予算委員会第四分科会 第4号
- 発言数
- 430 件
- 登壇者
- 55 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/03/08
会議録
○武藤主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算中通商産業省所管について、去る二月二十七日に引き続いて質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
○阿部(未)分科員 大臣、あなた先般わが大分県にお見えをいただきまして、県を挙げて大歓迎をやりました。未来の総理がお見えになるということで、大分県に安倍晋太郎大後援会などというものが結成をされまして、大変な歓迎だったのですが、大臣も非常に感銘が深いと思いますけれども、まず、わが大分県に対する御感想からひとつ承りたいのですが。
○安倍国務大臣 政調会長をやっておりましたときに行ったわけでありますが、私の率直な感じとしては、大分県も相当大きな工業地帯等も進出、造成されまして発展はしておりますけれども、しかし、いろいろと交通のアクセス等の問題で何かおくれておるような感じがいたしておりまして、そうしたもっと総合的な観点に立っての対策といいますか、政策を推進する必要があるのじゃないかということは全体的には痛感をした次第でございます。
○阿部(未)分科員 非常に深い理解を示していただきまして、わが大分県民を代表してお礼を申し上げておきます。 予定した質問に入る前に、けさの新聞でちょっと気になることがございますので、伺っておきたいと思います。 「小松製作所のソ連向け輸出 米が船積み延期要請 通産省反発」というふうに出ておるのですけれども、内容は言うまでもなくアメリカ政府が対ソ、対ポーランド制裁措置に関連をして、小松製作所がソ連と契約をしたパイプ敷設機四百九十五台の船積みを延期せよという要請が、七日、アメリカ大使館筋から明らかにされた、こういうふうに出ておるのですけれども、国民感情として、アメリカの方では、日本からアメリカ向けの輸出を極力規制をするように、貿易摩擦などと呼ばれる問題が起こっておるときに、ソ連へ向けて約束をしておったこういうパイプラインの敷設機器まで船積みを延期せよと。何かこれは一月に大臣おいでになったときに約束なさってきたのですか。
○安倍国務大臣 具体的なことはまだ私も承知をしておりませんが、私どもがしょっちゅう主張しておりますことは、対ソ輸出につきましては、少なくともポーランド問題との関連においては、既契約の分については、これはアフガニスタンの問題が起こったときも、あるいはイランの問題が起こって対ソ措置をアメリカとともに行ったときも、これは外しておるわけであります。ですから、既契約分については、これはいかんともなしがたい、これは実行いたします、こういうことで終始一貫して通しておるわけでありますから、その点に関しては、われわれとしてその考え方を変えてはいないと考えております。
○阿部(未)分科員 この問題で余り議論する気はないのですけれども、西ヨーロッパ諸国がソビエトの方から天然ガスを購入する長期の契約ができて、関係の向きではパイプラインの敷設が急がれておる。したがって、これは西ヨーロッパにとっても大変大きな問題になるだろうという気がするのですけれども、いま私は対ポーランド関係の制裁云々の問題にまで触れる気はありませんけれども、問題は、こういうふうに言われなければならないようなことを、一月にあなたがおいでになったときに約束をしておられたのかどうか。そのことをお伺いしたいのです。
○安倍国務大臣 それは全く約束はしておりません。対ソ制裁措置については西側諸国が一致してこれに当たる、こういうことだけ、この政府の基本方針を伝えただけで、それ以上のものについては何ら話し合いは行われておりません。
○阿部(未)分科員 それで結論ですが、この小松製作所の問題については、アメリカからそういう船積み延期の要請を受くる筋合いではない、こう理解していいですか。
○安倍国務大臣 既契約については、これは実行をさせていただくということである、こういうふうに認識しております。
○阿部(未)分科員 次に移りたいと思いますが、先ほど大臣からいろいろ大分県の県債についてお話がありましたけれども、実は、その大分県は、県都大分市を中心にいたしまして、新産業都市の指定を受けまして工業開発を進めてまいっておるところでございますけれども、実はこの地域は、新産都指定以前から臨海工業地帯としての開発が進められまして、誘致産業の草分けとして、そのころ鶴崎パルプ、三善製紙、そういう会社が立地をいたしまして、大分県の経済発展に大きい役割りを果たしていただいたわけでございます。 ところで、その草分けのときに立地いたしました三善製紙が、昭和四十七年の十二月に広島県の大竹紙業に買収をされまして、大竹紙業一〇〇%出資の子会社になりまして、鶴崎製紙と社名を改めまして、良質のデパート包装紙などの生産を進めてまいったところでございますが、この間の経緯について、事務当局、相違ございませんか。
○志賀政府委員 私どももそのように理解しております。
○阿部(未)分科員 ところが、その親会社の大竹紙業が昭和五十五年の十一月に支払い手形の見通しがつかずについに倒産をするに至りました。子会社である鶴崎製紙は、そのあおりを食っていわゆる連鎖倒産に追い込まれたわけでございます。そこで鶴崎製紙は、親会社の大竹紙業とともに、広島地方裁判所民事第三部に会社更生法の適用を申請いたしました。 ここまでも間違いございませんね。
○志賀政府委員 私どももそのように理解しております。 大竹紙業につきましては、これは純白ロールという品種を生産したわけでございますけれども、新しい分野に進出しようということで、その辺の新しい分野への進出問題をめぐりまして会社経営に破綻を来したというふうに理解しております。
○阿部(未)分科員 そこで大臣、この大竹紙業が、倒産をするわずか十日前に、大竹紙業の借金のカタに子会社鶴崎製紙の資産を日立造船へ担保に入れるなどやりまして、いわゆる子会社を犠牲にして親会社の再建を図ろうとするような姿勢が露骨に見られたのでございます。しかし、大竹紙業の倒産後、保全管理人や大竹紙業の関係者が、まず親会社を再建をして、次に子会社を再建をする、こういうふうにおっしゃいますので、それを信用して更生手続開始の決定を鶴崎製紙の方でも待っておったわけでございますけれども、五十六年、昨年の九月四日、大竹紙業にのみ更生手続の開始の決定が行われました。 この大竹紙業に更生手続の開始の決定が行われるや、手のひらを返したように、鶴崎製紙と大竹紙業は関係がないのだ、こういうことを大竹紙業が主張して、子会社の再建については何らの誠意を見せていないという状況になっておりますが、この点も間違いございませんね。
○志賀政府委員 私どもといたしまして、この鶴崎製紙も大竹紙業が会社更生法の適用申請をしたということに関連いたしまして、五十五年十一月に会社更生法の適用申請をしたというふうに承知しております。その後、大竹紙業につきましては一応会社更生法の適用の決定があったというふうに理解しておるわけでございますけれども、ただ鶴崎製紙につきましては、その後引き続きまして地元の方々の真剣な御努力で再建についていろいろ御検討が進められて、私どもといたしましてもその地元の御努力に対して側面からいろいろ努力してまいっておるところでございますけれども、現在までのところ、まだそのめどが立っていないというふうに理解しております。
○阿部(未)分科員 いま先まで答弁をしていただいたのですけれども、実はいまの大竹紙業の会社更生法の決定に至るまでの間、通産省では大変なお骨折りをいただいております。これは私も率直に認めますし、通産省のお骨折りを多としております。たとえば、バックボーンになる会社として山陽国策パルプあるいは王子グループ四社、日綿、日立造船等に通産からもずいぶん働きかけていただいて、大竹紙業が昨年の九月に会社更生法の決定を見るに至っております。実は私ども理解に苦しむのは、いま御答弁いただきましたけれども、その間、子会社の鶴崎製紙の会社更生について通産の御努力に欠けておる点があったのではないか、大竹紙業のみに重点を置かれて、犠牲になっておる鶴崎製紙に対しては少し手抜かりがありたのではないかという気がするのですが、ひとつ率直に通産の方からお答えをいただきたいのですが、どうですか。
○志賀政府委員 私どもの努力につきましていろいろな御意見があるかもしれませんが、私どもとしてはできるだけの努力をしてまいったつもりでございます。
○阿部(未)分科員 非常に抽象的で、できるだけの努力、こういうお話ですけれども、結果として、申し上げたように大竹紙業は会社更生法の決定が行われたのに子会社の鶴崎製紙は切り捨てられた。しかも、実は鶴崎製紙の資産が親会社の担保に入れられておるわけで、非常に気の毒な、特に地元感情としては、親会社の犠牲にされたではないか、こういう感じがあるわけであります。 しかも去る二月の十三日に小中、林という両弁護士が破産申立代理人として大分地裁に鶴崎製紙の自己破産の申し立てを行ったわけでございますが、これをお聞きになっておりますね。
○志賀政府委員 承知しております。
○阿部(未)分科員 実は大臣、ここで地元がびっくりしたわけでございます。地元としては、親会社が再建された後当然子会社である鶴崎製紙も会社更生法の決定があるものというふうに理解して、まず行政当局では県、市がそれぞれ立ち上がり資金等はどういう手当てをすればいいだろうか。たとえば県、市で二億円程度の預託を銀行にして、それを見返りとして立ち上がり資金の融資ができないだろうか。もちろん自治体ですからリスクまでかぶるわけにはまいりませんから、それはほかに検討するにしても、立ち上がり資金の見返りとしてはその程度のものが要るのではないか。また商工会議所の方もこの地場産業をつぶすわけにはいかないというので、非常に皆さんの御協力をいただいて各方面に働きかけていただいておりましたり、加えて労働組合の方では、組合員を半数の八十四人に減員をして、しかも給与あるいは手当等についてはカットがあっても再建できるまでは当分やむを得ない、そういうかたい決意で――ここに、鶴崎製紙再建計画書というものがことし一月二十五日につくられておりますけれども、このように地方の行政さらには財界、労働界挙げて鶴崎製紙の再建に向けて努力中であった、その出ばなに自己破産の申し立てが行われるという経過に至ったわけでございまして、まさに寝耳に水で地元は非常にびっくりして、破産申し立てが行われたその日に二人の代理人の皆さんと地元とで話し合いをいたしました。そうして一番問題であった鶴崎製紙の方が更生法が決定された場合の管財人はどうするか、この問題まで、もと鶴崎パルプの重役をしておった大橋さんが管財人を引き受けようというところまで話が進んでおったわけでございますから、そのことを代理人に詳しく申し上げましたところ、代理人もびっくりしまして、その日のうちに破産申し立てを取り下げていただきまして、広島地裁に対しても何とか再建できるように努力をしてやっていただきたいという申し立てを提出していただいた、こういう経緯があるわけでございますが、これは間違いないかどうか、事務当局の方、いかがでしょうか。
○志賀政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、ことしの二月十三日でございますが、保全管理人の方から更生手続申請の取り下げの申請、自己破産の申請、そういう動きがあった。それに対し、たまたま地元の方で大橋さんという新しい管財人候補の選出を大体めどをつけられたというような矢先でもあるということで、その辺の議論がいろいろ行われた結果、一応その更生手続申請の取り下げ申請あるいは自己破産の申請はとりあえず中止というふうになったと理解をしております。その後、三月三日でございますか、大橋さんという新しい管財人候補の方あるいは鶴崎製紙の労働組合の関係の方が広島地裁の方に呼ばれまして、いろいろ会社の再建問題について審尋を受けたというふうに理解をしております。
○阿部(未)分科員 先ほど、この鶴崎製紙の再建について通産としても極力努力しておるというお話をいただいて心強く思っております。そこで大臣も愛する大分県のために一肌も二肌も脱いでもらわなければなりませんが、まず第一点は、大竹紙業の宮田管財人が、一番中心になるお方でございますけれども逃げ回っておってなかなか話に応じてくれないのでございますが、これはひとつ通産の方で、まず宮田管財人に対して鶴崎製紙の更生決定にも誠意をもって取り組むように、限界はございましょうが、行政指導がお願いできないものでしょうか。
○志賀政府委員 宮田保全管理人にも、私、お会いしたことはございます。いろいろお話をいたしました。宮田保全管理人も非常に真剣にいろいろな問題について考えていらっしゃるというふうに私は理解をしております。ただ、いずれにいたしましても鶴崎製紙の今後をどうするかという問題につきまして、やはり基本は大橋さんという新しい管理人候補が出てまいっている状況でございますから、まず保全管理人である宮田さんと大橋さんがお会いになりまして、大橋さんのお考えというものを宮田さんによくお話しになるということが先決ではなかろうかというふうに私は思っております。
○阿部(未)分科員 もちろんこれは鶴崎パルプの大橋さんと宮田さんがお話しになるのはもとよりですけれども、何と言っても大竹紙業の方が鶴崎製紙の資産を担保に出しておるといういきさつがあるわけでございますから、その関係で行政指導をお願いしないと、宮田さんもまたやりにくいのではないか、そういう気がします。具体的には、たとえば山陽国策パルプあるいは王子グループの四社、日綿、日立造船、こういう大竹紙業の方の再建に力をかしてくださった各社に対しても、ひとつ通産の方から、鶴崎製紙に対しても同様の協力をしてやれということについて、これも限界はありましょうが、ひとつ行政指導をお願いできないだろうか。これは二点目ですが、いかがでしょうか。
○志賀政府委員 大竹紙業の再建に関連いたしまして、山陽国策パルプが王子系四社に協力要請をしたわけでございますけれども、私どもといたしましても、この鶴崎製紙の再建問題についても大竹紙業関連の五社を含めまして、さらにいろいろな関係企業に対して、すでにいろいろお願いをしているところでございます。
○阿部(未)分科員 大臣、すでに関係当局の方でお骨折りをいただいておるようでありますが、もう一つ問題になりますのが、やはり担保を抜いてもらわないと、立ち上がり資金までは何とかやれても、どうにも後の運営ができない、そういうことで、たとえば原材料についてはスポット買いをするとか、いろいろ計画しておるようでございますけれども、やはり後の運営が、担保物件がなければ鶴崎製紙の方もどうしようもないという状況なので、担保を抜いてもらうという点についても、これも非常にむずかしい問題でしょうが、鶴崎製紙を再建してやるという趣旨から、お骨折りが願えぬものでしょうか。
○志賀政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましても、地元のいろいろな御努力に対して側面から御協力を申し上げているということでやってまいっているわけでございますが、基本は先ほど申し上げましたように、大橋さんと宮田さんがお会いになり、大橋さんがみずから新しい管財人候補としていろいろ関係企業にもお会いになり、御努力をされるということが先決ではなかろうか。そのような動きを踏まえて、また裁判所の、現在広島地裁でいろいろ検討されておりますその辺の状況を踏まえて、私どもとしても必要な場合に御援助を申し上げていくということが基本ではなかろうかというふうに思っております。
○阿部(未)分科員 大臣、いまお聞きのように、私は特に歴史的な経過を事務当局の方に質問を申し上げたのも、大臣に理解をしていただきたいという趣旨にほかならないのでございまして、どうかひとつ県民が挙げて期待をしておる鶴崎製紙の再建について、大臣の方からもでき得る限りの行政的な指導、援助を与えてやるというお約束をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 鶴崎製紙の問題につきましては、私もずっとこれまでの経緯については事務当局から説明を聞いておりますし、また事務当局も、いま説明をいたしましたように、鶴崎製紙の再建につきましていろいろの面から協力をし、また助言、指導等もいたしてきておるわけでございますが、いま一番大事な段階に来ておる、こういうことはまさに御指摘のように私も認識をいたしております。せっかく管財人候補ができたわけでありますし、管財人になっていただいて、再建のできるような道を見出すように努力をしていただきたい。裁判の中での問題ですけれども、努力をしていただきたい。そういう中で通産省としてもできるだけの今後ともの協力はして、せっかくの地元の皆さんにこれだけの熱意があるわけでございますし、私たちもせっかくこうして今日まで維持されてきました企業がここでなくなってしまうということは大変残念に思いますので、地域の発展という面から見ましても、できるだけの再建の道が講じられるように、ひとつ私としてもできるだけの努力はしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○阿部(未)分科員 ではこの問題は終わりますが、極力ひとつ大臣の手腕を期待をいたしております。 それから、これはエネルギー庁の方だと思います。お見えになっておられますか。大分県の別府市の裏山に当たるところに、伽藍岳という山がございますが、そこで地熱発電の計画が進められて、地元住民の皆さんが温泉がとまってしまうのではないかということで非常に心配をしておるのですが、どういう経過になっておるか、御承知ならば聞かしてもらいたいと思います。
○小松政府委員 いま先生からお話しございましたように、伽藍岳の地熱開発、これは出光地熱開発が五十五年から手がけて始めたんでございますけれども、引き続き昨年五十六年でございますが、これは三本掘る予定にしておりました。ただ、これを掘りますには当然温泉法の許可が要るわけでございまして、その許可をする手続中、特に温泉審議会の審議の途中で地元の皆さんから、やはりあそこで地熱井を掘るということは問題があるということで反対の運動が出てまいりまして、出光地熱開発自身は地元の理解を得ながら進めにゃいかぬということで、いろいろ御理解を得る努力をしたようでございますが、なかなかお話し合いもつかないということで、地元の理解が得られませんとなかなかこういう問題は進められませんということで、昨年の九月、その調査を中止いたしております。現段階では、出光地熱開発自身も、もうあそこでの掘削の計画はやめておりますし、現在あそこで地熱その他についての開発を進める計画はございません。
○阿部(未)分科員 あれは開発をするときには通産の方の認可といいますか、許可みたいなものが要るんじゃないですか。それから、開発に対するいろいろな補助とか手当とかそういうものもあるというふうに聞いていますが、そういうものは何も出ていませんか。
○小松政府委員 通産省自身が認可をするということではございません。ただ、地熱はローカルエネルギーとして非常に大事なものですから、私どもできるだけ助成をするという立場にございます。ただ、同時に、地熱の開発の場合には温泉法の三条の許可、これは知事の許可でございますから、この許可がありませんと掘れません。そういうことで、地元で実際に知事が許可をいたしますときは、温泉審議会に図る、それから地元の意見も伺うということになっておりますので、そこで地元との調整がつきませんと、温泉法三条の許可もおりませんので、実際には掘れないということでございます。ですから、今後とも非常に大事なローカルエネルギーで地熱開発をわれわれは進めたいと思いますけれども、当然地元の御理解を得ながら進めるということで考えております。
○阿部(未)分科員 別府と言えば温泉の町でございまして、温泉に影響が出るようなことではこれは大変だというので、市、商工会挙げて反対をしておりますし、温泉審議会の方でも簡単に認可をするような情勢ではないのでございますが、その間の事情を十分御承知をいただきまして、もしもこの問題についてそういう申請あるいは何か出たときには慎重に扱っていただきたいし、できれば、もしそんなものが出れば、事前に地元の市、県との連絡をお願いしたいと思いますが、この点はどうでございましょうか。
○小松政府委員 先生おっしゃるとおりでございまして、当然地熱開発というのは地元の理解なしでは私ども進められるとは思っておりません。それから、地元の調整の立場として当然県知事が温泉法の許可権というものを持っておりますが、そういうことで私ども今後地熱開発を進めるに当たっては、地元の御理解、特に温泉と地熱開発は非常に関係が深いものですから、私ども来年度予算ではその辺をうまく調整し、双方が共存共栄できるようなための施策、またそのためのいろいろの資料、データを集めるとかこういうことも考えなくちゃいかぬという、そういう予算もすでに計上いたしておりますけれども、おっしゃられますとおり当然地元からそういう問題がございましたときは、地元の御理解なしでこういう問題を進めるというつもりはございませんし、当然その許可権限は知事にございますし、知事の段階でも調整が図られるものというふうに考えております。
○阿部(未)分科員 それでは時間が来たようですから、大臣も、申し上げたような事情でございますから、この段階では中止されておって、進める状況ではない、だから地元の方も安心をしてよろしい、こう理解をしてよろしゅうございますね。
○小松政府委員 結構でございます。
○阿部(未)分科員 終わります。
○武藤主査 これにて阿部未喜男君の質疑は終了いたしました。 次に、小林進君。
○小林(進)分科員 どうも通産大臣、最近の日米関係はまことに不愉快なことばかりでございまして、特に私ども野党から見ると、貿易のトラブルの問題といい、あるいは防衛力拡大の問題といい、何か日本の基本に関するようなことを平気でアメリカが干渉される。黙って第三者から見ると、どうも日本がアメリカの属国のような感じも受けざるを得ないという感情でございます。これについてゆっくり御質問したいと思うのですが、与えられた時間が三十分ですから論じている暇はない。 そこで、ひとつ個条的にお伺いしますが、いよいよ明日から日本で日米貿易小委員会が開かれるわけであります。そこへ提出される資料とか内容はもうでき上がっていると思うのですけれども、支障のない程度にわれわれの方へもいただけないものかどうか。たとえて言えば関税の問題とか、関税障壁の問題だって何も日本だけが関税障壁を設けているわけじゃない。一方から言えばアメリカにも障壁はある。そういうふうな個々の問題に対する資料ができ上がっているのではないかと思いますが、支障のない程度で私どもの方にも見せていただきたいと思う。たばこの問題だとか、オレンジの問題だとか、農産物二十二品目だとか、自動車の税金だって日本は取らないが向こうは取っている。やはりいろいろな問題があるのですから、こっちばかり悪者になっている手はない。だから私ども国の内外にPRする意味においてもそれをひとつちょうだいしたいと思う。よろしゅうございますか。 同時に、明日のその会議に臨む基本的態度は一体どうですか。私は非常に心配しているのです。これはアメリカの議会の中でも、ジョンソン元駐日大使等も言っているように、外圧はだめだよ、日本に天下り式の外圧を加えるのはやめたがよかろうということを言っておりますけれども、これが世評です。日本の政府、特に日本の外交、通産省も含めて、何かアメリカといい、韓国といい、一つぴたっと頭からやられると初めてカメの子のように首を引っ込めてちゃかちゃか動き出して、しかもその動きは非常にこそくであり、非常にびくびくしたような、大相撲の、五分と五分の相撲をとるというような態勢がない。だから言うように、全斗煥さんも、おい、日本を一つ食らわしてしまえ、縁もゆかりもないのに、六十億の金をひょっとおい貸せ、貸さなければ文句があるぞというふうな、ああいう高圧的な態度に出られている。私どもは実に不愉快だ。いまの貿易問題もそのとおりであります。それで、明日の会議に臨まれる資料と同時に、通産大臣、一体どういうような心構えで論ずるのか、一言でよろしゅうございますからお聞かせを願いたい。
○安倍国務大臣 あした、恐らくアメリカのマクドナルド通商代表部次席が資料を持ってきまして、日本側に包括的な提案をすると思いますが、まだそのペーパーについてはあしたにならないとわからない。しかしその内容については、アメリカの国会でマクドナルド氏等がいろいろと証言をしておりまして、内容的なものは出ておりますが、その内容がそのまま出されるとすると非常に問題がある。われわれ議会の論議を拝見しましても、いまも御指摘のありましたような関税の問題にしても、あるいは非関税障壁の問題にしても、相当な事実誤認というものがある、こういうふうに考えておりますが、あした正式に提案をされてみないとわからない。しかしわれわれは、その提案について間違いがあればこれを正していかなければならない。お互いに独立国家でありますから、正々堂々の議論を展開して、日本の立場を主張すべきことは主張していきたいと考えております。
○小林(進)分科員 三月の一日といい、三日といい、例のアメリカの公聴会を私どもも実に微に入り細にわたって非常に神経を使って聞いておりましたけれども、いまおっしゃったマクドナルドなんというのは実に失敬千万な発言を気楽にやっております。あれまで言われてこっちがしんぼうしなければならぬといったら、全く独立国の体面いずこにありやという感を深うするのでありますが、ひとつかんばってもらいたいと思います。 それから、いままた何かアメリカでは、日本の市場を開放させることを主眼として先端技術通商法案というのが出ている。これは、電子計算機とか半導体とか通信機械だとか各種電子機械等々について日本がまたアメリカの市場を荒らすのではないかということで、先取りの形でこういう法案が出ているというのです。これはどうですか、アメリカの議会で通るような見通しがありますか。これに対する日本の対策をちょっとお伺いします。
○中澤政府委員 いわゆる相互主義法案は、最近出ました典型的なダンフォース法案、ハインツ法案、その他各分野につきましてそれぞれ相互主義的な取り扱いをするという議員提案が続々出ておる状況でございまして、まだこれに対して議会あるいは政府当局も、それを全体としてどう扱うかということがアメリカ内部でもはっきりと決まった方向は出ておらないと承知しております。もとより安倍大臣、いろいろな機会にアメリカ当局に対しましてその危険性を日本としては大いに申し述べておるところでございまして、基本的にはそれらの相互主義法案が通過しないように、日本としても最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。
○小林(進)分科員 自由貿易の原則を自分で言いながら、アメリカは真っ先に壊しているというのは、言うこととやることが逆ですからね。こういうことを私はしゃんと腹を決めてやっていただきたいと思うのであります。 それから、時間がないから部分的に飛んでいくが、日米航空交渉の問題について、これは通産大臣、あなたの方では守備範囲じゃないとおっしゃるかもしれませんけれども、私が見たところでは一月十八日に、アメリカで安倍通産大臣に対してヘイグ国務長官から、日米航空交渉の妥結に対し努力をしてくれという話があった。こういう異例の要請があった。その事実が一体あったのかどうか。それから、その際にヘイグ氏は、日本側は航空協定に対して不平等条約という受けとめ方をしている傾向があるが、あれは決して不平等なものではない、現在あるままの姿は不平等でないというような意味の発言をもあなたにされた、こういうわけでございますが、事実こういうことが一体あったのかどうか。
○安倍国務大臣 確かにありました。ヘイグ長官から日米の航空協定の交渉が妥結するように努力をしてほしいということでございましたから、私から、私どもはむしろ日本側が不平等であるというふうな認識を持っておるということを言いましたところが、いや自分の考えでは不平等ではない、こういうふうに考えておるので何としても妥結してほしい、これはいまお話がございましたように、私の守備範囲ではございません、しかしあなたのおっしゃることは政府にはお伝えはしておきます、関係者にはお伝えはしておきます、こういうことで話を打ち切ったわけであります。
○小林(進)分科員 そういうわけで、あなたの守備範囲ではないが、しかし現実にヘイグ長官とあなたの間にこういう話のやりとりがあったということになれば、やはりあなたに確かめておかなければならぬことだと思うんです。 この日米の不平等性というものは、時間がないから申し上げますけれども、アメリカの方は日本のあらゆる主要な地点に全部乗り入れられるけれども、日本は七つの地点しか入れない。以遠権についても、アメリカの企業はいかなる国にも日本を経由して飛んでいくことは可能だけれども、日本には事実上これはできない。供給便数及び使用航空機では現在世界の大勢は全部相対的平等で話し合いを決めておるにもかかわらず、日本だけは不平等がますます拡大をされている。そういうことで、現在日米の路線を利用している乗客数の約七割が日本人だというのだな。日米の飛行機を利用している七割が日本人だ。この不平等のために日本側の企業は、四十二年ですか協定を結んで、以来今日までアメリカの飛行機の約半分の収入しか得られない。最近では年間百十億円のいわゆる収入の格差をつけられている。通産大臣、これは広義の意味における通商協定なんだよ。オレンジだの牛肉ばかりいじめている反面には、こういう航空協定の不平等で年間に百十億円もこっちは――不当なアメリカの不平等条約ですよ。こういうことをやられておる。そっちの方へ何にも手を触れないで、そして通商条約で何か日本だけがどうも不平等で悪いことをしているような言いわけばかりさせられている。私は、これはアメリカ政府に対する不愉快さじゃなくて、日本の政府の腰の弱さに対する不愉快さもあるのです。ですから、通産大臣、航空問題は私の守備範囲じゃないというような受け取り方ではなくて、ヘイグさんもあなたを実力者だと思ったからせっかくあなたのところにこういう申し込みをしたのだと思いまするし、ひとつこれは広い意味での通商条約だというふうに解釈していただいて、当然、オレンジ、ミカンが出た場合には、これも抱き合わせで同時解決という考え方でひとつ交渉に入ってもらえないかと私は思いますが、いかがでございましょう。
○安倍国務大臣 これは長い間の懸案で、これまで何回か交渉して決裂した問題でございますし、政府としては貿易摩擦と切り離して交渉をやるということで、外務大臣、運輸大臣等を中心にして交渉が進められておる、こういうふうに聞いております。
○小林(進)分科員 ともかく、日本でやった交渉は不成立のままで、三月十日、サンフランシスコでいわゆる日米の航空交渉が改めてやられることになっているはずですし、あしたから日米通商貿易小委員会が日本でということですから、あなたは切り離してとおっしゃったけれども、何も切り離す必要はないですよ。日本の政府から見ればこれは一つですから。しかも、向こうは一年間に百八十億ドルも赤字になった、赤字になったと、ばかの一つ覚えみたいなことを日本に対して言っていますけれども、この裏側には、日本は航空協宗で、ドルと円では若干違いますけれども、一年間百十億円もともかく差をつけられて、こっちは損失を受けているのですから、こういうのはやはり相乗りでひとつお話をつけてもらいたい。安倍さん、あなたは閣僚の中の実力者だから、将来総理大臣にもなろうという人は日本をしょった気持ちで、ひとつしゃんとがんばってください。声援しますから。これは二番目にお願いしておきます。 時間がないからなんですけれども、三つ目といたしまして、ガットのドンケルという事務局長ですか、これが西ドイツのハンブルクで開かれた東アジア協会の夕食会の演説で実にりっぱなことを言っていますが、あの演説の内容について通産大臣はどんなぐあいにお考えになっておりますか。
○安倍国務大臣 なかなか筋の通った、堂々たる議論だ、いまの自由貿易体制を守らなければならぬ、ガット体制を守らなければならぬという基本的な考え方をはっきり打ち出して、相互主義の考え方にも反対をしておる、大変時宜を得た発言だと私は思っております。
○小林(進)分科員 通産大臣、私も全くそう思うのですよ。ドンケルさんではなくて、むしろ日本の政府があれくらいのことを言っても何ら支障はないという感じを私は受けたわけであります。 あの演説の中を分析してみますと、第一番目には、最近は農産物を初め、鉄鋼、造船、合成繊維から自動車、各分野が次々に保護主義的な特別取り決めの対象となっている。この事実を一体どう考えるか。これは実に自主規制や自主秩序維持協定が、事実上ガットの規制を逸脱した行為であるということで、重大問題になってくるということを言っているのですね。日本もこういう彼の主張をそのまま受けて、これと堂々と戦われる意思があるかどうか。これは実にうまいことを言ってますよ。 第二番目は、日本問題について、工業国間で生じている緊張、通商紛争も、これをガットの事務局長の立場で見ている。だれでもが、自分の国の貿易が減退したり、失業者が増大したり、インフレが高進してくると、その責任をかぶせる相手を見つけるというんだから、うまいこと言ってますな。そして、それをスケープゴートとして自分の責任を逃れようとしている。日本との競争の問題が危機的様相を帯び始めてきたが、実際は、より広範な問題の一つの徴候にすぎない。日本に通商摩擦の一切の責任をかぶせる。日本いじめ的姿勢が責任転嫁にほかならないことを私は主張する。これは自分の責任を免れるための日本いじめだ。実にけしからぬとは言わぬけれども、こういう言い方でドンケルさんは言っている。これに対して日本政府が、外国製品輸入促進のために具体的な実行を始めたことも私は承知して、これを歓迎している。しかし、日本問題に対する唯一の、しかも恒久的な解決は欧米ですよ。ECばかりじゃありません、アメリカも含めているんだ。欧米の経済が、生産性を日本の水準まで引き上げて、日本の挑戦を受けて立つことである、これが問題処理の唯一の方法だと言っている。おまえたちの方がもっと働いて、もっと経済を運営して、日本の水準まで上がればいいじゃないか、問題はここにあるんだということを言っていられるわけです。私は実に正しい主張だと思うんですが、あなたはこういうことをアメリカに対して率直に言われませんか。どうですかね。日本の通産省や、日本の外務省や、日本政府が、このアメリカの通商非難に対して、せめてガットの事務局長程度のお話をされたという話を、私はまだ聞いたことがないのです。一体おやりになりましたか。あしたから会議が開かれるし、十日からは航空交渉も開かれるから、私は特に声を大きくして言っているわけですけれども、過去におやりになったことありますか。これからもおやりになりますかどうか。
○安倍国務大臣 これまでもわが政府としては事ごとに、いま御指摘のような問題については表明をし続けて今日に至っております。これはガットの事務局長の考え方と、基本的な認識は全く同じであります。そういう意味で、事ごとに主張しておるわけでございますが、われわれとしては、ガットの局長の演説はまさに時宜を得たものである、こういうふうに考えておりますし、さらに言うべきことは、アメリカに対してもECに対しても、これから言い続けなければならない、そして自由貿易体制を守って、ガットの体制を堅持していくというのが、これからの世界の貿易体制を進める上においては絶対に必要である、こういう信念は変わっておりません。
○小林(進)分科員 通産大臣の心強い御見解を拝聴いたしまして、私も非常に意を強うしているわけでございますが、ともかく自動車から鉄鋼、造船、そういうものについてもガットを、何といいますか制約するような行為が国際情勢に出てこないように、日本はひとつ大いにがんばっていただきたいと思います。 そこで私は基本問題としてあなたにお伺いしたいんだけれども、かつては世界を征服したアメリカの経済が、今日、ともかく失業者が一千万人になっている。それから、財政的にも八二年度は大体五百億ドルくらいの赤字でおさまらないのじゃないか、もっとアメリカの赤字は大きくなるのじゃないかというふうにいま言われている。特に、日本に対して一番大きな影響を与えてきているのが高金利制度、いま二割ぐらいいっていますか、この高金利。実に惨たんたるものと申し上げていいが、アメリカがここまでうらぶれたと言っては悪いけれども、国内においてこういう状態に陥った大原因、理由が一体どこにあると通産大臣お考えになっておりますか。政府の御見解をこの際ひとつ承っておきたい。
○安倍国務大臣 基本的には第一次石油ショック、第二次石油ショックの後遺症を乗り越えることができなかったという状況が今日まで続いておるというふうに私どもは判断をしておるわけであります。日本の場合は、幸いにして第一次ショックも第二次ショックも何とか切り抜けた。その反面、財政的には大きなしわ寄せが出たことも事実でありますが、欧米諸国はこれを切り抜けることができないで今日に至っておるというのが基本的な原因ではないだろうか、私はこういうふうに思っております。
○小林(進)分科員 西ドイツ、イギリス、フランスもあわせて今日の経済の破綻は、第一次といいますか、日本に比較しては第二次石油ショックの問題に対する手当てが、西ドイツを見ても確かに日本ほど上手でなかった。あわせて、西ドイツということになれば隣のポーランドに莫大な貸付金もある、それが回収不能になる。ポーランド、ソ連の問題が直ちに西ドイツの経済に影響してくるということも十分考えられるが、私はアメリカに関する限りはそういう石油ショックの一次、二次というような問題だけでは解決できないもっと大きな理由があるのじゃないかと思いますが、大臣お答えになりませんか。いかがでございましょう。何かそのほかにあるのじゃないのでしょうか。どうでしょうか。
○安倍国務大臣 基本的にはその石油ショックの後遺症が今日まで続いておるということでしょうが、その中で、たとえばアメリカの産業界等において日本がやったような減量経営もやり得なかった、生産性の問題についてもこれを克服することができなかったというようなことがまた大きな問題で、そういう意味で国際競争力をたとえば日本に対しても失ってきたというところに今日の貿易摩擦の問題も起こっているのじゃないか、こういうふうに判断しております。
○小林(進)分科員 時間もありませんから、私はこれに長い論陣を張っている時間がありませんけれども、私は、根本的にはアメリカの軍拡だと思うのですよ。世界の経済を今日まで動乱に陥らしめて、日本だけはいま辛うじて生き残った形ですけれども、先進工業国全部軒並みに経済破綻に瀕している根本の理由は、私は軍拡だと思う。だから、私もいま資料を集めているが、国連の中に軍縮委員会の何かがあって、日本の国連大使をやられた柿坪さん等もその有力なメンバーになって、そしていま世界の経済、いわゆる南北サミットの問題も含めて広範な研究や資料などこんなに集めている。それを見ると、今日の世界の問題の中で一番の中心は軍拡だと言っている。その論述の中にも言っているんだよ。年間五千億ドルの軍事競争、その中で二つの超大国、アメリカとソ連が大体そのうちの六割ないし七割――アメリカだって三割ぐらいを軍事費に費やしているわけでございます。今年だって、レーガンの軍事予算はアメリカだけで二千百五十億ドルでございましょう。これがみんな軍事費、生産にも関係なければ、国民の生活安定、産業の助長にも、軍需産業は別としまして、直接関係のないところでこれらはみんなむだに浪費されている。これが世界の資源を浪費し、世界の労力を浪費し、世界の経済、民生安定、福祉を全部犠牲にしている。これが大きな罪悪なんだ。これを改めなければいけないと言って国連の中でも非常に重要な資料として討議されているけれども、アメリカも日本の政府もこういうような崇高な論議をさっぱりPRしようとはしない。私はまことに残念にたえない。 そして、アメリカが日本の経済、産業に押されている理由は、アメリカが軍事を主体にした防衛産業、防空産業、あわせて宇宙産業、ロケットだとかこっちの方は確かに世界的にすぐれているでしょうけれども、そういう軍事オンリーに進んだアメリカの積年の誤れる政策のしわ寄せがいま来て、いわゆる平和憲法のもとに平和を国是としている日本の産業と研究の力に押されてここまで追い詰められてきたわけです。私は、根本の原因はここにあると思うのですよ。 そこへいって日本の政府がアメリカのちょうちん持ちをして、アメリカがもっと国防費をふやせとかもっと軍事力をふやせと言うと、やれ一千海里の警備体制に入りますの防衛体制に入りますのと言って新しい荷物をしょってきて、アメリカの軍備拡大で失敗した亜流の道を進もうとしている、私は、これは大変な間違いだと思う。だから本当にアメリカが自分たちの経済を愛するならば、いま少し米ソの間の話し合いを決めて、お互いに軍備を縮小する方向に持っていったらいいじゃないですか。日本はそういう仲介の労をとったらいいじゃないですか。あなたの経済が失敗したのはここなんですよと、そこを明確に言ってやったらいかがですか。SALTの交渉だって、どっちがどうやって壊したのか知らぬけれども、停滞状態。アフガンだとか何か侵略したのを奇貨として、カーターさんが打ち切ったのかレーガンさんが打ち切ったのか知らぬけれども、一番国民が期待している平和につながる道を全部ふさいでいる。そしてレーガンさんは、減税もやりますけれども軍拡もやります、あくまでも軍事力を強大にすると言う。ここに私はアメリカの根本的な間違いがあると思うが、通産大臣、そこはひとつわれわれ平和を標榜する日本で、しかもことしは軍縮の国連も開かれるというし、いま日本国民もヨーロッパの国民も――アメリカだって核軍縮の市民運動がずっと起こってきていますよ。こういう運動を中心にして、いま少しアメリカと日本の経済を正常化する方向へひとつ基本的な姿勢を打ち出されたらいかがでありましょう。大臣、いかがでございましょう。 〔主査退席、植竹主査代理着席〕
○安倍国務大臣 世界で軍拡競争が激化するということは非常に危険であると思います。特に米ソの両国を中心とする軍拡の動きが結局世界の平和に対して非常な脅威となってきますし、また、世界経済の安定という上からも大変大きい問題であるということは間違いないと思います。したがって、わが国としてもそうした軍拡競争が続いていくということに対して、平和国家としての世界的な使命の上に立った努力をしていかなければならぬ。そういうことで、実は鈴木総理の施政方針演説の中でも、御承知のように、軍縮の方向へ世界の方向を転換をして、それによって生まれた余力を世界の経済の安定のためにつぎ込むべきである、こういうことを強調もしておりますし、今度総理大臣が国連の軍縮会議に率先して乗り込んでいくということは、やはりいまお話しのような、世界に対して日本の使命感の上に立った軍縮の立場を強力に訴える、こういうことでございますから、われわれはこれは日本としての役割りを果たす意味で非常にいいことだ、こういうふうに考えておるわけです。
○小林(進)分科員 もうこれでやめますが、確かにいまの御答弁、私は同感でございまして、あなたもその主張でやっていただきますと、まさにあなたの将来は前途洋々たるもの、総理・総裁の道も遠からず、鋭意ひとつその方向でがんばってもらいたいと思います。 最後の一問ですが、御承知のとおり、いまアメリカは共和党、民主党一本になりまして、立法府を中心にして経済、貿易あるいは軍備の問題を取り扱っております。日本の政府は、見ておりますと、まだ日本のこれに対する対応は官僚がどうも優先なんだな。日本の国で官僚ほど悪いものはないですよ。いいところも若干あるけれども悪い。官僚外交が全部日本を、人をして閉鎖社会にせしめたり、市場を、つまらないものでも、たばこ一つだってそのとおりですよ。きのう、日曜日も、慶応の加藤寛さんが、たばこ一つとらえても日本の官僚の閉鎖性というのはいかに日本を損なっているかということは、細川隆元とやっておりましたけれども、あのとおりなんです。それをやはりオープンにして堂々とやるためには、日本ももっと立法府が活躍する必要があるのです。 その一例として私はここで、これがあるんですよ。これは昭和五十年十二月、「核のない世界を求めて」、亡くなりましたけれども、荒舩さんを団長にいたしまして、あなたの友人の竹下君から小山長規さんから、きのう谷川君と話しました、あるところで会いましたから――谷川君も含んだり、野党のわれわれも入って、アメリカへ朝鮮問題や核問題あるいは軍縮の問題等を交渉に行った。そしてアメリカの議員とやったんです。その記録を帰ってきて私は見たんですけれども、非常に成果は上がっているのです。また与党の言えないことをわれわれ野党は気楽に言うんです、われわれの信念を、日本の立場を。これは非常に成果を上げた。そして、これは一九七五年ですから、ちょっとその前ですけれども、これはわが党の江田君を団長にいたしまして、小林進副団長、上田哲、河上民雄、田英夫なんという諸君がアメリカを振り出しにやはり行ったのです。それで核の問題、軍縮の問題、南北朝鮮の問題等をずっとアメリカ政府並びにアメリカの立法府と交渉をしまして、大変な成果を上げた。いまこういうような重大なときには、何もあなたは政府と小わっぱ役人と言ったら悪いけれども、そんなものを相手にばかりやっていたって堂々と四つ相撲になりません。どうかひとつ立法府の力をかせと言えばわれわれも胸をかすにやぶさかなものではございませんので、見解を広げてひとつ日本の貿易、軍備の問題に大いに力を発揮するように努めていただきたいと思います。 私の質問はこれで終わります。ちょっと一言大臣の御答弁をちょうだいして終わりにいたします。
○安倍国務大臣 おっしゃるように、大変むずかしい時期になりました。政府だけで問題は解決できるわけではありませんし、特にアメリカでは議会の力も非常に強くなっておりますし、そういう意味での議員外交というのは、これからも、非常に重要な意味を持ってきておるとわれわれも認識しております。
○小林(進)分科員 では、これで終わります。どうもありがとうございました。
○植竹主査代理 これにて小林進君の質疑は終了いたしました。 次に、有島重武君。
○有島分科員 私は伝統的工芸の振興対策についてということで質問をさせてもらいます。 〔植竹主査代理退席、岡田(利)主査代理着席〕 私は東京の下町に住んでおりまして、いままだ江戸時代からずっと続いている職人さんたちというのが相当いらっしゃるわけであります。 それから、質問の前にこれを大臣にプレゼントしたいんだけれども、これは「墨田の職人達」というパンフレットです。これは私の友人の大木田守君という方が沖縄の民芸について非常に造詣が深くてこんな本をつくったものですから差し上げます。文化庁の方も来ていらっしゃいますか。――文化庁にもこれをひとつ差し上げましょう。 第二臨調の第一部会がまとめた行政改革の理念の原案というのが、これは正式発表は六月なんでございましょうけれども、これが報道されております。 それで第一番に挙げられておるのが、「社会、経済情勢の変化-現状認識」ということでございまして、「1国際社会の構造変化2追いつき型近代化の達成3経済成長パターンの変化と成長率の鈍化4将来における確実な高齢化社会の到来5価値観の多様化6都市化の進行7情報化の進展8婦人の社会的進出」などというのが挙げられておる。こういうのは、整理の仕方やなんかは多少の異論があるところかもしれませんけれども、大筋においてこれは国民の合意ができるところじゃないかというふうに思います。 ところで、大臣もいろいろな閣僚の経験を経ておいでになったわけでございますし、党の幹部としてもこれから本当に伸びていっていただく方であろうと思うわけでございますけれども、外国にずいぶんいらっしゃると思うんですね。それで外国にいらっしゃるときにおみやげを持っていらっしゃると思うんですね。どんなものを持っていらっしゃいますか。
○安倍国務大臣 まだそう何回も行っているわけではありませんし、みやげといっても簡単なものですが、私は郷土の民芸品といったものを中心に持っていくようにしております。たとえば山口県で言えば大内塗というのがあります。これは大内時代から続いている漆器、塗り物ですが、われわれ山口県が大変誇っておるものですから、そういうものを持っていっております。
○有島分科員 大変結構なお心がけであろうと思うんですね。 それで伝統工芸品の指定品目ということがございまして、これは現在百二十五品目ございます。それで伝統工芸品の産業の振興に関する施策といたしまして、まず品目を通産大臣が指定する、こういうことですね。それから今度は組合が提出した振興計画が認定されて、それでいろいろな恩恵に浴することができる、こういった仕組みになっておるようでございます。 それで、これはもう品目別の問題といいますと、この品目の縦割りが大変大切な問題になりまして、そこからちょっとはみ出たようなことというのはどうにもならないというような実態があるわけです。それからまた協同組合が作成した振興計画というのが認定されますと、その事業につきまして補助金による助成の制度であるとか政府関係金融機関からの特別融資制度であるとかあるいは中小企業事業団からの融資制度であるとか税制上の助成措置、こういうことになっているのですけれども、私どもの地元でもって江東区だとか墨田区だとか品目別の組合というのではなしに、一つの地域、区を単位といたしまして、保存会をいまつくりつつあるわけですね。お手元に差し上げました墨田区の方でも伝統工芸保存会というのがあって、会長が押し絵羽子板の面相職人の西山さんという方でございまして、江東区ですと漆職人の大岩さんという方が保存会の方をやっていらっしゃる。こういった地域別の保存会というものがだんだん結成されるという勢いが出ております。ところが、この地域保存会というのは、品目別の縦割りの振興対策の恩恵にはあずかることができないのですね。このような地域的な何々区保存会あるいは東京都保存会というような結成の動きについて、通産省としてはどんな御意見をお持ちになっていますか、それをまず伺っておきましょう。
○志賀政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生の方からもお話がございましたように、現在私ども伝統的工芸品産業につきまして、昭和四十九年に成立いたしました伝統的工芸品産業の振興に関する法律という法律に基づいてその振興を図ってまいっておるわけでございますが、その法律の考え方というものを申し上げますと、この法律の基本的な考え方というのはやはり伝統的工芸品産業、まさに産業として振興していこうという考え方だろうと思います。したがって、文化財保護的なあるいは文化財的な事業、政策とはやや趣を異にした、こういう政策だろうと思っております。したがって、そういう考え方から、やはり産業として発展するだけの基盤が一応あるもの、これを選んで振興していこう。 具体的に法律に基づいて申し上げますと、一定規模以上の産地が形成されているということが一つの指定要件になっております。そういうことで、そういうところにも法律の考え方が出ているわけでございますけれども、そこである業種、伝統的工芸品が指定されますと、どうやってその伝統的工芸品産業を振興していくかということに際しまして、これは中小企業政策一般によく言われるわけでございますけれども、その共通する事業を営む事業者が共同していろいろ対応していく。特に伝統的工芸品産業が存立していくのに、こういう近代化なり何なり進み方が早い時代でございますので、非常にむずかしいわけでございますけれども、そういったいろいろな困難に対応するためには特にそういう組織化というのが必要だろうという考え方に立っておりまして、そういうことから事業協同組合などの産地組合、これをまずつくっていただく。これは、従来の伝統的工芸品産業の実態を見ますと、ややもしますとそういう組織化が進んでいない、むしろ問屋さんが個別に結びついてそして事業をやっておられる、そういうところが多いわけでございますけれども、まずそこで組織化を進めていくということが必要だということで産地組合をつくっていただいて、その産地組合が振興計画をつくって、それが適当であればそれに基づいて助成をしていく、こういう考え方、仕組みになっておるわけでございます。 したがいまして、いま先生からお話がございましたその墨田区の保存会のお話も、私ども聞いております。聞いておりますけれども、現在の枠組みから申しますと、率直に申しますと現在の伝統的工芸品産業の振興に関する法律の枠組みには乗らない、こういうことでございます。
○有島分科員 大臣、お聞きのとおりでございまして、行政としては昔からの路線の上を走っていかなければならないわけでございますよね。 さっきもちょっと第二臨調の話をしたけれども、近代化産業のあり方といいますかあるいは経済成長のパターンというか、こういった伝統工芸品というものにはなじまぬことでございまして、GNPに占める割合なんということになると、本当に全く何もないみたいな、痕跡もとどめないようなことになるわけでございますね。 〔岡田(利)主査代理退席、主査着席〕 しかし、今後のわが国のことを考えていった場合に、転換しなければいけないのじゃないかというような兆しがすでに指摘されておる。まあ指摘されてから本格的には立ち上がられてもよろしいかもしれないけれども、物の考え方を少し転換していくということを御検討いただきたいのだけれども、大臣どうでしょうか。――これは一生懸命やっておりますということはわかっておるから、転換しましょうというときはだめなんだ、向いてないんだな。大臣にお願いしたい。
○安倍国務大臣 通産省としての考え方からすれば、いま局長がお話しいたしましたような伝産法によるところの育成、助成、こういうことでいわゆる産業としてのこれを育てていく、あるいはまた中小企業としてこれの対策を進めていく。通産省の立場からはそういうことにならざるを得ないわけなんですが、伝統工芸品がわが国の文化というものを象徴し、これを継承していくわけですから、私は大変民族的な重要な文化であると思っておりますし、そういう意味では、いまおっしゃるように産業を中小企業として育てていくということだけではなくて、また新しい文化政策という立場からもこれに対処していかなければならぬ。これは文化庁も見えているわけですから、そうした横の連絡等も場合によっては進めて、やはり総合的に伝統文化工芸というものを育てていくということが全体的に必要じゃないか、これは私は同じような認識でございます。そのために、必要なら行政関係の横の連絡等も緊密にとっていく必要があるのじゃないか、こういうように思っております。
○有島分科員 さっき保存会のことを申しましたですね。これは中小零細にも入らぬような、たとえば墨田区なんかの場合に職人さんが十七名いるというのですが、後継者が決まっているという人はそのうちでもって三人しかいないというのですよ。あとはもうその一代で滅びちゃうわけですね。十七名の職人さんでは、組合をつくるというだけの人数はいないわけですよね。その地域内に十企業あって、三十人以上の人がいなければ組合にはならぬとか、そういうことになっておるわけでして、ですから本当の弱小業種ということですね。これは従来、伝統工芸といえども通産省の管轄であって、文化庁としてはこれは通産省の方だからと思って遠慮して手を出しておらない、そういう状況です。ですから、縦割りだけではなしに地域的なまとまり、こういったことについても少し考えてみる。それでもって、そこにいろいろな縦割りとしての、いわゆる近代化産業の線に沿うような方向で、そこに乗っかっている部分はいろいろ恩恵があったわけですけれども、それを地域的なまとまりができてくれば、そこに一つの手だてを尽くしてあげましょう、そういうふうに考えを転換してもらいたいのですよ。それはどうですか。
○志賀政府委員 若干事務的な問題を受けまして、私の前の御答弁を補足する形でお答え申し上げさせていただきたいと思うのです。 先ほど申し上げましたように、私どもの政策は従来そういうことでやってまいっております。率直に申しまして私どもが全国的に調査をした結果に基づいて判断をいたしますと、現在の法律に載ると考えられる産地でまだ現に指定されていない、そういう品目が多分百七十品目弱あるのではないか。そのうちで実際に指定されるのはそれをかなり下回ると思いますけれども、そのぐらいの品目がまだ未指定で残っておるわけでございます。私どもとしては、まず、現在まだ未指定のものについてできるだけ早く載るべきものは載せていくというのが先決であろうというふうに思っております。 ただ、いずれにいたしましても、この法律の考え方に適しない、適しないと申しますか指定要件に該当しない、そういう小規模の産地もございます。そういうものにつきましては、本来この伝統的工芸品というのは地方自治行政と非常に密着した問題でございまして、現に地方自治体においてもかなりのところでそういった伝統的工芸品についていろいろな施策をやってこられておりますし、私どもとしてもそういう自治体とよく連絡をとりながらやってまいりたいと思っております。また現に、いわゆる伝産法に指定されていない小規模の産地の伝統的工芸品につきましても、実際問題として私どもがやっております褒賞制度であるとかあるいは展示会であるとか、そういったものについては伝統的工芸品と差別なく扱って、一応対策をとっているわけでございまして、そういう方向でとりあえずは考えていったらどうかというふうに思っています。
○有島分科員 地域保存会はどうなりましたか。
○志賀政府委員 地域保存会の問題は、保存会そのものとしていまの政策の上に乗せていくというのは、率直に申しましてなかなかむずかしいと思っております。私どもの次のステップとしてまずやることは、まだ指定されていない品目についてもできるだけ早く制度に乗せていきたい、こういうことでございます。
○有島分科員 いろいろ御苦労していらっしゃることはわかる。だけれども、いままでのレールの上でしかとにかくできないわけですよ。地域保存会の方は認められるようにひとつ文化庁の方も御連絡をいただいて、そういったことを踏み切るようにお約束いただけませんか、どうですか。
○安倍国務大臣 いまの法律のたてまえからいきまして、いま事務当局から答弁をいたしましたように、法律からすればなかなかむずかしい面がこれはあるわけでございますが、いまおっしゃるように縦の関係だけで産地を指定して助成をするということだけでは伝統工芸を育成をしていくということについて不十分な点もあることは、私もいまお話を聞きまして理解できるわけであります。したがって、これはなかなかむずかしい問題もあると思いますが、検討課題として保存会の問題や何かをこれから一体どういうふうに対応していくかということもあわせてひとつ勉強してみたいと思います。
○有島分科員 お願いします。 高齢化社会というようなことが指摘されておる。これはばかにならない話でございまして、これから二十年間、二十一世紀に向かってのことですけれども、ゼロ歳から十四歳までの人たちが高齢化社会に伴って割合が減ってくるということはありますね。だから高齢者がふえてくる、それでもって若い連中は少なくなってくるということがあります。その割合が三・五から二・五ぐらいまでに落ちてしまう。これは高齢化社会の逆現象ですね。今度は裏に出てくる、若年層が少なくなってくるという現象であります。絶対数から申しましても、推定によりますとゼロ歳から十四歳までがこの二十年間に約五百万人減っちゃうのですね。いま学齢人口というのは大体二千六百万程度であるかと思いますけれども、そのうち五百万人が二十年で減っちゃうわけですよ。ということは、学校教育というものの施設が非常に余ってくるとか、そういったことも起こってきます。それから、いわゆるいままでの教育産業と言われているもの、これはGNPの何十%を占めるのかということは余りいままで問題にされておりませんでしたが、これはかなりのものであろうということが言われているわけですね。この辺で高齢者向けの、ないしはいままでの教育産業から趣味産業の方に移行していかなければどうにもならぬのじゃないかということがすでにもう出てきておるようであります。 この趣味産業ということになりますと、これはどんと大量的なことじゃなくて、非常にきめの細かい地域的なことになってくると思うのですね。文部省の社会教育の方ではそういったことをどのように問題にしていらっしゃるか、これは今後の問題であるというけれども、いまから手をつけておかないとあっと言う間に来てしまうというようなことが一つあろうかと思います。それから婦人の社会的な進出なんていうことがありますけれども、こういった伝統工芸を、プロフェッショナルなものとしてきつくやっていくのと同時に、セミプロ的な問題がずっとこれから一般化してくるであろうというようなことも考えられるのじゃないかと思うのですね。こういった点、文化庁と社会教育局は伝統工芸についてどのようにお考えになっていくか、もう時間がなくなってきたから、ひとつ簡単に言ってください。
○富張説明員 文化庁では、歴史上、芸術上価値の高い伝統工芸品についてこれを重要無形文化財ということに指定をして、保存、活用を図ることにいたしております。 現在、各個指定といいまして三十二名、それから団体指定十一団体ございますが、こういった指定の方法を通してその指定をされた方あるいは保存団体に対して助成金を交付するということで、その技術の練磨と後継者育成をぜひ図っていただきたい、こういうことをいたしております。 それから、その指定に当たらないものにつきましても十分記録をとっておかなければいけない、こういう観点から記録選択の措置という方法がございまして、長官が選択をしてこれの記録をとるという方法をとっておりまして、こういった施策を充実してまいりたいと思っております。
○五十嵐説明員 先生御指摘のとおり、郷土の工芸、芸能等の生活伝承文化の継承や発展を図りますことは、郷土を理解し愛する心を培う上からもきわめて大切なことであるというふうに考えております。 そういうことから文部省では、地域社会に根差しました地域住民間の連帯をつくりまして、それへの学生の参加を促進しますとともに、青少年の地域活動の面におきましてもそういうことを考え、あるいはいま先生から御指摘がございました、高齢者が長年にわたって蓄えられました知識、技術を活用する事業に対しましても助成をしておるところでございます。また、博物館活動におきましても、そういう郷土の伝統的な工芸資料を展示するということもやっておるわけでございまして、今後とも社会教育活動の中でそういう伝統工芸に対する理解が十分図られ、プロということは非常にむずかしいわけでございますが、そういう面におきます趣味とかあるいは教養活動が促進されるように、さらに努力してまいりたいというふうに考えております。
○有島分科員 お聞きのとおりでございまして、ひとつ連絡会議で何なり具体的な一歩を踏み出していただいて、御検討を始められますようお願いしたいのですけれども、いかがでございましょうか。
○安倍国務大臣 伝統文化を推進する、それで伝統工芸等についていろいろと施策を講じていくということは非常に大事だと思いますし、そういう面で産業政策上の見地から通産省としても取り組んでおるわけでありますが、文化政策の面からも、いまお答えがありましたようなことでいろいろと進められておりますけれども、今後とも、大事な問題でございますので、場合によっては、よく関係省庁の間で連絡をとりながら、総合的にこれを進めるように努力をしていく、そういうことを勉強し、検討もしてみたい、こういうふうに思います。
○有島分科員 これで終わりますけれども、観念的には、今後の二十一世紀は量から質への転換だとかこんなことを言いますが、こうした問題はきわめて象徴的に、量の問題ではない質の問題ですね。それで、そこに光を当てていくことによって、ずいぶんいろいろな、物の考え方が変わってくることがあろうかと思うのですね。ひとつ実現していただけるようにお願いをしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○武藤主査 これにて有島重武君の質疑は終了いたしました。 次に、米沢隆君。
○米沢分科員 私は、石油産業問題にしぼって質問をさせていただきます。 昨年初頭以降、わが国の石油産業は、原油価格の大幅な上昇や国内石油製品需要の急激な減少に伴う価格の低迷に加えて、為替レートの円安傾向の進展のために未曽有の経営危機に直面するに至っております。最近に至って、国際的な原油情勢の安定化、為替レートの昨年末の円高傾向で、最近はちょっと乱高下はいたしておりますけれども、やや好転しつつあると言われておりますが、これは、昨年来の緊急対策としての減産指導という人為的、臨時的な措置によってようやく小康を得ているのでありまして、事態の深刻さは本質的にはいまだ解消していないと見るべきであります。今回の経営危機の要因は、さまざまな問題が指摘をされておりますが、何といいましても、本質的には、石油製品需要の構造変化、すなわち、石油価格が高騰し過ぎた結果、市場への転嫁ができずに、また需要も大幅に減少したこと、石油産業の過当競争体質等の構造問題に根差したものであると言われております。 そこで、まず本論に入ります前に、昨年来緊急対策として実施されました減産指導と石油業界の負担軽減を図るための国家備蓄の積み増しの結果、現在の石油の需給状況は一体どうなっておるのか、今後、このような減産指導や国家備蓄を積み増ししていこうという方針は継続を図っていかれるのかどうか、質問をさせていただきます。
○小松政府委員 先生からお話がございましたように、昨年は、昨年初頭から非常に原油価格が上がった上に円安がそれに重なり、一方、市場の方は石油の需要が落ち込んだ。これは景気も低迷したり、それから省エネ、代替エネルギー等の開発、導入が進む、いろいろな事情が重なりまして、石油業界は非常に厳しい状態に追い込まれたわけでございます。特にそのために、原油の値上がり及び円安のコストアップ分についての市場への転嫁ができないということで、この点について緊急に対策を講ずる必要があるということで、総合エネルギー対策推進閣僚会議とか、また石油審議会の石油部会、こういうところで御議論をいただきまして、まず第一には、先ほどお話がございましたように、石油製品についての需給のバランスを改善する必要があるということで、昨年七月以降、石油企業に対しまして、供給計画に基づく減産指導ということをいたしたわけでございます。 こういうことで、まず需給バランスの回復を図る需給調整面での対策を講じたわけですが、同時に、需要面の拡充ということで、電力業界に対しましては、C重油をできるだけ使ってくれということで、生だき原油からC重油に変えてもらうような要請もいたしましたし、またさらに、先ほど先生からお話のございました石油の備蓄につきまして、これは石油の場合は長期契約を結んでおるわけでございまして、需給のいかんにかかわらず長期契約は引き取らざるを得ない。しかも、現在非常に需要が緩んでいますけれども、長期契約の相手方というのは、将来的に見まして日本の石油の供給安定のために非常に大事な相手でございますので、これはどうしても引き取る。引き取る場合に、石油業界が非常に厳しいということもございまして、また一方、日本の備蓄の現況から見ますと必ずしも十分ではない、こういう時期にこそ備蓄を拡充する必要があるんじゃないか、そういうもろもろの観点から、国家備蓄の積み増しということで三百五十万キロリットルの積み増しを実施いたしたわけでございます。これにつきましては、今後とももちろん備蓄拡充、特に国家備蓄の拡充は必要でございますけれども、今後の方針といたしましては、こういうタンカー備蓄よりは、国家備蓄基地をつくってそれに備蓄をふやしていくということで、昭和六十三ないし五年に三千万キロリットルという目標を立てて、今後とも国家備蓄については積み増しを図っていくというふうに考えておるわけでございます。 ただ、こういう緊急対策をやっておるわけですが、基本的には、先ほど先生からも御指摘がございましたように、石油産業の体質問題、それから石油産業をめぐるいろいろの環境問題、これは、石油産業も非常に厳しい状態にあるわけでございますので、そういう観点に立ちまして、石油審議会の石油部会でいろいろ御検討いただきまして、昨年末答申をいただいておりますが、その中では、今後の石油需給動向を見た場合に、石油の精製設備自身が過剰であるとか、また、元売り自身も今後さらに集約化を図る必要があるんじゃないかという問題、さらに、生産、物流その他の面での構造の改善合理化が必要である。さらに今後の問題といたしましては、需要が低迷するだけではございませんで、重質油から中間留分がふえるというような形で、需要構造自身が変ってまいりましたが、これに対する対応策、さらには、為替レートが動きますと非常に大きな影響を受ける石油業界について、為替リスク対策という面からも、基本的には業界が自主的にやる対策でございますが、こういう問題についてもいろいろの対応策を考える。こういうことで、短期需給政策とあわせまして中長期的な体質改善を進めていくという方向で石油産業の今後の経営の安定を図っていくということにいたしておるわけでございます。 〔主査退席、植竹主査代理着席〕
○米沢分科員 そこで、大臣にお伺いします。 先ほど述べましたとおり、石油産業の経営危機の本質は、第一義的には、高騰した石油価格を市場に転嫁できない、その上需要は大幅に減退しているということであるといたしますれば、この事態を基本的に解決するためには、日本経済が現在の石油価格水準で相当の成長を続けることができるまで調整されるか、または、石油価格が現在の日本経済の実態に見合ったところまで下がるか、いずれかになることが必要だと思うのです。つまり、いまOPECが石油価格を凍結したり値下げといったかっこうで世界経済と原油価格水準の均衡点を見出そうとしていると同じようなことがなされる必要があると思うのです。そこで、政府はどういうかっこうで、どういう方策をもってこの調整をやろうとされておるのか、またできると思っていらっしゃるのかどうか、この点を大臣に聞かせていただきたいと思うのです。 しかしながら、この市場転嫁が進んでいきますと川下が困ることは当然でありまして、いまでさえ需要が減少している上に市場転嫁が進みますと、それは石油製品価格の上昇となって逆に市場の需要範囲の限界を超えるということで、また需要を減らすことにもつながるわけであります。ここでも最終的には輸入原油の価格をどう下げていくのかという問題にぶち当たると思うのですが、これもやはり限界がありますから、その点輸入原油をぎりぎり安くする努力をすると同時に、やはりもとへ返すのは、石油業界が生き延びていくためには市場への転嫁しか残らないわけです。しかし最終的にはこれを日本経済全体として消化していかねばならぬというのが日本の宿命のような気がするわけです。そして出てくる個別の問題については個別の対策を立てて解決していく、そういう手法がこれから先立てられねばならないと思うのですが、大臣の見解を聞かしてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 石油の問題につきましては、国際的には非常に複雑であります。中長期的に見ると、いま需給が緩んでおるわけでございますが、これがいつまで続いていくのか、国際政治の面もあってなかなか予断を許さない、こういうふうに私は考えております。 そういう中でわが国として、非常に石油に依存しているというこの脆弱な体質の中でどういうふうに政策を進めていくかということは、まさにこれからの非常に重要な課題であることは申すまでもないわけですが、現在の時点においては非常に需要が緩んでおるということでございます。省エネルギー等も非常に進みまして、この五十六年度には二千五百万キロ以上の省石油が進んでおるわけでございます。そういう状況ですから、供給体制をどういうふうに再構築をしていくかということもこれからの課題になってくるわけでございますが、こうしたいま石油産業が危機に瀕しておるというのは、先ほどお話がございましたように為替の問題等もあります。あるいはまた需要が緩んでおるというふうな問題もありますし、あるいはまた構造的な問題もあるわけでございますので、私どもとしては基本的にはやはり供給体制の問題を、これは業界の自主的な努力ということが原点でございますが、進めていかなければならぬわけでありますし、また為替のリスク対策ということも、これもいまいろいろと検討されておりますが、こういう問題も大いに努力を続けていかなければならぬわけでございます。あるいはまた中間留分の問題もやはりこれからの大きな検討の課題ということになっていくわけでありますけれども、ここまで現状で一応需給関係が緩んでおるということになれば、いわば価格の問題についてはいわゆる市場の実勢価格というものに任していくということが今日の市場経済の中では妥当な方向ではないか。 しかし、この石油問題というのは非常に広範な影響が国民生活の上に出てくるわけでありますから、監視の体制というものはやはり続けていく必要はあるのじゃないだろうか、私はこういうふうに考えておりまして、なかなかむずかしい問題をはらんでおるわけでございますが、総合的にいろいろの角度から取り上げて、そして今日の国際あるいは国内的な問題に対して対処を誤らないで進めていくということが必要であろうと思うわけであります。
○米沢分科員 概括的にいまお話をいただきましたが、そのような認識の上に立って、今後の政府のとるべき石油政策は一体どのように展開されるべきかという問題を尋ねてみたいと思うのです。 御承知のとおり、これまでのいわゆる第一次石油危機以降の国の石油政策は、一言で言いますならば石油不足を恐れる、石油価格の上昇を恐れる、常に石油需給の緩和を図って石油価格を抑制することを方針とされてまいりました。石油業界危機の引き金になりました一昨年の円高差益還元指導、昨春の原油価格上昇による製品値上げのちょっと引き延ばせという抑制、過大な供給計画の策定、これらはいずれも石油製品の供給余力を確保して、石油価格の上昇を最低限に抑え込もうとする政策であったと言っても過言ではないと思います。こういう政策は、原油の価格の高騰が国内にインフレをもたらす、そういうものを防止しなければならぬということにつきましては、それなりの意味があろうと思いますが、どうも従来までの石油政策というのは、石油政策というよりもむしろインフレ対策、景気対策であった。こういう政策をいつまでも石油業界に適用するということは、いまや問題であるという認識を私は持っておるわけであります。 御承知のとおり、原油価格の高騰によるわが国産業の製品価格体系の変化がすでに進んだ結果として、石油の多消費産業が大変むずかしい状況に陥っていることは事実ですし、また石油業界も二年続きで年率一〇%近い構造的な需要減退に見舞われているのでありまして、こういうときにやはりいつまでも需給緩和対策あるいは価格抑制対策をそのまま適用するということは、業界にとっては逆に矛盾を爆発させる要因になっていくのではないか。ですから、こういう時期には構造変化に行ったこの石油産業でありますから、企業の体力を温存しつつ、スムーズにかつ早目に構造改善をさせるように誘導することが第一であると私は考えます。同時に、今後の石油行政の目標は価格を抑制する、監視されるという表現をなさいましたけれども、価格を抑制することではなくて、価格形成力を重視することに転換する。つまり、コストに基づいた適正な価格が形成されることが必要であると考えるわけでありまして、当然現行の価格体系の是正、これはいろいろと他を考慮しなければなりませんが、もう検討段階から徐々に実行段階に移るべきときに来ておるのではないかと思うのでありますが、例の石油審議会の答申を受けて、今後の石油政策の基本はどういうかっこうに変わっていくのか、このことを大臣に聞かせてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 基本的には石油審議会石油部会小委員会報告に指摘されておりますように、極力市場のメカニズムを通じて民間の活力を尊重するということが望ましいことは言うまでもないわけであります。ただ、石油は経済社会の基礎物資でありますし、その安定供給のために石油産業に対して広い意味での供給責任を求めざるを得ないわけでございます。また、石油が国際政治情勢の影響を受けやすく、かつ国際管理が進む方向にあること等から、これに対応するためには、やはり最小限の介入ということも必要であろうと思うわけでございます。したがって、石油行政の基本方向としては、安定供給に重大な支障を生ずるおそれのある場合を除き、極力誘導的な措置にとどまることを目指して、個別の介入については漸進的に縮小緩和をしていくという考えでございます。いまお話のございましたような基本的な姿勢、また私が申し上げましたような方向で、今後具体的にただいまお話しのように検討という課題から一歩進んで、今日の事態の中では実行というものも考えなければならぬ、こういうふうに考えております。
○米沢分科員 経済企画庁の方来ておられますか。 石油製品価格体系の是正ということになりますと、どうしても物価というものとの両にらみの問題がありまして、必ず経企庁としても重大な関心を持たれるはずでありますが、現在のような石油業界の実態あるいは石油を使うところの素材産業等の実態等を眺めましたときに、最終的には市場に転嫁するということなくして業界の再生はあり得ないというところにわれわれぶつかっておるわけでありまして、そうした場合に石油製品価格体系の是正をしなければならぬという問題にいまつながっておるわけです。そういう意味で、今後経企庁としてこのような是正がなされていく場合に、物価という観点からどういうスタンスでこの問題をにらんでいくかということをちょっと聞かしてもらいたいと思います。
○長瀬説明員 一般論として申しますと、石油製品につきましても、他の一般の商品と同様に、基本的には市場の需給関係を通じて、また市場メカニズムを通じまして価格が形成されていくということが望ましいと考えております。その過程でコストアップの要因等がございました場合には、市場の需給関係を通じて価格に反映されていくということもまたやむを得ないというふうに考えているわけでございます。しかしながら、石油につきましては、国民生活上も大変重要な物資でございますので、この点につきましては、何らかの形で需給なり価格動向につきまして十分注視をしていく、こういう体制は必要であると考えております。
○米沢分科員 次は、先ほどからも話が出ておりますように、為替リスク対策の問題についてお伺いしたいと思います。 この主要な石油十一社の昨年九月の中間決算は、経常収支で合計三千二百三億円の赤字という石油産業史上空前の業績悪化となったと伝えられます。赤字額のうち二千六十八億円、すなわち約六〇%が円安のため原油購入のドル代金決済から生じた為替差損であると言われるわけです。このほか巨額のドル・ユーザンスに伴う高金利負担が著しく増大したことも大きく響いている、このように分析されております。国民生活や産業活動の基盤であります石油産業のドル債務が異常に膨張して、変動相場制下での激しい為替相場の上下に動く、そういうことによって石油企業経営が翻弄される状況は、決して国民にとっても国家にとっても好ましい問題ではないと考えるわけであります。その上石油産業のドル債務残高は、原油価格の上昇のために、五十三年度の九十億ドルから最近では約二百億ドルへ大幅増加していると言われまして、これが円安になりますと、原油購入コストの上昇につながり、これが製品販売価格の引き上げによって十分吸収できないために、石油各社が大幅な赤字を出している、こういうからくりになってしまっているわけです。そこで、石油産業が円安による為替差損を回避するためには、御承知のとおり先ほどから話が出ておりますように、輸入ドル・ユーザンス残高を減らし、円金融、円ユーザンスをふやすか、あるいは原油購入後できるだけ早い時点でユーザンス決済時の為替レートを確定するための為替予約をすることが考えられるということでありますが、どうも石油会社はいままで全体としては円高によるメリットの方が多かったという感覚といいましょうか、あるそうでありまして、どうも円高期待感が強い。結果的には、為替予約を積極的に実施する、そういう方向に向かっていないというふうに伝えられるわけであります。 いずれにいたしましても、このような為替リスク対策をとるかとらないか、どういうかっこうの為替リスク対策をとるかは企業そのものが決めるわけでありまして、われわれが外からとやかく言う問題ではありませんが、しかしながら、先ほど申しましたようにドルの上下幅がかなり大きくなって、為替相場が動くたびごとに石油企業そのものの経営が振り回されるということでは、われわれにとっても好ましい問題ではないわけでありまして、この点、今後具体的にどういうかっこうで為替リスク対策というものを強化していくために政府は各業界を指導なされていくのか、この点をちょっと聞かしてもらいたいと思うのです。
○小松政府委員 先生からお話しございましたように、まさに石油業界にとりましては、為替というのは価格に非常に大きな影響を及ぼすわけでございまして、大体コストの八割以上が原油価格だということで、しかもそれがほとんどドル建てで取引が行われておるということでございますので、ドルの相場が動いた場合に石油企業に与える影響というのは非常に大きいわけでございます。昨年ないしはことしにかけての石油業界の経営不振もそこに大きな原因があるということでございまして、これに対する対応策につきましては、石油審議会の中に為替リスク対策ワーキンググループというものを設けましていろいろと検討していただきましたので、検討の過程では、先ほど先生からお話のございました円金融の問題、為替の予約の問題それからさらに、場合によっては準備金も積み立てたらどうかというような意見もいろいろ出ました。 ただ、結論といたしましては、ワーキンググループとしては為替リスク対策の基本は、やはり企業の経営にかかわる問題でございますので、経営者自身が決める問題である。その方向としては、非常に為替の影響が大きいわけでございますので為替の予約、これを各企業ともそれぞれ社内で目標をつくって予約率を高めるという努力をすべきではないか。 それからまた、円金融につきましても、これが一斉に動くということになりますと、円金融の実際の銀行の資金量その他との関係もございますので、徐々に円金融への転換の問題も図っていくべきである。ただ、準備金につきましては、もし強制ということになりますと、これが相当企業の経営内容にかかわるので、この点については早急にそういう結論を出すべきでないというようなことで、準備金についてはもちろん結論は出ておりません。 基本といたしましては、先ほど先生が御指摘ございましたように、経営者がまず今後の経営の安定という角度に立ちまして、為替の予約をどの程度やるか、それからさらに金融機関と話を進めながら円金融への転換をどこまで図っていくか、こういう問題を総合的に図りながら為替リスクに対応すべきである。その方向に沿って通産省といたしましても今後の業界のあり方についてはいろいろ指導をし、助成もしていきたいというふうに考えております。 最近に至りまして、企業の為替の予約も徐々に拡大の傾向にございますし、今後そういう線に沿いまして業界の経営者自身も対応されるというふうに思っておりますし、私どもとしてもその対応されるに当たっての必要な協力は今後ともしてまいりたい、かように考えております。
○米沢分科員 大蔵省の方来ておられますか。 円金融の推進についての問題点は、わが国の輸入金融方式、すなわち輸入ドル・ユーザンス方式は、海外に安価で潤沢なドル資金源があり、外貨金融は国内の金融調整の枠外にあって定着してきたということを考えますと、もし円金融を推進すると、これに見合う良質な豊富な円資金を安定的にどう確保できるか、これが円金融化を進める際の最大のポイントだと言われておることは御案内のとおりです。 そのほか、金融界はドル金融の方が円より利ざやが大きいとか、日銀の大口融資規制との兼ね合いもあって、原油購入の円シフトには必ずしも乗り気でないと言われておると言われます。いろいろな問題は指摘をされておりますが、この際、円金融を推進する方向で金融界に対する指導が強化されてしかるべきだ、こういうふうに考えるわけです。 そういう意味で石油と金融をめぐる問題をぜひ検討課題に――もうすでに入っておると思いますが、検討課題に入れていただいて、今後円金融が推進される方向で金融の環境整備、そういうことをやってもらわなければならぬと思いますが、その点について大蔵省の見解を聞かしていただきたいと思います。
○岩崎説明員 銀行課長の所管にわたる部分もございますが、私あわせてお答えさせていただきたいと思います。 先生御指摘のとおり、石油の輸入金融は従来伝統的にドル・ユーザンス制度を利用しておりまして、これはかなりの金額に上っております。これを円の金融に振りかえるという問題になりますと、その量の問題あるいは制度的にどのように整備するかといういろいろな問題がございます。このドル・ユーザンス制度というものは、従来国内金融に影響されないということでかなりの歴史を持って育ってきておるものでございますから、これはまず今後とも基本的にはこのドル金融制度というものが続いていくのじゃないか、ただ、御指摘のように為替リスクの問題あるいは日本の貿易金融そのものがドルに依存しておるということ自体の問題がございますので、これは円の貿易金融というものについてはこれからも前向きに検討していかなければいけないということで考えております。 その場合に、石油の金融自体だけを考えますと、たとえば円のユーザンス制度という制度金融というものを設けることについては、特定の業界だけにそのような制度を設けるということが一つの問題としてあります。 また、現在の金融制度の中でどのように円金融化を図っていくかという問題になりますと、先生御指摘のとおり大口融資規制の問題あるいは窓口規制という問題もございますが、現状の金融緩和あるいは超緩和の状況でございますと、大口融資規制の枠は現在十分な余裕があるということで、これは問題がないということでございます。さらに、新銀行法による大口融資規制の場合、対象の貸付金から手形の割引等を控除するという考えがございますので、これによってさらに余裕枠は拡大するということでございますので、この大口融資規制枠の問題、制約というものは現在ないと考えております。 そのようなことで、私どももこの石油業界に対する金融制度、ドル金融に全面依存しておるものを円金融化を図っていくという方向については前向きに検討しておるということでございますが、これはいろいろな国内金融との調整の問題がございますので、今後検討していきたいと考えております。
○米沢分科員 時間がありませんので先を急ぎます。 次は、石油産業の過剰設備の問題であります。 現在、設備能力は日産五百九十四万バレル、その一〇%以上が過剰設備だと言われております。ちなみに昨年の九月の調査によりますと、全面停止設備は日産四十五万バレル、一時停止設備は日産四十八万バレル、合計九十三万七千バレルで、総設備能力の約一五・八%になっておるわけです。これらの過剰設備につきましては、何といいましても自己責任の原則のもとに廃棄を推進することは当然でありますけれども、それでもやはりここで問題になりますのは、この前の一般質問で申し上げましたように特定不況産業安定臨時措置法の適用、これは新法になるか、改正してこれの受け皿をつくってもらいたいという話をしましたが、この法の改正の問題があるわけでして、今後過剰設備の解消のために具体的に政府としてはどのように誘導されていかれるおつもりか、その点を聞かしてもらいたい。
○小松政府委員 先生のお話にございましたように、石油産業全体、特に精製設備につきましては相当の過剰設備があるわけでございまして、これについて今後の需要の動向ないしは石油精製業自身の体質改善の問題を考えますと、過剰設備を処理していく必要性が非常に強いわけでございます。 その方向といたしましては、まず何をおきましても石油精製業自身がみずからの努力で過剰設備を処理するということが大事でございますが、業界全体として相当の比率にわたって過剰設備があるということでございます。特に石油の設備につきましては石油業法に基づく許可制その他も行われているという経緯がございますので、私どもといたしましては、全体としての処理目標、設備処理の方法等につきましては、石油供給計画の中でその辺の位置づけも考えていきたいという気がいたします。同時に、それをベースに、実際にやるのは業界の自主的な努力、それは今後業界がグループ化するとか、いろいろな体質改善の中で自主的に過剰設備についてやってもらうというふうに考えております。同時に、それと今後の石油政策との関連で、政府が指導し助成できる点はできるだけ指導していくということでございます。 そういうことで業法上の位置づけをしながら、業界の自主的努力と私どものそれに対する支援ということで、今後とも過剰設備の処理を進めていきたいというふうに考えております。
○米沢分科員 過剰設備の問題と同時に、業界の過当競争体質、これは昔から言われておりますが、一向に改善される動きはありません。現在石油業界は、御承知のとおり精製が三十四社、元売り十三社、市場規模に比べまして各社のシェアは大変小さい。また元売りの場合には、最大手でもシェアは二〇%を下回る状況であるにもかかわりませず全国的な規模で営業活動を行っている。そういうふうに企業数が大変多い。過多である。これが根本的な原因となって過当競争体質を形成していると言われております。したがって、過当競争体質の改善を図るためには、販売部門の集約化とか元売り企業数の大幅減少とかそのためのグループ化等を推進することが必要であるということが再々指摘をされておるわけでありますが、一向に進んでいっておるというふうには受け取れないのでございます。たとえば、円が高くなってかなり利益が上がったときなんかでも、どうもそのあたりの金はみんな営業競争に使っておるという節がありますね。そして困ったら今度は標準価格で何とかしろなんというのは言語道断だと私は思うのです。口ではいろいろといままで過当競争体質は是正さるべきである、しなければならないということがしつこく指摘をされておるにもかかわらず一向に改善がなされていない、このあたりをもうこの時点ではかなり強力に通産省としても従来の行政指導以上に何か策をもって指導していくということが必要な段階に来ておるのではないかという感じがするわけでありまして、業界の競争体質改善をどういうかっこうで推進されていくのか、何か新たな行政指導の手段があるのか、どうか、そのあたりも含めてお答えをいただきたいと思います。
○小松政府委員 先生の御指摘のような点につきましては、石油審議会の石油部会小委員会報告でも同じようなことを指摘いたしておりまして、過当競争体質の改善のためには、先ほど来お話のございました過剰設備の処理と並びまして元売り段階における集約化、さらにはリーディングカンパニーの形成ということが必要だという提言がなされております。この提言の線に沿って今後業界、特に元売り段階の体質改善を進めていく必要があるわけでございますが、基本的にはあくまでも企業自身の問題でございますので企業が進めていくということで、なかなか合併とかいうことはむずかしいわけでございますが、まず全体的には、企業の集約化の一環としてはグループ化の問題、グループの中での販売面、精製面その他での合理化、調整の問題、それがさらに進めばそのグループの中で合併とかいう問題が進んでいく。そういう過程で今後の集約が進められていく。一方、価格形成能力その他から見ますと、ある程度のシェアを持ったリーディングカンパニーが形成されて、それが中核になりまして業界全体の体質改善が進む、これが非常に望ましい方向だと思っております。 こういうことで、現在各企業ごとにいろいろな体制整備が行われているわけでございますが、過去に比べまして、現在は、業界の中にも相当思い切った体質改善をしなければいかぬという意識ができてきております。と申しますのは、今後の石油需給動向その他から見ますと、恐らくそう大きな需要の伸びは期待できないわけですので、その中で石油産業が生き残り、体質を強化していくということになりますと、一社だけの問題ではなくて、どうしてもグループで問題を処理していく必要がある。特に今後需要構造が変わってくるということになりますと、重質油対策とかいろいろの対応策も要るわけですが、こういう問題も一社でなかなか対応できない。こういう環境の中にございますので、先ほどの小委員会報告の線は業界の中にも相当浸透してくる。それをベースに、現在すでにグループ化その他の動きが始まっております。この動きをできるだけ私どもとしても助成していきたいということで、そういう体制整備に必要な金融措置その他についてはすでに準備もいたしております。こういうことで、今後業界のそういう体質改善の動向をにらみながら、積極的に応援をしていきたいと考えております。
○米沢分科員 時間をせかれておりまして中途半端になりましたが、先ほどから申しておりますように、石油業界は新しい段階に入っておると考えていいと思います。そういう意味で、今後行政指導のよろしきを得て石油業界が再生するように、最大限の努力をしていただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
○植竹主査代理 これにて米沢隆君の質疑は終了いたしました。 次に、林百郎君。
○林(百)分科員 私は、電力料金の問題について若干質問したいと思います。 五十五年度の九電力会社の経常利益はどのくらいで、対前年度比どのくらいの増になっていますか。
○川崎政府委員 五十五年度の九電力会社の経常利益でございますが、一兆八百億という数字になっております。(林(百)分科員「対前年度比」と呼ぶ)前年がマイナスでございますので、その対前年比で何%ということがちょっと言えない感じでございます。
○林(百)分科員 そうすると、一昨年、八〇年度の四月の電力八社の平均値上げ率はどのくらいだったですか。
○川崎政府委員 五〇・八三%でございます。
○林(百)分科員 マイナスがプラスになったのだから、比率が出ないということはないんじゃないですか。
○川崎政府委員 正確に申しますと、五十四年度の経常利益でございますが、マイナスが千二百六十二億、つまり千二百六十二億の赤字でございました。五十五年度の実績が先ほど申しましたように一兆八百億でございますので、もしその差額を数字としてとらえますと、千二百億足らずのマイナスから黒字になったということでございます。
○林(百)分科員 電力料金の値上げの査定と決算の違いは、五十五年度ではどのくらいだったですか。
○川崎政府委員 九社の計でございますが、九社の計で織り込みにいたしましたときの収入見込みが十兆百七十二億、それから実績が九兆四千四百四十六億という数字になっております。
○林(百)分科員 ですから、通産省が査定したものと決算との間の差額はどのくらいだったんですかと聞いているんですよ。
○川崎政府委員 約五千七百億でございます。
○林(百)分科員 そういう通産省の査定と実際の決算との間に五千億近くの差額が出るということはどういうことなんですか。それだけ査定が実際は、使い言葉はいろいろありますが、甘かったということを言ってもいいんですか。
○小松政府委員 実際に査定しました段階と決算が行われた段階では、実は状況がかなり変わってきております。 一つは、まず円高が全体として進んだということでございます。それからもう一つは、予想以上に豊水であった、さらには原子力発電所の稼働率、これが私ども当初予想したよりは順調に推移した、こういうことが重なりました結果として、先ほど申し上げたような実際の決算と査定、当時考えたものとの間に差が出てきたということでございます。
○林(百)分科員 それじゃ、こう聞きましょう。五十四年度と五十五年度で電力の売り上げ料金ですか、これは幾らと幾らで幾らの増しですか。
○川崎政府委員 五十四年度の実績でございますが、電灯、電力、小計いたしまして六兆四千億、五十五年度の実績が電灯、電力小計いたしまして九兆七千億強でございます。
○林(百)分科員 九電力会社の現在の各種準備金、引当金の累積は五十五年度でどのくらいになっていますか。
○川崎政府委員 五十五年度でございますが、総計いたしまして二千五百四十八億という数字になっております。
○林(百)分科員 私たちの調べですと、渇水準備引当金、貸し倒れ準備金、退職引当金、価格変動準備金、原発償却引当金、公害防止引当金、海外投資損失引当金、合わせて七千四百五十億円という数字が累積で出ているんですが、大分違いますが、どういうわけでしょうか。
○川崎政府委員 ただいまの私が申し上げました数字は、退職給与引当金を除いて、渇水準備金、原子力発電工事償却準備金、海投損……(林(百)分科員「みんな入れてください。入れるとどうなりますか」と呼ぶ)総計いたしまして七千七百億強でございます。
○林(百)分科員 安倍通産大臣、こんなような、大体の大きな数字は出たのですけれども、また五十七年度の電力料金を決めなければならない時期に、たしか三月だと思うのですが、あるいは申請によって違うと思いますけれども、五十七年度は、いまの状況でいって、あなたは電力料金は上げないというようにお考えになっていますか。それともこういう状況でもなお上げる要因があるとお考えですか。
○安倍国務大臣 いまの電力会社の経営の状況からすれば、五十七年度においては電力料金を据え置いていけるんじゃないか、こういうふうに考えております。 ただ、非常に国際的な、円だとかあるいはまた石油なんかの価格の変動というのは、大変激しいものがあることはあるわけですけれども、いまの状況では上げる必要は私はないんじゃないかと判断をしております。
○林(百)分科員 大臣もお答えのように、非常にドラスチックな価格の変動だとかあるいは重油の需給関係のアンバランスだとか、そういうものが出てくれば別ですが、いまの状況でいくといま大臣のお答えになったようなことをお考えになっている、こう聞いておいていいですね。
○安倍国務大臣 それで結構でございます。なるべくわれわれは電力料金は簡単に上げるということはしないで、できるだけこれを持続していきたい、こういうふうに思っています。
○林(百)分科員 わかりました。 そこで、ちょっと細かいことになりますから、知識をお持ちの方から答弁を聞けばいいのですけれども、遅収加算制度というのがございますね。これはいつからどういう経過でこういうものが導入されたのでしょうか。
○川崎政府委員 昭和二十四年ごろ、つまり戦後間もなくというふうに考えております。
○林(百)分科員 どういう理由で、そして五%というのはどういう根拠から出てきたのですか。
○川崎政府委員 ちょっと遅収料金制度の仕組みを申し上げますと、電気料金と申しますのは、検針日というのがございます。つまりメーターを見に来るわけでございますが、そこで、需要家の方に支払い義務が発生するわけでございます。それで、電気料金は、この検針日から二十日以内に支払うものを早収料金、それから二十日を過ぎまして五十日までに支払うものを遅収料金というこの二本立ての姿になっております。 これは、なぜこういうものができたかと申しますと、電気料金が、需要家がお使いになった後に支払うという、つまり後払い制度であるということと、それから先ほど申しましたように、支払い期限も五十日と非常に長い。そこで、早目にお支払いいただく需要家と、それからそうでない需要家との間に料金上の格差を設けまして、早期支払いを促進するということにしたものでございます。それで、この格差は当初は一〇%ございました。しかし、その後、早収料金の集金率が向上いたしましたので、つまり、早収期間内に支払うという慣習がかなり確立されてまいりました。これを考慮いたしまして五%というふうな数字に引き下げたものでございます。
○林(百)分科員 ちょっとこれお見せしますが、そういう集金日から二十日を過ぎたら遅収料金を徴収する、その率は五%だと別に書いてないのですがね、家庭用電力の中に。これは中部電力の例ですがね、二十日過ぎだとか五%だとかということは。これちょっとお見せしますけれども。
○川崎政府委員 いま確かに先生からお見せいただきましたこの分につきましては、その二十日ということが書いてございません。(林(百)分科員「それから五%も書いてないでしょう」と呼ぶ)五%も確かに書いてございません。
○林(百)分科員 それじゃわからないじゃないですか。
○川崎政府委員 この中部電力のケースにつきましては、先生からの御指摘もございましたものですから、早速事業者の方を指導いたしまして、現在では、ちょっと読ましていただきますと、「料金のお支払いが早収期間(検針日の翌日から起算して二十日以内)を過ぎますと遅収料金(早収料金を五%割り増しした金額)と早収料金との差額を翌月の料金に加算させていただきます。」そういうふうに改定させていただきました。
○林(百)分科員 そうすると、中部電力は私も注意したのですが、そういうように直したということですね。他の電力会社はどうなっていますか。
○川崎政府委員 他の電力会社につきましても同様に、こういうふうに早収、遅収というやや複雑な料金制度の仕組みになっておるものでございますから、需要家の方によく御理解いただくように、たとえばいま先生お持ちの料金表でありますとか、あるいは検針書でございますとか請求書でございますとか、そういったものの中に同様の文言を記入するように指導してございまして、ほぼ各社とも同じような形で入れております。
○林(百)分科員 それは、最近各電力会社へそういうように指示したというように聞いておっていいですね。そうじゃないと家庭電力なんかはわかりませんからね。いつの間にか五%ふえているということになる。
○川崎政府委員 もともと入っていたところもございますが、ほかの会社で最近そういうふうに直したところもあると聞いております。そういう感じでございます。
○林(百)分科員 そうすると、遅収加算金ですか、そのほかに延滞利息も取るようになっていますね。これはどういう制度ですか。
○川崎政府委員 延滞利息は、先ほどの遅収加算料金の最後、つまり支払い期限五十日が過ぎた後に延滞利息を徴収するということになっております。
○林(百)分科員 率は幾らですか。
○川崎政府委員 年率一〇%でございます。
○林(百)分科員 五十日ばかりおくれた。そうすると、遅収加算金の上にまた延滞利息がつくのですか。
○川崎政府委員 そのとおりでございます。
○林(百)分科員 ちょっと通産大臣、二重の利息取りみたいになっちゃうのですが、これは高利貸しと同じようになるんですよ。これはちょっと将来御検討なさったらどうでしょうかね。おくれたら普通は延滞利息でいいわけでしょう。それを、二十日の間に払わなければ遅収加算金を五%取るよ、それからさらにおくれたら年一〇%の率で損害金を取りますよ。そうすると、その制度は、五%加算金を加えたものにまた一〇%がつくということになるわけなんでしょう。遅収加算金ですか、法律的なことを考えてみますと、本来はそれがそもそも延滞利息みたいなものなんですよね。それをまた一〇%加えるということはおかしいのじゃないですかね。そういう遅収料金というのはアメリカから入ってきた制度であって、本来日本にはいままでなかった制度なんですね。それを取り入れた上に、本来日本にある延滞利息制度を加味する。アメリカの制度と日本の制度と、二重にぶっかぶせてくるというようなことは、これはやはり整理なさる方がいいんじゃないかと思うのですが、細かいことですが通産大臣どうですか。どうも二重の利息……。
○川崎政府委員 ただいまの先生の御指摘でございますが、実は早収料金、遅収料金というのは、先ほども御説明いたしましたように、早期にお支払いになった需要家とそれからそうでない需要家との間に公平を保つ、それで料金の早期支払いをやっていただくということが目的で設定されました料金上の制度でございます。したがって、これはその需要家が遅収であろうと早収であろうと、どちらを選択されてもいい、任意に選択できる制度でございまして、いわゆる延滞利息的な、つまり罰則というふうなものではございません。 それでは、いま先生の御指摘のように、この遅収料金制度というのを廃止して延滞利息制度一本に切りかえてはどうかということでございますけれども、現在この遅収料金を払っております需要家と申しますのは全体の約三%くらいだろうと思います。それでも、もしそれを全国に引き伸ばしてみますと百五十万近い口数になるんじゃないか、これは推定でございますけれども。こういう需要家のために、仮に遅収料金制度じゃなくて延滞利息制度で調定とか集金とかあるいは利息計算とかそういうことをやるといたしますと、その業務量は非常に増加して、それが電力のコスト高に結びつくおそれがございます。いまでは九七%の需要家の方々というのはこの早期の早収料金でお支払いいただいているわけでございますが、残されました方々、つまり遅収料金の三%の方々のためにそういった膨大な事務的なコストをかけるということが果たして電気料金制度のあり方として妥当かどうかということから見ますと、現行のこの早収、遅収料金制度の方がそういった面においても望ましいのではないか、適当ではないかというふうにわれわれは考えております。
○林(百)分科員 どうも理由にならないですね。会社側で手数がかかるから、その料金が納入者にかかってくるから、むしろ二重の利息になってもそれはがまんしてもらうなんて、そんな論理、通りませんよ。少し通産省、電力会社に甘過ぎるんじゃないですか。 それじゃ、電力会社に引当金で貸し倒れ準備金というのがあるでしょう。これは何ですか。
○川崎政府委員 貸し倒れ引当金は、売掛金等の貸し倒れによる損失見込み額、これは企業会計上売掛金等の額から控除する金額といたしまして引当金に計上いたしております。これは税法上の措置でございまして、電力の場合は期末貸し金額の一・二%ということになっております。
○林(百)分科員 ですから、貸し倒れの引当金という制度もある上に、遅収料金制度もあり、それからさらに損害の賠償金制度もある。二重、三重に保護されていることになるんじゃないですかね。こういうことはやっぱり、それは幾らか手数がかかるかもしれませんが、遅収料金を簡単に二十日おくれたら五%つけるということ、しかしそれへさらに年利息一〇%の利息をまたかけるということは、それは会社の手数が多くなる、ならないでなくて、それは制度上からいって、そんな制度は許されないですよ。どこにだってないですよ。それは高利貸しでも、金貸していつまでに払わないから二重に利息を取るという二重利息という制度はあるかもしれませんが、電力会社というような公共的な企業にそういう制度を置くということはおかしいと思うのですがね。しかもそれも私が注意したから、それはそういう制度がありますよということを知らせるようになったかもしれないけれども、これ、あなた、普通の家庭には全然こんなこと書いてないですからね。一〇%というのは普通の家庭にかからないと思います。電力需要家の方にかかると思いますが、普通の家庭の領収書やあるいは集金の伝票見ても、そんなこと何も書いてなかったですよ、いままで。だから、そんな甘い行政指導を電力会社にあなた方していていいんですかね。これはどうしても十分検討してみる必要あると思うのです、この制度については。ことに戦前はなかったことです。昭和二十四年から入ってきた制度なんですね。そういうものをなぜ入れたか、そしてまた、なぜ五%にしたか。恐らくアメリカの制度をそのまま取り入れたんじゃないかというように思いますけれども、そういうのはやっぱり再検討してみる必要があるんじゃないでしょうかね。 じゃ、二十四年になぜこういう制度を入れたんですか、いままでは延滞利息だけだったのに。しかも税制の上からは、貸し倒れ引当金で税制をそれだけ逃れることができるわけでしょう。ということは、それだけ社内保留ができるわけじゃないですかね。だから、それもあるわ、これも取るわあれも取るわ。いかにも甘いじゃないですか、どう考えてみても。
○川崎政府委員 まず貸し倒れ引当金と先ほどの遅収料金との関係でございますが、この遅収加算制度の方は、電気料金債権の貸し倒れ損失に備えたものでございませんで、先ほどからるる御説明いたしておりますように、早期支払いを促進するというための制度でございまして、目的は全く違っております。 それから、もう一つこれはつけ加えておきたいことでございますけれども、この遅収加算料金の相当分、これは電気料金の算定に当たりましては控除項目として総括原価から引くことにいたしております。それをやることによりまして全体の料金水準を引き下げることにしておりますので、このような観点から見ましても、この遅収加算というのと、それから電気料金回収不能による損失、それに備える役割りの貸し倒れ引当金とは役割りが違うんじゃないかというふうに考えております。 それから遅収料金の問題でございますけれども、先ほど申しましたように、検針日から需要家の方々に支払い義務が発生するわけでございますが、その早収料金期間の二十日間というのが社会通念としてどうであろうか。これは他の公共料金と比較いたしましても、二十日ぐらいの支払い期間というのはほぼ妥当、むしろ長い方じゃないか。特に五十日となりますと、これは一番長いという形になるんじゃないかと思います。したがいまして、なるべく二十日以内に需要家の方々からお支払いをいただくということでこの遅収料金制度というのができたものでございまして、ちょっと制度の趣旨は違いますけれども、たとえばNHKの聴視料にも早収割引というふうな制度ができております。
○林(百)分科員 だから、割引する方はいいです。何も聞いているわけじゃないですよ。二十日おくれたから五%といったら、たとえば百万使う需要者があるとしますね。それが二十日おくれたからといって五万でしょう。また次の月に仮に二十日おくれたとすれば五万で、年間になると六十万になるでしょう、全部加算すれば。月々百万の電力料を納めている人が年に六十万の遅収加算金を納めなければならないなんて。その上、今度は万一の場合には損害の延滞損害金もある。それでまた税法の上では、あなた方いろいろ言うけれども、貸し倒れ引当金という制度もある。そんなにまでしなくていいじゃないか。しかもこれはアメリカから入ってきた制度でしょう。なぜ二十四年からこういう制度を入れたんですか。五%というパーセントはどこから来たんです。それを説明してください。
○川崎政府委員 電力会社の中で契約口数という中で、電灯でございますけれども、これは約八五%というのが電灯需要家でございます。現在、電灯需要家というのは一カ月に約二百キロワットアワー程度使っておりますけれども、その料金、大体五千円程度になろうかと思います。この場合、遅収料金でお支払いいただきますと、加算額は二百五十円ということになります。したがって、一般の需要家にとって特に過大な額ということにはならないだろうと思います。ただ、御指摘のように、大口等の電力需要家が遅収料金で支払いました場合には、金額的には相当程度の遅収加算額になる場合もございますけれども、一般的に申しますと、電力需要家の方は料金負担力も大きい、したがって電灯需要家の場合と異なったような遅収加算率を適用する積極的な理由はないというふうに考えております。 五%の根拠ということでございますけれども、要するにその五%の根拠というのは、なるべく需要家が二十日内の早収期間内にお支払いいただくような効果のある格差ということが必要でございまして、また過大になってもいけないということでございますが、先ほども申しましたように一般の電灯需要家では一カ月約二百五十円程度でございますので、その辺を総合的に判断いたしますと大体五%というのは妥当なところではなかろうか、かように考えております。
○林(百)分科員 それでは最後に、通産大臣、電力会社は一九八〇年に値上げして、五十四年度から五十五年度に売り上げも約六兆円から約十兆円、六〇%もふえていますね。それで、いま聞きましたように、一兆円超すような経常利益を上げているわけですね。その上、引当金やそれから準備金等いろいろの税制の優遇制度を調べてみますと、七つもあるわけなんです。そこへもっていま言ったような遅収料金制度さらには損害金の制度というようなものが二重にあるということについては、これを統一するか――さっきNHKでも早く納めれば早期割引という制度もあると言いました。それは割引制度があるのはそれで結構ですけれども、これはひとつ検討してみてもらいたいと思うのです。どういういきさつでこういうものが入ってきて、そして五%という率がいいのか、あるいはおくれたときに加算するばかりじゃなくて早く納めた場合にはどういう措置がとられるのかということを検討してもらいたいと思うのです。そのことはどうでしょうか。このままでいいとばかり言えないと思いますがね。
○安倍国務大臣 いまいろいろと議論を聞いておりまして、いまの電力料金のあり方については、私はそう不適正ではないと思います。二十日過ぎて五十日までの間に五%遅収料金を取る、これが終わって五十日から先はいわゆる遅延料として一〇%。上乗せするわけではないわけですから、二重というふうには私は受け取っておりません。そうだろうと思うわけであります。ですから、そういう意味では合理的じゃないかと思っております。 電力料金は公共料金ですし、電力の安定供給を図っていくという意味から原価主義に基づいて算定されるわけでありますし、また国際経済の中で非常に変動の大きい要素を含んでおります。わずか二、三年の間に大変に電力会社が黒字になって一部を還元をしたということもありますし、また一昨年は大幅に値上げをしなければならぬというような事態になったこともあるわけでございますが、われわれとしては電力料金というものはできるだけ安定的にこれを続けていくことが必要ではないだろうかというふうに思っております。現在、確かに経営の内容もいいわけでありますから、われわれとしては、そういう留保された資金が、これからのいろいろの世界情勢、経済情勢の変化の中で電力料金が安定的に続くために有効に活用されていくだろう、こういうふうに思いますし、そうしなければならぬわけであります。そういう意味におきまして、電力料金を安定的に持続させるということから今日の体系を続けていってもいいのじゃないか、基本的にはそれでいいのじゃないか、私はこういうふうに考えております。
○林(百)分科員 時間がありませんからこれで終わりますが、それじゃ大臣、少なくともこういう複雑な電力料金のメカニズム、これを需要者にわかるように徹底させる、また、領収書あるいは請求書でもそういうものがわかるように、徹底させるように電力会社を指導する、こういうことだけは約束していただきたいと思います。
○安倍国務大臣 いま御指摘がありました点はもっともであると思います。国民の皆さんに十分徹底をして理解をしていただくように、これからも指導の点においては十分気をつけてまいりたいと考えます。
○植竹主査代理 これにて林百郎君の質疑は終了いたしました。 次に、井上泉君。
○井上(泉)分科員 時間もありませんので、本当に簡潔に質問を申し上げたいと思うわけですが、きょうここに地域公団の方が来られておると思うわけです。この地域振興整備公団の事業をするに当たって、過疎地の工業開発を目指す使命ということから考えて、ずいぶんやってきたわけですけれども、きょうの朝日新聞のルポの記事を見ますと、当初の計画がうまくいかず、全体としては現在のところ三〇%、こういうことになっておるということです。これが一〇〇%とはいかなくとも七〇%、八〇%までいって、今日まで整備したものがその整備の目的に合うた状態になるのには今後どれくらいかかるという計画ですか。
○中橋参考人 私どもの公団が中核工業団地の造成の仕事を開始しましたのはいまからちょうど十年前でございます。こういう団地の造成に当たりましては、計画にかなりの日時を要しますし、いよいよ土地を買い求めまして造成をいたして分譲をするというまでにも相当の年月がかかるわけでございます。現在売り出しておりますものも、そういう経過を経まして、売り出しましてから約数年、長いので約四年余り、短いので約二年余りという状況でございますから、いま御指摘のように私どもが売り出しております工業団地の全体の譲渡率が約三分の一であるからといって必ずしも低いとは思っておりません。その経過を見てみますれば、やはり時とともに、また景気の上下もございますから、順調なときもあれば不調なときもございますけれども、私ども全体的に見まして、売り出しましたときからの日時を考えてみますと、まずは私どもの努力と地元の熱意というものが反映をいたしておると思っております。 これを一〇〇%完売するのは一体どれだけの予定であるかという御質問でございますけれども、私どもの公団の一つの仕事といたしまして産炭地域にこういった工業団地をつくってやってまいりました仕事、これはいまから二十年前から始めておりますが、それでも全体の率といたしますと八十何%でございますから、かなりの日数を要すると思います。しかし、もちろん一〇〇%を目標といたしますけれども、それよりもじみちに企業の誘致を図るということが私どもの使命と考えております。
○井上(泉)分科員 時間がありませんので、現在まで決まっておる十四カ所の規模並びにこの計画の内容、そういうようなものを示した資料を提出をしていただきたいということと、これはあくまでも工業立地の、そういう地域を解消するための工場開発、工場用地というのが主眼ですが、通産省としては、その辺については十分連絡をとり、この地域開発に呼応して作業を進めておるのかどうか。
○神谷政府委員 御指摘のとおり、私ども当然のことながら、地域振興整備公団と密接な連絡をとり、かつ地方公共団体とも意見交換を行いながら、産業基盤の整備の一環としての工業団地、特に中核工業団地等を全国の工業の適正配置という観点から進めてまいっておるわけでございまして、でき上がりました団地の分譲あるいはその団地についての工業立地につきましては、私どもの工業再配置政策の中の中心といたしまして、工業再配置促進費補助金であるとかあるいは日本開発銀行法等による基幹工業特利融資制度といったような誘導施策等を中心としたもの、さらには地元、私ども、関係業界等々の密接な意見交換、照会といった事実上の、行政上の措置を通じながら、地方の工業開発あるいは地域開発に最大限の努力をし、公団と協力しながら進めておるところでございます。
○井上(泉)分科員 努力をするのには目標というものを設定して、ここの地域にはこういう企業、そしていまの日本の工業配置の状態から考えてかくあるべきだということで、通産省が指導して計画を立てておられると思うわけですが、それは間違いないですか。
○神谷政府委員 全国的な配置を勘案しながら、各年、北の方あるいは西の方、南の方等々、特に地元の御要望等を勘案しながらでございますけれども、団地開発地点を決定いたしておるわけでございます。そのベースは、工業再配置促進法の工業を誘導すべき地域である、あるいは特に誘導すべき地域であるというような立地政策上の観点というものを当然ベースに置きながら立地をしていく、あるいは公団と相談しながら予算措置を講じ、有効であれば採択をしていくと言う方が正確かもしれませんが、団地の採択を決定いたしておるわけでございます。
○井上(泉)分科員 それは、事務的にはそうするのがあたりまえのことであるわけですから、私は当然だと思うのですが、たとえば十四番目に指定された高知の、四国の西南中核工業団地なんか、計画を遂行していくについては、やはり立地条件というものから考えてこれはよかろう、こういうことでお決めになったと思うわけです。これは私は自分の郷里として期待をかけておるわけですが、これと関連をして、これは何ぼそこへ土地をつくっても、そして工場を誘致をしても、それを運び出すもの、輸送する機関というものが整備されていなければどうにもならないが、これはある日突然この仕事が始まるわけでないし、仕事が完成するわけじゃないのです。こういう点から、この西南中核工業団地を指定するに当たって、港湾、鉄道、こういうようなものについてはどういう配慮をなされたのか、その点ひとつ通産省の方から御見解を伺いたい。
○神谷政府委員 地元にいろいろ公共施設関連の計画があること等、それがどのような進捗状況になっておるかというようなことは当然配慮いたします。さらに立地条件がよいか悪いかというようなことも配慮いたしますが、非常によいところばかりに工業団地を持っていくというわけにもまいりませんので、総合的に判断しながら地域開発の効果と立地の可能性というものを総合的に勘案をして、公団の全体の十四の団地をあんばいしてまいっているわけでございます。
○井上(泉)分科員 それは一般的なことだからどこの場所でも答弁できることであって、たとえば十四番目にしたいというのは、そういう条件を具備しておるから、こう指定をしたのでしょう。ただ無計画的に指定をしたものではないのでしょう。そうすれば、指定をするに当たっての裏づけになる、この団地が将来工業団地としての使命を果たしていくためのいわゆる能力、機能を発揮していくためには道路、港湾あるいは鉄道、こういうものも当然あの地域の問題としては大事な問題であるという認識の上に立っていなければ、これは指定なんかできる道理はないと私は思うのですが、これは公団の副総裁の方、どうですか。
○中橋参考人 そういう場合には各方面の関連公共施設の整備に努めるわけでございまして、それを当該府県、市町村、それから私どもの公団が分担するものを決めまして、鉄道、空港、道路、港湾の整備に努めるものでございます。
○井上(泉)分科員 それでは具体的に、たとえば積み出す港なんかどういうふうな計画をしておるのですか。これは運輸省とどういう話をしておるのですか。
○中橋参考人 港湾につきましては、宿毛新港、足摺港の改修、フェリーの寄港等につきまして、関連するところと今後進める計画の推進に努力する予定でございます。
○井上(泉)分科員 その計画を推進する、こういうことですが、たとえば宿毛湾、宿毛新港、これを地元としては重要港湾の指定の要求というものが非常に強いわけですが、この重要港湾指定の問題はどうなっておるのですか、運輸省。
○御巫説明員 ただいま宿毛湾の重要港湾の指定についてどうなっておるかという御質問でございますけれども、過去において企業の立地動向あるいは見通しそれから港湾の立地の条件等いろいろ県において御調査なさっておりますけれども、今度もそういうような結果が出てまいりました段階を踏まえ、さらに港湾計画がどういうような構想ででき上がるか、あるいは企業立地等のいろいろな条件がどうなるかということを見きわめて、関係各省庁等といろいろ御相談しながらその対応を図っていきたい、こう考えております。検討をしなければいけません。
○井上(泉)分科員 それは重要港湾として宿毛港を見直していかなければいかぬという考え方は持っておるわけですか。
○御巫説明員 ただいま宿毛湾には地方港湾がございます。地方港湾が地域振興のための非常に重要な役割りを果たしておりますので、そのための整備を図っておりますけれども、やはり新しい港湾ができます場合には港湾計画がなければいけない、さらに企業の立地あるいは地域の振興の見通し等をかなり詳細に見きわめなければなりませんけれども、そういうようなものが出そろった段階で検討をしたい、こう思っております。
○井上(泉)分科員 これは大臣、農村工業地域の誘致の事業とかで農村地域に工業団地をつくって工業が一つも来てないという個所がたくさんあるということは、農林大臣をされておったときにも御認識になっておると思うわけですが、ここで十四も地域公団としてのこういう構想がされて、それで現在まだ三〇%という中でこれは出されてきておるし、特にこれは産炭地の問題が公団が最初に発生する大きな要因になったと思うわけですが、産炭地と言えば過疎地域ですから、地域振興整備公団が全国でこういう膨大な工業団地を造成することになっておるわけで、これは私は地域振興のために大事なことだと思います。大事なことだけれども、そこにはやはり金融で融資をするとかなんとかいうことではなしに、企業がそこへ行けるような、いわゆる工業再配置といいますか、そういうふうなものが計画の中になければならぬじゃないか。地元の要求にこたえてとか言うたところで、一つのところへ金属工業ばかり来たいと言ってもこれは話にならぬわけだし、そういう点で私は前段、公団の方に、十四の地域公団としてやった個所、まだ宿毛は十四番目ですけれども、この現在までの工業団地の全体図、計画図、こういうものを大臣も検討されて、この仕事が所期の目的を達するような成果を上げるように頭を入れてもらいたいと思うのですが、大臣どうですか。
○安倍国務大臣 これからの日本経済の安定成長ということを考えますと、いまわれわれがやっておるような工業団地の育成、造成をしていく、そしてそこに工場を誘致して地域的な安定も図っていくということは非常に大事なことだろうと思います。そういう意味で、地域振興整備公団を中心といたしまして各省でいろいろ検討しながら進めておるわけでありまして、全体的には順調にいっておるのじゃないか。さらに、造成された地域に対して工場を誘致するということについては政府としても、これからの経済情勢もあるわけですが、積極的に推進していきたい、こういうふうに考えておりますし、工場団地ができるに当たっては、いまいろいろと答弁をいたしましたように総合的な観点からこれを決めておるわけでございます。これを進める上において起こるいろいろな問題点については順次並行して整備していく、これもまた各省間で話を詰めながらやっていくのは当然のことじゃないか、進めていかなければならぬことじゃないか、こういうように考えます。
○井上(泉)分科員 そこで、これは全国的に見れば日本のかなり大規模な事業体であるし、過疎地域としては本当に期待をして、絵を描いてくれておるわけですから、それがどういう絵を描いて、どういうふうに進めていくつもりなのか、全体の計画構想というか、そういうようなものは公団の方で出してもらえますか。
○中橋参考人 私どもの公団の仕事は、いわばそれぞれの地方、府県、市町村からの要請をまって仕事をするわけでございますので、第一には県なり市町村から出てまいります。それに対しまして私どもの方は、通産省でお立てになっておりますところの工業再配置計画にのっとりまして、そこで判断をいたしまして個別の判定を下すわけでございます。
○井上(泉)分科員 個別の判定を下したその経過というものがあるでしょう。だから、全体の構想図、計画地域の構想図というものを示すことはできるでしょう。地元からいろいろな要求があったからやった、こう言うでしょう。それは国家的な要求であるし、国家としてはやらなければいかぬということであったでしょう。単にその地域の人たちの要求だけでやるわけではない。その地域にそのことを持ってくるということは日本の国家的な必要性から生まれた問題でしょう。国家的な必要性がない、ただ地域から言うてきたからやりましたでは通らぬでしょう。だから全体の、現在の十三カ所はどういうふうになっているのか。そのくらいのものを出さぬ、ないとかいうことでは説明つかぬじゃないですか。どうですか。
○中橋参考人 すでに採択いたしました十四につきまして、調査を進め、それから基本計画を進め、造成計画を進めました経過というものはお出しできます。
○井上(泉)分科員 これはまた別の機会に、それが出てきたときに別の場所で御質問申し上げることといたしたいと思います。 そこで、最近石油が非常に値上がりをしてきて、石油の価格の引き上げがすでに各石油会社で実施をされることになっておるわけですが、こういうふうに円安だから上げる、円安で石油業界が非常に苦境に陥ってきておるということで通産省の方も石油値上げには了解をしておるという話を聞くわけです。大体石油資本というのは、円高で利益を上げたときに、これを消費者に還元せよということを物特委員会でもずいぶんやったわけですけれども、そのときには全然しない。ところが、今度円安で赤字になってきたからすぐ値上げをして消費者に転嫁する。そのことは、日本のように石油に依存しておるところでは原料、いろいろな工場その他、石油の値上がりは物価へのはね返りが非常に強くなってくることが予想されるわけですが、石油業界としては当然値上げしなければいかぬということで、通産省は指導なさっておるのですか。
○小松政府委員 石油の値段につきましては、先生のお話のように国民生活上、また利用業界から見て非常に重要でございますので、私どもとしても石油価格の動向というのは従来から非常に注視しているわけでございますけれども、先生も御存じのようでございますが、昨年初頭から原油の値段が上がり、それから円安になり、それがなかなか市場に転嫁できないということで、昨年からことしにかけまして石油産業自身が相当の赤字経営に追い込まれておるわけでございます。そういう中で石油業界としてもできるだけコストアップ分を石油価格に転嫁したい、こういう体制をつくるべきだ。これにつきましては昨年十二月の石油審議会の小委員会の報告というのも出ておりまして、それをベースに私どもとしても石油供給計画に基づく減産指導をいたしまして、業界の供給体制の整備、それによります石油産業自身が成り立つような経営状態に持っていくための努力をずっとやってきているわけでございます。現状は石油産業全体として依然として相当な赤字でございまして、特にまたここへまいりまして円安の影響を受けまして、軒並み石油企業自身が赤字経営に陥っているというのが実情でございます。 こういう中で、一方で石油の価格を安定するのが大事ですが、同時に石油企業が成り立つ、石油企業が成り立ちませんと安定供給の基盤が揺らいでしまうわけでございますので、そういう観点に立ちまして石油価格の動向についてもわれわれは見ておるわけですが、現段階では各社とも相当な赤字で、コストアップ分が価格に転嫁できてないという状況でございますので、こういう中でコストアップ分を価格に転嫁するという各社の動きについては、これは必要やむを得ないものではないかというふうに考えております。 ただ、将来の考え方として、これが便乗的な値上げとかさらに相当利益をむさぼるような値上げということになれば、当然それについてはチェックせざるを得ません。現在行われておるのは、水面下の石油企業ができるだけコストアップを転嫁するための努力をしておる段階でございますので、現在の値上げの動きについては見守っておるということでございます。
○井上(泉)分科員 これは国民感情からして、石油製品はだぶついておるという新聞報道もされるし、また産油国が値上げをしたという話は聞かないし、むしろ値下げの話がある。そういう中で油を値上げするということは一つの物価値上げの引き金になりはしないか、そういう心配をし、今度は石油の大口消費者の電力会社までこれに便乗するようなことになってきたらこれは大変なことじゃないか、こういう心配、そのことは全体の物価がやっと鎮静しておるのに、これは物価高を引き起こす要因としてもなりかねないわけですが、こういう点について通産大臣としては石油製品の値上げと需給関係、そしてそれに及ぼす物価高、そういうようなものを考えて、物価をこれ以上値上げを引き起こすようなことは排除していくという考え方を持っておると思うわけですが、その御意見を聞かしていただきたいと思うわけです。
○安倍国務大臣 経済運営の基本は物価の安定でございますから、この物価安定のために政府としてもいろいろの努力をしなければならぬ。幸いにいたしまして、非常に物価が落ちついておるわけでございますが、同時にまた、産業としての立場から見ますと、現在石油企業が御承知のように大変な赤字を抱えておる。五千億と言われるほどの膨大な赤字を抱えて、このまま円安が続いていくというふうな状況が続けば企業経営が成り立たない、こういうところまでいくのじゃないかと私は心配しております。そうすれば、いま長官が指摘しましたようにいわゆる石油の安定供給ということも不可能になってくるわけでございます。そういう状況でございますから、コストについて消費者にこれを負担をしてもらって経営の安定を図っていくということもやむを得ない措置として受けとめなければならないのではないだろうか、私はそういうふうに思うわけでございまして、確かに石油が非常にだぶついておることは事実でございますが、私どもとしては全体的に石油政策というものから見まして、現在の状況の中ではある程度の料金の引き上げというものは石油の経営の安定というものを確保し、供給の安定というものを確保する上においてはやむを得ないんじゃないか。しかし、これが大きく物価引き上げの引き金になる、こういうふうなことには、私は現在の物価情勢の中ではならないというふうに思っております。基本的には、石油も価格については市場のメカニズムといいますか、そういう中で需給動向も踏まえながら決められていくのが筋ではないか。これまで大変な売り惜しみ、買い占め等、そういった事態がありましたときは、緊急異例の措置として政府が非常に強く介入したわけでございます。それがいま残っておる面もあるわけでございますが、そろそろ需給も安定をいたしたわけでございますし、そういう中で市場メカニズムによって合理的に決められるという方向へ移っていく、そういうような事態に現在はなっておる、こういうふうに思っております。
○井上(泉)分科員 私は、石油の問題も国民が理解をされる値上げならいいけれども、国民が理解しないですよ。どこへ行っても、またガソリンが五円上がるか、あるいは油が余っておると言っておるのに、こういう話がされておるわけでありますから、国民の理解の得られる値上げの姿であるかどうかということは、また別の機会でなおひとつ論議を深めていきたいと思います。 そこで、予定されておる質問でもう一つ輸出の問題ですが、アメリカから貿易上の問題で日本の市場をもっと開放せよという攻勢が非常に出て、連日新聞紙上をにぎわし、また大臣もいろいろアメリカの見解に対して強い姿勢、それに対して反論もしてきておるというような報道を受けるわけですが、私は日本の産業というものが、日本が今日の経済的な発展を遂げた最大の功労者といいますか、それは輸出というものが非常に伸びたからだと思う。ところがいまや輸出は悪者になって、大蔵大臣までアメリカの輸入のたばこを吸って得得とするような、そんな小児病的なことで今日の対米摩擦が解消されるとかいうようなことは、私は思わないのです。ましてや自動車を輸出するために日本のミカンを犠牲にするか、こういうふうな自動車とミカンと一緒にしたような論議、こういうようなものもまた私は論議としては余りにも飛躍した話ではないか。そういう点から、もっと国内消費を拡大するということはいいけれども、国内需要を喚起するということは当然なすべきことであって、輸出産業がどうあろうともそれはやはりなすべき政策であるわけです。 そこで、アメリカから市場開放を要求されると同時に、日本もアメリカに対して、いろいろ制限を加えることについてはこれは強い姿勢でこれを排除する。相互に自由貿易というものを守っていくというものがなければ、これは問題にならないと思うし、ましてや内需を拡大していくためにいままで輸出をしておるものを抑えるということになると、輸出をしておる物の中で内需に適合する物があればいいけれども、内需もできなかったらその輸出産業というものは倒産するわけですから、そういうふうな点を考えますと、これからの日本の貿易政策というものは非常にむずかしいときだと思うわけですけれども、そのむずかしい時期にこそ日本として諸外国との友好関係を深めていく中で、日本の今日の経済発展を支えてきた輸出産業というものは当然守ってやらなければならないのじゃないか。これは、何も金をやって守るのじゃなく、政策的に守ってやらなければならないと思うのですが、大臣どうですか。
○安倍国務大臣 私も全く同感でありまして、私はやはり世界の貿易のあり方としてはあくまでも自由貿易体制でなければならぬと思いますし、その根幹としてのガットの体制がこれからも堅持されていかなければならぬ、こういうふうに思うわけでございますが、いろいろと保護主義的な動きが出ておることも事実でございますし、これはお互いに努力をしてこれを抑えていくことがこれから必要である。特に、日本の場合は貿易立国でございます。いわば、原料を買ってこれを加工して輸出することによって日本の存在というものはあるわけでございますから、それだけ日本としては、自由貿易体制というものはまさに日本の運命がかかっておる問題でもあろうと思うわけでございます。そうした基本的な立場に立って、これからの貿易摩擦等にも対処していく。 アメリカのいろいろな日本の市場開放に対する要請が出ておりますが、実はあしたの貿易小委員会でこれは具体的に示されるのじゃないか。議会等で証言された内容を見ますと、ずいぶん日本についての事実誤認があるように思うわけでありますし、私たちとしては日本の市場開放にはできるだけ努めていかなければならない。同時にまた反面、アメリカの事実誤認も指摘してこれを改めさせる、あるいはまたアメリカが持っておるところの貿易障害についても改めてもらわなければ、本当の意味での自由な貿易体制というものはでき上がらないのじゃないか。その点は、これからの貿易小委員会あるいはまた政府間の交渉、ガットの会議等で、日本としてはやはり言うべきことはきちっと言わなければならぬし、またやるべきことは努力をしてこれを実現するようにしなければならない、こういうふうに思うわけであります。ただ、相手が何もしないで日本だけがやれというのは、幾ら考えてもどうも筋の通らぬ話ではないか、こういうように考えておるわけであります。
○井上(泉)分科員 終わります。がんばってください。
○植竹主査代理 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十分開議
○植竹主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。榊利夫君。
○榊分科員 まず、通産大臣に一つだけ質問させていただきます。 先ほども話が出ておりましたけれども、あしたから、九日、十日、日米貿易小委員会が東京で開かれます。アメリカ側から輸入拡大要求などが具体的に出てくると思われるのですが、関連して一つ非常に重要な問題だと思っているのは、いわゆる貿防リンケージといいますか、つまり貿易の貿と防衛の防、貿易と防衛、軍事をリンクした形での対日要求が強まっているという事実があります。対日貿易赤字やあるいは貿易摩擦を口実にして、もっと戦闘機を買えとか、こういう形での軍拡の迫り方、また日本の軍事分担が小さい、それを口実にして、貿易通商問題でも、もっと農産物を買え、あるいはたばこを、こういった形での譲歩を迫るやり方、こういう作戦とでもいいますか、そういうリンク作戦、これは非常に目につくわけであります。数日来のアメリカ議会での対日問題公聴会でもそういうことが目につくのでありますが、こうしたいわゆる貿易、軍事のリンケージ作戦に日本側がずるずる引き込まれていく、応じていく、そういうつもりはないと思うのですが、その点について通産大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 米国の一部には、日米貿易問題を防衛と絡めていろいろと議論をしておる向きもあるわけでございますが、米国政府としては、本件については絡めてやるというふうなことは否定をいたしております。そういう考えはない、こういうふうに理解をいたしております。 政府としても、貿易問題はそれ自身として解決をさるべきである、そういう問題であると考えておるわけでございます。
○榊分科員 しかし、実際問題としましては、そういう形でのキャンペーンが盛んに行われているわけですね。その中から、かなり誤解を含めた対日要求の強まりが現実にあるわけで、それについては、言うところはきっちりとやはり物を言うということになっていきませんと、この問題はますますずるずると悪い方向に行くということが考えられます。 その点であえて、そういうリンケージ作戦、リンケージの考え方そのものについては通産大臣としてはこうだ、一言でそのことをひとつ聞いておきたいと思うわけであります。
○安倍国務大臣 アメリカの議会にはありますけれども、われわれとしては、貿易問題と防衛の問題はあくまでも別の問題である、違った次元の問題である、こういうふうに考えて、これは貫き通したい、こういうふうに思っております。
○榊分科員 それでは、次の問題に移ります。 地域産業の振興の問題でございますが、できたら通産大臣にまずお答えいただきたいのですが、いわゆる工業三法、工業再配置法、工業制限法、工場立地法、これはそれぞれ十数年経過をしております。最近、都市産業の活況あるいは大都市の活力、こういう点からもあれこれ見直し論が出ておりますけれども、通産省としてはどういう基本認識をこの問題でお持ちなのか、お伺いいたします。
○神谷政府委員 工場三法、特に工業等制限法等、大都市あるいは過密地域における工場あるいは人口の集積、増大を抑制し、地方に工場を分散し、地方の活力を引き出していこう、こういう基本的な考え方、これにつきましてもちろんいろいろ御意見はございますけれども、私どもわが国における議論の大宗を判断いたしますに、この基本的な考え方に対して疑問を差し挟んだりあるいは新しいユニークな御意見が幅広く展開されているとは了解はしていないわけでございますし、現時点において、私ども国土の均衡ある発展の観点からは、この基本的考え方は通産省としても依然維持し、それに沿った政策を展開していくべきというふうに考えております。 しかしながら、具体的に都市型産業あるいは都市型工業の立場から、工場三法と申しますか、それらに関していろいろな御意見があることは承知をいたしております。こういうものにつきましては、私どもその実態をよくお聞きをしながら、運用によって処理し得るものはその実態にできるだけ合わせるように考えてまいりたいと思いますし、制度そのものに関して御意見のある場合には、また別の御意見の方々もございますので、そういうものも十分聴取し、さらに所管もいろいろ分かれておりますので、関係各省と協議をしながら、実態を踏まえた上で基本的な政策を実現していく、こういうスタンスで政策を進めてまいりたいと考えております。
○榊分科員 いま話に出ました都市型産業といえばまあ大都市に多いわけでありますが、京浜工業地帯、これは伝統的な、明治以来の代表的な産業地帯でありますけれども、東京の大田、品川といった南部、これが京浜工業地帯のいわばへその部分をなしているのですが、ここに例をとりますと、工業再配置法によりまして工場移転地区になっております。ところが、この十年間だけでも、いわゆる技術自慢の零細小企業、これは数としてはふえているのです、つまり、ますます分散化しているとも言えるのですが、しかし、全体の従業員数というのはこの十年間だけでも数万人減っているわけであります。これは中堅企業の移転が大きな原因だと見られますが、こういうふうに工場移転で経済基盤に相当影響が生まれているような地域については、当該の自治体や住民の要求があればの話でありますが、ただし書き条項といった、影響が大きいところはその限りにあらずとか云々といったただし書きをつけてほしいといった要望も強いわけであります。 そういう地域産業の保護という点で、この問題について通産省及び国土庁ではどういう検討がなされているのか、このことについてお伺いをいたします。
○神谷政府委員 具体的に三法の中で一番要請の高いのが工業等制限法に関してでございまして、これに関しては国土庁の所管でございますので、国土庁が主体になって御検討をいただいておりますが、私どもの方でもいろいろ一緒になって勉強させていただいておるわけでございます。 基本的には、業種に関して、都市型工業をもう少し都市の実態に沿って幅広く見直してくれないかというような意見もございます。そのような業種あるいは業種の実態に関連したものに関しましては、国土庁等の御検討を踏まえながら、私どもでもさらに勉強を進めてまいりたいと思っております。 基本的な工場移転促進という誘導策に関しましては、これはいわゆる強制的な法規ではございませんので、移転のできるものに関しては、やはり一定の刺激策あるいは誘導策を付与しながらそのような流れを依然として方向づけていく、こういうことで、どうしても都市におらねばならない産業に関しては、やはりそのような誘導策にかかわらず都市の中で活動を行っていく、こういう実態になるのではないかと思っております。 立地法に関しましてもいろいろな御意見がございます。これに関しましては、運用等でいろいろ実態に合わせた運用がかなりできるのではないかというふうに考えております。
○金湖説明員 いま立地公害局長からお答えいたしましたとおり、私どもの工業制限で申しますと、首都圏では三十四年に施行しましてから三回ほど制度の改正を行っておりまして、これが強化の方向ということでございましたけれども、その後相当な期間が経過しております。御指摘のように、大都市内における企業の操業の形とか周辺の事情が大分変わってまいりましたので、お話のありましたような要望も各方面から出ております。何よりもまず公共団体等と御相談しまして実態の把握をいたしておるところでございます。 内容につきましては、すでに御指摘のありましたような、都市において今後大いに維持しあるいは守り立てていくべき工業がその後変わってきているのではないか、あるいは個別の中小企業等の問題もございますけれども、これらすべてを含みまして、先ほど御答弁しましたとおり、基本的な地方分散という枠組みを崩さない範囲で、実態を把握の上対処してまいりたいというのが私どもの姿勢でございます。
○榊分科員 つまり、実態調査をいまやっている段階で、その上に立ってこれから具体的な検討をやる、こういうことですか。
○金湖説明員 御指摘のとおりでございます。
○榊分科員 それでは、いまも話が出ておりましたが、工業制限法、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律、この見直しの要望も非常に具体的に出ているわけでございます。たとえばいま例に引きました東京の城南地区でありますが、ここは工業規制の厳しさでは全国でも一、二を争っていると言われますが、いろいろ悲喜劇も起こっているわけでございます。御存じかもしれませんが、たとえばある企業の場合、工場を増設する、ところが作業場が工業制限法の五百平方メートル以上にひっかかるために増設分だけは別にしなければならない。同じ敷地の同じ町工場。ところが一方の方は、たとえば四百平米なら四百平米、〇〇製作所と看板がかかっている。もう一方の増設した分、たとえばはみ出る分、前後しまして三百なら三百平米、こっちの方に行ってみると製作所〇〇、こう書かれている。そうなりますと悲喜劇ですね。零細企業が協同組合をつくって工場アパートをつくろう、そういう非常にいい試みがなされた場合も、この工業制限法の五百平方メートルの壁にぶつかるというケースもあるわけでございます。 したがいまして、ここに具体的に持ってきておりますが、四、五日前に発送されたばかりでありますが、大田区の区の総意として、通産大臣、国土庁長官及び中小企業庁長官に要望書が出ております。簡単なものですが、その中身を見ますと、いま言いました作業場の基準面積、この点については施行令別表の改正を行ってほしい、現行の基準五百平米からかつての基準千平米に戻してもらいたい、これは非常に具体的な要望なんです。その他、知事による許可基準を緩和してほしい。その理由というのは、既成市街地では、工業立地が厳しく法規制されているため工業の再生がむずかしく、歴史的に形成した工業集積が崩壊しかねないような様相になっているんだ、しかも、産業構造の変化がありまして、必ずしも工場を移転させれば人口が減るというものでもない今日である、すでにだんだん技術が高まってきているという理由もありまして、そういうわけで、何とかひとつこのあたりで、過度な規制については産業の健全な発展を阻害しかねないという重要な問題があるので、部分的に見直してもらいたい、改正してほしい、こういう切実な要望が出ているわけであります。こういう事態の改善策については検討が進んでいるのでしょうか、どうでしょうか。
○金湖説明員 先ほどもお答えしましたとおり、現在、工業制限法をめぐる実態の調査を進めているわけでございます。先生御指摘のような大田区の実情も、私ども承っております。 実は、五百平米という御指摘のとおりの規制制限がありますけれども、これは機械的に五百平米以上禁止ということではございませんで、まず基準の中での運用できる範囲がございます。一例を申し上げますと、先生御存じかもしれませんが、京浜六区への工場の集団化のケース等は、実際にいろいろな運用を通じまして五百平米を上回るものについても例外的に認められるというような処理をしておりますけれども、工業制限もこれだけ効果を上げてまいりまして、一方もう出るに出られない部分も中小工場等であるわけでございます。これらにつきましては、そういう工場の実態をよく見まして、その上でまず第一次的に運用面で相当実態に即した措置ができるのではないかと考えております。 五百平米自体をいかがするかという話については、これはもう調査が出ましてからの話でございますが、先ほど申し上げましたように、地方分散が相当な成果が上がっているとはいえ、なおかつ基本的には続けなければいけないことでございますので、基本的枠組みに絡む問題かどうか、その辺もあわせて検討する必要がございます。
○榊分科員 つまり、引っ越していく先の問題は比較的論議があった。ところが、いままでずっと伝統的に産業をしていて、そこから引っ越していかれる側の方は、ここの経済上の地盤沈下の問題等々というのは大都市圏にとってはやはり重要な問題なんですね。この点ではいま実態調査をされているようでありますけれども、この問題についてはぜひひとつ前向きで取り組んでいただきたいと思うのです。 この工業制限法については、もう一つの側面としまして、都市計画法の工業専用地域、これは自治体判断ですけれども、これにも適用される。そういう点で地方自治体による自主的な都市計画の妨げになる、そういう点で自治体がかなり改善要望を持っておるわけであります。これは直接的には国土庁でありますけれども、この問題にはどういう対処をされようとしておるのか、お尋ねします。
○金湖説明員 都市計画法の運用の話は基本的には建設省でございますけれども、私ども聞いておりますのは、住工混在問題の改善、何と言っても工場と住居が一緒でいろいろな問題が生じておることについては公共団体の都市計画の問題として取り組まなければいけない。工業制限も、これは工業制限だけで歩いているわけではございませんので、その辺とも十分調整を図っていかなければならないということは承知しております。 工業制限につきまして、現実には関東におきましては既成市街地全域、つまりは既成市街地の工業専用地域全域についていま制限がかかっておるわけですけれども、現状許されますのは制限区域内での増設を伴わない移転、これは許容されるわけでございます。その他一定のケースについては相当な幅がございます。まずこういったようなことで対処するということで従来考えてまいりましたけれども、こういう都市計画上の住工混在の改善ということにつきましては建設省も強い関心を持っておられますので、現在建設省といろいろ相談しまして、これもまた実態調査の一環の中で検討する予定でおります。
○榊分科員 ひとつ急いで検討をやってもらいたいと思うのです、実態調査を含めまして。 次の問題ですが、互助会の問題で質問をいたします。 いわゆる割賦販売法で営業許可を受けている冠婚葬祭互助会、これは互助会と銘打っていますけれども株式会社であることは御承知のとおりですが、現在、通産省の認可業者、その契約数は全国で幾らぐらいありますか。
○植田政府委員 契約口数は現在千二百三十九万件ということになっております。業者の数は三百九十八でございます。
○榊分科員 いまの数字を聞いただけでも、これは大変消費者と深い関係がある分野だという気がするわけであります。全国の総世帯数が三千六百万世帯ですから、数軒に一軒が加入しているということになります。ところが、この互助会をめぐりまして、これはテレビ、ラジオ等々でもしばしば取り上げてきた経緯がありますけれども、加入者から、契約どおりのサービスがないとかあるいは解約が自由にできないといった苦情が相次いで来ている。通産省には年間何件ぐらいの相談が寄せられているのか、そのうち問題が一番多いのはどういうものなのか、この点お尋ねします。
○植田政府委員 現在私どもでは、年間大体相談件数は二百件程度ございます。中身といたしましては、ただいまもちょっと出ておりました契約の解除にかかわる問題、あるいはまた表示と申しますか、表示とそれから契約の内容とのずれと申しますか、そういったようなものにかかわるもの等が件数としては比較的多い、こういう状況でございます。
○榊分科員 二百件というのは通産省の方に行っている。そのほか、表に出てこない、悶々の情で泣き寝入りというケースは恐らくその何倍、何十倍になるだろうと思います。特に、解約が自由にできないといった声は普遍的に出ているわけであります。私のところにも訴えがありまして、解約を申し出たら、かわりの加入者を探さなければだめだ、こう言われる、払い戻し、これは金でなくて仏壇など物にしてくれ、いまでもほとほと困っている、こういった種類の相談が幾らもあるわけであります。こういったことが果たして認められるのか、認められないのかという一つの重要な問題があるわけですけれども、この点どうでしょうか。
○植田政府委員 この互助会の契約につきましては、契約をしておきまして後でサービスを受ける、こういうことでございます。それで、表示が適正でございませんと、とかく最初に期待したものが、そのとおりのものが後でサービスを受けられないということで問題になるわけでございまして、私どももこの点の問題というものは防がなければならない、そういう見地から、かねてから業界の指導も行っておりまして、そういったことで業界に委員会等も設けさせまして検討もさせる。昭和五十五年には産業政策局長名で通達も出しまして、そういった表示が適切に行われるように、そうしてまた、それと後で受けるサービスとの食い違いによるトラブル等ができるだけなくなるようにということで指導をしてきているというのが現状でございます。
○榊分科員 指導はされているかもしれませんけれども、問題は相次いでいるというのが実情なわけであります。冠婚葬祭というのは、これはもう、婿の方はともかくとしまして、葬なんていうのは人の不幸がつきまとっているわけでありまして、みんな不幸のためにはということで互助会と銘打ってある。いわば自由相互扶助の団体みたいなかっこうをとっているわけでありますけれども、中身はそうじゃない。実際には営利団体にすぎない、株式会社ですし。それがこの表示とも違ったことが往々にしてやられるし、中にはかなり悪徳な業者もいるようであります。それはそれで社会的にもいろんな形で糾弾を浴びているわけでありますが、いま出ました規約を見ますと、解約については、「生活保護を受けることになったとき等真に止むを得ぬ事情によるとき」には解約ができる、こういうように解約の条件が非常に制限されている。この点では、経済企画庁も昨年十二月、国民生活審議会消費者政策部会から約款の適正化の報告を受けて、その中で、解約をもっと自由に行うことができるように互助会の約款の条項を改める必要がある、こういうことが明記されていたんじゃないかと思うのです。経企庁としては、その後どういう措置をこの点ではとられましたか。
○村田説明員 ただいま先生御指摘になられましたように、国民生活審議会消費者政策部会から、「消費者取引に用いられる約款の適正化について」という報告が昨年十一月に出ておるわけでありまして、この中におきまして、冠婚葬祭互助会約款につきましても、解約に関する条項あるいは表示の関係等につきまして適正化の方向が示されておるわけでございます。 この報告を受けまして私ども経済企画庁といたしましては、所管の国民生活局長名をもちまして、通商産業省及び事業者団体であります社団法人の全日本冠婚葬祭互助会に対しまして同じく昨年の十一月に、この報告に沿って約款の適正化を図っていただくよう文書でもって要請をしたところでございます。
○榊分科員 そういう文書を出した。ところが、いま私申しましたようなトラブルが相次いでいる。それは現実ある。このままでいいのかという問題がいま一つあるわけですね。そういう点では、これからどういう手を打とう、あるいは打つ必要があると考えられているのか、その点どうでしょう。
○村田説明員 先ほども申し上げましたように、解約に関する条項でございますけれども、これがかなり大きなトラブルのもとになっておるわけでございます。私どもとしましては、消費者保護の立場から、解約に関する条項をぜひはっきりさせてほしいという気持ちを持っておるわけでございますけれども、一挙にこれを約款の中に取り入れていただくなり何なりいたしますと、いろいろ業界の中の過当競争の問題なり何なりもあろうかということも私ども審議の過程でも話に出てまいっておりまして、そう一遍にはいかないかと思いますけれども、その辺はなるべくならば業界の中で過当競争なり何なりの関係はうまく調整していただきまして、消費者保護の立場から約款の適正化を進めていただきたいというのが報告の趣旨でございます。その方向で私どもとしましてもぜひ推進方お願いしたいということで、通商産業省に要請を出したわけでございます。
○榊分科員 そうしますと、業界にもいろいろ働きかけていきたい、こういうことですか。
○村田説明員 通商産業省などを通じまして、その辺は業界等にぜひお伝え願いたいということで、お願いいたしました。
○榊分科員 いま出ましたけれども、通産省としてはその点どういうふうにお考えでございましょう。
○植田政府委員 結論から申しますと、私どもといたしましては、標準約款の改正も含めてその辺のことを検討するように、業界には昨年の暮れでございますが指導しておりまして、現在業界で検討中でございます。 これにつきましては、ただいまいろいろなお話が出ていたわけでございますが、御指摘のような点が標準約款にも書かれております。この契約の解除につきましては、互助会の契約というものの性質上、いわば無条件に解約を認めますといろいろとまた他の会員に不測の不利益を与えるということもあり得るわけでございまして、そういったような契約の性質、つまりあらかじめ契約を結びまして前払いをして、後からサービスを受けるというものでございますから、そういったものが出たり入ったりで非常に不安定になりますと全体の財務状況とかというふうなことにも響くというふうなこともありまして、従来から慎重に行われてきたのではないかというふうな歴史的な状況もあるのではないかと思います。 ただ、御指摘のような点で、解約が余りにも制約されるということは消費者保護の観点から見まして適当でございませんので、私どもといたしましては、できるだけその辺がもっと弾力的に行われますように、標準約款自体につきましても再検討を業界に要請しているというのが現在の状況でございます。
○榊分科員 いまの話を聞きますと、何か奥歯に物が挟まっているような感じがするわけであります。やはりこういうのは消費者本位、原則としては自由解約、これがたてまえじゃないかと思うのですね。入りたいときに入る、抜けたいときには抜ける。それを何かのあれで制約する、こういうことになると、やはりいろいろな問題がそこで悲劇を含めて起こってくるわけでありまして、ですからこの点ではきっちりした態度をとってもらいたい。 通産大臣おられますけれども、実はこの問題につきましては、この業界と通産省との癒着云々といったこともいろいろ取りざたされることがあるわけであります。たとえば通産省の課長が昨年互助会の全国組織である全互協の専務理事に天下っているとか、あるいは互助会の関連組織でありますけれども、互助会保証会社にも通産、大蔵といったところからの天下りがあると言われておりますし、とりわけ全葬連といいますか、葬儀をやっておられる方々の団体等々からも、この点では非常に荒らしも荒らされて困るという声があるようでございますけれども、いろいろそういう実情を踏まえて通産省としては、標準約款の再検討の問題ですけれども、やはりめどを立てて、いつまでに改正させるとか、そういうことについて確固とした姿勢で取り組んでもらいたいと思うのであります。この点ではどうでしょう。最後に、いつまでにという確言はできませんか。
○植田政府委員 まだ検討に着手したばかりでございますので、明確に何月までというふうには申し上げられませんが、できるだけ早く決着をつけたいと思っております。
○植竹主査代理 最後にしてください。
○榊分科員 最後です。一つ、要望だけです。 もう事情はいま述べたようなことですから、とやかく言われないように全力を挙げてこの問題の解決に取り組んでもらいたい、そういうことを要望して質問を終わります。
○植竹主査代理 これにて榊利夫君の質疑は終了いたしました。 次に、佐藤誼君。
○佐藤(誼)分科員 基礎素材産業について、共通的な問題について初めに二、三お尋ねしますので、時間も制約されておりますから簡潔に御答弁いただきたいと思います。 その質問の第一は、アルミあるいはフェロアロイ、ソーダ工業など、その他もあるわけですけれども、基礎素材産業の現況についてどう見ているのか。また、それら基礎素材産業の日本経済の中での位置づけを政府、通産省としてはどう考えているのか。
○植田政府委員 基礎素材産業につきましては、二度にわたるオイルショックの影響を受けまして、エネルギー原材料価格の上昇を契機といたしまして大変いろいろな問題が起こっておるわけでございます。国際競争力の低下とか過当競争の存在あるいは需要構造の変化等々、いわゆる単なる循環的な問題でなく構造的な問題が起こっておるということでございます。しかも、この基礎素材産業は、経済活動にとりましては基礎的な非常に重要な分野でございまして、出荷あるいは従業者数、就業構造における地位も非常に高いわけでございますので、これからも重要な地位を持つべき産業だと私たちは考えております。 そういう認識から、現在産業構造審議会におきましてそれぞれの業種ごとの検討もお願いしておりまして、そういったことを踏まえて今後総合的と申しますか、幅広い対策を考えていかなければいけないと考えております。
○佐藤(誼)分科員 いまも話がありましたが、基礎素材産業はきわめて重要な地位にある産業だ。しかし、実態は御承知のとおりの大変な構造不況に陥っておる。したがって、この基礎素材産業の救済は、まさにナショナルセキュリティー、経済の安定性やあるいは地域経済の振興や雇用の観点からきわめて政策的に重要な課題だと思うのです。 私は、山形県の酒田、鶴岡とありますけれども、あの酒田の素材産業の集中的な地帯に住んでいるわけです。その地域のことを考えてみても、この基礎素材産業の地域産業に与える影響や雇用の観点から言ってきわめて重要だと思います。先ほども若干ありましたけれども、いまの構造不況に陥っている基礎素材産業に対して政府の取り組みの基本的姿勢、それから今後の対応のあり方、取り組みの具体的スケジュール、この点についてお尋ねしたいと思います。 特に、いまもありましたけれども、二度のオイルショックの後にそれぞれの施策はずっと施してきていると思うのですけれども、実際にはなかなか構造不況から脱却できないし、どんどん国内生産は落ちておる。しかも、例の通称特安法ももう期限で、五十八年六月でしたか、もう切れるという状況にあるわけです。したがって、通産省としては何らかの新しい対応なり新しい取り組みの計画を進めていかなければならぬのじゃないかと思うわけです。その辺の考え方と対応について。
○植田政府委員 基礎素材産業の重要性はただいま申し上げたとおりでございますが、これにつきましては、現在、産業構造審議会で業種ごとの検討を行っております。基礎素材産業共通の問題も当然あるわけでございますが、各業種で見ますと、そこに問題のポイントにつきましてそれぞれの個性のあることもまた事実でございまして、そういった具体的な個々の業種の検討を踏まえまして今後の基礎素材対策のあり方を考えていくというのが私どもの基本的な考え方でございます。 タイミングといたしましては、たとえば化学関係等々何業種かございますが、こういったものにつきましては六月ごろをめどに答申をいただきたいと私どもは考えておるわけでございます。そういったいろいろな業種の検討結果を踏まえまして、幅広い見地から考えていきたい。 それからただいま御指摘のございましたいわゆる特安法につきましても、そういった成果を踏まえまして、あるいは中長期的な問題も含めまして、できるだけ実効がある、役に立つ政策をしなければいけないわけでございますから、そういったことを現在の検討の中から探り出していこうということを考えているわけでございます。
○佐藤(誼)分科員 大筋の基本的な考え方はわかりましたが、具体的に言いますと、アルミにしてもそうですし、共通する基礎素材産業が大変構造的な不況に陥り、それが今日まで続き、しかも国内生産がずっと減退しているというその最大の要因は、言うまでもなく原料費であり、エネルギーコストの上昇だ、これは紛れもないと思います。したがって、これらの救済や解決のためには、具体的に言えば構造不況対策としての効果を上げるためにはこの原料費や、とりわけエネルギーコスト、特に電力に対する具体的な施策がなければ、それに対する適切な対処とは言えないわけです。したがって、政府のこのような点についての見解と今後の具体的な施策、これが一つ。 時間もありませんから続けて申し上げますが、同時に、これらの救済のためには、いまエネルギーコスト、電力ということを言いましたけれども、政府としてこれらの国内の素材産業を救済するために電力の政策的な料金を導入する考えはないのか。さらに、公営水力とかあるいはまた電源開発等からこれらの多消費型の素材産業に対して特定供給するという考えはないのか。 いろいろな問題を含んでおると思うのですけれども、私は本当に基礎素材産業が日本の経済の中で重要であり、歯どめをかけ、救済していかなければならぬとするならば、こういう問題について高度な政治的な判断をしなければ、幾らいろいろなことをやって対応したといっても結果的には歯どめなしということに終わってしまうのではないか、きわめて重要な政治的判断が望まれておると私は思いますので、通産大臣の答弁を求めて御質問申し上げます。
○安倍国務大臣 いま基礎素材産業が構造的な面も含めて大変な不況に陥っているので、これに対する対策をこれから進めていかないと、日本経済の根幹を揺るがすような事態にもなりかねないというふうに私どもは心配をしております。 そこで、いま答弁をいたしましたように、産業構造審議会で検討をお願いをして、その答申も出てくるわけでございますが、それを踏まえながら私たちは対策を進めていく考えでございます。現在とりあえず何をやるかということになれば、いまお話にありましたような電力料金の問題なんかも、多消費産業が中心ですから、一番大きな課題になっておると思いますが、ちょうど四月に電力需給調整契約が行われるわけでございますので、通産省としても電力会社等にも要請をしていま電力会社と産業界の間で調整を進めてもらっておりますが、電力会社にも基礎素材産業にできるだけ協力するようにわれわれは期待をいたしておるわけでございます。 その他、相当設備が過剰になっておるという面もあります。そうした設備の過剰問題をどうするかということは、特安法との問題も絡んでくるわけでありますし、あるいは独禁法との問題も絡んできておるわけでございますが、そうした構造改革も含めた対策を講じていかなければならない、こういうふうに思っておりまして、全体的にはとにかく産構審の答申を早く出してもらって、そしてこれに基づいて総合的な対策を進めてまいりたい、こういうふうに存じております。
○佐藤(誼)分科員 重ねて、関連して質問いたしますけれども、いまの電力料金にしぼって申し上げますと、電力業界と産業界全部ということですか、電力料金について調整を進めてもらっているという話がありましたが、その進めてもらっているという調整の中身、調整についての通産省の考え方、あるいは要請している事項、これらについてどうなんですか。
○小松政府委員 先ほど大臣からお答えしましたように、電気料金が非常に上がったことに伴って多消費産業が非常に苦労しておりますので、その関係でできるだけ電力に対しましても、需給調整契約の中の一環として、多消費産業の場合には電力の使用の仕方がフラットといいますか夜間電力を中心にいろいろ使われておるわけでございますので、そういう形での使用の仕方について需要産業の方にもいろいろ御協力を願う、その御協力願ったメリットに対しては還元するという形で、需給調整契約に基づく料金の低下をいろいろな意味で調整しておるわけでございます。これは需要家側の協力と、その協力に対して電力側が十分評価しながら需給調整契約の段階での契約料金を決めていくということでございます。こういうことで、できるだけ電力の需要動向に着目してやっていく。ただ、政策料金というような形で、そういう根拠なしにやるということになりますと一般の電力需要者に影響を与えますので、一般的な政策料金は導入できませんが、現行料金体系の中でそういう需給調整契約の活用によってできるだけ協力してもらうというふうに考えております。 それから、公営水力の導入などにつきましても、現在は既存の公営水力につきましてはそれぞれ一般電気事業者に卸売という形で売られておるわけですが、これが一般電力需要者への供給の中に組み込まれておりますから、これをまた特定産業向けに特別に特定供給の形でやるということになりますと他に与える影響も大きいわけですので、そういう意味で、これもいま現在すぐ行うことはなかなかむずかしいということでございますし、今後そういう問題については長期的に検討してまいりませんといけませんので、現段階でそれを行うというのは現在の料金体系のもとではなかなかむずかしいというふうに考えております。
○佐藤(誼)分科員 需給調整契約の活用とかその他いろんなことは、いままでもそれなりに知恵を出してやってきたと思うんですよ。言うなれば、その料金全体から見るならば、私から言わしむれば微調整のようなものであって、現在の電力の諸外国と日本の差、大体三分の一か二分の一という状況を考えたときに、この微調整程度では、先ほどあったような基礎素材産業の重要性から考えるならば、どんどん後退して、ゼロにもなりかねないと思うんですよ。したがって、当面の微調整は私はそれなりに評価いたしますけれども、やはり日本の岩盤になる産業を守らなければならぬという政治的判断に基づく政策料金の導入といいますか、幅広い表現ですけれども、考える必要があるのじゃないか。私は、この辺は政治的判断をしないと、一応対処した、やるにはやったけれども、結果から見れば何も残らなかったということだってあり得ると思う、地域の状況を見ていますと。しかも、それは地域にとっては大変な問題ですからね。雇用の問題を抱えて、しかも基幹的な産業になっていますから。ですから、重ねてこの辺についての通産大臣の考え方、決意を私は聞きたいのです。
○安倍国務大臣 基礎素材産業というのは、いまお話がありましたように、地域に相当存在しておりますから、地域経済の消長にも非常に大きな影響を持っておるわけであります。そういう意味でも心配をいたしておるわけですが、そういう中で手っ取り早い方法は、いまお話しのように、電力料金の中に政策料金を加味してこれを救済する、こういう声もあることは事実であります。いまお話もございましたけれども、電力料金のあり方から見まして、政策料金制度を導入することは、ほかとのいろいろなバランスの関係もありまして、これは行政の公平といいますか、料金制度の公平を期する上においていろいろ問題があるわけでございまして、なかなか容易に踏み切れない問題であるというふうに私は考えておりますし、現在のところは、政策料金を導入するという考えは持っておらないで、むしろいま行われておる当面四月の電力需給調整契約の中でできるだけの調整が図られるように、政府としても要請をいたしておるわけでございます。 微調整といいますと確かに微調整かもしれませんが、現在の状況から見ますと相当な効果が出てくる可能性もあるのじゃないかというふうに考えておりますし、電力会社によってそれぞれのニュアンスが違っておりますが、積極的に協力しようというふうなことも聞いておるわけでありますので、われわれは電力会社側あるいはまた産業のこれからの努力に心から期待をいたしておるわけであります。
○佐藤(誼)分科員 政策料金については、いまも言われたようないろいろな問題を確かに含んではおりますけれども、やはり私から言わせれば微調整程度では済まない段階に来ておると思います。しかも、私が言う政策料金という意味は、固定したものじゃなくて、非常に幅の広い選択のことを私は言っております。いま通産大臣は、現在のところということを言われましたけれども、やはり問題を多く抱えていますから、私の要望として、これはぜひひとつ今後検討していっていただきたい。これが一つ。 それからもう一つは、これは各県でもやっているんじゃないかと思うのですけれども、たとえば山形の例なんかとりますと、県の企業局が水力発電についての開発調査というものに大きな力を入れているわけです。もちろんこれは通産省の指導あってのことだと思うんですが、これは発電量については非常に微々たるものですけれども、こういうものはやはりこれから長期的な展望でずっと積み上げていかなければならぬ。したがって、いままでもやっていると思いますけれども、ぜひこの辺の政策的な誘導、指導、そして援助、こういうものにもっと力こぶを入れていいんじゃないかというふうに思うんですが、その点どうですか。
○小松政府委員 先生お話ございましたように、まさに水力は国産エネルギーで、しかもクリーンエネルギーということで、できるだけ水力開発を促進しようということでいろいろの対策を講じておるわけでございます。 最近の例としては、五十五年度から一般水力開発補助金制度というものをやりまして、これは最近開発規模がどうしても小さくなりコストが高くもなるものですから、その辺を補助しようということで、そういう制度をすでに設けましたし、それから公営企業がやるような、地方公共団体がやるような場合には、そういう発電のための資金調達については地方債の起債を認めるとか、こういういろいろのことをしております。通産省全体としても包蔵水力の調査、さらには各県が行うそういう調査に対しましては一般的な協力をする、こういうことで、できるだけ小規模の水力も含めまして水力開発は積極的に促進していこうというふうに思っております。 その場合に、地方公共団体、特に公営電気事業の占める比率というのは今後も非常に高まりつつありますので、そういう面につきましても最大限の協力をし、資金面それから補助の面、さらには調査の段階、計画の段階でもいろいろ協力していきたい、かように考えております。
○佐藤(誼)分科員 具体的な個別産業、アルミ産業についてですが、簡単に言うと産構審のアルミ部会の答申、つまり七十万トン体制ですね、これがこの間の新聞等の報道によれば「三七%廃棄七十万トン体制へ二年計画」ということでもう進められているわけです。本当にこれでやり切れるのかどうか。新聞の報道によりますと「今回残存させる七十一万二千トンの設備の維持が困難になる局面も予想される。」というようなクエスチョン的な報道もされておりますが、体制維持が本当にできるのか、その見通しはどうか、具体的にどういう対策でその維持をしようとするのか、これが一つ。 それからもう一つは、その中の一環として、共同火力の場合に石炭だきへの転換ということもしきりに指導されていますね。聞くところによりますと、補助率一五%と言っておりますけれども、これをもっと引き上げる必要があるのじゃないか。それから、開発銀行等の融資についても枠の問題、金利の問題等も考えていかないと、自助努力だけではとても困難ではないか。特に住軽アルミの酒田の状況など考えてみると、もう石炭だきの着工に入っているわけですね。こういう状況を考えますと、その辺にもっと大胆な政策の補助というものが必要だと思うので、以上二点、時間がありませんので簡潔に。
○真野政府委員 第一点のアルミ産業のいまの再建策ということでございます。 先生十分御承知のように、昨年産構審で半年にわたり議論しまして、基本的な考え方に沿って実施してまいろうということでございますが、基本的に申し上げまして、いまアルミ産業の置かれている事情というのは、構造的な要因と、それともう一つは世界全体のアルミ市況の悪化という循環的な要因と、この二つがちょうどたまたま軌を一にして両方出てまいりまして、それによっていまのアルミ産業の苦境が招来されてきたものと私ども考えております。そういう意味で、産構審の中におきましても、中長期のアルミ産業のあり方、それが日本の産業の中において果たす役割りというものを基礎にいたしまして、それが可能かどうかということを基礎に置いて対応策を考えるという形にいたしたわけでございます。 その際、先ほど御指摘のいわゆる国内の製錬業七十万トン、こういう考え方と同時に、私ども非常に重点を置きましたのは、現在、日本のアルミ製錬業が海外で実施しております海外開発プロジェクトの完成、ぜひこれをする必要がある。つまり国内製錬と国際的な開発プロジェクトによる日本に対する供給、この両々相まって日本へのアルミ地金、アルミの安定供給を達成させる、これが基本でございまして、そういう意味で国内製錬業が健全な基盤にないと国際的なこういうプロジェクトも実施できない、そういう関係に立っておりますものですから、そういう意味で、日本のアルミ製錬に対してはそういう見通しのもとに何とかこれを安定的な経営基盤に乗せる、こういう考え方に立って実施したわけでございます。 そのための方式として、御承知のように国内の製錬能力を現在百十万トンから七十万トン程度、これは昭和六十年における日本のアルミ需要のほぼ三分の一でございますが、そのほかに先ほど申し上げました海外からの開発プロジェクトに基づくアルミの安定供給、こういうものを含めまして全体として日本のアルミ産業が国内の安定的な供給ソースたり得るという形にいたしました。 そのために必要な施策として、これも昨年来数カ月にわたりまして逐次改善を見てまいりました電力コストの引き下げ、それとあわせまして、政府といたしましては、今国会に提案いたしておりますけれども、アルミ製錬業のする海外からの地金の輸入に対しまして関税を免除するということによりまして、安定供給ソースである海外のアルミ輸入についてコストダウンを図る。その両者あわせて全体としてのコスト下げ、さらに中長期的には、新しいアルミの技術開発を同時に行うという形で安定を図っていく、こういうふうにいたす。あくまで中長期のそういう見通しをベースにしましてやってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○佐藤(誼)分科員 設備廃棄、開発輸入、電力料金のコストを下げていく、総合的だと思うのですけれども、私は非常に悲観的だと思う。長期的に見れば何といったって電力ですよ。これをどう退治するかというここのところに力点を置かなければ、それぞれのものを組み合わせることも必要だけれども、先行き見通しとしては非常に暗いのじゃないか。そういう意味で、せりかく石炭だきということを進めて、補助も出しているのですから、ぜひ補助率を引き上げるとか、それから融資の問題等については一段の配慮をしていただきたいものだというふうに思います。この点は酒田の状況なんか見ておりますと、特に地域的に非常に重要な課題になっていますので、その点については強く要望しておきます。 それからいま新しい製法のことをちらっと言われたようですけれども、「アルミ精錬に電気無用 溶鉱炉法工業化にメド」こういう形で出ていますね。これに対して「通産省も資金援助を含めた支援策を検討」しているというような新聞報道もありますが、そういうのはどうなるか。 それからもう一つは、大体工業化、実用化のめどをどの辺あたりに見通しているのか。これが導入されればまさに画期的なものですから、従来の電力によるアルミ製錬企業はどうなっていくのか。時間がありませんからひとつ端的に。 それからもう一つ。他の産業を聞く時間がなくなってきましたので、二番目の問題はフェロアロイ産業なんですけれども、これは酒田に日本重化学工業酒田工場というのがあるのですが、まさにこれは電力の缶詰そのものなんですね。ですから、これは電力料金を何とかしなければ危機に瀕しているのです。しかもこれは鉄鋼の製錬にとっては欠かせないものです。先ほどの電力料金に関係ありますから、こういう事態になっているということを付加しながら質問をしておきたいと思います。つまりフェロアロイ産業についてどう考えるのか、どうするのか。 それから三点目として、ソーダ工業、苛性ソーダですね。これはいろいろありますけれども、その中で製法転換が非常に重要な問題になっているわけです。この二年の間に製法転換をしなければならないところまで追い詰められているわけです。しかし、需給の見通しやあるいは製法転換に金がかかるということやその他のことを考えたときに、金をかけて踏み切っていくのか、あともうあきらめて撤退するのか、この二年間が勝負になっているわけですね。特に、先ほど申し上げた酒田の今度は東洋曹達酒田工場などは、規模も小さいために、はてどうしたらいいかということで、現実の問題、頭を抱えているわけです。ですから、その辺の実態に即して皆さんがどういうふうに指導をされようとするのか。 時間がありませんので、以上で質問を終わります。どうぞ。
○真野政府委員 最初にアルミの新製錬法の問題でございますけれども、これにつきましては私どもも十分な関心を持って見ているところでございます。ただいままでのところ、御承知と思いますが、三井グループが開発中の技術がございます。これについてはこれからパイロットプラントを含めて本格的な研究開発に入るということでございます。私どもとしても、すでに工業技術院で一部この技術についての先鞭がつけられておりますので、できる限りこれを支援してまいる考えでおります。ただ現実に、まだ実用化のめどその他につきましては、この技術がきわめて画期的なものであるだけに、いまはっきり明確に申し上げる立場にはございませんが、その帰趨については非常に関心を持っておりますし、また非常に重要な技術であろうかとも考えております。 それから第二に、先ほど御指摘のフェロアロイ産業の問題でございますが、先生御指摘のように、フェロアロイ、特にフェロシリコン、フェロクロム等は非常に電力多消費型でございまして、これの原単位を下げることがまさに非常に重要な局面になってきております。また一方では、国内の鉄鋼需要の落ち込みから、かなり過剰設備がある分野もございまして、これにつきましては五十三年に特安法によりましてフェロシリコンについては設備の除却、設備処理をすでに実施してまいってきておりますが、さらに今後ともこういう、先ほど大臣から御答弁申し上げましたいわゆる需給調整の活用によりまして電力コストを下げる、あわせて国際的な市況のいまの低迷時期でございますから、海外の動向にも十分応じながらユーザー等の協力も得てまいるということで、総合的に対応してまいるという方法しかないかと思っております。一つだけで決めるということもなかなかできない状況でございますから、いろいろな分野での御協力を得てまいる、こういうふうに考えておるものでございます。 それから第三点のソーダの製法転換の問題でございますが、先生御承知のように、現在ソーダの水銀法の転換を進めておるわけでございまして、すでに四百五十万トンの能力のうち三百万トンくらいは転換いたしております。残り百五十万トンが今後二年間に新しいイオン交換膜法に転換してまいる、こういう局面になっております。 私ども昨年の暮れにもソーダの転換問題について関連の政府部内での会議をいたしました。そのときの状況におきましても、一応計画に基づいて今後イオン交換膜法への転換が行われる方向にございますが、御指摘のようにいま非常に全体としての資金需要その他の問題、資金の調達問題等もございますから、率直に申し上げまして、従来の水銀法等に比べましてもこの新しいイオン交換膜法は省エネルギーの効果が非常に大きい、かつ比較的小規模な投資もすでに行われて、小規模の単位の転換も行われております。そういう面も踏まえて、政府部内における開銀融資、税制等の活用によって実施してまいる、こういうふうに考えております。
○佐藤(誼)分科員 要望だけ一言。 基礎素材産業の重要性については共通の認識だと思うので、しかも置かれている状況もわかると思うのです。日本における基礎素材産業の重要性にかんがみていろいろ御要望を申し上げましたので、十分前向きに対応をしてもらいたいし、それぞれの地域は事情が厳しいだけに大変な期待を持っている、その点をひとつよく受けとめて対処していただきたい、このことを最後に申し上げて終わりたいと思います。
○植竹主査代理 これにて佐藤誼君の質疑は終了いたしました。 次に、武田一夫君。
○武田分科員 私はまず最初に通産大臣にお尋ねをいたします。 いま、三全総が動き出してずっと来ておるわけでありますが、これは国土の均衡ある発展あるいは定住圏構想ということで、その中に占める通産行政というものの位置は非常に高いわけでありまして、特に東北開発という点一点にしぼってお尋ねするわけでありますが、東北というのはこれからかなりの対応をしていただかなければならない地点でもあるし、日本の重要な地方でもございますので、その点を踏まえながらひとりお答えいただきたいと思うわけであります。 第一点は、大臣は東北の地域経済の自立度をどういうふうにとらえているかということ、もう一つは、東北への企業、工場誘致の問題についていかがお考えであるか、今後の見通しを含めまして、まずこの点についてのお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○安倍国務大臣 いま東北は、最近の状況は、御案内のようにここ一、二年来の農作物の不作あるいはまた公共事業が頭打ちというふうな状況等もあって、さらに日本全体の景気が思わしくない、こういうふうな状況もありまして、特に日本全体の中では地域的に落ち込んでおる、そういうふうに私は認識をいたしております。そうしたことに対して政府としても努力をしていかなければならない、そういう状況にあるわけでありますが、しかし東北そのものにつきましては、これから道路の方も有料道路が整備される、あるいは新幹線もいよいよ開通されるということもありますし、いろいろとまた地理的にも恵まれた面もあるわけでございますから、これから全体的に取り組んでいけば、これから将来の東北の発展というものは当然考えられ、期待されることである、こういうふうに思うわけでございます。 昨年の八月に策定をされた東北地域産業ビジョンによりますと、今後東北地域の工業化については、当地域の恵まれた条件を活用した工業開発を進めることとし、特に加工組み立て産業を中心とした創造的な知識集約産業の導入などを図ることとしておるわけであります。このため工業団地等の産業基盤の整備とあわせて人材の養成と活用の場の拡大及び産業技術基盤の整備を図ることとしておるわけでございまして、仙台の通産局におきましても、今後の東北のあり方についていろいろと研究、検討を進めておるわけでございます。われわれは、ひとつ全体的に意見を集約しながら、東北の発展にはできるだけ努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○武田分科員 国土庁来ていますか。 ちょっと国土庁にお尋ねしますが、いま通産省当局は非常に前向きにお考えでございますが、三全総の計画変更ということは今後ないというふうに考えていいか、その点どうでしょう。
○長沢説明員 三全総につきましては、現在国土審でフォローアップ作業を進めておりますが、これは三全総にもうたわれておりますように、情勢変化に的確に対処しながら三全総を推進していかなければならない、こういう基本的な考え方で進めている作業でございまして、その意味で三全総を改定する考えは現在ございません。
○武田分科員 それでちょっと。この間、東北開発の国土審議会、いわゆる東北地方開発特別委員会、これがございました。そのときに具体的な方策一覧を出しましたね。それでその中に一、二、三と三つ分けてありますが、「現在計画又は実施中の事業のうち、東北開発促進計画期間中に」これは昭和六十年ごろまでということでありますが、「特に重点を置いて推進する事業」というものがあるのですが、そこに通産省関係でやることになる仕事というのがあるわけですが、これは通産省の方も御存じですね。どうですか、六十年ごろまでに、ここにある仙台北部中核工業団地の建設、テクノポリスの建設、むつ小川原地区の開発も関係してくるでしょう。さらに石油国家備蓄基地の建設、むつ小川原、男鹿、久慈、これはいっぱいありますね。どうですか、これは六十年までの一つの見通しとして、通産省としては対応し切れますか。
○神谷政府委員 御承知のように、この中にすでに石油備蓄等着手しておるものもございますし、テクノポリスの建設等、現在、開発構想を各地区と並行して東北の二地点においても勉強しておるというようなものもございます。さらには、仙台の仙北工業団地のごとく、一応予算上来年度予算の中で念頭に置きながら、予算の御審議を願っておるものもある。こういう形で、進展の度合いは異なりますが、この計画期間中に重点を置いて推進するということには変わりございませんし、これらを軌道に乗せ、さらにはそれに実をつけていくということについて私ども全力を挙げてまいりたいと考えております。
○武田分科員 非常にありがたいわけですが、これをきちっとおくれずに定められた期間の中に行ってもらうことになれば、東北もいよいよ地方の時代にふさわしい好ましい環境を迎えた、希望、夢多きここ二、三年になるわけですよ。いま国土庁も、計画変更しないということ、局長のそういう答弁ですね。これは非常にありがたいと思うのですが、ぜひそうしていただきたい。 というのは、大臣もお話していただいたように、東北というのは概して経済の自立度というのは非常に弱いです。これは、いままでどちらかというと、投資の問題についても民間の活力の問題につきましても、西の方に重点的だったということは否定できません。西高東低ですね。それを反省して、三全総の前後から少しずつその格差を是正するために努力をしておりますが、依然として、たとえば県民の所得を見ても、東京中心に見ただけでも五十四年度の県民の所得の格差、東京が約二百二十万くらいでしょうか、東北は最高でも百四十五、六万。これは宮城県です。あとは百二、三十万台ですから、ものすごい格差、全国平均が百六十六万くらいだったですか、それでも三、四十万の差があるということです。こういうことを考えますと、その格差の是正のための一つの手だてとしての工業、工場誘致、これは重大な関心事である。しかしながら、着々としているわりあいには反面進まないで、土地をせっかく造成したけれどもそれをまた売ってしまったという悲しい事実もあるわけです。 ちなみに、この経済の状況を見てみますと、輸出と輸入のいわゆる収支じりから見た域際収支ですね、これは東北は一兆七千億の赤字ですね。これは総生産に対しては八・二%を占めています。要するに、自分の地域の生産額を上回る支出があったということですね。ですから、ほかから借金する、あるいはまた国から補助金などのお金をいただいて収支の埋め合わせをしている、こういう弱い地域。ですから、公共投資によるそのぶれがものすごく大きい。この公共予算がストップすると、とたんに生活の経済指標がぐっと下がってしまう。激しいわけです。それだけ民間の活力も弱いということも言えるわけですから、こういうところを考えると、産業基盤の弱い、経済的には全く自立の弱いところであるというのが東北だ、こういうふうに思います。 そこで、先ほど大臣言われた特に二次産業の製造部門による赤字がきわめて大きいわけでして、せっかくの農林漁業の振興によって活力をつくろうと思っても、それを赤字の方に回してしまわなければいけない。公共投資に頼ってしまう部分が大きいということから脱し切れない。ですから願わくは、今後の東北の開発に当たっては、やはり公共投資による力づけをもう一段としていただいた中で民間の活力というものを育てていくような方向を考えてもらわなければいかぬというふうに思います。 そうするとやはり、地域内のいわゆる域際収支での黒字の大きいものは何かというと輸出型産業で、これを伸ばすことでしょう。石油とか自動車あるいは一般機械産業を導入し育成する。これはほかから来るから赤字なんであって、地元にあって素材から全部一貫して製品まで持っていけばそうならぬけれども、そうじゃない、加工して出してやるだけであるということで、付加価値が全くないものだから結局赤字になる。こういう域内生産の割合を高めていくような政策誘導、これが今後必要だと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○神谷政府委員 御承知のように、東北地域につきましては、全県を私どもでは工業再配置政策の中では誘導地域ということで指定をし、そこに対しての工業立地の促進あるいはもろもろの開発のための施策を講じておるところでございますが、御承知のように最近の産業構造が急激に高付加価値産業あるいは技術先端産業のウエートが高まるような方向で転換いたしてきておりますし、先生御指摘のようにやはり域内での付加価値を高めていくという意味では、技術先端産業の東北への分散あるいは域内の産業をそういう形で伸ばしていくということが必要でございますので、私どもテクノポリスもその一環として考えておりますが、地方技術をできるだけ促進し、それらの技術と絡み合いながら高度の工業が発展し立地していくようにすべきであるというふうに、地域開発政策のウエートをそちらの方に持っていきたいと考えております。 そういう面で、五十七年度からは工業再配置促進費補助金の補助対象の中に試験研究施設を加えるとか、あるいは北海道東北開発公庫等による地域技術振興特利融資制度を創設する、こういう施策を講じておるわけでございまして、東北に単に工場が建つだけではなくして、高度の付加価値あるいは高度の技術を持った工場、産業ができるだけ立地していくように、いろいろな施策を総合しながら進めてまいりたい、このように考えております。
○武田分科員 いま、テクノポリスの問題等含めまして、今後の対応というのを聞きました。このテクノポリス構想は非常に評判がいいようで、引っ張りだこだということで、東北でも三つか二つ希望した。エレクトロニクスあるいはまた通信技術などの技術先端産業と相まって、こうした分野は相当重要な品目になってくるでしょう。だけれども、いま見てますと、こうした技術先端産業というのは東北には正直言いましていままで余り縁がないのですよ。関東、近畿、九州、全部向こうの方に集中していましたですね。この東北開発の構想の中にもありますが、これがここ二、三年のうちに既定のとおりいくものかという心配。特に希望者があっちこっちいっぱいありますからね。そうして、テクノポリスなんかというのは、数を見ますとやはり東北よりも向こうの方が多いのですね。重点的にいくといつも新しいものは西から始まっていきますからね。反対に逆からやってもらいたいね。東北、北海道から始まっていくとなればいいのですが、どうも西の方が数的にも多いし、規模的にも大きい。まあこっちの方はミニなんかもあるわけですからね。 そう考えますと、私は一つの問題としては、こうした分野についての生産技術の導入の問題で学問、研究所の話が出てきましたね。せめてそういうものだけでも、もうすでに一つの青写真として出てくる段階でなくてはいかぬと思うのですね。そしてそこに、大学との関係もありますね、民間の企業とのいろいろな連携もあるでしょうから、そういう対応がもうすでに芽生えて動いているんだというふうな姿がないと、ここ二、三年の間に果たしてそういうものがしかと根づくかというと、私は、夢幻のごとく消えてしまうのではないかという心配がある。ですから、そういう先端技術の導入、それからさっき話がありましたように部品から完成品に至るまでの一貫生産体制、それをするためにはどうしても関連産業の育成がなくてはならないですね。ところが東北は、地場産業としての二次産業というのはからきし弱い、育たないのですね。一つの電機の例を見ても、仙台市内に、地元でしかと仕事をやっているのはただ一つくらいです。ですから、そういうものが入ってきたときに果たして地元の企業が受け入れることができるかというと、それも弱い。こうなりますと、そういうものを育てつついかないと、どんな大きな建物を建てようと砂上の楼閣になってしまう、こういうふうに私は思うわけですが、こういう点の御配慮をなさっているのかどうか。 特に、付加価値の高い組み立て、研究開発という部門は、やはり東京周辺にかたまっている。大学の地方分散といったってさっぱり出てこないのです。特に私学なんかは一向に出てこない。出たというとどこに出るか、せいぜい筑波学園あたり。これじゃ東北へのてこ入れといったって片ちんばになってしまう。こういうような総合的な問題を解決しなくてはいかぬ。通産省があずかる分野が大きいだけに、リーダーシップをとって総合的に動けるような対応をここ一、二年の間にしかとしてほしいと私は思うのですが、大臣、どうでしょうか。そういう点のこれからの努力を私はお伺いしたいと思うのです。
○安倍国務大臣 確かにおっしゃるように、東北全体として見た場合、他の地域から比べると、先端産業等についてはまだおくれておることは事実であろうと思うわけです。しかし、産業がないわけではないので、基礎素材産業なんかもずいぶん出ておるわけであります。その他工業団地等が造成をされまして、そういう地域への進出もすでに始まっておる、こういう状況にもあるわけであります。気候的な面で多少のハンディはあるとしても、その他の状況は、だんだんと交通アクセス等が整備されておりますから、そういう意味では相当有利な面も生まれてきておるわけでありますから、これからもいろいろの政策を進めることによって東北の開発、発展というものはできていくのじゃないか、こういうふうに私は思いますし、テクノポリスも、東北地方にもこれを実現しようということでいま構想が進められております。あるいは、原子力発電の地域を中心としたアトムポリスというような構想もいま通産省でいろいろと検討いたしておるわけでございます。大学等もちゃんとりっぱな大学があるわけでございますので、そういうことを考えますと、これからの努力次第では、東北の将来の展望というものは大きく開けてくることは間違いない、こういうふうに考えております。 特に私は、先端産業はこれからの日本の技術立国、そして日本経済を支える非常に大きな新しい産業の分野でありますから、こうした先端産業等につきましては、これからも十分通産省としても東北地方を配慮して考えてまいりたい、こういうふうに思います。
○武田分科員 東北が大きく伸びていくときのその大きな要因というのは、やはり国の力があずかって大きいということです。これは、今後もそういう部門が大変多いわけです。ですから私は、そういう方向で行ってほしい。それで、そういう民間の資本が大きく力がついたときにまた国のそういうものが少しずつ減っていってもやむを得ないと思うが、いまの段階ではまだまだそういう段階ではない。 それで、この東北開発の構想、いわゆる三全総の構想なども見てみますと、どうも国主導型より地方主導型へ方向転換というのを強調し過ぎるんじゃないかと気になるのです。これはそうあってほしいのですがね。この間の審議会でも、地方公共団体を初めとする地元各界各層にその主体性を置いていく、これはいいのですが、しかし、その主体性が弱いときにこの面が強調されるというのは遺憾だな、私はそういうふうに思うのです。 大体、東北に対する行政投資がまだまだ少ないということ。これは、生活基盤、産業基盤の投資では確かに全国平均と比べると上昇していますね。それは当然のことであったのであって、それでようやく格差が少しずつ是正されてきたわけですから、これは全国平均にまで近づけるようにさらにまた努力が必要だ、こういうわけです。 東北の場合、産業基盤投資は、五十一年から五十三年の平均が一五・五%、それと国土保全投資というのが一六・九%、こういうことで、実績が理論値を上回っているのはこれだけなんです。あとは、もういずれも他の項目では実績が理論値を下回っている。要するに、他の地域に比べて投資の配分が非常に少ない、こういうふうに言えるわけです。ですから、将来この東北地方の開発という面を重要視するということになれば、やはりもっと現在以上のウエートで投資配分をして産業基盤の整備をする必要がある。その基盤整備がしかとできた上に、民間の活力も大きく作用して東北が一層発展するんだ、こういうふうに思うわけです。そういう意味で、地域開発における行政投資というのをもっともっと重点的な配分の形で対応してもらいたいな、こういうふうに思います。 しかもこの行政投資というのは、短期間でその効果を評価すべきものでもありません。やはり長期的な視野で考えていただかなくてはいかぬ。その中にいろいろなものが備わってきて、人材もそこに定着しまして、それで調和のとれた発展もできるわけでありますから、私はこの際、通産省が予算の面においても東北に重点的な傾斜配分をするくらいの取り組みをしてもらいたい、そして、いままでのおくれを取り返して、日本の中に占める東北の重要性と――持っている資源がたくさんあります。東北はもう資源の宝庫です。人材もたくさんあります。それが東北を中心として日本に大きな活力を与える、繁栄を支える地域にしてほしい、こういうふうに思うのでありますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○神谷政府委員 国全体としての行政投資をどういうふうにすべきであるというようなところまで私どもの方で御答弁するわけにはまいりませんが、私どもの感想をきわめて端的に言わせていただけば、私どもの立地政策を毎日進めておりますと、東北のために仕事をしているんじゃないかと思うぐらい、東北はかなり大きなウエートを占めておるわけでございます。したがいまして、私どもが、誘導地域あるいは特別誘導地域に対して工場をできるだけ誘致し、あるいはそのための基盤整備づくりをし、さらには、公団その他を活用しながら、事実上国のいろいろな資金がそちらの方に流れていくような施策を講ずる、こういう全般的な政策を進めていく中で、やはり事実問題として東北地域というものを、意図するとせざるとにかかわらず、非常に念頭に置きながら進めてまいっておりますし、今後とも、これらの施策は、私どもの立地政策を発展させる過程において同様なスタンスで進めていくことにいたしたいと考えております。
○武田分科員 その決意をひとつ実行の面に移してもらいたい、こういうふうに思います。 時間が来ましたので最後に、いま申し上げましたような国に対する非常なウエートを東北は期待をしておるわけでありますけれども、並行してやはり地域開発のために民間の活力の導入は当然の責務でありまして、地方自治体を含め民間の企業等々、一生懸命そのための努力をしなくてはいかぬ、こういうふうに思います。そういうときに官民の接点に立って地域開発金融機関としての北海道東北開発公庫は非常に重要な立場であろう、こういうふうに思うわけでありますが、その機能を発揮、活用させて民間の活力を導入していくために、もっともっとこれからこの北東公庫の活用、運用の拡大、そういうものに取り組んでいかなければならない、こう思うわけであります。この点についてやはり通産当局も、国土庁あるいは東北開発公庫、いろいろ努力しているようでありますが、力を合わせて、行革の対象になっているような話もときどき聞くわけでありますが、そんなことのないように、きちっとして守っていくような方向で大いに活用して、それを開発の一つの誘因にもさせてもらいたい、こういうふうに思うわけであります。国土庁と通産省からこの点についてのお考えを最後にお聞きしまして、時間が来ましたので私の質問を終わりたいと思います。
○吉村説明員 地域開発金融としての北海道東北開発公庫の果たす役割りは、先生御指摘のとおり大変重要なものがあると私どもも認識心ておりまして、今後ともその機能の拡充強化については、先生方の御協力、御支援をいただきながら、私どもも大いに伸ばす方向でやってまいりたいと存じております。
○神谷政府委員 公庫にはいろいろ協力もいただいておりますし、私どもの施策に御協力もお願いしておるわけでございます。今後ともこういう方向でできるだけ成果を上げていくように進めたいと思います。
○武田分科員 時間が来ましたので、以上で終わります。どうもありがとうございました。
○植竹主査代理 これにて武田一夫君の質疑は終了いたしました。 次に、伊賀定盛君。
○伊賀分科員 最近のエネルギーの需給関係の現状と、その中における水力開発の占める位置づけといいましょうか地位といいますか、そういうものについてお伺いをいたします。
○小松政府委員 ここ当面は石油需給を初めとしてエネルギー需給は非常に緩和しているのでございますけれども、長期的には、日本の場合にはエネルギー供給構造がきわめて脆弱になっておりますので、その観点から、脱石油ということでエネルギー全体の供給構造を考えております。そういうことで、昭和六十五年度を目標に石油の依存率を五〇%に減らすということでございまして、現在は昭和五十六年で六六%ぐらいですが、これを五〇%程度に減らす。その残りを原子力、石炭、LNG、さらには水力、こういうもので補うという前提で考えておるわけでございますが、特に水力につきましては、現在の設備能力というものが一般水力で大体千九百万キロワット、揚水発電所で千八十一万キロワットということで、発電設備全体に占める比率が大体二一%、発電電力量の中で水力の比率が一六%ということになっております。こういうことで、今後も代替エネルギーを中心に、それから特に国産エネルギーであります水力を中心にエネルギーの供給構造の安定を図っていく、かように考えて政策を進めているわけでございます。
○伊賀分科員 ここに海外電力調査会が出した資料で、各国の電気事業の水力の総発電電力量に占める比率といいますか、そういうものの一覧表があるわけでありますが、その中で見ますと、細かい数字は申し上げませんけれども、たとえばフランス、イタリア、スイス、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、カナダ、アメリカ、日本、こういう一覧表の中でもかなり日本は水力発電の占める地位というものが低いようでありまして、特に日本は御承知のとおり雨量が大変多いわけでありますから、もっともっと水力発電が開発されてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○小松政府委員 先生お話がございましたように、確かに他の国の水力発電の比率というのは総発電設備に対しまして非常に高いわけでして、たとえばノルウェーの場合は九九%、カナダの場合は五七%、フランスで三六%、アメリカで一二%ということでございまして、非常に高いわけでございます。こういうことで、日本の場合にもできるだけ水力の比率を高めたいということで、先ほど申し上げましたように現在は全体で設備で二一%、それから電力量では一六%、アメリカを別にしますとほかの国に比べ非常に低いわけですので、今後クリーンな国産エネルギーということでできるだけ水力地点を開発して水力の比重を高め、また揚水発電所などについてもその能力を増加していきたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、最近はだんだん大規模な開発地点がなくなってまいりまして、非常に小規模になってきておりますので、こういう小規模なものについても、非常にコストが高いわけですが、それについてのいろいろ助成をしながら水力発電の比率をできるだけ高める努力は今後とも続けていきたい、かように考えております。
○伊賀分科員 それから、たとえば原子力、石炭、石油、水力等それぞれ電力が開発されておりますが、従来はその中における水力発電のコストは高くつくのだと言われてきたわけでありますが、特に最近のように石油価格が高騰しておる時期でありますから、現状における各電力のコストの比較、それから水力はどうなっておるか、これについてひとつ。
○小松政府委員 これから大体現段階でできる発電のコストでございますが、一キロワット一番安いのが原子力でございます。これが大体十円から十一円ぐらい。それから石炭の場合が十三円から十四円ぐらい。LNGが十八、九円。石油の場合は大体二十円見当でございまして、水力の場合が、大きさにもよりますが、最近の開発地点を想定して考えますと十八円から十九円ぐらい、かように考えております。
○伊賀分科員 統計はそういうことになっておるようでありますが、原子力発電というものは、これは稼働率どれくらいで見てそういうコストになりますか。
○小松政府委員 一応私申し上げました十円ないし十一円というのは、七〇%の稼働率で計算をいたしております。
○伊賀分科員 原子力発電所の現状、実際いまどのくらい稼働していますか。
○小松政府委員 稼働率は大体六〇%です。
○伊賀分科員 そうしますと、いまのは七〇%と仮定しての価格ですから、実際六〇%になりますとどのくらいの価格になりますか。
○小松政府委員 私どもの計算で大体一円からちょっとぐらい高まりますが、せいぜい一割ぐらいというぐあいに見ております。
○伊賀分科員 それから、これは常識的な話なんですが、水力というのは開発には金がかかりますけれども、一たん開発されますと金かかりませんね。そうするとコスト計算というものは、開発後何年までを想定して計算されていますか。
○川崎政府委員 いま先生御指摘のとおりでございまして、水力というのは初期投資が非常にかかります。先ほど長官の方からお答え申しましたのはキロワットアワーの単価でございますが、建設単価でどういう動きかと申しますと、一般水力の場合でございますが、キロワットアワー当たり五十五万円程度でございます。これは石油火力に比べますと約五倍、石炭の三・八倍、原子力の二・二倍という感じになっておりまして、実は先ほども御説明いたしましたように、残された水力地点というのが地点当たりの規模がだんだん小規模化いたしますので、この投資額は相対的に他の発電電源に比べましてさらに高くなっていくものと思います。しかしながら、確かに一たんつくってしまいますと燃料費はかからないという大変なメリットもございます。したがってこの燃料費の上昇とか物価上昇の影響が小さいという利点がございますので、ただいまのような数字を申し上げましたけれども、その経済性については長期的な観点から判断する必要があるものと思っております。
○伊賀分科員 それからもう一つは、原子力、火力、石炭等はどちらかといいますと環境被害もしくは環境に悪影響を及ぼしまして、地域住民からどこでも強い反対を受けるわけでありますが、その点、水力開発というのは逆に地域開発と密接に関連しておりますし、地域開発に与える貢献度がかなり違うと思うのですが、そういう点はいかがですか。
○川崎政府委員 もちろん原子力とか石炭火力等につきましてもそういった環境に与える影響を可能な限り少なくする努力はするわけでございますが、一方において水力開発というのは、小規模といいましてもいろいろなところでやれる可能性もあるということを含めまして、しかもそれが過疎地等で小さいながらもそういった発電ができているということになりますと、その地域に及ぼします経済的インパクトというのは大変大きいと思います。そういう意味におきまして、こういった水力開発というのは今後とも積極的に推進していくべきもの、それがまた地域振興にも寄与するものとわれわれは考えております。
○伊賀分科員 これに関連しまして、昭和五十五年から中小水力開発に一定の建設費補助等が行われておるようでありますが、それ以後の現状と、それから、これからの計画についてお伺いします。
○川崎政府委員 実は水力は昭和三十年代は年間大体七十万ないし八十万キロワット開発できておったわけでございますが、その後は地点がなくなったということ、それから小規模化してきたということが重なりまして、大体年間二十数万キロワット程度で推移してまいりました。特に五十三年とか五十四年ごろになりますと大体十万キロワット程度しか年間開発できなかったわけでございますが、五十五年度以降水力開発促進のための促進策が強化されたということもございまして、五十五年度の着手量は四十三万キロワット、それから五十六年度、本年度の見込みは約三十万キロワットということで、数字もおかげさまでふえてまいっております。
○伊賀分科員 これは今後とも推進方をひとつ強く要望しておきたいと思います。 次に、包蔵水力調査というのがいま行われておるわけでありますが、その現状と今後の計画について伺います。
○小松政府委員 第五次包蔵水力調査を昭和五十五年度から実施いたしておるわけでございまして、この計画は大体五十八、九年度までということで、現在いろいろやっておるわけでございます。 現在の状況は、地形図の上でいろいろやる図上計画と現地調査に基づきます概略の地点計画策定というのが終わった段階でございます。概略の中間集計で、そういう意味での包蔵水力は大体千三百万キロワット程度というふうに見込まれております。 今後の計画の進め方でございますが、五十七年度以降、概略計画で策定されました地点のうちで、経済性とか施工条件、こういうことで詳細に調査を要する地点を中心に地形とか地質とか環境等の現地調査を行いまして、発電計画を詳細に検討していこうということにしております。 いずれにいたしましても五十八、九年を目標に計画は順調に進捗いたしておりまして、これができ上がりますれば、今後この調査をベースに昭和六十年代以降の水力開発を進める資料として非常に重要なものになってくる、かように考えております。
○伊賀分科員 中間集計だそうでありますからひよっとしたらこれはわからぬかもしれませんが、具体的に私も地元の川の問題について伺います。 これは兵庫県の日本海側でありますが、大屋川、建屋川、八木川、小佐川、神子畑川、田路川、出石川、稲葉川、以上円山川支流、岸田川、矢田川、これらの包蔵水力調査における現状、すでに調査を終わっておるのかおらないのか、調査が進んでおりましたら、その現状について伺いたいと思います。
○川崎政府委員 まだ調査の過程でございまして、最終的な結論は出ておらない段階でございますが、五万分の一の地形図、これによります概略計画調査、それに従いますと、いま先生御指摘の円山川水系で約五万キロワット程度というふうな計画地点の線引きが行われております。
○伊賀分科員 そこで、同じ兵庫県といいましても日本海側は大変おくれておりまして、いつも衆議院定数で最低が円山川沿岸の兵庫県の五区、最高が千葉県の四区ということで、この間も大阪の高等裁判所で憲法違反だ、定数を減らせということを言われておるわけでありまして、それほど日本海側というのは過疎に悩んでおるわけであります。 ここに「但馬・円山川導水考」という本があります。これは内外エンジニアリング株式会社の松宮勝、この人が五十五年六月に出した本であります。これは俗に私ども地元では松宮構想と言われまして、たしか昭和三十八、九年ごろに発表されまして、かなりこの当時地域でも一つの話題になりましたし、県でも注目されてきたわけでありまして、この詳細については触れませんけれども、松宮さんが発表になりましてから、昭和四十年に通産省の公益事業局、四十一年に同じく事業局が工業用水調査等を約一千万の費用をかけてなさったわけでありまして、これには一定の結論が出ておるわけであります。しかし、いまはもう五十七年ですから、二十年からの時間の経過があります。したがって、この当時の国の考え方と、国際情勢も国内情勢も変わってきておりますから現在とはかなり違うと思いますが、この松宮構想、すなわち円山川の多目的ダムで地域開発をしていこうという考え方でありますが、これについていかなる御見解をお持ちか、伺いたい。
○小松政府委員 いま先生からお話のございました、兵庫県の円山川水系の水を市川に分水しまして水資源の総合開発を行う、その一環として当然電源開発が行われる松宮構想というのがあるわけですが、この構想につきましては私ども承知はいたしております。ただ、分水をして行うという計画でございますので、私どもが現在やっております第五次包蔵力調査の中には入っておりません。松宮構想の場合は当然流域変更を伴うわけでございますので、それに伴うたとえば水没の問題、分水に対します地元の理解、協力、こういうものが得られるのが当然計画の前提になるわけでございまして、そういう意味で、地域の総合的な河川開発といいますか全体的な計画の一環ということで、私どもとしても今後発電部門という立場から積極的にこの構想に参画はしていきたいというふうに考えております。 そういうことで、現在は円山川の分水計画も含めまして河川総合開発計画について建設省を中心に予備的な調査検討段階にあるというふうに聞いております。今後、恐らくそれをベースに兵庫県内における水の需給計画策定が行われると思いますので、その計画が具体化する段階で、私どもといたしましても発電部門の立場からそれを有効に利用するということで、今後具体的な進め方について建設省、県との打ち合わせ、それから今後の進捗段階を通じまして積極的に協力をいたしていきたい、かように考えております。
○伊賀分科員 建設省お見えいただいておると思いますが、金屋敷さんが近畿地建、あそこの企画部長をしておられた当時に、私はしばしば大阪まで参りまして、円山川を中心とした多目的ダム開発について一体建設省は何をしておるんだということで何回か行ったわけで、そのときにも、円山川下流にせきをして、揚水をして発電をするというようないろいろな図面も見せてもらったりしてきたわけであります。その後かなり経過してきておりますが、建設省が行っておられる――松宮さんが昭和三十七、八年ですから、しかも松宮さんというのは、御承知だと思いますが、関西電力の職員で、この但馬地域に御自身でお住みになって幾つかの水力発電を設計し手がけ、そして水力調査等を自分で二十数年にわたって調査した方であります。それから考えましても、はや二十年近い経過があるわけでありまして、その間建設省はそれなりに調査してもらってきておると思うのですが、調査の現状、それから今後どうしようとされるのか、それを伺いたい。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 円山川は、兵庫県一般に雨量が少のうございますけれども、日本海気象でございまして、私たちの目から見ますと、兵庫県の中では比較的水資源の豊富なところである。一方、水資源に恵まれている割りには水資源が余り開発されていないという非常に恵まれている地域だと思っておりまして、私どもとしましても、四十九年度から県と協力いたしまして調査をいたしているわけでございます。しかしながら、現在のところ、具体的にかような構想で進めるということを申し上げる段階には至っておりませんで、引き続き調査を続行しているというのが現状でございます。
○伊賀分科員 私は県の企画部長あたりにも早くやれやれとひっぱたいておるわけですが、なかなか進まないわけでして、いま申し上げますように、この地域は大変おくれておるところであります。 アメリカのテネシー川流域について、この開発公団の理事長でありますリリエンソールさんが次のようなことを回想録の中に書いております。御承知だと思いますが、御承知ですか。
○広瀬説明員 リリエンソールはよく存じておりますけれども、どういう回想録の文章かというところまでは現在まだ……。
○伊賀分科員 ああそうですか。ちょっと要点だけ読みます。 当時、テネシー河流域は、米国における最も荒廃した地域であった。ここに十年の間に七州にまたがって二十の多目的ダムを建設し、既設ダムも買収して、合計三十一のダムを系統的に運営し、テネシー河の洪水防御、水運、植林、発電、土地保全、農牧業等、地域開発を推進育成して来ており、二十六年間に発電所など諸施設の建設に二十億ドルを投入し、電力だけでも三百五十万キロワットを下らない。 こうした開発が行われるまでのテネシーは、放浪定まらず巨大ななまけ者であり破壊者であった。当時の農民は、わずかなすきくわを肩にしてジプシーのように、安住の地を求めてけい谷の低地をさ迷った。 その川が、美しい広々としたいくつかの湖水を連ねて流れる静かな河に変わって、住民を楽しませ、四季を選ばぬ船の上り下りに河域の商売をにぎわす河になり、又、昼夜を分かたず巨大な電気のエネルギーを起しており、長い間に老朽荒廃した原野は肥よくの土地になって青々と天日の下に生き返り、乱伐に荒された森林が伸びてゆく若木に更生し、見事に植林され保護されている。 又、農民は、 云々、こうあるわけです。ですから、これは有名だそうですからぜひひとつごらんをいただきたいと思いまするし、いまの円山川の開発というのが、おくれた兵庫県の日本海地域の開発の決定的な問題だろうと思うのであります。 そこで技術的に考えますと、だれが調査しても一緒だと思いますが、この円山川開発の中で一番重要なところは、ダムが想定されたところ、大屋町というところがありまして、この大屋町の町長さんはもうすでに、ダム建設については水没その他もろもろに私の政治生命をかけてやり切りますと覚悟も決めておるほどなんです。ですから、私は県にも言い、国に向かっても何回か予算委員会の分科会でも指摘してきたわけでありますけれども、どうもいま申し上げた農業用水だとか工業用水だとかあるいは電気というようなことで的確な窓口がないように思うのです。一体どこからどうしたらこれが動き出すのか、ひとつ教えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○広瀬説明員 ただいま先生御指摘のありましたリリエンソールの文章は、われわれ総合開発事業を推進していく者のかがみでございまして、常々心に置きまして一生懸命やっておるつもりでございます。 それで、先生の御質問にございます、一体どこを総合開発事業の突破口としていったらいいのかということでございますが、私ども建設省は治水事業を中心にして総合開発をやっていくというしきたりになっておりますが、その総合開発事業の中に、治水のほかに上水であるとか工水であるとか発電というほかのものが参加するわけでございます。私どもは、治水につきましては建設省が主導的に発想し推進することができるわけでございますけれども、上水道、工業用水、電力ということになりますと、どちらかと言えば受けて立つ立場にございまして、そういう周辺の関連の方面からの御希望といいますか参加の意思表示、そういうものを受けてりっぱな総合開発事業にまとめ上げていくという立場でございますので、円山総合開発事業ということに話を当ててみますと、建設省の円山川の治水事業計画の中に発電事業であるとか上水道であるとか工水事業であるとか、そういう参加者の希望を織り込んでいくということになろうかと存じます。ですから、上水でありますと、私ども水行政をやっていく立場の者から見ますと瀬戸内の方が水が不足しております。それで、日本海の方の円山川から取水ということが考えられますので、水資源開発という面から見ますと瀬戸内の方から何かそういうお話、希望がありまして、それを計画の中に織り込むということになろうかと思います。
○伊賀分科員 もう時間が参りましたから終わりますが、治水という意味からもこれはもう建設省よく御承知のとおり、あそこに唯一の都市の豊岡市という人口五万弱の市があるわけですが、完全に一年に二回か三回は円山川の洪水で孤立するわけであります。だから、治水の面から見ましても早急にこの円山川の治水計画というものは具体的にあってしかるべきだと思いますが、最後に……。
○広瀬説明員 私ども常々そういうことで計画を推進しておりましたけれども、先生の御指摘がありましたのでますますそのことを心に置きまして、関係の県等と協力をいたしましてできるだけ早く計画を策定するように努力をいたしたいと思います。
○伊賀分科員 終わります。
○植竹主査代理 これにて伊賀定盛君の質疑は終了いたしました。 次に、瀬崎博義君。
○瀬崎分科員 私は、新聞の販売の問題について伺うわけでありますが、今日、新聞発行本社は苦い戦争体験の反省も含めて新聞倫理綱領を決めているわけですね。ちょっと主査の御了解を得て、これを一組だけですが、政府側に資料としてお渡ししておきたいと思います。 その中に「日本を民主的平和国家として再建するに当たり、新聞に課せられた使命はまことに重大である。これをもっとすみやかに、かつ効果的に達成するためには、新聞は高い倫理水準を保ち、職業の権威を高め、その機能を完全に発揮しなければならない。」「本綱領を貫く精神、すなわち自由、責任、公正、気品などは、ただ記者の言動を律する基準となるばかりでなく、新聞に関係する従業者全体に対しても、ひとしく推奨されるべきものと信ずる。」こうあるわけですね。 通産大臣はかつて新聞記者の御経験もあり、新聞界に深い御造詣があることを承っておりますが、今日の新聞社の置かれている社会的責任から言って、この倫理綱領の内容は、報道面はもちろんでありますが、販売面も含めて新聞社の活動全体に生かされなければならない内容だと考えるのですが、大臣はどういうふうにお考えですか。
○安倍国務大臣 これはやはり新聞のあり方という面からとらえられた倫理であろうと思いますから、新聞の全体に当てはめて考えられるべきものではないかと思います。
○瀬崎分科員 さらに、発行本社の加盟している新聞協会では、いまの大臣の言われたような趣旨からだと思いますが、新聞販売綱領というものも定めているのですね。ここには「読者の購読の自由を尊重すること。」それから「購読の勧誘は新聞自体の持つ価値によって行ない、景品などの供与をもってなさるべきではないこと。」「その他、同業間の競争は、すべて道義に基づき公正な方法によるべきであり、いやしくも利害の対立に拘泥して相排斥し、中傷、妨害などの行為があってはならない。」こういうふうに明記しているのであります。 公正取引委員会はこの問題についてずいぶんといろいろ調査もされておりますが、この新聞販売綱領が守られているとお考えですか、守られていないとお考えですか。
○植木説明員 先生御指摘の点でございますが、私どももそういう新聞販売綱領ができていることを存じておりまして、こういうことについて、新聞発行本社については常にこの精神を守ってそういう違反行為がないようにやっていっていただきたいといろいろ御要望申し上げているところでございますが、いかんせん、あるいは遺憾ながらと申し上げますか、そういうことが後を絶たないという現状であることは私どもも十分承知しております。
○瀬崎分科員 公取は昨年二月の末に新聞販売店の取引実態調査結果を発表しましたね。もう一年たつのですが、その結果に基づいて公取としては具体的にどういう改善措置を講じたのか、簡単に言ってください。
○植木説明員 公正取引委員会といたしましては、この実態調査の結果に基づいて新聞発行本社を呼び、新聞発行本社の行為について非常に遺憾な点が見られる、でありますから、われわれとしては、その新聞の販売方法について十分改善をしていただきたいということを申し入れたわけでございます。
○瀬崎分科員 昨年の三月二日の分科会でも私は質問しておりますが、当時の河村取引課長は、実態調査結果の総体的なまとめとして、「全般的に申しまして、かなりこういった拡材、無代紙の提供行為が行われておるという実態でございました。」と断言しておるわけですね。発行本社にもいろいろ申し入れをしているということなんですが、この公取が公式に存在を認めたかなりの拡材、無代紙の提供行為の原因は、新聞販売店自身に原因があると考えているのか、発行本社側に原因があると考えているのか。別の言葉で言えば、販売店に責任があると考えているのか、発行本社に責任があると考えているのか、どっちですか。
○植木説明員 どちらの責任かということでございますけれども、通常の場合、私どもの方は、発行本社の方が自分の紙数を拡大するために景品を出していらっしゃるのじゃないかというような受けとめ方をしておるわけでございます。
○瀬崎分科員 ところが、あなたのところの相場取引部長は、ことしの二月十二日新橋の航空会館で開かれた日販協の全国代表者会議でこういう発言をしたというのです。「これまで発行本社の話をいろいろ聞いてきたし、調査も行ってきたが、本日改めて」改めてですよ、「新聞販売の実情を知った。しかし一様に不正常販売の起因するところは本社側の部数競争によるもので本社をきびしく取り締まってほしいというが、違反行為を行っているのは販売店であり同罪だ。」「本社の取り締まりもさることながら景品を使ってるのは店側で、この違反を放って置けなくなる。直接の違反行為をしているのは店で、本社だというならその動かぬ証拠を提出してほしい。」こんなことを言っているのですね。発行本社と販売店は同罪だと言わんばかり。少なくとも同列に置いている。違反を取り締まるとするならむしろこの販売店をやらなければいかぬとさえ言っているわけでしょう。あなたのいまの答弁とは全然違うのですね。こういう態度で公取が臨んでいるとしたら事態は改まらないと思うのですが、こういう部長の発言の責任をどうします。
○植木説明員 先生の御指摘の点でございますけれども、私どもの相場取引部長が新聞販売店と発行本社は同罪だという発言をしたということなんでございますけれども、私その場に直接いたわけではございませんが、取引部長の発言しました趣旨は、発行本社とそれから販売店とが同罪、同罪という言葉を使ったかどうか、使ってなかったというように解しておりますけれども、同罪ということではありませんで、むしろ発行本社が出すということにつきまして、販売店もそれに同調して同じようなことをやると違反行為というものはおさまらない、むしろ販売店の方も、力を入れてそういうようなことをやらないように話し合ってやっていっていただきたいというような趣旨を発言したんだろうと理解しております。
○瀬崎分科員 実は、この相場部長が、違反行為をしているのが本社だと言うんならその動かぬ証拠を出してほしい、こう言ったのですね。その動かぬ証拠を全面的に提出した人があるわけですね。 これは昨年の十月十九日でありましたが、奈良市で読売の鶴舞販売店の営業をしておった方、この方は約十年間読売の販売店をやっていらっしゃった北田さんでありますが、残念ながら発行本社からの圧力を受け、読売の指示によって営業権を譲渡し、廃業に追い込まれたわけであります。 この方の提出した資料というのは間接的なものではなくて、発行本社と販売店つまり自分との直接取引の実態を示す資料を全面的に提供されたわけでしょう。すでに半年を経過しているわけでありますが、この調査結果はどういうことになりましたか。
○植木説明員 いま先生御指摘の北田販売店さんのことでございますけれども、私どもは、申告がありましたものですから、まずそういう資料がどういう内容を持っているのかというのを調査いたしまして、それから新聞発行本社、この場合は大阪読売新聞社でございますけれども、これにつきまして、その取引状態がどうなっているかということを現在鋭意審査している状態でございます。
○瀬崎分科員 一体いつ結論が出るのですか。
○植木説明員 私どもが現在鋭意審査しておりまして、いろいろな事実を詰めていきたいと思っておりますので、あとしばらく時間をおかし願いたいと思います。
○瀬崎分科員 北田さんが提供されたときに私も同行しておりました。呼び出しを受ければ東京へでも出てくるともおっしゃっておりました。確かに電話での連絡は倒産されておってつきませんが、手紙を出せば喜んで来られるという立場にある。ところが、聞けば、きょう初めて公取委から正式に事情聴取に出ていったということじゃありませんか。まさに、きょうこの質問があるから、かっこうつけるために行っておる、こうとしか思えないような態度なんですね。それは手が足りないというなら率直にそう言えばいいけれども、しかし、あれだけの資料が出されて、六カ月たってこの事態、これは怠慢と言われても仕方がないと思うのです。 北田さんが提供した資料というのは、ただいま大臣にお見せしたその資料の三枚目以下をごらんいただいたらいいのですが、先ほど言いましたように、まさに直接、取引の実態を示す資料なんですよ。それはごく一部であります。 若干御紹介しますと、③というのが、いわゆる売れない新聞を押しつけてきている実態であります。本社送り部数は本社のコンピューターで打ち出された内訳書の新聞代請求額明細より拾ってあります。それから実配数は北田販売店の読者一覧表から集計をしたものであります。これで見てわかりますように、五十一年の一月、本社送り部数七百九十一、実際の配っている部数五百五十六、残紙二百三十五、残紙率二九・七%、五十二年一月送り部数九百十にふえます。実配数六百二十九、残紙数二百八十一、残紙率三〇・九%に上がります。五十三年一月本社送り部数千三十、実配数六百十四、残紙四百十六、残紙率は四〇・四%になります。五十四年一月送り部数千九十五、実配数六百八十、残紙四百十五、残紙率三七・九%、途中ちょっと飛ばしますが、五十五年六月送り部数千百、実配数六百七十五、残紙四百二十五、残紙率三八・六%、平均して大体三割から四割残っていくわけなんです。そういう状態がずっと続いたものですから、このままではとうてい成り立たないというので北田さんは五十五年の六月、本社の送り部数を実情に合わせて減らしてほしい、こういう交渉を始めたわけです。確かに減らしてくれたのです。五十五年七月には送り部数が七百二十になりました。この時点では実配数六百七十六で残紙は四十四部、わずかに六・一%、この程度ならあるいは常識と言えるかもしれません。ところがすぐまた送り部数がふえてきて、五十六年の一月には七百七十送ってくる。五十六年五月には八百十五送ってくる。結局残紙の方も大体二百近くなって、残紙率が二〇%になる。しかも、こういうふうに送り部数を減らしたということで、先ほど言ったように読売本社から圧力をかけられて廃業に追い込まれた、こういうふうな状況なんです。 こういう残紙のすさまじさは、去年も、大阪豊中市の樋口販売店、これは日経でしたが、そこの残紙状況で説明した。つまり残紙回収業者というものがりっぱな企業として成り立っておるという実態。そのときの残紙商がウエダという会社でした。北田さんの場合もまたウエダが回収に回っておるのです。4はそのウエダの残紙回収の伝票であります。ごらんください。ものすごいものですね。五十五年の上半期分だけちょっととってみますと一万八千キロ、一カ月平均三千キロの回収なんです。当時はわりと故紙の高いときだった。十キロ三百円前後で、この残紙によって一月九万円の収入が上がっておるのですよ。部数に直しますと四百五十部前後になります。四百五十部といいますと、新聞原価に直しますと当時セットで千二百九十円でしたから、その四百五十部分五十八万五百円になるのです。すなわち新聞社には五十八万円を納め、しかし実際には売れないものだから残紙商に売ってしまって、ここで約九万円を回収する。差し引き五十万近い損になるのですよ、一月につき。月の販売が七百部前後の販売店でこんなことが一体成り立つだろうか。 特に、これは通産大臣の直接所管になることなんですが、相当な予算を組んで省資源、省エネルギーの政策を進めていらっしゃるのでしょう。果たしてこういう事態をそういう省資源の面からも放置しておいていいのだろうか。送られてきたものが、ビニールの包装も解かないでそのまま残紙商にいく。その売り上げだけで、月九万円。大臣、いかがでしょう、こういう点について。これは通産省として去年も何とかしなければならないという話はあったが、具体的に手を打ってない。どうされますか。
○植田政府委員 本件につきましては昨年も御質問をいただいたわけでございますが、その後、昨年の九月でございましたか、要請も関係者の方から受けまして、私どもといたしましてはその後九月十八日に、社団法人日本新聞協会、これは文部省の所管でございますが、この協会の責任者を呼びまして陳情の趣旨、要請の趣旨を伝えまして、今後こういった問題につきましては、要望が、私どもの商務・サービス室でございますが、商務・サービス室に出された場合にはこれを新聞協会に伝えていくということを先方にも伝えまして、了承を得たわけでございます。 いま公取の方ではいろいろ公取という立場からお調べいただいているようでございますが、私どもといたしましては、なかなか新聞に対する行政指導は率直に申しましてむずかしい点があるわけでございますが、そういったようなルートを通じましてこの問題を先方にも伝えていくということをやってきているわけでございます。
○瀬崎分科員 商務・サービス室窓口では実効が上がらないことは後で申し上げます。 次の5の販売取引制度、五十四年十月実施という文書を見ていただきたいのですね。これは、その販売地域の世帯数の増減を発行本社が勝手に調査して、世帯がふえていけばそれに見合って勝手にどんどんどんどん目標数を設定し、上げていく、こういうことを示しているのですよ。三五%目標数、つまり全世帯の三五%へ普及しろという目標、次が三三%目標数、つまり全世帯の三三%へ普及しろという目標、そして三〇%が責任数となっているでしょう。全世帯の三割を読売で押さえるというのがあなたのところの責任ですよ、こう言うのですよ。大臣はこの業界をよく御存じですが、いかに天下の読売といえども、読売だけで全世帯の三割が押さえられるでしょうか。大臣の御感想をちょっと聞いてみたいと思います。
○安倍国務大臣 私は販売の方はよく存じておりませんが、それはやはり地域によっては非常に強いところ、また地域によっては非常に弱いところがありますから、三分の一ぐらいを確保しておるところも中にはないことないと思います。
○瀬崎分科員 中にはないことはないということは、全体としてこれを責任部数にすることがいかに無理かということのまあまあ言外のお話だと思います。 さらに説明したい資料は多々あるのです。たとえば次の増紙奨励規定等をごらんになっても、特奨金とか従業員慰労旅行、御夫人観劇招待、国内旅行、ハワイ旅行、いろんな誘いがあって、それぞれにどの部数をやればどれに該当しますと書いてあるのですね。しかも、定価改定、つまり値上げをしたときの特別措置がふるっているのですが、値上げ後の三カ月に限って、一方的に押しつけた基本数の九〇%を達成すればセットにつき二百円、九五%を達成すればセットにつき二百五十円の奨励金を出す、そうして何とか値上げによる減紙を販売店を駆り立てることによって食いとめようという策ですね。 私が聞きたいのは、この発行本社と販売店が本来ならば話し合いで対等平等の契約関係を結ばなければならないのに、事実上これは、基準の販売部数とかあるいは奨励金とかなんとか言っているけれども、実質値段にかかわる部分について発行本社の方で一方的に次々変えていくわけですね。こういう行為が本当に自由で公正な取引関係と言えるのだろうか。これは公取ですか、伺ってみたいと思います。
○植木説明員 ただいまお尋ねの点でございますけれども、新聞発行本社と新聞販売店との関係でございますけれども、これは、一般的に言いまして、新聞発行本社の方は新聞販売店に大体専売というような形で販売をさせているわけでございますね。それで、じゃ販売店さんの方が今度別の新聞を扱いたい、あるいは別のところに地域を拡大したいという場合には、そこにはまた別の販売店さんがいられるというようなことになりますから、全体としましては新聞発行本社さんの方が新聞販売店さんの方を抑え込む力を持っているということが言えようかと思うわけでございます。
○瀬崎分科員 これは抑え込んでいるいい例だと思うのですね。 さらに、値上げのときのいわゆる読者に対する大義名分と、実際販売店に戻している還元の実態の相違なんです。これは資料の8であります。実際値上げされたときに一番困るのは販売店なんですが、五十三年十月のとき、セットで三百円引き上げられたのです。このときは、本社が百八十円を取り、店が百二十円だった。ところが、五十五年六月の六百円引き上げのときにはどうなったかというと、本社が四百二十円取っちゃって店が百八十円なんです。上げ幅が大きくなればなるほど販売店の取り分が少なくなるという不公平さが出てきている。それで読者への値上げのお願いを見ておりますと、配達従業員の待遇改善だの、戸別配達を確保するためだの、こう書いてあるのですね。値上げの大義名分と実態との食い違いはこれで一目瞭然だと思うのです。 時間がありませんから大体そこにある資料の簡単な説明だけはしておきたいと思います。 もう一つは、よく言われますいわゆる拡材、拡張用にいろんな、エアポットを持っていくとかデジタル時計を持っていくとか、そういうものは販売店が勝手にやるのだ、あるいは拡張団などの場合も販売店が呼んできて入れているのだと言われますが、決してそうではない、発行本社が押しつけているのだということを示すのが資料の910であります。たとえば発行本社の開発課取立金請求明細の中には、生駒山上遊園地、あやめ池サーカス券などというふうな項に本社開発課取り立てとして二万ないし五万円が計上されている。明らかにこういうものが発行本社によって行われていることを示しますね。あるいは五十五年六月度の納金のところを見ますと、拡材全温度チアー全額補助す、十一万一千六百円、杉山、こういう印が打ってある。これも、こういうものを使え、しかし補助は発行本社がやってやるということの証明だと思いますね。 さらに、10の資料を見ていただきますと、そこに普及員取立、拡張員のことですね、単価五百三十円掛ける五十六枚、あるいは五百七十円掛ける九十六枚、計八万四千四百円と載っているでしょう。こういうものを販売店に請求しているわけなんですよ。だから、拡張員は販売店が直接取り仕切っているのではなくて、本社読売会がその金を点滴していることを示している。こういう点では、ちょっとほかからは公取の手に入らないであろう貴重な資料です。通産省としても十分これは参考になり得る資料だと思うのです。 これだけのものが提供されながら半年たって結論が出ないなんというようなことは僕はあり得ないと思うのですよ。せっかく第二、第三の犠牲者を出さないためにと北田さんが願ってここまでされている、その気持ちをもう少し酌んで公取もしっかりやってもらいたいし、通産省もできることをぜひやってもらいたいと思うのです。 そこで、時間が残り少なくなっておりますので、公正取引委員会がせっかくの資料を生かして積極的に調査を進めてもらいたい、これが第一点であります。 第二点は、業界の自主規制組織であります新聞公正取引協議会が十分機能を発揮するのが望ましいことなんですが、発行本社の販売責任者が牛耳っているその他の関係があって、なかなかうまくいかない。その面はその面の改善を期待するとして、いま望まれていることの一つが、発行本社と販売店の契約がきわめて片務契約的になっている、発行本社が優位になっている、先ほどおっしゃいましたね。そこで日販協がこれをできるだけ双務取引契約的なものに改めたいとして、そのモデルをつくっているわけです。 若干その特徴を報告をしたいのでありますが、たとえば私が持っておるこれまでの契約書とこの日販協の契約書案と比較しますと一部数の改訂などはこれまでの契約書には規定がありません。ところが日販協は、「乙が」、乙というのは販売店が「改訂する必要があると認めたとき、乙は甲に」、発行本社に対し「改訂を通告する」という項を設けているとか、それから新聞の原価決定については、「甲は」、発行本社は「これを改訂することができる」と、一方的に発行本社の改訂権を従来は認めておる契約書ですが、日販協のは、「必要あるときは、甲と乙とは、協議の上前項の金額を改訂する」と、双務的にしている。そういうふうなこととか、あるいは紛争が起こったときの裁判所の管轄については、従来はすべて発行本社所在の裁判所となっているんだけれども、今回は力の弱い乙の店舗を管轄する裁判所、こういうふうにしていること。その他全体として対等平等の立場。 問題は、過去こういうふうな努力が何回かされたんだけれども、日の目を見なかった。こういう標準的な契約約款が通用するためには、たとえば建設省は、下請標準約款をできるだけ使うようにと行政機関が指導をしている。同じように、これまた通産省の仕事だと思うのだけれども、通産省がこういう標準の取引約款が極力使われるように指導していく。そうでもしないと普及しないと思うのですが、いかがでしょう。通産省もこれはちゃんと聞いているはずですが……。
○植田政府委員 標準約款の点につきましては、私どももそれをいただいておりますので、現在内容については検討中でございます。これにつきましては、先ほどから公取の方のいろいろ御検討の状況も申されておりましたが、公取とも連絡をとり合いまして、今後こういった問題のあり方というものをさらに検討してまいりたいと思います。
○瀬崎分科員 最後に大臣に特に要望申し上げたいんですよ。といいますのは、先ほど押し紙、残紙の問題を申し上げましたね。ところが、それを新聞協会にいろいろ伝えようと思ったら、わざわざ文部省を経由するあるいは文部省の所管する団体に申し入れるという妙な結果になるわけでしょう。直接通産省のいわゆる行政指導というものが入れにくいかっこうになっていますね。これは非常に矛盾だと思うのですよ。先ほど、新聞販売綱領にはちゃんと、購読の勧誘の仕方であるとか……
○植竹主査代理 時間が来たので簡略にしてください。
○瀬崎分科員 わかりました。 公正な競争をやるというふうに書いてあるんだけれども、こういう本来通産省の主管する営業行為が通産省の所管でちゃんと指導できない。これは非常に大きな矛盾だと思う。商務・サービスを窓口にするとは言うけれども、販売店側に対しては相談相手になり得ても、発行本社に、具体的にこういう苦情が来ているよ、少しあなたのところは改めなさい、是正しなさいよと発行本社を呼んでいろいろ指導することがやりにくいという仕掛けになっているでしょう。こういう点は一遍政府全体で考えていただいて、何としても報道の自由は厳に守らねばなりませんから、このことをきちっと尊重した上で、しかし営業面については発行本社と販売店の両面から起こってくることなんですから、両方がきちっと一貫して指導できるようにひとつ体制を考えていただきたい、このことを大臣に強く要望し、お答えをいただいて終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 新聞の販売のあり方についてはいろいろと問題があるのじゃないか、私どももこう思っております。しかし、いまお話しのように通産省としてどういうふうにするかというと、本社と直接お話をするというのもなかなか困難……(瀬崎分科員「そこが問題、そこを改めてほしい」と呼ぶ)これはなかなか困難な状況ですし、それからいまの協会と新聞協会を通じて行うということになりましても、文部省の管轄というようなことで回りくどい方法をしなければならぬわけです。しかし、実態を改善をしていくというためには努力はしていかなければならぬと思うので、昨年も協会、新聞協会とも話し合ったようですが、この話し合いは今後とも続けていきながらいろいろと改善のための努力は続けられるように、ひとつ通産省としてもこれからも検討を進めてまいりたい、こういうように思います。
○植竹主査代理 これにて瀬崎博義君の質疑は終了しました。 次に、塩田晋君。
○塩田分科員 まず最初に、中小企業対策についてお伺いいたします。 通産大臣は所信表明におきまして、中小企業はわが国経済の活力の源泉である、そしてまたわが国経済の発展の基盤をなすものであるということを言われました。私は、中小企業はわが国の非常に特徴的なものであって、世界の他国に例を見ないと言っていいほどりっぱな中小企業があるゆえに、底力を発揮して経済が伸びておると思います。そしてまた、わが国の非常に困難でございました雇用問題、これも中小企業で吸収をされて雇用問題が解決してきておるということにおきまして、中小企業のわが国経済における重要性というものを認めるものでございます。 この中小企業対策といたしまして、いま景気が非常に落ち込み、内需の不振から中小企業の各分野にわたりまして不況が非常に深刻化しているという問題がございます。これに対しましては、大臣も、金融を初めとするきめ細かな施策を機動的に講ずるということを言っておられます。ぜひともその観点に立って御配慮をいただきたいわけでございますが、残念ながら、個々の中小企業を見てまいりますと非常に問題が出ておる。はっきり言いますと倒産が続いておる。特に地域別あるいは業種別に見ますと集中して出てきておるという事態がございます。 まず、こういった状況の中で、中小企業対策を具体的にどのようにきめ細かくやっていかれようとされますか、その点についてお伺いいたします。
○勝谷政府委員 大臣の所信表明でも述べてございますが、第一には、中小企業向けの金利を一月以降、長期プライムの〇・三%、切り下げたままで推移をいたしておりますが、これを堅持してまいりたいと思っております。さらに、金融の枠を十分確保いたしまして、金融需要に対して機動的に対応するようにいたしたいと考えております。さらには、官公需の対策につきましても目下各省と合議中でございますが、できるだけ前倒しに官公需を実施いたしたいと思っているわけでございます。 そのほか、下請振興対策その他も従前どおり進めてまいるつもりでございます。倒産が起きました際には、それが波及しませんように的確に対応いたすための倒産対策の相談室等も拡充しておるところでございます。 特に私どもは、地域の問題につきましては、地域の中小企業の振興ということを新しい五十七年度の施策の中心に置いております。地域の中小企業は、地域産業の中心といたしまして、雇用を確保するのみでなく、所得を高め、さらには地域の文化、社会等々に貢献するものでございますので、地域対策につきましては特段の配慮をいたすつもりでございます。残念ながら業種別の跛行性もございますので、特定の産地、地場産業等が平均以上の打撃を受けておるというのも事実でございますが、的確に対応いたしたいと考えておるのでございます。
○塩田分科員 ぜひともそういった基本的な姿勢を堅持して、きめ細かく対策をしていただきたいと思います。 大臣が言われておりました中にも自助努力を支援するというような表現がございますが、それは具体的にどういうことでございますか。
○勝谷政府委員 中小企業施策はまさに中小企業の自助努力の支援ということでございまして、一般予算は二千四百九十八億円ということでございますので、わが国経済の六割以上の生産、従業員で八〇%を占めている中小企業に比べればその一般会計規模は小そうございますが、財投その他の面で三兆数千億の金を用意いたしております。先ほど申しました金融枠につきましても五兆四千億の枠を用意させていただきました。これはかかって中小企業の皆様が単に補助金をもらってそこでぬくぬくとやるのではなくて、借りた金は必ず返す、こういう方向で自助努力をやってもらう、企業家精神でやってもらう、これが日本経済の礎としての中小企業の行くべき姿であると私どもは考えておるのでございます。
○塩田分科員 企業が自助努力をすることは当然であり、またそのような努力を重ねてきたからこそ日本の中小企業は非常に底力がある、よってもって経済の発展の基礎になっておるということだと思います。 〔植竹主査代理退席、主査着席〕 しかしながら、この地域別、業種別を見ますと、非常にしわが寄って倒産が続いているというところがございます。 具体的に例を一つ、二つ申し上げたいと思いますが、兵庫県に三木市、小野市がございます。ここは伝統的な地場産業がございます。そろばんとか利器工匠具、大工道具とか刃物関係でございます。はさみ等も小野、三木にございますが、たとえばそのうちはさみをとってみますと、小野市におきましては数年前は百四十社この業界だけで中小企業があったわけです。これがいまの状況では七十社を切るばかりになっております。その間どういう事態があったかといいますと、伝統的な刃物、日本の刃物は切れ味というものが一番生命でございまして、いろいろと日本の伝統的な技術の中でこれが発展をしてきておったのでございますが、韓国からの輸入その他で非常に安い価格で販売される。これが銘柄も小野のはさみであるかのごとく売られてきた。これに乗ったところはいいわけですけれども、伝統的に従来の日本の小野のはさみをつくってきたところは非常に打撃を受けて、そしてばたばたと倒れていったという事情がございます。 これらの小野のはさみのみならず、大島つむぎだとかあるいは靴下においてもこういう時期がございましたのですが、これについてはいろいろときめ細かな御配慮をいただいておるとは思うのです。自助努力もかなり協同組合としてもやってきたわけでございますが、やはりタイミングが合わないといいますか、時間の流れの中で間に合わない。いまの時点では、韓国の関係も、韓国の賃金の急上昇もあり、必ずしもコストの面で引き合わないということもあるようでございますが、あっという間にばたばたと半減してしまった、こういう事情がございます。こういった問題についてどのようにお考えでしょうか。
○志賀政府委員 お答え申し上げます。 先生からただいま小野地域のはさみ製造業についてのお話がございました。この小野地域と申しますのは、先生よく御案内のように、はさみとかかまとかそういうものをつくっているところでございますが、この小野地域のそういったはさみとかかまの製造に携わっている方々、大変に困難な状況になっておられるというのは私どもも承知しております。 その背景といたしまして、一つには、先生から韓国製品との競合の問題も御指摘ございました。私どももそういったこともあろうかと思いますけれども、もう一つほかの要因といたしましては、ステンレス製品との競合の問題、あるいは家庭で余りたくさん裁縫をしなくなってくるといったような生活様式の変化の問題、あるいは農業のやり方が変わってきた、いろいろな社会経済的な変化、そういったものも背景にあろうかと思っております。ただ、いずれにいたしましても、この小野地域につきまして、産地中小企業対策臨時措置法という法律に基づきましてこの地域の近代化、振興に努力をしてまいっているところでございまして、私どもといたしまして、この産地中小企業対策臨時措置法に基づく振興計画に基づいてこの地域の振興に努めてまいりたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、新商品の開発であるとかあるいは近代化、人材の育成、そういったいろいろな分野についてこの地域の方々が自主的に努力をしていただく、それに対して私どもができるだけのお手伝いをしていく、こういう形でやってまいりたいというふうに存じております。
○塩田分科員 御努力をいただいておることはわかるのでございますが、タイミングを失しないで適時適切に手を打っていかないと、あっという間にこの産業が縮小していっているということですね。いまの七十社というのも、もう本当にここ数年でまた半減するかもわからないというくらいの深刻な事態だと思います。いろいろと考えていただいておるようでございますが、輸入の問題も含めまして、きめ細かに、そして早急に手を打っていただいて、この伝統ある産業、技術を残し、また発展をさせていただきたいと思います。 そこで、この問題に関連しまして、自助努力の一つではございますが、もともとこの協同組合が、播州はさみの共同施設として、いまのステンレスだとか新しい素材、また技術の開発等で鋏センターというのをつくりまして、素材を共同してつくるということを現在やっております。これはそもそもは県なり国の強力な指導で始めたものです。業界におきましても必ずしも十分見通しがあってのことでないままに強力な指導で始めたという、そこには若干無理があったかと思うのですが、いずれにしてもここ数年始めております。ところがなかなか、市場が狭まったことと、韓国のような問題もございますが、受注が少ない。しかも、いろいろな制約から一種類しかできないものですから、その地域の一〇%程度の素材しか提供できない。できないというよりは需要がないということですね。そこにいろいろなコストの問題もあると思うのですが、非常に四苦八苦しておられる。これもこのまま行きますと、協同組合としてこのセンターをつくってやっておられるのが行き詰まって、事業が継続できないという事態に立ち至るような瀬戸際にいまあると思います。 そこへ持ってきて、この高度化資金を何回かお借りをして運営をしておるわけですが、この焦げつきが目に見えておるわけです。これは先ほど御答弁ございました中にもありますように、資金を融通してもらって、返さないという考えはないのですが、どうやってみても当面切り抜けるのは容易でない事態に陥っております。こういった場合に、払わないというのじゃないのです、猶予をしてもらう特別の御配慮はできないものかどうか、その辺をひとつ御検討いただきたいと思うのですが、いかがですか。
○勝谷政府委員 先生御指摘の高度化資金の貸付制度は、先生も御存じと思いますが、国と都道府県とが協調いたしまして事前の指導をいたし、そして資金貸し付けを行う制度でございます。一般的には、都道府県が中小企業者の組合等に資金貸し付けを行う際に、国、これは中小企業事業団でございますが、これが当該貸付資金の一部を都道府県に貸し付ける制度でございます。 高度化資金の返済猶予というただいまの問題でございますが、まず直接の貸付窓口でございます都道府県と相談していただくものでございます。中小企業を取り巻く厳しい経済環境にかんがみまして、売り上げの低下、在庫の過剰等に伴う業績の悪化によりまして資金繰りに困難を来している場合もございます。そのような場合には、その償還能力を勘案いたしまして、国としてもきめ細かく配慮することといたしているところでございます。個別の状況に即して判断してまいりたいと考えております。 この問題は、先生から御指摘がありましたように、事前に業界が押しつけられたということは、これは業界の皆さんの御意思ではないと思いますが、実は県と中央が指導をいたしましての産地のビジョンを策定いたしております。そのビジョンに基づいて、鋭意皆さん前向きで努力をされて、環境の変化でこのようになったわけでございます。当産地につきましては、過去の例を見ましても、場合によっては延ばした例もあるようでございます。返済も着実にやっていらっしゃいますので、具体的な問題をよく県当局とも打ち合わせまして、地元が今後も産地としての使命が達成できますように私どもも血の通った行政をいたしたい、こう思っておるところでございます。
○塩田分科員 県が債権者であるということ、これはわかっておるわけですが、その背後といいますか、通産省、中小企業事業団が指導されてこうなってきている。県に対しましてはもちろん協同組合の方々は皆熱心に相談に行っておられますが、どうにもならぬという段階から、国の方にもたびたび出かけていろいろ御相談いただいておるようです。ぜひともこの問題は早期に解決していただきませんと、言うならば、皆さん方が描かれたビジョンが崩れているわけですね、その後の状況変化によりまして。その責任を問えとここで言っても仕方がないことですけれども、やはり中小企業庁が最終的な責任者としてこれも早急に対策を講じていただきたい。これを強く要望いたします。 それから、同じような問題が三木にももちろんあるわけでございます。利器工匠具の大きな産地でございます。全国的にも大きな産地でございますので御存じだと思いますが、先ほど言われました農業のやり方が変わってきたとかいろいろな問題がございます。それも踏まえまして、たとえば内需の縮小あるいは日曜大工の関係で、細かくなりますけれども、大工道具が売れなくなっている。これは住宅の建築が余り進んでいないというところからも影響が大きいと思うのですが、たとえば日曜大工のそういう市場におきましても非常に縮小されておるという中で、いろいろな農機具用の刃物とかあるいは工作機械から大工、工匠の利器、そういったものを全部含めまして非常に落ち込んできている。これに対する抜本的な対策、これはもう内需の喚起しかないとは思いますけれども、やはり海外を見まして、こういったものがまだまだ出る余地があるのじゃないかと思いますので、ひとつ海外の市場調査をやって、また非常に外国の大工道具というものと日本のとは違うようですね。たとえば日本はかんなを引く、外国は押すというようにいろいろな違いもあるようですが、そういった問題を解決しながら、もっと海外に出る余地があるのじゃなかろうかと思いますが、そういった市場調査をやっていただきたい。そしてその方にも目を向けて、ひとつ需要の振興を図っていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○志賀政府委員 私どもも、先生御指摘のとおり新しい市場開拓の一環といたしまして、海外の市場調査は大変重要なことであろうというふうに思っております。先生も御案内だと思いますけれども、三木地域につきましては、これは日本貿易会の海外見本市事業によりまして、毎年ケルンの金物見本市にすでに参加いたしております。また、先ほど申し上げました産地中小企業対策特別臨時措置法に基づきまして、三木につきましても振興計画に基づきいろいろ対策を進めておりますけれども、その中で、その振興事業の一環といたしまして三木におきましては、五十四年度、五十五年度、すでに海外の市場調査を国の助成を受けて実施をしてまいっております。小野地域につきましてもそういう動きがあるというふうに私ども聞いておりまして、そういった業界での努力というものがぜひ実を結んでほしいというように私どもも考えておるわけでございます。
○塩田分科員 業界の自助努力はもとよりでございますが、県なりを通じて通産省として強力にひとつ助成、指導をしていただきたい、このように思います。 次に、伝統工芸品産業会館でございますが、これは来年度予算案の中に予算化がされておりますが、これはちょうど播州のいろいろな伝統的な工芸品が各所に出ておる。小野地区はそろばんを中心にしていまのはさみとかかまとかナイフとかございますし、あるいはこの近くには釣り針とかこいのぼりだとかいろいろな各種の工芸品があるわけです。また、少し離れますけれども、出石には出石焼、あるいは丹波、これは多紀郡ですか立杭焼、こういったものもございますし、このあたりが一番中心になるのじゃないかと思いますが、これをぜひとも小野に設置してもらいたいという要望が地域全体として非常に強いわけでございますが、いかがでございますか。
○志賀政府委員 お答えいたします。 伝統的工芸品産業会館の建設につきましては、大体毎年二カ所ということで補助を続けてまいっているわけでございます。現在御審議いただいております五十七年度の予算案におきましても二カ所分の予算が計上されているところでございます。したがいまして、五十七年度の補助対象をどうするかという点につきましては、予算が成立した段階におきまして検討していくということになるわけでございますけれども、小野地域について非常に強い御要望があることは私どもも承知をしておるところでございまして、五十七年度の建設対象地域の点検に際しましては、御趣旨を踏まえて御期待に沿える方向で前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。
○塩田分科員 ありがとうございました。 最後に、小野市場地域における東播内陸新都市開発整備事業についてでございますが、これはどのように進んでおるかということにつきまして建設省に伺いたいと思います。一部工業団地がございますので通産省の関係になりますけれども、大部分が建設省の関係かと思いますが、この状況についてお聞かせ願いたい。大体人口一方七千人くらいの副都心といいますか、この小野市にとってはそういった団地ができるというものでございますが、いかがですか。
○山本説明員 先生ただいま御指摘の東播内陸新都市開発整備事業につきましては、その開発事業計画につきまして兵庫県及び小野市が、小野市の南部丘陵地帯約四百ヘクタールにつきまして図書館等の文化施設を中心とする誘致施設あるいは工業団地、また、これらに関連いたします住宅団地等を総合的に開発整備して、地域社会の中心となる新都市をつくるという構想のものでございます。 この構想に対しましては、昨年の九月に当該事業につきまして兵庫県及び小野市から地域振興整備公団に基本計画の調査の要請が正式にございまして、これを受けまして公団といたしましては、現在、国、県、市あるいは公団の関係者、それに学識経験者を加えまして、東播内陸新都市開発整備計画調査委員会というものを昨年の十一月に発足させまして、現在この調査を開始しているところでございます。五十六年度は、約三千百五十八万円の調査費をもちまして調査を進めておりますが、なおこの調査は、五十六年度、七年度両年度にわたって実施したいと考えております。これらの調査の結果が得られますれば、その成果を踏まえまして、今後この事業に対してどう対処していくか、十分検討してまいりたいと思います。
○塩田分科員 この事業費関係について、新聞報道によりますと十五年間で六百五十億程度と言われておりますが、もし六百五十億であれば、国、公団、県、市がどれくらいのものになるかということを、およそのところでよろしいですから、いまなければ後ほどでも結構ですけれども、お知らせ願いたいと思います。 それから、通産省の方は、これは縮小にならないようにひとつお願いしたいと思います。
○浜岡政府委員 ただいまの工業団地関係の業務は、地域公団の地方都市整備業務の附帯業務として実施されるのが適当なことではないかと承知いたしておりますが、実施いたします場合には建設省ともよく連絡をとりまして適切な内容のものになるようにいたしたいと考えております。
○塩田分科員 終わります。
○武藤主査 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして通商産業省所管についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○武藤主査 次に、農林水産省所管について、去る一日に引き続いて質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩田晋君。
○塩田分科員 兵庫三区から出ております塩田でございます。 大臣、東経百三十五度子午線、北緯三十五度、これの交点がどこにあるかはちょっと御存じないかもわかりませんが、ちょうど日本のへそと言われている、また兵庫県でも大体へそになっている西脇市というところがございます。ここは播州織物が戦前から非常に栄えておりまして、先染め綿布という非常に特色ある綿織物で栄えてきておるところです。したがって、播州の北の方の一つの中心地でございます。日本のへそでもありますが、また、その地域のへそにもなっておるというところでございます。この奥の多可郡というところは四町ございます。また、西の方には加西市、南の方には社町、東条といったところがあるわけです。ここの生鮮食料品を賄っておる一つの中心地でもあるわけでございますが、そこの西脇市の市場施設が非常に老朽化しておる。狭隘でありますし、これの建てかえについてかなり前から地元の要望がございましていろいろな条件を整えてまいっておりましたが、第三セクターによりまして地方卸売市場の開設の許可が昨年の一月におりております。早期にこの建築の許可が欲しい、そして、大体四、五億の事業規模かと思うのですけれども、早急に機能を発揮するようにさしていただきたい、こういう要望があるわけでございますが、この状況、今後の対処方針等につきましてお伺いいたします。
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生からお話ございました西脇市の市場の整備の問題でございますが、ただいま先生お話しのように、昭和四十年ごろにできた市場でございまして、大変老朽化も進み、かつ狭隘であるということで、かねてからその市場の整備を図りたいということで現在市当局が中心となりまして構想が練られておるというお話は私ども承知をいたしております。いつであったか、はっきりしたことは私も記憶しておらないわけでございますが、昨年ではなかったかと思いますが、市長さんもわざわざお見えになりまして、まだ具体化したお話はございませんでしたけれども、るるそういった背景につきましては御説明を、私も時間を割いてお話を伺った次第であります。 現在、ただいま先生御指摘のように、約四億円前後の事業費をもちましてできれば五十七年度中にその整備をしたいということで、第三セクターの仕組みの方はもうすでに先生のお話のようにでき上がっておる、五十七年度中にぜひ建設に着手し、これを完成をいたしまして一日も早く地域住民の生鮮食料品の流通の改善に資したいという強い御希望を持っておられること、よく承知をしておりまして、現在地方農政局でヒヤリング中でございます。私どもといたしましても、通常の段取りでございますと、そのヒヤリングが終わりましてから本省に上がってまいりまして、地方市場につきましての全国からの御希望を伺った上で最終的な決定をするという段取りでございますが、ただいま先生御指摘のようなことも踏まえまして私ども十分に検討させていただきたいというふうに考えております。
○塩田分科員 この国の補助は三分の一ないし五分の一でございますが、具体的にはここはどういうふうになっておりますか。
○渡邉(文)政府委員 施設の中で、主な施設といいますか基幹的な施設といいますか、そういったものは三分の一、それから給排水施設みたいな、あるいは電気通信施設みたいなものは五分の一というようなことにしておるわけでございまして、まだ細かい計画は私ども承知しておりませんが、この市場につきましてもそういった施設の種類に応じましてそれぞれ具体的な補助額が決定されるということになろうかと思います。いずれにいたしましても、まだ全国の御要望が全部出そろっておりませんので、いまの段階で補助を必ずいたしますとかその金額が幾らであるということは差し控えさせていただきたいと思います。
○塩田分科員 この補助の問題につきましては、単価を算定されてそれに対する補助率を掛けられると思いますが、標準単価というものはあると思うのですけれども、余り超過負担にならぬようにひとつよろしく御配慮をいただきたいと思います。 次に、豪雨の際に山林から多量の水が出まして、平時ですと大体農業用の灌漑水路でいけるのですが、多量にどっと出た場合に農地を冠水して田畑を荒らしているという事態があるわけです。これは大規模なところですと河川ができておりますし、また、それなりに対策の方法もあると思うのですけれども、山奥で、小さな部落が散在し、田畑が散在しておる中で小さな谷がたくさんある、そういう山ですね。しかも、そこは別段過疎地域の指定もなければその他の農山村振興の特別の区域でもない、こういったところで、小さな谷がたくさんあって河川がない、そこから水が出てきて田畑を荒らす、こういう例があちこちにあるわけです。これは各省の行政の上での境界線で、河川がないから農林省の所管じゃないか、しかし、それは河川だから河川をつけるとすれば建設省だ、こういうようなことで行政の谷間のようになっている面もあると思うのです。額としては大きいものではありませんが、その地域の農家の方あるいは住民の福祉の上からいって、毎年そういう被害を受けておられるのですが、こういったものについてどうすればいいか、農林省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○角道政府委員 農地の湛水防止施設というのはもっぱら排水施設の能力強化のためにやることでございまして、このためには事業として県営の灌排水あるいは団体営の排水あるいは湛水防止事業、そのための排水施設の更新ということをやっておるわけでございます。そこで、この湛水防除そのものは原則的には十年ないし二十年に一回程度の大雨による洪水に対しまして被害を生じないよう整備することとしておりますので、その中身につきましては、規模によりまして、農家の希望に従いながら、県営、団体営というかっこうで処理をしてきております。 そこで、いまのお尋ねの問題でございますが、これにつきましても私どもとしては建設省等とも連絡をとりながら、地元の要望を中心に、できるだけ事業を実施していきたいというように考えておるわけでございます。ただ、全体といたしまして予算額が非常に限られております関係がございまして、十分な措置はできかねるわけでございますけれども、私どもはできるだけ既存予算を効率的に使用したい、このように考えております。
○塩田分科員 いまも御答弁ありました規模によりというところで、なかなかそれに合わない小さな谷がたくさんある、こういう問題なんです。もちろんまた予算の制約があるということ、これもわかるのですが、その辺をひとつ具体的にまた申し上げますので、十分に御検討いただいて適切な措置をお願いしたいと思います。
○角道政府委員 湛水防除事業につきましては、小規模のものは大体流域面積がおおむね三十ヘクタール以上、事業費としまして大体一千万円以上のものというものを一応団体営の規模にいたしております。それ以下のものにつきましては国として助成をしてやるような事業価値があるかどうか、あるいはそれはむしろ県営とか県の単独事業とか、そういうような形もあろうかと思いますので、具体的な問題につきましてはまた実情をお教えいただきましてよく検討してみたいと思います。
○塩田分科員 規模の点で非常に問題があろうかと思うところでございますけれども、ひとつ具体的に申し上げますので、御調査いただきまして適切な対策を講じていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、兵庫県の三木市というところの国有林についてでございますが、三木山国有林、これはかつて戦国時代の末期に別所長治の城があって、豊臣秀吉に攻められて何年間かの激戦になったところでございます。その城跡を含む四百ヘクタールが国有林になっております。いまの状況を申し上げますと、戦国時代からの三木市内、旧市内というものはその大体北西の方に展開しておりますが、戦後、特にここ十数年の間にその東北の方に大きな新興団地が建設されてきております。これは神戸市のちょうど山奥、後背地になりますので、また神戸電鉄もついておりまして、自動車ですと三十分くらいの通勤圏内に入っております。したがいまして、住宅が片方へ非常に進んでちょうど旧市内と新興市街地の間にこの三木山の国有林がある、こういう状況でございます。 この三木山の国有林の利用につきまして、市なり県の方からかなり以前からいろいろと要望が出ていると思うのですが、これに対してどのように対処してこられたか、お伺いいたします。
○秋山政府委員 先生いま御指摘の三木山国有林につきましては、三木市の後背地でございまして数少ない緑地でございます。私ども、この森林につきましては、国土保全あるいは水源涵養林というような面のウエートが高うございますので、そういう考え方に立ちましていままで森林の取り扱いをしてまいっておるところでございます。面積は約四百ヘクタール。そこで、これまでも三木市自身から体育館とか公民館とか道路というふうな用地としまして売り払いの要望がございまして、現に市民会館等の用地として要望も出ております。私ども、地域に役立つものであり、これは今後他の用途に向ける方がより効果的であるものにつきましては、その都度対処してまいってきております。 なお、最近三木市御自身であの国有林につきまして森林公園のような形の計画があるようであります。また、私どももこれまでも、非常に貴重な森林でございますので、その有効活用すべく現在検討している段階でございます。したがいまして、今後三木市の方からも何か具体的な話がありますと、地域の発展のために協力できることにつきましてはそれなりに検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○塩田分科員 この四百ヘクタールに及ぶ国有林三木山地区は、城跡を一つの角にして南西の方に大きく広がっているわけですけれども、戦時中にあるいは戦後もそうかと思いますが、開拓農民が入りましてかなり虫食い的に入り組んだ状況になっております。これを一体的に活用するということについては市も県もともにいろいろ考えておるようです。また、いま言われました森林公園というものも一つの考えであると思います。先ほど申し上げましたように、旧市内と新市街、ほぼ四万と四万くらいになりつつある、そういう地区の中に挟まれているわけですね、城があったがためですけれども。これの有効活用の問題で一部申請を受け付けていただいて、体育館を建設するということはかなり具体的に進んできておるようでございまして、これはことしの二月ですか、審議会にもかけていただいて四・六ヘクタールについては市民会館等の建設についてほぼ見通しがついてきたというふうに地元からは伺っているわけです。それのみならず市庁舎自体も新市街と旧市内のちょうど中間ですからそこへ持っていきたいという希望もありますし、その他の公共施設も計画的にレイアウトして理想的な都市づくりを進めたいという希望があるようでございます。ひとつぜひとも現地の意向を聞いていただいて、国も参加して適切な対処をしていただきたい、このことを強く要望いたします。 これに関連しまして、もう一つ大きい問題がいま起こっておりますのは国鉄の三木線、加古川線の支線として厄神というところから三木市内に国鉄三木線が入っております。これは地方ローカル線で先般廃止が決まっていま協議中でございます。二年足らずになりますが、そのうちに廃止を決めて具体的にどうするかを地元と協議して決定しなければならぬ、こういう段階に来ております。片や神戸電鉄が神戸市の新開地からずっと六甲山を抜けまして、六甲山の裏側を通って三木市に入っております。これが先ほど申し上げました新市街地を通り、そして旧市内も通って加古川線に粟生で連結しています。この線と国鉄三木線の三木駅とが離れているわけです。したがって、国鉄三木線の利用者、乗客も少ない。それじゃつなげたらどうかということですけれども、わずかに六、七百メートルかと思うのですが、全くの旧市内で、これは立ち退きにしてもなかなか大変です。これを、ちょっと距離は出ますけれども、二・四キロになるのですが、国鉄三木線から志染駅という神戸電鉄の駅につなげますと、これは通勤の便その他から利用客も非常にふえるのじゃないかと言われております、南の方に重工業を中心にして工業地帯が発展しておりますから。いま自家用車でしか行けないという状況ですね。そういう中でこの活用を図るには国鉄三木線といまの神戸電鉄志染駅をつなげることが、距離は二・四キロと長くなりますけれども、立ち退きが十軒とないわけです。大部分が三木山の国有林なんです。 これをだれがつなげるか、国鉄三木線をだれが運営するか、これは当面の問題ではありますけれども、もし国有林の中を軌道をつければこれは完全につながるわけだし、利用客がふえるわけですから、そういうことになる場合に三木山の国有林というものは払い下げができるものかどうか、これについてお伺いいたします。
○秋山政府委員 この三木山の国有林は、あの地域におきまして緑地の大変少ない中での国有林でございますので、大変いろいろと事業計画、地域の各種の公用に活用してほしいという要請がございまして、先ほどの森林公園等の問題、ただいまの電鉄の敷地の問題等多々ございますが、これは地域で十分調整をしていただかなければならぬというのが大前提でございますが、これはあくまでも公益用、公共用でございますので、具体的な問題が出てまいりましたならば私どもそれなりに対応してまいりたい、かように考えております。
○塩田分科員 鉄道、軌道というのはもちろん公益性が高いものでございまして、国有林の活用に、ぜひともそういうことが具体化する場合にはひとつ応じていただきたい、このように要望いたします。 それから、森林公園につきましても県なり市の構想があるわけで、それだけ広いわけでございますが、確かにわが国の都市は、外国を回りましても先進国は都市の中に森林といいますか公園、緑地が非常に多いわけです。もっともっとそういった点を取り入れて、森林の中に町があるようなものをつくるということが必要だと思います。外国と同じような条件でありませんから、土地の高い日本におきましてはなかなかむずかしい問題でありますが、これからつくる都市というものはやはり文化的な、あるいは生活環境、健康に適したものとして森林都市といったものを建設していくべきだと思います。そういった観点から、森林公園というのも結構だと思いますが、そういった要望がありましたときにはひとつよろしくお願いします。 なお、鉄道、軌道を三木山国有林の中につなげた場合に、二・四キロですから、また市庁舎とか市民ホールとか体育施設、文化施設がずっと移ってきて、森林の中にそういうレイアウトをなされる場合に、駅をつくることになると思うのです。その場合に、駅に公共施設があるだけではなくて、住宅を張りつかせる必要がある。先ほど申し上げましたように、開拓地等が入り組んで虫食いになっております。こういったことを放置しておきますと、これまた非常にいろいろと問題が出てくるということも考えますと、住宅にしましてもそういう私有地を含めて計画的に土地造成、宅地造成もやり、住宅の土地計画も配置をしなければならないと思うのですが、まず、この点いかがでございますか、住宅地として利用できるかどうか。
○秋山政府委員 国有林野の売り払いにつきましては国有林野法、国有財産法、会計法等に基づきまして売り払いをしているわけですが、その場合にはこういう公共用、公益用というものを優先的に処分するわけでございまして、一般の住宅用につきましては非常に困難でございます。したがって、地方公共団体が計画を立てて住宅難の緩和を目的として賃貸もしくは分譲するという形で住宅施設を考える場合には公共団体に売り払うことはできますが、一般の皆さんに随意契約で売るというのはできないことになっております。
○塩田分科員 それはそのとおりだと思います。一般に住宅地として払い下げてもらいたいということを言っているわけではないのです。いま言われましたように、地方公共団体あるいは住宅公団その他公的なものには住宅用地としても譲っていただきたい。そして、計画的なレイアウトをし、私有地も含めて全体的にやらないといろんな問題が起こるし、変なかっこうになっては困ると思います。そういった点を十分留意されまして、この問題に対処をしていただきたいと要望いたします。 なお、これは第三セクターでいまの鉄道、軌道の連結をするか、あるいは私鉄がやるかまだ全然わかりません。先ほど私が申し上げましたのは仮定の問題で、こうやったらいいがな、住民の要望もあるし、やれば非常に活用されるがなということから申し上げたわけです。その場合に、いまの住宅の問題、たとえば民鉄が取り上げる場合には宅地開発というのはかなり魅力があるし、そういったものがないとなかなか民鉄としては取り上げにくい問題だと思うのです。直接宅地造成を民鉄あるいは関連の私的な会社がして、それを個人に売り払うというのは、先ほど言われましたように、なかなかむずかしいと思うのですが、何かそこに一定の枠をはめて、こういった場合ならこのようなことはできるぞというひとつ検討をしていただけないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○秋山政府委員 先生御指摘のように、私どもまだ抽象的な話しか伺っておりませんのでまことにお答えしにくいわけでございますが、この地域については長期視点で計画的に多目的に活用できるような体制でいくことが私は望ましいと思っておりますので、県なり市なりがそういう形で調整をとりながら御計画を出していただきましたならば、その段階でやらしてもらいたい、かように考えております。
○塩田分科員 ありがとうございました。 最後に、大臣にお伺いいたします。 いま具体的に申し上げました三木山国有林の問題でございますが、こういった形のものは日本全国各所にあると思います。こういったところは、都市近郊林というか、国有林は積極的に都市的な土地利用を図ることが必要だと思いますが、これについていかがお考えでございましょうか。 それからまた、明治あるいは明治以前から非常に歴史的ないきさつがいろいろあったと思うのですけれども、たとえば国有林が小さい規模の、地図で見るともう本当にゴマかケシ粒のような国有林がぽつぽつと農地の中にもあるいは一般私有林の中にも点在をしておる。私の住んでいるところの近くではそれが特に目立つのですが、そういった国有林について、小規模な孤立したものはどのように対処していかれるか。住民の強い希望があって、合理的なものであるならば、公共用地なりその他に思い切って整理していかれたらどうか。もちろんそれは、すぐ林を切られ、緑がなくなってしまうのでは困りますけれども、それが減る分だけまた片や緑をふやしていくということを進めながら、積極的にこういった問題に対処していただきたいと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○田澤国務大臣 先ほども林野庁長官からお答えしておりますように、国有林の開放、活用につきましては国有林野法あるいは国有林の活用に関する法律等をもとにしてこれを進めてまいっているわけでございまして、特に国土の有効利用の観点から他に用途を求める方が最も有効であるという点については、これまでも払い下げをして売り渡しをしてきているわけでございますので、今後地元の方々といろいろ連絡をとりながら、その点は積極的に進めてまいりたい。 特に、こういう点があるのです。国有林所在地域において農業構造改善等のために利用することが適切な森林、これも一つの有効利用の対象になる。もう一つは、いま塩田委員御指摘の都市近郊に所在する森林のうち、孤立小団地等であって都市公園、緑地等の用に供することが適切であろうとみなされる地域については、やはりその用途にした方がよろしいのじゃないだろうかというようなこともございますので、地元地域の関係者とよく連絡をとりながらその点は今後進めてまいりたい、かように考えております。
○塩田分科員 ありがとうございました。
○武藤主査 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原分科員 まず最初に、最近の砂糖をめぐる情勢について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。 恐らくこの件につきましては多くの方々からお尋ねがあったかもしれませんが、要するに、指定砂糖の売り戻しについての臨時特例法が、御承知のように、今月末に期限切れとなります。その後の対策をどうお考えになっておられるのか。 昭和五十二年でしたか、一九七七年にこの特例法ができた背景は申し上げるまでもありませんで、輸入糖や国内産糖をどうバランスをとって国内消費あるいは糖価、需給を調整していくかということだったと思うのですね。もし、この特例法がなくなるとすると、昨今の砂糖情勢も非常に厳しい面がありますし、いろいろなむずかしい問題があるということもわかるのですが、また戦国時代に戻りかねないことも十分予想できます。 そういう意味で、いろいろのお考えがすでに出ているようですが、農林水産省としてはポスト特例法の問題をどのようにお考えなのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生御指摘のように、砂糖の売り戻しに関する法律が本年の三月に一応期限が参るわけでございます。御案内のように、売り戻し法自体は、ただいま御指摘のように、五十二年に国際糖価が大幅に下落したために、当時結んでおりました民間の日豪砂糖協定の円滑な履行ができなくなりました。国内の精製糖業界が、豪州糖の契約数量の引き取りを拒否したということで二国間の大変大きな問題になったわけでございます。それを解決するために、当時の国際糖価の倍以上割り高であった豪州糖と一般の輸入糖との両方のプールしたコスト価格を国内で実現するために、輸入糖の溶糖量の実質的な規制をすることを目的とした立法であったわけでございます。その立法の根拠になっておりました日豪の砂糖の長期取り決めは昨年の六月に期限が参りまして、現在協定は存続しておりません。したがいまして、特例法自体を延長する合理的な理由を私ども持ち合わせておらないわけでございますが、一方、別な意味で、最近の砂糖をめぐります情勢が大きく変わってきております。 一つは、数年前から続いておりますいわゆる消費者の砂糖離れといいますか甘味離れの傾向と、それから甘味料としましては砂糖と全く似たようなものであります果糖分の含有率が高いいわゆる異性化糖というのが、一昨年の五月以降急速に伸びてきているという現実がございます。それから、ここ二、三年来いわゆる耕地白糖と言っておりますが、最終製品でありますビート糖の増産が進んでいる。そういったことを背景といたしまして、輸入糖が激減し、精製糖メーカーの操業度が非常に落ちているということがあるわけでございますが、こういった大きな情勢変化を踏まえまして今後どう対応するかということで、異性化糖問題も含めまして総合的な立場で砂糖全体をどうするかということで、現在鋭意検討中でございます。できますれば成案を得て、御審議をいただけたらというふうに考えておるわけでございます。
○上原分科員 総合甘味対策をどうするかは相当これまで議論されてきております。確かにいまおっしゃったように、消費の停滞といいますか減退というもの、国民の砂糖離れ、いろいろあろうかと思うのです。また、一方においては、政府の農業政策とも密接にかかわっていると思うのですが、ビートの増産なども当初予定されておったよりも大変多くなっておる。そういう面で、輸入粗糖の停滞というものもある。一方においてはそういう間隙を縫ってといいますか、異性化糖の市場進出というものがある。もちろんユーザーのお立場なりいろいろ総合的に考えなければいかない要因というものも否定できないと思うのですが、要するに、いま現在の砂糖には関税あるいは消費税、調整金というものが課せられておって、一方は相当量市場に出回りながらそういう対象になっていない。だから、こういう現状を仮に網をかぶせないで特例法がなくなり、期限切れになる。あるいはまた糖安法の改正をしないとなると、いろいろな面でまたむずかしい事態を招くのは火を見るより明らかだと思うのです。 そこで、そういった総合的な甘味対策というものを農水省としてはどうお考えなのか。いま鋭意検討中だ、特例法を延長する理由はなくなったと思うが、それでも問題はあるということなんですが、そうすると、糖安法の改正なり何らかのいま指摘しましたことについての総合対策といいますか、規制措置といいますかはお考えなんですか。
○渡邉(文)政府委員 私どもは、できれば現在の糖価安定に関する法律の一部を改正するという方向で処理いたしたいというふうに考えておるわけでございますが、それはただいま先生若干お触れになりましたように、異性化糖の存在というものが甘味の世界で無視することができないほど大きくなってきたという現実がございます。そのことはたとえば精製糖メーカーの御主張としては、ただいま先生お触れになりましたように、関税、消費税あるいは調整金等のいわゆる公的な負担が異性化糖の場合に比べて著しく不均衡である。そのことが異性化糖が急激に伸びてきた一因をなしておるのではないかということもございます。一方、国内産糖に携わっておられます北海道あるいは沖縄、南西諸島の関係者の皆様からは、現在の糖価安定制度が、国産糖と輸入糖との価格関係の調整のための財源の相当部分を輸入糖からの売買差額によって得ておるという現在の制度が、このまま輸入糖が減り続け、異性化糖がふえ続けるという形を放置しますと、制度の根幹に響くのではないかという大変な御心配が寄せられております。 それから一方、ユーザーからは、特定の業界が法律で需給調整の恩典を受けておるというのはいまの自由主義経済の面からいって問題がある。やはり自由な競争にゆだねられるべきではないかという御指摘もございます。それから一方、異性化糖メーカーからは、われわれはできるだけユーザーに安い甘味を供給する立場にあるし、いままでそれを続けてきたことによってそれなりの評価を得ておる。一方、国内の割り高な芋でん粉を相当量引き取り、そのための経済的な負担も負っているという現実があるわけであって、ただ単に不均衡だから負担を課すというのは片手落ちではないかという強い御意見も出てきております。 全体をなるほどなというふうに御納得いただけるような意味での名案というのはなかなか見出しがたいわけでございますが、私どもできるだけ各方面の御意見も踏まえながら大方の御理解が得られるような成案を一日も早く得たいということで鋭意検討中であるわけで、御理解をいただきたいと思います。
○上原分科員 微妙な段階のようですから余り細かいことはお尋ねしません。私もそう細かいことまで勉強しているわけではありません。要するに、特例法が果たした役割りといいますか、いろいろ問題はあるにしても、それは評価できる面があるわけですね。特に、これは安ければいいということでもありませんし、この農産物の自由化というのは農林大臣、大変頭を痛めていらっしゃると思うのだが、要するに、国内のビート生産農家あるいは奄美、沖縄のサトウキビ生産農家、その他の芋でん粉を含めて甘味資源ですから、それも十分保護育成をしていく、同時にユーザーのお立場も考えるという大変むずかしい手法だとは思うのですがね。 いずれにしても、糖安法を改正するなりして、これまで特例法が果たしてきた機能というか、その役割りというものも生かしながらやっていかなければいかぬと思うのです。その場合に、いまおっしゃったように、輸入糖が減ればだんだんだんだん調整金も減っていく。だから、ますます精製糖業者なりあるいは国内精糖業者の方々もその面で心配をする。しかし一方では、もっと安ければいいから異性化糖を課税対象にせぬでどんどん安い砂糖を入れろという意見も菓子業界から出ている。しかし、そういうふうに過当競争というか、自由ばらばらでは、これは調整も行政も農政もあったものではないわけですからね。そこいらをどう大臣はお考えなのか、もう少し明らかにしていただきたいし、あるいは市価参酌調整金制度といいますか、これを取り入れることによって特例法の機能というか、そういう面を補てんをしていくということ、われわれはこのことには若干疑問を持っているわけです。果たして需給調整機能というものが十分、いま政府なりでお考えになっている、あるいは与党サイドでお考えになっているということで生かされるのかどうか、こういうことについてもう少し御所見を明らかにしていただきたい。 さらに、ついでにお尋ねしておきますが、やはり砂糖というものは嗜好品じゃないと思うのです、奢侈品とか。この間大蔵省に行ったら、子供さんなんかコーヒーを飲まないというが、いまは子供がよくコーヒーを飲むんです。砂糖も使うのです。もうぜいたく品とか嗜好品じゃないはずなんですね。そういう面で長いこと消費税を取っておるということにも問題がある。いまの行財政改革という面で大変大蔵なり政府全体としてはむずかしい面はあるにしても、一挙に消費税撤廃はできないにしても、それを軽減をしていくとかいろんなことを考えなければ、いまの砂糖をめぐる情勢なり国内甘味の総合対策というものは立てにくいのじゃないのか、そういうことを一つ一つ改善をすることによってユーザーなりこの種の規制措置といいますか、いろいろの数量規制とかそういうものに対して反対をする立場の理解も得られる面も出てきはせぬのかという感じもするのですが、そこいらについても御所見をお伺いしておきたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 現在の特例法につきましては、先ほども若干触れましたように、その経緯からいきましてもまさに臨時特例の措置として特定の業界、砂糖という業界に法律に基づきまして数量規制による価格の維持を図るという制度であったわけでございます。したがいまして、あの時点におきます日豪の経済的な大きな問題を解決するための臨時の措置としては当時におきましてはユーザーからも御協力をいただけたわけでございますが、裏返してみますと、ユーザーその他からの御批判というのは、やはり現在の経済体制の中でそういう特定の業界だけが法律による保護を受けるということに対する批判というものがその基礎にあるわけでございます。そういったことのつながりにおきましても、現在の特例法のような形のものを糖安法の中に持ち込むということは、糖安法自体がやはり自由化というものを契機にできたということからいきましても、なかなかなじみにくいのではないかというふうに思っておるわけでございます。 しかし、別途先生もいまちょっとお触れになりましたいわゆる市価参酌についての一つの措置を私どもも案の一つとしていま検討中でございますが、これは需給調整措置というものをねらうというものではございませんでして、競争によりまして市価が下がりますと、現在の糖価安定制度上事業団が売り戻し価格の決定に際しまして市価を参酌して行うということになっております関係上、その絡みにおきましての事業団の財政支出が若干ふえます。そのことに伴う支出がかなり現時点におきましても多額になっているということと、今後もその増加が予想されるというようなことを何とかして防げないだろうかというのが発想のもとにあるわけでございまして、需給調整措置自体をねらっているものではございませんのは御理解いただけるだろうと思います。いずれにしましても、最近の砂糖をめぐります情勢の変化を踏まえましてせっかく現在検討中でございますので、しばらくお時間をいただければと思っております。 それから、御指摘のございました砂糖の消費税でございますが、これは御案内のように、長年ユーザー側からもあるいは私どもといたしましても財政当局に対しましてはその減免につきまして強くお願いをしておるわけでございます。昨年もかなり突っ込んだ御議論もいただいたわけでございますが、現下の厳しい財政事情のもとにおいてはなかなかその実現が図られ得なかったわけでございます。私どもとしましては今後ともこの面につきましての努力はさらに積み重ねていきたいというふうに考えているわけでございます。
○上原分科員 要するに、この特例法が切れてまた再び混乱が起きないように、何らかの代替措置といいますか、そういうことをお考えになっているような感じを受けます。もちろん異性化糖も対象にしたことだと思うのですが。 そこで、いままでのやりとりをお聞きになって、大臣、やっぱりこれは政治的な御判断というものも大事だと思うので、この特例法が期限切れになった段階で再び国内産糖あるいは生産農家、また輸入糖業者の皆さんに大きな不安を与えたり混乱が起きないような措置を私は万全のものを講ずべきだと思うのですね。これについての大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 先ほど来局長から答えておりますように、最近の消費の面では甘味離れの傾向が非常に強い、また国内糖が非常に増産している、反面、輸入糖が減少している、加えて異性化糖が進出しているというような状況。これはやはりこれまでのメカニズムがある程度崩れているということでございますから、そういう折にいわゆる特例法の期限が来たのでございまして、しかし私たちとしては、国産糖をあくまでも農林水産省としては守りながら、他のユーザー等のいろいろな考え方等も入れ、また異性化糖の進出をも配慮しながら、何としても糖価の安定ということを配慮しながら、今後総合的な甘味対策を考えなければいかぬ、こう考えておりまして、いま検討をいたしております。したがいまして、私たちとしてはいま申し上げましたような糖価安定のための対策を極力つくり上げたい、かように考えておりますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。 〔主査退席、岡田(利)主査代理着席〕
○上原分科員 偉い人が前に座っているから、なかなか言いづらいかもしれない。いずれにしましても、いま大臣もおっしゃったんですが、糖価の安定を図るにしましても、それは十分な需給調整機能というものが果たせないとむずかしいと思うのですね。ですから、そういった面をどう確立をしていくか。一挙にできないにしましても、十分われわれの主張も取り入れられるような成案にしていただきたいと思います。 それと、念を押すようで恐縮ですが、そうしますと、砂糖消費税の減免といいますか、軽減というか、撤廃については、農水省としては賛成だ。五十七年度はできなかったが、五十八年度はおやりになりますか。
○渡邉(文)政府委員 これは御案内のように、各省間で税制につきましては、担当でございます大蔵省の方に年末になりますと税制の改正につきましていろいろ要望を出すことになっていますし、その時点でいろいろ御協議を申し上げるわけでございますが、従来も種々事情を御説明をし、強く要望しておったわけでございますが、今後ともその姿勢は続け、さらに強く財政当局と相談を進めたいというふうに考えておるわけでございます。
○上原分科員 それは私は、もうやはり時期だと思うのです。一挙に全廃とか、そういうことはむずかしいでしょうが、十円にするとか八円にするとか十二円にするとか、何らかの前進はさせるように努力をしていただきたいと思います。 それと、これとの関係でちょっと触れておきたいのですが、今期の、これは五十七年度期というのか五十六年産か、奄美もそうだと思うのですが、沖縄の製糖見積もり、いわゆる産糖量が大幅に減じる可能性がある。歩どまりも非常に悪い。これは台風時に雨が降らずに、空っ風で塩害が多いのですね。そういう面で、この産糖量も十六万トンの確保は非常にむずかしくなって十四万五千トンくらいに落ちるんじゃないのか、あるいは歩どまりも農水省が算定をしておられた一一・六にはとうてい及ばない、こういう実情のようであります。まだ早いかもしれませんが、こういう事態に対しては、政府としてもいろいろお考えにならなければいけない面も出てくるかと思うのですが、この点についてお考えがあれば聞いておきたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 今年産の生産状況でございますが、秋に一応の作付面積あるいは単収あるいはその時点において判断し得る限りでの歩どまりを算定して諸般の価格の決定をいたしたわけでございますが、現在まで私ども聞いているところでは、まだ最終的な数字は出ませんが、沖縄の北部の方と南西諸島の南の方が塩の被害が相当ありまして、そこの地区だけはやや前年よりも悪いのではないかということでございますが、産糖量全体としましては昨年よりはやや上回るのではないか。これは現在生産中でございますので、まだはっきりしたことを申し上げられませんが、大体そういったふうにつかんでおるわけでございます。
○上原分科員 ですから、基盤整備をやり、生産性を上げなさいと言っても、そういった災害に遭うとなかなか思うようにいかない面があるわけで、そこらも含めて、今後県なり関係者からいろいろ出た場合はまた御配慮いただきたいと思います。 そこで、時間があとわずかしかありませんので、あと農業基盤整備の問題について若干触れておきたいのですが、沖縄県が昭和五十二年に策定をした農業基盤整備基本計画がございます。これは御承知のように、五十二年から六十年度までに灌漑排水施設を一万五千六百ヘクタールに持っていく。圃場は一万四千五百ヘクタール、農道六百五キロメートル、農地保全三千九百ヘクタール、農地防災千二百五十ヘクタール、農地海岸保全施設二十キロメートル、農地開発千六百ヘクタール、草地開発千二百ヘクタールなど、いろいろ具体的な計画を立ててやっているようです。これは現在でも国の方と調整をして生かされているのかということと、その総事業費は大体二千億程度見積もっておるわけですね。これについて国としては大体現在の進捗率と、六十年度までにそういった方向で達成でき得るのかどうか。最近、農業見直し論がいろいろと出ておりますが、沖縄の特殊な亜熱帯地域というこの地理的利点を生かすには、第二振計においても第一次産業、農業というものをより重要視しなければいけないと私は思うのですね。 そういう面で、この点についてどのようにお考えで、目標に向かって予算措置なりあるいはそのくらいの基盤整備というものは推進できるものかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○森実政府委員 沖縄県庁が樹立いたしました第一次の振興計画、それから現在検討されております第二次の振興目標の案とが二つあるわけでございます。率直に申しまして、灌漑施設、圃場整備、農道全部を通じまして五十六年までの整備率は非常に低い。特に灌漑施設が低いということは否めないところであろうと私は思います。私ども今後、財政状況の非常に厳しい折でございますが、沖縄の土地改良につきましてはできるだけその特殊性を考えて枠の確保に努めるとともに、特に灌漑排水施設につきましては、やはり何といっても新しい水源の造成が沖縄の場合重要な事業だと思いますので、その点に努力をいたしまして整備率を上げていくことに最大限の努力をしていきたいと思っております。
○上原分科員 もう時間ですから、いまいろいろ数字を申し上げましたが、大臣、キビあるいはパイン、花卉園芸、本土の端境期に向けた野菜づくりなど、そういう面を、県ももっと努力するし、農民も努力しなければいけない面もあるのですが、やはり国としてのそういった位置づけを十分やって、それに合わした政策なり予算措置というものをやっていく。そういう面で今後の沖縄農業について、国立の農業試験場を設置をするとか、もっと大胆というか積極的な施策があってしかるべきだと思うのです。きょうはもう時間がありませんから多くはお尋ねできませんが、ひとつ御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 沖縄の第一次振興計画については、いま局長から答弁させたのでございますが、沖縄の特殊性を考えて積極的に計画を立てていかなければ、実施してまいらなければいかぬと思います。特に今回私たちは、新しい計画として統合メニュー形式で一つの農政を進めようと考えておりますので、そういう点をも基礎にしながらこの振興計画をさらに実施のために積極的に進めてまいりたい、かように考えております。
○上原分科員 終わります。
○岡田(利)主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。 次に、山原健二郎君。
○山原分科員 土木建築業に携わる労務者賃金の問題でございますが、これは建設省、農林水産省、そして運輸省、三省間の協定がありまして、それで設計単価の中に労務賃金が組まれているわけですが、このいわゆる三省の協定と実質働いている労働者、特に全国に散らばっている土建業に携わる労働者の賃金に差があるという問題は前々から私も取り上げております。これについて、昨年行管庁あるいは建設省の方で、大臣も調査をするというお約束をされておりますが、最初に、調査をされた経過、結果、簡明にお答えいただきたいのです。
○熊説明員 昨年の三月七日だったと思います。予算委員会におきまして、三省調査に際して虚偽の賃金台帳が提出された、そういうようなことがあって、三省協定賃金に信憑性が疑われるというような御指摘があったかと思います。 その件につきましては、確かに御指摘のとおり新潟県、それから高知県のある業者に虚偽の賃金台帳の作成が行われたということで、早速調査いたしました。たまたまその業者が県許可の業者であったものですから、県当局と連絡をとりましてしかるべき処分等を行ったというようなことでございます。そのときに、新潟県の方では、東京の大手の業者がそういう指導をしたというような御指摘もあったわけですが、それにつきましては確認できないという状況でございます。 以上でございます。
○山原分科員 建設省、後で……。 大臣、ちょっとお聞きいただきたいのですが、私のいろいろ集めた資料ですが、京都の宮津市の場合には、昨年の十月六日に政府に対して意見書が出ております。これは建設労働者の三省協定による賃金の支払いと建設業退職金共済制度の完全実施に関する意見書というのでございまして、この中身を読みますと、「公共事業に就労する建設労働者にとって、実際に支払われている賃金は工事に積算されている三省協定額よりも少なく、また加入が義務づけられている建設業退職金共済制度も労働者にはほとんど実施されていないのが現状であります。よって、政府におかれては、建設労働者に三省協定並みの賃金支払いと、建設業退職金共済制度の完全実施の実現に努力されるよう強く要望する。」という、これは宮津市議会の満場一致の決定です。 それから、これは私の県ですが、一例だけ申し上げますと、高知県の幡多郡三原村の場合です。これは昨年の十二月十六日でございまして、ここでは三原村村議会の産業建設常任委員会が調査結果を発表しております。これは、「執行部、委員の実態調査の結果、設計単価と実際労働者に支払われている賃金実態は格差のあること等を確認し、同日審議採択した。少数意見なし。留保なし。」 意見としましては、実態調査の結果は、普通作業員で五千円ないし五千五百円であり、平均五千二百五十円となっている。女子の場合は三千五百円から四千円で、平均三千七百五十円である。男女平均は四千五百円となり、設計単価に示す普通作業員七千五百円に対し六〇%程度であり、「執行部はこれらの実態を十分了知の上、設計単価に最も近い金額が建設労働者に支払いされるよう業者へ速やかに行政指導されるよう強く要望するものである。また、建設業退職金共済制度も完全に適用され、手帳が全員に手渡されるよう指導すべきである。」という決議をいたしております。 こういう決議が、現在請願採択あるいは意見書という形で一県七十二市町村から出ております。一県というのは福島県でございます。県議会で議決をされております。それから、高知県十三市町村、岩手十四、新潟三、秋田九、三重五、長野二、宮城一、福島七、京都八、北海道二、兵庫二、愛媛四、こういう数字が出ておりまして、かなり多くの、しかも全国に散らばった形でこういう決議が出ています。 それで、大臣の御出身の青森の場合ですが、どういうふうになっているかということでちょっと見てみますと、日本農業新聞の五十五年十一月五日の新聞を見ますと、「これでよいのか救農土木」という表現でサブタイトルがつきまして、四十六歳の普通作業員が全国平均七千八百三十九円であるにかかわらず、青森の場合は七千二百二円となっておりますが、実態は五十歳の男の人で六千円、女の人で四千円、これを平均しますと五千五百円、こういう差が出ているわけですね。これはなぜかという問題はもう時間がありませんから申し上げませんけれども、実際に自治体において調べますとこういう差がある。これは何とかしなければ過疎の問題、出稼ぎに出なければならない問題も絡んでまいりますし、また地方自治体におきまして、この賃金が少しでも三省協定のようになっていけば、その自治体にとりましては大変ないわゆる内需、自治体の消費力が増していくわけでございますから、そういう意味でこれは非常に重大な問題だと思っているのです。 福島の場合は、県議会におきまして松井土木部長が、八〇年度の救農土木事業での労務者の平均賃金は五千百二円であり、設計労務費とは相当の差があったということをはっきり認めております。 〔岡田(利)主査代理退席、植竹主査代理着席〕 そして、福島県下の下郷町の場合には、男五千二百五十円、女三千九百円、平均四千五百七十五円ということで、設計労務単価を見ますと特殊作業が一万一千円、そして普通作業が七千四百円で、平均しまして九千七百五十円でなければならないのが四千五百七十五円ということになりますと、何と五千百七十五円の差が出てくる、こういう実態になってまいります。 それで、これは単純計算はせられませんけれども、三省協定の労務設計単価より約三〇%くらい低いとしますと、昭和五十五年度の国、公団、公社の公共事業が六兆六千六百四十四億円、地方自治体の公共事業が十三兆五千三百十三億円ですから、合計二十兆円ですね。二十兆円のうち三二%労務費があるということになりますと、実に六兆四千六百四十億、そのいわゆる過大積算が二兆円にも達するということでございまして、これはちょっとほうっておけない問題だと思っています。仮に二百日一つの町村で働く土建の従業員が五百人おるとしますと、この差を三千五百円としましても、一年間に、計算しますと三億五千万円ということになるわけですから、これがどこかへ消えているということになるわけです。たとえば私の県には大体五万人土建労働者がおります。これを計算しますと、高知県で実に四百億と言うとオーバーになりますから、二百億から三百億という金額が浮くという計算が出てくるわけです。それは単純計算はせられぬと思いますけれども、それにしましても、大の男が一カ月働いて十二万円から十三万円。女の人ですと、家事労働をほとんどほうったような形で労働に従事しながら六万円から七万円という、生活保護以下あるいはすれすれという実態があるわけでございます。これはどうしても改善しなければならぬ。なぜこんなふうになってきたのか。これは建設省も十分おわかりのように、十年前はそうじゃなかったのです。むしろ実勢賃金の方が積算労務単価より上だった場合があるわけですね。 先ほど委員長にお許しをいただきましたので、資料を配っていただきたいと思います。大臣、ちょっとごらんになっていただきたいと思うのですが、これは私の方で調べました三枚目の紙を見ていただいたらわかりますけれども、グラフが出ておりますが、三省協定が結ばれました昭和四十六年から、設計単価に組まれた労務賃金というのはずっと上昇しています。ところが、実際に労働者に支払われている賃金はこの下の黒い線でございまして、この差が最初はなかったのが、だんだんだんだん広がっていっているというわけです。もちろん中小土建業者は大変苦しい状態にありますから、これは一挙に解決せよとは言いませんけれども、この差は縮めていくということが、これは町村にとりましても、また働く労働者にとりましても、それから消費不況をなくする意味におきましても、非常に効果のある問題だと私は思っております。 そこで、こういう原因は、一つは、先ほど言われましたにせ台帳の問題といいますか、二重台帳をつくっておる。それは二枚目の紙に出ておりますが、たとえば、こういうのはなかなか手に入らないわけでございますけれども、これは新潟県、岩手県、福島県、長野県、三重県、高知県などでこういう二重帳簿が発見されたわけですね。たとえばこの六番目の〇〇勲と書かれた方を見てみますと、九千六百円の単価で十九日働いていることになって、その賃金は十八万二千四百円となっていますが、実際の実台帳は、6のところを見ますと、この勲さんという人は、日当は、単価が五千五百円、十四日働いて七万七千円という二つの台帳があるものですから、このつくられた台帳が、これが設計単価になるわけですね。だから、こういう差が出てくるんです。 そういったことを考えてみますと、これはどうしても改善をしていくということ、それも非常に大事な問題でありますので、もっと言いたいこともありますけれども、田澤大臣ももちろん農山漁村県を主体にして出られておりますので、これはほうっておけない問題だと私は思っているのです。大臣、今日、一遍に何千円の差のあるものを埋めてしまうということになりますと、これは業者も大変でしょうから、しかし、こういう差が広がっていくのをそのままほうってはおけないという意味で、建設省としても当然適正な価格ということで指導されておるわけですが、農林省としましても、日本の農業発展のためにも一定の指導方針を持っていただきたいと私は思いますが、この点について大臣の御見解を最初に伺っておきたいと思います。
○田澤国務大臣 青森県の例について私もしばしば耳にしておりまして、救農土木等についてはできるだけそういう点は配慮すべきだという考えを前から持っておりました。したがいまして、御指摘の問題については、一つは、今後とも実態の賃金が適正に反映される設計労務単価とするように努力をしたい。それからもう一つは、もちろん基本的には労使間の問題でございますけれども、労働条件に適合した適正な賃金を支払われるようにこれも指導してまいりたい、かように考えております。
○山原分科員 もちろん労使間の問題でございます。その点はよくわかりますし、また建設省もそのことをおっしゃっておられて、労使間の関係に行政機関が介入するということは、もちろんこれは警戒しなければならぬことだということははっきりわかります。いま大臣のおっしゃったとおりです。ただ、働いておる労務者というのは非常に弱い立場におるわけですね。少しでも賃金を上げてくれなどと言ったら、次にはなかなか採用してもらえないという問題もありますし、それから同時に、そういうことを含めて、自分の実勢賃金、これだけもらっているんですよということもなかなか言えないのが今日の労務者の置かれておる実態なんですね。したがって、私どもそれを実証するためには、一人一人調べて口で聞かなければならぬということがありますけれども、それもなかなかできない。したがって、私の方では職業安定所の求人賃金を調べてみたわけです。そうすると、東京も、都会はどうだろうかということで渋谷の職業安定所で調べてみますと、ここでも現場管理、配管工の場合を見ますと平均九千六百円ですね。ところが、協定の賃金は一万一千五百円、やはりここにも差があるわけでございまして、求人賃金がすべてだとは思いませんけれども、少なくともその地域の相場をあらわしておることは間違いないと思います。 それから、もう一つ資料として出しておりますのは、これは私の県の今城さんという方で、この人はもう表彰も受けております型枠工でございまして、十年勤続表彰も受けておるれっきとした型枠工としての技能講習修了証も持っている方ですけれども、これは当然一万円を超す単価でありますけれども、実際は、ここに出ておりますように、五十五年、一昨年の二月の賃金が六千円で、それから去年の十月の賃金が六千五百円ということで、やはりここにも差があるわけです。 これは大臣の方でもぜひ日本の農業、全地域の発展のために改善の努力――私が言っておりますのは、業者の皆さんも生きていかなければなりません。だからといって、そこで働いておる労務者にばかりしわ寄せをするということもいけません。そういう意味で、労務者も生きていけるし、また業者の方たちも将来を展望して生きていけるという道をやはり探していく必要があると思うのです。その辺ではもう腹を割った解決策を考えていただきたいと思います。 もう一つは、建設業退職金共済制度の問題ですが、これは御承知のように、土木工事は工事費の千分の三・五、建設工事は千分の二・五、平均しまして〇・三%というのがこれの目安でございまして、これより多い県もありますけれども、設計書にこれが織り込まれておるわけでございます。ところが、そうなりますと、五十五年度の公共事業約二十兆円としますと、工事費の中には約六百億円の証紙代が積算されているわけであります。ところが、五十五年の建設業退職金共済掛金収納額を見てみますと、実は百九十七億円にしかなっておりません。これは約二百億としましても四百億の差が、証紙の問題で出てまいります。これは建設業退職金共済事業本部の出されております建設業退職金共済事業月報によりますとこの金額は間違いないわけでございまして、四百億という差が出てくるということになりますと、実際にはこれだけのものが使用されていない、設計単価に含まれる、この点について建設省ちょっと簡単に説明していただきたい。どうしてこんなことになるのか。
○熊説明員 お答えいたします。 この建退共への建設業者の加入というものは、建設労働者の福祉の向上という観点からは建設省としても非常に重要だというふうに考えておるわけでございまして、この加入促進という点につきましては労働省とも協力して、業界団体等に通達等でその促進方を一つはやっておるわけでございます。 それだけではございませんで、建設省といたしまして、たとえば直轄工事を発注する場合、予定価格というのを算定いたしますが、先生のおっしゃいましたように、請負業者が建退共に加入した場合に掛金を払わなければいけないわけですが、それに相当する金額を見込んでおる、そういう措置をとっておるわけです。 さらに、請負業者の選定に当たりましても、配慮するといいますか、建退共に加入をしているかどうかというのを考慮して選定する。三番目には、工事を実際に受注いたしましたときに掛金収納書、収納書といいますのは掛金を支払いましたよという一種の領収書でございますね、これを一カ月以内に提出するように発注機関に対しまして義務づけておりまして、そういうような措置を講じまして機会あるごとにその普及方をやっておるわけですが、いかんせん御指摘のように全部加入しておるというようなことでもございません。同じく建退共の月報でわれわれが承知しておりますのも、建設業労働者の数にいたしまして約百四十三万の加入あるいは証紙の購入ということはわかっておるわけでございますが、建設労働者全体からいきますと、現場労働者の約四〇%くらいかなというふうに試算しておるわけなのですが、そういう状況なわけです。 今後ともあらゆる機会をつかまえましてこの促進方、普及を図っていきたいというふうに思っております。
○山原分科員 建設省も努力をされて証紙一日百八十円で業者が買うということも単価の中には実際は含まれているわけですからね。だから、いま談合問題なんかが起こっておりますけれども、これは金額としても四百億というものはもう国民の税金が出ているわけです。それが使用されていないということは経過としてはわかりますけれども、それはやはり労働者の福祉のために出されておる退職共済金制度でございますから、これを生かさないと、四〇%程度で生きないということになりますと、言うたら過大積算ということになりまして、これは行政改革で目をつけられたら本当に大変な事態なんです。でも、今日業界の苦しみというものもありますから、そういう点も考えながら当然この改善をしていくということ、これもまた大臣にお伺いしたいのですけれども、私は、この質問そのものは、率直に言って分科会で取り上げるような小さな問題ではなくて、むしろ予算委員会の総括質問あたりで取り上げてもいいくらいの問題だと思っておるわけです。しかし、そういうわけにもいきませず、ここで取り上げているのですが、実は私もこれはかなり執拗に取り上げまして、業界と労務者との間に摩擦なしに改善をされていくということを心から望んでおるわけです。 そういう意味で、これは建設大臣に主としてお聞きをしなければならぬ問題ですけれども、ここは第四分科会でございますから、三省協定の一翼を担っておられる、また農業振興のために最大の責任者でございます田澤農林大臣にもう一度御決意を伺っておきたいと思います。
○森実政府委員 御指摘の共済制度への加入問題は、私どもも加入率が非常に低いということを残念に思っております。従来からも機会をとらえて普及徹底には努めてまいりましたが、今後とも建設省、運輸省、関係各省とも十分連携をとりながら、また制度的な裏づけについてはやはり配慮しつつ、その上に立ってあらゆる機会をとらえて指導、慫慂することがこの種の問題については重要だと思っておりますので、御指摘の線に沿って努力いたしたいと思っております。
○山原分科員 大臣、お答えがありましたら……。
○田澤国務大臣 いま局長から答弁させたとおりの状況でございますので、私といたしましても、これについては今後とも積極的にこの問題に取り組みまして段階的に解消するように努力をしてまいりたい、かように考えます。
○山原分科員 私も、一挙にやってしまえということになりますと、これはかなり混乱も起こりますから、そういう意味ではぜひ御努力をお願いしたいと思います。そして、労務者に対して賃金を、たとえば千円上積みしていく、来年また千円上積みしていくということでこの差が縮まってくれば、これはもう第一、村全体が明るくなりますよ。そういうことの中から今日不況にある建設業界の方たちももっと明るい気持ちで仕事ができる、同時に公共事業の枠を広げていく、至るところに仕事があるという情勢をぜひつくり出してもらいたいと思うわけであります。 最後に大臣、質問要項に入っていませんが、きょうも私は農協中央会の方から要請をいただいておるのです。農産物輸入自由化の問題での非常に厳しい要請、これはもう毎度のことでありますけれども、貿易摩擦との関係で大臣も一定の見解を持っておられるということはわかりますが、この点について、全国農民の心配に対しましてどういうふうな御見解を持っておるか、一言お伺いをいたして私の質問を終わります。
○田澤国務大臣 対外経済摩擦の解消につきましては、これはわが国の最も重要な案件でございますので、山原さんすでに御承知のように、昨年対外経済閣僚会議において五項目にわたる対外経済対策を決めまして、いまそれを実施いたしておるわけでございます。そういう点を踏まえて極力わが国の農林水産行政の現状をアメリカにあるいはECに説明する、また輸出拡大に対するわが国のいわゆる積極的な態度も理解していただくということをいま積極的に進めてまいりまして、私は、できるだけ柑橘、牛肉を含めて残存輸入制限品目に手を染めないような形で進めたい、これがただいまの心境でございます。
○山原分科員 終わります。
○植竹主査代理 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。 次に、小杉隆君。
○小杉分科員 農林水産省関係の分科会では主として生産者の問題が多く論議されると思うのですが、私は消費と流通の面にしぼって質問をしたいと思います。 すでに食管制度が改正をされまして、ことしの一月十五日から施行されております。今度、小売業者とかあるいは販売所というのは六月から許可制度で行われるわけですけれども、私は、今度の改正食管法の中で幾つかの問題点があると思うのですが、まず第一に、今度の食管法の一つの特徴である販売所、いわゆるブランチですね、この数について、その区域内の消費者人口をその区域内の営業所小売と販売所小売の総数で割った数が千五百人を超えることというふうになっておりますが、千五百人という基準を設けた一つの根拠を聞かしていただきたいと思うのです。
○渡邊(五)政府委員 ただいま御指摘のように、一月十五日から改正食管法の実施に移ったわけでございます。その際、販売業者につきましては、特に流通上に占めますその地位の重要性にかんがみましてその責任を明確にするということで許可制をしいたわけでございます。御存じのように、特に最近の流通上の問題として、需要に的確に対応するような販売形態ということをもちまして、私ども今回既存の配達中心の小売のほかに、簡易な条件で小袋詰めのみを取り扱います販売所を既存の業者が設置できる、それをいま御指摘のようにブランチと通称しております。この際、ブランチの定数につきましてはそれぞれの地域で決定いたしますが、基準となります考え方として千五百人の消費担当人口をもちまして、それで基準を設定するわけでございます。 千五百人というのはどこから出たかという御指摘でございますが、一般の食料小売店等の状況から判断いたしましておおよそ千五百人が適当というふうに私ども判断したわけでございます。
○小杉分科員 厚生省の人口問題研究所が調査した結果によりますと、国民の食生活というのは農村部と大都市あるいは中都市、それぞれの地域によって相当変わっているのですね。農村部ではいまでも大体七割から九割の人が三食お米を食べるということですが、中都市以上になりますと、朝夕は御飯で昼はめん類かパン、あるいは逆に朝がパンで昼夕食がお米だというようなのがふえまして、三食お米だといううちは半分以下になってしまう、こういうことで非常に地域格差があるわけなんですね。同じ東京都内でも、たとえば私が住んでいる目黒区とあるいは下町の墨田区を比較してみますと、これは相当差があるわけです。たとえば三食お米を食べるというのは墨田区は三二%あるのに目黒区では一九%というぐあいになっておりまして、同じ大都市の中でもこれだけの差がある。ましてや大都市と農村地帯では全く食生活が違うわけですね。そういう地域によって食生活が変わっているのになぜ全国一律の千五百人という基準を設けたのか。私に言わせればこれは各都道府県知事にその辺の基準はお任せした方がよかったのじゃないかというふうに思うのですけれども、再度お答えいただきたいと思います。
○渡邊(五)政府委員 地域によりまして米の消費量なり消費の状況が違うということは事実御指摘のとおりだと存じます。ただ、私どもから申しますと、これは最近における流通の実態の方の問題があるわけでございます。と申しますのは、大都市におきまして従来どおり配達中心の米の供給形態あるいは流通形態ということが大消費地を中心にしまして非常に困難になってきている。ここに不正規流通と申しますか、いわゆるやみ米と称されるものの存在がありまして、無許可業者等が相当広範にあるのではないかと見られております。そうした点は特に最近の大都市におきましては、共働きと申しますか、あるいはマイカーというようなモータリゼーションの関係から小袋によります持ち帰り需要という形態が非常に広くあらわれてきております。この点はあるいは中小都市、豊村と大消費地との違いかと思うわけでございます。簡易に持ち帰れるような小袋によります流通形態が相当広く大消費地に見られる、またそういう需要がある。そうしますと、今後の米の消費の維持を考えてまいります際にもこうした需要に的確に応ずるような商業形態といいますか販売形態をつくって的確に需要にこたえると同時にやはり不正規流通というものに対処していかなくてはならない。しかも、既存業者の営業の問題とも調整を図っていくという観点から、私ども既存の小売業者にブランチを設置させる、ブランチの設置の基準としてただいまお話ししましたような千五百人の基準をもちまして既存の店舗数を超えない範囲で設定するということでいま指導しておるわけでございます。やはりこれからの米の流通という面を考えましてもブランチ制度というのが重要なこれからの販売形態だろう、こう考えておるわけでございます。
○小杉分科員 確かに流通面、消費者の利便ということから考えまして、私は決して小売業の増設とか新規参入とかブランチの設置を全面的に否定をしようという気は毛頭ないわけです。しかし、いわゆるお米屋さん、流通の末端を受け持っておるお米屋さんを見ますと、ほとんどが超零細企業なんですね。ほとんど人を使って営業できない、もう家族だけで細々とやっているというところが大半なわけですよ。そういう中で、たとえばいま東京都の場合に、もしこの千五百人という基準を単純に当てはめますと、いまよりさらに二千店くらい増設をしないと今度の法律に合致しないわけです。私の地域なんかでももう相当ふえるということになるわけですけれども、やはりそういう零細なお米屋さんを廃業に追い込むようなことになっては、食糧庁が考えていた消費者の利便とか流通の秩序というものが果たして確保できるのかどうかという点が私は非常に心配なわけです。 そこで、先ほど申し上げたように、地域によってもこれだけ食生活も変わっていますし、そういう千五百人という基準というものは絶対に守らなければいけないものなのでしょうか。たとえば今度の法律によってはブランチの選定基準ですか、いろいろ決めて通達で出すわけでしょう。そういう場合にはたとえば消費者の利便とか既存業者、営業所との距離とか、そういういろいろな観点から選定基準を設けてやるということですけれども、そういう場合には千五百人という基準というのは地域の実態に合わせて弾力性を持たせるということは考えられないのですか。
○渡邊(五)政府委員 申し上げます。 いま東京都の例で、東京都で二千ほどブランチ数が予定されているという御指摘でございますが、現在東京の小売業者五千七百ほどあるかと思います。これらの店につきまして二千店くらいのブランチは出してもらいたいということで基準として示したわけでございます。私どもの具体的な基準といたしましては、千五百人の担当人数をもちまして必要な店数を出しまして、それから既存のこれまでの店数を引いた差の店舗数をもちまして計算しておりまして、その数が二千になっておるわけでございます。従来一店舗一ブランチというようなお話もございました。必要があればそういうところまで設けることは可能ではございますが、私ども指導としましては既存の店舗数を引いた差といたしまして二千店数というふうに基準を示しておるわけでございます。 いまこれはどうしても出さなければいかぬのかというお話がございましたが、先ほどから申し上げますように、現在の小売店舗の状況からいたしまして、やはり小袋を中心にしました持ち帰り需要というのが相当数ふえております。従来の配達では補えない分野ができておる。これを放置いたしますと、無許可業者がばっこするといいますか、無許可業者の手に渡ってしまうという問題点があるわけでございます。むしろ既存業者が積極的にそうしたものに対応してみずからの商圏と申しますか、営業範囲を拡大してもらいたい。そのブランチの出し方につきましては、手が足りなければその店に委託するとか直営でなくともよろしいわけでございます。そういうようなことで、既存業者が新しい流通に対応して立ち行くようにということも考えて私どもしたつもりでございまして、各地域でもそういうことで相当程度御理解いただいておると私ども思います。 ただ、御指摘の中にブランチを設ける際の店同士のと言っては失礼ですけれども、お店同士として牽制し合うとかいろいろな問題が実態問題としてあるようでございます。こういう点につきましての店舗のブランチ等の出し方につきまして私ども一定の基準は示しまして、各知事段階におきまして、従来適正化協という協議会を各県でも設けております。これらの協議会におきまして、実施に当たっての具体的な地域の適合の仕方についてはそれぞれ御検討いただいて、できるだけスムーズにそれらが実施されるように私どももできるだけの指導をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○小杉分科員 だから、そういう点、諸条件を勘案した場合に必ずしも千五百人にとらわれない、千五百人に縛られちゃって、何が何でも千五百人になるように出さない場合もあり得るということですね。
○渡邊(五)政府委員 千五百人で割り戻した数の店数を必ず出さなくちゃいかぬというふうには言っておりません。先ほど申しましたその数と既存の小売店との差を基準にして各地域において定めるようにと、かつ、その定めるに当たりましても各県におきます、先ほど適正化協と申しましたが、商業調整の機構を設けまして、そこで諮った上で定数を定めるように私どもから指導いたしております。
○小杉分科員 それで、一方においてブランチを増設するということをやるからには、いわゆる無許可業者、いわゆるやみ業者に対してもいままでのような対応ではいかぬと思うんですね。きょう警察庁来ていますか。――これは食糧庁と警察庁とが一体になってやらないと、いままでも巡回指導とか文書警告とか呼び出し指導などを行ってきたわけですけれども、一向に実効が上がらないということですね。これは先ほどから長官がおっしゃっているとおり、需要があるからそういうことがばっこしたんだと思うのですけれども、今度はこういうふうにお店もふやしましょうということになった以上は、いままでのようななまぬるい取り締まりではいかぬと私は思うのです。そういう点について、今後の無許可業者に対する取り締まりについてどういう考えで臨むのか、ちょっとその辺聞かしていただきたい。
○渡邊(五)政府委員 まず、行政庁であります私ども食糧庁といたしまして不正規流通防止対策について申し上げます。 御指摘のように、改正食管法実施に当たりましても不正規流通を前提にしたようなことでは改正法の実施ができないわけでございます。したがいまして、昨年十月十二日付で各都道府県及び食糧事務所に通達を発しまして、不正規流通防止対策を実施するということで昨年の十二月末におきましてまず無許可販売業者のリストを作成いたしました。最近、そのリストアップの一月末現在の状況でございますけれども、無許可の卸が二百四十四、無許可の小売が一万四千四百四十二というふうな数字が上がってまいっております。当然私どもこのリストアップと同時に一斉の口頭指導で、私ども内部ではローラー作戦と称しまして全県にわたりまして口頭指導いたしました。その結果、すでに中止または近く中止見込みを申し上げますと、卸の段階で約四割、小売の段階で五割の約七千店でございますが、中止または近く中止と見込まれるという数に上っております。 私ども、第一回としてはまずまずであったかと思いますが、今後もさらに引き続きまして口頭指導を実施するということで、六月が許可の時点でございますが、これを目途にいたしまして無許可業者に対しまして再度警告書等の文書による中止指導をまず全体にいたしますのと、さらに、これに従わない場合には文書による再指導ということも実施する。さらに、この指導にも従わない悪質な者に対しましては、県庁への出頭を求めまして中止の指導あるいは氏名の公表等を行う。行政庁としてはそこまで食糧事務所、県庁一体となって実施して、なおかつ言うことを聞かないと申しますか、悪質な者が出る場合には私ども警察への告発を行いたいと存じております。 私ども、これらの無許可業者と同時に、まことに残念でございますが、許可業者の中にも不正規流通に関与している例も一部あると聞いております。目下これらにつきまして都道府県と食糧事務所が一体になりまして、卸については全部、小売についてはおおむね五%を三月末までに監査をいたしまして、これらの業者に対しましても私どもとしては強い行政指導を行うことにいたしております。これら許可業者でなお不正規流通に関与している事実があれば、今後の許可の時点におきましても審査の際の重要な判断資料として扱わなければならないという態度で臨みたい、このように考えております。
○本多説明員 米穀の不正規流通防止につきまして、ただいま食糧庁の方から御説明のありましたように、改正食糧管理法に基づきまして所管行政庁の有効な施策が講ぜられておると聞いておるところでございます。警察といたしましては所管行政庁の有効な行政措置に期待いたしておるわけでございますが、なおこれの行政措置に従わないような悪質な者につきましては、所管行政庁と連絡をとりながら的確に取り締まりをしてまいりたいと考えております。
○小杉分科員 この辺がいままでどうも実効が上がらなかったと思いますが、今回は一方においてこういうあめがあるわけですから、今度はむちの方も厳しくやっていただかないと流通の秩序を乱すし、また住民の信頼も失う結果になりますので、この点は食糧庁も警察庁の方も十分に留意してやっていただきたいと思います。 それから、もう一つ重要な問題は、スーパーマーケットであるとか生協というところが販売所、ブランチを設けたいと言ってきた場合の対応は、これは非常に考えなければならないと思うのですね。たとえば大きなスーパーがもしそこにお米を置くということになりますと、一日に何千人とか何万人とかが来る大型のスーパーなんかでそういう店舗を開設したということになりますと、これはいま食糧庁長官が言っているブランチの一つ分や二つ分どころじゃないわけですよ。恐らく五十店や百店くらいの大きな影響を及ぼして、その周辺の小売の業者のみならず、相当広範囲にわたって影響を与えると思うのですね。もう現に改正前から登録を申請して躍起になっているスーパーを私はたくさん実例を知っているわけですけれども、六月一日を目前にして、そういう点はもうちょっときめ細かにスーパーなり生協なりの対策、どう扱うのか考えておく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
○渡邊(五)政府委員 大手のスーパーあるいは生協等の問題がございますが、これらにつきましては、従来はこうしたブランチ問題よりもむしろ新規参入というようなことでいろいろ要望が地域的にあったということは事実でございます。そうした状況を踏まえて私どもブランチ制度を導入いたしましたのは、既存の小売店の活発な営業活動を第一義にいたしましてブランチで対応する、さらに、それでも対応できないような場合に新規参入という問題を考えることを第二義的に考えておるわけでございます。そういたしましてもなおブランチの出店につきまして、大手のスーパー等で、もしここに仮にある特定の一店が出た場合には非常に流通上の影響度が大きいというような御心配もあろうかと思います。私ども、地域によってあるいはスーパー等の規模によって度合いも相当違うのではないか、非常にきめ細かく判断してまいらなければならないかと思います。私ども、そうした状況につきましては各都道府県なり地域の実態を見ながら対応いたしたいと思いますが、特に非常に影響力のあるスーパー等の場合におきましては、ブランチを出店される方々の共同的な行為と申しますか、共同的な話し合い等を通じて的確に対応できるのが私ども最もよろしいかと思います。ただ、そうした事情はその人々のこれまでの関係者の意見を集約しなければならない、具体的には都道府県なりを通じて私ども実態を見ながら指導してまいりたいと考えております。
○小杉分科員 現実にスーパーマーケットも最近すごくチェーン化しておりますので、すでに一つのチェーンが許可、登録を持っていて、そのチェーン店に全部ブランチを出そうというような計画を進めているわけです。そういう場合に、安易にさっきの千五百人の基準に合っているからというのでどんどん認めていったらこれは大変な混乱を起こすわけですね。ですから、そういう面の取り扱いについて、いま食糧庁長官は実態を十分調査してということですが、ひとつ精細に調査をしていただいて、そういう取り扱いについてはできるだけ都道府県知事にお任せするというか、その判断を尊重するという考え方で臨むべきだと思うのですけれども、そういうスーパー、生協などの取り扱いについて基本通達の中でも十分に盛り込まれるようにすべきだと思うのですが、その点どうでしょうか。
○渡邊(五)政府委員 ブランチの出店の基準につきましては私ども基本通達で一般的な指導基準は出します。具体的に、御指摘のような大手のスーパー等の影響の問題は今後現地の知事さんなりに御判断を願わなければならない。ただその際、知事判断だけではなくてやはり先ほど申しました適化協と申しますか、それぞれの県に商業調整機構を設置することを私ども進めております。そうした中で個別の地域の調整の意向を十分踏まえて知事が判断されるように私ども指導をしていきたいと思いますが、私ども、このブランチの出店自体の中心はあくまでも既存業者が活発な営業活動をいたすことを中心にして考えておるわけでございます。したがって、千五百人で割った数でスーパーが出るのではなくて、既存業者が出す、出店するという意向がない限り出ないものでございますので、この点は私どももむしろ小売の各方面にも十分そうした趣旨を徹底させて指導していくつもりでございます。
○小杉分科員 そこで、最後に、私は一つの提案をしたいと思うのです。 先ほど長官も申されましたが、やはり配達だけに頼るというのじゃなくて、持ち帰りで、小袋で買って帰るという習慣が大分ふえてきているようですから、スーパーにお米を置いてくれという声が消費者の方から非常に強いことも事実なんですね。そこで、スーパーとか生協なんかも何とかお米を扱いたいということで従来からやっていると思うのですが、そうなると今度既存の小売業者が非常に甚大な影響を受ける。 そこで、大型店と小売店が共存共栄を図れるというような一つの試みとして、たとえばスーパーには売り場を提供してもらう。スーパーの方は別に自分がそれでもうけなくてもとにかく品物がたくさんある、そこであらゆるものがそろうということでスーパーを訪れるお客さんが多いわけですから、スーパー側にとってみればお米が置いてないというのは非常に致命的な問題だということで、売り場を設ける、そのことによってお客さんに対するサービスを図るというメリットが出るわけですね。しかし一方、それでは周辺の小売店に甚大な影響が出るということで、売り場を提供してもらって小売の人たちが共同して、たとえば協業化するなり何かしてその地域のお米屋さんが共同して商品を売る、そうすると、その周辺の小売店もみんな売り上げの増加ということで死活問題ではなくなる、こういうことでお互いに共存共栄を図れるというような試みも私は食糧庁なり都道府県が指導していけばやっていけないことはないと思うのですが、そういう考え方についてはどうお考えですか。
○渡邊(五)政府委員 まず、先ほど来申し上げておりますように、ブランチは小売業者が設置するものでございますので、小売業者の資格のないスーパーがブランチを出すことはできないわけでございます。仮に出しましても、それは無許可の営業として私どもの取り締まりの対象になります。ただ、そうした大手のスーパー等の店先を借りるという形で直売または委託の形態で小袋の米を売ることは今度のブランチ制度としてできるわけでございますが、御指摘のように、非常に影響力の大きいスーパー等にこうしたブランチを設ける際、それぞれ関係します、影響を受けます小売店自体に非常に問題が出てくる場合がございます。確かに先生いまおっしゃるような共同的な形で、こうした店を借りるとかという形で出すことも一案かと思います。個々具体的な問題かと思いますが、都道府県の指導等でそうした条件が整いますれば非常にいい考え方かと思いますので、地域の実態に合った指導をして円滑な流通に資したい、こう考えております。
○小杉分科員 時間が参りましたので、終わります。
○植竹主査代理 これにて小杉隆君の質疑は終了いたしました。 次に、沢田広君。
○沢田分科員 大臣あるいは主査、関係者、大変夜分まで御苦労さまでございます。 大臣、一つ提言があるのであります。農林というのは一番遅くまでやっているのでそれだけ問題が多いということなんだろうと思うのですね。大いに敬意も表しながら、また、それにこたえてもらわなければならぬのでありますが、いわゆる農業がどうも受動的である、積極性がない。全体的に農水関係というものはいろいろな側から、都市サイドの側であれ景気の側であれ経済運営の側であれ、何であっても常に受け身の立場から対応していく。これは長年の伝統もあるのかもわかりませんけれども、やはりこの点の目先を変えて、ある一定の展望を持って、積極性を持たなくちゃならぬという時期に来ているのじゃないか。貿易摩擦のことはいろいろな角度から言われていると思いますから私は言いませんけれども、それ以外にも農水の置かれている条件が、米の問題も含めて、何でも常に受け身受け身である。日本の国土を守るものは農水であるという自負心がなければ、これはやはり官僚が悪いんじゃないかという気がまずするのですね。まず受け身になっている。やはり自分の計画に対して積極性を持たなくちゃいかぬ。 私の提言は、植林の問題なんであります。 日本の将来というものを考えて、われわれは平野部に住んでいる、先生は青森県ですから、山国と言っては悪いですが、山の多い国。われわれの首都圏圏内というところはやはり洪水の多いところであるし、どうしても常に流されていく立場にある。そして、植林というものは資本の回転率からいって百年ぐらいの回転にしか回っていかない。せめて五十年の回転。これを早切りしたり裸にしたりすれば、いまの中国じゃありませんけれども、これは黄河となってしまうわけですね。ですから、植樹というものに対して、都市的な条件のところにおいてもまずそういう思想を持たなくちゃならぬ。 もう時間がないから簡単に言いますけれども、たとえば住宅の建蔽率にしても、別荘地は四割なんて抑えておりますけれども、それと同じように、上にいく分はある程度やむを得ぬとしても、ある程度建蔽率を抑えて植樹をさせる、同時に電柱だとかというものについてもケーブル化をさせていく、それから市街化区域の中にある農地についてもある一定の保存なら保存緑樹というものを進めていく、これは国土を保全していくための最小限度の必要要件だと私は思っているわけです。 また、今日こういうふうに舗装されてまいりまして、集中豪雨的な水の流れが多くなってくる、それを防止し、水を蓄積していくものは植樹以外にないのですね。ですから、どうしてもこの植樹対策というものに基本的な位置づけというものをこれから置いて積極的な対策を講じていかなければならぬ、こういうふうに私は思っておりますが、そういう意味においては建設省サイドの問題についても堂々と申し入れをしながら、日本の国土を守り植樹をさせていくという一つの方向を農林大臣に持ってもらいながらひとつ積極的な働きかけをやってもらいたい、こういうふうに思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○田澤国務大臣 沢田さん御指摘のように、私も就任してまだ三カ月でございますが、農林水産省というのはどうも積極的というよりも安定性というものを先に考えますものですから、そういう点である意味では、見方によっては消極的だなという感じを受けると思うのです。ところが、御案内のように、農林水産省は国民の基礎的な物資である食糧の安定供給というものを図らなければならないという点からむしろ安定というものが基本だと思いますので、そういうことが体質になりまして、どうも消極じゃないだろうか、こう見られる嫌いがあろうと思うのでございますが、いま農林水産省が抱えている多くの問題、内外とも大変な問題を抱えているわけでございますが、外では対外経済摩擦のような大きな問題、さらにまた、中長期的に見て国際的に食糧の需給関係というのは非常に不安定だ。また、国内では米の過剰、それから経営規模拡大が非常に渋滞している、こういう問題があるわけでございまして、これを処理するためには何としても水田利用再編対策を積極的に進めなければいかぬ。これは単に緊急避難的なものとしてこの対策を考えてはいけない。あくまでも集団的に定着させなければならないということを思い切ってやらなければいかぬわけですよね。ですから、単にこれは米の過剰のために消極的にやるんだというのではなくして、水田利用再編対策を契機に、新しい農業をつくるんだという意欲で私は進めていかなければならない時代だと思いますので、そういう点で私はもっと積極的な農林行政を進めなければならないということを基本にしながらいまもろもろの政策を進めているわけでございます。 特にいま御指摘の植林の問題でございますが、実は過般、沢田委員の埼玉県へ視察に参りました。なかなか林業に対して積極的な県でございまして、私は本当に驚いて、非常に大きな参考資料を得て帰ってきたわけでございますが、その折に私は考えたのでございますが、やはり資源のない日本としては教育によって人材をつくる。もう一つは、植林によって、もちろん森林資源を得るだけじゃなくして、山を青く緑にする、そのことによって水資源を確保するとか災害のための対策を考えるというような、国策として最も必要なのは私は植林だと考えているわけでございますので、もうすでに新しい五十七年度予算はこのような形で編成されましたけれども、将来は植林というのは国家政策なんだ、国策なんだという線で進められなければならない。石油はありませんけれども、幸い私たちは水という非常にいい物資を得ている、これは何としても森林資源のたまものだ、こう思いますので、そういう点では今後も植林政策、森林政策については積極的な姿勢で取り組んでまいりたい、かように考えております。
○沢田分科員 時間も遅くなったから幾らか詰めて差し上げようかという気持ちでやっておりますから、回答もひとつ簡明にお願いいたしたいと思います。 で、大体の大きな問題をとらえてお伺いしたわけですが、この間建設省の分科会でやったわけでありますが、その一つの例として、調整区域、市街化区域決定の際の農林省の側の対応というものはきわめてまずかった。これは四十五年のことであります。建設省サイドだけでいわゆる都市計画法が設定された。いま線引きを見直そうか見直すまいかという時期に来ております。ですから、ここではひとつ真剣にこの線引きの対応については農林省サイドとしてきちんと整理をしながら対応をしてもらいたい。 一つ例を挙げれば、水路のわきなどは、これから市街化されればいやおうなしにはんらんとかそういうものが起きてくるわけです。そういうはんらんなどは裁判の結果は大体負けている例が多い。そういう状況を考えますと、線引きの再見直しの際には、現状はやむを得ないとしても、ある 一定の幅員は調整区域、遊水地として確保する、こういう指導をきちんと確認をしていただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○森実政府委員 御指摘のように、確かに現在の線引きについては批判される点がいろいろあったと思います。私どもといたしましても、現在も線引きの見直しが進んでおりますが、公共的な需要、特に住宅需要から市街化区域の拡大というものについては、やはり交通条件とかその他の条件を考えてやむを得ないものはこれを認めるという方針をとると同時に、逆に、今後とも農業を行うべき適地、特に団地化されているところ、あるいは土地改良投資等が行われたところについては、これを農用地区域等で確保すると同時に、また市街化区域の線引きの見直しに当たってもこれを除外していただくという努力を及ばずながら続けてきたつもりでございますし、これからも配慮したいと思います。 この場合、先生御指摘の土地改良施設の附帯地等につきましては、具体的に十分調査するよう今後留意してまいりたいと思っております。
○沢田分科員 それから、きょうは行政管理庁おいでになって、時間を縮めるために、農林大臣の前で大変恐縮ですが、建設の分科会でこの排水問題は行政管理庁が、私から言うならば勝手な熱を吐いた、当事者間の意見も、土地改良法五十六条あるいは五十三条それぞれあるわけでありますから、それらの要件も満たさずに行政管理庁が――私も相当口が悪い方ですから、きょうはまあやわらかく言っていますが、しかったわけでありますが、その経過についてどういうふうに措置をとったか、この際ひとつお伺いをして進めていきたいと思います。
○塚原説明員 御説明申し上げます。 先日の分科会におきまして、先生の御質問、私ども十分その後留意いたしまして、先生の御質問の趣旨及び建設大臣の御発言等を十分踏まえまして、本件につきましては、地域の実情に応じまして慎重に検討する必要があるというふうに判断をいたしまして、埼玉行政監察局長に指示をいたしました。その結果、埼玉行政監察局では、三月五日に県からの回答をいただくというふうになっていたようでございますけれども、その期限を先に延ばすということで、慎重に検討しているというふうにしております。また、三月五日に公表をするというお話でございましたけれども、本件につきましては、個々の問題も相当含んでいるということもございまして、これは公表しないように改めて埼玉行政監察局に指示したところでございます。 以上でございます。
○沢田分科員 これはこれ以上は余り追い詰めないようにしますが、十分心して対応してください。 農林大臣は初めてだろうと思いますから、若干これは経過だけ言っておきますが、「下水路化した都市部の農業排水路 市町村に維持管理移せ」、こういうふうに新聞に出たのであります。これは埼玉行政監察局が出した。私のところへその資料を出せと言ったら、これは出さぬ、こういうわけですね。じゃどこまでが――下水道は分流方式をいまとっております。そうすると、雨水は都市における土地改良水路に皆流れ込んでしまう。それから、下水道ができない地域の都市排水はいやおうなしにその間近な、一番低いところにあるのが水路ですからね、当然そこへ流れ込んでくる。これを阻止できるかどうか。予定外排水を阻止するためには管理規則ができなくちゃならない。ところが、管理規則は農林省が非常に鈍行列車で走っている。だから、管理規則の決まっている県はほとんどないでしょうゼロなんでしょう。それで、その管理規則があって知事が認可されれば予定外排水を拒否することが可能になるわけです。ところが、それがないと拒否できない。それは自然に汚れるのがあたりまえだ。これが市町村にいったら、これは大変な負担になってしまう。 そういうことと、長年のいわゆる全国にある土地改良区、これは埼玉県だけを指摘したらしいのでありますが、その土地改良区の農業基盤整備事業そのものが基盤から揺れ動く。じゃ所有権はどうなんだ、あるいは維持管理、権利はどうなる、借金はどうなんだ、こういうことに連動するわけでありますから、これは農林の方の対応も甘かったと言わなくちゃならぬのでありまして、これからも――この前の分科会、去年、おととしか、管理規則を早くつくらせなさい。ところが、これがなかなかできない。まあここで、私はきょうも首切っちまうわけにもいかないからそこまでは追い詰めないけれども、どんなものであろうとやはり法律にあるんだから、その法律にあるものを実行していくようにまずひとつ準備をしてもらいたい、こういうふうに思います。 精いっぱいやっているんでしょうけれども、さもなかったら何が障害なのか、やはりそれを――これも受け身の一つなんですね。都市サイド側が了承しない。全国の市町村がそこまでいっていない。そういう事情でそれもできないんだ。余り厳しい刀をやったら土地改良区がいばっちゃってしようがない。それじゃ市町村が困るから待ってくれ、こういうことで今日待っているのが現状なんです。それで汚れてきたらおまえらけしからぬ、これじゃたまったもんじゃない。この辺についてはいわゆる善処方を強く要請をしたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。
○森実政府委員 御指摘のとおりだと思います。率直に申し上げまして、汚濁の中心になっております家庭排水の把握が非常に困難なことと、それからもう一つは、水質汚濁防止法の県の条例でございますね、これとの関連で技術的問題がある等でなかなか軌道に乗らないことは私も否定いたしません。しかし、御指摘のように、多少の試行錯誤であっても、私はこの問題はやはりやる姿勢が要るだろうと思っております。 そういう意味で、とりあえず現在、調査の結果に基づきましてモデル案の作成ということを指示しているわけでございます。できるだけひとつ試案を関係都道府県に提示いたします。そういう形で議論を公の場所にのせ、具体的な社会的な関心を惹起し、その上に立って調整を続けるというふうなトライ・アンド・エラーの方式をとらざるを得ないと思います。そういう方向で努力をさしていただきたいと思います。
○沢田分科員 もう一つは、安全対策の問題なんであります。 幾つか農林省でも、建設省もそうですが、子供が落ちて損害賠償の請求の訴訟が起きる。大抵国及び都道府県、市町村が負けるんですね、ある程度。近畿の鉄道の事故もしかり、寝屋川のはんらんもしかり、あるいは草加の水死事件もしかり、もう枚挙にいとまがないほどある。農林省の水路の安全フェンス、下があいている。下をくぐっておっこってもこれはいけないという。またげるようになっていて、またいでおっこっても、これも管理上ミスだ。水路に面したところへ出入り口があったからそれはそういう要因をつくったんだ、この間の判例はそういうこともあったわけだ。 そういうふうに安全対策については判決もきわめてまちまちでありますけれども、正常な管理者としての義務というものが何なのかということがいま問われている、こういう時期だと思う。司法は司法としての認識で考えているわけでありますから、やはり行政と立法の側において、水路だとかそういうものの安全対策としてはかくあるべきである、正常な管理者としてはかくあるべきである、これがいわゆる裁判に負けない方法なんだ、そういうものを農林省は手ほどきしなければいかぬだろうと思うのですね。また、それに要する費用もある程度考えなければならぬだろうと思います。その点についてどうお考えになっておられるか、お伺いをいたします。
○森実政府委員 御指摘のように、施設がつくられましたときの社会経済状況とその後の変化の中で判断が変わってくる。先生御指摘の司法的判断も必ずしも統一されてないことは事実でございますが、やはり逐次厳しい方向に動いているということは私ども事実として受けとめていかなければならないと思います。そういう意味で、私ども特に子供が通行する場所とか学校、幼稚園、子供が遊ぶ場所とか住宅地周辺、そういった水難が懸念される場所については一定の基準、特にフェンスの問題、ふたの問題等については基準をつくって指導することはこれから課題になると思いますので、十分関係者の意見も聞いて、この点は検討したいと思っております。 なお、すでに五十年から私どもこういった一つの社会的需要にこたえるために、農業用の用排水路等安全施設整備事業を発足させております。年々必要な予算を計上して、かなりの成果をおさめていると思いますが、私ども本年度も、こういった社会状況の変化を頭に置きまして、採択基準の緩和を図る。従来の百ヘクタール以上の農用地支配という条件を二十ヘクタールというふうに緩和する等の措置をとって、施策の充実に努めているところでございますが、今後とも十分この点については努力してまいりたいと思っております。
○沢田分科員 八分ぐらい前でありますが、農林省もしっかりがんばれ、いつまでも意気地なしみたいな子供の負け犬みたいに、都市サイド側から押され押され、何だかんだと言いわけばかり言っている農水省になったんじゃしようがない。今後ひとつしっかりがんばってもらうことを強く要請して、時間が少し早いのでありますが、質問を終わりたいと思います。
○植竹主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 次に、石原健太郎君。
○石原(健)分科員 五十七年度の政府の経済見通しによりますと、本年度経済成長率を五・二%に見込んで、そのうち四・一%は内需の拡大によって達成したい。その内需の拡大の柱になるものは、第一に、個人消費の堅実な伸びということと住宅建設あるいは設備投資というようなことを総理大臣、経済企画庁長官など繰り返し述べられているわけでありますが、この五十六年版の経済企画庁の「日本経済の現況」などを見ますと、個人消費が非常に思うように伸びないのだ。伸び悩んでいる。その原因として、冷夏による天候の要因、耐久消費財のサイクル、それからまた実質所得の低下という三つを挙げておりまして、冷夏による天候要因の中では冷害が農家経済の足を非常に引っ張っている。五十五年に入ってからの農家経済の動向を見ると、農業生産の不振と農業の交易条件の悪化によって農業所得が落ち込んでおり、このため農家の消費が停滞していた。ここに冷害が追い打ちをかけている。このような現状認識をしているようでありますけれども、農林省としてはそういったことにどのような認識を持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○関説明員 まず、五十五年、五十六年の災害の関係について申し上げたいと思います。 五十五年及び五十六年におきまして天災融資法に基づきまして指定された天災は、昭和五十五年七月から九月までの間の低温、いわゆる五十五年七月以降の冷害と言われているものでありますが、それから昨年の五十六年八月から十月までの間の低温、いわゆる五十六年度低温と言われているものまで、合計いたしますと八回ございます。五十五年、五十六年両方足しますと農作物の被害総額は一兆二千六十一億円であります。これをブロック別に見てまいりますと、北海道では二千三百七億円、東北では五千五百六十九億円、関東では千三百二十九億円、北陸では五百二十七億円となっておりまして、東海百五十三億円、近畿三百八十七億円、中四国が一千十九億、九州が七百四十三億、沖縄が二十七億ということになっておるわけでございます。 こういうことから農家の経済状態がどのようになっておるかという観点を、農家といいましても専業と兼業農家では経済の態様が違いますので、一応専兼別に農家所得を見てまいりますと、専業農家では五十三年度、これは冷害のなかった年でございます。五十三年度に比べまして、五十五年度、これは冷害年でございますが、五十五年度は冷害やいま御指摘ございましたが、資材の値上がり等によりまして農業所得が落ち込んでおりまして、五十三年度に比べまして五十五年度は一割程度減少しておりまして、金額にいたしますと二百八十万円というのが専業農家の農家所得でございます。次いで、兼業農家について見ますと、兼業農家の方は農外所得の伸びというものがございます関係で、五十三年度と五十五年度を比べますと一割程度増加しておりまして、農家所得は四百八十九万円というふうになっておるわけでございます。
○石原(健)分科員 私がお聞きしたかったのは、そういう冷害によって農業所得が大きく落ち込んでそれが景気の回復の足を引っ張っている、そういうふうには農林省では判断はされていないのですかということをお聞きしたかったわけです。
○田澤国務大臣 石原委員御指摘のように、今年度の予算編成に当たっては成長率五・二%、そのうち内需四・一%の予想でいま経済運営を進めているわけでございますが、そのためには何といっても個人消費の伸び、住宅百三十万戸の達成あるいは設備投資等を積極的に進めるということが基本でございます。 しからば、個人消費の面で農家にどういう影響があるのかということでありますが、いま部長から説明がありましたように、農業所得は、石原委員御承知のように、昭和五十一年から五十三年までは大体横ばいなんですね。それから、五十四年と五十五年、五十四年は肥料、飼料、光熱、動力費その他の値上げによりまして大体五・八%ぐらいの所得の減少を見ております。今度は五十五年は冷害、災害等によりまして大体一五・五%減少を見ております。ところが、先ほど部長からも話がありましたように、農業外所得が幸いにして一〇%前後の伸びがございました関係から、五十一年から五十三年までは六ないし九%の伸びでございまして、その後五十四年、五十五年というのは大体伸びが鈍化しているというのが現状でございます。したがいまして、農家の所得全体から考えますと、農業外所得がかなり農家所得に影響を与えておりますので、必ずしもいわゆる極端な落ち込みではないというのが現状でございますので、今後内需の拡大の状況によってはいろいろまた検討してまいらなければならないと思いますが、現状はやや所得が鈍化している状態だ、こう見て差し支えないと思うのでございます。 〔植竹主査代理退席、主査着席〕
○石原(健)分科員 それで、最近の企画庁の地域経済の現況なんというのを見ますと、東北、北海道あたりで特に景気の回復がおくれているということで、農林省あたりはどっちかというと、農家というのは専業農家を推奨しておられるのじゃないかと思うのですけれども、そういう農家の場合、一町歩から一町五反までを経営している人では、農家の経済余剰が二一%落ち込んでいるわけですね。一・五ヘクタールから二ヘクタールまでの人は、農家経済余剰が四〇・三%落ち込んでいるわけです。こういった専業的にやって、農業による収入を生活の主な糧としている人たちは大変苦しい状況に追い込まれている、この数字からはこう考えられるわけですけれども、農林省としてはそういった専業的な農家の人たちをどういうふうに見ておられるのでしょうか。
○関説明員 ただいまの専兼別に見ました、特に専業農家につきましての農家経済余剰でございますけれども、先生御指摘のように、昭和五十三年を一〇〇といたしまして昭和五十五年を見てまいりますと、経済余剰につきましては、全国一戸当たり平均では五十二年対比一二・七%の落ち込みでございますが、専業農家だけを見てみますと六〇・二%の落ち込みでございます。ただし、先生御承知のように、農家経済余剰と申しますのは、可処分所得から家計費を引いたものでございますので、これが落ち込んだことが即農家経済がそれだけ苦しくなったんだと言えるかどうかになりますと、これはまた若干違う話ではないかというふうに考えております。
○石原(健)分科員 それは農家経済余剰が落ち込んだだけではというお話ですけれども、やはり生活費も上がっている、教育費もあれかもしれませんが、あと交通費、もろもろ上がっている状況で、牛乳の保証価格は五十二年から五十五年までずっと据え置かれたままだ、あるいはお米もその四年間にたった三%しか値上がりしていない、それから勤労者の場合には、所得がその間二、三割ぐらいアップしている、こういう状況を考えますときに、五十二、三年ごろの農家の生活水準といまとを比べれば、これは相当苦しい状況に追い込まれているんじゃないか、こう判断されるわけなんです。そういった中で生産調整なども行われていて、価格も据え置きのままと、こういったことは社会的公平というのですか、そういった点あるいは社会正義の観点から見ても、誤っているんじゃないかというふうに考えられますけれども、いかがでしょうか。
○野明説明員 確かに最近、農家経済の動向、特に農業に主として依存している農家の経済の状況というのが厳しさを増しておることは、そのとおりでございます。他方、農産物の需給関係というものをどうしても反映してまいりまして、最近の農産物の行政価格の上昇率、ただいまのお話のように、なかなか上昇がむずかしい、こういうような状況になっております。ただ、農産物の価格、これは言うまでもないことでございますが、やはり一つは価格の過度の変動を防止することによりまして、農業所得や消費者家計を安定させている、あるいは農産物価格の持っている需給調整機能というものを通じて、生産や消費を誘導していくというふうな性質を持っております。したがいまして、最近のように、食料消費支出自体伸びが鈍化しておる、それから農産物が緩和しておるという中では、農産物価格の上昇に期待することはなかなかむずかしいと言わざるを得ないわけでございます。 したがいまして、農家経済との関連におきましては、やはりできるだけいろいろな各般の対策によりまして、生産性の向上を図っていく、これは構造政策にわたるもの、あるいは生産対策にわたるものがございますが、そういったものによって、農業所得の維持向上を図っていく方向で努力してまいることが基本的に大事なのではないかというふうに思っております。
○石原(健)分科員 いまのお話で、苦しさを増しているということはお認めになったわけです。そのあとに、また生産性の向上を図るのがこれからの課題だというようなお話があるわけですけれども、生産性の向上を図るというのは、ある程度何年かかかることですし、先の話になるわけですね。現時点で農家経済をやはり何とかしなければならないのじゃないか、こう考えるわけなんです。 それで、これから畜産物価を初め米価、いろいろと価格の決定がいろいろな審議会を通じてなされていくと思うのですけれども、大臣としては、こういった審議会に諮問されるお考えとして、どのようなお考えで臨まれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 いま室長から答弁さしたように、価格政策は、石原委員御承知のように、価格の過度の変動の防止、それから農業所得の維持といった機能を持っておると同時に、需給の調整を図るという機能を持っております。したがいまして、非常に重要な政策なんでございますけれども、いまの対外的な経済情勢あるいはまた国内の農業の置かれているいろいろな状況等から判断いたしまして、農産物価格の上昇に期待することは非常にむずかしい状況にある。しかし、今後、それぞれの審議会がございますので、審議会等の意見を聞いて、適正な価格を決めてまいりたい、かように考えております。
○石原(健)分科員 個人消費を伸ばすことによって内需を拡大するのだという、そういう大方針からいいましても、また農家の人たちの暮らし向きを世間並みといいますか、都市並みに近いような形でやっていけるようにするためにも、ことしはぜひ思い切った価格のアップということをしていただかなければならないと思うわけなんです。それで、生産のことを余剰が出るのじゃないかというようなことを農林省では心配されるようですけれども、それは生産調整ということによって生産の枠は抑えているんだから、価格を上げたからといってその辺の心配はないと思うのですよ。それから、牛乳の場合にも、かつて、もう十年ぐらい前になりますか、農林省では東北地方あたりの専業の酪農家は三十頭ぐらいの規模でやりなさいというようなそういう方針を打ち出されて、実際に、五十五年度で、全国で見た場合にはまだ一戸当たり十八・一頭ですけれども、四十九年からたった六年間、四十九年が二戸当たり九・八頭で、六年間で倍ぐらいに牛の頭数をふやして多頭化している。これは農林省の政策に沿って多頭化したのだと思うのですけれども、牛は数さえふやせばいいというものではなくて、それにつれて小屋も建てなければならない、あるいはえさを確保する場所もつくらなければならない、それからミルカーにしろクーラーにしろそれなりの規模に合ったものにしなければならない。これだけふやすには相当なそれぞれ借財も抱えていられると思うのですよ。そういう方針にのっとってやってきたあげくに借金も返せなくてまたさらに貸し増しをする、こういうような状況というものは一刻も早く打開しなければならないと思うのですけれども、酪農家の所得の確保なんということについてはどのような対策を持っておられるのでしょうか。
○石川(弘)政府委員 いま先生御指摘のように、酪農の場合、大変に早いスピードで規模拡大をいたしてまいりました。その結果、物によってはもうEC水準を超えるくらいの大きな酪農経営が出てきたわけでございますが、たまたま生産の上昇が非常に急ピッチに進む中で、消費も伸びてはおりますが、生産の伸びよりも若干下回ってきた。それが御承知のように、市乳の中でいろんな乱売等を起こしますような、要するに酪農家の手取りを下げるように働いた。結果的には、加工原料乳不足払いのところで政府が支持をいたしておりますけれども、肝心かなめの三分の二の市乳の世界が値段が下がって農家の方々の手取りが下がったということは大変不幸なことであったと思っております。 私どももここ数年来一生懸命計画生産ということで御協力をいただいてようやく生産調整がだんだんだんだん軌道に乗ってきているわけでございますが、いかんせん、まだ加工原料乳から市乳にかわる予備軍があるというようなこととか、あるいはメーカー同士の過当競争、特にメーカーの中で農協糸あるいは商系の協調がなかなかうまくいかない問題とか、あるいは大型の買い手でありますスーパーのバイイングパワーが強いというようなこと、そういういろんな問題がございましてまだ市乳価格水準を適正な水準まで取り戻すに至っていないと思っております。農業団体初めメーカー等も一緒になりまして私どももこの市乳の価格水準を維持して、農家の市乳における手取りをふやすことがまず第一ではないか、ここが一番落ち込みが大きいわけでございますので、ここに一生懸命やるのが一つの手法かと思います。 加工原料乳につきましては、大臣からお答えいたしましたように、いろんな要素がございますので、これは審議会等を通じていろいろと適正に決めていくわけでございますが、この場合といえども御承知のようなえさの下がりとかいろんな条件がございますので、これはそういうものを通じながら適正な価格決定をするということになろうかと思います。 もう一つは、やはり酪農の場合、こういう生産性を高めていく過程で借金と償還能力がバランスを失しているものがございまして、御承知のように、昨年非常に長期低利の資金で負債整理を行うことにいたしておりまして、一年目の貸し付けは終わっておりますが、これは二年、三年と続くことでございますので、このあたりを十分配慮して負債というものが酪農経営の支障にならないようにということで今後とも政策的な努力もやってまいりたいと思っております。
○石原(健)分科員 生産が消費を上回っているというようなお話もあるわけですけれども、一方では、多少減ったとはいえ、相当輸入乳製品なんかもあるわけですね。それで、生産がちょっと上回っているなら少しでも消費拡大するようにやっぱり農林省あたりでも努力されるべきじゃないかと思うのです。飲用牛乳消費普及啓蒙事業なんということもされているようでありますけれども、また一方、学校給食用の牛乳の補助金なんかは五十六年度より少し削っているわけですね。こういうことはむしろ逆にもっと消費を拡大するために対象なんかもこれから広げていってもらえたらなというのが私なんかの気持ちなんですけれども、その辺はどういうお考えでいられますか。
○石川(弘)政府委員 学校給食の予算につきましては若干の減額をいたしておりますが、これは先ほどちょっと申しましたように、学校給食のように政府が一応の価格を支えているところでは比較的価格が通っておりましたけれども、一般の市乳のところでは激しい競争のもとでむしろ価格を下げて売っていた、これではなかなか税金を使う使い方としまして、政府が支えているところでは競争が余りなくて政府が支えていないところで競争が激しいというのではまずいではないか、もう少し少ない金でもうまく競争をすればそれだけの牛乳のボリュームは消化できるのではないかということで、御承知のように、金額は若干減らしておりますが、政府が助成をします対象数量は前年と同様の量にしております。残念ながらこれもまだ全部使い切っていないというのが現況でございます。したがいまして、いろいろとことしは二月ごろから学校給食関係者ともよく相談をいたしまして、せっかく国が組んだ資金が十分使えるようにということで、年度がかわりますれば一生懸命その拡大をいたしたいと思っております。 それから、御指摘のように、学校給食以外に幼稚園だとか老人牛乳とか妊産婦牛乳といったようなものも、これは事業団の助成事業を通じましてかなりのボリュームが消費拡大に当たれるようにということで、今後もこの種のものを継続していきたいと考えております。
○石原(健)分科員 学校給食用の予算が使い切られていないというようなお話もありますが、だんだん社会福祉だのが進んできますと、いまの子供が将来の世の中を支えるわけで、やっぱり社会全体で子供を育てていくのだという考えに立つならば、何も二百cc当たり五円なんというふうに考えないで、もっと二百cc十円にしたって何にしたって、それはそういうことで予算なんかはすぐ使い切れると思うのです。 そのことはそれでいいのですけれども、とにかく農家の経済の実態というのは、私、農村に住んでおりますからよくわかっておるのですけれども、なかなか容易なものではない。もう農業をあきらめようか、ほとんどの人がそういう気持ちを持っているのじゃないかというふうにも感じられますので、農林省では今後とも農家経済がなお一層上向くように御努力をお願いしたいと思います。 じゃ、質問を終わります。
○武藤主査 これにて石原健太郎君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の特段の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後七時二十九分散会