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96回国会参議院1982/04/22

運輸委員会 第9号

発言数
207
登壇者
7
会派数
5
開催日
1982/04/22

会議録

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案、船員災害防止協会等に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まず、船員局長にお伺いをして、そして若干答弁を訂正してもらわなくちゃいかぬと、こういうように思いますが、あなたは衆議院の運輸委員会でうちの方の関委員の質問に対しまして、近代化船の場合に十八名で運航が大丈夫だというような答申をもういただいているんだと、だから答申の中にもう十八名で大丈夫なんだというふうに書いてあるんだというような答弁をなさっていますね、衆議院で。しかし、私いろいろこの答申を見せていただいたんですが、十八名という文字はどこにも書いてないんですよ。ですから、その実験船が確かに十八名で運航されているということは事実であろうと思いますが、どうも十八名という文字は僕はないと思うんですよ。だから、まさに十八名が天の声みたいに言われてしまうと、これは将来に問題を残すのではないだろうか、こう思いますけれども、むしろ、十八名にするのかあるいは十九名にするのか、二十名にするのか、その辺は具体的に関係者とよく話し合って、そして人数を決めていくのが、それがいいんじゃないのか。いきなり初めから十八名というふうに決めて、しかも私の見た限りでは、いろいろな提案、答申には書いてない。しかも正式な答申にはそういう文字というのは一切私はないように思いました。その辺でもし間違っているならひとつ訂正をしていただかなくちゃならぬし、私がもし間違えていたならばそれはひとつ私の方を御訂正いただかなくちゃならぬけれども、しかし、最終的には、いずれにしてもその十八名というのは十分にひとつ、近代化委員会もありますし、具体的には船員関係の皆さんともその辺は十分話し合った上でやっぱりやっていかないと、一方的にやっていくということになるとこれは私またいろいろ問題が出ると思いますから、その辺をひとつはっきりと伺っておきたいと思うんです。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 私の衆議院の委員会における発言の内容で、船員制度近代化に関する提言の中に、これは五十六年の、去年の十月二十九日に私の方に近代化委員会からちょうだいしたものでありますけれども、その中に十八名でやってよろしいというふうな文章があるというふうな印象を、先生にあるいは委員会の方に与えたといたしますれば、私のミスでございます。私が申し上げましたのは、船員制度近代化委員会でいろいろと十四隻の実験船を決めていただきまして、その十四隻の近代化船がすべて十八名で運航されてきたということが大前提になってございますので、そういう十八名で運航した結果、船舶の安全もそれから船員のオーバーワークの面につきましてもこれは大丈夫だという提言を第一次でちょうだいしたということを私が申し上げたつもりでございます。したがいまして、提言の中に、先生御指摘のとおりに、十八名でやってよろしいというふうな表現はございません。  それで、今後その提言に沿ってどういうふうにやるんだという点につきましては、先生御指摘のとおりに、私どもは一応これからもいろいろとその事務の基準を、その実験をやっていただきました十八名ということをベースにこれから進めてまいりますけれども、ただ、やはり船員法六十九条にも書かれておりますとおりに、船舶の定員と申しますものは、使用者、船舶所有者それから労働者、船員、乗組員の間で話し合って決めまして就業規則に規定すべき問題でございますので、これは労使の間で話し合って決めるべき事項でございます。したがいまして、今後この近代化船が新しい法律に基づきまして指定されて実行いたしましても、その定員は労使の話し合いによって決められる問題でございますので、その点明確にいたしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃ、その点は御訂正になり、かつまた定員については今後話し合いの上で決めていくということでありますから、その点は了承をいたしました。  もう一つは近代化委員会ですね。これは局長の私的な諮問機関だそうでありますけれども、これはこの法律改正が終わったらもうそれで終わりなんだというようなことになるのではなかろうかという心配が実はあるんですけれども、まあ実験船を全部の船について実験していくというものでもないでしょうし、ある程度で実験というのは終わるのかもしれませんし、あるいは新しい船ができてくればそれについてまたやらなくちゃならぬかもしれない、あるいは在来船についてもいろいろ問題が出てくるかもしれない。そういう意味では、この近代化委員会というのは、この前も目黒氏は法制化しろというようなお話もあったわけですけれども、私は残しておくべきじゃないのか、そしてその都度都度やっぱり官公労使の意見を闘わしていく場にある意味ではすべきじゃないだろうかと思いますけれども、それはどんなふうなお考えでございますか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 今回のこの近代化方策につきましては、先生御指摘のとおりに、五十二年以来官公労使の近代化委員会でいろいろ御検討いただきまして、それに基づきまして私どもは法律の案文を作成したわけでありまして、それをさらに船員法につきましては船員中央労働委員会の方に、職員法関係につきましては海上安全船員教育審議会の方に諮問いたしました。その答申文の中でも、今後労使の意見を十二分に尊重して近代化船の指定等の仕事をやっていくようにというような附帯決議的なものをちょうだいいたしております。したがいまして、私どもはこの法律の施行あるいは近代化船の指定に当たりまして公労使の意見を十二分に尊重しなきゃいけない義務を持っているわけでありますけれども、具体的には、じゃどういう形でやるかということにつきましては、もちろん、先生御指摘のとおりに、われわれは現在ある船員制度近代化委員会の組織を尊重してまいりたいと思います。  ただ、せんだってもお答え申し上げておりますとおりに、これを公的な組織にするという点につきましては、行政機構改革とかあるいは行政の組織の簡素化という問題もございましてなかなか至りません。それからもう一つは、やはりいろいろと財政的な問題もございますので、私どもはできるだけ、この組織はわれわれにとりましても非常にありがたいりっぱな組織でございますので、御指摘のとおりに存続を図りたいと思っておりますけれども、財政上の問題とかそういういろいろありまして、今後できるだけ前向きには検討したいと思っておりますけれども、いろいろとその辺の検討対象も出てくるのではないかということを考えておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは大臣、確かに局長の諮問機関ではあるけれども、船員像というのがAランクからCランクまで、さらに理想的な船員像というものまである程度見込んでいることは事実でありますから、これは大臣の方でも、いま何か財政上のいろんな問題があるというようなことをおっしゃっているんですが、確かにそれもあろうと思いますしするんですけれども、これはやっぱり大臣、残しておいていただかないといけないんじゃないだろうか。今後もひとつ検討していく場にしなければ、理想的な船員像というものはできないんじゃないだろうかと思いますから、これはぜひ大臣の力でも存続をしていくようにひとつお取り計らいを願えたらと思いますが。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、いま局長の諮問機関という形でございますが、この審議会と申しますか委員会ほど有効に作動したものはないと考えておりまして、非常に今回の法改正に関連して、長年月にわたって実にみごとな結論を出していただけたと喜んでおるわけでございまして、こうしたような官公労使というような組織体の中でいろいろと話し合いがされることはまことに結構なことでございますから、存続という方向で私も考えたいと思っています。  ただ、いろんな委員会だとか審議会だとか山のようにたくさんございまして、余り作動していないものもあるのじゃないかと思うのであります。こうしたものとの関連もございますが、私としては、いまこの時点でもうこれが出たから結構だなんということは少しも思っておりませんので、よく検討させていただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 今度の法案で、近代化に関連しての命令事項というのが非常に法文の中に多いと思うんですがね。十四条の四とか七十条とか七十二条の三とか百十七条の二、三、こういうところにいずれも命令という言葉が非常に出ておりまして、命令で定めるということでありますけれども、まあその命令の内容がどういうことなのかよくわかりませんけれども、しかし、その命令というのは一方的に運輸省がつくってしまうというべきものではなかろうと。関係の機関でひとつ関係委員の合意の中で決めていかなくちゃならぬ問題じゃないだろうかというふうに思うんですけれども、その辺は、この命令事項というのはどんな手続で決めていくつもりなのか。この辺を、命令の内容は一々ここで述べていただかなくても結構ですが、命令事項を決めていく、命令の内容を決めていく、そのことは一体どういうふうな手続でやっていくのかという、その手続を明らかにしてほしいと思います。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は先生御指摘のとおりに今度の十四条の四あるいは七十二条の三、百一条、いろいろその他命令で定める事項が非常に多くなってございます。私ども、もうすでにこの命令の内容はほぼ法律を出す前提として一応の概念は持ってございますけれども、非常に細かくわたりますが、その内容の点につきましては省略させていただきます。  ただ、現在この法律あるいはその命令を定めるに際しましては、船員法上は、船員法百十条によりまして、船員法関係の法律命令を決めるときには船員中央労働委員会に諮問するようにというふうに法律上義務づけられておりますし、それから職員法関係につきましても、今回、従来はそういう義務がなかったのでありますけれども、今回二十六条の二という条文を新しく設けまして、いろいろもろもろのこの法律の命令を定めるようなときには、海上安全船員教育審議会の意見を聞いて、その意見を尊重しなければならないという規定を新しく今回の改正で設けたわけでございます。したがいまして、船員法につきましては公労使で構成されています船員中央労働委員会、同じく職員法につきましても公労使で構成されております海上安全船員教育審議会の御意見を十二分に尊重しながら決めてまいりたいというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それから陸上の支援体制の基準ですけれども、今度は近代化によって船に乗り組んでいる人が非常に少なくなって、私は乗り組んでいる人の仕事というのはかなり厳しくなってくるんだろうと、こういうふうに思うわけでありますが、それに対応して陸上の支援体制というものがマッチしていないとこれはやっぱりうまくいかないんじゃないかというふうに思うわけですし、また港なんかでのいろんなコスト、あるいは早く出るというようなことにも影響が出てくるわけですから、陸上の支援体制の基準というのをもっと明確にしてくれと、こういうのがやっぱり船に乗っている人の立場として当然だろうと思いますけれども、いろんな保守があったりあるいは積みおろしのいろんな監視等もあるんだろうと思います。そういうものの基準というのをもっとはっきりしてくれないと、またこれが乗っている人のところに労働過重としていってしまう可能性があるんではないか。ですから、いままで以上に陸上の支援体制をしっかりと決めてやらないといかぬと思うんですが、どうでしょうか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は今回の十四隻の十八名定員による実験に際しても、そういうことが問題になりました。事実、十八名前後で大型船を運航するということになりますと、船の中の機材をいかに近代化いたしましても、やはり岸壁でのいろいろの仕事、そういう点につきまして陸上からの支援、援助をいただきませんことには、特に岸壁荷役というのは忙しいような状態にございますので、そういう点を考慮しなければ本当の意味での近代化の達成というのは私はできないだろうと思います。したがいまして、そういう点につきましては法律の七十二条の三で実は書いたつもりでございます。七十二条の三は、船舶の設備、それから甲板部及び機関部の部員で航海当直をすべき職務を有する者の要件及び定員、その他の事項に関して命令で定める近代化基準、いわゆる近代化船の基準を船舶の設備基準とそれから航海当直する者の基準、それからその他の基準ということで三つに分けてございますけれども、実はその他の事項に関する基準といいますものの中心は、やはり陸上支援体制だろうというふうに考えておる次第でございます。具体的にじゃ何を決めるかといいますことにつきましては、これから近代化委員会の御意見あるいは船員中央労働委員会の御意見を伺いながら決めていくわけでありますけれども、ただ、船舶の設備のように非常に画一的にと申しますか、あるいは具体的に決められるようなものではちょっと陸上支援体制というのはないわけでございまして、というのは、港によってそれぞれかなり陸上支援体制のあり方が違うというような状況でございますので、船舶の設備基準ほど具体的には決め方というのは無理かと存じますけれども、私どもはできるだけ御指摘のとおりに具体的な基準を決めて混乱のないように措置したいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 船舶職員法の改正案の第二条ですか、二条の三項、これを見ますと、航海士、機関士等の職務のうち政令で定めるもののみを行う職務、こういうふうになっているわけですが、御説明の中では、これは運航士の規定でありますけれども、運航士というのは二等、三等の航海士、機関士、こういうふうに私は伺っていたんですが、一等の航海士、機関士というのはむしろ専門の仕事に当たるんだということで、当面は運航士というふうにするんではないんだと、こういうふうに聞いておりますし、恐らく答申も何かそういう形で別紙の二ということで出ていると思うんですけれども、この法律によると一等航海士、機関士も運航士ということになってしまうということで、これは非常に将来の先のことを書いたのか、先のことを述べているのか、その辺がよくわからないんですが、そんな先のことをいまこの改正案で述べる必要があるのかどうなのか。この間からの議論でもこれからかなりまだ変わっていくものなんだと、そうなれば法律の改正も恐らく出てくるものだろうと、こういうふうに思うんですが、近代化委員会で言っていないことまで法案化されちゃっているんですが、この辺はどういう意図でそうなったのか、何か特別な意図があるのかどうなのか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 運航士の点につきましては、実は今回の近代化委員会でお願いいたしました十四隻の実験につきましても、三等航海士、三等機関士のランクにつきましていろいろ実験をいただいたわけでございます。その結果、制度的障害を除去してよろしい、それをスムーズに実現化するために制度的な障害を除去すべきだという御提言をいただいたわけであります。したがいまして、現在のところ、私どもはいろいろと法律では一般的な書き方をしてございますけれども、実際に具体的に命令で定めるときに、あるいは配乗別表を政令で定めますときには、三等航海士、三等機関士について運航士あるいは海技士、当直という制度の適用をやっていこうと思っております。ただ、それを法律上に直接、運航士とは三等航海士あるいは三等機関士に限るんだというふうな規定をしてしまいますと、余りにも身動きのつかないものになります。と申しますのは、もう本年度からいわゆる二等航海士及び二等機関士の実験にもすでにこれから着手の段階に至っておりますので、恐らく二等航海士あるいは二等機関士につきましても、そう遠くない将来にこれを運航士制度を採用するということに近代化委員会の方で御結論をいただいて、あるいは私どもの方に御提言いただけるのではないかと思いますので、一応法律上、その運航士は三等航海士、三等機関士に限るというふうな書き方をしなかったわけでございます。ただ、現在までのところ実験は三等に限っておりますので、政令あるいは命令の規定はその三等に限るように規定したいと思います。  なぜそうしたら三等だけで、二等、一等はどうするのだということにつきましては、やはり先ほど申しましたように、まずどうしてもやはり三等の航海士、三等の機関士の方は非常にお若い方がいらっしゃいますし、新しい事態に非常に適応性のある方でございますから、まずそちらの方からということで実験で始めたわけでございますけれども、それは徐々にやはり二等あるいは一等の方にも及ぼしていくべきだろうと思います。この点につきましては、そういう方針で近代化委員会の方でお決めいただいた仮設的船員像の中でも、やはりまず三等から手をつけて、それから二等、一等というふうにそれを拡大していくんだという仮設的船員像がすでに設けられてございますので、今後の実験もその船員像に従って三等から二等へ、二等から一等へというふうに漸次上の方に上がっていってくださるのだろうというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 二等のところまでは、御説明のときに、タイムラグをとって二等のところは運航士にするというお話は聞いていましたわな。一等の話というのは聞いていないんですね。いま初めてそこで、一等も将来運航士にする、こういうお話でありますけれども、私どもそういう話は聞いていないし、しかし、いまここでそこまでを含めて法律の内容にするということが一体適当なのかどうなのか。かなり先になると私は思うんですね、この一等の航海士、機関士を運航士にするのは。まだ近代化委員会でもその辺の話というのは十分されていないんじゃないですか。そうなれば、ここで二等、三等についてはある程度議論もされているから、それはいいと思うんですがね。法文でこう書いてあると、一等も当然含むわけですよね。だから、ちょっと私は早過ぎるんじゃないかと思うんですがね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 私が一等と申し上げましたのは、いわゆる将来の目標値としての仮設的船員像というものを前提に申し上げたわけでありまして、実際の実験の方策として、将来の目標値としての仮設的船員像のほかに、移行過程としての仮設的船員像というのが設けられておりまして、移行過程としての仮設的船員像では先生御指摘のとおりに一応二等航海士、二等機関士までのワッチングオフィサー化と申しますか、運航士化ということを前提に実験をやっていただいております。これはもうかなりそう遅くない時間で実現されるのではないかというふうに考えます。  ただ、一等を除外いたしまして二等と三等が運航士になるといたしましても、やはり法律上は運航士というものを特定することが非常にむずかしゅうございますし、やはり一般的な一つの職種としてそういうものを法定化せざるを得ないわけでありまして、その点はひとつ、私どもはそう書いてあるからすべてを一挙にやるというのじゃなくて、これはあくまでも近代化委員会に基づきます実験の結果、あるいは船員中央労働委員会とか海上安全船員教育審議会の御承認を得た上ででないとできませんので、そういう点での歯どめはしっかりしております。そうかといって、ただここで非常に暫定的な名称として運航士あるいは海技士、当直というものを決めるということは、これは非常にむずかしゅうございますし、それにまた職につかれる、あるいは資格を取られた方々にとっても非常に不安定なものでございますので、こういうふうな恒久的な名称にした次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ただ、法文にそう書いてありますから、私はこれは一等の航海士、機関士の人はかなり心配すると思うんですよ。こういう方々というのは、率直に言ってお年もある程度はいっている方が多いだろうと思いますね。ですから、その辺は私はもっと明確にしていいと思うんですがね。特例的に書いても法律として私は、それは体裁から言えば若干あるだろうと思いますけれども、内容を明確にするという意味ではやっぱり法律事項として決めるべきだと、こういうふうに私は思いますが、時間がないから余り論議はしません。  それでそれに関連して、私は横の壁をなくしていくということもやっぱり人を少なくするには一つの便法だろうと思うんですが、逆に一番不安が出てくるのは、甲板関係の人が機械関係のところへ行くということについて、これはかなり、航海士の人が機関士の仕事をしたり、あるいは部員でも同じだろうと思うんですけれども、そういう点では非常に——特に甲板部の人が機関部へ行くということになりますと、何かかなり専門的なこともわからなくちゃならぬわけですからね。そうなると、かなり私は、一体できるんだろうか、できないんだろうかという不安というものがあると思うんですよ。それは若い方は順応性がありますから構いませんけれども、ある一定のお年以上になると、最近のいろいろなコンピューター問題にしてもなかなか順応性がないと、こう言っているわけですから、やっぱり機械についても私は同じだろうと思うんですがね。ですから、そういう不安もあるわけですから、これはもちろんいろいろな訓練もやるんでしょうけれども、その辺の不安の解消策というものを一体どうしていくのか。この辺は別個の問題として、やっぱりここで横の壁を取っ払うちゃうということになれば、これは相当大変だろうと思うんですよ、私はその不安は。特に中年層以上の人というのは大変だと思うんですが、それはどういう対策を持っているんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生御指摘のとおり、私どももその点は一番実は心配しておる問題でございます。やはり長い間甲板関係の仕事だけ、あるいは機関関係の仕事だけをやってこられた部員の方に他部の仕事もやっていただくということは、非常に違和感があるだろうと思います。したがいまして、この点につきましては海技大学校の七尾分校とそれから児島の分校がございますが、そこで座学を三カ月間、それから乗船実習を——乗船実習と申しますのは、教育訓練船というのを決めておりまして、これは百数十隻決めてございますけれども、そこで四カ月をやった上でその実験船に乗っていただくというふうな形をいままでとっておりました。それで、やはりこの教育期間はできるだけ長くすべきだろうということから、座学の三カ月はまだこれから検討したいと思っておりますけれども、教育訓練船によります乗船実習を四カ月から六カ月に二カ月延長いたしております。そういう点で、できるだけ慣熟してもらいたいということをわれわれ考えておる次第でございます。  ただ、せんだって私も実は実験船に乗りまして、そういう実験船の乗組員の方々と話してみましたけれども、やはり甲板の方々は機関の仕事、機関の方々は甲板の仕事、通信の方々でもほかの部の仕事をやることについてどういう感じだということを聞きましたら、やはりいままでは甲板は甲板、機関は機関、通信は通信ばっかりの仕事で、全然ほかの部が何をやっておるかは余りぴんとこなかったし、お互いの会話という点でも非常に欠けるところがあったと。お互いに他部の仕事をすることによって非常にコミュニケーションがスムーズにいって、そしておれがこの船を動かしているんだと、おれが本当にこの大きな何万トンの船を動かしているんだと、そういう意識をはっきりと持つことができたという非常にうれしい言葉を私伺いまして感激したわけでありますけれども、そういう点で、戸惑いはあるかと思いますけれども、非常に実験船の方々は前向きにやっていただいているというふうに感じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 局長は、そういうふうに簡単に実習期間を四カ月から六カ月にすればいいと、こういうふうにおっしゃっているんですが、確かに訓練期間が多い方がよりいいんですけれども、船員が足りないときはそれでもいいと思うんですよ。しかし、これから見ますと船員がどうも余ってきそうだと。職域の拡大というようなお話はあるんだけれども、一昨日そのお話を聞いたんですが、どうもぴんとくるようなお答えはこなかったし、そして予備船員でも相当な数はほかへ行って、陸へ上がっちゃっているというようなことになりますと、船員が足りないときは少しぐらいどじでも雇うけれども、競争が激しいときにはちょっとどじなのとか神経が鈍いのは、やっぱり私ははねのけられていくと思うんですがね。そういう形で、確かにそれは訓練期間を少し多くしても、これは必ずしも訓練期間が多いから非常に敏捷になるというものじゃないと思うんですよ。しかも、かなりロードは高くなりますからね。だから体だってそんなすっすっすっすっ若い人みたいに、ましゅらのごとくあっちこっちへ走り回るというわけには恐らくいかぬだろうと思いますよね。そうすると、あいつはどじだと、少ないながら、どうもあいつがいるから仕事がうまくいかないわいと、こういうことになって自然にはねのけられてくる。そういう心配というのは私はあると思うんですよね。だから、いまのようなことだけではその不安解消には私はならぬと思いますがね。これはもう少し研究してもらわにゃいかぬと思うんです。いまぐらいのことで、これで不安解消に貢献しているなどということじゃいかぬと思うんですがね、もっと真剣に物を考えてくれないと。どうでしょうか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先ほど申し上げましたとおり、先生の御指摘はまことにごもっともなことでありまして、私どもその点は一番心配しております。ただ、そういう点につきましては、船内の設備をいろいろと、たとえば生活環境を改善する。これは近代化委員会の方でもいろいろ指摘されておりますけれども、そういう船内設備、居住環境の改善によって非常に住みよい船内にするとか、あるいはもう少したとえばコミュニケーションをよくするとかいう方法によって、船員、乗組員の方々のそういう点でのテンションといいますか、精神的緊張を緩和していくような方向にやはり持っていくべきだろうと思います。  それから、近代化といいましてもなかなか一挙に進みませんで、やはり一挙に進めますとそういう点でかなりの問題点が生じてこようかと思います。これから近代化船を指定していくわけでありますけれども、徐々に徐々にやはり近代化されていくものだろうと思います。そういう点で、まだ在来船の方もかなりの数が、いま現在の時点におきましては在来船の方がもちろん多いわけでありますから、まだまだ在来船もありますし、徐々にそういう点で近代化をやっていくことによって、そういう先生御指摘の問題を解消できるのではなかろうかと。重ねて申しますと、急激にやらずに徐々にそういうふうに転向していくということと、それから船舶自体のそういう船員の船内生活の環境改善を図っていくということによりまして、先生御指摘の御心配はかなり解消されるのではなかろうかというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんからこれも余り、もっと私は議論しなくちゃいかぬと思っているんですけれども、議論ができませんけれども、これも関係の組合等々とやっぱり十分に話し合ってもらって、納得がいかないといかぬと思うんですよ。この辺はこれから十分に検討して協議をしてもらわないと私はいかぬと思いますから、これはひとつお願いをしたいと思います。  次へ移りますが、もう一つは、通信士ですが、通信士の年齢、二級、三級の通信士ですか、資格年齢が十八歳ということで、これを二十歳にしてくれという希望がかなり強くあるように伺っております。特に二級通信士の場合には、これは通信長ですか、こういう職務を行うということもあるわけでありますから、そういう意味では果たして十八歳でいいのかどうなのか。やっぱり一応成年に達しているということが、国際的な関係もこれあり、やっぱり長というものがつくということになりますと、その辺は直すべきだと、こういうふうに私は思います。確かにいままでの法律の並べ方等との関連でそうなったんだろうと思うんですけれども、改正すべきじゃないだろうかと、こう思いますね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 通信士、二級海技士及び三級海技士でありますけれども、通信士の点につきましては、実は原則は受験年齢は二十ということになっております。ただ、二級及び三級につきましては、十八から二十までの者でもいいというふうに現在附則でなっておるわけでございます。この附則を決めましたのは昭和三十八年の法律改正のときでございますけれども、趣旨は、電波法で特に年齢制限を設けていないというようなこと、それから海技資格を取得するために必要な乗船履歴がわずか六カ月であるというようなことから、それからもう一つは、当時はなかなか通信の方々のいわゆる需給バランスがとれていなかった、非常に不足しておったということもあったのだろうと思いますけれども、そういう形で、その附則で、当分の間十八歳以上二十歳未満の方々も免状を取れるのだという規定を附則で置いたわけです。  ところが、そういう附則で暫定的な措置をとりましてからすでにもう二十年経過しておりまして、法律の附則で二十年間同じことをやっているのでは、当分の間というのはこれはおかしいじゃないかという点で法制局の方から御指摘がございまして、法律の附則から本則の方へ上げたわけでございます。従来も、附則でありますけれども、附則も法律ですから、附則でやっておったのを本則でやったということでございます。ただ、そういう二十年前に附則で十八歳におろしたときの状況というのが現在も余り変わってございませんので、やはり私どももそういう法制局の勧告というんですか、御提言に基づいて附則から本則の方に上げたわけでありまして、その点ひとつよろしく御了承いただきたいと思う次第であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 現実にもうほとんど資格を取る人が二十歳ですね、最近は。そういう点ですから、やっぱりこれは、ほかの航海士、機関士の方はほとんど二十歳ですからね。そうしてみれば、やっぱりこれは二十歳に私はそろえた方がいいと思うんです。漁船なんかにお乗りになる、小さな船の近海を乗られる場合にはこれはまあいろいろあるだろうと思いますけれども、少なくとも外航船舶に乗る二級通信士の方は、やっぱり私はその辺は今後考えられた方がいいんじゃないかと、こういうふうに思います。  それから今度は当直なんですが、船員法の十四条の四ですか。これによって、航海当直の実施の場合がいままではなかったんですけれども、命令で決めると、こういうふうなことに今度改正をされるわけなんですが、具体的にその航海当直の実施ということはどんなことを考えているのか、そしてこの命令の内容というのは一体どうなのか、条約との関係も何かあるのかどうなのか、こんなふうにも考えてみるんです。その辺が余りはっきりしないわけでありますけれども、どうなんでしょうか。それだけひとつお答えください。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 航海当直の具体的なやり方につきましては、現在、明治時代以来近代的な船員制度を採用して以来わが国におきましてはほとんど慣習に任せておりまして、どういう具体的な航海当直をするかということは慣習に任せておりまして、乗組員とかあるいは船舶である以上おのずからわかっておる事態だというふうに申し上げていいのじゃないかと思います。ただ、わが国のように、すでに非常に先進海運国につきましてはそういう事態でありますけれども、やはり最近海運を初めて持ったような開発途上国におきましては、航海の当直のあり方というのはなかなかわからない、そのために事故を起こしておるケースもかなりあるということで、今度STCW条約の方で、IMCOで航海当直のあり方を細かく決めようということでこの条約ができたわけでございます。したがいまして、条約では附属書第二−一で甲板部の当直の仕方、それから第三−一規則で機関部の当直の仕方、それから二−七規則及び二−八規則で停泊中の航海当直の仕方ということを非常に細かく詳しく書いてございます。  これを全部御紹介するのはなんでございますけれども、たとえばの話が、気象等の状態をよく考慮せよとか、あるいは航路障害物がないかどうかをよく見ておけとかいうような、非常に乗組員にとってはきわめてあたりまえのことと申しますか、当然のことのような規定が非常に長くたくさん書かれてございます。  したがいまして、私ども、そういうことが条約で書かれておりまして、条約を批准する以上は何かやはりそれを一つの制度化せにゃいかぬという義務がございますので、法律の方には命令で定める基準というふうな書き方をいたしまして、具体的には省令あるいは告示で具体的にそれを条約のとおりに書いてみたいと。そして、その本を見ますともうすべてが当直のことで条約にはどういうことが書かれているかということがわかるような、いわばハンドブックといいますか、マニュアルのような形のものをひとつつくってみたいというふうに考えておるようなわけでございます。具体的な当直の内容といいますのは、いま個々の例をちょっと二つほど挙げましたけれども、非常に条約上細かく書いてございますので、省略させていただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、この中で特に、二−一の規則の「甲板部の当直の維持に当たり遵守すべき基本原則」というのがございますね。そこの「任務への適合」などというところに、「当直を担当する職員及び部員の能力が疲労によって損なわれることのないようなものでなければならない。」と、その後も、当直する者「及びその後に当直を担当する者が十分な休養をとって」おるというような編成の仕方をしなくちゃいかぬとか、それから(d)のところを見ますと、「船舶の安全な航行を妨げるおそれのあるいかなる任務も割り当てられてはならず、また、行ってはならない。」と、この辺、当直を担当する人の事項というのはかなり厳しく決められているんですが、今度の十八名のあなたのおっしゃる体制でこういう問題の心配はないんですかね。私は非常にこういう心配をするわけですね。  いままでの実験船にしても、非常に船の激しいところだとか、あるいは非常に海峡の狭いようなところで必ずしもあるいはタンカーなどでの実験なんかもおやりになっていらっしゃらないような話も聞いているわけですがね。どうもこの辺との関係、当直との関係というのは果たしてりっぱに確保されるかどうかなという心配を私せざるを得ないんですが、どうなんでしょうか。これで十分近代化とこれとの関係というのは本当に守られていきますかな。これは私自信がないから聞いているんですがね、そういうことが起きるんじゃないだろうかと。大丈夫ですか、これ。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生御指摘のSTCW条約第二−一規則の5あるいは6の(d)というような点につきまして、私どももIMCOの場でこの条約に賛成の一票を投じますときに、十分この現在の船員法とSTCW条約の内容の比較検討というものをずいぶんやってまいりました。そういう過程で、現在の日本の船員法のもろもろの規定、まあ船員法は船の安全とか、あるいはいま先生御指摘のように、部員の能力が疲労によって損なわれることがないように十分な休憩、休養がとれるようにやれということ、これは端的には六十九条あるいは七十条、六十九条の関連でありますけれども、それから(d)の航行の安全を妨げるおそれのあるような任務を与えてはならないというような点、この点につきまして私ども全部平氏合わせをしてまいりましたけれども、現在の船員法及び船員法体系に基づきますもろもろの政省令の中で十二分に対応しておるというふうな解釈のもとに、判断のもとにSTCW条約に賛成投票をしておるわけでございます。私どもは、むしろ条約以上に、条約よりもさらに一歩進んだ安全面の体制を日本の法体系はとっておるというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、平常なときはそう心配じゃないと思うんですよ。特にこの任務が重大になってくるというのは、やっぱり平常でないときは大変だろうと思うんですよね。あらしなんかのときだって船は運航をせざるを得ないと思うんですよね。そういうときにこそ一番ポイントになると思うんですよ。普通の穏やかなときなら大したことはないと思うんですが、どんな天候の急変があるかわかりませんし、その天候の状況だって、どんな状態なのか、恐らく想像できないような場合もあり得ると思うんですよ。そういうものにも対応できるようなことでなければ、今度の航路のときには大変天気が悪い、今度は安全でございますからと、乗組員を出るときから調整するわけにはいかぬでしょうしね。だから、その辺を十分ひとつ考えていただかないといけないんじゃないかと思います。  私の時間がだんだん迫ってまいりましたので、十分に聞けないところがあるかもしれませんが、その次は七十条の改正で、前には2というのですか、二項にあったのが今度なくなりましたね。これは、結局条約の線にいくんですか。それとも、これは条約の線でいきますとたしか六カ月ということになって、そういう意味では弱まってくるんじゃないだろうか、こういうふうに思うんですが、この辺はどうなんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は、現行の船員法七十条二項の規定は、七十条一項で、七百トン以上の船舶に乗り組む甲板部の部員の定員は、六名以上としなければならない。その六名は、特別の定めのある場合を除いて、勤務一年未満の者を充ててはならないという規定がございます。これは、現在私どもは、御指摘の七十条二項は甲板部の航海当直部員の要件だというふうに考えております。ところが、今度条約の方が別途航海当直部員の要件を決めましたので、このほか、この七十条二項以外のこともたくさんいろいろと条約は決めてございますので、その七十条二項も航海当直部員の要件のうちの一部分だというふうに理解しております。したがいまして、そのほかの要件と一緒にしまして百十七条の二の方に持ってまいったわけでございます。  ところが、百十七条の二の方は、御指摘のとおりに、原則は定めまして、細かな点は全部命令の方に任せてございます。ところが条約の方は、先生御指摘のとおりに、航海当直部員の要件として六カ月の乗船履歴といいますか、それを要求しております。それに対して法律の方は、いま御指摘のありましたとおり一年と。それで一年を今度は六カ月の方に命令で短縮するのかということでございますけれども、私どもの方は、やはり先ほど申しましたように、日本の従来守ってきた安全基準というものは、できるだけ、たとえ条約の上乗せ基準になりましてもこれを守っていきたいというふうに考えておりますので、この従来守ってきました一年という基準は、条約に従って六カ月に下げるつもりはございません。従来どおり守っていきたい。  ただ、もう一つの御質問は、恐らくいままで法律で決めておったものを命令に落とすとは何ごとだということだろうと存じますけれども、ほかのものが、非常に細かな点が全部ありますので、これだけを法律に書くということもできなかったことが一つと、それからもう一つは、実は現在の七十条の二項は、勤務一年未満の者をもって、これを、労働協約に定めのある場合は、たとえば三カ月でも一カ月でも、あるいは全然乗船経験がなくてもいいんだというふうにできるようになっておりまして、これをやりますとちょっと条約違反になりますので、そういう点もありまして、これは実はこの法律七十条二項の削除ということにした次第でございますので、決して緩和するために削除したわけではございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この辺はひとつ関係者とよく協議をして、特にこれは労働協約ですから、それぞれの組合とやっぱり十分相談した上でこの命令事項等は決めていただきたいと、こういうふうに思います。  私の時間が大体来てしまったんですけれども、もう一つは、一万トンくらいの大型船の当直体制を一体本当にどう考えているのかということですね。これはいまの七十条でも、甲板部の人は部員で六名以上ということになっているんですが、機関部の方についてはないんですね。だから、船員法による労働時間等々を考えてみれば、機関部門の人も当然三名ぐらい入れて、甲板部と機関部を含めて九名ぐらいにはすべきじゃないかと、私はこう思うんですが、実際はかなりこういうことによって一万トンくらいの船がやっぱり十分な形で運航されていない。あるいはそれから小さな船になればなかなか定員が守られていない、非常な過剰労働にならざるを得ない、こういうふうに思うんですが、その辺は船員局ももう一回よくそういう船を調べてみて、守られているのか守られていないのか。それで労働の条件は一体どんなふうになっているのか。もう少し機関部の部員をふやしていくというようなことを考えた方が私はいいと思うんですけれどもね。この辺は検討してくれますか、それともこれでもうほっぽり放しにしていくか。この辺もう一回お答えをいただきたいと思うんですが。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 乗組員の定員のことにつきましては、一応船舶職員法の方で職員の最低定員というものを決めておりますし一それから船員法の方では、御指摘のとおり七十条で甲板部の部員の定員を決めてございます。ただ、それ以外の点につきましては決めてございませんのは、これはそれぞれ船の種類によりましてあるいは航路によりまして非常に千差万別でございますので、その辺はもう労使の話し合いに、労働時間の点を十分念頭に置いた上で労使の方の話し合いによって決めろというふうになっておりまして、決めた上は、労働就業規則で決めてそれを船内に公示しろということに決めております。  したがいまして、私どもは、一律になかなか法律あるいは法制上決めるわけにもまいりませんので、ケース・バイ・ケースに、いろいろ船員労務官を立入検査をさせたり、あるいは公認の際に窓口でチェックするなりしてやっているわけでありまして、千差万別あるものを一律に法律あるいは政省令で決めるということは非常に困難でございます。したがいまして、私どもはその点現在の法体系で今後ともいかざるを得ないというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃ、これ一問で終わらせてもらいたいと思うんですが、もう一つはマンニングブローカーですか、要するに船員を勝手にやるということで、陸上で言えば職安法違反だろうと私は思うんですが、これがまた同時に非常に船員の給料を安くしたり、あるいは労働条件を落としたり、あるいは自分の専門的な仕事とは違った仕事をさせられたり、こういうようなことが非常に多いと思うんですが、これはやっぱりしっかりと取り締まってもらわないと、無秩序なことにしておけば幾ら法律をよくしてもこれはだめなわけでありまして、そういうものによってマルシップやあるいは便宜置籍船の船員が集められるということで、それで競争条件に負けてしまうということになるので、その辺はぴしっとしてもらいたいんですがね。これは船員局だけでなくて、もう日本のほかの関係でも、政府としてもそういうものはぴしっとやってもらいたいと思うんですが、これは局長と、大臣にもひとつその辺の御意見を承っておきたいと思います。それで私の質問を終わりたいと思うんです。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 船員の職業紹介の仕事ということにつきましては、実は船員職業安定法という法律がありまして、そこでいろいろと詳しく規制されておるわけでございます。  先生御指摘のいわゆるマンニング会社というのは、これは非常に頭から違法だと、これは法律違反だというふうに決めてしまうわけにもまいりません。と申しますのは、やはりいわゆる使用者側の代理人といいますか、代理行為としてやっているそういう船員職業紹介というんですか、あっせんのようなものをやっているものもこれは実は法律としては当然のことでありまして、これを違法と言ってしまうには、これはちょっと言うわけにはまいらないという感じがいたします。  ただ、世の中にはいわゆる船員職業安定法違反の悪質なものもこれございます。ただ、それの摘発はわれわれ一生懸命やっておるわけでありますけれども、なかなかむずかしゅうございまして、たまたまたとえば具体的に乗組員の駆け込みといいますか、こういう物すごいピンハネをやられるとか、そういうことがありますと具体的にわかるわけでありまして、一般的には非常にアングラ的な感じでありましてなかなかわからない。だから、私どもはいわゆる船員職業安定法違反の悪質なそういうマンニング屋がどれくらいあるかというのはなかなか把握できないような事態でございます。ただ、こういうことはやはり船員の方々の生活の安定ということには非常にゆゆしい問題でございますし、今後ともそういう取り締まりは十分厳しくやってまいりたいというふうに考えております。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま局長から御答弁申し上げたとおり、なかなか発見のむずかしい部門でございます。暗いところでございますが、できるだけわれわれとしまして目を光らせて、船員の生活の安定ということのために努力をして改善をしていきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 まず最初に近代化問題について伺いたいと思います。  なぜ近代化に取り組むかというと、雇用の拡大と船員の地位向上という二つの大きな問題があると繰り返しお述べになっていらっしゃいますし、私もその目的が達せられるのであれば疑問をここで持ち出すことはないのでございますけれども、今度法改正するに当たってのSTCW条約批准という問題に関係して、きっかけになったのはトリー・キャニオン号の座礁というような問題があったとお述べになっていらっしゃるわけです。これは便宜置籍船であり、これを取り締まるということが一つの大きな問題だし、また、安全、汚染防止を図っていくということから考えると、これは非常に大きな問題だと思うんです。便宜置籍船とかマルシップというような問題については、御承知のとおり、船員は劣悪な労働条件であり低賃金であるというふうにはっきり言われているわけですけれども、先ほど言いましたように、雇用の拡大、船員の地位向上というその目的を達成するためにはここにこそメスを入れなければならない大きな問題だと言わなければならないと思うわけなんです。国際競争力をつけるということを盛んに言われていらっしゃいますけれども、その雇用拡大を図るための国際競争力というものを見ましたときに、国際競争力というものは年々低下してきているという指標が、たとえば積み取り比率なんかを見ましても出てきていると思いますので、その辺の指標について数字でお示しいただきたいと思います。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。  わが国の商船隊の構成は、海運局長からお答えいただく方がいいかもしれませんけれども、四十四年当時は日本船が千九百万トン、それに対しまして外国用船が三百七十万トン、一六%でございましたが、五十五年の時点に立ち至りますと日本船が三千四百万トン強、それに対しまして外国用船が三千百万トンでありまして、わが国の支配船腹の中に占めます外国用船の比率は四八%というふうに増大してございます。それが私どもは日本船の国際競争力の落ちた一つの指標だろうというふうに理解しております。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) もう一つの指標を申し上げますと、日本船の積み取り比率でございますが、輸出につきましては、四十五年には日本船が三七・四%輸送いたしておりました。それに対して五十五年には二〇・三%まで落ちております。  それから輸入につきましては、四十五年に四四・七%を日本船が運んでおりましたのが、五十五年には三七・四%と積み取り比率が落ちております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまの船籍トン数にしても、それから積み取り比率にしましても、日本の貿易量は非常に比率が落ちているということが数字的にもはっきりしたわけですね。積み取り比率で言うと、また重ねて言いますと、四十五年に三七・四%が日本船であった、それが二〇・三%と非常に下がっていますね。それから外国用船が一六%であったのが四八%とこれは非常にふえているわけですね。それじゃ純粋な外国船というものがふえて、比率が高まって、日本の積み取りの比率が下がったのかというと、数字で見ればそんなことはないんですね。だから、つまり端的に言うと何なんだと。日本船の積み取り比率が下がった、日本船の減ったというのは、日本の船主による外国用船、しかも、外国用船のうち三分の一から二分の一は仕組み船など、便宜置籍船であるといままでおっしゃっているわけです。これらに積み取り比率が変わったということにすぎないわけですね。外国船がふえたんじゃなくて、日本の中において日本船が便宜置籍船などとの競争に負けたという結果をこの数字は示していると思うわけですよ。このように仕組み船など便宜置籍船にどんどん傾注していくということは、当然日本の船員の雇用問題に大きな影響が出てくるというふうに言わざるを得ないと思うんですけれども、その点いかがお考えですか。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) おっしゃるとおりに、いわゆる広い意味の日本商船隊の中での外国用船というものも考えなければならないわけでございまして、確かにそういった意味で、これが全部日本船であれば当然日本船員の職域がそれに広がるというのは当然のことでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それでは、商船乗組員の四十五年、と五十五年の数字。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 手元にございますのは四十五年と五十五年がございますが、乗組員全数で申し上げますと、商船乗組員だけですけれども、四十五年が九万二千六百八十六人、五十五年が七万六千四百九十四人となってございます。これは私どもの船員統計の毎年十月一日現在の数字でございます。ただ、四十五年だけは十月一日でございませんで、四月一日となってございます。  それから、この数字は、保有船舶の合計トン数が千総トン以上の企業の集計でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまおっしゃいましたように、商船乗組員の数で見ましても、四十五年と五十五年の間に、一万六千百九十二人という船員が減っている。日本人船員の雇用はもう極度に悪化したということになるわけですね。その影響を与えてきたのが、先ほどもおっしゃっていました便宜置籍船、それからマルシップ船というようなもの、ここにその原因がある。ここのところを本当に規制していかなければ雇用拡大にはつながらない。ここが非常に大事なポイントだと思うわけなんですね。  ところで、マルシップ船の隻数と船員の内訳の比率ですね。以前と比べてそれはどうなっていますか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生の御要望の四十五年の数字はございませんので恐縮でありますけれども、まあこれは非常に調査が厄介なものでございますので、五十三年の六月十五日に調査したものがございますが、それではマルシップは百二十四隻、それからそれに乗っております船員数が二千九百八名、うち日本人が三百十一人、外国人が二千五百九十七人という内訳でございます。それに対しまして、最新の調べたところによりますと、五十六年十二月一日付のものを調べましたが、三百十四隻、それに乗り組んでおります船員数が七千七十二人、うち日本人が千六百七十四人、外国人が五千三百九十八人というふうな数字が出ております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その数字を伺いまして、そしてその数字をどう見るかと伺ったわけですよ。そうしたら、数は日本人の雇用が高まっていると。確かにそうですね、日本人が五十三年三百十一人だったのが五十六年には千六百七十四人と高まっていると、こういうふうにおっしゃったんですよね。そういうふうに思っていらっしゃるかもしれない。日本人の船員は千三百六十三人ふえた。しかし、それじゃ外国人はどれくらいふえたかというと、二千五百九十七人から五十六年には五千三百九十八人という、日本人船員よりも倍以上ふえているという数字になるわけなんですね。だから、つまり日本人船員をどんどん脅かしているということがここでもはっきりわかるというふうに私は言わなければならないと思うんですね。  それじゃ、五十三年と五十五年の商船の船員数は、数字だけおっしゃってください。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 五十三年の十月一日現在の先ほどの数字を御紹介いたしますと、船員数が八万九百三十二人でございます。五十五年の数字につきましては、先ほど申し上げましたように七万六千四百九十四名ということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 つまり、五十三年、五十五年を比較しますと四千五百人も減っていると。マルシップによる外国人のふえた分よりも倍日本人の船員が減ったということ、実態はもう冷厳にこれをあらわしているということですね。だから、マルシップがふえたが日本人船員の雇用もふえたというふうな考え方をおっしゃったんだけれども、これは全く虚構ですよね、この数字から見ましても。このマルシップ船員の雇用状況というのは、非常に労働条件も劣悪だということがこれは大きな問題なわけです。だから、こういうことを本当にメスを入れないで何が船員の向上になるんだというふうに言わざるを得ないわけなんですね。こういうことを考えますと、マルシップ、それから便宜置籍船というものの規制こそきちっとしなければ雇用拡大につながっていかないと、これはもう前々の同僚議員からも言われていたわけなんです。  このマルシップも、今度STCW条約の定める旗国主義をとることによって、今後の法改正で船舶職員法の対象にするということになるわけでございますよね。その点について、厳正にこういうものについて規制をしていくという、具体的な厳正な立場での積極的な規制ということをお考えになっていただけるんですね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生御指摘のとおりに、今度STCW条約を批准いたしますと、STCW条約自体が旗国主義を採用してございますので、私どももそれに従わざるを得ず、船舶職員法上は今度は従来の配乗国主義から旗国主義に変更、修正いたします。それでもって、従来船舶職員法を適用をしておりませんでしたいわゆるマルシップに対しても船舶職員法を適用することになります。したがいまして、私どもはこれに対して、先生御指摘のとおりに厳格に船舶職員法を適用してまいるつもりでございますけれども、ただ先ほど御紹介いたしましたように、三百隻を上回るかなり大量のマルシップがございます。それで、やはりそのマルシップが日本の海運あるいは世界の海運に占めておる地位というものはかなり大きなものがございますし、それをむげに否定してしまうわけにもまいりません。完全な形でおっしゃるとおりやりますと、恐らくこのマルシップの大半は便宜置籍船に逃げてしまうんじゃなかろうかということも私は恐れておるような次第でございます。便宜置籍船に逃げてしまいますと、これは完全な外国船、いわゆる船員法上も船舶職員法上も完全に外国船になってしまいますので、私どもなかなかそれに対する行政指導もできないということになるわけでありますけれども、そういう点で、そういう事態にかんがみまして、やはりある程度のつなぎといいますか、そういう措置は私は必要だろうと思っております。  ただ、そのつなぎといたしましても、条約に違反はできませんので、条約の範囲内でそういう点での適切な緩和措置が必要だろう。ただその点につきましては、これから施行まで一年間、御可決いただきました暁には一年間あるわけですけれども、その間に関係者の意見を十二分に伺いながら決めてまいりたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 マルシップや便宜置籍船をきちっとしなければ雇用拡大にもつながらないしということはお認めになりながらも、いまの現状からこれを急にはできないと、だから、衆議院の議事録を読ましていただきましたら、効果的、漸進的にやっていかなければならぬと、そのためには結局特例みたいな形でしばらく様子を見たいと、こうおっしゃるわけですね。そうすると、何のためにこの船舶職員法を改正するのか。そういう特例——経済事情、混乱が起こるというような理由をつけて、いつまでということもわからなければ、これまことにこの法改正でもざる法になっちゃう。便宜置籍船やマルシップが一番大事だとおっしゃりながらこういうことで逃しているということは、私は何のためにやろうとしていらっしゃるのかということを言わざるを得ないわけですよ。だから、それについてはもうおわかりになっていらっしゃるから、本当にそういうところで逃げ道をこさえてそのまま放置するというようなことは今後許されないんだよという立場で、厳正に指導もし、きちっとしていくということについて、再度お答えをいただきたいと思います。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は今回の法律改正は、STCW条約の批准に伴いますものと近代化の必要性に伴いますものと二つあるわけでありまして、提案理由の中にもありますとおりに、近代化に伴います改正は、そのものずばりで実は船員の職域確保を図っておるものでございます。それからSTCW条約の批准というものはそういう目的じゃございませんで、やはり船舶の安全を国際的にレベルアップしようということで批准するものでありまして、副次的といいますか、その結果としてマルシップに適用になる。マルシップに適用になると、船舶職員法を適用することになる。船舶職員法を適用することになると、日本人の特に職員の職域確保につながる場合もあるということでございまして、職域確保とSTCW条約とは直接関係ないわけでありますけれども、私どもはいま先生御指摘のとおりに、できるだけ厳格にSTCW条約を適用していくように努力をいたしたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ厳正にきちっとやっていただくということを確認いたしまして、次に、利子補給船というものについての計画造船の問題を伺いたいと思うんです。  計画造船の利子補給、三十五次船、すなわち五十四年度から復活されましたね。それはなぜ復活されたのか、理由。時間の関係がございます、簡潔にお答えいただきたいと思います。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) 第一番目には、国際競争力が落ちてまいりました日本船につきまして近代的な船舶を装備させるということで、その助成の一環としてこの利子補給を復活したというのが目的でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、五十一年度から計画造船による建造隻数というものは何隻ですか。数字でお答えください。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) 五十一年度が十隻、五十二年度が十二隻、五十三年度が九隻、五十四年度が三十二隻、五十五年度が三十一隻、五十六年度が二十五隻、合計百十九隻でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ、その計画造船で建造されましたその船の中で、それ以前にもございましょうけれども、海外へ売船しているというのがございます。五十一年から五十六年まで海外に売船した隻数、これは幾らになっていますか。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) 六年間合計で申し上げますと、二百六十八隻でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 という数字を見ますと、計画造船ということで長期に非常に低利な融資を受けた。そして、利子補給をもらっていますね。ちょっと調べましたら、五十六年度で国庫債務負担行為では三百三十三億という数字が出ておりました。こうやって利子補給してもらって、それでつくった船の数が百十九隻。それで、その船、その計画造船で、利子補給でもらった船を海外に売船した数字というのが二百六十八隻もあると。これは倍以上でございますね。そうすれば、これが国際競争力だとか雇用拡大につながるなどといろいろ言われているけれども、つくったより倍以上も売っちゃっているとすると、雇用拡大の場が失われているということを言わざるを得ないと思うんですよね。  そこで、この売却された、売船されたものを今度は再び日本が用船するチャーターバック船と申しますか、このチャーターバック船というのはどれくらいあるんですか。五十六年だけでも結構でございます。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) 中核六社だけの数字でございますけれども、現在チャーターバック船は二十二隻でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そうしますと、結局利子を補給してもらってつくったその船よりも倍近い船を売ったと。それで、その売った船をまたチャーターバックして日本の会社が使うと、こういう形ですよね。具体的に言いますと、この間千倉で座礁しましたね。油が流れたとか、石炭船だったと思いますけれども。この船というのを調べてみましたら、これはジャパンラインが、計画造船で利子補給をしてもらってそれでつくった船でしたよね。それをパナマに売って、そしてそれを借りて、便宜置籍船にして稼いでいるという形ですわ、これは形で見ますとね。そうすると、一体これはどういうことなんだと。それで変わったのは何だといったら乗組員だけが今度は便宜置籍船で外国人に移ったというような実態ですよね。こんなことをやられていたら、まあ本当に国際競争力だの雇用の拡大なんといっても、何の意味もないと思うんです。それはどうお思いになりますか。済みません、簡単にお願いします。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) まず、ちょっと数字を訂正させていただきますが、中核六社二十二隻と申しましたが、そのうち計画造船によるものが十一隻でございます。  それから、なぜ海外売船するかということでございますけれども、船というのは大体十年前後になりますといわゆる老朽不経済船というものになります。したがいまして、新しい技術革新に応じた新鋭船というものを登場させないとこれは国際競争力に劣る、こういう事情もございます。そういう意味で、計画造船も全く同じでございまして、ですから海外売船あるいはスクラップということがあり得るわけでございます。  ちなみに、先ほど海外売船、六年間で二百六十八隻と申し上げましたけれども、これの売却時の平均船齢が十三年強でございます。したがいまして、これは決して利子補給なり、あるいは財政投融資によってつくった船をすぐ売ったというものではなくて、やはりその間にオイルショックその他がございまして、非常に船の方の技術革新が進んだその以前の船でございますので、決して計画造船の趣旨に反するものではないと、私はこのように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 一般的な答えなんですよね。だから私は言ったでしょう。たとえば千倉で座礁したあの船、ジャパンラインで計画造船で利子補給をもらってつくったでしょう。それをパナマに売って、そして便宜置籍船として現実に稼いでいるじゃないですか。そういうことがあるんですよ、事実。私は具体的にはそれを言ったの。それを古くなったから交換がどうだとかこうだとか、そんな一般的なことで逃げたってだめなんです。そういうことをやって、われわれのお金が使われて、そしてもうけられて、そして船員は外国人にかわってというようなこと、この事実は否定できない事実だから。  時間もございませんので次に移りますけれども、次は実験船の問題、安全問題と労働条件等について伺っていきます。  いわゆる近代化船というものについて、乗組員を減らすということになりますね。それから免許資格が変わってくるというような点がございます。この二つは船舶安全上きわめて大事な改正の問題点だというふうに私は受け取っていますが、そのとおりでございますね。イエスならイエスで簡単にお願いします。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) そのとおりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そのとおり、これは重大な問題だと。だからこそ、実験船を航行させて、その結果、絶対安全上問題ない、そして労働過重も防げるという評価がなされたということで万全の体制で法改正の提案をされた、そういうふうにいままでのお言葉を伺っていて思うわけですが、そう受けとめてよろしゅうございますね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 御指摘のとおりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その実験船は十四隻で行われたと。そしてそれぞれの実験船について報告書がございますね。それは別に秘密にしなければならないものではないというふうに思うんですけれども、そのとおりですね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) そのとおりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 まあ、あたりまえです、秘密じゃないんだから。ところが、その報告書を私は出して分析したかったんですよ。それで、その九隻分について持ってきてくださいと言いました。そうしたら持ってきてくだすったわけですが、土曜日の夕方持ってきて、そして月曜日の朝返してくれというわけですよね。だけど九隻分といったら膨大なものですよ。私もいろいろ仕事がありますわ、私の立場で。だから月曜日の朝来られてとっていかれたら、本当にこれは十分検討をしようと思うのに、大切な資料なのに十分読めないんですよね。だから、とてもじゃないがそれはできないということで、私はまたこの間の十七日の土曜日に、それをもう一度見せてくださいということをお願いしたの。そうしたら、十七日に、これもまた夕方やっと持ってきてくだすったわけですよ。そうしてこれも月曜日の十九日のお昼に引き揚げてしまわれたわけですよ。  私はここではっきりしていただきたいんだけれども、この大事な問題について審議してくださいとおっしゃっているんでしょう。審議してくださいとおっしゃるからには、そういう実験船の報告書というのをちゃんと私たちに事前に出してもらう必要があるんですよ。それに、出してくれと言ったら、ひどいですね、運輸省に一部しかないから持って帰るんだと。そんなばかな話はないでしょう、一部しかないなんて。それでさっさと引き揚げていく。これは本当にとんでもないということなんですよ。こんなことであなた審議が深められますか。しかも、近代化委員会で話し合ってみんなが一致したんだと、こういうふうにおっしゃるんだけれども、法律をつくるのは近代化委員会じゃないんですよ。法律をつくるのはここなんですよ。われわれは担当の委員としてきちっとしたいと思っているのに、そういう言い方をなさって持ってこないんです。これいままで私十四年国会をやっていますけれども、こんな資料もよこさないでちょっと顔見せて引き揚げていって、それでいや近代化委員会はそんなこと言っていると、私は本当に、私をばかにしたんじゃなくて国会軽視もはなはだしいところですよ。そういうことを出せないなら出せない、それで理由は何だと。秘密でも何でもないとおっしゃるんでしょう。それで九隻については、仕方ないから私はその間で見ました。ところが残りの五隻というのがいまだに出てこないんですわ。それであのとき玉置室長さんがうちへいらして、一時間半ですよ、私やり合ったのは、後で時間調べたら。残りの五隻だって出してもらわなきゃ困ると言ったんだけれどもいまだに出していただけない。できていないと、まとまっていないと。これ一体いつまとまるんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) まことに申しわけございません。実は先生御指摘のとおりに、私どもの方に、船舶職員課に一部しか置いてございませんし、先生からどういう御質問が出るかによりまして私どもすぐそれを調べてお答えせにゃいかぬ立場にありますので、私ども土、日、月の三日間だけお持ちした次第でございます。そのかわり、そのサマライズしたものは別途つくってございまして、それにつきましてはお持ちしたはずでございます。  それから、十四隻のうちの残りの五隻の評価につきましてはいま作成中でございまして、この一週間以内には最終版としてできるということのようでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 運輸省に一部しかないなんて、そんなでたらめ言ったらだめですよ。運輸省に一部しかなかったら、じゃそれは近代化委員会にあるんだから、早速取り寄せて持ってくるのがあたりまえでしょう。それをあなた持ってこないというのは、もう国会で、委員の皆さんは素人だからわからないから審議しなくってもいいということじゃないですか。それで五冊分についてはまだできていないということですね。まだできていないと。大丈夫ですか、本当ですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 私聞いておりますところではまだできていないと、この一週間ぐらいの間に最終版ができると聞いております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういううそを事ここに至ってもおっしゃっているということは、これ本当に大事な問題なんですよ。それがうそなんです。私はあなたの方が全然出さないから、方々手を尽くして船会社にも全部電話してみて、そして調べてみたんですよ。ちゃんとできているじゃありませんか。できているんですよ。できていて、関係のところにはその五冊分というのは全部出されているわけですよ。そういううそをここでも通そうというのであったら、私はそのままで審議続けられませんね。審議続けられません。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 私自身はまだもらっておりませんし、いま確かめましたら、それは最終版じゃございませんで、まだいろいろ修正が残っておるので、最終的な製本はしていないというふうに聞いておりますが。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 あなた責任者でそういうことだったら、あなた答弁する資格ないですよ。資格ないです、それなら。  これは私調べたんです、ある会社へ電話をかけたりなどいたしましてね。これはもうすでにできています。そして関係者には渡っているんです。渡っているんです。それで、これが近代化委員会でこのあと五隻分について確認もされているんですよ。確認もされているんです。だから、私はそういうごまかし、この場においてもまだがたがたそこでやっているのだったら私質問できません。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は最終的な報告がまとめられました段階で近代化委員会を開きまして、その席には私も出席してそれを見せていただいておりますけれども、まだ最終的に近代化委員会で報告されておりません。したがいまして、現在先生ごらんいただいたとすれば、それは単なる素案と申しますか、あるいは印刷の過程の問題だろうというふうに思いますが。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 素案や印刷の過程じゃないですよ。ちゃんと製本されてできているはずですよ。あなたも出ているんでしょう。室長も出ているんでしょう。みんな出ているんでしょう。それで見ているんでしょう。そのごまかし、そのごまかしを私もうちょっとはっきりさせなければ、質問の時間ばかりとりますから、だからここのところ、ちょっと委員長、お諮りいただきたいんです。そういうごまかしのままで私は質問できない。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) まだ最終承認されておりません。これは近代化委員会で報告書が提出されまして、それが最終承認されないと公式な近代化委員会の文書になりませんので、まだ最終承認されていない素案のものというふうに御理解いただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 では素案のものでもあると、出されているということは認めたわけでしょう。ではその素案をなぜ見せてもらえないんですか。国会議員には見せられないんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) まだ修正される可能性の十分残っております素案のものを一応公的の場にお出しするということは、これはやはりわれわれとしては、先生方のミスリードをしてはいけないという配慮のもとに外部へ出さないようにしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 近代化委員会で出されて——これはもう時間がかかるんですね。ちょっと休憩して理事懇で私はお諮りいただきたいと思うんです。それも全くうそのごまかしもいいところをやっていらっしゃるんです。これ繰り返していたら質問する時間がなくなりますから、ちょっとお諮りいただきたいと思います。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 暫時休憩いたします。    午前十一時三十七分休憩      —————・—————    午前十一時五十二分開会

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 私が言いましたのは、すべて事実に基づいて申し上げましたので、それはまだまとまっていませんとかいうそんなごまかしは絶対しないでいただきたい。で、いまいろいろお話しいたしましたけれども、事実そういうものがまとまって出されているということはお認めになったわけですよね。しかし、それは素案ではない、三月二十四日の近代化委員会で確認されたものなんです。そういうものがあるにもかかわらず、そういうものは出ていません、知りませんでしたということではあなたの責任は果たせないですよ。あなたの諮問機関、あなたの私的諮問機関になるわけでしょう。それが勝手にやりましたなんて、そんなでたらめなことでは責任はとれないといま私が申し上げたわけですけれども、それについて、あなたの先ほどからのお答えについてきちっとけじめをつけて、間違っておりましたと。そしてどういう態度をおとりになるか、それを聞いて私また考えます。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答え申し上げます。  先ほど先生から御質問のありました、実は私の方といたしましては、私の諮問機関であります以上は、正式に私のところに最終決定版として委員長の方から御提出いただいたものを最終版というふうに考えておりましたので、先生の方は、すでに委員会の方で、何と申しますか、製本もされておるのもあるじゃないかという御質問に対して、私どもはまだ関知しないというふうにお答えいたしましたので、その点につきましてまだできていないというふうに先生に御理解いただいたとすれば、私の発言内容が非常に当を得ていなかったということでおわび申し上げます。  ただ、繰り返すようでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、最終版として私の方にまだ委員長の方から御提出いただいておりませんので、そういう意味で、万が一先生に誤った御理解をいただくといけないということから御提出申し上げなかったわけでございます。今後そういう点で御要望がありましたときには、そういう最終版でないという、したがいまして、まだまだ変わる可能性があるというコメントをつけた上で、できるだけ御要望に沿うように努力いたしたいと思います。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      —————・—————    午後一時五分開会

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 三月二十四日の近代化委員会に、船員局長それから船舶職員課長、労働基準課長、そして対策室長、出席していらっしゃいましたか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 出席しておったと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 皆さん出席していらっしゃいましたね、局長以下。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) いまちょっと急な話ですから、記憶は定かではありませんけれども、いま御指摘の三人出席しておったと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いま私、休憩時間に、近代化委員会の会長の成蹊大学の谷川教授にお電話いたしました。ちょうどいらっしゃいまして、それでその二十四日の近代化委員会で、この残り五隻分についての内容についてはどうだったんですかとお伺いいたしましたら、会長が、内容については確認しましたと、そういうお答えでございました。  ということで、私は、局長がこれからまた何だかんだといろいろおっしゃると思いますけれども、やっぱり近代化委員会の会長が、その席で内容については確認いたしましたと。で、先ほどから素材と素案というものだと、こうおっしゃいましたけれども、確かに近代化委員会で討議するんだから、だからそれは素案です、出されたときは。しかし、その内容については確認されていたと。だから、あなたはさっき近代化委員会が勝手にひとり歩きして出したんだみたいな話になりましたけれども、確認されたからこそ正式にきちっとした文書が出回っているんだということは事実なんです。  そこで、委員長、私はもう一度言いたいんですけれど、初めまとまっていませんと、そうおっしゃいましたね。これ第一のごまかし、うそですよね。そして、素案だから、だからそれは素案にしかすぎないんだと、そうおっしゃいました。しかし、確かに素案だけれども、確認されていないと、そうおっしゃいました。これまたうそなんです。会長が、確認されていますと、こうおっしゃったわけですね。そうしますと、こっちが突いていくと、ぼろぼろぼろぼろ事実というものが出てくるわけですよ。そして、いまだに私のところにはその五隻分については提出をしていただけないと、こういうことなんですね。  私は、ただ何でもやたらと引き延ばして、意地悪するためにこの資料の問題を言っているんじゃないんです。この実験船の結果に基づいて、大丈夫だということでこの法改正に入ったんだと、そういうふうにさっき御答弁になったわけですからね。だから私は、残された五隻についても、やっぱり相当慎重に審議する素材だというふうに考えているわけですよね。だから、それもうそ、ごまかしの、二重三重のごまかしをやっておいて、それでそのまま質疑をして、そして通しちゃうというのは、私は国会議員としての責任ではできない。だから、その辺をはっきりさせるまで私はまた質問ができないということについて、委員長、お諮りいただきたいんです。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は、私先ほどお答えしましたとおり、私が近代化委員会に出席しておること自体がおかしくなって、そのためにいろいろ誤解を生んだのだろうと思います。実は私は、もともとその近代化委員会に出席すべきじゃなく、近代化委員会で御検討いただいて、結論的なものだけを私のところに御報告、提出していただいて、それに基づいて私がいろいろと対策を講じていくというのが普通だろうと思います。私も、ただ審議の過程の状況を、皆さんがどういう御発言があるのか、あるいは、実際にその小委員会の人方がどういう作業管理でやっておられるのかということを、実は非常に重要な問題でございますので、知りたくて……

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ちょっと途中ですけど、委員長。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 局長、続けて。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) それを知りたくて私は委員会に出席した結果、そういう誤解を与えたと思いますので、その点につきまして、この席でおわび申し上げたいと思います。  ただ、繰り返すようでありますけれども、委員長がどういう発言をされたか存じませんけれども、私は委員長の方から、正式にその五隻につきまして、これで最終決定したものだということで私の手元に委員長から正式に御提出いただいておりませんので、けさほどお答え申し上げたようなことでございましたわけでございます。  ただ、委員長の判断として、ほとんどもうその審議は済んでおるというのは委員長の御判断と思いますけれども、その後、近々最終的な報告書として私の方へ御提出いただくだろう。御提出いただいた段階で先生方に御提出を、命令があれば御提出さしていただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 委員長、お願いしたいんですけれども、いろいろと理由をおっしゃったんですけれども、結局あなたの立場での同じことを繰り返していらっしゃるわけですよね。事実でないということはもうはっきりしたわけですよ。だから、事実でないと、近代化委員会で確認をしていると会長がおっしゃっているわけですよ。そして、その素案というものが確認されたから、正式の資料として出されているということになるわけですね。そうすると、私はそれを出されないままでこのまま質問を続けることはできないということを申し上げているのです。お諮りいただきたいと思うんです、申しわけありませんが。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 速記とめてください。    〔速記中止〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 速記起こしてください。  局長、再度答弁を願います。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 本件につきましては、まだ最終案と私自身は考えておりません。ただいま事務担当者に検討させてみました、経過を報告させましたところ、この案につきましては、関係の方々に修正案について意見がある方はどんどん意見を出してください、その上で、最終案をまとめて諮問者であります船員局長に報告するということで会議は終わったということでございますので、私自身、まだこれは最終案というふうに考えておりません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまさら、うそでいって、うそ、うそ、うそを重ねてきたのを、それを直すというのは大変だから、最後までそういう答弁をなさるわけですよ。だけれども、私の方はきちんと事実を確認しているんです、近代化委員会の会長にも電話をさっきしたんですから。だから、そういうことがごまかしのままでは、私はこの大事な質疑はできないと、こう言っているわけですよね。  それで、時間をずいぶんとっているわけですよ。だから、そういうことで理事会を開いて、その後どうするかということをお諮りいただけないんだったら、私はこれでむだにぐだぐだ言われたことについての時間を少し延長してもらいたいということを、委員長、お諮りいただきたいと思います。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 速記ちょっととめてください。    〔速記中止〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 速記を起こして。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大変不本意です。そういうごまかしが許されて、この大事な法案を審議するというのは大変不本意なんだけれども、じゃ内容についてお伺いしていきます。  その前に局長、いままでの。こまかしに対して先ほど陳謝なさいましたけれども、本当に考えていただきたいということをはっきり確認して進みたいと思います。  じゃ、九隻の実験船のうち、安全確認する上で決定的な役割りを持つ狭水道における実験をしていないというふうにおっしゃいましたけれども、それはそうですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は、昨年の十月に第一次提言、今回の法案の提出に至ります第一次提言をちょうだいいたしましたときには、先生御指摘のとおり、九隻までの実験しかまだ完了しておりません。ただ、委員会の中でいろいろ御審議いただきまして、他の五隻につきましては継続中でございましたけれども、審査された方々、乗船監査をされた方々もおられますから、その過程で、途中の過程ではありますけれども、九隻でもって全部の十四隻の結果を想定したという段階で私に第一次提言をちょうだいしたのだろうというふうに理解しております。第一次提言の内容は、たびたび申し上げておりますとおりに、近代化を進めていくためのそういう制度的な障害を除去して前へ進んでいけという提言でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 第一、第二段階というのは、予備、準備、実験という位置づけになっていますよね。そして、第三段階で初めて調査員が乗船して、そしてまた実験するというような段階を踏んでいると思うんですけれども、その大事な調査員が乗船する段階で、そろって狭水道における調査をしなかったというのはなぜなんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 狭水道の調査も実施しております。ただ、衆議院の方でもいろいろ御指摘いただいたのではありますけれども、調査回数が少ない点につきましてはおっしゃるとおりでありますけれども、たまたまそのとった航路が、十四隻の船の航路がそういう状態でありましたので、狭水道の調査が少なかったという点はあるわけでございますけれども、その点御理解いただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 衆議院でもそうおっしゃいましたよね、たまたまそこを通らなかったからと、こうおっしゃったけれど、またここでもうそをおっしゃっているわけですよね。  私がいただいた九隻の分について全部調べてみたんです。そうしましたら、七月七日、シンガポール海峡を通過している、I丸です。この場合に、ワッチオフィサーのEDの当直体制は、時間で言うと行きは八時から十二時、帰りは二十時から二十四時、こうなっているわけですね。それで通っているわけですよね。それからまた、A丸という場合を調べてみますと、ワッチオフィサーEDの当直体制は八時から十二時です。そして、今度はワッチオフィサーのDEの当直体制は八時から十二時をやっているんです。これは七月の九日、シンガポール海峡を八時から十一時、ちょうどその当直体制で通っているわけですね。しかし、通っているけれども、この当直体制で通っているのは、いずれも原職に戻して作業を行っていると、こう書かれているわけですよね。これはここに書かれているんだから事実だと思いますが、どうですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘のA丸は、すでに実験の済んだ九隻のうちの一隻でございますし、I丸も同じく九隻のうちの一隻でありますけれども、A丸もI丸も狭水道の実験は御指摘のとおり行っておりません。ただ、私は個別の船でなぜA丸及びI丸につきましては、狭水道を通ったにもかかわらず実験を行わなかったかという点につきまして、私は申しわけない次第でありますけれども、存じ上げませんけれども、それぞれ実験の方策はすべて労使の入った近代化委員会の席で、どの船についてはどのルートについて乗船調査を行い、どの点を乗船実験するということを全部労使で了解の上でやった実験でございます。したがいまして、私どもの方は狭水道につきましては四隻、B丸、C丸、D丸、E丸の四隻しかやっておりませんけれども、その四隻の実験の結果安全だという報告を私はちょうだいいたしましたので、今回法案を提出した次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いま申しましたね。で、先ほどたまたま通らなかったとおっしゃったけれども、これがうそです。通っていますね、通っております。そして、これはいずれも原職で作業をしているんだということですよね。だからその辺は事実書いてあるんだから確認をして進みます。  そればかりじゃないんですね。今度はL丸、自動車専用船ですけれども、この狭水道、これは機関当直、ワッチオフィサーのDEは狭水道においてはここでも原職になっているわけですね。それから今度はA丸。A丸を見ますと、航海士のワッチオフィサーは原職者が船橋当直となり、特別問題は起きなかったと。そして今度はそのA丸の機関当直、これも狭水道の航海中なんですけれども、ワッチオフィサーはマラッカ・シンガポール海峡であるため方策どおり原職作業で従事していると、こういうふうになっているわけですよね。だから、通っているんです。通っているんだけれども、すべて原職で通しているということですね。なぜ原職で通さなければならなかったかということなんですけれども、マラッカ・シンガポール海峡というのは大変危険な海峡ですよね。狭いということと浅瀬があることと、そして非常に船の運航が激しくあると、そこへもってきてスコールの問題というのがあるわけですよね。だから目が離せない。目が離せないから、だから通ったんだけれども原職のままで通ったんだということですよね。だから、この方案自身にも、第三段階でマラッカ海峡の狭水道についてここで調査員を乗せて調査するという、そもそもそれからしてないわけなんですよね。だから、この辺のところを私ははっきり指摘しなければならないと、そう思うわけなんです。  それで、第一段階、第二段階で まずじゃそこのところを確認しますね。これ、非常に大変な海峡だから、だから原職でなければ通れなかったと、方案にもだからそういうことは書いてなかったということはお認めになりますね。簡単にお願いします。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) どの船を選んで、どの船のどういう航路について調査員を乗せて実験をするかという点につきましては、実は役所の方はタッチしておりませんで、全部近代化委員会の御決定にお任せしております。したがいまして、私の方はそれはおかしい、こういうふうにやったらどうだという点につきましては一切労使の話し合いに任せておりますので、まことに恐縮でありますけれども、私の方から指摘するべき事項ではないと存じます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 だから、労使の話し合いによっても危険だから原職でなかったら通れないということになっているわけですよね、ここのところのいま言って指摘したところは。  それから、第一、第二段階での実験をしているということは確かにあるわけですね。その第一、第二段階での実験については報告書が出されていますね、九隻分いただいて、これを見たわけですよ。それで、具体的に言いますが、A丸の場合は第一実験で狭水道では入出港一切やられていません。そして第二実験、第二段階の実験では、ワッチオフィサーEDに対して船長がバックアップ要員として行ったと。それから今度はワッチオフィサーDEです。これは機関長がバックアップしているわけですね。だから、つまり併直でやっているということがここに書かれていました。そして所見としては、船橋当直は入出港スタンバイ及び狭水道通過では力量不足は否定できない、経験となれが必要であるというふうに所見では書かれているわけです。それから機関当直については、平穏な航海では簡単なアラーム処理は可能である、詳細については指導を要すると、こういうふうに評価されているわけですね。  それから今度はI丸です。これは第一実験では、ワッチオフィサーEDの狭水道での船橋当直はワッチオフィサーDEと併直。これも併直で行われている。そして所見では、船橋当直、自己の判断で行うにはかなりの期間が必要であると。それから機関当直については、常時バックアップ体制が必要と思われる、こう書いてありますね。それから第二実験の場合の所見で言いますと、ワッチオフィサーEDが多数行き合い船のある狭水道または沿岸航行の船橋当直に入直することは現状では不可能で実施していない、こう書かれているわけです。そして、大洋、沿岸航海中はワッチオフィサーはともに就労体制を評価できる段階には至っておらず、まだ相当の経験が必要であるというふうに述べられてあります。それからし丸、この第二段階でも、ワッチオフィサーDEの機関当直は機関長・士のバックアップは必要である、こういうふうに書かれているわけですね。  だから、大丈夫だなんということは一つもないんですよ。こういう状態のまま非常に危険だと、期間を要すると。大丈夫だなんて一言もないですね。こういうデータ結果を大変結構だということで無理やり法改正するということは、これは船舶航行の安全、ひいては乗組員の犠牲にすべて転嫁されているということを証明していると思うんですよ。だから私はこの実験船についての結果は、決して大丈夫だ、ゴーだというようなものではないと、この中から見て言わざるを得ないと思うんです。簡単にお答えください。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生御指摘の第一段階、第二段階、第三段階という過程を通じて実験を進めてきたわけでありますけれども、最終的には第三段階の調査評価に基づきまして第一次提言をちょうだいしたわけでございます。もちろん御指摘のとおりに、第一段階、第二段階あるいは第三段階におきましても、あるいはもうちょっと、たとえば知識の不足が指摘されたりすることはございますけれども、労使相寄って、そういう幾らか足らないところはあるけれども、総合的にはいわゆるA段階、これは第一段階と言う場合もございますけれども、三等航海士、三等機関士については運航士化してもよろしいという提言を私はちょうだいしたわけでございまして、もちろんその過程で一〇〇%完全であったというのではない場合もあろうかと存じますけれども、すべてそういう点を踏まえた上で、私としては三等航海士及び三等機関士を運航士化してよろしいという御承認あるいは御提言をいただいたというふうに理解しております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 第三段階——いままでは第一、第二段階ですね。第三段階の実験、九冊のうちの、それの、またずっとこれ全部読ましてもらったんです。そしたらL丸。L丸で調査員の評価というのが出ております。ここでも、狭水道通過における訓練ワッチオフィサーDの航海士の作業として、見張り、テレグラフ操作等であったが、ワッチオフィサーDEとの併直のためワッチオフィサーDEがカバーしていたと。しかもワッチオフィサーDEがアテンドしている関係上精神的な緊張感は見られないが、作業の流れや配慮について理解するにはより多くの経験が必要と思われるというふうに評価しているわけですね。それから同じく第三段階の実験で、これも観察の結果というのが出ております。これはH丸、タンカーでございます。これも主管者によればと、ここのところでもまだ不十分だというのが出されているわけですよね。だから、全体としては、一〇〇%までとは言わないけれどもとおっしゃったように、非常に危険だと。非常に危険で、いろいろ出されていると。だからこそ、マラッカ・シンガポール海峡を入るというときには全部併直ないしは原職でやっているんだということですから、だからそういうふうな危険というものを私はここではっきり指摘しておかなければならないと、そう思うわけなんですね。だから、簡単にこれでもう評価した、オーケーだというものではないということについてはそうだと思うんですが、簡単に一言お答えください。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 御指摘のとおり、物によってはまだ能力不足が見られるというような評価もございます。ただ、その場合でも、発生頻度が低い作業や判断を必要とするような作業につきましては、ある程度これから経験を積み重ねることによって解決し得るものでもあるし、致命的なものでもないので、今回津律的な諸制約、その他の制度的制約を排除するための法改正をしてよろしいという提案をいただいたわけでございます。  それからもう一つは、これが近代化のすべてだというふうに御理解いただいているんじゃないかと推察するわけでありますけれども、あくまでも近代化の初歩の段階でございまして、近代化はこれから何年も、あるいは場合によっては何十年も、新しい理想的な像を求めて近代化を進めていかなければいかぬものだろうと思います。したがいまして、私どものやっておりますのは本当の船員制度の近代化の入り口のことをやっておるのでありまして、これからいろいろとまだまだ研究し、あるいは改正していかなきゃいかぬ問題も御指摘のようにあろうかと思います。その点につきましては十二分の注意をしてまいりたいと思いますけれども、現在の段階では、近代化委員会の方から第一次提言で御提案いただいておりますように、この程度の近代化は現在の実験の結果から大丈夫だというふうに理解しております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういうふうに判断されるけれども、私は事実に基づいて大変心配なところがありますと。だから出されなかった五冊と五隻分についても、私はなお見たかったわけですよ。この五隻分についてはもっとはっきりした問題指摘をされているんだろうと。それも出さないままに大体大丈夫です、近代化委員会がそう言われましたからということでは、私は無責任過ぎるということをここのところではっきり再度申し上げて、定員問題について移っていきたいと思います。  衆議院で指摘されましたけれども、乗組員十六名の将島丸それから能島丸という遠洋航海を行く貨物船がございます。これは未組織船で、同時にマルシップでございますが、改めて伺いますが、これは法には触れないんでございますか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。  いま御指摘の将島丸、それから能島丸あたりは、十六名ぐらいの乗組員で運航しているのは事実でございます。ただ、十六名が法律違反かということになりますと、これは違反と申し上げるわけにいかないと思います。これは十六名でも船舶職員法の定員を十分に満たしておりますし、船員法上も一応船員法七十条で要求しております甲板部員六名というのを十分に満たしておりますので、これを法律違反とするわけにはまいらないと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまおっしゃったように、法定定員十六名を満たしているということは確かだろうと思います。だから、違法ではない。ところが、機関部員はゼロでございますよね。それは好ましいとお思いになりますか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 機関部員ゼロとか、あるいはその点につきましては、実は船はそれぞれの航路、あるいは船の種類によりまして非常に千差万別でございまして、甲板部の方は比較的画一化しやすいものですから一応七十条で六名と決めてあるわけでございますけれども、機関部の方あるいは事務部の方は非常に千差万別でございますので、なかなか法律上何名というふうに決めがたいものでございます。ただ、われわれは六十九条に基づきまして、職員のオーバーワークにならぬかどうか、就業規則違反にならないかどうかという点に個別的なチェックはいたしますけれども、一概にじゃ十六名の定員でやっている船は不適正か不適正じゃないかと言われますと、これにつきましてはそれぞれ個別的な船じゃないとわからないと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 好ましいということはおっしゃれないというふうに思うわけですよ。そうしますと、こういう船は今度の法改正の対象となるわけですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 法改正の対象は、まあ近代化問題のことだと存じますけれども、近代化問題につきまして、恐らくこの船は私個別的に具体的にチェックしておりませんけれども、これから近代化船の指定基準というものを、船舶の設備の面から、それから乗組員の面から、それから先ほど申し上げましたような陸上支援体制の面から、細かな基準を近代化委員会あるいは中央労働委員会あるいは審議会の方に諮問しながら決めてまいるわけでして、実はまだ決まっておりませんので、その基準とこの船の具体的なそういう設備の内容を比較しないと申し上げるわけにはまいりませんので、現在の段階でこれが指定されるかどうかという点につきましては、まことに恐縮でありますけれどもお答えできないと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ところで、STCW条約の批准ということになりますと、外国での監督というのが相当厳しくなるということが言われているわけです。十八名の実験船を対象に法を変えるということになるわけですけれども、なぜ十八名の実験船を対象にして法を変えなければならないのか。その点労働基準課長は明白にいろいろおっしゃっているわけなんです。  これは昨年の十二月の二十二日、海員組合で説明されているわけです。それがこの「海員」という本の八十二年の三月号に載っているわけですね。この八十九ページなんです。  これは、申し上げましたように、十二月の二十二日の海員組合の第五回法規対策委員会ですね。「運輸省の労働基準課長を招き、長時間、質疑応答を行った。」というその内容が、速記でしょうね、記載されているわけです。ここでおっしゃっているんですね、労働基準課長が。「実験船では原籍機関部の人が甲板部の当直もやっており、それは従来船員法が考えていたことではない。それを正面から認めるためには、船員法体系として運輸大臣が指定する特別の要件を満たした船についてだけ、他部の当直をしてもよいということをはっきりさせておかないといけない。そうでないと外国へ行って臨検を受けたとき、この船の当直体制はどうなっているのかということでトラブルの種になる。」というふうに言われているんですけれども、やっぱりこういうことになるのでございましょうね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) これはSTCW条約と近代化の問題がちょっと絡んでおりますのでなんですけれども、STCW条約では、当直する者はこうこうこういう要件を満たした者でなければいかぬと。そのためには船員手帳の方に裏書きをはっきりしておけというようなことを書いてございます。ところが、現在の法体制のままでいきますと一応……

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 中身は私読んでわかっておりますので、トラブルの対象に、トラブルの種になるということについていま聞いたわけですね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) トラブルの対象になると思いますので、私どもは運航士の免状を発行いたしますときに、その裏書きとして、トラブルを起こさないようにSTCW条約に沿った裏書きをやりたいというふうに考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 これはここだけではなくて、今度は別の設問に答えていらっしゃるわけですね。これは九十ページなんだけれども、ここでも、「在来船では機関部員が乗っているのが普通だと理解している。外国でも日本船の当直体制では機関部員が乗っているということで監督するであろう。ところが実験船では、機関部員ゼロだったということになればトラブルが生ずるタネは多々あるだろう。」と、こういうふうに言っていらっしゃいますね。やっぱりそのとおりトラブルがあるということは御心配になっていらっしゃるわけですね、その辺のところは。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 近代化の方は、たとえばフランスとかあるいは北欧諸国は非常に進んだやり方をやっておりますけれども、全世界ではまだまだそういう従来の古い船を動かしているところがございます。古い船では、エンジニアと書いてある船員手帳あるいは海員免状を持っている人はエンジンのことしか見ない。あるいはオフィサーと書いてある免状を持っている人はデッキのことしかしないというふうな理解をしておると思います。したがいまして、たとえば運航士ではありますけれども、エンジニアと書いてある書類を持っておる人は、外国へ行ったときに、航海当直を、甲板部の当直をやっておったというふうな事態には、やはり外国ではこれはおかしいじゃないかということを言われるおそれがある。  したがいまして、今回、近代化との絡みで、機関部の方々でも航海の当直はできるんだ、甲板部の航海当直はできるんだということを裏書きすることによって外国でのトラブルは避け得るだろうということを基準課長は申し上げたんだろうと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 実験船の「実験基本計画」というのが出ておりますね。その「計画の前提」というところでは、どういうふうにおっしゃっていますか。私はこれを見せていただいたんですけれどもね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生御指摘の点は、船員制度近代化委員会の設置の趣旨のことだと存じますけれども、そこでは、一番大きな問題は、「わが国の船員が快適な労働環境の下でそのすぐれた知識及び技能を十分に活用して意欲的に職務を遂行できる新しい職務体制を整備するとともに、日本船員の運航する日本船舶が国際海運界において比重を増し、日本船員の職域が確保される条件を整備する」のが趣旨なんだということを書いてございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それはそのとおりです。  私が言いましたのは、近代化委員会で「実験基本計画」というのがありまして、その二項に、「計画の前提」というのが書かれているわけなんですよ。それを見ますと、いまお持ちいただいたと思いますけれども、「当面は、現行船員制度の制度的枠組みは原則的に維持するも、必要に応じ実験期間中、当該船舶に限定して」——ここからですね、「法規、労働協約等の規制を弾力的に運用することを考慮するものとする。」と、こういうふうに書かれているわけですよ。少なくとも現在の法規制にちょっと突っかかりがあると。だから、弾力的に運用するということがここで言われているわけだと思うんですね。  そこで、法改正の趣旨ということを言いますと、るる言われていますように、国際競争力を強めるということですね。それから船員の地位向上を図っていくというわけですね。そういうことだったら、先ほど十六名でも法違反ではない、そして法改正しなくてもいいと、こういうことになるわけですね。そうすると、国際競争力を強めるということは、やっぱり船員費だとかいろいろのコストの問題がございますね。そうすると、だれが考えても、十八名で動かすよりも十六名で動かした方が安上がりだということは言えるわけでしょう。今度は地位向上という立場から考えると、十六名の方がどうしたって労働条件というのは厳しくなるというわけですよね。そうすると、十六名で法違反ではないと。それじゃ何で十八名にしなきゃいけないのか。それで地位向上と言うけれども、十六名の方が労働強化になるのに、何でその十六名の方を改正する必要がないと、こういうことになるのか、ちょっと私は矛盾していると思うんですけれども、その辺はどうなんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 現在大体近代化船で二十名余り、それから在来船につきましては三十名前後で運航しておるのが慣行でございます。それから、いま先生お読みになられました「実験基本計画」と書いてありますいわゆる労働協約につきましても、大体その辺のところを労使間で話し合って決めております。  それからもう一つ、法規的に弾力的に運用するという点につきましては、実はやはり現在の法体系は甲板部の乗組員は甲板部の仕事だけをする、機関部の乗組員は機関部の仕事だけをするという法体系に、慣習法も含めましてなってございます。ところがそれを、甲板部でありながら機関部の仕事をするという点につきましてとか、あるいは労働協約上は二十数名で運航することになっているのに、十八名で運航するというのは、これは労働協約違反じゃないかという問題がございますので、労使間で話し合いまして、法規上あるいは労働協約上ちょっとおかしいところがあるけれども、それは実験のために目をつぶるんだということをここで申し合わせたということになっておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 先ほど、十六名でも確かに法違反ではないわけですね。それで今度の改正で対象にする必要もないと、こういうことになりますでしょう。今度一方十八名の実験船では、先ほどおっしゃったように、外国に行ったときにトラブルが起こるということが考えられるから、だから法改正をするんだと、こうおっしゃったわけですよね。そうすると、十六名で法違反でも何でもないと、十八名で行っても外国でトラブルを起こす心配があるとこうおっしゃった。では十六名のこの船が行ったときに外国でそういうトラブルが起こるという心配はないんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 十六名で行きますときには、機関部の乗組員は機関部の仕事しかしませんし、甲板部の乗組員は甲板部の仕事しかいたしません。ところが近代化船になりますと、甲板部の乗組員が機関部の仕事をする、機関部の乗組員が甲板部の仕事をするということになります。そういたしますと、STCW条約上おかしいじゃないかという問題が出てくるので、何らかのそういう仕事をしてもいいんだという証明書を交付してあげないとトラブルが出てくるおそれがあるというわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いろいろとあなたの立場に立ってのあなたの理論ということはわかったわけですよ。そういう理論が構築されるその根拠になっているのは何だと言うと、まず人減らしということがあって、そしてこれでは条約に引っかかるというような問題、だからその人減らしを保証するために法律体系を今度は変えてつじつまを合わせなければならないという、そういう論理の逆立ちになっているわけですよね。逆に言いますけれども、十八名体制でトラブルが起きないよう法改正すると。十六名船では、いまおっしゃったように、専門にこれは機関部の仕事をやっていますというようなことでトラブルは起きないと、こうおっしゃるわけですね。だから、やっぱり私はそこのところにまず人減らしという目的があって、そしてそれに国際条約にも違反しないようにということからいろいろな法改正ということで、まさに論理が逆立ちしているというふうに言わざるを得ないわけですね。だから、そういうまず人減らしありきではなくて、本当に船員の労働条件だとか、そして船舶運航の安全ということを考えますと、機関部員もしくは甲板部員というようなものがきちっと位置づけられて、そして十分いろいろな差しさわりがないというふうに、先に人減らしありきではなくて、このためには機関部員もきちっと置くというふうに前進的にとらえるということが必要だと、私は重ねてそういうふうに申し上げたいと思うんです。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) まことに恐縮ではありますけれども、まず人減らしありきという点につきましては、私ども実はそういうふうに考えておりません。一船別に見ると、それは先生のおっしゃるとおりに定員の減という事態がありますけれども、もう少し森を見ていただきますと、全体としてやはり船員の職場の確保になるんだろうということがこの近代化の趣旨でございます。  この近代化の起こりましたのは、もう四十年代の初めごろから実はこの問題が起こってまいりまして、いろいろと先生の御指摘の問題を通じていろいろ議論を進めてまいりました。その結果、途中でいろいろと紆余曲折はございましたけれども、やはりけさほどから申しておりますように、日本船はどんどん少なくなっていく。それを放置しておくと、恐らくそのうちに外国用船のウエートが七〇%、八〇%にふえて、純粋の日本人の乗った日本船のウエートが一〇%とか二〇%に減ってしまったらどうなるんだというようなことが労使で話し合われたわけでございます。したがいまして、この機会にやはり船員制度を近代化して、そういう開発途上国の船あるいはそういうところの船に負けないような体質改善を図っていかにゃいかぬじゃないか、近代化船に相応した船員制度を設けにゃいかぬじゃないかという点で合意を見て、職場の確保という観点からこういうふうになった次第でございます。  それからもう一つ、船員の社会的な地位と申しますか、そういう点につきましては、実は非常に最近ゆゆしい問題が出ておりまして、蛇足ではありますけれども、商船大学とかあるいは商船高専あるいは海員学校の希望者が非常に少なくなってまいりまして、定員割れというような事態が出てきております。これはなぜ出てきたのかといいますと、やはり私は一番大きなのは、船員の職場が以前に比べて魅力のなくなったせいじゃないかというふうに考えておるわけでございます。そういう魅力のなくなった職場をもう一度魅力のある職場にすることがわれわれの責務だろうという考え方から、いろいろと検討をいたしました結果、やはり船員という職場をもっと総合的な技術集団と申しますか、デッキのことだけしか知らない、あるいは通信のことだけしか知らない、あるいはエンジンのことだけしか知らないというふうなものじゃなくて、船に関する限りすべてを知っておるというふうなそういう高級技術者にすることによって、船員の地位といいますか、魅力を高め得るのだろうというようなことからこの近代化の方策に入ったわけでありまして、いま申し上げましたように、船員の職場の確保と船員の地位の向上ということを目指しておりまして、決して人減らしまずありきというような考え方ではございませんので、よろしく御理解いただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 確かに減ってますよね、希望する船員さんになりたいというのが。これもゆゆしい問題だと思うんですよね。いまおっしゃったみたいに、高級の技術者になってそして魅力ある職場になるということは、私は大事だとそう思うわけですよ。しかし、この近代化の中でやっぱり一つの大きな問題は、機関士と航海士というのを、両方の仕事ができるようにというので運航士というような制度にいま進もうとしているわけですよね。  そこで、「船員制度近代化によせて〃近代化船は安全か〃」ということで、三等航海士の岡田卓三という名前が書いてありましたね。これは日本郵船の「航海士会報」というのをずっと私読ませていただきまして、これを見てたら本当にこれは大変だなということがわかったわけです。これはこの人が実際に近代化の中でこの訓練教育を受けているということですよね。これ全部読んだら本当にわかっていただけると思うんですけれども、時間もございませんので、この中でちょっと抜粋して申し上げたいと思うんです。  この人が教育に入ったと。「7月20日頃でしたが、突然神戸海運局で8月中旬に乙一と甲二の海大近代化臨時試験を行うという情報が某社の人から伝わって来ました。」と。そして、「強引に臨時国家試験を、しかも海大の講習生のみを対象にして行わせるということで、まさに寝耳に水」だったと、こういうことが書かれているわけですね。だけどとにかく試験を受けなきゃならないと。「とにかく文字を暗記することにしました。」と、勉強しなきゃならないから、「意味がわかろうとわかるまいと、とにかく効率が良いと書いてあれば、そのまま覚えるわけです。」と。これはそうですね、試験するときには全部暗記しますよね。そして、「ここで甲二機の筆記試験に合格し、職員法改正で免状になるようなことになったらどうなるのかな、と考えてみました。」と。確かに頭で暗記して試験は通るかもしれない、だけど心配だと、こういうわけなんですね。「エンジンコントで、メータ類の監視を当直に入って行っているとします。このことは当然W/Oに当直業務として要求されることです。安全圏内にあるメーターを確認したりすることは、W/Oにも認識可能ですが(青マークがついている)、その微みょうなメータの変化の具合をさっと判断する能力は、W/Oにはゼロと言って良いほどありません。目にみることのできない機関の異常音、わずかな温度、圧力の変化を感じて未然に機器の大きなトラブルを防ぐ能力は、とてもじゃないけどありません。明らかにメータが安全圏をはずれていれば異常がわかるけど、そのような時は機械は大きなトラブルを引き起している」という状態で、変わってくるわけです、ランプがついたりと。そして今度また書いてありまして、「反対にW/Oは、異常を生じたことがメータ類のみからしか判断できないわけで、その原因となるとまるっきりお手上げの状態です」、こういうふうに書かれています。そして、また云々書かれて、「しかし現段階の近代化を見ると、極端な言い方をすれば、安全運航を根本からひっくり返しているとしか思えない気がします。見方によってはW/Oなどと名前がついていますが、船をまるっきり知らない人に三ケ月の座学と四ケ月の実習をさせて〃はい、船の当直をしてください〃というのと同じようなもの」だ、こういうふうにまた言っているわけです。「このまま近代化が進んでいくと、超人的な人が実験でできたのだから守備範囲として組込んで可能だ、なんてことになりそうで恐しくて仕方ありません。」と。こういうふうに実際に試験を受けて、そしてあなたは大丈夫大丈夫と言われても不安だ、こうなってくるわけですよ。  だから、私は局長と立場は違いますわ。私はどう見ても、これを分析すればするほど今度の中身というのは、まず人減らしというのが先に立って、これをどうつじつまを合わせるかということになっている。そして、確かに機関士だけではなくて航海士も、できれば通信の方もみんなわかるような、そういう高度な技術を持った、そういう人が必要だというのはわかるんです。しかし、そういう人たちが本当に実力を持ってできるような、そういう準備があって初めて移るというのが筋だと思うんですよ。しかし、そういう準備も不十分なまま実際に参加している人がこんな不安を持ったまま——だからすべて法が先だということになると、私が何度も指摘しましたように、これは決して安全だとかなんとかにはつながらない、非常に不安だ、だからどうしてもこれは私はどっちへ転んでも賛成できないんだということで、再度、しかも十分な資料もお出しにならない中でこういうふうなことを私は認めるわけにはいかないということをはっきり申し上げて、そして先ほども言いましたように、審議してくれとおっしゃるならば審議に必要な資料というものは事前に当然お出しになるべきです、その辺のところは。大臣、ひとつそこを聞いていただきたいんだけれども、こんなに審議してくれと言いながら、資料も出さないで、そしてわんわんさっきも時間とるようなことで、私は姿勢を疑わざるを得ないわけです。そういう姿勢だからこそ私はいろんな心配が出てくるということを申し上げているわけなんです。だから、本当に国会を一ただもう近代化委員会でできたんだと、官公労使でできたんだからと言うんだったら国会は要らないわけでしょう。だから、そういう意味で国会というものを、そしてこの専門を扱っている委員会に対してもっと私は謙虚な気持ちでやっていただかないと、国会議員個人を冒涜するだけではなくて、これはまさに国民に対する背信行為だということを最後に重ねて申し上げて、大臣としてもきょうるるお聞きいただいたと思いますけれども、こういう姿勢でやられては困るということについて御所見を承って、終わりたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) 小笠原委員の御発言の内容は、逐一、十分承りました。  また、一言だけ申し上げたいのでありますが、決して運輸省として御審議の妨げになるようなつもりはなかったということだけはぜひ御信頼をいただきたいと思います。また、そうしたことのないように今後も十分注意してまいりたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 いま大変大事な質疑が行われていましたので、それに関連をして、若干、大臣なり、特にむしろこれは海運局長が人ごとみたいにいまの話を聞いているから私はよくないと思うんです。  この法律の趣旨というのは、ここにもう皆さん方が書いているように、日本船の国際競争力というものが昭和四十年代から低下をしてきた、そしてこの日本船の国際競争力の回復というのが緊急課題だ、そのために近代化にお取り組みになっているんだと思うんです。同時に、この中にあるように、わが国の優秀な船員が快適な労働環境のもとでそのすぐれた技能を十分活用して日本人船員の職域を確保する、そういうものをつくっていくんだと言っているわけなんですよ。これは明らかにやっぱり矛盾したものが織り込まれていることは事実なわけですよ。それをどうやって調和をしていくかというのがこの法律の大事なところであり、また皆さん方のこれからのお仕事だと思うんですよ。だから、その前提に立ってやっぱりきちんとしとっていただいた御答弁していただけるといいんだけれども、そのことは何かというならば、先ほどこれは船員局長も言ったけれども、日本船がどんどん減ってきてしまう。それで、何としてでも総合安全保障の立場からも外航船舶の三千四百万総トンというものは確保するんですというのがあるわけでしょう。それが大前提にあって、それで積み取り比率なんかも、昭和三十年のときは輸出が四三・五%、輸入が五二二%あったものが、五十五年では輸出が二〇・三%、輸入が三七・四%に低下してしまった、もうこれは大変なことなんですと。だからそういう点でもって三千四百万トン体制も維持をし、その積み取り比率ももっと回復をいたしますというその前提を掲げて、そのために近代化もやるんです、それで決して人減らしではないんですと、むしろ日本人船員の人たちのもっと働ける場をつくってふやしていけるような、そういう職域の確保も私たちはがんばることを考えているんですという、その大前提なるものをきちんと掲げていってくれなくちゃいけないのであって、まずそこのところを明確に御見解をお聞かせをいただきたいんです。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) 柳澤委員のただいま仰せられたとおりでありまして、今度のこの改正案はやはり明治以来の長年の伝統の中にあって、非常に優秀、有能な日本人の船員の能力というものが、現在までの法体系の中では十分に発揮し得ない、これがただ賃金が外国に比べて高いんだとかなんとかいうこと以上により重要なことは、有能な方々の能力を十分発揮できるような体系にしたいというのがそもそもの発想でございます。  またさらに、日本の外航船舶そのものの比率をなるべく日本の旗のもとに行いたい、これは国民的な一つの願望であると思うのでありますが、毎年それが減少している、これに歯どめをかけなくちゃいけない、そこに一つの経済性の問題が出てくると思うのでございますが、いま御指摘の基本のラインを外すことなしに、かつまたわれわれの期待する船腹の確保ということをぜひやっていきたい、この法律案はそうしたことに対する一つの、野心的と言ってはあれでございますが、いわゆる冒険的であるかもしれませんが、試みを述べているというふうに御理解を賜りたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 大臣からそういう御答弁をいただいて、その基本を踏み外さないようにどうかお取り組みをいただきたいと思うんです。  次に、何だかんだ言っても近代化によって一隻の乗組員が減ることはもう間違いないわけなんで、いわゆる職域をふやしてそういう人たちに乗っていただけるようにいたしますと言っているわけなんだけれども、具体的にどういうことをお考えになっているのか、それでこの近代化をどんどん進めていくについて政府がどういうことをやろうとしているか、政府としての役割りは何があるのかということについてお答えをいただきたいと思います。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は私ども、いま大臣も答えられましたとおりに、この近代化問題をできるだけ推進すれば日本船もふえるだろうという一つの労使の合意のもとに、役所が労使の合意の調停者と申しますか、中に立ってお互いの意見がうまく歯車の合うように私どもは役所の立場というものをやっております。  ただ、それだけできわめて抽象的でありますけれども、さらに別途、海運造船合理化審議会の方でも、運輸省といたしましては、日本船をふやすんだ、従来のように外国用船にだけ過度の期待をせずに、もっと日本船をふやしていくのだという決定もいたしておりますし、その決定もわれわれは、いわば船員の職域の確保に対する非常に大きなサポートだというふうに期待を持って見ておりますし、それから、いま申しましたとおり、私どもも、労使がそういうふうに合意した以上は、恐らく使用者側もそういう線で進んできていただけるだろうということで、私どもはその間にいろいろと行政指導してまいって、日本船のふえるような努力をしてまいりたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 積極的にそういうことを進めていただきたいと思います。  そして次に触れていきたいことは、この近代化制度を適用するのには、船舶の設備とか陸上からの支援体制とか、いろいろそういうものについての一つの基準があるわけです。それで、この基準に適合する船舶を指定するわけだけれども、船員法の方ではこれは運輸大臣が指定をなさるわけだけれども、船舶職員法の方では大臣の指定がないので、何でそんなことになっちゃったのか。これは大したことではないんだけれども、船員法が大臣の指定なら、船舶職員法の方もやっぱり大臣の指定にしておくべきだと思うんです。  それから同時に、大臣が御指定をなさるについても、独断でということではないと思うんで、その点が恐らく近代化委員会にかけるか何かをなさると思うんで、その辺はどういうお考えで、言うならどういう手続を経て最終的には運輸大臣が指定というふうなことをなさるということを考えているかですね。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) ただいま御質問の点は、船員法の七十二条の三の新しいいわゆる近代化特例という条文では、近代化を適用する船は運輸大臣が指定するとなっておるのに対しまして、船舶職員法の方のいわゆる近代化の規定であります第二条の第三項の方では、「運輸省令で定める基準に適合する船舶」とだけで、運輸大臣の指定ということが入っていないのじゃないかという御指摘だろうと思います。  実は私ども、当初の案では、船員中央労働委員会あるいは海上安全船員教育審議会の方で御提出しましたものでは、この七十二条の三の船員法の方も、それから二条の船舶職員法の方も同じ指定制度をとっていたわけであります。ところが、この条文の関係上、船員法の方はあくまでもその運航員というのは例外的な制度だというふうな書き方をしておりますのに対しまして、船舶職員法の運航士の方は、そういう点で法律で認められた一つの職制だというふうな書き方になってございます。これは、いろいろと運航員の方は試験とかそういう問題が特に関係ないのに対しまして、運航士の方は試験というふうなことが絡んでまいりますので、そういうふうになったわけでありますけれども、そもそも例外規定的なものは指定制度になじむけれども、原則規定的なものはそういう指定制度になじまないんだというふうな法制局の方の指摘もございまして、船員法の方は、こういうふうに法文上はっきりと運輸大臣で指定するというふうな文句を入れたわけでありますけれども、職員法の方はそういう文句は入り得なかったわけでございます。  ただ職員法の方も、そういう文句は入れませんでしたけれども、私どもの方は、何らかの形で命令で運輸大臣のそういう指定制度に準じた制度を採用したいと思っております。そういたしませんと、具体的な例で申しましても、船員法上はこれは近代化船に指定されておるけれども、船舶法上の方は指定されないというふうな変な事態が出てまいりますので、私どもの方は、船員法と船舶職員法と平仄を合わせて、いいぐあいに働いていきますように、両方ともそういう制度は採用していきたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 じゃ、いまここで直せとは申し上げませんから、一応運用上ではどちらも大臣の指定でやるんだというふうな運用をしてまいりますという、そういう見解と判断してよろしいでしょうか。  それからもう一ついまお聞きしたのは、大臣が指定と言っても、大臣が独断でということでなくて、近代化委員会にかけるとか何とかが行われると思うんですけれども、その辺のお考えはどうなっているんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 法律に基づく省令あるいは政令でございますので、指定という言葉を使えるかどうかはこれから検討してまいりますけれども、それに準じた制度というものはとっていくということはお約束申し上げたいと思います。  それからもう一つ、指定にしましても、それぞれに準ずる制度にいたしましても、それをやりますときには、これは労働委員会あるいは審議会の答申の中でもそれは特にコメントされてございますけれども、私どもは労使の意見を十二分に尊重してやってまいりたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 次にお聞きしていきたいのは、この新しい制度を適用する船舶というのは、安全が確認された船舶に限定すべきであって、そういう点に立ったときは、タンカーの方は十分に行われていないわけですから、当面はまだ適用にならない。それで、実験が行われて、もうタンカーの方も大丈夫だということになってから指定すべきだと思うんですけれども、その辺がどういうふうになっているか。  それから、これは午前もちょっと出ておりましたんですけれども、陸上支援体制、それらについてももう少しある程度具体的に、詳細にお決めをしておいていただかないといけないんじゃないだろうか。    〔委員長退席、理事黒柳明君着席〕 特に陸上支援体制というのは、近代化四原則の一つに入っているんですから、そういう点でどういうことを意味し、どういうことを陸上の方にやらせようとしているのかということを、ある程度具体化しておいてもらわないと困るんですが、その点はいかがですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) タンカーの点につきましては、実は十四隻のうち六隻がタンカーでございまして、やはりタンカーの安全というのは、ほかの船より以上に海洋汚染の関係上重要なものでございますので、十四隻のうち六隻をタンカーに割り振ってございます。ただ、先ほど御指摘いただきましたとおりに、いわゆる狭水道の航行という点につきましては、まだいろいろと実験の点で済ましていない場合もございますけれども、この点につきましてもこれからどんどんどんどん実験を進めていきまして、まだ近代化はほんの入り口の段階でございますので、これから非常に奥の深いところにどんどんどんどん進んでまいりたいと思います。その点につきましては十分の考慮をいたしたいと思います。ただ、タンカーだけを近代化の適用を外すということにつきましては、先ほど申しましたように、近代化船十四隻のうち六隻が占めておりまして、それの結果として第一次建議をちょうだいいたしましたので、私どもは現在のところほかの船と同様にタンカーを処理してまいりたいというふうに考えております。  それから第二番目の点につきまして、陸上支援の点につきましては、実はこれははっきり申しまして、大手の船会社は陸上支援がしっかりしておる。それから小さな船会社といいますか、中小の船会社はなかなかそういう点ではちょっと心もとないというような点もございます。    〔理事黒柳明君退席、委員長着席〕 したがいまして、私どもは、これから中小につきましても何か共同化するように、協業化といいますか、共同化することによりましてそういう陸上支援体制の整備をできるだけ図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  その辺を踏まえまして、いま申しましたように、たとえば特定の港にどれくらいの、要するに支援要員がおるかというような点もこれから決めてまいるようになるだろうと思いますけれども、先ほども申しましたように、船舶の設備のようなものは、非常にこれもうすでに船舶安全法上も整備されておりまして、決めやすいわけですけれども、陸上支援体制の方は、いま申しましたような問題も含めましてなかなか画一化しにくいということで、実はまだ最終案を持っておりませんけれども、これから一年の間に、その辺を踏まえながら労使の方々と御相談しながらできるだけ御指摘のとおり具体的な基準を決めるべく努めてまいりたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 局長おっしゃるとおりで、大手はそれほど心配はないし、また組合もきちんとしているから、いいかげんなことをしていればそれじゃやらないよということで終わっちゃうけれども、中小というクラスになるとそういうわけにいかないから、それは結局乗組員が向こうへ行ってまた自分がやらざるを得ないということになってしまうので、ぜひ具体的にお決めをいただきたいと思うんです。  それで今度は、船員局長、これももういろいろさっきから話が出ているんだけれども、船員制度の近代化委員会がつくられて五年ですか、もういまになると。船員局長として、この近代化委員会をつくって効果があった、価値があったという御判断をなさっているんですか。それとも、余分なものができてありがた迷惑だと思っているんですか。その辺の御判断をお聞かせをいただきたい。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 船員制度近代化委員会自体に対する評価かと存じますけれども、私はやはり五十二年に船員制度近代化調査委員会をつくっていただきまして、それを五十四年にその調査をとりまして近代化委員会というふうに名称を変更いたしまして、それでもって現在の実験の検証ということをお願いしているわけですが、こういう点ではやはり一番いいのは、官公労使が集まったそういう場でこういう問題を決めていくべきですし、そういう点では非常に御貢献いただいたと思って高く評価しております。  ただ、これからいろいろと近代化の実験をさらに進めていく過程で、いわゆる近代化船の指定とかいうような問題がいろいろと出てまいります。そういう指定といいますものは非常に公権力の行使に似たようなことでございまして、これは運輸大臣の指定という形にしておりますけれども、やはりそれはその過程で運輸大臣の指定いたします前の段階で、いろいろとそういう機関の、そういう労使の編成しております組織の御意見を伺いながらやってまいらなければいかぬと思っております。ただその過程で、余りにもたとえば専横的にならないように十二分に私の方でもいろいろと注意しながら、その存在価値は高く評価いたしますけれども、その辺の点を十二分に私は近代化委員会の中でも自制していただきたい。そうすることがこの近代化委員会を長持ちさせ、公平な機関として存続させ得るための一番大事な方策だというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 大変高く評価なさっているんで、それもいま局長がおっしゃったように、政労公使ですか、この四者構成というものが非常に役立っていることだと思う。だからそういう点に立ちますと、船員局長の諮問機関ではなくて、たとえば大臣の諮問機関にするとか、何かもうちょっと格上げをして、そうするとますます近代化委員会というものが重みを持つし、その委員会に出てくるメンバーもそういう自分たちの役割りということを重要視をしていろいろ考えてやると思うんですよ。そういうことについてはどうですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 近代化委員会を大臣の諮問機関に格上げしたらどうかという御提案でございますけれども、実は大臣の諮問機関といたしましてはすでに船員中央労働委員会があり、あるいは海上安全船員教育審議会がございます。その上にさらにこれを大臣の諮問機関にするということにつきましては、やはり現在の行政機構改革といいますか、安上がりの政府といいますか、そういう点では非常にむずかしい問題でございまして、したがいまして、御指摘の点は十二分に検討いたしたいと思いますけれども、たとえばの話が、海上安全船員教育審議会の一部門にするとか、あるいは中央労働委員会の一部門にするとかいう方法も踏まえまして十二分に検討いたしたいとは存じますけれども、この組織をそのままに運輸大臣の諮問機関としての行政機関にするということは非常に困難ですので、別途いろいろと方法を検討してまいりたいとは思いますけれども、その辺よろしく御理解いただきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 船員中央労働委員会は大臣の諮問機関じゃないですから、これは局長直しておいていただかなければいけません。だから決して私無理言っているわけじゃないんです。それで、近代化委員会を開いてもその中でぎくしゃくぎくしゃくしていて、なかなか余り委員会の効果が上がらないというならば、これはまたあってもなくてもいいようなことになってしまうけれども、むしろ非常にうまくいっている、局長自身が高く評価すると言うんだから、だったらなおのこと、もう少し、権威なんて言うとちょっと言葉が大げさになるけれども、少なくとも大臣の諮問機関ぐらいにして、それでそこへ出てきていただけるメンバーもそれなりにやはり発言をしてもらうということはやった方がいいんじゃないかと言うんです。大臣どうなんですか、ここのところは。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員も大変にこの委員会に対して高い評価をなすっている、われわれも大変高い評価をしておるのでございますが、いま局長からお答え申し上げたように、なかなかこの行政府内部の問題がございまして、実質的に非常に高く評価をしておるということで、また今後、いろいろな委員のお話もございますし、検討をさせていただきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 検討してください。  ただ、局長が言っている、いま行政改革をやって安上がりの政府が云々だからという、それはぐあいが悪いんですということの理由にはならぬですから、よくそこはなにしてください、そんなものはむだなものはいっぱいあるんですから。別にそれをしたからといってお金がかかるわけじゃないんだし、だから、そういう何かそこの言いわけみたいな答弁は余りなさらないで、いま大臣から御検討をさしてくださいということですから、そういう形で検討していただくことで終わらしていただきます。  次に、いろいろこの近代化にかかわる命令事項というふうなことが出てきて、この扱いをどのようにお考えになっているのか。少なくともその道のべテランで構成している近代化委員会、いま局長が高く評価をしているというようなのがあるんだから、そういうようなところで相談をして、合意を得た上でそういう命令が出ていくようなことを考えているのか。またそうされることがいろいろの問題が円滑に進む方法だと思うんですけれども、その辺のいろいろ命令事項と言っていることの扱いをどうするつもりなのか、お聞かせをいただきたいです。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 御指摘のとおりに、この新しい改正法には命令というのが非常に多うございまして、けさも申し上げたように数カ所出てまいっております。それで、もちろんこの命令を制定いたしますときには、私ども労使の御意見を十二分に尊重してやっていきたいと思います。  先ほどの、まことに恐縮ですけれども、船員中央労働委員会の方も、実は船員中央労働委員会は二つ職務がございまして、一つは仲裁機関であると同時に、もう一つはやはり船員法、最低賃金法の運輸大臣の諮問機関に法律上なってございますので、必ず船員法を改正するときには、船員法の関連の事項を実施するときには船員中央労働委員会の意見を聞けというふうになってございますし、それから船舶職員法につきましては、今回船舶職員法を改正いたしまして、船舶職員法関係の法改正あるいは政省令の改正をするときには海上安全船員教育審議会の意見を聞いてやるようにというふうに法律を改正いたしましたので、今後とも、船員法につきましては労働委員会の、それから職員法につきましては同審議会の御意見を尊重しながらやってまいりたいと思います。ただその際に、近代化の問題につきましては御指摘のとおりに近代化委員会の御意見をその前段階で十分に尊重してやってまいりたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 別にこだわらぬけれども、局長、そこのところもあなたの答弁というのは一言多いので、その目的のために船員中央労働委員会ができたんじゃないんだ。船員中央労働委員会があって、たまたまそういう機関があるから、じゃこの問題の船員法についてはそこでやっていただこうじゃないかということなんですから、別に本末転倒とまでは言いませんけれども、そういう一言余分な答弁はお控えをいただきます。  それで次に聞きたいのは、これも先ほど出ておりましたが、ただ、航海士と機関士を今度は一緒にして運航士にされるわけなんで、欧州の方がこの七月からポートステート・コントロールを実施をするといって、十四カ国でやるというから相当広範囲な国々が実施をするわけでしょう。先ほど局長の御答弁では、身分証明書というか、その裏側に証明をして、あちらでもしものときにそれを見て心配ないようにいたしますということなんだけれども、それでもどうなんですか、私も若干気になるんだけれども、語学の関係その他から言っても、どこの国でも全部きちんとその方法が理解ができるような状態にあるとは限らないし、ですから、せっかくこういう改革をやって、日本とするならば近代化の道でこういうことを進んでやっているんだという点で誤解を受けないように、運輸省なら運輸省の方から関係の政府の方にそういうことについて通知を出して、そして誤解をしないでよろしく取り扱ってくれというふうなことの、そういう扱いでもなさったら乗組員の皆さん方も心配なしに行けると思うんだけれども、その辺のお考えはどうでしょう。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。  まことにごもっともな御指摘をいただきまして恐縮でございます。私ども実は、あと本法案につきまして御可決をいただきますれば、一年以内に施行ということになっておりますので、その段階でできるだけ早く関係各国にも通報をしようと思っておるところでございますけれども、できるだけ御指示のとおり早くそういう措置をとらせていただきたいと思います。  なお、この点につきましては、IMCOあたりでたびたび会議がございますので、そういう席では私ども、別途、わが国はこういう実験をし、こういう点で方向づけをしておるんだということは常に報告してございますけれども、全世界の国に行き渡っておるかどうかはまだ確信ございませんので、できるだけ早くそういう措置をとらしていただきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 ぜひそのようなお取り計らいをいただきたいと思います。  それから、まだ全部じゃないんだけれども、いわゆる航海士と機関士を一緒にして運航士にするというのが近代化のいまの第一段階で入っていくわけだ。そうしていくと、これはまだとてもじゃない、すぐじゃないと思いますが、将来は、何というんですか、職員と部員というんですか、上と下の関係の、いま線が引かれている、あの辺も取っ払っちゃって何か一つの名前にするようなことをお考えになっているのかどうか、その点はどうですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。  実はその点につきましては、やはり近代化委員会の中で、とにかく働きやすい職場、魅力ある職場に変えていくということが近代化委員会の一つの目的として掲げられておりますので、やはり最終的にはそういう方向に、職員と部員との区別が完全に取り払われてしまうというふうな方向に進んでいくものと存じます。ただ、現在のところはまだそこまでを言っておりませんので、部員は部員の甲・機の区別の取り払い、あるいは職員は職員での甲・機の区別の取り払いということでございます。ただ、萌芽といいますと萌芽らしいものがございまして、新しく今回の採用いたしました運航士の中では、部員でそういう運航士の免状を取られた方は一応職員として職員法上の適用をするというふうな措置をとってございますので、その点につきましては、これは職員と部員との間の障壁を取り払う一つの萌芽といいますか、そういうものだというふうに御理解いただいていいのじゃないかと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 じゃ次へ進ましてもらって、船舶職員の配乗表、いままではこれは法律できちんと定められてきたんですが、今度は改正案では何か政令にしてしまうとかというふうになっている。近代化船はいまやっているのだってごく一部なわけでしょう。あと在来船というのは、漁船を含めたら圧倒的に従来の在来船の方が多いんですから、そういう点からいくと、配乗表というものはやはりきちんと法律で決めておいて、それで近代化船のこちらの方が乗組員の数が減るわけですから、そっちが特例ですよというふうな扱いでやっていく方がいいんだと思うんですけれども、その辺のお考えはどうなんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 実は今回の法改正に伴いまして、配乗表を従来法律で決めておりましたのを政令に落としましたのは、その配乗表の中身といいますのをごらんいただきますとわかりますとおり、非常に技術的専門的なことでございますので、この際、一般のわが国の法令の慣習といいますか、あり方に従いましてこれを政令に落とした次第でございます。この点につきましては、諸外国も立法府の法律という形で決めておる例はほとんどございませんで、ほとんど行政府の定める命令にゆだねておるのが世界の通例でございます。したがいまして、私どもも今回の法改正に際しましてそれを政令にゆだねたということでございます。  それからもう一つは、先ほどから御説明申し上げております運航士の制度を、あるいは運航員の制度を初めといたします近代化の問題、特に職員法に関係するのは運航士の制度でありますけれども、これが現在のところは三等航海士及び三等機関士について——これはまだ政省令の段階でございますので単なる私の素案ですけれども、審議会の御意見を聞きながら、そういうところへだけ適用するべく決めてまいりたいと思います。これがさらに近代化実験が進みまして、それを二等クラスにもそういう運航士の制度を採用するということになりますと、これを法律で決めておりますと、また法律を改正せにゃいかぬと。これは国会提出ではございませんで、近代化の趣旨から考えて、スムーズにそういう制度を実現していこうというためには、やはり法律よりも政令の方が穏当ではなかろうかというふうな感じから、これを政令に落とさしていただいたようなわけでございます。  ただその際に、在来のものはそのまま法律に残しておいて、近代化の特例だけを政令にゆだねたらどうだという御提案だと存じますけれども、もともと政令の別表の内容は、まあ形式的なものかもしれませんけれども、近代化船も在来船もほとんど同じような表現でございますし、近代化船だけを政令でし、それからその他を法律でするというのは法律のたてまえ上非常にむずかしいと存じます。  それからもう一つは、時期はどれくらいかわかりませんけれども、これから近代化船がどんどんどんどんふえていくと、いずれはまた近代化船と在来船が逆転する時代も来ようかと思いますけれども、そういう点で、そういうことを考えますと、やはり両方とも法律なら法律、政令なら政令というふうに合わせておく方が妥当であるという考え方から、両方とも政令に合わせたような次第でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 ここのところはまだ少し意見が食い違うところで、近代化船と在来船で逆転するときがなんてそれは局長言われたって、とてもじゃないけれども、第一、局長が運輸省の中にそのころいるかどうかもわかりゃせぬのですから、そこまでお考えになるのならば、この法体系全体がこんなことでいいのかということになっちゃうんで、これはまた後で、もうちょっと時間があれば御質問もして、もう少し掘り下げてみたいと思うんです。  次に、これは大臣もよくお聞きになっておっていただきたいことなんですが、小型船の定員ですね。特に七百トン未満というのは法律で定められていないんです。どういうふうにこれをやるかということなんで、若干これは大臣にも聞いていただきたいから、そういう点からいくと少しデータを述べたいと思うんですが、昭和五十五年度の海上保安庁の調べたのでは、貨物船の海難事故が四百四十三件あったんです。その中で百トンから五百トン未満の船の事故というものが二百七十九件、六割が海難事故に遭っているわけなんです。そして、これはもう鈴木さんの方の船員局の方でお調べになっておるデータからなにしたんだけれども、内航船の資料によりましても、五百トンクラスを五、六人で運航しているのがどのくらいあるかというとほとんど五、六人だと。正確に配置についていけば大体八人ぐらいが必要になってくる。それが大体五、六人で運航されている。そして二時間や三時間ならそれは問題はないんだけれども、一つの区間の航海が二十四時間から四十八時間というものが二六・二%、四十八時間から七十二時間というのが一五・七%もある。だから、とてもじゃないけれども当直の基準なんか守れないわけなんだ。  だから、そういう点でいろいろ近代化もやらにゃいかぬけれども、同時に船の運航というものも、昔のように二百トンや三百トンの船ならばその辺二、三時間のところを行ったり来たりするぐらいで、そんな二十四時間も四十八時間も走るわけないんですけれども、それだけいまは変わっちゃっているわけなんですね。ですから、そういうことを考えていったときに、少なくともそれだけ長時間走るのならば当直が配置につけるだけのそういう体制の乗組員がいなくちゃいけない。だから、それをやっぱりある程度小型船についての定員というものをお決めをいただきたいというふうに考えているんだけれども、どのような御見解をお持ちかということです。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 先生御指摘のとおり、小型船の方は比較的大型船に比べまして海難の発生率が高いのは事実でございます。特に私どもの持っております資料では、百トンから五百トン四・四%、五百トンから千トン六二%ということで、三千トンから一万トンの二・八%あるいは一万トンから三万トンの一・八%に比べますと高い数字が出てございます。これは漁船船主が多うございますので、われわれとしてはいろいろと指導しておるわけでありますけれども、なかなか事故が減らずに非常にゆゆしい問題だと思っております。  ただ、具体的にじゃ定員の法定化によってそれを処理するということにつきましては、実はいま数字を示しましたそういう船は隻数としましても非常に膨大な隻数になっておりまして、二十トンから百トンは五十五年度で一万二千隻、それから百トンから五百トンが一万隻というふうな数字でございます。この非常に膨大な数字の小型船がそれぞれ就航実態が全部非常にばらばら、アンバランスだということで、この中には漁船があり貨物船あり、あるいは小型旅客船ありということで、非常なばらばらな数字でございます。それをわれわれの方が一挙に一律に定員を決めるといいますことは非常にむずかしゅうございまして、それで実はその定員の決定は、船舶所有者とそれから乗組員との話し合いによって決めるようにと、その際には労働時間が過重にならないような決め方をするようにということで決めておるわけでございます。具体的に、そのための運輸省令を、小型船等に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令ということで、その辺の基準も一応決めて行政指導しているわけでございます。  ただ、いま申しましたように、そこまではやっておりますけれども、それ以上立ち入って定員を決めるということにつきましては、事実上区々ばらばらでございまして不可能でございますので、私どもは今後そういう事故が起こらないように、あるいは適正な員数で運航されるように十二分の行政指導をやってまいりたいというふうに思っております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 大臣、お聞きのように、それでいまも一万何千隻なんて、それは戦後も大手の船会社というものは企業合併、いわゆる集中合理化させたわけですよね。ところが、むしろ問題はそういう小さい船を持っておる船会社、圧倒的に一杯船主なんです。それで一杯だけ自分が持って、それで、言えば好き勝手と言っちゃおかしいけれども、荷主を探してそういう形をやっているんですから、そういう点で言うならば、先ほど明治以来のと大臣も御答弁の中で触れられたように、あの辺のところだけがそういう点では明治以来の一つの慣習みたいなのが取り残されちゃっている。ですから、そういう面から、これはもういま局長がおっしゃるように、どうこうせいと言っても簡単にできることでないことはわかっている。しかし、手に負えないことだと言ってそうやっていつまでも放任しとくがゆえにいつまでたっても言うならばその辺の近代化が進まないでいるわけですから、その点はこれ以上私無理を言おうとは思いませんけれども、あとは本気になって、局長いいですか、言われたとおりちゃんと行政指導をして、そしてああやっぱり局長は言われたとおり実際に実行したと、そういうことの認められるようにしていっていただきたい。  それで、もうそういう小さいところですから、労働組合もない。労働組合がちゃんとしておるところだったらそこで労使が協議して、こんなもの四人や、五人ではどうにもならぬから七人にしてくれ、どうだって言って話ができる場合も、そういうこともできない。それから、就業規則がどうだこうだと言ったって、そんな五人や六人の一杯船主でやっているところだったら、就業規則も何も義務づけられることがなくなっているという。だから、非常に一面でそういう近代化をと言ってやっているまたその裏というか、取り残されたところがあるのだということをどうか御理解をいただいて、この問題はぜひともお取り組みいただきたい。本当に、局長、ひとつあらゆる種類のそういうものの航路別なりトン数別、条件に分けて一つの定員のモデルでもつくってみて、それでこうこういうぐあいでどうかということを考えていただきたいと思うんです。それを要望します。  それから次には、STCW条約の柱の一つというのがやっぱりあの旗国主義だと思うんです。日本の国は実質的にはもう世界一の海運国なんですから、この条約はもう今度は批准するわけだけれども、やはり厳守をしなくちゃいけないと思うんだけれども、その辺の心構えはどの程度になっているんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 私どもは、STCW条約の制定につきましては、当初からIMCOの中でもかなり積極的に参加いたしまして、率先してこの点につきましては賛成しておりますし、かなりIMCOの中でもリーダーシップをとってまいったわけでございます。そういうことである以上、私どももできるだけ八方に先駆けてこのSTCW条約の批准をお願いいたしまして、これを世界の国に先駆けて率先して実施していこうということで、今回御提案申し上げたわけでございます。したがいまして、私どもはこの条約を十二分に厳格に実施してまいりたいと思います。  旗国主義の点につきましても、したがいまして、この条約を十二分に適用いたすつもりでおります。  ただ、現在の職員法とそれからSTCW条約の要求しておる基準というものはやはり幾らかギャップがございまして、私どもの船舶職員法の方がむしろ上の線を進んでいるというふうに私も理解してございます。したがいまして、マルシップにつきまして、いま直ちにその条約よりも上の線をいっている船舶職員法を一〇〇%適用するといいますのは、これはやはり現在の海運界を混乱に陥れることを私は一番心配しておるような次第でございます。したがいまして、その辺よくこれから関係者とも話し合いながら、混乱しない範囲内でのその経過的措置のものを認めて、しかし条約は完全一〇〇%適用していくという方策をひとつ探ってまいりたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 後の方で言われたところの点がちょっと気になるんで、それじゃ今度は局長、マルシップというのはいま何隻ぐらいあるんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) マルシップは、昨年の十二月一日付の私どもの調査によりますと、これは全部マルシップだと思います、ほとんど大部分はマルシップだと思いますけれども、外国に対して裸で貸した日本商船は、二千トン以上の船で三百十四隻でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 以下は。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 二千トン以下の方は、実はこれは許可事項になってございませんのでちょっとわかりかねます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 許可事項でないけれども、届け出事項でもって届け出ることにはなっているんじゃないですか。

永井浩運輸省海運局長

○政府委員(永井浩君) 届け出事項でございます。それで、その数字につきましてただいま調査いたしまして、後ほどお答えいたします。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 それで、当然マルシップも適用になるわけだけれど、いま船員局長、一〇〇%適用するということになると混乱が起きるので、その点はよく御相談をしてという、それの辺のもうちょっと解説をしてくださいよ。何だか、旗国主義を適用しますと言って、ちゃんと本来ならば適用しなくちゃいけないのを、何かうやむやにするような感じを受けるんですよ、そういう答弁では。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) これは実は、具体的にはいろいろと関係者の方との意見調整も必要でございますし、まだ私の考え、その素案の素案という一また素案という言葉を使って恐縮でありますけれども、その辺の方々と御相談申し上げた一つの案としては、現在、具体的に申し上げますと、たとえば五千トン以上の外航船は、職員を通信関係を除きまして八名乗せないといかぬようになっています。船長、それから一等航海士、二等航海士、三等航海士、機関長、一等機関士、二等機関士、三等機関士の八名乗せなきゃいかぬことになっています、職員法上は。ただ、STCW条約では、船長、一等航海士、機関長、一等機関士だけが、これは一応法定定員のような形に書かれてございます、STCW条約では。したがいまして、STCW条約の要件を満たすのと、それから私どもの船舶職員法の要件を満たすのと、数字で申し上げますとSTCW条約では四名、それから職員法では八名、その範囲内でいろいろとこれから関係者と話し合いながら決めてまいりたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 今度のこの法改正で、日本の港に入ってくる外国の船も、従来と違ってかなり手厳しく監督というか、調査をするわけでしょう。それで、ここにあるように、条約に定める要件を満たしているかどうかを検査を行うことにする。それで、その船舶に乗り組む船舶職員が要件を満たしていないと認めるときは船長に対して文書で通告する。それで、さらにそれでもだめならば、「航海を継続することが人の生命、身体若しくは財産に危険を生ぜしめ、又は海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、その船舶の航行の停止を」命ずると言って、だからそういう点では日本の港に入る外国の船に対しても、従来とは違って相当厳しいそういう監督をします、いけなければストップをかけて動かしませんと。だったら、マルシップは本籍は日本の船なんでしょう、たまたまいま人様に貸して、人様が動かしているけれども。だったら、少なくとも今度このSTCW条約を批准をしてやっていく以上については、そういうマルシップについては、多少の経過措置は、それは法律が成立したもうその翌日からそんなことはできやせぬことだから、多少の経過措置は私は必要だと思うけれども、その辺のところをもうちょっときちんとやらせますと。しかし、いま言ったとおり、きょうあしたというわけにはいかないんで、そこの経過猶予措置は必要だけれども、これはもう完全実施ですという、その辺はきちんとやっぱり答弁をしておいていただかなければ困ります。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) マルシップは日本の船ですけれども、配乗権といいますか、乗組員に対する支配権といいますか、それは外国が持っておるような船でございます。したがいまして、外国の方は外国の方で一応それに基づいた配乗を、自国の法律に基づいた配乗をかなりやっておると思います。  そこで問題になってきますのは、海技免状の相互互認性といいますか、外国の海技免状をそのまま日本の海技免状に認めるというふうな制度があれば、これは非常にスムーズな形で法の適用が図っていけると思います。ところが、現在のところわが国はそういう制度をとってございませんので、そこが一つの一番大きな問題でありまして、その辺のこともございますので、外国の乗組員の点もある程度、現在外国の乗組員の方が多いわけでございますので、外国の乗組員の地位というものも考えながら、しかも日本の職員ができるだけ乗るような方策というものを、先ほど申し上げました八名と四名の範囲内で求めていきたいというふうに考えておる次第でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 だから局長、マルシップも日本の商船です、これにも全部この新しい法律を適用いたします、しかし、現実にいま乗っているのは外国船員が乗っているのであって、それを即切りかえるというふうなことなんかは現実問題としてそれはできません、そのために、そこに若干の経過措置というものは必要になるので、そこはお認めいただきたいという、そういう答弁をなさらないと、局長のような答弁をしておったんではしり抜け法になっちゃうわけですよ。もう一回やり直しです、そこは。きちんとしてください、大事な点なんだから。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。  私の御答弁申し上げたのと先生の御指摘の点とはそう違っていないと思うのでございますけれども……

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 違う。そんなことじゃだめだよ。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 御指摘のとおり、いますぐ即座にこれを日本の船舶職員法どおり実施するといたしますと、三百隻、あるいは届け出のものも含めますとかなりの数に上りますし、それを即座にかなり強く強制しますことは、さらにまた全体を考えましても、便宜置籍船に逃げてしまうとか、あるいは外国船への純粋な売船に逃げてしまうとかというようなこともございますので、その辺を考慮して私どもは関係者とも話し合いながら穏当な措置をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 大臣もお聞きになっていて、ぐあいが悪い答弁をしていると思っているんだと思うよ。だから、そういうあれになってくるから、私が冒頭——大事な大原則、大前提というものをきちんとして物事を言っていないから、先ほどの小笠原委員のあれを私じいっと聞いておったって、本当の肝心な、何か一本くぎが抜けたところで議論しているからおかしなことになっちゃうわけなんで、だからその辺をやっぱり原則をきちんとして、それで私自身がさっきから言っているとおり、そんなこと、三日や五日でどうこうしろと言ったってできるもんじゃないわけなんだから、するのが当然なんです。その切りかえる時間は、これは下さいということでお認めいただきたいということでないと、一生懸命になってただし書きの方ばかり局長は答弁しているからそんなことになる。それだったらなおのこと、これから外国の船が日本の港に入ってきて、今度はこの条約を適用して私たちも立ち入りをしてこうこうやりますよ、ああこれはだめです、もう出航は認めませんなんて何でできますか、あなた、自分の支配下にある船もやれなくて。その点はよく検討をしてきちんとしていただきたいということをお願いしておきます。  それで今度は、乗組員の定員を規定している船舶職員法では、外航航路に就航している船というのはきちんと三交代制の勤務ができるように確保がこれは決められているんです。ところが、内航船の方はそこがきちんとしていないんですね。千トン以上は四名、そうすると、あとはもうどんな大きくても、一万トンであろうが一万五千トンであろうが千トン以上のランクの中でみんな扱われてしまう。そういうことでいいのかどうか。これは先ほどは小型船の問題でいろいろ定員の問題をやったんですけれども、これは内航船の関係で、それでこれは大臣、本当に聞いておいていただきたいんだけれども、そんな内航船に一万トンも一万五千トンもの船が走るなんてだれも前は思っちゃいなかったから、千トン以上はと決めておったわけだけれども、それがだんだんそんな大きな船が走るようになって、一万トン、一万五千トンもの船が内航路でいま走っているわけなんです。そこのところはどういうお考えなんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 御指摘のとおり、内航船は幾ら大型でも職員が四名でいいというようになっております。ただ、具体的にどれくらい乗せるかはやはり労使の問題でいろいろ決めていただくようになっておりまして、じゃ、内航船は中に大型がかなりあるからということで大型を基準に決めますと、これはまた非常に守りにくい制度になりますので、私どもは一応標準的なものを前提に最低基準として配乗表を決めておるようなわけでございます。それよりも大きいものにつきましては、それぞれ労使の間で、航路のいわゆる航海時間とかあるいは船の形あるいは積み荷あるいは入港する港を考えながら労使間で十分に話し合って上乗せを検討していくようにというふうな法体系になっておりまして、そういう形で指導しておるわけでございますので、これを大型ができたから直ちにまた四名を六名なりに修正するということは非常に困難かというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 困難だといって、私いまここですぐ改正せいと言っているわけじゃないんですよね。しかしながら、外航ならば千トン以上でもたしか八名でしょう。それで先ほどから言っておるように、千トンはおろか数百トンというのですらも二十四時間とか四十八時間とか、いまはそれだけの長距離を走るわけなんですよ。ただ、そんなことも前は考えられなかったから少数の数のことでよかったわけなんで、だからそれだけ条件が変わってきている。そうしたらそういう条件の変化に対応して運輸省は運輸省として何らかの指導があっていいと思うんですよ。だから、そういう点では別な角度から私聞きますけれども、どうなんですか、船舶の定員というようなものが、安全な航海当直もやっていきながら運航してもらうのにいろいろ船の形や航路やそういうなにがあると思うんです。種類によって違うわけです。外航航路を走っているので一万トン前後、それから内航で言うならば、これはもう五百トン程度の内航船でといったら最低人員がどのくらいで走るのが妥当かというような御判断をお持ちですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 非常にむずかしい御質問でありまして、これはたびたび申し上げておりますとおり、五百トンぐらいの定員は幾らが一番妥当であるか、あるいは内航の一万トンぐらいの定員が幾らが妥当であるかという点につきましては、先ほどからも申し上げておりますとおりに、船の航路によりまして、あるいは積み荷の種類によりまして、港の事情によりまして非常にばらばらでございますので、一律に私は申し上げるということは非常に困難でございますので、御了承いただきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 そうすると、先ほど小型船の定員について局長が行政指導の上でもってやってまいりますといった答弁もほごになるんですよ。私がいまここで言ったことは、海運を監理している運輸省として、外航の一万トンならばあるいは内航の五百トン程度ならばどのくらいの定員で走ってもらうのが一番ベターなんだと。法の中に織り込めとか何か、そんなことを言っているんじゃないんです。海運産業を所轄をしている運輸省の当事者として、当局としてそれについてどういうお考えをお持ちになっているのか、御判断をお持ちになっているのか。少なくともそうでなかったらそのくらいのことについて頭の中でぱっぱと判断がいって、ああそのくらいだったら少なくともこれだけの人員が乗っていなければといったそういうものが出てこなければ、法律の中に織り込めなんと言っているんじゃないのだから、そのことも大変むずかしくて条件がありましてなんて、条件がありましてと言ったら、こういう条件でこういうふうなものにするならば何名ぐらいがちょうどいいというふうに私たちは判断いたします。何も法律をそうして拘束せいと言っているんじゃないのであって、当事者としてそのくらいのことのお考えをいつもお持ちでもって、聞かれたらぱっと出てくるようでなければ困るじゃないですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 私ども行政指導の仕方といたしましては、具体的に事故が起こったときとかあるいはいわゆる船員からの駆け込みといいますか、苦情の申し立てがあったときにやりますと同時に、一般的な講習会というものをたびたび開きまして、昨年は百数十回開いておりますけれども、そこで、小型船等に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令、それから、指定漁船に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令、こういうふうな小型船のために特に決めた省令の遵守方をいろいろ指導しておるような次第でございます。それを指導することが、必要な定員を労使間で話し合って乗り込ませるための一番穏当な方策だろうという前提に立ちましてそういう指導をしておるような次第でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 その人数はどうなんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) ただ、具体的にそれぞれの船によりましてこの船はどうだということになってまいりますと、その航路、それから船員の労働時間を調べるとかあるいは積み荷の内容を調べるとか、港の事情を調べるとかあるいは実際の船員の就業実態を調べないと、これは定員が少ないとか、多過ぎるとか言うわけにはまいらないと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 先ほど私が言ったのは、いろいろその条件が違うならば、たとえば、横浜なら横浜から出ていって鹿児島に入ったとか何とか、そうしてこういうスタイルの船で大きさがこのくらいでもって、それで横浜から鹿児島まで行ったならばそれはこのくらいが私たちは妥当と判断いたしますというように、そういう条件をつけて言ったらいいじゃないかと言っても、さっきからあなたの答弁というのは——何でそれが言えないんですか。  だから、今度は大臣の方にもよく聞いてもらって答えてもらわなければならぬ。なぜこれを言っているかというと、船に乗り組むときの船員の雇い入れ公認手続をとる、これはすべて海運局がやるんじゃないんです。海運局なり、船員局の運輸省の中ならば、そういう船のことについてそれなりの皆さん方ベテランだからいい。そうではなくて、市町村役場に行ってその手続がとれるんですよ。それでは普通の市町村役場に行ってここへ三人これが乗るのですと言ってそういう手続をとられたときに、その町役場の人は何で、いやこれは三人じゃ危険です、この船は五人乗れない、危ないですから認め料は要りませんというようなことが言えますか、みんな素人なんですから。少なくともそういう法律でどうこうしないまでも、そういうことについてもうちょっとやはりちゃんと行政指導くらいしておあげなさい。船員のそういうものの知識も何にもない市町村役場のその連中にどうやってあなた方はそれじゃやっていたわけですか。それだから、一切そういう船に乗り組むときのいわゆる雇い入れ公認手続というものは全部船会社は運輸省へ出せと、それで運輸省へ出して、おれたちがそれは全部チェックしてやるというならば、もうそれは皆さん方そのときには御判断なされるからいいわけだけれども、そうじゃないわけでしょう。全部全国の市町村役場にやらしているわけなんですから、その素人が判断するのに、そういう点から考えたって、局長、いろいろ条件がありましてどうでございますなんて、そんな寝言言っておったんじゃどうなりますかというんだよ。もう少しきちんとしてもらわなきゃ困るんだよ。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 市町村につきましては、現在二百九十五の市町村にその公認の仕事をお願いしておりまして、その際にいろいろといまの御指摘の点のチェックもお願いしております。したがいまして、私どもは、年に一、二回、海運局または支局単位に市町村の関係者に集まってもらいまして、いま申し上げました、小型船等に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令の遵守方をお願いしておるような次第でございます。  ただ、くどいようではありますけれども、この小型船等に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令が、そのまま省令に規定してあるとおり遵守されているかどうかという点につきましては、これは個別的な問題でございますので、なかなかそういう点で一律の全部に共通するような基準を決めることが非常にむずかしゅうございますので、監督官の資質の向上といいますか、そういう点にわれわれは期待するよりないというような感じでございます。今後とも十二分にそういう点での指導を図ってまいりたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 局長、局長というか、これはもう大臣に聞いておいてもらわなければ困る。私がいまこうやって聞いたって答弁が出てこないわけでしょう。それで何で、この二百九十五の市町村に指導したからといって、そんな指導ができるんですか。少なくともその二百九十五の市町村に、そういういわゆるチェックの一つのモデルみたいなものをつくってやっているならば、いま私が聞いたときには、いやそれは私の判断では何人ぐらいが適当と思いますというような答えが出てくるわけじゃないか。もう何回聞いたって局長の答弁というのは、いやいや条件がむずかしくて、何があってハチの頭でありましてと、そんなことばかり言って、それで何で二百九十五の市町村に行政指導ができますかね。これは大臣からその点を明確に少し運輸省のお考えを、細かいことはもういいです。どういうふうにこれからやっていくか。それでその二百九十五の市町村なら市町村にどういうかっこうでチェックさせて、万遺漏のないようにいたしますと、海難事故なんか起きないようにそういうことをやらせるようにしますということをきちんとしておいていただきたい。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの委員の御発言は、われわれにとりましても大変重要な示唆のあるお言葉だと考えます。それで、海難事故が非常に多いということはこれはもうまことに重大なことでございます。またそれには、十分なる能力のある船員が乗っていなかったために起こったのか、あるいは船が非常に小さいのに無理した航路をとったのか、いろいろあるのじゃないかと思いますが、先般、私就任いたしまして間もなく、内航海運の方々やそれから小型の方々の組合の代表が大分いらっしゃいました。私はそのときに申し上げたのでありますが、ちょうどいま委員が指摘されましたような問題を言ったのでございます。こういうような問題は非常に対象が大きくて、また運輸省も膨大な機構を持ってやっているけれども、とても二万隻とか二万隻とかいうものを一々チェックすることもできないので、やはりこういう問題については組合の方で自主的にひとついろいろな問題を提起してもらって、そしてそれがある場合においてオーソリティーと申しますか、権威が欲しいというような場合には、ひとつわが方にも連絡をしてくれというようなことを申したのでございまして、私は、非常にたくさんあって条件の異なったものに行政が余り細かく立ち入ることは、委員も同じ御意見だと思いますが、適当ではないと思うのでございます。  ただ一つの概念として、安全航行というようなことはこれは省の方針でございますので、そうした問題をにらみながら、できるだけ業者において、業者と言ってはあれでございますが、その組合組織、こうしたところにこれらの問題に従来以上の配意を求めたいと思っております。特に今回のこの法改正というものが、言うならば大きなところでございますから、逆に言うならば、むしろこれからは法的ないろいろな配慮というものが小さいところに及ばないのじゃないかというようなことも考えられるので、今後は大いに注意して全般の海運そのものが健全であるように努力をいたしたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 いま大臣の御答弁のようなお気持ちでお取り組みいただきたいことにして、次に、STCW条約は、海上における人命、財産の安全と、いわゆる海洋環境の保護の促進というものを目的にしているわけなので、この安全のために航海当直をするように定めているはずなんですが、たとえば航海当直に従事する者は、職員の場合は海技の資格を持たにゃいかぬ、部員の場合だと証明を持たにゃいかぬ、あるいは当直に当たっては操舵を行う者と見張りを行う者は区別をされなくちゃいかぬと、こういろいろ幾つかあるわけなんですね。これらは厳守はさせるんですか、その辺のところはこの条約どおりきちんと。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 条約では航海当直をする者には一定の要件を課しておりますので、そういう点については条約どおり厳守したいと思っております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 ぜひともこれは厳守をさしてください。なかなか大変なこととは思いますけれども、守れということを実施をしていただきたいということで。  それからそれに関連をして、船長とか機関長というのを当直体制の中に組み入れるべきではないと思うんですね。言うならば船全体を指揮監督している一つのそういう責任者だから、もう二十四時間勤務体制に入っているようなものなんで。ところが、なかなかその辺が守られないで、船長、機関長も当直体制に入れて人員配置なんかしているところがあるんですが、その辺についてどういうお考えか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 船長、機関長を航海当直体制に組み入れるべきではないんじゃないかという点につきましては、実は条約の方も私どもの方の船舶職員法の方も、そういう立場をとっておりませんで、もう航海時間あるいは航路等の考慮の上で、船長が自分独自に決めてやるべきだというふうな立場をとってございます。したがいまして、この点につきましては、事実上いわゆる三直制ということを採用いたしますときには、大型船の八名乗っているときには船長は必ずしも航海当直に立つ必要がない、それから六名ぐらい乗っているときには船長も航海当直に立たざるを得ないというふうな感じになってございますけれども、それはやはり大型船につきましては、そのほかいろいろと、たとえば接客業務だとか外国の港に入ったときの渉外業務だとかいろいろの面がございますので、それから部員の数も大型船は多うございますから、そういう指揮命令業務もございますので、大型船につきましてはそういう体制をとってございますけれども、小型船につきましてはやはり従来から、わが国の法制もあるいは条約の方も、船長、機関長も当直に立つということを前提に規定しておりますものですから、これを今回当直体制から外すということは、非常に余りにも従来の慣行を改め過ぎることになろうかと存じます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 時間がだんだんなくなってきちゃった。  大型船の方はやらせないんでしょう。少なくともあれは昨年の秋だったですか、IMCOの総会で、長期航海する大型船では、船長、機関長は当直に組み入れるべきではないということをこれはもう決議しているわけなんですからね。だから、これはもう小さい船のことを私は言っているわけじゃないので、少なくともIMCOの決議のそれは厳守をしていただきたいと思います。  それから次に、通信士の関係でちょっとお聞きをしておくんだけれども、二級海技士あるいは三級海技士の免許年齢というのが、従来は暫定措置で十八歳も取り入れていたわけなんです。正式には二十歳以上。その十八歳から二十歳の間で免許取得した人の数というのはどの程度いたんですか。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。  私ども三十三年から五十六年の間の数字を調べましたところ、通信乙種、丙種合わせまして五千六十三人の総登録件数がございます。それに対しまして、二十歳未満の方々の登録は四百九十五件ということで、約一〇%ということになってございます。それをさらに乙種と丙種に分けてみますと、乙種の方はかなり少のうございまして、千七百七十九件中三十四件、約二%と。それから丙種につきましては、三千二百八十四件中四百六十一件で、一四%というふうな数字になっております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 それで、これは希望を申し上げて御検討いただきたいと思います。  船舶通信士といえば、やっぱり陸上と違って、なかなか配置というものも重要だと思うんですよね、特に海上でもって勤務しなくちゃいけないんですから。そういう点に立ちましたときに、普通の免許というんですか、資格を取得するのは皆二十歳。十八歳でというのは何かモーターボートだけで、そういう点からいくと、わかりやすく言って、何か通信士というものの格が大したことないんだというふうな、そういうふうに見られがちになってしまうので、そういう点からいくならば、やはりほかの航海士とか機関士とか、同じように二十歳でというところに線を引いて、いままでは特例措置で、いろいろ事情があって十八歳以上というような者も扱ってきたんですから、そういう従来と同じような考え方で扱っていただくということの方が私はいいじゃないかと思うんです。これはそれなりのいろいろ事情もあると思いますから、今後御検討していただいて、それでその意に沿うような方向をお考えいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。

鈴木登運輸省船員局長

○政府委員(鈴木登君) 御指摘の点につきましては、実は法制局の方の御指摘で、先ほど申しましたように二十年間もそういう附則でやっておるのはおかしいと、もう本則に返るべきだという御指摘も同時にあったわけでありますけれども、御指摘のとおり、関係者の一致した御意見が出ますれば、私ども再検討いたしたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 ちょっと残ったけれども、もういいです。はみ出しちゃいけませんから。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  それでは、これより両案を一括して討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表し、船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  本法案は、もともと仕組み船等便宜置籍船やマルシップ船などによる海難事故や海洋汚染を防止するため、一定の規制を行うSTCW条約の国内批准に伴う国内法の改正であり、この点については船舶の安全確保上、一定の改善措置が含まれており、賛成できるものであります。しかし、このこととは全く区別しなければならない船員制度近代化という名目での人減らし合理化のための法改正とを一本にして提案してきていることは大きな問題であるとまず指摘しなければなりません。  反対理由の第一は、船員制度の近代化という名のもとで人減らし合理化を推し進めようとしている点であります。  本改正案の趣旨として、日本船の国際競争力の低下から脱皮し、職域の拡大を図る、そのため近代化制度を導入するとしています。しかし、近代化なるものは、定員を削減し、当面十八名体制をとろうとするもので、この体制をつくり上げるためには、現行法に定めている最低限度の定員さえ邪魔になる、国際的にもトラブルが生ずるということで法改正をするのであります。雇用問題に根本的にメスを入れるのであれば、日本人船員の職場を奪っている便宜置籍船やマルシップ船を厳正に規制していかない限り、真の雇用拡大にはつながらないことは明白であります。本委員会でも指摘したように、マルシップ船を野放しにし、行政指導で日本人船員を乗り組ませることを幾ら強調しても、劣悪な労働条件にある外国人船員の乗り組みが急速にふえているのが実態であります。また、計画造船で建造した船舶を海外に売船し、その船舶を売った船主が用船する。そのため、日本人船員が職場を奪われ、それにかわって外国人船員が乗り組む、このようなやり方にこそメスを入れることがきわめて大切なことであり、日本人船員労働者の願いでもあるからです。  第二に、船舶の航行安全上、重大な影響を及ぼすからであります。  今度の改悪の柱でもある、現行の法律で決めている船舶職員の乗り組み定員を国会審議抜きの政令に委任することはきわめて重大な問題であります。このことは、近代化の名のもとに進めている実験の結果、評価を見ても明らかなように、船舶航行の安全を論じる場合避けて通れない、狭水道を通航する場合の安全、船舶がふくそうする航路を通航する場合の安全が十分に担保されているとは言えません。たとえば調査員が乗船した段階での狭水道や入出港などの調査は全くされていないことが明らかになったこと、同時に、その実験結果の所見を見ても、経験、教育がまだまだ不十分である、船長等のバックアップが依然欠かせない等書かれている事実を見ても、事の重大さは明らかです。  ところが、本法案は船舶職員の配乗別表を政令に落とし、船舶航行の安全上、最低の基準まで委任するというもので、容認できるものではありません。  最後に私は、この法改正に当たり、船舶の航行安全上きわめて重大な問題として論議され、かつ、現場の船員労働者に直接はね返ってくるこの重要な法律である立場から、真剣な論議をし、深めていかなければならないと考えてきたにもかかわらず、運輸省当局は、本法の基をなす、すでに公に出されている実験船報告書を、うその上塗りを重ね、最後まで提出しなかった、このことは、慎重にして真剣な審議を妨害するものであったということをつけ加えて、反対の討論を終わります。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、船員災害防止協会等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、竹田君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、ただいま可決されました両法律案に対し、それぞれ附帯決議案を提出いたします。  まず、船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、各派共同の提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。  一、船員制度の近代化に当たつては、日本人船員の知識と技能をいかし、職域の拡大に努めること。  二、船員制度の近代化を円滑に推進するため、今後とも関係公労使の意見を尊重すること。  三、日本船を中核とする我が国商船隊の整備を促進し、日本人船員の雇用の安定、拡大に努めること。  四、安全な航海当直を確保するため、小型船についても適切な指導を図ること。  五、STCW条約の国内実施及び船員制度の近代化を円滑に推進し得るよう既成船員及び新規船員に対する教育の充実を図ること。   右決議する。  次に、船員災害防止協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     船員災害防止協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。  一、船員災害の実態等にかんがみ、今後とも船員災害防止対策の一層の強化を図ること。  二、船員の技能の充実を図り、資格の海陸互換性を考慮すること。  三、船員の災害防止対策の実施に当たつては、船員の快適な職場環境の整備に努めるよう指導すること。   右決議する。  以上でございます。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) ただいま竹田君から提出されました両附帯決議案を議題とし、採決を行います。  まず、船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に、船員災害防止協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの両決議に対し、小坂運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小坂運輸大臣。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま、船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律案及び船員災害防止協会等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして慎重御審議の結果御可決をいただきまことにありがとうございました。  また附帯決議につきましては、政府といたしましてその御趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存であります。

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桑名義治公明党・国民会議

○委員長(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十四分散会

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