文教委員会 第13号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/28
会議録
○青木委員長 これより会議を開きます。 石橋一弥君外三名提出、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案及びこれに対する石橋一弥君外三名提出に係る修正案を一括して議題といたします。 本日は、参考人として日本私立幼稚園連合会理事長友松諦道君、全国学校法人幼稚園連合会会長青柳義智代君、全国私立幼稚園連盟常任理事有馬米子君及び玉川大学文学部教授日名子太郎君、以上四名の方々に御出席を願っております。 委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。御案内のとおり、本委員会におきましては、目下、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案を審査いたしております。つきましては、参考人各位の御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、参考人におかれましてはそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、議事の都合上、初めに参考人各位から御意見をそれぞれ十分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願うことにいたしたいと存じます。 それではまず、友松諦道参考人にお願いいたします。
○友松参考人 お呼び出しいただきまして、ありがとうございました。 まず、私どもの団体の立場を少し御説明させていただきたいと思いますが、私立の幼稚園の団体といたしましては一番古い団体で、戦後、現在の全私学連合、旧私学総連合の一員として生まれた団体でございます。現在、全国に八千七百ほどの私立の幼稚園がございますけれども、そのうちの七五%が加盟なさっておられるわけでございまして、勢い学校法人の園もございますし、また宗教法人の園もあり、個人立の園もある、多少言葉をかえて申しますと、今日の話題でございます志向園、学法園、またその他の百二条園、こういう形でそれぞれ私どもの団体に入っていらっしゃるわけでございます。ただ、私学振興助成法をつくっていただきましたおかげで学校法人化が大変促進されまして、現在、全国の私立の幼稚園の六〇%は学法になれたわけでございます。当然私どもの団体もそうした学法園が多くなりまして、先ほど申し上げました七五%の私立の幼稚園の方々が入っておられる。そして、その中には学法園それから志向園、また百二条園もございますけれども、全国を多少分けて考えますと、それぞれの都道府県に会長というのがいるわけでございますが、その会長あるいは理事長に推されている方は九五%がもう学校法人の園の方でございます。役員も、先般調べましたところ八〇%が学校法人の園の方々でございます。評議員だけが約六〇%が学校法人という形で、大体が学校法人の園が非常に多くなってきている。これは私立全体の傾向から見て当然のことだと思います。 そこで、この私学振興助成法が成立いたしまして、私ども鋭意全国の園の学法化の推進に努めたわけでございますが、わけても志向園措置というのは大変ありがたい措置でございまして、今回問題にはなっておりますけれども、一年の猶予期間を置いて五年の期間ずっと助成金をちょうだいいたしましたために、本年最後の年になっておるわけでございますけれども、その約六〇%はもう学法になっておるわけで、ただ、まだ学法になり得ない、問題を持っている園が四〇%ほどあるということでございます。この四〇%の園のことも、実は私どもは志向園、百二条園もございますので、すべての園のことを考えなければならない。本来学校法人の園の方が多いわけですから、すべて学校法人になるというたてまえから考えますと、法の成立から考えましても、今回ともあれ皆学法化していただきたいという考えはそれぞれ持っていないわけではございません。しかし、現実にそれぞれの園の調査をいたしますと、やはり設置基準等でなかなかなりにくいという園がございます。あるいはまた宗門の関係で学法化がまだできないという園もございます。あるいはまた都会のドーナツ現象化でいろいろな意味で不安感を覚えて立ちすくんでいる園もないわけではございません。特に私どもが一番心配しておりますのは、古い園ほど基準に満たされておりません。新しい基準というのはその後できておりますので、ですから長い間日本の幼児教育を支えてきた方々の園がこの四百のところに取り残されているわけでございます。また、宗門等で学法化したくてもまだその了解が取れずにいるところもあるわけでございまして、何とかこういう問題を国の力、先生方のお力もかりながら、私どもも努力をしてその障害を乗り越えまして、すべての園ができるだけ早く学法化すべき方向に進んでいきたい、このように考えております。 今回お呼び出しいただきまして大変ありがたいと思いますのは、そういう実態の中で私ども処理に苦しんでいる面がございますので、何とか先生方の御理解、御了解のもとによき御指導を賜ればと思っておる次第でございます。 以上、団体の性格から申しましてこれは一番中庸を得たお願いであろう、こんなふうに私は考えておりますので、そんな形でお受けとめいただきましたら大変ありがたいと思います。 以上でございます。
○青木委員長 次に、青柳義智代参考人。
○青柳参考人 本日は、参考人としてお呼びいただきまして、まことにありがとうございます。 実は、もうすでに皆さん御承知のことと思いますけれども、私立幼稚園は三つの団体に分かれているわけですね。皆さんの方からはたびたび、何とか一緒になったらどうかというお話がございます。しかし、この三つに分かれたというのは、単に感情的な理由からでなくて、やはり設置者の違いから分かれたわけなんですね。私はよく皆さんに申し上げるのですけれども、私鉄と国鉄と二つありますね。同じように旅客を電車に乗せて運んでいる、そして共通のいろいろないわゆる規制を受けております。しかし、外観は、やっている仕事は同じでも、やはり設置者が違いますので全然関係がないのですね。そういうことで、私鉄と国鉄と同じ仕事をしていながら性格が違う。学校法人幼稚園も設立されたのはそういう理由からでありまして、単に気に食わないとか感情的な考え方で分かれたわけではないということで今日まで来ております。もう一つは、われわれの団体にしても、一年の会費が一億円以上も入るわけですね。そして、事務局長以下六人も七人も人を抱えている、ここまで来てしまいますと、先生方も心配していてくださるように、では解散して一緒になったらどうかとか、うちの団体は古いから帰ってこいというようなことではなかなか解決しない、こういうことで、皆さん方に御心配をかけて本当に申しわけないと思いますけれども、そういう事情を御理解いただきたいと思います。 なお、学校法人幼稚園といたしまして、このたびの法改正については先生方が大変御苦心いただいて、学法化のために三年延ばすことが適当だということで改正をしていただくことになるわけですが、しかし、果たして三年延ばして学法は促進になるかどうか、私はちょっと疑問なので、先生方がそういうふうな三年延長ということが学法が促進になるということでしたら、どうぞその点十分御尽力いただければ幸いだと思います。 なお、立ちましたついでに、学校法人私立幼稚園の問題について、従来から考えていることを一言だけ申し上げます。 私、実は、私学に関係してことしで五十四年になります。そして、短期大学とか小学校の関係の役員もしたことがございますけれども、ずっと主として私立幼稚園に関係して今日に来たわけです。私が最初に幼稚園に関係したときに考えたことは、子供はいつでも入れるのですね、いつでもやめていいことになっている、したがって教育機関として考えられないのですね。教育機関ということになると、四月から始めて翌年の三月まで一年、もしくは二年ですね。そういうふうな一つの区切りの中で、子供の教育に対してのカリキュラムを持って教育をしていくのが教育機関だ。ところが、幼稚園はそういう形ではないのですね。ですから、ひとつ何とかして幼稚園も教育機関として成長しなければいけないのだということで、別に宣伝するわけではございませんけれども、そういう点で私も努力してきた。 そして今度は戦後になりましてから、私立学校法、あの法律が出まして私立幼稚園も学校法人になりましたら、上は大学から下は小学校まで、本当に同列の教育機関になれるのです。そういう点で私は、私立学校法の施行というものに対して、私立幼稚園の立場から、本当に画期的な地位が与えられたということで、非常にうれしく思っております。 しかし、それがだんだんだんだんおかしくなってしまって、学校法人でなくても経常費助成というふうな形で、学校法人と学校法人でないものを区別しないで、同じように経常費助成をいただける。これについて私はやはり、私立幼稚園というものがいままで努力して、何とかして私立幼稚園も私立学校として本当に一人前になることを希望して今日まで来ているわけなんですが、どうもその点でこのごろおかしくなってしまったと思うのです。もし学校法人以外の幼稚園に対して助成をということでしたら、学校法人と同じような扱いでなくて、別な法律か何かでそういう人たちを救っていただきたい。また、一生懸命に学校法人というものになることによって私立幼稚園の地位を高めてきた、ここへ来てから一緒に扱われるということに対して、私は衷心から残念に思っておる次第でございます。 皆さんに御参考になったかどうかわかりませんけれども、以上、感じたことを一言述べさせていただきました。
○青木委員長 次に、有馬米子参考人。
○有馬参考人 全私幼の有馬でございます。この席には、父母代表とともに座らせていただきたかったと思っております。なぜなら、すべての幼児に光の当たる教育行政をやっていただきたいという大きな目的で、私どもは、私学振興助成法が成立して以来、ともに手を携えて運動をしてきたからでございます。今日のこの委員会の成り行きを本当に祈るような気持ちで見守っております全国の数百万の父母がいることを、どうぞ先生方、知っていていただきたいと思います。どうかこの父母たちの願いをお酌み取りいただきまして、その願いの実現への重要な布石としてのこの法案をどうぞ実現してくださいますようにお願い申し上げます。 私は今回、この委員会の傍聴や諸先生方への陳情で、政党を問わずどの先生方も、日本の全部の子供たちのことを非常に大切に考えていただいて、そしてこの法律の恩恵にいまだに浴していない大ぜいの子供たちのことを御心配していただいていることや、幼児教育の抜本的な見直しをお考えいただいているということを知って、本当にありがたく、心強く、そしてうれしく存じました。 子供たちは、それぞれ独自の能力の芽を持って生まれてきております。その能力は、適切な時期に適切な指導を受けることによって、すばらしい発達をするものでございます。そして、乳幼児期はその大切な時期に当たります。幼稚園の教育は、本当に大切なものだと考えております。 その子供たちの個性に合った幼稚園の選択は、親にとって非常に大切なことであり、その選択の自由は、憲法によって保障された大切な国民の権利だと存じております。その意味合いから申せば、三歳児の就園奨励金も、大変財政が厳しい折ではございますが、その方面へのお心遣いもぜひ賜りたいというふうに考えております。どうぞ皆様の御愛念によって、どの子も、どんな貧しい家庭の子でも、また心身に障害を持った子でも、希望する幼稚園の教育を胸を張って受けられるような教育行政をぜひとも実現させていただきたい。これは私どもの力ではどうすることもできません。立法府でいらっしゃる議員の皆様方のお力におすがりする以外に道はないのでございます。 さらに、教育は担当する教師の質によって大変な違いが出てまいります。現在の制度の中では、初任給はともかくとして、年次加算給は公立とは大変な違いが出てまいります。これはいまのこの制度の中ではいたし方がないと存じておりますが、同じ国民の教育をしているその担い手である教職員へ、本当に社会通念上適当であると思われるような給料をやってやりたいなというふうに思っております。 わが国の幼稚園の歴史は百年になりました。いま教育の荒廃が叫ばれております。日本の教育の原点であって、そして今日のわが国の繁栄のもとは寺子屋教育にあったとも言われております。一人一人を大切にした、その手づくりの保育は私も本当に大切なものだと考えておりますが、そういう教育が見直される時期に来たのじゃないでしょうか。現在わが国において宗法、個人などにとりわけその原型が残されているように見受けております。そのことをどうぞもう一度お考えいただきながら、二十一世紀の担い手である子供たちのためにすばらしい幼児教育の行政が、三年と言わず一日でも早く実現してくださいますよう、全国の父母、それから百年の一番長い歴史を持った幼稚園の園長、また設置者とともにお願い申し上げる次第でございます。 本当にありがとうございました。よろしくお願いいたします。(拍手)
○青木委員長 次に、日名子太郎参考人。
○日名子参考人 おはようございます。 保育学並びに発達心理学を専攻する立場から、この問題について私の意見を述べさせていただきたいと思います。 お手元に横けいの用紙で、上半分に数字を書きましたものが配ってございますので、それを用いながらお話を進めていきたいと思います。 昭和二十一年三月、つまり戦争が終わりまして幼稚園が新たな形で発足をしましたときに、そこに書いてございますように千三百三園、そのうちの私立が六百七十六園であったわけです。そして、そこに来ております幼稚園の園児が非常に少ない十四万三千七百二人、その中の約半分を私立の幼稚園が、その戦後の発足当時において占めていたわけです。以後、法律並びに通知の中で、きょうの問題に非常に関係の深いものを拾いながら、その年における幼稚園の状態というものを右側に一応記載してみました。 まず、翌年の二十二年の五月に学校教育法の施行がございまして、そのときの五月一日の数はそこに書いてあるとおりでございます。さらに二十四年に私学法が成立しまして、いわゆる学校法人の問題が強く表に打ち出されてきたわけであります。その当時を振り返ってみますと、私立の幼稚園が、非常に小さい規模で、しかも何の助成もなく、少ない園児で大変な苦労をしながら幼児の教育というものを戦後支えてきました。 そうしまして、その後三十九年になりまして、幼稚園教育の振興について幼稚園設備費補助金の交付が始まっております。そしてさらに四十五年になって、人件費を含む運営補助費新規算入ということで、さらに補助が増してきたわけであります。しかし、そのころを考えてみますと、幼稚園の現状というのは、事実まだまだ助成は十分に行われていたわけではございませんし、また個人立の幼稚園あるいは宗法の場合などは、国税庁あたりからの税金攻勢もございまして、非常な苦労をしていたわけであります。 そうしまして、四十八年に幼稚園教育振興計画要項というのが初中局長の通知によって出ました。これは私は非常に注目しなければいけないと思いますのは、当時の試算が、その下に左側に矢印が書いてございまして、ことしの、五十七年の四月当初に必要な幼稚園の数というのを、その昭和四十八年当時に初中局において算出をしておられるのですね。幼稚園の数を、そこに星が二つ書いてありますように一万七千五百二十七園というふうに算出されております。そして、その中で国公立の占める割合が八千四百八十園、それに対して私立が九千四十七園、そしてそこに入れられる子供の数は三百三十六万人という膨大な数を試算されているわけであります。 私は、別にこれを責めるわけではございません。つまり人口推計そのものも誤りが出ておりますので、これを責めるわけではございませんが、かなり読み違いがここにあるわけです。そして、もしこのような数が今日建っていたとしたならば、この園児の激減する状況下においてさらに困った問題がいろいろ出ていたのではないかというわけでございます。 ところが、この中でそのすぐ上の五十六年五月の統計と比べてみますと、国公立関係におきましてはその八千四百八十まで到達するのにかなりの差があるわけです。ところが、私立の幼稚園はわずか百数十しか推計との間に誤差がない。つまり、私立幼稚園はどんどん振興計画の必要幼稚園数に近づいたような状態に育ってきてしまったのにかかわらず、国公立の方は育たないで、実際の推計値よりも非常に少ない形しかできていないわけですね。この辺にもやはり許可条件その他における形で、もう少し人口の問題と見合ったことが行われていれば、それほどの数に私立もふくれ上がらなかったのではないかと思われる点がございます。ただし、これは一律的に考えればの話であって、部分的に、事実人口のふえているところでは、やはり幼児教育をだれにでも受けさせたいという念願からいえば、ふやさざるを得ないという実情があったことは認められますけれども、やはりそこでかなりふえてしまったということです。 さあそこで、きょうの案件でございます三年間延長するかしないかということについての意見を述べるための基本資料としてこれを私提示をしたわけでございますが、まず言いたいのは、幼稚園という学校教育法の中における学校と、さらに他の小学校以上大学に至るまでの他の学校の種類との価値感ということを比較した場合に、両方とも学校法人に全部なってほしいということは、いわゆる学校関連の原理から考えても、幼稚園だけが法人化されていないということに対しては、やはり片手落ちであるというふうに一応考えます。そのためには、今日法人化されていない幼稚園に対して何らかの補助をくださって法人化を促進するということで、ことしの三月まで来たわけであります。そしてなおかつ、まだ法人化されていない志向園がかなりございますので、それを三年間延長してということに関しては、私は一応趣旨としては賛成でございます。 しかし、そこで私は個人的に条件をいささか考えさせていただきたい。つまり、三年間延長するについて、この際、やはりこの三年間でもう再度延長はしない、そしてさらに今度の三年間延長をするために、その助成金を受ける園からは、やはり誓約書もしくは念書のようなものをもって、そして三年後必ず法人化するといったような処置が必要ではないかと思考いたします。 しかし、私もう一つ言いたいのは、先ほど戦後の話をしましたのはなぜかと申しますと、あのころに苦境の中で何の補助もなしに私立幼稚園を支えてきた人たちの園が、この志向園にすら入れない園もたくさんある。つまり、もうすでに自分の方で見きわめをつけてしまったといいますか、あるいはいろいろな条件下で、苦しくて志向園にすらならない百二条園というのがございます。これに対して何らかの手をやはり同時に差し伸べるべきであると私は思います。 しかし、その場合の振興法は、当然いまのものと同じレベルでやることは法的に無理があると思いますので、何らかの別の処置で百二条園に対してもやはり三年程度の期限を設けて、同時にその苦労に対して報いていくということが、私は幼児を考える者として非常に重要ではないかというふうに考えるわけです。 それで、その二つの条件ですね、つまり、この法律延長に関しては、それを受ける方たちに、もう三年間以上は延長しない、そして必ずなるという念書なり誓約書のようなものをいただくということが一つ。同時に、これを延長するからには、同じ仲間で、これまでに、戦後非常に苦労をして、そしてここまで来て、しかもどうにもならない状況下にあるということを考えた場合に、これに対して何らかの形の助成をもし先生方のお力でできるならば、私は第三者として非常に喜ばしいと思います。 と同時に、四十八年の振興計画によりまして試算がなされて、それが非常に膨大な数の試算をした、そしてこれは人口の読みの誤り、あるいは読みの誤りではなくて、むしろどういう現象かわかりませんが、五十年から急激に減少してきた実情というものは、幼稚園のみではなくて、いろいろな業界にも影響を与えているわけです。そのようなはかり知れない人口の増減というものを考えた場合に、いささかこの読みに計画的に甘さがあったのではないか。そうすると、それは行政の側の一つの読みの誤りということがあって振興計画が進められてしまったのではないか。そうすると、それに乗っかって幼稚園を建てた人たちが、いま人口が減ったことによって非常に苦労しているということもやはりお考えの中にお入れいただいて、この法案を考えるべきではないかというふうに私は思考したわけでございます。 以上、時間がございませんので、一応私の考えていることを資料に基づきまして説明をさせていただきました。 ありがとうございました。(拍手)
○青木委員長 これにて参考人各位の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○青木委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て御発言を願い、また委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、さよう御了承ください。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西績介君。
○中西(績)委員 参考人の皆さんには、大変御多忙の中に、こうしてわれわれ御意見を聴取するに当たりましておいでいただきましたこと、心からお礼を申し上げます。時間がございませんので、きわめて限られた内容になってくるわけでありまして、失礼な質問になるかと思いますけれども、この点についてはお許しをいただきたいと存じます。 そこで、まず第一に、いま日名子教授の方から開陳ございましたけれども、昭和二十二年に学校教育法、そして二十四年に私立学校法、教育基本法の第六条に基づき学校教育法第二条、私立学校法第二条、三条、こうした点が明らかにされてきて、学校として位置づけをするならば法人化されなくてはならないということが明らかにされておるわけでありますけれども、この点で、それぞれ日私幼、学法幼あるいは全私幼のお三方、どういう御意見をお持ちであろうかと思っておりますので、この点についてお認めいただけるかどうか、お答えをいただきたいと存じます。
○友松参考人 ただいま私学法の中での学校法人の問題でございますけれども、私ども団体といたしましては、学校法人がたてまえとして、学校運営に役立っていくために、そうした姿勢をとるべきであろうということは基本的に考えております。 ただ、百二条という個条によりまして「当分の間、」学校法人でなくても運営できるという、こうした条令がございますので、多くの園はその条令に従って幼稚園を新設されておるわけでございまして、今日、私学振興法によりまして学校法人に切りかえるところに問題を持ってきておるわけでございます。 実は、その学校法人の問題でございますけれども、大学も学校法人でございますし、それから幼稚園も学校法人でございます。同じような単位で、しかし大変な規模の差があるわけでございます。ですから、幼稚園における学校法人の問題をお受けとめいただきます場合には、ぜひとも、小さな幼稚園の学校法人化であり、その法人化を済ませた園であり、またその法人化に何とかたどりつこうとしている園であるという、こういうお考えをぜひお受けとめいただきたいと思います。 と申しますのは、大法人でございますと、たとえば幼稚園が成り立たなくなりました場合には他の学校に吸収することがさして困難ではございません。その点、小さな幼稚園が学校法人化いたしました場合には、それこそ背水の陣で臨んでおるわけでございまして、特に先ほど日名子先生から御説明がございましたように、急激な人口減あるいはまた地域によっての過疎化、あるいはまた公立幼稚園の思いがけない新設、あるいは保育所も公私を合わせての、やや幼稚園との調整を欠いた新設、こういうものが今日続いておりますところに、私どもが非常な困難に直面しているわけでございます。そのために、学校法人の方々が圧倒的に多い私どもの団体におきましても、志向園としてまだ学法化できぬ園のことも考えざるを得ない。あるいはまた、今日は実はその問題が主であろうかと思いますので、他の説明は省略させていただいておりましたけれども、そのほか、百二条園として、志向園にもなり得ない園がございます。これは二千三百現在ございます。この二千三百の園は、志向園にもならないのではなくて、なれない場合もございます。 たとえば、端的に申しますと、東京都のような場合ですと、八百ほど百二条園がございますけれども、五十五年度から志向園に対する経常費補助が実施されました、五十五年度の園数はわずか三十カ園でございます。それだけでございますので、八百——当時九百に近い百二条園が、学法化しようにも審査が厳しくて学法化できないということがございます。先ほどちょっと御説明申し上げましたように、設置基準等がそこに絡まってくるわけでございます。それから五十六年が、その三十園を含めてわずかに百カ園でございます。そして五十七年度も、これからの予算でございますけれども、これもわずか百カ園でございます。すべて前の年度を含めてのことでございますので、そうなりますと、他の八百の園にしても、志向園になりたくてもなり得ないという問題も実はございますので、こういうこともひとつ御配慮の中に入れてお考えいただきたいと思います。
○中西(績)委員 大変恐縮ですけれども、時間が大変限られておりますので、私のお願いをした分だけ簡単にお答えいただけませんか。
○青柳参考人 先ほど申しましたとおり、やはり幼稚園が学校教育法によって学校の系列に入り、しかも私立学校法によりまして大学以下私立学校として正真正銘の同列の扱いを受ける資格を得たわけなんです。そのため今日のように幼稚園が盛んになったわけなので、私はそれを大事にしたい、こう思います。ですから、もし学校法人になれない場合はやはりまた別途に政策を立てていただきたい。学校法人と学校法人以外の幼稚園を同じような対象にして経常費を助成なさるということに対しては私はちょっと納得いかないのです。これが私の長年の悲願、私立幼稚園というのは相手にされない時代から今日のように社会的また教育的に権威を獲得したというのは、いわゆる私立学校法並びに学校教育法、学校法人ですね、こういうふうなものの一連の結果だ、このように思っておりますので、私はやはり私立幼稚園としては学法化すべき、全部なるべきだというふうに考えております。
○有馬参考人 お答えをさせていただきたいと思います。 確かに法律ではそのように規定をされていると思っております。また、私どももそういう努力をさせていただいております。ただ、いろいろそのときどきの行政というのが大変変化をしていく、その変わりようについていけない園が多々ございます。私の知っている幼稚園は幾つもございますけれども、まず私は四十二年に認可を受けました。その二年くらい前からでございますけれども、実は学校法人で設立をしたいといって県へ届けを持っていかれた園がございます。そうしたら県のお役人さんから、まだうまくいくかどうかわからない幼稚園をもし法人で設立を認可してしまうと、やめたときに困るので、個人でやりなさいといって指導された園がたくさんございます。また私は、実はそのときに学校法人という制度のことを知らないまま県へ認可を受けにいったわけでございます。というのは、個人的なことになって大変恐縮でございますけれども、私は無認可の園へ、先生がいなくなっちゃってどうしても困るからということで参りました。何百年もたった大変古寺でございまして、こんなところで教育できるかしらと思いましたけれども、そこへ行きました。そしてやはり公認を取るべきだと思ったのです。施設設備がきちっとしてないとできない教育というのがやはりございました。教育というのは人だということを私は信条といたしておりますけれども、やはり施設設備がきちっとしてないとできない。子供の教育にとって大事なことだから私は公認を取ろうと思った一番のきっかけは、ある父兄が泣いてきました。先生、くやしい、ある公認のところへ行っている父兄から言われちゃった、あんなお寺の幼稚園に行っているのにお弁当のおかず考えるのかしら。私はそれで認可を取ったのです。公に知事さんが認可をしてくれたのです。そのときに、私は本当のことを申し上げまして学校法人というものがあることすら知りませんでした。でもそのときいろいろな園から大変妨害を受けました。そしてそのとき役人さんがこう言いました。先生、おかしいね日本は、土地や建物がちゃんとしていてそして計画がきちっとしていると認可がおりるんだね、ヨーロッパへ行くと、フランスあたりでは国や県がこの人は幼稚園をやることが大変望ましいと思ったら、土地や建物をやって認可をするのですよ、そしてそれで法人を組むのですよと言われた。初めに日本は土地ありきだねと言われたのです。私は、けれどもやはりいま子供のために法人化すべきだということで、これは子供の教育ということはちょっと別かもしれませんが、父兄負担ということを考えますとそうしなければいけないならということで一生懸命努力をしている最中でございます。ほかの園のことはよくわかりません。
○中西(績)委員 それでは日名子教授にお聞きします。 いま大体皆さん御意見ありましたけれども、先ほど害われました法人化されてない園で三年延長、これに助成することは賛成だと言われるその理由ですね、ここがやはり一つの問題になろうかと思っておりますので、この点簡単に触れていただけますか。
○日名子参考人 この三月まで助成を受けていて、なれなかった園に対して三年間延長するということでございますね、いまの御質問は。 これは過去の実情からいって、五カ年間という期間で努力をしたのだけれどもどうしてもなれなかったということがあれば、あと三年程度の余裕はあっていいのではないか。ということは、人口が減っております。そうしますと、これに対して先ほどからの参考人の意見の中にもございましたように、一方で非常に危惧感があります。その危惧感を乗り越えても法人化したいかといういわゆる試練の立場にこの三年間は置かれると思います。なおかつ、それでも乗り越えてなりたいという方があれば、これは一つの踏み石を越えたことになるというので、まああと三年ぐらいは延長してさしあげてもいいのではないか、ただし、先ほど申し上げたように条件つきでございます。その条件は、誓約書をとるなりして、そしてもう今後の延長は一切ないという条件附帯つきにおいてということでございます。
○中西(績)委員 日私幼の方にお聞かせいただきたいと思うのですけれども、五十三年度に日私幼で出されました要覧がございますが、その中に、文部省、大蔵省、内閣法制局、衆参法制局の間で、合意されているのでお知らせしますという文章がありまして、要覧の中にそうしたものが示されています。これは文部省、大蔵省、内閣法制局、衆参法制局、こういうところでこの確認を果たしてしたかどうか。この点確実性をお聞きするわけでありますけれども、日私幼が発行される以上、そうした点について確認がされたものと私は思いますけれども、この助成措置について、内容についていろいろな説明がされておる文書が出ておりますけれども、この点はどうでしょう。されたのでしょうか。
○友松参考人 お答え申し上げます。 いまお尋ねいただきましたことは、私もいまここではっきり申し上げるだけの資料といいましょうか記憶がございませんですけれども、ただ、私の経験をいま振り返りまして、それぞれのお立場から私はお話を承ったという記憶もございます。 そこで、いま日私幼の要覧にあらわされておりますものは、恐らくそのとおり先生がいま御確認になりましたような形ですべての手続は済んでいると思います。 以上でございます。
○中西(績)委員 実はこれは五十二年の二月一日に「経常費助成費補助金の基本的事項について」という文書で出されておるわけです。ですから、一応ここの下の方にいま私が申し上げた各省庁並びに法制局の間で「次のとおり、合意されているのでお知らせします。」という文章になっているわけです。この点が、後々いろいろ問題がありますのでお聞きしたわけですけれども、この点は、いろいろなところがお聞きになったということで理解をしてよろしいでしょうか。——それでは、全私幼の方にお聞きしますけれども、こうした「経常費助成費補助金の基本的事項」、この中に、学校法人にするためのものではないとか、いろいろ説明書きがしてあるのです、これは日私幼の資料なんですけれども。全私幼の方でも、そうしたものについて確認をし、それぞれ加盟の幼稚園にそうしたものをお流しされたのかどうか、この点どうでしょう。
○有馬参考人 お答えをいたします。 私どもでは、その当時ではそういうような資料はなかったと思います。ただ、そういうお話を伺ったことはあると思います。
○中西(績)委員 最後になりますけれども、学法幼の方にお聞きしますが、実際に学法化する場合に障害になっておると思われるものですね。私たち考えますと、五十一年に設置基準なりの緩和措置がいろいろされ、それ以降二回ばかりされておるわけでありますけれども、それによってある程度——先ほど日私幼の方が言われました、したくてもできないという、こうした状況があるということの指摘があったわけでありますけれども、そうしたことが本当にあるだろうかということですね、この点どうなんでしょう。
○青柳参考人 お答えいたします。 私は、学校法人になる阻害要件、これはほとんどないのじゃないかと思っております。と申しますのは、何としても学校法人にする場合には資産を寄附しなければならない。都会などでは、ちょっとした幼稚園でも敷地は二、三百坪ありますから、一億以上、二億、三億なんという金額になりますので、ちょっと踏み切れないのじゃないか。いわゆる寄附の問題です。 それからもう一つは、やはり子供の減少の問題があります。しかし、私立学校の設立ですから、やはりそのぐらいは、本当にやるつもりがあったら、全部乗り越えて学校法人にすべきだ。そういうことで、いわゆる気持ちの問題で、やる気がなければ、これはいつまでたったって学法化しないと思います。恐らく、ほとんど阻害要件というのは、本人自身のいわゆる教育的な良心の問題だ、私はそのように考えております。
○中西(績)委員 時間が来たようでありますが、最後に日私幼の方にお伺いをいたします。 五十一年十二月二十四日に「幼稚園を設置する学校法人の認可基準等について」というのが文部省の方から流されていますね。これを見ますと、 「学校法人の基本財産の認可基準」、それからその中にア、イ、ウとありまして、三項目細かく規定されています。さらにまた二番目に「学校法人設立の際の負債等について」、それから三番目に 「役員の選任について」、四番目に「幼稚園設置基準の適用について」、この中に「幼稚園設置基準施行の際(昭和三十二年二月一日)現に存する幼稚園については、園舎及び運動場の面積は、従前の例によることができること。」、こう記述されていますね。こうしたようなすべての条件から見た際に、先ほど指摘のありましたように、なりたくてもなれないということになれば、条件以外に、特殊な何かございますでしょうか。
○友松参考人 お答え申し上げます。 ただいま御説明がございましたのは、文部省からお出しになっておるいわゆる指導通達でございますけれども、これが実際に都道府県に参りますと、それぞれの行政によって多少変わってくるわけでございます。そこで、私どもの団体としましては、やはり都道府県のそれぞれの団体で交渉いたしまして、現実に見合った、できるだけ学法化しやすい基準の緩和条件というものを取りつけつつあるわけでございますが、県によりましては非常に厳しいところもございまして、どちらかと申しますと、そういう厳しいところの園がなりにくいという条件を今日持っておるわけでございます。 それから、先ほど、いわゆる財産を寄附する、しない、こういういろいろの問題がございますが、学法化するための一応の枠内での寄附行為というものは当然必要であろうと私は思いますけれども、実はこれとても、宗教法人に対する、たとえば寄附行為でございますが、たとえば境内地を使用しているような場合は全面借地でもいいという地域もあるかと思いますと、そうであってはならないという地域もあるわけでございます。ですから、すべてが一様でないところに一つの問題が残されているのではないか、特に基準の問題ではそんなふうに感じております。 以上でございます。
○中西(績)委員 時間も参りましたので、どうもありがとうございました。
○青木委員長 参考人各位にお願いいたします。委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。 有島重武君。
○有島委員 参考人には御多忙なところ、おいでをいただきまして、本当に御苦労さまでございます。この際、日ごろ大切な幼児教育に従事していらっしゃる全国の大ぜいの方々もいらっしゃるかと思います、心から敬意を表したいと思います。 時間が私十分なものですから一つくらいしか質問できないのじゃないかと思いますけれども、それで、いまここで問題になっておりますのは、三年間の延長をするかしないかということでございますけれども、私は、その前提になっている、もうちょっと大きい、時間を長くとって考えて、お聞きしたいと思いますので、御質問させていただきます。 先ほど日名子先生から、人口の予測の誤りが行政側にあったということでございます。この御指摘は、文部省もそのとおり認めなければならぬ問題であろうと思うのですけれども、十年間で三百三十六万人ですか、のところまで行く数だとか、百万人の誤差が出たということでございますね。大変なことだと思うのですけれども、これによってやはり特に私立幼稚園の経営というようなものは大変ないろいろな支障があったのじゃなかろうかというふうに私は思うわけです。 今後、二十一世紀までに、ゼロ歳から十四歳までの子供たちが九百万人くらい減るであろう、こういうことを言われていますね。一九八〇年、ゼロ歳から十四歳までの人口が二千七百五十万人で、ちょうど二〇〇〇年のときには二千二百二十五万人になるであろうというような推計がございます。これが妥当かどうかということで、これまた議論がございますけれども、こうした人口動態に幼稚園全体がやはり対応していかなければならないのじゃないだろうか。それで、少ない水のところでもって、いろいろな経営の問題が非常にあると思うのですけれども、こういった点について何かこれから三年の間どうしようかという問題を越えて、全体的にもう少し何か考えなければいけないことがあるのじゃなかろうか。これは、日名子先生ほか、どんなふうに考えていらっしゃるか。 それからもう一つは、日名子先生は発達心理学の御専門だと伺いましたけれども、昔の五歳児といまの五歳児とはずいぶん発達状況が違うのではないかと思うのですね。そこで近年、五歳児入学というようなことが方々でもって議論されておるわけであります。これは幼稚園も法人にするかどうか、学校法人というようなことから超えて、五歳児はそっくり学校そのものに行ってしまうというような状況が起こるわけでございますけれども、これも早晩避けられない趨勢ではなかろうかと私などは思っておりますが、これについて最初に日名子先生にお答えをいただいて、時間がございましたらほかの諸先生にも一言ずついまの問題でお答えいただければ幸いであると思います。 以上です。
○日名子参考人 いわゆる就学年齢を早めるという問題の御質問でございますが、巷間では非常に子供の発達が早くなったというふうに書いてございますし、発表されております。そういう面もあります。しかし逆に、退化しているという言葉は少し大げさでございますが、退行現象を起こしている面もかなりございます。この三月二十五日に文部省に提出いたしました日本保育学会の委員による合同研究の結果、私は特に運動面としつけの面並びに健康面について調査をいたしました。ただしこれはまだ予備調査でございますので、七百数名の東京近郊の幼稚園並びに保育所にいる子供たちについてでございますが、十三年前とその前の十九年前、つまり三十二年前にやりました調査、過去にそういう二つの調査がございます。それと比較しましても、二十七項目の調査項目の中で通過率が劣ってきた者の方が半分ぐらいございます。逆に進歩している面というのはわりあいと少のうございます。そういうことを考えると、一般的に進んでいる進んでいると言われておるのですけれども、それは進んでいる面をとらえればそうでございましょうが、全体的に考えれば必ずしもそうは思えないという面の裏づけ資料もございます。そういう意味で、必ずしもこの就学年齢を一年早めなければならないということは、今後は知りませんけれども、現在の段階においてはなお時期が早いのではないかというふうに思います。 以上です。
○友松参考人 お答え申し上げます。 私どもは日々三、四、五歳のお子さんたちをお預りしておるわけでございますが、確かに見かけは大きくなりましたけれども、いまお話がありましたように、発達そのものを追求してまいりますと、必ずしもいまから十年、二十年前の子供たちと比べてすぐれたという現象ばかりでなく、かえって問題点をたくさん抱えてきているのではないだろうか、そういうふうなことを強く感じるわけでございます。特に私は、この三、四、五歳期というのは健康面でいわゆるはやり病を全部通過する時期であるような気がいたします。ですから幼稚園というところは非常に欠席の多いところです。いまは四歳・五歳、五歳だけお預かりするところがございますが、大体それははやり病を一応通過する時期であるというふうにお考えいただきますと、もしもこの時期に小学校が始まるとすれば一番混乱をする。要するに、出てこない子供、また出てくる、また出てこない、こういうことの繰り返しで結局学業自体は十分に進めることができないのではないか。とすれば、幼児期的な扱い方をするということになりますと、従来の幼稚園のような施設で、いわゆる一番上が五歳児、一番上が十二歳の強い子供ではなくて、一番上が五歳であるやわらかい干渉のもとに縦系列の人間関係も芽生えていくことが大事ではなかろうか、こんなふうに考えます。
○有島委員 それでは青柳先生には、人口が減ってくることは間違いないという先の方の問題ですね、それに対して法人幼稚園として何らか対処をすることを考えていらっしゃるかどうか、この点だけお聞かせ願いたい。
○青柳参考人 私学振興助成法によります経常費の助成、これは私立学校としては経費総体の三〇%ぐらいはそれに頼って支出しております。そういう点で学校法人は、これからちょっと増額もむずかしいと思いますけれども、これを継続していただければ何とかやっていけるのではないか、こう思います。 それからもう一つ、学校法人にならない理由として、将来心配だということですね。これは私は学校法人の皆さんに言っておるのです。幼稚園の方は子供が少なくなっても何かあっても小回りがききます。しかし小学校、中学校、高等学校などが、子供がほとんど三分の一になったなんということになったらどうしようもないのですね。だからそういう点で、私はやはり幼稚園の場合は何とか小回りがきくので生き延びられるのではないか。私立小学校などは、一時はとにかく義務教育を引き受けたのはいわゆる寺小屋の私立小学校ですが、当時の小学校教育の大体八〇%まで私立が占めていたのです。現在は何と〇・五%です。私立小学校の子供の数が全体の〇・五%、こういう事情です。また中学なども、御承知のようにいま高等学校が千二百五十ほどありますが、中学は幾つかと言ったら四百五十ぐらいですね。だからそのように非常に激減して、その激減した中で生きてきているのが私立学校だ、このように考えて、お互いに学校法人として手をつないで、苦しくても何とかひとつ生き延びることを考えているのが現状でございます。
○有島委員 どうもありがとうございました。
○青木委員長 三浦隆君。
○三浦(隆)委員 初めに、本日はお忙しいところ、参考人の先生方においでいただきましてまことに御苦労さまでございました。この法案の取り扱いをめぐりまして、いま別室でも各党ともども一生懸命話し合いをしているところでございます。 そこで、初めに日私幼の友松先生、そしてまた全私幼の有馬先生にちょっとお尋ねをいたしたいと思います。今度延長で三年ということでございますが、この三年の間にいわゆる学校法人化というものがなし得るものなんでしょうか、その見通しについて御意見を承れればと思います。
○友松参考人 私も確たることを申し上げることはできませんけれども、ただ私どもの団体に関する限り、私の方の受けとめ方というものは、助成を受けることによって学法化するという一つのお約束をして志向園になられた、こういうふうに一応は受けとめております。もちろん先ほどちょっと御指摘のありました、法に対するいろいろな御解釈が官庁方面からもございましたけれども、ただ私どもとしては、たてまえとしてはそういうふうに進めております。ですから、百二条園という志向園にもなり得ない——これは先ほど東京都の例でちょっと申し上げましたけれども、しかし手を挙げれば志向園になるのにもならないというのは、なかなか学法化がむずかしいということを謙虚に現実のお立場でお考えになっている園があるということでございます。ですから、そういう園もかなり私どもは抱えておるということを、ひとつお含みをいただきたいと思います。
○有馬参考人 私も、いま友松先生からお話がございましたように、人口動態のいろいろな変化、それから個々の園の持っているいろんな実情、そういうものが大変複雑でございますので、大変お答えしにくい問題でございます。しかし、そういうような三年という期限の中で、この委員会でも先生たちが本当にこれから先いろいろな見通しを持って子供たちのために、全部の子供が法律の恩恵に浴させていただけるようなお気持ちを十分酌み取らさせていただいておりますので、そういうような御審議の経過とか改正後の法律の趣旨などを踏まえて、皆が一生懸命努力をしていくであろうというぐらいにしか申し上げることができないと思います。
○三浦(隆)委員 大変お立場のむずかしいことも重々知っておるのですが、諸先生方も御承知のように、憲法八十九条では「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に對し」ては、国の資金を出してはならないというはっきりとした実は明文がございます。そういう意味で、たとえば慈善事業、博愛事業、大変結構なんですけれども、幾らいい事業であっても、公の支配に属しない以上は出してはならないという約束事でございまして、そういう意味でぎりぎりの線で学校法人というものが出てきたのだろうと思います。お立場も大変よくわかるのですけれども、そういう点はひとつぜひお考えをお願いをしたいと思います。 それで、これまでの五年の間に学法化を考えながら、どうしてもできなかったといったこの五年間の歩みといいましょうか、そうした報告書と申しましょうか、そういうものをお出しいただけないものだろうか。それからまた、これから新規三年延びますので、これから三年の間に学法化をしますというふうなお気持ちのほどを、補助金を新規に交付される前にひとつお述べいただけないものだろうかということを、また友松先生、有馬先生にひとつ簡単にお答えいただければありがたいと思います。
○友松参考人 お答え申し上げます。 私どもの団体といたしましては、いま加盟されております志向園でさらに三年の延長にもしも許されるならば、そういう期間をいただける園に対しましては、先生がおっしゃいますように、当然学法化すべきものであるという形で受けとめていただきたいと思っております。ただ、先ほど言葉を添えましたように、私どもの団体には正直な人が多うございますので、百二条園にとどまっておりまして、志向園の手を挙げない園もあるということをひとつお含みをいただきたいと思います。
○有馬参考人 お答えいたします。 団体には個々の園を強制指導する力はございませんけれども、やはりこの法改正等の御審議の経過、そして改正後の法律の趣旨を尊重して努力をするように指導をし、私も努めていきたいと思っております。 それから、つけ加えさせていただきますが、私ども毎年毎年努力の結果の報告を一人一人県の役人さんと面接をしながら確認をさせられております。それから、いろいろな関係の基準なども大変厳しいチェックを受けております。そういうところで、そういう公の支配という点で申さしていただきますれば、大変なチェックを受けている、このことも公の支配のうちにお考えいただければというふうに思っております。
○三浦(隆)委員 友松先生、青柳先生、有馬先生にこれはお尋ねしたいというよりもお願いでありまして、幼稚園教育というのは本当に大変重大、大切なことだと思っておりますけれども、これまで私学のそうした諸先生の方と接触する機会を実は持っておりません。たまたまこの法律の問題が出ましてからこうしてお会いすることもできたわけでして、常日ごろ幼児教育の大切な問題についてむしろ御指摘をいただいていた方がよかったのじゃないかというふうに思います。 そういう意味で、三先生もそれぞれお忙しいと思うのですけれども、幼児教育の必要性についてひとつわれわれにも常日ごろ接していただいて御意見をお述べいただくような機会を、あるいは私たちが承る機会を持てるようにむしろお願いしたいということで、今後何かのときに呼んでいただきたいというふうに思うのですけれども、いかがなものでしょう。簡単にそれだけお尋ねして質問を終わらせていただきたいと思います。
○友松参考人 私どもも諸先生の御指導の中で、それぞれの園の教育を確めつつ運営していきたい、こんなふうにも思っておりますので、今後ともよろしくどうぞお願いいたします。
○青柳参考人 私も友松先生と同じ意見でございます。
○有馬参考人 大変ありがたいお話だと思っております。私ども日々子供の教育に追われて、その場その場で一生懸命保育をしていて、政治では本当に幼稚な者たちばかりでございました。これからはやはり先生方のお力をかりながら、ぜひ幼稚園の実情を私どもからお願いして、個々の園まで先生たち出向いて、大事な子供を見ていただきたい、そのように思います。よろしくお願いいたします。
○三浦(隆)委員 本日は、友松先生、青柳先生、有馬先生そして日名子先生、貴重な御意見を拝聴させていただきましてありがとうございました。これをもちまして質問を終わります。
○青木委員長 栗田翠君。
○栗田委員 本日は、お忙しいところを参考人の先生方御出席いただきましてありがとうございました。専門の先生方においでいただいて、伺いたいことが数々ございますが、十分間という時間ですので、一番伺いたい点だけをしぼって伺わせていただきたいと思います。 最初に、青柳先生に伺いますけれども、青柳先生の最初のお話を伺いますと、この法案に対してはむしろ否定的なお考えのように承りました。そしてその中で、三年延ばしても果たして学校法人化促進になるのかどうか疑問だというふうにおっしゃっておられましたが、どういう点で特に疑問をお感じになっていらっしゃるのか。また、いま学法化していないところに対しては、別の方法をとるべきだとおっしゃっておりますが、この別の方法というのは、具体的にはどういう方法かということを最初に伺わせていただきたいと思います。
○青柳参考人 学校法人になる意思があれば、二月か三月あれば学校法人になれるわけですよ。これは大学とか大きなそういうところだとなかなか大変でしょうけれども、幼稚園の場合、私は半年も要らない、なる気さえあればすぐなれると思います。それが一つ。 それからもう一つ、先ほども申しましたとおり、私のことを申し上げて済みませんけれども、とにかく幼稚園教育というものを、ことに私立幼稚園の教育というものを社会的にもまた教育的にも高めるために、私はそれを一生の悲願として今日まで努力してきたわけなんです。そういう点から考えて、この前申しましたとおり、学校法人と非法人を同列に扱うということ、経常費の助成も同列に扱うということに対して、私は賛成できないわけなんです。これは別な方法で——別な方法ということになると、やはり議会で取り上げていただかなくちゃならないわけですけれども、何か学校法人以外のどうしてもなりたくない人もしくはなれない人、そういう人に対しては一応やはり別な方法で援助をしてあげたらどうか。もちろん幼稚園にはできないのですけれども、親に対してとか何か別な方法で、このように考えております。
○栗田委員 次に、友松先生、有馬先生、日名子先生に同じ質問をさせていただきたいと思います。 友松先生と有馬先生からは、経営者としてのお立場からお答えいただきたいと思いますし、日名子先生には幼児教育を研究してこられたお立場から、そういう客観的なお立場からお答えいただきたいと思います。 その中身ですが、戦後の私立幼稚園、たとえ小さな個人立幼稚園でありましょうとも、幼児教育に果たしてきた役割りというものは私は高く評価しなければならないと思っております。そういう中で、助成金がつきましたけれども、一生懸命に努力なさって志向園になっていたけれども、まだ学校法人化できない園があると思います。それから、志向園にさえなれない園も事実あるわけでございます。いま学校法人化の困難な事情は何かということ、この障害を取り除くために行政に何を望まれるかということ、もう一つ、志向園にもなれない園に対しては一体どうしたらよいのかということ、この点をそれぞれ御三方からお答えいただきたいと思います。
○友松参考人 私ども幼児教育に携わっている者は、夢を持って現場に臨んできていると思います。またそういう同僚が多いので私はそういうふうに受けとめておるわけでございますが、現実には経営というものが非常にむずかしくなってくる。大学や高校ですと、十年も十五年も前に大体何人の人数が何年度には及んでくるということで十分に推察することができるわけでありますけれども、幼稚園の場合ですと、三歳児から受けておりますので、つい生まれたばかりの子供をすぐ受け入れるというふうなことで、そういった点では非常に不安定な立場に置かれておりますので、夢とそうした経営上の困難とが絡み合いまして、いままことにつらい思いをしている園が少なくなかろうかと思います。 そこで、私どもとしては、あくまでも夢を大事にして、工夫をして、そして国民の一番望んでおられる、よりよい教育というものをこれから積み重ねていくべきであろうと思います。そのためには、志向園の方にはできるだけ早く学法化することによって安定した運営のできるものを築いていただきたいと思いますし、どうしてもでき得ない園に対しましては、先生方のお知恵を拝借いたしまして何らかの補助の道を開いていただきまして、先ほど来申し上げておりますような夢を十分に実現できる場を今後とも残していただきたいと思います。 以上でございます。
○有馬参考人 お答えをいたします。 私どもの団体の一番最初の運動は、園児の御父兄への直接助成が目的でございました。しかし、なかなかむずかしいということ、そして私立学校振興助成法の中に組み込ませていただく方が子供たちを法の平等の中に置けるということで私どももこの法案に賛成をしたものでございます。 そして学法化できない理由は、それぞれの園、いろいろございます。いま青柳先生は三カ月でできるだろうとおっしゃいました。大変お幸せな方だと私は思っております。私の仲間でも学法化した園がございます。そしていまつぶれそうになっている園があります。このような現実が一体子供たちにどう影響するだろうか。子供がその選んだ園によって差別されないような、そういうものをぜひ先生方にお考えいただきたい、どうぞそういう道を見つけていただきたい、私はそのようにお願いする以外ございません。よろしくお願いいたします。
○日名子参考人 学法化できないあるいは妨げている理由を私の立場から申し上げれば、一つは、たとえば宗教法人の場合に、財産分離の問題で非常にむずかしい問題のあるところがございます。 それから、潜在的なという言葉を使いたいのですが、もっと潜在的に考えれば、児童数の減少ということが根本原因にあるのではないか。そしてそれから来る不安です。法人化はした、しかし子供はゼロになってしまったということに対する恐怖感というものが潜在的に妨げていると思います。 それからもう一つ、幼稚園という機関が小学校以上と根本的に違うのは、対象が幼児であるということ、幼児であるがために出てくる施設の条件があるわけです、施設というのは建物だけでなしに教育内容も全部含めてでございますが。私は、幼児教育というものは非常に少ない人数で営まれるべきである、理想を言えば一園全体で百人程度で営まれるということが必要条件であると思います。これは集団の大きさということ、それから、それから出てくるいわゆる学級編制。ところが、これを今度は経営的に見ますと非常に困難がございます。そして、少なくともそこに何らかの助成がない限り、父兄負担ではとてもやっていけない人数でございます。そういう意味で、先ほど青柳先生が言われているような、法人化することによっての経営的な安定感ということが根本的にどうしても必要なわけです。 しかし、善意があって一生懸命にこれまでやってきた百二条園というのがあるわけですが、これをおまえらは知らぬというふうにしてしまったのでは、やはり日本の幼児教育の芽は摘まれてしまう。ですからそこは、私よくわかりませんが、別途な方法でもいいから、何らかの援助、たとえば園に対する助成ができなければ父兄に対する援助というような形においても援助の道を開いていただきたいというのが、私の学究者としての一つの願いでもあるわけです。 以上です。
○栗田委員 どうもありがとうございました。
○青木委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、長時間御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 午後一時再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ————◇————— 午後一時八分開議
○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。木島喜兵衞君。
○木島委員 もう言わずもがなでありますけれども、教育基本法六条なり学校教育法の二条なりで国及び地方自治体及び法人のみに学校を設置することができるとしたその思想は何ですか。
○三角政府委員 学校教育法の第一条に基づきますいわゆる一条学校と申しますかあるいは正規の学校と申しますか、これらにつきましては、その内容からして公教育としての非常に社会的にも重要な意義を有する教育でございますので、その設置形態につきましても、ただいま御指摘のように、国、地方公共団体あるいは法律の定める法人、原則としてこれらによって設置されるということを規定しておるわけでございまして、趣旨はいろいろございますけれども、主としてその教育の内容につきましての水準を確保する、さらにはその教育の安定性、継続性といったようなことを確保する意味合いがあるからである、こういうふうに考えております。
○木島委員 したがって、これを基本法で言うならば、六条第一項の「公の性質をもつものであって」ということに集約されると理解してよろしゅうございますね。
○三角政府委員 そのように思っております。
○木島委員 そこで、この法律の問題と絡むとするならば、先ほどもお話ございましたように、憲法八十九条の、公金その他公の財産は、公の支配に属しない教育に支出あるいは利用してはならないという、「公の支配に属しない」ということと、そこに公金を出してはいけないということと、基本法の「公の性質をもつもの」ということのつながりはどうお考えですか。
○柳川(覺)政府委員 憲法の八十九条で言う「公の支配」が、どのような状態を整えておったらよろしいかということにつきましては種々議論もあるところでございますが、学校は、学校教育法によりまして、その設置基準に照らして認可されますし、また、その教育の展開につきましては、それぞれ監督庁の定める基準等に準拠して運営されます。また、設置者につきましては、国、地方公共団体または学校法人のみがこれを設置するということになっておりまして、学校法人につきましては、私立学校法の定めるところによりまして、法人の認可基準に準拠して認可され、またその監督を受けるわけでございますが、特に助成を受けた場合につきましては、その監督の行使につきましてそれなりの強化措置が講じられておる、監督規定が新たに付与されておるという状況でございまして、これらの学校教育法、私立学校法あるいは振興助成法の規定の定めるところによりまして、公の支配に属しているということのたてまえをとらえておるわけでございます。 なお、その面におきまして、これが学校法人のみに及ぶのであるか、あるいは学校教育の性格からして、個人立のものにつきましても及び得るであろうということで、振興助成法の制定によりまして、個人立の幼稚園等につきましてもこの助成の適用が現在なされておるという実態だろうと思います。
○木島委員 ちょっと、いま最後のところ何だって。そうするとせんじ詰めて言えば、学校教育法その他の法律によって規定されておるから、学校教育法だけで言うならば、百二条は、当分の間法人でなくていいのだ、したがって助成もできるのだという前提ですか。法人以外も助成ができるという理解ですか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、私立学校は学校法人によって設置されるということがたてまえ、本則になっておりますが、百二条で当分の間、個人立の幼稚園等が設置され得るという規定がございます。その面で個人立の幼稚園等が存在するわけでございますが、これにつきましては学校教育法、私立学校法あるいは直接には振興助成法の定めるところによりまして、個人立の幼稚園につきましても助成措置が講じられておるわけでございまして、そのこと自体につきまして八十九条の規定からは特段の問題はないというように解されておるわけでございます。
○木島委員 助成法の附則の二の五のことを言っているつもりじゃないのです。だから、あなたがおっしゃるのは、そこに規定しておるから、その範囲において法人でなくたって受けられることは違法ではないということでおっしゃったわけですね。(柳川(覺)政府委員「はい」と呼ぶ)わかりました。それならいいのです。さっきの話では、法人全体、いわば百二条も学校教育法の中にあるわけですから、その学校教育法の中に非法人があるわけですから、それが公の支配である、それに適用されるのが公の支配である、だから公金を使っていいのだということになるならば、これは大変議論を要するところだろうと思ったのでありますけれども、いまあなたのおっしゃったことでわかりました。 したがって、この公の支配に属しないものには公金を使ってはならない、だから基本法は、公の性質を有するものであるがゆえにこそ、国及び都道府県、自治体と法人のみと規定したわけです。したがって、公の支配と公の性質というものが、その意味では憲法、基本法の共通の意思でありますから、言葉でありますから、したがって、その範囲を超えて元来補助するものは、他の法律に規定する以外はだめだということになるわけですね。そう理解していいでしまう。局長、どうですか。
○柳川(覺)政府委員 憲法の「公の支配」、それが直ちに学校の設置形態と直接は関連するものではないというのが一般論だと思いますが、ただ、先生御指摘のとおり、教育基本法第六条で、法律に定める学校は、公の性質を有するものであり、国、地方公共団体のほか、法律に定める法人のみがこれを設置できる、という規定があるわけでございます。それをさらに学校教育法及び私立学校法で、学校法人が私立学校の設置主体であるということが決められておるわけでございまして、それが私立学校の本則と申しますか、本来のあるべきたてまえが明確にされておるということでございまして、憲法の要請する公の支配は、どのような条件を整えるのが公の支配に属すると見るのかということは、これは別途の要請の面でございまして、それにつきましては、それなりの監督が及んでおるということの面での充足の問題であろうかというように考えられます。
○木島委員 そこだけに時間をとっているわけにいきませんから、進みます。 そこで、百二条が問題になるわけですが、順序立てて言えば、昭和二十二年に学校教育法ができたときに百二条が入れられたことが、言わずもがなですね。その後、たとえば幼稚園で言うとどうなんでしょう、むしろ法人でないものもずいぶんと認可をしてまいりましたね。一方、法人のみに限るという基本法があり、そして当分の間は——そのときの事情はわかります、昭和二十二年に学校教育法ができたときに、「当分の間、」と入れねばならなかった事情はわかります。けれども、その後一体文部省はどういう態度でもって幼稚園の設置を認可してきたか、ここがまず一つ問われるところだと思いますが、どうでしょうね。
○三角政府委員 御指摘のように、学校教育法制定当時には、当時としての事情があったわけでございます。その後でございますが、その後につきましても、やはり幼稚園への園児の入園の拡大と申しますか、あるいは幼稚園の普及と申しますか、そういうことを進めなければならないという事情は戦後ずっと続いておったと思います。したがいまして、こういう規定がございますので、御指摘のように学校法人でない幼稚園も設置をされてきたわけでございますが、文部省の指導の状況としまして概要を申し上げますと、三十一年の年末に近い時点で事務次官通達が一つ出ておりまして、これにおきましては「新たに認可を受けようとする私立の幼稚園の設置者については、できるだけ学校法人とするよう指導願いたい。なお、私立の設置者で学校法人以外の場合には、幼稚園の経営に適切な者であるよう特に配慮願いたい。」、このように言っておるわけでございます。 その後、三十九年八月に初中、管理両局長名の通知が出ておりまして、この場合には「幼稚園を新たに設置しようとする私立幼稚園の設置者については、原則として学校法人とすること。なお、既存の私立幼稚園のうち、設置者が個人であるものついては、できるだけ学校法人とするように指導すること。」、このように述べております。 そしてもう一つ、昭和四十八年十一月に初中局長通知が出ておりまして、これは「幼稚園教育振興計画要項について」、こういうものでございまして、このときは御承知の、希望する四、五歳児を全員入学ということを目標として設定したわけでございます。このときには「人口急増地域等、公立及び学校法人立の幼稚園のみでは必要幼稚園数を確保することが困難な地域があることにかんがみ、このような場合には、当分の間、学校法人以外の者による新設をも認めていくこととし、」云云とございます。 以上に見られますように、私どもとしては、原則としてこれは学校法人によって設置されなければならない、きわめて例外あるいは地域の状況に応じて必要な場合には学校法人以外の設立もやむを得ない、その場合には経営について適切な方であるということを十分に確かめて配慮してほしい、こういう指導になっておるわけでございます。
○木島委員 通達の歴史はそうかもしれません。先ほど玉川大学の教授がおっしゃたように、昭和二十二年の学校教育法ができたときの私立は七百八十九園。しかし、それは法人も法人でないものもありましょうが、現在、非法人の幼稚園が二千三百あると先ほどおっしゃいました。そうすると、あなたがそのようにおっしゃったって、このように学校教育法施行以来ずいぶんと非法人が、千数百園ができているわけです。しかし、さっきから言うように法人が前提でしょう。それで完璧だとでもおっしゃるのですか。
○三角政府委員 完璧というような考え方なり申し上げ方なりはいたしておりません。特に昭和二十年代から三十年代の初めにかけましては幼稚園というものの普及ということが大事な事柄であったと思うのでございます。いろいろな経緯があったわけでございますが、経常費補助等が始まりまして以降は傾向としては各県とも新設の幼稚園はごく一部を除きまして学校法人立というような指導を続けてきておりますし、それから数の上ではいろいろな評価がございますけれども、個人立あるいは宗教法人立等から学校法人立への設置者の変更ということも行われてまいりまして、たとえば四十七年度におきましては、個人立で申しますと二千七百八十一園ございましたものが、五十六年度では二千九十九園、四十年代後半から今日までにかけましてはそういう傾向にあるわけでございます。
○木島委員 さっきから言うように、法人が大前提でありますから、「当分の間、」は特例なんですよ。この間、中西さんの質問でもって、「当分の間、」というのをどうなんだと言ったら、永久かと言ったら、あなたは永久みたいなものだとおっしゃったですな。「当分の間、」が永久だったら「当分の間、」でなくなるわけでありますが、私は文部省の努力というものが十分であったとは思わないのです。私立学校法一部改正をしてこの条項を入れたときには、あのときは安嶋さんが管理局長でありましたけれども、安嶋さんは率直に文部省の努力の不足というものを反省しておられた。言いたいことは、法人のみに限るというその思想に十分ではなかった、文部省の姿勢、あるいは法人のみに限るという文部省の思想の欠如と言っていいのかもしれません。そういうものがあったと私は思うのです。そのことの反省なくしてこの問題は語れないだろうと思うのです。その点はどうなんですか。どんずばり、経過はごちゃごちゃ要らない。
○三角政府委員 百二条ができました当時の事情というものがあったわけでございます。それは幼稚園というものがもともと個人とか、あるいは宗教関係の方々によって設置されたものがかなりの数を占めておりましたし、それから幼稚園というものが大体において非常に小規模なものが多いということは事実でございます。そういうようなことで学校法人にその時点でするということが実際問題として無理があるということもございましたけれども、あわせて並行しまして、幼稚園のような教育についてそれまでのそういう法人以外の方方によって運営され、かつ非常に重要な役割りも果たしてこられたという実績、結果、これも一つの大事に考えなければならない事柄であるということでもございますので、幼稚園のその後の普及、振興の上において、先ほど来御指摘の本来原則以外のやり方の設置というものもあるという考えがあったと思うのでございます。そういう意味合いで個人立というものでずっとある年代幼児の教育を実際現実問題として果たしてもらってきた、こういう歴史になっておると思うので、文部省がすべて学校法人じゃなければいけないという前提がありながらそれを怠った、こういうふうなこと、そういう一面だけではないと思っておるのでございます。
○木島委員 あなたがおっしゃるのは現実現実ということなんです。あなたの言うのは、現実が許さないから、現実は法人が困難であるから、だから「当分の間、」は永久とも言えましょうということになってくるのですよ。だからこそ私は、法人のみに限るという思想の欠如ではないのかと申し上げているのです。 大臣、どうでしょうね。さっきから言いますように、法人のみに限るわけです。「当分の間、」というのはまさに法人でないものは昭和二十二年のあの状態でもって特例として認めたわけですね。だから、ずっとふえているのです。しかし法人は大原則なのです。だがしかし、現状においてはすぐにということはなかなか困難でしょう。だから法改正をして、たとえば十年とするならば、これから十年後なら十年後、昭和六十七年三月三十一日以降は非法人は認めない、そういうようなことを規制することの方が、いまの状態から言って、いまの文部省の態度から言って、憲法、基本法の思想に合った学校の経営体系になるのじゃないかという感じがしますが、どうですか。
○小川国務大臣 文部省は今日まで、ただいま初中局長からお耳に入れましたように、通達において、できるだけ学校法人立とするようにしてほしい、あるいは原則として学校法人立とすべきである、かような指導をしてきたわけでございますが、これまた申し上げましたように、一面において幼稚園の普及を図っていかなければならないという要請があり、これに対応していく必要もあったと存じますので、必ずしも文部省が怠慢であったという考え方を私は持っておるわけではありません。 ただいま仰せの後段の点は、実はどういう御趣旨であったかよく聞き取りかねましたので、恐縮でございますが、もう一遍お聞かせいただきたい。
○木島委員 いま言いますように、法人が大原則であります。しかし現状として、すぐに法人化するということは困難でありましょう。しかし「当分の間、」というのは、もうすでにずいぶんと、三十何年たっているわけでありますから。しかしなかなか法人化が進みませんね。ですから、今後たとえば十年後なら十年後、すなわち昭和六十七年三月三十一日までで「当分の間、」という百二条は切れる、すべて法人にならねばならない、たとえば十年がいいかどうかは別といたしましてね、というようなことでもやらなければしょせんだめなんじゃないですかと申し上げたのです。たとえばなんですがね。
○小川国務大臣 現行法で「当分の間、」となっておるのだが、期限を切れという仰せかと存じます。それはそのときの実態と申しますか、現状では、なかなか何年後にという期限を付することは困難であろうかと思っております。
○木島委員 そうするとやはり永久になってしまうのですよね。「当分の間、」は永久になってしまうのですよね。まあ、いいです。 それで、先ほどちょっとお話しがございましたが、設置基準についても、昭和四十一年十二月二十七日に省令が改正されておりますけれども、その中に、設置基準施行の際、すなわちこれは昭和三十二年に設置基準ができましたから、そのときには設置基準以下でも、三十二年に設置基準ができて、したがってそのときまでに設置基準以下のものでもそれは認めておったわけであります。しかし同時に、そのときには、昭和四十二年一月三十一日まではなお従前の例による。設置基準は三十二年にできたわけですね。したがって、それまでの園は設置基準に達しなくてもよろしい、よろしいけれども、しかし昭和四十二年一月三十一日までに限るとしてあったのですけれども、それを四十一年に、当分の間なお従前の例による、園舎や運動場の面積をそう決めましたね。これまた「当分の間、」なんです。 そうすると、それを認めておれば、結局法人にしようとしても、その努力はなされないわけでありますから、いままでどおりでいいわけでありますから、したがって法人になれないという現状もまたそこから生まれてきていると私は思うのです。昭和三十二年に四十二年一月三十一日までというものを厳守させておけば、法人化が非常に楽になったと思うのです。それがその後に、当分の間なお従前の例によると設置基準で言っておるわけでありますから、したがってそのままになってきたものでありますから、だからいま法人化しようとしてもなかなか困難な状態が出てきておると思うのですが、その辺はどう思いますか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のような当分の間の経過措置が持たれましたので、必ずしも新しい設置基準に照らしての施設、校地校舎の充実というものが進まなかったということもあろうかと思います。そういうような事情がございましたので、学校法人への切りかえにつきまして、この面が円滑にいくようにということで、御案内のとおり、五十一年の十二月二十四日に管理局長、初等中等教育局長共同通達を出しまして、「幼稚園を設置する学校法人の認可基準等について」の通知が出されております。この中で、幼稚園設置基準の適用につきましては、幼稚園設置基準施行の際、つまり先生いま御指摘の三十二年二月一日に「現に存する幼稚園については、園舎及び運動場の面積は、従前の例によることができること。」という通知をいたしました。その面で、現存する、この時点から長く存在する幼稚園につきましては、その従前の例によった姿において、学校法人への認可に当たりまして、これを容認すると申しますか、認めていくということの柔軟な対応を期しておるということでございます。
○木島委員 そこで西岡さん、今度直接この法律の方に入りますけれども、今回の措置ですね。六十年三月三十一日までということ、すなわちいままでの間においては三年間、あるいは二年間、一年間延長するわけですね。この理由は何ですか。
○西岡議員 お答えいたします。 過去五年間に、学校法人化を前提といたしまして、現にわが国の幼児教育に大きな役割りを果たしてきていただいている個人立、宗教法人立の幼稚園に対して一定の財政の援助を行うということを私学振興助成法において定めたわけでございますが、五年たちまして、前回の委員会の質疑を通じてお答えを申し上げましたように、学校法人化が一方において着実に進んできている、もちろん十分ではございませんけれども着実に進んできているという現状を踏まえまして、なおかつこの時点で四二・四%の学校法人立以外の幼稚園の存在が現にあるという事実に基づきまして、これをこの時点で期限が来たということによって直ちに財政的な援助を打ち切るということが、行政としても、また幼稚園の置かれている客観的な諸情勢から申しましても、子供たちのことを中心に考えた場合に適切な措置ではない。したがって、なお三年間延長をいたしまして、一方において学校法人化を促進をしていただくということを前提として、都道府県の行う助成に対する国の補助をさらに行うことによって、法人化を促進するということがかなり期待できるということで御提案を申し上げているわけでございます。
○木島委員 そうなんですね、かなり期待できる。しかしことしの三月三十一日に切れる対象で言えば、せねばならなかったはずなのにできなかった、そういうおのおのの事情があるのでありますから、したがってそれを善意に解釈した場合にも、できなかったのに三年間延長したならば、あるいは来年で切れる園は二年間延長して、再来年切れる園は一年間延長して、それで五カ年間でできなかったものが三年、二年、一年と延長することによってできるか、そこが一つのポイントなわけですね。そこで、いまあなたもかなりの期待ができるとおっしゃったわけです。五十年にこの法律をつくったときにおいても自民党の提案でありました。議員立法ですね。そのときの立法趣旨から言うならば、再延長を、今回の改正案のごときものをきっとお考えではなかったろうと思うのです。それは当然だろうと思うのです、そのことはできるだろうと期待をしたから。けれどもできなかった。できなかったものを三年、二年、一年延ばして、それでできるかというと、いまあなたもおっしゃったごとく、かなりの期待ということはかなりの不安があるわけですね。その辺をどう考えるかということが一つのポイントだと僕は思いますから、その辺のところはどうでしょうかね。
○西岡議員 お答えいたします。 木島委員御指摘のとおり、ただいまの御質問の点が今回の法改正をお願いしているポイントのところでございますが、前々回の委員会の質疑を通じてお答えを申し上げましたように、私どもが今回三年間の延長をお願いいたしました背景には、この三年間に幼児教育のあり方、幼児教育についての行政のあり方、また保育所と幼稚園との競合という、それぞれの地域でかなりの深刻な事態が起こっておるわけでございますが、こうしたもろもろの幼稚園を取り巻いております状況についてきちっとした行政の方向を示すべきであろう、そのことが示されていないために、それが全部ではありませんけれども、法人化が行われていない、将来の経営についての不安があるというようなことが法人化を妨げているという現実があるのではないか。これまでの五年間に、そうした抜本的な幼児の教育についての行政の仕組みについての答えが出ていればもちろんよかったわけでございますけれども、それがなされていなかった。それをこれから各党の皆様方とも御相談をしつつ、また与党といたしましては文部当局とも十分連絡をとって、三年の間には、きちっとした将来の方向づけを示すことができるような具体案をつくっていかなければいけないのではないか。そうすることによって木島委員御指摘の問題点も解決をしていくであろうということを背景として、御提案を申し上げているわけでございます。
○木島委員 御趣旨はわからないわけではございません。幼児教育の行政のあり方とか、保育一元化の問題等も含めて、経営の健全化の将来のビジョンというのですかをつくりたい。しかし、いまこの問題で言いますと、さっきから繰り返しますように、仮に法人でないものに助成をする道を開くとすれば、たとえば憲法八十九条、基本法の法人のみに限る——学校教育法の百二条にも補助ができるということになってくると、この問題に関する教育体系の全面的な見直し、教育法体系の全面的な改変につながってくるし、たとえば保育一元化といいましても、公の支配に属しない保育所は八十九条の博愛とか慈善等にかかわりますから、やはりだめなわけですね。 ですから、そういう意味で、いまの全体の行政のあり方とか、保育一元化を考える、これはまさに考えねばならないことでありますけれども、いまこの問題で言えば、この三年間にこの法体系全体を直しながら、しかも法人になかなかなれない、なれないのをどうするかという問題でもってそういうことをやるのだとおっしゃるけれども、そういうことをやるということが、法人でないところの幼稚園にも助成ができる道を開くことになるのだとすれば、これは法体系全体の変革ということになるのですが、そのことを意味するのですか。
○西岡議員 私がただいまお答えを申し上げました意味は、木島委員御指摘のような意味で申し上げたわけではございません。あくまでも学校法人に対する助成ということが原則である。今回三年間の延長をお願いを申し上げておりますことは、いわば特別の措置である、このように御理解をいただきたいと思います。
○木島委員 そこで、あなたのその提案の説明の中にも、ここで切れば幼児教育の上に大変混乱が起きるという説明がありますね。具体的にはどんな混乱と御理解になりますか。
○西岡議員 お答えいたします。 これも前回の委員会の質疑を通じてお答え申し上げましたように、木島委員も十分御承知のとおり、これまでの数年間、またこれから先のかなり長期間にわたりまして、人口動態の大きな変化というような問題が現に起こってきているわけでございます。就学前児童数が年間四十万人単位で減少をしていっているという現実の中で、また一方におきましては保育行政と幼稚園行政とが競合をしているという状態の中で、期限が来たということによっていま直ちに国の助成が打ち切られるということになりますと、現に廃園に追い込まれ、それは直接的には子供たちに大きな影響を与えるという一面がある、これは行政として無視できないのではないか、こういう趣旨でございます。
○木島委員 あなたの、三年間に抜本的な幼児教育の改革というものの中身が具体的によくわかりませんから、そこで将来とも健全なる経営ができるのだという自信なり希望を与えるといまおっしゃるけれども、園児は減少する、その上に、現在、たとえば三〇%なら三〇%の経常費補助を受けているのに、三年たってだめになれば、その経常費は、たとえば人件費なら人件費は、上がることはあっても下がることはできないわけでありましょうから、それでは入園料を上げなければならないのか。入園料を上げたら、補助をもらっている法人の方によけい園児が行くから、したがってますます困難になってきて、おっしゃるように廃園に追い込まれるという状態があれば、その中で、三年後に経営上の健全なる発展のためにということになって、だから法人にするような道というのは、一体どういうことが考えられるのでしょうか。
○西岡議員 お答えいたします。 実は木島委員御指摘の点が、これからできるだけ早い時期に、具体的なこれからの施策というものを立案をしてまいりたいと考えているところでございまして、言うべくしてそう簡単な事柄ではないということは十分自覚をいたしておりますけれども、政治の責任として、できるだけ速やかに、幼児の教育行政のあり方についての明快な方針、基準、政策というものを打ち出さなければならない。私自身、これも前々回の委員会の質疑を通じてお答え申し上げましたように、具体的な案を持っていないわけではないわけでございますが、あくまでも今回お願いを申し上げましたのは、自由民主党として三年間の延長をお願いをいたしておりますので、いまこの段階で、具体的なビジョン、どうあるべきかということについて自由民主党としての具体的な案というものを固めているわけではございませんので、明快にお答えを申し上げることができないのは大変残念でございますけれども、これは今後の課題として三年間の間に方向づけをしてまいりたい、このように考えているわけでございます。
○木島委員 あなたのずいぶん前からの持論であるたとえば教育クーポン制度、大変魅力があるものだと思いますけれども、それはいまおっしゃるようにあなた個人の持論であっても、この今日の財政事情全体を考えたらなかなか容易な問題ではない。しかし三年間のタイムリミットがある。そういうことを踏まえた上で御質問申し上げているわけです。したがって、もし三年たってもできなければ、今日提案でもって、大変幼児教育に混乱が起こるとおっしゃったことが、ただ三年延ばしただけでもって、そのときにまた同じ混乱が起こるということになるわけですよ。そういうところにポイントがあるように思うのです。もちろん西岡さんは自民党の政務調査会の中心でいらっしゃいますから、その辺は大変に大きく期待するところでありますけれども、しかし客観情勢は、必ずしも西岡さんのその考え方がたとえばクーポン制であるかどうかわかりませんけれども、あなたの一つの持論でもおありだったわけですが、なかなか容易じゃないという客観情勢もありますね。ですから、そういうことを踏まえながら三年間延ばしたならば、延ばさなくても混乱が起こるものが、多少、数は別としても混乱は混乱で起こってくるということは予測できるのじゃないか。 そこで西岡さん、私がこんなことをぐちゃぐちゃ聞いておりますのは、実態もわかりながら、しかしなお私は一つの怒りがあるのは、いろいろと個人なり委員なりあるいは団体なりが、この制度をつくった当初から法人にならないでいいのだという式の指導があったりそういう空気があったという、そのことを私は非教育的行為だと思っておりますから、そういう前提があるものだから嫌らしい質問をしている。あなたは私の質問を嫌らしい、こんちくしょうとお思いかもしれませんけれども、その前提にあるものはそこらにあるということをひとつお含みおきいただきたい。したがって逆に、この法律を認めるとしても、これから三年間の助成費は、もし法人にならなかったならば返還をする、過去の五年間は問わない、三年間は三年間認める、しかし、この三年間分は法人にならなかったときは返還をするというのは、逆に言うならば、一言で言えばショック療法であります。そのようなものの方が、かえって法人化という大前提、大原則を促進する道になるのじゃないのか。この法律なら法律を認めるとするならば、この三年間分だけでもいいから、過去の五年間は問わないにしても、そういうくらいのショック療法がかえって有効なんじゃないかと思うのですが、どうですか。
○西岡議員 お答えいたします。 この私学振興助成法附則二条に基づきまして措置されております個人立、宗教法人立に対する助成というものはあくまでも経常費助成でございまして、しかもそれは、ただいま木島委員御指摘の点が例外的には存在するかもしれませんけれども、都道府県の責任において行っております幼稚園に対する助成に対する国の補助でございますので、これを返還をするということは経常費助成の性格からいってなじまないものである。その受益者はあくまでも幼児であって、そういう意味におきましては、附則二条三項において特に学校法人の会計基準をさらに上回る厳しい特別に会計の処理をしなければならないという規定も設けられているゆえんはそこにあるわけでございまして、そういうことを総合的に考えますと、ただいま木島委員御提案の措置は無理があるのではないか、このように考えます。
○木島委員 率直に言って、私この審議に余り出ておらなかったのでありますが、前回のどなたか、佐藤さんかの御質問で柳川局長が、助成法の第一条とそれから附則の二条の五の関係を言っていらっしゃることの意味は私はわかるのです。すなわち、この助成というのは、私学助成法の第一条の「目的」「私立学校の教育条件の維持及び向上並びに私立学校に在学する児童、生徒、学生又は幼児に係る修学上の経済的負担の軽減を図るとともに私立学校の経営の健全性を高め、」ということのために助成しておるのだから、それは、その目的に使われているならば返還ということにならないじゃないかとおっしゃることは、それなりに一つの意味はわかります。そこで、しかし一方、二条の五はまた義務なんですね。措置せねばならぬ義務ですね。そのかかわりだと思います。ですから、このことをどう理解するか。 もしも第一条だけの目的に使われるということであれば、法人でなくても非法人でも、やはりその目的のためにやっているのだから、それだけで言うならば出してもいいわけです。補助してもいいわけです。できることになります。だからこそまた、附則の二の五があるわけですよ。義務化しているわけです。だから法人というものの大前提があって、そこで二の五というものが特例として認めて、そのことに補助することによって第一条の目的が達成されると考えるならば、これは必ずしもこの法律の一条と附則の二条の五とのかかわりは、一条の目的を達成しているのだというだけであるならば、先ほどのを繰り返しますけれども、非法人だってできるはずですから。そうはならないはずですね。したがってむしろ逆に言うならば、二の五の措置せねばならないという法人化の義務というものが前提としてあると思うのですよ。その前提が崩れたならば、それは補助金の適正化法の十七条以降の措置に該当するのじゃないだろうかと思うのですがね。どうでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、振興助成法の経常費助成は本来学校法人に対する助成が本則でございます。幼稚園につきましては、個人立幼稚園につきまして当分の間の設置が認められておるという実態がございます。その面から附則で、この個人立幼稚園につきましても振興助成法の経常費助成が交付できるような経過措置が附則の関係で決められたわけでございます。その場合に、あくまでも経常費助成は、いま提案者からお話もございましたとおり、これは教職員の人件費あるいは教育研究のための経費等に有効に活用されてきておるわけでございますから、それはそれなりに経常費助成の趣旨を十分果たしておるというように考えられるわけでございまして、その限りにおいて、返還を命ずることは困難であるという解釈を従来とってきたわけでございます。ただ、先生御指摘のとおり、補助金を受けた設置者は学校法人化の措置を図ることが義務づけられておるわけでございますから、これにつきましては、その義務づけられた義務を履行していく過程において努力に欠けるということであれば、これは国庫補助の対象からは除外するという措置もとってきておるわけでございまして、この経常費助成を受けたものは学校法人化の義務を負っておるという一連密接な関連において、従来とっております学校法人化の促進という大きな政策の実現を図ろうとしておるという関係に立っておるものと存じております。 五十年から助成が始まっておりますが、その当時はまだ学校法人立の幼稚園は全体の私立の幼稚園の中の四〇%に及んでおりませんでしたが、この振興助成法による経常費助成が、本来学校法人に助成するという原則に立ち、かつ個人立幼稚園にもこの助成を及ぼして学校法人化を促進するという施策がとられたことによりまして、今日では六〇%の幼稚園が学校法人立の幼稚園として中心を占めることになったということでございます。 それから、五十年以降、幼稚園の開設につきましては、先ほど初中局長から御答弁ございましたとおり、ほとんどの県におきまして、個人立、宗教法人立として認可したものは五十一年、五十二年に数園ございますが、毎年百から二百の幼稚園が新設されましたが、これはすべて学校法人立で設置されておる、そのように、この振興助成法によりますところの経常費助成が、学校法人への助成を原則として、かつ個人立の法人化促進を図るそれなりの大きな、立法の御趣旨に基づいた展開がなされていると言えるのではないかと思っておるところでございます。
○木島委員 そこで、附則の二の五の義務。義務と努力とどう違うのですかな。法人化の義務ですね、努力するというのと義務を負うというのとどう違うのですかな。
○柳川(覺)政府委員 五年以内に学校法人となるように措置しなければならぬということでございますから、五年以内に学校法人化することが義務づけられておるわけでございます。そのために、一年でできるところはそれで結構でございますが、毎年度五年内での学校法人化を図る努力を重ねていくということが、そこに学校法人化の義務づけを果たしていくために必要になってくるという意味で努力と申し上げておる次第でございます。
○木島委員 助成法の第一条でも、先ほど言いましたところで「私立学校の経営の健全性を高め、もって私立学校の健全な発達に資することを目的とする。」、私立学校の健全な発達に資することが目的だと、総括的にここは言っているわけね。これはやはり法人を意味しますね。法人でなければならないわけです。だから、一条で、教育条件の維持向上あるいは父母負担が軽減されるとかそういうことを通しながら、もって法人として発達しなければいかぬ、それが目的だとすれば、法人にならなかったならば、附則の二の五によってこの一条の目的に沿った使用とは言えなくなる。とすれば、補助金適正化法第十七条に該当しはしないかと思うのです。これは法律上の問題であります。経常費を返上せいというのは過酷である、気の毒であるというのはわかります。しかし、過酷であるということと法律上の問題とは別個でございますから、法律上では私はそういうように理解するのですが、いかがなものでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、経常費助成の目的は私立学校の健全化に資するものでございます。私立学校の設置者は学校法人でございますから、その学校法人にこれが適用されるということがあくまでも本則でございます。ただ、百二条との関係によりまして現に個人立の幼稚園がございますから、その個人立の幼稚園につきましてもこの経常費が助成されるようにということで附則で第二条第一項が設けられておるわけでございまして、その限りにおきましては、個人立幼稚園に対する経常費助成が教職員の人件費あるいは教育研究に要する経費等に有効に活用されておるという事実があれば、この経常費助成が個人立幼稚園の教育の健全化に資したというようにそれなりには該当すると解されると思います。ただ、その場合にもう一つ本来の学校法人化ということが大きな政策課題でございますので、その経常費助成を受けた個人立の幼稚園の設置者は学校法人化するということが義務づけられておるわけでございまして、その面への義務を果たしていくということの責任が付加されたと言えると思う次第でございまして、経常費助成、附則で第二条第一項が設けられましたそのことによって有効に補助金が活用されておるということであれば、経常費助成の目的はそれなりに果たしておると理解できるのではないかと思っております。
○木島委員 文部省の解釈は大変無理があります。そういう意味ではこの附則の二条の五は欠陥条項だと私は思うのです。もうちょっとすきっとしなくてはならなかった。たとえば西岡さん、もし法人になることを前提として法人でない幼稚園に助成をしようとするならば、法人になるための私立学校助成法とでもいう別の法律をつくって、それを目的にして、そしてそれでできなかったならばそれは補助金適正化法に該当しますぞという義務づけ、そういう措置をとればわりあい整然とすると思うのです。そうでなくて、一条の目的と言うけれども、一条の目的は、西岡さんもうなずいていらっしゃるけれども、「私立学校の健全な」というのはやはり法人というものを前提としますよ。そうでないと健全でありません。とすれば、その目的に合わないのですからその目的に沿った補助金使用とならないという説も成り立つわけでしょう。したがって、それらはそういう意味で欠陥条項だと私は思うのです。だから、もしそうだとすれば、法人化促進のためにも非法人に何カ年間か助成する、そのかわり何カ年かの間に必ず法人にするということを目的とした法律を別個につくることが正しいのじゃないか、これからでも遅くはないのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○西岡議員 お答えいたします。 木島委員御指摘の点も一つの御見識であろうと思います。すでに木島委員も御承知のとおり、今回御提案を申し上げました三年間の延長のもとになります法律は、もともと私学振興助成法を御提案をいたしました以前の段階におきまして、学校教育法等の一部を改正する法律案として昭和四十七年に御提案を申し上げました。これはその時点では成立をいたしませんで、その後私学振興助成法を提案をいたしました際に、四十七年の時点で御提案を申し上げました個人立、宗教法人立に対する特別の助成措置というものを私学振興助成法の中に取り込んで成立をさせるということにしたわけでございまして、そういう経緯があったわけでございます。 なお、念のために申し上げておきますが、今回の特別の措置を行います以前の時点、昭和五十年度の時点におきまして、現に十九の道府県におきまして国の助成が行われる以前に個人立、宗教法人立に対する都道府県、当時は都はございませんでしたが、道府県の財政援助が行われていたという現実もあったわけでございます。そうした実態を踏まえて、一つの政策的な立法としてもこうした立法をお願いを申し上げたわけでございまして、この時点で三年間という時限を切ってさらにお願いをいたしましたのは、先ほど来木島委員の御指摘のあっている問題点も踏まえた上で三年間という期限を切った、三年間という期限を切っているというところに木島委員御指摘の精神が込められているというふうに御理解いただければ幸いでございます。
○木島委員 いま御指摘の私立学校法一部改正のときに私も賛成いたしたのでありますから、そういう意味ではこのような質問を繰り返すことは、私は不見識なことになります。ただ、さっき申しましたように附則の二条の五によって誠実に努力をしてもできなかったという実情も私わかりますから、だからそういう状態であるならば私はこのような質問はしなかったでありましょう。けれども、さっきも言うように、初めから志向園を志向しない、あるいはしないでもよろしいというような指導等があったことに私は怒りを感じておるものでありますから、そういう状態が生まれておる現状においては、それらのことがもし事実だとすれば、それはまさに学法化の意思なきもの、あるいは阻止しようとするもの、法の規定を無視するもの、義務も努力も果たそうとしないものという観が具体的に裏面にあることを知ったから私はこのような質問をしているのであって、最初に申しますように、私立学校法を改正したときに私は賛成をし、何も問題を起こさない、誠実にやって、しかし誠実にやってもできないときには仕方ないだろう、それが教育だと思っておったのですが、さっき言いますように非教育的行為が背景にあった、その上に立ってこのような法律が出たとするならば私は許しがたい、教育界において許しがたいと思っておりますから、このような質問をしたわけであります。 次に、専修学校についてちょっとお聞きいたします。 この法律でもって専修学校へはことしは補助するのですか。ことしの予算の積算の中に入っているのですか。
○柳川(覺)政府委員 専修学校の国の助成措置につきましては、現在とっておりますのは、教職員の資質向上のための研修、あるいは教育内容の充実のための研究事業に対する助成策、あるいは育英会によりますところの育英奨学の事業等でございまして、直接学校に対する助成策というものはいまとっておりません。この法律の制定後におきまして、いま直ちに専修学校に対する直接の助成策につきまして国がその策をとるということは、今年度予算では計上いたしておりません。
○木島委員 今後も国は専修学校の法人には補助しないのですか。
○柳川(覺)政府委員 専修学校、各種学校に対しましてどのような助成の対象としていくかという問題が御指摘のことでございますが、このことにつきましては、今後の専修学校等の発展の状況や社会がこの教育に対してどのような要請をなされていくか、その動向を踏まえながら、今後におきまして十分調査研究をしていく必要があろうというように考えております。当面は、先ほども申しました専修学校教員の指導力の向上、教育内容、指導方法の充実向上、生徒の就学上の諸条件の整備などの振興方策を着実に行っていくということを考えておるところでございます。
○木島委員 国は補助しないで、少なくともこの法律に入れちゃうと、助成法の十二条から十四条まで等の諸官庁の監督権限だけが存在して、そして助成の中身はないということになるわけですね。国は助成しない、だけれども監督だけはします、ちょっと変なことになっちゃう。まあいいです。 ただ、どうですか、各種学校、専修学校は一条校じゃないけれども、しかし法人化はやはり進めたいと考えますか。
○柳川(覺)政府委員 先生御説のとおり、専修学校の設置者につきましても、原則論、一般論といたしましては、学校の安定性、継続性を担保してその公共性を確保していくという観点からは、学校法人またはいわゆる準学校法人化していくことが望ましいというように考えられます。ただ、専修学校、各種学校は一条学校より以上に時代の変遷に柔軟に即応いたしましてわが国の学校教育の責任の一面を果たしていくという、そのような多様な教育内容あるいは教育形態がとられることが必要と考えられておりますし、また実態といたしましても、従来とも一条学校に比しまして比較的小規模で、あるいは小回りがきくと申しますか、そういうような形でのこの面の教育の目的を達成してきておるという実態がございますので、専修学校につきまして従来とっております設置形態につきましては、個人立等であっても、より専修学校の内容充実した教育の展開を期していくという基本にいまのところ立って、より一層のこの面のきわめて自由な発展ということをいましばらく志向していくということが適当ではないかという考え方には現在立っておるわけでございます。
○木島委員 ちょっとよくわからぬのだけれども、原則的には法人化はいいのだけれども、時代の変遷というものに柔軟な姿勢だからいまのまま、しかし、一条校でないといえどもなるべくそういう専修学校は法人化を進めた方がいいですね。 そうすると、西岡さん、専修学校は一条校ではないけれども法人化を進めるならば、たとえば幼稚園と同じように二条の五のようなものがあってもいいわけですね。せっかくここでもって専修学校を入れて、その専修学校が法人化を望むならば、法人でないものにも二条の五のようなものをせっかく入れた機会でありますから、そういう配慮があった方がこの法律の整合性があるような感じもまたするのですよ。しかし、そこにはさっき言いましたような変な動きが背景にないということが前提でありますけれども、その辺の、いい悪いではなくて、整合性から見てどうお考えですか。
○西岡議員 お答えいたします。 木島委員御指摘の点は、今後の課題として十分検討をされなければならない課題である、このように考えております。なお、専修学校の高等教育における位置づけというような問題につきましても、これからの課題として、早急に明確な位置づけをしていくというようなことが一方において進捗していくということが前提になるのではないだろうか、それを前提といたしまして、ただいま木島委員の御指摘の方向で検討されなければいけない、このように考えております。
○木島委員 だから、この今回の、専修学校というのは、いま直ちに国が補助しない、助成しない、言うならば都道府県が助成していくことに法的根拠を与えたということでしょう。先ほどのお答えでは、いましばらくは国が助成する意思はないのですね。しかし、都道府県が法人にはやっておるわけだから、その都道府県がやっておる助成に法的根拠を与えたのが、今回専修学校が入ったというように理解していいのじゃないですか。
○柳川(覺)政府委員 もとより国、地方公共団体が専修学校を設置する学校法人または準学校法人に対しまして助成できる根拠を決めたわけでございますから、その限りにおきまして、現実にはいま都道府県で運営費補助あるいは施設設備の補助が実行されております、それの根拠規定にもなるわけでございます。ただ、都道府県等におきましては、個人立の専修学校等につきましてもそれなりの助成策がとられておるという面もございます。この面につきましては、必ずしも今回の規定が根拠になるというわけではございませんで、もっぱら公共の福祉というような観点からの助成がなされておるというように理解されます。
○木島委員 だから、この法律に専修学校を入れたって、現に国が補助することはないのであるから、その面では都道府県のやっていることに法的根拠を与えた一そうなのです。 そこで、それでは都道府県が法人でない幼稚園なりあるいは専修学校に補助をしておるということは、たとえばこの助成法の附則の二条の五が入れてあるごとく、憲法や基本法の思想から言って、都道府県が法人でないところに補助するということの法的な根拠は一体どうなるのだろうか、ちょっと私にはわからないのだけれども……。
○柳川(覺)政府委員 この面につきましては八十九条との関係で種々御議論のあるところでございまして、教育、博愛等の事業で必ずしも憲法が要請する「公の支配」という要件を備えておるかどうかということにつきましては、一方で、学校で申しますと公立の学校の存在との均衡というような観点等の要素からそれなりの助成策が都道府県、市町村等において行われるということが実態としてあるわけでございまして、この面につきましてはそれなりの議論があるということだけお答え申し上げる次第でございます。
○木島委員 だからそこなのです。それなりの議論があるわけですよ。あるということは、それはまあいいじゃないかというのと、そうじゃないという議論がある。だから私は最初に、憲法の八十九条と基本法の六条の法人のみに限るということから質問をしているわけでして、たとえば東京都は、ことしの予算でもって初めて法人でない幼稚園にも園児一人一万円ずつの園に対する補助金をつくりましたね。これはいまはしなくも局長がおっしゃるように、いろいろな議論があるものでありますから、予算は通してみたけれども、どう使ったらいいかということで議論がなされておるように聞き及んでおります。そのことは、いま局長が最後におっしゃった、いろいろな議論があるところだということとまさに一致するのだろうと考えます。 だから、もしそれが認められるならば、実際論は別として法律論ならば、法人でないものに補助することができるというならば、この附則の二条の五も要らないということになるのです。その辺を整然としなければ、さっきから言いますように、私は教育の法体系が崩れてくると思うものでありますから、実態は私わかりますけれども、その辺をやはり整然としなければならぬだろうと思う。その点はどう考えたらいいのか。
○柳川(覺)政府委員 先生がいま御指摘されました東京都におきましては、五十七年度予算で補助金が計上されていると聞いておりますが、その性格あるいは具体的執行方法等については現在検討中と私ども承っております。 もとより、先生御指摘のとおり、私立学校振興助成法附則第二条第五項によりまして、補助金を受けた個人立等の幼稚園はその翌年度から学校法人としての義務づけがされるわけでございまして、現行のたてまえからすれば学校法人化を前提としてないで補助することはそのこと自体困難であるというふうに解されますが、直接設置者に対する補助ではなく就園奨励的なものとかあるいは幼稚園の団体に対する補助あるいは教員に対する補助などにつきましては、必ずしも学校法人化を前提としないで補助することもできるというふうに考えられるところでございます。
○木島委員 もし東京都の場合にやるとすれば、就園奨励費のように直接補助として父兄に渡すという措置しかいまのところないだろうと思うのです。ただそこで、専修学校の場合もまた、法人でなくても都道府県は出しているわけですよ。そうすると、それはいまおっしゃるように根拠がないわけです。都道府県がやった場合には、二条の五によって、義務を負って努力しなければならぬ。とすれば、専修学校におけるところの非法人に対する都道府県の補助は法的根拠を失ってくるということになります。その辺がきわめて整然としない、矛盾に富んでおる、あるいは実態に即さない今回の法律の改正だということになりはしないか。こういうものを総合的に判断をしながら、せっかく改正するならば整理をしてなされねばならないのじゃないかという感じを持つものでありますが、時間が来ましたので質問をやめます。 ただ、最初に申しましたように、私の質問が法人にならないものを悪者のような言い方をしたとの印象を大変与えたかもしれないと思うのでありますが、繰り返しますように、私は私立学校法のときにはこれと同じ条文に賛成をした一人でありながら、そういう背景があるということからもしこの法律案が出たとするならば大変に遺憾なことだということで御理解をいただき、かつ法人化に対する文部省の努力は、何といっても今日まで学校教育法施行以来の不足は否めないと思うのです。そういうことも含めて御反省をいただき、かつ整合性のある措置を希望いたしまして、私の質問を終わります。 —————————————
○青木委員長 この際、本案に対し、佐藤誼君外一名より、日本社会党提案に係る修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。佐藤誼君。 ————————————— 私立学校振興助成法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐藤(誼)委員 私は、日本社会党を代表して、自民党提案の私立学校振興助成法の一部を改正する法律案に対する修正案を提案し、その理由について御説明いたします。 まず、修正の理由であります。 御案内のとおり原案は、私立学校振興助成法の第三条の準用など、準学校法人についての規定の整備、次に、学校法人以外の学校の設置者で補助金の交付を受けた者が学校法人化しなければならない期間について特例を設けるの二つの内容から成っています。 もとより、わが党は、専修学校、各種学校の今後の教育に果たす重要性にかんがみ、準学校法人についての規定の整備については賛成であります。しかしながら、学校法人以外の学校の設置者で補助金の交付を受けた者が学校法人化しなければならない期間の特例を昭和六十年三月末まで延長することについては、きわめて強い疑義を感ぜざるを得ないのであります。私は、私立学校振興助成法附則第二条第五項は、公費助成によって学校法人以外の私学の振興を図ると同時に、そのことを通じて学校法人化することの立法趣旨から規定されていると考えます。 したがって、補助金の交付を受けた学校法人志向園が法人化を果たすという義務を履行することは、その政策的意図と法の公正なる遵守ということから当然のことであります。もちろん、中には最大限の努力を払いながらも諸般のやむを得ざる事情で学校法人化し得なかった私立幼稚園の設置者も存在するでしょう。しかしながら、きわめて遺憾なことには、学校法人化は義務規定ではあっても、法人化しないからといって罰則も交付金の返還も求められないとして、補助金の交付を受けながら、その努力を払わなかった設置者も多々あるのが実情であります。このことを不問に付しながら、さらに学校法人化する期間を何らの歯どめもなく三年間延長するという特例を設けることは、学校法人以外の私学に対する助成を行い、同時に、学校法人化を促進し、そのことによって幼児教育を振興するという国民の期待と遵法の精神を裏切るものであって、許されるものではありません。 そこで、本修正案は、第九条、第十条の規定により延長された期間に係る補助金の交付を受けた者が昭和六十年三月三十一日までに学校法人化し得なかった場合、当該補助金の返還を命ずることなどによって歯どめをかけ、補助金の交付を受ける学校法人以外の私立幼稚園の学校法人化を図るものであり、あわせて学校法人以外の私立幼稚園で補助金の交付を受けなかったものとの均衡を図るものであります。 次に、修正案の内容について御説明申し上げます。 第一は、都道府県は、学校法人となるべき期間が延長された者で、第九条または第十条の規定により延長された期間に係る補助金の交付を受けた者が昭和六十年三月三十一日までに学校法人化しなかった場合には、補助金の返還を求めることであります。 第二は、都道府県は、前項の命令を受けた者でやむを得ない事情があると認めたときには、返還期限を延長し、あるいは返還命令の全部または一部を取り消すことができることとしております。 第三は、補助金の返還命令を受けた者が加算金を都道府県に納付することであります。 第四は、補助金の返還命令を受けた者で納期日までに納付しなかった場合は、延滞金を都道府県に納付するものとしております。 第五は、都道府県が前二項においてやむを得ない事情があると認めたときは、加算金または延滞金の一部を免除することができるとしております。 最後に、原案によりますと、施行日は公布の日から施行するとなっていますが、すでに学校法人化の期限が昭和五十七年三月三十一日に到来する幼稚園も生じていますので、これについては同日まで遡及させております。 以上が本修正案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○青木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○青木委員長 石橋一弥君外三名提出、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案並びにこれに対する石橋一弥君外三名提出に係る修正案及び佐藤誼君外一名提出に係る修正案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。山原健二郎君。
○山原委員 五年前にこの現法ができましたときに、全会一致で、私どもも賛成をしまして、いま木島議員がおっしゃいましたように、委員長提案でこの法律は成立をしてまいりました。したがって、あのときには論議もいたしておりません。また附帯決議もつけるというようなこともなくて、満場一致で決定をしたわけであります。そういう点を考えますと、今度の三年延長という問題におきまして、この場所でずいぶん論議も行われましたし、また参考人にも出席をしていただく、参考人の方々にはずいぶん短い時間でありましたから十分意を尽くせなかったと思いますけれども、前のときとは違った審議過程を踏んでおりますし、また傍聴人の方たちも関係者の方たちが毎委員会ごとに傍聴されるということで、いわゆる幼児教育、幼稚園問題について本委員会がこれだけ審議をしたということは大きな意義を持っておると私は思います。 そこで、五年前に、確かに議員提案ではありますけれども、立法化された以上は法律であります。ここで今回の三年間延長が出てくる過程において、この五年間を文部省がどのような努力を具体的に行ったか、あるいは文部省が再び三年間延長せざるを得ない事態を迎えたことについていかなる反省をしておるかということについてへ最初に伺っておきたいのであります。
○柳川(覺)政府委員 お答え申し上げます。 振興助成法の成立によりまして経常費助成の交付、その適正な執行を図ると同時に、附則の二条第五項で学校法人化の義務づけがなされました。このことを顕在にしていくというための施策を推進する責任を文部省は承ったわけでございます。自来、都道府県におきますところのこの経常費助成の実行及び学校法人の義務化の実現につきまして、都道府県を通しましてその指導の徹底を期していたところでございまして、交付要綱におきまして、設置者が毎年度学法化への努力を重ねていかれる、そのことをその都度確認し、この促進を図るということの施策も進め、それを文部省といたしましても毎年度報告を受けて、その確認をすることも行いました。また、具体に学校法人化の実現の上で種々な困難がございます。その困難な面が緩和されるための認可基準の緩和措置等につきましても、都道府県、また関係の団体の御意見も聞きまして、そういう緩和措置の通知も出しまして、この面の責任を果たす努力を重ねてきたわけでございますが、かねてから御答弁申し上げておりますとおり、この期限内において学校法人化を実現することがなお困難という園が五百園に近い数に及んでおるということは、それなりの設置者の大変な御努力にもかかわらず、客観情勢のいろいろな流動的な要素等もございまして、このような実態になりまして、そのゆえにこのたび法改正という、改めて議員提案がなされる事態に至りましたということは、それなりに私ども行政の努力に今後ますます重要な責任を感じておるというように痛感しておるところでございます。
○山原委員 情勢の変化、これは非常に重要な問題でして、その情勢の変化に対応するだけの機敏な行政側の対応というのが必要ではなかったかということを痛感しておりますが、そのことはきょうはおきまして、私の党のこの問題に対する見解をちょっと申し上げてみたいと思うのです。 これは昭和四十八年の六月二十二日に日本私立幼稚園連合会の理事長の当時の大河内さんからアンケートをいただいておりまして、九年前のことになりますけれども、このアンケートに対する回答をいたしております。それをちょっと読み上げてみますと、「すべての私立幼稚園が補助をうけられるようにした方がよいと考えます。」、これは私どもの考えです。「幼稚園補助のうち、経常費のほか、施設の改善など物件関係への補助・融資のように個人や宗教法人の財産に還元される補助・融資は、憲法第八十九条、私立学校法第五十九条により、学校法人のみとされていますから、個人立、宗教法人立への公費補助をおこなう場合は、当然、学校法人化が前提となります。その場合、問題となるのは、改正案のように」、当時出ておりました改正案ですが、「改正案のように五年以内と期限を固定してしまうことが、私立幼稚園の実情に即していないことにあります。学校法人化にあたって一定の期間にかぎることは法文上必要なだけでなく、幼稚園教育全体の水準確保のためにも必要です。その場合、当然、移行のための手だてが必要ですから、ただし書きで、実情に即して学校法人化できるようにし、これとあわせて学校法人の認可の基準の緩和など学校法人化しやすい条件をつくることです。そうすれば、みなさんの要求も実現されるものと考えております。」という回答をしたことがあります。これは現在も私どもの見解でございまして、そういう意味では実情に即した移行、法人化の期限の問題、そういうことを当初から考えておったわけであります。 ところで、現実の問題といたしましては、もうすでにこの委員会で何遍も討議されておりますように、五十二年度をピークとしまして、いわゆる幼児減、これがもろに幼稚園児の減となっておるわけでございまして、これが学校法人化に移行するための一番の不安要因となっておるわけです。文部省の説明でも四百七十八園の未法人化の中で幼児減に伴う不安が百五十八件と一番多い数を数えているわけであります。 ところで、一つは、この幼児減の問題について、いわゆる厚生省の出しました幼児出生数の推移、これを見ますと、厚生省人口問題研究所発表でありますが、何でこんなに大きな違いが出てきたのか。文部省としてはここの誤算というのは非常に大きいわけで、きょうの参考人の中にもそのことを指摘しておられた方がおいでになるわけでありますが、この点で厚生省に対して、どうしてこういう誤差が出てきたのかということをお尋ねになったことはありますでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 特に厚生省に対してなぜこのような推計、推移に変動があるのかということにつきまして、その理由を確かめておりませんので、大変恐縮でございますが、一般的にいまわが国の一人の女性の方が生涯に何人子供を出生するか、いわゆる出生率でございますが、これが一・七人という傾向になってきております。先進国あるいは高学歴社会の世界的な傾向ということが言われておるわけでございまして、ヨーロッパの出生率にほぼ似通ってきたという一般的な現象は言われておるわけでございます。明確なお答えができません。また、この間に、この推移の上からいろいろ先行きの御不安という問題が生じたということで遺憾に存じております。
○山原委員 この推計は今回の問題の誤差を生み出す要因になっていますので、これはかなり無責任な資料として提出されておると思うので、私はその点非常に疑問に思っております。 それで文部省としても、そういう幼児推計、出生児推計の誤差に基づいて当然出てくる各県の幼稚園における実態というものはつかんでおられると思うのですね。この委員会でお聞きしておりますと、文部省としては今日の幼稚園の実態をつぶさにつかんでおられるのかどうか、どうもそれがちょっと不安になってくるわけです。たとえば千葉県の一つの例を見てみますと、昭和四十年に三百七十名の園、幼稚園ですね、この園がこの三年間に百四十六名に減っております。それから百名の園が二十人に減っているところがございます。この場合はもちろん学法化志向園だったわけですけれども、二十人に減って補助金を辞退をいたしております。つまり廃園になっていくわけでございますが、廃園が非常に多いわけですね。この廃園の実態というものは、文部省、つかんでおられるでしょうか。——およそでいいですよ。いまわからなければいいですよ。
○柳川(覺)政府委員 五十四年が二十八園、五十五年が同じく二十八園、四十七年度から五十五年まででは三百十一園が統廃合等も含めまして廃園になっておる数と見込まれます。
○山原委員 この廃園の実態、たとえば東京都を調べてみますと、昭和五十二年に、これは園児がピークのときですが、二十七万八千四百二名、これは国公私立合わせてでございますが、このうちで私立幼稚園が二十四万三千八百八十四名、圧倒的な多数を占めておりますけれども、これが五十六年には国公私立含めまして二十一万人に減っております。六万人の減です。その中で私立の幼稚園が十八万五千四百二名、これも六万人の減。四分の一が減っているわけで、それに応じて廃園の数は東京都で五十二年に五園、五十三年に五園、五十四年に四園、五十五年に五園、五十六年に五園、合わせて二十四園ですね、これが廃園になっています。神奈川の場合は五十三年がピークで十九万人おりました園児が五十六年には十六万六千人、二万七千人の減となっておりまして、これまた廃園の数が五十三年に三、五十四年に四、五十五年に五、五十六年に六、五十七年に八、こういうことで、東京周辺を見ましただけでもこれは相当な事態が起こっているわけですね。これは申し上げるまでもなく、実際五年前にこの制度ができましたときには幼児が増加する傾向にありましたから簡単に法人化できると思っていた。厚生省の人口推移もそういうふうになっておりますからそういうふうに思っておったところが、あにはからんや事態が変化してまいります。 これは一例でありますが、三百六十人の遺児を持っておりました幼稚園がこの法人化基準に合わせまして土地を購入する、施設を拡充する、そして希望に燃えて学校法人化を目指して、そのために約一億円ぐらいの借金をしております。ところが、園児が三百六十人から百二十人減りまして、現在二百五十名となっておるそうです。百二十名減ったわけですね。現在二百五十人。こうなってまいりますと、さて、今度の人口推移を見るとますます減少していくといういわゆる先行き不安が生まれてまいります。じゃ一億円の借金はどうなるのか。法人のためにこの土地を手放してしまえば借金を返すことはできない。どうするか。割り切って法人化しないということを決意すればよいのだけれども、そうもいかない。よい保育ができなくなってしまう。父母の負担をさらに大きく強いることになるわけですから継続しなければならぬ。しかも保育料を上げるわけにもいかないので、ここのところでは値上げせずにずいぶんがんばっている。さらに三十七名の教職員がおいでになるわけでございまして、幼児減だからといって首切りもするわけにもいかない。先生方の初任給は公立並みにして採用しておりますけれども、それ以後の加算ができないという状態。園長さんはわずか十四万四千円を受け取っているという状態で、これ以上先の見通しを立てることができない。志向園であるけれども法人化へ踏み切れない、踏み切っても廃園の憂き目に遭う可能性があるわけです。土地財産を提供して法人化しても廃園になりかねないということになりますと、結局この借金を抱えてどうしていいのかわからない、この土地を売ったりあるいはこの土地を駐車場にすれば借金はある程度返せるかもしれないけれどもどうしようかという、こういう問題があるわけですね。 こういう点を考えてみますと、先ほども言いましたように、この厚生省の人口推計というのはずいぶん罪なことをしておるということを感じざるを得ません。そういう意味で、本当にこの幼児減という問題が深刻な事態を起こしておるということですね。文部省はこのことを本出に腹へ入れてこれからの対応を考えなければならぬと思うのですが、その点はしっかりとした認識を持っておられるのかどうか、伺っておきます。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘ございましたように、在園者数の全国的な傾向でございますが、昭和五十三年までは在園者数が増加してまいってきております。百八十四万三千人が五十三年の在園者数でございますが、それ以降下がりつつございます。五十四年が百八十二万六千人、五十五年が百七十六万七千人、五十六年は百六十九万人というように、かなりの減少傾向が出てきております。また、その中で五歳児の就園率はすでに六四・四%という高きを占めておりますので、当該年度の該当人口の今後の減少というのが幼稚園の存在に対しまして大変深刻な問題を蔵しておるということは御指摘のとおりであろうと思います。 先ほど先生も御指摘になられましたように、私ども四百七十八園の幼稚園につきまして、その学校法人化できなかった主な理由というのを見ますと、幼児の減少が当初の予測よりも大幅なものと予測され、そのため今後の幼稚園経営に不安を抱いているものというのが百五十八園、三三・一%あるわけでございまして、この面につきましては適正配置の問題、公立学校も含めましての均衡ある、調和のとれた適正配置ということにつきましてもさらに都道府県を通じましてその実態把握、さらに幼稚園の今後のより安定化への協力ということを十分考えていく必要があろうというように感じております。
○山原委員 そういう事態で、仮に今回三年延長いたしましても、六十年ですね。それはますます幼児減が深刻で、学校法人化が困難になってくるという事態ですね。六十年、六十一年に至っては大変な幼児減が生じてまいりますから、そうしますと今回三年間延長するとしまして、この法律が決まりました場合に、自然成長的にこれを期待をしておったのではまた三年後には今回と同じような事態が生じてくるということは必至ではなかろうかと思います。 たとえば、いま申しましたのは幼児減に伴う不安百五十八園ですね、それからさらに宗教法人あるいは家族の同意を得られないという問題、あるいは用地の取得が困難であるというような問題ですね、それから設置基準を満たさないというような問題で、それぞれ百三十九園であるとか七十七園、二十八園、手続がおくれておるというのが二十五園の、五%というふうに先日も説明されましたが、これはいずれもなかなか困難なものばかりですね。 手続がおくれておるというのは、これは手続を何とかすれば五%の一部はこの延長期間に学法化が可能であるかもしれませんが、いずれを見ましてもかなり困難な要因を抱えておるということでございまして、この事態に対して、まあ何とかなるだろう、自然成長的にいくのじゃないか、あるいは多少強硬な姿勢をとればいくのじゃないかというようなことだけではやはり法人化の期待はできないと思います。 また、いままで努力をされて、これは提案者の西岡先生からも、着実に進んでおるというお話が何遍かございましたが、それはそれといたしまして、その努力は了といたしますけれども、文部省自体として着実に進んでおるというだけの現状認識では、法人化するという法の趣旨を守り抜くことができるかどうか、非常に困難な事態を迎えておるのではないかと思います。 一方で三年間延長したこの期間内に次の施策を考えるということも申されているわけでございまして、この点については私どもも多少不安要因があるわけですね。西岡先生のおっしゃる、この三年間に抜本的に幼児教育全体を見直すというお話を伺いますと、さてそれならば、この法律を成立さすまでに一体どういう構想のものが検討されておるのかということをお聞きした上でなければ法律の審議ができないということさえ言える重大な中身を持っておると思います。しかし、その問題、きょうここで中身に触れてまで論議する余裕はありません、きょうは採決を目の前にしておりますから。 そういう意味から考えまして、本当に法人化が困難であるという問題をかなり強固に把握をして、そして次の救済方法というものを考えざるを得ないというふうに考えるわけでございますが、三年たった後にまた延長問題が起こってくる、あるいはどうしても救済しなければならぬ園が出てくるということは、これは当然予測しておかなければならぬと思うわけですが、その辺は、三年間延長の法律を出してそこまで踏み込むことは答弁する場合に困難かもしれませんけれども、当然予想はしておかなければならぬと思う。だから、それは提案者に聞くと大変お答えしにくいでしょうから、文部省、その辺どう考えてますか。
○柳川(覺)政府委員 この振興助成法の制定、またこれによります助成策、また学校法人化の促進という努力の成果が、五十一年で補助を受けた千九十五園のうち約六割の個人立幼稚園が学校法人化できたということで、なお四百七十八園につきましては、五年間の努力にもかかわらずなお学校法人化が実現しておらないということは、先生御指摘のとおり今後ますます厳しい状態にあるというように受けとめざるを得ないわけでございます。振興助成法が、基本において、学校法人に対して経常費助成を支出いたしまして私立学校の教育の充実、同時に経費負担の軽減を図りまして私学教育の健全化を期すという本則に立っておるわけでございまして、なおいろいろな困難があるわけでございますが、私立の幼稚園がいっときも早く学校法人化の設置形態をとりまして、その永続性と安定性を確保していく、公共性を高めていくということの目的の達成に、なお振興助成法の今回の改正によりまして三年間の延長はそれなりの大きな意味があると思うわけでございまして、その間客観情勢は大変厳しいと私ども思いますが、幼稚園当事者の一層の御努力に期待しつつ、またこの審議を通して種々御示唆のありました点を受けての施策のより徹底につきまして十分対応していく責任を痛感しておるところでございます。
○山原委員 いまの一番大事な急務の課題というのは何かと言いますと、先ほど言いましたようにますます困難な事態に向かっていく、そして結局父母負担に頼るか何か方法を園自体が考えなければならぬという、これに対して行政はどうするかという問題があると思うのです。たとえば、これは他の委員の皆さんからも出ましたが、法人化基準の緩和、運用の弾力化といいますか、そういったもの、あるいは学級定員の減それから教職員数を基礎とした補助算定というような問題、これもすでに他の委員の皆さんから出ております。 それから父母負担軽減の直接補助、これはきょうの参考人もお二人ほど、直接補助の問題が出ておりました。さらには就園奨励費の拡充あるいは長期低利の融資の問題、さらには適正配置の問題。適正配置の問題については私の県の例をちょっと挙げて後で申し上げたいと思いますが、これらの問題について当然一つ一つ何らか前進する意味での具体策が検討される必要が私はあると思います。そうでなければ、三年待ってもいよいよ事態は困難になってくるというふうな感じもするわけですが、こういう具体策については文部省として検討される用意があるのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘の学校法人化のための基準等の取り扱い、運用の緩和策につきましてはそれなりの緩和措置を講じてきたわけでございます。宗教法人の場合におきましては、その宗教法人所有の土地がそのままの所有状態において永続性が確保されるという場合におきましては、学校法人化に当たりまして、そのままの状態でもよいというところまで踏み切っておりますし、しかしながら、それでもなお本山等の関係から、この面の了解が得られないというような事由が挙がっておりますが、すでに小学校、中学校あるいは大学等につきましては宗教法人と学校法人との間の調整がそれなりになされて学校法人化がされておるわけでございますので、私ども、こういうような面につきましてはより実態を十分把握させていただきまして、さらに具体の緩和措置、運用の取り扱い上の方途につきまして十分検討していく必要があろうというように感じております。都道府県を通じましての行政でございますが、都道府県の担当者とも十分この面の協議を重ねて、法の改正の趣旨の顕在化に努力していきたいというように考えております。 なお、就園奨励費の補助あるいは幼稚園の新設に際しましての施設の整備費補助等の措置はそれなりに講じられておるわけでございまして、財政の事情の厳しい中でございますので、直ちにこの経常費助成のほかに、個人負担への助成策等につきまして、いま就園奨励費等による施策のほかにそういう新しい施策が生み出るかどうかということにつきましては、大変大きな課題でございます。提案者の方からも幼児教育につきましての抜本的な施策の検討ということが御答弁されております。むしろその中での大きな課題であろうと思いますが、私ども行政の立場から可能なことを最大限見出しまして、この厳しい中での法の目的が達せられる方向への努力をより一層いたしたいと考えております。
○山原委員 次に、きょうも参考人として幼稚園関係の三つの団体の代表の方においでをいただきました。その中で全国学校法人幼稚園連合会の場合は、これは法人化されているわけでございますが、私も実態はよくわからないのですが、日本私立幼稚園連合会、日私幼、それから全国私立幼稚園連盟、全私幼の場合、これは組織が分かれておりますが、それぞれ経緯もあってこういうことになったと思いますが、いずれも個人立あるいは宗教法人立、また中には法人になったところも加わっていると思うのですが、この五年間にこの二つの組織におきましてどれだけの園が志向園として補助金を交付され、そしてこの五年間にどれだけ学校法人化されたかということはおわかりになりますでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 いま御指摘の志向園の状態、あるいはそのうち学校法人化した園の実態を団体別に累計したものを持ち合わせておりません。
○山原委員 団体のことですから、そこへ立ち入るわけにはいかないと思いますが、やはりどういう指導がなされ——それぞれ利害を持って団体が組織され、みずからの経営を守るためにつくられておるわけでございますから、その点は尊重しながら、どういうふうな動向にあるか、そういうことは、まあ全体としては数字もお聞かせいただいたのですが、それぞれの団体がこの法人化の問題についてどういう努力をされているのか、その辺は文部省、把握する必要はないのでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 このたびの法改正につきまして、日本私立幼稚園連合会それから全国学校法人幼稚園連合会は積極的な御賛成があったようでございますが、全国私立幼稚園連盟にありましては、当初必ずしもこの法改正には賛成しがたい立場をとられたようでございますが、今回の改正案が全法幼の意見も十分踏まえた上で提案者において作成されたということから、その内容につきましては全私幼におかれても御理解をされておるというように感じておるところでございます。 なお、先ほど日本私立幼稚園連合会を全国とあるいは申し上げたかと思いますが、日本私立幼稚園連合会それから全国学校法人幼稚園連合会、この二団体につきましては、先ほど申し上げましたとおり積極的な御賛成があったということでございます。
○山原委員 積極的な御賛成のないところは、その理由としては学法化困難ということが理由でございましょうか。
○柳川(覺)政府委員 最終的に三団体ともこの法改正につきまして御賛成で、この成立を期待しておるわけでございます。したがいまして、従来振興助成法のとってまいりました経常費助成のさらに延長、またそれと密接に関連いたしまして学校法人化の実現を図っていくということの努力が、従来以上になされていくという状況にあろうと思います。
○山原委員 私は最初に私の党の見解を申し上げましたけれども、私どもは期間を固定化してやるということについては多少の疑問を持っているわけですが、それにしても学校法人化するということは一定の期間は要るわけでございます。確かにこの法律に対して賛成をするということはわかりますが、同時に学校法人化に対して努力をするということも付随しないと、この法律の趣旨、また提案者のお考えから言っても、いままでのこの委員会の討議の経緯から言いましても、賛成はします、でも法人化の問題についてはということではちょっと通用しない面があると思うのですよ。その点では、やはり団体を組織されているのですから、そこに対しても本当にこの三年間に努力をしていただくということがなければ国民に対して申しわけないわけで、ただ賛成でございますと言うだけでは文部省の姿勢としてはちょっと不十分ではないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先ほど参考人として三団体の代表の方からそれぞれ御意見が、また御質疑に御答弁があったわけでございますが、それぞれの団体とも、この法の趣旨を踏まえた努力をしていくということの御意向の表明があったというように承っております。
○山原委員 先ほど佐藤議員の方から提案をされました補助金返還の問題では相当強烈な意見がこの委員会では出ているわけです。それは幼稚園教育の振興という立場から、多少の意見の違いはあろうと思いますけれども、しかし流れる気持ちとしてはやはり同じものがあるわけですね。そして先ほど木島委員の方からショック療法という言葉も使われましたけれども、そういう意味では、国民に対して国会として責任を負う法律ができようとしているわけですからかなり責任ある姿勢で申されたわけで、このことは提案者はもとよりでありますけれども、文部省としてもきちんとつかまえておかないとちょっとぐあいが悪いと思います。時間の関係でこれ以上は申し上げません。 もう一つの問題は、これは西岡先生がずっとおっしゃっておられる、この延長した三年の間にいわゆる幼児教育を含めて大きな見直しをするということですね。自民党の中に提案者自身が座長もされております幼児教育問題小委員会とか幾つかのそういう機関をつくって検討されておるということを聞いておりますが、これはもちろん一政党の問題ではありません。政権政党である自由民主党としてこれに対する対応というのはあるのが当然でございますけれども、しかし全国の幼稚園教育の発展という問題について論議をする場合に、これは一政党の問題でなくて、意見の相違があったりいろいろな問題はあろうとも当然各政党が論議を進めていって、この法律が通りました暁にはこの委員会においても相当の責任を持った論議がなされなければならぬと思うのですが、この点について提案者の西岡先生はどういうお考えを持っておるでしょうか。 それともう一つ、委員長に対しましては、先日湯山議員の方から、どういう形態かはわかりませんけれども、幼児教育をめぐりましてこの委員会に何らかの継続的な検討をする機関をつくるべきではないかという御要請があったわけでございますが、これについて委員長はどうお考えになるか。お二人に意見をお聞きしたいと思います。
○西岡議員 お答えいたします。 先般来の質疑を通じまして、今回の三年間の延長を御提案申し上げております自由民主党といたしましては、この三年の間に幼児教育のあり方、行政の仕組みのあり方等について一つの方向を明確に打ち出したい、それに当たっては各党の皆様方の御意見も十分承ってその方向を見出してまいりたいということをお答えしてきたところでございまして、山原委員御指摘の問題提起に対しては全く賛成でございます。
○青木委員長 先日の湯山君のお申し出につきましては委員長も賛成でございますけれども、具体的には理事会に諮って決めたいと存じます。
○山原委員 あと二つ質問をしておきたいと思います。 これは新聞を見た限りでございますから、十分把握をしておりませんので発言が不正確になるかもしれませんが、朝日新聞に出ております横浜市のNという幼稚園の場合です。これは十一学級、六百人の園児を持つ大きな規模の園であります。ここへ環状二号線がかかりまして、代替地が要請をされておりますが、その代替地を入手しまして新設移転の計画が進行しておりまして、五十八年度には園舎を建てるはずであるようです。ここは学校法人志向園で、三年間助成を交付されております。しかし、新園舎の計画を進行させながら学校法人申請には踏み切っていないということが新聞に出ておりまして、ここの場合は五十一年の三月三十一日、すなわちこの法律が適用される直前、学則を変更しまして、それまで一学級で申請をされておったものを十七学級に申請をし直しまして認可を受けております。いわば駆け込み申請、まさに実地検証ができない三月三十一日に申請をして、そして十七学級にふやして申請をしておりますから、これは助成金が欲しいためのふくらましではないかということが新聞に出ているわけであります。これは実際は八百人の園児と二十学級あるそうで、すでに設置基準をオーバーしているわけですが、これの四十三年当時の横浜市への認可申請が敷地三百平米というふうに水増しをして申請しておるが、実際は十一学級しか土地はなかった。ところが代替地は水増しのまま確保されて、十七学級分の代替地を取得しておられるようであります。しかも、もとの旧地の地価が高騰しましてさらに広い土地をもらうということで、これに対して周辺の幼稚園協会でございましょうか、連名で県知事に対して要請書が出されているわけですね。それにはこういうふうに地図が出ているのですが、この地図を見ますと確かに面積を広げておるわけでございます。そこで県の方で実測をし直してみますとやはりもとの旧地は十一学級分しかなかったということで、これはミスの申請だったということになっておりますが、新聞では意識的な水増しであってミスではないだろうというような問題が起こっておるようであります。 こういう例は珍しい例かもしれませんが、志向園としての補助金をもらいながら実際は法人化の申請をしない、さらに三年延長ということで補助金が出るわけでございますが、こういう例があるからもらい得というような問題が出てきたり、あるいは不信の原因になるのではないか。これは新聞の記事でありますが、こういった例については文部省は把握しておられますか。
○柳川(覺)政府委員 御指摘の永野幼稚園につきましては、志向園として五十三年度から補助対象となっておりまして、神奈川県におかれまして学校法人化のための指導を行っていると聞いております。先生御指摘のように、この幼稚園は五十六年五月一日現在定員は四百四十人でございますが、実員が五百五十四人という状態でございまして、五十四年に幼稚園の協会から十七クラスでは設置基準を満たしていないのではないかというクレームがございまして、調査の結果、設置基準に対しまして未充足であったので、五十五年に十一クラスの扱いに減少をしておるというような経緯があるようでございまして、なお個別の事情の詳細につきましては、県に対しまして必要に応じた事情聴取もいたしまして、今後適切な指導がなされていくようにしてまいりたいと思っております。
○山原委員 個々の園を取り上げて実例を出したわけですが、これは新聞に出ておるからどういうふうに把握されておるかという意味で出したわけでございます。 そういうことで、この園そのものは私は行ったこともありませんし、経営者のお考えもお聞きしたことはないわけでございますけれども、周辺の幼稚園の経営者の皆さんがこんなにたくさん連名で問題を提起されるということになりますと、これはやはり一定の瑕疵があるのじゃないかということを考えます。そこへは志向園として国の資金も入っておるわけでございますから、それならばそれで学校法人化していくということでなければ、こういうところから私立幼稚園全体に対する批判と不信が起こってくるということを考えますと、小さな問題ではなくて、やはりこれは正しい指導によって解決をしていかなければならぬ問題だと私は思っておるわけでございます。その意味であえて申し上げたわけであります。 最後に、第一次幼稚図教育振興七カ年計画と、引き続いて第二次幼稚園教育振興十カ年計画が打ち立てられまして、この五十七年三月にこれが終わったわけでございますが、この計画は未達成の部分もあるわけでございますが、今後も引き続いて年次計画で幼稚園政策を前進をさせていくのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、文部省では昭和四十六年に幼稚園教育振興計画を策定いたしまして、昭和五十七年度当初までに入園を希望するすべての四歳児及び五歳児が幼稚園に就園できるようにすることを目標といたしまして、幼稚園の計画的整備を進めてまいりました。この結果、昭和五十六年五月現在の調査によりますと、就園率が五歳児約六五%、四歳児約五〇%、三歳児一〇%となっておる状態でございます。 この振興計画は昨年度をもちましてその期間を終了したわけでございますが、新しい計画を策定することにつきましては、現下の財政事情等もあり、当分の間はこれを見送ることといたしまして、その間はこれまでの計画の趣旨に沿いまして、希望するすべての幼児が幼稚園教育を受けられるよう、その普及充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。 このため、今後とも幼稚園未設置市町村や幼稚園の不足する地域を中心とした幼稚園の整備を推進するとともに、就園奨励費補助や経常費助成補助の充実によって保護者の経済的負担の軽減に努めることとしてまいりたい。また、子供を取り巻く環境の変化と幼稚園教育の普及に対応いたしまして、教育内容、方法等について一層の改善充実を図ることとしておるわけでございまして、これらの施策を通じて幼稚園教育の一層の普及充実に取り組んでまいる所存でございます。当分の間と申し上げましたが、少なくも財政再建期間中という意味が込められております。
○山原委員 計画を進められること、それと今日の財政状況の中で見送りの問題が出てきておりますが、これは私どもはどう解釈していいかわかりませんが、実はこの計画を進める中でかなり矛盾も出てきているのですね。これも先ほどから抜本的な見直しの中の一つに出ているわけですが、実は私の県は高知県です。高知県と長野県は圧倒的に保育所が多いのですね。保育園が多いのです。これは最近の事態でございますけれども、ここへ公立の幼稚園ができてまいります。そこで起こるトラブルと申しましょうか、市町村当局も保育園も幼稚園も本当に弱り切っている問題が次々と発生するわけです。 これは私の県のある町でございますけれども、最近定員百六十名のりっぱな幼稚園が開設をされました。その入園式の当日、共稼ぎの家庭の二十三名の幼児と父母が、幼稚園では困るから保育園に行かせてほしいと、園の玄関で教育長に迫るという事件が起こっております。これは園児の募集を始めた当初は、五歳児も幼保いずれの施設を選ぶか、家庭の生活実態に即して親の意思に任すということでございました。ところが、保育園より募集を長くしてみましたけれども、幼稚園の園児が集まらない。そこで五歳児は原則として全員幼稚園へ入園をしなさいと町長名で父母に要請文を出したのでありますが、これに応じた父母はわずかに一名。最後は保育園の園長が父母を説得しまして、やっと二十名ほどが幼稚園に移ったのでありますが、それでも二十三名の父母と園児が玄関前で教育長に交渉するという事態が起こったわけであります。 長野県もそうでしょうが、私の県などでは、労働力の中で婦人の占める割合は四五%を超えております。したがって、どうしても長時間保育を望む者が圧倒的に多いわけですね。それで、こういう中で新しくできる幼稚園といままであった保育園との間の児童の奪い合いとまでは言いませんけれども、不正常な事態が起こっているわけです。百名収容できるところは、私の県には五つしかないのです。この町では、教育長さんが、ここでは四教室、百六十名収容の園舎を建てることができた、りっぱな幼稚園ができたのですということで誇りにしておられるわけであります。 しかし、実際はどうかといいますと、保育園と幼稚園に兄弟を別々に通園をさせている家庭もあるわけでございまして、幼稚園に行っておる子供の親は、子守さんを雇わなければならぬ、あるいはパートとか外交員という仕事に転職する、それから、長い夏休みの場合は親も休まなければならぬ、田舎でかぎっ子が出てくるというような事態が起こっているのです。幼稚園の方もこれは大変お困りになったのでしょうが、結局午後三時まで居残り保育を始めたわけですけれども、手が足りないものですから、結局昼寝をさすだけの保育になってしまっているわけです。そうすると、子供が帰ってきますと、夜なかなか寝つかないということで、居残り保育を希望する者が逆になくなってしまうというような事態も起こっているわけです。 もう一つの町ですが、これは幼稚園ができまして、二十名の園児が夕方五時の迎えが来るまで午後の保育時間をほとんど思い思いの遊びをしています。集中することはないわけですね。帽子をかぶって、かばんをかけて、そして帰り支度をして、色紙を出してただ遊んでいるというような状態ですね。本当に教育らしいことはできないわけで、結局幼稚園の場合は、ここでは午前中しか保育をしないで、午後はどうするかというと、父母は共同で子守さんを雇って、園の場所を借りて午後の保育をするというようなことになっているわけです。 それで、八十名のこの幼稚園でございますけれども、現在四、五歳児が合わせて四十名、その半数以上は、幼稚園ができるまでは保育園に通っていた、保育に欠ける幼児たちであるのでございます。こういう事態も起こっています。 それから、もう一つは、近くに民間の保育所があるわけですが、ここの場合は、いままでは町でたった一つの保育園だったわけです。ところが、幼稚園ができましたために、ここでは定員割れをしまして、幼稚園の方へ子供さんが行ってしまいますから、この保育園は、特殊な教育をしなければならぬということで、英才教育を始めるわけです。たとえば、週一回は珠算の教育あるいはピアノの先生を雇って教育をするというようなことで、幼稚園と保育園が逆になりまして、むしろその保育に欠ける子供の保育園の方が英才教育をやって、そして幼稚園の方がいわゆる寝かし保育、子守さんをやっておる、こういう皮肉な事態まで起こっているわけでございます。 それで、実態はそういうことでございますが、これは確かに文部省は計画を立ててやっておられるわけですけれども、当然ここらの調整は、一方は厚生省の管轄ということでございますが、それならそれなりにこの配置というものを適正に考えていかないと、おれの方は文部省関係だからということで、そこへそういう関係の配慮なしにつくることがかえってこういう混乱を起こすという結果になっておりますが、こういう実情は文部省は御承知でしょうか。
○柳川(覺)政府委員 幼稚園と保育所につきましては、申すまでもございませんが、それぞれ目的、性格を異にいたしておるわけでございますが、地域によってそれぞれ事情が異なるわけでございます。全般に、幼稚園、保育所ともまだ普及を必要とするところもありますが、いま先生御指摘のような、地域によってはいろいろなこの間の調整の上での事態が幾つか起こっているというように聞いております。 文部省といたしまして、幼稚園と保育所の適正配置につきまして、かねて厚生省とも協議の上、都道府県に対しまして、両者の普及については十分な連絡のもとに計画的に進められるよう、お願いしてきておるところでございます。 また、いわゆる預かり保育の問題につきまして、昨年、幼稚園及び保育所に関する懇談会の報告が出されまして、幼稚園の教育時間終了後、必要に応じ適切な条件のもとで希望する園児を預かること、いわゆる預かり保育の提言がございました。文部省といたしましては、この預かり保育を実施するかどうか、またその実施方法や必要な経費の支弁等をどうするかにつきましては、地域の実情や保護者の要望等を勘案して、設置者において十分この辺を判断して対応していただきたいということの指導をいたしてきておるところでございます。
○山原委員 最後に、この法案、採決の時間が迫っているわけでございますが、時限立法でありますし、私ども、三年間延期をするということにつきまして、同時に三年間で再延長しないということにつきまして、逆の意味でこだわってまいりました。それは、現在の幼稚園の実情に即して法人化を図っていくという考えを持っておりましたために、そういう意見をいままで申し上げてきたわけでありますけれども、しかし、法律のたてまえとしては、当然期限は明確にすべきであると思いますし、また時限立法でもあるという点から、この点は了承をいたしておりまして、この法案に対しては賛成をいたしたいと思っております。 同時に、この学校法人化ができるためのあらゆる努力を払うべきであるということですね。それは、教職員の待遇改善も含めまして、園児の学級定数の問題あるいは算定の基礎を変えていくという問題、また志向園でなくても、志向園にもなり得ない幼稚園に対して、そこでも手づくりのりっぱな保育、教育をしているところもたくさんあるわけでございますから、それらに対しても適切な援助が行われるべきであるというふうに思っています。 それから、先ほど参考人として参られました玉川大学の先生の発言にもありましたように、三年間終わりましたときに、期限は三年間で切れるとしましても、再延長しないとしても、特別に事情のある場合、そして本当に懸命になって法人化を図ろうとしておる園が残った場合には、それに対して別途の、他の方法があるのじゃないかということも言われておりましたが、そういう救済措置といいますか、そういうものは当然考えていいのではないかと思っておるわけでございます。 これらの点については、先ほど委員長にもお願いしましたように、今後この委員会においてもさらに検討を深めていってほしいということを要請をいたしたいと思います。 そして、きょう、採決の際に討論を行わないということを理事会で合意をいたしておりますので、一言、いま提案されました社会党の修正案につきまして御意見を申し上げて終わりたいと思います。 この修正案は、先ほどからの社会党の議員の方たちの質問によりましても、その真意は十分わかるわけでございます。また、補助金返還の問題についても、これだけの厳しい姿勢で臨まなければならぬというお気持ちも、先ほどの討論の中で十分わかるわけでございますし、同時に、補助金返還についてやむを得ざる事情のある場合に対しては一定の救済の措置も書かれておりまして、そういう意味では配慮ある修正案となっておるわけでございまして、この点では私は敬意を表明いたしたいと思います。 ただ、いま提案をされましたために、私どもとして、これを精査する時間的余裕がございませんし、それからこの補助金返還ということにつきましては、なお検討したいという考えもございまして、にわかに賛意を表明することができない事態にございます。採決に当たっての態度は、もちろん後で採決のときに示すわけでございますが、そのことを意見として申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○青木委員長 中西績介君。
○中西(績)委員 最後になりましたので、できるだけ御答弁をまとめていただければ幸いと思います。 三日間にわたる審議が続けられておりますので、大体の指摘する点は出ておると思いますけれども、最後でありますから、いままで出てきたことと重なる点もあるかと思いますけれども、いままでの集約として質問を申し上げたいと存じます。 そこで、志向園として私立幼稚園の経常費助成を受けた園数が幾らになっておるのか。そして、残りの園数は四百七十八園と聞いておりますけれども、その後さらに新たに経常費助成を受けておる園等もございますので、五十七年三月三十一日で終えますけれども、それ以降、さらにまだふえておる部分がございますから、そうした数について一応提示していただきたいと思います。
○柳川(覺)政府委員 昭和五十一年度から昭和五十五年度までの間に国庫補助の対象となった学校法人化志向園の総数は二千四十三園でございます。このうち昭和五十五年度末までにおきまして学校法人化いたしましたものが六百五十二園、三二%ございます。また、廃園あるいは辞退した園が八十六園ありまして、昭和五十五年度末現在におきまして学校法人化していない園数は千三百五園、六四%ということになっております。なお、この中にはまだ学校法人化の期限の五年が到来していない園が含まれていることはもとよりでございます。 また、補助開始年度が昭和五十一年度の学校法人化志向園につきましては、先生御指摘のとおり、学校法人化の期限切れとなるものが四百七十八園と推計されておりまして、これは、当初の志向園数千九十五園の四三・六%となっておるわけでございまして、五六・四%の園は学校法人化の実現を見たという実態でございます。
○中西(績)委員 そこで、この四百七十八園の中で、三年延長、もし可決をし、法律が通るといたしますと、いままでの傾向からいたしまして、いろいろ調査されておると思いますからお聞きをいたしますけれども、学法化可能と思われる園数はどの程度あるかということであります。なぜ私がこのことを申し上げるかといいますと、先ほど参考人の方の意見等がいろいろございましたけれども、この中にはいろいろな事情があるということでありますから、どの程度のものが一応予測できるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
○柳川(覺)政府委員 四百七十八園は、それぞれ法人化が困難なさまざまな事由を複合して持っておるわけでございます。その状態でございますが、幼児の減少が当初の予測よりも大幅なものと予想され、そのため今後の幼稚園経営に不安を抱いているもの百五十八園、三三・一%でございます。それから学校法人化につきまして、宗教法人、本山や法定相続人となる家族の同意が得られないというものが百三十九園、二九・一%でございます。それから園地の取得または借用につきまして、地主との交渉が難航している、あるいは資金確保に困難を生じているというところが七十七園、一六・一%、それから現状のままでは幼稚園設置基準を満たさないという状態のところが二十八園、五・九%、それから学校法人認可の手続が当初の計画よりおくれたもので、近い将来に学校法人化の可能なものと答えておりますところが二十五園、五・二%、その他、負債が多いなどのその他の事由のところが五十一園、一〇・六%でございます。 この辺が、一応このような形で学校法人化できない主な理由の分類したものでございます。 五年間の御努力にかかわらず、それなりの努力をしてまいりましてなお法人化が実現しないというところでございますので、これらにつきまして今後大変な御努力が重ねられていくわけでございますが、いま、理由別の数字を挙げたところでございますが、近く学校法人化が可能だというものは五・二%のお答えしかまだいただいておりません。それなりの困難を伴うと存じますが、それぞれ法人化への支障の面の緩和につきまして、それなりの、設置者とまた行政両々相まって、努力を重ねる、最大限の努力を図っていくという課題であろうということで、いま具体的な推計に立ち得ない状態にありますことを恐縮に存じます。
○中西(績)委員 いま、類型化されましたものを発表いただきましたけれども、先般からの討論の中では、この法人化、大変困難だということで人口急増地域だとかいうことを盛んに挙げておられましたけれども、私はそればかりが大きな理由にはなり得ないのではないかと思っておりましたところ、いまこうしてみますと、確かに人口急増地域が多くの非法人化の、あるいは志向園の中で法人化できないということが余りないと思われる内容になっていますね。ですから、そうした点で、この数値からいきますと、法人化可能なものの数というのはわずかになって、五%程度しかまだ出ておりませんから、そうなってまいりますと、一番最初に発表いただいた不安だということ、ここら辺をどう取り除くのか、あるいは取得するのが困難だとか、あるいは資金がないとか、いろいろな問題等が出てくると思いますけれども、いずれにしても、一番の問題は、この中身をずっと見てまいりますと、これから後、学法化は大変困難だということがこの数値からすると伺えるのではないかと思うのですが、提案者の方はどのようにこの点を御理解いただいておるか。
○西岡議員 お答えいたします。 確かにこれからの学法化の進捗の予測が大変むずかしい状況にあるということは、御指摘のとおりであろうと思います。 ただ、三年間この法律を延長していただくということが決まりましたならば、この間に先ほど来各委員より御指摘のございました補助基準等についてもいろいろと工夫をしてみる余地があるのではないか、あるいは設置基準、法人化のための基準についても、なお考慮の余地があるのではないかというような問題とあわせて、一番大きな問題になっております将来の不安という問題については、保育所についての行政との調整という問題が最大の課題になってくると思うわけでありまして、この点につきましては、率直に申し上げまして今日までなかなか言うべくして簡単なことではなかったわけでございます。 ただ、先刻来の質疑を通じて明らかになりましたように、保育所におきましても幼稚園と同じように幼児減、幼児の数が減ってきている。具体的に申しますと、幼稚園の場合には三年前から具体的な園児数が減少してきているという状況が起こっているわけでありますが、保育所におきましても、昨年度初めて実数の減少という事態が起こってきているわけでありまして、そういう意味において保育所も幼稚園も人口動態の変化という共通の問題にいまぶつかっている、そういう状況のもとで、幼稚園と保育所についての行政のあり方についての見直しが行われる基礎的な条件というものができてきているのではないだろうか。こうしたことをとらえて、できるだけ早い機会に幼児に対する教育行政のあり方についての明確な方向づけが示されれば、先ほど管理局長から具体的な内容が示された多くの幼稚園が法人化を決断をされるのではなかろうか、このように考えているわけでございます。
○中西(績)委員 後の方で言われました点、これはまた後でいろいろお聞きをしたいと思いますけれども、いずれにしてもそうした不安の状況があるということ、この不安な状況というのは、私、幾つかの例が挙げられると思うのです。 そこで、先ほど木島さんの方から私学振興助成法の第一条の問題と附則二条五項の問題、これについては論議しましたのでここではいたしませんけれども、ここでやはり法人化が義務づけられておるということが盛んに言われましたけれども、行政の中で、この前から私も指摘をいたしましたし、同僚の佐藤さんの方からも指摘ありましたように、この解釈の仕方をめぐって、先ほど参考人の意見を聞いてみますと、日私幼の代表者の方が言われておりますように、文部、大蔵あるいは法制局、すべてそうした方向を義務がないかのごとき流し方を文部省がしておる。そのこととあわせて、今度は日私幼の場合も要覧の中でそのことが示されておる。あるいは全私幼の方も、そうしたことはなかったけれども、そうしたことを聞いたということを言われておる。 このように全般的に見ますと、やはりそうしたところに一つのざる法的なものがあったのではないか、ざる法というよりも、ざる法的取り扱いをしたのではないかと思われる節があるわけであります。この点はいま幼児がどんどん減少していく、そうした中で、まだ一定の方針化がされておりませんだけに、それとあわせて、そこら辺がすべてごちゃごちゃになっちゃって大変な行政的な混乱がそこにあったのではないかということを私は感ずるわけですね。この点はどのように西岡さんの方は理解をしておるのでしょう。
○西岡議員 お答えいたします。 これまでの実績からたびたびお答えを申し上げましたように、現に学法化が着実に今日までのところ行われてきたという実績があるわけでありまして、中西委員御指摘のようなざる法約な取り扱いが行われたとは私どもは全く考えていないところでございます。ただ、中西委員御指摘の、現実の姿としてこの私学振興助成法の規定の解釈について若干の混乱があったということについては、私も一〇〇%これを否定することはできないという現実があることは、率直に認めざるを得ないところでございまして、しかし、今日までのところ着実に学法化が行われてきたということについては、中西委員におかれましてもお認めをいただけるのではなかろうか、このように考えているわけでございます。
○中西(績)委員 私は、二年前に指摘をしたときに、全く同じことをずっと言い続けてきているわけですね。ところが、この前からの論議の過程の中でやはり一番問題があったのだなということを感じましたのは——報告書の取り扱いは先般も同僚の佐藤さんの方から指摘がございました。この点についても大臣もある程度お認めになったと思うのですね。ところが、この前からの答弁の中を聞いておりますと、各県段階にそれぞれ任しておるという、行政的措置は任せられるわけですから、その場合にどのように指導をしていったかということがやはり一つの問題になるわけですね、助成金を出しているわけですから。 そこで私が言いたいと思うのは、個々の法人に対して直接指導はできないにいたしましても、報告書の内容なり何なりによって判断をするわけでありますから、停止したところが六十九園あるのだということを言っておりますけれども、そうしたものは全部県から上がってきたものをうのみにしての六十九園であるわけです。やはり少なくとも助成金を出す側としてこのことをどう判断していくかということは、県だけのもので判断をするのか、それとも県から報告されたその内容をつぶさにやはり検討してやるかということが大変重要な問題ではないかということを私は指摘をしたいと思うのです。 私はここで感じますのは、先般も局長が答弁しておりますように、五十六年実態を知って大変だと認識をしたという、言葉じりをとるわけじゃありませんけれども、そうしたものが実際にいまどうしようかということを、直接手をかけようとしたときに、その実態が余りにもひどいということを、かわられて新しいという局長の配置の関係もありますけれども、そうしたものがずっと継続的に論議されたり、またあるいは事務が継承されたりということがなくて、こうした点がどうしてもやはり落ちておったのではないかということを、答弁を聞いておりまして私は感ずるからです。ですから、やはりこの報告書の集計と内容分析、このことをつぶさにやっておれば、もう少し内容を把握できたのではないか。私がこう言うと、報告される中身というのはきわめてずさんなものであったとこの前指摘をされましたように、それでよろしいということにしてあるから、こうした結果が出たと、こういうように逃げるかもしれませんけれども、いずれにしてもそうしたところに、私は先ほど申し上げた、これが衆法であるということ、閣法であればもう少し一生懸命やったかしれないけれども、衆法であるために、これが法律として成立をしておるにもかかわらず、ここいらが大変ずさんな取り扱いをしたのではないかということを私は疑念を持つわけであります。この点は提案者の方はどうお考えですか。
○西岡議員 お答えをいたします。 これまでの文部行政が、直接の所轄庁としての都道府県における行政というものが正しく行われているということを前提として、私学、私立に対する、個人立、宗教法人立に対する補助が行われるわけでありまして、そういう意味におきまして、この法律が衆法であろうと閣法であろうと、法律になった以上何らの区別が行われるはずのものではないと確信をいたしておりますし、またそうでなければならないわけでありますから、今日までの文教行政が正しく行われてきたと確信をいたしております。
○中西(績)委員 なぜ私はこれにこだわるかと申しますと、あるいは昭和四十九年に行政管理庁が調査をした結果が出ています。これを見ると、五十一年の緩和基準をする前のことですから、その中身はきわめて基準に欠けるものだとか、そういうものが物すごくあるわけですね。それから県の指導がでたらめだということが指摘されているのですよ。それに対する文部省の見解というのがちゃんと出されておるのです。そうした経緯がありながらも、依然としてこれが措置されておらない。そして報告書などについては底抜けのそうした報告書を依然としてとっておるという、そしていまあなたがおっしゃるように、この都道府県が正しく行政的措置をしておるということを確信をして、その上に立ってやってきたと言う。ということになると、文部行政の中で一番大事なことは、みずからやっておる行政そのものに対して、他から見た場合に、客観的に物を見て法に従ってどうなのかということあたりを見た場合に問題があると指摘をされたときに、それに対してちゃんと答えておるわけですから、そのとき以降の問題としてこれは出ているわけですから、五十一年に緩和基準され、そしてそのことがどうなっていったか、そしてそれに対する報告書はどのように出されていったかということが具体的にされておるわけでありますから、そうした面が私は欠けておったと言わざるを得ないわけですね。私も今度これを取り扱うに当たって、初めてそうした点を勉強させていただいて、そのことが明らかになってきたから、このことを指摘をしておるわけです。ですから、この点私は、いま西岡さんが言われたようなことではなかなか受けとめがたい。 このことをなぜ私は強調するかと言いますと、これから後、またさらに、いまさっき言われましたように千三百五園あるわけです。四百七十八園だけではありません。さらにまた今後これが増加する可能性だってあるわけですから、そうなってまいりますと、この三年間延長することによって、ただその部分だけが延長されただけであって、いままでのようなやり方でもってしたのでは、私はこれを解消できるという行政措置が果たしてできるだろうか、このことを考えるから、こうした提案をなさる皆さんに対して、その点の押さえ方なり理解の仕方が一致しておらないと、同じ土俵に立ってないと、なかなか討論がかみ合わないから、私はこのことをあえて強調しておるわけです。その点の御理解はいただけるかどうかです。
○西岡議員 お答えをいたします。 中西委員御承知のとおり、現在の学校法人について、昭和四十五年に初めて予算措置として行われました当時百三十二億でございましたか、私立の大学の経常費助成が初めて国の予算として計上されまして、それを受けて学校法人会計基準というものが四十六年に定められたわけでございます。そういう意味におきまして、学校法人の会計ということについての基準そのものがまだ非常に歴史が浅いということも率直に申し上げてあるわけでございます。 その後、ただいま御指摘がございましたように、昭和五十一年に学校法人化のための幼稚園についての基準の緩和が行われまして、その特別の措置といたしまして私学振興助成法附則二条の三項と四項において、学校法人会計基準を上回る厳しい規定をこれに設けて措置をするということが一方において手当てがされてあるわけでございますので、そういう意味において、都道府県の行政がそれを基準として適確に行われているべきものであるということを前提としてお答えを申し上げているわけでございます。
○中西(績)委員 都道府県のそうした実態等信頼をするということに立っておる。もちろん行政者としては、都道府県不信感を持って見たのでは行政はできないと思いますから、そうしたことは当然だろうと思いますけれども、ただ、私がもう一つだけ提案者にお聞きしたいと思いますのは、提案をされまして、五年前にこれが可決成立をいたしました。その後の五十二年に、このような文部省が都道府県私立学校主管部課長会議の資料として出された内容だとか、あるいは先ほど私が申し上げました日私幼のそうした要綱だとかの内容等について、そうしたものが出されておるということは御認識いただいておったのですか。 じゃ、ちょっと私申し上げましょう。「学校法人立以外の私立幼稚園に対する経常費助成について」ということで、主管部課長会議の資料として出しておる中に一問一答形式で出されています。その中に、私が非常に問題にするのはここなんです。「学法化を推進することを目的とするものではないので、」、こう書いてあるわけです。これは文部省の資料ですよ。文部省が都道府県の部課長に提示した一問一答集の中にある。 ところが、今度ずっと討論をしてみますと、文部省も提案者の方も、特に提案者は一番最初から、このことはそうした義務づけがなされているのだ、二条の五項ですね。だのに、文部省が出しているのにはこういうことがちゃんと書かれてあるわけですね。これは「問一」の「答」の中にいろいろずっとあるわけでありますけれども、その中にそういうことが書かれてあるわけであります。 そして「問四」のところには「「学法化のため、何らかの努力を行っていれば、学法化に努力するもの」と判断すべきものと考える。」、ですから中身は何でもいいわけですね。それがこの前佐藤さんの方から指摘があったところだと思いますね。 それを受けて、今度は日私幼なりが出されておる資料を見ていきますと、全くこれと合致するような、これは五十二年二月一日付で出されておる日私幼の要覧の中に明らかになっておるのですけれども、「経常費助成費補助金の基本的事項について」というものがあるわけですね、この中にやはり同じようなことが書かれてあるわけです。この中に、先ほど申し上げましたように「文部省、大蔵省、内閣法制局、衆・参両院法制局の間で、次のとおり、合意されているのでお知らせします。」という文章になって出ているわけです。「補助金の性格について」という項目がございまして、この中の「ロ」に、「したがって、学校法人にするため(なるため)のものではないのである。」こういうぐあいに記述されておるわけです。そのほかに幾つもそうした類似するような文章表現がございますけれども、もちろんこの返還は要らぬということも中心に据えて、その後には、必ずついていくという中身になっています。 ですから、提案者である皆さん、そしてここで全党一致で確定をされた中身、そのことが、こうして各省庁間の中では確認され、どんどん流されていったということが一つあるわけです。ですから、そのことを提案者であった西岡さんも含めまして果たして皆さん御存じだったのだろうかということもあって——私はこれを二年前指摘をしたわけなんです。そうしていかないと、十年計画が切れるときに、もうあと二年だというときになりますから、早くこれを修復なり何なりをして一定のあれをしておかないと困るのじゃないかということもありまして、指摘をしたわけなんです。ところが、そのときの返答というのは、いまの義務規定は、三角さんそこにいらっしゃいますけれども、局長からはむしろないというような感じの答弁すらも出てくる始末でありまして、ここ二、三日の討論とは大分内容が違っていました。ですから、そこら辺を十分御認識あっただろうかということを私はいま問うておるわけです。
○西岡議員 お答えいたします。 当時の立法の段階での私どもの考え方は、当然幼稚園が学校法人において経営されることが望ましい、そういう意味において附則二条五項の学校法人化の措置というものは、措置しなければならないということを義務づけたわけでございまして、誘導的な規定をここに盛り込んだわけでございます。学校法人化を誘導するという規定を明確に盛り込んだわけであります。 一方、立法政策といたしましては、当時昭和五十年の段階で六〇%を超える個人立、宗教法人立、その他の幼稚園の存在を無視した幼稚園振興策というものは考えられなかったという現実を踏まえて、これに対する何らかの財政的な措置を行わなければいけない、その結果として当時の学校法人と非学校法人との実数は今日の時点では逆転をするという形になったわけでありまして、そういう意味において当時の立法政策は一応の当初の目的を果たしつつあるというふうに考えているわけでございます。 ただいま中西委員御指摘の問題については、当初から、この私学振興助成法に基づいて出される助成金、補助金というものが返還する義務があるかどうかということについては、私ども提案をいたしました提案者の間では議論のあったところでございまして、その議論を踏まえまして、先ほど申し上げましたように附則二条の三項において、特にこの助成に係る学校の経営の会計はこれを区分して、特別会計として処理をしなければいけないという規定を設けて、これは経常費助成でございますから、そのことについて返還を求めるということに直接これをつながらせる、そこまではやる必要はないのではないかという解釈もその議論の中から出てきたわけでありまして、当時行政としてそのような説明が文部当局において行われたということは、そういうような立法段階での私どもの間の議論を踏まえてなされたものである、このように理解をいたしております。
○中西(績)委員 そうすると、聞きますけれども、これは学法化を求めるものではないというふうに、皆さんの論議の過程を聞いて文章化したということですか。
○西岡議員 お答えいたします。 学法化を求めるものではないということを申し上げたわけではございません。具体的に経常費に対する助成が行われたものの返還ということについて、結果として学法化が行われなかったということを踏まえて返還することについての措置をすることは、実際の問題としては無理であろう、また現にそれは子供たちのために使われたものであって、会計の処理が適正に行われていれば返還命令まではする必要はないのではなかろうかということを申し上げたわけでありまして、一方において附則二条五項の学法化をやらなければならない、措置しなければならないということについては、その法文の条文どおりに解釈されるべきものである、このように考えております。
○中西(績)委員 大体わかりましたけれども、この中身というのは、やはりそういう点がある程度違いがあるわけですね。流された文書の中には、学法化を促進する目的でつくられたものではない、こうした文章がちゃんと入っていますからね。そこらの確認が非常にあいまいにされていくと、これから後、たとえここで私がいかに真剣に論議してもまた同じような結果が出てくるといたしますと、この論議した経過なりがむだになりますし、そうした点を私たちが十分把握をした上で論議をしていきたいと思いますので、この点はひとつ提案者の方でいままでの経過なり十分御認識をいただいて、この点を理解をしておいていただいて、この後々の措置の仕方なり方法なりあるいは制限なり、どうしていくかという、またこれからの論議の過程の中で参考にしていただきたいと思うわけです。 そこで問題は、県に対する対応をもう一つ私は聞きたいと思いますけれども、県の方のやつは信頼をした、こうなっておりますけれども、先ほどの参考人に対する質問の中で明らかになっておりますように、都道府県におきましてもこの基準が異なって厳しいところがあって、なかなか法人化できないというような意見も出ておりました。そうしたことから考えてまいりましても、県に対する指導ですね、対応と申しますか、これがやはりばらばらであったのではないかということを私は感ずるわけです。 というのは、知事が承認をするわけでありますから、その知事承認の場合にばらばらであったのでは、将来的に法人化する場合もいろいろ多くの問題がまた今後出てくる可能性があるわけですね。ですから、この指導をどのようにこれからやるのか。だから、この対応策なり、あるいはこれからこの措置の強化をどういうようにやるおつもりですか。
○柳川(覺)政府委員 各都道府県におきまして扱いの基準がばらばらではないかという御指摘でございますが、必ずしも私どもはそうであるというように思っておりませんが、実態として、各都道府県におきます幼稚園の普及状況あるいは公私立幼稚園の割合等の実態が異なっておることもありまして、若干県ごとの補助の状況には違いが見られることは事実であります。 しかしながら、この国庫補助につきましては、補助要綱におきまして、設置者が学校法人化のための努力を払っていないと認められる場合は補助対象としない旨の定めを置いておりまして、このことは各都道府県の補助要綱におきましてもおおむね同様の趣旨が定められておるわけでございまして、都道府県におきまして志向園の判断がそれなりに適正に行われてきておる。 また、先生御指摘の状況報告につきましても、それぞれの確認の上で状況報告を都道府県がとっておるわけでございまして、文部省もこれの報告に基づきまして判断をした結果が、たまたま都道府県と異なる判断をしておらないという事例にはなっておるわけでございますが、補助金を受けました幼稚園は当然に学校法人化の義務を負っているわけでございますから、この法人化実現のための努力につきまして、その都度の確認の指導は全国一律にいたしてきておるところでございます。
○中西(績)委員 ところが、先ほど参考人の意見を聴取した中で、この学校法人として県へ申請をしたところが、やめたときに困るので数年間学法化することはよした方がいいのじゃないですかと、こういうような指導等がなされたということが出てきたわけですね。ですから、そういうことになってまいりますと、学法化ということへの指導というのが非常に落ちておるということが、むしろ学法化される中で、いろいろな条件整備なり何なりを指導しながら、あるいはまた助成できるところは助成していくという、こうした積極姿勢なりが出てくるのが至当であるのに、これは逆なんですよ。実態としてこういうことが出てきておるだけに、やはりそうした指導面において一つの落ちがあったのではないか。あるいは、文部省側から指導した際に、受けとめる側がばらばらで受けとめておった、こういうようにとられる向きがあるわけですね、実際にこういうことがあるわけですから。 そうした点を考えますと、先ほどから私、指摘いたしますように、やはりそうした行政指導としてあるべき状況が十分でなかったという、この前からの反省ございましたけれども、そうしたもの等が指摘できるのではないかと私は思うのですが、その点、どうです。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、この振興助成法が制定されたとき、その前に私立学校法の一部改正で、この問題が五年間という一定期間が決められたわけでございますが、この間大変な御議論がありましたことは、先ほど西岡先生からお答えあったとおりでございまして、その当時、私立幼稚園の実態は三九%が学校法人立でございました。六〇%が個人立、宗教法人立の幼稚園という、大多数が非学校法人の幼稚園という状態でございました。その中で、学校法人化の促進と、同時に幼稚園教育の充実という大きな課題を解決していくということで、個人立幼稚園につきましても経常費助成の補助を実現すると同時に、これを受けた幼稚園は学校法人化への措置義務を負うということの立法化がそういう背景の中でなされたわけでございます。したがいまして、いま参考人の方から御指摘がありました点も、県の担当がどういう意味でその辺を背景として申したのか、私どもつぶさにはいたしておりませんが、何分、そういう六割が個人立あるいは宗教法人立という実態の中で、都道府県が経常費助成を図っていくということの、新たな補助金の交付を行っていくという、そういう当初のときの予算の裏づけ等のあるいは十分でない背景もあったのではないかというように感じられますが、現在におきましては、先ほど来御答弁申し上げましたとおり、逆に六割が学校法人という実態になりました。また現実に、振興助成法による経常費助成、それに基づきます学校法人化の促進ということの立法政策を背景といたしまして、各都道府県におきましては、新しく幼稚園ができる場合はすべてこれを学校法人立で認可しているというような背景になっておりますので、今後私どもそういう実態を踏まえ、また法改正の三年延長という特別なこの立法の趣旨を十分踏まえまして、従来の行政の面で御指摘を受けるような足らない点につきまして、あるいは運用等につきまして、さらに十分な研究、努力をいたしまして、法の趣旨の実現に向かっていきたいと思っておるところでございます。
○中西(績)委員 決意をいただきましたけれども、一番問題は、そうした点での内容が、いままでの過程の中をずっとつぶさに検討しますと、いろいろな点で問題が残っておるということをこれから前提にして論議をしていきたいと思うわけです。 そこで、簡単にお聞きしますけれども、この三年間の制限つき延長期間を設定をするということで今度提案されておりますが、先ほど申し上げましたように、千三百五園の志向園があるわけでありますから、今度は再び延長はしないということを、ここで、先般も確認をしておったようでありますけれども、確認していただけますか。
○西岡議員 お答えいたします。 今回三年間の延長をお認めいただければ、三年後に再延長をお願いする考えは全くございません。
○中西(績)委員 その際に、延長することの意味は、完全に学法化を達成するということが前提にならなければこの三年ということの意味はないし、そのことは、あとの志向する園千三百五園の場合にはどうなるかというと、今度は五年なんですね、もうプラスアルファというのはやらないというのですから、この点を考えますと、ここで学法化を確認できるか。達成をさせることを前提としてこれは提案をしておる、そういうことも広く意味を含めてやっておるということを確認してよろしいですか。
○西岡議員 お答えいたします。 そのとおりでございます。
○中西(績)委員 文部省の方にお聞きしますけれども、政府としてもこれに賛成ということですから、先ほどから私が指摘をしましたけれども、ざる法じゃないと言っておりますけれども、ざる法的なとらえ方、あるいは衆法であるというとらえ方の中でいままでのような態度で臨まない、先ほど西岡さんからお答えいただいたように、再び延長しないということと、完全に学法化を達成するということで賛成をしておるということですね。そのことはそう確認してよろしいですか。
○柳川(覺)政府委員 この問題につきましては当初より議員立法、また国会での御論議を受けて文部省としても対応してきておるものでございますので、提案者の御意向のとおり承っております。
○中西(績)委員 承るのではなくて賛成をするという主体を明らかにして、この前から大臣にもお答えをいただいているわけですから、その際には今度は主体者として、政府としてはこうしたことを再び延長しない、それから完全に学法化を達成をするという決意なりを明確にしていただかぬと、承ってなんてまだ受け身みたいなことじゃ困りますよ。
○柳川(覺)政府委員 行政の立場から今回の立法の趣旨を十分踏まえて対応していくことであろうと考えております。
○中西(績)委員 なおわからないから、大臣にお聞きします。 いま私が申し上げた点について明確にしてください。そうしなきゃこれは論議できませんよ。
○小川国務大臣 この法案が成立いたしました後において、文部省におきましてさらに延長をするような提案をいたすつもりはございません。
○中西(績)委員 そこで、政府は今後国会へこうした問題についてできるだけ資料の公開と報告をぜひしていただきますようお願いしたいと思いますが、これはよろしいですか。
○柳川(覺)政府委員 そのようにさしていただきます。
○中西(績)委員 そこで附則二条五項を確実化するためには、具体的な措置として、たとえば先ほど修正案提案がされましたけれども、学法化しない場合は利子を付して返還を求めるこの措置について、どうお考えですか。
○西岡議員 お答えいたします。 先ほどもお答えを申し上げましたように、この補助金は経常費についての補助でございますので、これが学校法人の会計基準並びに附則二条三項並びに四項の規定に従って適正に支出されている限りにおいては返還という考え方はなじまないのではないか、このように考えております。
○中西(績)委員 なじまないということでこれの返還を求めることはできないということを言っておりますけれども、そうなってまいりますと、これから後の歯どめなり何なりは具体的にどのようにお考えになっておるのか、ほかに何かありますか。
○西岡議員 お答えいたします。 これは直接の所管庁であります都道府県が助成を行うかどうかということについて正しい判断がそれぞれ個別に行われるということを前提として、先ほども申し上げましたように文部省として補助金の交付を行うわけでございますので、都道府県における行政が適確に行われるということを私どもは期待をしているところでございます。
○中西(績)委員 ですから、これは文部省の方でいろいろ調査をされていくと思いますし、いろいろまた措置をとると思いますけれども、ただ、こういうことはできませんか。三年延長によって期間が五年が八年、七年、六年となるわけですね。その場合に、再交付されるに先立って法人化の約束か何かを、文書によるのか、あるいはその他の方式でもって、先ほど参考人の日名子先生がおっしゃられておったように、念書か誓約書、こうしたことは考えておられないですか。
○西岡議員 お答えいたします。 この三年間の法の延長がお認めをいただけまして法が成立いたしました暁には、文部省が都道府県の行政とそれらの問題について具体的にどのような措置をとったらいいかということを改めて十分協議をしてもらえるものである、このように考えております。
○中西(績)委員 それではこの法案に賛成をされる政府の方はどういう措置をとろうとお考えですか。
○柳川(覺)政府委員 このたびの改正が一定の期間におきまして学校法人化を図るという義務の三年延長という特例措置がとられたものと理解いたします。それゆえに、補助金を受けたところの学校法人化の義務履行につきまして、御指摘の種々の観点からの具体化につきまして都道府県と十分協議を重ねて、実効ある措置をとってまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 私が申し上げましたのは、実効あるというのは、ではどういうことを指して実効あると言っておるのか、具体的に言ってください。
○柳川(覺)政府委員 一つは、五年間に努力にもかかわらず学校法人化の実現しなかった理由をより詳細にきわめていくこと。二つには、今後補助金を継続して受けるに当たりまして、学校法人化への実現を図ることにつきましての確認、これにつきましての先生御指摘の文書によりその辺の確認をするなどの措置につきまして、具体化を図りたいと思っております。
○中西(績)委員 そこで問題は、いま言われるようなことがどうされるか知りませんけれども、いずれにしましても、実効あるものとして措置されるその場合の方法としては、わが党が提案しておりますように、そうした内容を明確にするためにも、もう一度、先ほど言われておる点、提案者の方から言われました措置の仕方、この点についての再考はいたしませんか。
○西岡議員 お答えいたします。 せっかくの御提案でございますが、先ほどお答えを申し上げましたように、今回法改正を提案いたしました立場といたしましては、返還ということは事柄の性格上なじまないと残念ながらお答えする以外にございません。
○中西(績)委員 次に、いまお答えいただいたことからいたしまして、私はもう一度確認をしていきたいと思いますけれども、三カ年間の延長期間中に新しい方策を考えるというようなことをずっと申されておりましたけれども、文部省の方はこれに賛成をしておるのだけれども、新しい方策というのは文部省にはあるのですか。
○三角政府委員 三年の間に幼児教育のあり方を検討しなければならないわけでございます。今回の法改正が議員提案という形で御提出になっていることでもありますので、私どもとしては、議会筋の御議論を踏まえつつ種々の角度から検討してまいりたい、こう思っております。
○中西(績)委員 何も内容的には出てきませんけれども、十カ年計画が切れる前に、私たちその点をだから指摘をしたわけですね。切れるのだけれども、再検討なりしていくべきではないか。特に幼児が急激に減少していくという重要な段階でありますだけに、いま出さないと、先ほどから指摘のあるように、不安の材料はますます拡大をされていくばかりでありますから、法人化などと言っても、とうていこれは不可能だ。大きな条件にこれが座っておるわけですね。そうであればあるほど、やはり十カ年の見直しなり、人口の流動化、そうしたものを受けてどうするかということをしなくちゃならぬのに、先ほど山原委員の質問に対しまして、文部省は、当分の間見送る、こう言っていますね。そうしたことを考え合わせてまいりますと、私は大変問題を避けておるという感じがしてならないわけです。指摘をした二年間に一定の方策なり何なりを討論して出していけば、いまこうして三カ年間の延長云々ということをする必要もなかったかもわからないわけなんですね。そうしたことを考え合わせていきますと、この当分の間見送るという、しかもそれは財政再建期間だということを理由にしておりますけれども、このときだからやっておく必要があるのではないか、私はこう思っておるのですが、この点については提案者の方はどうなんですか。そうした点で何かこの前から、個人的な意見はあるにしても自民党としては意見の持ち合わせがないということを言われておりましたけれども、そうした時期にあるということの認識はしておるわけでしょう。
○西岡議員 お答えいたします。 先般来の質疑を通じましてお答えを申し上げておりますように、現在自局党の党内におきまして、それぞれの政務調査会の機関において、幼児教育のあるべき姿についての検討が開始されているところでございまして、中西委員御指摘の基本的な認識はもちろん私ども持ってこの問題に対応してまいりたい、このように考えております。
○中西(績)委員 私が文部省に申し上げたいと思いますのは、むしろこうした面での討論ができるように資料なり何なりを全部整えていただいて、賛成をされるというのだったらむしろ提起をしていただきたかったですね。一定の案でなくとも、やはりそうした全体的な討論が巻き起こるような措置をこの二年間にやっていただいて、下地をつくってこの論議を煮詰めていくということが大変必要ではなかっただろうか、私はこう思っています。 この点、いまありませんから大変残念ですけれども、そうした認識の上に立っていった場合に、先ほど山原委員が言われておりましたように、湯山委員の質問に対して提案者の方から、検討小委員会的なものの設置、これには賛同するということを前回もお答えいただいておったようでありますけれども、この点は決意は変わらないですね、提案者。
○西岡議員 お答えいたします。 そのとおりでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、委員長にお伺いしますけれども、提案者の方が前回からそういう回答をしておるわけですけれども、少なくとも先ほどから私申し上げますように、こうした検討をするための文教委員会内における委員会の設置、小委員会か何か、この点はぜひ実現をさしていただきたいと思うのですが……。
○青木委員長 先ほどもお答え申し上げましたとおり、湯山委員のお申し出は委員長としても賛成でございますので、理事会においてさらに詳細を取り決めたいと思います。
○中西(績)委員 そこで、今後の課題としていろいろたくさん問題があると思いますので、一、二の点を申し述べたいと思うわけです。 一つは、保育一元化の問題についてはまだ多くの問題がありますので、ここでは深く入るつもりはございませんけれども、基本的なあり方等について、やはりこれから検討を始める必要があるのではないかと思っておりますけれども、この点については提案者はどうお考えですか。
○西岡議員 お答えいたします。 保育所と幼稚園についての行政が二元的に行われているという現状が、ただいま議論の対象になっております幼稚園のこれからのあり方という問題についても最大の問題点である、取り組まなければいけない課題である、このように認識いたしております。
○中西(績)委員 では文部省にちょっとお聞きしますけれども、園の規模の問題について、いろいろ問題があるようでありますけれども、お聞きをしますが、園の規模については基準がございませんね。そこで、適正規模はどの程度をお考えになっておるのか、これが一つ。簡単に答えてください。 それから、五百人以上の大規模園があるのかないのか。あれば、何園あって、人数比からしますと何%になっておるのか。恐らくないと思いますけれども、千人以上があるかどうか。
○三角政府委員 幼稚園の規模につきましては、ただいま中西委員がおっしゃいましたとおりでございまして、特に定めておりません。これはやはり都市部、農村部等いろいろ地域がございますから、それぞれの地域の実情等を考慮の上定めるということが望ましいと考えております。その旨は、都道府県を通じて指導しておるところでございます。 ただ、もちろん、これは常識的な話になりますけれども、幼児のことでございますから、やはり集団生活における心理的な影響とか、安全管理、あるいは通園の上での精神的、肉体的な負担、そういった上でのきめ細かい配慮が必要でございますから、余りにもマンモス化するような状況がありますれば、それは好ましいことではない、こういうふうに思っておるわけでございます。 実態でございますけれども、五十四年五月一日現在の調査でございますが、五百人以上の規模を持つ幼稚園は、実は園児数ではただいまちょっと数字の持ち合わせがないので園数で申し上げますが、二百七十三園でございまして、幼稚園全体一万四千六百二十七園のうちの一・九%でございます。 それから、千人以上というのは、そういう数値をとっておりませんので、八百人以上の幼稚園数で申し上げますと、十七園ございまして、これは園数の比率としては〇・一%に相当いたします。
○中西(績)委員 お聞きしましたけれども、園児数でないと、パーセントからいくと余り意味ございませんので……。いずれにしましても、やはりある程度の数ございますし、これは大変な問題をこの中には含んでいるのではないか。 こうなってまいりますと、今度はバスを使用するということになるわけですね。バスを使用することが果たしてよいのかどうか。この点どうです。
○三角政府委員 状況によりましてバスの使用もよい場合があると思います。原則として、やはり幼稚園は徒歩によることが望ましいと思っておりますが、非常に園児が広がっておるような地域、近くに幼稚園がないような地域でございますとか、逆に交通量が非常に激しい地域で、安全上必要があるというような特別な事情がある場合、バスの使用もやむを得ない、こういうふうに思われますので、私どもは都道府県に対してはそういった考え方で指導をいたしております。
○中西(績)委員 約半数の園がバスを使用しておるようであります。しかし、問題は、いまお答えになったように、特定の場合を除けば、大体バス使用は本来的なものではない、こう理解をしてよろしいですね。ということになりますと、やはり園の規模を一定の適正配置の問題と考えて、これからどう使用するかということになるわけですね。 ですから、適正配置とのかかわりで言いますと、お聞きするところでは、公私協議会方式によって論議をしておるようでありますけれども、この前も私、指摘をいたしましたように、第一これはほとんど活用されておらない都道府県、相当数あるわけですね。協議会すらもできていない。ですから、自由勝手にそれができていくという状況にあるわけでありますけれども、この点はこれからどう措置されるつもりですか。
○三角政府委員 私どもは、ただいま御指摘のいわゆる公私協議会というものを、問題があるところはぜひつくって、公私間の調整を円滑にすると同時に、幼稚園の整備充実を進めていく上で、これに十分に機能してもらわなければいけない、こういうことで指導を行っておりますし、問題があるところについて、なおそういう機能が不十分なところは今後も重ねて指導を続けてまいりたい、こう思っておりますが、もう幼稚園が非常にきちっと整備されておるところでございますとか、あるいは逆に保育所がほとんどで、幼稚園が実質的にウエートが低いような場所でございますとか、あるいは問題がそれほどないような、そういう県で設けられていないところがあるのじゃないか、こういうふうに認識はいたしておりますけれども、なお不十分なところにつきましては、これは必要な一つの組織でございますので、設置を強力に進めてまいりたい、こう思っております。
○中西(績)委員 適正な配置をするということで一番大事なことは、いま園児の数がずっと減っていく、だから大変な不安をみんな持っておる、そうしたときにこそ適正配置ということを十分考えなければならぬ。だからこそ私は、振興計画案なりを見直す必要があるのではないか、そうしたときに、やはり適正な園の規模というものを構想しないとできないのではないかと思うのです。 提案者にお聞きをしますけれども、そうしたことをこれから後考えるということになれば、この三年間で討論するということになれば、やはりこうした問題に触れずに避けて通ることは、とうていあり得ないと思うのですけれども、この点はどうでしょう。
○西岡議員 お答えいたします。 中西委員の御指摘のとおりであろうと思います。
○中西(績)委員 そうなってまいりますと、いままでの経過からいたしましても、文部省なりが、そうした面についての研究的なものの資料的なものを私たちに示していただくようにしないと、いままでのような状況ではなかなか判断しにくいと思うのですね。この点はぜひ考えていただきたいと思うのです。 そこで提案者にお聞きしますけれども、これとあわせまして園児が減少しているときですから、一学級の園児数の問題、そしてそれに配置をする教員の問題等含みまして、いままだ完全に配置されてない養護教員の問題だとか、あるいは用務員の問題だとか、たくさんございますね。このような公立幼稚園を含みまして私立幼稚園、全体的に定数配置問題等をこれからどのように措置されたらよろしいのか。ですから、私たちも先般この問題についての提案をいたしたわけであります。この点について、どうお考えですか。
○西岡議員 お答えいたします。 財政再建という非常に大きな国家的な課題を負っている中で、文教行政の優先順位をどういうふうにつけていくかという、非常にむずかしい問題でございますが、中西委員の御指摘のような方向で改善が行われることが望ましい、このように考えております。
○中西(績)委員 この点は、政府はこれを受けることができないということをこの前言っておりましたけれども、そうした問題についての論議とあわせまして、むしろ政府の側から私たちに、こうあるべきではないだろうかということの提起くらいをしていただくように、ぜひ努力をしていただきたいと思うのです。この点はもう回答要りません。 次に、障害児の取り組みでありますけれども、障害児の場合には、もう先般も答弁あっておりましたけれども、ただ私がもう一つ申し上げたいと思いますのは、公立の場合に助成金がありませんね。この点、ぜひこれからこの公立も含めて——国から現在三十四万、八人以上という基準になっておりますけれども、八人を集めるということになりますと物すごい広域から集まる場合でなくてはならないし、大規模園でなくてはできないということになるわけですから、この基準をどう下げるのか。と同時に今度は都道府県にそうした指導をどうするのか。同じ額の三十四万を支出しているところがあるわけですからね。それに一般経常費の補助を入れますと五万三千幾らかになりますから、県まで出しますと七十三万三千円くらいの額になるわけですね。すると一定の助成措置になると思うのですけれども、こうした問題につきまして、公立の場合まだこれが残っておるわけですね。この点については政府はどうお考えですか。
○三角政府委員 私立幼稚園につきましては保育料というものが主要な財源でございます。そういうことで、心身に障害のある子供を受け入れました場合には非常に経費がかかる、一定のまとまった数の園児を預かるということになりますと人員の増も図っていかなければならない、そういうことで、先刻来いろいろ申し上げておりますように八人という線でただいまやっておるわけでございます。そして、幼稚園全体で見ますと、やはり公立に対しまして私立の数の上でのウエートが八割近いということで非常にウエートも高い、こういうことでやらしていただいておるわけでございます。 公立の場合に、ただいまお話もございましたようにまとまった数がどういうぐあいになりますか、それが必ずしも毎年毎年一定するということでもございません。現在、先刻の当委員会の御論議でもありましたように交付税措置でやりまして、そして市町村の責任で賄っていただいておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、交付税でどういうぐあいにまた手当てができるかどうかということでもございますので、当該の主管の当局とも話し合いをしたりして研究をしてみたい、こういうふうに思います。
○中西(績)委員 提案者に、いま政府の答弁そうありましたけれども、私立幼稚園の場合さらに基準の八人をどう下げるのか。と同時に、公立のそうしたものも含めてやはり根本的に障害者問題を考えていかなくちゃならぬと思うのですが、この点は先般からのお答えどおり理解をしてよろしいですか。
○西岡議員 お答えいたします。 中西委員の御意見に全く賛成でございます。
○中西(績)委員 あと賃金問題をお聞きをしたいと思うのですが、幼稚園の賃金の場合、公立の場合におきましても教職適用が二二・八%と先般明らかにされました。そして教職調整額の場合は七・九%。それから義務教育等教員特別手当が三〇・一%しか支給されておらないというのですね。ですから、基準財政需要額よりも下回るという実態が出ていました。そこで私はお聞きをしますけれども、私立幼稚園の場合にはどの程度の平均賃金になっておるのかおわかりですか。
○柳川(覺)政府委員 私立の幼稚園につきまして、五十六年五月一日現在の本俸月額は十二万五千三百六十一円となっております。公立の幼稚園が十六万四千四百二十三円でございます。これに比しまして単純平均で低い額になっておりますが、公立に比べまして平均年齢が私立の方が約四歳若い。また、私立の教諭のうち二十五歳未満の者が全体の六〇%を占めることなど、この辺にも原因があろうかと思います。
○中西(績)委員 私は、ぜひこれは提案者の方もお聞きいただきたいと思いますけれども、これはある資料によりますと、初任給で大卒の場合一〇〇対四九、それから短大卒の場合が一〇〇対二〇のところがあるのですね、公立と私立の差が。これはもう激しいんですね。それから経験五年の場合が一〇〇対四七、一〇〇対五三。それから経験十年の場合が一〇〇対四八、一〇〇対四五。経験二十年が一〇〇対三九、一〇〇対四一、こういうような、私たちがいままで知らなかった面が、調べてみますと大変な状況になっている。結局経営から来るこうしたものであろう、こう考えてまいりますと私学助成というのが、現在の実態からいいましても、先般からお答えありましたように高等学校以下の場合には三三%まで達しておりましても、幼稚園の場合には三〇%を切るという状況でしかまだありませんね。そうしたことを考え合わせてまいりますと、私はいま先ほど局長が言われまして、公立が三十・七歳で、五十六年度でも私立の場合が二十六・四歳、約四歳の差があるということを言っておりますけれども、それにしても余りにも低過ぎます。こうした内容をずっと私たちつぶさに見ていきますと、やはりそこで働く皆さんが第一に平均年齢が非常に低いということはなぜかということを、もう一度お考えいただきたい。これは何といったって労働条件なりすべてがやはり厳しいし、そうしたことでもってとうていできないというようなことで、若いときしかできないというのでやめていかれる方が非常に多いわけですね。そういうこと等含めまして、賃金も含めて、これからやはりそうした内容について十分な検討をし直す必要が私は文部省にあると思うのですね。そうしてそのことの指導をやっぱりやっていく、指導する以上、今度はそれに対する助成措置をどうするかという根本的なものを考えていかなくてはならぬと思うのですが、この点文部省どうですか。
○柳川(覺)政府委員 各私立幼稚園の給与表あるいは諸手当等につきましては、それぞれ各幼稚園におきまして労使交渉等の結果によりまして決定されてまいります。したがいまして、その具体的な給与表等を文部省としては承知しておらないところでございますが、先生いま御説のとおり、経常費助成の継続あるいは学校法人化への実現等によりましてこの面が進展いたしまして、私学経営の安定化と同時に教職員が安んじて教育に当たれるような状況をつくるということに目的があるということで努力してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 ですから、やはりそうした点指導するということになれば、その裏づけになるものをこれからどうするかということを考えていただかないと、これは今度経営が物すごくさらに悪化するという条件だって出てくるわけでありますから、そうした面で私学助成の根本的な問題としてとらえていただきたいと思います。 最後に、基準財政需要額の問題からいたしまして、先般大臣なり提案者の方からお答えいただきました。ただ、問題は、先ほど私立の場合を申し上げましたけれども、公立の場合においてもそうした低さが賃金の場合に出てきております等のために、単位積算基礎をどう改善をさせていくかという、こうした問題が絶えずくっついてくるわけです。特に、現行の場合を見てみますと、たとえば人口十万の場合に基準になっておるのは、法律の場合でありますと五つの園を想定しています。そうすると、そこには一つの園に百六十人と算定しまして、四十人でいきますから二十学級になるわけですね。そうすると、一つの園が百六十人規模になってくる。それで大体四学級という算定にしています。ところが、ただ単純な計算方式ですから、少なくともこうした内容については、小さな園も大きな園もあるわけですから、そうしたことをすべて十分しんしゃくできるように、先般から申されておるように学級数によって基準をどうするかということ等も含めまして考えていかなくてはならないし、さらに、先ほど申し上げた賃金の問題だって同じなんですね。 もう時間が参りましたので、これより以上申し上げることができませんけれども、そうした点等について、先般からの文部省の答弁でなくて、皆さん提案される場合には根本的にこうしたものを十分検討されるということになっているわけですから、そうしたものも含めてこれから十分な検討をしていっていただきたいと思うのですが、よろしいですか。
○西岡議員 お答えいたします。 中西委員御指摘の数々の問題点は、私ども、当然これから根本的に対応をしていかなければいけない宿題である、このように考えております。
○中西(績)委員 以上で終わりますが、いずれにいたしましてもこうした幼稚園問題は、特に三歳児までの間にいろいろなことが決定づけられるという学説なりがあるわけでありますから、四、五歳児だけでなしにさらに三歳児も含めてこれから論議をしていくことが必要になってくると思います。私はそうした意味で、この私学助成ということを根本的に考え直すということからいたしましても、ぜひわれわれ社会党が提起をいたしておりますように、厳しうはございますけれども、いまの時点の私たちが本当にやる気になってしないと、中途半端なことではとうていできないわけでありますから、私たちはこうした提案までも含めてやっておりますことをぜひ御理解いただきまして、十分な御討議を党内においていただきますようお願い申し上げまして、終わります。
○青木委員長 これにて石橋一弥君外三名提出、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案並びにこれに対する石橋一弥君外三名提出の修正案及び佐藤誼君外一名提出の修正案の質疑は終局いたしました。 —————————————
○青木委員長 これより両修正案及び原案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 まず、佐藤誼君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○青木委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、石橋一弥君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○青木委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○青木委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○青木委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、佐藤誼君外三名より、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。本動議を議題といたします。 提出者より趣旨の説明を求めます。佐藤誼君。
○佐藤(誼)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明を申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 私立学校振興助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一 私立学校振興助成法附則第二条第五項の期限の延長は今回限りの措置とし、再延長は行わないこと。 二 政府は、次の事項について指導の徹底を図ること。 (一) 所轄庁は、補助金の交付を受けた学校法人以外の私立の学校の設置者で学校法人化をなし得なかつた者について、なし得なかつた理由及び経過についての報告書を提出させること。 (二) 所轄庁は、学校法人以外の私立の学校の設置者で今回の期限延長に伴い、引き続き補助金の交付を受けようとする者について、補助金の交付に先だち、学校法人化への計画及び学校法人化への努力を誠実に行う旨の文書を提出させること。 三 政府は、法令を誠実に執行する立場から、三年以内に附則第二条第五項の条件が満たされるよう所要の措置を講ずること。 四 政府は、幼児教育全体の拡充整備に努め、特にその財政措置について配意し、また、今後とも幼稚園の教職員の待遇改善について引き続き努力すること。 五 政府は、前三項の進捗状況について、国会に適時報告すること。 右決議する。 以上でございます。 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。 以上です。(拍手)
○青木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく本案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、附帯決議に対し、政府の所見を求めます。小川文部大臣。
○小川国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、今後、その内容を慎重に検討して、適切に対処してまいりたいと存じております。 —————————————
○青木委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○青木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十八分散会 ————◇—————