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96回国会衆議院1982/06/26

予算委員会 第23号

発言数
160
登壇者
16
会派数
3
開催日
1982/06/26

会議録

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これより会議を開きます。  予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 私は、まず最初に、アメリカのヘイグ国務長官の辞任問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  日本時間のきょう早朝に、アメリカの国務長官であるヘイグ氏が辞任をされました。この理由ですね。なぜ辞任をしたのか、この点についての政府の御見解をただしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 ワシントンからの報告によりますと、レーガン大統領は二十五日午後三時にホワイトハウスのプレスルームで声明を読み上げ、ヘイグ国務長官の辞表を受理したこと及び後任としてシュルツ元財務長官を指名したことを発表いたしました。同二十五日午後四時三十分にヘイグ国務長官は国務省で記者会見を行い、レーガン大統領あて同長官の辞表を読み上げて、右辞表の中で、同長官は、最近の米国外交がレーガン政権発足の際に大統領とともに打ち出した注意深い進路から外れつつあることが明らかになったので辞任することとした旨述べております。  辞任に至る右以外の経緯は明らかでないので、憶測に基づくコメントを避けたいと思います。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そうすると、いまのお話ですと、アメリカの政府部内の対立というものが原因であるというふうにうかがわれますね。そういたしますと、ヘイグ国務長官の辞任によりましてアメリカの外交政策に今後どういう変化が生ずるというふうに日本の政府はお考えでございましょうか、御見解を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 日米関係に深い理解を持ち、米国外交の遂行に大きく貢献をしたヘイグ国務長官の辞任は非常に残念であると思います。しかしながら、後任のシュルツ氏は政府における経験も豊富でございます。対日理解も深く、レーガン大統領の信任も厚い人でありますので、へイグ氏同様日米関係の増進に一層寄与されることと期待をするわけでございます。  なお、付言いたしますと、先般サミットの会議を前にシュルツ氏は特に大統領の特使として日本に来られまして、鈴木総理にもお会いしておるという事実がございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 次に、私は、証人喚問の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  総理、われわれはいわゆる灰色高官と言われる政治家を含む証人喚問を現行法でやれということを終始主張し続けてきたわけであります。ところが、きょう証人喚問をするように動議を提出したのですけれども、残念ながらそれが委員長預かりということになって実現できなかった。このことは私どもは大変遺憾に思っておりますけれども、今後も現行法に基づいて証人喚問を実現するようにがんばり抜いていきたいというふうに思っております。  総理は、昨日この委員会で、今国会中に証人喚問ができるように強く希望する、こう言われました。そうしてまた、議院証言法の改正についても約束どおりきょうじゅうに自民党の案を提案するようにというふうに指示したとおっしゃいましたね。確かに昨日、議会制度協議会小委員会に自民党案の骨子というものが出てまいりました。ところが、この骨子というのは大変驚くべき内容ですね。いままでの経過、いわゆる各党がずっと協議をしてきたそういう協議というものを全く無視して、そして、その協議の中で削除されたものまで入れてきている。いわゆる五年前に完全に逆戻りした案になっているわけですね。たとえば、補佐人の異議の申し立て権とかそれからテレビについて証人の同意が要るとか、こういうようなことはもう自民党は最初の案で五年前に出してきました。ところが、協議の中でこれは引っ込めている問題なんです。それをいままた持ち出してきたということは、このことは引き延ばしということよりもむしろ証人喚問それ自体を妨害しているんじゃないか、妨害していることになるんじゃないか、そういうように思うのですね。特に、議院証言法の改正というのは各党が一致でやろう、各党全会一致でやろう、こういうことで話が進められているわけでしょう。そういう観点から言えば、私はこれは証人喚問の妨害だというふうに思わざるを得ないのですけれども、総理大臣自身はどういうようにお考えでございましょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 三浦さん、いろいろ共産党の立場で御意見がありました。自由民主党から昨日、議会制度協議会に提案をされた骨子の案につきましては、これは制度協議会小委員会の方で十分御協議をいただきたいと思うわけでございまして、この委員会でその中身を論議する場ではない、私はこういうように考えておるわけでございます。  いずれにしても、私が予算委員会で申し上げた趣旨をはっきり申し上げておきますと、自由民主党は議院証言法の成立をおくらせる、そして証人の喚問を引き延ばす、そういうような意思は全然持っておりません。私は、できるだけ各党の歩み寄り、合意によってこれが成立を見て、そして、この国会中に証人の喚問がなされることを強く希望しております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 いまの議院証言法というのは廃案になっているんですか。効力がなくなっているんですか。議院証言法というのは現在効力があるものじゃございませんか。どうでしょうか、大臣。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 現在、議院証言法はございますが、この問題につきましては、先ほどあなたがいろんな経過がある、こうおっしゃったように、この議院証言法の改正問題についていろいろ各党間で議論されて今日に至ってきておる問題であることは御承知のとおりであります。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 総理大臣自身も今国会中に証人喚問が実現するように強く希望する、こう述べられているから、証人喚問をする必要性は認められておるのですね、必要性は。そうであれば、いまある法律、この法律に対していろいろな意見がある、これはあたりまえですね。完全無欠の法律なんてものはありません。議院証言法以外にもいろいろなたくさんの法律がありますけれども、そういう法律は改正した方がいいとかいろいろな意見を国民の人々が持つ、また、われわれも持つ、それはあたりまえのことですよ。しかし、その法律が変えられない限りその法律の適用を受けるというのは日本国民であれば当然のことじゃありませんか。そうであれば、証人喚問の必要性は認めておりながら、いまの議院証言法じゃ嫌だ、それを変えてくれなければだめだというようなことは遵法精神に欠けていると私は思うのですよ。そうじゃありませんか。そして、国民の皆さんを証人にするときには現行法でやっておって、政治家の証人喚問だけは現行法ではだめだ、おれはそんな法律は嫌いだから従わない、もっといいものを出してこい、こんなことは余りにも横暴過ぎるじゃありませんか。証人の喚問の必要性を認めているとするのであれば、当然現行法でやる、私はそれが先決だと思うのですが、いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 共産党の御主張は現行法でやれ、こういうことは十分私はお聞きいたしております。三浦さんも先ほど来それでやればいいじゃないかということのようでございますが、御承知のように、この議院証言法の改定問題は法務委員会等においても相当時間をかけて各党間で論議を進めてきておる問題であり、早くこれを改正して、そして、この国会で、その改正された証言法に基づいて証人喚問がなされるように各党前向きで協力してやろうじゃないか、こういうお話し合いにも進んでおるわけでございます。共産党だけが、そんなことは要らぬ、現在の法律でやれというあなたの御主張は私はわかって、十分承知の上でお答えをいたしております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そうすると、日本国民でありながら、おれはこの法律気に食わぬから、変えてくるまでおれはその法律には従わないんだ、そういうような主張が許されるのですか。大臣、どうですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そういうことを言っておるのではございません。そういうことを言っておるのではございませんで、議院証言法については問題点がいろいろあるということで、法務委員会等においてこの改正を早く実現しようではないかということで検討、審議が進められておる、これも事実であります。  これは自由民主党だけでそういうことを言っておるのではない、共産党を除く各党の御意向はそういう方向にあって進められてきておる、これも事実でございます。そういう話し合いの線上においていま自由民主党も骨子を提案をいたしまして御審議を皆さんと一緒に急いでいこう、こういうことでございますから、何も法律を無視するとかそういう考え方は毛頭ないことは、これは私の答弁ではっきりしております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 議院証言法の改正が先だというけれども、これは改正じゃない、改悪ですよ、自民党の案というのは。私は余り内容に深く立ち入りませんけれども、たとえば補佐人に異議申し立て権を認める、これはどういうことなんですか。委員長が許可して発言するわけでしょう。そして、発言をしたら異議の申し立て、だれがこれは判断するのですか。その都度その都度理事会を開くのですか。そんなことをやれば、意識的に証人尋問を妨害しようと思えばどんどん次から次に補佐人が異議の申し立てをしていけば、証人尋問なんというのは事実上できなくなっちゃうじゃないですか。  また、テレビ報道でも本人の同意が要る、こういうことです。これだって毎日のようにわれわれが証人喚問しているわけじゃないでしょう。裁判所と違うわけですね。いわゆる重要な政治問題について、特に国民の大きな関心、こういうものがある問題についてわれわれが証人喚問をしているわけであって、その状況について国民が知りたいと思うのは当然なことです。これを本人の同意がなければ認めないなんというのも、これは全く国民の知る権利というものを奪う以外の何物でもないと私は思うのです。  また、こっけいなのは、誘導尋問はいけないとか誤導尋問はいけないとか、そんなことまで書いてあるのですよ。誘導尋問というのは、これは裁判所で主尋問、反対尋問がある場合に主尋問ではいけないと認められている。反対尋問では誘導尋問というのは自由に行うのです。それは、反対尋問というのは誘導尋問が原則ですからあたりまえのことなんです。国会での証人喚問というのは、主尋問とか反対尋問とかいうものはないのですね。ですから、もともとこういう国会での証人喚問になじまないようなものまで持ち出してきて、誘導尋問はいかぬとか、そういう本当に荒唐無稽な主張まで出してきているのです。  特に、自民党自身は一貫して証人喚問を拒否してきた。そして、この議院証言法の改正が先決だ、こう言ってきた。その改正案の中で自民党自身が一貫して主張し続けてきたのは、偽証告発要件をもっと厳しくしようということですね。いままでは二分の一の委員の賛成でもって、偽証した場合には告発ができたけれども、今度は三分の二にしよう、こういうことです。これはどういうことかということですよ。この議院証言法に基づく偽証告発というのは訴訟条件だというふうに言われているのですね。  それで、刑事局長来てますか。この訴訟条件だということはどういう意味なんですか。

前田宏法務省刑事局長

○前田(宏)政府委員 お尋ねの議院証言法の八条におきまして、「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二条の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。但し、虚偽の証言をした者が当該議院若しくは委員会又は合同審査会の審査又は調査の終る前であって、且つ犯罪の発覚する前に自白したときは、当該議院は、告発しないことを議決することができる。合同審査会における事件は、両議院の議決を要する。」こういう規定があるわけでございますが、この規定の趣旨についてのお尋ねであろうと思います。  この規定の文言上の形からいたしますと、「告発しなければならない。」というような形になっておりますけれども、ただし書き等もあるわけでございまして、この点につきましては、結論から申しますと、解釈としてはいわゆる訴訟条件と申しますか起訴条件と申しますか、そういうことであって、これがない場合には公訴の手続が適法でない、こういう扱いになるというふうに理解いたしております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そうしますと、たとえば政治家が証言台に立つ、そして偽証をたくさん、うそばかり。検察庁自身が持っている資料から見ても、これはもう明らかに偽証だということがわかっていても、この告発がないといわゆる裁判にかける、刑事責任を追及する、起訴をする、そういうことはできない、そういうことなんですね。

前田宏法務省刑事局長

○前田(宏)政府委員 先ほど申しましたように、告発が条件とされているということは、私どもの解釈だけではなくて最高裁の判例の示すところでございますから、結論的にはそういうことになるわけでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 総理、いまお聞きのとおり、結局これは結論から言えば安心して偽証ができるような制度にしようということなんです。大体、告発の要件を二分の一から三分の二にしようということは政治家の証人喚問が問題になってから出されてきているのですね。これはやはり政治不信を招く。たとえばそういう制度にした上でここの証言台でもって安心してうそばかり言う。うそばかり言っても告発がなければ全然裁判にかけられない、こういうことになるわけです。そうすると、そういううそを言っている姿を国民が見る、それでも刑事訴追もできない、こういうことになれば、私はますます政治不信を強めるばかりだ、こういうふうに思うのですけれども、総理はどういうふうにお考えですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そのために衆議院議長の諮問機関として設置されております議会制度協議会、その小委員会でこの問題は各党からそれぞれ委員が出られて審議を尽くす、こういうことになっておるのでありまして、その際に共産党の代表の方も出られて十分御論議を尽くしていただきたい、こう思うわけでございまして、ここで、予算委員会で私とあなたがいまこの時点で論議をしても、それは当該小委員会でやるべき仕事でございますから、その論議を私は十分見守っていきたい、こう思っております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 われわれは、議院証言法の改正がなくても現行法で十分できると言っているわけですね。ところが、自民党自身がこの議院証言法の改正にこだわり、そして、いままでの経過も踏みにじっていろいろな条件をつけてきているということ、このことは、私は証人喚問の妨害以外の何物でもないのだ、だから現行法でやれということをわれわれは言っているのです。この問題、幾ら私が言っても答えは同じ答えしかはね返ってきませんから、次にいきます。  加藤六月氏が証言に立ちたい、こういうふうに主張しておられますね。いわゆる福田派と言われる人々もそれを支持している。この前は二階堂幹事長のところへ行って、弁明の機会を与えるようにしろ、こういう要求までしておる。加藤六月氏は、無条件で出る、議院証言法の改正なんかは必要ない、いまの証言法でもっておれは証言をしたいんだ、こういうふうに言っているわけでしょう。そうすれば、これはそれをかなえてやるのが当然なことであって、何で自民党はこれを妨害するのですか。加藤六月氏に、おまえ出ちゃいかぬと言って妨害するのですか。その理由を私はお尋ねしたいと思うわけです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私は、党が何か党の正式機関で決めてそれで出席をさせないように縛っておる、あなたの言葉で言うと妨害しておる、そういうことは聞いておりませんし、そういう事実はないと思います。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 しかし、では、加藤六月氏が現行法でも証言に立ちたいというふうに言っている事実はあるのですか、ないのですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いろいろいま党の中で加藤君の真意、お気持ちを聞いたりして御相談をしておる、こういうような段階だ、こう思っております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 きょうの報道によると、三鷹の市議会でも結局佐藤孝行氏の辞職、さらに航空機疑惑事件の全容の解明、これを早くやれという、こういう決議がなされ、そのほかにも自治体でそういう決議が次から次へとなされる、そういう動きがありますね。そういう意味では、この航空機疑惑の解明というのはまさにいま国民的な課題になっているのですね。そういう意味で、私はこの議院証言法の改正という問題にこだわるのじゃなくて、国民のそういう疑惑解明の要望にこたえるという、そういう立場で総理が党を指導するということが私は必要だというふうに考えています。  次に移りますが、総理は昨年の通常国会の所信表明で、「わが国が、戦後、ここまで発展し得たのは、平和と民主主義、基本的人権の尊重と自由経済体制のもとで、国民がその能力を存分に発揮してきた成果であると思います。」こう述べておられますね。  これは、現在も当然そういうふうに思われておられるだろうと思いますけれども、いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いまでもそのとおりに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 ところが、先般臨調の第一部会の報告が出て、行革の理念問題についての報告をされております。この中で、国家目標として三つ設定しているわけですね。これは、憲法に国家目標が制定されているのに、臨調自身がそれにかわって国家目標を制定するなんというのは、私はとんでもないことだと思っているのですけれども、まあそれはさておいて、まず、この三つの国家目標の一つに「成熟社会における活力の維持」ということがあるのです。そこで、こういう現状認識を臨調はしているのですね。たとえば「我が国社会は、物的豊かさをほぼ達成し、経済面では知識やサービスの重要性が高まり、生活面での国民の意識も多様化する等成熟状態に近づいている。」「平和や豊かさの故に、ともすれば、個人、家庭、団体の自立性が低下し、また技術革新や経済発展への意欲が減退する等、社会の活力が失われるおそれがある。」だから、社会保障制度なんかでも自己負担をうんと強めろとか、そういうようなことを言っているわけですよね。  こういう考え方については、総理はどう思われますか。私は、総理の所信表明演説を拝見いたしますと、これとは矛盾する考え方だなというふうにいま感ぜざるを得ないのですが、総理はいかがお考えでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 御承知のように、まだ臨調におきましては部会の答申が出された段階でございまして、それを受けて臨調全体で御審議を願った上で、多分七月中に答申として政府に提出がなされる、このように承知いたしております。その際に十分吟味をし、また、その真意を私ども十分酌み取りまして政府の施策の中に生かしていきたい、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、憲法の平和主義、民主主義、基本的人権の尊重、この憲法の三つの基本的な理念というものは私は絶対に尊重されなければならないし、それを柱としてわが国の政治、行政は進められなければならない、このように考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 これはまだ報告の段階だからコメントの段階ではない、こういうお話ですね。しかし、これは三つの国家理念、国家目標として出されてきているのであって、この部会報告それ自体が変わるというようなことは、私はないと思うのですね。もしか平和とか豊かさのゆえに社会の活力が失われるおそれがある、だから国民をもっともうと窮乏させなければならないなんて、そんな考え方はとんでもない考え方だと思うのですね。もし、この臨調の考え方によれば、国民の活力を引き出すためには、国民を戦争の危険にさらし、そして、ますます生活を圧迫する、こういうことが必要だという結論にならざるを得ないのですね。ですから、私は、総理はやはりこの臨調の答申は尊重するとおっしゃる。また、臨調自身も、まるっきり国会にまでお説教をたれて、国会より上の国家機関であるかのようなそんな答申を出しておる、詳しくは言いませんけれども。ですから、私は、国権の最高機関は国会なのだ、こういう立場を堅持して、臨調の言ったことは何でも尊重しなければならないのだというような立場ではなく臨調の答申に対処していただくことを強く希望しておきたいというふうに思います。  次に、この臨調第四部会の報告に関連して、国鉄問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  まず、高木総裁にお尋ねしますけれども、臨調でも出されていますが、この民営分割という問題はまさに国民が大きな関心を持っている問題で、それぞれの立場からいろいろな意見があると思うのですね。高木総裁自身、この分割民営という方針についてはどういうような御見解をお持ちでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 現行の公社システムは、従来の官業のいいところと民営企業のいいところを双方発揮したいということで三十年前に創設されたわけでございますが、必ずしもうまくいってないということで、ほとんど公社創設以来今日まで絶えず民営分割論があったわけでございます。にもかかわりませず、長い間この体制が続いておりますのは、それなりに理由があるというふうに考えております。したがいまして、民営分割論はきわめてりっぱな御見識だとは思いますけれども、さりとて、これを現実的に実施するかどうかということになりますといろいろ問題があるわけでございまして、私どもといたしましては、現段階において性急にそういうことを実施に移すということでの取り組みが進められることについては、にわかに賛成いたしかねるという気持ちでおります。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸大臣にお尋ねいたしますが、この民営分割という構想に対してはどういう御見解をお持ちでございましょうか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 第四部会の答申は拝見いたしております。(三浦(久)委員「答申じゃない、報告ですね」と呼ぶ)しかし、ただいま総理から御答弁ありましたように、臨調に対しての政府の全体の構えというものは先ほど総理の御答弁どおりでありまして、具体的に民営分割というようなお話でございますけれども、こうした問題につきましても現在臨調において精力的に検討が重ねられているところでございますので、私といたしましては、それに対して現在私の運輸省としての意見を申し述べることは差し控えておきたい。また、その臨調の答申が正式に政府に出されました場合に、先ほど総理の言われましたように、十分それを吟味し、そしてまた尊重してこれに対応していくという考えでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸大臣、運輸大臣は五月十七日、部会報告が出されたときに記者会見されていますね。そこではちょっといまと違った趣旨の発言をされていると思うのですよ。かなり具体的にお話しになっていらっしゃいますね。たとえば、国鉄の地域分割、それから強力な国鉄再建監理委員会の設置、それから整備新幹線計画の見合わせの三点すべてについて部会報告には問題がある、こういうふうにおっしゃったのではないでしょうか。いかがでしょうか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 そのときの記者会見は、私、確かにそういったことを申しました。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そうして、本答申に向けて運輸省の考え方、これをずっと述べていく、それで審議、検討を求めていく、こういうこともおっしゃっておられますね。いかがでしょう。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 そのとおりであります。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そういたしますと、この部会報告に対して運輸省としてはどういうお考えを持っていらっしゃるのか。運輸省自体がそういう考え方を臨調にどんどん伝達をしていく、こう言っておるわけですから、どういうお考えを持っていらっしゃるのか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 臨調の本委員会と申しますか、そこにおいての協議が尊重されるべきことは当然でございますが、それらの本答申に向けてのいろいろな考え方の取りまとめの際、私らは私なりの意見を申し述べるということにいたしておるのでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 その私なりの意見、私なりと個人的な意見ではだめだと思うのですね。やはり運輸省としての意見だと思いますが、その私なりの意見をちょっと開陳願いたいというふうに思います。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 いまこの場で、きわめて私見に類する点もありますので、どういうようなことを申し述べるかということについては、お答えするのは不適当だと考えます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そうすると、その詳細にわたってはお話しできないこともあるかと思いますが、しかし民営分割という方向、これに対して賛成か反対かとか、そういうような基本的なお考えというのは、いま運輸省自身もお持ちになっていらっしゃるのじゃありませんか。いかがでしょう。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 運輸行政はきわめて現実的な問題を取り扱うところでありますから、私の最も希望するところは、実践可能であるということをすべての配慮のまず重要なファクターとして考えてほしいということであります。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 それでは、もう一つ重要な問題がこの部会報告で提起されていますが、それは国鉄再建監理委員会の問題ですね。これは国家行政組織法の三条に基づいて設置するというから、法律上は運輸省と同格になるわけですね。そういう行政委員会になるわけです。そうしますと、これは国鉄に関する権限を全部国鉄再建監理委員会に移譲するということになると思うのですけれども、そうなると、これは私はちょっと大変なことじゃないかと思うのですね。というのは、総合交通政策、こういうものは運輸省の所管なんですね。ところが、国鉄を除いてしまった総合的な交通運輸政策なんというのは、とても私は考えられないと思うのですね。予算面にしたって、運輸省の予算を見てみますと六〇%はもう国鉄関係ですから、やはり国鉄をそれなりに全体の交通体系の中で重要なものと位置づけて、私は運輸省は交通政策をいままでやってきたと思うのですね。それを国鉄に関する部分を国鉄再建監理委員会にみんな持っていってしまう。そうすると、極端に言うと、運輸大臣と高木総裁はやることが余りなくなってしまうということになるわけですね。それからまた、総合交通体系を推進するという観点からいっても、私は非常に大きな問題があると思うのです。この点については、どういうふうに運輸大臣はお考えでございましょうか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 いま委員の申されたことは、いろいろな面で適切なお話だとも思います。私は、現在の臨調の土光会長初め圓城寺さん、その他委員の方々きわめて良識のある、また練達の方々ばかりでございますから、ただいま委員が仰せられましたような国家行政組織法の問題とか、あるいはまた現実における国鉄の運輸行政における重みとか、あるいは四十数万人も働いているこの組織体というものの持つ社会的な重みとか、こうしたものは十分こうした委員の方々の間で議論をされてしかるべきであるし、また、そうしたことが議論された後に本答申がなされるということを強く期待をいたしておるところであります。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸大臣自身多少遠慮して答弁されておられるわけですが、この民営分割というのは私は国鉄の解体処分だと思っているのですよ。いま国鉄が営業キロ二万一千キロあります。地方交通線、いわゆる乗車密度八千人未満の地方交通線だけでも一万キロあるわけですね。この部会報告を見てみますと、全部採算性というものを基準にしてやるわけでありますから、そうすると、いま政府は国鉄財政再建法に基づいて地方交通線の廃止というものをやっておりますね。しかし、たとえば降雪時がどうだとか、それからラッシュ時がどうだとか、例外をたくさん設けているのですね。ところが、そういう例外自身ももうなくなってしまって、採算重視でどんどんローカル線が切り捨てられる、こういうことになるのは間違いないと思うのですね。そうすると、これはもう半分、一万キロの線路が全部はがされてしまうということになります。それから、地方交通線だけではなくて、幹線でも廃止の危険にさらされる線がたくさん出てくるんじゃないかということを私は危惧しているわけですね。  ちょっと国鉄にお尋ねいたしますけれども、いま国鉄は、経営改善計画に基づいて昭和六十年度までに幹線では収支とんとんに持っていく、そういう方向でやっておられますけれども、そういう計画に基づいても、個別的な幹線で黒字に転化しないのはたくさん出てくるんじゃありませんか、どうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 よく御存じのように、新幹線とか山手線のように現在黒字線のところは十線内外でございますので、今後いろいろ経営努力はいたしますが、幹線につきましても、個別に見ますとやはり赤字のところが相当出てくるということはお示しのとおりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 この経営改善計画によりますと、六十年度で、幹線で百億円黒字になるという計画ですよね。ところが、昭和五十五年度を見ても、新幹線では三千億黒字でしょう。それから、いま言ったいろいろな山手線とかそういうもので一千億黒字ですよ。五十五年度で、幹線では四千億円の黒字を出している路線があるのですね。これが六十年度になればもっとたくさんの利潤を上げていくだろうと私は思うのですね、いまそのためにやっているのですから。それでも、なおかつ百億円の黒字しか出ないということは、たくさんの幹線が四千億、五千億、下手をすると六千億ぐらいの赤字を昭和六十年度、合理化をやった後でも出す、そういうことだと思うのですね。そうであれば、もし民営分割というようなことになってしまえば、これはローカル線の切り捨てだけじゃなくて、幹線の切り捨てというおそれにもつながってくるというふうに思いますが、国鉄総裁の御意見はいかがでしょう。     〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ただいまお示しのような事態になることは、数字の上というか、理屈の上では考えられるわけでございますけれども、第四部会の考え方でも、分割という場合にも北海道、四国、九州、本州といったような分割がお示しであり、本州の中をどうするかというようなことは今後の問題だということになっておりますので、臨調自体もそこまではお考えになっていないものと私どもは読み取っておるわけでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 高木総裁は、分割になった場合に、九州と北海道が大変心配だということを言われましたが、その理由はどういうことでしょう。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 かつて、北海道も九州もなかなか黒字にはならぬものの、相当いい成績であったわけでございますが、石炭産業が崩壊する、あるいは木材輸送がなくなるといったようなことから、現状、北海道、九州、四国といったところは非常に成績が悪いわけでございます。単に採算の問題からいいますと、そうしたところの分割問題が論議されるのは、数字の上から言えば当然そういう論議が浮かび上がってくるということは言えるわけでございます。しかし、これは率直に申しまして、採算性だけでの御判断になっているように思われるわけでございまして、私どもとしては、そう簡単には判断すべきものではないのではないかというふうに考えております。     〔江藤委員長代理退席、委員長着席〕

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸大臣、大体おわかりになったと思うのですけれども、幹線の中でも危なくなるのがある。いまの政府のお考えでも、幹線というのは鉄道の特性を発揮し得るものだ、こういうお考えなんですよね。そういうものまでどんどん廃止の危険にさらされるというようなことは、国鉄の公共的な性格というものからいって私は非常に問題だと思いますね。また、日本の国土の発展という点からいっても、非常に大きな問題だと私は思うのですよ。この点についてはどういうふうにお考えでしょう。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 幹線というのは、字のごとくきわめて重要であることは、われわれ皆共通の認識だと思います。こうした事態のためにやるべきことは、昨年決定されました経営改善計画がございます。これは六十年度を目標にしての経営改善計画でございますが、現状のような国家財政の中においての状態から見ますと、やはりこの経営改善計画というものをもっと深度化、言葉がよくないのでありますが、前倒しをして、できるだけ早い時期に目標を達成するという方向を考えるのが現状においてふさわしいのではないかというふうに思います。  こうした中で、幹線がただ経済採算面からだけの問題で論議されることを防ぎながら、一面においては、やはり国鉄の持つ公共性というものも国民が期待をしているわけでありますから、こうした面に対してもこたえていくというのが運輸省としての行政のあり方ではないかというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸大臣にちょっとお尋ねいたしますが、欧米では、この鉄道はどういう経営形態をとっていらっしゃるのでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ヨーロッパの各国の場合には、大体日本と似たような形のものが多い。アメリカの場合には、政府が半分、民間が半分のいわゆる特殊法人が旅客輸送を担当しておるという形になっております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 総理大臣、鉄道を国鉄で維持していこうというのは、大体もう世界の趨勢なんですね。国が責任を持ってやっていこう、とても採算がとれない、そういうことでみんな処理しているわけです。ですから、いまの民営分割というのは、そういう意味では世界の趨勢に完全に反していると思うのですね。  そこで、私は、この民営分割問題についての締めくくりとして総理大臣にちょっとお尋ねしますけれども、この民営分割というものについて、総理大臣自身はどういうふうにお考えでございましょう。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 まだ臨調から最終的な答申が出ておりません。先ほど来三浦さんもおっしゃるとおり、わが国の運輸交通政策にとりまして非常に重要な問題を含んでおりますから、その答申が出た段階において、運輸省初め関係省庁で十分検討いたしまして、適切な施策を具体的に固めて、そして国会にお諮りをし、御承認を賜らなければいけない重要な問題である、こういうように認識をいたしております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 答申が出ていないけれども、基本的な方向というのは出ているのです。これは、さっき言いましたように、地方交通線ないしは一部の幹線までも廃止してしまう、そして採算のとれる路線だけを運営していこうというやり方ですね。私的な企業にやらせようという、そういう考え方です。ところが、この部会報告は、残った部分を運営する民営会社に対していろいろな助成措置を要求しているんですよね。たとえば過去債務の問題ですね、これもできるだけ負担にならないようにしてやる。それから、新たな設備投資をするというときにも国が助成する。それから、青函トンネルとか本四連絡鉄道とかがありますけれども、いま工事中のものが経営を圧迫しないように、これについても国が助成をする。年金問題についても国が助成をする、分割当初の赤字についても国が補てんする。こういうように、民営にした会社に対してこれだけの措置を要求している。  私は、公社形態であるいま、こういうことをやるべきだと思うんですね。われわれは、やはり国が責任を持つ部分と国鉄が責任を持つ部分、この費用負担の原則というものをはっきり確立すべきなんだ。全部、何でもかんでも国鉄の責任ということで国鉄の借金でやらしておるから、いまみたいにもう借金だらけになって、にっちもさっちもいかなくなるような状態が出てきているわけですね。ですから、私は、やはりびしっと費用負担の原則というものをはっきりさせることが必要だと思うのです。  それで、ちょっと運輸省にお尋ねしますけれども、諸外国では鉄道に対してどういう助成をしておりますか。

永光洋一運輸省鉄道監督局長

○永光政府委員 諸外国、ヨーロッパにおきましてはいろいろの例がございますが、たとえば工事費に対しての一定の助成を出すとか、あるいは地方のローカル線等の運営につきまして助成を出す、あるいは恩給あるいは年金等につきまして、これに対して国が相応の負担をするとかいうような形で、それぞれの国の実情に応じた形で助成をいたしております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 ちょっと私が答弁を補充するのはおかしいのですけれども、イギリスでは運賃収入に対して三五・六%の補助をしています。西ドイツでは運賃収入に対して七五・八%、これは一九八〇年ですが、補助しております。フランスでは六六・五%、日本では二四・九%。しかし、これは最近のことですね、二四・九%の助成をしているというのは。しかも、この大半、七割から八割は利息なんです、この補助は。ですから、日本の鉄道に対する助成というのがいかに低いものであるか、いわゆる公共交通機関に対して、国が余り責任を負ってこなかったという姿がいま出てきていると私は思うんですね。  そういう意味で、総理がいないのはちょっと残念ですが、運輸大臣にお尋ねしますが、やはり国鉄の責任と国の責任ですね、これははっきり基準を設けて、そして国鉄が運営しやすいようにしてやるということを考えなければならないと思うのですが、この点についての運輸大臣の御見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 ただいまのお説のとおり私も考えたいと思っております。ただし、一面におきましては、国鉄自身がこうした大きな交通運輸事情の社会的な変化に対して、やや対応がおくれているということも認めざるを得ない。それで、先ほど申し上げたように、経営改善計画をもっと前向きにスピードアップして、そして、やることの中から国民全体の御理解をいただきながら、できるだけの措置をとって再建に進むべきではないかというふうに思っています。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 終わります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて三浦君の質疑は終了いたしました。  次に、野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私が最後でありますが、この国会を通じましてこの三日間議論になりましたのは、議院証言法の改正にかかわる、特に六月八日のロッキード判決が出て以降の問題が非常に重大な問題になっております。  二十三日に、わが党の大出議員が、この議院証言法改正についての見解を総理並びに官房長官にただしました。その中で、森私案というような言葉が出てきましたが、内容的には六項目合意をされて残された二項目のみに問題がある、こういうことで議会制度の協議会では議論が尽きない、こういうことでありました。大出さんの質問について、この八項目に限るということでありましたけれども、新たな提案として自民党側から十項目、それも四番目には誘導尋問の事項等が挿入をされて、事態が変わっておるというふうに理解しなければなりません。したがって、当該者の大出議員に若干の質問を許可をしてもらいたい、関連をして質問を許していただきたい、その後、私が質問を進めたい、こういうふうに考えますので、よろしくお願いします。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 この際、大出俊君より関連質疑の申し出があります。野坂君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 二十三日に、私が議院証言法をめぐりまして御質問をいたしましたが、出てまいりました竹下さんの小委員会の案を拝見をいたしまして、大変にこれまた強引千万でございまして、いささか私も唖然といたしましたが、このまま引き下がるわけにまいりません。  そこで、総理にまずもって確認を求めたいのでありますが、それは、私、ここに私と総理のやりとりの速記録を起こして、そのものを持っておりますが、読み上げます。  「〇鈴木内閣総理大臣」、こういうことで「いま私も、当時の上村千一郎法務委員長からその当時の事情もお聞きをいたしました。」聞いておられましたですね、そこで。「で、自民党案として法務委員会に提案をいたしましたのは八項目でございます。」これは私の申し上げたのをお認めになったわけです。「自民党案として」とおっしゃっております。「そのうち六項目につきましては各党合意をされておるので、」とお認めになった。「六項目につきましては各党合意をされておるので、二項目だけがまだペンディングになって各党の調整を要する、」これもお認めになった。「こういう形になっておるということでございます。そこで、いまその二項目の問題を含めて、自由民主党では竹下氏のもとにそれを急いでおる、」二項目の調整を急いでおる。「そして議会制度協議会に正式に提案をして早急に結論を出したい、」これが一つ。「そして予算委員会の理事会でお決めになった御趣旨に沿うようにしたい、」早く決めて出して、予算委員会でお決めになったことに沿うようにしたい、「こういうことを申し上げておるのでありまして、」ここは大変重要でございますが、「これは党対党の信義の上に進めたことでございますから、私としてはそれを尊重してそのように運びたい、」と明言をされました。「そのように指示をしてまいるということにいたします。」きわめて明確な御答弁でございます。  私も、内閣委員会、予算委員会を通じまして十九年、当衆議院にお世話になっておりますが、ずいぶんいろいろな荒れた場面もございましたが、まさにここで総理がお話しになっておりますように「党対党の信義」、私もお約束をした限りは破ったことはない。そうでなければ、議会制民主主義が成り立たないからだ。「党対党の信義の上に進めたことでございますから、私としてはそれを尊重」する、あたりまえのことでございますが、このくだり、いま速記録のとおり読み上げましたが、お認めになりますな。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そのとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、一党の、しかも政権与党の総裁でおいでになって、したがって総理をおやりになっておいでになるこの鈴木さんが、かくのごとく明確にお答えになった。「六項目につきましては各党合意をされておるので、二項目だけがまだペンディングになって各党の調整を要する、」こうお認めになった。「自民党案」ともおっしゃっておいでになる。  ところが、さて出てまいりました案を見ますと、たくさん申し上げると混線をいたしますから、一つ例を申し上げます。  「九」というところに「補佐人に異議申し立て権を認める。」こう入っております。これは長い五年にわたる経緯がございまして、私いまここに持っておりますのは、昭和五十二年十月二十日、法務委員会理事懇談会に提出をされた自民党の皆さんの案であります。法務部会長永野嚴雄さん、参議院の方でございます。広島県の知事を三回おやりになった方でございますが、「自由民主党政務調査会長河本敏夫殿」ということで党内手続がとられておる。そして、まとめた案が五年前に出された。この五年前の案の中に「四、補佐人の権利」、この中に、いまの案と同じところもたくさんあるのでありますが、「イ」というところに「異議申し立てができる。」こう入っている。昨日提案されました九の項目でございます。「補佐人に異議申し立て権を認める。」これは本来どういう扱いになっていたかというと補佐人の項にあった文言であります。これが長い真剣な各党間の論議が進められまして、自民党さんがお取り下げになった。  かくて、前回私が引用いたしました昭和五十五年四月四日の法務委員会の議事録第十二号、この中で山崎小委員長さんが、小委員長として小委員会でお取り決めになった報告をなさっています。  「さきに小委員長から提出された「議院証言法等の改正要綱(案)」」案というのは、その前の「さらに第八十七回国会においては、自民党案として小委員長から提出された「議院証言法等の改正要綱(案)」」これを指しているわけです。つまり自民党案。これを「原案として、各項目ごとに審査を行い、一部を除いて合意を得ましたので」、一部を除いて大半合意した。「その経過並びに結果について御報告申し上げます。」こういうふうに前段でお述べになりまして、一、二、三というところまで報告してまいりました。三のところを読み上げます。  「第三は、「証人は補佐人を選任することができる。」」問題の項であります。「「1 補佐人は一名で弁護士を原則とするが、弁護士以外の者であっても許可することができる。2 補佐人は証人の証言に立合い、憲法及び法律上の権利について助言することができる。」としたことであります。」これが合意内容であります。「本項については、補佐人は発言できないことを明らかにすべきであるとの意見がありましたが、原案のとおりとなったのであります。」  このくだりは、社会党が、補佐人は発言をすることができない、これを最後まで固執しておったのでありますけれども、五年前に出された自民党さんの案で異議申し立てができるというのを自民党が取り下げたのだから、社会党さんの方もそう粘らないで、補佐人は発言をすることができないということを法律上明定をしろというのをお取り下げを願いたいと言うので、社会党も最後にこれを取り下げた。自民党も異議申し立てを取り下げた。社会党もできないというのを明定しろというのを取り下げた。かくて、合意に達したというくだりをここで小委員長さんが説明をして、「本項については、補佐人は発言できないことを明らかにすべきであるとの意見がありましたが、原案のとおりとなったのであります。」というふうに報告をされている。明確な過去の党対党のそれぞれ御苦労を願った結果として合意に達したという、まさに党対党の守らなければならぬ信義がここにある。  しかも総理が、六項目は合意されておるので、二項目だけがまだペンディングになっていて各党の調整を要するとお認めになっている。だから、これを急がせる、予算委員会のお取り決めも、これ党対党の信義の上に立っているものだから尊重してその趣旨に沿うようにするとお答えになっている。しかも、これは国民注視の中であなたのお答えになったこと。そのとおり指示する、こういうふうにあなたはおっしゃっておって、全然党対党の信義にもとるものを出されて黙って引き下がるわけにはまいらない。  私は時間もありませんからよけいなことを申し上げませんが、総理のこの速記録にあるとおりの御答弁に基づきまして、党対党の信義、これが議会制民主主義の根幹にきちっとなければならぬものだとするならば、竹下委員会から出されましたこの昨日の提案は、あなたの御指示のとおりおやりになっていないのだから、取り下げられて改めて皆さんの党内で御検討を願いたい。そのように総理が取り扱われるのが私に対するお答えの趣旨でございますから、そのことを私はこの席上で要求を申し上げて、総理の答弁をいただきたいのです。いかがでございますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 大出さんの御発言は非常に重要な意味合いを持っております。私もよく拝聴いたしました。このことは、党執行部、特に竹下当該委員長にもあなたのいまお述べになった御趣・旨を十分伝えまして、党として検討をさせることにいたします。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは踏み込み過ぎて混乱をしてもいけませんから、私はいまのように物を申し上げているのですよ。ここは私はおわかりいただきたいのです。  なぜかといいますと、ここにけさの新聞の記事がございます。あなた方、承知でこういうことをおやりになっている。総理は国民の前で、いま私が申し上げたように、党対党の信義というものを基本にしなければ総理のおっしゃるとおりできませんから、「党対党の信義の上に進めたことでございますから、私としてはそれを尊重してそのように運びたい、そのように指示をしてまいるということにいたします。」とおっしゃっている。いいですか、新聞が書いております。  「追加された二項目、実は、さる五十二年四月の自民党法務部会の結論に盛り込まれ、五十三年六月の衆院法務委同法改正小委での討議のタタキ台となった上村小委員長私案にも明記されていた。が、その後の同小委での論議過程で自民党が取り下げているのだから、野党側が「論議の蒸し返しによる引きのばし」と怒ったのも無理はない。」いいですか、間違ったことを書いていません。「竹下委員会にしても、法務委小委での経緯や、五十五年十月以来の議会制度協の協議で「自民党案」として扱ってきた八項目を見直すというのだから、いくら「八項目は党議で決定した自民党案でない」と主張しても、強引な感は否めない。」  はっきりしているじゃないですか。一切取り下げてください。それがこの席で明らかになる、そのことを私は要求しているので、時間をかけたんじゃこれはどうにもなりません。したがって、総理の答弁に反するのだから、この席上で総理の権限でお答えを願いたい。取り下げるとおっしゃっていただきたい。そうでなければこれは審議のしようがありません。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 先ほど私と大出さんのやりとりの議事録をお読みいただいたわけでございますが、そのとおりに党の方には私から指示をいたしております。いまそれに対しまして、これは違うじゃないかという大出さんからのお話がございました。これは党で私の指示をもとにしてどういう検討をした結果そういう結論になったか、いろいろ審議の経過等もあろうかと思いますが、いずれにしても、いま大出さんから重要な御発言がございましたから、そのことを党に私から伝えまして、理事の諸君もおりますから党に持ち帰ってもらいまして、そして竹下委員長等の責任者からその経過並びにこれをどう扱うかということを協議の上でお答えをいたしたい、こう思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一点だけ申し上げますが、いま私は一つ取り上げましたが、一つじゃないのですよ。十項の「テレビ報道は、証人の同意と委員長の許可を必要とする。」というのも、実は五十二年の皆さんの案にちゃんと書いてある。同じことが書いてある。「三、テレビ、ラジオの同時放送の許可」こういう表題で「証人の同意を必要とすることにする。」これもかつてお取り下げになっているのですよ。それを総理が、党対党の信義だ、六項目合意している、だから、それはいい、二項目がペンディングで調整を要する、だから竹下さんの委員会が早くやって、予算委員会のお取り決めに沿うようにやりなさい、そう指示する、こうおっしゃったというのに、とっくの昔にこれはもう議論済みで消えてなくなっているものが二つぽかんと出てくる。そのほかにもう一項を追加される。そういう夢みたいなことを、幽霊西へ行くという言葉がありますけれども、そんなものがいまどきのこのこ出てきたんじゃ、これは新聞が引き延ばしと書くのも無理がないでしょう。  議事録をここに持っておりますけれども、大出さん、あなたはそうおっしゃるけれども、引き延ばし、そんなことは毛頭ありませんとあなたは三回も私に言っている。にもかかわらず、これではやりようがない。直ちに休憩をして理事会を開いていただいて、きれいに取り下げて、総理の答弁の趣旨に沿うように改めて御相談をいただくなり扱い方を決めていただきます。それ以外に質問のしようがありません。何と言われても、総理は苦しい答弁をされているからまとめたいけれども、できません。相談してください。これじゃやりようがないじゃないですか。とっくの昔に長い議論をして取り下げたものを、また出してこられる。社会党だって取り下げたんだから。たたき台じゃ困りますよ。(「理事会、理事会」と呼ぶ者あり)

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 大出議員に申し上げます。  いま各党の理事の皆さんでお話をしたのでございますけれども、休憩ということにつきましては合意されませんので、どうぞ質疑を続けてください。

大出俊日本社会党

○大出委員 やりようがないじゃないですか。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 運営は、御案内のとおり、理事の合意をもってやっておりますので、合意が整いませんので、質疑を続けてください。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一言申し上げますが、私は何も議会制度協議会であるとかあるいは議院運営委員会の権限に触れているわけじゃない。私は総理に質問をして、総理に御答弁をいただいた。だから、その御答弁の速記録を持ってまいりまして総理に聞いているのであって、あなたがこれだけ公の席で約束をされた。自民党案としてということもお認めになった。それは八項目である、うち六項目については各党合意をされておる、これもお認めになった。二項だけがまだペンディングになっている、これもお認めになった。各党の調整を要するという形になっているということ、これもお認めになった。その上で、これは党対党の信義の上に進めたことだから、私としてはこれを尊重してそのように運びたいとはっきり申されている。そのように指示をしてまいるということにいたしますとはっきり申されている。出てきたものがそのようになっていないから、そのようにしてくれと言っているのであって、何も一つもほかの委員会の権限に触れているわけではない。あなたの答弁のようになっていない、だから、あなたの答弁のようにしてくれと言っている。あなたは尊重されるのだし、党対党の信義をお守りになると言っているのだから、しかも、六項目は合意しているということをお認めになって、二項目はペンディングで調整を急がしていると言うのだから。その六項目を変えて出されたのでは、総理の答弁と違うじゃないですか。だから、それを六項目の合意に戻してくれ、だから、これを取り下げてくれと言っているのじゃないですか。それだけのこと。どうなんです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そういう大出さんの御意見を伺いまして、非常に重要な内容を持っておりますから、私は前段で申し上げたような指示を竹下委員長等党の幹部にいたしております。それに対して、いま大出さんからそういう御意見が出てきておりますから、それを党の方に持ち帰って、改めてそのことを一体どういう事情になっているのか、そういう点を十分検討させなければいけない、そういうことを私はあなたに御答弁を申し上げておる、こういうことであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 総理がそういうふうに、前にお話しになった御答弁でも、これでいけばこんなのが出てくるようになっていない。はっきりしている。口の先でそうおっしゃられても、全く違ったものが出てくるのじゃ、いまのお言葉を信用できないじゃないですか。それはどういうことなんですか。じゃ、総理自身は、この間お答えになったこのとおりにする、六項目合意しているのだからこれに手を触れない、はっきりしてください。いかがでございますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私は、先ほどあなたがずっと速記をお読みになりました、それを再度確認をいたしました。そのとおりに指示いたしました。それに対して、あなたからいまのような重要な御発言がございました。そこで、一体どういう事情なのか、これを党の関係の責任者に伝えて、十分党としての考え方を検討の上でお伝えをいたしましょう、こう言っておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 いま理事を通じまして相談をしていただきましたが、できれば私の方はやはり総理のこの答弁を尊重したい。せっかく総理がここまでお答えになったのだから。  したがって、もう一遍これを念のために申し上げますが、総理は、六項目は合意している、お認めになった。「二項目だけがまだペンディングになって各党の調整を要する、こういう形になっておるということでございます。」間違いなくおっしゃいましたね、これは。よろしゅうございますね。したがって、竹下さんの委員会のもとにこれを急いでおる、「そして議会制度協議会に正式に提案をして早急に結論を出したい、そして予算委員会の理事会でお決めになった御趣旨に沿うようにしたい、こういうことを申し上げておる」、そして「党対党の信義の上に進めたことでございますから、私としてはそれを尊重してそのように運びたい、そのように指示をしてまいるということにいたします。」それで、いま、このとおりに指示をされたとおっしゃる。  何か総理、矛盾をお感じになりませんか。総理がこういうふうに私にお答えになったのだ。そして、そのように指示をされた。されたが、出てきたものは、六項目まとまっておることを総理も御存じなんだから、いま私が提起したように、五年前の案にあって皆さんが取り下げた二項目なんだ。そこのところに矛盾をお感じになるはずだと私は思うのです。その上でひとつ、もう一遍どうなさるのかを改めてお答えいただきたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 あなたの御指摘になったように、私はこの前の委員会で答弁を申し上げたことを、そのとおりに党の方へ指示しておる。しかし、いまの党の方から骨子として提案をされたものが、あなたのおっしゃるように、違っておるのだ、こういう御指摘がございました。非常に重要な御発言でございますから、そこに至った経緯は一体どうなのかというようなこと、十分私は党の方でその経緯をよく調査をしてみなければいけない、検討させなければいけない、こう考えておるという前向きの答弁を私はしておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 総理、結論を申し上げますが、総理がここまで答えておられるのだから、少なくとも総理は、御自分の御答弁なんだからこの趣旨に沿って御努力を願わなければ困る。ただ聞いてみるじゃ困るので、ここで答えておられるわけだから、議事録に残っているわけですから、この趣旨に従って、党対党の信義なんだから、その信義に基づいて早くまとめたいとおっしゃったのだから、そういう御努力を願えますね。後ろ向きじゃ困るので、いま前向きとおっしゃったからわからぬわけでもないが、そこのところをはっきりしていただきたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 ただいま御答弁申し上げたとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 関連ですから、これで終わります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間が相当経過しておりますので、ごく簡潔に質問をしたいと思っております。  いま、議論を聞いておりまして、総理・総裁である鈴木さんも、党内のいろいろな動きでずいぶんと苦慮されておるということもよくわかったわけですが、総理が従来から言っていらっしゃるリーダーシップの問題ですけれども、いまの論議を聞いておりましても、あなた任せの自然体というのが具体的に出てきたような感じがいたします。したがって、ただいまの証言法の改定の問題につきましては、総裁としてのリーダーシップ、指導性、そういうものをきちんとやって、今後の国会の会期中に証人として二階堂さんなりあるいは加藤さんが証人台にお立ちになって、問題を明らかにされるように望んでおるわけでありますが、総理はそのようにお取り計らいいただけますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 先日来、社会党の委員の皆さんに御答弁申し上げておりますように、この国会中に証人の証言ができるように最善を尽くす、こういうことを申し上げておるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 六月八日のロッキード判決がございまして、橋本さんなり佐藤さん、御案内のような判決が出てまいりました。この佐藤問題につきましては、地元で選挙の洗礼を受けた、こういう点についての御答弁が総理からもございましたが、その地元の函館の市議会では、辞職をされるような要望決議がなされたということも御存じかと思っております。したがって、総理がお話しになりました選挙区における洗礼の問題については、洗礼を受けた多数の市議会の皆さんがその辞職を要望されておる、これは現実であります。  しかも、この間、佐藤さんはテレビで記者会見をされたわけでありますが、そのテレビの写真を見て、私は、まさに悲痛というか、悲惨な感じを受けたわけであります。このバッジも裏返しにして記者会見をされておりました。そのような状況。  しかも、こちらの側は、一致して、野党はやめろやめろの大合唱でありますね。与党でも、いろいろな意見があろうと思います。表面はまとまっておるように見えますけれども、内容としては、白い目で見る人もある。国民も冷たい目で眺めておる。  いま佐藤さんは、国会の常任委員会に出て発言もできないし、なかなか常任委員会等に出席しにくい、これが本人の心境であろうと思うのですね。一言で言えば死に体である、自然体ではなしに死に体である、こういうふうに言わざるを得ないと思います。これでは国会議員としての権威なり機能なり、そういうことは現実にはできていない、また選挙があるまでできないというのが実情だろうと私は思うのです。  そういう意味で、社会党だとか自民党とかということを離れて、一政治家として、そういう場合にはどういう態度をとるべきなのか。やめたいと思ってもやめさせぬのではないかというふうにさえ思われてなりません。本音はやめたいけれども、後から起きてくる田中角榮氏も同じような事態になればこれに追い込まれる。だから、いまやめたら後に重大な影響も残すというような配慮が本人以上に党にあって、それがなかなかできない、辞任ができないということではないかなと思っております。刑事罰では疑わしきは罰しないと書いてあります。しかし、政治家にとっては、疑わしい者は潔く出処進退をとるんだというのが政治家としての道だ、こう思います。  そういう意味で、この佐藤さんのかつての上司というか、派閥といいますか、グループの責任者でありました中曽根さん、みずからも証言台に立たれて、この証言法では最後の者にしたいというふうなことを言われて、そういう心境を過去経験された中曽根康弘さんは、みずから勧告をすべきじゃないか、これが同僚としての友情ではないか。  また、鈴木総理は、友情ないし政党としても、政治の自浄と浄化という意味でも、そのことが佐藤さんの将来にとっても必要ではないか、自民党のあり方にとってもそれが国民にこたえる道じゃないか、私はそう思います。  構えた御答弁ではなしに、人間らしい本質的な御答弁をいただきたい、こう思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 やはりこの問題は、本人がみずから決断すべき問題であると考えております。  理由は、前に申し上げたとおりであります。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 ただいま中曽根長官から所見を述べられましたが、私も同様に考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 権力者というものは、厳しいけれども冷たいものだということがよくわかりました。ただ、何遍やっても同じでありますから、私は、時間がありませんから、次に進みます。  この国会の山場であります五十六年度、五十七年度の税収不足が問題になっております。五十六年度の税収不足は、昨日もお話がありましたように、二兆九千億円程度ということであります。五十七年度も、各党いろいろございますが、三兆五千億から五兆五千億というような意見が表明されて、それに対する具体案も示されておるわけであります。  問題は、景気の回復のために、公共事業は七七・三%を前倒しにした、これから秋にかけて問題なんだ。この秋にかけて問題というのは、いわゆる景気の回復がなかなかできぬのじゃないのか、そういう意味で、この秋の息切れ対策として、残された二二・七%、このうちの八〇%は十月から十二月にさらに支出をしていく、こういうふうに企画庁長官はおっしゃっておるやに承っておりますが、御意見を聞きたい。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 そういう考え方も一部にあるようでございますが、私はまだ正式に承知しておりません。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、秋の息切れ対策については、経企庁としてはどういうふうにお考えになっておりますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 昨年からことしへかけての経済の流れを調べてみますと、一つは、昨年は二年続きの実質可処分所得がマイナスであったということで経済に非常に悪い影響が出たわけでございますが、ことしになりましてから幸い物価が非常に安定をいたしまして、消費者物価が二%台という非常に低い水準が続いておりますので、実質可処分所得は相当なプラスに転じております。これは非常に大きな違いだと思うのですが、この実質可処分所得がプラスに転じたということが、これからの消費あるいは住宅、中小企業にどういう影響が出てくるのか、もう少しこれは見守っていく必要がある、こう思っております。  それから、第二点は、昨年の後半からことしの前半にかけてが世界経済が最悪の状態である、このように言われておりますが、それは、第二次石油危機の厳しい影響が最も深刻に全世界を覆っておる、こういう背景があるからだと思います。そこで、全世界がマイナス成長またはゼロ成長になっておるわけでございますが、いまのところ、第二次石油危機の厳しい大底は大体ことしの前半で通り過ぎるのではなかろうか、こういう見通しが多いようであります。  最近のOECDあるいはIMF等の経済見通しを見ましても、後半からプラス成長に転ずる、こう言っております。それから来年は、大体二・五%から三%ぐらいの成長になるということを二つの国際機関は言っております。もっとも、この見通しというものは、ややもすると外れることもございますが、大体この流れはそう変わらぬのではないだろうか、多少は回復の規模が変わったりあるいは多少は回復の時期がずれたりするようなことはあろうかと思いますけれども、景気が後半から回復の方向に進むということは、まあまあそのまま判断していいのではなかろうか、私はこう思っております。そうしますと、昨年の十一月から輸出がどかんと落ち込みまして、ずっとマイナスが続いておりますが、この状態も当然変わってくると思っております。  それから、いま御指摘のございました前倒しでございますが、さしあたって政府のとれる政策といたしましてはそれしかございませんので、最大限の前倒しをやっております。かつてこんなに大規模な前倒しをやったことはございませんので、私どもといたしましては、この成果が相当出てくることを期待をしておるのです。これが誘い水になりまして、後半、民間経済全体の力が浮揚してくるということを期待をしておるわけでございますが、民間経済が浮揚してまいりますと、ちょうど五十四年の経済が御案内のとおりでございまして、民間経済の力が非常に強くなってきた、それで、公共事業は前年比同じ額でございましたけれども、結局公共事業は全部使ってしまう必要はない、五十五年度に繰り延べしても大丈夫だということで、相当量五十五年度に繰り延べをしたことがございますが、それは民間経済の力が非常に強くなったからだ、こう思っております。したがいまして、私どもは、どこまで民間経済の力が出てくるかわかりませんが、ある程度は、いま申し上げましたような可処分所得の問題とか世界不況の回復とか、そういうことから若干事情が変わってくるのではないかと思っております。  そこで、どの程度変わるかということにつきましては、九月の初めにはいろいろな指標が出てまいりますので、それを見た上で判断をしまして、後半の最終需要が落ち込まないように、せっかく上半期前倒しによりまして回復いたしましても、後半また最終需要が落ち込んでしまいますと、これは困りますので、そういうことにならないように、どの見当最終需要をその時点で拡大したらいいのか、こういう判断をその時点でしたい、このように考えております。  以上が大体の大筋でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまのあなたの見通しは、後期には世界の不況も脱出するであろう、可処分所得も上向きだ、買い出動にも出てきたというような点をお話しになったわけでありますが、一つは、公共事業を前倒しをした、そして、それは事業に入った。この間も議論があったように、それならば食いつないで十二月ごろまで持っていかなければ思うようにいかぬじゃないのか。したがって、景気が浮揚できない。十月からはこういう施策をします、したがって安心して事業は遂行してほしい、こういうことになれば、浮揚効果というのは私が言った後者の方がやはり安心感があって、事業が進むというふうに思いますね。それで、こういう新聞に出ておるのじゃないのかなというふうに実はけさ見たわけであります。  したがって、あなたの言をかりると、何か当初の経済成長率五・二%は予定どおりいくのだ、こういうふうにさえ錯覚を覚えるわけでありますが、その点についてはいかがですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 いまの御指摘の問題は非常に重大な点だと思います。つまり、経済の流れがいま私が申し上げたとおりといたしましても、多くの関係者が、前半八〇%近くも前倒しをして、後半仕事の量が続いていくのならばいいけれども、そうでない場合には大変困る、そういう心配があれば温めておいて後半つないでいこうということになりますと、上半期前倒し計画が消化できないではないか、こういう点が確かにございます。  そこで、実はそういうことを起こさないために一体どうしたらいいかということは、非常に大きな課題だと思います。昨日も総理から、九月初めの様子を見た上で、断層が出ないように、また息切れがしないように、何らかの補正等も含めていろいろな対策を考えるというお話がございましたが、そのことだけでこの上半期完全消化が軌道に乗るのかどうか、そういうこと等ももう一回私どももよく分析をしてみたい、建設省ともよく打ち合わせをしてみたい、こう思っておるところでございます。  それから、いま御指摘の五・二%成長の問題がございましたが、確かに五十六年度は政府見通しを修正して四・一%、二・七%成長になりましたが、この場合にお考えいただきたいことは、経済は大変な激動期になっておるということでございます。たとえば、五十六年の第三・四半期は三%近いマイナス成長に落ち込んでしまいましたが、第四・四半期には三%強のプラス成長になっております。これは経済が非常に激動しておるということだと思うのです。アメリカなども、最近の経済見通し、修正して発表しておりますが、上半期は非常にひどい状態である。第一・四半期はマイナス三・七という数字が出ておりますが、第二・四半期は、最近の情報ではプラス〇・六だ、こう言っておりますし、後半は四%ぐらいの成長になるということを言っております。  そういうように激動期でございますから、どっとマイナスに落ち込んだり、さらにまた相当大幅なプラスに転じたりすることは、世界経済で往々にして起こっておるのでございます。いまの経済の情勢は、一月から三月までではプラス三・三%成長ぐらいになっておると思います。この見当の成長がもし続きますと、これは最終需要が相当不足しますから、GNPの基礎も政府見通しにはならないと思うのです。一−三月の経済では大体最終需要が目標に対しまして五兆円ぐらい落ち込んでおるのではないか、私はこういう感じがいたします。五十五年度も、二百五十五兆と想定をいたしておりましたGNPが二百五十一兆になりまして、結局最終需要が四兆落ち込んだわけでございます。でありますから、最終需要が政府見通しとどれくらい離れておるのかということを常に点検をしながら、機敏な適当な経済政策を展開していかなければならぬ、こう思っております。  いずれにいたしましても、私は、いまの段階は、これからの経済政策いかんによりまして、また世界経済の動向いかんによりまして、四兆や五兆の最終需要が拡大するということは十分考えられますので、もう少し全体の流れを見た上で、五十七年度の成長というものを判断していきたい、こう思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 総理も長官も、政治は生き物だ、経済も生きておる、しかも、いまは経済は激動期である、世界は不況から脱するであろう、こう去年の十二月言われましたけれども、底離れはしない、これが現実の経済の動きです。早急にこの十月ごろから急浮上するというようなことは考えられない。徐々にだというのは当然であります。  総理も、昨日は、経済が落ち込まないように、息切れがしないように、あらゆる経済政策をとるというようなお話があったわけであります。企画庁では、たとえば中小企業金融公庫の枠の拡大とか、弾力条項による日本道路公団の予算の増とか、そういうことでカバーしていこうじゃないかということですけれども、九月に見直しがあっても、公共事業は九月までに終わって十月の下半期に入るわけですから、その間、いまごろから事業体、企業家の皆さん方はそれを考えながら事業を進めていかなければ、秋に息切れをしてしまう。政府の対応はまさに発表しておいて、安心をして公共事業なら公共事業を進める、こういうかっこうでなければ、この全体の浮揚が、伸びていかぬじゃないか。うろたえてやるよりも、いまから心構えの方が必要じゃないか。こういうように、国内経済政策でできることはしてやるということでなければならぬから、あなたの方ではそういう検討が始まっておるのじゃないのか、こういうふうに思っておるわけです。  長官のお話はわかりましたので、総理は、一昨日の御答弁もこれあり、あらゆる経済政策という中で、具体的に前倒し政策、九月から十二月までの間の第三・四半期についての公共事業の方式というものはどうお考えですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 政府としても、景気の動向につきましては細心の注意を払っておるところでございます。  そこで、五十七年度予算の執行に当たりましては、その点には最大の重点を置いて予算の執行に取り組んでおります。ただ、何せ第一・四半期が終わったばかりでございますから、いま直ちに今後の一年を通じての展望の上に立っての対策を打ち出すという段階ではございませんし、私としては、九月ごろまでには経済諸指標がそろいますので、そういうものを十分検討いたしまして、いま申し上げたように、経済に大きな段差が生じないように、また息切れが、公共事業の前倒しによって下半期の公共事業等について息切れがしないように、そういう点は十分頭に置きながら経済、財政運営をやっていきたい、こう考えます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 総理、九月までは何にもしないということですか、従来どおりだと。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 これは、経企庁長官や大蔵大臣からもるるお話しをしたように、この公共事業費七七・三%あるいは住宅対策、政府としては国会の御承認を得た予算の執行に当たりまして最大限の努力をしておる、こういう段階でございまして、漫然とやっているわけではございません。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間がありませんから、それでは確認します。  総理は、五十九年度から赤字公債、特例国債からは脱却をするということをお話しになっております。これは公約ですね。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そのとおりでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 公約は必ず実現をする、したがって、これを実現しない場合は政治責任をとる、こう言って、議事録にも載っておるわけでありますが、政治責任をとるということは、具体的には、私たちはよくわかりませんが、総理大臣をやめる、こういうことですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そういうことをどういう表現でやったらいいのか、腹を切るということで言った方がいいのか、とにかく重大な決意を持って取り組んでおる、それだけに、国民の皆さんに対しても私は大きな責任を負っておる、こういうことです。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 もちろん、公約を実現されるために重大な決意を持って臨んでおられることはよく承知しております。それは国民も知っておると思います。ただ、重大な決意を持って臨むけれども、それが実現できなかった場合は一体どうするのか。その場合は政治責任をとる。政治責任をとるというのは具体的にはどういうことなのか。失礼なことを私は申し上げましたけれども、それしか考えられないものでありますから、そう議事進行のためにお話しをしたわけであります。具体的にはどういうことですか。重大な決意を持って臨んでいただくことはよくわかりましたが、それをできなかった場合。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 公約でございますから、その公約の完遂に向かって全力を尽くす、それがもしできない場合は政治家として重大な決意で対処する、こういうことです。(「総辞職か解散だ」と呼ぶ者あり)

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 重大な決意で臨んで、それ以上は重大な決意で対処する、まあ、後ろの方では解散か総辞職かというようなことを言っておりますが、重大な責任をとるということだけは明らかであります。  それから、次に進みますが、第二次の臨時行政調査会、これで、土光さんの激励会等もきのうあったようであります。これは増税なき財政再建、これをスローガンにしていらっしゃいますね。このスローガンといいますか、これは、この国会を聞いておりますと、増税なき再建も公約のような公約でないような議論が展開をされております。総理は、土光さんがこの調査会の会長に御就任に当たっていろいろお約束をされたように承っております。これは、総理の増税なき財政再建というのは、公約ですか、公約ではありませんか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 この点は、就任以来の国会におきまして、本会議あるいは当予算委員会等々において繰り返し申し上げておりますように、高度経済成長時代に肥大化した行財政、私は、これをこの際思い切って縮減合理化を図りたい、それを通じて財政の再建も図っていきたい、こういうことでございまして、そういう際に、一般消費税のような大型新税というようなものを念頭に置いてない、そういうものを念頭に置かずに私はやっていこう、こういうことです。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、公約ではなしに、決意ですか。願望ですか。公約か願望か決意かわかりませんので、きちんと言ってください。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私の国民の皆さんに対する公約は、五十九年度までに、六十年から特例公債の償還が始まりますから、五十九年度中に特例公債依存の体質から脱却する、これが私の国民の皆さんに対する公約です。それを進めるにはいろいろなやり方があります。その際の一つの歳入の面、税収の面におきましては、一般消費税のような大型新税は念頭に置きません、私はこういう手段方法で進めていきたい、こういうことです。公約は五十九年度脱却。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そうすると、これからは新たな大型新税は採用はしないと。この間も議論になったのですが、大型ということは、普通の一般の新たな増税方策というものはお考えになっておりますか。考えられませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 税は、必要な歳出を確保するためにちょうだいをするわけでございます。したがって、これはもう歳出と歳入というのは見合いでございますから、大幅に歳出が切れて、必要のない増税はする必要がないわけでございまして、国民がどちらを重点的に、負担をしてもいいからそのサービスをもっと続けてくれというのか、いや、それはもう負担はしないから歳出の方は切ってくれ、最終的にはもうそういうことになるんじゃないか、私はそう思っておりますので、それは国民のニーズに合ったようにやっていくということだと私は思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 この間、渡辺さんから五十八年度の予算編成方針について御答弁がありました。五十六年度を発射台にする五十七年度の経済成長、税収の状況、そういうことを見て予定どおり三十六兆円の税収というものは確保できぬだろうという見通しの上に立って、経済の落ち込みをしないように考えていきたい、まずその前にやることは歳出のカットだ、そして世界不況の状況というものを見通していきたい、その三項目を言われたわけです。  だから、国民がどっちを選ぶかというような状況よりも、もうすでに五十八年度の概算要求に入っていかなければいかぬのですね。どういうぐあいにこれらの予算については取り組むのか。九月までちゃんと指標を見て、それまで待つ、八月までには五十八年度の予算概算要求というものは決める、こういうことになるわけですから、それではどの程度の枠を大蔵省としては示そうとするのか。たとえば、マイナス一〇%のシーリングか、あるいはゼロシーリングか、こういうことでありますし、防衛庁の関係も、きのう横路質問があったように、突出ということは考えていないということを総理大臣がお話しになっておる。したがって、全体を調べていくならどの程度のシーリング方式で各省に提示をされるおつもりなんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私のところでは、御承知のとおり人事異動いたしまして、やっと補佐までの異動が終わったところでございます。したがって、いま一斉に具体的なシーリング枠の作業に取りかかっております。数字はまだ申し上げる段階ではございませんが、去年よりは厳しいシーリングにする、マイナスシーリングにしたい。一定の条件、例外はありますよ。去年に準じたような例外はありますが、その他のものについては去年よりもはるかに厳しいマイナスシーリングを採用したいと思って、目下鋭意詰めているところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いま経済企画庁長官から、秋、後半はそれぞれ不況の底を脱していくだろう、世界経済も相当よくなっていくだろう、こういうお話がありました。  そこで、公共事業の扱いについては経企庁と大蔵省とは見解を異にしておるというように新聞は報じておるわけでありますが、それについてあなたは、たとえば十二月までに約三兆円ですね、二二・七%の八〇%ということになれば、その程度やるべきか、あるいは昨年のように半々、こういうふうにお考えになっておるか、どういうふうにお考えですか。公共事業です。十月から十二月までは、八〇%ではなしに去年は五だったですね、五〇%だったわけですから、それについてはどうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 去年は七〇%を前倒し、これは御承知のとおり、七〇%を九月までに全部事業をやっちゃうというわけではございませんから、これは契約する、これからスタートを切る。契約までを七〇。ことしは七七という目標でやっておるわけであります。ですから、たとえば九月の末に契約したからといって、それが何カ月か当然仕事はかかるわけですから、仕事をやらなければ金は行かないわけですから。ですから、それは先ほど経済企画庁長官が言ったように、世界全体の景気の流れ、日本の状況等も見ながら、後については景気の落ち込みは困るわけでございますので、それら全体の問題として考えていかなければならぬ。  御承知のとおり、公共事業というのはGNPの中で九%ぐらいしかないわけですよ。個人消費支出は六〇%近いくらいのシェアを持っているわけですから、その方の動向の方が大きなわけです。だから、景気全体としてどうするかという問題は、企画庁ともよく相談をしながら、どういうふうな手法があるか、これは一長一短、メリット、デメリット必ずつきものですから、そういう全体的な中でよく検討していきたい、そう思っておるわけです。ですから、長官の言うことと私の言うこととは余り違っておりません。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間がありませんので、次へ進みますが、地方財政問題です。  自治大臣に伺いたいのですが、はっきりしましたように、五十六年度の税収不足というものは二兆九千億程度ということが発表されたわけです。これによって地方財政に影響はありませんか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 お答えいたします。  五十六年度の国の税収がかなり落ち込んできておりまして、この大部分が国税三税に該当するものと思います。これを積算いたしますと、昭和五十八年度においてそれに相当する額の精算減を計算いたしますと、約八千億くらいの精算減を行わなければならない、こういうふうに私どもは考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 五十六年度の地方財政計画は七%ですね。それによって各府県は予算を組んだ。すると、地方交付税で八千億の減、それから府県税の税収不足というのは、そういうあなたが示された地方財政計画でやっておるわけでありますから、これによっても三千三百億円の税収不足を見ておる、こういうことは間違いないですか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 地方税の方の影響も若干出てまいりまして、昭和五十六年度の地方税の減収分は約三千二百億円くらいと計算の中に入れておるものでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いま地方の時代とか参加の時代、こういうふうに大平さん以来言われておるわけであります。相当の金額ですね、これは。これの対応策、そして国が責任を持って補てんする対策、こういうものについて、あるはずでありますから御答弁いただきたい。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 これは精算を行うにいたしましても、交付税の所要額を確保する措置を講ずることと各般の対策を講ずることで、地方財政に支障のないようにこれから措置を講じていく次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そんなことではだめなのですよ。措置を講ずるなんて、何が何だかさっぱりわからぬじゃないですか。あなたがわからぬのでしょう。  三千二百億については、あなたは減収補てん債というものを認めたのでしょうが。その後一体どうするかということが一つと、八千億円の減収がある、もう使ってしまったのですから。そうすると、地方交付税法の六条二項に従って、五十八年度に減額をされる、こういう法律になっておるでしょう。そうすると、地方財政は影響がないどころじゃなくて重大な影響があるのです。五十七年度にまた五兆円でも税収不足が出れば、財政計画で五・六%組んでいますから、それだったらまたさらに追い打ちをかけられる。地方財政としても、借入債を含めていまは約五十兆円の借入総額があるというのが現実なのです。だから、国がだめだったから、地方も指導したけれどもだめだったよと言って切るばかりでは、地方財政としては塗炭の苦しみの中に落ち込む。だから、それについてどういう具体策を考えるのか、落ち込まないようにするための方式いかん、こう言って聞いておるのです。どうですか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 五十七年度のこれからの地方財政の状況はどうかということになりますと、現在、経済的な見通しがまだ見きわめをつけるのには困難でございまして、これからの成り行きを見まして、政府全体が総合的な御判断、先ほどからの経企庁長官とか大蔵大臣の見通し、そういうことを基準にしまして、総合的に御判断される、それに対応して私ども自治省の方も適切な措置を講じてまいる、このように考えておるものでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 だめなのですね、それは。(「何にもない」と呼ぶ者あり)それはもう何にもないということですよ、いまおっしゃったように。  たとえば、もう八千億という減収ははっきりしたのですよ。あなたが言ったのでしょう。五十八年度に減額をされたら地方財政に大きな影響がありますから、一体どうするのかということが一つと、五十七年度も税収不足の様相は濃い。たとえば、四兆円あれば間違いなく一兆円の減収になりますよ、交付税率は三二%ですから。そうすると、これも影響が出ますよ。地方財政は五十兆円の借財を抱えております。いま、五十七年度地方財政はとんとんだと言うけれども、これは単年度そうなったのは、その借入債等を三年据え置きのものを五年にして償還を十年にしたというわけです。だから、とんとんになっておることにすぎないのです。本当は非常に国以上に厳しいというのが実情なのです。だから、資金運用部から金を借りるのでしょう。  もう言います、時間がないから。そして、半分を地方自治体に持たせるという方法もあるし、五十二年度にはこういうことがあります。地方交付税の総額の特例等に関する法律で、国税三税の減額にかかわらず当初予算計上の交付税総額を確保するための措置ということで国会で通っておる。自治省が当初予定をした計画、これはあなたが指導した。自治省が指導して、その結果こういうことになったのは国の責任なのですから、五十二年度と同じように、地方財政に影響のないように、当初予算計上の交付税総額を国が責任を持って拠出する、こういうふうにわれわれはやるべきだと考えておりますが、そのとおりですかと、こう言います。もう時間がないから、そのとおりですと言ってください、それでいいですから。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 国税の減収に伴って地方交付税の減収を生じたような場合におきましては、交付税特会における借入措置等を講じて、五十六年度あるいは本年度の特別交付税総額を確保するように努めるものでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 頭が痛いですね、本当に。わかってないのだ。きのうもちゃんと教えたのですけれどもね。  では、最後に、総理大臣にお尋ねをします。総理大臣、長いのですから。  地方交付税の減収になるということが明らかになりました。当初予定して予算に計上した交付税額については、地方財政、地方自治体の負担にならないように国が責任を持って措置をする、こういうふうにしていただきたいと思いますが、総理、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 この措置は、国が当面直ちに全部やってしまうのか、地方団体の御協力を得ながら処理するのか、そのときにおける財政事情その他を総合的に判断して決められるべき問題でございます。  その具体的な細かな面につきましては、財政局長から答弁をいたさせます。

土屋佳照自治省財政局長

○土屋政府委員 先ほどから御質疑があったわけでございますが、私どもは、五十六年度は、御指摘のように、減収補てん債で措置をいたしたわけでございます。ただ、五十七年度がどの程度になるかわかりませんが、地方税でもある程度減収を生ずることも予想せざるを得ない。また、国税三税が減収になりますと対応する交付税が減収になるということも予想されます。その点については、いまの国の財政状況等を十分勘案しながら対策を考えていかなければなりませんが、地方税についてはいわゆる減収補てん債的なものを考慮せざるを得ないのじゃないかと思いますし、交付税につきましては九兆三千三百億の当初の予定はぜひとも確保しなければなりませんので、結果としてはほかに余り手段もない。やはり交付税特別会計における借り入れしかないと思いますが、その借り入れたものをどのように措置しでいくかということは、五十三年度の方式もございますけれども、よく国の財政状況等も勘案しながら国の財政当局と相談をして結論を出したいと思っておるところでございます。  なお、五十八年度につきましては、これは私どもとしてもまだ十分見通しができておりませんが、かなり厳しい状況になると思っております。それに加えて交付税が五十六年度精算分が八千億減ってまいりますので相当な問題——八千億というのは仮定でございます。仮に二兆五千億とすればそういうことになるということでございますが、それに対しては必要な交付税総額はどうしても確保しなければなりません。いかなる方式があるか、そのときに十分確保の手段を考えて対処したいということを大臣から申し上げておるところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、次に進みます。  いまお話があったわけでありますが、時間がありませんから、国鉄の再建問題、これについてまずお尋ねをします。臨調に対する行き過ぎの問題等はございますが、それを越して進めていきたいと思っております。  国鉄の再建につきましては、そこにいらっしゃる小坂徳三郎私案(運輸相私案)というものが出されておりますし、臨調からも出されておる。自民党の三塚委員会もある。各政党それぞれ出されておる。しかも、臨調はそれが目だ。こういう関係になっております。したがって、この国鉄問題をごく簡潔にお尋ねをいたしますが、五十六年度末で国鉄の資産はどの程度ありますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 資産という意味がよくわからないわけでございますけれども、いまの財産の中で土地がかなりウエートが高いわけでございますが、土地につきましては再評価をいたしておりませんので……(野坂委員「簿価でもいいですよ」と呼ぶ)現在の簿価は実態と離れておると思います。恐縮でございますが、簿価の数字、ちょっといま持ち合わせておりませんので、御勘弁いただきたいと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、運輸大臣にお聞きいたします。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 概略九兆円であります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 再評価すれば幾らですか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 再評価はどういう時点でいつやるか、倍率がどうなるかということはいまちょっとお答えしにくいわけであります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 あなたは、あなたの案でちゃんと言っておられるじゃないですか。簿価は九兆円だけれども再評価をすれば四十兆円、その差は、再評価益というのは大体三十兆円あると小坂私案に書いてあるじゃないですか。どうですか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 六十二年度というものを基準にすればそのくらいになるのではないかという事務的な計算であります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 出したら責任を持たなければいかぬですよ、出したりやめたりしないで。  そこで、総理にお尋ねしますが、東北新幹線が六月二十三日開通しました。汽笛一声、大宮−盛岡間を動き始めた。これは昭和四十四年から四十五年に鉄道建設審議会の会長に、当時総務会長の鈴木さんがおなりになって四十九年までやっておられますね。あなたがお決めになった。そして、いよいよ通った。おらが総理、こう言って地元は喜んでおりますね。これで選挙は大丈夫だ、こういうふうにお考えでしょうが、国鉄東北新幹線が開通をして、あなたの感想をお尋ねしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 まず、私の選挙は東北新幹線一本にかかっているわけではございませんから、その点は念頭に置かずにお答えをいたします。  首都圏のすぐ隣の東北という非常に広大な地域、これは日本の将来にとって大きな期待の持てる地域である、このように私は考えておりまして、そういう意味合いからいたしまして、高速交通時代の代表的な新幹線が東北に通ったということは、東北地方の新しい時代を招くものであって、大きな期待を寄せておるところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大変お喜びで御期待でございます。  これは四十六年十一月から鈴木さんのところとそれから田中さんの上越新幹線、この二つがやられたですね。汽車でいうと鈴角時代ですね。当初は、あなたが鉄道建設審議会の会長をされたときに両方とも承認をされております。総事業予算が、東北新幹線は八千八百億だったですね、上越新幹線は四千八百億円、こういうことでありました。でき上がった数字、幾らかかったか御存じでしょうか。

永光洋一運輸省鉄道監督局長

○永光政府委員 東北新幹線につきましては、なお大宮以南が残っておりますが、現在のところは総額二兆八千億というふうに推定されております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 八千八百億が二兆八千億、これだけかかったのです、上越新幹線は四千八百億が一兆六千八百億、三倍半ですね。ずいぶんかかったものですね。これが社長なら首ですわ。  これでどの程度赤字が出ると予想されておりますか。大変喜んでおられるようですけれども、平年度赤字幾ら、本年度赤字幾ら、言ってください。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 平年度、両方合わせまして資本費と申しますか、償却なり利子負担が約四千億円と見積もっております。本年度の場合は約半年分でございますから二千億ちょっとということになります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 このでき上がった二兆八千億なり一兆六千億というものの財源は、自己資本でやられたのですか、借り入れですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 東北新幹線の方は、私どもが借り入れをいたしておりますが、その場合には、利子負担が三分五厘を超えないようにという、差額について補助金をいただいております。上越につきましては、私どもは借料を払うということでございますが、負担割合等はほぼ同じようなシステムでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 自己資本なし、全額借り入れ、三分五厘の利子補給、こういうことですね。したがって、赤字は平年度四千億、乙としは六月と十一月だから二千億、こういうことになるわけですね。鉄道建設審議会長の鈴木善幸氏が認めて、着工のときも出てやられた結果、気持ちよく通っておりますけれども、内容としては異常な事態にある。これがみんななんです、これがほとんど全部なんです。  一つの例です。上越新幹線は鉄建公団だとおっしゃった、七百億で借りるのですね。それから、ついでに言っておきますが、本四架橋のこの線路も五百億で借りるのですね。今度の上越新幹線も七百億で借りる。こういうことになっておりますが、間違いないですか、総裁。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 大体そういう数字になります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そうですね。  もう一つ鈴木総理にお尋ねしますが、今度国鉄再建法の中で地方交通線を第三セクターその他にする、そう言っておりますが、あなたのところだけ手を挙げて第三セクターだ、こう言ったのです。そして、岩手県知事が社長さんでいわゆる三陸鉄道株式会社というものが発足しました。ここが見えますか。盛線なり宮古線なり久慈線なり、こういうものは全部地方交通線として廃止する。どうです、これは。そこで、この青線のあるところを全部つないで、文字どおり三陸鉄道。よく知っておられるわけですが、これについて発足したわけです。この金額については全部国がめんどう見て、一キロ三千万円。六十キロでありますから十八億円払いますよ。五年間の損害、赤字は国が二分の一見ましょう。そして、鉄道は全部無償で貸しつけをいたします、こういうことになっておりますね。そのとおりですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 これは国鉄再建整備促進法の精神に基づきまして、地方ローカル線、赤字線の処理を国会でお決めいただいたわけでありますが、それを条件その他の面でよその地方はなかなか取り上げなかった。非常にむずかしい面がある。そこで、私は知事に話をいたしまして、とにかく国鉄の再建に協力する意味で率先してひとつやってみたらどうだ、こういうことであの再建法の精神にのっとりましてやってもらっておる、こういうことでありますが、私は、その運営いかんによりましては相当の期待ができるのではないか、このように思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いま三陸鉄道にやったようなことを政府が国鉄にやったら国鉄の再建はスムーズにいくのじゃないか、こういうふうに思います。全部ただでやるわけですから、いま国鉄は再評価をすれば四十兆円あるわけですから、だから、その負債を棚上げをしてやるということ、三陸鉄道と同じような方向をやれば、国鉄の再建ができるのじゃないかということが一つ。そして、五十二年、五十四年の閣議で、構造的欠損部分、これについては政府が持ちますということを言いながら今日までずっと先送りしてきた。だから、こういうものを全部やれば、国鉄の二兆一千億円の赤字は現実に千七百億円程度になる、こういう計算になりますが、そういう方式をやったらどうか。  言うなれば、政治絡みの幹線というものは国が見る、そして、レールの上の運営については国鉄が企業責任を持つ、こういうふうに分けるということになれば再建は可能ではないのか、こういうふうに思います。三陸鉄道の問題を例にして、具体的にそういう方向というものを考えられないのかというふうに思いますが、いかがですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局長

○永光政府委員 三陸鉄道の例を引かれましたが、三陸鉄道は、御案内のように、従来いわゆるAB線として敷設すべきものを、四千人の基準に達しませんが、地方がぜひということであればということで第三セクターを認めたわけでございます。したがいまして、国鉄線として基準に達したAB線についても無償で、鉄建公団がつくりまして貸し付けておりまして、そのベースにおいては同様な趣旨でございますし、あるいは出た赤字につきましても、地方ローカル線全体として約二分の一の助成を国鉄に行っておりますので、そういうローカルの意味におきましては、三陸鉄道も現在の国鉄のAB線ないしは地方交通線に対する助成とはイコールではないかというふうに考えております。  先生がおっしゃいますように、国鉄全体としてそういうような考え方でということでございますが、われわれとしましても工事関係の助成につきましては、鉄道特性がより発揮できる分野におきましては現在助成をいたしておりますし、従来の閣議了解に基づいて構造的問題についてどうしても経営努力だけではうまくいかないという面におきましては、できるだけ財政的な助成を、現在経営改善計画にのっとりながらやっておりますので、その線に沿ってやっていきたい、こういうふうに考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまお話がありました国鉄の再建計画、これは五十五年の十一月二十八日だったと思いますが、国会で約七カ月の議論をして決まりました。そして、去年の五月、経営改善計画というものが提出されました。臨調では民営分割論、島別分割論。北海道は、御承知のように、総理も御存じだと思いますが、約二千百億円の単年度赤字が出ております。九州も約千九百八十億円、四国も四百十億、こういうふうに赤字が出ておるわけであります。だから、受け手があるかないかというような問題もあるということが言われておるわけでありますが、私は、その前に、いま鉄監局長お話しになりました国鉄の再建法というものが国会論議で決まった、経営改善計画が出た、経営改善計画が出てからまだ一遍も決算してない、それでも直ちにそれをやめて、何回もやったけれども再建ができぬのだから民営分割論だ、こういうことは非常に問題があろうと思っております。だから、再建法が通って改善計画ができたのですから、これは尊重をする、このとおり進めるということが筋だろうと思いますが、運輸大臣いかがですか。総理大臣にもお尋ねしたい。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 再建計画そのものにつきましてはすでに決まったことでありますが、ただ、現在のいろいろな情勢を見ますると、これをもう少しスピードアップすると申しますか、深度化すると申しますか、あるいはまた前倒しをする、そうした努力をいたさないと、その後に控えたいろいろな、たとえば年金の問題にしろあるいは退職金問題あるいは現在の長期負債の金利の問題にしろ、いろいろとこれは全般の経済の中での解決を求められておりますので、やはり深度化を進めて国民にある程度それを理解してもらうということを進めることが大事であると思うのでございますが、基本的に申し上げれば、経営改善計画を放棄するものではないということをはっきり申し上げておきます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 五十八年度の予算についても再建法、経営改善計画に基づいて予算要求する、こういうことですね。簡単に言ってください、もう時間がありませんから。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○小坂国務大臣 もちろん、五十八年度の問題につきましてはこれからの懸案事項でありますけれども、やはり経営の合理化と申しますか、そうしたことを相当色濃く盛り込んだ形で考えるべきではないかといま私は思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 臨調の中でいまの再建計画というものについては改めて考えていかなければならぬ、こういうふうに思いますね。総理の責任も重大であります、一つ一つの例を示しましたように。しかし、単に民営分割論というのは、先ほどもありましたように、国鉄解体論につながる、こういうふうに私は思います。なぜかというと、民営にして、その能力がある分だけは国鉄がどんどん債務を払っていって、そして、なくなっていく、こういう関係になってくるということを私は非常に恐れております。したがって、この国鉄再建法、経営改善計画、これに基づいて作業を進めるべきだ。  もう一点、最後に、総裁に伺っておきたいと思います。緊急十一項目というのが提言されておりますが、これらは労使交渉等で十分詰めていかなければならぬ職場規律の問題等がありますので、十分労使交渉の中で実を上げていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 御指摘のような取り組み方をいたしてまいります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、もうあと時間が五分……(「二分だ」「魚をやれ」と呼ぶ者あり)  それでは、外務大臣にお尋ねをいたします。  いまこちらの方でお話がありましたように、日朝間の民間漁業協定、一九七七年合意を締結をいたしました。ことしの六月三十日で期限が切れるわけであります。これは去る三月に、朝鮮民主主義人民共和国の代表団が入国をして事前に話し合いをしたい、こういうふうに言っておりましたが、それを政府は拒否をしたというところからわれわれの入国も認められないということから今日に至り、すでに、新たな合意までは漁労活動をしているすべての日本漁船を撤収をさせる措置をとれ、こういうことを言ってきておるわけであります。  お尋ねをしたいのは、今日までの実績、そして予備折衝の入り口で予備折衝ができなかった、これは政府の責任である、こういうふうに考えておりますが、今後この暫定合意書を進めていくために、漁業協定のための交渉代表団の入国を認めていかなければならぬ、こういうふうに思っております。過去、予算委員会で外務大臣、水産庁長官は、私のこの質問についてはあらゆる協力をし、努力をしたい、こういうふうにお話しになっておりました。  時間がありませんから、まず現状を水産庁長官、そして、その後、漁業協定のための代表団の日本入国に対して善処するかどうか、こういう点については外務大臣にお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。

松浦昭水産庁長官

○松浦(昭)政府委員 お答えを申し上げます。  ただいまお話しのように、日朝漁業民間暫定合意につきましては、いまだに協議の機会を持つことができない状況にございまして、昨日の平壌からの放送によりますれば、朝鮮東海水産協同組合連盟は、暫定合意が六月末に期限切れになるということを遺憾とすると同時に、新たな合意が得られるまで、当該水域より日本漁船が撤収するように日朝漁業協議会及び日朝議連に要求するということを申した模様でございます。  現在まで民間側といたしましては、大変な努力を重ねてまいったわけでございますけれども、いまだにこのような状況であるわけでございます。私どもといたしましては、さらにこの状況を打開するために民間側が努力をしていただきたいというふうに考えておるわけでございますが、現状といたしましては、すでにマスの流し及びマスのはえ縄の漁業につきましては漁期を終了しておりまして、ズワイのかごはこれから禁漁期に入ります。問題はイカでございまして、この水域に好漁場が形成されておるという状況から、約二百三十隻の中型及び小型の漁船が現在操業中でございます。  以上が現状でございます。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 私の承知しておるところでは、五月の下旬に日朝議連の方で平壌の方にお出かけになっていろいろお話し合いをする、また漁業交渉の交渉団を日本の方へ受け入れることはどうか、こういうことであったと思うのであります。その交渉団につきましては、いつおいでをいただくのか、何人でお出かけ願うのか、そういうことがはっきりすればわれわれはよく検討いたしましょう。当時久野議員からは、大型の交渉団をよろしくというようなお話がございましたが、その交渉団が現実にこういう形で来るということがございますれば検討いたしたい、このように考えておる次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 これで質問を終わらなければなりません。が、いま言われたことについてもう二分ばかり。  漁業交渉の代表団の受け入れについては許可をする、こういうふうにいまの御答弁を受け取ってよろしゅうございますかということと、現実に年間百五十億円の漁獲高を上げておるわけですが、入漁料等は一銭も払っていないわけです、すべて無料でやられておる。これについては漁民の生活に重大な影響をもたらしております。だから、朝鮮の漁業交渉代表団を日本に受け入れるということでなければ今後の進展はでき得ないと考えておりますので、その辺は善処していただけますかということで終わりたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 零細漁民の皆さんにとって非常に大事なことでございまして、かねて来申し上げておりますように、現実にこういう交渉団が入国したいがどうかという場合にわれわれとして検討し、善処をしたい、こう思っておる次第でございます。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて野坂君、大出君の質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十六分散会

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