予算委員会第二分科会 第2号
- 発言数
- 510 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/02/27
会議録
○砂田主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算中大蔵省所管について政府から説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 昭和五十七年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、四十九兆六千八百八億三千六百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、租税及び印紙収入は、三十六兆六千二百四十億円、専売納付金は、七千六百十八億四千六百万円、公債金は、十兆四千四百億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、九兆五百三十二億二千五百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、国債費は、七兆八千二百九十九億四千三百万円、政府出資は、二千百十五億円、予備費は、三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算につきまして申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも二百八億九千四百万円であります。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして申し上げます。 日本専売公社におきましては、収入二兆五千七百三十三億九百万円、支出二兆五千九百六十五億六千五百万円、差し引き二百三十二億五千六百万円の支出超過であり、専売納付金は、七千五百九十九億二千七百万円を見込んでおります。 このほか、国民金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要をご説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
○砂田主査 この際、お諮りいたします。 ただいま渡辺大蔵大臣から申し出がありましたとおり、大蔵省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○砂田主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、日本専売公社の事業のうち、たばこ事業につきましては、昭和五十七年度の製造たばこ国内販売数量を三千百三十五億本と見込んでおります。 このほか、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、お手もとの予算書等によりまして御覧いただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 —————————————
○砂田主査 以上をもちまして大蔵省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○砂田主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水勇君。
○清水分科員 たばこの問題にしぼってお尋ねをしたいと思います。 すでに御承知のように、江崎ミッションに対して米側はいたけだかとも思われるような要求を次々に突きつけているわけでありますが、特にその中で農産物と並んでたばこの自由化というものを強調してきていると思います。 ところで、私の手元に一月十四日米国側から総理あてに出されている要求事項についてというコピーがあるのですが、これを見ても、米側はたばこ輸入の自由化、その中で販売店の自由化、販売量の自由化、最終的には民営化というところまで要求をしてきているわけであります。 そこで、まず基本的に、そうした要求に対して政府並びに専売公社はどう対応しようとしているのか、承りたいと思います。
○高倉政府委員 お答え申し上げます。 日米間のたばこ問題につきましては、大変長い期間の交渉がございまして、一昨年の十一月にすべての事項について合意が成り立ったわけでございます。御承知のとおり、関税率の引き下げその他の各般にわたる合意があったわけでございます。 私どもといたしましては、この合意のすべてを実施に移しているわけでございまして、アメリカが言っておりますように、たとえばたばこの輸入割り当てをするというようなことはいたしていないわけでございまして、すべて市場における消費者の需要に応じて取り扱うという態度できておるわけでございまして、そういう実態にあることをよく説明をしていかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。
○泉説明員 私どもたばこの専売事業を担当いたしておる者といたしましては、先ほど監理官から申し上げましたように、五十五年の十一月に日米の間の協議が調っておりまして、その協議事項につきましては誠実に実施してまいったところであります。 その結果、昨年の四月から十二月まででございますと、国内品の売れ行きはわずか一・四%の伸びでありますが、輸入品は二〇・五%も伸びておるのでございます。そういった点からいたしまして、アメリカ側が要求しておられるという内容の輸入の自由化という点については、先ほど監理官から申されましたように、別に枠を決めているわけではないのでありまして、市場で売れればそれに応じて輸入を行うということになっているわけでございますから、輸入枠の拡大とかというような話はおかしいと思いますし、また、輸入を自由化しろという話もおかしいと思います。 ただ、外国たばこ企業は、日本の専売制度が非関税障壁になるのだというような話をしておられますが、これはしかし、たばこの制度をすぐ非関税障壁と言われても困るわけでございます。また、専売公社を民営にするかどうかということは日本国の決定するところでありまして、米国側からとやかく言われて行うかどうかを決めるものではないと存じております。
○清水分科員 いま総裁から御発言があったわけですが、私はけだし正当な意見だというふうに承ったわけであります。 しかし、現にいま日米貿易小委員会が開かれて、たばこ問題で交渉が行われている。いまお話しのとおり、五十五年十一月ですから一年ちょっと前ですが、そこで決められて、わが方も誠実にこれを履行しようという努力をしておる。そういう折に、事もあろうに米国側は、新聞等の報道によれば、わが国に対してたばこの買い付け価格を三〇%方引き上げる、しかし小売価格は据え置けということを要求をしてきているやに承知をしている。その中身についてまた聞かしてもらいたいと思いますが、仮にそうだとすれば、これほど乱暴な要求はないのじゃないかと思うのです。 現に五十五年十一月に、当時関税率九〇%を一挙に三五%まで引き下げた、これは大変なことだと思うのですね。仮に買い付け価格を三〇%上げる、小売価格を据え置けというようなことを受け入れるとすれば、これは事実問題として、恐らく関税率は五%かもしくはゼロに等しいところまで下げなければならなくなるのではないか、こういうふうに感ずるわけであります。いま来ているのはフィリップモリスとかレイノルズだとか、たばこ企業の代表が来ているのだと思いますが、アメリカ側の要求というのは余りにもせっかちだし、ちょっと乱暴なんじゃないか、こういう気がしてならないのですが、大臣、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 たばこの交渉問題は、ただいま清水委員が言われたようにおととしの秋決まった問題ですから、いままたそれを蒸し返されたのでは、こっちも迷惑な話なんです。 要は、アメリカ側の考えていることは、ヨーロッパへ行っても二、三〇%のアメリカのたばこのシェアがある。それを日本では一・四しかない。ほかの国では二、三〇%売れるのに、日本だけが一・四しか売れないというのはおかしいじゃないか、何かあるのじゃないか。したがって、いろいろなそういう面で、結局結論から言えばもっと売りたいということだけであって、そこにはもっともらしい理屈もあるかもしらぬが、こちら側からすれば理屈にならぬような理屈を言っているというようにもとれることであります。これはむしろコマーシャルの話で、政治の話じゃないのじゃないかという気がいたします。
○清水分科員 そこで、これは公社に聞いた方がいいかもしれないのですが、仮にいま言うように事実上関税率をゼロに等しい程度にまで下げざるを得ないなんというようなことになると、いわゆる完全自由化という言葉をアメリカがしきりに言っているわけですけれども、これへのワンステップにつながるということになるのかどうなのかよくわからないものですから、お聞かせをいただきたいと思います。
○泉説明員 米側の企業の主張は、いまお話しのように日本へのオッパ価格を三〇%余り引き上げて、国内における小売価格は据え置けということでございますが、そういうことは関税率三五%をゼロにしてもできないことであります。御承知のように、輸入のたばこの価格というのは、向こうからの輸入価格にプラス船からおろす費用、それに関税、専売公社納付金、たばこの地方消費税、それに小売店のマージン及び公社の配送手数料、若干の利益、こういうものを見込んで決定する仕組みになっておるのでございます。関税率ゼロにしても、そのようなことはできない相談でございますし、また、こういう消費物資について関税率ゼロということは、嗜好品でございますから、とうてい考えられないところでございます。 アメリカ側の主張は、結局、先ほど申し上げましたように、専売制度、特にそのうちの流通専売は非関税障壁の一つであるから専売制度を廃止させようというねらいがあるものと考えておるわけでありまして、そういう前提で彼らは主張してきておるもの、このように考えております。
○清水分科員 そうすると、少なくとも今日、日米貿易小委員会等で要求をされているような内容は、理不尽であるからとうてい受け入れられない、問題にならぬ、こういうふうに理解をしていいわけですね。
○泉説明員 向こう側のオッパ価格のアップの点につきましては、実は昨年の契約の場合には、向こう側からの申し出によりまして円建て契約にいたしたのでございます。ところが、その当時の為替相場からいたしまして、一ドル約二百九円ということで円建て契約を結んだわけでございますが、向こうの予期に反して、御存じのように円安に推移いたしたものでございますから、向こうの企業としては、円建て契約にしたために彼らの受け取るドル価格が予期より大変減少いたしておりますので、それを取り返す意味でもありましょう、かなり大幅な値上げを要求してきておるわけでございます。 しかし、いままでは円安に推移いたしましたが、今後これ以上円安になるかどうかという点については、むしろ円高になる見込みでございまして、そういう点からいたしましても、それほど大幅なアップを認めるわけにはいかない。これは商売のものでございますから、お互いにお話し合いをして適当な価格アップにおさめてもらう。 それから、そういう価格アップが決まった場合に関税率を引き下げるということは、昨年引き下げたばかりでございますので適当ではなかろうと思いますので、そうすればそれ以外の項目について、関税の評価制度の問題がございまして、これも厄介な問題でございますけれども、アメリカのたばこ企業が日本国内で使う広告宣伝等の点につきまして、それを関税の評価の中には含めないということを向こうが要求してまいっております。こういった点も今後いろいろ交渉をしなければならないものでございます。 私どもとしましては、これを全然受け入れることができないということは言いかねるのでございまして、そういった細かい点につきましていろいろ折衝をいたしまして、妥当なところに落ちつけていくよりほかはなかろう、このように思っておるところでございます。
○清水分科員 時間が非常に短いものだから、できるだけ簡潔に頼みます。 さてそこで、かねがね米国側では、日本のたばこ市場におけるシェアを一〇%ぐらい確保したい、こういうことを言ってきていると思います。一〇%に外国たばこのシェアを仮に拡大をするというようなことになると、年間消費量が約三千億本ぐらいでしょうから、三百億本ぐらいにならざるを得ないと思うわけですが、その場合に、わが国のたばこ製造あるいは葉たばこ耕作、こういったようなものにどの程度の被害、影響が及ぶか、これは仮説ですけれども、考え方があったらひとつ聞かせてもらいたい。
○泉説明員 私どもは、まだアメリカ側から日本におけるシェアを一〇%にしたいというような話は承っておりません。先般、新聞に記事として出ましたが、この内容も、そのとき社会党の野坂先生にお答えいたしましたように、金額ベースで一〇%なのか、数量ベースで一〇%なのかが明確になっておりません。先ほど大臣からシェアは一・四%であると申し上げましたが、それは数量べースでの一・四%でございまして、金額ベースでは二・五%に当たっております。したがって、数量ベースか金額ベースかで一〇%という内容が大きく違ってまいるのでございまして、金額ベースで一〇%ならば、数量ベースでは約五%強ということになります。したがって、どっちの数字をとるかによって、はなはだしく数字は異なってくるわけでございます。 また、そういうふうになるのは一挙にしてなるわけではございませんで、数年かかってなることだろうと思うのであります。アメリカ側の要求は非常に性急に過ぎておるのではないか。いまの年々二〇%ずつ伸びていけばかなり伸びていくことになるわけでございまして、一挙にそれが一〇%とかあるいは五%というふうにはなり得ないことでございます。その間、国産たばこの売れ行きも若干ではありますが伸びていきますので、いまお尋ねのように、これによって国内の葉たばこ耕作にどれだけ影響が出るかということは、なかなか予測しがたいことでございます。しかし、仮に数量ベースで三百億本というようなことになりますと、いまの四十六億本が六倍にもなるわけでございますから、かなり大きな影響があることはお察しのとおりでございます。
○清水分科員 仮に数量ベースであるとすれば、いま工場は三十七ですね、そのうち恐らく四つや五つは要らなくなるというくらいな影響があるのだろうと思いますね、総裁がうなずいておられるから聞きませんけれども。 そこで、実を言いますと、うちの党でたばこ問題について国際化対策専門委員会というのがありまして、私も堀昌雄さんと一緒に責任者を務めているのですけれども、いろいろなことを勉強してみました。どうも最近、わが国におけるたばこの消費構造は、WHOの決議もあったり、嫌煙運動の影響があったり、全体としてやや停滞傾向なんじゃないか。そこへもってきて、BAT、ブリティッシュ・アメリカン・タバコというのですか、あるいはいま言うようなアメリカのフィリップモリス等々、虎視たんたんとわが国のシェアをうかがっている。だから、一面では国際競争が激化の様相を示すという状況にあるのだろうと思いますね。 そこで私は思うのですけれども、アメリカ側がいま要求してきているたばこ市場の自由化は、最終的には民営化を含めて専売制度をなし崩しにしていく、そこまでいくのだろうと思いますね。そのことは、今日専売制度あるいは公社制度というものが果たしている機能や役割りを根底から崩していく、こういうことにどうしてもつながっていくのじゃないか。だから、いま専売制度にとっても公社制度にとっても非常に重要な時期を迎えているのじゃないか。無論私は、現行の専売制度が十全だとは思いません。いろいろな問題があると思いますよ。だから、これをいかに国民のための公社に育て上げていくか、改善をしていくか、そういう要請は当然あると思いますが、それにしても、現在非常にむずかしい環境にあるときに、いわゆる専売制度なり公社制度なりの根底が覆されるなどというようなショッキングな市場開放問題等が行われるというようなことは非常に問題だと思うのです。その辺はどういうふうに認識をされていますか。
○泉説明員 お話のように、私どもは、日本のたばこ市場は、先ほど申し上げましたように、数量割り当てなどを行っているわけではございませんから、市場は開放されておるというふうに考えておるわけであります。国民が輸入たばこを消費すれば消費するに応じて輸入が行われるわけでありまして、要は、日本国内における国産たばこと輸入たばことの競争が正常に行われる、日本側だけが有利なことでなく、内外たばこについて正常な競争が行われる環境をつくっていけばいいというふうに思っておるわけでございまして、すぐそのために専売制度を廃止するとかあるいは公社制度を廃止するというのがいいとは限らないと思っておるわけでございます。 確かに現在の情勢は、専売制あるいは公社制にとってきわめて重要な段階にある、このように考えております。もちろん、いまお話しのように、現在の専売制度、公社制度がそのまま完全であるとは思っておりません。これらの点につきましては、いろいろ改善していかなければならない点が多うございます。それらの改善は行いつつも、しかし、どういう点が一番国民のために役立つかという点から考えていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○清水分科員 そこで、いま民営化というようなことも出たわけですから、ちょっと聞いておきたいと思いますが、仮に民営化ということを考える場合、わが国の独禁法上の制約もあって、これは当然分割民営というふうな方向にならざるを得ないと思いますね。そうすると、まず一つは、現在持っているスケールメリットというものが失われる。あるいは、力が分散をされるわけですから、仮に海外の巨大企業の市場への参入があれば、なかなか競争上太刀打ちができがたくなる。かてて加えて、これは大臣にも承らなければならないんだが、いま専売事業を通して、たとえば専売納付金あるいはたばこ消費税は、五十六年度で、トータルをすれば多分一兆四、五千億になるんじゃないですか。これはこういうものにまで甚大な影響があるのじゃないか。 こういういろいろの点からいっても、臨調などの議論を承っていると、どうも非効率だなんという話があるわけですが、私は、外国のたばこ企業と比較をしてのデータをいろいろ持っていますけれども、どうもそれは当たらないんじゃないか。かなり効率性も持っているし、遜色がない。それやこれやのことを勘案をした場合に、やはりこの際、民営から来るメリットというようなものはなくて、むしろデメリットの方が多いのじゃないか、こういう感じがするわけなんですけれども、その辺、いかがですか。
○泉説明員 専売制度あるいは公社制度の問題につきましては、高度の立法政策の問題でございまして、政府並びに国会において御検討されるべきものと私どもは考えております。公社はその政府及び国会から負託を受けて専売事業に携わっておるわけでございますので、公社の方からその専売制なりあるいは経営形態についてとやかく申し上げるのは適当ではなかろうと思っておるのでございますが、いませっかくのお尋ねでございますから申し上げますと、専売事業を担当いたしておるものといたしましては、いまお話しのように独禁法の関係で、たとえば三分割の民営会社につくるというようなことになりますと、規模のメリットが失われますし、原料並びに製品の交錯輸送、過剰な投資、広告費の膨大化といったようなことが起きまして、いま専売公社が納付金とたばこ地方消費税で稼いでおる財政寄与は果たせなくなるものと思っておるのでございまして、財政専売のたてまえからいたしますと、分割民営化ということは適当でないというふうに考えておる次第でございます。
○渡辺国務大臣 どっちがいいものか、実際私にもわからないのです。まあ結論から言うと、専売事業というのは斜陽産業じゃないか。それはどうしてかというと、量目をふやすということは余りできない。これはもう小学生からたばこをのめとか、そういう宣伝はできないし、むしろ近ごろ、やれ害があるとかどうとか、肺がんがどうだとか、そういうようなデマ宣伝かもしらぬが、そういうような話の方が先に出てしまっておるので、どんどん宣伝をしてたばこの需要をふやしていくということとは逆の現象が出てくるのじゃないか。したがって、そういう段階で分割民営にして大増産というようなことをしても、余り意味がないのじゃないかという気がする。 問題は、製造コストがどうなるんだということですが、現在のやり方では製造そのものはかなり近代化をして、私のところにも公社の大きな工場が一つあるのですが、本当によくまあ人手を使わずやっているものだなと、感心するくらい生産性を上げております。民営にしたからあれよりももっと生産性が上がるかどうかというと、非常に疑問がある。 ただ問題は、専売公社はお国のものだというようなことのものですから、要りもしないたばこをうんと買わされたり、耕作者はいいかもしれないが、一兆円もよけい買い込んでしまって、そのために、専売公社に積立金があるのだけれども、それを吐き出せと言われても、よけいなたばこを買い過ぎてしまっている方へみんな使われてしまっているから金がないというようなことで、経営面で普通の民営とまた違った問題点があることも事実です。 あとは販売の問題でどういうふうなことが民営だったらもう少しできるかどうか。そういうようなこともあわせて、私はいまのところでは余りメリットはないのじゃないかという気もするのですが、人様の意見も聞いてみないことには、余り唯我独尊になってもわからぬから、それは謙虚に耳を傾けたいと思っております。今後皆さんの意見を聞いた上で私の判断をしたいと思います。
○清水分科員 あと一分しかありませんが、簡単に聞きますから簡単に答えてください。 実はいまの問題とはちょっと違うのですが、御承知のように五十五年度に異常気象があった。私は長野県なんだが、耕作面で大変な災害が起こった。けれども、その際どうも現在の災害補償制度がいろいろな意味で制約がございまして、正直を言うと大きな災害を受けた耕作農家が救済の対象から事実上漏れてしまう、こういう状況がありまして、これは去年の秋口まで大変もめたわけなんです。 しかし、去年の九月に、原料本部長なども耕作者と会われたりして、今日法制上あるいは制度上いろいろと制約があって、どうも耕作者の意に沿わない点があった、あるいは指導上も欠陥があって不満を残したのじゃないかと思う、そこでこれを契機に、この際災害補償制度の見直しというか再検討というか、こういうこともひとつ十分考えてみたい、こういうことを言われていたやに承知をしているわけですが、その後具体的に補償制度の改善といったようなことについて検討されているかどうか、最後にお聞きをしたいと思います。
○河野説明員 ただいま五十五年の災害に関連をいたしまして御質問があったわけでございますが、災害補償制度は単なる減収補てんではございませんで、全額国庫負担による補償ということになっておりますので、法によりまして災害の種類が限定されております。また、その適正な運用ということで、全耕作者の方に善良なる管理義務というものがやはり法に明定されております。 そういうことでございますが、先生の御質問の趣旨からいいますと、収納後についてというようなことかと存じますが、先ほど申し上げましたようなことで、法定災害であるかどうかという認定がまず必要でございます。それと、耕作者の方が善良なる管理注意義務を行っておったかということがございますので、そういった点から収納結果に基づきまして補償金を支払っておるということでございますので、現在の法のもとで耕作者の方に不利にならないようにするにはどうすればいいかということかと思うのです。それは私どもの指導にかかっておるというふうに思っております。ということで、耕作団体も公社も、五十六年の東北方面の異常災害に対しましても、災害補償の適用ということにつきまして、表現は適当でないかもしれませんが、漏れがないようにということで徹底的な指導をいたしまして、災害補償制度の適用が受けられるように指導したということでございまして、現在の法のもとでは、私どもそういう方法をとる以外に、耕作者の方に不利を与えない方法はないのではないか、こういうふうに考えております。
○清水分科員 またそのようなことについては後で相談をさせてもらいますが、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
○砂田主査 これにて清水勇君の質疑は終わりました。 次に、依田実君。
○依田分科員 きょうは、主にグリーンカードの導入に関する最近のいろいろ対応の仕方についてお尋ねをさせていただきたい、こう思うわけであります。 最近、一部にまたこのグリーンカード、これを廃止したらどうだ、こういうような議論をする方が出ておるわけでございますけれども、このグリーンカードというのは、いわゆる不公平税制、利子配当分離課税を是正していく、こういうことで考えられた制度でありまして、ぜひこれをこれ以上後退させることなく実行してもらいたい、われわれはこういうふうに考えておるわけでございますけれども、大臣、ひとつ今後の決意といいますか、スケジュールについてぜひお聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。
○渡辺国務大臣 これは予定どおり実行する所存でございます。
○依田分科員 先般自民党といろいろ話し合いをされたりいたしましたけれども、大筋についてこれを実行することによって、いままで逃れておった不当なマル優など、これをぜひ捕捉をしていただきたい、こう思うわけであります。しかし、実際実施に当たりましては、いろいろ混乱も予想されておるわけであります。それは前もっていろいろそれに対する対策をお立ていただく必要があるのじゃないだろうか、こう思うわけであります。 その一つとして、最近銀行間で、グリーンカード導入に当たりまして、自分の銀行へ口座を設定してもらいたい、こういう勧誘をそろそろ始めるのではないか、こういうことがうわさされております。銀行間の競争がこれから激しくなるのではないか、こういうふうに言われておるわけであります。いろいろ聞いてみますと、そのための用紙などを取り合いになって、一つの支店で銀行へ与えられた用紙を全部使い切ったとか、いろいろ言われておるわけでありますけれども、予想される競争、それに対してどういうふうに大蔵省は指導監督されていくのか、その辺についてお尋ねをさしていただきたいと思います。
○宮本(保)政府委員 私どもといたしまして、グリーンカード制度の円滑な導入を図るということが必要でございます。したがいまして、予約活動等におきまして過当競争なんか起こったら大変でございますので、それを防止するために、内々金融界の方にも自粛をするようにということを要請いたしました結果、昨年の十二月でございますけれども、全金融機関を対象にいたしまして自粛を申し合わせておるわけでございます。 その目的といたしましては、まだ申請書の枚数とかあるいは配付基準、配付方法等未定の段階でございますので、この段階で既成事実が先行してしまっては大変だ、これを回避しなくてはいけない、また、長期にわたります予約活動によりまして混乱が起きても大変だということで、これを回避するということで現在申し合わせております内容は、特に予約申込書等によりまして住民票の代理受領だとかあるいはグリーンカードの交付申請を代理するとか、あるいはカード面へのマル優枠の設定につきまして金融機関が代理をしてやろうというようなことを予約を取りつけるというようなことはぜひ自粛すべきだという内容になっておりまして、自粛の期間はまだいまのところ一月から三月まででございますけれども、この点につきましても、できるだけ自粛期間を延ばしていくというようなこともこれから考えていかなきゃならない。こう思っておるわけであります。
○依田分科員 もう一つ、銀行間だけの過当競争じゃなくて、これにいわゆる証券業界、こういうものが絡んで、これから金融界はいろいろ混乱が予想されるのじゃないか、こう思うわけであります。 その一つに、銀行での国債の窓口販売、これが認められるわけでございますけれども、いまのような状況ですと、御承知のように、銀行というのはわれわれの手近にいろいろ支店を持っておる、証券業界の方は郊外電車に乗ってそのターミナルまで行かなければ支店がない、こういうような状態の中で銀行に国債の窓口販売が認められますと、これは勝負あったというようなことになるのではないかというようなことを証券界の方は懸念をしておるわけであります。 そこで、このグリーンカードが一応安定するまで銀行の国債窓口販売というものを少し見送らせたらどうか、余り早くやらせたら困るのではないかというようなことが言われておるわけであります。そういう意味で、銀行の国債窓口販売、これをどの時期でおやりになるのか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思っております。
○渡辺国務大臣 どの時期ということは決まっておりません。御承知のとおり、三人委員会というものをこしらえてそこでの結論待ちということでございますから、御心配のような混乱のないような時期にやりたいと思っております。
○依田分科員 それと同時に、これは銀行で窓口で国債を発売されますと、いろいろまたそれに伴いまして証券業界の方では見返りというようなものも要求してくるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。御承知のように、銀行には総合口座、こういうものがあるわけでございますから、国債を売った場合にその総合口座へ入れたり、あるいはまた担保金融が行われる、こういうことであるわけであります。 そこで、証券業界の方でも、国債担保の融資をさせてほしいとか、あるいはまた企業の資金調達のためのCPの発行、こういうものも今度の制度の見返りに証券業界に認めさせてほしい、あるいはまた中期国債ファンドの条件を少し緩めてほしい。証券業界は証券業界なりに、この問題を機に、自分たちのシェアを確保するためにいろいろ要求を出してくるんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、これについて大蔵省はどういうふうにこれから指導監督されていくわけですか。
○禿河政府委員 金融機関の証券業務の問題に関連いたしまして、証券業界からいま先生御指摘のようないろいろな考え方が、きわめて非公式でございますが、仮にそうなった場合に見返りないしそれにイコールフッティングという形でいろいろの方策をとる必要があるのではないかというふうなことで意向が出されておりますことは、私どもも承知いたしております。 ただ、証券界におきましても、実際上どういう形でどういうふうな方法をとってもらったらいいのかという問題は、まだ実は固まっておりません。ましてや、実は大臣から御答弁ございましたように、三人委員会の結論待ち、こういう状況でございますので、私ども、まだ具体的に、仮に金融機関の窓販が開始されました場合にどういうふうな措置を証券界に講ずる必要があるのか、その場合に金融界との関係等も考えましてどういうふうなことが可能であり、望ましいのかというふうな問題は、これから慎重に検討いたしたい、こういう状況でございます。
○依田分科員 それでは、もう少しグリーンカードの実際の実施に当たった場合の細かい点をお尋ねをさせていただきたい、こう思うわけであります。 先般、自民党とのいろいろ話し合いで、預金をする場合、グリーンカード以外に本人を確認する手段として、たとえば住民票であるとかあるいは健康保険証あるいは免許証の写しに至るまで、いろいろ幅広く認められたわけであります。そうなりますと、そういうもので預金されたものを税務署で名寄せをしていかなければならぬわけでございますけれども、いまの税務署の職員で果たしてこれを全部名寄せして正確な捕捉ができるのかどうか、この辺の実行段階についての自信を大蔵省はどういうふうにお持ちになっていらっしゃいましょうか。
○矢澤政府委員 ただいま御指摘のございましたように、私どもは当初は、総合課税になった場合にはグリーンカードを原則として本人確認の手段に使っていただきたい、その場合にはグリーンカードナンバーによりまして、コンピューターを利用して名寄せを行うことが可能だからでございます。しかしながら、これに対してはいろいろ御批判がございまして、預金者の立場からいたしますと、本来課税を覚悟の上で預金をするものなのに、なぜグリーンカードという一つの狭い手段に限定されるのかというようなことがございました。また、グリーンカードがない、どうしてもしようがない場合には住民票の写しを出してくれということを言っていたわけでございますが、これにつきましては、今度は銀行の方から、住民票の写しがだんだんたまってまいりますと倉庫を建てなければいけないというような御批判がございまして、こういった預金者それから金融機関の双方の利便を考えまして、本人確認の支障のない範囲で、名寄せの支障のない範囲で本人確認手段を拡大したわけでございます。 ところで、御質問の点の名寄せが確実にできるかという点でございますが、現在マル優の関係の非課税貯蓄申告書は、ストックベースで約二億枚の残高がございます。したがいまして、手作業による名寄せはかなり限界に来ているということでございます。総合課税の分でございますが、これは毎年毎年のフローでチェックをすればよろしいわけでございますから、年々の分が累積してそれを名寄せするという必要はございません。 ところで、フローベースで現在一千万枚ぐらいでございます。今度それが幾らふえるかということでございますが、分離課税がなくなりますと、分離課税の分が総合課税厄切りかわってくるわけでございますが、恐らく倍まではふえないんじゃないかと思います。一千万枚の名寄せは、現在非常に効率的に手作業で行われておりますので、あと若干のアルバイトを追加することによりまして、実効ある名寄せの体制は期していけるのじゃないかというふうに考えております。
○依田分科員 もう一つは、これはずいぶんもめたわけでありますけれども、いわゆる郵貯、これに相当脱税の意味で三百万円定額貯金に預金してあるのがあるのじゃないか、こういうふうに言われておるわけでございます。これをどういうふうに把握していくか、捕捉していくかということが大問題でいろいろ議論をされたわけであります。 大蔵省と郵政省の間で、新しく入れられるものは別でありますけれども、すでに五十八年度以前に預け入れられている郵便貯金の確認をどうやっていくかということについていろいろ御相談をなさっておるわけでありまして、こういう話し合いになっているのを読んでみますと、「昭和五十八年以前に預入された郵便貯金についてもカードの交付番号により名寄せを行うべく、郵政省内部の記録でカードの交付番号の把握ができない昭和五十八年以前預入分については、国税庁にカードの交付番号を照会することとしており、その具体的方法に関し、郵政省と国税庁とで協議が行われている」こういうふうに書いてあるわけでありますけれども、実際この問題についてどういう協議が、もうすでに行われているのかどうか、伺わせていただきたいと思います。
○矢澤政府委員 ただいま私も具体的な協議の詳細は存じておりませんが、ただ、まずグリーンカード番号による名寄せの問題につきましては、五十九年一月一日以降の本体の名寄せをどうするかという問題がございます。この点は、五十七年度予算でプログラムの開発費の予算が認められておりまして、五十七年度に入りますと、郵政省としては鋭意そのプログラムを開発いたすことになっております。 五十八年以前の預入分のものでございますが、これも結局、本体のプログラムが開発されますと、そこへ乗っけて名寄せが行われることになるわけでございますが、五十九年一月一日以降の分につきましては、預入時にグリーンカード番号が入ってくるわけでございますが、問題は五十八年以前の分については番号がないということでございます。そこで、番号をつけさえすれば本体のプログラムに入ってくるというかっこうになるわけでございますが、郵政省当局の考え方としては、ただいま先生から御指摘がございましたように、まず自分のところでだんだん手元にグリーンカード番号を蓄積してまいりますので番号を入れておく、しかる後でなお番号の発見できないものにつきましては、国税当局と協議をして番号を教えてもらうということを言っております。 それで、その際の具体的な方法といたしまして、たとえば、郵政当局は国税庁のグリーンカード番号のドラムそのものを貸してくれないかというようなことも御提案がございました。しかしながら、これは私どもの仕組みにかかわる話でございますから、ドラムをお貸しして定額預金証書に番号を入れていただく、これはちょっと無理じゃないかというようなお答えをしているようでございます。したがいまして、結局、わからない方々のリストを郵政省当局から出していただいて、それにこちらがまた番号を書き込んでお返しすることが適当かどうか、その辺の協議がただいま進められているわけでございます。
○依田分科員 これも細かい問題でありますけれども、要するに、番号のないもので郵便貯金の中で利子を払う、番号がない場合の利子を払った場合は郵便局が税務署にそれを申告しなければならぬ、こういうことも書かれておるわけであります。その支払いをした日の属する年の翌年の一月三十一日まで、こういうふうに書かれてあるわけでありますけれども、これだけその間に間隔があって果たしていいものかどうかということを、ちょっとお尋ねさしていただきたいと思うのです。
○矢澤政府委員 まず、問題のポイントでございますが、従来は三百万円の限度内であれば郵貯は非課税ということでございましたが、昭和五十九年一月一日以降はグリーンカード番号があるものに限って非課税、ないものは課税扱いになるということでございます。 〔主査退席、宮下主査代理着席〕 したがいまして、その課税扱いになるものが税務署に通知されるというのが所得税法の改正に織り込まれたわけでございます。その場合に、まずカードの番号のない郵便貯金の数が一体どのぐらいになるかということが問題であろうかと思いますが、郵政当局はできるだけ窓口段階でカードによる本人確認を徹底したいと言っておりますので、したがって、国税当局への通知も余り大きな数にはならないのではないか、きわめて例外的な場合の数にしかならないのではないかというふうに考えております。 それから、翌年の一月一日以降ということでございますが、これも、そういった関係で数もそれほど多くないということになりますと、双方の事務の簡素化という観点から、余り頻繁にということもまたできないのではないかということで、ただいまのような決まりになっているわけでございます。
○依田分科員 大体、大蔵省は今度のグリーンカードを導入することによってどの程度の税収の増と見ておるのか、あるいはまた、それに対する費用が国税当局でいろいろ人手を含めてどの程度かかると見込んでいらっしゃるのか、その概算をお聞かせいただきたいと思います。
○矢澤政府委員 まず、増収額の見通しでございますが、増収額の主要な部分は、分離課税によりまして総合課税にならぬ分の増収額と、それから、現在分離課税の分は国税だけが取っておりまして地方税はかかっていないので、地方税がかなり大きな減収になっておりまして、私どもの税収の従来国会等に提出していた減収計算に基づきますと、約二千億ぐらいということでございます。このほかに、実際問題としてマル優にかなり乱用があるというようなことになりますと、その辺の増収もそれに上乗せされると思いますが、その辺がどのぐらいあるか、私どもは計算できておりません。 それから、これに要する費用でございますが、当初、建物を建てる、あるいはそこに機械を入れるのに建設費が若干かかかますが、平常化いたした経常年度の費用は大体七十億ないし八十億円程度と見込まれております。それからあとは人員の関係でございますが、これは大変単純な作業でございまして、作業の大部分はキーパンチャーの費用でございます。キーパンチャーは最近はほとんど外注に出すというようなことでございますので、グリーンカードセンターの基幹的な要員程度を確保すれば、アルバイトをもってかなりのものはこなせるというふうに考えております。
○依田分科員 最近、そろそろグリーンカード逃れ、こういう現象が起こっておるのじゃないかと いうふうに世間で言われておるわけであります。換物運動なども出てきている。あるいはまたゼロクーポン、こういうものの投資が、これは証券業界の勧誘に乗っておるのでしょうけれども、そういうものも活発になってきておると聞くわけでございます。このゼロクーポン投資の実情等を大蔵省としてはどういうふうにお考えになっておるのか、そのまま野放しにされるのか、あるいはまた、これに対して証券業界を含めてある程度の指導をなさっていくのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○禿河政府委員 ゼロクーポン債と申しますのは、御承知のとおり、いわば長期の割引債、その海外版でございまして、現在までの発行は欧米のいわゆる有力企業と言われるものでございます。その発行の総額は、昨年の四月から始まりましてことしの一月までの間で、額面ベースで約五十八億ドル、払い込み金べースで約十九億ドルというふうに私ども承知いたしております。期間は大体三年から十二年ぐらいの期間で、利回りは一四・五%というふうなものでございます。 それがわが国でどういうふうに販売されておるかという状況でございますが、この一月末までの累計で払い込み金ベースで三億ドル余りというふうな数字であろうかと思っております。特に昨年の十一月からかなり投資額がふえまして、月間で数千万ドル、こういう状態になったわけでございます。 これにつきましては、基本的にはそういう外貨建て証券の取得というものは現在原則自由でございますし、国際収支上の問題で見ましても、大体昨年一年間で見ましても、ネットで約六十億ドルの投資増ということでございます。そういう外貨証券全体に対します投資額に比べまして、目下のところそれほど大きい数字ではございません。 ただ、先ほど申しましたとおり、昨年の十一月ごろからかなりの投資額になってきておりますし、その消化層と申しますか、投資家の層もかなり広がってきておる、こういう状況にございますので、基本的には外貨証券の取得というものは原則自由でございますし、その取得というものはあくまでも投資家の責任と判断で行われるべきものではございますけれども、最近そういう消化層も広がってきておるというふうなこともございますので、投資家保護という観点におきまして、私ども先日、取扱証券会社に対しまして注意を促したわけでございます。 その内容は、こういうゼロクーポン債というものの性格と申しますか商品性につきまして一方的な説明を行いまして、為替リスクがあることとか、あるいはその流通性に果たして十分な保証があるのかとかというふうな問題につきまして十分説明をするということ、あるいは発行日前にいわば予約活動的なことをやるというのは問題でございますので、そういうことを行わないというようなこと、あるいは税制上のメリットというものを強調し過ぎないようにしなさいというふうな点、そういう点を実は指導いたしております。そういう点はかなり徹底してきておるものと考えておりますし、そういう問題につきまして広告面での自粛も求めております。そういうことがいま実行されておると思っております。そういう状態でございます。
○依田分科員 同じような意味で、最近、金に投資をする、これは新聞に書かれておるほど大げさなものではないと思いますけれども、いわゆるそういう換物運動というものは考えられるわけであります。大蔵省としてこれはなかなか予測しにくいのだろうと思うわけでありますけれども、このグリーンカードが実施されるについて、そういう捕捉から逃れるために逃げ出す資金というものは、大体どの程度だろうというふうに見ておるのでしょうか。
○矢澤政府委員 その場合に資金の源になるのはどの辺かということでございますが、恐らく分離課税の対象になっておる預金がまずその源であろうかと思います。ただし、その分離課税の選択をしておる預金につきましても、本来その資金は税金を払ったきれいな資金でございますが、税制上税負担が有利であるというために選択をされておるという資金もかなりあろうかと思います。したがいまして、具体的には架空名義等によって分離課税の方にもぐり込んでいる資金が、場合によっては外へ流れ出るような資金ではないかと思いますが、総量としては言われておるほど多くはないのじゃないかと思っております。 また、一ころは、その分離課税がなくなりますと支払い調書が税務署に参る関係から、もとがわかってしまうのじゃないか、したがって過去の脱税がばれてしまうのではないかというような御不安もあったわけでございますが、これはグリーンカードが始まるのが昭和五十九年以降でございますので、それまでには相当の時間がございますし、五十九年時点で後ろを振り返っていただきますと、五年の時効の壁の外へ出てしまうというような資金もかなりあるのじゃないか、そういう意味で、それほど大きな不安を与える要因ではないのじゃないかというふうに考えております。
○依田分科員 多少の資金の逃避は考えられると思いますけれども、これはそれぞれ自分たちのリスクでもってやるわけでありまして、いままでのように、われわれの税金でもって不当な架空のマル優に対してわれわれが利息を払っておる、こういうことでは困るわけでありまして、ぜひひとつ、このグリーンカードというものはいままでどおり、方針どおり進めていただいて、ぜひ不公平税制というものをなくしていただきたい、こう思うわけであります。 最後に、時間が三分ばかりしかありませんですが、現在の日米経済摩擦の一つであるサービス部門の自由化、これを盛んにアメリカは言うわけでありまして、銀行、証券の部門でもっと自由化しろ、こう言うわけでありますけれども、果たしてアメリカは何を要求しておるのか。銀行でももうすでに支店の設置とかそういうものは認められているのでありましょうし、アメリカがこのサービス部門の自由化という場合に何を要求しておると大蔵省はお考えになるのか、あるいはまた、それに対してどういうふうに対応されようとしておるのか、お聞かせいただきたい、こう思うのであります。
○宮本(保)政府委員 サービス部門、私ども大蔵省の所管は金融、証券でございますけれども、実はまだ具体的な、正式に何を要求してきているかは、提示がないのでございます。ただ最近、たとえば去年十二月のギボンズ報告なんかを見ましても、対日進出が制限されているとか、あるいは進出していきました外銀の業務関係におきましても規制が加えられている、あるいは差別があるというようなことを指摘しているのでございますが、まことに心外でございまして、いま先生御指摘のとおり、対日進出につきましてはきわめて弾力的に認めておりまして、御要望の全部を完璧に認めておる。それから、出てきました在日外銀の活動につきましても、場合によっては邦銀よりも有利に扱ってやっているわけでございまして、どうも何を言っているのか、よくわからないのでございます。 したがいまして、こういう批判は、過去の古い知識であるとか、あるいは誤解であるとか、あるいは制度の違いを余り認めないというふうなところに起因しているようなわけでございまして、私どもとしては、その誤解等につきましてはできるだけ多くPRいたしまして意思の疎通に努めたいし、また、制度等の違いにつきましては、それがそれぞれの国の歴史的な所産でございますので、そういう点につきましても十分に理解を求めるように努力してまいりたい、こう思っております。
○依田分科員 この問題は二、三年前から出ておって、大蔵省のお答えはいつも、どうもわからぬ、誤解があるのじゃないか、それについてはPRする、こういうお答えが出るのでありますけれども、いまだに日米の経済摩擦というとその部分の自由化の問題が出てくるわけでありまして、その辺の双方の行き違いについてひとつ慎重に検討をされて、この問題の解決に当たられることを希望いたしまして、時間が参りましたので、質問を終わらしていただきます。
○宮下主査代理 これにて依田実君の質疑は終わりました。 次に、草川昭三君。
○草川分科員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 まず最初に、ゼロクーポンの問題についてお伺いをいたします。 いまもお話を聞いておりますと、大蔵省はゼロクーポンの現状について、資本の海外流出というのですか、グリーンカード対策を売り物にする業者もおるにもかかわらず、非常に楽観的なお話でございますが、これはかなり人気が高い。そして、応募者利回りも一四%と高いわけでございますし、何よりも途中で売却をした場合に、俗に言うキャピタルゲインというのですか、課税をされないというので、これは今後も相当増加をするのではないだろうか、海外に対する資本流出という問題はもう少し真剣に検討をすべきではないだろうか、私はこういう立場を持つ者です。 そこで、まず最初にお伺いをしたいのは、結局、発行会社に対する信用はできるのかどうか、一流企業だと言っておるわけでありますが、それの保証はどのように考えられるのでしょうか。
○禿河政府委員 ゼロクーポン債と申しますのは、昨年の四月以降、欧米のいわゆる一流企業と言われるものが発行しておるものでございます。それで、これにつきましてはいわゆる日本的な保証というものはございませんが、発行に当たりましては、アメリカにおきますところの格づけ機関というものがかねてからございます。その格づけ機関の格づけを見ますと、現在まで出されておりますのは、大体AAAからAまでの間のいわゆる優良企業と言われるものが中心でございます。中にはBという格づけを受けたものもあるようでございますが、欧米におきましては債券が担保つきで出るということはまずございません。無担保で出ておりまして、発行します場合の発行条件等を決めます場合には、こういう格づけ機関の格づけに応じましてその条件が決められていく、こういうふうなものでございます。したがいまして、そういう意味での担保のようなものはございませんけれども、欧米で出します格づけに応じて、その発行金額なり条件なりがアンダーライターとの間で決められていく、こういう慣行に即して出されておるものでございます。
○草川分科員 無担保発行であるから、倒産をした場合に当然元本が返ってこないわけですよ。それだけでも非常に重要な問題だと思うのですが、これは大蔵省の許可なしで販売はできるものでしょうか。
○禿河政府委員 現在、外為関係の取り扱いの指定証券会社になっておりますのが、日本の場合二十六社ございます。そういう証券会社につきましては、何ら制限なしに外貨建ての証券の取り扱いもできるというふうに、為替管理法上のたてまえもそういうかっこうになっておるわけでございます。 また、証券会社は当然有価証券の取り扱いをするわけでございまして、それが国内建てのもの、円建てであろうとあるいは外貨建てであろうと、それを取り扱うこと自体は自由に行えるわけでございますし、投資家がそういう外貨建ての証券を購入することも原則自由にできるわけでございます。
○草川分科員 これはまた税の関係にも影響しますが、欲しい人が直接アメリカの証券会社で購入をした場合は届け出をする必要があるのかないのか、お伺いをしておきたいと思います。
○吉田説明員 ただいま証券局長が御説明しましたように、指定証券会社については単純報告だけで結構でございます。 それから、もし一般投資家が指定証券会社で直接に買う場合におきましては、単純届け出という形の届け出が必要でございます。
○草川分科員 さらにまたお伺いをしますけれども、最近取引の単位はかなり大口から小口に移ってきておるという話があるわけでございますが、実際上取引をされている単位はどのようなものが多いわけですか。
○禿河政府委員 実は私どもは、個別にどういう購入単位になっているのか調べているわけではございませんが、聞くところによりますと、大体十万ドルぐらいの単位が多いというふうに聞いております。
○草川分科員 二千万前後の投資になりますから、お金持ちが買われるのではないだろうかと思いますけれども、率直に申し上げまして課税から免れるという、資本逃避というのですかシフトというのですか、これは単位が非常にでかいだけに、もしキャピタルゲインに課税をされない、売り逃げをするというのですか、売ることができるならばというので大量に買って、もしも売却時に急激な円高だとかドル安だとかになれば、たとえばいま売りに出しておるわけですから、一斉に売るということも当然考えられるわけです。そのときに一体だれが買うのかということを考えると、証券会社が言うほどメリットが保証されるかどうか、私はかなり疑問だと思うのですよ。 しかし、いま、資産をどのように運用するかという立場から、この割引債についてかなり大きな反響を呼んでおるし、証券会社自身がその点のメリットというものを強く主張をしておるわけでありまして、途中売却ができる、できると言って、お医者さんだとか弁護士だとか、あるいは中小企業の経営者の方々にも、しかもグリーンカード対策になりますよ、税対策になるよということを言っておるわけでございます。最近の中央公論の中にも長谷川さんの、このゼロクーポン債の投資については、十年間という長期間にわたって税務署の監視対象にならないというような御発言もあるわけでございます。償還差益は、雑所得として課税対象になると思うんですが、そのあたりも含めて御答弁願いたいと思います。
○矢澤政府委員 まず、税務署の監視対象にならないという点も一つ大変な間違いでございまして、現在個人が、ゼロクーポン債を含めまして外国証券を国内の証券会社を通じて購入する場合には、購入先の証券会社と外国証券取引口座開設契約という契約を結びまして、この証券についての利子、配当、償還差益あるいは売却代金の受領はすべてこの口座を通じて行うことになっておりますので、十年という期間にわたってゼロクーポン債の投資は全く税務署の監視対象にならないと長谷川さんは言っておるわけでございますが、そういうことはございませんで、証券会社にはその勘定を通じて出入りの記録があるわけでございます。 もう一つは、この償還差益は、税法上は雑所得として課税されているわけでございますが、ゼロクーポン債につきましては新しく出てきた商品でございますので、われわれとしても対応策、いままではございません。しかしながら、十年たったときの償還の際に、その償還金につきまして証券会社から支払い調書をとるという方法もございますので、今後対応し得る方法はあろうかと思っております。 また、アメリカでは、満期の際、償還差益に一〇%の源泉徴収が行われることになっておりますが、最近の情報では、ゼロクーポン債に途中売却があった際に、償還差益は期間案分で取るのかあるいは全額について取るのか、その辺どうやら税務当局の解釈も一致してないという不安定な面もあるようでございます。いずれにせよ、今後の動向いかんによっては、いろいろな税制上の対策は十二分に講じ得るというふうに私どもは考えております。
○草川分科員 これは大臣にぜひお伺いをしたいのですけれども、二月の初めに大蔵省としては、証券会社に口頭で注意をしたと言っておるわけですよね、そのメリットの問題等について、非常に危険じゃないだろうかということについて。しかし私は、正式な見解というんでしょうか、行政指導というんでしょうか、明文化した注意というんでしょうか、一般の国民の方々には金の問題もございますが、アングラ資産というものは海外に流出をすることがいいかどうかという基本的な問題もあるわけでございますので、少し早急に指導なり対応をもっと強化すべきではないだろうかと思うのですが、その点はどうでしょう。
○禿河政府委員 御指摘のとおり、ゼロクーポン債の販売に当たりまして一部過熱的な状況も見られましたので、私ども二月の初めに関係の証券会社を個別に呼びまして、その実情を聞きますと同時に、いろいろ注意を喚起いたしたわけでございます。これを扱います証券会社二十数社ということで、その数も大変限られております。したがいまして、私どものその注意、指導というものは、すでにかなり徹底しておるだろう、かように考えております。私ども、今後ともこの状況につきましては、その実態の把握に努め、指導に遺漏のないように期してまいりたい、かように考えております。
○渡辺国務大臣 ただいま証券局長からお答えをしたとおりでございますが、特に過剰な広告、お客さんに間違った、過度の信用を与えるような広告とかそういうものはさせない。それから、為替リスクの問題とかそういうものも全部承知の上で売買すること自体を私は禁ずる考えは毛頭ありません。しかしながら、ややもすると大きな証券会社等は自分の信用において、相手が認識不足のために過大な信用を思い込んで買う場合もあります。税務の問題も同様であります。したがって、そこらのところは今後一層注意をして、そういうようなことのないように計らっていきたいと思います。
○草川分科員 では、次の問題に移ります。 中小企業の事業継続の円滑化のためにひとつ税制の創設をしてもらいたいというのが、かねてから中小企業庁の方からも出ておるわけでございます。租税特別措置法の問題等については臨調の関係があって出ておりませんが、これはかねがね中小企業の方々からは非常に強い要望があるわけでございます。 特に、相続をする場合の株式の評価方法を改善してもらいたい、具体的には、中小同族会社の相続の株式については収益還元方式というのを導入して現行方式に加えてもらいたいとか、それから類似業比準方式についても改善を図ってもらいたいという要望がまとまっておるわけであります。 さらに二番目に、個人の事業用または居住用の土地についても、評価減マイナス二〇%というものを七五%にしてもらいたい、いわゆる生前贈与、こういうものを制度化をして、生存中に後継者に資産を譲りながら指導をし、円満にその事業を継承したい、非常に強い要望があるわけでございます。きょうはひとつ、中小企業の相続の問題をどのようにお考えになっておられるのか、大蔵省の方にお伺いしたいと思います。
○水野(勝)政府委員 承継税制の問題につきましては、現在行われております農業についての納税猶予制度、こういったものを中小企業にもという御趣旨のお話がまずあるのでございますが、この点については、いろいろな機会に私どもへ大臣以下お答えいたしておりますように、農地と中小企業につきましてはそこにどうも基本的に性格の差がある。たとえば農地法の規定があり、また農業基本法でそもそも相続の特例を認めるべきだというような特別の規定もございます。こういう特殊な事情にございます農地につきまして設けられて、おります納税猶予制度といったものを、中小企業なりその他の業種につきましてもそのまま拡大していっていいものかどうか、この点について私ども基本的に問題がある、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、先生の御指摘のございました同族会社の株式でございます。非上場会社の株式、この点の評価につきましては、いろいろ問題が指摘されておるわけでございますが、私どもとしては、昭和三十八年に国税庁におきまして専門家の方々にお集まりいただきまして、専門的、技術的に研究した結果の現在の評価方式になっておりまして、私どもとしてはこの点はかなり合理的であり、またそれほど高目の評価にはなっていないのじゃないかというふうにも思っておるわけでございます。 ただ、最近だんだんと地価の上昇等もございまして、相続税の納税者もふえたりいたしている面もございまして、そういった点に関連いたしまして、それからまた、戦後の中小企業の経営者の方々が世代交代を迎えてきているという点もございまして、先生の御指摘のような強い御要望もあるわけでございます。 私どもとしては、現段階として、この同族株式の評価は合理的なものだと思ってはおるわけでございますが、そういう指摘も多々ございますので、私どもとしても勉強したい。ただ何分にも、これは確かに同族株式の評価という技術的な問題ではございますが、では一体相続税といったものをどういうふうに考えるかという基本的な問題にも絡む問題でございますので、少しじっくりと専門家の方々の御意見なり何なりを聞きながらじみちに勉強してまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○草川分科員 いずれにしても、中小企業の方々には次の世代で仕事をしていただかなければいけませんし、そして大きく稼いでいただいてまた国に寄与をするということが基本にならなければなりません。とにかく相続のために事業は継承できない、引き継ぐわけにはいかない、売らなければ税を納められないということになってしまっては元も子もないわけであります。この原則は、お互いにはっきりしておることだと思うのです。 そこで、これも大臣に要望かつお伺いをしたいと思うのですが、与党の税制調査会、山中先生のところでございますが、ここの中では、次の五十八年度等においてはある程度考えなければいけないのではないだろうかというようなことが議論されておるように私どもお伺いするわけでございますけれども、その点の見通しについてどうお考えになっておられるのでしょうか。
○渡辺国務大臣 私は、そういう話が内々あるのかどうか知りませんが、公には聞いておりません。おりませんが、いま水野審議官が言ったような問題点もあり、一方、中小企業者の強い要望もわかっております。したがって、問題は、継続されるような事業が相続によって継続されないということは原則的に困るわけですから、それが支障がなく継続されるように、無理な徴税でないようにいろいろ工夫はしてまいりたいと思います。
○草川分科員 ぜひそれは要望をいたしておきたいと思います。 最後になりますが、自動車事故災害が発生した場合、特に後遺症の場合の取り扱いの問題で、自動車保険料率算定会の問題についてお伺いをしたいと思います。 これもかねがね、交通安全対策特別委員会だとか運輸委員会等で議論になってきて、ようやく詰めの段階に来ておるわけでございます。この後遺症の障害の診断と等級認定では現実として非常にトラブルがあるわけでありまして、自動車保険料率算定会において障害の等級を認定をしてもらうわけでございますけれども、これは自賠責保険の保険金ばかりではなくて、いわゆる任意の上積みの自動車保険の保険金の金額を左右するわけで、非常に大きなジャッジになるわけでございますが、被害者の方々から非常に苦情が多くて、改善策についでの要望が出ておるわけでございます。その点について、現状はどのようになっておるのか、対策と、新しい実施はいつごろになるのか、お伺いをしたいと思うのです。
○猪瀬説明員 交通事故の後遺障害の等級をめぐりましていろいろ苦情やらトラブルがありますことは、遺憾ながら先生御指摘のとおりでございます。現在、自動車保険料率算定会におきましてこういった調査を手がけておるのでございますが、全国に七十二の調査事務所を配置いたしまして、調査専担者を二百九十八名、臨床経験の豊かな顧問医を七十四名、さらには再診断のための委嘱病院を百八十五機関に委嘱するといったようなことで、公正かつ適正な等級認定に努力しているわけでございます。 ただ、何分にも異議申し立ての場合に、それが等級認定に対する単なる照会なのかあるいは異議申し立てなのか、その辺がはっきりしない場合もございまして、その辺の応対に感情的な行き違いが出ることもございます。また、再審査を要求いたしましても、同じ調査事務所で同じ担当者がまた出てくるというようなところから、不信感もまた出ることもあるわけでございます。そういった意味合いから、やはりこの等級認定に対しまして被害者が信頼感を持ち得るような再審査の体制を整備することが必要なことは、これまた先生の御指摘のとおりかと存じます。 そこで、算定会におきましては、現在異議申し立てに対します規定をルール化すると申しますか、異議申し立ては異議申し立てとしてきちっとした形で異議申し立てのルールに乗せるというような規定化と、さらには再審査事案につきましては、これを同じ調査事務所で扱わないで、全部本部に吸い上げまして、本部でその再審査の体制の整備を図る。さらには、診断書の適否が争われますような場合には、算定会の指示いたします病院におきまして再診断を受けることをお願いすることがあるわけでございますが、この場合、特定病院だけということになりますとやはり不信感を招きがちでございますから、その点は被害者が選択できるような複数の病院を再診断病院として委嘱するといったような施策をいま検討中でございまして、これは四月を目途に順次実施に移すべく鋭意努力中のところでございます。
○草川分科員 まあお互いに議員の先生方も、後援会の方々からこの種の苦情というのは一年に何件かそれぞれお持ちだと思うので、これはもう大臣もおわかりだと思いますけれども、大体トラブルの多いのは神経系統の病気なんですよ。ですから、本人の訴えと算定会との間の対立があるわけでございますが、再審手続の規定化ということはこれで明確になるわけですね。よろしゅうございますか。
○猪瀬説明員 これでかなり明確化するものと期待いたしております。
○草川分科員 じゃ大いにそれを期待をして、文書により異議の申し立てを行うとか、その申し立て事案は調査事務所長の監督下から今度は地区の本部へ行く、こういうことでございますね。いいですか。
○猪瀬説明員 地区本部よりも、直接本部で再審査体制をしきたいと思っております。
○草川分科員 そして、いまのお話で四月から実施をされるということでございますから、それは私どもも非常に期待をしておきたいと思います。 そこでさらに、後遺症の障害等級の認定の問題をいま言っておるわけでございますが、何か年齢とか職業とかいろいろなものを、アイテムというんですか条件をつけて、何か等級表のような一つのサンプルというんですか、一つのわかりやすい基準というようなものも見直すべきではないだろうか、私はこう思うのです。それで、被害者の方々の生活もあるわけでありますから、ひとつ何らかの新しい提案というようなものも考えたらどうか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
○猪瀬説明員 お尋ねは、後遺障害の等級表が現在ございますが、これにつきましてなお見直す必要がないかということかと存ずるのでございます。 後遺障害の等級表は、先生御承知かと存じますが、労災の障害等級に大体準拠したような形でいま策定してございまして、これはまあ言うなれば本来運輸省において検討されるべき事項ではございますけれども、長年の実績がございまして、それなりに一つの定着したものとなっておるというような事情もございますので、運輸省からいろいろその具体的な検討の御相談があれば、私どもももちろん御相談に応じたいと思うのでございますが、いま直ちに改定の必要性があるかどうかという点は慎重に検討したいと思っております。
○草川分科員 最後に大臣、最近このような交通事故もとにかく非常に多いわけでありますし、お互いにこの被害者の方々の救済のためには努力をしなければいけないと思うのでございますけれども、いま申し上げましたように、自動車保険料率算定会の方も一つの方針を出していただいておるわけでございますが、大臣の被害者救済に対する見解を賜って終わりたい、こう思います。
○渡辺国務大臣 ただいま保険部長が言ったようなことを実行させたいと存じます。
○草川分科員 終わります。
○宮下主査代理 これにて草川昭三君の質疑は終わりました。 次に、竹本孫一君。
○竹本分科員 私は、まず最初に、大蔵大臣が現下最大の、また最も困難な課題、財政再建を一身に背負って毎日御健闘をいただいておる、大変な御苦労であろうと思いまして、心から敬意を表します。 きょうはちょっと向きを変えまして、円高の問題を中心に申し上げてみたいと思うのですが、その前に江崎さんがアメリカに行かれまして帰られるというので、ちょっと最近私が感じておることを申し上げたいと思います。と申しますのは、予算委員会ではでに議論をするときには、話が大げさになりましてしんみり話ができないという面もありますので……。 私が最近感じておりますことの一つは、日本にはやはり国際感覚、外交感覚というものが足らないのではないかということであります。江崎さんがアメリカに行かれる前に外人記者とお会いになった。そのときに、何かいい手はないのかということを質問されましたら、外人記者は、アメリカに行かないのが一番いい手だと言ったという話を聞いておりますが、まことに至言である。いまごろ出ていく。一体何をするために行くのであろうか。行ってどれだけのことをまとめて帰る自信があるのであろうか。私は、江崎さんは大いに敬愛する先輩、友人でありますけれども、その真意がよくわからなかった。 たまたまけさの新聞をまた読んでみますと、日本に帰って閣僚の皆さんとも相談をして、一体何ができるかを考えてみたいということを江崎さんが言っておられるようであります。そこで私は、なおさら外交感覚が足らないということの感を深くするわけですけれども、一体アメリカに何を言うつもりで行かれたのであろうか。また、アメリカに行って、帰ってきてから何ができるかを考えてみようというのは、ちょっと順序が逆ではないか。何ができるかを考えて行くのでなければ話にならないというふうに私は思うのです。 そういう意味で、どうも日本の政治、外交は、政府・与党、いろいろわれわれも含めて、国際感覚に足らない点があり過ぎはしないか。大体日本の政治、外交は腹芸中心であり、あるいは談合であるというようなことでして、近代的な合理主義というものが足らない。 私は、日米太平洋戦争が起こるときに、その間の経過を若干知っておるわけでございますが、御承知のように日米開戦を避けるために野村大使、海軍大将がアメリカに行かれた。そのときの日米交渉の経過をいろいろ書いたものを見ましたけれども、結局向こうで言っているのは、日本は何を言おうとしておるのかよくわからない、何となく話せばわかるぐらいの調子で来ているんだけれども、さっぱり具体的なものがない。各論がない。腹芸ばかりだ。もう一つはおじぎばかりする。実によくおじぎをするということが、何度もいろいろな本に書いてある。 おじぎばかりしたって話にならない。総論的なことを言ったって話にならない。やはり具体的にずばりと何ができるか、何ができないかということを、具体論をひっ提げていくのでなければ、あのときの話もだめであったが、今度の話もだめである。江崎さんが、行かない方がベターだと言われるような環境の中で行かれて、帰ってきてから何ができるかを真剣に考えてみようというのも、あのときの交渉の経過とよく似ている。 そういう意味で、これからいろいろ日本も、国際社会における日本でございますから、交渉が多くなりますが、願わくは、そういうずれた国際感覚でなくて、常に積極的に具体的なものをひっ提げて議論をしてもらいたい、これは要望でございます。大臣は、特に国際経済にも重大な関係を持っておられるし、閣僚としても大きな希望を持たれておる大臣でございますから、私から要望を申し上げておきたいと思うのです。 そこで、本論に入りますが、経済摩擦の問題につきましては政府も非常に御努力をいただいておる、私どももそう思います。しかしながら、そのまた政府の努力につきましても感覚のずれというのがございまして、たとえば非関税障壁の問題について、六十七品目ですかあるいは九十品目に達するような事項についていろいろ政府が努力をされた。その直後でございましたが、マンスフィールド大使が鈴木首相に会いまして、親書を持ってきた。その親書は、日本の経済運営を根本から変えてもらいたい、それからまた、国際的な責任を大いに果たすようにしてもらいたい、こういうのでありまして、新聞によれば、鈴木首相もずいぶん面食らわれたというようなことを拝見をいたしましたが、恐らくそうであろうと思います。 と申しますのは、非関税障壁の問題また関税の問題、大蔵省もあらゆる努力をされ政府も努力をされておりますので、日本として言えば、この間宮澤さんが言われたように、これだけやったのにまだ文句があるのかと言いたいぐらいであります。しかしアメリカから見れば、何をやっているんだ、Rという字とLという字を置きかえるとかなんとかいった程度のやり方では問題にならぬということで、改めて大きな要求というか基本的な課題を突きつけてきた、こういうことであろうと思います。 それを踏まえまして、これから経済摩擦を解消するために何があるかという点でちょっと考えてみますと、たとえば輸出の抑制、自主規制と言ってみても、これもある意味で限界に来ておる。輸出の課徴金をかけるということも非常に問題がありまして、果たしてどれだけできるかということも非常に問題である。輸入の方でも、緊急輸入をやれ、備蓄をやれと申しましても、この上油を買うのか何を買うのか、また三十億ドル以上それが消化ができるのかどうかということを考えてみると、多くを期待することはできない。そういうふうにして、緊急輸入や備蓄の問題もあるいは関税、非関税障壁の問題も、あらゆる項目を考えてみて、どうも私は決め手になる手は余りないように思いますが、政府あるいは特に大蔵省として、経済摩擦を解決するためにこれはというような妙手あるいは手をお考えになっておるかどうか、伺いたい。 時間がないので一緒に申し上げますが、それに関連しまして、円高を誘導していくということが、いろいろ考えられる政策の中で最も合理的なものではないかと私は思いますが、大臣のお考えはどうであるか、この点もお伺いしたい。
○渡辺国務大臣 貿易摩擦を解消するというのは、言うべくして非常にむずかしいし、竹本議員のようにいろいろ勉強しておる人がなかなか手がないと言うのですから、私らもなかなか手がないというのが本当のところでございます。やはり円高の方向に誘導するということは大事なことの一つ。しかしこれも、人為的にそんなに自由に誘導できるものでもないし、おのずから限界がございます。自主規制も一つの手でございましょう。それから、特にインバランスの国からの輸入をふやすということも一つでしょう。そのために、政府としては関税の前倒しをやったことも御案内のとおりでございますし、現に非関税障壁と言われるいろいろな各セクションの輸入手続、検査体制等をもっと簡素化、簡略化をするということは、各省庁から案件を出させて、それを法制化すべきものは法制化するというようなことで、手続の簡素化、合理化を図っていくということを考えております。 もう一つは、誤解に基づいて、制度、体制が違うにもかかわらずアメリカと同じことを日本でやりたいと言われましても、なかなかそうはいかない場合もございます。アメリカの銀行がやっていることを日本でそのとおりやらせろとか、アメリカの証券会社がやっていることをそのとおり日本でもやらせろと言われましても、制度が全然違うわけですから、全くそのとおりというわけにいかない部分もあろうかと存じますが、これは差別でも何でもなくて、要するに日本の企業にも全く同じ規制をしておるところでございますから、そういう点は積極的に説明をして理解を得る、誤解を解くということも大事だろうと思います。 いろんな点を、今後とも皆さんの意見も拝聴しながら、どうしたならば貿易の問題でこれが政治問題になるような摩擦を起こさないことができるかということを考えていきたい、こう思っております。
○竹本分科員 まあ、アメリカがいろいろ誤解をしている点も、大蔵省の資料等を拝見しますとよくわかりますが、これまた最近の新聞等の動きを見ておりますと、誤解だ誤解だと言ってみても、アメリカはなかなか理解しないということも事実のようでございます。これはしかし、深く議論をしても仕方がありませんので、私は本論に入りたいと思います。 最近、ECその他からも議員の連中がたくさんやってまいりまして、われわれもお互いに話をする機会が非常に多い。そのときに、一つは、日本はわざわざ円安にして、そして輸出を大いにやっているのじゃないかというような、それこそ誤解が非常に多い。ばかを言ってはいけない、日本は原料、燃料の輸入国なんだから円高になる方がむしろ得なんだと言ってみましても、なかなか向こうは理解ができない、こういうことでございます。私は円高を希望するし、円高も一つの政策であると思うのに、実際に円安になるのはなぜか。これはわが国のファンダメンタルズから言えばむしろおかしいと思いますが、一番大きな理由はアメリカの高金利だと思うのですね。 そこで、大臣にきょう特に要望したいと思いますのは、アメリカの高金利あるいは強いドルといった政策がアメリカ自身をも苦しめる、アメリカの輸出輸入のバランスをも悪くする、のみならず世界じゅうの経済をひどい目に遭わしている、こういうことでございますので、この辺で、いろいろ御努力、交渉もしていただいておると思うのですけれども、特に改めて、アメリカの高金利政策を改めろということを呼びかけるということはできないかという点であります。 と申しますのは、まあこれは理屈を言えば、最近少し数字が変わりましたけれども、アメリカが大体千億ドルも赤字を出し、四年間に四千億ドルも赤字を出す。どれだけの赤字を出せば、幾ら金利を高くして抑えてみたってどうにもならないというような悪循環に入ることはあたりまえでございまして、私はアメリカのためにも困ると思うのだけれども、特にECあるいは日本、世界のすべての国の経済は非常な困難に陥っておる。 私は、実はこの前のカナダのサミットのときに、日本の首相はもう少し強くアメリカにそのことを言うべきであった、あるいは日本がイニシアチブをとって、アメリカの高金利を改めてもらいたいということで強い姿勢で当たってもらうべきではなかったかという考えを持っておるわけです。 きのう、きょうの新聞は、特に最近ドイツとフランスがその親善提携関係を非常に緊密化して、ジスカールデスタンがいなくなってミッテランにかわったけれども、改めてドイツのシュミットとミッテランの間に友好親善のつながりが再構築できた。そして、ポーランドの問題あるいは核軍縮の問題もありますが、特にアメリカの高金利政策に対しては強く当たろうという話し合いができつつあるかできておる、こういうような情勢のようにわれわれは見受けます。そうなれば、私はむしろ日本の方からもドイツ、フランスに呼びかけて、お互いにひとつ共同戦線をつくってアメリカに強く当たる、そしてアメリカの高金利政策というものを改めさせる、それでなければ世界経済の回復はできないということを強く言ってもらいたい、こう思うのです。 というのは、私は、話すと時間が長くなりますが、日本がアメリカを必要とすると同じ意味合いにおいてアメリカはいま日本を必要としておる。したがいまして、いつまでも敗戦ぼけの続きでアメリカに遠慮ばかりする必要はない。私がそういうことを申し上げるのは、ちょうどマッカーサーが首を切られたときに日本の政界は大きなショックを受け、驚いた。しかしいろいろ聞いてみると、あのときマッカーサーは、鴨緑江の向こうに原爆を投げるということを言って聞かなかった。それでトルーマンが、フィリピンその他で何度も会合をやりましても言うことを聞かない。そういう情勢を見たイギリスが——イギリスは戦争に勝ったんだけれども、惨勝である。惨敗ではない惨勝である。まことに情けない勝ち方だ。ここでもう一遍原爆戦争でも始められたらイギリスはまいってしまう。アメリカとイギリスとは特別な親密な関係にあるんだけれども、この上もう一遍戦争を始めるようなマッカーサー、またはそのマッカーサーが原爆を投げようというような政策をアメリカが遂行するならば、イギリスはもうこれ以上はアメリカについていけないと言って、ある意味でしりまくりをやった。しりをまくってマッカーサーを切るか英国を切るかどちらを選ぶんだ、こう言って強い姿勢で外務大臣が飛んできましてアメリカに迫ったので、マッカーサーはぱっと首を切られた。やはりイギリスの方が大事なんです。 私は、その外交の交渉の経過をいまだにはっきり記憶しておりますが、もうこの辺で、アメリカの言うことも三割くらいはわかる、しかしながら七割以上の立場から言えば、世界経済をこの上不況に混乱させるということは許されない、そういう意味でアメリカに強く当たるべきであるし、アメリカに強く当たるには、日本だけではなかなか力のバランスからいってむずかしい点がありますので、幸いにしてドイツ、フランスがあれだけ力を合わしてやろうと言っておるのですから、この際日本からも、全く同感だ、日本も一緒にやりましょう、何としてもアメリカの高金利政策を改めさせなければだめだということを言ってもらいたいと思うのです。もちろんそのためには、アメリカの大赤字をひとつ直してもらわなければいかぬし、そのためにはレーガン作戦は、レーガンも最近はゼロオプションと言い始めましたから、そういうことも含めてアメリカの外交、防衛の基本の考え方も変えなければならぬと思いますが、私はまた変えた方がいいと思います。 いずれにいたしましても、この際経済問題にしぼって申しますと、アメリカの高金利が世界の経済を混乱さしている元凶であるということをはっきり認識をしていただいて、フランス、ドイツと共同歩調でアメリカに強く当たってもらいたいと思いますが、大臣のお考えはどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 実は、このアメリカ高金利の問題は表に余り出ておりませんが、サミットのときも問題になりました。それから五大国蔵相会議でも取り上げられました。ドイツ、フランス、日本は大体同じような考えなんです。ところが、アメリカがインフレ抑圧のためにはこれしか手がない、高金利ではなくて、マネーサプライをコントロールすることによって結果的に高金利が出ているんだということの一点張りでございまして、しばらく待ってくれ、ほかに手がないんだというので、われわれとしてもそれ以上のことは言えないということでございます。 しかしながら、だれが考えてもそういう高金利政策を継続して本当に住宅が売れるのか、自動車が売れるのか、問題が本当にあるんじゃないかと私は思っているのです。アメリカのインフレという問題は、金利の問題だけじゃないんじゃないかと思ってもおります。 いずれにせよ、サミットがございますから、その折にはこのことは恐らく話題になるであろう、そう考えておりますし、われわれも会合する機会があれば強く主張をしていくつもりでございます。
○竹本分科員 アメリカがいわゆる高金利政策を政策としてとっているんではないという考え方を述べておることは、私もわかります。しかしながら、結果として高金利になり、そのために強いドルになり、そのために弱い円になり、そのために日本の経済また世界じゅうの経済が混乱している。結果論から言えば、これも大きな問題でございますから、やはりこの際、ドイツ、フランスと手を握ってアメリカに強く当たる。もちろんそうなれば、先ほど申しましたようにアメリカの外交、防衛政策についても、それこそゼロオプションの方向に切りかえなければ無理だと思うのですね。 そういう意味の重大な政治問題に絡まりますけれども、とにかくそういう面からも——私は世界の平和についても一言申しますと、ソ連の膨張主義も困りますが、アメリカの冒険主義も世界の平和のために必ずしも歓迎すべきものではない、そういう考え方も持っておりますが、ゼロオプションを言う時代に、あるいはゼロオプションを言わなければならないような国際政治経済環境の中にあるわけですから、そういうことも含めて、この際は自信を持ってひとつフランス、ドイツと手を握るべきではないか。日本はいつも、同志といいますか仲間の国を余り持たないで交渉をやる悪い癖がある。 私はこれも記憶しておりますが、水田さんが大蔵大臣のときに三百八円のスミソニアンのとき、あのときもアメリカの経済に対してドルが悪いんだというようなことで、世界じゅうがアメリカをたたくかと思って出ていった。そしてふたをあけてみたら、逆に日本がたたかれてしまった。それで、後でいろいろ聞いてみまして、国際会議をやるときに、AとかBとか自分たちの主張に対して共感をし支持してくれる仲間をつくって出ていったかと思うと、必ずしもそうではない。そんな間の抜けた外交交渉はないと僕は思うのですね。十カ国交渉するならば、そのうちの三つなり四つなりの国は日本の立場を支持してくれるというところの事前の約束と根回しが必要だ。それがないままに出ていって、まあ三百八円がよかったか悪かったか議論はありますが、あのときも水田さんは徹夜で苦労されたということも聞いております。いずれにいたしましても、この際はドイツ、フランスがわれわれの考えと近い主張をしようと言っているのですから、大臣、ひとつこの辺で特別お考えおきを願いたいと要望しておきます。 それからもう一つ最後に問題は、先ほど習慣、制度の違いあるいは誤解の問題もいろいろありましたが、大蔵省の持っておられる分野におきましても、金融の面、証券の面でやはり国際的な開放をしなければならぬ問題が幾つかあるのではないかというふうに私は思うわけです。それに関連をいたしましてSDRの問題を考えた場合に、日本、の円というものが最近だんだん再評価されまして、そこの中におけるウエートがいまは一三%ですね。ドイツが一九%、アメリカが四二%ですか、そういう関係から考えまして、SDRのウエートの中で一三%、世界のGNPの中で大体一〇%以上、こういうことを考えると、日本の国際的な経済実力の評価というものは一〇%から一二、三%の間にあってしかるべきだ、こういう考え方を僕は持っておるのです。 ところが、最近調べてみて驚きましたのは、オイルダラーが一体どこに主に流れておるか、またアメリカの年金関係のお金がどこに流れておるかということを調べてみると、たとえばオイルダラーも四千億ドル近くあるようでございますけれども、日本のウエートは七%前後だと思いますね。そういう意味でこれは大体半分だ。なぜそれがSDRで言うならば一三%ぐらいにならないか。あるべき姿の半分だということは、おくれて国際市場に参入したという関係もあるから若干やむを得ない理由もありますけれども、それにしても少な過ぎる。この倍くらいになってよろしい。またそれだけのダラーが入ってくれば、日本の円もさらに強くなるではないか。 もちろん、たくさん入り過ぎて将来の金一融政策に自主性を失うような心配があっては困りますけれども、しかし外国並みに、あるいは二二%というのはイギリス、フランス、日本は大体同じのようですが、その辺と同じくらいに、日本の経済の実力に応じた程度のドルは日本に入ってきてよろしいと思うのです。それを妨げておるものが制度の上にあるのか、税制の上にあるのかはよくわかりませんけれども、あるいは時間の経過がまだ少ないんだという問題もあるでしょうけれども、いずれにしてもこれからの問題として、やはり日本にオイルダラーも大体SDR並みに一三%なり一四、五%なり入ってくるようにしむけ、直接ではないかもしらぬけれども、円高を誘導するという政策が必要ではないかと思うのです。その点についての大臣のお考えを伺っておきたい。必ずしも私は、主権免税だけが唯一の手とは思えませんけれども、税制も含めその他のいろいろな手を打ちまして、日本にドルがどんどん入ってくるような形を考えたらどうか、こう思うわけでございます。
○加藤(隆)政府委員 数字の問題なので、私から答弁させていただきます。 オイルダラーが日本にどのくらい入ってきておるかという問題でございますが、これがなかなかわからないわけでございます。イングランド銀行の四半期ごとの統計をごらんになっての御質問かと思いますが、大部分がドルに投資されておるわけでございます。そういうような産油国側の投資態度というものがやはり基本でございます。 ただ、私の承知している限りでは、日本の経済に対する信頼が非常に強いわけでございますから、ドルを除いた他の通貨においてはかなりのウエートを持っておる。その場合に、SDRが一三%でございますが、イングランド銀行のをごらんになりましてもおわかりのように、ほとんどのものがドルに入っておるというような関係から、御指摘のような数字をどこかでごらんになったかもしれません。 ただ、この七%とかなんとかというのは、率直に申してわからないわけでございます。どの程度のものが来ているかということはわかりません。非常に歯切れの悪い答弁でございますが、基本的にはドルに投資されておる。産油国側の投資態度が、高金利で、短期で回した方がいいというような段階がある。一次、二次のオイルショックの後を見ますと、当初はまずドルに行きまして、少し安定してまいりますと、長期のもので他の資産に回っていくというような変化もございます。ですから、そのときどきの条件で変わるだろうと思いますが、目下のところ、円に対する投資がそう信頼されていないというような意見は余り聞いておりません。
○竹本分科員 時間が参りましたから終わりますけれども、私は、日本の経済政策なんかも、国際化国際化という場合に、人の動き、物の動き、物は工業製品と農産物と両方ありますが、その物の動き、それからお金の動き、サービスの動き、この四つの面からの国際的な交流がこれからは頻繁になってくる、こう思うのです。 そういう意味でちょっと参考になりますのは、大分前でございましたけれども、アメリカのガルブレイスさんと日本の都留重人さんとが多国籍企業を大いに論じたことがあります。その際に、多国籍企業なんというものが出てくるとむしろ主権を侵害したりして邪魔になるというマイナスの面を強調する意見と、いや、多国籍企業がお互いに入り乱れて国際関係が複雑に、しかも密度が濃くなればかえって戦争なんかできなくなる、多国籍企業がお互いに入り組んで経済協力ができるようになればかえって結構ではないか、これはガルブレイスさんの考えですが、そういう意見とがある。 そういう意味で私は、あの経済摩擦のときでも、日本の企業にアメリカなりその他文句を言う国の資本がもう少し入っておれば、利害関係が運命共同体になるわけですから、文句が半分になるではないか、また、日本の金がアメリカその他の方へ半分入っておれば様相が大きく変わるのではないか、だからこれからは、国会議員が、要するに、具体論も持たないで議員懇談を大いにやるのも結構でしょうけれども、資本なりその他で、お互いが文句を言えないように、より緊密な国際的な協力の網を張っていくということがむしろ有効なのではないかと思いますので、そういう点をひとつ御理解をいただいて善処していただくように希望を申し上げまして、質問を終わります。
○宮下主査代理 これにて竹本孫一君の質疑は終わりました。 次に、岩佐恵美君。
○岩佐分科員 私はきょうは、重税で苦しんでいる国民の立場から、とうてい許しがたいことが八王子税務署で行われているので、こうしたことについて大蔵省に伺いたいと思います。 まず最初に、税務委託費というものが毎年日本税務協会の方に出されておりますけれども、最近三年間の委託費の額について教えていただきたいと思います。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 国税庁から日本税務協会に対して支出いたしております税務委託費でございますが、当初予算の金額で申しまして、五十五年度は十八億六千五百万円、五十六年度は十八億九千五百万円、五十七年度は、これは予算案でございますが、十七億六百万円となっております。
○岩佐分科員 日本税務協会の運営はすべてこの委託費で賄われていると思いますが、いかがでしょうか。
○小山(昭)政府委員 日本税務協会の財源は、ただいまお答えいたしました税務委託費収入のほか、税務協会の事業目的に賛同する賛助会員からの会費収入及び日本税務協会が実施いたします固有の事業、たとえば講習会の開催とかそういうようなものから入る収入、さらには、各種の税務関係の図書の販売等による収入がございます。
○岩佐分科員 しかし、税務協会の収入のほとんどは委託費だと思いますけれども、その割合というのはわかりますか。
○小山(昭)政府委員 御指摘のとおり、おおむね九〇%程度は国からの税務委託費によるものと思います。
○岩佐分科員 税務協会に委託をされている仕事、それはどういう内容でしょうか。
○小山(昭)政府委員 主なものが四つございまして、まず一番目には、日本税務協会自身が税務相談所を開設いたしまして、そこで税務相談を実施していただくということがございます。それから、小企業納税者を対象といたします記帳指導を実施していただいておりまして、これが二番目の柱でございます。そのほか、税務に関する説明会、講習会の開催を委託する、あるいは税務知識の普及のための広報活動を委託するというようなことをいたしております。
○岩佐分科員 いまの主な四つの仕事、これについてはすべてを税務協会がやるのでしょうか、あるいは仕事の一部を税理士会や青色申告会に委嘱する、そういう形をとっているのでしょうか。いかがでしょうか。
○小山(昭)政府委員 ただいまお答えいたしましたうちの二番目の、小企業納税者を対象とする記帳指導の実施につきましては、これを主として税理士、一部は青色申告会の事務局員等に日本税務協会が委嘱いたしまして実施いたしております。
○岩佐分科員 税理士個人や青色申告会の個人と契約をしてそして委嘱をしている、そういう形をとられているようでありますけれども、個々の税理士あるいは青色申告会会員、そういう人たちと委嘱契約をするという形になっているわけではなくて、記帳指導を実際に行う税理士あるいは青色申告会の事務局員、そういう人たちの委任状をもらって、そして税理士会あるいは青申会が日本税務協会と記帳指導の契約をする、そういうふうになっているのではないでしょうか。
○小山(昭)政府委員 日本税務協会の契約の相手方は、個人の税理士及び個人の青色申告会事務局員等でございます。
○岩佐分科員 しかし、実際はいま言ったように委任状をもらって記帳指導の契約をする、そういう形がとられ、実際はその支払われるお金が税理士会なり青色申告会なり、そういうところに支払われていく、そういう形をとっているのではないでしょうか。
○小山(昭)政府委員 この記帳指導関係の国費の資金の流れといいますか支払われ方といいますか、それについて若干御説明いたします。 まず日本税務協会から小企業納税者に対する記帳指導を委嘱されました税理士あるいは青色申告会の事務局員等は、その指導実績を指導記録カード及び記帳指導等実績表というものを作成いたしまして、それを税務署に持ち込みまして、税務署の確認を受け確認印を押印してもらいました上でこれを添付して日本税務協会に提出いたします。日本税務協会はこれを取りまとめまして、毎月国から事後的に委託費の支払いを受ける。そして国から支払いを受けた委託費を、ただいま申し上げました実績表に基づきまして税理士または事務局員に対して謝金として支払っているわけでございます。したがいまして、原則はあくまでも個人個人に支払うわけでございますが、たとえば多数の事務局員へ支払うような場合におきまして、事務局員等が特定の者に謝金の受領を委任している場合には、日本税務協会はその受任者に一括支払いをいたしておりますが、その場合にもただいま申し上げましたような手続の点につきましては、その確認でございますね、そういった点につきましては全く同様の確認をいたしておる、こういうことでございます。
○岩佐分科員 ほとんどが青色申告会あるいは税理士会、個人に支払われるものが会にまとめて支払われる、そういう形態が多いというふうに聞いているわけです。個々人に一々支払われるというよりも、税理士会なりあるいは青色申告会なりにその支払われる額をまとめて支払われるということが多いというように聞いているわけですけれども、いま言われたように多いところではそういうふうになっている、そのことはそれでいいわけですね。
○小山(昭)政府委員 先ほど御答弁いたしましたとおりでございます。
○岩佐分科員 ところで、その記帳指導に使われる委託費は、先ほどの国税庁から日本税務協会に出ていくお金の全体の中で何割を占めているのでしょうか。
○小山(昭)政府委員 五十六年度の予算額で申しますと、十八億九千五百万中、継続記帳の指導費は十二億四千三百万ということになっておりますので、おおむね三分の二程度であろうかと思います。
○岩佐分科員 ところで、このお金が税務署署長やあるいは副署長との飲み食いに使われていた、こういうことが東京の八王子で発覚をしたわけです。国税庁は調査に行ったというふうに聞いておりますけれども、どのような経過であったか、教えていただきたいと思います。
○小山(昭)政府委員 新聞等に報道されましたいわゆる八王子の青色申告会の問題につきまして、国税庁におきましては早速調査いたしたところでございます。その調査の結果について申し上げますと、これは五十一年当時のことが記事に載っておりますが、税務署の幹部が、青色申告会の当時公式行事に引き続いて行われました役員の懇親会に出席したという事実は認められたわけでございます。ただ、それは社会通念上の社交儀礼の範囲内のものであるというふうに判断されております。 それからまた、先ほどの国から支出されております税務委託費の一部がその中に紛れ込んでいるのではないかというような御指摘でございましたが、先ほど来申し上げておりますように、税務委託費はあくまで実績に基づきまして国が日本税務協会に支払い、日本税務協会がこれを謝金として実績に基づいて支払うという性格のものでございますので、その種の青色申告会の一般の経費とは全く別個でございますので、その中に入っておるというような性格のものではございません。
○岩佐分科員 私の調査によりますと、国税庁の主任監察官と監察官のお二人が元八王子申告会の役職員のところを訪ねられて、そして昨年二回、十一月と十二月ですか、事情聴取を行われ、しかも供述調書をとった、そういうことが明らかになっているわけでありますけれども、その中でいま言われたように、一体飲み食いをしたお金がその税務協会からのものなのかどうかという問題について、その当時の関係者は、これはもう会計に物すごく明るい人です、その人は青申会への税務協会からの委託費のほとんどがこの宴会費用に使用されていた、そういうことを言っているわけです。これは事実なんだということを言っているわけで、その点どうもいまの説明と違うというふうに思いますけれども、いかがですか。
○小山(昭)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、国から出ております税務委託費はその使途がはっきりしておりますし、青色申告会がたとえば懇親会等を開く場合の費用、これは青色申告会の内部の資金で行っているわけだと思いますが、これは両者は全く別個のものである。私どもの方では、先ほど来申し上げておりますように、実際に税務署で指導実績を確認した上で事後的にその確認に基づいて支出し、またその指導実績表に基づきまして日本税務協会は事務局員等に対する謝金の支出を行っているわけでございます。
○岩佐分科員 私は、この当時のことに関する幾つかの証拠を持っているわけですけれども、さっき言われたように、確かに払う形は税理士会会員なりあるいは税理士会のその個々人なり青色申告会の指導を行ったその個人に支払われるという形はとっているにしろ、その全体の額というのは青色申告会なりあるいは税理士会に振り込まれる。あるいは現金で支払われるのかわかりませんけれども、まとめて支払われる。そういう形をとっていて、この八王子の青色申告会の場合には、日本税務協会からまとめて指導費というのが支払われているわけですね。そこまでこの資料等によってはっきりしているわけです。それがいま言ったように会計に明るいその人から、そのほとんどが飲み食いに使われているのだということが言われているわけで、こんなことも二人も調査に行かれてはっきりしなかった、そんなことはあり得ないと思うのですね。そうではないんだ、つまり飲み食いに使われたお金が税務協会からの指導費ではないのだというようなことを言われるというのは、私には非常に理解できないわけですけれども、もう一度お尋ねしたいと思います。
○小山(昭)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、私どもの方では、事績を確認した上で日本税務協会から事務局員に対する謝金が支払われておるというふうに承知しておりますが、先生の御指摘のように、多数の事務局員がいる場合に、一括受領ということをいたしておるということは事実かと思います。しかし、それはあくまで日本税務協会との契約に基づいて個々の事務局員に帰属すべき謝金でございます。 それから飲食等に充てられた金は何かということでございますが、これは私ども直接関係ございませんが、当該青色申告会に何でも指導普及費というものがあるようでございまして、その指導普及費の中から支出されておるというふうに聞いておるわけでございます。この指導普及費というのは、機関誌の発行であるとか研修の費用であるとか、あるいはそういったたぐいの会議費であるとか、そういった会の一般的な活動に充てられる資金であるというふうに承知しておりますので、ただいまの謝金というものとは性格が全く別のものであるというふうに理解しております。
○岩佐分科員 それからもう一つ、先ほど言われた中で、飲み食いをしたのは常識の範囲内だということを言われましたけれども、たとえば私の手元にあります資料によれば、五十二年の一月の十三日、これは署長、副署長が参加をしている飲み食いですけれども、八万四百七十円、それから五十二年の五月二十三日、これも署長、副署長ほか六人ということで十三万二千八十五円、それから八月十九日、署長ほか四名で十五万九百十七円、こういう領収証があるわけでございます。 それで一月十三日の分について請求明細書というのがあるわけですけれども、この中で花代というのがあるわけですね。しかも、そのほかのところでは、おみやげ代だとかそういうものも事細かに明細で明らかになっているわけです。こういう花代というのは別に一月十三日だけじゃないのですよ、たくさんあるのですけれども、これでも常識の範囲内だと国税庁はお考えになるのですか。
○小山(昭)政府委員 私ども、先ほど先生も御発言いただきましたように、この問題を十分念査するために、国税庁におります監察官を使いまして十分調べたわけでございます。その結果、判明いたしましたことは、大体一回一人当たりの費用でございますが、これは当該青色申告会のもともと幹部の懇親会でございますので、出席者等も相当多数いるわけでございまして、一人当たりの費用で申しますと、おおむね六千円程度というふうに承知いたしております。また出席いたしました署の幹部職員でございますが、これは五十一年、五十二年を通じまして、現在在職をしている者が四名おりますが、一番回数の多い者でこの二年間を通じて三回ということでございます。 ただ、先ほど申し上げるべきでございましたが、私どもといたしましては、社交儀礼の範囲内のものであるというふうに本件については判断いたしておりますが、税の執行に国民の大きな関心が寄せられております最近の情勢のもとで、税務職員がいやしくも世間の疑惑を招くようなことは絶対ないように、綱紀の一層の厳格な保持について、最近特にその徹底を期しておるところでございますので、申し添えさせていただきます。
○岩佐分科員 さらにこの金が飲み食いだけではなくて、指導普及費、いわゆる税務協会からのお金ですけれども、これを八王子青申会の一部幹部で山分けをしていた、そういう事実もあったと聞いているわけですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○小山(昭)政府委員 青色申告会は、先生御承知のように自主的な任意団体でございまして、私ども国税庁の監督下にある団体ではございません。ただ、青色申告の普及育成という非常に税務の運営上重要な役割りを担っていただいている団体でございますので、そういう観点から、日ごろから適切な助言等はいたしておるところでございます。そういう立場で、本件につきましてもただいま先生御指摘のような事実があったかどうか、あわせて調査いたしてみたわけでございますが、その結果では、幹部が指導普及費を不当に山分けしたというような事実は認められなかったというふうに聞いております。
○岩佐分科員 どうも私は国税庁の調査がおかしいというふうに思うのですけれども、この指導普及費については日本税務協会から入ったお金、これが約五十万円のものを会長が一番多く取って、そしてそのほかの役員八人で分けている。しかも私の手元には個々人の皆さんの領収証があるのですね。そういう調査をやっていたら、国税庁は幾ら何回調査に入ったって本当のことがわかるわけないじゃないですか。これは山分けを絶対にしている事実があるわけですね。 大体、記帳指導の代償として税理士あるいは青色申告会事務局員に個々に労働の対価として支払われるべきお金を幹部が山分けをする、言ってみれば国民の税金を勝手に山分けをする、こういうことは許されないと思うのですね。もう一回ちゃんと調べて、そしてこれに対してどういう措置をとられるか、そのことを明らかにしてもらいたいと思います。
○小山(昭)政府委員 先ほどの御説明をではもう少し敷衍させていただきますが、私どもが調査で知り得ましたところでは、青色申告会のいまの指導普及費の使途についてでございますが、五十一年以前には当該八王子青色申告会は財政基盤が非常に弱かったために、役員は全部手弁当で会の活動に従事して、その経費は一切会から支出されないというような場合が多かったということのようでございます。たとえば交通費等でございます。 その後、ある程度財政基盤も固まったということで、五十二年の春に青色申告会の内部の総務委員会でその問題を検討いたしました結果、それ以後は役員の活動経費についても旅費等の実費支給をすることが決定され、その際あわせてそれ以前の役員の支弁した金銭についても一定額について実費弁償するということで精算されたものであるというふうな報告を受けております。多分先生の御指摘の金銭なるものはそれではないかというふうに思います。
○岩佐分科員 その支払われる名目はそういうことであるというふうに言われているということは私も聞いています。しかし、そのもとのお金が一体どこから出たものかということについていま私たちは重大な関心を持っているわけですね。日本税務協会から来たものだということがこの私の資料によっても明らかであるし、その分け方も明らかであるということを言っているわけです。 私は、会計検査院にきょう来ていただいているわけですけれども、実はこの八王子の件について調査をするに当たって全国的に一体どういう状況になっているのか、つまり日本税務協会から支払われるべきお金が本当に労働をやった本人に支払われているのか、それとも別な形で使われているのか、その辺調べてみたら、かなり八王子のような例があるということがあちこちで言われているわけです。私は、こういう国の税金が不正に使われるということを許しておくことはできないと思います。そうした意味で、会計検査院にぜひ調査をお願いをしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○立神会計検査院説明員 私どもは、委託費につきまして委託の趣旨に即した事務の執行があったかどうかということで検査しておるわけでございます。この委託費の場合は、記帳指導等の実績に従って国税局から日本税務協会に支払いがなされたかどうかを見てまいったわけでございます。この点に関し、いままで特に不当と認められる事態は見当たっておりません。しかし、御指摘のこともありますので、今後とも注意してまいる所存でございます。
○岩佐分科員 きょうは、私は国税庁からの説明を伺っても、どうも肝心な部分についてきちっとした調査をしていないか、あるいはきちんとした調査をしていてもそれを明らかにしていないのかよくわかりませんけれども、飲み食いの話、これはかってそうだったという問題だけではないんですね。程度の差はあれ、いまも続いている問題であるというふうに関係者は指摘をしているわけです。納税者である国民の納得する措置を早急に国税庁にとってほしいというふうに私は要求をしたいと思います。公平であるべき税務行政が、税務署の幹部と青申会の一部幹部との癒着関係の中で国費むだ遣い、あるいはこれが贈収賄罪にも発展しかねない、そういうような不祥事が起こっているという疑いがあるわけで、これはもうとんでもないことだ。しかも、私は八王子税務署に何度も行っているんですけれども、一方では、民商の会員に対しては会員の言い分をろくに聞かないで一方的な調査を行うなど、差別的な態度をとっているわけです。こういうことは全く許されないことだと思います。このようなことでは国民のだれもが税務署を信用しなくなると思うのです。そういう点で姿勢を正してほしい、正すべきだと私は思いますけれども、最後に大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 実態を調べて十分に注意をいたします。
○岩佐分科員 終わります。
○宮下主査代理 これにて岩佐恵美君の質疑は終わりました。 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○宮下主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について質疑を続行いたします。井上普方君。
○井上(普)分科員 私は、最近の世相の中で国民が一番不愉快に思い、かつまた刑事問題すれすれのところが横行している談合についてちょっとお伺いしたい。 談合につきましては、刑法九十六条の三に談合罪というのがある。しかしながらなかなか談合罪にはひっかからない。なぜひっかからないかといえば、談合罪をつくったのは昭和十六年、その当時朝鮮総督府事件というのがあって、そのときは詐欺罪でいったけれども、どうもいけない、詐欺罪じゃないんじゃないかということになって談合罪を昭和十六年につくられた。そのときの状況を会議録等々で見てみますと、当時は権力が非常に強かった。したがって、請負業者の方がお国のためだ、あるいは軍のためだというので、損害をやむを得ず承知しなければならないような事態があるので、これを助けようという意味があって刑法改正が行われた。当時わが党の先輩であります河上丈太郎先生であるとか何とかは、業者を守る立場に立って論議をなされておるのであります。 その後御承知のように戦後になりまして、非常に民主的になってきた。しかしその中で、刑法の談合は改正されておりませんけれども、解釈がいろいろと違ってきている。しかし、談合を防ぐためには一体どうすればいいかということで、会計法あるいは予決令の中でいろいろと制限が加えられておる。そのことは予決令の七十一条に書かれておる。特に七十一条の第一項の二に、「公正な競争の執行を妨げた者又は公正な価格を害し若しくは不正の利益を得るために連合した者」、こうある。これがまだ適用になった事例を私どもは知らないのでありますが、刑法の言っておる「談合」と予決令に言うところの「連合」とはどう違うのですか、この点ひとつお伺いしたい。
○窪田政府委員 刑法の規定と御指摘の予決令の規定とはほぼ同じでございます。したがって、予決令の適用に当たっては刑法の談合罪になるかどうかということも一つの判断材料になろうかと存じます。しかし両法令は目的が違いますので、予決令の規定の該当者がすべて刑法の談合罪の有罪判決を受けた者でなければならないということはないわけでありまして、契約担当者が予決令に言っております「公正な価格を害し若しくは不正の利益を得るために連合した」という事実があるかどうかというのが予決令の予算の適正な執行という観点でございますし、刑法とはかなりオーバーラップはしておりますが即イコールではないわけでございます。
○井上(普)分科員 そうすると、刑法に言う談合よりもはるかに幅広いものだ、こう考えて差し支えございませんね。
○窪田政府委員 おっしゃる意味では広いと言えるかもしれません。つまり、談合罪に当たるものでなければ予決令の対象にならないというわけではないわけでございますから、そういう意味では幅が広いと言えるかと思います。
○井上(普)分科員 そうしますと、予決令に言うところの連合の事例についてはどれくらいの数を御承知になっておられますか。
○窪田政府委員 昭和三十七年以降一件のみでございます。
○井上(普)分科員 一件のみ。さて、それでいいのだろうかということに相なる。この予決令の連合が一件のみということになりますと、問題は解決できない。いろいろと談合については業者の長年の習慣等々がある。しかしながら一方言いますと、この談合というのは国民のひんしゅくを買っておるのです。また、不正な利益を得るために談合というのがやられておる。たくさんある。ただしかし、業者の間では、いや、あれは金さえ渡さなければいいんだというような、金のやりとりさえやらなければいいんだという考え方ができてきておる、それは刑法上の談合問題として。ところが、予決令の連合について、これは何も意識がない。刑法の談合については牧野英一さんですかの「談合について」という解説書が昭和二十六年ぐらいに出まして、これをもって金科玉条の教科書としてやっておるわけだ。しかし、現在の談合問題を見てみますと、過去よりもはるかにひどくなってきている。であるから、いかにしてこれを防ぐか。そして、予算の効率的な使用をするという面からするならば、この談合をいかにして防いでいくか、あなたの言う連合をいかにして防ぐかということを中心に考えなければならない時期が来ている。余りにもひど過ぎるじゃありませんか。 そこで予決令を主宰しておる、あるいは会計法の主務官庁である大蔵省にお伺いしているわけだ。もう建設省なんというのは聞いたところで話にならない。だから私はここであなた方にお伺いするのだが、この予決令あるいはまた会計法、こういうのをお変えになって、いまの指名競争入札制度に対してもっと枠を入れたらいかがでございますか。
○窪田政府委員 御指摘のように会計法におきましては一般競争入札制度が原則でございますが、また予決令におきましては資格を制限するいわゆる制限つきの一般競争入札という方式もございます。また、いろいろこの適正な運用を期するための規定もあるわけでございまして、仕組みとしては十分整っているのではなかろうか。基本的な契約を行うに当たりまして各省の担当官がこういった会計法の規定に照らして適切な契約方式を選定する、個別のケースによりまして一番適当な方式を選定する、こういうたてまえでございますから、私は、各省の担当がこの法の精神に沿いまして適正な運用をしていただければ適切な執行が確保できるのではなかろうか。大蔵省といたしましては会計法規を所管する立場としてこの運用にも関心を持っておりまして、いろいろ指導等もしておりますし、今後もしていく所存でございます。
○井上(普)分科員 手続法規は完備しておる、こうおっしゃる。しかし完備しておってこういうような事件が起こってきているのではありませんか。役人の心がけだ、執行官の心がけだとおっしゃる。しかし、できてないじゃないですか。だからここで法的な規制というものを考えてしかるべきじゃないかと私は言っておる。あなたの方はやる気がなさそうだ。 だから次にお伺いしましょう。一般競争入札制度というのが契約の原則になっている。ところが、請負契約のもとにおいては指名競争入札、ほとんどがこれになっている。九九%そうでしょう。例外規定が本則になっているんだ、これはどう思いますか。これは執行官の資質の問題だけじゃないでしょう、どうですか。
○窪田政府委員 おっしゃるように会計法におきましては一般競争入札が原則でございますが、行管等のお調べによりましても非常に大きな部分が指名競争入札になっていることは事実のようでございます。しかし、関係各省におきましてはそのケースに応じて適当な契約方式を選定している、こういうふうに考えておりまして、今後とも原則である一般競争ないしは制限つき一般競争の活用が図られることを期待をしておりまして、また指導をいたしますが、しかし、具体的な適用に至ってはそのケースによって一番適切な契約方式を選ぶということが妥当であると考えております。
○井上(普)分科員 各省ケースにより適当なやり方をやる、こうおっしゃる。しかし、やられておらないから問題が起こっているんですね。現に本四連絡橋のごときは、ある業者に対しまして公団あたりから三年、四年前からおまえこの技術を研究しろということで研究開発をさせておる。研究開発をさしておいて、三、四年後に指名競争入札で実はやらしておるから、新聞で言うところの三年も四年も前からもう入札が決まっておるんではないかという疑い——事実そのとおりなんだ。決まっているんだ。ただ役人が責任を逃れるために指名競争入札にしておるだけだ。こういう場合には随意契約にしてしかるべきだ。ところが、随意契約にせずに、役人が責任逃れのために指名競争入札をやっている。だから、談合談合と言われるのはこれまた当然の話だ。言われるというよりは、事実談合をやっているんだから。あるいはあなたの言うところの連合をやっているんだから。やるような仕組みになっている。そういう場合にでも、これは随意契約でなしに指名競争入札にしておる。あなたの言うように役人は善なりという考えで、ケースにより適切なる処置を役人どもが各省庁においてとっておるという前提に立っておるからああいう問題が出てくる。これでもまだ会計法を主宰するあなた方は、これは正しいとお考えになっておるか、いまのやり方が。一例を申し上げた。まだまだ例数はたくさんある。どうなんです。
○窪田政府委員 会計法の意図しておりますところは、公正な価格を害したり、不正の利益を得るために連合するようなことがあってはならない。不正の利益とか公正な価格が害されるというようなことがあってはならない。そのために一番適切な契約方式を選ぶということでございまして、私は、御指摘のようにこういう目的に反することがそんなにたくさんあるとは思っていないわけです。大部分の事業は適切に運用されているのではなかろうかと考えております。しかし、そういった御批判もございますので、今後とも十分指導をしてまいりたい、こう考えております。
○井上(普)分科員 そんなこと言うたらあほかいなって言いたくなるで。世の中それぐらい知らない、役人というのはかすみでも食っているのですか、あなた。大体いまの請負契約で九〇%から九五%が談合やられているんだよ。いわゆる談合だ。あなたの言われる会計法上の連合がやられているんだ。しかも、私はそれを一歩譲って、当然随意契約にしてしかるべきところを指名競争入札にするかちあらぬ談合と言われるようなケースも出てくる。だから、こういうような会計法あるいはまた予決令というのは直さなきゃならないんじゃないか、こう申しておるのです。あなたかすみでも食っているのか。世の中知らぬにもほどがあるよ。
○窪田政府委員 いや、別にそういうことを申しているわけじゃございませんで、国の契約は機会の均等とか予算の効率的執行等の見地からできる限り競争入札によることが望ましい、こういう原則は会計法にもありますし、私どももそう考えております。また各省にもそういう指導をしております。しかし、事業の性質によってはそうでないものもございますので、要するに、一番究極の目的は予算の適正な執行でございますから、それに一番ふさわしい契約方式を各省がとっていただくことを期待しているわけでございます。
○井上(普)分科員 期待ではない。あなた期待とおっしゃる。現にできていないから私は言っているのだ。業者に対して三年も四年も前から研究させて技術を開発させる、あるいはまた機械も発明させる、改良させる。そうしておきながら三年、四年後にその業者に対して指名競争入札でこの業者がともかく請け負った。これは片一方は、ほかの業者は全然技術も持たないしあるいはまた研究開発もやっていないのだから、続いてその業者が請け負っておるのは当然な話。だから、こういう場合には随意契約にしてしかるべきではないか、こう言っているのだ。ところが、あなたの方は、事業の性質によって適切にやられておる、こうおっしゃる。やられていない事例を私は申し上げたのだ。だから、これは見直す必要があると私は考える。 大臣、こんなかすみを食ったような人の答弁を聞いたってしようがない。あなた、どう思いますか。
○渡辺国務大臣 この法律をつくるときにはみんな一般競争でやれという精神でつくったんでしょう。しかし現実の姿は、いま御指摘のように、ほとんど大部分が指名競争入札になっている。これも実態のようです。新聞で参加者を募集してともかく入札に参加するなんということになると、何百人来るかわからぬし、その信用調査や能力調査もできるものではない。だから、やはり指名競争で五人とか十人とか、そのいずれが取っても仕事ができるだろうというような中での競争を指名競争と言っておって、私の知っている限りそういうのが多いと思います。したがって、法のたてまえと現実との間にかなりギャップがあるということも事実なんで、どちらがいいか、根本的に、こういうふうな大きな話になってきたときですから、一遍再検討するということも必要ではないか。 いま井上議員が言うように、よく談合とかあるいは特殊な新しい工法の場合は、だれもが技術を持っているわけではない。したがって、逆に会社にある程度図面を書かしたり研究をさせたり設計の手伝いをさせたりというようなこともあるということもちらほら聞いております。ですから、明らかにその人しか技術を持っていないのならば、指名競争をやってもナンセンスな話で、ほかの人は技術がない。ない人を指名して、もし間違って技術のない人が落札をしたときはどうなんだという話になるわけですからね。ですから、それはナンセンスだということが言えるわけです。したがって、そういう問題も含めて実際的な検討をする必要があるのじゃないか。それ以上のことはちょっと私は申し上げられませんが、そういう気がいたします。
○井上(普)分科員 政治家としては私は当然だと思うのです。しかし、この予決令あるいは会計法をいじることは嫌って、こういうような部下もおるということをひとつあなたは御認識になって、もっと御勉強になり、主管省は大蔵省ですからね、あなたの責任なんですよ。そのことを強く要求いたしておきます。 それから次に補助貨幣についてちょっとお伺いしたいのだが、このたび五百円の硬貨ができる、補助貨幣ができる、こう言っておるのだが、いま日本には百円、五十円、十円、その次に五円、一円と補助貨幣があるが、この原価はどれくらいになっておるのですか。
○吉本(宏)政府委員 貨幣の製造コストにつきましては、材料費、製造間接費、一般管理費を部門別、貨種別に適正に配分することがなかなか困難でございますので、各貨種別のコストはちょっと申し上げかねるということであります。
○井上(普)分科員 妙なことを承るな。物をつくるのに原価がわからぬで物をつくらすのですか。こんな親方日の丸みたいな仕事を大蔵省はやっておるのか。
○吉本(宏)政府委員 これは造幣局特別会計におきまして製造費ということで合計額を計上しておりますが、個々の貨種別の製造コストというものは特に的確な計数を計上していない、こういうことであります。
○井上(普)分科員 変なことを承りますな。私は、日本銀行券は一体どれくらいだといって日本銀行に聞いたときに、一万円札は原価十九円二十銭ですかな、五千円札もこれで造幣局に請け負わせております、こう言っておった。これは当然だ。ところが、今度新しく五百円の硬貨を出すというから、原価は幾らになっているんだと言いましたら、それは申せません、わかりません。こんな商売、こんなことをやっているんですか。
○吉本(宏)政府委員 造幣局特別会計の予算には、歳出といたしまして事項別内訳が計上されてございます。この中の事業費といたしまして、造幣局事業に必要な経費を計上してございます。これを各貨種別にそれぞれ幾らということは明らかにされていないというのが現状でございます。
○井上(普)分科員 それはあなたが知らぬのではないの。あなたが御存じないからここでそう言っているんじゃないの。造幣局長あるいは造幣の担当者は知っているんじゃないの。現に、日本銀行券の一万円札の原価はわかっているんだ。だから、注文を受けてちゃんとやっているんだ。あなた方の方はこんな仕事をしているのか。
○吉本(宏)政府委員 日本銀行券につきましては、一万円券、五千円券、千円券につきましてそれぞれの数量及び単価が計上されておりますので、これは日本銀行に対する売り渡し価格という形でそれぞれの券種ごとの原価はわかるわけでございますが、補助貨幣につきましては、これを全額一括して事業費として計上されておりますので、各貨種別のコストは明らかにされてないというのが現状でございます。
○井上(普)分科員 それは明らかにされていないというが、物をつくるのには、一つつくるには材料費幾らかかり、人件費は幾らかかり、また民間だったら、金利は幾らかかると、原価計算をしてやるものだ。大蔵省の場合は造幣局、自分の部下だけれども、同じ省庁だけれども、そんなざっとしたやり方をやっておるのですか。どうなんです。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕 日本銀行であれば一万円札は幾らというのはきちっとわかっておるけれども、自分のところでつくっているものはわかりません、これでは世の中通用しません。大蔵大臣、どうですか。
○吉本(宏)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、造幣局特別会計につきましては事業費を一括して計上しておりまして、これを貨種別に推定してそれぞれ幾らというコストは、造幣局としては計算しておるかと思いますが、それぞれの経費の配分等につきましていろいろ論議もあるものですから、各貨種別のコストにつきましては公表されていないというのが現状でございます。
○井上(普)分科員 そうすると、造幣局は知っておるだろうが、あなた方は知らない。そしてまた、貨種別に公表するのをはばかる何物かあるのですか。
○吉本(宏)政府委員 これは補助貨幣でございますが、やはり国が発行する通貨でございますので、それのコストがそれぞれ幾らかということは公表しないということで従来までやってきておるということでございます。
○井上(普)分科員 それならそれと言いなさい。さっきから何だい、あなた、知らないのをごまかすために……。いまのは公表できませんと言ったら本当に公表しないな。このことは国会で、しかも予算委員会でこうやって質問して、公表できません、一個当たりの原価は公表できませんとあなたはおっしゃって、後で出てきたら、あなた、責任をとるな。
○吉本(宏)政府委員 製造コストにつきましては、各貨種別にそれぞれの経費を配分することがなかなか困難な面もございますので、正確なそれぞれの資金コストを的確に判定することが困難な面もございますので、これを公表することは差し控えさせていただいておるというのが従来の経緯でございます。
○井上(普)分科員 そうすると、理由がさっきのと違ってきた。いいですか、さっきのは、国の貨幣でもあるので原価を公表することはむずかしい、こうおっしゃった。私はそのとおり受け取った。次にあなたは何と言った。材料費を分配することができないので、困難なので、こうおっしゃった。どっちが本当なんです。
○吉本(宏)政府委員 これはそれぞれの経費の配分にも問題がございますし、また、先ほど申し上げましたように、およそ一国の通貨の貨種別のコストというものを公表するのはいかがなものかということで従来公表しないということでございます。
○井上(普)分科員 今度はいかがなものかになってきた。いいですか、私は絡むんじゃないよ。わからぬならわからぬとおっしゃったらいいんだ。しかも、このたびの減税要求の中に——減税要求を私らはやっておる。このたびの減税要求の中で、私どもは補助貨幣回収準備金あるいは準備資金、これからなし崩せということを私らは要求しているのです。非常に関係深いのです。だから私はあえて聞いているのです。それをどういう理由か、理由もはっきりさせずに原価が公表できない、これじゃ話になりませんよ。恐らく知らないからあんなことを言っているのだろうと思うので、わかり次第これは大臣の方から御答弁願いたいと思うのです。そして、なぜ公表できないのか、技術的に困難なのか、このことをお願いいたしておきたい。 そこで、回収準備金制度というものがあるし、造幣局特別会計というものがある。そこでお伺いしたいのですが、五十七年度は一兆三千百二十五億の補助貨幣が五十七年度末で出る。ところが、いま準備金が一兆三千七百二十億あるので、このたびはひとつ一般会計の方へ五百九十五億を出してくるんだ、こういうことですね。私どもは、そんなに満杯するだけの、すなわち準備金と準備資金が一致しなくてもいいんじゃないか、それほど日本の経済あるいは日本の貨幣というものは信用がないことはない。言うならば、流通が非常に多くなって準備金が少なくなったときには流通インフレを起こすなんという理由を言っておるようでございますけれども、そんなばかな話はない。でございますので、これは当然に準備金をもっと引き下げてもいいんじゃないだろうか、こういう考え方で私らは臨んでおるわけなんであります。日本の経済からいっても、日本の貨幣の価値からいっても、これは私はもう少し、二千億や三千億減らす、私は五千億くらい出せるなという感じもするのですけれどもね。それを大蔵省は、いや満杯でなければならないとおっしゃるのですか、おっしゃらないのですか。もしおっしゃるとするならば、その根拠は一体どこにあるのか。——もういいよ、かすみを食った人はいいよ、大臣にお聞きしたい。
○窪田政府委員 政府が補助貨を発行いたします場合に、同額を資金に積み立てるわけですが、これは長い貨幣の歴史の中から生まれた制度で、つまり幾らでも政府がコインを発行してお金をつくるなんということがないように、発行したらそれと同額を積み立てる、いわば政府に対する一つの規律を課している制度だと思います。それが補助貨の信認を維持しておると思います。 そういうことから、幾らでも欠けてもいいんじゃないかということは絶対に申せませんし、それから、資金は大体運用部に預けてありますので、お金があるわけではございません。
○井上(普)分科員 それは私も読んでみた。古い活字でなかなか読みにくいんだけれども、造幣局特別会計法というのを読んでみた。そうすると、何%でなければならない、同額でなければならないということは、ここに書いてないじゃないですか。 そこで、それでは昭和四十五年まではこれは足らなかったはずだ。だから、出してしかるべきだ。あなた、理屈らしい理屈を、へ理屈を言ったってだめだよ。四十五年まではそんなことなかったのだ。そして、四十五年以降といえば、日本の国力は充実してくるし、貨幣価値は上がってきたとき、満杯でなければならない。それまではちょっと弱かったけれども、対米ドルのなににいたしましても強くなってきている。あるいは補助貨幣につきましても、半分にしたところで、そんなことで流通インフレになるとは私どもは思わない。 もう時間がまいりましたのでこの程度にいたしますけれども、大臣、決して私どもが無理を言っているのではない。そしてまた、そのことは政治家の渡辺美智雄君はおわかりだろうと思う。われわれの要求に十分御理解を示す上で御賛成願いたいことを強く申し上げて、質問を終わります。
○砂田主査 これにて井上普方君の質疑は終わりました。 次に、有島重武君。
○有島分科員 私は、自治会というか町会というのがありまして、町会の会館というのをつくる、それの所有権の問題、税制の問題など、これについて。それからあとは、グリンカードを実施する、それに伴って円が海外の方に動いていくという問題があると思うのですけれども、この二点について質問をさせていただきます。 最初に、町会の問題です。 これは、東京都内なんかですと、特別区というのがございまして、そこに町がたくさんあります。それで、そこに会館があるわけですね。会館があるというか、会館が必要になってくる。ところが、町会の会館を購入した場合に、その土地、建物はもっぱら公的使用に供されているのですけれども、その所有者は町会長であるということになっております。町会長がかわりますと、所有権者がかわりますから、譲渡だとか贈与だとか、そういうことになって、税金の対象になってくるわけですね。こういう際の税制の改正の考えはないか、こういったことがたびたび聞かれているのですけれども、こういった御用意がおありになるかどうか、それをまず聞きたい。
○吉田(哲)政府委員 町内会で会館等を持ちたい、いろいろな形があると思いますが、通常は、町内会の性格としまして、いわゆる人格のない社団に該当するのが大多数のケースではないかと思います。人格のない社団でありますれば、所得税なり法人税法の扱いは、これは法人というふうにみなすことにしているわけでございます。 〔主査退席、木島主査代理着席〕 したがいまして、いまのような場合に、仮に所有の名義がたとえば町内会長個人から別の個人にかわった場合でありましても、その所有関係が町内会自身のものだということが確認できますならば、譲渡所得税なり贈与税あるいは相続税の課税問題は起こってまいらない、そういう扱いになっております。
○有島分科員 これは法的扱いじゃなくて、運用でもってそのように扱っているということですね。
○吉田(哲)政府委員 名義のいかんを問わず、その財産が町内会のものであるということが確認できれば、課税問題は生じません。
○有島分科員 それは確認というふうに一言で言いますけれども、紛らわしい場合がたくさんある。場合によれば、その会館の中に実はだれか住まっている、そういうような場合も起こったりしておりますね。 これは昨年、東京の墨田区の中で起こっていることなんですけれども、吾妻橋の三丁目町会というのがございまして、その町会長さんが倒産しちゃったのですね。差し押さえられた。それで、次の町会長さんが代表者になるわけですけれども、このために登記費用が町会から別に出されておる、こういったことがある。こういうようなことはほかの町会でも幾つもあるということを私は聞いているわけです。 それで、今度はそこの墨田区では、公社をつくって、町会会館について建物を区に移管しよう、それで登記していこうか、こういうことを考えているらしい。その税制を変えていくというような御用意はないか。
○吉田(哲)政府委員 先ほどの答弁で若干補足をいたしますけれども、先ほど申しましたのは、名義がかわった場合に、いわゆる譲渡所得税とか相続税とか贈与税の課税問題が起こってこないということを申し上げましたけれども、いま先生のお話のありました登記の関係につきましては、これは登録免許税は課税されるたてまえになっておるわけでございます。人格のない社団の場合でありますと、社団の名前で登記できません、代表者の個人の名前で登記されておりますから。その登記がAからBへ移る場合は、登録免許税の課税の問題というのは起こってくるわけでございます。
○有島分科員 自治省の方、来ていらっしゃいますか。——地方税ですね、不動産取得税それから固定資産税、こういった点はどうですか。
○湯浅説明員 最近、御指摘のとおりいわゆるコミュニティー活動が非常に活発になってまいりまして、その拠点となります自治会、町内会の集会施設でございますとかあるいは消防団の詰め所でございますとかいうような、あらゆる種類の集会施設ができているわけでございます。 これらの施設は、非常に所有形態なり利用形態が多岐にわたっておりますので、これを一律にどうするかということを決めることはなかなかむずかしいわけでございますけれども、御指摘の不動産取得税、固定資産税につきましては、法人格のない自治会などの施設が建設されたような場合におきまして、その不動産の利用形態から見まして、非常に強い公共的な性格を帯びている場合には、不動産取得税は都道府県でございます、それから固定資産税は、都の場合は都でございますけれども、その他は市町村でございますが、それぞれの自治体の条例によりましてこの減免を実施することは可能なわけでございます。そしていろいろ、これは全部がわかるわけではございませんが、こういう施設につきましてはいろいろな基準を定めまして減免の措置を講じているというのが実態のようでございます。
○有島分科員 大臣、お聞きのように、この場ではその減免措置をいろいろ講じているということなんですけれども、それには大変な圧力と言ってはおかしいかもしれないけれども、相当地元の人たちがいろいろと騒いで、それから地方議員さんを動員してそういうふうにやって、一生懸命努力したところが減免になっているところがある。人のいいのばかり集まっているところはだめなんですというような状況があるわけです。これは一遍御検討いただきたいと思っているのですけれども、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 実は、似たような話がいっぱいあるのですね。一つは政党本部、自由民主党本部とか公明党本部とか共産党本部、みんな建物を持っていますが、これが同じなんですよ。法律上の人格がないからだれの名前になっているのか、個人の名前になっているか、あるいは建物だけは仕方がないから財団法人とか株式会社にしてあるとか、これは全国そういうようなことになっております。これは本当に実態に合わない話で、かつて自民党本部が個人の大野伴睦さんかなんかの名義にして、亡くなってひどい目に遭って、一遍騒いだことがある。ですから、こういうことは本当に実情に合わないので、何らかうまい工夫はないものかと思っていま研究をしているところなんですが、千差万別な形態があるものですから、結論に至っていないということだと思います。
○有島分科員 では、御研究をお続けいただくのと同時に、こういった条件だったらいいのじゃないかというようなものを積極的に出して、千差万別の中でも幾つかだんだん理想形態に近づくような誘導法というのも考えてもいいのじゃないだろうかということも思います。ひとつ御検討いただきたい。 では、次の問題に行きます。 最近、アメリカなんかでは、金融革命というのですか、金融界というか証券界というか相互乗り入れというのですか、一般の生産を主体としている会社がかなり証券を買ったり、銀行同様のことをやっていたりというようなことが起こっているというふうに聞いています。わが国においても、ことしの四月一日から、海外で発行されたCPですかCDですか、この国内投資家への販売が、銀行あるいは証券会社と、これが双方に認められるということでございますけれども、海外のCPが投資信託に組み入れられるのかどうか、組み入れられますと、かなりの国民の隅々のお金が相当海外の方に移行していくという現象が起こってこようかと思うのですね。これは望ましいことであるというふうに思われるか、あるいはこれは危険な点もあるというふうに思われるか。わが国でも、かなりいろいろな金融界とか証券界というふうに截然とされてある秩序があったものが、かなり変質をするというか混乱をするというか、そういったことが予想されるのじゃなかろうかと思われますけれども、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○禿河政府委員 ただいま御指摘がございました海外のいわゆるゼロクーポン債でございますが、これは昨年の四月からアメリカで発行されまして、その後アメリカ市場並びにユーロ市場で二、三十の銘柄が出ておるようでございます。これにつきましては、一月末現在で私ども数字をとってみますと、わが国の投資家がそれを購入いたしましたのが三億ドル余りという数字でございます。それからまた、新しい銀行法、それから改正証取法がこの四月から施行になりますのに合わせまして、お話がございました海外のCP、CD、これも銀行、証券両業界がいわば相乗りの形で取り扱うことができる、こういう方向に進みつつあるわけでございますが、現在、海外のCP、CDの取り扱いにつきましては、そのルールを検討中でございまして、まだ固まってはおりません。 たとえばその中で、お話がございました投資信託が信託財産の運用としてそれを対象にするかどうかという点につきましては、投資信託は有価証券投資が基本でございますので、CPあるいはCDというものは、厳密な意味におきますところの日本の法律上の有価証券ではございませんので、それを組み入れるというわけにはまいらぬかと思いますが、一部余裕金の運用として、それに対して一時的な運用を図ることができるかどうかという点についても、これはいま検討いたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、お話がございましたようなゼロクーポン債あるいは海外のCP、CDに対します日本の投資というものが、海外の資本交流の促進と申しますか、発展という観点から見ましてふえていくということは私はあり得ようかと思います。また、外国為替管理法の上におきましても、一昨年の改正によりまして原則自由、こういうことになっておるわけでございます。 ただ、私ども投資家保護という観点から見まして、余り行き過ぎた勧誘というものがあってはいかぬということで、関係の証券会社には注意はいたしてございます。その方向で各業界でも十分気をつけてやっていくことになろうかと思います。 ただ、全般的な感じで申しますと、これはちょっと証券局の所管ではございませんが、私ども内部で関係の局とも相談いたしておりますけれども、先ほど申しましたとおり、現在まだゼロクーポン債に対しますところの日本の購入額というものが三億ドル余り、こういう数字でございまして、昨年一年間で外貨証券に対します投資額のネットの増が六十億ドルあったわけでございます。その辺から見ますと、まだそう大した量ではございませんし、内外の資本交流の円滑化という意味での原則自由という原則のもとにおきまして、現時点で特にこれを問題として取り上げるというふうな事態にはなっていない、かように考えております。
○有島分科員 グリーンカードの話になりますけれども、五十九年一月からグリーンカードを実施するということでございますね。伝えられるところによると、高額所得者にこれは不利になるから、税率の構造の手直しをその前にせねばならぬ、こういうことが大蔵省の首脳によって表明されたというようなことが伝えられているわけですが、この真相のほどをひとつお聞かせいただけませんか。
○渡辺国務大臣 それはこういうことだろうと思います。要するに、利子配当というのが現在分離課税になっておるわけです。世界で、アメリカでもどこでも総合課税である、だから総合課税にすべきだということで法律が改正された。ところが、日本は分離課税がある一方、所得税の累進税率が非常にきつくて、最高七千万から八千万で七五%、地方税まで入れると理論値で九三%、調整して最高八〇%余税が取られるということになるわけです。仮に百万円の利息をもらったとすれば、その利息の八割は税金になるということになるわけですね。これもともかく世界に例がない。世界に例があるように直すわけだから世界と同じ、世界が総合課税なんだから日本も総合課税にしろということになれば、世界の所得税の税率と同じように日本も右へならえすべきだという議論が出てくるのは当然でございます。したがって、そういう意味のことを言ったものでございます。
○有島分科員 そうすると、いまの大臣のお答えでもって、これはうわさではなくて大蔵大臣としてもこうした考えに立っていらっしゃる、こう思ってよろしいのですか。
○渡辺国務大臣 私は、これは就任以来国会でも一貫して申し上げております。それは、グリーンカードというものができると、そのほかに所得税ではいろいろと現在では矛盾したものがある。たとえば資産合算という問題がありまして、要するに妻の固定資産とかあるいは利子配当とかでもらっても、ある一定の限度を超えれば、持参金であろうと自分が一生懸命共働きで働いて奥さんが築いた財産であろうと、そこから得た配当や利息は主人の方、一家の家長の方に皆合算するということにいまでもなっていますね。こういうようなものも実情に合わないのじゃないか。ですから、こういうものも含めて、グリーンカードを実施ということになれば、それと一緒に再検討すべきものだということの一例にすぎないわけでございます。
○有島分科員 そういたしますと、五十九年以前に、ということは来年いっぱいに税率の構造の手直しをせにゃならぬということですか、あるいは手直しの作業がおくれる場合にはグリーンカードがおくれる場合も起こる、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○渡辺国務大臣 五十九年ですから、ことし、来年で関係ないわけですね。五十九年から合算しても、所得税を申告するのは六十年の三月になるわけです。ですから、ことし、来年でなくたっていいということにもちろんなるわけですが、そういうような点などは当然に私は検討されるべきものだ、そう思っております。
○有島分科員 そこで、さっきの問題にまた戻りますけれども、グリーンカードができるということで、税金対策といいますか、それでいままでいわゆる隠し金というものがいろいろな形でもっていろいろな形になる。それが国内で土地だとか金を買うだとかいうこともありましょうけれども、ここで新しい海外に流出するような、さっきのCP、CDのような道がだんだん開けてくる。これは海外にお金が流れていくことにドライブを相当かけることになりませんか。
○渡辺国務大臣 それは仮に、預金の利息でも八割もそれ以上も税金で取ってしまうということになれば、やはりどこかに逃げる金が出てくるという可能性はありますね。ですから、それらとのバランスも考えなければならないし、社会的公正も公正だが、とにかく国全体としてどっちが国民全体のためになるかということも考える必要がある、そう思っております。
○有島分科員 八〇%取られるような人は、まあわれわれから想像もできないようなお金を持っていらっしゃる方で、われわれはそんな八〇%なんというところまでなかなか達しないであろうと思うのですよ。だけれども、それぞれに、零細であろうともいまでさえも相当取られているという気持ちがあるわけですから、節税観念というものがあろうと思うわけです。さっきの証券局長さんでございましたかのお話ですと、大体三億ドル程度のことで現状においてはそんなに大きな影響はないというふうに申されましたね。現状ではそうでしょう。しかし、グリーンカードという条件が一つ入りますと、大分様子が変わってくるのじゃなかろうか。そうすると、国内のマネーサプライというものが貧血状況になるような事態もあるかもしれないというようなことも議論されているのじゃないかと思うのですけれども、それでそういうことのための何か歯どめ措置というものをいまから考えておくべきなのか、あるいはそういったものは自然にちゃんと復元するんだからというふうに楽観的にいまは考えていらっしゃるのか、その辺は大臣、どうですか。
○矢澤政府委員 ただいまのマネーサプライへの影響でございますが、これは二つに分けて考える必要があろうかと思います。 一つは、国内で株だとか土地だとか、そういったものにシフトする場合でございますが、たとえば国内で株を買った場合には、必ず売り手がいるわけでございますから、売り手を通じてそのお金がまたもとの金融の流れへ入ってくるわけでございます。土地にしても同様でございます。 問題は、海外に流出をする場合が問題でございます。少なくともいままでのところは、日本経済にデフレ的な影響を与えるような大きな流出はございません。たとえば金でございますが、金は昨年になりまして輸入量が非常にふえております。昨年の一月から九月までで約三千億円の輸入がございますが、そのうちほぼ半分が個人の退蔵用に回ったろうというふうに考えますと、これはマクロ的に見ますと、その間に預金が二十一兆ふえておりますので、預金の〇・七%ぐらいの比率でございますので、マクロ的には問題がないという見方が一般的でございます。 また、ミクロ的に見ましても、グリーンカード対策のために一億だとか何千万円とかいうお札を紙袋に入れてきて買う人もいるじゃないかということがございますが、これはグリーンカードが出てくる前からもそういう現象はございまして、現に大手のあるこういった貴金属を扱っている方の公開の席での説明では、大体小さな買い物が多い、特に最近はOLが金貨、コインみたいなクルーガーランド金貨というようなものを買っていくケースが多くて、特にその方の感じでは、グリーンカードが出てきたから前と比べて大量に買う人たちの数がふえたという印象は持っていないというような説明をいたしております。 それから、ゼロクーポン債も、総量といたしましては先ほど証券局長が御説明したとおりでございます。また、ダイヤモンドにつきましては、これは輸入額がむしろ減っておりまして、最近では価格が暴落したというようなことから換物性に難点があって、グリーンカード対策としては隅に押しやられたかっこうである。そして株も、御承知のように個人は売り越しの状態でございますとか、土地とかマンションはいま大不況でございまして、むしろもう少し売れてもらいたいというような感じでございますので、少なくとも現在までのところ、グリーンカード対策によってそういった資金流出の懸念があるというような数字は出ていないことを申し上げておきたいと思います。
○有島分科員 私が伺っているのは、そっちの金だとか証券だとか、そういったことはそれほど心配がないでしょう。ただ、CP、CDというようなことが、いまはほんのちょろちょろということでございますけれども、これがかなりずっと大きくなっていく可能性があるのじゃなかろうか。いまアメリカの証券界というか金融界というか、そういうものはかなりドラスチックな変動が伝えられておるわけですね。日本もそのあおりを食う可能性は十分あろうかと思うのです。CP、CDを証券界も銀行界も本当にオープンでもって扱えるということは、かなりやはり改革といいますか、世界の一つの情勢の中でもって日本がひとつ踏み切って窓を大きくあけるということになろうかと思うのです。それに伴っての影響というものはいま御説明があった。これはありがとうございます。そちらの方を心配しているわけじゃなくて、将来は相当そっちの方の影響を受けて、マネーサプライにも影響を受けるようなことがいまから考えられるのではないか、そういったことについての御配慮があるのですかということです。いまのお話を聞いている限りは、そういったことは全然考えておりませんと同じように聞こえるのですけれども、時間がございませんから、ひとつ、これは大臣ですか、局長ですか。
○禿河政府委員 確かに、たとえばゼロクーポン債と申しますのは期間が三年から十二年ぐらい、大体七年から十年ぐらいの長期にわたる債券でございますし、いままでの取得状況を見ますと、個人が買っているものというのがかなりあることは事実のようでございます。 ただ、先生いまお話がございましたこれから取り扱うことになるであろうCP、CDの方もそういうものに拍車をかけるのではないか、こういう御心配でございますが、まあ私ども、まだやってみないと、率直なところ実態というのはなかなか予測しがたい面がございますが、ただ、CP、CDと申しますと、これは実は期間が大変短いものでございまして、アメリカあたりで現在普通出されておりますCPというのは、期間が大体三十日以内ぐらいのものが多いのでございます。それから、CDになりましても大体九十日まで、三カ月以内という非常に短期のものでございます。しかも、その発行単位というものが大きいあれで、たとえばアメリカのCDあたりは一単位が大体百万ドルという非常に大きい単位でございます。 そういう点から見ますと、個人がそれを購入するのにはなかなかそぐわないのが通常の形態でございまして、恐らく事業法人とか何かの短期の余裕資金の運用対象としてはCP、CDというものがあるかもしれませんが、それはきわめて短期間のものになるのが通常の形ではないかな、かように考えております。
○有島分科員 大臣、もう一つ問題があるのは、外国のCP、CDを許しておいて国内のはどうなんだという話がすぐ出てくるだろうと思うのですね。そういったことも起ころう。そういうことに対して——いまのお役人の立場は、これはそうでしょう。だから、大臣としてそういったものをいまからやはりいろいろとお考えになって措置を考えていらっしゃるのか、あるいはそんなに心配するべきことではないというふうにお考えてなっているのか、それだけお答えいただいて、終わります。
○渡辺国務大臣 一つは、グリーンカードをもっとよく理解してもらうということが一つ。それから、それに伴っていろいろな問題のあることは、心配のないように手を打ちます。
○木島主査代理 これにて有島重武君の質疑は終わりました。 次に、中馬弘毅君。 〔木島主査代理退席、宮下主査代理着席〕
○中馬分科員 自動車保険のことについてお聞きしたいと思います。 いまもう車社会と言われるように、日本の自動車保有台数は三千万台を超えるような状況でございまして、昔のように特権階級だけが持つということではなくて、平均すれば一世帯に一台十分にあるというようなことになっておるわけでございます。したがいまして、この自動車の保険にしましても、ただ単に一部だけではなくて、国民全体にあるいは全世帯に影響を及ぼすようなことでございますから、これに対してはやはりそれなりの行政的な指導なりまたチェックなりも必要かと思っております。 現在、自動車保険は、いわゆる自賠責と言われる強制保険と、それから任意の保険であります自動車保険に大きく分かれるわけですが、自賠責だけで見ましても六千億円、それから任意の方が一兆円という非常に大きな金額の保険料が動いておるわけでございます。そして、先ほど申しましたように、それは国民生活にそれぞれ響いてくることでございまして、これのことについてひとつお伺いしたいと思います。まず、自賠責の保険でございますけれども、これは国が責任を持って特会で扱っているわけですが、これがこのところ、少し料率を下げたこともございまして、赤字傾向になっております。この赤字はただ単に支払い保険金がいわゆる純粋な形でふえたというよりも、もう少しそこに自賠責保険での医療の乱診乱療の請求といったようなことも、かなり町の中では聞かれるわけでございまして、こういったようなルーズさみたいなものが、受取保険料とそれから支払いがほとんど逆転してくるというような事態になっている要素もかなりあろうかと思います。 この点について、この自賠責保険の赤字の原因、そしてまた、いま言いました保険制度とのひっかかり、これをチェックする方法、こういったことについて大蔵省の御見解をお伺いしたいと思います。
○猪瀬説明員 自賠責保険につきましては、現在赤字傾向になりつつあるという点は先生御指摘のとおりでございます。これは過去の保険料率の引き上げが据え置かれたままに、支払い基準、たとえば一日当たり休業補償というものが年々引き上げられてきているというようなところにも、要するに給付内容を充実させてきているということにも一つの原因があるわけでございますし、また、限度は二千万円ということにはなっておりますけれども、一人当たりの対人の賠償額が、物価上昇等々に伴いまして年々その金額が上昇しているというような情勢にもよるところが多いかと思うのでございます。 基本的には、赤字関係が累積いたしますれば、これは保険料率の引き上げということでお願いせざるを得ない事態になるのでございますが、いままでの累積保険料の中で現在まだ使用、支出されない分、言うなれば運用の積立金並びにその運用益といったようなものもございますので、それをどういった形で食いつぶしながら、どういう時期に保険料率の引き上げというものをまたお願いするかというようなことを検討してまいりたいと思っております。
○中馬分科員 後段の方のお答えがなかったのですが、正しく支払われた結果、それが赤字になっていく、その場合には、場合によっては保険料率の引き上げということになるのですけれども、これがちょうどいまの一般の健康保険制度と同じような形で、この自動車保険の場合にわりあいルーズにお医者さんの方も請求の金額を書かれる、そしてそれでいくというような形で、これに対して、全く国のお金みたいなものですから、無責任にどんどん安易に、チェックもほとんどなされずに支払われていく、その結果大きくなっている部分がかなりあるのじゃなかろうか。そして、こういうようなことをしておきますと、結局は国の健康保険と同じような形でどうしようもなくなってくるという事態が十分予想されるわけでして、ここをチェックする方法を何か考えないと、ただ、いま保険会社に任しておっても、保険会社としては自分の腹が痛むわけじゃございませんから安易に、自分の方の任意保険の分はかなり一生懸命やるのですけれども、自賠責の方では無責任に出してしまうというケースが実際にはあると思うのです。
○猪瀬説明員 自賠責保険に係ります損害調査でございますが、現在、自動車保険料率算定会におきまして、全国に七十二の調査事務所を設けて専担者二百九十八名、さらにその適正化を図るために顧問医、これは臨床経験の大変豊かな方々に委嘱いたしまして、七十四名の先生方の御意見を聞きながら、できるだけ適正な方法で査定をいたしておるところでございまして、決して野方図ということではないと思っておるわけでございます。 ただ遺憾ながら、乱診乱療、濃厚診療、こういったものが全くないかとおっしゃられますと、これは全くないという点も言い切れないわけでございます。そのためにも、過剰診療、濃厚診療というものを排除するために、医療費請求の場合にその診療報酬の明細書の提出を義務としてお願いしているとか、あるいは自算会に医療費調査部というものを設けておりまして、内容的に見て診療内容が少し異常と思われるようなものにつきましては、その診療をなされたお医者さんに直接照会をするというような方法、あるいはその地方医師会との連携というような方法を通じてやっておるわけでございます。 ただ、何分にも乱診乱療というのは立証が非常に困難な問題でございまして、結局は医者のモラルにかかわる問題になる点が非常に多うございます。したがいまして、私どもも運輸省、厚生省、大蔵省、この三省におきまして三省協議会というものを構成しながら、どういった実態にあるか、それに対して行政的にどういうチェックができるかというようなことで、すでに十二回にわたり会議を開き、その対策を講じておるわけでございますが、言うなればまだ的確な決め手はないというような状況にございます。
○中馬分科員 これは保険会社にやらせているわけですね。保険会社が代行する形で自賠責を扱っておりますけれども、はっきり言いまして、保険会社は営利ですから、なるべく保険を出さないようにしようというのが務めかもしれません。一方、自賠責の方は、保険会社の利益には関係ない国のお金ですから、その仕事を代行しているだけですから、わりあい自由に請求があれば出すという形になっております。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕 これは人間の仕方ないさがかと思いますけれども、そうすると、これは何かミックスした形で、リンクさせた形でそれがチェックできるようにならないものかと思うのですが、いかがですか。
○猪瀬説明員 損害の査定につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、直接保険会社が窓口あるいは職員を使ってやっておるわけではございません、いずれも保険料率算定の自算会におきまして、その直接の仕事といたしまして職員が担当してやっておるわけでございまして、保険会社の利益だけをやっておるというようなことではございません。
○中馬分科員 ちょっと意味が違います。料率の話ではなくて、いま言った、たとえば何か事故を起こしまして相手にけがをさせる。そのケアはどこかの病院に入りますね。その病院は、これで自賠責の方と、任意に入っておれば任意の方で払ってもらうことになるわけです。そうすると、少し足をすりむいただけであったのに、医療費で何万円といったことがわりあい自由に払える形になっているのです。そのチェックするところが保険会社の自分の営業にかかわる方ですと、それは多過ぎるじゃないかということでお医者さんとかけ合うかもしれませんけれども、自賠責の場合には腹が痛まないわけですから、わりあい自由にそれを通してしまうというケースがどうも多いような感じがするのですけれども、そこをチェックするところのことです。
○猪瀬説明員 自賠責保険につきましても、自算会がその調査事務所、これは先ほど申し上げましたように全国に七十二事務所を直接の事務所として持っておりまして、その職員が損害の調査に当たり、かつ査定に当たっておるところでございます。
○中馬分科員 大臣にお伺いしますけれども、自賠責の保険限度額が、四十八年に一千万、五十年に一千五百万、そして五十三年に二千万と次々上がってきているわけですね。もちろん命の値段が物価上昇とともに上がるのは当然かと思いますが、五十三年以降四年近くこれが改定されておりません。現在二千万ですから、この間のニュージャパンの火事ではございませんが、そのときでもいろいろ議論されておりますように、一人大体五千万とか六千万というのがいまの人間の命の相場じゃないかというふうなこともございます。大臣、この二千万をもう少し引き上げるというような必要性をお感じでございませんか。
○猪瀬説明員 現在の自賠責の限度額は、五十三年七月に千五百万から二千万に引き上げられたのでございまして、その後すでに三年半ほど経過しておるわけでございますから、そろそろ限度額の改定というような御議論が出るのもよくわかるところでございます。 ただ、この限度額の改定につきましては、やはり裁判等におきます賠償水準のあり方、さらには賃金、物価の動向、その他の国家賠償とのバランスといったようなことも、十分勘案しなければいけない要素ではなかろうかと思うのでございます。 現在、ほかの国家賠償がどういった水準にあるかという点を御参考までに申し上げてみたいと思うのでございますが、刑事補償法に基づきます刑事補償が、現在二千万が限度でございます。それから、海上運送法上、船客賠償というのがございますが、これがやはり二千万になっております。また、先般の日航の航空機賠償でも新聞に出ておりましたが、航空機賠償におきましては二千三百万が限度、さらに、犯罪被害者補償が現在まだ八百六万、それから、公害健康被害補償法に基づきます補償額が二千二百六十六万というような状況でございますから、こういったほかの国家賠償とのバランスというのも、検討の場合には一つの重要な要素ではなかろうかと思うのでございます。 さらに、この限度額を引き上げますと、料率の引き上げが当然的に必要になってくるというような絡みもございまして、この限度額の引き上げは、一次的には運輸省さんが主管でございまして、運輸省さんにおいて検討されてしかるべきことでございますが、私ども、運輸省からそういった御相談があった場合には、こういったいろいろな要素を勘案しながら検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○中馬分科員 いろいろ御議論はありましょうけれども、逆に言えば、任意保険にこれだけ多くの人が入っておるということは、二千万円では不十分だということでの任意保険加入だと思いますし、四年近く上げてないわけですから、これの見直しをぜひひとつお願いを申し上げておきます。 一方、任意保険の方なんですが、任意保険は、保険料の収入が一兆円を超えるものになっているのです。一兆一千万円ぐらいですか、五十五年で。保険金の支払いは五千億ぐらいですね。もちろん、この間が全部利益ということではなくて、これはいわゆる企業の利益も入っておりましょうし、また、いろいろな経費も入っていると思うのですけれども、何分にも四割というのは大変な粗利益でございまして、少し高過ぎやしないか。実際に計上されております損益というのは確かに八%ぐらいで、そんなに多くはございません。しかし、この差が余りにも大きいがために、この経費というものの妥当性を少し疑わざるを得ないと思うのですが、いかがでございますか。
○猪瀬説明員 自動車保険で、自賠責でないいわゆる任意保険についてのお尋ねだと思うのでございますが、現在、正味収入保険料が一兆円を超えております。これに対しまして、その年の正味の支払い保険金が五千五百億でございまして、先生いま御指摘のとおりでございます。 ただ、自動車保険と申しますのは、たとえばそれによって示談交渉が大変長引く、あるいは後遺障害が残りまして治療中であるというような場合には、その損害額が確定いたしますのに、実は三年ないし四年かかることが往々にしてございます。治療が完全に済むまでは、完全な賠償額というのは確定できないわけでございますので、そういったことから、その年の支払い保険金は五千五百億でございますけれども、これを後年度のために積み立てておくべき部分が必ず出てくるという意味で、引き当てにしておく部分がかなりございます。 大体を申しますと、いままで保険料率の決め方の中で、五%程度の利益というものはいつも見る、そういったことで料率の水準を決めておるわけでございますが、たまたま五十五年は、これは五十三年の十一月に、それまでの保険料率が低かったことに伴いまして改定があったということの影響によって、この年は若干の余裕が出ておるわけでございますが、すでに五十六年につきましては、五十六年の八月でございますが、相当の自動車保険料率の引き下げを実施いたしておるところでございます。 ちょっと煩わしいのでございますが、御参考までに申し上げたいと思いますが、過去五年間の保険料率並びに収支の推移をもとにいたしまして料率の改定を常に見直しておりますので、五十四年の実績に基づきまして五十六年の八月から自動車の車両については平均一六%の引き下げ、対物賠償につきましては平均で八%の引き下げ、自家用の自動車につきましては四%、運送保険につきましては三二%、貨物海上保険については一九%というような引き下げを実施いたしてございますので、これは一時的には赤字になるときもありますし、黒字になるときもあるのでございますが、長い目で見ますれば大体収支とんとんになるように、常に料率の見直しを図っているところでございます。
○中馬分科員 料率の問題、もちろん下げられるのはそれでいいのですけれども、まだまだ大き過ぎる感じを一般の方々は持っているのです。といいますのは、先ほど申しましたように、自賠責の方はわりあいにルーズなのだけれども、これは任意保険の方ですから、保険会社の利益にもかかわってくる問題ですから、非常に厳しい査定になるわけです。実際利用者の方々からそういった陳情なんかも来ているのです。せっかくそういうときのために入っているのだけれども、いざ事故を起こして死んでしまうと、それにいろいろ難癖をつけられて十分に保険金を払ってもらえない、こういうケースが非常に多いということを聞いているわけです。やはりその辺は利用者の立場に立った行政を指導すべきじゃないかと思うのですが、そこはいかがですか。
○猪瀬説明員 先生にお言葉を返すようで大変恐縮でございますが、自賠責保険の場合と任意保険の関係でございますが、先ほど御指摘のように自賠責は限度額が二千万になっておるわけでございます。それで、たとえば自動車事故がここに発生したといたしますと、まずこれの損害査定をしなければいけない。それで、その損害査定はどこがいたしますかと申しますと、先ほど申し上げました中立的機関であります自動車算定会におきましてその職員を使って一括して行いまして、その結果、自賠責で認定したと同じ責任額が任意保険にもそのまま適用されるわけでございまして、自賠責が限度二千万でございますから、仮に損害額が五千万ということで査定されたといたしますれば、二千万は自賠責ですが、その上積みである三千万は任意保険ということで、同じ査定体制のもとに査定されているということを御説明したいと思います。
○中馬分科員 いま上積みとおっしゃいましたけれども、この上積みのことを少し問題にしたいと思うのです。それが悪いと言っているのではないのですけれども、それと料率の関係なのです。 まず、事故を起こして、たとえば五百万なら五百万でもいいのですけれども、そのままでしたら自賠責で支払われるわけですね。しかし、それが二千五百万の場合には、もちろん任意に入っているケースですけれども、そこで初めて五百万という任意の方が使われる形ですね。それは間違いないですな。そうしますと、かなり大きな事故でない限りは、上積み分ですから、下にもちゃんとげたをはいているわけですから、それを使われる割合から言えば少なくなるはずですね。 ところが、料率が高いというのはどうなのですか。対人のみで同じ二千万円限度の料率の場合、任意保険の場合には二万八千七百三十円、ところが自賠責の方は一万六千三百二十五円、倍ぐらい違うのですね。本来ならば安くてしかるべき——もちろんある程度の経費や利益を入れたとしても、少なくとも同じであってもよさそうなものが、上積み分であるにもかかわらず、自賠責よりもはるかに高いというのはどういうことですか。
○猪瀬説明員 自動車保険の料率、任意の点につきましては、過去のデータに基づきましていろいろ科学的な式を使って適正に算定しておるわけでございますが、自動車保険につきましてはいわゆる割引制度というものが大変発達いたしておりまして、御承知かと存じますが、年間無事故の方に対しては一〇%割引、その後毎年一〇%ずつ進行いたしまして、五年間無事故という方には大体五〇%引きの料率が適用されてくるわけでございます。そういったことを総合勘案いたしますと、平均的に見ますと三五%程度の割引にいまなっているのかなというようなことでございますから、さきに先生御指摘のように、たとえば対人の二千万というような保険金を想定いたしました場合に、一年間に引き直しますと自賠責は一万八千六百五十円でございますが、これに対しまして任意保険の方が二万八千七百三十円、これはなかなか比較困難なのでございますが、あえて同じものとして比較いたしますと、大ざっぱにそんなことが言えるかと思うのでございます。平均しまして大体三五%の割引適用率ということを勘案いたしますれば、民間の場合も一万八千六百七十円と、自賠責とほぼ同じ水準になるのではなかろうかと思っております。
○中馬分科員 いろいろ解釈はありましょうけれども、何か高い感じがする。一般の利用者の方々もそういう意見でございます。 そこで、自動車保険の料率ですが、これは自動車保険料率算定会、ちゃんと法に基づいてつくられております。しかし、たとえば一応そういうものを決める理事会の構成を見ますと、理事さんが十数人ですか、そのうち半分ぐらい保険会社の社長さん方がずらっと並んでいるのですね。いわゆる一般の利用者の立場に立つ方が少ない。中立的な大学教授の方も二、三人入っておられますけれども、そういう構成に若干問題がありはしないかと思うのですが、いかがですか。
○猪瀬説明員 自算会の理事会、これが最高の意思決定機関でございますし、先ほど申し上げましたように自算会が料率の算定並びに損害の調査を担当いたしておるわけでございますから、その中立性というのはきわめて重要な問題かと認識いたしております。 理事会の構成でございますが、従来、保険会社を代表する者七名、その他は、中立委員でございますが、いわゆる部外の学識経験者が七名、七、七、七というような構成になっていたわけでございますが、昨年、保険審議会の答申に基づくような中立性の確保というようなこともございまして、定款を変更いたしまして保険会社を代表する理事を一名減らして、これを学識経験者の中立委員に振りかえるというようなことで、中立性確保のためには努力をいたしておるところでございます。
○中馬分科員 中立性なら中立性で、これは大学教授等そういう有識者だけで構成されておるのであれば中立と言えますけれども、いまのお答えにもありますように、保険会社が半分占めておって残りがいわゆる中立ということであれば、これは決して中立でないので、ユーザー側の立場を代表する方々をもう少し入れて、初めて中立になるのじゃないかと私たち思っております。 それと、こうして料率を決めることについては独禁法違反の疑いがあるのですが、これはちゃんと法律でその適用除外になっているのですね。しかし、この法律にもあるように、料率は算定会が決めた料率の前後一〇%移動してもいいことになっているのですけれども、そういう例が一つもなぐ、ぴたりと合っている。公取委員長おられませんけれども、そういうことについては公取は調査したことがあるのですか。
○猪瀬説明員 公取が調査したことがあるかどうかは、私承知していないのでございますが、先般もOECDにおきますいろいろな制限的慣行の委員会というものからのアンケート調査が各保険会社に対してなされて、それが公正取引委員会において集計中であるということは聞いておるところでございます。 また、先生御指摘のように、算定会が各保険会社から収集いたしましたデータ、データは広ければ広いほど公正さが確保されるわけでございますので、できるだけ広いところからデータを集めで、それに基づきまして料率の算定を行っておるわけでございます。ここで算定されました料率は、大蔵大臣のところで認可をいたしまして、これは算定に用いましたデータが果たして妥当であったか、さらにその数値の保険数理的な検証、こういったものをいたした上で認可することになっておるのでございます。 そこで認可されました料率は、一応標準料率でございますから、先生御指摘のように、上下一〇%という範囲で範囲料率というものがあり得るのでございます。これは、企業を相手にするような企業保険におきましては、この範囲料率を活用している例はあるわけでございますが、自動車保険におきましては、これが一般国民大衆に対する商品であるというような性格もありまして、この辺は各保険会社がその経営者の創意工夫並びに判断において決めてしかるべき事柄ではございますが、いまのところその適用例というものはございません。
○中馬分科員 どの企業もぴたり合っているということに若干の問題がありはしないかと思うのでございますが、ともかくとしまして、こういったものは自由にしてしかるべきじゃないかと思うのですね。自由にしたら保険を掛けておった人が実際に会社がつぶれてしまってということがあるというような御答弁が必ずあると思いますけれども、これは大手の損保会社にやらせてその一部を構成する商品でしかないわけですから、そしてまた、そうした自由な競争によって効率のいいところは低い料金でサービスができる、むしろそういう自由競争に任せていい部門じゃないかと思うのです。いま言ったような消費者保護の立場に立ちましても、まさかこれが単年度で赤字でどんどん続けていくようなところはないわけで、そういうときこそチェックだけすればいいわけで、やはりこれは自由にすべきじゃないかと思うのですが、その点は、この保険を自由にするということじゃなくて、これは一般論としてでも結構ですから、大蔵大臣、ひとつお答えをお願いします。
○猪瀬説明員 保険料率の自由化の問題でございますが、昨年の六月に保険審議会の答申もございまして、損保につきましては独禁法の適用除外になっている例が幾つかあるわけでございますが、それにしましても、できるだけ経営者の創意工夫というものが生きるように競争原理を導入するように、そのために行政も弾力化するようにというような答申を受けておるわけでございまして、私ども、これからの行政のあり方といたしまして、そういった方向において努力してまいりたいと思っておるのでございます。 ただ、一挙に自由化いたしますと申しましても、これは保険商品と申しますのが、御承知かと存じますが、現在、保険料収入を得るときにその保険の損害というものはわからない。言ってみれば、コストが後からわかる商品を、最初にコストがわからないままに販売しているというような一つの特性がございます。したがいまして、最初にコストがわからないだけに、これを野放しにいたしました場合に容易にダンピング競争に走り、その結果契約者保護に欠ける点が出るというような保険の特性もございまして、なかなか一挙というわけにはまいらないと思うのでございますが、私ども、保険審議会の答申を踏まえながら、できるだけそういった方向に誘導し、かつ弾力化の行政を展開してまいりたいと思っておるところでございます。
○渡辺国務大臣 大体保険部長からいま述べたとおりでございますが、損保関係は、ややもするといままで過保護状態だと言われております。これについては、少しメスを入れて競争をさせるようにする必要があると思っております。
○中馬分科員 どうかそれでがんばってください。 これで終わります。
○砂田主査 これにて中馬弘毅君の質疑は終わりました。 次に、三浦久君。
○三浦(久)分科員 大蔵大臣にお尋ねいたしたいのですが、私は、北九州における同和関係者による土地転がしの問題についてお伺いしたいと思うのです。 これは昨年の行革国会で問題になっておりますので、御承知だと思います。しかし、私が一応概略を御説明申し上げたいと思います。 北九州市というのは、ここ数年、土地の先行取得と称しまして、どんどん土地を買っていったわけであります。その広さはどのぐらいかというと、平和台球場の六十八倍、金額にして百六十八億円です。これに同和関係者が目をつけたわけですね。そして、市当局と結託をいたしまして、市から情報を得、市が買う予定の土地をそれに先回りして買ってしまう。それでころころ転がして、大変大きな差益をふところに入れた、こういう事件です。そのほかにも、要らない土地を自分が買って、それを無理やり市に買わせる、こういうようなやり方もございます。 こういう土地転がしで同和関係者がどの程度土地の売買をしたのかといいますと、面積にして三十六万平方メートルです。市公社の買収価格が三十五億円です。転がしの差益は二十二億円です。三十五億円の売買で二十二億円の差益をふところに入れているという。そしてこれらの土地転がしは、昭和四十八年から五十五、六年にかけて行われています。しかし、大規模なものは昭和五十三年です。ここに集中いたしておるわけですね。 ところが、これからが大蔵省の問題なんですけれども、この二十二億円の差益について国税当局は一円も税金を取ってない、そういうことが判明したわけであります。それで、昨年の六月からこれは非常に大きな政治問題になっている。こんなばかげたことがあるのかということですね。そして、市民のグループが市長を背任罪で告発をする。また、同和関係の脱税容疑者についても所得税法違反でもって告発をする。さらに、この土地転がしの真相の解明を求めようというので、北九州市に対する住民監査請求を始めました。これは、有権者の五十分の一の署名があれば成立するわけですけれども、五十分の一どころか十八万名の人々の署名が集められて、昨年の暮れに北九州市に対する監査請求の申し出を行っております。こういうように非常に関心が深い問題なんですね。 それで、まず最初に、私は法務省の方にお尋ねをいたしたいと思うのですが、これら一連の告発事件についてどのような捜査を行い、どのような措置をおとりになったのか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。
○飛田説明員 お尋ねの事件につきましては、恐らく昨年九月から十一月にかけまして北九州市の住民から告発がなされた事件であると思いますけれども、この事件につきましては、現在福岡地方検察庁において告発を受理して捜査中でございます。
○三浦(久)分科員 五十三年度の脱税容疑の問題は、ことし、五十七年の三月十五日で公訴時効になってしまうのですね。いまだに何の措置もとられていないわけです。三月十五日というと、もうほんのわずかなんですね。こういう時効というものを頭に入れて捜査をなさっているのかどうかですね。時効切れにしてしまったなどということはよもやあるまいと思いますけれども、その点いかがですか。
○飛田説明員 御承知のように告発は、脱税ということで告発になっております。告発になったのが昨年の九月から十一月にかけて、いわば時効の半年前ぐらいから事件が告発になっております。 ところで、脱税事件の捜査と申しますと、これは非常に大変な捜査でございまして、非常に手間と時間がかかることも御理解いただきたいと思うわけでございます。普通の事件ですと、相当の日時、特に検察庁だけで捜査をすることになりますと、半年や十カ月くらいは当然かかるわけでございまして、検察庁といたしましては、時効が、一部についてことしの三月十五日に時効がかかる、ほかのものについては時効にかからないものもずいぶんあるわけでございますが、その一部についてはかかるということも認識しておりまして、それを踏まえて現在鋭意捜査をしておるところでございます。
○三浦(久)分科員 日本同和会の会長の松尾正信それから部落解放同盟小倉地協の前書記長の木村政男、これはわれわれが調べた結果では非常に大口ですね。これについては、ことしの初め、松尾については二億円の脱税ですよ。税額について二億円の修正申告をさせている。また、木村政男については五千二百万円の修正申告をさせている。そして、二万平方メートルくらいの物件について抵当権まで国税庁が設定をしている。この修正申告をさせたということは、国税当局が訴追をする意思がない、そういうことを表明したものだというふうに私には思われる。修正申告をさせておって、そして査察に乗っけたとか、また検察庁が起訴したとか、そういう事例は私は聞いたことがないのですね。ですから、われわれは検察庁に告発をしておるわけです、私も告発代理人の一人ですけれども。 そうすると、そういう国税庁のいわゆる修正申告をさせた、もう訴追する意思はないという、そういうものに検察庁が引っ張られるのじゃないかといって私は大変恐れている。これは国税庁が考えているように、訴追する必要がないというようなものじゃないのです。全部虚偽申告ですから、まともなことは一つもない、後で言いますけれども。これが過少申告加算税ですか、それで終わっているという報道もある。重加算税を取っていないという。まさにこういうものこそ重加算税を取るべき事案であり、訴追すべき事案であると私は思うのですけれどもね。法務省、検察庁としては、そういう国税庁の判断に引っ張られることなく、厳正中立な立場でもって刑事訴追をするかどうかを決めなければならないと私は思うのですが、その点はいかがですか。
○飛田説明員 どうも現在捜査中の事件につきまして、どういう方向が出るかということをこの段階で示唆するわけにはちょっといかないわけでございますが、現在とにかく検察庁でその事件について捜査中でございまして、その方向とか将来どういうふうになるかということは申し上げるわけにはいかないと思います。 ただ、一つだけ申し上げなければならないことは、従来国税当局から告発がなされなかった事件で起訴したという事件はほとんどないわけでございまして、それはそれなりの理由があるからだと思っております。今回の事件がどのようになるかは、現在捜査中でございまして、それが悪質なものであるということであれば起訴になりましょうし、あるいは捜査した結果、必ずしも証拠が十分でないということになれば不起訴になろうと思いますし、これは検察としては証拠だけを頼りに判断することになるだろうと思います。
○三浦(久)分科員 松尾正信と木村政男については、もう修正申告まで行政指導によってなされているわけです。おたくたちが脱税の捜査をするときには、出先の国税局と十分な連絡をとってやっておるはずでしょう。片っ方は結論が出ておるのに、片一方はまだ何もしておりません——何もしていないとは言わぬけれども、結論が出ません、むずかしいのです、時間がかかるのです、そういうことはちょっと言いわけとしては私は通用しないと思いますが、こればかりやっておると時間がありませんから、次に国税庁の方にお尋ねします。 昨年の行革国会の参議院の行革特別委員会で、わが党の市川正一議員がこの脱税問題について調査をするように申し入れをしまして、たしか直税部長だったと思いますけれども、調査をいたします、こういうふうに答えておられます。その調査の結果どうなったのかをお知らせいただきたいと思います。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘の北九州市での一連の土地転がしの事案につきましては、国税庁といたしましても重大な関心を持ちまして、地元の国税局、税務署におきまして鋭意その実態の解明に努めてきたところでございます。現時点におきましては、なお細部の詰めを要する点も若干ございますが、大筋におきましては課税処理が終了しつつあると申し上げることができるかと思います。実態解明の結果、課税すべき所得があることが判明いたしましたものにつきましては、適正な処理を行っておるところでございます。 なお、お尋ねの調査結果の処理状況につきましては、個別事案に関するものでございますので答弁を差し控えさしていただきます。
○三浦(久)分科員 私は、そういう言いわけはきかないと思うのだな。あなた、調査をすると約束したのだから、調査したけれども調査した結果は言えません、そんなばかげたことはないでしょう。常識ですよ。調査をいたしますと言えば調査した結果も報告する、これが常識じゃありませんか。検討すると約束すれば、検討した結果も報告するということまで含まれているはずです。 それよりも、新聞ですが、一月三十日また一月三十一日の夕刊、朝刊一斉に、松尾に対しては二億円、そして木村に対しては五千二百万円の課税額での修正申告をさせたと書いてあるんです。あなたたち、国会議員という国民の代表が国会で質問しているのに答えないで、マスコミには堂々と発表するということはどういうことなんだ。私らも国会で国民の代表として質問しているんだから、そのぐらいのことは答弁したらいいじゃないですか。何が個別事案だから言えないんですか。
○小山(昭)政府委員 税務上個別の事柄につきましては、従来から御報告を差し控えさしていただいております。先ほど申し上げましたように、実態解明に努めますということを前回御答弁をいたしまして、その結果実態解明をいたしておる、そして正すべき所得が出たものについては課税処理を行っておるということを御報告したわけでございます。 なお、それ以上具体的な処理について御報告を差し控えさしていただきます理由は、所得税法、法人税法などの税法におきまして、税務職員の守秘義務が一般の国家公務員よりもさらに厳しく定められておりまして、その趣旨は、納税者等の秘密を知り得る立場にあります税務職員がその秘密を他に漏らすというようなことをいたしますと、納税者等は安んじて税務職員に対し自分の秘密を開示しなくなるおそれがあり、ひいては申告納税制度に支えられております税務の公正な執行が阻害されることになりかねないということでございます。 それで、もう一言申し上げますが、新聞に対して私どもから何らか情報を提供したというような事実はございません。
○三浦(久)分科員 そんなことを言ったってだめだよ。あなたたちは新聞に提供したことないと言うけれども、これは読売だけれども、松尾について二億円の課税をした、それについて新聞記者が質問しているのです、七億円じゃないのか、差益は七億円の所得があっておるじゃないかと。五十十三年度一年だけで七億円ふところに入れているじゃないか、それについて四百五万円の役員報酬の申告しかしてないじゃないかということを追及されて、何で二億円になったのかと言えば、その七億円のうちからいろいろ地権者にも分けてやっている、だから実際は二億円なんだということを報道しているんですよ。こんなこと、あなた、税務署の皆さんから聞かなければどうして報道できるんですか。そういう具体的な内容まで読売新聞では報道されている。そんなことをここで言うてもしようがないけれども、あなたたちが言うたことは間違いないんだ。それでわれわれ国会議員には言わない。そんなばかげたことがあるか。 それで、刑事訴訟法の二百三十九条には何と書いてある。あなたたちが職務の遂行に当たって犯罪があると思量したときには告発をしなければならない、あなたたちだけで温めておってはいけませんよ、捜査機関に対して告発をしなければならない、こう書いてある。告発の義務を持っているものだよ。それが何が守秘義務ですか、あなた。 秘密というのは、あの西山事件でも最高裁まで行ってちゃんと明らかになっているけれども、非公知性だね、一般の知識経験を有する人々がいまだ知っていない事項ということが一つでしょう。もう一つは、秘匿の必要性を具備している事項。要するに、これを公表したりすればあなたたちの税務行政の円滑な遂行が阻害をされる、そういうような場合に限ってその問題については秘密性が認められているわけでしょう。 余りこういうことを言っていると時間がなくなるから、詳しい判例の内容は言いませんけれども、この問題、非公知性がありますか。彼が脱税したなんということはみんなが知っているんだから、だから十八万名も署名が集まる。新聞が毎日トップニュースで書いている。こんなものは何も非公知性がない。もう公の事実、周知の事実です。 それからもう一つは、私が言っている、じゃ秘匿する必要性があるかどうかという問題だけれども、秘匿する必要性はないでしょう。われわれは幾らの脱税があったのかという、いわゆる犯罪の構成要件の事実、それだけを聞いているのですよ。そういう犯罪の構成要件的な事実について、あなたたちがかばってやる必要がどこにある。そんなものが秘密ですか。そういうことが秘密としてまかり通るなら、あなたたちは犯罪者の犯罪を隠蔽する機関だと言われてもしようがないじゃないか。何が秘密性があるのですか、大臣どうですか。 刑事訴訟法では、知り得た犯罪については告発しなければならない、これは義務規定であるというのが通説ですよ。あなたたちが犯罪を秘匿したら、それこそ犯人隠匿罪だ。証拠隠滅罪にも当たるかもしれない。これは、むしろわれわれが具体的な事実を指摘し、勧告をし、告発をし、そしてあなたたちがようやく三年目に動き出した問題でしょう。三年間放置しておったというその責任だって、私はそういう態度だったらこれから追及するよ。国家公務員法違反だ。税務官吏の背任罪だよ。それを言わない。言わないというのは、何で言わないの。 児玉事件のときはどうした。児玉事件のときはちゃんと言っているじゃないか。衆議院の五十三年六月七日ロ特で、村山大蔵大臣と当時の磯邊国税庁長官が出席している。そこで更正決定した額、児玉に対して、本税は二十二億円であります、加算税は六億五千万円であります、延滞税は七千万円であります、合計三十億円であります、そのうち収納額は十億円ですと言っている。これはあなたが不審に思うなら、議事録を持ってきているからこれを読みなさいよ。そしてその中で、収納額が十億円、滞納額が二十億円、そして差し押さえ物件は不動産について十三億円、貸付金については二億八千万円、株式七十二万株、差し押さえの対象物件まで述べているのですよ。 政府の統一見解によれば、守秘義務と国政調査権との関係については、守秘義務というのは絶対的なものじゃない、ケース・バイ・ケースによって考えていくんだということを言うておるでしょう。そして、そういう考え方に基づいていろいろ問答があったけれども、ロ特の委員会では、児玉譽士夫の脱税問題については、私がいま申し上げたとおり答弁しているじゃありませんか。何でこれ答弁できないのですか。大体こんなものは秘密じゃないよ。秘密じゃない事項については、国政調査権が優先するというのは当然のことでしょう、これは犯罪行為なんだから。犯罪の構成要件的事実についてなぜ言えないの。そんなものを保護する法律が日本の国のどこにあるの。そうでしょう。どうなんですか、答弁してくださいよ。
○小山(昭)政府委員 幾つかの点についてお尋ねでございますので、お答えいたします。 まず、先ほど御指摘のロッキード事件の際における衆議院予算委員会における御説明についてであります。何点の物件を差し押さえたとか、いついつどういう場所について調査を実施したというようなことを含めまして御答弁いたしておりますが、本件の場合はその前から世間の注目を集めておりましたため、報道機関が現場にすでに張り込んでおりまして、査察調査をいたしましたその現場が、そのまますでに大きく報道されていたわけでございます。そういう状況を踏まえまして、当時の答弁がなされているんだというふうに理解いたしております。 本件の場合は、私どもいろいろ総合勘案いたしまして、先ほど先生御指摘の、四十九年の参議院予算委員会における当時の三木総理の御答弁も十分踏まえながら勘案いたしまして、やはり税務上私どもが調査によって知り得ました内容をお答えすることは控えさせていただきたい、このように考えている次第でございます。
○三浦(久)分科員 調査の結果あなたたちが知り得た内容を言ってくれと言っているんじゃないのだな。それからまた、プライバシーの問題について、たとえばどういう財産があるとかめかけがいるとか、そんなことまで言えと言っているわけじゃないのだ。犯罪構成要件事実だけ言えと言っている。五十三年度は幾らの脱税があったか、五十四年度は幾らの脱税があったか、五十五年度は幾らの脱税があったかぐらい言えと言っているのだ。それが言えないというのだね、あなたは。 大臣、言えないということはどういうことですか。これが言えないということは、その種明かしをすれば、国税当局がこういう脱税の事実を知っていながら三年間見逃してきたということなんですよ。いいですか。 私、聞くけれども、国税庁の次長さん、あなたたちは不動産の売買があるということは、市役所や区役所に行って定期的に調べているでしょう。譲渡所得税というのは分離課税なんだから、特別重い税金課しているのだから調べているでしょう。どうですか。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 確かに私ども、土地の譲渡事実を把握する上で非常に貴重な資料であるということで、不動産の移転登記に関する資料を、人手不足の折ではございますが、法務局や関係市区町村の協力を得ながら、極力その収集に努めております。
○三浦(久)分科員 そうすれば、私いま大臣のお手元に差し上げましたけれども、木村政男というのは五十三年も五十四年もこれだけ譲渡しているのだ。そして、これが五十年までは生活保護を受けていた男だ。いま三万五千平方メートルの土地を、われわれが知り得ただけで持っている。それに抵当権を設定した土地、これは二億五千万円人に金を貸して抵当物件とっている。これまで入れると、いま五万平方メートルの土地を所有しているのだよ。 これは、あなたたちが言ういわゆる問題事案でしょう。問題事案については、あなたたちは個別に管理をしているはずでしょう、問題事案なんだから。問題事案というのは、多額の収入がある者、収入の態様が複雑多岐にわたる者、とかく収入等について風評のある者、また多額の財産を所有している者、こういう者は問題事案としてあなたたちが個別に管理しているでしょう。そうすれば、五十三年にこれだけの土地を所有し転がして、一躍財産家にのし上がったこの人間の所得申告は一体幾らになっているんだ。五十三年度が四百万じゃないか。こんな申告が出されて、あなたたちは問題事案で管理をしている木村政男について、ああそうですかと言っていままで見逃してきたんだよ、四百万円の給与所得で。 それも上田診療所、こんなところに勤めていないよ。われわれが行ったら、そんなもの払っていませんと言った。ところが、その後何か圧力があったらしくて、払っておりますと言ったけれども。源泉徴収しているのかどうかだって、あなたたちは商売だからすぐわかるはずじゃないですか。 それにまた五十四年度の所得は、上田診療所の給料がまた四百万に、あとは株式会社環境開発というのが百八十万、合わせて五百八十万の所得申告、こんなに給料がぴったり一銭の狂いもなくて五百万だとか四百万だとか、そんな給料が一体ありますか。そして、それが五十六年度まで同じ額だ。一円も給料が上がらないのですか。みんな虚偽じゃないですか。 そしてあなたたちは、五十三年度も五十四年度も五十五年度も、彼が土地を所有したり転がしてもうけたり、そういうことを個別案件として知っているのだ。知っていながら、われわれが去年の九月ごろから——まあ六月から問題になって、われわれが指摘してからしか動かなかったじゃないか。これはどうしてなんだ。そんなに君たちが個別事案は言えない、言えないと言うなら、何で三年間もこれをほうってきたんだ。説明しなさい。
○小山(昭)政府委員 私どもは、私どもの内部にあります資料、私どもが自分たちで集めたりした内部の資料だけじゃなくて、新聞の報道とかあるいはそのほかさまざまな外部からちょうだいいたします資料も全部総合勘案いたしまして、調査の必要ありと思量される事案につきましては調査をいたすようにいたしておるわけでございます。本件につきましても、先生御指摘のとおり、先生からも貴重な資料をいただいたことは事実でございまして、それは私どもにとっては非常にありがたいことでございます。
○三浦(久)分科員 答えになってないじゃないか。三年間何で放置してきたんだ。こんなことわからないで放置してきたとは言わせないよ。大臣どうですか。五十三年、五十四年、五十五年、五十六年、みんな同じ所得申告じゃないか。こんなばかな話があるか、あなた。ちょっと洗ってみればすぐわかることだ。それを知っていて、そうして土地転がしでもうけているということも知っておりながら、三年間何もしなかったというのはどういうことなんだ。これはあなたたちの内部の査察の関係にもひっかかる問題だ。国家公務員法にも違反する、背任罪にも該当すると私は思っておる。 そういうことをあなたたちは証拠を握られたくない、隠蔽したいがために、こんな明々白々、所得税法違反で訴えられている人間に対して、どの程度の課税をしたのかということすら言おうとしないんだね。これはまるっきりあなたたちが共犯者としての立場に立っているからじゃないの。どういうことなの。こんな問題についてまで国会に報告できないというのはどういうことなの。ちゃんと具体的に説明してください。
○小山(昭)政府委員 わかっていたのではないかという先生の御指摘についてお答えいたします。 先ほど来申しておりますように、移転登記の資料は非常に貴重な資料でございますので極力収集に努めておりますが、何分にもこの収集につきまして市区町村等の協力を得ながら行っておるところでございますので、すべての資料が全部漏れなく手に入っているということは、私としてはお答えいたしかねる次第でございます。
○三浦(久)分科員 目の悪い人だってわかるわな。一方平米とか一万五千平米とかと転がされているんだよ。全部を把握できないと言うけれども、あなたそれは職務怠慢じゃないか。あなたたちが市役所や区役所に行ってみんな調べてきているでしょう。毎月とか二カ月に一遍とか三カ月に一遍、調べてきているでしょう。登記されていない問題については把握できなくても、少なくとも登記された事案については把握していなければおかしいじゃないか。把握していないと言うなら、故意に見逃したとしか考えられないじゃないか。そういうインチキな答弁だめです。また別の委員会でやりましょう。全然不誠実です。 大蔵大臣、私何でこういうことを言うかというと、国税の問題についても地方税の問題についても同和関係者に対しては、租税法定主義に違反をして特別な扱いがなされているということですよ。これは国民は全部平等だ、差別をなくして平等にしなければならないという精神に反していると私は思うから申し上げているのです。 それで自治省、地方税の問題についてもお尋ねしますのでちょっと聞いていただきたいのですが、固定資産税ですね。これは同和関係者、金があろうとなかろうと、北九州市では一律三〇%減免しているんだな。それをちょっと答えてくださ い。
○湯浅説明員 固定資産税の関係の減免につきましては、地方税法の三百六十七条の規定によりまして、それぞれの自治体の条例に基づきまして一定の減免をしているわけでございます。ただいま北九州市につきましての点につきましては、個別の事項については私詳細には掌握しておりませんけれども、同和関係の固定資産税につきまして、各自治体におきまして条例に基づいて減免措置をしているということにつきましては承知をしております。
○三浦(久)分科員 条例によると言うけれども、北九州市の場合は確かに条例にありますよ。条例には何と書いてあるかといいますと、そんなものは非常に抽象的、同和関係者に減免するなんということは何も書いていない。その他特別の事情がある場合に市長は減免することができるということが書いてある。それを受けて、北九州市の市税条例施行規則第八条に次の各号は減免する、こうなっている、また規則でね。その規則も、同和なんということは何も出てこない。たとえば生活保護をもらっている人とか天災地変に遭った人とか、そういうようなことがある。それからもう一つは準公的なもの、たとえば医師会の財産であるとかそういうようなものが列挙されておる。それで一番最後の第十七号に、前各号との均衡上、市長が特に必要があると認めた固定資産、これだけだ。そして同和関係者は、この規則第八条第十七号に基づいてといって申請すれば、部落解放同盟の判こさえあればみんな三〇%一律減免になる。松尾のように二億円の税金をすぽっと払えるほど銭があっても、固定資産税がおまけされるのです。こんなのにあなたたち不都合を感じないのですか。 それでお尋ねしますが、この北九州市市税条例施行規則第八条十七号、前各号との均衡上、市長が特に必要があると認めた固定資産、同和関係というのは前各号との均衡上というけれども、その各号はどの号との均衡上なんですか、ちょっと答えてください。
○湯浅説明員 北九州市の事例につきまして、私詳細に存じ上げておりませんので……。
○三浦(久)分科員 知らない。知らなければいいです、時間が来たから。これは解釈を乱用してやっているのです。ですから、国税にしてもその運用でもってこんな手心を加えておる。私は、大蔵大臣から表彰されてもいいと思っている。いま二億五千万円の税金がわれわれの指摘によって確保されたわけですよ。それを三年間放置しておったのだから、私は確信を持って言いますよ。それに今度はまた条例を拡大解釈している。乱用です。 そうして、金がある人間であろうと何であろうと、同和と名がついて部落解放同盟の判こさえあれば三〇%減免。三〇%というのはまだかわいい方だ。大阪なんか五〇%、七〇%も減免している市町村がある。そういうものを、地方財政が苦しいときに何一つ行政指導できないというのはどういうことだ。同和行政というものは、これだけ国税の問題にしても地方税の問題にしても、そのほかに職安行政にしても、さまざまな行政に非常に暗い影を落としているということは事実だと私は思うのです。ですから大臣、これはぜひ是正してほしいのです。 そして、あなたたち個別事案を言わないというから私どもが自分で調べたけれども、いままで脱税としていわゆる刑事罰、もう時効になってしまって逃した額は四億四千七百万ありますよ。それからことしで刑事罰が時効になるもの、これだけでも十億九千七百万ありますよ。それから現在もうすでに時効になってしまって、刑事時効ではなくていわゆる五年間の租税徴収の時効、この額だけでも一億五千万円から二億円に上っておる。これだけのものが、日がたつに従って時効でどんどん徴収不能になっていくわけです。 それで私最後に、もう時間が来ましたから申し上げますが、まだ木村は隠し財産を持っておるということです。もう時間が終了していますから、分科会ですから余り長くできませんから、次長後で部屋へ来てください、私が言います。それでやはり調べてください。こういうようなこともみんな国税庁逃している。だから、いま二億円だとか五千万円だとか追徴したと言うけれども、それが果たして正確なものかどうか。これは本当のこと言って、われわれ疑心暗鬼なんです。 そしてまた、あなたたちがやるいろいろな行政というものは、国民の公開的な討論、そういうものの批判にたえ得るものでなければいかぬ。そういう批判にたえることによって、税務行政に対する国民の信頼というものが出てくるわけであって、何でもかんでも臭い物にはふたをしてしまうという、こういうやり方は私は一考を要するのではないかと思うのです。ですから、個別事案については言わないという、そういう態度について私はぜひ大臣の再検討をお願い申し上げたいと思いますが、いかがでございましょう。
○渡辺国務大臣 大変結構なお話を聞かせてもらいまして参考になります。法の前には平等でございますから、いかなる団体であろうとそういうことについて差別はさせない、そういうことで今後も取り進めます。
○三浦(久)分科員 終わります。
○砂田主査 これにて三浦久君の質疑は終わりました。 次に、稲葉誠一君。
○稲葉分科員 私が質問するのは基本的なことなのですが、たとえばよく増税なき財政再建ということを言うわけですね。ところがその増税なきというのは、たとえば新しい法律をつくって新しい税をつくる、これは増税である、それから法律があって税率が決まっているその率を上げる、これも増税である、こういうのはわかるわけなんですが、増税なき財政再建というのは、いま私が挙げた二つのものとの関連で一体どういうことを言っているのか、増税と増収との関係を明らかにしてひとつ御説明願いたい、こう思います。
○渡辺国務大臣 私は、これは政治用語ではないかと思うのですが、増税なきというのは、一般的には新型、大型増税を念頭になくという程度の話だと思っています。
○稲葉分科員 そこで話がこんがらかるのですね。それから俗な言葉で言えば逃げ道ができるということになるのですが、そうすると、少なくともいま私が言った新しい法律で新しい税をつくるということ、それから税法の中の税率を上げる、こういうことはやらない、それは断言できるわけでしょう。
○渡辺国務大臣 いま言ったように増税なき財政再建というのは、ともかく財政再建の前提としてまず五十九年度までに赤字財政から脱却する、その手段として大型増税というものを念頭に入れると、一方歳出カットが非常に緩んでしまうというようなことから、かなり政治的な意味を込めて増税なき財政再建と言うのじゃないだろうか、こう思っています。
○稲葉分科員 だから、私が言った二つは入らないのでしょう、やらないのでしょうと私は言っているのです。新しい法律をつくって新しい税を設けたり、税率を上げたりすることは、増税なき財政再建ということから言うとおかしいでしょう。しかし、政治的判断だということなら、それも入るという意味にとれないこともない。そこはどういうふうに理解したらいいのですか。私の言ったのも入るのですか入らないのですか。
○渡辺国務大臣 この増税なき財政再建という熟語は法律用語ではないからね。まあ普通に考えれば、増税なきと言えば、それでは新税も税率もアップもやらないというようにとられても仕方のないことかもわかりません。
○稲葉分科員 そこを私も疑問に思ったのですが、そこのところはずっと前から委員会ではっきり詰めていないのですね。詰めていないのは詰めない方が悪いと思うけれども、詰めていないからいろいろな問題が起きてくるのです。だから、増税と増収とは一体同じなのか違うのか、そこのところははっきりしないと後で問題になってくるのですよ。違うなら違うでいいから、どういうふうに違うのかということをまず説明をしてもちいたいのです。どういうふうに違うのですか。
○矢澤政府委員 五十七年度に税制改正をお願いしておりますけれども、考え方の整理といたしましては、臨調の夏の第一次答申がございまして、その答申は、五十七年度の予算編成は増税によることなく歳出の削減でやれというのが一つの柱でございます。それからもう一つの柱は税制における制度面、執行面の公平を確保すべきであるということで、二つの柱をいただいておるわけでございます。 そこで、五十七年度税制改正におきましては、政府の税制調査会でもその辺を踏まえまして、第一点は新税はつくらない、したがいまして広告税のような新税はつくってないわけでございます。それから税率のアップは行っておりません。それから社会経済の実態に合わせて税制を見直していくというのは、これは税政当局の当然の責務でございますので、今回の税制改正はそういった社会経済の実態に合わせた、狭い言葉で言えば不公平税制の是正という点を中心にして行ったというのが実態でございます。
○稲葉分科員 あなたの答弁は私の質問と違いますよ。いいですか、増税なき財政再建というのは五十九年度までにやるというのでしょう。あなたのいまの答えは、五十七年度だけのことではないですか。だから私は念を押しているわけですよ。大蔵大臣から言わせれば法律的なものじゃないと言うのだけれども、僕が法律的に細かく聞いているのはあなたの方としても余りうれしくないでしょうが、嫌なんだろうけれども、それははっきりしてないからいけないのですよ。だから話がこんがらかってきているわけです。みんなこんがらかっているのですよ。 いまあなたが言っているのは五十七年度だけでしょう。いいですか、増税なき財政再建というのは五十九年度までのことですよ。赤字公債を発行しないというのでしょう、そういうふうに言っているのだから。違うでしょう。それでは五十八、五十九はどうなんだということになってくると、あなたの答えはまだ出てないわけですね。しかし、これは一番大事なところなんだから、分科会というよりも本当は大蔵委員会で論議しなくちゃいかぬことですけれども、あなたの方は、余り詰めると動きがとれなくなってしまう可能性があるからこれはフリーハンドでいたいのでしょう。その気持ちはわからないことはないけれどもね。それはそうだろうな。 そこで、五十九年度までに赤字国債の発行をやめるというのでしょう、これは鈴木さんの公約だというのでしょう。そんなのは簡単ですよ、そのときにいろいろな方法で幾らでもできるわけですから。それは技術的に幾らでもできるのでしょう。だから、鈴木さんが政治公約したといっても、あんなことは何の意味もないのですよ。政治的責任をとるということは、きわめて政治的な意義を込めてただ言っているだけの話で、技術的には何の意味もないということです。それはわかるでしょう。どうです。
○矢澤政府委員 五十八年度以降の問題につきましては、国会の御審議等を経ながら、いずれ姿が浮かび上がってくるのではないかと私ども事務方は思っているわけでございますが、全体の方針として財政再建の姿をどういうように持っていくかというのは非常に高度に政治的な問題でございまして、私どもではちょっと役不足という感じがいたしますので、お許しをいただきたいいと思ます。
○稲葉分科員 それはまた別の機会にしましょう。しかし、これも予算委員会での詰めが足りませんね。それは何でもないのですよ。基金の取り崩しだとかなんとかという技術的な方法でやれば幾らでもできるのでね。その点は内田忠夫さんがはっきり言っていますよ。そのかわり僕は、自由主義経済の中で税収が減ったとか見積もりがあれだとかということで、大蔵大臣や何かが一々責任をとる必要はないと思っています。自由経済ですからね、それは無理ですよ。あなたの言うように経済は生き物なのだから違うのはあたりまえなんで、それで大臣が一々責任をとる必要はないというのが、これは私個人の考え方ですよ。党の考え方は違うかわからないですよ。そんなことを言うと怒られてしまうから、僕の考えはそういう考え方です。前に福田さんだって税収がうんと違ったのですから。そうでしょう、そのときだれも責任をとらなかったのだから。あたりまえの話で、そんなことは僕はかれこれ言いません。 そこで問題は、たとえば今後も歳出を切るというのでしょう。そのとき大蔵大臣として一番切るのは、一つは医療費の問題ですね。しかし、これはあなたの公約というか、今度武見さんがやめるでしょう、だからあなたは張り合いがなくなったかもしれぬけれども、とにかく医療費を今後どういうふうに抑制していくかということは大きな問題ですね。これで歳出を一つ削れるわけです。その点はどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 医療費を引き締めようとしても、老齢化社会を迎えるから年金と医療費は膨張するという傾向にある。まして、いままでのようにややもすれば放漫な請求に対して、支払いも放漫と言ってはしかられるかもしらぬけれども、現実的にきちっとした審査というものは必ずしもうまくいっていない。したがって、こういうところは体制を整備して、不正なもの、不当な請求がまかり通ることがないようにきちっとしなければならぬと思っています。
○稲葉分科員 私、わからないのは、これも常識的な質問なんですよ。所得税は累進性がある、それから間接税は逆進性があると通常言われていますね。一体こういう理解の仕方は正しいのか正しくないのか、どうなんですか。そういうふうに一般的に言えるのか言えないのか、こういうことですね。そこら辺のところをひとつわかりやすくお答えください。
○矢澤政府委員 家計調査等で見ますと、確かに所得税は累進性があり、また間接税は逆進性があるというのが実態でございます。所得税は税率の構造そのものが累進税率になっているわけでございますから、これはもう当然数字の上で出てくるわけでございます。間接税の場合は、何を課税対象とするかということによって累進性、逆進性の違いは出てくると思いますが、現在の日本の間接税は個別消費税でございまして、たとえば酒でございますとかたばこでございますとか、一般大衆も多く消費するものに依存している面がございますので、そういう意味では逆進的傾向を持っていることは否めないと思います。
○稲葉分科員 そこで、日本の所得税の場合は十九段階に分かれていますね。アメリカは十五段階だと私は思うのですが、そうなってくると、下の方の幅を広げてくれば実際上は減税になる、こういうふうになるわけですね。 まず、アメリカが十五段階に分かれていて日本が十九段階に分かれているという理由はどういうところにあるわけですか。そしてまた、現実に下の方の幅を十九でなくて十五なら十五にすれば、それだけ減税になるということも事実でしょうか。
○矢澤政府委員 アメリカと日本の刻みの上がり方は、世界的に各国と比べてみますとわりと似ておりまして、両方ともわりと忙しく階段を上がっていくような税率構造になっております。極端に違いますのはイギリスでございまして、イギリスの場合には、課税最低限が九十万円と、日本よりはるかに低いところから税金がかかるようになるわけでございますが、そこかち約六百万円ぐらいの段階まで、三〇%の比例税率と申しますか刻みになっておりまして、後の上がり方は、階段の数は非常に少ないかっこうになっております。 これはどうしてこうなったかということでございますが、英国の所得税の場合には、昔から比例税的な思想がございまして、一律に税金をかける、それをむしろ下の方を軽減していくというかうこうで現在の税率構造ができているわけでございます。 日本やアメリカの所得税は、沿革的に英国に比べてかなり遅くから入っておりますし、それから、特に日本の場合でございますが、わりときれいな形で累進カーブを描くというのは、日本人的な国民性もあったのではないかと思いますが、主税局の役人がそういう努力をした結果、段階が非常に何段階にも分かれまして、だんだんに上がっていくというきめの細かな累進性をとっておるところに、大きな違いがあるのではないかと考えております。
○稲葉分科員 イギリスの場合は、直間の比率がアメリカの場合や日本の場合と違うでしょう。私は、何もイギリスとの比較を聞いているのじゃないですよ。シャウプが来て日本に税制をつくったんでしょう。そのときに所得税、直接税を中心につくったんだから、だからアメリカとの比較を、何段階に分かれているかと聞いているのでしょう。それを答えないで、別のことを答えているじゃないですか。どうなんです。
○矢澤政府委員 アメリカとの比較という点では、日本とアメリカの段階の刻み方は非常に似ていると思います。(稲葉分科員「だから何段階だ」と呼ぶ)日本が十九、アメリカが十二段階でございます。
○稲葉分科員 それから、アメリカの法人税もこれははっきりしないのですよ。四八%だったのが法律の改正で四六%になったという理解の仕方をしている人もあるし、初めから四六%が最高だったという理解の仕方をしている人もいるのですが、これはどっちが正しいのですか。
○矢澤政府委員 ちょっと御質問の点に正確にお答えできないかもわかりませんが、アメリカの場合は軽減税率が非常に細かく刻んでございまして、それで何段階にも税率がなっていると思いますが、大きなところでの税率は、地方税まで入れまして、私どもの考え方としては、経済、特に法人に関係のある経済の部分は、国際的な交流も盛んでございますから、実効負担率が同じようになるということを念頭に置いて税率の設計をしておりますので、現にアメリカの実効税率と日本の実効税率はほとんど変わらないようなかっこうになっております。
○稲葉分科員 私は、実効税率の話を聞いているのじゃないですよ。実効税率は計算方法がいろいろあるのだから、それはきょうでなくてもいいけれども、アメリカの法人税法の最高率が四八%だったと言う人もいるし、本によっては四八と書いてある本もあるし、それが四六に下がったと言う人もいるし、だからどっちが正しいのかと。日本は四二でしょう。それを聞いているわけですよ。
○矢澤政府委員 失礼しました。四六でございます。
○稲葉分科員 だから、四八が四六になったのか、初めから四六なのかと聞いているのです。
○矢澤政府委員 ちょっといま調べまして、後で……。
○稲葉分科員 まあ、それは大したことじゃありませんけれどもね。 だから、アメリカの法人税の方が率としては高いのですよ、実効税率はいろいろな計算方法があるから別としてね。それは、あなたの方は言いたくないらしいからあれですが……。 そこで私が聞きたいのは、もう一つ間接税の場合に、個別の間接税もあるし、いろいろな間接税があるとしても、生活必需品だけを削除した形で間接税というものをつくることが技術的にできるのですか、できないのですか、それはどうなんです。これはヨーロッパでやっているでしょう。
○矢澤政府委員 技術的に可能でございますし、現にヨーロッパの付加価値税におきましては、食料品を中心に生活必需品の非課税という規定を設けております。
○稲葉分科員 そうすると、日本でやるかやらないかは別として、日本のときもそういうふうに——間接税が逆進的な性格があるということはおっしゃった。それはあたりまえの話です。となれば、どういう法律体系でやるかは別として、生活必需品というものについて特別な配慮をするということも当然考えられてくる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○矢澤政府委員 かつて御提案いたしました一般消費税におきましては、食料品を非課税とするという構想を示しております。
○稲葉分科員 だから、かつて提案したという話があった一般消費税の場合は、還付金という制度があったでしょう、輸出については還付金制度というものを設けておったんじゃないですか。そうでしょう。だから、それは非常におかしいやり方じゃないですか。それは、今後そういう一般消費税なんというものは、国会の決議もあるからできないんだから、そこのところはまた議論があるわけだ。あれは「いわゆる一般消費税(仮称)」と書いてあるんだから、これまた逃げ道が相当あるわけなんですよ。これはまた大蔵委員会で論議すべきことでしょう、ここでは無理ですからね。 そこで、私またお聞きをしたいことは、実はパートの場合に、いま七十九万円まで非課税ですね。だから、工場なら工場へ、会社へ行って、そこで材料をもらってやれば、七十九万円までは非課税なわけでしょう。ところが、年寄りがいる、子供がいるというので、工場やなんかに行けないで、奥さんが材料を持ってきてもらって、それで自分のうちでやるというと、七十九万円までのあれは適用にならないのですね。 それは法律的な理屈はくっつくんだ。請負で事業主体みたいになるということで、それで必要経費を引いているからと、こういう理屈になるでしょう。だけれども、その必要経費というのはまず何もない。何があるかといったら、あなた、電気代だってほとんどないし、ないのですよ。ただその理屈は、非常に大型にそういう形でやっている人もあるから、そこでは、事業主体は自分なんだからということで必要経費という制度を設けて、パートの場合とは法律的に違うんだと。理屈はそのとおりつきます、形式的な理屈は。それは僕もわかる。だけれども、実際はただそういうように、具体的に年寄りがいる、子供がいるということで内職でやっている場合とちっとも違わない場合に、そこで非常な差が出てきているのですよ。その事実というものは、これは大蔵大臣、あなたはそういう方に非常に理解があるから、そういうことについてはよく実態を調べて善処をする、それで七十九万円までの場合と同じような実態の場合には、実態というものに目をつけて同じ扱いをする、こういうことを、あなたも専門家なんだから、ひとつそういう点は答えてください。
○渡辺国務大臣 所得税は原則的に実態課税の原則でございますから、ただ形式的に、会社なり事業所から品物を預かってきて、預かったものを、たとえば判であるとか何か絵の具を塗ってとかいう、内職ですな、その場合は、自分が材料を購入してそれに付加価値をくっつけて売るというのとは違うから、それは何も会社の指定された場所へ行ってやらなくたって、実態が全く同じ状況なら、私は同じに扱ってもいいのじゃないか。しかし、法律上どういうふうな制約があるか、さらに検討させてみますが、私はそれでいいのじゃないかと思いますがね。また、一遍検討いたします。
○稲葉分科員 それで、実は私もいろいろ実際扱いまして、相談を受けたときに、実態に注目すればいま言ったような大蔵大臣の答えになる。形式的から言うとまた別な答えになるけれども、いま言ったような形で善処してください。これは、多くの内職をやっているパートの方が非常に困っている問題なんですね。これはおわかり願いたい、こう思うのです。 そこで、話はまたあれになりますが、公共事業の場合の前倒しの問題で、これは大蔵大臣が言っているのはどうするというのですか。七〇%ぐらいを前倒しをしてやっていきたいということなんですか。そうすると、それに関連をして何か談合のことで、まあ談合の定義にもよるけれども、談合ということが違法な談合と違法でないものとがあって、それで結局、それぞれの関係でどういうふうに理解したらいいというふうに、あなた自身の考え方を述べてもらいたい、こう思うのですがね。
○渡辺国務大臣 前倒しの問題は、数字が決まったわけではありません、結論を先に申し上げます。景気の動向等から見て、前倒しが必要だということになれば、新年度を迎えて前倒しもできるような体制の勉強だけはしておく必要がある、こういうことでございまして、もしするとすれば、前例もあることだから、そういうふうなことも頭の中に入れておいていただいたらいかがなものかということを言っておるわけです。
○稲葉分科員 談合の問題は、あなたが雑談的に話したことでしょうから、そのことはここで取り上げるのはよしましょう。それを取り上げたら一番あれだけれども、まああなたの立場もあるでしょうから。 そこで、来年、選挙があるでしょう。四月に統一選挙、六月に参議院選挙がありますね。そうすると、いま一兆円減税で私どもあれしているけれども、それを一応置いておいて、そこで、これは余り質問すると誤解を持たれてもいけないと思うのだけれども、来年選挙があることははっきりしている。選挙があるから、選挙に有利な政策をとりたいということは、政党としてあたりまえのことだ。そうでしょう。だから、来年はいずれにしても所得税の減税ということをやる、やらざるを得ないだろう。こういうことについては、政治的に判断をせざるを得ないだろう。これもあたりまえでしょう。どうですか。
○渡辺国務大臣 来年は統一選挙と参議院選挙がございます。だからといって、減税が必ず出てくるかどうか、それはわかりません。 ただ、財政の事情だけから言えば、いまのままでは、選挙があってもなくても、なかなか大幅減税ができる状態にはないというのが現実の姿でございます。何か工夫が要るかどうか、これからの問題であります。
○稲葉分科員 そこで、それはそうなんですが、だれが見ても、常識的に——ことしの問題はいまこれからの闘いになりますから、これは一応抜きにした場合に、来年あなたの方で減税をやらなければ選挙は闘えないでしょうが。それはあたりまえの話だ。ですから、こうやってたくさんの減税要求が出ているのですから。これは、いま質問すると、これからことしの減税の闘いをするときに、何かちょっと来年に延ばしたような議論になってしまってまずいから、僕もやりづらいけれども。 そこで、考え方として、大体あなた方の言われるのは、年収一千万円以上が、初め非常に税としては重いようなことを言っておられた。そうしたら、今度は八百万円ぐらいになったのですが、それもそうありますけれども、むしろ、年収三百万から五百万ぐらいの人たちが、子供の教育の問題がある段階なんですよ。教育費に非常に金がかかるわけです。だから、これらの人々が減税ということについての要求の幅が一番大きい、これが常識的な考え方ではないですか。 関西の経団連というのですか、日向さんという、あの人もそういう意見を述べていますね。あの人の意見が全部いいというのではないですよ。あの人の意見は非常に違う点が僕らありますけれども、その点についてはわれわれ分析しているのです。分析して、三百万から五百万の層が一番子供の教育に金がかかるので、こういう人の負担というものは重いのだから、減税の最大の要求者というものは、やらなければならないのは、この層だということを言っているのです。あなた方は一千万円以上だ、こう言う。そうではなくて、むしろその下の層のところに問題があるということをもっと理解をすべきだ、こういうふうに思うのですが、その点はどういうふうに考えておるわけですか。
○渡辺国務大臣 給与の明細票なんかを見ますと、大体扶養家族二人ぐらいだと、三百万ぐらいの人は、まあ二千円かそれ以下くらいしか毎月納めていないのですね、ボーナスが出たときは別ですけれども。 たとえば、ここに一つの例があるのですが、これは大蔵省の役人のものなんだけれども、妻、子供二人で毎月二十五万二千五百円もらっておって、この人は医療の短期掛金が六千四百六十五円、年金の長期掛金が八千二十三円、所得税が五千九百円、住民税が六千八百五十円というぐらい取られております。大蔵省の中だと大体平均的な階層ですね。したがって、住民税よりも長期掛金よりも短期掛金よりも所得税の方が低いというのも現実の姿なんです。それは、もう五千円どころか千円も出したくないというならばまた話は別でございますが、それぞれの社会の負担というのは、みんな子供が学校へ行けば、一人の子供で四十万とか五十万とか国と地方で金がかかるわけですから、みんなが持ち合わなければならぬので、そういう意味ではある程度の所得税もやむを得ないのじゃないか。 負担の非常に重税感というのは、この前も私が言ったように、三百万円の人が一割月給がふえて三十万ふえると、四万七千円国、地方で税金がふえます。それは一割ふえても一割五分かそこらふえます。しかし四万七千円だ。これが一千万円クラスになると、一割ふえて仮に百万円ふえたとすると、四十四万円税だけでふえますから、社会保険その他もふえますから、半分以上もう最初からないということになって、しかも、子供の大学とか嫁入りとかという時期になるでしょう。したがって、非常な重税感があるというのも事実だ。その事実関係を私は申し上げただけなんです。
○稲葉分科員 そこは議論の分かれるところですけれども、三百万円ということで今度はあなたの方で限定してしまうからね。三百万から大体五百万程度の人が、一番教育費がかかるわけですよ。教育費というのは表に出ない。出ないと言うと言葉は悪いけれども、そういうような費用もかかるわけですから、そういう人のことを中心とした減税というものを今後も考えていかなければいけないのじゃないかということが大きな問題だと思うのです。一千万円以上の人というのは、全体としてのあれはそうないのじゃないか、そういうふうに私は考えるのです。 時間が来ましたのでやめますが、私がよくわからないのは、いわゆる地下経済ということをよく言うのです。アングラ経済、意味はよくわかりませんけれども。そういう中で問題となってくるのは公益法人です。公益法人だからといって課税しないというのはおかしいので、公益法人であっても営利行為をやっていれば、課税をし徴税できる。こういうふうなことをやっているところから遠慮なく取ってもいいのではないか、こういうふうに思うのです。いわゆるアングラ経済というのですか、特にその中で全体の問題、それから公益法人の問題、こういうことについて今後の態度をお聞かせ願って、時間ですから質問を終わります。
○渡辺国務大臣 公益法人は、原則的に非課税のものが多いわけです。しかしながら、営業類似行為といいますか、実質的に収益事業を営んでいるというものは、分離をして課税をするというたてまえになっております。ただ、執行の面でそこらがゆるふんになっておったり徹底しないと不公平が生じるので、今後とも、公益法人といえどもそういうことはよく目をつけていかなければならない。公益法人はどうせ税金を納めないのだから調べないというようなことになると、結局やみ給与その他、大学なんかでもあったように、問題が起きるわけでございますから、それは十分に気をつけてまいりたいと思います。
○砂田主査 これにて稲葉誠一君の質疑は終わりました。 次に、大橋敏雄君。
○大橋分科員 私は、銀行金利に関しまして若干お尋ねをしたいのでございますが、まず初めに銀行金利についての一般論、それから、実は地元の銀行でちょっといま問題が発生しておりますので、後で具体論をお尋ねしたいと思うのですが、専門家の渡辺大蔵大臣に銀行金利とは何ぞやと聞きますと、恐らく三十分の持ち時間でも足りないほど哲学やその理論をお述べになるかと思いますので、そういうかた苦しいものは抜きにしまして、いま私が素人の立場から率直にお伺いしますので、素人がわかるような御答弁をお願いしたいと思います。 戦後の混乱期に、昭和二十二年ですか、臨時金利調整法というものが当分の間という趣旨で立法されまして、なお今日に至っているわけでございます。この銀行金利というものは、しょせん自由であるべきものと私は思うわけでございますけれども、現実は、さきに述べましたように、臨金法に基づきまして大蔵大臣が最高限度額を告示し、その範囲内で日銀が預金金利のガイドラインを設け、各金融機関がこれに従う形で決められているというのが実情であろうかと思うのでございますが、この最高限度額というものはあくまでも限度額でありまして、この額に一致しなさいというものではないと思うのでございます。その範囲内で自由に決めて競争していくのが本来の趣旨と考えるのでございますが、現実は一部の例外を除きましてその上限にぴたっと張りついている。こうした銀行金利の姿というものは一体どうなのか、まず大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○宮本(保)政府委員 金利の決め方一般につきましては、先生御指摘のとおりでございます。 現在の臨時金利調整法では、預金金利につきましても貸出金利につきましても最高限度が決まっているわけでございます。 まず、貸出金利の方でございますけれども、これは一五%ということで、長期のものと小口のものは除いておりますけれども、一般的な金利といたしましては一五%になっておりまして、一五%の範囲内で自由に実は各金融機関と借り手との間の話し合いで決められておるのが実情でございます。 それから預金金利につきましては、御指摘のとおり、大蔵大臣の告示の範囲内で日銀がガイドラインを決めまして設定いたしているわけでございますけれども、現在のところはそのガイドラインの上限に張りついた金利に決まっておるような状況でございます。
○大橋分科員 ガイドラインの上限に横並びに張りついているという状態というものが、ずっと前から非常に問題ではないかということで指摘されてきているわけです。公取の方にちょっとお尋ねしますけれども、この銀行金利の問題に関しまして歴代の公取委員長は次のように述べておられます。これはかつて新聞報道に出たものでございますけれども、昭和五十年十一月六日の参議院の予算委員会で当時の高橋公取委員長は次のように述べております。 日銀の預金金利ガイドラインは独占禁止法に触れるおそれがある、こういうことで、ずっと記事が並べられていますけれども、中途を省略しまして、要点だけ申し上げますと、ガイドライン方式は一種の行政指導であって、ちゃんとした法律の裏づけがない。臨時金利調整法は預金金利の最高限度を大蔵大臣が告示、各金融機関の限度以上の付利は禁止しているものの、それ以下の預金金利なら全く自由、これは臨金法第五条、としています。A銀行とB銀行の金利が同じでなければならないと決めた法律はないし、金融当局が各金融機関に同一金利をつけさせる権限がどこにあるのかはっきりしないという指摘もある。 また、これは五十二年五月十九日のやはり参議院商工委員会では、澤田公取委員長が次のように述べております。 現在、金融機関の預金金利は日銀による一種の行政指導で決められているが、こうした仕組みが今後も継続するとなると、独禁法との兼ね合いから再検討の必要が出てくると言わざるを得ない。それから、金融機関が協定を結んでいない限り金利が同じ水準になってもカルテルとは言えないが、現在の仕組みが競争制限的な効果を上げている面はある。 こういうことで、歴代の公取委員長は問題点を指摘しているわけでございますけれども、今日も公取の考えは、これと同じ考えでいるのかどうか、確認しておきたいと思います。
○厚谷説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、公正取引委員会の金利につきましての見解はお答えしたとおりでございます。 それで、今日の問題でございますが、銀行業は政府規制産業ということになっておりまして、このような政府規制産業につきましては、現在、公正取引委員会が競争政策の観点から調査、勉強しておるところでございます。それで、銀行業につきましてもその調査の対象業種に挙げて検討を進めておりまして、最近の情勢を見てまいりますと、新銀行法が成立いたしまして今年四月から施行される、こういうことになっておりまして、運用を含めまして、大勢としましては銀行に対する政府規制が緩和の方向に向かっておる、こういうふうに考えられると思います。こういうような動きの一つとして金利の自由化ということがあるわけでございまして、それで私どもはこの金利の自由化の動向につきましては非常に強い関心を持っておりまして、今後ともこれについては監視を進めてまいりたい、このように考えておるのが現状でございます。
○大橋分科員 こうしたガイドラインの上限に張りつけているという状況は決して好ましい姿ではなく、重要な関心を持って調査してきたけれども、どうやら非常に緩和の方向にあるということで、むしろそれが自由になることを期待しているというような御答弁だったと思うわけでございます。 それでは大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、私、ここに持ってきているのは五十一年四月の金融制度調査会の中間報告の要旨と要旨を解説している日経の五十一年四月二十一日付ですけれども、この記事の一部を読み上げてみますので、よく聞いておっていただきたい。 大きな見出しで「金融制度調査会が中間報告行政の再検討必要 銀行はもっと競争を まず金利を弾力化」と大きな見出しでございまして、中の記事、ずいぶんあるのですけれども、はしょってこれも読み上げますけれども、 競争と健全性の関係については、健全性を維持するためにさまざまな法規制、行政上の監督が行われていることを指摘、「競争原理の発揮が規制によって阻害されているとすれば、具体的にこれを検討する必要がある」として健全性がそこなわれない範囲で、さまざまな規制を緩和する余地がないか、検討することを求めている。 金利については銀行間の競争の最重要手段とし金利面の競争を進めることにより、銀行経営の合理化、資金の効率化をはかるべきだとしている。しかし、いっきょに金利を自由化すると混乱を招くので、当面は必要な金利規制を残しつつ、資金需要に応じて金利をひんぱんに動かす「金利弾力化」を進め、将来の課題として「金利自由化」を検討するよう求めている。 この中間報告の内容というものは大体こういうものだと述べられているわけでございますが、渡辺大臣、これに対する御見解をお聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 大体いま述べられたようなことじゃないか。弾力化の方向は結構でございますが、急激にやるということはいろんな混乱を起こすし、特に資本力の弱い小さな金融機関が経営困難に陥るということもございます。だからといってやはり利用者の利便というものを考えていかなければならぬわけですから、それが陥らないような創意工夫を一方でやってもらいつつ、競争が働いて利用者の便益に役立つように持っていこう、そう考えております。
○大橋分科員 いま中間答申で示されているような方向、もちろんその方向で自分も進んでいるというお話でございまして、先ほどから私が述べるように、銀行金利は自由化が当然の姿であるということだと思うのです。 ところで、具体的な問題としてお尋ねするわけでございますが、ことしの一月、福岡相互銀行、名古屋相互銀行の動きが全国の金融界に大きな波紋を投げかけているようでございます。 〔主査退席、宮下主査代理着席〕 それは両相互銀行が個人向け住宅ローン金利を住宅金融公庫との併用に限り〇・一八%下げ、年八・一六%にすると発表したことからであります。このことは銀行金利の自由の立場から私はまことに好ましい事柄だと考えるわけでございますけれども、いまの大蔵大臣のお考えの立場からこれをどうお考えになっているか、まず御承知かどうかお尋ねして、それから判断を聞きたいと思います。
○渡辺国務大臣 いろいろ検討をした結果、現行の銀行の経営にも支障が生じないというような結論のもとにスタートしたことで、私はよいことである、そう思っています。
○大橋分科員 それでは、正直言いましてそういうことを実行に移した関係銀行さんには、かなりいろいろな姿で複雑なものが襲ってきているようでございますので、大臣の方からしっかりと激励をしていただきたいと思います。激励していただけますか。
○渡辺国務大臣 これは銀行の自由化ということで自主的にやれと、銀行法をそういう方向で直しておりますから、私が激励するほどのこともありませんが、それぞれやっていただきたい。
○大橋分科員 実は一部の例外を除きまして、都市銀行、地方銀行などが同一利率で横並びするのが慣例、これ自身が実はおかしくて、先ほど公取の方もおっしゃっていたとおりでございます。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕 昨年十二月の第四次公定歩合の引き下げでも、都銀などでは住宅ローン金利を八・三四%で据え置くことを決めていたわけですね。これまでの慣例では、この金利を下回ることは実は考えられなかったわけでございますけれども、福岡相互銀行はこの慣例をみごとに実は打ち破ったわけですね。続いて地元の西日本相互銀行もあるいは正金相互も肥後相互もさらには福岡信用金庫までがこの福岡相互銀行と同一金利にした、こういう事実があるのですよ。 これは私は自由化の姿からいって非常に好ましいことであったと思っているわけですが、ちょっと懸念されることは、名古屋に本店がある都市銀行の東海銀行が大蔵省に、名古屋相互銀行と競合する地区の支店だけの利下げを認めてほしい、こう泣きつき、相談されたということが報道され、しかも大蔵省の方はこれをあっさり拒否したという記事が載っているわけでございますけれども、そういう事実はございましたか。
○宮本(保)政府委員 私どもといたしましては、かねがね住宅ローン金利につきましては、できるだけ利用者の利便を図るということで低くしてもらいたいということを要請いたしておるわけでございます。したがいまして、今回新聞報道にございますような事実は全くございませんで、もし東海銀行がそういうことをしたいということであれば、認めるも認めないもございませんで、どうぞおやりいただきたいということでございます。
○大橋分科員 それじゃ新聞の単なる予測記事であったということですね。もし今後そういう相談があれば、いいとか悪いとかじゃなくて自由におやりなさい、これは当然のことだというふうに理解してよろしいですね。
○宮本(保)政府委員 そのとおりでございます。ただ、金融の場合には一つの秩序がございまして、余りにも過当競争といいますか、ある地区におきまして金利の引き下げ競争が起こるというようなことになりますと、また別途、個々の金融機関の経営問題が生じてまいりますので、妥当な範囲におきます適正な競争ということであれば、私どもといたしましては何らとめるどころか、大変結構な話だと思っております。
○大橋分科員 先ほど私が中間報告の内容について大蔵大臣の見解を聞いたわけでございますが、実はいままでは大蔵省がいわゆる銀行に対して過保護的な指導をやっている、そういう意味のことも述べておられますね。現実は金利の国際化を急ぐ傾向にある各銀行の実情からしましても、大いに金利の自由化への指導、これはやるべきだ、時代の流れだ、こう私は思うのです。 そこで、大蔵省と公取委員会の方に御見解を求めるわけでございますが、臨時金利調整法によってその上限が示されるとはいえ、仮に大蔵省が暗黙の指導で上限に張りつけるようなことがあったり、あるいは銀行間で暗黙のスクラムを組むようなことがあれば、これはやみカルテルに通じるのではないか、いわゆる金利協定になるのではないか、こう私は思うのでございますけれども、これに対して大蔵省と公取の御見解を述べていただきたいのです。かつて通産省が石油価格を指導いたしましたときに、これに対して裁判所は、通産省のこの行政指導について違法性を却下するものではない、むしろカルテルを助長する犯罪行為に等しいと、行政指導について厳しい判断を示しているわけでございますが、この例から、銀行金利について大蔵省が行政指導することは同様のことが言えるのではないか、私はこう思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○宮本(保)政府委員 先生御指摘の点でございますが、まず、貸出金利につきましては最高限度がが決まっておりまして、その範囲内で実は自由に下回るところで動いているわけでございます。いま一五%が最高でございますが、実際は一けたで各金利が決まっておるような状況でございます。したがって、非常に自由競争が行われているわけでございます。 預金金利につきましては、これは政策的な効果を発揮させたいというふうな面と、もう一つはやはり過当競争を防止する、金融の秩序を守る、あるいは金融機関の経営を健全ならしめるというふうな見地から、最高限度が日本銀行によって決められておるわけでございますが、お客さんの方からいいますと、最高限度に張りつくことの方が、預金金利でございますから、利用者のためには実はなっておるわけでございます。ところが、この問題につきましては、行く行く最高限度につきましても規制を撤廃していくべきだというような議論があるわけでございます。これは当然のことながら、世の中は自由化、いろいろな答申にもございますように、自由化の流れに沿っているわけでございますので、預金金利につきましても、徐々にそういう限度の撤廃の方向へ向かうのではないかと思いますけれども、現在の段階では、まだいまのところ、きつき大臣も申し上げましたけれども、やはり金融機関の経営の問題もございます、金融秩序の問題もございます、それから金融政策の有効性という点もございますので、いまの日本の金融経済情勢あるいは金融機関の経営の現状から見まして、一気にこれを撤廃に持っていくのはなかなかむずかしかろうと思っておりますが、徐々に自由化の方向へ向かうことは当然だと思っております。
○厚谷説明員 先生御指摘のような点が現実にあるということではなく、ごく一般的にお答えさせていただきたいと思います。 一般的に申し上げますと、事業者間で、それは金融業者も同然でございまして、事業者間で暗黙の協定でカルテルをしておりましたり、あるいは行政官庁の指導によりましてカルテルを結んでおるというような場合も、これは独占禁止法に違反することとなるということでございまして、金融業者の場合もその例外ではございません。そういうことでございます。これは一般的にはこういうふうに申し上げられます。
○大橋分科員 実は先ほど申し上げましたように、福岡相互銀行等がそういうことを実行したときにいろいろと波紋を呼んでおるということは、いままで暗黙のうちに、やはり横並びでいこうということがはっきりした姿ではないけれどもあったのではないか、こう思われるわけです。ですけれども、先ほど大蔵大臣も、金利は自由化の方向でいくべきだ、こういうはっきりした御答弁もありまして、これからの各銀行の皆さんは、いまの御指導の範囲の中で伸び伸びとやっていくことになるであろうと思いますが、決してその芽を摘むようなことがないようにお願いしたいと思います。 そこで、もう時間が参りましたけれども、結論的に申し上げますと、金融機関の自由な競争により、預金金利あるいは貸出金利について適正な水準が形成されていくことが国民にとって真の利益につながることでありまして、いやしくも行政指導によって公正な自由競争が阻害されることのないように注意していく必要があろうかと思うのでございますが、そういう意味から、公取は大いに厳しく監視の目を光らしていただきたいし、大蔵省は先ほどの御意見のとおりに正しく指導していっていただきたい。大臣のお気持ちをもう一度聞かしていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほどから申し上げておるような考え方で今後も進めてまいります。
○大橋分科員 それじゃもうちょっと時間がありますので局長さんにお尋ねしますが、郵便貯金の金利との関係がよく議論されるわけでございますが、これについての局長さんの御見解を聞いて終わりたいと思います。
○宮本(保)政府委員 郵便貯金金利につきましては、私どもも重大な関心を持っているわけでございます。と言いますのは、個人貯蓄の三分の一を占めるような状況になってきております。すでに七十兆円に及ぶような大きな量になっておるわけでございます。したがいまして、郵便貯金の金利がどう決まるかという点が、わが国全体の金利を決めるような要素にもなりつつあるわけでございます。その点におきまして、一番私ども注意しなければいけないのは、やはり日本の経済金融全体の中で郵便貯金金利も考えられていかなければいけないのじゃないか。ということになりますと、いま先生御指摘のとおり、今後金利の自由化が進展いたす。自由化が進展いたすということは、金利がその市場の実勢に即して、経済金融原則に即して金利が自然に決まっていくことが自由化の根本でございます。そういたしますと、郵便貯金金利につきましてもそういう経済金融の原則の中で考えていっていただかなくちゃいけませんものですから、あくまでも民間の預貯金金利が経済金融原則に従って自由に決まるのに追随して郵便貯金金利も決めていただくというふうな意味で、今後自由化の進展とともに、一層民間と郵貯金利との 一元的な決定というふうなものの慣行が生まれていくことを私どもは念願いたしておるわけでございます。
○大橋分科員 終わります。
○砂田主査 これにて大橋敏雄君の質疑は終わりました。 次に、浦井洋君。
○浦井分科員 税関の問題について聞きたいのですが、政府の方は非関税障壁をいわゆる改善するということで、その一環として、税関輸入手続の省略化、簡素化、こういうものを処理方針のトップに掲げておるわけです。それを見ますと、新たに事後審査制の導入であるとか包括審査制の新設であるとかあるいは書類の簡素合理化、検査体制の改善、分類の不統一の防止というようなことを言われておるわけなんですが、現場の人たちにいろいろ聞いてみますと、さまざまな問題点があるようなんです。 そこで、まず最初にお聞きしたいのは、現在の日本の税関の平均した輸入の場合の通関日数がどれぐらいなのか。その日数、その数字は、国際的に見て一体遅いのか早いのか、大体平均的なのか、それを先に聞いておきたいのです。
○垣水政府委員 わが国の税関手続につきましては、実は税関に申告書を出しましてから出るまでの間は、私ども最近の調査では平均〇・六日というふうに非常に短くなっているわけでございます。もっとも、税関自体でございましても、たとえば分類等に基づきまして中央分析所まで行ってやるというようなことで長くかかるものもございますが、平均そうなっております。ただ、御承知のように、その前にたとえばこれはIQではないかとか、これは食品衛生法上どうだとかいうことのために申告書が税関に出てくるまでにやはり数日かかるような場合がございますものですから、やはり通関という非常に漠然とした言葉でございますと数日を要するということでございまして、税関自体だと決して遅くない、むしろ国際的に見てかなり早い。この間もアメリカの関税局長が参りましたが、決して通関自体については税関の中では遅いと言っておりませんが、全体としてはやはりちょっとアメリカと比べれば遅いという議論があるわけでございます。
○浦井分科員 私が恐れておるのは、そういうことでアメリカと比べれば全体としてはちょっと遅いということを理由などにしてどんどんスピードアップするということになると、税関本来のチェック機能を低下させることにならないだろうかということを私は危惧しておるわけなんです。これは御承知のように、いまでも税関機能が低下しておるということを立証するような事件が持ち上がっておるわけですね。たとえば、ポリエチレン原料と偽って炭酸カルシウムを輸出した事件であるとか、あるいはこの間新聞に出ておりましたけれども、スクラップ同然の中古の建設機械を新品と偽ってこれも輸出した。それから、この間東京地裁で判決がありましたけれども、絹織物の不正輸入。こういうような、特に三番目の中国産の物をスペインあるいはフィリピン産と偽って輸入した日本バイルハック事件ですか、この東京地裁の判決を見てみますと、輸入実績の乏しい国からの大量輸入だから税関検査によって不正を未然に防止できるはずであったというふうに、ここではっきりと税関のチェック機能の不十分さを指摘されておるわけですね。 だから、こういうかっこうで処理方針のトップに掲げてどんどんスピードアップをしていくということは逆ではないか、もっときちんとしたチェック機能を発揮できるようなそういうものに戻さなければならぬのではないか、私はそう思うのですが、これは大臣、無理かな、どうですか。
○垣水政府委員 先生おっしゃるとおりです。この間の絹織物の事件等は、実は税関がもう少し注意すれば防げたんじゃないかという面が否定できないかと存じます。ただ、今度私どもがここで簡素化をいたそうというのは、実はいわゆる他法令と申しますか、食品衛生法あるいはそういうIQ物資、薬事法、そういったものについては各省にお願いをして、そちらの方でいろいろ手続をしていただく。しかし、私どもの考えておりますのは、要するにそういう法令のない課税のところで、どうもたとえばこれがどっちの分類に当たるかはわからぬから調べるのを待てというようなことで、荷物を置かないで、ひとまず申告納税制度でございますので申告のまま通して、ただし、これはちょっと調べてみたい、疑問がありますから後から調べますよという判こを押して通すというようなことを考えておりますので、その点は私どもとしては、十分いまおっしゃいましたような点がより悪くなるということじゃなくて、むしろ重点的に審査ができる方向に進められるのじゃないかと期待をしながら考えているところでございます。
○浦井分科員 いろいろ言われるのですが、私はやはり危惧をするわけですよ。 たとえば、これは内部通達のようですが、「輸入貨物の検査について」というのがずっと昭和五十年以来出ているわけですね。それによりますと、いまは重点検査をやって、今度はスポット検査をやる。その場合の目安として「このスポット検査は総申告件数の五%を最低限度として行う」、こういう記述があるわけですよ。ところが、どうも今度それを改正されるらしいので、その案を見てみますと、スポット検査の「五%を最低限度として」というところが「総申告件数の三%程度について行う」、こういうことで、数字でもはっきりと検査を少なくするようなかっこうになっているわけですよ。こういう事実があるわけですか。こういうふうに改正されようとしておるわけですか。
○垣水政府委員 実は、五%というのは部外には出ないことになっておる数字なのでございますが、スポットを五%を三%というようなことだけですと、あたかも検査をなおざりにするような響きが聞こえるかと思いますが、実はそのスポット検査といいますのは、税関の検査はまず重点的に問題となりそうなものを検査いたします。そして、このスポットというのはその他のところから摘出していわば無作為に抽出して検査をするものでございますので、その辺をむしろ重点的な方に振り向けてスポットの方を少し減らしたらどうかというような議論の過程でございまして、この三とかというような数字も実は、このぐらいにしたらどうだろうということで現場の意見をとった段階で出た数字でございまして、まだ私どもとしては決めておりませんし、また、このような数字を示した方がいいのか悪いのか、御承知のように現場の職員は、数字を示してくれという意見と、数字にとらわれ過ぎるからむしろ必要に応じてというふうにしてくれという二つの意見がございまして、この辺を私どもいま慎重に検討しておるところでございます。
○浦井分科員 そうすると、これはまだあくまで案ということになるわけですね。(垣水政府委員「はい」と呼ぶ)そうでございますという意思表示がありましたので……。 ところが、これもやはり、大臣聞かれておっても、局長もそういう響きがあるやに聞こえるような表現で言われたように、やはりスポット検査といえどもそこからいろいろな問題が発生しておるわけなんだから、少なくとも現行内部通達どおりに五%という表現は三%に下げずにそのまま残しておくべきだ、私はそういうふうに思うのですが、この辺はひとつ大臣に答えていただけませんかな。
○垣水政府委員 いま申し上げましたように、重点検査とスポットの割合をどうするかという、その検査の配分の中でございますので、これは大臣の御判断よりも現場、むしろわれわれ、関税局長よりもさらに現場の意見というような感じがいたしますが、そこは先生の御趣旨もございますので、十分現場の意見も吸い上げて検討さしていただきたいと思います。
○浦井分科員 現場、現場と言われるのですが、実際は余り現場の意見を吸い上げてないわけですね。 そこで、大臣に聞いておっていただきたいのですが、こんな例があるのです。やはりきちんとしたチェックをしなければならぬという例ですね。これは、ある食品業者のところへきわめて値段の安い米粉を売りに来た。それで、何でこんな安く入るのだろうということでいろいろ調べてみますと、それはタイ国産であった。御承知のように米粉はIQであるから、品目番号としては一一〇一として輸入されておる。これは販路もしっかりしておって、調べてみますと、のりの原料に使われておる、こういうことなんです。だからそれをそういうふうに消去してみますと、この税関輸入統計の品目番号一九〇二、穀粉の料理用調製品、こういう一九〇二としてタイ国から輸入されたものであるということがはっきりしてきたわけです。それで、数量を調べてみると、これはおたくの方でも持っておられると思うのですが、五十三年に二十七トン、五十四年に四百八十トン、五十五年に八百四十トンというかっこうで、ずっと急激にふえてきておるわけです。 さらに調べてみますと、こういうことがわかってきた。五十三年に当初は一九〇二というかっこうで、米粉にたとえば砂糖を入れたりあるいは粉乳を入れたりしてケーキミックスとして通関した。それで実績ができて、次からは検査なしだというようなことで一今度は一緒に入れた砂糖や粉乳などを取り除いて、もう純粋な米粉が何の制限もなしに堂々と輸入されておるということがわかってきたわけですね。これを分析したのは食糧庁なんですよ。食糧庁は犯罪の疑いがあるということでいろいろ調べておるはずなんですよ。こういうことを大蔵大臣は御存じないかもわからぬですけれども、どうですか。
○垣水政府委員 先生からそういうお話がございましたので、いろいろ調べましたが、そういう事実は私どもはまだ聞いておりません。 ただ、いずれにしましても、先生御指摘のように、こういうIQ物資につきましてはかなりぎりぎりのところをねらってくるという悪質な業者がないわけではございませんので、これは米粉のみならずいろいろございますので、こういう点は先ほど申しましたように重点検査ということで、できるだけ検査率を上げてそういうものについてはやっておりますし、今後も今回の措置でこれを緩めるというようなことは毛頭考えておりません。
○浦井分科員 まだつかんでおられないという言い方なんですが、私はこういう資料を持って、ちゃんとはっきりとした官庁の資料から言っておるわけですよ、これは言いませんけれども。だから、これは一遍十分に調べていただきたいと思う。 だから結局、大臣、この件について言うならば、輸入制限品目について明らかにこれは関税法違反ですよ。それから強いて言えば、大臣もベトコン族の出身として——大手のせんべい屋がそれを入手をして、どんどんとせんべいを大量につくって、新幹線を初めとしたところで比較的安い値段で販売している。中小のせんべい屋がそれで圧迫されている。それからさらに言えば、日本農業の主流である米がそういうかっこうでタイの米粉によってやはり販路を圧迫されておる、こういうことになるわけですよ。これはほっておくのでなしに十分に調べて、さしあたって税関のチェック機能を弱体化させるようなことをささぬように、こういうことが起こらぬようにしなければいかぬと思う。大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 御趣旨に沿いまして、極力チェック機能をだめにしないように努力いたします。
○浦井分科員 それから、もう一つの例を挙げますと、税関輸出統計というのはこれは国際的にも非常に権威を持っておるのだというふうに大蔵省の皆さんは自負をされておるかもわかりませんけれども、たとえばこういう数字がある。これはおたくの方でも調べてもらっていると思うのですが、研削盤、グラインダーの輸出台数、分類の仕方によって多少数字が違うかもしれませんよ、五十二年が二万一千七百四十七台、五十三年が一万九千百二十台、五十四年が一万七千三百七十三台、五十五年が二万一千九百八十一台、これだけ輸出されておるということになっておるわけです。ところが、そのメーカーの団体である日本工作機械工業会の資料で、一体国内で生産された台数が何ぼかというと、五十二年が七千五百四十七台、五十三年が八千百七十二台、五十四年が九千二百一台、五十五年が一万九百九台。これは生産された倍以上が輸出されておる、こういうことになる。これは一体どういうことなんですか。これは一体どちらが正しいのか、あるいはもう税関輸出統計なんというのは信用できぬのと違うかという感じさえ持つわけですが、どうですか。
○垣水政府委員 税関の輸出統計につきましては、私どもは世界的に見れば最もすぐれた、正確だと自負しております。もちろん、たとえば成田で業務で通関するもの、あるいは十万円以下のもの等については事務の煩項という理由で外しておりますけれども、問題ないと思っております。 しかも、実はこれは輸出の台数の方が生産の台数よりも多いという話でございますので、いろいろ通産省等を通じて調べましたところ、この日本工作機械工業会でつくっております工作機械主要統計というのは、どうもわれわれのところと違うと思われる、これは推定でございますが、生産動態統計では従業員五十人以上の企業による生産のみを対象としているということに対しまして、通関統計の方は、ただいま申し上げましたように、一件十万円以上のものをすべてを拾っているということで、それからその統計の動き方などを見ますと、たとえば米国に出ているもので数量と金額が、数量がふえているのに金額が比較的ふえていないとか、そういうようなところの年度の動きを見ますと、やはり五十人以下で生産統計から落ちているものを通関は全部拾っている、むしろ私どもの方が正しいのじゃないか、こう考えております。
○浦井分科員 それはそういう違いがあるかもわからぬですよ、五十人以下のところが入ってないと。しかし、倍も違うのですよ。倍以上、数が違うわけですよ。そんなことが、五十人以下のところは入ってないという弁解だけでは私は済まされぬと思うんですよ。だから、大臣は五十七年度予算、経済見通しであるとかあるいは税収見込みなんかいろいろ粉飾をされて粉飾予算をつくられたお一人であるわけですが、ここでも税関輸出統計というのは粉飾数字ですよ。そして、こういうことをもとにして皆さん貿易政策を立てられるわけですよ。まさにこれは粉飾政策になるわけです。どうですか大臣。
○垣水政府委員 具体的にこのグラインダーの輸出の、私ども実はよくわかりませんが、たとえば円筒のもの、内面グラインダー、平面グラインダー、しんなしグラインダーというようなものをずっと輸出と精査をいたしますと、最後に「その他」のところで、もう非常に違っているわけでございます。「その他」のところの平均金額というのは四十二万円でございます。したがって、やはり小さな、小さなというか小規模な機械が動いているのでございまして、私どもは、輸出統計こそがむしろ正しいということは確信を持って申し上げていいんじゃないかと思っております。
○浦井分科員 しきりに弁解されますけれども、やはり倍以上も違うということは、それだけでは弁明できない。税関輸出統計というのは、これはもう余り信用できぬな。いままでは信用しておったけれども、信用できぬなという感じを、私はこの質問をするのに調べておってわかったわけで、はっきり申し上げておきたいと思う。 それからもう一つ、危険物のチェックも一体これはどうなっておるのかという問題。これは委員長が神戸でありますからよく御承知だと思うのですけれども、五十五年の秋に神戸港でこういう事件があった。普通の化学品であるエチレングリコールが入っておるということで、コンテナが神戸市内をずうっと走ったわけですね。そして受取人があけてみると、それが猛毒品である四エチル鉛が入っていて大騒ぎになった。その原因はということで調べてみると、アメリカから中国へ行く予定であったのが、アメリカのコンテナヤードでナンバーの打ち方を間違えて日本の神戸港へ来た。それがずうっと神戸市内を通って、そこでもし交通事故でも起こしておったら何人か人間が死ぬというような猛毒品でありますが、それが幸いそういうことは起こらずに、あけたところでわかった。こういう事件があったわけなんですが、このコンテナのチェックというのが国際的にも大問題。一体、税関当局としてこれからどうされようとしておるのか、ちょっとお聞きしておきたい。
○垣水政府委員 ただいまの五十五年の秋のミスの話は、実は御指摘のようなコンテナナンバーの誤りではなくて、米国の輸出社が日本向けのコンテナの中に中国向けの貨物を積み込んだということで、結果的には先生のおっしゃるように危険性はまさに同じでございますが、そういうことでございまして、あけたところで気がついて、ちょうど乗り間違えた中国行きのを釜山でつかまえて、そしてそれを日本に来るのと取りかえて正常な形に直したということでございまして、この点はまさに当該コンテナが検査するのに入ってなかったという点でございますので、その点はまさに検査が全部できないことによる欠陥だということは言えると思いますが、コンテナにつきましては、コンテナ条約その他によりまして、できるだけ円滑な通関をという国際規約もございますので、それにのっとって、しかし先生の御趣旨のような点のないようにできるだけ充実をしていきたいと思っております。
○浦井分科員 いろいろ例を私挙げましたけれども、ひとつ大臣によく聞いていただきたいのは、いまの税関のチェック機能の中でも、これはいろいろな事故の一端を言っただけでありますが、さまざまな問題点がある。こういう中で今回の処理方針を持ち込むということになると、さらにチェック機能が低下するんではないかということを私は恐れるわけなんです。税関の職員も皆そう言うておるわけです。 だから、私が言いたいのは、いま局長は、現場の意見を聞く聞くというようなことを言われておるけれども、実際は聞いておられない。少なくともいろんな施策の変更をされる場合は、やはり現場の意見を本当に聞く。特にそこで働いている人は、その人の体や健康に直接関係してくるわけですから、こういう問題は。だから、労働組合やなんかの意見もよく聞いた上で、よく説明をし相手の意見もよく聞いた上で、おもむろに決めていくというようなことをやらぬといかぬのと違いますか。これは大臣、私の言うことはおわかりでしょう。大臣、ひとつお答えしていただきたい。
○垣水政府委員 大臣の前にちょっと補足させていただきたいと思うわけでございますが、今度のたとえば事後審査制というような場合には、具体的に申しますと、次から次とたくさん来るものだから、もうちょっと調べたいなと思ってもなかなか後が詰まっているというようなことで、それじゃ証明書を持ってこいとか、証明書をつけてこないのは後回しというようなことを言うという不評判、これが実は書類が多くなるというようなこともございまして、これは、それじゃ一応は通しますけれども、後でちゃんともう一遍調べますよという形にした方がいいというようなことで、むしろその両面があるとは思いますが、主として現場の職員もむしろ気楽に仕事ができる面もかなり促進されるのではないかと思っておりますので、その点は、御趣旨のような点は十分わきまえながら、しかしやはり世界的な要請といいますか、貿易摩擦解消の一助にしたいと考えている次第でございます。
○渡辺国務大臣 現場の具体的な取り扱いの問題でございますから、やはり現場の経験者の意見を聞いて、その中で処置をしていくほかに仕方がないのじゃないか、そう思っております。
○浦井分科員 これで最後ですが、こういうことでどんどん省力化、簡素化が進んでいきますと、もう一つの大きな問題は、これは委員長もよく御存じだと思うのですが、港湾というのは港でなくて道路の延長にすぎなくなるわけですね。たとえば数字を挙げてみましても、港湾で働く人の数がどんどん減ってきている。特にコンテナ化が進み、それから港湾情報システムというものができ上がり、それからさらに今度のような通関が簡素化されるということになると、海貨業者、乙仲業者が決定的なダメージを受けるわけです。要らぬようになるわけです。 もう一つは、主に大企業でしょうけれども、大阪府下なんかに松下などが大きなヤードを持って、逆に今度は税関職員がそこへ出ていって政令派出所をつくる。そこで全部手続をやって、トレーラーでずうっと運んできて、そのまま本船に積み込む。港が要らぬようになる。文字どおり、船着き場だけになるわけです。 そこで働いている人たちというのは、やはり親もあり妻もあり子もあり、一家を支えている人なんです。どか減りになってきている。将来に対して非常に不安を持っておるわけです。だからそういう点で、一つは、国としても、税関当局としても、雇用問題の側面からこの問題を見ていって、余り急激な変化を起こさせないというような措置をとっていただきたいということと、それからそういう内陸部にあるヤードの中の政令派出所というようなものは余りむやみには置かない、できるだけそういうことは抑制するというような方針をとっていただきたいということが第二。それから三番目に、搬入前の仮申告制をやろうとしておられるそうでありますけれども、その事実があるのかどうか。これはやはりそういう簡素化がいろんなひずみをより一層助長するというか、拍車をかける。それだから、それはぜひやめておけということを私強調したい。その三点についてお答え願って、私の質問を終わります。
○垣水政府委員 コンテナにつきましては、税関と申しますよりも、むしろ世界の海運業のコンテナ化の進運に伴っているわけでございまして、これはせっかくコンテナで来たものを埠頭で全部あけさせるということになれば、いわばコンテナ化自体の意味が全くなくなるわけでございますし、先ほどから先生おっしゃいますように、それじゃ全くそれなしでフリーに通関させればもちろん弊害もあるわけでございますので、徐々にといいますか、そういうかっこうで世界の進運に伴いまして、税関もそれに沿って着実に業務を進めていきたいと思います。 それから、政令派出につきましては、原則としてはできるだけしぼるということで、ここ数年少しずつ減らしてきておりまして、特別のものを除きまして、積極的にどんどんやるという意思はさしあたりございません。具体的な問題については、いろいろ諸般の情勢を検討した上で処理させていただきたいと思います。 最後に、搬入前申告の問題につきましては、実はこれは、業界からは非常に強い要望がございますが、法律上の問題その他いろいろございまして、われわれも大分検討をいたしましたが、さしあたり大きな変更をするつもりはございません。
○浦井分科員 終わります。
○砂田主査 これにて浦井洋君の質疑は終わりました。 次に、土井たか子君。
○土井分科員 きょうは私は、昭和五十五年三月三十一日に成立いたしました所得税法の一部を改正する法律、これが公布されて、さらに、御案内のとおり、五十九年一月一日実施を目指すいわゆるグリーンカード制度いうものが準備をされることになりました。五十六年十一月五日には、これに関する政省令が出されたということに現在はなっているわけですが、その中で、ずばり私、大変気にかかることをきょうは率直に渡辺大蔵大臣にお伺いをして、また、率直な御返答をひとついただきたいと思います。 いわゆるこのグリーンカード制度というのは、いろいろな点でまだまだ準備をしていかなければならない問題も現在あると思うのですが、基本的に考えますと、どうしてもやはり気にかかるのは、再三再四いままで国会の審議の過程でも取り上げられましたプライバシーの保護の問題なんですね。渡辺大蔵大臣も非常にこのことに対して意を使っていらっしゃるようでありますけれども、グリーンカード制によって個人情報というふうなものが外に漏らされないようにそれを保護していくということに対してどのように意を使っていらっしゃるか。OECDなんかの勧告などもあったりしますから、そういうことにも留意して国会でも大臣、答弁をなすっていらっしゃるわけですけれども、重ねて大臣から意のあるところを、まずこの点についてお伺いします。
○渡辺国務大臣 きわめて技術的な問題でございますから、事務局から答弁させます。
○矢澤政府委員 大臣の御答弁の前に、グリーンカード制によりましてどういうことが税務署に通知されるかという点について、技術的なお答えをしたいと思います。 現在、マル優、特別マル優でそれぞれ三百万円ずつ非課税の制度がございますが、非課税の制度を続ける以上は、限度管理がきちんと行われなければなりません。と申しますのは、そこがいいかげんでございますと、お金持ちの方がそこへ入り込む、これは全く税金がかからない利子になってしまいますので、限度管理が必要でございます。 現在、それではどういうかっこうで限度管理が行われているかと申しますと、非課税の貯金をしよう、マル優の貯金をしようとする方は、その前にまず銀行へ行きまして、非課税貯蓄申告書というものを出していただいて、私は〇〇銀行××支店に何百万円の枠を設定いたしますという、枠でございます、これは中身とは関係ございません。入ってなくてもいっぱいでも構わないわけでございますが、枠を申告していただいて、その写しが税務署に参ります。税務署では、それを手作業で名寄せをいたしまして、枠が三百万円を超えたか超えないかということをチェックいたしておるわけでございます。 ところが、一つの問題点は、この制度が始まったのは昭和三十八年度からでございますので、現在申告書の枚数が二億枚にも達している。しかも三十八年からの枠を集計しないと限度管理ができない、今後もますますふえ続けるという問題がございます。そこで、コンピューターでこれを管理しようということからグリーンカードを御提案したわけでございますが、グリーンカードになりましても、税務署に参りますのはいまと同じように枠だけでございますので、その中に幾ら入っているか、これは全く税務署にわからないということでございますから、そういう意味でのプライバシーの御心配はないというふうに考えております。
○土井分科員 しかし、いままで大蔵大臣、グリーンカード導入とプライバシー保護の関係については、国民の中にやはり国民総背番号制につながるという危惧を持っているということについても御存じであって、このことについてはやはりはっきり、そうではないというのならそうではないというところを示さなきゃならないわけですから、これについての御配慮方があったはずだと思うのですがね。大蔵大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 これはいろいろ議論はありましたが、最終的には野党の方もかなり賛成の方が多かったように私、記憶をいたしております。したがって、その段階で、グリーンカードは背番号にはつながらないということを御納得いただけたんじゃないか、そう考えておりますし、私ども、技術的なことは余り細かいことはわかりませんが、そういった心配はないんじゃないかなという気がいたしております。
○土井分科員 それは心配ないんだがなという願望で済んでいけばいいですけれどもね。それはそうではないといういろんな要因が不安の種になっているから、問題になってくるんじゃなかろうかと私は思うのですよ。 それで、国税庁のADPセンターの電子計算機システムというのは一体どういうことになっているんですか。これは五十七年度予算では、それに関連分として総額百五十一億円というのが計上されているんですが、どういうことをその内容として考えていらっしゃるのですか。
○窪田政府委員 御指摘のように、五十七年度予算では百五十億八千八百万円計上しておりますが、このうち官庁営繕費、つまりセンターの建物の部分が四十一億でございます。その残りは準備のための経費、たとえばカードを準備しますとかあるいはADPの事務処理の経費、そういったもので百九億六千六百万円でございます。
○土井分科員 いまのは金額だけおっしゃったんでしょう。どういうふうな内容を考えていらっしゃるのですか、電子計算機システムというのは。
○窪田政府委員 主な内訳としまして、カード用紙の印刷費、それから送付郵便料のカード交付のための諸経費、事務処理に要するアルバイト賃金、電算処理経費等でございます。
○土井分科員 それがシステムなんですか。
○窪田政府委員 システムという名称にしてありまして、この計画を運用する経費を広く計上してあるわけでございます。
○土井分科員 まあ何とも木で鼻をくくったみたいな答弁ばかりが大蔵省は続くので、そういうことで事が済むと思っていたら、当てが違いますよ。 自治省の方からもきょうは御出席ですね。いろいろ問題になる点の一つに、国と市町村の関係の中で、住民異動状況の市町村から国税庁への通報についてという問題が出てまいります、グリーンカードをめぐって。住民異動通知ということについて協力関係、協力方というものが要請されていると聞きますが、この協力関係というのは一体どういう関係なんですか。義務なんですか、心得なんですか。いかがなんです。
○浜田説明員 お答えいたします。 市町村が固有の事務として協力をいたしておるわけでございます。
○土井分科員 固有の事務として協力する。固有の事務というのはどういうことですか。国税庁の方から要請をされてやる事務ではあくまでないという意味ですか。国税庁から要請をされて、協力をしてほしいと言われてやる事務を固有の事務というのですか。その固有の事務とおっしゃっている中身は何なのですか。
○浜田説明員 税の徴収につきまして、国税、市町村税、都道府県税、いろいろございますが、それぞれの立場でお互いに協力しながらやっていくということでございます。
○土井分科員 それぞれの立場でお互いに協力し合いながらとおっしゃることをお伺いすると、別に国税庁に対して協力しなければならないという義務ではないのですね。おのおのがそれはそういうことに対してやるという独自の立場なのでしょう。どうなんですか。
○浜田説明員 法律上の義務ではないということでございます。
○土井分科員 ただしかし、今回の問題を見てまいりますと、グリーンカード制を実施しようとすると、住民異動通知というものを現に自治体の方から国の方に上げなければどうにもならないのじゃないですか。大蔵大臣、この辺はいかがですか。
○矢澤政府委員 仰せのとおりでございます。
○土井分科員 そうすると、やる自治体とやらない自治体が出てくるというのじゃ困るでしょう。この点は大蔵省はどう考えていらっしゃるのですか。
○矢澤政府委員 全自治体からいただきたいと思っております。
○土井分科員 いただきたいとおっしゃっても、それはあくまで願望なんですね。それを強制する法的な根拠というのは何もないはずでありますから、あくまで願望でしょう。そう承ってよろしいですね。
○矢澤政府委員 協力をお願いする立場でございます。 ただ、この問題は地方にも関係がございまして、分離課税のときには、国にはお金が入ってくるけれども、地方には全然税金が入ってこない。ことしも出ておりますが、ここ数年来毎年のように、知事会でございますとか特定市長会でございますとか、地方団体から熱心に分離課税をやめて総合課税に移せという御陳情を受けておるわけでございます。そのためにはこれ以外方法がないと考えついたのがグリーンカードでございまして、そういったことで課税を適正化していくというための手段でございますから、国も地方も共通の利害と申しますか、目標を持っているというふうに考えております。
○土井分科員 そんなだらだらした説明は要らないです。そういう利子配当所得の総合課税実施というものが不公平税制を是正するということから考えられてきたといういきさつなどは知っていますし、果たして今回のやり方自身が適正にそういう要求にこたえ得るかどうかというのは、これからの問題ですよ。これはいろいろな難点があるという指摘もあるのです。だから、べらべらそんな説明要らない。私はそんなこと聞いているわけじゃないです。国の方から強制する法的な根拠というのはありませんねと言ったら、ございませんと言えばいいんです。あるんですか、ないんですか。
○矢澤政府委員 良好な協力関係を維持しようということで自治省と話し合いをして、相互に了解をしているところでございます。
○土井分科員 何ですか。人の言っている質問に対して明確に答えてくださいよ。どうなんです。もう一度言ってください。
○矢澤政府委員 法的措置をもってお願いしているということではございません。
○土井分科員 それで、自治省の方から市町村に協力関係を持つことについてのいろいろな意見の聴取をなすったと思うのです。一つは、全国都市税務協議会から市への意見聴取があったはずでありますが、これはなさいましたね。いかがですか。
○浜田説明員 いたしております。
○土井分科員 それはいつですか。
○浜田説明員 昨年十二月のことでございます。
○土井分科員 それは違うでしょう。全国都市税務協議会から市への意見聴取は、それに先立ってあったのじゃないですか。
○浜田説明員 全国協議会の方でなされたことにつきましては、それは団体独自の問題であると存じます。
○土井分科員 昨年の十二月上旬に行われたのは、都道府県地方課税制から地方自治体に対する意見聴取ということであったと思いますが、意見聴取に対しての回答というのがもう自治省に上がってきておりますね。それに対しては全部掌握なすっていますね。いかがですか。
○浜田説明員 いろいろな形で上がってきております。
○土井分科員 それについて一つお尋ねしたいことがございます。 これは大蔵委員会じゃございませんで、地方行政委員会の場所での質疑応答の中の自治省からお答えになった部分で、「グリーンカード制度の実施に関連いたしまして住民の異動情報を国税当局に通報する、連絡するという件について、実はこの制度の立法化の段階で情報の提供を市町村に義務づけるという意見もありました。まさに機関委任事務のような形での立法措置を講ずべきではないかという意見もありましたけれども、私どもはこれに反対いたしまして、」云々という意見が答弁として述べられているのですね。自治省としてはなぜこれに反対なさるというお立場なんですか。反対というお立場をおとりになる、その反対の理由をぜひ聞かしていただきたいです。
○浜田説明員 利子配当等の総合課税というのは、国税、地方税を通ずる税負担の適正化を図るための措置でございまして、また、その所要の地方税源を確保するという見地から地方団体にとっても必要なんだという前提に立っておりますので、機関委任事務という方式をとることについて、それをとるべきでないという立場に立ったわけでございます。
○土井分科員 たとえば住民情報のいろいろな取扱責任というのは自治体にあるわけでありますけれども、自治体の中には現にプライバシー保護条例というのをつくっている自治体があるわけですね。そういう自治体からすると、住民異動通知に協力できないという向きがその条例の中で考えられてくるということも、現実の問題として起こり得ると思うのです。そういうときにはどういうふうな判断をなさいますか。
○浜田説明員 プライバシー保護という保護のための条例がある団体があることも事実でありますが、今回の件につきましてその条例に抵触するようなものが出てくるかどうかということについては、私どもはそういうことはないのではないかと思っております。
○土井分科員 ないのではないかと思っているとおっしゃっても、現実、理屈の上では考えられるわけですからね。そういうことに対してはどういうふうにお考えになるかということは、承る意味は十二分にあると思うのですよ。どういうふうにお考えになりますか。
○浜田説明員 ただいまもお答え申しましたとおり、プライバシーの保護について、私どもは問題が生ずることはないと考えておるわけでございますが、今後のこの制度の運用の問題につきまして具体的な検討に当たりましては、そういった点につきましても十分考慮をいたしてまいりたいと考えております。
○土井分科員 どういうふうに考慮なさるのですか。現に私は、自治体は自治というものを尊重するという立場をあくまで貫いてもらいたいと考えている一人なんですよ。そういう立場から見ますと、今回自治体レベルから上がってきているいろいろな回答例というのを見てまいりますと、たとえば通報義務というものに対して、いまのままでは自治体によっていろいろ差があるだろう、差があるということでは十全たる効果を予期し得ないから、これに対して法制化というものをつくっていく必要があるのではないかというような声がちらちら聞こえたりするわけですよ。それの一つの例として、いま申し上げたように、プライバシー保護条例を持っている自治体からすると、これはやはり協力しようにも協力しにくいというふうな条件がその自治体にとってはあるのではないかというふうなことも内容としてここで申し述べられてあるわけであります。 だから、そういうことからすると、現にそういうことはございませんとか、そんなことは起こり得るはずもないというふうにおっしゃっても、自治体それ自身がそういうことに対して心配しているのですから、どういうふうに自治省自身がお考えになっていらっしゃるかというのはぜひ聞きたいところであります。どういうふうに思いますか。
○浜田説明員 具体的に今回の協力する内容の問題は、住民等の異動情報に関する協力というのでございまして、現段階におきましては、住民基本台帳に記載されております住所、氏名等の異動状況で個人の秘密に属さないものについて把握をいたしまして協力をするということでございますので、基本的にそのプライバシー保護の問題について私ども問題が生ずるとは考えておらないわけでございますけれども、なお、いま申しましたとおり遺憾のないように対処したいということでございます。
○土井分科員 遺憾のないように対処する方法としてはどういうことを考えていらっしゃいますか。
○浜田説明員 国税当局あるいは当該市町村との関係におきまして、そういった問題はないと私どもは考えておるわけでございますけれども、なお、関係の当局にそういったプライバシーの侵害が生じないようなことは申し上げておきたいと思っております。
○土井分科員 侵害がないように申し上げて済む問題だったら、それは苦労はないですよ。なぜ自治省としては自治体にこういう問題についてお尋ねになり、そしてそれぞれの自治体の立場というものをお聞き取りになったかというところが、実はいろいろ問題があるからじゃないですか。自治体自身の業務の中で、これは国税庁にそういう通告をするということが、業務の中に持っているそのプライバシーということに対して侵害にわたる可能性というものがなくはないから、これは問題になっているのでしょう、わざわざお尋ねになっている中身としては。だから、全くそういうことはございませんとか、取り扱う業務について、大丈夫です、家族の中身がどういうふうに異動するかということだけを問題にするわけでありますからというふうなことで済む問題じゃないと思うのです。自治省、もう一度それについての御答弁を いただきたいと思います。
○浜田説明員 具体的なこの協力の内容につきまして、それをどういうふうに運営していくのかということについて各種の観点から御質問をいたしているわけでございまして、私どもといたしましては、いま申しておりますように、この問題でプライバシーの保護について問題が生ずるとは考えておらないわけでございます。
○土井分科員 たださらに、それじゃ自治体の中からは、行政協力による情報提供に問題がないと いうことをひとつしっかり明らかにしてもらいたい、そういうことから行政指導あるいは通達というふうなことを具体的にはっきりしてもらいたいというふうな声も上がっているというのはどういうわけですか。
○浜田説明員 そういったものにつきまして、どういう観点からの意見かということについてさらに整理してみる必要があるかと思いますけれども、要は、具体的な進め方についての技術的な問題についていろいろ御意見をお聞きしているということでございます。
○土井分科員 それは、だてにお金を使っていろいろ意見を聞くにすぎないような中身では、どうもなさそうですね。 そこで、自治省の方からいろいろそれに関係をする文書を出されている中に、「住民記録に係る事務を電子計算機を使用して行っている市町村にあっては、関係税務署と協議のうえ、異動事項を電子計算機により出力した帳票により提供することができる」というところがあるのですが、これはまさか、関係税務署は自治体に対して必ず電子計算機にかけろというふうなことを要求なすっているはずはないと思われますけれども、こういうことはないでしょうね。どうでしょうか、大蔵省。
○小山(昭)政府委員 そのような事実はございません。
○土井分科員 ところが、自治体の中では、これに向けて多額の経費を使って、どんどんコンピューター化が進んでいっているのです。そして、自治体の中には当惑している自治体もあるのです。わざわざこれのためにコンピューター化を進めなければならない、どういうことになるかまことに不安だ、そういうことに対して渡辺大蔵大臣、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○渡辺国務大臣 私の報告を聞いておるところでは、コンピューターを入れなさいというようなことは言っておらない。市町村の事務の実情を調査をして、市町村窓口における円滑な事務処理が図られるよう、今後とも関係機関と協議をさせてもらいたいと思います。
○土井分科員 しかし、グリーンカード制の実施ということは、やはりそれはそれぞれの窓口においては、円滑な事務とおっしゃいますけれども、コンピューターシステムというものを考えていらっしゃるわけですから、そういうことからすると、円滑な事務というのは、つまりコンピューターシステムによる事務ということに考えられる。これはそうならざるを得ないんじゃないですか。
○小山(昭)政府委員 実務について若干お答えいたしますが、私どもは、自治体の御協力をいただきまして資料をいただきましたならば、それはコンピューターによる資料でなくて結構なんでございまして、私どもの方の税務署におきまして、たとえばアルバイトを使うとか私どもの職員がそれを一部するとかいたしまして、これを入力して改めて朝霞のセンターに送る、こういうことになりますので、決して自治体の方からその段階でコンピューター化をしていただくというようなことをお願いしているわけではございません。
○土井分科員 しかし、朝霞のセンターでファイルされるのは、集約的にはコンピューターシステムによるファイルがそこでなされるというかっこうになるわけでしょう。
○小山(昭)政府委員 朝霞のコンピューターセンターにおきましては、御指摘のとおり、最終的にコンピューターによって入力された情報、つまり住所、氏名、さらには金融機関ごとの少額貯蓄等の利用の限度額、それが入力されるわけでございます。
○土井分科員 これにはいろいろ問題点がたくさんありますけれども、もう時間の方がそれを許してくれませんから、大蔵大臣にこれ自身ちょっとお伺いをしたいのですけれども、学識経験者の中にも、納税者に納税調査資料の閲覧請求権や誤記訂正請求権というのを認めるというのは基本的な問題だ、集録されている、コンピューターに蓄積されている資料については、本人がそのことを要求すれば本人に対して開示することを認めるのが当然のことであるということを述べている人たちが多いわけであります。これは当然だと私は思うのですがね。こういうことに対してはどういう道が開かれているのですか。
○矢澤政府委員 グリーンカード制度は、御承知のようにコンピューターに入っているデータ、つまり枠でございますが、それはまたお持ちになっているグリーンカードの手帳にも書かれているわけでございますから、開示を求めるまでもなく、御本人はその総枠を把握しているという状況になっております。
○土井分科員 それは国民の方からしたら、全く政治が大丈夫というときならいざ知らず、いまいろいろな不正がもう山ほどあるのです。汚職も山ほどあるのです。それからコンピューターについての犯罪が山ほどあるのです。それが個人が行うのじゃなくて国が管理するわけですから、国によってコンピューターの誤用だとかコンピューター犯罪が行われた場合、どうなるんですか。また、これはいろいろな記載についても、誤記の場合、そのことによって納税者は不測の損害を受けるというおそれもあるのですよ。だから、それについて公開を請求したときに拒否するいわれなんてないじゃないですか。御本人が持っているのと同じだからというのは、それはここでの言いわけにだけなるわけでありまして、本人から請求されたときにはそれに対して開示するということの道を開いておいていいと思いますけれどもね。当然のことだと思いますね。これは大蔵大臣、いかがでございますか。
○小山(昭)政府委員 先ほど主税局の審議官が御答弁いたしましたとおり、御本人はコンピューターセンターに入力されているものと全く同じ情報を御自分でお持ちになっているわけでございますから、その間の差異は絶対生じないわけでございまして、また、そういった入力そのほかの手違いがないように私どもとしては万全を期して対処いたしたい、こういうふうに考えておりますので、その点は大丈夫でございます。
○土井分科員 国民の基本的人権の一つとして、知る権利というのがあるのです。自分自身のことに対してどのようにそれが掌握されているかということを知ることすらできないわけでありますか、先ほどからの御答弁だと。これはやはり、もし誤った記載があった場合には、その訂正を求める道というものを開いておく必要が絶対にありますよ。納税者が自分に関する納税調査資料の閲覧すらできないなんて、こんなばかな話はないのです。大蔵大臣、どうでございますか。お役人の意見はもう要らない。大臣、いかがですか。
○渡辺国務大臣 これはコンピューターに入れてその人の財産を調べるのではございません。要するに、その人が自分が三百万円非課税という無税の登録をした場合、三百万を超えて貯金がなされて、間違ってすることもあるでしょう、そういうような場合にはそれ以上のものは総合課税になりますというだけのことでございまして、全部の財産をコンピューターではじくのではなくて、三百万をオーバーした分だけが、総合課税でその分だけが支払い調書になるというだけでございます。
○土井分科員 そういう説明を聞いているわけではないんで、いま言っているのは全然違う。納税者の方からすれば、納税について納税者の権利があると思うのですね。納税の義務というものは国民に対してあるわけでありますけれども、納税者にしてみると、自分に関する納税調査資料というものに対してやはり知るという権利があるのですよ。どうでしょう。そのことについての閲覧を求めたときには、これは認めるというのは当然じゃないですか。これは単純なことですよ、大蔵大臣。どうですか。いや本当にもういいですよ、お役人は。
○渡辺国務大臣 これはきわめて技術的な問題なんで、それは私もよくわからぬので、技術の専門家の方に答弁をさせますから。
○土井分科員 技術的なことについてはお役人以上は大蔵大臣なんだ、実は税務については。そして、実際問題こういうことについては、それはそういうことの技術を心得ているか、心得ていないかの問題ではないのです。私の言っているのはもっと基本的なことです。そういうことが技術云々によって押しつぶされるようなことがあっては、これは不公正税制を是正することにはなりませんよということを言っているのです。不公正是正ということでこれは出発した問題でしょう。そのとおりの所期の目的を達しなければならぬですよ。
○矢澤政府委員 まず一つの点でございますが、課税資料であるかどうかという点でございますが、私はこれは課税資料というようなものではないと思います。これはつまり、非課税の利子、特典を認める以上、当然ある限度内で認められなければならないものでございまして、たびたび申し上げているように、入れ物だけ登録していただいている、それはいまと全く変わりません。ただいまは手で集計をしているところがコンピューターになるというだけでございますから、コンピューターが入ったことによってより正確になるではないかという点はわかりますけれども、それは入れ物だけであって、中身は全く関知してないというところをひとつ御理解いただいた上で御議論を進めたいと思います。
○砂田主査 土井君、時間が超過しております。
○土井分科員 時間がもう過ぎたんですね、わかっています。非常に大事な問題をあと一つだけ聞いて終わりにしたいと思います。 物すごく多額の費用をこれは使うわけですから、自治体の方だって、これに使われるお金というのは大変なものです。それからまた、この後いろいろそのコンピューターに対してはよそに委託するとか、それから外に出して仕事について委任するとかいうふうな問題もあったりしますから、非常にややこしい問題がかなり出てくるんですけれども、あと一問、これはぜひ大蔵大臣に聞いておいていただきたいのは、情報の一元化ということを諸官庁について常によく問題にされますね。今回のグリーンカード制によって集約された情報というのは他省庁に流れることはないという保証はどういうことになっていますか。
○矢澤政府委員 全くございません。今回の法律の中で、カード及びその記載事項については国税に関する事務以外の目的に利用することを禁止するという規定が設けられておりますし、さらに、カードの交付事務に携わる国税職員の守秘義務違反に対しましては、一般の国家公務員の守秘義務違反よりも重い罰則が設けられているということで、十分の担保を講じております。
○土井分科員 そう言われるだろうと思ったのです。国税に関する事務というのは、聞いてみたら範囲が広いんですよ。したがって、最後に大蔵大臣、この問題は他省庁にそういうことが利用されないということに対しての決め手を、ひとつはっきり聞かせておいてください。
○渡辺国務大臣 他省庁に利用されることはございません。
○砂田主査 これにて土井たか子君の質疑は終わりました。 次に、田中昭二君。 〔主査退席、宮下主査代理着席〕
○田中(昭)分科員 大臣、大分肩もおこりになったと思いますから、一般的な肩のこらない問題から先に。 大蔵省は税の収納ということで、そういうことじゃなくても一般的にも適正、公平ということは大事なことでございますが、社会秩序の上からも特に政治におきましては公平だというのは本当に基盤であろう、こういうふうに思います。その公平を一番求められる税の収納ということで大変皆さんが御苦労なさっておるということはわかるわけでございますが、せっかく苦労して公平に努めておりながら、それが不公平の方向に走っておるとすれば問題であろう、こういう提起をするわけです。大臣の所信をお聞きしたい。
○渡辺国務大臣 公平な……(田中(昭)分科員「政治の中で進んでおらぬか」と呼ぶ)税の公平を確保する方向に進んでおるわけです。
○田中(昭)分科員 いや、大臣、それは知った上でそういうことを言っていいんでしょうか。不公平の方向に進んでおる、不公平感が増長しておるから、いまの減税の問題でもすべての問題が一番問題になっておる。いまから先の時代に大きな歳出を、行政サービスをしなければならない、それをどうしてみんなで負担をするかという中で、不公平感が増長してないとおっしゃったけれども、それじゃ幾つもありますけれども、一つだけ申し上げましょう。 税の問題で総理府が税の意識調査、世論調査をやっていますね。御存じだと思います。私が国会に来てからだけでも、もう四回も行われています。その四回は、最初は四十五年、四十六年、五十四年、五十六年、昨年のものが新聞等にも報道されまして、不公平というのが七三%、わからないというのを除けば、わかったものだけで見れば九〇%は不公平感があると言っているじゃないですか。これを五十四、四十六、四十五とさかのぼりますと、そのときはまだ少なかったのですよ。ずっとふえてきているのです。 私は、税のことではいつも適正課税をしますからというようなことで引き下がっております。それはむずかしいことはわかります。しかし、こういうふうに政治問題にまでなるように不公平がふえてきているという事実があることを指摘しておきたいのです。これをお認めになりますか。
○渡辺国務大臣 私といたしましては、不公平という感じがあるというのは、一つは実態がよくわからないということのために、聞けばなるほど不、公平じゃないんだなということはわかるけれども、わからないために不公平だと思い込んでいる人もある。現実問題としてそういう調査が出るとすれば、そういう人たちにはそれがよくわからぬということじゃないかと私は思います。全体の流れとしては公平にするようにみんな歩調を合わせてやっておるわけです。租税特別措置の整理もそうだし、いまいろいろなおしかりを受けたコンピューターの問題にしても、分離課税だけで割り切っていればいいんだけれども、しかし、それでは高額所得者との関係のバランスがとれない、だから莫大な金をかけても不公正をなくすように、そういう手続をやろうということをやっておるわけです。その結果大した税収にはならぬ、しかし、ならぬけれども、不公平感をなくすためにはそういうことも必要だというために金をかけているわけです。
○田中(昭)分科員 あなたは、いま大蔵大臣を二期勤めて、その立場だけでおっしゃるけれども、国民はそうじゃないですよ。実際に総理府が調べた意識調査を、あなたがそうおっしゃるのであれば、一応私の方から指摘だけしておきます。 四十五年は別にして、四十六年は四七%から五七%税金が苦痛だ、不公平がある、そういう調査です。五十四年はもうはっきりしているのですよ。脱税しなかったらまだ安くなるだろう、不公平だ、これが六〇%から七〇%なんだ。その内容として税金が高いと思う人は五八%から六八%、安いという人は一%しかいない。そして、去年実態調査してことし発表になったクロヨンとかなんとか言われているその不公平感というのは、何と九〇%もある、こういうことなんです。 それから大臣、その反面脱税は一つも減りゃしないじゃないですか、大型脱税が。そして政治家へ流れると言われます大企業の使途不明金、これも減らないじゃないですか。そういう実態が公表されれば、何で国民が公平になっていると思いますか。 では最後に、あなた一昨年五十五年の予算のときですか、あなた自体が予算委員会で大見得を切っていろんなことを言われた。国民は公平感を持って、その後あなたずっと講演なさって大変国民から共感を受けた。あの中の一つも、あなたが指摘した不公平の是正じゃなかったですか。医療問題にしろ、挙げれば幾らでもありますよ。うなずいておるから大体わかっておるけれども、私みたいなものに対しては本当に失礼なことをおっしゃる。だけれども、そういうことをおっしゃっておると政治が国民から本当にしっぺ返しを受けますよ。だから、用意してきたけれども、そういうことであったら、あるものもないと言われるのだったらしようがないから、抜かします。 あなたは、五十五年の予算委員会ですか、医療保険の問題で大変演説されて、そしてそれを実行されて、いままでのようなことじゃいかぬ、医療に金をかけて国民が損をする、税金を使って国民の健康はかえって悪くなっている、それで今度、警察ですか大蔵省ですか、どこか三者で監視体制をつくってやりなさい。それを一遍私に教えてくださいよ。それは公表されてないようだから。大臣うなずいておられるようですから、そういう実態があればあなたが言ったことによって公平が保たれてきたのですから、後でいいですから私に報告してください。これにはもう触れませんから。 そこで、国民から見れば政府並びに政府機関の中にも不公平が目に余る、こういう指摘があるのです。だからこれは、国民がいま思っておるいろいろなことから、常識的にマクロ的に話として大臣にしてもらえばいいと思うのです。 私の方から指摘しましょう。あなたが指摘した電電公社、黒字だということで納付金。電電公社は黒字は黒字でしょうけれども、四千八百億円納付させるのでしょう。三十万人の職員が一生懸命働いてそれで黒字になった、それで四千八百億円国に吸い上げる。その反面、むだがいっぱいあって、ことしの予算委員会でも仕事する者も三分の二でいいと言われた赤字の国鉄、あの破産状態の当事者能力をなくしたような国鉄に一般会計、国民の税金から幾ら助成してますか。約七千三百億。その上毎年運賃値上げ。こんな状態を国民が聞いておって、国民から見ればこんなに政府機関の中に不公平を残しているのが現実じゃないですか。これはどう思いますか。
○渡辺国務大臣 それは御指摘のとおりでございます。
○田中(昭)分科員 都合の悪いことは簡単に御指摘のとおり……。指摘されたら、それを本気になって考えなきゃいけませんよ。 それじゃ、余り簡単ですから、次に移ります。 国有財産についてでございますが、大変国有財産が放置されておる、国民から見ると本当にけしからぬ、こういうことでございますが、まず、国有財産の中で土地を取り上げましょう。土地が五十五年末で面積が幾らあって、金額は幾らになっていますか。
○小幡政府委員 お答え申し上げます。 国有財産の土地についてでございますが、五十六年の三月末現在におきまして、面積といたしましては八百九十七億平方メートル、台帳価額にいたしまして十兆四千六百五十億円ということになっております。
○田中(昭)分科員 いま土地だけを取り上げたのですが、こういう膨大な、八百九十七億平方メートル、帳面の価額が十兆四千億あるそうです。これが大変むだな使い方をされておる、効率のいい利用がなされてないということを述べれば、これだけでまた何時間とかかりますよ。なぜかと言えば、行管庁の指摘だけでも四十二年と四十七年と二回あります。国有財産がむだで効率よく使用されてない、何とかしなさい、こういう勧告、指摘が行管庁からだけでも二回あった。それに対して大蔵省は、全部読むのは時間がありませんけれども、あなたの勧告に沿うように適正な運営に努めます、そして大規模な未利用地等の利用計画は今後とも十分配慮し、実効が期せられるように努めます、こういうふうに言っている。そういう行管庁の勧告をどう受けとめたか。それでそうなったかどうか。これはお役人の方からで結構ですから、簡単に言ってください。
○小幡政府委員 私どもの方といたしましては、国有財産の適正な管理並びにその処分ということに努めておるわけでございまして、行政管理庁あるいは会計検査院等におきましても、それぞれの時期におきましていろいろ御指摘があるわけでございます。 国有財産といいますと、各省各庁がその用に供しておりますところの行政財産、それからそれ以外の普通財産というのがあるわけでございますが……(田中(昭)分科員「そういうことを聞いているのじゃない」と呼ぶ)それぞれにつきまして私どもといたしましてはその適正な管理運営ということに努力しておるわけでございまして、今後ともさらに努力を続けてまいりたいというふうに思っております。
○田中(昭)分科員 大臣、いいですか、もう大ざっぱな話でいいですから。四十二年に指摘されて、これは大蔵省だけじゃないですよ、各省庁ですよ。余りにも直らないから、見かねて行管庁がまた四十七年に勧告した。二回したということは進まないということなんです。それで、先ほど言ったように、税金をどんどん取らなきゃならない、それで行政機構大きくなった、だから財政再建と行政改革が出てきた。どうしようもないから、行管庁も仕事がないというわけにはいかぬですから、去年のちょうどいまごろですか、新聞記事もありますように、特殊法人資産云々とか国有財産、これを要約しますと、国有財産に公社公団等特殊法人の所有する土地全体を対象に監察のメスを入れる、これはもう行管の最後通告みたいなものですよ。そういう意味で言っているのです。そして、土地を有効に利用しつつ売却、賃貸、などで財政再建に寄与したい、そのとおりだろうと思うのです。これは、そういうことがあったことは御存じでしょう。大臣、受けとめておられますか。
○小幡政府委員 行政管理庁におきましても、ただいま先生お話ございましたような公社公団あるいは国有財産全般につきまして、その効率的な使用というものについての関心を非常に高くして、行政管理庁の立場でもいろいろ監察をするということをやっておられますし、私ども大蔵省といたしましても、国有財産法の立場から、この各省各庁の財産につきましての有効使用を求めておるわけでございます。
○田中(昭)分科員 違う答弁を長々とこの時間のないところでしてもらっては困りますよ。私が言っているのは、大臣、行管としてはもうどうしようもなくて、最後通告のような気持ちで行政財産も特殊法人も全部含めて土地にメスを入れて、そして財政再建に寄与したい、こう言っているのです。それはわかりましょう。——大臣お答えにならないから、次に移りましょう。 ところが、この行管の指摘、調査にも、いまそれは簡単なやつは出たんですが、大物でどうにもならない隠し財産みたいな、これは私、言葉が違うかもしれません、出ていないから。大蔵省も行管の昨年の調査でもその調整でどうしようもなくて、関係部局ではその調整に暇取っているのです。出ないのです。これは本当は去年の七月に間に合わせたかったのです。たまたま余りにも目に余る先ほどの国鉄だけ出たんです。国鉄は余りにも目に余って、世間の目もあるものだからこういうのが出ている。 もう土地に関係して要点だけ申し上げます。この中に国鉄が、これは日本国有鉄道監督行政監察の結果報告ですが、これによりますと、国鉄は五十五年から六十年までに五千億売却します、こう言ったのです。これは行管が去年何カ月かでぽっぽと指摘したら、その国鉄が挙げている資産以外に千八百四十億もありますよという指摘が入っているのです。何事ですか。何で国有財産を、国鉄というのはもともと国有財産ですよ、公社になる前は。私は千八百四十億、行管が指摘した数字はそれだけでも本当とは思いませんよ。まだ五倍も六倍もあるかもしれない。 続けて、そのヒントだけ言っておきましょう。私の地元は福岡ですが、福岡には、ここに新聞記事があります。「のんきな話国鉄さん 幽霊名儀で四十三年」、国鉄の名義になっておらぬものが、鉄道敷地の中に幾つもあるのですよ。私が十年前に指摘して、国鉄の用地の中に個人の土地があったのを返させたのですよ。こういうものがあったり、それからまた福岡の真ん中に宿舎用地といって、これも何十年と放置したままです。坪何百万円とするところですよ。だから、行管はたまらないからこういう指摘をしたのです。ところが、各省幾つもあって、それを統括している大蔵省も、こういう問題を行管と大蔵省でいま調整されて、手に負えないものだから発表できない。そういうこと大蔵大臣、聞いてないですか。——いや、大蔵大臣が聞いているかいないか。
○渡辺国務大臣 余り詳しい具体的な問題は聞いておりませんが、それは事務当局で全部処置をいたしております。
○田中(昭)分科員 事務当局は、大蔵大臣にそんな大事な問題をいいかげんに報告しておるということは、どういうことなんです。これはあなたの責任問題になりますよ。
○小幡政府委員 ただいま先生御指摘になりましたことは、行政管理庁の方で各省の行政財産についていろいろと行政監察をしておられるという話は、私どもも承っております。 行政財産というものはどういうことかということを申し上げますと、これは各省各庁がその財産を行政事務のために管理運用しておるわけでございまして、行政管理庁がそれぞれの各省各庁に対して監察をし……(田中(昭)分科員「国有財産の内容を聞いているのじゃない」と呼ぶ)その各省各庁といろいろと監察をした内容につきましてお話し合いをしておられるというふうに伺っております。
○田中(昭)分科員 厳しい声になってしまったので、今度少し愉快な話をしましょう。 経企庁の経済研究所というところで調べました中に、土地の資産、日本全国の国土を調べたのがあるのですが、いま八百九十七億平方メートルの土地がある。そして日本の国土というのは、アメリカの国土面積の二十五分の一ぐらいになるそうですね。その日本の国土資産の数字が出ているのがあるのですが、五十年で見ても、日本の二十五倍もあるアメリカの資産と大体同じ価額になるそうです。日本の国土全体、これは新聞にも出ておるし、研究所でも発表してます。 一つおもしろい話として聞いておいてもらいたいのだが、先ほど言った国土資産の価額が五十年当時で四百兆近い。それがこの五十五年末で約七百兆です。そうすると、国有財産の土地というのは八百九十七億平方メートルだから、全国土の大体四分の一あるわけです。そうすると、七百兆の四分の一ということになるわけですから、まあ百八十兆近くになる。この百八十兆ある国有財産は、突き詰めて言えば、主権在民の国であればもともとは国民のものでしょう。これと、よく大臣は国民から借金しておるという国債発行高を言われます。この五十五年までの残高は、およそでいいですが幾らでしたかね。
○渡辺国務大臣 五十六年度末が八十二兆、五十七年度末が九十三兆だから……。
○田中(昭)分科員 まあ八十兆そこそこだという、そういう大枠の話でいいでしょう。 そこで、いつも大臣が国民に向かって話されるときに、八十兆円の国債残高が大変なんだと言う。そうすると、私はどうも大臣がおっしゃる国民から借金をしているという借金論は、この百八十兆円もある土地だけで、こういうものと比較すると、どうも数字の魔術にひっかかったような気持ちがするのですがね。これはバランスシート、財産目録から言えば、土地だけで百八十兆からあるならば、借金を八十兆ぐらいしておっても何てことないじゃないですか。どうですか。
○渡辺国務大臣 その土地は、もちろん富士山から始まって林野から何から、国有財産全部入るわけです。ですから、計算上そういう数字になるということだと思います。
○田中(昭)分科員 時間がありませんから、次の問題に入ります。 先ほどから問題になっておりますグリーンカードですが、私はちょっと角度を変えて聞いてみたいと思うのです。 これは余り評判がよくないですね。こんなことはいっそやめた方がいいんじゃないかという内容のことも、大分最近新聞に出る。それはやはりいろいろな問題があるからだと思うのです。私が聞いておるのでは、金の売れ行きがいいというようなことを聞いております。そういうことも関係あろうと思いますが、どういうことがこの問題で起こっているかを掌握していれば、簡単に教えてください。
○矢澤政府委員 一つの問題は、これは私どものPRが不足していたと反省をいたしておりますけれども、グリーンカードによっておばあちゃんのへそくりまでみんなわかってしまうんじゃないかという問題でございます。これは先生もうすでに御承知のように、いままでどおり枠だけしか税務署には来ないわけでございます。しかも、その枠の中で中身が幾らあるかなんて、一々調べているわけにいきませんので、これは従来と全く同様でございます。
○田中(昭)分科員 私、そういうことを言っているんじゃないんだよ、大臣。 これは新聞等にも出ております。金融機関がこのグリーンカードのためにいまどういうことをやっているか。物すごい預金争奪戦ですよ。金の輸入でも、去年の十一月のあれで言えば五倍ふえたというのですから。ソ連からの輸入だけでも十何倍ふえている。これ全部グリーンカードの対応で出てきた状況だと新聞で言われているのです。その辺のサラリーマンが金を買いに行くんだ。もちろん大きなものを持っている人は、また買いに行くでしょう。グリーンカードをやっても何にもならぬのだ。その証拠に、これは課税当局でも評判悪いですね、こんなことをやったって何にもならぬと。 それから、こういうことが起こっているのです。グリーンカードの関係だろう、まだ断定はしておりませんけれども、「百円口座一カ月問に千件も 福岡市内の十七金融機関に」こういう見出しなんです。これがここにいま出ていますよ。それぞれ金融機関の苦情、それから国税局の担当もこういうことじゃ困ると。ただ、私が心配するのは、これが犯罪の可能性もないとは言えない。福岡県警が調べているのです。警察庁来ておりましたら、これを調べていることは事実でしょうか、それだけ答えてください。
○仲村説明員 去年の末に、金融機関あるいは銀行協会の方から、こういうケースがあるという相談を受けております。それについて、一応相談は受けましたけれども、その内容についてはまだ詳しく調査が進んでいるという段階ではございません。
○田中(昭)分科員 そういうことが起こっているのです、大臣。よく聞いておかないといけないですよ。百円口座で一カ月間に千件も口座ができたというのです。ある銀行では、一行だけで六百もできたと言っているのです。こういうことだから経済の混乱と庶民いじめになるということを、いま政治家の大物の方が言っておられる。自民党の中にもそういう方がおられるでしょう。そういう経済混乱と、罪人まで場合によってはつくらなければならぬ。課税当局もこういうしり抜けのものではどうしようもないと言ったものを、大臣、強行されますか。大臣、どうですか。
○矢澤政府委員 ちょっと一言。庶民との関係でございますが、一世帯当たりの平均の貯蓄残高、いま四百七十万円、この中には生命保険も入っております。それで非課税貯蓄の枠は一人九百万円、四人いらっしゃれば三千六百万円でございますから、一般の庶民の方には、すべて非課税貯蓄の中におさまっておるわけでございまして、しかも残高はわからない、たびたび申し上げているとおりでございますから、全く関係ございません。したがいまして、ごく一部の大変にお金を持っている方の問題でございます。
○田中(昭)分科員 聞いてないことはしゃべらぬように言ってくださいよ。私は大臣に……
○宮下主査代理 重点的、簡潔にお願いします。
○田中(昭)分科員 大臣、もう少しちゃんと答弁しないといけませんよ。
○渡辺国務大臣 グリーンカードの実施は、予定どおり実行するつもりでございます。
○田中(昭)分科員 あなたは一昨日、うちの党の議員が質問したことで、何か税率構造の改正によって減税を云々というようなことが新聞報道されております。これは真意は何ですか。
○渡辺国務大臣 これは私が就任以来言っておることでございまして、新しい話ではございません。グリーンカードを実施をして総合課税にするという段階においては、税率構造全体の見直しも必要であろう、区分の見直しも必要であろう、それから資産合算等の問題も現在の制度は非常におかしい、したがって、そういうようなものを一度見直すことが必要ではないかということを申し上げたわけでございます。
○田中(昭)分科員 いや、何か所得税減税もするのであればできるようなことも言われたように聞いておりますね。それから、何かきのうは税制調査会の会長さんが、大臣の言っていることはちょっとおかしい、大臣の税率の構造云々、それを減税に結びつけることはおかしい。ということは、高額所得者を優遇するというような意味だろうと私はとった。それで税調会長としては、減税の問題、いまこれだけ減税が問題になっていますから、やはりそれじゃなくて課税最低限を上げるべきである、新聞報道には課税最低限はもういま上げなければどうしようもない、据え置くのは忍びない、こう言っているのです。これはどうですか。
○渡辺国務大臣 私といたしましても、国際比較から見て日本の方が所得税は割り安なんです。これは明らかでございます。しかしながら、五年間も据え置いているということのために、月給は毎年上がりますが、その上がった率よりも税の値上がり率の方が多い、これも事実です。したがって、そこに重税感が出ておるということも事実でございます。そういう問題を含めまして、われわれよくわかっておるのです。わかっておりますが、問題は、歳出と歳入は見合ったものでございますから、歳入を減らせば歳出をどこか同じだけ減らさなければならぬ。一方、赤字国債の増発はいかぬとおしかりを受けているような状態であって、これも急いで赤字国債の発行を減額をするようにしなければならぬ。そういうような状態なので、全体的に見なければならぬ。ですから、五十七年度における減税はとてもできないということはかねがね申しておるところでございます。
○田中(昭)分科員 もう少し時間をいただきたいのだけれども、大体あなたが言ったことは、先ほど私、真意は何かと聞いた中にいまちょっと触れられましたが、現在のままで所得税、法人税等に依存するのは少し酷であるとか、それから減税案は出せない、歳出も切れない、しかし、歳出も切れる面がたくさんあると私は思うのだけれども、そこは議論できませんから減税案を出せないが、やるとすれば、抜本的な大がかりな発想の転換を図ったものを提示すべきである、こういうようにあなたは言われたらしい。それと、いまの税制調査会の小倉会長の言っていることが、どうも大型間接税と一般消費税の抱き合わせで減税の財源に充てたい、穴埋めしたい、そういうことのようですがこのことはまた別な機会に議論をすることにしまして、委員長、時間が参りましたから、これで終わっておきます。
○宮下主査代理 これにて田中昭二君の質疑は終わりました。 次に、田島衞君。
○田島分科員 大蔵大臣にお伺いをいたします。 よくゼロシーリング、ゼロシーリング、こう言いますが、一体それは何を対象としての言葉なのか、わかり切ったことですけれども、ちょっとお答えをいただきたい。
○窪田政府委員 原則として予算を前年同額の範囲にとどめる。しかし、若干の例外を昨年は設けましたけれども、前年同額以上にはふやさない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田島分科員 答えは簡単にしてください、時間がないから。 そこで、いまのお答えにもあるとおり、いままでの予算の編成に当たってはいつも前年度予算額、前年度実績、言うならば前年度踏襲、こういう考え方をとってきたのです。それを改めるということはなかなか大変だとは思うけれども、財政の状況が今日のような状況で、しかも表には国民の圧倒的な減税への要求がある。こういう時点で考えた場合に、もうそろそろ予算の編成の手法を抜本的に改善することぐらい当局は考えてもいいんじゃないかと思いますけれども、その点どうでしょうか。
○窪田政府委員 全く御指摘のとおりだと思います。特に最近はスクラップ・アンド・ビルドとか、そういう手法、考え方でやっております。
○田島分科員 御指摘のとおりだというお答えならば、ぜひそういうふうに実行をいち早くしてほしいと思うのです。ということは、私が言うまでもないと思うけれども、いままでのような予算の編成手法、前年度踏襲主義でやっていますと、なまじまじめに節減をしたり的確な予算の要求をしたりすると、額が前年度より非常に落ち込むと、もう次年度に予算要求するときにばっさりやられるというおそれがあるものだから、無理やりに前年度の予算を落とさないように使うというか、そういう予算の編成をする嫌いが多分にあるわけです。これは私が言わなくても、大臣を初め大蔵当局が知り過ぎるほど知っていることだと思うのです。 たとえば表を歩いたって、四・四半期に入ると、途端にあちこちの道路ががたがたとほじくり返されたり、仕事が猛然と始まってくる。これは何かというと、予算を消化しないと次の年度の予算要求に支障がある。言うならば、無理に金を使っているという現象が多分にあるわけです。こういう予算の編成の手法そのものを抜本的に変えることによって——いままで五十七年度予算についても、これは最善の予算だ、最善の予算だということを総理初め大蔵大臣もたびたび言われておるけれども、果たして最善の予算であるかどうか、まことに疑問に思うところ。 ということは、今回の五十七年度予算案も、やはり前年度踏襲主義でやっていることは間違いない。五十七年度に実際にどうしても必要なものはどれとどれとどれかということについて積算をしたものでないことは明らかだと思う。それでいて、これが最善の予算だと言うこと自体に、もうたるみがあるというか、まじめに取り組んでいないと言わざるを得ないと思うのですけれども、本当にこの予算編成の手法、予算の要求の裏面にあるところの、つまり下手な予算の要求をすると将来の予算要求にさわるということが影響されてないと、大臣にしても主計局次長さんにしても思いますか。
○窪田政府委員 特に、ことしのようなゼロシーリングではおっしゃるようなゆとりがなくなっておりまして、ゼロシーリングの中では当然ふえていく要素が片一方にあるわけですから全部をどうしても見直さざるを得ない、そういうことで御指摘のような方向で大いに五十七年度は努力をいたすつもりでございます。
○田島分科員 余り型にはまった答弁じゃなくて、もう少し真剣な答弁してみてください。私も、別に遊んでおもしろくて聞いているんじゃなくて、実際に財源がないものならもうやむを得ない。財源がないのに、やりようがないのに、減税をやれやれと言ったってそれは無理な話。言う方が無理だ。だから、そんな減税要求ならやめた方がいいと私も思うのです。だけれども、できるものならやはりやるべきです。できるかできないかということについて、真剣にお互いに論を闘わしてみたいと思うから言っているので、少なくとも私に関する限り余り月並みな答弁はやめてください。 たとえば最近の決算にあらわれた不当事項の概要というのを、これは私が言わなくても大蔵当局も知っておるのでしょうけれども、一つの例を五十四年度にとると、歳入で五件、十七億七千九百五十万円、歳出の方で百三十四件、二百十億八千百五十三万。その不当事項があらわれた検査の対象というのはどのくらいな対象かというと、これは会計検査院が明らかにしているところですけれども、検査対象の八%。だから、単純計算で言うことはできないかもしれませんけれども、ざっと単純計算で考えたって八%の検査をして合計二百二十八億の不当事項が出るとすれば、十倍以上のものがあるというのはそれは無理かもしれぬけれども、そう考えられてもやむを得ない。だから、それだけだって約三千億近い不当支出があるということじゃないですか。そうしたら三千億は切れるということじゃないですか。そんなものを入れておる予算が何が最善の予算だ、それこそ笑わせちゃいけないということになるんじゃないですか。 たとえば、そのうち補助金関係にしても、今度は一番最近の五十五年度、百十四件で二十五億八千六十四万、これだって補助金あたりは恐らく検査対象は約一%か二%ぐらいだと思うのですよ、重要部門じゃないから。もし一%だったとしたら、百倍したらどうなりますか、二千五百億あるんじゃないか。そういうでたらめな補助金の使い方をしている。それにもかかわらず、そういう補助金を配付している。それからまた、出張もしていないのに空出張あるいは超勤もやっていないのに空超勤、そんなものに金をばんばか出している。そういうことが現実に、八%検査しただけだって五十四年度二百二十八億ある。そうしたら、十倍としたら約三千億ある。だったら、減税財源ぐらい幾らだって出るじゃないですか、やろうと思ったら。こういう事実がありながら、現在の予算案は最善のものでございます、もう切り詰めようございません、ゼロシーリングでございます——そのゼロシーリングのもとになっているものがでたらめな部分があるとしたら、どうするのか。
○窪田政府委員 会計検査院に指摘を受けていることは大変残念でございますが、しかしそれだからといって、それだけゆとりがあるということには必ずしもならないと思います。予算の編成に当たっては、会計検査の結果も十分考慮して編成をしております。
○田島分科員 ゆとりのないところからどうしてそういう不当な支出ができるのですか。
○窪田政府委員 ですから、たまたまそういう法令違反とか積算が過大であるとか、いろいろ問題が結果として起こったことは大変残念に思っております。
○田島分科員 たまたまというのはどういうことですか。
○窪田政府委員 予算の大部分は適正に使われていると考えております。
○田島分科員 大部分が適正じゃお役目勤まらないでしょう。本当は一〇〇%でなければいけないんじゃないですか。もし大部分が適正だ、ある部分においては適正でないものがあるといったら、それをなぜ切らないのですか。
○窪田政府委員 大部分というのは取り消させていただきます。一〇〇%適正に執行をしているつもりでございます。結果として、そういうことが起こっているわけでございます。
○田島分科員 そうくるくる変わっちゃだめです。一〇〇%適正にやっているものが何でこういう不当支出ができる。
○窪田政府委員 会計検査院がよく検査をされましてこういうものが発見された。こういう前例が二度と起こらないように、私どもも各省とよく連絡をとって努力をいたしております。
○田島分科員 話はちょっと横へそれるようですけれども、これもまた、大蔵大臣だって大蔵省のおえら方だって皆さん御承知のことだと思うけれども、一つの省庁にたとえば不正不当事項がある、空出張、空超勤、そういうものがあるとしますと、それはその省庁だけということは絶対ないのですよ。官公労というのはそんな甘いものじゃない。一つの省庁だけにうまいことやらせて、指をくわえてうらやましいななんてながめている、そんな甘いものじゃない。全省庁に同じような徴候があると見なければならない。とすれば、この会計検査院の八%の検査の結果、二百二十八億というものが出てきたとすれば、まずその十倍以上、約三千億はあることは間違いないと思いませんか。
○窪田政府委員 会計検査院も検査の効率ということを考えられて、非常に問題のあるところを重点にやっておられると思いますので、直ちに何倍ということにはならないと思いますが……。
○田島分科員 ごまかしてはだめです。会計検査院は毎年同じところはやらない。会計検査院の限られた人員、能力の中ですから、順繰り順繰り、八%や八・四%ぐらいずつやっているのです。あなたの言うことは詭弁だ。絶対そんなことで通るわけがない。少なくとも私はそんなことで理解できない。もう一回訂正してください。
○窪田政府委員 御指摘をいただいたものだけに不当不正がとどまるとは思いません。しかし、それが単なる切り上げ計算でいいのかどうか、全体のそういう割合でそういうものがあらわれているという見方もあり得ると思います。
○田島分科員 いずれにしてもいま申し上げたとおり、官公労働組合のあり方というのは、一つの場所で何らかの不正不当な支出のやり方があったとする、そういう場合には必ず全般に同じようにあるものです。この点については大蔵大臣、どう思いますか。
○渡辺国務大臣 全般にあるとも思えませんが、いわゆるやみ給与とかああいうような問題については、それを見逃しておけばほかもまねするという傾向はあるでしょう。
○田島分科員 大蔵大臣は大変のどかで、官公労働組合の実態というのは知らないらしい。だから、どこかでやっていればまねするでしょうなんてのんきなことを言っていますけれども、どこかで先やってまねするなんていうことはないのです。絶対ない。やるときには、ほとんど一斉にやっているはずです。それでなければ通りません。労働組合なんてそんな甘いものじゃないです。 それからまた、そのことを大蔵大臣御本人はどうだか知りませんが、大蔵当局が知らないなんていうのはうそだよ。知らなかったら、そんな幹部はもうやめた方がいい。組合で一つの省庁でやったことは全省庁に同じような現象があるということがわからない、そんな間の抜けた幹部だったらやめた方がいいと思います。これは地方公共団体だって国だってどこだって同じ。それがわからぬと言うならば、本当にわからぬならやめた方がいいし、それから、わからないとうそをついているんだったらけしからぬ話だと思うのですよ。 いずれにしても、私はそのこと自体を責めているのじゃない。たとえ分科会といえども、われわれ野党側としてもそうだし、恐らく自民党さんの一部においてだってそういう意見があると思いますけれども、いまやまさに減税に対する要求というのは国民的な要求ですよね。だったらそれに対して、大臣を先頭に大蔵当局はできるかできないか、もう少し懸命になって数字を探してみるぐらいの覚悟があってしかるべきだと思う。何とかかんとか逃げちゃうなんて、そんなやり方ではまことに国民の信を裏切ることになる。 話は飛びますけれども、特例公債、大蔵大臣に改めて聞くことはないと思いますけれども、何で特例とくっついているのですか、教えてくださ い。
○窪田政府委員 日本の財政法四条では、公債は発行してはならない、しかしどうしても発行する場合には建設公債に限る、こういう原則がございますので、それに対する特例公債でございます。
○田島分科員 私もそう思う。そこで、本当はこういうものでなければいけない、だけれども特にこういう場合にはという、特に議会が認めたところのものが特例公債。確かに石油ショックのあの異常な経済事態の中で、その救済のために特例公債を発行したことは必ずしも誤りではないでしょう。だけれどもその特例公債を、石油ショックが直ってしまった後まで毎年毎年、だんだんだんだん額をふやし量をふやして発行したというのは、あくまでもこれは政府の責任であり大蔵当局の責任で、国民の責任ではないと思いますが、どうですか。
○窪田政府委員 これは今国会の大蔵大臣の財政演説でもありますが、わが国経済が安定成長へ円滑に移行するように、あるいは国民生活の安定が図られるように、税収の伸びは二倍でございますが、いろいろな施策は三倍、四倍と行ってきた、その結果でございます。
○田島分科員 どうも私の聞いていることと答えが食い違って、まあ答える立場に立てば余りまともに答えたんじゃまずいのでしょうけれども、素直な話、特例公債というのはせいぜい単年度か両年度ですよ。そうでしょう。専門家だってそう思うでしょう。それを歴年ずっと減らすならともかく、むしろふやして発行せざるを得なかった事情もあるだろうけれども発行したということは、これは国民の責任ではないでしょう。その点どうですか、大臣。
○渡辺国務大臣 まあ、一般の国民の責任ではないでしょう。
○田島分科員 一般の国民の責任ではない、これはやはり政府が一番大きな責任を持たなければならぬ、と同時に、その特例公債をよしとした議会側にも責任はあると私は思います。だから、議会側もその責任を負わなければならぬと思うけれども、その議会側も含めて政府、国会相ともに責任を感ずべきことであって、国民の責任に転嫁すべきものではないはずです。とすれば、その特例公債を何とか五十九年度までに消化しなければならぬ、ゼロにしなければならぬということのために、国民的要求である減税をだめだだめだと言うのは筋違いだと思うけれども、大蔵大臣どうですか。
○渡辺国務大臣 赤字国債を発行した陰には、やはり福祉も昭和四十八年元年だからもっと伸ばせ、文教政策にも力を入れろ、教科書無料もやれ、大学にもいっぱい補助金を出せという、要求の方が税収よりも上回ったということでございますから、それから考えると減税の問題も同じようなことでございまして、財源がなければ特例公債を発行してと言って、今度は政府だけが責任と言われても困る。したがって、われわれとしては、赤字国債を出して減税をするようなことは考えておりません。
○田島分科員 私が聞いたのは、特例公債の発行が一般国民の責任ではないとすれば、その特例公債、赤字国債を昭和五十九年度までにはきれいにゼロにしたいということを理由にして国民の要求に背を向けるということは、考え方としては間違いじゃないですかということを聞いているのですよ、できるできないの問題じゃなくて。
○渡辺国務大臣 国民の中に減税をしろという方があることも事実でございます。しかしながら、赤字国債を発行してまでしろ、つまり赤字……(田島分科員「そんなこと聞いていませんよ」と呼ぶ)いや、繰り延べるということは、これは要するに赤字国債の発行をふやすということですから。
○田島分科員 渡辺大臣ともあろうものが、私の言うことを横へそらさないでください。私は、国民が赤字公債をさらに発行してまで減税をしろと言っているのは筋じゃないかとは聞いていません。そうじゃなくて、赤字公債、要するに特例公債を、単年度か両年度でやめるべきものをやめずにどんどんふやしてしまったのは政府の責任、ついては議会の責任です。だから、その議会と政府との責任でこれを何とかきれいにするのは当然のことだけれども、だからといって、そのことのために現段階での国民の圧倒的な要望であるところの減税に背を向けるということは、考え方としてはおかしいのじゃないかということを言っているのです。特例公債を発行して減税しろと言っていませんよ。わかりますか。
○渡辺国務大臣 わかりますが、赤字国債はなるべく発行するなという国民の強い願望があるのも事実なんです。したがって、余裕財源があれば、私どもは赤字国債を発行しない方にむしろ優先的に回したいと思っています。
○田島分科員 剰余金があれば、その二分の一以上を公債の穴埋めに使わなければならぬということは私も知っています。それは、法律上もそういうふうに決められて要求されていることだから当然でしょう。くどいほど言ってきたように、国民が赤字公債を出せ出せと言ったわけじゃないのですよ。政府が借金してしまった方が楽だから、単年度か両年度でやめるべきものを引き続き借金借金で楽なやり方をしてきた。 もちろん、その楽なやり方の裏には、議会側が何にもこうしてやれ、あれにもこうしてやれと言って、甘いというか無理解というか、先のことを考えずに要求したことによることもあるかもしれません。だからこれは、政府だけの責任じゃないということは私も言っておるとおりでありますけれども、だからといってそれは国民の責任ではない。とすれば、そのことが大事だからといって減税については一切あれで、赤字国債を減らすのが先だよと言うことは当たらないのではないか。 なぜ私がそう言うかというと、大蔵大臣にしても大蔵当局にしても、減税にこたえようとすると赤字公債を減らすことができなくなりますときっと答えるだろうと思うのですけれども、私は赤字公債を減らすのをやめろと言っているんじゃないのですよ。それはそっちも減らさなければいかぬけれども、それを理由に減税はだめだと言うのはおかしい。なぜおかしいかというと、先ほど来言っておるように、行政経費の中にもちゃんと厳格にやって切れば切れる部分があるごとは、現に過去の事実の中にはっきりあらわれている。補助金にしてもあるいはまた会計検査院の指摘によるところの不当事項にしても、必ずしも単純計算というわけにいかぬかもしれぬけれども、単純計算で類推して一つの年度で補助金で三千億ぐらい、それから行政経費でも三千億ぐらいは浮くはずだという一つのデータがあるじゃないですか。それを考えれば、何も赤字公債を減らさなければならぬからという逃げ口上一点張りで減税に背を向ける必要はない。 こんなことを言うと補助金団体から怒られるかもしれませんけれども、二十四兆の補助金のうちの五%を抑えたって一兆二千億ぐらい出てくる。大蔵大臣なり総理大臣が至上命令で予算の配賦、四十九兆の予算の三%ぐらい何とか節約して残せよと言ったら、一兆や一兆二、三千億の金は出てくる。そうしたら借金を減らすことをやめなくても、ちゃんと国民の期待にこたえられるじゃないですか。 現にF4ファントムがどうとやらこうとやらで審議がとまる、とまったらどなたかが予算の一部の執行をとめると言う。しかもその予算は五十六年度の議決予算ですよ。どういう理由があって、どういう手段方法をとればとめられるのか知らぬけれども、私どもは無理だと思ったが、すでに議決された予算でさえとめると政府は言うわけですよ。だったら現在審議中の現年度予算の中で、本当にその気があるのなら大蔵大臣だって総理大臣だって、配賦はするが、国民の期待にこたえることができれば大変いいと思うから、みんなでがんばって全体予算の三%ぐらい節減を図れ、そんなことはどこにでもあるのですから。予算の配賦は配賦、何%ぐらい抑えろ、そんなことは国ばかりではなく、地方公共団体だってどこだってあるはずです、バランスをとるために。 今度はバランスをとるためじゃなくて、国民の期待にこたえるために三%を抑えたって、一兆円の減税なんか簡単にできるじゃないですか。補助金は削らないけれども、二十四兆の補助金のできれば五%ぐらい何とか実質的に生み出せと言ったら、一兆円やそこらの減税はできないことはないじゃないかと思う。 私が最終的に言いたいのは、補助金にしてもあるいは一般行政経費の不当事項にしても、類推計算すれば五、六千億の削れる部分がまだある。それからまた、政府が盛んに理由に言うところの特例公債を何とか減らしたいということは、それは国民の責任じゃなくて政府と議会の責任だから、それはそれでやったらいい。それを理由にして減税に背を向けるのは間違いです。しかも、すでに議決された予算の一部の執行停止さえ考えることのある政府だから、現在審議中の予算の一部ぐらい何らか考えて、一兆円生み出すぐらいのことはできないはずはないじゃないか。とすれば、一兆円減税という国民的な期待といいますか、強い要望にこたえることができるかできないかは政府の腹一つ、できるできないじゃなくて、やる気があるかないかだけの問題だと思う。やる気があったら絶対できる。そんなことは許さぬでしょうけれども、田島衞が総理大臣か大蔵大臣だったらやってみせる。どうですか、大臣。
○渡辺国務大臣 簡単にできるのであれば、実は私もとっくにやっているのです。それでは一兆円という金をどこの補助金で切るか、一律に切るか。一番補助金の多いのは要するに福祉ですから、その次は文教、その次は公共事業、その次は農林、こういう順序になっておるわけでございまして、かなり抑えつけて伸ばすべきものを伸ばさない、切るものは切ったというふうな状態なので、いまこの段階でそれらのものを一律に三%でも五%でも切るということは非常に困難なことでございます。
○田島分科員 時間がだんだんなくなってきますが、先ほど言ったように、過去の会計検査院の検査結果の補助金にだっていっぱいまずいところはあるわけです。五十五年度にしたって二十五億というものがある。その検査対象が何%ぐらいかわからぬけれども、会計検査院の余り重要でないところの検査というのは大体一%ぐらいのはずです。一%だとすれば、百倍なら二千五百億あるじゃないですか。私はそれを言うのですよ。きちっとやっていてもっと欲しいというところを切れと言うわけじゃない。現実に過去の会計検査院の事例の中で、どこそここういう方面では余り適確な使い方はしていないな、こんなところは補助金をやってもしようがないというところだってあるわけです。それから行政経費の中にもあるわけです。そういうところを削って何とかひねり出して、一兆円の減税をやってやろうという気があればできないはずはないと言っているのですけれども、大臣どうですか。
○窪田政府委員 私から一つ事実を……。会計検査で五十五年度に指摘されました、たとえば電電公社の超過勤務手当、これも今度の予算では百三十一億削っております。そういうふうに、指摘されたところはみんな削ってしまっているわけですから、五十七年度で同じところをまたそれだけ削るわけには必ずしもいかないわけでございます。
○田島分科員 大臣、一言。
○渡辺国務大臣 ただいま答弁したとおりでございます。問題は、補助金などはかなりの個所にばらまかれるわけですね。その一部分にあるいは問題が出てくるかもしらぬ。だからといって、全体がそんなことをしているとは限らないのです。
○田島分科員 もう終わりですから、私はきょうの短い時間での質疑応答の中で、大蔵当局、大臣先頭にして本当に国民の期待にこたえる誠意がないということをはっきり申し上げて、質問を終わります。
○宮下主査代理 これにて田島衞君の質疑は終わりました。 次に、岡本富夫君。
○岡本分科員 先ほどからお二人が非常に強い言葉で話されておりましたけれども、私は気が弱い方ですから……。 そこで私も、この所得税減税について一つ要求があるのです。これは国民の皆さんの総意もこんなに高まってきておるわけです。それからもう一つは、さきに五カ国蔵相会議がパリで開かれた。その会議でも日本の輸出増加を非常に恐れて、欧米諸国からも本当に内需拡大ができるのかどうか、こういうような疑問が出されておるわけです。したがいまして、やはり内需拡大をしなければならぬ。と申しますのは、政府が五十七年度経済成長率を実質五・二%と設定しておりますね。そのうち四・一%を内需拡大で達成する計画。しかし、現在の趨勢から見て、その目的値の達成は至難であろうと思うのです。 この内需拡大を達成するためには、何と申しましてもやはり所得税減税でなければ一般の消費が伸びない、こういうことで私は質問をいたすわけでありますが、すでに御承知のように、課税最低限が五十二年度、夫婦と子供二人の標準家庭で百八十万円から二百一万五千円に引き上げられて以来、四年間減税が据え置かれておる。この間、名目所得は増加しているけれども、その分だけなし崩しに増税され、あるいは実質増税になっておるのではないか。大蔵省が政府税制調査会に提出した資料によると、五十二年、年収三百万円だった人は、五十六年までに年収三〇%ふえ三百九十万円になったが、所得税、住民税と物価上昇分を差し引いた実質収入は四年間でわずか三・三%しかふえていない。年収五百万円だった人は、五十六年までに年収百五十万円ふえたけれども、実質収入はわずか二・〇%しか伸びていない。 こういうことを考えますと、非常に国民を犠牲にしておるわけでありまして、また、国の歳入面から見ても、税の自然増収によるところの所得税の割合が年々大きくなっている傾向としてのあらわれで、所得税増税が非常に大きくなっていることを裏づけておる。それは五十七年度の予算案の税の自然増収を見ますと、四兆三百二十億円のうち所得税は一兆九千億、四七・一%と半分に達しておる。こういうことを考えますと、大蔵大臣、先ほどからも絶対減税はできないんだと言っていますが、ひとつ何とか一兆円減税をやろうというように腹を決めていただかなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 よく皆さん、国民全体の要求、要求とおっしゃいますが、実は職についている人というのは日本では五千五百三十六万人いるのです。五千五百万人。あと残りの人は職についていないのですよ。職についていない人はほとんど税金を払っていないわけですね。職についている五千五百万人のうち、納税をしている人は三千八百万人くらいおります。三千八百万人のうち、給与所得者が三千三百万います。その給与所得者のうち、三百十六万は税金は全然払っておりません。それから税金、所得税を年間に二十万円しか払わないという人は、給与所得者全体の約八三%であります。したがって、重税感、重税感というのは、税金はそれはなければない方がいいのですよ。いいのですけれども、給与所得者のうち、収入の一〇%所得税を納める階層はおおむね三%弱です。収入の一〇%所得税を取られる人は三%弱。 われわれも減税はやりたいのです。やりたいけれども、問題は、そういうような全体の納税者の構造になっておる。しかも一方に歳出の方は強い要求があって、切っても切ってもこの程度はつけなければならぬというのが今年の予算なんです。一方、赤字もなくさなければならぬというような状態からいたしまして、われわれとしては、まことに申しわけないが、国際比較からしても日本の所得の税率は低いわけでございますから、五年間据え置いておくということは決して好ましいと思っておりませんが、この際はひとつごしんぼうをいただきたいということを繰り返し言っているわけでございます。
○岡本分科員 先ほど言いましたように、五十七年度の予算案の税の自然増収四兆三百二十億円のうち、所得税が一兆九千億、約半分ですよ。御承知のように一昨年、昨年、デパートの売り上げやいろいろなものを見ましても、大体不況になるといろいろな交際費を使わなければならぬからというので、デパートの売り上げというものは上がるものです。けれども、その売り上げというものも余り伸びていない。各家庭に入ってみましても、ほとんど筒いっぱいになっておる。こういうときにこそ減税をして消費を拡大しなければ、これまた輸出増大ということで、いますでに日米間でああいうことになっているわけでしょう。また、ECからもやかましく言ってくる。そういうことを考えますと、内需拡大にはどうしても減税以外にないんじゃないですか。 しかも、大蔵大臣は、所得税の負担の割合は国際的に見て低い、こういうふうに強調しておりますけれども、五十七年度の国民所得二百二十七兆八千億に対する租税、国税と地方税合計しまして負担率は二五・四%、前の年が二四・二%ですから一・二%また上回っている見通し。しかも新経済社会七カ年計画の六十年の目標であるところの二六・五%に五十八年度中には到達するような勢い。鈴木総理も、課税最低限の据え置きにより国民に税負担を強いているということは承知している、こう言っているのです。したがって、これはどうしてもここで減税をして、そして内需拡大をする。そして貿易摩擦あるいはいろいろな面で国民が要求——あなたはわずかな人だと言いますが、これが一兆九千億も負担するわけですよ。自然増収のうちの半分くらい。これが内需拡大に大きなファクターになると私は思う。そういうことを考えますと、ひとつもう一度再認識をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 減税をすれば内需拡大に効果があるということは言えるでしょう。言えるでしょうけれども、それは減税額から見て、日本のような貯蓄性向の高いところでは、そのわりに効果は薄い。むしろ景気の振興というためだけならば、それだけの財源がもしあれば、何か別に政府が公共事業その他に金を出してばらまく方がはるかに効果はあると思います。
○岡本分科員 政府はいままで、金を出して公共事業などいろいろなものをやれば好景気になる、こういうような考え方だった。ところが、富士山の頂上で水をまいたのと一緒、下の方は上の方にずっと吸い取られてしまって、いまは不景気ですから、下の方に来ないのですよ。したがって、これは全然内需拡大にならないのです。そういういままでの考え方は非常に困る。公共事業で建設をやったりいろいろなことをすることも必要ですけれども、直ちに皆さんの手に入らない。それでは物が買えない。その証拠がいまどんどん出ている。非常にいま不景気なんです。その上に皆税金で吸い上げられてしまって、各家庭というのは本当に筒いっぱいのところへ来ていますよ。だから、いまあなたにここで言うても、じゃ検討しましょうといままでとすぐ変えるわけにはいかぬだろうと思うけれども、強く要求をいたしておきます。 これは報道によると、統一見解を見ますと、所得税減税の財源の手当てが可能となる条件を、国民的合意のもとでできる限り早く整える、あるいは直接税偏重の税体系を見直す、こういうような統一見解を聞いたのですが、このとおりですか。これは大蔵省。
○矢澤政府委員 御指摘のとおりでございます。
○岡本分科員 そうすると、この中で直接税偏重の税体系を見直す、こういうことは、大型間接税を導入しようとする大蔵当局の考え方ではないのですか。いかがですか。
○矢澤政府委員 ちょっと統一見解を手元に持っていないので失礼をいたしますが、たしかその質問は、大型間接税の導入をどうするかというような趣旨の考え方についてでございますけれども、直間比率をどうするかという考え方について述べたものでございまして、やはり税制というものは、直接税、間接税がほどほどの状態にまざり合っていていい状態である、そこを認めているわけでございますが、しからばいかなる手段でやるかということにつきましては、国民的な合意を得て考えたいというような趣旨で書いてあると思います。
○岡本分科員 これを読みますと、所得税減税の財源の手当てが可能となる条件を、国民的合意のもとでできる限り早く整える、これが一つ。次に、直接税偏重の税体系を見直す、こうなんです。直接税偏重の税体系を見直すとは、間接税を導入しよう、こういう考え方なんでしょう。どうですか。
○矢澤政府委員 たしか私どもがつくりましたのは、いまのが一緒に書いてあるのじゃなくて別な紙に書いてございまして、一つは減税についての考え方でございます。 これは二つ条件がありまして、まず、五十九年度までに特例公債から脱却のめどがつく、つまり歳出と歳入が合いまして、そこにすき間がなくなるということでございます。しかるときに、今度は減税だということになりますとまたすき間ができてしまうわけでございますから、そこで、かわりの財源が何か必要であります。そのかわりの財源をどうするかということにつきましては、国民的なコンセンサスを得て考えていきたいというところが最初のくだりでございます。 第二のくだりは、その統一見解を出す前後の空気といたしまして、大型間接税を導入して減税財源に充てたらどうかという新聞論調等もございました。それに対する考え方で、直間比率を直していく、あるいはほどほどのものにしていくということは必要でございますけれども、その具体的な方法については一切そこでは触れておりませんし、今後、国民的なコンセンサスを得て考えていきたいという気持ちをあらわしているものでございます。
○岡本分科員 国民的コンセンサスというのはどこで考えるかというと、大蔵省で考えるのですよ。そんな一々聞きに行かぬ。 要するに、直接税偏重の税体系を見直すということは、どうも間接税をふやそう、大型間接税を導入しようという大蔵当局の考えではないか、こういうようにみんなは考えるわけです。大型間接税はいたしませんということを、ひとつ大蔵大臣から聞いておきましょうか。
○渡辺国務大臣 鈴木総理も言っているように、目下大型の増税というようなものは念頭になく、歳出カットあるいは歳入の洗い直し等で財政再建を進めていくという考えでございます。
○岡本分科員 増税なき財政再建と言うけれども、結局所得税の人たちの方にしわ寄せしてしまっているということが大きな問題です。 こればかりやっておりますと時間がありませんので、次に、先ほども話がありましたが、グリーンカードについて、その目的は何なのか、これを明らかにしていただきたいのです。
○矢澤政府委員 目的は、大きく分けて二つあると思います。 一つは、分離課税を廃止するということでございます。 利子の分離課税につきましては、かねてから金持ち優遇だと言われておりまして、たとえば、給与で一億円もらうと、地方税まで合わせまして七千万円ぐらいの税金がかかるわけでございますが、これを利子でぽんともらいまして分離課税を選択いたしますと、三千五百万円の税金で済んでしまう。したがいまして、税負担にして半分ぐらいでございます。また五千万円程度でございますと、給与だと二千九百万ぐらいの税金が、利子でもらいますと千七百五十万ぐらいの税金でございまして、所得の種類が違うことによってこんなに税金の負担が違うのはおかしいじゃないかという御批判がございました。現に大蔵委員会におきましても、衆参両院で昭和四十九年以来毎年のように、この分離課税の見直し、つまり総合課税に移行すべきであるという附帯決議をちょうだいいたしております。 日本の場合は、貯蓄の課税制度が大変複雑でございまして、外国はすべて総合課税一本でございます。日本の場合には、非課税貯蓄がある、総合、それから分離課税があるということで、ただ単純に分離課税をなくすということになり、それが非課税貯蓄に入り込んでしまうことになりますと、三五%取っていたものがゼロになってしまうという問題がございます。そこで、非課税貯蓄の限度管理というものも厳正に行う必要が出てくるわけでございまして、そのための最善の方法といたしまして、従来と全くチェックする材料は同じでございますが、手作業からコンピューターにかえるために、必要不可欠な手段としてグリーンカードを御提案したというようなことでございます。
○岡本分科員 そうすると、分離課税を総合課税にするためのグリーンカードですか、はっきり言うて。
○矢澤政府委員 基本的には、一つそういう目的がございます。
○岡本分科員 あとは。
○矢澤政府委員 あとは、今度は非課税貯蓄の限度管理を適正に行えるようにいたすということでございます。
○岡本分科員 分離課税を総合課税にするについて、一つはこの方法があろうと思いますけれども、これは非常に手間なことだ。もっといい方法がないものかということを考えておるわけですけれども、これは、ここでいま言っているわけにいきません。 そこで、与党のグリーンカード対策議員連盟あるいはまたわが友党の春日さん、報道によると非常に反対運動が起こっておる、こういうことですが、大蔵大臣は必ず五十九年一月から実施する、これははっきりしておるわけですか、そういう決意ですか。
○渡辺国務大臣 そのような方針であります。
○岡本分科員 方針ということだけれども、もうはっきりやる、こういうことですか。
○渡辺国務大臣 法律どおりやります。
○岡本分科員 そこで、昨年十一月に運営について政省令が公布された、その弾力運用というのはどんなことですか。
○矢澤政府委員 昨年の十一月の政省令の内容は、郵便貯金を利用する場合の手続でございますとか、それからマル優で貯蓄する場合の手続でございますとか、税金のかかるいわゆる総合課税の対象になる課税貯蓄を利用する場合の手続を定めたものでございますが、弾力化と言われておりますのは、この課税貯蓄をする場合の本人確認の手続を拡大をしたということでございます。 当初私どもは、課税貯蓄の場合でもグリーンカードを見せてください、番号を見せてください、それがないときは住民票の写しを出してくださいというようなことを申し上げたわけでございますが、その運用の弾力化によりまして、たとえばすでにマル優の預金をしている方は、その旨を銀行に申し出ていただければ、銀行の方で預入申込書にマル優の番号を書いておしまいでございますとか、それからグリーンカードも出さない、住民票も嫌ですという方については、たとえば税金の写しでも結構でございますし、あるいは運転免許証、社会保険証、そういったものをお示しいただいても結構でございます。また、一度そういうものをお出しいただいて、銀行の方に得意者管理カードというものがございますが、そういうものに記載されておりますれば、自後の取引には要らないというふうに、利用者の利便を考えまして弾力化したというものでございます。
○岡本分科員 ところで、このグリーンカード制度になりますと、貯蓄残高が全部税務署にわかってしまうのです。要するに個人のプライバシーまで鮮明になってしまう。この点についてどうなのか、ちょっと聞きたい。
○矢澤政府委員 まず非課税貯蓄の点でございますけれども、現在も税務署には非課税貯蓄の申告書というものを出していただきまして、どこの銀行に枠を幾ら設定したかという数字を申告していただいております。 貯金は、これは無利子になるわけでありますから、枠で管理をいたしませんと、それ以上のものがダブって出てくるとかいうことになりますと、全く無税の利子が出てしまうということでございまして、現在でも枠の限度管理は行っております。 ただ問題は、昭和三十八年以来の届け出た枠を足して手作業でチェックをするというのがいまのシステムでございますが、もう二億枚ぐらいの残高が出てまいりまして、今後もこれがふえ続けるということで、コンピューターによってその枠の合計を出そうということから考え出されたものでございまして、グリーンカード制度になりましても税務署に来るのは枠だけでございますから、中に幾らあるか、そのお金がどう動いたか、この資料は一切税務署には参りません。
○岡本分科員 枠、枠と言いますけれども、いまたとえば収入のない未成年、こういう人たちも一人三百万、こうなるわけですね。そうすると、枠いっぱい使われているということになると、それは贈与税の対象になるのじゃないですか、いかがですか、明らかになってくるのじゃないですか。
○矢澤政府委員 これは現在六十万円まで贈与税はかかりませんので、毎年六十万円ずつ積んでいかれた預金につきましては、贈与税の対象にはなりません。 それからもう一つは、その枠をオーバーしたといいますか、六十万円以上の贈与を行ってそれが税務署にわかったときに、贈与税の税率というのは大変高いものでございますから、御心配の方も多いようでございますが、これは本人の名義に戻していただければ贈与税はかけないという取り扱いも明らかにいたしております。
○岡本分科員 ということは、貯蓄が皆わかってくるということなんですよ。枠だけじゃないということなんです。大蔵省当局で考えておることと地元はずいぶん違いますよ。 これだけやっていると遅くなりますから、次に、これは大蔵大臣にひとつ決意をして考えていただかなければならぬことがある。 それは、ぽこっと御主人が亡くなって後で相続税を払うときに、これは実例があったのです。まだ若い方だったのですが、御主人が亡くなられて、もう何もかもわからない。そのときに税務署に相談をしたら、この税理士に相談しなさい。まあ、渡辺美智雄先生のような税理士だったらよかったのかもわかりませんけれども、税理士に相談したら、金納で申告してくれたというのです。金納、物納が全然わからなかった。ところが借家、これが昔の古い借家で安い家賃ですから、なかなか売れないのです。そういうことで、毎年延納金を払わなければならぬ、悲惨な姿だったのです。 私、前に磯邊長官だったですか、連れていったのですが、これはどうもならない。要するに、金納で申告してあると物納には変わらない。物納で申告してあると金納に変わる。この不合理を一遍税の洗い直しのときに検討し直してもらえないか。もうちょっとで首をつりかけたのです。おばあさんが毎日お嫁さんに、売ってこい、売ってこいと言うわけですね。売るにしたって売れませんわ。それでふらふらしているところをある人につかまって、私のところに連れてきたことがあるのですね。こういうのは、やはりもう一遍もとに戻して申告することができるのか。これは、そんなことがわからなくて、一年も二年もたって、どんどん延滞金をされて、それで困っておるわけです。この点について大蔵省に聞いたら、絶対に相続税のあれは変えません、こう言うておるわけですけれども、こういうのはやはり気の毒なことでありますから、一遍検討していただきたい、こう思うのです。
○水野(勝)政府委員 技術的な点でございますので、ちょっと私から最初に御説明させていただきます。 これは二年ばかり前やはり先生から御指摘いただきまして、私ども勉強はいたしたのでございますが、何と申しましても物納と申しますのは非常に例外的な納付方法でございますので、これはその期限内に申し出ていただいて、そこで処理していただく。物納価額でお取りするときには、その相続税の課税財産の評価額でいただくことになっておりますので、その納付期限をある時期を過ぎますと、その値段が上がったり下がったりいたします。そうしますと、下がった場合には国が損をしたり、上がった場合には納税者に御迷惑をかけたりしますということでございますから、きわめて例外な物納制度につきましては、納付期限までに御申請をいただいて処理させていただく。 一方、先生も前に御指摘いただきましたように、物納から延納というときには、これは国にとりましても納税者にとりましても、簡単にすぐ物事が解決できる方法でございますので、それは特段問題がないということでお認めはしているのでございますが、例外のむずかしい方にいくのは、それからしかも納付期限を過ぎてからの問題につきましては、やはりいろいろ財産状況の変化もございますので、なかなか制度的にはむずかしく、先生からの御指摘もございまして勉強はいたしたのでございますが、また今後も勉強はいたしたいと思いますが、どうもなかなかむずかしい問題でございますとお答えをせざるを得ないのでございまして、恐縮でございます。
○岡本分科員 これは大臣、課題にもう一遍しておきます。きょうは詰まりませんからね。こういった税金のことに対しては、一般の人はほとんど無知ですよ。それをとらえてやられておるわけです。しっかりした税理士さんがおればよろしいですけれども、そのときだけ教えてもらってやっているわけですからね。それでたくさん延滞金が来てからびっくりしているわけですね。そういうこともありますので、再検討願いたい。 最後に、行政の簡素化の中で、非常にたくさんの書類を書く。あなたも自分の県へ一遍聞いていただきたいと思うのですが、とにかく八トントラックに三杯ぐらい持ってくるのですよ、補助金もらうのに。私のところの兵庫県もそうですが、あれ何とかなりませんかというわけです。同じ書類を、大蔵省へ出すのと、それから建設省あるいはあちこち出すのに、だれが検討するのだろうというわけですね。そういうような、地方公共団体も書類の山を毎年毎年送っているわけですね。 しかも、たとえば一つの例をとりますと、公園。いま住民パワーで、公園をつくるにしましても、こういう公園をつくってもらいたい、その公園に合わして補助金を申請すると、国の仕組みはこうなっておる、それでは合いませんと、補助金がもらえぬ。これに合わすと、今度はこっちが合わない。前は、小学校の建築にしましても、国と市と県とが違っておったわけですね。どないもならなかった。最近それは一律にしたらしいのですけれども。したがって、何とか書類の簡素化といいますか、まあ書類が来ないと国の方も仕事がないのかもしれませんけれども、何とかひとつもう少し簡素化していけるようなことを政府の方で考えていただきたい。お願いをして、御答弁いただいて終わりたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 そこは、今度の行革の精神でもございますから、極力簡素化、合理化を図ってまいりたいと存じます。
○岡本分科員 では、終わります。
○宮下主査代理 これにて岡本富夫君の質疑は終わりました。 以上をもちまして、大蔵省所管についての質疑は終了いたしました。 次回は、来る三月一日午前九時三十分から開会し、外務省及び文部省所管について審査を行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十二分散会