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96回国会衆議院1982/02/03

予算委員会 第4号

発言数
342
登壇者
25
会派数
3
開催日
1982/02/03

会議録

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これより会議を開きます。  昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口敏夫君。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 私は、新自由クラブと社会民主連合が院内会派を結成をいたしまして新自由クラブ・民主連合を代表して、総理を初め関係閣僚に、当面するわが国の内外諸情勢につきまして御質問申し上げたいと思います。  本会議における各党の代表質問、また予算委員会における総括質疑を承っておりまして、諸外国の情勢が大変厳しい中で、日本がまあまあ、非常に苦しい中にも円滑に国家運営を進めておる。その国の総理大臣にふさわしく、行政改革は国民の期待に沿って断固実行いたします、また、五十九年までには赤字国債をこれまた完全に脱却をする、そして財政状況が厳しく予測されておるわけでありますが、大型一般消費税は断固やりません、ことしは無理かもしれませんけれども、五十八年には大型減税も実施いたしますと、総理の一連の答弁を聞いておりますと、今国会は余りメモを見ることもなく、委員会におきましても、関係閣僚を抑えて御答弁もいただいておるわけでございまして、総理の赫々たる自信は大変心強い限りでございますが、行政改革、赤字国債脱却、大型消費税はやらない、減税はやります、こういう公約を本当に国民の前にお約束をしていただけるのか否か、その点をひとつ確認をするところから御質問をさしていただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いま山口さんから御質問がございました行政の改革、財政の再建、これに対する私の取り組みの姿勢、考え方はいま御指摘いただいたとおりでございまして、この国民的課題に対しまして、私は全力を尽くして取り組んでまいる決意でございます。  ただ、減税の問題につきまして、これから議論になろうかと思いますので念のために申し添えておきたいのでありますが、五年間も所得税の課税最低限を据え置いてきております、また、税率構造もそのまま据え置いておるわけでございまして、それが国民の皆様に非常な重税感を与えておるということも私は率直に認めておるところでございます。しかし、各国のそれと比較いたしますれば日本の所得税の課税の水準は必ずしも高いと思っておりませんが、とにかく五年間も据え置いておりますから、その点は政府としてもいつまでも固定しておくわけにいかない、何とか是正をしなければいけない、こういうことは考えておるわけでございます。  さて、それを将来においてやってまいりますに当たりまして、行政の徹底的な見直し、あるいは歳出等の思い切ったカット、そういうようなことに重点を置いて財源の捻出等を図っていかなければなりませんが、そういうようなことを通じまして、前段で申し上げたような条件をつくっていきたいということを申し上げておるところでございます。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 いわゆる増税なき財政再建を図り、そして思い切った行革を進めながら減税財源を捻出していく、そういう総理の基本的な姿勢である、こう受けとめてよろしいわけですね。  そこで、総理の御決意のとおりこれが進むことをわれわれは期待をするわけでありますが、われわれが野党の立場で、あるいは国民経済のいろいろな計数、指標を見ながら分析をいたしましても、経済情勢が大変厳しい。当然、財政にもそれがはね返るわけでありますけれども、そういう中でこの五十七年度の予算審議は、どうしても五十六年度の財政実績、税収実績、あるいは五十八年以降の中期展望との絡みの中で考えていかざるを得ない。  とすると、鈴木総理はたまたま、なりたくてなった総理総裁ではなくて、みずから求めてなった総理ではない。したがって、ひとつ思い切って使命に徹してやるのだ、こういう決意をわれわれは承知しておるわけでありますが、同時に与党内部にも、総理の経済認識を危惧し、もし経済政策のかじ取りが間違うと、これは単に財政経済だけの責任の範疇にとどまらずに政治責任としての問題にもつながる。経済政策で責任をとった総理はおらないという発言の方もおりますけれども、これはもう政治責任にもつながるのだ、こういう指摘をされておる元総理もおられるわけですね。ですから、われわれがここで鈴木総理といろいろ約束をしても、総理自身がこれから秋から来年にかけての総理として、総裁として——これは与党の問題でありますけれども、政権党である以上は国民にとっても無関心ではいられない、そうした政局展望、今後の政権に対する所感や姿勢も私は前段にひとつ伺っておきたい、こう思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 わが国の経済運営、今日の状態につきまして、御心配の気持ちを含めていろいろお話がございました。経済の今後の推移等が、それが政治責任、政局につながるのではないか、それに対する政局観はどうか、こういうような御趣旨の御質問であったわけでありますが、現在のわが国の経済は、これは国民の皆さんの大変な御努力、特に信頼関係の上に築かれた労使の健全な関係、それから石油の消費の節約等々いろいろなことからいたしまして、諸外国に比べて比較的順調に推移をしておる。また、第一次、第二次の鈴木内閣の経済閣僚の諸君も本当に全力を尽くし、あらゆる工夫をこらして努力をしていただいておりまして、比較的順調に来ておるわけでございます。  しかし、かといって日本の経済の現状が不安な要因はないか、心配するようなことはないかと言うと、そうではない。いろいろなむずかしい面が存在することも私は十分承知をいたしております。特に、経済成長の中でも、比較的日本はうまくいっておる方でありますけれども、その内容において外需に依存する状態が強い、これをどうしても内需中心に経済政策を質的に変えていかなければいけない、こういう面もございます。今後そういう点に配慮しながら経済運営を機動的にやってまいりたい、こう考えておるわけでございます。  それから、これからの政局の問題でありますが、これは御心配は要りません。自由民主党政権でございます。私が首班であろうとそうでなかろうと、自民党には幸いにしてりっぱな人材が雲のごとくおるわけでございます。自由民主党内閣、自由民主党の政策を踏まえて一貫してやってまいりますから、その点は御心配なく、ひとつ御協力をいただきたいと思います。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 一応行政改革、財政再建の方向づけをした、したがって、この秋の総裁選以降は別な人に譲ることも含めて心配ない、こういうふうに受けとめてよろしいわけですな。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 これは山口さんも自民党にもおられた方でございますからよく御存じのように、自由民主党は民主的な政党でございまして、党員諸君の総意によって決まることでございます。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 現状、自民党の総裁が内閣総理大臣ということでありますから、まあ党内で決まることであろうと思いますが、われわれがその人事に関心を持ちますのは、いま総理が国会で御答弁いただいている中身が、公約がそのままことしから来年にかけて実行されるということはきわめてむずかしい、こう判断しているわけです。したがって、この経済政策のかじ取りを間違えて政権を投げ出すという部分を含めて御答弁をしておられるのではないかという心配すらわれわれはしておるわけでございます。  たとえば、五十六年度予算で二兆円の赤字国債減額を断行された。これは、鈴木総理また渡辺大蔵大臣初め関係者の決断を私は高く評価をいたします。高く評価をいたしますが、その結果として、すでに第一次補正予算も計上されておる。いろいろその歳入欠陥を予測をいたしますと、これが最終的にはさらに一兆円を超えるのではないか、こういう見方もされておるわけであります。二兆円国債減額をして、トータル的に一兆五千億、六千億の歳入欠陥が生じて、そしてまた赤字国債を追加発行する。これは完全なイタチごっこで、近代の名大蔵大臣渡辺美智雄というものは結果を見てみるとイタチごっこであったということでははなはだ困るわけでありまして、大蔵大臣としてその歳入の見通しをどう見ておるか、私はここで再度お伺いしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 五十六年度予算におきまして、二兆円の赤字国債からの脱却ということを目標にやってきたのは事実でございます。ところが去年のいまごろは、歳入の見積もり方についても足らぬじゃないか、もう少し財源があるではないかという御議論が大勢を占めたのも事実でございます。経済見通しも一年前につくるわけですから、おととしの十二月ごろは九%程度の名目成長はできるじゃないか、物価も五・五ぐらい平均上がるではないかという見通しであったわけでございますけれども、それが急速に物価の鎮静化が行われて、景気の立ち直りというものが緩慢であったことも事実でございます。こういうような結果、その見通しに狂いがあったということも事実でございます。  この経済見通しというものはぴたり当たったことはめったにないのも事実でありまして、歳入の見通しにつきましても、どこまでも見積もりでございますから、われわれはそれだけのものをぜひかち取りたいと思ってがんばっておりますが、例を申し上げますと、昭和四十年度も七・二%食い違いがあったとかあるいは四十六年も四・四とか、ひどいときには五十年には二〇・七%の食い違いがある。またそれ以上に、四十八年には二〇%よけいに税金が出てしまったとか、五%から一〇%ぐらいは毎年と言っていいくらいに実は食い違いがございます。今回も補正予算で一・四%の補正をいたしたのは事実でございます。しかし、そういうふうな見通しの問題と、もう一つは史上最大の災害の発生等によって、一方物価の鎮静下にある物品税その他の収入が非常に落ち込んでいるという点から、実態に合わせて補正を組ましてもらいました。  今後の問題はどうかということでございますが、これにつきましては、これはごく十二月ごろの、まだ発表する段階にはもちろん至ってないわけでありますが、われわれの推測では比較的順調な回復をしてきておるというような見通しでございますので、補正後のものについては大体その程度のものを確保できるのでないかということを期待いたしております。  また、必要があればその税目ごとの内容については、技術的、専門的立場から専門家に答弁をさせます。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 前段においては、大体経済見通しはなかなか当たらないのが妥当であるというような説明があり、後半の部分においては、大体景気の回復も何とかなるから税収見通しも軌道が修正されるだろうと、非常に矛盾しておる御答弁でありまして、そのぐらい厚かましくなければ大蔵大臣は務まらないということかもしれませんが、しかし、第一次補正が四千五百二十四億円、そのうち赤字国債の追加発行が三千七百五十億円、これは実質伸び率九・八%、この四月から五月までの伸び率を見て、実績を見て補正を組まれたわけでありますが、今後の必要伸び率というものがかなり高い数字を示しております。しかし、諸般の情勢を考えますと、どうも上半期の四月から十一月までの実績というものが引き続き後半も同じ動向をたどるのではないか。仮に前半と後半が同じ伸び率であった場合、歳入欠陥というものはどのぐらいになるのか、大蔵大臣自身からもう一度お答えいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私どもは、前半と後半の伸び率が同じとは考えておりませんから、前半と後半は同じという計算をしたことはありません。今後の見方につきましては、主税局長から答弁させます。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 税収見積もりの問題でございますので、われわれとしましては、利用可能な資料の範囲内で最大限の努力をして見積もりをやっておるということでございます。  お尋ねの五十六年度、現在の税収でございますけれども、これはやはり編成作業の段階での資料ということで制約されますけれども、それまでの課税の実績、それから政府の経済見通し等、そういうものを基礎として見直しを行った。しかし、それまでに回復し切れないものが、五十五年度決算がやはり赤字でございました、二千七百億の赤字です。また、前半において物価の安定、それから回復のおくれ等がございまして、やはりはっきりしているものはここで表に出す方が財政民主主義と申しますか、正直であるということで、これは補正をお願いしておるわけであります。それで、四千億ということで補正減を立てるとということの方が、何も手をつけない、補正の機会にほおかぶるということよりも、はっきりしたものはお示しする。ただ、今後どうなるかは、見積もりでございまして、その辺が歳出予算とやはり違いまして、確定金額を国会で御決議願って、それ以上使ってはいかぬという法律の形式としての予算というものと違って見積もりでございますので、そのバックには経済の動きがあり、そういうものを確実に達成するというために徴税を強化するということもできません。また、それは余る場合もございますし、減る場合も従来ございますことは大臣が申し上げたとおりでございまして、その辺、最善の努力をした税収の見積もりであるということを御理解願いたいと思います。  必要でしたら、もう少し補足して今後の動向を御説明します。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 いろいろありましたけれども、何を根拠に、歳入欠陥、何とか伸びが期待できるか、税収の伸びをどこに期待しているのか、これはわれわれといたしましては、五十七年度予算審議の中で非常に重大なことでございまして、大蔵大臣と主税局長からお話がありましたけれども、経済政策の元締めである河本長官に、今後の税収をどう見込んでおるか、景気動向と絡めてひとつ御答弁いただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 経済の見通しにつきましては、昨年の中ごろが一番の大底であったと思います。自来、回復の力は比較的弱いのですけれども、上向いておると思います。ことしは世界経済全体も後半回復するものと考えておりますので、また、石油事情等も需給関係がずいぶん改善されましたので、経済政策も若干やりやすくなっております。もっとも、アメリカの高金利が非常に最近また進んでまいりまして、この点、いろいろな面に悪影響が出ておりますけれども、大勢としては、私は、第二次石油危機が起こりましてから三年目にもなりますので、経済政策がやりやすい環境は整いつつある、このように考えております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 大蔵大臣も経企庁長官も大変景気の見通しについて楽観的、税収についても非常に楽観的に見ておりますけれども、日銀総裁がつい最近、日銀総裁の考えとして、輸出の増勢が数量ベースでも鈍り、かげりが広がってきた、内需不振に加えて輸出増勢の鈍化で景気回復のテンポが従来以上に遅くなっているということを心配しているわけですね。そして需要項目についても、個人消費は一進一退である、公共事業は年度上期に重点が置かれた反動が出ている、住宅建設、中小企業の設備投資も回復に転ずる動きは出ていない、景気は目立った主役を欠いたまま非常にじみな展開が続く、こういう見通しを述べておられる。となると、政府の中にも景気動向については非常に大きな考え方、分析の差が出てきている。そこで、仮に中間をとったとしても、とても大蔵省が考えているような、十二月から五月までの間に必要伸び率の二七・四%を達成するということは困難だと私は見なければならない。さらに、補正予算の中で減収分として内訳になっておる物品税や源泉所得税、関税、石油税、印紙税の中に、特に法人税が非常に落ち込んでいるにもかかわらず法人税とか申告所得税の分は考慮されていないわけですね。それやこれやを考えますと、大蔵省で見ておるような歳入欠陥が何とか帳じりが合うのではないかというようなことは、もうこれはだれも信用している人はいないのですね。仮に上半期、四月から十一月の実績で考えるならば、二兆三千億円の歳入欠陥が見込まれる。仮に一五%と見ても一兆六千億の歳入欠陥が見込まれる。こういう状況を、これはもう大蔵大臣の責任、判断というよりも、私は、総理がこの財政状況をどうとらえておられるのか、総理自身のお考えをこの際ひとつお聞かせいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 国際経済が非常に厳しい状態にございます。そして、日本はGNP一割国家になっておるというようなことから、国際経済の影響、具体的にはアメリカの経済や金利の動向、そういうことがわが国の経済運営にも大きく投影をしておるということは御承知のとおりでございます。そういう中で、私ども最大限の努力をしておるわけでございますが、OECDの先般の報告等を見ておりましても、河本長官からも御説明申し上げたように、今年の後半から先進工業国を中心として経済は徐々に上向いていくだろうという観測もいたしておりますし、アメリカの経済もだんだん明るい兆しを示しておるわけでございます。そういうような状況からいたしまして、わが国の機動的な、内需中心という積極的な経済政策と相まちまして、経済はだんだん明るい方向に推移できるもの、私はこのように考えております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 私は鈴木総理から経済学や財政学の講義を承るために聞いておるんではないので、その一兆六千億なり二兆三千億の歳入欠陥が出た場合の、たとえば補正予算を組むとか、また総理のいわゆる政務の総括責任者としての責任といいますか、その場合における決意を私は確認しておきたい、こういう御質問でございます。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 先ほど来大蔵大臣、経企庁長官から申し上げておりますように、先般の五十七年度予算編成と並行して行いました税収等の見直し、それによって五十六年度補正四千億を見たわけでございます。そういうようなことで、私どもは客観的に正直に税収等の見通しも立てて対処しておるわけでございます。そういうことでございますから、先ほど来申し上げておりますように、そういう大きな歳入欠陥というようなものが生ずるとは思っておりません。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 歳入欠陥があるとは思っていないと。しかし、これもそんな言葉を信じている人はだれもいないんです。経済のイロハがわからなくても、財政状況がどうかということは皆わかっておる。  これは総理、いままでの経済運営と違いまして、とにかく日本自身もよその国の例を見習ったりあるいはよその国の経験を踏まえて判断するという時代じゃなくて、一日一日が新しい時代、新しい問題と直面しながら切り開いていくという状況にあると私は思うんですね。そういうときに、いま総理から御発言あったように、あくまで歳入欠陥はないんだというたてまえで財政論議をしておったら、日本経済、国民経済を含めて大混乱になってしまうということを私は心配するわけです。だから、総理が二兆円の赤字国債の減額をした、五十九年度脱却をしたいという決断そのものはりっぱな政策判断であったということを私は申し上げておるわけです。  ですから、われわれ野党においても、五十六年度予算の中において、大蔵省の税収見積もりは低過ぎるんじゃないか、さっき大蔵大臣も言ったように低過ぎるんじゃないかという議論もあった。したがって一兆円ぐらいの剰余金はあるんじゃないかという前提でこの予算委員会で議論をして、そして議長あっせんの名のもとにおいて、もし剰余金が出たら減税をしようじゃないか、こういうことだったわけですね。結果的には二千七百億……(発言する者あり)ちょっといま質問中だから黙っていてください。あなた、何ですか、理事の立場で。二千七百億の歳入欠陥というものが出たわけですね。結果的には出た。  そこで五百億円という歳出不用額の中から減税をする、ミニミニ減税をする。われわれ確かに、五百億イコール国民一人当たり五百円、五百円の減税をしてもしようがないから、お年寄りの皆さんの福祉に何か使えないのだろうか、もっと長く形として残るものに使えないんだろうか、国民の役に立つ使う方法はないんだろうかというちゅうちょ逡巡があったけれども、しかし国会で与野党が決めたことだし、議長あっせんということでこれは実施されたわけですね、実行された。  ですからわれわれの立場においても、それは税収の問題あるいは見通しの問題、何もわれわれが間違ってないということを申し上げようとしているのじゃない。しかし、いま総理が歳入欠陥はないんだ、ないんだという形でこの予算委員会だけ乗り切れば済むという考え方でもしいるとするならば、これが今後重大な問題に発展するということを私は申し上げたいのですよ。もう一度総理からひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、見積もりの問題というのはなかなか確定的な問題がないのですよ。われわれも見積もりどおりに税収というものが上がってもらいたいし、そういうような経済運営はやってきておりますが、自由主義経済体制下では計画どおりきちっといくとは必ずしも限らない。したがって、先ほど言ったように昭和四十年から現在まで大体六%、七%、多いときは二〇%くらいの振れが毎年あった。一%台というようなことは実際はめったにないわけです。われわれはそういうのは本当は一〇〇%ぴしゃっと当たってもらいたい。現実の姿はそれと違う。  そこで、いままでの経過を見ておると、特に物価の安定等によって印紙税とか物品税の落ち込みがひどいというような点を見て、それではっきりしたものを修正をしたわけです。法人税は予定どおりいくのかというようななにでございますが、これは御承知のとおり毎月統計が出てくるものではなくて、実際のところはわからないわけです。三月決算というものが三分の一以上の比重を占めているわけですから。十二月決算もあるし。しかしながら、大手企業の状況を見ればこれは必ずしも悪くはないのです、ぼつぼつと出ておる個別の会社の状況等を見れば。それが大勢をなすかどうか、これも実際わからない。  したがって、われわれとしては最近の回復の状況等も見て、ここで、それを直すとすれば幾ら直すという話にすぐなってくるわけですから、直す根拠はどこで、何で幾ら直すんだというそのはっきりした根拠はなかなかつかみにくい、したがって、これは専門家の計算によっておおよそはっきりしたものを直すべきだということで補正をしたんだということでございます。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 ですから、とにかく国民総生産が三十兆円、五十兆円の時代と違うわけですから、とにかく三百兆に近いGNPの時代において一%数字がずれても二兆円、三兆円という状況ですから、大蔵大臣のおっしゃることもわかります。  したがって、私が申し上げたいのは、もし歳入欠陥が出た場合に第二次補正を——もし出た場合というのは、出る場合もあり得るわけですね。だから、そういう場合には第二次補正を組む御予定があるんですか。これは五十七年度予算案審議にとって非常に大事なことだから、私はそこをきちっと詰めておきたいのです。どうですか、大蔵大臣。大蔵大臣から聞きたいのです。時間がないので私は大臣からひとつお伺いしたい。(渡辺国務大臣「見積もりを先に」と呼ぶ)

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 簡単にお答えします。  今年度は税収の大半を占める三月決算がわからない。というのは、五十三年度改正で年度区分の改正をやっておりますので、非常に見づらいというか、そういう前提で不確定要因が多いわけであります。しかし、われわれとしては見積もりがそのとおりいくというふうに最善の努力をしたわけですから、その数字が予算としては正しい。それでそれを前提に来年度予算を見ております。したがって、いまのように確実にへこむという前提での五十七年度の御議論は現段階では無理であろうかと思います。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 大蔵大臣、こういう大事な問題を、やはり大臣みずから政治生命をかけて財政再建に取り組んでいるんですから、私は何も大蔵大臣の責任を追及するということでなく、実際の問題として補正予算を組むというようなこともあり得る。しかしどうもいまの鈴木総理や大蔵大臣の姿勢を見ると、国会に第二次補正を出すのはめんどうだ、むしろ、足らないとするならば、決算の調整資金かあるいは国債の整理基金等を絡み合わせながらその歳入欠陥をひとつ帳じり合わせしたい、こういう気持ちがあるんじゃないか。そうすると、いずれにしてもいまこの一日二日の予算委員会を乗り切ることはできるかもしれませんけれども、いま大蔵大臣が一番よくわかっているでしょう。いまの財政事情はそんな小手先の、国会をどう乗り切るか、質問時間をどうはぐらかすかなんということで解決できるような財政状況でない。どうですか、そうお考えになりませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 まさにそのとおりであります。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 補正を組むということをなかなか明言をしないということになると、国債整理基金の取り崩しまで含めないと、私どもの分析では歳入欠陥を穴埋めすることはできないということになるわけですよ。これは赤字国債の償還財源に手をつけるということですから、鈴木総理が言っておる財政再建もやります、五十九年までにやりますという基本的なスケジュールまでこれが影響してくる。  総理、その辺どうお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 それは山口議員のように歳入欠陥が必ず出るという前提に立てば、いまのような議論が成り立つと思います。しかし先ほど主税局長が言ったように、十二月決算という法人もあるのですよ。これはやはり二月ごろになってみないとぎれぐらいのものがという予想もつかない。それから申告所得税というのは三月十五日期限でみんな申告を出してくるわけですから、これも実際のところわからない。ということになると、いまの段階で法人税と所得税も幾ら幾ら金額的に減ってしまうからその分補正を組むのだということを申し上げることはできないということは、わからないから言っておるのであって、そういうことがわかればわかったときの段階でどうするかという問題が起きてくるだろう、現在のところわからないから、われわれとしてはわかった分について、ほぼ確実にこういうものは直した方がいいと思われる分についてはその補正をいたしますということにさせてもらったわけでございます。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 いつもは堂々たる自信家の大蔵大臣が、目をしばたたかせ、くるくる回しながら、テレビには映らないけれども、なかなかうその説明をしておるという良心の苛責だけはわれわれ感じ取ることができるわけでありますが、私は一言申し上げたいのは、五十六年度減収対策としては、国債の償還財源でこれを取り崩しをしないという決意は、やはり節度は持っておいてもらいたい。そして再度どうしても歳入欠陥がある場合には、補正予算を編成して国会を通じて国民とともに財政再建計画を考えていく、こういう姿勢を選ぶべきであるということを私は申し上げたい。  そこで、総理はこの大事な問題を黙して語らないわけでありますが、これはやはり財政問題をたてまえだけで、歳入欠陥の問題はあくまでこれは認められないでしょうけれども、通すということになると、政務の総括責任者としては国民に対する重大な背任とも言うような事態が出てこないとも限らない。  たとえば、赤字国債の償還財源に触れるということは、赤字会社が社員の退職給与引当金を取り崩して使っちゃって、粉飾決算の穴埋めをするというような、民間にたとえればそういうことにも、なりかねないわけでありますから、私、河本さん、経企庁長官に答弁を求めるのは大変酷かもしれませんけれども、あと半年後には、河本大臣、この事態出てきますよ。第二次補正予算を組まざるを得ないのか、国債の償還財源を使ってまで歳入欠陥を穴埋めしなければならないのか、粉飾決算の中身について、日本株式会社鈴木社長に対して河本さんは代表権のある副社長かあるいは取締役かわかりませんけれども、これは半年後には内閣の共同責任として、一つの政治問題として私は出てくると思う。いま総理にも、大蔵大臣にも再三その問題を指摘しているけれども、どうしても立場もありましょうけれどもたてまえの議論に終始しておる。しかし実態を一つ一つ積み上げて、あと三カ月後、四カ月後の日程を見ていけば、いま私が指摘している部分は決して野党の詭弁じゃないのですよ。財政の、税収の実態なんです。しかし、それを認めなければ、国民を代表する国会の名において財政再建や本当の行政改革の問題、歳出カットの問題もできないじゃないですか。  河本大臣はそういう共同責任を、もちろん閣僚でありますから立場もありましょうけれども、そういう政治的な意味というものをどう判断されるか、ひとつ長官自身の御見解を承っておきたいと思うのです。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 いままでの質疑応答を聞いておりますと、大蔵大臣の言っておられますのは、経済の激動期でもありますから税収の見通しがある程度変わる場合もあり得る、こういうお話でございます。私もまさにそのとおりだと思うのです。五十六年度の税収見通しは約三十二兆でありますが、内外経済がこれだけ激動しておりますと、経済もやはり相当激動いたします。日本経済も相当な影響を受けます。したがって、税収の違いも若干は出てくるのではないか。多い場合もありましょう、少ない場合もあると思うのです。過去の例を見ましても、そういう例が非常に多いわけでありますから。しかし、いまの時点ではそれがどうなるかということについてははっきりした数字は言えないというのはいま大蔵大臣が言われたとおりでありまして、私もそのように思います。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 河本大臣は、再三景気の停滞を早くから予測して、景気対策から来る内需の喚起、そしてまた税収増というものを主張しておられたわけでありますが、そういう立場に立っても結果としてその主張が取り入れられなかった。しかし、歳入欠陥、補正予算もしくは償還財源の取り崩し、こういう問題に波及してくるということでありますが、五十六年ないしは五十七年においても主張だけしておればいいということではないと思うのですね。やはりその実行をすることによってこういう経済情勢に活を入れなければならない、そういう立場からさらに長官の御判断をもう一度伺っておきたいと思うのです。五十七年に連動する形においてお答えいただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 いま日本経済の運営に非常に大きな制約を加えておるものが幾つかあると思います。その一つが、先ほど来議論になっております世界経済全体の停滞であります。先進国経済がほとんど全部ゼロ成長かマイナス成長に落ち込んでおる。それが二カ年も続いておる。こういう世界経済全体の停滞は、やはり日本の経済政策にも影響が出てまいります。  それから第二点は、アメリカの高金利だと思うのです。わが国ではできるだけ低金利政策をやりたい。住宅政策のためにも、民間の設備投資を拡大するためにもできるだけ低金利政策をやりたいということで金融政策を進めておりますけれども、やはりアメリカの高金利が障害になりまして思うような金融政策が展開できない。  それから第三が、行財政改革を思い切ってやっていこうということになりますと、公共事業等にもおのずから制約が出てまいります。これもやはり経済政策がやりにくい一つの前提条件だと私は思うのです。  それから第四点は、可処分所得が落ち込んでおる、こういう事態もございます。  これがいろいろ経済政策を展開する上においての障害になっておりますが、こういう幾つかの障害はございますけれども、そういう制約、障害の中におきまして政府としては考えられる最善の経済政策を進めてまいった、私はこのように考えております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 いま河本長官は、アメリカの高金利政策が非常に内外の経済の足を引っ張りておる、こういう御指摘もありました。しかし、アメリカの高金利政策だけではなくて、日本の内需喚起の政策のおくれというものも大変諸外国の経済政策の足を引っ張っておるのじゃないか。  この六月ですか、サミットがパリで開かれるのは。そこで鈴木総理が各国首脳に何を語り、どういう立場で日本の貿易摩擦の問題についての回答を持ち込むのか。そういう中に、各党が要求しております一兆円減税という問題が、単に国内政策だけではなくて対外的な評価といいますか期待にもなってくるのではないか。さきの公務員の給与決定のときも、当然与野党の一つの大所高所の判断や人事院勧告の完全実施という問題もありましたけれども、側面的には、政府みずからが低賃金政策をしているとか賃金カットをしているとかというようないわゆる外的な要因もやはり十分尊重する背景というものはあった、ILOを初め国際経済調整の中において。  そういう点からすると、減税の問題も単に国内問題だけじゃなくて、やはり貿易摩擦との関連の中からも各国から非常に注目されるのではないか、期待されるのではないか、私はこう思うのですが、河本長官いかがでございますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 日本経済はこれまで外需中心の成長になっておりまして、内需の力が非常に弱かった。それは確かにそのためにある程度貿易摩擦を惹起した、このように私どもも判断をしておりまして、そこで何とか内需中心の経済に切りかえたいということを考えまして、五十七年度予算におきましてもいろいろな面で、制約はございますけれども、幾つかの配慮が示されておると思うのです。  減税問題がいま出ましたけれども、減税問題につきましてはこれまでも何回か総理や大蔵大臣からお話がございましたが、長い間所得税が据え置きになっておりますから、これは何とかしなければならぬという空気は私どもも感じ取っておりますし、またそのように判断をいたしております。しかし、何分にも行財政改革をやっておるということ、それから財源問題があるということ、この二つの問題がございますので、この二つの問題との整合性をどう考えるかということがこれからの非常に大きな問題でございまして、できるだけ早く減税ができるような条件を整えていきたい、これが基本的な考え方でございまして、その条件を整えるためにはどうしたらいいのかということがこれからの最大の課題でなかろうかと思っております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 私が先ほど申し上げたような立場から、通産大臣と労働大臣からも、野党が要求している減税の問題についてみずからの所管する責務においてどういう御判断を持っておられるか、御答弁を伺っておきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 いま貿易摩擦を解消するためにも内需を振興しなければならない、そのためには大型減税が必要ではないか、こういうふうな御意見であります。  確かに貿易摩擦を解消する一つの有力な手段として、私は内需の振興を図っていかなければならない、こういうふうに思うわけでありますが、しかし、いままでお話もありましたように、内需振興を図るためそれでは大型減税ができるかといいますと、そういうふうな条件、環境にない、財源もない、こういうことでございますので、われわれとしては、この内需振興は現在の与えられた条件の中で政策的な努力を積み重ねてやる以外にないのじゃないか。そうして財政経済、確かにむずかしい状況になっております。アメリカの金利も下がるであろうと思ったのがまた最近上がり出して、これがまた円安にさらにつながっていくというような経済のそうした非常な激動の中にあっておりますが、われわれとしては全力を尽くしまして五一二%という実質的な経済成長をかち取るために努力をしていかなければならない、こういうふうに考えます。

初村滝一郎自由民主党労働大臣

○初村国務大臣 お答えします。  いま労働者の生活実態を見てみますと、非常に可処分所得が低くなっていることは事実であります。しかしながら、昨年の十一月からそれが若干上回ってきておる、黒字になってきておるというような実態もこれあり、私はやはりこの際労働者の立場を十分尊重して考えていかなければならない。と申しますのは、現在課税最低限はそのまま、累進課税率になっておる関係から非常に労働者の収入が低くなっておるという実態を見た場合に、どうしても労働大臣として勤労者の実態について深い関心を寄せざるを得ないというのが第一であります。したがって、これをどうするかということは、いつまでもこういう課税の問題をほうっておくわけにはいかない、何とかしなければいけないということは考えております。  しかしながら、五十七年度における減税その他の問題もあろうかと思いますが、総理を初め大蔵大臣が答えておるような実態であれば現在はできない。将来何とか考えなければいけないというような考え方をいたしております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 労働大臣も、春闘だけで可処分所得を埋めるということになりますと、やはり物価等々にもこれは影響してくるわけでありますから、閣内において減税の問題についても十分深い関心と御努力を私はこの席から要望しておきたいと思うのです。  大蔵大臣、河本長官初め各関係閣僚はこの減税については非常に関心を持っておられる。ただ、財源の問題その他ありますけれども、私は、減税の問題については与党野党を問わず無視して通れないという一つの大きな合意も可能なのではないか、こう感じておるわけでございますが、再三の同僚議員の御質問にも大変シビアな御判断を示しておる。財源がないだけじゃなくて、大蔵大臣の場合には減税の波及効果というものを余り高く評価しておらない、こういうふうにも受けとめられるわけですが、この際再度、大蔵大臣としての減税政策に対する御所見をひとつ確認しておきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 減税の問題につきましては私も無関心ではないわけです。しかしながら、いまおっしゃったように財源との問題の絡みが最大の問題でございます。御承知のとおり、国債費も一年に一兆一千七百億円も利払い等がふえるわけですから、また地方交付税も一兆一千四百億円もふえて、こういうものは切りようがないですね。そうすると、仮に減税一兆円ということになれば、歳出カットで、じゃどこの部分を一兆円切るのかという問題に一つぶつかります。もう一つは、いや歳出は切らない、歳入をふやすんだ、身がわり財源を。その身がわり財源をどこでつくるかというような問題もございます。その点、非常にむずかしい問題がございますし、私としては、とうてい現在の段階において一兆円というような財源を生み出すことはこの段階に及んで非常にむずかしい、困難なことだ。  それじゃ、小さな減税はどうだと言う人があります。しかし、そういうようなことについては、私としては、かつて吉田内閣のときかなんでしたか、一兆円予算で一千億減税というのをやったことがあります。それは景気に大きな影響があるでしょう、予算規模の一割というのですから。現在なら五兆円減税みたいな話ですからね。しかし、それが千億とか二千億とかということでは、ともかく五十兆予算の中で、また二百七十兆というGNPの中で景気に対する影響というものは非常にないに等しいじゃないかということを私は申し上げただけでございまして、一兆円減税が景気に影響が一つもないなんということは言ったことはありません。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 大蔵大臣も、減税も一つの内需喚起の重要な施策である、こういう御判断もあるということで、ひとつそれを実現するために、やはりもっともっと、知恵のある方のようでありますから、御検討もいただかなきやならないと思うのですが、たまたま、この予算審議の過程において、近代経済学者の集まりである政策構想フォーラムが、財政再建を三年延ばしたらどうだ、日本の経済は内需の不振、対外摩擦の高まり、行財政改革のトリレンマ、こういう三重苦の中で一種の政策的な手詰まり状況にある、したがって財政再建の目標年度を三年程度延ばす、一兆円規模の所得税減税を実施する、公共投資を選択拡大するため一兆円程度まで建設国債の増発を認める、こういうような一つの提案を出しておるわけでありますが、これは単に学者の机の上の議論だとは言い切れない、いまの財政状況や日本の経済状況を見て一つの考え方であると思うわけでありますが、河本長官、ひとつ、こうした政策提言に対してどうお考えになりますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 現状が非常にむずかしい事態になっておりますので、これを乗り切るためどうしたらよいかということについてはいろんな意見があると思うのです。学者のグループからそういう提言が最近されたことも私は知っておりますが、要するに政策をどう選択するか、こういうことでなかろうか、こう思います。そういう考え方もあろうと思いますが、しかし、政府としては五十九年度を目標に行財政改革を進める、財政再建を進める、こういうことでありまして、これは政策選択の課題だ、このように思います。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 河本長官もいろいろなところで御講演されておる中身を聞きますと、一兆円減税どころか、二兆円減税も必要だというぐらいの明確な提案もなされておるわけでありますが、どうも、予算委員会の場所に参りますとたてまえに閉じこもってしまうというようなうらみなきにしもあらずと感じておるわけであります。私は、やはり財源確保ということも大事でありますが、鈴木総理の方針の枠の中での政策あるいは財源の確保ということじゃなくて、先ほど来時間をかけて五十六年度の歳入欠陥を指摘しましたのは、これが単に五十六年度だけではなくて、五十七年度の歳入欠陥にもこれが連動してくる、五十八年にもつながってくるということになると、これは総理が再三本会議や予算委員会で言明はしていただいておりますが、率直に申し上げて、行政改革はやります、大型消費税はやりません、減税は五十八年にはいたします、こういうことが実際上、やっていただけるなら大変ありがたいわけでありますけれども、できなかったとき、できませんでしたでは、これはやはり済まないわけでありまして、もうそろそろこの国会の場を通じて本当の本音のところの議論をやはり甲論乙論やり合う必要があるのではないかという意味から、いま政策フォーラムの一つの考え方も私は出したわけです。やはり、われわれの立場から、五十九年の赤字国債の完全脱却を少し限度を区切って延ばしたらいいんじゃないかと言うことは、なかなか勇気が要ることでありますが、政策フォーラムの言うように三年延ばすと、六十二年度が償還の一つの大きな山場になるのですね、大蔵大臣。ですから、六十一年度はまだ緩やかな形、こういうふうに判断してよろしいわけですね。そうすると、三年をめどにということよりも、六十一年、二年間財政再建計画を延ばすということも一つの考えとしてはあるのではないか、そして、財政再建計画を延ばすことによってただなし崩しになることを国民は恐れるわけでありますから、三K赤字ですね、国鉄でありますとか食管でありますとか、こういった三K赤字あるいは三公社五現業の見直し、洗い直しといっても、これは特に三公社に区切ってひとつ、六月答申ですか、そうしたものを踏まえて、思い切った民営移管あるいは特殊会社方式等々も含めて、これをひとつ行政改革を進めていく、断行していく。いま、直接税の比率が約七〇%だったのが、最近の統計を見ると八〇%近くにもなりかねないという状況の中にあって、間接税との税体系をどう考え直していくかというような問題、そういう問題を、ちょうど五十四年に国会において財政再建の決議を与野党でやりましたよね、そういう、新しい国会の各党各派がひとつ議論をして、そして一兆円減税の先取りを含めて、行政改革と財政再建というものを真剣に議論をして、一つの合意が可能ならば、総理大臣としてはこの点をどう評価されるか、判断されるか、ひとつ御見解を承りたいと思うのです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 行政改革、財政再建に関する五十四年の国会決議、私はこれを非常に重く見ておるわけでございまして、いま政府が進めておりますこの行財政改革、そして国民生活の安定や福祉の確保を図りながらこれを進めるという国会決議の線に沿いまして政策の推進を図っておるということをここで明確に私は申し上げられる、こう思っております。  それから今後の問題についてでありますが、この国会に臨むに当たりまして、政府・自由民主党の首脳会議におきまして基本的な方針の打ち合わせをいたしたわけでございます。その際におきまして、この減税の問題等につきましては、政府・自民党が五十七年度予算編成に当たって、あらゆる角度から最大限の努力を払って編成をした予算であり、これは現在の諸情勢、諸条件の枠組みの中で行った一番妥当な、適切な予算である。よって、われわれはこの予算をぜひ国会において御承認、成立を図ろうではないかということが第一点。  それから第二点は、減税の問題が野党各党から出ておるわけでございますけれども、それに対しては、自由民主党としては、五十七年度予算ではそれはなかなかできない。が、先ほど申し上げたように、所得税の面におきまして、課税最低限が五年間も据え置きになっておる、税率構造もそのまま固定化しておるというような点については、これは今後においてわれわれは検討しなければいけない、そうして所得税の減税についてのいろいろな財源手当てその他の面について今後さらに研究を深めていこう、こういうことを政府・与党で意見の一致を見たわけでございます。その際におきましてこの財源の問題については、もう何といっても第一義的には行政の思い切った見直し、特に山口さんも触れられましたが、三公社等の問題については思い切った改革が必要である、こういうようなことで認識の一致を見ておるわけでございます。したがって、これは鈴木内閣が決めた枠内でみんな制約を受けておって、それぞれの閣僚がいろいろな考えを持っているけれども、その制約を受けているのだとかそういうことはございません。政府・与党一体でこの問題については取り組んでおる、認識の一致も見ておるということを御理解を願いたい。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 大蔵大臣、私の先ほどの質問にもう一度大臣としてちょっとお答えいただきたいのですけれどもね。要するに、やはり五十九年の赤字脱却が非常に厳しい、六十一年の問題、その間にその三公社の問題もきちっと歯どめをかけて、そして減税の問題、間接税の問題、いろいろ抜本的な、小手先の議論や重箱の隅をつついたような問題じゃなくて、基本的にどうしなければならないかという問題に対してその検討の余地はないのか、こう申し上げているわけですけれども、総理のお考えはお考えとして、大蔵大臣としてもう一度承っておきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 総理と一緒でございますと言えば一言で終わるのですが、それもちょっとそっけない話でございますから、もう少しつけ加えさせてもらいます。  御承知のとおり、これから臨調で歳出カットを大幅にやっていこうというような段階でございます。歳出カットというのは言うべくして非常に、これはいままで与えられておった者からすれば、月給の値下げぐらい苦しい面があるわけでございますから、抵抗があるのも事実でございます。そういうときに財源を緩やかにするということは、歳出カットを非常に鈍らせるということになることも事実、行革を緩ましてしまうということにもなります。そこで、政府としては、五十九年度赤字国債の脱却という既定方針は、これは変えないということを言っている理由の一つ。もう一つは、ここで大型増税をやるというようなことも、これは行革の精神に反する、やはり財源を与えることですから。それからまた、経済の実態からしても問題がある。ですから、そういうことはやらないということを言っているわけであって、われわれとしては、一兆八千三百億という、ことし国債を減額という方針でぎりぎりやつだけれども、少し建設国債がその中に入ったということは事実であります。しかし、その分は、赤字国債の切り足りなかった分はあと二年間の万に上積みをしてこれを処理していこうというようなかたい決意を持ってやるわけであります。方針というのは、もうともかくそれはそのとおり、ぴったりやらなければならぬわけですよ。わけですけれども、余りそれが手の届かないほど高くても困る。すぐ手の届きやすいところでも、これは目標にならない。したがって、われわれは、五十九年脱却というのは、その両面から見てちょうどいいところじゃないか、そう思っております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 国民の側からすれば、五十九年の赤字国債の完全脱却、行政改革を思い切ってやります、そして一兆円減税も五十八年度以降については検討します、こういうことですべて解決をすれば、これはめでたしめでたしということになるわけでありまして、われわれはそれを政府に強く約束せしめるという立場にあるわけでありますが、しかし、国会の名において、やはりいまの財政状況、国民経済のことを考えれば、先ほど申したように六十一年にずらすことも一応検討の余地があるのではないか、こういう判断も求めたわけでありますけれども、五十九年以降に渡辺大蔵大臣もかけておられる。きのう出たように、増税の問題も総理とはお考えが全く一致、こういうことでよろしいわけですね。増税の問題も含みを持った発言をされたわけでありますけれども、その点も、この二年は増税はしない、こういう御判断でよろしいわけですな、増税問題。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 五十九年までに大型増税はやらない、同じであります。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 そこまで総理、大蔵大臣が決意しておるのに、財政事情が厳しいから政府に国会においても協力して、もう少し第二案、また甲論乙論議論し合おう、こういうことを申し上げたわけでありますが、ひとつ公約のとおり、公約実現のために御努力いただきたい。しかし、公約が実現できない、国会でわれわれも協力しましょうというお話の中で、いや大丈夫だ、できるのだと言う以上は総理も政治責任をかけて、政治生命じゃなくて政治責任をかけて、これをひとつ公約していただくということを御確認をいただきたいと思うのです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 政府といたしましては、国会のこういう公式の場で政府の方針として申し上げたことにつきましては責任を負っておるわけでございます。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 第二次オイルショックの後の経済動向を見ますと、第一次ショックと違いまして個人部門、個人の消費等に非常に影響が出てきている、こういうことを考えまして、私はぜひひとつ減税の問題について総理以下さらに真剣に御検討をいただきたいと思うのです。そのための財源の問題は、何といっても行政改革によってその財源をひねり出す。その行政改革を私は国会の決議において、ちょうど五十四年の国会決議と同じようにひとつ各党各派が真剣に議論をしていく、こういうことを今国会でも進めなければならないというふうに考えておりますし、国鉄総裁にも来ていただいて、国鉄の総裁も臨調の問題にもいろいろ御意見もあるようでありますけれども、きのう塚本議員とのやりとり等の中におきましてもいろいろ国鉄問題も論議されました。総理も国鉄だけでも臨調答申にひとつ何とかというお話がありましたけれども、国鉄だけじゃなくて電電でありますとか専売でありますとか、塩の関係は国民の食生活に直接かかわってくる、生活必需品ということもありますから全部が全部一緒くたにというわけにいきませんけれども、民営移管の問題、合理化の問題に真剣にひとつ取り組んでいただきたいと思うのです。  そういう政府の努力だけじゃなくて、われわれは、河本長官も再三おっしゃっておられますように、住宅の問題あるいは金融政策の問題、総合的な景気対策の中で内需を喚起して、そしてまた減税財源を含めた税収の確保ということを申し上げたいわけでありますが、特に、もう時間がありませんので私は大蔵省に、われわれ地元の中小企業の方から銀行の歩積みの問題がまだまだ解決しておらない、大蔵省の行政通達のような形だけではこれが基本的な解決になっておらない、こういう立場から、むしろ公取の問題としてもこの歩積みの問題を取り上げる必要があるのではないか。  大蔵省の調査なんかを見ましても約四兆円近い歩積みが拘束されておる。これは私は経済政策の面からいっても、大企業はいざ知らず、中小企業の設備投資とかあるいは中小企業の運転資金とか、そういう面からいっても決して軽々には扱えない問題だと思っているのです。独禁法でデパートやなんかの問題で優越の条件というのですか、取引上の地位が相手方に対して優越していることを利用して云々という項目にこうした問題が当てはまるのか否か、また取り組む決意が、実数はずいぶんあるにもかかわらず公取としては実態調査だけにとどまっておる。その点について、公取の委員長から今後の方針についてひとつ承っておきたいと思うのです。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 金融機関の行います両建て歩積みの問題が大きく取り上げられましたのは昭和三十年代の後半のことでございまして、公正取引委員会といたしましても、昭和三十九年以降、毎年一回ないし二回、全国の中小企業者約八千社に対しましてアンケート調査をいたしまして、その内容を分析し、また外部にも公表いたしておるところでございます。一番最近の調査といたしましては昭和五十六年の五月末現在の調査でございまして、これは十二月時点で外部にも発表いたしております。調査の結果につきましては大蔵省御当局にも連絡いたしておりますし、全国銀行協会連合会ほか金融団体に対しましても再度にわたりまして拘束預金等の一層の自粛の要望をいたしておるところでございます。  いま先生からお話しございましたのは、そういう実態調査だけではなくて独禁法に定める優越的地位の乱用行為としてより一層厳しい取り締まりを行うべきではないか、こういう御提言であろうかと思うわけでございますが、いままでの行政の実績の中にも幾つか個別事案につきまして取り上げて、調査をして改善を指示したこともございますし、また今後におきましても、その実態によりまして法的な措置が必要な場合には、具体的な事例につきまして適切な措置を講じてまいりたい、こういうふうに考えております。

山口敏夫新自由クラブ・民主連合

○山口(敏)委員 外交、防衛の問題、また新自由クラブは結党以来行政改革と教育改革の問題にも真剣に取り組んできたわけでありますが、そうした問題、さらに同僚議員であります河野洋平氏が本会議質問で取り上げた軍縮の問題、いろいろ御質問申し上げたかったわけでありますが、時間の関係もございます。われわれ新自由クラブ、社会民主連合も行政改革を進めるためには隗より始めよ、国会改革の問題についても真剣に提言を続けてきたわけであります。  共産党が国会改革の見解について先般意見を発表いたしまして、その中で、議員定数の減少を唱える新自由クラブの提案は定数是正を拒否している自民党を助けるだけじゃなくて、国会改革の名のもとに国会活動全体を著しく萎縮させる典型であるとか、新自由クラブが提案している国会議員のパスの優遇の問題で、国会法に基づいた使用をしようじゃないか、要するに国政調査に必要なときにこれを行使する。国会議員に国鉄パスを供与することによって、国鉄は推定六十万の優待券や無料パスを発行しているわけですね。ですから、国会が一つの隠れみのになっているというような部分もあって、正しい使い方をしようじゃないか。こういう問題に対しても共産党議員諸公から名指しで批判を受けているわけです。そのくらい熱心に国会改革についてわが党は取り組んでおる、こういうことでもあるわけでありますけれども、総理として、また自民党の総裁として、国会改革について、非常に国民は注目しているわけですね、関心を持っておる、そういう国民の気持ちを総理としてどう尊重されるか、どう取り組むか、それからまた金のかかり過ぎる選挙に対して、政治姿勢を正す、倫理を正すというだけじゃなくて、やはり二度、三度そういう大きな政治的な問題が起き得ないよう政党法の制定でありますとか、そういう問題に対しても総理がどういう御見解にあるかということもひとつ最後に承っておきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 行政改革に対する国民世論の高まりの中におきまして、国権の最高機関である国会につきましても、現状のままでいいのかどうかという素朴な疑問が出ておるということは事実であろうかと思います。そして、国会におきましても、進んで議会制度協議会であるとか、あるいは議運の段階におきまして、特に国会の特権的な問題あるいは国会運営の能率化の問題、それから政治倫理の確立の問題等々各般にわたりまして国会御自身がいろいろ御検討を進めておる、論議を深めておる、そこから各党合意の中で結論を出していこう、こういう機運が高まっておりますことは、私、大変結構なことだ、こう思っております。そういう中で山口さんの会派等が熱心に御意見を出していただいておるということにつきましても敬意を表しておるところでございます。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて山口君の質疑は終了いたしました。  午後零時三十分より再開することとし、休憩いたします。     午前十一時三十一分休憩      ————◇—————     午後、零時三十二分開議

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は、鈴木内閣の最大の公約であります財政再建問題に焦点を合わせて質問をいたしたいと思います。その前に、少しく予算編成のあり方についてお尋ねをいたしたいと思います。  その第一は、いわゆる予算編成に当たりまして、大蔵原案と称するものができまして、正式な政府予算ができ上がるまでの間、いわゆる予算折衝によって政府案が正式に決定されることになっておりますが、これは、結論から言いますと、予算案の提出権を持っておる、政府原案を出す立場から言いますと、非常に権威を失墜しておるものではなかろうか。この間、約一週間あるのか十日あるのか知りませんが、さまざまな形で陳情行動が展開をされる。声の大きい者、圧力団体と称するそういう力のある者、あるいは端的に申し上げて政府・与党と非常に関係の深い諸団体からの要求等については、これは結果論として、大蔵原案を修正する形で政府原案ができるわけでありますが、こういうあり方は、行政改革時代と言われる今日の情勢下ではなじまないやり方ではないか。少なくとも、地方自治体から、あるいは各種団体からという形でかなり多くの人たちが陳情行動を展開する、これは諸経費を節減するという立場から見ても、私は問題があるのではないかと思いますが、政府の見解をまずただしたいと思うわけであります。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 御承知のとおり、予算の復活折衝というのは、長い慣例で、旧憲法時代から実はやっておるのも事実でございます。大蔵省は各省庁から予算の要求を受けますが、それを政策の内容、緩急等をよく見ながら査定をして、まず大蔵原案というものをつくるわけでございます。しかし、その個々の内容というものは非常に複雑多岐にわたっておりまして、大蔵省だけが一方的に意見を聞かないで切ってしまうということはなかなかできない。したがって、財源とにらみ合わせながら、各省庁との協議を経て詰めていくという過程があるわけであります。それが復活折衝の過程でございます。  私どもとしては、特に総理の御指示もあって、予算の陳情運動というものは控えてもらいたい、特に、ややもするというと、予算を削減された各省庁は、団体に話をして、団体が陳情団を繰り出すというようなことは、過去においてなかったとは言い切れない、そういうことは困る、そういうような陳情運動があったからといってふくれるものでもないし、それは極力抑制してほしいということは閣議でも言っておったところでございます。したがって、ことしなどはそれほど多かったと私は思っておらないわけでございますが、やはり陳情が絶えないことも事実でございます。  与党との関係においては、内閣の直接的な支持母体でもございますし、常日ごろいろいろ協議をしてやっていく、いわゆる議院内閣制というものをとっておりますから、党の公約というものはやっぱりある程度反映せざるを得ないというようなことで、しかし、政府には政府の立場がある、どこらで調整するかという問題もございまして、党との調整というものも幾つか出てくるということも事実でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は、先ほども言いましたように、行革を進めつつある今日、地方自治体、あるいは諸団体を含めて、半ば陳情政治を助長するような、そういう予算編成のあり方については再検討を加えてもらいたい。このことを強く要望をいたしておきます。そうしないと、強い者勝ちの予算になりがちでないか。党利党略的な予算になりがちではないか。私は、政府原案といえども、むしろ声なき声を、どう正しい要求を政府原案の中に盛り込むかということが大事であって、陳情行動を強く展開したからそのことによって政府原案が左右されるべきものではないと、こう思いますので、この復活折衝なるものについての再検討を強く要望しておきたいと思います。これは後でひとついま一度総理の所信も聞かしていただきたい。  次に、私は、最近予算編成のあり方を通じて、今日財政事情が御承知のようなことになっておりますから、結果的にはそういうことにならざるを得ないという悪い方向に進んでおるわけでありますが、いわゆる予算の単年度主義、また予算の会計年度独立の原則という二つの財政法の立場から考えましても、最近、俗に言うツケ回し、後年度負担というものが非常に多過ぎるのじゃないか。これは財政民主主義の立場から見て、この予算編成のあり方に対しては根本的な改革をやる必要があると思います。私ども、この後年度負担と称するものについては、財政法のたてまえからいけば、いわゆる継続費あるいは国庫債務負担行為というようなものに半ば限定されていたのが財政法の立場ではないかと思うのですけれども、ことしから実質的に始まります行革絡みの中で出てまいりました後年度負担、ツケ回し、防衛庁予算の一兆七千五百億を筆頭にさまざまな形で後年度負担がふえておる。もうすでに、言うまでもないところでありますが、国債発行それ自体がツケ回しの予算でありますけれども、最近、いま私が指摘いたしておりますようなものを含めて後年度負担というものが多過ぎる。  こういうことになりますと、財政法の単年度主義の立場から見ても、いわば国民の立場から見て、予算の中身というものが非常にわかりにくい、国民の立場から、政府予算に対して正しい意味における監督をする、あるいはその予算執行に対して正しいコントロールをやっていくという財政民主主義の立場から見て、これはきわめて問題があるのではないか、その点に対する見解を聞かしてもらいたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 予算の歳入というものは、原則的に言って租税などによって賄われるべきものが私は原則だと思います。望ましいと思っております。  いま、いみじくもお話があったように、国債発行そのものがツケ回しじゃないかと言われますと、それも、私はそういう考え方があると思います。税収で賄うべきものを何らかの事情によって税収で賄い切れないということでやっているわけですから、したがって、こういう国債発行というものも、やむを得なかったときには仕方がないとしても、これを極力減らしていくというのは当然だと私は考えております。  それから、いま、たとえば防衛庁の予算に関して、継続費、それから後年度負担、国庫債務負担行為の問題が取り上げられましたが、これは御承知のとおり、船のようなもの、そういうようなもの等は単年度で現金化することができない、したがって、ある程度これはやむを得ざる措置である、しかし、これがのべつ幕なし後に大きくかぶさるということは、これはいけないことでありますので、節度を持ってやらなければならぬ、そう考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これで時間をとりますと、後の本論の質問に制約が出てまいりますから、次へ進みたいと思いますが、ただ、いま最後に大蔵大臣が答弁しましたように、もう後年度負担それ自体が、たとえば五十七年、特に五十八年度の予算という形で、ここ二、三年来の鈴木内閣の公約しておる五十九年赤字公債発行ゼロ、こういう再建計画にも非常に大きな影響を与えてきつつある、そういう立場からも、この後年度ツケ回しというものに対しては、きわめて厳正な立場で対処すべきである、このことを私は重ねて要求いたしておきます。そうしないことには、法律上は、政府のことですから私は法律違反をやっておるとは言いませんが、財政法の精神から言うと、実態論として財政法違反の予算編成にならざるを得ないという性格を持ってきておることは、これは重大な問題である、このことを私は指摘いたしておきたいと思います。  さて、これから質問をいたしたいと思いますことは、各党からさまざまな形を通じて、鈴木内閣の財政再建の方途とその実態について質問がございました。私も、本会議以来、ずっと政府の答弁を聞いておりまして、非常に残念に思いますことは、野党の側からきわめて謙虚に、財政見通しについても、政府がいま予算措置を講じておる以上に、五十六年度でいえば税収不足が生じるのではないか、五十七年度の計画においても、その税収見積もりは過大ではないか、あるいは景気見通しにおいても、これは少しく過大ではないか、こういうような立場からきわめて謙虚な質問がございましても、それに対して、先ほどの午前中の大蔵大臣の答弁に代表されますように、景気見通し等については、財政収入の見通しを含めて振れがあるのはやむを得ないのだと、聞きようによっては、それはもうあたりまえなんだと言わんばかりの前提に立ってこの予算を編成し、提示してきておるのじゃなかろうか、こういうふうにさえ受けとめられるわけであります。  私は、このような基本的な態度の上に、その場逃れの答弁のやりとりの中でこの予算案を審議するということになれば、そのこと自体、予算委員会としてもこれは非常に重大な問題じゃないか、こう思うわけであります。  私は、まずその基本姿勢について総理から、午前中の大蔵大臣のあのような態度に対する、考え方に対する見解をひとつお伺いをいたしたい。その上で具体的な質問をいたしたいと思う。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いま、税収の見積もりが五十六年度の予算補正に見られるように狂っておるのではないか、それについて政府はもっと責任のある態度でこれに取り組むべきではないかという御叱正がございました。  私どもは、税収等につきましては、経済がいろいろ変わって動いております、国際経済の影響も非常に大きく日本経済の運営に投影をしてくるというような問題、国内的にもいろいろ問題がございます。しかし、そういう中で税収見積もりをいたします場合におきましても、あらゆる資料、データに基づきまして、そして専門的な立場からも掘り下げた検討をして、あとう限りその時点における実体に近いものをひとつ算出をするという努力をしておりますことは御承知のとおりでございます。  午前中に大蔵大臣が、経済は生き物である、であるから予想どおりにはいかないのだというようなことを言ったということを御指摘でございますけれども、そういうことではございません。大蔵当局としても、税収見積もりにつきましては、あらゆるデータに基づいて、そして真摯な態度で掘り下げた検討を加えて、まあ人事を尽くすといいますか、最善を尽くしておるということを御理解を願いたい、こう思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は言質の食い違いをこれ以上取り上げようとは思いませんが、少なくとも、われわれの立場から、これだけ歳入欠陥が生まれているじゃないか、その原因はこういうところにあるんじゃなかろうか、また今後の見通しについても、具体的にこういう事情の中でこういう歳入欠陥が生まれるとすれば、むしろそういうことを前提にして、政府としても謙虚な姿勢で対応策を講じていく、相互にそういう基本的な態度で予算案を審議するということでなければ、私は本来の予算審議はできないと思うわけであります。そういう基本的な認識の上に立って、ひとつこれからの政府答弁は、率直に申し上げて、きょうのこの委員会を何とか切り抜ければいいんだ、俗に言う国会対策、国会運営上の技術問題として処理するのではなくて、やはり本音を出し合って、そして事実認識においては共通の事実認識の上に立とうじゃないか、そういう上に立って答弁をされることをまず強く要求をいたしておきます。  その上に立ってお尋ねをいたしたいのですが、鈴木総理、五十九年度までに赤字公債をゼロにする、この公約は本会議以来必ず守る、こう言われてきたわけでありますが、必ず実現できるかどうか、守るかどうかということと、それと、その公約が五十六年度の今日段階で、そう公約はしてきたけれども、事実問題として崩れておるんじゃないか、私どもはそう見るわけであります。その認識についてひとつお聞かせ願いたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 五十九年度までに特例公債依存のこの体質を脱却をしたい、これが行政改革を私どもが目指し、さらに財政の再建として取り上げた際における目標でございます。この趣旨は、御承知のように、昭和六十年度から特例公債の償還が始まるわけでございます。その際におきまして、特例公債の償還財源を、これも特例公債を発行して賄うというようなことでは、これは財政が本当に破綻をするというような事態になるわけでございますので、どうしても五十九年までにこれをなし遂げたいというのがその目標であるわけでございます。  御承知のように、五十五年度、公債の依存度が三四%でございましたものを、五十六年度予算におきましては、それが二六・幾らというぐあいになりました。そして五十七年度予算におきましては、公債依存度が二一%というぐあいに、非常に厳しい条件の中ではございますけれども、私どもは着実に予算の中における公債の依存度を下げてきております。  それからさらに、公債の発行の減額にいたしましても、五十六年度二兆円をやったわけでありますが、それは先ほど来御指摘がございましたような税収が伸びなかったというような狂いもございまして、これを補正予算で修正をしたわけでありますが、今年度は一兆八千三百億というものを行いました。したがって、五十八年度、五十九年度におきましては、二兆円未満のものではございますけれども、相当の公債発行の減額をやらなければいけない。非常に厳しい重いこれは事情に置かれておりますが、行財政改革を思い切って今後も行うことによって、五十八年度、五十九年度二カ年における公債の減額というものは所期の目的どおり達成をしたい。そして五十九年度特例公債依存の体質から脱却するということは、これは私は内閣を挙げてこれに取り組み、国民に対する責任を果たしたい、このように決意をさらに新たにしております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は決意のほどはわかっております。しかし、財政再建初年度と言われる五十六年度において、これはもうすでに指摘をされてきておるところですが、赤字国債の減額が、先ほども言われておりますように、三千七百五十億という、まるまるこれは赤字国債、建設国債を含めますと、かれこれ七千八百億の国債を増発したことになるわけですよ。だから、もう赤字国債だけで三千七百五十億。これは五十六年度でそういう処置を第一次補正でやっておりますけれども、実際的には歳入欠陥がそういう形で出てきたものですから、五十九年度までに行く過程で、五十七年度の予算では、最初は一兆八千三百億の赤字国債を減額するというやつがこれまた約三千億、三千億これは狂いが出てきておるわけでしょう一そうすると、両方で約七千億というものが赤字国債としてここに減額がそれだけできなくなるということが数字であらわれてきておるわけです。これはもうごまかせない数字ですよ。  そして、それに続くものは何かと言うと、ここが私は一つの第二の問題点だと思うのですが、これまた各党から指摘いたしておりますように、今後の税収がどれぐらいあるんだろうか。これは具体的な計算は私ども社会党としても試算をいたしておりますが、A案、B案、C案という形でやってみて、いわゆる十二月以降の税収が一五%伸びる、十一月までは御承知のように九・八%の伸びだった。これが政府の当初見積もりでいきますと、二〇%伸びる場合と、一五%程度伸びる場合と、それと一〇%程度伸びる場合と、三つに分けますと、まあ政府の言う言い分を入れて、十二月以降は三月末までかなり伸びるだろうということを要素に入れて考えましても、そこに出てくる歳入欠陥というものは、最低一兆円から一兆五千億というものが出てくるわけですよ。そうすると、これは明らかに、初年度において二兆円の国債発行を減額するというものが、ここでそういう財源の不足ができれば、これをどうするのだ、こういう問題が起きてまいりますね。これは起こってきます、どうしても。  その問題に触れると、五十九年度までに赤字国債をゼロにするという鈴木内閣の公約が崩れるものですから、そうすると、そこで政治責任を問われるということで、ずるずるっとこう逃げを切る形の帳じり合わせの、数字合わせの補正予算というのがこの五十六年度の予算の性格であり、そしてまた五十七年度の予算の性格になってきておるのじゃないか。したがって、二兆円の国債を少なくしていくというこの第一段階における公約とも言うべきものが、もうこの段階で破綻しておるのではないか、こう思うわけですが、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これも先ほどから議論のあるところでございます。われわれは一定の経済見通しのものとで二兆円の国債減額というものを目標にやってきたわけでございますが、物価の極端な鎮静化、景気の立ちおくれ、こういうようないろんな原因がありまして、税収が物品税、印紙税を初め約四千億円程度減収になるという見通しが立ったので、それに対応してその分は赤字国債を発行することにしました。本来ならば、不用額あるいは予備費等を使って対処できないかということもございますが、五十六年度予算そのものがかなり厳しく締めつけた予算でございますし、そのほかに、御承知のとおり史上最大の冷害あるいは台風、こういうような突発事故があった。それからベアの問題ももちろんあるわけであります。そういうようなことで、それらは節約や予備費で大体対応してしまったものですから、その冷害でも、たとえば農業共済のように七百億円も新たに持ち出さなければならぬということは考えていなかった。そういう問題も含めまして、約四千億円の赤字国債を出したということは事実でございます。また、物的災害については二千六百億からの建設国債を出して、合計六千三百億円出した。したがって、二兆円の赤字国債の減額というものは、それよりも三千七百五十億円少ない分、一兆六千五百億円ぐらいのものしか完全にはできなかったということは言えるわけであります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 少なくとも五十九年度からは赤字公債は発行しない、そういう財政方針を国民に公約したことだけは間違いない、そうですね。その前提に立って、五十六年度はどうかといえば、二兆円は減額しましょう、五十七年、五十八年は一兆八千三百億ずつやりましょう、この計画が狂ったことだけは間違いないわけですね。そうでしょう。来年度予算に一兆八千三百億といったのが一兆五千六百億しか赤字国債を減額することができなかった。これはもう数字の上で、両方つないだら約七千億程度のものが赤字公債の減額が失敗したということ、この事実だけは否定できないのですよ。このことだけは認めるのかどうか、まず第一段階として。どうですか、認めざるを得ないでしょう。それだけ答えてください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは、前のものはいま言ったとおりでございます。  それから、五十七年度の分は全額が赤字国債でなかったということについては、ゼロシーリングの中で要するに物件費、たとえば文部省の学校その他の施設費を節約したことによって建設国債が浮いたというようなことがあります。あるいは建設省のように、自己財源がうんとふえたから不足財源が要らなくなったというものもあります。したがって、一兆八千三百億円を全額赤字国債を切って、そのほかに要らなくなったこの四条債二千七百億円近いものを乗せれば、二兆一千億からの国債減額をしなければならない。現実には、これは歳出カットが現在でもかなり厳しいと言われる中で、さらに二兆一千億円のものを五十七年度で切るというようなことは、いろいろな別の議論を呼ぶという問題もあり、経済の動向とも絡め、今回は一兆八千三百億円を国債減額、その中には一部四条国債が入ったということであります。  したがって、要するに残りの来年、再来年の分については、五十九年度脱却という点は、一兆八千三百にその不足分が上乗せになりますから、一兆九千何がしのものを目標にしなければならないということになります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 いま大蔵大臣の答弁しているようなことは、もうわかっているのですよ。私が質問しているのは、現実的に赤字国債を二兆円減額するというものがもう狂ってきておるじゃないか、それが五十六年度では三千七百五十億出て、五十七年度の予算の中にずれ込む形で二千七百億という赤字国債の減額分がそれだけ減っておるじゃないか。その事実は認めるでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 それは認めております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 予算の性格はそういうふうになっている。ですから、初年度でいわば計画に約七千億の狂いが出てきておるわけですよ。そして五十六年度、それではさっき言った税収見通しの問題については、私、具体的な資料を持っておりますが、それは繰り返しません。しかし、どうでしょうか。政府・与党の中からも、あるグループからは二兆五千億ぐらいの歳入欠陥が出るだろう、安倍前政調会長、今日通産大臣ですか、安倍通産大臣も一兆円程度の不足が出るだろう。福田前総理はなかなか利口ですから露骨には言っておりませんけれども、財政通である福田さんまでがちゃんと見越して、もう第二次の歳入欠陥が生まれるだろうということを指摘しておる。そうして、この国会審議を通じて各野党ことごとく、五十六年度の歳入欠陥は今後最低一兆円以上ぐらい出るだろうというのは共通の認識なんですよ。この見通しをはっきりしないで、五十七年度の予算を審議しろといっても、これはできない相談じゃないですか。しかも、午前中の質問じゃないですけれども、今後の歳入欠陥が生まれた場合にどう対応するのだという対応策についても、まだ具体的な考え方を示していないのですね。  私は、いま一番大事なことは、経済見通し全体を含めて、歳入欠陥が起こらないという事態が想定できるのであれば、これは大蔵大臣なり鈴木総理の言われることでいいと思うのです。みんな、いま国会議員だれ一人として否定できないことは、五十六年度の歳入は、税収は不足するだろうという認識については一致しておると思うのです。そういうことになれば、その歳入欠陥が生まれたときにどうするのかというこの前提に立って、今国会が審議するのはあたりまえじゃないですか。それを余りにも、ああでもない、こうでもないといって——それはあなたが言われることを全面的に否定しませんよ。しかし、どの角度から見ても、一兆円ないし一兆五千億円程度のものが歳入欠陥として生まれる。場合によっては、これは赤字国債をまた発行するか、二兆円赤字国債を減額するというものがもうすでに減っておりますけれども、それをまたダウンしなければどうにもならぬところまで来ておるのじゃないですか。そういう事実問題について、事実認識についてあなたは認めるのかどうかということですよ。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 それは見積もりの問題でございまして……(藤田(高)委員「単なる見積もりじゃないよ」と呼ぶ)いやいや……。  そこで、物品税その他の落ち込みを専門家が計算をして、それで四千億円程度の減収になるだろうという見通しが立てられて、その分を補正を組んだ。先ほどもお話があったように、では法人税とか所得税とかの方は減収の見通しが立っていないじゃないかというお話がありました。それにつきましては、御承知のとおり、十二月の決算、一番多いのは三月決算、こういう決算が出てみないと——所得税は二月から三月ですね。これはいまのところでは実際はわからない。わからないから、幾ら減額するといっても減額のしようがないというようなことで、われわれとしては、つい最近の状況等を見ると、ややよくなってきておるというような点から考えて、今回は四千億円の減額で足りる、こういう見通しを立てておるわけです。  それらのいきさつについては、専門技術的な立場から主税局長から説明してもらいます。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 お答え申し上げます。  現在の時点での税収は、十一月末までしかわかっておりません。予算額は三十二兆二千八百四十億でございます。入りました税金が……(藤田(高)委員「十一月までは皆わかっているんだよ」と呼ぶ)十二月はしばらくするとわかるかと思いますが、好転した数字が出ますけれども、まだ確定数字ではございません。したがいまして、四六・三という進捗率、入り方でございまして、約十五兆しか入っていないというのがいまの段階であるわけです。特に申告所得税は三三%・三二・七でございます。それから法人税が三七・二です。したがって、今後どうなるかというところが最大のポイントでございます。しかし、半分ぐらい入った時点で今後を見通すというのは非常に至難なわざでありますが、われわれは最善の努力をして見積もっておるということしか申し上げられませんけれども、今後どういうふうに、特に法人が伸びるかという点にかかってきます。これは御指摘いただいていますように、今後の伸び率のところに相当期待をせざるを得ないのですけれども、法人のいままでの伸びは若干減ぐらいできています。今後相当伸びないといけないわけで、昨年の数字を見ましても、やはり終わりころになって法人が入っています。したがって、その辺、特に五月分の税収がどうなるかが、三月期決算がそこに入りますので、そこに最大のポイントがございます。昨年は三六・五%上がっておりますので、この辺が必要だと思います。  もう少し時間をいただければ詳しく御説明をいたしますが、補正をいたしましたところをまず申し上げます。  昨年の決算のところで、五十五年決算が剰余が出るかと思っていたのが、予想よりも二千七百へこみました。それを受けてことしが走っているわけでありまして、物価の点での影響を受ける名目に対してかかる物品税の従価税的なもの、それから印紙税等、これはどうしても落ちっ放しで回復し切れないという感じが強いわけでございます。それから関税の方も、やはり価格安定と国内需要の停滞がございます。源泉の方でも、中小企業を中心に賃金が伸びないということがございまして、これはやはりはっきりしたものを直すのが正しい、これを直さない方がむしろおかしいというのではっきりしたものは直したわけで、問題は今後にかかっているわけであります。  そこで、四千億なにいたしましたけれども、今後の動向というところが問題になってきます。いままでは非常に低くきています。これは業績のばらつきがあって、いままで悪い業種がわりに多かった。それから法人の延納というのが金利の影響で昨年に入りましたので、ことしは少なく税収があらわれておる。申告は、予定納税でございますので、三月のところが……(藤田(高)委員「そんなことわかっているんだ、そんなこと一々」と呼ぶ)とは思いますけれども、三月のところは低く出たものですから、予定納税、低くきていますので、これが今後の確定申告で差額が出てくるということになります。  それから、今後のところでは景気の動向が最大のポイントですが、五十五の下と五十六の上はへこんできました。それが五十六の下で回復するというのが共通の認識ですから、どういう角度でそこが回復するか、これがポイントであります。超過勤務の時間とか、それから鉱工業指数とか、物品税の中で最近は非常な伸びを示しておるものがございます。特に自動車系統が今後どう動くか、これは物品税の方にはいい数字であらわれていますので、十二月税収ではこれは近くお示しができるかと思います。  いずれにしましても、こういう今後の動向には明るい面もあるということを踏まえながら考えますけれども、見通しの困難さの最大のポイントは、さきのように五〇%に足らない時点で予算審議をしていただくということは、五十三年度改正で三月期決算の全額が、五月に入りますものが取り込まれましたので、どうしてもそこの部分が大きくて、しかもそれが変動するということで、そこで振り回されるという感じがございます。しかし、われわれとしてはできるだけの資料でそこをなにします。  それからもう一つは、申告所得税が不確定であるということでございまして、見積もりとしては非常に問題はありますけれども、われわれとしては最善の努力をした数字であるというふうに思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 質問の焦点に合わせた答弁いのですね。こちらの方も、個別的な項目から大体どういうものになるだろうかということは、やはり一定の検討はしておるわけですよ。  ただ、いまのような答弁でいった場合に、それでは今後の見通しとしてもうこれ以上、この補正予算で組んでいる以上に歳入欠陥が生まれないのか、マイナスが出ないのか、それともプラス・マイナス大体ゼロぐらいになるのか。いま言ったことを聞いておりますと、場合によったら歳入欠陥じゃなくてプラスになるかもわからない、このようにさえ聞こえるわけですよ。わからない、わからないなんと言うのであれば、いつわかるんだ。財政当局の大蔵省を中心にこれだけ膨大な機構を持っておって、二月の段階が来て、それは一部法人税のようななにはありますけれども、これから歳入欠陥が出るだろうか、出ないだろうかという、その判断ができないようなことでどうするのですか。  そんなことを、財政当局がそう言うからといって、内閣までがそれに乗っかってわからない、わからないでこの国会を切り抜けるなんということは、断じてわれわれは許すことはできないですよ。そんな、わからないということだったら、こっちも言うことはわかりません、聞こえません、こういうことにならざるを得ないでしょう。そこはどうですか。それはもう審議できないですよ、そういうことであれば。だから私は、基本認識として、もう少し本音を出し合ってやろうじゃないか、こう言っておるのですよ。これは大蔵大臣、言ってくださいよ。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 先ほどのように、補正を立てましたので、補正の金額でわれわれの見積もりは正しいと思っておるということを、われわれの責任として申し上げます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員大蔵大臣 総理、どうですか。その認識に間違いありませんか。それが間違いないと言うのであれば、他の野党の諸君もわれわれもこれだけ具体的にこう言っておるのだけれども、もし、その赤字が現実的に出た場合の政治責任はどうとりますか。いまの答弁でいったら、もう四千億以上の赤字は出ないという答弁に聞こえるのですよ。内閣までがその前提に立って五十七年度の予算を組んでおるとすれば、今後歳入欠陥が生まれたときにはあなたたちはどういう責任をとりますか。その責任問題、とり方を含めて答弁してください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 御承知のとおり、経済見通しがむずかしいと同じように、経済と財政収入は絡んでおりますから、ぴしゃっとした数字というものはいままでもなかなか出にくかったことは事実でございます。それは、過去昭和四十年から五十六年まで、大体五、六%から一〇%ぐらいの上下の違いというものはずっとあるのです。多いときには、昭和五十年の二〇%という食い違いがマイナスで出たこともございます。現実問題として、過去の数字が示すように、ぴしゃっとしたことは、わからせようと思っても実際わかりづらいというのも事実なんです。去年のいまごろは、とてもこの数字では足らない、もっと増収が出るのではないかというのが実は大方の見方だったわけです。ところが、それに反しまして、先ほど言ったように、税の減収を見込まざるを得ないという状態になった。しかしながら、法人税、所得税という大物についてまだ申告期限が到来していないのが大部分だというような点から、これについてははっきりしたことはわからないから、あらかじめ予定したもので大体いけるのではないか。ごく最近の状況を見ると、法人税でも大手の中では比較的いいのもぼつぼつ出ておるわけでございまして、一遍に出そろう時期にならないとこれはよくわからぬというのが現実の姿でございます。  しかし、われわれとしては、それは幾ら幾らと言っても、ぴしゃっということはわからない。わからないけれども、一応予定として現在の予算に計上されたものでおおむねいけるというように考えておるから、いまそう申しておるわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 主税局長の答弁を聞いておりますと、この補正に出しておる以上もう狂いがない、こういうわけですね。ところが、大蔵大臣の場合は、いろいろ振れがある、振れがあるから見込みが立たないんだ、こういうわけですね。そこに認識のズレがはや出てきておりますね。私どもの言っておるのは、振れがあるのであればあるだけに、その振れの要因の中でも、大体この程度だったら間違いないだろうという安全率を含めて、マイナスが出るのか出ないのかという判断が出てくると思うのです。その判断が、私どもがいま指摘しておるように、約一兆円以上の歳入欠陥が生まれるだろう。それは大蔵省が検討しておる方向で、これは過去五年間の実績を見ても、所得税、法人税中心に十二月以降の伸び率を見ますと、御承知のように大体一五%なんですよ。一五%で計算をしても、一兆円以上の歳入欠陥が生まれるだろう、これは大変なことではないか。出た場合にどうするんだ、決算調整資金で穴埋めをしていくのか、国債整理基金なんという、これは実質的には国債発行と同じですよ。六十年以降国債償還に充てるべき財源として積んでおる。ところが、六十年以降というともう手の届くところでしょう。そこまできたら赤字公債を現金で返さなければいかぬ。そういうところまで手を突っ込んで金を借りようかというんでしょう。これは、そんなことをやったら、実際は赤字公債を発行するのと同じですよ、実質論としては。もし、私どもが指摘しておることを認めると、そういう対応策の中で、鈴木内閣の計画しておる財政再建方針が崩れたということになるものだから、あなたたちはここで、わからないとか振れがあるとか、こういう政治的な発言でごまかしておるわけです。それは、良識的な政治判断をもってしてもそう判断せざるを得ないのです。  そこまであなたたちがわからないということであれば、私どももわかる数字を出してもらって、これはきょう後でやるつもりでありますが、五十八年度以降の中期財政計画ですか、そういうものについての審議、あるいは肝心な五十七年度の政府見積もり、これ自身がまた大変なんですね。税の弾性値でも一・四七ぐらいでいっておるわけでしょう。あなたたちの実績論からいっても、過去十年間の実績をとってみても、税の弾性値は一・二じゃないですか。一・一五から一・二ですよ。それをあなたたちは、そのつじつまを合わすために一・四とか一・四七とかという数字を使って、そうしていま新聞あたりでも出ておりますように、「増税抜き財政再建事実上“崩壊”見通し」という悪名高い、これは信用の置けないものですけれども、いわゆる財政の中期展望というものが出ておるわけです。  私がいま指摘しておるような観点からいけば、あなたたちはこの試算では、五十七年度では要調整額というものが二兆七千七百億。この二兆七千七百億自身が、私どもの具体的な計算でいくと、後で私はよければ数字を発表しますけれども、約五兆円になるじゃないですか、約倍に。そういうふうに、いま指摘しておるところが出発点になるのですよ。そこの出発点になるところの事実認識をきちっとしなければ後の論議ができないのです。これはどう考えてもそうでしょう、まじめに考えて。  私はそういう意味で、いまわからないとか振れがあるということで、何だかごまかすような形でこの場を切り抜けることについては断じて承服することはできない。そんな無責任な態度でこの予費は審議できないですよ。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 見積もりとしては正しいと思います。  中期展望の方は、それは、新七カ年計画の伸び率九・五ですが、それを九・九に五十七を見直しますから、九・九掛ける一・二ということでございますので、機械的な計算ということでございます。  それから、歳入はあくまで見積もりだというのが歳出と違う点については御承知と思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これは、さっき私が質問しておりますように、主税局長の答弁と大蔵大臣の答弁にはニュアンスの違いがあるのですよ。こちらはさすが政治家です。ちゃんとわかっているのです、私どもの言っておることは。振れがあるとかわからないと言いながら、何らかの歳入欠陥が生まれるだろうということはこっちはちゃんと腹の中で言っておるのです。こちらは自分が言ったものだから、四千億以上の、この補正予算に出しておる以上の狂いはないようなことを言っておるのです。しかし、先ほどからいろいろな例を出して言っておりますように、これ以上の歳入欠陥が生まれることだけは間違いない。その場合にどうするのかということも含めて責任ある答弁がなければ、われわれは予算審議はできないと言っておるのですよ。これはどうするのですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは現段階においては、所得税や法人税の申告の状況がわからないから、われわれとしてはわからないという正直なことを言っているだけなんです。しかし、万一御指摘のような問題が出れば、何らかの処置はそのときにはしなければならない。しかし、私どもとしては、そこまではいま考えておらないということでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 大蔵大臣の言うようなことであれば、わからないという前提に立ってこの予算委員会は、五十六年度の歳入歳出の問題、そして、この肝心な五十七年度の予算審議に入らざるを得ないのですよ。しかし、おのずからそこには、わからないと言いながらも、一応判断できる条件というものはあるじゃないか。それを私どもが、私どもだけではなくて、先ほどから言っておるように、自民党の諸君の中にでさえ、あなたたちの内閣のバックボーンになっているとさえ言われている何とか派の元総理の研究団体のごときは、一兆五千億から歳入欠陥が生まれると言っておるじゃないですか。あなたたちの自民党内部でそう言っておるじゃないですか。その研究団体によれば、五十七年度は二兆五千億出る、こう言っておる。これは他党のことだけれども、きのうの自民党の総務会でも、私が先ほど言ったこの計画なんというものはきわめて無責任なずさんなものである、こう言っておるじゃありませんか。  こういう総合的な条件の中で、政治的な条件の中で、過去の実績あるいはいまの景気動向、そういうものからいって、約一兆円程度の赤字が生まれるのですよ。それは一兆円というものは八千億に減るかもわからない、ある場合には、田中元総理じゃないけれども、一兆五千億になるかもわからない。しかし、少なくとも、ここで大方のコンセンサスを得ておるのは、相当な歳入欠陥が生まれるということだけは事実です。そういう見通しの上に立って五十七年度の予算を審議するのかどうかという、いま起点に立っておるわけです。そのことをはっきりしないでわれわれに審議せいと言ったって、それは無理ですよ。私は少なくともできない。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私がわからないと言うのは、正確なことは断定しかねるということを言っただけであって、予算については見積もりでございますから、歳入は見積もり、歳出は歳出の最高限の決定でございますから、したがってそれについては、わかったのは、物品税とか印紙税のように毎月月報が出て、そういうようなものはわかりました、それはわかりますから、その分は減額をいたします、それから、法人税、所得税については、これから申告は大半のものが行われるわけですから、それが出てみないことにははっきりした正確なことはわかりませんが、われわれとしては、おおむね見積もりどおりのものが現段階においては得られるものと思いますということを言っておるわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 重ねて申し上げますが、この点の認識において、大方のその見通しについて、これは五千億穴があくのか、一兆円になるか一兆五千億になるかはともかくとして、そういう大まかな認識において、共通の認識に立たなければ、五十七年度、私はここに詳細になにしていますけれども、仮に一兆円だったら一兆円の穴があくということになると、さっき指摘したように、税収の面に、弾性値一・二だったら二で計算した場合は、政府の見積もりの二兆七千億の約倍に匹敵する五兆円という要調整額、穴があくのですよ。こんなことしたら、五兆円からもし出た場合にどうするのだということになってくるわけでして、五十七年度の予算を審議する場合に、これはもう重大なかかわり合いを持つのですよ。そんなことがはっきりしないでいけますか委員長。これはもう絶対審議できませんよ、その点はっきりしてもらわなければ。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 予算に掲げてあります補正後予算というのは、見積もりとしてはわれわれとしては正しいと思っています。ただ、見積もりであるという性格であるということの前提で、われわれはあらゆる資料を使って正しいと思って出しておるわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 関連して。いまの討論を聞いておりましても、来年の税の見積もりにしても、いままでの例が大体一・二またはそれ以下です。それを来年度は何で一・四七ですか、それだけの弾性値が見れるのです。内需がどれだけ盛り上がるかといったところで、いまの見通しは最大限皆さんの希望意見を入れて五・二、それだってどなたが見たって私は無理だと思うのです。  そういう中で、特別に弾性値だけが飛び抜けた弾性値をつくっておるような、数字合わせだけであって、一つもわれわれには納得ができない。その辺をちゃんとしてくれなければ、この予算を責任を持って国民のために審議するなどというわけにいかない。もう一遍政府の方で出直してもらわぬと、これは審議ができません。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 お答えいたします。  弾性値で直ちに出しておりませんので、やはり経済見通し、それから関連指標、税収の各税目についての実績からの推定、それから聞き込み、あらゆる手段でやっておりまして、結果的に弾性値が出ますけれども、おっしゃるとおり一・六一でございます。しかし、一・九五という年も二回ほどございますし、一・九五というのは五十四年度ですが、また、経済の伸び率と弾性値は直結いたしていません。そういう意味で、直ちに弾性値を用いて計算したということはございません。中身として計算した結果が、われわれとしては妥当な五十七年度、その前提の五十六も正しいものとして見通したということでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私の言っておるのは、税の弾性値を一・二あるいは政府が一・四七だったら四七、非常に高いものをとっておる。こういう審議をするにしても、そこへ入れないというのですよ。五十六年度のこの予算において今後どういう歳入欠陥が生まれるのか、全然生まれないかによって、五十七年度の予算に重大な関係を持つのですよ。それが二兆円以上にもあるいは二兆五千億にも五十七年度には影響してくるわけです。その認識においてはっきりしたものを出してもらわなければ、五十七年度の予算自身が審議できないじゃないかということを言っているわけですよ。私はそういう意味で、これは具体的なものを出してもらわない限りできない。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 繰り返して申しわけありませんが、五十六年度の税収としては、補正後としては、見積もりとしては正しい。また、その前提に立って五十七年度も予算の基礎の数字がわれわれは正しいということでございます。(「狂ったら責任をとるのかとらぬのか、はっきり答弁しなさい」と呼ぶ者あり)税収は私が責任を持って見積もっておりますので、見積もりでございますので、どうなるか、これはいままで振れがございます。しかし、その見積もりの責任は私にございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は、役人にそんなことを言ったら大変失礼な言い分だけれども、これは君たち役人の責任を問うておるのじゃないのだよ。そんなこと、あなたは私が問うていないことを何を言うんだい。私の問うておるのは、責任論の問題では、そういう事態が起こった場合には大蔵大臣がどういう責任をとるのだ、内閣の責任はどうなるのだということになるのでね、ああいうよけいな答弁をさすこと、委員長おかしいですよ。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 それは、部下が責任を持つものは大蔵大臣が責任を持つのはあたりまえでございますから、それは見積もりについては、見積もりというのは非常にむずかしいのですという話を先ほどから前の例も挙げて言っておるわけです。  しかしながら、いろいろみんなで、たくさんな人が集まって、いろいろなデータを分析した結果、そういう結論を出しておるわけですから、私がそれを承認しておるわけですから、私の責任において見積もつておると言って何ら差し支えないし、当然私が責任を持って決着はつけたいと思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 それでは、私が指摘しておりますような事態にならなければこれは一番いいと思いますね。それはいいと思うのです。しかし、私は少なくとも、見通しの問題になりますが、歳入欠陥が生まれることは必至だ。その事態になれば、それはいろいろな形の処理があるにしても、この国会審議の経過から言って、大蔵大臣を中心とする政治責任が生まれることも私は事実だろうと思う。その場合にどういう責任をおとりになるか、これは十分予見されることですよ。どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 見積もりは、そのときに与えられたいろいろなデータに基づいて専門的に検討してつくるわけでございますから、その結果について、見積もりが違うということはいままでに前例もたくさんございますし、私が責任を持って処理をいたします。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 責任を持って後のやりくりをやる、財政調整資金でやるのか決算調整資金でやるのか、そういうことを言っておるのじゃないのですよ。そういう鈴木内閣の財政再建計画に重大な支障を与えるような見通しのそごを来した場合の政治責任の問題ですよ。どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 結論が出てから、私がしかるべき責任をとります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 鈴木内閣の公約にも重大な影響が出てくるわけですが、そのときはどうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 財政再建は必ずやります。それに対しては、私は政治責任を、やれない場合はとります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 さすが私は鈴木総理は非常に誠実な方だと思うのです。ただいまの御発言は、私は政治的にはきわめて重大な御答弁であったと思います。みずから公約した財政再建に重大な支障を来すような、私がいま質問をしておる経過から言えば、重大な歳入欠陥が生まれて、鈴木内閣の当面公約した財政再建計画に重大な支障が起こった場合には鈴木内閣は政治責任をとる、こういう御発言であったと思うのですよ。そのように理解していいですね。私は、そのことを確認できれば前へ進みます。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私の財政再建についての国民の皆さんに対する公約は、五十九年度に特例公債依存の体質から脱却する、こういうことです。私の国民の皆さんに対する公約は、今後五十七年、五十八年、五十九年を通じてこれを必ず実行する、それについては政治責任を持つ、こういうことを申し上げておる。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 いまの答弁を聞きますと、不誠実な鈴木総理、こういうことで、すりかえになったと思いますが、私は少なくとも五十六年度、五十七年度の段階で、いま私が指摘しておるような事態が起これば、これはもう重大な政治責任を問わざるを得ないということを申し上げて、以下前に進みたいと思います。  前段よけいな時間をとったものですから、五十七年度の予算の性格その他についてちょっと質問する時間も少なくなりましたので、そのものすばりでお尋ねをしたいわけですが、少なくとも、私が前段指摘したような形で五十七年度の予算を見てまいりますと、政府の予算案は、税収見積もりにおいて、名目成長率八・四、税の弾性値において一・四七、こういうものを前提にして予算をお組みになっておると思うのですけれども、これは間違いありませんか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 税の方の、これは結果的な数字ですが、弾性値は一・六一でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私どもは、税収見積もり三十二兆二千八百四十億、自然増収三兆九千九百二十億、増税分三千四百八十億で、当初予算の見積もり三十六兆六千二百四十億、こういうもので逆算をしてまいりますと、税の弾性値は一・四七という数字が出ます。しかし、細かい数字を、いま一・六とかおっしゃっていましたが、そういった違いはネグって計算をいたしますと、八・四の成長率で、過去十年間の実績をとって一・二で計算をいたしますと、歳入不足としてかれこれ七千五百億程度。世間では、この政府見積もりによる八・四の見積もりは高い、これは後ほど、この予算の性格にも関連して日銀の立場からも御見解を聞かしてもらいたいと思っておりますが、民間の権威ある研究機関ないし私どもの一つの想定からいきますと、大体一%ぐらい高いんじゃなかろうかという前提で計算をいたしましても、これまた一兆一千億ぐらいな歳入不足が生まれてくる、こういうふうに判断をするわけであります。この見通し自身はかなり過大なものじゃないかと思うのですが、これは経企庁長官の経済見通しを含めて、大蔵大臣の考えを聞かしてもらいたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 政府の五十七年度の成長見通しは五・二でありますが、民間の権威ある十五の機関の平均をとってみますと三・八になっております。したがって、一・四という差が出ておりますが、民間の見通しが出ましたのはおおむね十一月から十二月の前半でありまして、政府の予算、政府の経済運営方針、そういうものが決まる前の段階で出ておりますので、政府の政策は考慮の外にある、こう思います。  そこが一つの違いであろうと思いますが、いずれにいたしましても、一%強の違いがございますけれども、政府の方といたしましては、幾つかの経済政策を積極的に進めることによりまして、五・二%の成長ができるような、そういう経済運営をしてまいりたい、このように考えております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 経済見通しについてはいろいろ議論のあるところでございます。これは見通しでございますから。しかし、われわれとしては、それと財政というものはやはり裏表をなすような形になっておりますので、何としてもその見通しが実現できるように、いろんな面で、できる限りの措置を講じていくつもりでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 具体的な数字を挙げての質問は続いてやりますが、日銀総裁もお見えになっておりますので、時間を合理的に使う意味において、日銀総裁にお尋ねをいたしたいわけであります。  五十七年度の政府予算ができました直後、たしか十二月二十三日であったと思いますが、日銀総裁、記者会見をなさって、政府が策定をいたしております成長目標設定について懸念をされるような発言をなさっております。  また、同じような趣旨だと私は解釈しておるのですが、年が明けまして、一月六日の記者会見でも、調整インフレ論に反対するという立場で、物価の安定を強調する立場から、この政府見通しについてこれまた日銀独自の態度を表明されております。  こういう記者会見の中で発表されておりますその経済的な背景、また、政府の予算案の中に用いられておりますそういう経済指標、こういうものを含めて、日銀としてはどういう角度から御検討なさって、この日銀総裁の記者会見談話になったのか、このあたりの背景を含めて聞かしてもらいたいと思います。

前川春雄日本銀行総裁

○前川参考人 本年の経済運営の基本方針といたしまして、物価安定のもとに着実な景気の回復を図っていくということが基本であろうと思います。  御案内のように、対外的には貿易摩擦がだんだん深刻になってきておる状況でございまするので、そういう意味で、内需を中心とした経済成長が図られることはきわめて望ましい。そういう意味におきまして、政府見通しのような、いまお話がございました五・二%の実質成長、しかも、内需、外需のバランスを内需中心の方に移した経済成長ということを見通しとして持っておられるわけでございますが、それはいま申し上げましたような内外状況に対する認識あるいは政策目標というものを踏まえてお決めになったものであろうというふうに思います。私どもは物価の安定が確保できる、あるいは為替相場の安定が確保できるという前提のもとで、政府見通しのような成長が行われ、しかも内外需のバランスがとれるということはきわめて望ましい状態であろうというふうに思います。ただ、非常に不確定の要素がたくさんあるわけでございます。ことに来年度ということでございますから、これからまだ一年以上先のところまであわせて見通さなければならないわけでございまして、その間の不確定な要素というものは非常にたくさんあるわけでございます。したがいまして、そういうものも踏まえてどうかということでございましょう。実質五・二%の成長が不可能であるというふうに断定すべき材料もございません。これから政府の対応といたしましては、この目標達成のためにいろいろな対応をしておいでにならなければいけないことであろうかというふうに思います。  ただ、そういうことを考えました場合に、政策対応の選択の余地というのはきわめて狭い、乏しいものであることは御案内のとおりでございます。たとえば財政政策につきましては、なかなか財政面から景気面に対する対応をするという余地に乏しいわけでございますが、また、金融政策の面におきましても、かなり海外の金利は高くなっておりますので、内外金利差がさらに拡大するというようなことになりますと円相場が安くなり、円相場が安くなりますと、また貿易摩擦をさらに激化するというようなおそれもございますので、金融政策につきましても政策選択の余地はそれほど大きなものではない。そういうことから考えますと、成長目標ということが達成されることはきわめて望ましいということでございますけれども、その目標値にとらわれる余り、無理をして物価が上がる、あるいは為替相場が安くなるということは厳に戒めなければいけない事態ではないか、こういう意味でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 御趣旨は大方理解できたわけでありますが、これからの景気誘導策として、財政政策でやろうとすれば、いわゆる積極財政でやろうとすれば、これだけ国債発行をやっておりますし、これはとてもじゃないが財政的な立場からはできない。いま一つ金融政策の面でやるとすれば、端的に言って公定歩合の引き下げ、金利の引き下げということで景気を喚起するということに大別されると思うのですが、そういう後段の方を中心に、内需中心の景気浮揚策をとるにしても、いまの海外市場との関係で言いますと、アメリカの金利、一時下がっておりましたね。ところが、最近また反騰をし出した。そして、これはもうアメリカだけではなくて、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、西ドイツ、西ドイツはちょっと例外でありますが、イタリアを含めていわゆるヨーロッパ関係の金利も非常に高い。こういう情勢の中では金融政策でとる対応策というものにもおのずから限界が出てくるのじゃないか。そうかといって、そのあたりで景気を浮揚する策がとれなかったら、政府で言えば五・二というものに狂いが出てくるのじゃないか、こう思うのです。これは後で経企庁長官の御見解を承りたいわけでありますが、私は海外の金融市場から見て、政府のこういう五十七年度に盛られた経済政策というものには甘さがあるのではなかろうか、こう思うわけであります。いま一度、円レートの動向という立場から見て今後どうなるだろうかということ。  それといま一つは、諸外国がこのような高金利になっておる状態というものはどういうところに原因があるのだろうか。そうして、これは見通しの問題になりますけれども、今後のアメリカを中心とする金利動向について、日銀の立場から見ておる見解を聞かせてもらいたいと思うのです。

前川春雄日本銀行総裁

○前川参考人 金融政策は金利政策ばかりでございませんで、量的な対策というものもございます。私ども、一昨年の夏以来、金融政策の基本は緩和政策をとっておるわけでございますが、そういう基本の緩和政策に基づきまして、金利につきましては、御案内のように、一昨年の夏以来昨年の十二月まで四回にわたって公定歩合を下げてまいりました。現在公定歩合は五・五%という水準でございますが、世界で一番安いわけでございます。  一方量的な面におきましても、私ども金融政策の量的な緩和ということをやってまいりまして、市中金融機関の貸し出しについていわゆる窓口指導というものをやってまいったわけでございますが、ことしの一−三月から都銀、長銀等につきましても窓口規制をほとんど実質的に外したような政策をとってまいりました。その結果、量的には十分緩和しておるというふうに思います。  マネーサプライの係数、これは私ども第二次のオイルショック以来非常にマネーサプライというものに対する関心を強めておるわけでございますが、マネーサプライの状況も昨年の後半以降、前年比では大体一〇%ぐらいの上昇になっておるわけでございまして、現在の名目成長その他から見ますと、このマネーサプライの状況は金融が量的にも十分緩和しておるということを示しておるというふうに思います。  金利の問題でございますが、為替相場に対する影響、大分海外の金利水準が高い。これは海外のインフレがなかなかおさまっていないということとうらはらになっておるわけでございますが、海外のインフレ状況も一ころに比べますと峠を越えまして、少しずつおさまってきております。しかし、まだ一〇%見当というところが多いわけでございますが、そういうインフレ率が下がってまいりますのに応じて金利も下がってくるべき筋合だというふうに思っております。内外金利差が、何分にも日本の金利水準と海外の金利水準が非常に開いておるものでございますから、金がとかく金利の安いところから高いところへ動きやすい。その結果、円相場が安くなるということでございます。そういう傾向を持つということでございます。西欧諸国は御案内のように非常に失業が多くて、それに困っておりますので、そういう点から、インフレ率がおさまってきたのに対応して金利水準を下げたいという願望を持って、そういう政策対応もしておるわけでございますが、ことしになりましてアメリカの金利がまた上がってきたということで、私どもも、アメリカがリセッションに入っておりますから、アメリカの金利は下がるであろうという一つの展望を持っておりましたけれども、なかなかそのとおり実現しておらないというのが現状でございます。  アメリカの金利はこれからどうなるかという点につきましては、アメリカのマネーサプライがこのところまたちょっと年が変わりましてから飛び上がっておるものでございますから、これが一時的なものであるか、あるいはその他の理由によるものであるかというところの判断が基本でございます。アメリカ当局は、いまこれが一時的なものであろうという判断を政策当局者はしておりますので、私どもも、それが一時的であれば金利が、アメリカの景況あるいはアメリカのインフレ率の低下とともに下がっていくものというふうに期待しております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 後で関連質問が阿部委員の方からありますが、いま日銀総裁の御答弁に関連をして、アメリカの金利動向からいって、この政府の計画がやはり甘いのじゃなかろうか。円レートからいけば、二百十九円で五十七年度予算が編成されておる要素になっておるようでありますけれども、最近の傾向は何といっても円安傾向で、一時的なものだけでは判断できませんけれども、先ほど私が指摘しましたような状況からいって、円安傾向が依然として続いておるということになれば、せっかく内需中心でいこうとする、われわれも賛成です、内需中心で景気を浮揚さすということは賛成でありますけれども、どうも海外要因から見ますと、これはまた残念ながら輸出ドライブがかかるというようなことになってきて、政府が計画しておる内需中心のこの計画自身に大きな修正を加えざるを得ないんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。これは経済企画庁長官。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 先ほど、民間の十五機関経済見通し三・八%成長だということを申し上げました。しかも、政府の五十七年度予算それから五十七年度の経済運営方針、そういうものが決まる前に出されたということを申し上げましたが、そこで私どもも十五機関の経済見通しの内容をいろいろ分析をいたしました。  その結果、私どもが特に関心を持ちましたのは、三・八%成長というような場合の雇用はどうなるかということであります。もうすでに現在でも、当初政府が考えておりましたよりも十万人以上も失業者がふえておりますが、さらに二十万以上の失業者がふえるのではないか、こういう一つ心配な点が出てきたのでございます。  それから、民間の見通しでは、経常収支の黒字は平均二百億ドル、中には二百五十億ドルの黒字になる、こういう見通しのところもございますが、現実問題としてそういうことになりますと、貿易戦争でありますから、その前に政治的なトラブルが起こりまして、そういうことにはならぬと私どもは思いますが、民間の見通しではそういう経済摩擦が異常な形で拡大をする、そういう見通しが出ております。  それから同時に、経済成長が低いということになりますと税収も落ち込んでしまう、こういうことでございまして、そこで私どもも、昨年の秋ごろの水準をそのままほうっておけば、あるいはこの民間の見通しのような三・八前後になるかもわからぬけれども、それでは日本の将来が大変心配である。いろいろな政策努力を加えることによりまして、どこまで成長を高められるかということについていろいろ検討いたしました結果、政策努力をある程度加えていけば五・二%見当の成長まではできる。その場合には雇用問題もある程度解決できますし、国際収支の問題もある程度改善をされる、税収もある程度確保できる、こういうことで、政策努力を加えることによって五・二%見当の成長は可能であるし当面の問題が解決できる、こういう判断に立ちまして見通しを策定をいたしたのでございます。  つきましては、いまこの見通しが実現できるかどうかということでございますが、一つは、私は何回か繰り返して申し上げておりますが、第二次石油危機が起こりましてちょうど三年目にもなりまして、ようやく世界経済は一番悪い状態を抜け出しつつあるように思います。ヨーロッパの経済もアメリカの経済もいまが最悪の状態であろう、このように考えておりまして、権威ある国際機関あるいは各国政府の見通しも、後半から立ち直るということを言っております。特にOECDの見通しなどは、先進工業国平均三%強の成長になる、こう言っておりますけれども、私どもはその数字をそのまま決して信用しておるわけではございませんけれども、大勢としては世界経済は回復の方向に行くであろう、石油の需給関係も安定してきた、そういう背景のもとに、日本経済を幾つかの点で工夫を加えながら運営をしていけば、五・二%見当の成長というものは達成できるであろう、このように考えております。  もとより、繰り返して申し上げますけれども、世界経済は激動期でございまして、その影響も当然日本経済も受けますので、経済の変化に応じていろいろな政策の機敏かつ適切な運営が必要であろう、このようには考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私と関連質問ということでございましたが、時間的な関係がありますので、あと二十分ばかりして阿部議員の方から日銀総裁には質問することにいたしたいと思います。私の方は結構でございます。  さてそこで、これは、景気見通しにつきましては、先ほどの税収入の見通しではございませんが、やはりそこには見通しにおいて一定の違いも出てくるかもわかりません。私どもも五・二%というような目標で、それを達成するために内需中心で所得も上げていく、住宅も百三十万戸建設に向けて実現できることを望んでおります。雇用の問題なり、あるいは税収の問題等を考えて、そういうことになれば一番いいだろうと思うのですけれども、しかし、これまた内需を振興する場合の一番大きな原動力をどこに求めるかということになれば、これは民間に求めざるを得ないですね。そうすると、民間の見通しは、政府見通しよりも約一%以上みんな低いんですね。  私は半ば悲観的なことを言うようですが、先ほどの税収見通しではございませんが、いまわが国を取り巻いておるさまざまな経済的な諸条件から見て、景気見通しとしては五・二%というものは事実問題として高過ぎるのではないだろうか、こういう前提に立ちまして税収の問題を検討すると、その検討の経過は一切省略しなければ時間がありませんから省略いたしますけれども、先ほども少し触れましたように、税の弾性値というものを政府は非常に高く見ておるわけであります。一方では、経済成長率それ自体を高く見ておりますから、二重に高く見積もっておる。そのために、五十七年度で言いますと、仮に成長率が一%下がったところで、過去十年間の税の弾性値であります一・二で策定いたしますと、約二兆二千億程度の歳入欠陥、税収不足が生まれてくる。そうすると、政府が策定いたしておりますこの中期財政再建の展望表がございますが、ここで策定いたしております約三兆三千七百億の要調整額の上にこの歳入不足が加重されてくる。  そういうことになりますと、これは、とてもじゃないが、六十年以降こういう状態がずっと続いていきますと、六十年からいよいよ赤字公債に対する現金償還が始まる。鈴木総理の公約ではございませんが、五十九年度には赤字公債をゼロにするというのですけれども、私はここで質問をいたしたいのは、全般的な見通しからいって、もう五十九年度を待たずして、私どもの分析によりますと、残念なことですけれども、五十九年度赤字公債発行ゼロの年度を一、二年繰り延べるか、あるいは一般消費税になるのかどういう税になるのか知りませんが、何らかの形の間接税増税をやるか、あるいは減税と増税を抱き合わせた形で対応するか、ケースとしては私は三つあると思うのですけれども、そういうものによって対応しなければ、五十九年度までに赤字国債の発行をゼロにするということはできないと思うのですけれども、この見通しについて財政当局並びに総理の見解を聞かしてもらいたい。  時間の関係がございますので、そういう前提に立ちますと、先ほども申し上げましたけれども、六十年になれば大変なものを償還せざるを得ない。数字はちょっと時間の関係で省略いたしますけれども、御案内のように、六十一年の段階には国債整理基金自身が底をついてくるわけですね。いわゆる現金償還をするための財源を積み立てておりますが、これ自身がゼロになってくる。そういうような今日段階における財政計画からいきますと、これまた六十年の段階になってきますと、下手をすれば赤字公債償還のために赤字公債を発行する、いわゆる赤字公債の転がし、再発行、こういう事態さえ起こってくるんじゃなかろうかということを私、非常に懸念するわけであります。  そういう見通しについて御所見を承ると同時に、これまた五十九年度の赤字公債発行ゼロの公約ではございませんが、六十年度以降はどんなことがあっても赤字公債の償還のためには現金で償還をする、赤字公債の転がしはやらない、こういうことをお約束することができるかどうか、この点をひとつお尋ねいたしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 中期財政展望は、これは一定の条件のもとにつくった一つの手がかりでございます。したがって、われわれとしてはこれによって予算を拘束されるものではございません。ございませんけれども、いま藤田議員が御指摘になったように、着実に伸びる経費は伸びるわけです。国債費は年々一兆円前後伸びていく、いまのままでは地方交付税も毎年一兆円くらい増加していくということになって、人件費も伸びないということは恐らくあり得ないでしょう。それだけ伸びる分だけ人が減らせるかどうかというのも疑問でしょう。したがって、そういうように着実に伸びる経費があることは間違いない。したがって、一方は、経済の運営をよくして、やはり自然増収というものが取れるように仕組んでいかなきゃならない。  しかしながら、それではとても間に合わぬじゃないかというような心配がないわけではございません。したがって、政府としては、この間五十九年度から赤字国債の脱却という目標のもとに歳出の徹底的な見直しをまずしなきゃならぬ。まずこれであります。これには制度、施策を変えなければ、これ以上思い切り歳出を切るということは、口で言うべくしてむずかしいことでございます。一方、歳入部門におきましても、これもある程度のいろんな角度からの見直しは常に考えなければならない、そう思っております。  いずれにいたしましても、六十年以降赤字国債の返済に当たってそのために赤字国債をまた発行するというようなことは、さなきだに国債残高がその当時は百兆を超えるという状況になりますから、それ以上に累増させることは日本経済に重大な被害を及ぼす危険性が大いにある。したがって、そういうことだけは財政法の定めるとおり避けていかなければならない、そういうつもりでいまから覚悟をいろいろしていくということでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 赤字公債償還のために赤字国債を発行することは断じてやらない、これは、国債発行をやった当時から私を含めて私ども社会党が強く要求をしてきたことですね。きょうは後ろにも当時の村山大蔵大臣もおられますが、これはもう絶対そういうことだけはやらないと言っておりますが、このことはぜひ確認をしてもらいたい。  ただ、その場合に、そういう方針なり決意はわかるのですけれども、私は少し取り越し苦労ではありませんが、この財政収支展望からいきますと、これは一つの目安だということでありますが、実はこれ自体にも問題があるのです。問題はありますが、きょうはそれに触れる時間がございません。しかし、先ほども指摘いたしておりますように、昭和六十年といっても手が届くところまで来ておるわけですね。その六十年から向こう十年間現金償還をやらなければいけないものが、御案内のように三十八兆円あるのです。そして、建設国債が百五兆円払う中で六分の一ずつ現金償還でやらなければいかぬのですから、その分が約十七兆五千億。そうすると、この六十年から六十九年までの間に返さなければいけないものが、現金償還が五十五兆円あるのですね。そうすると、毎年五兆五千億という現金償還をやらなければいかぬ。そうすると、一つの試算表からいきましても、ピーク時の昭和六十五年においては、六兆五千億というものを一般会計から繰り入れをしなかったら、いま言ったような支払いができない、こういう計画になっておるのですね。  ところが、一番問題になりますことは、私は昭和五十三年の時点から言っておるのですけれども、現金償還をやっていくというたてまえからいくと、国債整理基金という積立金ですね、ここへ少し平準化するための措置を講ずるべきじゃないか。これも昭和六十一年が来ますと、その現金償還に充てるべき財源がゼロになるわけですからね。この表で見ましてもこれはゼロですから、もう六十一年からは積立金がないのですからね。そのためにも、平準化のための措置をわざわざ約五年前に私どもの方から提示をして、平準化のために四十分の一とか三十分の一とか二十分の一という積み増しの措置を講じて、いま大蔵大臣が約束しましたように、赤字公債は断じて再発行するようなことはしない。これはもう六十年以降、赤字公債償還のための赤字公債の発行はやらない。それを必ず実現するためにも、その裏打ち、保証がなければ、これは国民の立場から見て信用することはできないと思うのですよ。  そういう観点からいいまして、負担平準化の措置を、この国会では具体的な数字としてあらわれていないのですけれども、具体的に平準化の措置をおとりになる考えがあるかどうか、これをお尋ねいたしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 特例公債については、借りかえは行わないで満期には全額現金返還をする。その財源は、御承知のとおり百分の一・六の定率繰り入れ、剰余金繰り入れ、必要に応じて行うところの予算繰り入れ、この三つの柱でやっていこうということでございます。  また、赤字国債の償還のために現行の繰り入れ、剰余金繰り入れ、予算繰り入れのほかに、もっと十分の一とか幾らとかの繰り入れをすべきじゃないかというお話でございますが、これは、赤字国債の発行は臨時異例の措置として行っているものでございまして、そういう国債を一方で発行しながら、そういう借金をしながら、別に仮に多額のものを積み立てていくというのなら、むしろ借金を減らした方がいいじゃないかという議論にすぐなってくるわけでございます。しかしながら、特例公債を円滑に全額現金償還するための予算繰り入れという問題につきましては、負担の平準化というものを考慮しながら、その具体的方策についてこれは一層検討を深めていかなければならぬ、その点では一致をいたします。しかし、決まっただけを別途に借金しながらかなり多くのものを積み立てるということは、それはむずかしいでしょう。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 国債整理基金の積み増しをやるという点については、私の記憶間違いでなければ、政府も去年からそういう方向で対応しようということを方針として決めているのじゃないかと思うのですね。私は、そういう意味合いにおいて、いま大蔵大臣のような答弁もありましたが、もし大蔵大臣が前段言ったような考え方をとりますと、これは減債資金制度それ自体を否定することにもなりかねないと思うし、少なくとも五年前に、こういう国債整理基金の負担平準化のためにわざわざどういう積み増し措置を講ずるべきかということについて、一つの案が大方のコンセンサスとして財政当局とも合意を見ておるわけですから、この措置は何としてもとるべきではないかということをいま一度お尋ねをいたしておきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 国債整理基金に対しますところの負担平準化のための予算繰り入れにつきましては、私どもも、大蔵大臣からお答え申しましたように、当面まず必要なことは、できるだけ早く特例公債依存から脱却することであると思っておりますけれども、その間におきましてもさらに研究を重ねまして、特例公債脱却後できるだけ速やかにこれを実行していけるようにいたしたいという考えを持ってございます。  ところで、具体的にはそれは六十年度以後のことに相なりますので、その時期におきますところの歳入歳出の状況等、財政当局として確実にいまから把握するということは非常に困難でございますので、その具体的な内容につきましては私どもも方針を決めたわけではございません。  ただ、昨年まで当予算委員会におきまして、こういう前提で平準化のための積み増しをしたならばその姿はどういうことになるかという御指摘をいただきまして、そのいただきました前提によって、将来の予算繰り入れをやった場合の整理基金会計の残高等の資料を毎年差し上げているところでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 時間が来ましたので、これで終わらざるを得ないわけでありますが、いまの減債資金の平準化の措置につきましては、なお私、積極的な意見がございますが、留保せざるを得ません。  最後に一つだけ。赤字財政下におきまして、これは具体的な質問は保留せざるを得ませんが、原子力研究所であるとか動力炉・核燃料開発事業団であるとか、そういう特殊事業団に対して相当巨額な金が、去年とことしで比較いたしますと、約二千億ぐらいなものが繰越欠損で処理されておるわけですね。これは殊法人の、いま法律がございますが、法律の趣旨からいってそういったことはできないようなたてまえになっておると思いますが、これらの問題と、今日の一兆円減税の問題が非常にやかましく言われておる中で、物価調整税制とも言うべきものをつくるべきじゃないか、こういうことについての質問は時間的な関係で保留せざるを得ませんことを最後につけ加えまして、私の質問を終わりたいと思います。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。  次に、阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 日銀総裁、大変お待たせをいたしましたので、ごく簡単に一問だけお伺いしたいと思います。  実は藤田さんが呼んでおるのを私よくわからなかったものだから、大体問題ダブっておりましたので一問だけ。  きのうの為替相場は一ドル二百三十三円でございますか、日本経済の実勢を反映しない異常な安値であるように私には考えられます。総裁は近く決済銀行に行かれるわけでありますが、国際協調を含めて、円高に誘導するために何か手は考えておられるのかどうか、この一点をお伺いしたい。

前川春雄日本銀行総裁

○前川参考人 私ども、通貨価値の安定という点から考えますと、国内では物価の安定を図らなければいけない、同時に対外的には為替相場が安定しなければいけないわけでございまして、そういう意味で円相場も安定させたい、できれば円高の方向に安定させたいという気持ちを常に持っておるわけでございます。  ただ、いまの円相場は日本とアメリカとの関係でございまするので、国内の経済に問題がなくても、対外的な影響で相場が振れるということは常に起こるわけでございます。特に変動相場制でございまするので、いろいろな要素がそこへ入りまして、必ずしも国際収支による需給関係だけでなくて、相場の先行きに対する見通し、見込みであるとか、あるいは若干投機的な動きもございましょう、また政治的な動きによって動くということもございます。  ただいまお話のありましたように、円相場が昨年末には二百二十円でございました。年がかわって、しばらく安定しておったわけでございまするけれども、一月の半ばくらいからだんだん円安の方に振れまして、御案内のように昨日二百三十三円、本日も寄りつきは二百三十四円ということでございます。その間、日本の経済の面で別に円が安くならなければならないような理由はございませんでしたので、もっぱら海外の状況による相場の動揺であったというふうに考えております。  いろいろな要素がございまするけれども、なかんずく一番大きく作用いたしましたのは、アメリカの金利が上がったということであろうと思います。アメリカの金利が上がりましたのは、一つはアメリカのマネーサプライがふえた、一月になって飛び上がったわけでございます。それと同時に、アメリカの財政の赤字が本年度千億ドルを超えるというようなことがだんだんはっきりしてまいりましたものでございますから、どうしても国債を多額に出さなければいけない、そのために金利がなかなか下がらないのではないかというような、金利の先高感というものがまた生まれてきましたことが大きな要因でございます。  ただ、国内の市場における相場観というのはまだそれほど崩れておりません。つまり、円がどんどん安くなるというふうには必ずしも国内では見られておらない。したがいまして外貨、ドルを買う人もあれば売る人もあるということで、それほど大きく円安に飛び上がっているわけではございませんけれども、この相場観をどうしても続けてまいらなければならないということが一つ大きなわれわれに対するものでございます。  こういう事態に対応して、円安に振れないような方法を何か考えていないのかという御質問がございました。なかなか変動相場制でございまするからむずかしいわけでございまするが、一つは、内外金利差がこれ以上拡大しないようにするということが一つの要素であろうかと思います。また、相場が時によって極端に大きく振れるというようなときには市場介入も強化いたしまして、そういう事態がさらに加速されることを防いでまいらなければいけないというふうに思っております。ヨーロッパ諸国も非常に困っておるわけでございまして、みんな、それぞれの国の相場が安いと物価に影響いたしまするために、相場を何とか早く安定させたいという願望を皆持っておるわけでございます。  国際決済銀行の集会は、これは毎月定期的にあって、別に議題を持って集まるわけではございません。全然議題がないわけでございますけれども、そのときの状況、情勢についてお互いに意見を交換する、さらに将来に対して何か打つ姿勢を示すとかいうようなことは若干ございまするけれども、特別に今回特定の目的、題目を持ってまいるわけではございません。ただ、こういうふうに非常に不安定なときでございますから、非常にいい機会でございまするので、各通貨当局の考え方を十分聞いてまいりたいと思います。それによって、相場の安定をできるだけ早く達成するように努力したい、こう思っております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 総裁が新聞記者会見で、五・二%ということだが、何か余り無理してくれるなみたいな記者会見だったと思うのですが、総裁のお考えというか真意は、できるならば個人消費を中心に、自立的な内需主導型によって均衡ある成長を期待する、こういうお気持ちであの記者会見をおやりになったんじゃないか、こう推察するわけですが、いかがですか。     〔委員長退席、三原委員長代理着席〕

前川春雄日本銀行総裁

○前川参考人 先ほど私申しましたとおり、ああいうふうな政府の経済見通しのような見通しが、物価の安定あるいは為替相場の安定を図った上で実現する、内需中心の成長が実現することはきわめて望ましいことであるという考えはちっとも変わっておりません。ただ、何分不確定な要素がたくさんございますから、そういう中で成長がおっしゃるとおり自立的に行われていくということは、一番望ましいわけでございます。政策対応というものも、そういう不確定な要素の多い中で政府当局としては対応していかれるということ、これまた当然であろうというふうに思います。  一番の問題は、そういう対応をしていく間におきまして、なるべく、物価安定を阻害する、さらに為替相場の円安化を招来するというようなことにならないようにぜひしていただきたいというふうに、私どもの立場からは考えておるわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 大変ありがとうございました。時間をとらして恐縮でございます。総裁、結構でございます。  それでは、少し私の質問予定を変更いたしまして、先ほど藤田委員がいろいろとお尋ねをいたしましたが、何といってもこの財政のあり方は、多額の公債を抱えて大変なところへ来たという感じであります。  亡くなられた大平さんが大蔵大臣のとき、たしか五十年ですか四十九年ですか、特例公債を出されたときに、私は強く要求をしたのでありますけれども、いまだに実現をいたしません。それはやはり、ここまで日本の財政を、まあサラ金財政と言ってもいいのじゃないだろうかというほどに国債費の問題で予算が窮屈になってくる、それはやはり財政のあり方を間違えたんじゃないだろうかという感じがいたします。  それはまあ、私たちの周りで、サラ金に苦しんで蒸発してしまった人あるいは一家心中に追い込まれた人、いろいろな悲劇を周りに見るのでありますけれども、この人たちだって、初め借りるときは、必ず返します、返すというつもりで借りたに違いがないんであります。蒸発するような立場になろうとは初めはだれも考えなかったはずであります。しかし、借りかえ、借りかえやっておるうちに、だんだんこれはどうしようもないところへはまっただけなんであります。  私は、国の財政もやはり安易に国債に依存したところに大きな問題があったんじゃないだろうか。その反省なしにただやみくもに公債から脱却すると言ってみても、五十九年に特例公債からは脱却するだろうけれども、建設公債はやはり公債であります。依然として多額の公債があれば、公債費は財政を圧迫することは間違いないんであります。そういう点で、今日まで自民党の政府自体が安易に国債に依存し過ぎたところに一番大きな問題があると私は思うのですが、大蔵大臣、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 建設国債の利払いも、やはり建設国債といえども国債でございますから、赤字国債だけが利息がついて、建設国債がつかないというわけじゃございません。したがって、これも安易に増発するということは、われわれとしては警戒をしなければならない問題であることは同じでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 警戒をしなければならない程度で済むならば、これは先ほど来の論議はあそこまで白熱しないでもいいんです。そのもとは、やはり安易に過ぎたんじゃないか、こう私は言っておるのですが、どうです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは安易に過ぎたということは私は言えないんじゃないか。要は、五十年度の大不況というようなものから立ち上がるために、かなり大量に発行したということでございます。それによって日本の景気が世界の先進国の中で一番、悪いとは言いながら失業率でもインフレ率でも抑えられて、よくなってきておるわけですから、そのためにプラスになった点は間違いなくある。しかしながら、これから先もあの計画では幾らかずつ伸ばして、計画というよりも中期展望では伸ばして発行するように一応はなっておりますが、われわれとしては、それは慎重にやっていきたいと思っておるわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それはこれだけの国債を出してやれば、どこがもうけるぐらいのことは、いろんな影響を持つことはあたりまえであります。  ある意味で言えば、日本経済は大変優等生だと、たしか昨年の国会、本会議では鈴木総理も大変自慢された。物価はこうで、何はどうで、世界の優等生であると言われた。しかし、財政は全くの落第であります。そして、後でお尋ねをしますけれども、勤労者は重税に悩み、農民は生産調整という形で実質所得が目減りするというような事態になっておる。一体どこが優等生なんだ。私は後でこの問題をやりますけれども、それは大蔵大臣がおっしゃるように、これだけの金を投入すれば、いいところが出るかもわかりません。その効果が全然ないなんということは政治にあり得ない。いい面もあるし、悪い面もあるかもわからぬが、なぜこれだけの財政赤字になったのか。その責任は、私は自民党にあるのじゃないか。政府にあるのじゃないか。その一番もとは、安易に国債を出した。  私は、河本さん会社を経営しておられるのでお伺いしたいのですが、どうなんです、会社が銀行から金を借りる場合には、やはりこうやってもうけて、いつまでにこうやってもうけた金でこう返しますという、ある程度計画がなければ金融機関は貸さないと私は思うのですが、河本さんいかがですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 私は、国債の問題を考えますときには二つの観点が必要だ、こう思うのです。  一つは、その国の経済全体の規模がどうなっておるのかということ、そして同時に、その経済が順調に発展をし続けておるのかどうか、こういう観点が一つ必要だと思います。それからもう一つは、国民の貯蓄率が一体どうなっているのか、こういう判断が必要だと思うのです。  でありますから、この問題は国債の金額だけの問題ではなく、国民経済全体の観点から判断すべきものだと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いや、あなたに聞いておるのは、企業が金を借りるときは一体どういう話を銀行にして借りるのか、こういうことを聞いておるんです。これは当然返済の期日であるとか、こういう計画でこうやってもうけて返すということが常識です。国だって、やはりこれはそのとおりなんです。だから特例法でも、財政法四条に言うとおり返済計画をつけなければならない、これはちゃんとこの法律に書いてあるんです。皆さん、なぜ返済計画をつけないんです。この特例法の第四条には「政府は、第二条の議決を経ようとするときは、同条の公債の償還の計画を国会に提出しなければならない。」皆さん毎回返済計画を出さにゃいかぬ、こう法律はなっておるのですが、返済計画はお出しになったことがない。大蔵大臣、これはどういうことなんです。こういう安易さが今日の財政をサラ金財政のようにしてしまったんだ、こう私は思うのですが、なぜこれを出さないのです。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 御指摘のように、特例公債法四条の規定によりまして償還計画表をお出しいたすことになってございます。私ども、この償還計画表の法律上の性格といたしましては、財政法四条二項の償還計画表と同様のものでございまして、国会の御審議の参考の資料として予算に添付をしてお出しをいたしておるところでございます。  これは発行を予定しております公債につきましての年次別の返済予定額を書きましたものでございまして、性格的に申してこれでよろしいかどうか、いろいろ当時から法律的にも検討いたしました。財政制度審議会等にも検討をお願いいたしました結果、この形式でお出しをするということで、それに従っておる次第でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 返済計画は、やはり返済の時期、方法、財源というものがなければこれは返済計画にはならないんです。皆さんは、この二十八条の五にあります償還年次表をもって足りる、こうしておられるのでしょう。しかし、これじゃだめです。私たちは、その十で「その他財政の状況及び予算の内容を明らかにするため必要な書類」ということで、それならば要求をいたしますが、この年次表というだけでは返済計画とは言えないんじゃないですか。これにかわり得ると皆さんは思うかしらぬけれども、これが返済計画ではないでしょう。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 法律で定められております償還計画表でございますけれども、私どもの解釈といたしまして、この償還計画を作成するという規定は、公債を発行いたしましたときにその公債の償還財源の調達に関しますところの具体的な計画までお示しするということを要求していると解釈することは困難でございまして、実質的に公債の年度別の償還予定額をお示しするということで足りるということで、従来からこの償還計画表をお出しをしておるところでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 財政法は本来公債を禁止してあるのです。これが原則なんです。出すということは、建設公債だってこれは特別なんです。ましてや赤字公債は本来禁止してあるのです。それをまあ特例ということでお出しになる。それだけになおさらこれは返済計画というものをつけなければならぬのだし、これはわれわれが要求すれば、当然皆さんはこの返済計画をつけなければならぬのです。大臣、これは政治問題であります。そんな解釈では困ります。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 これは金額的に将来の償還財源をお示しいたすということのためには、その時期におきますところの経済情勢あるいは歳入歳出の情勢を把握いたさなければならないわけでございますけれども、現実の問題といたしましてそれを的確に見積もるということが困難であるという事情によるものであろうと考えてございます。  ただ、これは単純なる償還の予定表だけではございませんで、この注釈におきまして、これを償還いたします財源としまして、百分の一・六の定率繰り入れ、剰余金繰り入れ及び必要に応じて行う予算繰り入れによってこの償還に充ててまいるという方針は、注書きでお示しをしておるところでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それで、先ほど藤田委員の最後の方の質問にありますように、いまのその程度のものは、これは建設公債のあれとしてはわからぬではないけれども、特例公債を現金で返済するとしては余りにもこれは足らな過ぎるのでありまして、これで皆さんがやれるわけがないじゃないですか。私は一番最初に、大平さんのときに質問をしたときに、そこで委員会がとまってしまった。そこでまあこれでがまんしてくれということで出してきたのが、財政の中期展望だったわけであります。私は本当はそれは承知しなかったけれども、余り委員会が長くとまることもどうかということで、私は、それは返済計画ではない、こうくぎを打ちながら審議を続けたわけでありまして、それからのこれはもう長年の懸案だと思うのです。これを返済計画でございます、それならば、法律に返済計画をつけなければならないなんという文句を入れなければまだいいのであります。皆さん自分で返済計画をつけなければならない、こう法律でちゃんとうたっていながら返済計画をつけないということは、私はこれは政府の怠慢だと思うのですが、大蔵大臣、どうです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 先ほど主計局長からお話がございましたように、そのときの財政事情によりましてどういうふうになるかということがはっきりわからないので、具体的ないわゆるしっかりした返済計画というものはなかなか出しづらいというようなことでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それだから、先ほど藤田委員からの提案もあり、あるいはまた私は、結局公債というのは国民が担保なんです。結局は増税かインフレで返す以外に私は道がないと思う。しかし、インフレで返すとは言わなかった。税金でこれはお返しをいたします、こうおっしゃった。しかし、その後、手を打たないからいまのように次から次へと公債は増額をし、そうして公債費で財政が窮屈になると、先ほど来大蔵大臣がおっしゃるとおりのサラ金財政になってしまった。私は、ここにもう少し責任を感じなければ、皆さんは赤字公債、特例公債はなくする、なくすると言うけれども、建設公債だって百兆を超えるようになったら、日本の財政は一体どうなるのです。  これはわれわれにも責任があると思う。私は、本当はあのときに一週間ぐらい委員会をぶっとめて、もっと具体的な計画をつくらせるべきだったといま自分でも反省をしておるのでありますけれども、もうとうとうここまで来てしまった。本当に皆さんが財政再建をしようというその熱意があるならば、もっとしっかりした返済計画というものを立て、つらいかもわからないけれども、国民に正直に言って理解を求めるという努力をなぜなさらないのだ。何か表をつくって出してやってみたって、国民にはわかりません。そんなもので返済計画なんていうのはありません。われわれが銀行へ金を借りにいくにしたって、こういうわけで、こういうふうにして返しますという理解を求めなければ、ただ皆さんのように、国だからと言って——必ず期日が来れば現金で返しますというのが当時の大平さんのお答え、それ一点張りなんです。だから私はそのときに、大平さん、それは決意表明としてはわかるけれども、返済計画ではありません、こう言ったんでとまってしまった。いまも同じことなんです。やはりこれは返済計画を出してもらわなければ、これからの財政の再建、そうして将来の私たちの後に続く人たちにこの日本の国家財政というものを譲っていくわけにはいかないという点で、やはり返済計画、それに見合う財源というものをきちんと確保するというものでなければ公債は大体出すべきではないんだ、こう私は思うのですが、いかがです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 御承知のとおり、赤字国債と建設国債と両方あるわけですから、赤字国債については、期限が来ればそれは借りかえをしないで現金で返すということですから、これはもういやおうなし。問題は建設国債のことを言っているんだと思います。     〔三原委員長代理退席、委員長着席〕 これにしても、ただ借りかえができるからといって安易に後に送るということだけが能じゃないわけですから、われわれは発行についても、いま阿部議員のおっしゃるように、これは慎重を期さなければならないし、ただ、いままでも財政が苦しい、増税は大変だ、歳出切り詰めばむずかしいというところから、安易に公債に頼るというような惰性がついてきたことは事実でございます。したがって、このことはもう厳に改めていかなければならないし、そのためには、今後もまず財政事情をしっかりさせ、経済の運営をよくして税の収入も上がるようにし、そうしてわれわれとしては、できることなればそのときの経済情勢によって、また財政事情によっては繰り上げ償還ということもあり得るわけでございますから、ただ、それを何年度にどれだけのものをどういうふうにするかということは、今後の財政事情についてはっきりした見定めがないから、それをいますぐ出すというと、現実にはそれとまた違った問題も起きるかもしれない。したがって、私どもとしては、その決意のもとに、その決意に近いものを実行していきたい、そういうことを言っておるわけであります。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それは、ここでわれわれが質問をすれば真剣な顔でそういうふうにお答えになるけれども、これはやはり制度としてきちんとしなければいまのようになってしまう。論より証拠、今日これだけの国債が出てしまったのだから、もうこの辺で、私はそういう安易な——大臣はここではみんな、あなただけじゃないんだわ、いままでの大臣どの大臣も、その点ではここでお答えになるときには大変な深刻な顔をされて、国債問題は大変だ、大変だというふうにおっしゃってきたのはあなただけじゃないんだわ。みんなだ。だけれども、現実はもうごらんのようなサラ金財政になってしまった。だから、この辺でもう法律どおり償還計画を出すべきだという要求を私はいたします。それでなければ、ここで幾ら大臣が入れかわり立ちかわり、そのたびごとにこうします、ああしますと言ってみたところで、一つもそれを信用するわけにはいかない、現実がそれを証明しておるのだから。大臣、これは償還計画を出しなさい。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 お答えを申し上げておりますように、今後三年間の見積もりでも、歳入歳出を現実的に具体的に算定をするというのははなはだ困難な問題でございます。したがいまして、私どもは、ただいまのような御趣旨を踏まえて、将来の財政事情をお示しをするという観点から中期の財政展望の試算もお出しをいたしておりますけれども、ごらんいただきますように、その内容は歳入歳出が不一致でございます。ただ、その中には、歳出の面での国債費は所要額が全部計上してございます。  さらに、その財政展望以後の六十年代の償還の事態につきましては、先ほども申しましたけれども、当予算委員会におきまして昨年から、前提をいただきまして、将来の償還の見通しにつきまして具体的な資料をお出し申し上げているところでございまして、本年につきましても、昨年と同様の前提で計算をするということでお許しいただけるのでございましたらば、そのような、昨年のような償還予定表をお出し申し上げる用意がございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それではだめなんですね。皆さんの中期展望にしたところで、そういうお話を幾らされてみたって、現実がここまで来てしまったのだから、やはりもとへ返ってきちんとしてもらう以外もう道がないと思うのです。  財政法は大体公債を出すことを禁止しておる。そうして、あの特例公債として大平さんが大蔵大臣でお出しになったときも、緊急避難というようなことでお出しになった。ところが、その緊急避難が今日までずるずる、ずるずると続いてきたという現実は、やはり皆さんが返済計画というものをきちんと出さなかった。出すことは厳しいことであります。恐らくこれは増税であります。増税となれば国民の不満が出ることも当然であります。そこで大平さんは、総理になって、私はもちろん反対はしたけれども、しかし、大平さんにはそれなりの哲学があったと私は思う。それは、彼は選挙で、苦しいかもわからぬけれども一般消費税を打ち出されたというのは、ある意味では大変な見識だったと私は思います。あっぱれだったと思います。私は、ときには国民にも、つらいだろうけれどもそれを言わなければ、本当の財政再建なんというものは不可能だと思うのです。特例公債がなくなったら財政再建ができたというものじゃないのです。とりあえず総理は、特例公債、これだけは何とか早く処理したいということで努力をされておる。だけれども、特例公債がなくなったからこれは健全財政だとは私は言えないと思うのです。それもみんなルーズに、法律で決められ、厳しく禁止をされておるこの公債を出し続けたわけであります。  私は、財政法四条の問題と憲法第九条との関係は、この委員会に入って以来、そのたびごとに言い続けてまいりました。平和を守るために、そうしてこの憲法九条を担保するのは、保障するのは財政法四条だと言われてきただけに、私はこの予算委員会で出るたびに主張し続けてきました。もうこの辺でがまんがならぬのであります。これ以上とにかくサラ金財政にしてはならないと思うのであります。しかももっと言えば、赤字財政下で軍事費はふえていく、防衛費はふえていくなんということは、これは絶対に許されないと私は考えます。それだけに、この今日の財政を救うためには、困難であろうけれども、私はこの返済計画を要求いたします。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 関連質問をしますが、いま償還計画を出すべきだという主張については十分おわかりだと思うのです。これはもうこの段階になりますと、財政法四条に言うところの正規の償還計画を出すのか出さないのか、この点をはっきりしてもらいたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 私どもも、国債依存度を引き下げて特例公債から脱却を図り、かつまた全体としての国債依存度も下げていくということが私どもの最重要の課題でございます。したがいまして、先生も御承知のとおり、私どももこの三年来、逐年国債の発行額を全体として減額をいたしてきたところでございます。  一方におきまして、この返済計画表でございますけれども、これは毎回申し上げておりますように、今後三年間の財政収支につきましても、なおこれを見通すことができないというような非常に激動の時期でございます。ただ、私どもは、そういうものの中でこれだけは返済のために必要な財源だということははっきり認識をいたしながら、その財源を最優先で捻出し、一日も早く、かつ全体として公債発行から脱却していくという方針で努力をいたしておりますので、いまの償還計画表につきましては、財政法四条の規定に基づくもの、先ほど申し上げました内容の書類によって、これは御提出を申し上げておるということを御理解賜りたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 努力をするとか、いま政府が考えておるように赤字国債から早く脱出するという決意、そういうものと、この財政法に言うところの償還計画を提示しなければならないという、これは義務規定になっておるんですよ。いままでわれわれは何回も言ってきたけれども、主計局長が言われるような形である意味ではこれは妥協してきたわけだ。しかし、これは財政法違反であるということは明確なわけですから、そして今日一番問題になっておるのは、こういう建設国債を含む赤字公債の増発によって今後の財政計画はどうなるのかというのがやはり今国会の中心テーマですから、それであればあるだけに、この財政法四条に基づく正規の償還計画を出すのか出さないのか、もうそれだけのことではっきり答えてください。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 私ども、財政法四条二項の規定いたしますこの償還の計画は、公債発行時にその公債の償還財源調達に関する具体的な計画を示すということまでを要求しておるものではございませんで、実質的に年度別の償還予定額をお示しをするということで足りるものと理解をして、この償還表をお出しを申し上げておるところでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そういう甘いお考えではだめなんです。財政法は、本当は厳しく、原則は公債発行は禁止しておるんです。特に赤字公債の発行なんというものは認めていないのですよ。これは憲法上、財政法上認めていないものなんです。それを特例公債なんというものを出すからには、これはきちんと償還計画を出さなければ、これ以上にまた皆さんの決意表明だけではますます悪くなってくる。私たちがあれほど強く当初から言い続けたにかかわらず公債はふえ続けておることを考えれば、皆さんの決意表明はもう聞き飽きたと言いたいのであります。もうこれは意味をなしません。もう一遍、これは私は大蔵大臣、償還計画は出してもらいます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私は法律家でないから、法律の文面をどういうふうに読むのか、なんでございますが、いままでわれわれの理解に基づきますと、償還計画表の内容については、計画表は公債の償還年度別償還予定額を示すものと考えております。現在提出している償還計画表についての御指摘の法律上の問題は別にない。これは法律解釈の問題でございまして、したがって、この点については財政審でも同じような答申を得ておりますので、添付してあるこの表をもって償還計画表ということにさせていただいておるわけであります。  阿部議員のおっしゃるのは、そうでなくて、もっと現在の残高について、赤字の分は期限が来れば返すというのですから、これは発行したときから十年ということで一応、もっと早く返す場合もあるかもわからぬ、これはわかる。問題は、建設国債のことを言っているんだろうと思うのです、建設国債については借りかえもあるということでございますから。それからもう一つは、財政事情がいいということになれば何も借りかえする必要もないし、あるいは期限前に返済することもあり得るし、したがって計画表、そういうような返済のきちっとした計画というのは、ともかくも何十年間にわたってここできちっと決めてしまうということは、実務上できないということを申し上げておるわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 あなたは、ここまで来たからそう言うだろうけれども、一番最初言い出したときは、緊急避難的に出したんです。毎年毎年特例公債を出そうなんということじゃなかったんです。ところが、そういうふうにルーズにやってきたから、次から次へと毎年出さざるを得なくなってしまっただけの話なんです。財政法は赤字公債は禁止してあるんですよ。にもかかわらずずるずると来たところに、今日に至っておるわけなんです。一番最初出したときは緊急避難なんですよ、あれは。そのときにも私は強く言った。ところが、それがないものだからずるずる来た。しかし、大平さんはそれを心配されたんだろうと思う。だから一般消費税という形でやろうとなさったんだろうと思う。これは増税がいい悪いは別であります。しかし、それは私は一つの見識だと思います。だけれども、いまのような答弁や主計局長の決意表明だけではだめだということなんです。それだけだったらば、これはいままで来たことを顧みれば同じであります。やはりこれはきちんとしたものを出してもらわぬと困ります。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 阿部議員から、償還の計画表を出しなさい、その御趣旨は——御趣旨といいますか、言わんとする気持ち……(発言する者あり)いやいや、それはよく私はわかるのです。要するに……(「気持ちの問題じゃないよ」と呼び、その他発言する者あり)ちょっと聞いてください。要するに、国債を発行するときに安易に発行するからルーズになるんだ、発行するときには、ちゃんとそいつをいつどういうようにして返すかというところまで、きちっとそういうようなものを一緒にして出しなさい、そういうことを言われているわけですね。したがって、財政法にも書いてあるではないかというので、償還計画表というのにつきましては、御承知のとおりお手元に配ってあるわけです。それから、二十八条の説明書の中でも、年次別にこういうように、何年のやつがいつ借りかえになってどうするということも全部配ってあるわけです。  問題は、その財源を示せというお話も先ほどありました。その財源についても、百分の一・六の定率繰り入れをやりますとか、剰余金を繰り入れしますとか、そのほか必要に応じ予算繰り入れもいたしますということも言っておるわけです。それは、それじゃ足らない、もっと詳しく書けという御趣旨だと私は思います。そういうことになりますと、言うならば一種の何十年かの財政計画みたいな話に実はなってくるわけです、財源を何の金で返すんだという話になるわけですから。そうしますと、たった三年間の財政の中期展望ですら、そのとおりになるというようなものはできません。非常に経済が動くわけでありますから、できませんということを言っておるわけです。したがって、われわれは、財政計画はつくれませんということで、あの中期展望というものを出したわけですね。  ところが、この返済計画についても、中期展望のように、どれだけの収入があって、どれだけの歳出があって、そうしてどれだけ余裕財源ができて、それでどういうふうに返すんだということを詳しく書いて出しなさいと言われましても、これは実は不可能に近い話で……(「それが間違っているんだ」と呼ぶ者あり)いやいや、そういうことでございます。したがって、法律論争としては、現在こういうふうにお出ししておるものでわれわれとしては足りるというふうに解釈をしておるわけです。  そこで、十年間ぐらいのものについて、これよりももう少し詳しく、まあ去年御提出をいたしましたようなものをことしも出せということでありますならば、それは努力をして出すようにしたい、そう思っておるわけでございます。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 阿部君。——阿部君。  阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 六時ごろに何か出すそうでありますから、それを見たら——この問題は保留して、次のときにやります。  次に移ります。  私は、本当は経済見通しの問題で少しお伺いしたいと思ったのです。「昭和五十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」……(発言する者あり)  委員長、六時に何か出すというのでしょう。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 質問をしてください。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 質問の前に、何かいま大蔵省の方で、大臣の方で資料を出すというのですが、じゃその答弁をはっきりしてください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私どもといたしましては、法律に定められておるものはすでにお手元に出ていると思っております。しかしながら、さらにもっと詳細なものでということになりますと、一定の前提を置いて、その上において予算繰り入れがどの程度できるかというようなことをいろいろ予測をしてそういうものは出したい。これは完全なもの、剰余金で幾ら毎年繰り入れるとかどうとか言われましても、剰余金が幾ら出るか毎年のこと、先のことはわからない、ことしのことさえわからないという始末なのですから、そういう細かいことまで言われてもこれはできません。したがって、昨年度提出したようなものを、新しいものを本年度出したい、こう考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 しかし、もう一度念を押しておきますけれども、財政法第四条は、赤字公債は禁止してあるのです。だから、皆さんは毎年これをやるたびに特例法案を出してそれをつけてくるわけであります。一番最初出したときは緊急避難なのです。だから、そのときにちゃんとしてその返済計画をつけるべきだったのですよ。それをルーズにしてきたから、決意表明だけここでおやりになるものだから。大臣、あなたいつまで大蔵大臣やっておるかわからない。次から次へと出てくる大臣はここで決意表明をされてはそれで毎年続けてきた。それが今日の事態を招いたのですから、この問題は質問を保留しておきます。  そこで、次の質問に移りますが、「昭和五十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」はどのような政治的なウエートを持っておるのか、河本さんにお伺いします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 五十七年度の経済運営の基本方針につきましては、これまでは外需中心の経済でしたが、内需中心の経済に切りかえていきたい、これが基本的な考え方でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 その運営の方法、ねらいはわかるのです。というのは、昨年、渡辺大蔵大臣は——私は経済見通しというものは財政収入の見通しとストレートにつながるものでないことは承知をしております。しかし、この経済見通しの線に沿って財政もいろいろな施策がこの方向に向かうのであろうし、またこの景気見通しの上下によって財政収支も税金の収入もある程度変わってくる、そういう点で非常に重要なものだと思うのです。ただ単なる政府のPR文書ではないのだ、こう考えておるのでお伺いしたわけであります。そうでしょう。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 やはり政府の方で予算編成を行います場合には、当然景気動向を判断いたしまして、景気がどのように推移するか、そこをいろいろ計算いたしまして税収等を出してくるわけでありますから、そういう意味では非常に大きな関係がある、このように判断をしております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 大蔵大臣おられないのであれですが、昨年は大蔵大臣は私の質問に大変すげなく、経済見通しは経済見通しでございます、こういう形で答弁をしておられるものだから、そんなはずはない、こういうことでこれは確かめたので、大臣いないから、まあ先へ移りましょう。  現在の為替相場は、先ほど日銀総裁にもお伺いしたように、実勢とは異なって大変円安であります。そこで、この四月までに、経済見通しの数字で皆さんが大体期待をしておるのか、決めてあります二百十九円とするためには何か方策があるのですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 政府の想定をいたしております二百十九円という数字は、これは予算編成前一カ月の平均の数字をとったものでございまして、これは毎年そうしております。したがって、これは五十七年度の円相場の見通しということではございませんで、機械的に考えておる数字でございまして、見通しということになりますと、また別の角度から判断をしなければならぬと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 なかなか手がないのだろうと思うのでありますが、二百十九円という平均をとりましても、昨年は暮れの方でもそうでありましたが、やはり内需は盛り上がらない、輸出にドライブがかかっていく、そこで貿易摩擦が出てくる。二百二十円台から二百三十円のレートでどうして内需中心の五・二%の経済成長が可能なんだろうか。ことに四・一の内需というものが一体可能なんだろうか。この国際的な保護貿易のあらしを切り抜けることができるのだろうかという不安を私は持つわけでありますが、河本さんはいかが考えますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 最近の為替レートは単にその国の経済的な条件だけで動きませんで、国際情勢の変化、それから特に最近はアメリカの金利動向、こういうものによって左右されておりますので、非常に複雑な動きになっております。現在の水準につきましては、先ほど日本銀行総裁からもお話がございましたが、私は、日本経済の実力から判断をいたしますと相当過小に評価された水準である、このように考えておりますが、現在はアメリカの金利が相当高くなっておりますので、そういう判断に基づくものだ、こう思います。したがって、こういう水準が長続きするとは私どもは考えておりません。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 どうもこの委員会が始まりましてから、河本さんには失礼だけれども、お伺いしておると、何とかなるだろうというような感じがする。たとえば、アメリカの景気がよくなるだろう、OECDでもこう言っておる、こういうお話。ヨーロッパも何とかなるだろう、内需も自然に回復するだろう、民間活力に期待をする、こう言う。一体民間活力というのはどうしたら起きてくるのだろうか。ここで長官が希望的意見を述べるだけでは民間の活力が出てくるとは思わない。これも何とかなるだろうみたいな話で、どうも内需を盛り上げるというには、住宅政策は、私は達成できないと思うけれども、これは一つはわかります。あとほか、一体何が内需を盛り上げるのだろうかという点では、全く何かあなた任せのような感じがしてならぬのであります。どうなんです、その辺にもう少し具体的な、きめ細かい諸政策だとかなんとかおっしゃるけれども、一体きめ細かい何をやるんだろうかという、もう少し内需を盛り上げることに手はないのですか。何かその辺で、一つも確信を持てないというのがいままでのあなたのお話を聞いての私の実感なんですが、いかがですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 たびたび申し上げますように、いま世界経済は激動期でございます。特に、第二次石油危機が起こりましてから激しく動いております。また日本の経済は自由主義経済でありますし、民間主体の経済であります。したがって、こういう激動期には必ずこうなります、こういうことをなかなか断定はしにくいのであります。しかしながら、そういう激動期にはやはり情勢の変化に応じて適切かつ機敏な政策運営が必要であるということを繰り返し私も申し上げておるわけでございますが、そういうことを前提条件として、内需の問題について御質問でございますから、若干お話をしたいと思います。  やはり内需の柱は消費だと考えております。消費につきましては残念ながら政府の見通しよりも相当落ち込んでおりますが、これにはそれなりの理由があるわけでございます。要するに可処分所得がふえない、これが最大の原因でありますが、しかし、私どもは後半景気もある程度回復に向かうと判断をしておりますので、雇用者所得全体としては相当ふえるのではないか、こういう判断をいたしております。  それから、同時に物価は引き続いて安定の方向にいく、こういう考え方でございます。そして物価安定政策をまず基本に考えていきたい。これもまた消費に大きな影響が出てくるであろう、このように考えております。  それから、住宅につきましては格別の力を入れておることは御案内のとおりでございまして、二年間落ち込んでおりました住宅投資もこれで転機が来るのではなかろうか、このように期待をいたしております。  それから、民間の設備投資につきましては金融政策を機動的に運営をしていく、こういうことを考えておりますが、政府の見通しよりも設備投資全体が落ち込んでおりますのは、中小企業の投資が落ち込んでおるのでございまして、大企業の投資は計画どおり進んでおりますので、中小企業に対する特別の配慮が必要でなかろうか、こう思っております。  それからまた、公共事業につきましては、非常に窮屈な予算ではありますが一定の量を確保いたしておりますし、予算が成立いたしました暁におきましては、上半期に集中する等機動的な運営を図っていきたい、このように考えております。  内需振興のためには幾つかの柱がございますので、それらの柱を総合的に考えながら情勢の変化に応じまして積極的に政策運営を進めてまいりたいと考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いまのお話をお伺いしましても、公共事業を前倒しにしていくとか言うけれども、あとほかはなかなか条件が整わない。一番大事な内需を高めるためには個人消費の回復を図ることでありますけれども、これもいまの状態ではだめであります。政府見通しによると、雇用者所得の名目上昇率が八・六%、一人当たり六・九%の伸びを見込んではおりますが、この数字を前提として民間の最終消費支出が八・六%の伸びを見込み、そうして五・二と、こうしてあるのですけれども、消費が伸びない限りこれはむずかしいのじゃないか。  いま多くの国民は、生活の不安は深刻でありますし、財布のひもはかたいのであります。五つの不安があると言われておる。第一は老後の不安であります。第二は子供の教育の不安であります。第三は病気への不安であります。第四は収入がふえず住宅ローンに苦しんでおる不安であります。第五は職を失う不安であります。政治の貧困が国民生活の不安、国民生活の中に擬縮しておると私は見ざるを得ないのであります。そういう点で、やはり消費をもっと上げることを考えなければ、いまの程度で五・二を達成することはむずかしいのじゃないだろうか。  昨年も河本さんは、貿易摩擦を考えて内需を上げるべくいろいろと苦心をなさったと思うのです。にもかかわらず内需は予想をはるかに下回り、輸出は大変な伸びを示して貿易摩擦が起きたことを考えると、政府の言うような形で、いまの姿ではとてもむずかしいのじゃないか。やはりある程度思い切った減税措置をとるとか、あるいはこの春闘である程度賃金が上がるとかということでなければ、いまの皆さんのこの計画目標は達成しないのじゃないかと私は思うのであります。  私はいま、個人消費が困難だというのを、表を皆さんに差し上げてあります。表の一をごらんになってくだされば、時間の関係上もう詳しいことは申し上げません、一番下の欄を見てください、実収入が落ちております。五十六年の一月から十一月の平均が五・四、九月から十一月の平均がさらに落ちて四・八であります。可処分所得はもちろん落ちて、一月から十一月の平均が四・三、そうして九月−十一月が三・四であります。したがって、消費支出は伸び率が、一番下は四・一、そうして実質との関係が〇・二でありますから、全体として昨年の暮れはずっと落ちておる。  これは皆さんの政府の資料でつくったのでありますが、このような傾向を見てくると、消費支出が伸びるという可能性はまずないのじゃないだろうか。そうして失業の数もまた多くなり、零細企業、中小企業の経営も悪化をしております。  そういうことを考えると、可処分所得の減少は消費をなかなか上向かせないのじゃないだろうか。政府は具体的に雇用者所得の引き上げの政策を実施すべきなんだ、私はこう考えるのですが、河本さん、いかがですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 いま消費の問題についていろいろお話がございましたが、所得が伸びなければ消費ば伸びません。特に、この可処分所得の問題が非常に大事だと思いますが、それにいたしましても、政府といたしまして現時点でこの可処分所得を伸ばすためにとり得る一番中心の政策は物価の安定、こういうことでございまして、物価の安定のためには全力を尽くしたいと思っております。  ベースアップの問題につきましては、これは労使双方でお決めになることでございまして、政府の方ではこれに対しては意見は申さない、こういうことにいたしております。  減税をしたらどうかというお話かと思いますが、それにつきましてはこれまで何回か議論がございまして、条件が整えば政府の方としても減税はしたいという考えでありますけれども、現在のところは条件が整っていない。で、幾つかの条件がございますが、それらの条件ができるだけ早く整備されるようなそういう政策を今後強力に進めていきたい、いますぐの間には合わない、こういうことだと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 もう時間がありませんので、残念だけれども少し飛ばしますが、条件が整うということは財源があるということなんでしょう、減税の。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 条件というのは、これまでも何回か説明がございましたが、財源がなければこれはどうにもなりませんから、財源があるということが一つでありますし、それから政府の計画どおり行財政改革のめどがつく、これも一つの条件になっております。もちろん、そういう計画に対して国民的な合意が得られるということも当然の条件だ、こう思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私は、この不公平税制を直せば緊急避難的には減税財源は出てくると思うのであります。もちろん、それは課税最低限を引き上げるという恒常的なやり方もありましょうし、場合によれば、緊急避難的な措置とすれば一年限りの税額控除という方式もいろいろあると思うのですが、財源は政府がつくろうとすれば私はあると思うのです。皆さんは、いままで特別措置は大方見直した、見直したと言いながら、今回はある程度、不十分ながらも交際費を初め幾つかの問題を前進させたんでありますが、私の表の二番目を見ていただきたいのであります。  昭和五十年以降五十五年までの五年間に、この引当金、準備金の積立額は実に三兆円を超えておるのであります。この取り崩しのみで単年度一兆円ぐらいの金をつくることは、これはむずかしいことではありません。場合によれば、私はその取り方もいろいろ工夫があると思います。  時間がありませんから余り詳しくは申し上げませんが、とにもかくにも、積み増しただけでこれは三兆円を超えるんであります。そうしてその重立ったものは、大体大企業の方に集中をしておるわけであります。  皆さんも退職給与引当金のこれを減らそうとした。いま四〇%を減らそうとされたんだけれども、財界の圧力で総理は腰が折れたようであります。なぜこれをやらなかったんです。総理、なぜこれをやらなかったのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 退職給与引当金の繰り入れ率と実際の四〇%の引当率との間にギャップがあるから見直してはどうかという意見があったことは事実でございます。  しかし、これはいろいろ理論的な議論が実は詰まっていないという問題が一つでございます。したがって、そのかわりに法人の方を、二分の一の延納制度を四分の三納めなければ延納を認めないというようなことに変えたわけでございます。  また、理論的な問題については主税局長から説明させます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 もう時間がないからいいです。もう皆さんもおわかりのはずなんです。退職給与引当金なんというものは、大体大企業なんです。私の田舎でもいろいろ中小企業が倒産をいたします。しかし、退職給与引当金を積んだまま倒産するなんという殊勝な会社は一つもないんです。つぶれるはずのない電力だとか鉄鋼だとか大手が大体これを活用しておるんです。しかも、実際に支払った額は、皆さんこの表の五を見てくださればわかりますが、これは大変な額が積まれておるわけであります。たとえば九つの電力会社をとってみれば、支払われた額というのは積んだ額のほんの一三%ぐらいですか、平均で一三%であります。だから、大半は会社の内部留保であり、活用しておる資金として使われておるわけでありまして、私はこういう不当なものは、実際の額に見合うものはいいけれども、これだけよけいの額を積むということは、脱税装置にすぎないと思うのであります。  いま日本経済が優等生だと言われるけれども、勤労者はちっとも優等生じゃない。財政は全くの落第であります。そうしながら、こういう大企業に対する特別措置がこのように温存をされておるということをなぜ一体直そうとしないのか。これだけでも単年度の緊急避難としての一兆円減税等は軽くできるはずであります。皆さんがやる気になれば、これはできるんです。問題は、やる気がないことと財界の圧力であります。  私は、時間がありませんから、次の質問か一般質問でやりますけれども、電力会社の渇水準備金なんというものは、これはまさに過去の遺物であります。  通産大臣、ちょっとお伺いしますけれども、これは電気事業法で決められてはおりまするけれども、この渇水準備金なんというものは、昔の水主火従と言われた、水力が中心で火力が少なかった時代、この時代にこれは必要だったかもわかりません。しかし、今日はもう火力が中心であります。この表の第二表の右の方をごらんになればおわかりのように、圧倒的に火力が中心であります。そうして料金を平準化するためと、こううたってあるけれども、水力と火力と、石炭だLNGだとかいろいろなものを比べてみたって、水が少ないから電気料金が高くなるという時代ではなくなっおておることをこれは証明をしておる。しかも、一昨年ですか、あの電力の値上げは、通産省少し計算を間違えたんじゃないですか。通産大臣、いかがです。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 確かに、いまおっしゃるように、かつては水主火従であったわけですが、いま火主水従といいますか、水力の占める地位というものは、ウエートは非常に低下をしておりまして、全体で二二・三%ということでありますけれども、しかし、まだそれだけの分野を占めておる、こういうことでありますし、また豊渇水によって非常に著しい収支の変動の生ずるおそれがあるわけですから、これを平準化することによって電気経理の安定、電気料金を安定させるということは必要ではないか。こういう意味において、私たちは渇水準備金というのは依然として必要な政策税制である、こういうふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 この表をよくごらんなさい、大臣。今度の積み増しだけでも五百三十六億も積んでおる。この前の、昨年の三月期は一兆何ぼもうけておる。これはまた後で時間があればゆっくりやりますけれども、それだけもうけて、いろんな引当金や準備金に三千三百九十六億も課税対象から外しておる。ある意味で合法的な脱税であります。これをちゃんと取っただけでも相当の金が浮いてくる。渇水準備金なんというのは、どう見たって料金の平準化の役に一つも立っていないのですよ。これはもう過去の遺物です。しかも、それが老人医療の二年分にも当たる五百三十六億円。お年寄りの医療を有料にしようなんという、お年寄りをいじめるその金の二年分も九電力でごそっと税金を脱税をしておるということを考えたら、もう渇水準備金なんというものは通産省がまず率先して外すというぐらいの気持ちがなくて、どうしてこの大衆の苦しみというものを政府で理解することができるのです。私、これは総理大臣にひとつお伺いしたい。もう渇水準備金はおやめになったらいかがです。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 税法の面でお答えいたします。  渇水準備金は、豊水のときとそうでないときのでこぼこがどうしても出るわけで、したがって、いま約六百億ぐらいでございますが、その前は五十億ぐらいで、その前はなかったというようなことを見ましても平準化には役立っておると考えますので、料金のところがでこぼこにならないようにということではやはり意味があるのではないかと思います。  それから退職給与も、ちょっと言わせてもらいますと、やめる方の発生債務をどう見るかの問題でございまして、今後やめる方が出ますので、その人の退職金を債務性のものとして会社の経理で平準化していくという意味ではやはり理由があります。ただ、どういうふうにそれを計算するかは、今後年金制度に移ったりなんかしますので、その辺も考えて総合的に検討したい、こう思っています。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 きょうはもう私の時間がないから、これはもう一遍繰り返してやりますけれども、金がない、金がないと言うけれども、金はあるんですよ。特別措置でこれだけある。電力は渇水準備金が平準化に必要だという理屈をもう一遍私はやりますが、この一番最後の表を見てごらんなさい。水力は、なぜ平準化に役立つのです。キロワット当たりの金を見れば、水力が特別安いという時代ではなく火力と同じような時代に、何が平準化に必要なのです。これは理屈としては成り立たないのです。  もう時間がないからやめますけれども、これはこの次のときにゆっくりとやります。皆さんは減税財源があれば減税をするのでしょうから、私はこの財源を、単年度であろうけれども何とかひねり出す道は十分ありますので、大蔵大臣に大変協力をいたしまして、私は財源を出しますから実行をしていただくことをお願いをして、私の質問を一応終わります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて阿部君の質疑は保留分を除いて終了いたしました。  次に、稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 防衛施設庁の再就職の人ですね、それに絡むところの談合の問題、ことに横浜施設局の横須賀の米軍の基地にありまする高層住宅第一工区、この関係について警察の方で内偵をしておったということですが、それが一応捜査の段階に入っておるということを聞いておるわけなので、国家公安委員長からその状態を先に御説明願いたいと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 御指摘の事実に関しましては、警察としても関心を持って対応していると承知いたしております。  警察は、刑事責任を問うべき事実が証拠上認定できる場合には、厳正に対処するものと存じます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 重大な関心を持っておるというのはあたりまえの話ですが、すでにもう昨日建設会社を呼んでいろいろ事情を聴取しておるというふうなことも言われておりますし、銭高組の横浜支店から書類の任意提出を受けておる、その他のことがもうすでに私のところに入っておるわけですから、刑事局長からで結構ですが、詳細に御説明願いたいと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○世耕国務大臣 詳細を政府委員の方から御説明申し上げます。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 お答えいたします。  一連の談合の問題に対します私どもの基本的な立場というのは、刑罰権の適正な運用を通じて、結果として公正な公共工事が行われるように寄与してまいる、こういう立場でございまして、そういう立場から最近の一連の問題については、警察としては積極的な情報の収集を指示しておるわけでございます。その一環として、ただいま御指摘の神奈川県警が関係者からの事情の聴取を含む情報の収集に乗り出しておる、こういう段階でございまして、具体的にいまのところ容疑を持って捜査をしておる、こういう報告は受けておりません。しかしながら、私どもの基本的な立場は、繰り返し申し上げますが、事実関係が把握され、その内容において刑事責任を問うべき事実がありとすればそれなりに対応してまいる、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いまの刑事局長の最初のところは何ですか。神奈川県警が事情聴取に着手しておるということですか。ちょっとそこのところがよく聞こえなかった。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 関係者からの若干の事情聴取を含む情報の収集をやっておる、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 これは国民の皆さんも非常に関心を持っておることですし、単なる談合だけの問題ではなくて、防衛施設庁の高官が再就職した、そのときに銭高組へいわゆるおみやげと称するものを持っていって、それで工事が行われたということですね。  そこで、このことでいま警察のそういうお話がありまして、私の聞いておるところでは事情聴取が始まった、書類の任意提出も受けておる。それから、いわゆる札と称するものが一回、二回、三回、入れられていたわけですが、その札をだれがどういうふうにしてつくったか。これは防衛庁の係員が指示してつくったというようなことも言われておるし、あるいは数字を書いたものを直接つくったということも言われておりますので、防衛庁としても、どういう決意を持ってこの事件の処理に当たるかという決意のほどをお示しを願いたいというふうに思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○伊藤国務大臣 建設工事の発注に当たりましては、関係法令に即し、厳正公平に行っているところでございますが、御指摘の横須賀海軍施設長井五十六年度高層住宅新設一工区建築工事に絡み、業者間の談合があったのではないか等の疑惑がある旨の報道がございましたので、現在、同工事の契約は保留をし、これらについて厳正に調査を実施することとしたところでございます。いずれにいたしましても、当庁が発注する工事において疑惑が持たれたことはまことに遺憾であり、今後の工事発注に際しましては一層の厳正公平さの確保に努めてまいる所存であります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 私が聞いているのは、そんなことはあたりまえなんですよ。そういうことではなくて、これは防衛庁の職員が関与している疑いが持たれているんです、この事件。だからこそ、そこで防衛庁としてはしっかりとした態度をとってもらいたい、こういうことを私は申し上げておるわけです。これはあたりまえのことですから、後のときに一緒にお答え願いたいと思うのですが。  そこで、一つは、技術審議官というのですか、これは私はよくわかりませんけれども、防衛施設庁の中でどういう仕事をやっているのかということをひとつ御説明願いたいと思います。どういう地位ですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○伊藤国務大臣 防衛施設庁長官から答弁をさせます。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 防衛施設庁の技術審議官は技術に関する総括をやっておるものでございまして、具体的に言いますと、たとえば見積もりをする際にどういうデータを、どういうふうに上げたり下げたりするか、つまり値段を上げたり下げたりするかとか、そういう基本の問題が中心になっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それで地位は、私もよくわかりませんが、あなたの次になるのかな。次長よりも上なんですか。何か部屋も並んでおるそうですな。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 次長の方が上ということになっております、総括次長でございますから、技術だけではありませんので。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 形だけそうじゃないの。実際は技術審議官の方が上なんじゃないか。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 いや、そういうことはないです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、私も話を聞いて非常に不思議に思ったのは、防衛施設庁の、ことに建設部ですね、それに対して民間の土木会社から割愛請求書というのですか割愛依頼書というのですか、何かそういう文書を出しておるというのですね。割愛という意味は、率直に言うとわれわれはよくわからないわけですよ。割愛請求書というのはとにかくあるのかないのか。あるとすればどういう趣旨のものなのか。どうして割愛という文字が使われるのかよくわかりませんから、説明してください。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 従来、昔は割愛依頼書といいますか、そういうものはとってなかったわけですが、若年にしてやめる人がだんだん多くなりまして、昭和五十四年から、指定職にならないような人たちにつきまして就職のあっせんもせなきゃいかぬということで、就職をあっせんするに際しては就職依頼をすることもあるでしょう。しかし、その際に待遇等につきまして、少なくとも当初二年間どういうことを考えているか、そういうことを引き受けてくれる会社から確認をするといいますか確かめるという意味で、確認依頼書というのをとり出したのであります。(稲葉委員「確認じゃない、割愛だよ」と呼ぶ)失礼しました。割愛依頼書です。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、割愛というのはどういう意味なんだよ。意味がよくわからないんだ。どういうことが書いてあるの。どこからどこへ行くの。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 そういう人たちは現役でありますから、定年までたっぷりやってやめていくという人たちでない人たちが多いわけですから、そういう人たちは勧奨退職の際に現役の職を割愛していただきますと、そういう趣旨だろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 何だかあなたの言うこともよくわからないけれども、それで割愛というのはいま役所と役所の間でもあるんですってね。たとえば、大蔵省の人が防衛庁に来るときに、だれか来ているのいるかな、通産省でもいいわな、何か役所から割愛依頼書というのを出すんだって。大蔵省なら大蔵省、通産省なら通産省へ。そんなばかなことをやっているんですか。いや、そういう話を聞いたから、本当かうそか聞くんだけれども、余り関係ないことだけれども、どうなの、そういうことをやっているの。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 私は、各省間の割愛依頼書なり割愛文書については詳しく存じません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いや、詳しく存じないって、あなたが詳しく存じないのはあたりまえだ。それでは防衛庁長官、あなたわかる。官房長はそういうふうに言っているんだから、聞いてごらんなさいよ。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 各省間の人事交流をするに当たって、その関係省庁間において、文書においてこういう人を欲しいというようなことの依頼文書を出したり、もらったりするようなことはございますが、その文書の名称につきまして、どういうふうな名前になっているかいま詳しくは存じませんが、各省によっていろいろ使い方が違うんだろうと思いますが。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 余り関係ないことですから、横道にそれてしまうといけませんから、もとに戻ります。  そこで、この場合に、銭高組へ入るときに、その菅原という人がいつ退職して、いつ銭高組に入ったか。それから銭高組は、以前は小さな仕事しか受けていませんでしたね。入ってから後に、十億円以上の仕事を二つ受けましたね。その間の経過を説明してください。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 銭高組が十億円以上の受注をしたというのは、恐らく中央指揮所の話だと思いますが、本件はまだ受注しておりません……(稲葉委員「まだしていない」と呼ぶ)ということでございます。  それからもう一つ、さかのぼりまして、割愛というかやめるときの経緯でございますけれども、十二月五日にやめておりまして、銭高組に入ったのはその後だと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 後に決まっているじゃないの。在職中に入れるわけないよ。だめだよ、そんなことを言っているんじゃ。十二月の二十何日に入っているんでしょう。すぐ入っているんですよ。知っているでしょう。すぐ入っているんですね。  そこで、そのときに、いわゆる念書みたいなもので将来、常務なら常務につけるという地位の約束書みたいなものを出していますね。これは間違いありませんか。どういう文書を出しているんです。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 割愛依頼書の話にちょっと触れますけれども、先ほど申しましたように、そういう若年といいますか低い人がやめる場合に、割愛依頼書というのをいただくというふうになっておるわけですけれども、審議官につきまして割愛依頼書を出したのは一件もないわけですが、本件につきましては、五十四年からそういう制度が一斉にスタートしましたので、まあ惰性でありますかどうか知りませんけれども、割愛依頼書というものが出ております。そこに書いてありますのは、勤務場所とか、それから常勤の顧問としていただきますというようなことが書いてありまして、その後に、なお五十八年の一月何日でしたかの株主総会において、取締役(常務)に就任を予定しておりますということが書いてあります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それは何か施設庁長官の部屋に集まって、銭高組の社長か何かが施設庁長官の部屋に来て出したということですか。それから、その結果として二年後に常務になったのですか。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 十一月の十九日に銭高組の幹部といいますか、副社長クラスだと思いますが、当時の施設庁長官のところにあいさつに来た、これは事実のようでございますけれども、そのときに依頼書を渡したかどうかというのは、確認がとれておりません。  それから、現在は菅原顧問はもうやめておりますし、顧問のままでいてやめたわけです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、銭高組が従前は小さな工事、大湊の工事とかなんとか、小っちゃな工事を受けていましたね。これは間違いないけれども、この菅原氏が銭高組に入ってから、いま言ったように中央指揮所の工事、それともう一つ今度の工事、一応保留になっておるけれども、それを受けたとすると、十億円以上のものを二つということになることは、これは間違いないですね。菅原氏が入ってから銭高組が急激に大きな仕事を請け負うようになった、このことは客観的な事実として間違いないですね。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 やめて銭高に入る前に、五十四年にも銭高組が厚木等で工事を、やや大きいのをジョイントベンチャーでとったという経緯はありますが、中央指揮所につきましては、十億というお話がありますけれども、これは三分割といいますか三社の共同企業体でございますから、一社の持ち分といいますか出資高は、十億には、その三分の一あるいは十分の四、こういう数字でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 これはいろんな問題があって、いま警察の手が入って調べておることですけれども、一ついろいろ聞きますのは、たとえばいまの文書ですね。これはあて名は人事課長あてになっているけれども、実際に保管しているのは、建設部の課長のところで保管をしているということになるわけですか。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 先ほど申しましたように、その名目は割愛依頼書と書いてあるわけですけれども、その書類は、従来審議官については割愛依頼書なんかは一切とっておらないしということでございますので、当時受け取った担当幹部が十分な引き継ぎをしないで置いていったので、発見に手間取ったわけですけれども、その文書は現在は、発見された以上、人事の方に回しているはずであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 この問題でいろいろ考えられますことは、そのときの入札、横須賀の海軍の高層住宅ですか、あの入札は一体どういうふうにして行われたのですか。あなたは御存じですか。たとえば現場を見に行ったとか行かないとかいう問題もあるし、それから、三回やったでしょう。第一回目は飛島に落ちていますね。十億三千六百万か、落ちていますね。それが、だんだん後になってきて辞退や何かして、銭高に落ちたのでしょう。そういう経過はあなたの方で一体どれだけわかっているわけですか。そういうことをお聞きしたいのです。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 支出負担行為担当官は横浜施設局長でございますけれども、報告は受けておりますので、概略はすべてわかっております。  いま現地の説明の話が出ましたから申し上げますけれども……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 現地の説明ばかりじゃなくて、全体を話してください。わかっているの。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 わかっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 じゃ、わかっていることを話してください。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 本件工事は、大規模な工事でありますので二分割をいたしました。それで建設共同企業体において実施することにいたし、昭和五十六年の十二月四日に、二社の組み合わせで六組の共同企業体が結成できるよう、構成員十二社の予備指名をいたしました。十二月五日に構成員十二社による共同企業体結成のための説明をいたしまして、十二月十七日、この構成員によって結成される六企業体の建設工事競争参加有資格者名簿への登録を行うというような諸手続を行った上で、十二月十七日共同企業体に対し指名通知を行いました。それから、五十六年の十二月十八日に防衛施設局において図面説明を行い、本年一月二十二日に入札を執行した、そういうことになっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 細かいことを聞いてあれですが、あなたの方で調査委員会をつくっているのでしょう。だからもっと詳しく説明ができるはずですが、私、言いますから、きょうでわからなければ後でもいいですよ。  一つは、入札の報告、これはいついかなる方法で行って、何社の応募があったのかどうか、これが第一点。  それから第二点は、指名は一体いつ、だれが決めて、どういう方法で各社に知らせたのか、これが第二点。  それから、共同企業体の承認は十二月十七日にやったのじゃないかと思うのですが、一体何社のだれが来たのか。だれも来なかったのじゃないですか。来たのは銭高だけらしいのですがね。これが第三点です。  第四点、十二月十八日現地説明は、これは基地だから、あそこのパスオフィスというのがあるのでしょう。だからこれはすぐ記録でわかるわけなんで、これはちょっと議論のあるところですね。銭高だけで、だれも行かなかったのか、行ったのか、ちょっとわかりませんが、この辺のところも明らかにしてもらいたいというふうに思います。  それからその次は、図面を渡さなければなりませんね。設計図面、これなんか一体だれに渡したのか。渡さなかったのじゃないのかな。銭高だけに渡しているのじゃないですか。渡したとするならば、受け取った各社の名前、そういうふうなところ。  それから、一月十八日になって補足説明をやったわけなんだ。いつ、どこでやって、一体だれが来たのか。入札前ですよ。だれが来たのか、これも明らかにしてもらいたい。  それから、各社に積算書をつくらしているわけでしょう。これは提出を求めたのは一体だれがどういうふうにして積算書の提出を求めたのか、これなども調べてもらいたい。  それから価格。これは一億一千万でしょう。いや十億一千万。こっちは金がないからどうもけたがよくわからないんで、これは十億一千万かな。ところが、落札価格は九九・何%じゃないの。防衛施設庁のもう一つの別の工事の話も僕は後でしますが、川越のあれがあるのです。別のことですがね。大日本土木のやったやつ。これなんか差額が千五、六百円ですからね。それは別ですが、いまの点で、予定価格の九九・何%らしいのだな。その点、その入札価格、予定価格、そういうようなものをはっきりさせてもらいたい。  こういうようないろいろな点がありますので、それをしっかり調べて、きょういますぐというわけにはあなたの方でいかないかもわからぬから、それについてはゆっくり調べて、私の方に、委員会の方に、後から別の機会にまたもう一遍質問しますから、そのときに答弁をできるようにしていただきたい、こういうふうに私は思っておるわけです。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 説明を行った、だれが来た、だれが入札に来たとか、説明のときにだれが来たというところまでは、いまここでわかりませんので、そういう質問については後刻お答えさせていただきますが、基本的な問題が一、二ありますので、ちょっとだけ申し上げます。  現地の説明につきましては、これは諸規則によりまして、場合によっては現地説明を行わなくてもいいということになっておりまして、本件の場合は横須賀の米軍基地内でございまして、もう何棟も同じような建物が建ってあるわけです。でございますので、土を掘ってどこへ持っていかなきゃいかぬとか、ガスの配管がどうなっておるかというようなことを調べないと見積もりができないというようなところではありません。なお、両方足しますと、そこに二棟ありますけれども、二十四社が一応共同企業体を組む、十二社ずつですけれども、そういうことになっておりますけれども、そのうち十七社は、その中ですでに工事をやっているか現にやっているところということがあります。  それからもう一つ、銭高組は後の調べによって、いまいろいろ私の方で調査をさしておりますが、その調べによってわかったところでは、ゲートに登録をいたしまして現地に行って、現地の調査を自分でやっておる。説明は要するに現地ではやっておりませんけれども、現地に行っている、そういう事実がわかりました。  それからもう一つ、落札価格と予定価格の話でございますけれども、落札価格は御説明できますけれども、予定価格というのは一切申し上げるあれではありません。ただ、何%であるかというお話であれば、九九%か何か、数字ははじいておりませんけれども、それにまあほぼ近い感じであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 きょうわからない点は後で調べてもらえばいいと思うのですが、いまの話の中で、何か銭高組の人だけがゲートに行ったとかなんとかと言いますが、それはいつですか。入札前ですか、落札前なんですか、後なんですか、いつなのか。それがわかっていればあれしてください。わからなければ後でいいですよ。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 五十六年十二月の十八日に図面説明を行いましたが、十二月二十三日に、武藤という人とそれから新保という人ですか、その二名が正面ゲートよりワンデーパスにて入門をいたしまして、入門管理をしている保安部に入門申請の記録が残っているという調査結果が出ております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 なぜ銭高組だけが行ったのです、それは。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 先ほど申しましたように、そういうこの共同企業体に入っている人たちが、それは私存じませんが、要するにその地図に詳しい人は図面説明だけで見積書はできる、入札もできる、こういうことだろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 どうもその点よくわかりませんね。だけど、まあよく内容を調べていただいて、また後でわからない点を報告してもらいたい、こういうふうに思います。  そこで建設大臣、この前、何か今度は談合をなくすために二十社以上でやるという話がありましたよね。あったでしょう。その二十社というのは、ジョイントの場合は、たとえば二社なら二社が組んでジョイントを結成するでしょう、そういう場合は二社に数えるのですか、一社に数えるのですか、どっちなんです。ちょっと、あなたはいいよ。そんなこと大臣知っているはずだから。だめかな。知らない……。

丸山良仁建設大臣官房長

○丸山政府委員 お答えいたします。  ジョイントの場合でも二十組になるような形でございますから、ジョイントの場合には二十社よりふえるという形になります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 これは、建設省がいろいろな問題を抱えているところですからね。今度は何かあれでしょう、派閥は違うんでしょう、あなた。だから、あれかもわからぬけれども、まあ、いまのはじゃあ取り消しましょう。それはそれとして、まあいろいろしっかりやってくださいね。  そこで、話はまたあれになりますが、実はこういうのがあるんですよ。元防衛庁の厚生課にいて、そして大日本土木に入った人、これは防衛大学を出た人、その人がある事件があって、一審で執行猶予になって、控訴して差し戻しになった事件があるわけです。これは名前は言いませんが、Aさんとしておきましょうか、その人が中に入った。これは防衛庁の厚生課にいたわけだから、この防衛庁の共済組合の川越土地宅地の造成、これは四十七年ですから、ちょっと古いのですよ。このときも、これは大日本土木に入っていたわけだが、大日本土木で、これは六回やっているのだけれども、みんな辞退させて大日本土木が受けておる。そのときにその人は、いまおりますが、実にいろんなことを詳しく言っておるわけです。トンネル会社をつくって、そしてある防衛庁長官、いまの長官じゃない、大分前ですからね、長官の秘書に百万円やった。これは判決に出ている。それとか、またある長官の秘書に何とかしたとか、住宅をつくってやったとか、それから競走馬を共同購入したとか、いろいろちゃんと判決に出ている。そういうようなこともあって、この事件はいま、それに絡むことは絡むのですが、裁判がまた東京地裁で行われます。日にちが、高裁から戻ってきてまだ決まってないのですけれども、行われますので、恐らく皆さん方も相当関心を持たれるのじゃないかと僕は思ってはおるのですが。  そこでこの問題について、そうすると、あなたの方としてはあれですか、このいわゆる念書の問題、割愛依頼書か何かによって業者がこういう地位につけますと、こういう約束をするわけでしょう。そういう約束は一つの経済的な利益を与えることになる。わかりますか。経済的利益を与えることになる。そうなるというと、大正四年の大審院の判例があるのです、古いけれどもね。それから見て、贈収賄の対象になるということになるわけですね。いいですか。職務権限もさっき話があったでしょう、技術審議官というのは入札から何から全部の権限を持っているのだから。そういうことになっているのですか。そういう点、防衛庁長官おわかりですか。(伊藤国務大臣「委員長」と呼ぶ)ちょっと待ってください。あなたじゃなしに、じゃあ、法務省の刑事局長、答えてください。

前田宏法務省刑事局長

○前田(宏)政府委員 御指摘のように古い判例でございますが、大審院の判例で、そういう職の約束が経済的利益に当たるという意味で賄賂の中に含まれると申しますか、そういうことがあることはそのとおりでございますけれども、これも稲葉委員に申し上げるまでもないと思いますけれども、そういう利益の供与が特定の公務員の職務に関して供与されるということで初めて賄賂罪の成立ということが考えられるわけでございまして、この場合に、一体だれを主体として考えていいのかという事実関係がございますので、直ちに賄賂罪になるというわけにはまいらないと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それは事実関係がまだ特定していない段階ですから。だけど、そういう経済的な利益を与えることが賄賂罪になるということは、これは間違いないわけですね、いまの説明からも。また、あとは職務権限の問題ですから、結局、そういう贈収賄罪の関係がそこに生まれてくる可能性というものはあるということだけにきょうはしておきましょう。  そこで、資料を、これは委員長が委員会に諮っていただきたいと思うのですが、いま言ったような防衛施設庁の審議官とかあるいは建設部長とか各地方局長とか、そういうふうな者がいわゆる再就職した場合に、そういうことが一体、過去十年間でどの程度あったのか。だれがどこへ行ったのか。こういうことは単に法律的な問題だけでなくて政治的な道義の問題にも関連してくることですが、それが第一の資料です。  第二は、歴代技術審議官、建設部長、各地方局長の在職していたところ、年限、退職した日、就職した日、就職したときにどういう地位についたか。それで、その後二年なら二年、その後どういうふうに地位が変化していっているか。現在どういうふうな地位にあるかということ、これが第二の資料要求。  それから第三は、余り古いこともあれですし、金額的にも余り小さなものまでやると大変だという話もありましたからセーブしまして、三年間で、防衛施設庁関係の工事で五億円以上での受注先と内容と金額、これを明らかにしていただきたいのです。  この趣旨はもうおわかりと思いますが、再就職という形の中で、それが就職した途端にというか、それから、いわゆるおみやげと称するもので防衛施設庁の受注工事がふえてきているということがわかってくれば、それはいわゆるおみやげというかそういう悪習というか、そういうようなものがあるということがわかってくるわけですからね、並べますと。そういう関係で、この際、しっかりとした資料をいただいて世論の期待にもこたえる、そういうような意味を含めてしっかりとしたものをいただきたい、こういうふうに思いますので、委員長から防衛庁の方へ命ずるようにしていただきたいと思います。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 御指摘の資料の件でございますけれども、役所として文書の保存期限の問題がありまして、十年間というものはもうないのであります。ですから、五億以上のものを、三年間の契約の内容及び会社の名前を出せ、これは私の方はそのようにいたしたいと思いますけれども、人事の話でございますが、これは三年ではいけないですか。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、僕は決して無理なことを言わないですから、あなたの方でできる範囲のことでいいですよ。そんなわけのわからぬことは言いませんから。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 わかりました。  それから、一つだけつけ加えさせていただきますけれども、おみやげの話は、またいずれ、この次、先生から御質問をちょうだいするのだろうと思うのですが、うちの方としておみやげをやるというようなシステムはありません。(稲葉委員「それはあたりまえだよ」と呼ぶ)それはありませんので、数字がどういうふうになっていても、おみやげのシステムはないということを申し上げます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 おみやげのシステムなんかありっこないよ。そんなことはあったら大変でしょう。それは、いまの資料からそういうことが推定できるかどうかという問題なんだ。だから、あなたの方で出せるものを出してください、いま出すと言ったのだから。それはいつまでに出すの。

吉本実労働省労政局長

○吉野(実)政府委員 八日までに出せば先生の時間に間に合うということでございますので、それまでに全力を挙げて間に合うようにいたしたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それはそれにして、今度は軍事費の問題に移りたい、こういうふうに思います。  私、いろいろ軍事費の問題を、これは予算委員会ですから予算の問題に関連して細かくというか、やはり聞く必要があるというふうに思います。  そこで、ひとつ総理にもお聞きしたいのは、日米会談がありましたね。あのときに、あなたとレーガン大統領との間で、同い年だ、同い年であなたの方が二十六日先だという話、そういう話がありましたか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 一九一一年生まれでございますから、その話が出たような気がいたします。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それは何か二十六日違うというのでしょう。これは質問に関係ないのだけれども、最初に気分をなごやかにする意味で聞いたわけなんだ。いや本当だよ。レーガンとあなたとの間の話は最初非常にかたかったわけだ。それで、鈴木さんもこちこちになっていたのでしょう。そこで、同い年だという話が出てきて、そして、いや私の方が二十六日早いんだという話になってから非常になごやかになってきた、こういうふうに僕は聞いているわけですね。  そこで、この日米会談の中で、防衛費の話というか、防衛の話は、一体出たのですか、出ないのですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 これは国際情勢一般、さらに日米両国の二国間の問題、国際情勢に関連をしまして日米安保体制の問題等々の話し合いがございました。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それは、日米で防衛の話が出るのはあたりまえの話ですね。そんなことが出ないというのがおかしいのですね。あたりまえの話。  そこで、あなたの方から、防衛の問題については日本ではこういうふうな点の考え方で制約がいろいろあるというお話をされましたね。第一が憲法でしょう。第二が財政。第三が世論でしょう。第四が東南アジアその他との関係からいって。この四つの点についてあなたがお話をされた。こういうことは御記憶にあるのじゃないでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 これは首脳会談の二日目でございますが、約二時間の間で一時間十分くらい私がお話をしたわけでございますが、それは、さきの大戦で日本が大きな過ちを犯した、近隣諸国にも大変御迷惑をかけた、国民にも大変な犠牲者を出した、そういうような反省の上に立って、日本は平和国家としてやっていかなくちゃいけないということが日本国民全体の共通の気持ちである、こういうことから説き起こしまして、それで、いまの日本の平和憲法、それから基本的な防衛政策、その点について専守防衛に徹する問題、非核三原則、近隣諸国に脅威を与えるような軍事力は持たない、それから財政事情が非常に厳しい状況にあるということ、さらに冒頭に申し上げたようなことから、防衛力の整備に当たっては国民の世論、国民のコンセンサスを得ながらやっていかなければいけない、こういうような趣旨のことを申し上げた、こういうことです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、この日米の共同宣言を見ますと、この中で八項でこういうのがありますね。「日本の領域及び周辺海・空域における防衛力を改善し、並びに在日米軍の財政的負担をさらに軽減するため、なお一層の努力を行うよう努める旨述べた。」こういうのが日本文でありますね。それは八項は問題ないわけですが、英文の、これも英文の正文ですね、これを見ると、その点が「メーク イーブン グレーダー エフォート」となっているのですね。「グレーダー」という言葉を使ってあるのですね。これは宮澤さん、グレーダーだから、erがつくのだから比較級でしょう。いまよりも一層大きな努力を行う、こういう意味に普通とるのじゃないですか、この英語は。これはどうですか。これは外務大臣かどうか知らぬけれども、どうなんです。いや、外務大臣でいいよ。そんなこと、わかるよ、あなたでなくて。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いまのお尋ねの件でございますが、「イーブン グレーター エフォート」、これは文字どおり、抽象的な努力をなお一層やっていくということでございまして、それ以上のものではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そういうことを言っちゃいけませんよ。ここに「グレーダー」という言葉を使ってあるのだもの。「グレーダー」というのは、いまよりも大きなという意味じゃないの。そんなこと、だれにだって常識的に考えられるのですよ、そういうふうに言われるが。  それで、その後のところに、「六月に予定されている大臣レベル及び事務レベル双方での日米両国政府の代表者による安全保障問題に関する会合に期待した。」こうありますね。これも間違いないわけですね。これはその後どういうふうになったのですか。二回開いていますね。どういう会議が開かれて、どういうことが議論されたのですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 外務省の承知している部分をまずお答えいたします。  六月にハワイで安保事務レベル協議というものが開かれたわけでございまして、その後で当時の防衛長官大村長官がワシントンに訪米されてワインバーガー長官と会談された。これが二つのここで言っている会談でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いまのこれ、日本語で言うと「期待した。」となっていますね。英語ではそうではないですね。「ルックト フォワード」となっていますね。前の方に行くということですね、フォワード。ルックは見るだけれども、フォワードというのは前の方に行くということじゃないですか。だから、前進するという意味で英文は書いてあるのじゃないですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 ここで英語の論争をするつもりはございませんが、ルッキング フォワードというのは、たとえば私が稲葉先生にお会いしたい、アイムルッキングフォワード ツー シーイング ユーということでございますので、お会いするのを楽しみにしている、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そういう意味は確かにあるのですよ。僕もそれはわかりますよ。フォワードという意味は前という意味でしょう、これは普通使う意味では。前向きに検討するというか、そういう形でいくということで「期待した。」ということになっているのでしょう、日本語の訳は。訳はどうでもいいのですが。  そこで、問題となってくるのは、いま言った会談の、二つの前の会談の中でいろんなディスカッションがあったということは、防衛庁でも認めているわけですね。そのディスカッションの中で、いろんなディスカッションだからフリーにやられたのでしょうけれども、そこで、アメリカ側から一つの試算書みたいなものが出てきた。それは公式文書と言えるかどうか別ですが、とにかくこういうふうなものにしてほしいという意味を込めた形かどうかは別として、そういうふうなものが出てきた、こういうことは事実じゃないですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 ハワイ会談でフリーディスカッションを行いました。その場合、フリーディスカッションですから、文書等であったわけではございません。いろんな項目でディスカッションしたわけですが、その中にいま御指摘のような防衛力の整備に関するディスカッションもございました。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 この前は試算書があったこともあなたは認めなかったのだよ。きょうは大分前向きになった。フォワードになった。  そこで、その試算書の内容というものと「防衛計画大綱」の別表があるでしょう、これとはどういう関係になりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 「防衛計画の大綱」は、申すまでもなく日本の、われわれの「防衛計画の大綱」でございますが、アメリカ側がディスカッションの中で言ったことは、日本の「防衛計画の大綱」のこともあるいは念頭にあったかもしれませんが、一応それとは離れて、アメリカとしてこういうふうなことが言えるのではないかという意味で言ったのだろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、こういうことがいいんだろうと思うということで言ったというのは、いまあなたは書類が、試算書みたいなものがあると言ったでしょう。これは防衛庁にあるはずですよ、この試算書。それはあれば説明してもらいたいんですが、こういうことじゃないでしょうか。  たとえば海上自衛隊は、固定翼の対潜哨戒機は、P3Cとは言いませんよ、P3Cなどを含めて百二十五機、誘導ミサイル護衛艦は七十隻、潜水艦は二十五隻とか、要撃戦闘機はF15、F4Eなどで十四個飛行隊とか、対地攻撃戦闘機は六個飛行隊だとか、あるいは輸送機はどうだとかかんとか、いろいろなことを言ってきているわけじゃないですか。こういう試算書があるというなら、じゃ、試算書をあなたの方で説明してください。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 これはフリーディスカッションで出まして、私どももちろんメモはとっておりますから、そういう意味ではメモはございますけれども、そのいまおっしゃいました具体的な数字等の中身につきましては、しばしば申し上げておりますが、フリーディスカッションで、お互いに公表しないということでございますので、公表は控えさしていただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 では、とにかく試算書があったということだけはきょう認めたんですから、前よりは進歩はしている、こういうふうに理解をしておきましょう。  そこで、総理、お聞きをしたいのは防衛費ですね。防衛費はGNPの一%以内ということは鈴木内閣として守るということを言っていますね。これはあなたの、鈴木内閣としての続く限りの公約である、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私どもは「防衛計画の大綱」の水準にできるだけ早く近づけたいということで、いま防衛力の整備を着実に、他の政策との整合性を考えながら進めておるわけでございます。また、五三中業が進んでまいりますと、その次の段階は五六中業に移行をすることにいたしておりまして、いまその作業を防衛庁がやっておるわけでございます、五六中業の作業を。  そこで、この「防衛計画の大綱」を決めました際、昭和五十一年秋でございますが、その際に、政府としては当面GNPの一%以内でこれを進めるんだ、こういうことを閣議決定をいたしております。私は、これから防衛計画を進めるに当たりまして、この五十一年当時の、当面GNPの一%以内でこれを進めるという方針を変更する必要はないと、こう考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いまのお話を聞きますと、鈴木内閣としては防衛費はGNPの一%以内を守る、こういうふうにお聞きしてよろしいですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 GNPというのは、これはもう百も承知ですね、経済情勢、いろいろの状況によってこれは動いていくものでございます。それから一方において「防衛計画の大綱」を今後五六中業を含めて実行に移していく、こういうことでございまして、いま作業中である。その際に、私は、五六中業の作業に入る際に、防衛庁に対して、これが特定の年度に余り予算が集中する、かさむというようなことは避けるように、なるたけなだらかに、財政事情がありますからなだらかにいくように十分配慮しながら作業を進めてもらいたいということも指示してございます。いままだ作業の中間的な段階でございますからその報告も私聞いておりませんが、私の指示のとおりに進められれば大体GNPの一%を超えずにやっていけるのではないか、当面変更する必要はないと、私はそのように考えています。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 何か非常にあいまいですね。そうすると、五六中業のあれが始まってくると、場合によってはGNPの一%を超えることもあり得るんだ、ただ、できるだけなだらかにして一%以下にしようというふうに話はとれるんですよ。  私が聞いているのは、そういうことを聞いているんじゃないんですよ。鈴木内閣としては防衛費はGNPの一%以内ということを守るんですか、守らないんですかということを聞いている。守らないなら守らないでいいですよ。いいと言ってはまずいけれども、とにかくあなたの言い分としては守りたいというのか、守るというのか、それは場合によっては無理だというのか、どっちなんですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 さっきからはっきり言っているのです。五十一年当時の、当面GNPの一%以内にとどめるということを変更する必要はない、こういうことです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そんなら五六中業の話をわざわざ出す必要はないのですね。だから、ただ平均するというだけの話じゃないですか、あなたの話は。(鈴木内閣総理大臣「超えないようにしようということだ」と呼ぶ)わかった、わかった。そんな私語をしてはだめだ。  そこで、いまあなたのお話から出たいわゆる防衛大綱の水準にいま達してないというのでしょう。それはわかった。  そうすると、防衛大綱の水準というのは一体、防衛庁長官、何を言うのですか。あの表がありますね。表だけではないというのでしょう。それはわかった。いま私が聞くのは、防衛大綱の水準というのは裏にある表だけではない。それはまず一点わかりましたよ。何が加わるのですか。全体としての防衛大綱の水準というのはどういうものなんです。——いやいや、ちょっと、あなた防衛庁長官なんでね。あなた、男子の本懐でなったんだから、とにかくそのぐらいのことは。無理かな、それは無理ならしようがないけれども。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 おっしゃいますように、大綱には別表がありまして、一応の水準を書いてあります。したがいまして、別表に書いてある水準は、それはもう一つの明瞭な指標でございます。ただしそれでも、たとえば約六十隻という場合に、どういう艦艇が六十隻なのかというようなことは書いてあるわけではございません。そういうふうに、一応書いてあるものは数量的にはめどになりますけれども、中身からいいまして具体的には示されていない。そのほか質の問題につきましては示されていない。それをどう判断するかということがやはり大綱の水準を決定していく一つのいまからの作業になろうかと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 確かに表についてはいろいろ問題があるでしょう、中身は余り書いてないのですから。  そこで、じゃ、防衛庁としてはいまは大綱の水準に達してないと言うのだけれども、いままでにすでに達成したものは一体何と何、どれなんですか。いままでに達成したものはこの表の中のどれを言っているのですか。それをちゃんとはっきり出してください。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いままでに達成したものといいますと、たとえば陸上自衛隊の自衛官定数十八万人、これは実際の現員ではございませんけれども、定数十八万人。あるいは陸上自衛隊の基幹部隊としまして十二個師団と一個機甲師団、あるいは二個混成団、あるいは特科団、空挺団、教導団、ヘリコプター団、こういった基幹部隊の編成はでき上がっております。同じような意味で、海上自衛隊につきましても基幹部隊の四個護衛隊群とか二個掃海隊群でありますとか、そういうものはでき上がっております。たとえば航空自衛隊について言いますと、二十八個警戒群、あるいは要撃戦闘機十個飛行隊、あるいは支援戦闘機三個飛行隊、そういうふうに基幹部隊はでき上がっております。中身の、たとえば先ほど申し上げました船にしましても飛行機にしましても、中身がどういうものかという議論は別ですけれども、部隊編成としてはでき上がっております。  それから、装備につきまして、たとえば海上自衛隊で言いますと、約二百二十機という作戦用航空機がまだ達していないとか、航空自衛隊で言いますと約四百三十機という作戦用航空機がまだ達してない、そういうものはございますけれども、したがいまして、現在で達成したものは何かと言われますと、主として基幹部隊の編成的な意味では達したものがある、先ほど申し上げたようなものでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、達成したものについてはちゃんとした、たとえばこれこれだけだじゃなくて、落ちたものがないような形でしっかりとした表をあなたの方で出してください。そして、まだ達成されてない残ったものは一体この中で何と何なのか、それをちゃんとはっきり出してくださいよ。それじゃないと、残ったものの中と今度の予算との関係が一体どうなるかということが一つの問題になってくるでしょう、予算の審議なんだから。それが出てないで、ただあなた、たとえばだけでは話はわからないですよ。きちんとした表を出してください。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いま申し上げたような基幹部隊の編成は編成としてできておるわけでございますが、たとえば陸上自衛隊十二個師団という場合に、その陸上自衛隊の十二個師団の各師団の持っておる装備が大変古いとか、そういう質の問題は別にして、十二個師団という師団の数はできているという意味においてはできているわけです。  それから、いま御指摘のように、たとえば護衛艦でございますと、護衛艦が何隻まだできていない、そういったようなものは資料として御提出いたします。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 今後、いままでできたものを除いたものについて、一体全部で幾らぐらい金がかかるのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 全部で幾らぐらい金がかかるかということでございますが、まさに現在やっております五六中業で「防衛計画の大綱」の線に到達することをめどにするということで作業をしております。その結果が出ないと、まだいまの時点でどれだけかかるかということを申し上げられるような段階ではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 しかし、おかしいですね。あなた、五六中業を、この防衛白書「日本の防衛」というのを見ると、これについては一年以内にもう作業をしてやると書いてあるでしょう、五六中業についてこの「日本の防衛」では。だから、もうすぐできるのじゃないですか。いつごろできるの、それ。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 去年の四月二十八日に国防会議で、いま申し上げました五六中業の作業を始めるに当たりまして、「防衛計画の大綱」の線に到達することを基本として作業をしてよろしいといういわばゴーサインをいただいたわけですが、そのころに、つまり去年の四月二十八日でございますが、そのころにおおむね一年ぐらいをめどに作成するということを申してまいったわけであります。そういうめどでいまやっております。しかし、今回は従前の五三中業と違いまして、何らかの形で国防会議にかけるということもございまして、そういった各省間の調整等も今後要るようになると思いますので、いまどの時点ででき上がるかというところをまだ申し上げられるような段階まで至っておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、大ざっぱに大体幾らぐらいかかるのですか、こう聞いているのですよ。たとえば十兆円かかるとか五兆円かかる、あるいは二十兆かかるとか三十兆かかるとか、大ざっぱなものはそこにあるのじゃないですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 まさに作業中でございますので、その点は御容赦いただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 これは大蔵省の関係があって、僕の方も全部そんなものは、軍縮の時代なんだから、軍縮しろという意見ですから、もちろんそれがなくなることを希望しているわけですから。ただ、このままで行くととめどもなくふえていってしまうのですよ。だから、私どもは心配して聞いているわけですね。  あなたはいま「何らかの形で国防会議の議題とする」、「日本の防衛」にも書いてありますね。防衛庁長官、書いてあるでしょう。五六中業は「何らかの形で国防会議の議題とする」、これはどういう意味ですか。あなたは防衛庁長官でしょう、答えなさいよ、そのことを。防衛白書に書いてあるのだもの。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 一昨年以来、五三中業ということでやってまいりまして、その五三中業の場合は純粋に防衛庁限りの作業ということでやってまいりまして、それが非常に世上いろいろ取り上げられまして、これが防衛庁限りで中業というようなものをやるということは問題があるということで、何らかの形で国防会議にというふうに決まったわけでございますが、その具体的な国防会議へのかけ方等も含めまして、いまから今後各省間で調整いたしまして文字どおり何らかの形で国防会議にかけたい、こういうふうに考えているわけです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、何らかの形といっても、まだわからないといったって、では、どういうことが考えられるのですか、形としては。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 自衛隊法に国防会議の付議事項がございますが、今回の場合、明文でもって付議事項には当たりません。したがいまして、どういう形にしましても直接法律に基づくものではございませんが、いわゆる国防会議で決定という形になるのか、あるいは報告了承といった形になるのか、そういったようなところがまだ今後の各省間の調整を経て決めていきたいというふうに考えておるわけであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そうすると、五三中業の場合は、三年間分で幾らの金がかかったのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 五三中業の場合は、五十四年度価格で二兆七千億ないし二兆八千億。これはお断り申し上げておきますが、中期業務見積もりは主要装備品の見積もりだけでございますので、主要装備品の見積もりだけについて申し上げますと、いま申し上げたような数字でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、今度の防衛予算の中の大きな特色というのは、後年度負担の問題ですね。一兆七千五百億の後年度負担だ、こういうのでしょう。それで、最初の年が八千幾らかな、五年間でしょう。その一兆七千五百億に至る年度別の金額をまず最初にお聞きして、その内訳をひとつ聞かせてください。

矢崎新二防衛庁経理局長

○矢崎政府委員 お答え申し上げます。  五十七年度予算で予定しております後年度負担の総額は、ただいま御指摘ございましたように一兆七千五百億ということでございますが、それの年度別の金額は、これは現段階では確定的に申し上げることは困難でございますが、予定した金額として申し上げますと、五十八年度の分が八千六百億円、五十九年度が五千四百億円、六十年度が三千二百億円、六十一年度が三百億円というようなことになっておるわけでございます。  それから、それの内訳ということでございますが、主要なもので申し上げますと、航空機購入の関係が約七千六百億円、艦船建造の関係が約三千九百億円、武器購入の関係で千四百億円、その他四千六百億円ということで、合計一兆七千五百億円ということになっておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 私の聞いているのは、全部の合計ではなくて、あなたの方で年度別の数字を出しておるわけでしょう。年度別の数字を出しているのだから、この数字の内訳を聞きたい、こういうことを言っているわけですよ。

矢崎新二防衛庁経理局長

○矢崎政府委員 最初にお答え申し上げました一兆七千五百億円の年度別の金額と違う何か別の——ちょっとよくわからなかったものですから……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 五十八年度で八千六百億というのでしょう。その内訳はどうなのかということを細かく聞きたいということを言っておるのです。一兆七千五百億の内訳ではなくて、そういうことを言っているわけです。

矢崎新二防衛庁経理局長

○矢崎政府委員 五十八年度の約八千六百億円という支出予定額、これの内訳を申し上げますと、航空機購入で約二千七百億円、艦船建造関係が千四百億円、武器購入が約千億円、その他が三千五百億円、大体そんな内訳になろうかと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 なぜ私そういうことを聞きますかというと、結局後年度負担でしょう。それで、五十七年度よりも五十八年度がどんどんふえていくのですよ。ダウンするところもあるし、ふえていくのもあるし、それを私は聞いているわけなんですね。  そこで、一番ふえていくのはF15とP3Cでしょう。それが一番中心になっていきますね。わかりますか。そこで、F15とP3Cのライセンス生産とそうでないMDAですか、直接の政府間の売買もありますね。ライセンス生産というものに対して具体的に日本の政府が関与するのは一体どういうふうなところで関与するのですか。純粋な民間のコマーシャルベースのものもありますよ。それと分けて説明してください。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 ライセンス生産について日本政府の関与分ということでございます。  まず、基本的に申し上げますと、主要なライセンス生産のものにつきましては、たとえばFであるとかPであるとか、そういったものにつきましては、米国政府との間で細目の取り決めを取り結びまして、それに基づきまして了解覚書というものをつくります。その了解覚書の性質は、アメリカ政府が所有しておりますところの工業所有権であるとかあるいは技術上の知識であるとかいうものを日本政府に有償で渡すという内容と、それから民間同士で技術援助契約についての話し合いをさせるといったことが主たる内容になっております。それがいわば法律上からいたしますところの政府の関与分かと存じます。  それからその次に、御質問はどうも金額の面からどういう点が関与をしているかということにも関係いたすと思いますので、それについて考えますと、まず、いま申し上げましたように、アメリカ政府所有の工業所有権あるいは技術上の知識を有償で渡す際に、基本的には、アメリカ政府はそういった工業所有権をつくり出すに必要になりましたところの、RアンドDと言っておりますが、これは研究開発費でございますが、研究開発費の割り掛け分を機数割りにいたしまして、日本政府から償還するということを行っております。したがいまして、その分につきましては日本政府が直接に関与いたします。その他、物によりましては、いわゆるFMS契約によりまして、一部の部品とか搭載品について日本政府が買うものもございます。  以上でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、たとえばF15にしろP3Cにしろ、単価の内容がわれわれにわからないわけですよ。予算書としてわからないで、ただ審議しろ、審議しろというだけの話ですね。それでは私はいけないと思うのです。これが必要かどうかという話はまた別の議論です。この前も議論がありましたから、また今後もあるでしょうから。  私がいま言うのは、アメリカの研究開発費というのは、日本が買うP3Cの価格ですね、五十七年度では初度部品を含めて百十五億ですか、F15では輸入の場合九十四ですね、それから国産の場合百十二かな、いろいろありますが、そういう中にどの程度入っているのか。これです、問題は。それともう一つは、いわゆるロイアルティーと称するものとは別個のものなのか、これがどういうふうに入ってこの単価が出てきているのか、それを聞きたいわけですよ。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 RアンドDについてのお尋ねでございますが、これはたびたび国会でも申し上げておりますが、アメリカとの間で公表しないという扱いになっておりますので、申しわけございませんけれども、これはひとつ控えさせていただきたいと思います。  それから、あと民間のライセンス間の費用でございます。ライセンスフィーとか言われておりますが、これは普通ロイアルティーというのとイニシアルフィーに分かれておりまして、イニシアルフィーというのは、いわば最初に一括して払う金でございます。それから、ロイアルティーの方は、機数割りによりまして、実際に生産する機数によって払う、こういうものでございますが、これは何せ私人間の、アメリカの企業と日本の企業ということでございますが、私人間の私契約の問題でございますので、私どもここで申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに考えます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 私が質問しているのは、いま言ったアメリカとの間の公表しないということね。アメリカの研究開発費が価格の中にずいぶんぶち込まれているのですよ。だから、どの程度ぶち込まれているかということ、それは細かい数字はいろんなあれかもわからぬけれども、第一点は、公表しないという約束はいつどこでできたのですか、これはだれとだれとの間でできたのですか、法律的にはどこに根拠があるのですか、これが第一点だ。それから、これは大体おおよそどの程度のものなのですか。高いのですよ、みんなこの中にぶち込まれてしまっているのだから。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 これは、まず公表しないのはどこで決まっているかという御質問でございますが、それは、細目取り決めに基づきますところのアメリカ政府と日本政府の間に結ばれますところの了解覚書の中に、公表しないということが書いてございます。  以上でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それは、この前国会に三十二本出したとかなんとかいうものと同じなんですか、違うのですか。三十二本出すという話があって、四本まだ出せないとかなんとか言っていましたね。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 いまお話しのは、たぶん外務省の御所管のことかと思いますが、外務省の方で細目協定、細目取り決めが三十二あって、そのうち二十八だったかと思いますが、それにつきまして公表したということでございますが、いわばその子供になるところのものでございます。その子供に、後に当たるところの了解覚書、こういったものでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、子供になるということで、三十二本の中から外務省はいま二十八本出すということを約束して、これはあとの四本の中でアメリカで公表していいというものについては出すと言っているのでしょう。ちょっとそこがはっきりしないけれども、そのうち三つぐらい出すと言っているのかな。その子供ならば、一体どれの子供なんですか。(「だれの子だ」と呼ぶ者あり)だれの子供だというのもおかしいけれども、協定や幾つかのどれのあれなんです。これは出せるのか出せないのか、どうなんです。出せなければ出せない根拠はどうなんです。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いまお尋ねのFの15については、その交換公文というのがございます。これは二十七という番号を振って国会にお出しした分かと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 二十七ですね。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 はい。いま問題になっているのは、その下でできる了解覚書ということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 それでは、F15はそれで、P3Cは。いまのはF15の話でしょう。P3Cはどうなったのですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 P3Cは二十八番という番号を振ってお出ししております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いや、二十八と二十七というのは、これは外務省から出したものでしょう。そうすると、その中で、それは公表しないという取り決めのようなんですね。しかし、具体的な金額はこの中に含まれていることは間違いないわけですね、いまの話を聞くと、くどいようだけれども。それは、どうして日本の国会でそれが明らかにされないのですか。それでなければ、あなた、この金額がP3Cにしろ一機百十五億もするのですよ、それからF15にしろ百億以上のものですよ。その内訳が妥当であるか妥当でないかということを全然審議ができないじゃないですか。内容がわからないで、ただのめ、のめと言ったって、そんなのは無理ですよ。それは具体的に明らかにできないはずはないですよ。  それじゃ、もう一遍ちゃんとしてくださいよ。それは一体だれとだれがどういう約束をしたのだ。だれとだれがどういう約束をしたのか、そのことを国会に諮ったのか諮らないのか、それはどうなんです。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 実は、公表の点につきましては、私どももアメリカの政府といろいろ交渉したことがございますが、向こうの言い分によりますと、個別の航空機の研究開発費と、それから実際に生産を予定する機数との関係、それからまた諸外国との交渉の関係、そういったことが複雑に絡み合うこともあり、いずれにいたしましても、こういったものは公表するに適しないということになっているわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いやいや、複雑に絡み合うということと出せないということとは、これは全然理由が違うぞ。それならあなた、出して計算すればいいので、そんなのは理由になりませんよ。そんなのはおかしいよ。だから、いま出せないと言ったその二十七、二十八というのは、それは法律的には契約はどうなっているのですか。それはどこに基づいているのですか。国会に報告したのかしないのか、それはどうなんです。そんなのはおかしいじゃないか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いま稲葉委員の御質問の点でございますが、三十二本のうちの二十八本提出してございます。それと、いま問題にされているのは、その下で、先ほどから装備局長が話をしている了解覚書ということでございまして、したがって、われわれが、外務省が国会にお出した残りの四本、これはいわゆる了解覚書の上にあるすでに御提出した、同じような交換公文あるいは協定というものでございまして、なぜ公表できないかというのは、アメリカ政府の取り扱いが残りの四本について二十八本と違うのかどうか、その点がまだ未確認のために出してないわけでございまして、これはアメリカ側が公表してあるということであれば残りの四件についてもお出しできる、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 話がちょっとよく僕ものみ込めないのですが、そうすると、残りの四本といまのこの研究開発費と、それはどういう関係があるのですか。話がわからないのだ。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 Fの15、P3Cについては、さっき申し上げましたように、交換公文というのが二十七と二十八にございます。その中で細目取り決めを締結するというのがあって、その細目取り決めと申しますか、それに基づいて結ばれるのが了解覚書ということでございまして、したがって、残っている四本というのは、そのいま問題になっている了解覚書でなくて、全然別個のものの交換公文でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、これと関係があるのかと聞いているのだ。P3CとF15とは関係ないのでしょう。あなたの話を聞くと、あとの四本がこれと関係があって、そういうふうに聞こえるのですよ。これはそうじゃないでしょう。あなた、それは違うよ。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 御説明が悪かったかと思いますが、残りの四本、関係ございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そんなのはあなた、あたりまえじゃないか。関係ないのなら全然そんなことを答える必要はないことなんで、筋が違うことを意識的に答えているのです。これはいかぬことですよ。  そこで、もう一つ問題になってくるのは、じゃこのライセンス生産の中で、私どもは、今度は予算が出ていて、決まれば国がこの金を払うのでしょう。どこに払うのか知らぬけれども、三菱重工に払うのかあるいは石川島播磨に払うのか知らぬけれども、その中にはロイアルティーも入っているのですか入っていないのですか。イニシアルフィーは入っているのでしょう。これは最初に全部まとめて払うわけだね。日商岩井のときは五百万ドル払っている。そのとき、後のはロイアルティーは一機について七万五千ドルか何か払っているでしょう。そういうふうなものもこの金額の中に入っているのですか入っていないのですか、それを聞いているわけです。だから、純粋なコマーシャルでいくのなら、これは日本が関係ないかもわからぬけれども、そうじゃなくて国が関与をして買うことを言っているのだから、その場合に、それがこの中に入っているのか入っていないのか、それはどうなんです。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 先ほど来申し上げましたような米政府に対しまして払うところのRアンドDの割り掛け金それからイニシアルフィーとロイアルティーから成りますところのライセンスフィー、これは入ってまいります。  ただ、一点御了解をいただきたいのは、いま日商のイニシアルフィーと言われましたが、これはちょっと違った性格のものでございまして、これは商社が介入したときに商社の方の手数料ということで入るものでございまして、その点はちょっと御了解いただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、日商のあればいま例を引いたけれども、これは特殊な例ですからそれはいい。それは除いて、いま私の言ったのは、だから結局この中に、日本が買うとして予算書に出ているものの中に、P3C、F15、このものの中にいま言った研究開発費とそうしてイニシアルフィーとそれからロイアルティーとが入っているものもあるということですか。そういうように理解してよろしいでしょう。全部入っているのか、入っているものもあるというのか、それはどっちなんですか。入っているとすれば、おおよそ大体どのくらいになるのか、こう聞いている。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 まず第一の御質問でございますが、国産で開発したものにつきましては、基本的には防衛庁の方が国の予算で研究開発させていただきまして、国の方がそういった工業所有権なり知識を取得いたします関係上、そういった場合につきましては、特殊の場合を除きましてイニシアルフィーとかロイアルティーというのは払わない、これが一般でございます。ただ、いまお話しになっておりますF15、P3Cというのは、もともとアメリカで研究開発費を払いまして、そこで開発されたものでございますから、その分についてはそういったお金を払わざるを得ないということで、そういった意味で、P3CあるいはF15の単価の中に入っておるという次第でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、私が聞いているのは、では一つ例を挙げて聞きましょうか。P3Cは、国産機七機で、五十五年が九十六億だったでしょう、部品込みで。今度は百十五億になっているでしょう。これは約二十億円上がっているのですよ、二年間に。これはどうしてこんなに上がるのですか。具体的な上がる理由を数字に基づいて説明してくださいよ。余り上がり過ぎるのだ。これは高過ぎるよ、幾ら何だって。それはP3Cが優秀なものであるということは僕らも聞いて知っているけれども、この前、何かテレビでやっていましたけれども。  そこで聞くのですが、どうしてこんなに上がるのですか。二年間で一遍に二十億円も上がっているのです。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 値上がりの理由でございますが、五十三年度から五十七年度までをとりますと、P3Cにおきましては二十五億円、値上がり率三六%、年率で八%でございます。それから、F15をとりますと、同期間におきまして約二十八億円、値上がり率四一%、年率九%でございます。  値上がりの理由でございますけれども、個別に御説明したいのはやまやまでございますけれども、個別の内容を申し上げますと、今後の商議、ネゴシエーションでございますが、業者との商議に非常に差し支えまして官側を不利にいたしますので、それについては、これまでもたびたび御要請がございましたけれども、差し控えさしていただいている次第でございます。  ただし、ここで申し上げられますことが幾つかございますが、まず値上がりの一番最大の理由は、アメリカから、国産されている以外の部品とか構成品とか搭載品とか、そういうものを買っておりますが、これにつきましては、アメリカのインフレ率、非常に高うございます。最近でこそ少しおさまってまいりましたけれども、いま申し上げました期間中におきましては毎年十数%といったような割合で上がっていたことは稲葉先生もよく御存じのとおりかと思いますが、そういったことがどうしても価格の上昇の上にはね返ってこざるを得ないという点がございます。  それから、一部のものにつきましては国産化を拡大いたしております。私どもといたしましては、維持補給の観点、あるいは日本に生産基盤を維持する観点、技術を取得する観点、さらには日本に雇用をふやすといったような観点を含めまして、なるべく国産化率をふやすように努力をしておりますが、その国産化を拡大することによりまして値上がりが起きる、そういったような要素もございます。  一方、慣熟によりまして加工工数が逓減するといったような値下がりの要素もございますが、いま申し上げました値上がりの要素の方がはるかに大きいために、全体を総合いたしますと、いま申し上げましたような値上がりになる、こういう状況でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 とにかくこんなに上がるということは常識で考えられないですね。余りにも上がり過ぎて高過ぎるということが考えられるのですね。  そうすると、国産機と輸入機とを比べると、輸入機の方が安いのですね。国産機の方が高いのですよ。これはどういうわけですか。そういうふうにしろとかなんとかというのじゃなくて、どうしてこういう数字が出てくるのですか。たとえばF15の場合は、国産機が百十二億、それから輸入機が九十四億、こんな数字が出てくるのですね。これは、どうしてこういうふうに数字が違うのですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 先生御指摘のとおり、国産機の方が高うございます。  その理由の最大のものは、先ほど来御説明しておりますRアンドDにつきましては、米国政府みずからが買う場合には、当然のことながら省くということがございます。  それから、その次の理由は、国産の場合にはどうしても機数が少のうございます。先生も御存じのとおり、F15の場合には全体で、正確な数字はちょっと忘れましたが、百機以下でございます。アメリカの場合には御存じのとおり七百機程度いまつくっているかと存じますが、機数のオーダーが全く違うということでございまして、したがいまして、機械設備であるとか治工具であるとか、そういったような諸掛かりが日本の場合にはどうしても割り掛け分として非常に高くかかってしまう、こういう事情が国産品を高くする、こういう要因として働いているというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、P3Cのこの価格の中にはミサイルは入っているのですか、入っていないのですか、どうなんですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 入っておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 入ってないですね。そういうのを加えると、これは結局幾らになるのですか。金額としてはどういうふうになるのですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 ミサイルの搭載等、いろいろ条件がございますので、後で条件を設定させていただきまして資料を提出させていただきます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 これ、日本テレビでやったでしょう。航空ジャーナルの中村という人が向こうへ行ってやったのを、週刊誌に載っているやつをやっていまして、聞いたときちょっとよく聞き取れなかったのですよ。百十一億とか言ったけれども、これは割った数字でしょうけれどもね。そのとき、ミサイルは別だというようなことを言ったかどうかはっきりしなかったので確かめてみたら、別だと、こう言うんですね。そうすると、これはずいぶん高くなるわけですね。  そこで、もう一つの問題は、P3Cの場合とF15の場合と、最初払う金が今度はずいぶん違いますね。P3Cは一・一ですか、F15は一・五、こう最初払うのですね。それで、これは金を払うのを五十八、五十九とずっと後へ延ばしていますね。それはどういう理由で延ばしているのですか。これはわかり切っているわな。これは最初に払えばうんと金額がふくらんじゃってGNPの一%を超えちゃうという可能性もある。まだ超えないかな。そういうようないろいろな可能性があるということも考えて後へ回した、こういうことになるのでしょう。  それはそれとして、なぜこういう数字が、P3Cの場合に五十三、五十五、五十七、F15も、それを比べてみて、最初払う金はどうなっているのですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 最初に払う金、いわゆる初年度支払い額でございますが、P3Cでとってまいりますと、五十三年度は初年度支払い額が十一億、割合でいいますと一・九%でございます。それが五十五年度では十四億になりまして、同じく一・五%でありました。それから、それが五十七年度になりますと九億円で一・一%、こんなような傾向がございます。  F15について申し上げますと、五十三年度初年度支払い額が五億円でございまして〇・三%、それから五十五年度でございますが、これが二十三億円で〇・八%、それから五十七年度は三十七億円で一・五%、こんなような傾向がございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いまの計算の中で、F15の一・五%、このうちで、アメリカからのあれでアメリカに払う金はどのくらいになりますか。約一%アメリカに払うのでしょう、これは。アメリカから早く金をくれ、金をくれと言ってきているんじゃないですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 ただいま持ち合わせておりませんので、後で調べまして御報告申し上げます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いや、持ち合わせていないんじゃない、持っているよ、あなた。何を言っているんだよ。持っているけれども、いまここでそれを言うとまずいんでしょう。そんなことはわかっていますよ。一・五%というのは、一%はアメリカヘの支払いでしょうが。そうでしょう。わかっていたら言いなさいよ。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 本当に持っておらないわけでございまして、ただ申し上げられるのは、FMSの支払い分がこの中に入っております。その他の分もあるようでございますから、至急にその仕分けをいたしまして、できるものを差し出したい、こういうふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 あなたがそういうふうに言うんだからね。  このうちFMS分が二機入っていて、一・五%のうち一%はアメリカへ払う分ですよ、これは。あなたは言いづらいのかよく知らぬけれどもね。  そこで、これは大蔵大臣にひとつお聞きをしたいのですが、中期展望というのが出ていますね。ことしも出た。去年も出た。二回出ましたね。そうすると、去年の中期展望の中で、五十七年度の見込み、これはどういうふうに出して、その数字とことしの政府予算案とを比較してみたときに、ふえたのは何と何と何ですか。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 昨年の財政中期展望の内訳でございますが、防衛関係費は、五十七年度分は二兆五千四百九十億、六・二%の増という数字になっております。  ただ、これは先生もよく御承知のとおり、各経費の内訳につきましては、五十六年度の予算額をもとにいたしまして、これを客観的な数字だけを使って将来に伸ばす、主として物価の上昇率のようなものをそれぞれ使いまして将来に伸ばすという、全く政策判断その他の入ってない計数でございます。したがいまして、中期展望の一番表書きにも書いてございますように、予算を拘束するものでもございませんし、また、計数は情勢の変動に応じて変わり得るものだと申しております。  それはともかくといたしまして、五十七年度予算は、防衛費は二兆五千八百六十一億円でございまして、七・七五%の増加となっております。先ほど申しましたように、積み上げによる積算に全くよっておりません。単純な物価その他による引き伸ばしでございますから、実際の予算との比較をするという性質のものではございませんけれども、内容的に強いて考えますと、中期展望におきます主要経費ごとの経費の計算の中には、たとえば公務員の人件費につきましては、給与改善費一%を予算で計上しておりますので、人件費の増加も一%だけを見ているわけでございます。実際には五・二%強の給与改定がございましたので、それらの項目は、中期展望の防衛費のところでは予定をしておらない、それらは予備枠の方で対処するという計算になってございます。そういうふうな違いが原因だろうと考えます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いまのあなたのお話を聞きますと、防衛費が伸びたのは——これで見ると、伸びたのは国債費と恩給関係費と防衛関係費だけですね。この三つであることは間違いない。これは政策判断を加えてないものだ、こういうふうなお話ですね。そういうことですか。何か防衛費が伸びたということについては、これ以上伸びているということになるわけですか、どういうことになっているのです。これで言いますと一・六伸びているでしょう。一・六伸びているうちで、伸びたのは国債費と恩給関係費と防衛関係費だけであって、一・六伸びておるそのうちの二分の一くらいは人件費だということになるわけでしょう。そう見ていいですね、比較をいたしますと。そうすると、防衛費と国債費が伸びておるということですね、中心は。そういうふうに承った。あとはみんな減っているわけでしょう、これで見ると。五十六年度かな、五十五年かな、暦年でいうと五十六年に予想した五十七年度の伸びの予算とことしの予算とを比べてみたときに、防衛費が伸びておるということは間違いないですね。これは数字が出ているから間違いないわけだ。それには、いまのあなたのお話を聞くと、政策的な判断が加わった、こういうふうに考えられてくるんじゃないですか。ほかはみんな減っているのでしょう。ほかは減っている中で、それで見ると、あの当時の状況では、いろいろな判断をしなかった、政策的判断をしなかったということでも伸びているのですけれども、実際にはもっと伸びているということになれば、これは政策的判断を加えて防衛費が伸びておる。だから、このときの大蔵省の、去年の判断の中と比べてことしの予算の中では、一番大きく伸びているのは国債費と防衛費だけだ、こういう結論が出てくるのじゃないですか。私もちょっともたもたしたけれども。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 財政の中期展望で試算をいたしますときには、現在の予算額が何ら前提に変更がないという仮定を置きまして、そして、それらを幾つかの項目に分けまして、それぞれ通常考えられる増加率というのは何を基準にしてはじけばよろしいかというようなことを相手省と相談をしまして計算を決めてまいる、そういう全く、何と申しましょうか、抽象的な推計計算を行っているわけでございます。したがいまして、いろいろな経費につきまして、物価の上昇でございますとか、人口構成の変化でございますとか、そういう指標を手がかりにして伸ばしてございますので、本来五十六年度時点で五十七年度の防衛費予算あるいはそのほかの社会保障なら社会保障費予算はどういう方向で査定すべきものであるかとか、その年になったならば、それぞれの経費についてどういう情勢の変化が生まれるだろうかとか、そういう判断は一切してない、機械的な計算でございます。  そこで、そういう機械的な計算と、実際にその年の財政事情、経済情勢その他に応じまして要求を受け、査定をした予算とは本来違っておるのでございまして、そこを比較しましてどちらが大きいか、あるいはどちらが小さいかということを検討するというのが必ずしも適当でないのではないか、そういう比較のできるような次元でない、別の次元に基づいた数字だということを御説明申したわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 どうもいまの点は私どもよく理解ができないのですがね。それならば、何もここに中期展望というようなものを出す必要もないというふうに私は考えるのですがね。意味はないのじゃないかというふうに考えます。  そうすると、これは大蔵大臣のあれですが、来年はP3Cが十機ですか、それからF15が二十機かな、これを買うということは、国庫債務負担行為としては、契約としては本予算案に入っているけれども、実際に買うということは約束されているわけなんですか。どういうふうになっているのですか。これは政治的判断の問題じゃないかな。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 五十七年度の国庫債務負担行為として計上いたしております航空機の購入機数は、当然年度内に契約するものでございますけれども、そこに載っておりません以後の年次分につきましては、何ら約束もございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 いまのお話を聞きますと、来年度P3Cを十機買う、それからF15を二十機買うということについては、国会は当然ながら拘束をされない、あたりまえのことですけれども、こういうふうに承ってよろしいですか。防衛庁はそういう計画を立ててやっているのじゃないですか。防衛庁長官と大蔵大臣の間でそういう約束があったというふうに伝えられているから聞いているわけです。どうですか、それは。

松下康雄大蔵省主計局長

○松下政府委員 これは昨年の予算折衝の過程におきまして、防衛庁長官からは、五十八年度も引き続いて残り機数を要求をいたしたい、この件につきましては六十一年度に取得できるように特段の御配慮を賜りたいという御発言がございました。それに対しまして大蔵大臣は、事柄の性格上来年のことを確約するわけにはまいりませんということは御理解いただけると思います、しかしながら、五十八年度の予算編成に当たりましては、本日の防衛庁長官の御要請を十分配慮して適切に対処してまいりたいという発言をいたしております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 何か防衛庁の方では、それはもう当然取れるものだというふうに、前提としていろいろ計画して発言をしているようにとれるのですね。防衛庁長官、そういうことじゃないですな。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○伊藤国務大臣 防衛庁の責任者といたしまして、ぜひ来年度はそういうことでお願いしたいという気持ちは持っておりますけれども、確約とか約束というものではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そこで、最後の質問になりますが、これは安倍通産大臣、あなたとレーガン大統領との会談がありましたよね。そのときに、問題として、鈴木親書という形で、一つはポーランドの問題、第二は防衛の問題、第三は貿易摩擦、このことについて何かレーガンと話をしたということを、この前、竹村健一のあれのとき、あなたは言っておられましたが、そうすると、その第二の防衛に関する問題というのは、どういうふうなことをあなたとしてはレーガン大統領に言われたわけですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 アメリカに行く前に鈴木総理にお目にかかりまして、レーガン大統領に会えるかどうかわからないんだけれども、お目にかかったとき何かお伝えすることがありますか、こういうことで相談をいたしましたら、いま当面の日本の直面している課題、一つは、貿易の問題で行くわけですから貿易の問題、それからポーランド情勢、ポーランドに対する日本の立場、さらに防衛についての日本の基本的な考え方、これは時間があれば説明してほしい、こういうことでございました。わずか十五分間ぐらいの会見ではございましたが、お話しのような三点につきまして、日本の基本的な考え方を説明したわけであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 そのときに、あのときのあなたの発言を見ていますと、防衛の問題で、日本は自主的に防衛費を増額したというふうなことをレーガンに話したというふうにあなたはしゃべっているのです。そういうことを言ったことがあるのですか、レーガン大統領に。レーガン大統領は防衛の問題についてどういう答えをしましたか、あなたに。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 防衛の問題はもちろん日本自体の問題でございますけれども、私は、わが国として防衛については、非常に厳しい財政状況の中であるけれども、防衛費については最大の努力をして、政府・自民党の決断によって七・八%の増額を確保いたしました、こういう説明をいたしたわけであります。これに対しましてレーガン大統領は、全体をあわせて、貿易問題については自由貿易を守って保護主義を抑えなければならぬ、そういうことも申し上げたわけですが、全体的にそういうことに対しては評価をする、こういうことでございました。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 貿易摩擦のことについて評価するというのは何を評価するのですか、あなた。貿易摩擦のことについて、まだこれからやることでしょう。まだ全然やってないのでしょう、大体のことは。それから、ポーランドの問題についても、アメリカのレーガン大統領が日本の総理大臣なり何なりをどういうふうに評価するのですか。評価のしようがないですよ、それは。だからそれは、防衛費をふやしたということを報告したでしょう、あなたは。間違いないんだから。報告したんだから。しかも、自主的にふやしましたということをあなたは言っているよ、テレビの中で。  そんなことを一体、自主的にふやしたなんということをなぜアメリカの大統領に言う必要があるのですか。アメリカはなぜそれを評価する必要があるのですか。おかしいじゃないですか、そこのところは。筋がおかしいよ、そんなことは、あなた。日本が日本の防衛費を自主的にふやしたなんということをアメリカに言う必要もないし、アメリカがそんなことを評価する必要もないじゃないですか。おかしいじゃないですか、そんなことは。ポーランド問題とかなんとか、そんなことは関係ないよ。だから、真ん中の防衛費の問題でしょうが、アメリカが評価したというのは。あたりまえの話じゃないですか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 安保体制で日本とアメリカとの関係があるわけですし、私は報告したわけじゃなくて、日本の防衛に対するいまの努力を説明をしたわけです。それに対して評価をした、こういうことでありますから。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、あなたの話を聞いていると、三つあわせて全部評価したようなことに聞こえるから。いまそうでしょう。だから、そんなことじゃないでしょう。防衛費の問題を中心として、アメリカは、レーガン大統領は日本の防衛費増を評価した、そういうことじゃないのですか。そういうふうに聞こえるんじゃないですか。  それと総理、最後の質問になりますが、あなたがいまの防衛費の問題で、レーガン大統領との間で話をされましたな。そのときに、防衛費の問題に触れていろいろと制限しましたな。憲法の制限がある、財政の制限がある、それから三つ、世論だとか東南アジアの関係を言いましたね。そのときに財政の問題でレーガン大統領との間で、日本の財政はいま非常に苦しい、三分の一以上の借金があるんだ。だから、いまはできない。いいですか。だけれども、当然その間、議論の中で、それが脱却をすれば防衛費をもっとふやすということになりましょうという意味のあなたは話を、当然そこで話が出てきたんじゃないでしょうか。財政が苦しいという話が出て、借金が三分の一あるという話をしたでしょう。だから、そういう話が出てきたんじゃないですか、アメリカとの間に。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○安倍国務大臣 ちょっと……。いま私が説明をしたのは、一つは、ポーランドに対する日本の立場と、それから、いまの防衛の、いま申し上げましたようなことと、さらに貿易につきましては、日本がこれまでやってきた関税、東京ラウンドの二年間の前倒し、それから一月いっぱいで結論を出すことにしておるNTBの、非関税障壁に対する改善措置、そういうものによって、貿易摩擦についてはわれわれとしても最大の努力をしておるんだ、こういうことを説明をしたわけです。そして、お互いに自由貿易を守っていきたい、こういうことを説明したことに対して、その三点に対して評価をしたということでありますから、貿易問題もあわせて、われわれの努力についての評価、こういうことですね。貿易問題もそうです。貿易問題もあわせての話です。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 日本の基本的な政策を話し合った、その際に、いま財政再建、非常に苦労しておる。国民の皆さんにも協力を願って、これに努力をしておる。そういう際であるから、対外経済協力の問題にしてもあるいは防衛の問題にしても、なかなか思うようにこれはいかない。であるから、早くこの財政の再建を達成をしたい、こういうことを言っている。これはあたりまえのことを申し上げたわけです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 だから、それは防衛費の問題に関連したときにそのお話が出たんでしょうと言うんだ。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 全体の問題を話し合っております。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 時間ですから。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉委員 時間ですからやめますがね。だけれども、全体の中で日本の財政が苦しいという話をしているんじゃないですよ。私は、だから言っているのは、防衛費のときに、憲法の問題、財政の問題、世論の問題があると言って話した、その中の財政のときに、いま財政は苦しい、三分の一借金があるんだ。だけれども、それが終わった段階ではもっとあれしてもいいという意味のことをあなたはおっしゃったんじゃないですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 第二回の首脳会談で一時間十分に及んで言っているわけですから、防衛の話ばかりやっているわけじゃありませんよ。これは日米の二国間の関心のある重要な問題、国際問題に関連して、あるいはアジア情勢、アジアに対する協力、こういうこと全体を話をしているんですから。そういう次元の低いことじゃない。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて稲葉君の質疑は終了いたしました。  次回は、明四日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時八分散会

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