予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/03/01
会議録
○武藤主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、去る二月二十六日に引き続いて質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栂野泰二君。
○栂野分科員 私は、中海と宍道湖の干拓淡水化問題でお伺いいたしますが、時間が三十分で限られておりますから、答弁の方もなるべく要領よく簡潔にお願いしたいと思います。 いま農水省は、この中海、宍道湖の淡水化を大変急いでおられますが、できれば五十七年度中にも淡水化の試行開始をしたい、こういう意向のようでございますが、一体淡水化と淡水化の試行というのはどう違うのか。それから、なぜそんなにいま淡水化を急がれるのか、その辺の事情をまず御説明願いたい。
○森実政府委員 淡水化の試行は最終的な締め切りに伴う淡水化と異なりまして、むしろ最終的な淡水化を万全を期するという視点から塩分濃度を徐々に下げながら個体の生態系の変化を観察するという、あくまでもトライアルでございます。したがって、淡水化の試行期間中に異常な事態が生ずるようなごとがございましたら、私どもはこの試行は一時停止の措置を講ずるということを予定しておりまして、むしろファイナルな淡水化ということについて慎重を期してまいりたいという趣旨でございます。
○栂野分科員 ちょっと聞き取りにくかったのですが、異常な事態が起こったらどうするのですか。
○森実政府委員 異常な事態が生じました場合においては、一時停止等の措置を講じたいと思っております。
○栂野分科員 私は、要するに淡水化の試行といっても結局淡水化そのものであって、ただスピードを多少落としてやるということにすぎないように思うのですが、いまおっしゃる異常な事態というのは、たとえば具体的にはどういうことを想定されますか。
○森実政府委員 私どもこの淡水化については、従来からも研究会等を持ちまして特段の支障がないものと思っておりますが、生態系の変化とかあるいは水質の汚濁等についていろいろな御議論があるわけでございまして、各般にわたるそういった御議論については十分耳も傾けなければならないということで慎重を期しているということでございます。淡水化の試行自体も、いわばそういった社会的状況を頭に置きまして慎重を期するという意味でこういう段取りを経ているわけでございます。
○栂野分科員 一時停止とおっしゃいますが、場合によっては試行以前の状態、つまり現在の状態に完全に後戻りをするということも考えておりますか。
○森実政府委員 私ども、一時停止というのはあくまでも問題があった場合のことを考えているわけでございますから、したがって現在の状態にまで引き戻すということも当然その中に含めております。
○栂野分科員 いまは恐らくまだ考えておられないでしょうが、もう少し、たとえば生態系の変化についてはこうこうこういうような状況があればそのときは一時停止、ストップする、それから汚濁の状況もこの程度だったらストップします、この程度だったら完全に後戻りしますということをはっきりしてもらわないと、特にいま地元では、農水省は試行などと言っているけれども、結局これは本格的な淡水化であって一切後戻りなしというふうに理解しているわけですから、その点の要件、これをきちんと詰めておいていただきたいと思いますが、いかがですか。
○森実政府委員 実は私ども、学識経験者で構成しております委員会を持っております。これは中海・宍道湖淡水化に伴う水管理及び生態変化に関する研究委員会ということで、京大の南先生を委員長として、土木工学だけではなくて、内容的に申しますと、プランクトン、水生雑草、底生動物、魚類等の専門家に御参集を賜りましてこの研究会を開いているわけでございます。私どもはこの研究会でいわば淡水化の試行につきましての検討を一応していただいて、案を固めていただきたいということでございます。 この案をもとといたしまして、一つは関係の両県それから関係市町村の同意を得ていくという段取りを経ていきたいと思っておりますし、またこの試行の計画につきましては、環境庁とも調整を図りたいと思っているわけでございます。それからさらに建設省、運輸省とも調整を進めるつもりでございます。こういったように、いわば御指摘の淡水化の試行のやり方なりその変化の程度によってその試行の停止とかあるいはその他のアフターケアを行うということについても案をまとめまして関係各省、関係自治体と協議をするという考え方をとっております。
○栂野分科員 とにかく試行に踏み切ってしまいますと、農水省はいま三年がかりでとおっしゃるけれども、仮に三年目にストップをするあるいは後戻りをすると言っても、もうそのときには湖の生態系は完全に変わっているはずですよ。完全にとは言わぬが、相当変わっているはずですよ。汽水湖から淡水湖に近づいてきているわけですからね。だから、水質ももしそこで悪くなったら、また水門を開いて海水を入れて一体もとの状態に復するのかどうか。この辺のところも全然まだ明らかになっていない。御存じのようにこの淡水化については、一層汚濁が進むのか、それとも農水省がおっしゃっておるように淡水化は少なくともいまよりは汚濁が進まないんだという意見もありますが、とにかく学者の間の意見が真っ二つに割れているわけですね。少なくとも私の見るところでは、淡水化すれば汚濁が進むという学者の意見の方がむしろ多いように思われる。しかもいまそう淡水化を急ぐ理由が一体どこにあるのか。確かに斐伊川の両岸の農村地帯を初め農家では農業用水を早く何とかならないか、そのためにはかねてから待っていた淡水化、早くできぬかという希望があるということは私も十分承知しています。承知していますが、しかしそうした農家の人たちも淡水化によって水が汚れてしまう、児島湖のように農業水にも使えないような危険な状態に入るなんということがあっては困るということでございまして、ともかくこれは慎重に考えていただかなければならぬです。 そこで、ちょっと話を進めますけれども、いま中海の干拓も大分進んでおりますが、当初の計画ではこれは水田、酪農中心ということでした。当時は米不足時代でしたからね。ところがその後の事情によってこれはもう大きく計画が崩れて、現在のところでは、農水省ではこの干拓地を利用して酪農中心に花卉、野菜、こういう営農計画を立てておられます。しかしこれも干陸後さらに見直す、こういうことになっていますね。そうしますと、結局は完全に干拓が終わって農業用地として使えるという状態にならなければ、本当に一体この干拓地を利用してどういう農業をやるのか全然見当がつかない。ぐるぐる変わってきますからね。だから、干陸後見直しとおっしゃっているけれども、現在立てられている酪農中心の花卉、野菜という計画がぐるりと基本的に変わるということもあり得ますか。
○森実政府委員 御案内のように、干拓事業は本質的にかなり長期を要する本質を持っております。その間に社会経済情勢の変化がありまして、実は干拓地自体につきましては営農の内容が変化してくる場合、さらに利用目的自体が農業だけではなくて多目的化する場合もあることは、地域によって否定できないところでございます。いま御指摘のように、私ども、できるだけそういった状況の変化を織り込んだ計画というものに固めなければならないと思います。干拓の場合は、干陸後地区内工事に入りますその地区内工事の前に営農計画を取りまとめることが非常に重要だろうと思っております。そこで、そのぎりぎりの時点で私ども営農計画を最終的に取りまとめたいということでございます。 率直に申しますと、いまの米の需給の状況等から考えますと、全面的に稲作を行うということはかなり困難であろう。そういう意味においては、やはりその地域社会でかなり定着しております畑作経営のうち酪農、それから野菜、花卉等が中心で営農計画を考えることになると思いますが、その経営の規模とか作目の細かい種類とか内容等については、さらに調整を要する点があるのではないかと思っております。
○栂野分科員 そこで、現時点で、この干拓地が完成したら一体十アール当たり幾らで分譲されることになりますか。これはあくまでも推計でしょう。
○森実政府委員 事業費はまだ可変的な点がございますが、現時点では一応十アール当たりの農家の負担金は八十三万円と見ております。そこで年償還額に直しますと、元利均等年賦償還ということになっておりますので、大体七万二千円程度というふうに見ております。
○栂野分科員 それは、四〇%は県が負担するという前提の話ですな。そうですね。ですから、県が一体幾ら持ってくれるかわからないですね。だからそれを入れますと、要するに国から見た地元への売り渡し価格というのは十アール当たり百三十八万円、こういうことになりますね。それからいま考えておられる償還方式でいくと年間十二万円ということになる。仮に県が四〇%持ってくれれば十アール当たりが八十三万円、農家は毎年七万二千円ずつ払う、こういうことになる。それでよろしいですね。
○森実政府委員 御指摘のとおりでございます。県の四割負担を前提として、十アール当たり農家負担が八十三万円、二十五年の金利六・五%の元利均等年賦償還で十アール当たり償還額七万二千円となります。
○栂野分科員 そこで、先ほどお話があったように、一体何をするかもわかりませんが、しかしこの分譲価格というのは年々歳々上がってくるのですよ。少し前までは百万円だった。今度は百三十八万円になっているのです。これからどんどん上がることはあっても下がることはないですよ。そうすると、仮にいまお示しになった価格でも、実際問題としてこれで採算の合う農業なんかあの地方でできやしませんよ。ですから、計画の当初は農家の間では非常に期待があったのですが、いま全然無関心ですよ。そんなものできたって、とてもじゃないが私たち手が出ないわ、そういう状態にあるのですよ。 そこで、ちょっと伺ってみたいのですが、大臣、これは何もこの中海干拓だけではないと思いますけれども、実際こんなことになるのです。そこで、農家への分譲方式というのをこの際やめる。いま日本農業は将来一体どうなっていくか、展望ははっきりしてないですね。少なくともある程度の大きな規模が必要だというふうに言われていますが、仮にこういう干拓地ができれば、農家への分譲方式というのをやめて、国あるいは県がそのまま持って、国営、県営農場で日本農業の将来を展望したモデル農業を実験的にやってみる、そういう発想の大転換が考えられないものかどうか。いかがなんでしょうか。
○田澤国務大臣 栂野委員御承知のように、農業の近代化がいま大きく期待されているときでございまして、その近代化のためにはもちろん農業の再編成、それによる生産性の向上、そのためには経営規模を拡大するということでございます。したがいまして、そのために干拓事業を進めてまいらなければいけないというのは、日本の国土の持つ当然の一つの仕事だと私は思います。したがいまして、過去においても秋田の八郎潟だとか私の県の十三湖干拓等がすでに進められてまいりまして、私の県の十三湖干拓の場合はお米を中心にした干拓でございましたので、この干拓は現に有効に活用しております。八郎潟はちょうど米過剰という時代に入りましたものですから転換をいたしまして、一部は稲作をやり、一部は転作作物を作付する等の経営をいたしているわけでございます。 では将来この中海の干拓を一体どうするのかという問題は、先生御承知のように、これからの農業はどういう形の農業にしたらよろしいかという一つの指標をつくらなければいかぬと思うのでございまして、それを私たちはいま水田利用再編対策というこの対策をもって一つの農業の新しい方向を裏づけようとしているわけで、つくり上げようとしているわけでございます。したがいまして、この干拓事業は、先ほど局長から答弁させたように、時間がかかるものですから、そういう意味ではいまどういう作物を作付するかということは私は非常にむずかしいと思うのです。ですが、やはりいまの時点に立ちますというと、どうしても米以外のものに依存せざるを得ないという状況だと思うのです。しかし、この中海そのものが完成した場合に、一体その時点で何を作付したらよろしいかということがその時代の社会経済情勢によって私は決まると思います。ですから、そういう点を考えますと、非常にいろいろな点の問題が残ると思いますけれども、私たちは、できるだけ地元の意向あるいはまた専門家のいろいろな意見等も聞きながら、また、いまも栂野委員の御指摘のように、それを分譲じゃなくして、いわゆるモデル的な地域にするというようなことなどをも含めて、将来十分検討してまいらなければならない問題だ、かように考えております。
○栂野分科員 ひとつその点、御検討いただきたいと思うのです。とにかくこれは全国第五位の湖の三分の一埋めて二千五百ヘクタールですよ。現時点じゃ何をつくっていいかわからない。農家も全然関心を示さないような状態ですから、これをよっぽど詰めて、そういう展望を、言ってみれば少し明るい展望を出してもらいませんと、これは行財政改革の観点からも大変問題になると私は思う。ぜひひとつその点考えていただきたい。 いずれにしましても、その干拓地の利用そのものがそういう状態、しかも最初に申し上げましたように、水質汚濁の問題ですね。ともかく淡水化して一層汚濁するんじゃなかろうかという意見が専門家の方にはむしろ多い。これは素人がとやかく言っても始まりませんが、いずれにしてもそういう人たちが一様に言っていますのは、とにかくまだデータ不足なんだ、もう少し調査研究をすれば、ある程度意見の食い違いはなくなるかもしれない。特にこの宍道湖については研究が不足ですね。そういう状態の中で淡水化、試行といえども始めるということは、これはとうてい住民の合意、関係者の合意は得られないですね。だから、たとえば農水省が頼っておられる京都大学の南教授のその除塩システムなどというのは、児島湖、あれをやればきれいになるのだ、こうおっしゃっておるようですが、いま淡水化してきれいになったという実例は一つもありませんな。結果としては、児島湖しかり、それから八郎潟しかり、霞ケ浦しかり、みんな汚れている。これは淡水化だけが原因なのか、いろいろあるようですが、少なくとも、それじゃ南さんおっしゃっているなら、児島湖でやってみてください。除塩システムでやってみてくださいよ。児島湖が少しでもきれいになったらこれは納得しますよ。とにかくあの児島湖をあんなにほうっておかないで、あれがもう少しきれいになるような方策をやられて、一体なぜああいうふうに汚れたのか、淡水化が原因でないとおっしゃるのなら、みんなが納得できるような調査研究を農水省がやって、それから大丈夫でございますと言わなければ、そう簡単に試行なんかに入るわけにはいかないと私は思うんですね。農水省は、まだその自信がない。つまり、そういう合意を、コンセンサスを得るような説得をするものをまだ持っておられない。こういう段階では、何も五十七年度中にその試行に入りたいという、急ぐ必要が一体どこにありますかな。私は、この計画はひとつ中止していただきたいと思う。五十七年度中に何とかしようなんという計画は中止していただきたい。いかがでしょうか。
○森実政府委員 私、御指摘がございました八郎潟と児島湾の問題は事態が非常に違うだろうと思います。構造自体も違いますし、それから地域周辺社会の実態も非常に違っております。しかし、確かに水質汚濁の問題が出てきているわけでございまして、それはそれぞれの地区に応じた改善方法ということで考えなければならないということで、すでに児島湾については予算を計上いたしまして、希釈水の導入の問題、あるいは八郎潟については来年度の予算から、いま御審議中の予算から、いわゆる上水利用を頭に置きました水質改善の問題について取り組むことにしております。 さて、この中海の問題でございますが、私どもは、基本的にはこの二つの湾と構造も違いますし、それから条件も違うことは、もう御案内のとおりでございます。しかし、確かに御指摘のように、水質の問題については、神経質な上にも神経質に取り組んでいかなければならないということは私どもも痛感しております。 そこで、基本的には、いわゆる下水道の終末処理をどう考えるかでございまして、私ども、本格的な淡水化の実施、つまり工事完了後の姿においては、下水道処理の計画が着実に進むというふうなタイムスケジュール、こう思っておりますが、試行の段階で御懸念があることも十分理解できるわけでございます。 そこで、先ほど申し上げましたように、一応の計画としては、五十七年度から試行に着手することにしておりますが、私どもは慎重を期するという点から、先ほど申し上げました研究委員会、これはたまたま先生御指摘の南先生が座長でございますが、実はあらゆる専門家を網羅しておりますし、この中に非常に慎重論の御意見もあることは私ども知っております。そこでいま現に検討していただいております。この検討結果で案をまとめまして、御了解を得た上で、まず環境庁等とも十分協議をいたしたい。それから二番目に、両県と関係市町村の同意を得たい。三番目は、河川管理者としての建設大臣にも協議をいたしたい。四番目は、これは港湾管理の問題にも関係してきますので、港湾管理者である運輸大臣にも協議したい、この四つの段取りを経た上でなければ、試行の実行行為自体には着手するつもりはございません。そういう意味では慎重を期してまいりたいと思っております。
○栂野分科員 ですから、まだそういういろいろな条件整備をしなければいけませんが、だから五十七年度中というのは農水省の現地の希望であって、いまおっしゃるような各関係団体の了解なり何なり研究委員会の結果なり、すべてがそろわなければやらない、こう理解してよろしいですね。
○森実政府委員 私、いま申し上げました委員会の検討経過に基づく幾つかの段取りを全部クリアした上でなければ試行自体にも着手しないということはお約束できると思っております。
○栂野分科員 時間がありませんので、一つお聞きしたいことがありますから先に急がしてもらいますが、農水省は、淡水化のその試行を始める場合にも河川法上の許可が必要と考えておられますか。もし考えているとすれば、それは河川法の何条の許可だと考えておられますか。
○森実政府委員 現在、現実の問題として建設省と事務的に打ち合わせしております。おそらく河川法上の許可が要るものと考えております。これは河川法二十三条の許可と理解をしております。もちろん、これは建設省と協議中でございまして、建設省が河川管理者という立場でどういう判断を最終的に持たれるかという問題だろうと思っております。
○栂野分科員 そこで大臣、時間がないのでもう終わらなければなりませんけれども、いずれにしても、中海、宍道湖というのは斐伊川という川がありまして、一級河川なんですが、それの水系に入っておりまして、建設省の河川関係の管理といいますか、要するに建設省管理なんですね。そこで、いま農水省がおっしゃっている農業用の用水ですな、干拓地それから周辺の農地、八千万トンとおっしゃっているのですが、これは宍道湖、中海の全水量の十分の一にも満たないんですよ。そこで一体八千万トンのために、八億八千万トンぐらいありましょうか、それを淡水化するということになりますと大問題、これは建設省の問題でもあると私は思うのですね。言ってみれば、農水省とすれば八千万トンだけです。そこで、いま農水省も、そういうことで、本来当初の目的だった干拓地そのものの利用がそう急ぐ状況にないということも踏まえて、許可されるもの、するものというのじゃなくて、ちょっとここのところは建設省と、それからいま環境の問題も、これは水質保全の問題まで環境庁、この三者、できれば運輸省も加わった方がいいかもしれません。これは建設大臣にも私お伺いするつもりですが、少し大臣間で、一体この問題をどうするのか。これは地元の問題じゃありませんよ。七百五十億の大プロジェクトです。しかも、全部に中海、宍道湖の干拓、淡水化はかかわってくる問題ですから、ひとつ真剣にこの段階で今後どう進めるのか御協議願いたいと思っているのですが、いかがでございましょうか。
○田澤国務大臣 中海の干拓事業の淡水化問題は非常に大きい問題でございまして、専門的な面からいま非常に研究をしておる。特に河川の問題ですけれども、これは建設省と環境庁に関連する問題でございます。事務的にはもう進めてまいっておりますけれども、今後は、大臣同士の話し合いの時期が参りますと慎重にそういうふうに相談をして決めてまいりたい、かように考えております。
○栂野分科員 その時期はかなり切迫しておりますので、ひとつなるべく早い機会にやっていただきたいことをお願いして終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○武藤主査 これにて栂野泰二君の質疑は終了いたしました。 次に、福岡義登君。
○福岡分科員 私は、飼料米、俗にえさ米についてでありますが、今日まで何回か国会でも議論になっておるのでありますが、さらにこの対策を前進させたいという立場から若干の御質問を申し上げたいと思うのであります。 まず最初に、水田利用再編成対策を今後どのように進めようとされておるのか、お伺いしたいと思います。
○小島政府委員 水田利用再編対策は五十六年度から第二期目に入っておりますが、この期間を通じまして、転作田の団地化へ転作作物の生産性の向上に努めまして、生産性の高いかつ定着性の高い転作営農の確立を図っていくということで進めてまいりたいと考えております。
○福岡分科員 五十七年度における減反面積はどのくらいお考えになっておりますか。
○小島政府委員 前年度と同様に六十三万一千ヘクタールという目標で進めたいと思っております。
○福岡分科員 米の消費拡大がいろいろ叫ばれておるのでありますが、具体的にはどういうことが検討されておるのでございましょう。
○渡邊(五)政府委員 米の消費拡大でございますけれども、基本的には、日本の風土、資源に適合いたしました日本型食生活を定着させるということと、今般の食管法の改正によりまして、需要に適合した供給体制を再構築するということで基本的な線は整えておりますが、具体的な米の消費拡大対策といたしましては、従来からいたしております米の正しい知識の普及、PR関係あるいは地域ぐるみで米の消費拡大総合対策を実施するということで、これは県、市町村段階で、生産者、販売業者、消費者等官民一体になって総合的な対策をいたしております。さらには、米の加工食品の新しい開発なり普及に特別の割引制度なりを実施いたしております。 新しい問題といたしまして一番大きな消費拡大の対策としての学校給食でございますが、これは五十六年度末までに週二回という目標で実施しました。五十六年度末でおおよそ一・八回程度という状況に現在なっておりますが、新しく五十七年度から六十年度にかけまして四カ年計画を立てるということで文部省と協議し、文部省でそういう方針を定めまして、この内容は、六十年代の初期には平均週三回を目標にいたしまして、具体的には六十年度には平均週二・五回にするということで計画的に学校給食の普及に努めますのと、もう一つ、五十七年度からの対策としまして地域米需給均衡化特別対策約十億円をもちまして、先ほどの食管法の改正の趣旨の徹底なり米の需給均衡の必要性等を地域において徹底するように図りたい、このように考えておるわけでございます。
○福岡分科員 米の消費拡大はさらに推進をしていただきたいと思っております。学校給食のみならず、話題になっております純米の酒をつくるとか米の菓子をつくるとか、各般にわたって米の消費拡大については御努力をいただきますようにお願いをしたいと思います。 ところで、日本のいまの穀物の自給率、その中で飼料穀物の自給率、その辺について少し御説明いただきたいと思います。
○石川(弘)政府委員 御承知のように、飼料穀物は大変大きな面積を要する作物、まあ非常に粗放でかつ大面積でつくられるものでございまして、その観点に立ちますと、非常に国土の制約があります日本では最もつくりにくい作物になるわけでございます。そういう中で非常に大量のものを本格的につくるということは、大変条件は困難でございまして、われわれといたしましては、飼料につきましては、まず自給率を上げます観点では草地の造成、それから転作水田等へ飼料作物を導入していくということ、さらに、従来はかなりやったわけでございますが、最近は裏作が非常に少ないわけでございますが、裏作に飼料作物を入れていく、そういうような形で飼料作物を増産していくという形が一つ考えられます。それ以外には、最近特にいわば濃厚飼料の代替効果がございます穀実作物、たとえば麦等をホールクワップサイレージ化する、茎葉と穀実を一緒にサイレージにいたしまして濃厚飼料の代替にするというようなことも考えておりまして、そういう中から飼料の自給率を極力上げていきたいと思っております。ただ、そういう中で、非常に少量ではございますが、御承知のように飼料麦につきましては政府の援助をいたしておりまして、数量では四万トン弱ではございますが、そういう飼料穀物を穀物としてつくっていくということもやっているわけでございます。
○福岡分科員 御努力されておることはわかるのですが、現在の飼料穀物の自給率はどのくらいですか、パーセントで。
○石川(弘)政府委員 二%弱でございます。
○福岡分科員 参考までにお伺いいたしますが、食用のものも含めまして穀物の総合自給率はどのくらいになっていますか。
○角道政府委員 主食用の穀物全体での自給率は大体七〇%弱でございまして、六十五年には大体六八%まで持っていきたいというふうに考えております。
○福岡分科員 そこで本論に入るのですが、飼料米について基本的にどのようにお考えになっておるのでしょうか。
○角道政府委員 先ほどお答えいたしました自給率は主食用の穀物でございまして、食用、飼料用全体をひっくるめたものは大体三〇%ということでございます。 それから、えさ米についての問題でございますが、えさ米につきましては、本来水田をそのまま利用できるというような利点や、不測の事態におきましてその飼料米を食用にも使えるというようなことで、食糧自給力の強化に寄与できるというような利点も非常にございます。反面、現在の飼料米につきましては、本来飼料米というのは特殊な品種のものはございませんで、一般の米、食用の米と何ら品質の差がないという点から見まして、まず食糧管理法のもとにおきまして米穀の流通について規制をいたしておりますけれども、えさ米だけを流通規制をするということにつきましてなかなかむずかしい点があるということでございます。 それから、価格の問題でございますが、米を飼料用として評価します場合に、同種のたとえばトウモロコシ、マイロ等と比べますと、そのときの円レートあるいはシカゴの価格にもよりますけれども、大体三万五千円から四万円前後。一方、国が食用で買いますものは大体三十万円弱。それから、生産費で見ますと大体トン当たり三十三万円ぐらいというように、生産費あるいは飼料用の買い入れ価格等から見まして非常に差がございまして、収益上非常に問題がある。 また、品種といたしましても、現在十アール当たりの収量は大体五百キログラムぐらいでございますが、多収品種という点ではなかなかまだ問題がございまして、現在、飼料用として多収のものは何かないかということでいろいろ民間も入れまして研究をいたしておりますけれども、現在の十アール当たり五百キログラムから収量を上げるということはなかなか長期間を要するというような問題がいろいろございまして、これらの問題を見ますと、現段階でえさ米について本格的生産を進めるということはむずかしいのではないかという点がございます。一昨年の農政審議会におきましてもこれらの利点、欠点等を踏まえまして、この飼料米生産については長期的な課題として検討すべきであるという答申が出ておりまして、現在農政審議会の専門委員会におきまして、このえさ米の問題につきまして、先ほど申し上げました収量の問題、取り扱いの問題あるいは収益性の問題等総合的な検討をいたしております。ただ、農林水産省におきましては、品種面で多収品種を育成するということにつきましては長期間を要しますので、このために五十六年度から超多収品種の育成につきまして、試験研究につきましては若干の予算を計上するということと同時に、民間の多収穫品種の開発につきましても、転作上若干の転作カウントというような形での取り扱いをやることによりまして、当面超多収品種の開発に全力を尽くしているわけであります。
○福岡分科員 飼料米の研究をどう進めていくかということにつきましては後でまた話が出ると思いますが、基本的な考え方といたしましては、私どもは少し意見を持っておるわけであります。 減反転作をするといいましても、湿田でございますとか棚田であるというようなところは、水田以外にそう転作ができる条件はないと思うのです。そこで田舎を歩いてみますと、棚田や湿田は草ぼうぼうで隣近所に迷惑をかけておるという状態もあるわけであります。何よりも国土の有効利用という観点から考えますと、草ぼうぼうにしておく手はないということも一つの問題としてあると思う。 それから、先ほどお話がありましたように穀物の自給率は二%しかない。九八%は輸入ということになるわけで、食用の自給率は六五%程度、総合穀物の自給率は三〇%程度しかないというわけであります。ですから、一億一千万人の国民の生活を安定させようとすれば、穀物の自給率を向上させる必要は論をまたない問題だと思うのであります。 さらに、エネルギー時代でいろいろ問題が予見されるわけでありますけれども、米からアルコールをとるというような研究も進められておる。ですからえさ米のみならず、飼料米を多目的に利用するという観点もあっていいのじゃないかという問題もあると思います。 それから、日本の農業の中で水田技術というのはもう定着をしておる。飼料米につきましては最近でございますから、まだ研究の余地が十分あると思いますけれども、一般的に水田技術というのは相当のレベルを持っておるわけであります。 このように、私どもは飼料米というものを基本的にとらえたいと考えております。価格の問題でありますとか、収量でありますとか、品種をいろいろと改良しなければならぬ問題もありますが、これらの試験研究というのは後でまた意見交換をさせていただきたいと思いますけれども、基本的にえさ米というものをどうとらえていくか、その辺についてお伺いしたがったのですが、どうでしょうか。
○田澤国務大臣 福岡委員御承知のように、農業の近代化あるいはまた再編成をするためには、農業技術の開発普及があるわけでございます。したがいまして、新しい品種をつくるということは、日本の新しい農業の道をつくるということになろうと私は思うのです。 私は青森でございますので、あの冷害地帯ですね。あの地帯に藤坂五号というのを田中稔先生がつくりまして、その結果、あの地帯にいわゆる冷害のない農業が定着したわけでございます。最近また冷害がございますけれども、まず藤坂五号によって冷害地帯から冷害というものを克服することができた。そういうように考えてまいりますと、農業技術の開発こそ新しい日本の農政をつくるものだと私は思いますので、いまえさ米の問題は水田利用再編対策との大きな関連において研究されなければならないものだというのは、先生御指摘のとおりだと思います。 したがいまして、いま官房長から説明のありましたように、利点としては、確かに水田をそのまま利用できる、それから不測の事態にはそれをすぐ食糧に供することができるということで、自給力の維持という面から言うと非常によろしいわけでございますが、反面、収量が一体どうなのかへ価格の面でどうなのか、あるいは食糧に供するお米との区別をどうするかとか、それから品種を定着するのに一体どのくらいかかるのかというようないろいろな問題があるわけであります。何としても病虫害に強い多収穫の品種をつくるとすれば品種を定着させなければならぬものですから、そのためにはいままでは大体十年か十五年かかったものですけれども、最近の科学の進歩によってそういう点はある程度縮小できると思いますが、いずれにしてもある程度期間を必要とするわけでございますから、そういう点を手を抜いてはいけないと私は思うのですね。しかし、余り時間をかけてもいかぬ。水田利用再編対策という一つの目標に新しいものを加えて農業の近代化を図るということは私たちの目標でございますので、そういう点において、基本的にえさ米というものを本当に重視して研究を進めなければならぬ、こう私は考えておりまして、私も過般試験場に行ってみました。まだ初歩的な研究をいたしておりますけれども、思い切った研究をしなさいということを勧めているのが現状でございます。
○福岡分科員 よくわかりました。 そこで具体的な試験研究の話になるのでありますが、たしか減反面積の中にこのえさ米は計算される、しかし奨励金の対象になっていないということなんですが、五十六年度でえさ米の作付面積はどのくらいになっておるのでしょうか。
○小島政府委員 試験田といたしまして飼料用の目的で栽培をいたしましたものが三十ヘクタールございます。うち八ヘクタールは国なり県なりが試験田として借り上げをいたしたものでございますから、民間で試験田として使いましたものは二十二ヘクタールということでございます。
○福岡分科員 民間でいろいろ研究をやっておる。農協もやっておるところがある。それからわれわれの同僚の農業者が寄り合っていろいろ研究している。県の試験場でもいろいろやっておる。何回かその現場も見せていただいたのですが、国といたしましてこれらの試験田というか民間がやっておるそういうものには指導なり支援なり助成、そういうものはどういうようにされてきたのか、あるいは今後どういう御計画があるのか。
○小島政府委員 現在民間でやっております試験は、主としてイタリア系の多収穫品種と目されるものにつきまして民間が自発的に始めたものです。その過程におきまして先ほど来お話がありましたように転作作物として認めろという強い御要請がございました。国として現段階でこれを一般に転作作物として認めることにつきましてはいろいろ問題がございますので、転作奨励金の対象作物という扱いはいたしかねますけれども、それならばせめてカウントだけでもしてくれ、こういうことがございましてこのような扱いにいたしたわけでございます。それが直接試験研究をやっておる民間団体に対する一つの御支援、こういうことでやっておるわけでございまして、直接その経費の支弁、補助というふうな形での御援助はいたしておりません。ただ、試験研究の成果につきましては、各地ばらばらにしておるものでございますから、これを全国的に評価するという手順がなければならないわけでございまして、各地の成績というものにつきましてはいずれ集約をして、国のレベルでも昨年の成績をよく分析検討いたしまして、今後の研究の役に立てたい、かように考えております。
○福岡分科員 具体的なお願いでございますが、県が中心になってもらう以外にないと思うのですけれども、農林省としてそういう御指導をしていただけないかという意味で申し上げるのですが、先ほども申し上げましたように、私どもの知っておる方々が熱心に研究しておる。貴重な経験を積んでおられる。中には八百キロから九百キロぐらいの収穫を上げた方もある。あるいは肥料のやり過ぎで失敗した方もある。ですから、そういう農協や個人でやっておられる方々に適当な時期に集まってもらって、経験交流をしてもらう。そこで出てきたものをまとめていただいて、それを関係者に指導の資料として送っていただくとかしていただければ非常に技術開発も早く進むのじゃないかという気がいたしますので、やりたい者はそれぞれでやるということでなくて、やられた関係者に集まってもらって経験交流というようなものをぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岸政府委員 ただいま先生の御指摘の点でございますが、私どもも御議論のございました飼料用米に関する試験研究につきましては、現在国を中心といたしまして強力に試験研究を実施中でございます。先生の御指摘の民間での試験というのも先ほど農蚕園芸局長のお答えにありましたようにいろいろございますことも承知いたしてございます。民間での試験の結果につきましても十分参考にしていく必要があると考えておりますが、何分にも全国といいますと大変広うございます。それぞれの県においていずれの試験場においてもかなり熱心にやっておりますので、各県で集約されたそれらの話を私ども国としても、これから春いっぱい機会がございまして、ブロック会議とかそういったようないろいろな会議で取り上げてこれからの国の試験研究に対しても十分参考にさせていただきたいと考えております。 ただ、基本的にはやはり品種の問題でございますので、特に主要穀類に関する品種の問題でございますので、国の試験研究を中心にしっかりやっていきたいと考えております。
○福岡分科員 個人でえさ米の研究をされている人は大体研究会なんかつくっておる。ぽつんと一人で思いついてやっておるというケースは余り承知しておりません。ですから、国の農試なり県の試験場なりはある程度連絡はつけておられるのじゃないかと思いますので、国や県が中心になってやられることはそれなりに結構なんですが、いま申し上げましたように民間の人でも相当熱心にやって貴重な経験も持っておりますので、ぜひそれらが有効に活用できるように御検討いただくようにお願いしたいと思います。 それから減反面積にカウントするようにした、これは結構なことなんですが、条件といいますか少し厳しいのじゃないか。たとえば十アール以上の面積でないとカウントしないというようないろいろな基準があるようでございます。ですから、もうちょっと——一坪からというようなものは具体的な例はないわけで、やれば少なくとも一アールぐらいからやっておられるのじゃないかと思いますが、十アールというのはちょっと厳し過ぎるような気がいたします。いかがでしょう。
○小島政府委員 これは、従来も民間の試験研究としてきわめて少量の面積については幾つかの事例がございます。むしろ小面積なるがゆえにその品種の本当の実力と申しますか、正確には把握いたしかねるというままに非常に小面積の試験データがかなり流布をいたしております。ところが、飼料米というのは仮に実際に生産するとしても、先ほど畜産局長から申し上げましたように、ある程度大きな面積でまとめてやらなければえさとしての意味がないわけでございますから、その意味で、実用規模に近づける試験研究と考えますと、最低の単位は一反歩ぐらいではなかろうか、こういうことで基準を設けております。
○福岡分科員 有畜農家、乳牛とか肉牛とかやっておられる方は、私の方は、一町も二町もつくっておる農家はないのです。少ないところは大体五十アール、多い人でも一町歩ですか。ですから一反という枠になるとわりかた多い場合もある。そこで、できることならば、原則は十アールとされても、場合によったら、その農区なら農区単位で考えると一つのものがまとまる場合には、必ずしも一農家十アールという基準でなしに弾力条項ぐらいは考えてもらえないか。これは検討していただきたい。 そこで最後に品質の問題です。食用米とえさ米と余り差がない、さっきこういうお話だったのですが、炊きたての温かいのはほとんど変わらぬようです。ところが冷えてくるととても食べられるものではない。ですから、品質的に見て、食管法上いろいろ問題がある食用米とえさ米の見分けがつかぬというような御心配はないんじゃないか。さらにこれは専門的に検討されれば明らかになることなんですから、問題点だけ申し上げておきます。 そこで結論は、大臣もおっしゃったように、技術開発という観点で重点的に考えていきたい、二年なり三年なり、場合によっては五年、十年かかるかもしれない。そこで、転作奨励金の対象にしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○小島政府委員 先ほど官房長からお答えいたしましたように、私どもも農政の長期の検討課題としてはこれを十分受けとめておるつもりでございます。いつの時期になったらそういうことになるかという問題は、いま直ちに申し上げかねますけれども、今後とも技術面からと行政面からの両面からの検討を進めてまいるつもりでございます。
○福岡分科員 終わります。ありがとうございました。
○武藤主査 これにて福岡義登君の質疑は終了いたしました。 次に、川本敏美君。
○川本分科員 私は、総合甘味対策の問題についてお聞きをいたしたいと思うのです。 まず最初にお聞きいたしたいことは、砂糖の売り戻し臨時特例法がこの三月末切れるわけですよね。この特例法は延長するという政府の腹なのか、それとも延長しないのか、その点についてまずお聞きいたしたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 先生十分御承知であると思いますが、砂糖の売り戻しの特例法はへ五十二年に国際糖価が大幅に下落をいたしまして、五十年から当時民間ベースで結んでおりました日本と豪州との間の砂糖の長期契約の履行が非常にむずかしくなりました。日本の精糖業者が豪州糖の引き取りを拒否した、豪州側は契約に基づいて供給責任があるということで、これを強引に日本に運んでくるというふうなことで、日本と豪州間の大変な政治問題あるいは経済問題にまで発展をしてきたわけでございますが、そういった砂糖の輸入をめぐります大きな情勢の変化を踏まえまして、国内の砂糖の需給の均衡を図ることによって、砂糖の輸入に関します国際的な取り決めの履行を円滑化するという趣旨で特例法は、そのように目的にも書いてございますが、そういう趣旨で特例法はできたわけでございます。 御承知のように、今年の三月に期限が来るわけでございますが、先ほど申しました特例法の成立の経緯あるいはその成立の契機となりました日豪の間の民間の砂糖の取り決めは、昨年の六月で期限が切れているという事情もございます。そういった意味では、特例法はその目的を達したというふうに私ども認識しておりまして、したがいまして、これを政府提案によりまして延長するという考えは持ち合わせておりません。
○川本分科員 政府提案によって砂糖の売り戻し臨時特例法を延長する気はない、こういう明確な御答弁をいまいただきました。 そうなりますと、言いかえれば、いままで砂糖業界におけるシェアを固定するといいますか、そういうような一つの一面の役割りをこの売り戻し特例法は果たしてきたと思うわけです。これがなくなるということになりますと、現在輸入糖というのは、原価が大体七十五円くらいだと思うのですけれども、それに比べますと国内産糖のビート糖とか甘蔗、そういうようなものはやはりどう考えても割り高で、二百円を超えるんじゃないかと思うわけです。ところが、この売り戻し特例法がなくなれば、いわゆる自由戦国時代といいますか、そういうものが始まるわけですから、この特例法にかわる総合甘味資源のいわゆる需給調整制度といいますか、総合甘味対策というものが、国内産糖あるいは輸入糖、あるいは最近言われております異性化糖とか、あるいは国内産のバレイショでん粉等を含めて総合した対策を立てられなければいけない、こういうことでいま自民党においても社会党においても、各政党もこの問題について一生懸命取り組んでおると思うのですが、政府、農林省としていまどのような考え方を持っておられるのか、その基本的な考え方をまずお聞きしたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 最近の砂糖をめぐります情勢につきましては、御案内のように、一つには国民一般の甘味離れという現象がございます。ただいま先生御指摘のように、ここ数年間異性化糖が大変大幅にふえてきたという事情もございます。それから一方、国産糖もここ三、四年間にかなりの増産が行われたというようなことがございまして、輸入糖が大幅に減っているという現実がございます。したがいまして、そういった現実を踏まえまして、今後御指摘のようないろいろな側面を考えての総合的な視点に立っての砂糖行政をどうやっていくのかということにつきましては、私ども大変頭を痛めておるわけでございますが、昨年来精製糖メーカーあるいは南の甘蔗糖あるいはその生産農家、北のビート糖あるいはビート作農家、あるいはユーザーないしは異性化糖メーカー等々からかなり突っ込んだ意見の交換をやってきてまいっております。 いずれの業界もそれぞれの立場から、現在の砂糖事情をめぐります情勢の変化に対しまして、強い不安と申しますか危惧の念を持っておるわけでございますが、それぞれの御要望は必ずしも一つの方向に立っておりません。あるいは、むしろ相矛盾する要求、御要望があるわけでございますが、しかし、いずれにしましても一つ言えることは、輸入糖が大変大幅に激減しているということからいたしますと、現在の糖価安定制度のメカニズムは、国産糖はただいま御指摘のように輸入糖に比べまして割り高でございますので、割り高な国産糖を国内で流通させるための輸入糖と国産糖との価格差を不足払い、一つの不足払いをするわけですが、その財源を一部は一般会計からいただいておりますが、一部は輸入糖に調整金を負担をしていただくという形で賄っておるわけでございます。 そういう中で、国産糖がふえ輸入糖が激減をしてまいりました状態がこのまま続きますと、そういった糖価安定制度のメカニズムの基本が崩れるのではないかという点がやはり一番大きな問題ではないかと私ども思うわけでございます。 輸入糖激減の一番大きな原因でございます異性化糖につきましても、これを砂糖と全く同様なものだという認識のもとに糖価安定制度の対象にすべきではないかという強い御要望が北からも南からも寄せられておるわけでございますが、そういったことも踏まえまして現在せっかく総合的な視点に立ちましての検討を進めているところでございます。
○川本分科員 問題意識については大体理解ができますわけです。 そこでまずお聞きしたいと思うのは、いまおっしゃったように、その輸入糖との関連における国内精製糖メーカーの意向もあると思います。あるいは国内産糖の主である農家の生活維持の問題があると思うのです。さらに、最近激増してきておる異性化糖メーカーの最近の混乱状態もいろいろあろう。そこへユーザーといいますか、消費者といいますか、国民の立場から見た意見もあろうと思うのですが、そういうものを調整する中で、いまおっしゃった中で、それなら今度農水省としてはどこに重点を置いてこの問題を処理しようと考えておるのですか。まず国産の農家を守るという立場でこれを考えようというのか、精製糖メーカーを守ろうという立場で考えようとするのか、その辺ですね。いまおっしゃったように、糖価安定法の中でいままでは国内産糖の生産コストを下げるといいますか、守るために輸入糖に対して、現在二十七円五十銭ですか、それぐらいの調整金を取っておった。ところが、輸入糖が減って国内産糖がふえると輸入糖に何ぼでも大きな負担がかかっていくわけですから、これはもうもたない。そこでこの分を輸入糖だけじゃなしに異性化糖にも何ぼか持たそうということになりますと、それは、国内産糖は、現在七万七千ヘクタールですか、あると言われておる作付面積が無制限にふえていくということになったら、また同じことを繰り返すことにもなるわけです。その辺、国際的な砂糖価格と日本の農業との関連において大きな国際間の価格差があるわけですけれども、しかし、北海道とか沖縄とかいうところの特殊性を考えたら、一方で米はつくったらいかぬとかいうことで政府がやっておきながら、今度はビートもつくったらいかぬ、そんなことは言えないでしょう。そうなると、その辺について政府はまずどのような腹づもりを持っておるのか、ひとつ大臣お答えいただけませんか。
○田澤国務大臣 いま局長から答弁させたように、国民の食生活の変化が結局は甘味離れになりましたことが第一でございます。それから、国内糖の増産あるいは輸入糖の減少、これが結局糖価安定のメカニズムをある程度変えなければいかぬという状況、それに異性化糖が出てきたというのが現状でございます。 しかし、私たちはあくまでも、食糧の自給力を維持するためには、国内で生産できるものは極力国内で賄おうという基本を守ってまいらなければいけませんので、メカニズムは変えていかなければならぬけれども、あくまでも国内糖の維持というものを基本にして考えていかなければならない、私はこう考えております。
○川本分科員 そこで、私は思うのですけれども、その考え方が基本だと私も思うわけですが、ところが、そこでそれを自由競争にすれば、いわゆる資本の大きなものが資本の小さなものを駆逐するという形にもなりかねないわけですから、何らかの需給調整の規制の制度といいますか、そういうものが当然必要になってくる。そういう考え方についていまいろいろ議論をされているところでありますけれども、大体、糖価安定法を改正をして、その中で、先ほどおっしゃったような輸入糖にかかっておる調整金を異性化糖にも何ぼか分担してもらおうという形で国内産糖を守ろうということですけれども、国内産糖についてもやはり一定のシェア、枠組みをめどとして決める必要があるのじゃないか。また、どんどんとふえるようなことではいけないので、七万七千ヘクタールなら七万七千ヘクタールを一つの目途として、そこでできるだけ固定をさせていくような政策も一面必要だと思うのです。 輸入糖が減るということは、これはいいことですか悪いことですか。国として喜ぶべきことなのかどうか、その点どう思っていますか。
○渡邉(文)政府委員 単純に輸入糖が減ることがいいか悪いかというのはなかなかむずかしいかと思います。輸入糖の関係で働いておられる労働者の方も大ぜいおられるわけでございますし、仕組みといたしましても、輸入糖が余りにも減り過ぎますと制度の基本がなかなかむずかしい問題を抱えることにもなるというふうなこともございますので、単純にはなかなか言い得ないとは思います。 それから、国産糖の最近の情勢につきまして、先生いま御指摘がございましたので、若干述べさせていただきたいと思います。 御案内のように、基本的にはただいま大臣が申し上げましたように自給率の向上というのが基本にあるわけでございますが、特に甘味資源につきましては、てん菜は北海道におきます広大な畑作地帯におきます輪作体系の中に組み入れて欠くことのできない作物でございます。一方、サトウキビも南西諸島あるいは沖縄において他にかわるべき適当な作物がないわけでございますので、これはその点を十分に踏まえた今後の生産対策を展開する必要があるわけでございますが、動向といたしましては、南のサトウキビの場合には、御案内のように島でございますので、この面積が非常に大幅にふえるということは物理的にもなかなかあり得ないだろうと思います。基本的には反収増あるいは歩どまり増等を志向して生産性の向上を図るということが基本だろうと思います。それから、北の北海道のてん菜の場合も、幾らふえればいいといっても、先ほど申しましたように合理的な輪作作物として、数年間で幾つかの作物の適切な輪作を保っていきませんと地力の低下という問題も起きてくるわけでございますので、私ども、そういった意味で六十五年を目標にいたしまして御指摘のように七万七千町歩という一つの目標を持っておるわけでございますが、それに向けていまのところ順調に生産はふえておりますが、過去において若干、てん菜糖の販売先の一部が異性化糖にかわってしまったということがございましたのと、てん菜糖自身がこのところ急激にふえたために、その販売上いろいろ問題を起こしたということがございまして、若干テンポとしては問題ではないかという感じは私ども持っております。 いずれにしましても、七万七千町歩という長期の計画を持っておるわけでございますので、それに基づきまして計画的なあるいは安定的な生産に努めてまいりたいというふうに考えております。
○川本分科員 そこで精製糖メーカーの問題に移るわけですが、精製糖の方はいままで特例法があったから、特例法による割り当てということで精製糖メーカーは一定のシェアを確保することができて、どちらかと言えば安穏な企業経営を今日までやってこれておったけれども、特例法がなくなれば、自由に輸入してその調整金さえ払えば自由に売れることになるわけでしょう。そうなりますと、これはまさに戦国時代になって、強い者が勝って弱い者が負ける形のものが出てくると思うわけです。これが三月三十一日に切れて、そして伝え聞くところによりますと、総合甘味対策というものを十月一日、新砂糖年度を目途にして一応発足させようというような考え方で政府も各政党も取り組んでおるというふうに私は聞いておるのですけれども、そうなりますと、六カ月間のブランクができますよね。その六カ月のブランクの間に大混乱が起こる、いま考えておられることを根本的に壊してしまうような事態が起こる可能性が私はあると思うのですけれども、その点について政府はどう考えておりますか。
○渡邉(文)政府委員 特例法の果たしてきた役割りあるいはそれについての評価につきまして若干申し述べたいと思います。 特例法自体が成立しました背景は、先ほど申しましたようなあの時点におきます情勢の変化に対応した臨時特例的な需給調整措置であったわけでございます。その目的は達したということで、私どもも政府提案といたしまして現在これを検討するという立場にはないわけでございますが、逆に申しますと、特例法がなくなりましても特例法がなかった時代、五十二年以前の状態に戻るわけでございまして、特にその意味で糖価安定制度上そのこと自体が問題であるという認識は持っておらないわけでございます。 問題は、日豪砂糖協定が動き出しました五十年から五十二年の間におきます輸入糖が、当時、四、五百ポンドから百ポンドに落ちてしまった。一方、日豪間では二百二、三十ポンドの長期契約になっておったということで、国内に輸入されました砂糖の二百数十万トンのうち約六十万トンが国際糖価の倍以上のものを抱え、百八、九十万トン、大部分のものが百ポンドという国際糖価で入ったということで、プールいたしましたコスト価格が国内で実現できずに、百ポンドという国際糖価の方に足を引っ張られてしまったために、多くの精製糖メーカーが一千億近い赤字を抱えるに至ったということで、引き取り拒否ということになったわけでございます。特例法は、仕組みは、御案内のようにその両方のコスト、六十万トンは二百数十ポンド、それからそれ以外の百数十万トンは百ポンド前後という輸入糖の姿を基礎にしましたコスト価格が実現すれば引き取るということのために、その価格が実現するためにいわば数量規制を行ったわけでございます。したがいまして、その目的は達成され、御案内のように、まだ一部赤字は残っておりますが、多くの精製糖メーカーも当時の抱えておりました赤字の相当部分を、もちろん自分たちの経営努力もございますが、解消してきたという経過もございますので、そういった意味では特例法の延長は必要がないし、特例法に基づくような意味での強い需給調整措置というものを今後考えるということも必要はないというのが私どもの考え方でございます。 ただ、特例法がなくなれば、先生御心配のように、昔もあったわけでございますが、短期的には需給のバランスが崩れて市価が乱高下するということはあろうかと思います。これは特例法以前におきましてもあったわけでございます。問題は、くどいようでございますが、五十年から五十二年の二年間のような現象は今後は起こり得る原因はないわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○川本分科員 最近の国民の砂糖離れと申しますか、だんだんと国民が——どうも、何も糖尿病の原因は砂糖にあるわけではないようですけれども、しかし、最近食生活が変わってきて、一時は四百万トンを超えておったような砂糖の消費というものがだんだんと減ってきておる、そういう中でいろいろな問題が起こってきておるわけですが、異性化糖も最近急速に伸びてきておるわけですけれども、これはやはり砂糖よりも異性化糖の方が値段が安いということが一つの大きな原因であろうと私は思うわけです。特に外国からお菓子等が入ってくると、外国の砂糖が安いのですから安い原価の砂糖を使ったお菓子が入ってくる、国内で砂糖を使ってお菓子をつくったら高いものにつく、だからできるだけ安いものということになるとやはり異性化糖等も使えるものは使っていこうということになってくると思うのです。ところが、この異性化糖製造メーカーといいますか、そこに対しても従来バレイショでん粉を一定割り当てを背負わしてそれによって輸入のコーンの数量を規制するというか割り当てをしておった。ところが、その後、二次といいますか、いわゆる一万五千円払えば自由にどんどんコーンを輸入してそれをでん粉にして異性化糖にしても結構ですよという政策に農林水産省の方針が変わってから異性化糖の数量がぐんと私はふえたんじゃないかと思うのですが、私の考え方は間違っていますか。
○渡邉(文)政府委員 国内産でん粉は、御案内のように、これも、北海道のバレイショでん粉、二十数万トンできますが、そのうち十万トン程度、それから南九州のバレイショでん粉が、昔は四、五十万トンあったわけでございますが、現在は約十万トンに減っております。いずれにしましてもその十万トンと北海道のを合わせまして二十万トンのでん粉は通常の形ではなかなか需要者に引き取ってもらえないという現実がございます。そこで、輸入されますトウモロコシからとれますコーンスターチの製造メーカーに国内のでん粉を引き取っていただければ輸入のトウモロコシにかかります税金はこれを免除しましょうといういわゆる関税割り当て制度が始まりましたのが四十年代の前半でございまして、当時から二次税率というものがございまして、二次税率をやりたい人といいますか、二次税率を使ってもやりたいという人はやはりやっておったわけでございまして、その姿は現在も基本的には変わっていないと思います。ただ、現実に異性化糖の需要の動向等を余り無視をして一次税率の数量をしぼるということをやりますとやはりいろいろと問題も起こりますので、需要の実態に合わせながら関税割り当て制度の運用をしてきておりまして、現在のところ二次税率を使う人は、数は非常に少ない、量的にも少ないという現実になっております。
○川本分科員 一次のバレイショでん粉を背負って割り当てを受けて、そしてトウモロコシの輸入割り当てをもらっておるその原価と二次の一万五千円関税を払って自由に輸入してそして製造したもののコストとが現在ほとんど変わらない状態だから——ちょっと違うのでしょうけれども、せいぜいキロ当たり十円以内だろうと思うわけです。それではメリットがないわけですよね。だからどっちでもいいということで、どんどんどんどん輸入されて異性化糖がどんどんふくらんでくる。だから、そういう面で、今度の特例法を廃止して総合甘味対策を立てる、その中で、一つは、国内産糖を守ると言いながら、実はそれは精製糖メーカーだけを守るような結果に陥っちゃいけないと思うわけです。そのためには、やっぱり異性化糖というものに対しても一定のシェアを守らせるようなそういう制度というもの。バレイショでん粉を背負わして一定の割り当て実績をやり直して、その中で仮に六十万トンなら六十万トンのシェア以上はもう伸びないように規制できる制度。国内産糖も同じ。そうなれば、現在精製糖もせいぜい百八十万トンが限度ですよね、その辺のところで、総合して三百二十万トンぐらいのところでうまく成り立っていくという形でなければ私はおかしいと思うし、そういう形でなければ不公平感が残って、またいずれはぎくしゃくした問題が出てくる、国民の間からも不平不満が出てくる、こういうことになろうかと思うわけです。その辺は十分判断しながらやっておられると思いますけれども、最後に大臣の決意をもう一度お聞きしたいと思うのです。
○田澤国務大臣 先ほど申し上げましたように、やはり日本の食糧の自給力ということを私たちは念頭に置きながら砂糖の問題も考えていかなければいけない。私は戦時中大学に入っておった当時、戦時中の生活で一番苦しかったのは、もちろん食糧がない、衣料が足りない、あるいは住宅も厳しいという中で、特に砂糖がないということぐらい潤いのない生活はないのですよね。いまそういう点から言うと、砂糖があってそしてあらゆる衣食住が満たされて平和であるというこの生活はこれは最高の生活だと思いますけれども、それに甘んじては私はいけないと思いますので、そういう意味では、やはり国内糖というものをいかに将来とも維持していけるか、そのためには、異性化糖あるいは輸入糖、いろんな問題がありますから、そういう点を総合的に判断をしながら糖価安定のために努力をしていかなければならな、かように考えておりますので、いま川本さん御指摘のような点を十分配慮しながら総合的に甘味の対策を考えてまいりたい、かように考えております。
○川本分科員 ちょっと時間があるようですので、最後にちょっと局長にお聞きしたいのですが、今度そういう総合甘味対策の中でいわゆる輸入糖にかけておった調整金を異性化糖にも何ぼか背負ってもらおうというのが基本のようですが、大体どのぐらいの割合になるわけですか。
○渡邉(文)政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように現在具体的に検討中の段階でございまして、甘味作物はいずれも多かれ少なかれ相場商品でございますので、現在、まだもちろん結論も出ておりませんし、大体どれぐらいの感じであるということを申し上げることもお許しをいただきたいと思います。
○川本分科員 一方、やっぱり消費者、国民というのがおるわけですね。国民というものはできるだけ、高いものを買いたいと思っておる者は一人もいないのだから、国民といいますか、ユーザーのそういうニードというものも勘案しながら決めていただかなければいけないと思うのですが、ともかく税金を取るのが目的じゃない、調整金を取るのが目的じゃない、国内産糖をどうして守るのか、そして国民にできるだけ安い甘味資源をどのようにして供給するのか、こういう観点からひとつ取り組んでいただいて早急に結論を出していただきますように要求しておきまして、私の質問を終わりたいと思うのです。
○武藤主査 これにて川本敏美君の質疑は終了いたしました。 次に、斎藤実君。
○斎藤(実)分科員 最初に農林省にお尋ねをいたしますが、最近ペットブームということで多種多様なペット類が輸入されているわけでございます。オウムでありますとか猿、ミドリガメ、サソリ、ワニ、これらの輸入動物は、赤痢や食中毒を人体にまき散らす危険な状況が起きているわけでございます。これらの輸入ペットが細菌、ビールス等の病原微生物に汚染をされていると言われておりますが、これらのペット動物の病原菌検査の実態を明らかにしていただきたいと思います。
○入山説明員 先生おっしゃいますように、猿等から赤痢が人に感染する事例がある、そういう危険性があるということにつきましては、十分に私ども認識をいたしております。一々猿その他の動物につきまして病原菌を検査するというようなことはやっておりませんけれども、人に発生した場合に伝染病予防法等によりまして感染源としての処置をいたしております。 また私ども、四十九年ごろからそういうペット類に起因いたします疾病について把握をいたしておりますが、若干申し上げますと、四十九年には全国各地で数件、五十三年には一件五名、五十四年には三件十二名、いずれも猿に起因した赤痢でございますが発生をいたしております。五十五年以降はございません。さらに小鳥に起因したいわゆるオウム病の発生でございますが、五十年、五十三年、五十四年にそれぞれ一、二件ずつございます。そういうようなことについて把握をいたしております。
○斎藤(実)分科員 いま厚生省からの御答弁では、輸入する場合の検疫、検査が行われていないわけですね。事故が起きた場合に対処するということで野放しの状況なんですね、輸入する場合。それで、特に輸入猿ですが、五十年には七千四百二十五頭、五十一年には七千四百頭、五十二年には七千七百頭というように、この中で実験用が三千頭ぐらいだろう。そうすると四千頭近くが輸入業者によって売られておるということ、しかもそこに検疫が行われていない。それで、なぜこのペット類の動物等の輸入に対して野放しにしているのか、なぜ検疫をしないのか、当然これは疑問として出てくるわけです。 実は、これは北海道の実例でございまして、北海道の留辺蘂町というところで、町内の農家で家族六人が下痢状態になりました。猿を飼っておるわけですね。病気になる一週間前から発熱、下痢状況が起きて、死亡した方がおるわけですね。これによりまして道衛生部、北見保健所が飲料水や家族の外出関係、子供の学校関係などを綿密に調べたのですけれども、そこからは検出をされない。結局輸入猿から感染したという判断で、これは死亡事故も起きているわけですが、なぜ検疫を実施しないのか、伺いたいと思います。
○石川(弘)政府委員 お答えいたします。 現在の私どもの行っております動物検疫は、御承知のように家畜伝染病予防法、それからもう一つは狂犬病予防法を根拠にいたしまして、いわば産業動物たる家畜あるいは家禽につきましてこの伝染病を国内に防止するというたてまえでございまして、したがいまして、この産業動物でございます家畜、家禽に影響を与えますものについて権能を持ちまして検疫をするというのが大前提でございます。
○斎藤(実)分科員 これはWHO、世界保健機構から、猿の輸入及び検疫方法について、九週間の検疫のための停留期間を勧告をしているわけです。そのうち六週間は輸入国で行うべきであるという具体的な勧告がされているわけですね。すでにアメリカではオウム病の侵入を防ぐためにインコ、オウム類に関する輸入制限法が実施されておるわけでして、またイギリスでは猿を含む動物検疫は動物疾病予防法に基づいて厳重な検疫制度を設けておるわけですが、日本にはこれはないわけです。こういう人間に大きな影響を与える病原菌を持っているペット類を野放しにしている。ちょっとこれは問題なんですが、農林省の動物検疫所においては家畜伝染病予防法に基づいて輸入される家畜や犬等を対象に検疫を行っている。なぜこういうペット類について野放しにしているのか。どこが所管なのか。犬とか馬とかヤギとか豚、水牛、アヒル、七面鳥、ミツバチというものは対象になっているけれども、それ以外は対象にならない。これは何らかの法規制をすべきだと思うのですが、いかがですか。
○石川(弘)政府委員 先生御指摘のように、人間と動物と両方が感染するおそれのあるような人畜の共通の病気がございます。いまの私どもの理解でございますと、そういう病気で人間に直接被害を与えるおそれがあるということにつきましては、省庁間の権能といたしましては厚生省が所管をなさっている。そういう病気でございまして産業動物に影響を与えるものにつきましてはどういう形でございましょうが私どもとして管理監督しなければいかぬと思っておりますが、現状ではそういう形で一応所掌が分かれておるという理解でございます。
○斎藤(実)分科員 厚生省、いまの質問に対して。
○入山説明員 人に感染するおそれがあり、またその対策が必要と思われるような疾病あるいは動物等につきましては厚生省が所管すべきものであろうと考えております。なお、先生御指摘のようなWHOのそういう勧告等もございましたので、私ども、それらの趣旨を踏まえまして輸入販売業者等が自主的に、特に猿の輸入の際に検査を厳重にするようにというような指導をいたしておるところでございます。なお、今後はどのような動物、あるいはどのような疾病について対策を講じていくべきかというようなことにつきましても農林水産省と十分に打ち合わせを行いまして進めていきたい、このように思っております。
○斎藤(実)分科員 輸入業者が自主的にやれと言ったって法律がないわけですね。輸入業者は勝手に輸入してくるわけです。しかもそこで検疫の義務もない。検査も受けられない。自主的にやれと言ったって、これはできるわけじゃありませんよ。やはり水際できちっとしたそういう法改正なりすべきではないかと思うのです。ちょっと私は納得できない。答弁してください。
○入山説明員 現在厚生省で行っております検疫でございますが、これは国際保健規則等によりまして黄熱、コレラ、ペスト、痘瘡、このいわゆる四つの検疫伝染病についてのみ、人の場合でもございますけれども、行っております。したがいまして、そのほかの疾病についてどのような対策を講ずべきかということにつきましては、これから個々に検討してまいりたいと思っております。 なお、動物につきましても、この四つの検疫伝染病につきましては、いわゆる人に感染させるおそれがあるというようなことで、そういう危険性のある場合には検査を実施することにいたしております。
○斎藤(実)分科員 課長さん、確かに厚生省では昭和四十八年に人畜共通伝染病の蔓延防止のために調査委員会をつくりましたね。猿類に焦点をしぼって専門家によって調査を行っているということも私は聞いております。しかもこの猿類について、獣医師による健康診断の上、証明書をつけて販売するようにというふうに地方自治体に通達を出しておりますが、これだけでは解決しないわけですよ。だから、輸入されたものが病原菌を持っている。しかもそれを一たん輸入して、地方自治体に監督を委嘱して地方自治体に責任を負わせておりますね。そして獣医師による健康診断の証明書をつけて販売するようにという指導になっている。現実にこれは守られていないわけです。先ほど申し上げましたように、留辺蘂の例も獣医師の健康診断の証明書をつけて売られていない。幾らそういう指導をしても、通達を出しても、もとで、水際で検疫検査をしないからこういう問題が起きてくるし、これからもまた起きてくる可能性があると思うのです。この点どうですか。
○入山説明員 御指摘のようなそういう事例もあるわけでございますので、私どもといたしましても、どのような規制をしていくかというようなことにつきまして今後十分に検討してまいりたいと思っております。
○斎藤(実)分科員 先ほど私申し上げましたように、アメリカあるいはヨーロッパでは厳重な検疫制度を設けておりまして、これはもう当然なことなんですよ。なぜ日本の国がそこまで踏み切らないのか。 北海道では輸入猿を売る業者が自主的に協議会をつくりまして、そしていろいろ話し合いをしているらしいのです。売る方ですから、とにかく何も法律がないわけでしょう。それで、この間も業者が言っておりましたが、国からの通達で地方自治体が、売る場合には獣医師が健康診断をしてその証明書をつけなさいよ、売っちゃいけませんよ、こう言われておるのだけれども、実際にやらない。それで事故が起きた場合には業者の責任が問われる。内心釈然としないながらも商売をやっておるわけですよ。ですからこれはもう国の責任でやってくれ、そうすればわれわれも安心して商売できるんだと、この間も私に言っておりました。厚生省として、打ち合わせをしていまどうこうと言っておりましたが、本当にこれは法改正をして、水際で検疫制度を実施するというめどはいかがなんですか。
○入山説明員 先ほども申し上げましたように、この検疫ということにつきまして申し上げますと、四つの検疫伝染病に限って検疫をいたしております。これは人の場合でもそうでございます。たとえば人の赤痢でありますと、これは法律によるということではなくて、発生した事例につきましては私どもそれなりの処置は講じておりますが、必ずしも検疫伝染病の中に赤痢も含めるというようなことは、現在のところ考えておりません。 なお、動物の、特に猿の赤痢につきましては、四十九年に保健情報課長通知をもちまして、そういう自主的な点検と申しますか、いま先生御指摘のような獣医師の証明書を添付するというようなことなどを指導してまいりましたが、今後その指導をいかに守らせるか、強化するかということを主体に考えていきたいと現在のところは考えております。
○斎藤(実)分科員 実は国立予防衛生研究所筑波医学実験用霊長類センターのデータによりますと、問題なのは輸入猿、特にインドネシア産のカニクイザルで、輸入したものの約二〇%が赤痢菌を保有している。また国内輸入数は、四十七年に二万二千匹をピークにだんだん減ってきているけれども、大体七千七百匹。このうち三千七、八百匹は原産地から来た野生猿で、公衆衛生上の危険がきわめて大きいというふうに指摘をされておるのですね。したがって、いま厚生省から、検疫を実施する意思はないというふうにいま答弁されましたか。ちょっともう一遍確認しておきたい。
○入山説明員 いま直ちに四つの検疫伝染病に含めて赤痢等の検疫を実施するという考えはないと申し上げたわけでございまして、どのような規制をするかということにつきましては十分に考えていきたい。たとえば、いま先生御指摘の予防衛生研究所の猿でございますが、こういう特に実験用の猿につきましては、これは検疫とはまた別の問題といたしまして、滞留期間非常に厳重な監視等をいたしまして、実験用の動物として十分に機能するようにというような措置も現在は講じております。
○斎藤(実)分科員 大臣、これは厚生省の所管だということをいま言っておりましたが、農林省も関係はないわけじゃないと私は思うのです。 そこで、人畜共通の伝染病の国内侵入防止については、ひとつ厚生省と大臣とお話をされて、病原菌を持ってこないように検疫を厳重にする。これは大事なことでございますので、厚生省とよく相談をされて善処されたいと思うのですが、大臣、いかがですか。
○田澤国務大臣 いま愛玩用動物についての厚生省の検疫に対する取り扱いは、人間に感染する可能性のあるものに対して四つの検疫伝染病を扱っている。これと関連してはこのペットの問題は扱わないけれども、さらにその規制等については今後検討するという厚生省の意向でもございます。私たちの方とは動物という面から言って関係がございますから、できるだけ厚生省と連絡をとりながら今後検討してまいりたい、こう思います。
○斎藤(実)分科員 それから動物検疫の概況について、犬とか獣類、鳥類についてどれくらい検疫を行っているか、お答えいただきたい。
○石川(弘)政府委員 家畜以外で輸入検疫を実施いたしておりますのは、鳥類で申しますと、五十六年に百四十三万六千羽、大変多い数字をやっております。偶蹄類、シカ、ラクダ、キリン等でございますが、五十五年の数字で申しますと、九十頭のものをいたしております。
○斎藤(実)分科員 大臣、ちょっと。先ほど大臣から関連があるというふうに御答弁がございましたが、私はこの種の事件がいろいろ起きるだろうと思うのですね、何もありませんから。それで、起きてから処置をする、これは私は困ると思うのですね。それで農林省も、動物ですから関係があると思うのですが、これは起きてからではどうにもならないことでございますし、ひとつ起きないためにそういう処置をとっていただきたい。心から要望申し上げまして、ちょっと時間が余りましたけれども、私、質問を終わります。
○武藤主査 これにて斎藤実君の質疑は終了いたしました。 次に、新村勝雄君。
○新村分科員 私は、競馬の運営について大臣及び競馬会の皆さんにお伺いをいたしたいと思います。 競馬の存在理由については、これは戦前は軍事的な配慮のもとに行われたわけでありますが、現在は別の角度から、国民に健全な娯楽を与える、あるいは優秀な馬を生産するというような新しい現代的な意義のもとに進められておるわけでありますけれども、現在の農林省、そして日本中央競馬会、そしてそのもとにおいて行われておる競馬の運営というものに若干の疑問点があるように思うわけであります。特に、いま財政再建が強く叫ばれておるわけでありますが、こういう中で、競馬も一つの公営企業でありますので、財政的な見地から、もう少し中央競馬会の運営の合理化といいますか極力むだを省いて国庫収入の増加を図っていただきたい、こういうような国家的な要請もあるわけであります。そういう点からしての疑問、あるいはまた、いまの競馬がいわゆる管理競馬である、官僚統制のもとに進められておるという指摘があるわけであります。競馬を開催するのは、中央においては日本中央競馬会、そして、地方では地方自治体が行っておりますけれども、ここでは、中央競馬会の運営していらっしゃる中央競馬、これについて若干のお伺いをしたいわけであります。 その一つは、現在の競馬がいわゆる管理競馬になっておるということが一つであります。それは、農林省いわゆる官僚、そしてそのもとにおける日本中央競馬会、そしてその中央競馬会が、その関係者をその権限に基づいて支配、隷属の形がそこに強くあらわれている、こういう指摘があるわけであります。中央競馬会は特殊法人として競馬を行っておりますが、競馬の開催については、主催者である中央競馬会、そのほかに、馬の生産者それから馬主あるいは調教師等々の、競馬会とは独立の存在を主張できる対等の立場であるべき関係者がいるわけでありますけれども、これらの馬主なりあるいは調教師なりというものがすべて中央競馬会の支配管理のもとにあるという、そういう形にいまなっておると思うのです。これについては、やはり本来のあるべき姿にしなければ生産者、馬主の利益も十分に保障することができないし、また、調教師にしても本来の自由な立場での活動ができない、こういうことになると思うのです。 その支配、隷属の形というのは、中央競馬会は調教師に対しては免許権を持っておりますし、また懲戒権もある、こういうところから、調教師は完全に中央競馬会の支配のもとにあるわけですね。それから調教師は、制度的には、これは法的にも特に規定はないと思いますけれども、馬名登録あるいは出馬登録、それからどのレースに出走させる、こういうようなことについての一切の権限を調教師は持っておる。こういうことから、馬主あるいは生産者に対するいわば絶対の権限を調教師は持っておるわけですね。どんなに優秀な馬であっても、調教師に頼んで預託をしなければ出走ができないわけですし、馬名登録をしなければ出走ができないということでありまして、その権限をすべて調教師が握っておるということになりますと、生産者、馬主に対する完全な、絶対的な権限を調教師が持つ、そういうところから、いろいろの表に出ない競馬運営上についてのとかくのうわさなり過大な権限が集中されている結果から来る弊害、それから馬主、生産者の不満、こういうようなものが調教師あるいは中央競馬会に集中されてきておる、こういう指摘をわれわれは耳にするわけです。 こういう点についてまずひとつ、現在のいわゆる管理競馬というもののあり方について現在の状態でいいのかどうか、これについての大臣及び理事長さんの御意見を伺いたいと思います。
○石川(弘)政府委員 ただいま先生御指摘のありました競馬のあり方の問題でございますが、諸外国その他競馬の実施形態につきましてはいろいろと差異がございます。わが国の中央競馬のシステムにつきましては、先生いま若干お話がございましたように、幾多の変遷を経まして現在の形態になったわけでございます。競馬は、先生も御指摘のように、馬を生産している方々あるいは馬主、それから調教師、騎手あるいは厩務員、それから大衆のファンの方々、いろいろな方々のいわば期待もあり利害もある中でこれを公正に実施するということが最大の眼目であろうかと思っております。いま先生御指摘のありましたたとえば調教師の地位の問題等につきましても、調教師間の競争がある程度行われるようにとか、あるいは生産者と調教師の関係につきましても、たとえばもう少し公的な売買に力を入れられないかとかいろいろな形で、これは後ほど理事長等からお話があろうかと思いますが、従来ありましたシステムの中でも改善に努力はいたしておりますけれども、われわれの最大の眼目は公正な競馬がどうやって確保できるかということでございまして、現在の中央競馬会の運営あるいはそれについての具体的な問題点につきましては、公正な競馬が実施できるようにということを主眼としていままでもやってきたつもりでございますし、さらに努力をすべきことがございますればそういう方向で努力をいたしていきたいと考えてしおります。
○内村参考人 お答え申し上げます。 私も大体ただいま畜産局長から御答弁のあったように考えております。今日、競馬は非常に発展してきたわけでございます。特に、昭和二十九年に日本中央競馬会ができましてから今日までの歴史を翻ってみますと、やはりわれわれが公正な競馬を提供してきたということが今日の発展の一つの理由かと思います。そこで、そういう公正な競馬を提供するという観点から申しますと現在の形態が一番いいのではないか、そのことはこれまでの競馬の発展が証明しているのではないかというふうに考えているわけでございます。
○新村分科員 調教師の権限というか、実際の運営については中心的な役割りを果たすと思いますけれども、これについては、生産割り当てあるいは預託の割り当て、さらに馬主、生産者に対してはその預託割り当てを通じて完全な優位に立っておる、支配と隷属の関係にある、こういうことが言われておるわけでございますけれども、その点はいかがでしょう。
○石川(弘)政府委員 調教師が非常に優位的な地位にあるということが言われておりますもとは、一つは、出走頭数が限定されておりますためにトレーニングセンター内の厩舎の数も限られております。そういう意味で馬主さんの預託希望が十分満たされないのではないかというような御意見があることを聞いております。また、調教師間の厩舎数の不均衡あるいは厩舎の貸し付けが固定化しますことによって調教師間で競争が働いていないのではないかというような御指摘もあろうかと思います。競馬会におきましても、このような現状を少しでも改善をいたしまして調教師間の競争原理を導入するということから、御承知のように、預託頭数制限を緩和いたしまして、競馬会の貸し付け馬房数以外に預託できる頭数を引き上げるという形の努力もいたしております。それから貸し付け馬房数の最高限度数の引き下げ等を通じまして馬房貸し付けをやや弾力化してくるというようなことをやったわけでございますが、今後も引き続きましてそういうことが前進されますことによって、調教師が非常に優位的な地位にあるのではないかというような御指摘がなくなるように努力をするよう、競馬会を指導してまいる所存でございます。
○新村分科員 いま預託割り当ての緩和、それから競争原理の導入ということをおっしゃったわけですが、具体的にはどういうふうにして預託頭数の緩和を拡大していくのか、あるいはまた競争原理の導入とおっしゃっても具体的にはどういうふうになさっていくのですか。
○内村参考人 五十七年の三月から、ことしでございますが、二十馬房以上の貸し付けを受けている調教師の馬房を二馬房ずつ減らしてきまして、最終的には二十四を最高にするということにしております。 それから、いわゆる預託頭数の緩和でございますけれども、五十一年の十二月から一律に定期貸し付け馬房数プラス八頭として実施してきたわけでございますが、五十七年、ことしの三月一日、きょうから次のとおり緩和する予定でございます。従来の一律八頭までの限度数を三段階に分けて、二十馬房以上の貸し付けを受けている調教師は十四頭、十九頭から十六頭の馬房の貸し付けを受けている調教師は十二頭、それから十五馬房以下は十頭に改めるということにしています。それによって多少——失礼いたしました。ただいまのは最終五十九年からの目標数字でございます。五十七年からは、二十馬房以上の者は十二頭、それから十九頭から十六頭の馬房の貸し付けを受けている者は十頭、それから十五馬房以下の者は八頭、それを五十九年三月以降はただいま申し上げましたような数字にさらに段階的に拡大していこうと考えているわけでございます。(新村分科員「競争原理について」と呼ぶ) 競争原理の導入につきましては、最初に申し上げました、馬房数が多い者を逐次減らしていくということによって競争原理がそこに導入されるようにしようと考えているわけでございます。
○新村分科員 競争原理の点については、調教師二百人以上いらっしゃると思いますけれども、これはだれに預託しても自由なのか。Aの調教師に預託をしてうまくいかなかったという場合には、BあるいはCのところに行くことが全く自由であるのかどうか。それはどうですか。
○内村参考人 全く自由になっております。
○新村分科員 その点は全く自由とおっしゃいますけれども、法的な制限はないと思いますけれども、実際にはそれがきわめて不自由だ、こういう声があるのですが、そういう声が出る原因はどこにあるのでしょう。
○内村参考人 私もそういうことを多少耳にしております。と申しますのは、ある調教師が非常にいい成績を上げている、そこで馬主さんの考え方といたしましてそういういい調教師に預けたいという場合に、調教師の馬房に制限がございますからその人に預けられないというようなケースがあることは承知をいたしておりますけれども、その場合はほかの調教師さんに預託するということにならざるを得ないという現実でございます。
○新村分科員 そういう点で馬主の完全な調教師の選択権といいますか自由な選択が保障される、制度的に保障されるだけじゃなくて、その中の空気としてもそういう自由な空気がなければいけないと思うのですけれども、そういった点についてはひとつ特段の御努力をいただきたいし、またこれを阻害するいろいろな要因があったとすれば、これを速やかに完全に除去しなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。
○内村参考人 馬房の貸し付けにある程度限度があるという現実は、現在のトレーニングセンターの実態等からいきまして急にそれを全部自由にするわけにもまいりませんので、逐次、先生の御指摘のありましたように、なるべく競争原理を導入するように一層努力をしたいと思っておるわけでございます。
○新村分科員 機構の点に戻りますけれども、日本の競馬は中央競馬会が主催をするけれども、実質的には官営競馬と何ら変わらない官僚統制のもとにあるということが言われておるわけであります。それをさらに一層強化をし、管理競馬を一層進めるという方針のもとにつくられたのが美浦のトレセンだというふうに言われておりますね。美浦だけではなくてこれは栗東にもありますけれども、トレセンというものを新たにつくってこれによって一層官僚統制、中央統制あるいは支配体制を強化していこう、こういうお考えのようでありますけれども、大臣、そういう点については、競馬をこれからも官僚統制あるいは官営競馬、統制競馬に一層していく、こういうお考えですか。
○田澤国務大臣 先ほど来中央競馬会の方あるいはまた畜産局長から答弁させておりますように、今日の競馬の運営は幾多の変遷を経て今日に至っておるわけでございまして、しかも大衆に健全な娯楽を提供して、その結果益金を国庫納付金に提供して国家財政に大きな貢献をしているという点で、運営の基本はやはり公正な競馬を行うということでございますから、そういう意味では確かに公正を持とうとするための基本を私たちは指導してまいらなければならない。 一方、さっき競馬会からの説明がありましたように、調教師に対してあるいは馬主に対して、あるいはその他、できるだけ自由に競争原理を中心とした運営をしていくというこの二本の考え方を持って進めてまいりますので、これから極端に官営競馬だというようなことの言われないような形で運営をしてまいりたい。しかし、あくまでも基本は公正な競馬を進めることであるということを御理解いただきたいと思っておるわけでございます。
○新村分科員 健全な娯楽あるいは優秀な馬産の奨励ということ、同時にまた公正を確保することが必要だと思いますけれども、従来行われてきた国の方針は、公正の確保ということに籍口してと言うと失礼ですけれども、非常に過大な投資あるいは不要な投資までして中央統制を強化してきた、こういう経過があると思うのです。 たとえば栗東、美浦のトレセンにいたしましても、両方で千数百億の投資をしておると思うのです。しかし、これによって果たして競馬会だけでなくそれぞれの関係者の自由な競馬への参加が保障されているかというと、必ずしもそうではない。あるいは、生産者あるいは馬主という立場からすればかえってマイナスの面の方が多いのではないか。 それからまた財政的にも、競馬会さんは本来たくさん金を持っていらしゃいますけれども、これは一種の公金でありますから、できるだけ不必要な投資は抑えて国家財政に寄与してもらうということも必要なわけです。ところがわれわれの見るところでは、二つの千数百億円を投資したこのトレセンが、果たして現在の競馬を運営する上においてどうしても必要なものであったのかどうかということが大変疑問なわけであります。というのは、馬主、生産者はそれぞれの立場から生産をしあるいは馬を保有しておる。それから調教師はそれを預託して調教する。競馬会は場所を提供して競馬を開催する。競馬を開催するということが競馬会の責任でありまして、常時馬を管理し、また練習の馬場まで提供する、あるいは関係者の宿舎まで競馬会の方で提供してやる必要があるのかどうか。それはむしろ馬主の責任であり、また調教師あるいは生産者、そういった方々のそれぞれの立場からやるべき仕事であるわけでありますが、そういったものまですべて挙げて競馬会が施設をつくり、管理をし、公正を確保するという名のもとに非常に過大な投資をしておる、こういうところに疑問が持たれるわけです。 もともと、現在行っております開催日以外の馬の管理というようなものは馬主がやるべきものなんです。それからトレセンでやっております大体のことも馬主がやるべきことだと思うのですよ。それまで競馬会が一切背負い込んでしまうということが、財政の面からしても、あるいは競馬関係者の自由な参加による自由な明るい競馬という点からしても、果たしていいのか悪いのか、大変疑問があると思いますけれども、この点についてはいかがでしょう。
○石川(弘)政府委員 先ほど御説明の際に、いろいろな国でいろいろな歴史があるということを申し上げたわけでありますが、わが国の競馬の発達の中で、御承知のように、先生もまさしくおっしゃったその公正の確保という中でこういう競走馬の調教とか管理、これは単に競馬でその日走るということではございませんで、調教、管理の中を通じて公正を確保していかなければならないということで、御承知のようにトレーニングセンターが分離いたします以前におきましても、競馬場、たとえばこの周辺で申しますと東京とか中山で、そのような調教、管理も含めたいわば競馬実施のための全体の事業の一つとして競馬会の責任でこれが行われたわけでございます。 その後、御承知のように競馬場の周辺が大変都市化をいたしてまいりまして、そういう周辺ではこの馬の調教、管理の部分を常時行っていくことがなかなか困難となってまいりまして、競馬の馬を管理するあるいは調教するという面でも適切であるし周辺にも迷惑をかけないということから栗東とか美浦にトレーニングセンターを移しまして、そこで一体的管理をするといったような形でやっているのが現在の姿でございます。 私ども、このような調教ないし管理ということを通じなければ公正な競馬がなかなか確保できないのではないかということで現在の様式をとっておるわけでございまして、そういう面からは、このトレーニングセンターはどうしてもこのような都市化の進展の中でやむを得ない投資でありまして、今後こういうものを有効に活用しながら円滑にかつ公正な競馬ができるように努力をしていきたいと考えております。
○新村分科員 時間がありませんのであと簡単に申し上げますが、いまの栗東と美浦のトレセンで年間約百二、三十億の赤字がありますね。これは経常費、償却費を含めたものですけれども、これは将来とも未来永劫に続くわけであります。こういう問題をどうお考えであるのか。 それからまた、美浦の点を申し上げますけれども、美浦にトレーニングセンターをつくったことによって、中山と東京の馬房は必要がなくなったわけですね。一部、競馬会さんのおっしゃることによると、二百五十くらいは必要だ、その日に出走する馬と翌日のために必要だということがありますけれども、それにしても大部分の土地は遊休になるわけです。そして、いままでおのおのにあった馬房を全部取り払って、新しくまた二十二億ほどかけて、両方では四十四億ですけれども、馬房をつくるということでありますけれども、これは従来の馬房でもまだまだ十分使えますね。これを取り払ってまた新しくこれだけの投資をする、これにはちょっと納得のいかないものがあるわけです。 その経費を見てみますと、東京の厩舎は二百七十馬房で、馬房だけで六億四千二百万円ですから、これはどういう設備か知りませんけれども大変に金がかかり過ぎるわけで、単純な計算でいきますと、一馬房について、約三坪くらいですか、二百二十七万円かかるということでありますが、これは競馬場につくるわけですけれども、これを調教師に貸す場合には千六百円くらいで貸しているわけですね。ほとんどただで貸しておる。それで、調教師さんは馬主からは月に四十万、五十万くらいですか、もらうということでありますが、こういった点で非常に納得いきかねるわけですね。これはもう少し経営の合理化というか経費を節約して剰余金を出すという努力が競馬会さんには不足をしておるのではないかと思われるわけです。 それからトレーニングセンターに附属をしておる、これは細かいことになって関係者には失礼でありますけれども、宿舎の賃貸料なども非常に安い。特に馬房の貸付金が非常に安いわけですね。こういう点は何とかならないものかどうか。それから、いままで馬房があるのに、まだ使えるのに、それを取り払って二十二億もかけて新しく馬房をつくる。これは大変不経済ですね。それから用地も、いままでおのおの千の馬房の用地があったのですけれども、これが四分の一くらいで済むわけですから、あとの不用になった土地を払い下げをするなり何なりして、いま大変財政危機で国が困っておるわけでありますから、これを財政的な方面に寄与をするとか、こういうお考えはございますか。
○石川(弘)政府委員 競馬会は、大臣からお答えいたしましたように、大衆に娯楽を提供するという半面、やはり国家財政に安定的に寄与している。他の公営企業とは違いまして年間千数百億に上ります国庫納付をいたしておるわけでございますが、こういうことを安定的にやっていくことが大変大事だと思っております。そういう観点から、何といたしましても競馬が大衆に愛されまして売り上げが着実に、私は率直に言いましてもうどんどんふえるという時代ではないと思いますが、安定的な売り上げを確保するためにいい競馬をやっていくということが基本だと思っております。 そういう面から、実はトレーニングセンターにつきましても、そういう公正ないい競馬をやっていくための必要な施設等を持っておりまして、トレーニングセンターだけでの収支という面では先生御指摘のとおり収支の償うものではございませんが、競馬全体として収入を上げていくのに役立っているのではないかと考えております。 それから御指摘のございました、いわばトレセンに移転しました後の馬房等でございますが、先生も御指摘のように係留に必要なものはどうしても要るわけでございますが、これにつきましては、相当老朽化も進んでおりますので、やはり必要な建てかえはやらざるを得ないのではないかと思っております。 それから御指摘の使用料その他につきましては、これはいろいろと考え方がございまして、非常に安いではないかという御指摘もありますが、一方では、特定のところに係留を義務づけてやっております関係上、これはどちらかというとそういうことをお願いしている立場もございまして、必ずしも単に普通の料金という形だけで算定しがたいという場面もございます。 それから跡地につきまして、たとえば競馬に来ていただく方の慰安の場としての公園の施設とかいろいろなものも競馬会は考えておりまして、ただその跡地を直ちに外部に処分するというようなことが必ずしも競馬会の長期的な国庫納付に益するかどうか、その辺も考えてやっていきたいと思います。 いずれにいたしましても、御指摘のように競馬会が極力経費を節減をしながら、必要な国庫納付を長期にわたって続けていけるような体制づくりを考えて今後も競馬会を指導していく所存でございます。
○新村分科員 時間がないからこれで終わりますけれども、管理競馬ではなくて自由な競馬の発展と、それから財政に寄与できるような合理的な運営をなさるように特にお願いをいたします。
○武藤主査 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○武藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産省所管について質疑を続行いたします。土井たか子君。
○土井分科員 砂糖甘味の関係できょうはちょっとお尋ねをしたいと思います。 大臣御承知のとおりに、一九七七年の十二月に制定をされまして、八〇年の五月に一年半の延長が決まりまして、ことしの三月末で失効いたします例の砂糖の売り戻し臨時特例法がございますが、この特例法というのはそれなりの効果を上げたと大臣はお考えでいらっしゃいますか。 ちょうどこの特例法延長に当たりまして、業界の方からも構造改善を社会的に約束をした、公約をした中身を出しております。また、需給調整措置というのはおおむね三年継続されることが必要であるという中身もここで公にいたしておりますが、現実におきましては、あちらこちらで非常に深刻な合理化が進みまして、そこに働く人たちの苦しさは目に余るものがあるという御承知の状況でございますが、この特例法が十分な効果を上げているかどうかというあたりからひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 この特例法については、土井分科員御承知のように、オーストラリアとの砂糖の関係でこの特例法を制定したわけでございまして、昨年の六月でもうすでにオーストラリアとの関係は終わっておりますので、そういう点ではもうすでにこの特例法の使命を終わっている、こう思われます。したがいまして、いま土井分科員御指摘のように、この特例法はそれなりに大きな役割りを果たしたものと私は考えております。
○土井分科員 いま大臣御指摘のとおりオーストラリアとの間の協定の問題があったわけですけれども、しかし当時、つまり議事録によりますと、五十二年十月二十六日の議事録などによって確かめた限りでも、ただいまの総理大臣、当時は、いまの大臣がお座りのその席にお座りになって、農林大臣としてその職を果たされたわけでありますが、御答弁を見ておりますと、「豪州との間の長契の問題は、先ほど来るる御説明申し上げたところでございます。しかしながら、それはそれとしても、そういうようなことやまたは精糖業界の過剰設備、過当競争というような体質、そういうことがほっておけない状況に相なってきておる」から、したがって、この法律の意味はあるのだということも片方でおっしゃっておられるわけであります。そうしてまた別の機会に同じく当時の鈴木農林大臣は、商社や金融機関も関連をしている、「もっと端的に言うと、精糖企業というのは商社の系列の中にさえ組み込まれておるというような指摘もされておる」、こういうことに対するやはり体質改善と申しますか、そういうことが必要だということもはっきりおっしゃっておるわけでありまして、日豪の関係もございますけれども、そればかりではないということが審議の過程で指摘をされております。こういう点はいかがでございますか。
○渡邉(文)政府委員 詳しく申し上げたいと存じますが、先生御案内のように、五十年の夏から日豪の砂糖協定が始まったわけでございますが、当時、日豪の砂糖の長期契約を結びましたときの国際糖価は、御案内のように通常の年の六倍ぐらいにはね上がりました。それを、年間六十万トン、五年間の長契を結びました。ところが、国際糖価はときどきそういうことがあるわけでございますが、契約が動き出しました五十年夏以降五十二年にかけまして百ポンドまで大暴落いたしました。そういたしますと、当時日本の国内に入っておりました砂糖の二百三、四十万トン、五十万トンくらい入っておりましたが、そのうち六十万トンは二百二、三十ポンドくらいで、残りの百八、九十万トンは百ポンドでございますので、国内の現実の砂糖の市価はその百ポンドの方に足を引っ張られまして、そちらの方で形成されてしまいました。 そういたしますと、実際六十万トン分が国際糖価の倍以上の値段で長期の契約があるわけでございますから、両方をプールした、ミックスしたコストが維持できませんと精製糖企業は非常に困るということで、五十年から五十二年にかけまして数百億以上の赤字を各精糖企業は持ってしまったわけでございます。それでもうこれは何ともならないということで、その割り高の豪州糖の引き取りを拒否に出たわけでございます。 一方、豪州の方は契約は契約だということでどんどん送りつけてくるということで、当時東京湾に十数隻の豪州の船が並んでしまいまして航行にも支障を生ずるようなことになりまして、何とかこれを解決しなければならないという政治的なあるいは経済的な二国間の問題になりましたものですからへ引き取るためには両方をミックスしたコスト価格が実現すれば引き取るという見通しがあったものですから、そういう意味で価格を操作するには、一番いいのは何といいましても数量規制でございます。そこで、数量規制を主とします特例法をつくりまして三年間の臨時特例として数量規制を行ってまいったわけでございます。 そのせいもありまして、その間に豪州糖の引き取りも行われ、糖価水準もコスト価格の実現が図られるということで、先ほど大臣も申しましたように、特例法はそれなりに役目は十分果たしたと思いますが、一方、砂糖産業というのは、特に輸入糖の場合には、ひとつ御理解いただきたいのは、他の産業と違いまして三つほどの特色を持っております。一つは、原糖の溶糖から製品に至るまでの間がセットになって装置産業であるということがございます。それからもう一つは、各企業がつくります製品が、企業ごとの商品特性がございません。いずれも甘くて白い粉にすぎないということでございますので、そういった現象もございます。それから、砂糖の需要が少しずつ減りぎみであるというようなこともそれに加わりまして、本来どうしても過当競争体質にならざるを得なかったわけでございます。 それが、豪州糖が動き出してから五十二年までの間に業界内部の調整がもしうまく円滑にいったならばそれほどのことはなかったかとは思いますが、結果的には、そういった企業体質も災いをいたしまして、過当競争に陥って特例法の成立に至るという経過を踏んだわけでございまして、当時の農林大臣がおっしゃったのもそういう認識に基づきまして、業界のそういった体質を何とかいたしたいということを踏まえて申し上げたのだろうというふうに理解しております。
○土井分科員 いまるる御説明をいただいたのですが、わが党の島田委員からの質問に対しまして当時の鈴木大臣は、「日豪の長契の後始末をするためにこういう法案を出しておるものじゃない、」ということをはっきりおっしゃっているんですね。そしていま御説明のあったような業界の体質改善に大変詳しく触れておられますが、要するに、業界再編成とか体質改善ということになってまいりますと、業界の常識として設備が過剰であるということを理由にスクラップをしていく、合理化をしていく、そして新しく企業が合体して合理化をさらに図っていくという体制をとるということはもう常識でございます。その中で、どうしてもそこに働く方々についての雇用の問題が大変不安になってまいります。このことについて大臣に確認をいたします。 実は、これはお伺いするまでもなく、当然のことだとおっしゃるに違いないということを私は思いながらお伺いするのですが、この五十二年十月二十六日、当日の審議におきまして鈴木大臣は、「こういう不況下にございまして、一人の働く人といえども職場を失うようなことがあってはいけない、私はそういう考え方で精糖業界の再建の問題についても業界を指導してまいりたい、このように思っております。」議事録をそのままただいま私読みました。このようにはっきりお答えになっていらっしゃるのです。もちろん大臣におかれましては、これをこのままお認めになると私は確信をいたしますけれども、これはこのとおりでございますね。
○田澤国務大臣 考え方としてはそのとおりだと思います。ただしかし、労働者の雇用問題というのは労使間の交渉によるものでございますので、そういう点は土井委員も十分御理解をいただきたい、かように考えます。 〔主査退席、岡田(利)主査代理着席〕
○土井分科員 労使間の交渉であって、企業の姿勢にかかる問題だという討議がそれまでに延々あって、しかし企業任せであってはならない、やはり政府もそれなりの責任をとって当然ではないかという論法に移ってこの答弁と、こういう順序なのであります。だから、労使間の問題ですから、これは個々のケース・バイ・ケースであるということで振り切るわけにはいかない答弁の中身を持っているのですね。そういう意味を含めて、私は再度お伺いをいたします。 こういう決意表明と私は申し上げていいと思うのですが、これは大臣におかれましてもやはり継承されるに違いないと思いますが、そのとおりに理解してよろしゅうございますね。
○田澤国務大臣 今後もそういう姿勢で努力してみたいと考えます。
○土井分科員 そしてさらに、この法案を法律にするときに、衆議院も参議院も、大臣がよく御承知のとおりの附帯決議がございます。言うまでもなく、全会一致でございます。その中に「体質改善を進めるに際しては、業界段階における労使話合いの場の設定、労働者の雇用の安定、労働条件の改善等について万全の指導を行うこと。」こういうのが一項入ってございます。いまお手持ちの方は衆議院ですか。(渡邉(文)政府委員「参議院です」と呼ぶ)衆議院の方も同旨の、これは先に衆議院を言わなければならなかったのかもしれませんが、こういう附帯決議の中身がございます。これは国会の決議でございますから当然遵守されてあたりまえなので、こんなことを聞くこと自身が失礼に当たるかもしれぬと私は思いながら聞いているわけでありますが、この決議は遵守されているというふうに大臣としては御認識になっていらっしゃるかどうか。
○渡邉(文)政府委員 当時、法案審議の過程で先生御指摘のような御議論の交換があったわけでございますが、一つだけ補足的に御説明申し上げておきたいと思います。 当時、特例法をつくりますときに、大変反対をする向きがございました。それはとりもなおさず一般の消費者であり、ユーザーであったわけでございます。確かに日豪、大変な国際問題ではあるけれども、そういう数量規制をすることによって砂糖の値段が高値安定するということは、われわれユーザーにとっては決してのめない話である、したがって反対である、しかし、どうしてもそういうことで必要だということなら、その間にそういう法律がなくても適正な需給の均衡が図られ、価格の安定に資するような業界の体質に、当時はやりました言葉では、業界の構造改善を行えというような要望が広く周辺にございました。 そういったことを反映いたしまして、附帯決議の中でも前段に、体質改善を指導しろ、しかし、その体質改善あるいは構造改善を指導する過程で雇用の安定を忘れてはならない、それをしっかりやれ、あるいはいま御指摘のように、実際に参議院の場合にはもっと詳しく、話し合いの場云々というようなことまで御指摘があったわけでございます。 そこで、私どもは、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、砂糖産業にとりましてそれが大変苦境に陥る、そこに働いている労働者が大変不安を抱くということは大変重大な問題でございますので、特例法自体は、そのこと自体が構造改善を目標とするものではないわけで、そこは理解をしてほしい、しかし、それと並行しまして、先ほども先生御指摘のように、業界の体質改善を進めるという必要性は本来的にあるだろうということで、従来からも、一つには、業界内部が、競争の中にも需要に見合った供給が業界内部でうまく協調が保てるような体質をつくるということ、それからもう一つは、先ほども申しましたように、砂糖の需要が減ってくるということで、単品産業では将来なかなかむずかしいということも予測されるので、ぜひとも経営の多角化を図るような努力をしてほしい、そういう中で企業として生き残る方途を見出してほしいということを申し上げておったわけであります。その後ずっとその線で指導はしてきてまいったわけでございます。 結果的に、特例法の期間中は幸い、しかも、そういったことで安定した経過をたどったのでございますけれども、特例法の直前に一、二の工場で工場が閉鎖されるという不幸な出来事がございましたが、特例法になってからはいままでのところそういう事態には立ち至っていないわけでございます。しかし、本質的な体質改善の必要性というのは、砂糖の需要の変化も踏まえましてやはりあるわけでございます。今後、ただいま申しましたような基本的な指導の姿勢で続けてまいりたいというふうに考えております。
○土井分科員 そうすると、この法律自身は直接、構造改善をやって工場統合をやれとか、別に企業合併をやれということを強制している法律ではないけれども、諸般の事情からして、糖業界が直面している非常にむずかしい基本的にございます経済の問題、それ自身を解消するというのはなかなかできっこないはずですから、そこの中でいろいろ統廃合が始まりますと、すぐに矢面に立たされる働いている人たちに対しての具体的補償というものをきちっと附帯決議の中でも持ったというのは、与野党こぞってこの法案審議の節にこの問題をよほど憂慮し、非常に懸念をし、そしてせめてこれぐらいはという必要最小限度の線がここににじみ出ているのじゃないかと、私は思われてならないのです。 そこで、いまるる御説明がございましたけれども、それ以前は直接に生首を切るような人員整理がぼかぼか行われていたのが、この附帯決議以降は何か首切りは鎮静しているのじゃないか。そして、新規事業の開発と拡大で職域が何とか拡大されているのじゃないかというふうな向きをお認めになっていらっしゃいますか、いかがですか。
○渡邉(文)政府委員 特に輸入糖をリファインします精製糖企業の体質につきましては、先ほど申しましたようなことでございまして、従来からも、単品産業ではなくて何とか経営の多角化を図ることによって企業としての存続を図るようにということで、指導はしてまいっております。 それから、特例法期間中には幸いそういった激しい雇用の不安というのはいままでのところはなかったわけでございますが、現実にはいまの厳しい不況の中でそういう経営の多角化というものも言うべくしてなかなかむずかしいわけでございまして、幾つかの会社ではそういった具体的な努力をしていることを私も承知はしておりますが、すべての精製糖企業がそういう経営の多角化を目指して、非常に具体的な検討に入っているという段階には至っていないのが現実でございます。
○土井分科員 いま現実をお認めになっていらっしゃる中に、困る例として神戸精糖があるんですね。きょうは後からやはりこの問題について連携的に他の議員が質問を続行いたします。また、別の、労働部門の分科会でもきょうはこの神戸精糖の問題を取り上げて、労働大臣に対して質問を展開するということにもなっておりますけれども、この神戸精糖は雇用の吸収に対してどうも努力をしないんですね。そして、まずは首切りの問題に対して、働いていらっしゃる方々がのまなければ労働協約自身も結ばないということを会社側は言って、労働条件については一方的な引き下げを強行するというのが現実の形になってきているわけです。これは私どもが見まして、どうも国会の決議にも反しておりますし、大臣自身がきっぱりと言われているあの決意にも反しているということにならざるを得ないのじゃないかと思っておりますけれども、この辺はどのように把握され、どのように認識されていらっしゃいますか。
○渡邉(文)政府委員 まず、業界全体の話にも若干触れさせていただきたいと思います。 現在の砂糖の需要動向は激減しているということが一つございます。それはとりもなおさず、一般的な甘味離れとかあるいは異性化糖の急増、一部国産糖の増産等もございまして、精製糖企業の労働組合の方には私もいままで数回お会いをしておりますが、大変不安をお持ちの向きであることはよく承知をいたしております。そういうことを踏まえまして、特例法をつくりました当時、主な企業で約千億円を超す赤字を持っておりましたが、特例法期間中に特例法の効果あるいは企業努力等もありましてかなり減ってきてはおりますが、会社によりましてはまだ依然として大きな赤字を抱えておるという会社が一、二見受けられるわけでございます。いま御指摘の精糖会社につきましても、そういったことで、企業として今後の存続を図るために、再建合理化計画と私ども聞いておりますが、現在労働組合との話し合いに入っているということは承知をしております。
○土井分科員 話し合いに入っているのならいいのですけれども、現実はいま申し上げたとおりで、会社側はどうも大変な強硬姿勢なんですね。先日私は現場に出かけまして、会社側の方々とも会う機会を得ましたけれども、頑として言うことをお聞きにならないという非常に強い姿勢がありありと見えているわけであります。何とかこの辺は、農水大臣、決意表明を踏襲してということも先ほど御決意のほどを承らせていただきましたが、農水大臣の方からも業界指導ということについて、これは他人事ではないという御答弁の趣旨というのがございますから、ひとつその神戸精糖について雇用の吸収に努力をするという方向での御尽力をいただかなければならないと思いますが、この辺いかがでございますか。
○田澤国務大臣 先ほど局長から答弁申し上げましたが、砂糖の現状は、御承知のように食生活の多様化によりましてどうも甘味離れが非常に強い。それから国産糖の生産というのが非常に増加してまいった。それから輸入糖が減少してきた。加えてまた異性化糖が入ってきた。こういう新しいシステムが出てきたわけでして、そのことは先ほど申した一番最初の甘味離れということが大きな原因になっているわけでございまして、精糖企業は大変な状況にあろうと思うのです。しかも原糖から製品までワンセットになっている、こういう企業でございますから、それだけに経営の多様化というのは非常にむずかしいと思います。 そういうことで経営が非常に苦しい状況にあろうと思いますので、私は、鈴木元農林大臣が答弁した趣旨を十分尊重しながらこれらの問題を、また国会の決議等もございますので、農林省はこれに可能な限りの努力をしてまいりたい、かように考えています。もちろん労働問題でございますので労働省が中心でございますが、私たちも可能な限りの努力はいたしたい、指導はいたしたい、かように考えています。
○土井分科員 それはよく承りました。業界に対する指導というのは農林水産省の所管ということですから、いま大臣がおっしゃったことをそのまま私も確認させていただきたいと思います。 さて、三月末をもって砂糖の売り戻し臨時特例法が失効いたしましてから後が一体どういうことに相なるかというのは、いま何といっても不安が渦巻く問題になるわけですが、これには、あとこの問題をどうしようか、片やこの問題をどう考えようかという条件が幾らかあると思うのです。その中の幾ばくかをここで引き合いに出しながら、その対策をお尋ねして質問を終えたいと思うのです。 精製糖における過当競争の再現が出てくるのではないか。そうなってくると、企業倒産が連鎖的に発生する可能性も当然のことながら出てまいりますね。いま大臣がおっしゃったとおり、甘蔗糖の再販に当たってずいぶん値引きというのが、ダンピングというのが起こされてくるという可能性もある。てん菜糖は、先ほども少しお話の中に出していただきましたが、過去の年間三十万トン台の生産時代は過ぎまして、もういまは五十万トン、それもどんどんふえるという傾向はまだここのところ続いているというかっこうですから、いま申しましたダンピングが現実の問題となって出てまいりまして、そうでないと販売し切れないということに当然なってまいります。それは片や甘味資源の生産農家にとっては大変手痛い問題でありまして、先行きが真っ暗だという問題もそこに出てこようと思うのです。また片や精糖工業界の構造改善というのがどんどん進む中で、集中生産の一方で工場閉鎖というのがいままでになく出てこようという問題も、これは大変深刻な問題として受けとめていかなければならないという事情があるわけですね。 いままでもいま申し上げた神戸精糖などの例もあるわけですけれども、一方的首切りというのが激しくなるだろう。そういうことを通じて大手総合商社で業界の再編成というものが強行される危険性もある。いまもうすでに商社と精製糖の一部に、需給調整をやめて自由競争によって優劣を決めるべきであるという意見もそろそろ出ております。これを放任すると過当競争がどうしてもひどくなる。そうすると先ほど申し上げたこと、もとに返るというかっこうが出てくるわけですから、どうも構造改善と再編合理化ぐるみで、労働者の雇用と労働者の生活権が脅かされっぱなしになるのではないかというふうなことが考えられますね。 いま私は一連の現象だけを申し上げたわけでありますけれども、そういうことからどういうふうに対応策をお考えになるか。これは一言で言うのはなかなかむずかしいのですけれども、一番この点でやってみようというふうにお考えになっていらっしゃる点を挙げていただきたいと思うのです。それからまた、それに先立って状況の認識なども聞かせていただいて、それに打つ手をひとつお示しいただきたいと思うのです。いかがでございますか。
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生から詳しく御指摘ございましたように、それぞれの部門といいますか立場によりまして主張が区々でございます。それから利害も必ずしも一致しておらないわけでございます。 私どもこういった最近におきます砂糖をめぐります急激な情勢の変化に対応して、現在、大臣の御指示をいただきまして総合的な視点に立ちましての今後の砂糖行政のあり方を具体的に模索中であるわけでございますが、私ども最近の情勢で一番きつく受けとめております点は、先生御案内のように、国産糖は輸入糖に比べますとかなり割り高でございまして、現在の糖価安定制度のねらいの一つは、その割り高な国産糖と輸入糖との間の価格調整を図るということで、その間のいわば不足払いの財源の一部を一般会計からいただき、一部を輸入糖からいわゆる調整金という形でいただくというのが現在の糖安法の機能の一つであるわけでありますが、先ほど来先生御指摘のような事情で輸入糖が激減をしてまいりますと、制度の基本に及びかねないわけでございます。その点は私ども非常に強く受けとめておりまして、ただいま先生御指摘の一番何が強くかという御質問であるとすれば、その点を一番強く受けとめて、何とかその点の解決方法を見出したいということで現在せっかく勉強中でございます。
○土井分科員 こういう問題に対して大臣から最後に一言。いわゆる補助に組み立てられております予算は、行革、財政再建という声に乗っかって削減されるのではないかという大変不安がつきまとうわけであります。これはそういう方向で削減なんということをよもや大臣はお考えになっていらっしゃらないだろうと思いますが、いかがでございますか。
○田澤国務大臣 農林水産省としては、先ほど来国産糖の問題あるいは輸入糖の問題あるいは異性化糖の問題その他いろいろございますが、私たちが一番考えなければならぬのは、国産糖の生産に私たちは重点を置いてこれを進めなければいかぬ。そのために輸入糖をどうするかとか異性化糖をどうするかというようないろいろな配慮をしてまいりますけれども、それが第一だ。それと、それを中心にして糖価安定を図らなければいかぬ。そのためには何としても需要を伸ばしていかなければいかぬものですから、過当競争があってはいけないし、それがまた倒産につながるもとでございますから、そういう点を十分配慮しながら、総合的にいわゆる糖価安定対策を考えなければならぬ、こう考えておりますので、そのための補助金等はどうしても必要でございますから、そういう点は十分今後も削減されないように努力をしたい、かように考えております。
○土井分科員 終わりました。ありがとうございました。
○岡田(利)主査代理 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。 次に、木下敬之助君。
○木下分科員 まず大臣にお伺いいたしたいと思います。 私は、わが国の農業の現状そして将来に大変な不安を覚えているものでございます。また、わが国の食糧の安全保障にも将来に大変大きな不安を感じているのですが、私がこうしてその不安を感じるのには、二つ、大きな目に見える原因がございます。 その一つは、食糧自給率が著しく低下してきておるという点、この点は国会でも自給力の向上を目指すということを決議しておりますけれども、何ら実効のある具体的な施策がなされていないまま今日に至って、ますます自給率が低下しております。この国会の決議で、自給力というあいまいな表現になっておりますけれども、私は、やはり目をつぶらずに明確に自給率というものを維持し、向上していく必要があると考えております。 もう一つの、目をつぶらない限りはっきりわかる将来の農業からの警告、われわれに対する警告と思えるようなバロメーターに、農業後継者の数というものがあると考えております。農業後継者は年々減ってきておりますが、この二、三年ますます急激に減少していると思われます。将来のわが国農業は担い手を失って壊滅的な状況になるのではないかと思われますが、大臣はこの後継者数をどういうふうに受けとめておられるでしょうか。
○田澤国務大臣 私たちは、いま新しい農業をつくるために長期の展望に立って、国内で生産できるものは極力国内で賄うという基本で、国民の需要の動向を見詰めながら農業の再編成あるいは農業の生産性の向上を図って、それで食糧の自給力を確保する、それは同時に自給率につながるわけでございますが、そういう基本に立って、まず農業技術の開発を進めると同時に、農家の希望どおりの経営規模を与えるということがこれからの新しい農業の一つの基本方針なんでございますが、御承知のように、いま木下委員御指摘のように、一つは、自給率は確かに低うございます。もう一つは、後継者問題が一体どうなるのか。後継者問題も、確かに農業離れといいましょうか、そういう傾向にあるわけでございますが、私は、これは教育に一つ大きな問題があるという感じがするわけでございます。 それは、いま現に農林高等学校あるいは農科大学へ自分の子弟を進ませておる。その自分の子弟が果たして何%農業に帰ってくるかというと、大抵はサラリーマンになるとかあるいは団体の職員になるとかということで、直接農業に携わろうとする人は非常に少ない。私は、教育そのものが、もう一回これは反省しなければならないのじゃないだろうか。農学があって農業は滅びるという状況にいまあるような気がしてならない。 私がかつて非常に尊敬しております宮沢賢治、松田甚次郎、この方々は、かつての盛岡高等農林学校をお出になった方々でございますが、お二人とも短い人生をあの東北の零細な、しかも凶作に見舞われる農業に生涯をささげたんですね。私は、こういう人が出てこなければいかぬ。この間、たまたま埼玉県の江南村へ参りまして、これは水田利用再編対策を非常にりっぱにやっているというので私、参りましたが、そこへ行って、どうしてこれだけの実績を——いま日本の人全体が緊急避難的に水田利用再編対策というものを考えているのに、この江南村だけは積極的に村ぐるみで、新しい農業は水田利用再編対策のこの予算でつくり上げるのだという意気込みでやっているんですね。それは何かといえば指導者なんですよ。指導者なくして、私は、新しい農業はつくれないと思うんですね。単に価格問題で争うとか、単に、いま農業はこうだという批判ばかりして、その中へ飛び込む精神、いま農業は本当に厳しいから、私は入っていって新しい農政をつくるんだというこの意気込みが私は一番必要だと思いますので、もちろん一般論としての農政のあり方というものをつくってまいりますけれども、それと同時に意欲的な農業、指導者というものが必要なんじゃないか、私はかように考えます。
○木下分科員 大臣のその意気込みは十分わかりましたけれども、この話をもう少し進めさせてもらいます前に、数字の上から大変深刻な状況だと私は思っておるのです。これはもう非常事態に当たるような状況だと思うのですが、その点、この数字を見ての大臣のお考えですね、これはどの程度大問題だとお考えになっているのかをお聞かせ願いたいのです。
○関説明員 新しく学校を卒業した者が就職をいたします。その就職をした者の中で農業に就業した者がどれだけかと申しますと、いまから約十年前でございますけれども、昭和四十五年の段階では四十九万六千六百人の就業者のうちわずか三万六千九百人、七・四%という数字でございます。その後、十年たちました五十六年三月、昨年の三月でございます。昨年の三月の段階では二十三万四千五百人のうちにわずか五千七百人、二・四%という水準、七・四%からかなり低く二・四%になったというのが数字の上の傾向でございます。
○木下分科員 そして、私の方で聞きますと、四百六十一万戸以上ある農家で跡継ぎがないのが二百二十六万戸ぐらい、半分近く跡継ぎがない、こういう数字をごらんになって、大臣、このままでは将来壊減的になるのだ、これは何とかしなければというその気持ちを大臣から表明していただきたいのです。
○田澤国務大臣 いま局長から説明させたように、農業高校を出た者が、いま二・四%、これは私もずっといま調査させているのですけれども、第一には、中学校から農業高校へ受験する者は、まあ普通高校は不可能だから、あなた農業高校へ行きなさいというのが半分以上あるんですよ。それで、本当に農業をやりたいという者が農業高校へ——私は、農業高校というのは本当に働こうという者だけ入れて結構だと思うんですよ。倍率はゼロであって私はいいと思うのです。そういう教育をしていないものですから、それで親御さんも責任がないんだ。親御さん自体も、いまの農業は私ではどうにもならぬ、背負い切れないと。それは老齢化してまいりますから、負担が大きいんですよ。だから、こんなむずかしい、ましてや国際的にも非常にむずかしいこういう農業を私のいまの状況では不可能だから、せがれに受け継いでもらうのもなかなかどうだろうなという疑問を自分自身が抱いているのですよ、農業をやっている人たちは。もっと自信を持って、私は苦しい、しかしこの農業なくして日本はあり得ないという自信を持って農業を営まなければならないと思うのですね。それが農業をしてすべてがだんだん下降線をたどるようになってきていますので、魅力のない農業ですから、だんだん後継者が少なくなる。 私の県のことではなはだ失礼でございますが、私の県ではりんご協会というのがございます。リンゴに対する技術指導等をしている協会なんでございますが、ここには若い連中がものすごく入っておりますよ。ですから、何か指導者が一人おりまして、これからの農業はこういくんですよ、こういう形でいきましょうと、一つの指針さえ与えてやりますと、大きなエネルギーで日本の農業というのは動くもの、また動き得る、こう思うのです。ただ、これからの農業というのは非常に機械化が入りまして多様化してまいりますし、また農村社会も混在化してまいります、老齢化してまいります、こういうような問題等もありますので非常にむずかしゅうございますが、問題は意欲的に農業をやるということ、リーダーがその指針を示してやることが一番だ、こう思います。農林水産省もそういう意味では一つの指針を与えましょうということで、統合メニュー化形式等によって補助金等の方向をいま示してやろうというようなことなどもその一環なんでございますので、どうかひとつ木下委員もそういう点では御協力願いたいと思うのでございます。
○木下分科員 大臣の方から考えるとそういうふうになるのでしょうけれども、農家がもっとがんばればいい、もっと意欲的にやればいい、親御さんが自分自身も自信がないから子供にも勧めない、もっと自信を持ってやればいい、それは無理な御注文だと私は思うのです。 私自身が日ごろから仲よくして一番農業問題を一諸に話している人たちは、まだ若い、三十代です。一生農業をやっていこうとする本当の専業農家の若い人たちと話しているのです。この一番中心になる人たちが、農業のことをいろいろ考えたけれどもやはりやめるのが一番いい、こう言いますよ。これ以上の意欲を持ってやれと言うのは不可能だと私は思います。 それから教育に原因がある、教育して、いやな仕事だろうと何だろうと日本の農業は大事だからそれに犠牲的になってやるような人間を育てるのが教育だとしたら、これはいまの実情に合わない教育だと思います。もっと別の次元からとらえて、なぜ農業の後継者が出てこないのか、どうしてあなたは農家に生まれ農地も持っていながら農業をやろうとする意欲が出ないのかというこの原因を、大臣、もう少し研究してください。私はそんなところに原因ないと思います。いまの農業には将来に希望が持てないからやらないのだと思います。 私もかつて自分の職業を選んだことがあります。そのときに、やはり人間というのは若いうちに苦労して将来楽をしたい、だんだんよくなるものを選びたい、若いころ苦労していれば将来安定するものを選びたいというのがあたりまえのことであって、その気持ちを超えておまえは日本の農業のために犠牲になれとは言えないでしょう。そのときにいまの農業にそんな希望が持てますか。ミカンをつくろう、つくる、それがいいかもしれないと思ってつくっていれば、余るようになる。肉牛を育てようと思って、何年もかかりますよ、何年も育ててやっと少しできるようになったかと思ったら、もしかしたら輸入枠をふやされるのではないか、こういうような状況で、若い人にどうして農業を自分の生涯の職として選べと言えますか。職業としての農業を選ばせるためには、もっと長期にわたって明確なビジョンを持って、安心してこの職業につける状況をつくらなかったら日本の農業後継者は絶対にふえないと思います。 それから、大臣の言われたようなりっぱな農業の指導者が何人かいます。そして、これまでの何年間かをその核になって育ててきた人が大分に何人かいます。私が申しているのは、その人たちが、木下さん、もう農業はやめた方がいい、私は若い人に農業を続けることを勧める自信がない、こう言っているのです。大臣の言われたその理想とするような人が、みずからそう言っているような時代になっている。この認識をもっと深刻に受けとめてもらって、国民に向かって数字を挙げて、いま日本の農業は非常事態に来た、やるだけのことをやったけれどもこのままいったらとんでもないことになるという宣言を大臣にしていただきたい。どうかこの問題は大臣一度じっくり考えていただいて、将来のことを考えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 時間がありませんからあと少し先の問題をさせていただきたいと思います。時間の関係で少し飛びますけれども、一番先に漁業の問題をやらせていただきます。 大分県だけではなく、いろいろなところの沿岸漁業は漁獲法がいろいろ近代化されまして、乱獲等のため水産資源が枯渇してきています。このままでは、せっかくとりたくても、漁法が幾ら発達しても魚がいないというような状況で、稚魚を放流して育てようという方向に向いていると思います。昨年は第一回の豊漁祭を大分県でやらせていただいておりまして、大分ではそういった機運も大変できておりますけれども、せっかく放流した稚魚が順調に育っているかどうかがなかなかむずかしい。これが育つためにはやはり二つぐらいの大きな援助というものがあるだろうと思っています。その一つが魚礁を積極的に拡大することであり、もう一つは保護区域を設定していくことだと思うのです。 この魚礁について、コンクリート等工作物で相当な資金のかかるものをやっておられるようですけれども、もっと安価で需要に応じられる方法があるのじゃないか、もしくはもっと積極的にやっていくことができるのじゃないかと思うのです。たとえば、これはちょっと環境面やらいろいろあるから私自身も検討した上で申し上げているわけじゃないのですけれども、勝手に実験することができませんので政府の方でも御検討を願いたいと思うものに、古タイヤとか廃車等で安価に魚礁ができないものだろうかという漁民からの声を聞いているのです。この点お答えいただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 ただいま先生御指摘のように、日本の漁業をとる漁業からいわゆるつくる漁業へと変えていくことは非常に重要な政策でございまして、大臣も再三申し上げておるところでございます。ただいま御指摘のありました古タイヤとかあるいは自動車の廃車を使ってはどうかというお尋ねでございますけれども、まず、この魚礁設置事業というのは県、市町村、漁協の三者が事業主体になってやっておりますので、魚礁の材質はどれを選択するかというのは、あくまでその事業主体が決めることになっております。ただ、基準がございまして、安全性なり耐久性なり経済性というものを追求していかなければならぬということでありますが、現在採用されておりますのはコンクリート製、タイヤ製、ポリエチレン製の三種でございます。 この廃タイヤでございますが、これはすでに採用しております。五十六年度では九カ所古タイヤを使っておりますので、先生御心配かもしれませんが、古タイヤは使えるということでございます。 ただ、廃車の方でございますが、自動車は鋼材の厚さが大体〇・七ミリから〇・八ミリでございますので、一年間に水深五十メートルよりも浅いところで腐食する状況を調べてみますと、片面で〇・二ミリずつ減っていきます。両面で〇・四ミリでございますから、自動車を入れましても大体二年かそこらしかもたないということでございまして、やはり魚礁としては三十年ぐらいございませんと役に立ちませんので、廃車はちょっとむずかしいということでございます。
○木下分科員 その魚礁の材料でもう一つ提言があるのですが、製鉄所の鉱滓、スラグ、これを使ってやってみようということで大分の製鉄所でも研究しているのですが、国の方も研究費をつけるなり積極的にやっていくという意思はございませんでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 スラグにつきましてはいろいろ問題があるようでございまして、これから研究してみたいと思っております。いま一番考えておりますのは、実は漁業の生産構造を再編しなければいけませんので、そのために出てまいります古い船、これがこれからかなり出てくるのじゃないかと思いますので、沈船を魚礁に使うということを目下考えております。
○木下分科員 どうぞ前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 いまの二つめの保護区域の問題については、どのように進めるおつもりでございましょうか。
○松浦(昭)政府委員 栽培漁業を推進するためには、御指摘のように、育成水面と申しますか、稚魚がそこで大きくなっていく水面というものを確保しなければならないわけでございます。現在も沿岸漁場整備開発法という法律がございまして、第八条、第九条に育成水面という制度がございます。これは漁業協同組合なり連合会が都道府県知事の認可を受けまして育成水面という区域を設定し、そこで規制をつくりまして、クルマエビとかガザミを放流し、体長制限とか稚魚の採捕の禁止ということをやっておりまして、全国で四十カ所ほどつくっております。ただ、この制度のもとにおきましては放流魚の育成にとっては非常に有効であると思うわけでございますけれども、一面、他の漁業との競合がございまして、重層的にその水面が利用されているということになりますと、特定の魚につきまして関係漁業者の三分の二の同意をとれということになっておりまして、これはなかなか設定がむずかしいことがございます。また一面、三分の二の同意をとらないでやりますと、今度は関連する漁業者が不利をこうむるということで、その点が非常にむずかしい点でございます。また、漁業協同組合の員外者について拘束力がないという点が問題でございます。 ところが、今後栽培漁業を推進していくためには、大分の豊漁祭でもそういう御議論がございましたけれども、特に今後の漁場の管理というものが非常に重要であるということは御指摘のとおりでございます。また一方、遊漁人口も非常に増してきておりますので、それとの調節という問題もございまして、実はこの点、わが方も非常に重要な課題だと考えておりまして、目下漁場管理制度研究会というものをつくっており、一年ぐらいかけてこの漁場管理のあり方について検討し、できれば制度の面でも改善を加えてまいりたいと考えております。
○木下分科員 大分県の漁業のことを申しましたから、いま大分県で大きな問題になっているものに密漁者が大変多くて困っているということがあるのです。しかも、その密漁者に注意をしようと行ってみますと、何か入れ墨のようなものをちらつかせるような方がおられたり、民間だけでは取り締まりのできないような状況にあると聞いているわけですが、この点については警察庁、海上保安庁の方も、来ておいででしたらその対策をお聞かせ願いたい。
○本多説明員 大分県の警察で、昨年中に、漁業法違反によりましてアワビとかサザエとかの密漁事犯を検挙しております。ことしになってからも規制に違反してシラスウナギとか貝を採捕したのを検挙しております。警察は警備船も持っておりますので、それを活用したり沿岸警らをやりましてその取り締まりをやっております。さらに、地域によりましては県の担当課とか市とか県事務所とか、海上保安部、警察、地元の漁協などが集まりまして対策会議を開いておるようでございますので、それに参画いたしまして、その予防策に努めておる。さらに一層今後ともこの取り締まり策を強化していきたいと考えております。
○田辺説明員 大分県の沿岸海域の密漁取り締まりですけれども、私どもは大分海上保安部が担当しておりまして、漁業協同組合を通じての法令の励行指導とか漁船の立入検査を行いまして、防犯指導の徹底と同時に、県の漁業取り締まり船とも連携いたしまして虞犯海域において巡視船艇、航空機による取り締まりを行っております。 また、地元の漁業者等から密漁の通報があった場合には直ちに巡視船艇を出動させまして取り締まりを行っており、五十六年には二十三件検挙しております。今後とも私どもといたしましても密漁船の情報収集に努めまして、船艇、航空機を使って取り締まりを強力に実施していくつもりでおります。
○松浦(昭)政府委員 水産庁といたしましても、この密漁を徹底的になくすということが非常に重要であると考えておりまして、海上保安庁、警察庁とも連絡をしてやっておるわけでございますが、水産庁自体におきましても瀬戸内海の漁業調整事務所に取り締まり船を二隻持っております。それから、セスナ機による広域パトロールもやっておりますので、関係各省とも連絡をいたしまして、十分な取り締まりをやってまいりたいと思っております。
○木下分科員 この問題は、密漁に来ている人たちが、ある意味では、水中銃やナイフを持っていたり武装しているわけですから、まず漁業者に注意させてそれからということではいつどんな事故が起こるかわからないわけですから、これはそういった意味での水中銃の許可みたいなものも含めて厳重な取り締まりをしていただきたいと思います。まず、漁業者がやって、通報があってからというのじゃなくて、事故の起こらないように積極的に先手を打ってやるという姿勢でやっていただきたいと思います。 次に、大分県では昨年、その前と赤潮が発生して大変大きな被害が出ていますが、この赤潮について、発生のメカニズム等どこまで研究ができておるのか。もっと研究をやってもらいたいと思うのですが、その救済対策、そして湾の再生といったものについて御答弁をお願いいたしたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 赤潮の被害は、発生いたしますと非常に悲惨な被害が出てまいることは私どもよく存じておる次第でございます。従来から発生の多かった内海とか内湾だけに限らず、このごろは外洋に面した区域とか島嶼部にも、さらに内水面にも赤潮が発生する傾向が見られまして非常に憂慮しているところでございます。ただ、五十五年、五十六年の二カ年間は大量な被害を発生するような赤潮は出なくて幸いだったと考えておりますが、まだまだ油断はできない状況でございます。 赤潮の原因でございますが、御案内のように、赤潮はプランクトンの異常繁殖によるものでございまして、特に栄養塩類が存在しているいわゆる富栄養化水域に起こると言われております。それからまた、その場合に、水温、塩分濃度、日照、PHといったようなものが非常に関連があり、あるいは成長促進物質、たとえば鉄分であるとかビタミンBといったものが必要量存在している場合に発生するということが言われております。大体その要素、要因は分析されているわけでございますが、これが定量的にどの程度に達したらどういうことになるかということがまだ解明できない状態でございまして、水産庁としては南西海域の水産研究所に赤潮部をつくりまして、また赤潮研究会等も学者先生にお願いして発生のメカニズムを研究いたしておるところでございます。今後鋭意やってまいります。 次に、赤潮による被害漁民の対策でございますが、まず何と申しましても発生の予察と発生の防止が非常に重要になっております。このための予算もつけてございます。 また、その観点から、赤潮の発生の防止さらに被害防止のための技術開発、これは粘土を使いますとか石灰をまきますとか、あるいは水の中の泥を攪拝してその底質を改良するといった方法、いろいろな方法がございますが、こういったものも鋭意研究し、また一部実用化されております。 さらに、発生いたしました後においての救済対策としては、漁業災害補償法に基づいていわゆる赤潮特約というものがございまして、異常赤潮の発生が起こった場合には共済金の支払いの対象にするということで、しかも、その特約に係る掛金は国と地方公共団体が三分の二、三分の一ずつの負担ということで、実質的には特約分については漁家の負担が全然ないという状況で救済をすることになっております。 最後に、防止のための湾内の再生対策でございますが、おっしゃられるとおり、これが非常に重要でございます。特に有機底泥と申しますか、泥をできるだけ除去することが必要でございまして、一つは底質の浄化でこの発生の防止を図るということ。それから、このためには有機泥質の分布、性状、堆積量等の把握のための漁場改良復旧基礎調査というのを実施しております。それから、先ほど申しましたように、泥の改善を図るために粘土の散布、石灰散布、覆砂、砂をまくとか、海底曝気と申しまして酸素をできるだけ海底に供給してやるといったような方法を現在技術開発しております。また、一部実施をしております。また、海底のしゅんせつ、耕うん、覆土、作澪とか水路の掘削といったようなことで、これは漁場環境維持保全事業の一部として実施いたしておるという状況でございます。
○木下分科員 今後の一層の研究と対策をよろしくお願いいたします。 最後に、もう一問お願いいたします。 大分県下には豊富な地熱、温泉熱の資源があって、これを農業に有効利用している方がおります。しかし、これの問題は、ボーリングパイプが詰まること、そして熱交換の効率を高める技術の開発にあると思われますが、政府もこのイノベーションに本格的に取り組んでいくべきではないかと思われます。こうしたローカルエネルギーを農業に有効利用する農業者に対して、政府もおくればせながら五十六年度から農業近代化資金の対象にしておりますが、金利が現行の六%では今日の農家経営の健全な発展には結びついておりません。こうした地域農業者の創意工夫に根差した前向きの投資に対して、格段の配慮を加えた長期低利の融資の道を開いていくことができないだろうか、この点をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○岸政府委員 ただいま先生の御指摘の技術開発の点からお答えを申し上げたいと思います。私ども、いまこういう石油の事情でございますので、自然エネルギーを十分に利用していかなければいかぬというふうに認識いたしておりまして、いままでにもいろいろな試験研究を実施してきております。大分県におきましても、すでに地熱あるいは温泉熱を施設園芸に使っているというような例もございます。さらに、そういう点を進めなければいけないというふうに考えております。ただ、これはかなり基本的なところを詰めなければいかぬという段階でございます。 現在、私どもでは現に進めている研究といたしましてグリーンエナジー計画ということでやっておりますが、大変大きい予算をつけていただきまして、方々で積極的に試験に取り組んでおりますので、そちらの方で十分に技術を開発していきたい、そういうふうに考えております。
○木下分科員 融資の点について……。
○角道政府委員 融資制度につきましては現状ではなかなかそのような長期のものというのは非常に困難かと思いますので、なおいま技術会議の方から御説明がございました技術問題等もあわせて今後の問題として検討していきたいと考えております。
○木下分科員 どうもありがとうございました。
○岡田(利)主査代理 これにて木下敬之助君の質疑は終了いたしました。 次に、野間友一君。
○野間分科員 農水省関係の国営事業については、いまさまざまな問題が投げかけられておりますが、総論の部分は別の機会に譲ることにして、端的に和歌山県の紀ノ川用水をめぐる問題についてお伺いをいたしたいと思います。 国営の十津川・紀ノ川農業水利事業、この一部として昭和四十年から始まった国営の紀ノ川用水の水利事業ですね、これは当初の計画から事態が大きく変わりまして、いま農家の不信、不満が非常に高まっております。 一、二挙げますと、たとえば工期ですけれども、当初は四十年から四十六年に完成予定ですね。ところが、もう五十六年もおしまいでありますが、いまの時点では五十八年に完成、これも定かではないということ。工期が三倍になっておるのですね。それから、事業費ですけれども、二十八億円の当初の予定がいまでは百六億円使っておりますが、これもまだかなり十年以上これからも工期が延びると言われております中で、今後どれだけふえるかわからない、こういう状況であります。 そこで、農民の声、不満、これが賦課金が非常に滞納されておる。当初は九〇%台の賦課金、これの支払いがありましたけれども、いま改良区に対しまして、五十四年度、もう八〇%、八五%ですね、これはさらに落ちております。こういう状況であります。 この理由は、水はもう要らぬ、やめたい、あるいはこの先どうなるかわからぬ、賦課金だけは年年取られる。これは土地改良区の経費とかあるいは県営分に対するそれぞれの償還の一部ですね、こういうものであります。それから、負担金は今後どれだけ上がるやらわからぬとか、ところが、やめたいけれども、やめる場合には決済金、この当該については現在十一万七千円、これが取られるので、やめるにもやめられない、こういう声が農民の中から出ております。 いま申し上げたように、二十八億円の事業が百六億円、七年間の予定が間もなく二十年になるけれども、これも定かではない。増産効果も米については千四十トン、果実については七千八百二十五トン、これを掲げながらやったわけですけれども、この減反によって、農水省からもいろいろ資料を取り寄せて検討しましても、いま受益面積が四十年実施時の約六〇%ですね。恐らくこれは和歌山市を除きますと、受益がごくわずかでありますから、五〇%を割ると思うのです。ミカンについて見ましても、昭和五十年がピークで、五十年対比で五十四年が約九〇%、これは畑作灌漑についての問題ですね、これは資材の高騰あるいは価格の低迷、それから輸入の拡大、こういうものが影響しております。 こういうふうに農家が、水事業の面でもあるいは負担の能力、こういう問題におきましても、当初の計画のようについてはいけないというのが現状であります。 こういう問題の根源はやはり国の農政、この責任があると思うのです。大きく変わったわけですね。いま申し上げたように、減反とか果実の問題についてもそうであります。こういう農家の窮状について、最初に農水大臣、どういうお考えをお持ちなのか、その認識の度合いをお聞かせいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 新しい農業を目指して私たちは何としても技術の開発と普及、さらに経営規模を拡大するということと、やはり経営規模拡大に伴いまして近代的な農業を進めるためには何としても圃場整備、いわゆる土地基盤の整備をしてまいらなければいけない、これが基本なんですね。そういう面で県営、国営の灌排事業を進めておるわけでございますが、いま野間さん御指摘のように、確かに四十年から非常に期間がかかるものでございますから、その間に社会経済の情勢がずっと変わってしまうというところに一つの問題があるわけでございますので、私たちは、この後、構造改善局長から答弁させますけれども、その間に何とか、完成時に果たしてこの国営灌排をどういうような形で活用するかということに焦点を置きながらいま進めようとしているわけでございますので、その過程においていろいろあろうと思いますけれども、最終的には地元の方々といろいろな協議をしながら、仮に五十八年完成としますと、その時点でこの問題、この灌排事業をどういうように活用するかということを私たちは進めてまいりたい。しかし、この問題は誠意を持って取り組んでいかなければならぬものだと思いますので、今後ともこの種の問題については熱心に取り組んでまいりたい、かように考えます。
○野間分科員 いま総論についての大臣の方からの御答弁がありました。これは五十八年は国営事業でありまして、県営が昭和六十六年、それから団体営を入れますとさらにそれより工期が長期化するという、ことが明らかであります。 そこで、次にお聞きしたいのは、要するにいま大臣も言われましたけれども、工事が非常に長期化する、情勢が変わったということの中で、農地の転用、これも非常にふえております。この紀ノ川用水の関係で調べてみましても、四十年から五十五年の間に水田が二百二十五・三ヘクタール、これは当初の受益面積の約一〇%近いわけですね。大変な問題であります。しかも、このほかに決済金が、いま具体的に転用手続をしますと、これは反当たり十一万七千円取られる。そこで、転用はしないが、実際は受益地ではないというところもあるわけですね。 いろいろと調査してみますと、当初農民、受益者から同意をとるときには反当たり年わずか百五十円、この賦課金で水が使える、さらに将来水が余って工業用に売った場合には、これは配当金まで出てくるんだというようなことさえ言われまして、私も直接聞きましたけれども、橋本市のある財産区では区の財産は処分して、そして簡単にみんな一口ずつということで入るというようなことも実際に行われておるわけですね。最初は経費も非常に安くつく、しかも工期も七年で済むということで入ったわけですけれども、百五十円の負担金がいまでは二千五百円、こういう状況でありますし、今後どのくらいふえるかわからぬ、こういうことであります。しかも、この中で、国営事業が完成しますと、いまの約束では完成後二年の据え置きで、その後本格的な償還が始まるわけですね。これは大混乱は必至だと思うのですね。とにかく賦課金は取られる、金はどんどん払い込みしなければならぬ、水はまだ顔も見ることができない、いつ完成するかわからぬ、こういう状況であります。 そこで、具体的に農民の要求を二、三申し上げて答弁をいただきたいと思います。 まず、畑灌の問題であります。これは局長お聞きいただきたいと思いますけれども、いまのミカンを取り巻く情勢については、需給のアンバランスとかあるいは輸入の拡大で大変であります。 そこで、聞いてみますと、ミカンの産地ですから傾斜地にあるわけですね。高い金をかけて、あるいはほとんど必要がないのに水を引く農家はないわけでありますけれども、私がずっと調べていった範囲でも、もう水は要らないという声が圧倒的であります。和歌山県の耕地課などでも聞いてみますと、一たん判を押したということだけで農家の意向を無視してまで事業をやるのは問題だと県の職員も実は頭を抱えておるという状況であります。 現に、転用しますね、その際に、普通ならば決済金を払わなければなりませんけれども、これも取れない、取っていない、こういう現状であります。 そこで、局長にお聞きしたいのは、国がこういう情勢の中で地元の意向を無視して事業を行う、あるいは負担を強いるということはいけないと思いますけれども、この点についての所見を承りたいと思います。
○森実政府委員 紀ノ川地区の土地改良事業については、急激な社会情勢の変化の中でいろいろな問題が起こっていることは、私どもも存じているつもりでございます。 いま先生御指摘のような受け取り方もあるだろうと思いますが、国営事業につきましてはほぼ完了に近いわけでございまして、残された県営、団体営事業をどうやって事業進度の促進を図っていくかという問題が一つ問題になるだろうと私は思います。 それからもう一つは、率直に申し上げまして、計画変更手続をこれからどうやって農民の合意をとっていくか。これは私が申すまでもなく、先生御存じのように、十津川、紀ノ川をめぐる和歌山、奈良両県の水利権問題、それから施設管理問題が絡みまして、それぞれの地域で主張が食い違っているためになかなか意見がまとめられないということでかなり時間がかかってきた、ようやく両県がテーブルに着いて話し合いができるという条件ができてきたという状況が一つございます。 それから三番目は、やはり稲転の問題、それからミカンの景気の停滞、晩柑類等の植栽への転換あるいは傾斜地等における耕作放棄の問題があるわけでございます。それ以外に転用が急速に、大阪のベッドタウン化して進んできていることは否定いたしません。その意味で水田の転用以外に傾斜地の一部、これはいろいろ問題があるところだろうと思いますが、耕作放棄的な動きもあることは私どもも憂慮している点でございます。 そこで私ども、一つは、国営事業はおおむね完了に近づいておりますが、県営、団体営との進度の跛行性をできるだけどうやって調整していくかという努力をこれから集中しなければならないだろうと思っております。国営の負担金は、事業完了後据え置き期間の二年を経過してから徴収することにしておりますが、そこら辺は全体の状況を見て完了時点をどうするかは私も考えていかなければならないだろうと思います。 転用決済金の問題につきましては、これは実は残って農業をやる人と農業からリタイアする人とのバランスの問題でございまして、当初は賛成しておいて後からやめるという方の部分について転用決済金の制度がなければ、残った方に大変重い負担となるという実態もあるわけでございまして、ここら辺はやはり制度の約束の仕組みで考えていかなければならないだろうと思っております。 事業進度の調整問題、賦課金の問題等については地元にいろいろな問題があることは私どもも伺っておりますので、十分調査しながら関係自治体とも相談して、できるだけの対応努力はしてまいりたいと思っております。
○野間分科員 時間がありませんので、聞いたことにぜひ端的にお答えいただきたい。 いろいろなことをあわせて言われたわけですが、私が聞いたのは一言、畑灌、特に和歌山の場合ミカンですね、ミカンについては、私も現地へずっと入りましたけれども、この用水の受益が必要だというのはごくわずかで、ほとんどが、ミカン情勢がこういう状況ですから要らない。実際いま転用する場合でも県も決済金が取れない、取っていない、そういう状況ですね。ですから、私いまお聞きしているのは、畑灌に関しまして方針は方針としてあるわけでありますけれども、事業とか負担金、これを押しつけずに、十分地元の実態に即応した対応をすべきじゃないか、こういうことを私はお聞きしておるわけで、いまの答弁の中にもあったと思いますけれども、一言で結構ですから……。
○森実政府委員 実は私ども畑灌地区の問題は非常に困っております。五十三年の干ばつの後に、畑灌の有効性についての地元の認識が急に高まりまして大変強い要望があった。その後幸い干ばつがない、あるいは干ばつの程度が低いものですからそういう要望が出てきていないということで、実は先生も御案内のように、畑灌地区の要望というのはそういった天候状況等によって非常に動いてくる、それをどう受けとめるかというのが非常に困った点でございます。 それからもう一つは、はっきり申し上げますと、温州の地帯と晩柑類の地帯で非常に要望の食い違いがある。当初はみんな同じで要求してきていたのが、わせ温州の地帯ではむしろ消極的になってくるということで、非常に実態によって動きが違ってきております。われわれとしても、もちろん国営事業自体はやはり既定方針でおおむね完了に近づいているわけでございますからこれはもう完了させざるを得ないし、また、その負担は、すでに当初の計画に従って方針を決めておるわけでございますから、しないわけにいかないと思いますが……(野間分科員「まだありますからできるだけ簡単に頼みます」と呼ぶ)県営、団体営の事業をどう進めるかについては、これはそれぞれの状況で、まだ未着手の地区もたくさんあるわけでございますから、考えていかなければならないだろうと思ってます。
○野間分科員 農民の声については私、十分申し上げたわけですが、土地改良区とか県、こういうところの意向を十分聞いて、必要な事業の再検討あるいは縮小とか段階的な実施、こういうものを考慮すべきである、いま局長うなずかれたわけですけれども。やはり事業の見直しは必至じゃないかと。これは繰り返しませんけれども、そういう実態があります。静岡に静清庵の畑灌の事業がありまして、ミカン園ですが、これも事業をいま休止しておりまして、国の事業費をいまはもうやめておりますね。そして、調査あるいは検討費、これは五十六年、五十七年度に、五十七年度は予定ですけれども、各七千万円ずつついておるわけですね。 こういうのを踏まえますと、もう一言お聞きしたいのですが、農民やあるいは地元の意向を聞いて十分検討していくということをぜひここで約束していただきたい。いかがでしょうか。
○森実政府委員 国営事業については私すでに申し上げましたように、ほとんど完了に近い状況でございます。ただ、県営、団体営についてはそれぞれ末端での事業効果の発現に対する期待が、先生御指摘のように、差があることも私は否定できないと思います。それは地域の実情で処理せざるを得ないだろうということを申し上げたわけでございます。そういう意味で、段階的実施なりあるいは区分するということはあり得るということを申し上げました。
○野間分科員 それから、次にお聞きしたいのは、いまの畑灌との関係で、畑灌が仮に抜けるという場合に、それでは残されたものに全部、特に水田ですね、これに負担させるということもできないわけですね。そうしますと、それでは具体的に先ほど申し上げましたように、事業金額はずいぶんふえていく、同時に負担額がふえていくわけですね。そういう中で農民の負担をどうやって軽減させていくのかということが畑灌の問題とは別に重要な問題となってきておるわけですね。 そこで、お聞きしますが、ずっと中へ入って聞いてみますと、国営事業の分、この地元負担、これを奈良県の大和平野、これも十津川、紀ノ川と一体となった事業の一部ですけれども、ここでは国、県、地元の負担の割合が六、二、二が六、三、一、県がプラス一をかぶっているわけですね。こういうことになっていますが、和歌山でもずっと入ってみますと、せめて奈良並みに六、二、二から六、三、一にしてくれという声が非常に強いわけですね。恐らく県もいろいろ聞きますと、そうせざるを得ない、こういう考え方もあるようでありますけれども、政府としてはこれに対してはどう対処するのか、一言お聞かせいただきたいと思います。
○森実政府委員 先ほど申し上げましたように、国営事業と団体営、県営に分かれるわけで、国営だけの御質問でございますが、実は率直に申し上げますと、国営事業の負担金自体は大体私ども試算いたしますと、紀ノ川地区につきましては一戸当たり大体三万九千円程度で、これはほかの地区に比べるとそう大きくないのではないかと思っております。もちろんこれは計画変更やPWの改定等でどう確定するかはさらに調整しなければなりません。 そこで、国営事業の負担をどう考えるかということは、御案内のように、六、二、二を基準にいたしまして、二割までは県に持っていただくという方針でやっておりますが、残った二割をどうするかについては県の自主性に任せております。いままでのところ、大体国営事業の継続地区の半分くらいの県が上乗せ負担をしておられるというのが現状でございます。この問題はこれからの検討課題になるだろうと思っております。
○野間分科員 いま国営の負担部分、これは当該土地改良区の試算資料によりますと、五万五千四百七十七円です。いま局長が言われたのよりもかなり高いわけですね。 それから、次にお聞きしたいのは、土地改良区から従前からずっと要望が出ておりますけれども、国営分の償還についてですね。これについて言いますと、償還条件の緩和、金利の問題、それから二年据え置きでなくてせめて完成後五年の据え置き、これが農民の強い要望でありますし、改良区に聞きましても、毎年ずっと要望書、陳情書を出しておりますね。これにもずっと毎年あるわけですけれども、これもやはり真剣に考えていただきたい。特に、いま申し上げたように、そもそもの事業の発端から経緯、こういうものを踏まえまして、本当に農家に希望を与えてスムーズにやるという観点からもぜひ必要じゃないかというように私は思うわけですけれども、これも時間がありませんので、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○森実政府委員 国営事業の負担金の徴収につきましては、実は昭和四十年度に十年という償還期間を十五年に延長し、四十九年にはさらに二年の据え置き期間を設けたという経過がございます。方々からそういった御陳情があることは私ども存じておりますが、いまの財政事情から見て、これをさらに延期することは、制度の均衡もあってなかなかむずかしいのではないかと思います。問題は県営、団体営の動きも見ながら、国営の完了をどう見るかという問題も一つございますので、そういう点は、私は現実的に対応しなければならないだろうと思っております。
○野間分科員 次に、団体営に関してお聞きしますが、これもちょっと申し上げたように、県営が六十六年、これは予定ですね。これは県の資料にもちゃんとあるのです。いま国営は予定が五十八年と言いましたね。県の資料によりますと、県営は昭和六十六年が後期の終了となっているわけですね。団体営となりますとさらにとれより延びることは明らかでしょう。だから、今後どれだけかかるかわからぬというのが現状であります。 そこで、お聞きしたいのは、この団体営の場合、これも国の補助、県の補助があるわけですが、具体的に要望が出た場合、速やかに事業採択を進めて国が補助をつけていく、これがひいては負担軽減にもつながると思うのですね。これはぼつぼつぼつぼつ、何年かかるかわからぬ、しかも、それもいろいろな手順が要るわけでしょう。だから、要望が出た場合には速やかに採択して補助をつける、こういうことについてぜひ約束をしてほしい。 それからさらに、抜き差しならぬ現状の打開のためにも、団体営について負担割合——現状を調べてみますと、国、県それから団体が四五、五、五〇、こういう割合になっておるわけですね。こういう点から、五〇というのは受益者に非常に重いということで関係の市町村が積極的にこの中に乗り出して事業主体となって費用の一部を負担してほしい、そして長い間の苦難の事業を締めくくってほしいというのが要求としても非常に強いわけですね。 これについて言いますと、その一部、たとえば橋本市、ここではこういうことに取り組んで、この五〇のうちの一一・五%を市が負担しておるようでありますけれども、こういうやり方について国はどういうふうに考えるか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○森実政府委員 まず、採択の問題でございますが、私ども実はことしの予算から新規の採択をできるだけ抑制して、継続地区の早期完了を図るという編成方針をとっております。しかし、御指摘のような県営、団体営の地区の関連工事でございますが、こういうものについてはできるだけ優先採択をしていきたいと思っております。 団体営の地元負担について市町村が負担していただくことは、私どもも事業の性格によっては非常に歓迎すべきことだろうと思っております。そういう意味においては、そういう地元の御努力に対してはできるだけ評価して、われわれも相談に乗っていきたいと思っております。
○野間分科員 ちょっと戻りますけれども、もう一つお聞きしたいことは、土地改良法の九十条に関連してお聞きしたいと思いますが、この九十条によりますと、国営事業に関する負担金について「その者の受ける利益を限度として、」負担金の全部または一部を徴収されるということが書いてあるわけであります。この事業を見てみますと、要するに当初の予定から和歌山県の受益面積全体が六〇%に減っておる。このうちの用水の利用がごくわずかである和歌山市を除きますと、先ほども言いましたように、利用が五〇%を割っておるというような状況ですね。しかも、ミカンが大変な状況だ。そうすると、全体から考えますと、当初に比べて受ける利益が相当部分減っておる。こういうことから九十条をもとに考えてみますと、これを軸にして農家の負担の軽減、これができるし、しなければならぬ、これが国の責務じゃないかと私は思うのですけれども、その点についてのお答えをいただきたいと思います。
○森実政府委員 「その者の受ける利益を限度として、」というのは、この種の負担金に関する法令の一般的な定めでございまして、特に事情変更でこの一般ルールが変わってくるものを意味するものではないだろうと私は思っております。問題はやはり先生も先ほど御指摘のように、現実のこの地区の問題としては、地区の状況の変化を踏まえて計画変更をどう考えていくか、さらに県営、団体営事業をどう考えていくか、その事業計画手続をどう進めるかでございます。あくまでも土地改良事業は、これは申請事業の場合はもちろんのこと、職権による事業の場合でも土地改良区の三分の二の同意というものの上で最終的に事業費の内容が確定し、負担が決まってくるわけでございますので、やはりそのルールの中で考えていかなければならないだろうと思っております。
○野間分科員 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいのは、いろいろ申し上げたように、国営事業についてはさまざまな問題を投げかけております。そこで、農家、農民あるいは改良区、県、こういうところの声を十分聞いて、再検討すべきところは再検討する、急がなければならないところは早急にやって事業を完成させる、それから、国あるいは県、市町村が全体として農民の負担の割合の軽減に努めるように、ぜひ大臣の方から御指導なり方針を出していただきたい、こう思うわけでありますけれども、これらを含めまして大臣の決意をお伺いして、終わりたいと思います。
○田澤国務大臣 先ほどもお答えしましたが、国営灌排事業について、特に基盤整備全体については、国としては当然進めてまいらなければならない事業でございますが、なかなか期間が長いものでございますから、社会経済情勢の推移に合わぬ場合が非常に多いものですから、そういう点でいろいろな問題が出てこようと思います。したがいまして、いま野間分科員が御指摘のような点は、地元あるいは県、土地改良区等といろいろ協議をしながら今後運営してまいりたい、かように考えております。
○野間分科員 終わります。
○岡田(利)主査代理 これにて野間友一君の質疑は終了いたしました。 次に、田中恒利君。
○田中(恒)分科員 私は、いま農林省でもいろいろと検討をせられておるようでありますが、砂糖の問題につきまして若干御質問をいたしたいと思います。 実は私どもの党では、五十二年に指定糖の売り戻しに関する臨時特例法が制定されましてから、党内に特別な委員会を設置いたしまして、いろいろと検討してまいっております。今月末の特例法の期限切れに当たって、いろいろな角度からわれわれも検討しておるわけでありますが、この分科会はそういう意味で時期的にいろいろ重要な意味を持っておりますので、私ほか若干の関係者が御質問することになっておりますが、全体的な政府の考えにつきまして、この機会にお尋ねをしておきたいと思うわけであります。 この問題は、国内では北海道、沖縄の甘味資源の生産者、もちろん消費者であります国民全体の関心事でありますし、特に精製糖業界を中心に関連の砂糖業界、そこに働く労働者の諸君にとりまして大変大きな問題であります。三月三十一日に特例法が切れる、こういう状態になっておるわけですが、この特例措置はもうすでに御承知のように、四十九年に価格が大暴騰いたしまして政府が日豪の砂糖の協定を結んだ、それが裏目に出て価格が大暴落をする、こういうことでこの特例法ができたわけであります。その後、三年の期限が切れて、さらに五十五年に延長をいたした経過がございますが、これら一連の特例法の流れの中で、この法律が果たした役割りを政府はどういうふうに評価をされておるのか、まず、この点をお尋ねをしておきたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生からもお話ございましたように、いわゆる砂糖の売り戻しの特例法は、五十二年に、国際糖価の下落に伴いまして大幅に割り高となりました日豪の砂糖の長期取り決めに基づく品物の引き取りを国内の精製糖メーカーが、事情が変わったというようなこともありまして拒否をしたということで、日豪間の大きな政治問題あるいは経済問題になったわけでございまして、これに対処するために、政府提案をもってお願いをしたわけでございます。 このような経過を踏まえて特例法はでき上がったわけでございますが、結果的には、私どもといたしましては、その特例法の目的とするところは十分果たしてきたのではないかというふうに理解をしております。 一つには、いずれにしましても、当時、問題になっておりました割り高な豪州糖の引き取りが行われましたし、砂糖の過剰供給等もございまして、主として輸入糖を原料とするいわゆる精製糖メーカーが、その経営が大変極度に悪化をしておりました。その経営がこの特例法期間中に、もちろん十分ではございませんが、かなりの面で、企業自体の御努力ももちろんございますが、改善されたという結果ももたらしているわけでございまして、そういう意味では、特例法はその目的とするところは果たしてきたのではないかというふうに考えております。
○田中(恒)分科員 私どもは、この特例法が、砂糖業界に長い間見られました過当競争に対して一定の大きな歯どめの役割りを果たしたこと、いま御答弁のありました砂糖の価格の安定に果たした点、あるいは精糖業界の安定化、そういったような意味で、法の内容であります数量調整を通して相当な役割りを果たした、こういうふうに見ておるわけでありますが、同時に、今日段階の砂糖をめぐる国内外の情勢というものは、生産の伸びに対して消費の伸びの方が全体的に多い、こういう傾向が一、二年続いておりますし、在庫もだんだん少なくなりかけて価格も暴騰していく、こういう情勢が国際的に出ておるわけですね。 そういうものを受けて業界の中では、これは後で御質問を細かくいたしたいわけですが、きょうは十分できませんが、農林省の構造改善を中心とする行政指導などの影響も加わりまして、また大変な混乱というか、企業内部の合理化を進めなければいけない、こういうことになって、ちょうどこの特例法をつくったときと同じような状況が今日起きておるような感じがいたしておるわけです。 こういう砂糖をめぐる内外の情勢につきまして、農林省の方でどういうふうに把握をしておられるのか、このこともあわせてこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 最近の砂糖をめぐります情勢でございますが、先生十分御案内のように、一つには、一般的な意味での国民の甘味離れといいますか、砂糖離れが数年前から進んでいるわけでございます。一方、甘味料としましては砂糖と内容等において全く同様であるというふうに私ども理解をしておりますが、果糖成分比率の高いいわゆる高果糖、異性化糖というものの生産が五十五年の春ごろから本格化してまいりまして、ちょうどそのころに国際糖価がかなり上がったということもございまして、価格関係が砂糖にとって不利、異性化糖にとって有利に働いたということもございまして、清涼飲料メーカー等を中心にしまして砂糖から異性化糖へかなりの需要が切りかわるということが進行しております。その後、異性化糖の生産がここ二、三年かなり急激に増加しておるという現実がございます。それから一方、これも御案内のように、国産糖の自給力の向上といいますか、北海道におきますビート等の生産がここ三、四年増加をしておるというようなことがございまして、その結果輸入糖は大幅に減ってきております。 そういったことで各方面から、たとえば国内産糖の生産に携わっている方からは、もし、このままの状態が続いて輸入糖が激減を続けるとすれば、現在の糖価安定制度のメカニズムが非常に困ったことになるのではないかという意味での指摘がございますし、一方、輸入糖メーカー、精製糖メーカーからは、その負っております公的負担が異性化糖と輸入糖とでは大幅に違う、その結果異性化糖が価格的に有利で伸びてきたのではないか、不公平であるという御議論もございます。一方、ユーザーの方からは、現在の特例法というのはよろしくない、一日も早くこれを廃止して自由競争の中で価格が形成されるべきであるという強い御意見も出ております。一方、異性化糖メーカーからは、技術革新の結果われわれの産業は育ってきたわけであるし、割り高な北海道と南九州の国産でん粉の引き取りについて政府に協力をし、その結果多額な負担も負っているという現実からいって、その周辺の人たちの自分たちに対する批判はいわれがないものであるというような反論等等、各方面からいろいろな議論が寄せられておりまして、そういったことを踏まえまして現在総合的な観点に立ちました制度の仕組みというものにつきましてせっかく勉強中でございます。
○田中(恒)分科員 いまお話のあったような甘味離れの問題、国内のてん菜糖の進出の問題、異性化糖の問題、こういう新しい事態を受けておるわけですが、この特例法は三月末で廃案にする、そして糖価安定法の改正で当面の新しい事態に対処する法の内容を整備していく、こういうことが新聞紙上等ですでに伝えられておるところであります。 その際に私どもは、やはりこの特例法が持ってきた機能というか役割りというものが、今日の砂糖をめぐる情勢の中で全然なくなったというふうには言えないのではないか、こういうふうに思っておるわけでありまして、この特例法の機能というものを何らかの形で法改正なり行政指導の中で十分繰り入れて、そして企業の中でも非常に競争の激しい、しかも価格的には大変な乱高下を繰り返してきた砂糖の国民生活に与える影響あるいは国内甘味資源生産者に対する対策、そんなものの上に、いま局長がお話しになった関係各業界のいろいろな利害、そんなものも組み合わせながら、この新しい事態に対処する対策を立ててもらいたい、こういうふうに思っているわけです。特にこの特例法の機能というものを全然なくしていいかどうかということにつきまして、われわれはやはり特例法の中で取り入れなければいけないものがある、こういうふうに理解しておるわけでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
○渡邉(文)政府委員 砂糖産業が、従来からとかく過当競争に走りやすい体質を持っているという指摘は、各方面からなされておるわけでございます。それは砂糖産業の持つ特性からいって、ある意味ではやむを得ない面もあるわけでありますが、反面、業界全体として協調を保って適正な需給のバランスをとり、適正な価格の実現を図るという必要性があることは、もちろん御指摘のとおりであるわけであります。しかし、特例法の制定の経緯にも見られますように、五十年の夏に日豪の砂糖協定が実行段階に入りましてから、五十二年特例法制定に至るまでの間、かなり大幅な価格の下落、各企業ごとの赤字の累積ということになったことに出ておりますように、業界内のそういった協調体制の確立というものは、なかなか言うべくしてむずかしい面があるわけであります。 〔岡田(利)主査代理退席、主査着席〕 しかし、いずれにしましても、特例法自体は当時におきますそういった事情を背景にいたしましてつくられた法律でございますので、その法律自体を延長するという意味での、あるいは糖安法の中へ取り込むという意味での考え方は私どもはなかなかとり得ないとは思っておりますが、先生御指摘のように、何らかの形で、砂糖をめぐるそういった情勢の変化を踏まえ、需給調整ができるだけ図れるような意味での検討をすべきであるという点は、私どももよく理解しておるところでございます。なかなかむずかしい点もございますが、各方面の御意見もいただきながら、現在の勉強を続けて何らかの成案を得たいというふうに考えております。
○田中(恒)分科員 ぜひ特例法の趣旨を生かした、いまのところ糖安法の改正ということでしなうが、ひとつ処理をしていただきたいということを特につけ加えておきたいと思います。 なお、この異性化糖の問題は、これはどう考えても甘味として相当大きなウエートを持ってきたわけでありますから、いろいろな価格なり調整金なり等を通してアウトサイダーの中に位置づけられておるということも、なかなかちょっと不合理だと思いますので、砂糖類ということで、この異性化糖と国内産のサトウキビなりてん菜糖なり、特にこの輸入精製糖ですね、この三つが組み合わせられた総合的な対策にしていただきたいということを、特につけ加えておきたいと思うわけであります。この点も農林省の御見解を尋ねておきたいと思います。 それから、これは別途同僚議員がそれぞれ御質問することになっておりますが、精製糖業界の中で、やはり企業間の競争は非常に激しくなるだろうし、これに伴って労使間の非常に激しい紛争がもうすでに御承知のように神戸精糖なりあるいは名古屋精糖なり、もう数カ所に起きてきておるわけであります。この問題については、特例法なりあるいは延長の時点においても雇用の問題については十分考えねばならない、こういう趣旨の附帯決議なり、法制定をめぐっての委員会の議論も数回重ねられておるわけでありますし、いまのこの局面の中では、非常に厳しい様相を持つ、そんな感じをいたしております。これは労使間の問題でありますから、労使間の話し合いというのが基本でありますが、しかし、この問題のよって来るものの中には、いわゆる特例法と同時に業界の体質改善というか構造改善についての農林省の強い行政指導があるわけでありますので、この辺についてもやはりこの労使間の紛争がこれ以上激化しないような、そういう立場に立ってひとつ取り組んでいただきたい。このことを特に申し上げておきたいと思いますが、以上の二つについても一緒に御見解を賜りたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 最近の砂糖をめぐります情勢の変化を踏まえまして、国産糖の立場あるいは異性化糖の立場、さらに精製糖企業の立場あるいはユーザーの立場等々を全部十分考えた上で総合的な視点に立っての対策を講ぜよというお話でございますが、私ども現在大臣の指示もいただいておりまして、鋭意検討中でございます。なかなかむずかしい問題も数多く内包しているわけでございまして、なかなか容易でない面もあるわけでございますが、せっかく現在検討中でございますので、あとしばらくお時間をおかしいただきたいと思います。 それから、精製糖企業に働いておられる方たちがいろいろ心配を持っておられる点も私、よく承知をいたしておるつもりでございます。いままでも何回か組合の方にもお目にかかったことがございますが、現在の輸入糖の激減の状況がどこまで進むかということについての基本的な御心配だろうと思います。そういった意味での心配はよくわかりますが、一方、あえて申し上げますれば、これだけの厳しい経済情勢の中で、各企業ごとにとって商品特性のない単品である砂糖というものだけを続けていくということがなかなかむずかしいということも現実問題としてあるわけでございますので、そういったことにつきましても、労使間で十分に御検討いただき、企業として存続をしていただけるよう労使間で協調を保ちながら、一層の御精進をいただければというふうにも思っております。
○田中(恒)分科員 これは、この問題の最後に大臣に。 ただ、いまの労使間の問題は、私どもも農政関係で一方では国内糖を国内需給の立場から強めなければいけない。そうすると、いまの砂糖政策の中では調整金なり何なりというものがかぶさって、そのことでまたいろいろ複雑な企業の問題が出てくる、こういう面ではそれぞれ板挟みのような感じがするわけでありまして、農林省の方もそれば十分御承知でありますけれども、単に経営計算で構造改善の指標などが策定されるわけですけれども、そういうものが企業の中に持ち込まれれば一つの大きな力になって作用するわけですね。こういう問題については十分労使間の意見を聞いて考えていただくように、これは要望ではありますけれども、私どもの考えでありますが、申し上げておきたいと思います。 大臣、国内の特に北海道のてん菜糖、沖縄、奄美のサトウキビでありますが、これをわれわれとしても拡大というか安定せなければいけないということでありますが、ただ、北海道のてん菜も、減反なり北海道の畑作の全体のあり方をめぐって、いまの農政の中でこういうてん菜糖に転換をしなければいけないという情勢があるわけですね。ですから、やはりこれは畑作のあり方という形から畑作政策というものを何とかもう少し考えてみて、日本の砂糖の将来性といったようなものと絡み合わせながら、国内資源のあり方、特に北海道のてん菜糖の生産の今日の状況に照らして適正な見通しを立ててみなければいけぬと思います。サトウキビの方は余り生産が伸びない、むしろ厳しい、こういう状況になっているわけでありますが、これも何といっても沖縄の農業にとっては一番大きな現金収入源でありますので、これは価格の問題なりいろいろありますが、ひとつぜひ力を入れて、国内でこういうものが安定的に、しかも全体のこの地域の農業の生産振興という立場で組み合わせられるような、そういう施策を強力にひとつ展開してもらいたいということをこの問題についての締めくくりの質問として申し上げて、大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○田澤国務大臣 国民の甘味離れ、さらに輸入糖の減少、異性化糖が進出したということで、これまでのメカニズムがちょっと崩れてきている現状において、私たちは何としても国産糖を奨励することが私たちの基本でございますので、したがいまして、そういう点では非常に新しい総合的な甘味対策というものを考えてそれに対応したい、こう考えているわけでございます。 特に、かつて青森などでもてん菜と酪農とをかみ合わせて、それで振興させようという考えがずいぶんあったわけでございますので、今日も恐らく北海道等においては、そういう組み合わせたいわゆる栽培方法等が考えられているんじゃないだろうかと思いますから、そういう一つの総合農政的な立場からこの問題をも十分考えて、いま田中委員の御指摘のような方向を堅持するように努力をいたしたい、こう考えております。
○田中(恒)分科員 通産省お見えになっておると思いますので、あと一、二問アルコール専売の問題で御質問しておきたいと思います。 一つは、アルコール国営工場をことしの秋から新エネルギー公団に移行をする、こういう閣議の決定がなされておるようでありますが、今日段階でどういうふうになっておるか、その経過を一つ。 それから、アルコールの問題は、エネルギーの問題と絡んでわが国の国政上の非常に大きな問題だと思うわけでありますが、いま通産省の国産アルコール工場、七つあると思いますが、私どものところにも一つありますが、昔はカンショを材料にしてやっておりましたが、いまは糖みつ、トウモロコシがほとんど大半になっておるように聞いておりますが、しかし、国内の資源を、地域の産業に結びつく資源をアルコール化をしていく、こういう研究も大分進んで、私どもの県ではミカンのジュースのかすを使ってアルコールをつくっておりますし、それから米の古々米なんかを使ったり稲わらを使ったり、こういう方向は相当進んでおると思うのですね。これらをひとつ今後ますます拡大しなければいけないと思うのです。国営であるときはやれておったが、新しいエネルギー公団にいったらそれが大分縮小していくというようなことでは困るわけなんで、むしろ積極的に事業分野を拡大をしていく、こういう方向で取り組んでいただくことが、これは日本のエネルギー政策としても正しいし、特に地域の経済というか地域の産業という立場からも非常に大きな意味を持っておると思うのです。 そういう意味におきまして、アルコールの政府から外れる、直接国の事業から外れることを想定しながら、皆さんの方でどういう考えでこれを移行されようとしておるのか、その場合の事業の性格などについて明らかにしておいていただきたいと思うわけです。
○井上説明員 それでは、まず第一の問題についてお答えいたします。 昭和五十四年の十二月末の行政改革に関連いたします閣議決定におきまして、現在通産省のアルコール専売事業で国営七工場をもちましてアルコールの製造をみずからやっているわけでございますけれども、この製造部門をいま先生御指摘ございました新エネルギー総合開発機構に二年以内に移行するという基本方針が決められたわけでございます。自来約二年かかりまして省内外いろいろ調整をしてまいりまして、昨年の十二月二十八日の閣議におきまして、本年の十月に国営七工場を新エネルギー総合開発機構に移管するということが最終的に了解をされたわけでございます。 この移管措置を実施いたしますためには、かなりたくさんの法律の改正措置が必要でございます。それで、現在私たちは、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を国会に御提出いたしまして、現在関係委員会の審議をお待ちしているというところでございます。 第二の御質問でございますけれども、アルコールの製造部門を新エネルギー総合開発機構に移管いたしますのは、一つは、行政改革の観点から国営事業を特殊法人形態に切りかえるというのが一点でございます。さらにもう一点は、石油危機以降、石油代替エネルギーの開発というのが非常に大きな問題になってきておりまして、新エネルギー総合開発機構は石油代替エネルギーの開発ということを主目的にしております特殊法人でございます。アルコールにつきましても、最近はアルコールを燃料として使うということが世界的に大きくクローズアップされてきておりまして、国営工場を新エネルギー総合開発機構に移行いたします一つの目的は、今後わが国といたしましても燃料アルコールの開発に力を入れていくということでございます。したがいまして、本年の十月以降、国営工場が新エネルギー総合開発機構に移りました後は、従来どおり工業用アルコールの製造を引き続き行いますとともに燃料アルコールの開発に努めてまいりたい、そう思っておるわけでございます。 そういった中で、先生が御指摘の国産原料の使用の問題でございますが、現在工業用アルコールの原料といたしまして、国産原料といたしましては沖縄産の糖みつでございますとか、先生がおっしゃいました、ミカン果汁廃みつと申しておりますけれども、ミカンからジュースをしぼりました後の残りかすを原料にいたしましてアルコールをつくっております。それから、生カンショ等も現在使っておりますが、さらに経済性のある国産原料の開発ということも私たちの一つの目標にしているわけでございます。特に燃料アルコールの場合には安い原料を確保するということがその実用化の前提でございますので、そういう意味では、現在まだ実用化されておりませんけれども、セルロース分を分解いたしましてアルコールを製造するという技術を現在開発中でございます。これがもし確立いたしますと、現在使われておりませんたとえば農産廃棄物あるいは都市廃棄物、林産廃棄物といったようなものがアルコール原料として使われるようになるわけでございます。そういう意味で、私たちも新エネルギー総合開発機構に国営工場を移しました後も、できるだけ安い国産原料の開発ということに努めてまいりたいと思っております。
○田中(恒)分科員 時間が参りましたので、終わらしていただきますが、ともかく、これまでただアルコール工場を民間に払い下げをした経過がかつてあります。いずれもこれはいま操業ストップあるいはもうほんの形だけ、こういうことになっておりまして、全滅状態ですね。ですから、いま残っております七つ、これはどう見ても収益を上げておるし、行革だというけれどもむしろお国にもうけを出しておるので、これは何も負担にはなっていないはずなんですね。ところが、どういうことか、今度そういう方向へ向けるということですから、向けるという以上はいままでよりももっとよくなっていく、そして事業分野も拡大さしていく、そういう方向でなければ意味がないと思うのです。いま御指摘になったように、いろいろな地域の産物、特に第一次産品、これをアルコールにどうやっていくかということについては技術的にも相当広い分野の利用が可能である。そして、そういう実用化も相当進んでいる。問題はコストだ。米だって将来やはりアルコール化の方向へ相当踏み込んでいくのじゃないかということを期待をしながら、現状のこのコストの計算からいった場合、非常にむずかしいということなんですけれども、その辺を後退させないように、何度も申し上げますけれども、ぜひその辺に力を入れるような新しいアルコールのエネルギー開発、そういう形でひとつ力を尽くしていただきたいということを御要望申し上げまして、質問を終わります。
○武藤主査 これにて田中恒利君の質疑は終了いたしました。 次に、玉城栄一君。
○玉城分科員 私も砂糖の問題についてお伺いをいたしたいわけでございますが、多少ダブる点もあろうかと思いますが、御丁寧にお答えをいただきたいと思います。 まず最初に、総論的な立場でお伺いしておきたいのは、最近の甘味資源をめぐる情勢並びに特に糖価の問題について、それから国内のサトウキビ生産者の現状についてどういう御認識を持っておられるか、お伺いいたします。
○渡邉(文)政府委員 先生十分御案内だとは存じますが、最近きわ立って目につく情勢といたしましては、一つは、やはり数年前からの国民の一般的な甘味離れ、砂糖離れというのが一つあると思います。それからもう一つは、いわゆる異性化糖と申しまして、従来のブドウ糖産業がいわば一つの技術革新の結果、果糖分の多いブドウ糖との混合液等をつくり出しまして、これが数年前から清涼飲料業界を中心に需要がかなりふえてまいっております。それからもう一つは、これも数年前からでございますが、北海道におきますビート等の増産が続いているというようなことが挙げられるのではないかと思います。そういったことを背景といたしまして輸入糖が大変急激な勢いで減少してきておるということがございます。 砂糖をめぐります情勢といたしましてはそういうことだろうと思いますが、そのことに伴いまして関係の精製糖メーカー、南西諸島、沖縄あるいは北海道の生産者、あるいは国内産糖業者、あるいは異性化糖メーカー、さらにはユーザー等からいろいろな意見が寄せられているというのが現状でございます。 そういった中におきまして、南西諸島及び沖縄のサトウキビの生産状況でございますが、これは御案内のように、北海道とは違いまして島であるという物理的なあれもございまして、面積は横ばいで推移をしてきております。数年前に一時面積の減少あるいは単収の減等々がちょっと際立ったことがございましたが、その後順調に回復してまいっておりまして、現在のところ、横ばいないしは微増程度でサトウキビの生産は続いておるというふうに理解をいたしております。
○玉城分科員 そういう立場から新年度、五十七年度の予算においてどういう形で予算的にはいろいろな対策が盛られているか、その辺を御説明いただきたいと思います。
○小島政府委員 作物としてのてん菜並びにサトウキビの生産振興対策につきましては、従来からそれぞれ作目別の予算を計上いたしまして対策を講じてきておったところでございますが、五十七年度におきましては、これはほかの作物も同様でございますが、従来の縦割り、物別の生産振興対策費を統合メニュー化いたしまして新地域生産振興対策ということで一括予算を計上いたしておるわけでございます。もちろんその中におきまして甘味資源関係は、従来の甘味資源生産総合振興事業としてそれぞれ認められておりました事業をその中に取り込みまして、これまで同様に、ある意味においてはこれまで以上に弾力的に実施していくということで、予算の金額といたしましては昨年よりも若干下回っておりますが、ほぼ必要な金額を計上いたしておるところでございます。
○玉城分科員 甘味資源関係の予算なんですが、これは私は沖縄選出でございますので、予算関係につきましては確かにおっしゃるとおり下回っている点がございまして、これは時間がございませんのでいつかの機会にまた譲りたいと思うのです。 そこで、私ちょっとお伺いしたいことは、先ほどの御説明にもいまの御説明にもございましたが、異性化糖の問題についてなんですが、この異性化糖は、精製糖に比べて大変有利な価格条件のもとで消費を伸ばし、精製糖に大きな圧迫を加えております。これは関税や消費税、さらには調整金にかかわる措置といった制度の上において著しい不均衡が存在しているからだと思うわけであります。こういう現状についてはこれを即刻改めるべきではないかと思いますが、そのためにも税負担を公平にし、また異性化糖も糖安法の対象に取り込むといった措置を講じ、甘味資源については総合政策の中で精製糖と異性化糖という両者がバランスを保ちながら、お互いが発展を期していけるようにすべきではないかと思いますが、農水省のお考えを承りたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生御指摘のように、輸入糖と異性化糖との間には、関税、消費税あるいは糖価安定法に基づきます調整金等につきましてかなりの不均衡があるのは事実でございます。しかし一方、御案内のように、異性化糖業界は、その成立の歴史がそうでありますように、国内産の芋でん粉の北海道のバレイショでん粉、南九州のカンショからできますでん粉の重要な需要先として、農林省としましても十数年来育成をしてまいった企業でございまして、現在におきましても、割り高な北海道ないしは南九州の芋でん粉を二十数万トン、関税割り当て制度のもとではありますが、引き取ってもらっているという現実がございます。そのために、輸入トウモロコシからつくられますいわゆるコーンスターチで全部行った場合に比べますと、かなりの金額の実質的な負担を異性化糖メーカーにはお願いしているというのも現実にあるわけでございまして、単純に形式的な関税とか消費税が課されている、課されていないというだけで比較するのはいかがかと思いますが、いずれにしましても、先生御指摘のような御意見は各方面から強く出ておりまして、私どもも十分その点につきましての認識は持っておるつもりでございます。 それで、そういうことをベースに、糖価安定制度の中にこれを取り込めないかという御指摘でございますが、国産糖に対します不足払いの財源の一部を御負担願っているわけですが、いまのまま輸入糖が減り続けますと、その糖価安定制度の仕組み自体に種々問題を生ずるおそれがあるわけでございまして、そういう意味におきましても、異性化糖について糖価安定制度の対象にすることについての御意見があるわけでありますが、反面、異性化糖メーカーからは、自分たちは別途芋でん粉に関してかなり大幅な公的な負担を負っているんだという主張もあるわけでございますので、そこら辺を全部踏まえながら、せっかく現在勉強中でございます。
○玉城分科員 それぞれの立場でいろいろな御意見があることは私もよく承知しておりますけれども、いま局長さん、勉強中ということでございますが、現在どういうふうな勉強をしておられるわけですか。 そこで、次の質問にも関連してきますけれども、これも質疑がございましたけれども、三月いっぱいで失効になるいわゆる砂糖売り戻し特例法ですね。この特例法については、失効することはわかりますが、さらにそれを延長されるのか、あるいはもしそれをされない場合、何かの需給調整措置を講じないとした場合、どのような事態が起こるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、その辺はいかがでしょうか。
○渡邉(文)政府委員 砂糖の売り戻しの特例法につきましては、先生御案内のように、五十二年の日豪砂糖取り決めにまつわるいろいろなトラブルを解決するという意味で、まさに臨時特例の措置として制定されたものであります。そのことは御案内のように、特例法の目的にも明示してあるわけでございますが、その特例法の制定の契機となりましたいわゆる日豪砂糖長期取り決めは昨年の六月に終わっております。そういった意味での延長の理由というのは、私ども政府提案といたしましてはむずかしいのではないかというふうに考えております。 しかし一方、特例法は非常に強い数量規制を伴います需給調整措置なわけでありますが、それはそのときの砂糖の輸入をめぐります情勢の変化なり国際協定の円滑な履行のために必要だという限りにおいて行われたわけでありまして、現在そういう状態がなくなっておるとすれば、自由化を前提といたしましてできた現行の糖価安定制度の中に需給調整措置を取り込むということは、なかなかなじみがたいというのが私どもの認識でございます。 一方、しからば、いまの需給調整措置がなくなった場合にどういう混乱なり問題が起こるかという御指摘でございますが、一般論で大変恐縮でございますが、特例法ができましたのは五十二年でございまして、直接の契機となりましたのは、五十年の長期取り決めが発効しましてから五十二年に至るまでの間の二年間の大幅な混乱というのが直接の原因でございまして、特例法がなくなれば五十年以前の状態に戻るという理解もできるのではないかと思います。そういたしますと、長期協定がないということからいたしますれば、需給調整その他につきましては一般的な指導といいますか、そういう中でできるだけの努力はしてまいりたいと思いますが、需給調整措置自体を法的なものとして位置づけるということはなかなかむずかしい問題を含んでいるのではないかというふうに考えます。
○玉城分科員 法的な措置としてむずかしいということでございますけれども、砂糖という商品は、サトウキビやてん菜といった農産物を原料とするため、気象の影響を受けて需給変動が激しいとか、国際的にも投機の対象になりやすい反面で、わが国は自給率が低いために国際相場の変動に著しく左右されがちであるという特性を持っていることが指摘されておるわけであります。それだけに需給調整機能を失うと、砂糖の需給価格が大変に不安定となり、物価政策上にも好ましくない現象が生じるばかりか、ひいては国内の甘味資源の生産農家や精糖業界にも重大な影響を及ぼすものと考えますが、いかがでしょうか。
○渡邉(文)政府委員 これは現在特例法があるのでかなり強い数量規制を行っているわけでございますから、もしそれがなくなれば、先ほど私若干触れましたように、特例法がなかった状態に戻るだけだということ以上に、若干の期間、混乱が生ずるのではないかという心配は、私自身も持っております。 これは、いまのところでまだ仮定の議論でございますが、現行の糖安法の中にも、市況が大幅に混乱して必要があると認められる場合には、いわゆる独占禁止法による不況カルテルよりもやや強い意味での指示カルテルという制度もあるわけでございます。いまそれを発動する予定であるということを申し上げているわけではもちろんございませんが、業界内部の協調が仮にうまくいけば、四十八年、九年あるいは五十年ころの状態が現出することも十分可能なわけでありまして、いま心配はもちろん心配ではありますが、だからといって必ず混乱するというふうにも思っていないわけでございまして、必要に応じて指導等も行いながら価格の安定に努めていきたいと思っておるわけでございます。 しかし、それはそれといたしまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、砂糖をめぐります情勢の変化を踏まえまして、総合的な観点で鋭意現在検討中でもございます。もし、それがうまく進んだ場合には、その運用によりまして何がしかの効果があるのではないか、まだ中身がはっきり決まってない段階でそう申し上げるのもなんでございますが、そういうこともあろうかと思っております。いずれにいたしましても、現在の検討作業を急いでいく必要があるというふうに考えております。
○玉城分科員 砂糖の需給適正化、価格の安定、甘味資源等の安定的発展を期すためにも、この際政府は恒久的な需給調整制度を確立すべきだと考えるわけでありますが、ただ、局長さん、鋭意検討しておられる。特例法は三月いっぱいということになりますと、三月いっぱいで何らかの措置がされなければならないと思うわけであります。この一部政正ということは、やはり三月いっぱいにあるいは国会の方に出される、これは時期的にもそうならざるを得ないと思うのですが、いかがでございますか。
○渡邉(文)政府委員 先ほど来私が申し上げておりますのは、需給調整措置というものと正面から取り組みまして、糖安法の中へ取り込むということは、御案内のように、糖価安定制度が昭和三十八年の粗糖の自由化を契機にいたしまして生まれたという経過からいきましても、また現在の糖価安定制度は、価格関係の調整を通じまして、乱高下いたします国際糖価を国内に持ち込まないようにするということと、沖縄、南西諸島あるいは北海道の国内産糖との価格調整を図ることによりまして、国産糖の生産の振興に資するという二つの目的を持っておるということからいたしましても、なかなかなじみがたいのではないかということを申し上げておるわけでございます。 さらに、一般論で恐縮でございますが、自由経済をとっております現在の日本の経済の中で、特定の産業にだけ数量調整を伴うような強い需給調整措置を行うこともなかなかむずかしいということも、御理解いただけるのではないかと思うわけでございます。 しかし、いずれにしましても、先生のいま御指摘のような御心配、私自身もその点は危惧をしておるわけでございまして、関係方面の意見も聞きながら、現在鋭意検討中でございますので、その検討の結果を待ちながら、必要に応じ、業界の行政指導を行っていきたいというふうに考えております。
○玉城分科員 時間がございませんので、含みつ糖の保護対策、保護措置について、この機会にちょっとお伺いしておきたいのですが、どういうことを考えておられるのか。
○渡邉(文)政府委員 沖縄におきます含みつ糖は、先生御案内のように、分みつ糖工場をつくりまして分みつ糖化するほどの面積のないところで、他にキビ以外につくる作物のないところに限定されて、現在行われておるわけでございます。 価格的に申しますれば、もし何の保護も行わないとすれば、含みつ糖の市価からいたしまして、農家の生産されたキビの手取り額はきわめて少ないものにならざるを得ないという現実があるわけでございまして、そういうことを含めましていままでの含みつ糖農家の保護をするために、毎年財政的にも、財政当局と御相談の上で助成をしてまいっておるわけでございます。今後とも、そういったことにつきましては、私どもできるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○玉城分科員 この含みつ糖の適正量と申しますか、それから適正価格ですね、大体どれくらいというふうに見ておられますか。
○渡邉(文)政府委員 適正な数量というのはなかなか申し上げにくいのでございますが、増産されますと輸入が若干減りますし、減産されれば輸入がふえるという形で国内の需要を賄っておるのであります。 一方、含みつ糖自体の需要は、現在の食生活の動向からいたしまして、今後ふえるということはなかなか見込みがたいというふうにも思われますので、できるだけ生産性の向上を図りながら、農家の実質手取りの確保が図れるような努力が今後とも必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。 一方、どのくらいの価格水準が適正かということでございますが、これも、価格というのは御案内のように、需給によって決まるものでございますし、含みつ糖自体の需要というのは今後なかなか伸びにくい方向にあるわけでございますので、現在程度の水準がいいんではないか。強いて言えば、上白価格の七五%から八〇%くらいのところであれば、生産農家としても、実需者としましても、どうやら適正なものという受けとめ方をするんじゃないかというふうに考えております。
○玉城分科員 次に、パインの問題なんですが、沖縄産のパインは、いま在庫を大量に抱えて苦慮しておられるわけですが、農水省、どれくらいの在庫量があると見ておられるのか。それから、パインの需給安定懇談会が設置されておると聞いておるわけですが、その後どういうふうに進展しているのか、その辺についてあわせてお伺いします。
○小島政府委員 沖縄産のパイナップル缶詰の在庫量は、五十五年の暮れが非常に多うございまして、八十八万ケースくらいのものを持っておったわけでございますが、昨年一年を通じまして需給改善に努力をいたしまして、昨年の十二月末現在におきましては五十四万四千ケースというところまで減少をいたしております。その後の出荷見込み状況などを勘案いたしますと、年度末の三月末におきましては四十三万四千ケースくらいになるだろうと見られております。これは従来の年度末の在庫量から見まして、ここ二、三年の中ではかなり低い水準というふうに見られておりますので、この一年有余の需給改善の努力はおおむね実を結んだもの、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、需給安定懇談会でございますが、パイナップル缶詰につきましては、御承知のように、輸入のパイナップル缶詰、さらには冷凍パインを輸入いたしまして、それを国内でパイナップル缶詰につくる、こういう競合産品があるわけでございます。輸入品につきましては、IQ制度のもとにおいて適正量の輸入を心がけておるわけでございますが、冷凍パインはすでに自由化されておる商品でもございますので、この量の適正化を図るということにつきましては、行政指導をおいてはないわけでございます。 そこで、輸入のパイナップル缶詰、それから冷凍パインから缶詰をつくっている業界、さらには沖縄のパイナップル業界、それに流通関係者などを含めまして、三者あわせて全体の需給のよろしきを得る、こういう目的で開設をいたしたものでございまして、先ほど申し上げました昨年一年間かなり普及改善が進んだというのも、そういう需給安定懇談会の成果のあらわれかというふうに見ておるわけでございます。今後もこの組織を活用いたしまして沖縄のパイナップル缶詰の安定を図ってまいるつもりでございます。
○玉城分科員 最後に、大臣にお伺いしたいわけですが、御存じのとおり沖縄のサトウキビというのは基幹作物でございまして、非常に心配されておりますのは、この特例法の施行に伴う需給調整措置がどうなるかということでございます。これが第一点です。 それから第二点の、さっき申し上げました含みつ糖ですね。これは沖縄県は離島県でございますが、離島のさらにまた離島で、さっき局長さんが御説明のとおり分みつまで持っていけない。需要は伸びないとおっしゃいますが、島の特産として販売や何らかの形で今後の工夫の問題であろうかと思いますが、そういう点。いま価格差補給金等の措置がされておりますが、こういう問題もあわせて、それといまのパインの問題、これもいろいろな要素がございますけれども、生産農家が四苦八苦していまして、何らかの優先的な沖縄産パインの方策を政府として考えていただきたいと思うわけです。 以上、三つの点についてよろしくお願いします。
○田澤国務大臣 砂糖の状況につきましては、いま局長から答弁いたしたように、特例法がこの三月でまず期限が切れる。その背景はどうかといいますと、いわゆる甘味離れの状況にある。さらにまた、国産糖が、沖縄の砂糖を含めてだんだん生産が増加している。また、反対に輸入糖が物すごい減少を来している。それに異性化糖が進出したというようなことで、いままでのメカニズムがちょっと崩れてこようとしている現状でございますので、したがいまして、いま御指摘のように、需給調整措置というものをある程度考えていかなければならないと思います。しかし、特例法はもうすでにその役割りは終わっているわけでございますから、何らか総合的な甘味対策をこの際考えていかなければならないと私は考えておりますので、そういう点は今後十分検討してまいりたい。 また、パインをも含めて沖縄のいわゆる農業の総合農政的な立場からこれは維持してまいらなければならないと考えますので、今後、沖縄の総合農政計画全体の面からもこういう点は十分配慮して、いま玉城委員御心配のようなことのないようにできるだけ努力をしてまいりたい、かように考えております。
○玉城分科員 以上です。
○武藤主査 これにて玉城栄一君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕 〔主査退席、植竹主査代理着席〕 〔植竹主査代理退席、主査着席〕 〔主査退席、植竹主査代理着席〕 〔植竹主査代理退席、主査着席〕
○武藤主査 速記を起こしてください。 この際、主査より申し上げます。 各質疑者に対し、再三出席を求めたのでありますが、いまだに御出席がありません。 本日は、この程度にとどめ、明二日午前九時三十分より開会することといたします。 本日は、これにて散会をいたします。 午後六時二分散会