法務委員会 第1号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/12/21
会議録
○羽田野委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、法務委員長に選任され、まことに光栄に存じますとともに、その責任の重大さを痛感いたしております。 もとより微力でございますが、委員各位の御理解と御協力を賜りまして、誠心誠意円満なる委員会運営に努めてまいる所存でございます。 何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ————◇—————
○羽田野委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事木村武千代君から、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴う理事の欠員二名並びにただいまお諮りいたしました理事辞任により、現在理事が三名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は 太田 誠一君 高鳥 修君 森 清君 を理事に指名いたします。 ————◇—————
○羽田野委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政等の適正を期するため、本会期中 裁判所の司法行政に関する事項 法務行政及び検察行政に関する事項 並びに 国内治安及び人権擁護に関する事項 について、小委員会の設置、関係方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○羽田野委員長 この際、坂田法務大臣及び竹内法務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。坂田法務大臣。
○坂田国務大臣 一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、はからずも法務大臣に就任いたしまして、法務行政を担当することになりました。 私は、法務行政に課せられました使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤ともいうべき法秩序が盤石であって、国民の権利がよく保全されていることがきわめて肝要であると存ずるのであります。特に、わが国の内外にわたりきわめて困難な問題が山積しておりますこの時期に当たり、その職責のいよいよ重大であることを痛感いたしておる次第であります。 私は、こうした認識のもとに、法務行政の各分野にわたり一層の充実を図り、時代の要請に応じた適切な施策を講じ、真に国民の期待する法務行政の遂行に万全を期してまいりたいと存じております。 もとより、これらのことは、委員長を初め委員各位の御理解、御協力なくしてはとうてい果たし得ないのでありますから、どうかよろしく御支援、御鞭撻のほどお願い申し上げます。 以上、簡単でありますが、所信の一端を申し述べ、就任のごあいさつといたします。(拍手)
○羽田野委員長 次に、竹内法務政務次官。
○竹内政府委員 このたび法務政務次官に就任いたしました竹内潔でございます。 時局柄、大変大任でございますけれども、坂田法務大臣のもとによき補佐役として、時代に即応した法務行政の推進に、微力でございますけれども最善を尽くしたいと存じております。 何とぞ委員諸先生方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。 一言ごあいさつ申し上げます。(拍手) ————◇—————
○羽田野委員長 お諮りいたします。 本日、最高裁判所梅田総務局長及び大西人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○羽田野委員長 本日、本委員会に付託になりました内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。坂田法務大臣。 ————————————— 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末号に掲載〕 —————————————
○坂田国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して説明いたします。 政府は、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣及び国務大臣等を除く特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、高等裁判所長官の報酬並びに次長検事及び検事長の俸給を増額することといたしております。 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。 これらの給与の改定は、五号から十二号までの報酬を受ける判事補及び十号から十七号までの報酬を受ける簡易裁判所判事並びに十三号から二十号までの俸給を受ける検事及び七号から十六号までの俸給を受ける副検事にあっては昭和五十六年四月一日にさかのぼって行い、その他の裁判官及び検察官にあっては昭和五十七年四月一日から行うことといたしております。 なお、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官並びに検事総長、次長検事及び検事長に支給する調整手当については、当分の間、内閣総理大臣及び国務大臣を除く特別職の職員の例により増額できるようにいたしました。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○羽田野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○羽田野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横山利秋君。
○横山委員 法律案の質疑の前に、坂田新大臣にいささか伺いたいこと、がございます。 何はともあれ、新大臣に対しまして国民が期待をするものと申しましょうか注目をいたしております重要な中の一つは、やはりロッキード裁判に対する大臣の物の考え方であります。 前大臣は就任早々に微妙な発言をされました。私どもはこれが検察陣に対して非常な精神的なショックを与えたと考えておるわけであります。今日、ロッキード関係の裁判は、国の内外きわめて注目の的で進行をいたしておりまして、伝うるところによりますと、来年中には恐らく地裁の判決が出るであろうと言われておるわけであります。世間の期待は、検察陣が非常な努力をもちまして、裁判において、法廷におきましていろいろな例証、証拠を挙げて敢闘していることに対しまして、非常な信頼を持って、この判決が恐らく有罪になるであろうと常識的に考えておるわけであります。 もちろん、この問題は検察陣の独自の任務であり、あるいは裁判官の公正な判断による結果であるとは思いますけれども、このような検察陣の歴年の努力に対して、指揮をされる新法務大臣の物の考え方をまず承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 私は、法務大臣に就任いたしましたときにも申し上げたわけでございますが、検察が自分の職責に対しまして積み重ねましたその努力というものをあくまでも信頼をしてまいりたい、かように考えております。
○横山委員 言うまでもなく、検察陣は数々の調査、証拠、資料等を挙げて、田中被告を初め各被告に対して有罪となるべきであるという立場に立っての訴訟を行っておるわけであります。そういう意味においても信頼をなさっておる、こう考えてよろしゅうございますか。
○坂田国務大臣 有罪とか無罪とかいうのは、裁判官が証拠に基づいて公正に判断されるものだというふうに考えておりますが、一方、公判活動におきまして検察当局が誠実にその職務を遂行しておるということにつきまして、私は全幅の支持をいたしておる次第でございます。
○横山委員 第二番目に国民が新大臣に注目いたしておりますことは、刑法の問題であります。 すでに御存じのように、前大臣は刑法、特に保安処分の問題につきましては並々ならぬ熱意を持って、次期国会に刑法を提出すべき旨、事務当局を督励されておったものであります。私どもは、この刑法改正が単に保安処分ばかりでなくて、日本の基本法であります刑法の全面的な改正でありますから、くれぐれも慎重であるべきこと、特に保安処分につきましては、百二十万と称される精神病関係の患者及びその家族の立場を考えますと、特に慎重であるべき旨、るる本委員会でも言ってきたのでありますが、前大臣ときわめて意見の違うところでございました。 新聞で先般承知いたしておりますところによりますと、大臣はこの刑法の次期国会提出についてきわめて慎重であるというふうに報道されておったわけでありますが、日弁連等との協議を含めて、現在の刑法改正に関する事務の進捗状況を、まずどなたかから伺いたいと存じます。
○坂田国務大臣 就任いたしまして、刑法改正の問題について事務当局から詳細承りましたが、一応来年の三月をめどに事務的な作業が進んでおるということでございます。本年の十二月二十六日に日弁連と第一回の交渉を持ちたいということで、内部の話し合いを進めておるという段階でございます。
○筧政府委員 大体の概要について御説明を申し上げます。 先生御承知のように、ただいま担当の刑事局内におきまして内容について最終案を作成すべく鋭意検討中でございます。まだ成案を得ておるわけではございません。 それと並行いたしまして、関係官庁あるいは日弁連との話し合いも現在まで進められてきております。日弁連の関係につきましては、今月の二十六日に第三回目の意見交換会を開く予定にいたしておりますが、その際に保安処分につきましても双方で話し合いをいたしたいというふうに考えております。その結果等を見ました上で法務省案の作成の作業が進められていくもの、かように承知いたしております。
○横山委員 大臣に端的に伺いたいのですけれども、いま三月をめどとおっしゃいましたが、本件について一定の終局点を決めて、それに向かって作業を詰めるとするならば、日弁連との話の妥結もないままに国会に提案するという可能性があるやに想像されるわけでありますが、端的に私が伺いたいのは、次期国会に刑法の全面改正ないしはこれを抜き出して、刑法の保安処分だけの改正等を含めて刑法の改正を提案なさるおつもりがあるのかどうかということを端的に伺います。
○坂田国務大臣 先生御指摘のとおりに、刑法の改正というのは非常に基本的なものでございます。しかも、明治四十年以来初めての大改革ということでございますので、全体といたしまして慎重に行わなければならない。そしてまた同時に、内容もさることながら、その手続というものも大事だと私は考えておるわけでございます。 ただ、前任者等からのお話を承りますと、一応国会等におきましても通常国会をめどに作業を進めておるということでございますので、その線にのっとりまして、どこまでいくかということでいま鋭意努力を重ねておるということでございます。
○横山委員 本件につきましてはくれぐれも慎重に、見切り発車あるいは意見の相違のままに国会に提案されるということのないように、配意をお願いしておきたいと思います。 第三番目に、私どもが歴代の法務大臣に申し上げておる重要なことがございます。それは人権の問題でございます。 法務省に人権擁護局というところがございますけれども、私どもの見るところでは、非常に努力はなさっておられるけれども、人権思想というものが必ずしも大衆の中にまだまだ徹底しておらない。平和憲法は、その三大柱の一つが人権の問題であること、言うまでもありません。人権擁護局の仕事が、家庭内の人権だとかあるいは日照権だとか公害だとか、こういう人権に地をはうような努力をされておることはわかるわけでありますし、また、何らの権限もない人権擁護局があっせん、調整等をいたしておるのでありますから、くつを隔てて足をかくような努力だと私どもは考えざるを得ないのであります。 私どもが熱心に歴代の法務大臣に申し上げておりますことは、たとえば田中法務大臣の際に金大中氏の問題について閣議で人権問題を特に主張された経緯、あるいはそのほか国際的に人権問題があった場合、日本に関連をいたしました場合には、直ちに人権擁護大臣としての発言なり社会的な発言をぜひしてもらうことによって、国民に法務省が権力機関だけでなくてサービス機関であり、あるいは人権機関であり、人権擁護のとりでであるという点についての大きな影響をもたらすものだということをかねて申し上げておるわけであります。 きょう具体的な問題を申し上げる時間がございませんけれども、いずれ日を改めて人権の政治的な諸問題をも取り上げるつもりでございますが、法務大臣としての特にこの人権問題についての御感想なり御決意を伺っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 特に戦後におきます憲法のもとにおいて一番大事な柱の一つは、やはり基本的人権を守るということではないかというふうに思います。そういう意味から、法務大臣といたしましては、国民の基本的人権をどういうふうにこの後守っていくかということにつきまして万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○横山委員 次に、来年度予算に関連をいたします諸問題について、大臣にひとつ注文かたがた御意見を伺いたいと思います。 私どもの手元に歴年法務局あるいは入管等の人員増加の要望が出されております。それは単にそれを担当する職員の要望ばかりではなくて、一般の登記所を利用し、入管に駆け込む人たちのちまたの声となっておるわけであります。歴代の法務相が努力をいたしまして、たとえば登記所を例に引きますと、各省の人員減にかかわらず登記所の若干の増員があることはよく承知をしています。しかしながら、一律削減とプラス・マイナスをいたしますと、まさに人員増の要望というよりも、むしろ国民に対するサービスの点からいうと焼け石に水であるという感がきわめて強いわけであります。就任されてからまだ恐らく登記所へもお行きになったことはないと思いますけれども、一回ぜひこの繁忙をきわめる登記所へ行ってもらいたい。 先般私がここで申し上げたことの中に、行政管理庁が出先の役所のサービス度を調査いたしましたところ、案外税務署がサービスがよろしい、法務局、登記所が案外サービスが悪いということが行管の調査で明白になりました。居は気を移すといいますけれども、私が国会議員になりましたのは昭和三十年代でございましたが、税務署は木造家屋で、そして荒々しい雰囲気でお茶の一つもない。係官の机の横へ丸い腰かけを持ってきて、ある意味ではどなり散らすような人権を尊重しないような言い方で、ごうごうたる非難を私も大蔵委員会でしたことがございますが、今日どこの税務署もほとんどりっぱな庁舎になりました。そして言葉遣いも非常に丁寧である。もちろんいんぎん無礼だと言う人がありますけれども、とにかくコンピューターも導入をいたしまして資料せんの配付もきわめて円滑にいっておる。きわめて科学的になっておる。 それに比べますと、登記所の機械化はとんと進んでいない。一方では司法書士なりいろんな外部の人々の御協力を待って仕事をしていることが、一体適当であるかどうかという問題も現実問題としてある。忙しければ言葉の一つも省いていく。先般私が登記所を見ましたところ、戸籍簿の閲覧をしているところに大きな鏡がある。あんなところに何で鏡があるのかといったら、この鏡の反対の横の方で鏡をときどき見ながら、登記簿の改ざんあるいはそれを破って持っていく、そういうことの監視をしておるのだ。ところが、その鏡にポスターか何か張ってある。何で鏡が利用できないのかといったら、その監視をすることすら、いまそういう専任者があるわけではないというようなのが現場の実情なんであります。 しかも、司法書士を通じて閲覧なりあるいは写しをもらうということが、繁忙なところではカードをみんな頼んで台帳を出してもらう、その台帳が真ん中にうずたかく積まれておる。だから順番というものがある。うずたかく積まれた台帳が一遍倉庫へ返ってそれから出すということになると、どうしても即日ということにはいかない。二、三日ということになる。年末にでもなりましょうものなら、早くそれをもらって借金の返済だとかあるいは売却だとか銀行の締め切りだとか、そういうところに間に合わせたい。私のところへ、頼むからきょう、あすじゅうにと頼んでくる人がある。私もときには法務局へ、順番は順番だろうけれどもつぶれそうだから何とかしてやってくれないかということを頼むときがある。順番を変えてもらおうとは思わぬけれども、台帳が真ん中にうずたかく積まれておるその中にあるかもしれぬ、こういうことなんですね。だから、その意味では登記所は十全に国民の権利を守る状況にはまだないのだ、こういうことを思います。 それから、入管でもそうであります。入管は、最近では密入国は少なくなりましたけれども、一時は雲霞のごときイナゴが日本海沿岸で日本列島に上陸してくるというのをどうして一体水際でとめることができるかということを言ったことがございますが、いまはそういう状況では必ずしもないと思うのです。けれども、潜在密入国者あるいはいろいろな入国関係、出国関係の管理をいたしますために、今日の状況ではとても十分な人員を持っておるとは思われない。 これまた、入管の職員は外国人にとりましては日本国を代表する者です。私も職場をときどき訪れてみましたけれども、この日本国を代表する入管が、やはりサービスが悪いと言われておる。やはりそれは人が足りないから、言葉を省くから、次、次ということになるから、どうしてもそういうことになると思うのです。 いろいろ申し上げましたけれども、とにかく法務省のこの種の人員増は、他省の問題とはまた別の問題があるのですから、一律削減は仕方がないにしても、本当の純増ということについて格段の御努力をなさらぬと、法務行政の中における重要な一環でありますサービス行政、国民の権利を守る行政というものがうまくいかないのではないか、こう思いますが、所信を伺いたいと思います。
○坂田国務大臣 いま横山先生から御指摘になりました登記事務、そしてまた入国管理事務、これが量的にも非常に多くなり、また質的にも複雑になってきておる、そのためにわれわれ法務省といたしまして、国民の権利を守り、同時にサービスをしなければならないのが、十分なサービスをすることができない状態になっておるということにつきましては、私も就任間もないわけではございますけれども、事務当局から承っておるわけでございます。 いよいよ予算編成を始めるわけでございますが、この人員削減と増員とを、どうやって概算要求の線を守るかということで精いっぱいの努力をいたしたいと考えておるわけでございます。法務省の今度の予算折衝の一番大事な点は、人員の確保の問題だと考えております。それからまた、将来にわたりましては、もう少しコンピューターその他の近代化を図りまして事務の簡素化あるいはサービスを高めるというようなこと等も、ひとつ長期的な展望を踏まえて計画も練ってみたいと考えておる次第でございます。
○横山委員 法案に関連して、ちょっと大臣個人の問題についてお伺いしたいと思います。 過ぐる臨時国会で、行政改革法案の中で、総理以下各大臣は給料を寄付することができる、そういうことがございまして、これはもちろん通過をいたしております。私は、行革委員として総理大臣にお伺いをしたのであります。幾ら寄付をなさいますかと言いましたら、総理以下各大臣がベースアップをいたしましたら、ベースアップ分を寄付するということなんであります。ああそうですか、いまベースアップしたら寄付するとおっしゃるけれども、それなら三年の間新しく大臣になられた方も寄付をすることになりますかと言いましたら、それぞれ個人の立場で寄付をすることになりましょうということを言われました。 この法案でいきますと、今回は総理以下各大臣はベースアップしないわけですね。そうすると、私はそのときに、ベースアップ分を寄付するなんてそんなけちなことを言わないで、もっと高い次元から政治家の身辺の清潔、そういうものをすべきではありませんかという立場で申し上げて、べースアップになったらわしは寄付をするということは人気取りの小手先の話ですよ、こう言ってたしなめたことがあるわけです。今回、総理以下各大臣がベースアップをしないことになりますと、あの行革法案で総理以下各大臣が寄付をすることができるというものは全く空文になるわけです。このことについてどうお考えになりますか。
○坂田国務大臣 行政改革で一般公務員の上級職についてはある程度ストップといいますか、凍結とかいうような事態が一方においてある、そういうわけで、大臣もそれに見習うべきじゃないかということで、総理大臣を初めとしてそういうことをお決めになったのじゃないかというふうに思うので、やはりその方針には閣僚の一人として従っていきたいと思います。
○横山委員 私は大体、寄付することができるということが、現在の給料の中から寄付するというならともかく、ベースアップしたら寄付するということがおかしいし、やるならもっと根本的にやれと言っているのです。しかし、その後ベースアップしないということになれば、さきに国会を通じて国民に約束されたことは一体どうなるんだ、ベースアップしないからおれはもう寄付しないよ、こういうことになるんでしょうかね。あれはもう本当にあれだけの話で、実効性のない空文になった、こういうふうに考えるべきでしょうか。 これは法務大臣お一人の問題ではございませんけれども、法律になっているんです。あの法律は寄付せよとは書いてないですよ。書いてないけれども、新聞を通じて国民の皆さんに私どもは寄付いたしますということを公約した、結果としてなった。それをベースアップしない、だからおれはもう寄付したと同じことだ、こういう言い方は少しロジックがおかしいと思うのです。だから法務大臣としても、おれは新しく法務大臣になったけれども、あのことは一体どう国民に説明したらいいのかということを、一遍閣議の中で御相談になったらどうでしょうか。
○坂田国務大臣 とっさのお話でございまして、ちょっとここで何ともお答えを申し上げることができませんが、横山先生のお話はお話として十分検討さしていただきたいというふうに思います。
○横山委員 大体ベースアップが何万円、数万円か十万円か知りませんけれども、ベースアップするとしたら総理以下大臣がそのくらいの寄付をするということになると思うのですけれども、そんなことぐらいは、少なくとも政治を知る者だったら、歳費で政治活動をやっている人はないでしょう、もっとほかに財布に入ってくる金が山ほどあるのに、ベースアップ分だけ寄付することができる、おれはするよという言い方がおかしいと思うのです。 私がそのときに申し上げたのは、政治家は、総理以下各大臣、衆議院議員、参議院議員、少なくとも最高の地位にある者はアメリカの例にならって資産を公開せよ、一月一日現在の自分の持っておる株券から預金から土地から、そういう資産を公開しろ、例年公開することによって——公開というのは衆議院議長に届け出るということなんですけれども、そういうことをすることによって根本的に政治の清潔を担保することができるんだと、私どもはもうそれを国会に議員提案をしており、いま議院運営委員会の議会制度協議会に諮っておるわけです。そういう資産の公開という高い次元から考えるべきことではないかと思いますが、いかがですか。
○坂田国務大臣 その点はひとつ考えさしていただきたいと思います。先生の御意見は意見として承っておきたいと思います。
○横山委員 今度の法案は人事院勧告を完全に実施したとは言えないし、そしてまた、その内容たるや、年末手当の問題、寒冷地手当あるいは災害補償あるいは退職手当、調整手当、非常にややこしい法律案の内容になっています。私どもとしては、この際、人事院勧告なり仲裁裁定に準じて完全にこれを実施すべきであるという立場を堅持してきたわけであります。今回のこの法案は、いま申し上げたような諸問題がきわめて理解に苦しい状況であることを指摘せざるを得ないわけであります。 こういうやり方は国民にわかりにくい。調べてみると上がってはいないけれども上がったことにしてやるとか、あるいは年末手当は現在の俸給でやるとか、そういうことを繰り返すことでは、それによって生み出る財源も大したことではないんではないか、やるならば完全にやるようにした方がいいんではないか、そういうことでかねて主張をしてきたのでありますが、どうして一体こういうことをしなければならないのか、ひとつ説明をしてもらいたいと思います。
○千種説明員 ただいま先生の御説明にもございましたように、今回いろいろ複雑な処置がとられるようになりましたのは、政府が人事院勧告をどのように受け入れるかという一つの政策的決定の結果でございます。その政策的な決定につきましては、御承知のように現在の社会経済情勢及び財政事情というものが非常に困難な実情にあるということから、そのような複雑性を反映した複雑な政策決定が行われたものと理解しております。 私ども、この法案を提出します間に先生の御指摘のような御意見もいろいろと聞いてまいりましたし、また、一般職につきましてもそういう議論があったということは十分承知しているつもりでございますが、そういう決定が下されました上は、これに従って作業している次第でございます。
○横山委員 終わります。
○羽田野委員長 鍛治清君。
○鍛治委員 先ほど大臣並びに政務次官の新任のごあいさつをお伺いいたしました。大臣に対しましては、また明けまして来年の早々に所信の表明もございますと思いますので、その折にまたいろいろとお考えなりをお聞きしてまいりたいと思います。私も法務の理事としてこれからやってまいりますので、いろいろとやりとりもあると思いますが、よろしくお願いをいたします。 きょう、当委員会に上程されました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、この二法案につきまして質問をさせていただきます。 最初に、この法案が提出されるに至りましたいきさつ、それから本法案の概要、これについて御説明をいただきたいと思います。
○千種説明員 御説明申し上げます。 先生御承知のように、去る八月七日、人事院勧告が出されました。その内容は、すでに大体報じられているとおりでございますが、今日の民間との給与の較差というものを是正すべく、人事院の方で一般職の職員の給与につきまして大体平均五・二三%の増額ということを勧告している次第でございます。そのほかいろいろな諸手当の増額、これを含めまして、勧告はことしの四月一日からこれを実施するように、こういう内容になっております。 これを受けまして、政府の方でこれをどのように実施するかということを検討いたしました結果、現今の社会経済事情及び財政事情を考慮いたしまして、その一部につきましては実施を来年の四月におくらせる、また、総理大臣及び国務大臣の俸給につきましてはこれを据え置く、こういう方針を打ち出しまして、現在、一般職の俸給に関する法律の一部改正案、また特別職の俸給につきましても同じような法律案が国会に提出され、御審議をいただいている次第でございます。 これを受けまして、裁判官及び検察官の報酬または俸給につきましても改定を行うこととなり、この法案が提出された次第でございますが、従来一般職の例に準じてその改定をしてきました経緯に照らしまして、今回も一般職の取り扱いに準じて改定がなされているわけでございます。 大きく分けますと・まず一番上のところにございます最高裁長官、最高裁判所の裁判官及び検事総長につきましては、内閣総理大臣及び国務大臣と同様に据え置かれるということになりました。 その余の裁判官及び検察官につきましては、一般職の例にならいまして管理職相当の者、ということになりますと、具体的にはお手元の資料の中に横書きの対照表がございますが、それでごらんいただくのが一番わかりやすいかと思いますけれども、裁判官につきましては判事補の四号から上、その横並びで簡易裁判所につきましては九号から上、検事につきましては十二号から上、副検事につきましては六号から上、この部分が一般職の場合に管理職に相応する者でございますが、その報酬または俸給につきましては、内容は一般職の例に準じて改定いたしますが、実施は来年の、すなわち五十七年の四月一日からということになりました。 また、その下の部分でございますが、これは一般職の例にならいまして、ことしの四月一日にさかのぼって改定するということになったわけでございます。 そのほか、期末・勤勉手当につきましては、これは五十五年度の額を基準とするということは、今年度は据え置くということになりました。 そのほか、一般職の職員につきましてはさまざまな給与がございます。この給与につきましては、裁判官及び検察官につきましてはそれぞれ規則あるいは準則に譲っておりますので、この法律の中には規定がございません。 以上、概略でございます。
○鍛治委員 お答えをいただきましたが、この改定について、一般職にあっては五十七年の四月一日から改定を行うとされているのは百分の二十以上の管理職手当を受けている者だ、こういうふうに聞いているわけですが、いまの答弁の中でもちょっと触れられはいたしましたが、裁判官、検察官におきましては、判事補が四号以上、それから簡裁判事が九号以上、検事は十二号以上、副検事は六号以上、こういうふうにして改定されることになっているわけですが、その理由についてもう少し詳しくこれをお伺いをいたしたいと思います。
○千種説明員 一般職の管理職員と申しますのは、一般職の給与法の指定職の俸給を受ける者と、それからいわゆる本省の課長以上、これは二等級一種の手当を受けている者のようでございますが、先ほど申し上げましたその横の対照表をずっとごらんいただきますと、大体給与の額が先ほど申し上げました判事補の四号、そのところがそれに大体境が照合しているわけでございます。そのほか、期末・勤勉手当の加算額という規定がございますが、これは上の方の管理職相当の者につきまして二五%あるいは一五%というのが加算されるような規定がございます。これもこの法律に書いてあるわけではございませんけれども、そこのところがちょうど照合することになってもおります。それからまた、判事補につきまして申し上げますと、五号以下の者の下につきましては初任給の調整手当がついておるというようなこともございまして、ちょうどその辺が管理職員と照合する境になっているというわけでございます。
○鍛治委員 今度は、今回こういう措置が仮になされたといたしまして、昨年ですか、ちょっと聞きますところでは、給与について総額において逆転現象といいますか、そういうものが若干一部にあったというふうにも聞いておるわけでありますけれども、今回は、こういう措置を仮になされた場合に、そういう現象というものは生じないのであろうかというふうに思うのでありますが、その点についてお伺いをいたします。
○千種説明員 ただいま御指摘の逆転現象につきましては、裁判官及び検察官の場合、いずれも逆転現象はございません。と申しますのは、給与の号俸の間がわりあいに開いておりますためだろうと思いますが、計算してみますと、諸手当を入れましてもなおこの四号と五号、この辺のところで六千円前後の差がまだ残っております。
○鍛治委員 先ほどちょっと横山委員も触れられておりましたが、報酬、俸給以外の諸手当の改定については若干複雑になっているようでありますけれども、今回改定になるものについて、ひとつ突っ込んで詳しく御説明をいただきたいと思います。
○千種説明員 諸手当につきましては、まず第一に、先ほど申し上げましたようにこの法律に直接の規定がございません。また、裁判官及び検察官ともに、上の者と下の者と申しますか、一定以上の者にはすべての手当が支給されるような仕組みになっておりません。そういうことを一つ前提としてお聞きいただきたいと思いますが、先ほど申し上げました管理職員以外の下の者につきまして申し上げますと、一般職の職員の手当につきましていろいろなされました改善は、そのままその者に対しましても支給されるようになっております。 具体的に申し上げますと、扶養手当でございますが、扶養手当につきましては、配偶者手当が千円増額になり、配偶者のない場合の扶養家族一名につきまして七千五百円が八千円になる。わずかでございますが、増額になっております。これは、さっきの管理職員でない職員につきましてはことしの四月一日からさかのぼって支給されます。また、その管理職相当でございますが、判事補の身分であります判事補の一号から四号までの者、これに対応します簡裁判事、検事、副検事、全部でございますが、これらの者につきましては五十七年四月一日からということでございますけれども、そのことしの差額は支給されることになっております。 次に、調整手当でございますが、これは地域によりまして賃金、物価、生計費の特に高いところには大体三段階に分かれて支給されるものでございますが、そのうちの一番高い百分の八、たとえば東京のようなところでございますが、これが百分の九、一%増額になります。これにつきましては、認証官を含めまして、そこに勤務する者はすべてその手当を受けているわけでございますが、このうち一番下の部分、管理職員でない者につきましてはことしの四月一日からさかのぼって支給されるようになっております。それ以外の者につきましては来年の四月一日から増額ということになります。 次に、住居手当というのがございまして、これは判事補以下の者にだけ支給される手当でございまして、認証官とか一般の判事には支給されませんけれども、また、この計算はいろいろ複雑でございまして、全部が保障されているわけではございませんが、簡単に申しまして、一番最高額の場合一万三千円支給されますものが、千円上がりまして一万四千円になりました。これにつきましては、受ける者につきましてはすべてことしの四月から増額になるということになります。 また、通勤手当につきましては、最高でございますがいままで一万八千五百円でありましたものが、同様に千円増額になりまして、これは判事補、上の者も下の者も含めまして、さかのぼって支給されることになっております。 そのほか、やや特殊なものでございますが、離島のような特別な地域に勤務する者につきましては、特地勤務手当及び特地勤務手当に準ずる手当というものが支給されております。これは判事、判事補を通じてすべて支給されることになっておりますけれども、ことしにさかのぼって支給されますのは、下の、管理職員に相当する者以外の者だけでございまして、あとは来年の四月一日から支給されるということになっております。 それから、期末・勤勉手当でございますが、これは一般職もそうでございますが、すべて来年になりまして、ことしの分は増額になりません。 そのほか、やや特殊でございますが、寒冷地手当というのがございまして、寒冷地に勤務する者に特別な手当が支給されます。これにつきましては、判事補のうち管理職に相当する者以外の者は当然さかのぼってことしの四月一日から支払われますが、そのほか、判事補の上の部分、判事補の一号から四号までにつきましても、同様にことしの四月にさかのぼって支給されます。しかし、認証官及び裁判官のうち判事につきましては来年の四月一日から支給される、こういう次第になっております。
○鍛治委員 進んでお尋ねいたしますが、最高裁長官それから最高裁判事、検事総長、これに支給されます調整手当につきましては、内閣総理大臣及び国務大臣以外の特別職の例による、こういうふうにした理由ですね、これは何か。 また、これらの者に支給される報酬それから俸給等については、今回の措置をなされますと、これを含めて四年間というものが連続据え置きというふうになっているわけでありますが、別表の体系上の支障は生じないのだろうかというふうに思うのですが、この点についてもお尋ねをいたします。
○千種説明員 第一の手当についてでございますが、これは一般職につきまして先ほど御説明申し上げましたように、百分の八が百分の九に上がったわけでございます。特別職につきましても一般職の例に準じて上がるものとされておりまして、最高裁長官及び最高裁裁判官もその特別職に準じてまた上がるという法律のたてまえになっております。ところが、特別職のうち、先ほど申し上げました総理大臣と国務大臣だけが例外として据え置かれたのでございまして、原則に従うとただ百分の八が九になるということでございまして、特にその特別の措置を講じたと申しますよりは、一般の原則に従いまして、その特別な例外は総理大臣と国務大臣だけにとどめたというようなたてまえになっているわけでございます。 それから、先ほど御指摘にもございましたように、ここ四回も最高裁長官及び判事、検事総長が据え置かれるということになりますと、この下のそれぞれの裁判官の給与との較差が次第に縮まってまいりまして、これは将来看過できない重要な問題であろうとわれわれとしても考えております。ただ、今回そういう財政事情等の事情から、総理大臣及び国務大臣につきましても据え置かれたということに照応しまして、また、現在なお下の号俸とは大体五万円ぐらいの差がございますが、そういう実情をもいろいろ勘案いたしまして、なお今回はそのように据え置かれたという次第でございますが、今後はこれは十分考えていかなければならない問題だと思っております。
○鍛治委員 最後になりますが、いまも御答弁ございましたけれども、いろいろなそういった問題も含めて、今回、本年度の人事院勧告が完全実施という形にはなっていない。特にいま日本国内も大変いろいろな問題が錯綜している中で訴訟事件等も相次いでおるわけでありますけれども、特に三権分立という立場からも、この最高裁判所を長とする司法の中での厳正公平を期していくというためには、やはり一番最高責任者の責任というものは、これはもうたとえようもない重いものがあるだろう。やはりそれに対してその裏づけとなる給与というものも、これはむしろほかの方はどうであろうとも、私はこういう状況の中でその業務を執行していただくためにも、人事院の勧告は完全実施というものは当然すべきではないかというふうなことがあるわけですが、それが若干完全実施になっていない。大変遺憾な点でございますけれども、ほかの委員もちょっと触れられておりましたが、この点についてなぜこういうふうにしたのか、ひとつ率直な御意見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○千種説明員 ただいま先生の御指摘のとおりに、司法の重責を担う裁判官のあるいはこれに準ずる検察官の俸給、報酬につきましては十分考えていかなければならないと考えております。ただ、今回の措置につきましては、いままでの俸給あるいは報酬の立て方、法律のたてまえとしての立て方が一般職の職員の例に準ずるような形になっておりまして、今回、先ほど来申し上げております現在の社会経済的な事情あるいは財政事情というものの中で、政治的な決着がつけられたということを反映してこういう処置になっているわけでございまして、こういう機会にまた裁判官あるいは検察官の報酬あるいは俸給につきましても十分考えていかなければならないと考えております。
○鍛治委員 では、質問を終わります。
○羽田野委員長 安藤巖君。
○安藤委員 裁判官と検察官の給与法の関係についてまずお尋ねをいたします。 人事院勧告が全面的に実施をされていないという点については、大きな不満を持っているということを申し上げます。 その中で、これは裁判所の関係だけでお尋ねをするわけですが、いま裁判官の判事補一号から四号まで、それから簡裁判事も九号までは、来年の四月一日実施ということで、ことしの四月一日からさかのぼらないという点については、ほかの一般職の管理職との関係の並びだというふうに言っておられるのですが、私としては、先ほどもちょっと議論があったのですが、裁判官の職責ということから考えると、それから三権分立、司法の独立という点から考えると、そういう一般職の並びでやるというのはどうなんだろうというふうに疑問を持っているのです。ですから、いま法律の立て方が一般職に準ずるのだ、だからその辺のところも検討していかれるかのごとき御答弁があったのですが、その辺のところも、一般職に準じてその並びというようなことではなくて、やはり司法の独立という点から、給与体系についても別個のものを考えていこう、そういうようなこともお考えになっているのかどうかをお尋ねしたいと思います。
○千種説明員 裁判官及び検察官の報酬または俸給につきましては、ただいま先生御指摘のように、司法という三権の一翼を担っているものであるからまた別個に体系を考えなければいけないという議論は当初からございまして、それはいまなお問題であろうかと思います。しかし、現在できております法律のたてまえというものは、一応国家公務員の給与の関係においてバランスのとれたものということに考えられているように思います。そういう意味から申しますと、いままでの例もそうでございましたが、一般職の給与が改定されるに準じまして、それをバランスをとっていくという作業がなされてきたわけでございます。その限りにおいては今回もまた例外ではないのでございますけれども、いつでもそういう何か変わったことが起こりますと、やはり根本に立ち返って給与のあり方というものを考えていかなければならないのではないかという議論が出てくるわけでございまして、そういうことを考えまして、私どもも将来の課題として考えていきたいと思っておるわけでございます。
○安藤委員 そうしますと、その問題については将来の課題として引き続き検討を加えていくというふうに理解をしておきます。これは私はあなた方に対して宿題を与えたのですから、ちゃんとやってくださいよ。 そこで、最高裁の定員の問題につきましては、御承知のように来年の二月ごろですか、定員の枠が最終的に決まると思うのですが、来年度予算の関連で最高裁当局も人員の要求もしている状況でございますので、その関係についてお尋ねをしたいと思います。 しかし、これはいろいろあるのです。庁務員さんの話だとか、書記官、裁判官の数とか速記官の数とか、いろいろあるのですが、時間がありませんから、速記宮の問題だけにしぼってお尋ねをしたいと思うのです。 速記官の数が絶対的に少ないのだということは、いろいろな機会に私どもがお尋ねをしてまいっておるのですが、とにかく、いま速記官の定員は九百三十五人ですね。ところで、この九百三十五人という定員が昭和三十九年から十七年間も据え置かれているというのは大きな問題だと思うのです。が、それはまた別の機会に譲るとして、現在の実人員は何人になっておりますか。
○梅田最高裁判所長官代理者 予算定員は委員仰せのとおりでございますが、現在の実人員は八百十五でございます。
○安藤委員 その八百十五というのは速記官の研修にいま従事しておる人も入っておるので、実際はもっと実人員は少なくて、七百四十九名じゃないのですか。
○梅田最高裁判所長官代理者 私どもとしましては、八百十五だというふうに認識しておりますし、養成中の者は含めていないというふうに承知しております。
○安藤委員 そうですか。じゃ、養成中の者は含めていなくて、いまおっしゃった数字だ。そうすると、欠員はまだ相当ありますね。九百三十五から八百幾つだと、ちょっと私の方の持っている数字と違いますけれども……
○梅田最高裁判所長官代理者 失礼いたしました。養成中の約七十数名もその中に入っております。
○安藤委員 ですから、養成中の人は入っていないといまおっしゃったから、これはおかしいなと思ったのですが、権威ある最高裁の御答弁だから間違いなかろうと一瞬思ったのです。間違っておったということをみずから明らかにしていただいたのですけれども、養成中の人を入れて実人員だというのは、まさに帳簿上の数であって、実際の稼働しておられる人ではないわけなんですよ。だから、実際に法廷で速記のタイプを打っておられる人というのは、その養成中の人を除かなければだめだというふうに私は思っております。 それほど欠員がたくさんあるまま放置されてきておるのですが、ところが、いま全司法労働組合の方から、この速記官の増員について、これは全司法労働組合が、日本全国の各支部から、あなたのところは何名欲しい、あなたのところは何名欠員だ、あなたのところは何名どうしても要るかという調査をして、そしてその結果を集約して、現在九十七名どうしても増員してほしい。これはいまの実人員と定員との差よりもはるかに少ない数ですよ。これを要求しているのですが、知っておりますか。
○梅田最高裁判所長官代理者 具体的な数字についてははっきりとは承知しておりませんけれども、毎年相当数の増員についての要求がある、さらに充員についての要求もあるということは承知しております。
○安藤委員 どうも頼りないですね。ことしの六月に、もうすでに全司法労働組合は、速記官だけで各支部からいま言いましたように要求をまとめて、どうしても最低限必要な九十七名をいまさしあたってふやしてほしいという要求を出しているのですよ。私のところにもちゃんとした活版で印刷したものまであるのですから、最高裁が知らぬというのはどうかと思うのですが、じゃ、覚えておいてくださいよ。 私は、労働組合の代表でいまここで要求するわけじゃありませんが、こういう事実があるということを申し上げるのです。九十七名、定員と実人員の差よりもはるかに少ない数ですが、これをどうしても実現してほしいという要求を出しておるのです。だから、定員を一刻も早く満たしていただく、それから定員が十七年にわたって据え置かれている、これも問題ですから、枠ももちろんふやしていただかなければなりませんが、せめてこの要求している九十七名だけは、できるだけ早く要求をかなえてやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○梅田最高裁判所長官代理者 実は、委員から御指摘のとおり、昭和三十九年以降予算定員の数は九百三十五のままになっております。この定員の多くは、将来速記官をふやすことができますように、書記官補の定員等から組みかえまして、速記官の予算定員の枠をあらかじめ拡大してとっておいたものでございます。裁判所としましては、自来速記官の養成に努力してまいっておりまして、毎年その数は着実にふえておりますが、現在なお定員いっぱいにはなっておらないことは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、現段階におきましては、速記官の定員を増加いたしますより、その充員に努めることの方が重要だと思っております。養成にはある程度の限度がございますので、また非常に高度の技術を要します関係上、最初採用いたしました人の中から不適格だということで、最後卒業します段階では多少の目減りがございますけれども、年々やめます方との対比におきましても二十人程度はふえておりますので、その方の努力を今後とも続けてまいりたい、このように思っております。
○安藤委員 その問題につきましては、さらに日を改めていろいろお尋ねをすることにして、今度は法務省のやはり人の問題についてお尋ねをいたします。 私がいまここに持っておる新聞は、大臣、よく聞いておっていただきたいのですが、これは名古屋の蒲郡出張所を舞台にして、登記簿原本の閲覧制度を利用して、原本を引き抜いていって偽造したという事件があるわけですね、ことしの六月。それからもう一つは、東京の法務局新宿出張所、これも原本を持っていってしまったというものですね。こういうような不祥事件が起きておるわけです。それから、これは神戸地方法務局の事件で、原本を持っていって、つくりかえてまた差し込んだという事件ですね。 まさにこれは、国民の財産を守る上で登記簿の原本というのは必要欠くべからざるもので、大切なものだということは申し上げるまでもないと思うのですが、こういうようなのが、私も名古屋の法務局のその閲覧場所を見せていただいたことがあるのですが、閲覧場所というのが真ん中にあって、その周りに職員の机があって、そちらの方を向いて仕事をするようになってはいるのです。だから、一応監視しているぞというかっこうにはなっているのですが、とてもじゃないが、その閲覧している人たちの様子を、どういうふうにして閲覧しているか、どういうふうにして書類を扱っているか、監視しているような余裕は全くないですね。そこの席にずっと座っている人がまず少ないのです。あちこち走り回ったりして大変な状況です。 だからこういうようなことが行われると思うのですが、やはりそういう点からいって人をふやしてもらわなければいかぬのですよ。いまの行革の問題と臨調路線をいかにやっていくかという、人を減らす人を減らすということからいうと、とんでもないことを言うかと思われるかもわからぬですが、こういう国民の生活、国民の財産、権利に一番関連の深いところはそれこそふやすべきだと思うのですよ。 だから、そういう点で大臣にお願いをしたいのですが、いま法務省当局もいろいろ概算要求をやっておられるのですね。法務局関係で言いますと二百二十八名増員要求をしておられるのですが、ほかにもありますけれども、これはやめます。しかし、第六次の削減で差し引きされますと、実際は九十五人しかふえない。となったら、いま私が一、二挙げただけの事例ですけれども、そういうことすら防げるんだろうか。ましてや人不足で、仕事が甲号事件でも乙号事件でも、まあ数字がありますが、三・五倍とかなんとかというふうにふえておるのですが、人のふえ方は一・何倍しかふえてない、こういうような状態ではとても処理し切れない状態になっておるのです。 だから、私がいま大臣にお願いをしたいのは、まあこの期に及んでですから、後からまたいろいろ機会をつかまえてはお尋ねするつもりですが、概算要求の数、人員はまずさしあたって何としてでも確保していただかなくてはならぬというふうに思うのですが、その見通しと決意はどういうものですか。
○坂田国務大臣 今回の概算要求でございますが、ただいま御指摘になりましたような事情にございますので、わが方といたしましては、この概算要求をひとつ満額というつもりで最大限の努力をいたす覚悟でございます。
○安藤委員 決意を表明していただきましたが、いま私が言いました神戸地方法務局の関係で言いますと、そういう不祥事件が起こったのですが、これは新聞にも出ておりますから申し上げますが、そこの次長さんは、職員の増員がどうしても必要だ、それが望めない以上、いますぐ事件絶滅というのは無理な話だ、全くお手上げの状態だと言っているのですよ。だから、そういう実情もいろいろこれから法務局なども視察をされて把握していただけると思うのですが、そういう実態をしっかり踏まえてやっていただきたいと思います。 その関係で、たとえば法務局関係で、いま全法務労働組合は来年度の人員要求として一万六百四十四人だったですかね、とにかく増員要求しているのです。概算要求は先ほど言いましたようにきわめて少なくて、けたが違うのですが、実際職場でどのくらいの人がどうしても要るのかどうか、実態はこうだというのをやはりしっかり把握をしていただいて、そして全法務労働組合ともその事実の把握に一緒に話し合いをして努めていただいて、人員をどういうふうにしようかということをやはりはじき出していただく必要があるのじゃないかというふうに思っておるのですが、その点はどういうものでございましょうか。
○中島政府委員 ただいま御質問にもございましたように、組合の方でも所要人員というものを計算をしておるようでございます。私ども民事局といたしましても、不足人員数というものを試算をいたしまして、それを増員要求に盛り込んでいくという作業をやっておりますが、私どもの方の試算によりますと、約三千何百名というものが不足人員ということで上がってまいります。かなり人数の点において差があるようでございますけれども、要求自体が昨年度の要求人員の半分というような枠がはめられておりますので、この辺の不足人員数の試算の数の差というものは、私どもは調整をするとかなんとかというような段階ではないというふうに考えておるわけでありまして、許された要求人数を、先ほど大臣も申し上げましたように、満額認めてもらうというつもりで予算要求にがんばってまいりたい、こういうふうに思っております。
○安藤委員 時間も参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○羽田野委員長 稲葉誠一君。
○稲葉委員 いま裁判所の速記官の話がありましたね。質問があったわけですが、あなたの方で研究しておいてもらいたいのは、裁判所の速記官と国会の速記者の人との間の勤務条件というか労働条件の差異、これが具体的にどういうふうになっているかということを、別の機会にあれしますから、研究しておいていただきたいというふうに思います。 それから、いま法務局の人員増の問題がありましたが、これは計算の根拠が非常に違ってきているわけですね。どこにあるかというと、たとえば登記の場合の甲号と乙号との比較の問題で、乙、謄抄本の交付の場合に、一体どれだけ分で甲一つと見るかということによって、これは計算の根拠が非常に違ってくるわけですね。これもどういうふうに見ているのか、ずっと変化があるのかないのか。いまでなくていいんです。 それからもう一つは、省庁間配転で、特に農林省から大分来ていますね。いま二十四名かな、来ているわけですが、将来もふえると思うのですが、この人たちが一体どういう仕事をしておるかというようなこと、将来の省庁間配転の見込み、こういうようなものをよく研究しておいてもらいたいし、要望としては、登記所の場合は、その日のうちに登記簿謄本が出るというふうに条文ではなっているわけです。ところが、現実には出ない。ことに抵当権の設定のような場合に、年末を控えて、その日のうちに出ないというと抵当権の設定が間に合わないわけですよ。間に合わないから非常に困っている人がいっぱいいるわけですから、この点についても十分研究しておいてもらいたいと思います。これは民事局長でもよかったのですが、官房長がいるからいいでしょう。聞いておいてください。そういうような点が問題としてあります。 いろいろまだほかにも問題がありますけれども、法案の方に入りますと、私はよく聞きますのは、たとえば地裁の事務局長の方が簡易裁判所の判事よりも給料がいいということをよく聞くのですね、行くと。だから地裁の事務局長は簡裁の判事になりたがらないというのですが、いろいろあると思いますが、それはこれでいうと、普通の場合は簡裁判事なり裁判官のどれに該当しますか。
○大西最高裁判所長官代理者 まず最初の地裁の事務局長より簡易裁判所判事の方が高いか安いかという問題でございますが、簡易裁判所の方もいろいろ号俸がございまして、事務局長からなった方、書記官からなった方がいろいろございますが、一般的に比較はなかなかむずかしいわけでございますけれども、大体、書記官あるいは事務局長等からおなりになりました場合に、その前職、つまり書記官とか事務局長の当時受けていた俸給よりも下がることのないような俸給の格づけというものをやっておりますので、個々の人について見る限り、たとえば事務局長から簡易裁判所判事になりました場合に月給が下がるというふうなことは、現状としてはないわけでございます。 それから、もう一つの御質問、何号に当たるかということでございますが、いま申し上げましたように、その前職との関係で格づけをしておりますので、一般的に何号かということはちょっと申しにくいような関係にあるわけでございます。
○稲葉委員 それは、地裁でも東京地裁のような大きなところもあるし、小さな地裁もありますから違いますけれども、だから、普通の地裁でおおむね簡裁の判事との比較でどの程度の号俸の間に入るのかですね。おおむねですよ。それは人によって違いますよ。東京地裁の事務局長とたとえば私どもの方の宇都宮の事務局長と一緒にしたりするわけにいきませんけれども、おおむねどこら辺に入るのかということを聞きたいわけです。
○大西最高裁判所長官代理者 稲葉委員御指摘のとおりいろいろあるわけでございますが、おおむねということで申し上げますならば、大体四号程度の方が多いということでございます。簡易裁判所判事四号でございます。
○稲葉委員 そうすると、地裁の事務局長の場合には、この報酬のほかに一体何と何がつくんですか。簡裁判事の場合何がつくの。
○大西最高裁判所長官代理者 いまの手当という御趣旨がちょっとよくわかりませんが、事務局長等で管理職手当がついております場合には、その手当をも含んだ額を考慮に入れて簡易裁判所の判事の報酬の格づけをしておるというふうに御理解いただきたいと思いますし、それからそのほかの細かい手当につきましては、期末手当、勤勉手当、簡易裁判所判事にも物によってそのほかの手当でつくもの、つかないもの、細かく申しますといろいろございます。
○稲葉委員 もちろん一般論で聞いているわけで、税金の場合だって所得税もあるし住民税もあるし、いろいろ社会保険料もありますから、そういうものを計算してくると、どうもいまの四号平均といっても事務局長の方がいいらしいですね。だから何も簡裁の判事になって苦労する必要はないと、こういう意見の人が大分多いようですね。 それはそれとして、細かい計算はまた別な機会にしますが、もう一つは、簡裁判事の選考方法は一体どういうふうにやっているのか、これはよくわからないですね。オープンではないですね。最高裁の中でやるわけでしょう。多少論功行賞的なところもあるわけですね。あるわけですねと言うと、そんなことないと答えるに決まっているけれども、あるわけだ。そこで、それをもっとオープンに、正式な試験として公募をしてやるとかなんとかという形をしないといけないんじゃないかという気が私もするわけですが、それが一つ。 それからもう一つは、簡裁判事になってから研修が非常に多いですね。そのために裁判が延びるのがとても多いですよ、研修だからというので東京へ行っちゃっていてだめだったり。簡裁判事は一人しかいないでしょう。だから延びちゃうわけですよね。一週間に一遍しかやらないから延びちゃう。だから、研修は簡裁判事になる前にうんと徹底的にやってもらって、なってからは夏休みにやるとかなんとかというふうにしてもらわないと非常に困るのじゃないかと私は思うのですが、そこで、簡裁判事の任命の方法ということについて、いまどういうふうになっておるかということですね。
○大西最高裁判所長官代理者 簡易裁判所判事の任命につきましていわゆる特任の者とそうでない者、いま稲葉委員御指摘の点はいわゆる特任簡易裁判所判事の任命について仰せになっていらっしゃると思いますが、これについても改めて申し上げるまでもないことでございますが、各地方裁判所にございます簡易裁判所判事推薦委員会からの推薦を受けまして、最高裁判所にございます簡易裁判所判事選考委員会で選考するという段取りになるわけでございます。 その選考委員会のやり方がオープンでないという、あるいはそういう御指摘かと思いますが、これはもちろん人事のことでございますので、そういう意味で極端なオープンにはできない性質のものではございますけれども、この委員になっていただいております方、これはもう裁判所の中だけではございませんで、検察官からもなっていただいておりますし、弁護士さんからもなっていただいておりますし、そこでの選考を経て行うという意味で、私どもといたしましては、そう秘密で隠して、部内の論功行賞のみをやっているというふうには考えていないわけでございまして、そこで裁判所部外の方のいわば御批判も受け、その上で決まってくるというものでございますので、そういう意味で、一応言ってみれば、性質上オープンになっておるのだというふうに考えておるわけでございます。 それからもう一つ、簡易裁判所判事になってから研修が非常に多いという仰せでございます。 簡易裁判所判事になりましてから何年目の研修というふうなことで何回か研修を行っておりますが、この研修を行うにつきましては、事件との関係もございますので、当事者にできるだけ御迷惑をかけないように簡易裁判所判事の研修日の選定をするということを心がけておるつもりではございますけれども、しかし、やはり一定期間東京都へ集めて、あるいは高裁所在地等へ集めて行います関係上、ついついそういうことが出てくるわけでございます。 ただしかし、研修の充実強化という点につきましては、先ほど来簡易裁判所判事の資質についてもいろいろ御批判をいただいておるところでもございますので、私どもとしては、研修はやはり少なくともいままでどおり、あるいはもう少し充実をして続けたいというふうには考えております。ただ、御迷惑をかけないような配慮というものは研修日の選定等に当たってよく考えていきたい、そのように考えておる次第でございます。
○稲葉委員 オープンという意味が、私の言葉が足らなかったのですが、それはいわゆる募集をする段階がオープンでないということです。私の言うのは、公に公告するなり何なりして募集をして、そこから志願者を募って、それをやるべきではないか、こういうことを言っているわけなんで、その後の最高裁判所の中の試験や何かは、それは試験ですからオープンにするわけにいきませんね。そういう意味のことを言っているのです。だから、どういう機会に簡易裁判所の判事の募集が行われているのか、さっぱりわからないのですよ。私はこれは問題だ、考えなければいけないと思っているのです。そういうことなわけですね。それはいいでしょう。また別の機会にしましょう。 それから、よくわかりませんのは、非常にごたごたして困っているのは、たとえばこの前も私は仙台に行ったのですが、聞いてみたら簡裁の事件、民事の事件が十六年かかったと裁判官が言うから、何でそんなにかかったのですかと言ったら、簡裁で境界確定の訴えが起きて高裁まで行った、高裁へ行って差し戻しになってしまって、もう十五、六年やっているというわけですね。境界確定の訴えというのは、簡裁では自分のところは訴額が小さいから、行ったとしても地裁の方へ回してもいいということになっているのでしょうけれども、実際には余り回しませんね、自分のプライドもあるから回さないのでしょうが。 そこでもう一つの問題は、最高裁の判例の中では、境界確定の訴えについては、和解の効力については法律的にはないという判決を下しているのじゃないですか。たとえば県境や何かが当事者間のあれでどんどん変更してしまったら、あなた、大変なことになりますね。ところが、実際には境界確定の訴えが出ると和解和解でやっちゃって、適当なところから途中で線引っぱっちゃって、ここのところだということで両方説得しているわけでしょう。だから、ここら辺のところはどうなんですか、おかしくないのですか。 その基本問題になってくると、それは訴訟事件か非訟事件かという問題でしょう。それを訴訟事件で扱っていること自身に問題があるのだ。なれば、簡裁では境界確定の訴えというのは無理だということになれば、初めから地裁扱いにするとかなんとかという形をとらないと、いたずらに事件が延びちゃうことになるんじゃないですか。大体簡裁で平均十年かかっているんじゃないですか、境界確定の訴えは。平均でもないかな。どうですその点、いまの和解との関係や何か。
○大西最高裁判所長官代理者 どうも人事局長の守備範囲では余りございませんのですが、便宜お答えさせていただきますと、これも釈迦に説法になりますけれども、いま御指摘の中にもございましたように、土地境界確定の訴えというものは、多少の論争はございますが、非訟事件であるというふうに言われておりまして、境界の線引きだけだ、それに和解はないという、これは最高裁の判例があったかどうか、私いまちょっととっさのことで覚えておりませんが、そういう意味での問題点がある。したがって、所有権の帰属ということでの和解が実質的には行われておる。訴訟では私もそういうことでやってきたことがございますし、そういうことで行われておるのであろうというふうに思います。 一方、境界確定の訴えというものが、証拠の問題その他いろいろ複雑でございまして、実際の境界を確定するということが現実の訴訟になってきますとなかなかむずかしいという意味で、かなり長期間を要している事件がたくさんあるということは御指摘のとおりでございます。 しかし、これは単に簡易裁判所でやっているからどうかということでは必ずしもございませんで、地方裁判所にはたくさんの境界確定の訴えがございますが、これもやはり、ほかの事件に比べればかなり長期間を要しておるものがあるというふうに私どもは理解しております。御承知のように、旧裁判所構成法当時は、むしろ境界確定の訴えは区裁判所の管轄とされておったわけでございまして、訴訟の性質そのものが、そういう簡易裁判所でやるのに適しないというふうに昔から考えられてきたかどうかという点については問題がないわけではございませんが、一般に複雑な事件であるという意味で長期間を要しておるということになるのではないか。この促進については、裁判官としてはいままで努力してきておるつもりでございますけれども、一層の努力を払わなければならないということは、まさに御指摘のとおりであろうというふうに考えます。
○稲葉委員 きょうは時間がありませんし、法案が法案ですから、これ以上のことを質問しません。 もう一つ、きょう来ていませんけれども、法務省の民事局の所管かな、私は疑問に思いますのは、たとえば司法修習生の問題は最高裁が所管する、司法試験は法務省が所管する。これは権限争いか何かあって両方で分けたらしいということも言えるし、それからどっちかに統一してもいいという意見もあり、いろいろな意見がありますね。 もう一つわからないのは公証人。これを法務省が握っているわけで、きょうは呼んでませんからあれですが——官房長いるわ。人事権の問題だ。答えなくていいですよ。公証人という制度を法務省が握っていて、それは現実に検事正をやめさせるためのいわゆる肩たたきに使っているわけだ。だから、民事の複雑な造言だとか相続だとかいろいろな問題が出てくる、そういうのに検事正をやっていた人とかなんとかが公証人になるということは、実際なってみてもぼくは無理じゃないかと思うのです。それは裁判官出身とか弁護士出身のもっと民事に詳しい人が公証人にならなければごたごたするだけではないか、こう思うのです。 収入はいいですよ。平均一人二百万くらいあるのじゃないかな。税金引いても百二、三十万あるのじゃないか。国会議員よりいいですよ、あの方が。それを法務省が握っているわけだ。それで人事に使うわけだ。使うのは悪くないけれども、それはそういうふうに言うと、いやいや裁判官の方は簡裁判事になれるからということで、片方は簡裁判事になれないから公証人になるのだという考え方でやっているようです。これは少し考え方が違うのではないかとぼくは思うのです。ここら辺のところはまた後で、公証人の実態というものを含めて別な機会によく聞きますけれども、これはちょっと問題がありますね。 それから、ぼくは問題だと思いますのは、司法修習生をこの前罷免されましたね。その具体的な事件の内容については、個人の名誉のこともあるからそんなことは聞きませんが、私は疑問に思いますのは、司法修習生が罷免された、さあそのときに、一体それに対する不服の申し立てというか、何か方法が具体的にあるのかないのかということですね。修習生を罷免する行為は一体行政処分なのかどうかという点、あるいは行政不服審査法の問題、特例法の問題ありますね、それとの関係は一体どういうふうになるわけですか。
○大西最高裁判所長官代理者 司法修習生が罷免されました場合の不服申し立て方法といたしましては、まず問題がないと思われますのは、行政事件訴訟法に言っておりますいわゆる抗告訴訟の対象になるということで、訴訟の道があるというふうに解釈できるであろうというふうに思います。 もう一つの、いま稲葉委員御指摘になりました行政不服審査法による不服の申し立ての関係につきましては、あるいはこれも法律解釈の問題でございまして、違う意見もあるいはあるかもしれませんけれども、一応行政不服審査法のたしか四条にできない場合のことが列挙してございまして、その中には研修所の研修生というようなものも入っておるわけでございます。それはそれといたしましても、修習生はそもそも国家公務員ではないというふうに考えられておりますことからいいましても、ちょっと行政不服審査法による不服の手続に乗っけることはできないのではないかというふうに私どもは考えております。要するに、行政事件訴訟法による訴訟によって救済ができるというふうに考えております。
○稲葉委員 そこで、罷免したときには、だれの名前でどういう辞令を出したのですか。
○大西最高裁判所長官代理者 これは条文を掲げまして、何条により罷免する、そういう最高裁判所名義の辞令を本人に交付いたしております。
○稲葉委員 最高裁判所名義ですか。それならそれでいいのですが、そうすると、上告したときに最高裁判所に係属するわけですね。そうすると、最高裁判所は、自分で処分していて、罷免していて、それが上がってくれば、罷免せずという判決をするわけないでしょう。だから、上告審の権限というものを事実上奪うことになるんじゃないですか。それば三審制度というものを破壊するんじゃないの。どうもそこがよくわからないですな。実際には、罷免されても黙ってがまんしてろ、忠実にやってればその次の年には、一年たてばまたもう一遍やれるんだというような具体的な例になっているようですけれども、そういうのは、自分で処分していて自分で判断するということになれば、違った判断をするわけはないので、三審制度というものを奪うことになるんじゃないですか。それはどうなんですか。
○大西最高裁判所長官代理者 少し大上段に振りかぶるようで恐縮でございますけれども、そもそも憲法で法律上の争訟が最終審として最高裁判所の権限にゆだねられておるということが一方でございますが、他の一方におきまして、特に司法権の独立との関係を頭に置いてということに考えますけれども、憲法は最高裁判所に対して司法の運営に関して広範囲の行政権を与えておるわけでございます。そういう意味で、そういう不都合があるかということはともかくといたしまして、一応そういう形は憲法が予想しておるところであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。 なお、修習生の罷免の問題について、確かにそういう問題がございますが、これは単に修習生だけの問題ではございませんで、裁判所職員全体につきましての、最高裁判所が任命権を持っております職員に対する懲戒処分の問題でございますとか、その他いろいろ最高裁判所自体が行政上判定をいたしますものに対して訴訟が起こってくる、それの最終審がやはり最高裁判所であるという意味では、同じようなことがほかにもあるわけでございますが、最高裁判所としては、その行政権の主体として一定の行政目的を達成するために処分をいたします場合、それと訴訟が起こってきまして両方の当事者の言い分を聞きまして判決を下す、決定を下すという場合は、つまり別の次元に立って一応考えるということをやっておるつもりでございますし、憲法もそれを予想して両方を最高裁判所に与えておるというふうになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○稲葉委員 法律論としてはそのとおりですね。法律論としてそのとおりだけれども、だから結局、生殺与奪の権を最高裁が握っちゃっておって、最高裁の言うことを聞かなければ結局罷免されるぞ、めちゃくちゃに罷免するわけじゃありませんけれども、罷免されるぞということになれば、結局、たとえば研修所の中でいろいろな行動というものも、そこから規制されてくるということが結論として出てくるのじゃないか、こういうふうに私は思うのですがね。 司法修習生は、給与はどういう法律によって出しているのですか。
○大西最高裁判所長官代理者 これは法律によりまして、最高裁判所が当分の間決めるということになっておりまして、司法修習生の給与に関する規則でございましたか、そういう規則を最高裁判所で設けておりまして、その規則によって決めております。
○稲葉委員 それは、もし司法修習生が公務員だというふうになると、そうはいかないわけですか。そういう規則に決めるといういき方はできないわけですか。ちゃんと法律で決めなきゃいかぬわけですか。
○大西最高裁判所長官代理者 ちょっとむずかしい法律論でございますけれども、一応法律で委任規定を置きました場合には当然規則で決められるというふうに思いますし、現在は法律で最高裁判所が決めるのだというふうに書いてあるわけでございます。
○稲葉委員 それ、どこに書いてあるの。
○大西最高裁判所長官代理者 裁判官の報酬法、ただいま御審議いただいております報酬法の十四条に、「裁判官の報酬等の応急的措置に関する法律は、これを廃止する。但し、司法修習生の受ける給与については、なお従前の例による。」こういう規定がございますが、この廃止されました応急的措置に関する法律というのがございますが、その第八条で、「司法修習生の受ける給与の額は、当分の間、最高裁判所の定めるところによる。」こういう規定があったわけでございます。これが廃止されましたときに、この報酬法の附則十四条で「なお従前の例による。」というふうに規定しておりますので、従前の例によって最高裁判所の定めるところによる、こういうふうになり、そこで司法修習生の給与に関する規則というのが最高裁判所の規則としてある、そこで額を決めておる、こういう関係になるわけでございます。
○稲葉委員 きょうは裁判官の報酬と検察官の俸給の法律ですから、別の機会にいろいろ細かい点を聞きますから、時間が時間ですから、一応これで終わりにしておきます。
○羽田野委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○羽田野委員長 これより両案について討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。安藤巖君。
○安藤委員 私は、日本共産党を代表して、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、両法案に反対の討論を行います。 わが党が両法案を含む給与関連法案に反対する最大の理由は、民間労働者の賃金引き上げ実績はもとより物価上昇にさえ及ばないきわめて不満足な人事院の給与改善勧告をさらに値切ろうとしている点であります。 今回の値切り措置は、政府がILOなどで表明してきた公務員労働者の労働基本権剥奪を合理化する論拠として行われている公務員の給与に関する人事院勧告制度をみずから破壊するものであり、憲法の労働基本権保障規定への真っ向からの挑戦であると言わなければなりません。 しかも、今回の措置は、国民生活破壊、財界奉仕、軍拡推進のにせの行革の名のもとに政府が強行しようとしているものであり、わが党は断じて許すわけにはまいりません。 もとより、わが党は上厚下薄の給与体系を改めよと主張しているのでありますから、最高裁長官、同判事、検事総長らの報酬、俸給を据え置くことは当然でありますし、上級の判検事の給与改善実現を一年間繰り延べることに反対しているのではありません。 しかしながら、本改正案は、判事補の一部など下級の裁判官、検察官の報酬、俸給までも値切るとともに、期末手当などの計算ベースを八〇年ベースにするという値切りであり、これは全裁判官、検察官に及び、とりわけ下級の裁判官、検察官にはその影響は少なくないと言えます。 裁判官は独立して職務を行うのであり、政府の一方的な判断のもとに報酬を不当に低く抑えることは、司法の独立を擁護する側面からも重大な誤りであると言わなければなりません。 以上、両法案に対する基本的な考え方を表明し、あわせて政府に対し、今後二度と人事院勧告を値切るという不当な措置をとることがないよう重ねて強く要求し、日本共産党を代表しての反対討論を終わります。
○羽田野委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○羽田野委員長 これより採決に入ります。 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○羽田野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○羽田野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○羽田野委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十三分散会 ————◇—————