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96回国会衆議院1982/04/16

文教委員会 第10号

発言数
119
登壇者
10
会派数
3
開催日
1982/04/16

会議録

青木正久自由民主党

○青木委員長 これより会議を開きます。  石橋一弥君外三名提出に係る私立学校振興助成法の一部を改正する法律案及びこれに対する石橋一弥君外三名提出に係る修正案を一括して議題とし、これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高村正彦君。

高村正彦自由民主党

○高村委員 わが自由民主党の議員提案により提出された私立学校振興助成法の一部を改正する法律案について、自由民主党の議員として基本的に賛成であり、早急にこの成立を期する必要があるとする立場から若干のお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず初めに、この法案を議員提案という形で取りまとめられたことについて、その間の事情なり御判断についてお伺いしたいと思います。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)議員 お答えをいたします。  御承知のとおり、私立学校振興助成法そのものが議員立法で成立したものであったわけであります。率直に申し上げまして、議員立法という形であったがゆえにこそ、学校法人化を志向する個人立等の幼稚園に対しまして公費助成の道を開き、幼稚園教育の発展に資することができたものだと自負をいたしているものであります。今日の時点において提案理由に申し上げたような事情を政治の立場から判断して、必要と考えられる立法措置をとるのはやはり議員立法の形の方がよろしかろう、かように考えまして進めてきたものでございます。  以上です。

高村正彦自由民主党

○高村委員 法案の中身について私の理解を確認させていただきたいと思います。  新しく加えられる「前項の期間の末日が昭和五十九年三月三十一日までに到来することとなる者については、同項中「当該交付を受けることとなつた年度の翌年度の四月一日から起算して五年以内」とあるのは、「昭和六十年三月三十一日まで」とする。」という規定の意味でございますが、現行法により五十一年度から補助金の交付を受け始めた者は五十七年三月三十一日、五十二年度から補助金の交付を受け始めた者は五十八年三月三十一日、五十三年度から補助金の交付を受け始めた者は五十九年三月三十一日にそれぞれ学校法人化の期限が到来することになるわけでありますが、法改正によりいずれもその期限が六十年三月三十一日まで延長されることになる、そのように理解してよろしいでしょうか。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)議員 お答えいたします。  そのとおりでございます。したがって、それぞれ、五十六年度末に期限の来る者は三年、五十七年度末に期限の来る者は二年、五十八年度末に期限の来る者は一年の猶予を認めることとなるわけであります。  こうして当面の幼稚園教育の混乱を避けながら、この間に引き続き学校法人化の促進のための積極的な指導をさらに進めていこうとするものであります。  以上です。

高村正彦自由民主党

○高村委員 ところで、今回の法改正は、ただいま確認させていただきましたように、個人立等の幼稚園が学校法人化しなければならない期限を三年から一年それぞれ延長するという内容になっているわけでありますが、実際どのくらいの数の幼稚園が影響を受けることになるわけなんでしょうか。この点はひとつ文部省にお尋ねしたいと思います。事柄を簡単にするために、今回三年延長となる昭和五十一年度から補助を受け始めた幼稚園について、当初の補助対象園の数及びそのうち学校法人化したものの数、そして今回三年延長となる幼稚園数はどのようになっているかお尋ねしたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 お答え申し上げます。  御指摘の昭和五十一年度におきまして、国庫補助の対象となりました個人立等幼稚園の数は、千九十五園であります。このうち昭和五十五年度末までに学校法人化いたしましたものが四百六園、廃園または補助金を辞退した幼稚園が五十七園でございます。したがいまして、学校法人化していない幼稚園が六百三十二園ということになっております。この点につきましてはさらに現在、昭和五十六年度末現在における数字を調査、集計中でございますが、昭和五十六年度中に新たに学校法人化した幼稚園も百四十ないし百五十園程度あると見込まれますので、最終的に三年延長という影響を受ける幼稚園は五百園を切るのではないかと予想しているところでございます。  なお、昭和五十五年度末現在において学法化の期限が五十八年三月末に到来するもの、すなわち二年延長となるものが二百二十園、また、五十九年三月末に到来するもの、すなわち一年延長となる幼稚園が二百十四園となっておるところでございます。

高村正彦自由民主党

○高村委員 いまのお話を伺いますと、関係者のさまざまの努力にもかかわらず、期限内に学校法人化が完全には達成できないというのが実態のようであります。私立学校法のたてまえからすれば、学校法人の認可に際しては、その基本財産については学校法人による自己保有ということが原則とされているわけでありますが、個人立等幼稚園の学校法人化に際しては、現在個人等が所有している園地、園舎等の基本財産を学校法人に寄附しなければならないということが問題になっているわけであります。しかしながら、幼児数の減少傾向を見ての経営の先行き不安などから、学校法人を解散した場合の残余財産の帰属の法制等を勘案しまして、基本財産の寄附をちゅうちょする向きもあるやに聞いているわけであります。また、特に宗教法人の場合には、宗教法人としての本来の活動に必要な境内等の所有を幼稚園のために分離することには相当の困難が伴うといった場合もあるようであります。これらの幼稚園も、これまで幼稚園教育の普及、発展のためには大いに貢献してきたことは事実でありまして、今後も幼稚園教育の一層の充実を図るためには、これらの幼稚園の協力も必要不可欠のものと思われるわけでございます。  一方、すでに関係者の御努力によって学校法人化を法定の期限内に達成した幼稚園も多数あることも、先ほどのお答えで明らかなわけでございます。そこで、これらの幼稚園の関係者から見ますと、平たく言いますと、学校法人化を無理して急いだために、何か損をしたというような感じを持つのではないかということがいささか懸念されるわけでありますが、この点について提案者はいかにお考えでございましょうか。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)議員 お答えいたします。  ただいまの御質問、この点が一番問題であります。率直に申し上げますが、適切なお尋ねであったと思います。もちろん幼稚園は学校法人によって設置、運営されることが原則であります。幼稚園教育の公共性と継続性、さらには安全性、これらを確保するという観点から、少なくとも公費助成を受ける私立幼稚園に対しては、学校法人化を求めているのが法律の趣旨であると考えております。  今回の改正によって、学校法人化の期限が延長されたとしても、学校法人化を進めるという施策の基本は変わることはないものであり、すでに期限内に個々の事情を克服して学校法人化を達成した幼稚園については、法律の求めに応じたものとはいえ、関係者の労苦を多とするものでございます。所定の期限を守って苦労の上学校法人化した方々が、今回の立法措置につきまして一種の不公平感を抱くのではないかということは、現実の問題といたしまして全く否定はできないかもしれません。しかし、いまだに学校法人化を達成できないでいる幼稚園の中にも、関係者の努力が進行中であるにもかかわらず、その中途で期限を迎えようとしているものも数多くあるのであります。これらの努力にいましばらくの時間をかし、その促進を図ることは、幼稚園教育全体の発展を考えるという大所高所に立てば、すでに学校法人となっている幼稚園関係者からも十分理解と納得を得られるものと確信しているものでございます。  以上です。

高村正彦自由民主党

○高村委員 私もそのように期待しているものではありますが、この法案を準備されるに当たって、実際に幼稚園関係団体の意見をどのように反映されたのか。大きく言って、幼稚園関係の団体には三つの団体があるというふうに聞いておりますが、それぞれの団体はどのような反応、意向を示しているのか。究極的にはこの法案に賛意を表しているのか、その辺について念押しの意味でお尋ねしたいと思います。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)議員 お答えいたします。  御指摘のように、私立幼稚園の関係団体は三つあるわけであります。一つは日本私立幼稚園連合会、いわゆる日私幼と称する団体です。一つは全国学校法人幼稚園連合会、全法幼であります。さらに全国私立幼稚園連盟、全私幼であります。このうち日私幼及び全私幼は、もともと附則第二条第五項、つまり五年以内に学校にしなさい、この改正を強く要望されてきた経緯があるわけであります。今回の法改正について、その速やかな成立の陳情を続けられていることは御承知のとおりでございます。また、すでに学校法人化した幼稚園の団体である全法幼につきましても、今回の改正案作成に当たり、他の二つの団体とあわせて十分打ち合わせの機会を持った上で取り進めてきたものであります。この改正について、大きな立場から十分理解をいただいたものと考えておるわけです。  以上です。

高村正彦自由民主党

○高村委員 いろいろお尋ねをしてまいりましたが、今回の法改正案につきまして、基本的にはっきりさせておきたいことが一つあるわけです。  それは、この改正が端的に言って、幼稚園経営者のためのものであるのか、それとも実際に子供を幼稚園に通わせている国民のためのものであるのかということでございます。確かに法文を表面的にとらえれば、経常費の補助は幼稚園の設置者を対象としてなされるものであり、父母の立場というものは影に隠れているわけであります。しかし、今回の法改正の真のねらいとするところは、父母の立場に立って、父母がその子供をこれまでどおりの幼稚園に、これまでどおりの経済的負担で通園させることができるという基盤に急激な変化を来さないようにするというところにあるのであって、そのことが大事であるから今回の措置が必要であると解釈したいのであります。  この法案が対象としている幼稚園に子供を通わせている父母の大部分は、現在通園のためにかかっている経済的負担が、この法案の行方によって飛躍的に増大せざるを得なくなるとか、場合によっては途中で他の幼稚園を探さなければならなくなるかもしれないなどということについて、全く認識していないものと思われます。今回の改正案は端的に言って、幼稚園の経営の安定を図るということもさることながら、むしろ父母の側からの子供の通園の安定を図るものとしてとらえることでよろしいのかどうか、幼稚園教育の当面の混乱を避けるという提案理由の趣旨をそのように理解していいのかどうか、お尋ねしたいと思います。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)議員 お答えいたします。  まさしくそのように御理解を得たいと思います。現在行われております経常的経費の補助というものは、幼稚園における教育条件の維持向上を図りますとともに、幼児にかかわる就学上の経済的負担の軽減を図ることなどを目的とするものでございまして、学校法人化の期限切れに伴い、従来の補助を打ち切ることが父母の経済的負担の増大ということとなる、そうした事態も十分考えられるところでございます。今回の改正案はこのような父母の立場にも十分配慮したものであるということを御理解をいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党

○高村委員 文部省に一点お尋ねしたいと思いますが、もしこの措置がとられないと補助を打ち切られる幼稚園について、そこに幼児を通園させている父兄の負担はどのくらい増すようになるのでしょうか。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、五百園に近い幼稚園がこの問題にかかわるわけでございまして、その場合、学校法人立以外の幼稚園に対する都道府県の補助額は、昭和五十五年度で一園当たり約八百十八万円となっております。また、この補助の幼児一人当たりの額は五十七年度五万円程度にはなると思われ、仮にこの補助が打ち切られ、その分を保育料等納付金のみでカバーいたしますと、さらにこの五万円程度の引き上げが必要と思われますが、各幼稚園におきましては五十七年度はすでに保育料等の納付金額を決定して徴収しているところでありますので、これを保育料にはね返らせることは事実上年度中にはきわめて困難であろう、そのことがさらに今後の幼稚園の経営または次年度における学納金への影響があるというように思われます。

高村正彦自由民主党

○高村委員 幼保の問題を含めた幼児教育の基本的問題を検討して必要な施策を講ずべき時期に来ているのではないかということを、幼稚園問題については最後に指摘しておきたいと思います。  次に、専修学校等を設置する準学校法人に対する助成及び監督の規定を整備するという、私立学校振興助成法第十条等の規定を準学校法人に準用することについてでありますが、この問題については、かねてから専修学校等の関係者からは相当強い要望と期待のあった事柄であると承知しております。このたび幼稚園に関して私立学校振興助成法の一部改正が行われるに当たり、この規定を整備することはきわめて当然のことと考えている次第であります。現在すでに神奈川県や愛知県など相当数の都道府県において、準学校法人に対して運営費の補助や施設設備に対する助成が行われているということを考え合わせてみれば、昨今、専修学校制度が発足して六年を経過し、社会的にも非常に期待されていることからしても、遅きに失したのではないかとさえ思うのであります。  そもそも私立学校振興助成法が制定される前には、私立学校に対する助成及び監督については私立学校法第五十九条に直接規定があって、それがそのまま準学校法人に対しても準用されていたのであります。この機会に私立学校法と私立学校振興助成法との整理、整合性を回復して現在行われている助成措置の法的安定を図ることは、まことに時宜を得た適切な措置であると私は考えておりますが、この点につきまして提案者で何か一言おっしゃることがあればお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

石橋一弥自由民主党

○石橋(一)議員 お答えいたします。  ただいま問いかけがあったわけでありますけれども、もともとこの法律そのものの提案が遅かった、おっしゃるとおりであります。この私立学校振興助成法を今回動かすといいますか、いじるに当たりまして、この点もあわせて提案を申し上げて、そしてきちっとした根拠法を持ちたい、このような考え方で出したわけでありますので、よろしくお願いいたします。

高村正彦自由民主党

○高村委員 終わります。

青木正久自由民主党

○青木委員長 中西績介君。(発言する者、離席する者あり)  ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 速記を始めてください。  中西君。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 私は、この質問をするに当たりまして、時間の関係もございますので、専修学校の問題等につきましては質問をする時間をとることができないぐらいたくさん問題がございますので、これは後の方に譲るといたしまして、きょうは私立学校振興助成法の一部を改正する法律案の中の幼稚園の部分についてのみ質問を申し上げたいと存じます。  ただ、私きょう見渡しますと、残念なことに歴史的なものをちょっとお聞きしなくちゃならぬと思いましたけれども、提案者西岡さんがいらっしゃらないので——当時何回か提案者になっておるわけですね。昭和四十七年五月二十六日、さらにまたその後の方の四十八年七月二十一日の提案の中に入っています。ですから当時の五年間にわたる経過について冒頭に西岡さんにお聞きしようと思って私、参っておったのですけれども、それができないのでちょっと困っているのですよ。これはどういうあれになるのですか。提案者がいないのですが……。

青木正久自由民主党

○青木委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 速記を起こしてください。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 私は、本日の主要な課題として取り上げましたのは、昭和四十六年六月の十一日に中教審答申がございまして、その内容について明らかにし、さらに四十六年八月における振興計画、こうしたものすべてを受けて自民党の内部における論議、さらに四十七年にこうした学校教育法等の一部を改正する法律案、西岡武夫君外四名提出、衆法第三五号を提出をしておるわけですから、これに至る経過をお聞きしようとしておるわけですから、これは西岡さんいなければどうしてもできないということがはっきりしているわけなんですね。そして、なおかつこれがだめになって、四十七年六月の十二日、さらに文教委員長の丹羽兵助君の提出法案あり、そして四十八年七月の二十日に、第七十一回国会において同じく西岡武夫君外五名の提出の衆法第五七号、こういうようにずっとそうしたものの経過があるわけですね。しかも、この流れというのは、その後にいよいよこれが成立をする五十年に至るまでの細かい話が全部わからないと、いまこうして出される、また提案者になっているわけですから、大変な問題を持っているわけです。それがわからない人がそこにいたって、私がここで聞こうったって聞くことはできないということはだれしも明らかなんです。しかも私、ここへ参りまして、先ほど始まるときに委員部に申し入れいたしまして、そのことの要求をいたしたわけです。これが自民党の特殊な事情の中で出てこれないということになれば、提案者である人たちがそうしたことで出てこないということの中で私たちがこれを進行させるということが果たしてよろしいかどうかということになってきたときに、私は、むしろやるべきではないのではないか。いまこれをやったとしても、中教審の内容がどうなったのか、文部省の受けとめ方はわかっても、当時の自民党これを提案するに至るまでの過程をだれに聞くのですか。これは聞けないと思いますよ。そうした事態を受けて、いまやれと言ったって、これはとうてい困難だと思いますので、委員長、この点を十分御勘案いただいて処理していただくように要求をいたします。

青木正久自由民主党

○青木委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

青木正久自由民主党

○青木委員長 速記を起こしてください。  午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時三十四分休憩      ————◇—————     午後一時七分開議

青木正久自由民主党

○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中西績介君。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 提案者であります西岡さんがおいでになりましたので質問を申し上げたいと存じます。  それに先立ちまして、こうした幼稚園の助成をするに当たって、大変長い歴史的な過程がありますし、その中で中心的な役割りをお果たしいただいたということを聞いておりますので、そういう点からも御質問を申し上げたいと思っております。  そこで、私は年表を見てみますと、いつごろから助成措置が問題になったかということを見た場合に、四十六年の六月十一日に中教審の答申が出されておりまして、その一部にありますように、父母負担や教育水準を公立幼稚園と同程度にすることとし、それに必要な公費助成を行うとともに、個人立幼稚園についてはその法人化を促進すべきである等と提案をいたしています。こうしたことを受けて文部省は、八月の二十八日に幼稚園教育振興十カ年計画なるものを提起をいたしておるようであります。したがって、その後になりますけれども、四十七年の五月二十六日に学校教育法等の一部を改正する法律案、西岡武夫君外四名提出ということになっておりまして、ここで最初にこの助成措置がとられようとしたようであります。  そこでまず第一にお聞かせいただきたいと思いますのは、ここに中教審の答申が、先ほど申し上げましたように、父母負担や教育水準を公立幼稚園と同程度にすることとし、それに必要な公費助成を行うとともに、個人立幼稚園についてはその法人化を促進すべきである等という文言があるわけでありますけれども、こうしたことを受けてこのような法律案を提案されたのではないか、こう私は考えますけれども、その点のいきさつ等につきましてお聞かせいただければと思います。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えをいたします。  ただいま御指摘のとおり、幼稚園に対する教育振興の施策の経緯につきましては、四十六年六月の中教審答申に基づきまして文部省が策定をいたしました幼稚園教育振興十カ年計画というものが、同年、昭和四十六年八月二十八日に制定をされたわけでございます。ところが、当時の幼稚園の実情は、全体の幼稚園のうちの六二・七%を私立の幼稚園において占められているという実情でございまして、その私立の幼稚園の中でも学校法人立の幼稚園は三一・二%でございました。したがいまして、そのほかは個人立、宗教法人立の幼稚園であったわけでございまして、幼稚園の教育振興十カ年計画を進めていく上で、個人立、宗教法人立の幼稚園の存在というものを十分考えないで幼稚園教育の振興を図るということは現実の問題としては非常にむずかしいという実情にあったわけでございます。  ところが、当時、私立学校に対する公の助成というものは、すでに皆様方御承知のとおり、私立学校法の五十九条を根拠として行われておりましたために、助成の対象は学校法人立のものに限られていたわけでございます。そういう実情を踏まえまして、幼稚園の振興を図るために特に法律を定めまして、学校法人立になることを前提として特別の措置を行って、学校法人立以外の幼稚園に対しても助成が行われる措置をとるべきである、幼稚園振興のためにはこの際そういう特別の配慮をすべきであるということでこの法律が立案され、いろいろ経緯があったわけでございますけれども、最終的には昭和五十年の第七十五国会において成立を見て今日を迎えたという経緯でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 その前にもう一つお聞かせいただきたいと思いますのは、四十七年四月に就園奨励費補助制度なるものが制定をされておるわけでありますけれども、これはどういういきさつで制定されたのか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  すでに昭和四十五年当時に、大学紛争等の経緯を踏まえまして、昭和四十五年度予算において私立の大学についての経常費助成を百三十二億予算措置として計上して、その時点から私学に対する経常費助成というものがスタートをしたわけでございますが、これは法的な根拠を持たない予算措置として行われたわけでございまして、自民党といたしましては、当時、大学から幼稚園までの私立に対する総合的な助成の施策として私学振興助成法というものを制定すべきであるという作業を進めていたわけでございます。ところが、この法案を成立させるまでになかなか時間がかかりまして、その間、私学振興助成法が制定されるまでの経過的な私学助成についての補強策として、ただいま御指摘の幼稚園就園奨励費補助制度を予算措置をもって行うということを政策として決定をいたしまして、ただいま御指摘の昭和四十七年四月からこの予算措置がスタートをし、これは今日でも予算措置が引き続き行われている。そういう経緯でこの就園奨励費は実現をしたものでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そういたしますと、いまの経緯からいたしますと、中教審を受けて、同じ年に幼稚園の教育振興十カ年計画、その中では、いま指摘がありましたように、個人立、宗教法人立などを含みまして相当数の非法人幼稚園があるということでもって、法人立ということを前提としながら助成をする、こうした考え方に立たれ、その間におきましては四十七年四月のこうした経過的なものとしての予算措置、そしていま継続しておる就園奨励費補助制度なるものがそこにでき上がったという経過があるわけです。  そうなってまいりますと、私はもう一つお聞かせいただきたいと思いますのは、先ほど触れられましたけれども、五十年六月二十六日に、七十五回国会におきまして、私立学校法等の一部を改正する法律案、文教委員長の久保田円次君提出の法案が可決をされておるわけでありますけれども、いま西岡さんの方から御説明ありましたように、具体的には四十七年五月にこうしたことは提起されましたけれども、これが日の目を見ずに、その間何回か、四十八年にも、そして五十年三月十一日にもというぐあいに論議されてまいっています。ところが、最終的には文教委員長が提出をして、これが可決成立をするという状況になっておりまして、その結果、前日に提出されておりました私立学校振興助成法案、藤波孝生君外四名提出の衆法第三六号、これも同時に成立をするという経過があります。そうしますと、その間にこうした同じような法案が何回か日の目を見ずに、最後はそうした委員長提案でまとまったというような経過があるようでありますけれども、その内容はどういうところが焦点になり、そして御論議されていったのか、この点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。特に衆議院の成立をした過程を見ますと、衆議院では討論なしで可決をしておるようです。参議院の方では討論があっておりますけれども、それはまた後であれしますが、こうした経過の中で一番焦点になったのはどこら辺であっただろうかということをお聞かせください。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  ただいまの御指摘の問題には、実は二点理由がございました。その一つは、この法案は当初、各種学校の制度の中に専修学校の制度を創設するという、全く別の内容の法案を同じ法案の中に含ませて提案されていたわけでございます。この各種学校の問題は、本日御質疑いただきます内容とは直接関係ございませんので、省略をいたしますけれども、これをめぐりまして、与野党の間の考え方が異なっていたということが、この法案がかなりの紆余曲折を経てきたという原因の一つになっていた、これが一点でございます。  もう一点は、それまで学校法人立について、公の助成を行うという公費の助成のあり方というものを特別にこの際、個人立の幼稚園、宗教法人立の幼稚園について特例を設けるという規定を設けるわけでございましたので、これをめぐりまして、当初は各党の間でそれぞれ意見が分かれていた。これが原因で、かなりの経緯を経てようやく、先ほど御指摘のございました七十五国会において与野党の間の意見の一致を見て成立するに至った。この二つの理由が原因で、かなりの時間を経て個人立、宗教法人立についての特別措置が実現をした、こういう経緯をたどったわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 いまお聞かせいただいたところでは、各種学校問題と、それから学校法人立の幼稚園に対する助成のあり方、特例を認めるかどうかということ、この二つが大きな理由になったということの御指摘でございますけれども、衆議院の場合には論議された経過がございませんので記録がありませんから、私、指摘をすることはできませんが、参議院の方におきまして出てきておる部分を申し上げますと——その前に衆議院の方で残っておるところを見ますと、久保田委員長の提案なり内容をずっと見ますと、やはり一番の問題点は、「助成対象となる学校法人のうちには、当分の間、学校法人立以外の私立幼稚園等の設置者を含むものとし、さらに、補助金を受ける私立幼稚園等の設置者は、補助金を受けた翌年度の四月一日から起算して五年以内に、当該学校が学校法人になるように措置しなければならないこととしております。」、私は、これが一つ問題になったのではないかという気がするわけであります。さらに、その後に、「日本私学振興財団の貸し付け等の対象に、当分の間、」、これも当分の間になっていますが、「学校法人及び民法第三十四条の法人以外の私立幼稚園等の設置者を加えることとしております。」、こうなっています。  そこで、これを受けて永井文部大臣が「専修学校につきましては、」云々とございますけれども、きょうは専修学校は質問をしないようにしておりますので、私立幼稚園だけについて触れてまいりますと、「学校法人化の促進につきましては、法律の趣旨に沿い、また設置者の誠意に期待し、適切な措置を講じてその促進を図る所存であります。  また、国公私立幼稚園の適正配置につきましても十分配慮し、その実現について指導してまいる所存でございます。」、こういうように述べ、参議院におきましては、提案者であります藤波さんが、わが党の宮之原委員の質問に対してずっと答えておるわけです。  それを見ていきますと、指摘をしたところで一番問題になっておるのが、こういうようになっています。「当然五年以内には私どもといたしましては、これらが学校法人に踏み切ってもらう、このめどがやはり明確でないというのが従来のやはり問題点であったわけです。」、こう指摘をいたしまして、「されるものとするというもの自体は、すでに本委員会でもいろいろ問題にしましたような大学臨時措置法の例が示すように、その意思がなければいつまでたってもそのまま野放しにされているという経緯がある。したがって、私はこの点が衆議院段階において各党間の合意を見て設置されるよう「措置しなければならない」という点が明確になった点を私どもも高く評価して」云々ということになっています。  したがって、五年間にわたる懸案の課題というのは、この措置されるものとするという、ここが私学助成法附則二条の五項にあります「措置しなければならない。」という、意思がなければ、野放しにされないというやはり限定されるもの、制限をされるもの、そういうものが明らかになってこのような委員長の提案によってされていったのではないかということを、いままで残されておるこういう文章からそう感じるわけですが、この点はどうでしょう。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  実は、ただいま御指摘の点は、一番初めに自民党が提案をいたしました昭和四十七年の第六十八国会における原案は、最終的にまとまりまして成立をいたしました原案と同じ、措置しなければならないというふうになっていたわけでございます。  その後、学校法人化のための基準等に、法人化をやりたくても長い歴史を持った個人立の幼稚園が、たとえば東京都の場合などには顕著な例があるわけですけれども、法人化のために敷地を広げたいというふうに考えても、実際問題としてはなかなか広げることができないというような、個人立の幼稚園の持っている実態というものを考えたときに、若干そこはやわらかい表現がいいのではないかというような考え方もございまして、措置するものとするという表現に一度内容を変更して提案をしたという経緯があったわけでございまして、最終的には、当初提案をいたしました案にまた戻して、委員長提案の形で法案が成立をしたという経緯をたどったわけでございます。その間、そういう実情も踏まえまして、文部省におきましては、幼稚園の法人化のための基準についてかなりの条件というものを緩和するという措置を昭和五十一年十二月二十四日にとりまして、法人化を促進するという行政的な措置も行ってまいっている、こういう経緯でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そこで、私はここが大変重要なかぎになると思いますから確認をしておきたいと思いますけれども、何と申しましても衆議院で討論なしで上げていった、成立をさしたということは、議員立法ですから、内閣提案じゃございませんから、そうした重要な部分が皆さんの中で合意されたということが前提でなければこのことは不可能だと私は思います。ですから、懸案の課題が何であったかということが一番ここで重要な課題ではないかと思っています。私がいまお聞きしておるところでは、御説明もありましたように、措置しなければならないということが四十七年の当時に出されたけれども、いろいろな経過を経て問題があるとし、それではできないということで、最終的にはこの措置しなければならないという、ここが一つの皆さんの確認事項として、これが全党での成立に至るという、一番の問題がそこにあったのではないかということですね。この点はそのように私は理解をしてよろしいですか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  そのとおりでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 そこで、この確認事項については、法律の中の附則の二条五項にそのことがそのまま記述されておるわけでありますから、この点はいまもなお変わらないし、それぞれ政党間における認識も変わっておらないと私はここでは確認をしたいと思うのです。  そうした際に、提案された自民党の皆さんの場合も、いまもなおこれはその当時のそうした確認と変わっておらないということを——と申しますのが、藤波さんがそのときに参議院で答えられた議事録があるのですよ。それにはいま西岡さんが言われたようなことをいろいろ指摘をいたしまして、たとえば「何といいましても、一つは宗教法人立幼稚園、個人立幼稚園が学校法人化をいたします際に、いろいろ個々の特有の困難性があって、それらをうまく解決をして学校法人にもっとしやすいような条件をつくってもらいたいということが一つと、学校法人として踏み切っていく場合に、国公私立の幼稚園間の適正配置ということを非常に心配をして、学校法人として出発をしていくけれども、すぐその横に公立幼稚園が次の年にできたら学校法人の幼稚園はつぶれていってしまう、」というようなことから始まって、ずっとありますけれども、結局最後にやはり問題になりますのは、「五年以内に学校法人に容易に宗教法人立や個人立等の幼稚園をすることができるように行政の措置をあらゆる角度から講じていく、」、ここは私は重要だと思うのです。「あらゆる角度から講じていく、また、国公私立幼稚園の適正配置についても、十分強い姿勢で各県、市町村等を通じて指導していくというようなことを確約をとっておりますので、ぜひ五年以内に」、「ぜひ」です。「五年以内に関係者が全部学校法人化が完了するものと、こういうように私どもは強く信じ、期待をいたしておるようなことでございまして、」、こういうように述べられまして、質問者である宮之原委員の方からその後に、学校法人に必要な資金の問題だとかいろいろな問題がまだ出ておりますけれども、いずれにしましても、藤波さんが代表で出てまいりまして、議事録で正式にいま残っておるのはこれだものですから、こうしたところを私は申し上げたわけですが、私の質問に対しまして西岡さんがお答えいただきましたように、いまもこれは依然として変わらないのだという、ここはひとつ御確認をいただいた、こういうように私も理解をしまして次に入りたいと思います。     〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕  そこで、懸案課題の法人化することについて基本的にいまいろいろ論議をしてきたわけでありますが、私は一つ文部省にお伺いをしたいと思いますけれども、教育基本法はもうすでに六条に出ておりますようにはっきりいたしています。「法律に定める法人のみが、これを設置することができる。」ということから始まって、学校教育法、私立学校法、その上に立ってこの百二条がいまなお問題になるわけであります。これが昭和二十六年でしたか、二十四年でしたか、ちょっといま私正確な年度を忘失いたしておりますけれども、この百二条問題について学校教育法を受け、そして私立学校法、その学校教育法の中の百二条問題が「当分の間、」という言葉で出てきて、学校法人によって設置されることを要しないということになっています。法人化ということが中心の課題になっていままで論議をされてきておるけれども、これが依然としていま生きておるところに「当分の間、」というここが非常に問題になるのですけれども、ここの理解を私は文部省にお聞きをしたいと思うのです。なぜこれが設けられていったのか、この点をひとつお答えください。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 御指摘の学校教育法第百二条によりまして私立幼稚園等が「当分の間、学校法人によつて設置されることを要しない。」とされておるのでございますが、これは私立幼稚園等が沿革的に申しまして、個人あるいは宗教法人等によって設置されてきたものが非常に多かったわけでございます。そして現実にもこれらの学校は比較的小規模のものでございまして、必ずしも学校法人という形での設置者たる条件を満たし得ない場合も非常に多かった、そういったことがこういう規定が設けられた趣旨であったかと考えられるのでございます。  現在におきましても、私立幼稚園は全体で八千八百余りのうち約四割強に当たる三千七百余りの園が諸般の事情によりいまだ学校法人という形にはなっておらない、こういう状況があるわけでございますので、それらの学校が果たしている役割りにもかんがみまして、学校教育法第百二条はなお現行のままとすることが必要ではなかろうか、こういうふうに思っておるのでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 それでは、いまお答えいただいたのを最も端的に私なりにまとめますが、これをお認めになるかどうか、お聞きください。比較的小規模、あるいはまとまった組織が不必要、そして発展途上にあるので、この段階においては質的充実よりはむしろ量的拡大が期待される、こうしたことあたりも中心になりましてこの百二条が設けられたと理解をしてよろしいですか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 この制定の当初としては、先ほど申し上げましたように、宗教法人立あるいは個人立等の幼稚園の当時の量的な状況あるいはそれらの働き、そういうものの認識の上に立ちまして、現実問題としてこういうふうな規定にした、こういうことでございますが、その後におきましていろいろな経緯がございますが、学校法人立という原則に立って新しい幼稚園の設置認可は進めるべきである、そういう考え方が出た時期がずっと来るわけでございますけれども、その場合も、ただいま御指摘のように、量的な確保のために必要やむを得ない場合には個人立といった形での幼稚園も認めなければならない場合があるということを含みにした指導をした時期もございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 いずれにしましても、宗教法人なりあるいは個人立、そうしたものがたくさんあったということが一つと、それからいま言うような量的なものも含めまして拡大をしていくという状況であったわけですね。ところが、現在段階で先ほどの答弁ではまだこの百二条が必要だということをこの前から言い続けておるわけでありますけれども、文部省にお聞きしますが、今村武俊さんという方あるいは別府哲ですか、名前は私は存じ上げませんけれども、この御両名の方は文部省におられた方じゃないでしょうか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 今村武俊氏は文部省におられた方でございます。別府哲氏はいま文部省におられます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 じゃ、御両名とも文部省における重要な役職にかつておられた方であるし、いまも重要な役職におられる方だ、こう理解をします。  この方たちが書かれておる「学校教育法解説」、この中に、百二条問題ですが、「私立学校法施行  (昭二五・三・一五)に伴なう経過措置であり、現在ではもはや効力のない規定である。」、こう書いてあるのです。「学校教育法解説」の中にそういう文章があるのですね、この方たちが書かれた中に。さらにまた、ほかのいろいろな学者の皆さんが書かれておる中にもそうした類似するものが幾つか見当たるわけです。こうなってまいりますと、文部省自体がそのことを私は認めておるのじゃないかと思って、このようにして私はここに出してみたのですけれども、依然として二年前もそうであったし、今度も変わってないのですね。これはどういうことなんでしょうか。(湯山委員「今村管理局長だったのですね」と呼ぶ)

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 いま三角初中局長がお答え申し上げましたが、この規定が設けられた当時の立案に当たりました安嶋彌当時の管理局の振興課、ちょっとそこの現職忘れましたが、安嶋さんの解説によりますと、「私立の盲学校、聾学校、養護学校および幼稚園が、当分の間、学校法人によって設置されることを要しない」とされておって、このことは、「これらの学校が多くの場合比較的小規模であって、必ずしも学校法人のようにまとまった組織を必要としないということ、また、これらの学校は発展の途上にあるものであって、現段階では、その質的な充実よりは、むしろその量的な普及が期待されるという理由に基づくものである。」というように申しておりまして、私立学校法の制定によりまして、かつて私立学校は財団法人によって設立されるというそういう制度を新しく学校法人という制度が私立学校法によって制定されました。このことは先生御指摘のとおり、教育基本法第六条で法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体のほか法律に定める法人によって設立されるという基本法の規定を受けておるわけでございますが、新たに学校法人という新たな法人格を制定したというときの時点でございます。  その時点で、この解説を読みますと、必ずしも小規模なものを学校法人という組織でもって常に設置していくべきか、その辺のところに若干議論があったような感じもこれからはうかがわれるわけでございまして、一部財団法人のままで続けてもいいのじゃないかという説もあったようでございます。それらの背景もありまして、このような規定が設けられたということでございますが、現在におきましては、先生先ほど御指摘されましたとおり、中教審の四十六年の答申におかれましても、幼児教育の充実という観点でできるだけ速やかに幼稚園につきましては学校法人化を促進するということが言われております。  また、先ほど御指摘のこの振興助成法制定の国会での御論議の中で、あらゆる方法をもって学校法人化を図るべきであるということの御指摘があるわけでございまして、現在におきましては、学校は教育基本法の定めるところの学校法人、国、地方公共団体のほか学校法人によって設立されるという、これが基本に立つことには変わりないと思っております。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 私が質問したことに対してお答えいただかなければ困りますよ。     〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 私がいまお聞きしましたのは、今村武俊さん、別府哲さんですか、この方がかつて、いま湯山さんの発言によりますと、管理局長をやられた方ですね。そうすると、これを担当する方です。それから別府さんはいま何されておるのですか。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 社会教育の振興を担当する社会教育局長でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 ですから、先ほどから確認をしておりますように、お二人ともそうした重要な職にあり、その方たちが記述されておる「学校教育法解説」というのが第一法規から出版されておるわけです。この中にちゃんと記述されてあるのですよ、百二条問題について。だからちょっと読みますと、「私立の盲学校、聾学校、養護学校および幼稚園が、当分の間、学校法人によって設置されることを要しないのは、「これらの学校が多くの場合比較的小規模であって、必ずしも学校法人のようにまとまった組織を必要としないということ、また、これらの学校は発展の途上にあるものであって、現段階では、その質的な充実よりは、むしろその量的な普及が期待されるという理由に基づくものである。」」、私は先ほども言いましたし、局長がいま答えましたように、これは安嶋さんの「学校行政法」四十七ページに記述されている。「と思われる。第百二条第二項は、私立学校法施行に伴なう経過措置であり、現在ではもはや効力のない規定である。」、こういうことまでちゃんと記述されてあるわけですね。お二人がこの「学校教育法解説」で全国の皆さんにそれを指導する意味も含めまして出された文章の中に、こうしたことが出ておるわけです。何だったら、ページ数を言いますと、百三十二ページです。これとの関係はどうなるのですかと言っているわけです。ですから、先ほど局長が言われていることと、このこととはずいぶん違いがあると私は思うのです。だから、そこにしぼって答弁をしてくださいよ。ほかのことは要りません。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 いま先生お読みいただいたところによりますと、手元にございませんから恐縮でございますが、百二条の第一項は「当分の間、学校法人によつて設置されることを要しない。」、第二項は「私立学校法施行の日から一年以内は、民法の規定による財団法人によつて設置されることができる。」ということでございますし、二項は一年の時限立法でございますので、その意味ではすでに空文化しているということのように聞き取れたわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 ですから、百二条に、私立学校の場合の、幼稚園を含めまして「当分の間、学校法人によつて設置されることを要しない。」、こうなっておりまして、そして二項も含めまして「私立学校法施行の日から一年以内は、民法の規定による財団法人によって設置されることができる。」、こういうぐあいに私立学校の場合にはあるのですけれども、これも、もうすでに規定から外される、効力は有しないということを、いま規定してあるわけですね、現在あるものとして。あるけれども、これはもう不必要になっておるということを言っておるわけなんです。ですからそれと同様に、私は先ほどから申しておりますように、こうした百二条一項とのかかわりからいたしますと、もうすでに現在の実態というのは内容的に大体整ってきたのではないか。なぜなら、特にいま、御存じのように一年間における園の廃園なりあるいは園児の減少に伴ってどのようになっていっておるかということを、それでは具体的に、私は、量的なものの追求ではなくて、質的なものに変わってきておるということになれば、いま言うこの百二条というもの、「当分の間、学校法人によつて設置されることを要しない。」という、こうしたものの特例を設ける必要はないのじゃないか。なぜなら、先ほど局長が答弁いただきましたように、安嶋さんのあれにありますように、そうした内容があるからこそ百二条というのは設けられたわけですから、それなのに依然としてこれがあるということ自体がおかしくなってきているのじゃないかと私は思うのですが、この点どうでしょうか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 先ほども申し上げましたが、現在なお、私立幼稚園の四二%に当たるのでございますが、三千七百五十三園というものが諸般の事情により学校法人でない形で設置、運営をされておるわけでございます。そうしてそれが非常に重要な役割りを果たしておりますので、百二条をなお現行のままにしておきませんと、幼児教育の振興の上から困る、こういう判断をしておるわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 いま、だんだん整理されていっておるということをいろんな方から聞かせていただきますけれども、お尋ねしますが、それでは、いま園数は幾らあって、そしてその中の園が一年間にどれだけ廃園になったり縮小していっているか、この点についてお答えください。なければ、質問を保留します。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 幼稚園の全体の数でございますけれども、これは五十六年現在におきまして一万五千五十九ありますうち、私立は八千八百六十二、五十五年の私立が八千七百八十一、五十四年の私立が八千六百二十九ということでございますから、全体としては、少しずつでございますがふえておる状況でございます。  この間の統廃合等の数でございますが、五十四年におきまして私立が二十八園、五十五年におきましても二十八園、そういう状況でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 それでは、先ほど西岡さんの方からお答えいただいた中とのかかわりが出てくるわけでありますけれども、緩和措置をとられたということを言っています。五十一年の十二月の二十四日に通知を出しまして、認可基準の緩和措置がとられたということで説明があっておりますけれども、いま、依然として四二%の非法人の幼稚園がある。ところが、先ほどから西岡さんも、さらに局長の方も言っておりますように、法人化を目指すという、これが基調になっておる。しかもそれは、先ほどから出ておりますように十カ年計画からいたしましても、すべてのものがそうした方向に向けてなされています。あれは十カ年ですから、四十七年に出されたのじゃないかと思うのですけれども、そうすると去年が最終年になっておるわけなんですね。そうすると、大体そうした全体的なものが出てきておる。局長が言われましたようにあらゆる方法で法人化を促進していくという中であるにもかかわらず、こうしたものが依然として残っておる。そうすると、先ほど私が指摘をし、お答えいただいておる中身と同じように、認可基準緩和ということをまず最初に手がけておられますけれども、この中身は大体どういう中身なのか。どちらでも結構なんですけれども、具体的にこういう点が法人化が困難だから促進するためにやったのだということを、数的なものがあれば数的なものを挙げていただいて説明ください。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、あらゆる方途を講じまして本則の学校法人化を図るということは、振興助成法の制定を見ましてから特に行政の責任として取り組んできたところでございます。およそ公の性質を持ちます学校教育の永続性また安全性を担保する、そのことによりまして公共性を確保していくという観点から、一つには学校の認可に当たりましては設置基準の定めるところによるということがございます。もう一つ、学校法人としての規模また設置者としての管理、経費の負担の責任を果たすという観点からは、学校法人の認可基準というものがかかわって、これによりましての認可がなされております。その学校の認可と学校法人の認可両面にわたりましての基準につきまして、それなりの学校法人になりやすい緩和措置ということを、先ほどお示しございましたとおり、五十一年十二月の通知でもって行ったわけでございます。  具体に申しまして、一つには、学校法人としての認可基準に当たりましては、原則として校地、校舎を学校法人は自己所有するということのたてまえでございますが、実際に個人立、宗教法人立等につきましては借用の状態がかなりございますので、その借用部分につきましては二分の一までは許容の範囲とするというようなことの具体の緩和措置をいたしております。また、国、地方公共団体からの借用というような、所有権の移転につきまして懸念がない、借用状態が永続性を持っておるというようなもの、これは、宗教法人等につきましてもこの辺の観点に立ちまして、宗教法人等の目的に照らして所有権を移転することが困難であるというような場合には、借用状態であっても学校法人としての要件を具備しておるというように認めていくということをいたしました。  また、学校法人設立の際の負債等につきましても、これがそれぞれ園地、園舎に抵当権が設定されていてもその負債の償還方法等に見込みがあるというような場合にはこれを許容していくというようなことが学校法人の認可に当たっての緩和措置でございます。  また、設置基準の適用につきましては思い切った措置をいたしております。すでに現存する幼稚園につきましては園舎及び運動場の面積は従前の例によることができるということに割り切りまして、この面、将来の努力によりまして設置基準を充足していくことに期待するというような措置を講じたということでございます。  そのこと等もありまして、また具体の助成措置ということもございまして、ちなみに、五十年から五十五年にかけまして学校法人化いたしたところが七百二十九園でございます。個人立から学校法人になりましたのが四百六十四園、それから宗教法人立あるいはその他の法人立で学校法人化いたしましたのは二百六十五園ということでございまして……(「印刷して配れ」と呼ぶ者あり)はい。五十年の学校法人立の割合は三九・九%でございましたが、これが五十六年には五七・六%、学校法人化はそれなりの進展はしてきておるという状態でございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 いま言われました認可基準の緩和措置というのは、借用地がたとえ購入する意思があってもできない場合には、これはそのまま認める、あるいは個人、宗教法人なんかの場合、借地の場合はいままではすべて自己所有でなくちゃならなかったのが二分の一までよろしい、こういうことになってまいりますと、先に申しました借用地の場合で、買う意思があってもそれを転売してくれないということであれば困難地として指摘できるわけですから、問題はうんとしぼられた中で解決するわけですね。と同時にもう一つ大事なことは、現存する園の場合には、園舎にしましても運動場の広さにしましても、いま言われましたように従前のものでよい、こうなっていきますと、設置基準からいきましても認可基準の緩和措置からいたしましても大変法人化しやすい条件は、やる意思があれば大体でき上がってきたのではないかと思います。これは西岡さんにお聞きしますが、いままでのこうしたあれからいたしますと、五十一年ですから、論議をされてそのすぐ直後にこうした措置がなされて、これが直ちに影響するであろうということをだれしもがお認めになったのではないかと思うのですけれども、その点はどうなんでしょう。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  御指摘のように設置基準の緩和措置を行うことによって相当の個人立の幼稚園、宗教法人立の幼稚園が学校法人化を目指してくれるであろうという予測をいたしたことは事実でございますが、残念ながら現実の問題としては、先ほどもちょっと触れましたけれども、大都市等の幼稚園においては、設置基準そのものにはるかに及ばない非常に小さな敷地内で幼稚園の経営を行っているというような実態も現に存在をしているわけでございまして、私どもが当初予想したよりは学校法人化が進んでいないというのが現在の状態であるということは認めざるを得ないわけでございまして、先ほど初中局長からも答弁がございましたように、いまなお学校法人立以外の幼稚園が四二・四%、園数にいたしまして三千七百五十三園がそのまま残っているという状態でございます。その中身についてはそれぞれの事情があろうかと思いますが、なお学校法人化への努力がなされれば学校法人化が行われるであろうという期待を込めて今回の法律の延長をお願いいたしている、こういうことでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 いま西岡さんから答弁をいただきましたけれども、確かに大都市における園の状況が設置基準になかなか沿わないというこのことは私は認めますが、先ほど局長のお答えにありましたように、現存する園舎そのものを従前のもので設置基準として認めていく、こうしたことを答弁されておるわけですから、そうした内容が果たして抽象的に言われるようなしろものなのか、どれだけのものが不足しておるというようなことを具体的に細かく文部省なりで把握されておるかどうか、この点きょうお答えできなければ質問を保留していきたいと思いますけれども、どうですか。いま詳細にわたって設置基準に満たない、しかし、その中で園舎だとかなんとかが従前のものでよろしいと認められておるといたしますならば、その関係の中で果たして何が一番問題になっておるのか、これだけのものが足りないというようなことを細かく把握されておるかどうか。これは質問するということになっておりませんでしたから、いまできなければまた質問を保留しておきますけれども、この点どうでしょう。わかりますか。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 学校法人の認可は都道府県知事において行われております。先ほど申し上げました通知等による扱いにおきまして、学校法人のそれぞれの促進方をお願いしておるところでございまして、いま個々の幼稚園につきまして現在の基準、また従前の例による基準に比してどの程度の過不足があるか、個々のものにつきましての調査は、私どもとしていたしておりません。ただ……

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 わかりました。  時間がありませんから急ぎますけれども、もう一つお聞きしたいと思います。  公私立幼稚園の関係で問題になっている適正配置がされるかどうかということは大変大きな問題でありますけれども、これについては連絡協議会などを設けさせておるということが言われております。この点で私が調べてみましたら、依然として全然設けてないところあたりがあるわけです。これは古いから当たってないかもしれませんが、私の手元にあるものでは、岩手はなし、秋田がなし、栃木がなしというぐあいに、ずっと挙げていきますと埼玉、東京、山梨、長野、新潟、静岡、石川、滋賀、京都、奈良、山口を除いて中国は全部、徳島、香川、福岡、沖縄、こういうぐあいに私の資料ではなっています。ということになりますと、そうした問題になっております学校法人化することに対して抵抗があるのは、先ほどの藤波さんの答弁の中にありますように適正配置でなしに、隣にすぐ公立の幼稚園等ができる、それではたまらぬじゃないかということのようでありますけれども、これはあれですか、適正配置と調整機関づくりについてはどのようにしていかれたのか、この点、西岡さんはお調べになっておりますか。そうした条件整備がずいぶんサボられておるような感じがするのですけれども、なければ文部省に聞きます。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 私どもの方の調査も少し前のでございますが、各都道府県におきます幼児教育に関する連絡協議会といったものの設置の状況ですが、五十三年四月の時点の状況がいま手元にございますので、それで申し上げますと、十六の県がまだつくっておらず、特につくる予定もまだ立てていないというのがその時点での状況でございます。それから、二つの県はまだ設置していないけれども、その年度中に設置するという形でございまして、県名で申し上げますと、秋田、栃木……

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 いやもう県名はいいです。  いま言われましたように、まだ十六の県でつくっていない、さらに二つの県で計画中だと言うのですから、まだ十八つくってないということになるのです。後でまた資料をいただきたいと思いますけれども、四十七都道府県の中で十八に上るところでまだつくられてないということは、こうしたものに対する法人化が進んでいない、なぜ進まないのかということの一つの理由にもなってくるわけですね。適正配置ということが皆さんから大変注目されておるにもかかわらず、その調整機関あるいはそうしたことを考えておらない県が相当多数ある、四十七分の十八ですから。いまこうした状況になっておるということが明らかになりました。  そこで、もう一度私は西岡さんにお聞きしますけれども、このような状況でこれを再提案される際に、認可基準からいたしましても適正配置からいたしましてもいろいろ多くの問題がずっと残っております。なぜこのようにして残ったかの分析なり何なりはいたしましたか。たとえば三年を提起する場合には、少なくともいままでの問題点を全部つまびらかにして、これならある程度見通しが立つとかいろいろあると思われますので、この点についての分析をなされたかどうかですね。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えをいたします。  今回、法の延長三年を御提案申し上げ、各党の御賛同をいただきたいと願いましたまでの自民党としての検討の経緯の中で幾つかの問題があったわけでございますが、一つは、すでに中西委員御承知のとおり、現在この時点におけるわが国の出生率というものが非常に激減してきている、そういう背景がございます。ちなみに数字で若干申し上げてみますと、昭和五十四年から五十五年にかけまして就学前児童数が一年間に四十万人減っている。昭和五十五年から五十六年にかけましては四十六万、五十六年から五十七年にかけましては四十二万、それからずっと、大体三十八万、三十六万というふうに年々かなり就学前児童の数が減っていくという背景の中で、個人立の幼稚園の経営というものは非常に悪化してきている。この背景の中で幼稚園の振興策をどういうふうに進めていくかということが、実は今回御提案を申し上げました最大の理由だったわけでございます。  この三年間の延長をお願い申し上げておりますのは、この三年間にこうしたわが国の人口動態の変化というものを踏まえて、幼児教育のこれからのあり方というものを再検討すべきではないだろうか。そのために現に今日までわが国の幼稚園教育に貢献してきていただいている個人立、宗教法人立の幼稚園の経営というものをこの際さらに三年間法を延長することによっていささかでも助けて、その間、一方においては学校法人化を進めていただくと同時に、私どもといたしましては幼稚園、幼児教育のあり方、幼児教育についての行政全体の問題についての根本的な施策というものを確立いたしたい、その間のいわば猶予期間として三年間さらに時間を必要とするのではないか、そういう趣旨で御提案を申し上げているわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 私は、その前に大事なことが残っておるのではないかということで一番最初西岡さんにもお聞きしましたように、この法律ができ上がってくる過程、その中で一番の問題点は何であったかということをいままでお聞きをしてきたし、そして局長の方もこれを促進することが大変重要だということを言ってきておる。ところが依然としてその数からいたしましても、すでに明らかになっておりますように何回か言われておりましたけれども、五十一年が志向する園が千九十五から始まりまして、五十五年までのあれからしますと千四百七十三園あり、それまでの間にそれではどれだけ実現できたかということになると、五十六年が私にはまだわかりませんから五十五年までの間に七百三十九園しか実現できていない。これを延ばす、延ばさないという論議をする前に大事なことは、そうしたものがなぜ依然として残されておるのか、また、それを志向するのはいま五十五年末で千四百七十三ですよ。しかも非学法の幼稚園の場合が三千九百六十三あるわけです。約二千五百の志向しない園まであるわけですから、それがあることをどう私たちが分析をするかということが大変重要ではないか、こういうことを私はお聞きしようと思っているわけですから、なぜ二千五百に上る志向しない園があるのか、こうした数とそれから志向する園がこうして残っていっているということがどうしても私たちには理解できないところがあるものですから、そうした点についての何か資料的なものがあって皆さんが整理されて分析されたかどうか、この点どうでしょう。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、私どもは、今回の法の三年間延長ということをお願いするに至りましたまでの検討の経緯の中で、率直に申し上げまして過去五年間に本来ならば幼児教育のあり方、幼児教育についての行政のあり方、こうしたことについて確固たる施策を打ち出しておかなければならなかった、その点が五年間になされなかったということについては、私ども政府与党としては十分反省しなければいけない、このように基本的に考えているわけでございます。  なお、ただいまの御質問につきましては、先ほど触れました、これからの人口動態のあり方とか、幼稚園の経営、それと公立幼稚園が調整がなかなかうまくいかないで、父兄負担の問題等もございまして、公立の幼稚園というものを国民の多くはそれぞれの地域に設置されることを望む、こうした傾向、また一方におきましては、御承知のとおり保育所との競合、こうした背景がありまして、個人立の幼稚園、宗教法人立の幼稚園の経営者の皆様方が幼稚園経営の将来に対して確固たる自信を持っておられない、これについての行政の施策も十分こたえていないという、これは具体的な統計上の数字ということではなくて、基本的な施策自体の欠如というものが、現に学校法人化が予想以上に促進されていないという背景として存在をしているのではないか、こうしたことについて三年間の時間をいただいて、政府与党としておくればせながら確固たる施策を確立いたしたい、こういう考え方で今回御提案を申し上げているわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 なぜ法人化というものが促進をされなかったかということは、いま言われておる中にもある程度は示されておりますけれども、私は、まだまだ多くの問題があるのではないかと思っています。たとえば、行政的に手抜きがすでにもうあった、私たちはそう判断をします。なぜなら、たとえば、学校法人化措置状況報告書の取り扱い方について見てみましても、これは全部地方に押しつけですね。数が幾らあろうとこれは年々そんなにたくさん変わってくるものではありませんから、詳細に実情調査をやっていけば、本当に法人化を目指しておるかどうかぐらいの判断は文部省で取りつけることが可能であったのではないかと私は思っています。この報告書をずっと見てみましても、本当に正確に指導して全部が出されておるなら、いまここに西岡さんがそうした問題等についても、こうした資産の状況はどうだとか、あるいは希望しておるが先ほどから私が指摘しておりますように園舎の面積がどうだとか、あるいは運動場の面積はどうだとか、土地不足の問題はこうだとかということを詳細に把握ができておったと私は思うのです。  まず第一に、先ほどから言っておりますようにこれを調査しておらないということ自体、この千四百なり千五百の志向園の場合には助成金を受け取っておるわけですから、そうした義務的なものがむしろあるわけです、これを万全を期してやっておらないところに依然としてそうしたことが残っていったと私は理解をするわけです。ですから、いま一般的に言われました国公立を望むとか、保育所の競合だとか、そうした問題につきましても数的なものとしてある程度出てくる可能性のあるものだと私は思っています。  さらにまた、経営者の自信喪失等につきましては、これはそうしたことはできないと思いますけれども、一番最後の政策的なものにつきましては、これから後またいろいろ論議し、私たちも提案をしなければならない分もありますからなにですけれども、そうしたいろいろな問題があるでしょう。しかし、いずれにしましても、いま言った報告書一つの取り扱いを見ても大変粗雑でなかったか、形式的ではなかったか、分析ができないような方式にしかなってなかったのではないか。しかし、これを見ると、正確に書かせればある程度出るのですよ。しかしそのことは集約をされていない。  それからもう一つ申し上げますならば、これは日本私立幼稚園連合会が出しておる資料の中にいろいろなことが出てますね。これを見ると、なるほどなと私は思うのです。たとえば、まず第一に私驚くのは、一番驚いたのは、「学校法人立以外の私立幼稚園に対する経常費助成について」、これは文部省が都道府見私立学校主管部課長会議の資料として出したのではないかと私は思うのですけれども、これを見ますといろいろなことが書かれています。最初から「五年以内に学法化しなかった場合でも都道府県に対し、返還を求めるべき性格のものではないと解している。」、さらに「学法化を推進することを目的とするものではないので、法定期間内に学法化しない場合でも返還を求めるべき性格のものではないという考え方である。」、さらに「「学法化のため、何らかの努力を行っていれば、学法化に努力するもの」と判断すべきものと考える。」、それから「補助金の返還を求めるべき性格のものでないと考える。」というように、こうしたものの中に文部省側はこれを緩めるようなことを——むしろ学法化に向けて指導するという立場に立ってなかったのではないかと私は思う。今度は、たとえば要望として都道府県知事に出されているのを見てみますと、やはりその中にそれに類似することがずっと出てます。「経常費助成費補助金の基本的事項について」として五十二年二月一日に出されておるものを見ますと、日私幼の場合、「学校法人にするため(なるため)のものではないのである。」、こういうように断定した文書が全部流れておるわけですね。そして、しかも注として「このことについての罰則はない。」とか、それから、その次にありますのは、「この補助金が学法化のためのものではないので、毎年々々、その園で行なわれている幼児教育がじゅうぶんに行なわれるために使われておれば、その目的にかなっているのであるから、返還を求めるべき性格のものではないという解釈である。」とか、だからこういうようにずっと全部一連のものを見ると、文部省が都道府県の私立学校主管部課長会議の資料として出そうとしたその中身、これらが全部一体的になっているわけですね。これは五十一年から五十二年に出ています。  ですから、私はこのことを考えますと、まさに先ほどから申し上げておるように手抜きになっておるのではないかと思う。報告書の問題、それからこうした問題ですね。まだほかに挙げろというなら挙げますけれども、こうした問題等を考えてまいりますと、私は提案をする理由がいろいろあろうと思いますが、そうしたすべてのものの分析をしてかかっておかないと、たとえ何年これを延ばそうと何もそこには効果はないということはもうはっきりしておるわけなんですね。  きょうはもう時間がなくなりつつありますので、ほかに就園奨励費補助制度あたりについても助成金の問題でもまだたくさんの問題があるわけですが、そうしたものはきょうは質問を保留をいたします。  最後になりますのでお聞きいたしますけれども、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案の提案理由、これをずっと読んでいきましたところが、黒く消しておるところがあるのですよね。これをよく透かして見ましたら、こう書いてある。いいですか。このため、「公費助成のあり方を含め幼稚園に関する諸問題を十分検討し、改めて所要の措置をとることができるよう」学校法人化の期限を昭和六十年三月末まで延長しようとするものであると、こうなっているわけです。先ほどから西岡さんが提案をする理由の中にはこれに近いようなことを言っているわけですね。  まずお聞きしたいと思いますのは、これ、何で消したのですか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 別に他意はございません。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 私、どうしてもこれが納得できないわけでありますけれども、何でこれをこういうふうに消したかどいうことでありますけれども、論議がここら辺に集中したらいけないということ等を含めて勘案したのではないかというような気もします。私は、いずれにしましてもきょうは時間がありませんから、ここの部分についての論議もできません。  ただ、ひとつ私がお聞きをしたいと思いますのは、全国私立幼稚園連盟、これには幼児教育懇話会という組織まであって、大変な活動をしておるようであります。それから日本私立幼稚園連合会、こういうところあたりのいろいろな資料を見てみますと、法律改正、一部改正をする際にまず第一に言っておることが、「五年以内に当該補助金に係る学校を学校法人によって設置されるように措置する義務を解除すること。」というものが一番最初に出ています。その後にはいろいろ出ておりますが、ただごまかしみたいに、私、これごまかしだと思うのですけれども、出ておるので、「当該補助金に係る学校を廃止する場合には、特別会計において残存することとなる財産のうち、当該交付を受けることとなった年度以後に取得したものであって文部省令で定めるものは、国庫に帰属するものとすること。」と、こういうふうに法人になった場合のいろいろなことがされておりますけれども、これは経常費だから残るわけないのだけれども、こういう文書なんかがずっと出されています。それから、これは自民党ではないかと思うのですけれども、「個人立等の幼稚園に対する施策について」の案の中に、いま一番最初に申し上げましたような「「学校法人によって設置されることとなるよう努めなければならない」旨の規定に改める。」とか、その後いろいろありますけれども、このようにいたしまして出ておるものと、いま申し上げた二つの団体から出されておるようなものが大体似通っておる。  私はこれを読ましていただいて、そうすると先ほど西岡さんが言われた提案をする理由と、まだ完全には討論しておりませんけれども、はしょって言っておりますけれども、大分違うような感じがするのです。一定の期間という、そうした中で論議をしていきたいのだとか、それからそうした政策を云々だとかいうようなことと大分違うみたいな感じがしてならないわけです。もう時間が参りましたから、これだけお答えください。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  確かに、今回三年間の法の延長をお願いするまでの議論の過程の中で、幼稚園のあり方についていろいろな考え方があったことは事実でございます。しかし、特にここ一年ないし二年ぐらいの間の自民党としての議論は、社会情勢の大きな変化、特に先ほども触れました人口動態の変化、そうしたことを踏まえて、いままでの論議とは全く異なった幼児教育全体のあり方というものを見直すべきではないか、父兄負担のあり方というものも含めて今日までの施策というものを見直すべきではないかということについては、ただいまいろいろ御指摘のございました幼稚園の団体等のすべての議論を、最終的には、先ほどるる御説明を申し上げましたところに集約をして今回御提案を申し上げた。確かに御指摘のとおりに、それまでの経緯の中ではいろいろな議論が存在をしたことは事実でございますけれども、最終的には、もっと高い次元で幼児教育のあり方、行政のあり方というものを考えていこうという点においては一致をしたというふうに御理解をいただきたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 最後に大臣に、大変長い時間全然御質問も申し上げませんでしたけれども、一つだけ、先ほど申し上げました手抜きの問題だとか、補助金制度の問題だとか、いろいろな問題等について、まだまだ質問が十分確認ができておりませんが、いままでの論議の過程の中で、いま提案をされておるその中身、そのこととあわせ考えて、文部省としてはこれに対してどのようにお考えになっておられるのか。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 私学振興法の附則二条五項によりまする学校法人化の期限が到来した後の幼稚園の取り扱いにつきましては、本来、この法律が議員立法の形で立法されました経緯もございますから、立法府における御論議を踏まえつつ慎重に対処してまいりたいということを従来申し上げてまいったわけでございます。このたび自民党におきまして、幼稚園関係諸団体の意見をも十分聴取された上で、成案を得て提出された法律案と理解をいたしておりますので、文部省といたしましてはこれに賛成をいたす次第であります。

中西績介日本社会党

○中西(績)委員 賛成をするという態度のようでありますけれども、私は二年前にこの点に関して質問をいたしましたが、そのときに、十年計画が五十六年末で終わるということがはっきりしているわけですから、その時期になって行政者側からもこうした問題についてどう見直していくかという具体的な案をやはり持ってこなければいかぬのじゃないかと、特にこの適正化問題等を通じて指摘を申し上げておったけれども、全くそれがなされておらないということがわかりました。  以上、終わります。

青木正久自由民主党

○青木委員長 鍛治清君。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 ただいまから御質問を申し上げますが、提案者の方、それから文部省の方にも一応質問内容をあらあらお伝えしておきましたけれども、ただいまでのいろいろなやりとりの中で大変重複をしてまいりましたことが一つ。それからただいまの中西委員の質問、それに対する提案者側の西岡さんのお答え、その中での問題のうちでこの提案理由、先ほども中西委員が示しておりましたが、入っていない部分、しかもそれが幼児教育の重要な部分に関すること、これが答弁の中に出てまいりました。そういったいろいろな点から、答弁の正確を期していただくために質問の内容を若干お話し申し上げておりましたが、それから外れた形で質疑をやらしていただかざるを得ないようになった事情も御理解をいただきまして、若干の質疑を交わさしていただきたいと思います。  三時までやらしていただいて、後はまたミッテラン大統領のお話が終わった後で引き続いてやらしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  一つは、いま西岡先生から御答弁のありました、幼児教育の根本にかかわる問題を検討する、その経過措置のような形で本私立学校振興助成法の一部を改正する法律案というものを提案を申し上げたのだ、こういうふうなお話でございました。  さらに、お答えは聞かず引き続いて申し上げるわけですが、そうなりますと、この法案に対する考え方というものが、私どもも観点が根底から変わってくるというふうな気がするわけです。そういう立場に立ってこれに賛成か反対か、端的に言えばそういう考え方に立つということを考えてみますときに、これは考える角度が全く変わってくるというふうな気がするのですね。ただ、われわれはこの提案理由に見る限りは、五年間でいわゆる学校法人化を進めなさい、そうして個人立、宗教法人立の学校法人化を進める中で、その意思のあるところには補助を出して、やりやすくしてあげますよ、こういうような大綱の話になっておるし、それができなかったから単純に三カ年延長する、こういうふうな形のように受け取れたわけです。しかし、それがそうでないということになりますと大変な問題になるわけですが、私も先ほどの答弁を聞きまして、実は提案理由をもう一遍読んでみましたら、それが入っておりませんのであららと思っていましたら、いま中西委員から、黒いところを透かしてみたら入っているというような話で、私もそこまではちょっと気がつかずに素直に読んでいたわけです。それは、そういうふうに黒い消した部分が私はよく見えませんけれども、先ほど中西委員が指摘したような形で入っておるならば、私どもとすれば、これはむしろそういうものを含めた中で真剣に討議をすべき問題であったろうというふうに思うのです。  ここらあたり、他意はありませんと言いますが、どうも私ども質問する立場から見てみましても、あるとないとでは大変な違いが出てくる。こういう意味合いから、お消しになったのは何か意図があったような気もいたしますし、そこらあたりを含めて再度提案のお考えをお聞かせいただきたい、今後のお考え方もお聞かせいただきたいと思います。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  実はこの法律自体の目的は、あくまでも個人立、宗教法人立の学校法人化というものを促進する、そのために五年間の時限を切りまして学校法人立以外の幼稚園に対する助成も行えるという道を開いたわけでございますが、先ほどからるる申し上げましたように、人口動態の変化、社会情勢の変化というような過去五年間の変化の中で、個人立、宗教法人立に対する助成の道が、ここで法律が切れたという理由だけによって、いま直ちに打ち切られるというような状況に幼稚園が置かれていないのではないだろうか。これはあくまでも子供たちのために行った施策でございますから、これは非常に経営が苦しくなってきている幼稚園の現状を考えますと、いまこの時点で直ちに、法律が時限を迎えたことによって助成が打ち切られるということは、子供たちに対する施策としても好ましくないのではないか。そうしてその奥にある理由として、それがこの法案の直接の目的ではありませんけれども、三年間の時間をかけて幼児教育のあり方、行政のあり方あるいは幼児教育を行っている幼稚園の経営形態、設置者の形態のあり方というものを根本的に考え直す時間に充ててはどうかということが背景にあるということを申し上げたわけでございまして、この法律そのものが実は幼児教育のあり方を改革するということを内容としたものではないわけでございまして、そういう意味で先ほど墨で塗ったのはどういうことかということについて他意はないということを申し上げたわけでございます。こうした質問をいただく中で、答弁を通じてその背景にある真意を御説明申し上げている、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 自民党の政調副会長というお立場にありまた文部省の行政に対する影響力も多い立場での御発言でありますから、これは今後の文部行政にも大きく影響を与えていくことであろうと思うのです。ただいま提案者である西岡先生のお答えの中で、幼児教育の見直しということについて、そういう時期に来ておるし、本助成法の延長自体がその目的ではなくて、恐らくはこれをその一部分として大きく変えていくというお考えのようですが、こういういまの提案者の答弁の内容につきまして、文部省といたしましてはどういうお考えを持っていらっしゃるか。これは質問の中で通告をしている問題ではございませんが、大枠で何かそういうお考え等があればこの際お聞かせいただきたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 ただいま中西委員の御質疑に対して答弁を申し上げましたのが文部省の立場でございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 あっさりお答えいただくと拍子抜けがいたしますが、それはそれといたしましても、五年間を経過いたしましてみたときに、確かに後半におきましては、特にいま提案者からお話のあったいろいろな要素というものが厳しくなってきたことは事実であろうという気はするわけです。確かにこのままではいかぬという気がするのですが、それは全体の中で通して考えるとはしながらも、いろいろ早くやった人とやらない人が残って、まだ学校法人化してない人、理由は深刻な理由、またいま御答弁のあった内容というものが多分に入ってきておることも理解はいきますけれども、それに立ってみてもなおかつ、いわばもらい得といいますか、そういう形のものもあるということも耳に入ることがあるのです。そういった点についての実態調査、これも先ほどの質問と若干重複するかもしれませんが、調べておられるかどうか、この点、文部省サイドにお聞きをいたしたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 学校法人化の進みませんでした阻害要因等につきましては、先ほど提案者の方からお話があったとおりでございます。そこで、私どもいま一園一園詳細な理由につきましてそれなりの調査をいたしておるわけでございますが、学校法人化できなかった理由はさまざまな事由がございます。先ほど西岡先生からお話がございましたように、幼児の減少が当初の予測よりも大幅なものと予想され、そのため今後の幼稚園の経営に不安を抱いておられるもの、あるいは学校法人化について宗教法人や法定相続人となる家族の同意を得ることになお困難を来しているもの、あるいは園地の取得または借用について地主との交渉が難航している、または資産確保に困難を生じているもの、それから現状のままでは幼稚園設置基準を必ずしも満たしていないというようなもの、あるいは学校法人認可の手続が当初の計画よりおくれたもので近い将来には学校法人化の可能なもの、その他負債が多いなど、そのような分類の中で、いまそれぞれの幼稚園につきましての事由を分類、調査しておるところでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 三時ちょっと前になりましたので簡単に済むだけ、わかればお答えいただきたいのです。  人口動態のお話、出生率の問題、御答弁の中で出ておりました。これまでは確かに何年か減ってまいりましたが、今後の見通しといいますか出生状況の見通し等についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、これは文部省のサイドでお答えいただきたい。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 わが国におきます今後の出生数の推移につきましては、厚生省の予測によりますと昭和六十一年まで逓減をしてまいります。そしてそのときには昭和五十六年に比べまして十六万人の減、こういうことでございまして、その以後はまた増加していく、こういうふうにされております。この厚生省の予測を基礎といたしまして今後の幼稚園該当年齢人口について推測いたしますと、幼稚園に入ってくるのはそれより後になりますから、昭和六十六年度ごろまで逓減をして以後少しずつまた増加していく、こういうふうに思われるのでございます。  ただ、今後の園児数そのものになりますと、就園率の増加をどの程度見込むかによって異なりますし、それからその就園率というものは施設設備の状況あるいは保護者負担の問題等さまざまな条件がこれに絡んでまいりますので、これについて予測を行うということはなかなかむずかしいというふうに考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 じゃあこれで、私の質問はまた後にさせていただきたいと思います。

青木正久自由民主党

○青木委員長 午後四時十五分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後二時五十九分休憩      ————◇—————     午後四時三十五分開議

青木正久自由民主党

○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。鍛治清君。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 格調高いお話を伺った後でございますが、提案者に、最初にちょっと戻りましてお尋ねをいたしたいと思います。  先ほどもちょっと申し上げましたように、諸情勢の変化等によりまして幼児教育を根本的に見直す、こういうふうにその理由等も挙げて提案の中に含めてあるのだというお話でございました。それでは、そういうものをいろんな諸情勢の変化を踏まえながらどういう形で具体的にいろいろ取り組みをしようというようなお考え、具体的な内容に立ち至って、細かいことはまだ詰めなければならぬでしょうが、大枠の中で、こういうところを変えていくべきではないだろうか、こういうところは継続すべきではないだろうか、いろいろあると思うのですが、そういった点で、ひとつ提案者の方からお答えをいただきたいと思います。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えをいたします。  非常に広範囲にわたる問題でございますし、この御提案申し上げております法案とは直接的には関係のない問題でございまして、この法案を御提案申し上げまして三年間の延長をしていただいた、その三年間の間に、先ほどるる申し上げました根本的な問題について検討をいたしたいということを申し上げたわけでございます。したがいまして、自民党といたしましても、具体的な検討項目、検討の具体的な内容、着地点をどういう形に持っていくかというところまでの詰めを党としてはまだ率直に申し上げていたしておりません。ただ、先ほどからお話を申し上げましたように、単に個人立の幼稚園、宗教法人立の幼稚園という問題だけではなくて、設置形態のいかんにかかわらず幼稚園全体、そして保育所等も含めて同じ検討をしなければならない共通の土俵、環境というものがいまできてきているのではないだろうかということを踏まえて、これから各党皆様方とも御連絡をできればとらせていただきながら一つの方向を見出してまいりたい、このように考えているわけでございます。いまこの段階で具体的な改革案というようなものに値するものを用意しているわけではございません。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 検討なさるということですから具体案の細かいことはないとは思いますけれども、この法案を三カ年間延長してそれを経過措置とする、こういうお考えに立つのであると、こういう学校法人を目指しておる幼稚園、それからいままたもう一つ、学校法人化をもうする意思もないけれどもやっぱりやっていこうという幼稚園、これは百二条に基づく幼稚園ですかね、そういうものを守り抜こうという幼稚園もあるようでありますけれども、そういういろいろなことを含めてこれを経過措置として三年ということであるならば、助成のことがやっぱり一つの大きな柱の中には入っている、こういうふうに考えていいわけですか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 先ほどからるるお話を申し上げましたように、幼稚園の置かれている現状は非常に厳しい状況でございますし、経営も非常に困難になってきている。また、幼稚園に子供さん方をやっておられる家計の経済的な負担というものも非常に重くなってきているというような状況を踏まえまして、いまこの時点で期限が来たからといって直ちにこれを打ち切るということは、根本的な幼児教育についての行政のあり方、政策の方向というものが固まっていない段階で、法律が切れたということでそのまま施策が中断をするということは、これは子供たちを中心に考えた場合に、少なくとも行政としても政治としても親切なやり方ではないのではないだろうか、このように考えているわけでございまして、あくまでもこの法案をお願いをいたしております趣旨は、幼稚園の振興ということについて、これまでの五年間の施策をいまここで打ち切ることなくさらにこれを延長して、できることならば学校法人化をさらに促進をしていただくということも一方で踏まえつつ、なお個人立、宗教法人立等の幼稚園が果たしてきておられる社会的な役割りというものもやはり評価してこの施策を続けてまいりたい。その間、先ほどからるる申し上げましたように、根本的な施策をこの三年間に少なくとも将来を展望しながら策定をしていくべきではないだろうか、このように考えておるわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 大変くどいやりとりの繰り返しで恐縮でございますけれども、一つのお考え方として、たとえばいまの助成というものが五年間である。この前も、学校法人化を目指すものについては助成を差し上げますよ、そのかわり五年限りでやりなさい、こういうふうに法律を決めた、そして実行してきた、それができてない。本来からいえば、それだけであれば常識的に考えればこれでもう終わり、そのつくった法律を守らないというのはよろしくない。いまやっておられない方々の中には、一部かもわかりませんが、財産等を含めて法人の方に持っていかれたのでは後が困るというふうな自分自身のことを考えて、いろいろ学校法人化をむしろ形だけは進めるようにしているけれども、そうではないというところもあるようですね。そういうことを考えてきますと、やはり法は一度ちゃんと通した、五年と区切った、その中でやらない、しかもそれが返還ということはきわめてむずかしいような状況であるということを、これは先ほども中西委員がいろいろ文部省の発言等、記録の中から述べておりましたけれども、現実にそうであるとするならば、まあ最初悪意でそうやったかどうかは別として、苦労してやらなくても取り得というようなことが出てくる、これは大変不公平だ。ならば、五年間で切るのが私はむしろ妥当である。しかも福祉の問題を含めていまは少し行き過ぎているのではないかとか、あるいはある程度節度をもって考えなければいかぬのじゃないか、ないしは財政問題との絡みの中で、いろいろと真剣にいま討議をされているときです。だからそういったことを踏まえれば、ただ単純にそういうふうに五年間ということであるなら、むしろ切るのが当然である。しかし、それはできない事情の方があって、お子さんの立場、父兄の負担の立場から言えばお気の毒だからもう一回だけ三年間は延ばしましょうということであるなら、そういう立場でこの法案を考えるのと、これを経過措置としながら全体にわたっての考え方を三年間で検討して一つの幼児教育のあり方というものを考えたいのだ、こうおっしゃっている提案理由になりますと、これは全く意味が違ってくると思うのです。しかも、この助成を現実にしているものを五年間で常識ならば打ち切らなければいかぬ。はっきり言えば法を守らないのが悪いのですから。それをあえて三年間同情的に延ばしましょう、しかも当初私たちは聞くところによれば、仮に延ばしてももう三年だけですよ、こういうようなことも一応聞いておりました。ところがいまのようなお話で、これは助成している法案を踏み台にして、三年間検討してさらに次を考えるということでありますと、仮に三年たった後これをずっとこのままで単純延長にするのかということと、別な方法ではあるけれども助成措置というものを大きな柱の一つにしながら、子供の立場、父兄の立場を考えて、いろいろ施策を講ずる必要があるというふうに考えておられるのと、この二つというのは、この法案を賛成か反対かを含めて議論していく内容がまるっきり変わってくると私は思うのです。そういう点で、提案理由の説明のときにそういったことをはっきりおっしゃらなかったというのは、私は提案者が大変不親切であるというふうに思うのです。  そういう意味で、大変くどいようにやりとりをやって恐縮ですけれども、そういう立場であれば私たちはもう一度これを本当に真剣に党内でも部会でも検討してみたいなという気がするのです。そういう立場に立っていま私が申し上げているわけで、だから幼児教育を見直しをされるという一環の一つの大きな柱にする、やはり私立というのは学校法人であろうとなかろうと経営ということが大きな主眼になってくることは間違いないと思いますし、そういったいろいろなことを含めて、まず助成ということを柱にしながら見直しをやるのだというふうに受け取る方が、これを経過措置ということで提案理由におっしゃるのならば、私は妥当だと考えるわけですが、その点をくどいようですが再度お答えをいただきたいと思います。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  今回お願いをいたしております三年間の延長、助成策をさらに続けていくということは、この法案の提案理由で申し述べましたように、助成を行うということがあくまでも主眼でございます。ただ、あえて私が先ほどからるるその背景と将来の展望についてのことを付言いたしまして御説明をいたしましたのは、この五年間、確かに個人立、宗教法人立の学校法人化を進めてこられた幼稚園とそうでない幼稚園との間で公平に欠けるというようなところが一部なかったとは言えないと思います。しかし、先ほどから申し上げている意味は、これからの幼稚園の経営が、社会情勢の大きな変化、人口動態の変化の中で、あるいは教育制度のあり方の中で、一体どうなっていくのであろうかということについての明確な指針が示されていなかったために法人化をためらっておられたということもあったのではないだろうかということも踏まえて、あえて御説明を申し上げたわけでございます。これは、あくまでもこれまでの五年間の助成策をさらに三年間延長するということがこの法案の提案の理由のすべてでありまして、しかしその背景には先ほどから御説明申し上げました問題が含まれているということを率直にお話しを申し上げたということでございます。御理解をいただきたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 では端的に申しますと、仮にこの三年提案されているのが通過するといたしますと、もう三年限りで、提案者としては後は一切延長等は考えていないということですか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 結論から申し上げますと、そのとおりでございます。と申しますのは、少なくともこれから三年間の間に、幼児教育のあり方、幼児教育についての行政のあり方、幼児教育機関の設置の形態のあり方、父兄負担のあり方、こうしたものについて一つのきちっとした方向というものをつくり上げることができなければ、これはやはり行政の責任であり政治の責任であると考えておりますので、提案をいたしました自民党といたしましてはこれは再延長は考えていない、このようにお答えを申し上げます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 そうしますと、本法案についてはそういうことで私も了解いたし、確認をいたしておきますが、別の観点から根本的に幼児教育を見直す、また設置形態のいずれかを問わずいろいろな形のものを問い直すという中で、やはりいま行われているような形での助成ないしは以外の非学校法人立の幼稚園でも別途にいろいろと法体系をつくって補助金が出せる体系をつくるべきではないかといういろいろな話もいま出てきているようでありますけれども、これはこれで切るけれども、しかし根本的な見直しの中の一環としてそういったものを本当に公平に、また子供、父兄等の負担が不公平にならないように、またよりよい幼児教育ができるような形でそれはそれでまた別途考えていく、こういうふうなお考えになるわけですか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  そのとおりでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 私立の幼稚園の学校法人化の促進というのは、先ほど、答弁の中でも、私がちょっと触れた中でも、だんだん進んではきておるけれども、しかしどこまでも法の百二条の幼稚園でいたいという園が相当あるようにもお聞きしているわけですが、こういう点について、文部省ではその数とか実態等の把握はなさっていらっしゃるのかどうか。いらっしゃればひとつお答えをいただきたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 お答え申し上げます。  学校教育法第百二条によります幼稚園数は、昭和五十六年五月一日現在三千七百五十三園、私立の幼稚園全体が八千八百六十二園でございますので、その全体のうちの四二・四%でございます。都道府県が学校法人立以外の幼稚園に対しまして補助するに際しましては、それぞれの県の実情を踏まえ、学校法人化の意思や客観的状況等を判断した上で助成が行われているものでございます。補助を受けた幼稚園は学校法人化を目指してその努力を重ねてきておりますし、すでに相当数が学校法人化しておる状態でございますが、遺憾ながらいまだその中途で期限を迎えようとしているものもありますので、これらの努力にいましばらく時間をおかしいただいて学校法人化を促進することが幼稚園教育全体に資するものと、大所高所の判断から今回の提案がなされたものと私ども承知しておりまして、今後とも学校法人化への推進につきまして努力してまいりたいと思っております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 現在学校法人化を志向しておる幼稚園、これは仮に通ればまた三年以内に結論を出すということになるわけでありますけれども、これはいままでの質疑の中でのお答えもあったかと思いますが、私ちょっと席を外しておったときもありましたので、重複しておれば再度お答えいただきたいのですが、あと三年たてば本当に学校法人化志向の幼稚園が全部その期間の中で法人化をすることができる、こういうふうな見通しはあるのでしょうか。これは文部省と提案者、両方にちょっとお聞きをしてみたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 昭和五十一年度から補助を受けまして引き続き五十五年度にも補助対象となっている幼稚園で五十五年度末においてまだ学校法人化の措置が行われていないものが六百三十二園でございます。このうち五十六年度におきまして学校法人化が行われたものもあると見込まれます。これが百三十ないし百四十園と見込まれております。そこで最終的には五百園程度が個人立等で残るというように推定されるわけでございまして、三年間の延長が実現いたしました過程におきましては、今回の法改正を受けまして文部省としてはさらにこの趣旨を踏まえてできる限り学校法人化が進むよう最大限の努力を払うべき課題であろうというように考えておるところでございます。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えをいたします。  具体的な数字の見通しをこの時点で正確に申し上げることは不可能と思いますが、それぞれ幼稚園の皆さん方が、今回の三年間の延長ということが、各党の御賛同をいただいて法律が成立をいたしますれば、相当の園が法人化を志向して法人になっていただけるであろう、このように提案者といたしましては期待をいたしているところでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 全部がならないだろうという前提でお答えのような気がいたします。  そういう場合に、国民の皆さんの税金をいただいてそして自分の意思で申し出をしてやろうというわけですから、五年たってできずに、さらに仮に三年延ばしてできないという場合には、何らかの形でペナルティーをとってきちんとけじめをつけるというふうなことが必要だというような気も私はいたしますが、そういう点について提案者としてはどういうお考えをお持ちでしょうか。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えをいたします。  実はいまから五年前にこの法律を制定いたしますまでの間、かなりの年数、自民党といたしましては党内の議論を重ねてきたところでございます。その中で、ただいま御指摘の、仮に国の助成を受けてなおかつ最終的に学校法人化を行わなかった場合にこれをどう取り扱うのかということが自民党の法案作成の過程の中におきましても最大の議論になったことは事実でございます。  これにつきましては、経常経費についての助成でございますので、もちろん幼稚園の経営ということについて個人立、宗教法人立の幼稚園が利益を受けるということはそのとおりでございますが、やはり直接的には子供たちが受益者ということになるわけでございまして、経常経費としてこれが助成をされるということについて、たとえば先ほどから御指摘のございました学校法人化を行わない場合にはこれを返還させるというようなことは、現実の行政の課題としては無理なことではないだろうか、また現に経常経費が姿を変えて不正な形で使用されるということになれば、これにつきましては会計基準等について十分な監督が行われているわけでございますので、それはまずそういう形でチェックすることができるだろう、したがって結論的には、仮にいろいろな努力をした結果学校法人化が達成できなかったとしても、すでに経常経費に対する助成が行われた助成金について返還命令を行うということは現実の問題としては無理であろうという結論を自民党としては得て、法案提出を当時させていただいたわけでございまして、それが先ほど来中西委員から御指摘のございました、いろいろなこれについての照会について文部省からの見解が示されているというのもそういう立法作業の過程における自民党内の議論を踏まえてのことであった、このように御理解をいただきたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 私どもが考えますのは、そういう話が伝わっていく、部会でそうだ、文部省もそういう考え方があるということになると、これはもう絶対やらなければ罰則があって大変なことになるということでないわけですから、意地悪く考えると、大変悪質な人は、今度はもう一遍延びた機会に駆け込みでやれ、形だけはとれ、ないしはいままでの学校法人化を目指しておっても適当にやっておったところは、どうせそういうことは一切考えないのだから、この際もう適当にやっておけということで、最後は、努力しましたがチョンでございましたというようなことで終わりになるというふうなおそれが私は大変あるのじゃないかと思います。  そういうことは私、この法案については厳しくやるという流れ、これは何かの形でとっておかなければならない、こういうように思うのですが、そういう意味から現法律とかいろいろなことでできにくいというものを、そこは議員立法で超法規的というわけでもないでしょうが、これは後でまた提案される予定だと聞いております外国人教授の任用の問題にしても、法律的には法制局あたりもよろしくありません、こうなっているわけですが、だからこそ議員立法でやっちゃって押し切るという形、当然それは大所高所に立っての判断でなければならないでしょうけれども、しかしそれはできないことでもないだろう。そういう意味で、やはり厳しいものを思い切ってやるべきだ、こういうふうに思うのですが、再度この点に、簡単で結構ですが、お答えをいただきたい。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  確かに御指摘のとおり、この問題はこの法案を立案いたしました当初から大変頭の痛い問題でございまして、実際に善意でなおかつ学校法人化ができなかったという場合と、そういう努力が余りなされないまま結局学校法人化をしなかったということの判断というのをどこでするかということは、非常に現実の問題としてはむずかしい、これは結果論として出てくる問題でございますし、これは私学振興助成法が制定されましたときに、国民の貴重な税金を助成金という形で国庫から支出するわけでございますから、これが厳正に子供の教育のために支出されるということについて、会計基準のきちっとした原則を定めるということを同時に決めたわけでございますので、それに従って不正のない公正な会計の処理が行われているということは、別の形でこれは十分監査が行われているわけでございます。したがいまして、資産というような形で国の助成が行われたものが残され、そしてそれが最終的には私有財産に転化するというようなことがあれば、これはきちっとした歯どめをしなければいけないことでございますが、先ほどからるる申し上げましたように、子供の日々の、幼児教育についての経常費についての助成として消費される経費でございますので、これについて具体的にどういう形でこれを返還させるかということは、実際の行政指導の技術上の問題としてもなかなかむずかしいというのが私どもの議論の過程の中で出た答えでございまして、御指摘の趣旨は、私どもも十分理解し、またそこが私どもの悩みでもあったわけでございますけれども、現実の問題としては、いまこの段階で何らかの罰則的な措置をこの法案に盛り込むということは法技術的にも非常にむずかしいのではないか、このように考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 では、別の問題に移りまして、先ほどからいろいろやりとりございました中で、いま幼稚園が、特に私立が大変経営的にむずかしくなってきている、その大きなものに人口問題があるということでありますが、私は、もう一つ保育所との絡みもあるのではないかという気がいたします。そういう観点からお尋ねをしたいわけですが、幼稚園と保育所の目的とかあり方について、何かきちっとしたけじめがついているようでついてない向きがあるのじゃないか。特にいまいろいろな父兄のニーズというものが、幼児に対する教育は保育所関係に対してはやってもらいたいという要望がございますし、また幼稚園の方に対しては保育所におけるように幼稚園における保育所の保育時間に相当するもの、これは時間を長くしてほしい、こういうようなニーズがあって、両方一緒にしたような形がいろいろ出てきているわけでありますけれども、現実は縦分けられておりますし、所管も違います。そういう中で、保育所の方が、補助金の関係も多くつくりやすいというふうなことからそちらに走っていく。それがまたさらに幼稚園の経営に悪影響も与えていく、経営という点からだけ見れば。そういうふうな形もあるようですね。特に保育所では乳幼児から学童までの保育に欠ける子供のための福祉施設とはなっておりながら、特に保育に欠けるというところを拡大解釈をして幼稚園的なものまでも取り込んでいっている、こういうところにも一つの問題点があろうかと思うのですが、そういう観点から今後幼稚園と保育所のあり方、どこで線を引っ張り、どういうふうにするのか、ないしは幼保一元化とか重要な考え方がいろいろ提起されているわけでありますが、そのあたりについては提案者としてはどういうお考えを持っていらっしゃるのか。さらには文部省としてはどういうお考えでいらっしゃるのか、一言お伺いをしておきたいと思います。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  先ほど中西委員の御質問にお答えを申し上げた中で、いろいろな要件の一つとして保育所との競合と申しましょうか幼稚園との調整という問題が一つの大きな人口動態の変化という問題を底流として起こってきているということをお答えを申し上げたわけでございますが、ただいま御指摘のとおりに、保育所と幼稚園とのそれぞれによって立つところの成立の沿革というものは異なっているわけでございます。また、現行の制度の上におきましても、当然それぞれの役割りは異なっているわけでありますが、現実の問題として保育所、幼稚園がそれぞれ制度として誕生いたしました当時と現時点における実態とはかなり変化をしてきていることは御指摘のとおりでございまして、保育所と幼稚園も同時に人口動態の変化という大きな波をともにかぶっている。これは幼稚園の公立、私立の中におけるそれぞれの、異なる設置形態間の競合のみならず、保育所との競合という問題も現実に存在をしているわけでございまして、こうしたもろもろの幼児を中心とした行政のあり方全体が根本的に問い直されなければならない、御指摘のとおりに私どもも考えております。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○三角政府委員 御指摘のようなことが実際問題として見られると思っているのでございまして、幼稚園と保育所というのはいわば混同的な運用と申しますか、そういう状況が見られるということかと思います。それの一つの原因と申しますか、よって来るところとしては、地域によりまして、県や市町村によりまして非常に幼稚園が普及しておるところがある反面、逆に幼稚園が全然なくて保育所しかないというところも多いわけでございます。私どもから余り保育所のことは申し上げたくはございませんが、昭和五十年の行政管理庁の勧告の中にもそのような面に触れておりまして、たとえば「人口約八万五千人の市において幼稚園一園に対し、保育所十九所となっているなど、保育所に偏って施設が設置されているところがある。」、さらには、保育所への措置基準の具体的な適用判断は措置権者である市町村長に任せられておりまして、そういうこともあって「施設の整備、運営上有利な保育所を設置し、保育所に入所を希望する五歳児又は四・五歳児について保育に欠けることの有無にかかわらず、措置入所させているためと思われる。」、こういうようなことを言われております。やはり同じ幼児の施設でございますから、幼稚園がないわけでございますから、そういうところでは保育所に対して幼稚園的な機能をおのずから保護者が求めてくるというのも自然なことではないか、こう思うのでございます。  私どもは文部省という立場でございますので、幼稚園と保育所の目的のけじめがなかなかはっきりしないという御指摘であるわけでございますが、幼稚園につきましては、従前から学校教育法に基づく幼児を対象とする学校である、こういうことで、この制度の趣旨に沿って今日ここまで普及、発展してきたものでございますので、私どもは今後とも希望するすべての幼児が適切に幼稚園で教育が受けられるように、かなりの規模の市町村でなお未設置というところは設置していただくように、そしてその整備を進めていきたい、こういうふうに思っておるのでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 では、この問題は、まだ具体的なあり方として年齢の区切り方とか幼保一元化とかいろいろ問題がありますので、また機会があればいろいろと議論をするといたしまして、専修学校の問題について、いよいよ時間がなくなりましたので、答弁は簡明に、簡略で結構でございますのでお願いいたしたいと思います。  専修学校など私立学校法第六十四条第四項の法人についても、助成及び監督の規定、これを私立学校振興助成法の所要の規定を準用する、こういうことで今回提案されているわけでありますが、専修学校が学校教育制度に体系化されましてから五年間たっているわけですね。その間これが私学振興助成法からほっておかれた理由、いまそれを入れようとする理由を提案者の方からひとつ簡単にお答えいただきたい。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えをいたします。  文部省の方から補足的に説明をしていただきますが、今回私立学校振興助成法の一部改正を提案いたします機会に、ただいま御指摘のとおりに、整備がおくれていたことにつきましては自民党といたしましても非常に遺憾なことであると反省をいたしておりますが、この際、専修学校または各種学校を設置する準学校法人に対する助成及び監督についての規定について、欠けております所要の規定の整備を遅まきながらこの法案の中において同時に解決を図りたいということで御提案を申し上げたわけでございます。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 いま提案者の先生から御答弁されましたとおり、現在の法律では、準学校法人に対します補助、助成につきましては、別に法律に定めるところによるとなっております。五十九条でなっておりますが、この面が制定の経緯のところで欠落いたしておりまして、専修学校を設置する準学校法人に対する助成の根拠法規が不安定な状態になっております。したがいまして、機会があればその改正を図るべきであると考えておったところでございまして、今回の提案によりましてこの面の整備されることを期待いたしておるところでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 これは、ほっておいたというのはむしろけしからぬなという気がいたします。  いろいろ質問を用意しておりましたが、ちょっと時間がなくなりましたのではしょりまして、自治省からいらしていると思いますので御質問申し上げます。  第一条校への助成金については、自治省は地方交付税の積算基礎の中に算入していることを認めているわけですが、専修学校、各種学校への助成金についてはその算入を認めてない。これは私は大変よろしくないのじゃないか、こう思っているわけですが、その理由をひとつお聞きしたいし、ぜひこれは算入の基礎に入れていただきたいと思うのですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。

紀内隆宏自治省財政局交付税課長

○紀内説明員 お答えいたします。  お話しのとおり、確かに現在学校教育法一条校に対する助成につきましては交付税の措置を講じておりまして、一方、専修学校等については措置をしておりません。この理由を申し上げますと、いわゆる一条校につきましては私立学校振興助成法に基づきまして国の制度として都道府県に対する助成が行われていること、また各都道府県におきましても相当額の助成が行われておりまして、普遍的な財政需要という位置づけが与えられていることなどから、交付税への算入を行っているところでございます。一方、専修学校につきましては、学校教育法上も一条校とはその取り扱いを異にしておりますし、したがって国による助成措置も行われておりません。また、地方公共団体についてみますと、現実に助成を行っていない団体が相当数ございまして、また助成を行っている団体につきましても、その助成の額なり内容なりにつきましては非常にまちまちであるということなどから、これは地方公共団体にとりましては普遍的な財政需要とは言い得ないために、交付税による措置を行っていないところでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 これはぜひひとつ算入される方向でやっていただきたいと御要望を申し上げておきます。  専修学校は最近社会的役割りがだんだん評価されて高まってきているわけでありますけれども、そのためには、一つは高校との密接な連携、また高校側の適切な進路指導、こういったものが必要になってくるであろうというふうに思うのです。ところが高校教師の中に、専修学校が学校教育法に基づいて設立された高等教育機関である、こういう認識が薄いという向きもあるようでいろいろと取りざたされているわけであります。こういう点についてやはり対策を講ずる必要があると思いますが、文部省にこの点お伺いをいたします。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、高校卒業生のうちで直ちに専修学校の専門課程に入学した者の割合は年々増加しておりまして、昭和五十五年では九・六%となっております。このような実情を反映いたしまして高等学校側においても、たとえば東京都におきましては専門学校進学指導研究会を組織いたしまして、専修学校関係者との情報交換等を行うなど熱心なこの面の進学指導の取り組みも行ってきております。先生御指摘のとおり、まだ専修学校制度が発足して間もないことでもありますので、これらの面について必ずしも十分に理解されているとは言いがたい面もありますので、今後、高等学校における専修学校についての理解が一層進展するよう各都道府県にお願いをしてまいりたいと思いますし、また、専修学校関係の協会初め、それぞれの専修学校でのこの面の理解を得るための努力につきましても期待を申し上げてまいりたいと思っております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 専修学校のそういう理解をさしていくということと同時に、逆に大変悪い面もあるようで、行政管理庁から昨年、専修学校の実態で調査報告を発表しているわけですが、それによりますと、定員未満の学校がかなりあってみたり、また、教員数が不足、授業時間不足、また、異種の課程の混合授業、こういったような設置基準に違反している内容等があるとか、また、就職のあっせん事業が無届けで行われている傾向があるとか、こういういろんな指摘がされているわけですが、同時にまた、誇大広告等によって、入学をしてみたら内容とは全く違っておってでたらめであったというふうな問題等もいろいろ起こっているようであります。今回こういう助成が根拠法的に提案されている機会に、こういった問題については、指導監督等、今後の問題についてやらなければならぬことがずいぶんあると思うのでございますが、こういう点についてお答えをいただきたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○柳川(覺)政府委員 御指摘のとおり、五十六年三月の行政管理庁の調査報告で、種々、専修学校の運営また教育の実践につきまして報告を受けておりますが、その対象となった学校数は五十五校でございまして、個々の対象校につきましては、必ずしも具体の学校名は明らかにされておりません。私ども文部省といたしましては、この報告を直ちに全国に通知いたしまして、各都道府県におかれまして、専修学校の教育のより適正かつ充実について指導方をお願いしてきておるところでございます。  また、御指摘の誇大広告等の問題でございますが、専修学校の入学案内あるいは募集広告が入学者に誤解を与えることのないよう、適切な指導方については監督庁である都道府県知事に対しまして従来から指導してまいっているところでございまして、最近、この専修学校による誇大広告によった被害というものは、事例として承知していない状態になってきております。ただ、不認可の学校と申しますか、不認可のものでこの面の被害を受けたというような例がたまたまございますので、これらにつきましては、直ちに認可の申請をして専修学校あるいは各種学校としての条件をそろえ、それにかなった教育実践がなされるというような指導をいたして、個々のケース、ケースにつきましてそれぞれ各都道府県知事におかれまして指導してまいってきておるところでございまして、これらの面につきましては、今後とも被害が生じないよう十分留意してまいりたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 最後に大臣、一言だけ。  本法案の幼稚園の関係については、先ほど中西委員の質問にも最後にお答えがございました。専修学校の問題、これは今後の日本にとっては非常に重要な柱になる大切な問題だろうと思いますが、いま申し上げたようないろいろな諸点がございます。こういった面を含めて、今後専修学校に対する取り組む姿勢等について、大臣から一言だけ御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○小川国務大臣 専修学校は、社会情勢の変化、経済情勢の変化あるいは学習者の適性、志望等に対しまして柔軟に対応することのできる教育の場でございます。あわせてまた、生涯教育という観点からも望ましい役割りを果たしていくに違いないと存じておりまするので、今日までも教職員の研修に対する助成あるいは施設設備の拡充に対する融資あるいはまた税制面の優遇措置の拡大というような努力をいたしてまいったわけでございますが、ただいま御指摘をいただきました点についても十分留意いたしまして、整備充実を図ってまいるつもりでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 どうもありがとうございました。

青木正久自由民主党

○青木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十六分散会

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