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96回国会衆議院1982/08/20

文教委員会 第20号

発言数
132
登壇者
10
会派数
5
開催日
1982/08/20

会議録

青木正久自由民主党

○青木委員長 これより会議を開きます。  この際、理事の辞任の件並びに理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  初めに、理事の辞任の件についてお諮りいたします。  理事長谷川正三君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  引き続き、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、理事に湯山勇君を指名いたします。      ————◇—————

青木正久自由民主党

○青木委員長 次に、請願の審査を行います。  今国会、本委員会に付託されました請願は五百四十二件であります。  本日の請願日程第一から第五四二までの各請願を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。  各請願の内容につきましては、文書表等によりすでに御承知のことと存じますし、また、先ほどの理事会におきまして慎重に御検討願いましたので、この際、紹介議員からの説明の聴取等はこれを省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  お諮りいたします。  本日の請願日程中、第三ないし第一一、第三三ないし第三五、第五四ないし第五八、第六三ないし第六五、第一一五、第一四一、第二四七、第二八〇、第三二四、第三四〇、第三四二及び第三九〇、以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に記載〕     —————————————

青木正久自由民主党

○青木委員長 なお、念のため申し上げます。  今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、名古屋に国立美術館設置に関する陳情書外二十六件であります。      ————◇—————

青木正久自由民主党

○青木委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  第九十三回国会、長谷川正三君外三名提出、児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法案  第九十四回国会、中西積介君外四名提出、学校教育法等の一部を改正する法律案  第九十四回国会、中西積介君外四名提出、学校教育法の一部を改正する法律案  第九十四回国会、馬場昇君外四名提出、公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案  中西積介君外三名提出、公立幼稚園の学級編制   及び教職員定数の標準に関する法律案 及び  石橋一弥君外四名提出、商業用レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する法律案 並びに  文教行政の基本施策に関する件  学校教育に関する件  社会教育に関する件  体育に関する件  学術研究及び宗教に関する件  国際文化交流に関する件及び  文化財保護に関する件以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合には、  義務教育諸学校等における育児休業をめぐる諸問題について調査検討するため小委員十六名からなる義務教育諸学校等における育児休業に関する小委員会及び  幼児教育をめぐる諸問題について調査検討するため小委員十六名からなる幼児教育に関する小委を、それぞれ設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、委員長が追って指名し、公報をもってお知らせいたします。  なお、委員辞任に伴う小委員及び小委員長の補欠選任並びに小委員及び小委員長の辞任の許可及びそれに伴う補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  閉会中審査を行うに当たり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

青木正久自由民主党

○青木委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、去る十三日、中華人民共和国から帰国いたしました文部省大崎学術国際局長から発言を求められておりますので、これを許します。大崎学術国際局長。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 先般、外務省の橋本情報文化局長とともに、教科書問題につきまして中国へ出張を命ぜられ、行ってまいりました。このことにつきまして御報告を申し上げます。  出張の目的は、第一に、北京の日本大使館に参りまして、大使を初め大使館の方々にこの問題についての事情と政府の考え方を十分御説明いたしまして、また、現地の事情や判断も伺い、今後中国側と話し合うあるいは対応してまいる上で遺漏のないようにするということでございます。  第二は、その機会に中国の責任当局の方々と話し合いを行いまして相互の理解を深めてまいるということでございました。  八月八日に出発をいたしまして、同日北京に到着し、早速大使公邸におきまして鹿取大使、渡辺公使を初め大使館員の方々に必要な御説明をいたしますとともに意見の交換をいたしました次第でございます。以後十三日に帰国をいたしますまで随時本件につきまし情報あるいは意見の交換、打ち合わせなどを行いまして、鹿取大使を初め大使館の方々とは十分な意思疎通ができたというふうに考えております。  中国側との話し合いにつきましては、到着の翌日の九日の夕刻に、まず橋本局長と中国外交部の肖向前第一アジア司長との間に会談が持たれました。  翌十日、外交部におきまして、当方からは橋本局長と私、中国側は肖向前司長と中国教育部の李滔外事局長を中心とする話し合いが持たれたわけでございます。  中一日を置きまして十二日には、当方は鹿取大使、橋本局長と私、中国側は呉学謙外交部副部長、肖向前司長を中心とする話し合いが行われ、同日さらに当方は橋本局長と私、中国側は肖向前司長を中心といたします話し合いが行われたわけでございます。  以上の話し合いを通じまして、橋本局長からは、日中共同声明に述べられております認識というものは今日も全く変わっていないということなど、日本政府の基本的な考え方についての説明あるいは意見の表明がなされました。  私からは、教科書の検定について説明をいたしますとともに、これと関連をいたしまして、文部省が日中共同声明あるいは日中平和友好条約の精神に反する考えの全くないことを誠意をもって説明し、中国側の理解を求めた次第でございます。  これに対しまして中国側では、日本の教科書検定制度そのものについて干渉するつもりというものはないということを明らかにされたわけでございますが、同時に内容が中国に係る重要問題について中国側が発言するのは当然である、本件に関する中国政府の態度はすでに表明したとおりであって、これに対する日本側の対応を求めたいということでございまして、これまでの基本的態度には変わりがないということも同時に明らかにされたわけでございます。  ただ、中国側との話し合いを通じまして、この問題に関する双方の認識や考え方につきましてはお互い理解を深められたというふうに考えておりますが、日中共同声明の精神というものが教科書検定に十分反映しているかどうかという基本的な点につきましては、中国側の理解を得るには至らなかったということでございます。  以上、概略を御説明申し上げます。

青木正久自由民主党

○青木委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十時二十分休憩      ————◇—————     午前十時四十四分開議

青木正久自由民主党

○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、一言申し上げます。  委員の質疑時間が限られておりますので、政府におかれましては御答弁は簡潔明瞭にされるようにお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西積介君。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 本日は、教科書にかかわる問題で大変国際的にも大きな問題になっておりますだけに、本来ならば外務大臣あるいは総理まで要請をして開くべきであるということを主張してまいりましたけれども、残念ながら実現ができておりません。しかも外務委員会とこれが一緒になっておるということもあって政府委員が出席できないということ等もあり、外務省からお見えになっている方には事務的なことについて質問をいたしたいと思いますので、お答えいただきたいと思うわけです。  この問題が国際的な問題までに拡大されている、この点については大変遺憾に思うわけでありますけれども、これがさらにおくれるということになれば歴史を逆流させることになり、アジアにおけるあるいは東南アジアにおける、世界における多くの問題が派生することは必至であります。そこで世界的に、特にこのアジア、東南アジアを中心にする地域の情報をどう収集をされておるのか、この点についてお答えをいただきたいと思うわけです。

長谷川和年外務大臣官房外務参事官

○長谷川説明員 お答えします。  この問題に関しますアジアのみならず世界各地の新聞紙等の報道ぶりあるいは論評、評論、これらにつきましては、在外公館の方に指示をいたしまして時々刻々現地の方から報告を受けておりまして、情報の把握に遺漏なきを期しております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 では、具体的にアジアにおけるあるいは東南アジアにおける状況はどのようになっていますか。

長谷川和年外務大臣官房外務参事官

○長谷川説明員 アジアにおきましては、シンガポール、タイ、マレーシアあるいはビルマ、インドネシアと各国で報道されておりまして、その報道の内容というのは新聞紙等によって違いますが、華字紙の報道の傾向というのは大体中国の新聞の報道の転載あるいはそれに基づきますいろいろな論評、そういったのが大部分でございまして、それ以外に英字紙あるいは現地語の新聞、いろいろ報道しておりまして、論評もいろいろございます。ただいま申しましたように、東南アジアそれから南西アジアではスリランカの新聞も報道しております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そこで、一番いま問題になっております中国、そしてさらに韓国、特に中国における指摘の中心課題、これは何になっていますか。さらに韓国におきましてもこれがどのようになっておるのか。さらにまた私たちが一番恐れておるたとえば韓国におきましては日韓ジュニア大会などが八月の十二日には中止を決定されております。このように幾つかの多くの問題が次々に派生してきておると思いますけれども、いままで長い間のこうした国交を十年あるいは十五年いやそれより以上に逆流させるという状況が出ておると思うのですけれども、中国の主張点と韓国におけるそうした具体的な行動、そうした問題についてわかっておれば答えてください。

長谷川和年外務大臣官房外務参事官

○長谷川説明員 韓国におきましては、七月の二十日ごろから韓国内の各紙が大々的に教科書問題を取り上げまして、八月の三日に韓国の政府からわが国に対して正式の申し入れがございました。すなわち同日韓国の外務部の長官より前田大使に対してこの問題に関する日本政府の早急にして具体的なる是正措置を強力に要求する、そういったことを内容とする備忘録をこちらの方に手交いたしたわけでございます。また、わが方からは七月の三十日に文部省より在京韓国大使館の公使に対しまして、わが国の検定制度の意のあるところについて説明を行ったわけでございます。また、同じような趣旨は、同日、わが方の韓国大使館の後藤公使より外務部の亜州局長に対して申し入れたわけでございます。  中国に関しましては、先月の二十六日にこの問題に関するきわめて大きな関心と、それから教科書の誤りを正すようにとの希望が先方から表明された後、今月の五日に入りまして、改めて日本政府が必要措置を講じて検定済み教科書の誤りを正すよう要求する旨の申し入れが行われまして、こうした申し入れを踏まえまして、先般来文部省さんといろいろ御協議しているところでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 もうちょっと具体的に指摘をしたいと思いますが、たとえば韓国における世論調査結果が先般明らかにされていましたね。これを見ますと、嫌いな国一位は三六・五%で日本であるということが明らかにされています。その次が朝鮮民主主義人民共和国、ソ連、中国、こう並んでいまして、西側と言われ、自由主義諸国と言われる国々の中ではずば抜けて日本がそうした状況に置かれておる。しかも日本からどういうことを連想するかと言ったときに、日帝統治を主張する者が二九・一%、悪賢い、こうかつ、経済大国、残忍だ、こういう中身だということが明らかにされています。  こういうような状況を考えてみた場合に、中国がいまいろいろな報道機関を通じて日本の軍国主義の実態を人民に明らかにしていっておるという状況、そして韓国におきましては、政府がある程度それを抑えようとしておりますけれども、逆にこれに抵抗する人民の力によって政府が動かざるを得ないという実態になっています。  こういうことを考えてまいりますと、いま諸外国が何を日本に指摘しておるのか、その本質は何なのかということを文部大臣はどのようにお考えになっておるのか、この点をお答えいただきたいと思うのです。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 先方があのような要求をわが国に対して提起している、その真意あるいは背景はいかようなものであるかというのが御質問の御趣旨であろうかと存じます。これは相当時間をかけて慎重に分析を要する問題だと存じますので、一言にしてしかじかと申し上げることははなはだ困難だと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そこに私は問題を感ずるわけです。特に、私は改めていまお聞きしようとは思いませんけれども、先般の当委員会におきまして小川文部大臣お答えいただきましたように、日本の中国における、あるいは韓国における、さらにまた東南アジアにおけるこうした問題が侵略的な行為として認められておりますから、そうした侵略行為として、特にいまの韓国の例は具体的な例ですから申し上げましたけれども、日帝の統治、悪賢い、こうかつ、経済大国、残忍、こうしたものが大衆の中に大きく出てきておる。こういうことを考えますと、いままさに侵略したその行為、それに対する復活をこれらの国々の人々が身近に感じる一つの中身として、こうした教科書問題がそこに出てきておる、だから、一つのものとしてそうしたものを受けとめ、そしてそれに対する多くの問題がいろいろ指摘をされておる、こう私は考えるわけであります。  そこで、きょうの新聞を見ますと、「五十九年度教科書で是正へ」という見出しなり、あるいは「一年早め来月告示」などといういろいろな見出しでそれぞれの新聞が書きたてています。報道されています。これを見た場合に、少なくとも総理がこれに対応するということになれば、基本的な見解、政治見解が出されるわけでありますから、その基本になるものは何なのか、私はそれをお聞きしたいと思うのです。  したがって、先般と同じようなことになりますけれども、日中共同声明、日韓共同コミュニケがそれぞれ出されておりまして、これに基づいて先般外相は、外相所見として、個人であるけれども明らかにされました。その中で、まさに戦後日本外交は戦争責任の認識を基礎としてこの十五年戦争を反省するという立場の中から、これを基調として物を発想していくということが明らかにされました。したがって、この侵略事実に正面切って向き合うことから、平和憲法、さらに教育基本法、さらに平和外交を培い、育てることができると思うし、そのためには事実を伝え、事実を教えるということにならなくてはならぬと私は思うのです。そうした基調があって初めて諸外国のこうした信頼を取り戻すということになるのではないか、こう私は考えますけれども、今度の基本見解あるいは政府見解を出されるに当たって、反省をする、あるいは共同声明、コミュニケを認めるという立場、そして平和憲法を重視するという立場の中から物を発想する場合には、私がいま申し上げたようなことでよろしいかどうか、基本方針はそういう方向で打ち出していくかどうか、この点について大臣にお伺いします。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 ただいま仰せのことは、私もことごとく御同感でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そうなってまいりますと、私は教育問題に触れざるを得なくなってくるわけであります。  教育の問題は、先ほど私が申し上げましたように、平和憲法、それに基づく教育基本法、そして指導要領、それに基づく教科書検定であり、そこから教科書はつくられていくわけです。このことについては私の認識は違わないと思うし、従来から文部省にお答えいただいた基本認識も変わってないと思いますが、よろしいですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 仰せのとおりでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そうなってまいりますと、この共同声明を認めるし、あるいは真実を教える、伝えることが大変重要だということをいま言われたわけであります。  そこで、一番肝心なことになりますが、日中、日韓のこうした共同声明なりコミュニケ、この基本態度をそのまま歴史教科書なり社会科教科書あるいは国語の教科書の中身にすることが私は正しいと思うけれども、このことはいま中国あるいは韓国から直接外交機関を通じて要求をされておる、その要求が不当でなくてきわめて正当なものと私は思っておるわけでありますけれども、この歴史教科書、社会科教科書、あるいはその他教科書の中身、その中にそのことを正しく生かしていく、あるいはそのままそれを記述していくということが大変重要であろうと私は思うわけでありますけれども、大臣、どうでしょう。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 中国につきましては共同声明の趣旨、韓国につきましては共同コミュニケの精神が教科書の上に正しく反映さるべきであることは当然でございます。私はまた、現に今日の教科書はそのような姿になっておる、こう考えておるわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そこで、いま一番最後に言われたところが問題になっておるわけですね。文部省の考えておられることと、韓国なりあるいは中国なり、この記述を見て受けとめておる中身がまさに違いがあるということを指摘をしておるわけであります。だからこそ、これを書きかえろという要求になってきておると思います。  そこで、私は角度を変えましてお聞きしたいと思うのですけれども、統計数字の誤りだとかあるいは用語の統一だとか、いろいろな言葉でいままで弁解をしてまいりました。しかし、私はこれを聞いておって、本当に、私たち先ほどから申し上げておるような基本姿勢を貫かれておると言われる同じ日本人の文部省の方々がこういうことを平気で言っておるということを、私たちは大変恥ずかしく思っているのです、同じ国民として。私たちは本当にこの点では耐えられないのです、言っておることを聞いておりますと。まさに、あの言い方というのは冒涜であり、大国主義のあらわれであり、加害者としての被害者の痛みを全く受けとめておらないと言わざるを得ないのです。だから私は、むしろ改めるべきは、生徒にあるいは現代の若者に道徳心がないとかいろいろなことを言いますけれども、いまその言葉こそ文部省が最も受けるべき言葉ではないか、こう考えます。もし、先ほどから言っているように反省をしておる、あるいはそのことを認めるということであるならば、なぜ、不統一の面だとかなんとかでなくて、本当にその真実をそのまま伝える言葉によって、これでどうして統一をしなかったのか、こう言わざるを得ません。  ですから私は、まさにいまこの約一カ月にわたる論議、それより以前、数年前からいろいろな教科書に出ておる問題点、こういう点のすべてを指しまして考えますならば、まさにこのことはその全責任が文部省にあると言わざるを得なくなってまいるわけです。先般から、同僚の湯山委員がその責任は文部大臣にあるということに絶えず文部大臣はお答えしてまいりました。まさに文部省にあるわけです。ですから、きょう出ておるこうした記事、この中身、私はもう細かいことを申し上げる時間がございませんからきょうはやめにいたしますけれども、改訂するに当たって、その一番先頭にどうして文部省が立てないのか。絶えず人から言われ、他の省庁から指摘をされ、そしてこのように委員会になって指摘をされる中でしか、この問題に対して対処しようとしない、これはなぜなのか、この点をお聞かせいただきたいと思うのです、大臣。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 今日の事態、まことに深刻な事態として受けとめておるわけでございます。アジアの諸国との間の友好関係、信頼関係というものはわが国が今日の国際社会でよって立つ基盤でございますから、これが大きく揺らぐようなことがあってはならない、かように考えまして、この事態にどう対応していくかということをきわめて積極的に文部省としてはただいま検討いたしておるつもりでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 積極的に検討しておると言いますならば、先ほど来前年に私が申し上げたそのことを文部大臣が身にとめ、全面的に認めるということの立場に立つならば、少なくとも、こうした問題について首相が二十三日表明をする、あるいは二十七日ごろまでには発表するという、こうした問題等につきましても、その姿勢が先般のこの委員会で確認をされた侵略行為、そのことに対する反省でありますから、その反省の上に立ったならば、ここに示されるような内容でやるのでなくて、少なくとも即刻このことを認めていくという態勢があってこうした国々に対する私たちの身を処す、日本人としてどうあるべきかということを問われておるわけでありますから、その点を私は一番懸念するわけであります。ですから、何としてもこうした処理の仕方を最も早い時期にどうするのか、それを最も的確にする場合にはどうするかという視点からこのことを論議していくべきではないでしょうか。  この点をぜひお考えいただき、特にいま問題になっておる外圧論だとか体面論とか、いろいろたくさんの主張がございます。本当に、私たちがこうして世界で有数の経済大国になったという、これを多くの国々に理解をしていただくためには、いまのような、積極姿勢でやっておると言うけれども、出てきておる内容というのはそう見えないから、だんだんエスカレートしていって外交問題にまで発展をしたということになっておるわけでありますから、私たちは少なくとも相手の立場あるいは心情を酌むという、この余裕がなくてはならぬと思うし、過ちを改めることをはばからないというこの勇気がいま私たちにとって一番問われておるのではないかと私は思うわけです。逆に言うなら、私たち日本が、わが国が長い目で本当に多くの国々に信頼をされる、そして皆さんが一番懸念をしておる体面を保つ、そういうことがその中から醸成されるし、生まれてくる、こう考えますけれども、この点についてはどうでしょう、大臣。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 中西先生お挙げになりました新聞報道との関連で、一言申し上げさしていただきたいと思います。  現在、大臣が申し上げましたように、このことの重要性にかんがみまして外務省とも鋭意検討しているわけでございますが、それはあくまでも現行検定制度を堅持しつつということでございまして、その枠の中でいかなる対応が可能かということで検討を続けているわけでございます。報道にございましたように、たとえば改訂検定を一年繰り上げるかどうかということについては、現在のところ、従来から三年間の周期で行ってまいりました検定の周期につきましては、これは従来の慣行として教育計画の安定とか学術指導の継続性とかそういう経験を踏まえるとかいろいろな理由があって実績としてやってきたものでございますので、これを新聞報道等のように変えるというふうなことではなくて、この検定制度の現行の枠、慣習法も含めましてそういうものを維持しつつ、いかなる解決が可能がということでいま検討しているということでございますので、その点は一言申し上げさせていただきたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 初中局長から答弁申し上げましたように、現行の検定制度はこれを維持しつつ円満な解決を図るべく鋭意検討いたしておるわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 私が指摘をしましたのは、むしろ信頼をされるというそのためには、先ほど私が申し上げましたように、本当に相手国の立場、いま問題になっておる中国、韓国の立場を本当に理解をするということになれば、私たちにその心情を酌む余裕を持つ必要があるのではないか。あるいは、改めるにはばからないという勇気をいまこそ持つべきではないかと思うし、そうすることが、長い目で見たら、わが国の各国々に対する信頼の度合いを増し、それによって、わが国のそうした体面をさらに向上させることができるのじゃないか、こう私は考えるのですけれども、この点はどうでしょう。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 先ほど来、被害者の痛みを十分理解せよというお言葉がございました。私はかねてから、先方の言い分に謙虚に耳を傾けると申し上げてまいりましたが、仰せのような趣旨で申し上げてきたわけでございます。また、今回の問題、非常に困難な問題でございますから、これを余すところなく解決をする仕事は勇気を要する仕事であることは申すまでもございません。勇気をふるって対処してまいるつもりでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 ですから、いまあなたが言われるように、勇気を持ってやるとするならば、先ほどから言われておるように、検定制度を堅持しつつ云々という、そうしたことにこだわる必要がどうしてあるだろうか。私は、いままでずっと出てきたいろいろな例を見てみましても、先ほど局長が指摘をしましたけれども、そうした内容については、いままで正誤訂正なり何なりでさせていった経緯があるわけですね。ですから、この点をいま私は細かくする時間を持ちませんから論議をすることはできませんけれども、こうしたことを考えてまいりますと、いまやるべきは何なのかということをまず第一に文部省自身が考えていかなくてはならぬ。  ここがいま一番重要な段階ですから、ぜひこの点を認識をしていただくことが大変重要ですから、ここをもう一度大臣、いま言う検定制度そのものを云々ということで、いまの枠、いままで皆さんが答弁してきた枠以外からは一切出ない、こういう言い方をしておりますけれども、私たちから見れば、幾つかのそうした正誤訂正をしてきた経緯がある、たとえば地図、日中友好条約を結ぶことによって、その中から明らかになってまいりましたように、中華民国を台湾として訂正をさせるなど、いろいろ多くの例があるわけでありますから、そうした中でこれを私たちは処理をすべきである、このことを特に私は強調したいと思うのですけれども、大臣、そうした立場にお立ちになれませんか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 現行の教科書検定制度は、次の時代を担う国民を健全に育成していく上におきまして、きわめて重要な役割りを果たしてきておる、またこれからも果たしていくに違いないと考えております。したがって、この制度のたてまえはあくまで堅持しなければならない。私が蛮勇をふるえばこれを崩すことができるというような問題ではないと考えておるわけでございます。  いま過去の事例を幾つか引用なさいましたが、それぞれの具体的な事例につきましては、私は知悉いたしておりませんから、御要求がありますれば担当者から答弁をいたさせます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 外務省、きょう見えておりますから、事務的に伝えてください。  いま私、申し上げますように、文部省もそうした痛みすべてをやはり理解をし、そうして本当に前向きにやるということでありますから、将来総理が、きのう新聞にも報道されておりましたように、中国の副首相が明らかにしておりますように、環境をつくってぜひ歓迎をしたいという内容になっていますから、それまでの間における、われわれの果たすべき役割りというのは、少なくともそうした環境をどうつくり上げるかということになりますと、中国から、あるのは韓国からいま指摘をされておる分を、本当に誠意を持ってという言葉を使いますけれども、これを訂正をするということがいま一番大事なのです。ここを抜きにして物を発想する場合には、私たちが一番恐れる、ただ単に鈴木総理という個人ではありません、日本の宰相、総理が拒否をされるということになれば、これは大変なことですから、この点を十分しんしゃくをして、今後の対処をしていくということをぜひ外務大臣にも伝えていただき、そして文部省はその立場から物を発想していくということにならなければ、先ほど申し上げましたように、私たち同じ日本人として皆さんの行為を私は破廉恥行為だと思っておりますから、この点を改めるべきだと思っております。  以上、申しまして、終わります。

青木正久自由民主党

○青木委員長 有島重武君。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 初めに、大崎局長、来ていらっしゃいますか。——大崎学術国際局長さん、中国訪問、大変御苦労さまでございました。先ほど帰国の御報告があったわけでございますけれども、その御報告の中でもって、中国側の話を聞いた、中国側の言うことは確かにもっともである、そういったことがございました。では、全く同意をしていらっしゃったのかどうか、あるいは多少の誤解がある、そういう認識でお帰りになったのか。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 先ほどの報告で言葉が足りませんので、そういう印象をお持ちいただいたとすれば私の説明不足でございますが、私は、中国側の言い分がもっともだということを申し上げたつもりはございませんで、中国側はこうこうふうに主張しておられるということを申し上げたつもりでございます。私からは、現行の教科書全体というものを十分評価し、御理解をいただければ日中共同声明の精神に反するようなものではないということを繰り返し御説明を申し上げ、理解をいただくように努力をいたしましたが、まあ結果としまして、その点について御理解を得るには至らなかった、こういうことでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 そうすると、私の伺ったことは、多少の誤解があった、しかもその誤解がいまなお残っておる、そういう印象でお帰りになったのでしょうか。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 繰り返しになりますが、文部省といたしましては、現在の教科書全体を見ていただきますれば決して日中共同声明の精神に反するようなものではないということをるる御説明をいたしたわけでございます。しかし、中国側の基本的態度は変わらなかった、こういうことでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 大臣にお確かめしておきたい。報道されるところによりますと、中国、韓国初めアジア諸国、大変騒ぎが大きくなっておるようであります。こうした国民感情として非常に喜ばしくない状況にある。現実に国益を損ずる点いいますか、個々の在留邦人などは相当な損害を受けておるのではないかと思うわけです。それで、今度のことはやはり国益を損じたことであったということを大臣としては率直にお認めになっていらっしゃるかどうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 当面の問題には仰せのとおり国益がかかっておる、そのように認識いたしております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 国益にかかわって、それを増進したという認識ではないわけですね。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 大変失礼でございますが、ちょっとお言葉が聞き取れませんで、恐縮でございますが、もう一度……。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 国益にかかわっているとおっしゃったけれども、国益にかかわって国益を増進した方向ではない、国益を損じた、そういう御認識でいらっしゃいますね。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 この問題が円満な解決を見ないということになりますると、これは国益に重大な影響を及ぼす事態だ、こう考えております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 結論が出てからそれが判定されるので現在は何とも言えないということなんでしょうか。現在すでにこうして問題の解決が長引いておる。長引いている間に国益を損じておる、そういった結果がすでに出ているというふうに私は認識するわけでございますけれども、大臣はいかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 現在、仰せのような意味で好ましからざる状況というものは、申すまでもなくすでに出てきておると考えております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 そういった現況に関して遺憾の意を国民に対して表明なさるというお気持ちはありますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 しばしば申し上げておりますように、今回のことは文部省が行った検定に端を発しておりまするから、私はその責任を回避するつもりは毛頭ございません。当面の事態を打開いたしまするためにただいま鋭意努力をいたしておるところでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 法制局が来ていらっしゃると思うのですけれども、当然のことを確認するわけですが、一般の図書に関して、その著作者に対して文部大臣が内容表現の改訂とか訂正とか修正ということを求める、促すというようなことがあればこれは憲法第二十一条に抵触する、越権行為になると思いますけれども、いかがでしょうか。

松下正美衆議院法制局第二部長

○松下法制局参事 お答え申し上げます。  「言論、出版その他一切の表現の自由」を保障しております憲法第二十一条の趣旨から申しまして国がそのような強制をすることはできないものと考えられますし、また、そういうことはあってはならないというふうに考えられるわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 検定され終わった教科書というものは一種の、一つの著作物である。これについても同じことになりますね。

松下正美衆議院法制局第二部長

○松下法制局参事 お答え申し上げます。  現行の教科書につきましても同様に、国が記述を改めるよう強制するというようなことはできないものと考えられます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 そういうことで、いま言われております再改訂とか再修正とかということについての問題ですけれども、これは結果として再改訂になった、再修正になったということはあり得ても、文部省の側からこのたび再検定をするから持ってまいれというようなことは越権行為になるというふうにいまの法制局のお答えからはなろうかと思うのですけれども、この点について文部大臣はどうお考えになりますか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 教科書検定制度の仕組みでございますが、これは御承知のように、民間において著作編集された図書につきまして、申請に基づいて文部大臣が教科書として適切かどうかということを審査をして検定を行うのでございまして、したがって、すでに検定を経た教科書について改訂を行うかどうか、どのような改訂を行うかどうかということについては、あくまでも著作者の発意に基づきましてその自主的な方針によって判断された上で文部省に申請されるものでございまして、申請以前の段階について文部省として関与するものでないことは言うまでもないことでございます。したがいまして、御指摘のような書きかえとかそのようなことを政府が命ずるということは検定制度の趣旨になじまない、趣旨に反すると申しますか、そういうことでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 検定制度の趣旨に反する以前に憲法に違反するということになりますですね。検定制度の趣旨というのは憲法に従ってつくってある、そういうことでしょうね。  そこで、この前の委員会でお答えをいただいた、かつ、もうすでに御承知かと思いますけれども、私も去る八月十四日に質問主意書をお出ししてお答えを待っていることがあるわけです。検定の期間を弾力的に繰り上げる、あるいは臨時の検定を行うということは少なくとも法に抵触することはない、文部大臣の権限の範囲である、こういったことをこの前お答えいただいたわけですけれども、もう一遍ここで文部大臣に確認させていただきたい。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 仰せのとおり、これは文部大臣の権限に属する問題でございますが、長い間に慣行として今日定着をしておる制度でございますから、これは変更するつもりはただいま持っておりません。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 周期の変更ということもあるかもしれない。それは長い間の慣行であったとおっしゃるけれども、長い間の慣行の中で、教科書が外交問題としてこれほど騒がれるという慣行はなかったわけですよ。それに対応するわけですね。  それで、臨時検定ないしは検定周期の弾力的な扱い、これは文部大臣の権限の範囲ででき得ることであるという点については御確認いただけますね。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 文部大臣の権限に属するということはただいま申し上げたとおりでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 もう時間がございませんので、一問だけ聞きます。  中国に日本軍が出ていった、旧帝国憲法のもとにそういった不幸な戦争があった、このことは明らかに侵略行為であったということはこの前、文部大臣が表明なさったことでございますけれども、これを教育現場に、文部大臣の意向はこうだ、このように誤りなく教育も運んでもらいたいというような意思表示をなさることは、これも不可能ではない、できることでございますね。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 たびたび恐縮でございますが、御質疑の趣旨がちょっとわかりかねます。もう一遍お聞かせいただきたい。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 教育現場に対して、文部大臣の意思を、見解を正式に通達するということは可能なことですね。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 先日の当委員会において私が表明いたしました見解を教育の現場に対して特にこの際伝達する意思があるかどうか、かような御質疑でございますか。(有島委員「可能かどうか」と呼ぶ)  過去に日本が中国に対して行った行為は厳しく反省を要する行為である、そのことについてわれわれが重大な責任を感じなければならない行為であったということについては、ことごとくの教科書が現に明記しておるところでございます。したがいまして、このことについて、この際特に通達等をする必要はないと考えておりますので、さような意思はございません。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 時間ですから終わります。

青木正久自由民主党

○青木委員長 三浦隆君。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 けさの新聞でございますけれども、すべてを示すわけにいきません。たとえば、けさの毎日新聞の一面のトップには「歴史記述五十九年度教科書で是正へ」、そして「政府・自民の対応策固まる」、こういう見出しが載っております。また、世界日報という新聞では「教科書記述 検定制度内で将来修正 文部省が“柔軟姿勢” きょうにも「改府見解」」、このように載っておりますので、こうしたことから関連しながらお尋ねをしたいと思います。  初めに大臣にお尋ねしたいと思います。  新聞の記事でありますけれども、昨日の答弁の要約が載っているわけですが、「教科書検定が果たしている役割は非常に重要で、検定制度の建前そのものを崩すわけにはいかない。(記述再修正は)できないとはっきり言わざるをえない。」、このように新聞には載っておるのですが、いかがでございましょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 一たん改善意見等を取り入れて改訂したものを再びもとの姿に戻すということは、今日の検定制度のたてまえからできない、かようなことを申し上げたわけでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 そうしますと、記述の再修正、もう少し具体的に言いますと、たとえば「侵略」という言葉を「進出」などその他に改めた、これを再び「侵略」へというふうなことは現在の検定制度下ではできない、こういうふうにとってよろしいでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 そのように御理解いただきとうございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 次に、初中局長にお尋ねいたします。時間がありますので、一問一答的にお願いいたします。  端的に、「侵略」という言葉が修正意見で是正された、再びこれを「侵略」に直したいと執筆者が言った場合に、まず初めに、正誤訂正に関してそれはできることでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 修正意見でございませんで、改善意見によって著者が直したものでございますが、これを再びもとに戻すということは、教科用図書検定調査審議会の議を経て指示をしたことでございますし、さらに簡便な形の正誤訂正の手続はそれを経ないでやるわけでございますから、趣旨に照らしましてなじまないということでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 もう少し答弁を簡潔にお願いします。  正誤訂正のいわゆる十六条ではできない、これでいいわけですね。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 十六条を適用するかどうか判断するまでもなく、その趣旨になじまないということを申し上げたわけでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 次に、「改訂検定ということならば、従来から三年ごとに機会を設けており、その際どういう改訂申請をするかは申請者にゆだねられている。申請があれば検定に臨むが、今回のように改善意見に従って直されたものを元の記述に戻すのは、いまの制度ではできない。」、こう要約されておりますが、このとおりでよろしいでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 そのとおりでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 それに続きまして、「記述を書き加える、書き換えるということなら、教科用図書検定調査審議会に諮問して検定することになる。」というのですが、この場合に「記述を書き加える、書き換える」ということの意味はどういうことでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 これは御質問者が表現されたことでございますけれども、そのままもとに戻すという表現につきましては、一たん改善意見を入れて直したものでございますから、もとにそのまま戻すということは改善にはならないということを私は申し上げました。しからば、その記述を書きかえるあるいは付加するというふうなことで申請をした場合にはどうかということでございますので、その内容が、もとにそのまま戻すということでなくて違った意味の内容でございまして、改訂検定の申請の要件に当たるということでございますれば、通常のルールに従って教科用図書検定調査審議会に諮って、答申を得て行うということを申し述べたわけでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 どうも答弁の趣旨がよくわからないのですが、もう少し端的に、「記述を書き加える、響き換える」ということの中にいわゆる「侵略」という言葉が含まれた場合、どういう扱いになるのでしょう。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 私が申し上げましたのは、「侵略」を「進出」にして、それをさらに「侵略」に戻す、そういう具体的なことでございますれば、これは改善にならないので検定の趣旨に合わない。どういう表現になりますかわかりませんが、そのほかのことでありますれば、具体的な著述の内容によりまして対応するということだろうと思います。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 としますと、文部省の見解としては正誤訂正であろうと部分改訂であろうと、「侵略」という言葉を再び使うことはないというふうに理解してよろしいですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 具体的な記述につきまして、それをそのままもとのものに戻すということにつきましては、現行の制度の趣旨に照らしまして認められないということでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 としますと、これから予想されますいわゆる首相見解となりましょうか、外務省と文部省との打ち合わせたものが出ようかと思うのですが、けさの各新聞に出た見出しの言葉というのはいまの文部省の言葉とは大幅に食い違いがある、大変な違いがある。新聞の見出しでいけばあたかも変えられ得るかのような表現になっておおりますが、いまの言葉ではそういうことは一切なかった、このように理解できるような気がいたします。  次に進ませていただきます。  実はこの改訂につきましては今度の事件だけではなくて、たとえば昨年の四月の段階のときに、教科書会社の方がいわゆる偏向教育云々ということで攻められた場合に三年後に全面的に改訂するというふうな方針を発表したことがあります。そこでこの場合に、新学期から採用されてまだわずか三週間しかたっていないじゃないか、わずか三週間しかたたないのに改訂するのはおかしいのじゃないのかということでこの文教委員会でも取り上げたことがあるわけでありますけれども、その中に、出版労連書記長の渡辺さんという人の言葉の中でありますけれども、「実際に使用しての問題点が、先生や父母、子どもらから何一つ指摘されていないこの段階で」、ということはわずか三週間だからということでしょうか、「全面改定とは、よほど強権的な指導が教科書協会に行われ、協会が屈服したとしか思えない。」というふうな言葉が載っているわけであります。  といたしますならば、そのときの期間は一応三週間なりが使われていたわけであります。今回の場合はまだ使われていないケースでありまして、この渡辺さんの言葉をちょっと使わしていただくならば、実際に使用されない教科書が先生や父母、子供から何一つ指摘されていないこの段階で、たとえば三年間であれ一年間であれ、将来改訂されるとするならば、国内外のよほどの強権的な指導が文部省に行われ、文部省が屈服したとしか思われない。読みかえていけば同じような論法が通るのじゃないかというふうにも思いますけれども、そうしたことは検定制度そのものの根本を揺り動かすのじゃないかというふうに考えますが、初中局長いかがでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 昨年四月に教科書協会が、五十四年度の検定を経た中学校公民の教科書について、三年後の五十七年度の検定の際には改訂検定のみならず新規検定を受け付けてほしいということを要望したものでございまして、これはあくまでも発行者の自主的な判断によって行われたものでございまして、検定制度の趣旨には沿っているわけでございます。  もともと三年ごとの検定周期のもとでは、使用され始めた年から教科書会社におきまして改訂の方針などを検討し始め、その翌年に検定申請を行うことになるのでございまして、何ら異例のことではないと存じます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 今回のこうした教科書問題のことがいろいろといま取り上げられているわけですが、今回の事件に関連しまして、文部省としては公式であれ非公式でされ審議会の意見、見解を尋ねられたことがありますでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 各方面の意見は新聞等でいろいろと拝聴しておりますけれども、格別この件について検定調査審議会の委員の意見を徴したということはございませんし、これは個々の教科書の具体的な審査に当たって聞かれるものでございまして、もうその会議が終わっているわけでございますので、そういう機会はございません。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 時間なのでいろいろと触れることができなくて残念でありますが、検定審議会の役割りは教科書の論議で大変大切な役割りを占めるものだと思うのです。ところが実際にこの検定審議会の意見が何一つ表明されない段階で、文部省であれあるいは外務省であれあるいはだれであれ、いわゆる改訂ができるできないと語ること自体が検定制度審議会というものを軽視しているのか無視しているのかどちらかにつながっていくのじゃないかと思いますが、どうでしょう。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 これはぜひ御理解をいただきたいのでありますが、教科用図書の検定に当たりまして文部大臣が諮問いたしまして、その答申をいただいてそのとおり行っているのが検定調査審議会のあり方でございますし、また、ただいまいろいろと御指摘になっておりますような改善意見等につきましても検定調査審議会の指示に従いましてその指示を具体的に調査官が行っているというものでございまして、あくまでも検定調査審議会の方針に基づいて行っておるものでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 この現在の教科書検定制度というものがいわゆる憲法上も合憲であろうとされているとするならば、それはこの検定審議会というふうなものが大きな役割りを果たすことであろうかと思うのです。ですから仮に将来またこうしたいろいろな改訂意見が執筆者その他から出た場合にも検定審議会に諮られるが、その検定審議会がどういう結論を出すかは現在全くわからないわけでして、その検定審議会が開かれてどう結論が出るかわからない段階のうちにこうなるだろうああなるだろうと、あたかも検定審議会があろうとなかろうと既定の見解が仮に通るかのような論議がもしなされるとするならば、これは検定制度そのものがおかしくなることになるのじゃなかろうかという趣旨でありますが、再度御答弁をお願いします。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 ただいま申し上げましたように、現在の検定制度を支えている諸制度のもとにおきまして検定調査審議会の答申に基づいて現在の指示が行われたわけでございまして、これは検定調査審議会に諮るまでもなくその指示どおりやっているわけでございますから、私どもは意見を聞くまでもなくこの件については方針に従っておると考えておるわけでございます。

三浦隆民社党・国民連合

○三浦(隆)委員 検定制度審議会というのは何回もここでも質問されましたように、こういう人が審議会の委員になってほしいというふうな文部省のかなり強い主導性がそこにあるような気がするわけです。それでそこに、いわゆる政府等の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにと言いながら、政府、文部省、自民党、イコール教科書検定審議会、こうした流れの線の中でどうにでもなるのではないかと思われているところに大きな問題があると思うのです。ですからもし今度の事件で仮に、もちろん中国、韓国との友好親善関係を図ることはこれからも大変大切なことではありますけれども、昨年、八一年四月のときに教科書会社の方が変更に応ずると言ったのと、今度また中国、韓国を初めとする外国のいろいろな意見があって変えるということは基本的には同じことじゃないか。いわゆる文部省の言っている検定制度の仕組みそのものは何も少しも動いていないということであります。ですから、強い力がもしあるとするならば、外であれ内であれ強い力があれば、いまの制度のもとではどうでもなり得るかのような、もし今度変えるとすればそういう前例を開くかもしらぬということにおいて今回の問題というのは大変大きな影響を持つと思います。  そこで、もちろんこの中国、韓国の意向というものを十分に踏まえながらではありますけれども、もう一つ今度仮に首相見解がどうなるかわかりませんが、首相見解の中でいま言った文部省の見解と全く違うような意見といいましょうか、もしそれがいわゆる外交優先という形で出た場合の影響についてであります。  たとえばわが国民に対して、いわゆる内部的な圧力であれ、外部的な圧力であれ、そうしたものによって動かされたとすると、国民感情というふうなものがそのことでかえって硬化する一面を持ちはしないだろうか、そしてそのことによって長い目で見た場合に友好親善関係というものがかえって損なわれるということもあるのじゃなかろうかという気もいたさないわけではございません。この点につきましては、次の機会にゆっくりと質問をさせていただきたいと思います。  時間でございますので、答弁はそのままで結構でございます。  質問を終わらせていただきます。

青木正久自由民主党

○青木委員長 栗田翠君。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 まず大崎局長に伺います。  時間がありませんので端的に伺いますけれども、中国に行っていらっしゃいまして、中国側が日本の文部省に対して具体的に求めていることはどういうことなのでしょうか。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 お答えを申し上げます。  先ほどの御報告にも申し上げましたとおり、先般呉学謙外交部副部長から鹿取大使に申し入れた事柄につきまして早急に実現をしてほしい、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 それは伺っておりますが、もう一歩進んで伺ったわけです。  たとえばさっきの御報告を伺っておりますと、検定制度に干渉する意思はない、これはわかります。それで、内容が中国にかかわることについて中国が発言するのは当然である、そして基本的態度は変わりはないのだというお話でしたね。この基本的態度なるものですが、そうしますと、その後で、日中共同声明の精神が教科書に反映している点について日本と中国側とで理解を得るに至らなかったということですね。日中共同声明の精神を教科書に反映させよということを要求しているのですか。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 基本はそのように私理解しておりますが、具体的な御要求といたしましては、検定済み教科書の中で中国側が中国に関する歴史について誤りと認められる記述というものを是正してほしい、こういうことだと理解しております。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 文部大臣に伺いますが、昨日の参議院の文教委員会で大臣が自民党委員の質問に答弁をなさっています。さっきからたびたび取り上げられておりますけれども、検定の制度のたてまえは崩せないが一歩誤れば国際社会によって立つ基盤が損なわれるのでいま外務省と接点を求めている最中である、ここでは明らかにできないが解決できる案をお見せできると思うとお答えになっていらっしゃいますね。解決できる案というのは何ですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 今日なお外務省との間におきまして、現行の検定制度を堅持しつつどのような対応が可能であるかということを鋭意詰めている段階でございます。一致の結論を得てそれによってこの問題を円満に解決したいと考えておるわけでございますが、これは申すまでもなく相手のある問題でございますので、ただいま内容について詳細にお耳に入れるということはひとつぜひ控えさせていただきたい。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 しかし、かなりお話し合いが進んでいるような御答弁の感じでございますが、中国側は、いまも局長から答弁がありましたように、歴史を誤って記述していると思われる中国に関する部分を書きかえよということまでを要求しているわけですね。それに対して解決できる案ということになりますと、教科書の再改訂までも含んだ案だと私ども理解するのが常識なのですが、そう解釈してよろしいのですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 先方の要求の趣旨は仰せのとおりだと考えております。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 案そのものはどうなんでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 大臣がたびたび申し上げておりますように、事柄の重大性にかんがみまして教科書検定制度の趣旨を堅持しながらいかなる対応が可能かということについていま検討中でございまして、申し上げる段階ではございませんが、御指摘のございました記述の再修正がどうかという点につきましては、これまでも申し上げてきたところでございます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 よくわからないのですが、私はきょうは御答弁を伺えば伺うほどわからなくなってきたというのが正直な実感なのです。それで、いわゆる再改訂、いままで書かれていたものを、指摘された部分を変えることはできないということをお答えになっていらっしゃるのか。たとえば正誤訂正などはできない、それならば、さっきお答えがありましたように、ある一定のパラグラフを表現を変え、中身もある程度変えていく、書きかえるとか書き足しなどという形で応じることはあり得るということですね。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 具体的にどういう記述がなされるかということでございますから、それはそのケースによって対応しなければならぬと思いますけれども、一般的に、具体的にはっきりしている表現が改善意見で直りましてそれをそのままもとに戻すということは、これは明らかに改善にならないということで改訂検定の趣旨には合わない、しかしそのほかのいろいろな表記の問題でございますれば、それは改訂検定の枠の中で処理をされることであろうということでございます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 そうしますと、部分改訂はあり得るということですね。つまり、いままでの検定制度ですと三年に一度ずつ少なくとも四分の一の改訂というのはやってきたわけですけれども、そういう中でのいろいろな書きかえ、書き足し、表現を変えるというようなことなどはあり得るということですね。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 これは一般論といたしまして、三年ごとに新規、これは四分の一改訂を含むものも新規として定義をしているわけでございますが、それも含め、部分改訂も当然三年ごとの改訂の時期にはルールに乗ってくるということでございます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 いままでそういうことは当然検定制度の中でやってまいりましたけれども、いま私が伺っておりますのは、中国を初めとするアジア諸国の求めに応じて、主に中国、韓国ですが、解決できる案をお見せできると思うと文部大臣が答えていらっしゃることとの関連で伺っているわけで、中国側などが納得できるような方向に部分改訂をしていくということは考えていらっしゃるのですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 検定制度を堅持しつつどのような解決が可能かということでございますので、いま検討しているわけでございますが、それだけに非常に困難な問題であるということでございますが、大臣が申し上げましたように、できるだけ解決できるような方途を外務省とともに検討しているということでございます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 私の質問に対して端的にお答えいただきたいと思いますので、もう一度お願いします。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 部分改訂を含めてということでございますが、それは通常のルートで乗ってくることでございますので、そのままもとに戻すということでなければ問題はないわけでございます。通常のルートのことでございますれば、それはいままでどおりの手続に従って申請がなされ、それについての手続が進むということでございますから……。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 はっきりそのものをお答えにならないのですけれども、それでは、ちょっと角度を変えて伺います。  八月十三日に社会科教科書の執筆者有志の方たち十六名が社会科教科書執筆者懇談会準備会というのをおつくりになっておりまして、文部大臣に今度の問題と関連して申し入れをされました。大臣、御存じでいらっしゃると思います。この中で四つの点を申し入れていますが、そのうちの三番目、「国際批判の対象になっている諸論点については、書きかえを認め、その書きかえは、教科書執筆者の自主的判断に委ねること。」という要請が出ております。これを大臣はどうお考えになっていらっしゃいますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 問題はあくまで現行の検定制度のルールに従って処理するほかないと考えております。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 どうも皆さん的を外したお答えをなさるので困るのですが、執筆者自身が、書きかえを認めてその自主的判断にゆだねてほしいと言っているわけですね。これは執筆者側からの書きかえの要請を出したときにそれを認めてほしいということと、こことここは書きかえはできるがここはできないなどといったような文部省の指示で動くのではなくて、あくまで執筆者の自主的判断にゆだねてほしいという要請でございますね。私は当然だと思いますが、大臣はどうお思いになりますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 執筆者の自主的な判断にまるまるゆだねるべしという御要求は、これは現行の検定制度をやめろと言っておられるのに等しいことになるわけで、さようなことはできません。あくまで現行の制度のルールに従って検定を行うほかないと考えております。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 もし今後中国、韓国などから問題になっている国際批判に対応していくとしても、文部省が上から、ここはこうせよ、あそこはああせよと枠をはめた形で最初から意見を統制なさるということはなさらないですね。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 具体的にここの個所の表現をこのようにしろと指示したことは文部省はかつてございませんし、そのようなことをすべきものでもございません。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 さっき一般的な検定制度の枠の中で部分改訂ということは方法としてあるわけだというふうにおっしゃっておりますが、部分改訂ですと三年後になりますね。それで、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、それを早めるということは文部大臣の御指示一つで可能だと思いますけれども、いまの国際批判が高まっている状況とあわせ考えて、できれば一年早めるばかりでなくもっと早めるべきだと私などは考えておりますが、早めるということはあり得るのではないでしょうか、できるのではないでしょうか、いかがでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 これは大臣がお答え申し上げておりますように、教科書検定の制度の運用といたしまして従来から三年ごとの周期を保って改訂検定等を行ってきたものでございまして、これにはそれだけの理由がございます。教科書を用いた教育計画の安定性あるいは学習指導の継続性とか、少なくとも一年間使用を経た経験を生かしてどうするというふうな、そういう意味のことから三年というものが慣行として著作者の間にもまた事務担当者の間にも確立しているものでございまして、従来から三年ごととしておりますこの周期について改めるということは考えていないわけでございます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 では、最後に伺います。  十五年戦争について、中国や朝鮮やその他アジア諸国に対して行った行為は侵略戦争であった、侵略という言葉を使うことができるというふうに文部大臣はおっしゃいましたけれども。初中局長と学術国際局長に伺いますが、それぞれその辺はどうお考えになっていらっしゃいますか。侵略でしたでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○鈴木(勲)政府委員 私は、戦争の性格をどうこう規定するかということは非常に困難なむずかしい問題でございまして、これを評価することはやはり後世の史家の判断にゆだねるべき問題だと思っております。具体的にいま問題になっておりますのはそういう性格の問題ではなくて、侵略というふうな表現を歴史教科書の中でどう表現をするかという問題でございますので、それはあくまでも検定の趣旨に沿って教育的な配慮等からいろいろな意見を申し上げて、より適切な教科書としてつくっていくということでやっているわけでございます。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 日中共同声明にもございますように、中国の方々に重大な損害をおかけしたことを深く反省すべき戦争であったというふうに存じております。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 ちょっと質問に答えてください。侵略戦争と言えるでしょうか。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 ただいま申し上げた答弁で御推察をいただければありがたいと存じます。

栗田翠日本共産党

○栗田委員 時間になりましたので終わりますが、この調子ですと国際批判はなかなかおさまらないだろうという感じを深く持ちます。  それでは、終わります。      ————◇—————

青木正久自由民主党

○青木委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。  今国会は、昨年十二月二十一日に召集されまして以来二百四十四日の長期間にわたりましたが、この間、理事及び委員各位の委員会運営に対する御協力に対し衷心より感謝申し上げます。各位におかれましては、今後とも御自愛の上、一層の御活躍あらんことを望みまして、簡単ではありますがごあいさつにかえさせていただきます。  まことにありがとうございました。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後零時七分散会

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