文教委員会 第6号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/02
会議録
○青木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷川正三君。
○長谷川(正)委員 ただいま議題となりました公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問を申し上げたいと思います。 最初にかなり細かいことを伺いますので、大臣でなく関係の局長なり担当者の御答弁で結構でございまして、特に大臣に伺うときには大臣に御質問を申し上げますので、あらかじめお含みおきをいただきたいと思います。なお、質疑をお聞きになっていて大臣が、これはこの際一言言っておきたいというおぼしめしがあれば、ひとつ御遠慮なく御発言いただいて結構でございます。まず、そのことを冒頭申し上げておきたいと思います。 最初に、この法律が最初に制定されましたのはいつでございますか。
○高石政府委員 この法律は昭和三十二年に学校医を対象として制定されたわけであります。その後、この法律が昭和三十五年に改正されまして、学校医のほかに学校歯科医、学校薬剤師が対象として加えられたわけであります。その後、昭和四十二年に再度改正になりまして、打ち切り補償を廃止いたしまして、負傷及び疾病が治療するまでの療養補償及び休業補償を継続していくという法律の改正を行ったのであります。そして最後に、最も新しく改正したのが昭和五十二年でございまして、傷病補償、これは公務上負傷し、または疾病にかかり、治っていない場合において存する廃疾に対する補償でございますが、傷病補償を創設したわけでございます。
○長谷川(正)委員 ただいま最初の成立から三十五年、四十二年、そして五十二年ですか、この三回にわたって改正がなされた、そのごく要点だけ御答弁があったわけでありますが、ちょっとさかのぼったことをお聞きいたしますが、この法律制定前の学校の保健と体育等こういう問題に関して、戦前、戦中、戦後、三十二年に制定されるまでの学校における状況はどんなであったか。これはちょっと御質問の通告には入れてなかったのですが、おわかりになっていたら、概略で結構ですから、その制定以前の状態はどういう経過になっていたのか、そのことをちょっとお尋ねします。
○高石政府委員 詳細な中身をここで申し上げることは、準備ができておりませんので恐縮でございますが、学校医は従来、戦前においてもそれから戦後におきましても、それぞれ学校に置かれていたわけであります。そして、その身分につきましては、市町村の非常勤の嘱託として置かれていたわけであります。どちらかといいますと、給与、報酬その他につきましては、非常に名誉職的な形で、十分な処遇が与えられていなかったと思われます。そこで、公務災害というような考え方も、戦前それから戦後の、直前まではございませんで、国家公務員に対して公務災害補償制度が創設されるというようなこと、そして、おくれて地方公務員に対してもそういう制度が創設されるというような経緯の中から、学校医に対してもちゃんとした処遇、そして安んじて仕事ができるような条件整備をしていくべきではないかというようなことで、先ほど申し上げました、昭和三十二年に学校医についての特別の法律がつくられて、公務災害補償制度が整備され、一方、給与面につきましては、地方交付税で財源措置をしていくということで、年々歳々、その単価につきましても改定が行われて今日に至っておるというふうな状況かと思います。
○長谷川(正)委員 ただいまの御答弁で、大体、戦前、戦中、戦後のこの法制定までの様子はわかりましたが、もうひとつ正確に申しますと、この学校医について市町村が嘱託をしていったということですか。当時からもう歯科医、薬剤師についてもそういう制度がありましたか。
○高石政府委員 最近のように学校医のほか学校歯科医、学校薬剤師という制度は必ずしも戦前はなかったと思われます。一般的に、総合的に一人の学校医をお願いするというような形でいろいろな仕事をやってきたということで、学校医も最近は大体三つのパターンの置かれ方をしております。 一つは、内科的なものを処理する学校医、それから眼科を処理する学校医、それから耳鼻咽喉科系統の学校医という、大体一校について三人の学校医、それから、学校歯科医、学校薬剤師というような、一校について五人のそういう専門職員を配置するという姿までは、最近になって整備されてきたわけでございまして、ずっと昔はそこまでの整備は行われていなかったと思われます。
○長谷川(正)委員 そうしますと、本法が三十二年に制定されることによって、学校の保健体制と申しますか、そういうものは、まあ大げさな言葉で申しますと、画期的、飛躍的に充実した、そういうふうにお考えですか。
○高石政府委員 まず、身分上の問題と、それから報酬という問題と、それから公務災害の補償制度とを分けて考えますと、まず給与とか報酬につきましては、毎年毎年改善をしていくということで改善をしてきたわけであります。基礎的にはその額の改定ということで実施してきたわけであります。 それから、公務災害補償制度につきましては、地方公務員について制度ができる以前に、実は公立学校医に対しては三十二年に国家公務員に準じて制定されたというような経緯をたどっておりますので、この法律が制定された当時は、非常に画期的なものとして学校医関係者は注目していたわけでございます。
○長谷川(正)委員 公務災害補償ということまで及んだというのは、まさに戦後のこの法制定によって一つの道が確立したと思います。ただ、その内容については、いまお話があったようにこれも改正を重ねてきたようでありますが、まだ不十分の感は十分あると私は思うのでありますが、先ほど御答弁のありました、制定後の三回にわたる改正のときの要点を、こういうふうによくなった、こういうふうに充実したという点をもうちょっと詳しく、もう一遍お答えいただきたいと思います。
○高石政府委員 まず、昭和三十五年の改正でございますが、最初にできたときには学校医ということで、学校歯科医、学校薬剤師が対象になっていなかったわけであります。それが初めて昭和三十五年の改正で、学校歯科医、学校薬剤師をも含めてこの制度を運用するという形になったわけであります。したがいまして、学校に置かれる学校医、学校歯科医、学校薬剤師の、いわば保健管理事業に従事する非常勤の職員について、そういうものが制度上一応対象とされたので整備されたということでございます。 昭和四十二年の改正でございますが、従来は療養補償期間が三年間で打ち切られるという制度になって、打ち切り補償というのが公務災害の補償の中であったわけであります。ところが、この打ち切り補償制度がそのままになりますと、三年経過した後にも依然として負傷または疾病が治らない状態のままの人もいらっしゃるわけでございます。そういうことでは十分な補償制度ではないということから、この制度を廃止いたしまして、療養補償と休業補償という二つのものを継続して給付することとしたわけであります。 その療養補償というのは、療養に要する期間は全部療養補償として補償するということで、年数の制限をしないということでございます。それから休業補償は、仕事につけない状態が続くという場合に休業補償というようなことで補償していくということで、各種の社会保障給付と同一の内容に整備するということで、一応公務災害の補償の面の拡充、充実を図ったということでございます。 それから、昭和五十二年の改正の傷病補償でございますが、これは「公務上負傷し、又は疾病にかかり、治つていない場合において存する廃疾に対する補償」という新しい傷病補償制度が創設されたということでございます。
○長谷川(正)委員 それぞれ一歩ずつ前進した補償制度になってきたことはわかりますが、この三十二年から最近までに事実この適用を受けた方、年次別なりそれから種類というのでしょうか、学校医、歯科医、薬剤師の別なり、それからまた、その災害補償を受けた内容、そういうものはどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
○高石政府委員 昭和三十二年八月に本法が施行されて以来、現在昭和五十七年までの補償件数は十二件でございます。補償を受けた者の内訳は、学校医が六、学校歯科医が二、学校薬剤師が五でございます。 その災害及び補償の内容でございますが、まず負傷十一人について内訳を申し上げますと、療養補償が一人で、これは学校の廊下で転倒をしたというような事例での補償であります。それから、野外活動の行われているときに一緒についていっている、そのときに生じた事項として八人が療養補償及び休業補償を受けております。通勤中の転倒、それから通勤中の自動車事故、これによって受けた人の休業補償が二人でございます。障害補償が一人でございます。これは、健康診断の打ち合わせ中に脳出血によって倒れられた方でございます。それから死亡された方が一人でございまして、これは野外活動中に遭難に遭いまして死亡された方、これが遺族補償及び埋葬補償一人として支給されているわけでございます。
○長谷川(正)委員 いままでの経緯は大体わかりましたが、今回のこの改正はいままでの改正とまたちょっと質が違っておると思うのです。大きい意味では一つの一貫した流れの中にありますが、その違いはどこにありますか。
○高石政府委員 今回の改正は、年金を受ける権利を担保にいたしまして小口の資金の貸し付けを受けるというようなことでございまして、むしろ災害の範囲を広げるとか制度を充実するというよりも、その持っている権利を利用いたしまして、小口の融資資金の担保にしてこれを借りるというような制度でございますので、いままでの改正の内容とそういう点では異なっているわけでございます。
○長谷川(正)委員 この融資は、具体的にはどのくらいの融資を受けられる見込みですか。
○高石政府委員 百五十万以内で三年間の受給する年金の額ということでございますので、三年分の総合トータル、それが百五十万以内という二つの制約でございます。
○長谷川(正)委員 百五十万円を上限として三年以内の融資ということは、三年間借りられるという意味ですか。
○高石政府委員 貸し付けの限度額が年金額の三年分以内というのがまず第一の原則であります。したがいまして、三年分以内の金額で上限が百五十万以下ということでございますから、三年間で百二十万ということになると百二十万まで、三年間の年金が合わせて二百万に達する人は百五十万という制約を受けるということでございます。
○長谷川(正)委員 内容はわかりましたが、今回ちょっと質の変わったそういう融資というような改正になったことと、今回のこの法案の簡単な提案理由の説明に——大臣の提案の説明にはそういう言葉はないのでありますけれども、法案の「理由」というところに、冒頭「最近における社会経済情勢にかんがみ、」云々とありますね。これが実は、融資まで考えなければならなかったのかということと、この「最近における社会経済情勢にかんがみ、」ということが私には大変ぴんとくるわけです。 そこで、これは大臣にお答えいただいてもいいし局長でも結構ですが、特に「最近における社会経済情勢にかんがみ、」という意味は、どういう最近における社会経済情勢を押さえてこういう表現を冒頭理由として挙げられたのか、これは大変大事なところだと思いますので、お答えいただきたいと思います。
○高石政府委員 まず、この法律の改正の前提になっております国家公務員災害補償法がございますが、この国家公務員災害補償法は、一般的に国家公務員で災害を受けた場合に補償する制度でございます。したがいまして、まず国家公務員の一般的な制度としてこの制度が創設されたわけであります。一般的に申しますと、一般の国家公務員が災害を受けた場合には、子供たちの入学だとかそれから結婚のための一時的な出費を必要とするというような情勢がかなりあったわけでございます。したがいまして、そういう時代の背景を受けまして、この国家公務員災害補償法が改正されたというのがまず前提でございます。 そこで制度として、仕組みとしてそれに準ずる内容に、この学校医に対する災害補償についても制度上位置づけたというところから、この国家公務員の制度の改正に制度上準じた改正をしていきたいということで、その根っこになっているときの思想をここに述べているわけであります。 具体的に、一般的に学校医の方々は、経済的には一般の公務員よりもかなり恵まれたといいますか所得の多いというのが一般的な傾向でございますので、その年金まで担保にして小口の融資を受けるということはないのではないかという議論もあろうかと思いますけれども、それは、国家公務員の制度に準じてこの制度も内容を整備していったといういきさつから今回の改正をお願いするわけでございます。
○長谷川(正)委員 いま伺いますと、実質上は余り必要ないのではないか、いままで適用された方の人数も比較的少ないわけですけれども、特に今回こういう措置をとることについての緊迫した必要性というものは余りないやにうかがえるのですが、ただ私がこの提案理由を見て非常にぴんときたというのは、いまのお話ですと、国家公務員の災害補償制度の方の改正の前置詞と中しますか修飾語と申しますか、冒頭にそういうような言葉があるから、それを踏襲してそのとおり使っている、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○高石政府委員 そのとおりでございます。
○長谷川(正)委員 私は、実はこれはこの法律の中身を離れてこれを見た場合に、減税が一向に行われない、そして物価は上がって、可処分所得というものはだんだん減ってきている。しかも前途が不安だから生活を切り詰めてきゅうきゅうとして、きのうきょうの報道を見ましても、勤労者は必死になって貯金をしている。こういうような切実な情勢の中だから、こういう小口融資までもめんどう見てやらなければならないのじゃないか。いまの学校医なんかの実態から見ると余り必要ないと言うのだけれども、何かこういう法案を出してくる文面からいいますと、これは非常にぴったりした前置詞に聞こえるわけですね。しかし、そういう現実の、いまの日本社会の状態を分析して、これはぜひ必要だということでこれを書かれたというわけではないわけですね。
○高石政府委員 先生御指摘のように、一般的な国家公務員の災宮補償法の改正の動機としてはいまおっしゃったようなことが背景にあり、現実的にそういう制度の運用を期待するということがあったので、こういう法律の制度が行われたと思うわけであります。 そこで、現実的に学校医で年金をもらっている方は一人でございます。したがいまして、その方がこの制度を利用したいから改正をしたいというのとは若干違っておりまして、制度上国家公務員に準ずる制度で法律をつくっておりますから、それに準ずる制度上の改正をきちんとやっておきたいというようなことからお願いするわけでございますので、一般の公務員に対する事情とは、現実の要請という観点では若干異なっているかと思うわけであります。
○長谷川(正)委員 率直な御答弁で、事実そのとおりだと思います。そういう意味からいいますと、今回のこの法律の集約した中身については別に反対することは毛頭ないわけですし、今後の社会変動いかんではこれが大いに生きてくるということは望ましくない、あってはいけないと思うのですけれども、そういう場合には対応できるという意味で、また法律の体系を整えておくという意味でも、こういう改正を必要とすることはわかりますから、この提案の直接の、かなめについての質問はこの程度にいたしておきます。 しかし、せっかくこういう学校医についての災害補償についての法案を審議する際ですから、この際、学校の保険衛生的なものを、最近では肉体的な面だけでなく、精神的な面でも、小中高を問わず各学校に非常に問題が起こってきているようなことを考えますと、そういう面についてもこの機会に検討を深めておく必要はあろうか、こういうふうに思いますので、以下若干そうした面に、少しこの法案から、関係はありますが一番かなめのところからは外れた、拡大した論議になろうかと思いますけれども、二、三の点で御質問申し上げたいと思います。 年次別の件数も先ほど伺って少なかったのですが、最近、教育の荒廃という言葉が使われたり家庭内や学校内の暴力というようなものが非常に大きな社会問題になり、また教育問題にあるいは政治問題になってきている。さっきも申し上げたとおり、そういう中では児童生徒の肉体的な健康はもとより、精神的な面も含めての心身の健全な育成ということに対する重要性がますます高まってきている、そういう状況であろうと思うわけであります。 そういうことの一環として、現在、この学校医の問題の前に、養護教員、養護教諭の全校必置等の運動が前々から起こっておりますし、今回、私どもの党からもそういう法案を出して御審議願うというようなことにもなっており、また全国からそういう現場の先生方がこの春休みの機会に上京されまして、恐らく大臣、局長の方にもいろいろな陳情、要請が文書で、あるいは直接来ていると思います。 そういう方に私どもも何回かお会いしておりますが、いわゆる養護教諭の先生に伺いますと、最近の学校の中で養護教諭が管理しておられる保健室、これはもちろん学校の中で学校医、医師会、薬剤師の方とも一番密接な場所であろうと思いますが、そこに子供が来ますと、この部屋に来たときだけほっとする、こう言う子供がこのごろ大変多いそうです、小中を問わず。今日のいわゆる知能指数であるとかあるいは受験であるとかそういったことで教室では一にも二にも締めつけられている子供が、保健室へ行ってベッドの上で寝たときは大変やさしく熱をはかってもらったり、少しゆっくり休んでいなさいとやさしく言われたり、もうそれだけで非常に生き返ったような明るい顔になる、こういうような話を聞きますと、一方のああいう暴力事件というものとうらはらの形でこういう配慮というのは今後非常に大事になってきているのじゃないかな、こういうことを私、痛感しております。 私自身も小学校教師をした経験があり、自分自身が小学校時代、大変体が弱くておどおどしながら休みがちに学校へ通った経験があり、そんなことをずっと考え合わせてみますと、いまそういう面での教育行政の配慮あるいは施設設備、人の配置、こういう問題についての万全を期するということが非常に見落としてはならない側面ではないか、こういうふうに思います。 こういう点について今後、特に行政改革というような中で厳しい情勢でありますけれども、本当に子供の健やかな育成をしっかり守ってやるという意味でこうした保健衛生についての配慮というものが一層重大だと思いますが、この点については大臣から、どのようにお考えか、できれば強い御決意を含めての御答弁をいただければありがたいと思います。
○小川国務大臣 申し上げるまでもなく、健やかな体、同時にまた豊かな心を培うということが学校教育の重要な目標でございますから、保健体育教育を充実させる、あるいはまた学校給食を拡充するという努力も今日までやっておるわけでございます。 特に保健管理の面でございますが、ただいまお言葉にもございましたように、保健室へ行って、養護教諭は大多数が女性でございますし、養護のおばさんと話をする、それだけで非常な心の安らぎを覚えるというのが実際でございましょう。そこで、この養護教諭に対しまする実技の講習会を開催する、あるいはまた学校医等の研修に対する援助ということも行いまして保健管理体制の確立を図る、あるいは保健室につきましても極力この整備に努めてまいる、健康診断の内容についても、改善充実を図っておるような次第でございます。
○長谷川(正)委員 いま大臣から大変温かい御決意を伺いました。これは、言うはやすく行うはかたしという言葉がありますが、その財政的裏づけ等も含めて万全を期すということには今後一層の御努力が必要だと思いますので、われわれもぜひその実現に努力したいと思いますが、ぜひひとつ直接の行政担当責任者として御奮闘をお願いしたいと思います。 そこで、いまもっぱら子供の保健衛生のことを申し上げてきたのですが、実は私、東京都の教師をしておりまして、東京都の教職員の互助会には三楽病院というりっぱな病院も持って、もっぱら教師及びその家族の医療に当たっておるのですが、そこへ行きましていろいろ伺っていますと、最近の傾向として、かつては結核が大変教師の特別の病気で特別処置をとった時期がありますが、戦後、特にここ十年近い傾向としては、ノイローゼと申しますか精神的障害と申しますか、そういうのが教師の方にも非常にふえてきている、そういう状況が出ているというふうに伺っておりますが、そういう傾向について全国的に把握をしていらっしゃるかどうか、どんなふうに御判断をなさっているか、もしわかりましたらお尋ねしたいと思います。
○高石政府委員 いま教員の状況でございましょうか。——先生で精神性の疾患にかかりまして休職になっている状況については、把握しております。これは、昭和五十五年度では全国で七百八十三人が精神性疾患によって休職ということになっているわけでございます。
○長谷川(正)委員 いま五十五年の例を挙げましたが、もうちょっと年次的に傾向がどうなっているかということはおわかりになりませんか。それがふえるような傾向にあるか、大変減ってきているという傾向にあるか。
○高石政府委員 ちょっと年次的な傾向まで整理しておりませんので、ここですぐ申し上げることが困難でございます。
○長谷川(正)委員 事前に詳しく御質問の通告をしていなかったのでいま即答できかねるというようなお話ですが、これはひとつ後に資料としてぜひお出しをいただきたい。教師の問題につきましても、これは非常にいま子供の問題と並んで教師の精神衛生ということ、肉体衛生とこれは切り離せませんけれども、非常に憂慮すべき状況にあるのではないかというふうに思うのですが、これはいま資料が具体的に出ておりませんから、これ以上そのことについては申し上げません。 そういう中で、最近一つの顕著な例として大変私どもを驚かしたのが、去る三月二十三日に千葉県の県立流山中央高校の校長先生が校内暴力問題について悩んだ末、それも何か一山越えたような、解決が大体一応めどがついたと思ったやさきに自殺をされるという、大変痛ましい報道を受けまして、一体これをどう見たらいいのか、私どもも非常に心を痛めつつ悩むわけであります。しかしこの流山高校については、文部省も直接どうこうということをなすったかなさらなかったか、あるいは千葉県教育委員会を通してこういう指導がなされていたとか、こういう注意がなされていたとか、そういうことをおわかりの範囲でひとつお答えをいただきたいと思います。
○三角政府委員 流山中央高校のことにつきましては、私どもそういった校長の自殺という非常に痛ましい状況が生じまして、それから県の教育委員会の方に連絡をとりまして、これまでの事情についての報告をいただいたのでございます。 概要について、私ども承知している点を申し上げたいと存じますが、初めやはり学校の中でのいろいろな生徒の学校生活上で徴候的な状況が見られたようでございます。その一つとしては、昨年の五月のことでございますが、昼休みの校内放送で三年生が「つっぱりハイスクールロックンロール」という音楽を流しまして、その生徒が教員から注意を受けたわけでございますが、生徒たちがその当該教員を威圧するような騒ぎが起こったのでございます。しかし、そのときの処理が必ずしもきちんとしたものではなかったというような状況があったようでございます。その後、九月になりまして喫煙をした生徒が補導されまして、それをめぐりましてその生徒たちのグループのボスと申しますかリーダーと申しますか、そういう生徒と教員との間にもめ事が出まして教員に対して暴力をふるった。こういうことがございまして、その際は十月になりまして、この暴力をふるいましたグループのリーダーの子供を退学処分にしております。 そんなようなことで推移をしておりました後に、十一月になりまして当該グループの生徒が二度にわたり学校で放火、投石、スプレーでの落書き、そういったことをやりまして、これは放火ということになりますと刑事事件になりますので、警察ではこのグループの生徒八人、そのうちの六人は在学生でございまして、二人は元生徒だった者でございますが、これを放火並びに器物損壊ということで逮捕いたしたわけでございます。そういった事情がございましたので、県の方からも教育委員会から実地に学校に出向きまして事情の調査を行った、こういうことでございます。 それで、その後の状況でございますが、学校としては逮捕された生徒六名と、それからそのときにそれを手伝った生徒がまだ四名おります。それらの処分問題について学校内で当然協議を行ったわけでございますが、三月半ばの職員会議におきましては、これらの生徒全員に対し退学を勧めるというふうに話がまとまっておったようでございます。しかしながら三月の末近くになりましても自主退学を行わなかったために、三月三十一日に職員会議が開かれまして、三年生六名につきましては、放火、器物損壊で逮捕された者でございますが、これは自主退学をしない場合には懲戒処分としての退学にする、それから一年生四名で手伝った者、これは警察に事情聴取をされておるのでございますが、すでに三名が自主退学をして一名は無期停学ということに決めたわけでございまして、結論的には全員が自主退学ということで退学したという結末になっております。 この間、校長先生でございますが、私どもが聞いておりますところでは、校長先生はできるだけ退学ということに持っていかないで事をおさめられればという考えをお持ちだったようでございまして、できれば円満に卒業させたいというふうに考えておられたようでございます。したがいまして、私どもが知り得る限りでは、校長先生のできればという考えと職員会議の方の協議の大方の意見との間には必ずしも一致がなかったようでございます。 そこで、果たしてこれが痛ましい事件の主たる原因になったかどうかということでございますけれども、その辺については端的に断定しがたい面もあろうかと思います。ただ、そういうことが相当大きな理由になっていたのではなかろうかという推察でございます。この学校は新設校でございまして、生徒指導についての考え方で一致した共通理解と申しますか、方針というものが教員の間に必ずしも浸透していなかったような面があったようでございます。それからただいま申し上げましたような経緯の上で、初期の段階において学校としてのお取り組みについて若干甘い面もあったのがこのグループの学校内での行動をだんだんに増幅させてきたということがあったのではないか。その間にありまして校長さんがいろいろと悩み、苦心をし、お考えになっていたというようなことがあろうかと思います。そういうことでございますと、校長先生というのはお気持ちの上ではかなり孤独な状況で、そういうところへだんだんに落ち込んでいったということが考えられるわけでございます。 私どもとしては、どなたか学内はもとより他の高等学校の同僚、先輩などといろいろと御相談する機会もなかったのかと思うのでございますが、県の高等教育課長もその辺はかなり注意して気を使って、ときどき連絡をとったりしておったようでございます。しかし結果的にこういうことになったわけでございます。 これについての校長あるいは学校に対する評価なり何なりは、私どもとしてはこのような事件が起こって間もない時点では非常に慎重に考えていかなければならないと思っておりますけれども、しかし、こういったまれな事件から今後学校の教育というものをしっかり進めていく上での教訓を酌み取っていかなければならない、こういうふうに思っておるのでございます。
○長谷川(正)委員 ただいまの局長の御答弁で事件の概略の経過はわかりましたが、しかしもう一歩突っ込んで、どこに原因があり、どこをどう直すことが緊急の課題であるかというようなことについては、もちろん私自身その学校を見てきたわけでもありませんし、何とも申し上げられませんけれども、週刊誌あるいは新聞各紙がいろいろな角度から報道しているのを見ますと、今日の教育の問題、社会の問題、特に私は文教行政の姿勢の根本に触れる問題がこの中にあるのではないか、そういう意味ではこの校長の死をただ一つの事件として終わらせないで、無にしないようにひとつ徹底的な調査と深い検討を広い角度から衆知を集めてやっていただきたいものだと思います。このほかにも全国にはまだ幾多の例があろうかと思いますから、そういうそれぞれの角度での見過ごすことのできない問題をこの事件だけでなく幾つか取り上げる必要があると思いますけれども、そういう角度での検討をぜひお願いしたいと思います。 それで、いま局長の御答弁の中にありましたが、校長はたしか他の前任校では教頭さんで、この新設校に新任校長として来られて過去三年ですか四年ですか、そこに集まってきた職員と一緒に鋭意この学校の経営に当たってこられた、そして五十七歳で自殺をされるという大変悲劇的な結末になったということで同情にたえませんが、ぜひこれを深めていただきたいと思います。 私の十一時半の時間が来ておりますから一応きょうの質問は打ち切りまして、この問題は別の機会にもう一回深めて取り上げたいとは思いますけれども、私は自分の教師の経験、そしてその後国会で文教委員などをやりながら幾つかの教育現場等を見ながら考えてきて、そして文部行政の最近の傾向を見ながら、これは私の結論ではありませんが、端的に言って、いま文部省の努力が正反対の方向を向いてしまっているのではないかという危惧を持つのですね。そのことだけを申し上げて、もし大臣なり局長なりにお考えがありましたら御答弁を伺って質問を終わりたいと思います。 私はこの校長の自殺の報道を知ったときに、戦後、日本の新しい教育制度ができまして中学校が義務制になったときにやはり自殺という事件が起こったのを思い出します。これは校長ではなくて、義務制になったにかかわらず中学校を建てることができなくて、住民に対する責任から思い余って自殺をされた村長さんがたしか四人おられたと思います。中学校義務制施行の際に、せっかくそういう制度ができたけれども村の財政の逼迫から法律に従ってそれを建てることがどうしてもできない、その責任を負って次々に自殺されたのですが、それほどの犠牲の上に今日の六・三制の義務制が確立していったのです。 それとこれとは全く性質が違いますけれども、今度のこの校長の自殺でまた一つ教育について考えていただきたいと思う、その私が、文部省の努力が逆の方を向いているのではないかと言うのは、これも時間があれば御質問を申し上げようと思ったのですが、文部省として校内暴力等の問題に関してすでに何回か通達、指導をなさっていると思います。その中には当然と思われる節々もありますが、私は印象として、一番大きな欠陥というか、これは教育を生かすのでなくて教育を殺す方向の努力になってはいないか。つまり管理体制というものが、何かあればあるほど常にそれを管理するという形で、生きている人と人とのぶつかり合い、つながりの中から出てくる教育が、上からの法律、規則、方針、そういうものでがんじがらめに校長を縛り、教師を縛り、そしてまた、そのこと自身が生徒の一人一人の個性をも縛って画一化していっている。そういう中に、もちろん社会全体の学歴尊重であるとか学閥優先であるとかあるいは受験競争であるとか、資本主義社会のどろどろした弊害が全部絡みついていっているとかいろいろな問題があると思いますが、教育は子供と教師の一対一と申しますか、もちろん子供は一つの集団をなしていますから、集団対教師ということ、しかし最後は一対一なんですね。そこに、人間としての愛情と火花というものが本当にそれぞれの場所に、それぞれの子供に応じて発揮し、火花が散らせるような雰囲気の教育にならないと、教育は本道に戻らないのではないか。 だから、私は、最近テレビなんかでもよく、ちょっとそんなような例も、劇で人気を博しているのがありますが、極端な言い方をしますと、無鉄砲教室が続出するような教育行政をやってみたらどうだ。ちゃんと大学まで出て、基礎的な勉強をして教師の免許状を与えている教師ですから、そこから先は、人間として、その地域、その預かった子供と教師が火花を散らすところから、本当に地域に即し、一人一人の子供の成長に即した、そして温かい人間愛にあふれた、そして広い人間性に立った、せせこましい小さな、教科だけの、何ができたできなかったというようなことをもっと大きく超えた、そういう教育精神というものが脈々と燃え上がってくるようなそういう教育職場に変えていくにはどうしたらいいのだ、こういう点にひとつ大きな着目をしていただきたい。 このことを、私の貧しい体験から一言申し上げまして、いずれ機会を見まして、自分の体験等も思い起こしつつ、さらに討議を皆さんと一緒に深めていきたいと思いますが、本日は時間が参りましたので、教育行政の力点が管理強化に重点を置き過ぎて教育の真の命を殺しているのではないかという私の心配と指摘に対して、もしお考えがあったらお聞かせをいただきたいと思います。
○三角政府委員 私ども、いわば管理のための管理というようなことは毛頭考えておりませんし、そういうことは必要もない、こう思っておる次第でございます。学校という一つの組織でございますから、現場の状況によりまして、必要な管理——管理という言葉が適切かどうかわかりませんが、秩序を保つということはあるわけでございます。 長谷川先生おっしゃいました、教育に情熱をぶつけていくということは、これはもう小さい子供に大人の経験なり知識なりを授けていくと申しますか、その上ではどうしても必要なことでございまして、私どもとしましても、教員は日々自分の向上を心がけますと同時に、自分の全人格をぶつけると申しますか、そういうものを子供の前に広げて教育に携わっていただくことが基本である、こう思っております。 そして、ちょっと申し上げさせていただきますれば、まず、やはり子供が教師を尊敬するという、基本的なしつけと申しますか態度が必要なので、それがないと、体罰論なんというものもございますけれども、私どもは体罰は絶対いけないと思っておりますけれども、教育というものの成り立つ基礎がつくられない。そのために母親なり父兄が、先生というものはやはり尊敬すべきお師匠さんなんだという態度がないといけません。先生をまるで友だちか友だち以下のように扱うようなぐあいで対応いたしましたり、あるいは家の中で先生のお話をするときにもそういうようなぐあいでやっておったのでは、学校での教育というものも非常にしにくいものになります。それから学校の中で、やはり若い先生は先輩の先生に対する尊敬と敬意の態度がなければなりませんし、まして、いわんや、いろいろその教育の内容等につきまして協議をし、論議をする場合は何も萎縮することは毛頭ないと思いますが、学校の中の一つの秩序として、校長なら校長に対する礼儀とか敬意とか、そういうものはきちんとしておりませんと、学校の中の教育も十分に、全体としてまとまって非常に実の上がるものにならないのじゃないか、こういうふうに思うのでございまして、個々の教員が自主的に全力を傾注していただくということで、できるだけやりいいように持っていくということについては、長谷川先生と全く御同感でございます。
○長谷川(正)委員 大臣、もしよろしかったら一言……。
○小川国務大臣 お言葉の中に、管理体制を強化するあるいは押しつけを行うというお言葉がございました。文部省といたしましては、さようなことをやっておるつもりはないわけでございます。 ただいま局長から答弁を申し上げたことに尽きると存じますが、やはり校内暴力等に対処いたしまする際には、校長を中心として教職員が一致して、一体となってこれに当たっていく体制というものがぜひとも必要だと考えておるわけでございます。教職員が一つの組織体となって機能していただきませんと、なかなかこの問題に有効に対処するわけにはいかない。さような方向で努力を重ねておるわけでございまして、これを押しつけあるいは管理体制の強化というお言葉で御批判をいただきますると、いささか当惑をいたすわけでございます。
○長谷川(正)委員 時間が参りましたので終わりますが、また次の機会に、私、自分の体験を含め、具体的な例を挙げまして、この管理体制というものを優先させる行政というものが誤らせるもとになるのではないかということについてはさらに申し上げたいと思います。本日は、そのことだけ申し上げて終わります。
○青木委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三十八分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鍛治清君。
○鍛治委員 提案されております法案につきまして、質問をやらしていただきます。本法案についての直接の内容についての質問は、午前中、社会党長谷川委員より触れられておりましたので、それは重複を避けまして、関連する問題点の幾つかについてお尋ねをいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。 最初に、学校医の問題でございますが、学校医の現状、それから、われわれ、ときどき学校医のあり方、健診のあり方等父兄からいろいろ耳にすることがございますが、そういった中で、やはり問題点が若干あるような気がいたしますが、そういった諸問題等につきまして、文部省の方で調査等もしやられておるようでありましたら、まずその現況と問題点についてお答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 まず、学校医の配置の問題といたしまして、現在、公立学校についてはほぼ一〇〇%近く配置しております。ただ、僻地関係で、学校医が得られない地域の学校がございます。こういう学校における学校医の行う職務活動についてどういうような対応をしていくかということが一つの問題でございます。そういう学校につきましては、学校医を派遣いたしまして、そして、健康診断であるとか子供たちの健康管理の基本的な計画について、いろいろな指導助言をいただくというようなことで対応しているわけであります。 それから次に、学校医の皆さん方にお願いして、学校の健康診断、学校の健康相談、そういういろいろな仕事に携わっていただくわけでありますが、なかなか忙しい方が多いわけでございますので、必ずしも十分な時間を割いてそこに当たっていただけないというようなところもあるわけでございます。そういう学校につきましては、学校の保健担当の主事であるとか養護教諭、そういう人たちが学校医と密接な連絡をとりながら、その指導助言を受けながら適切な対応をしていくことが必要であろうと思います。 なお、学校医の報酬につきましても、年々額の改定を図って改善しているわけでございますが、一般的に医師の報酬と比較いたしまして学校医の報酬についてもう少し上げるべきではないかという意見がありますが、今後努力していきたいと思っております。
○鍛治委員 学校医の配置状況について、いま概略お答えがありましたが、ここにあります昭和五十五年五月一日現在の資料を見てみますと、国公立の小学校、中学につきましては、いまお話がありましたように、学校医については大体一〇〇%近くいっているであろう、いまお答えいただいたことでほぼ対処もできるのかな、こういう気もいたしますが、問題は私立の学校ですね。それから、学校の歯科医、学校薬剤師、こういうところになりますと、その配置というものは必ずしも十分でない、こういうふうに思われるわけですね。特に小学校の私立の場合は、この資料によりますと、学校医の配置状況が九一・六%である。学校歯科医は七九・五%、学校薬剤師は二七・一%。これは国立、公立の小学校が九〇%台あるいは一〇〇%近いのに比べまして、非常に低くなっておる。また、中学校の方は、私立が、学校医が七三・七%、歯科医の方が五七・七%、学校薬剤師は二〇・六%と非常に低率になっているわけであります。これはやはり大きな問題の一つになるのではないかと思いますが、これらについてどういうわけでこういうふうになっているのか、また対策についてお答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 いま先生御指摘のとおりでございまして、私立学校における学校医の配置状況は、国公立に比べまして悪いわけであります。この原因がどういうところにあるか詳細に分析しておりませんので明確なお答えができませんけれども、一つは、私立学校は大体都市部にあるということで、学校医という形を置かなくても、健康診断をやるときに近くの先生にお願いしてというような、そのときどきに応じて委嘱して仕事をお願いするというような形をとっている学校が多いのではなかろうかと思うわけであります。 しかし、いずれにいたしましても継続的に専門的に当該私立学校に対する児童生徒の健康管理についてアドバイスをしていただく人が固定しないということは問題があるわけでございます。したがいまして、今後、私立学校における学校医の配置につきましては、できるだけ全面的に配置されるよう指導していきたいと思っております。
○鍛治委員 私立ですから直接的に指導助言というのはないかもわかりませんけれども、やはり生徒児童の命を預かる問題でございますので、そこらあたりの対応を適確におやりいただきたいとお願いをいたしておきます。 次に、学校医の中で、いま忙しい、なかなか時間がとれないというお話がございました。これは厳密に言えば、法に定められた中で、忙しいということの理由で十分にその対応ができないということになりますと問題ではあろうかと思いますけれども、開業医の方々が学校医をやっているというような関係もあって若干やむを得ない向きもあるかなという気がするわけです。その中で何とか対応をして、特に健康診断等が行われておるにつきましても、非常に短時間で児童生徒の診断を行う。学校医が数多い子供さん方を見ることについては大変時間的にもやむを得ない向きもあるかもわかりませんが、実際にはそういうことで本当の診断もできるのであろうかという心配をするわけであります。こういうものについて、時間的に余裕を持ってやれるような対応というものは今後努力をする必要があると思いますけれども、それについてのお考え、さらには他の学校とかけ持ちの学校医さんもずいぶんいらっしゃるのではないかというふうな話も聞くわけですが、そういった状況等わかっておりましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○高石政府委員 いま御指摘のございますように、学校の健康診断その他子供たちの健康の問題について専門的な立場で十分時間をかけて診断をしていただく体制をとることが最も望ましいことだと思うわけであります。そこで、そういう方向で今後努力していかなければならないと思っております。 学校医の兼務の状況でございますが、昭和五十四年度の調査によりますと、学校医の兼務の状況は、学校医で四・八校、ですから一人の医者が四ないし五校の学校医になっているということかと思います。それから学校歯科医が三・六校、ですから、三ないし四校、学校薬剤師が三・六校というような形の兼務の状況であります。 この兼務そのものが悪いということは言えないわけでございます。問題は学校の保健活動が専門的な立場で十分なアドバイスのできる状況になればいいわけでございまして、年間を通じて学校医に来てもらう日数は大体六日から七日というぐらいが年間の一般的な傾向でございます。したがいまして、そういう形での併任自体が悪いというわけではございませんので、問題はその学校医の先生方が十分に児童生徒の健康チェックができるような体制をとっていただく勤務形態にするということが必要であるわけであります。そのためには手当の問題その他の改善をも考えていかなければならないと思っております。
○鍛治委員 戦後、特に最近はわれわれが小中学校に学んでいたときと比べますと、考え得なかったようないろんな問題が起こってきていると思うのですね。そういう意味からいっても、学校医の稼働日数というか実働日数を含めて、これは精力的にやる必要があるのではないか。さらには諸手当の問題でいまお答えがございましたが、これは私、低いと思うのです。これはぜひ上げる方向でやっていただきたいと思うのですが、それと同時に、最近は医学校、歯科大学等の設置が非常に進みまして卒業生が多くなるという流れの中で、医者が非常に余ってくる。東京あたりでは、いろいろ聞くところによると、開業医の方で、それこそ夜逃げというと語弊があるかもわかりませんが、医者としての経営が成り立たないというようなことからもうどうにもならないところへ来ているというお医者さんもおられるようにぼちぼちなってきた、こういう話も出ているわけでございまして、そういう中で学校医また歯科医等を含めてその確保というものは、それなりの腹構えを持てば今後十分対応でき得るのではないか、こういう気が私はいたしておりますし、そういう意味からいくと、いま努力するというようなこともおっしゃってはおられますが、これはもうちょっと真剣に取り組みをやられていいのではないか、こういうように思いますが、重ねてお答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 いま御指摘のあったとおりに、学校の保健管理というものは今後ますます多岐にわたってチェックしていかなければならない分野もございますので、御指摘のような方向で改善充実に努めてまいりたいと思います。
○鍛治委員 そこで、先ほどからもかけ持ち等で実働日数が年間六、七日というお話もございましたが、その中で特に養護教員も含めて対応をしっかりやらなければいけないというお答えでした。この中で健康診断もさることながら、親の方とすれば子供さんの事前の健康相談ですね、これは学校医等の職務内容が文部省令で決められているわけですが、七項目ぐらいですかね、正確には八になるのでしょうか、これがちゃんと決められておる中で、「法第十一条の健康相談に従事すること。」という項目もあるわけで、特にこういうところを、事前に相談を受けるということについて十分時間をとる機会を何とかつくってあげるべきではないだろうか。 私の方の大変古い資料にはなりますが、四年ぐらい前の資料になりますけれども、一校平均の健康相談の実施状況、これを当たってみますと、年間で一件を下回るという形、これは実際に相談がなかったのか、それともやれないお医者さんの状況であったのか、両面があるとは思いますが、こういう形では本当に対応ができておるということにはならないのじゃないかと思います。 こういう健康相談の新しい実態等がもしわかっておればお答えをいただきたいし、これに対する対応をどういうふうになさっていこうとするお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 健康相談につきましては、いまお話のありますように具体的に調査したのはその後ございませんが、五十五年度のわれわれの調べた実態でも非常に低いわけであります。 そこで、今後の問題といたしましては、学校における健康診断のほかに健康相談というシステムをもう少し考えていく必要があるということで、学校内部における保健関係の体制をつくっていく、それは学校医だけに依存するのではなくして、そういう学校保健を取り扱う学校保健主事であるとか養護教諭その他学級担任を含めまして子供たちの健康問題について一応の相談ができる体制をつくっていく。どうしても専門的な事項になりますと専門医にいろいろ相談をして今後の自後策、対応策を考えていかなければいけませんので、そういう面でそういう親たちに適切な指導ができる、ないしは適切な勧告ができるような形での学校内における体制づくりは必要であろうと思うのです。ただこれを学校医だけという形で負担をかけますと、なかなか解消するのはむずかしいので、全体的な取り組みの中でいまお話のありました方向で努力していかなければならないと思っております。
○鍛治委員 いまお答えの全体的な取り組みというのは私は非常に大切ではないかと思います。これは保健の問題の推進と絡みまして、やはり地域ぐるみ、また場合によっては父兄ぐるみでやっていくという方向はもうぜひ強化をお願いいたしたいと思うわけです。 それで、先ほどちょっとお答えのありました、診療報酬が非常に低いということでございましたが、現行はどの程度の報酬になっているのか、この点お答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 まず、国が地方交付税で財源を措置しておりますが、標準規模の小中学校における昭和五十六年度の財源措置は、学校医、学校歯科医が年間十一万六千円でございます。学校薬剤師が九万円となっているわけであります。この額は年々ベースアップの改善に伴って改定をしてきているところであります。 そこで、現実的に地方の報酬の実態はばらつきがございます。小学校で高いところは年額十七万七千円、中学校でも十六万八千円ということでございまして、児童生徒の数、学校規模、それによってそれぞれの学校医に支払われる給与の実態というのは変わっているわけであります。それで、おしなべて平均いたしますと、大体地方交付税で財源措置をされているところが平均の報酬額になろうかと思うわけであります。
○鍛治委員 いまお聞きしましても、確かに低過ぎると思います。子供の将来を考えると、この健康の問題というのは非常に重要な問題でございますので、これはひとつぜひとも報酬を上げて、学校医等の皆さんの確保といいますか、それと時間的にも十分できるような体制、これはぜひとっていただくように要望を申し上げておきます。 次に移らせていただきますが、最近学校で保健室の利用が非常にふえてきておるし、内容的にもいろいろと、これも前と変わった形で利用されておるというふうな話がよく出てくるわけでございますが、この利用の状況、内容等について調査した内容がございましたらお答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 学校における保健室そのものの利用状況ということを各学校に当たって具体的な調査をしたのはございませんけれども、最近はかなり利用率が高いと承っております。
○鍛治委員 何かその中で、使われておる内容が特徴的に以前と変わってきておるということでは、文部省の方では掌握等はいたしておりませんか。
○高石政府委員 詳細には承知しておりませんが、従来は頭痛がするとか腹が痛いとか、いわば通常の病気的な現象ということが大部分であったわけでございますが、最近はそうでない心の問題、悩みというか、そういう問題も含めて保健室を訪れる子供たちもいるというふうに承っております。
○鍛治委員 これもやはり先ほどお答えのありました学校医との連携をとりながら、養護教諭というものがこれは非常に比重が大きくなってくる分野であろうというふうな気がいたします。確かにいまお答えがあったようなことは、私も地元等でいろいろ聞きましても、現状はそういうものが出てきておるようでございまして、養護教諭のことにつきましては、たしか午前中にも若干触れておられたようですから再度触れませんが、やはりこういう保健室を利用する生徒が増加する中で、ある意味ではいまの子供が根性がなくて、何か理由をくっつけて逃避の場としてこれを使っているという状況もあるようですが、逆に、いまお答えのあったような心の憩いの場といいますか、養護教諭には心を開いていろいろ話ができるという、そういう雰囲気の中で違った意味での場にもなっているようです。そういう意味からはやはり養護教諭の充実と配置状況の拡充ということはぜひやらなければいけないと思いますが、これについて簡単にお答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 いまお話のありますように、養護教諭が従来の医学的な観点でのお世話というにとどまらずして、子供たちの成長の段階におけるいろいろな悩み事、問題事、そういう教育の心もわかるような養護教諭の育成ということが必要であろうと思います。そういうことで養護教諭を対象とする研修会その他につきましては、医学的な技術のほかに子供たちの心理とか子供たちの教育に対する問題、そういうことについても研修を強化しているところであります。今後ともそういう面での強化を考えていかなければならないと思うわけであります。 また、配置につきましても、先ほど午前中議論がありましたように、漸次充実していくという方向で、養護教諭の充実を図っていくという基本的な考え方であります。
○鍛治委員 文部省は最近子供たちの身体の特性と健康状況、これは健康状況調査でございましょうか、その実態調査をおやりになって、ほぼまとまってきているというふうにも伺っておるわけですが、その調査状況、実態の内容等ひとつお答えできる範囲でお述べになっていただきたいと思います。
○高石政府委員 児童生徒の健康状況の調査ということで約六万人を対象にいたしまして、昭和五十六年十月二十九日から十一月五日まで調査をやってきたわけであります。その内容につきましては現在集約中でございまして、まだその集約がそれぞれの専門家にお願いしておりましてまとまっておりませんので、ここで全体的な内容を申し上げることができないわけでございますが、中間的な状況から申し上げますと、学年が進むに従いまして非常に睡眠時間が少なくなって、寝る時間、起床の時間というのが非常にけじめのない生活の実態が出てきているようでございます。 また、学年が進むに従いまして朝食をとらない子供がかなりふえているということで、子供たちの栄養のバランスのとれた食生活という問題において、家庭の食生活のしつけ、教育その他について考えていかなければならない問題傾向を示しているようであります。 また、各診療別の医者にかかる状況についてはほとんど変化がないようではございますが、一方において、上学年になりますと若干体を無理して登校するというようなことも傾向として出ているようであります。いずれにいたしましても、近くこの内容をまとめたら発表いたしまして参考にしていきたいと思っております。
○鍛治委員 最近いろいろ新聞報道を含めて特に言われておるものの一つに、児童生徒の脊柱側湾症というのでしょうか、こういうことがよく言われております。これは五十四年度から学校の定期健康診断の項目に加えられているわけでありますけれども、その後の推移、それから特徴といいますか概況がわかりましたらお答えをいただきたいと思います。 〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕
○高石政府委員 まず四十五年から四十六年までの状況で申し上げますと、小学校につきましては、四十五年は一・三%が脊柱異常というようなデータが出ておりますが、その後五十三年当時では〇・七九とやや減少を示し、五十六年では〇・七〇という状況で、小学校につきましては若干年度によって増減がございまして、少し減少ぎみという傾向でございます。中学校では逆に、四十五年当時は〇・六%であったのが五十六年度では〇・九六ということで、中学生における異常の率は高まっているというようなことで、この問題については今後十分対応を考えていく必要があると思っております。
○鍛治委員 こういうものを新聞で出して、私にも息子がいますので、私自身も姿勢を見ていますと、大変曲がっている子がいるのですね。それは体に影響があるものとないものとが曲がり方によってあるようでありまして、若干専門的な知識が必要なのでございましょうけれども、こういったこと等についてもひとつ的確な診断ができる体制を整えて、そういう子供に対して、これはほかの病気誘発とか将来体にいろいろ影響が出てくるということはないけれども姿勢はちゃんとしなさいとか、これはこれだからちゃんと専門医にかかりなさいとか、具体的な形——対応はされていると思いますが、そういったこと等についても今後的確なる体制をとっていただくように、これは御要望を申し上げておきます。 さらに、次に進ましていただきます。最初にちょっと申し上げましたように、最近はいろいろと時代が進歩し技術が進歩して、病気とかいろいろな形の障害の出方が変わってきているのじゃないかというお話を申し上げたのですが、その中で、これは一昨年でしょうか、十一月五日に新聞に出ておった「難聴を招くヘッドホン」という記事がございまして、これはやはり大変気をつけなければならないのじゃないかなというふうに思うわけです。この記事によりますと、これは立川市の学校医会会長でおられる耳鼻科医の神辺邦繁さんとおっしゃるのですか、自分の実際の調査に基づいて警告を発しておられるようでありまして、「音楽や深夜放送好きの高校生の間で大流行しているヘッドホンが難聴につながり、使い方を誤ると聴力が戻らなくなるというデータ」、これを発表してあるようです。同医師は「ヘッドホン愛用者について精密検査をした結果、八人に一人が難聴だった。同医師は「無自覚性の難聴が高校生の間で集団発生している恐れがある」とヘッドホンの使用禁止を呼びかけている。」こういうふうに前書きがありまして、詳しくその内容を報道されているわけですね。 これは、私はやはり大変問題ではないかと思うのです。これも私事にわたって恐縮ですが、やはり私の息子がヘッドホンをしょっちゅうはめてやっているわけですね。難聴になるということを気がつかなかったものですから、これを調べる中でこういう記事も読んで、ちょっとびっくりしているわけですが、部屋に入ってヘッドホンかけて聞いていますと、部屋の扉をあけてもだれが入ってきたかわからぬみたいなんですね。全然姿勢も変わらず聞いている。そばに行ってたたくと、びっくりしたようにはっとするわけですね。確かにこれはうちの息子だけではありませんで、国電に乗っておりましても汽車に乗っておりましても、最近そういう傾向が強くあるようです。やはり私も一度いろんな勉強のために、新幹線の車中でイヤホンをつけてやってみたことがあるのですが、普通静かなところだったら簡単に低い音でも聞こえるのが、あの中だとちょっとわれわれがびっくりするような形になっておるのだろうと思うのですけれども、相当にボリュームいっぱい上げないと、がたがたと周囲の騒音がございますから聞こえない。 確かにそういう体験から見て、これはやはり一つの危険な形ではないのかという気もするわけですが、こういうこと等についての調査が進んでいるのかどうか、こういうことについて対応はどういうふうに考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたしたいと思うのです。
○高石政府委員 聴力障害については、一般的に調査をずっと続けてきているわけでございます。ただ、ヘッドホンによる難聴の障害状況というような点をしぼって調査したものはございません。いまお話のありますように、ヘッドホンの乱用によって難聴が増加しているということも言われておりますので、学校でそういう聴力検査をする際には、そういう問題についてチェックをしていくということを現在やっていただいているわけであります。 なお、こういう問題につきましては、学校というよりもむしろ家庭生活における子供たちの健康管理についての家庭の無関心、不注意というものがかなり多いわけでございますので、家庭の親に対しても適切な児童生徒の健康管理という点については指導していかなければならないと考えているところであります。
○鍛治委員 これはひとつ学校等において、児童生徒本人にもきちっと、そういうことが具体的にどうなるのかという実例等、こういうふうな調査も出ておるようですから、やはり教えていただくというのがまず第一義であろうというような気がしますですね。特に小学校時代の子供というのは、いま何だかんだ先生のことが言われておりますけれども、やはり学校で聞いてきたというのは金科玉条のように思ってやるという向きが残っておるわけですよ。だから一昨年でしたか、福岡で渇水があって断水が続いたときも、親が言っていることよりも学校で聞いてきたことをそのまま実施するわけですね、水道の扱い方、水の扱い方。ああいうものを見ていて、学校教育の効果というものはまだまだ十分あるということで、私はいい意味で感心したことがありますが、そういう意味から言っても、やはりこういう使い方をしたときにこういう弊害が出ますよということは科学的にぴちっと教えておく、これは文部省サイドでひとつ対応をぜひやっていただきたいと思うのです。この点について、もう一度御答弁をいただきたい。 〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○高石政府委員 御指摘のとおりでございまして、学校の教育上も児童生徒に対して指導をしていきたいと思います。
○鍛治委員 最近、突然死を含めて心臓健診ということがいろいろ問題になって、五十三年に学校保健法が改正されて、これも健診項目に追加されているわけでありまして、この実施状況、それからこれについての対応が若干おくれているのではないかというような気がいたしますが、これについてひとつお答えをいただきたいと思います。
○高石政府委員 心臓健診につきましては、ここ十数年来その内容改善に努めてきているわけであります。最近は、その方法に心電図による心臓健診というものを積極的に導入していきたいということでございまして、小学校におきましては約五四・六%、中学校は四九・七%、高等学校においては七三・八%が心電図による心臓健診を行っているわけであります。したがいまして、われわれといたしましては、全国的にこの方式による推進を図っていきたいというふうに考えております。
○鍛治委員 これについてはいろいろと新しい推進事業も進めるという形で対応されているようでありますが、従来の考えの学校医の方で健診がやりにくいという向きもあるようです。やはり専門的な医師が担当するとか、ないしは、いまお話がありましたような心電図の導入とかいうようなことも含めて対応が必要であろうと思いますので、これも時間がございませんので御要望だけにとどめて、対応をひとつしっかりやっていただくようにお願いをいたしておきます。 最後になりますが、これは大臣に最終的に総括的にお答えをいただきたいのですが、保健医の拡充、充実等についての中で診療報酬等の値上げについて局長から御答弁ございました。この点についての大臣のお考えを最終的にお伺いをし、さらには、いままでやりとりをやらせていただきましたが、その中でやはり学校医の充実なりそれに関連するいろいろな対応なりというものは大変大切だと私は思いますので、総括的に大臣のお考えなり御決意なりを承りまして質問を終わりたいと思います。
○小川国務大臣 児童生徒の健康の維持増進という観点からいろいろの御質疑があり、また御意見の開陳をいただいた間、傾聴いたしておったわけでございます。 学校医は児童生徒の健康の維持増進という立場で、それぞれ専門的な立場から健康診断等の保健活動を行っており、あわせて教職員の行っておりまする保健指導に対して指導助言もいたしておる非常に大事な役割りを担っておるものと心得ております。配置の状況あるいは報酬等については政府委員から実態をお耳に入れたわけでございますが、文部省といたしましては学校医の果たしておりまする役割りの重要性にかんがみまして、これから先も学校医に対する研修の内容を充実する、あるいは健康診断の方法につきましてもさらに改善を加えていく努力をいたしてまいりたいと存じます。 なお、一般に改善の余地を残しておると考えられる問題につきましては、先生のただいまの御指摘の点をも含めまして研究をいたしてまいるつもりでございます。
○鍛治委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○青木委員長 三浦隆君。
○三浦(隆)委員 初めに、学校教育と児童生徒等の健康管理の問題からお尋ねをしていきたいと思います。 教育基本法一条の「教育の目的」のところに「心身ともに健康な国民の育成を期し」とあり、そうした趣旨が学校教育法の十七条、小学校教育の目的その他、これは中学、高校にも及んでおりますし、また学校保健法ほかの関連法規に及んでいるわけです。そしてそのことによって学校教育の円滑な実施とその成果の確保を図りたい、また図らせなければならないのだろうと思います。 そこで大臣に、学校医等による学校医療行政の基本的理念及び学校医療のあり方についてお尋ねをしたいと思います。
○小川国務大臣 健やかな体とあわせて豊かな心をはぐくむということが学校教育の大事な目的でございますから、この観点から絶えず児童生徒の健康の保持増進ということに心がけていくべきだと存じます。そのためには絶えず健康の状態をチェックしていく、さような意味で、学校医の保健活動をさらに効果的ならしめるための努力を文部省としては続けておるような次第でございます。
○三浦(隆)委員 学校医療行政のこれまでの成果としまして、統計によりましても結核あるいは寄生虫卵の保有あるいはトラコーマといったものが大幅に減少しております。特に結核を何とかなくしたいといったこれまでの成果のたまものだろうと思います。そこで、今後の学校医療行政として特にどういう点に力点を置いて行われるのか、そのあり方についてお答えいただければと思います。
○高石政府委員 従来、伝染性の病気、トラホームとか結核という問題にかなり重点を置きながら児童生徒の健康診断をし、そしてその撲滅を図ってきたわけであります。しかし今後は、社会情勢の変化、生活環境の変化という中で子供たちの持つ病気の内容にも変化があるわけでありますので、たとえば昨日議論がありました心臓の問題ないしは骨折しやすい子供が多いというような問題、それから近視とか虫歯が非常にふえているというような問題、そういう子供たちの新しい病気に対応できるような学校の健康教育というものをやっていくことが必要であろうと思っております。
○三浦(隆)委員 いま学校保健の上においてそうした健康診断を行いますが、その検査の項目あるいは方法及び技術の基準について大変細かい規定が現在あるわけです。学校保健法六条に児童、生徒及び幼児の健康診断を学校において行うべきことを定め、そしてその施行規則の四条の一項で健康診断における検査の項目を第一号から第十二号まで、大変細かく網羅しているわけでありますが、その中におきます「その他の疾病及び異常」というのは具体的にどういうことを指すものでしょうか。
○高石政府委員 「その他」といたしましては、呼吸器系統、循環器、消化器、神経系統、心臓、そういういろいろな問題があるわけであります。
○三浦(隆)委員 もう少しそれを深くお尋ねしたいと思うのですが、学校保健法施行規則五条一項でも方法及び技術的基準などが書かれております。そして、そこにおきます学校保健法六条の健康診断の方法及び技術的基準については、施行規則一条の規定を準用すると定められているわけであります。そして、その施行規則一条の十一号ですが、「その他の疾病及び異常」という中にいろいろと書いてございまして、最後に「結核疾患、心臓疾患、腎臓疾患、貧血、脚気、ヘルニア、言語障害、精神神経症その他の精神障害、骨、関節の異常及び四肢運動障害等の発見につとめる。」というふうに大変細かく書いてありますし、確かにこうした結核疾患、心臓疾患というふうなものを調べていくことは大変に大切なことだ、そのように思っております。 さて、この例示されましたその他の疾患及び異常という中に、私はなぜシンナーとかあるいは覚せい剤使用等の有無及び障害についても検査するように明記しないのだろうかなというふうに思うのです。逆に明記すべきなのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○高石政府委員 その他の異常ということで、新しいものに対応できるような、身体的な異常をチェックするということでこの表を書いているわけであります。そこで、シンナーとか覚せい剤、そういうものについても、もちろん健康診断によってチェックができればその項目の中でチェックをしていくということを考えておるわけで、例示の中に具体的にそれを掲げてはいないわけでございますけれども、そういうものによる異常というものが発見されれば、その項目の中でチェックをしていくということができるようになっているわけであります。
○三浦(隆)委員 その法規の中には別段そういうことをしろとは一言半句も実は載っておらぬのです。恐らく、していなかっただろうとむしろ思っております。というのも、この学校保健法ができたときには、結核とかそうしたものを何とか撲滅しなければならぬ、あるいはトラホームや何かをなくさなければならぬというところには大変な力点を当初から置いていたと思いますけれども、この法律ができましたときに、まさか今日のようにシンナーあるいはまた覚せい剤の使用というものがここまでひどくなるとは恐らく予想しなかったし、また同時にそれによる障害が大変ひどい状態になるとは思っていなかったのではないかと思います。 また、この文教委員会では、青少年非行の問題というものがずいぶん取り上げられておりますけれども、学校医療という見地からは恐らく質問も余りされていなかったのではないか。ですから、現行法規上そうしたものが欠けておるのじゃないかというふうに思うのです。むしろ、かなり細かく一つ一つの事例が挙がっているのですから、ここではっきりと、時代が移り変わったわけですから、シンナーあるいは覚せい剤等の使用の有無あるいはそうしたものの障害があるかないかというふうなことは明確に規定しながら、必ずといっていいくらいに調べていった方がいいのじゃないかというふうに思いますので、再度答弁をお願いしたいと思います。
○高石政府委員 まず、シンナーとか覚せい剤を使っているということ自体を医学的にどういう形でチェックできるかというのが一つは問題であります。医学的に、シンナーを吸ったことがあるというのがすぐ健康診断でチェックできるというほど内容が必ずしも十分でないので、ある意味では、シンナーの常用によって尿に影響が出るとか、ほかの身体、精神的な状況に障害が出てくるというような事態にならないと、なかなかシンナーの乱用による障害というものがチェックできないということに一般的になると言われているわけであります。 したがいまして、問題は、シンナーを吸わせない、そしてシンナーを吸うことについて事前に学校側ないしは親たち、地域社会がチェックをしていくということがきわめて重要な対応であって、健康診断の上で症状が出るようなチェックのときには手おくれであるというようなことも言えるかと思いますので、われわれといたしましては、事前の指導の問題でそういう体制をつくり上げていくということが必要ではなかろうかと思っているわけであります。
○三浦(隆)委員 これはシンナーとか覚せい剤というものがどのような恐るべきものであるかといった認識の違いがかなりあると思います。もちろん、初めていたずらしてやった、ちょうどたばこも初めていたずらして吸ったというときには、あるいはわからないものかもしれません。しかし、たばこであれ、何年も吸っていれば、歯を調べれば吸っているか吸わないかわかる、あるいは指を見てもわかるのじゃないかと思うのですが、シンナーとか覚せい剤の乱用というのも全く同じでして、私が言っているのは、ただ一度やって、見てくれでわかるかわからないところまでどうだこうだと言ったわけではないのです。一見明確に、あるいは一見明白にといっていいぐらいにシンナーあるいは覚せい剤の使用によって栄養状況の皮膚の色つや、挙動、態度、その他万般にわかるような場合に、学校医としてはそれに対して診断して何らかの処置をすべきものではないのかということであります。 あるいはまた、いまの答弁の中に、もう発見するときは手おくれなんだ、そういうふうな見捨てた言い方自体が問題があるのだろうと思うのです。逆に言えば、そうした手おくれのような状況になった場合、では現行法規上はそれをどう扱うのか、これまた何も載っておらぬのです。後ほど質問したいと思うのですが、出席停止を決めたりあるいは国の補助によって治療効果を促すというのは、伝染病については規定があるけれども、シンナーや覚せい剤を使用したことによっての出席停止の規定もなければ、国の補助規定も現在ないのです。現行法というのは、先ほど言ったように、そこまで予定しておらなかったからであります。だから私は、新事態という今日の新しい時点に立ってそれを明確に打ち出した方がいい、あるいはまた、その法改正が仮にすぐなされ得ないにしても、明確にシンナーなり覚せい剤の乱用というものが目に見えているようなときには、学校医としてそれに対応しなければならない、また、手おくれだとかいって見捨ててはならないのだということを言いたいのです。大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○小川国務大臣 確かに仰せのように、シンナーの常用による疾病、かような事態が生ずるということは、法律の予想せざるところであったと存じます。予想しない事態ではございまするが、現にこのような事態が出てきておるのですから、これに対して適切に対応していくべきことは当然だと存じておりますが、ただいま政府委員から説明を申し上げましたように、これを定期診断の項目に加えましても余り実益がないのではなかろうか、私もそのように考えております。 ただいまの御質疑は、いろいろな徴候等から判断して、明らかにシンナー、覚せい剤等を常用しておるということがわかった場合にどうするか、こういうお尋ねであったと存じます。さような場合には、これを治療いたしまするために学校医が父兄等を指導し、あるいは適切な治療を受けるべきことを指示する、当然かようなことになると存じております。
○三浦(隆)委員 施行規則の第一条の十一号でありますけれども、そこにはもちろん尿の検査もですが、「その他の疾病及び異常の有無は、知能及び呼吸器、循環器、消化器、神経系等について検査するものとし、知能については標準化された知能検査法によつて精神薄弱の発見につとめ、呼吸器、循環器、消化器、神経系等については臨床医学的検査その他の検査によつて」ここまでが前段でありまして、ですから先ほど言った尿を検査するとかしないとかはここまでのことであって、その後なのです。具体的な病名と言えるのかどうかわかりませんが、結核疾患、心臓疾患、腎臓疾患云々と例記されておるわけです。ですから私が言うのは、こうした定期診断の中で尿を検査したりその他になった、さてそこで例示的に出てくる結核、心臓何がしと並ぶならば、そこにはっきりとシンナーなり覚せい剤乱用によって出た病気というものも加えても決しておかしくはないではないか、むしろ入れない方が不自然というべきではないか、現在の状況ではそう思うと言いたいわけです。
○高石政府委員 健康診断の検査項目の「その他の疾病及び異常の有無」の中には、ここに例示してあるほかに異常があれば当然記載をし記入をしていくわけであります。したがって、シンナーの乱用による症状があると年一回の定期診断でチェックされれば、そういうものも当然記載されるということになっているわけであります。 問題は、シンナーに対する指導措置というのは、そういう年一回の健康診断で網の目のようにぎっちりやったからそれでいいというものではなくして、もっと前の段階で積極的に対応していくことが必要であるということを考えるわけであります。したがいまして文部省は、シンナー問題が非常にやかましく言われた当時、生徒指導の資料をつくりまして、そこでシンナーの弊害とかいろいろな問題とかのパンフレットをつくってそれぞれの学校現場に配付し、そしてシンナーの乱用ということを子供たちから追放していくという運動を大々的に展開しているわけであります。したがって、シンナーの乱用者に対しては、健康診断というよりも、毎日の日常生活の中でそういう子供たちにチェックを加えていくという対応をしていくことがきわめて重要であり大切であるということで、そういう体制のもとでそういう子供たちの早期発見、そしてそういうことに対する予防措置ということを積極的にやってきているところでございます。
○三浦(隆)委員 大変きれいな言葉になっているようで実はなっておらぬのです。というのは、シンナーなり覚せい剤の乱用といった方の問題で、警察の補導にかかったり具体的な犯罪にかかわっているケースが何件もあるわけです。そうしたときに、その警察その他の方から学校医の執務記録簿というかそうしたものを見せてほしいと言っても見せられないケースが多く、あるいはたまたま見たケースの中でも、特記欄の中には、シンナーが明らかに常習であるにもかかわらず何ら記載されていないという事例は幾らでもあるわけです。現に質問をする前に私はそれを確認してきたわけであります。いまの答えでは、そうしたものを医者が気がついた段階で明確に執務記録や何かにも書く、そういう前提に立たなければいけない。しかし実際には、学校の不名誉になる、あるいは子供さんへの配慮があるのかもしれませんけれども、そんなこんなで書かないケースがあり得るということであります。 ちょうど日航機の片桐機長の問題のときに、本当ならば機長としてはこれこれ検査を厳重にしなければいけない、また、検査したらばこれこれしかじかの報告をしなければいけない、にもかかわらず何らかの理由によって検査しなかったのかあるいは報告しなかったのか、そういうことのために明らかに異常であった人を機長として乗せて、そのために大きな災害を現に招いているわけです。そこに今日改めてその検査の法規が果たして妥当なものであるのかどうか、あるいはその運用が果たして適正であったかどうか、恐らくいま日航を中心として大変に慎重な検討を加えているところだろうと思うのです。同じようなケースがこれにあるということなのです。早期発見ということをしなければならぬ。先ほどの答弁の中で、発見し得たときには手おくれなのだと、むしろ見捨てたような答えがあったわけであります。 これはかつての古い時期における結核に対する感覚とよく似ております。当初、進んだお医者さんから、たとえば肺浸潤である、肺門レントゲンが悪い、ところが一見したところは何でもない。そこで子供たちが心配して休む、あるいは親が休ませようとすると、何かサボって休んでいるのじゃないかというふうなことで休みづらい。これは私自身が戦争中に肺浸潤にかかって学徒勤労動員を、別にサボって休もうとしたわけではない、たまたまそう診断があったから注意してうちで静養しようと思ったら、非協力じゃないか、非国民じゃないか、何でもないじゃないか、見てくれどこも悪くないじゃないかと何回も言われたケースであります。しかも今度は、それならばと言ってがんばった結果、喀血したらどうなるか。肺病第三期じゃないか、そばへ寄ると危ないじゃないかという表現を幾たびか耳にしたし、同じような思いの人もたくさんいたはずであります。 だからシンナーも、あるいは覚せい剤の使用も、最初はもののはずみで、あるいは興味本位で入る子がいるかもしれない。しかしそれは、本当に早ければ早いほど徹底してそれを発見して注意する方がより親切だということであります。また同時に、本当にひどくなっているものならば、もはや手おくれだ、そんな論議ではないのであって、明確な治療をして正しい教育が受けられるようにすべきではないのか。そこで私が言いたいのは、現行法規上の問題とその適正な運用の問題ということについて触れたかったわけです。ただいまの答えというのは、現実にそうでないのにいかにもきれいごとの答弁ばかりある、だから現実にはそういう問題がどんどん広がっているのに対応がおくれてしまっているではないかということを言いたいのです。むしろ改めて、シンナーだとか覚せい剤使用というものが学校教育の円滑な発展というものをいかに阻害しているか、いわゆる学校保健法第一条の目的からいかに逸脱しようとしているかということについて注意を喚起したいということなんです。 その観点に立って、文部大臣から再度そうした問題についてのお答えをお願いしたいと思います。
○小川国務大臣 シンナー、覚せい剤等を青少年が常用するということは、本人にとってはもとより社会全体にきわめて有害なことでございますから、学校教育におきましても覚せい剤等の使用の有害性を指摘して指導いたしておるわけであります。現に多くの教科書もこれを記載いたしておるような次第でございます。 ただ、定期健診の項目にこれを加えてみましても、その意義は恐らくきわめて小さいに違いないということは、先ほど来政府委員からもお耳に入れているとおりでございます。いろいろな徴候から明らかにシンナーあるいは覚せい剤を用いているということがわかりました時点におきましては、それは父兄の注意を喚起する、適切な治療がなされますように校医等が指導する、かようなことだと考えております。
○三浦(隆)委員 適切な治療を指導するというのは具体的にどういうことでしょう。
○高石政府委員 シンナー使用の状況が日常生活の観察の中で常にチェックされていくということが必要でありますし、そういう使用者に対してシンナーを吸わせないということがまず基礎的な重要なことでありますので、学校においても家庭においてもそういうことを前段階に子供にしっかりやらせるということが大切であろうと思います。
○三浦(隆)委員 再度お尋ねしたいと思うのですが、とにかくこの法文の中には、一つ、二つではなくてたくさんのものが列挙してあるわけです。先ほど言ったように、この法ができたときにはシンナーとか覚せい剤の害というものがそれほどではなかったのです。ところが昨今においてそれが著しくなってきたのです。ですから、いまそういう項目を入れるなりあるいは「方法及び技術的基準」の中に加えることがどうしてマイナスなんですか。仮にあっても、何でもなければそれまでじゃないでしょうか、別に。入れることによる弊害の方をむしろお尋ねしたいと思うのです。 これは一にかかって、シンナーあるいは覚せい剤使用というものの影響を重く見るか軽く見るか、学校教育においての認識の違いだと思っております。私は子供たちを健康な体で育てていきたい、頭のいい悪いよりもむしろ健康な子として育てたい、そう私個人は思っていますから、またなおのこと、そういう意味では健康の問題にもっと留意してほしいと思うのです。 昭和五十六年の警察庁の警察白書の中でも、「増加する薬物乱用と目立つ女子の性非行」という大きな項目がございます。そこに「広がるシンナー等の乱用」という項目もあって、「シンナー等を乱用すると心身に障害を受けるほか、その薬理作用により、犯罪を犯すことも多い。」ということで、大変細かい表というか、データがここでは挙げられているわけであります。こうしたことは総理府の青少年白書その他の中にも、同じような趣旨で大変詳しく述べられております。その総理府の少年の非行、特に「刑法犯少年及びその他の非行少年」という項目があるわけですが、そこの「刑法犯少年及び刑法犯成人の人員と人口比の推移」によりますと、昭和五十一年から載せてありまして、五十一年、五十二年、五十三年、五十四年、五十五年と、五十一を一〇〇としますと、一〇〇、一〇三、一一八、一二四、一四四と、少年の場合は明らかな増加を示しているわけです。成人の場合はさほどではないのです。むしろ減少ぎみなんですが、少年の場合にそれが進んでいるわけです。特に少年の場合でも、十四歳少年の伸び率が、この表をごらんいただきたいのですが、明らかにずば抜けて伸びているわけであります。すなわち、学校教育に占める子供たちの比率が大変に伸びているということであります。そしてそのことによって、暴走族あるいは暴力団とのつながり、あるいは女子の場合の性非行とかかわりを持ってまいりまして、この警察白書の「覚せい剤に係る事件、事故の発生状況」、昭和五十五年の数字によりましても、直接の薬理作用によるもの、あるいはまたそうしたものを入手したいという目的を持つ、そうしたことの分け方、二つになっておりますが、それぞれが殺人、放火、強盗、傷害、恐喝、窃盗あるいは自殺云々と幾つも述べられているわけです。しかもまた、覚せい剤取り締まりの場合にはその再犯の状況が大変に多いことも触れられているわけであります。 そういうことを考えてみまして、たとえば、これは実はけさの読売新聞でありますが、私の地元の横浜の記事でありますけれども、大変残念なことが載っております。遠くてごらんいただけないかとも思うのですが、この大きい見出しは、いわゆる少女が性非行に走った、そういうことから暴走族の連中と一緒になっている、あるいはまた恐喝を働いた、あるいは同じような子供がシンナーにだんだん深入りしていった、そして小さい赤ん坊その他がやけどするのもかまわず、シンナーをばらまいて火をつけて燃して放火に走る、犯罪を犯す、あるいはまた覚せい剤を覚えたために暴走族よりも右翼団体へ入った方がなおかつこういいんだというふうな子供たちもいる、このように伝えられているわけです。まさに学校教育だけの問題というよりも、ゆゆしき問題だ、私はこのように考えております。 そういう意味でも、これまでのようなおざなりの答弁ではなくて、実際問題として、特に警察その他の話題になった子でもいいけれども、わからない子じゃなくてもいい、わかる子だけでもいいから、せめてわかった段階で何とかそこから立ち直るような、そういう処置をやはり文部省としては行政指導を行ってやっていただくべきなんじゃないか、そう思うのです。 これは東京都の都立の学校のケースですが、執務記録の用紙はあります。特記欄がある。だけれども、現実にそうしたような常習になった子をさっぱり書いてない。書いてないのでは、何を診断しているのか。背が高い、目方が重くなった、それも大切かもしらぬ。しかし、現在少なくとも話題になっておるのです。青少年問題、この青少年非行というのは、もう文教委員会に何回となく取り上げられてきたのです。ただ、これまでそうした学校医療という観点からのあれがたまたま少なかったということなんです。そうした一つの背景に、私は現在の法の不備があり、あるいは法の運用の適切さを欠いたところがあったのじゃないか、このように考えているわけであります。 大臣、くどいようですが、いかがでしょう。もう一歩踏み込んだ御説明をいただけないでしょうか。
○高石政府委員 この十一号は、医学的な立場でその子供に疾病その他の異常があるかどうかということのチェックをしていくわけであります。したがいまして、どういう項目をチェックすべきかというのは、専門的な医者とかそういう専門家の意見を十分聞いた上で、しかも新しい時代に対応して変化していくとするならば、そういう内容をつけ加えたり加除していくという中で運用していかなければならないと基本的には思っております。 そこで、シンナーの問題は、そういうシンナーを吸うことによって身体的な異常が出てきたということをこの健康診断の中でチェックすることによって学校の万全の体制をしたと言えるかどうかという問題があります。むしろそのときには手おくれであって、シンナーそのものを吸わせない、シンナーを吸う子供をもっと早く発見する、それは健康診断の問題ではない、生徒指導の問題として発見をしていく、こういう体制が一歩前進した姿勢におけるシンナー対策ではないか、こういうことを思うわけであります。 したがいまして、この十一号の項目の中に入れることが妥当かどうか、いろいろ専門家、医学的な立場での意見も聞きながら十分研究していきたいと思いますけれども、いま直ちにここで先生のおっしゃることを入れた方がいいかどうかを即答して前向きでどうということを答弁するのには、少し慎重に検討していくことが必要であろうと思っております。
○三浦(隆)委員 学校医療というよりも、生徒指導の場で解決を図ったらどうかというふうに伺えたような気がするのですが、それも一見やさしそうで、実はむずかしい。生徒指導というのも、やり方いかんによっては子供の人権侵害を来す可能性があります。言うならば、こうしたシンナーなり覚せい剤にかかっているような子供あるいは興味を持っている子供からそれを引き離すというのは、私には体験ないけれども、大人の言うたばこを吸っている者がたばこをやめがたい、あるいはアルコールをしょっちゅう飲んでいる者がやめがたいと同じような状況にあるいはかかっているかもしれない、あるいはそれ以上であるかもしれないわけでして、一見人権侵害にも見えるような相当深いかかわりを持たなければ、その子供を立ち直らすことはむずかしいだろうと私は思うのです。 そのときに、単なる生徒指導という名目ではなくて、明確な学校医療というものがある。学校医というものがいるのですから、そこで学校医の明確な診断の裏づけのもとに、この子供はシンナーを乱用した子だ、この子供は覚せい剤使用を繰り返し行った子だ、そういうことがこの執務記録簿の特記欄などに入っているならば、教師としてその子供を立ち直らせるのだということでかなり深入りをしても私は許されるのだろう、こう思うのですよ。肝心の医者の記録の中に何もない子に対して、子供を呼びつけてしかったり、あるいは家庭へ行ってお母さんにいろいろと言ってみたりその他になるということは、これはかえって問題があり過ぎるのじゃないでしょうか。はっきりと明確に学校医としての執務記録簿の中に、この子供はいま立ち直らせなければだめだとむしろ書いてあればこそ、教育者として、その子供を持つお母さんなりに、おたくのお子さんはこうなっておる、何とかしなければいけませんよということも言えると思うのですよ。何もないのに、単に疑わしい、この生徒指導、どういうふうに行おうとするのですか。それじゃ場合によっては、いわゆる教員が権力によって子供に対して介入しているかのように思われてしまうかもしれない。それこそ、私は教員の暴力は反対でありますが、立ち直らせたいという一心の前には、場合によっては教員がその子をぶつかもしらぬ。これをしも体罰と果たして言えるかどうか。もし何も根拠がなくてやったら、明確な体罰ですよ。だけれども、学校医の執務記録簿の中に、この子供はシンナーの乱用なり覚せい剤の使用がひどくなっているのだということが書かれてあればある程度までは許され得るのじゃないのか。だからこそいまの法規上あるいは法規の運営上にそういうふうなものがあってもおかしくないし、また、法に従ってそうしたいわゆる執務記録簿の特記欄には必ず書くように指導すべきじゃないか、そう思うのです。 だが、ここで答弁したからといって全国の学校がならうわけじゃないのですよ、ここの答弁だけでは。大臣、文部省として文書の通達をもってはっきりとした意思表示をしてやっていただかない限り、問題の解決にはつながらないじゃないかというのは、ここだけのおざなりの答弁では救われないじゃないかということなんです。そして、そういう今日の学校教育のあり方が子供をシンナーに走らせ、あるいは覚せい剤に走らせて、あるいは結果現象としては乱暴なことをする。おまえは学校を退学だと見捨てる。学校からも社会からも子供たちが見捨てられるかもしらぬのです。そこまでいく一歩前に、二歩、三歩前にこれをやるために、それこそそこに学校保健法の意義があるのじゃないのか、こう私は言いたいのですよ。何のための学校保健法なのか。言うなれば、そういう結果現象を起こした者はもはやだめなんだ、手おくれだと捨てられて、その子供を簡単に退学なりその他にするようでは何の意味もないじゃないかと言いたいのです。 ですから、現行法規の上で、たとえば出席停止をさせる場合、どういうときにできるかという条文があります。しかし、これは伝染病なんです。シンナーは伝染病ではないのですよ。だけれども、伝染病が治療しなければならないと同じように、シンナーや覚せい剤を乱用した子供たちも場合によっては隔離しての治療を必要とするかもしらぬのですよ。しかも、隔離しての治療というのは法規の根拠がなければできないですよ、そのことがよっぽどひどく進んで精神異常者となれば別ですけれども。それこそ、それでは手おくれなんですよ。その一歩前に、ちゃんと学校保健法施行令の中に明記していただいて、出席停止の条件の中には伝染病だけではないのだ、シンナーの乱用や薬物使用が進んだ場合も含まれるのだ、そういうことを書いてなぜ悪いのでしょうか。大臣にお尋ねをしたいと思います。
○高石政府委員 同じことを申し上げるようで大変恐縮でございますが、この十一号の中は、体の異常ということについてチェックをするということで、いまの話でいきますと、たばこをのんでいるとかたばこによる何とか、それから飲酒により何とか、そういう原因別にこれを挙げてチェックするような例示になっていないわけでございます。したがいまして、シンナーによる体の異常であっても、その異常が健康診断で発見されればここで記入していただきたい、こういうふうな表として書いてあるわけであります。したがいまして、それぞれ専門の先生方の意見も聞きながら、こういう内容について時代に対応できるように改正していくことは必要でございましょうけれども、いまシンナーの問題をここで入れることが妥当かどうかということについては十分に検討を加えることが必要であろうと思っております。
○三浦(隆)委員 いま質問したのは十一条ではないのです。施行令の第七条です。一号から六号まで書いてある。こうした場合には公費の治療ができるのだけれども、書かれないものは公費の治療ができない。だから、こうしたシンナーなりあるいは覚せい剤のそうした使用によって体が弱っている子供に対しても、公費によっての治療の道を与えた方がいいのじゃないかということを私は言いたかったわけですよ。これだけではできないからですよ。 それから、時間がないのですが、いま、統計によりましても、シンナー等の乱用によって補導された少年——補導されない子供たちはまだまだ層が厚いわけですよ。補導された少年が、昭和五十五年で中学生六千八百五人、高校生七千八百五人に及んでおりますし、シンナー等の乱用によっての少年の死者数というものも、同じく昭和五十五年乱用死四十四人、自殺六人にも達しておるわけなんです。しかも、「少年の覚せい剤事犯の補導状況」というものによりますと、昭和五十五年で男千三百九十三人、女子生徒六百三十八人というふうになって、こうしたことが校内暴力あるいは暴走族、女子の場合特に性非行と強い関係を持っているわけでして、まさに、子供だけではなくて親にとってもゆゆしき問題なんだということであります。 私は、役所の人が法を守る、法の条文を改正したがらないその気持ちもわからぬではない。しかし、時代の状況が変わってきた以上は、少なくとも昔はシンナーとか覚せい剤はそれほど話題にならなかった、あるいは昔は青少年非行、校内暴力事件はそれほど話題にはならなかった、だけれども今日は大変大きな話題となっている、どうしてもこれを決着つけなければならないというか、少しでも減少させなければならない時期なんです。ただ一つやったからといって、簡単に解決する問題ではない。学校にも家庭にも社会にもいろいろとつながりを持っているからであります。ただ、少なくとも学校教育としてできる範囲でやることをやらないことの方がきわめて無責任だ。現実にそうした事例が何件もあるし、しかも、警察なり云々というふうなことは本当に氷山の一角でしかないじゃないかというふうなことで、時間でまことに残念でありますが、この問題をこの辺にしまして、文部大臣から再度、こうしたシンナーあるいは覚せい剤使用というふうなものとこの問題解決、それに臨む学校教育、その教育の責任者としての対応をお伺いしたいと思います。——局長じゃない、大臣のお答えを聞きたい。
○高石政府委員 ちょっと法律的なことを申し上げて、大臣のお答えをお願いいたします。 学校保健法施行規則の二十条は、伝染病、いわば病気による場合の出席停止を書いているわけであります。そこで、学校教育法の二十六条、「児童の出席停止」について、「性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、」というその運用のときには、伝染病のことではなくして、その他もろもろ一般のことを含めて教育上他の児童生徒に対する影響があれば出席停止ができるということになるわけであります。したがいまして、シンナーによる乱用者が精神的な異常を来し、他の児童生徒に迷惑をかけるような状態になれば、学校教育法の体系で出席停止を命ずるということは法制上可能になっております。
○三浦(隆)委員 私が言ったのは、学校保健法施行令ですから、後でお読みをいただきたいと思います。 大臣、お願いいたします。
○小川国務大臣 シンナーの害毒の恐るべきことについてるるお述べになりましたが、その点につきましては、私どもも先生の御認識と全く一致いたしておるわけでございます。したがいまして、できるだけこれを早期に発見して治療することの必要性という点についても痛感をいたしておるわけでございますから、もし定期健診によってきわめて的確に、シンナーを常用したことによって身体的な障害が起こっておる、あるいは少なくともシンナーをやっておることが判定できる方法がありますれば、これを検査の項目に加えるのにやぶさかでございません。やぶさかでないという表現は当たらないと思います、即刻これを加えるべきだと存じますが、そのような方法がありません以上、これを検査の項目に加えましても実益きわめて乏しいと考えておるわけで、この点はひとつぜひ御理解をいただきたいと存じます。 あるいは、いろいろな徴候から明らかにシンナーを用いているということが判断できます場合に出席停止ができるかどうかという点につきましては、ただいま政府委員から答弁申し上げたとおりでございます。さような場合には出席の停止を命ずることができるわけでございます。
○三浦(隆)委員 時間でございますのでこれでやめたいと思うのですが、いわゆる公費負担で治療ができるかどうかというふうな問題とか、後ほどもう一度施行令をごらんいただきたいと思っております。 それから、先ほど言った執務記録簿の特記欄の中にそういう条項がもしあった場合には、ちゃんと書いて適切な指導を行うようにというふうな、少なくとも文部省として責任を持って行政指導を行っていただきたい。 これをもって質問を終わります。
○青木委員長 栗田翠君。
○栗田委員 法案の問題で重複するところは避けまして、関連して質問をさせていただきたいと思います。 私は、昨年の通常国会の文教委員会でも、子供たちの突然死予防の問題で、心電図健診について質問をいたしました。続いてその問題について伺いたいと思いますけれども、この心臓疾患の早期発見に、心音それから心電図の健診が大きな効果を上げているわけでございますが、これまでに実施している全国の自治体はどのくらいあるのかということ、また、その際の経費負担はどうなっているのかということをまず伺います。
○高石政府委員 学校保健課の調べによりますと、小学校において心電図検査によって健康診断を行っている学校は五四・六%、中学校においては四九・七%、高等学校においては七三・八%でございます。それで、この実施に必要な費用は、公費で負担しているということでございます。市町村費ないしは都道府県費で負担しているということでございます。
○栗田委員 いま出ましたパーセンテージというのは、全部の市町村をお調べになって出たものですか、それともサンプル的に出した率でしょうか。
○高石政府委員 これは学校を調べておりますので、市町村というよりも学校数でやっております。
○栗田委員 全国的な調査ということですね。(高石政府委員「はい」と呼ぶ) それでは、まだやられていないところがかなりあるわけです。効果はわかっているわけですが、自治体としてなかなかできないという理由は、一つは、心電図健診には財政負担が非常に大きいということがあります。もう一つは、心電図の解析それから判読をやる専門医が不足しているということがあるというふうに聞いております。 ところで、昨年の質問などでも前向きな努力というお答えがございまして、今度五十七年度予算には、国としても心臓健診推進事業ということで、千七百万円新規予算がついておりますけれども、内容を見ますと、これは予算額から見てもわかるように、モデル的に実施する予算であって、まだ全国に実施する予算ではないわけですが、この事業というのは近いうちに全国的に普及できるようにするという方向性を持っていまやられている事業なのでしょうか。
○高石政府委員 今年度、五十七年度からの事業として御指摘のような事業を実施するわけでありますが、心臓健診につきまして、より積極的に取り組んでいきたいというような考え方から実施するわけでございまして、一応三年間を対象の期間に、この方式による調査を実施していくということを考えております。そして、三年のその調査結果を踏まえて、全体的にどういう体制で心臓健診の体制づくりをしていくかということを考えていきたいと思っております。
○栗田委員 結果を見てというお話でございますが、すでに実施している自治体で成果が上がっているということは、もう間違いないわけでございます。去年、私が取り上げた例でも、浜松市、静岡市などで、親も気がつかない、もちろん学校でも気がつかない後天的な心臓疾患が、かなり心電図健診によって発見されているという例が出てきておりまして、これは非常に大切なことだというふうに思っております。 日本学校保健会の学校保健センター的事業報告書、ここにありますが、これを見ましても、その全国的普及の実現を早急に行うことが重要であるということを言っておられまして、こういう内容から見ていっても、子供の命にかかわる問題ですから、可能な限り早く全国で実施できるように考えていっていただくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高石政府委員 全国的な健康診断の体制としてやっていくためには、ある程度時間をかけて、そして十分な体制のもとに実施を制度化していくことが必要でございますので、したがいまして、先ほど申し上げたような段階を踏んで全国的な制度化を考えていく素材にしたいと思っておりますので、姿勢としては前向きに考えていきたいと思っております。
○栗田委員 次に、就学時の健康診断の問題で二、三伺いたいと思いますが、一つは、学校保健法を見ますと、貧血の検査事項というのがその就学時の健康診断の中に書かれておりません。それで、やっていらっしゃるところもあるのですけれども、きちっと位置づけられておりませんので、全部がやっているわけではない。まだやられているところが少ないわけでございます。 ところが、たとえば東京都予防医学協会の調査などでも、子供たちの貧血の調査で要注意者、また要医療者がかなり発見されているという例が出ております。特に、一次的な健診の中で要注意と言われた子供たちを、二次的に静脈から血をとって調べて要医療者も出てきている。しかも耳たぶから血をとったのと静脈から血をとったのでは、かなりその内容が違って、要注意と要医療、必ずしも相関関係がなくて、要注意ですと男の子の方が多いのですが、要医療の方になると女の子の方が多いとか、そういう結果が出ているわけです。 こういうことがずっとあるわけですが、そういう意味で、非常にきちんとした貧血の調査を就学時にやっていって早く手当てができるようにしていく必要があるのではないかと思いますが、この辺はどうお考えになっていらっしゃいますか。
○高石政府委員 貧血の問題は、今日非常に大きな問題とされているわけであります。したがいまして、そういう面で子供たちの発達段階に応じて早期にそういうものをチェックしていけば、子供の健康上きわめて有益であるというふうにも考えるわけであります。ただ、実施のやり方とかそれについては相当研究していかなければならない問題でございます。したがいまして、これらの問題はそれぞれの専門の先生方の意見を十分聞きながら、どういうような形でどうしていくかということを検討してまいりたいと思います。
○栗田委員 しかし、前向きの検討だと思いますが、そうですね。 それでもう一つ、就学時の健診の問題ですが、疾患が発見された場合に、それがどういうものであるかという二次、三次の健診というのは、公的な負担がないわけでございます。熱心な親は、疾患が発見されますと子供を病院に連れていって精密検査を受けたりいろいろいたしますけれども、そこまで認識を持っていらっしゃらない保護者、また経済的に負担できない方というのは、一次で発見されても、二次、三次の精密検査をきちっとやらずにおいているというようなことも起こってくるわけなんですけれども、特に心臓、腎臓、それから側湾症などの場合、いろいろな原因から起こってきているわけですから、こういう二次、三次健診というのは非常に重要だと思います。そこで、教育権を保障するという立場からも、二次、三次健診までスクリーニングの一環として位置づけて公的な負担ができるような方向で考えていくべきではないかと思いますが、この辺はいかがでございますか。
○高石政府委員 就学前の健康診断をやっておりますが、いま話のありました、もう一歩進んだ二次、三次、いわば治療に連動していくような形での健康診断ということが多いわけでございます。したがいまして、現在学校でやっております健康診断は、子供たちの身体の状況について病的な状況その他がないかどうかをチェックしていくということでございまして、治療に連動するような形まで責任を持つ体制で学校の健康診断はやっていないわけであります。したがいまして、どこまでを限界にすべきかと、いろいろ限界はあろうかと思いますが、治療に連動するような形での精密検査、それから治療費、こういうものは本来保護者の負担において処理されるべきものであると考えておりますので、現実の対応として、われわれの学校側での健康診断体制では、いま御指摘のようなことまでできる体制になっていない。むしろそれ以上はそれぞれの医療の専門の機関に行ってチェックをし、検査をして治療をしていくということが必要でございますし、その分については保護者の負担において処理していただきたいと思います。
○栗田委員 財政的な負担もさることながら、もう一つは保護者の認識というものもありますね。ああ病気かというのでそれで終わってしまったというようなことか、そのことを非常に重要に考えて保護者が十分に対策をとっていくことができるかという問題もあります。これは財政問題と絡んでおりますけれども、そこら辺も十分な指導が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。
○高石政府委員 保護者に対する指導は十分していくことが必要だと思います。
○栗田委員 この問題なども、子供が教育を受け続けていくという権利を守っていくためには重要な問題ですので、前向きにまた考えていっていただきたいと思います。 続きまして、子供たちの疾病の発見と同時に、いわゆる異常発達の問題、それから心の病気など、学校医の健康診断だけではちょっと発見できないようなものが重要な意味を最近持ってきておると思います。こういうものを発見していくために大きな役割りを果たしているのが養護教諭でございます。私はこの問題について伺いたいと思いますけれども、養護教諭の全校必置が学校教育法の二十八条で定められておりますが、ただし書き的な百三条がつけられてからすでに三十年たっているわけです。七五%配置ということで計画が立てられ、一応そこまでまいりましたけれども、その後、十二年計画で四学級以上の学校には一人という計画が立っているわけですね。ところで、いまこの計画は足踏みをしていると思います。 そこで伺いたいのですが、現在の配置状況は何%かということ。それからもう一つは、最初六十六年までの十二年計画で四学級以上の学校には全校配置するという計画があったわけですけれども、これは十二年計画最終年には達成できるのかどうか。達成するように取り組んでいかれるのかどうかということを伺いたいと思います。
○三角政府委員 養護教諭の定数上の配置率は、昭和五十四年度において七八%というふうになっております。そうして、ただいま仰せになりました定数改善計画を始めまして、五十五年度と五十六年度におきまして、一年目、二年目分ということで合わせて八百五十五人の改善増を行ったことによりまして、五十六年度における配置率の状況は約八一%、こういうふうになっております。 そういたしまして、第五次改善計画の完成年度における本校に対する養護教諭の配置率というものでございますが、これは四学級以上の学校には必ず一人、それから隣接校なんかの場合には兼務をしていただくというようなことも細かく言えばございます。それから三学級の学校には四校に三人という割合で配置しよう。こういうふうな改善計画でございますので、私どもの見込みでは、六十六年度までにこの十二年計画全体として五千百二十二人の改善増を行おう、こういうことにしております。この改善を行いますと、本校の全体の約九六%に配置される、こういう姿になるわけでございます。 御指摘のように、行革関連特例法によりまして、五十七年度から五十九年度まではこの定数改善が抑制されるということになりましたので、私どもといたしましては、財政再建が軌道に乗りまして、うまくいきました場合は、六十年度以降にこの十二年計画というものに取りかかりまして、当初の予定のとおりに全体計画を達成したい、こういうふうに思っているのでございます。
○栗田委員 当初の予定どおりにというお答えでしたが、ちょっと気になるのは、財政再建がうまくいきました場合はとおっしゃいましたが、それは六十年以降という御発言にかかっているわけですね。当初の予定どおり、六十六年に達成するという点は不動のものだと考えていいのですか。
○三角政府委員 ただいま財政再建ということで政府全体として取り組んでおるわけでございますから、それが達成されるということは至上命令でございます。
○栗田委員 至上命令ですので、それは六十年以降は、達成されるものとして、あとは計画どおりやっていくということですね。
○三角政府委員 そのように考えております。
○栗田委員 一〇〇%配置はいつごろになるのでしょうか。
○三角政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、一学級とか二学級とか、そういう非常に小規模の、少数の学校については、今回の計画ではそこまで見切れておらないわけでございます。ただ、果たしてそこまで全部必ず一人の養護教諭がいなければ学校保健の目的達成上どうにもならないかどうかというようなこともございますので、これは今回の計画を達成した後の課題として検討してまいりたい、そういうふうに思います。
○栗田委員 それで伺いますが、先ほどからも何人かの方の御質問に出てきておりましたけれども、最近、子供の心や体に以前には余りなかったような異常な状態が見られるという報告がしばしばされておりますが、文部省としてはそれをどう御認識になっていらっしゃいますか。
○高石政府委員 まず体の面から申し上げますと、骨折しやすい子供が多くなっている、扁平足の子供が多くなっている、それから背筋力が昔に比べて低下をしているというようなことが、体の面で、いわば現代的な生活環境の変化、食べ物の変化、そういうことによって新しいものがふえているということであります。 心の問題は、いろいろな問題があろうと思います。子供の幼児期からの教育、しつけの中で、ややもすると過保護な中で育っている、その子供たちがいろんな事件に遭遇し、いろんな失敗に出会って、くじけていくというような問題、そしてそういう問題について悩みを持つというような子供がふえているのではないかと思います。
○栗田委員 事実、発育のゆがみと言えるような問題だとか、最近はやり言葉になりましたが、総じて心身症と言えるような状態だとか、それから昔だったら成人病と言われていたような症状が子供にも非常に増大しているというようなこととか、私なども聞いているわけです。こういう状態の中で、いまや養護教諭の出番であるという声が関係者の中にあるわけなんですね。 それはなぜかということなんですけれども、たとえば脊柱側湾症の問題を見ますと、文部省は四十九年に学校保健法の一部改正をしておられます。それから、その後五十二年に通達を出していらっしゃいますね。ところが、このような通達が出されるすでに四年ぐらい前に、いろいろな養護教諭の集会などでこういう問題が報告をされてきているわけです。いわゆる疾病とはすぐにはつながらない、けれどもどうもおかしいという問題。こういうものの発見というのは、子供を絶えず観察し続けている教師や特に医学的な立場も含めて見ている養護教諭などによって多く発見されているというふうに聞いております。また、当然なことだと思います。 たとえば、さっき申しました通達が出されるよりも四年ぐらい前に、高知で開かれました全国養護教諭サークル協議会の第五回集会でこの問題が報告されているのです。この発見をなさった養護教諭さんは、ただ見つけて気がついたというだけではなくて、さらに背骨の曲がった子供たちの写真を撮って、それをスライドにして先生や子供や父母に見せているわけです。これは大変なことだと親ぐるみ、子供ぐるみに教えまして、そして矯正のためにいろいろと取り組みをしているという報告がされてきました。 こういうのを見ますと、養護教諭が常に学校の子供たちと一緒にいて、父母や地域ともつながって、もちろん子供の自覚も高めるという立場で活動していくということは、いまの発育のゆがみなどを正していく上には非常に大切な役割りを持っていると思いますが、その辺、大臣どういうふうに評価なさいますか。
○小川国務大臣 養護教諭は、児童生徒の健康の維持増進という観点からはもとより、個々の生徒と心の触れ合いを維持する、このことは当面の学校教育の上での一つの喫緊の課題として指摘されておるわけでございますが、そのような観点からも非常に大事な役割りを担っておると考えております。
○栗田委員 校医の先生ではちょっと果たし得ないような違った面の役割りも持っていらっしゃるわけですね、絶えず子供と一緒にいますから。そういう意味では、いろいろな例を私は聞いております。 たとえば愛知の養護教諭さんなんですが、「今週の保健室」というのを毎週発行しまして、そして気がついたこと、子供たちが保健室へ来た状態などを先生たちの中にニュースとして毎週出したわけですね。それで、先生方の子供の健康に対する認識というのがだんだん変わってきて、中には月曜日になると「今週の保健室」を見て、そしてクラスの子供に健康指導をする先生があらわれたり、同じような子供がうちのクラスにいるのだけれどもどうだろうかという相談が養護教諭のところに受け持ちから持ち込まれたり、こういうことがだんだんにされてきたという例などもあります。 それから三重県で、父母向け保健便りをほぼ日刊で出していらっしゃる養護教諭さん。これは、それこそ日々保健室に来る子供の状態を父母にまで知らせて、結局父母からの意見要望、中には子供の感想までもそのお便りに載せるようになって、そういう意味でも生活改善まで含めた取り組みをしていらっしゃる例。それから体の調査に学校ぐるみで取り組んだ和歌山。 立川の第八小学校は、生活のリズムづくりということを養護教諭の主導でやっているそうですね。これなんかは、養護教諭さんがやはり保健室に来る子供を見ていて、頭が痛い、おなかが痛い、何だかだるいとか、いろいろ来るのですがどうも病気ではないらしい、そういう子供についていろいろと質問をして様子を聞いておられた、その蓄積なんです。朝御飯を食べてきたかとか、きのうは何時に寝たかとか夜はテレビをどのくらい見たのか、放課後は外で遊んだのか、何をしたのか、塾ばかり行っていたとか、そういういろんなことです。朝食べてもコーヒーだけだったとか、そういう状態を克明に書きまして、これは生活のリズムが崩れているために子供はかなり不健康な状態になっているということで、学校ぐるみ、親ぐるみのリズムづくりということに取り組んでいらっしゃる例なども聞きまして、私はこれは大切なことだなというふうに思いました。 それから、これは近代的な、近代病というわけでもないのですが、中には、視覚障害者の学校、盲学校の養護の先生なんですけれども、御自分がスキーにいらっしゃるとき、いつも視覚障害者の卒業生を二、三人連れてスキーに行っていたら、目の見えない子供でもスキーができるということに確信を持ったのだそうですね。それで父母と話し合って、そうしたらお父さん、お母さんも、たとえ障害を持った子供でもスキーなどのスポーツをやらせたいという切実な願いを持っていたことがわかった。そこで何とかやってみようじゃないかということで取り組むわけですね。視力障害児をスキーに誘うということで呼びかけまして、その費用を捻出するのにバザーを開いたら、町ぐるみの取り組みになって、先生、父母はもちろんですけれども、近所の薬屋さんから花屋さんから靴屋さんからハンドバッグ屋さんまでもいろいろとバザー用品を提供してくださって、大変なお金が集まった。それで子供をスキーに連れていったという例なんですね。そうしたら、蔵王に行ったのですが、蔵王の山荘の従業員も協力をして、山の上から大かかしをつくったのを届けてきて、目の見えない子供がそのかかしにさわって大変感動した。それから、スキー指導をすることになった全国勤労者スキー協議会の会員は、自分がみずから目隠しをしてコーチの練習をして講習をしたとか、そういう全国的な取り組みにまで広がって、目の見えない子供が本当に雪の感触、自分がスキーをやったという喜びに感動したというような報告なども私は聞いておりまして、私自身感動いたしましたけれども、これも養護教諭の取り組みから始まったわけですね。こうして考えていきますと、いま子供のいろいろな異常な状態ということを正していく上でも、養護教諭の役割りというのは本当に大事だと思います。 それから、特にカウンセラーとしての役割りをこのごろ養護教諭が果たしていらっしゃる。保健室は学校の駆け込み寺だという言葉があるぐらいで、学校の受け持ちの先生、教科の先生にいろいろ言いますと成績につながるというおそれがあるわけですが、保健室の養護教諭なら直接成績評価に関係がないという安心から、子供が心の悩みまでも訴える、これが子供の支えになっているというたくさんの例が出てきております。非行の芽がいま問題になっていますけれども、この子供の非行の芽を早くつんでいくという上での健康面、生活のリズムづくりという面で養護教諭の果たしている役割りというのは本当に大事だと思います。 大臣、さっきも大事だというお話なさいまして、御見解をおっしゃいましたけれども、このような実践例をお聞きになりますと、なおこれは大切だというふうにお思いになると思いますが、いかがでしょうか。
○小川国務大臣 まことに承って感動を禁じ得ない、よい話を聞かせていただきました。繰り返しになりますが、養護教諭の果たす役割り、これからますます重きを加えると考えておりまして、一層の研さんと、かつ御活動に期待をいたしておるわけでございます。
○栗田委員 私は、そういう意味でも養護教諭の全校配置というのは大変必要だと思うのですね。それで、本校にはということを言われますが、本校にまず配置するという優先順位が果たしてよいのか。本校の大きいところにいないというのはまた困りますけれども、そういう意味でも、いろいろ私は問題も感じるわけです。やっぱり分校まで含めて全校必置の立場で早急に取り組む必要があるのではないかと思うのです。 たとえば僻地での養護教諭の役割りなんですけれども、五十七年度予算で養護教諭の増加分ゼロになりまして、そのために、いま異動の時期ですけれども、新設校ができた地域で、いままで小さい学校に養護教諭が置かれていたのが新設校に異動されていままでいたところがゼロになっている例が各地に出始めております。ところが、僻地の養護教諭さんの果たしている役割りというのも大変大きいのですね。たとえば、東北などの農村、僻地の養護教諭さんの話を伺いますと、まず子供の顔色を見ます、出稼ぎに出て、子供とおじいちゃん、おばあちゃんが留守番していて、お年寄りが子供の細かい健康にまで気を配ることができない状態になっているとき、出稼ぎの留守をしている子供たちの健康の守り手は養護教諭なのだという立場で、子供のいろいろな状態を心配して見ているという話や、それからこれほど物が豊かになってきたと言われている時代ですけれども、いまだに学校給食が一日の中の唯一の最大の栄養補給源になっているようなところもあって、そういうところで養護教諭さんが本当に安く、いかに子供の栄養ということまでも考えて努力をしていらっしゃるかという例だとか、それから山の分校なんですけれども、四、五メートルの雪の中の中学校なんかですと、病気になったときに雪をかき分けておりていくことができない、そこにどうしても養護教諭が要るのだというお話。それから、地域住民からも期待されていて、ある方の話では、僻地に赴任して二年間、夜ほとんど満足に寝られなかった、お産の介助まで頼まれて呼び出されるけれども、それが地域にとって期待が大きいということでがんばってきたのだという話なんかも私は聞きまして、僻地の養護教諭というのは実に大切だ、本校必置ということで僻地が二の次になってはいけないと思います。 もちろん文部省としては、無医村それから離島、僻地などには特別の配置をということでの配慮もしておられるようですけれども、ちょうどその中間にあるようなところ、必ずしも無医村ではない、しかし非常に離れているとか、そういう中間的なところの小規模校にも養護教諭というのは必要だと私は思っております。そういう意味での僻地の全校必置という立場、その方向に向かって努力をしていただかなければならないと思いますが、大臣、この僻地の話をお聞きになってどうお思いになりますか。
○小川国務大臣 先ほど政府委員からお耳に入れましたように、第五次改善計画におきまして五千人余りの増員を行うことになっておるわけでございます。まことに不本意な現状でございますけれども、財政再建期間終了の後に、目標年次までに九六%配置という目標を達成できますように、できるだけの努力を払うつもりでございます。
○栗田委員 そういう方向でぜひ御努力をお願いしたいと思うのですが、同時に、いま申しましたのは九六%の残りですね、四%というのが小さなところなんですね。小規模校が残されるわけですから、人数が少なければ兼務でやればいいじゃないかと言うのですけれども、なかなか兼務というのも大変だというアンケートがたくさん来ております。八キロも十キロも離れたところに兼務で行くのでは目が届かないし、一週間に一度では間に合わない、そういうところこそいま養護教諭が必要だと痛感するといったようなこと、それから子供の体のぐあいが悪いときに連れて山をおりてくる先生がいないというような状態なども、その兼務をしていらっしゃる養護教諭、養護助教諭のアンケートでたくさん出ておりまして、残りの四%ですね、九六%の残りの四%も早急に埋める必要があると私は思って伺ったわけでございます。いかがでしょうか。
○三角政府委員 私どものただいまの計画では、先ほど御説明申し上げましたように、まず四学級とかあるいは三学級の学校に養護教諭を配置していきたい、こういうことで、いまおっしゃいました九六%という計画をできるだけ円滑に実施していきたい、こういう考えでございます。そういたしますと、一学級とか二学級の学校の問題になるわけでございまして、もちろん、先ほど来御指摘のように、私どもとしてもこれについては考えていかなければいけないと思いますが、ただ、一学級の学校というものを平均をとりますと、小学校では児童数は二・九人の学校でございます。中学校は四・三人。それから二学級の小学校は平均で七・二人、中学校で十二・五人、こういう規模でございますので、やはりそこに必ず一人ずつの養護教諭を置くということは、いろいろな観点から考えましていま計画については十分慎重に検討する必要がある、こういうふうに思うのでございます。 なお、僻地の学校でも、中には学級規模の大きい学校もございます。私どもの定数配置の基準というのは、あくまで県に対してそれを配置するという一つの基準でございますから、僻地の学校でも、学校規模あるいはその子供の状況等に応じまして県の判断で養護教諭の県内の配置は決めていただいて結構なわけでございますので、その辺は具体的にはいろいろと実情に応じた配慮を県の教育委員会でやっていただいて結構だ、こういうふうに思っております。
○栗田委員 たとえ二・五人でも、六人か七人でも、子供の命はやはり大切ですから、人数だけで考えてはいけないと思います。財政の問題もありますので、計画の順序というのはあると思いますけれども、しかし最後までごく少ないところは置かないでいいのだということではないですね。 時間がなくなりましたので次に移りますが、定時制の問題です。 高等学校の定時制に配置されていない場合が非常に多いです。たとえばこんな例を私聞きましたが、新潟県の栃尾市、これは織物の町で、定時制が三交代だそうです。結局織物を三交代でやっているので、そこに勤めている子供たちが定時制に来ている例が多くて、やはり三交代だ。午後一時から十時まで仕事をする子供は午前中登校してきて、それから午前五時から午後一時まで仕事をする子供が午後登校してきて、あと普通の夜の定時制もあるという三交代だそうです。ここの養護教諭さんは、普通高校と附属した定時制と両方やっていらっしゃるものですから、月に二、三回は午前八時から夜の八時ぐらいまで勤務しているそうです。定時制の子供の相談だって受けなければならないし、健康の責任も持たなければならないということでそういう勤務をしていらっしゃいますし、ふだんの日も夜番の子供がちょっと来て相談をしていくぐらいまではとにかくいなくちゃならないというので、六時過ぎまでは必ずいるというお話でした。 こういう努力をしていらっしゃる養護教諭がいらっしゃるのです。ところが、結局定通手当というのは校長先生には出るけれども、養護教諭には出ていない。しかも両方持っていますから、いろいろな調査などの資料はふろしきにくるんで持って帰る、ふろしき残業をしているという話でしたけれども、そこまで努力して定時制の子供たち、本当に働いている子供たちの健康を守らなければならないということで一生懸命やっているというお話がありました。定通手当をぜひ出してほしいという要望があったのですけれども、文部省ではこういう昼間の全日制と定時制を同時に兼ねている高校の養護教諭さんの場合、こういう実態の中でそういうことへの御配慮は考えていらっしゃらないでしょうか。
○三角政府委員 定時制高校の養護教諭でございますが、これは定時制高校に本務の養護教諭として発令されて勤務されておる場合には定通手当が支給されるということになっております。
○栗田委員 わかりました。そういうふうに発令させていかなければいけないわけですね。定時制に養護教諭がいなくて全日制にはいる、しかし定時制の子供のめんどうをどうしても見ていく必要があるという場合、それじゃ発令させていく必要があるわけですね。いかがでしょうか。
○三角政府委員 ただいま定時制高校の養護教員数というのは本務で三百八十六人、それから全日制が本務で定時制兼務というのは十八人ぐらいおるわけであります。本務である限りは定通手当というものが支給されております。
○栗田委員 質問に答えてくださいますか。
○三角政府委員 その十八人の方は支給されておらないのです。ですから、栗田委員がいまおっしゃっています具体の方がどっちに入っているかということで、十八人の中に入っておれば支給されておらないと思います。
○栗田委員 私が伺っているのは、定時制に養護教諭がいなくて、発令されていないわけですね。しかし、同じ学校の中に定時制がある。子供たちが通ってくる。しかも働いて疲れて通ってくる子供たち、それを養護教諭さんがほっておけずにめんどう見ているわけですね。相談も受けている。それではその場合、なしにしておくのか、それならば兼務を発令すべきではないかということを言っているわけです。
○三角政府委員 御指摘のようなケースは、やはり勤務の態様を考えまして、県の教育委員会がそれに相応した発令の仕方をすべきである、こういうことでございまして、まさにその具体的なケースがどうだということを私の立場でちょっと申し上げかねるわけでございます。 それから、一般論でございますけれども、勤労者として定時制の生徒として学習に来る場合には、勤労の場における健康管理というものもあるわけでございますので、学校での健康管理乙勤労の場での健康管理と、これはお互いに持ち分、持ち分で連携をし合ってやっていくということでございまして、普通の学校での健康管理とは若干位置づけが違ってくるのではなかろうか、こういうふうに思います。
○栗田委員 時間がなくなりまして、大事なところで残念なのですけれども、しかし教育現場でありますから、一般の職場で健康管理しているからといって済ませない、そこは教育現場としての配慮は必要になってくるわけで、定時制への配置というものはどうしても必要だと私は思います。 あと大規模校への複数配置の問題、それから養護教諭を養成していく問題など伺いたいと思っておりました。二千人もいるような大規模校で一人なんという例がありまして、それがいま地方の努力でずいぶん改善はされていますけれども、子供の数が二倍になると仕事が四、五倍になるというお話です。それから、たとえば東村山の中学校だと、一日に三十人ぐらいも保健室にいろいろ子供たちが来る、こういうような状態の中でいま数をふやす必要があるという問題など提起しておきたいと思います。 では、残念ですが、途中になってしまいましたが、大臣、最後にこういう実態の中で、特に子供たちの非行が問題になっているときに健康の面から本当に子供を守っていかなければならないということで、厳しい財政事情であり、行政改革の中で予算が削られている文部省の実態ですけれども、ぜひ養護教諭の全校必置に向けて最大の努力を子供のためにしていただきたいと思いまして、最後に御決意を伺って終わります。
○小川国務大臣 私どもが養護教員の果たしております役割りというものをきわめて高く評価しておりますことは、先ほど来お耳へ入れたとおりでございます。何分財政再建期間中でございますから、私ども、できることにはきわめて狭い限界があると存じますが、あとう限りの努力をいたしてみたいと考えております。
○栗田委員 それでは終わります。
○青木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○青木委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○青木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○青木委員長 次回は、来る七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十五分散会