予算委員会 第7号
- 発言数
- 329 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/02/08
会議録
○栗原委員長 これより会議を開きます。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村上弘君。
○村上(弘)委員 初めに、けさのホテル・ニュージャパンの痛ましい火災事故で亡くなられました犠牲者の方々、またその御遺族の方々に対しまして、心から哀悼の意を表したいと思います。また、多数の重傷者も出ておりますが、お見舞いを申し上げたいと思います。 少しこのことでお伺いしたいのですが、自治省の方にお伺いします。 非常に多数の犠牲者が都心の大ホテルで出た、戦後初めてこういうことがあったわけですが、九階、十階、上の方にはスプリンクラーが設置されていなかったという話です。聞くところでは、あそこのホテルの労働組合ではこれを設置することを強く要求してきておったということであります。自治省関係としては設置命令を出しておったかどうか、これが第一点。 第二点は、防災管理者の選任やホテルの消防計画、避難訓練等について問題はなかったかどうか、これが第二点。 ついでに第三点として、いわゆるマル適マーク、安全マークですね、これが与えられていないホテルが全国でどれくらいあるか、東京都内ではどれくらいあるか、簡潔にお聞きしたいと思います。
○世耕国務大臣 お答え申し上げます。 大変な死傷者が出まして、その方々には大変遺憾な思いでいっぱいでございます。 お答えの第一点でございますが、現在のところ、死者、負傷者に関しましては、死者の方が、現場、それから病院に入院してから、さらには飛びおりたりなどなさいまして、合計で現在の十二時半の時点では三十一名でございます。さらに、負傷者はその時点では二十七名に及んでおります。 発火地点は九階でございまして、九階の外人の部屋から発火いたしまして、それが順次広がったという次第でございます。 それから、火災に対するスプリンクラーは、九階、十階は再三の警告にもかかわらずまだ設置できなかった。それ以下の階では設置されておる。 それから、誘導に関してはまだ詳細な報告が入っていないのでございますが、不十分の点があった。 詳細に関しましては、消防庁長官が来ておりますので御報告させたいと思います。
○石見政府委員 お答えいたします。 けさ方発生いたしましたニュージャパンの火災につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、スプリンクラーの設置が不備でございますので、東京消防庁といたしましては、昨年の九月十一日に消防法の規定に基づきます措置命令を発しております。 それから二番目の御質問の、防火管理者、防火計画等の問題でございますが、防火管理者は選任をいたしておりまして、総務部長が当たっておったようであります。これは消防機関に報告を出しております。それから消防計画につきましては、これも作成が済んでおりまして、その内容につきましても東京消防庁の方に出しております。それから避難訓練につきましては、過去の古い例はちょっとわかりかねるのでございますが、昭和五十五年には避難訓練をやっておりません。したがいまして、東京消防庁といたしましては、督励をいたしまして、五十六年には一回避難訓練をいたしております。 それから、昨年五月に発足をいたしました適マークの公示でございますが、全国的な対象物件が旅館、ホテルで約一万六千件ございまして、まだ完全に終わってない県もございますので、最終的な数字はまだ申し上げかねるわけでございますが、御指摘のございました東京消防庁につきましては全部調査が終わっております。東京消防庁管内では表示対象物件総数が九百六十一でございまして、そのうち基準に合格をいたしまして適マークの交付されておりますものが六百二十であります。まだ未交付が三百四十一ということになっておりまして、東京消防庁では、この未交付になっております旅館、ホテルにつきまして現在作業を進めておるという状況でございます。
○村上(弘)委員 最小限度の避難訓練すらよくやられていない。東京都内でまだ三百四十一のホテルが安全マーク、マル適マークが交付されないような状況にある。大変なことだと思うのです。川治温泉ホテル以来こういう痛ましい惨事が続いておるわけだし、今後もこういう状況ですから起こらないという保証はないと思うのです。 この際ですから総理にお伺いいたしますけれども、こういう一たん火災が起きると大惨事が起こるような大ホテル、こういう大ホテルあるいはきわめて悪質な営利本位の経営者、こういうものに対しては、改善命令を実行しない場合は営業停止をやらしてもいいのじゃないか、それぐらいの厳しい措置が必要じゃないか、人命にはかえられないじゃないかと思いますが、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 今暁のホテル・ニュージャパンの大きな火災によりまして多数の死傷者が出ましたことは、まことに残念でございます。犠牲になられた各位に対しまして心から深く哀悼の意を表したい、こう思います。 ただいま自治大臣並びに消防庁長官から御報告を申し上げましたように、火災の防止、特にいま御指摘のように大きな火災に発展をし、犠牲者が多数出るようなホテル等につきましては、人命尊重の立場からいたしまして、今日までも特に注意を払って、防災並びに火災時の避難誘導等につきまして意を用いてきたところでございますが、今後とも、このような悲しむべき事態、体験を踏まえまして、再発防止につきましては万全を期したいと思っております。 なお、今回の原因並びに誘導等につきまして遺憾の点がなかったか、あるいは政府の指導、指示に反するようなことがあったかどうか、そういう原因等も十分究明をいたしまして、そして厳正な措置をしてまいりたい、こう思っております。
○村上(弘)委員 ニュージャパンに関しては当然だと思うのですが、いままでのやり方では改善されないですね。ですから、新しい措置をとらなければ繰り返されるということを強調しておきたいと思うのです。ぜひそのことを検討してほしいということを要望しておきたいと思います。 質問に入るわけですが、その前に、二つばかり総理に要求をしておきたいと思うのです。 第一は、本委員会で重大問題になっております日米武器共同開発に関する文書の問題です。すなわち、資料交換に関する取り決めの本文とその附属書、研究開発に関する覚書ですが、これらの文書は、わが党もこの予算委員会理事会を通じて国会に提出するよう強く求めております。この取り決めと覚書は、その内容は武器輸出禁止の国会決議を空洞化させることにつながる重大問題だと思うわけですよ。政府は、これらの文書の存在を認めておりながら、国会提出は拒否して、そして国会決議を踏みにじって、安保を優先し、対米軍事技術供与を推進しようとしておるわけです。こういうことは断じて許されないことである。直ちに関係資料を国会に提出することを、私は重ねて強く要求しておきたいと思います。 第二に、さらに重大なことは、さきにわが党の不破議員の本委員会でのP3Cの情報処理に関する質問に対して、総理は再三見解を求められておりながら、理由もなく答弁を拒否した問題です。言うまでもなく、日本国憲法第六十三条は、総理大臣は議院に出席し発言をする権利を持っております。しかし、それだけじゃなしに、出席をして答弁をする義務も負うているのであります。総理の答弁拒否は国権の最高機関である国会を著しく軽視するものである、そう断ぜざるを得ません。絶対に許されないことです。これは、総理が日本国憲法や日本の国会や日本国民の利益よりも日米軍事同盟の利益を優先さしていることを示すものであると私は断じます。 以上の総理の態度に対しましては、強く抗議しますとともに、総理が憲法と日本国民の立場に立つことを改めて強く要求しておきたいと思います。 質問に入りますが、最初に臨調と政府の関係のことなんですが、総理は、第一臨調の答申が出た当時、第三次池田内閣の官房長官をやっておられたわけですが、あの答申の総論では、臨調の調査範囲についてこういう報告をやっていますね。「調査の範囲は、行政に関する問題のすべて」である。同時に、「直接政治や政策にかかることについては、原則的にはふれないこと」にした、こう答申しておるわけです。 第二臨調の第一次答申、これは第一臨調に比べて大変な性格の相違がある。原則的な違いがあると言っていいと思うのですね。「はじめに」の章ではこういうことを述べておる。行革の最大眼目は、「国家と国民を合わせた国全体の歩みを、より望ましい方向に変えていこうとする点にある。」国の進路を臨調が取り上げる「今後の検討方針」の章では、「行政が何をしなければならず、また何をしてはいけないかを施策相互間の優先順位を含め明確にすることが重要である。」国の歩みを変えるとか、政府がやる政策の優先順位を臨調が明確にする必要がある、こういうことを言っているのです。大変なしろものだと思うのですね。総理はそれを最大限に尊重する、そしてそれに政治生命をかける、こういうことになっておるわけです。 そこで、第一臨調当時の官房長官であった総理に、この第二臨調のやっておること、それから第二臨調と政府の施策との関係、これは全く逆立ちしておるのではないか、本来のあるべき姿を逸脱しておるのじゃないか、是正する必要があるのじゃないか、この点についてあなたの見解を最初に聞いておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 第二臨調は、国会の議決、承認を得ました設置法に基づきまして設置をされておる諮問機関でございます。行政の全般にわたりまして行政の簡素合理化を図り、そして新しい時代が求める行政の体制をつくって、そして国民の期待にこたえるような、新しい時代に対応できるような行政を確立をしよう、そういうところに臨調の審議の基本が置かれておりますことは御承知のとおりでございます。そして、この臨調の委員のメンバーは各界の代表的な方々にお願いをし、国会の御承認を得て選ばれた方々によって構成をされておる権威のある機関でございます。また、この設置法には、臨調の答申、意見というものは政府がこれを尊重して実行に移すという、そういう義務を明確にしておるところでございます。 したがいまして、政府としては、臨調の答申及びその審議過程における御議論等を十分踏まえ、一方において国会並びに国民の世論というものに十分配意いたしまして、この行政改革の本旨に向かって最善を尽くしてまいる考えでございます。
○村上(弘)委員 臨調設置法の所掌範囲というのは、第一も第二も同じなんですよ。ただ、国民の利益に奉仕するという言葉が第二では抜けております。こういう大きな変化があります。重要なことは、直接政治や政策にかかわる問題について大いに第二臨調は物を言っておるということですよ。あなたはそれに政治生命をかけておるということです。世間では、第二臨調は鈴木内閣の隠れみのである、こういう声がある。別の言葉で言えば、いまやその隠れみのが手かせ足かせにすらなってきておるのじゃないか、進退両難にすらなりつつあるのじゃないか。増税なき財政再建、これは臨調の言うことですか。そういうことにあなたはいまや政治生命をかけざるを得ない。この関係は基本的に間違うておるのじゃないのかということを聞いておるのですよ。 時間がないから先へ進めますが、ついでに言うと、第一臨調のモデルにあったアメリカのブラウンロー委員会でも、われわれが調査した範囲は行政管理の領域に限られ、政治の領域を除外した、こう言っています。これは、基本的には当然のことだと思うのですね。 そこで、歳入欠陥問題に具体的に入りたいと思うのですが、つまり、こういう政府と臨調の逆立ちした関係というものが何をもたらすかということを、具体的に歳入欠陥問題を通じても聞いていきたいと思うのです。大変な税収不足が五十六年度では不可避であるという状況になってきておると思うのです。 そこで、大蔵大臣に簡単に答えだけ聞いておきたいのですが、渡辺さんは、当初は見込みよりも変化することはあり得ることだ、それはそうです。それはあります。しかし、当初予算に対して一千億以上の税収不足を生み出したようなことが、これは昭和四十九年と五十五年にありますけれども、それ以外にあるかどうか。いわんや決算時点で莫大な赤字を出したようなことが戦後一遍でもあったかどうか、そうなったら大変なことだということをはっきりするためにも、まず、そういうことがあったかどうかということだけ聞いておきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 昭和四十年以来、毎年決算をやっておりますが、むしろ正確に当たったことはほとんどない。多いときには、昭和四十年が七・二%の歳入欠陥が出ました。それから四十六年が四・四%、五十年が二〇・七彩、五十二年が五%。今回の補正で一・四%出ることが見込まれたので直したわけでございます。 それと反対に、その他の年は、今度は税収がよけい入り過ぎちゃった。これも四十五年が五・二、四十七年が一〇・四、四十八年が二〇・六、四十九年が九・三、それから五十三年が二・二、五十四年が一〇・四というように、思ったよりも税収が一〇%も二〇%も入ったことがあるというようなことで、なかなかぴしゃっと当てるということは——非常にいままでも一生懸命みんなやるんですけれども、一年間の経済の見通しの変動によって税収が違うというような点から、そういう事実はございます。
○村上(弘)委員 よけい数字を並べるとかえってわかりにくいので、単純な数字をちょっと確認しておきたいと思うのです。 去年の十一月の税収実績が累計で九・八%になった。そうすると、このラインでいくと、補正の三十一兆八千億に達するには二兆三千億ばかり不足する、このラインでいけばね。それから、補正の三十一兆八千億ラインにこの九・八%から達するには一体どれぐらいの上昇率が必要なのかということですが、答えからいくと二七・四%の上昇ラインが必要だ。(資料を示す)ここが九・八の十一月の時点ですね。このままいけばこういう伸びになるわけですよ。これが三十一兆のところにいくには急速に上昇しなくちゃならぬ。二七・四%に急上昇しなくちゃならぬ。この数字は間違ってないですか。
○渡辺国務大臣 そのままでいけばそういうことになるということでありますが、これは、十二月にまいって予想外の今度はいい数字が出てまいりましてね、きょうの午後二時に発表します。十二月分の税収は前年対比で一四・二%というように非常によくなってまいりまして、その中でも源泉税、物品税というようなものが大変いい足取りに方向転換をしてきた。したがって、そのような二七というような不足にはならないだろうと見ております。 委細は主税局長から説明させます。
○福田(幸)政府委員 お答え申し上げます。 先ほどの二七・四は、十一月までということでございますと正しい数字でございます。いま、十二月のを御説明申し上げてよろしゅうございましょうか。 きょう午後発表の予定でございますが、ただいま大臣申しましたように、十二月は一四・二という対前年同月比でございます。累計では一〇・三ということで、ちょっと内容は、時間がかかりますけれども、お許しいただければ傾向がわかると思います。 補正ということをやらしていただくとしました場合の税収は三十一兆八千三百十六億でございますが、十二月、今度の税収を入れますと、進捗割合、すなわちどのくらい入ったかということでいきますと、五二・六になります。先ほどのように対前年同月比では一四・二ということでございまして、十一月分だけとりますと一〇九・四という数字であったのが、一一四・二ということになります。昨年と比べますとマイナス三・九ということになります。税収ウエートが小さかった五月分を除きますと、今年度で一番よい伸びとなるわけであります。 内容的に申し上げますと、源泉所得税でございますが、十二月分の税収は比較的高い伸びでございまして、九月、十月は一〇%台、十一月も一〇%台であったのが、十二月は一一六・四、こうなっております。内容を見てみましたところ、所定外労働時間が最近増加傾向にあるということが言えるようであります。九月以降、昨年同月を上回る伸びが続いております。これが続けばよいな、こういう気がします。 それから申告所得税でございますが、これは先生御承知のとおり予定納税でいままで入っておりますので、その後で今度三月決算が入ります。三月の申告でございます。そこで差額がどう入るか。 それから法人税の方は、いままで一時的要因で延納の関係で低く出ておりました。それから決算期に特定業種の偏りがございますので、そのままでは延ばせません。いままで低い感じがございましたが、いままでの実績は四割までしかわかっておりません。五月分税収というところで三月期の決算が入ってきますので、これが法人税の三割を占めております。全体の一割を占めております。そういうことで、この年度区分の改正というのは五十三年度にありましたので、非常にその辺の見通しが困難になっておるという^年度所属の区分の影響で見通し困難という、われわれには非常に制約された制度上の前提を持っておるということでございます。鉱工業生産がやはりバックにございますが、これは悪くない数字が続いております。企業収益は下期にどうなるかでございますが、各機関とも上向くと言っておりますが、どの程度上向くかが問題だろうと思います。 先ほどのように十二月分税収で申しますと、これは法人だけで申しますと、前年比で一〇六・六、十一月が一〇七・九でございまして、これはいい傾向が続いております。二カ月連続して前年を上回っておりますのはことし初めてでございます。九月と十月の決算大法人が好調でございまして、前年比で九月はプラス二三、十月二八・四となっておりますので、この辺の回復傾向が今後の最大のポイントであろうかと思います。 物品税がやはり消費回復の重要なポイントでございますが、税収としても重要なポイントです。伸び率は徐々に上がってきておりまして、十二月分の伸びは五十四年八月以来の高い伸びでございます。九月までは一〇〇台であったのが十月から一一三、十一月一一六、十二月は一二一・二、こう上がっております。これはエアコンディショナー、それから冷蔵庫、これが十月分以降非常に高い伸びを示しております。たとえばクーラーなんかは九月までは去年の半分だったのが、十月は一五三・五、十一月一九一・七。冷蔵庫も同じく九月までは下回っておったのが、十月一二四・二、十一月一四三・三、こうなっております。乗用車がポイントでございますが、九月−十二月で新車登録がふえておりますので、これが景気を引っ張ればと、こう思っております。新規課税物品のところでは、VTR等、これは新規課税ですから一月から出る。 いろいろ変動要因があると思いますが、われわれとしては明るい傾向が続けばと、こう思っております。 時間をいただいてありがとうございました。
○村上(弘)委員 十二月の税収が昨年同月比一四・二の増だ、こういうわけですね。そうしますと、これは大変なことになるのじゃないですかね。大体九・八%ラインで補正の税収目標に達するには二七・四%の急上昇ラインが必要であった。それが十二月時点で、九・八よりは、十一月累計よりはふえておる。十二月では一四・二になっておる。しかし、一四・二の線でいくと、これはもっと急カーブでないと到達しませんね。大体一五%ラインでずっと年度末までいくとすると、一兆六千億前後不足しますね。同じことなんですよ。だから、この十二月の、私たちがちょっと事前に二〇%ラインぐらいいくのではないかと聞いておりましたね、それよりももっと低いですわ。二〇%ラインにもし十二月になっておっても、三十一兆八千億に達するには二八・四%の急上昇カーブでないと到達しない。それがわずか一四・二%ということになれば、これはまさに急々カーブで進まなければこの補正の見込みには達しないということは計算上明白だと思うのです。 そこで、経企庁長官に少し聞いておきたいのですが、この一月から年度末まであと二カ月ちょっとですが、恐らく三〇%を超えるような急上昇というようなことがあり得るのか。あなたはここで、この前に、景気停滞要因としては世界経済全体の停滞だとかアメリカの高金利だとか、あるいは行財政改革による公共投資の抑制だとか、あるいは可処分所得が停滞しているとかいうようなことを挙げましたね。このことはいまも変わりないはずなんですよ。このどれかの要素が急激に変化することがあり得ますか。急カーブで上る可能性があるならば、一言でひとつ言うてほしいと思います。
○福田(幸)政府委員 税目の関係、税収の伸びと経済の伸びというのは、これは直結いたさない点がございまして、個別税目の事情でかなりの振れがございます。そういうことで、その残りのところで直ちに結びつけてというふうにはなかなかいかないかと思うのです。最大のポイントは、やはり三月決算のところ及び三月の確定申告のところにかかっています。したがって、五月分税収なんかは昨年は一三八と法人税が伸びて、全体も一三〇に近く伸びておりますし、月によってやはり振れがございます。その前の年の三月なんかは個人の申告がいいものですから二四%というふうに、税の方の入り方がいろいろございますので、その辺だけ御承知いただけばと思います。
○河本国務大臣 昨年の中ごろから景気は、非常に緩慢でありますが、回復の方向に進んでおります。たとえば生産はここ半年ほどの間に約五%上昇をしております。出荷も相当ふえておりますし、それから在庫率なども約一〇%ほど下がっております。したがいまして、徐々にではありますが、景気は回復の方向に行っておりますので、いま大蔵省からお話がございましたように、三月決算がどう出るかということが税収と大きな関係があろうかと考えております。
○村上(弘)委員 緩慢な変化ですよ。こんなに急上昇するような激動なんて考えられないですよ。破天荒なことですからね。 そうすると、十二月実績が一四・二%。三十一兆八千億に達するには、三〇%を超える急上昇をこれから年度末まで続けなくてはならぬ。この一五%のままでいったならば、大体歳入欠陥は一兆六千億は出るだろう。これは数字的に出るわけですね。問題は、これだけ兆単位の税収不足ということが問題にされておりながら、それでもまだ何とかなるというふうなことを当局は言うておるように思うのですね。大蔵大臣は、もし歳入欠陥が生まれたならば、結論が出てから私がしかるべき責任をとります、こういうことを言いました。何しろ兆単位の税収不足、あるいは間もなくやろうとする補正をあのままでやるとするならば、かつてない赤字決算ということになるわけですね。そういうことになれば、当然しかるべき責任をとるのはあたりまえだと思うのですが、この責任をとるというのは、ただ帳じりを合わせるなどということじゃないと思うのです。政治的責任だと思うのです。つまり、進退を明らかにするということだと思うのですが、これだけわれわれが指摘し、国会で問題にしておるにもかかわらず、まだどうかわからぬというようなことを言ってしかるべき措置をとらない、そして結果が出たらということは、そういう進退を明らかにするということだと私は思うのですが、どうですか。——あなたに聞いておるのじゃない。責任の問題を聞いているのですよ。
○福田(幸)政府委員 これは技術的、専門的といいますか、行政的な見積もりでございますので、先ほど申しましたように、見積もりの時点における利用可能な資料の制約または制度上の制約の中で最大の努力をいたしておるわけでありまして、いずれにしろ、歳入が見積もりである、歳出のように歳出権によってそれ以上使っていけないというのじゃなくてエスティメートであるという宿命がございますので、その辺、歳入欠陥だけ問題が生じますと、どうしても見積もりをかた目にしがちになったり、または課税の面で租税法律主義に抵触するような問題があってはいけないと思いますし、われわれとしては行政の問題として最善の努力をした、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほど私が御説明いたしましたように、この見積もりの問題は非常にむずかしい。いま言ったように二〇%も歳入欠陥が出たこともございます。しかし二〇%も自然増収が出てしまったこともあります。片っ方は歳入欠陥、片っ方は税金の取り過ぎ、こういうような前例もございまして、なかなかびしゃっと合わないということは、残念ながらいままで過去にそういう例がたくさんあるということを申し上げたわけであって、もちろん歳入の欠陥によって行政が困るようなことをさせるわけにはいかぬわけですから、それは私が責任を持ってきちっと措置をするということであります。
○村上(弘)委員 きちっと措置をするというようなことはだれだってやるのですよ。そうじゃないのです。あなたがこの前に発言しておることは、私の責任で対処すると言ったことの後で、結果が出たら私がしかるべき責任をとりますと言っておる。これはたとえば決算調整資金に手をつけるとか国債整理基金に手をつけるとか、何とかつじつまを合わせるという、これ自体も重大問題ですけれども、そうじゃないのです。そういうことが出たら私が責任をとりますと、これだけ問題になっているのだから。現に十二月の税収は一四・二%ですよ。もう一兆を超える歳入欠陥は明白じゃないですか。そうなったら一体どういう責任をとるのか。いままで一千億を超える程度の税収不足も二回ぐらいしかなかった。兆単位ですよ、しかも、これだけ問題にしているのですよ。ですから、これだけの重大な欠陥を生じた場合にはあなたが責任をとるということは進退を明らかにするということだ、私はそう思うのだが、どうですか。
○渡辺国務大臣 ですから、今回確かに一・四%の税収減が見込まれたので補正予算を組むことにいたしました。いままでは一〇先、二〇%というような食い違いがあったこともございます。仮に三十六兆という税収の中で、それは二〇%も違うと七兆円も違うという話でございますから。前は予算金額が小さかった、それでも十七兆で三兆五千億円違ったことがございます、当初見積もりよりも。十七兆三千億入ると思ったら十三兆七千億しか入らない。三兆五千億食い違いがあった、歳入欠陥があったこともございます。当然、そういうような前例もございまして、なかなかぴしゃっと合わない。しかし、われわれとしては補正も組んだから今回は大体これでいける、こういうふうに思っておるわけであって、当然、しかるべき責任というのは、前例にならってしかるべき責任をとるということであります。
○村上(弘)委員 いまの兆単位の不足が出た場合には当然補正措置をとるわけですよ。今度は補正措置は四千五百億ですよ。このままでいったら、先ほど言ったように一兆五千億から六千億、場合によったら二兆単位の歳入欠陥が生ずる、こう言っているわけです。補正措置はとらぬのでしょう。新しい四千五百億、これから審議に入っていこうとしているわけでしょう。そういうやり方で最後まで行って重大な欠陥が生まれたら、あなたが政治責任をとるというのはあたりまえじゃないですか。あなたはそういうことを言ったのじゃないんですか。帳じりを合わせることをやるというのですか。そんなことだったら、だれだってやります。どうなんです。
○渡辺国務大臣 過去にも補正措置をとってもなお欠陥が出たことも何回もあるわけですから、当然、私はそのときの状況によってしかるべき責任をとるのはあたりまえのことであります。
○村上(弘)委員 それは激変して予想に反したようなことがある場合のことですよ。しかし、いまはこれだけ予想されているのです。これだけ論議しておるのです。にもかかわらず、あなたはそれを見ようとしない。そうであるならば、結果が出たら責任をとるべきじゃないか。どうなんです。
○渡辺国務大臣 何遍でも同じ答えになるわけでございますから、しかるべき責任をとります。
○村上(弘)委員 きわめて無責任な大蔵大臣であるということに相なったと思うのです。 そこで、総理、大蔵大臣がいまのような態度をとってもし重大な歳入欠陥が生じた場合は、この予算編成の最高責任者はあなたですから、大蔵大臣はああいう無責任な態度を改めて表明しておりますが、総理はどういう態度をとるつもりか、どういう政治責任をとるつもりなのか、やはり聞いておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど来御説明を申し上げておりますように、歳入の見積もり、これはなかなかむずかしい。過去におきましても、したがって予想以上に税収がへこんだこともございますし、また税収がふえたこともございます。したがいまして、政府としては、その時点において専門的な検討を加えて、ベストを尽くして対処してきておるわけでございます。それでもなお狂う場合が間々ございます。私どもは、五十七年度の予算編成に当たりまして、五十六年度の税収の推移を十分見きわめまして四千億の補正をした、これは政府としては非常にまじめにそういう状況に対して対応しておるわけでございます。 今後におきましても、私どもは、あの補正で税収はどうにか大きな変化はない、こう思っておりますが、その時点におきまして、大蔵大臣が申し上げるように、適切にそれを措置する、先例に従いまして国政に渋滞を来さないように措置するということを大蔵大臣は繰り返し申し上げておるわけでございまして、その点御了承を願いたい、こう思います。
○村上(弘)委員 五十六年度、兆単位の莫大な歳入欠陥が生まれることはもう不可避です。そして、適切に措置するということは、国債の整理基金にまで手をつけなければ片がつかぬほどの状態になるであろうとこれは言ってよいと思うのです。そういう状態に対しても、なおかつ責任ある新しい補正措置もとろうとしておらぬ。何とかそれでいけるであろうと総理がいま言いました。これはきちっと記憶しておかなくてはならぬと思います。あなたはあのときそう言ったのだ、甘いことを言ったのだ、これだけ言っておるにもかかわらず、無責任な、ある意味では国民を欺瞞するような状況を続けたということを指摘しておきたいと思うわけです。 そこで、五六の決算がそういうことになれば、五十七年度の予算の前提も全く崩壊していくわけですから事は重大になると思いますが、もう論議はこれぐらいにしますけれども、なぜこういうことになるか。私は、ここに、こういう事態に対して自主的に、機動的に政策が展開できない、やはり増税なき財政再建という名の臨調路線に拘束される、それに政治生命をかけておるという状態があなた方を動きのとれない状態にしておるのだということも指摘をしておきたいと思うわけです。 わが党は、ああいう政府と臨調の逆立ちした状態、こういう状態に対して、発想の根本的な転換が必要だろうと思います。当然のことでありますけれども、一兆円以上の減税だとか、あるいは福祉、教育をもっと充実させるとか、あるいは公共住宅だとか下水道など生活密着型の公共投資に比重をもっと向けるだとか、こういう措置の採用が必要だし、そういうことを進めるためには、財源問題から見ても、一兆円以上の軍事費を削減するというもの、あるいは大企業本位の補助金だとか、あるいは大型な公共事業、こういうようなものはもっと思い切って抑制する必要がある、大企業本位の不公平税制の是正をやるなど、国民の立場に立っての発想の転換、これがいまや必要になっておるのだということを強調しておきたいと思うわけです。 そこで、第二のテーマでありますが、談合問題についてちょっと聞いていきたいと思います。 総理は、談合問題について本会議での金子議員の代表質問に対して、談合の問題は臨調における検討事項の範囲に含まれているものと考えます、こういう答弁をしているのですね。 これは臨調では、ここで聞きたいところですが時間がないから、私、この間事務局長に聞いてみました。そうしたら、これは談合問題は範囲には入っておる、しかしながら、いままでは取り上げていない、これからいつやるかまだ決まっておりません、はっきり決まらない状態であります、これが事務局長の答えでした。こういうところに第二臨調の本質があると思うのですが、実際にはこういう状況だということです。だから、やはり国会でこの談合問題についてはしっかりと究明する必要があると思うわけです。 そこで、ここに私、昭和五十一年度の日本道路公団工事打ち合わせ会議の記録ですね、報告書を持っているのですが、これはこういうものです。昭和五十一年度日本道路公団工事の打ち合わせ会議。出席の会社は大手六十四社。大成だとか前田建設だとか鹿島だとか大林組だとか、こういうものです。 この打ち合わせ会議でどういうことが報告されておるかといいますと、第一項では、前田忠次建設懇話会の会長があいさつをしている。 第二項では、道路委員の岡田大成建設の副社長が報告をやっていますが、その要旨が出ています。その一が、工事の内容ですね。ここでは、昭和五十一年度発注予定高速道路七十件、上期四十件、下期三十件。一般有料九件、上期六件、下期三件。ほかに局長権限で契約する工事については八件。低ランクの会社は注目してほしい、こういうこともある。 第二に、昭和五十一年度の積算基準も出ていますね。 第三は、各社の希望工事の申し込みについては三月二十日までに大成建設有川部長に提出すること、こういうふうになっています。 そして別表を見ると、この各工事名が出ているのですが、高速道路関係では、北海道縦貫道路十五件だとか九州高速道路九件だとかいうふうにずらっと並んで七十件。一般有料関係が海南湯浅道路だとかいろいろあって九件。建設局長契約関係、第二神明道路などというふうなのがずっと出ていますね。 あと道路委員の選任問題がありますが、要するにこの打ち合わせ会議に基づいて各社は建設局に対して、ここに願書のあれがあるのですが、建設局はどこそこ、工事名は何々工事、予想工事費は幾ら、希望理由は何かというようなことを出しておるわけです。 重要なことは、この打ち合わせ会議は昭和五十一年三月九日午後三時、これは五十一年度予算審議中ですよ。まだ厳密に言えば個所づけもされていない。こういう状況のときに五十一年度の道路別発注予定件数、上期、下期幾ら幾ら、局長権限の分がどうだというようなことまでがちゃんと報告されておるというようなことは、きわめて私、重大だと思うわけです。 なぜこういうことが可能になるのかという問題ですね。これはやはり、総理は業界内部のことだと言いましたが、業界内部だけではできない。ですから、この問題については、五十一年度の件はもとよりですが、それ以後の問題についても、公団との関係も含めて建設省はこういう問題について総点検すべきじゃないかというように思うのですが、いかがですか。
○始関国務大臣 お答えをいたします。 ただいま御指摘のような事実は、私どもまだ承知をいたしておりませんので、調査をいたしませんとどうこうという御回答を申し上げるわけにはまいらぬわけでございますが、ただ一般的に申しまして、こういうことを申し上げておきたいのでございますが、まだ事業計画が決定していない、また予算化していないのにそういう事実が世間に漏れておるのはどういうわけかという問題が一つあると思うのでございます。 これにつきましては、申し上げるまでもございませんが、公共事業の実施に当たりましては、事前調査に基づいて作成した事業概要を地元の関係者等に説明を行う必要がございます。それの了解を得た上で実際の工事に着手するということになるわけでございまして、公共事業でございますから、世間の了承、納得を得ないと進められない、こういう問題がございます。 この地元説明は工事を発注する相当前に行われることが通常でありまして、この時点で総事業費、土地買収、土地の代金や何かを含めた総事業費というものを含めた事業概要が公表されておるのが普通でございまして、いま御指摘のたとえば下水道等につきましても、これは都市計画で決定する必要がございますし、道路についても同様でございます。また、ダム等につきましては、特に地元との折衝が多いわけでございますから、ずいぶん前から地元に説明をしておる。こういうことでございまして、問題にされております事柄のうちで、すべてが秘密事項が漏れておるというわけのものではないということをとりあえず御回答申し上げたいと思います。
○村上(弘)委員 それはわかっていますよ。しかし、公団と通じなければわからないはずのことが先ほど挙げた点にはあるわけであります。あなたは調査すると言われましたから、ぜひ調査をしてもらいたいと思います。 それでは、ちょっと資料を配ってほしいのです。 東京都発注の工事関係の問題について少しお聞きしたいと思います。 いま資料をお配りしますけれども、ここにきれいなビラがあるのですよ。これは、東京都が発注する工事、東京都下水道局それから財務局、水道局、これらが発注する工事に対する各建設会社からの願書ですね。いわゆるビラというものですね。ここをやりたいという線を、地図に赤線やら青線やら入れておるわけです。きわめてきれいなものですが、私、いまここに四十六枚そのビラを持っております。皆さんのところにはそのうちの三枚か四枚、これは全部刷るのも大変ですから、ここに登場してきておる企業名、それからそこで何を希望しておるかということと、その地図の見本ですね、これをお配りしたわけです。 要するに、この地図は、ここの会社の希望工区が一目でわかる。この一覧表にあります、四十六枚、企業数にしてこの場合十八社ですが、これはすべて大手です。土工協の会員でもあるわけです。この願書は、皆さんのお手元の場合でも受け付けの日付を押していますね。五十六年六月十七日とかいうように受け付けの判が押してあります。これは差し出す側は皆活字もスタイルも違うのですが、受け付けの判こだけ皆共通している。だから、ある一カ所で全部共通して受け付けているということになるわけですね。 そこで、東京都のこういう工事というものは、下水道に関して言いますと、下水道整備緊急措置法に基づいて昭和五十六年度から向こう五カ年と、こういうことになっているわけですね。これを計画を立てて建設省に上げて、そして国がそれを認めるならば補助金を出していく、こういう関係のものですね。ですから、東京都の談合の一つの手段になっているこのビラは、国の建設の仕事、予算に当然かかわりがあるわけです。それで、実際これがいつ施工されるものなのかということが問題です。 たとえば東京都の下水道建設の場合、大体入札をやるのは、施工の二カ月前に東京都庁第二庁舎に、工事件名だとか工事規模だとか工事内容を掲載するのですね。そこから始まるのです。ところが、この願書というのは、大変なものですね。二年も三年も四年も五年も前から出しておるのですよ。大変なものであるわけです。たとえば、この一覧表のフジタ工業ですね、これの四つ目にある中野下水処理場建設工事、これは旧中野刑務所のあるところです。まだあるわけですね。これは来年度解体するかどうかということになっておるわけです。解体してから五十九年度にでも下水道工事をやるかどうか、こういうことになっているわけですね。それが五十六年度にこういうふうに先取りをされていこうとしているわけです。こういう状態になっておる。 それから二枚目には日本国土開発、真ん中辺にありますね、財務局関係。東京港横断橋建設工事、これは本年度に一千万円の調査費がついたところですね。大体五十九年度から六十一年度にかけての構想という範囲なんですよ。万事そういうものですね。先取りがどんどん行われ、お互いに縄張りを決めていっておるわけですね。 しかも、この談合の経過というものがこのビラの中に全部反映しておるわけですね。たとえば、皆さんのお手元にある中で一番上にあるフジタ工業の希望工区というのがあります。これは沼袋幹線建設工事ですね。ところが、これはその次の二枚目にある竹中土木が同じところを希望しておるわけです。ぶつかっておるわけです、競合しておるわけですね。それがどういうふうにして調整されていくかというと、その次の間組の部分を見ると、「再々発行」と書いて「七回」と書いてあるわけですね。地崎工業希望工区、「第四回発行」と、こういうふうになっているわけです。こういうふうに、事前に調整という名の談合がどんどん進められていっておる。 建設大臣、先ほどの問題もあるわけですが、これは予算審議中どころじゃないのですよ。予算も計画もまだ決まってないわけですね。そういうものがすでに、土工協の会員が、あるどこか一カ所で受け付けたこういう願書に基づきながらどんどん談合を進めていっておる。これは会社名もスタンプもはっきりしておるわけですね。受け付けた日付だけは、ある一カ所で受け付けておることも明白ですよ。これはもう長期の、組織的な、構造的な談合であることは明白だと思うのですが、どうですか。
○丸山政府委員 いまお示しの資料につきましては、ただいまいただいたところでございますから、今後調査しなければ何とも申し上げかねるところでございますけれども、先ほど大臣からも御答弁のございましたように、公共事業につきましては地元の協力を得るということが最も大事でございまして、工事を発注する数年前から事業計画を決めまして、これを地元に示し協力を得るという形をとっておるわけでございまして、その観点から申しますと、このような資料は秘密になっているわけではございませんから、どのような人でもその気になれば手に入れることができると考えられるわけでございます。
○村上(弘)委員 公然とやるまでになっておる、決して秘密じゃない、明らかだということになっておるわけですが、それの実態を建設省は調査しますか。どうですか。
○丸山政府委員 この資料につきましては調査いたしたいと思いますが、談合の事実があったかどうかということを建設省の権限で調査することはまことに困難であると考えております。
○村上(弘)委員 それはそうだが、事実を調査してもらいたい。第二臨調は当てにならぬ、やるかどうかいまから決まっておらぬ、建設省も調査権ありません、そういうことだから、国会がやらなければしようがないわけです。ですから、私は、証人喚問を要求したいと思うのです。 前田忠次鹿島建設副社長、前土工協会長。理由は、いま私が指摘した、一つは、日本道路公団五十一年度の発注工事をめぐる疑惑。もう一つは、東京都下水道局などの発注工事をめぐる疑惑。さらには、新聞等で報道されているように、土工協会長として裏組織の長老会議で談合を取り仕切っていたという事実を認めてもらう。 次に、植良祐政飛島建設の会長、前土工協副会長。これも、私が指摘した二つの疑惑及び土工協の裏組織、建設同友会の会長として談合を取り仕切ってきた事実なども究明する必要があります。 それから第三に、銭高善雄、株式会社銭高組の社長。これは一月の二十四、二十八、三十一日などの朝日新聞でも連続して報道していますが、防衛施設庁発注の手みやげ工事の疑惑について、当然究明しなくてはなりません。 次に、第四は菅原竹雄、株式会社銭高組前顧問、元防衛施設庁技術審議官。これは前項と同じ防衛施設庁の天下り官僚の手みやげ工事の問題。 それから、道路公団についても、前田光嘉、五十一年当時の日本道路公団の総裁。先ほど私が指摘した日本道路公団発注の工事をめぐる疑惑についてであります。 私は、国会の本委員会が、こういう問題について、国民の負託に基づいて厳正な調査をやるべきだと思います。委員長に善処をお願いしたいと思います。
○栗原委員長 後刻理事会で協議をいたしたいと思います。
○村上(弘)委員 次に、鈴木内閣の政治倫理についてお聞きしたいと思うのです。 これも金子議員が本会議の代表質問で、国から発注を受けた企業の政治献金は禁止すべきではないかという質問をしました。総理はこれに対して、国から発注を受けた企業は、選挙に関する寄附については禁止されております、こう答えておられるわけです。私は、この談合の構造といいますか、それの深部にある政財官の癒着構造を断ち切ることが談合問題を断ち切る一番の決め手だと思うのです。したがって、そのためには、すべての企業献金の禁止、それから次には、せめて国から受注をしておる企業からの献金禁止、これは必要だと思うのです。しかし、総理は、選挙中に受注している企業がその選挙に関して行う献金は禁止されておるという御答弁であったわけです。これは確かに公選法百九十九条でそう禁止されております。ですから、私は、これが本当に最小限度の規制措置だと思うわけです。したがって、総理のあの答弁からいえば、せめてこれくらいは徹底して、そして厳守させる必要があると思うのですが、どうですか。
○鈴木内閣総理大臣 公共工事の発注につきまして、入札のあり方等を明朗にする、合理的なものにするということはぜひ実現しなければならない、こう考えておりまして、建設大臣は、現在、中央建設業審議会にこのことを諮問いたしまして、その答申を待って改善策を決めようということで進めておるところでございます。臨調だけにこれを頼っておるというようなものでないことをまず御理解を願いたい、こう思います。 なお、そういう国の公共工事の発注等に絡んで政治献金がなされるというようなことにつきましては、政治資金規正法等によりまして、選挙に関連をして政治献金がなされることは厳に禁じられておることでございます。企業の政治献金につきましては、いやしくも疑惑を受けないように自粛をしていかなければならない、私はそのように心得ておるわけでありまして、そういう立場で今後指導してまいりたいと思っております。
○村上(弘)委員 いま総理は政治資金規正法と言いましたけれども、この禁止条項は公選法の百九十九条になっておりますね。二百条によっては受け取ってもならぬということにもなっているわけです。しかも、これに対しては罰則がついておるのですね。どういう罰則になっておりますか。どなたか……。
○大林政府委員 御指摘になりました第百九十九条の違反につきましては、公職選挙法第二百四十八条によりまして、「三年以下の禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。」ということになっております。(村上(弘)委員「二百条も同じですね」と呼ぶ) 第二百条違反につきましては、同じく「三年以下の禁錮又は二十万円以下の罰金」となっております。
○村上(弘)委員 そこで、私たちもこれ、念のために調べてみたわけですよ。国からの受注企業が政治家に献金する、政治家がそれを受ける。百九十九条、二百条違反があるのかないのか、よく調べてみました。昭和五十四年の総選挙と五十五年のダブル選挙だけで、しかも全部ではないのですが、各県選管に届け出しているものに基づいて調べてみました。実に驚いたんです。大変なものですな。ちょっと資料をお願いします。そのうち資料が回るでしょうが、これを見て実に驚いたんですね。 鈴木善幸内閣総理大臣、東北ブルドーザー工業から五十万円。昭和五十四年十月の選挙に関して寄附を受けておられる。この企業の契約期間は五十四年五月から五十四年十一月ですから、まさに該当するわけですね。 現職閣僚が八名もいるのですよ。櫻内外務大臣、佐藤組から三十万円。田澤農林水産大臣、間組から二十万円。安倍通産大臣、末延組から三十万円。始関建設大臣、旭建設から五十万円。中曽根行管長官、これは東急建設五十万、飛島建設二十万、こういうふうになっておる。さらに、伊藤防衛庁長官は飛島建設から二十万円。松野国土庁長官は大日本土木から五十万円。以下省略しますけれども、これは実に驚くべきことではなかろうか。 この工事は、建設省の工事経歴書及びこの工事全部について各省庁がやっておるということを事前に確認を得ております。だから、契約額については若干の変動もありますが、基本的な百九十九条、二百条に関する点については何ら関係がないわけです。これは、先ほども答弁がありましたように、公選法百九十九条、二百条違反に該当するし、直接的には出納責任者なのかもしれませんけれども、犯罪行為なんですね。二百四十八条、二百四十九条によって三年以下の禁錮または二十万以下の罰金に処せられることになっている。 総理は先ほど厳正に対処しなくちゃならぬということを言われ、国会でもこのことについては特別に答弁で指摘をされたわけですから……(「法律と献金と関係ないじゃないか」と呼ぶ者あり)あなた、法律を知らぬのですか。百九十九条、二百条、これ皆該当しているのです。(「何が該当しているか、ちゃんと説明せよ」と呼ぶ者あり)何言っているか。これは全部公職選挙収支報告書によって届けられておる。その皆さんの資料にもつけてありますが、若干の分については、たとえば鈴木総理の分は岩手県報ですね。これは公報です。これに記載されておるのです。収支報告書に明確に記載されておるのです。しかもこの企業は、先ほど言ったように関係省庁が確認しているのです。したがって、公選法百九十九条、二百条に明確に該当しておるわけです。総理はこういう事実に対してどう受けとめますか。
○世耕国務大臣 企業も一つの社会的実在として、その政治活動の自由は保障されております。したがって、最初から企業献金等が悪であることを決めてかかるのはどうかと思う次第でございます。政治資金の政治献金のあり方の問題は、選挙制度のあり方の問題と密接な関係を持っているだけでなく、各党のよって立つ財政的基盤がそれぞれ異なることから、今後とももっと各党間の話を詰めた方がよろしいのではないかと思います。(発言する者あり)
○村上(弘)委員 不規則発言がありますからはっきりしておかなければいけませんが、この国等の請負契約、これは関係省庁が確認をしておるんです。その工事期間というのは、ここに述べておる期間、工事をやっておるのです。その期間に五十四年の選挙と五十五年のダブル選挙が行われておるのです。その選挙のときに、該当する選挙献金をやっておるわけですよ。きわめて明白なんです。そのことが理解できないほど、実はこういう問題について軽く見ておったかあるいは麻痺しておったか。総理大臣が、選挙に関する献金は禁止されておりますということをあなたははっきり言われたのですから、あなたはよく知っておられた。しかし、遺憾ながら総理大臣みずからがその条項に違反する献金を企業から受け、みずからももらうという関係になっておる。どう思いますか。総理みずからに関することですから。
○世耕国務大臣 選挙も一つの大きな政治活動の一部と考えますので、選挙に際しましても、正常時の政党に対する献金に対しましても、同じように考えて結構だと思うのでございます。
○村上(弘)委員 総理、あなたはこのことについてどういうふうにお考えかということをお聞かせ願いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 これは私の後援団体が献金を受け、そしてこれを政治資金規正法に基づいて報告をしておる、届け出をしておるというようなことからいたしまして、そのようなやましいものではない。堂々とこれを届け出をしておるわけでありますが、なお、選挙とその時期とどういう関係があったのか、そういう点も調べてみなければなりません。私は、これが隠密裏に金銭が授受されておるというようなものでなしに、政治資金規正法によって正規の手続でなされておる、後援団体からなされておるということでございますから、御指摘になるようなそういうようなものではない、そう考えております。
○村上(弘)委員 先ほどの条項にもありますように、企業は「当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」それから二百条では、それに該当する、「規定する者に対して寄附を勧誘し又は要求してはならない。」ということと、第二項に「何人も、選挙に関し、第百九十九条に規定する者から寄附を受けてはならない。」こうなっておるんですよ。ですから、あなたは公式に届け出たものである、それはそうなんです。だからこれがわかったんです。しかしそれは公選法の規定に違反しておる。あなたが本会議で答弁されたことにこれは該当するわけです。その点については、これはもう明白だと思うわけですね。どうですか。この条項適用の解釈についてはどうですか。
○大林政府委員 ちょっと恐縮でございますが、もう一度御質問を……。
○村上(弘)委員 この条項に該当するものではないかと聞いているんです。
○大林政府委員 百九十九条の選挙に関する寄附と申しますのは、国と請負契約をしておる会社は、国の選挙については、「当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」こうなっております。 そこで問題は、「当該選挙に関し、」ということでございますが、結局「当該選挙に関し、」というのは、従来長い間、その国の選挙であれば国の選挙を動機として、こういうふうに解釈をされまして、動機としてというのが、いかなる要件を満たせば動機としてということになるかというのが全部その実態の事実調査ということにかかってきておるわけであります。したがいまして、その「選挙に関し、寄附をしてはならない。」こうなっておるわけでありますが、その選挙に関して寄附をしたかどうかの事実認定の問題にかかってくるわけでございます。
○村上(弘)委員 この選挙に関して寄附をもらっているんですよ、それ以外に何のもらう理由もないわけですからね。ですから、これはよく実態をみずからも究明してほしいと思います。それから、当局もその点はよく究明をしていただきたいと思うわけです。 まあ金額は五十万とか三十万、先ほど中曽根さんの分についてはちょっと数字を逆に読みましたが、東急が五十万、佐田建設が百万ですね。 こういう金額ですが、この金額が二十万、五十万というと少ないように見えますけれども、しかし御承知のように、アメリカの大統領補佐官リチャード・アレン氏は、千ドル、二十万円もらって、それで辞職したんですね。あの場合は法的にはシロだということが言われておりながら、政治的責任をとったわけですね。道義的責任をとったわけですね。ですから、重要な問題だし、こういうことが何も法に反しておると思わないくらいまで実は麻痺しておるんじゃないか。企業献金をもらうのは悪ならず、国から受注をしている企業から献金をもらってはならぬということについても、それはその必要はない。選挙に関してもらってはならないというのは最小限度の規定ですよ。しかし、それすらこういうように反則行為をとっておるという状況があるわけですね。私が言っている「選挙に関して」ということは、その選挙の収支報告書にちゃんと載っているわけですから、この「選挙に関し」ということは明白なんです。県公報にもちゃんと載っているわけです。資料に載っているとおりです。ですから、少なくともこれは鈴木内閣の政治倫理を問われる問題でもあると思うのです。 あなたは、去年のいわゆる行革国会で、政治倫理の問題で私が質問したのに対して、今度の国会の所信表明では政治倫理という言葉さえ抜けておるではないかという私の問いに対して、いかにも私が政治倫理を軽視しているかのごとき発言はまことに心外である、独断的な偏見は持たないようにお願いする、こうはっきり言われて、私の方が独断と偏見というようなことになってしまっているわけですが、しかしこれは少しひどいのじゃないですか。やはり一党を代表している者の質問に対してはそういう偏見を持たないでお答えをお願いしたいし、あなたは内閣を代表しておられる、代議士であると同時に総裁でもある、総理でもある、こういう立場の人が、こういうような公選法違反に関することがたくさん出ておって、閣僚の三分の一、八名がそういう状態になっていることに対しては、今後調査はされるでしょうけれども、これが事実だ、もう明白なんですから、調べる必要がないくらい明白なのですから、どう対処されますか。
○世耕国務大臣 閣僚が八名というようなお話でございましたが、閣僚もやはり政治献金を受けてはならないということは言い切れないと思うものでございます。
○村上(弘)委員 先ほども言いましたように、総理は明確に選挙収支報告書を出しておるわけです。その選挙に関して寄附を受けておるわけです。その期間はちょうど、あなたが寄附を受けた企業は国から発注を受けて工事をやっている時期なんですね。まさにこの公選法の規定に該当しているわけです。ですから、この問題は明白なんですね。あなた自身が本会議答弁でそういうことは禁止されておると言うた、そのことなんです。そういう事態について、あなたを初め八名も閣僚が関係者として出てきておるということについては、これは重大じゃありませんか。あなたの責任はどういうものになるか、どう対処されるか、お聞きしておきたいと思うのです。総理、答えなさいよ、あなた。
○世耕国務大臣 選挙を通じ、また日常の政治活動を通じて、閣僚が慎重にその献金の事柄を扱っていくのは当然のことと思いますが、それで閣僚が政治献金としての資格を放棄することが当たっているかどうかは別だと思う次第でございます。
○村上(弘)委員 問題を全然そらしておると思うのです。ここに出ておるのは、すべてそれぞれの県の選管に収支報告書が出されておる。全部資料があるのです。皆さんのところにはその三つか四つだけつけてありますが、あるのです。県公報で調べているのです。そして、その事業が工事経歴書にもあるし、各省庁がやっておるということも、これは事前に、そのとおりやっていますということを確かめておるのです。したがって、この条項に該当するわけですね。明白な事実なんですね。ですから、総理、やはり責任ある意思表示をすべきだと思うのです。どうですか。
○鈴木内閣総理大臣 閣僚八名もそういうあれがあるじゃないかという御指摘でございますが、四十三年当時のことでございまして、鈴木内閣の閣僚になってからのことではない、四十三年当時の問題でございます。 それからなお、これはお互い政治家としてよく御存じのことと思うのでありますが……(「四十三年じゃない、五十四年のことですよ」と呼ぶ者あり)五十四年。五十四年は鈴木内閣の閣僚ではございません。 そういうことで、政治献金等は大抵後援団体の事務をやっておる者が処理するわけでございまして、しかもそれは先ほど申し上げたように政治資金規正法で届け出もしておるということであつく贈賄とか収賄とか、そういうようなものではございません。これがいわゆるあなた方が言わんとする贈賄じゃないか、収賄じゃないか、贈収賄じゃないか、そういうような意味合いを持つということであれば、そういう届け出などをするわけがない。これはしかも事務的に処理されておるものであって、その点はお互いに理解のいくところではないだろうか、こう思っております。
○村上(弘)委員 総理は国会の本会議で答弁したことをまるきり理解しないでやったというように思いますね。これは政治資金規正法の問題じゃないのですよ。公選法の百九十九条、二百条が、その選挙に関しては、国から受注している企業は、その期間は政治家に寄附をしてはならぬ、こういう規定なのですよ。もらってもならぬという規定なのですよ。ですから、企業からの政治資金を禁止してはどうかとか受注企業はすべて禁止してはどうかといった問いに対して、そこまではいかぬけれども、その選挙に関しての献金は禁止されています、もらってもよくないのですという趣旨の答弁をされたのです。それにあなた自身が該当しておられることになるから——これはいわゆる買収だとか供応だとか、そういう性格のものじゃないのです、つまり、国から仕事を受けておる者が、その選挙のときに、その選挙に関して寄附をするということはやはり癒着を生み出すもとになるから、せめてそれだけは禁止しておかなくてはならぬという規定なのですよ。それに対してあなたは答弁された。ところが、それをみずから、知らないか、守っておらぬ、こういうことになるのです。あなたは天真らんまんに届けたのだということを言うわけですが、これは規定に反していることは明白なのです。そういうことに対して、事は決して単純ではないじゃないか、鈴木内閣の政治倫理も問われるような性格の問題ではないかということを聞いておるのです。これが明白にこういう条項に反している問題であり、そして閣僚がそれぞれそういう状況になっておるということについて、あなたは政治倫理を厳守すると言っておられる、このことについてはどういう態度をとられるかということを聞いておるのです。
○世耕国務大臣 ただいまのあれは、たしか五十四年になされているというふうに記載されている事柄でございますが、この法律はむしろ献金する側の方に強く禁じておりまして、受け取る側の方にももちろんございますけれども、出す方の側に強く禁止しておりまして、それからもう一つは、これの事実認識がなかなか困難でむずかしいという点から、この問題はいろいろ慎重に扱わなければならないと思う次第でございます。 以上でございます。
○村上(弘)委員 きょうは時間がないから、総理がついに責任ある答弁をまたもやされなかったということを指摘をしておきたいと思います。 法務省に聞きますが、この問題については、昭和五十四年、五十五年の犯罪の資料によると、この公選法百九十九条、二百条違反の案件は一つも載ってないのですね。全くこういうことについては無視してきたような感じがするわけですが、これだけ明白に出たわけですから、法務省はこれに対して捜査をし、そしてしかるべき処置をとるべきだと思いますが、どうですか。
○中平政府委員 先ほど来の御議論を承っておりますと、百九十九条は、御案内のように、これは自治省の選挙部長言いましたように、選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてなされた寄附をいうわけでございまして、ただいま御指摘の表を私もちらと見せていただきましたが、それの疑いはあると私は考えております。しかし、従来私どもの経験に徴しますと、いろいろと内容におきまして誤記があったり思い違いがあったり、そういうこともあるわけでございまして、そういうことを含めまして、私どもの立場で事実を明らかにすべき点があれば明らかにしてまいりたい、こう考えておるわけであります。 なお、公職選挙法の百九十九条から二百条につきましては、五十三年の選挙では十六件、十八名、五十四年の選挙では三件、七名、五十五年の選挙では二件、一名、五十六年には二件、二名というふうに、それぞれ一応の検挙措置はとっております。 以上でございます。
○村上(弘)委員 疑いがあるから調査すると言われましたが、このことは当委員会に報告を求めて引き続いて検討すべきであると私思うのですが、報告をされますか。
○中平政府委員 私どもの立場は、具体的な事実に基づいて、具体的な事実を証拠によって明らかにいたしまして、立件送致するという手段を通じて結果を明らかにしてまいる立場でございますので、報告する予定はございません。
○村上(弘)委員 それでは、厳正な捜査をして厳正な処置をとってもらいたいと思います。 時間がなくなりましたので、次、軍事費の問題をやる予定でしたが、この五十七年度の軍事費が異常突出しているということはしばしば論議されました。五十八年度は後年度負担分だけで八千六百億円、他の後年度負担分以外がゼロであっても伸び率は六・二%、もし後年度負担分以外の伸び率がことしと同じとして、つまり六・一五%としていくならば、五十八年度の軍事費は一〇・六%の増になる。数字的にはこうなる。つまり、二けたの伸びになる。したがって、国民生活をはなはだしく圧迫する。財政の中期展望からいっても、一般歳出の増分を全部これで食ってしまう、こういう状況にあるわけですね。それから、GNP比も遠からず一%を超すであろうということも明白であるわけです。私は、軍拡、限定核戦争構想に日本を結びつける危険な地獄への木戸銭といいますか、こういうような軍事費は百害あって一利ない、こういうふうに思うわけです。中でも米軍への思いやり予算は全面削除すべきだと思うわけです。この問題について瀬長議員が後から関連質問をいたします。
○栗原委員長 この際、瀬長亀次郎君より関連質疑の申し出があります。村上君の持ち時間の範囲内でこれを許します。瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 私は、最初に米軍駐留経費の日本の肩がわり分担、いわゆる思いやり予算について質問します。 これは当然アメリカ駐留軍が出すべきだったのが五十三年度から計上されて、まさに五十六年度で千百五十一億円に達しており、ことしの五百十五億七千万円を加えると、何と千六百六十七億円に達しております。これは、最近ではアメリカの隊舎、住宅から、直接戦闘支援施設、F15シェルター建設費まで含まれて、そのうち施設整備費の前年度比伸びは実に二七・三%に達している。 そこで問題ですが、総理にお聞きしますが、この思いやり予算の基準ですね。軍事費はGNPの一%以内ということになっておりますが、この思いやり予算の基準、これは何かという問題、これが一つであります。 次は、いまさっき申し上げましたシェルター、F15シェルターの問題ですが、これは現在嘉手納基地にFC、これが主力です、Dがあり、八十機配備されておりますが、米上院軍事委員会での米空軍当局者の証言によれば、アメリカ政府は八五年をめどにストライクイーグルという核攻撃任務を持つ対地攻撃型のF15を採用しようと考えており、八二会計年度国防費のレーガン修正予算にそのための研究開発費が三千二百八十万ドル計上されている。嘉手納基地に配備されているF15も、いずれ対地核攻撃型になるのも時間の問題でありましょう。日本は、岩国や沖縄の海兵核部隊に加えて、レーガン政権の限定核戦争の核攻撃拠点としてますます強化されるおそれがある。非核三原則の堅持方針に照らしてもこれはまさに重大であります。 F15のシェルターは、ストライクイーグルという核攻撃機を有事の際防御することになることは言うまでもありません。駐留費分担といってシェルターをつくることは、日本を核戦争の戦場にする前提をつくるものであります。このようなことは直ちに中止すべきであります。岩国海兵核部隊を初めF15戦闘機部隊の駐留を許してはならないと思います。こういったシェルターの計画、これはやめる、さらに核部隊の日本配置は当然のことながら反対し、撤去を要求することは当然だと思いますが、この基準の問題、いまのF15の問題について、時間の関係がありますから、総理の口から御答弁をお願いいたします。
○伊藤国務大臣 お答えを申し上げます。 日米安保体制の堅持を防衛の基本方針としておりますわが国といたしましては、在日米軍の駐留経費の負担については、地位協定の範囲内でできる限りの努力をすべきであると考えております。労務経費につきましては、これまでにとった措置が地位協定上の限度と考えており、施設を整備し提供することについては、安保条約の目的達成との関連を考慮し、その緊要度等諸般の事情を総合的に勘案の上、個々に決定をしていく考えでございます。 また、御指摘の航空機掩体のような所要の抗堪施設を整備することは、在日米軍の能力を有効に機能させるための必要な措置であると考えております。
○瀬長委員 総理の見解も同じですか。
○鈴木内閣総理大臣 防衛庁長官から詳細に御答弁を申し上げましたから、つけ加えることはございません。
○瀬長委員 思いやり予算は天井知らずに上がっていくだろうといういまの答弁であります。核攻撃についても、これはいたし方ないだろうということであります。 次に、安保体制が始動してから三十年、その間における米軍の犯罪、事故、これによる日本国民の犠牲、これは防衛施設庁の調査によってすら、正味二十九年間で十五万五千五百五十七人、そのうち死亡九百七十三人になっており、一日平均何と十四・五人が犠牲者になっております。総理、これは沖縄の施政権返還前は含まれておりません。それで、この沖縄の問題につきましては、作成してきましたので、この数字を念頭に置いていただきたいと思います。委員長、いいですか。(資料を示す) この中で、特に私は、沖縄の宮森校事件、これは一九五九年に起こった事件でありますが、米軍ジェット機が宮森校の教室に、食事中であります、昼下がりに突入した。炎上して墜落して、これにも書いてありますように、実に大変な被害を受けております。これは小学校の学童、死者十七名、負傷百二十一名。学童はもちろん即死であります。だれであるかを判明するに十数時間要しております。もちろん、パイロットは途中から安全なところへ落下傘で逃げている。そして司令官は、再びこのようなことを起こしませんと言った。この資料にあるように何遍も起こしておる。 さて問題は、あの横浜市の緑区に墜落いたしました米軍機、これによりまして林和枝さん、この幼子が二人、翌日死にました。そして和枝さんは、六十回以上の皮膚移植手術を受けて、苦しみに苦しみ耐え抜いて四年四カ月、だが、ついに一月二十六日未明、痛い、父ちゃん助けてという叫びを上げて死んでいった。私は、今月の一日、和枝さんの霊前で、お父さんの口からはっきり聞きました。力尽きて亡くなったというのはうそだ、万全の手を尽くさなかったから和枝は死んだんだ、和枝を返せ、孫を返せと天井を見て言っておりましたが、だんだん目は和枝さんの日記に注がれました。 和枝さんの日記、十一月十八日「九時ごろだれか背中をたたくので見るとパパだった。いろいろな話をしたが、いつも子どもの事が出る。子どもたちはこれから移植の段階だそうだ。今まで私が経験してきたつらさを子供が味わうのかと思うと胸がはりさける思いだ……自分はいくらつらい目にあってもよいが、子供にまで同じことをさせたあの米軍機に対しては憎んでも憎みきれない。」 一月二十九日「私にとって一番悲しい事が聞かされた。裕一郎」長男です。「九月二十八日〇時四十分死亡。康弘 四時三十分死亡。」この日記は、これでとまっています。 翌三十日「もうどんなに叫んでも子供達は私のところへは戻ってこない。いつか私の胸の中へ抱いてやりたいと思っていたのに、その夢も破られてしまった。裕ちゃんと康ちゃん、もう二人とも手の届かない所へ行ってしまった……一目でも会いたかった。ママをおいて逝ってしまって、とてもさみしい。二人とも、もっと遊びたかったでしょう。好きな車に乗ってパパやママと一緒にドライブに行きたかったでしょう。この世に生を受けてまだいくらもたっていないのに、もう逝ってしまうなんてかわいそう。あんな飛行機さえ落ちてこなければ今ごろは幸福に暮らしていることでしょう。人を恨んではいけないが、やはり私は米軍とパイロットを恨む。このパイロットは私達のことをどんなに思っているのだろうか……今まで私にうそをいってきた主人はどんなにか苦しかったことだろう。」これが和枝さんの日記であります。 和枝さんはもちろん世を去ったが、この日記に書いてあるとおり、和枝さん一家の幸せを奪ったのはだれか。パイロット、米軍機、演習、基地、安保である。まさに安保条約を告発しているのが、この和枝さんの日記であります。私は、民族の血が幾たびも緑区と同じように流されることを断固拒否します。安保体制下においてこういったような惨劇、民族の悲劇であります。これが総理が堅持、賛美し続けてきた安保体制下における現実であります。この和枝さんの声に、総理、どうおこたえになりますか。総理、これは和枝さんの写真であります。これはありし日の親子であります。
○鈴木内閣総理大臣 米軍による事故につきましては、米軍に対して事故の再発防止措置につきまして政府としては強く注意を喚起し、その実効の上がるような措置を求めておるところでございます。この事故防止のために、今後におきましても政府としては米軍に対し絶えず緊密な連絡をとり、注意を喚起して、このような事故が起こらないように努力をいたしておるところでございます。 林和枝さんの御家族並びに御本人の事故は、本当に痛ましい事件でございました。政府としては、このことにつきまして心からお見舞いを申し上げ、弔意を表しておるところでございますし、このような痛ましい事故が再度発生をしないように、機会あるごとに米軍当局に対して強くその再発防止措置を求めてまいっておりますし、また、事故につきましては、関係法令に基づきまして補償の万全を期しておるところでございます。
○瀬長委員 私が宮森校事件のことを持ち出しましたのは——これは一九五九年、あの総理に上げたもの、このときはF100D戦闘機なんです。あのときもちょうど同じような落ち方で炎上し、そしてその間にパイロットは逃げて安全であった。そしていたいけな、私はこの目で見ております、真っ黒けになってだれかわけがわからぬ、こういった状態。実に十七時間後にやっと、これはだれ、あれはだれというようにわかって遺体を引き取った。真っ黒くなっている。そして民家が壊れて、別に負傷百二十一名。死者というのは即死なんです。もちろん十七名全部学童なんです。再びこのようなことはいたしません、はっきり言ったのです。幾らまたどんどん出たか。 この中に一九五九年、同じ年の十二月二十六日、金武村主婦射殺事件というのは、おばあちゃんがアメリカ軍の弾拾いに行っていた、灌木の茂みであります、それを撃ち殺された。イノシシと間違えて殺した。これで無罪なんです。次の一九六〇年十二月九日、三和村農夫射殺事件というのは、これは沖縄南部の現在糸満市です。そこの大きい木の枯れ枝を取って薪にしようと思っていたおじいちゃんが、一発であります、撃ち殺された。いわく、小鳥と間違えた。あんな大きい小鳥がいるかということで、県民の憤激は高まりました。 こういったときに、もう再びこのような事件を起こしませんと何遍繰り返したか。私はこのことを言っておるのです。和枝さんが言っているのは、いまの安保条約こそわれわれの幸せを奪うものだ。パイロット、演習、米軍機、基地、安保、この安保という黒い網が覆いかぶさって、日本国民がそれから解放されるまでこのような事件が起こらないという保証はあり得ない。総理、私はこれを強調して次に移ります。 いま沖縄で総理が進めておるのは、ことし五月の十四日に期限が切れる暫定使用法、これが期限が切れるので、今度安保地位協定に基づいて軍用地収用特別措置法にかけようとしている。二百人余りの地主、三十万那覇市民を代表して平良市長が総理を相手取っていま訴訟を起こしております。私たちの土地を返してください、私たちの土地は平和のうちに使いたい、そして訴えております。いまの米軍基地は、占領当時、アメリカの持っておる小火器、全部使いました。私は体験者であります。戦車、ブルドーザー、カービン、機関銃、催涙ガス、これを使って武力で奪い取ったものである。したがいまして、いま私、二百名余りの地主と言いましたが、同時に三十万那覇市民を代表して那覇市長は、返してください、もう戦争のための土地を渡すのはごめんだ、返してください、総理に訴えております。総理、アメリカのやったような、もぎ取るようなことは絶対やってはならない。これに対する総理の考え方をお聞きしたいと思います。
○伊藤国務大臣 お答えをいたします。 政府といたしましては、施設、区域の使用に関し、従来とも土地所有者との話し合いの上、円満な解決を図るよう努めているところでございます。沖縄に所在します施設、区域の用に供されております民公有地につきましても、この方針のもとに土地所有者との合意、契約により使用すべく努力を重ねてまいったところでございます。その結果、大部分の土地につきましては契約により使用できておりますけれども、ごく一部の土地につきまして合意が得られず、やむを得ず公用地暫定使用法により使用しております。 この未契約地につきましても今後とも契約努力を重ねてまいりますが、同法による使用期限が切れる昭和五十七年五月十五日以降も、引き続き米軍の用に供する必要があるものにつきましては、その使用権を確保するため、地位協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の手続をとり、沖縄県収用委員会に裁決を申請しているところでございます。以上の措置は、条約上の義務を履行するため必要のものでございまして、これを取りやめる考えはないのでございます。
○瀬長委員 もう時間が参りましたので、最後の質問ですから総理に答えてもらいたい。 いま私が那覇市民三十万の声、二百名余りの地主の訴え、願いを言いましたら、やはり法律のことを言っておる。これは当然だれでもわかることなんです。いままで話したことをまとめますと、安保条約、日米軍事同盟、これと手を切って、どのような軍事同盟にも参加しないで、非核、非同盟、中立日本、この道こそ日本国民の幸せを保障する路線だと思いますが、総理はどうお考えですか、最後にお尋ねして、私の質問を終わります。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま防衛庁長官から御答弁申し上げましたように、防衛庁としてはできるだけ話し合いによって円満に地主さんと合意に達して、契約に基づいてこれを使用していきたい、こういうことで努力をいたしておりますが、ごくわずかの方々と残念ながら話し合いがついておりませんので法的措置をとっておるということを御理解を願いたいのでございます。 なお、先ほど来いろいろ米軍の事故あるいは犯罪の問題、ただいまの土地収用の問題等々に関連いたしまして、これはすべて日米安保体制をやっていることがけしからぬのだ、そこからすべて源を発しておるんだ、これをやめてしまえ、こういう御主張、これは共産党の御主張でありますから承っておきますけれども、わが国は、独立達成以来、日米安保体制、そしてわが国の必要最小限度の自衛力の整備、これによってわが国の独立と平和を守っておるということでございまして、瀬長さんの御主張とは根本的に違うということだけ明確に申し上げておきます。
○栗原委員長 これにて村上君、瀬長君の質疑は終了いたしました。 次に、野坂浩賢君。
○野坂委員 先ほども人命の尊重という意味でもいろいろな立場から御説明があり、お話がありました。本日の未明にホテル・ニュージャパンで火災が発生をして、先ほどの御説明では死者三十一名、負傷者二十七名と御発表になったわけでありますが、この予算委員会にいらっしゃる皆さん全体を代表して、心かち哀悼の意を表する次第であります。こちらの方は御発言ができませんから、この際にあわせて弔意を表しておきます。 十二時から現場の検証が引き続き行われておるというふうに承知をいたしておりますが、この火災の原因、九百三十八号室というようなお話がございましたけれども、現在の段階では、その原因なりあるいは現状について新たな進展があれば御報告をいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 出火場所は大体九階の外人の部屋という報告がございますが、出火の原因そのものはまだ明確な報告がございません。 さらに、死傷者の人数でございますが、先ほど村上議員にお答えしたときの時点と数字が若干異なりまして、一名ずつふえまして、死者が、一時二十分現在では三十二名になっております。負傷者が二十八名。建物の被害は九階、十階。この報告を確認しております。
○野坂委員 この火災によって九階及び十階が被害があったということでありますが、お話がありましたように、五十六年の九月の十一日には措置命令の交付済み、こういうふうになっておったやに承っておりますが、今日までなぜ措置ができなかったのか。 もう一つは、防火の区画も手落ちがあるというふうに承知をしております。そして、現実に誘導がなかったというのは事実なのかどうか。それらの点について御報告をいただきたいし、第二点目としては、措置命令が交付をされて、適マークが交付されておりますね。一昨年でありましたか、川治温泉の大火以来、全国的に調査をした。そして、適マークをやった。適マークの交付されていないホテルあるいは旅館といいますか、そういうものについては現在どの程度あるのか。
○世耕国務大臣 昨年の九月に最終通告をいたしまして、一カ年以内にこの火災装置を完備せよということでございました。その前に数回にわたっていろいろな忠告をしょっちゅう検査をした上でホテル当局にしていたそうでございますが、そのたびにいろいろな計画書が出てきまして、やるからということであったが、その後なかなか進まない。しかしながら、少しずつやってきているというので、ずっとそのまま見てきて、昨年の九月に最終通告をしたわけでございます。その後いろいろな細かいことがあるのでございますが、詳細は消防庁長官の方から御報告をいたします。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 ただいま大臣から御答弁を申し上げましたように、本日未明火災が発生いたしましたニュージャパンにつきましては、昨年の九月十一日に消防法十七条の四に基づきます措置命令を地元東京消防庁としては発したわけでございます。それまでの間におきましても、数度にわたりまして文書あるいは口頭で改善要請をしてまいったわけでございますけれども、はかばかしく進捗をいたしておりません。その結果、ただいま申し上げましたような法に基づきます措置命令を、一年間の猶予期限を付して命じたわけでございます。したがいまして、この措置命令によりますれば、ことしの九月には一応の措置命令の内容といたしましてのスプリンクラーの設置ができるということに相なっておったわけでありますが、残念なことに、今朝の火災になったわけであります。 なお、これにつきましては、現在大体これの改修工事のための業者も確定をして着工の段階に来ておったというふうに報告を受けております。 それから第二点の、今回の事故に際しての避難誘導の措置が不適切であったのではないかという点でございますが、ラジオ、テレビ等ではそういう報道がなされておりますが、私どもといたしましては、まだその点東京消防庁から最終的な報告を受けておりません。ただいま部隊が全部現場に出ておりまして、相当混乱をいたしております。まだ詳細な報告を受ける段階にまいっておりませんので、いずれこの原因の解明と相まちまして、その辺のことにつきましても徹底した調査を聞き取りいたしたいというふうに存じておるわけであります。 なお、三番目の御質問のございました昨年の五月から発足をいたしました公示制度、いわゆる適マークの交付の制度でありますが、御案内のとおり、先般の川治のプリンスホテルの火災以後、徹底した旅館、ホテルの一斉調査を指示をいたしまして、その結果、こういう形での表示公表制度の実施を図ってまいったわけでありますけれども、なお全国的にいまその作業を進めておる最中でありまして、まだ最終的な結論、まとめはできておらないわけでございますけれども、東京消防庁につきましてはすでに全管内終了いたしておりまして、表示対象のホテル、旅館九百六十一でございますが、そのうちこの適マークの交付を受けましたものが六百二十でございます。
○野坂委員 消防法の十七条の四では、お話がありましたように、六カ月以下の懲役、二十万円以下の罰金、この措置命令をして一年間の猶予期間があるのですね。この間に火災が発生をした。きわめて遺憾であります。横井さんはテレビニュースでは予算の範囲内で直していきたい、こういうお話がありました。営業もそうでありましょうが、人命に関係をすることでありますから、積極的に行政指導をして人命に過ちのないように措置をしてもらいたい、こう思います。 その点はどうかということと、全国にわたって調査をしていただきたいわけでありますが、当面、東京の九百六十一軒のホテル、旅館の検査の結果、先ほどはたしか六百二十適マーク、そういたしますと三百四十程度は不適であるということであります。これを公表いたしますと営業に大きな影響があるかもしれませんけれども、こういう事態のあったときでありますから、その内容を公表して、ホテル名等も明らかにすることがこの措置命令を進めることに通ずる、私はそう思います。そういう意味で公表していただきたい。そして、その資料をこの委員会にも御配付を賜りたいということを要求しておきますが、いかがですか。
○石見政府委員 このニュージャパンにつきましては、結論から申しますれば、スプリンクラーの設置が十分でない、いわば消防法上違法な状態になっておるわけであります。したがいまして、数次にわたり文書で警告をし、あるいはまた措置命令まで発したわけであります。消防庁といたしましては、もちろんスプリンクラーの設置には相当大量のお金がかかることも事実でございますけれども、このような状態が決して好ましいものではないわけでありまして、私どもは早急にこの法に基づきます施設の設置ということをやっていただかなければならないというふうに考えておりまして、東京消防庁とも十分連絡をとりながら今後進めてまいりたいと存じております。なお、適マークが交付されております旅館、ホテルにつきましては、旅館、ホテルの一般のお客さんに見やすいところに相当大きなこういう表示板を張り出す。これは地元消防機関の方で交付をしておるわけでありまして、適合しておりますものはそういうものを玄関でありますとかフロントでありますとか、お客さんの見やすいところに張ってあるわけであります。これがないところは、結論から申せば東京消防庁管内ではまだ適合していない部分があるということを意味するわけでありまして、一般の方々はこれをごらんいただければ適マークがあるかないかということがわかるわけであります。ただ、具体的にそのものにつきまして公にいたしますかどうか、もちろんこれは公になっておるものでありますけれども、資料としてお出し申し上げますかどうか、これは東京消防庁の方とも十分相談いたしまして今後対応いたしたいというふうに存じております。
○野坂委員 余り時間をとりたくないんですけれども、公表されておるものがこの委員会に配付できないことはないわけですから、配付をしてもらいたい。いいですか、自治大臣。何で公表してあるものが配れぬのだ。
○世耕国務大臣 よく検討いたしました上で善処したいと思います。
○野坂委員 善処するということは公表するということですか。配るということでしょう、資料を。
○世耕国務大臣 それも含めまして善処さしていただきます。
○野坂委員 もっときちんと。ようわからぬですね、回り回ったような、歯に挟まったようなことは。いま人間が死んでおるんですよ、三十二名も。六十名ですよ、重軽傷者合わせて。そういう中で、この旅館やこのホテルは不適だ、十分に消防設備はできていない、こういうことがわかっておりながら公表もできない。それば営業に影響がある。営業よりも人命が大事じゃないのか。しかも、適、不適マークはもはや公表と同じだ、こう言っておるものが衆議院の予算委員会に配られないというようなことは、自民党を含めて納得できぬ。だから、公表しますか。あなた、自治大臣でしょうが。ちゃんと言いなさい、そのくらい。あなた、大臣の判断ができぬのですか、役人に聞かなければ。
○石見政府委員 適マークを交付されておりますところは、ただいま申し上げましたように、一般の方々に十分おわかりいただける状態に置いておるわけでございますけれども、不適の部分に、不適と申しますか、適マークが交付されていない残りました三百幾つにつきまして、内容等につきましてもなお精査をしなければならぬところもございましょうし、それから適マークは年一回出したわけでありますけれども、少し手を入れれば適マークが交付できるというところは、その後ホテル、旅館の方でどんどん改修工事等を行いまして、次なる適マークを近く受けるようなことにもしておるわけであります。その辺、受けてないからという中にも流動的なものもございますので、その内容も十分私ども分析もしなければならぬと思っております。その点につきまして、ただいま申し上げましたように、東京消防庁の方とも十分連絡をとりまして、大臣御答弁申し上げましたように、お説の分も含めまして検討さしていただきたいというふうに存ずるわけであります。
○野坂委員 時間がありませんから次に進まなければなりませんが、委員長にお願いしておきます。 人命尊重の意味から、現状を隠すところなくこの予算委員会に資料として御提出をいただくようにお願いしておきます。
○栗原委員長 後刻理事会で検討いたします。
○野坂委員 こういう現状でありますから、いまのお話をお聞きになって、総理大臣は、人命の尊重の立場からどのようにお考えですか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、東京都消防当局と十分連絡をとり、御要望の線に沿うて前向きで対処いたしたいと思います。
○野坂委員 それでは、韓国に対する経済援助問題についてお尋ねをしたいと思います。 昨年の九月十日、十一日の両日にわたりまして、第十一回の日韓定期閣僚会議が開かれたわけであります。これは、当初共同声明ということが考えられていたやに承っておりますが、共同新聞発表ということになったわけであります。こういう中で韓国の情勢、朝鮮半島全体にわたる情勢、こういうものについてもいろいろと議論をされたようでありますが、新聞報道等によりますと、北、朝鮮民主主義人民共和国の軍事力強化と緊張状態の存在を明らかにし、日本側は朝鮮半島における緊張状態を認識をした、そういう認識の一致があったというふうに承知をしております。当時櫻内さんは幹事長で、外務大臣ではなかったわけでありますが、まず、あなたにお聞きをして、その当時も定期閣僚会議に御出席になった渡辺大蔵大臣の見解もあわせてお聞きしておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 朝鮮半島では三十八度線を隔てて、南北合計およそ百万人以上の正規軍が対峙しておるのでございまして、依然として厳しい緊張状態にある、このように受けとめておるわけでございます。 先ほど閣僚会議のお話でございましたが、その当時の直近のアメリカ国務省の朝鮮に関する報告書を見ますと、北からの軍事的脅威が減少したという徴候はない、最も確実な情報によれば、北朝鮮軍は着実に追加装備の調達を続けており、機動力及び火力を強化しておる、こういうことでございまして、私も現在三十八度線では緊張状態が続いておるものと認識しております。
○渡辺国務大臣 私も大体外務大臣と同じ考え方でございます。
○野坂委員 この席上で一番問題になったのは、韓国が四月ごろから非公式に打診もしておりましたし、この定期閣僚会議で問題になりました政府援助、世に言う六十億ドル問題であります。これについては韓国側の代表としては安保絡みでいく、いわゆる韓国の論理としては、韓国は共産主義の膨張を身をもって防いでおるのではないか、その結果、日本は経済の繁栄を享受しておる、だから防衛に努力する意味で日本が経済協力するのは当然である、こういう見解を述べられておるわけですね。そういうことでありますか。
○櫻内国務大臣 ただいま野坂委員のおっしゃったようなことは、昨年の閣僚会議当時に新聞紙上等で拝見した記憶がございます。私が閣僚になりましてからそのような所見を韓国側で申しておることは耳にいたしておりません。仮にそういうことが一部伝わったといたしましても、これは対日借款要望の背景説明というようなものではないか。しかし、重ねて申し上げますが、私の就任後にはそのようなことを耳にしておりません。
○野坂委員 大蔵大臣、定期閣僚会議にお行きになりますときに、新聞で読んだわけでありますが、大蔵大臣はこの経済援助について腹づもりはある、こうお答えになったということが新聞で報道されておるわけです。それについてはどういうふうにお考えになっておったのですか。
○渡辺国務大臣 韓国、朝鮮半島の平和と安全は日本の国の平和と安全にも重大なかかわりがあると私は思っております。したがって、韓国の経済の発展ということはいろいろな意味で日本にとってもプラスであると私は思っております。いろいろな歴史的な背景その他もありますし、地理的な条件もございますから、日韓の両国は友好親善をやっていかなきゃならぬ。したがって、いままでも韓国については経済協力等はやってまいりました。したがって、われわれとしては経済協力をする点にはやぶさかではありません。そういう意味であります。
○野坂委員 日本側が海外に対して経済協力をするということはよく承知をしております。この経済協力の政策としては、民生の安定、福祉の向上、これを中心に考え、経済社会の開発を支持する、これが経済協力の大原則だというふうに考えておってよろしゅうございますか、外務大臣。
○櫻内国務大臣 ただいまおっしゃいましたそれらの項目が中心になって経済協力をいたしておることは事実であります。
○野坂委員 そうしますと、韓国の援助については安保絡みではない、こういうふうに判断できるわけですか。
○櫻内国務大臣 私が就任後、またその直前からと申し上げていいかと思いますが、これまでの折衝を通じて申し上げますならば、韓国の要請は、経済社会開発、民生安定及び福祉向上のための協力要請である、そのように御認識をいただいてよろしいと思います。
○野坂委員 九月十日、十一日の定期閣僚会議では、その本旨が、日本側は、いま外務大臣がお話しになったように民生の安定、福祉の向上、社会経済の開発、この起点でなければ、軍事に対する協力はできない、韓国側は安保絡みでなければいかぬ、こういうふうに述べておるわけですね。 特に、韓国の外務大臣は八月二十八日、韓国の国会の外務委員会でこう述べておるわけですね。経済協力の次元の経済要求だけでは六十億ドルを解決することはできないので、わが国の過重な国防費負担を名分として提案をしたものである。盧信永外務大臣は明確にこう言っておるわけです。あなたが単なる経済協力であると言うことは、従来から交渉になって、あなたがなってからそういう話がないということですが、いつそういうことになったんですか。それは木内アジア局長が十四日、十五日ですか、実務者会談で行った、このときでありますか、明確になったのは。
○櫻内国務大臣 先ほども申し上げたとおり、九月の定期閣僚会議あるいはその前、ただいま八月の韓国の国会のことを申されましたが、そういうようなことも私は新聞等である程度承知し、記憶に残っておりますが、今回の場合は、本年度に始まります韓国の第五次経済社会発展五カ年計画に沿って、その中で日本の協力をこれこれのプロジェクトでやってもらいたい、こういうことがかねて言われておったわけであります。 これは、私が就任後の十二月当初から言われておったわけでありますが、幸いにして先般の高級実務省レベルの会議におきまして、韓国側がいまの五カ年計画に沿ってのプロジェクトを提示してまいった、こういうことでございますから、ただいま御指摘になっておるようなことでなく、日本の経済協力の基本方針の枠の中で考えられる、そういう協力要請であると認識しておるわけであります。
○野坂委員 韓国は、いまお話があった第五次五カ年計画のために千二百八十二億の投資が必要だ。外資は四百六十五億ドル考えておる。同じように、第二次の防衛五カ年計画も二百三十八億ドルで考えておるわけですね。そのうちの百五十億ドルは外資に求めたい。こことこことの関係であります。外務大臣がお話しになっておりますのは、安保絡みでは絶対ない、社会経済五カ年計画の民生安定の分だけに限っておる、こういうふうにお話しでありますが、それは韓国は、だれが、いつ、どこで言ったのですか、はっきりしてください、そうすればすっきりすると思いますから。この辺は非常に違っておりますので、明確にしてもらいたい。
○櫻内国務大臣 これは、先ほど野坂委員がおっしゃいました高級実務者会議において確認されておるところでございます。
○野坂委員 ぼやっとしかわかりませんので、私は頭が悪いものですから、何月の何日にだれが言ったのか、どこでそういう発言があったのか、こういうことを明確にしてください。
○木内政府委員 韓国側からは経済協力についての要請は、昨年の八月の段階で盧信永外務部長官が日本を訪れられましたときに、当時の園田外務大臣に対しても行われたものでございます。 その内容は、上水道あるいは下水道、多目的ダム等々でございまして、今般アジア局長が韓国に参りましたときに提示のありました協力要請、これも上下水道あるいはダム、道路等々の社会インフラあるいは若干の産業プロジェクト等、十一の要請によって成っておるわけでございまして、これまでの折衝におきましてはすべて経済協力ということに的がしぼられておるわけでございます。
○野坂委員 はっきりしませんね。実務者会談では、教育、医療、上下水道、ダム建設等十一項目にわたっていろいろな協議が続いた、実務者では協議が続いた。しかし、その入り口が問題なんです。何やかんやで、韓国はそういう認識、日本側はこういう認識、いつもやりますね、自由民主党の政府は。玉虫色というやつです。これは明快にしなければこれからきわめて問題になるから私は聞いておるわけです。 外務大臣、いまのお話では、外務大臣園田さんのときに盧信永外務大臣がおいでになっていろいろ話があった。そのとき話があって、外務大臣としては、安保絡みということの強調とそうじゃないという主張とで対立をした。その後、夜あなたが宿舎に訪れて、あるいは外務大臣が訪れて、こういう内容であったらどうかという提案があったけれども、それは入り口で、そういう点については意見の統一が見られなかったのですよ。だから、そのまま来ておったけれども、あなたが行ったから、一体その辺はどういうことになったかというと、それは棚上げにしておいてそういう銭の話をしよう、こういうことになったのが実務者会談。あなた方は実務者会談と言っていますけれども、韓国では外相会談予備会議、こういうことになっておるでしょう。したがって、その辺についてはまだ消えていない。だから、だれが言ったかということが明確でありませんですね。 盧信永外務大臣が一月の十五日、青瓦台の会議室において、日本が主張する民生安定と社会経済の開発あるいは福祉政策の推進、この日本の要求どおりでよろしい、安保絡みでは絶対ないということを確認をした、こういうふうに理解していいのですか。外務大臣、ちゃんと言ってくださいよ。日時、場所、人、そういうことが不明確のままではこの会議は進められません、国民の税金ですから。
○木内政府委員 昨年九月に行われました定期閣僚会議の際に行われました園田大臣と盧信永長官の会談におきましても、安保絡みではないということは明確に先方は言っております。
○野坂委員 安保絡みではないですね。そういうことを確認しておきます。 総理大臣、それでいいわけですね。そういうふうにあなたも御報告をお受けになっておりますか。
○鈴木内閣総理大臣 そのとおり報告を受けています。
○野坂委員 現在韓国は、御承知かと思いますが、ここに交換公文というのがありますね。これでそれぞれ契約をされるわけであります。韓国に今日まで交換公文で、大体五年間で出来高払いでお払いになっておるわけですが、五十二年に貸付承諾額というのは三百六十六億ですね。これが現在まで八〇・三%です。五十二、五十三、五十四、五十五、五十六、もう終わるわけですからね。これの実施率は八〇・三%、そうですね。五十三年度は二百十億円の交換公文に基づいて実施率は一三・三%、その程度ですね。五十四年は百九十億円で実施率二〇・五%、五十五年の交換公文で貸付承諾額は百九十億円、ゼロ、こういう状態ですね。そのとおり確認してよろしゅうございますか、外務大臣。
○柳政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりでございます。
○野坂委員 全体で、五十二年からの交換公文の実施率は三七%なんですよ。九百五十六億の貸付承諾額に対して三百六十一億なんです。約六百億がまだ実施をされていない。今回はずいぶんとあわてられておる。しかも、日本の経済の協力については、事あるたびに、総理大臣が就任当時、アジアの日本として生きていくためにASEAN諸国を訪問をしたということを誇らかにお話しになっておったわけでありますが、いまわれわれはそういう開発途上国の皆さんに温かい手を差し伸べて、そして生活が豊かになる、これが経済大国日本のとるべき道であるということが考えられておるわけであります。 韓国は、現在一人当たりの国民総生産というのはざっと千六百二十ドル程度ですね。タイは五百九十ドル、マレーシアは千三百二十ドル。シンガポールは三千八百二十ドルですから、これについてはもう経済援助はしないということになっておるわけです。インドネシアは三百八十ドル、フィリピンは六百ドル、こういう状況であります。皆さんが御認識のように、韓国は中進国であるというふうに御理解になっておるのは、こういうところから出発をしておるのだろうと思うのであります。 一方では、韓国ではいまだに、五十三年交換公文以来一三%程度しか実施は進められていないわけでありますから、この点が一つあります。しかも、中進国である。ASEAN諸国にはたくさんの後進国があります。全体で一年間で三十億ドル。アジア全体で十九億ドル。六十億ドルということになれば、五年間に割って十二億ドルですよね。約六〇%が全部韓国に行く、韓国の主張からすればこういう計算になります。 そういう点を考え、いままでの貸付承諾額と実施率、そういうことを考えて、日本のいまの経済の実態、そして経済協力の実情、こういうものを考えて、どのようにお感じになっておりますか。どういう交渉をしようと考えておられますか。
○櫻内国務大臣 先ほどお答え申し上げておるように、実施率が非常に現状では低いということはそのとおりでございます。 なお、韓国とASEAN諸国との関係にお触れでございますが、一九六〇年から一九八〇年の実績を考えますと、韓国に対しては十三億二千五百万ドル、ASEAN諸国は四十七億七千六百万ドル、三・六倍、こういうことで、おっしゃるように、ASEAN諸国に現在までは非常に重点が置かれておるわけであります。 今回の協力要請については、先ほどもちょっと申し上げましたように、本年を初年度とする五カ年計画、これは野坂委員もその計画の全貌を御掌握になっておられるわけでありますが、それに対して日本がどのように援助をするか、こういうことだと思うのであります。そして、韓国の経済の実態は、ただいま中進国ではないかと御指摘でございましたが、一九八〇年の経済の状況は著しい マイナス成長率を記録しておるわけでございます。 そういう中における新五カ年計画、こういうことから、今回いろいろなプロジェクトなどを提示いたしまして、そして、いわゆる六十億ドルの援助要請になっておるわけでございますが、その内容を日本側としては検討いたしまして、韓国の方に協力のできるもの、あるいはあるものには協力ができない、民間協力ではどうかとか、いろいろこれから結論を出さなければならないと思うのでありますが、鋭意いま作業中である、こういうことであります。
○野坂委員 この作業については積み上げ方式をとっていくだろうと思いますが、積み上げ方式ですか、総枠でやるわけですか。
○木内政府委員 申すまでもなく、積み上げ方式 で対応する予定でございます。
○野坂委員 このフォロー、チェックというの は、今後一つ一つ確認をしていくわけですか。
○木内政府委員 韓国側と詳細協議してまいる所存でございます。
○野坂委員 貸せるのは日本なんですからね。協議をするといって、たとえばこの経済援助の金額が決まって、出す。交付税みたいなもので、韓国の金は国防費に使う、こっちの方に穴があいだから日本を使う、こういうことになると、金に番号が打ってないわけですし、色がついておるわけじゃないですから、どういうふうにでも使えるわけですね。だから、そういうことになると、一つ一つをチェック、フォローしていかなければならぬということでありますから、その検査、監査というのは非常に重要だと思いますね。しかも、出来高払いということになるわけでしょうから。だから、そのチェックなりフォローは一つ一つしますね。日本側は言ってあるわけでしょう。そうでしょう、大臣。
○櫻内国務大臣 ただいま積み上げ方式でやるということを申し上げましたし、また、日本としての経済協力の基本方針の中でやるということも、これは一つの方針でございます。したがいまして、先方から要請のあるプロジェクトにつきまして、これをよく検討して、やれるもの、やれないもの、当方の意見を率直に申し上げ、韓国の実情に沿った協力をしていきたい、こういうことでございます。
○野坂委員 私の質問の仕方が悪いから答弁も悪いんじゃなかろうかと心配しておるのですが、言うなれば貸せるのは日本です。どういうことに使われたかということを検査、監査、チェック、フォローするのは日本側だ。それは確実にやりますかということを聞いておるわけです。
○櫻内国務大臣 野坂委員、今度の予算措置で、御承知であろうと思うのでありますが、経済協力をやっていく上におきましては、その評価がきわめて大事である、こういうことで、評価のための予算も計上しておるわけでございまして、おっしゃるように、日本との間の約束ができる、その約束については評価をいたしていく、こういうことでチェックをするわけであります。
○野坂委員 わかりました。 太平洋戦争終了後、朝鮮半島は、不幸ではありますが、二つの国ができておる。それまでに、一九一〇年以降、わが国は、韓国の併合等によって朝鮮の民族の皆さんに大変御迷惑をかけておるということは間違いのない事実ですね。韓国だけに援助すればそれでいいというわけではないわけです。北の朝鮮民主主義人民共和国にも迷惑をかけておるということは事実であります。そういう差別その他がないように十分に配意をしてもらわなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。 そこで、韓国の内容については御承知かと思いますけれども、金大中氏の死刑問題をめぐって日本と韓国との間は冷えてきました。死刑が減刑になって、現在金大中氏は牢獄に閉じ込められておるというのが現状であります。非常に不自由であります。韓国内の政情は、夜の外出等の禁止が解けたということがあっても、民主的に安定したものとは考えられてはおりません。七一年以来、多数の在日韓国人が北朝鮮のスパイ容疑で逮捕されて、六人が無実を訴えながら死刑の宣告をされております。特に六十五歳の高齢の姜宇奎氏、この方は五年にも及ぶ獄中生活であります。高血圧、動脈硬化、心不全、こういう状況で即刻入院が必要である。また、七四年以来、七年余りも獄中生活を送っております五十二歳の崔哲教という方もいらっしゃいます。これは、肝炎が肝硬変に移行する危険をはらんで、生命への危機が刻一刻と迫っておるわけであります。重病の両者ともに、二十四時間手錠がかけられたままであるというのが今日の現状であるわけでありまして、日本に残された家族の皆さんも、一家の柱を失った痛手を受けて、いまや家が崩壊をするという情勢にあるように聞き及んでおるわけであります。 したがって、国会議員の皆さんやたくさんの皆さん方の救援の動きが、金大中氏同様に日本全国に盛り上がっておるというのは外務大臣も御承知かと思いますが、この両者については即刻入院をさせる。これは人道的見地に立って、いろいろなことがありましょうが、人の生命にもかけがえのないことでありますから、ぜひ外務大臣は事情を御了察の上、韓国政府にそのような交渉をしていただきたい、こういう場で公式にお願いせざるを得ない、こう思いますので、その御配意を要望しておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 ただいま野坂委員のおっしゃるような、そういう不幸な状態におられる方のあることを承知をいたしております。私が就任後におきましても、いまおっしゃいましたようなわが国国内における救援運動あるいは嘆願運動がございました。それらのことにつきましては、ソウルにおける大使館を通じてその都度要請をいたしておるわけでありますが、一部の方については指摘されておるような健康状態ではない、そういうような返事も参っておりますが、せっかくただいまのお言葉でございますので、今後とも善処をしてまいりたいと思います。
○野坂委員 時間がありませんので次に進ましていただきますが、示しておりますように、談合問題についてお話をしたいと思います。 いろいろお話がございましたが、総理大臣は、談合の問題について非常に明朗にしなければならぬ、したがって、疑惑を受けないように措置をしなければならぬ、こういうお話がいまあったわけであります。会計法の二十九条の三ですね、この問題についてどのように建設省としては処置をされておるわけですか、建設大臣。だれでもいいです。
○丸山政府委員 お答えいたします。 会計法の二十九条の三、「一般競争の原則」のところじゃございませんか。(野坂委員「そうです」と呼ぶ)二十九条の三によりますと、政府の入札その他は原則として一般公開でやることになっておりますが、建設省の場合におきましては指名競争入札を原則といたしております。 その理由といたしましては、まず一般競争で行います場合には、たとえば公共事業の一つの例といたしまして河川工事等を考えますと、確実に仕事ができる業者が入札に応じない場合におきましては、工期までに仕事ができないというような事態になるおそれがあるわけでございまして、その点から一般公開はなかなか適当でない。また、適正な業者を選定するということになりますと、非常に多くの業者の中から厳密な審査をしなければならない。そのためには非常に日時を要し、手数を要するというような関係から、会計法の原則といたしましては一般競争が原則になっておりますが、実際の運用におきましては、建設省の工事におきましては、その大部分を指名競争入札で行っております。
○野坂委員 いまお話があったように、一般競争入札制度にすると不適格者が落札する弊害がある、入札の事務が非常に多忙だというようなお話であります。しかし、談合が行われつつあるということは事実なんですから、それらに対応する措置はいま中央審議会にかけていろいろと意見を聞きたい、その上でというふうにお考えになっておるわけですか、建設大臣。
○始関国務大臣 お答え申し上げます。 談合問題に対処いたしますための一つの分野と申しますか面が、ただいま御指摘の入札制度の改善にあるということは私どもも全く同感でございまして、いまもお話ございましたが、中央建設業審議会でいろいろと審議をしていただいております。 一般競争入札が会計法上の原則ではございますけれども、これにつきましてはいま官房長が申しましたような、適格者が得られるかというふうな問題のほかに、大体、非常に大手の力のある業者と中小のいわば弱い業者と一緒に入札されることになりますと、弱肉強食の弊害もあるというふうなこともございますし、それに五十社、百社と応募がございますと事務処理もやりきれない。建設省だけで年間二万件の件数があるそうであります。そういったようなこともございますので、いわゆる制限つき競争入札という考え方が出てくるわけでございますが、この考え方をどんなふうにどういう分野で採用できるかということを、いま一つの項目として、さっき申し上げた審議会に審議をしてもらっておる、こういうわけでございます。 なおまた、その問題に関連いたしますのでちょっと申し上げますが、指名の場合には、いままで大体十社というふうにいたしておったのでございますが、これをいまの談合防止のような意味合いも含めまして二十社にするということで、一月末に建設次官の通牒を出しました。これは建設省の各発注機関でございますが、それに出しまして、四月一日からは実行に移すということにいたしました。この点につきましては、社会党の受注の公正化要綱というものを拝見しましたが、同じような結論になっておるようでございますけれども、私どもはそれをいち早く実行に移した。 とりあえず以上申し上げて、お答えといたします。
○野坂委員 具体的なお話に入りたいと思いますが、新聞等で盛んに出ております静岡県の入札の問題、これにつきまして公正取引委員会が調査に入ったという事実があります。 たとえば、皆さんは御承知かと思いますが、静岡市が発注をしました高松下水道処理場、予定価格は七億一千五百八十五万円です。落札価格は七億一千五百万、落札価格と予定価格の比率は九九・八八%ですね。あるいは西奈地区の小学校校舎建築、予定価格二億三千九百三十七万円ですね。落札価格は二億三千九百三十七万円、一〇〇%。瀬名南団地六号棟建設、予定価格二億三千七百六十二万円、落札価格二億三千七百三十万円、九九・八七%。東部中学校校舎建設、予定価格一億九千四百八十九万円、落札価格一億九千四百八十万円、九九・九五%。これを全部読むと時間が終わってしまいますから、静岡市で工事数が百九十四件ありますね。これの予定価格の総額が百十八億九千五百九十三万円であります。落札価格が百十八億六千七百三万円、この比率は九九・七六%。ぴしゃり予定価格に一〇〇%というのがありますね。 これは御案内のように、静岡県の建設業界が規定をつくって談合をやっておるという事実が明るみに出てまいったわけであります。この点について公正取引委員会はどのように措置をされ、どのようにこの排除勧告を行おうとしておるのか、この点を明らかにしてもらいたい。
○橋口政府委員 静岡県所在の建設業関係五団体並びに会員会社三十三カ所につきまして、昨年の九月二十八日、二十九日と両日にわたりまして立入検査を行ったわけでございます。その結果、膨大な物証を留置いたしておりまして、物証を分析し、それに基づきまして関係者からの事情聴取を行っておるところでございます。 今後の見通しといたしまして、関係者の数も多く、かなりの時間を要するのではないかと思いますが、事件の最終処理の見通しにつきましては、審査中の段階でございますから明確にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、事件の処理につきまして明るい見通しを持っておるわけでございます。
○野坂委員 具体的な事実が挙がっておる、こういうことであります。 ちなみに、先ほど総理大臣以下皆さんの政治献金のお話が出たわけですけれども、静岡県の場合は、一人一人の名前を挙げますと御迷惑ですから、自民党の静岡県連に政治献金がされておりますね。静岡県の建設業協会は五十四年、一千万ですね。それから、静岡市の建設業協会は百二十万、浜松が百二十万、三島が百万、沼津百万、富士百万、清水百万、島田百万、袋井百万、天竜市八十五万、下田市八十万、これが自民党の県連に出されております。二千五万円であります。五十五年も引き続いて静岡県建設業協会は自民党県連に一千万円出しておるということはすでに皆さんも御承知かと思います。そういう情勢を受けておるわけであります。このことは総理大臣もよく頭の中に入れておいていただいて、最後にあなたのお言葉を聞きたい、こういうふうに考えております。 そこで、もう一つは、茨城県の発注によった、これは参議院の決算委員会でも問題になったわけですが、五十三年の十月六日に入札をして五十四年三月三十日に完工をした。十一社の指名があって、三社が譲らなかった。常総開発、株木建設、大都工業、この三社で話し合って、常総開発が落札をしております。追加工事があって、二億四千百六十万円になっておるわけですが、これは一括大都工業が一切の責任施工をする、工事原価は請負金額の五四・八四だ、利益は四五・一六%である、これが覚書になって、非常に明快に書いてありますね。それを読む時間がありませんから申し上げませんが、全部分け方についても、株木建設がもうけのうちの四〇%、大都三〇%、常総三〇%、こういうことで折り合いがついたといって、三社の覚書がちゃんと書いてあります。 こういう内容については先刻皆さんも御承知かと思うのでありますが、これについて警察庁は、時効になっておるというような話でありますが、警察庁のこれの捜査、さらにこれに対する建設大臣の見解、こういうものをお聞きしたいと思います。
○世耕国務大臣 警察の方の立場から申し上げます。 警察は従来から、この談合に関しましては、法令に触れる違法な行為がありました場合には遠慮なく捜査、検挙をしてまいったところでございます。今後とも、そのような面が出てくれば厳重に捜査をし、また、その方向でいろいろ取り締まりを厳重にしてまいりたいと思っております。
○吉田(公)政府委員 御指摘の牛久沼の件につきましては、昨年十二月二日付の茨城県知事の報告及び同月十五日に行いました建設業法第三十二条に基づきます聴聞によりまして、一括下請でございますとかあるいは請負契約に関し不誠実な事実が存在したことが明らかになりましたので、関係業者である三社、これを建設業法に基づきまして今年一月六日から三日間の営業停止処分をいたしたところでございます。 また、発注官庁といたしましての建設省の立場から、関東地方建設局におきまして、一月六日より一カ月間指名回避をいたしております。
○野坂委員 よくわかりましたが、最近問題になっております横須賀の防衛施設庁関係ですが、横須賀の海軍施設の長井高層住宅及び中央指揮所の問題についてこれから伺います。 これにつきましては、この間も同僚の稲葉議員がお尋ねをしたわけでありますが、大体建設工事というのは、業者の指名をして、それから図面の説明、現場説明をして、下見をして入札をし、契約手続ということになるものですか。だれでもいいのですが、建設省から。
○吉野(実)政府委員 業者の指名をいたします場合は、施設庁の場合ですが、登録会社から指名をいたしまして、指名をいたしました後で現場説明をする場合もあるし、図面説明だけで終わらせる場合もあります。その後で入札を行う。もちろん皆さん見積もりをやるわけですが、うちの方では予定価格をつくりますし、入札をやって落札が決まる、こういうことです。
○野坂委員 建設省にちょっと聞いておきますが、入札をする場合、何日前ぐらいに図面、現場説明をするものでありますか。建設省からまず聞いておきたいと思います。
○丸山政府委員 仕事の種類によって違いますが、大体十日ぐらい前でございます。
○野坂委員 この高層住宅と中央指揮所というのは、その点についてはどういうことになっているのですか。
○吉野(実)政府委員 横須賀の住宅のことについて申し上げますと、十二月の十七日に指名通知を行いまして、十二月十八日に図面説明を行う。補足説明は一月に入ってもやっておりますけれども、もちろんことしのことですが、一月二十二日に入札、こういうことになっております。
○野坂委員 あなたのところはいつも補足説明をやるところなんですね。たとえば、中央指揮所は五十六年八月五日に指名競争入札の通知をしていますね。八月の十八日に図面説明、一カ月たった九月の十八日に補足説明、四日後の九月の二十二日に入札、こういうことになっていますね。それから高層住宅は、いまお話があったように十二月の十七日に指名競争入札の通知をやって、十八日に図面説明やって、ちょうど一カ月目の一月十八日に補足説明をやって、四日後の一月二十二日に入札をやっている。あなたのところはみんな補足説明をしているのですよ。設計はそれほどできが悪いのですか、いつも補足説明を四日前にしなければならぬほど。どうなんですか。
○吉野(実)政府委員 中央指揮所の補足説明の件については後ほどちょっと調べましてから申し上げますけれども、横須賀の住宅建設につきましての補足説明の件は、私の知っておりますところによりますと、上物はもうすでによろしいのですが、くいを打つ部分、つまり地下の面につきまして工法を変えた、つまり、三千万ばかり安上がりの工法にしないといけないということで一月に入って工法を変えた、そういうことによって補足説明の必要が起こったと了解しております。
○野坂委員 おたくは大体一カ月後に補足説明をすることになっておるのですよ。その辺が一番疑惑を持たれる根拠なんです。 それで、この入札については、一月の二十二日何時何分に入札されましたか、施設庁長官。
○吉野(実)政府委員 いま御質問をちょっと聞き漏らしましたが……。
○野坂委員 入札は何時何分でしたか。
○吉野(実)政府委員 一月二十二日十六時三十分だったでしょうか。 ちょっとつけ加えさせていただきますが、先ほどの常に補足説明をやっておるというお話ですが、補足説明はほとんどやってないそうであります。
○野坂委員 あなたは四時三十分の前に新聞記者と会っていますね、四時十分に。そのときに何を話されましたか。
○吉野(実)政府委員 朝日新聞の記者が私のところに参りまして、銭高組が落札するようになっているようだという話がありました。
○野坂委員 四時三十分の入札の前に、四時十分にはすでに落札者が決定しておったということですね。 いま皆さんのところにお配りをしたわけですけれども、この入札の状況は、一回目、二回目、三回目、ともに……(「飛島建設だよ」と呼ぶ者あり)あ、そうだ。一回目は、おっしゃるようにそうだ。飛島建設が——非常によく知っておられますね、指示されたかどうかわかりませんが。十億八千三百万で第一回は飛島に、二回目以降は、十億三千二百万、十億一千万、こういうかっこうで銭高組・三平興業というのが落札をしております。そして、これについては非常に疑惑が残っておりますのは、すでに新聞記者といろいろとお話しになって、そのときに落札の名前は明言されておる、こういうのが実情であります。 そこで、これについての予定価格というものは幾らであったわけですか。
○吉野(実)政府委員 私どもといたしましては、落札が終わった後におきましても予定価格は公表しないことになっておりますので、御了承願いたいと思います。
○野坂委員 建設省はどうですか。
○丸山政府委員 予定価格につきましては、入札後でありましても、類似の工事の将来の予定価格を類推されるという観点から、政府内部では一切公表しないことになっております。
○野坂委員 それでは、これはちょっとおきまして、皆さんの手元に配ってありますか。これは余り人の名前を入れますと大変御迷惑ではないかと思いまして、ABCというふうに入れておりますが……(「いまの話は聞いておらぬぞ」と呼ぶ者あり)これから話しますから。 これには、首都高速道路公団というのがありますね。そこに、工事名は「六七四工区(その一)高架橋下部構造新設工事」と書いてあります。予定価格は十七億七千九百九十万円とありますね。そして、第一回の入札で落ちておるわけです。これは十七億七千六百万が最低で落ちたわけでありますが、最高の方は十八億二千三百万、こういうことであります。名前を読みますと、清水・戸田組、間・竹中土木組、前田・不動組、四は奥村・浅沼組、飛島・銭高組、若築・森本組、この若築・森本組が落札をしたわけであります。この内容については、首都高速道路公団の理事長もおいでになっておるわけでありますが、いわゆるピアノ線ですね、PC鋼より線といいますか、学名では、その緊張工事の際の積算がミスしておるというお話ですね。このピアノ線は大体三千八百二十メーター必要だ、本数にして二百六十二本、こういうことになっておるわけですね。それが三千八百二十本というふうに化けておるわけです、二百六十二本が。そして、金額にして約二億八千万、これほど積算のミスがあった、こういうふうに承知をしておりますが、そのとおりでしょうか。
○菊池参考人 ただいま先生から御指摘がありましたように、私どもの発注いたしました工事で積算のミスがございまして、緊張鋼二百六十二本と入れるべきところを間違えまして三千八百二十本という数量を入れて、それがそのままコンピューターの方に送られまして、単価を入れ、積算されて集計されたということで、結果的に二億八千何がしかのかなりな積算になったことは事実でございます。
○野坂委員 会計検査院の方がおいでだろうと思いますが、これはいつごろわかったのですか。工事着工前ですか、後ですか。
○坂上会計検査院説明員 お答えいたします。 昨年のちょうど一月ごろでございましたか、私ども年度末の実地検査に行きましたときに発見いたしました。
○野坂委員 理事長にお尋ねをしますが、この会計検査院が入る前に、現場ではすでにこのことはわかっておったんじゃないですか。
○菊池参考人 この工事は九月に契約されまして、翌年の一月過ぎに会計検査院が来られたわけでございます。そのときに御指摘を受けたわけでございます。当日はまだ、そういう積算の誤りがあったということは関係者のところまでは行っておりませんで、ただ現場の方ではその積算に気がつきまして、それを早速直したいというようなことの動きがございましたけれども、会計検査のときには申し上げませんでしたので、そのまま指摘を受けたわけでございます。 それで、それはその後、数量の違いでございますので設計変更をいたしまして、業者とは契約の変更を行い、それから、まだ工事に着手しておりませんときなので支払いはございませんけれども、前払い金その他につきましては、当初の契約に基づいて前払い金を払っておりますので、新しい契約に基づきまして、増加分につきましては利子をつけて返納していただいておるということでございます。大変そういう積算の数字の入れ違いとい、単純なミスでありましたけれども、金額が非常に大きなものですから、そういう意味で大変私どもの信用を失いまして、まことに申しわけないと思っております。
○野坂委員 そこで、二百六十二本と三千八百二十本との間違いが出てきて、約三億円出てきた。せっかく返してはおりますけれども、会計検査院の指摘するところになった、現場ではわかっておった、こういう矛盾がたくさん渦巻いております。 入札の結果は、いま私が申し上げましたように三億と違わないで、いわゆる入札状況というのは、上に書いてありますように、予定価格にぴったりなんですよね。ぴったりなんです、これは。優秀な業者が十二業者もおって、この予定価格にしわ寄せをされておる。三億も離れていない、全く一千万円程度しか違わない、こういうのが現状なんです。会計検査院が指摘をされておるとおりなんです。 さらに、その隣を見ていただきますとわかりますように、この十一億の中央自動車道恵那山トンネル、これについても単純ミスがあるということですね。これにつきましては、御承知かと思いますけれども、三千三百六十万円割り高になっておる。こういう現状も会計検査院の手によって明らかにされております。 これを多く申し上げる時間がありませんので、このように、施設庁長官も建設省も予定価格を発表しないと言っておりますけれども、予定価格は発表されておるわけですよ。ここにちゃんと書いてあるじゃないですか。会計検査院がちゃんと指摘をしておるわけです。だから、この種の工事といっても計算すれば幾らでもわかる。単価表なんか業者は全部持っておりますよ。いや業者が計算するとかなんとか言っておりますけれども、どの業者も持っておるのです、単価表はちゃんと。こういうふうに設計単価表を全部持っております。だから、予定価格は完全にわかるわけですよ。積算の根拠もちゃんと明らかになっておるじゃないですか。みんなある。だれも持っていない業者はないですよ。知らぬは国会議員だけですよ。頭を隠してしり隠さずというのはこのことだ。何にも表向きは出せないけれども、中身は筒抜けですよ。だから、予定価格は漏らしたいと思っておるのですよ、役人さんは。業者は聞きたいと思っておるのですよ。予定価格を漏らしておかなければ、また不用額がたくさんになって、おまえの設計は悪い、こう言ってあの辺のわからない人たちから指摘をされて、予算を削られる。だから、つついっぱいやって進めてしまわなければならない、これが現状なんです。だから、予定価格はちゃんとこう漏れてくるのですよ。三億円も開きがあるのに、優秀な業者が積算をすると予定価格にぴしゃっと、九九・何%とくるのですよ。これなんですよ。後になってあわてて返しておる。佐藤工業だってそうでしょう、水増しの。中山トンネルにしても一億五千八百万円も二重帳簿で水増しをして請求する。鉄建公団はこれをチェックもしないで一億五千八百万も払っておる。 こういう事態は幾らでもあるわけです。工事量は二十兆円もあるのですよ。財政再建、行政改革を言っておりますけれども、一割節約をしても二兆円出るじゃないですか。ごく簡単に出るじゃないですか。そういう状況で、予定価格が出せないということはない。絶対出してもらわなければいかぬ。出してください、施設庁長官。どこも出ておるじゃないですか、ちゃんと正式に。出さないことになっておると言うけれども。
○吉野(実)政府委員 先生、先ほど積算要領が外に出回っているということをちょっとおっしゃいましたけれども、そういうことはあるはずがない。(野坂委員「ないと思っておりますですよ、あなたは」と呼ぶ)あるはずがないと思っております。予定価格の件につきましては、くどいようでございますけれども、今後の入札の支障になりますので、私の方といたしましてはお出しするわけにはまいりません。
○野坂委員 法制局長官、予定価格というものは一体どういうことですか。落札価格で、終わればその時点で予定価格というものは消えるんじゃないか、私はこういうふうに思うのですけれども、それはどうですか。
○角田(禮)政府委員 結局、当該事項がいわゆる秘密に当たるかどうかという問題だと思いますが、秘密については、秘匿の必要性というものがあるかどうかということになるわけです。現在、建設省なりあるいは防衛施設庁の方の担当官の方から、将来の同種工事の予定価格の問題に関連して秘匿の必要性があるというふうに答えているわけでございますから、その限りにおいて私は秘密に当たるというふうに思います。
○野坂委員 じゃ、会計検査院なんかは、いま私が説明をしましたように、予定価格はちゃんと発表しておるわけですけれども、これはなぜ出したわけですか、建設省。
○坂上会計検査院説明員 お答えいたします。 すべての予定価格を私ども明らかにするというのは、これはまいりませんですけれども、会計検査院で決算検査報告に不当事項としてこれを掲記いたしましたものは、これは誤りの予定価格である、したがいまして、私どもが報告する場合にこれを明らかにしないとその差額というものは出ない、こういう見地から、予定価格を、その決算検査報告に掲記しましたものに限りまして明らかにした、こういう次第でございます。
○野坂委員 それでは、一番問題になっておりますのは、割愛文書というものがありますね。割愛文書というのは、私はもらっておったんですが、業者が防衛施設庁にお願いをして、ぜひこの人間を下さい、こういうものですか。
○吉野(実)政府委員 割愛文書は就職に際しての文書でございまして、就職の決め方というのは、業者の方から能力とかあるいは人柄とかいう希望がありまして、こういう人を割愛してもらいたいという希望があります。役所の方といたしましては、本人の希望がありまして、それで就職が決まるわけですが、決まるに際しましては割愛依頼書という名目で文書が出ている場合があります。ただし、先般のこの委員会で私申し上げましたように、施設庁といたしまして割愛文書を始めたのは五十四年からでございます。五十四年ごろから、下の方の人が就職するに際して、相手側から申し出ている条件等についてやはり知っておく必要があるなということでとり始めたものであります。
○野坂委員 こういうものですか。社長名があって、「割愛願 時下益々御健勝のこととお慶び申し上げます。かねて弊社事業につきましては格別の御高配を賜わり有難く厚く御礼申し上げます。さて、今般貴庁菅原竹雄氏を弊社顧問として下記条件にて御割愛賜わりたく、特別の御詮議を以つて御取り計い下さるようお願い申し上げます。記 一、勤務場所 本社 二、役職名 顧問 三、割愛年月日 昭和五十五年十一月 日 尚弊社五十八年一月の株主総会において取締役(常務)就任を予定しております。」こういうものですか。
○吉野(実)政府委員 いま先生がお話しになったようなものでございます。
○野坂委員 それでは、割愛文書を出していただきます。公表して、われわれの手元に出していただきたい。
○吉野(実)政府委員 割愛文書の提出につきましては、この文書は会社から出ております性質上、会社の方とも話し合いをしなければならぬ、そういうことで、最初会社側、本件会社側ですけれども、割愛文書の内容も含めまして何とか勘弁ならぬかというお話があったわけですけれども、いろいろ私の方から申し込みまして、内容だけは出してもらって仕方がないと思います、こういうことになっておる次第であります。この間の事情につきましてはすでに先生の方にも御連絡申し上げておるところでございまして、くどいようでございますけれども、内容の発表ということで御承認をいただきたいと思っております。
○野坂委員 この方だけじゃないんです。あなたは、いま私が読んだのは、うそを言っておりますよ。まだあるんでしょう。これだけ慎重にやる防衛施設庁が、勤務場所と役職名と割愛年月日だけで終わるはずがないです。労働条件がありますよ。何ぼだということですよ、金。幾らだったんですか。
○吉野(実)政府委員 割愛文書には、金額が書いてある場合と書いてない場合があるんでございますが、私が見ました本件の割愛文書、まさに先生がおっしゃるとおりに、金額については記載がありません。
○野坂委員 それでは、お行きになった年俸はどの程度だったんですか。
○吉野(実)政府委員 最近になりまして、私の方で新聞に出ましてから調査をいたしまして会社等から聞き込みを行いましたところ、大体現職にいたときの金額横並びというような数字でございまして、一千万を超えております。
○野坂委員 お話では千五百万円ということであります。私たちが承知をしておるのでは年収千五百万、こういうふうに聞いております。
○吉野(実)政府委員 そういううわさもありましたので、重ねて会社側に聞きましたところ、千五百万という数字は一切ありません。(「では幾らだ」と呼ぶ者あり)
○野坂委員 そこまでせんさくをする必要もないと思いますのでやめますが、いまお話がありましたが、銭高組は、五十三年の場合はたしか防衛施設庁では百二十七位くらいですね。それから、五十五年が二十四位ですね。五十三年は百二十七位程度、今度五十六年に十三位になっておる、こういう状況だと思います。間違っておったら後で……。五十四年は二十七位、五十五年度が二十四位、五十六年度が現状十三位、こういうふうに私どもは承知をしております。 そこで、いまお話しになりました菅原さん、この割愛文書は菅原さんだけではなしに、いままでの割愛文書はぜひ出してほしい。もうやめるわけですからね、OB会。これからの問題がないわけですから、あなた方の措置は。だから、いままでの分は全部出してほしいと思いますね。 ちなみに、私は余り言いたくないのですが、もう新聞社が出しておりますから、菅原さんは五十五年の十二月五日に退職されております。そして、ミトモ建設からマンションと、自宅を建てておられますね。これはいわゆる菅原さんが退職前後です。自宅は千六百九十万です。渋谷にワンルームマンション千二百万もお買いになった。これは通うのに不便だからということで、同じような時期にお買いになっております。マンションの場合は五十五年六月十九日、家は五十五年の十月から五十六年の三月、おやめになったのは五十五年十二月五日、こういうことになっておるわけであります。 それから、同じように三平興業がジョイントベンチャーで落札をしておるわけですが、この菅原さんの先輩の、御家族の関係等もございますからKという名にしておきたいと思いますが、これも目黒の方に二十五坪の家をお買いになっておる。これは借地ですが、土地は千二百五十平米ですね。その中で八十二・七八平米が建っておる。これは秋山さんという方から加嶋不動産というのが四十八年七月三十一日に購入して、K氏に四十八年十二月二十日にお売りになっておるわけであります。このK氏は、防衛施設庁の技術審議官をおやめになったのは四十八年十一月一日であります。これもちょうどこの時期にぴったりするわけですね。 だから私は、金の出どころがはっきりしませんから多くを申し上げぬわけですけれども、事ほどさように、菅原さんにしてもKさんにしてもYさんにしても、防衛施設庁をやめる前後にみんな家を買っておる。そして、銭高組は五十三年から一気に百位を越してきた。これは実に、先ほど申し上げましたように非常に問題があるわけであります。 だから、この点については予定価格を明らかにしてもらわなければ、やはり審議はできぬのです。割愛文書を明らかにして出してもらわなければ、天下りからくくってその問題を処理することはできぬのですよ。だから、そういう点については十分われわれの審議権を守る意味で、ここで予定価格をばらしたら全部後々わかってしまうということでありますけれども、業者はみんな知っておるのですから、現に。 先ほど静岡県のを読み上げましたように、予定価格と落札価格は一〇〇%、平均して九九・八%です。知っておる証拠ですよ。しかも、間違いがあれば、先ほど言ったように首都高速等では間違いがあれば、もっと三億ぐらい違わなければならぬ。みんな予定価格がばれておるから、そこに全部集中しておるのです。こういう疑惑を一掃していかなければ、何の行政改革かと言いますよ。何の財政再建かと言います。私は、こういう意味で、まず行政改革はこういうところから正していかなければ国民は絶対に納得しない、こういうふうに思いますね。 総理は、この現状を考えて、そういう疑惑を生み、不明朗な入札制度は正していかなければならぬ、こうおっしゃったわけでありますから、審議権を持つわれわれにそういうものをやはり提示をするという姿をとっていかなければ、本当の意味の行政改革、財政再建、そして国民の疑惑を晴らすことにならぬではないのかということを、私は総理の見解を求めていきたい、こう思います。
○吉野(実)政府委員 総理のお話の前に、先ほど先生の御要求がありましたので、それにお答えをさせていただきますが、割愛文書というのは、本人じゃなくて会社が出しておるわけでございまして、会社の方が困るというものを、会社のいろいろ秘密もあるでしょうし、人事上の秘密もあると思いますし、そういうものを私の方、勝手にお出しするわけにはまいりませんので、その点御了承いただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 公共工事にかかわる問題につきまして疑惑を指摘されておる問題がありますことは、まことに遺憾に存じておるわけでございます。建設大臣を初め公共工事を執行いたしております役所におきましては、関係建設業界に対しまして強い指導を行っておるところでございますが、今後におきましても十分徹底を期するようにいたしたい。 いま野坂さんのおっしゃったような問題等は、役所が襟を正さなければならない問題でございまして、入札制度のあり方とともに今後十分掘り下げた検討を加え、改善措置を講じてまいりたい、こう思っております。
○野坂委員 襟を正すために、私たちはその予定価格問題あるいは割愛文書等を出していただきたい。建設省でも持っておるわけですよ。こういうことを特に委員長にお願いをしておきますから、予定価格、割愛文書をぜひ、審議をする上で必要でありますので、出していただきたいということをお願いを申し上げておきます。 さらに二点目は、証人の申請を申し上げたいと思います。 いま議論でもおわかりになったと思うわけですけれども、静岡県の建設業協会の会長中村一雄さん、中村建設の社長であります。それから前田忠次、お話がありましたように日本建設業団体の前の副会長、土工協の前の会長であります。それから植良祐政、日本建設業団体の副会長であり、日本土工協の前副会長であります。飛島建設の会長であり、日本ダム協会の会長であります。これは、この間から公明党からも追及された問題としてぜひ証人に出してもらいたい。それから銭高組の社長銭高善雄、いまお話をしたとおりであります。さらに、天下り人事で問題になりました菅原竹雄さん、銭高組顧問、前の技術審議官であります。それから、牛久沼しゅんせつ工事にかかわる問題で司直の手をかりております大都工業社長、日本埋立浚渫協会の会長であります小川喜弘さん、以上の方々を証人として、さらに参考人としては、建設省としては指名競争入札を主体にしておるということでありましたが、岡崎市長の中根鎮夫さん、この方は一般競争入札で成果が上がっておるということでありますから参考人に。牛深市長の浦田宇次郎さん、さらに青山学院大学教授の菊地元一さん、この三名を参考人として申請をいたしますので、よろしく御配慮をいただきたい、こういうふうに思います。
○栗原委員長 ただいま野坂君の御要求の資料の提出、証人、参考人の件につきましては、後刻理事会で協議をいたしたいと思います。
○野坂委員 もう時間がございませんから、人事院の総裁においでいただいておりますか。 この天下り人事は非常に問題でありまして、防衛庁は六十二条ですか、国家公務員は百三条ですか、この天下りの問題、離職前の五年間に関係のある会社その他に天下りできぬ、あるいは二年間はだめだ、こういうふうに書いてあるわけでありますが、天下りについても十分考えていかなければならぬじゃないかなと思うのです。 たとえば、あなたのところの人事院事務総長さん、茨木廣さんですね、この間やめられたわけですが、一九七七年の六月から七九年の九月、人事院の事務総長であって、七九年の十月に日本消防検定協会の理事長、天下りになっております、これは特殊法人でありますから。何カ月お勤めになったかということは御存じかと思いますが、時間がありませんから申し上げますと、三カ月間お勤めになっておりますね。人事院というところは、そういう天下りを全部チェックしなければならぬのです。三カ月で一体何ができるだろうかと思いますね。そして十二月におやめになって、国会図書館の専門員になっておられますね。この三カ月間一体何をされておるのか。月給は幾らで、どの程度退職金をおもらいになったと思っていらっしゃるのですか。
○藤井(貞)政府委員 御指摘がございましたように、人事院はいわゆる天下りの問題について審査を任せられておる機関でございます。そういう意味で、厳正に職務の執行には当たるように日ごろやっておるつもりでございまするし、また、その役所でありまするだけに、われわれの方の当の職員についていろいろ問題が起きるようなことがあってはならないことでございます。極力そういう点については厳正な自粛自戒を加えておるつもりでございます。 ただ、御指摘になりました茨木君につきましては、これは実は関係の各省庁あるいは特殊法人なり国会図書館の方からそれぞれ御要望がございました。実は茨木君は、消防関係については大変学識経験が豊富でございまして、過去に消防行政もやったことがございますし、消防大学校において仕事を進めておったというようなこともございます。そういう関係から消防関係からぜひにというお話がございまして、私もそういうことであればということで同意をしたのでございます。ただ、その直後になりまして、国会図書館の方で、また別の意味でひとつぜひ茨木君の識見、能力を生かしていきたい、人事行政その他諸般の問題を中心にひとつ国会審議の参考になるようなことで調査検討を深めたいのでぜひというお話がございました。すでに私の方といたしましては検定協会に割愛をいたした直後でございますので、私自身には直接関係はございませんですが、しかし、当然事柄の性質上私にも相談がございました。私も、行って三カ月ぐらいですぐに変わるなんということは非常に不見識なことであるということで、極力もう一度再考を促したわけでございますけれども、何しろ人事のことでもございますし、いろいろなお話し合いの結果ぜひともというようなことがございましたので、やむなく同意をいたしたという経緯がございます。 なお、消防検定協会は自治省の消防庁の外郭機関、特殊法人でございまして、特殊法人としての一般のランクに従って処遇をされておるというふうに承知をいたしております。
○野坂委員 もう時間がありませんから多くを申し上げません。やはり優秀な人材でありますからあちこちから要望があったことと思いますが、それにしても、もらうものはもらって、退職金はちゃんと七十四万五千円、三カ月分お払いしておりますが、優秀な人材であっても十分その点については、おやめになるまで期間があるわけですから、配慮していただきたいと思います。 たとえば高級官僚は、やめますと、ここに一つ挙げますと佐竹浩さんというのがあります。六十五歳。大蔵省の銀行局長をやめられて、退職金はたった五百三十九万円でありました。しかし、その後農林漁業金融公庫の副総裁に行かれて四十九カ月、千二百二十六万円。住宅公団副総裁に行って三百八十一万円、これは一年ほどです。その次、沖縄振興開発には四年間ほど行って二千三十万円。国民金融公庫の総裁では二千三百六万円。大体ざっと六千万円ちょっとですね。こういうふうに渡り鳥が余りにも過ぎて、国民は、高級官僚の渡り鳥、こういうふうに思って、むしろ権威が崩れるのではなかろうかというふうに思います。 そういう状況と今日の行政改革、そして国民の疑惑、こういうものを見て、いまの天下りについて総理大臣はどのようにお考えでしょうか。 これで質問を終わりたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 御指摘の点がいろいろ指摘をされ、また国民の指弾を受けるというようなこともございまして、政府におきましては、閣議の場等におきまして、この特殊法人等に転職をするということにつきましては厳しくチェックするように申し合わせをいたしておるところでございますが、今後におきましても十分その点に配慮をいたしまして、国民の批判を受けないように自粛してまいりたい、こう思っております。
○栗原委員長 これにて野坂君の質疑は終了いたしました。 次に、坂井弘一君。
○坂井委員 いわゆる武器技術の輸出の問題、さらには共同開発をめぐる問題等につきまして、若干お伺いをしてまいりたいと思います。 実は、私は昨年当委員会で、いわゆる武器の部品あるいは半製品、この輸出をめぐって問題として取り上げました。 〔委員長退席、小宮山委員長代理着席〕 その際に、むしろこの問題の一番大きなポイントは、技術を一体どう見るかという視点を抜きにして、単に形にあらわれた武器の部品でありますとか半製品でありますとか、武器そのもの、これの輸出が三原則に照らしてだめだとか、あるいはまあこの範囲なら許容できるであろう、汎用性ということからしてまたこの判定がきわめてむずかしい、いろいろな議論がございましたが、しかし、何よりも技術というもの、これを抜きにして単に形としてあらわれたものを武器としてとらまえて議論することは、これは必ずしもこうした高度の技術の伴う武器については当たらぬのではなかろうか。つまり、技術といいましても、技術の世界ほど戦争と平和、この境目がはっきりしないものはない。純軍事技術というものが一体あるのかないのか、もしありとすれば、これはきわめて少ないかもしれない。むしろ、今日の技術の世界を見ますと、民間においてその技術がさらに次の新しい技術を生む、そういう過程で技術と技術がまた組み合わされてさらに新しい先端技術というものをつくり上げている。そういう技術が今日の近代装備、兵器体系に転化、応用されてきておる等、そうした技術が組み込まれて近代的な装備、武器というものができ上がってきておる、さらにしのぎを削っておる、こういうことだろうと思うのです。 そういう意味で、こういう技術を抜きにして、単に形としてあらわれた武器、部品だけをとらまえて、禁輸三原則に照らしてどうだこうだという議論はもはや通用しない。継続性のある技術の問題、そういうことから三原則以前にもすでにそういう技術をもって開発された武器がある、それ以後においてもそれが継続されてきておる、そういう実態が幾つかありますよということを、アメリカのみならず、英国の例もここに取り上げまして、総理に一度実態をよく調査されたらいかがですか。 〔小宮山委員長代理退席、委員長着席〕 そのときに総理は、確かにあなたのおっしゃるとおりだろう。そのときに総理は、「この問題につきましては、政府としては実態を調査、把握をしまして、どのような処理、対応をすべきかということを十分検討さしていただきます。これは今後の問題にもかかわる問題でございますから、十分そのようにいたしたいと思います。」こういう答弁をされたわけです。御記憶だろうと思います。 その後どのような調査をされ、今日の時点で、その調査の結果、どういうところにどういう問題があるかというような把握をされましたか。また、それに対する具体策を御用意されているのでありましょうか、お伺いしたい。
○鈴木内閣総理大臣 いま坂井さんからお話がございました点につきまして、私に御質問があり、私は、将来に向かって非常に重要な問題でございますので事実関係を調査をさせるということをお約束を申し上げたわけでございます。 五十三年の三月三十一日以前にそういうような輸出がなされておるかどうかということを、関係当局に命じまして調査をしたわけでありますが、その結果、私のところにはそういう事実はないという報告がなされております。
○坂井委員 官房長官、ちょっと念のために。 先般、大出委員の質問に対しまして、官房長官コメントをされておる。武器の技術輸出を禁じたのは昭和五十一年六月の時点からである、それまではそのような技術が輸出されたということはあるだろう、五十一年六月以後においてはないはずだ、こういう趣旨のコメントをされたと思うのです。そのとおりでございますか。
○宮澤国務大臣 五十一年の二月、三木内閣のときに、政府がいわゆる三原則を敷衍いたしました際には、技術という問題についての意識が欠けておったようでございまして、五十一年の六月に、国会におきまして、当時の通産大臣にお尋ねがございまして、そのときに技術の問題についてお答えをしておるのが初めてのようでございますので、そのように申し上げました。
○坂井委員 もし、技術について、仮にいままでの政府の輸出を規制するその対応についてなお少し正確を期するならば、それは実は六月十日に河本当時通産大臣がそう答えたというのではなくて、その後、いろんな抜け道があるということがわかって、むしろ五十三年の四月の一日以降、実態的には技術の輸出を禁止するという措置が講ぜられた、こういうことじゃないでしょうか。
○宮澤国務大臣 その点につきましては、昨年も実は坂井委員が御指摘になっておられる点でございますが、確かに、五十三年の四月一日から外為令の改正がございまして、技術輸出につきましても許可制にいたしました。それより以前は標準外決済による許可の対象であったわけでございますので、これによって、許可の対象であったとは申し上げることができますけれども、標準外決済という、実は本来ほかの目的の制度でございますので、制度本来から申せば五十三年の四月にまずまず完備をした、それ以前はやや不完全であったというふうに申し上げるべきかと存じます。
○坂井委員 それで、まさに不完全だったと思うのですね。また、そうであったという、実は私は事例として前に申し上げたはずなんです。たとえば、いまアメリカとの関係において問題になっておりますけれども、英国との関係においても、イギリスの国防省それからわが方、その間において、五十一年六月以降においてもなお、これは私は技術資料を提供したと言った方が正確だろうと思うのですが、後でまた技術の問題について少し定義づけを聞きたいと思いますが、技術資料、それを五十二年の七月段階で、わが方は英国に対して、国防省です、技術資料の提供をいたしておりますね。通産省、防衛庁は御存じでしょう。
○安倍国務大臣 そういう話は聞いておりません。そういう事実はないというふうに聞いておりますが、詳細につきましては政府委員から答弁させます。
○豊島政府委員 先生御指摘の件は、英国国防省から日本製鋼所が五十年以来、戦車砲のライセンス生産をしているということでございますが、その中で、実は五十一年ですかに、報告をしておる件がございます。これは何かと申しますと、砲身技術の中で、弾を撃った後の薬きょうをかき出す、まあエクストラクターというのがございまして、そのエクストラクターをおさめる溝の形状について、国防省から日本側に渡されたものは、NATOとアメリカと両方使えるような共有した溝の形をしておったということでございますが、日本ではそういうものを必要ございませんので、どちらかと言えばアメリカに近いような溝に少し直したということが報告の一つでございまして、あと二つは、その溝とかネジに関しまして、メートル法にインチを変えたということでございます。その三点でございまして、特に第一点につきましても、単に形が変わったということで、絵を入れまして報告しておるということで、これは別に新しい、それによって向こうが砲身の溝をできるというような、そういうことはできないわけでございまして、単なる絵でございますので、技術の提供には入らない、このように考えております。
○坂井委員 もっと正確にした方がいいですよ。五十二年の七月段階なんです五十一年じゃない。 それから、いまの話は契約に基づくそれらしきいまの御答弁、それはそれなりに受け取ります。ただ、単に通報したというものではありません、あなた方いかにどう言おうと。もし、それをおっしゃるなら出しますよ。いいですか。単なる通報ですか。大砲の砲身の砲尾の機構について日本は変えたでしょう、向こうからもらった技術を。そのことについて、かくかくしかじか変えたという技術情報、技術資料は出しておりませんか。これは否定されますか。
○豊島政府委員 ちょっと、先ほどのお答えで、七七年七月でございます。ちょっと時点が違っていました。 それから、技術情報か否かということでございますが、ここにございますように、砲身をどちらかと言えばアメリカに似たような、エクストラクター用に合うようにモディファイしたということで、技術情報と言えば——そういう定義の仕方によりますが、それの絵を、ドローイングを入れているということは事実でございます。私はこれは技術輸出に入らないということを申し上げだので、絵を何も出していないということは申し上げておりません。その点、その絵をかいて出したことが技術情報であるという定義をなされれば、そうかと思いますが。
○坂井委員 それでは、定義論にいきましょう。 いわゆる、武器の技術は輸出しないとする技術とは、一体いかなる技術を指して政府は定義づけをしておるのでしょうか、教えていただきたい。
○中澤政府委員 外為法上の武器技術の定義でございますが、これは武器、すなわち輸出貿易管理令別表第一の一九七から二〇五の項までに掲げられておるもののうち、軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるものという物品でございますが、そういうものの製造、設計、仕様にかかわる技術であるというふうに考えております。その考え方といたしましては、武器技術に該当するか否か、具体的な申請のありました段階で判断することでございますけれども、当該技術の内容から見まして、客観的にそれがもっぱら武器の製造等に用いられるというふうに考える、それを基準として個々のケースに即して慎重に判断するというふうに考えております。
○坂井委員 いまの物差しで、これが武器の技術である、いやそうではない、汎用性があるからそうではなかろう、そんなことが分けられますか。それが定義になりますか。たとえば技術、技術情報、技術資料、概念的に……。 それじゃ、また後で触れますけれども、まずこういう三つの技術、これらを技術上の知識というようなことで従来日米間においても、アメリカ側の技術をわが方が提供を受ける、いままた米側からは日本の技術に対して強力な供与要請がある。この場合の技術というのは、いまあなたがおっしゃった、そこで別表で決めたようなこの技術、こういう定義に基づく技術だというようなことが通用しますか。しないでしょう。新しいいまの視点に立った技術、その定義は一体どういうものを指して技術としておるのか。いまアメリカから提供要請がある、それに対してわが方は、技術については輸出はできませんとする、その技術は一体いかなる技術を指すのか、その技術の定義づけをここでしっかりしてください、こういうことをお尋ねしているわけです。
○中澤政府委員 先生お尋ねの、あるいは御指摘の問題は、汎用技術と専用技術の区分は非常にむずかしい、不明確ではないかということかと思います。まさに御指摘のように技術そのものは、その性格上応用範囲が非常に広うございます。したがいまして、その技術提供の段階でその用途すべてをカバーすることがなかなかむずかしいということでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、外為令上の判断基準といたしましては、その提供される技術の内容、すなわち、その技術の性状、内容から見まして、もっぱら武器の製造等にかかわる技術と客観的に判断できるものを対象とするというふうに考えておりまして、これによりまして規制の公正さ、あるいは実効性の観点からこのような考え方をとるのが合理的だと考えております。したがいまして、汎用技術は、仮にそれが軍用に供される場合でありましても、武器以外の汎用品を製造することに用いられる技術につきましては、それは汎用性があるということで外為令上に言う武器技術の専用技術であるというふうには考えないということで判断の基準としておるということでございます。
○坂井委員 技術という場合に、技術情報、技術資料も技術のうちに入りますか。
○中澤政府委員 技術情報、技術資料一般につきまして、それが武器技術であるか、あるいは汎用技術であるかというふうにカテゴリカルに判断するというのはなかなかむずかしい問題ではないかと思います。その内容に即しまして、それがもっぱら武器の製造に用いられる内容であるかということが判断の基準となると思いますので、具体的なケースに即してそのような基準で判断をする、かように考えております。
○坂井委員 それは個々に判断するのですか。技術の輸出も三原則に準じて取り扱う、輸出はしない、こうしておる。その場合に、これがもっぱら兵器に用いられるかどうなのか、それによっての判断がある、こうおっしゃる。しかし、技術そのものは、私は前段にくどくどと申し上げたとおり、常に汎用性を持っておるわけです。明らかに兵器に使われる、兵器に使う目的をもって提供を求めてきた場合には、これは禁輸三原則によって禁止された技術であるということで拒否されますか。
○中澤政府委員 汎用性のある技術につきましては、それが仮にたまたま軍用に用いられるということがわかったものでありましても、その用途によりまして判断するのではなく、その技術の性格、すなわち、もっぱら軍事に使われるかどうかという性格に即して判断するというふうに考えております。
○坂井委員 余り長い議論をやってもどうもあれですけれども、しかし、これがはっきりしないとね。技術の定義づけをする必要はあると私は思いますよ。後で議論を進めながら申し上げていきたいと思います。 大出委員から共同開発研究、これを定義づけろということで、防衛庁は防衛庁なりの、あれは定義になるのかどうか知りませんが、いずれにしても政府の統一見解を出しましょうということでございます。その前提として私も伺っておきたい。 わが国において共同開発研究はできるのですか、できないのですか。防衛庁、お答えください。
○伊藤国務大臣 先ほど通産大臣がお答えしたとおりでございますけれども、共同研究開発そのものはできますけれども、その結果として武器の問題が出てまいったときには、武器輸出三原則あるいは政府統一見解に抵触をしてまいります。
○坂井委員 共同開発研究そのものは日本国内においてできないことはない、しかしながら、結果としてというわけで三原則を出された。現実問題としていまのままではできないでしょう、できないことはありませんがとおっしゃるけれども。日本国内で共同開発研究そのものはできないでしょう、いまの状況、いまの法制下においては。
○和田(裕)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど大臣がお答えしたとおり、共同研究開発とそれから武器輸出とは直接につながる問題ではございません。現実問題としてできるかどうかということでございます。私どもは、一々の場合について詰めて考えたことではございませんが、またそれから、いまお答えを求められておりますところの共同研究開発とは一体何かという問題とも関連いたす問題でございます。そこら辺の定義がいま実はまだ截然としていない段階でございますので、非常に確定的に申し上げるのはいかがかと思いますが、仮に共同研究開発というのが、この前もここで申し上げましたように、用兵者同士が研究開発の非常に大事なポイントでございますところの運用要求というもののすり合わせを行うというようなことを含むということにいたしますと、たとえばこちらからアメリカに出向いていきまして、制服の方が向こうの用兵者と話しまして、ある種の装備体系についてこういったような方向でこれから考えたいということを相談すること自体、それはいまの武器輸出三原則のもとでもできるんだと承知しております。 また、もう一つの例を申し上げますと、やはりこちらから同じく出向いてまいりまして、アメリカの国防総省が持っております研究開発施設を貸与を受けまして、それによって試験をする。試験というのは研究開発にとって非常に大事な要素でございます。それもあるいはできるのではないか、そういうふうに考えております。 まあ幾つかの態様があるのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、共同研究開発自体の定義づけいかんと非常にかかわる問題でございますので、それが決まりましてから確定的なお答えをさせていただきたい、そういうふうに考えます。
○坂井委員 いわゆる防衛庁内の定義と、防衛庁どまりの定義としておいた方がよろしいでしょうな。あの定義に基づく共同研究開発は、日本国内においては、現実問題、実際問題としてはできないでしょうと私は言っているのです。そんな輸出もできないものを、よそが入ってきて日本で共同開発研究やって一体どうなりますか、新しいものをつくって。現実問題としてできないでしょうということを申し上げたのだ。これはまた後の問題に関連しますので、進めていきたいと思います。 東京電気化学工業にフェライト、アメリカの方はレーダー電波の吸収板としようということらしいのですが、提供要請があった。これは防衛庁、どうされたのですか。会社側から問い合わせがあったのですか。
○和田(裕)政府委員 防衛庁といたしまして、本件電波吸収塗料につきましてアメリカ側から東京電気化学株式会社に対しまして照会があったということは承知しております。
○坂井委員 承知はしておりますが、防衛庁は問い合わせに対してどういう御回答をされたのか。マイクロ波帯電波吸収塗料ですね。これは防衛庁が昭和四十七年から東京電気工業との間で共同研究開発を始められておりますね。そういうことですね。この共同研究開発は防衛庁が特許の出願人になる。特許権そのものは防衛庁のものですね。
○和田(裕)政府委員 いまおっしゃいました広帯域の電波吸収体そのものにつきましての特許権は防衛庁が所有しております。そのとおりでございます。
○坂井委員 これは秘密保全の特約条項かかっておりますね。この東京電気化学工業、TDKから、アメリカの要請があるからこれは向こうへ出したい、防衛庁いかがでしょうかときた場合、防衛庁はオーケーされますか。
○和田(裕)政府委員 出願を許諾するかどうかという御質問でございます。まだ具体的に出願許諾の申請がないと承知しておりますが、一般的に言いますと、この広帯域の電波吸収体は汎用品であるようでございますので、防衛庁の中の訓令によりまして委託先でございます東京電気化学からの申請でもございますし、これについて仮に申請があれば、特にそれに対しまして、実施許諾することについて大きな問題はないのかというふうに考えるものだというふうに思っております。
○坂井委員 アメリカの方の意図は、これを軍用に、兵器に使う、明らかにそうした目的を持って提供の要請がある。それに対して、この技術そのものは汎用性であるから出したって差し支えないだろう。防衛庁が特許権者として、防衛庁自身の手にあるこれは技術なんですね。いま装備局長の御答弁でありますと、まあ出してもいいんじゃないか。相手方も明らかに武器に使う、わが方は防衛庁が乗り出して試作研究を委託をして、そして研究の成果としてこの技術を防衛庁の手に特許権として持つ。この提供要請に対して防衛庁は会社側から問い合わせがあればオーケーしますか。できますか。
○和田(裕)政府委員 私どもが研究開発しておりまして、その過程によりまして獲得いたしますところの特許権というのは必ずしも軍事技術に関してのみ発生するものではございませんで、汎用性のある技術についても同時に発生するわけでございます。 それから、一般論といたしまして、国が特許権の実施許諾を求められた場合、これは防衛庁の技術研究本部以外にも国の場合には多くの研究開発の施設がございますが、そういったところと基本的には同じ立場にございます。特許権というのも国の非常に大事な財産でございますから、それを有効適切に活用するという観点が一つ大きな論点としてあるのだと思います。 片や、それに対しまして武器輸出三原則、統一見解というものがございますが、それとの調和をどうして図るかというのは、やはり特許権を預かっております私どもといたしましては、その後者の方の判断というのはやはり波打ち際規制を行っている通産省の御判断、御指導あるいは御施策によるのが適当ではないかと考えておる次第でございます。
○坂井委員 それでは通産省、その場合どうされますか。
○真野政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の東京電気化学工業の電波吸収塗料でございますが、これはある種の汎用性がありということも考えられますが、現在のところ、東京電気化学工業が電波吸収材について開発してまいりました技術は、当初壁タイル、それからいわゆるビニールシート、それからゴムシート状のもの、それからさらに塗料と逐次開発してまいりまして、いずれもこの開発の目的は民生用のいわゆる電波機器関連あるいは電波関係の仕事に応用するということで発展してまいったわけでございます。ただ、現在のところ、この塗料状のものについてはそれほど多く市販しておりません。一部そういうようなカタログ販売等もございますが……(坂井委員「いいのかどうなのか聞いている」と呼ぶ) それで、先ほどの具体的なアメリカからのこれについての照会というのは、現在照会の段階にとどまっておりまして、具体的にどういうものであるかというのは、先ほど申し上げました汎用性その他の点を含めて今後具体的な話として判定してまいりたいと思っております。
○坂井委員 さっぱりわからない。これは仮定の問題で言っているのじゃないのです。いまそういう話がすでに出ているわけなんです。防衛庁はこの特許を持っているわけです。いいですか。特許権者は防衛庁なんですよ。アメリカも、このフェライトは明らかにレーダー電波の吸収材となる。レーダーから雲隠れさせる、これは非常な威力を発揮するわけですね。こういういわゆる兵器が電子化されてきておる。そういう中で、このフェライトというものはレーダーの電波を吸収してしまうから、相手方のレーダーの威力がなくなってしまう。雲隠れする。それに使いたいんだ、こう言っているわけです。その場合に、じゃ、もう仮定としましょう。そういうことで向こうはそれに使いたいんだ。提供要請がある。これはもともと民生用に開発した技術だ。言うなれば汎用性のある技術だ。防衛庁が持っておろうと相手国が武器に使おうと言おうと、民生用、汎用性のある技術だからとオーケーできますか。オーケーしますか。こういうことですか。
○真野政府委員 私ども、ただいままで伺っている段階では、アメリカ側からのは一般的な情報の照会等でございまして、用途その他について具体的な話は聞いておりません。したがって、これが先ほど申し上げましたようにいろいろな電波関係の機器に使われることもございますので、現在の段階では、東京電気化学から具体的な話があった段階で汎用性の有無その他を検討する段階でございまして、私どもとして、具体的にどれかということはまだ承知していない段階でございます。
○坂井委員 じゃ、仮定にしましょう。兵器に使いますと要請があった場合に、どう計らいますか。
○真野政府委員 この点につきましては、先ほど貿易局長から御説明申し上げましたように、汎用性の有無ということで私どもの方は、物の性状に照らして決めるということにいたしたいと考えております。
○坂井委員 こっちが頭悪いのかな、さっぱりわからない。 最初に、私は、汎用性の問題をるる申しました。技術に、竹を割ったように、右の方は武器技術、割った竹の左は民用技術、そんな縦分けはできないでしょう。技術というのは応用ですよ。変化です。どこに使うかによって軍事、民生と分かれる。汎用性によってとか、何とかかんとか言っているけれども、それじゃ、わが方のそういう技術輸出に対する明確な物差しといいますか、判断基準というのはありませんね。要するに、そのときそのとき、要請要請によって個々にそれを検討して、そして、ときには輸出禁止三原則に抵触する、この場合はまあいいだろう、こういうことですか。
○中澤政府委員 技術の汎用性と専用性の問題でございますので、私から現在の外為法上の考え方を申し述べます。 技術は、先生ただいま御指摘になっておられますように、性格的に非常に応用範囲が広うございます。したがって、その技術が提供される段階で、客観的にその用途がすべてわかるものではございません。その用途の目的が明らかになるわけではございませんので、したがって、その用途がたまたま明らかになった場合につきまして、その規制対象とする、しないというふうに決めることは、外為法上の規制の公正さを確保する観点からは不適当であると考えます。 また、その技術を軍用に使われる可能性があるから抑えるということも意見としてはあるわけでございますけれども、規制の実効性を確保するという観点から申しますと、軍用に供される可能性のある技術全般につきまして、それを政府の監視下に置くということが必要になるわけでございますが、そのような場合には非常に広い範囲で技術輸出を規制対象とするということが必要になるわけでございまして、これは国民の権利に非常に大きな制約になるというふうに考えております。したがいまして、結論から申しますと、規制の運用に当たりまして、提供される技術の内容を見まして、もっぱら技術の、製造等にかかわる技術と客観的に判断されるものを対象とするということが、規制の公正さとその実効性の観点から合理的であるというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。
○坂井委員 ここにございますのは、防衛目的のためにする特許権及び技術上の知識の交流を容易にするための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定でございます。これは、いわゆるMDA協定一条一項の細目取り決め、三条の中の一つだと思いますが、同時に四条もかかっていると思います。したがって、MDA協定を締結するによりまして、必然的にこの協定が結ばれたということで、これは昭和三十一年の締結でございます。 そこで、伺いたいのですが、これは三十一年締結当時、わが国にとってどんなメリットがあったのですか。この協定によるメリット。
○和田(裕)政府委員 お答えを申し上げます。 昭和三十一年当時、まだ日本は技術的に非常に低うございました。アメリカの方がいろいろな意味で、技術的にも経済的にも非常に高い立場にあったわけでございます。また、事実そのころは、アメリカは無償援助を日本に対して与えているという時代でございました。そういった時代におきまして、単に兵器、装備品のみならず、特許権とか技術上の情報を相互にその交流を促進する、エンカレッジといいますか、そういうことを奨励するということは、具体的には日本の方がはるかにアメリカから実際上技術的な知識なり情報を得る手だてになった、そういうことが日本から見た本協定締結のメリットではなかったかというふうに考えられます。 しかし、突然の御質問でございますので、意を尽くしていない点があるとしましたら、後ほどまた補足させていただきます。
○坂井委員 当時こうお答えになっていますね。この協定を締結することによる利益は、まず一つは、米国における私有の防衛上の技術のわが国への流通が促進され、防衛生産の向上を期待することができる。二つ、防衛用の装備、資材の製造方法を受け入れる法的体制、特に国防上の秘密の技術を受け入れる法的体制ができ、わが国における高度の武器の生産が期待できる。三つ、技術上の知識の使用に関し、所有者との法律関係が明確になり、体制が整備される。四つ、MDAに基づき米国から提供される装備及び資材に関し、部品の製法等の提供を受け、その生産及び完成をわが国で行うことが容易になる。五つ、米国政府の所有する発明等を無償でわが方が使用し得る。これは政府側の答弁であります。間違いございませんか。
○栗山政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの先生の御指摘の答弁、突然の御指摘でございますので、私、正確に把握しておりませんけれども、協定の目的からいたしまして、ただいま先生が引用になられました政府答弁の趣旨にこの協定が沿ったものであるということは申し上げられると思います。
○坂井委員 そのとおりあるのですが……。 そこで、この土十六年前のわが国のメリットは、今日現在、二十六年後、これはそのままアメリカのメリットということになりますね、この協定によれば。
○栗山政府委員 ただいまの先生の御質問の御趣旨は、必ずしも私、正確に理解いたしたかどうかわかりませんが、協定全体といたしましては、先生御承知のように、一応双務的な協定になっておりまして、単にアメリカ側から日本に技術を提供するということばかりではなくて、日本側からアメリカ側への技術提供の可能性というものも想定したものでございます。
○坂井委員 当然そのとおりですね。 それで、この協定に基づきまして、アメリカ政府より、米政府所有のものはもちろんのこと、アメリカの私有の特許権あるいは技術上の知識を数多く日本政府は受け入れたと思いますが、どれくらい量的に受け入れておりますか。
○和田(裕)政府委員 ちょっと手元に資料がございませんので、早速調べさせまして御報告することにしたいと思います。
○坂井委員 後ほどでも結構ですが、どうなのでしょうか。恐らく何万件もあるんじゃないでしょうか。アメリカ政府が持っている特許権あるいは技術上の知識、技術上の情報、資料、ノーハウ等も含めまして、ずいぶんたくさんわが方は受け入れた。特にマル秘の部分もあるでしょう。受け入れながら、わが方の特許公開制度になじまないから、アメリカはないしょにしろと言って、内密で受け入れた部分もあるはずであります。調べまして、後ほどその辺のところもひとつはっきりしていただきたいと思います。それから、若干資料を出しておりますので、後ほど資料に基づいて、お答えが出た段階でその辺明らかにしたいと思います。 アメリカ政府所有の発明等を無償でわが国が使用したもの、防衛庁ありますか。五条関係であります。
○和田(裕)政府委員 その点も含めまして、後ほど御報告させていただきます。
○坂井委員 協定三条及び議定書によりますと、アメリカ側の保有する秘密の特許等がある場合に、日本で外国人特許として出願してきても、そのようないわゆる出願特許は日本側も出願公告しない、こういうことになっていると思いますね。アメリカの特許制度は、御案内のとおり、防衛上の機密、防衛上の技術として必要なものは、民間が出願してまいりましてもアメリカ政府が一たんそれを抱える、アメリカ政府の保護、管轄下に置く、こういう仕組みでございます。わが方の特許制度は、昭和二十三年まで秘密特許制度がございました。軍事機密、兵器に対する技術、特許等々は、有無を言わさず政府が秘密特許としてそれを 一手に取得してしまう。それが昭和二十三年以来、いわゆる公開特許制度に民主化されたわけでございます。言うなればわが方は公開、アメリカ政府は非公開、こういうことです。 したがって、この協定に基づき米政府から、アメリカが保有するところの特許を含める技術上の知識、情報い資料、防衛上のマル秘の部分、さまざまなそうした技術というものが資料として、ときには特許として、あるいはノーハウも含めまして日本に提供される。せっかくアメリカ政府が取得しておる、抱きかかえておる、外には公開しない、それを日本へ持ってきたならば、日本の特許制度は公開制度である、それじゃ困るというのでないしょにしなさい、外へ出さぬでおいてくれ、ではそういたしましょう、そういう部分、ございますね。あるのかないのかだけ、まずお答えいただきたい。
○栗山政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、この協定の一部として作成されました議定書におきまして、先生御承知のように、アメリカ側としては秘密扱いになっております特許、これにつきましてはわが国においては出願公告をしないということで、そういう取り決めをアメリカ側といたしております。
○坂井委員 いますぐお答えが出ますかどうですか。そのアメリカの秘密の特許等、いままでどれぐらいわが国に提供されておりますか。すぐには出ませんか。お調べになって後ほどでしょうか。
○和田(裕)政府委員 御質問のうち、防衛庁が直接にもしアメリカ政府から受け入れた場合どうしたかということにつきましては、私ども調査いたしまして、秘密でないものにつきましては後ほどまとめて御報告させていただきたいと思いますが、御質問の一部につきましては、ほかの省庁にあるいはわたるのではないかと思われる点もあるかと存じております。
○坂井委員 お答えを後ほどいただきたいと思いますが、技術上の知識として内密にしなさいということで約束をして受け入れた部分がかなりあると思いますね。その中で、どうしても防衛庁がこれはマル秘でありまして、つまり相手国があるということでしょうか、これは表にするわけにはいきませんという部分があるならば、その部分は幾つぐらいあるのかということもあわせてお調べの上で報告いただきたいと思う。 それで、いままで防衛庁の特許関係の取得状況を調べますと、特許権が二百九十六件、実用新案権が八十七件、計三百八十三件、これだけ取得されているということでございますが、そのうち防衛庁の独自の特許といいますか、つまり研究委託等ではなくて防衛庁みずからがストレートに防衛庁の特許権として得たものが二百六十九件、新案権が六十四件、計三百三十三件あると思いますが、この中にはアメリカから得たものも含まれておりますか。
○和田(裕)政府委員 これは防衛庁が研究開発をした過程におきまして取得した特許権でございまして、アメリカから入手したものは含まれてないというふうに存じております。
○坂井委員 そうすると、これはことごとく技術研究本部で開発した特許ということでしょうか。そういたしますと、アメリカから得たこの種のもの、つまり特許あるいは技術、情報、資料、ノーハウ等々、これはこれ以外にある、こういうことでしょうね。
○和田(裕)政府委員 まず第一の点については、先生のおっしゃるとおりでございます。 それから第二点の、アメリカから得たものはこれ以外にあるかということでございますが、まさにその点につきまして十分に調査させていただきたい、その上報告させていただきたい、そういうようにお願いしているわけでございます。
○坂井委員 委員会中にその報告いただけますね。そんなにむずかしい話じゃない、アメリカから得たものがあるのかないのかということですからね、このほかに。何件あるのかということだけはひとつ出していただきたい。 それから、さらに防衛庁が現在出願中の特許、これもたくさんありますね。特許が四百五十一件、実用新案が百七十件、計六百二十一件。このうち防衛庁独自のものが、特許権で三百三十件、実用新案権で百二十五件、計四百五十五件。防衛庁もこの技術については、大変熱心に強力に進められておるようですね。 そこで、それはそうといたしまして、いまわが国のこの先端技術というものはむしろ欧米よりも進んでおる。こういう状況の中で、きょう特許庁来ていただいているかどうかわかりませんが、もし日本国民が独自の創意工夫で発明した場合に、たとえば偶然であるかどうかわかりませんが、アメリカの秘密としてきたもの、それに該当する、そうした場合の扱いは一体どうなるのでしょうか。それはわかるのでしょうか、わからないのでしょうか。
○中澤政府委員 突然の御質問で、特許庁来ておりませんのでお答えいたしかねますが、間に合えば呼びますし、後ほどお答えいたします。
○坂井委員 この協定に技術財産委員会の構成をうたっておりますが、これはいま作動しているのですか、いないのですか。構成されておるはずだと思いますが、構成メンバー、その後の状況をひとつ簡単に……。
○和田(裕)政府委員 いま御質問の委員会につきましては、いま作動しておりません。 それから、メンバーその他の御質問につきましては、なるべく早く調べましてお答えいたしたいと思いますが、結局、過去の時点でこれが動いたかどうかということに関するお答えになろうかと存じております。
○坂井委員 過去において動いたかどうか、これはいまは作動していないとすれば休眠中、いつかまた作動するということにならざるを得ないのではないでしょうか。いま作動する必要性が出てきたのではないでしょうか。まさかこれ、安楽死さしていいというようにアメリカ側は思っていないだろうと思うんですがね。つまり、いまアメリカ政府からわが方に対して技術要請がある、提供要請。それは、防衛庁に対して提供要請は全くありませんか。つまり、この協定に基づく提供要請ということはありませんか。
○和田(裕)政府委員 この委員会についてどうこうせよというような具体的な要請は、いまのところ私ども一切聞いておりません。
○坂井委員 もし、この協定に基づいてわが方に提供要請があった場合には、防衛庁どう対処されますか。
○和田(裕)政府委員 先ほど先生も御指摘になりましたように、この協定には議定書がございまして、その中に、お互いに特許の公開に関する制限の条項がございます。その点につきましては、さきに条約局長からも御説明がございましたが、その点につきまして実際上そのとおりになっておらない、こういったような事情もございます。そんなようなこともございますので、実際に言ってまいりましたときに、一体そこら辺のことをどういうふうに考えるかというような問題もあるいはあろうかと思います。 いずれにいたしましても、仮定の状況でございますので、アメリカが仮に言ってきたといたしましたならば、そのときの具体的な言い方なり、そのときの状況というものを総合的に判断して決めることになるのではないかと存じております。
○坂井委員 じゃ、重ねてお伺いしておきますが、これに基づいて仮に提供要請があった場合、すべてに対してノーとは言えませんね。これに基づいて個別的、具体的に、仮に百の項目について提供要請がなされた。その場合に、その百すべてをノーである、これは言い切れませんね。
○栗山政府委員 この協定の主たる目的は、御承知のように、提供される技術を、特許権、ノーハウを受け入れた国の方でどういうふうに保護をするかということを主たる目的として定めたものでございますので、ただいま先生の御質問との関連で申し上げれば、御質問に直接関係ある条項は、協定の一条でもって、日米間においてそういう技術上の知識の流通、使用を奨励するという一般的な奨励規定というものを置いてございますので、その規定に照らして考えるということになろうかと思いますが、そういう交流というものを一切断るということになりますれば、これはこの協定の趣旨に反するということにはなろうかと思います。
○坂井委員 要するに一切断るということは、それはできないことですね。確かに協定の趣旨に反するということだと思います。したがって、これは休眠中であるといたしましても、いまアメリカの方から言えば、いままではずいぶん日本に対してさまざまな技術を、あるいは技術上の知識を含めて提供した。いまの段階で立場は変わりまして、アメリカの方が今度は日本の技術が欲しい、こういうことですね。この協定に基づいて、日本が持っている汎用性のある技術を含めて向こうは軍事兵器技術としてそれを採用したい、これに基づいて提供を求めてきた。その場合には、ことごとくノーとは言い切れない。つまり、いまはこの協定が作動しなければならないという時点、事態に来っておると思うのですね。 したがって、そのことについては、これはもっと政府は真剣にといいますか、おやりになっておるのだろうけれども、現実に、いますぐにやはりどう対応するかということについて検討して、答えを用意しなければならぬと思いますよ。わが方の特許制度というものも、一つ大きな問題として一方にあるわけですよ。その問題等の整理をすると同時に、米側からの提供要請に対してことごとくノーと言えないんだ、ノーと言えばこの趣旨はなくなってしまう、そういうことはできない、それは自明のことなんですから。であるならば、どこまでその提供要請にわが方はこたえることができるのか、できないのか。つまり、そういうことになってきますと、ここで言われるいわゆる技術あるいは技術上の知識、こういうものの定義というもの 新しい事態での新しいこういう要請応対する定義というものを、この辺でしっかりしておかなければいかぬのじゃないでしょうか。 頭の中に技術というのがある。しかし、これは形ではない。もし技術を形づくるとすれば、それは文章化するしかないだろう。図式化するしかないだろう。化学記号をその中に入れるしかないだろう。そういうものが一定の技術資料でしょう。また、そういうものを頭に持っている人がその情報を相手に提供した場合には、これはまさに技術情報でしょう。また、そういうものを概念的に今度は技術上の知識として大きくひっくるめることもできるでしょう。いずれにいたしましても、技術という目にも姿にも見えないものを、それをもし一つの形にしようとすれば、技術資料として文章化し、ときにはこれがノーハウであり、そして、さらにこれに保護を加えようとすれば、そこには特許権として一定の保護が加わる、権利が生ずる。 法制局長官うなずかれているので、まことにそういうことだろうと私は思うのですが、要するにそうした特許権、この特許制度が彼我において全く違う。こういう状況の中で、いままでアメリカ側の技術をこれほど、後でお教えをいただきたい、わが方が受け入れてきた。いま立場が変わりまして、アメリカから要請がある。その場合に、日本からアメリカに持っていけば、アメリカはアメリカ政府が抱きかかえるでしょう。表には出さないはずですよ、アメリカの特許制度というのはそういう制度ですから。防衛上の機密に関する技術については、アメリカ政府は責任を持って保護いたします。政府の手に入るでしょう。出願公告なんかしゃしませんよ。表には出やしませんよ。日本の場合は全部出るのですよ。 さっき防衛庁、この資料を出しましたけれども、防衛庁は、こういう資料を要求しただけでも困る。なぜ困るんだ。いや、これはことごとく全部調べられたら、防衛庁の装備、兵器、その能力、それが全部わかってしまう、だから、それは大変困ります。困りますと言ったって、これ特許庁へ行って、登録番号全部ついているのですから、いただけば、全部いただけるのですよ。大抵のことは皆書いてあります。私も大分見てきました。いま勉強中でございますが。 なるほど防衛庁、こういうような特許を取っておれば——大体特許の公報を見ますと、性能も皆書いてある。この特許とこの特許と組み合わせて、そして、できた防衛庁のいまの装備はこれぐらいの能力のものかと、わかりますよ。そのわかることがいいのか悪いのか知りませんが、防衛庁に聞きますと、それはわかっては困るので、したがって登録番号等については御勘弁いただきたいというようなことなんでしょうかね。でも、わかっているのですね。つまり彼我の制度が違う。 私は、いまここで直ちに日本の制度を秘密特許制度に逆戻りしろという議論をしているのじゃないのです。日本の特許制度というものが公開制をとった。そして、そのことによって、日本の産業がその特許を活用しながら、今日までの繁栄、成果というものを上げてきた。しかるに、この技術の交流の問題において、いままさに新しく武器輸出禁止三原則と同時に、そうした特許制度というものも技術に絡む大きな問題としてあるということ、そこのところをしっかり認識していただいて、どう取り組むかについてやはり検討しなければいかぬ、こういうことだろうと私は思うのです。 したがって、この際、改めてお願いをしておきたいと思いますが、大内委員が共同研究開発の定義をと、これはどうか、わが方も統一見解を政府において速やかに提出をしていただくというようにお願いをいたしたい。 同時に、先ほどの御答弁を聞いておりますと、どうにも私はわからない。つまり、技術についても、こうした新しい要請の事態に対応する、技術とは一体いかなる技術を指すのかという定義をはっきりしなければならないじゃないでしょうか、こういう問題提起をしたわけでございます。したがって、この技術に対する政府の統一的な見解といいますか、定義といいましょうか、それはやはり御用意なさる必要があるのじゃないでしょうか。私は、ぜひこの際、そうした技術の定義を政府において準備されるように要請をいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 武器技術につきましては、先ほどからしばしば局長が答弁をいたしましたように、一応政府といたしましてははっきり仕分けをいたしておるわけでありまして、要するに、技術の内容から見て客観的にそれがもっぱら武器の製造に用いられるものであるか否かを基準として、個々のケースに即して慎重に判断するということで、それが輸出された先で武器に使われるかどうかという用途じゃなくて、いわゆる客観的な情勢から見てこれがもっぱら武器に使われるかどうかということの判断で決めるわけであります。これは、汎用品といわゆる武器技術というものはそういう意味においては一応仕分けをいたしておるわけでございますから、おっしゃるようにこれをさらに明確にする必要はないのじゃないか。いままでもそういう方針のもとで対処してまいりました。そして、いわゆる武器技術に対しましても、もちろん三原則がありますからこれに対しては輸出をいたしておらないわけでございますが、汎用品につきましてはもちろん輸出が行われておる、こういうことでございます。
○坂井委員 私がなぜそういうことを申し上げるかといいますと、共同研究開発ということ、そういうものに対する定義、統一したものを出しましょう、用意いたします、それはそれでいいのです。しかし、現実問題として、いま共同開発はできぬでしょう、いまの状況では。そうすると、仮に共同研究開発をやる場合に、仮にやると仮定して共同研究開発ができるとした場合、アメリカと日本の特許制度が、先ほど言いましたように違うのです。これだけでもできないでしょう。日本は公開です。アメリカは非公開です。その日米が集まって、定義に基づく、どういう技術をもって、どういう資金をもって、どういう目的の兵器をつくるのか、それは別としまして、いずれにしましても、やろうとしても彼我の法制度が違うのですよ。できないでしょう。アメリカは政府が抱えますよ。いいでしょう、共同研究開発をした。日本の場合は全部出ちゃうのです。この体制の中で、現実問題としてできますか。それをどうするこうするは別として、できますかということでお尋ねしたいと思う。この特許制度のもとで共同研究開発はできますか。
○中澤政府委員 特許制度の日米比較につきましては、いま長官が参るはずでございますので、その点については特許庁の方からお答えいたしますが、共同開発全般について申しますと、さまざまな形態の共同開発が考えられるわけでございまして、共同開発を行うに際して、日本側から武器または武器技術が供与されるという場合につきまして武器三原則等の関係が生ずるわけでございまして、共同開発全般、そのもの自体が武器三原則との関係からすべてできないというふうには考えておりません。
○島田政府委員 お答え申し上げます。 日本の場合どうなるかというお尋ねかと存じますが、特許法の二十六条に「特許に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。」という規定がございます。したがいまして、協定の三条、それから議定書の三というのがそのまま日本の国内法としての効力を持つということになります。したがいまして、日本の取り扱いといたしましては、協定出願がありました場合、米国政府の方の秘密という扱いが解除されるまでは、日本の特許法におきましては、特許法に基づく出願公開、それから出願公告というのはなされず、また特許法上のその手続というのは停止をされます。したがいまして、権利の設定は行わないという状態のままになるということでございます。
○坂井委員 仮に、長官、伺いますが、共同研究開発が日米間で行われるとした場合に、いまの特許制度でこれ十分ですか。
○島田政府委員 お答え申し上げます。 日本へ出願があった場合の取り扱いはいま申し上げましたような形になりますので、アメリカにはアメリカとしての制度が御案内のようにございますが、日本はそういう取り扱いをするということで、相互にバランスのとれた取り扱いがされると思いますので、一応これでやり得るものと考えております。
○坂井委員 じゃ、防衛庁に伺いますが、先ほどの協定第二条で「防衛目的のため一方の政府が他方の政府に対し単に情報として技術上の知識を提供し、かつ、そのことが提供の時に明示されたときは、その提供を受けた政府は、」日本政府といたしましょう。「その知識を内密に知らされたものとして取り扱い、かつ、その知識の所有者のその知識に対する特許その他の法令上の保護を受ける権利を害するおそれのあるいかなる方法によってもその知識が取り扱われることがないように最善の努力を払うものとする。」これは第二条でありますが、内密に知らされたものとして取り扱いなさいとして米側から提供を受けた技術上の知識、これはどれぐらいございますか。
○和田(裕)政府委員 数につきまして申し上げることはただいまできませんが、それにつきましては調査いたしまして、後刻申し上げられるものについては申し上げられる、そういうように考えます。例示的には申し上げられると思います。 たとえばF15とかP3Cの、アメリカ政府自体が研究開発に金を投じまして、アメリカ政府自体が取得した特許権あるいはいろいろノーハウあるいはデータパッケージ、そういったものがございます。そういったものにつきましては、それを私どもがアメリカ政府から有償でございますけれども受けるということで受けております。それで、それにつきましては、ここに書いてありますとおり、秘密を守るように措置をしておる、こういう状況でございます。
○坂井委員 それは防衛庁内ではどういう扱いになって、だれが管理しておりますか。
○和田(裕)政府委員 防衛庁内の秘密の取り扱い全般の担当局は防衛局でございますけれども、私が知り得る範囲で申し上げますと、日米相互防衛援助協定に基づきます秘密保護法、あるいは正確ではないかもしれませんが、そういった法律がございまして、まずその法律によりまして保護の網がかぶるものであるというふうに承知しております。 それから、そういったような技術的な情報をライセンス生産等のために民間の企業にどうしても開示しなければいかぬという場合には、契約上の特約条項というのを設けまして、それによって保護を図っておる、こういう状況でございます。
○坂井委員 大まかなところで、そういう防衛庁の管理下にあるといいますか、まあ内密にという形の中で受け入れておるアメリカ側の技術、資料、これはどの程度まで、仮に国会の要請があればお出しいただけるのか、あるいは全くこれはもう、日米合意と皆さんおっしゃるのかもしれませんが、出せないとされるのか、どうなんですか。ある程度国会の要請には、これこれの条件であれば出せるとするものか、それとも全く出すことはできないということでしょうか。
○和田(裕)政府委員 ただいま申し上げましたように、日米相互防衛援助協定に伴います秘密保護法の対象になっておるものにつきましては、これはお出しすることができない資料になるかと思いますが、そこら辺の関係につきましてさらによく調査いたしまして、後刻取りまとめて報告させていただきたいと存じます。
○坂井委員 出すことはできないんだけれども、あるいは少し研究して何か出せれば、出せればって、どういうような形にして要請にこたえることができるかというようなことを御検討いただくのだろうと思いますが、何にしましても非常に数たくさんなものをいただいておると思います。もらっておる。ただでもらったものもある。それもひとつお調べして、ただで、無償でいただいたものがどれくらいあるのか、それもひとつ示していただきたい。 私は、なぜこれを申し上げるかというと、さっきからくどいようでございますけれども、これからうちが出さなければならぬという、そういう順番がどうやら回ってきたようだ。時代が逆転しました。そういうときに、確かに先般来議論のありますように、わが方が一方的にアメリカから技術の提供を受けながら、あるいは武器、装備の提供を受けながら、いまに至って全然何も出さない、そんな虫のいい話がまかり通るかと。常識的に考えたって、双方がお互いに、しかも、この協定なりこういうものに双務性、相互主義というものがちゃんと明記されておる。したがって、いま何らかの要請にこたえなければならぬというのは、これは理の当然行きつくところ、常識的な話としても、これをむげに、いままで一方的にもらい受けて、いまになって一つも出しませんと断り切れぬだろうというのが常識論としてあるわけです。 ただ、その場合に、確かに一方においては輸出禁止三原則もある。これは憲法上国是とするところのものが出発点にある。さて、ここの兼ね合いというもの、何らかの、あるところに線を引いて、そこでうまく調整することができるのかどうなのか。総理は頭の中でいろいろなことをお考えになりながら、安保条約等を踏んまえてと、こうおっしゃるが、これはまた逆でありまして、やはり日本国憲法を踏んまえて安保条約をと、こうこなければいかぬ。しかし、どうやら総理は、私が言った先ほどの常識論みたいなものが先に走って、これだけ強い要請がある、余り虫のいいことではこれはとても乗り越えられるものではないというようなことをちらちら頭の中にお考えになりながら、関係省庁のまとめをひとつ何とか早くしたいけれども、なかなか事は大変だと、まあこんなところだろうかと思うのです。 実は、私はきょうはくどいほどこんなことを言いましたのは、さっきから申しましたように、技術というものが、一つの形にあらわすと特許という形になる。あるいは技術資料となる。そういう特許、技術資料、技術情報、そういうものを数多くいままでわが方は受け入れてきたということ、しかも、後で報告をしていただきたいということでお願いしたわけですが、恐らく無償でもらったものがかなりあるだろう。今度は、無償でアメリカに渡しますよと、こう書いてある。そう書いておるのに、日本に言ったら一向に何も持ってこない、これじゃやはりアメリカさんの方からすれば余り快しとはしないでしょうね。はてさて本当にこれは困った事態だなと、実は私は名案がございません。しかし、何とかここでひとつこの両者が全く相矛盾しない、何らかの、どこかで許容できるという範囲が仮にあるのかないのか、そんなことを考えながら、実は結論のないままに問題提起として出したわけでございます。 その辺のところ、総理の御感触としてどう受けとめられるか、また、何か少しこういうような具体的な方法を講じたらどうだろうかというようなお考えが、総理の頭の中にも、念頭の片隅にでもおありであれば、ひとつ示していただければと思います。
○鈴木内閣総理大臣 坂井さんの非常に掘り下げた御意見を伺っておりまして、私、非常に勉強になったわけでございます。 武器と武器の技術を一体としてとらえていかなければならぬのではないかという認識、私も非常にそれをよく理解ができるような感じがいたします。そして、先日も大内さんにお答えをいたしましたようなこと、そして日本にとりまして重要な武器輸出禁止三原則、その方針、それをいかに調整をするかということが、まさにいま政府があらゆる角度から検討に検討を進めておるところでございまして、政府としてはできるだけ早い機会に結論を出してお示しをしたいと、こう努力をいたしておるところでございます。
○坂井委員 時間がなくなりました。行政改革について一つだけ伺っておきたいと思いますが、実は、これは総理の御決断にまつしかないと私は思うのですが、何しろ基本答申、本答申というものが出される。総理は前に、第一次答申が出された際に、やはり最大限尊重しましょうとおっしゃった。今回の場合はどうやら、臨調の動向をながめてあるいは国会の論議を踏まえてというような乙とをおっしゃるものだから、何か少し、政治生命をかけると言った前の段階から総理がかなり慎重になられたんじゃないかななんというような考えもあるようでございます。しかし、そうじゃないんだ、やるんだと総理はおっしゃる。そうであれば、私は、臨調に大いに期待をし、御苦労をお願いするという限りにおいては、やはり土光臨調に最大限の信頼、期待、こういうものを寄せざるを得ないし、また、そういうことで臨調から得た答申を最大限尊重をし、つまり、これをほとんど骨を抜かないで実行するんだ、こういうことでなきやならぬと思うのですね。 したがって、そういうことであれば、何だか先ほど言ったようなことで、総理がちょっと姿勢が、後ろ向きとは言いませんが、ぐらついたんじゃないかとかなんとかいうような雑音を交えられるということは、総理としてみれば大変迷惑な話だろうと私は思うのです。ですから、どうか来るべき臨調の基本答申に対しては、第一次答申と同じく最大限尊重することはもちろん、出されるであろう基本答申については大骨も小骨も一本も抜かないで、言うなればそっくりそのままでも国会に提出をしたい、その上で国会の論議を待ちましょうと、臨調に期待したものはまさにそうであるし、行革に政治生命をかけると言った、その総理の決断された精神というものはまさにそこなんだということを総理としては言明されることが、やはり私は総理の本意ではないかなと、実はこんな気持ちが率直にするわけでございます。慎重でなければならぬという一方における御配慮もわからぬではない。しかしながら、そんなことを言っておったんでは恐らくいつまでたっても行革はできぬだろう。行政改革というものは最大の難事であるということは百も承知でかかった作業でございます。戦後振り返ってみますと、吉田内閣のときに行政改革はたった一回だけできたかな。あのときは、確かにマッカーサー司令部の言うならば外圧によって経済九原則を示されまして、機構、職員三割カット、職員に至っては地方合わせて四十万の首切りを行った。この是非は別といたしましょう、大変な混乱がありました。これは別としましょう。しかし、いまの段階において、総理が臨調に期待をした、政治生命をかけると言ったのは、まさに臨調に、当時のマッカーサー司令部とは言いませんが、それほどの大きな仕事を臨調に頼むよ、したがって、臨調がやってきた仕事については私は最大限尊重をしましょうよ、こういうことだろうと思うのですね。 くどいようでございますが、どうか総理、この次にお出しになる臨調の基本答申については、そっくりこれをまとめてひとつ国会に出すぞ、そういう決意なんだということを改めてここで披瀝いただければと思うのですが、いかがでございましょう。
○鈴木内閣総理大臣 行政改革につきましては、しばしば申し上げておりますように、鈴木内閣にとりましては最も重大な政治課題でございます。と同時に、いまや国民世論等からいたしまして国民的な課題にもなってきているというぐあいに私は認識をいたしております。それだけに、この国民の皆さんの御期待にこたえなければいけない。 そこで、臨調との関係でございますが、臨調は政府の諮問機関ではございます。ございますが、設置法によりまして設けられておる権威のある機関であり、この三条には、政府がその答申を尊重するということが義務づけられております。また、臨調を構成いたします方々は、国会の御承認をいただいたりっぱな方々によって構成をされておるというようなことから、私は、臨調は大所高所から、一方の利益にとらわれないりっぱな答申をお出しいただけるものと期待をいたしておるわけでございます。 したがいまして、私といたしましては、近く許認可関係の答申がちょうだいできることになっております。また、引き続き夏ころには、基本的な問題についての御答申も予定をされております。私は、それを受けまして、政府、党一体になりまして、国民的課題であるこの問題につきまして全力を尽くして実現に邁進をいたしたい、このように考えております。
○坂井委員 総理、そうなんですよ。そうなんだけれども、私はやはり順序としては、臨調の動向とか国会の論議とかは、総理、それはいまは言わない方がよろしい。総理のお立場は、臨調が出された答申を出すから国会で十分論議しろ、むしろ総理の物の考え方といいますか提出の手順というものは、そういうところに総理の一大決意があるんだなということが示されるのじゃないでしょうか。 国会の論議は大事であります。臨調の動向も大事でありますよ。伝えられるところによりますと、臨調と事前協議をなんというような雑音も入ってくる。そんなことは聞きたくない。臨調と十分意思の交換をすることはいいでしょう。いいでしょうが、それまで否定するものじゃありませんよ、ありませんが、臨調が最終的にまとめられる案につきましては、政府はそれをそっくり法案化し、その手続を、総理においてそれをおまとめになって、何はともあれ国会に出しましょうよと、そこで国会でこれでいいかどうか十分に論議しろ、こういうお考え方に立つのが総理の御決断を示されることではないでしょうかと、こう申し上げているのです。いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 坂井さんのおっしゃっておる気持ちも、私にはよくわかっておるつもりでございます。いずれにいたしましても、この国会に御提案を申し上げる案は、すべて政府の責任において御提案を申し上げ、国会の御審議をお願いするわけでございますから、私は、それを臨調の責任になすりつけたり、いろいろな責任回避はしたくない、政府の責任において、政府の判断によって国民の皆さんに対してその改革案を提示し、国会の御審議をお願いをしたい、このように考えております。
○坂井委員 終わります。
○栗原委員長 これにて坂井君の質疑は終了いたしました。 次に、岡田正勝君。
○岡田(正)委員 まず冒頭に、総理からひとつお教えをいただきたいと思うのでありますが、綸言汗のごとしということわざ、格言が昔からありますね。あの意味はどういう意味でしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、信念に徹する、そのためにすべてをなげうって実現のために全力を尽くす、お約束は守る、こういうことであろうと、こう思っております。
○岡田(正)委員 これは総理の行政改革にかける情熱のあらわれと見て、そのまま受け取りますが、昔から、綸言汗のごとしという言葉の意味は、その国の最高の責任者が一たん吐いた言葉は二度と後返りはできませんよ。これはなぜ汗のごとしと言うかといえば、額から出た汗は、しまったと思ってももう一遍毛穴の中へ押し込むということは不可能であるという意味で、綸言、いわゆる最高責任者の絶対的な言葉、そのことを指しておるのであります。 さてそこで、総理の御決意を承りまして大変私も心強くなってきつつあるのでありますが、いま一つ、言葉の意味を教えていただきたいと思います。 行政改革という言葉は、このごろは小学生でも知っております。行政改革というのは一体何でしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、国の政治を実行してまいります場合におきまして、行政府、行政を通じてこれを具体的に施策を進めていくわけでございますが、この行政改革は、したがいまして、簡素なものでなければいけない、合理的なものでなければならない、そして国民に信頼をされるものでなければならない、このように私は考えます。 そういう意味合いからいたしまして、この今回の行政改革に当たりましても、国民の期待にこたえ、新しい時代の要請に対応できるような行政の体制をつくる、その運営に当たる、これが行政改革であると私は認識をいたしておるわけでございます。
○岡田(正)委員 まことに明快な御回答をいただいて、大変喜んでおるのであります。 さてそこで、私どもの党の佐々木委員長が本会議において、さらにわが党の塚本書記長が二月二日のこの予算委員会の席上におきまして、こういう質問を繰り返し行ってまいりました。それはどういうことかといいますと、総理は行政改革に政治生命をかけると言ってこられましたが、そのお気持ちはいまでも変わりはございませんかという、まことに簡単な質問です。ところが不思議なことに、本会議における答弁も、二月二日における塚本書記長に対する答弁も、こういう答え方をしていらっしゃいます。行革も増税なき財政再建も民族的、国民的課題でありまして、大事な問題でありますので全力を尽くしてまいりますというお答えであります。先ほど友党の坂井先輩が同じくこの政治生命の問題で御質問になりましたが、それに対するお答えも全くここに書いてあるとおりのお答えであります。 私は非常に不思議に思うのでありますが、あれほど去年いっぱい、鈴木総理が、私の政治生命をかけて行政改革はやり抜く覚悟でありますと大みえを切りましたね、何遍もいろんなところで。そのたびに新聞の世論調査は、自民党の支持も総理に対する支持もぐんぐんぐんぐんウナギ登りに上がったものですよ。すばらしい勢いでした。ところが、どうでしょう。お正月が済んだと思ったら、途端に下がり始めましたね。なぜ下がったのでしょう。その原因を私が思ってみますのに、総理の行革に対する御発言が、どうもお話をされるたびに後ずさりをしていると思われてならぬのです。 綸言汗のごとしとは一体どういう意味ですか、行政改革とは小学校の生徒でも知っておるがどういう意味なのですか、教えてくださいと私が言いましたのは、ここなんです。去年いっぱい本会議でも、予算委員会でも、あるいは記者会見でも、至るところで政治生命をかけるとあれほど大みえを切った総理が、なぜことしになったら、委員長や書記長の質問に対してでさえ、また、いまの公明党の坂井議員の質問に対してさえ、ただ全力を尽くしますとしか言わないのですか。変わったのですか。
○鈴木内閣総理大臣 政治生命をかけるということも、私の全力を尽くすということ、私の情熱をこのために燃やし尽くすということも同じです。私の決意は変わっておりません。
○岡田(正)委員 しからば、同じであるということを断言をされたのであれば、日本語を二つに使い分ける必要はないと思います。国民はことしになってから非常に不安を覚えておると思うのですよ。何かしらん、これは大変失礼な言い方でありますけれども、総理の行革に対する姿勢が後ずさりしておるのではないかな、情熱が冷めてきておるのではないかなという心配がある。それが世論調査に如実にあらわれておるのですよ。支持率はぐんぐん下がっておるじゃないですか。いいことじゃありませんよ。現職の総理としてはうれしいことではないはずだ。私は、同じ意味です、情熱を燃やし尽くすということについては同じです、こうおっしゃるのなら、去年いっぱい言ってきた、口癖のように寝ても覚めても言った政治生命をかけるという言葉を、なぜここでもう一回言えないのですか。 この間、二月三日には、社会党の藤田議員の質問に対しまして、五十九年度までに財政再建ができなかったら政治責任をとります、これは新聞にも一面トップで出ましたね。そのくらい総理の発言、綸言というものは重みを持っているのですよ。たったこれだけのことですよ。それが各新聞一斉にトップに書いたじゃありませんか。財政再建には政治責任をとるけれども、行革に対しては政治生命をかけるという言葉は撤回ですか。同じだ、変わってないと言うのなら、変わってない、政治生命をかける、いささかも変わってはおらぬということを国民の前にはっきりしてください。
○鈴木内閣総理大臣 財政再建につきましては、具体的な目標として五十九年度までに赤字公債依存の体質から脱却をしなければいけない、これが私の国民の皆さんに対する公約でございます。でありますから、それができない場合には、私はそれに政治責任をとる、こういうことを申し上げました。 行政改革につきましては、これは私の政治生命をかけて全力を尽くす、私の情熱のすべてをこれに燃やし尽くすということをはっきり申し上げておきます。
○岡田(正)委員 いや、実にりっぱです。その過ちに気づかれて、それを訂正するということはもう結構なことでありまして、政治生命をかけるということにいささかの変わりもない、情熱を燃やし尽くしてやる、こうおっしゃったことは実にりっぱです。これはもう党派を超えて私は評価いたしたいと思います。 この問題に関連をいたしまして行管庁長官に質問をいたそうと思っておりましたが、総理がいま非常にはっきりと政治生命をかけると言われましたから、この問題につきましてはこれ以上追及しませんが、もう一つだけはっきり言っておきますと、土光臨調会長でさえ、本年に至りまして総理が後ずさりをしておるのではないかなということを不気味に感じながら、あちらこちらで不満の意を表明しておられますね。その原因は何であったかと言えば、政治生命をかけるという言葉を全力を尽くしてまいりますという言葉に切りかえたことに大きな原因があったのでありますから、私があえてこの問題をしつこく追及したのはその意味があったのでありまして、いまここで土光さんの臨調会長の辞任騒ぎというようなことが出てくるような事態が、私はきょうのこの予算委員会ではひょっとしたらあり得るかもしれぬという覚悟で実は質問しておったのです。非常に明快に答弁していただいて喜んでおるところであります。 さて、その次の問題でありますが、これは政治体制が全然違いますから全く問題にはならぬと言えばそれまでかもしれません。軍事体制下にある韓国の一つの例でございますが、行革に対する例であります。時間がありませんから、その中の幾つかを引き抜いて申し上げてみますと、こういう浄化運動をやっておりますね。 まず、何といっても目につきますのは、いま韓国の国民は三つの税金を取られておる。その三つの税金とは何か。一つは、国や地方に対する税金、公の税金。第二は、何か事をなそうとすれば、そでの下を持っていかなければならないという税金。第三は、市井の中でまともに生活をしていこうとすれば、それのかすりを取られるという三つ目の税金。こんなに生活が豊かでもないのに三つも税金を取られちゃ国民がやりきれぬ、この際成敗しなければならぬというので、暴力団、すり、そういうふうなものを検挙すること実に三万五百人であります。逮捕いたしましたその中を、軍事裁判所へ三百五十七名、検察庁へ七百二十二名、あとの残りは軍隊のトレーニングセンターへ全部ぶち込みました。実に思い切った処置であります。 さらに、試験地獄の解消をしなければならぬ、こんなんじゃ学生たちの青春がむちゃくちゃになってしまうということで、受験地獄の解消のために共通一次試験だけをやって、これで五〇%の点をつけ、学校の内申書を重視して生徒を採用することにいたしております。こういうやり方で、この生徒たちが受験勉強、受験勉強で追いまくられる、その状態から脱出をさせようということで、思い切った措置をとりました。 それに関連をいたしまして、わが国でもたくさんあるのでありますが、学校の現職の先生がアルバイトをやりまして学習塾を開いておる、あるいは学習塾に行って先生をやっております。一体どっちに力を置いておるのかよくわからないような方々も中には見えます。ですから、猫もしゃくしもと言ったら失礼になりますが、みんな争って自分の子供だけが置き去りを食わないようにと思って、塾へ塾へと父兄はやらせます。勢い学校の教育費以外に教育費がかさばってまいっておるのは、わが国も同じことです。これでは貧乏人であったら自分の子供に同じようなことはできぬじゃないかということに気がついて、この学習塾というのは全廃をいたしました。特別なものが幾つか残っておるだけであります。大体、公務員たるものがアルバイトをするだけでもどだいなってはおらぬ、職務に精励していない。実に明快ですね。私は大変りっぱなことだと思います。 さらに、昨年の十月でありますが、あの有名な花ござ事件というのがありますね。私が住んでおります広島県は備後畳表の生産地で有名でありますが、その畳表に絵柄を入れたものを花ござといいます。これは買うたところでそう高いものじゃありません。だが、文教関係者の諸君が文教関係の議員にその花ござを一枚ずつ贈った。ところが、その花ござを受け取った議員は役職全部剥奪です。これは政治体制が違いますから、そんなことは言ったって参考にはならぬでしょう。しかし、姿勢としては私はなかなか評価してもいいのではないかと思うものがあります。 さらに、もう先般来御承知のとおり、アメリカ政府におきましては、お礼などを受け取った場合には、いろいろなケースがありますけれども、大体基準といたしまして日本円で二万円を超えるようなものをもらったとき、これはすべて届け出をしなければならない。非常に厳しい。あれだけ自由な開かれた国でもそういう厳しい政治姿勢を正す措置がとられております。 私は大変評価をしておるのでありますけれども、総理といたしましては、この韓国のいま述べましたような事柄につきましてどのような評価をなさいますか。お聞かせください。
○鈴木内閣総理大臣 いま吉田さんがおっしゃった点等につきましては、私も評価をいたしております。しかし、わが国におきましては、やはりわが国の民主主義なりあるいは基本的人権の尊重なり、そういう国民世論、国民のお考えというものを十分頭に置きながら、改革すべき点は改革を進めていくということでなければいけない、このように思うわけでございまして、よその国でおやりになっていることをそのまま日本に適用するというわけにはまいらない点が多かろうと思います。 岡田さんからいろいろ示唆に富んだお話がございますので、私もそういう点を十分念頭に置きながら、今後制度及びこのあり方というものにつきまして最善を尽くしたいものだ、こう考えております。
○岡田(正)委員 総理は二回目に岡田君と初めて言ってくれましたが、最初には吉田君と言いました。私は大人でございますから、総理に陳謝なんか求めません。最初の質問がちょっとどぎつかったから、総理も心中穏やかならぬものがあって、名前も岡が吉に見えたのだと思います。そのくらいのことは笑い話で済ませていいと思います。結構でした。非常にりっぱな御発言です。評価いたします。 さて、次に郵政大臣の方に、時間をお急ぎになるようでございますから、最初にお尋ねをいたします。刑事局長も来ておられますか。 それでは、郵政大臣に伺うのでありますが、公務員のあり方ということにつきましては、行革の中でも大変大きな問題であること、関心事であることはだれも否定する者はおらぬと思いますね。その中で一番大事なことは、職場規律の確立ということが、私は一番大変な問題だと思います。重要ではないかと思います。従来から、私がこれからお尋ねをしようと思っておりますようなこの種暴行事件につきましては、国会でもこの席でもしばしば取り上げられてきた問題でありますが、郵政大臣は、昨年の暮れ十二月九日、群馬県の前橋局において不法監禁、集団暴行傷害事件が起きましたが、この問題を御存じでありますか。
○箕輪国務大臣 昨年十二月九日に群馬県前橋局におきまして先生御指摘の事件が起きたことは承知いたしております。
○岡田(正)委員 さて、この不法監禁、集団暴行傷害事件というのは、初めて聞かれる人もあると思いますから、私がここで簡単に申し上げておきますと、十二月三日ごろから——郵政省の中には総評系の全逓という労働組合と同盟系の全郵政という組合と二つあります。そこで、全逓に所属をしておる多数の組合員の諸君が、全郵政に所属をしておる組合員を全郵政から脱退させて全逓に加入させようという目的であろうと思いますが、そのための一連の行動として、職場において暴言の限りを尽くしてまいりました。 たとえば、このやろう、言うごとを聞かなければおまえの耳をそいじゃうぞなんて、恐ろしい、まことに日本が一遍に野蛮国になったのかというような、聞くにたえぬ、これが日本の誇るべき公務員だろうかと思うような言葉をさんざん吐いて、管理職の皆さんが、ここは職場ではないかと言って何回も制止をし、しまいには警告までしても一向に聞こうとせず、ついに六日後、十二月の九日、時は午後六時十分ごろ、一時間残業が終わって廊下に出るのを待ち受けて、全郵政所属の二人の組合員の諸君を、管理職の諸君が五、六人もおって、何をするんだと言って牽制をいたしましたけれども、多勢に無勢、とにかく大ぜいの力ではねのけられてしまって、洗濯デモというのを大臣御存じかどうか知りませんが、とにかくぐるぐるぐるぐる回れば中へ入ろうと思っても入れなくなるデモがあるのです。そういうようなやり方で、本人をそれぞれに三十人ずつぐらいで包み込んで廊下を後ろ向きに押すのです。人間、前に歩くのはようなれておるが、後ろに歩くというのはむずかしいです。だから、こけまい、こけまいと思って力を入れれば入れるほど、向こうの思うつぼに入って、どんどんどんどん食堂の方へ押し込まれていくのであります。 そうやって、何をするんだ、何をするんだと言っても、とにかく大ぜいでわいわい言いながら押し込んでしまう。しかもそれが郵便局の庁舎の中ですよ。そして食堂の中へ引きずり込んで、一人はネクタイを絞めた。この絞める行為というのは、刑事局長、何と言うのかな。これは絞殺だろう。まさに失神寸前になるまで、目がぼうっとして見えなくなったという状態になるまでやっておる。しかも振り回しておる。そのために、そのネクタイを絞められた組合員は、ついにお医者さんの診断で、車でむち打ち症というのは私は何遍も聞いたことがあるが、ネクタイを絞められて振り回されて、むち打ち症になっておる。いま一人の組合員は、中へ包み込まれて、わあっと、まさに殴る、ける、踏んづける、そしてあげくの果ては凶器をもって右手首を刺されておる。 こんなでたらめな事件があって、まあこのことについては、全郵政の組合の諸君は、お正月の年賀はがきを自分たちの欲求を満たすために配らぬなどというようなことをしてはいけない、身をもって国民の郵便は届けるべきだ、子供がかわいそうだと言って、あらゆる妨害を排除して年賀はがきなんかでも配って歩いた人たちですよ。常識がありますから、職場の中のことだ、組合間のことだから、一応は訴えまいかというふうに考えてはおったけれども、それから後、何ら反省する風もなくて、毎日毎日同じように暴言の限りを尽くす、そしてしまいには、ネクタイを絞めて首がむち打ちになったとかけがをしたとか、そんなことはでっち上げよ、うそっぱちよ、しまいには壁新聞にまでそんなことを張り出す、警察の前にまで行ってそんなことを言い出す、そういう状態でありますから、がまん相ならぬというので告訴に踏み切ったのであります。そして、年が明けて一月二十一日に告訴いたしました。それまではしんぼうしたのです。 そして警察は、一月二十一日に全逓の組合員を二人逮捕して、一月三十日に、これはどういうわけか、えらい早う帰していますね。えらい早いじゃないですか。九日間で帰していますよ。余りにも単純で明確にわかっておるから帰したのかどうか知りませんが、えらい不法監禁をして集団暴行傷害事件を起こしたにしては、ひどく簡単な穏やかなお取り調べでございますね。そして帰ってきておる。いま本人たちは毎日のうのうと出勤をしておるね。まことに解せぬことであります。 私ども民間人から言うたら、花見酒に酔って夜桜見物をしておるときに、酔った人同士が、相手の足を踏んだからといって、このやろうと言って殴っただけでも会社は解雇であります。暴力は社会の敵です、警察庁はそう言って全国にスローガンを出しておるじゃないか、暴力追放月間なんて麗々しくやっておるじゃないですか。それを、こんな神聖な職場の中でこれだけひどいことをやっておいて、一体これから郵政省はこの問題についてどうなさるのか、郵政大臣の考えをこの際承っておきたい。
○箕輪国務大臣 ただいま先生御指摘のとおり、警察で万事調査を進めておるところであります。郵政省もその経過を見ながら、司法は司法権に基づいての何かがあるかもしれませんが、郵政省は行政府でありますので、行政府の対処は、いま申し上げたような司法府の調査の経過を見ながら厳正に対処するつもりでただいま行っているところでございます。
○世耕国務大臣 申し上げます。 警察は、先ほどいろいろ御指摘でございましたが、正当な労働運動に対しては常に公平な立場でこれに介入しないことになっております。しかしながら、労働運動に伴って違法行為が行われた場合には、法の定めるところに従って所要の取り締まりを行うことは当然のことであります。責任上当然であります。 お尋ねの事件は、多数の者が二名の被害者に暴行を加えて全治十日間の傷害を負わせたという医者の診断書のもとに、これは悪質な事実であり、警察が法の手続にのっとって捜査を進めることは当然のことと思っております。 なお、事実関係のことは、詳細について政府委、員に答弁させようと思います。
○山田政府委員 お答えいたします。 ただいまの事案につきましては、百名の者がただいまお話しのように二人の者を囲んで暴行を加えたという事案でございまして、当日九時二十分ごろ、被害者の方が診断書を添えて所轄の前橋警察署に親告をされたわけでございます。その親告に基づいて事案を認知しました群馬県警察では、被害者並びに管理者あるいは事件関係者から広く事実の認定のために捜査をいたしまして、先ほどお話しのように、一月二十一日に、暴行の事実が特定いたしました二人の被疑者を逮捕いたしまして、関係個所の必要な検証、捜索、差し押さえを実施いたしました。その後、所要の捜査を遂げまして、一月二十二日、身柄つきで事件を傷害罪として前橋地検に送致した次第でございます。
○岡田(正)委員 そこで私は、本件だけではありませんので、いま一つこの際紹介をしておきたいと思いますけれども、そして、最後にいま一度その決意のほどを聞いておきたいと思うのです。 昭和四十三年以来昨年まで十四年間、この十四年間に、全郵政に所属をしておる組合員の諸君で、暴行をやられて、もうがまんができないというので、思い切って、泣き寝入りをしちゃいかぬ、この際もう反省の余地がないんだから告発するというので告訴した件数が九十九件、大体一年間に六件ずつぐらいの割合であります。 ところが、これは告訴事件でありまして、それ以外に、みんながまあまあお互いだから、仲間だからというので、自分が泣いておけばいいと腹の中におさめてしまった事件というものがずいぶんありますね。 これは時間がありませんから簡単に申し上げますと、組合に入っておらぬというのを未加入者と言うのです。この未加入者に対して、おまえたちはだれのおかげで金をもらっておると思っておるのかというような調子ですな、何か郵政大臣が物を言っているような。採用したのは全逓の組合じゃないのに、そういう言葉を使いまして、とにかく組合の恩恵だから組合へ入れと、執拗な加入の要請がありました。この人たちに、未加入者に対して十四年間で百三十八件。 管理職の皆さん、これがまた犠牲が大きい。十四年間で五百六十六名、それ以外の全郵政の諸君の告訴しなかった事件等を含めて十四年間でトータル千九十件、まさに無法地帯ではありませんか。私はこういう状態を眺めまして、管理者の皆さんを呼んで意見を聞きました。確かに最近は件数が減っております。件数が減ったのは、管理体制が強化されたからだという一つの見方もありましょう。それも私は否定はいたしません。だが、あの年賀郵便でさえ配達することを拒否した。そして、アルバイトで雇った学生の諸君たちが乗るその配達用の自転車のサドルにペンキを塗りつけて、あるいはタイヤの空気を抜いて、それすらもさせないとしたような事件が頻発したことは御承知のとおりです。 それが、このごろどういうわけか、にこにこと全逓労組というのは微笑戦術に変わってきておりますね。私は、どうもこの柔軟路線というのは表向きじゃないか、組織の人が数が減るのを防ぐための微笑戦術ではないかと思われてなりません。なぜなら、もう一遍戻りますが、それは、この群馬県の前橋局におきまして、いま捜査当局から聞いたところでは百名だそうじゃないですか。百名の人間がたった二人の人間を閉じ込めて、これはもう本当に殺されると思うですよ。もう秩序も何もありません。しかも、百名からの人間が集まってやるということは、道端でぱたっと会って、お互いに酒を飲んだ勢いで、全逓と全郵政だというので殴り合いをおっ始めたというのじゃない。偶発的なものじゃない。まさに計画的なものでしょう。この計画的な犯罪に対して、当局は、いま検察当局で捜査中だからということだけをもってほうっておいていいのですか。何をしておるのですか、いまは。お答えいただきたい。
○奥田政府委員 お答え申し上げます。 事件の直後から、郵政省といたしましても必要な調査に極力力をいたしているところでございますが、この種司法機関の取り調べにかかるというふうなケースにつきましては、司法機関の取り調べの状況、結果をも参考にしつつ、もちろん最終的には郵政省としての責任で事実を確認いたしました上で、必要な厳正な処置をいたしたいと考えておるところでございます。
○岡田(正)委員 これは告訴された事件であるから、捜査当局が捜査をしておるから、いま当局としてはそのことについて手出しをしないというように聞こえます。私は不満です。なぜなら、警察に逮捕されたのは二人だ。百名ということは九十八名残っておる。その人間に対してなぜ調査をしない。なぜ厳格なことをやらないのだ。そういうものがふふんと言ってお互いに笑い話で済ますような気配があるのではないですか。私は、そういう当局の姿勢がある限り、こういう暴行事件というのは後を絶つことはないと思うのです。 私は、前橋局の管理者の諸君は、十二月三日から冷静に状況を判断して、その職場の中で時間中に暴言を吐きよるやつは抑え、いま時間中じゃないか君、ひどいことを言うな君、人間だれだって憲法で保障された人権と思想の自由があるのだよ、何ということを君言うのだと言って反発した勇敢な管理者もおる。私は、前橋のこの管理者の皆さんには敬服をしております。頭が下がる。しかし、こんなに集団で局の方へ圧力をかけ、警察署の前まで行って、宣伝カーを持っていってシュプレヒコールをやって、でっち上げだ、でっち上げだなんと言って、どうしてこんなことがでっち上げなんでしょう。何にもしないのに、空気にしか触れておらぬのに、何で首が、ネクタイが絞まって捻挫になる。どうしてむち打ちになる。何で右の手首から、手首が切れて大きな血がどうして出てくる。それなら警察が二人を調べておるのなら、当局は残りの九十八人を徹底的に調べなさい。やるのかやらぬのか、その点をはっきりしてもらいたい。
○奥田政府委員 もちろん郵政省といたしましても、必要な調査についてはこれを実施する考えでございますが、あわせて司法当局の取り調べの状況と並行して、省としての判断をいたしたいと考えているところでございます。
○岡田(正)委員 大臣、時間がだんだん迫りますから、その大臣に最後の質問をしておきますが、いまのやりとりを聞いておりましても、これで果たして全国の職場、郵政省だけではありません、その他の職場でもまじめに働いておる者が、こんな当局の対応で、こんなスローモーションで、果たして当局を信頼して働けるでしょうかね。私は、こういう問題を放置してはならぬ。最高責任者である郵政大臣の最終的な決意をこの際伺っておきたいと思うのであります。(発言する者あり)この問題について文句を言いたまえ。暴行事件がいいというのか。暴行事件がいいのか、これが。はっきり言ってみろ。(発言する者あり)
○栗原委員長 御静粛に願います。(発言する者あり)御静粛に願います。
○箕輪国務大臣 お答えをいたします。 郵政省の仕事は、先生御指摘のとおり、国民の生活と密接な関係を持っております。国民にサービスをしなければなりません。そのためには、何といってもやはり職場の秩序を確保しなければなりません。暴力問題が起きてはならないと私は考えております。いま司法関係の調査と並行しながら、わが郵政省を督励してこの問題を調査させ、やがて結論を出したいと考えております。司法の処分と関係なく、これは行政の処分というものは異なるものでございますので、事実関係の確認を急いでおるところでございます。
○岡田(正)委員 郵政大臣並びに関係当局者の勇気ある対処を心から期待をいたしまして、次の質問に移らせていただきます。 これは、まず国鉄総裁に最初に伺いたいと思いますが、一月二十三日付の朝日新聞の朝刊の一面トップで、東海道、山陽本線の夜行寝台特急、俗称ブルートレインというのがありますが、それに乗車をして検査をする検査係、このやみ手当問題が報じられましたね。乗ってもおらぬのに金を受け取ったというやみ手当、そこらで言う協定で決めておらぬやみ手当を受け取ったというのじゃない、仕事も何もしないで受け取ったやみ手当、この問題が報じられておりますが、一体これはいつからやっているのですか。
○高木説明員 まことにお恥ずかしい事件でございまして、いま調査をいたしておりますが、大体の概要を申しますと、機関区には、乗務をして運転する人と、それから主としてといいますか、もっぱら検査をする職員がおりますが、その検査をする職員も、時折走行中にちょっとしたトラブルが起こることから、昔から、計画的にあるいは随時機関車に乗り組むことになっております。これは現在の電車でありますとか電気機関車でありますとかディーゼルカーでありますとかいうものよりも前の時代、SLの時代に非常にそういう必要が高かったようでございまして、現在のように車両が性能のいいものになってまいりますと、だんだんその必要はなくなってきているわけでございますが、制度的には、現行制度では昭和二十七年に定めました規則以来そういう制度があるわけでございますけれども、今日の時点では車両性能がよくなってきておりますから、本来、そういう必要が急激に減っておるにもかかわらず、実は制度がそのままになっておったというところから起こった問題でございまして、大変申しわけないことだと思っております。
○岡田(正)委員 いつから行われておったかということについて明確に回答してください。余りほかのことは言わぬように。
○高木説明員 いま調査中でございますけれども、大変古いということであろうかと思います。
○岡田(正)委員 大変古いという言葉で私も勘弁してあげましょう、この際は。 しかし、私はこの際言っておくが、恥ずかしいと思いませんか。私はこのことを質問するよと通告してあるのですよ。それも、きょう言ったのじゃないのですよ。当局の担当者には、もう先週来、こういうことについて話をしておるのでありまして、ずいぶん古いこと——古いことを昔という。昔というのは十年が単位ですね。十年一昔というじゃないですか。ということになると、十年以上続けておったということになれば、という推定で持っていきますが、これだけ長いことやっておったことについて、この事実について、少なくとも管理局はこの実態を知っておったはずですね。南鉄道管理局は知っておったはずですね。その局の幹部はその後、ちょっとこれからいやらしいかもわからぬが、その後の昇進のルートから判断しまして、皆さんものすごい出世しておるのですよ、どっど、どっど。すばらしい出世。そして本社の方へどんどん行っておりますから、本社がそれを知っていないということはないはずである。ということになれば、知っておったのになぜ今日まで放置したか。これをひとつ聞きたい、総裁。
○高木説明員 私どもも、あの新聞記事が出ましたときに大変びっくりいたしたわけでございまして、一昨年でございましたか、鉄道建設公団の現場でやや似たトラブルがありましたときに、私どももそういうことがあってはいかぬということで、相当調査をいたしたわけでございます。ただ、ついどうしても、その工事に従事している職員の方の調査をいたしまして、そっちは相当洗い出して是正をしたわけでございますが、機関区について十分目が届いてなかったわけでございまして、いずれにいたしましても、これはその一人一人の問題というよりは、私ども全体として管理監督にある者の目が節穴であったということになるわけでございまして、大変申しわけないと思っております。
○岡田(正)委員 非常に素直に陣謝をされましたから、そのいま問うた問題については、これ以上追及はいたしません。 その次の問題に入りますが、私が当局に要請をいたしまして出てきた資料によって見ますると、この東京機関区における過去三年間、というのは五十四年、五年、六年、この三年間の運転検査に対する夜勤手当、これに対する乗務旅費の支払い、その実績というものは、四十四名の職員で三年間で二千三百二十九万円ですね。大変なものですね。こんなわずかな人数で二千三百二十九万。この規模で推しはかってみますと、大体東京南鉄道管理局が日本国有鉄道の全体の職場のお手本になっており、東京機関区が全国十九の機関区のお手本になっておりますから、よきにつけあしきにつけ、みんなまねをしておるのではないかと思うのであります。そういうことで類推をしてみると、十九機関区で実に年間二億円ぐらいは払っておるはずですね。 これが朝日新聞のトップに出たのに、当局はびっくりした。びっくりしたら当然調査をしなければならぬはず。その調査が今日までできてない。できておらぬものを幾ら追及しても仕方がない。しかし、四十四名で三年間で二千三百二十九万、これは明確になりました。しかも、乗っておった乗務回数を報告せい、こう言うたら、ないのです。ないことはないが、出てこぬのです。それなら一番新しいのを出せ。十二月分が出てきました。一カ月だけですよ。一カ月間で四十四名の諸君が二百八十二回乗っておったことになっておる。ところが、実績を調べたら、何と驚くなかれ四回しか乗っておらぬ。二百八十二回乗ったことにして四回しか乗っておらぬということは、もう乗っておらぬのと一緒ですな。それが延々と、ずいぶん古い古い昔の話ですと言うのですから、恐ろしいことですね、これは。大変なことですね、これは。 このやみ手当というのは、これが、まあいずれ調査しなければならぬが、調査して明らかになった段階で、当局はこの不当に支払われておったやみ手当なるものを回収するのでしょうな。いかがですか。
○高木説明員 調査の結果、その不正といいますか、不当支給ということが明らかになりましたものにつきましては、当然回収をしなければならぬと考えております。
○岡田(正)委員 わかりました。回収するということが、方針が明確になりましたから、この問題は打ち切ります。 その次に、運輸大臣にお尋ねをいたしますが、運輸大臣としては、この不当な支払いにつきましてずいぶんずいぶん古くからの問題でありますと、こう言っているのですね、大臣としては、この回収について具体的に国鉄をどう指導しようと思っていらっしゃいますか。
○小坂国務大臣 ただいまの岡田委員の御指摘になりました数字は、遺憾ながら本当のようであります。したがいまして、私もこうしたやみ手当、そうした一般的な問題があたりまえのことのようになっておるという現状は実に困ったことであるし、この基本的な姿勢を正すことが何よりも国鉄再建には重要なことであると考えておりまして、ただいま御指摘になりましたやみ給与に対して、手当に対して、断固としてこれは返済をするように国鉄当局に強く申し出をいたしておるところであります。
○岡田(正)委員 実に明快な大臣ですね。こういうふうにやってもらいたいものです。 さてそこで、このようなやみ手当が支払われておったということは、もう一部明快になっておる。ただ、いつからかというのは、これから十年ほど調べなければいかぬ。あるいは二十年かもわからぬ。それを調べて、そうして出てきたその責任というのは、一体いつどのようにして行われるのか。責任はだれがとるのか、総裁。
○高木説明員 東京機関区というのは、明治五年にできた機関区でございまして大変古いわけでございます。最初から電車でやっておるようなところはそういうものは多分なかろうと思いますが、ほかにもいろいろ古いところがございますので、いま大至急それを調査をいたしておりまして、そうしたことがなぜ起こったか、どういう経緯であるかというあたりを十分調査をいたしてみませんと、だれのどういう責任であるかということが明らかになりませんので、もしかなり各地域でそういうことがあったとすれば、むしろどっちかというと私ども自身の問題になってくるんじゃないかという感じを持っております。
○岡田(正)委員 きょうは総裁、わりとはっきりしたことを言いましたね。私どもの責任になろうかと思います、しかと承っておきます。 さて、法務大臣と自治大臣、自治大臣は警察の関係でありますが、お尋ねしたいと思います。 このようなやみ手当、乗ってはおらぬのに乗りましたと架空の出張ダイヤをこしらえて、会計課へ請求して堂々と受け取って、給料日以外のときに、まあ乗務回数で多い少ないがあってはぐあいが悪いから均等でいくかいというようなことで、どうも均等で配っておったらしい。これはらしいです。私は捜査当局でないかららしいとしか言えない。こういうのは明らかに文書偽造であり、そしてこれは世間で言う詐欺、横領というやつになりませんか。法務大臣と自治大臣、お答えください。
○世耕国務大臣 この件に関しましては、警察として十分関心を持っております。したがって、事柄の内容に即して適切な対応をとるようにいたさせたいと考えております。 なお、仮定の問題として論じますと、まだ事実関係が正確に把握されていないのでございますが、いろいろ問題が事実関係として出てまいった場合のことを想定いたしますが、それは警察としては、当該行為の規模、態様、悪性度並びに当局の措置などを見きわめて、事案の実態に即した対応をいたしたいと思っております。詳しくは政府委員から説明させます。
○中平政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、私どもも十分な関心を持って対応をしてまいりたい、このように考えております。まだ具体的な事実関係を私ども把握いたしておりませんので、これから警察は具体的にどう対応するかについては答弁を差し控えたいと思います。 ただ、一般論として申し上げますと、ただいま大臣のお話、御指摘の中にありましたように、虚偽公文書作成、行使だとかあるいは詐欺とか横領だとか背任だとかいう犯罪を構成する場合もあろうかと思います。したがいまして、その内容あるいは国鉄当局の今後の対応、そういうものを見きわめながら最も適切な対応をしたい、このように考えております。
○岡田(正)委員 非常に明快です。 大蔵大臣、こういうべらぼうな手当を受け取っておるということは脱税じゃありませんか。旅費というのは恐らく税金の対象にいままでしてなかったはずだと思うのですね。しかし、旅費にあらざる金を受け取っておったということになれば、当然これは課税の対象になると思いますが、脱税の疑いはありませんか。
○渡辺国務大臣 政府委員をして答弁させます。
○吉田(哲)政府委員 ただいま御指摘のように、職務を遂行するための旅行等に通常必要な範囲の旅費というものであれば、これは非課税でございます。ただし、ただいま御指摘のようないわゆるやみ手当が旅費という名目で出ておる場合には非課税とはなりませず、これは給与として課税すべきものであると考えます。
○岡田(正)委員 時間がありませんので、それではこれを最後にさせていただきます。 運輸大臣と総裁からお答えをいただき、総理から、この問題をいろいろやりとりを聞いていらっしゃいましてどう思われるか、それを最後に聞いて終わりたいと思うのであります。 この東京機関区というのは南鉄道管理局の代表的な職場でございますけれども、闘争のあるなしにかかわらず、この職場というのはもう一年じゅうビラ張りが行われておるのですね。そして、そういう職場ですから規律は相当に乱れております。私は取りましたが、当局の資料によりますと、毎年相当のビラ張りが行われているのにかかわらず、そのことについての処分は一切ありません。こんな状態でありながら、昇給に関して調べてみましたら、区長を含めてわずか三百五十一名の職場ですよ、その職場で、過去三年の間に七十二名も成績優良なりと言って抜てきしておる。わからぬ職場ですね。ダウンしたのはたった二人。三年間で二人。これは一体どうなっておるのですか。これは、小説ならおもしろいかわからぬが、実話としては国民はいただけませんね。このような状態は、単に東京機関区だけの問題ではありません。南区全体の傾向でもあり、私は国鉄全体の傾向ではないかという疑いを持っております。信賞必罰というその気概は一体どこにあるのですか。 東京南局では昨年の秋に問題となりました、わが党の米沢議員が追及いたしましたが、いわゆる処分の段落としですよ。あの段落としなんかでも、かっこように全国の分で言いましたから、余り太い数字じゃなかった。ところが、ここはひどいですね。日本一じゃないですか。五十三年度におきまして、通告者四百十二名に対し発令したのはわずかに百四十五名です。五十四年、五十五年は通告七百五十七名。これは新聞に出た数字。実際に発令したのは、ええじゃないか、ええじゃないかと言って落としちゃって百十四名。その率はわずかに一五%しか発令をしておりません。これは何というでたらめですか。しかも、このようなでたらめな管理を行ってきた南局の管理局長、総務部長と言われるような幹部が例外なく出世しておるじゃありませんか。そしていま本社の常務や局長や課長になっておるじゃありませんか。知らぬとは言わせませんよ。こんなことでは、だれが一体本気で国鉄の再建を考えますか。だれが取り組もうとするのですか。取り組もうとしないのは当然ですよ。要領、要領、要領さえうまければいいんだ。何やら昔の軍隊によく似てきた。この南局の実態を見る限り、人事問題にも深いメスを入れていかなければ、職場のなれ合いによって規律がでたらめになってしまっておる恐るべき国鉄の実態は救うことはできないと私は判断をしておりますが、運輸大臣、総裁、はっきりした決意をお聞かせいただきたい。さらに、総理の御感想をちょうだいしたいと思います。
○高木説明員 ただいま御指摘がございましたが、全国いろいろな現場がございます、いろいろな管理局がございますが、率直に言いまして、東京の各局というのは、なかなかいろいろな点で問題があるわけでございます。いま大変お恥ずかしい事実の御指摘がございましたが、私どももそれは否定することはできない、非常にむずかしい複雑なことの積み重なりになっております。これを直すということは国鉄全体にとってきわめて重要なことでございますので、御叱正を賜りましたが、私どもとしてはどういうふうにしてこれを直していくかということに専念をいたしております。ぜひひとつそれが変わってまいりますようにいたしたいと思っておりますので、見守っていただきたいと思うわけでございます。
○小坂国務大臣 ただいま国鉄総裁からの答弁がありました。 私は、労使関係が信頼関係に基づかなければだめだということを考えまして、こうしたただいま御指摘になった諸点については、やはりまず第一義的に国鉄の経営陣がその気になって、第一線の職場にまで入って実情をよく知るということではないかと思うのでございます。そうしたような勇気を持った活動を展開してもらわなければ国鉄の再建はむずかしいというふうにさえ考えておりまして、またいろいろな意味での議会の、また各党の御支援をいただきたい、そのように思っております。
○鈴木内閣総理大臣 綱紀の乱れといいますか綱紀の弛緩といいますか、本当に言葉もない、そういう実態を私、承知いたしまして、これは大変なことだということを先ほど来感じておったわけでございます。これは、管理職の立場にある、責任ある立場にある人たちもしゃんとしなければいけない問題でございます。今後、運輸大臣が申し上げましたように、十分当局としても厳正に指導し監督をして、この早急な是正に努力をいたしたい、こう思っております。
○岡田(正)委員 最後にお願いをしたいと思いますが、いまのようなやりとりを委員長お聞きになりまして、私は、行政改革を行うにしても、そして政治が正しく行われていく上においても、一番大事なことは、暴力事件なんというものはいささかもあってはならぬ、力のある者が弱い者を屈服させるというような、力で物を左右するような社会風潮が出たら大ごとだと思います。それが、事もあろうに官庁の中で、国民の税金でできた庁舎の中でああいう暴行事件が起きたというのは、これに対して私の質問にやじが出るような国会の空気でもあります。私は正義の上からも、この問題の、この群馬県の前橋局における加害者二名を参考人として呼ぶことを要求いたします。
○栗原委員長 ただいまの御提案につきましては、後刻理事会で協議をいたしたいと思います。
○岡田(正)委員 ぜひお願いします。
○栗原委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○栗原委員長 この際、伊藤防衛庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。伊藤防衛庁長官。
○伊藤国務大臣 委員長のお許しによりまして発言をさせていただきたいと思います。 二月四日の本委員会における大出委員の御質問に際し、和田装備局長の日米間の共同研究開発についての答弁が前の答弁と異なるとの御指摘を受けましたが、装備局長の答弁は、PS1に見られるように、資材の供与、技術者の交流、技術情報の結果としての交流等から、ある意味での共同研究開発があったと見られるという趣旨であります。 なお、これに関し、私どもの説明が必ずしも十分にその意を尽くしていなかったことについては、今後十分注意してまいりたいと思います。 大出委員御指摘のPS1に関する事情は次のとおりでございます。 一つ、防衛庁は、昭和三十五年度から昭和四十四年度にかけてPS1型対潜飛行艇の研究開発を実施しましたが、当時のわが国の技術開発能力からすれば、この事業を成功させるためには米国の全面的な技術支援を得ることが必須の要件でございました。また、このようなわが国の支援要請は、当時、次期飛行艇P6Mの開発に行き詰まり、飛行艇に関する技術の維持発展に苦慮していた米国にとってもきわめて受け入れやすいものでありました。 二つ目、わが国の技術支援要請に対し、以上のような事情から米海軍は多大の関心を示し、調査団の派遣あるいはわが国技術者の招聘等を通じ全面的協力を約しました。米海軍が行った支援の第一は、昭和三十五年度におけるUF1型飛行艇の供与でございます。同機は、本開発における実験機として改造後各種の試験に供せられ、多大の成果をおさめました。このほか、開発の全期間を通じ、技術者の派遣、技術資料の提供等が実施されました。この間、わが国からは、米海軍の技術支援を可能とするために必要な資料等が米側に提供されました。 このような形態の研究開発は、米国の無償援助が積極的に行われ、かつ、武器輸出三原則が成立していなかった当時の特異な事例であったと言えましょう。 三つ目、なお、このPS1型飛行艇に要した開発経費は約七十五億円でありまして、すべてわが国が負担をしております。 次に、日米両国間において共通の開発対象となる武器を定めて双方の技術をプールし、責任分担を調整し、かつ、必要資金を分担するというような共同研究開発は昭和五十一年六月以降において防衛庁においては実施したことはございません。 また、資料交換に関する取り決めの本文及び附属書並びに研究開発に関する覚書を提出せよとの御要求につきましては、これらがいずれも防衛庁と米国国防省との間で公表しないこととされている文書であることは累次申し上げているところでございますが、大出委員からの強い御希望でもございますので、どのようなことが可能か、米側とも話し合い、最大限の努力をいたしますが、御要求の資料そのものにつきましては、日米間の防衛上の秘密に係る事項も含まれていることを御承知賜りたいと思います。 以上でございますけれども、一言申し添えさせていただきます。 今回、私どもの説明に十分意を尽くせなかったことにより、委員長初め各委員に御迷惑をおかけしたことに対し、深くおわびを申し上げます。また、このため、委員長、理事各位におかれましては、深夜まで再三理事会で御協議を賜り、御心労を煩わせたことに対し、深甚なる謝意を表したいと思います。 終わります。
○栗原委員長 次に、大出俊君。
○大出委員 御回答をいただきましたが、この四項目のところの、私、三点セットという表現で資料の御提出を求めましたが、最大限の御努力をいただく、日米間で話し合いをして、こうなっておりますので、これを出していただいたところで、一括残り時間重ねて御質問をいたしたい、こう思いますので、残る時間、本日は保留をさせていただきたいと思います。
○栗原委員長 これにて大出君の質疑は保留分を残して終了いたしました。 次回は、明九日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時四十分散会