものをよく議論していただく必要があろうかというふうに思っております。
○青木薪次君 分割を前提としているということを言っているんだけれども、南北に細長いわが国において、都市間輸送というものがその大半を占める今日、分割によって、いま総裁の言ったように運賃の黒字のところはまあ少ないんだけれども、新幹線は黒字ですよね、国電区間も黒字。そういうものも、北海道の美幸線のような、百円もうけるために三千円支出するようなところ、こういうものをプールにしてやられているということができなくなるということや、列車ダイヤが、東北会社から名古屋まで来る場合に、全部初め切符を買っておいて、それをどういうように分けるのか、幾日ごとにそれの業務をやるのか、そのセクターはどこにやるのかということになるし、それから列車ダイヤが、青森発の東京行きという列車は幾日たっても出てこない。それは統合する汽車がないからです。列車ダイヤの調整が全くありません。それから、車両は一人で走っていきます。それをどういうように検査、修繕をするのか、どういうように回送するのかといった点についても全くできないというようなこと。 大体において鉄道の基幹のネットワークについても、これは全くヨーロッパやその他においても、私はアメリカにも行くし西欧にも行って調べてまいりましたが、全く民営とか分割とかということにはなじみません。ヨーロッパでもあのように基幹的な急行列車が走っておりますけれども、これも各国でしっかりとお互いに打ち合わせしながらやっているということでありますので、そういう点から考えて、いま総裁がいみじくも言った、鉄道をどういうように、国鉄でどの線区を持つのかという点が臨調ではっきりしてない、全くはっきりしていないんです。 そうすると、もうからないところはやらないということになれば、北海道の七割、小笠原先生も見えるけれども、北海道の七割もうつぶれますよ。それから北九州のほとんどがつぶれてしまう。ということになれば、これは国鉄から公共性を全くなくしてしまうという以外にならないというように考えております。これは私どもは国鉄解体論に通ずるということを言っているのでありますが、確かに新幹線だけ走ります、それから幹線だけは運営します、幹線のうちの一部だけは国鉄がやって、あとは全部民間になどというわけにはまいらぬでしょう。このことについてどうするかということについて、運輸省は考えておりますか。
○政府委員(永光洋一君) 臨調の考え方、これは臨調の答申を読み、そこから読みとるといたしますと、現在の国鉄の経営状況なりいままでのやってきたところから見て、やはり経営者に経営責任を自覚させるあるいは個々の職員にも経営の現状を十分認識しあるいは外的ないろいろな介入を避けるという観点から、いわゆる現在の仕組みを変えた方がいいという考え方に立っておられるわけでありまして、したがって、そこに分割民営という考え方がとるべき措置として提唱されておるわけだと思いますが、いま先生おっしゃいましたように、それは分割というときに、いろいろ技術的なあるいは経営的な問題があるであろうということはわれわれも予測されるわけであります。したがいまして、臨調において、その点についてどういう御議論があったか、われわれとしても細かいことはわかりませんが、恐らくそういう議論がなされながら、なおかつ臨調においては分割民営ということが今後の国鉄の再建へのとるべき道だというふうに考えられたのではないかと思います。 今後、監理委員会が設置されますと、その中でいろいろそういう問題も含めながら分割民営化について議論がなされるとわれわれは期待をするわけでありまして、われわれといたしましても、従来から鉄道特性がある分野においての公共輸送というものは維持していきたいと、こういうふうに考えておりますので、そういう点を踏まえながらの議論を期待するわけであります。
○青木薪次君 いま鉄監局長の、公共輸送は確保していきたい、これはよくわかりました。それからいまの経営の厳しい現状をみんなで認識する、これもよくわかります。それから効率的運営を図っていきたい、これもよくわかります。 それならば、民間企業並みの効率運営にすると言うけれども、構造的にいまの一兆何千億、昭和五十七年には——東北新幹線、私も乗りましたけれども、非常にりっぱです。物すごいいま収入を上げております。皆さんからも非常に喜ばれておりますが、こういうところだけを運営するということならばわかるけれども、実質的に東北新幹線、上越新幹線、これらを含めただけでも五十七年度は約四千億円ぐらいの資本質的要素が今度は国鉄の赤字に加わるわけでしょう、一年ごとの経常費が赤字の中に。この問題を片づける。いま総裁も、長期債務と年金と言ったけれども、その前にこの問題は、幾ら効率的運営をやってみても、これはいままでの何年間かかって何回やってもできなかったこの国鉄再建という問題についての基本的な問題の解決ということがなければ、私は幾ら効率的運営といっても、一人でもって列車は全部を動かすわけにいかぬのですから、 〔理事黒柳明君退席、委員長着席〕 そういう点については、前提としていまの経常的な体質というもの、政府の関与によってやる以外にないのじゃないかというように考えておりますが、いかがですか。
○政府委員(永光洋一君) いまのお話は、まず先ほどの話で出ましたように、構造的な問題としての長期債務なりあるいは国鉄の年金問題という問題もさることながら、さらにいわゆる大きなプロジェクトで現在の東北新幹線等々、相当懐妊期間が長くて、長期にわたってある程度の赤字が生ずるものについて、そういうものを始末しなければ国鉄自体の効率性なり採算性ということについて問題があるのではないかと、こういうお話であります。 臨調でも、長期債務なり年金の問題というのは、再建にとって非常に大きな前提課題であるということで、諸問題として取り上げておりますので、私もそういう考え方でおります。 さらに東北新幹線等につきましては、これはやはり長期的には採算が一応とれるということで現在の経営の中でやっておるわけでありますが、一応現在の収支状況等の中では、東北新幹線等については別途計上するということで、国鉄自体が経営努力すべき分野を経理上ある程度明確にして、その中でたとえば経営改善計画等においても採算性を上げ、あるいは効率性を上げるという考え方でやっておりますので、現在、東北新幹線あるいは今後開業します上越新幹線等は一緒に含めながら要するに国鉄経営として考えていく。ただしその中で、国鉄自体が当面努力すべき範囲というのはいわゆる幹線部門というところで、われわれとしてはその点に精力を集中して合理化を進めていくべきものだと、こういうふうに考えております。
○青木薪次君 幹線関係を中心として合理化を進めていくと。しかし、部分的な改善はあるでしょう。全体としてこの体質は不可能に近いというように考えており、これは公共性なるがためであると思うのでありますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私、先般の予算委員会でもたしか委員にお答え申し上げたように記憶しておりますが、この国鉄問題を論ずる場合に、やはりわれわれは一つには公共性ということを忘れてはならない。しかし、余り公共性のみが主張され過ぎて、いうところの能率化とか合理化とか、そうした問題がその陰に隠れてしまっておる。そこがいま臨調で一番追及され、また世論もその点を追及しているのではないかと思うのでございまして、要するに公共性を全然没却しては国鉄はあり得ないわけでございますが、さればといって、公共性をいつまでも従来のような非常に濃度の高いものとしてのみ国鉄を理解するということも、やはり現状においてはそぐわない。そこにこれからの国鉄問題を処理するに当たっての大変大事な配慮がなされなければならないというふうに思っておるところでございまして、ただいま委員がいろいろとお挙げになりました問題あるいはまた国鉄総裁がここで御答弁を申し上げたような諸点は、いずれにいたしましてもこの監理委員会において十分議論されなければならない諸点であるというふうに考えておるわけでございます。
○青木薪次君 私は、監理委員会というものが主常に安易に取り扱われてい過ぎる、いまの私の質問したこの経常赤字の問題と、それから分割民営と言うけれども、その前に年金やあるいはまた累積債務、もうその時分には二十四兆円になっていますね、それと、特定退職金の問題や何かいろいろありまして、その二段階をどういうようにハードルを乗り越えるかという点についての答えが全然ないし、非常にその点については逃げていると私は思うのであります。 きのう私の友人、これは組合関係でありますけれども、上野並びに仙台から喜びの電話があったんです。非常に心配したけれども、東北新幹線の予定収入をどんどん上回っておりますよ、一同張り切っています、こういう電話が組合の職場の代表からあった。私は、親方日の丸で何にも考えず、ただたかっていりゃいいというようなふうにいろいろ宣伝されておりますけれども、私の友人から電話がわざわざかかる、ときどきかかる、このことだけでも意欲を燃やしているというように考えているわけであります。四十万人もあればいろいろあるでしょう、あるでしょうけれども、それがすべてだというように思ったら士気は低下しますから、その点はひとつ激励と愛情をもって処すべきであると思いますが、そのこと、この意気込みだけで解決できない問題について、大臣としては、国鉄だけじゃありません、総合交通体系の問題もありましょう、いろいろあると思うのでありますが、この点について、私は改めて大臣の決意を聞きたい、こう思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま委員がおっしゃいました東北新幹線の業績がというか、それが大変順調であって、また働いている方々が大変それに喜びを感じているということを伺って私もうれしいのでございます。私はやはり仕事というものはそういうものでなくちゃならぬというふうに思いますし、またそういう面が、いままではいろいろなことで十分に、行政の面でも運営の中でもそれを取り出して喜びをともに分かつような雰囲気が欠けておったのではないか。私は、臨調が非常に厳しい姿勢で国鉄問題を論じている根本はやはりそこにあるように思えて仕方がないのでございますが、いま私のお答えが十分になし得ないのは、いずれにいたしましても監理委員会というものをつくる、その性格をどうするんだ、そしてまたそれを国会の御承認をいただくというようないろいろな手順をしなければならないのでございますが、それと同時に、やはり政府としての国鉄に対応する基本的な姿勢を、関係閣僚会議を設置いたしまして、そこで十分討議をする。私はそうした中において国鉄を担当する者といたしましては、ただいままでの御議論を十分踏まえて間違いないようにいたしたいというふうに思っております。
○青木薪次君 いま私が、効率的運営と、それから、国鉄当局に十一項目というきわめて厳しい内容を提示いたしておりますが、将来五年後に分割民営と言うならば、そこにまたこの累積債務と年金といったような大きなハードルが待っている。これらの点を議論しないで、やたら大合唱して、分割民営だ分割民営だということを言ってきた臨調の考え方というものについては、あの答申に対して、これらの点についてはどういうように考えて対処してきたか聞きたいと思います。
○政府委員(佐々木晴夫君) いまの御質問並びに従来の御質問等につきまして一括してお答えを申し上げたいと思います。 いま先生言われました長期債務それから年金の問題、この問題につきましては、特に年金につきましては、もう昭和六十年にはパンクをするわけであります。五年の移行期間を臨調としては言っておりますけれども、それを待つことができないというのが現実の問題であろうかと思います。この年金問題は早々に解決をしなければならぬというのが臨調の考え方であります。そのための対策につきましては、類似制度との統合を図るということでありますけれども、この年金の問題、まあそうしたことで今後の対応を逐次進めていかなければならぬというのがこれが基本的なその物の見方であります。 また、長期債務のお話が一応ございましたけれども、この長期債務の問題、すでに五十六年で十六兆数千億、それから六十年に現在の経営改善計画でもってしても二十四兆円、これはだれも結果としては負担をしてくれないわけであります。したがいましてこの負担を何らかの形でもって解決をしなければならぬ、これは結果としては国鉄自体の御努力とそれからもう一つは一般会計その他国民の負担に帰さざるを得ないわけであります。これにつきまして国鉄のあるいは今後分割されるところの経営体が一体どの程度これを負担ができるのか、それからまた残余をどのようなやり方でもって国庫が負担をしてまいるのか、そのあたりについて、この段階で抜本的に考えなければ、国鉄の再建といいますか、これはもういかんともしがたいというのが臨調の考え方であります。 あわせて、では分割民営ということですべてが一応決着がつくのかというふうな御質問が先ほど来いろいろとございました。これにつきましてもあわせまして若干お答えいたしておきたいと思いますけれども、臨調としましては、部会段階で、北海道、九州、四国を分割し、独立させ、それから本州を数ブロックに分割をするという考え方を一応示しております。先ほど来先生が言われますように、たとえば北海道、九州、これは確かに現在でも、たとえば五十五年でもって北海道は二千百九十八億程度赤字を一応出しておる、九州が千九百八十九億程度の赤字を出しておる。しかしながらさらに申し上げますと、本州自体が八千二百一億円の赤字を出しております。つまりこれは問題は北海道それから九州、四国の問題だけではないのであります。それぞれのところにおいて相当大幅な赤字を発生をいたしております。これを何らかの形でもって解決をしていかなければならぬ。その場合に、一体なぜこういうことになったのかというのを臨調においていろいろと討議をいたしたわけであります。 その原因としては、もちろん先生方よく言われますように、輸送需給のアンバランスが恒常的に続いてきておる。たとえば運賃を上げた場合に、これはそれぞれの結果としては客離れを一応起こしておる、収益がしたがって予定どおりに上がらない。一方、労働生産性がこれがさっぱり上がらない。これはどういうことかと申しますと、たとえば私鉄の場合とそれから国鉄の場合と比較した場合に、私鉄は、中小も全部一応トータルをいたしまして、生産性が、たとえば四十五年と五十五年とこれを比較した場合に、一四〇%の生産性の増を来しておる。それに対して同じ期間に国鉄にあっては一〇四%であります。一けた違うというふうな生産性の伸びのぐあいであります。 さらに、この原因を一応究明してみました場合に、いまの輸送需給の問題と、それからいわば労使問題、生産性の問題、このあたりはなぜそうしたようなことになってきたのかということになりますと、これは結局のところ、たとえば当事者能力がそれぞれ不足しておる。その当事者能力という意味は、いまの利益とそれから報酬との関係、あるいは設備投資能力、その他経営の基本的な制約が種々国鉄に対しては加わっておるということであります。 したがいまして、今後国鉄のあるべき姿を考えます場合にあっては、いまのようにどこもここも赤字だというふうな形を改めまして、それぞれが適正な規模でもって相互に当事者能力を持って経営責任を全うし、生産性を向上させて、しかもその輸送需給に弾力的に対応していく、こうしたような形を考えてまいらなければならぬというのがいわば臨調の分割、それから民営とありますけれども、分割民営化。当初の段階では当然特殊会社でありましょう。そうしたような考え方であります。この分割体に対しては十分な当事者能力を与える。設備の能力も与えれば、それから料金の決定の能力も基本的には与える。それからいまの職員の給与についての能力も基本的には与えるということでもって、相互に生産性を競うということによって、それぞれの地域にあって最大限の合理化を来してもらいたい、このようなのがいまの臨調のこの分割民営化の考え方であります。 緊急措置十一項目というのも提示をいたしておりますけれども、基本的には今後の輸送需給にそれぞれの地域でもって地域ごとに対処し、それから十分な生産性を上げていくということにつきましては、臨調では考え方としまして、いま申しましたように十分な当事者能力を持ったある程度の規模を持つ経営体がお互いに競い合って生産性を上げていくということによって、結果としていまの国民的資産であるところの公共輸送も一応確保されていくんだ、こうしたような物の考え方をいたしたわけであります。
○青木薪次君 いまの話は一応精神論として国民に訴えていると私は思うのであります。いままで、七千億の国の補助がなければ二兆円になんなんとするような赤字が一年間に出るというこの体質というものは、たとえばあなた、労働生産性の問題、輸送需給の問題、いろいろ言われました。北海道を例にとって、いま二千二百億ばかりの赤字がある。三万五千人の職員があって、その三万五千の職員を半分にしてしまって、しかも、運賃を二倍にしてもまだ四百億ぐらいの赤字が残る。これはもう人を半分にしてしまうなんということになったら、これ以上の生産性が上がるなんということは、恐らくいまの日本にはないと思う。 これは仮定の問題にも等しいような話でありますけれども、そういうことでもわかるように、これは九州も四国もそうです。また、本州内の関係でもそうでありますが、これらの関係について、その体質をなくしてしまうという、いまの赤字体質が全然なくなってしまうということについては、これはどういう方法があると考えておりますか。ただ厳しくやって、職員を減らして、月給を減らして、それだけで片づくと思いますか。その点いかがですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) いま先生言われますように、精神論だけでこの問題が片づくとは全然思っておりません。今後それぞれの生産性を拡大をしていくということは、これはこの緊急の措置の中でも一応述べております。それから、さらに分割後のあり方についても述べておりますように、まずは人件費の減を極力いたさなければならぬという意味で、欠員の凍結とか、その他種々の合理化策を講じていただかなければならぬというふうにまずは一応考えます。 そのほかに、たとえば今後のあり方としまして、分割体にあっては答申の中でもいわば私鉄並みのそれぞれの経営の能力を一応認める。したがいまして、たとえば関連部門であるとか、あるいは関連の事業であるとか、こうしたものを積極的に活用していくという余地は十分認めるべきである。 これはたとえば私鉄だけでも、私鉄は鉄道だけで成り立っているわけではありません。やはり関連事業、そうしたものによって、そのトータルとしての合理性を一応確保している。いわばトータルとして、たとえば関連部門あるいは関連地域における事業活動というのを積極的に行っている。現在の職員のうちでもそちらの方に移行する者もあるでしょう。そうしたようなことによってトータルとしての収支採算を確保していくということを窮極的な目的とするわけでありますが、その前段階にあって、公的な役割りを担いながら、どうしてもそれは撤去できない、あるいはどうしても赤字が出るというふうなものにつきましては、この監理委員会の経営採算その他の合理化計画、そうしたようなものによりまして、当分の間、政府がこれを助成すべきである、こうしたような物の考え方をいたしておるわけであります。関連部門その他全体の事業を含めて、収支採算が成り立つような時期を期待し、それまでの間、ある程度の公的な助成というのはこれは当然あるべきである、このような考え方をとっているわけであります。
○青木薪次君 国鉄の再建監理委員会法がたとえばできた場合に、この監理委員会の構成する事務局というものは総理府において、これはたとえば関係する省庁、特に運輸省、大蔵省、それから国鉄、労働省といったようなものはこの事務局に参加するというように考えられるけれども、この点いかがですか。
○説明員(黒野匡彦君) 監理委員会の事務局を政府部内に置くということは一応それにあるわけでございますが、総理府に置くか否かということにつきましては、現在のところまだ流動的でございます。
○青木薪次君 いや、臨調に書いてあるから言っているんだ。あなた、何のために出席しているんだ、きょうは。臨調に書いてあるから、そのことについて言っているんだよ。事務的にも打ち合わせはあるはずです。それが、内閣に置くかどうかもわからぬと。もちろん、内閣とは総理府をも含めたものが内閣でしょうけれども、しかし総理府に置く、または別に閣僚会議をつくります、そういうように言っているんです。だから私の心配しているのは、たとえば臨調が片方にある、それから監理委員会がある、事務局がある、そしてこの閣僚会議がある、また運輸省がある、国鉄があるといったら、これは双頭の蛇どころか、八頭立ての馬車みたいになってしまう。こういう点について、まことにこの革命的な改革というものができると思っているんですか、どうですか。あなたはまだ何も聞いていないし考えもないと言っているんだけれども、それでそこの席に立っているということは私はけしからぬと思うんだ。そのために総務長官を呼んだんだけれども、皆さんが総務長官も聞いていないと言ってきょうはガードしたから、中曽根さんに無理して来てもらった、こういうことなんだけれども、それでは答弁になっていないと思うんだけれども、どうですか。
○説明員(黒野匡彦君) 再建監理委員会そのものが総理府に置かれるということは臨調の基本答申に書いてございます。これは当然のことながら承知しております。現在、その事務局をどのような形で置くかということを政府部内で調整中でございまして、いま先生御心配のように、全体がばらばらになってしまうということがないようには十分配慮すべきものと思っておりますが、現段階におきまして事務局をどのような形で置くかということは成案を得ておりませんので、まことに歯切れの悪い答弁で申しわけございませんが、そのような段階でございます。
○青木薪次君 これだけ重大な問題について、中曽根長官はかなりはっきり言っているんだ、かなりはっきり言っている。しかし、抽象的なんだよ、それも。臨調の答申を踏まえた中で言っている。あなたの場合には事務的なことも一切わからぬ、何もわからぬ、わからぬと言って説明員で座っている。そういうことでは私はまことに無責任であると思う。総務長官が出席すれば総務長官としての考え方はあったはずだと思うのでありますが、これも出席しない。しないということは何かと言ったら、物言えば唇寒しということだろうと思うんです。臨調答申で総理府にちゃんと置く、監理委員会を置くと、これは推進体制だと書いてあるんですよ、推進体制。推進体制のむしろ根拠地は総理府にあるんだ、監理委員会を所轄する総理府にあるというようにわれわれとしては解釈しているんだ。それをまだ、何にもわからぬ、知らぬ存ぜぬでもって今日段階でまだそこにいるということについては、まことに私は無責任のそしりを免れないと思うのであります。 最後に、私はこの緊急事態宣言をいつやるのか、それから内容は、国鉄の危機を、単に危機を訴えるということだけでなくて、危機的状況に至った原因、経緯について国民にわかりやすくひとつやっていただきたい。 それから、過去数回にわたって——私ども運輸委員、長いんだけれども、再建計画が失敗に終わった政府の責任も、大臣、これもやっぱり言ってもらわないと、あそこでポカ休だ、やれこっちでやみ給与と、そんなことばっかりで次元の低い問題ということばっかり前に出ているから。国鉄職員は出てきてただ立っていれば汽車動くのか。とんでもありませんよ、一日に何万本という列車が走っているそのこと自体だってポカ休やったらできっこないんだから。それがすべてのように思われているということについて大変怒っております、現場では。これほどまじめにやっているんじゃないか。したがって、われわれも仕事は一生懸命やろうというようにみんなでかけ声をかけてやっているということを、私は職場によく入っているから知っております。したがって、当事者能力がないために経営手腕を発揮できない、親方日の丸に浸っているというように思われがちな点について、そういう点について大変問題が多いわけでありますが、今日の国鉄は数回に及ぶ法改正の上に運営されてきたわけであります。国の責任に全くほおかぶりをして経営者と労働者だけに責任を負わせているという批判も含めて緊急事態宣言の中に加えてやるべきだ、私はそういうように考えられてなりません。その点について、大臣のひとつ決意を聞きたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの準備室の件でございますが、実はきょう閣議で基本方針が決まりまして、きょうからそうした準備室の準備をするということになると思うのでございまして、きょう出席の者が十分お答えできなかったことはそんなことである、国務大臣といたしまして一言おわびをしながら、決して悪意があるものではないということを御了解願いたいと思います。 それからもう一つ、緊急事態宣言でございますが、一体緊急事態宣言は何なんだということにつきましても、われわれはまだ十分臨調から話を聞いておりませんし、わからないのであります。大変であることはだれもわかっておりますが、それじゃ何を緊急事態として宣言をするのかということにつきましても、これは当然これからの監理委員会の設置までの問われわれ自身もよく考えますし、各省ともいろいろと連絡をしなければならぬ事項だと思います。しかし、その中においても、いま委員の仰せられましたように、いろいろな面でのまずい点が何によったかということはその場合に言うのかどうかということもございますが、運輸大臣といたしましては、やはり今日のような事態にまでなったことについて十分反省をしなくてはならない、また運輸省としても反省をしなければならぬ点が多々あるというふうに考えておりまして、そうしたことで、ただいまの緊急事態宣言というものがどういう形で何をするかという問題はまたこれからの議論の中になりますが、当面われわれとしては、こうした事態に対して運輸省としても大きな責任を感じて今後努力をいたしたい、また皆様方にもいろんな面で御指導や御支援を賜りたいというふうに思っております。
○委員長(桑名義治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時七分開会
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再会いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小柳勇君 午前中の青木委員の質問に対する政府並びに国鉄の答弁を、われわれいま、昼の時間に寄りましていろいろ検討いたしました。問題がたくさんあります。しかし、それは追って臨時国会に国鉄再建監理委員会など法案が出ましたときにまた十分論議いたしますが、一口に言いますと、いまの公共性を十分に持っている国鉄を頭から分割及び民間に委託する、民営にするという点については冒険であるし、暴論であるという、そういうことがわが党の大勢の意見であります。したがいまして、監理委員会設置につきましてもわれわれは納得できない。それは、分割民営を前提にする監理委員会の設置というものを臨調の答申の中で断定的に政府に出される。日本ではいま国会が国権の最高議決機関でありますから、政府に頭から民営分割が出まして、政府はそれで国会に持ってまいる、そういうような民営分割を前提にした監理委員会設置についてもわれわれは反対をせざるを得ないであろうという大勢の意見であります。 そのことはまた追って質問いたしますが、国鉄の貨物が縮小される、拠点間直行輸送を中心にするということでありますが、将来全廃する方向も論議の中でいろいろ示唆されています。これは大変な事態である、そう私は考えます。したがいまして、きょうは国鉄貨物輸送を中心にして、現在の日本の物流問題の二、三主なる問題を質問したいと思います。結論的には国鉄貨物は絶対に廃止すべきではない、そういう前提に立っての質問であります。 日本の一億二千万の国民が生活するために、いま六十億トンぐらいのものが流れています。その大部分は、いま貨物自動車が輸送しておりますが、少なくとも一億二千万トンぐらいは国鉄が分担している。しかも長距離、国民生活に必要不可欠なものを輸送している。したがいまして、将来にわたっても国鉄貨物は日本の国民生活を守る経済生活の基本的な物流の手段として残すべきである、そういう立場から質問していきたいと思います。 まず第一の質問は、行政管理庁でありますが、行管庁が貨物自動車の実態を調査する、そういうことで調査をして運輸省に勧告を出す、こういう前提で行政監察をしておられるそのいきさつなりそのねらい、そういうものを行管庁から説明を求めます。
○説明員(加藤武久君) 陸上貨物の輸送事業につきましては、近年、貨物自動車におきます輸送の拡大と長距離化が進むなど、輸送構造が大きく変化してきております。このような状況から、道路運送法あるいは通運事業法による各種の規制や運営が輸送構造の変化等に即応したものとなっているかどうか、行政の簡素効率化を推進する余地があるのかどうかというような観点から、目下、行政監察を実施いたしているところでございます。ただ、陸上貨物の輸送事業につきましては、わが国の社会経済に重要な役割りを果たしておりますし、また国民生活に密着した事業分野でございますので、勧告の方法を誤ってはそれこそ大変でございます。十分に実態を調査いたしまして、また関係方面の意見をも聴取し、妥当な結論を早急にまとめていきたい、このように考えております。 なお、勧告の時期でございますが、まだ未定でございますが、できるだけ早期に結論を出す方向で鋭意努力をしてまいりたい、このように考えております。
○小柳勇君 行政管理庁の監察結果はまだ出ないし、また運輸省に対する勧告も出てないようであります。実は、もうすでに出ておるものと考えながら検討してまいりました。特に道路運送法がもう古くなっている、したがいまして現在の道路運送法で動いている貨物自動車、貨物運送は、現在の国民の生活に合わない、あるいは道路事情、あるいはエネルギー事情などからマッチしない、そういうものを考えております。したがって、行政管理庁の監察結果の勧告は運輸省にまだ出ていないようでありますが、問題点として、現在までの調査で何か特異なものがあるかないか、あればどんなものかお話を願いたい。
○説明員(加藤武久君) 私どもの陸上貨物の輸送事業に関する監察におきましては、約四百に及ぶ道路運送事業者等につきまして調査を行っておりまして、調査結果の取りまとめに日夜努力いたしているわけでございます。できるだけ先生御指摘のようなことにつきましても御説明できるように取りまとめをがんばっていきたい、できるだけ早期に勧告をいたしたい、このように考えております。
○小柳勇君 それでは、経済企画庁に質問いたしますが、経済企画庁はいま総合交通体系の責任官庁として、昭和四十六年の答申、運政審の答申が出まして臨時総合交通問題閣僚協議会が設置されて、総合交通の体系を取りまとめられつつある。昨年の運政審答申が出ました後、経済企画庁では総合交通体系の取りまとめについてどのようなことになっておるか、その現状を説明願いたいと思います。
○説明員(坂井順行君) お答えいたします。 運政審の答申では、御承知のように、長期的な展望に基づいた総合的な交通政策について幅広い検討がなされ、最近の経済社会情勢の変化に対応するため、かなり具体的な施策についてきめ細やかな提案がなされておるというふうに認識しておりまして、基本的には四十六年の臨時総合交通問題閣僚協議会決定の総合交通について述べられている総合交通体系の基本的な考え方及び総合交通政策の基本的な方向というようなものにつきましては、現在でも変わっていないというふうに認識しておるわけでございますが、交通の総合的なあり方につきましては、従来も答弁してまいりましたと同じように、経済計画あるいは全国総合開発計画等、政府の計画の中で関係省庁と調整をとりまして、全体として整合性と調和のとれた新しい交通政策が推進されるように努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○小柳勇君 運輸省に質問いたしますが、現在、運政審では昨年七月の答申で取り残されておりました運輸部門における総合安全保障の確保、特に緊急時における輸送確保の問題を審議しておられると聞くが、現在どういうようなことになっておるのか。いまの総合交通体系の仕組みの中で緊急輸送体制——海上の輸送についてはいろいろ問題が提起されておりますが、陸上の緊急時における輸送確保の問題についてはどういう審議がなされておるかお聞きしたい。
○政府委員(西村康雄君) いまお話がございましたように、運輸政策審議会では昨年の七月に「長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方向」という答申をしたわけでございます。その中で、総合安全保障の確保については今後引き続き検討力を行う必要があるという指摘がございまして、これを受けまして、昨年の十一月以来、総合的な安全保障の問題につきまして検討をしております。 安全保障の問題というものの取り扱いにつきましては、考え方としまして、まず予想される危機に対してこれをどうやって予防していくかという問題、そして危機に対しましてあらかじめ準備しておくべきことは何かということ、あるいは危機に際しましてどのような対処ぶり、管理をするかという三つのフェーズがございますが、それぞれにつきまして各般の問題がございます。 御承知のように、日本は、先ほどお話にありましたように、国際的な貿易の依存が非常に大きいわけでございますから、申すまでもなく海上輸送の問題というのがまず総合安全保障の第一の問題、そして国際的な関係を維持するということで、危機予防の点では国際協調なりあるいは国際観光の親善なり国際協力ということで、そういった危機の発生をできるだけ防止していこうと、こういうようなのがまず第一の課題でございます。 第二の大きな面は、もちろん日本の国内における輸送問題でございまして、これらの国内の輸送におきましていろいろ予想される危機に対してどのような予防、準備、管理があるかということでございますが、一つは国内の海外からの物資の受け入れ、貯蔵あるいは予想される二次輸送というようなエネルギーを中心とした問題、これに対してふだんからどういう準備をしておくかという問題がございます。そしてまた、実際に交通機関がいろいろな障害が起きたときにどういう輸送を確保するか、これは緊急輸送の問題なり輸送の回復の問題なりございますが、そのためにもどういう事態を予想するか、あるいはどういうような事態に対して個別の輸送機関がどんな役割りを果たすことができるか、あるいは必要な輸送機関が確保できないならばふだんからどういう準備をしておいたらいいかというような問題があるわけでございます。 運輸政策審議会では昨年十一月から、この問題を二つの小委員会に分けまして検討をしてきておりますが、それぞれの委員会が約八回ずつ検討して今日に至っておりますが、なお若干の検討を行って結論をできるだけ早く得たいと思っておりますが、いま申し上げたようなことで、国内輸送全般の危機の問題につきましては、いまお話のありましたような国鉄なりあるいは自動車輸送の体系というものを十分に俎上にのせまして、実際にどんな対処ぶりができるかということを検討しているわけでございます。
○小柳勇君 運輸大臣に質問しますが、いま私が前段で運政審やあるいは行管庁の貨物運送に対する問題点を質問しておりますのは、国の現在の物流、約六十億トンの物の流れを、平時だけではなく、水害もありましょう、いろいろな緊急事態というものを考える。特にエネルギーの問題、燃料の問題など、いまは石油につきましても一応緩和の状況でありますけれども、いつ緊急事態が発生するかわからないであろう。もうすでに賢明なる大臣御存じでありましょうが、たとえばサウジからいま四割近い油が来ております。イラン・イラク戦争の後サウジが一体どうなるか、外交専門家いろいろ問題を持っておりましょうが、まあいろんな面で物流を確保するためには総合交通体系を確立をして、自動車の分野、鉄道の分野、海上の分野あるいは航空の分野、これから五年なり十年の大局的な輸送計画を持っておらなければ国民として安心して生活できないのではないか、また政治としてはこれを国民に安心させる計画を持つべきではないか、そういうふうに考えるわけです。旅客輸送だけじゃありません。物流、貨物輸送の面におきましても総合的な貨物輸送計画を持つべきである。そういう観点から自動車も鉄道も海上も航空も考えるべきだと考えますが、その考えについては同意されますか、運輸大臣の見解を求めます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 総合安全保障の面から見ての陸上の交通、物流の管理ということは、やはりこれは常時検討していく必要があると思います。さしあたりは、海上問題がいまクローズアップされておりますが、いま委員の御指摘のような石油問題等が、現状はまあまあでありますけれども、これが多少の混乱があるなんというときには、当然ここに現在のトラック輸送そのものにも大きな障害が出るであろうということはよくわれわれもわきまえておるつもりでありますが、先ほど来問題のございますように、陸上の物流関係の輸送というものについて、総合交通体系というような形であっても、あるいはまたそうしたものでない実態に即したような形の面であっても、やはり常時これを考えておく必要があると思います。
○小柳勇君 その大きな総合計画の中で鉄道貨物をどうするかということを論議すべきであって、鉄道の貨物が赤字であるからという、しかもその赤字というのは適当の時期に運賃値上げができなかった、あるいは過剰投資をやった、いろいろ過去の政治の責任がある。それをいまこの答申の前提になるのは、国鉄の労使が怠けておったとか、あるいはモータリゼーションに対して対応が鈍かったとか、一切国鉄労使あるいは運輸省の監督にだけ責任を負わして、それでこれを民営分割だと。全般的な日本の国の物流体系の中で鉄道貨物は一体どうするのかという論議が十分なされてないのではないか、そういう気がしてなりません。だから、今回の臨調の答申では拠点間直行輸送については云々、合理化せよとあります。その点については私も賛成であります。ただ、これをただ合理化のために、赤字を減らすために拠点間直行などという発想が出たとすれば、私はこれは暴論だと思うのですよ。したがって、大臣はそういう点同意のようでありますから、また将来数字を持ってその論争をしたいと思うのであります。 そこで、次の問題は少し小さくなりますけれども、いま鉄道の貨物が一億二千万トン。輸送量で全体の約八%に低下いたしましたが、もとの運輸大臣田村さんが言っておられる。八%しか輸送してないからもうこの際これは全廃してもいいという発想ではなくて、八%の貨物を、重要な長距離貨物を運搬している、これを高く評価しなきゃならぬと。私もこれ非常に同感でありまして、そういう立場から、少なくとも私は一億二千万トンの鉄道貨物は守るべきである。それには、いまトラックの運送というものが秩序が保たれていない。たとえば自家用貨物自動車、言うなら白トラ、白トラというのが野放しで走っているという問題を少し聞きたい。そしてそのために鉄道貨物というのがまず落ち込んでいる。また通運事業と鉄道の事業というのが十分な連携をとってない。だから鉄道貨物が落ち込んでおると、そういうものを塚次質問していきたいと思うのであります。 まず第一は運輸省に、道路運送法の改正についてこんな新聞が、業者の専門紙でありますが、道路運送法は欠陥法であるからこれを改正せよという大きなキャンペーンを張っています。運輸省として道路運送法改正については検討しておるようでありますが、その現状について報告を求めます。
○政府委員(角田達郎君) 道路運送法の問題でございますが、先ほど行政管理庁の方からもお話ございましたように、特にトラック運送事業につきましてはいま行政管理庁で監察が進められておりますし、それから臨時行政調査会あるいは公正取引委員会、そういうようなところでそれぞれのお立場からトラック運送事業につきましての検討が進められておるというふうに聞いております。私ども運輸省といたしましては、これらを参考にしながら利用者の利便の増進とか、あるいは輸送秩序の確立の問題とか、あるいは行政の簡素化の問題とか、そういう問題について検討をしていかなければならないと思っておりまして、現在内部で勉強を始めておる段階でございます。
○小柳勇君 道路運送法によっていま自動車営業の許認可が定められていますし、今回の許認可の簡素化によりまして自家用トラックというのが届け出だけになりました。ただ、大型トラックについては使用届け出を厳重にすると言っておりまするが、その質問は後にすることにいたしまして、労働基準局長が忙しいのに見えておりますから先に質問さしてもらいます。 昭和五十四年の十二月二十七日に出されました自動車運転者の労働時間などの改善基準に関する労働省通達の実施状況は現在一体どうなっておるか。いま、トラック協会などは、この通達が完全に実施されたらもう営業はできません、運転の労働条件をがちっとやられたら営業はできませんと言っている。それは、裏ではたとえば過積みもやむを得ない、あるいは労働時間超過もやむを得ない、やむを得ないじゃなくてやらなければ事業できませんということも裏にありますが、この実施状況についてお伺いをいたします。
○政府委員(松井達郎君) 先生の御指摘になりましたいわゆる二七通達、五十四年の十二月、新たな改善基準を定めたわけでございますが、その実施状況を申し上げてみますと、これは御存じのとおりハイヤー、タクシーの関係でございますが、これは省略いたしましてトラックの関係について見てみますと、何らかの違背が認められた事業所、これは五十六年の上半期、四月から九月までの監督の実施状況でございますけれども、トラックの関係では五八・五%という数字でございますが、主な項目としましては、日勤勤務の一日の最大拘束時間、これは十六時間でございますが、これについては三二・五%の違背率になります。それから隔日勤務の最大拘束時間、これは二十一時間でございますけれども、これは違背率は二六・九%。それから連続運転時間、これは五時間というふうに決めておりますが、この違背率は三六・一%でございます。なお、これを五十五年の秋にやりました一斉監督の結果と対比いたしてみますと、何らかの違背が認められた事業所は、これは若干減ってきておりますけれども、主な違反項目別に見てみますと、先ほど申し上げました日勤勤務の一日の最大拘束時間につきましては、三四・九%が三二・五%に二・四ポイント減っている。隔日勤務の最大拘束時間も三七・八%から二六・九%に九・九ポイント減っている。連続運転時間につきましては二・四ポイントの減少でございます。 それで、私どもとしましてこれをどう見るかでございますけれども、逐次成果は上がってきておるとは思いますが、決して満足すべきものであるというふうには思っておりません。そこで、今年度も基準行政の監督における重点項目としてさらに厳正にやっていきたいというふうに考えております。
○小柳勇君 自家用トラックに対する適用、それから類似行為、白トラのやみ営業行為ですね、これに対しては適用しておらないと思うが、その点どうですか。
○政府委員(松井達郎君) 白トラ、いわゆる白ナンバートラックでございますが、これについての二七通達の適用でございますけれども、特定の事業主と雇用関係にある自家用トラックの運転手があるわけでございまして、たとえば例として鮮魚の輸送とかあるいは鉄鋼あるいは鉄筋の輸送とか生コンの輸送とか、こういうものにつきましては、自家用トラックにつきましては、雇用関係にあるものにつきましては二七通達を適用しておるわけでございまして、これについてもやはりある程度違背が出てきておりますので、改善基準の重点対象として監督指導を行っているわけでございます。 なお、雇用関係にない一人親方の場合、これが先生御指摘になったものでございますけれども、これにつきましては労働基準法は雇用関係にないと適用にならないわけでございますので、いわば私どもとしましても二七通達を適用するというわけにはまいりませんので、この関係のものについては把握してございません。
○小柳勇君 運輸省の方に聞きますが、自家用トラックの大型の、これは五トン以上ですけれども、使用届け出を強力に指導するという、今度そういう方針を出されました。現在までとどう違うか、それから強力に指導するというのは一体どういうことか、説明を求めます。
○政府委員(角田達郎君) 道路運送法に基づきます自家用トラックの使用の届け出につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、これは臨時行政調査会の行政許認可事務の簡素化の見地から、いままではすべての届け出をさせておったわけでございますが、今後は最大積載量五トン以上の大型自家用トラックに限るというふうにしたわけでございます。そうしますと、これは台数で申し上げまして自家用トラックが約八百十万台でございますか、そのうち最大積載量五トン以上の大型自家用トラックが約二十万台、そういうような台数になりましてパーセンテージで二・七%、こういうふうに対象がしほられるわけでございます。 したがいまして、自家用トラックの使用の届け出の運用に当たりましては、いままでより以上にきめの細かい措置をしていこうということで過般陸運局長あてに通達を流したわけでございますが、具体的にどう違うかという点を御説明申し上げますと、まず、使用する自家用トラックの数、それから経営する事業の種類、それから運送する主要貨物の種類、及びその年間の予定数量、こういうものを届け出させまして、たとえば経営する事業の種類と運送する主な貨物の種類との関係、こういったものがどうも関連性がないんではなかろうかというような点につきましては、十分届け出をする者に対するヒヤリングをするとかというようなことをやりまして、自家用トラックが道路運送法の違法になるおそれがないかどうか十分チェックしていくということでございます。また、届け出の受理に際しましては、貨物の運送を業とするような場合には当然これは道路運送法上の免許が必要になるわけでございまして、そういう免許が必要になりますというようなことについての周知徹底を図るというようなことをやっておるわけでございます。 このようなことで、今後自家用トラックによります営業類似行為の防止のために、そのトラックの使用者の指導を十分に強化していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 それからもう一つは、今回の改正で自家用トラックにつきましての使用の届け出に当たりまして、一台一台の自家用のトラックにつきまして車体の形状とかそれから最大積載量、こういうものも届け出をさせるということにしておりますし、また、届け出を受けた私どもの陸運事務所におきましては、車両台帳とか使用者台帳、こういうものをちゃんと整備することによりまして自家用トラックの違法行為の防止に十分な努力を払ってまいりたい、こういうふうなことを考えておる次第でございます。
○小柳勇君 労働基準局長に最後の質問ですけれども、昨年四月にドイツの長距離貨物の運送協会会長の、ミュンツ博士に会いました。そのミュンツ博士が言われますことは非常に重要なことだと思うんです。そのためにきょうわざわざこれ質問するんですけれども、もういま各国とも許認可自由化の方向にある、自動車も営業免許を余りにむずかしく言わない方向に世界はある。したがって、それは自由化の方向でいいが、物流の秩序を保つには運転員の労働条件をかちっと政府なり協会が握ることだ、そのことが国の物流秩序の中心であると言われました言葉がいましみじみ私の腹にあるわけです。したがいまして私どもは、わが党提案のトラック秩序法ではこの労働省の通達を省令に格上げして、もう少し運転員の労働条件だけはがちっと守らせる、そのあとは業者の自由競争に任せる、こういうような方向に持っていくべきではないか。言うなら新二・九通達を省令に格上げする、してもらいたいと思うんですが、労働省として御検討になったことがあるかどうか、またあなたの見解を聞いておきたい。
○政府委員(松井達郎君) 労働時間の管理と申しますか、規制につきましては、労働省令として先生御存じのように労働基準法の施行規則というものがあるわけでございます。これは言うまでもなく労働基準法には御存じの八時間規制を初めといたしまして各種の時間に関する規定がございまして、これを根拠といたしました、それを具体化したのがこの労働基準法の施行規則でございます。こういうような法体系のもとにあるわけでございまして、いま先生がおっしゃいましたような観点からの労働省令を持ち込むということになりますと、これがどのようにいままでの法体系のもとで調和させるか、位置づけるかというのは私が率直に申し上げてなかなかむずかしいところではないかと思います。ただ、ここで結論めいたことを申し上げるわけにはまいりませんので、私どもとしてはよく検討さしていただきたいというふうに思います。 しかしながら、先生御指摘のように、こういう物流というのが経済の流れにおきまして非常に重要な要素を占めてくるということでございますと、トラック運転手というもののニーズもふえてくる。一方、この人たちもやや高齢化してくるというような状況にございますので、これはなかなかやはりこの人たちの労働条件を適正に維持するということは非常に重要な問題ではなかろうかと思っているところでございまして、私どもとしましても、このような観点から考えておりますこの二七週遅につきましても、これは先ほど申しましたように、最近改正を図ったわけでございますが、この施行につきましては満足すべき状況にございませんので、法律改正問題はともかくといたしまして、この施行についてはさらに重点項目として厳正にやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 今度は運輸省に質問いたしますが、この間通達を出して、トラック協会の指導員百十六名に年間五千円の手当を出して指導監督及び道路運送法の違反などを指導するということをやられましたけれども、私はいま質問いたしておりますように、労働者の労働条件を守るという、新二・九通達を守るということは、一番物流問題の基礎ではないかと思いますが、この指導員百十六名をもっと強化して、準公務員的にして、少なくとも十倍ぐらいの指導員をつくって、そしてトラックの輸送秩序を守るという方向に動くべきである、十倍は無理であれば五倍でもいいんですけれども、そう考えるんですけれども、その考えございませんか。
○政府委員(角田達郎君) 先生ただいまおっしゃいました輸送秩序改善指導員でございますが、これは従来は各県のトラック協会が自主的にそういう方々を雇っておったわけでございます。それを今年度からいま先生おっしゃいましたように陸運局長がそれぞれ委嘱すると、こういう形をとりまして、準公的な、公的な職員に準じた取り扱いをするというようなことにしたわけでございます。 それで、この指導員でございますが、指導員の業務は過労運転の防止であるとか、それから過積載の防止、それから運賃ダンピングの防止、そういうような仕事をやっていただくわけでございまして、事業者の指導なり、あるいはそういうような情報がありましたら私どもの陸運局なり陸運事務所に通報していただく、こういうことで陸運局、陸運事務所あるいは輸送監理官、こういった者との連係動作を密にして、ただいま問題になっているような過労運転の防止等についてやりていただくということで設けた制度でございまして、ただいま百十六名全国で委嘱を終っております。これで果たして十分かどうか。まだ制度が今年度から発足してただいまのところでやっと百十六名の委嘱が終わった段階でございますので、この効果を十分見きわめなければならないと思っておりますが、先生の御趣旨も体してできる範囲の努力を今後も続けていかなければならないと、かように考えております。
○小柳勇君 この達しの中にこう書いてあるんです。過積み、無免許運転、白トラの違法行為など取り締まり、またトラック業者の本支店営業所を巡回して運行管理や業務内容を調査する、こういうふうなりっぱな目的を掲げてあります。ただ、それには年間手当五千円出して、これは運輸省が強制——もちろん強制しておらぬでしょうけれども、私は、こういうのはもっと手当を出しまして、準公務員にしまして、運輸省の職員はなかなか数が少ないから、トラック協会などにもっと強力に支持協力関係を求めることが必要ではないか。そして、物流の秩序を保ちながら国民生活を安定する、そういう立場で今後ともひとつ十分に御検討願いたいと思います。もう答弁要りません。時間がありません。 それからもう一つは、自家用トラックの問題について、これは重要な問題でありますけれども、輸送経費というのが青ナンバーのトラックの約三倍ぐらいの経費を浪費して走っているわけです。これは本当の物の運送だけじゃなくて、あるいは営業行為にも使っていますから。ところがその経費を概算してもらった、運輸省から。約十八兆円経費をかけています。白トラですよ。営業ナンバーのトラックの迎賃収入は四兆五千億です。その営業ナンバーの四兆五千億に対しまして約四倍、四倍の経費がかかっておるでありましょうと報告が出ています。統計にありません。日本の運輸統計にはございません。経済統計にもございません。こんなものがそのまま物の値段に入っておるわけですね。だから、自家用トラック、白ナンバーのトラックというものがただの届け、使用届け出をいたしますともうそのまま自由自在野放しで、しかも労働条件も構いませんで、九州から東京へ来て、大阪へ行って、新潟へ行って九州へ帰る。十日ぐらいかかって帰ってくる。だから、三年ぐらいしたら体はがたがた。そういうものを野放しにしておいて鉄道貨物が減りましたなど、私はこれはもう行政はないではないかと言っても過言ではないと思う。 したがって、こういう問題につきましておたくの方の、運輸省の一番最後の方に、この件についていまのところ新たな調査を行う予定はございませんと書いてある。こんなものはもっと調査をして、そして経済統計に入れ、運輸統計に入れて、自家用トラックの指導はこういたしましたと、そうこの運輸委員会で答弁できるようにしてもらいたいが、いかがでございましょうか。
○説明員(常川隆司君) 自家用トラックの走行目的につきましては、先生御指摘のとおり、営業行為、販売に伴う行為、場合によってはアフターサービスといろいろございまして、純然たる物の輸送の部分を切り離すことが非常に困難でございます。私どもはそういう限界を前提といたしまして、自家用トラックにかかわる経費のうち、直接他部門に支払われる経費につきましては、昭和五十年の産業連関表、最近のものでありますが、これによりますと大体四兆五千億ぐらいということで、これは産業連関表に記載されております。ところが御指摘のごとく、自家用トラックの付加価値部分約十二兆円という推定をいたしておりますが、それを合計いたしますと約十八兆円という数字になるわけであります。 その十二兆円の推定につきましては、あくまでも産業連関表そのものから出てまいりません部分を、私どもが一定の条件を置いて試算をしたというものにとどまるわけでありまして、これらのものにつきまして、今後どうするかという御指摘でありますが、基本的には先生の御持論のごとく、トラック輸送の中で自家輸送と営業輸送をとってみますと、過去十年間でたとえば自家用のトラックの輸送トンキロは、四十七年七百七十億トンキロから五十六年には七百三十億トンキロと若干減っております。一方、営業トラックでは七百六十五億トンキロから一千八十二億トンキロ、非常に大きな伸びを示しておるわけでありまして、甚六的には先生の言われるような方向に現に推移しているんではないかというふうに考えております。したがいまして、非常に困難な調査を行うよりは、現在のところこういう傾向の推移を見守りたいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
○小柳勇君 実はアメリカの統計取り寄せましたら、アメリカの統計ではちゃんと出ているわけですよ、全体の物価の約六%、輸送経費であるということが。日本の場合にはこんなふうなものですから物価推計もできないわけですね。したがいましてそう言っているのでありまして、大変御苦労でありましょうけれども、少し自家用トラックにつきましては完全に掌握する体制をつくってもらいたい。これは大臣、運輸省の問題として大臣の見解を聞いておきたいんですがね。青ナンバーのトラックは大体規制されながらやっていますけれども、白ナンバーのトラックが自由に野放しで動いている。こういうところが私は鉄道貨物の論議も関連してやっておかなければならぬと思うものですから。いまの統計の問題いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの統計の問題でございますが、なかなか調査がむずかしいという事務当局の話でございまして、もちろん委員の御指摘のような形で明確にこの部分を捕捉することが望ましいと思いますが、今後努めて研究を進めて御期待に沿うようにしたいというふうに考えております。
○小柳勇君 大臣、いま私がちょっと申し上げました内容あるいは質問の状態で、いまの自動車運送というのが完全な秩序といいましょうか、運輸省の管理といってもおかしいですけれども、そういうことでなくて、言うなら野放しで自動車貨物輸送がなされておるということについては理解しておられますか。大臣の見解を聞いておきたい。あるいは自動車局長、御見解を聞いておきましょうか。
○政府委員(角田達郎君) ただいままで先生がいろいろお話しいただいたわけでございますが、私どももこの白トラ——一応私ども白トラと言っておりますが、白ナンバーのトラックにつきましてもいろいろな形態があると思います。八百屋さんとか魚屋さんが自家用として合法的にお使いになっている白トラックとか、そうではなくて、問題なのはやはり白ナンバーのトラックで道路運送法上の営業類似行為を行っているようなトラック、これは私どもやはり取り締まりの対象としてしっかりと事実を把握し、その減少に努めなければならないというようなことを痛感しておるわけでございます。 それで、いろいろな対策をいままで手を打ってきたわけでございますが、一例を挙げますれば、先ほど申し上げましたように、今後は大型のトラックに自家用トラックの使用届け出をしぼりまして、営業類似行為を防止していくような対策、これが一つの対策でございますし、また先ほどお話しいたしました輸送秩序改善指導員の充実強化、これも私どもが今後やろうとしている大きな柱の一つであります。それからさらにいままでお話ございましたような過労運転あるいは過積み運転の防止、こういう問題につきましても関係省庁との連絡を密にして、輸送秩序の改善に十分な努力を払っていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、いままでの論議及び臨調の答申によりまして、国鉄の鉄道貨物は拠点間直行輸送ということでありますが、具体的対策を含めどういうふうにして鉄道輸送、貨物輸送を確保されるのか、総裁の見解なり具体的方策をお聞きします。
○説明員(橋元雅司君) 先ほど来先生のお話、しかと承っておったわけでございますが、私どもといたしましては、国鉄貨物の収支の現状あるいは厳しい輸送環境、非常にそれらの中にあるわけでございまして、将来にわたって存続していくためには、昨年政府に御承認を受けました経営改善計画に示されたごとく、貨物固有経費で一刻も早く収支の均衡を果たしたい、こう思っておるわけでございます。ただ、これはあくまでも赤字をなくすためにというのが目的ではございませんで、私どもとしましては先ほど来のお話にございます総合交通体系の中において、十分胸を張ってこの相応の役割りを果たせるように一刻も早く体質改善を果たす、もう一度鉄道貨物の活性化を果たすというために精いっぱい努力をしてまいりたいと、こう思っておるところでございます。
○小柳勇君 現在一億二千万トン輸送体制ですけど、拠点間直行輸送など、臨調は具体的に答申しています。私はいまよりももっとふやすような方向で検討すべきだ、そのことによって道路の混雑をやわらげ、エネルギーの消費も効率的になる、そういう見解ですけれども、そういう検討されたことはございませんか。
○説明員(橋元雅司君) はい。おっしゃるとおりでございまして、私ども大ざっぱに一億二千万トンのうち半分は、非常に今後とも効率的な輸送として十分鉄道の特性を発揮し、物流のお役に立てる輸送体系であると考えておりまして、その面をさらに伸ばしてまいりたい、こう思っておるところでございます。 先ほど御質問にございましたように、具体的な方策でございますが、まず本年の十一月十五日に全国的なダイヤ改正がございますので、その機会に六十年度までに予定をいたしておりました八百駅体制、百ヤードという体制を一刻も早く築き上げました上で、先生のおっしゃるような効率的な輸送体系をさらに伸ばしていくというために、たとえばコンテナ列車であるとかあるいは高速専用の物資別の輸送体制を拡充整備してまいる、こういう方策をいま考えているところでございます。
○小柳勇君 さっきも申しましたように、通運事業との関連ですね、通運事業者が鉄道貨物を集めてきて鉄道に委託するんじゃなくて、通運業者が集めた荷物を通運業者が自分で遠距離まで運ぶのではないかという、そんなものもあります。通運事業との密接なる関連についてどういう努力を払っているか。それから、運輸省には通運業法を改正する意思はないか。たとえばいまの中小企業のりっぱなトラック業者に通運業法の免許をやって、もっと通運業をふやしながら鉄道貨物を集める、そういう考えはないか。そうすると、いまの通運業が大変仕事がないと言われるでしょうが、たとえば総合運送取扱業、運政審から答申出ましたね、現在の通運業は総合貨物運送取扱業などにして、そしていまの通運業にもっと中小企業のりっぱなトラック業者を協業化、共同化して通運業の免許を与える、そして鉄道貨物をうんと集める。それで今度は、着いたらそれを即刻門口から門口まで配達する、そういう通運業法の改正なり免許なり、考えたことございませんか。 まず、運輸省から聞きましょう。
○政府委員(角田達郎君) 通運事業はこれまで国鉄貨物輸送の一翼を担ってきたわけでございますが、国鉄の貨物の減少に伴いまして通運事業者自体の経営も非常に困難な状況になっているわけでございます。 ただ、先ほど来いろいろお話ございましたように、コンテナ列車の利用の拡大とか、あるいはワキ混載列車の列車買い等、こういう利用運送体制の整備を図れと、こういうようなことも運政審の答申ではっきりと指摘をされているわけでございまして、国鉄との連携動作をさらに一層深めながら、国鉄貨物の増強に向かって努力をさせていきたい、こういうような考えでおるわけでございます。 ただ、そういうようなことでやっておりますけれども、いずれにしましても国鉄の駅がどんどん減っていく、先ほどもお話ございましたように、五十七年の十一月には八百駅体制、こういうように縮小されていくわけでございまして、ただいまのところはそういう廃止される駅におりました通運事業者の残っている駅へのつけかえの免許、こういうことについての迅速な処理等をやりまして、現下の事態を乗り切っていきたいと、こういう考えでおりますし、そういう面からの通運事業法の改正というのはただいまのところ考えておりません。 もう一点の総合運送取扱業者との関連でございますが、これは先生おっしゃいましたように、運輸政策審議会で提言をされております。しかし、この総合運送取扱業そのものをどういう法律的な性格のものにしていくか、どういうような資格要件を持った者にそういう法的な地位を与えるか、その辺のところはまだ研究中でございまして、その成果を見ながら必要な法律的な措置もとっていかなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
○説明員(橋元雅司君) 鉄道貨物にとりまして、この通運問題と申しますのは古くて新しい問題でございますが、従来とかくこの通運事業者の役割りと申しますのは、新荷主さんの輸送要請を受けまして、そしてこれをレールに取り次ぐためのいろいろな両端の作業を行うといういわば作業上の機能を強調されていた嫌いがございましたが、こういった競争時代でございまして、私どもとしましては、やはり通運事業者に積極的な営業活動を期待する、そして鉄道貨物を培養するといった、いわば販売上の機能を大いに増進させたいという気持ちでおります。 特に拠点間直行輸送の大量定型に、この輸送への誘導としてその貨物の取りまとめ機能をぜひ通運事業者に期待したいという考えでございまして、そういった意味で、数年来いろいろ試み的に通運事業者との間に鉄道として経済的なつながりを持つ、インセンティブな仕組みをつくるということをやってまいっております。今後そういった仕組み、制度を深度化いたしまして、先ほど運輸省の自動車局長のお話もございましたが、いろいろ輸送体制の転換に備え、通運事業者は魅力あるものとして鉄道輸送を利用していただけるような、いろいろな施策を具体的に考えてまいりたい、こう思っております。
○小柳勇君 最後でございますが、国鉄総裁長く座っておられますから……。 鉄道貨物を私どもはもっとふやすべきであるという考え、少なくとも現状を守っていかなきゃならぬと思っておるんですけれども、企業分割民営など出てまいりますと、これはもう鉄道貨物もゼロになるのではないかという、そういうことすら心配いたしております。この鉄道貨物を守るために、私は守らなきゃならぬと思うんですけれども、国鉄総裁の御見解を聞いておきたいんです。
○説明員(高木文雄君) 私が鉄道の仕事をするようになりましてから、その間貨物は実はずっと減り続けておるわけでございます。どこに原因があるかということについては、われわれの方の営業の精神といいますか、競争の中において、お客さんをトラックに負けないように鉄道の方へ引きつける努力というのがまだまだ足りない。それは長年私どもの扱います貨物の扱い量は戦後シェアは下がってはきましたけれども、実際の量としてはふえ続けてきたということがございまして、わが貨物陣営としては必死になって集めてくるという経験に非常に乏しいという感じがいたしております。 もう一つは、ヤード系の輸送はわが国の人件費単価が高まるとともに、能率が落ちると申しますか、競争力が落ちると申しますか、そういう道をたどってきた。そこで、この際輸送形態を抜本的に変えるということを考えておりますのは、やはりそうした人件費が上がってきた日本経済の構造との関係において、どうしても人件費が少なくて済むような輸送形態という意味で直行系に切りかえていくということが大事であろうかと思います。このシステムの変更と、それから前に申しました常業的な心構えというものが基本ではないかと思っております。決して貨物が鉄道から姿を消していいとは考えていないわけでございまして、いろいろな意味で安全保障の面におきましても、また価格牽制作用という意味におきましても非常に重大な役割りを持っておると思うわけでございますので、赤字を克服しながら、お役に立つような輸送を担うにはどうしたらいいかという具体策を積み上げてまいりたいと思っております。今後ともいろいろ御援助、御指導を賜りたいと存じます。
○瀬谷英行君 臨調の基本答申の問題について、まず大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、政府がこの基本答申を尊重するというようなことを言っておるようでありますけれども、実行できるならば尊重してもいいけれども、実行できなかった場合には一体どうするのか、その場合の責任はだれがとるのか、その点をまずお伺いしたいと思うのでありますが、どうですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 政府といたしましては、今朝閣議において、今次の臨調答申を最大限に尊重するという方針を決めたわけであります。しかし、個々の具体的な問題につきましては、もちろん運輸省といたしましてこの国鉄問題に関連しては十分にわれわれ自身の立場も、この今後の臨調答申に対応する場合に述べる機会を持ちたいし、またそれは関係閣僚会議、あるいはまた今後設置されるであろう監理委員会等の中で十分に意見を述べる、そして実行できる方向のものを着実に前進させていくということにいたしたいと思っております。
○瀬谷英行君 最大限に尊重したいということなんでありますけれども、もし答申を尊重するということになるならば、当然この答申そのものも国会の審議の対象にしなきゃならぬ、そういう気がいたします。その場合に、この答申を作成した当事者がここへ出て来てわれわれの質問に答えなければならないという気がいたしますが、その点は約束をしていただけるのでしょうか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨時行政調査会は、政府の諮問ないしその法律の定めによりまして、最近の情勢に適合する最も効率的な行政を実現するのに資するために調査審議活動を行っておるわけであります。したがいまして、答申につきましてこれを作成して政府並びに国会に提出するということを政府にお願いすることがその役割りでございます。その後、この実行の責任は基本的にはこれは政府に属するということになるのが原則であろうかと思います。 もちろん調査会の考え方はどうであるかということにつきましては、これはできるだけ、私どもいわばその審議に従来から、何といいますか、そうしたようなことの整理をした者ができるだけの御説明は一応申し上げる、こういうことがいわば基本の考え方であろうかと思います。いまの答申につきまして先生の言われた御趣旨をどう理解するのかちょっとよくわかりませんけれども、答申の中身につきましては極力私どもで一応その回答をさせていただくということで措置をしたい、このように実は思っています。
○瀬谷英行君 じゃ、単刀直入にお伺いしますけれども、中曽根長官もさっき言っておりましたが、分割民営ということを強調しておりました。分割民営ということを具体的に言うと、北海道、九州、四国を本州と切り離し、本州をさらに数ブロックに分ける、こういうことなんですね。 そこで、北海道を切り離した場合に、現行の運賃で赤字を出さずに経営ができるのかどうか、そういう経営を引き受ける民間会社が出てくるという可能性があるのかどうか、どうなんですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 調査会の基本答申には、国鉄を七ブロック程度に分割をするというふうな書き方をいたしております。この前段階の第四部会の報告の中では、北海道、四国、九州を独立させ、本州を数ブロックに分割をする、こうしたような言い方をいたしております。この間の違いは、北海道あるいは九州、四国といいましても、やはり一つのブロックを形成するものをいわばある程度経営採算の成り立つように厳密にこれを分割をしてやるべきものということで、全国を結局七ブロック程度に分割をするというのを基本答申として定めたわけであります。 そこで、北海道についてだけの御質問でありますけれども、北海道につきましても、その考え方としまして、実は、御承知のように九五%が地域内の交通でございます。したがいまして、北海道を分割するという考え方は十分有力な考え方として一応考えられるわけであります。 ところでいまの御質問は、この収支は成り立つのか、したがってこれについて引き受ける者がいるのか、こうしたような御質問だというふうに一応拝聴いたしましたけれども、収支の採算につきましては、当初の段階つまり五年以内に速やかにこれを分割するということを述べておりますけれども、当初の段階で恐らく採算性なお十分に見通しがつかないであろう、このように思います。それに対しまして、再建監理委員会において厳密な合理化策の検討、それから今後の採算性の見込み、そうしたことによって終期を付して国の助成あるべしということを述べておるわけであります。したがいまして、北海道自体でもってぎりぎりの合理化措置をおとりいただくということは当然であろうと思いますけれども、当分の間必要な場合にあってその助成もまた国としてある程度やむを得ないもの、このように思っておるわけであります。 さらに今後の見通しでありますが……
○瀬谷英行君 発言中ですが、ちょっと。あなたの答弁は余分なことばっかりべらべらしゃべるけれども、私は端的に具体的に質問しているんだから、余分なことをべらべらしゃべって時間稼ぎするようなことは考えないでください。 私が言っているのは、北海道をたとえば分割をしろと言うけれども、北海道、現行運賃でもって採算が合うのかどうか、やっていけるのかどうかということなんだから、とてもできないと思ったら政府から補助しなきゃなりませんと、それが答えなんです。それ以上のことをべらべら言うことはないです。答弁に気をつけてください。 それじゃ今度は、本州を分割をすると言うけれども、本州をどうやって分割をするのか。南北に長いんだけれども、これを縦に分割したって二分割ですな。ウナギを割くようにそれをまた横に切っていく、それで初めて四分割になるわけだ。四分割にした場合に、じゃ横の線をどこで切るか。箱根の山を越えたあたりで切るのかどうか、東西に分けるのか、その分割は一体どのようにして行われるのか。分割と言う以上は具体的な方策というものがなきゃいかぬでしょう、これは。その分割の方策もないで分割をしろと言うのは、きわめて無責任、それを監理委員会にやらせろ、こういったこともきわめて無責任だと思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 本州のその分割につきましては、御推察のとおり大体四分割程度、三ないし四、このようなことが部会での論議でございました。その分割のあり方でありますけれども、これにつきまして、たとえば現在の国鉄の駐在理事が置かれておりますのが大体四地域であります。その四ないし三、こうしたものが分割の単位になるだろうと、このような論議であったわけであります。
○瀬谷英行君 分割をしてみても、現在のところ採算が合いそうなのは関東とか関西とか、こういう地域に限定されるわけなんです。それ以外のところはやはり赤字なんですね。この間東北新幹線が動き始めたので、私も東北新幹線を使って東北へ行ってみました。新幹線はなるほど満員なんです。乗りかえてみると、乗りかえの接続時間もずいぶん悪いけれども、乗りかえて急行列車に乗ったら、一車に三人しか乗っていない。日が暮れるというと追いはぎが出るんじゃないかというような、こういう感じのところがあるんですよね。こんな地域を引き受ける会社が、企業努力をすれば採算に合うようにできるというふうに考えられるのかどうか、これはなかなかむずかしいんじゃないかと思うんです。しかし、分割民営ということを言ってるんだから、それは成算があってのことじゃないかと思うんです。その点は運輸大臣、責任持てるんですか、どうですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員の御質問は大変に核心をついておられて、実は私も民営分割論の議論には全く参画をしてなかったわけでございますから、初めて今回明らかにされたわけでございます。しかし、一応政府といたしましては答申を最大限に尊重するということを決めたわけでございまして、その意味におきましては、政府がこの問題については責任を負うべきものであるというふうに私は思っています。 それでまた、この責任を果たしていく方法でありますが、五年以内というような時限がついておりますが、われわれは可能な限り五年以内に分割民営ということが達成できるような基盤をつくるということ、私はその方策を十分検討していくことと同時に、監理委員会にもそうした問題点の所在をよく説明して、そうして本来ならば国鉄自体が再建できる方策を五年間に十分考え抜いて実践をしていくということが運輸大臣としての大きな責任ではないかというふうに考えております。
○瀬谷英行君 大臣の責任はやはり国民の足を守るという立場にあるだろうと思うんですね。ところがこの臨調の答申というのは、全体を貫いているのは支離滅裂なんですよ、これは。いま私が具体的な例を挙げたでしょう。分割民営にしろと、北海道を分割した場合どうだ、現行運賃でいけるか、いけない場合には補助金を出すと、こういうことでしょう。じゃ、あらかたのところは補助金出さなきゃならないことになるんじゃないですか、これは。 終わりの方へいって、緊急事態宣言を発しろなんて書いてある。「緊急事態宣言」というのは一体何ですか、これは。一体何を宣言をしろというのか。こんな文言が出てくるところに私はこの答申を作成した人たちの頭の度合いがわかるような気がする。緊急事態宣言といったって、昼間の花火と同じですよ。音がでかいばかりでだれも見る人いませんわ。こういうものを得意になって結びにするところに、私はこの緊急事態宣言の内容というものをもっともらしく書いている人たちの精神状態を疑いたくなるんですよ。こんなことで何とかなると思っていたら大きな間違いですわな。 そこで、さらにまた具体的にお伺いしたいと思うんですけれども、国鉄経営の悪化の原因の究明というものがきわめていいかげんなんです。一番大事なところは、財政再建しなきゃならぬと、何でそうなったかということが一番大事なところでしょう。病人が腹が痛いとか頭が痛いとかいう場合には、何で腹が痛くなったのか、こういうことを病状をちゃんと診断をしなきゃならぬ。そうすると、経営の悪化の原因は何かというと、過去債務、累積債務、赤字線区あるいはまあ年金問題、構造赤字、いろいろあります。それらの赤字というものをずっとたぐってみると、これはいままでの政府がやってきた政策の累積なんですね。国鉄という政府とは別個の人格を持った企業がやってきたけれども、赤字になってどうにもならない、こういうのと違う。予算は大蔵省でもって練って、国会に提案をされて——運賃の値上げだってみんなそうでしょう、国会でもってみんな審議をして、政府の責任でもって出されて、そこで決められてきているわけですから。いままでの運賃の値上げにしたところで、あるいはいままでの累積赤字にしたところで、全部これは政府の責任なんです。政府の責任が逃れられる問題は一つもないんです。 だから、私どもはいままでの運賃値上げの際だって、何回か附帯決議をつけてきました。その附帯決議の中には、総裁に当事者能力がないじゃないか、あるいは構造的な赤字は政府で助成しろ、こういうことも言ってきました。だけれども、残念ながらそういうものがまともに取り上げられ、実行されたためしはない。してみると、この累積赤字というものの責任というのは政府自身の政策の責任であるということになるでしょう。 ところが、この答申はそこのところをごまかしている。労使の問題にすりかえようとしている。戦争で負けたときに敗戦の責任を軍司令官や大本営が避けて、負けたのは兵隊の鉄砲の撃ち方が悪いんだと言って、そしてやれどこそこでやみ超勤やっていたとかなんとか言うんですな。だけれども調べてみると、じゃ、そのやみ超勤受け取っていた人間はどのぐらいかというと、全体の〇・四%しかいないということになると、それが財政悪化の原因であるということにはならぬわけでしょう。その問題のすりかえというものが行われているところに、どうもわれわれとしても腑に落ちない点がある。その点、この臨調の答申というものはごまかしがあるというふうに言わざるを得ないんです。その点は大臣としてどのようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、臨調の答申もいろいろ御批判の点はわかります。しかし、一応現時点において、臨調は臨調なりの答申をしたと思うのでございまして、その責任の追及、原因の探究ということがなされてなかったという御判断のようでございますけれども、もちろん臨調は臨調なりに判断をしたのではないかと私らは考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 臨調答申の中にある不備あるいは欺瞞、矛盾、こういったような問題をわれわれが指摘をしようとしても、臨調自身が逃げてしまって直接その批判の対象にならないようにしておったのでは、これはよくないと思うんですね。だからこのような答申、メイ答申、と言ったって米という字にしんにゅうを書いた迷答申なんですがね、私に言わせれば。こういう支離滅裂な答申を書いた人たちに出てもらって、真意はどこにあるのかということをわれわれやっぱり聞いてみたいと思うんですよ。そういうことができなければ、これはどうもこの答申を尊重すると言ったって、尊重のしょうがないということになるんじゃないですか。その点はどうでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 政府と臨調の関係を調整しておるのは行管庁でございますので、本日の瀬谷委員の御発言につきましては、中曽根長官にもよく伝えてみたいと思います。また、党の方といたしましては臨時行財政調査会が幹事をやっておりまして、そこにも本日の御議論はよく伝えておきたいと思います。
○瀬谷英行君 明らかに指摘できることは、この国鉄の財政がどうしてこうなったかという問題に対する臨調自身の指摘というものがなされてない、つまり医者とすれば、病状を確認し病名を突きとめるという肝心なことが行われてないんです、これはね。そして処方せんだけいろいろ書いている。緊急にやれということをじたばたと書き並べている。だけれども病名がわからないで、病状がわからないで、本当は胃が悪いというのに頭痛薬か何か飲ましたり、おまじないでもって治させようと、こういうやり方はこれは問題を解決することにならぬでしょう。こんなことはやぶ医者がやることでありますけれども、私は臨調のこの答申を診断書とすると、これはやぶ医者以下ですよ、にせ医者ぐらいのものですね。これでやられたら、果たしてどういうことになるだろうかということを考えざるを得ぬです。 そこで私は国鉄総裁にも端的に聞いてみたいと思うんですけれども、先ほどもちょっと言ったんだけれども、分割民営ということが基本になっているんです。ところがたとえば青函トンネル、本四架橋、これは遠からずできます。できた場合に、この青函トンネルの費用というものはどうやってペイするのか。使用料という形でもって国鉄がもし引き受けるのなら国鉄が払わなきゃならぬものでしょう。ところが青函トンネルなんというのは北海道と本州の間にトンネルができているんですからね。北海道を独立をさせろということになったら、青函トンネルどうするのか、真ん中で線を切るわけにいかないでしょう。北海道の会社に受け持たせるのかあるいは東北の会社に受け持たせるのか。採算に合わないからといって、ずっと離れた関東の会社に持たせるなんというわけにいかないでしょう。これ一つ考えてみたところで容易ならざることだと思いますがね。 あるいは四国でもそうです。本四架橋ができる。その場合に、その橋の渡り賃というか、橋に鉄道をかけた場合の費用をだれがどうやって払っていくのか。それは一切合財政府がめんどう見る、だから分割会社には心配はかけないということになっているのかどうか。そういうことだってはっきりしないことには、これは当事者とすればどうしていいかわからないことになるんですが、その点はどうなんですか。
○説明員(高木文雄君) いろいろな線路の建設費をどういう形でだれが負担するかということは大体決まっておるのでございますけれども、青函トンネルの場合にはこれが決まってないわけでございます。AB線とかCD線とかといえば、大体負担のルールは決まっておるわけでございますけれども、青函トンネルだけはどういう負担をするかということを決めずにいま掘っていらっしゃるわけでございまして、でき上がったものは結局私の方に回ってくることになるんですけれども、それは後で非常に困るからということで、その都度運輸省に早く青函トンネルの負担方をお決めいただきたいということはお願いはいたしておりますけれども、まあ今日までのところは実は青函トンネルの負担方は決まっていないわけでございます。それから本四架橋の方は、これは道路と鉄道の分担をどうするかという分担割合は決まっております。言ってみれば建設省と運輸省との負担をどうするかということは決まっておるわけでございますが、その後これをどうするかということにつきましても、これは実はまだ決まっていないわけでございます。 この問題は、大変瀬谷先生のお尋ねに対して素直な返事の仕方ではないので恐縮でございますが、民営分割と関係なく、国鉄が今後ともずっと末長く仕事をする場合におきましてもなおかつ何とか決めていただかなければならない問題になっておりまして、これはちょっと民営分割論と直接関係なくて、トンネルと橋をどう負担するかということは、どっちにしてもその使用開始前には決めていただかなければならない。そして、もしか建設費の相当部分を借料として、上越新幹線と同じような形で私どもがお支払いするということであれば、何らかの援助を直接国鉄側に政府からいただかなければうまくいかないんじゃないかと、そういうふうに考えております。 これは大変実は頭の痛い問題でございまして、私どもとしては何とか早くその処理方をお決めいただきたいのでございますけれども、まあ何分こういう財政事情であるからということもございましょう。将来の財政の負担増を来すという問題についてなかなか政府がお決め願えないのもわからないわけではないのでございますけれども、困っておる問題でございまして、しかしそう言っておってはいけませんので、私どもはなるべく早い時期に結論を、しかもいい結論を出していただきますように政府にお願いをしてまいりたい、お願いをし続けてまいりたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 国鉄総裁ですらどうも答えられないような問題があるわけですね。しかし、トンネルの方はどんどん工事は進んでいるわけです。やがて遠からず完成するわけです。トンネルだけできてしまった。分割民営でだれも引き取り手がないということになるというと、これはどうなるんですか。歩いて渡ってくれというわけにいかないでしょう。何とかしなきゃならぬということになるんです。どこが引き取るのか、こういう問題もあるでしょう。 それから、鉄建公団というのは一体どうなるのか。鉄建公団のように、いままでこさえるだけで育てることは必要のなかったこういう公団が一体これからどうなるのか、それらもどうもわからぬ。 そして、この答申のよくないのは、すべてを監理委員会に持っていこうとしている。監理委員会でやってくれ。方針がまだ決まらない、その方針について、当事者の大臣だって総裁だって答弁もできないような問題を監理委員会が引き受けてどうするんですか。そんな超能力を持った監理委員会というのはできるんですか。私は、この監理委員会の設置などというのはきわめて不可解千万だと思う。だれがやることになるか知らぬけれども。そして、この監理委員会にすべての権限を持たせようとする。行政府や立法府よりも、監理委員会の方がすべての権限を持つというんです。こんなばかな話はないでしょう。何でこんなことをしなきゃならぬのか、これだってわからないです。屋上屋を重ねるという言葉があるんですけれども、まさにそれじゃないですか。行革だ、行革だと言っていながら、新しい役所をつくるようなものですから。そして大事なことをみんな監理委員会。それで細かなことばっかり、鼻くそをほじるような、あるいはへそのあかを取るような、その種の細かいことばかりごちゃごちゃ書いて、こんな無責任な答申なんというものはないと思うんです。答申そのものに非常に多くの欠陥がある、これは。この欠陥をそのままにして監理委員会の設置だけ決めて、一体何ができるのかという疑問が出てくるでしょう。 第一、この種の内容が審議の対象にならないようにすり抜けようとする臨調そのものの態度が私には不可解です。だけれども、ここには臨調のこの答申を作成したその責任者らしい人が出ていないから、それを言ってみても始まらないけれども、要するに肝心なことをすり抜けているという臨調の答申というものをどうやって尊重するのか。尊重のしようがないじゃないですか。それでもなおかつ尊重するというのは、具体的にどういう成算があるのか、その点もお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐々木晴夫君) 大臣がお答えになります前に、臨調の答申が非常に不可解、かつまた原因も、それからその具体案も全然ないという御指摘が一応ございますので、一言お答えを申し上げておきますけれども、臨調の答申としては、この原因については非常に明快に四つ挙げておるわけであります。要するに、輸送需要の変化と企業性の欠如と労使関係とその他と四つ挙げておるわけであります。 それはそれとしまして、今後、いま当事者能力を持たない国鉄ではいけないということであります。したがいまして、分割民営化、民営化という意味は、だれか引き取り手があって、そこに売り払うということじゃなくて、当初は特殊会社に一応していくというふうなことであります。それから、それに至るまで赤字を縮小するための方策というのを十一項目一応並べておるわけであります。ただ、具体論として、後どこに債権債務を譲るのか、そのあたりを確定するのか、そのあたり等すべて一応これから相当時間をかけて処理すべき問題である。したがって、それについて監理委員会を設定し、そこでもっていわば全政府的な各省庁の協力により、あるいは国民的な協力によってこの再建を期そうというのが再建監理委員会の物の考え方であります。御指摘がありましたので、一言その弁明をさせておいていただきます。
○瀬谷英行君 そんなのは弁明にならないんですよ。書いてあります。ただ、書いてあることは書いてある。ピントが狂っている、写真で言うと。ピントが狂っちゃっている。だから、私が具体的に言うと、それに対して的確に答弁できないでしょう。分割をしろと。どうやって分割をしていいんだかわからない、これは。どこに線を引いていいんだか、そういう成案はない。みんな監理委員会送りです。そんなくらいなら、初めから監理委員会だけつくって、そこでやってくれと。ごちゃごちゃ書くことはないんです。そういうおかしなことをやっているんですよ。 私は、時間の関係もありますから、きょうはこれ以上申し上げませんけれども、この答申そのものに非常に多くの矛盾点がある。分割民営にしろと言うならば、それに徹底しなければいかぬ。民営にしろという場合には、民営になった場合のことを考えれば、何もたとえば兼職を禁止しろとかどうだとかこうだとか、そんなことを言う必要はないんです。そういうことを考えていないんじゃないかというふうな疑問も持たせられるところがある。だから首尾一貫しなければいかぬ。分割民営にするということが大前提ならば、どういうふうに分割をして民営にすれば赤字もなくなって、そして便利になってというプログラムができるのか、それを示してもらわなければいかぬ。北海道も九州も本州も分割を、どうやって分割するかわからぬけれども、裏日本と表日本とを分けて、それじゃ二分割で四分割にならないから真ん中からまたちょん切って、そして四分割した場合に、じゃ裏日本の方は採算が合うのかということですね。いままでの実績を見れば、これは非採算線区ばかりです。 それを採算が合うようにしようと思えば、日本の国土の人口の再配分か何かやらなければいかぬ。首都東京を裏日本へ持っていくとか、あるいは北海道へ持っていくとか、とにかくそういったようなことでもしないことには、人口密度の希薄なところは採算が合わないのはわかっているんです、これは。北海道の赤字というのは北海道の国鉄に責任があるわけじゃないです。北海道の人口が土地に比べて少ないから赤字になるわけだ。赤字はみんなやめちまえということになれば、それじゃ採算の合わないところはみんなやめちまえばいいんだ。関東と関西と新幹線だけ残してあとはみんなやめちまうと、こういうようにすればこれは採算が合う。 しかし、結論的に言うと、この答申そのものはどうもまじめさを欠いておるという気がいたします。まじめさを欠いておるということは、分割民営ということについての具体策が答えられない。分割したところがこういうふうにして赤字を出さずに経営できますという答えができない。それができないことにはこの答申は落第だと私は言いたいんだ。その点、これで終わりますが、大臣の見解、そして私の言うことが違っておる、そうじゃないんだ、ちゃんとやれるんだと、北海道も九州も四国もみんな現行運賃でもって黒字にできるんだというふうに言えるのならば、こういうふうにすればできますという答えを大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 弁解がましくて恐縮でありますが、きょう初めてその臨調答申についての政府の対応が決定されたばかりでございまして、もちろん事務的には多少の事前の審査もあったと思いますが、いよいよこれから、この答申について政府はどう本当に対応するかということを議論しなければならない。先ほど来申し上げているように、この臨調の答申を最大限に尊重するという政府の基本的な姿勢がきょう決まったわけでございまして、私といたしましてはその基本的な方針に沿ってまいらなければならぬと思います。 いま委員の仰せられましたように、一体それで国鉄はどうなるのかという問題につきましては、もう先ほど来各委員からいろいろな面で御質問ございましたとおり、やはり国鉄の再建にとって最重要の問題はいわゆる年金問題であり、あるいは累積赤字の問題であると思います。こうした問題をまず解決する方途をわれわれとしては具体的につけることが将来に向かっての国鉄再建への大きな足がかりだというふうに考えておりまして、その面についての研究は従来進めておったところでありますが、なお本日から後に監理委員会設置に向かっての政府内部の組織もだんだんと固まってまいりまして、今月末ぐらいには監理委員会の準備のための組織も大体固まると思います。そして、来月いっぱいかかりまして種々の問題を具体的に討議するというふうになってまいると思っておりまして、その間にこの答申を実現するためになすべき方途につきまして十分運輸省といたしましても考えを述べ、そして具体的に問題の解決に向かって努力をいたしたいというふうに考えております。
○黒柳明君 私も臨調サイドにいろいろお聞きしたいと思うんですけれども、運輸大臣は、失礼ですけれども政府の基本答申を最大限に尊重するという中の一つの歯車になってしまいまして、当事者能力がもうなくなっておりますし、国鉄総裁はどうにでもしろと完全にまないたのコイですしね、行管庁長官が、その潤滑油になるべき人がいらっしゃいませんし、臨調の考えた責任者も答弁の当事者ではない、こうなりますとしょせん事務局次長を相手にして——たばこプカプカ吸っていられて、ちょっとこう余りおれを対象にしちゃ困ると、こんな態度も見られますけれども、しょせんはほかに対象とする人いないんですよ。ここに加藤さんや土光さんがいればそちらに質問持っていくんですけれども、いらっしゃいません。つらい立場だろうと思いますけれども、臨調の次長さんに質問のメーンの当事者になっていただくと、こうせざるを得ません。 わが党はこの臨調を尊重するということなんですが、この運輸委員会で、当然臨時国会では監理委員会の問題を中心にして討議が行われるんですけれども、尊重するんですけれども、私は総論では尊重しますけれども、各論においては非常にやっぱり問題点がいっぱいあると思うんです。私はいまの社会党の先生方みたいに国鉄に関係した出身者じゃありません。サイドから見た利用者であったし、むしろそういう方がもしかすると適切な批判なり意見なりを言えるかもわかりませんですね。そんなことから、失礼ですけれどもこの委員会では当面臨調の事務局次長さんに御答弁を全面的にいただくよりほかないと、こう思うんです。 まず、この基本答申ですけれども、先ほども監理委員会のことについてちょっと触れました。私が考えたのとちょっと性格違うなと、こんなふうに思ったんですが、これは後にお聞きするにせよ、ここに具体的に盛られている、あるいは具体的じゃない、抽象的だと、こういう御意見もある。この基本答申を総理大臣、行管庁長官は全面的に実行していくと、こういうことなんです。それには当然、先ほども最大限という言葉についての若干の注釈があって議論すべきは議論するのだと。これは当然だと思うんですね、そのままといったってまだ具体的には出てない面もいっぱいあるわけですから。そこで、この基本答申に盛られていることは、これを実行すれば国鉄の再建というものはできるんだと、こういう基本姿勢であると思うんですが、そのうちここに文章化されている、提言されていることはどのぐらいのパーセントしか出てないんでしょうか。 先ほども言ったように、この監理委員会につきましては、要するに財政問題はここにゆだねて、これは長期的にどの方面でこれを負担するかを考えてもらうんだと、こういう面は抜けているわけですね。そうすると、ここに盛られていることを忠実に実行をすれば、いまの国鉄の赤字というか、瀕死状態にある国鉄の再建というものはどのぐらい実行できるのか、その実行できるという具体論は何割ぐらいここに具体的に盛られているんですか。あるいは逆にここに盛られているのはこれは一〇〇%だ、これをやれば間違いなく国鉄の赤字再建はできる、こういうものなんでしょうか。とすれば、これは何年ぐらいをめどに忠実に実行すれば国鉄の瀕死の状態からいわゆる黒字になるか、三十九年に戻るかどうか別にしましても、赤字の脱皮をできるのか。このあたりはいかがでしょう。
○政府委員(佐々木晴夫君) いま黒柳先生の御質問でございますけれども、基本的には私どもといいますか、臨調としましては、個々の対策を実行していただくならばこれは五年以内に速やかに分割民営化を図るということで、その時点以降、つまりたとえば現在から五年でありますから六十二年度でありますけれども、六十二年度以降、たとえば五、六年程度ということになりましょうか、その間にはある程度経常収支において採算がとれるような状態には一応なってまいるであろう。ただしいままでの累積債務の問題、こうしたようなもの、あるいは年金等の問題、あるいはたとえば先ほどお話に出ました青函トンネルその他の問題、こうしたものについてはある程度国家的な助成が必要な部分があるであろう、このような見解を持っております。 このあたりで何%ぐらいこの答申の中にすべて盛られているのかという御質問でありますけれども、対策としてはすべて盛られておる、このように実は考えております。ただ、先ほど来御質問のあるような、いわばバックデータがないではないかという論議につきましては、これは実はバックデータはいろいろとその仮定の条件を置いて論議いたしましたけれども、そうしたものについてはなお不確定な要素が相当ありますものですから、これについてこの答申の中でお示しするのは適当ではないということでいわば結論だけを一応出してまいった、しかし、結論を実行していただくならば、先ほど申しましたように遠からずして成案を得る段階になってまいるんではなかろうか、このように実は臨調としては考えておるわけであります。
○黒柳明君 これは臨時国会目指しまして監理委員会の設置法というものが出される。当然そうなりますと当事者の政府が対象になって、それで論議が進むわけでありますが、そのときには当然、いままでの審議会とは相当性格が違いまして、臨調のいま申しましたバックデータあるいは審議の過程、ここらあたりは相当具体的にこちらが知り得ないと、認識の範囲に入らないといけない、こういうふうな感じがするんですが、そういうバックデータなりその論議の状況なり、先ほども運輸省の鉄監局長さんが、どういうふうに論議されたんだかわからないんですと、こうおっしゃっている。一番の当事者が、臨調さんがどういうふうに論議したかもわからないで、ましていまの時点でわれわれはどう論議したかなんか知るよしもないんですが、ある時点において、ある時点というのは臨時国会、そしてこれが審議される段階においては、当然そういうものははっきりわれわれも認識できるようなもので何か配られるなり、あるいは教えられるなりするのでしょうか。それとも、そういうことは全然なくして、ともかくこれをやればできるんだと、こういうことになるのでしょうか。 というのは、当事者が臨調ではなくなるわけですね。政府が当事者になるわけですから、それには、行管庁長官や運輸大臣が審議したわけじゃないわけでありまして、あくまでも臨調からまた聞きということになるよりほかはありませんな、いま言ったようなその審議の過程なりの認識を得るためには。そうすると、そんなしちめんどうくさいことをしないで、ある段階においてそういう審議なりバックデータなりをわれわれがきちっと認識でき得るならば、非常にやっぱりその審議の過程というのは省けるんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、その点についてはどうお考えでしょう。
○政府委員(佐々木晴夫君) 審議の過程の論議あるいはその間の経過等につきましては、これは極力御説明を申し上げたいと存じます。ただ、いまの数字その他の問題につきまして、たとえば六十二年以降どうしたような数字でもってこれが黒字に転ずるかというふうな側面につきましては、実はいろんな試算がございます。この試算そのものにつきましては、これは非常に前提条件が流動的でございますものですから、その意味で確定的にお示しすることは適当ではなかろうと思いますけれども、御質問ありましたら、これはできるだけ事実に即しまして当時の論議につきましては御報告、御説明を申し上げたいと存じます。
○黒柳明君 そうしていただけますと私たちも、結論だけお出ししたんです——確かに私なんか結論だけ出してもらった方が専門家じゃありませんもので非常に簡単なんです。だけど逆に言うと、それなりにいままでのデータというものが頭にありまして、どこからこういうデータが、結論が出るべくデータがあるのか、こういうやっぱり疑問が前提になっちゃいますので、ひとつそういうデータあるいは審議の過程等をできるだけ、いざ論戦が始まる前に知らせていただいた方がよろしかろうと、こう思いますんです、恐縮ですが。 それで、国鉄総裁、いま御用だったと思います、短かかったですからね。その間にお話がありました。この答申をやっていただければ一〇〇%国鉄再建できますという非常にうれしい臨調からの報告がありました。五年以内に分割民営化していただければ、五、六年ですから昭和六十二年、今日からかかって分割民営をやっていただければ。それから五、六年たてば、そうすると昭和六十七、八年ですかな、その時点においては収支がいい方向に向かうと、こういうことなんです。そうすると、いまから十一年ぐらいの余裕があるわけですな、十一年ぐらい。いま国鉄が臨調の答申と闘うならば、これから十年間間違いなくこれをやれば国鉄再建できますというものを出せばいいわけですよ。臨調だって何も手品遣いじゃないわけですから。いま臨調が言ったのは、それでもなおかつ長期債務のこと、年金のこと等についてはまだまだ問題点がある、こうおっしゃるわけですから。 総裁、このぐらいのことは常識論で総裁も御存じかと思いますけれども、臨調のこの基本答申、私たち初めから、ちょっとそれるかわかりませんけれども、何か国鉄が血祭りになっちゃって、今回のこの臨時国会、ないしは行政改革だといっても、国鉄が一番この血祭りになるんじゃないか、それでほかの肝心な中央省庁の統廃合や許認可の問題なんか避けて通るんじゃないかと、当初から悪い予測をしていたんですけれども、もうここにきたら文字どおり国鉄ですよ、焦点は。国鉄をやれば、とは言わないでしょうけれども、行政改革はもう大半終わったと、この後、さっき行管庁長官おっしゃったのは、随時答申できる、するでしょう、来年の三月までありますからと、こういうことをおっしゃいましたけれども、これは国鉄問題だって臨時国会ですぐ片づくわけじゃありません。監理、委員会ができるかどうかという問題だけが片づくかどうかという問題でありまして。ですから、国鉄が完全に焦点になってスケープゴートになる、こういう私たちの予想が何かここにくると的中したんではなかろうかと、こういう感じがいたします。しかも、お金の問題ですな、年金ですから、長期債務のことですから。それは問題がまだ残るというんです。収支だけが向上をする、五年で分割してもらえば、民営に踏み切ってもらえば。こういうことなんですよ。 そうすると、総裁、どうですか、あと十年ぐらいで、国鉄側としましても、これをやれば絶対に大丈夫なんという案はもう浮かびませんか。年金問題、債務問題を棚上げにして。当然、臨調が出しているこの十一項目、これは法律には何も関係ないわけです。国鉄側もいろいろなことをどんどん手を打って労使の関係で進めて、結果を出していくこともあるでしょう。いまから三年、四年、五年、これでだめだというんじゃだめなわけですよ。十年ぐらいの間にこれをやれば完全に、いまの債務の問題やなんか棚上げにしましてね、収入支出の問題はもう逆転していきます、黒字の方向に向かっていきますと、こういう具体的案を出せば、その両方が今度は検討されるんじゃないですか。当然国鉄総裁は監理委員会に入って、私も物申しますと、いまの状態においてはもうそれしかないでしょう、総理大臣が決めちゃったんですし、閣議で決めちゃったんですから。国鉄が臨調の基本答申に対抗して案を出すなんということはもうできるような状態じゃありません。ですけれども、いまの臨調の話によると、物理的には、要するに別に案があってそれがよければそっちをとるべきである。ただし、いままでそういうようなことを何回も繰り返していましたからね。それについて、ああまたかと、国鉄が、運輸省が出すならまたかと、こういうこともあるかと思いますけれども、総裁、それについてはどうですか、あと十一、二年で赤字から脱皮する方向にいくと、こういうことなんですが。
○説明員(高木文雄君) 黒柳先生のお尋ねにすぐお答えすることになるかどうかわかりませんが、私どもは、臨調で御審議がありました過程におきまして、この委員会で十分御審議いただきました再建法に基づく再建計画をわれわれとしては実施をしてまいりますので、ということで、それが立ち直りの唯一の道だということを主張してまいったわけでございます。 それをもう少し具体的に申しますと、過去債務と年金につきましては、いまさらこれを運賃の原価に算入していまから収支のバランスを図るということができないものでございますから、これは何とか政府でめんどう見ていただきたい。それから地交線につきましては、初めから採算がとれないところではあるけれども、やはり公共的役割りということで今後とも相当程度の長さの営業キロのものを維持していかなければなりませんから、これについてはある程度お考え願いたい。そうすれば幹線については償えるということで終始御説明をしたわけでございますけれども、臨調サイドは二つの面で私どもの主張はお聞き届けいただけなかったわけでありまして、その二つの面と申しますのは、計画そのものが甘いんではないかということが一つと、それから、計画が甘くないとしても実行できないんではないかという点が一つと、その二つの点で信用してもらえないようなかっこうになりまして、再建のためには分割以外にはないという結論に到達されたものと存じます。 私どもはいまでも、私どもの考え方には間違いがないと考えているわけでございまして、その意味におきましては、あくまでも年金と過去債務負担の処理の問題についてきちっとした負担の肩がわりをやっていただきますならば、はなはだこれは甘いかもしれませんけれども、その面についてだけは肩がわりをやっていただきますならば、目標年度までにほぼ見当がつけられると考えているわけでございまして、私は、今回の臨調答申については先ほど来いろいろ御批判がありましたけれども、片一方においては従来になく年金と過去債務負担が問題点であるという認識を示されている点につきましては、実は率直に申しまして従来のもろもろの計画よりも一段と突っ込んだものであるという評価をいたしておるわけでございます。 と同時に、それがお示しのように御処理いただけるのであれば、いまおっしゃるように十年というような期間に至りませんでも、またそして組織がえをいたしませんでもバランスがとれたものになると、これは口先だけでなくいろいろな数字の積み上げを通じましてもそう考えているわけでございます。したがいまして、午前中行管長官が御答弁になりましたように、あくまで分割民営を志向するんだということにウエートを置いて御答弁がございましたけれども、私どもは臨調御答申の各項目、なかんずくその過去債務処理等の大変厄介な財政処理問題さえ再建監理委員会で十分お取り上げいただきますならば、何年ということは申し上げかねますけれども、まずまず立ち直りといいますか再建の可能性を十分持っておるというふうにいま考えております。
○黒柳明君 当然、運輸大臣は先国会で国鉄再建法を論議したときは大臣ではありませんでしたけれども、継続してそれについて現在は責任があるわけでありまして、それはもうベストであり、それを実行していけば、ついせんだってまでは国鉄の再建は成ると、こういう意見を持っていたわけだと思うんですけれども、さらに小坂私案という運輸省案を出されたし、それはもう完全に、いまの国鉄総裁が残念ながらと、臨調に受け入れていただけなかったということと同じに運輸省案、小坂案というものもやっぱり受け入れられなかった、こういうことなんです。 それでその前提が、ちょっと私は、臨調を批判するばかりが能じゃないし、かといって何でも臨調の言うことを全部受け入れればいいんだということにもちょっと納得しかねる、こういう考え方持っているんですけれども、運輸大臣も自分の私案というものは完全にネグられた、そして国鉄総裁も残念ながらこれをやれば再建できると思っていたのに甘いと言ってネグられた、こう述懐しているわけですが、大臣の立場もここで批判的なことは言えない立場に立たされているわけですけれども、やっぱり御自分が出した運輸省案というものをやれば再建は可能である、さらに国鉄の再建法にのっとっていま総裁がおっしゃったようにやっていけば再建は可能である、こう信じていたことは間違いないんでしょうね。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、運輸大臣になりまして国会において国鉄の問題が非常に議論をされました。そのときのたたき台は前の年に決めました再建法であったわけであります。しかし、私が就任いたしましてからいろいろ考えてみ、かつまた臨調においても国鉄再建を最大の目玉商品だというふうに報道されておりましたので、われわれは運輸省の立場において、できるだけこうした再建が成功するようにと思っていろいろ考えました。そうした結論が、一部が小坂私案として世間に出たのでございますが、その後ずっと、党の関係あるいはまた党と臨調あるいは政府対臨調のいろいろな、私は直接関係いたしておりませんが、種々の議論の中からだんだんと打ち出されてまいりました、たとえば緊急になすべき十一項目という臨調の答申がございますが、これはほとんどわれわれが前に申しておったのと同一の路線を歩んでおるものでありますから、緊急措置に対しましては私らの意見と同意見であるというふうに思います。 それから、問題のいわゆる再建の問題あるいは年金の問題、こうしたような問題についての私の考え方は、多少臨調が具体的に示しておらぬ面にまで触れておったのでありますけれども、しかし、この問題を最重点の問題として取り上げたということが今回の臨調の答申には明確に出ておりますので、この点につきましてもわれわれの意見が全く無視されたとは思っておりません。 それからさらに、私の原案には、内閣に国鉄再建閣僚会議並びに政府の諮問機関としての国鉄再建委員会、これは仮称でありますが、ちょうどこれが現在の監理委員会に相当するものであります。これは民間の有識者をもって充てるということであります。また、閣内においての閣僚会議も、国鉄再建に関連した、特に金融の問題や、あるいは年金の問題、さらには長期債務の問題等についての討議をなすべき組織、この二つを置くことも提案しておるのでありまして、この点につきまして、名前は違っております、そしてまた多少性格が臨調の方は強くなったとも言えますが、同じような委員会によって審議をされるということになっておりますから、問題は、私は民営分割ということを主張はしなかったわけでございます。 民営分割をしたいという多くの人々の意見のあることはよく承知しておりましたが、しかし、この段階に行くまでに現在の問題を一つでも多く解決をしておかなければ目的は達成しないであろうというので機能分割というものを表示したわけでありまして、これは将来において国鉄が現在の形態で進む場合には、あるいはまたこれをある程度の分割と申しますか、民営的形態にする場合にもどうしてもしなければならない諸政策について述べているものでありまして、この点につきまして、私は、今回臨調が民営分割ということを最大の目標として国鉄問題を扱うということについて、閣議の決定に従うということに対して別にそれほどの異議はない。ただ、そこに持っていった場合に、先ほど来各委員からの御質問もございましたように、成功するようなものでなくちゃいかぬ。また、国鉄に働いている人たちが安心するようなものでなくてはならぬというような意味におきまして、そのプロセスを大事にしなければならぬという考えでいまおるところです。
○黒柳明君 ですから、民営分割というものにつきまして運輸省案、小坂案と、国鉄総裁と臨調と完全にここだけが違うのであって、あと年金問題や過去債務のこと等については、十一項目の現在国鉄がやっていることはもうほとんど同じである、こういうことでありますが、その監理委員会のことにつきましてもそうなんですけど、民営分割する。しかも五年以内にやれ。そうすると、いろんな問題、先ほども瀬谷先生から御指摘ありましたけれども、たとえば再建法の中で一番問題であった地方特定交通線の場合、これは地元との話し合いだって始まりませんね。こんなものはどういうふうな審議の間に検討されたんですか、五年以内に分割なんというのは。この七十六線なんというのはもうこれは最大の、再建法の中でこんなものをやったって地元との話進まないぞと、こういうふうな意見が非常にあったんです、反対側からは。それから一年以上たったってそういう話し合いの場すらなかなかできない。そうなると、とりあえずこういう問題もこれ処理をしないと、いま大臣がおっしゃるように、民営分割の前に処理しなければならない問題がいっぱいある。そうすると、たとえばその問題というのはどういうふうに処理をするかということの意見があったんですかね、このブロック民営あるいはそういう臨調の意見の中には。
○政府委員(佐々木晴夫君) いまの民営分割の問題でありますけれども、これは注意をして使っておりますけれども、分割民営化ということでもって、民営に終局的にはなるにしましても、当初は特殊会社であるのはやむを得ない、こういうふうに一応考えておるわけであります。実はいまの分割し、それから民営化をするという意味でありますけれども、これは午前もちょっと申し上げましたんですけれども、やはりある程度の管理主体を置いてそこに当事者能力を持たして、いま輸送需給でもって非常に落差が激しいわけでありますけれども、その各当事者に最大の努力を払わせるということにそのねらいがあるわけであります。 いまお話の特定地方線の問題、御承知のとおり四十路線のうちで現在まで一応協議会ができておりますのが十九までになりましたか、というところで進んでおりません。これは当然のことながら地方のいろいろな要求との関連でもって諸般の問題が起こっているわけでありますけれども、これらの問題につきまして、できるだけ御努力をもちろん願うのは当然でありますけれども、いわば分割後にあってもその地域の輸送需要に対応してできるだけの御努力をお願いをする、途中の過程にありまして、現在のはともかく解消されないとこの二年間が経過しないわけでありますから、そこで非常に問題で、この緊急十一項目の中にもそれを促進するための対策を講ずると、できることならばその開始時期を義務づけたり協議期間の短縮等の改革も行わなきゃならぬ、それぞれ相手があることでありますからなかなか大変な努力でありますけれども、そうしたような努力についても政府において十分行ってもらいたい、このような論議で進められたわけであります。 いまの特定地方交通線対策協議会の問題につきましては、状況を臨調としてもよく存じておりますけれども、これについて一段と政府の御努力をお願いするとともに、これが分割された後においても最大限の努力を払って輸送需給のバランスをとってもらうようにこれは十分考えなきゃならぬ、こうしたような理解の仕方でございます。
○黒柳明君 これ見ますと、いまおっしゃったようなことが(オ)のところに書いてありますけれども、政府の努力といっても、私もそのときは委員長やってまして、各方面から具体的な陳情を受けて、それから今度は国鉄あるいは運輸省当局といろいろ話し合いをしました。この努力たるやもう最大限やった。ただし地元の利害がありますし、さらにその地元といったってまたいろいろエゴが働きまして、その努力というものを、それじゃどういうものをやればいいか。そうすると、これ一つを片づけるにも非常に分割民営ですか、民営分割じゃないんだ、さらにその前には特殊法人という形でと、強力なパワーをつくって地方にと、こういうものはわかるんですけれども、ただこの問題だけあれするために、もうそれこそ強権でも発動して地元をけ散らしてもいかなかったら、これまた単純なことだけれども解決しないんじゃなかろうか。 私はこれの当事者で一応苦労もしたということもありますので、そういう意見を持って、いろんなことが社会党の瀬谷先生なんかおっしゃったように、まだまだいっぱいあるでしょう。いっぱいある中で、特に私はこの特定地方線についてのいろんなことをじかに見聞きしておりますのであれですけれども、そうすると、政府が一段の努力といいましても、ここに書いてあるようなことで一段の努力しましょう、それで努力して解決できるという自信を政府が持つ。あるいはこの裏に何かデータでもあり、具体的な妙薬でも隠されているなら別ですよ、いやそれはまだまだおまえたちに言えないんだ、秘薬だからと。それなら別ですけれども、そんなものでもなければ、さらに政府が一段の努力、臨調が言ったから、それじゃ地元の地方首長もああ臨調が言ったんだからうちはそのとおりにする、そんな甘いものじゃない。こんな感じがするんですが、どうですか鉄監局長、政府の一段の努力とこういうことなんですけれども、この後ろにあるいは何か隠れたデータなり、何か妙薬があるのかわかりません、まだ実際的な審議の段階になっていませんものですから。政府が一段の努力をすればこれは速やかに解決する方向に行きますでしょうか。
○政府委員(永光洋一君) 再建法で先生いろいろ御迷惑をおかけしたわけでありますが、私も一昨年でございますか、第一次の選定のときには責任者としていろいろ苦労いたしました。現在でもいろいろ地元の方々と接触をし御理解を得るように願っておりますけれども、先ほどお話がありましたように、まだ協議会の発足が四割程度できておりませんで、なお十分の御理解を得るように努力をいたしておるわけでありまして、本来妙薬というのがありますれば本当にわれわれも助かるわけでありますが、やはりわれわれいままでの経験から言いまして、じみちにやはり国鉄の現状あるいは地方交通の将来の問題というようなものを御理解を得ながらやっていかなきゃならぬのではないかと思いますので、やはりそういう意味で、現在においてはまだ当初の予定からは相当おくれてはおりますけれども、じみちに粘り強く地元の方々と話を進めることが現在のわれわれの方向ではないかと、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 大臣ね、協議会の開始日の義務づけとかあるいは協議期間の短縮とか、こういうものを一番当初から、いつまでやらなかったらすぐ踏み切るぞ、廃止しちゃうぞ、こうできれば苦労はないわけでありまして、地元と粘り強く交渉したいと、いまもってそういう考えです。 ところがどうですか、この臨調の答申を逆にとりますと、最大限に政府はこれを実行する、こういう立場になりますと、ここに具体的には二つ出ているわけですね。協議会の開始日の義務づけとか、あるいは期間の短縮、これいついつまでに協議会を開始せよ、これに応じなかったらもう強権発動だ、こういうことを逆に言うと、もう運輸省ができるという立場にも立てるんじゃないですか。臨調答申を最大限尊重するとなると。いままで地元との交渉というもの、意思を尊重して非常に慎重に粘り強くやってきたんですけれども、この臨調を最大限に尊重するという立場ですと、やっぱり五年以内に分割なんということを実施する中において、あるいはあるところにはしわ寄せが行く面もそれはある場合もあるんじゃないですかね。そのことも逆にできるんじゃないですか、これ、運輸大臣として。そういうこともお考えになったらどうですか。 そうすれば、ある意味で協議会の開始の日にちをぱっぱっと義務づける——義務づけるとこう言っているんですから、そういう努力もしなさいと言うんですから。それで引き延ばしなんか許さない、もうあとこれだけで交渉、協議打ち切りだ、こんなこともできる立場に今度は立たされたんじゃないですかね。そうすると案外速やかに、地元の意思を無視して、地元を踏みにじって、それで特定地方交通線に対しての結論ができると、基本答申はこういうかっこうの提言をしてくれたじゃないか。こんなことはどうですか。
○政府委員(永光洋一君) 確かに協議会が、最初にまず第一回の協議会に御参加いただきました地域はもう去年の十二月、あるいは第二回、第三回とことし初めから幾つかの協議会ができておるわけでございまして、そういうところの協議会と、なおかつ地元でなかなか御納得をいただけないところとで大分時間的な差が出ておるわけであります。あるいは地域の特殊性という問題もあるかとも思いますけれども、いろいろ問題が出ておるわけでありまして、したがいまして、そういう面からやはり答申に書いてございますようなこういう御意見というのも一つの意見として出てくるわけでございまして、総体的に臨調の答申をわれわれが尊重するというたてまえでまいりますと、個別的にこういう問題についても、やはりこういう御提言がありますれば、われわれとしてもこの点を十分検討はいたしたいというふうに考えておりますけれども、現段階におきましては、先ほど申しましたように、引き続き地元の方々の御納得いただくようなかっこうで進めていきたい、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 ですから、そうなると今度は政府の一貫した首尾が一貫しないわけですよ。もう、いままでのこととは違うわけですよ。臨調の基本答申を最大限に尊重して、その実行の方向にけさ閣議で統一したわけですから。そのためにはここに盛られていること、これをやれば国鉄は再建できる、こういうことですから。再建できるからやれ、こう言われているんですから。運輸大臣もそれに基づいてやっていこうと、こういうことですから。そうなりますと、終始首尾一貫してやることは、ここに盛られている提言はもうここについては論議の余地なんかありません、そうすればいいに決まっているんです。そうでしょう。何も粘り強く地元と、いつになって解決するかわからない、らち明かないことをこちらじゃもう決めているんですから、再建法でこうしようと。 ただ、地元との問題があるから粘り強くやるというこちらの心情的なものだけなんですから。それに対してバックアップするものがなかったわけですよ。それに対して臨調という強力な応援があらわれたわけですから。しかも、総理大臣みずからこれをやれと大号令かけているんですから。そういうものをいい意味でやっぱり逆手にとってやることがいままでなかったからここまで打ちのめされているんですよ、国鉄は。ぐにゃぐにゃこうしてあっち向きこっち向き、顔色ばっかし見ながらやっていたから、だからある時期において、これがいいんだからこれをやろう、たとえ若干の批判があってもと。いまにみていろと、こういうものがなくて、ぐにゃぐにゃあっち見てこっち見てきたからだめだったんじゃないですか。ですから、いまこそやっぱり、まあこれは何もそんなことやれとかやらないとか、いまそんな論議じゃありませんな、まだまだ入り口にも入らない委員会のあれですからね。もうこれ一つ一つやったなら大変な問題点がありますので、そんなこと。 それから、時間ありません。最後に再建監理委員会のことですけれども、ちょっと冒頭から聞きたいと思っていたんです。われわれは、先ほども言ったように全部ここに任せちゃって、何から何まで全部ここでやるんだということですけれども、先ほどそうじゃないみたいな、要するに長期債務のこと、これだけをここでこれから長くかかって、どこでこれをやっていくか。そうなると、分割とか具体的ないろいろな問題ありますね、そんなものを全部この監理委員会でやるという趣旨じゃないんですか。何かいままでの私たちのマスコミを通しての感じですと、全部これがさっきも言ったように総理大臣、立法府、行政府を乗り越えた権限を持って、もうここに書いてある以外にいろんな隠れた要素、わからない要素、全部ここにしわ寄せをして、ここで全部決めちゃって、それで提言したことは絶対実行しなきゃならない、こういう感じがしたんですが、そうじゃないんですね。
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調の考え方といいますのは、先ほど一応申し上げましたように、基本的にはいまの国鉄については分割民営化を五年以内に速やかに行う。そのために、もろもろのその以前の赤字をこれ以上ふやさないための緊急十一項目をとっていくということが基本の考え方であります。そうしたような方針につきましては臨調としてこれはぜひとも進めるべきだと、こういう考え方であります。 そこで、臨調のこの改革の推進体制として、それを具体的にどういう形でもって分割をしていくか、その前提条件をどういうふうに整備するのかということにつきまして、ここに国鉄再建関係閣僚会議とそれから国鉄再建監理委員会と両方を置くということを考えているわけであります。 国鉄再建監理委員会につきましては、これはここの答申の中でも任務及び権限というふうに明確に書いてありますように、たとえば分割民営化のための再建基本計画の企画、審議、決定、それから基本計画に基づいて国鉄の作成する具体的再建計画の瀞盃及び決定、それから長期債務、年金問題。長期債務及び年金問題というのは、いわば分割民営のための諸条件を整備するための一つであります。 考え方の基本は、今後あるべき姿として、先ほど申しました早期に今後分割民営化を行っていくためのいわば基本計画あるいはその具体策、こうしたものを審議、決定し——これは政府、各省庁が協力してやらなけりゃなりませんから、そうしたような方針に基づいて内閣総理大臣に対してその決定を進言をし、内閣総理大臣においてこれを尊重して実施をしていただく、こうしたような体制を考えているわけであります。したがいまして、先ほど言われました、たとえば国会とか、それから行政各部を乗り越えるとかなんとかということではありませんで、基本的に先ほど申しました再建のための具体策を種々調査、審議、それから決定をしていく、いわば実行するその土台になる案をここでもって作成をしていく、こういうものが監理委員会の権限であるというのが調査会の、臨調の考え方でございます。
○黒柳明君 そうすると、関係閣僚会議とタイアップして作業を進めていく、こういう感じで聞きました。 すると、どうなんですか、まだそこまでは考えていないんですか、そのメンバー構成の人数とか、あるいはどんな人を構成の中に——国鉄総裁なんかぜひ入って、そこで意見を述べたいなんということをマスコミを通じて私見ましたのですが、当然総裁を入れていただけますですか。構成メンバーとか人数なんというのは、考えはまだ持っていないんですか、あるいはどのような考えをお持ちですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 具体的な人事の問題につきましては、これは臨調でとやかく申すべきことではありませんで、いわばこうしたような任務及び権限に対応しまして、実行段階で政府においてお考えをいただけ得るものと、このような調査会の理解でございます。
○黒柳明君 当然そうでありますけれども、その中に当事者である運輸省——これは運輸大臣は閣僚会議へ入るわけですけれども、閣僚会議の中へ国鉄総裁は入りませんな。当然総裁は当事者の当事者ですからその中に入るべきだ、こういうふうには思いませんか。
○政府委員(佐々木晴夫君) これは臨調としてはその一つの仕組みを一応つくる、最も効率的な仕組みをつくるということが臨調の役割りであります。そういう意味で、この推進体制の中の重要な要員である監理委員会につきましては、こうしたような仕組みがこの段階でぜひとも必要である、ある程度政府を拘束をしていく、それで全政府的にこれをやっていくということであります。 この過程におきまして、たとえばその委員長は国務大臣をもって充てるとか、それからたとえば国鉄の総裁というふうな論議もいわば話の中に一つあったことはあります。ただし、このあたりについては最もやりやすいような仕組みでもって政府でもってお考えをいただくということではなかろうか、このように一応考えたわけであります。 なお、もちろん具体的に、これが効果的であるためにはやはり人が必要である、まことに人物の問題であるということについては調査会内部で意見が一致をいたしております。という意味はどういうことかと申しますと、結局これは役所だけの問題ではなくて、いわば民間の御協力も願わなきゃならぬ。それから、現実に分割民営化をしました場合にあって、これは現に資金繰りが大変問題になってまいる、そのあたりについてもこれは政府と協力をしていろいろと目星をつけていかなきゃならぬという意味で、その委員会の人事というのは大変重要である。ただしこれについては、実行に最も適当な人材、そうしたものを政府において一応お考えいただくのが適当であるというのが調査会の論議の中心でございました。
○黒柳明君 先ほどもさんざん瀬谷先生におしかりを受けたようなメンバー構成をもってつくった基本答申、まあ確かに人がこれをつくって、人が運営して、人が実行するんですから、やっぱりすべて人間が、しっかりした人があれしていただきませんとうまくない。審議の過程で運輸大臣が、あるいは国鉄総裁が委員長と、総裁、うれしいような発言がいまありましたので、ちょっとはにこっとしていただかないと。もしかすると国鉄総裁がこの監理委員会——いまおっしゃった立法も行政も云々しないんだと言いながら、ある程度政府を拘束するんだ、こういうこともおっしゃったわけでありまして、相当の権限を持つ委員会でありまして、そうすると、ちまたで言うような名前なんかちらちら活字が出ていますですね。そういうことじゃなくて、やっぱりすべて政府が権限を持って、そして最もふさわしい人がその任につく。そのふさわしいのは民間であるのか、あるいは一番悩んでいる当事者であるのか、あるいは実情を知っている当事者であるのか、いろんな意見があって、今後の問題だとは思いますけれども……。 それで最後に、ひとつ緊急事態宣言というの、これは緊急事態というとわかったような感じがしますけれども、どんなことをいま臨調としては考えてこの活字を盛ったのか、そこだけお聞かせいただけますか。
○政府委員(佐々木晴夫君) ここにも一応緊急事態宣言として明示をしてありますように、現在の国鉄はいわば破産状態であります。それを再建するということは国家的急務であって、これにつきまして当事者、関係者の意識を十分に喚起をし、また一つのコンセンサスを得る必要がある。その意味では、国鉄について事態がここまで一応来ておるということについてまずはみなさんの御認識をいただかなきゃならぬ。 その意味で、現在の国鉄の状況、これをどうしても再建をするんだという決意の表明、それから、これについてすでに各方面からの関与その他いろいろとあって、いわばいろいろな制約の中で国鉄が運営されておるわけでありますけれども、それにつきましては極力国鉄の本来的な事業運営、こうしたものが行われるような、そうしたような意識統一、こうしたものをお願いをするような意味での緊急事態の宣言、こうしたものをこの段階まずは行うべきではないか。いわば今後監理委員会がその再建のための具体策を一応講じていくわけでありますけれども、その場合の物の考え方というのはやはりできるだけ制約を排除をして、企業としての運営が行われるような、それでまた政府、それぞれの省からそれぞれ協力が得られるようなそうした仕組みづくりを一応しなきゃならぬ、そういう意味での緊急事態宣言がこの段階で必要であろう、こうしたような考え方であります。
○黒柳明君 そうすると、この緊急事態宣言というのは、臨時国会で監理委員会の法案が審議される前なんですか、あるいはそれができてからですか、時期的には。もういまの時期ですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調の考え方としてはできるだけ速やかに、現在すでに国鉄がこうしたような事態にまで至っておるということについて明確な政府としての意思表示が行われるべきである。そのもとで再建を軌道に乗せるようなもろもろのたとえば緊急措置、それから監理委員会の設置、こうしたものが行われなければならぬ、こうしたような考え方でございます。
○黒柳明君 当然それは国民に対してアピールする方法、アピールする内容、こういうことですね。
○政府委員(佐々木晴夫君) 調査会もこの国鉄の審議を始めますまでにはこうしたような事態にたっているとは十分承知をしていなかったわけであります。もういまや一刻の遅滞も許されないようなそうしたような事業運営の実態である。こうしたような実情は明確に国民それから政府、また関係者、それぞれが御認識をいただく必要がある。その意味でこの非常事態宣言を発して、後々で勇るだけ制約なき状態でもって再建を進めていかなければならぬ。こうしたようなことでこの緊急事態宣言が早急に必要である、このように一応考えたわけであります。
○黒柳明君 これは政府として考えること、あるいは再建監理委員会の準備室の準備が今月いっぱいでできる、その中において並行して行われる性格のもの、これは運輸省あるいは国鉄独自ということではあるいはないかと思いますけれども、そうすると緊急事態宣言というのはイの一番にやらなきゃならないというような感じもしますが、ひとつ運輸大臣、こういうことはこれは別に監理委員会もあるいは臨調の答申もそんなに関係ない、この際、国民に対して声を大にしてやらなければならない、こういうことはひとつどうなんですか、運輸大臣として。これも行管やどこかの号令待ちで、あくまでもこちらじゃそんな主体的にやることはないなんという考えをお持ちなんでしょうか。 それともいまおっしゃったように、これがイの一番というような感じがしますので、そうなりますと、これは予算を大幅に取って、テレビの画面かなんかでそれこそ大臣みずから登場しまして大大的にアピールする、こんなようなことについてのアクション、準備を起こすんでしょうか。それとも、まだきょう閣議で決まったばかりだからこれからぼちぼち考えるんだと、こんなことなんでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 先ほど来御答弁申し上げているように、八月の末までにいわゆる監理委員会などを設置する準備室を置くことです。それから九月の中下旬にかけて、非常にこの問題急いでいるというわけでありますから、閣議決定をしなくちゃいけません。そのときの内容としては緊急事態宣言であるとか、緊急十一項目の実施を決定するとか、あるいはまた関係閣僚会議を置くとか、さらにまたいわゆる監理委員会の設置の方針を決めるとか、こうしたことが内容になると思うのでありまして、これが大体九月の下旬ぐらいまでいろいろと議論いたしませんと、いろいろな関連の法律がありますからできない。この中から特に緊急事態宣言だけを早急にやるかやらないかということは私はこれは総理の時局認識ではないかと思います。しかし、そうしたものをいたすにいたしましても、ただ大変だと言ってみてもしょうがないのでありますから、やはりそれにフォローした種々の政府としての対応が決まった時点がいいのではないかというふうに思います。
○黒柳明君 そうすると、臨時国会にはこの国鉄再建監理委員会の設置法を出すという総理の発言ありましたし、また財政再建も含めての臨時国会の早期開会ということが一部閣僚を含めて話がありましたが、いま大臣のお話ですと、九月いっぱいまでこれかかる。そうすると、もう九月じゅうの臨時国会というのはまずあり得ない。十月に入ると総裁の予備選挙があるかもわからない。そうなると、まあいまのところ常識的には十月下旬と、こんなことが臨時国会の開会のめどになるというような感じがします。 いまの、九月いっぱいかかるということはこれはまず間違いない。そうなりますと、その後にこの監理委員会についての法制化が始まる、それから臨時国会、こんなことが、何も臨時国会についてさっきも中曽根さんがおっしゃった、一閣僚が云々するときじゃないと。こういうことなんですが、九月いっぱいどうしてもかかるということについては、これはもう大臣の頭の中ではこれは間違いない、どうしてもそこまで日にちはかかる、要ると、これは間違いないでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は現状ではそう思っております。非常に重要な問題でございますし、また一つ例を言うならば、非常事態宣言ということを出しても、大変だと言ってもしょうがないんで、何かもっと内容のあるものでなきゃいかぬのでしょう。そうしたことと、もう一つ重要なことは、八条機関でありますけれども、監理委員会の設置の方針を決めることにはこれは相当にいろいろと私は法制的にも問題もあると思いますから、やはり時間がかかると思います。 それで、先ほど中曽根さんが言ったみたいに、一閣僚として臨時国会の時期その他を申すことは不適当だと思うのでございますが、時間的に申しますれば、やはり九月いっぱいまで国鉄再建についての基本的な政府の対応を決めるということでいいのじゃないか、またそれくらいの時間をかけるのにふさわしい問題じゃないかというふうに私は思っております。
○黒柳明君 済みません、もう時間で。 最後に臨調に一つ。時間は早い方がこの緊急事態宣言はいいと、こういうことなんですが、もう臨調から政府の方に当事者能力は移っているわけですが、大臣のお考えというのはやっぱり慎重に、内容といったって、緊急事態といったって、何もやればいいものじゃないんだ、内容のあるものにと。そうすると、やっぱりいまの発言だと相当おくれるというような感じですね。 そのことについて、まだまだ、臨調の手から離れましてもまだ三月まで臨調存在するんですし、そういうこと、いまの大臣の発言なんかもひとつ土光さんに言っていただいて、運輸大臣はどうものんびりしているぞと、そんなことでまた、おれやめるなんて言い出したら困りますんですけれども、そこらあたりひとつ臨調としても、いま聞いたところでは準備室の設置とかなんとかというのは関係なく早い時期に国民にアピールするべきものだと、こういうような御発言があったわけですが、ちょっと政府、なかんずく当事者は慎重で時間がかかるというふうな発言なんで、ひとつそこらあたりのギャップも臨調の方でまだまだこれからフォローしていただかなきゃならない分野が残っているのかなと、こんなふうに思うんですが、すみません、一言。
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調の基本答申の中にもありますように、臨調としてはこれからもその存続期間中政府の対応については十分注視をしてまいるということをこの後書きのところに一応書いてございます。これにつきまして政府の当事者あるいは国鉄当局において十分な御努力をもちろん期待するわけであります。私ども承知している範囲では、例の緊急十一項目につきましては、国鉄当局大変誠意をもってただいま実行していただいておる、このように認識をいたしております。この緊急事態宣言あるいは監理委員会につきましても、政府それから当事者がただいま大変な熱意でもってこれについて御検討いただいておるというふうなお話を一応承っております。 その時期について、できるだけ早く行われることが望ましいというのは先ほど申し上げたとおりでありますけれども、そのための準備期間ももちろん当然あろうかと思います。臨調として、後の方にありますようにこれはできるだけ速やかにやっていただくということで、準備期間を満たさなければもちろんこれはできないわけでございますけれども、できるだけ速やかに御努力を願う、こうしたような気持ちで恐らく委員の全員がいるものだと、このように考えております。
○小笠原貞子君 臨調にまず第一にお伺いしたいと思います。 臨調の答申を読ませていただきますと、国鉄の現行の経営改善計画について、その達成はきわめて困難であると決めつけた上で、だから臨調の提言の立場以外に方法はあり得ないというふうに流れているわけですね。私ども共産党といたしましても、国鉄の真の再建ということは非常にいま緊急に必要な問題だと、そう考えているわけでございますけれども、この臨調の答申を見ますと、まさに分割民営化以外には方法はあり得ないというふうに読み取れるわけですね。 といいますと、結論から言って私が伺いたいのは、国鉄はもうその当事者能力なし、それから運輸省もその責任においてこれをやり切るという力もなし、だから臨調のこの民営分割化ということでやれという、そういうことなんですね。 あなたの言葉、語尾がとっても聞きにくいから、ゆっくり大きい声ではっきりと答えていただきたいと思います。
○政府委員(佐々木晴夫君) いまのお話の、たとえば国鉄が当事者能力はない、あるいは運輸省は当事者能力がないというふうなことではないのであります。臨調として一応考えましたのは、現在の公共企業体としての日本国有鉄道というものは、これはたとえば予算の国会提出あるいはたとえば労使関係といいますか、賃金の決定方式につきましての仲裁裁定、その他もろもろの制約が課せられておる。しかも率直に申しまして、たとえば国鉄の線路の敷設につきましてももろもろの制約が一応課せられておる、かつまた全国単一料金というふうな制約も課せられておる。そうしたような公共企業体の形態では、これは経営の改善というのは進み得ないというのがこの臨調の物の考え方でございます。 したがいまして現在のように、先ほどから申し上げておりますように、輸送ギャップが非常に激しいような、こうしたような状況のもとで、それぞれの地域別に適正な輸送需給のバランスを一応回復をしていく、それからまたそれぞれの主体が十分な当事者能力、というのは経営の責任を持ち、それから料金あるいは給与につきましてもそれぞれの当事者が一応決定をしていく、そうしたような仕組みをつくらなければこれは十分生産性を上げ得ない、こうしたような考え方をいたしておるわけであります。
○小笠原貞子君 そういうお立場でいらっしゃるということはわかりました。いまの問題について、国鉄総裁として、運輸省として、それに対しての御反論なり御意見というものはございますか。しょうがないなということですか。
○説明員(高木文雄君) 現在私どもが置かれておりますポジションが予算の問題、運賃決定方式、あるいは賃金決定方式といったことについていろいろ制約があるということは御承知のとおりでございまして、率直に申しまして、私どもも現在のシステムが最高、最良のものであるというふうには考えていないわけでございますけれども、しかしそれを論議しておりましても事の解決にはなりませんので、私どもといたしましては、いろいろ、何と言いますか、窮屈な点はありますけれども、現行制度の中でどういう努力をするかということで今日までやってきたわけでございます。 この問題は非常に大きな立法政策論の問題でございますので、今後とも、ちょうど臨時行政調査会の御答申がありましたのを一つの機会といたしまして、政府においていろいろ御論議いただくということは、ある意味ではわれわれとして歓迎すべきことだと考えております。したがいましてその臨調答申の肉づけといいますか、具体化といいますか、そういうことを論議するために再建委員会が設置されるということは、われわれとしてもむしろ歓迎をいたすところでございまして、過日臨調答申が出ました際に、私どもの見解を総裁談話という形で述べさしていただきましたときに、私どもといたしましても再建委員会にいろいろな意味で積極的に参加をさしていただきたいということを意見表明をいたしましたのも、そういう意味でございます。 必ずしも経営形態を変えることだけが唯一残された道であるとは考えておりませんけれども、さりとて現状が満点だとは日ごろ思っておりませんものですから、そういうことをも含めて御論議が展開されるであろう再建委員会というものの設置については、われわれも大いに意見を言わしていただける場所ということで、歓迎といいますか、むしろ積極的に参加さしていただきたいというのは、そういう意味で申した次第でございます。
○政府委員(永光洋一君) いま総裁からもお話がありましたが、国鉄の現在の自主性という問題等等につきましていろいろ従来から議論があるところでありますが、非常に立法政策上も大きな問題をはらんでおります。ただ、ここに臨調がそういう御提言をされ、そういう御意見だということは貴重な一つの御意見でありますし、そういう議論を踏まえて政府部内、監理委員会等の場においても十分に議論を進めてまいりたいと、このように思っております。
○小笠原貞子君 一応きょうは聞くだけで進みたいと思います。 臨調に伺います。具体的に、先ほどから問題になっておりますけれども、七ブロックということになりますね。そうすると、長い全国のネットワークが分断されるというような問題について、国民として非常に不便だ、これは一体どうなるんだというようなことについてどういうふうにお考えになってそういうことを考えられたか。 それからまた、運賃体系もばらばらになってきて非常にこれも不便だし、大変困難だ、そういうような問題について、御討議は、どういうふうな中身で討議されたんですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) いまの全国のネットワークのいわばつながり方、接続の問題のお話だと思いますけれども、これにつきましては、たとえば最近の国電とそれから地下鉄の相互乗り入れとか、その他もろもろの例がございます。現在の仕組みでもってこうした問題を解決するのはそんなにむずかしい話ではない、これは諸般の説明も一応承りました。その結論としては、そうしたようなネットワークの形成というのは、新しい秩序ができた段階でもってそれを行うことは、これは技術的には比較的容易な話であると、このように一応理解をいたしております。 それから運賃格差の問題につきましては、これは先ほど申し上げましたように、この中でも書いてありますけれども、全国単一料金というのは今後の段階にあってはいかがなものであろうかというふうな考え方をいたしております。この緊急措置の中でも、これは地域的にその料金につきましては、たとえば近辺の私鉄あるいはバス、そうした料金と対比しつつ考えてまいるんだということを述べておるわけであります。今後の分割会社につきましても、そうしたような運賃格差というのは若干生じてくる可能性は一応あり得ます。ただし、この間にあって当初の段階、ある程度の合理化努力、そうしたものを前提として、それからまた近辺の地域の料金を前提として、ある程度バランスのとれるような料金体系を、国としてもある程度の助成をしていくというふうなこともまた答申の中に書いてあるところでありまして、これ極端な格差ができるというのはもちろん適当じゃないわけでありますけれども、ある程度の地域間の格差が生ずることはやむを得ないことであるというふうに一応考えておるわけであります。
○小笠原貞子君 具体的に先ほども出ましたけれども、北海道なんかというのはどう考えたって経営は成り立っていかないということは御承知のとおりだと思いますよね。ある程度の運賃格差とおっしゃったけれども、ある程度と言ったってピンからキリまであるわけですよ。北海道で経営努力して、そして経営改善していこうとすると、やっぱり結局のところは採算がとれない、赤字のところは整理していかなかったらならないですね。やっぱり合理化していかなきゃならない。そうしないと運賃は大変なことになるというと、結果的にはいま問題になっているローカル線どころでない。北海道の場合だったら本当に黒字になっている線というのは二線くらいしかないわけですからね。そうすると、その辺のところはもう見殺しにせざるを得ないということになると思うんですけれども、どうなんですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 北海道のお話が出ましたけれども、けさほども申し上げましたように、在来線では北海道がたとえば五十五年で二千百九十八億の赤字でございます。それから本州が在来線では八千二百一億円の赤字を示しておるわけであります。つまり、同様にいま収支採算がとれているところから赤字線を分離するわけではございません。現在、いわば全国どんぶり勘定でもってそれぞれやっておる。結果としてそれぞれが大幅な赤字を出しておるということであります。したがいまして、それぞれについて収支採算を一応明確にしておく。その中でもって先ほど申しましたように分割体が、今後できます分割体がぎりぎりの合理化努力をしていただくとともに、先ほど申しましたようにいわば関連事業あるいはそれぞれの事業部門を別途持ちまして、できるだけトータルとしての合理化策を講じていただく、こういうことを考えておるわけであります。 もちろん北海道、大変むずかしい話になってまいるんだとは思いますけれども、たとえば悪うございますけれども、九電力の分割のときに、北海道電力はこれは大変な赤字で、とても採算がとれ得ないというふうな話があったようであります。まさしく国鉄と同じような論議があったわけであります。現在、北海道電力、確かに内地と比べまして五割程度の格差は一応ございますものの、大変な合理化努力をやっておるわけであります。いわばそうしたことで安定的な輸送需給が北海道においてできていくということを、臨調としては今後にあってある程度の当初の助成は必要であっても、当然今後そうなっていくであろう。そうしたような自立的な秩序が行われる必要がある、このような考え方を一応とったわけであります。
○小笠原貞子君 非常に大ざっぱで、言葉でぱっとおっしゃったけれども、じゃ、北海道である程度の運賃格差が出ると言われるけれども、ある程度ってどの程度考えていらっしゃるんですか。 それから、ぎりぎりの合理化と言われますよね。そうすると、ぎりぎりと言われればやっぱり採算とれない赤字路線というものは切っていかなきゃならないという、合理化につながってくるということを私は言うわけです。それから関連事業っていうものが、札幌とか例の道央近郊はいいですよ、だけど本当に住民が、弱い者が足がなくて困ると言って陳情してきている、そういうところで関連事業やりますなんて言ったって、ちょっと関連事業できないですね、あの北海道のいまの国鉄に期待している住民の熱意を考えればね。言葉ではそうおっしゃるけれども、結果的にはそういう本当に病人とかそれから主婦だとか通学者だとかという、そういう弱い者のところは切らざるを得なくなっていくということになっていくわけでしょう、ぎりぎりの努力をしろということになれば。その辺のところは臨調としてどの程度までは切ってもしようがないんだというふうに考えていらっしゃるのか。いまのままでも公共性との考え方でどの程度を考えていらっしゃるのか、公共性との考え方で伺わせてください。
○政府委員(佐々木晴夫君) 現在の線区があることを前提としていまの分割論を一応考えておるわけであります。その中で収支採算どうしても償い得ないところについては、確かにある程度の整理が行われることはこれはやむを得ないでありましょう。それがどの程度であるかということにつきまして、たとえば線区を一つ一つ分析をしてやったわけではありません。これは全体として、いわば地域経済の動きの中でもってつかまえるべきものであるという考え方であります。それに至るまで、つまり先ほどの御質問は運賃が大体どの程度のものかということの質問がございました。運賃は大体その近辺のいわば私鉄の料金と……
○小笠原貞子君 北海道私鉄ないの。
○政府委員(佐々木晴夫君) はい、北海道近郊にあります……
○小笠原貞子君 北海道に限っては私鉄ない。
○政府委員(佐々木晴夫君) あるいはバスがございます。そうしたようなものとのバランスでもって決すべきものである。でなければ、一方的に旅客は取られるわけであります。そこでその間のいわばアンバランスにつきましては、当分の間はこれは国の助成が合理化努力を前提としてあらざるを得ない、こういうのが一つの原則であるというふうに考えているわけであります。
○小笠原貞子君 だから、北海道の場合私鉄もないわけ。国鉄しかないわけよね。そうしたら比較するものもないわけでしょう。
○政府委員(佐々木晴夫君) バスがございます。
○小笠原貞子君 バスもないんですよ、そういうところ。どうする。
○政府委員(佐々木晴夫君) いや、バスがないところも一応あるというお話でございます。それは確かにバスのないところもありますでしょう。だけども、その類地のやはりバスの料金というのは一つの目安になるだろうと思うのですよ、たとえばですね。それでそのあたりでバランスをとりながら、地域のいまの料金のいわば競争力をやっぱりつけなきゃいかぬわけでありますから、料金はそのあたりが一つの前提に一応なっていくと、このような考え方であります。
○小笠原貞子君 だからものすごくあいまいなのよ。バスもないし、私鉄もないの。だからいままでみたいにバスがあったところでも、地方ローカルのバスというのは第三者何だのってどんどんつぶれていっちゃうんだから。そうするところはどれくらいの、ある程度なんて言ったって本当にある程度なんてどれくらいになるかわからない。そんなに高く取ったら乗れませんということで、結果的にはそういうところを切らざるを得なくなってしまう、具体的に言えば。そのところをちゃんと認識していらっしゃらないというのがきょうはっきりわかりましたよ。そんな東京だの大阪だの見ているからバスだの私鉄だのなんと言うけれども、一番困っているところなんて頭ないじゃないの。だからやっぱりこの臨調で言う合理化なんていうのは、そういうところは切っちまえというものすごい合理化だというふうに考えざるを得ないということがいまはっきりしたと思います。時間がないからまた改めてやります。 次の問題に進みたいと思うのだけれども、分割体について地方公共団体及び民間の出資をできるだけ受けるというふうに書いてありますね。これは臨調答申の第二部の四重に地方行政の合理化、つまり減量化、効率化の方向というのが一つは出ていますね。それとの関係でちょっと矛盾してくるんじゃないかと思うのだけれども、その辺のところはどう考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) その御質問の意味が実はよくわからないわけでありますけれども、いま言われた御指摘のところでは、地方行政があってあるいは地方財政があって、いわば選択と負担の関係でもって行政水準を定めていくべきである、このような考え方を一応示しておるわけであります。 恐らくそれとの関係でもって御質問ではないかと思いますけれども、いわばその中の標準行政というのが一つの考え方としてあるわけであります。その標準行政にどれだけのものを盛り込むかという問題は一応ございますけれども、従来、たとえば地方線の廃止問題につきましても、いわば国鉄あるいは運輸省がいろいろと御努力をなさる。ただ、地方ではやはりもろもろの要件からこれにつきましてずいぶん抵抗なさる、こうしたような対立組織があったわけであります。それに対しまして、今後の場合にはやはり受益と負担、選択の問題ですね、これでもって地方としても十分その必要性については見きわめをしていただく。見きわめをしていただいた上で、それが基準行政の中に入るべきものであるならば、それは当然そうしたような基準行政として一応考えていくベきであるし、それからそれ以上のいわば選択と受益でありますから、そこの住民の意向によって、そのあたりについてはその存否について、地方団体自体がいろいろと積極的にお考えをいただくということを期待しているわけでありまして、いまのこの国鉄についての考え方とそれから第四章に瞬けるところの考え方と、特段の矛盾があるとは思いません。
○小笠原貞子君 地方公共団体でも出してもらうことを期待しているというふうにおっしゃったけれども、どこの地方公共団体だって財政大変ですよね。そういうようなことを考えれば、地方公共団体で負担ができるというふうに、あなたはそういうふうに考えていらっしゃいますか。負担できる地方公共団体はあるというふうに見てらっしゃいますか。 あと、自治省来てらっしゃいますか。——じゃ、あと自治省に、その問題についても伺いたいと思います。
○政府委員(佐々木晴夫君) いまの負担の問題、もちろん一応あるわけであります。負担能力があるかどうかということであればこれはやはり選択の問題であります。選択の問題として、たとえばそこの交通線が非常に交通量が少ない、したがって運賃収益が少ない、それに対して料金コストがうんとかかっておるというふうな場合にあって、これは国鉄のみならず、あるいは分割の会社のみならず、そこの地方団体あるいは住民が一体これをどういうふうにすべきかということを当然選択すべきものであろうと思います。単に負担能力の問題ではなくて、これはいよいよそうしたものを維持しなければならないということであるならば、それはやはり他に優先してそうしたような投資が行われてしかるべきである、いまの選択と負担の関係ないし地方においてこうしたような路線の去就につきましては、いままで以上に積極的にこれをお考えいただくべきものであると、このように一応思います。
○小笠原貞子君 確かにその地方で必要だということであれば選択をしてそれにやると、そうすると当然負担しなければならぬ、こういう論法よね、いまおっしゃったのは。それは理屈そのとおりなのよね。だけれども負担能力がない。置いてもらいたいんだというふうな、また置いてもらいたいというよりも置くべきだと私らは考えていますけれども、そうすると負担能力がないということで、ここのところはやっぱり見離さなければならない、これは切り捨てていかなければならないという結論になってくるわけですね、結果的には。そういうことになるでしょう。選択するといったって金がないんだもの。選択の余地がないんだもの。そうしたらそれはもうがまんしてもらわなければならないと、こういう結論になるでしょう。
○政府委員(佐々木晴夫君) 結局いまのお話はいわば投資のプライオリティーの問題なんだろうと思うんですよ。つまり金の使途のプライオリティーの問題であるというふうに思うわけであります。ですから、一般論として地方財政が非常に窮乏しておるということはもちろん私どもも承知をいたしておるわけであります。承知をいたしておるのでありますけれども、それにつきましていま御指摘の第二部の第四章で述べております選択と負担の考え方というのは、一般論としては先ほど申しましたように、いわば選択と負担のバランスでもって一応考えるべきものであるという考え方をとっておるわけであります。ただし、もちろんこれは先ほど言われました公共性の問題その他ありますから、いわば政府のサイドあるいは国鉄サイドでもってもろもろ考えるところも一応あるわけでありましょうけれども、そこにあって、地方における主体的ないわば努力、そうしたものについては当然期待されるべきものであると、このような考え方を持っているわけであります。
○小笠原貞子君 自治省にちょっと伺います。いまみたいな考え方で主体的な努力をやってもらいたいというようなこともおっしゃったんだけれども、自治省ごらんになっていて、各自治体に非常に国鉄は置いておいてもらいたい、公共性を確保する上からも。というような立場も勘案されて、そういう要請にこたえられる力というものが自治省サイドからごらんになって可能かどうかということ、いかがお考えですか。
○説明員(前川尚美君) この民営分割化に伴います自治体の対応との関係の御質問でございますけれども、この民営分割化を具体的にどういう方策で進めていくかということは、先ほど来運輸御当局の方からも御答弁ございましたように、今後再建監理委員会等で論議が深められていくことと思いますので、私どもも現段階におきましては具体的にはその内容によって判断をいたしたいと考えているわけでございます。 ただ、お尋ねにございましたように、現在の地方財政の状況を申し上げますと、これは国も大変厳しい状況でございますが、しかし地方財政もそれに劣らず厳しい状況になってまいっております。特に地方団体いろいろ数もたくさんございますが、しかしどの地方団体にとりましても現在の財政需要を充足するだけで大変厳しい状況にあるということでございますので、目下のシステムなり財源配分ということを前提にして物を考えますと、これはなかなか負担をするということは容易なことではない。地方団体にとっては恐らく至難のわざであろうというふうに考えております。
○小笠原貞子君 それは本当の現実だと思います。だから結局結論として言えば、そういうところはどうしても切られていってしまう、そういうところはみんな切っちゃって、そして採算とれるように民営分割化していくということになると、まさに国鉄の公共性というようなものは無視されて、財政再建とそろばんだけはじいてという立場になってしまうということがここで明らかになったと私は言わざるを得ないと思うんです。結果的にはそうですよね。そこまでめんどう見てたらまた膨大な支出になるということになると思うんですね。 それじゃ大蔵省にお伺いしたいと思います。臨調のこの答申の中で、国としての財源措置というものをいろいろ考えなければというふうに書かれているわけですけれども、たとえば長期債務については分割会社が負担できる分以外、これもまた非常に抽象的なんだけれども、負担できるといったらもう本当に特殊なところを除いては恐らく負担できないというようなことになると思うんですけれども、それ以外は国からと、こういうことになるし、それから国鉄年金の追加費用という問題や、それから青函トンネル、それから上越新幹線等大規模プロジェクトの負担というようなものですね。ここに書かれているように、これはもうちょっと負担できない、どうぞ国でということになると、現在の国鉄助成のそれこそ大変な、数倍にもなるというような大きな額にならざるを得ないと思うんだけれども、こういうものめんどう見てくださるんですか、見ていただけるのでしょうか。
○説明員(藤井威君) いま先生御指摘のような、現在の財政事情のもとで臨調答申に盛り込まれておりますもろもろの一般会計の財政負担、これは非常に多額のものになるだろうという予測をわれわれもいたしております。これをそのまま実現するということは、これはおっしゃるとおりなかなかそう容易なことではない、そのとおりであろうと思います。そういうこともありまして、答申においても国はそのための財源措置を検討するということで財源措置の検討項目というのを一行書いてございます。当然われわれもこの点を中心にして今後かなり厳しい検討を続けていかなければいかぬというふうに考えております。
○小笠原貞子君 大変厳しいとおっしゃるし、実際問題そうだと思うんですよね。そういう点については臨調としてはどういうふうな見通しを立ててこの答申を出されたんですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) 言われるとおり、いまの国の財政事情非常に厳しいものがございます。ただし、国鉄が毎年たとえば二兆に及ぶような赤字を今後ともたれ流しておいていいものではない、ある段階でもってこれをけじめをつけなきゃならぬ、そのけじめのつけ方がこれから問題になるのだろうと思います。端的に言いまして、長期債務の問題、それから年金の問題、そうしたものはいずれもそのたぐいの問題であります。従来はいわば悪い言葉で言えば赤字のたれ流しであった。それをこの段階ではそうしたようなことでなくこれを再建していかなければ、まさしく国家的な資産であるところのこの国鉄が、いわば全国のネットワークが、これがどうにもならないような状況になってくるということを臨調としては考えておるわけであります。 その場合に、非常に厳しい財政事情ではあるけれども、何らかの財源措置を国の方において御考慮を願う必要がある。また、それが具体的にどういう額であるかということは、これはもろもろの今後の合理化策を検討した上で、再建監理委員会においてこれを決定するのが適当であると、このようなのが臨調の考え方でございます。
○小笠原貞子君 具体的に聞いてみたら何にもわからないのね、中身。もろもろのなんていう言葉が出てきたり、何らかの財源措置を考える。もう非常に言葉が抽象的だから、中身を具体的に聞いたら何にもきちっとした背景がないわけね、裏づけというものが。言葉では今後もろもの条件、何らかの財源措置を考えると言われる。そして、それらのわからないもろもろの何らかのというものが全部監理委員会というものに任せられてくるわけですよね。そうすると、この監理委員会というのはものすごい権限持った、とにかくすごいものにならざるを得ないですね。ということは、この臨調行革というのはまさに財界主導型のファッショ行革だなんてわれわれ言っているけれども、きょうのわずかの質疑の中でもそのことがはっきりしてきたということで、私はちょっと恐ろしいなといま思っているわけです。 きょうはいろいろ聞きましたから、これからまた本格的に伺いますので、きょうのところは恐ろしいなというのがわかったということだけはっきりしておきます。 それで、次に別の問題伺いますけれども、国鉄で来年度から学卒新規採用をストップされたというふうなことを伺いました。高校卒の国鉄就職者というのは毎年一万二千人前後というふうに伺っておりますし、男子では特に全就職着数の三ないし四%に達するということも伺ったわけですけれども、もしこれが全面的に新規採用ストップだということになると、これは大変な問題だなというふうにちょっと私心配しているんですけれども、まず文部省に伺いましょう。 このような状態をどういうふうに受けとめておられるか。生徒にどういうふうな心配、不安というものが起きているか。先生なんかがどういうふうに考えていらっしゃるか。文部省としてのお考え、時間も余りございませんので、簡単に伺わせていただきたいと思います。
○説明員(阿部憲司君) このたび国鉄が来年度の高校卒業予定者の採用を中止したことに伴いまして、来年度の高校卒業予定者の就職決定に与える影響が懸念される面もあるわけでございますけれども、全体として高校卒業予定者の就職状況について見ますと、ことしの三月の卒業予定者のうち就職希望者が約五十万人あるわけでございますけれども、これに対して求人数が約百万人と、二倍近い状況にあるわけでございまして、本年度の就職希望者のほとんどが卒業までに就職を決定している状況にあるわけでございます。来年度につきましても、一部に厳しい状況がうかがわれるにいたしましても、全体的に見ればほぼ就職先は確保されるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。 文部省といたしましては、国鉄とか個々の事業所の求人問題につきましては、文部省の立場としてこれについてのコメントをするといったようなことは従来やってきておらないわけでございます。ただ、文部省といたしまして、高校生の就職問題につきましては、生徒が適切な就職の選択決定が行われますよう学校が十分配慮するとともに、職業安定機関等々と密接な連携を図りながら、適切な就職先が確保されますよう、教育委員会や学校等に対して今後とも一層の指導を続けてまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 済みません、労働省としての受けとめ方、簡単にお願いします。
○説明員(鹿野茂君) ただいま文部省からお答えしましたとおり、ことしの状況から見ますとかなり求人が超過している、しかもこういう情勢が厳しい中でありますけれども、若い人に対する需要というのはかなり旺盛なということから考えますと、何とか来年卒業生についても就職はできるだろうというふうに考えておるわけでございます。ただ、最近の高校生の傾向を見ますと、地元就職希望というのが非常に高い。特に、いままで国鉄を希望しているような方は地元への就職意欲が高いだろうと思うわけでございます。そういう面から、私どもとしましては行政の全力を挙げて、そういう地元での求人を確保するということに努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○小笠原貞子君 そういうことで、大して心配ないというふうなお考えに承りました。やっぱりこれも地域差があるのかなというふうにいまわかったんですけれども、たとえば北海道なんかで見ますと、なかなかそういううまいぐあいにいっていないんですね。釧路工業高校というのを聞いてみましたら、大体毎年三、四十名が就職する。 〔委員長退席、理事黒柳明君着席〕 ところが、ことしは地元の本州製紙、十條製紙などは新規採用なし。王子製紙もゼロ。大平洋炭鉱だけが四十名採用ということで、大変求人が少なかったというわけなんですね。 そこで、どういうことが話されているか、どういうふうな心配があるのかというようなことを聞きましたら、みんなは、ことしはこうなったら警察や自衛隊しかないというようなそういう言葉が返ってきて、私、またこれでちょっとショックを受けたんですけれども、そういうのを反映してか、自衛隊からの手紙が釧路市内のほとんどの生徒に来ているということを先生からもお話を伺いまして、本当に、決して警察行くのを悪いとは言わないけれども、やっぱり自分の希望するところへ行けないで、警察、自衛隊——あんな問題も本当は優秀な者が来たらああいうものは起きないよなんていう宣伝をまたやられていたりというようなことで、こういう点から考えますと、行くところがないから警察と自衛隊だけなんていうことでは、ちょっとこれは問題なんだなというふうに私は心配したのでこの問題伺ったわけなんです。 一般の高校生の場合には、いまおっしゃったように求人が多いということで、何とかトータルで言われればそうだということがわかりましたけれども、一番深刻だというのは上野にありますね、岩倉高校、鉄道系の高校。こういう場合ですけれども、ここのところも設立から国鉄の関係が非常に深くて、毎年百工、三十名が、全校生徒の卒業生の約四分の一が国鉄に就職して、これまで二千人近く卒業生を送り込んでいる。教頭先生からお話を伺いますと、国鉄から説明があった後でも、いまだに百人以上の生徒は国鉄への就職希望を変えていない。もう就職できないんだと言っても変えていない。とにかく岩倉高校へ入ったというのは国鉄好きな国鉄マニアの子供たちですよね。だからその国鉄でどうしても働きたい。だからアルバイトしながら次の年国鉄に就職するという例もあるわけですよ。非常に少年が夢を持って国鉄にと、ことしはだめだと言われてもまだ百人こうやって国鉄にという希望を持っているということを聞いて、ほかにあるかと聞いたら、ほかにも昭和鉄道高校とか鹿児島商高運輸科、熊本第一工業高校運輸科というように、全国的にはそう多くないにしても、どうしても国鉄に入りたいという子供たちが悩みながら何とかというふうに希望を持っている。 これを見まして、私は国鉄に情熱を持つこういう青少年たちが、国鉄に入って国鉄のためにという、そういう本当の意味の国鉄マンになっていくのではないかということを考えますと、臨調でも全部やめろとは書いてないですね、原則としてということがうたわれていたわけだけれども、臨調の先取りをやって、ちょっとかっこういいところを見せたのかなと思ったんですけれども、その辺のところについて、国鉄当局としてはどういうふうに考えていらっしゃるか、いまだに何とかといって情熱を燃やしてがんばっているという子供たちの顔が思い浮かぶわけなんですが、これについて国鉄総裁としてのお考えを伺わせていただいて終わりたいと思います。
○説明員(高木文雄君) いずれにいたしましても緊急に職員の数を減らすと申しますか、なるべく少ない人数で仕事をするような体制に、いままでもしてきましたが、一層そうしなければならぬということだと思います。その場合に、偶然と申しますか、たまたまここのところ退職者の数が非常に多うございますので、いままでは仮に退職者が二万人あるというときでも一万人ぐらい新規採用というかっこうで進んできたわけですが、どうもそれではとてもいまの緊急事態宣言とかなんとかいうことの御指摘を受けている事態では間に合わないということで、新規抑制をしようということに踏み切ったわけでございますが、その場合に、原則新規抑制ということで、例外ありということにすると、またそうしないと職種によってはちょっと困る、摩擦的現象が起こるという場合がありますから、場合によっては職種によってあるいは地域によって多少の例外を認めるという運用の仕方をするかどうかということで、 〔理事黒柳明君退席、委員長着席〕 実はずいぶん研究いたしました。いままで一万人ぐらいずつ採用したものをたとえば二千人ぐらいで抑え込むとか、三千人ぐらいにするとか、あるいは技術職だけは多少採るとかいう運用の仕方はないだろうかということでいろいろいたしたのでございますが、どうやりましてもうまく線が引けない。 いろいろ、この人はせっかく前から熱心にいまの岩倉その他の鉄道専門の学校で履修しているというような、そういうわれわれとしては、何といいますか、鉄道をかわいがってくださる人たちはできれば採用したいとか、こういう地域はできれば採用したいとかいうことになりますと、何ともこれ言ってみれば公平な線が引けないということになってきまして、悩み悩んだ末でとうとう、まことに冷酷無比といいますか、冷たいといいますか、一律の抑制ということにさせていただくことにしたわけでございまして、各方面にたくさん御迷惑をかけますし、各方面から鬼のようなやつだと、こう言われるだろうということは十分想像しながら、どうもこの際としてはやむを得ぬということで、厳しい方の、あるいは安易と言われるかもしれませんけれども、厳しい方の道を選んだわけでございます。 絶対採用なしというような状態をそういつまでも続けられるわけのものではございません。今後何か多少とも一さじ二さじ味をつけるというふうな方向でいい案があり得れば、また五十九年度以降考えてまいりたいと思います。今回は、非常に冷酷といいますか、しゃくし定規といいますか、御批判はございますけれども、また御批判は十分予想しながらなおかっそういう措置に決めた次第でございまして、どうか各方面にも私どもの苦しい立場につきまして、お尋ねございました場合に、こう言っているよとおっしゃっていただきますようにお願いをいたす次第でございます。
○柳澤錬造君 第二臨調の方から国鉄再建のための緊急に措置すべき十一項目が出されました。あれを中心に私はいろいろお聞きをしていきたいと思うんです。 特に十一項目の中の職場規律の確立ということについて、運輸省の方としてはそれをどういうふうに御指導をしようとしているのか。それでどのような成果といってもまだあれですけれども、見通しをお持ちになっているのか、運輸省当局の御見解をお聞きをいたします。
○政府委員(永光洋一君) 国鉄の再建を図りますためには、何よりもまず職場規律の確立を図ることが先決であるとわれわれは考えております。臨調でこの職場規律の問題について緊急十一項目の最初に挙がっておりますが、われわれとしても従来からそういう考え方で、去る三月四日には国鉄総裁に対しまして、全国の職場の総点検を行い、そして職場規律の乱れを是正するように指示したところであります。 四月二十三日には総点検の結果について報告を受けました。四月二十六日には全国管理局長会議におきまして、職場規律の確立に取り組むように強く指示をいたしました。そのときに、九月までに是正をするようにということを強く求めまして、九月には最終的な報告が来ることになっておりましたが、七月二十一日に中間的に、どういう進みぐあいになっているかということで、運輸省に国鉄の総裁以下本社幹部あるいは地方駐在理事、地方管理局長を呼び、そして職場規律の中間的な状況の報告を聴取いたしたわけでありますが、その際に、大臣から強い訓示がございまして、現場管理者を支えて一体となって現場の職場規律に取り組むこと、あるいは一時的な混乱を恐れないように筋を通す覚悟で陣頭指揮を管理者としてはやっていくこと、あるいは抜てき人事を積極的に取り上げ、信賞必罰の体制を確立すること等を強く要望をいたした次第でありまして、その線に沿って国鉄としては職場規律に全力を挙げて取り組んでおるところとわれわれは信じておりますし、今後九月におきましてはさらにその後の結果についての報告を聴取いたしたいと、こういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 では、今度総裁の方にお聞きしますが、運輸省の、特に運輸大臣からいろいろそういうような御指示を受けてお取り組みになったわけだけれども、国鉄サイドとしてどういうふうな受けとめ方をして、それで現在どういう状態で進んでいるかということなんです。
○説明員(高木文雄君) ただいま運輸省から御説明もございましたように、いろいろな会議とか、あるいは役員を地方に派遣をするとか、それから各管理局の幹部諸君が現場に出向くとかいうことを通じていまいろいろやっております。 私自身が持っております感じでは、いわゆる総点検というものをいたしました結果、まことにお恥ずかしい次第でございますけれども、私が前々から考えておりましたよりはかなり幅広く、またかなり深く規律状態が悪いということがわかったわけでございますが、その是正方につきまして直ちに是正するようにということでいまやらしております。 それで、やみ給与と言われますものでありますとか、そういうこちら側から支払うものにつきましては、払わなければよろしいわけでございますから、これはほとんど全部、もう全職場についてそういうものはなくなったということが言えるわけでございますが、勤務規制といいますか、たとえば非常に天候状態が悪いときに作業をするとかしないとか、あるいは一種の重労働みたいなものをある人間がやったとすると、一日一回だというようなことの事実上の約束みたいなのができているとか、そういう勤務のあり方に関してまだ全部は直っていないということでございまして、これはある意味から言うと、それなりに、全く理由がないものではなくて、特別な重労働とか特別な勤務とかいうことの場合は、あと少し楽をさせてくれよということは、何といいますかブルーカラーの職場ではあり得ることなのでありますが、それがきちっとしていないで、本来そういうものについては、何といいますか全体としてルールができていなければいけないわけでございますが、そのルール外で行われているものについては、多少とも実情は認められるものがあったとしても一遍とにかく全部きれいにやめる、その上でまた必要があれば十分話し合ってというようなことになるべきだという考え方のもとに、全部一遍やめなさいということでやっておりますが、多少それがまだ残っているところがあります。 一番問題は、いわゆる現場協議協定をどうするかという問題でございますが、現場協議協定がいろいろの乱れのもとであるということはかねがね言われております。そこで、現場協定を、これは毎年改定するわけでございますが、実は今日までは、改定はしてきましたが、それは余り内容を変更したことがなかったわけでございます。その間、基本協定の趣旨と反する現場協議があちこちで行われて、それで助役が苦労するとかということが多かったものですから、基本的に初めから洗い直しまして案をつくりまして、七月に入りまして各組合に新協定締結についての申し入れをいたしております。 この協定の考え方は、本来紛争処理を中心とすべきものであるところ、組合側は団体交渉の場であるということで、基本的立場にかねて相違がありましたのですけれども、協定文そのものの表示が不明確であった点がございますので、これを全部直したいということで申し入れております。このままずるずるといってはいけませんものですから、次の協定改定期間である十一月までに協定の変更に応じない場合には無協定状態になるのもやむなしという、実は少し強い姿勢で組合と交渉しておりますので、組合側はそういう点についてはななはだ不満である、きわめて一方的改定交渉申し入れであるということで、大いに異を唱え、また、いろいろと各地で反対運動等があるわけでございます。 それから、あとちょっと残っていますが、大部分解決したと言ってよろしいのがいわゆるポカ休に伴う助役の代務問題でございますが、これはポカ休自体が急激になくなりましたものですから、助役が代務に入らなければならぬ、極論すると助役が正規の休暇をとれない、一番極端な場合は年間を通じて一日しか休めなかったというような例が出ていたんですが、こうした状態は直ってまいりました。ポカ休全然なしとは申しませんけれども、非常に極端に変わってまいりました。その結果、現場の空気自体が大変明るくなってまいりまして、いままで何ともいえない憂うつな雰囲気が助役諸君にあったのですけれども、非常に明るくなってまいりました。しかし、なお今後の問題としていろいろ問題が残っております。特に昇給昇格の管理というようなことについては、もう少し基準をきちっとして、また運用を厳しくしていくべきだと思っております。 これらのことにつきましては、いま立案をいたしておりまして、九月のある時点でもう一度総点検をいたしてみたいと思っておりますが、それによりましてどの程度三月時点に比べて変わってきたかということが、数量的にも把握可能になろうかと思います。しかしそのことについては、当然ながら組合側としては非常にいろいろな面で抵抗感があるわけでございまして、非常に限られた職場ではございますけれども、まだいろいろな形での一種の小さい紛争は残っておりますと同時に、全体としては大変見苦しい状態というのはなくなってきたのでございますが、これが本当の意味で基本的に改善されたのか、それともいわゆるタコつぼ論で、世間的に世の中がうるさいからしばらく俗語でタコつぼに入ってじっとしておるという程度の改善なのかということが一番の問題でございます。本質を直さなければ何にもなりませんので、いま多少現象的によくなったと言いましても、これが基本的に直ったかどうか、このことは今後よく見守ってまいりたいと思っております。 ただ、おかげさまで大分職場の空気が明るくなってまいりましたことと、それから、助役等の一線管理者が、管理についての主体性の回復ということについていささか自信を持ちつつあるということは言えるのではないかと思っております。
○柳澤錬造君 そうすると、総裁、そういうやみ協定、悪慣行の問題は、私もこの場で何回取り上げたかわからないのですけれども、前にはそういうやみ協定は六カ月なり何なり一定の期間を置いて、その間に全部廃止をさせたらどうですかと、私の記憶では、予算委員会も含めたら三回ぐらい言っていると思うんですけれども、その都度総裁からはそのお約束をするという御答弁はいただけなかったわけなんです。ですからその辺のところが、従来はそういう考え方できたけれども、今回臨調から言われてその辺はきちっと整理をして、そしてもう全部一遍パアにしなさいという指示をした、それできちんとできなければもう無協定になってもやむなしというそういう指示をされた、そういう理解をしてよろしいですか。
○説明員(高木文雄君) しばしば柳澤委員から予算委員会、運輸委員会等で御指摘を受けたことは私はよく記憶をいたしております。その場合に、私どもの現場一線管理者が足腰が十分備わっていないからということで、せっかくの御注意、御指導でございますけれども、すぐにはできませんと申し上げてきたわけでございますが、この春以来、新聞その他の指摘もあり、臨調もありましたし、そのほかいろいろなことでありましたので、また、民営分割論といったようなのが出てきた関係もありまして、この際、まずそこは直さなければいかぬということで、一挙にかねがねおっしゃったような方向に踏み切ったわけでございます。 しかし、それは個別個別の職場から直していきますと申し上げていたのを、そうでなしに全国一斉の全職場というふうに直したわけでございますが、さりとてそれは全部あっちもこっちも一斉に満点というわけにはいかないわけでございまして、逆に申しますと、問題がある職場が非常に浮き立ってきたというような感じになっております。それについてはいろいろ管理者もずいぶん苦労はしておりますけれども、しかし元気が出てまいりましたから、いろいろお互いに管理者同士が肩を組み合っていけば相当問題の職場についても改善していくものと思っております。
○説明員(三坂健康君) ちょっと補足さしていただきます。 総裁の申し上げたとおりでございますが、現場段階で現場長の権限を越えていろいろな約束がなされておる、あるいは社会常識から見てきわめて不当な約束をしておるというふうなものは一切無効であるということで廃止をいたしております。ただ、先ほども総裁ちょっと触れましたように、正式に労働組合との間で現場協議協定でありますとか、そういうふうに協定ででき上がっておるものにつきましては、これの改定申し入れをしておるというところでございます。補足さしていただきます。
○柳澤錬造君 総裁の御答弁だと、職場が明るくなってきた、それから管理職の諸君も元気が出てきた、私はそういうことが国鉄の再建につながると思うし、ぜひともそれをお続けになるように御指導いただきたいと思うんです。 あわせて、これももうそちらにもわかっておることだと思うんだけれども、地方の鉄道管理局長が地方自治体の長との間でもって、いろいろと合理化の問題について、今後こういうことはいたしませんという協定を結んで、そこへ国会議員が立会人として名前を載っけているというふうな、私なんかだと考えられないようなことが現実に行われているわけなんで、どこがということを私申し上げませんが、これは申し上げなくてももうすでにそちらでもおわかりになっているはずなんですから。そういうことも私、やはりきちんとしていただきたいと思うんです。国会議員たる者がそういうところに立会人でサインをするなんということも私は不見識なことだと思う。同時に国鉄自体も、地方鉄道管理局長ともあるべき人が——そのやみ協定はまだ国鉄の内部で、言うならば国鉄で働いておる労働者の間でやったことなんですから、先ほど総裁が言われたように、この際きちんと整理をするんだ、全部もう御破算だぞと言えばそれはできるけれども、少なくてもその地方自治体の長との間で鉄道管理局長が協定を結んで、そこへ国会議員が立ち会うなんて、これは非常識もはなはだしいことなので、ですからそういうこともこの機会にきちんとやっていただきたいと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(三坂健康君) 恐らく貨物集約あるいは特定線区の営業近代化等、駅廃止、無人化等に絡みまして自治体の長の同意書が要る際に、そのようなことが場所によってはあるいはあったかと思いますが、先生おっしゃいますように、そのようなことはなすべきでないのでありまして、国鉄は全力を挙げて合理化に邁進しなきゃならない立場にありますし、ましてその地方鉄道管理局は自分のところの合理化に全力を挙げないと業務量が確保できないわけでありまして、そのようなことがないように十分指導いたしたいと思います。
○柳澤錬造君 三坂さん、それは私がお調べをいただいて、国鉄本社もわからなかったんだけれども最終的に発見をしているはずなんでして、それはきちんとしてください。 それから、国会議員と言いましたけれども、これも私に言わせれば非常にあきれて物が言えないと思うんだけれども、与党と野党の国会議員が名前を連ねているんです。非常識もはなはだしいと思うんです。ですから、そのことをぜひやっていただきたいということをお願いをしておきます。 次に総裁、この機会に、いままで貨物部門が、いま貨物のシェアの中で国鉄が占めるのが八%に下がってきちゃって、それでどんどんそういう貨物駅を集約して減らしてきているわけでしょう。それで赤字もどんどん出るから、それは事実そのとおりですけれども。それで、そういうことをやりながら、いつかも総裁はテレビでもって、貨物の駅をそういうようになくなしていくから、国民の皆さん方御不便だけれども、少し遠くなるけれども、貨物を扱っている駅まで荷物を持ってきて、そして利用してくださいと、こういうことを総裁が言っているのを私聞いておったんです。 その辺を、もうちょっとやっぱり国鉄が利用していただけるように知恵を出して、その一つの例が宅急便だと思うんです。あれだけ伸びるわけでしょう。私の家内なんかだってみんな、うちのすぐそばに至るところにあるものですから。それでもう翌日はちゃんと向こうへ配達をしてくれる。それで一個八百円だと言っているんです。ですから、そういうことを考えれば、あの宅急便があれだけいま急成長して利用されているんだということを考えたならば、その辺国鉄としても、もちろん細かいことをやれと私言うんじゃないんですけれども、おっしゃるように、拠点から拠点のそういう重点的なものを国鉄が運ぶということをやらしていただくということを考えないと。ところが貨物のあれを見ますと、そういう基礎資材のような国鉄を利用した方がいいと思うものがどんどん逆に言えば離れていってしまうところがあるんですから、その辺の点について何かお考えはないですか。
○説明員(橋元雅司君) 国鉄のシェア八%という先生挙げられました数字でございますが、これはいわば貨物の量と足を掛けましたトンキロベースで八%、五十五年の数字でございます。過去最高昭和四十五年に六百二十四億トンキロ語録いたしたわけでございますが、当時のシェアが一八%でございました。実に十二年の間に四割以上の減少ということになっておるわけでございます。これはやはり四十七、八年の不安定輸送によります信頼性の低下がまず第一の原因でございます。 そしてまた、産業構造の変化とそれに伴います物流合理化、そして第一次オイルショック後の総物流の伸び悩みというような影響がございますが、特に五十三年と四年はやや回復ぎみでございました。ところが、五十四年の十二月に始まりました第二次のオイルショック以降再び下降ぎみということでございまして、単に景気のサイクルだけの要因でない、物流に大きな地殻変動が起こりつつあるんじゃないかという感じが私どもいたしております。 具体的に申し上げれば、先生おっしゃいました素材部門の低迷がかなり長引くんじゃないかというような見方もございますし、とりわけ製品の付加価値が高くなる、高付加価値化と申しますかあるいは高度加工型と申しますか、そういうタイプにだんだん産業がシフトしていくということで、物流の分野では軽薄短小などと申しておりますが、より軽く、より薄く、より短く、より小さくというようなことで、物流全体が非常に小さくなっているというような関係もございます。それから、特に高度成長時代には見られなかったことでございますが、各企業がブランドに余り固執されないで、お互いに同質の製品であれば交換輸送なさるということでございまして、交錯輸送が非常に削減されておるというようなことがございます。 それらをひっくるめまして、やはり基本的に安定成長経済下における物流ニーズの高度化、多様化に私どものいまの貨物輸送体制が対応し切れない、それはスピードの面であるいは確実性の面で私どもの提供するサービスが対応し切れないという反省に立っておるわけでございます。 具体的に申し上げれば、ヤード系の、ヤードを経由する貨物輸送というのは、どうもスピードにおいてあるいは確実性においてとうてい他の競争機関に対抗できないという結論でございます。そこで、事実私どもここ十年間の輸送を形態別に見ますると、コンテナとか物資別専用貨物などいわゆるヤードにかからない直行系の輸送は大体横ばいでございます。減少いたしておりません。これに対しましてヤード系の、私ども集結輸送と申しておりますが、その集結輸送につきましては非常に激減しておる、半減いたしておるという状態でございます。そこで、私どもできるだけ早くこのヤード系の貨物輸送から直行系、いわば先生もよく御承知のライナー型、トランパー型の輸送でなくてライナー型の輸送に切りかえるということで徹底的な体質改善を早くやりたいということで、実はことしの十一月に予定いたしておりますダイヤ改正におきましても、六十年で予定をいたしておりましたもろもろの計画を繰り上げて前倒ししてやろうということでいまやっておりますし、さらにことしの十一月のダイヤ改正以降も、さらにより効率的な拠点間直行輸送へ大胆にシフトしていくということを考えてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、八%というのはいろいろ考えさせられる数字でございまして、私どもできるだけより早く、より安く、そして信頼される貨物輸送ということで、この八%を逆に一〇%にもし、一五%にもしたいと、こういうふうに考えておるところでございます。 それから、先生おっしゃいました宅急便でございますが、これは貨物というよりもむしろ私どもでは荷物と言っておるカテゴリーでございますが、これも実は御指摘のとおり激減をいたしております。これも荷物輸送を大胆に効率化するということで、先般、現在取り組んでおります経営改善計画の荷物部門の計画としてこれはいろいろ勉強いたしておるところでございます。 ただ、申し上げられますことは、私どもの今後の体制としましては、荷物の集配自身をやるというんじゃなくて、集配はそういう宅急便業者がなさって、それを取りまとめて定型輸送するところに私ども大いに機能を発揮したいということでございまして、私どもこれを利用運送などと申しておりますが、現に宅急便の方々が荷物列車を利用される、あるいはコンテナを利用されるということもかなりふえておるわけでございます。そういったことで宅急便の事業者とも十分提携をしながら鉄道輸送を伸ばしてまいりたい、こう思っておるところでございます。
○柳澤錬造君 いま言われた最後のことよね、私が言いたかったことも。 そういうことを皆さん方が少しお考えになって、それで赤字になるから縮小する、縮小するから品物はますます逃げていっちゃう、逃げていっちゃうからまた赤字になるじゃなくて、いま言われたようにより安くより早くですか、そんなもの私が言わなくたって北海道の苫小牧の港に行かれたらわかるわけだ。あそこまでちゃんと線路が来て、それで貨車で石炭を運んでこれる。港のすぐあそこから船の波止場へ行くわずかのところが、線路がないためにまたもう一回そこで積みかえをしなくちゃいけない。結局、めんどうくさいから奥の方からもう初めからトラックに石炭を積んでそれで岸壁へつけるという、そういうことをやっているわけだ。それで私なんかも、あそこへ行ったとき、そのかわり港へそういうのをつけたら、あなた方も全部石炭を貨車輸送にやるかといったら、それは喜んでやらしていただきますと。運賃も安いんですからね。そういうことを私が言わなくたって皆さん方わかっているんだから、それは新幹線の整備五線と違って、あの苫小牧の港のわずかのちょっとしたところへ線路を延ばすぐらいのことは大した金がかかるわけじゃないんだから。そして、もう石炭を全部貨車輸送さしてくださいということでやる。 それから木材だってそうでしょう。特に輸入材なんていうのは、荷が傷んで傷になるからといってみんな逃げていっちゃってトラック輸送にしているわけですよ。だったら何で、あれだけ貨車がいっぱいあるんだから、そういう木材の輸送ができるような、木材が傷まないようなそういうものをつくってそれでやるとか、そういうことをぜひこれやってくださいよ。特にいま最後に言われたそういうこと、そうしたらまた状況だって私は変わってくると思う。 それから次に、これも総裁にお聞きするんだけれども、あの十一項目の中にやっぱり生産性を上げなくちゃいかぬと言われているわけだ。それで、これも前から私は何回総裁とやり合ったかわからぬけれども、いつも総裁からは御答弁がいただけなかったんだけれども、今度は、あの十一項目の中に挙げられた以上は生産性向上はおやりになるんですか、どうなんですか。そこのところをお聞きしたいんです。
○説明員(高木文雄君) お言葉ではございますが、私どもの立てております経営改善計画におきましても、六十年時点の生産性は五十五年時点の生産性に比べて約二割上げるという前提に立っております。それは、一つには人手を減らし、一つには収入をふやすということから考えたわけでございます。ただ、非常に残念なことに、計画を立てましてからまだ一年ぐらいしかたっていないのでありますけれども、主として貨物を中心にして輸送量が減っております。それに対応して経費を落とす、人手を落とすということができておりません。つまり輸送力と輸送量の乖離が計画との間で起こってきております。 このたび臨調からも御指摘がありましたが、私ども自体といたしましても、先ほど小笠原先生から言われましたように一遍オール新規採用ストップということにいたそうとしておりますのも、輸送力と輸送量の乖離を計画時点で考えていたよりももっと経費を落とすことによって縮める、それによって所期の生産性を約二割上げるという目標を実現するということのために考えているわけでございまして、いわゆる生産性連動という言葉についてはいろいろ拒絶反応が何となく全体としてあるわけでございますけれども、生産性を上げることについては当然そういう努力をしてまいるつもりで改善計画もできております。ただ、改善計画が予定どおり進まないところに問題があるわけでございまして、それは収入の減でございますので、それに対応した経費の減をもう一段と強めるという取り組みにいたしておるわけでございます。
○柳澤錬造君 総裁ね、総裁がそういうお考えでは困るので、私が生産性をと言っているのは——総裁がおっしゃられるのは、言うならば人を減らして、もっと単純に言ってしまえば労働強化によって生産性を上げるということなんです。先ほどの六十年度と五十五年度という数字のこともそういう意味なんです。もっと端的に、私が生産性をと言っていることはそういう労働強化ではなくて、むだなことはやめて、そしていままでよりか楽をしていままで以上の生産性を上げる、そこが生産性向上の本来の姿なんですから、その辺をはき違えないで。総裁のようなお考えでもって物をなにするから、労働組合サイドとするならばそういう生産性連動それは反対だと、こうなるのあたりまえのことなんです、人を減らしてそうしていままでどおりの仕事をしろということなんですから。その辺はもうきょうはこれ以上なにしませんので、生産性を上げる本来のあり方というものについての御理解をしてぜひお取り組みをいただきたいと思います。 それから、最後に聞いておきたいことは、先ほど臨調からおいでになった方の答弁を聞いておって出てきたけれども、私も前から思うんだけれども、国鉄の経営の経理のやり方というのはどんぶり勘定。その辺の町工場と違うんですから、早いところそういうどんぶり勘定はやめて、もう少し正確な原価計算をやり、そしてバランスシートも、本来のあり方のバランスシートをつくって、そしてどこへメスを加えてやらにゃいかぬのか、どこに本当の赤字があるのかということにやっぱりメスを加えて、そこをそれじゃどうやって改善するかということをやらなければいけないのであって、ですから、この国鉄再建にはその辺に大変大事なかぎがある。どんぶり勘定はもうおやめになって、本来の原価計算をきちんとおやりになって、バランスシートをおつくりになることをやっていただけるのかどうか、そこをお聞きをしたいんです。
○説明員(高木文雄君) 先ほどの生産性の問題でございますが、ちょっと一言だけお断りいたしておきますけれども、決して労働強化によって生産性を高めるということではないので、率直に言ってむだがあるわけでございます。貨車なんかも、一編成の中に相当空車が走っているというようなことになりますので、そういう意味ですべてむだがあるわけでございまして、その意味ではお示しの生産性を上げるというお言葉と、私どもが考えておりますこととそう大きな開きはないというふうに思いますので、そのことだけちょっとつけ加えさせていただきます。 それから、うちの経営状況をつかむのにおまえのところのいろいろな計算書の出し方なり分析なりは不十分じゃないかということは、これは御指摘のとおりでございます。前々から各方面から御指摘がありまして、たとえば貨物と旅客に分けてみたらどうなるかとか、あるいは北海道、四国、九州、本州というふうに分けてみたらどうなるかとか、いろんな意味でのことはやってきておるのでございますが、私自身もまだまだそういう原価計算と言ったらいいんでしょうか、経営分析と言ったらいいんでしょうか、そういう点、いろんな角度でもう少し何とかならぬものか。これだけいろんな計算機械が発達してきた今日でございますから、そう手間暇かけないでいろんなデータ、欲しいデータが集められることになりはしないか。とかく官庁会計的で、従来の計算方式、分析方式を引き継いでいくようなことが行われがちでございますので、少しでもそういうふうにしたいと思っております。 最も必要なのは、よく言われておりますのは、列車別原価計算というようなことでございまして、たとえば寝台なら寝台、特急なら特急でも、いろいろな時間帯の寝台や特急によって原価、採算性が違うわけでございますが、なかなかどうもまだ列車別原価計算までは至っておりません。それから損益表示等につきましても、まだまだいろいろな問題があるわけでございますが、これまたなかなか進まない。しかし御趣旨は痛いほどわかりますし、また各方面からわかりにくいと、国鉄実態がどうなっているのか。ということは、国鉄の会計表示が不十分でわかりにくいということを言われておりますので、基本的スタンスとしては御指摘のような方向へ進みたいと思いますが、もう少し細かい点についてもまたいろいろ御指導賜りたいと存じます。
○柳澤錬造君 終わります。
○委員長(桑名義治君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時二分散会 —————・—————