予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 385 件
- 登壇者
- 50 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1982/02/27
会議録
○小渕主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算中、総理府所管について審査を進めます。 総理府本府について質疑の申し出がありますので、これを許します。小沢和秋君。
○小沢(和)分科員 私は同和行政の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 昨年十月、私は、行財政改革特別委員会で、北九州市の同和行政が乱脈不公正をきわめていることを問題にいたしまして、土地転がし、脱税あるいは暴力団への融資などの問題を取り上げて追及をいたしました。その後、地元でも住民の監査請求の署名運動が有権者の四分の一を超える十八万人の署名で成立いたしまして、いま監査が行われております。こういう中で、若干の手直しも始まり、税務署も私たちが脱税を指摘した人物に対して修正申告をさせるというような事態にもなってきております。ところが、その後われわれが調べてみますというと、こういうような乱脈不公正は、北九州市だけでなく、たとえばその周辺の市町村でも広く行われている。土地転がしでも、わが党の議員が飯塚でも直方でもこれがあるということを指摘したりして、これが新聞でも大きく報道されました。私は、そういうような事実からも、同和行政の乱脈不公正というのは、これは北九州とか福岡県内にとどまる話ではなくて、全国的な重大な問題だというふうに認識をしておりますけれども、総務長官はどのようにお考えでしょうか。
○田邉国務大臣 いま御指摘がございましたように、各地にそういう問題があると私は理解をいたしております。
○小沢(和)分科員 昨年十二月十日、同和対策協議会が総理大臣及び関係各省大臣に対しまして、「今後における同和関係施策について」最終的な意見の具申を行っております。乙の中で、行政機関としても厳しい反省をする必要があるというような指摘もなされておるようでありますが、その内容について御説明を願いたいと思います。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 大要三点あろうかと考えております。 第一点は、「従来、ややもすれば現行同和対策事業特別措置法の運用が行政機関と同和関係者のみの法律のごとき印象を与えてきたことを反省し、この問題を解決するためには、広く国民の理解と協力を得るという立場から」「その運用に当たる」必要があること、これが第一点だろうと思います。 第二点は、「国および地方公共団体が講じてきた同和関係施策については、今の時点でみるとその内容や運営が果たして妥当であったか否かについて十分に検討を加え、その適正化および効率化」を図ること、これが二点目ではないかと考えております。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕 それから、第三番目が「今後、国および地方公共団体において実施すべき同和対策事業の事業量の見直しを行い、一般施策との権衡を失することのないよう、十分配意すること。」 以上の三点ではないかと考えております。
○小沢(和)分科員 いまごく抽象的に言われましたけれども、この意見の中には、「同和関係施策の実施に当たって行政機関のなかにはややもすると民間運動団体の要望に押されてそれをそのまま施策として取り上げるものがあり、」などというような重要な指摘があるわけです。そしてこれが逆差別ではないかというような批判を引き起こしたり、あるいは自治体の財政危機にまでなっておるということもここに述べられておると思うのです。私は、こういうような事態を引き起こしたことについては、国の方としても大いに反省すべき点があるということもまたこの指摘の中に込められているのじゃないかと思うのです。その点についてはどうお考えですか。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 昨年の意見具申の中にもありますように、この問題の早期解決を図るためには国民の理解と協力を得るということが最も大事でございますし、そのためにはやはり国民の批判を受けないようなこの関係施策の進め方が最も重要になってくる、このように考えている次第でございまして、こういう点にかんがみまして、現在国会の方に提案いたしております地域改善対策特別措置法では、ただいまから申し上げます二点の措置を講ずるようにいたしている次第でございます。 その第一点は、今度の新法に基づく事業、すなわち、地域改善対策事業の内容はすべて政令で定めることとしたことが第一点でございます。それから第二点は、法案の二条第二項で、この地域改善対策事業を推進するに当たって遵守しなければならない事項を定めていることでございます。この二点は、これまでの十三年間進めてきました同和行政の反省の上に立った措置である、このように考えている次第でございます。
○小沢(和)分科員 いまの二つの改善点がその反省を込めているのだというお答えであります。それは確かにそういうことになると思うのですが、もう少し具体的に言ってみるならば、これまでの同和対策事業特別措置法というのは、よく運動団体などから圧力をかけられて、どういうような事業でもみんな同和に関係ありということでのまされてしまっても、それが地方債の対象というようなことになって当面の負担がそれでほとんど起こらない、しかもそれを今度は基準財政需要額というような形で大部分見てしまう、こういうような仕組みになっておるために、無責任にどんどんどんどん自治体もそういう圧力に屈服をするというような状態が起こった、つまりそういう大もとにそういうような法律の仕組みがあった、だから今度はそれを限定するような政令を出した、こういうようなことになってきていると思うのですね。私はそういうふうに理解をしたわけですが、それでいいかどうか、もう一度お尋ねをします。
○水田政府委員 昨年の暮れの同対協の意見具申で、この中できわめて重要な御指摘があっているわけでございますが、国及び地方公共団体が実施すべき事業の範囲は明確にしなさいというのがまず一つでございまして、しかもそのやるべき仕事の範囲の枠というものがこの中で示されているわけでございまして、すなわち、「いわゆる一般法による施策だけでは解決できない事項や、一定期間内に特定目的を達成する必要のある事項がその内容となる」こういうふうな御指摘をいただいておりますので、こういう点を十分踏まえながら政令を定めてまいる所存でございますので、結果において先生の御指摘の事項がこれによって達成できるのではないか、このように考えている次第でございます。
○小沢(和)分科員 そうすると、新法が成立をしたならば、これまで既成事実としていろいろな既得権みたいになっているものなどがいっぱいあるわけですが、私はこういうものについて総点検を指導して早速是正をさせるというように積極的に取り組まなければならないというように考えるわけですが、そういうお考えはお持ちでしょうか。
○水田政府委員 この関係施策は地域改善対策特別措置法、いわゆる新法に基づきます事業につきましては、政令でその範囲、内容を明確にしてまいるわけでございますが、新法に基づきます事業以外のいわゆる地方自治体が地方自治法上持っております固有事務としての範囲に属する事項につきましては、これは地域住民の広い理解と協力によって、その是正あるいは問題があるのかないのか、あるいは施策を継続すべきかどうかというのは、地方自治体における自治によって解決されるべきものと私どもは考えておる次第でございます。
○小沢(和)分科員 原則論としては、自治体がやることについては自主的に内部で解決をしてもらいたい、それはそうだろうと思うのです。しかし、いままでそういう仕組みの中で数々の弊害が蓄積をされてきた。だから今度もこういう法律の仕組みをつくって、いつの間にかそうなっていくように自治体の側の変化を待つということでは、私はこの新法をつくったにしては余りにも消極的な取り組みではないかと思うのです。どういうふうに指導されるのか、もう一遍承っておきたい。
○水田政府委員 新法に基づく政令に関する事業につきましては、従来施策で適正か効率かという観点から私ども見直すべきものは十分見直しを図り、是正するものは是正してまいる所存でございますが、あくまでも憲法で地方自治の自治権というものが認められているわけでございますし、地方自治体には住民もございますし、市議会もございますし、監査請求その他の手段がございますので、地方自治の固有の権限に国が不当に介入することは慎むべきではないか、このように考えておる次第でございます。
○小沢(和)分科員 いまの答弁では、私はまだ納得できません。そこで具体的に、私が最近調査をした事例で実際にこういうようなひどいケースについては早速にも改善をするように取り組んでいくのかどうかということで、さらにこの問題についての姿勢をただしてみたいと思うのです。 私は、先ほども申しましたように、北九州市の周辺ではどういう状態だろうかということで、飯塚市やあるいはその近辺にあります嘉穂郡などの状態を調査してみたわけであります。ここで関係者が一番苦々しく思っている問題は、部落解放同盟やあるいは同和会などが、自分たちの団体の運営費などを全部自治体からの補助金で賄っておるということなんです。事務所も、国庫補助事業で建てた隣保館を私物化してこの中に置いておるということであります。部落解放などと大変りっぱな看板を掲げている団体が何もかも税金におんぶして活動していくなどというようなことが果たして許されるのかどうか。こういうような運動体というのは、その団体の構成員が自分たちで会費を出し合って自主的に維持運営をしていくのが当然ではないか。関係者が苦々しく思っているのは全くそのとおりだと思うのですが、そういう私の考え方について、長官、どうお考えになりますか。
○田邉国務大臣 いろいろの御指摘がございましたけれども、私といたしましては、それぞれの補助金の運用また活用という問題について、その範囲内でやっておることは、当然活用をしてよろしいのではないか、こう思います。しかし、その活用以外の問題につきましては、またそれぞれの関係各省がどういう対応をしておるか、お答えを関係省庁からしてもらうことが適切であろうと思います
○小沢(和)分科員 いまお手元に資料を差し上げております。昭和五十五年度全日本同和会飯塚支部決算書というのを長官のお手元に差し上げてあります。これをごらんになっていただくとわかりますように、歳入、市補助金の下に会費という欄は確かにあるのですけれども、ごらんのとおり空欄なんです。結局、市の補助金一千四百九十五万円とそれから雑入、こういうようなもので会が運営されておるということは、この資料をごらんになっていただいたらわかると思うのです。補助金などと言いますけれども、実際には全く会費を一文も取らずにまる抱えだということなんですよ。一体こういうような団体のあり方が妥当なものなのかどうかということを私は問題にしているわけです。 この団体補助金というのは、調べてみると非常に多いのです。飯塚市で三千八百五十三万円、嘉穂郡の八つの町で一億二千百三十二万円に達するのです。嘉穂郡の場合、同和地区の世帯数で割ってみますと、一世帯当たり四万円近い高額になるわけであります。これも果たして妥当だと言えるのかどうか、この点もう一度明解な見解をお示し願いたい。
○水田政府委員 私ども、民間の団体のあるべき姿について行政がとやかく御意見を申し上げるのは差し控えるべきではないかと考えておる次第でございます。
○小沢(和)分科員 それは一般的な意味で、民間の運動団体がどうあるべきかということについて行政が介入すべきでないということはわかっていますよ。いま私が問題にしているのは、こういうように補助金という形で人件費、そこで専従しているような人の経費は全部まる抱えで、ニュースカーなども買うてやるとか、事務費なども全部出してやるとか、一体こういうようなあり方がまともなものだとお考えになるかどうか。地方自治法二百三十二条の二では、地方自治体は公益上必要がある場合にしか補助金として公金を出すことは認められていないわけですね。こういうような団体に対して、ほかの母子会あるいは身体障害者会などにわずかな補助金を出しているのと比べてみると、全く二けたぐらい違うような補助金を出してまる抱えで運営をさせる、これは一体どういうような公益があるのか。こういうことについて何の是正の態度も示さないで、新法を出したからこれで是正されるでしょうというようなことでは、私はきわめて不十分ではないかと思うのです。この点もう一度お伺いしたいと思うのです。
○水田政府委員 地方自治体がどういう目的で補助金を出され、またその補助金の支出が正当であるかどうか、これは総理府がお答えすべき問題ではないと思いますが、私ども一般論として、民間の運動団体あるいはその他の民間の諸活動の団体は、できるだけその自主性を守るという立場から考えますと、みずからの財源によってその独立性が侵害されないように運営をしていく、これは一般的なあり方ではないかと考えておる次第でございます。
○小沢(和)分科員 自治省の方もお見えになっているんじゃないですか。見えているんでしょう。いまの問題については、自治省の方にも私は見解をただしたいと思うのです。 先ほども申し上げたように、これは地方自治法で公益上必要がある場合に補助金を出すことができる、そうでない場合は出してはならないという規定から見ても、こういうような異例な団体補助を出すというやり方は、地方自治体を指導する立場としてもやはり認められないはずのものだと私は思うのです。こういうようなことについて指導することもなおかつ地方自治に対する侵害だということになるんでしょうか。
○中島説明員 地方自治体がいかなる場合にいかなる補助金をどの程度出すか、それが公益に該当するかどうかということは、それぞれの地方団体、地域の実情というのが千差万別でございますから、それぞれの地方団体に住民かち選挙された長がおり、住民から選挙された議会によって個々具体的に判断されるべき問題だというふうに考えております。
○小沢(和)分科員 さっぱりこの点についてはらちが明かないですね。 私はいま団体補助金のことを申し上げたのですが、この団体補助以上にひどいと思いましたのが嘉穂郡八町で出させられている各種の同和事業に対する事業促進負担金であります。これはどういうものかというと、先ほどから言っているように、団体補助金というのがある上に、それとは別に解放同盟の町の上にある郡段階の組織、嘉穂山田地協にこの事業促進負担金というのを上納させられているわけであります。これは負担金という名前で、だから補助金でもないわけです。もう全く投げ渡しで、使途も何に使われているかもわからない。さっきのような使途の報告ももちろん来ないわけです。これについては関係団体は、われわれが運動してとってやった事業なんだから金を出すのは当然だ、こういう言い方をしておりますけれども、これはそういうことになれば成功報酬というべきものじゃないかと思うのです。こうして町から金を出させた上、さらに業者からも、仕事を世話してやったんだからといってお礼も取っている、こういうことも私は聞いておるわけです。かつてこれは五%からあったわけですがその後住民の強い批判を受けて三分金、つまり三%程度取るようになり、さらに私たちの党が各町で自治法、財政法違反ではないかということで監査請求を行うなどの運動の中で、最近では二%ぐらいまで減ってはおるんですけれども、しかし依然としてある。昭和五十五年の決算を見ますと、合計で八町三千三百万円。桂川町というところで六百二十四万、筑穂町で五百四十一万、穂波町で五百万、頴田町で三百七万等々となっているわけであります。 厚生省の方、お見えになっておりましょうか。ここでお尋ねをしておきますけれども、先ほどお渡ししてあります嘉穂郡筑穂町の会計予算書、これをごらんになっていただくと、下水排水路整備事業費とか地区道路改良事業費など、国庫補助事業の同和事業についても一件ごとにこの事業促進負担金が計上されております。これだと、このような負担金までが国庫補助の対象になっているかどうか大変紛らわしい組み方になっておるので、はっきりさせる意味で、果たしてこれまで国庫補助の対象にしているのか、こういうえたいの知れない負担金について国庫補助の対象にしていれば大変重大だと思いますので、明快なお答えを願いたいと思います。
○浅野説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘の工事関係の国庫補助におきましては、その対象経費といたしまして、当該事業の工事費と用地費、補償費、それから工事施行に伴います工事雑費ということで、これらを対象に国庫補助を三分の二の補助率をもって行っておるところでございます。現実に先生御指摘のような意味合いの事業促進負担金というものが補助対象になり得るかという点につきましては、私どもはそのようなものを補助対象とすることを想定いたしておりません。なおかつ、具体的に福岡県におきます実情を昨日聴取いたしましたところによりますと、国庫補助を最終的に確定いたします段階で実績報告をとるということになるわけですけれども、その審査の段階でそのようなものが紛れ込むことがないようなチェックを県当局はいたしておりますので、国庫補助の実施に当たっては先生御指摘のような疑いはないものと私ども確信をいたしておるところでございます。
○小沢(和)分科員 その点はわかりました。そうすると、この事業促進負担金は町の単独で出しているということになります。この予算書で見ると、恐らく全額、同和ということで起債を認められたものと思います。 ついでながら、この同和関係の事業は何億という単位の事業でも、町は一般財源は十万円も出さずに済ましているということは、いまの資料の中でもおわかりいただけると思うのです。ほとんど起債で処理している。先ほどから申し上げているように、こういうようないわゆる糾弾闘争とかいって自治体が屈服させられて、そしてどんどん起債でこういうえたいの知れない負担金のようなものまで認めていっている。このことが自治体財政を破綻させているということが先ほどの同対協の意見の中にも出ておったと思うのです。 自治省にもう一遍お尋ねをしますけれども、こういう成功報酬のようなえたいの知れない上納金でも、やはり公益上必要な支出というふうに認められるのか。私は、これは違法、不当な支出ではないかと考えるが、どうか。それから、今後新法ができた場合、こういうようなものについてもやはり起債の対象として認められるのか。私は、これは最低認められなくなるというような変化が起こるというふうにさっきからの話では承知をしているが、それでいいかどうか。二点お尋ねします。
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。 まず第二点目の方からお答え申し上げますが、私どもが現行法でやっております同和対策事業につきまして、これの起債の充当の考え方といいますのは、基本的に建設事業に限定して運用しております。法律上はさらに広げられるような現行法になっておりますが、運用としてはそういう運用をしておりまして、この辺は後ほど県の方に聞いてみたいと思いますが、私どもは、この起債につきましても、許可を出した後、充当結果を県の段階でチェックをして最終的な貸付許可額を決定しておりまして、その段階でこの予算に上がっているものが最終的にどういうふうに処理されるのか検討させていただきたいと思います。したがいまして、新法になりましても、私どもとしますれば、まず起債の面につきまして、先ほど総理府の方からお答え申し上げてありますように、従前の法律よりも単独事業について現実には起債の運用が厳しくなると考えております。これは新しい同対協の答申の趣旨なり新法の趣旨から言ってやむを得ないのではないかと考えております。ただ、現在の補助制度の中で、現実にたとえば用地とか採択基準以下のものであるとか若干の継ぎ足し的なもの、こういうものがいままでも同和の単独債でほとんど自治省として許可してきた大半でございまして、この辺はやはり市町村財政の実態を考えたり国のいまの財政の実態を考えますと、従前どおり資金的には良質な起債で援助してあげたい、そういうふうに考えております。
○小沢(和)分科員 では、これを最後にしたいと思いますけれども、総務長官にもう一度お尋ねしたいと思うのです。 いま私は具体的に、どんなふうに自治体財政などが食い物にされているかということについて関係者が一番苦々しく思っている一つの事例を挙げたわけです。こういうような弊害が山積しておるという中で、先ほどから私が大変歯がゆい思いをしているような、自治体であるから自主的に解決をしてもらいたいというような態度に終始しておったら、せっかく新法をつくってもなかなかこういう是正は進んでいかないんじゃないかと思うのです。もっと積極的に取り組んでいく必要があるのではないかということを私、感ずるのですが、長官の決意と姿勢をもう一度承って終わりにしたいと思います。
○田邉国務大臣 ただいまいろいろのケースにつきまして各省庁よりお答えがございました。私は、この問題の早期解決を図るためには、やはり国民の批判を受けないようなそういう対応をしてまいらなければならない、こう考えております。その意味におきましても、今回の同和対策協議会の意見具申、これを尊重いたしまして、この問題の早期解決を図ってまいるべきである、そう考えております。
○小沢(和)分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて小沢和秋君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、総理本府についての質疑は終了いたしました。
○近藤(元)主査代理 次に、環境庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂分科員 環境庁に三点にわたって質問を申し上げたいと思います。 一つは、地球環境の破壊の現状に対して対応していくための国際委員会の設置の問題に関連して御質問申し上げ、二番目は屋久杉の保存、三番目は志布志、こういうことで質問を申し上げたいと思います。 第一点は、一月二十八日の衆議院の本会議におきまして、新自由クラブの河野洋平議員が地球環境の破壊の現状について警告をいたしました。「地球の危機を回避するための方策を研究し、世界に具体的な提案をするための特別の国際委員会を臨時に創設することを日本が中心になって働きかける」べきだと提案をされました。これについて、自然保護議員連盟というのがございまして、役員の間で話し合いをいたしました結果、この河野提案をみんなの力でひとつバックアップしていこうということになりまして、私自身も河野議員とも相談の上で、きょう環境庁長官にお伺いをするわけでございます。長官は本会議での答弁で「河野議員から御提案いただきました地球の危機を救う方策を考えるための特別委員会の設置を日本が中心になって呼びかけるということは、きわめて貴重な御意見であると承りました。」ということで、各方面との相談を続けていきたいというふうに答弁をされました。この点について、その後政府機関及びUNEPなどの国際的な関係もございましょう、どんな検討が進んでいるのか、その経過について長官の御答弁を煩わしたいと思います。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 本会議におきまして、河野洋平議員からの御質問に対して、いま岩垂委員のおっしゃいましたように、私もこの五月にナイロビで開かれるUNEPの特別会合におきまして、日本が積極的に、指導的と言ってもいいかと思いますが、そういう立場に立って地球環境の保全、保護というような意味で貢献をしたいというような考え方を持って、そのために今後の地球環境の保全につきましてどういうような方法を講じたらいいか、各国はどういうようなことをやったらいいか、国際協力でどういうようなことをやったらいいかというようなことを研究また結論を出してもらうために特別委員会のようなものを設置したらどうかという、これは河野議員の御質問にもございましたし、実はわれわれとか外務省におきましてもそれぞれいろいろと検討もしておりましたが、ぜひこれは実現したいと思います。そして、その後事務当局におきまして、環境庁は外務省の国連局、これは国連の機関になるものですから、国連局と鋭意折衝をしてきておりまして、外務省の方もその構想につきましては大体同じような考え方で、ぜひひとつつくりたい、日本が主唱してつくっていくことは結構じゃないかということでございます。 ただ、それのためにはその経費も必要なわけでございます。そういうようなことで、実は環境庁の事務当局と外務省の事務当局と話し合っておりますが、まだその額等につきまして結論は得ておりません。私が数日前に外務大臣にお会いしまして、これはもうぜひ日本として国際的な場において地球環境を保全する上において、この際指導的な役割りをやらなければならないのじゃないか。ですから、外務省も一緒になってぜひひとつ進めていただきたい。ただ、これは御承知のように国連の機関の関係でございますので、予算的には外務省の方が担当になるものですから、そういう意味で私は外務大臣にお願いいたしまして、外務大臣もひとつ十分考慮したい、こういうことになっておるところでございます。
○岩垂分科員 外務省の国連局関係の予算というふうに予算の枠組みで言えば言えるわけですけれども、これは日本政府全体が、貿易摩擦その他の問題でいろいろあるときに国際的に呼びかけていく、イニシアチブをとるべきである。したがって私は、外務省設置法などの議論のときにも、二日になりましょうけれども、これは問題として提起をしていくつもりでございますが、それはそれとして、そういう呼びかけをしていくからには環境庁としての一定の案が私はあるだろうと思うのです。たとえば南北問題を審議してきましたブラント委員会あるいはこの間日本を訪問をいたしましたパルメ委員会、国連の独立の委員会ですね、そういうことを考えていらっしゃると思うのですが、そういうふうに考えてよろしいかどうか。そして、たとえばブラント委員会の場合にどういうふうにできてどういうふうに、たとえば予算の分担はどんなふうになっているか、そんなことについても簡単で結構ですから御答弁をいただきたいと思います。
○原国務大臣 おっしゃるとおり、私どももこのブラント委員会というようなものを頭に置きまして、それに近いようなものをつくるように提言したいといま考えております。ブラント委員会につきましては、私どもの調査では、オランダがこれに必要な経費の二分の一を負担して、その残余二分の一を各国がそれぞれに応じて負担をするということで、日本はそのときはたしか一〇%程度負担したというふうに聞いております。今度の場合は、やはり日本が主唱してやるという以上はいまのブラント委員会のような、これは日本がやはり二分の一ぐらいは負担してやらなくちゃいかぬじゃないかというような気持ちで、これはもちろんこのことによって、いまおっしゃったような貿易摩擦の問題もありますし、これは各国にとって世界共通の利益になるわけですから、そういう点を通じて世界の緊張緩和にも役立つのじゃないか。そういう意味では日本は大いにやるべきではないかと思って、いま着々と構想を練っているところでございます。
○岩垂分科員 ブラント委員会は、承るところによれば大体四百万ドル。だから、金額のことで比べることはできませんけれども、たとえば十億以上のものが考えられなければ今日の状況には対応し切れないと思いますが、そのように考えた上で、二分の一というふうに分担をするということはある程度詰めなければいけませんね。だから、それに関連をしてナイロビで長官が御提議をなさる以上は、そういう腹づもりを持たなければ、つまりファンドの裏づけを持たなければそれは何の意味も持たないと思いますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○原国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、私どもも、ファンドに対して日本がしっかりしたものを持っていかなければ、これは提唱すると言ったって何かおかしなことになってしまうので、ぜひそういうことでいきたいと思うのです。そういう意味も含めて、この間外務大臣にもお願いして一緒にやっていっていただきたい、これは日本政府全体の問題でございますけれども、そういうことに全力を挙げていきたいと思っております。
○岩垂分科員 ナイロビのUNEPの十周年は、ある意味では、国際的にこの十年の歴史を振り返って、それぞれの国の努力というものが二十一世紀に向けてどうあるべきかということを議論すべき機会だと思います。その意味では、日本の環境行政の非常に大きな活躍の場所だろうと私は思うので、ぜひUNEPのナイロビの会議であなたが御提案をして、しかもそれを実らせるという決意のほどを承っておきたいと思います。それが一点と、国際的な反響というものが恐らくあるだろうと思うのですが、たとえばUNEPの事務局長など含めて日本に来られたわけですが、その辺についてもちょっとお言葉をいただきたいと思うのです。
○原国務大臣 私は、もうこれをぜひ進めたいというかたい決意のもとにいまやっておるところでございます。 それから、一月にUNEPの事務局長のトルバ氏も見えられまして、私もお会いしていろいろ話し合ったわけでございますが、UNEPの方に環境庁としていろいろ連絡をとっております。国際的に先般日本の現地の代表もこの問題に触れて演説をやっていただいたわけでございます。これは、独立委員会とそれから各国の政府間の交渉とこの二つがあるわけですが、それはあるいは並行していくということになるかもしれません。しかし、それについての各国の動向はわりあいに賛成であるという方が多いように聞いております。
○岩垂分科員 原長官がせっかく国際的にそういう緑を守る、自然を守るあるいは砂漠化を防いでいく、そういう課題を含めた地球的な規模での環境破壊に立ち向かっていくという決意をいま国際的な場所で、アピールするということを伺いましたが、そのためにはやはり足元を固めなければいけませんね。日本の自然環境をどう守っていくか、ここのところから目を離すことはできない。その意味で二つお尋ねをしたいと思うのです。 ついせんだって、私のところへ屋久島を守る会の諸君が上京いたしました。屋久杉原生林の保護に関する要望書というものを置いてまいりました。いろいろ話を聞きました。私は実は非常に関心を持っております。七千何百年という杉が残っている。いわば人類の歴史の証人であるというふうにも思います。その意味ではこれを守っていかなければならぬのですが、屋久島の自然環境の保護について、いま申し上げましたように、最近の住民の運動だけでなしに国民の関心も非常に高まっているわけで、環境庁にもこの諸君が行って、そして保護策の検討を要請したというふうに聞いておりますが、国立公園計画の再検討作業が行われているように承っております。保護計画の変更がそこでは問題になるわけですね。その経過はどうなっているか、その状況を御説明いただきたいと思います。
○正田政府委員 お話のように、屋久杉、屋久島というのは私どもの公園の中でも最大に大事なところの一つでございますが、現在、公園計画、保護及び利用につきまして、御案内のように再検討いわゆる見直しを行っております。昭和五十年に、事務レベルではございますが変更する素案というものを私どもつくりまして、それを地元の関係者と調整を進めておるのが現状でございます。
○岩垂分科員 五十年というともうことしは五十七年ですから、七年たっていますね。どうしてそんなに時間がかかっているのですか。それから、環境庁の案というのをここで明らかにしていただきたいと私は思うのです。
○正田政府委員 御指摘のとおり、確かに五十年以降ですから相当時間がたっておりますが、この種の計画変更につきましては、地元の土地の権利関係との調整が相当難航いたすのが常と言えば常でございまして、全国的にそういう傾向にございます。ただ、地元の御要請が、現在の瀬切川上流にございますところの国有林の六、七、八、九の四林班につきまして、おおむね七百五十ヘクタールでございますが、これを全面的に禁伐にすべきである、そういうようなことがございますので、私の方は、地元のそういった御要請を最大限にくみまして現在の公園計画をつくっておりまして、六、七、八、九の林班以外にもそういった保護ができるような形で関係と調整を行っているところでございます。
○岩垂分科員 地元から要望の非常に強い瀬切川流域についての六、七、八、九林班は全面的に残していく、そういうことが必要だというふうに環境庁は御判断になっている、つまり公園計画の対象になっているというふうに考えてよろしゅうございますか。
○正田政府委員 考え方としてはそのとおりでございます。
○岩垂分科員 これは細かいやりとりをしなければなりませんから、きょうの委員会の審議にはなじまないのかもしれませんけれども、地元住民の要望が取り入れられたプランだというふうに理解してようございますね。
○正田政府委員 私どもが計画しておりますところの中身はそのとおりでございます。
○岩垂分科員 それについて、委員会が終わった後で結構ですから、後ほどぜひ地図で私に見せていただきたい、このように思います。 問題は、国有林ですから、林野庁を中心にしましてもうすぐ第四次施業の作業が始まります。民間の買い上げの問題ももちろんございますが、それもお願いをしながら、地元の町当局と林野庁との話というのが一月の十六日に行われて、結局施業案を二月中には確定する必要があるので、説明は今回で終わりにしたいということを林野庁というか営林局から通告を受けているわけで、いままでの経験を見ても、施業の中身については町と相談しながら進めると言いながら、実際には営林局が地元の要求を受けとめないで勝手にやってきたという経過があるわけであります。だから、七年もかかっているのですから、環境庁としてはきちんとしたものを示した上で、地元の気持ちを生かすための役割り、これは単に地元のということよりも日本の歴史それ自体だと思うし、事柄によっては学問的にも非常に貴重ないわば国際的な資源だというふうに思いますので、この御努力を願えるかどうか、承っておきたいと思います。
○正田政府委員 お話のような状況でございますので、私どもの責任者を現地関係当局の方に派遣いたしまして、当初の計画どおりの素案についての意向の表明、改めて内部に対する調整その他等についてやらせるつもりでおります。
○岩垂分科員 林野庁、おられますか。 いま環境庁とのやりとり聞いていただいたと私は思うのです。現場との関係はいろいろございましょうけれども、地元の住民の意向、そしてまた、恐らくは単に地元だけでなしに、この地域の自然が持っている意味、照葉樹林としての海から山のてっぺんまで、まさにかけがえのない日本に残されているただ一つと言っていいくらいの自然の植生というものを守っていくために御努力願えるというふうに御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○野村説明員 屋久島に分布しております屋久杉は、学術的にもきわめて貴重なものであると認識しております。屋久島の森林の施業に当たりましては、地元産業振興等の観点から、必要とします木材の供給との調整を図りつつその保護に十分配慮しているところでございますが、昭和五十七年度から始まります第四次地域施業計画におきましても、屋久杉の分布する区域の八割余りにつきまして、これを永久に保存すると同時に、残りの区域につきましても択伐施業等導入する等によりましてその維持に配慮をし、また、全体の収穫量も第三次地域施業計画に対しましてほぼ半減させるというようなことで対処をいたしております。 お話のございました瀬切川流域六ないし九林班の森林施業でございますが、これにつきましては、第四次地域施業計画におきまして、従来から禁伐となっております学術参考保護林百二十八ヘクタールのほかに、新たに百十四ヘクタールにつきまして施業を見合わせるといたしますとともに、超伐期の択伐施業の導入を図りまして、皆伐対象林分の縮小等、地元の要望に極力沿うように努めまして、説明会等を通じまして、地元上屋久署の御理解を得て対処しておるところでございます。
○岩垂分科員 私の言いたいのは、いま環境庁が要するに公園計画の再検討ということを含めてやっているわけでしょう。それから地元も非常に強い要望を持っているわけでしょう。これを尊重していくということは林野庁として当然ですね。その点の答弁をしていただきたいと思います。
○野村説明員 公園計画の問題につきましては、具体的な内容について林野庁としてはまだ承知をいたしておりませんが、環境庁から御協議があれば、その段階で検討させていただきたいと存じます。
○岩垂分科員 尊重していくかどうか、もう一遍明らかにしてください。
○野村説明員 内容を十分お聞かせいただいた上で検討させていただきたいと思います。
○岩垂分科員 私の言いたいのは、公園計画の再検討というのは、屋久島全体の中で、そしていま照葉樹林の保存というようなことを含めた歴史的な意味、いろんな意味を考えてやるわけでしょう。それは尊重することはあたりまえじゃないですか。その尊重するかしないかという答弁をもう一回下さい。
○野村説明員 先ほども申し上げましたように、この地域の森林施業につきましては、地元産業の振興等との調整を図りながら、学術上貴重な森林資源の保護を図るというようないろいろな調整を図りつつ、この森林の取り扱いを図っていかなければなりません。公園計画につきましては、御協議がございましたら、その内容を十分お聞かせいただいて検討をさせていただきたい、かように存じます。
○岩垂分科員 ぜひこれは尊重していただきたい、そのことをお願いをしたいと思います。 最後に、時間がなくなってしまいますが、志布志の石油備蓄基地計画について、鹿児島県知事が示した代案に対して、一昨日、環境庁長官が「検討に値する」と答弁をされましたけれども、これは基本的に同意を意味するのかどうか、その点をひとつ、まず最初に伺っておきたいと思います。
○原国務大臣 御承知のように、この間の鹿児島県側から出した備蓄基地の位置は、国定公園の普通地域にその全体の面積の三分の一ほどがかかっているという問題でございまして、法律的に言いますと、鹿児島県知事の権限内にあります。しかし、国定公園の全体の景観という問題等もありますので、私どもの方として、いままでも十分鹿児島県側に対していろいろと、たとえば国定公園の解除につながるようなことではとてもだめだし、景観が台なしになるようなことではだめなんだというようなことでずっと言ってきたわけでございます。したがって、この問題につきましては、検討に値するということは、これからまだ実際に出島をつくる、埋め立て等につきましてアセスメントをやっていかなければなりません。そのアセスメントの段階におきましても十分チェックをするということになりますので、そういう意味でアセスメントをやるというようなことは当然進められると思いますが、そういう意味で検討に値すると申し上げたわけでございます。
○岩垂分科員 環境庁長官は、これまでのたとえば公団のフィージビリティースタディー——FSと申しますけれども——が発表された時点で、鯨岡前環境庁長官が記者会見でこう言っているのですね。「発表されたF・S調査は、鹿児島県の要請により石油公団が経済的、技術的な面からのみ検討した結果と聞いており、これ自体に対して当庁として意見をいう立場にはない。」二番目として「しかし、志布志湾における大規模な埋立てについては、従来から国定公園の存否にかかわる問題として懸念を表明しているところである。」三番目「今後、備蓄基地の立地について当庁として何らかの判断を示す必要が生じた場合には、自然環境保全審議会の意見をも徴する等各種の観点から慎重に検討のうえ、結論をだしていくことになろう。」というふうに語っております。これはお認めいただけると思うのですが。FSについて、こういう環境庁の正式な見解がある。今度の代案と言われるものは、率直に言って、三百メートルずらしたら、いま申し上げた、たとえば大規模な埋め立てについては国定公園の存否にかかわる問題として懸念を表明したということの関係において、私にはどうしても納得できない。きのうあたりの新聞やテレビの報道を見ても、納得していない、国民が理解し納得することはできないと私は思うのであります。 私は、時間がありませんから簡単に申しますけれども、たとえばこの問題について、いま申し上げたようにFSの若干の手直しにすぎないということはだれが見ても明らかだ。しかも正式な書類が出されていない。県のアセスももちろん行われていない。こんな段階で長官が物を言うということ、特に事実上のゴーを出されたということについては、それはあなたは検討に値すると言っているけれども、新聞の報道するところを全部見ても、みんなゴーです。私はおかしいと思うのですよ。たとえば港湾審議会で委員として物を言う機会がある、あるいは公有水面埋立法で対等協議のチャンスがある、その際に、県のアセスについて総合的な判断をして判断を下すというのが環境庁の姿勢だと私は思うのです。そして同時に、それは行政の手順だと私は思うのです。その行政の手順を飛ばしちゃって、政治的な判断を環境庁長官がこんな時期になさるというのは、どう考えても越権だというふうにさえ言わなければならぬ。この点についてはどうお考えになりますか。
○原国務大臣 FS案というのは、御承知のように、いわゆる出島方式でもって浜辺から二百メートル沖に、しかも浜辺に沿っての横長の埋め立て基地をつくるという案でございましたが、それにつきまして、環境庁と鹿児島県側といろいろ実は折衝を内々続けられたわけでございますが、今度の案は、浜辺から五百メートル離し、しかも南側に六百メートル寄せて出るということで、それについての検討を十分いたしましたところが、やはり国定公園の解除等にはこれは全然つながらないし、景観上も、浜辺から二百メートル、五百メートルというのはやはり相当な違いがございますし、また南に六百メートルずらしたということにおきましても、まあまあこれならばぎりぎり、景観上台なしになるというようなことではないという判断のもとにおいて、検討に値すると申し上げたわけでございまして、アセスにつきましてはもちろんのこと、港湾法等に基づく協議の場におきましても十分チェックをしていくということで、私どもといたしましては、鯨岡長官の発言を御引用なされましたが、自然を守るという姿勢、これはもういままでと何ら変わることもないし、われわれの基本の線である、そういう気持ちでもってやっておるわけでございます。どうぞ御理解いただきたいと思います。
○岩垂分科員 自然環境保全審議会にはどうしてもかけるつもりはないというふうに理解してよろしゅうございますか。
○正田政府委員 自然環境保全審議会につきましては、一般の公園の指定等に関することは諮問いたします。さらに重要事項については諮問を受けることができることになっておりますが、本件につきましては、先ほど長官が申し上げましたように、主体が公園外でございますし、三分の一が普通地域というような実態でございます。さらに景観への影響、つまり指定の解除、公園の廃止、そういったものに結びつく、つまり志布志の特別地域を損ねて、志布志部分の国定公園を廃止するということにはならないというふうに考えておりまして、いわゆる当初のような浜辺案と違っておりますので、自環審に対してはきちんと報告をして御了解を得たい、こういうふうに考えております。
○岩垂分科員 アクセスというか、陸からの道路みたいなものは自然公園に全く関係なくて、あるいは松も全然切らなくてやれますか。
○正田政府委員 アクセスにつきましては、将来どういう形で行われるかわかりませんが、仮にいま先生のお話のような点がございましても、具体的な内容を見ないとわかりませんが、その部分につきまして、普通地域あるいは特別地域に対してどういうふうに作用するか、どの程度のスケール、ヘクタールに作用するか、それはそのときになって、これも県知事の許可でございますが、その辺は見なくちゃいかぬとは思っております。
○岩垂分科員 こういうことも考えないで、それはそのときです、と。出島をつくれば道をつくらなければいかぬことははっきりしているでしょう。それが公園地域とどんなかかわりがあるかということは、出てきたときに考えるということはあり得ないじゃないですか。そういうことの中できちんと環境庁の判断がなければ、片手落ちだと言われてもしようがないですよ。 率直に言いますけれども、景観というのはどことどことどこから見た景観ですか。
○正田政府委員 志布志湾の特徴は弓型になっている白砂青松を主体とする景観でございまして、本来の展望点は、ただいま御議論いただいております埋立地から見ましておよそ二十キロ離れた、志布志町よりも北にございますところのダグリ崎、これが本来の展望点、それから弓の中間にございますところの中間の点が一つございます。それが本来の展望点でございます。さらに、当該地が柏原海岸でございますので、柏原海岸からの展望ということに相なろうかと思っております。
○岩垂分科員 その三点から見て、景観上全く問題がないというふうに断言できますか。
○正田政府委員 私ども、陸地につきましても海岸につきましても、いろいろな経験及び理論なりそういったものを積み上げて、五十年間国立公園制度の運用を図っておりますが、このような埋め立てにつきまして、当該類似地域というものが日本の至るところにございますが、そういった八キロ地点あるいは二十キロ地点とかいったようなことはもちろんでございますし、さらに特別地域の幅というのは本来五百メートル、その外には、特別地域であっても外であるならば建造物をつくらせるという理論もございますので、そういった観点からそういうふうな結論に達したわけでございます。
○岩垂分科員 あなたと私は月曜日にお目にかかりました。そのときにあなたは、いままでとちっとも違っていないということをおっしゃった。それはここでは引用しないけれども、たとえば去年の十月二十七日の環境委員会におけるあなたと村山委員とのやりとりの言葉、鯨岡環境庁長官やあなたの言葉、よもや急転直下こんなことになるとは思わないし、思うことの方が不思議な、まさに政治的な決断だと言わざるを得ない。そういう意味では、開発か環境かという議論が現在なお尾を引いている。備蓄計画自身が見直しをしてもよろしいというところまで国際的なエネルギー環境が来ているということを含めて、何で志布志でなければならないのか。まだほかに適地がある。候補地があったはずだ。それを、しかもいまあわてて、原長官が御就任になって、率直なところ、あなたが現場でもちゃんと見て、そしてこれならばという判断を下されるならば、それなりの意味もある。現場も見ないで、書類もしっかり検討しないで、いま言ったようにアクセスの問題も解決しないで、あるいは埋め立てによるところの海流の変化や、あるいはまた海水の汚濁などということを考えないで、事実上のゴーを出されたということは、私はあなたを信頼していたけれども、何としても残念でならない。ぜひもう一遍その発言というものを撤回して、もとに戻して、アセスでやっていくから結構ですなどというようなことではなしに、きちんとした対応を願いたい。このことについてもう一遍長官の御答弁を求めて、終わりたいと思います。
○原国務大臣 私は、確かに現場に行っておりません。しかし、いま自然保護局長から御答弁申し上げましたように、自然保護局といたしましても、従来の長い間のこういう問題に対する経験、また理論というようなものを踏まえまして、今度の案であるならば、これはもちろん自然公園の解除にはつながらないし、景観上、これは景観がとてもだめになるというようなものではないという結論に達して、私はその結論でよろしいという判断のもとにやったわけでございまして、ただ申し上げたいことは、これからもちろんアセスの問題等でもって十分チェックもいたします。同時に、環境庁といたしまして、自然保護という点につきまして、決して基本的な考え方、姿勢というものを変えているわけじゃないということを御理解願いたいと思うわけでございます。
○岩垂分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて岩垂寿喜男君の質疑は終了いたしました。 次に、栂野泰二君。
○栂野分科員 長官は、今度の内閣改造で環境庁長官になられたわけですが、これは長官、自分で希望しておられたポストだったですか。
○原国務大臣 私は初めて入閣をしたということでございまして、そのポストの決め方がどうなっているかということは私自身はよく存じませんが、私が何になりたい、どこのポストを欲しいというようなことを言ったことはないわけでございます。
○栂野分科員 まあ、なった以上はしっかりやっていただかなければならぬと思います。 長官、こんなことは聞かなくてもわかっているじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、環境庁の役割りを、一言で長官はどういうことだと考えておられるのでしょうか。
○原国務大臣 環境行政の原点は、やはり公害を防止して、また自然環境を保全して、国民の健康で文化的な生活を守っていくというのが原点である、私もそういうふうに認識して、それをしっかりと守っていきたいと思っているわけでございます。
○栂野分科員 環境保全のためのチェック機能というのを徹底してやっていただかなければ困るわけですが、いま岩垂委員との質疑を私、聞いておりました。志布志湾の石油備蓄の基地の問題ですね。前鯨岡長官があれだけ反対しておられたですね。長官がかわられたら、とたんに態度が変わる。別に計画がそう変わったわけではないですね。私も、どうしてもこれは納得いきません。こういうことをされると、これからの環境行政の行方について、私は大変危惧を抱かざるを得ないと思いますが、私、きょうは中海、宍道湖の干拓、淡水化事業の関連で質問いたしますが、ぜひこの問題は環境庁として地元並びに国民の批判を浴びないようにしっかりやっていただきたいと思っているのです。 そこで、長官、実はこの二十六日ときょう二十七日に中海視察の予定だったわけですが、これは国会日程がこうなりましたから、それだけで中止になったのですか、それとも何かほかに理由がございましょうか。
○原国務大臣 私は、別にまだ中海をいつ視察するという予定は環境庁では立てておりません。中海だけではなくて、湖沼問題というものは非常に重要な問題で、私ども湖沼の水質、自然というものを守っていかなければいかぬので、これは積極的に法制度を含めて対策を講じていかなければいけない、こういう考え方を持っているわけです。したがって、先般は霞ヶ浦へ行きましたけれども、機会がありましたらできるだけ、中海だけではなくてその他の湖、琵琶湖等も、条例はつくりましたけれどもその後どうなっているかとかというようなことで行きたいと思っております。思いますが、いつ、どこへ行くかという予定は、国会等の関係もございますのでまだ立てておりません。ただ、そういうチャンスができればできるだけ多くのところへ行ってみたいというふうに考えていることを申し上げておきます。
○栂野分科員 地元の県では、予定変更になるかもしらぬけれどもということで要請を受けたと言っているし、事務当局でもできればそうしたい、こういうことだったようですが、長官は全然聞いておられぬのですか。 〔近藤(元)主査代理退席、主査着席〕
○原国務大臣 いまお答え申し上げましたように、私はチャンスを得れば、時間が許せば問題になっているできるだけ多くの湖に行きたいということは考えておりましたけれども、具体的に二十五日とか二十六日、二十七日というようなことで予定を立てたということではございませんので、御理解いただきたいと思います。
○栂野分科員 いま淡水化をめぐりまして非常に緊迫した情勢にありますので、長官、ぜひこれは時間を割いていただいて、なるべく早く行っていただきたいと思います。 そこで、環境庁として中海の干拓、それから中海、宍道湖の淡水化に関連して、鳥取、島根両県からの依頼を受けて調査をなさったはずでございます。その調査結果はどういうものであったか、簡単に説明してください。
○小野(重)政府委員 四十九年に、島根、鳥取両県の委託に基づきまして、環境庁が学者の先生方にお願いしましてこの問題についての検討をしたことがございます。 その内容でございますが、簡単に申し上げますと、二つの面がある。一つは、いい面といいますか、具体的に申しますと二点ございますが、中海についての流れがよくなるということでございます。それからもう一つは、現在の状態でございますと塩水が入ってきます。しかも重いわけですから、底の方に入ってくるということで水の循環が悪いけれども、淡水化すれば循環がよくなって、水質もよくなるのじゃないかという面。それから、一方では淡水化に伴いましてプランクトンなどの発生も懸念されるというようなことでございます。ただ、この問題は非常にむずかしい問題でございますので、引き続き十分な検討が必要であるということも述べております。
○栂野分科員 その調査結果が資料で出ております。この調査結果についてはいまおっしゃるようにいろいろなことが書いてありますが、結論として、淡水化した方が水質の浄化につながるとか、より一層汚濁するとかということは書いてないですね。その辺は触れていない。それから、まだまだデータ不足です。そういう点でいろいろ批判もあるところですが、いずれにしましても、調査結果自体最終的に、結論としては、まだまだデータが不足しております、これから調査研究をもっとやらなければいけない、こうなっているわけですね。 そこで、環境庁としては、現時点で淡水化した場合にこれが水質を汚濁するのかしないのか、どう考えておられますか。
○小野(重)政府委員 結論的に申し上げますと、必ずしもまだ判断するに足る科学的知見と申しますか、これが十分でないというふうに考えております。 一般的に申し上げますと、こういう海とつながっているような湖について締め切るということになりますと、停滞性といいますか、閉鎖性が強まることは、水質にはいい影響というよりか、むしろ水質問題としては非常に厳しくなるということは言えます。ただ、中海については、先ほど申し上げましたようなプラスの面もあるではないかということもございまして、それを総合的に見た場合に一体どうかということにつきましては、まだ必ずしも判断いたしかねるというのが、私どものただいまの考え方でございます。
○栂野分科員 いま農水省は淡水化を非常に急いでいますね。農水省の計画だと、御存じのとおり第一段階としては中浦水門の試運転をする、これはもう終わりました。第二段階は淡水化の試行と言っているのですが、三年間で現在の中海の平均の塩分濃度一万七千PPmを千から二千に落とす、こういうことですね。第三段階は本格的な淡水化、一年前後で二百PPm以下に塩分濃度を落とす、こういうことですね。そこで、第二段階の淡水化試行をできれば今年度中にでもやりたい、こういうことを言っておられますが、環境庁はこういう農水省の考え方についてどう考えておられますか。
○小野(重)政府委員 農林水産省におきましては、淡水化の実施に当たりまして、いまおっしゃいました淡水化の試行をやりたいということでございますが、これは淡水化対策の万全を期するために塩分濃度を徐々に下げながら湖内の生態系の変化を見ていきたいというのがまず第一の趣旨でございますし、また、もし試行期間中に異常な事態が起こるということであれば、いつでも淡水化を一時停止するということも考えておるようでございます。また、試行そのものを開始するに当たりましても、この試行計画について両県及び関係市町村の了解を得てから行うという方針であることを、私ども農林水産省から聞いております。私どもといたしましては、いま、ことしから始めるとか三年間にどうするという具体的なことにつきまして、ある程度のことは聞いておりますけれども、きちっとした試行計画の具体的な案についてまだ正式に相談いたしておりません。私ども、その段階で十分に意見の調整をしてまいりたいと思いますが、いずれにしても、この淡水化は試行といえども慎重に行う必要があるというふうに考えております。
○栂野分科員 試行といいましても、実際に淡水化をもう始めるわけです。いま環境庁としては慎重に行うべきであると考えている、こういう御答弁ですが、先ほど来答弁がありますように、淡水化すれば汚れるのか、よりきれいになるのか、わかってないわけです。こんな段階で淡水化を進めれば、これはもう大変なことになる。学者の意見も分かれております。むしろ、淡水化したらよけい汚れるという意見の方が多い状況ですかち、環境庁としてはよほどはっきりした態度を打ち出していただかなければならぬと思っているところです。 そこで、先ほどの調査報告にも、これからやらなければいかぬことが八項目ばかり挙げてあります。全部そのとおりだと思いますが、この報告が出たのは昭和五十年ですね。もうかなりの年数たっておりますが、それから環境庁自体として、一体この問題の調査をやられたことがありますか。ないとすれば、これから独自に進めるおつもりがありますか。
○小野(重)政府委員 この前の四十九年の調査につきましては、環境庁独自ということではございませんで、島根、鳥取両県の依頼に基づいて行ったという、先ほども御答弁申し上げたことでございます。そういう事情もございますが、それ以後、環境庁独自での調査ということはございません。農林水産省におきましては引き続き調査をいたしておりますし、鳥取、島根両県におきましてもいろいろ検討されていると思いますが、私ども独自の調査ということはいたしておりませんし、やはり中海、宍道湖という地域の問題でございますので、私ども、まず第一義的には農林水産省の調査あるいは検討だと思いますが、また、その地元の両県の調査、検討に対していろいろ指導し、御相談するというような立場でこれからもいきたいと思っております。
○栂野分科員 農水省は事業の推進をしたいのですよ。それから、県の調査とおっしゃっても、県知事は淡水化推進論ですから、その県知事の指揮下にある、環境庁で言えば環境保健部の調査を待ってやるというのでは大変まずい。環境庁が自分の立場から、いま淡水化したらどうなるのか、ぜひ改めて独自の調査をやっていただきたいと思いますが、そういうおつもりはありませんか。
○小野(重)政府委員 一般的に水質保全行政の進め方の問題にもなるわけでございますが、ある事業を行う場合に、その事業主体がその事業の遂行に伴って変化するおそれのあるそういう水質問題、水質に限りますとそういう問題につきましてはまず事業者が行うべきであるというのが、いわゆるアセスメントといいますか、それの一つの基本でございます。まずそういう問題がございますし、それから水質保全行政の第一線はやはり都道府県でございますので、この場合、両県の検討というのがまず第一義的であるべきだと思いますが、私どもも当然農林水産省とも、また各県ともその過程で十分に協議してまいりたい、かように思っております。
○栂野分科員 鯨岡前長官は、中海も視察されたし、現段階で淡水化をすれば汚濁につながるおそれがあるという観点をとっておられました。その後、国会でもこれが問題になって、昨年の九月二十日ごろ、環境庁としてはこの問題で農水省に協議を申し入れたということになっておりますが、この協議申し入れの趣旨、それで、いまこれは一体どうなっているのか、簡単におっしゃってください。
○小野(重)政府委員 鯨岡前長官の指示もございまして、昨年来農林水産省と十分連絡をとっておるところでございますが、当面の問題としまして、いま先生からいろいろ御質問のありました水質への影響がどうかという問題、また淡水化の試行計画などにつきまして農林水産省と意見交換を行っておるという状況でございます。
○栂野分科員 農水省は、いまお話がありましたように、島根、鳥取両県と関係市町村の事前の了解がなければ淡水化試行にも入りませんと言っておられますが、あわせて建設省、運輸省の事前了解もいただいてから、こうなっておる。環境庁が入っていないのです。環境庁としては、環境庁の事前の承認がなければ淡水化試行は認めない、こういう態度をぜひとるべきだと思いますが、長官、これはいかがですか。
○原国務大臣 十分に協議をしてもらって、環境庁としても慎重にこれに対する意見をまとめていきたい、こういうふうに思っております。
○栂野分科員 いまずっと質疑していますように、淡水化したら汚濁が進むという意見の方がむしろ多いのですよ。しかも、こういう汽水湖を淡水化してきれいになったという実例はないのです。児島湖しかり、霞ケ浦しかり、八郎潟しかりです。全部これは切っておるわけですよ。そのときに頼りになるのは環境庁だけ、環境保全側から言いますとね。その環境庁の事前承認はなぜ必要じゃないのでしょうか。協議なさるとおっしゃるが、協議をしても、結局はうんと言わないでも進むということにもなりかねない。この点をはっきり農水省に申し入れてくださいよ。
○小野(重)政府委員 たとえばこれからこういうふうに埋め立てをするという場合には制度的に協議するということがあるわけでございますが、これはもう御案内のように相当以前に発足したものでございますから、制度的な意味で協議とか承認ということにはなりません。しかし、事実上そういう協議をするということは当然だと思いますし、そういう意味で申し上げておるわけでございます。
○栂野分科員 法律上、環境庁のオーケーがなければいかぬなどということは確かにありません。それでは両県、関係市町村にそういう法律上の事前承認の必要がありますか。ないですよ。運輸省にもないはずです。なのに、農水省はそういうところの事前承認を得ると言っている。なぜ環境庁はそういう弱腰なんですか。環境庁の承認があってからにしてくれとなぜ言えないのです。法律上の問題じゃないですよ。制度上の問題じゃないですよ。
○小野(重)政府委員 私ども、農林水産省から聞いておりますのは、地元の県、市町村、これについての了解を取りつけてから淡水化の試行を行うということは聞いておりますが、関係各省、建設省とかそのほかあると思いますが、それにつきまして、制度的な意味で、あるいは関係各省との関係で、同意とかが必要ということを農林水産省が言っているというふうに私ども聞いておらないわけでございます。地元といいますか、出先機関及び鳥取、島根両県間で協議会があるということは聞いておりますが、これは、そこで了承を得るというようなことではなくて、水質問題についていろいろ協議するそういう場である、意見交換の場であるというふうには聞いておるわけでございます。
○栂野分科員 そういう何だかごまかしたようなことを言わないで、ずばり言ってくださいよ。環境庁としては農水省に対して、これだけ問題がある、まだ未解決ですよ、データも不足しているし。だから、そういう淡水化しても汚濁しないということがはっきりしない以上はだめ、それは環境庁が環境保全という立場から考えなきゃいかぬことです。環境庁のオーケーがない限りは、淡水化試行といえども入っては困るということをなぜ言えませんか。大臣、なぜそれは言えませんか。
○小野(重)政府委員 私どもも環境庁は、環境サイドという面から見まして、島根、鳥取の両環境部局とも十分連絡をとりながら進めていくわけでございまして、その過程で当然私どもの考え方は反映されると思いますし、協議と申し上げますのは、農林水産省の関係におきましては協議と申し上げておるわけでございますが、協議の意味合いいかんということでございますけれども、先生のおっしゃったような趣旨で協議いたしてまいりたい、こう思っております。
○栂野分科員 それではどうしても納得できないです。長官、どうですか。
○原国務大臣 一般的に言って、閉鎖性水域の方が汚濁が進むということでございます。私の聞いているところでは、委員もおっしゃいましたけれども、淡水化した方が汚濁が進むという意見というかそういう学説といいますか、それから淡水化した方がかえっていいんだという一部にそういうあれもあるようでございます。 いずれにいたしましても、汚濁が進むようなことがあってはこれは大変なことでございます。そういう意味で、われわれはきちっと、汚濁は絶対進まないんだということをはっきりわれわれの方で判断できるようなものをそろえてもらわなければ、オーケーといいますか、それは差し支えないというような態度には絶対出ないつもりでございます。
○栂野分科員 だから最初に、環境庁の役割りは何だとお聞きしたわけですが、いま農水省の方はどんどん進めようとしている。環境庁としては、まだ進められては困る、慎重にとおっしゃる。それならば、この際なぜ建設、運輸両省の事前了解を求めないか。これは制度的に、法律的に言っているんじゃないですよ。これは関係はあるけれども、環境庁は入っていない、こんな弱腰では困るんですよ。環境庁も一枚加えてくれと……。
○小野(重)政府委員 建設なり運輸省につきましては、河川法あるいは港湾法をそれぞれ所管しておりまして、この淡水化事業は河川法なり、港湾法と関係がございますので、そういう意味で両省との関係を、同意を得なければということで農林水産省は言っていると思いますが、そういう意味での関係というのはございませんもので、私はあえて協議というふうに申し上げているわけでございます。 しかし、その御趣旨は十分わきまえてこれからも協議してまいりたい、かように存じております。
○栂野分科員 残念ながら時間が来ましたので、これ以上は質問できませんが、長官、ぜひ一回現地をなるべく早く見ていただきたいのですよ。 それで、霞ケ浦に行ったとおっしゃいましたが、あそこはかつて舟が白波をけたてて走ったのが、いまは青波でしょう。児島湾はとにかく汚濁して農業用水にも使えない、こうなっているわけですね。日本第五位の中海と第六位の宍道湖がいま比較的まだきれいです。これが万一淡水化することによって同じような運命をたどったら、大変なことになる。しかし、淡水化してもそうならないかもしれません。だけれども、どっちかにまだ結論が出ていないのですね。だからその間は絶対にこの試行は認めない。試行といったって淡水化と同じですからね。テンポを落とすだけだと私は考えているのですが、その際に、いまのように環境庁が弱腰では実は私は困ると思っているのです。ぜひ大臣に、環境庁としての役割りをこの中海、宍道湖の淡水化問題について果たしていただきたいと強く要望いたしまして、時間が来ましたので、これで質問を終わらしていただきます。
○小渕主査 これにて栂野泰二君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)分科員 私は、茨城県の霞ケ浦の問題について質問しますが、ただいま同僚の島根県の栂野さんから中海、宍道湖の問題が出ましたけれども、引き続いて、同じように霞ケ浦の問題について質問するのでありますが、霞ケ浦は一級河川として建設省が管理をしているわけですが、管理をするということと、一級河川にしたということの意味は、あれは四十年代にそういうふうにしたわけですけれども、建設省は何を目的に一級河川にして、そしてこれを管理したのか、まずそれからお伺いします。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 先生御案内のとおり、霞ケ浦は利根川の支川でございまして、その周辺には非常に重要な、土浦初め枢要な都市がございますが、そういう周辺の治水面並びに環境面も含めまして、建設省としてやはり管理をしていきたいということで、一級河川に指定をいたしたわけでございます。
○竹内(猛)分科員 そこで、環境庁の長官が最近は新任をされるたびに霞ケ浦をお訪ねになる、これは大変ありがたいことですが、霞ケ浦の汚れているのを見て、これは大変だ、思ったよりひどいということを言われて、いつも記者会見してお帰りになる。前の長官であった鯨岡さんもお見えになって、そして霞ケ浦の汚濁のひどいのにあきれたと言って帰って、湖沼法という法律をつくるんだということでがんばられた。そして、昨年のこの予算委員会の分科会で、私は長官に、湖沼法は必ず出すんでしょうねというお尋ねをしたところが、出します、こういうお答えでありました。ところが、昨年一年間これを見守ったわけでありますけれども、ついに、どういう理由かわかりませんが湖沼法は日の目を見ないという状態であります。 一体その原因は何であろうかということで、今度新しく原長官が、やはり昨年の御就任の直後に霞ケ浦においでになられましたことは大変地元では感謝をしているわけですが、そのときも同じようなお言葉がございまして、湖沼法を出すとはおっしゃりませんが、大変これは汚れている、何とかしなければならないということでありましたけれども、霞ケ浦の問題について、ごらんになってどうお考えになって、そして出なかった湖沼法について、これはどういう理由で出ないのか、また出す気がこれからもあるのか、こういうことについてまずお尋ねをしたいと思います。
○原国務大臣 お答えいたします。 私も昨年の十二月に霞ケ浦を視察いたしまして、冬場は比較的いいのじゃないかなと思って行ったのですが、確かに非常に汚れていて、透明度も六十センチぐらいしか船の上から見ますとなかったというので、実は驚いた次第でございます。 そういうようなこともございまして、この湖沼法を何とか私は成立させたいと思って、いま実は関係省と精力的に協議を進めさせているところでございます。 実は、新増設の工場、事業場に対する規制のあり方をめぐって、まだ合意に至ってない点があるので、これは何とかひとつ協議を調えて、できれば今国会に提案したいということで、いま精力的に協議をさせているところでございます。
○竹内(猛)分科員 これは単に霞ケ浦だけではなくて、諏訪湖にしても、ただいまの中海、宍道湖等にしても、非常に重要な問題であろうと思いますので、環境庁はこれを、自信を持って早く調査をし、諸般の調整をして、ぜひこれは出してもらいたいと思います。 そこで、次の問題は、霞ケ浦がこれだけ汚濁をしたというその原因というものについて、この際もう一度はっきり確認をしてみたいと思うのですが、この点についてはどうでしょう、この原因は。いろいろあると思いますけれども……。
○小野(重)政府委員 基本的な原因といたしましては、御案内のことと存じますが、霞ケ浦の水の容積というか、具体的に言えば底が比較的浅いわけでございます。したがって水の容積が少ない。それに比べて流域の面積が非常に大きいという点があるかと思いますが、さらに具体的に申し上げますれば、生活排水も、あの辺は住宅も相当ふえておりますし、そういうものに比べて下水道の整備も立ちおくれているという問題もございます。また、農業、特に畜産あるいは養殖、その施設から出てくる汚濁の問題もございます。汚濁の原因は非常に総合的、幅広いものでございますが、特に大きな問題点をピックアップすればそういうことであろうと思います。
○竹内(猛)分科員 厚生省にお尋ねしますけれども、この水ですね。霞ケ浦のようなああいう一〇PPm以上に汚れた水というようなところが他にあるのか。土浦周辺の市民は、水戸と違って倍の活性炭なりそういうものを入れて、非常にうまくない水を常に飲んで、それが慢性化している。専門家によると、飲料水どころではない、工業用水、農業用水にも使えないほどの水だ、こう言われておりますけれども、これに対して厚生省はどうですか。
○田中(収)説明員 霞ケ浦の水がかなり汚れていることは事実でございます。ただ、現在環境問題が各地で起こっておりまして、霞ケ浦のような水源がほかにないわけでもございません。それで、上水の処理につきましては、普通の処理のほかに、汚染が進んだ場合にカビ臭のような異臭味がする場合がございます。それでよく問題になるわけでございますが、これに対しましては、霞ケ浦から取水しております水道は活性炭処理ということで対応しておりまして、そういう問題はほかにも起こっておりますけれども、全体としては、汚染が進んでいる水源はそういう活性炭処理までして、水道水質基準に合わせるべく懸命に処理をしているという状態でございます。
○竹内(猛)分科員 こういう汚れた水が他にもあるかと聞いているのです。
○田中(収)説明員 夏になりましたら、淀川水系、利根川水系等におきましても昨年の夏は異臭味がいたしまして、活性炭処理をしたという実例がございますので、そういうものがほかにもございます。
○竹内(猛)分科員 私の茨城県においては、この浄化問題については県でも鋭意取り上げてまいりまして、本年の九月からは霞ケ浦の条例というものをつくって、この汚濁の根源の一つである窒素と燐の規制を行う、こういうことだけをやるということになっておりますが、問題は窒素と燐だけをいまこれから規制をしたところで、すでに大量に堆積したところの窒素、燐を初めとする多くのヘドロがありますが、こういうものを除去しなければこれはそれだけではとてもどうにもなるものではない。前々から問題が明確でありますから、これに対して、まずこれは建設省にお伺いをするわけですが、霞ケ浦のヘドロというものはどれくらいの量があって、現在も若干の工事はしておりますけれども、あの程度の工事ではとうてい問題を処理することができない。このヘドロ処理についてどのような方針をお持ちか、ちょっとお伺いします。
○萩原説明員 お答えいたします。 いまどのくらいたまっておるかというまず第一の点でございますが、きちっとした数字を把握しておるわけではございませんが、とにかく二百二十万キロございますので、恐らく六千万立方メートルとか七千万立方メートルとか、いわゆるヘドロというもののたまっております総量は、そんなオーダーではないかと思います。 私どもとしましては、その総量を除去する、そのようなことはちょっと不可能だと考えておりますし、またおっしゃいます富栄養化といいますのは、窒素と燐を全くなくしてしまわなければいけないということではございません。ある一定の量以下に抑えるようにいろいろな努力をするということだと思いますので、ヘドロ除去に関しましても、その線に沿いまして、特にそういうN、Pを含みました有機質の多い個所を調査の結果選び出しまして、重点的に掘るという方針にしてございます。 現在のところ、湖面の中で土浦沖、それから鉾田沖、高浜入り、この三区域につきましてとりあえず合計百二十万立方メートル、これをできれば昭和六十年の早い時期までに掘ろうという計画を立てておりますし、現実に昭和五十年から掘り始めておりまして、大体本年度までに三十万立方メートルほど掘り終えたということになってございます。 以上でございます。
○竹内(猛)分科員 まず、ヘドロの問題がそういう形で進んでいくことと同時に、これは農林水産省の仕事になるわけですが、一方において霞ケ浦の総合開発が進んでいる中で、漁業権者にはかなりの額の漁業権の補償をしたが、一人一人の漁民にどういう補償をしたかということはいまだに明らかでない。非常に不明朗なものがある。この問題についてはしばしば調査を要求しているけれども、いまだに明らかになっていないということで、漁業補償に関しては非常に不満です。水資源公団がやっているけれども、最終段階の受けた人間と額がわからない。それはあるけれども、きょうの課題ではありませんからそこはそれだけにしておきますが、いずれこの問題についても調査を要求しなければならない問題ですが、そういう補償を取っている一方において、いま網生けすでコイを飼っている。そのコイが密殖で、サナギとかその他多くのえさを与えております。それが、一定の水量が入ってこない段階のときにおいては、これが腐って沈む。そして、それが今度は熱で富栄養化してアオコ、こういうものが出てきて大変なことになるのです。これが大きな原因です。その最高なものは、昭和四十八年、千六百キロのコイが死んだという問題がありますが、この内水面の指導について適切な指導を与えなければならないと思うわけですけれども、これについてはどういうお考えですか。
○中村説明員 お答えいたします。 霞ケ浦におきます養殖業と水質保全の重要性にかんがみまして、茨城県といたしましては、過密養殖の防止、それから低たん白餌料の使用、あるいはえさを与えます養殖からえさをやらない養殖、あるいは少ない量のえさで養殖できるような魚種への一部の転換というようなことにつきまして、積極的に指導しておるところでございます。水産庁といたしましても、機会あるごとに、茨城県に対しまして、同趣旨の指導を繰り返して行っております。 また、アオコの問題でございますが、水産庁といたしましても、アオコを食べまして成長するレンギョ、あるいはテラピアというような魚につきまして、アオコの回収を図るための技術開発ということを茨城県に委託いたしまして実施しているところでございまして、これは先ほど言いました少ないえさでの養殖、あるいはえさを与えない養殖への転換というようなことにもつながることにもなりますので、今後とも、この種の技術開発につきまして推進していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(猛)分科員 いまお話のあったテラピアの問題等々については現実に進んでおりますが、コイの密殖はまだ十分に直っていないと私は見ています。だから、これはさらに指導を要求をしたいと思います。 さらに、もう一つの問題は、この周辺に工業団地と従来からの農家がありますけれども、その間に今度は住宅団地が密集をしまして、混住状態になっている。そういう中で、家庭の雑排水が流れてくるわけです。これについては県の霞ケ浦条例によってかなり規制ができると思いますけれども、問題は、先ほど長官から話があった、通産省が中心になった工業の問題なんです。 神立の工業団地があり、柏原に工業団地ができ、阿見に工業団地ができた。そして今度は鹿島の工業団地に送水をしている。こういう工業団地があの周辺にある。それを規制するということに実は大きな問題がある、こう私は見ているのです。工業優先だから仕方がないと言えばそれまでですが、工業優先で漁民や農民や住民が犠牲になったのではかなわないわけです。その点についての考え方、これは環境庁の考え方をお聞きしたいと思うのです。
○小野(重)政府委員 先ほど霞ケ浦の汚濁の原因となる分野といいますか、それにつきまして、生活排水なりあるいは畜舎、養殖等について申し上げましたけれども、もとよりそれ以外の、たとえば工場、事業場からの排水問題もあるわけでございます。 工場、事業場につきましては、これは御案内のように、現在水質汚濁防止法に基づきまして排水規制を受けているわけでございますけれども、先ほど私どもの大臣が申し上げましたように、現在検討しております湖沼法では、一方では下水の整備の促進とか、あるいは畜舎、養殖施設に対する一定の規制をする一方で、工場、事業場が新設あるいは増設されまして、それによって著しい影響を与えるようなそういうおそれがある場合には、それを規制したいという趣旨の規定を置こう、こう思っておるわけでございますが、その点について関係省といま調整をしている、こういうことでございますが、私ども、ぜひともそういう方針で、この湖沼法の政府部内の調整、そして国会提出へ向かって努力したい、こう思っておるわけでございます。
○竹内(猛)分科員 また工場との関係があるのですけれども、常陸川の水門を管理している、これは建設大臣が管理をしている最高責任者だと思うのですが、知事に移管をしているかどうか。ともかく、今日までの霞ケ浦に起こる問題の中で、常陸川水門というものの持つ意義というものが変わったのではないか。当初あの水門ができるときには、治山治水、農業面からも考えられたものであったけれども、その後工場ができるに及んで、鹿島の工場に塩分を含んだ水を送ることはよろしくない、だから仮に霞ケ浦の水が枯渇をしても、アオコが出ても、魚が死んでも、そこに海水を入れることは許さない。あるいはまた、今度は逆に塩水が押し寄せてきて、そして田植えをして間もない水田が冠水をして、田植えをして間もない苗が腐っても、これを霞ケ浦の中に入れることをしない。こういう両面で、昭和四十八年、四十九年、私は国会でこれを取り上げたわけですけれども、いまだにこの体質は直っておらない。一体、この常陸川水門の管理の仕方が変わったのではないかということを痛切に感ずるのですが、この点についての建設省の考え方はどうだろうか。
○玉光説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のように、常陸川水門、これは利根川から霞ケ浦の方へ入ってくる洪水の逆流防止、そして霞ケ浦周辺の農地、家屋等に対する浸水被害を守るということと、それから渇水時におきます干塩害を防止するということを目的としまして、昭和三十八年に完成いたしました。 治水的なことに関する操作でございますが、まず出水が起こりますと、霞ケ浦流域の水を出します。この場合は水門を全開しておるわけでございます。そのうちに少し時間がずれまして、利根川本川の水位が上がってまいります。そういう場合に、逆流のおそれのある場合に閉鎖するということが、治水的なものの操作の考え方でございます。 平常時におきましては、水門の操作につきまして、霞ケ浦周辺の農業用水、生活用水等の水利用に対しまして、塩水の遡上を防止するというようなことで、それとある一定の水利用のための湖水の維持ということで操作してまいっております。これらの操作につきましては、知事の要請を受けまして、平常時の操作につきましてはいろいろやっておるわけでございます。 以上でございます。
○竹内(猛)分科員 これは魚が死んだときに、その霞ケ浦周辺の魚をとっているところの青年が、あの水門を爆破したい、こういうことを申し出てきた。だから、そういう気持ちはよくわかるけれども、私は国会議員だから、いいとは言えないが、そのぐらいの気持ちに漁民がなっているということは、やはりあれだけの霞ケ浦の中の水が枯渇をして、それでアオコが浮いて魚が腐っているときの状況から言うと、いまのような答えではなかなか十分でない点があるということだけをつけ加えて、次の方へ行きます。 今度は、あの周辺は前々からサツマイモが生産をされる地域なんです。それをえさにして豚を飼って、畜産が盛んです。その畜産のふん尿が流れ込んでくるということが一つの汚濁の原因だと言われていて、これについては農林省もかなり注意をしてきた、それから農家も注意をしております。けれども、いまだにこの問題は十分ではない面がある。これについて、さらに農林省の指導、これをちょっと伺いたいと思います。
○三浦説明員 お答えいたします。 いま先生御指摘の茨城県における畜産排水、特に豚に起因する水質汚濁問題、これにつきましては、現在のところ厳しい県の指導のもとで、逐次改善が進んでいるのではないかというふうに考えておるところでございます。 この家畜排せつ物の処理につきましては、これへの適切な対応いかんということが畜産経営の存続にかかわる重要な問題でございますし、適切な対応が必要なわけでございますが、一方におきまして、私ども、この家畜排せつ物というのは地力の維持増進の面にとりましては重要な資源であるというふうな考え方を持っておりまして、そういうふうな見地から、ぜひ土地還元を基軸とした積極的な対応というものを進めていくべきではないかというふうに考えているところでございます。 いま御審議いただいておりますところの五十七年度予算におきましても、御存じのように、従来まで畜種別、生産工程別に分かれておった各種事業を総合メニュー化いたしまして、畜産総合対策事業としてやりたいということでお願い申し上げているわけでございますが、この中でも、まず第一番目には、指導体制の整備というものが非常に必要であろうというふうなことで、農林事務所を中心にしながら、各農協あるいは市町村の職員も入れた指導チームを編成しながら、事前予防的な指導を強化する、一方、問題が起きているものに対しては適切な対処の方向を指導するというふうな事業も織り込んでございますし、また、具体的には、畜産経営相互が組織化しながらふん尿の適切な処理をやるとか、あるいは耕種経営との結びつきの中でそれを処理するとか、さらには、より広域的には、広域で処理されたふん尿の流通を図りながら土地還元を進めていくとかいうふうなことに対する施設助成等をその中に盛り込んでおるところでございます。 また、先生の先ほどのお話の中にもございましたが、混在化が進んでおって、どうしてもそこではできないというふうなところについては、畜舎の移転等につきましてもこれを助長するというふうな対応、あるいはまた、土地条件の恵まれたようなところでは、大型の新しい畜産の基盤整備を含めた公共事業での経営の創設等もあわせてやる、このような各種の事業を積極的に進めてまいりまして、いまの畜舎排水に係る汚染問題の対処と同時に、畜産経営の健全な存続発展というものを推進してまいりたい、かように考えております。
○竹内(猛)分科員 いま、大変綿密なお話がありましたが、現地でもこの問題についてはかなり努力をしていて、大体ここのところでは専業でありますから、自分でも金を出しながら、豚のふん尿なり、また牛についても同じですが、メタンガスを取ってこれをエネルギーに変えていくということで、あるところではメタンガスを取るために補助をもらったり、自分でいろいろな工夫をしたりして努力をしているところがあります。 そういう点で、農林水産省も現地の調査などをして、霞ケ浦へあの周辺の重大な産業としての畜産業というものの公害が及ばないようにするために、なお一層の努力をしてもらいたいと思います。 時間がありませんから最後になりますが、現地においては、いま上からの、県及び市町村が進める霞ケ浦の浄化運動、それからまた民間なり学者なり専門家等々がやる運動、主婦なりそういう方々が起こしている運動がたくさんあります。それが、去年約六十団体が集まって霞ケ浦の浄化運動に立ち上がって、昨年の末には知事を呼んでいろいろと相談をしたり話し合いをしておりますが、かなりこの運動は進んでいる。いわば、官民一体のような運動にはなってきているけれども、一番の問題は、これは運動だけでは解決しない。つまり、大量の汚物が入っているわけですから、金がなければこれはだめです。最終的にはやはり金を入れて、そして本当に霞ケ浦をきれいにしていくということでなければいけない。 どうしてもそこに、先ほど最初に長官からもお話がありましたが、去年鯨岡長官のころから問題になっている湖沼法、こういう法律を早く制定をして、骨抜きにならないようにして、そこにやはり財政を入れる、そして地域住民の運動が一元化する、こういうことによらなければこの問題の処理はできないだろうと思うのです。もう時間がありませんから、最後ですから、これはひとつ長官にお答えをいただきたいと思います。
○原国務大臣 先ほども申し上げましたように、湖沼法につきましては、私どもの方におきましても、ぜひこれを国会に提案するところまでこぎつけたいということで、いま一生懸命関係の省と問題点について協議を積極的に進めているところでございまして、今後も、ぜひ国会へ提出いたしたいという考え方に毛頭変わりなく進めておりますので、また御理解と御協力のほどもお願いいたしたいと思います。
○竹内(猛)分科員 終わります。
○小渕主査 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。 次に、草野威君。
○草野分科員 私は、自動車の排出ガスの問題について二、三お尋ねをしたいと思います。 最近、肺がんによる死亡率がかなり増加傾向になっております。厚生省の資料によりますと、がんで死亡されている率でございますけれども、人口十万人当たりの割合が、昭和三十年が八十七・一、昭和五十五年が百三十九・一と、一・六倍になっております。こういう中で、肺がんだけについて見てみますと、昭和三十年が三・〇、昭和五十五年が十八・三、六・一倍、こういうことで、がんの中におきましても肺がんで亡くなっている方の割合が非常に大きくなっております。こういうことで、幾つかの理由は考えられるわけでございますけれども、特に大気汚染と肺がんとの関係、これは無視できないんじゃないかと思います。やはり国民の健康、また生命という観点から見た場合、この問題はかなり重視をしなければならない、このように考えます。 こういうことで、大気汚染と肺がんの相関関係、こういうものについてどのような見解をお持ちか、まずお伺いしたいと思います。
○吉崎政府委員 御指摘がございましたように、わが国の死亡順位が、昭和五十六年でついに脳血管障害を抜いてがんになったとされておりますし、また、肺がんの伸び率が著しい、大変重大な問題であると考えておるわけでございます。 肺がんにつきましてはいろいろな特徴がございまして、たとえば男女比というものがかなり大きい。男の方がかなり多いのでありまして、また地域分布なども男と女でかなり違っておるのでございます。いまのところ、なぜ肺がんが非常にふえておるかということでございますが、たばこの影響が一番大きいのではないかということが定説ではないかと思っておるのでございますけれども、それだけではどうしても解釈ができないとされておるようでございます。 昨年、健康づくり財団が発刊したいわゆるがん地図によりますと、確かに、御指摘にもございましたように、肺がんは京浜、阪神等の都会に多うございますけれども、一方また、空気の汚染がそれほどないだろうと思われるところにも多い地域があるのでございます。いろんな要因が絡まっておるのではないかと思うのでございますけれども、何といたしましても、肺がんでございますから、お話がございましたように、空気との関係もこれは確かに無視できないのではないかと考えておりまして、私どもといたしましては、空気をよくすることに全力を挙げたいと考えておるところでございます。
○草野分科員 昨年の六月、皆さんも御存じのとおり、国立公衆衛生院の鈴木武夫院長が、報告の中で、環境の汚染物質によって肺がんなどが急速に増加している。特に肺がんは、最近三十年間で二十倍にもなっている、こういう報告をされていますね。また、東京の空気中から十数種類の発がん性物質が検出をされているということも指摘をされているわけですね。こういうことから、おのずから因果関係というものも想像できるのでございますけれども、環境庁としては、現在大気汚染と肺がんの関係ということでどういうような調査研究をされておりますか。その調査研究面をひとつ挙げていただきたいと思います。
○吉崎政府委員 私どもの方では、ディーゼル排ガスの問題が特にがんと関係が深いということに着目をいたしまして、昭和五十五年度かち年次計画をもって研究を実施しておるところでございます。その研究の正確性、効率性を図りますために、大気保全局に関連分野の専門家及び学識経験者から成るディーゼル排出ガス影響調査検討会を設置をいたしまして、この指導助言に基づきまして研究調査を行っておりますが、大別いたしますと、内容は大きく二つに分けることができます。 一つは、排出実態及び環境大気調査でございまして、沿道大気中あるいはディーゼル車等の排出ガス中にどういうものが含まれておるか等の実態調査を実施することといたしておりますし、また、健康影響調査といたしまして、動物を用いた暴露実験等を行うことにしておるわけでございます。
○草野分科員 いまディーゼルの排出ガスについてお答えがあったわけでございますけれども、最近、東京都内の空気が非常にきれいになった、こういうことが言われておりますけれども、余り安心できないような状態ではないかと思います。 東京都の公害研究所の調査によりますと、昨年ですか、野犬の調査をしておりますね。この調査によりますと、野犬の八・九%にがんの前段階の症状があった。一方、同じような調査を千葉県の東金でやった。東金市の場合は、これは非常に空気のきれいなところと言われておりますけれども、わずか一%、百頭やりまして一頭しか検出されなかった、こういうような調査結果が出ております。 東京都内で最も高かったのは世田谷区の一四・九%、次いで練馬とか板橋、これが一一%。こういうところから、環状七号線とか八号線、自動車の交通量の非常に多いところ、こういう幹線道路に高かった。したがって、人間も犬も同じ空気を吸っているわけでございますので、決して安心はできない、こういうような警告も東京都の公害研究所からされているわけでございます。大気汚染の三分の二は自動車の排気ガスがその原因だということも言われている中で、自動車の排ガス中に発がん性の物質というものはどういうものとどういうものがあるか、これについてお尋ねしたいと思います。
○吉崎政府委員 従来からの知見によりますると、ディーゼル排ガス中には約十種類の多環芳香族炭化水素が含まれておると言われておりますが、このうちのべンツピレン、普通ベンツピレンと申しておりますけれども、これが発がん性があるとされているところでございます。また、最近の国立がんセンター等の研究によりますと、ディーゼル自動車の排ガス中に含まれておるのではないかと推定されましたニトロピレン及びニトロフロランテンにも発がん性がある、これは皮下注射の研究でございますけれどもあるとされておるところでありまして、これは初めての知見であると承知をしておるところでございます。
○草野分科員 いまお話しございましたように、癌研とか福岡の衛生公害センター、こういうところの研究の結果、ディーゼルの排ガスの中からこのようなきわめて危険な物質が発見されているわけですが、こういう発がん性のおそれのある未解明な危険物質、これは氷山の一角である、こういうような指摘もされているわけですね。昨年たまたまこういう新たな発がん物質が発見されたわけでございますけれども、これが氷山の一角ということになってくると、これからの研究次第では、さらにこういうものが出てくるかもしれない。しかもベンツピレンなどに比べると、その毒性は五倍ぐらいに当たるというふうなことが、たしか前の保全局長さんのお話の中にあったようでございますけれども、こういうことで、ディーゼルの排ガスの問題はこれから非常に大きな問題となってくるかと思います。 そこで、環境庁として現在独自にどういうような研究をされているのか、また、こういう共同研究の結果出てきた問題に対して、どういう見方をされていらっしゃいますか。
○吉崎政府委員 まず、後段の方からお答えさせていただきますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、ディーゼル排出ガスの問題はきわめて重大な課題であると考えておるところでございまして、これまでもいろいろな施策を講じてまいりましたけれども、さらに積極的に対策を講じてまいりたいと思っておるわけでございます。 調査でございますけれども、昭和五十五年からこの問題に着目をいたしまして、年次計画をもって、先ほどもちょっと申し上げましたが、健康影響調査と排出実態及び環境大気調査について実施をしておるところでございます。なかなかこの多環芳香族いろいろございまして、個々の物質についてやりますよりは、当面は排気ガス全体について健康影響調査等を実施しておるところでございます。また、いま最後に御指摘のございましたニトロピレンでございますけれども、排出ガスあるいは大気中に含まれますそのものの検出方法は、実は必ずしも確立しておらないところがございますので、これにつきましても、早急にこの調査研究に取りかかりたいと考えておるところでございます。 なお、もう少し詳しく申し上げますると、排出実態及び環境大気調査につきましては、フィールドにおきますところのサンプリング調査、あるいは多環芳香族炭化水素及び金属成分の分析、文献調査等に取りかかっておるところでございまするし、健康影響調査につきましては暴露システムを開発をいたしまして、吸入毒性の試験をやっておるところでございます。また、ディーゼル排出ガス試料、道路沿道大気試料の変異原性試験も実施をいたしたいと考えておるところでございます。
○草野分科員 神奈川県におきましては、全国に先駆けて、この四月からNOxの総量規制を実施することになっているようでございますけれども、神奈川県の場合、県内全域から排出されるNOxの総量が、昭和五十四年で約六千ノルマル立方メートル、このように言われております。このうちの約三〇%が移動発生源から排出されている、こういう現状でございます。したがって、やはりそのかぎを握ってくるのは、どうしても自動車対策、自動車排出ガス対策、これが非常に重要になってくる、われわれもこのように見ております。 その中でも最近特に問題になっているのが、いままでお話しございましたディーゼルの排気ガス問題であろうと思うのです。技術上いろいろな困難な点がある、こういうことで、ガソリン車と比べますと、その対策なり規制がかなりおくれている。こういう中で、むずかしいとはいえ、どうしても取り組みは早急にやらなければならないと思うのですけれども、環境庁として、このディーゼル排ガスの発がん物質を減らすために現在どのような規制を行おうとしているのか、その規制の方向なり、また実施の時期なりについて、現在の御見解をひとつ承りたいと思います。
○吉崎政府委員 ディーゼル車問題につきましては、御指摘のございましたように、きわめて重大な問題であると考えておるところでございまして、排出ガス規制につきましては、御案内のように比較的早く、四十七年から黒煙について実施をいたしておりまするし、四十九年からは一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物の三物質について規制を始めております。特に、この窒素酸化物につきましては、中央公害対策審議会からいただきました答申に基づきまして、段階的に規制の強化を図っておるところでございます。特に、ディーゼル乗用車につきましては、さらに規制を強化をする必要があるということで、昭和五十六年に目標値を設定をいたしまして、現在鋭意技術評価を進めているところでございます。 また、お尋ねにもございましたディーゼル車からの排出ガスによる発がん性の問題についてでございますけれども、この問題、この分野での知見が必ずしも多くない現状にかんがみまして、先ほど来申し上げておりますように、五十五年度から年次計画をもってディーゼル排出ガスの沿道における排出実態、動物実験による生体影響等に関する調査を実施しておるところでございます。 さらにまた、四十七年から黒煙について規制を開始したと申し上げましたけれども、これにつきましても、ディーゼル黒煙の低減技術の研究開発状況を調査し、あわせて技術開発の促進を図るために五十七年度からそういう研究を計画をしておるところでございます。
○草野分科員 現在、自動車が全体で四千数十万台、こういう中で、ディーゼル自動車が約四百十五万台、割合から見ますと約一割、一〇%ちょっとがディーゼル車、そしてまた、今後この傾向はますますふえてくるのではないか、このように言われておりますけれども、先ほども申し上げましたように、現状ではガソリン車に比べてディーゼル車の規制対策がかなりおくれている。そういう中で業界自体の研究というのはどの程度までいま進んでおりますか。
○吉崎政府委員 どの程度までということにただいま的確にお答えする資料を持ち合わせておりませんけれども、自動車排ガスの規制を強化いたしますために、技術検討委員会という、ちょっと名前はいま正確ではありませんが、そういうものを私どもで設置しておりまして、学者の先生方が研究すると同時に、業界の方のヒヤリングをいたしまして、できるだけ早く規制が達成できるようにそういう措置をとっておるわけでございます。
○草野分科員 先ほど局長からディーゼル排出ガスの規制の現状について御説明がございましたように、黒煙の場合は四十七年度から五〇%以下、それから窒素酸化物の場合が副室式で五十七年度規制、また直接噴射式の場合の五十八年度規制、こういうものが出ております。米国の場合、八五年規制、こういう一つの目標があるようでございますけれども、こういうものと現在わが国のこれからしょうとしている規制を比較しますと、どういうような状態になっていますか。
○吉崎政府委員 米国の場合には、ディーゼル乗用車につきましてパーチキュレート、主な成分は黒煙でございますけれども、これの重量規制を一九八二年と一九八五年の二段階に分けて強化をすることとしておるのでございます。わが国と米国では測定方法が全く違っておりますために、この規制の水準を比較することはきわめて困難でございますけれども、現在わが国で生産されているディーゼル乗用車のパーチキュレートのレベルは、米国の一九八二年からの規制値、マイル当たり〇・一六グラムでございますけれども、それを十分満足するレベルにございます。 ちなみに、わが国のディーゼル乗用車の排出レベルでございますけれども、黒煙の汚染度五〇%以下ということで、一六%から四〇%程度の間にございまして、パーチキュレートに換算をいたしますと〇・一八から〇・四一グラム・パー・マイル、このようなことで八二年からの規制値は十分満足しておるのでございます。 また、この八五年から予定されておるのがアメリカの場合〇・二グラム・パー・マイルでございますけれども、これは本当に実施するかどうか、確定しておらないようでございますが、わが国で現在生産されておる車両にはこの規制値に対応困難な車両もありますけれども、これは将来の問題でございますから、今後の技術開発の進捗状況を見ないと、その比較は困難であろうかと考えておるわけでございます。
○草野分科員 いまの米国の八五年度規制目標、これと比べると現在のわが国の規制は非常にむずかしいんじゃないか、困難じゃないか、こういうようなお話でございましたけれども、八五年の米国規制に日本の現状を近づけるということは技術的に見て不可能、こういうことですか。
○吉崎政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、明年度からディーゼル黒煙に対する技術の進捗状況、それからこれを推進するための方策等につきまして調査をすることにいたしておりまして、どこまでできるか、いまの段階ではちょっと申し上げられませんけれども、不可能とは限らないと思っております。
○草野分科員 乗用車の場合、第一段階の目標が窒素酸化物、中型車の場合で〇・九、それから小型車の場合で〇・七、こういう目標になっておるのですけれども、この実施時期というのは大体いつごろをめどに置いているのですか。 ついでに伺っておきます。 第一段階はいま申し上げたとおりで、第二段階が同じく中型車が〇・六それから小型車が〇・五、こういうような目標が出ておりますけれども、この実施時期はいつごろをめどに置いていらっしゃいますか。
○吉崎政府委員 ただいまのはディーゼル黒煙じゃなくてNOxの話でございますけれども、この実施時期の問題は非常に困難な問題でございます。それぞれの技術評価の段階がございまして、たとえばさきの中公審の御答申によります自動車排出ガスの許容限度長期設定方策によりますと、第一段階につきましては昭和五十四年に達成すべきである、第二段階につきましては第一段階の規制実施の数年後、遅くとも昭和五十年代中に実施すべきである、このような御答申をいただいております。 一方、騒音の方の御答申によりますと、第一段階は「五十四年には達成するよう努めるものとする。」「第二段階の目標値をできるだけ早期に達成する必要があり、このため技術開発の状況を逐次評価する体制を整備し」云々、こういう御答申をいただいているわけでございますけれども、ただいま御指摘のございましたディーゼル乗用車に係るNOxの長期目標でございますが、これはいま申し上げました自動車公害防止技術評価検討会におきまして、第三次報告、昨年の五月でございますが、その中でお示しをいただき、私どもとして目標として設定したわけでございますが、第一段階は中期、第二段階は長期、こういうようなことになっておるわけでございます。そうしてこの時期を予測することはいまの段階ではできない、このように御報告をいただいておるわけでありますが、私どもといたしましては、きわめて重大な課題であると考えまして、できるだけ早く技術評価を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○草野分科員 最後に、長官の御見解を伺いたいわけですが、いままでのいろいろなやりとりの中で、ディーゼル車の問題は技術的にも非常に大きな課題を抱えている、こういうことでございますけれども、ともかくディーゼル車の問題は、一番おくれているところから一番恐ろしい危険な物質が毎日道路に振りまかれておる、こういう感じがするわけですね。したがって、技術的な困難なことは理解できますけれども、ガソリン車の場合、かつて昭和五十三年規制、このときも業界からかなりいろいろな声がありましたけれども、しかし、これは努力によってみごとにクリアしたわけです。その結果、現在の日本の自動車業界は国際的にかなり飛躍しておる、こういうことだろうと思います。したがって、ディーゼル車の場合も人命尊重、また国民の健康、こういう立場から考えたときに、やはり一日も早く厳しい規制をやらなければならない、このように私どもは考えておりますけれども、長官の御見解を承って、終わりにしたいと思います。
○原国務大臣 御指摘のように、ディーゼル車からの排出ガスによる発がん性の問題、非常に重要な問題だと思っております。環境庁におきましては、ただいままで大気保全局長からいろいろとお答え申し上げましたように、現在、年次計画をもってこのディーゼル排出ガスの影響について調査研究を進めているところでございますが、早くその研究の結果を得て、その結果を踏まえて十分な対応をしてまいりたい、十分な対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○草野分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○小渕主査 これにて草野威君の質疑は終了いたしました。 この際、午後一時から再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○小渕主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。安藤巖君。
○安藤分科員 私は、環境庁それから建設省に対しまして、近畿自動車道のうちの名古屋−亀山間、亀山線ですね。このうちの名古屋市名東区−名古屋市中川区間の建設についてお尋ねしたいと思います。 まず最初に、建設省にお尋ねしたいのですが、この道路はいつごろ着工していつごろ完成という予定になっておりますか。
○鈴木説明員 近畿自動車道の名古屋市名東区—名古屋市中川区間につきましては、本年一月二十日の第二十六回国土開発幹線自動車道建設審議会において整備計画が策定されております。ただ、現在都市計画変更の手続が行われておりまして、この手続が終了した後、日本道路公団におきましてさらに調査を行って、その調査の終了後事業の実施に着手していくということになっております。したがって、現段階ではその辺のいつ着工になるか、いつ完成ということについては未定でございます。
○安藤分科員 環境庁長官にお尋ねしたいのですが、いまお話がありましたように、ことしの一月二十日に基本計画から整備計画に格上げになったわけですね。この道路は名古屋市内ではいわゆる環状二号線と呼んでいるのですが、これから環二というふうに省略して言うこともありますが、御承知おきをいただきたいと思うのです。 先ほどの整備計画に格上げするに当たって、環境庁の方から建設省に対しまして環境を保全するという趣旨から申し入れをされたと伺っているのですが、それは事実かどうか。そして、建設省の方では、その申し入れに対してどういう応対をされたのか、お尋ねをいたします。
○原国務大臣 お答えいたします。 ただいまお話ございましたように、本年一月に開催されました国土開発幹線自動車道建設審議会に先立ちまして、この二号線について建設省に申し入れを行ったことは事実でございます。申し入れの趣旨は、二酸化窒素、騒音の環境基準の維持達成に努め、振動により地域住民の日常生活に支障のないよう配慮することによって環境保全に万全を期するよう配慮してほしい、また、この趣旨の徹底について事業者を十分指導してほしいという申し入れをいたしたわけでございます。この申し入れに対して建設省からは、申し入れの趣旨に沿って環境保全には十分配慮するという回答を得ております。
○安藤分科員 いま概略長官の方から申し入れの中身についてはお話があったのですが、二酸化窒素の問題騒音の問題、振動の問題について、もう少し詳しく申し入れの中身をお尋ねしたいのですが、まず二酸化窒素の問題についてはどういうような申し入れをされたのですか。
○清水政府委員 まず二酸化窒素についてでございますが、「今後の環境濃度の推移を見つつ、道路の沿道において、その確保が図られるように、道路管理者としても所要の措置を講ずるように努めること。」このような趣旨の申し入れをいたしてございます。
○安藤分科員 いまの申し入れの内容につきましては、別個に環境庁に対していろいろお話をしておった過程でも、そのポイントのところはお聞きをしておったことなんですが、その前の方に、NO2の一時間値の一日平均値が〇・〇四PPmから〇・〇六PPmまでのゾーンあるいはそれ以下であるというゾーンが定められておるということも含めて、いまおっしゃったような所要の措置を講ずるよう努めることというような申し入れをされたのではないのですか。
○清水政府委員 申し入れの文書においては、いま御指摘のように最初のところで二酸化窒素の環境基準ということで云々ということはメンシヨンしてございます。そういうことをちゃんと書いて、そうしてさっきのようなことを申し入れている、こういうことです。
○安藤分科員 それから、騒音についてはどういうような申し入れをされたのでしまうか。
○清水政府委員 騒音につきましては「環境基準の確保が図られるように、あらかじめ遮音壁を設置する等適切な環境保全対策を講ずるよう努めること。」こういう趣旨の申し入れをしてございます。
○安藤分科員 この騒音の問題については、地上から一・二メートルの高さで測定をしてそれを基準にするというような話も聞いておるのですけれども、いまは高層の住宅が建っている部分が道路の沿線にも非常に多いのですが、そういうような高層住宅が建っているときはもっと高いところ、いわゆる上層部のところの基準を適用しなければならぬのじゃないか、そこで測定したものを基準以下にするということを考えなければならぬと思うのですが、その点についてはどういうふうに考えておられますか。
○吉崎政府委員 騒音の環境基準でございますけれども、これは生活環境を保全し、人の健康の保持に資する上で維持されることが望ましい基準でございますから、通常住民が生活しておる場所にはあまねく達成されるよう各種の施策が総合的かつ有効適切に行われる必要があると考えておるところでございます。したがって、高層住宅等についても、現実に住民の生活が営まれておるのでございますから、環境基準が達成されるよう努めるべきであると考えております。
○安藤分科員 そうしますと、やはり高層住宅があって五階、六階というところに人が住んでいる以上は、その高さでの騒音の環境基準が達成されるようにしなければならぬという趣旨だと思うのですが、そういうことも、この申し入れをされるときに、建設省の方に対してきちっと申し入れがなされておるのでございましょうか。
○清水政府委員 ただいま大気保全局長からお話のありましたことは環境基準についての一番原則的な考え方で、特に今回の申し入れのときに、そのこと自体を字句に書いていることはたしかなかったと私は記憶しておりますけれども、われわれが建設省なりと話をするときはそういう理解を前提にして言っておりますし、必要ならばそういうことについてはいつでも趣旨を明らかにしていくことはできる、こういう関係にあると思います。
○安藤分科員 そうしますと、いまの騒音の関係については、先ほど長官の方からは、申し入れに対して建設省の方は趣旨に沿ってやるという回答を得たという話でしたが、いまの一・二メートルというところではなくて、もっと高いところに人が住んでおれば、その住んでいる人のところを基準にしてやるということも、建設省の方では趣旨に沿ってやるということに含めているというふうに見ておられるのでしょうか。
○清水政府委員 そのことは非常に具体的ですけれども、さらにまた、それが具体的にはどの地点のことになるかということもあろうかと思いますけれども、私は、考え方としてはそういうふうに建設省におかれても御理解をいただいているもの、こういうふうに考えております。
○安藤分科員 騒音のところですが、あらかじめ遮音壁を設置する等というような申し入れをされたということですが、これは騒音がひどくなっている、これじゃもう生活していくことができないんだというような苦情が出てからつけるというのか、そういうような苦情が当然出てくるということが予想される場合は、あらかじめつけるというような趣旨で申し入れをされたというふうに伺ってよろしいですか。
○清水政府委員 これはどちらかといえば、いまの御指摘の中の後者の方の感じになろうかと思います。当然まだ工事の前の段階でもございます。それから、大体がこういうアセスメントというようなことをやっておることの基本的なねらいは、後手に回らないようにいろいろなことを調べて評価する、こういうことでございますので、ある意味では自然にそういう表現がそこについたというふうにも私は思いますけれども、あえてその趣旨を言い直せば、あらかじめ遮音壁等の配慮をする、こういうことになるわけでございます。
○安藤分科員 振動についても申し入れをされたということですが、これはどういうような内容の申し入れになっておりますか。
○清水政府委員 振動につきましては、大部分の地域住民が日常生活において支障がないよう配慮することでございます。
○安藤分科員 振動につきましては、環境基準というのはいまのところないわけですね。これは御承知だと思うのですが、環境影響評価に係る技術的事項についてという、これはまだ案ですが、その中にいまおっしゃったような趣旨のことが書いてあるわけですね。だから、日常生活において支障がないように配慮せよということを申し入れられたということですが、どうもいろいろ聞くところによると、この振動の問題については、振動と騒音というのは、いつもよくつきまとうというのか、一緒になっている場合が多いわけですけれども、この振動の問題について、これは非常にとんでもない振動だ、何とかしなければならぬ。よく要請基準とか要請値とかいうようなことを言われておりますけれども、そういうようなものではなくて、もっと低い段階でのものを求めているんだというふうに理解してよろしいでしょうか。
○清水政府委員 さようでございます。この要請限度ということで考えるのではなくて、ただいま申し上げたような趣旨で振動については考えていきたい、こういうことでございます。
○安藤分科員 そこで、この振動についての環境基準というのは、これから環境庁としてはつくっていかなくちゃならぬというふうに考えておられるのでしょうか。
○吉崎政府委員 振動について環境基準をつくるべきではないかという御趣旨でございますけれども、御案内のように、振動の問題は、地盤の状況によっても非常に大きな影響がございますし、発生源及び伝播の経路等も多様でございまして、きわめて複雑な要素が多いわけでございます。 また、お話にもございましたように、大体振動があります場合には音も伴っておるということもございますし、公害対策基本法第九条におきましても、環境基準を定めるものとは実はされておらないわけでございます。そのようなこともございますので、ただいまのところ振動に係る環境基準を設定することはきわめて困難だと考えておるところでございます。ですけれども、私どもの方では五十六年度から診断の予測手法等について検討をいたしております。
○安藤分科員 実はこの沿線は約八十キロにわたるわけなんですけれども、その全部ではないのですが、その大部分のところを、建設予定地あるいはその沿線をずっと見て回ったのですが、非常に環境のいいところですね。まず、相当の緑がありますね。森や林があるし、それからわりと高台のところが多くて、非常に空気がきれいで、自然の山鳥なんかも相当いるという話も聞いております。それから文教施設、学校、幼稚園というのが非常にたくさんあるし、それから住宅もたくさんできてきつつあるし、そこに住んでいる人の話によると、名古屋市のとにかく南部の工業地帯におって、そこはとんでもない騒音がある、あるいは名古屋の市街地におうて相当な騒音と排気ガスに悩まされている、だから逃げてきたみたいに、こういういい環境のところにいま住んでいるんだ。ところが、今度こういうような環二が通るということになったら、もうどえらいことになるというので非常に心配をしておられるのです。 そこで、建設省の方にお尋ねをしたいのですが、先ほど環境庁長官の方から申し入れをされたことに対して、趣旨に沿ってやりますという答弁をいただいたというお話がありましたが、そういう趣旨の答弁をされたというようなことは間違いがないのでしょうか。
○鈴木説明員 そのような趣旨で御答弁したことは間違いございません。
○安藤分科員 具体的に窒素酸化物の問題あるいは騒音の問題あるいは振動の問題について一々お尋ねをしておる時間的な余裕がございませんのでポイントについてお尋ねをするのですが、先ほど言いました騒音の一・二メートルというものですね、これはどうなんですか、環境庁が言っておられるような方向で努力をされるというふうに伺ってよろしいですか。
○鈴木説明員 騒音の予測とか評価につきましては原則として高さ一・二メートルでいっておりますけれども、ただいま議論されました御趣旨に沿うように、一・二メートルを超える個所につきましても、道路構造による対策を主とした総合的な対策を講じるように努めてまいりたいと思っております。
○安藤分科員 それから、遮音壁の関係ですが、先ほどいろいろ苦情が出てからか、あるいはその前に予想される場合は前もってかということを環境庁の方へお尋ねしましたところ、後者の方というのは、あらかじめ予想される場合は前もって遮音壁をつけるというような趣旨に重点を置いた申し入れなんだという話があったのですが、そういうようなことで、あらかじめつけるということで努力をする、そういう趣旨に沿ってやるということも間違いありませんか。
○鈴木説明員 あらかじめそういうような事態が予想される場合には、事前に対策を行うようにいたしてまいります。
○安藤分科員 振動の場合も、先ほどこれは全体として趣旨に沿ってということを御答弁になっておられるわけですから、この申し入れの趣旨に沿ってやるというふうに、あえてお尋ねをいたしませんけれども、理解をしていいのだろうというふうに思います。 そこで、建設省にはまた後でお尋ねをしますけれども、窒素酸化物の問題について、先ほどの申し入れの窒素酸化物の問題のときに、環境濃度というお話がありました。これはいわゆるバックグラウンドの濃度の問題というふうに理解をしておるのですが、この問題について環境庁が、都市計画を決定するのは愛知県のものだろうと当然思うのですが、この愛知県との間でいろいろ話し合いをされたというお話を聞いているのですが、それはそのとおりですか。
○清水政府委員 環境庁といいますのは、建設省と直接に協議をしているというのが第一次の立場ではございます。ございますけれども、同時に、この環境問題というものは、どうしても現地における地方自治体ということともまた緊密に連携をしてやっていく必要性が非常に高い仕事だと心得ておりまして、そういうようなこともございますので、愛知県当局との間でも、いま先生のお挙げになりましたような、私ども直接に何度かそのお尋ねをすると申しますか、お話を伺う、説明を伺うというようなことをいたして進めてきたところでございます。
○安藤分科員 そこで、その中身についてですけれども、これは私もはっきりしてないからお尋ねするわけですけれども、バックグラウンドについては、〇・〇一三五PPmを達成するということで環境庁と愛知県当局との間で話し合いができ上がったというのか、〇・〇一三五PPmを間違いなくやりますということを愛知県の方が約束をしたというようなことがありますか。
○清水政府委員 バックグラウンド濃度のお話でございますが、その点につきましては、環境影響評価の中におきまする二酸化窒素の将来推計値という関係のように承知をいたしておりますけれども、その点につきまして、達成の見通しがあるという説明を承っておりますので、そういうことで私ども仕事を進めている、こういうことでございます。(安藤分科員「数字はどうですか」と呼ぶ)それはおっしゃいました〇・〇一三五ということ、たしかそういう数字のように聞きました。
○安藤分科員 そこで建設省にお尋ねしたいのですが、名古屋市の方で、この道路の建設計画の原案に対しまして環境影響評価、いわゆるアセスメントの審査書というのを昨年の十一月の十二日にまとめて発表をしておるわけなんですが、一部手直しを含めて全部で五十七項目にわたって指摘をしている、このことは御承知だと思いますが、まず全体として、この指摘に対して建設省としてはどういうような受けとめ方をしようといま考えておられるわけですか。
○鈴木説明員 名古屋市が都市計画変更原案の作成に対しまして実施しております環境影響評価において審査書が出されて、ただいま先生が御指摘のような内容のものであることはわれわれは承知しております。今後審査書におきます指摘事項に対する検討は名古屋市において行われまして、今後作成されます環境影響評価書において対策もしくは見解が示されるというふうにわれわれは理解しておりますが、建設省といたしましても、この評価書作成に際しましては、検討の必要な資料の提出等必要な協力を十分やっていく所存でございます。
○安藤分科員 そこで、これも全部お尋ねするわけにまいりませんから、二つにしぼってお尋ねしたいと思うのですけれども、たとえば名東区の香流川という川を渡る地点の道路の建設の問題について再検討を求めておりますね。再検討を求めているというのは、地下のトンネル式にしてほしいという内容での検討を求めていると思うのですが、これについてはどういうふうにいま考えておいでですか。
○鈴木説明員 一般に河川を横断する個所でトンネル構造を採用するという問題につきましては、やはり河川管理上あるいは道路交通の安全等の点から問題がありまして、一般的にはこれを避けるようにしております。特に香流川の場合につきましては、一級河川でもございますし、計画高水量も大きく、河川管理上の制約も厳しく、またトンネル出入り口のいろいろな排ガス、騒音の集中も予想されますので、建設省としては原案の橋梁案が適切であると現在は考えでおります。
○安藤分科員 現在はそういうふうにお考えだということですが、先ほども言いましたように、私がずっと建設予定地沿線の人たちの意見も聞いて、現場も見てきたんですが、どうもあれは、この審査書も指摘しておりますように地下式というようなことで検討をしていただく必要があるんじゃないかと思うのです。 それから、もう一つこういう指摘があるんですね。窒素酸化物、NO2の環境保全目標を国の基準、〇・〇六PPmということにしているけれども、名古屋市の環境目標値、これは御承知のように〇・〇四PPmですね。だから、それを守るように努力してほしいという内容になっているんですね。この点についてはどういうふうに考えておられますか。
○鈴木説明員 この二環は名古屋の都心から大体八キロから十キロぐらいの環状路線でございまして、公益的な事業というような観点から、NO2の環境保全の目標といたしまして、国の環境基準を基本としていま御指摘のように〇・〇六PPm以下というふうにしております。 なお、この環境保全目標の設定に際しましては、愛知県並びに名古屋市と、地域の現状とか将来の計画について調整を図って設定してアセスメントを行ってまいっております。 ただ、これは評価に当たっての上限という考えをいたしておりまして、これをそこまでいいということではなく、われわれとしても今後の環境濃度の推移を見ながらできるだけ沿道の環境保全を図るように努力していきたい、かように理解しています。
○安藤分科員 そうしますと、〇・〇六というのが国の環境基準だけれども、〇・〇四というふうに名古屋市が環境基準を決めているわけですから、〇・〇四ということも志向をして、そういうことも実現できるように努力をするんだ、こういうようなことでいいんですか、それ以下にとおっしゃるのは。
○鈴木説明員 以下にと申し上げましたのは、〇・〇六PPm以下にということで、できるだけ下げられるようにするということで〇・〇四PPm以下ということではございません。
○安藤分科員 最後に、最初にお尋ねしましたが、工事期間というのがまだ明確になっておらないということですが、いろいろ聞いておるところによりますと、まだこれからの手続もありますけれども、大体昭和六十七年度ごろには着工して、八年間かかって七十五年ころに完成をしたいというようなことがよく言われておるんですね。これが未確定としても、相当大規模、そして広範囲にわたる工事ですね。ですから、相当長期間にわたると思うのですが、この工事の途中におけるいわゆる工事公害といいますか、この問題も大いに考えていただく必要があろうかというふうに思うのですが、先ほどの環境庁長官の御答弁の中で、建設省の方に申し入れられた中にもいろいろ事業者指導ということも言っておられるわけですが、この点についても、まず環境庁の方にお尋ねしたいのですが、いろいろ工事そのものについてのアセスメントもやはりやっていただきたいと思うのですが、これはどういうふうにやるおつもりなんでしょうか。
○清水政府委員 お尋ねの工事中の問題でございますけれども、工事に際しましては周辺地域の環境保全に支障を及ぼさないよう万全の配慮をして工事をしていくことが望ましいと考えております。
○安藤分科員 同じ質問を建設省にいたしまして、答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木説明員 事業の実施に当たりましては、そのような見地から事業者に十分指導してまいりたいと思っております。
○安藤分科員 終わります。
○小渕主査 これにて安藤巖君の質疑は終了いたしました。 次に、吉浦忠治君。
○吉浦分科員 私はニホンカモシカの問題に関する点をお願いしたいと思いますが、一ころ撲滅の危機に瀕していると言われておりましたニホンカモシカでありますけれども、昭和三十年に文化財保護法に基づきまして特別天然記念物に指定をされ、保護措置が強化されて以来、その数は年々増加の一途をたどっておりまして、昭和五十年から五十三年にわたる環境庁の調査結果によりますと、全国三十都道府県で約七万五千頭のカモシカの生息が推定されている、こういうふうに言われております。一説には上限十二万頭とも言われておりまして、その実態のほどはよくわかりませんけれども、そのためにかどうか、カモシカがふえ過ぎまして山村の集落付近まで出没するということになりまして、しかもそれが農業や林産業、とりわけ林産業者において大事な植栽幼齢木という植えたばかりの苗木が食害に遭う、そういう著しい現状を呈しているわけでございます。その地域も、環境庁長官も御存じでしょうが、岐阜県、長野県、岩手県等において被害が激甚でございまして、関係地域住民は再三にわたりまして、十数年前から政府に対してその抜本策を求めて要望してきたわけでありますが、特に最近になりまして数十回に及ぶ強い要請を繰り返している現状でございます。それにもかかわりませず、政府がいまだ実効ある措置をとっておられませんで、現在でもその被害はふえている現状であります。 昨年でありますけれども、私は、広い範囲でありませんが岐阜県の実態を見てまいりました。岐阜県下の八市町村の被害地を対象に専門家が行いました毎木調査の結果によりますと、植えたばかりの植栽幼齢木の八二%から九五%が被害を受けていると指摘をされております。こうした被害に対する損失補てんについても、国はいまだ何も手だてを講じてない現状でございます。 もとよりカモシカを保護することに私は異論があるわけじゃございません。生活が優先かあるいは保護が優先かというふうな愚問を私は発しませんけれども、しかし、だからといって被害対策がないがしろに——また保護のあり方を早急に是正しなければならない、こういうふうに感ずるわけであります。カモシカ問題にかかる所管が、御承知のように環境庁、文化庁それに林野庁の三庁に分かれておりまして、保護と被害の調整等に関しまして政府の責任ある統一した対応がおくれているんじゃないか、こういうふうに思います。この問題の解決がおくれておる大きな要因はここにあると思うわけでありまして、万一この事態をこのまま放置しておりますならば、山村住民の生活権はますます侵害されてまいります。大げさでございますけれども、生活権の侵害、こう言わざるを得ないと思う。あるいは林業者等の植林意欲は減退してしまう。そうしますと治山治水等の国土保全等の問題も起こってまいりますし、森林の持つ公益的な機能も重大な支障を来す、こういうふうに思うわけでありまして、そこで山村住民の生活擁護と森林の持つ公益的機能の維持強化を図る見地からこの対策に全力を尽くして取り組んでいただきたい、こう思うわけでございます。 そこで、まず最初に、政府による被害の実情掌握というものが、現地における被害実態と大きく乖離をしておりまして、どのような方法で毎木調査等による厳密な被害調査を行うかということが問題だろうと思います。この被害の実情をどのように調査し掌握なさっておるかをお尋ねをいたしたいと思います。
○古宮説明員 お答えをいたします。 カモシカによります森林の被害の状況につきましては、民有林につきましては、毎年度都府県の出先機関でありますところが調査をする。あるいは国有林につきましては、それぞれ地元に営林署ないしは担当区事務所というのがありますが、そこで調査をしていただくということになっておりまして、そこでそれぞれの被害を受けた面積というものを実は調査しているわけでございますが、具体的には、毎年度四月から三月までの間に発生いたしました被害につきまして、被害の発生場所別あるいは樹種別、年齢の構成別という形で実損面積という形で調査をしています。この実損面積と申しますのは、たとえば被害の区域面積が百へタタールある、百ヘクタールの中に被害の本数率が一〇%であるという場合に、私ども十ヘクタールの実損面積であるというふうに計上させていただいております。したがいまして、実態と乖離しておるという御指摘でございますけれども、こういう表示の仕方をしておりますので、その辺の食い違いではないかなという感じがいたします。なお、この調査につきましては今後とも適正に続けていきたい、こういうふうに思っております。
○吉浦分科員 それから、カモシカの生息の実態について一層厳密な再調査をなさる用意はあるのかどうかをお尋ねいたしたい。
○正田政府委員 五十二年と五十三年と両年度にわたって生息調査をいたしたわけでございます。発表してございますが、先生が御指摘になられましたように、その後の生息状況というもの、ふえておるのかどうなっておるのか、その辺は確かに問題でございますが、将来と申しますか、近い将来に新しい保護区をつくっていろいろ整備するというときには当然調査しなければいけないと思っておりますが、その前の段階で、たとえばことしという時点では、いまのところ再調査する必要はないと思っておりますが、ただ状況がいろいろ変わりますから、第二次調査をやるべきかどうか、よく様子を見てやりたい、こういうふうに考えております。
○吉浦分科員 昨年の十一月に私、農林水産委員会でこの問題を取り上げましたけれども、急激にふえている理由は、環境庁等でどういうふうにつかんでおられますか。
○正田政府委員 野性生物でございますので、厳密に科学的なことは、その観点ではなかなかむずかしいと思いますが、頭の中で考えるのは、天然記念物でございますから、非常に大事な保護をいたしておるというところで、どうしても自然発生的に増加するというところしか考えられない、こういうふうに思っております。
○吉浦分科員 お答えにくいのはよくわかりますが、だんだんふえているというのは、保護が徹底したのか、あるいは環境がよくなってきたのか、あるいは食べ物がいいのか。人間もそうでございますから、そういういろいろな条件があろうと思うのです。いままでの高いところにしかカモシカはすんでないという定説が、だんだん人里、人間が住むところまで範囲が広がってきているということを的確に掌握していただかなければならぬのじゃないかと思うのです。 次にまいりますけれども、五十四年の八月三十一日の三庁合意、いわゆる環境庁、文化庁、林野庁の合意によりまして、カモシカの「保護地域を計画的かつ可及的速やかに設ける」と、こういうふうになっております。文章が大変上手にできておりまして「保護地域を計画的かつ可及的速やかに設ける」という文章になっております。この行政措置の全国的な作業の完了がいつを目途に進められておるのか。この「可及的速やかに」というところについてぜひお答えをいただきたい。
○小埜寺説明員 御説明申し上げます。 カモシカの保護地域につきましては、ただいま先生からお話がございましたとおり、昭和五十四年八月三十一日に環境庁と林野庁と私ども文化庁三庁の間で合意されました事項に基づきまして、カモシカの生息状況あるいは被害の状況あるいは森林施業に関する計画を勘案しながら、その安定的な維持、繁殖を図るために、おおむね数年の間に完了することを目途に、いま関係者の了解を得ながら保護地域の設定作業を進めているところでございます。 これまでに、昭和五十四年十一月にまず北アルプス、五十五年二月に南アルプス、五十六年三月に下北半島の三地区の設定を見ているわけでございますけれども、ことしの二月に、白山地区でございますが、この保護地域の設定が終わってございます。近くまた北上山地の保護地域の設定を考えておるわけでございます。 このようにいたしまして、文化庁といたしましては、林野庁、環境庁と相談をしながら、できるだけ早く保護地域の設定に努めたいと思っておるわけでございます。
○吉浦分科員 その十四カ所の地名を保護地域というふうに大体考えて調査をなさっているようでございますけれども、なるべく早くというのが可及的速やかにはならないのでございまして、その付近を、最初六、七年ぐらいを目途というふうにおっしゃっておられましたが、そういうふうに年月がかかるというところに大変保護地域の設定の困難さがあるだろう、こういうように私思うのです。どういう点でいま苦慮なさっておられるのか、おわかりでしたらお答えをいただきたい。
○小埜寺説明員 御説明申し上げます。 カモシカの保護地域の困難性という点でただいま先生から御質問がございました。私ども、カモシカの保護地域でございますので、やはりそれぞれの保護地域の中でカモシカがいわゆる種として安定的に維持、繁殖できるだけの広さと、それから環境が必要だというふうに考えておるわけでございます。 このために、設定に当たりましては、まずカモシカの分布の状況、あるいはそれぞれの地域でのカモシカの密度の状況、あるいはその地域一帯の自然林等を含めた植生の状況、あるいはその地域内で行われます森林施業の計画等、あるいは被害の状況、そういったものを勘案しながらまず原案を作成しておるわけでございますけれども、こういう観点でいろいろと検討する上でまず一つ私どもが苦慮してまいりますのは、やはりデータ不足という点でございます。すなわちカモシカの全国的な分布の状況は環境庁の五十二年、五十三年の調査で一応明らかでございますけれども、保護地域の設定に当たりまして、それぞれの地域で一体どのような生息密度であるのかという点がなかなかわからないわけでございます。したがいまして、この点につきましては、現在十六の県に調査を依頼して鋭意進めております。それから来年度、五十七年度につきましてもさらに四県の地域についての調査をいたしたい、こう考えております。これが一つの問題点でございます。 それから、二つ目の問題点といたしましては、地域の設定に当たりましてカモシカの分布の状況でございますが、これは範囲が非常に広うございます。その中で特に林業適地と思われるような部分で重複する点がございます。この点につきましては、やはり林野庁とも相談いたしながらその設定に努力をするという点がございます。 それから、三番目の点といたしましては、この保護地域の設定は、国有林を中心に設定作業を進めておるわけでございますけれども、冒頭に申し上げましたとおり、カモシカの種としての安定的な維持、繁殖を図るために必要な範囲ということになってまいりますと、地域によりましては国有林だけでは足りない点もございますし、公有林との協力あるいは民有林の協力を得ることも必要でございまして、特にそういう公有林、民有林の協力を得るためにはそれぞれ各県、各市町村の御理解もいただかなくちゃならぬということで、私ども現地にそれぞれ出向きまして皆様との話し合いをするという形で作業を進めておるわけでございます。 そういう形でのいろいろな問題点はございますけれども、私どもといたしましては、カモシカの保護地域の設定について全力を挙げて早期設定に努めたい、こう考えておるわけでございます。
○吉浦分科員 そうしますと、この行政措置を法的根拠に基づいた保護地域の設定に切りかえる用意はないかというふうに私は思うわけですが、いつを目途として設定の用意があるのかどうかお尋ねをいたしたい。
○小埜寺説明員 御説明申し上げます。 行政措置という形での保護地域設定の用意があるかという点でございますけれども、文化庁といたしましては、現在、カモシカの保護地域の設定を鋭意努力しておるわけでございますが、この保護地域の設定作業が完了した後におきまして、関係の土地所有者の努力を得ながら、地域を限って天然記念物に指定する方向で対処してまいりたいと考えております。
○吉浦分科員 文化財保護法の第七十一条の規定による特殊事由としてカモシカを特別天然記念物から解除したらどうだという意見等があるわけですけれども、この考え方についてどういう見解をお持ちでございますか、お述べいただきたい。
○小埜寺説明員 カモシカの天然記念物の部分解除についてどうかという御質問でございますけれども、いま先生が御指摘になりましたとおり、私ども、関係の方々から御要望は承ってございます。カモシカの保護につきましては、御承知のとおり現在地域を定めないで、いわゆる種の指定という形で指定をしているわけでございまして、先ほども申し上げましたとおり、私ども、現在全国的に地域設定の作業を進めておるわけでございまして、その地域設定の作業が完了した段階で地域を限って天然記念物に指定し、保護する方向で対処するという考えでございますので、部分的に天然記念物の指定を解除という点は現在は考えてございません。 ただ、どうしてこのような部分解除という御要望があるのかという点を私どもそんたくしてみまするに、捕獲頭数につきまして規制を加えないでほしいという点があろうか、それが一番大きな点じゃなかろうかと考えておるわけでございます。文化庁といたしましては、岐阜県とか長野県というような特に被害の激しい地域につきまして、捕獲許可頭数の増加を図るという点に努力をいたしまして、いまの御質問の点の本当のねらい、いわゆる趣旨が達成されるように努めてまいっている所存でございます。
○吉浦分科員 公的機関による個体数調整についてお尋ねをいたします。 現在、三庁合意に基づきまして、公的機関が麻酔銃等の使用によりまして個体数調整を行うことになっているわけでありますけれども、この経費とか人員、また捕獲方法等の制約から、いまだ十分な現状変更はなされていないのでございまして、政府はこのような実情をどういうふうに理解し、今後どのように対処していかれるつもりなのか、お答え願いたい。
○小埜寺説明員 カモシカの個体数調整の問題についてでございますけれども、まず個体数調整の数につきまして御説明申し上げます。 今年度の調整数は、長野県におきましては二十の市町村で二百五十頭の許可をいたしてございます。それから、岐阜県下におきましては三百三十頭の許可をいたしまして、また、県からのお話によりますと百五十頭ほどの追加の申請が出るやに承っております。私どもといたしましては、文化財保護審議会の同意をいただきながらそういう方面で努力をいたしたいと思っております。 それから、捕獲の経費につきましては、昭和五十四年度から天然記念物の食害対策費ということで県が三分の一、私ども文化庁が三分の二、こういう厳しい財政事情の中で三分の二という高率の補助を実施しておるわけございます。来年度の予算につきましても、これらの事業が支障なく行われるような財源措置を講じたいというふうに考えてございます。
○吉浦分科員 個体数調整のその後の処理について、どういうふうな研究が進められているか、簡単で結構でございますので……。
○小埜寺説明員 御説明申し上げます。 まず、個体数調整の結果でございますけれども、生け捕りの形でカモシカが捕獲された場合につきましては、現在、岐阜県の小坂町あるいは中津川市の収容施設あるいは長野県大町の博物館に収容いたしまして、生態の研究等を行ってございます。それから、残念ながら死亡したカモシカにつきましては、大学等におきまして性別あるいは年齢あるいは妊娠の状況、栄養の状況、疾病の状況等を、解剖いたしまして研究をいたしてございます。
○吉浦分科員 まだこれについてお尋ねしたいのでございますけれども、先へ進ましていただきます。 被害の補てんについてお尋ねをいたしたい。カモシカによる被害が林業関係者の大変な悩みの種でございまして、これ以上がまんができないという限界を超える甚大なものとなっているわけでありますが、これらの被害は、国がカモシカを、いま申しました特別天然記念物として指定し、かつそのことに端を発して生じた被害に対して、やはり国が有効な被害防止対策を講じなかったところにあるというふうに私は感じているわけでございますけれども、この点についてひとつ明快なお答えをいただきたい。
○正田政府委員 被害の補てんでございますが、被害のカバーと申しますか、全般に広い意味で三庁で合意して制度の運用とか施策の運用をやっておるわけでありますが、まず、何と申しましても、被害防止ということが最優先でございますので、先生御案内のように、防護柵とか機資材とかポリネットによって三庁が全力を挙げてそれぞれの分野に応じてやっておるわけでございます。さらに、ただいま文化庁からお話がございました保護地域における個体数の調整を速やかにやるということ、そういうことを中心にしてやっておるわけでございまして、補てんの、最後におっしゃった部分につきましては、御案内のように非常にむずかしい問題でございます。 これについては、政府の中でまだ結論が出ておるわけじゃございませんが、民間の学識者等を集めて二年間にわたり研究いたしておりますが、法理論的にも非常にむずかしい。私ども素人が拝見しても非常にむずかしいとは思っております。特にいわゆる相当因果関係の証明が非常にむずかしい。いわゆる公の仕事によっていろいろな補償制度というのがございますが、直接的な因果関係がある場合は比較的乗りやすいのでございますが、保護する、その結果数が増加する、その結果被害が発生するという二段構えの事象に対する考え方が非常にむずかしいので、過去のいろいろな補償制度のいずれにも該当しない。それから、私どもが所管しておりますような自然公園の制度の中の補償体系とも全然違うということで、率直に申し上げて本当にむずかしい制度でございますが、研究はずっと続けなくちゃいけない、こういうふうに思っております。
○吉浦分科員 本当にむずかしいのは、三庁合意による運用の仕方に問題がある、私はこう思っておるわけです。ですから、これは大きな課題でございますけれども、三庁がひとつこのカモシカの一点に取り組んで、本当に被害の補償、補てん等についても早急にその対策を打ち立てていただきたい、だから、私がこの問題を毎回取り上げているゆえんでございます。 そこで、時間がありませんので、大臣にお尋ねする前に、一つだけ、私、環境庁できょう質問をするわけでございますので、林野庁の質問ではないわけでございますから、ぜひとも環境的な面でやはり心配な点が起きてきてはしないかというふうに思うわけでございます。それは五十四年から調査に入っております岐阜大学等の調査のグループの方のもの、これは数はそんなに多くございませんが、大人の雌が五十四年度に三十六頭中二十六頭が妊娠しております。五十五年は九十七頭中五十一頭で五二・六%。五十四年は八三%、五十五年は五二%というふうに、妊娠率がだんだん下がってきている。ことしの五十六年度の分を見ないとこれは比較になりませんけれども、確かにカモシカ群の構成が乱れかけているということ、雄と雌のバランス、縄張り争いが崩れかかっていて子供をつくりにくくなっているのじゃないか、そうしますとだんだん減ってくる可能性もあるという心配、これは一部の報道でございますけれども、こういう報道がなされているわけです。そういうふうに、麻酔銃なり、あるいは捕獲の方法なり、個体数調整等によってやはり自然に何か影響がなければこれはおかしいわけですから、その影響が出てきてはしないかという心配をいたしております。そこで、最後に私は、環境庁長官に、こういう自然保護の動物の問題と、食害を初めとする生物の自然に与える関係性というものを、食害問題等を大きな意味で含めまして、動物保護の立場から、食害という、こういう自然を守る、林業を守るという立場で、大変むずかしい相関関係でございますけれども、この点について大臣の所感をお尋ねをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○原国務大臣 御指摘のように、ニホンカモシカの被害については私も十分伺っておるところでございます。ニホンカモシカも含めまして、野生鳥獣は自然環境を構成する重要な要素であり、国民の生活環境を豊かにすると同時に、生態系の一員としても欠くことのできない役割りを果たしておると思います。したがいまして、今後ともこのような認識に立って鳥獣保護を図っていくことは当然でございますけれども、同時に、農林水産業等に対する被害について、これも等閑視することはできません。被害の未然防止等、有害鳥獣駆除等の対策を実施して、関係省庁と十分協議をしながら、鳥獣の保護と被害の防止、この面の両立を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○吉浦分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○小渕主査 これにて吉浦忠治君の質疑は終了いたしました。 次に、村上弘君。
○村上(弘)分科員 私は、大阪空港の公害対策問題について幾つかお聞きしたいと思います。 大阪空港の航空機の騒音公害は、日本の公害問題の中でもやはり最大の公害問題の一つであろうと思うわけです。去年の暮れ、十二年の長い間の裁判の中で最高裁の判決も出されたわけですが、あの判決がどういう意味を持つか、いろいろの見方がありますが、私は、行政がどういう姿勢をとるか、つまりあの判決を受けて積極的な姿勢になるのか、むしろ消極的になるのか、そういう事実によってこれがまたはかられるであろうというふうにも思うわけです。来年、昭和五十八年の年末がこの空港に対する改善目標を設定した十年目にもなるわけで、そういう意味ではいま非常に大事な山場に来ておるというように思うわけです。大阪空港周辺では、いまでも、騒音というよりも痛音といいますか、もう痛い音ですね、これが住民に耐えがたい思いをさせておるわけであります。 公害対策基本法第一条に言う「国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全する」ために大阪空港公害対策を総合的に推進すること、さらには騒防法で言う被害の防止あるいは被害の補償、こういうことがいよいよ必要になってくると思うわけです。あの判決から言うならば、ある意味では行政の責任というのは一層重くなっておると思うわけですが、そういう立場に立って、原環境庁長官はこの大阪空港の騒音公害をどのように認識をしておられるか、そして、この公害対策をやり遂げるという点でどのような決意をお持ちであろうか、まず簡単にお聞きしておきたいと思うのです。
○原国務大臣 昨年十二月十六日に最高裁の判決が出たわけでございまして、環境行政を預かる者として、私どもはそれを厳粛に受けとめております。判決後の記者会見でもそのことは申しましたが、同時に、判決は、法理論上の問題は法理論上の問題として、大阪空港の騒音というものはこれはなかなか解決してないわけでございますから、いままで行ってきている夜間の離発着の停止はやはり続けていくべきであるということも、私は記者会見で話したのでございます。 御指摘のように、航空機騒音に係る環境基準につきましては昭和四十八年の十二月二十七日の環境庁告示によって示されたところでございますが、大阪空港は、既設の第一種空港として十年を超える期間内に可及的速やかに環境基準が達成されるよう求められているわけでございます。また、いま御指摘のように、五十八年十二月までに七十五W未満あるいは屋内で六十W未満とするという中間改善目標も設定しているわけでございます。大阪空港におきましては、この十年改善目標、さらには環境基準の速やかな達成のために、従来から発生源対策あるいは周辺対策等が講じられてきておるところでございますけれども、環境庁としては、今後とも音源対策の強化、民家防音工事の実施、空港周辺の土地利用の適正化等の諸施策を総合的かつ強力に推進するように、さらに運輸省にも強く働きかけてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○村上(弘)分科員 それは結構なんですけれども、原さんは政治家になった動機は公害対策だというふうに新聞などでも報道されておるわけで、住民の期待もそれだけ強いわけですね。私は、大阪空港の公害対策に臨むに当たっては、あの空港が欠陥空港なんだということについての認識があるかないかということが非常に大事なことだと思うわけです。あの最高裁判決でさえ、この点については、設置、管理に瑕疵がある、あるいは大量の航空機が離着陸する飛行場としては狭い、それから多数住民の居住する地域にあるという点で立地条件が劣悪であるというようなことも指摘しておるわけなんですね。 この間も豊中市の消防本部にお伺いしますと、この間の羽田空港のような事態が起こると、あそこから約一キロの利倉東一丁目、二丁目地域になりますが、大体住民が千八百十六名、家にして二百二十七棟、こういう密集地域に当たるのですね。この点は羽田空港とも違うわけです。そして、もしボーイング747が墜落したというようなことになれば、乗員、乗客四百九十五名、生存率二割だろうというようなことも言われていますし、墜落すれば、火炎の周囲の長さ約六百メートルは、伊丹の方でも、約二万五千平米と言われておりますが、火の海になるというようなことも言われておるほどに、安全の面からいっても致命的な欠陥がある、こういうように思うのですが、この欠陥空港ということについての判決をどう受けとめておられるか。これは大阪空港に対する姿勢の上で非常に大事だと思うので、なおお聞きしておきたいと思います。
○原国務大臣 大阪空港は、空港開設以後にどんどん住宅も建っていったということもございますけれども、とにかく現在の大阪空港の環境というのは非常に悪い。日本にもたくさん空港があるわけでございますけれども、その中においても、非常に危険性もあるし、あるいはまた騒音その他の公害という面からいいましても非常に悪い空港であって、その点十分に考えて対策を講じ、また改めるべき点は改めていかなければならないというふうに認識をいたしております。
○村上(弘)分科員 欠陥空港であるということの認識に立って対処をしたいということだと思いますが、この間の最高裁判決では、過去の損害賠償について認定しているわけです。周辺住民がもろに被害を受けていた、その被害について損害を賠償するというのは、救済という点では最小限度のことだと思うのですが、この被害の補償というのは、御承知のように第一次から第三次までの訴訟の原告に対して行われるわけなんです、約二百数十名。 ところが、いま第四次訴訟団がやはり同じ条件でこの被害の救済を訴えておるわけなんです。これは、最高裁の判決にも被害の共通性という言葉が出ておるわけなんですが、第一次から第三次までの訴訟団の被害の補償というのは、五十年五月の大阪高裁の結審時点までの被害補償ということなんです。第四次訴訟も、時期は同じなんですね。提訴したのが四十九年の十二月ですから、条件も時期も全く同じであるわけなんです。それで、この問題について運輸省は、第四次訴訟について裁判を続けるのだ、こういうことを言っているわけなんですね。しかし、十二年間裁判をやって、そして五十年五月までの過去の損害は補償することが決まっておって、同じ条件の者がまだこれから裁判を続けるというのは、これはとてもひどい話ではないかと思うわけなんです。それで、運輸省は別にして、環境庁としては、こういう問題について何らかのイニシアチブは出せないものだろうかというように思うのです。 たとえば例を挙げますと、北村正治さんという方がいますが、この方は豊中市の服部寿町三丁目にお住まいなんです。この人は三次訴訟ですから、損害賠償を受けるわけなんです。ところが、その人の奥さんや息子さんは四次訴訟で、同じ家で全く同じように暮らしておって、これから裁判、こうなるわけです。一次から三次までの原告で、たとえば川西に植田精吾さんと植田マスエさんという御夫妻がおられる。この方は、同じ家で同じ条件で提訴していて、全く同じ金額の損害賠償を受けるという認定になっておるわけなんです。 こういうことから見ますと、全く同じ家庭に住んでいた人たちが、ただ提訴の時期がちょっとずれておるというだけで、五十年五月までの認定の枠内にある人たちがこれからまた裁判を続けるというのは、騒防法の被害の補償という精神からいっても、あるいは公害対策という精神からいっても、いかにもこれはつれない話じゃないかというように私は思うのですが、そういう点で、環境庁はかつてイタイイタイ病、水俣病その他について、判決が終わった後で、同じような条件の人に対して認定するための裁判によらないいろいろな対策もイニシアチブを出されたと思うのですが、この第四次訴訟の原告に対して、この間の最高裁判決に基づいて同じような扱いをしていくという問題ですね、運輸省と訴訟団双方が合意して、何か速やかに解決できるようにならぬものだろうかというように思うのですが、そういう点について長官はどのように思われますか。
○吉崎政府委員 お話の趣はまことによく理解できるところでございます。私どもといたしましても、公害被害があります場合には、できるだけこれは早期に解決を図るべきであると考えるわけでありますけれども、個々の住民について考えますといろいろな事例があるのじゃないか、被害の認定等につきましても、複雑な問題も含まれるのではないかと思われるのでございます。制度といたしましては、早期に公害にかかわる被害の適切かつ迅速な解決を図るために、公害等調整委員会による調停の制度等もございますけれども、いまの段階ではほかにどういういい方法があるのか、まことに恐れ入りますが、ちょっと思い当たらないような現状でございます。
○村上(弘)分科員 どういう方法があるかという前に、とにかく関係当事者双方が合意をして、そしてなるべく早く解決してほしいというこの願いがなければ、その方法も出てこないわけで、そういう願いは少なくとも持ってもらいたいものだと思うのですが、その点、長官、どうですか。
○原国務大臣 いま大気保全局長からお答え申し上げましたが、もちろん早く解決をしたい、早くこういう問題について対策、対応が講ぜられるということが望ましいことでございます。ただ、いま具体的にどういういい方法があるかということについては、そういう考えのもと、いま大気保全局長から御答弁申し上げましたように、われわれもいろいろとその方法論等について考えてみたい、こう思っておるわけでございます。
○村上(弘)分科員 ちょっと念を押すみたいですが、それぞれの当事者双方が速やかに合意してほしい、速やかに解決してほしいという願いはお持ちになりますか。
○原国務大臣 これは具体的にはいろいろなケースがあるのじゃないかと思いますけれども、一般論としてこういう問題については早く解決してほしいということは、われわれももちろん願っておるわけでございます。
○村上(弘)分科員 判決の内容に即して、被害の共通性の問題だとか、あるいは被害の一因となっておる可能性の程度で法的に十分意味のある因果関係があると評価しておるというような言葉だとか、科学的解明がいまだ十分に進んでいないことを被害者の不利益に帰せしめないという宣言をしておるとか、いろいろ共通に判断して対処できる基準になるようなことが判決にあるのですね。ですから、いま長官もおっしゃいましたが、速やかに双方が合意して合理的な解決ができるようにひとつイニシアチブを出してほしいものだということを申し添えておきたいと思うのです。 次に、大阪空港の環境基準達成のための総合対策の問題なんですが、長官も先ほど言われましたが、五十八年末が十年目でありまして、いまはそのいわば一年前に当たるわけで、その改善目標を達成するために抜本的な対策の強化が必要になっておると思うのです。そういう点で、この十年以内に七十五WECPNL未満にするということ、または七十五WECPNL以上の地域においては屋内で六十WECPNL以下にすることという改善目標なんですが、これが達成されるということは具体的にはどういう状況を言うのか、現時点はどこまで来ておるのか、それはいつ達成すべきものなのか、その点についての環境庁の見解をお聞きしたいと思います。
○吉崎政府委員 まず最後の方から、十年目標の達成すべき期間は昭和五十八年の十二月でございます。 それで、どういう状況かということでございますけれども、お話にもございましたが、屋外で七十五、省略いたしましてW未満とするか、または屋内で六十W以下とする、こういう状況でございます。この目標を達成いたしますために運輸省では各種の対策を進められておりまして、五十六年度末までに、周辺対策の中で中心的な対策でございますところの民家防音工事が、八十W以上の区域にある対象世帯約五万世帯のうち七五%程度進捗する、こういう見通しと承知をいたしております。
○村上(弘)分科員 その七五%というのは平均数値であって、実際には兵庫県側と大阪側とではアンバランスがありますし、大阪側での民家防音工事の実施状況というのは、実際には六〇%そこそこではないかということを現地の機構の人たちは言っております。ですから、そこの実態の問題もあるのですが、とにかくいまの状況では民家防音工事すらなかなか目標どおりにはやれない。つまり、屋内で六十以下ということすら来年の十二月末までにはやれないということはもう明白な状況になっておると思うのですが、であればあるほど、来年の十二月という大事な山場を考えると、ことしどうするかということは非常に大事なことだと思うのです。そういう意味で、音源対策その他も含めて、総合的な公害対策の状況も含めて、一体どういう状況になっておるかということを環境庁として中間的に調査する必要があるのではないか、状況を把握する必要があるのではないかというように思いますが、どうですか。
○吉崎政府委員 まことにお説のように、十年目標を達成するために今日大いなる努力をすべき時期であると考えております。運輸省でも先ほど申し上げましたように逐次対策を講じていただいておりまして、七十五W以上の範囲の画定、その区域における民家防音対象家屋の画定作業等も現在進んでおると承知しておるところでございます。 そのように、私どもといたしましては運輸省と常時連絡をとりながらやっておるところでございまして、私ども独自で調査をしようと思いましてもなかなかむずかしい面もございまするし、運輸省の結果をいま待っておるところでございます。
○村上(弘)分科員 もちろん運輸省が直接の責任官庁でありますから、そこがやらなくちゃならぬわけですが、環境庁としての独自の責任もあるわけですね。ですから、来年の末になってまだここまでしか来ておりませんでしたなどというようなことでは、原環境庁長官も、公害対策が政治家になった原点でありますなどとはとても言えなくなるのじゃないかというようにも思うのです。ですから、状況を把握するための独自の努力はもちろんですが、運輸省に対して今年度じゅうに中間的な状況報告を求める、そして問題点を環境庁みずから把握する、今後どうすることが必要かということについて必要な意見も述べる、これは五十年十二月に環境庁が運輸省に対して三項目の申し入れもやっていますね、こういうことをかつてはやっておるのです。このごろは環境庁はほかの省になかなか物を言わなくなっているのではないかという心配もされておるわけですが、そういうような努力はせめてやるべきじゃないかと思います。どうですか。
○吉崎政府委員 先ほども申し上げましたけれども、私どもといたしましては、五十八年十二月までにこの十年目標を達成するということが最大の課題であると考えておりまして、運輸省とも常時連絡をとりつつ、この各種対策の実施状況を逐次把握しておるところでございます。ただいま、どうも近ごろ環境庁は元気がないのではないかというお話でございますが、そんなことはございませんで、大いに元気を出してやっておるわけでございます。文書をもってというお話もございましたけれども、私どもといたしましては、そういう点を含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。
○村上(弘)分科員 中間的な報告を求めるということもやれませんか。
○吉崎政府委員 概略は先ほど申し上げましたように承知をしておるわけでございますが、文書をもってということにつきましては、いま申し上げましたように五十八年十二月までにこの十年目標を達成するのが重大な課題でございますので、検討させていただきたいと思います。
○村上(弘)分科員 検討ということですから、やらぬということでもないみたいですが、数字の把握というのは実に冷たいもので、実態の掌握にはほど遠いのですね。たとえば民家防音工事は必要最小限度の措置であって、それすら来年末に達成できないという状況にあるわけで、たとえば整備機構の民防第一課課長補佐の近藤さんのお話なんかによると、技術者は課長さんを入れて二十人しかいない。朝日新聞は十九人と報道していましたが、これは課長さんを除いた数だと思うのです。運輸省の掌握している数とは実態が合うてないのですよ。こういうようなこともあるのですから、もっと実情を把握する必要があるということが第一点。 それから、民防をやればどの程度の効果があるかということをもっと実態をつかむ必要があると思うのです。私、一、二の例を挙げますが、たとえば清田栄さんという方がいるのです。この人は豊中市利倉東二丁目、第三種地域に住んでおられた。この方は肝臓が悪くて年に一度は入院する。いつも安静にしておらなければならぬ。それで民防の部屋の中で暮らしていたわけです。その人が三年ほど前に豊中市の宮山町四丁目に移転されたわけです。そうしますと、もう見違えるように健康になってきたということが言われておるわけですね。この三年間、入院したこともないということが言われておるわけなんです。それから、子供さんで鼻血が出るとかぜんそくになるとかいう状況が非常に多いのですけれども、たとえば山田正志さんという小学校五年生の方は、いまは同じく豊中市の宮山町四丁目に移転をしておられるわけですが、このお子さんはかつては豊中市の服部西町四丁目に住んでおられた。大変なぜんそくで、全く病弱で、いつまでもつだろうかとお母さんも内心心配しておられた。ところが、移転して以後は非常に元気になって、いつぜんそくであったかと思うように治っておるのです。運動会に出てどんどん走る。お母さんも涙を流して喜んでおる、こういうような状況があるのですね。 つまり民家防音工事というのは、耳に対しては少しは音が小さくなるかもしれないけれども、実際は密閉された部屋なんですね。それで夏はクーラーが必要だ。換気扇で電気をいつも使っておらなくちゃならぬ。いまは生活も苦しいですから、ついつい節約する。そうすると換気も悪くなる。非常に健康にもよくないのですね。ですから、環境対策ということを考える場合、やはり人間が対象なのです。家ではなくて人間なんですね。ですから、人間の健康という公害対策基本法の基本精神という立場から見るならば、民防をやって何%に来たらうまくいっているのだというような物事の把握そのものが、実態から遠くかけ離れておるんだということを考えなくちゃならぬわけですね。ですから、そういう意味ではもっと全面的な実態の掌握をやるべきではないかということを重ねて要望しておきたいと思うのです。 それからもう一つは、仮にこの民防対策が、いまは平均して七四%水準だと思いますが、しかし、これが仮に一〇〇%やられても、これは民家防音工事にすぎないわけですよ。やはり町全体の音源の問題も含む周辺整備対策ですね、このことが当然必要になるわけですが、環境庁は、この民防対策が所期の数字どおりになれば環境対策は終わりという立場なんですか。どうなんですか。
○吉崎政府委員 中間目標値のほかに最終目標値であります環境基準がございまして、御案内のように、航空機騒音に係る環境基準が達成された状態といいますのは、地域の類型別に屋外において航空機騒音のレベルがWで七十あるいは七十五以下である、こういうふうな状況でございますから、環境基準そのものといいますか、本来の環境基準と民防とは直接の関係はないわけでございます。
○村上(弘)分科員 改善目標を仮に達成したとしても環境基準を達成したことにはならないのだということは非常に重要なことであって、そこは堅持していただきたいと思いますし、改善目標を達成したということを見る場合でも、それは実態に即した全面的な掌握が必要だということを先ほど言ったわけで、その点も単に形式的に状況を掌握するということのないように、ぜひ重視しておいていただきたい。 民防工事がやられる。それで、条件のある人は移転をしていく。しかし、移転をしたくても実はできないという状況が、そこでは深刻なわけですね。補償が実情に合わないとか、あるいは税金が大変かかってもう大変だとか、代替地がそうそう得られないとか、こういう実情があるわけなんです。この問題の対策は、これは運輸省などの直接の衝にかかわる問題ですが、仮に移転をしていった場合でも、これは昭和五十五年度末で、豊中側で二千二百二十八世帯がいま移転している。兵庫県側で六百十世帯、それでもう町の中は歯抜けになってしまって、そうしてもう空き地は金網が張られ、草が生え、野良犬が徘回しておる、お風呂屋さんはお客さんが減るためにもたなくなるとか営業が成り立たぬとか、そういう点では人間が住む住環境ではない、町の体をなしていない、こういう問題があるわけで、この点では運輸省も、エアバス問題のときの昭和五十二年四月の十項目の覚書の中で、新しい事態から要求される町づくりの問題ですね、この問題は、関係各省の協力と関係自治体やその他必要な機関の協力のもとに、責任を持ってこの問題をやっていくのだということを確認をしておるわけなんですが、この態度は、いまも責任を持っている態度を貫いておるかどうか。これを運輸省の方にお聞きしたいのと、環境庁の方は、こういう住環境の破壊問題についても、当然のこととして、改善目標、環境基準の達成だけで事足りない問題としてあるのだということを認識しておられるのかどうか。そのことをお聞きしておきたいと思うのです。
○米山説明員 ただいま御質問の十項目の覚書の実施の問題でございますが、運輸省といたしましても精いっぱい努力をいたしております。いろいろな関係でなかなかむずかしい面もございますが、今後とも、締結をいたしました覚書当時の精神を忘れずにやっていく所存でございます。
○吉崎政府委員 航空機騒音に係る環境基準を達成いたしますためには、いろいろな対策を総合的に講じていく必要があると考えておるわけでございまして、大阪空港における地区整備などの土地利用対策も、生活環境の改善のために重要な対策であると考えております。
○村上(弘)分科員 長官、いまの改善目標、環境基準の達成だけで事足りないそういう問題がある、そういうことについても、環境庁としては、環境基本法の精神に立って、あくまでもやり遂げるという立場に立つかどうかということについて、最後にお聞きしておきたいと思うのです。
○原国務大臣 大気保全局長からもお答え申し上げたとおりでございますが、最初にも申し上げましたように、いろいろな施策を総合的にかつ強力に推進するように、これからも運輸省には強く働きかけ、その目的を達成するようにしたいと思っております。(村上(弘)分科員「目標達成で終わりでないかどうかということですよ。改善目標と環境基準で環境庁は終わりなのかどうかということです」と呼ぶ)中間目標でそれで終わりでないかという点については、先ほど大気保全局長からも御答弁申し上げたとおり、われわれとしても決してそう思わないで、さらに環境基準達成に向かって十分な努力をしていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○小渕主査 これにて村上弘君の質疑は終了いたしました。 次に、田中昭二君。 〔主査退席、横路主査代理着席〕
○田中(昭)分科員 私は、福岡県の福岡市の出身でございます。長官は東京の方でございますし、福岡の片田舎のことでございますからおわかりにくい点もあろうかと思いますが、簡単に申し上げますと、福岡市は地理的に東北部に面した辺が海でございまして、そして反対側の南西が小高い山に囲まれております。それで、そういうところの狭隘な地帯に戦後急激な人口の増加があるというようなことでございます。そして、この博多というところは、博多というのが一番通称で言われておるのですが、もう長官も御存じかと思いますが、わが国の国家の成立以前から那之国、那の津と言われまして、大変住みよいところであるというようなことでございます。そういうところでございますし、有史以来の貴重ないろいろな生物、それから遺産等もたくさんあるわけでございます。 そこで、先ほど申しました人口の増加でございまして、山の方面の開発はなかなかむずかしい問題がございます。そうかといって、海に家を建てるわけにはいかないというようなことで、博多湾の埋め立てという問題が起こってきておるわけでございます。 そこで、いま那の津という、西と東に囲まれました博多湾の西側の一部を埋め立てるということで、昨年は地元では大変な問題になりまして、福岡を二分しての賛成、反対の論議になりました。市に条例を求めるような状況もございました。そこで、この埋め立てについては、私は、昭和の初めからの歴史的な経過もございますし、現在始まっておりますし、そのものに絶対反対の立場だけで質問を申し上げるわけではございません。しかし、現実には、いま言ったような取り返しのつかないものが壊されていく危険性も十分にある。大気汚染をとってみましても、また工事のためのいろいろな公害等もございます。これは人命の上からも、いろいろな事故が起こってからでは、また環境が壊されてからではもとに戻すことができませんものですから、そういう面についてお尋ねをして、まずこの埋め立ての当局であります運輸省の方からお聞きしていきますから、お聞きいただいておきたいと思います。 まず運輸省にお尋ねいたしますが、この博多湾の埋め立てにつきましての環境上のさまざまな問題が指摘されておりまして、博多湾の埋め立て問題についてどのような理由と判断でその認可を行ったのか、また環境上の配慮が十分と見て認可したのか、お答え願いたいと思います。
○佐々木説明員 お答え申し上げます。 先生いま御指摘の博多湾の埋め立てでございますが、地行、百道地区というところと小戸、姪の浜という地区につきまして、昨年の九月三十日に運輸大臣としての認可を行いまして、十月六日付で、博多港港湾管理者の長としての福岡市長が免許を行ったわけでございます。 私どもの方に認可申請が上がりました際の環境保全上の配慮についてのお尋ねかと思いますが、いま先生が御指摘になりました環境保全上の観点につきましては、提出されました埋め立て願書の内容、あるいは環境アセスメント書というものを添付させることになっておりますので、そういったものをもとに、大気質、水質、騒音、振動、動植物等々の公害防止項目、あるいは自然環境項目につきまして慎重に審査をしました結果、埋め立てによる影響というのは軽微であろうという判断をいたしましたのが一つ。 それから、本件につきましては、環境庁長官の御意見を聞くことに法律上なっておりまして、御意見をいただいたわけでございますが、長官の御意見の内容は、いずれも埋め立ての具体的な実施の段階、あるいは土地が造成された後の段階といった段階で十分対処し得る問題であるというふうに判断いたしまして、出願の内容は地域の環境の保全に十分配慮されているという判断をいたしまして、認可をいたしたわけでございます。
○田中(昭)分科員 公有水面埋立法第四十七条第二項の規定によりますと、運輸大臣は、環境庁長官よりこの問題について意見を求めることとなっており、その意見書が具体的に、昨年の九月二十九日に環境庁長官から運輸大臣に出されておるわけですが、運輸省はその意見書をもとに、埋め立てる許可を翌日の三十日に与えているわけですね。運輸省は、この意見書について埋め立て権者に対してどのように取り扱うかを指示しているのか。つまり、埋め立てを認可する条件として意見書を取り扱わせておるのかどうか。その点お答え願います。
○佐々木説明員 御指摘の九月二十九日に回答が参って三十日に認可をしているという点でございますが、私どもの方から環境庁に意見を求めまして、それ以後事務的にいろいろと御相談をした結果がまとまったものとして、環境庁長官の意見が参っておるわけでございまして、環境庁のおっしゃったことについて判断する時間的余裕はあらかじめあったというふうに考えるわけでございます。 それで、環境庁長官の御意見につきましては、まず私どもといたしましては、免許庁であります博多港港湾管理者の長であります福岡市長に対して、こういう御意見が出たということを御通知すると同時に、埋め立ての実施に当たりまして、環境庁長官の御意見で措置すべきであると書いてある事項につきましては、埋め立ての実施者であります福岡市並びに博多港開発株式会社に対しまして、適切に措置した上で、環境保全に万全を期するようという指導をいたしておるわけでございます。また、それと同時に、とりました措置につきましては、免許庁を通じて運輸省の方に報告するようにという指示をいたしておるわけでございます。
○田中(昭)分科員 意見書にも盛られておりますいろいろな事項については、博多湾の埋め立てに当たって最低限必要なことばかりであるというふうに思います。埋め立て権者にこういうものを守らせていくことが必要であります。そうするならば、運輸当局としてはこの意見書の厳守を申し渡さなければ、人ごとみたいに、やっておりますというようなことじゃいかぬと思うのでありますが、それをどういうふうに指示してあるのか。また、それについて福岡市よりどのような回答がなされておりますか。
○佐々木説明員 環境庁長官の御意見そのものを福岡市あてに送りまして、それから、特に工事中の事柄につきましては、騒音の防止であるとか振動の防止あるいは水質汚濁の防止というような点につきましては、特に実施した事項があればそれを報告するようにということを言っておるわけでございますが、実は十月六日に福岡市長が免許をいたしまして、それから現在まではまだ工事の実施の準備期間中でございます。それで三月の末ごろ着工するということになろうかと思いますけれども、文書での報告というものは特にとっておりませんけれども、いろいろと連絡等をとって状況を把握するように努めておるわけでございます。 現在埋め立てをやる側では準備をしておるわけですけれども、免許権者の方では、技術専門委員会というようなものをつくりまして、環境問題を中心にいろいろと検討を重ねているという状況でございます。
○田中(昭)分科員 だから、地元では先ほど言うたように大変な問題になって、真剣に取り組んでおるのですから、認可権者はそんな人ごとみたいじゃなくて、ただ言葉で言った、報告書はとってないとかいうようなことじゃなくて、工事にかかる前でもこの意見書を見ても十分わかることなんですから、またそういうことをやったから意見書が出た翌日に許可したわけでしょう、十分知っておるはずですから。しかし、どんなに知っておってもそれが守られなければ何のための意見書か、こうなるわけですね。 まあ、ここでそれだけ言っていても仕方がありませんから次に移りますが、そういう意味で、もう一遍具体的な現場の状況を見てみますと、たとえば意見書によりましても、大気保全の観点からもまた交通公害防止の観点からも、沿道地域での窒素酸化物の濃度の予測を行って、その結果に基づいていろいろな対策を講ずるように、こういうふうにあるわけです。この窒素酸化物の濃度の予測など行いましたか。また、騒音予測なども行って防音壁の設置など具体的に書いてあるわけですから、そのような所要の対策をとるよう福岡市の方に勧告してあるのですか。また、実際の騒音予測はどんなふうな状況と把握しておられますか。
○佐々木説明員 いま御指摘のございました長官の御意見の中の、大気保全関係で窒素酸化物の濃度の予測というような点、それから騒音等の問題でございますけれども、窒素酸化物の濃度の予測につきましては、埋め立てが完成いたしまして土地を利用するという段階で、車が通ったり、そばを高速道路が走ることになっておりますので、そこらから生じてまいります窒素酸化物がどのように拡散をしていくのかというような問題、さらに車が通ることによる騒音、振動と住宅地との関係といった点について御指摘があるわけですが、それぞれ埋め立てが完成しました後の利用の関係になろうかと思うわけでございまして、まだ時間的余裕はあるわけでございますが、私どもといたしましては、そういう土地の利用に伴って生じます窒素酸化物とか騒音とかそういったことについては、市の中に環境部局というものがあるわけでございますので、そこと埋め立てを所管する部局との間で十分相談をして、予測した上で、適切な措置を講ずるようにという指導をいたしておるわけでございます。 まだ、具体的内容につきましては、現在のところまとまってはおらないということでございます。
○田中(昭)分科員 環境庁、全然この意見書の趣旨を運輸当局は重要視してないですね。それは地元では、あなたが言ったように三月ごろから四月にかけて始まるわけですけれども、始まるということはその前にそういうものが起こるのじゃないですか。だからこの意見書にも、工事中の騒音、振動が環境基準を超えるおそれがあると断定してある。それだから、運輸省みたいな東京で机の上でそんな考えでおったら現場は怒りますよ。また反対のあれが起こるよ、こういうことをしておったら、それから、こういう問題に対してはきちっと意見書を尊重して、やるべきものはやらなければいけませんよ。どうですか、環境庁。いまのを私は聞いておりまして、全然意見書の尊重がないように思いますが、いかがでしょうか。
○清水政府委員 ただいま運輸省の方からるるお答えがございまして、私も拝聴しておりましたが、ただいま先生おっしゃいました、たとえば工事中における配慮事項というようなものも、私どもの意見として運輸省に申し入れております。そのようなことは、やはり当然工事の問題ですから、そう先の問題ではないと思います。したがいまして、工事中の騒音なりそういうものの環境に対する対策については、適切な時期を失しないように、運輸省におかれてもよく御指導をしていただけるものと期待をいたしております。 もう一つ、いまお話の中にございました窒素酸化物の予測をさらに綿密にやって、そして環境保全に遺憾なきを期していただきたいということも申してございますけれども、これは私の方といたしましても、ただいま運輸省の方からお話もございましたように、これは、埋め立てが完成した後、そこに幹線道路なりいろいろなものを、その上にいよいよ本格的に工事を行っていくわけでございます。それにはもちろんまだ時間がございますので、そうした時間の幅も念頭に置いて対応していただければ十分であろうというふうに考えております。
○田中(昭)分科員 これはもう、いろいろ回答書に指摘があることを具体的に詰めていかなければならないのですけれども、そういういまの運輸当局のお答えでは話になりませんね。 それで、もう一遍聞きますが、認可権者の運輸当局は、この意見書の趣旨を尊重して行政指導をきちっとやるべきであると思うが、いかがですか。
○佐々木説明員 田中先生御指摘のとおりでございまして、環境庁長官の意見につきましては十分尊重いたしまして、免許庁あるいは埋め立て実施者を指導してまいりたいと思います。 それから、先ほど私の答弁が不足しておりましたので補足させていただきたいと思いますが、工事中の騒音、振動というような問題が御指摘のとおりございます。それにつきましては、出願書の中で、たとえば低騒音あるいは低振動の作業機械を使うというようなことになっておりますし、それから住宅と近いところで工事をいたすというような場合には、どうしても相当音が高くなりますので、仮設の防音壁のようなものを設けるというようなこともやっておりますし、それから工事の工程等を十分調整をして、一時的とはいえかなりやかましいというような状態が極力生じないように、環境保全に万全を期するというふうに指導いたしております。また、工事中騒音の測定というものを常時やりまして、その状況によって、必要に応じて適切な対策をとっていくという指導をいたしているわけでございます。
○田中(昭)分科員 長官にお聞きしますが、これだけの議論ではまだ足りませんけれども、せっかくこういうりっぱな意見書を提出されたわけでございますが、提出していただいた後に、福岡市と運輸当局の方からどのような報告を受けておられましょうか。
○清水政府委員 まず運輸省の方からは、私どもの申し入れました意見に対しましてはよくその点を了承していただきまして、そうして福岡市長を通じまして、事業者に対してこの意見に従って所要の措置を講ずるよう指導したということを聞いております。それは先ほどのお話にもまさに適合していることと思います。 それから、別途それと並行いたす形で、私どもといたしましては、これは事実上の行為でございますけれども、やはりこの趣旨の徹底を期するために、直接福岡市の環境部局に対しましてこの意見書の内容を伝達いたすとともに、事業者に対して指導等についてしっかりやっていただきたいということを要請をいたしております。 それから、この長官の意見の実施状況について報告をとり、さらによく配意していくということはこれは御指摘のとおり当然のことと心得ておりますが、それは、まだこれからいろいろ事態が進展するに応じまして、適時にそういうような報告を入手するように配意していきたい、このように考えております。
○田中(昭)分科員 私の質問の仕方が悪かったからかどうか知りませんが、適時にやると言うけれども、そういうあいまいなことでは環境の保全ができないから、この法律、第四十七条ですか、求めなければならない、「求ムベシ」となっているのじゃないですか。それをやっておらぬということではもう怠慢じゃないですか。だからやはり環境というのは、どんな準備行為でも、始まる前に手を打たなければだめでしょう。 この博多湾には、最初にちょっと触れましたように、本当に有史以来の遺産があるのですよ。世界のどこにもいないような生物が博多湾にいるということも言われているくらいです。そういう海を埋め立てるわけですから、そして法律にもちやんと、これは法律の趣旨から考えてみても、事前に主務官庁からそういう報告を受けなければならない。いま受けてない、今後適時にやっていこうということですから、私はもうそれは怠慢と言ってもいいと思います。一応指摘をしておきます、時間がございませんから。 そういうことになりますと、意見書の出しつ放しということですね。これでは博多湾の環境は守れません。どうかひとつ、環境庁もこの博多湾の環境保全に責任を持って当たっていただくべきであると思いますが、長官、最後に一言お願いします。
○原国務大臣 おっしゃるとおり、埋め立て等の大規模な開発につきましては、環境保全に十分留意していかなければなりませんことはもう当然でございます。したがいまして、私どももいろいろと意見を付しているわけでございますが、今後も十分に報告を求め、またその動向を監視して、環境保全の全うされるように全力を挙げていきたいと思っております。
○田中(昭)分科員 このことには触れていいかどうかわかりませんけれども、先ほどからの運輸当局のあれを聞いておりますと、やはりいま国会で問題になっておりますアセス法案、ひとつよりよいもので早くつくらなければいけない。ということは、私は環境庁にもその意思はあると思うのです。この意見書の中にも、最後のところには、埋め立てた後の事後評価まで行う必要があると言っている。これはやはり次の段階の、いまは西の方ですけれども、東の方の埋め立ての計画もあるわけでございますから、この意見書なんかで一番重点を置いているのは、やはり環境に及ぼす影響について事後評価を行う必要がある、こういうことの指摘があることは大事なことであろうというふうに私は思うのですが、アセス法をいま以上のきちっとしたものにしないと、いま言ったような埋め立てについて現実にそういう問題、こういう状況が起こってくるわけですから、その辺の長官の御決意を聞いて、終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○原国務大臣 環境保全のための未然防止ということはきわめて大事なことでございまして、環境影響評価法案は、そのために、いろいろな問題もございましたけれどもいろいろと折衝した結果、私ども提案さしていただいたわけでございまして、私が就任当初から、新聞記者会見等におきましても、まず環境影響評価法案の成立に全力を傾けたいということを申し上げたわけでございまして、どうぞ今後ともよろしく御指導、御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
○田中(昭)分科員 建設省来ていただいておりますか。この意見書の中にも建設省に関係することの指摘があっておると私は思うのですが、それは水質保全の中で、下水道について指摘があっているようであります。 福岡の発展経過を見てみますと、下水道の整備が大変おくれております。いろいろ具体的な数字等は申し上げなくても十分おわかりいただいておると思いますから、そういうおくれの中での埋め立てにかかわる意見書を見ましても、整備促進が必要である、こういうふうに言われております。福岡市当局としましても、いろいろ格段の努力を払っておるわけでございますけれども、何分にも先立つものは金でございまして、この財政窮乏のときでございまして困っておるようでございます。一般的に、下水道一つを取り上げてみても、国の補助率が政令都市ということで低いようでございますが、いまのこういうときに、これは何とか特別な計らいをしていただくということはできませんか。
○中本説明員 お答えいたします。 確かに福岡市は大都市の中でも非常に普及がおくれておりまして、これから大々的に進めなければならぬと私ども思っております。ただ、先生御指摘の国庫補助率につきましては、昭和四十九年にかなり引き上げをいたしまして、たとえば処理場につきましては流域下水は四分の三、公共下水は三分の二になっております。言うなれば他の公共施設の補助率と比較しても妥当な水準に達していると考えております。 いずれにいたしましても、先生おっしゃいましたような福岡の普及率が、一般的に大都市の七二%に対して四三%でございますので、今後このように整備のおくれております大都市の下水道は重点的にやってまいりたい、かように思っております。
○田中(昭)分科員 ちょっと細かくなりますが、下水道事業で下水処理場の補助は何か一般市では七五%補助がある。ところが、政令都市では四五%しかない。これはちょっとひど過ぎると思うのですが、これはそうなっていますか。そうであれば、これも含めて御検討いただくような御返事をいただければありがたいのですが、いかがでしょう。
○中本説明員 御指摘のとおり、一般都市と指定都市、対象補助率が違っておりまして、四五%でございます。これは下水道が大都市から始められたといういきさつから東京、大阪等、この歴史的過程におきまして、どちらかというと起債の方を望んだという経過がございまして、各大都市からも、この点につきましては毎年引き上げの要望がございます。私どもも検討しておりますけれども、第五次五カ年計画においては一応この四五%という形で決められておりますので、今後の五カ年計画においては検討の余地があると思いまして、私どもとしては検討いたしております。
○田中(昭)分科員 終わります。
○横路主査代理 これにて田中昭二君の質疑は終了いたしました。 次に、渡辺貢君。
○渡辺(貢)分科員 最初に、原環境庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 人間の生存にとっては水というのは不可欠であり、生物の発生もそこにあったと思うのですけれども、こういう意味で、人間生活と水あるいは河川という自然の循環関係、正常な循環関係、生態を崩すということになると、人間の生存そのものにとっても大変な事態になると私たちは考えております。シルクロードの夢とロマンの都と言われていた楼蘭も、シルクロード、水によって栄えて、川がなくなることによって滅びた、こんなふうに言われているわけなんですが、そういう意味で、特に河川の汚染が大変進行をし、憂うべき事態になっていると思うのです。まず最初に、長官としてこの問題についての考え方を承りたいと思います。
○原国務大臣 私どもも、この水というもの、これはきわめて人間の生活にとって大事なもの、また水がなければ生存できないというようなことはおっしゃるとおりでございまして、したがって、水質の保全ということについて、環境庁としても公害対策の原点というような気持ちで、最初からきわめて重点的に努力をしているところでございますし、これからも十分やっていきたいと思います。
○渡辺(貢)分科員 関東平野を見ますと、坂東太郎と言われている利根川の水系が一つ、そして荒川の水系というふうに二つの大きな水系があるわけですね。そしてこの中で肥沃な関東平野がつくられてきているわけでありますが、この利根、荒川も下の方では大変汚れている。環境庁においても幾つかの河川について定点観測などをされていらっしゃると思いますが、たとえば綾瀬川は全国のワーストワンですね。荒川、多摩川、隅田川など、この四つの河川について最近環境庁で調査されたBODの数値についてちょっと御説明いただきたいと思うのです。
○小野(重)政府委員 昭和五十五年度におきます綾瀬川と荒川と新河岸川、それから多摩川の水質状況について申し上げますと、BODでございますが、綾瀬川が二八PPm、ここは環境基準が一〇PPmのところでございます。それから荒川が四・四PPm、これは環境基準八PPmでございます。新河岸川が一〇PPm、環境基準も一〇PPm、それから多摩川では三・五PPm、環境基準が八PPmのところでございます。したがいまして、荒川、多摩川は環境基準を満足しておりますが、新河岸川がすれすれでございまして、綾瀬川は大幅に環境基準を上回っている、こういう状況でございます。
○渡辺(貢)分科員 これは定点観測でありまして、場所によっては、荒川も戸田から川口、さらに東京に入る地点ではもう少し数値が高いと聞いているのです。私は子供のころ荒川で水泳をして遊んだ記憶がございますが、とてもいま水泳などはできない状況でございます。 実は先日、これは特に最近各地で広がっておりますけれども、一つの夢と希望を託して、最近幾らか河川もきれいになったのではないかということでサケの稚魚を放流しまして、カムバックサーモンとかサケよ帰れとかいうような運動が広がっているようですが、先日も多摩川でございましたし、二月二十一日には荒川で第二回の放流がございました。子供さんや家庭の奥さんが——これは写真なんですが、私ども参加しまして、寒いみぞれの中ずいぶん参加されて、三年か四年後に帰ってくるのじゃないかということで、夢と希望を託してやられておりました。家庭の水槽の中でふ化した三センチぐらいの小さな稚魚を放流するということで、三千匹ぐらいの稚魚を放流したわけなんです。 実際上サケが生息するには三PPmというふうなことでございます。秋ケ瀬の周辺で一・九PPmということで、下に行くと果たして生きて帰ってこられるかという懸念もございますが、こうした子供たちの夢と希望のみならず、われわれ自身の生存の問題として、環境庁としてこうした河川の今後の環境保全の問題についてどんな取り組みをしていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○小野(重)政府委員 私ども水質保全を進めておるわけでございますが、全国の公共水域の中で三つの水域が特に問題であると思っております。一つは湖沼であり、一つは海、特に閉鎖性海域でございます。もう一つが都市河川でございます。 都市河川の汚濁の原因はいろいろございますが、やはり生活排水が一番大きなものであると考えております。もちろんそのほかに工場、事業場等によるものもございますが、生活排水について申し上げますと、下水道整備がまず基本でございます。それから浄化槽の適正な維持管理が大事でございます。さらには、下水道整備ができるまでに相当長い時間かかるかと思いますが、その間の生活雑排水対策を進めることが必要である。総じて生活排水対策がまず最重点であり、さらに工場、事業場につきましても排水規制を遵守すること。さらには、東京も埼玉もそうでございますが、総量規制をことしから本格的に実施しておりますが、それの適正な実施等を通じまして、都市河川の浄化に努めてまいりたいと存じております。
○渡辺(貢)分科員 いま局長から御答弁がございましたけれども、とりわけ家庭の雑排水あるいは工場排水等がこの汚染の主要な原因になっているというふうにも思いますが、これを進めていく場合には、河川の総合的な改修と下水道の問題が特に都市の場合には不可欠だと思うのです。先ほど指摘しました四つの河川、いずれも都市の中心部を流れております。 そういう点で建設省にお尋ねしたいと思うのですが、全国ワーストワンと言われている綾瀬川、これはいろいろ総合的な治水の面からだと思うのですけれども、しかし、そういうものがある意味では浄化にも大きく役立つと思いますので、現在取り組んでいる綾瀬川、中川の総合治水問題と、それからもう少し中に入って川口から浦和にずっと通ずる芝川の都市小規模河川、これも汚れが大変ひどい。それから藤右衛門川流域の上谷の調整池など、これも一定の調整機能を持つと思うのですが、この三カ所について、現状と取り組みを簡単に御説明いただきたいと思います。
○萩原説明員 お答えいたします。 まず綾瀬川でございますが、御指摘のように治水上の取り組みとしては、昭和五十五年度から総合治水対策特定河川、これは全国で、特に都市の中で治水のおくれているものについて十二河川取り上げてございますが、その一本として取り上げて、現在鋭意治水事業をやっております。さらに五十四年、五十六年と二度非常にひどい災害がございまして、これも河川激甚災害対策特別緊急事業という事業に採択して、総合治水とあわせて一段と改修の促進を考えてございます。 また、その綾瀬川の同じ区間の中で浄化問題も河川管理者として当然やるべき部分がございますが、それは主としてヘドロのしゅんせつをやっております。 綾瀬川が特に汚れておるという御指摘でございますので綾瀬川について申しますと、東京都の管理区間は昭和四十四年から、それから直轄でやっております埼玉県の区間については昭和四十九年から、さらに支川の伝右川等については埼玉県において四十九年度からでございますか、それぞれヘドロしゅんせつをやっておりまして、現在までに三つを合わせますとほぼ十六万立米ほどの掘削を完了してございます。川が狭うございますので、掘り方それから捨てる場所の選択等いろいろむずかしゅうございますが、やらせていただいております。 それから二番目の御指摘のございました芝川の都市小問題、これは、芝川というのはある時期に放水路を掘りまして新芝川というりっぱなのができました。これはずっと中小河川でやらせていただいておりますが、御指摘のは旧芝川の意味だと思います。これは都市小河川改修事業と申しまして、本来やる改修の中の小さいものを重点的にやる事業として昭和五十六年度から採択をいたしました。青木水門というところから下流五・五キロぐらいを対象にして、洪水の疎通もさることながら、環境の浄化といいますかきれいにすることも含めてやっていこうと思っております。始めたばかりでございますが、がんばっていこうと思います。 それから、もう一つ御指摘がございました同じ芝川の支川の藤右衛門川でございます。これも洪水の安全度がなかなか低いわけでございますが、たまたま適地がございますので、上谷沼というところに遊水地を現在つくっております。用地の買収を含めてほぼ七割方工事は進んだかと思っておりますが、比較的大規模な工事ですので、あと数年かけてできるだけ早く実際に役立つようにしようと思っております。 以上でございます。
○渡辺(貢)分科員 これは都市の中にとっては不可欠の問題ですし、ひとつ精力的に取り組んでいっていただきたいと思いますが、あわせて下水道の問題ですね。 現在第五次五カ年計画に入るわけですけれども、ことしの予算に比べて五十七年度を見ると約六千億前後、伸び率はほぼゼロというふうに抑えられておりますし、事業量の総量も約一兆四百億円余り。こうなると、事業量全体としてはマイナス十数%になるのではないか、こういうふうに危惧しております。特に埼玉の場合には河川に沿っての流域下水道、荒川の右岸、左岸と中川、上の方の権現堂というふうに、全部流域下水道に依存しなければならないという内陸部の特徴を持っているわけです。県でも鋭意努力をしておりますけれども、公共下水道の普及率全国で二九%余りですが、埼玉の都市部は二四%ぐらいなんですね。そういう点で努力はやっているけれども、なかなか予算がつかない。そういう点での苦労もあるのですが、やはり重点的に配分をしていく。たとえば中川は五十七年ですか、供用開始というふうに言われておりますけれども、そういう点で中川の問題と、それから荒川左岸の南部の幹線、これが浦和、川口、一つの中心で、国鉄の下からずっと掘っているのですけれども、この点について特に重点的に施策を取る必要があると思うのですが、ちょっと御見解を承りたいと思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、下水事業予算が少し落ち込んでおりますが、特に、流域下水道関係につきましては、五十六年度に比べて一六%ばかり落ち込んでございます。そういう事情もございまして、中川、荒川関係につきましてもやはり一〇%から二〇%くらいの落ち込みになろうかと考えておるわけでございますが、中川、荒川関係の下水道整備は非常に緊急を要するという事情もございますので、そういった中で何とか努力をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 先ほど先生からお話しございました荒川左岸南部処理区の問題についてでございますが、鳩ヶ谷市の方へ参ります南部幹線というのがございます。これは外郭環状道路の問題もございまして少しおくれぎみであったわけですけれども、用地の問題につきましてはほぼ見通しがつきまして、現在鋭意幹線の延伸の努力をいたしておりまして、南部幹線は全線約八キロあるわけですけれども、現在工事をいたしておりますのは二・五キロばかりでございまして、これができますれば鳩ケ谷市まで取り入れることができるということでございまして、その見通しとしましては、五十七年度末に大体完了いたしますので、五十八年早々には取り入れ可能かと思います。 それと、芝川幹線はさらにその上に参るわけですけれども、これにつきましてもできるだけ延伸が図れるように努力をしてまいりたいと思います。 それから、中川流域下水道についてでございますが、これにつきましては、現在三郷のところに処理場の建設を急いでおりまして、五十七年度末に大体通水できるような状態になると思いますので、五十八年度早々には幹線ができた個所につきましては大体取り入れができると思いますが、いまのところ草加市等四市の取り入れが可能かと考えております。 その他荒川右岸それから荒川左岸の上流部もございますけれども、幹線の延伸に努力をいたしまして、できるだけ処理区を拡大するように努めてまいりたいと考えております。
○渡辺(貢)分科員 財政の制約があってなかなか厳しいかと思うのですけれども、特に生活密着型のこういう公共下水道など、これは国民生活にとってもプラスになりますし、同時に、これが地方で景気の浮揚策としてもプラスの要因を持つ。しかもあわせて、環境の保全のために大きな役割りを果たすということでございますので、われわれも努力をしたいと思いますが、ひとつ一層努力をしていただきたいと思います。 そういう一定の努力もあったと思うのですが、先日聞いたところによると、荒川の秋ケ瀬のせきに自然のアユが戻ってきたという話を聞いております。秋ケ瀬のせきは、荒川の源流である秩父の水が流れてきて、利根の水と一緒になって、あそこから東京の朝霞の上水道に水が行くわけでして、まさに東京の命の水ということでございますが、いろいろと周辺も整備がされておりますし、ぜひひとつ、そういう点から原長官、現地を御視察いただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○原国務大臣 私も東京におりまして、都市河川の状況もかなり存じておりますし、また、いろいろと視察する機会もあるわけでございますが、やはり最初に申し上げましたように、水質保全というのは大気保全とともに人間の一番大事な問題であります。また、生活に密着する河川だとも思いますので、できる限り機会を得ていろいろと視察もさせてもらいたいと思っておるわけでございます。 〔横路主査代理退席、主査着席〕
○渡辺(貢)分科員 じゃ続きまして、いま全国的に大変問題になっております空き瓶、空き缶の処理の問題です。 京都などでは空き瓶条例、空き缶条例がつくられ、また首都圏でも静岡、山梨、長野を加えて、関東と一都九県でこうした対策会議などが昨年からやられているわけでありますが、そういう地方自治体の努力に加えて、これはもちろん、住民の皆さんのいろいろのこうした空き瓶、空き缶についての認識もあろうかと思うのですけれども、自然の景観を保っていく上で、町の美化あるいは安全性、資源の再活用化など——空き瓶、空き缶といってもかなり広範な性格を持つのではないかというふうに思います。瓶は大手九メーカーで年間に約六十億本、缶の生産量は百億本を超えておる、こういうふうに言われておるのですが、こうした空き缶、空き瓶に対して、環境庁を中心にいまどんなふうな対策がとられておるか、お尋ねいたしたいと思います。
○原国務大臣 御指摘のように、空き缶問題というのは当面の大変大きな問題だと思います。年間百億本、そのうちの約一〇%がぽい捨てされて、散乱しておるというようなことでございまして、これは消費者あるいは散乱場所の管理者、飲料メーカー等の事業者、さらに清掃事業を行う市町村等の関係者が、協力し合って解決に取り組む必要がありますけれども、国におきましても、この対策を十分に推進していかなければならないと思いまして、昨年の一月に、関係十一の省庁から成る空かん問題連絡協議会を設けまして、多角的な観点から検討を行っております。また、昨年の四月には、散乱防止のための普及啓蒙活動の充実について申し合わせを行いまして、夏を中心にPR、キャンペーンを強化しております。 なお、昨年十二月、私就任して間もないころでございますけれども、自動車からのぽい捨てというものは、散乱だけでなくて非常に危険性も伴うということで、国家公安委員長、警察庁長官に要請いたしまして、警察としても適切な取り締まりをしてほしいということをお願いいたしまして、これについては、警視庁とか埼玉県とかいうところでも非常にティピカルな例について検挙活動も行っている。こういう面ももちろんモラルの面と一緒にやっていかなければなりませんが、大いに努力していきたいというふうに思っておるわけでございます。
○渡辺(貢)分科員 大変前向きの積極的な御説明でございましたが、たとえばいま一都九県でデポジット方式ということが検討されておるわけです。埼玉県の畑知事が座長になっておりますが、このデポジット方式は、すでにアメリカにおいても、オレゴン州で昨年条例制定十周年ということで、大変成功したというふうに言われているわけですね。瓶類の九五%、缶類の八五%が回収をされている、こういう成果も上げられておりますので、ぜひこうした地方自治体の努力にもひとつ十分適切な御配慮を賜りたいと思います。 そこで、きょうはひとつ具体的なんですけれども、ここにコカコーラの最近発売された瓶がございます。このコカコーラは去年の末ぐらいからなんですが、コークスーパー三〇〇、三百ミリのあれが入るわけです。これはガラスですけれども、被覆しているのが塩化ビニールなんですね。ガラス製品ですと、そのガラスを回収して、そしてバージン原料と一緒にやれば燃費も節約して資源の再利用化にプラスできる、こういうことですが、これはぽい捨てなんですね。この瓶はワンウエーですので瓶保証金はありませんといってぽい捨てになっていまして、資源の再活用にもプラスされない。しかも、ガラスに塩化ビニールが被覆されていますから、これは地方自治体にとっても大変なんですね。焼却炉にいくとかなり高い熱でないと焼却できない。しかも焼却炉が傷むということで、最近ではこうした一都九県会議なんかでもいろいろ問題になって、これは埼玉県の環境部長がその会議で、神奈川の方からいただいてきたということで、現在も使われているようでありますけれども、企業のために利益が中心になるといいますか、そのために資源も、それから町の美化、環境の問題も後退をするというふうになってしまうわけなので、やはり住民のモラルの問題あるいは自治体や国の取り組みとあわせてこうした企業に対しての適切な指導が必要ではないか、こういうふうに思うのですが、この点についての御見解はいかがでしょうか。
○大山政府委員 先生いま御指摘のとおり、コカ・コーラ社が昨年十一月十六日から新しい瓶ということで、そのような三百ミリリットル入りのものと五百ミリリットル入りのもの二種類を発売したことにつきましては、私ども存じております。しかし、本件につきましては、これの発売元でございます富士コカ・コーラボトリングが瓶メーカーとタイアップいたしまして、回収済みの瓶の回収に努めておる。しかも、これの発売とあわせまして、なお一層それの回収率を引き上げる努力をするといったような対策を考えているということを伺っております。 また、この空き瓶につきましては、先生ただいま、これはぽい捨て用瓶とおっしゃいましたけれども、(渡辺(貢)分科員「ぽい捨てと書いてある。中に印刷してある」と呼ぶ)ぽい捨てはいけませんということかと存じますが、空き缶に比べまして空き瓶の散乱実態というのはいささか違っておりまして、空き瓶は、先生ただいま御指摘のようにカレット化して、くずガラスということで回収して使うことが従来とも業界で非常に努力されております。したがいまして、本件、発売されましても必ずしも全部がぽい捨ての方に変わるということとはいささか違うのじゃなかろうかと思うのでございますが、そういったことから本件につきましては、まずわれわれとしては、散乱等の問題になるのかどうかということにつきましては、当面見守ってまいりたいと考えております。 それから、空き瓶の回収あるいは資源化という問題につきましては、エネルギーの節約、いろいろな問題を含めまして、通産省が中心になりまして業界を指導して、なお一層回収率を引き上げるという努力をしておられるというふうに聞いておりますので、またこういった点につきましても動向を見守ってまいりたいと考えております。
○渡辺(貢)分科員 少し企業の弁明的なことを言われたようでありますけれども、日本コカ・コーラ社の田村広報統括部長は、買った人が適正に処理してくれれば問題はないというふうに言っているのですね。だから、見守るんではなくて、行政の責任としてもやはりこういうものをきちっと指導していくなど、対策が必要だというふうに思うのです。これは土壌の問題もそうでしょうし、あるいはそういうものが河川に投げ捨てられるという事態が起こる。ちゃんと印刷で、ぱっと捨てるような印刷がしてあるんですね。そういう点でひとつ厳しく対処していただきたいと思います。 最後に、長官、河川の問題やあるいは私たちの日常生活の中に、ちょっとしたところにこうした環境の問題、国民自身の問題でもございますし、あるいは企業やそして地方自治体、国の努力、総合的に取り組んでいかなければならないというふうに思いますので、一言御決意を述べていただいて、私の質問を終えたいと思います。
○原国務大臣 御意見のとおりだと私も思っておりまして、ひとつ十分に取り組んで努力をしてまいりたいと思います。
○渡辺(貢)分科員 終わります。
○小渕主査 これにて渡辺貢君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)分科員 最初にお伺いしたい点は、琵琶湖に関連しまして琵琶湖総合開発法が五十七年三月三十一日で切れるわけでございます。そういう問題も含めて、今後延長という問題等も入れまして、滋賀県としまして、また近畿一千三百万の人たちが琵琶湖の水の恩恵にあずかっておるわけでございますので、この琵琶湖の開発と水質保全、環境の浄化、こういう両面の問題を抱えておるわけでございますね。 そこで、琵琶湖総合開発法の延長並びに水質保全に関して、どのような対策をとっておるのか、最初に御説明いただきたいと思います。
○井上説明員 いまの琵琶湖の総合開発計画、十年間延長の法律をいまお願いしておるわけでございますが、その琵琶湖総合開発計画の改定に当たりましては、琵琶湖の水質の現状とその水質保全の重要性というものを考えまして、水質の回復に資する事業を補充するということにいたしておるわけでございます。 その内容としましては、従来から進めております下水道事業、屎尿処理場事業につきまして、高度処理の導入等を図りますほか、新規に農業集落排水処理施設、畜産環境施設整備施設、ごみ処理施設、水質観測施設の四事業の追加を予定いたしておるところでございます。
○竹内(勝)分科員 そこで、この計画の段階、今後十年の事業費の予算、これも概略で結構でございますが、どうなっておるのか、それから県の改定計画の要求額に対してどのような考え方になっておるか、並びにいま新規事業に関しての内容を御説明いただきましたけれども、どういう処置をして、予算はどれくらいになっておるのか、これを御説明いただきたいと思います。
○井上説明員 お答え申し上げます。 従来から行っておる事業につきましては、治水事業それから水資源開発事業あるいは土地改良事業等十八事業でございますが、そのほか、先ほど申しました新規の水質の保全回復のための事業を追加いたしまして、九千七百五十六億円の事業費を今後十年間の事業費として見込んでいるところでございます。
○竹内(勝)分科員 新規事業に関しての内容をちょっと説明してください。
○井上説明員 新規の事業につきましては四事業でございまして、一つは農業集落排水処理施設の整備事業でございます。これは農業地域の屎尿あるいは家庭雑排水が農業排水路に直接流入することによります水質の汚濁を抑止しまして農業生産への支障を食いとめることにございますが、ひいてはそれが琵琶湖の水質汚濁を抑止する効果も有するものでございます。 次の畜産環境施設整備事業でございます。これは畜産農家の飼養規模の拡大推進ということを行うわけでございますが、それに伴いまして畜産経営に起因する公害の排除をあわせて行うものでございまして、琵琶湖への畜産排水の流入を抑止する効果を持つものでございます。 それからごみ処理施設がございます。これは流域内に生ごみの形で堆積しますと、それによりますごみからの浸出水によりまして水質が汚濁することになります。それを防ぐための効果を持つものでございます。 最後に、水質観測施設を整備する事業がございます。これにつきましては琵琶湖及び主要な流入河川の水質等の連続的な観測データを収集するためのものでございまして、常時観測を行うものでございますので、それによりまして科学的裏づけを持った的確な水質保全対策の推進をしようという内容のものでございます。
○竹内(勝)分科員 それでは次に移りますが、建設省にちょっとお伺いしておきます。 同じくこの琵琶湖の問題で、水質保全及び水源涵養に係る財源措置として、琵琶湖流域における公共下水道の管渠に係る補助対象、この範囲の拡大について琵琶湖の特例措置というものを設けていただきたいという要望がございますけれども、いかなるお考えでございますか。
○伊藤説明員 公共下水道の補助対象枠の拡大というお話でございますが、これにつきましては、現在下水道整備が非常におくれておるという現状、それから現在の財政事情等を考えますと、当面のところ事業費をできるだけ拡大をいたしまして下水道普及を図っていくというのが優先されるかと思いますので、補助対象枠の拡大といった問題につきましては、当面の措置としては考えておりません。 琵琶湖につきまして非常に重要ではないかということでございますが、今度の五カ年につきましてもそういった事業費の拡大ということに重点を置いておりますので、現在のところは考えていない状況でございます。
○竹内(勝)分科員 下水道及び屎尿処理施設における高度処理、こういったものがどうしても必要でございますね。何しろ琵琶湖の水源は命の水としてみんなそれを飲んでいるわけですからね。御承知のとおり、昨年国体におきましても、異臭で何しろ選手が水道の水が飲めない、そういうような状況で、水源自体がこのまま保っていくことができるのか、赤潮自体もここで数年間膨大なものが続いております。 そういう面から考えても——滋賀県も努力はしております。富栄養化防止条例等をもって努力はしておりますけれども、これは何らかの財源措置というものは考えなければいけない。そこで、下流の府県、こういった人たちも含めた——たとえばこの維持管理費用にしましても相当なお金がかかるわけでございますので、含めた負担の仕組みを確立させていきたいというような意見が出てきておりますね。国として、この高度処理、富栄養化防止のために特別に必要とするこの維持管理費用についての何らかの負担の状況というものを考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○小野(重)政府委員 あるいは建設省からお答えした方が適切なのかもしれませんが、一般的に申し上げまして、水質浄化のための事業といいますか、これの費用負担の問題になるかと思うのでございますけれども、一方では、汚染者負担原則、PPPと言われておりますが、そういう原則がございますし、一方は受益者負担の原則というのもあるわけでございますが、そこをどうかみ合わせるか、どういうふうに考えるかという問題がございます。いずれにしても、三次処理問題、特に琵琶湖についてのこの問題は滋賀県と下流の大阪府等とでいろいろ話し合いが持たれているというふうに伺っておりますが、この話し合いがうまく円満に解決することを期待するものでございますけれども、制度としてこれを設けるということになりますと、そういういろんな基本論がございまして、いま直ちに結論を出すというわけにいかない問題じゃないか、今後の検討課題だろうというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(勝)分科員 もう一度建設省、いまの件、今後検討する決意があるかどうか、お答えください。
○伊藤説明員 下水道の維持管理費の問題につきましては、いつもお答えいたしておりますが、原則的にはやはりその地域に住むために必要であるという問題につきましては、その下水道を利用いたします使用者が負担するというのが筋ではないかというふうに考えておりますが、こういった三次処理の問題については、目的それからそれに関連いたします効果の問題がいろいろあるわけでございますので、そういった実態を踏まえながらその地域の状況を十分勘案の上検討していく必要があろうかと思います。ルールというようなものを考えるかどうかという問題でございますけれども、現状におきましては、やはりその地域の状況を踏まえながら個々に検討していく必要があるのではないかというふうに考えています。
○竹内(勝)分科員 同時に林野庁にお伺いしておきますが、この水源涵養機能の維持増進のために造林事業にかかわる融資条件等の改善充実、こういった面の要望が出ておりますけれども、お考えを聞かせてください。
○川合説明員 お答え申し上げます。 御指摘のように、造林事業は、私的経済だけではなくて、公的機能と申しますか、国土保全あるいは水源涵養機能ということで非常に重要な事業でございますので、従来から融資制度の中でも一番力を入れてやってきているわけでございます。現在、公庫融資、農林漁業金融公庫資金の中でも、最も長期かつ低利の条件が設定されております。私どもといたしましては、この所要資金の確保に全力を挙げてまいりたいというのが現在の考え方でございます。
○竹内(勝)分科員 それでは次に、湖沼法に関してお伺いします。大臣にお伺いします。 前長官の鯨岡さんは、この湖沼汚濁防止に関して何回も調査に行ったり、いろいろと検討をし取り組んできたのは御承知のとおりでございますけれども、昨年湖沼法原案もできて、そして環境庁としては何とか法案として出してまいりたいという意欲がございました。しかし、他省庁との調整がなかなかつかずに、この湖沼法の提案はおくれております。まず、大臣の湖沼法成立に対する決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
○原国務大臣 水質汚濁の問題でございますが、川、海に比べて湖沼の環境保全、水質保全というものが一番おくれている、むしろ悪化しているところもあるわけでございまして、私も何とかして湖沼法を提案し成立させていただいて湖沼を守っていきたいという熱意に燃えまして、いま事務当局に対して各省庁と精力的に協議をさせているところでございます。
○竹内(勝)分科員 そこで総合的、有機的な湖沼の環境保全というものが図られる意味から、水質保全だけではなくて環境保全を加えた湖沼環境保全特別措置法、わが党は昨年この環境保全特別措置法という形で法案を出させていただきましたけれども、そういう考えがあるかどうか、環境保全という面。 もう一点は、湖沼の環境保全に寄与する施設の維持管理に要する経費について、上下流域の出資による新しい基金制度、こういったものを確立して、財源におきましても完璧なものにしていく必要がある、ごう提案をしておりますけれども、そういう考え方があるかどうか、この二点お尋ねいたしたい。
○原国務大臣 湖沼周辺の自然環境の保全ということも私非常に大事だと思うのです。大事だと思うのでございますけれども、当面は、湖沼周辺の自然環境の保全につきましては、自然環境保全法あるいは自然公園法あるいは都市緑地保全法等の既存の法制度を十分活用していくことといたしまして、湖沼法自体の目的は、湖沼保全上現在最大かつ緊急の課題である水質保全にしぼることとしていま考えているわけでございます。実は、それだけでも各省庁との協議を経て成案を得ることがなかなか大変でございますけれども、何としてでも、この水質保全というものにしぼってでも何とかこれをひとつ提案することができるところまで提案し、成立させることができるように持っていきたいと考えているところでございます。 基金につきましては、局長から御説明させていただきます。
○小野(重)政府委員 先ほどもちょっと先走って御答弁申し上げましたけれども、水質保全に係る施設の維持管理費についての費用負担の問題でございますが、下流に負担させてはどうか、そのための手法として基金制度を設けてはどうかという御指摘でございますけれども、この問題は下水道の三次処理の費用などが典型的な例かと思いますけれども、汚染者負担、受益者負担、両原則をどう考えるかとかいろいろ問題もございますので、いまの湖沼法に盛り込むのは困難である、今後の検討課題であるというふうに私ども考えております。
○竹内(勝)分科員 大臣の意欲をお伺いしますが、それでは大臣、具体的にいつという、はっきりでなくても環境庁としては大体いつごろまでにこの湖沼法というものを出していきたいという環境庁としての考えを聞かせてください。
○原国務大臣 今国会に提案する法案をいつまでに提案したらいいかということは、これはもう時期的な制限もあることでございますけれども、実はいまそれに向かって何とか少しでも早く提案したいと思って関係省と強力に協議を重ねているという段階でございます。したがって、いつまでに出せるというところのめどをいま申し上げるまでに残念ながら行っておりませんが、できるだけ早くこの協議を調えて提出したいと考えておるわけでございます。
○竹内(勝)分科員 大臣、だから何も何日とかと、そんなことを聞いているのではないのですよ。今通常国会かあるいは今通常国会には無理だ、それなら今年なのか。できるだけ早くというのですから余り向こうになったのでは……。できるだけ早くというのは表現が非常にむずかしいものですから、その辺だけちょっと説明してください。
○原国務大臣 私としては今国会に提案したいという気持ちでもって、いま精力的に協議を進めさせているところでございます。
○竹内(勝)分科員 琵琶湖の総量規制に関して調査費が以前からつきまして具体的に動いてきたようですが、どのような結果になって、そして今後どうやっていくのか、予算面ももし説明でさましたら、それも含めて総量規制に関して御説明ください。
○小野(重)政府委員 琵琶湖への総量規制の導入についてでございますが、五十五年度、五十六年度、二年間にわたりまして予算を計上しまして調査を実施したところであります。調査の内容は大変多岐にわたっております。琵琶湖の湖の流れとか水温とか風の問題ですとか、水質あるいはヘドロの状況とか、雨はどうであるとか、いろいろ挙げれば切りがないのでございますが、多岐にわたっております。その調査は一応終わっておるわけでございますが、いまその調査のデータ整理を踏まえてデータ解析を行っておるということでございます。この解析結果がまだ出ておりません。この解析結果をできる限り急ぎまして検討を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(勝)分科員 総量規制の実施はいつごろになりますか。
○小野(重)政府委員 私どもできれば五十六年度中にはスタートいたしたいというふうに考えておったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、このデータ解析がまだ出ておりません。その結果を見ませんと、この総量規制をどうするかということをちょっとまだ判断しかねますので、いまその解析を急いでいるということでございます。
○竹内(勝)分科員 それでは大臣にお伺いしておきますけれども、大臣はふるさとづくりという言葉で表現しているようでございますけれども、この湖沼や河川は人間にとって非常に重要なものでございます。また、私どもにとってもなくてはならない重要なものでございますので、その人間にとって潤いのあるものに湖沼や河川をしていくという必要があります。そういう意味で、具体的に何か大臣としてのこういったものに対してのお考えがありましたら、この際お聞かせ願いたいと思います。
○原国務大臣 実は私、ふるさとのいい点を残して、またさらに新しくいいものは加えていくということによって人間の潤いのある生活、同時にそういうものを子孫にも残していくことが大事じゃないかという考え方を持っているわけでございますが、まだ、これをひとつ具体的にどういうふうにするということまで煮詰まっているわけではございません。川とか湖沼とかいうのは、やはり自然の中の、本当に人間に与えられた大きな恵みでもあるというふうに私は思うわけでございまして、それの水質保全、まず当面、湖沼法というものでは水質保全を考えておりますけれども、先ほど御指摘のように、また自然環境、周囲の環境というようなものも入れて、いい水を、潤いを中心にした環境の保全というものを進めていかなければならないなというふうに考えておるところでございます。
○竹内(勝)分科員 それでは次の問題、余り時間がございませんので、触れておきます。 去る昨年の十月でございますが、環境委員会におきまして私が質問をした折に、空き缶の問題に関して、厚生省より、何らかのモデル条例をつくりたい、空カン連絡協議会等とよく検討をしてという発言がございました。その後どのようになったのか、また空カン連絡協議会ではどんな議論をしてきたのか、御説明いただきたいと思います。
○大山政府委員 昨年、環境委員会におきまして、先生御指摘のような経緯がございまして、厚生省におかれましては、地方公共団体の実情等をいろいろお聞きになって、モデル条例の案のたたき台といったものをおつくりになったというふうに聞いております。 そこで、環境庁といたしましては、できるだけ早急に空カン問題連絡協議会でこれらが議論される運びになりますように、目下関係省庁と鋭意相談してまいりたいということでございます。
○竹内(勝)分科員 厚生省、答弁ください。
○田中(富)説明員 昨年の環境委員会後に、厚生省では部内に空き缶問題に関する研究会を設けまして、従前から空き缶問題に対して深い関心を有しておりました一部の地方公共団体につきまして、その実情をいろいろ聴取したわけでございます。そして、現在すでにモデル条例案のたたき台を用意してございまして、そのことについては、ただいま大山審議官からお答えになりましたように、空カン問題連絡協議会の事務局である環境庁に連絡済みでございます。
○竹内(勝)分科員 空き缶問題、非常に全国的に大きな問題でございます。そこで、京都市が条例をつくっていよいよ施行されている段階でございますけれども、現地の評価、業界の評価等について環境庁はどう把握しておるか。さらにまた、空き缶について関東知事会等地方公共団体においていろいろと努力が続けられております。しかし、必ずしも実を結んでいないようです。そこで、環境庁としてどのようなバックアップをしていくのか、以上の点についてあわせてお答えください。
○大山政府委員 先生御指摘のとおり、昨年十月に制定されました京都市飲料容器の散乱の防止及び再資源化の促進に関する条例というのは、本年四月から施行されるということになってございます。それから、本条例は、市及び事業者、市民、観光業者、こういった関係者等の参加と協力によりまして対処しようということでございます。この実施に当たりましての細目につきましては、今後、関係者との間で協議が行われていくものというふうに聞いておりまして、私どもといたしましては、それらが円滑に進められて、できるだけ早くその条例が実施の運びになるといったことを期待しているわけでございます。 それから、現地におきます本条例に対します反応ということでございますが、私ども、新聞報道等によります状況を見ますると、京都条例も、ただいまの形になるまでいろいろ紆余曲折がございました。こういったことを踏まえまして、賛否両論いろいろあるやに伺っております。
○井上説明員 先ほどお答え申しました中で、数字を間違えて申し上げた点がございますので、修正さしていただきたいと存じます。 先ほど、今後、琵琶湖総合開発事業十八事業及び新規四事業を含めまして九千七百五十六億円というふうにお話し申し上げたわけでございますが、これは予算要求の段階におきまして、滋賀県等と相談いたしましてセットした数字であったわけでございますが、その後、これをもとに財政当局と折衝等行いまして、昨年末その数字が九千六百二十八億円ということで合意を得たわけでございまして、これは当初の要求の九八・七%でございまして、滋賀県等の要望にほぼ満額に近い結果となっているところでございます。修正さしていただきます。
○竹内(勝)分科員 新規事業だけは……。
○井上説明員 新規事業だけは約四百億円でございます。
○竹内(勝)分科員 終わります。
○小渕主査 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。 次に、中島武敏君。
○中島(武)分科員 私は、きょうは、新幹線東京北区部分の環境問題についてと、新大宮バイパス、首都高速道路五号線、板橋の高島平三園地域の環境問題について伺いたいと思うのです。 まず最初に、新幹線東京北区部分を通過する際の環境問題、この問題についてお尋ねいたします。 まず、新幹線の工事を強行した、この問題なんですけれども、ことしの一月の末から二月の初めにかけてですけれども、東京北区の赤羽台のトンネル工事を強行しようとしたわけであります。地元八幡自治会の了解を得たからと強弁しておられますけれども、すぐ隣接して赤羽台三丁目自治会、四丁目自治会があるわけでして、その点では、この赤羽台三丁目自治会、四丁目自治会というのは地元ではないかというように思うわけであります。国鉄の東三工が北区及び北区議会にあてた五十四年十二月二十六日付の文書では、非常にはっきりと、地元住民の御了解をいただいた地域から工事に着手したい、こういうふうに約束をしていました。その約束をみずから破るというのは、はなはだ遺憾なことであります。今後はこういう約束についてきちんと守るという意思が国鉄にあるのかどうか、まずこの点を最初に伺います。
○高瀬説明員 新幹線の建設につきましては、それぞれ地方の、北区及び北区議会及び沿線の自治会等に説明いたしまして御協議申し上げまして進めてきておるわけでございまして、その間において約束されましたことはいままでも守っておりますし、これからも約束を遵守していくつもりでございます。
○中島(武)分科員 守っていると言うんですけれども、いまも私言いましたけれども、この文書です。昭和五十四年十二月二十六日、昭和五十四年四月三十日ですね、四月三十日付の文書では、地元住民の御了解をいただいた地域から工事に着手したいということを言っているんですね。ところが、この地元住民と言いますけれども、すぐそこのところには、いま言ったように自治会、町会で言えば八幡自治会もありますし、赤羽台三丁目町会もあれば、四丁目町会もある。ところが、八幡自治会にだけは了解を得たと言っているのですけれども、すぐ隣接して、どっちが実際にトンネル工事をやるところに近いかといったら、なかなか判断がつきがたいぐらい近いわけですね。そういう自治会に対しては何の了解も得ていない。それでも地元自治会の了解を得たというふうに言えるのかどうか。私は、これは言えないと思うんですね。その点について、やはり住民の納得を得て事を進めるというふうに言っているんですから、いまの答弁では、これは正しくない。今後守っていく意思があると言いますけれども、現実にここのところに対しては一体どうしようとしているのか、その点を伺っているのです。
○高瀬説明員 いまの先生の御指摘もありますが、またわれわれとしては、八幡様の大祭であの社殿等が移転しなければならない時期というのも決められておりまして、それらを勘案しまして、いろいろ地元の方と御協議申し上げながら進めているところでございます。
○中島(武)分科員 さっぱり話がわかっちゃいない。はなはだ遺憾だと思うんですね。率直に言いますけれども、そんなやり方では住民が納得しないと思いますね。 それではもう一つ、次の問題を聞きます。 東三工から昭和五十四年七月二十五日付で東京都都市計画局長あてに協議の申し入れがあった。そして、これに対して東京都の都市計画局から五十五年七月三十一日付の文書をもって回答をしたわけですね。これは協議をすることになっているんですけれども、この協議が調っていない。協議が調っていないのだけれども、一方、その工事の方はどんどんどんどん進めていく、こうなっているんですね。これは、私ははなはだ遺憾なことだと思うんですね。その文書によりますと、非常にはっきりと「工事の実施にあたっては、あらかじめ別紙のとおり、東京都関係各局及び関係機関と協議すること。」とありまして「一、環境問題について 新幹線(通勤別線を含む)の騒音、振動の沿線環境に及ぼす影響については十分な予測調査を行い、周辺環境の保全に関する具体策について公害局と協議すること。」こうなっているんですね。ところが、実際にどうなっているのかという問題であります。十分な予測調査、これは東京都に知らせておりますか。私が環境保全局から聞いたところによりますと、第一、生データは渡っていないのです。百十キロで走行する場合に五つあるいは七つの騒音測定結果の数字だけ東京都に渡しておられる。それから、通勤線や在来線と新幹線が重なるというときの複合騒音についての予測データも渡されていない。それから、赤羽台出入り口の衝撃音を含む騒音についての予測データも渡っていない。それから、騒音の測定についてですけれども、地上一・二メートル以外の高さのものは、これは渡していない。これで十分な予測調査と言えるのだろうか。なぜこれを渡されないのか。ちゃんと十分な予測調査を行って、そして具体策について協議する、こうあるんですよ。ところが、私がいま言ったようなことは渡しているのですか、そこのところを聞きたい。
○高瀬説明員 東京都との間では、先生のおっしゃるとおりの同意条件がございます。それで、東京都との間で、既設の新幹線の事例とか、五十三年六月から五十五年六月において行いました小山の実験線における実測データとか、また、われわれがいま建設しようとしております北区内の新幹線の構造計画等を提示しながら、いま協議を進めているところでございます。現在までにいろいろ回数も参りまして、二十数回にわたって協議を進めているという状況で、現在そういうことで進めております。
○中島(武)分科員 進めているのはそのとおりでしょう。しかし、私の聞いたことに答えてください。そういう私がいま指摘したようなものが渡されないで、それで十分な予測調査と言えますか。それはなぜ渡さないのですか。これは常識的に言ってもそうでしょう。常識的に言っても当然じゃありませんか。東京都と協議する、協議するに当たっては、十分な予測調査を行うんだ、そして具体策を協議するんだ、こうなっている。ところが、十分な予測調査なるものに値しますか、いまあなたが言ったことは。私が指摘したようなことがなくても十分な予測調査と言えるのですか。どう考えられますか。
○高瀬説明員 いま先生がおっしゃったようなことにつきまして、東京都の関係者との間でいま十分検討しているところでございまして、それらについて東京都の方といろいろ十分打ち合わせできれば、そのうちに公表されるものだと考えております。
○中島(武)分科員 私は、東京都から直接話を聞いております。私が言っていることには間違いはないと思います。協議が行われていることも事実です。しかし、その調査の中身についてはきわめて不十分なものじゃないでしょうか。私は、科学的な検討にたえるそういうデータを示すべきじゃないかと思うのです。幾つか実験をやってみました、その結果はこうです、と。結論だけ出したって、それは科学的検討にたえるデータとは言えないのです。科学的検討にたえるデータというのは、私が言うのもおかしいけれども、そういう結論が出てくるためにはどういう生のデータがあって、どういう解析を加えてこういう結論になりましたという、その結論に至るまでのものを出さなければ、これは納得できないというふうに思うのも無理はないのじゃないですか。一部のデータだけしか渡していないと疑われるようなことではだめだと思う。説得力を持つためには、すべてのデータをわれわれは分析して解析を加えたらこういう結論になる、東京都に、これがそうなんだ、こう言って出して初めて東京都に対しても——態度としてはそうあるべきだし、また住民に対してもそうあるべきだと私は思うのです。私はいまあなたの答弁を聞いていても、その点はどうも納得しがたいようなことばかりが言われるわけであります。 では、次のことについて伺います。 協議が調っていないということは東京都は認めている。あなたも認められると思うのです。協議はやられていますけれども調っていない、こういう認識です。国鉄の側ではどうですか。工事を進めるという場合に、協議は調ってなくても工事だけはどんどんやっていくんだ、やった結果は環境基準は守れない結果になってしまった、後は野となれ山となれ、これはきわめて不誠実な態度じゃないですか。東京都に対しても東京の都民に対しても住民に対しても誠実な態度というのは、協議が調うように最大の努力を国鉄がやるということじゃないかと思う。協議が調わないけれどもどんどん事は進めていってしまうのだ、後で間違ってしまったかもしれないけれども、終わってしまったからはいちゃい、これはいけない。この点でやはり十分な調査を東京都に対して渡すべきだと思うし、住民にも知らせるべきだと思う。それから、協議が調うまでは工事を中止して協議をやるべきだと思う。答えてください。
○高瀬説明員 東京都との間ではそういうことで現在協議中でございますけれども、基本的にわれわれがいままでいろいろ試験した結果等によりますと、環境基準は守れるという自信がございます。先ほどもお話ししましたけれども、協議が調って、地元の説明で自治会等を通じて御了解を得たところについては工事をやっていきたいと考えております。
○中島(武)分科員 環境基準のよしあしはいま議論をおきますけれども、あなたはいま、環境基準は守れる自信がある——自信があるというのは主観的な自信じゃだめなんですよ。そんなことは私が言うまでもないでしょう。主観的に一方的に自信がある、これは何の説得力も持たぬじゃないですか。そういう点では国鉄はもっと誠実な態度をとってもらいたい。 大臣に伺いますけれども、この種の問題はやはり十分に東京都とも協議をする、協議が調う、そして住民も了解できる、そういう立場で事を進めるのでなければ環境は守れない場合が出てくるのじゃないか、そういう態度であるべきじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○原国務大臣 環境破壊を未然に防止するためには十分な環境影響評価というものをやっていかなければならないということは当然のことであると私は思っています。
○中島(武)分科員 時間の関係もありますので、次の問題について伺います。 さっき申しましたように新大宮バイパス、首都高速五号線、板橋区の高島平三園地域の環境問題についてであります。 この問題ですが、建設省の覚書案が発表されて、高島平の関係住民はこぞってこれで妥結をするということに反対しておるわけであります。昨年の秋に七百八十八名、これはもう関係するほとんどの住民の署名ですけれども、署名をつけて建設省に要求の具体案を陳情いたしました。建設省の覚書案の基礎になっているのが環境調査及びその予測ですけれども、これは昭和五十二年三月のものであります。しかも、環境基準はクリアすることになっているのですが、住民はだれ一人としてそれを信じる者はありません。はっきり申し上げますが、ありません。なぜか。それは率直に言って、この調査が余りにもずさんなものじゃないかと私は思うのです。なぜならば、高速道路を自動車は時速五十八キロで走るということになっている、それから高速道路の下の部分の国道大宮バイパスを時速四十キロで走るということになっております。これは実際とは余りにも違うのじゃないでしょうか。現実とは余りにも違うのじゃないでしょうか。それから、国道を走る自動車の騒音が、その上につくられるところの高速道路にはね返って、そして増幅する反射音、これは全く計算の外に置かれているわけです、計算されていないのです。それから、車の予測台数、この点につきましても正しいだろうか非常に疑問を感じるわけでございます。なぜならば、板橋区志村警察署の調査によりましても、五十二年から五十四年のこの二年間で、笹目橋を渡る自動車の台数で、上りが三万九千台から四万九千台へと一万台ふえているのです。下りでは三万八千台から四万六千台へと八千台ふえているのです。それから、板橋区の調査によりますと、笹目の交差点に現在暫定道路がつくられているのですけれども、高速道路から暫定道路へ下へおりているのですが、この暫定道路の開通前後を比較してみると、一日の交通量は五万六千台から八万六千台へと三万台増加している。特に夜間の増加が著しいのです。そしていまや、騒音振動では日本で一番すさまじいのじゃないかと言われている有名な環七、それから中仙道よりも、もうすでに多目になってしまっているのです。さて皆さん方が予測されているものの数字は正しいのだろうか、こういう疑問を持たざるを得ないのであります。それから、騒音を測定する地点も地上一・二メートルの高さだけだ。だからマンションだとか二階建てだとか、そういうお家に住まれる方の実際とは一向に適合しないのです。この地域は軟弱地盤です。それにもかかわらず地盤沈下についても振動の予測も全くやっていない。これは皆無であります。何にもやっていない。 私は環境庁にお尋ねしたいのです。こういう場合に、まあ一般的にと言ってもよろしいかと思いますけれども、振動地盤沈下の予測はやるべきではないのだろうかということが一つです。それからもう一つは、騒音のはかり方、これも原則として一・二メートルの高さのところでということになっておるのでありまして、その一・二メートルの高さのところだけじゃなくて、鉛直線上において騒音が最も問題となる位置ではかるべきではないのだろうか。いま一つ、反射音の影響も予測するべきではないのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○清水政府委員 いまの御質問でありますが、具体のケースはちょっと離れまして、一般論といいますか原則的なこととして申し上げれば、まず第一点の影響評価をする場合に、振動地盤沈下についてもこれを含めて適切な影響評価を行うべきであるという考え方については、それはそのとおりだというふうに考えております。それから、第二点の騒音の測定につきましては、これは原則的なはかり方というものはすでにいままでも決められておるわけでございまして、そうした場合の中の一つのケースが、一・二メートルのところではかるという方式があるように私も聞いております。騒音の主たる影響を把握できるようなところが測定地点を考える場合の一番の基本になるところであろう、こういうふうに考えてよろしいかと思いますが、そういうような趣旨からいたしますと、たとえば高層のものがあり、そこに常時人が居住する条件があるというような場合においては、その範囲もよく考慮に入れて測定を適切にやっていくことが必要であろう、こういうことになろうかと思います。 それから、最後の反射音という問題でございますが、これは残念ながら、いままでの測定手法におきましては取り入れられていないように聞いておりますけれども、この辺のところは、技術手法を今後さらに開発すると申しますか、その知見を集積するようにして、より適切な影響評価手法を確立するように努めていかなければならない、このように考えております。
○中島(武)分科員 ただいまの第一点目はやはりやるべきである。 第二点目の問題は、私は、環境庁の大気保全局長から各都道府県知事あての「騒音規制法の一部を改正する法律の施行について」という文書を持っておりますが、先ほど申し上げたのは実はそのことなんです。「鉛直線上において騒音が最も問題となる位置とする。」これはマイクロホンの高さですね。そういうことを通達いたしておりますが、そういうものとしていまの局長の答弁を理解してもよろしいだろうなと思います。うなずいていらっしゃるからそうなんだと思います。 それから、三点目は手法が確立していない、これは非常に残念なことですね。私の事務所は実は中仙道です。そしてその上を首都高速道路五号線が走っておる。反射音のために会話も全然聞こえなくなってしまうし、電話も聞こえなくなってしまう。そして二重サッシに変えざるを得なかったわけで、私の実感から言いますとこの反射音はすさまじい。ところが、これは手法が開発されていないというのは何とまあのんびりしたお話かいなと思うのですけれども、そういうことを十分に考慮するべきであるということは当然のことじゃないかと思うのです。 そして私建設省に言いたいのですけれども、いまお聞きのとおりなんです。また私が先ほど指摘したとおりです。どうでしょうか、これは予測調査をもう一回やり直すべきじゃないでしょうか。余りにも実態とかけ離れ過ぎている。素人が見てもそういうふうに感ぜざるを得ないものがもとになっているわけなんです。この点伺います。
○信高説明員 新大宮バイパスの三園、高島平地区についてでございますが、この地区は四十九年ごろから自動車交通による環境問題が提起されまして、三園、高島平の両町内会を母体としました新大宮バイパス公害をなくす会が組織をされました。以来、建設省と首都公団におきましては板橋区に御仲介をお願いいたしまして、この公害をなくす会とたびたび話し合いを行ってまいりました。そうした経過の中で、当初構想いたしました八車線の案を六車線に縮小いたしまして、あわせて環境施設帯を設けるなど道路構造、環境対策について話し合いをしながら工夫を積み重ねてまいりました。 昭和五十二年三月に作成しました資料は、当時の主な議論でございました騒音と大気汚染につきまして道路構造、環境対策を検討するための参考資料として取りまとめて配付したものでございます。その後、昨年秋までの話し合いにおきまして、この資料を参考といたしまして、主として道路構造、遮音壁等の環境対策をめぐって話し合いを重ねてきまして、基本的には大方の御理解を得る状況になってきていると考えていたところでございますが、なお御意見をたくさんお持ちの方がございますことはよく承知しておりますので、今後一層御理解を得るために必要な努力をしてまいりたいと思っております。 御指摘の五十二年に取りまとめました資料についてでございますが、御指摘のようにデータは当時のものを使用しているわけでございますが、速度につきましては、法定速度六十キロを基礎といたしまして、速度と交通量の関係を示すQV式に基づいて、時速五十八キロメートルというのを算出して計算に使用しているところでございます。 御指摘のことのうちの一般道路の四十キロメートルについてでございますが、一般道路につきましても計算では五十八キロメートルを使用しておりまして、資料の末尾に参考としてつけましたのは、一般道路の分を都内の通常の規制速度である四十キロとして計算をすると、さらに騒音が低減することもあり得るという意味で、補足的につけ足した資料のことであろうかと思います。五十二年に取りまとめました資料につきまして、その後発生源対策としての騒音規制等の内容も変化しておりますし、またその後のデータの差しかえ等もありますので、それを考慮いたしまして、現在新しいデータで補足的なチェックを行っているところでございます。 また、御指摘のありました振動につきましては、この道路のような高架部と平面があるという複合断面では、解析手法もはっきりと確立されていないので予測計算が非常にむずかしいわけでございますが、ここでは、一応軟弱地盤を除去して置きかえるということによって改善を図り得ると考えているわけでございますが、今後一層御理解を得るためには、これにつきましても解析をすることを検討してみたいと考えております。 反響音とかあるいは交通振動による地盤沈下につきましても、現在のところ予測計算手法が実用化されておりませんので、極力その改善を図る措置として、中央分離帯の遮音壁を新たに設けるとか、あるいは先ほど申し上げました軟弱地盤の土砂を置きかえる等、構造とか工法によって解消したいと考えております。 それから騒音の測定の一・二メートルについてでございますけれども、これは先ほどお話が出ましたように、JISによって定められておりまして、測定高さが原則として地上高一・二メートルとなっておるわけでございますけれども、新大宮バイパスから発生する騒音の予測につきましては、できるだけ環境の保全を図るという観点から、地域の道路周辺の開発の状況という実情を勘案しまして二階建て住宅の高さ、これは三・五メートルでございますが、そこにおいても環境基準に定める値以下になるようにチェックをして環境対策を考えておるところでございます。
○中島(武)分科員 時間が参っているのですけれども、一言だけ言って答えていただきたいと思います。 実は暫定道路をつけるときに環境基準をちゃんと守ります、こういうふうに住民に約束をしたのです。ところが、実際はどうかというと、これは板橋区の資料によりましても、暫定道路付近で、朝方がピークで六十九ホン、昼間平均で六十六ホン、夜間で平均六十一ホン、環境基準をはるかにオーバーしているわけです。住民が建設省案に、いまあなたがいろいろおっしゃってくださったことに納得しないのに私は道理があると思うのですね。環境基準が守れるのだから、守れるのだからと幾ら言っても、現実にそういうものを目の前に見ている住民としては、とてもそういうことは納得できない、これは私は当然だと思うのです。そういう点では予測調査のやり直し、そして少なくも住民が安心できるようにシェルターをかけるとか、そういう措置をとるべきではないだろうかということを要求したい。 これについての答えと、それから私は大臣に言いたいのですけれども、道路はつくってしまえばもうそれからでは遅いのですね。だから、道路をつくる前に十分な調査と検討が必要なのじゃないかということを申し上げたい。そしてそのことについてもお答えがあれば聞いて、質問を終わりにします。
○遠山説明員 お答えいたします。 暫定道路関連の騒音でございますが、公団の方の測定結果によりますと、大体日中、つまり朝、夕それからその中間の昼間の騒音レベルはほぼ環境基準程度にとどまっているということを申し上げることができるのじゃないかと思います。ただ、先生大分オーバーしている数値が出ているという御指摘でございますが、これは率直に申し上げますと、公団の暫定道路だけではなくて、多分幹線区道も入った数値ではないかというふうに理解しております。ただ、夜間につきましては、確かに数ホンオーバーしている数値も出ております。 そこで、公団といたしましては、速度違反車の取り締まり、これは警察等関係機関に要請する傍ら、公団自体でスピードチェッカーを増設しまして、これは暫定道路は五十五年度の設置でございますが、対応に努力しているところでございます。また、首都高速道路の全体の関連でではございますが、流入制限につきましても適時努力しているところでございます。なおさらに、供用中の五号線二期につきましては、赤ちゃんマークという標示がございますが、これを沿道に掲げまして、走行車両に騒音抑制について注意を喚起するというような措置もとりまして、対応に努力しているところでございます。
○原国務大臣 御承知のように、大規模な道路及び新幹線鉄道の事業の実施等に際しては、現在は、昭和四十七年六月六日の「各種公共事業に係る環境保全対策について」の閣議決定に基づいてやっておりまして、これは各省庁の指示のもとに環境影響評価が行われるというわけでございます。そこで私どもといたしましては、この環境影響評価をより十分にするために、関係住民が意見を述べる等の環境影響評価の統一的な手続を定める必要があると考えまして、御承知のように、現在環境影響評価法案を国会に提案しているところでございますので、どうかひとつこの点も御理解をいただきまして、この法案についての御審議をいただき、早急な制定をしまして、環境影響評価制度の確立を図っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○中島(武)分科員 終わります。
○小渕主査 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、環境庁についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○小渕主査 次に、警察庁について質疑の申し出がありますので、これを許します。長田武士君。
○長田分科員 まず初めに警察庁にお尋ねをいたします。 最近における交通事故の状況、発生件数あるいは死者数、負傷者数の推移を見ますと慄然とせざるを得ないわけであります。特に、五十三年以降交通事故は増加の一途をたどっておりまして、こうした状況についてはどのような認識を警察庁は持っていらっしゃるのか。また、こうした事故に対しましてどのような対策を講じておられるのか。五十三年から今日に至るまでの事故の発生件数、死者数、負傷者数を示した上でお示しをいただきたいと思います。
○久本政府委員 お答えいたします。 まず、昭和五十三年以降でございますか、その交通事故の趨勢でございますが、年別に申し上げますと、人身事故の発生件数では、五十三年が四十六万四千三十七件、五十四年が四十七万一千五百七十三件、五十五年が四十七万六千六百七十七件、五十六年が四十八万五千五百七十八件となっておりまして、五十三年以降増加の傾向にあるということでございます。 また、死者の数で見てまいりますと、五十三年に八千七百八十三名でございました。これが五十四年には八千四百六十六名になっております。五十五年には九年ぶりに増加をいたしまして八千七百六十名になりましたが、幸いに昨五十六年におきましては八千七百十九名で、若干また減ったということでございまして、五十五年に昭和四十六年以降連続減少しておりました死者数が十年ぶりに増加をしたということは、交通行政の一つの大きな問題点であるという認識でございます。 また負傷者の数につきましては、五十三年に五十九万四千百十六、五十四年に五十九万六千二百八十二、五十五年に五十九万八千七百十九、五十六年に六十万七千三百四十六人ということで、発生件数と同様に五十三年以降逐年増加傾向にあるというのが、五十三年以降の事故の趨勢の概要でございます。 これらの点につきましての私どもの認識は、交通事故はもう減少、安定したんだといったような意識が一部にございましたが、自動車の台数の増加、運転免許保持者の増加といったような形で、交通事故を押し上げる要因が非常に根強いということを痛感をいたしておるわけでございまして、こういった状況のもとで交通事故を抑えていくためには、いままでの知恵に比べまして、さらにその具体的な効用についての十分な分析、検討を加えた上での細かな努力が必要であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、いままでは交通安全施設の整備、交通指導の取り締まりあるいは交通安全教育等の対策を交通警察としては進めてきたわけでございますが、こういった従来の手法のあり方、効果等につきましていろいろ率直に反省、検討、分析等もいたした上で、その新しい組み合わせ、選択等を行いまして、効果のある施策の積み上げをいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○長田分科員 交通事故による死者が激増している中で、その内容は単純な違反や過失の枠を越えておるようであります。そこで、警察庁といたしましては交通事故の内容をどのように把握されておるのか、この点をお尋ねいたします。
○久本政府委員 お答え申し上げます。 交通事故の内容につきましては複雑多岐でございますが、昨年の交通死亡事故につきまして、これを手がかりに特徴点について申し上げてみたいと思います。 まず、非常に目につきますのは、都道府県別に交通事故による死者数を人口十万人当たり及び自動車一万台当たりといった事故率で比べてみますと、依然として都道府県の間にかなり格差があるということでございまして、ちなみに人口十万人当たりの事故率で最も高い滋賀県と最も低い東京都の間では約四・二倍の差があるというようなことで、これは国内全般の安全度という面から見て大きな問題点であると考えております。 それから死者の数を状態によって見てまいりますと、自動二輪に乗っている最中の死者が昨年、前年に比べて六・四%増加をいたしております。 それから、ちょっと視点を変えまして年齢で見てまいりますと、いわゆる若年者の死者数の増加が目立つということでございまして、特に十六歳から十九歳までの年齢層が、前年の昭和五十五年と比較いたしまして一一・七%ふえているというような状況でございます。 また視点を変えまして、事故の類型で見てまいりますと、横断歩道を横断中に事故に遭って死亡する、車両相互の正面衝突によって死亡する、あるいは交差点における出会い頭の事故で死亡するといったようなものが、一昨年に引き続いて増加をしておるという状況でございます。 また、これはいわゆる弱者事故とよく言われておるわけでございますが、歩行者、自転車に乗っておる最中の死者数は、幸いにいずれも前年に比べては減少いたしております。特に、歩行者の死亡事故の全体に占める比率が、統計上いままでの最低になったというのが一つの明るい数字ではあろうかと思うのでございますが、依然として全死者数の四〇%強が歩行者、自転車乗りといったいわゆる交通弱者で占められておるというのは、諸外国の例に比べましても非常に高いという点で問題であろうと思います。これは、何とか昨年は四〇%を割りたいという一つの悲願もあったわけでございますが、残念ながらそのようなわけにはいかなかったということで、これは今年も引き続き努力をいたしたい、そういうことでございます。
○長田分科員 そのような交通事故の際における緊急医療、応急処置の問題について幾度か国会で論議をされたわけであります。しかし、一向に進展が見られないのが実情であります。 そこでお尋ねするのでありますけれども、道路交通法に基づく救急救護、応急救護については、ドライバーに対して免許取得あるいは更新の機会に十分な教育がなされているのかどうか、また緊急救護について今後具体的にどのような形で「交通の教則」等に盛り込んでいくのか、この点あわせてお答えをいただきたいと思います。
○久本政府委員 お答えいたします。 ドライバーに対する救急救護の問題につきまして御満足がいただけないというのは、大変私ども残念でありまして、申しわけないと思うのでございますが、この問題につきましての私どもの基本的な認識は、やはり事故が発生した場合における応急手当ての適否は、その後における被害者の人命に重大な影響があるということはお示しのとおりでございまして、応急手当ての指導については広く運転者に普及させるべきであるという認識は、これははっきりいたしているところでございまして、したがいまして、現在のシステムの中では、免許の取得のときと免許の更新のときにそれぞれそれを最大の機会としてとらえて指導をするという考え方でございます。 具体的には、免許を取得する際にはおおむね指定自動車教習所において教習を受けるというのが通例でございますが、この教習カリキュラムの中には事故時における処置ということで、この点を教習生にはっきり教えるという仕掛けになっております。それから、運転免許証を交付する際には、これは私ども事実上「安全運転ノート」というものを配るわけでございますが、このときには、交通事故が発生した場合の応急手当ての仕方を盛り込んでおりまして、これを説明いたすということになっております。これは、いずれも取得のときでございますが、運転免許証の更新の際には更新時講習を行うわけでございますが、このときに先生御指摘の交通方法に関する教則を示して、更新の際に運転意識の高揚をするわけでございますが、この中には一ページの余を費やしまして、やはり事故時における応急手当ての仕方ということを説明をしているわけでございます。また、これだけでは必ずしも十分でございませんので、講習用の資材の中には、この点につきましてスライドを編集をして活用している事例がございます。 こういうものを引用いたしまして、免許の取得、更新という機会が不可欠のものであるということをとらえて、何とか事故時における応急措置というものがドライバーにとって不可欠の知識であり、また責任であり、モラルであるということを強調いたすということにしているわけでございます。 この点につきましては、従前も指摘がございましていろいろ研究しているところでございますが、対応条件がなかなか千差万別でございますので、私どもといたしましては、一般的なそういうだれでもが経過するところに力点を置きまして、これを最大限に活用しながら専門家の方々の意見を聞いて、これが今後どのようにさらに強化できるかということについては、一つの大きな勉強の課題であるととらえて現在も努めているという状況でございます。
○長田分科員 人身事故が発生した場合、救急車が到着するまでの数分間のうちに適切な応急処置をとれば、負傷者の三〇%以上が命をとりとめることはできる、こう言われておるわけです。特に地震等によります災害や高速道路上の事故など、救急車の到着が非常に困難である、素早く行動できない、そういうケースも当然あるわけでありますけれども、そういう意味で、私は一般の人々に応急処置がいかに大切であるかということは当然——だれもいないわけですから、ドライバーしかいない、そういう状況に置かれておりますから、そういう点が必要であろうと私は考えます。 こうした実情を踏まえまして、道路交通法第七十二条並びに百十七条、これは罰則ですね、この規定に基づいてドライバーに対して救急救護、応急処置の教育を義務づける方がいいんではないかと私は考えますが、その点どうでしょうか。
○久本政府委員 お尋ねの、車両等の交通によって人の死傷または物の損壊があった場合につきましては、これは道交法の七十二条によりまして当該車両の運転者その他の乗務員に負傷者の救護義務が課せられているところでございます。 それ以外の点につきまして、先生御指摘のとおり、ドライバーというのはいまや四千五百万を超えるという多くでございますので、ドライバーがそういう点について有効な知識の持ち主であるということは一つの大きな支えでございますが、私どもといたしましては、それをいわゆる一般の場合に義務化するという考え方につきましては、いろいろむずかしい点もございますので、とりあえずドライバーとしてどんな事態にあってもやはりそういった知識を持つ、まあ技術者と言えるかどうかわかりませんけれども、そういったスタンスにあるということは、これはいろいろな機会に事実上指導し、そういうことを通じてモラルの側面におきまして訴えていきたいというふうには思うわけでございますが、いわゆる事故以外の点につきましての義務化ということになりますと、いろいろ私どもだけで決めかねる点もございますので、この点はひとついろいろ今後勉強さしていただきたいというふうに存ずるのでございます。
○長田分科員 私は、そこいらが非常にあいまいだろうと思うのですね。第七十二条ではそういう厳しい義務が課されております。実際問題どうかということになると、交通事故を起こした場合、ただドライバーはうろうろするばかりで、そういう点では、何といいますか、緊急な用に対応できない、そういうことが非常にあると思うのです。 そこで、私は、一般ドライバーに対しまして応急処置の教育ですね、これをしっかりやることと、もう一つは、一部タクシーなんかでもやっておりますけれども、救急箱を自家用車にも設置する、そういう義務づけが必要じゃないかと思うのです。多量に出血した場合なんというのも、やはりほうっておきますと出血多量で死んでしまう、そういうようなケースも十分ありますから、素人でもできるようなそういう救急箱等の設置がぜひとも必要であるというふうに私は考えるわけであります。西ドイツなんかも非常にこれが進んでおりまして、普通の車には必ず救急箱が搭載されておるという現状であるようであります。 なお、この救急箱の設置につきましては、民間では安全救護協会等の団体もありまして、こういうさまざまな民間団体とも協力の上推進されるべきである、私はこのように考えますが、どうですか。
○久本政府委員 応急手当てのあり方につきましては、事柄の性質上、役所だけということでございません。官民一体となった対策を進めるということはまことに望ましいことであり、必要なことであると考えております。 御提案の救急箱の関係でございますが、車内に救急箱を設けるということは、御指摘のとおり基本的に私どもとして異論はございません。ただ、これを持たせるということにつきましてはいろいろな問題もあるかと思いますけれども、基本的に私どもこの点に異論はないわけでございますので、やはり救急箱を備えつけるということをもっともっと一般的に周知させ、そういう理解を深めていくことをまずするということではあるまいかなと思うわけでございまして、その辺の推移と相まって、制度的な面についてはいろいろ勉強させていただきたいと思います。
○長田分科員 私は、警察庁初め交通事故防止のために大変努力されておる、この点は評価するのでありますけれども、警察庁ばかりに頼らないで、官民一体の救急体制ということがいま望まれていると思うのですね。そういう意識が向上し、緊急の場合の対応がもっともっと迅速にできますれば、交通事故における災害はもっともっと減少するだろう。ドライバー自身が救急的な応急処置ができるということになれば、運転の仕方といいますかそういうことも変わってくるのではないかという感じがするので、生命ほどとうとく重いものはないわけでありますから、私はむしろその点ではそのくらいの義務づけは当然やるべきだと思いますが、もう一度答えてください。
○久本政府委員 私も事故の現場に何遍も出会いまして、おっしゃったような認識は十分身にしみております。したがいまして、その辺の理解を十分に深める努力をしながら、その過程で、事柄に応じて制度化の問題は十分勉強してまいるという考えでございます。
○長田分科員 次に、消防庁にお尋ねをいたします。 交通事故などの現場に駆けつけて応急処置される場合、どのような内容の応急処置を行っておられるのか。専門的に行う処置と一般人でもできるような処置とに分けて、お答えいただきたいと思います。
○木下説明員 応急処置の内容についてでございますが、昭和五十三年に応急処置の基準というものを定めているわけでございます。これは医療行為にわたらない範囲で、傷病者の救命、延命、あるいは傷病の悪化の防止を目的として必要な処置をすることを定めているわけでございますが、具体的に申し上げますと、人工呼吸でありますとか心マッサージあるいは酸素吸入等のいわゆる心肺蘇生、それから出血などの場合の止血でございますとか、それから創傷等に対する処置、あるいは骨折等の場合における副子による固定、あるいは保温、そういったものが具体的に応急処置の内容として定められているわけでございます。 それで、このものについて一般人がどの程度できるかという御指摘でございますが、一般的に、いま申しました中で、止血でございますとかあるいは創傷に対する処置でございますとか副子による固定、こういったものは簡単な知識なり技術がございますと一般の人たちでもできるのではなかろうかというぐあいに考えております。 ただ、心肺蘇生ということになりますと、これは、過って処置をいたしますと体がかえって危険を伴うという場合もございます。心マッサージ等をやります場合に、ちょっと場所を間違って押さえましたりした場合に、肋骨を折ったりということもございます。したがって、心肺蘇生に関しましては、やはり専門家による一定の教育を受けて、必要な技術なり知識を身につけておく必要がある、こういうぐあいに考えております。
○長田分科員 ただいま御説明がありましたとおり、応急処置の内容によっては、まだまだ一般の人々は対応がちょっとむずかしいんじゃないかなという感じがいたしております。特に一般の人は、血を見たりなんかいたしますとこちらが卒倒したりしまして、そういう点で冷静さを欠くとか、そういう問題があるようであります。 消防庁は、このような応急処置の知識、方法についてどのように啓蒙普及をされておるのか、その点をお尋ねいたします。
○木下説明員 先ほどから御指摘ございますように、応急手当てというのはそれはもう早ければ早いほどよいわけでございまして、私どもの機関以外に、たとえば民間の機関でも、御承知のとおり日赤でございますとか交通福祉協会等でも熱心に普及に努めておられるわけでございます。消防庁の立場といたしましてもその必要性は十分認めておりまして、具体的には消防機関において、それぞれの住民の集まりを利用しながら応急処置、応急手当ての知識の普及に努めております。 これは、たとえば五十五年の実績を申し上げますと、東京消防庁の管内では五十五年の一年間に五千回の講演会、講習会を開いておりまして、参加人員は三十三万二千人に達しております。それから、全国の消防機関が行った五十五年中の応急処置、応急手当てでの参加人員は百九十一万七千七百人に達しております。 私どもとしましては、今後とも、全国の消防機関を通じながら住民に対する応急手当ての知識の普及に力を注いでまいりたい、こういうぐあいに考えております。
○長田分科員 普及に大変努力されておるという御答弁であります。 警察庁、先ほど免許取得のときにいろいろそういう点はやっておるということでありますけれども、消防庁と連携をとってそういう講習とか普及とかはやってないのですか。
○久本政府委員 各県それぞれ工夫をしてやっておるわけでございますが、中央の段階として決められた形の連携があるというわけではございません。
○長田分科員 そういう点ちょっと改善されたらどうでしょうか。もう少し連携プレーをよくして、初歩的なそういう問題については、ある程度消防庁の応援も得て、基礎的なそういう問題だけはやられたらどうでしょうか。
○久本政府委員 消防機関は救急の専門家でもあられますので、その点十分に勉強させていただきたいと思います。
○長田分科員 救急業務に携わる全国の消防隊員には、研修と訓練についてはどのような基準でやっていらっしゃるのか。また、そうした教育によって全隊員が十分な知識と技能を習得しておるのかどうか。その点どうでしょうか。
○木下説明員 講習の基準でございますけれども、これは基本的には、先ほど申し上げました応急処置の基準というものを十分にこなすことのできる救急隊員を育てるんだということを目指しまして行っているわけでございます。したがって、講習自体、心肺蘇生等の応急処置の基礎、実技、こういったものを中心といたしまして、百三十五時間の講習あるいはその時間以上の講習を受けるようにさせておるわけでございます。 全体の救急隊員がこの要件を満たしているかというお尋ねでございますが、一応五十三年の法令の改正によりまして三年間の猶予期間がございまして、五十七年、今度の四月一日から、この百三十五時間以上の講習を受けてない者については救急隊員として任命しない、こういう法令上の措置がなされておりますので、この講習を受けている者、つまり熟練した者のみが救急隊員になる、こういうことになるわけでございます。
○長田分科員 昭和五十三年以降増加の一途をたどっております交通事故に対しまして、現状における救急隊員数と救急車の台数はどのぐらいになっておるのか、また、現在の隊員数と救急車数で今後の救急業務に十分対応できるのかどうか、この点どうでしょう。
○木下説明員 救急隊員数でございますが、昭和五十六年四月一日現在で三万八千九百人程度おります。それから救急車の台数は、これも五十六年四月一日現在で三千八百九十台ぐらいございます。 いまのような数字で、増大する救急業務に十分に対応できるかという御質問でございます。救急業務の実施体制につきましては、消防力の基準というものがございまして、これは主に人口を基準にいたしまして、救急車の配置基準なり、隊員数の基準を定めているわけでございますが、現在大体九七%の充足率でございまして、この消防力の基準の中では、たとえば火災等の場合のポンプ車だとか防火水槽等の基準も定められておりますが、そういうものと比べますと非常に高い充足率を誇っているというぐあいに考えていいのではなかろうかと思っております。 ただ、救急の出場件数は毎年増加する傾向にございます。大体五%前後の増加を見ております。五十五年中には、御承知のとおり二百万件にも出場が達しているわけでございます。今後とも、こういった救急需要の増大に対応いたしまして、引き続き実施体制の整備充実に努めますとともに、あわせて救急隊員の資質の向上にも努めてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
○長田分科員 それでは、時間が参りましたので、最後に御質問をいたします。 このような交通事故の脅威から人命を守る、交通の安全を確保することは政治課題でもあるし、社会的な大課題であります。しかし、依然として交通事故の死者が減らない、こういう実態も私たちは直視しなくてはならぬと思っております。 そこで、今後における交通教育を初め救急医療体制の整備などについて、国家公安委員長、どのように考えていらっしゃいますか。
○世耕国務大臣 われわれがちょっと気づかないような点もいろいろ御指摘いただきまして、大変ありがとうございました。 交通事故がまだ後を絶たないので、非常に憂慮しておるところでございます。さらに、それに対する救急救護、これは非常に頻繁に出動が行われまして動いているところでございますが、なおかつ、死者がまだまだ後を絶たない、非常に遺憾なところでございますが、政治の立場からも、社会的な立場からもこれは非常にゆゆしいことでございまして、われわれは、今後ともいろいろ各関係者と相談しながら連絡をとって、聞くべきところには耳を傾けながら、今後さらにますます向上させて、交通事故死亡がなくなるように、あらゆる角度から検討しながら、これでいいということは一つもないのでございまして、さらにいい成績を上げていくように、充実につとめて努力をしてまいりたいと思います。 それから、私なんかの考えでは、先ほどから救急処置など御指摘されておったところでございますが、私も着任して間もないのですが、パンフレットそれから免許証の更新その他のときに与える文章、絵などが入っておりましていろいろ解説しているんですが、まあまあ常識的な線で、これならだれでもやれるかなというようなことを取り扱っております。さらに、けがとかいろいろなことが起こりましてから、やはり早急に救急医療病院へ運んで直ちにいい手当てをするということ、そこまで持っていくのが本当の使命だろうと思いますので、それまでのつなぎとしてベストを尽くせるような方法、これもまた現状に甘んじないで、もっとさらにいい方法、改善すべきところは改善する、こういう姿勢で強く臨んで、一日も早く交通事故死者の解消に努めてまいりたいと念願しているものでございます。
○長田分科員 終わります。
○小渕主査 これにて長田武士君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、警察庁についての質疑は終了いたしました。 次回は、来る三月一日午前九時三十分から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十七分散会