文教委員会 第14号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/05/12
会議録
○青木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。湯山勇君。
○湯山委員 ただいま委員長の方からお挙げになりました議題に移る前に、文部大臣に一言だけお尋ねいたしたいと思います。 それは、先日伊藤防衛庁長官が、いま国会で問題になっているゆすり、たかり問題で発言された中にこういう言葉がございます。「文部大臣などほかの大臣は、前の国会でいったことと、今の国会の答弁が違っても問題にされないのに、防衛庁長官の場合は十何年前の発言がいまだに生きているものとして扱われる——と説明。」こういうことがございました。私ども御縁があって文教委員会に籍を置いておりますと、やはり文部大臣が褒められると自分も褒められたような気がいたしますし、文部大臣が非難を受けるというか軽視されるとこちらが腹が立つというようなことになっておりまして、これを読みましたときに、どうもこれは私としては気に入らない。と申しますのは、「文部大臣などほかの大臣は、」というのですが、何で文部大臣をここに持ってきたのか。「前の国会でいったことと、今の国会の答弁が違っても問題にされない」というけれども、とにかく文部大臣は代々慎重な方ですし、特に小川文部大臣は非常に慎重に運んでおられて、こんなことはあり得ないことなんですが、それをあえて文部大臣は前の国会で言ったことと、今度違っても問題にされないというような例に挙げたのか、はなはだ理解に苦しむし、それなりに若干の憤慨を覚えておるのですが、文部大臣はこのことについてどのようにお感じでしょうか。
○小川国務大臣 ただいま仰せの防衛庁長官の発言は、私は新聞で承知をしておるだけでございまして、どういうつもりで文部大臣を引き合いに出されたのか、これはお尋ねをしてみませんのでわかりませんけれども、よもや文部大臣というものはその場その場で場当たりの適当な発言をしておってもいい、そういうポストであるかのようにお考えになっておるのだとは思っておりません。申すまでもなく、文部大臣といえども前国会において責任者が答弁をした内容と、少なくとも教育の基本に関する限り異なる発言というようなことを軽々にすべきものではないし、してはならないものだと考えております。
○湯山委員 私どもは外野席のようなところで勝手に憤慨しておるのですけれども、文部大臣のいまの御答弁、それはそうであるだろうと思いますし、何のために言ったかわからないけれども、どちらかといえば御迷惑を受けておられるだろうと思いますので、この点については気持ちだけ申し上げましたので、質問を終わりまして、本題の方に移ります。 今回の改正で最も大きい問題は、年金のベースアップを従来定着しておった四月実施を一カ月おくらせて五月からにしたというのが一番大きいと思います。 そこで、まずその理由をお聞きしたいと思うのです。
○柳川(覺)政府委員 御指摘のとおり、年金の改定の実施時期につきましては昭和五十二年度から四月となっておりましたが、このたび、今年度につきましては御指摘のとおり一カ月おくれといたしております。共済年金の改定につきましては、その実施時期も含めまして恩給の改善措置にならって毎年度措置を講じているところでございます。このたび恩給の改善措置につきましては、五十六年度の国家公務員の給与改善が一時ボーナス分をストップするということとの兼ね合い、また臨調の第一次答申におきまして恩給の増額を極力抑制するということの御答申があった等の経緯もありまして、今年度の恩給の改善実施時期が本年五月からとなっていること、このこととの均衡を図りまして、また各共済年金、国共済、地共済、農林漁業共済、公共企業体共済等とも改定の実施時期を五月といたしておるものでございます。また、厚生年金、国民年金などの他の公的年金のスライド時期も、昨年と比べまして一カ月それぞれおくれて実施されている状況でございますので、これらとの均衡に配慮した結果になっておるものでございます。
○湯山委員 他の年金にならってということだけであれば、何もここで審議しなくても全部一緒でやっていいわけです。ここで、私立学校共済組合法というので審議する以上は、納得できるような説明ができなければいけない。 そこで、いまその根拠として一つ挙げられたのは、五十六年度の公務員給与について期末・勤勉手当について旧ベースでやっておる、だからそれを考慮したのだということですけれども、では一体この私学年金には公務員に対してなされた期末・勤勉手当、それに当たるものがあるのでしょうか。つまり、公務員給与に準じたといえば——じゃ、もっと質問変えます。公務員給与はいつからベースアップになりましたか。
○柳川(覺)政府委員 一般におきましては、四月からベースアップになっております。
○湯山委員 そうですね。だから、ベースアップの時期は公務員についてはいじっていない。いじったのは、期末・勤勉手当を旧ベースでやったということです。 そこで、私学年金には期末・勤勉手当に当たる部分があるのかないのか。あるのならば準じてやったというのはわかりますけれども、あるかないか、どうなんですか。
○柳川(覺)政府委員 私立学校の教職員につきましての給与は、それぞれ学校法人におきまして労使関係の労働契約等ももとに置かれて決められておるものでございますが、私ども私学経常費助成等に当たりましては、国家公務員の給与に基礎を置きまして、私立学校の教職員の給与等につきましてもその標準として予算化の方向を図る、また配分に当たりましても標準給与をその面から立てまして配分をしておるというようなことでございまして、先生御指摘のように、私学につきまして国家公務員と同じボーナスというような形は直接とられておりませんけれども、いろいろな補助金その他の扱いにつきましては、国家公務員に準じた標準のものを算出するというような方途が講じられております。
○湯山委員 お聞きしておるのは、国家公務員、地方公務員について、削減というか据え置かれたものに当たる部分があるかないかですから、結論だけ言ってください。
○柳川(覺)政府委員 ございません。
○湯山委員 そうすると、国家公務員、地方公務員の場合は、着ている上着をそれだけはがまんしろとはいだ。しかし上着のない私学の年金受給者、あるいは私学だけではなく年金受給者については、上着を着てないから、じゃズボンを取るというようなやり方ですよね。あるいは、払う金がないからというのでふとんをはいでいくといったようなやり方で、これは理論的にも、国家公務員の人事院勧告に基づく給与改定に準じたということとは基本的に違いますね。この点いかがですか。
○柳川(覺)政府委員 御指摘のとおり、恩給あるいは国家公務員、地方公務員の共済に準じたということで一言で片づけられる問題ではないということは、御指摘のとおりだと思います。
○湯山委員 したがって、この提案あるいは従来の例から見て、国家公務員に準じたとあるけれども、これは理論的にも合ってないということ、これはお認めいただけますね。
○柳川(覺)政府委員 そのとおりでございますが、さらに他の公的年金制度などとの均衡ということは、常にこの種の年金制度の扱いにおいて配慮されるべきこと、その辺の分野もまたあると存じます。
○湯山委員 理論的に合ってないことをお認めになって、ただ均衡上そうせざるを得なかったということですから、それは一応それでおきます。 そこで、退職年金受給者一人当たり、五月実施と四月実施でどれくらいな差ができますか。——これは余り時間をとる問題じゃありませんから大ざっぱに言います。大体一人平均月額十万までないと思いますけれども、平均十万として今度のベースアップがその程度の人ならば五%、そうすると一カ月分が大体五千円程度ということで大きく間違っていないと思いますが、どうですか。
○柳川(覺)政府委員 御指摘のとおりかと存じます。
○湯山委員 そこで、五千円というのが仮に十万円で生活しておる人とすれば、どのくらいに当たるかということです。一日にしてみると十万円で三千円。三十で割れば大体そうなりますね。その中で、余り楽な暮らしじゃありませんから、そうするとエンゲル係数で言えば食費が四〇%と見て千二百円くらいが食費。五千円というのは、大体退職年金受給者平均でとってみると、四日分くらいの食費に当たりますね。それだけ引かれるというのはかなり痛いのじゃないでしょうか。どうお感じですか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおりかと思いますが、これは従来支給を受けていたものをカットということでありますと、先生御指摘のとおりのかなりの負担に対する支障が生ずると思いますが、増額につきましておくらせるという面でございますので、四月に実施できればそれはそれなりの意味はあるわけでございますけれども、均衡上一カ月をおくらせる、その分を加算をおくらせるということでございます。
○湯山委員 その認識が間違っておるのです。今度受けるのは前年度の公務員ベースの上がった分なので、昨年の物価はどれだけ上がっていますか、五十六年。
○柳川(覺)政府委員 四・〇%程度かと存じます。
○湯山委員 では昨年の給与勧告の基礎になった物価上昇は幾らですか。大きいですよ。
○柳川(覺)政府委員 いまちょっと手元に……。
○湯山委員 六%で抑えるとか六・八で抑えるというのが結局七%超えましたね。それに対してあったベースアップです。ですから、それを受けているのですから本来七%くらい上がっていいわけです。それが抑えられているのですから、それから見るといまのままいけば生活を切り下げなければならぬ、それを食いとめておる、それが下がったのですから、局長のような理解じゃないのです。つまり、それだけ生活へ切れ込むということを理解してないと年金は理解できません。ですから一年おくれていっておるということをお忘れにならないように。 そうすると、当然上がらなければならないのが、つまり生活水準を維持するためにここまでいかなければならないのにいけないのですから切り下げでしょう。いかがですか。
○柳川(覺)政府委員 御指摘のとおり、一年おくれの問題でございますので、確かにその面はあるかと存じます。
○湯山委員 そういうことですから、渡したのを取り上げたのじゃないからと言うけれども、実際は渡したのを取り上げたのと同じような結果になっておるということを指摘しておきたいと思います。そこで、実情から見てもこれはやるべきことじゃないと私は思います。 それから次に、今度は標準給与を引き上げておりますね。これは対象の人は違いますけれども、この方は最高四十二万を四十四万に上げ、最低七・二万を七・五万に上げる。この方はやはり五月からですか。
○柳川(覺)政府委員 標準給与の改定につきましては四月からの改定にいたしております。標準給与の改定につきましては、通常、年金の改定の時期に合わせておるというのが常例でございますが、このたびは四月、一カ月さかのぼって標準給与の改定はいたしております。
○湯山委員 局長御答弁のとおり、年金改定とあわせて標準給与を上げるというのが慣例であったけれども、今度は標準給与の方は、つまり取る方は四月から取って渡す方は一カ月おくらす、こうなっておって、従来の例から見て不公平じゃないですか。
○柳川(覺)政府委員 もちろん、標準給与は掛金あるいは給付の算定基礎になるものでございます。先生すでにお話しの中で対象が違うとお言葉を賜っておりますが、掛金等につきましてはそれ自体対象は違う形でございますが、この一カ月早めて四月にいたしましたのは、標準給与の上限の該当の方が四月に退職する場合には、本来ならば四十四万円の標準給与がそれぞれの年金額の決定に当たりまして作用するわけでございますが、これが五十六年度ベースの四十二万円というままで年金額が決定されまして、かつ年金の改定は二年後の昭和五十九年に行われる等のこともございまして、五月以降退職された方との間に逆転現象が生ずるという問題が起こります。このような逆転現象を防止いたしますために、標準給与の引き揚げにつきましては四月一日から実施するという措置をとったものでございます。
○湯山委員 いまのはやり方によってそうならない方法はあるのです、もう時間の関係で申しませんけれども。現に受けておる人のは五月にして、この人だけ四月からというのもおかしいのですね。 それからもう一つ、提案説明では下限及び上限を引き上げる必要があるとありますけれども、下限は無理に上げなくてもいいでしょう。四月から引き上げなければならないということは、いまの説明からも出てこないわけです。ことに下限というのは、恐らくこれだと七万五千円程度ですか、標準報酬への年金だとすれば、それは全部最低保障額にかかりますね。だからこれを上げる必要もないわけです、額からいえば。にもかかわらず四月から上げる。最高の方は、いまので説明のつかないような説明として受け取っても、最低はその心要ありませんね。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、下限の者につきましては必ずしも逆転という現象は生じませんが、標準給与の改定ということで一連の問題として改定をさしていただいております。
○湯山委員 ですから、こう見てくると、理論的にも合わないし、それからやり方もてんでんばらばら、一貫性がありません。非常に不公平である。その説明はただバランスをとるということですけれども、しかしそれは年金受給者には通じない言葉です。受けておる人が、これで困るという人も、それならやむを得ないという納得のいくような説明をする責任が私学共済を預かっておる文部省にはあると私は思います。そういうなるほどそれならという説明を——バランスとかなんとかそんなのは関係ないのです。そういう本当の説明ができますか、局長。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘の点につきましては、確かに私学共済の独自な立場、あるいは他の共済につきましても、国家公務員、地方公務員に準じたということで必ずしもなじみ切れないという面があるわけでございますが、この面につきましては、国民年金、厚生年金等の公的年金との均衡等のさまざまな問題がございまして、このような改正を結論としてお願いいたした次第でございまして、この面の先生御指摘の点につきましては、私ども十分心に置きまして、今後の運営に当たりまして十分関係者の理解を得ながら実効あらしめてまいりたいと考えておるところでございます。
○湯山委員 そこで、少し意地悪いことを聞いて恐縮ですけれども、では、結局なぜこれだけおくらせたかということを納得がいくように説明のできるのは、役所で言えばどこでしょう。
○柳川(覺)政府委員 どこだと言われてもあれでございますが、共済制度につきましては各種の制度との、常に一元化の問題はありますけれども、均衡の問題でございますから、大もとは恩給という大変大きな年金を担当しておる財政当局というのが一番の基本だというように感じております。
○湯山委員 ですから、平均十万の年金として、その人たちの四日分ぐらいの食費全部を取り上げることになるのだ、あえてそれでもやらなければならぬという説明はどこもできぬのですね。いまそうなりますね。どこもできない。ただ臨調が恩給を抑えろと言っただけしかないですね。
○柳川(覺)政府委員 臨調での年金に対する増額の極力抑制という御答申がございますが、このことは、やはり基本におきましては国家公務員のベースアップにつきまして、いわゆるボーナス分につきまして一時ストップの措置、それとの兼ね合いということを最も内容とする、兼ね合いとの関係で一カ月おくらせたという問題であろうというように理解しております。またそのことは、先生御指摘のとおり、私学の教職員の給与につきましても、実態としてはボーナス等も出ておる実態があるわけでございますから、先ほど来申し上げましたとおり、他との均衡ということでこのような措置をとらざるを得ないということでございます。
○湯山委員 ですから、いまのお話ではとても受給者を納得させることはできないということ、私はこれは非常に大きい問題だと思います。ことにいま御答弁にもあったように、期末・勤勉手当を抑えたからといっても、そういうものは年金にはないわけですから、大変矛盾が多い。 そこで、私学年金が非常に苦しいのなら、私は年金財政が苦しいからがまんしてもらうということがあってもいいと思うのですが、私学年金の財政の健全さというのは他の年金に比べてどうなんですか。一番健全である、一番不健全だ、あるいは真ん中ごろだというのに分けるとどれへ入りますか。
○柳川(覺)政府委員 ちなみに、昭和五十五年度の長期経理におきます収入は一千百八億円、支出は二百三十五億円でございまして、その収入差の八百七十三億円は将来の年金給付のために積み立てておりまして、その累計額が四千六百八十億円となっております。これらの状況を見ましても、将来にわたりまして収支の見通しにつきましては、他の共済に比しましてかなり明るい状態にあるというように存じております。ずっと三十年先の問題になりますとまたいろいろございますが、当面他の共済制度に比しましては、財政事情はそれなりに安定している分野であろうというように認識しております。
○湯山委員 局長は「私学共済」というこの雑誌へ談話の形かアンケートの形で意見を述べておられる。私学共済については非常に健全である、したがって二十年ぐらいたっても、いまのままで結構いけるのだという説明をしておられますね。その確認だけ、やっておる、おらぬだけ言ってください。
○柳川(覺)政府委員 いろいろの算定の仕方がございますが、一応私どもで、掛金率千分の百二は据え置く、あるいは給与改定率、年金改定率を八%と見る、あるいは資産運用利回りを七%と見るという、従来のとってきました経緯を踏まえて、今後の所要財源率等の再計算結果も踏まえた予測を立てますと、単年度収支では二十二年後の昭和七十九年度に赤字となりまして、また保有資産は三十年後の昭和八十七年度に赤字に転ずるという見込みでございまして、先ほど先生の御指摘のとおり、二十年ぐらいの間は収支のバランスはそれなりにとれていく見込みであるというように考えております。
○湯山委員 私の見たところでは成熟度も三に達していない。国鉄なんかもう五〇からですね。そういうことその他から見て、一番堅実なのが私学共済じゃないでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 成熟度が若いと申しますか、それからいまの財政収支の見通しの面では、現在の各種共済制度の中におきましては、それなりに安定しておるということでございます。ただ、安定しておるだけに、そこに将来の健全化にさらに向かうような健全な措置を図るという必要がこれまたあることは、言うまでもないと存じております。
○湯山委員 いまのように財政は非常に健全であるということから言えば、財政的には四月から出してもいいわけですよ。 それからもう一つ、まあ健全だからいまは構わないようなものですけれども、今度の行政改革の特別委員会で一括審議した中で、補助金等の縮減その他の措置がなされておりまして、私学共済につきましても給付に要する国の補助を四分の一削減している。これも削減されたからといって別にやっていけないという状態でないことはわかりますけれども、この削減された分についてはどういう措置がとられるかということをお聞きしたいわけです。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、行革の関連特例法におきまして、私学共済の年金に係る国庫補助につきましても、他の厚生年金その他の共済年金と同様、五十七年度から五十九年度の三カ年間にわたります特例適用期間中その四分の一を削減することとなっておりまして、昭和五十七年度の削減額は十五億三千六百五十七万一千円でございます。三カ年では約六十億ほどの削減額が見込まれておるわけでございますが、この国庫補助の削減分につきましては法律の上で、年金財政の安定が損なわれることがないよう、特例適用期間後において国の財政状況を勘案しつつ、当該削減額の補助、その他適切な措置を講ずることが規定されております。また、このことにつきましては、前国会におきまして、政府答弁によりまして、削減分とその利子相当分を合わせて特例適用期間後に補てんする措置を講ずるということが明らかにされているところでありますので、これの私学共済の財政への影響につきましては心配がないというように受けとめておるところでございます。
○湯山委員 いま御答弁にありましたように、実際の削減額それからそれに対する利子並びに運用益、それらを含めて適切な措置を講ずるとなっています。この三つを合わせて三年間で幾らになりますか。
○柳川(覺)政府委員 運用益等の利率を何%に見るか、また、何年間で返済の措置を講じていくか、具体の措置につきましては今後の問題に残されておりますので、予算の上での国庫補助分の削減分が約六十億円という数字しかいま持ち合わせておりません。
○湯山委員 それでは、運用益から利子まで保証されるということは何が保証しておるのでしょうか。というのと、五十九年までは削減されますが、六十年からは返してくれるようになりますか。
○柳川(覺)政府委員 前国会におきましても総理大臣から「金利はもとよりのこと、運用益につきましても適正な運用益を加算をして返済をする、こういうことを明確に申し上げておるわけであります。」という御答弁がございます。 なお、先生いま御指摘の、五十九年までが財政再建の特例適用期間でございます。その適用期間が終わった後の六十年度に、直ちにどのような形で返還されるかにつきましては、今後において決定されていく問題というように理解しております。
○湯山委員 このことについて、私学年金に関しては文部省が責任があるわけですから、これはそういう言い方が当てはまるかどうかわかりませんけれども、債権と債務のような形ともとれると思うのです。文書で確約したとか、あるいはもっとしっかりして、組合員が安心できるような形に残るものになっておりますか。
○柳川(覺)政府委員 先生も御案内のとおり、先ほども御答弁申し上げましたが、法律によりまして適切な措置を講ずるということが義務づけられておる課題でございますので、その趣旨を十分踏まえて行政は責任を果たしていくという課題であろうということに存じておりまして、この私学共済の財政にマイナスを生じないという基本姿勢に立ちまして対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○湯山委員 これは、ただ総理大臣の答弁だって、私も行革の特別委員でずっとおりましたけれども、あれははっきりしておりません。ただ、事態を収拾するためにそういう答弁が総括的にあったことは承知しております。しかし内容については、それぞれの年金で事情があるわけですから、それぞれの年金は年金として確認しておかないと、法律といったって、法律はとにかく、具体的には、適切な措置というだけです。それでは安心できない。それなら仮に、二十年もたって、かなりインフレか、物価が上がっていく、その段階でいまのようなことで返してもらっても意味がないでしょう。何かしっかりしたものがないと、三年たったら、五年で返すとか、何かきちっとしたものがお互い責任を持っておる事務当局の間ではなければならない。それが私は常識じゃないかと思いますが、何もしてないのですか、このことについては。総理答弁以外には、何もないのですか。
○柳川(覺)政府委員 現在のところ、総理、大蔵大臣の御答弁で、この面の措置していくことにつきまして明確な発言がされておるわけでございまして、その趣旨の実現につきまして今後において具体化が進められると思うわけでございまして、私どもも十分、先ほど来申し上げましたような、私学共済に不利にならぬよう、あるいは共済財政の安定化に支障のないようという観点で取り組むべき責任を感じておるところでございます。
○湯山委員 高齢化社会を迎えて、私学の先生に会って、私学の年金は非常に堅実です、当分心配ありませんと言うと非常に喜びます。他の国鉄とか、そのほか、もう現在が大変でしょう。それらに比べて、私学は非常に堅実ですということは非常な力になっておるわけです。しかし、いまお聞きしてみますと、これは下手したら一緒くたにされてしまうおそれもないとは言えないですね。今度は、高齢化社会に対応する年金のあり方とか、いろいろな問題があるでしょう。そうなってくると、やはり一つ一つの年金がしっかり押さえておかないと、これはいわば国へ貸したようなものですから、それはあなた方が責任を持ってきちっとしておかないといかぬ問題で、行革特別委員会で総理がこう答えたからというので、のほほんとしておける問題ではないと私は思いますが、この点は大臣、常識的にどうお考えでしょう。
○小川国務大臣 法律が適切な措置を講ずると規定をいたしておりまする上に、適切な措置の内容につきましては総理大臣が国会で具体的に答弁をいたしておるわけでございますから、この上さらに文部省として何らかの意思表示をするには及ばないのじゃなかろうか、こう考えております。
○湯山委員 文部省の考え、政府の考えはそうでしょうけれども、私学共済の当事者はやはり心配しています。心配しておることを局長はお聞きになりませんか。
○柳川(覺)政府委員 この面につきましては、きわめて特例の措置でございまして、それだけに私学共済の関係におきましてもこれに大変な関心が持たれたわけでございますが、これにつきましては、いま大臣御答弁ございましたとおり、国会でも財政当局からも、三年後において利子を含め、運用益につきましても配慮した返還の措置を講ずるという御答弁がなされております。この面のことを私学共済の方には私どもからも御説明いたしまして、いやしくも、このことによって組合員の掛金等に影響を与える心配はないということを私どもは言い切りまして、御安心いただくようにしてまいっておるところでございます。
○湯山委員 その面だけではなくて、ほかへ影響があります。というのは、私学年金については国の補助も、払ってはくれるのだろうけれども、とにかく削るというようなこと、それから年金の支給時期も一カ月ずらす、いずれにしても後退ですね。そのことが間接に与えている影響というのを見逃せないと思うのです。現に、高校以下については都道府県はしかるべく千分の八の補助をしておりますけれども、短大あるいは大学等に対してはだんだん出すのが少なくなりつつあるのじゃないですか。
○柳川(覺)政府委員 都道府県の補助につきましては、所在の大学、短大等に対しましても満額、千分の八に相当する額を支出しておりまする府県はなお三十七府県にとどまっております。それから、都道府県の平衡交付税の方で財源措置いたしました額に対します実支出につきましては、千分の八のところがなお全体で六程度にとどまっておるという状態でございまして、この面につきましては十分関係の理解をいただいて、三十七府県に準じた広がりをさらにしていくように私どもお願いしておるところでございます。
○湯山委員 これは毎年同じような御答弁があるけれども、特に今度はゼロシーリングです。高校以下については交付税で見ておりますが、しかし短大以上については見ておりませんね。したがって、自治省は逆にゼロシーリングだからそんなのは余り見なくていいと、はっきり言っておるかどうかわかりませんけれども、そういう意味の指導をしておることを御存じでしょう。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、地方財政の交付税の単位費用の積算の中に大学、短期大学の分が必ずしも盛り込まれておりません。これにつきましては、私どもかねがねこれを自治当局に強く御要望してきておるところでございまして、今後もこの要望を続けていきたいと思っておりますが、具体に自治省の財政当局でこういう財政再建下においてこの面の助成を都道府県が大学、短大に行うことは打ち切るべきだという指導をしておるとは聞いておりません。
○湯山委員 打ち切れというのじゃないけれども、無理に出さなくてもいいということです。 それから、ついでですからもう一つ。私学振興財団からの、これは本来ならば整理資源の千分の六、これも数次にわたってこの委員会で決議もしております。最初に大臣に、文部大臣は前の年と違ったことを言っても何にも言われないと言うけれども、やはりこれは歴代大臣が努力しますと言ってきたことなのですね。この私学振興財団の千分の六は今度は幾らで何分の何ぼになっておりますか。
○柳川(覺)政府委員 昭和三十七年に当時の私学振興会と私学共済組合が協議申し合わせたことが先生御指摘の掛金率千分の六相当ということでございますが、具体には昭和五十三年度が一千万円、千分の〇・〇二相当額、五十四年度に二千万円に増額いたしましたが千分の〇・〇三相当額、昭和五十五年度は三千万円、千分の〇・〇四相当額、昭和五十六年度は約三千三百万円でございまして、千分の〇・〇四相当額ということでございます。毎年、少額ではありますが、それなりに増額に努めているところでございます。(湯山委員「五十七年は」と呼ぶ)五十七年度につきましては三千七百六十二万四千円でございまして、千分の〇・〇四相当額でございます。
○湯山委員 この昭和三十七年の協議決定には文部省は関与していないのですか。
○柳川(覺)政府委員 私学振興会、私学共済組合とも文部省の監督責任があるわけでございますから、この面には当然責任の者が立ち会い、承知していることと存じます。
○湯山委員 これもたびたび取り上げて、こちらも余り進まないのですけれども、やはりここで言わなければならない。というのは、昭和三十七年には整理資源の千分の六に当たるものを私学振興財団で見る、その協議決定にはもちろん文部省が立ち会って、いまも生きておるのでしょう、局長。これは現在も生きておりますね。
○柳川(覺)政府委員 申し合わせ事項でございますので、この振興財団は振興会の持つ債権債務を引き継いで振興財団になったものでございますから、この趣旨は十分承知して対処しておると考えております。
○湯山委員 趣旨を体しておるのであれば、千分の六というのがこれでいくと十万分の四ですね、そうでしょう。千分の六が十万分の四で大体ここ三年ばかり続いている。今度五になるかもしれませんが、それにしても十万分の五です。これはもう二十年前のことですから、いま責任追及するというわけじゃありませんけれども、何でこんなのをほっておくのですか。それから将来、数年のうちに正常な形の千分の幾らか、千分の六が千分の二でもいいですけれども、になる可能性があるのですか。
○柳川(覺)政府委員 この助成金、千分の六を私学振興会が共済組合に出すということの動機と申しますか、必要性につきましては、旧私学恩給財団の既年金増額分に対する補助という趣旨がございました。その後振興財団の方の収支状況も必ずしも好転していないという面もございますし、また共済に対します国庫補助も、十分ではございませんが、それなりに増額措置を図ってきた等の経緯からいたしまして、この千分の六につきまして毎国会で先生から大変な御熱意ある御指示をいただいておりますが、実態といたしましては、先ほども申し上げましたとおり千分の〇・〇四ということにとどまって、この面につきましては、今後の共済組合に対する国の補助金問題等とも関連する問題でございますので、私どもはまた御指導を受けながら、どのような対処をしていくのかということも含めまして、十分この面の研究と努力をさせていただきたいと思っておるところでございます。
○湯山委員 若干ずつふえておることは認めます。けれども、余りにも離れ過ぎています。千分の六であるものが十万分の四あるいは今度十万分の五ぐらいになるかもしれません。それではとにかく離れ過ぎて、実情に全く合っていないわけです。しかも、この協議が昭和三十七年のことであれば、文部省の方で千分の六にする意思があるのかないのか、いろいろな点でその見込みがなければこの協定やり直したらどうですか。この件どうお考えですか。 もう一度言います。いまのような、ふやすと言っても一千万程度ふやしたのでは、仮にこれで十年たったってまだ大分遠いですね。一千万ずつふやせば百年ぐらいたたぬといかぬのじゃないですか。そんなことでこれほっておいていいものかどうか。協定、約束、しかもこれを昭和三十七年のときには文部省告示でやっておりますね。これには文部省も責任がある。それをただいまのように千分の〇・〇四だとか〇・〇三だとかいう状態がいま続いておる状態です。ふやすと言ったって、ここ一、二年は一千万もふえてない、毎年何百万程度しかふえてない。これいつまでやってもいかぬし、こんな期待感を持って、後でごっそり払うのならいいですけれども、そういうことでもないようですから、それならもう二十年前のこういう守れないものは一遍徹底的に守れるというものにして、またそのために文部省の方で必要な財源あるいは融資、そういうものを考えて、これについてはできるものに一遍協定し直したらどうですか。
○柳川(覺)政府委員 先生から大変御貴重な御示唆を賜りました。この当時におきましては国の補助が百分の十五という補助率でございました。これが今日百分の十八に高まってきておるのも事実でございますし、また私学振興財団は、それ自体、私学の教育条件の整備につきましてできる限り低利で融資を行いまして、私学の施設設備の充実を期していくという面の責任がますますあるわけでございますので、その面からいまこの問題につきましてどのような、さらに今後の関連で結論を出していくか十分研究さしていただきたいと思っておるところでございます。
○湯山委員 あと五分ぐらいあるようですから、もう一つお聞きいたします。 これも前のときに、必ずしも私学共済が私学教職員にとって有利でない、その証拠には、退職して年金を受ける場合に、私学共済でこの法律で決めておる方式で年金を受け取る人よりも、四十九年から認められた厚生年金の計算、つまり通年方式で受け取っておる人の方がはるかに多い、三分の二近くになっておる、このことについては、制度的な問題もあるので、母法である国公共済について検討がなされておるからそれの改正を要求していく、その後、当時の吉田局長は改正を要求しているという答弁を参議院ではしております。またこの委員会で大臣も、全体的な討議、その機会があるから、その場でひとつこれを持ち出して討議をして、そのようなよくない点についてはひとつ是正を図るように努めていくという御答弁があります。どういう申し込みをしてどういうことになっておるか、その点一応御説明を願いたいと思います。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、昭和四十九年の改正におきまして、国共済、地共済等他の共済年金と同様に、私学共済年金につきましても、年金額の算定方法として厚生年金に準じたいわゆる通年ルールを取り入れたところでございます。この面につきましては、昭和四十九年以降におきまして、大幅に給与水準の引き上げがなされたこと等もございまして厚生年金が有利になってきたことは先生御指摘のとおりでございます。ちなみに、昭和五十五年度末の例で見ますと、退職年金受給者九千六百九十六人のうち通年ルールの適用者が六一・三%、五千九百四十二人と、かなり多くなってきております。このような実態にもかんがみましてこの面につきましての検討が必要になってきておることは、御指摘のとおりでございます。そこで、これにつきましては、大蔵省に置かれます共済年金制度基本問題研究会において、共済年金のあり方についての検討がなされておるところでございます。この関係省庁、かなり関連する問題でございますので、関係省庁とも十分な連携をとりながら、この面の協議を重ねておるところでございます。
○湯山委員 時間がないようですから、ここまでのことを一応総括しておいて、あとはまた次の機会に残したいと思います。 それは、四月実施を五月実施にしたことについてはいまの理論的にも矛盾がある。つまり、国家公務員についての期末・勤勉に当たるものはないのに、その代償として一カ月ずらしているということ。それが年金生活者、特に私学年金は額が低いと思います、この人たちにとってはかなり生活の圧迫につながってくる。それから財源的には、いま申し上げましたように非常に潤沢であるというような点から言えば、私学年金独自の立場から言えば、文部省はもちろん、五月に繰り下げることについては、法案を出しておるから反対とは言えないけれども、積極的な賛成ではないと思います。そこで、せっかくここでこの法律を論議しておるわけですから、四月に戻すということについてどう考えますか。それはその方がいいけれどもできないと言うのか、四月に戻すということをできないとしても、消極的だということなのか、そのお考え、これをお聞きしたいと思います。
○柳川(覺)政府委員 この問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおりの事由でございまして、他の共済年金との均衡、また国民年金等とのバランスということの中において共済制度が成り立っていくという面があるわけでございますので、その面からこのような措置を図ることが安定しておるということでございまして、先生の御心配の点につきましては、十分共済組合関係者の理解を得るように努めてまいりたいと思っておるところでございます。
○湯山委員 いまのようなバランスということはよくわかりました。しかし、私学年金だけ切り離した場合にはこの措置が必ずしも適切でないということを言外に含んでおると理解します。 それから次に、私は、特に現時点において私学共済の年金受給者が非常に不遇な立場に置かれている、これは、特にひのえうま等で生徒数減少に伴って大きな問題を起こしている、これをお聞きしたいのですが、次に譲ります。 一応これできょうは終わります。
○青木委員長 次に、有島重武君。
○有島委員 私学共済の年金の問題につきまして例年ここでもって審査するわけでございますけれども、ことしのことにつきまして年金の支給一カ月おくれで五月にした、このことについて、ただいま湯山委員の方から大変詳細な御質問がございまして、私もほぼ同趣旨になるので詳細は省略いたしますけれども、私もほかの年金とのバランスということもあろうかと思いますけれども、事教育に関する、特に私立学校に関しての問題でございますから、これはなお別建てに考えてみる余地があるのじゃないだろうかということを指摘をしておきたいと思います。 そこで、これは関連をしているかとも思うのですが、去年ここでもって審査の折に、私は、私立大学の教職員の退職手当のための制度を創設すべきではないかという趣旨の質問をいたしました。その後に私立大学の退職金財団の設立がなされたと聞いております。そこで、これの今後の事業計画についてお聞きをいたしておきたいと思います。
○柳川(覺)政府委員 先生からさきに私立大学関係者の退職金につきまして適切な制度化が図られるべきだということの貴重な御意見があったわけでございますが、大学、短期大学、高専の各団体、私学関係五団体が協議を鋭意重ねられまして、財団法人私立大学退職金財団の設立を五十六年八月に見ております。 これに対しまして文部省といたしましても、この財団の円滑な将来の発展充実が期されるようにということで、私立大学等を設置する学校法人がこの財団に納付する掛金、これは当然に退職資金の交付財源になるわけでございますが、この掛金につきまして経常費補助の対象とするようにいたしまして、昭和五十七年度予算におきまして十五億二千百万円の予算化を経常費助成の中で措置してきたところでございます。 この財団の目的は言うまでもございませんが、私立大学等に勤務する教職員の退職金給付に必要な資金の交付を行い、もって私立大学等の教育の充実及び振興を図ることを目的といたしておりまして、事業といたしましては、私立大学等を設置する学校法人に対しまして当該私立大学等に勤務する教職員の退職金給付に必要な資金の交付、それから二つ目には、私立大学等に勤務する教職員に給付する退職金の適正な水準を確立するために必要な調査研究、その他この法人の目的達成に必要な附帯の事業を行うことといたしておりまして、五十七年度から事業を開始いたしまして、この面の事業の安定拡充を図っていきたいということに取り組みつつあるところでございます。
○有島委員 私立の大学、短大、それから高専、合計いたしますと五百六十九法人あるということになっておりまして、この財団にこのうちの五百十七法人がすでに加入したというふうに私は聞いているわけなんですけれども、そうすると、残り五十二法人はどうして加入しなかったのかということが一つ。 それからもう一つは、私学共済に未加入というか非加入というか、五十九法人あったわけですね。これも去年この席上でもって質問をしたところなんですけれども、これと関係があるのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生いま御指摘されましたとおり、退職金財団の全対象法人数五百六十九法人中五百十七法人が加入いたしておりまして、その加入率は九〇・九%となっております。財団ができて日が浅うございますが、九割の法人が加入したということは、それだけにこの財団の設立につきまして関係団体及びそれぞれの学校法人の認識また必要性を感じておったということが言えると思います。 一〇%足らずの未加入の法人につきましては、主なものは、すでに各都道府県に高等学校以下を対象とした退職金財団が設けられておりまして、そこに大学ぐるみで加入しておるところもあるわけでございまして、それらの面からこの面の未加入という状態が大部分であろうかと存じております。この辺につきましては、従来の歴史もありますので、その面で退職金の給付につきましての実効が上がっておるということであればそれなりに尊重していく問題でもあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、発足いたしまして日が浅うございますが、これからこの面につきましては個々の事由等を財団の方もきわめていきまして、この財団への加入が広がっていくというように私どもも見ておるところでございます。 なお、共済組合への未加入につきましては、現在五十九校が非加入のままで、先生御指摘のとおりでございます。これとこの退職金財団の末加入校との間に相関関係があるのか、それにつきましてはいま直ちにそこまで分析いたしておりません、全く相関関係はないと考えておりますが。
○有島委員 この退職金財団、設立するとどんなメリットがあるのかということですけれども、第一番目に退職者が多い場合、法人側の危険負担が減るというようなこと、それから退職者側が非常に安定してくるというようなことがあろうかと思う。それからもう一つは、五十七年度から掛金に対して国庫補助が一〇%出るというように伺っております。これは私学振興助成法に基づいて掛金に対する国庫補助が出るということになっておるように聞いておりますけれども、いまの加入しない法人ですけれども、いま、都道府県のそれぞれ何かそういった制度があった、そうすると、都道府県別のそうした制度の方がこちらよりもメリットがあるというようなことがなおあるのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 都道府県ごとの退職金財団は、主として高等学校以下の私立学校における教職員に対します退職手当の安定した制度を目的といたしておりますから、いま私どもその辺はさらに具体に当たって調査分析してみないとわかりませんが、必ずしも都道府県に持たれた退職金財団の方が有利ということは言えないと存じますが、この種のことでございますから、原資につきまして、新しい財団の方に移った場合の原資の振りかえをどうするかとか、そういう問題も内包されている問題でございますから、これにつきましては今後財団で、関係の財団あるいは学校法人等の十分な実態を把握した上でのきめの細かい対応が展開されなければならぬというように考えているところでございます。
○有島委員 細かい話になりますけれども、さっき目的のところでもって、今度の新しい財団法人は私立の大学、短期大学及び高等専門学校ということに対象がしぼられておるということですけれども、逆に都道府県の方でやっている高等学校、中、小、幼ですかというようなものがこの財団に入ってくるというようなことはあり得るのか、そういうことはないのか。
○柳川(覺)政府委員 この財団設立は、先生いま申されましたとおり私立の大学、短期大学及び高等専門学校に勤務する教職員ということにいたしておりますので、高等学校の関係のものは都道府県の財団でという形が従来とってきたものでございますから、今後そこのところから、同じ学校法人で附属高校であるからということでこちらの方に振りかわってくるということは大変乱れを生ずることでもありますので、この財団自体ではそこは考えていないというように理解しております。
○有島委員 この辺は少し研究していただかないと、いま言ったように確かに法人としては整然としておるかもしれない。しかし学校側といたしましては、とにかく私立が一貫教育をやるというようなこともあるわけでございますね。文部行政全体としても私立学校が一貫教育をやっていくこと、これは望ましいことであるというふうに考えていらっしゃるのであろうと思うのですけれども、そういったことはなお考慮の余地があるのじゃなかろうかと思いますが、その辺はいかがなんですか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、学校法人は大学、短期大学あるいは高等学校、中学校、小学校、幼稚園を同一の法人で設立しておるという実態があるわけでございますから、この辺の先生御指摘のような動きがあろうかと思います。これにつきましては、すでに都道府県がそれなりの財政措置もしながら設立してまいりました各都道府県の財団との十分な連携をとりながら研究されていく課題であろうというようには存じております。
○有島委員 大臣にお願いいたしますが、こういった問題があろうかと思いますので、ひとつ幅のある御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小川国務大臣 御趣旨はよく承りましたので、研究をさせていただきます。
○有島委員 それで、加入教職員の数が十二万から十三万人いるということですね。俸給月額の千分の六十が掛金、これが二百億円の掛金収入になるというふうに承りております。それで、年間に七千人から八千人の退職者が見込まれるというようなことになります。ところで、具体的に退職金支払いの方法はどうなるか。大体これは学校側がまず支払って、後から財団に請求するというふうになっておるようですね。それで、その退職金の額というのは各法人によって恐らく大変まちまちであろうかと思いますね。それで、その金額について、これは財団としてだんだん統一の方向に持っていこう、こういった考えがおありになりますか。
○柳川(覺)政府委員 先生いまお話しございましたとおり、具体の退職金につきましては、各学校法人におきまして教職員が退職した際に退職金を支払います。その支払いに対しまして、当該学校法人からの請求を待ちまして退職資金を交付するということがこの退職金財団の交付でございます。交付額につきましては、教職員の退職時の標準俸給月額に交付率を乗じた額といたしますが、学校法人が実際に支給した退職金額を限度とするということで、それぞれの実際の退職金額の実額に見合った資金が交付されるというようにいたしておるわけでございまして、将来この面を、すべての退職金をこの退職金財団が統制していくということは必ずしも退職金財団の目的ではないというように感じております。
○有島委員 先ほど局長の申されました事業の中で、どういった事業をするのか。一つは、必要な資金の給付をするのだ、第二番目には、退職金の適正な水準を確立するために必要な調査などを行う、研究をするというようなことを言われましたですね。これは、直接的にではないかもしれないけれども間接的に何か口を挟んでいく、退職金が多過ぎるのじゃないかとか、そういうような介入をしていくということにつながってくることはございませんか。
○柳川(覺)政府委員 先ほどちょっと御答弁申し上げましたとおり、教職員の退職時の標準俸給月額に交付率を乗じた額ということを考えておりますので、上限につきましては、具体にこの標準額よりも超えている退職金につきましては学校法人の実態にゆだねるということで、上限の足切りをしておるわけでございます。この標準俸給月額の算定に当たりましては、国家公務員の支給状態を参考にしながら考えていくということでございまして、そこで交付額を決めまして、その資金を交付するわけでございますが、その限りでございまして、それより上回って各学校法人でなされるということにつきましては、それは各学校法人の自主的に上積みをされるということは何ら支障がないことにしておる、また下限につきましては、その算出した交付額よりも実際の退職金の額が下回っておる場合には、実際に支給した額で資金を交付するということをいたしておりまして、それぞれの学校法人の自主性はそれなりに尊重した上でということでございますが、一応財団としては標準的な物の考え方で資金の調達及び交付決定をしていくという構えをとっておる、そのために、その面が適正であったらどの程度がよろしいかということの調査研究は常時していくという考え方でございます。
○有島委員 私立というものの存立意義から考えまして、国でもって応援してあげるというのの見返りみたいに、だんだん画一的な方向に追い込んでいくというようなことがあってはならないというふうに私も思っているわけです。 なお、この財団の仕事、毎年七、八千人の方々が退職なされる、それに応じたいろいろの事務をこっちでもってやっていく、お金も相当集まるということになりますと、役員の人事構成みたいなことはどういうふうになりますか。どうやって選出されていくのですか。
○柳川(覺)政府委員 私立大学退職金財団につきましては、まさに財団法人でございまして、文部大臣は財団法人の監督庁としての権限しかないところでございまして、この辺の組織、役員の構成等につきましては、財団におきまして主体的にお決めをいただくところでございます。 その組織につきましては、理事長のもとに理事十五人以上二十人以内が置かれることになっております。五十七年度四月現在では、常勤の理事が二人、非常勤は理事長も含めまして十四人ということでございます。また、監事につきましては、二人以上三人以内が置かれることとなっておりまして、五十七年四月現在では三人の監事が置かれております。 一方、これとは別に評議員が三十人以上四十人以内の範囲内で、加入の学校法人のうちから選任されることとなっておりまして、理事長及び理事会において責任を持った執行がなされ、これにつきまして評議員会において重要なことにつきましてのお諮りをして誤りなきを期すという体制がいまとられておるところでございます。
○有島委員 この種の制度をつくるということは大変必要であるというように私たちは認識しているわけでございますけれども、とかくこれまたお役人の天下り先をつくったのじゃないかというような受け取り方もされなくもない。その給与とか退職金とかそういうものは一体どんなふうになっておるのか、それからまた、ちなみに私学共済そのものについても、私学共済なんかの役員の給与とか退職金というのはどうなっていますか。どのぐらいになっているのですか。
○柳川(覺)政府委員 常勤理事が二人でございまして、うち一人は事務局長を兼ねるという仕組みで取り組んでいくということを聞いております。事務局長兼任の理事につきましては、事務局長給与相当を考えておる、それから専任理事の給与につきましては私学共済組合の理事の給与を参考にしていくということが適当ではないかということを財団当局はいま考えておるようでございます。(有島委員「幾らぐらいですか」と呼ぶ)私学共済組合の理事の給与は、月額では六十万三千円でございます。また、事務局長給与につきましては四十二万一千二百円という金額でございます。(有島委員「退職金」と呼ぶ)退職金につきましては、まだ発足したばかりのことでございますから……(有島委員「私学共済の方」と呼ぶ)私学共済につきましては、それぞれ特殊法人につきましての退職金が決められておるわけでございます。いま資料が手元にございませんが、各特殊法人同様の基準が決められております。
○有島委員 全般的な問題にまた戻っていってしまうのですけれども、私立の学校の存立の意義といいますか、それは特にさかのぼって考えてみましたときに、そういった私立学校がそれぞれいろいろな個性を持っておる、いろいろな特徴がある、いわば多様化していくという方向、こういったものは大体望ましいのじゃないだろうかというように私は思うわけですけれども、大臣、私立学校の存立ということについての御意見を先に承っておきたいと思います。
○小川国務大臣 仰せのとおり私立学校は、それぞれの建学の精神あるいは独自の校風に従いまして自由な教育活動を展開していくべきものだと信じております。過去においてもさような活動を通じて教育の振興に大いに貢献をしてきた、かように考えております。
○有島委員 一番最初に申しましたように、この私立共済のことについてのことしの措置ですけれども、一カ月おくれということでございますけれども、こうしたこともまだ考慮の余地があるのじゃないだろうかというように思うのですけれども、大臣、どうですか。
○小川国務大臣 先ほど管理局長からるるお答えを申し上げましたように、各種の制度との均衡、振り合いということを考慮して決定をいたしたわけでございまして、いまこの点につきましては政府に対して同趣旨の質問書も出されておるわけでございますが、これに対して御期待に沿いがたいという答弁書を閣議決定もいたしたわけでございますから、私といたしましては、その余地ありというお答えはいたしかねるわけであります。
○有島委員 じゃ、その議論はここではとどめますけれども、私立学校の入試の問題でございますね。私立学校は多様化が望ましいということです。入試についてもそれぞれ個性、特徴のある入試の仕方、こういったことについては答弁書はまだお書きになっていないわけだから考慮の余地がたくさんあるのじゃないかと思うのです。 現在は御承知のようにペーパーテストの成績順、それから推薦入学制といいますか、この二つが正規なものであるというふうになっておりますね。それでその他はいわゆる裏口であるとか情実であるとかいうようなことで非常に暗い極印を押されておるわけであります。そういう情実だとか裏口とかいうことがあってはならないということで、歴代の文部大臣もいろいろな問題があるたびに、これは自粛してもらわなければいかぬというようなことを言っておられたと思うのです。ただ、こうしたペーパーテストの成績順と推薦入学制ということに決めてあるから、だからそこでもって起こってくる問題は、みんな大体ペーパーテストの成績をよくするためにテストの用紙を盗み出したり、あるいはその内容をひそかに教えたり、あるいは推薦入学をしてくる高校の方に先に手を回してみたりというようなことがいろいろ行われて、非常にこれは確かにおもしろくないことであったと思うのです。その他の入学の方法というのですか、ペーパーテストあるいは推薦というほかのことをルールさえ明確にすればそれでもいいのじゃないかというような意見がいろいろな事件が報道されるたびにあちらこちらでもって上がっておるようであります。大臣、この点についてはいかがお考えになりますか。
○小川国務大臣 私立学校の選抜方法につきましては、それが募集要項等に明示されており、受験する者はもとより、教育関係者も納得せしめておるような合理的な明朗なものでありますれば、現に行われております推薦入学と別にそれぞれの私立学校において検討をなさいましてしかるべき方法を講じられる、これは結構なことだと考えております。
○有島委員 わかりました。そうすると、去年も世間でいろいろ騒がれた東京の有名なさる私立大学におきまして、今後は全部成績順でやるのだというようなことを宣言なすった、これも一つの見識ではあろうと思いますけれども、そうではない方法、これは明朗に、ルールさえはっきりすればそれぞれの学校の行き方に従ってよろしいではないかということでございますね。
○小川国務大臣 仰せのとおりでございます。
○有島委員 共通一次試験が四年になりますか、定着してまいりました。今後、各大学では第二次試験をどのようにやっていくのか、その大学にそれぞれ合った人たちを本当に入り口のところでもって迎え入れるということをさらに研究しなければいけない、工夫しなければいけない、そういうような段階になってまいったと思うのです。これと並行して考えられることは、私学が共通一次を取り入れていくということについてはどのように考えていらっしゃるか。
○宮地政府委員 共通一次について私学の参加についてどう考えるのかというお尋ねでございますが、先ほど大臣からもお答えがございましたように、入学者選抜について私学が独自の校風なり私学の特色を生かしながら大学教育を受けるにふさわしい能力、適性を備えた者を公正かつ妥当な方法で選抜するというたてまえで対応しておりまして、私学の関係者においてもさらに十分検討をされていくもの、かように考えております。 入学者選抜の改善そのものは、やはり国公私立大学すべてを通じて考えるべきものと私ども思っております。共通一次試験を実施するに当たりましても、私立大学に対しても入試改善の一環として参加について検討するよう呼びかけてきたわけでございますが、そして現実には五十七年度入試から産業医科大学が参加をしたというのが現状でございます。ほかの私立大学の参加についても大学側の自主的な自発的な考え方にもちろん即しなければならぬわけでございますけれども、私どもとしてはその点は積極的な対応でまいりたい、かように思っております。 ただ、現実問題といたしまして、私学の参加問題については、たとえば現在の入試の実施時期でございますとかあるいは試験科目のあり方等、なお検討、調整を要する問題点もいろいろあるわけでございます。したがって、大多数の私立大学ではこの共通一次試験の実施についてはなお慎重な対応をしているというのが現状でございます。そういう共通一次の活用の仕方についてさらに工夫ができないかどうか、私どもも関係者の意見も十分聞きながらそれらの点についてもいろいろと今後も検討を続けてまいりたい、かように考えております。
○有島委員 従来私学が様子を見ておるというか、あるいは否定的であるという理由ですね。いまの時期の問題とそれから科目の問題と言いましたね。科目の問題についてですけれども、私学が大体三科目ぐらいでもってやっている。国立の場合はもっと、七科目ぐらいになるのでしょうか。これを、共通一次試験というのは、数は多いけれどもコンピューターを回わせばいいわけなんで、これは平均点だけでもって七百点とか八百点とかいうことをいまはやっておられる。これは科目別の配点を科目別に合計をするなんということはすぐできることであろうかと思うのですね。それで私立側が何の科目についてこう、何の科目についてこうと幾つかの指定をして、その点数だけをひとつ抜き出して送ってもらいたいというような注文を出した場合にその注文に応じられるかどうか、機械的に十分応じられると思うのですね。そういったことが十分可能ではないかと僕は思うのですけれども、こういったことはどうですか。
○宮地政府委員 先ほども申しましたように、具体的に共通一次に対して私学が段階的にでも参加しやすいような考え方として、いま御指摘のようなたとえば特定の科目を指定して参加するというような考え方も確かにあり得るわけでございますけれども、やはりこれは共通一次の本来の目的が高等学校教育の一般的、基礎的な能力を評価するというたてまえで実施をしているわけでございまして、これは多少敷衍して申し上げますと、共通一次で五教科七科目でやるというような形で高等学校教育の全体の到達度を見るという基本が貫かれているわけでございます。御指摘のように私立大学では三科目程度のところが非常に多いわけでございますけれども、むしろ共通一次が五教科七科目で実施しておることによって高等学校教育における全体的な学習ということが確保されている面もあるのではないか、私どもはかように考えております。したがって、基本的なそこのたてまえの問題をどう考えるかという問題に触れるわけでございまして、私どもも、そういう問題点もあることも十分意識をしながら今後の課題として検討しなければならない、かように考えております。
○有島委員 大臣にお願いしておきます。 共通一次試験の使い方でございますけれども、いま局長が最後に言われましたのは、五教科七科目について、これは高校として当然修めておかなければならない普通のレベルであるという、こういうたてまえなわけですね。そうなればどの私学の人たちでも大体そのレベルでやってもいいのじゃないかという議論が一つ出てくるでしょう。私学側に、そんなことをおっしゃらずに五教科七科目みんなやればいいじゃないですか、こういう言い方もできるかもしれない。しかしもう一つは、私学あるいは国公立にかかわっても、芸術大学であるとかあるいは工業の方であるとかでやはり理数に非常に強い人が欲しいのだとかあるいは、私は工学部出身なものですから工学部で言いますと、理数だけでなしに情操的な面に強い人に来てもらった方がいいのだとか、手先の何とかとかいろいろな条件はあるらしいけれども、その学校によって配点の傾斜を変えた報告をしてもらいたいというような注文に応じるということをひとつ大臣に今後の検討課題にしていただきたいのです。
○小川国務大臣 配点の傾斜配分について検討すべきではないかという御趣旨かと思いますが、現に配点についてそのようなことを実行いたしておるわけでございます。
○有島委員 そうすると、ある科目については、極端なことを言うと、そのことは論じない、ゼロにしておく、そういうふうにすれば、今度は私立の三科目なら三科目、これだけに限って報告をしてもらいたい、そして他のところはネグっていくということもそれじゃ現在可能なんですね。
○宮地政府委員 ウエートをつけて配点を考えるということは、もちろん、それぞれ学部の特性に応じて考えられることでございます。ただ、御指摘の、それでは論理的には零点の配点ということもあり得るのかというお尋ねかと思うのでございます。その点は、やはりウエートをつけるということとゼロにするということとの間には質的な差もあろうかと思いますが、それぞれの学部の特性に応じたウエートのつけ方ということは可能でございます。
○有島委員 もうこれで終わりますけれども、私立学校の問題にかかわって、きょうは私学共済の話であったわけですが、基本的には私立をしっかりさせていきたいということでございまして、こういった入試の問題についても、いまの一次試験の問題について私学側とさらにまた話を詰めていくような場をつくっていただきたい、これがお願いなわけです。 大臣に最後に答弁いただいて、終わります。
○小川国務大臣 共通一次試験につきましては、すでに四回の経験を経ておるわけでございますが、指摘されておる問題点も種々ございます。一層の検討を重ねて改善を図っていくつもりでおります。
○有島委員 終わります。
○青木委員長 次に、栗田翠君。
○栗田委員 私学共済法案について伺いますけれども、もうすでにたびたび皆さんからも質問の中で出されておりますように、今度の法案の最も問題の点は、既裁定の退職年金等の額を五十七年五月から引き上げることにして一カ月おくらせているわけです。この一カ月おくらせる理由については、先ほどからの御答弁で、他の共済との横並びということを言っていらっしゃいます。 私、一歩突っ込んで伺いたいと思うのですけれども、この横並びをさせなければならない理由というのは何ですか。
○柳川(覺)政府委員 それぞれ共済制度につきましてはそれぞれの事由による成立の経緯があるわけでございますが、特に近年における高齢化社会の出現、また老後と申しますか、国民生活の安定に対するこの共済制度の重要性ということが強調されているゆえんでございます。 その間におきまして、それぞれの共済組合の給付内容あるいは掛金の負担割合等につきましてそれなりの、できる限りの均衡を持った発展が全体として国民各層に及んでいくという方向での取り組みをしていくということがいまこの共済制度あるいは厚生年金、国民年金等の公的年金制度に課せられた課題でございまして、そういう中でできる限りの均衡を図りながらそれぞれの目的を達成していく努力ということが何よりも大事であろうというように考えておるところでございます。
○栗田委員 できる限りの均衡を図るとおっしゃいますけれども、もう一歩進んで、事務手続上とかそれからたとえば私学共済に入っておられた方が身分がかわって他の共済を受けるようになられるとか、そういう場合に横並びでないとぐあいの悪いことがあるのでしょうか。それとも、たとえば私学共済だけは四月から引き上げを実施しても、そういう点では不都合はないのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 この問題は、私学共済の加入の組合員だけが他の、特に国民年金、厚生年金等の受給者と異なって一カ月早く改定の効果を得るということにつきまして、それ自体は考えられることでございますが、先ほど申しました共済制度あるいは年金制度における均衡ということは十分配慮するということの考え方であろうと思います。 また、端的に申しまして、私学共済だけが独自の立場に立ちましてこの法案を提出するということにつきましては、関係各省の了解を得るということはきわめて至難なことでございます。
○栗田委員 最後におっしゃったところが一番の本音でいらっしゃるかと思いますけれども、やはり共済というものの趣旨、それから年金受給者の利益を守るという立場に立っての実施、そこのところに力を注がなければならないと思いますし、特に共済組合なるものはそういう立場で本当は努力をしていかなければならないと思うわけです。 そうしますと、いまのお答えでもわかりましたように、関係各省の中で理解を得たり、私学共済だけはよろしいということはむずかしいといったような、そういう行政側の都合はあるかもしれませんけれども、共済内部としてこれを一カ月早めて困るようなことというのはまずないわけでございますね。
○柳川(覺)政府委員 共済内部としてということですが、何と申しましても既裁定年金額の改定につきましては、その基本となる給与改定、これと関連してなされるものでございますので、給与改善が五十六年度の改善につきましてはボーナスにはね返らない、一時的にストップをするというような改定措置がなされた、この面の考え方からとらえておる問題でございますので、これにつきましては恩給受給者につきましても、あるいは農業、漁業共済の受給者につきましても、共通の課題であったということでございます。
○栗田委員 たとえば掛金の値上げ率などは個々ばらばらになっておりますね。それはどういうわけですか。
○柳川(覺)政府委員 掛金率につきましては、それぞれの年金受給者の実態あるいは各種給付の必要性等を配慮しながら、そういう面の実績も踏まえながらなされてきておるところでございまして、これにつきましても国の補助の問題とも絡みまして、できる限りその間の均衡が保たれる方向への努力というものはそれなりに重ねられておるところでございますが、現実は御指摘のとおり、それぞれに若干の差があるということは事実でございます。
○栗田委員 実際に値上げ率などはまだ本当に均衡が図られているという状態ではないわけですのに、支給額の引き上げということになりますと一斉に切ってくる、こういうところにやはり年金受給者の立場、必要性を第一に考えているのではない改定のあり方というのを私はつくづく感じるわけです。 たとえば、もし私学共済、四月から引き上げを実施した場合に、必要財源というのはどのくらいなんでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 実施時期を四月として、原案よりも一カ月早めた分の増加額は五千九百万円でございまして、これに伴う国庫補助額は八百万円でございます。
○栗田委員 金額としてはまことにわずかというよりほかないと思います。たとえば横並びする他の共済すべてが今度一カ月おくらせるわけですが、これはちょっと通告してなかったのでお調べくださっているかどうかと思うのですが、これはすべてが一カ月今度おくらせるわけですね。そのことによって浮く財源というのはどのぐらいなんですか。
○柳川(覺)政府委員 いま手元に把握いたしておりません。
○栗田委員 恐らくこれも大したことないと思うのですね。把握していらっしゃらないということなんですけれども、私、本当だったらばこういう法律案が出される場合、そこまで深く検討し、つかんでおくべきだと思うのです。国の財政が危機であるからということで行政改革が出されて、そのことで節約をするためにということであちこちに手を加えておりますけれども、一体それではどれだけ全体としてそれで浮くのかということ、そのことの効果と、それから年金受給者などがこうむるさまざまな犠牲等をどう対比して見るか、浮かせた財源に見合うような財源をほかで見つけることはできないのかというような検討まで本来ならすべきだと私は思います。いまつかんでいらっしゃらないとおっしゃいますけれども、実はあらかじめ幾らくらいなのだろうかということも問い合わせたのですが、やはり文部省はわかっていらっしゃらなかったようですね。私は、これはぜひ調べて教えていただきたいと思うのです。恐らく大した額ではないと思いますが、そういうことでありながらいろいろなこういう改定をしていく、改悪をしていくということについてまず非常に問題を感じるわけですが、後で調べていただけないでしょうか。いかがですか。
○柳川(覺)政府委員 各省にわたります全体の額がどの程度になるか、財政当局にも問い合わせて御報告申し上げます。
○栗田委員 大臣に伺いますが、いまのような問題で法改正、私どもに言わせれば今回の場合は改悪だと思いますが、そういうものが出てくる場合、これはもちろん政府が出してくるものではありますけれども、そのことの持っている意味、一体それによってメリットはどのくらいあるのか、財源を浮かすというメリットだと思いますけれども、それに対してデメリットはどうなのかということなどは担当省庁は責任を持って全体を見渡して検討して、また率直な御意見を法の精神、いままでの制度の精神からいってお述べいただくべきではないかと思います。そうしませんと、どんどん行政改革だとかなんとかということで出てまいります、その改悪がどんどん進められるばかりで、実際のメリット、デメリットの判断も十分に数字としても出てこないといった状態ではいけないと思うのですけれども、いかがでございますか。
○小川国務大臣 仰せのとおりだと存じますので、ただいま御質問のありました数字につきましてはできるだけ速やかに取り調べてお耳に入れることにいたします。
○栗田委員 次に掛金の問題について伺いますが、この間、長期給付の方の掛金はかなり値上げをされております。五十年から値上げの状態がどんなふうになってきたのかお願いします。
○柳川(覺)政府委員 将来にわたりまして長期給付を受ける組合員の掛金率は、昭和五十年八月以降、次のとおりでございます。 昭和五十年八月から五十三年五月に至る間は千分の八十二の掛金率でございます。それから昭和五十三年六月から昭和五十四年三月に至ります間は千分の九十二でございます。それから昭和五十四年四月から五十五年六月までの間、千分の九十八、最近では、昭和五十五年七月以降におきましては千分の百四・五という掛金率に逐次、若干ずつではございますが掛金率がアップされておるという実態でございます。
○栗田委員 私、計算してみましたら、五十年八月から五十三年五月までの千分の八十二に対して、一番最近の五十五年七月以降の千分の百四・五ですか、このアップ率は二七%くらいになるのですね。そうだと思いますが、それで、他の共済はどんな値上げをしているのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 お答え申し上げます。 五十年一月から五十四年十二月までの公立学校の共済について見ますと、掛金率が千分の百十二でございましたものが、五十五年からは千分の百二十四・五というように高まっておりまして、その間の増加率は、公立学校共済にありましては一二・五%という割合でございます。
○栗田委員 私がちょっと調べたのでは、いまおっしゃった公立学校共済、五十年一月からと五十五年一月は確かにこうなんですが、五十七年四月に掛金率下がっていますね。千分の百十九・五になっているのじゃありませんか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘の千分の百十九・五、これにつきましては行革関連特例法に基づきまして、特例適用期間中に、五十七年から五十九年度まででございますが、この事業主負担の割合が百十九・五ということでございます。四分の一、特例措置としてカットということの関係の数字でございます。
○栗田委員 そうしますと、いまこれで一二・五%ですね。国公共済などは、四十九年十月が千分の百十・五、五十四年十月に千分の百二十二・五、五十五年一月に千分の百二十三になっていますね。これもアップ率一一・三%。そうしますと、国公共済が一一・三%、それから公立学校共済が一二・五%ですね、いまの御答弁でも。 そうなりますと、私学共済は二七・四%もアップされていますね。財政は潤沢だというのに、なぜ私学共済だけこんなにアップされているのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 まず、昭和四十九年度及び昭和五十年度における大幅な給与改善あるいは物価上昇に伴いまして、年金額の大幅な改定が行われました。将来の年金給付のため準備しておくべき計算上の責任準備金に対する充足率が大幅に下がりまして、年金財政の悪化が見込まれるということでございましたので、昭和五十一年度に臨時的に財源率の再計算を行いました。その結果も踏まえまして、組合員等の急激な負担とならないように、五十三年度六月に千分の十、五十四年四月に千分の六というように段階的に掛金率を引き上げたものでございます。 なお、昭和五十五年七月の千分の六・五の引き上げは、他の共済同様、五年ごとの財源率の再計算を行いましたところ、平均余命の延び、退職一時金の廃止による通算退職年金の充実の問題、それから既裁定年金の改定等による所要財源の増並びに支給開始年齢の引き上げ等による所要財源の減も見込まれましたので、結果的には千分の八・五の不足財源率が生じました。このことから、昭和五十三年及び五十四年度の掛金引き上げも考慮いたしまして千分の六の引き上げを行ってきたものでございます。 私学共済につきましては、責任準備金等にいまそれなりの健全な安定を見ておるところでございますが、なお成熟度等が浅いということもあります。それらの中で、より安定化というための努力を、それなりに急激でない形で安定化を図っていくということの結果でこのようになったということでございます。
○栗田委員 私はさっきから最初の問題にまだこだわっておりますが、その横並び、均衡ということをおっしゃいますけれども、掛金率の値上げをする場合には決して均衡が図られていないで、内部の事情によってはこんなにもアップ率が違うわけですね。 それで、一方、一一%とか一二%ぐらいのアップで済んでいるものが、私学共済の場合には二七・四%も上がる。それならば、もし本当に均衡を図るということに徹するならば、こういう事情があった場合には国の補助率を上げて、各共済それぞれに入っている組合員の負担が比較的均衡するように国は努力をすべきだと思うのですけれども、年金の支給額引き上げの月などは、一斉に均衡ということでおくらせてしまう。しかし、掛金の値上げになれば、内部の実情があっても、なかなか補助金によって均衡を図るということをしていないという、こういう矛盾もここでくっきりと浮かび上がっていると思います。これだけ値上げされながら、またその年金の引き上げが一月おくれるということ自体、年金受給者にとっては非常に大きな負担になってくると私は思います。しかも、昨年の行革関連特例法によって今度は一律に国の補助率が二五%減らされているわけで、ここは一律に一斉に減らされているわけですね。このことで十五億三千六百万円も補助が減額されているという実態になっているわけですね。 大臣に伺いますけれども、この私学共済法が審議されるたびに、附帯決議が毎回毎回つけられてきております。この附帯決議は、百分の二十に国の補助額を早く引き上げるべきだということで、繰り返し繰り返し決議がされているのですけれども、それにもかかわらず、百分の十八が百分の十三・五になったり、それは行政改革だから仕方がないのだということで済むのかどうかということです。この附帯決議を実現させるための国の責任についてはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘の、ここ数年の間に私学共済の掛金率が他の共済に比しまして大変高い増加率を示してきたということは御指摘のとおりでございますが、他の共済に比しまして、私学共済につきましては組合員の負担の割合が低うございます。昭和五十年のときに先ほど来申しました他の公立共済、国家公務員共済等につきましては千分の百十台の掛金率でございましたが、その当時私学共済は千分の八十二という掛金率で低うございまして、その間二十数%のアップを今日までいたしましたが、それでも千分の百四・五ということで、それだけに掛金率が他に比して低い割合で、なお全体として共済の財政が健全化安定しておる、成熟度がさらに若い問題、それがあるところは恵まれておるところだと存じます。 この間御指摘のとおり百分の二十に国庫補助率を引き上げることにつきまして附帯決議がございました。私ども私学共済の長期給付に対する国庫補助につきましては、学校法人及び教職員の負担能力等を勘案し補助率の引き上げについて鋭意努力してきたところでございまして、いま百分の十八という補助率になおとどまっておるところでございますが、他の制度、必ずしも百分の二十を厚生年金のように実現していないところの共済制度もあるわけでございますので、それらとの均衡の上からもいまだ二〇%の実現は見ておりませんが、今後の財政事情等も踏まえながらこの面の努力は重ねていく課題であろうと感じております。
○栗田委員 いまの局長の御発言では私大変不満なのですけれども、他の制度との均衡とおっしゃいますが、国会で附帯決議がついているわけで、国はこの附帯決議に対して責任をとるべきだと思います。それならば、他との均衡をお考えになって附帯決議は二の次にしてこられたために百分の十八がいつまでも続いていて、しかも今度下がったということですか。
○柳川(覺)政府委員 そういう意味で受け取られますとまことに恐縮でございますが、附帯決議の実現につきまして鋭意努力を重ねてきたところでございますが、なお他との均衡等もありましてその実現を見ていないという意味の御答弁を申し上げた次第でございます。
○栗田委員 どうも附帯決議は軽視なさって、他の制度との均衡を第一に考えていらっしゃるというところが出てきたような感じがします。それでは困ります。いま私は最初に大臣にお聞きしたのですが、大臣いかがなんでしょうか。
○小川国務大臣 附帯決議の趣旨はもとより尊重さるべきものでございます。しかるに国庫補助率がなお百分の十八にとどまっておるということはまことに遺憾に存じております。御高承の財政状況のもとにおいてでございますが、これからも鋭意努力してまいりたいと思います。(発言する者あり)
○栗田委員 いま後ろの方でだれかがお金がないからだとしきりにおっしゃっていましたけれども、本当にお金があるかないかということについても、先ほども申し上げたように、お金がないということでしている措置について幾ら財源が浮くのかということすらつかんでいらっしゃらないのに、一般的にお金がないのだといういまの与党・自民党からの御発言ですが、そういう言い方でいままであったすべての既得権を切っていくということについて私は問題にしているわけですから、それははっきり申し上げておきたいと思います。 次にこの減額措置について、それならば国が返還していくのにどうするかという問題です。これはさっきすでに御質問も出ておりましたけれども、私はもう一度伺いたいと思います。それは不利益になるようにはしないというお答えだけが繰り返されておりましたので、もう少し具体的に伺いたいのですけれども、たとえば返還方法は、財政再建期間が終われば一挙にお返しになるのか、それとも区切ってお返しになるのか、こういうことの検討もしていらっしゃらないのですか。
○柳川(覺)政府委員 この返還の問題につきましては、利息分につきまして、たとえば利率等の条件をどのようにするのか、まだこの辺のところは未定でありまして、特例適用期間後において具体化していくということであろう、その間関係各省で協議が重ねられていくという課題であろうと存じております。
○栗田委員 それで不利益がないようにするという保証はありますか。
○柳川(覺)政府委員 法律の規定でも共済の財政の安定に支障を来たさないということの趣旨がうたわれておるわけでございます。そのための適切な対処を図っていくということの課題でございますので、このことによって共済の財政運営に支障を来たさないようにということは、まず第一に図るべきことであろうというように心得ております。
○栗田委員 さきの決算委員会などでも五十六年度予算の歳入欠陥問題が論議をされたときに、政府自身そんな大きな歳入欠陥はないような答弁をされました。その後二兆四千億に上る歳入欠陥が出たということが最近になって言われておるわけですね。まだ二月か三月しかたっていないのです。また五十七年度大きな歳入欠陥が出るであろうということがもう予測されております。一体三年たったら国は財政再建ができて返せるのかどうかというのは、まことにこれは不確定ですね。むしろそれはいまの状態では危ぶまれます。ですから、もし共済制度の利益、組合員の利益などを守っていくという立場に立つならば、早くからそのような返還方法なども細かく検討しておく必要があるのであって、いま利息の率も、返還の仕方が分割になるのかまとめてするのかもわからないということは、つまりは見通しがないことだというふうに思わざるを得ません。これは大変不安定な状態だと私は思いますし、そういう意味では組合員ひとしく心配をしているに違いないということ、これを申し上げておきたいと思います。 それでは、時間が大変少なくなって、私はたくさんの質問をしたいと思って用意しておりましたけれども、残る時間で用意した一部だけをさせていただくことになりますが、関連して私学助成の問題で少し伺いたいと思います。 先日、日本私立大学連盟が五十五年度の財政白書を発表いたしました。「高等教育費のあり方と私学財政」という、これでございますが、これを見ますと赤字額が前年度に比べて倍増して、百二十九億四千八百万円も赤字が出たということが書かれております。これは過去五年間の中で、この赤字の額というのはどういうところに位置する額なのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 私大連盟の財政白書によりますと、連盟加盟校の大学部門全体の消費収支で百二十九億円の赤字でありますが、帰属収入四千九百二十一億円に対しまして二・六%に当たるものでありまして、五十四年度におきましては帰属収入四千二百九十八億円、このうち支出超過額が赤字部分が六十三億円、一・五%でございまして、さらに五十三年度におきましては百七十四億円の赤字、帰属収入が三千八百七十九億八千七百万円でございまして、四・五%になっております。それからその前の年の五十二年度の決算額につきましては、帰属収入三千五百五十二億三千百万円のうち二十四億二千六百万円の赤字でございます。それから五十一年度は、三千二百七十一億九千七百万の帰属収入のうち十八億八千五百万円という赤字でございまして、これらと比較いたしまして、二・六%という数字は、先ほどの五十三年度の四%台から見れば低うございますが、前年度に比しましては若干赤字が高まったということで、私どもとしましてはマクロ的な物の見方をすれば、私学の最近の収支は均衡がそれなりにとれてきた状態にあるというように見られるというように考えております。
○栗田委員 そういう見方をしていらっしゃるのだと大変なんですが、この私大連盟の白書によりますと、五年間の中で五十三年度に次ぐ大きな額である、だから過去五年の中で二番目の大赤字であるということを言っているわけですね。そしてその理由としては、一つはやはり助成が非常に減ったということ、これが理由になっておりますね。「これまでの私学助成の推移をみると、その助成は年々増加し、昭和五十一年から五十三年までは毎年二〇%台の伸びを示し、」云々と書いてありまして、その「私学の財政危機に一抹の燭光を見出したものの、近年になると国の財政事情からではあるが、補助金の増加傾向は鈍化し、五十四年度から五十五年度では一〇%台に、五十六年度は八・八%に低下し、五十七年度政府予算案では前年度と同額という、全く信じられない状態となった。」、こういうふうに書いてありますから、いま出されているのは、これは五十五年の白書ですが、安定したとどうしておっしゃれるのか。 これで五十六年、五十七年度の白書が出てきた場合、恐らく大変な状態になるのではないだろうかと私どもは見ていますし、白書もそう言っています。その理由として、時間がありませんのでもう申し上げてしまいますが、一つは助成が減っているということ、それから助成率が、助成の伸びが減っている。物価も上がっているのに、五十七年あたりは伸びがゼロですから、当然実質的に減ったことになりますし、それからもう一つが、私学の収入の大きな部分を占めているのは学生から徴収する授業料その他の学費ですが、それが限界に達したということが言われておりますね。実際親が支出できる額の限界に達してしまって、それ以上値上げをしたくても、値上げをすれば大幅に学生の数が減るという、そういうところに達しているということが言われているわけで、いま私学助成をめぐる問題というのは実に大変なところに来ていると思います。文部大臣あてにも、また総理あてなどにも、私学助成をぜひふやしてほしいという請願の署名などの数も非常にたくさん寄せられているはずですが、これは私学の危機を、やはり財政的な危機を実感している関係者、父母、学生などの声だと私は思うのです。 二分の一に達成させるという予定でいましたのに、こういう状態にいまなってきているということ、しかも補助率が、経常費補助に占める補助率が一時三〇%を超えたことがありますが、いま三〇%を割りましたね。高専を含めて二八・九%、四年制大学だけで二九・二%、こうなってきているわけです。つまり三分の一補助に満たない状態にいまなったということですけれども、私、時間がなくなりまして、これはたとえば、いま大学局長おいでになっていらっしゃらないのですけれども、大学局長が「内外教育」にお書きになっていらっしゃる巻頭言がございますが、三月三十日号、「高等教育をめぐる論議」というのを書いていらっしゃるのですが、この中でも、「諸外国と対比しても、日本の場合は、高等教育にかけている公費の割合は、いわば安上がりなものとなっているのである。したがって、長期的に見れば、高等教育への公費の投入は、さらに増強すべきものである。」ということなどもお書きになっていらっしゃる。私学助成の精神から言いましても、その国公と私立の格差を是正するという、これは大きな意味になっていたと思いますが、この格差がますます広がっていくのではないかという状態になっているわけです。 たとえ財政再建という名のもとに行政改革が行われておりましても、この私学助成をまた来年も再来年も伸ばさずにおくということは、日本の高等教育にとって非常に重大な問題を引き起こすと思いますが、これに対して大臣どんなふうに対処されていらっしゃるのか、お答えを伺いたいと思います。
○小川国務大臣 学校教育を伸ばしていく上におきまして、私学の果たしてきた役割り、今後も果たすであろう役割りの重要性ということにつきましては、私ども十分認識をいたしておるつもりでございます。五十七年度予算におきましては、臨調の第一次答申もございますので、いろいろ努力をいたしました結果、五十六年度と同額をようやく確保し得たというのが実情でございます。遠からずまた五十八年度予算の編成の作業に着手するわけでございますが、かような逼迫した財政状況のもとにおいてではございますが、鋭意努力を重ねてまいるつもりでございます。
○栗田委員 時間が来てしまいました。私まだ質問をたくさん残しておりますので、また引き続いて同僚委員などにも続きの質問はしていただきたいと思いまして、きょうは時間の関係で、私の質問は終わります。
○青木委員長 次に、三浦隆君。
○三浦(隆)委員 公的年金制度のあり方について初めにお尋ねいたします。 大臣にお尋ねしたいのですが、国公私立間の年金制度の取り扱いは、国鉄のような場合を除けば、本来平等であることが望ましいのだろう、こう思うのであります。しかるに、現在の公的年金制度は幾種類にも分かれておりまして、きわめて複雑なわけであります。これを一本化したらどうなんだろうかということについて、そのメリットあるいはデメリットについて御検討されたことがございましたでしょうか、それをお尋ねしたいと思います。
○小川国務大臣 現在、年金が八つも種類があり、それぞれ条件が異なっておる。このような不均衡、不公平は最終的には是正さるべきものだと信じておりますので、将来これは一元化すべきものだと存じております。ただ、それぞれが設立の目的あるいは沿革を異にしておりますので、急にこのことが達成される、事ほどさようにやさしい問題だとは心得ておりませんが、文部省といたしましても努力を続けてまいりたいと存じます。 一元化した場合のデメリットというお言葉がございましたが、さしあたってデメリットというものがあるだろうか、ちょっと思い浮かばないのでございます。
○三浦(隆)委員 私学共済も、以前には財団法人私学恩給財団あるいは厚生年金保険あるいは財団法人私学教職員共済会あるいは健康保険というふうに四つの制度に分かれ、任意に加入していたようでして、そうしたことを超えて現在一本化されているようでございますので、各種の公的年金制度についても、これまでの経緯があったりいろいろなことがあって、一本化はそう簡単だとは私も思いませんけれども、一生懸命働いて生活しているということにおいてお互いさま同じような立場でありますので、大臣の御答弁にもありましたように、できるなら一本化する方向が望ましいのだろうと思うわけです。特に、一本化した場合のデメリットがそれほど余り大きな障害がないようであれば、なおのことそうすることが望ましいと思いますし、このことについては各般についてひとつ個別的、具体的に将来御検討を願いたい、こう考えるわけです。 さて、それに先立ちましても、現行法の規定によりますと、各種の公的年金制度を規定した法律でありますが、たとえば給付費に対する国庫負担率等の規定その他をめぐっても規定の方法にかなりの食い違いが見られるわけであります。そこで、これまでの経緯はともかくとしまして、たとえば国庫負担率のようなものであってもできる限り同じような規定方法にした方が、それぞれの比較対照というふうなものが容易になりまして、年金法のよしあしについての判断もしやすくなるだろうと思うのですけれども、これまでそういうふうに考え、あるいは改めようとするようなことで検討されたことはございましたでしょうか。今度は局長の方からお願いいたします。
○柳川(覺)政府委員 大臣が御答弁申されましたとおり、また、先生御指摘の、現行の制度間に不均衡の問題もあるわけでございます。そこで、各省庁が責任を持って制度間の不均衡の是正を進めて、制度全体の均衡ある発展を図る、このことが現実的に努力をしていくべき方向というふうに当面は取り組んでおるところでございまして、この面の全体的な均衡ある発展のためにどのような点をどのように調整していくのかということにつきまして、大蔵省に全体の共済制度調査検討の会が持たれておりまして、ここを中心にいたしまして関係各省の協議が重ねられておるところでございます。
○三浦(隆)委員 たとえば拠出時だとか、給付時だとか、そうした負担のあり方についても、方法が違っておりますと、単に何・何%なりの数字を見てもわれわれにはわからないわけですね。ですからこれは、そうしなければならない絶対的な理由があればともかくとして、一般的には、こうした年金の法律、特に技術的な法律は、みんな一般の国民は素人でありますから、その素人が見てわかるように書くのが筋だろうと思うのです。昔の時代ならば、法というものはできるだけ国民に知らしめない方がよかったというあり方も言えるでしょうけれども、現在はできるだけわかりやすい法文に変えるのが適しているのだろうと思います。そういう観点から言うと現行法はきわめてむずかしい。よっぽどのプロが読んでも食い違いをわかるというのは大変なことだろうと思うわけであります。 ですから、せっかく大臣も一本化についての大変前向な御返事をいただいたわけでありますし、言うならメリット、デメリットを比較するにも、いま言ったように、条文の比較対照がだれでもわかるようでなければ論議しようがないのだということなんです。ですから、いつかそうするではなくて、たとえば向こう五年以内とか、あるいはそうでなければ向こう一年、三年以内に少なくともこことここの点だけは変えていくとか、そういうふうな努力を進めませんと、いつまでたっても一本化案まではいかないだろうと思いますので、ひとつ時間的な区切りを持ちながら御検討をいただきたいと思うわけであります。 さて次に、私学共済と国公共済の関係についてお尋ねしたいと思うのであります。 初めに、掛金率についてでありますが、私学共済における組合員の掛金率は、長期の場合、標準給与月額の、言うなら俸給の千分の五十二・二五、短期の場合千分の三十八となっているわけです。これに対して、国家公務員共済組合である文部省共済組合の場合、長期及び短期の掛金率は、それぞれ私学共済と同じような方法でいった場合に、幾つになるのでしょうか。それについてお尋ねしたい。
○柳川(覺)政府委員 文部共済の場合に、組合員の短期給付の負担は千分の三十八・〇、それから長期給付につきましては千分の五十一・五、両者合わせまして千分の八十九・五の割合でございます。
○三浦(隆)委員 いまの単純な比較によりましても、私学の場合には長期五十二・二五に対して国家公務員共済の場合、いわゆる文部共済の場合は五十一・五でありまして、それだけそちらの方の掛金率が低い、言うならばそちらの方が得をして いるということなんです。 その次に、地方公務員共済組合である公立学校共済組合の場合について、同じようにして長期及び短期の掛金率はそれぞれ幾つになるでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 公立共済につきましては、短期給付が千分の三十六・七、長期給付が千分の五十二・〇、合わせまして千分の八十八・七の掛金率でございます。
○三浦(隆)委員 いまのお答えにもありましたように、地方公務員共済組合である公立学校共済の場合も、私学の場合が長期五十二・二五に対してこちらは五十二・〇、短期は私学の場合が三十八・〇に対してこちらが三十六・七、こちらの方が低いわけなんです。すなわち、私学の場合には国に比べてもあるいは公立的なものに比べても、言うなら、掛金率が高くなっているということであります。このことは、私学共済に属する組合員の負担が高いだけ、いわゆる国公私立間に格差を示すものだろうと考えますが、いかがでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 私学共済の場合、長期給付の掛金率が千分の五十二・二五になっておりますが、このうち都道府県の補助が千分の四ございますので、これを差し引きますと四十八・二五という割合になりまして、この面から見まして公立共済、文部共済に比しまして不利になっているとは必ずしも言い切れない面があろうかと存じます。
○三浦(隆)委員 ちょっとその点の調べを怠ったようでありますが、後ほどもう一度検討いたします。 次に、給付費に対する国庫負担率についてお尋ねいたします。 私学共済における給付費に対する国庫負担率は、長期の場合、退職給付、廃疾給付あるいは遺族給付なんかですが、長期の場合は給付に要する費用の百分の十八、短期の場合は規定がないのですが、国の負担率はどうなっているのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 短期給付につきましては、国の補助負担はございません。
○三浦(隆)委員 それでは文部省共済、いわゆる国家公務員共済の場合についてお尋ねしたいのですが、長期及び短期の場合、それぞれ百分の幾つになるのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 長期給付につきまして、国家公務員共済につきましては、現在、百分の十五・八五の国庫負担がなされております。なお、使用者の立場からの負担が別個にあるわけでございますが、短期給付につきましては、先ほど私学共済につきまして国庫補助がないというのと同じ状態でございますが、国の場合は使用者としての立場もございますから五〇%の負担をいたしておるという、これは使用者責任の立場からでございます。
○三浦(隆)委員 ちょっとよくわからなかったのですが、もう一度お願いします。 私学の場合に、長期が百分の十八、短期の場合は国の負担がゼロ。これに対して国の場合には、長期の負担が百分の幾つで、短期の負担が百分の幾つですか。もう一度済みません。
○柳川(覺)政府委員 国家公務員共済に対します国の負担は百分の十五・八五でございます。なお、短期につきましてはこの国庫補助に相当するものがございませんが、それぞれ掛金につきましては本人と使用者が折半負担するという考え方で、当然でございますが、国の場合はその折半負担分は別個掛金として支出しているということでございます。
○三浦(隆)委員 折半ということは百分の五十というふうに理解できるのですか。
○柳川(覺)政府委員 いま共済制度につきましては千分の七・六〇が掛金総額でございまして、このうち折半負担で組合員本人が千分の三・八〇、使用者である国が同じ千分の三・八〇の負担をい、たしておるということでございます。
○三浦(隆)委員 そうすると、短期の場合も千分の三・八〇は負担しているということですか。
○柳川(覺)政府委員 失礼いたしました。単位を間違えまして、千分の三十八・〇でございます。 この負担というのは使用者の立場からの掛金でございまして、先ほどの私学共済に対する長期給付に対しまして国が百分の十八の補助をしておる、これに見合うところの負担は、短期給付につきましてはいずれも支出されておらないということでございます。
○三浦(隆)委員 私の方ですと、長期の場合には百分の五十七・五、短期の場合に百分の五十という解説書を実は見てきたのですが、どうもむずかしいようで、それとも答えが違うものですから、よくわかりません。短期の場合ゼロとはちょっと思えないのですけれども、また後ほど調べてから質問いたします。 次に、同じように、公立学校共済の給付費に対する国庫負担率について、長期そして短期の場合、私学に準じて言いますと幾つになるか、お尋ねをしたいと思います。
○柳川(覺)政府委員 公立共済につきましては、先ほどお答え申しました国家公務員共済と同様、百分の十五・八五の負担がなされております。県の負担でございます。(三浦(隆)委員「短期の場合はどうなんですか」と呼ぶ)短期は他の共済と同様、折半負担でございます。したがいまして、いまのような特別の国庫負担に相当するところの支出はなされておらないということでございます。
○三浦(隆)委員 これもいま国の負担はゼロだと言うのですが、私の手元の資料ですとそうは書いてないわけであります。これはどっちが正しいのかということが、先ほど来言ったように、規定の読み方というか、大変むずかしいところだろうと思います。後ほどお調べいただきたいのですが、私のは教育年鑑八一年版での資料ということでの説明であります。後ほどやります。 次に、組合の事務に要する費用についてお尋ねします。 私学共済ではその三十五条一項におきまして、「国は、予算の範囲内において、左の各号に掲げる経費を補助することができる。」と規定しまして、第二号に「組合の事務に要する費用」を掲げているわけです。ここでは「補助することができる。」とのみありまして、具体的な補助額が書いてない。よって、わからないわけであります。これに対して、国家公務員あるいは公立の共済の場合によりますと、組合の事務に要する費用は国の負担金百分の百と明記してありまして、全額国庫補助であることが明らかになっているわけであります。言うならば、私学の場合については組合の事務に要する費用というのは「補助することができる。」だけであって、国そして公立の場合には百分の百ということが法律で明らかに書かれているわけであります。こういうふうなことが現実には国公私立間の格差を示していることではないだろうか、こう思いますが、いかがですか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、私学共済組合の事務に要します経費に対する国の補助は、昭和五十七年度現在で見ますと、約二億六千三百万円でございます。事務費総額が約二十三億六千万円でございまして、これに対しまして一一・一%の補助割合になっておる、したがいまして、残りの八八・九%につきましては掛金によって賄われるということで、組合員本人また使用者であります学校法人がこの面を賄っておるということでございます。 一方、国家公務員共済の場合は、それぞれ各省各省の長がその所属の職員を組合の業務に従事させることができるという便宜供与の措置もありまして、実際に福祉事業を除きました組合の事務に要する費用につきましては百分の百の国の負担が実現されておるということで、その限りにおきましては、事務費につきまして組合員の負担はないということでございますので、その限りにおきましての差はあろうかと存じます。
○三浦(隆)委員 このように、組合の事務に要する費用につきましては法律の規定上も実際の取り扱いも明らかに差があるわけであります。 似たように、廃疾給付あるいは遺族給付の場合についても同じようなことが言えるのではないでしょうか、お尋ねをいたします。
○柳川(覺)政府委員 私学共済のいわゆる公務上の廃疾年金あるいは遺族年金に要する費用に対する問題であろうかと存じますが、私学共済の場合は、公務によります廃疾年金及び遺族年金に要する費用も含めまして、長期給付に要する費用全体につきましては折半負担を原則としておるわけでございますが、国家公務員共済の場合は、公務の災害につきましては国が全額負担とすることといたしております。この点から見ますと確かに不均衡があるとも考えられますが、この費用につきましては、昭和五十四年の財源率再計算における数理的保険料率の面から見ますと、国家公務員共済の場合は千分の〇・三程度と言われておりますが、私学共済の場合は組合員がすべて私立学校の教職員であるということから業務上の廃疾、死亡の件数がきわめて少なく、その数理的保険料率は千分の〇・〇〇七という掛金率にはほとんど影響しない程度の非常に低い割合でございますので、形の上では不均衡が制度としてはございますが実質的な不均衡は生じていないのが実態でございます。
○三浦(隆)委員 こうしたことも、先ほど来の繰り返しですが、規定を同じように全部理解していけば大変わかりやすいわけです。過去の経緯、いきさつはもちろんあるのでしょうが、将来のあるべき姿としては同じように国公私立、特に官尊民卑という言葉は戦前的な余りいいイメージを持ちませんのでこれは是正してもらいたいと思うのです。 次に、退職手当等についてお尋ねをしたいというふうに思います。 国家公務員等が退職した場合には国家公務員等退職手当法というのがあってその恩恵を受けることができるわけですが、私立学校教職員の場合にはこのような退職手当法がないのです。どうお考えでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 国家公務員につきましては、先生ただいま御指摘のとおり、公務員制度の一環といたしまして退職手当法が設けられておるわけでございますが、私学の教職員は当然に公務員とは身分関係を異にしておりまして、それぞれの学校法人におきまして一般の給与と同様就業規則、退職金支給規程等をそれぞれが定めまして、これらの規則等に基づいて教職員の退職時に退職金が支給されることとなっておるわけでございまして、各学校法人におきまして雇用の条件として退職手当が定められている私学の教職員につきまして退職手当法を設けることはできないというように考えているところでございまして、私学教職員の待遇の安定と向上を図り、あわせて学校法人の経営の安定化に寄与することを目的として退職金財団がそれぞれ私学の学校法人の関係者の一致協力によって、この財団によって退職資金の交付を行うというような実質的な制度が設けられておるところでございます。
○三浦(隆)委員 ですから、ここに国公私立の格差があるのです。いま言ったように、就業規則なり学校規定といいますか、労働基準法の八十九条一項四号によりましても、就業規則において退職手当に関する定めをせよとはありますけれども、これは任意なのでありまして、書かないから処罰されるものではない、極端に言えば書かなければゼロになってしまってもいいということでありまして、いわゆるそこが法律であれば必ずもらえるのに対して私学の場合はゼロになる可能性を持っているということなのです。少なくとも私学として名だたる、組合もあってというか、しっかりした学校ならばともかくとして、そうでない学校の場合は極端に言えばゼロになる可能性すらあり得る。これはいわゆる教員に限りませんで、民間の会社に勤めにいる者はひとしくこうした不安の意識を持つわけです。その点で生活の安定感といいましょうか、退職手当法という法によっての恩恵を受けるものとそうでないものとの間には明確な格差があるのだと思っております。 次に、公立学校の教職員に対する福利厚生事業を行うものとしては教職員互助団体というのがあるわけで、この設置根拠は条例によるもの、民法法人によるもの、任意団体によるもの等に分かれていろいろであるわけです。しかし、その財源としましては、加入者の掛金のほか地方公共団体の補助金が予定されているわけなのです。私立学校教職員の場合にはこのような互助団体を設置した場合、国あるいは地方公共団体の補助金がないのだろうと思うのですが、いかがでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 公立学校の共済組合におきます福祉事業に要する費用につきましては、組合員とその使用者である地方公共団体が千分の三・五を折半して負担しておるところでございます。一方、私学共済組合におきましては、標準給与の千分の三を組合員とその使用者である学校法人等が折半して負担しておるというその面においては変わりないところでございますが、なお御質問の趣旨は、各都道府県ごとに組織されております互助会についてのことでございますが、この互助会は公立共済組合の補完的な業務を行っているところであり、その費用の一部を都道府県が負担しているところもあると聞いております。しかしながら、互助会につきましては、公立共済組合の各種給付の水準がなお低い時代にこれを補完する趣旨で創設されている歴史的な沿革があろうかと思います。これに対して私学にこの面の互助会が必要かどうかにつきましては、私学としてのこういう形の互助会を全体でつくるということにつきましては、いまのところお聞きしていないところでございます。
○三浦(隆)委員 ですから、ここにも同じように格差があるわけです。片方においてはそういうふうにはっきりと地方公共団体などとの折半が約束されている。私立の学校というのは民間の一つのものにすぎないわけです。しかも、それがどうあるかは保証の限りではないわけであります。そうすると、いざといった場合にいろいろと福利厚生の恩恵に浴し得る学校と余り浴し得ないものとが現実には出てきてしまう。言うならば、見てくれの国公立の教員と私学の教員の給与の問題、そんなことだけではない別の問題があり得るということであります。 時間ですので、次に進みます。 私学共済そのものについてお尋ねしたいのですが、これは先ほど御質問もありました。私学共済の経営内容は少なくとも現在は悪くありませんし、しかもかなり当分の間悪くはないということがはっきりしているわけであります。そこで第一番目、長期給付に対する国の補助率は、私学共済に対して昭和三十年四月から四十一年九月までは一五%、四十一年十月から四十七年三月までが一六%、四十七年四月から現在が一八%となっておりまして、たまたまいまの行革のというか厳しい時期だけ問題点がかかっているわけです。しかし、一五、一六、一八と一貫して上げ歩調にあるということは大変結構なことでして、私学を尊重している一つのあらわれと受け取れるわけであります。 そこで、それならば国の財政が立ち直った暁には一五、一六、一八にとどめずにさらに進んで一九%、二〇%と改定していくことが方向としては望ましいと思うのですが、いかがでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、国会での附帯決議の趣旨を踏まえまして鋭意努力をしてきたところでございますし、財政再建の期間が終了した後におきましては、この附帯決議の趣旨を踏まえた努力をさらに重ねる課題であろうと考えております。
○三浦(隆)委員 続きまして組合の掛金率なのでありますけれども、昭和四十年七月以来千分比にしまして三八、四一、四六、四九、五二・二五と上がってきておりまして、これは決して好ましいことではないと思うのです。三十八、四十一、四十六、四十九、五十二・二五と、一貫して組合員の負担が大きくなっております。一方、先ほど来言いますように長期経理の収支状況というものは、単年度であれ累積的にしろ、かなりの黒字になっているわけでして、この点からも掛金率はむしろ引き下げの方向に向かって検討すべきものではないかと思いますが、いかがでしょう。
○柳川(覺)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたが、私学共済の財政の安定化、健全化、また教職員が安んじて教職に専念できる、その面の短期給付、長期給付、特に長期給付につきましての安定化を図るというために御指摘のような掛金率のアップをいたしてまいりました。その結果におきましても、他の共済の全体の掛金率から見まして必ずしも高いものではないということの実態でございます。さらに将来の財政需要を見越しまして、長期にわたりましてこの面の安定化を図っていくという必要性が共済制度の基本でございますので、いま当面安定、健全化が図られておりますが、二十年、三十年先にはやはりこのままでは赤字が生ずるという状態が予測されますので、いまの掛金率をそのまま一気に下げるということは必ずしもいま取り組めない問題ではないかというように感じております。
○三浦(隆)委員 とにかくこの激動の社会にあって三十年先まで考えているということは、考えないよりかはいいことかもしれないけれども、余りと言えば考え過ぎなんだろうというふうに思うのです。とにかく二十年、三十年先までは考える必要はない。むしろこれが五年先、十年先、目前でわかっているというのならまだしものこと、しかも、現在時点で短期経理の収支を見ましても百八十七億何がしという黒字が出てきているわけです。これがこれから先何年にもわたって黒字になっていくと、これは大変な黒字です。しかも今度は保有資産でいきますと、四千六百八十億円からの保有資産の黒字をすでに形成しておりまして、これまた先行きやっていったらば気の遠くなるような黒字がむしろ見込まれてきているわけです。 そうするとこういう保有資産、福利厚生事業もさることながら、こういう施設をつくることによって、だれがどこに、いわゆる役職員が決まり、どういう給与をもらうのか知りませんけれども、余り一般の組合員にはプラスしなくなってしまう。本来組合員に対するプラスを考えるならば、これほどの莫大な黒字をつくるくらいなら掛金率を引き下げる方が、少なくともこの行革のさ中、この苦しい時期だけでも下げるべきなんじゃないか。せっかく持っている貯金みたいなものですからね。貯金というのは困ったときにおろせるようでなきゃどうにもならないわけです、そんなもの。せっかくある金を一方的に何千億もほっぽらかしておいて、だれかの人間を養っていることになるかもしれないが、組合員にはプラスにならない。それよりもいま言ったように掛金率を下げる方が、方向性としては妥当だと思うのです。 そこでもう一つお尋ねいたします。 昭和四十九年四月一日の時点で慶応大学、早稲田大学、法政大学、明治大学、立教大学というのはこの私学共済に加入しない。いわゆる未加入校、五十九校、教職員数一万四千五百十一人というふうに言われておりまして、まず、それが現在どのようになっているのか、あるいはそうした大手の大学はなぜ未加入なんだろうかというふうに考えまして、私もそこの学校の出身であり、そこに尋ねた。掛金が安くて給付内容がよければ別に入る必要はないじゃないか、こういう答えが出てくること自体に掛金率の引き下げを検討すべきなんじゃないかというふうに私は思いまして、それをお尋ねしたい。
○柳川(覺)政府委員 何よりも長期給付事業につきまして、きわめて長期にわたりましてその健全化、安全化が図られることが一番の基本でございます。年金財政の収支も二十数年後には赤字に転ずることが予想され、また今後の年金受給者が急増することが見込まれる状況におきましては、必ずしも掛金率を引き下げることが、他の共済に比しまして異常に高い掛金率であるというような状態であれば別でございますが、現在この面につきましては下げることは必ずしも適当でないという考え方を依然として持っております。 それから未加入校の状態でございますが、これにつきましては、四十八年に改めて適用除外校につきまして加入する機会を与える措置が講じられたわけでございますが、なお加入をしておらないところがございます。これらにつきましては、いわゆる掛金につきまして組合員の負担割合よりも設置者である使用者側である学校法人が負担割合を高くしておるというような面からの実態がございまして、この加入につきましてはそれぞれの会員の過半数の同意を得ることが必要でございますが、その面が必ずしも得られないというようなことが端的に実態としてあるわけでございまして、これはそれなりにそれぞれの学校で年金等が進んでおるところでございますので、いま私どもはそれはそれなりに認めていくということでおるところでございます。 なお、全体につきまして、国家公務員の共済等との関係でいろいろの違いがございます。その違いにつきましては、形式上見ますと違いがございますが、それは国家公務員である、あるいは地方公務員であるという立場、それとさらに自由であり、かつその上に公共性を保つという私学の特性というものを十分生かした制度のあり方を常に尊重し、考えていくという面からの施策もあるわけでございまして、個々の退職金の額等につきましては国家公務員よりも私学の方が実態としては高いというようなことの実態的な差はそれぞれありますから、制度的な差につきましてできる限りの均衡を保つ努力をするということが行政の責任でございますが、またそのことが、ややもすると私学の独自性等に阻害を来すということがあってはならぬということもあわせ考えてこの面の問題に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○三浦(隆)委員 国家公務員の立場、私学の立場の違いというふうに言われましたが、それを強調するとむしろ官尊民卑になりやすいわけであります。同時に、私は、私学の中でも大きな私学と小さな私学というふうな格差もなくしていかなければならない、言うならば、よほどの合理的な理由があればともかく、そうでない限りはできる限りなくしていくという方向が望ましいのだと私自身は考えているということであります。 最初の質問に戻りまして、大臣の御答弁をいただきましたように、まず各法律の条文を大変わかりやすく、だれでもが読んでわかるように、比較対照がだれでもすぐ可能なように書き直してもらうのを第一段階として、その上でいろいろな背景その他を踏まえながら比較検討をしまして、一本化することが望ましいのであればできる限り早い時期に一本化してほしいということをお願いいたしまして、時間ですのでやめたいと思います。
○青木委員長 次回は、来る十四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十分散会