安全保障特別委員会 第4号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/08/04
会議録
○委員長(加藤武徳君) ただいまから安全保障特別委員会を開会いたします。 国の安全保障に関する調査を議題といたします。 まず、伊藤防衛庁長官から五六中業についての報告を聴取いたします。伊藤防衛庁長官。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 昭和五十八年度から昭和六十二年度までを対象とする中期業務見積もりにつきまして御説明を申し上げます。 昭和五十八年度から昭和六十二年度までを対象とする中期業務見積もり、いわゆる五六中業につきましては、去る七月二十三日の国防会議において私から報告をいたし、防衛庁の中期にわたる防衛力整備の進め方に関する考え方の大筋を示すものとして了承を得ました。 以下、これについて御報告申し上げます。 一、五六中業の基本的性格については、従前どおり主要な事業等の見積もりを行い、防衛庁が防衛計画の大綱に基づき概算要求等の参考として作成する資料であるということに変わりはございません。 二、わが国の防衛力の現状は大綱に定める規模にいまだ達しておらず、また装備の老朽化、継戦能力、即応態勢、抗堪性の不足等種々の問題点を抱え、まだ大綱の水準とは隔たりがございます。これらの量的質的不備を是正することにより、わが国の防衛能力は現状と比較して大きく向上するものと期待できる状況にあります。 五六中業の整備方針については、このような状況を踏まえ、昨年四月国防会議で了承されました防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を達成することを基本としておることは申し上げるまでもございません。また厳しい財政事情、要員確保、施設取得の困難さ等を考慮し、効率的かつ節度ある整備に留意をして、財政負担の軽減にもぎりぎりの努力を払っております。 三、このような方針のもとに作成いたしました五六中業による完成時の勢力について見ますと、それぞれの事情により例外的に不備があるものもございますが、全体としてはほぼ達成の域に到達しているものと評価をしております。 四、このような防衛力の充実近代化に必要と見込まれる所要経費について見ますと、五六中業においてある程度詳細な見積もりを行うこととしております正面装備に要する経費は、昭和五十七年度価格で四兆四千億円ないし四兆六千億円と見積もっております。 五、五六中業については以上のとおりでございますが、最後に期間中の防衛関係経費とGNPの関係について申し上げます。 五六中業においては正面事業以外については概略の方向を見定めることにとどめており、後方関係経費、人件糧食費については見積もりの対象としておりませんので、五六中業期間中の防衛関係経費の総額については詳細な見積もりを行っておりません。 また他方、GNPは経済の状況によって変化するものであり、したがって期間中の防衛関係経費とGNPは双方とも相当の不確定要素を持った流動的なものであります。 しかし、参考までに防衛関係経費等について防衛庁において大まかに試算をしてみたわけでございますが、それによりますと期間中の防衛関係経費総額は昭和五十七年度価格で十五兆六千億円ないし十六兆四千億円と相なります。また昭和五十七年度政府経済見通しのGNP額二百七十七兆二千億円及び新経済社会七カ年計画フォローアップ昭和五十六年度報告のGNP成長率五・一%を前提にいたしますと、五六中業対象期間のGNP一%相当額は昭和五十七年度価格で約十六兆一千億円となります。この場合、対GNP比率は期間中平均で〇・九七%ないし一・〇二%となります。 各年度の防衛力整備については、そのときどきにおける経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を早期に達成することとしているところであります。 防衛庁としては、このような方針のもとに策定をいたしました五六中業を着実に実施することを基本としつつ、できる限りの効率化、合理化等により極力財政負担の軽減に努めてまいる所存であります。 五六中業の実施に伴う期間中の防衛関係経費とGNP一%相当額については以上のような事情にありますが、政府としては昭和五十一年十一月五日付の閣議決定に沿うよう最大限努力をすることとしており、現在のところこの閣議決定を変更する必要はないと考えております。 以上でございます。
○委員長(加藤武徳君) 以上で報告の聴取は終わりました。 それでは、ただいまの報告を含め国の安全保障の全般について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○大坪健一郎君 時間をいただきまして若干の問題について御質問をさせていただきたいと思います。 いま防衛庁長官がお話しくださいました五六中業、昭和五十八年度から昭和六十二年度までを対象といたします中期業務見積もりが今度出されたわけでございますけれども、この中期業務見積もりは防衛計画の大綱に基づいてそのいわばブレークダウンとして考えられておるようであります。防衛計画の大綱では一般的に限定的かつ小規模な侵略に対抗し得るような計画というふうに考えておるようでございますけれども、わが国の安全保障、まあ安全保障と申しますれば食糧問題もあるしエネルギー問題もあります。しかしその核となる防衛問題の考え方として、この防衛計画の大綱というのはいささかカビが生えてきたのではないだろうかという感じがするわけでございます。 基本的には鈴木総理がアメリカにおいでになりましていろいろ言われましたハリネズミのような防衛体制、あるいは千海里の範囲は日本で守るというようなことを言われておりますけれども、こういったことを含めてわが国が基本的に防衛の戦略をどういうふうに考えるのか、そしてその戦略を遂行するためにどういう陸海空の任務分担を持つのか、そのための部隊編成をどうするのかというようなことが一番基本的に大切なことでございまして、それがはっきり立てられた上での防衛計画大綱でなくてはならないと思うのでございます。少なくとも他国が日本に侵略を行おうとすることを思いとどまるような、このごろの言葉で申しますと抑止力となるような防衛力の配置これをどう具体的に考えるかということが必要ではないかと思うのですけれども、この点について防衛庁長官のお考えをちょっと聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 大変適切な御高見を含めましての御質問でございますが、それぞれの点につきまして防衛庁としても適切に対処をしなければならない御指摘でもございますけれども、われわれとしては、まず先ほども読み上げました昭和五十一年十月の国防会議あるいは閣議等において決定をされました防衛計画の大綱がまだ達成をしておりませんので、その水準をできるだけ早く達成するということが防衛庁に目下課されております先決の課題でございまして、われわれはその先決の課題をぜひなし遂げたいということにいま目下専念をしておるわけでございまして、その中で、いまこれまた読み上げました五六中業、向こう五カ年の計画でございますけれども、これはその大綱水準へ到達するための一つのわれわれの努力目標であり見積もりでございまして、そのための策定でございますけれども、その中でもいま大坪先生御指摘の点をそれなりに対応さしていただいているようにわれわれは一つの自負を持っておりますけれども、要は何回も申し上げますけれども、われわれは防衛計画の大綱の水準をできるだけ早く早急に達成するということが目下防衛庁に課されております先決の課題である、その認識のもとに防衛政策をいま進めているところでございます。 個々の問題について御不審の点がおありのようだとも思いますので、防衛局長から補足的に答弁をさせたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) 先生のおっしゃるとおり防衛力の一番の基本は何といっても抑止、未然防止ということにあろうかと思います。私どもの防衛力整備につきましても、昭和三十二年に決められた国防の基本方針にもそういう趣旨がうたわれておりますし、防衛計画の大綱においてもそういった国防の基本方針を踏まえて作成しているわけでございまして、当然のことながら防衛力の基本というのは抑止、未然防止にあるというふうなことは論を待たないところでございます。 さてそこで、じゃどういうふうな防衛構想というものを持っているかということでございますが、御承知のように私ども日本の置かれた国土の環境、四面海をもって囲まれているというような環境の中において一番大事なことは、侵略がありとすれば海を渡ってくる侵略、すなわち海上高空から来る侵略をまず考えなければならない、そういう意味合いから防空体制の充実がまず何よりも大事であろう。さらには海を渡ってくる脅威に対してこれを国土に上げないという、洋上もしくは水際においてこれを撃破するという能力が必要だと思います。そういった面、それから海外にすべての生活物資あるいはエネルギーというものを依存しているというふうなことを考えますと、海上交通の保護というものもきわめて重要であろうというふうなこと、おおむねいまの三つの点を中心にして私ども防衛力整備を考える、以上が私ども日本の置かれた立場から見た防衛構想の概略であろうというふうに思っております。
○大坪健一郎君 実はなぜ私こんなことを申し上げるかといいいますと、防衛問題についていろいろな議論がございますし、野党の皆さんからも鋭い御指摘もあります。また新聞からもいろいろ議論が出ておりますが、日本国民が共通の問題として自国の防衛についてあるコンセンサスを持たなければならぬ、その場合に五六中業のような実務的な計画だけを国民に提示して、そして日本が本当に抑止力となるような防衛力をどう持とうとしておるのかという構想がないと、やれ将来果てしなく武力を装備するのではないかとか、やれ軍国主義の芽生えであるとかいうたわいもない議論に一番重要な防衛問題が引っ張られるから、私はここのところだけはっきりしておいていただきたいと思うのです。 特に抑止力になるような防衛力という観点から言いますと、本当は防衛という問題は盾と矛ですから、盾も持ち矛も持たなければいかぬ。しかし日本は憲法のたてまえ上矛は持てないわけなんですから、盾をしっかり持つと同時に矛はそれじゃどうするのだという問題もあるわけですね。したがって、私は抑止力となるためには、いまおっしゃいましたように制空権をどうやって確保するかという対空問題、それから水から攻めてくるとすれば対水上、対潜の安全確保の問題等もありましょうし、またそんなふうな状況をもたらすことをあらかじめ察知するための監視体制というものも科学の粋を集めて必要でありましょうし、それから上陸してくるのを阻止するようないろいろな手だても必要でございましょうけれども、やっぱりそれは皆盾でございます。矛がない。矛はどうするかと言えば、結局日米安全保障条約によってアメリカの打撃力に頼るよりしようがないというのが現状でございましょう。 それじゃ、日本の戦略をアメリカにちゃんと話をして、アメリカが基本的な問題のとき、どういうときにどういう規模で日本に応援をして日本を助けてくれるのかという、そういう具体的な設定を一体防衛庁は持っておるのか。 私が聞いたところでは、西ドイツはアメリカとの間にちゃんと協定を結んでおりまして、十日以内に六個師団を西ドイツに送り込む、非常事態が起こった場合には、一朝有事の際には十日以内に六個師団を送り込むという協定があるそうでございますが、寡聞にして日本にはそういう協定はないようであります。アメリカとのちょっとした共同訓練をやってもすぐ騒ぐような日本の状況ですからしようがないかもしれませんけれども、具体的に現実的に考えたときに、さっき防衛局長が言われましたことだけでは盾にすぎない。アメリカが来援してくれる問題について防衛庁はどう考えておられるのか。 専守防衛論でも何でも、言葉の遊びならともかくとして、まあ不謹慎な言い方だったら申しわけないと思いますけれども、私はそういう精緻を詰めた言葉の解釈ではなくて、実際上日本の防衛を国民に責任を持つために、アメリカとの関係で抑止力となる防衛力をどう考えるのかという点について一つだけはっきり意見を聞かせていただきたい。
○政府委員(夏目晴雄君) 非常に大事な点を御答弁私忘れておりまして恐縮でございましたが、おっしゃるとおり日本の防衛のために必要なことはわが国みずからが適正な防衛力を持つことと同時に、その大前提として日米安保体制の有効な維持運営というものがあることはもう申すまでもないわけでございます。 そこで、これも国防の基本方針にも明らかなとおり、わが国の防衛、国防の基本として、日米安保体制を基調とするということはもう明らかで、それ以来わが国のいわゆる国是とも言うべき形で定着した形でありまして、そのアメリカの協力なくしてわが国の安全保障、防衛というものはあり得ないとさえ考えられる状況でございます。 そこで、いまおっしゃったような矛の部分についてはアメリカに期待せざるを得ないのではないかというのはおおむねそのとおりでございまして、私どもとしては専守防衛という立場に立つ以上、いわゆるやりの部分、すなわち攻勢的な分野というものはアメリカに依存せざるを得ないというのが現状でございます。 それでは、アメリカの来援なり支援というものが果たして実のあるものであるのかどうかという点が問題であろうかと思いますが、この点につきましてはかねてよりアメリカ側とはもう何回かこの点についての話を続けておりまして、アメリカも日本を守るということを公式非公式の場を通じまして再三言明していることはもうこれは御承知のとおりであろうと思います。具体的な作戦計画等につきましては、先般の日米ガイドラインの設定に基づきまして、いま私どもの方でアメリカ側と共同作戦計画といったものについての検討を進めておりまして、昨年おおむねのところの概成をまず一分野につきまして見たわけでございます。 もちろんこれは協定とかそういった形になってはおりませんけれども、日本に武力侵攻があった場合にアメリカとしてはどういうふうな来援をするか、どういう形で日本と共同して戦うかというようなことについての具体的な計画をいま研究をしている。この研究はもちろんいつまでに完全に終わるというものではございませんけれども、こうした研究を積み重ねることがよりアメリカの来援というものも確かにするゆえにもなると思いますし、私どもの防衛力の欠陥なり不備というものもはっきりしてくるという面からきわめて有効なものであるというふうに思っております。
○大坪健一郎君 時間が余りありませんので、この問題の最後にもう一つだけ申し上げておきますけれども、さっき申しましたように、ヨーロッパの諸国はアメリカとの間では相当詰めて、いざとなったらどのくらい助けてくれるのだという詰めた話をしております。で、いろいろな状況が想定されるとしても、極東有事の状況というのはやはり相当この広い太平洋地域全面にわたって関係国の緊張が高まるという状態でありましょうから、一体そういう状況の中で日本に対する来援がどの程度可能なのかということはやはり防衛庁としても相当責任を持って詰めておいてくれなければいかぬ問題ではないだろうか。 いろいろ仄聞するところによりますと西ドイツには六個師団を送るという約束ができているそうですけれども、たとえばイランの周辺で非常にシリアスな状態が生じまして、アメリカとソ連ならソ連の対立対抗関係が大変シビアになったという場合に、戦力配置をいろいろ見てみると日本の来援に割ける兵力は一個師団もないという話のようです。そういうことでは国民の前に責任を持って説明ができないのじゃないか。それからまた国民の前に責任を持って説明をしない習慣が日本にはあって、そういう無責任な防衛態度では私は防衛庁の予算がどうのこうのという非常に末梢的な議論に追い込まれてしまうのじゃないか。 実はなぜそういうことを言うかと言いますと、歯どめ論という議論がございます。これは第二番目の問題に移りますが、GNPの一%はどうしても必要な歯どめだという議論がございます。で、いままで日本は一国の国権を発動する場合の制約要因として憲法の中にはっきり戦争放棄の条項を書き込んでおります。それを受けて国会の従来の長い審議の過程で非核三原則でありますとかあるいは専守防衛といった防衛に対する基本的な考え方が出てきております。そういったものを基礎に踏まえて、さっき申しました盾と矛の論議を克服するためには、抑止力のある防衛力を持つためには基本的な防衛戦略というものをちゃんと立てなければいかぬじゃないかというお話をした。そうして、それに基づいて防衛計画を立て、それのブレークダウンとしての中業を明らかにするという、そういう段階でわれわれに説明してくれなければ国民にちゃんと説明ができないではないか、ましていわんやそういうことがない、そういう前提がなくて、ただ単に五六中業ということで予算がこういうことになりますので実は予算をこれだけ引き上げていただきたいというような話し合いだけでは、新聞や野党の方が言われるような歯どめ論がないじゃないかという議論に対して有効に反論ができないのじゃないか。 私は当然歯どめはあってしかるべきだ、しかしそれはすでにさっき申しましたように憲法とか非核三原則とか専守防衛論にあるわけです。それをまたその上にかまけてGNP一%などという非常に瑣末な、率直に申しますけれども、非常に技術的な、そして大変ある意味では本質的でない歯どめ論というのを大変な重荷として防衛庁はかむらなければいけないということは非常に遺憾なことじゃないだろうか。基本戦略がはっきりしていればGNPの一%とか何とかという議論はわが国の方からあえてする必要がない、外国がどう言おうとそんなことは外国の言うことであって、われわれとしては自分の国を守るためにはこれだけ最小限必要でございますというものをはっきり示せば、そしてその予算要求をすればそれで事足りるのではないか、どうしてGNP一%論議にそうかかずらわなくてはならないのかというのが率直な実は私の印象なんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(夏目晴雄君) わが国の防衛が憲法、専守防衛の原則である、あるいは非核三原則、そういったものの中で行うことは、これは申すまでもないことでございまして、私どもの現在持っておりますこの防衛計画の大綱というものも、そういった憲法の枠内においてわが国が持つべき防衛力、そしてその防衛力がいかに維持、運営されるべきかについての指針を示したものがこの大綱であろうというふうに理解しております。そして、この大綱に達するまでにまだ私どもの現在の防衛力というものは相当隔たりがあるという認識を持っておりまして、まず防衛計画の大綱で定められた水準をできるだけ早く達成したいというのが今回の五六中業の作成の骨子になっているわけでございます。 そこでもう一点、GNP一%云々についての歯どめというものはいかがかと、こういうふうな御議論でございますが、御承知のようにGNPに対する比率が一%云々というのは相当古い沿革的なものがございまして、昭和三十年代から国民所得の二%ぐらいが防衛費として適当ではないかというふうな議論を繰り返しながら昭和五十一年にああいった閣議決定がなされたわけでございます。その間、当時の防衛関係経費というものはGNPにおける比率が〇・九%ぐらいであった、まだ〇・一%の余裕があった。金額に直しますと当時の予算の相当規模で申すならば二千数百億円のすき間があった。せめて一%ぐらいにはしたいというふうな願望も一方にはありましたし、一方にはやはり国民世論のコンセンサスを得るためには一%ぐらいが適当ではないかというふうな御議論がありました結果、ああいった国防会議、閣議の決定になったわけでございます。 私どもとしては決まったそういった政策について当然守らなければなりませんし、また防衛力といえども他の財政経済のそのときの状況というものを踏まえながら、ほかの施策との調和というものを図りながら進めていくことが必要であるという認識で、現在そういう一%の閣議決定の枠内で防衛力整備を進めているという状況でございまして、いま私どもの考えとしては、あの閣議決定というものはやはり相当な重みを持ったものであるというふうに理解をしておるわけでございます。
○大坪健一郎君 この議論も実は時間がありませんので残りを留保いたしますが、私はこのGNP一%論というのは非常に問題のある歯どめ論ではないかと、そう思っております。 それから、三番目の問題でございます。これも時間がなくて問題提起に終わるかもしれませんが、あえて申し上げますと、一九八五年ごろに国際関係の緊張が物すごく高まるのではないかということをちまたの評論家などが盛んに言っておられるようでありますが、具体的に一朝有事の際どうしたら防衛力が十全に発揮できるのかという点について私ども見聞きしておる範囲では、有事に関するいろいろな諸手当がございません。 御承知のように西ドイツではシュプラーヘンゲゼッツと申しまして、引き出しに入れ込んだ法律がございます。これは一朝有事の際に、非常事態ということになったときに初めてかぎを開いて引き出しをあけて、そしてその法律を実施するという趣旨でありますけれども、相当いろいろな国民の皆さんの生活との兼ね合いの中で防衛力が発揮できるような諸手だてをもう準備しております。日本だけは法治国でありながらそういう手だてを準備いたしておりません。 防衛庁は責任を持って有事の際に日本防衛の任に当たるためには、こういう問題は不備でございます、こういうことは国会でぜひひとつ真剣にお取り上げいただきたいという発想のもとに、有事の解釈、それからいろいろな有事の形態がございましょう、そういったものも分類して、われわれとしてはこういうときにはこうしなければならないと思います、こういうときにはこうしたいのですということをもう少し率直に国会に言っていただきたい。そうしなければ国民次元の問題として一般に理解ができない。何か権力者が一部の権力の行使のためにだけ有事問題を考えておるような、そういう論議になってしまう。 私どもはそういうことは非常に私どものやっぱり努力の足らないところではないかと思うので、有事というものを前提にした場合に防衛庁は何をなすべきか。もう少し踏み込んで言うと全国のいろいろな市町村の議会で盛んに議決がされておりますスパイ防止法をつくれというふうな問題もあります。こういう問題を、これは一般的に余り受けのいい問題ではありませんからみんな言いたがりませんけれども、しかしこういう問題は私どもが本当に日本を防衛しようと思う場合には防衛庁がこの程度のことはどうしても考えてもらいたいという問題提起を思い切ってしたらどうなんでしょうかと思うのですけれども、長官どうですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 大臣がお答えになる前に一般的に申し上げておきますが、まず有事というのはどういう事態かというふうな御質問でございましたが、私ども有事というものについての明確な定義があるわけではございませんけれども、一応私どもがいろいろな仕事を進めます場合において、有事というものは自衛隊法第七十六条にいうところの防衛出動が下令された以後の段階を有事というふうに私ども通常言っております。 そうして、そういった有事になった際の自衛隊が円滑に行動し得るような態勢ができておるのかどうかというお尋ねでございますが、私どもの現在の自衛隊法の中にいわゆる有事についての規定もろもろのものがございまして、基本的な形としてある程度そろっておるとは思いますが、これで十分であると思っておりません。そこで先般来有事法制というものの研究を防衛庁の中において進めてまいってきたわけでございます。その骨子についての一部でございますけれども、昨年の四月に当安保特別委員会においても中間的な御報告をさしていただいたわけでございまして、そうした防衛出動が下令された時点において自衛隊が円滑に行動し得るためのいわゆる諸条件というものに関して必ずしも十分でない。 そういったものについてのうち、法制的な問題としていろいろ御検討いただかなければならないような問題点について中間的に報告していま御審議をいただいているわけでございますけれども、この問題は、いわば中間報告された中身は単に防衛庁所管の法令についてのみでございまして、実は自衛隊が実際に行動します場合に関連する法律というのは各省関連の法令を含めますと非常に膨大な数に上ります。そういった問題についても当然メスを加えなければならないというふうな立場から、現在その各省所管の法令についての解釈上の問題について各省に照会するとか、あるいはまたいまどこで所管すべきか明らかでないような民間防衛の問題、捕虜の取り扱い等に関しても当然検討しなければならないということで、いま防衛庁部内において鋭意検討を続けておる段階でございますということを御報告させていただきます。
○大坪健一郎君 いよいよ時間がなくなりましたので、最後に、これはお答えをいただく時間がないと思いますが、一朝有事のときに、まあ有事にならないときは私は構わないと思うのですけれども、いまの自衛隊の指揮統轄の形は統幕議長が統幕会議をまとめるという形式になっております。ところが統幕議長は裁定権と申しますか、こうすべきだということを決める力がどうもないようであります。だから日本の場合は陸幕、空幕、海幕がそれぞれ自分の部隊編成、部隊配置を動かしておる。そのことは、ちょうど各省が縦割りで動いておってなかなか調整ができないのと同じような感じであります。これはさっきの有事の問題との兼ね合いで、まじめに日本の防衛を考えた場合に、これでいいのだろうかという感じが私はいたしております。 事が多少専門的に及びますのでお答えは要りませんけれども、統幕議長の権限の問題というものは、先進諸国では国防大臣のもとに行政的な補佐機構とそれから部隊配置の補佐機構とは二本立てになっておるはずです。日本の場合はどうもそうなっていないような感じがいたしますけれども、その辺も含めてひとつ実際わが国の一億一千万の命と財産を守ってくれる、そういうことが確実に可能な抑止力となるべき防衛力の配備をお持ちになる自衛隊として、ひとつ今後もやっていただきたいということを長官に特にお願いをいたしておきます。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 御指摘の点につきましては大変有意義な御指摘でもございますので、今後とも検討させていただきたいと思っております。
○堀江正夫君 冒頭に伊藤防衛庁長官から五六中業についての御説明をいただきましたが、今回五六中業で平時必要最小限の防衛力であります計画大綱水準の能力の達成を図られる、そして相当程度の能力の向上が見られるのはそのとおりでありますが、これで整備をされる防衛力が完全に実戦力化するのは昭和六十二年の後さらに数年かかる。一九八〇年代の終わりである。しかもその正面兵力さえも完全には達成できるようにはなっておらないことは御報告のとおりであります。 率直に言いまして、私はこれでは時期的にも能力的にもいわゆる一九八〇年代の危機に対応して日本の平和と安全を確保することはほとんど不可能じゃないか、したがって、大坪議員からも御意見がありましたが、いまに及んでなお一%の枠論のごときは論外じゃないかと、このように思っておる一人であります。しかし防衛庁を中心にいろいろと苦心の末につくられ、せっかく国防会議でも了承を受けられた計画であります。それはそれなりに十分に評価しなければならない、このように思っております。 そこで、本日はこの五六中業の後方能力の問題にしぼってまず二点についてお伺いをしてみたいと思います。と申しますのは、過去の一次防から四次防、これは正面に偏って大きく後方を欠いた、後方を欠いた真の戦力はあり得ないという反省に立って、計画大綱では正面に見合った後方能力の整備が最重点の一つとなったはずであります。しかし五六中業では予算枠の関係からまた過去の轍を踏むことになるのではないかと大いに心配をしておるからであります。そこで即応能力の向上の問題と抗堪性、継戦能力の問題この二つについて具体的にお聞きをしてみたい、このように思うわけであります。 まず即応能力の向上でありますが、現情勢下即応態勢の強化は、先ほどもお話がありましたが、抑止の面においてもあるいは対処の観点からも最優先の課題であろう、このように思っております。したがって、この点について四点についてまとめてお聞きしますから、後から一括をして御返事、御回答いただきたいと思います。 その第一は、陸海空の練度の問題であります。これは本期間を通じて一層強化する必要があるのじゃないか。現状ではなお不十分である。しかしそれは可能なのかどうか、あるいは本当に強化をするための基本的な考え方を持っておられるのかどうかということでございます。もちろん練度は金があればすなわち強化されるという性質のものではないわけでありますけれども、といってやはり弾薬、訓練資材、燃料、修理費、演習参加費等の金額の多寡というものは決定的な要素になる。この訓練に対する基本的な考え方をまず第一にお聞きするわけであります。 二番目は、陸の充足率が八六・三%である。乙類の装備品の充足が六七%という現状では即応という面からはもとよりでありますけれども、実戦的なまともな訓練、これさえもできない。私は少なくとも現情勢下においては北海道は一〇〇%にする、その他の地域においても、より実戦的な訓練ができるように充足をする、この必要があるのじゃないか。このことは単に陸だけの問題というよりも、全般防衛体制上、現状下においては最大の弱点を露呈しておる、決してゆるがせにはできない、こう思いますがいかがでありますか。 三番目は、海の機魚雷の実装化、それから実装調整場、完成弾庫、機雷敷設能力等の向上を目指しておられますが、本期間中にどの程度向上するのか。 四番目は、陸海空の予備自衛官、空はまだ予備自衛官制度確立されておりませんが、本期間を通じてどの程度これが整備されるのか。 この四点についてお伺いをいたします。
○政府委員(夏目晴雄君) まず即応態勢の観点からの数々の御指摘のうち訓練の状況、教育訓練の充実強化についてどういう手当てがなされているか、こういう御質問だと思います。 私ども当然のことながら防衛力を有効なものにするためには平素から周到な訓練が必要でございますし、きわめて練度の高い部隊が存在することが大事なことであるという認識を持っております。今回の中期業務見積もりにおきましても、こういった観点から教育訓練に対する手当てというものを私ども精いっぱいしているわけでございます。 具体的に言うなれば中等練習機その他数々の練習機を含めた教材、この中には各種装備品のシミュレーター等も含まれておりますし、さらには航空自衛隊のいわゆる戦技訓練評価装置、いわゆるACMIと称せられるような施設、さらには海上自衛隊の方で使いますところの水中目標追跡装置といったような、従来なかったような設備の強化ということも含めておりますし、さらには備蓄用の弾薬にとどまらず、教育訓練に支障のないような弾薬の整備、さらには教育訓練に必要な燃料の確保ということについても十分意を尽くして計画をつくったつもりでございます。 部隊の練度を向上させるためには、このほか演習場の整備であるとか、硫黄島のいわゆる訓練基地としての充実というものも含まれておりますが、こういった点すべてをごらんいただけると、私どものこの五六中業も相当教育訓練に意を尽くしているということがおわかりいただけるだろうというふうに思います。 それから、第二の充足率あるいは乙類の問題でございますが、現在陸上自衛隊の充足率というのは八六・三三%ということになっておりますが、今回のこの五六中業において具体的に陸上自衛隊の充足率を何%まで上げるかということについて明らかにしておりませんけれども、充足率を一般的に向上することを期待しており、そういったものについても配慮しているということでございます。ただ具体的な数字については、これまた年々の予算において決定すべきであるというふうなことだと思います。 乙類の装備品につきましても同様部隊の能力発揮にとってきわめて重要でありますが、今回の五六中業におきましては、たとえばそのうちの一部、車両であるとか通信機材というものの一部については、いざというときに一般民需品を調達すれば間に合うのではないかというふうなものについては充足を見送っておりますけれども、それ以外のふだんの隊務の運営に必要なもの、あるいは教育訓練に必要なものについては十分積み上げて計算をしているということを申し上げられようかと思います。 それから三番目は、魚雷の実装化、あるいは弾庫の整備、さらには機雷敷設能力についての御指摘だと思います。 海上自衛隊における即応性を向上させるために、今回の五六中業におきましては、従来ともでございますけれども、機雷魚雷の実装化というものを一段と進めたい、そしてそのための調整施設の整備ということを考えております。現在艦艇基地五カ所、航空基地三カ所の中で、いわゆる実装魚雷機雷の調整が可能なのは航空基地一カ所でございますけれども、この点についても実装の調整場を整備することを考えております。 さらに、機雷の敷設能力につきましては特段艦艇等についての整備というものはこの五六中業期間中は考えておりませんけれども、たとえば航空機による機雷敷設能力については、従来アメリカが行っておりますような研究というものに注目しながらそういったものの勉強を進めてまいりたいということでございます。 それから最後に、予備自衛官の点でございますが、予備自衛官については現在四万三千六百人の予備自衛官を持っておるわけでございますけれども、この五六中業期間中に陸上自衛隊一万人、海上自衛隊千八百人、それから航空自衛隊については新たにこういった制度を設けまして二千三百人というものを員数化することを期待しておりまして、期末には陸海空合わせて五万七千七百人の予備自衛官を保有するというふうな計画にしております。 以上でございます。
○堀江正夫君 後方能力の問題で、やっぱり大事な問題は抗堪性と継戦能力の問題でございますが、この点についてもいろいろとこの五六中業の中で強化向上を目指しておられる、これはよく承知しておりますが、具体的に以下五点についてひとつ御説明いただきたい。 その第一は、レーダーサイトと海空基地の対空能力、これがどの程度整備されるか。 それから移動式のレーダー、これはどの程度隊がふえるか。 航空機用のシェルター、飛行場の修復マット、これは海空別にどの程度整備をしていけるのか。 五番目が、陸海空を通じてミサイル弾薬類の備蓄量、これは大変少ないというふうに一般的に言われております。それぞれ具体的な数字はもちろん私お聞きする気もございませんが、大体総括的にはどの程度ふやすことができるのか、ふやすつもりか。 この五つをお聞きいたします。
○政府委員(夏目晴雄君) まず、レーダーサイトその他の基地におきますところの対空能力についてでございますが、これは五六中業の前、現在からすでに努力を傾注しているわけでございますけれども、この五六中業期間中に整備を考えております基地防空火器の整備の状況を申し上げますと、まず航空自衛隊につきましては短距離ミサイル、いわゆる短SAMと称せられるものが二十七セット、それから携帯式のSAMが一二百七十二基、対空機関砲が百三十門、以上が航空自衛隊でございまして、このほかに海上自衛隊で携帯式のSAMを八十八基装備することを考えております。 それからさらに移動式のレーダーの整備数でございますが、現在三隊持っておりますし、五十七年度の完成時にはそれが五隊にふえるわけですが、さらに五六中業期間中に七隊の整備をしまして、トータル十二隊の整備を行いたいというふうに考えております。これが移動式レーダーの整備数でございます。 それから、三番目が航空機用のシェルターの整備数でございますが、私どもとしては北部から順次中部以北の主要な航空基地についてこういったシェルターを設置したい、もちろんこれについては用地取得等いろいろ困難性があろうかと思いますが、現在私どもが考えておる整備数は期間中六十九基、大体これで五基地に及ぶのではないかというふうに考えております。もちろんこれで十分であるとは認識しておりません。今後とも引き続き努力をすべき分野であろうというふうに思っております。 それからさらには、飛行場の復旧マットの整備数でございますが、まず海上自衛隊では十一セット、航空自衛隊では六十八セット、合わせて七十九セットの整備を予定しております。 最後に、弾薬の備蓄の話でございますが、訓練用弾薬については五十三年ごろから逐次現在の備蓄数をふやすということに意を尽くしまして整備を進めておるところでございますが、この五六中業においても当然のことながら継戦能力の向上というものは重要なねらいでございます。そういった意味合いから相当力を入れた整備を考えております。 具体的にどの程度の備蓄を考えているかということについては詳細申し上げるわけにいきませんけれども、簡単に数字を申し上げますと、陸上自衛隊のトン数にして言うならば数十%以上のものを予定しておりますし、海空についても、これはミサイルが中心になりますけれども物によっては二倍というふうなものもあるわけでございます。そういう意味合いから、従来に比して一段と弾薬の備蓄について力を入れているということがおわかりいただけようかというふうに思います。
○堀江正夫君 いろいろと強化向上に努力をしておられるのはいまの御説明でわかったわけでありますが、相手の能力や日本の地勢的な環境、さらに米国の支援体制、こういう点から考えますと私は抗堪性、継戦能力の問題、決していまの程度で満足できるはずはない、結局やはり予算の枠の関係からその程度になったのだろうと、こう思うわけであります。したがいまして、この点については今後ももっともっと推進できるようにこの期間を通じて御検討、推進を図っていく必要があるのじゃないか、こう思っておりますので、言い添えさしていただきました。 第二番目に、五十八年度のシーリングの問題についてお聞きしようと思っておりましたが、時間がもう余りありません。最後にフォークランドの教訓についてもお聞きしたいわけでありますので、五十八年度のシーリングの問題につきましては二、三の点についてだけお聞きしておきたいと思います。 七・三四六%、千九百億円のアップ、これは結局人糧費、歳出化費の当然増でもって全部消えてしまう。したがって、そうなると五十七年度の予算の総額の中に五十八年度のあらゆる事業を組み込まなければならないこととなる。したがって本当に五六中業の第一年度にふさわしいような正面装備の調達が可能なのかどうか。訓練については先ほどもお話がありましたが、下手をすると水準が下がるおそれさえも生ずるのじゃないか。即応態勢や抗堪性、継戦能力、こういったような向上は本当にどうなるのだろうか。一応五六中業できたけれども、この第一年度から向上どころかスローダウンする可能性さえもあるということを私は大変心配をしております。 いろいろと苦心をしておられるところだと思いますが、これらについてどういう果たして見通しを持っておられるのだろうか。またそういういま言いましたようなことをやはりある程度やろうということになりますと、いろいろな苦心をしておられると思いますが、結局は施設整備費に大きなしわ寄せが来るのじゃないか、そうすると隊員の生活環境、こういう面でやはり大きな問題が出るおそれがある。さらに全般環境からしますと駐留米軍に関連する施策、これは当然来年は相当前進をさせなければならない面があるのではないか、こう思いますが、そういうことも可能なんだろうか、こういうようなことを私は心ひそかに心配をしておるわけですが、この点について総括的に簡単にひとつお考えを承らせていただきたいと思います。
○政府委員(矢崎新二君) ただいまの御指摘の五十八年度予算の今後の見通しでございますが、シーリングが五十七年度に対しまして千九百億円の増ということで決まったわけでございます。確かに御指摘がございましたように人件糧食費の増加であるとか、歳出化の増という要因が相当多額に上っておる関係で、そのシーリング増加枠千九百億円というものが大半そういうものに食われてしまう、しからばその他の施策についての枠というものが一体どういうことになるであろうかという問題かと思います。この点は私どもこの厳しい財政状況の中で、特にこの千九百億円という相対的に見ればかなり多額の増ということで認められた経緯も十分に勘案いたしまして、経費の効率的な執行というようなことも十分考えまして、この枠の中で創意工夫をしていかなければならない、こう思っておるわけでございます。 具体的に若干申し上げますと、五十七年度予算の中のいわゆる人糧と歳出化を除きましたその他の経費の金額というものが約七千億円という総額を持っておるわけでございます。したがいましてそういった七千億の枠というものを前提といたしまして、それにどういった調整が加えられるかということを今後検討するわけでございまして、重点的な財源の配分というものを考えながらプライオリティーを考えまして、効率的な防衛力整備の推進に支障のないような配慮をしていきたい、こう思っておるわけでございます。 具体的な点はまだ申し上げられる段階になっておりませんが、御指摘のございました装備品の取得であるとか、あるいは部隊の維持運営、それからさらには施設庁関係の諸施策といったようなものも含めまして、総合的に十分優先順位を勘案いたしまして誤りなきを期していきたい、こう考えておる次第でございます。
○堀江正夫君 それじゃ、時間ありませんから、最後予定しましたフォークランドの教訓の問題についてお聞きしたいと思います。 このフォークランドの事件を通じて、政治の責任のあり方であるとか、政治と軍事の担当分野であるとか、国家及び軍の危機管理体制であるとか、さらに軍事技術、運用面、いろいろな教訓が言われておるわけであります。防衛庁も当然できるだけ情報を収集し、まだ断片的ではありましょうが、いろいろな教訓を得ておられるのじゃないかと思います。 そこでまず第一は、これらの教訓からすでに具体的に改善に着手し、あるいは今後早急に改善しようとしておるものがあるのかないのか、あればそれはどのようなものか、それをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) 今般のフォークランド紛争に関しては、いわばいままで使われなかったような近代兵器が駆使されたという意味合いにおいて、純粋に軍事的な立場から見ても相当私どもの教訓とすべき事柄が多いのではないかというふうに思いますが、現在まだ確たる情報を私ども十分把握しているという状況でもございませんので、オフィシャルな場でもってどうこうということを申し上げるまだ時期ではないような気がいたします。この点につきましては、イギリスの国防大臣ですらこの問題の分析評価にはまだ数カ月かかるであろうというふうなことを申しておることからも言えるのではないかというふうに思います。 しかし、いずれにしましても今回の紛争におきまして各種のミサイルがきわめて有効であった、あるいは水上艦艇の対空能力というものはきわめて重要であるということ、さらには艦艇の構造物、すなわちこの間アルゼンチンのエグゾセミサイルによって沈められたシェフィールドの上部構造物といいますか、一部においてアルミが使われておった、このアルミは鋼鉄に比してきわめて融点が低いということから火災に対して脆弱であったというふうなことが現在言われておるわけでございます。この点についての詳細な資料も私どもまだ持ち合わせているわけではございませんが、従来アルミを使っていたような構造物を一部スチール化にまたする必要があるのではないかというふうなことは私ども現在この五六中業において整備すべき艦艇にも適用されるべき事柄であろうというふうに認識しております。
○堀江正夫君 いまお話ありましたように、英国でもこの全般的な教訓をまとめるのは年末近くまでかかるのじゃないかというようなことを私も聞いておるわけであります。また同盟関係にもない日本がイギリスなりあるいはアルゼンチンから有効な教訓を直接受けるのはむずかしいかもしれない、こう思っております。しかしきわめて貴重な近代戦の教訓がわれわれの眼前に展開をされたわけでありまして、これからいろいろな点を積極的に学ぶという努力は、心ある者、責任ある者すべてが積極的にやらなければならぬことであろう、私はそう思うわけであります。御承知の与野党有志によってつくっております日米欧の安保議員懇談会でも、この国会の閉会後、調査研究のために訪欧団を派遣しようという計画も持っておるわけであります。 そこで、防衛庁でも私はこの際調査団の派遣を含む総合的な組織的な調査研究により積極的に取り組むべきじゃないか、これが基本的な防衛庁の姿勢であるべきじゃないか、もちろん個々の検討、情報収集はやっておられると思いますが、もっと総括的な本格的な体制のもとにやられる必要があるのじゃないか、こう思うわけでありますが、これについての見解をお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 堀江先生御指摘のように、また防衛局長からもお答え申し上げましたとおり、今回のフォークランド紛争においてわれわれが学ぶべき点、また注目すべき点、多々あるように思われますし、したがって当庁としてもただいまできる限りの勉強をいたしまして、内局あるいは各幕等が協力をいたしまして関連関係情報の入手あるいはまた分析等に鋭意努めているところでございますけれども、ただいま防衛局長からもお話しのとおり、イギリスにおいても現在部内において研究を進めているような段階でもあるというようなことでもございますので、目下のところ調査団の派遣というものは考えておりませんけれども、御指摘の点につきましては防衛庁としてもぜひ意欲的に取り組むべき課題であると考えておるところでございます。
○大木正吾君 最初に、きょうは説明もございましたこの中期見積もりにつきまして防衛庁長官が出されましたこれ「発言要旨」で、四月二十八日でございますけれども、「五三中業とは異なり、」五六中業は「国防会議の議題とする方針である」云々の書類がございますが、特に五三中業と違って五六中業を国防会議の議に付した背景なり理由は何か特段ございますか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 五六中業を国防会議に付議することといたしましたのは、近年の厳しい国際情勢等を背景として、またわが国の防衛力整備に対する内外の関心がきわめて強くなってきているところから、たとえ本質的に防衛庁の部内資料であるにいたしましても、シビリアンコントロールの観点から国防に関する重要事項について審議をする機関でございます国防会議にこれを何らかの形で付議をしておくことが適当であると考えたものでございます。
○大木正吾君 普通の場合でしたらこの委員会等にその際の議事録あるいは資料、そういったものが出されてしかるべきと、こう考えるのですが、特に気になりますことは、たとえば中業を、結局物を買えば、武器を買えばいいというだけじゃありませんから、内外の情勢に絡みます特に統合中期防衛見積り、こういったものについての資料、そういったもの等が出されて初めて国会では議論ができるわけでございますから、そういったものをこの委員会なり私たちに配付していただく用意があるかどうか。 たしか塩田さんが前の防衛局長のときに、私聞いたときに出しますという答えをしたように記憶しているのですが、塩田さんきょうおいでですからあわせて伺っておきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(塩田章君) いまの中期防衛見積りの資料を当委員会に提出するようにという御質問があって私は提出いたしますという旨をお答えしたという御指摘でございましたが、そういう記憶はございませんし、中期防衛見積りにつきましては従来から公表は差し控えさせていただいております。
○大木正吾君 私委員会の記録をとって実は持っているのですが、後で詳しくしゃべった部分速記になっていますからお見せしまして、理解が違うかもしれませんけれどもちょっと見てもらいます。まあ後にいたします。 問題はそういったことはあれですが、新聞に発表されました国防会議の中の大臣の発言が、新聞の名前忘れましたけれども意見が対立する部分が大分あったように報道されているわけでございますが、その内容について大ざっぱにでも説明していただけませんか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 国防会議の議事録といいますか、そういうものを公表は差し控えさせていただくのが慣例でございますけれども、若干の御意見があったという御指摘でございますが、その中でまず大蔵大臣から私も先ほど述べましたようにこれはあくまでも防衛庁の部内資料であって財政当局を拘束するものではないというような、審議の中でもございましたけれども、改めてそういうような御発言等がございました。
○大木正吾君 まあ新聞の記事ですから余りここでもって詰めても仕方ございませんが、単に渡辺さんだけじゃなかったと思いますね。農水大臣その他からも若干慎重な意見があったような、私ちょっと新聞でこれは拝見しているわけですから正確な記録じゃありませんが。 そこで、大蔵当局からもおいでいただいているはずでございますけれども、これは渡辺さんなり防衛庁長官なりその他の閣僚等国防会議の中の意見の対立は主として財政問題じゃなかったかと思うのですが、どういうところが意見としては食い違ったり、あるいは対立したり調整したりした問題点でしょうか。
○政府委員(窪田弘君) 中業そのものは防衛庁の内部資料でございますが、国防会議に付議されるという、ふうなこともございまして、私ども財政的な側面からの意見を求められたわけでございます。 私どもといたしましては、この中業がそういう性格のものであるということを基本といたしまして、しかし極力財政負担の軽減を図るべくいろいろ意見を申し上げたところでございます。いまおっしゃったように意見が対立したとか何とかというわけじゃございませんで、防衛庁がこの案をおまとめになる過程におきましていろいろ意見を求められた、こういうことでございます。
○大木正吾君 いずれそういったことは予算なりあるいは予算委員会等でさらにまたはっきりしていくでしょうから、きょうの答弁としてはその程度しか言えないでしょうからあえて追及いたしませんが、大臣にこれ伺いたいのですが、実際問題として予算委員会とかあるいは関係の委員会等に対しまして、さっきおっしゃったのですが、要するに中業の下敷きになった外交関係の分析なりあるいは防衛力の最近の状況判断、そういったものについて国会の場に絶対に将来とも出せないということですかどうですか。もう一遍聞きたいのですが。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) そのものとして公表というものは、結論から申し上げますけれども、事柄の性質上、公表という形で申し上げることはできないわけでございますけれども、こういう御審議の間に、われわれの考え方を御質問、御審議等の間でお答えできる範囲でお答えをするという姿勢で臨んでおりますことを御理解を賜りたいと思います。
○大木正吾君 結局、だから私たちがそれはうまくプロジェクトでもつくって、防衛庁からまたスパイ容疑にかけられるかもしれませんけれども、資料を手に入れますれば、相当のお互いに議論がある程度は違うところあるいは調整できるところで議論ができるのだけれども、いま長官のおっしゃったような立場でもっておっしゃられますと、私たちは何もあなた方がつくったものだけで、言えばその根拠になるものとか、国際情勢の緊迫度の問題とか、あるいはヨーロッパとアジアの違いの問題とかいろいろなことありますが、そういった要するに中業の下敷きになったものが全然共通認識の持てない中でもって審議しろということ自身が無理ですわね、一つは。 二つ目の問題ですけれども、これはシビリアンコントロールですね。これは最終的にはどこがやりどこが権限を持っているのですか。この二つについて、長官もう一遍聞かせてくれませんか。
○政府委員(夏目晴雄君) この五六中業というものは、先ほどお答え申し上げたとおり、防衛庁部内の概算要求等に資するための参考資料であるということは申し上げたとおりでございますが、今回国防会議に付議し、具体的に申し上げれば国防会議に報告し了承を得たということでございますが、この中業そのものの性格というものを変えたわけではございません。あくまでも防衛庁が作成し防衛庁の概算要求の参考に資するための資料であるということでございますので、当然のことながらこの中身についてのいろいろな責任というか、これについての最終的な決定をしていただいたのは防衛庁長官であろうというふうに思っております。
○大木正吾君 長官の答えないわけですけれども、防衛計画の大綱がございまして、それに対して五三中業、五六、だんだん詰めていくわけでございますが、しかし、いずれにしましてもそういったことについては意見の中にはいろいろあるでしょう。たとえば大綱をつくったときの状況とは大分違っているとか。 私は別に自分の質問に対して抗弁的なものをいただきたいというために言っているわけじゃないので、そういったことを含めての話なんでございまして、たとえば経理局長おいでになっているようですけれども、毎年度の予算に単年度分としまして出しました三年五年の中期計画の一部を予算としてどうしましたということを国会で議論しまして、あとその流れがどうなっているかとか、あるいはあなた、言えば翌年度回しのツケは残っているものがたくさん出てきているわけですから、そういったことと関連なく議論はできないわけでしょう。 私はどうしてもこの問題については委員長お取り計らいをお願いいたしたいのですが、資料というものをぜひ、いま直ちにとは申し上げませんが、適当な機会にこれは出してもらいたい。もちろんこれは秘密の問題等がございますれば、これは秘密の扱いといたしまして、理事会でもって議論さしてもらったらいいだろう、こう考えますが、ただずっときょうの説明とか、この前ちょうだいいたしたこの大ざっぱな兵器の数とか、こういったものでは実は審議のしようがないというわけで、結果的には新聞とかその他あちこちの切り張りをしながら一生懸命集めて質問しているわけですから、何と日本の国会議員とはなめられたものだという感じがするのですが、ぜひこれは支障ない範囲でもって資料を出すことを理事会等でもって委員長さんの方でお計らいいただきましてお出し願いたい、こういうことをまず冒頭お願い申し上げておきます。
○委員長(加藤武徳君) ただいまの資料の要求につきましては、防衛庁ともよく話をいたしてみますのと、また理事会でも御相談をいたしたい、こういうぐあいに思います。
○大木正吾君 じゃ、ちょっとこの原文の中の気になる個別のことを二つ三つ伺っておきますが、一つは「整備方針」ですね。各論ですけれども、2にあります考慮事項の四点というのがございますが、これはたとえば「隊員の充足」云々から入りまして教育訓練、装備品の量的な質的な充足ですね。「期間中に質的に満足する装備品等を選定し、」云々、これ四点ございますが、これについて大ざっぱで結構ですから、どういうことを内容的に言わんとしているのか。その上の大きな見出しが「厳しい財政事情、財政負担の平準化の必要性」云々とございまして、この辺のことが実は具体的には数字の問題にいずれこれは関連していくと考えていますので、このことの四点について大ざっぱで結構ですから説明してくれませんか。
○政府委員(夏目晴雄君) 今回の五六中業が昭和五十一年に作成された防衛計画の大綱の水準を達成することを基本として作成されたことはるる申し上げたとおりでございます。そうしてまた、そうした方針に基づいてでき上がったこの五六中業というものは、おおむね大綱水準の域に達した、いわば一口にアバウトな言い方を申し上げれば概成の域にあるのじゃないかというふうに思っております。しかしながら、しさいに中身を見てみますと、必ずしもそうでない分野があるわけでございます。その幾つかの分野についてはいろいろその状況なり理由というものがあるわけでございまして、その点を敷衍したのがいま先生御指摘のこの一項から四項までの文章であるというふうに思っております。 まず第一の、厳しい財政事情の中で要員確保あるいは施設取得云々というふうなことが書いてありますが、この具体的な中身を砕いて言ったのが1から4でございまして、この1の充足の問題につきましては、自衛隊の即応性を高めるという意味からできるだけ充足が高いことが望ましいということは言うまでもないわけでございます。私どもとしては、特にこの北方部隊の第一線の充足については極力これを高充足にしたいというふうに考えておりますが、それ以外の部隊についても、たとえば一〇〇%を望むというふうなことは現在の財政事情あるいは要員確保の面から見て果たして適策であるのかどうかというふうな問題がございますので、そういった意味合いにおいて一部充足を高めるということを言いながらも全般的に一〇〇%そういうことをしていないということを申し上げたつもりでございます。 それから、装備品につきましても先ほど来御指摘がありましたように、たとえば車両であるとか無線機であるとかいった問題につきましては緊急時に急速に取得ができるのではないかというふうなことを考えまして、平時における保有量としては警戒態勢の維持あるいは教育訓練に支障のない限度でがまんをするというふうな形にしておるわけでございます。 それから、2の「装備品等の耐用命数、期間中の減耗状況、防衛生産・技術基盤の安定的」云々と、こういう書き方をしてございますのは、たとえば海上自衛隊の固定翼対潜機について申し上げますと、この五六中業対象期間中の減耗機数は約六十機というふうに見込まれておるわけでございます。こういうふうに更新すべき機数が非常に多いという、しかもこの五六中業の期間が終わりますとその減耗ががたっと減るというようなことが一方にあるわけでございまして、私どもとしては固定翼対潜機の現体制の維持もしくは生産ラインの適正な維持ということに配慮をして、必ずしも大綱水準に達成しない分野が生ずるのもやむを得ないというふうな形で整理をしてあるわけでございます。 同じようなことが潜水艦についても言えようかと思います。期間中六隻の潜水艦をつくるわけですけれども、五六中業期間中が終わりますと潜水艦の用途廃止の生じない時期がございます。言いかえますと、五六中業期間が終わりますと大綱水準の十六隻に達するということが可能になりますので、五六中業期間中は一隻欠の十五隻という形でがまんをしているというふうなことが申し上げられようかと思います。 それから、3につきましては、たとえば「質的に満足する装備品を選定し、」云々というふうに書いてありますが、この一番端的な例は航空自衛隊の偵察機でございまして、この偵察機につきましては、私どもかねがね一個飛行隊、約三十機の偵察機は保有したいというふうに考えておったわけでございます。一方、現在すなわち五七予算の完成時における偵察機の勢力というのはRF4Eという偵察機を十四機保有することになっております。この辺の差額を埋めることが望ましいということは従来からの考えでございますけれども、現在偵察機として私どもが所望するような機種が見当たらないというふうなことから、この充足を見合わしているというふうな意味合いのことを含めたつもりでございます。 それから、四番目につきましては「用地の取得」云々ということが書いてございますけれども、たとえばシェルターの問題がございます。シェルターについて言えば当該基地における航空機の全機数をシェルターに収容することが最も望ましいわけですが、現在私どもが使用しております飛行場において必ずしもそういったシェルターをつくるにふさわしいといいますか必要な余席を抱えている状況でございません。新たな用地取得が必要になりますが、この点についても現実的にある程度の用地取得というものは考えながらも、そうべらぼうに何から何まで新規取得というものを考えることは現実的でないのではないかというふうなことを考えながら、シェルターの数もあるいは弾薬庫の数もそういった意味合いからある程度の制約をせざるを得なかったというふうなことがここに書いてある趣旨でございまして、こういった一部の例外を除いて大綱の水準を達成しているのではないかというふうに申し上げたつもりでございます。
○大木正吾君 いまのことに関連して簡潔に伺いますけれども、これは要するに正面装備とそれから後方装備の双方を含んだと考えてよろしゅうございますか。両方含んでいますね。 それじゃ、その次の問題で伺いますが、これは硫黄島のことなんですが、結果的には、これ硫黄島に関する個別のことが出ているわけでございますけれども、言えば演習から常駐、そしてレーダー設備とか、言えば演習用、訓練用と言いながらも、実際には飛行場ですから、もし何かがあったときにすぐに実戦に使えるわけですね。そういった意味合いで相当これ言えばりっぱなレーダー設備を置いた防空基地化ということを考えておられるかどうか。その点はどうですか。
○政府委員(夏目晴雄君) ただいまの御質問にお答えいたす前に、先ほど私の答弁の中でファントム偵察機の保有が十四機というふうに申し上げましたが、現在十四機ということでございまして、五七予算の完成時は十三機ということになるという間違いでございますので御訂正いただきたいと思います。 そこで、硫黄島の整備につきましては、現在自衛隊機、特に航空自衛隊の戦闘機を含めまして訓練環境が非常に厳しいということから十分な訓練ができないことは御承知のとおりであろうかと思います。そういったことを緩和するための一つの手段といたしまして現在硫黄島に訓練基地としての整備を進めているわけでございます。 具体的には現在P2Jの夜間飛行訓練であるとか対潜訓練、さらには航空自衛隊の戦闘機ファントムの夜間飛行訓練あるいは低高度要撃訓練といったものをこの基地を使って実施をしたいというふうに考えているわけでございます。それ以上のこととして現在私ども硫黄島の整備を考えておるものではありません。
○大木正吾君 いまの硫黄島の問題についてはこれは理解の問題ですから、大体飛行場というのは練習でありましても実戦でもそう違いはないわけで、まあいいですが。 その次にもう一つ、これは各論でちょっと伺っておきますが、「共通事項」と七ぺージにございますが、この中の「ア」と「イ」ですが、これはこういうふうなことで理解してよろしゅうございますか。要するに装備ですが、「共通事項」の「ア」ですけれども、どの程度の、いわゆる継続能力をあらわす日数ですが、たとえば三月というふうに考えているのか、あるいは半年か俗に言う一カ月か。その辺のどれに当たるかちょっと教えていただきたいことが一つ。 その次の「イ」の項でございますけれども、これについて「機雷・魚雷の実装化」という言葉の関連ですが、C130やC1による機雷等についても検討する用意があるのでしょうかないのでしょうか。その二つ説明してください。
○政府委員(夏目晴雄君) 継戦能力の強化ということの一貫といたしまして、弾薬の備蓄について相当な意を注いでいるということについては先ほど来申し上げたとおりでございますが、それでは一体どの程度の弾薬の備蓄を考えておるのか、ただいま何カ月かあるいは半年か一年かとこういうふうな話がありましたが、私どもがいま考えておるのは何カ月か何年かということではなくて、もう少し小さい程度の日数でいいから保有したい。具体的に何日ということを申し上げるのははばかるわけですが、現在の自衛隊の持っている弾薬の定数というのはきわめて些少なものである、少しでもいわゆる戦闘消費に必要な日数に応じた備蓄が欲しいということでございまして、これも二カ月、三カ月をいまこの五六中業で考えているというものでは毛頭ありません。 それから、機雷敷設能力につきましても、これは現在航空自衛隊が130という飛行機を取得しようとしているわけでございます。一方アメリカにおいてはC132キャメルという機雷敷設の機材をつけることについていろいろ勉強しているということを聞いております。私どももいま具体的にどうこうするということではございませんが、こうしたアメリカの研究なり検討の方針というものに関心を持ちつつ注目をしているというのが現在の状況でございます。
○大木正吾君 機密に関することがありましょうから余り聞きたくありませんが、ただ一般の新聞なりあるいは雑誌等で拝見いたしますと、こういう用語がありますね。一週間程度守っていればアメリカが助けに来るのだという話が巷間にはあるわけですわね。ですからそういった物の尺度の関係ではそれを上回ってもっと持ちたいということはこれは間違いないわけでしょう。
○政府委員(夏目晴雄君) 直接のお答えにならないかもしれませんが、現在たとえば陸上自衛隊で保有している弾薬が数万トン、三万トンから十万トンの間というふうなことがよく言われておりますが、たとえば別な例で申し上げますと、アメリカ軍が沖縄で初日で四万七千トンの弾薬を使ったというようなこと、ソ連がベルリン攻撃の際の初日に十万トン近い弾薬を使ったというふうなことから見ると、私どもは現在持っておる弾薬というのはきわめて些少なものである、長期間戦争に耐えるようなものにはなっていないということを御理解いただけると思います。
○大木正吾君 その辺のことはまたこの次にいたしますが、時間の関係もございますから次にGNP関係のことについて入らしていただきますが、これは中業見積もりということでございますから非常に質問の仕方もむずかしいし答えもあいまいにされてしまう心配もあるのですけれども、一応きょう長官の方から出た最後の部分に大きな数字が一応出てきておりますから、そういったことを参考にしながら伺ってまいりますが、結果的には四兆四千億円あるいは四兆六千億円という形の正面装備、こういう数字はこれは大ざっぱな数字でしょうけれども、一応算出された数字であることは間違いないわけですね。 これは五十七年度との関係なり五十六年度の関係等で調べていきますと正面装備が非常にウエートが高まっておりまして、さっきちょっと御質問しました個別の中にもありましたけれども、言えば人件費や糧食関係が相当ウエートは減るわけですね。そういった関係については当然これは考えておられるのかどうなのか。またやれるのかやれないのか。 極端な数字になってくるという感じがありますので、たとえば人糧関係が五十七年度でもって四六・六%、五十六年度たしか五〇%を超えていたかと思いますが、新しいこれは四兆四千億−四兆六千億のペースでいきますと、新聞の発表ですとこれが四〇%に切れる、こういうふうな試算が一応出ているわけですが、こういった数字はぴったりじゃなくていいのですが、大体勘として当たっていますか。
○政府委員(夏目晴雄君) 今回の五六中業におきまして、正面経費について四兆四千億から六千億ということにつきましては私ども積み上げをして積算をした額でございます。それ以外の後方関係費あるいは人件糧食費等につきましては大まかなことを参考のために一応防衛庁の内部において試算したというものでございまして、必ずしも厳密なものでございませんことは先ほど来お答えをしたとおりでございます。 そこで、じゃ正面、後方、人糧というものの割合が適正であるかどうかというふうな御指摘であろうというふうに思いますが、まず第一は、後方関係の経費につきましてはこれは現在四兆八千億から五兆三千億というふうに見込んでおります、いずれも五十七年度価格でございますが。これはたとえば五十七年度の予算すなわち八千七百億余りの額があるわけですが、こういった五十七年度の予算をベースにいたしまして過去の伸び率を参考にして推計をしたというものでございます。ちなみに過去三年五年の伸び率というものを申し上げますと大体三・三%から七%弱ということでございます。今回の五六中業についても大体そういった中におさまっているというふうなことが言えようかと思います。 それから、人件糧食費については六兆四千億から六兆五千億というふうに申し上げましたが、これも五十七年度の予算をベースにいたしまして期間中の昇給原資であるとか退職手当の積み上げであるとか、あるいは増員等の見込みというものを積み上げて計算した額がそうなっているということでございまして、この正面、後方、人糧当たりの防衛関係費総額に対するシェアについて申し上げる場合、いま御指摘のとおり正面が若干多くなっているということは言えようかと思います。 これはこの五六中業において正面を重視したということからある程度やむを得ないのではないか、しかしそれで後方なり人件糧食を著しく不当に圧迫しているかということになりますとそういうことにはなっていない、いま申し上げたような数字から申し上げてある程度妥当なものというふうに理解しております。
○大木正吾君 これは大蔵省との議論などは見積もり程度のものでしょうけれどもやったわけですか、この辺の話は。
○政府委員(夏目晴雄君) あくまでも後方、人糧、すなわち防衛関係費の総額についてはきわめて試算として大まかなものを計算したわけでございまして、これについて一々大蔵当局が細かな点についてどうとかこうとかいうふうな話ではなかったというものでございます。
○大木正吾君 それから、少しこれは込み入った話になって申しわけないのですが、経理局長がいらっしゃいますので伺いたいのですが、五十七年度におきましての四千億円の上乗せという問題については、これは大蔵省との折衝の中ではスムーズにいったのですか。
○政府委員(矢崎新二君) 四千億円の何ということでございましたでしょうか、ちょっと……
○大木正吾君 これ結局五十六年十一月四日の行革委でおたくの方が答えているわけですが、読んでみますと、正面経費当初見積もり二兆七千億から二兆八千億円に対し五十七年度価格で三兆一千億から二千億円、四千億円の上乗せになろうと防衛庁は推定、こういう答えですね。これについて中身を言ってください。
○政府委員(夏目晴雄君) 突然の御質問でございまして、私もかつてのあれが必ずしも記憶ございませんが、五三中業におきますところのいわゆる正面経費の額というものは、今回の五六中業でただいま四兆四千から四兆六千というふうに申し上げましたが、これに該当する数字が二兆七千から八千億円であった、これは五三中業をつくったときの価格すなわち五十四年度の価格であったということでございまして、それを五十七年価格に引き直しますと三兆一千ないし二千ということを申し上げたのであろうというふうに理解しております。
○大木正吾君 あなた、しかし五十三年度につくったものの金でもって五十七年に物を買えるわけないでしょう。そうなれば、あなた、同じ物買ったって値段が上がっていれば金はよけいに使ったことは間違いないわけでしょう。どうなんですか。そう理解できませんか。
○政府委員(夏目晴雄君) 中期業務見積もりというのは先行きたとえば五六中業について申し上げれば五十八年度から六十二年度までのものを見通して経費を積算しているわけでございます。そこで計算の基礎としまして五十七年度価格をもとにして申し上げるというふうなことを先ほど申し上げたわけでございますけれども、五三中業におきましては当然のことながら同じように当時の五十四年価格で積算したものが二兆七千ないし八千というふうに公表もしあるいは御説明もしておったのだと思います。それがその後の値上がりというものを見込んで引き直したらどうなるかという御質問に対して三兆一千から二千というふうにお答えしたのではないかというふうに思います。
○大木正吾君 まあそれはひとつおいておきまして、いずれまた後で関連しますけれども、こういうことが報道されておるわけですが、五六中業、これは四兆四千億——四兆六千億円である、これはいいですね。問題は五三中業分がそのうちで一兆四千億円先買いとなっている、こういう形。それからさらに突っ込んでいきますと結果的には二兆三千億円程度が六十三年度以降の結局後年度負担に回るというような記事が散見されるわけですね、あちらこちらの報道関係から。この辺は防衛庁はどういうふうに把握しておられるのですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 五六中業の正面経費が四兆四千から六千億ということを申し上げたのは、この期間中に要するところの歳出の見積額であるということが第一点でございます。この中には実は五十七年度予算以前のいわゆる五六中業以前からの正面経費のいわゆる既定分の歳出化というものが含まれているわけです。その額が一兆四千億円ぐらいに相なろうか、その分を引きますと新規の分というのは三兆円から三兆二千億円、これは単純な引き算でございます。そういうことになります。 一方、この五六中業において契約はいたしますが、実際の歳出化は五六中業の期間が終了してから歳出されます見込みのものが大体二兆一千億円から三千億ということに相なるわけでございます。その数字をいま御指摘になったのであろうというふうに思っております。
○大木正吾君 だから、そういう意味合いで、私も頭余りよくないけれども、またますます混乱してきてしまうのですが、正確に言って五十八年から六十二年までのこの五年間には一体幾らのものを正面装備として買うということになるか、もっとはっきり、あなた、わかるように答えてくださいよ。
○政府委員(夏目晴雄君) 先ほど申したように四兆四千億から六千億の中には五六中業の前からの契約の歳出化が一兆四千億円入っております。その分はまず四兆四千ないし六千から引いていただきます。それに対して昭和六十三年以降の後年度負担額というのは二兆一千ないし三千億円の額がある、これを差し引き計算しますと五六中業で実際に新規契約をする額の金は五兆三千億円ということに相なるということでございます。四兆四千から六千というのは実際に歳出されるであろう額というふうに御理解いただきたいと思います。
○大木正吾君 これは五十七年度における言えば経済成長なりあるいは物価等の水準に見合った数字のお答えと承ってよろしゅうございますね。
○政府委員(夏目晴雄君) これは従来の例、すなわち過去五年の例というふうなものから見てそうべらぼうな額でない妥当な額であろうというふうに私どもは思っております。
○大木正吾君 あなた、ちょっと注意しておくけれども、答弁の仕方が不まじめだよ、本当言って。過去の例から言って云々と、いまの答弁もう一遍言ってごらんなさい、あなた、本当に。国会の審議そんなものでいいのかね。もっとぴしっとした数字を言いなさいよ。 五十七年度ベースですかと聞いているのだったら、これそうですと言ったらいいじゃないですか。よけいな前後をくっつけたらますますわからない。はっきり答えてくださいよ。
○政府委員(夏目晴雄君) 五十七年度はもとよりのこと、過去の何年かの例を見ましても大体同様の数字になっております。
○大木正吾君 さっきから五十七年度ベース何遍もこっち確認しているから念を押してきているわけでしてね。 そこで問題になりますことは五十七年度ベースで五兆三千億円程度の正面装備、こういうふうになるわけですが、これに関連しましてさっきの話に返りますが、言えば新しい五六中業の場合には正面装備二八%、後方三二%、人糧四〇ぐらいでやりたい、こういう話がありますね。これをずっと加えていきまして、仮に物価が三%ないし四%という渡辺さんの言う数字でもっていったと仮定したら五年間に物価はどれぐらい上がりますか。
○政府委員(夏目晴雄君) いま先生の言われたような積算というものを私どもは実はしておりません。 といいますのは、この五六中業というのは年度割りというものを別段考えているわけでございませんで、昭和五十八年度から六十二年度までの五年間のものを見通して計算をしているわけでございます。それから後方経費あるいは人件糧食費についてはもちろんのこと大まかな点を試算して、先ほどのような手法を用いて試算したわけでございますので、この年度割りについて特にいま先生から御指摘のあったような物価の上昇率を何%というふうな細かく分けたものを私ども積算しているわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○大木正吾君 あなたと問答していると本当に時間ばかりたってしようがないのだけれども、まず一つ確認したいことは、ベースは五十七年度べースでやりましたということが一つありましたが、これはいいですね。その次に正面装備費が大体四兆四千億か四兆六千億円、実際には五兆三千億円かかるらしいですがね。そうして後方関係が四兆八千億から五兆三千億円、人糧関係が六兆四千億円——六兆五千億円ですね。これはあくまでも五十七年度ベースの数字なんですよね。 そうしますと、結局この数字をトータルして頭の中で計算してみていきますと、大体正面、後方、人糧で一番少ないところが十五兆六千億円ですか、そうしてその次が十六兆四千億円ですか、そういう数字になりますね。これがあくまでも五十七年度の数字ですからね。 そうしますと、だれが見ても物価が上がっていくということになりますと、オーバーキルだから赤字公債の返済もできませんわね。そういった中で物価は当然上がっていくと考えざるを得ないので、三%、四%と内輪に見積もりましても五年間には一一%ぐらいになりますわね。一割ぐらいになりますね。そういったことは一切答弁の限りでないというのか。そうなるかもしれませんとか何か答えの仕方があるのじゃないの、結局は。単年度だからそんなことは答えられません、そんなばかなことでもって引き下がれません、こっちはもう。
○政府委員(夏目晴雄君) あくまでも今回のこの作業というのは五十七年度価格というものをべースにして積算をしておるわけでございまして、いまの物価の上昇率を掛けて云々というふうなことも計算しておりませんが、仮に現在のこの十五兆六千ないし十六兆四千というものがございますと、これをいろいろな計算の仕方があろうかと思いますが、均等に五つで割ったらどうなるか、あるいは等差で伸ばしたらどうか、等比で伸ばしたらどうか、いろいろなことがあろうかと思いますが、この十五兆六千億から十六兆四千億というものを仮に各年度等比で伸ばすというふうに申し上げますれば、まず十五兆六千億の場合で申し上げると、五十八年度が二兆七千六百億、五十九年度が二兆九千三百億円、六十年度が三兆一千百億円、六十一年度が三兆三千億円、六十二年度が三兆五千億円、こうなりますが、これはあくまでもいまの仮にそういうふうなことで計算をすればということでございますので、御了承いただきたいと思います。
○大木正吾君 よくわかりました。そういうことでしょう。 そこで、これは大蔵省なりあるいは経企庁等から伺いたいのでございますけれども、五十七年度のGNPの見通しは二百七十七兆何千かでしたけれども、これは間違いありませんね。そうして基礎になっております経済成長率が五・一%ですね。
○説明員(丸茂明則君) 五・二でございます。
○大木正吾君 五・二でしたか。それで話を伺いますと、いまの時期にこの数字をいじくるとどうもやっぱり調子が悪いから、年末の十二月ごろに見直しをして四%成長ぐらい見直しをするという記事が出ていますが、新聞見ていますか。 それから、その中でもってちょっと驚くべき数字がありますのは、これは五十七年度、八年度ですが、これのGNPが二百七十兆を切るという数字が今年度の不況の延長線の中で出てくるかもしれぬ、こういう記事もあるのですが、それはどうでしょうか。そういった心配は一切ありませんか。
○説明員(丸茂明則君) いま御指摘がございましたように、今年度の経済成長率につきましては年度当初の見通しといたしまして五・二%程度ということを見込んでいたわけでございます。その後の経済の動向を見ますと内需の方は個人消費を中心にいたしましてかなり回復の動きを見せておりますが、一方輸出がこのところまで減退をしているというふうなことで必ずしも十分な成長が続いているというふうには思っておりません。また一方、昨年度の実績見込みも実際昨年度五十六年度の経済成長率も実績見込みのときにつくりましたものよりもかなり下回ったという状況でございます。したがいまして、今年度八%、実質で五・二%という数字が達成できるかどうかは大変厳しい状況になっているということは事実でございますし、いま先生がおっしゃいましたような報道がなされていることも承知をしております。 ただ、今年度のGNPがどのくらいになるかということにつきましては、まだ四——六月のGNP統計も出ておりませんので、現在の段階ではどのくらいというふうに申し上げる準備がございません。
○大木正吾君 いずれにしましてもいま政府は景気対策を盛んにやろうとしている最中でございまして、五・二%で二百七十七兆ですか。これは防衛庁長官どうしても聞いておいてほしいのですが、五・二%成長してGNPが二百七十七兆になるのですよ。もしこれが三・五とか四になりました場合には二百六十兆台に落ち込んでしまうことは間違いないわけですね。 ですから、これは変な話なんですが、発射台が低いという話よくありますが、残念ながら、まあ言えば防衛庁のいつも比較にされますGNP比一%との関係では、いまずっと話をしてきましたが、発射台が下がってきますからね。要するに分母がすでに目の前でもって半年ぐらい先には小さくなる、こういう模様が見えつつあるし、急にじゃ物価がぐんと十何%上がってもいいと言えばこれは別ですが、現状の物価が四、五%を限度と許容した場合には、私たちは余りGNPはどんどんふくらんで分母が大きくなっていくということは期待できない、こう見ているんですね。 そこに一つの問題があるので、大体四%の実質成長を向こう五年間程度持続していくという計画、いいですか、これは企画庁に聞きますけれども、大体そういう計画の作業が進んでいるのかどうなのか。でき上がっていれば言うことないですよ。意図的に十二月へ持っていこうということも知っているのだ。私の方では知っているのだけれども、いずれにしましても大体その四%ラインという数字がどんどん新聞に出てきていますけれども、あの新聞報道は間違いなのか、それとも大体あの程度と見ていいのかどうなのか、そこのところを聞かしてください。
○説明員(加藤雅君) お答え申し上げます。 現在政府は去る七月十四日に総理大臣から経済審議会に対し新しい経済計画の策定を諮問いたしております。したがいまして経済審議会の場で今後の中期的なわが国の経済の姿等について検討を行っている状況でございます。 先生御指摘の四%という数字につきましては先般発表いたしました同じ経済審議会の長期展望委員会の報告書の数字でございまして、この教字につきましては世界経済等の姿を前提として一応今後二十年間は年平均四%程度の成長を想定することができるということになっておりますが、「あくまでも一つの想定に基づく見方であり、状況の変化によって変わりうるという意味で、かなり幅のある弾力的なものとして受けとられるべきものである。」というただし書きがついております。 なお、この報告につきましては政府の正式な見通しではございませんで、政府を初め国民各層が長期的な視点から今後の経済社会のあり方を考えるための参考資料となることを期待して各界の有識者の自由な意見を取りまとめたという性質のものであることを留意していただきたいというふうに考えております。
○大木正吾君 先ほど防衛局長お答えになりました中で、あれの中の仮に五年間に一〇%あるいは一二%物価上昇した際の計算といたしまして十七兆という形のことを想定いたしてまいりますと、大体年平均にして相当な額になっていくわけですわね。逆に今度は四%程度の成長ということを私たちはもうどんな抗弁しても、外国が物をよけい買ってくれる状況はないわけですよね。日本だけ除外されて、大きな戦争起きればこれは困ってしまうのだけれども、またそういったこともなかなかないというふうに考えた方が妥当でしょうね。 そうすると、やっぱり四%から三・五%のところを景気がうろつき、一方じゃ防衛費の方は物価上昇があおっていきます。結果的には言えばGNPの一%ガイドとあえて申し上げたいのだけれども、そこのところを突破する日にちはきわめて近いというふうに私は判断をするのですが、その辺についてはきょうの防衛庁長官の話の中にも若干そういった含みを持たせて分母の方ばかり話が出ていましたけれども、分母の方は別にいたしましてもいずれにしても一%を超えるということについては官房長官等も認めているようでございますけれども、防衛庁長官もお認めになるわけですね、これは。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) ただいま経済企画庁からのお答えにもございましたように、GNPにつきましてはこれからの経済の状況によって変化するものでもございますし、したがいまして期間中のいわゆる防衛関係経費とGNPは双方とも相当の不確定要素を持った流動的なものであると申し上げざるを得ません。したがいまして、五六中業の実施に伴う期間中の防衛関係経費とGNP一%相当額のことについてでございますけれども、われわれとしては昭和五十一年十一月五日付の閣議決定に沿うよう最大限の努力をするとしておりまして、現在のところこの閣議決定を変更する必要はないものとの考えを持っておるわけでございます。
○大木正吾君 企画庁大分はぐらかしていますけれども、大蔵省に聞いた方が早いかもしれませんが、これは財政再建という大変な仕事が待ち構えているわけでしょう。しかも五十六年度でもって二兆八千八百億円ということ、若干整理基金等で整理していくようですけれども、五十七年度発射台が少し下がってくるから、結果的に上がってくるから五兆ぐらいのものになるかもしれぬ、こう言っているわけでしょう。五十八年度はもう予算が組めないかもしらぬ、こう言っている世の中でしょう。だれが税金出すの、一体。まさかあなた、アメリカみたいに十何%物価が上がってもいいというわけにいかぬでしょう、結局。おたくそれで計画つくりますか。 問題はそこなんですよね。そういったことを現実の問題としてみんな知っていながらここでもっては虚偽の議論をし合っているわけです、お互いに。国民の方に対してはごまかしをしているわけですよ。私はもうはっきり申し上げて大体五十九年ないしは六十年にはGNP一%を超えることは当然だという形でもってGNPとの比較は動いていく、こういうふうに判断している。長官の気持ちはわかりますが、残念ながら長官努力してもそういうふうになっていくというふうに私自身は見ているわけですよ。そうなりますと、言えばGNP一%ということをどういうふうに、言えば大綱を決めたときとの関係でもって一週間制服組の方がずらしましたからね。その程度の知恵でもって逃れ切れるかどうかという問題ですが、非核三原則なりあるいは武器禁輸三原則、たくさん幾つか歯どめしてきましたけれども、いずれもこれはしり抜けになっている感じがございますが、今度の五六中業見積もりは明らかに今度はGNP一%、国民は一%程度だからあえてがまんする、こういう気持ちもあったと思いますよ。そこのところを超えていったときに一体どういう反応を示すか。そういったことについて防衛庁はどういうふうにお考えになりますか。そういったことはないとあくまでも断言し切れますか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 防衛庁としてはやはり国民の防衛に対する信頼なり御期待をいただくためにも防衛計画の大綱の水準を早急に達成したい、また達成しなければならないという責務を担っております。 また、いま財政再建等のお話も出ましたけれども、財政の厳しい事情も重々承知をしておるところでございます。またGNP一%以内をめどとするという閣議決定というものの重みもこれまた当然われわれの防衛政策を進める場合においての大きな重要な決定であるということもこれまた承知をしているわけでございまして、それらの矛盾なき整合性を図るために本当に防衛庁の全知全能をしぼり、また創意工夫を図りながら、またできるだけの防衛庁内部の節減化、合理化等を図りながら、その整合性を図るために今回の五六中業という形で皆様方の前に御報告を申し上げ、また今後とも閣議決定というものを守り抜くように全力をふるってまいりたい、そしてまたそのことによって財政再建にも防衛庁長官としてできる限りの御協力を申し上げなければならないというふうに決意をしておるところでございます。
○大木正吾君 私が心配しますのは、いま言った国内的な経済財政事情ということもございますが、同時に最近の総理府の統計などでもそうですが、これでも四八%ぐらいまでは現状維持論ですね。同時に朝日新聞、読売新聞等の論調なりアンケート等を調べていきますと、これも増強反対が五七%、言えば賛成が二五、六%になっていますね。これは日本列島は島国ですからということもありましょうし、またハリネズミという議論もありましょうし、先ほどの大坪先生その他の御質問あったのですが、これはあくまでも武器で守ってしまえとこういう議論ですから、そういう方向を立てれば議論は議論として正当性を持つかもしれません。私は国民にしりを向けた防衛論なんてもう絶対成り立たない、こう考えているのですよ。 そう考えていきますと、こういった問題 一つはやっぱり国民との合意という問題について、確かにGNP一%はこれは憲法の規定でもございませんし、法律の規定でもありませんし、たまたまあなた、防衛大綱を決めたとき一週間延ばして閣議その他が決定したものにすぎませんからね。しかし受け取る国民の側はこれが一つの歯どめ、こう考えてきたことは間違いがないわけですよ。 そこで、もう一つ長官心配なことは、アメリカと去年ハワイで会談したときには、いま五六中業でもって繰り上げ云々やってきまして、五三で繰り上げやってきまして五六に入っているわけですが、あのとき出された数字は大変日本が出したものより結局は多かったわけでしょう。しかもシーレーン問題について問題が残っているし、レーガン戦略はもっと厳しく日本に武器の増強を迫ってくるでしょうね。あなたは大変な苦労ですよ。本当に私御同情申し上げたわけですが、ですから内外ともにそういったやっぱりある意味では矛盾するといいましょうか、そういった摩擦、風圧、そういった中でもって本当にこの一%というものが守り切れるかどうか、私は非常にむずかしいと考えていますが、もしこれが外された場合、言えばいまの日本の自民党さんなりあるいは、まあ自民党と言うたら怒られるかもしれませんが、政府のいわば外交軍事政策というものはあくまでもバランス・オブ・パワー論でもって相対的な立場に立っての軍備の増強をやっているわけですから、言えば一%が取れてしまったらあとは今度はどんどん自己増殖していく心配が私持っている問題点なんですよね。 そういったこと等総合いたしまして、私はむしろ聞きたいのは、一%を守るということが絶対に守れていくならばあえて申し上げませんよ。しかし私はいつもそう思っているのですが、いろいろな科学的な数字を集めていきますと絶対に守り切れない、しかもそれに加えて内部的には財政の大変な厳しさがあるし、同時に反面でアメリカの強圧がありますよね。この中をどういうふうにしてあなた御自身がいまおっしゃった一%問題について守っていけるかどうか、私はその決意というものについてもう一遍ただしておきたいと思うのですが。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほど申し上げたことに尽きますけれども、その点からまた新しい要素としてアメリカとのお話が出ましたけれども、アメリカからいろいろなお話があるということも、先ほどお触れになりましたハワイのことは私の就任前のことでございますから直接ではございませんけれども、私も若干の感触を得て承知をしております。 その後、私もワインバーガー来日に伴いまして若干の会談を持ち、接触をいたしまして若干の感触を得たわけでございますけれども、そのときにも申し上げたのでございますけれども、やはりわれわれはどんな数字が出ようと、またどんな話が出ようと、われわれとしては与えられた与件の中でできるだけのことしかできないのであって、それ以上のものは期待としては受け取るけれども、それなりにわれわれの与えられた与件の中でできること以外はできないのだという従来のわれわれの姿勢を今後とも貫き通すつもりでございますし、これからのアメリカとの関係でもそういう私たちのスタンスをしっかりと守り抜くつもりでございまして、そういう中にあって対GNPの問題は現在のところわれわれは変える必要はないというような判断のもとに立っておりますので、それから先のことをいまとやかく申し上げられるような段階ではないということを御理解賜りたいと思います。
○大木正吾君 これで最後にいたしますが、今度の五六中業見ておりますと、大体兵器のたとえばP3Cの問題とかファントム15の問題とか、ずっと見ていきますと質的に強い戦力になるということが相当はっきりしてきているわけでございますし、同時にリムパック等もこれからも継続されていく計画の模様だし、核の持ち込みの方は御承知のとおり空洞化してしまっているわけだし、硫黄島等もこれ演習基地かもしれませんが、いずれはまあこれ基地にされていくかもしれませんが、シーレーンの問題等もたくさん問題がございまして、ただ目立ちますことはやっぱり画期的な戦力強化の五六中業、こういう感じがいたしますね。 そうしますと、これ長官に伺いますが、あなた憲法を変えるというお考え方は、あるいは憲法を変えなければどうも調子が合わないという、自衛隊の職務、さっき委員の方から質問がございましたけれども、自衛隊のやっぱり質的な強化という意味合い等も含めて、憲法を変えるという考え方はあなたお持ちですかお持ちでありませんか。どうですか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) われわれ防衛力を整備するに当たっては言うまでもなく現行憲法の中で、現行憲法の範囲内で進めておるわけでございまして、しかもいろいろ戦力等につきましての御指摘もございましたけれども、先ほど大坪先生等からもお話のとおり、われわれは小規模限定的な侵略に短期間持ちこたえられる、そういう抑止力としての防衛力の整備を一日も早く達成したいということで進めておりますので、それも当然のことながら憲法の範囲内、憲法の許すところという範囲内で進めておるわけでございまして、憲法を変える必要は認めておりません。
○大木正吾君 いまの御答弁は鈴木善幸内閣の防衛庁長官としてのお考えでなしに、伊藤さん私的な調子ですが、御本人の考えと考えてよろしゅうございますか。 あわせまして、実は防衛大綱がこれでもって、五六中業で一応大筋、めどがついて、実際に、言えば戦闘能力を持つのはたしか大坪さんがおっしゃった五、六年先かもしれませんが、防衛大綱自身を拡大して見直していくというものをつくる計画はないのですか、あるのですか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) これも再三申し上げておりますとおり、昭和五十一年十月の閣議決定による防衛計画の大綱の水準にいまだ達していない、それまでの間に現状とは大変隔たりがある、その隔たりを埋めるための努力をする、そしてできますならば早期に達成するということがいま防衛庁長官なり防衛庁に課された先決の課題でございますので、目下はそれに専念をしているわけでございまして、防衛計画のその後のことにつきまして私どもはまだ検討も何もする必要はないものと考えております。
○渋谷邦彦君 初めに、近く予定されておりますハワイ協議、これについて若干触れさしていただきたいと思います。 去る三月来日したワインバーガー長官との話はいまも質疑応答の中で出ました。ただ報道を通じてわれわれが知り得る範囲は、大変日本に対する防衛力強化という点で非常に厳しいそういう姿勢をやはり貫いているという印象を強く受けるわけでありますが、今日まで十三回もハワイ協議というものが繰り返されてやってきました。一つのこの話し合いのポイントというものは、いままでの経過を踏まえ、さらに現レーガン政権のもとで日本に対する防衛力強化というものがどういう形で出てくるかというような分析についてもすでに防衛庁としては十分検討もされ、それに対応する考え方というものが整理されつつある段階ではなかろうか、このように思うわけであります。 さて、実際に話というものは両者が会ってやらなければ具体的にどういう問題が出るのか、予測はなかなかむずかしいにいたしましても、当面いろいろ問題になっているような事柄については必然的に出るであろうということが予測されると思います。ただ従来から鈴木総理も繰り返し言われておりますことは、できることとできないことは明確にするということを再三再四本会議あるいは委員会等におきましてそれを述べてこられたいきさつがございます。しかし果たしてそうであったろうか。 昨年五月の日米首脳会談の際に発表された日米共同声明、いわゆる防衛についての役割り分担というものがいまワインバーガー長官を通じて前面に押し出されようとしてきている。それを一つの手がかり、足がかりとして日本に相当強力な要請というものがなされる。日本としてもたとえできることとできないことはあるにせよ、ある意味においてはそれに対応しなければならぬというような雲行きになっていくのではあるまいか、このように考えられるのでありますけれども、長官としてはどういうお考えを持っているのか、まずそれから入ってまいりたいと思います。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほども大木先生にお答え申し上げましたとおり、また渋谷先生もお触れになりましたとおり、日米安保条約の同盟国としてのアメリカがわれわれに対して一般的に防衛力の増強なり整備を求めてくるというのは当然でありまた自然のことでもございまして、それなりの接触をわれわれも受けておるわけでございますけれども、このこともいま先生お話しのとおりそういう期待なり期待表明をわれわれは念頭にも置きます。全然無視をするというつもりではございませんが、念頭には置いておるわけでございますけれども、われわれとしてはできることしかできないわけでございまして、再三お話が出ておりますとおり憲法の問題、あるいはまた専守防衛というわが国の基本的な防衛政策の問題、あるいは非核三原則、また昨今の財政再建を達成しなければならぬというような大変な財政の窮迫、あるいはまた大木先生もお話しのとおり、防衛というのは国民の本当の意味でのコンセンサスがなければ防衛そのものの目的を達成できないというような防衛の持っておる本質的な宿命といいますか本質から見ましても等々いろいろ考えて、われわれは防衛力の整備を進めてまいるわけでございまして、当面予定されております八月のハワイ協議でもまだ若干時間があるものでございますから、まだ議題等については詰めておりませんけれども、当然議題等も予想されるわけでございますので、そういう場合には、われわれのこういう基本的な姿勢で対処するように事務当局に目下議題等についての検討なり勉強をさしておるところでございます。
○渋谷邦彦君 いま述べられた中で、これも繰り返し当委員会でも政府側の答弁がございました。憲法といい非核三原則といい専守防衛、それはアメリカ側はもう百も承知しているのですね。財政が大変厳しいということものみ込んだ上で、なおかついままでの経過を振り返ってみますと相当やっぱり強力である、まだできる、果たしてそれが期待感だけであるのかどうなのかという枠をはるかに超えたそういう考え方で対日要請というものが強まってくるであろう、特に絶えず向いている先はソビエトでありますから、そのためにはもう従来から言われておりますように特にシーレーン防衛、その具体的な対応というものが今回恐らく表面化してくるのではないだろうか、それに伴う装備であるとかいうことについて、あるいはそれに要するであろう費用等について具体的に提示をするという、ワインバーガーとしてのそういう気持ちがあるやに伝えられております。この点についてはいま防衛庁としてはどういう判断を持っていらっしゃいますか。
○政府委員(夏目晴雄君) 今月の末に予定されております日米安保事務レベル協議の場においての議題というものについては、先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおりまだ具体的に煮詰まっているわけではございません。国際情勢を初め、ともに関心のあるいろいろな事項についての話が出るであろうというふうに思われますし、またその一環としていま御指摘のシーレーン防衛についての話というものが出ることは予想はされないことでもないというふうに思っております。 具体的にどんな言い方をするかは全くまだわかりませんけれども、私どもとしてはこれも再三申し上げておるとおり、わが国の海上交通の保護というのは周辺数百マイル、航路帯を設ける場合には千マイル程度ということで、そういうものを目標として防衛力整備をしている、大綱の水準もそうでございますし、現在の五六中業もその大綱の水準に一歩でも近づこうというものでございます。その辺の御説明をし、それ以上のことはわが国としてはできるものではないということを、そういったことがもし話題になれば説明せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○渋谷邦彦君 それは確かにおっしゃるとおりなんですよね。いまここで改めて議論する必要は毛頭ないと思うのです。そういうことは繰り返し繰り返しいままで行われてきました。要するに結論から言えばできることとできないことは明確にする、その日本の意思は向こうに十分伝わっているにもかかわらず相も変わらず何回も何回も繰り返しそういう問題が出てまいります。 で、恐らくシーレーン防衛についても相当具体化された提案というものが示されるであろうし、いま具体的に詰めてないということはこれはおかしいと思うのです。もうきょうはすでに四日でございますからね。もうあと幾日も、あると言えばあるかもしれない、しかしないと言えばないかもしれない。当然いま先ほど冒頭に申し上げたようにいろいろなことを想定しながら、日本側としてあくまで貫くべき主張というものはどういうふうに一体想定されているのかぐらいの準備は相当進んでいていいはずではないだろうか。 そうしたことを考えますと、いろいろなことがいままで取りざたされているわけであります。いまシーレーン防衛ということを中心に申し上げているわけですけれども、恐らくそれに関連した要求がどういう形で出るかわかりません。しかしいろいろないままで報道されているようなことを整理して考えましても、あるいは常識としてアメリカ側からまたもいろいろな日本の事情というものを踏まえつつも要求されてくるであろう、それは全面的に断れるものか、あるいはある程度それに対応しなければならない日本政府としての方向というものを打ち出さなければならないということも十分考えなければならぬであろう、 〔委員長退席、理事堀江正夫君着席〕 もちろんそれは財政事情等のそういう要因がありますので、あながちにアメリカ側から要請されたものに一々ごもっともというようなことで簡単に答えるわけにはとてもいかないということは、これはもう常識でございます。 ただ、やはり最近ソビエト地域に配備されているバックファイアにしてもあるいは原潜にいたしましても、恐らくそうしたソビエトを意識した上での防衛体制というものを日本も分担すべきではないだろうかというようなことは、これは常識としていままでのやりとりの中で考えられます。なかんずくその洋上防空というものはどうするのだというようなことも考えられないではないという、そうした具体的な問題がもうすでにいろいろな段階を通じて国民に知らされているわけです。それがまた出た場合に防衛庁としては一体どういう取り組みをするのか、それは断れるのかという問題でございますね。それはどうですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 確かにシーレーン防衛の関連におきましていわゆる洋上防空という問題についても彼らが関心を持っており、こういったものが議題になるかもしれないということはあるいはあり得るかもしれません。私ども現在、先ほど申したとおり具体的なまだ議題等について決まったわけではございませんので、具体的なことをやっているわけではございませんが、私どもは私どもとして当然今回向こうから出るであろうという話を想定しながら勉強はしております。 しかし簡単に申し上げれば、現在の洋上防空についてのスタンスということで言うならば、私ども現在五六中業においていわゆる自衛艦隊に属する護衛隊軍の近代化ということを進めております。具体的にはミサイルを装備した船を増加させよう、CIWSを装備しようというふうなことを考えております。またこれに伴って、それでは相手のスタンドオフ攻撃に対して十分であるかどうかというふうなことについての勉強はしておりますが、これにはやはり現在の洋上防空について私どものいま持っている防空能力という面から見ておのずから限界がございます。この点はいま私どもが進めております大綱の枠内、五六中業の中においてこういうことをいま考えているのだということを説明して、御理解を得る以外に、どういうふうな話があってもそれ以上の物をしようということをやってもできないわけでございますから、その点ははっきりとできることとできないことをきちんと仕分けをして、話し合いをするという以外にないのではないかというふうに考えております。
○渋谷邦彦君 そこで、これもいままで何回も議論になってきて、結論が出たみたいな出ないみたいな、そういう印象を強めるわけでありますが、このシーレーンそれ自体がいままで防衛庁の考え方とそれからアメリカ側が要求している考え方というものは大きな対立点を持ったまま今日に至っているのではないだろうか、その点はいかがですか。
○政府委員(夏目晴雄君) いわゆるシーレーン防衛、海上交通の保護ということについての日米双方の間に大きな認識の差があるとは私ども実は思っておりません。 ただし、そういう周辺数百海里の海上交通の安全を確保するために現在日本が考えている防衛力で果たして十分かどうかということについてのいわゆるアメリカ側と日本側についての考え方にあるいは開きがあるのかもしれない。そういった点があれば、今回ハワイ協議でそういった議題が出れば、そういうことは向こうのアメリカ側からの指摘もあるだろう、私どもとしてはいま必要な大綱という水準を達成するためにこれだけの努力を傾注してやっと五六中業というものをつくった、あとはこの五六中業を遺憾なく達成したいということを説明するということになろうかというふうに思っております。
○渋谷邦彦君 ところで、アメリカ側からの要求というのは時に応じてあるいは暴論ではあるまいかという、そういう感じすら与える場合があります。 いままで政府側は、いわゆる防衛庁側としてはあくまでも防衛大綱の水準まで達することが当面の方針である、しかもそれがわかり切った上でなおかつむしろ防衛大綱を見直すべきじゃないかなんということがちらちらと向こう側から入ってくる。これはとんでもない話だというふうに思うのですが、 〔理事堀江正夫君退席、委員長着席〕 しかしそういった背景を考えてみた場合に、米側の日本に対する防衛力強化というものは並み並みならないそういう意思といいますか、あるいは要求というものがあるように思えてならないわけでありますけれども、これは恐らく将来ともに変わらないアメリカ側の考え方ではあるまいかと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 最近における米ソの軍事バランスの変化というもの、あるいはソ連のいろいろな方面に対する軍事的な行動、動きというものというふうなこと、あるいはアメリカの現在置かれた軍事バランスの立場というものを考えて、当然アメリカも今後相当長期間にわたって防衛力の増強というものをしていくであろうということは予想されます。と同時にアメリカ一国でもって何もかもできるというふうな状況になるとは思われませんので、そういう意味合いにおいて同盟諸国というか西側の陣営諸国に対してある種の期待というものがあって、その期待がここ一、二年であるいは消えるかもしれないというふうな材料というものはいま私どもの持ち合わせるものはないわけでございます。
○渋谷邦彦君 いま私聞き違いかどうかわかりませんけれども、あるいは将来においては防衛力強化の一翼を担って日本としてはアメリカ側の要請にこたえ得るような行き方もこれはやむを得ない、そういうふうにおっしゃったか、あるいは私の聞き違いであれば訂正いたします。
○政府委員(夏目晴雄君) アメリカの同盟諸国に対する防衛力強化の期待というものは当分変わらないのではないだろうか、これはもちろん具体的な材料があるわけじゃございませんが、現在ここ一、二年のことでもって済むであろうというふうな材料の持ち合わせは持っておりませんと、こういうことを申し上げたわけであります。
○渋谷邦彦君 それから、恐らく次に考えられる問題は、最近日韓の経済援助の問題が外務委員会等におきましてもしきりに議題になりました。これはいまだに解決を見てない問題点でございますけれども、恐らくそういうところにねらいをつけてアメリカ側はいわゆる韓国あるいは中東情勢の防衛強化の一環としてもっと積極的に日本は対韓経済援助をすべきではないか、こういったようなことも予測されるのではないかなというふうに、いままでの外務委員会等のやりとりを聞いておりましてもそんな感じを受けるわけですが、そういったことの議題が出るという予測は考えられませんか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 所管内でもございませんので正確な判断資料を持っておりませんけれども、少なくともハワイ協議等ではそういう議題は出ないのではないかというふうに予測をしております。
○渋谷邦彦君 それともう一つは、恐らくこれも継続的に主張されてきた問題の一つとして在日米軍の駐留費の負担増、こういった問題が議題になるのではあるまいかというような感じがしないではない。これも恐らく防衛力強化の一翼を担うそういう関連の中で米側の方から強い要求というものが出される可能性というものは考えられませんか。
○政府委員(夏目晴雄君) この夏のハワイの事務レベル協議においてそうしたことが議題になるかどうかは先ほど来申し上げており、具体的に私どもまだ確認をしておりませんが、従来のアメリカ側としては駐留軍経費の削減ということについて非常に関心があるということがあるわけでございまして、そういった状況というものはことしになってそう大きく変わったというふうなことは思われませんので、あるいはそういうことも話題として出る可能性というものは全くなしとしないということだろうと思います。
○渋谷邦彦君 そうしますと、もう長年の経緯の中で日米協議というものが行われてきた、そういうことを踏まえて考えてみた場合に、いまずっと答弁されてきた日本政府の主張というものを十分にアメリカ側に理解も与え、まあ期待感というのはいつまでたっても残ると思うのですよ、いま答弁があったとおり。しかし日本には日本の事情があるというようなことで、それは主張が貫けるかどうか自信がございますか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 実際に事務当局が当たるわけでございますけれども、私もこの短い期間で日米間の防衛問題を中心として若干の会談、接触を持ちましたけれども、その中で最も大事なことは、どうも渋谷先生からも再三御指摘があり、私も事務当局も答えておりますけれども、日米間で本当にこれから安保条約の信頼性の維持を確保していくためにはやはりできることとできないことをその時点ではっきりお互いにするということが私は日米間の防衛問題で一番大事なことだ、そういうことを痛感をしておりますので、そういう立場でよくわれわれの事情を説明するならば、あいまいな態度でするということは決して将来にプラスになりませんので、できることとできないことをはっきり仕分けをして会談に応ずるということが一番の私は大事なかなめであるということを短い時間の対米折衝で痛感をしておりますので、そういうスタンスでハワイ協議を貫くように事務当局を指導し、そうするならば必ずこの会談の一応の理解は得られるのではないかというふうに自信を持っております。
○渋谷邦彦君 そこで、この問題の一応の締めくくりとして、アメリカ側のそういう強力な要求というものは絶えずソビエトに注がれていることはもう言うまでもないわけであります。 昨今いろいろな伝えられる中身を分析してみますと、ソビエト軍の極東配備は非常に増強されているということを一応の認識の中でわれわれ受けとめているわけでありますが、この極東地域におけるソビエトの軍事力増強というものはいま現在どういうふうに進んでいるのか。これはやはり防衛という面を考えてみた場合に当然のことながらそれを認識しておく必要があるであろうということから、その点防衛庁としてはどういう分析に立っていらっしゃるか。
○政府委員(新井弘一君) お答えいたします。 ソ連の極東における軍事力の増強はどうなっているかという御質問でございますけれども、御承知のとおり、まず陸上兵力について言いますと中ソ国境を含めまして五十一個師団、四十六万人、さらに極東地域に限定いたしますと三十九個師団、これは大綱作成時代は三十九個師団のうち極東軍管区は約二十四でございますけれども、いまから数年前はまだ十七師団であった、過去五、六年の間に七個師団ふえているという状況がございます。 それから、太平洋艦隊につきましては、これは大綱ができた後でございますけれども、七八年以降例のミンスクが極東に回航になった。これは象徴的な事件でございますけれども、現在ソ連の太平洋艦隊、これは四つの艦隊の中で最大の規模を持っている艦隊でございまして約八百隻、百五十八万トンと大変なサイズに上ります。これに加えまして、御承知のとおりこれも七八年、北方領土に一個師団規模の師団を置いている。 さらには、例のSS20、それからバックファイア、これにつきましては全土に配備されている数の三分の一ないし四分の一、もうちょっと具体的に言いますとバックファイアについては数十機、SS20については百基近く極東地域に配備されている。 さらに指摘したいことは、例の中越紛争の後、例のインドシナのダナン、ベトナムのダナンあるいはカムラン湾の基地をソ連の飛行機、艦艇が常時使用している、そういう状況にあるというのが一般的な極東におけるソ連軍の動向でございます。
○渋谷邦彦君 そうすると、これは私たち非常に素人的な発想でございますから、軍事専門家が考える中身というものとは事柄が違ってくると思うのです。一見するといまの答弁を伺うまでもなく相当この数年間増強された。 そうすると、まず短絡的に考えられることは海空の防衛体制の強化というものはむしろ陸よりもはるかに優先されなければならない。あるいは迎撃態勢はどうなっているのか。先ほどもちょっと触れましたけれども、洋上防空はどうなるのかというような点、特にシーレーンの航路帯においては洋上防空についてはまだ具体的に進められていない、それはむしろ米軍の応援を借りる以外には現状のところは手だてがないというようなことがいままでの防衛庁の考え方ではなかったろうか。しかしきわめて具体的な問題としてそういう背景があることを考えた場合に、恐らく今回の日米事務レベル協議においてはそういう具体的な現実的な対応という一環から問題提起が起こることは当然ではないだろうか。その場合に日本として考えている具体的なできることとできないこと、どういうふうに一体説明して向こうの米側の理解を求めるおつもりなのかどうなのか。それは出ないかもしれない、しかし出るというのがやっぱり一つの予測された大きな問題点の一つではないだろうかと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(夏目晴雄君) わが国の防衛体制のあり方についていろいろな御議論があることはまたこれ当然でございます。 私ども今回の五六中業におきましても海上交通の安全確保のための能力、あるいは防空能力ということについては相当重視して計画をつくったつもりでございますが、それでは一方陸上防衛力についてどうかという、こういう御意見でございますけれども、陸上防衛力は私どもがいま日本が置かれた環境というものから見て、いわば全くいまの状況でいいと思っておりません。敵の限定小規模の侵攻というふうなものがもしあったとすれば、いまの陸上防衛力の実態というのは相当能力が低いという状況でございますし、特に洋上における撃破能力、水際における撃破能力というものについて大きな欠けている分野がありますものですから、そういったものも当然重視しなければならない。 一方アメリカ側もかつて言っているように、わが国の防衛力の増強についてまず第一に挙げていたのは装備の近代化、これは何も飛行機や船だけではないわけでございます。それからCIの能力、継戦能力、即応態勢の問題というふうなことについての指摘があったわけでございまして、これはアメリカが言った言わないと別に、私どもとしても前々からこの問題点の存在というものを認識しておりまして、今回の五六中業においてもそういった意味合いの重視もしているわけでございます。必ずしもアメリカがどう言うかということは全くわかりませんけれども、そう大きな隔たりというものがあるとは思っておりません。
○渋谷邦彦君 限られた時間の範囲で一つの問題をさらに拡大するということは非常に不可能なことでございますが、それに連動する一つの問題として、今回の五六中業で「主要装備の整備数量」というものがずっと一覧表になって出されております。この中でいまも防衛局長が述べられた問題点の一つに、七四式戦車が五六中業完成時においては八百五十両になりますね。ところがそれ以前のこれは七四以前の戦車もあるわけですね、六一あるいは四一という戦車が。それを総合計すると一千両を超えるのではないだろうかと思うのでありますが、実態はどうなりますか。
○政府委員(夏目晴雄君) この五六中業が完成いたしましたときの戦車の勢力は八百五十両でございますが、これは七四式戦車の数字でございまして、このほかにいわゆる六一式という一世代前の国産の戦車が四百六十両、締めて合計千三百十四両というのがこの五六中業期間の完成時における戦車の保有数であるということでございます。
○渋谷邦彦君 いま確認をさしていただいたわけでありますけれども、四一にしても六一式にいたしましても五六中業が達成する時点においてはもう機能的にどうにもならぬ、いわゆる廃棄する以外にない、そんなふうに受けとめてよろしいのでしょうか。まあ実質的にはこの八百五十両いわゆる七四式が主力になる、そうなのか。やはり六一も四一も戦力として十分稼働できるのだ、こういうふうに判断していいのかどうなのか。
○政府委員(夏目晴雄君) もうこの時点では米軍から供与を受けた四一式というものはなくなると思います。六一式戦車は依然として先ほど申し上げたように四百数十両持っているわけですが、これは戦車の性能として現在列強が持っておりますところの戦車と比べ、あるいはわが方の持っております七四式戦車と比べても相当能力的に劣りますが、決してこれは持っておってむだであるとか能力が全くないとかいうものではなくて、使い方によって相当使えるものというふうに思っておりますので、私どもは六一式戦車は六一式戦車として有効な使い方というものを考えていかなければならないというふうに思っております。
○渋谷邦彦君 そこで、まあ敵の侵攻というものはどこからどういうふうに入ってくるのか、これは想像もつかないことでありましょう。しかしこの平たん地の少ない山岳列島と言われておる日本の国土において、こういったことが一体果たして必要なんだろうか、大変ささやかな疑問を抱くのは私一人ではあるまいと私は思うのです。 一説によると、それは主力は全部北海道だというようなことも言われております。しかし島嶼の多い、しかも山岳が非常に多いこの日本列島において、まさしくこうした戦車を配備するということはある見方によればこれは本土決戦をやらざるを得ないということまで想定した配備の状況なのか。しかしすでに総理は海洋国家にふさわしい、水際でも相当遠方の水際でもってそれは侵攻を食いとめなければならぬ、こういうことの発言をいままでなさってきております。確かにそのとおりだと思うのです。 まあ攻めてこないようなそういう体制をつくることが一番これは望ましい理想の姿ではありましょうけれども、万が一ということはやはり想定しながら、いろいろと防衛庁としても計画を進めておられる。しかしこれはやっぱり常識としてこれだけの戦車が一体どういうふうに走るのだろう、これは一般国民にとってもむしろこの方が相当脅威に映るのではないだろうかというふうに思えてならないわけです。 そういう面から考えると、こういう「主要装備の整備数量」というものが果たして妥当なとらまえ方であるのかどうなのか、非常に疑問とせざるを得ないのであります。戦術的にどういうふうに考えているのかという問題が当面の恐らく戦車を使用するときの課題であろうと思うのですけれども、防衛庁はその辺のいま申し上げたようなことについて、あるいは過去においても内閣委員会だとかあるいは安保特別委員会においてこうした議論というものもなされたであろうと思いますが、この機会に再確認をさしていただきたい。
○政府委員(夏目晴雄君) 防衛力の本来の基本といいますかあり方として抑止にあることはそのとおりだと思います。またその抑止を最も有効にするためには、もし侵略ありとすればそれは手ひどい反撃を受けてその侵略が割りに合わない計算に合わないということを自覚させることが一番抑止としての効果を発揮するゆえんであろうと思います。そういう意味で私どもも現在の防衛力を整備をしてきているつもりでございます。 しかし、そのためには抑止が破れてもし侵略があったときどうかという次の点になるわけですが、そのときには専守防衛という立場から情報をできるだけ早期に偵知をいたしまして、洋上においてあるいは水際においてこれを撃破して内陸部に上げないということが基本であろう、これもまた御指摘のとおりだと思うのです。そのための施策というものを続けて進んでいるわけですが、もしこの戦車というものがなければ、私どもいま考えております着上陸ということを考えた場合に戦車を擁した着上陸ということを当然予想せざるを得ないわけです。 私どもに、もし戦車がわが方にないとすれば敵の侵攻の規模なり内容というものは非常に自由な、わが方の対応能力のない形での侵攻が可能になる。わが方がわが方でこれだけの戦車能力というものを持っていることによって、それを圧倒するだけの戦車能力というものを持ってこなければなかなか侵攻しにくいというふうな事情もあろうかと思います。さらには、この戦車に対しての戦車の有効性というのはもちろん対戦車ミサイルの有効性、あるいは航空からの攻撃の有効性ということもありますが、依然として戦車に対する戦車の有効性というのは、私どもの勉強の中でもあらわれておるわけでございまして、こういうものを持っていることがある意味で抑止にもつながるし、また実際に侵略があったとした場合に有効に役立ち得るというふうに考えているわけでございます。 ヨーロッパやあるいは中近東におけるような大平原を擁するところでなくて戦車というものが一体使えるのかということでございますが、こういったわが国の地勢に応じた利用の可能性というものは十分あり得る。かつて第二次大戦においてもきわめて狭い島嶼作戦においても相当大量の戦車が使われたということから振り返ってみましても、たとえば北海道の広いところで戦車を使えないというふうな議論にはならないのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 それは、一つの見方としては私は全くそれは否定はいたしません。そういう場合もあるであろう。しかし今回のフォークランドの紛争、先ほども話が出たわけでありますけれども、大変大きなやはり教訓を与えたのじゃないか、その中でなかんずくミサイルの効果というものが何も知らないような人たちにとりましてもすごい威力だということを印象づけたに違いない、こう思うのです。 しかし、いまも答弁の中にありましたけれども、実質的に島嶼の多い屈折した湾の多いこの日本列島を考えてみた場合に、戦車よりももっと効率のいいミサイル群ならミサイル群、地対空あるいは艦対艦、さまざまなそういうものが考えられるであろう、むしろ費用の面でも安い、そしてたとえばF15等を買うのならば相当量があがなえるということは、これは数字の上から明確になっているわけであります。そういった問題もありましょう。あるいは通信基地の整備というものもございますでしょう。それはやっぱり波打ち際で撃退するためにはそれなりの、いままで専門家等々から指摘されてきたようなそういう面にもっと配慮をすべきが現状において日本の実態にふさわしい私は対応の仕方ではないであろうか、こう思えてならないわけです。 日本の場合は限度がありますから、そんなに、これからの戦なんというものは想像するだにもう、大変な恐怖感に満ちたようなそういう状態になるであろう、もう半年も一年もとても持つようなものではない。あっという間に終わってしまう。そのためには恐らくいま申し上げたようなことの整備の方に、いわゆる海空を主体とした、何か聞くところによりますと、それを余り主張すると陸の方がどうも突き上げをしてどうにもならないのだという、そういうような話も入ってきておる。そうではない。やっぱり総体的に日本の立地条件というものをよく考えてやるということは、これはわれわれ素人でもやっぱりそう考えます。そして限られた許された範囲でもって、防衛力の整備というものはむしろそういうところに焦点を合わしてこれから進めるべきではあるまいかというふうに思います。 それについての防衛庁長官の所感と、それから最後に、もう時間が参りましたので、ついこの間の試験問題で大変世間を騒がせました。これは規律上一番厳しいと言われております防衛庁としてはきわめて遺憾であるなんという弁明の余地がない、果たしてそういう状況、環境の中で日本の防衛なんというものを主張するだけのことが一体言えるであろうかという、そういう非常に不信感を、また一地域に起こったとは言うけれども、そういう管理体制であるとか規律の緩みであるとかいうようなことが表面化したわけであります。そういった点についても、同じ隊員でもまじめにやっている人たちが大変な迷惑を受けたのではないだろうか。非常に残念なことであります。それに対する所感を交えて答弁願って私の質問を終わります。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 私どもは陸海空バランスのとれた有効な防衛力の整備を図りつつ、いま定めに従ってやらせていただいておりますけれども、ただいま渋谷先生の御指摘の点は貴重な御高見として今後われわれの参考にさせていただきたいと思っております。 また、試験の問題につきましては、自衛隊という、規律を最も基本としモラルの基本としていなければならない自衛隊にあって今回のような事件が起きましたことはまことに不祥事でございまして、遺憾のきわみでございます。しかも、お言葉にもございましたように、そういう一部の者の不祥事によって、ほんとにまじめな、国の防衛に自分の人生なり青春をかけておるまじめな自衛官、自衛隊員の士気にいささかでも影響のあるようなことになったわけでございまして、まことに遺憾のきわみでございます。 今後は、まず全容を目下いま調査をしておりますし、また今後二度と再びこういう事故が起きないような保全の問題、管理の問題、試験制度そのもののあり方等を含めまして、部内に調査委員会を設けて鋭意調査を進め、なるべく早く結論を出して二度と再び起きないような事故防止策を講じたいと思います。なお全容が判明し次第、関係者は厳正に処分をいたしまして、自衛隊の根本でございます規律を正すということに全力を傾けてまいる所存でございます。
○柳澤錬造君 私はこの五六中業の内容に入るべきだと思うのですけれども、いろいろ先ほどから出ておりますので、五六中業の問題以前の言うならば防衛庁の姿勢ということについて幾つかの点でお聞きをしてまいりたいと思うのです。 第一は、今度のこの五六中業というものも、五十一年十月二十九日の閣議決定による防衛計画の大綱というものを達成させようとしてこれつくられていると思うわけなんです。それでお聞きをしたいのは、この防衛計画の大綱をつくろうとした昭和五十年から五十一年にかけた当時と現在とのこの日本を取り巻く軍事情勢というものは変わっているという判断をしているのですか。それとも変わってないという判断をしているのか。その辺のところをまず長官にお聞きをしてまいります。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 当然年数もたっておりますし、その後の国際情勢等もございまして、総じて軍事情勢が厳しいものであるというふうな認識を持っておることは当然でございますけれども、詳細には新井参事官の方から答弁さしていただきます。
○政府委員(新井弘一君) 大綱が確定されました一九七六年、昭和五十一年、あの当時の時点で一部にはソ連のデタントに対する姿勢に疑問を呈する向きがあったわけでございます。恐らくソ連はそのデタントということを背景にして、相手に対してはその軍事力の手を縛るけれども、みずからはその質量ともに軍事力の増強を進めているのではなかろうか、それ以後今日まで六年の経過というのはこの危惧が実証されたという結果になっているのではなかろうかというふうに判断しております。 これをより具体的に申しますと、たとえば核、戦略核あるいは戦域核のバランス、東西——米ソでございますけれども、これも八〇年代に入りましてこれを西側が放置するとバランスが逆転するという可能性が非常に見込まれるに至った。さらにソ連の軍事力の増強というものを背景にして、最近ソ連の行動が従来よりより大胆になった、その結果第三世界に非常に勢力を伸長している、その象徴的な事件がアフガニスタン侵攻ではなかろうか。さらに日本の周辺に目を向けますと、これは一九七八年、いまから四年前でございますが、御承知のとおり北方領土に一個師団規模の兵力を再配備した。さらには同じく日本周辺の状況でございますけれども、カンボジア・ベトナムの戦争、それから中越戦争の発生、最近には、先ほどちょっと触れましたけれども、ソ連によるベトナムの基地の常時使用というようなことが指摘されるわけでございます。 したがいまして、結論といたしましては、先ほど防衛庁長官が申し上げましたとおり六年前の時点に比べますと国際情勢が厳しくなっているということは客観的な事実であろうというふうに考えております。
○柳澤錬造君 そうしますと、これはきょうの長官の御発言でもそうなんですが、この五六中業というものは昭和六十二年度になって昭和五十一年のときの防衛計画の大綱のところにやっと到達をするのですということなんですね。それ目がけてやろうという。いま参事官のお話を聞いておりますと、その昭和五十一年当時から見ると国際情勢はかなり厳しくなっておって情勢は違っているのだという判断。 そうすると、もう六年も前のときの情勢でもって組み立てられた防衛計画の大綱をよりどころにして、これからさらに五年間五六中業をお取り組みになるという、そこに矛盾を感じませんかということをお聞きをしたいのです。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 私からも申し上げ、また新井参事官からもお話を申し上げましたとおり、当時とは大変国際情勢、軍事情勢が厳しいことは認識を持っております。 また、五十一年に決められた、しかもその当時とはまた変わっておる軍事情勢の中で六十二年にならなければ、また実際にオンハンドということになると、それから数年後ということになりますとまだまだ時間がかかるわけでございまして、われわれとしては一日も早く防衛計画の大綱の水準を達成したいという努力目標を終始掲げておるわけでございますけれども、半面先ほど来御論議をいただいておりますとおり、防衛力というのは他の諸施策との調和あるいは財政事情等々との整合性のとれた形でなければつくり上げられない、またそういうことでないと国民全体の世論の御支持なり御理解が得られない、またそういう世論の御支持がなければ防衛というものの本当の目的も達成できないというような防衛の持っておる本質的な宿命ということ等もございまして、防衛庁としては、また防衛庁長官としては思い余って意足らずというような感じでおることは事実でございますけれども、われわれは目下のところはこの防衛計画の大綱の水準に定められたこの水準というものを早急に達成することがわれわれに課せられた先決課題であるという認識なり責任を感じておりますことは言うまでもないところでございます。
○柳澤錬造君 言わんとすることを理解をいたしますので、そこから先へ入るのですが、鈴木総理がハリネズミ防衛論ということを発言されたことは御存じだと思うのですが、この言わんとしている趣旨というものを皆さん方はどう御理解なさっているのか。これは総理に聞かなくちゃいけないことなんですが、それから同時に防衛庁自身としてはどういう御見解をお持ちですかということをお聞きしたいのです。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) あと防衛局長等から補足をさせますけれども、私がじきじき総理から承ったことから端を発しておりますのでそのことを申し上げますと、本年一月、鈴木総理から私に対しまして、わが国は四面環海の海洋国家であるということから、その特性を生かした、またわが国が持っております優秀な先端技術、そういうものを生かした有効な防衛構想というものがつくられるのじゃないか、そういうことについてひとつ専門的に研究、検討してみてほしいというような趣旨の御指示があったわけでございまして、それなりの研究、検討をいたしまして、前任の防衛局長から総理にその段階での検討状況、研究状況を報告をさせた経緯がございます。 詳細については事務当局から御報告をさせていただきたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) ハリネズミ理論というものについて、いま大臣から総理の御指示についてお話したわけでございますけれども、スウェーデンがハリネズミ理論というものを採用しておるということ、これは自分からは手は出さないけれども出す者をして手痛い目に遭わせるというふうな意味に使われているのが通例ハリネズミ理論というふうに言われておるわけでございます。 私どもの防衛整備に当たりましても、大臣からもお話がありましたように、わが国の特性というものを考えて最も効率的な有効な防衛体制というものはどうあるべきかについて種々検討をしております。しかしこの問題については非常にいろいろむずかしい問題がありまして、すべての研究が終わったということでなくて、そのときそのときの軍事技術の進展というものを加味しながら絶えず検討していかなければならない永遠の課題であるというふうに私ども考えております。 具体的に申し上げますれば、先般これは前任の防衛局長からも総理に御報告した由でございますけれども、わが国への着上陸措置というものがあるとすれば、これを抑止することが一番好ましいというのは先ほど来申し上げたとおりでございます。もし抑止が破れても、やってくる敵をできるだけ遠くにおいて、これを洋上においてあるいは水際において撃破する、日本本土には上げないというふうな戦略が一番必要ではないか、そのために防空能力あるいは水際撃破能力、その中にはミサイル艇であるとか地対艦ミサイルであるとかいろいろなものが含まれると思います。そうしたもの、それから上がってきた敵に対してはこれをできるだけ押し戻すなりあるいは撃退するなりというふうなことが必要であります。このために地上の対戦車能力、機動能力、火力というものが必要である、言うなればいろいろ複雑に組み合わされた機能をもって有機的にしかも段階的にあらゆる侵略の態様にも対応し得るような形でバランスのとれた防衛力を持っておることがハリネズミとしての有効性を発揮するゆえんではないかというふうなことを申し上げて、総理特段の御意見というものはなかったというふうに聞いております。
○柳澤錬造君 いまの御答弁そのものが相当私かなり問題がある。言葉の羅列では成り立つかわかりませんけれども、現実にそのものが組み立ってわが国の防衛体制ということがどうなるかということになったら、これはもう私が言わなくたっておわかりだと思うのです。問題は、先ほどからも出ておりますけれども、言うならば国民全体が、これは長官もいま言われたけれども、支持をされた、それでまた言葉をかえて言えば総合安全保障がどうやってこの国に成り立つかということだと思うのです。 そういう意味から私がお聞きをしたいことは、私たち国会議員というものはこの日本を取り巻く軍事情勢というものについて詳しく知ってないのです。同時に今度は自衛隊の諸君というものは日本の国の政治の情勢、あり方ということについて余り詳しく知らぬわけです。そういう状態にあってわが国の総合的な安全保障というものが成り立つのかどうか、その辺長官どういうお考えをお持ちですか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 国会議員の諸先生がわが国を取り巻く軍事情勢についてお詳しくないというようなことを申し上げるつもりはございませんし、また御謙遜だと思いますけれども、自衛隊の諸君が政治情勢にこれまたそれほど詳しくないとも思っておりませんけれども、御指摘のようなことを考えますとやはりそれなりの理由があるようなふうにも思います。またそれなりの背景があるようなふうにも感じられますので、両々相まってわが国の防衛に全きを期するためにわれわれ防衛庁としても持っておりますことをできるだけひとつ国会、委員会等に誠意を持って御説明を申し上げ、なお一層防衛についての御理解をいただくように相努めますとともに、自衛隊あるいは自衛官の諸君にも国会の情勢あるいは日本の政治情勢についても私が先頭に立ちながら、またテレビ、新聞等のなお一層の供覧の拡大を図りながら御指摘の背景にこたえられるような努力は進めていかなければならないというふうに考えております。
○柳澤錬造君 長官、それもたてまえの御答弁をなさっているわけなんで、日本の国の現職の内閣総理大臣が西ドイツの総理大臣からいよいよソ連が極東にSS20を配備をしましたよと言って話を聞かされても、わが国の内閣総理大臣はSS20というものが何かは知らなかったという、これは事実ですよ。 私たちもいろいろ断片的なことはそれはそれなりに勉強して身につけるけれども、実際問題としていま長官が言われたって、防衛庁の中がお持ちになっているそういう材料なんかというものは、どうなんですか、半分の半分ぐらい私たちに知らされているのですか。そんな状態で、それから自衛隊の諸君もそういう点について政治的なあれにタッチしてはいかぬこと、これは法律で決まっているから、そのとおり。そういう意味ではなくて、日本の政治の動きというものについてやっぱり自衛隊におる諸君も幹部も下の人たちも知られるようにしなければいけないと思うのです。 それで長官、私のところへ来た手紙、これちょっと読みますので、これは私が一面識もない人なんです。その人が私によこした手紙の主要点だけ読み上げますけれども、お聞きになってどういうお感じを抱くかお聞きをしたいのです。「政府はいつもながらシドロモドロ頼りない事甚しく焦々させられます。こんな政府は敵襲に対し適時指令など思いもよりません。士気に関すること多大であるのは憂うべき大問題、国民の一体的支持協力がなければ闘えませんが、国民から見れば支持し、頼り甲斐あるかどうかです。」「一般隊員の真の声を聞くともなく聞きました。敵が来たらどこへ逃げようかと御互に話して居る。月給になるから居るのだが、その心理、政府は憲法の為に国防がある。アメリカの為の自衛隊と云う態度ですが、此では死ねません。中堅幹部、防大出の私の息子は云います。」、まだあと続くのですけれども、こういう少なくても防衛大学を卒業していまわが自衛隊の中の中堅幹部でおる人です。 これをお聞きになって防衛庁長官がどういうお感じになりましょうか。日本の自衛隊の士気というものがどの程度だとお感じになるかということをお聞きしたいのです。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) いまのお手紙は私も正直言ってびっくりしておりますけれども、またそういうことでなしに若干そういうようなことを耳にすることもあります。そうでございますけれども、二十四万人自衛官、自衛隊のほとんどは大変な士気旺盛でございまして、日夜有事の場合に備えて厳しい訓練に打ちかつように大変な士気旺盛であるということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○柳澤錬造君 いや長官、私に御理解をしていただきたいではなくて、国の安全保障を直接担当していただいておる防衛庁の皆さん方、そうしてそこにおるいま二十四万と言われたわが国の自衛隊員の諸君がどういう感じでおるかということ、いまの手紙のようなことであるならば、とてもじゃないけれども国民が自衛隊を支持をしてということにならぬじゃないかと思う。だから、その辺のところは私に御理解ではなくて、そういうような状態であることについて皆さん方が十分お考えになって、ふんどしを引き締めていかなければ困ります。 次に、ですからそのことはそれでなんですけれども、防衛大学の卒業生、毎年かなりの人たちが任官拒否をしていることはこれは事実のとおり。で、その都度防衛庁の説明というものは、いやあれは病気で体が弱いから任官ができないでやめているのですという、そういうことが返ってくるのですけれども、少なくても普通の大学とは違って防衛大学に入るときにはかなりの厳しい身体検査があって、その基準を通らなければ入学は認めないはずです、あれは基準があるのですから。その厳しい基準のものを通ってあの大学に入ったのであって、それがわずか四年の間に事故でけがしたのじゃないのです。病気でもってもうとてもだめだなんて、そんなことではないわけなんですから、もしあれだけ大量に任官しない人たちが病気なんだということであるならば、私はその人たちを入学のときに身体検査をやった検査官に責任をとらしていただきたいと思うのです。そうでないと、どちらかはっきりしなければ、そのときそのときの言いわけのようなことだけではよろしくないので、その点についての御見解をお聞きをしたいのです。
○政府委員(西廣整輝君) いま御質問の件は防大を卒業した際に身体的な事由によって任用されなかった卒業生の問題だと思いますが、昨年十四人、ことし八人ほど体の理由で自衛官に任命しなかった者があるわけですが、いずれも防大在校中の四年間の骨折等の不慮の事故によりあるいは疾病等によって、その後遺症で自衛官として勤務するに今後耐えられないというようにわが方が判断したものでございまして、ごくまれには一人か二人でございますけれども、自分自身の判断ですが、どうもこの調子だと自衛官としてやっていく身体的自信がないという者もたまにはおりますけれども、いま申し上げたように、ほとんどの者は官側で在校中のいろいろな事故、病気等の後遺症で自衛官としての勤務に耐えられないというように判断したものであります。
○柳澤錬造君 私が聞いているのは、自分自身が判断したとかどうかではないのです。病気でもって任官できないと言ってこの人たちはみんな辞退をしたのですというのが従来毎年防衛庁のお答えなんです。 しかし私が気になるのは、少なくても四年前に入学するときに普通の大学とは違って厳しい身体検査をなさっておるでしょう。基準があって、この基準を通らない者はパスさせてないはずでしょう。その人がそんな病気になって耐えられないような、そんな人間を入れたのだということになるならば、そのときの検査官の責任がどうなりますかということを私は聞いているのです。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) どういう理由であれ、国民の税金によって大学で勉強し、そしてまた自衛官となるべき道を自分から拒否していくということはまことに遺憾なことでございまして、強いて言うならそういう不心得な防衛大学生がないように、今後防衛庁長官として厳重な対応、厳正な対応、また適正な対応をしてまいりたいと考えております。
○柳澤錬造君 長官、ぜひそういうことをしていただきたいと思います。 それから次に、これは先ほど渋谷先生からも出されまして、私もちょっと聞いておきたいのですけれども、不正昇任試験といいますか、いわゆる試験問題の漏洩事件なんですが、いろいろあちらこちらでもってこの試験問題の漏洩事件がいま起きているのだけれども、これもいまの防衛大学の任官拒否と同じであって、自衛隊の中、防衛庁の中でもってこのような事件が起きるということは、他の問題、事件とは私は違うと思うのです。しかも先ほどは詳細がわかったならばと言っておりますけれども、私がいま新聞をここへ持ってきているのもそうですけれども、この主犯格のが言っているのは、四十八年、防衛庁の陸幕で試験の答案に手心を加えているのを見て犯行を思い立った、過去十年間防衛庁の内部でこのことが行われておった、しかもそういう不正の受験隊員というものは五十人以上もいるということもほぼ明らかになったということがいま報道されているわけなんですよ。 大変言葉の言い方が私よくないのですけれども、言うならば質的にはスパイ事件と同じ性格を持つと思うのです。防衛庁の中で、自衛隊の中で任官なり昇格するのにそういう試験問題が漏洩していく、そういうことがまかり通っていたなんということは、これはゆゆしきことだと思う。だから、この点についてどのようにお考えになり今後どう処置なさるのかお聞きをしたいわけです。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほど来お答えを申し上げておりますように、本当にあってはならない、起こってはならないことが自衛隊の中に起こったわけでございまして、私も現職の長官としてこの無念さ、くやしさをどこにぶつけていいかわからないぐらいな砂をかむような思いでおります。まことに遺憾な不祥事でございます。何とも申し開き、申しわけをする言葉を見出し得ません。 と同時に、先ほども申し上げましたけれども、こういう一部の者の不祥事によって、本当に自分の人生なり青春を国の防衛にかけておる、そしてまた日夜厳しい訓練に耐えておる本当にまじめな自衛官にいささかでも士気が阻喪されるような形に相なったことは返す返すも残念なことでございまして、このことについては今後規律をモットーとしなければならない自衛隊をこのことによって新しく体質を治す、生まれ変わらせるというようなぐらいの気持ちで、試験制度のあり方、任用のあり方等々、あるいはまた試験問題についての保全のあり方、またこういう試験というものについての厳しい感覚を自衛隊の中に持たせるようにいまその対応策を重々検討中でございますし、全容もだんだん明らかになってきたわけでございますので、厳正な処分をいたしまして戒めとするように検討を進めておるところでございまして、暫時お時間をいただきたいと思っております。
○上田耕一郎君 先ほど五六中業の説明がありましたけれども、防衛庁長官が一切触れていない重大な問題があるのは、日本の五六中業がアメリカの核戦略の一翼を担っているということだと思います。今度P3C五十機という整備目標が出ているけれども、これは太平洋においてはアメリカよりも多いP3Cを日本が持つことになりますし、ガイドラインでは「米国は、核抑止力を保持する」ということもはっきりうたわれているわけです。 きょう私は七月五日の参議院決算委員会でわが党の安武議員が質問しました横田、大和田、所沢の通信基地問題にまず触れたいのですが、あれはグアムのアンダーソン基地にあるアメリカの戦略空軍SAC第三航空師団のB52、これと関係のある基地であることは安武質問に対して櫻内外務大臣もほぼ認められたとおり。このSACというのはアメリカの戦略核の三本柱の一つで、このことはもうよく御存じだと思いますけれども、日本の基地がこのSACの戦略空軍に対してすでに提供されているという問題があります。たとえば沖縄の嘉手納基地にあるKC135、これはB52に対する給油も行うということになっておりまして、第三航空師団の一部隊であります。 さて、この横田、所沢、大和田につくられる通信基地というのはいまの核戦略の中で最近非常に重大問題になってきた三C問題、つまりコマンド、コントロール、コミュニケート、指揮、管制、通信、これにかかわる非常に重大な基地なんですね。 まず、防衛庁にお伺いします。このアジア極東におけるフェール・セーフ・ライン、これは一体どこに引かれているのか。新聞の報道によると防衛庁は六月五日に原題「フェールセーフ」、日本名「未来への飛行」という映画を試写されたそうで、生田目空幕長は実にすごい、すごい映画でリアルだというふうに感嘆したという報道もあるのでよく御存じだと思いますけれども、お答え願います。
○政府委員(新井弘一君) お答えいたします。 ただいま先生が言及されましたフェール・セーフ・ラインと言われるもの、これは極東に果たして設置されているのかどうか、この点は明らかでございません。
○上田耕一郎君 明らかでないとおっしゃるけれども、これは現にあるわけですね。 社会党の社会新報の六月二十二日号に、赤旗でないのが残念なんですが、七八年にグアムへ行ってB52に同乗したルポが載っているのですね。これは大変なもので、B52に乗って、そうしたらいきなり高度三百メートルまで下がって水平飛行をやる、それでポップアップ爆撃訓練をやるのですな。恐らくB61というパラシュート付き低空でやる核爆弾ですね、これの投下訓練をやって、十五分で五千メートルまで上る。これ全部体験しているのですね。その後「PCTP訓練を行った。それは、あらかじめ決められた攻撃目標手前の空域で、大統領から核使用の最終ゴーサインをうける」と、このゴーサインがあったら行かなければいかぬですよ、フェール・セーフ・ポイント、フェール・セーフ・ラインを突破してね。なければ戻ってくるというのがアメリカのポジティブコントロール、このB52を使う核戦略の非常に重要なものなんですね。 これはアジアで当然三十八度線から恐らくウラジオストク、ペトロパブロフスクの線で引かれているのだろうと思うのだけれども、今度重大な問題になるのはB52G、Hなどに空中発射の巡航ミサイルを八二年十二月から積むということが公表されているわけですね。巡航ミサイルを積みますと、このフェール・セーフ・ラインというのは下がってくるわけですよ。 国連のワルトハイム事務総長の核兵器の包括的研究というのが総会に報告されていますが、これを見ますと、巡航ミサイルということになれば離れた位置から、つまり爆撃機が敵の防空体制を通り抜けることなく手前から核ミサイル発射できることになるわけですな。発射して、だあっといくわけですから、千何百キロ、長いものは二千数百キロ飛ぶわけですな。そうするとフェール・セーフ・ラインというのがいままで恐らくソ連の近くにあったのがかなり手前に、防空体制から離れた手前からということになるわけなんで、そうなればフェール・セーフ・ラインというのは極東においては日本にもっと近くなるというように思うのですが、新井参事官、大体一般的にいかがですか、そういうことがあるということは当然御存じと思いますが。
○政府委員(新井弘一君) 御質問でございますので一般的にお答えいたしますと、先生がおっしゃいましたとおり戦略空軍SACがフェール・セーフ・ラインという運用上のコンセプトを持っていたということは事実かと思います。ただ現在では衛星を利用しまして通信設定等ができるということでございますので、実際にこのコンセプトが現在必要かどうか、こういった点については若干の疑問があると思います。いずれにしましても私冒頭お答えいたしましたとおり実態は明らかでないということを申し上げざるを得ないと思います。
○上田耕一郎君 新井さんは大変お詳しいので、安武さんの質問に対してお答えで、B52の戦略空軍司令部、これネブラスカのオファットに司令部があるのだが、「そこから通信衛星、あるいは各種無線、有線システムによって指揮、管制を受けているという点を理解しております。」と、ちゃんとあなたは各種無線ということも言われている。 この各種無線は、安武さんが詳しく質問いたしましたけれども新たに改善されつつあるわけですね。アメリカ本土外では六カ所です。アジアにおいてはいままでSAC用のこういう通信システムが府中、沖縄、鳥山、クラーク、グアム、ハワイ、アラスカのエルメンドルフと七つあった。それが新たにそのうちの三つ、横田、クラーク、エルメンドルフ、これだけがスコープ・シグナルIIIに改修されるということがアメリカの議会で発表されて、予算書まで提出されて資料まで出されているわけですね。そこにはっきり横田と書かれている。横田のスコープ・シグナルIIIという新しいシステムに改修されることはすでに御存じで、これがフェール・セーフ・ポイントの通過、それに対するゴー指令を出す通信基地だということはお認めになりますか。
○政府委員(新井弘一君) その点こそまさに明らかでないというふうに申し上げた次第でございます。 先生御指摘のとおり私も前回若干安武先生の質問について答えておりますが、問題の横田につきまして実際問題としてSACのネットワークの強化のための全体計画の一環として施設の改善措置がとられるということはこれは事実でございます。ただ御承知かと思いますけれども、現在横田に置かれております送受信施設というのは非常に維持の困難な古い機材によって機能しているという実情がございます。
○上田耕一郎君 これまでもそうだったのですよね。これまでもそうだったが、いよいよ巡航ミサイルが積まれるということもあって新たに改善される。 それで、淺尾北米局長、安武質問に対して櫻内大臣は大体安武さんの質問を認めて「こういう立場から計画されておることであって、これは核の抑止力を肯定する立場からすれば、」「理解はできる」とはっきり答えておられるのですが、外務省は大体全貌を知った上でこういう理解できるという判断をしているわけですね。
○政府委員(淺尾新一郎君) そのときに正確に大臣がどうお答えになったか必ずしも私自信がございませんけれども、安武委員の御質問はスコープ・シグナルIIIというものはどういうものかということから質問が始まったわけでございまして、その際に私たちとしてアメリカの軍事委員会の記録に基づいてアメリカが現在の戦略空軍に対する通信機能を改善する計画を有しているということを申し上げたわけでございます。 それとの関連でアメリカの核抑止力について理解するということがすぐそこで出てくるかどうか別にいたしまして、日本としてはわが国自身が核というものは保持していないということもあって、やはり核抑止力についてはアメリカの核抑止力に依存せざるを得ないという点で、アメリカが核の抑止力の近代化のためにCの補強あるいは近代化を進めているということはこれは日本としても理解できる、こういうことではないかと思います。
○上田耕一郎君 きょうは余り時間がありませんで今後また追及いたしますけれども、安武議員も言及いたしましたオファット基地発行のSACの発展という文書に横田その他にあるあの通信システムというのはポジティブコントロール、つまりゴー指令出すあれですな、それだということがもう明白に書かれている。わが日本が、唯一の被爆国の日本がこういうSAC戦略空軍のすでに基地になっている。沖縄の嘉手納基地、さらに首都並びに首都圏の横田、大和田、所沢に新たに通信管制の基地の改善工事が始まっている。これ来年の九月から工事が始まって再来年の一月に完了するというのですけれども、これきわめて重大な問題であって、わが国を限定核戦争に一層深く巻き込むことになる。これは当然核戦争になれば最大の報復目標の一つになるので絶対許せない、今後とも追及していきたいと思うのです。 さて、こういう状況になるのは、宮澤官房長官おいでになりましたけれども、アメリカのアジアにおける先制核使用、これについて日本政府がすでに了解を与えているという大問題の当然の帰結であると思います。宮澤官房長官は六月二十五日の衆議院予算委員会で社会党の横路委員の質問に答えて、この先制使用問題で表現は核の抑止力と言いたいのだが、「両国政府間でそういうふうに了解しております。」と、そう答弁されておられるのです。 さて、両国政府間の了解というのは、宮澤さんが外務大臣時代、昭和五十年四月にキッシンジャー国務長官と会談をされて、みずから記者発表をされて、この核抑止力問題について三点述べられました。それからその年の八月に三木・フォード会談があって、そのときのジョイントアナウンスメント、新聞の共同発表で核抑止力問題、通常兵器であろうと核攻撃であろうとアメリカは日本を守るのだということが述べられたわけですけれども、この二つを指しておっしゃっているのですか、お伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) つまりアメリカ政府として通常兵力だけでは十分な抑止機能が働かないという場合に核使用というものの可能性を排除してしまうということではこれは抑止力にならないわけでございますから、そういう基本的な認識を持っているということと思います。
○上田耕一郎君 いや、日米両国政府間にこの問題について了解があると言われたのは、あなたが外務大臣時代の宮澤・キッシンジャー会談、それからその年の八月の三木・フォード共同発表ですね。ここに書かれていること、この二点を日米間の政府了解だということになっているのかどうか明確にお答え願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は正確には外務当局からお聞き取りをいただきたいと思いますけれども、少なくとも昭和五十年四月に私がキッシンジャー国務長官と話をいたしました際、それからその年の八月でございますか、三木総理大臣が訪米されました際の共同宣言、この二つはそれを反映しておりますことは間違いないと思います。そのほかにもあるいはあるかと思いますが、その点につきましてはそのとおりでございます。
○上田耕一郎君 外務当局からとおっしゃいますが、すでに二月十九日、同じ横路委員の質問に対してそこを引用して櫻内国務大臣が明確に答えております。横路議員の「通常兵器による攻撃に対してもアメリカは核使用をするということを」合意したのかどうか、「その間についての日米間の協議、合意」はあるのかないのかという質問に対して、櫻内大臣は五十年八月六日の新聞発表の三項四項、これをきちんと引用されて、そうだということを答えているわけですね。私どもこれは非常に重大な問題だと思うのですね。 今度の第二回国連軍縮特別総会でも先制核使用問題があれだけ大きな問題になった。ソ連側は先制核使用をしないという約束をするということを言いました。われわれソ連についてはいろいろ批判持っておりますけれども、あの言明そのものは社会主義国として当然だけれども、最小限なんだが、やっぱり肯定的なことだと思うのですが、その直後にアメリカ政府は拒否声明、絶対に核先制使用をしないと約束できないという声明を発表したわけですね。 それだけの大問題になっているとき、実は日本で昭和五十年にすでに日米両国政府間で、この日本でソ連が通常兵器で攻撃してもアメリカが先に核兵器を使う、そういうことがあり得る、日本政府もオーケーをしたというその事実が明白に確認されたということですね。これは驚くべきことだと思うのです。 国連軍縮特別総会中ロストウ米軍備管理軍縮局長はNBCテレビに六月二十日に出演して、ソ連が通常兵器で日本を攻撃した場合にもアメリカは日本のため核兵器で対応することも辞さないのだ、そういう趣旨の発言をした。これに対して「複数の外務省筋は二十一日「この政策は日米安保条約に基づく米国の核の傘の意味を具体的に述べたものであり、当然のこと」だと述べたという報道が毎日新聞六月二十二日に載っておりますが、これは淺尾さんですな。いや外務省筋が淺尾さんだというのじゃなくて、淺尾さん、やっぱり外務省はこういう見解ですか。核の傘というのはそういう意味ですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) いまの御質問にお答えする前に、先ほど外務大臣に関連して御質問がございましたけれども、外務大臣の答弁は、その昭和五十年八月六日の共同新聞発表の第三項及び第四項に「米国の核抑止力は、日本の安全に対し重要な寄与を行うものであることを認識した。」、これは総理大臣と大統領との間で「これに関連して、大統領は、総理大臣に対し、核兵力であれ通常兵力であれ、日本への武力攻撃があった場合、米国は日本を防衛するという相互協力及び安全保障条約に基づく」その義務を引き続き履行することを約束したということでございまして、そこで言っているのは、アメリカは安保条約五条によって日本を防衛する義務を負っている、その義務の中には、アメリカが日本を守るためには核攻撃であれ通常攻撃であれ日本を守るそういう義務である、そういう点について日米間でこの昭和五十年八月六日の共同新聞発表で確認しているわけでございます。 それから、第二点の外務省筋、それが私かどうかというお尋ねでございますが……
○上田耕一郎君 いやいや、そうじゃないんだ、それは別として。
○政府委員(淺尾新一郎君) まず私ではございません。 それを明らかにした上でお答えいたしますが、外務省の考え方としてはやはり日本の安全保障というものはアメリカとの安全保障体制の上に成り立っているということでございまして、その中にはアメリカが持っている核であれ通常兵力であれ、その抑止力に依存しているということでございますので、その抑止力としてアメリカがそれを強化していくということについては当然その理解をする、そういう趣旨でございます。
○上田耕一郎君 これは共同発表をそのまま読んだとき、その裏にこの文言だけからはわからないことが新たに今度明らかになったのです。この共同発表並びに宮澤さんの四月の記者会見もそうですが、通常兵力あるいは核兵力による攻撃、どちらであってもアメリカは日本を守るのだということだけなんですね。 ところが、今度この過程で明らかになったのは、通常兵器で攻撃された場合にもアメリカが先に核を使うことがあるのだ、核兵器による日本防衛、これを日本政府は理解している、了解を与えているということがこの一連の国会答弁で明らかになってきた。非常に私は重大だと思うのですね。宮澤さん、明確に先ほど述べられた。 そこで宮澤さんにお伺いしますが、そうなりますと、この新聞発表以外にあのときあなたが四月にキッシンジャーと協議されたときに、その問題についてその文言以外にすでにあのときから通常兵力による攻撃に対しても核の抑止力を使うことがあり得るということがあのときにあったのかどうか、それが第一点です。 第二点は、もしそういうことが日米両国政府間で了解し合っているということになるならば、もし他の外国が日本を通常兵器で攻めてくる、そのときアメリカが核兵器を使うことを日本は前もって白紙委任でゆだねているのかどうか、あるいはアメリカが核兵器を使うというときは日米政府間で協議するということになるのかどうか、この点、そのときの話し合いを含めて、その後日米両政府間でどういう了解になっているかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 結局問題は、わが国はこういう姿でございますから、わが国に対して加えられることがあるべき攻撃に対して、仮に通常兵器だけでそれを抑止するような十分な力にならないという状況であれば核兵器も使用されることあるべしと、絶対に核兵器が使用されることがないというのではこれは抑止力になりませんから、通常兵器と核兵器と総合した立場で抑止力というものも考える、それは私はごくごく当然の立場ではないかというふうに思っておるわけであります。 それからなお、事前協議云々というあたりがございましたが、これはお答えを間違えるといけませんので政府委員から答えてもらいます。
○政府委員(淺尾新一郎君) 上田委員のお尋ねの趣旨がアメリカ側が核を使うことについて日本側は事前に意思を表明できないのかどうか、あるいは事前協議の対象になるのかということであれば、これは日本の施設区域からそういう核を使うということであればこれは事前協議の戦闘作戦行動の一形態としてなるかもしれませんけれども、日本としては三原則を有している以上、日本の区域内にそういうような兵器は置いていない、したがって戦闘作戦行動の一形態としてもアメリカ軍が日本の施設区域から核を使うことについて事前協議の対象になるということはまあ論理的にはないわけでございます。 それでは、それ以外の日本以外の地域で米軍が核を使うという場合にはどうだということでございますが、私たちがここで言っているのはあくまでも核というものは抑止力ということであって、使われてしまってはこれは人類の惨禍になるということでございますから、戦争を抑止するために持っているということでございます。したがって、いまお尋ねの件についてそういう場合が起きたときに事前協議の対象になるのかどうかということは、まず抑止力ということからあり得ないということを一つ申し上げることと同時に、安保条約上いわゆる六条の交換公文に基づく事前協議の対象では本来もともとこれはないわけでございます。
○上田耕一郎君 私は非常に重大な答弁だと思うのですね。つまりこれまで国会答弁で明らかにされてきた事前協議の言明からいって、日本の国内から核攻撃が行われるという場合にはなるけれども、日本の領土領空以外のところで使われる場合にはアメリカは勝手に日本防衛という名目で先に核兵器を使うということがあり得るということをお認めになったわけですね。 朝日新聞の六月二十七日の社説は、松田審議官の横路質問に対する答弁、このときは宮澤さんも答弁されたのだが、アメリカの「核第一使用を認める趣旨の答弁」、「これは首相演説にも国会決議にも逆行する。」、「日本防衛に核使用を許すかのような答弁は、軽率というには重大過ぎる。」、この答弁取り消すべきだということを朝日は社説で述べている。私はこれは非常に重大な問題だと思うのです。 もう時間が参りましたけれども、いまNATO諸国の間でも、七九年十二月のNATO理事会でパーシングIIと巡航ミサイルのヨーロッパ配備が問題になった際、それまでは二重かぎということでNATO諸国も核使用についてある発言権があったのです。ところがあのパーシングII巡航ミサイル配備についてはアメリカだけが使用権、発射権持っているというので、やっぱり大問題になったのですね。 ところが日本でも同じ巡航ミサイルが、今度トマホークも八四年六月から第七艦隊に配備されますし、先ほど冒頭に取り上げましたようにグアム島のB52も空中発射の巡航ミサイルを積む、それに横田からゴー指令が行くわけですね。横田基地は通信基地だから核分裂物質入ってない、核弾頭入ってないからあれは核基地でないのだというのが政府の態度ですね。 そうなりますと、アジアで日本政府がアメリカ政府と了解のもとで先に核兵器を使用することを日本防衛という観点で認めている、日本の国内から発射されなければいいのだというそういう答弁、これは私は国会決議にももう断然違反すると思うのです。国会決議は「核兵器が二度と使われることのないよう実効ある国際的措置」、これを求めるということを満場一致で決議しているわけですね。唯一の被爆国日本で最初にアメリカが日本を守るということで核兵器を使う、これは核戦争です。限定核戦争。これは世界的な核戦争にまでエスカレーションする危険があるわけで、そういうことを文字どおり白紙委任をアメリカ政府に対して行っているということはきわめて重大な問題だと思います。 もう時間が参りましたけれども、最後に防衛庁長官、こういう日本がアメリカの核戦略の拠点にこれほど深く巻き込まれている、アメリカの先制核使用に対して日本政府としてオーケーしているということが核戦争を防ぐという、そういう日本国民の安全の上から危険なものであると思いますけれども、防衛庁長官はどうお考えになっているかを質問して私の質問を終わります。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 日本の防衛は日米安保条約を基軸としてやらしていただいておるわけでございまして、核の攻撃に対してはアメリカの核の抑止力にまつというのがわが国の防衛政策の基本でございます。
○秦豊君 がらっと変わりますが、私の場合は。 官房長官、最初にちょっと確認しておきたいのです。今度のこの五六中業ですが、これがなぜ国防会議の場で確たる決定にならないで了承にとどまったのか。私はかつてそういう例を知らないので、冒頭に念のために確認をさしていただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私法律的に厳密にお答えできないかもしれませんけれども、およそ政府の方針を最終的に決定いたします機関は閣議でございますので、したがいまして仮に国防会議がこれを決定いたしましたとしましても、最終的な国の方針になるにはもう一度閣議決定が要るのではないかと考えます。 基本的には閣議というものが最終的な決定機構となっておるということをまず申し上げまして、次に、国防会議が了承ということになりましたのは、わが国の予算の編成が単年度主義でございますから最終的な決定はその年度その年度で決めてまいらなければなりません。そういう意味でこういうことを頭に置いて防衛庁が作業をされるということ、このことはもとより異存がないけれども、このことそのものが最終的にここで決まるわけではない、こういう意味合いであったのではないかと思います。 もし知っております事務当局がおられましたら、もう少し正確に申し上げられるかもしれませんけれども。
○秦豊君 官房長官、政権中枢の取り決め決定、デシジョンメーキングとしては私非常に許されないような雑駁さであるとまことに失礼ながら思うのです。つまり国防会議は防衛政策、一国の装備計画の最高方針を決める場の一つだ。もちろん国会のチェックポイントはありますよ。それが了承にとどまったのはなぜかと聞いた私の真意は、ではちょっと角度を変えまして、正面装備四兆数千億円はもちろんインプットされておりましょうけれども、五十八年度から六十二年度までの五六中業期間中の年度別の正面のみならず正面プラス後方、人件糧食、退職金等を含めた年度ごとの概算がインプットされておりますか、官房長官の脳裏に。
○国務大臣(宮澤喜一君) インプットというのはどういう意味でございますか……
○秦豊君 刻まれておりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国防会議において説明がございました。
○秦豊君 ところが、防衛庁長官が権威ある当委員会に冒頭できょう述べたこれは、あえて正面から不遜にも「後方関係経費、人件糧食費については見積りの対象としていませんので、」詳細な云々と、こういう記述があり、これを了としてくれという問題提起なんです。 本来国防会議で取り決めるという場合には、正面プラス後方の総額を緻密に積算し年度別に割ったものを了承するならば政権の意思として意味がある。それをどけておいて了承するという取り決め方、大変私は問題があると思うのですよ。だから伺っているのです。一応報告はあったのですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは事務当局がおられますので、むしろ正確には事務当局からお聞きいただいた方がいいのかもしれませんけれども、いわゆる後方、人件糧食費等々は一応参考の見積もりとしてやってみた、したがってそれは何と申しますか四兆四千億——四兆六千億といったような性格のものとは違いまして、概算、大まかな目の子でやってみるとこういうことであろうかと思われますがと、これを何で参考に出されたか。大筋の大まかな姿を伝えようという意図もあったでありましょうし、GNPの一%という問題がよく問題になりますので、それとの関連でどんなようなことになるかということもあって目算を説明されたということもあったのではないかと思いますが、いずれにしてもそれらは了承なり何なりの対象に正確にそれとして承認されたというものではないと思います。
○秦豊君 本来この五六中業は防衛庁の内部資料であった。ところがいつの間にか日米間の正式な政府機関、制服同士あるいは文官を含めたGアンドGの交渉の基準になってきた。だからわれわれ野党も予算委員会等において発言をして、これはやっぱりチェックポイントとして大きなアイテムとして文民統制の対象にすべきである、ならば国防会議でオーソライズせよという主張をした。私もした一人です。 その反映の一環であるとは思いますが、だから国防会議がそれを初めて今度扱ったわけですからこういうあいまいな形にならざるを得なかった。そこに政府の防衛計画や財政見通しの雑駁さがある。つまり不透明だ、流動的だ、分母分子論、それはもう聞きあきましたけれども、私はその程度の取り決めしかできなかったというのが実態であろうと逆に思っております。 そこで、これは防衛庁にも後で聞きますけれども、関連しまして宮澤官房長官の御認識の中では五六中業が目標としている戦力水準、装備計画のレベル、これはゴール到達点という御認識なのか、あるいは新たな起点という把握をしていらっしゃるのか、どちらでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 正確に申し上げられないかもしれませんけれども、私が漠然と了解しておりますところは、昭和五十一年に防衛計画の大綱を閣議決定いたしましたが、それに到達する道としてこの五六中業というものを作業の計画をつくった、そうしてなるべく早く防衛計画の大綱を達成したいということでございますので、そういう意味では到達点としてただいまの段階では認識されておると思います。
○秦豊君 それから、政府の姿勢あるいは五六中業に対する方針というのは、問題は残るけれどもとにかく来年からスタートする、これはもう既定のレールである、動かない、いろいろな見直し点、フォークランドの先訓の吸収もあるだろう、あるいは財政事情の変化もあるだろう、あるいは重点配分の問題もあるだろう、プライオリティーも新たに見直さねばなるまい、それらは全部まとめておいて、ローリングバジェットなんだから三年たった五十九年の五九中業において総まとめして大きな作業をやって新たな方向に踏み出す、五六中業はとにかくスタートする、しかしスタートの仕方自体が僕が指摘したように雑駁ですから、もっと緻密に練り上げるその答案は五九中業である、だから五九中業というのは僕は決定的に日本の戦後の予備隊以来の防衛政策の質量ともの大転換になると思う。 官房長官御自身にしても、七月六日の内閣委員会で鈴木総理が私に答弁された例の一%論がありますが、あの微妙なニュアンス、官房長官御自身にしても、五六中業の初年度はとにかく〇・九八か九六か、まあまあこの程度におさまる、五十九年になって後方の精密な積算をしてみたら一・〇二になっていた、一・〇二五かもしれない、恐らく五十八年を過ぎたつまり中業の二年目からはGNP対比一・〇を守り抜くというふうな堅忍不抜の自信はお持ちになれないでしょう。違いますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これもまた申し上げますと分子分母論になりますので、なるべくそれは繰り返すなという仰せでございますから繰り返しませんけれども、いろいろ流動的な要素はありますものの防衛庁としては費用対効果が最も効率的になるような形でこの五六中業をやりたいというお考えであって、ただいまのところ一%の閣議決定を変えなければならないような状況にはないというふうに了解しております。
○秦豊君 官房長官は総合安保関係閣僚会議の統括者でもいらっしゃいますのでぜひ耳におとめおきいただきたいことは、いまは五六中業である、やがて五九中業を自指す、僕自身の推測ではもう決定的な転換のターニングポイントが五九中業です。いまはとにかく行く、指弾されようが非難されようがとにかく行く、だから五九中業ですべての片をつけるという方向になると思いますけれども、そこでいまの費用対効果にも関連して官房長官にぜひとも申し上げておきたいのは、イギリスのたとえば国防白書とか、イギリスの議会と国防当局の関連を見ますと、議会つまり政府がたとえばNATO関係については幾らの予算配分、ドーバー海峡等大西洋正面海域についての防衛費はこのパーセンテージ、そうして本土防空を含めた防衛についてはこの程度、核戦略は幾らというふうにぴしっとフレームを決めるのです。それほど権威のある取り決め決定しているのです。 そこで申し上げたいのですが、わが国の場合は鈴木総理のハリネズミ論、あれを論というからかたい評価なんで、あれは思いつきと言うのです。セオリーじゃないのです。だから巻き返しがあるとふにゃふにゃとフェードアウトする。これが実態です。それが国防会議議長のていたらくです。 そこで、いまのままであれば、いや五六中業を秦さんよくごらんなさい、これは海空重視が貫かれているとおっしゃるかもしれぬが、私が試算してみると正面装備の予算配分は陸が二八%、海四〇%、空三二%で、一応なるほど海空重視のヒエラルキーになっている。ところが人件費と後方を積算してみると陸は五〇%をわずかに超えている。つまり陸が依然として重いのです。これが五六中業のデッサンなんです。つまりちっとも国防会議議長の思いつきは生かされていないのです。だから海空重視陸重点、横並び一線の分列行進のまねごとをしておる、こうなるのです。重点なんかちっとも貫かれていない。私はそう思う。 そこで官房長官、私が言いたいこの項目における真意は、やはり横並び一線は日本の予算編成、積算と同じです。前年度比プラスアルファ、必ずこうなるのです。ゼロシーリングと言っても政治の風圧に弱い。ではどうするかという問題をこれからは国会は真剣に考えなければいかぬ。行政府も真剣に考えなければいかぬ。 そこで私は提案ですけれども、国家としての安全保障、防衛政策上のセオリーを、思いつきではなくてセオリーを熟成さし、当然解析をする、分析をするのだからプライオリティーが確立します。重点を志向します。その場合に、堀江先生いらっしゃいますけれども、私は陸が重過ぎる。ミニアメリカ師団みたいな陸をやはり思い切って再検討をして、機構中心の編成からもっと機動性のある編成に変える。十三個師団十八万人体制と言うけれども、あの配置自体に必然性も合理性もあったわけではない。したがって、それこそ重点を貫くためには陸の思い切った編成、それから専門的な補給処は保たねばならぬが三軍共通の補給体制は統合化するとか、民間委託を思い切って発想するとか、あるいは正面装備よりは備蓄国家としてのストックパイルに力点を置くとか、いろいろな志向があった中で、一番問題になるのは陸の予算と編成装備をどうすべきか、この問題が必ず大きな課題として浮上しなければならぬと私は思うのですよ。 官房長官としては、きょうは政府代表としていらしていただきましたので、私のちょっと長くなったが意見を交えたいまの提案兼質問に対してはどういうお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の防衛費の中で、これは秦委員よく御承知のとおり人件費が五〇%を占めるわけでございますから、したがいまして陸の人数が多ければどうしても人件糧食費は陸が大きいということは、これは人件費だけで五〇%を超えるという、五〇%に達するということだけから言えば当然の帰結ではないかと存じます。そのような人員構成がいいかどうかということにつきましては、これはもう防衛庁長官のもとに専門家がいろいろに常に検討をしておられることであろうと存じます。
○秦豊君 そういう問題は官房長官、防衛庁マターじゃないのですよ。行政府の、行政当局のつまり政府総体のマターなんです。防衛庁長官がと言えば、失礼だが伊藤さんはこの間なられたばかりである。つまり幕の積算の上に立っていらっしゃるのです。これはバランスの上に立っていらっしゃる、強固さは別として。それだからこれは行政全体が取り組む、僕が申し上げているのはそこにあるわけですよ。防衛庁に任してあるから安心ができる、防衛庁というのは内局じゃないのですよ。幕が積算するのです。内局はチェックするのです。その次のポイントは大蔵省主計局担当主計官です。国防会議は僕が何回も申し上げるようにほとんどチェックしていない。だから、官房長官のそういう御答弁では私はなかなか納得がいかない。 それは無理ですね。やっぱり重要な一角を形成していらっしゃる官房長官が今後の日本の装備計画、防衛政策を発想されるに当たって陸海空の比重、ウエート、予算配分、そういう問題について、いまなかなかそれは思い切ったことは大問題になるから発言しにくい、それはわかりますけれども、防衛庁にというふうな程度の御答弁では納得できません。もう一度お考えを伺っておきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはいわゆる政治が主導すべきだというお話は決してわからないわけではございませんけれども、その場合非常に高度な知識と判断等を必要といたしますから、それらのものの基礎になるやはり考え方は専門家である防衛庁から出てこなければ、外部の者がなまはんかな知識で判断をしたりしてはならないことではないか、こういうことを申し上げておるのでありまして、防衛庁において費用対効果をマキシムにしようと考えられれば、おのずからやはり専門家としての意見が出てまいって、その上で政治が判断をするということでなければならないのではないかと思います。
○秦豊君 官房長官、私こう思うのですよ。国会がなまはんかな一知半解を振り回す場ではないのです。けれども、あなたは政権のまさにかなめ的なところに座っていらっしゃる重要なお一人として政治がかかわるべきは、政治が取り決めるべきは国家戦略の方向づけですよ。つまりそれがあって各論がある。防衛庁サイドというのは、防衛行政というのは各論なんですよ。本末が転倒しているからこういうことになるわけですから、そういう御答弁にもなおかつ不満ですけれども、私はあと七分しかないようですから、官房長官とこれ以上の御議論はちょっとできません。残念ながら別な場を期待したいと思います。本日はどうも。 それで防衛庁に伺いますが、五六中業に入る前にもう一度答えてください。同僚議員お二人に対する北部方面隊の例の不祥事件についての御答弁、あれだと私はなおかつ不満ですね。 たとえば調査委員会というのは当該事件だけを調べているのか、あるいは類似の事件のおそれについても調査を進めているのか、いつごろまでに終わるのか、また終わろうとするのか。あるいは関係者の処分と伊藤長官はおっしゃったけれども、それは司法当局には三人の関係者がすでに起訴されている。そうじゃなくて、宮永スパイ事件においてこれは厳正に陸幕長の更迭問題に直結をした、そういう上級ランク者の処分をも含めた問題なのか。その辺が少しも明らかでないので、同僚議員にせっかくお答えになったけれども、私は納得できないから、具体的にいつごろどう処分をされるのか。そういう決意のほども伺っておかないと納得はできない。綱紀の問題ですよ。他の方面隊あるいは地方隊、部隊にあり得ないとは断言ができない。だからあえて伺うのです。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほど来だんだん申し上げておりますけれども、詳細につきましては政府委員からお答えをさせますけれども、処分の問題等につきましてはだんだん全容もわかってまいりましたので、なるべく早い機会に厳正な処分をするということで検討といいますか案をつくりつつありますけれども、まだ全容が正確にわかっておりませんので、いついかなる内容ということを申し上げる段階では残念ながらきょうはないのでございまして、お許しをいただきたいと思います。
○秦豊君 それから、先ほど大木委員は例の盗聴のことに関連した資料の問題を提起された。さっき伺っていると、官房長官は、国防会議では五六中業は後方を含めた概算は確かに頭に刻んだ、説明は受けたとおっしゃっている。そこで、ぜひ委員長に取り計らっていただいて各党理事の各位に御相談を願いたいのですけれども、安全保障委員会であろうが他の委員会であろうが、五六中業を論議する場合に正面の概算だけ、あとは非常にアバウトな十六兆数千億円というのが一行書いてある、十何字書いてある、これで論議をしようというのは、これは当該委員会を愚弄する所業に等しい。しかも国防会議では五十八年度幾ら幾ら、当然六十二年度まで毎年メモか何かあったんでしょう。経理局長は在席かどうかわからないが、いま顔は見えないが、これは私はぜひ正面プラス後方、しかもこれから自衛隊三軍にとっては退職金の問題重大なんですよ。定年延長で局面が回避されていますが、これから出てくるのです。大変な問題です、これは。そういうことを含めてここで委員長にお願いですけれども、正面はわかっているが、ぜひ正面ももっと詳しく、たとえば年度ごとの減耗ですね、これも含めてその費用とか何とか新増を含めたプラスマイナス、それから正面の詳しいのと、後方の年度ごとの概算を付したトータルなまさに五六中業の全費用というものを当安全保障特別委員会に提出をしていただきたい。これは強く求めますが、防衛庁にその意思があるかどうか。いかがでしょう。
○政府委員(夏目晴雄君) 五六中業の中身につきましては、先般来御説明しておりますとおり、私どもの部内で作業している中身はあくまでも中業という性格が陸海空自衛隊の正面事業を中心とした主要事業についてのみ行っているというたてまえになっておりますので、いま御指摘のありました後方支援関係、さらには人件糧食費関係についての詳細な見積もりをしておらないというのが実情でございます。しておらないというものを出せという……
○秦豊君 じゃ、国防会議に何説明したか。
○政府委員(夏目晴雄君) 国防会議には私どものところで、この五六中業の対象ではございませんけれども参考のために大まかに試算したというものを申し上げたということでございます。
○秦豊君 ならば、その試算を提出していただきたい。国家機密でも何でもないでしょう。せめて試算を当該委員会に出していただきたい。この点については重ねてどうですか。せめて国防会議に説明したようなものは当該委員会は把握すべきだ。
○政府委員(夏目晴雄君) どういうものが出せるか検討してみたいと思います。御質問をいただければできる範囲でお答えはしているつもりですが、いませっかくの御指摘でもございますので、どういう形のものが提出できるか、検討さしていただきたいというふうに思います。
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
○秦豊君 時間がまだ若干ありますので、夏目さんね、ハワイへいらっしゃるわけですけれども、いつもアメリカはこう要求したというのは正式ではないということになっている。ところが今度はかなり具体的に出るだろう、同僚議員の言うとおりですよ。常識です。日本は対潜水上艦艇約六十隻、アメリカは七十隻プラスアルファ出してくるでしょう。ところがそういうものをアメリカ軍部が要求する根拠について日本の防衛当局はかつて聞いたことがあるのか。ぼくはないのじゃないかと思う。これは文字どおり協議ですからね、トップレベルの。レクチャーをわざわざ波濤を越えて聞きに行くわけじゃないんだ。政府事項なんだ。ならば協議をしてきてもらいたい。言うべきは言い、ただすべきはただす、常識なんだけれども、それをやってきてもらいたい。 それからあわせて五六中業のこれを拝見しても、たとえばDDG四千五百トンなんて書いてある。大体DDが二千九百トン、二千九百の方はアルミ部分をスチールにと言えば数百トンふえるだろう。私の質問主意書に対して、AEGISミサイルシステムについては関心がある、検討対象にしてもよろしいと言わんばかりの答弁があったが、四千五百トンでそのシステムを組み込めると思う方が非常識だ。ならば、シーレーン防衛にも関連して、かなり重装備化、つまり必然的に大型艦化ということは不可避の方向ではないのか。それは五九中業に全部任せるのか、あるいは五六中業で何とか結末をつけねばならないと防衛局長はお考えなのか、その辺を伺っておいて終わりたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) ハワイ協議においてアメリカ側からどういう話が出るか、まだ確たる議題があるわけではございませんので、ここでもって即断したことを申し上げる状況にはございませんけれども、いま先生がおっしゃったように、単にアメリカ側の意見を聞くだけでなく私どもの意のあるところも十分説明し、また彼らの説明する分につきましても疑問のあるところはただし、そうしてできることはできる、できないことはできないことをきちっと仕分けをして説明をすべきであるということについては一般的に私は全く同感でございます。ただ、いま先生から御指摘があったように、わが方の護衛艦の整備が六十隻に対して七十隻があるとかないとか、そういう話が果たしてあるのかどうか、ここのところはわかりませんので、一般論として申し上げたわけでございます。 それから第二点のAEGISにつきましては、私ども確かに艦隊の近代化、特に対空装備の近代化ということについて重大な関心がありますし、現在アメリカにおきますところのAEGIS、すなわちいまあるAEGISというのは大体一万トン程度のものでございますが、それをもっと小さなものという形での検討が進められているということを聞いております。私どもいま直ちにそのAEGISシステムを取り入れようというふうな具体的な計画はございませんけれども、アメリカ側における研究ないしは検討の状況というものを十分関心を持って見詰めている、私どもも関心の外でない、ただしこの五六中業においてこのAEGISを取り入れるという具体的な構想はいまのところありませんので、御承知願いたいと思います。
○委員長(加藤武徳君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 これで散会いたします。 午後五時十九分散会