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96回国会衆議院1982/05/13

農林水産委員会 第21号

発言数
81
登壇者
13
会派数
3
開催日
1982/05/13

会議録

羽田孜自由民主党

○羽田委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 この際、公労委が去る八日に提示をいたしました全林野及び林野庁に対する新賃金に関する仲裁裁定について、大臣の御見解を承りたいと思うのです。  まず一つは、公共企業体等労働関係法第三十五条でありますが、これによりますと、「委員会の裁定に対しては、当事者は、双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならず、また、政府は、当該裁定が実施されるように、できる限り努力しなければならない。」とされております。林野庁は当事者として当然完全実施の義務を負っていると考えるわけでありますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 仲裁裁定につきましては、公労法第三十五条、ただいま御指摘の精神を踏まえまして、十二日に実は関係閣僚会議がございまして、その折にも私の立場を明らかにしてまいりましたし、今後、十四日にまた関係閣僚会議がございますので、私は、政府部内において慎重に検討してまいりたい、かように考えております。     〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いまお話にございました関係閣僚会議では、他閣僚の中でもとりわけ田澤農林大臣の発言が積極的であったというふうに私どもは仄聞をいたしているところであります。慎重御検討というのはどういうことを意味するのか私はわかりませんが、少なくとも公労法第三十五条において、当事者の服従義務と政府の努力義務が定められているということについては、積極的な御発言をされた大臣としては、これを正確に遵守される、あるいは履行される、こういうお考えであると受け取ってよろしゅうございますか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 公労法三十五条の精神を尊重して、今後慎重に対処したいということでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私がお尋ねしているのは、政府の努力義務、服従義務という当事者のこの法に定められた考え方は、正しくこれを履行するということが義務づけられていると言ってもいいわけであります。したがいまして、この点に対して、積極的な立場で処理される、こういうふうに受け取ってよろしいかということを、再度お尋ねをしたいのです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 公労法三十五条は、申し上げるまでもなく、いま御指摘のように「委員会の裁定に対しては、当事者は、双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならず、また、政府は、当該裁定が実施されるように、できる限り努力しなければならない。ただし、公共企業体等の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とする裁定については、第十六条の定めるところによる。」こういう規定になっておりますので、これ全体の精神を私は尊重して、これから対応したい。もちろん、その前段の、ただいま御指摘の内容については、農林水産大臣としては当然それを考えていかなければならない問題、尊重していかなければならない問題だと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ところで、昨年の仲裁裁定の実施に当たりまして、政府は予算上、資金上不可能として公労法第十六条、つまり十六条では、資金の追加支出に対する国会承認の要件があるわけでありますが、これを発動されました。議決案件として国会に付議され、昨年十月二十九日の本会議で可決ということになったわけであります。  公共企業体等労働関係法第三十五条、繰り返して申し上げるわけでありますが、ここに言うところの実施努力というのを昨年はどのように行ったのでしょうか。また、あわせて、ただいまの御発言に関連して、本年についてはどのように努力をされようとお考えになっているのか、その点をお聞かせいただきたい、こう思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 五十六年度の仲裁裁定につきましては、企業努力によりまして、極力経費の節減に努めました。そして、既定経費の中で移流用を行うことによりまして、予算に計上されている給与改善費を上回る仲裁裁定の所要額につきまして、これを充当いたしまして実施してまいったところでございます。  今回の仲裁裁定につきましては、ただいま大臣が申し上げたとおり、公労法第三十五条の精神を踏まえつつ対処することといたしまして、現在、政府内部におきまして慎重に検討中でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 昨年の仲裁裁定は、結果として見れば、既定経費の中で実施された、いまの御説明ではこういうことになるわけであります。したがって、結果から見ますと、昨年国会に付議をしたという政府の判断は、実は、誤っていたということにもなるわけであります。これによって、仲裁裁定の実施が七カ月以上もおくれましたね。関係者は非常に迷惑をいたしましたし、そのことによって労使関係にも影響を及ぼす、こういうことになったわけであります。私どもは、昨年の国会議決という問題は、そういう実態的な点を十分見通してやるべきであって、単に嫌がらせとも思えるようなそういうやり方というのは、諸般に及ぼす影響が少なくないだけに決して好ましいものではないという判断を持っていたところ、であります。ぜひことしはこうした点を十分見通しながら、昨年と同じようなことにならないように、これはもう即時完全実施ということに踏み切るべきである、こういうふうに考えていますが、昨年の反省を含めてひとつお考えを聞かしていただきたい、こう思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 今回の仲裁裁定につきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、公労法第三十五条の精神を踏まえつつ現在、これに対処するということで慎重に検討中でございます。精神を十分踏まえてやりたいと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ところで、大臣、いまの点で、私は昨年のことに触れたわけでありますけれども、関係閣僚会議等では他の関係する大臣もいらっしゃるわけでありますが、そのことによってそれぞれの省庁の対応の仕方というのは違っているわけですね。たとえば、林野庁なら林野庁はいまの御説明のように昨年は既定経費の中で何とか払うことができた。それができない省庁もあるかもしれません。この点についての閣議におきます御発言というのはどのような御発言があったのでしょうか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 閣議の内容については、いま申し上げるわけにまいりませんけれども、それぞれの省庁においてやはり三十五条の精神は尊重しなければならない。しかし、財政当局から見ますというと非常に厳しい状況にあるので、果たして完全実施はできるのかどうかという考えも出ておりますので、そういう点は今後、この関係閣僚会議で慎重に処理をしていかなければならないということなのでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私は、関係閣僚の所管する省庁において事情はそれぞれ違っているということが言えるだろう、こういうふうに見ております。しかし、農林省の場合は昨年のやり方でやれるという見通しも一つはあるのではないか、こう思うのです。そうしますと、全部足並みそろえていかなくてもいいという場合だって起こり得るのではないか、それでもなお、それぞれの事情を勘案せずに一律に足並みをそろえた実施の方法を考えるというのは不合理だ、私はこう思っているのですが、この点のお考えはいかがです。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 現在、私ども経営改善に鋭意努力しているところでございます。また、年度始まりまして間もない段階でもございまして、これからの五十七年度事業に相当厳しい内容を踏まえて私ども対処していかなければならぬという実態がございます。したがいまして、私どもは、先ほど申し上げましたとおり公労法第三十五条の精神を踏まえながら、現在、政府内で慎重に検討しておりますので、この厳しい中でございますが、十分今後慎重に検討してまいりたいと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 第二臨調がいろんなことを言っておりまして、行財政改革に関連いたしますかしましい議論も沸騰しているところであります。新聞もまた盛んに国鉄、林野というものを俎上に上げましていろんなことを報道いたしておるわけであります。赤字の国鉄、林野の賃金を抑制せよなどというような意見も新聞で出されているところでありますが、しかし、国有林野事業の特別会計というのは、単年度収支における赤字というのは、昭和三十年代における乱過伐といいますか、これによって森林資源が減少した、また、新しく公益性というものを考慮した森林施業によって木材の販売量が近年縮小し減少している、これに伴って当然のことながら収入額が、将来の国民の財産としての森林造成のための投資額を下回るということによって、今日の事態が生まれているということが言えるわけであります。しばしばこの委員会においても、国有林あるいは日本の山というものを考えます場合の長期的な、つまり国家百年の計というものをわきまえたそういう企業的な運営というものが必要であるということが各委員からも指摘をされてまいったところであります。ですから、一般的な企業赤字と林野の今日的な赤字というものを同一に論ずるというのは必ずしも適当ではない、むしろ私はそれは誤りであるということもしばしば指摘をしてきたところであります。国鉄とよく一緒にされるのでありますけれども、しかし、林野の場合は、ここ十数年何とかがまんをしそして経営の改善を図っていけば、資源としてはりっぱにあるわけでありますから、単年度であるいは近視眼的に赤字という問題を論ずるということは、国家百年の大計という立場から言いましても、あるいは実態的な現実的な山を見る立場から見ましても、これは重大な矛盾になり、また、誤りを犯すことになりかねません。ましてや、この現実的な赤字を口実にして法律できちっと規定されております仲裁裁定の完全実施にさえも難色を示すということは、大変問題ではないか、こういうふうに私は思うのです。  また、いまもお話し申し上げましたが、林野庁は五十三年度から国有林野事業改善特別措置法、特措法によりまして改善計画を推進しているところでありまして、今日までの間においても労働組合の協力がありましてその成果を着実に上げている。こういう努力をしているさなかでございますから、先ほども指摘いたしましたように、仲裁裁定の取り扱いというものを誤りますれば、労使関係がまたまた悪化をするというようなことにもなりかねません。したがって、改善計画の推進に支障を来すということにもなるわけでありますから、この点を踏まえますと、仲裁裁定の即時完全実施というのは、改善計画推進上、あるいはまた、国有林の今後の事業の見通しから言いましても、ここに少なからざる影響を及ぼすということになりますので、ぜひひとつ農林省としてはこの林野の仲裁裁定の完全実施というのは他の省庁に先駆けてもやるべきだ、こういうふうに重ねて私は主張したいのですが、お考えをお聞かせいただきたい、こう思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、私ども五十三年に御審議いただきまして成立を見ました国有林野事業改善特別措置法に基づきまして、職員一丸となりまして経営改善に努力をしておるわけであります。財政上非常に厳しい中でございますが、先ほど来、大臣も私も申し述べておりますとおり、公労法三十五条の精神を踏まえまして現在慎重に対処しておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そういたしますと、職員の給与に差をつけるということはしない、こう理解してよろしゅうございますな。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 先ほど述べましたように、ただいま経営改善につきまして職員一丸となりまして鋭意努力を払っているわけでございます。そういう中でございますので、当面の経営状態によって職員の給与に差を設けるということはやはり基本的に望ましくないと考えておりまして、今後、国有林野事業の財政事情の推移も見ながら慎重に対処したい、かように考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 後段のところが私はちょっと気に入りませんな。  国有林野事業の財政事情の推移を見ながらといまおっしゃったのでありますが、重ねてお尋ねしますが、当面起こっている経営状態というものによって、職員の給与に差をつけるということは望ましくないとおっしゃったのでありますが、つけない、当面の財政事情を考慮しつつなどといったようなことではなくて、きちっとやりますよ、こういうふうにおっしゃったと受けとめてよろしゅうございますな。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 重ねて申し上げて恐縮でございますが、現在、まだ事業が出発した段階でございます。したがって、さっき申し上げましたように、この職員の給与に差を設けるということは基本的に望ましくないというふうに私ども理解しています。したがって、今後の国有林野事業の財政事情はやはり十分踏まえなければいかぬわけでございますので、そこも踏まえながら、現在慎重に検討をしておるわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ところで大臣、去年のような、つまり林野だけの意味ではございません。国会付議事項、こういったようなお考えに立たずに仲裁裁定の即時完全実施というお考えに立たれておると考えてよろしゅうございますな。(田澤国務大臣「ちょっともう一回、済みませんが」と呼ぶ)私は、即時完全実施ということを要請しているわけでありますが、ぜひそれを御実行願いたい、こう思っていますが、お心構えを聞かせてほしい、こういうことであります。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 農林水産大臣としては、やはり先ほど来申し上げておりますように、公労法三十五条の精神というものを尊重していかなければならない、当然なんでございます。しかしながら、財政の面から言いますと非常に厳しい状況にございますので、そういう関係から関係閣僚会議でいま鋭意検討いたしておる段階でございます。先ほど申し上げましたように、十二日に関係閣僚会議をやり、十四日にさらに関係閣僚会議が開かれるわけでございますが、私としては三十五条の精神をできるだけ尊重してこの対応をしたい、かように考えておるのでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 この際、私は希望を申し上げておきますが、関係閣僚会議の中でとりわけ田澤大臣の姿勢がきちっとしていた、こういうふうに承っております。ぜひあなたのお考えで他の関係閣僚も十分リードされるという立場で積極的な御推進を賜りたい。このことを最後に強く御要請申し上げて、私のこの件に関する質問を終わりたいと思います。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員長代理 次に、田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私は、いま相当大詰めにきたのではないかと言われております農産物の自由化の問題につきまして、現時点における特に農水大臣の取り組み、御決意のほどを篤とお伺いをしておきたいと思うわけであります。  過般、ジュネーブでの日米政府間の非公式の話し合いも持たれたようでありますが、現段階における対米、対ECのサミットをにらんでの自由化問題についての政府間の話し合いの状況はどういうふうになっておるのか、まず、その状況をお知らせをいただきたいと思うわけであります。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。  日米間の農産物の貿易問題をめぐるやりとりの状態は、一番最近の時点で行われました協議の機会が、先生ただいま御言及なさいました五月五日にジュネーブで行われました協議でございます。  これは、日本側からは私と外務省の深田経済局長が出席をいたしました。アメリカ側からは通商代表部のマクドナルド大使と農務省からロドウィック次官が出席をいたしました。この席上行われました議論は、先般の四月十二、十三の両日、ワシントンで行われました農産物の輸入制限に関する日米の作業部会の段階で米側が述べた態度、すなわち、二十二品目の完全自由化要求と、それからガットの紛争処理手続に訴えることを辞さずというアメリカの態度が、その後いかなる変化を生じているのであるかということを確認をする、その確認をした上で今後の協議の枠組みなり段取りなりを相談をするということを主眼にして行われたものでございました。  その五日の協議の席上、日米間の議論のやりとりはいろいろございましたが、ともかく、アメリカ側としては完全自由化という基本方針を放棄するわけにはいかないけれども、日本側がサミット前のいわゆる第二段階対策の中で、農産物について一定の措置を講じてもらえれば休戦ということが考えられないわけではない、それは、日本がどういうことをやってくれるのであるかということを日本から提示してもらうのが先決であるという話と、それから日本側のポジションとして、第二段階対策について何か検討をしようとすれば、まず、アメリカ側が自由化要求、ガットの紛争処理手続という問題について休戦の意思表示をすることが先決であるという日本側の立場とが相対峙し合ったという状態になっておるわけであります。そこで、そういう双方の立場が相対峙し合っているという状況の中から脱出をして合意に至る道を模索するために、米側においては休戦の条件というものを検討する、日本側としては休戦が行われるとすればどういうことができるかということを検討する、それぞれの検討結果を持ち寄って再度協議をしようということになりました。その再度協議の日取りは未定でございますが、米側は十八、十九の両日サンフランシスコで行いたいということを言ってまいりましたが、十八、十九というのは早過ぎる、日本側はそういう時期では準備ができないということで断ってございます。これが日米間の折衝の近況でございます。日EC間にはいまのところ特段の動きはございません。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 もう少しお尋ねしておきますが、休戦の前提があればわが国が何かを考えてもよろしいというように承ったわけですが、その休戦というのは一体どういうことなのか。たとえばアメリカがいまガットへ提訴をしていくということをわが国に言ってきておるわけですが、このガットへの提訴を取りやめるとか、あるいは自由化ということを日本に迫ってきておるのだがそれはやめるとか、そういう意味になっておることなのですか。休戦とは一体どういうものなのですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 休戦ということで私どもが念頭に置いておりますことは、ある一定期間IQの撤廃を要求することを差し控える、したがって当然のことながらその期間はガットの紛争処理手続に訴えるということもない、そういう状態がある期間続くということを指して休戦と言っておるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 そうすると、一定の期間残存輸入制限の撤廃を差し控えるということであれば、わが国はアメリカ側の要望するもの、たとえば、輸入枠の拡大であるとか輸入手続の簡素化であるとかあるいはいま言われておる関税の大幅引き下げであるとか、こういうような問題について、対米貿易の各品目について何らかの対応策を考えざるを得ない、こういう状態に立ち至っておるというように理解してよろしいですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 現状におきましては、アメリカ側はまだ休戦の意思表示をいたしておりません。先ほど申し上げましたのは、アメリカ側が休戦をするとすれば、日本側としてどういうことがやれるかということを検討してみるということでございまして、その前段の仮定の部分がまだ実現はしておらないわけであります。したがいまして、私の申し上げておりますことは、アメリカ側が休戦に応ずるとすれば、そういう休戦の前提に立って何かやれることがあるかということを検討してみる、そういう立場にいるということでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 アメリカ側が休戦をするかしないかということはわからない。しかし、いまのお話によると十八、十九日にはアメリカで第二回の話し合いをしたいという向こう側の要望も届けられておるようですが、その際には、わが国の対応策というものを持っていかなければいけない、向こうも同じように休戦の条件を持ってくる、こういうことになるわけですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 そういうことでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 通産省お見えになっておりますね。通産省にお尋ねをいたしますが、本年の一月から三月の対米貿易の貿易収支はどういうふうになっておるか。簡単でいいです。

鈴木孝男通商産業省通商政策局通商企画調査室長

○鈴木説明員 お答えいたします。  本年の一月から三月、いわゆる第一・四半期の対米貿易の収支インバランスは、通関統計ベースで三十億ドルでございます。これはアメリカ向けの輸出が対前年同期比で八%、これは昨年は大体二〇%近くでございましたから、そういう意味では伸び率は鈍化しておりますが、一方、輸入の方がマイナス六・五ということで、輸入の停滞もございまして一−三の収支じりは三十億ドルの日本側の黒字という形になっております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 多少違うということは、何かとり方で違うということを聞いておったのですが、四月二十八日の日経によりますと、アメリカ商務省が四月二十七日発表した三月の米国の対日貿易収支は十九億ドル台の赤字で最大、一−三月は五十二億五千万ドルだ。だからいまの三十億ドルとは二十上億五千万ドルも違うわけですね。それからこの原因は、日本への輸入、アメリカから言えば輸出でありますが、これもふえたけれども日本からの輸入、日本から言えば輸出でありますが、それが非常にふえたからだ、こういうふうに数字も載っておるのですが、これはちょっと違うのですか。

鈴木孝男通商産業省通商政策局通商企画調査室長

○鈴木説明員 ただいま私の方が述べましたのは日本の通関統計でございまして、日本の輸出はFOB、アメリカからの輸入はCIFという形でございます。先生おっしゃいましたのはアメリカの商務省の方の発表でございまして、これはちょうど逆になりまして、アメリカの方から見ますと、アメリカのいわゆる日本向けの輸出はFOBに近いFASという形、それからアメリカの輸入、日本からいきますとアメリカ側への輸出はCIFという形でちょうど逆になっております。運賃とか保険とかそういうものが一割くらいございますので、その差が出てきておるわけでございます。  ちなみに、昨年は日本側の統計ですと百三十億ドルの黒ですが、アメリカ側の統計ですと百八十億ドル。その差が五十億ドルございますのは、その統計のとり方が逆になっておる。ですから、本当ですと両方の輸出、輸入ともFOBベースでやりますとより同じような状況になろうかと思いますが、そういったような違いがございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 百八十億ドルにしたって向こうとは大分違うので、いずれにせよ多少違うというのはわかるわけです。ただ一−三月のアメリカ側の商務省の発表した対日貿易の状況を見ると、相変わらず日本のアメリカに対する輸出が非常に多い。その内容は自動車だ、こういうふうにちゃんと書いておるのです。自動車がたくさん入って、日本への輸入もふえておるけれども、上回って赤字が出てくる。このままのペースでいけば、年間対米貿易二百億ドルの貿易赤字のぺースで進んでおる、こういう状態だと言っておるわけです。日米間の貿易摩擦の問題がこれほどやかましくなっていろいろ議論をされておるにもかかわらず、相変わらず工業サイドベースの輸出というのがどんどん流れておる。そしてこのままであるとすれば、日米間の貿易摩擦の問題の焦点は、もうほとんど農産物の自由化の問題にかけられた感がする。そういうことで、われわれが自由化問題を議論するということは、一体何が中心になっておるのかはかり知れぬ面が非常に多いわけでありますが、通産省はこの問題について一体どういう対応というかお考えを持っていられるか、聞いておきたいと思うのです。

鈴木孝男通商産業省通商政策局通商企画調査室長

○鈴木説明員 昨年来からのアメリカとの貿易インバランスの拡大はいろいろな要因があろうかと思いますが、一つには、アメリカ側の高金利に起因いたしまして、為替レートの面で円安になっている。これはレートの面から輸出促進、輸入抑制的な形になります。ただし、輸出の方はことしに入りまして全般的にも鈍化しておりますし、対米輸出の方もそれに伴いまして伸び率が鈍化しております。対世界全体の輸出では、二月から対前年同月比でマイナスという形で、輸出の伸びはむしろ景気の足を引っ張るのじゃないかという形のほど心配、むしろ懸念が出てきております。  対米輸出は、従来、世界向けの輸出が余り伸びなかったときにも対米だけはふえていたわけです。これは一つには、アメリカの景気もいま非常に調子が悪いわけですが、昨年の第一・四半期には年率ベースよりかなり高い伸びを示したように、まだアメリカの景気は昨年の前半までは総体的に高かったわけですので、日本からの輸出を吸収する能力があった。それが昨年の秋以降、アメリカの景気もかなり深刻になっておりまして、現在、失業者数も一千万人を超えるというような状態でございますので、アメリカ側の所得の要因からも、日本から対米輸出がなかなかしにくい状況になっております。むしろ、インバランスの拡大している要因は、日本側の輸入が昨年から停滞しておりまして、それに起因しているのではなかろうかという感じでございます。私どもといたしましても、輸出がそれほど伸びておりませんので、むしろ輸入をふやす形で、拡大均衡の形で日米間の貿易インバランスも解消に向かうべきではなかろうかという形を考えております。  それからまた、貿易摩擦の背景には、二国間のいろいろな産業等の交流がいまだしという感じもございます。これは欧州等にも共通しておりますが、産業協力という形、投資なり技術の交流を深めることによりまして、相互の貿易構造、産業構造の調整を図っていきたいというような形も考えております。  そういう意味で、いまアメリカ側の方でもアメリカ経済の再建という形で努力しておりますが、そういったアメリカ経済全体が回復し、世界経済の停滞というものが活性化する方向の中でいきませんと、貿易摩擦問題もなかなか解決しがたいのじゃなかろうか。当面の日米のインバランスにつきましては、輸入を拡大する方向で、拡大均衡の形で解消してはいかがかというような形で考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 アメリカと日本との解釈が多少違うようで、これはそれぞれの国のいろいろな主張もあるのだろうと思います。しかし、私は何度も申し上げたのですが、この際、重ねて大臣に御意見をお聞きしたいわけです。  最近、特に自由化問題が大分問題になり始めたころから、わが国の財界というかいわゆる工業、産出側が、ともかく農産物の自由化をやるべきだと、きょうの新聞にもまた載っておりますが、最近、非常に大きなキャンペーンを張っておりますね。そして、わが国の対米輸出も自粛をしておるように言うが、自動車がたくさん入ってからこういうことになったのだということを向こうの商務省ははっきり発表しておるわけです。そういう状態を見てみると、どうも農産物の問題が、よく犠牲とわれわれ言うわけですが、これを盾にしながら今日の日米摩擦の直接の原因をそらそうとしておる、そんな気がしてならないわけであります。そして米国からも、わが国の農産物市場の非開放性というような立場での主張は相変わらず届けられてきておるわけであります。サミットまでにこの問題についての政治的決着がなされるのではないかという当初の不安がますます高まってきておる状況でありますし、先ほど佐野局長の方から、ごく最近の日米間の、非公式の話し合いではありましょうが、相当重要な内容の御提起があったわけです。  こういう状況を踏まえて、田澤農林大臣はこれまでしばしば、国会はもとよりでありますが、農産物のこれ以上の輸入というものについては、これはやらせないという言明をしてこられたわけであります。これは時間的に大変切迫した感じがしておりますが、大臣は、これまでの御決意、それから、これまでもそのために御努力をせられておるわけですが、それをそのまま貫いて、鈴木内閣の姿勢として、農産物の残存輸入制限の撤廃あるいは枠の拡大を含めて今日段階で所信のほどを貫かれる、こういう御所存に立っていられるかどうか、改めてこの機会にこの問題について、今日の情勢を踏まえて御意見を聞いておきたいと思うわけです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 日米の貿易のインバランスの解消は、申し上げるまでもございません、アメリカの高金利政策で為替レートの関係で円安になって、それが輸出の突出になっているわけでございます。したがいまして、反対にまた、輸入がある程度抑制されている、そういう関係で拡大均衡政策というものは当然とってまいらなければなりません。しかしながら、経済界が唱えているように、それがすぐ農産物の自由化につながるというのは私はいただけない。したがいまして、わが国の農畜産物、特に残存輸入制限品目については、農産物の基幹をなす品目であるし、また地域の重要な品目でもあるし、水産振興の面でも重要な品目でございますから、この自由化については、私はどうしてもこれを拡大するわけにまいらない、してはならないという態度をこれまでもとってまいりましたし、今後もその態度をとって日米間の交渉に当たり、また、日米間の理解を深めてまいりたい、かように考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 大臣のいまの御所信のほどはもうしばしば承っておるわけでありますが、巷間伝えられるところによると、さらに先ほどお話がありましたように、アメリカがいわゆる休戦ということを前提にするならば、何らか手を染めなければいけないという状況に政府がなっておることも現実ではないですか。そういう段階の中で、どのような判断とどのような方向で処理されようとしておるのか。非常に微妙な内容を持っておると思いますが、大臣のいまの御決意のほどは決意としてはわかりますけれども、実際問題としてそれで通されるのかどうか。これは委員会で農林大臣だけでございますから、その他の大臣はお見えになりません。総理もお見えになりませんから、鈴木内閣全体の向かう道というものが実は非常にはっきりしていない。そういう面では相変わらず、ばっさりやるのじゃないか、あるいはばっさりまでいかなくたって相当返り血を受けるのじゃないか、こういう感じを持っておることは事実なのです。そういうことについて少し打ち割った御意見が出されるようでしたら、重ねてお問いかけをしておきたいと思うのです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 三月九日、十日に日米貿易小委員会が開かれて、その結果、十月に牛肉、オレンジについては協議をしようということが決まっているわけです。さらに、他の品目については作業部会を開いて協議をしようということで、四月十二日、十三日にワシントンでこの会議を開いた。しかし、アメリカは農産物の自由化について態度が非常に強うございまして、完全自由化でなければいけないという態度を示したものですから、そこでわが方としては、先ほど申し上げましたように完全自由化には絶対賛成するわけにはいかぬというので、結局作業部会というのは物別れになりまして、ガット二十二条協議にしようということが公式の会議なんですね。  その後、いま局長から答弁さしたように、五月五日にジュネーブでいわゆる農産物協議というものをやりまして、その中で仕切り直しをしようじゃないか、公式の作業部会ではああいう形であったけれども、仕切り直しをしてもう一回日米間で何か話し合おうじゃないかということだったわけです。話し合いをすることは当然でございますので、話し合いは進めましょう。五日のジュネーブでの協議の結果、いま局長から答弁さしたように、アメリカはどういう形にしたら休戦できるのか、また、日本も、休戦した場合にどういうことを考えてくれるかということをお互い検討し合ってみようじゃないか、それが十七日の週に話し合いをしようということで、最近、十八日の午後、十九日の午前中にこの農産物協議をサンフランシスコで開こうという電報が入っているのでございます。  そこで、この協議というのは、休戦するかしないかというアメリカの態度にかかっているわけなんですよ。したがいまして、作業部会での私たちの態度というものはあくまでもいま変わっていません。ですから、アメリカが一体どういう態度で出てくるのか、そういうことを私たちは見きわめながら、見詰めながらそれに対応していかなければならないということでございますので、私が最初に申し上げました、また、これまでも申し上げております残存輸入品目についての農林水産省の考え方はいま変わってはいません。あくまでも自由化は阻止しなければならないという態度でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 委員長に、ひとつ理事会で検討していただきたいと思いますが、社会党は前々からこの委員会に、この問題は最終段階では非常に微妙な問題になるので、平場ではなかなか言えないことも多いので、小委員会なりそういうものを設置をしてこの問題についての協議をしてほしい、こう要望しておりますが、いろいろでまだこの問題は決着がついていないようであります。私は、いまの段階ではぜひ当委員会に小委員会を設置していただく必要があると思う。  当委員会は、すでに農産物自由化反対の決議を与野党一致でしております。きょうの新聞を見ると、この決議はアメリカの議会で相当問題になって、いろいろな意見が公式の場で発言されております。これに対して、われわれも日本国会の責任において決議したわけでありますから、責任がありますから、これに基づいて対応しなければいけない分野も出てくると思うし、特に政府の動き、これも問題であります。自由民主党と政府との間では一定の話し合いをしておるようでありますけれども、われわれは農林水産委員会としてこれだけの決議をしたわけでありますから、ぜひ理事会で十分御検討をいただいて、この段階ではひとつ小委員会を設置をして、平場では話し合えないようなことも与野党間で話し合いをしていただきたい。このことを、特に私は党の農産物の特別委員会の立場からも強く御要請をしておきますので、委員長の御所見を承りたいと思います。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員長代理 本件は、国を挙げて取り組む大切な問題でありますし、また、当委員会においても決議をいたしております。したがって、かねてから、各党の理事間においてこの対処の仕方について検討いたしておりますが、いま御提案の田中委員の意見についても、理事会において引き続き検討さしていただきたいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 ちょっと最後に一つ、二つだけ、特にジュネーブ会議に行かれた佐野局長から御答弁をいただきたいと思います。  一つは、オレンジと牛肉の問題は十月以降に処理をしていくのだということでありますが、そうすると、いま問題になっております日米交渉の中では、牛肉、オレンジ自由化のいろいろな関税なり枠の拡大なり、そういう一切の問題は、直接的、間接的なものも全部棚上げされておる、十月以降にというふうに理解してよろしいかどうか。  それから、三十九品目の関税の引き下げというものはアメリカ側から非公式に伝えられておる。その品目も、すでにきょうの日本農業新聞には八十七品名ですが、各品目について報道せられておるわけであります。これは鈴木内閣が目玉として昨年十二月に閣議決定をした関税引き下げ第一弾に続いて、第二弾が相当大幅に投げかけられる、そんな感じもしておるわけであります。こういう場合に、いま問題になっておりますIQ品目、これが今度の日米の休戦の中身になっていく感じがしておるわけですが、そういうものとの関係はどういうふうになっていくのか。この二つの点だけお答えをいただいて、私の質問を終わります。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。  まず、前段の牛肉、柑橘は十月オープンにするという点でございますが、これは正確に申しますと、牛肉、柑橘のIQの問題は十月オープンにするということでございます。といいますのは、要するに、東京ラウンドのときに合意がございますのは、牛肉、柑橘のIQについての合意があるわけでございまして、それの後ろに次の協議の時期についての定めがありまして、それの具体化として十月という話が出てきたわけでございますから、牛肉、柑橘といえども、IQ以外の問題についてはいつ問題を提起しても、それは別に約束に反しておるというふうに米側を非難するわけにはいかない事情にございます。しかしながら、今回のジュネーブの協議の席上で私の方から、牛肉、柑橘の問題について、IQ以外の問題はいま持ち出されても約束が違うといってとがめるわけにはいかないけれども、日本の国内では、そんな問題はいまの時期、検討をしてみることさえもできない、なぜならば、国境保護措置というのは関係者は一体として眺めているのであって、IQが十月にアメリカにぶん殴られてどうなるかわからない状態のときに、関税を下げていいか悪いかなんていうような議論をすることは意味をなさない、したがって、東京ラウンドの合意の系列による協議時期は、確かにこれはIQの問題であるけれども、それ以外の問題、関税について、それじゃいまの段階に議論できるかというと、それは約束が違うとは言わないけれども、ともかく議論はできないよというふうに言って断わってございます。ただ、向こうが納得したかどうかは別問題でございます。     〔戸井田委員長代理退席、渡辺(省)委員     長代理着席〕  それから、関税の引き下げについて包括的な要求がアメリカから再度提出されたことは先生御指摘のとおりでございます。先ほどもちょっと触れましたが、大筋において、バラクロフ書簡として昨年末に提出されておったものとほぼ同じものでございます。それでこれにつきましては、アメリカ側としては、言うところの休戦条件の一つとして念頭に置いているのであろうというふうに思われます。しかしながら、アメリカ側はまだ休戦の意思表示をいたしておりませんから、したがって、休戦条件についてのポジションもまだアメリカ側は示しておりませんから、いまアメリカの態度がそうだというふうに申すわけにはいきませんが、そういう議論のやりとりをしている最中にアメリカ側から持ち出されたものでございますから、アメリカ側の念頭にはそういう位置づけで置かれているであろうというふうに私は解釈をしております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 終わります。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員長代理 この際、田澤農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 財団法人中央競馬社会福祉財団関係資料に関する四月八日の小川国彦委員の質疑に対する畜産局長の答弁につきましては、質問の趣旨を誤解し、適切を欠くところがありました。  国会における答弁につきましては、できる限り正解な説明に努め、その円滑な審議に資することを基本として臨んできているところでありますが、畜産局長に対しては、今後ともその趣旨に即し十分注意するよう指示したところでありますので、御了解願います。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員長代理 小川国彦君。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 ただいまの大臣の発言要旨につきましては、せっかくの大臣の発言でございますので私もその趣旨を了といたしますが、先般の食糧庁長官、畜産局長、いずれも国会の答弁に当たっての対応というものをもっと正確に、それから真剣に取り組まれるよう今後の御指導をお願いして、了といたしたいと思います。  次に、同僚議員の質問に引き続きまして、私も当面主要な問題となっております日米貿易摩擦の問題、さらに、農産物自由化の問題について質問をいたしたいというふうに思います。  きょうは外務省、通産省からもそれぞれおいでをいただいておりますので、最初に、通産省の方から現状の工業製品の輸出のあり方、そういうものの中で日米貿易のインバランス、それから、対ECの貿易のインバランス、こういうものが生じておりまして、日米貿易では百三十四億ドルの輸出超過、対ECでは百三億ドルの輸出超過、こういうふうになっているわけでありますが、この原因と現状について通産省の方ではどういうような見解を持っておられるか、まずお伺いをいたします。

鈴木孝男通商産業省通商政策局通商企画調査室長

○鈴木説明員 お答えいたします。  わが国のEC、アメリカ向けの地域別インバランスは、いま先生御指摘のように、昨年はアメリカは百二十三億ドル、ECは百三億ドルということでございまして、これは一昨年の八〇年に比べまして、アメリカは一昨年七十億ドルぐらいでございましたが、それが百三十三億ドル、ECの方は八十八億ドルが百三億ドルという形でインバランスの額は伸びておるわけでございますが、これは一つには、昨年来のレートが円安であったということもございますが、昨年の秋口から数量ベースでは伸び率は鈍化しておりますし、金額ベースで見ましても、ことしの二月以降輸出の方は対世界向けで前年同月比マイナスになっておりまして、輸出の伸び率はかなり鈍化しておる。むしろ輸入の方は昨年の初めから伸び率は鈍化している。マイナス基調のときもあったわけでございますが、そういう形で、昨年のインバランスの拡大は、レートなりわが国の内需にやや気迷いがございまして輸出に圧力がかかったというようなことがあろうかと思います。  それからもう一つ、貿易摩擦問題を考える場合には、世界経済全体が七九年の第二次石油ショックでそのデフレ効果から停滞化いたしておりまして、またさらにその上に、アメリカの高金利を中心にしまして経済運営がややインフレ抑制的になりまして、その面で景気の足を引っ張っている。そういった世界的な不況が長引きますと、やはり各国とも自国の経済を中心にした運営あるいは自国の産業、雇用問題を確保するための政策に移りやすい。そういったことで世界的に保護主義が高まっている。そういう中でわが国経済が相対的にパフォーマンスのいい形を遂げたことによることが一つあるのじゃなかろうか。それが一つにはインバランスの拡大という形になっておりますが、最近、ことしに入りましてはアメリカ向けのインバランスの幅も横ばい傾向でありますし、ECにつきましては、対EC輸出が昨年の秋口から伸び率はかなり鈍化しておりますので、そういった意味ではインバランスはEC、アメリカとも現在のところは収支幅が拡大するような傾向にはなっておりません。  以上でございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 しかし、拡大ではないにしても、対アメリカは八〇年が七十億、八一年が百三十四億、それから対ECが八〇年八十八億、八二年百三億と見ると、いずれにしても百億ドル前後の輸出超過にわが国から見るとなっている。しかも、その内容を見ますと、一番多いのが輸送機械、自動車、それから電気機器、一般機器、金属製品、機械機器、それに化学製品、これがほとんど九〇%から一〇〇%近いものであって、食料品なぞは二億ドルということでございますから全体の二%。  それから、ECの関係を見ましても、自動車、輸送用機械の五十五億ドル、電気機械、一般機械、機械機器、金属、銅製品、化学製品、こういうふうになっておりまして、いずれも圧倒的に工業製品の輸出が主になっておりまして、日本における限り農産物の輸出というのはまずないと言っても過言ではない状況にあるわけです。  そうして見ますと、いわゆる日米貿易のインバランスの問題にしても、輸出超過の原因にしても、これは挙げて工業製品の過剰な輸出にあるというふうに考えざるを得ない。そういうものがはね返ってわが国農産物の輸入制限の開放になってきている、こういうふうにわれわれは因果関係を見ざるを得ないというふうに考えるわけです。ですから、われわれは農産物の輸入制限の問題については、わが国農業とのかかわり合いの中でもちろんこれは議論をしていかなければならないというふうに考えているわけでありますが、わが国全体の経済政策なり貿易政策のあり方から見て、工業製品の輸出のあり方、特に対米関係などでも自動車の輸出の自粛というようなことが厳しく打ち出されておりますけれども、これは、工業製品全体にわたって統制のとれた、自主的な調整のとれた工業製品の輸出というものが当然なされていかなければならない。アメリカもECも本音のところはその部分にあるのではないか。そういうところは日本がみずから襟を正してこれに臨んでいくという考え方がなければならないのじゃないか。その点、工業製品の輸出を担当している通産省としてどういうふうに責任をお感じになっているか、もう一度御意見を伺いたいと思います。

伊藤敬一通商産業省貿易局輸出課長

○伊藤説明員 お答えいたします。  私ども通産省で貿易行政を担当いたしております者は、最近のこの貿易摩擦問題を本当に憂慮しておるわけでございまして、一日も早く円満な解決をしなければいかぬといろいろな施策を常日ごろから考えておるわけでございます。  先生御指摘のように、確かに一昨年、それから昨年とかなりわが国の輸出がされておりまして、昨年度合計で一千五百十九億ドル、一〇・一%の伸びがあったわけでございます。ところが、ことしに入ってまいりましてこの輸出動向ががらりと変わってまいりまして、通関統計でございますが、この二月がマイナスの三・六%、それから三月がマイナスの三・五%、四月の通関統計はまだ発表になっておりませんけれども、私どもの輸出確認統計をつい一昨日発表したのでございますが、これが四・八%の減少、いずれも対前年同月比でマイナスになるというようなことでございまして、しかも、この三カ月連続してマイナスになっておる。これは昭和五十年に連続してマイナスになったことはございますが、それ以来のことでございまして、ちょっとこの輸出の雲行き自身がかなり怪しくなっておるというような状況にございます。  私ども、まさに日本という国は貿易立国でもございますので、貿易をじみちに、かつ安定的に拡大していくということ、これはわが国が適切な経済成長を実現するために大切な基本条件の一つではないか、かように考えておるわけでございます。しかし、その中におきまして、ガットの精神でもございますいわゆる自由貿易体制の維持強化、これはやっていかなければいけないわけでございまして、貿易の拡大均衡ということ、そうしまして調和ある対外経済関係の形成に努めていくということが、わが国対外経済対策の基本であるというふうに認識いたしておるわけでございます。  しかしながら、先生がおっしゃいましたように、ここまで日本経済が大きくなってまいりますと、日本一国のみが繁栄を続けるということはもちろん許されないわけでございまして、したがって、具体的な輸出に当たりましては、相手国経済、それから、特定産業の状況を十分配慮いたしつつ特定品目にかかわる集中豪雨的輸出の回避を図っていくということが肝要でございまして、これに対しましては、今後とも適切に対処してまいりたいと考えでおるわけでございます。  一番代表的な例は、先生も御指摘になりました自動車でございますけれども、対米向けに昨年度百六十八万台というガイドラインをつくってやっておりますし、これは今年度も継続してやっていくというようなことでやっております。そのほかいろいろな商品につきまして、そのときどきの状況に応じまして従来からもやっておりますし、今後ももちろんやっていきたいと思っておるわけでございます。  ただ最近、ちょっと出てまいります輸出課徴金構想というものにつきましては、貿易立国でありますわが国として、輸出を罪悪視するというようなことにもつながりかねないということ、それから、最近ちょっと落ち込んでおります輸出活力をさらに阻害しまして、民間設備投資の回復をもおくらせ、わが国経済を一層失速に追い込みかねないというような状況にございますし、もとより自由貿易を旨といたしますガット精神にも反しておる。それから、一番懸念しておりますのは、場合によりまして諸外国、ときに輸入課徴金制度というものを創設するかのような動きがあるわけでございますが、こうした場合に、そういう制度導入のかっこうの口実を与えるというようなことにもなりかねないということで、輸出課徴金だけはとるべき施策ではないということで、昨年の政府の閣僚会議でもそういう方向で意思統一をいたしまして、これにつきましては現在も情勢が変わっていないということでございます。  いずれにいたしましても、先生もおっしゃいましたように、国際社会の安定と発展の中においてこそわが国経済の長期的な繁栄が実現できるという考え方、これを単にお題目に終わらせませず、名実ともにそういう方向でやっていくということが私ども行政に課せられた大きな責務ではないだろうか、かように考えておる次第でございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 輸出課徴金制度の適否の問題については、われわれまだ今後の検討課題である、こういうふうに考えますが、ただ、そういう議論が出てまいります根源は、やはり日本の貿易政策のあり方というものが、相手国とのインバランスの問題についての配慮、そういったことに対してのわが国の輸出の自粛、節度のとれた自粛、そういったものの政策がより徹底して行われる、こういうことが必要であろうかというふうに思います。そういう点については、商工政策の中でなお今後十分御配慮を願いたい、こういうふうに考えます。  次に、外務省がおいでになっていると思いますが、私ども国内政策を見る上で、貿易立国の立場でのいまの工業輸出の政策というものもこれ当然あり、それからまた、国内の農産物の政策は当然保護政策をとっていかなければ、これはECのような国を見ても、もちろん、わが国においても保護政策の中でなければ日本農業は成り立ち得ないことは、国際競争の中でも十分認識し得るところでありますが、そういう意味で、日米貿易のインバランスの問題、対ECのインバランスをめぐって、この解消のためには、外務省としてはどういうふうにお考えになっているか、その点をひとつ。

朝海和夫外務省北米局北米第二課長

○朝海説明員 アメリカ及びECとの間のいわゆる貿易摩擦の解決策についての御質問でございますが、先ほど通産省の側から答弁がございましたように、現在の貿易のインバランスという面から見ますと、いろいろなインフレ率の問題であるとか、経済の生産性の問題であるとか、その種類のマクロ経済的な要素も相当深く関与していると思いますので、そう簡単に、一気に問題がなくなるということはなかなかむずかしいかというふうに考えております。そういった意味でも、先ほどの答弁でも言及がございましたように、世界経済全体としての再活性化をどうやって図っていくのかというアプローチが、非常に重要になっておるものと理解しております。  そうは申しましても、どうすれば世界経済の再活性化を図れるかということは非常にむずかしい問題でございまして、その点は先週のOECDの閣僚理事会でも討議されたようでございますが、来るべきフランスでのサミットにおいても、重要なテーマになるのではなかろうかと考えております。それと同時に、貿易の面でも、現在、諸外国の側から日本に対して言われておりますことは、貿易のインバランスの額が相当大規模になっているという点ももちろんございますが、それとあわせまして、いろいろな意味で、日本が閉鎖的ではないか、日本はその経済力にふさわしい、より積極的な、国際的な役割りをいろいろな面でもっと積極的に果たしていっていいのではないかという問題提起もなされておりますので、外務省といたしましては、そういう点にも配慮いたしまして、日本の国際化あるいは国際社会における応分の貢献を行うというような見地から、日本の市場開放についてもなお取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 閉鎖的であるかないか、あるいはまた、応分の貢献ということがいま出てきたわけですけれども、われわれは、農産物の問題について考えていけば、農産物の保護の政策の立場からアメリカはガット、ウエーバーの条項の中でみずからの農産物の保護政策をとっている、それからECは輸入課徴金、輸出奨励金制度の中でみずからの農産物を保護する政策をとっている、そういう面から言えば、日本の農産物保護政策も、これまた同等の立場から、国の農業保護の立場からやっている、これは対等ではないか、私はこういうふうに考えるわけなんです。そういう意味では、貿易構造あるいは貿易政策全体の上で、わが国としては考えなければならない問題を抱えている。しかし、われわれは国全体の政治を公平に眺めてみて、自動車製品あるいは工業製品、そういうものと国民の主要食糧とを置いて考えた場合に、これは多少の工業製品の自粛をしたとしても、国内の食糧の自給自存という体制は、何としても国是として守っていかなければならない。  日本の食糧の自給、御承知のように穀物の自給率が三一二%、先進諸国にない最低の状態に置かれているわけです。これは国の政策として守っていかなければならない最低の政策です。そういう立場から言えば、私は、今度の農産物の輸入制限に対するわが国の主張は一歩も譲れない問題である、こういうように考えているわけなんです。ただ、そういう点について従来の外務省の対米政策のやり方を見ると、われわれはどうもその点で、わが国の主張が一〇〇%本当に外務省によって主張され得るんだろうかという点にいささか疑念を感ずるわけなんです。というのは、従来の対ソビエトあるいは対アメリカ、こういう超大国に対するわが国の外交の姿勢というものが、非常に軟弱外交という言葉を申し上げては大変失礼かと思いますけれども、主張すべきを十分主張し得ないといううらみを私はしばしば感ずるわけなんです。  たとえば、対ソビエトの漁業交渉などを見てまいりましても、いろいろな漁業交渉の中でのわが国の不利益な問題に対する申し入れ、そういったものが、文書で申し入れるべきものが口頭でしか申し入れられていない、言うべきことが言うべき形において言われてないということを超大国に対する交渉の中でしばしば私どもは感ずるわけです。したがって、今回の日米貿易摩擦の中でも、わが国として譲れるものと譲れないものとが当然あると思う。その譲れないものについては、外務省としても積極的にみずからの国の政策の守るべき基本は貫く、こういう考え方や姿勢を持って臨んでもらいたいというように考えているんですが、外務省の方では、今度の農産物の交渉に当たってその基本姿勢というものをどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その点を伺いたいと思います。

朝海和夫外務省北米局北米第二課長

○朝海説明員 農産物の問題に関しましては、先生御指摘のとおり農業について国境保護措置をとっておりますのは日本だけではもちろんないわけでありまして、それぞれの国がそれぞれの事情によって何らかの措置をとっているというのが実情でございます。それと同時に、御指摘のとおり農業と工業とはいろいろな面で性格が異なる面もございまして、農業の場合天候に左右される、あるいは食糧という問題に直接的に関係してくる、より基本的な国民生活に関係する面もあるといったような面でいろいろ状況が違うということは、私どもも私どもなりに勉強もし理解しておるつもりでございます。したがいまして、一概に直ちに全面的に自由化を行うということは無理な話であるというふうには考えておりまして、こういった日本全体としての考え方は機会をとらえて米国政府の側にもはっきりと伝えておりますし、そのほか米国の報道界であるとか国民一般に対しても、日米の農産物の関係がいかなる状況にあるのか、たとえば、日本が最大の輸入国であるといった点も含めましていろいろと広報活動も行っておるところでございます。  ただ、対外関係を預かります立場といたしましては、同時に、アメリカ側における議会を含めましていろいろな方面の意見も勘案しながら、何らかの話し合いを通じて円満な妥結の道はないものだろうかということについては研究してまいりたいと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 他の諸外国に比して日本の農産物の輸入数量というのが大変ふえてきておりますけれども、農林水産省の立場で、現状において輸入の総数量はどの程度になっておりまして、その比重は多いと見るか少ないと見るか、その点は現状どういうふうに判断されておりますか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。  各国横並びに比べますと一九八〇年の数字が一番新しい数字でございますが、一九八〇年で日本の農産物の純輸入額というのは百六十八億六千三百二十五万ドルになりまして、これは断然トップでございます。次に、ソ連が百四十六億八千百三十九万ドル、西ドイツが百四十五億六千二百六十四万ドルというような数字が並んでいるわけでございまして、日本が最大の輸入国でございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 農水省としてその数字を見て、国の農業政策のあり方等を見て、この輸入枠の拡大の余地というものがあるのかどうか、これはもうここでとどめなければならないというふうにお考えになっているか、その辺の御判断はいかがですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。  たとえば一九八一年、昨年でございますが、昨年は一昨年に比べましてアメリカからの農産物の輸入金額で申しますと約一〇%伸びたわけでございます。昨年が七十七億ドル、一昨年が七十億ドルでございますから、約一〇%くらいになっております。それで昨年、しからば農産物のアクセスの改善について何か目ぼしい措置をとったかということになりますと、これは東京ラウンドの合意に基づいて柑橘や牛肉の輸入枠を設定しておりますし、関税につきましても東京ラウンドで合意されたステージングに基づいて下げてきたわけでございますが、それ以上に、東京ラウンドで合意したこと以上に特に目新しい措置をとったわけではございませんが、それでもなおかつ一〇%程度のアメリカからの農産物の輸入の伸びがございました。したがいまして、需給動向からいって特別の市場開放措置を新しくとらなくても、ある程度農産物の輸入というのは自然に伸びるということはあるように思っております。ただ、したがいまして、農産物の輸入がふえれば直ちに国内農業との間でぎくしゃくが起こる、そういうぎりぎりのところまで来てしまっているというふうに思うべきものであるかどうかということは、品目別にもう少ししさいに検討してみる必要があると思います。もちろん、そういう危ないものもございますけれども、みんながみんなそうだというわけでもないと思っております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 それから、佐野局長がこの問題では大変御苦労されて対米折衝に当たられている労は多とするものでありますけれども、ただ、交渉の最近の状況を見ますと、アメリカ側がガットへの申し出あるいは提訴というような姿勢から一転して今度枠の拡大、関税の引き下げというような形で、一見柔軟に見えるわけですけれども、ある意味ではまた、実質的な農産物の自由化への道あるいは日本へ向けての輸出拡大への道を求めてきている、その基本姿勢は変わってないというふうに見なければならないし、むしろそうした姿勢の中で名分を捨てても実質的なものを取ろうということで、実質的な枠拡大をねらってきているのではないかと考えるわけです。  しかし、われわれ肉牛生産などを見ましても、もうすでに全供給量の二八・五%というものが輸入で占められておりますし、あるいは柑橘類では二%ですが、中晩柑類で見ると二一%というような非常に高い比重を示してきておりますし、さらに、乳製品の輸入の拡大の状況、こういうのを見ますと、わが国では、この枠の拡大についてもこれ以上これを許容できる余地はもうない、国内需給の観点から見ても、国内の農産物価格支持の点から見ても、これを受け入れる余地はない、こういうふうに私どもは考えられるわけでありますが、その点について、これは今後粘り強く交渉に臨んでいただかなければならないと思いますが、それに当たっては、わが国の農水省の最高責任者である農林水産大臣が内外に向けて断固として、この問題についてはわが国は農産物の輸入の自由化あるいは枠拡大については受け入れる余地がない、こういう立場をより明確に表明していっていただくということが必要なのではないかというふうに私ども痛感するわけです。これは大臣も繰り返して、閣議でもあるいはまた内外にやっていらっしゃると思いますが、われわれから見ますとまだまだ声が小さいのじゃないか、そういう感を持っておりまして、本日の新聞論評なんかでも見ますと、日本の農産物問題に対するわが委員会の決議ですら不当だと非難されるような状況というのは、われわれから見れば、アメリカもECもわが国も農業保護の観点は同じではないか、そういう観点に立てば、幾ら日米貿易の摩擦の解消であるといっても、それを農産物の方向に向けてくるのはお門違いではないのか、これは門前でお断りしたいというような明確な農水大臣の強い意思表明というものにわれわれは期待を寄せているわけでありますが、その点、これからあらゆる機会を通じて、農水大臣としてひとつ旗幟鮮明にその立場を明らかにしていっていただきたいと思いますが、その点の御意見をひとつ承りたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 対外経済摩擦の解消につきましては、政府として重大な案件でございますので、何回も申し上げておりますが、昨年の暮れ、対外経済閣僚会議を開いて五項目にわたる対外経済対策を決定して、それにのっとって対策を進めているわけでございまして、昨年の暮れ、私、就任と同時に、関税率の前倒しと非関税障壁の緩和をいたしたわけでございまして、これを中心にして、日本の農林水産業の現状あるいは農産物を初めとする自由化に対する態度等を、政府間においてもあるいはまた民間を通じても極力アメリカあるいはECに説明をし、理解を求めてきたわけでございますが、今日、依然としてアメリカあるいはECが、日本の貿易拡大に対する態度が非常に消極的である、ことに農産物に対する態度が非常に保護的であるという態度はまだ変わっていないのですね。ですから、私たちは、今後さらに日本の現状というものを説明をして、また、アメリカにおいても、先ほど御指摘がありましたようにガットである程度認められた中でいわゆる保護政策をとっているわけでございますし、ECにおいても、域内でのいわゆる課徴金制度等によって保護されているが、九五%も農産物を保護している、さらに残存輸入制限品目があるというような状況等各国の度を比較する機会も私たちは持って、日本は必ずしも閉鎖的じゃないのだということを今後説明していかなければいけません。  さらにまた、アメリカとの関係は、先ほど来お話がありましたように穀物でもう二千五百万トン近いものが輸入されている、農林水産物全体ではもう百二億ドル輸入しているのでございますから、いま経済局長から、品目によっては国内農産物はある程度弾力的に考えられるものがある、こう言いますけれども、私は、日本の食糧の自給力というようなことを考えますと、かなり厳しいところに来ている。たとえば、お米だとか野菜、果物、畜産物、これは自給ができますけれども、あとの穀物、特に飼料穀物をかなり外国に依存しているという日本の現状は、私は、かなり厳しい状況にあると思うのですね。農林水産省として、本当に日本の国内農政を進めるとしたら、やはり自給率を上げるというこの政策をとらなければいけないと私は思っているのですよ。ですから、もっと飼料作物に重点を置いた新しい農政をつくらなければいかぬ。さらにまた、国民の需要の動向に応じた新しい農政というものをつくらなければいけないという考えを持っているわけでございまして、そういう点からいっても、いま日米間の農産物の現状というものはかなりぎりぎりのところへ来ている、こう見てよろしいと私は思うのでございます。  したがいまして、いまの残存輸入制限品目については、常に申し上げておりますけれども、農畜産物の基幹をなす品目でもあるし、その地域地域によっての特産でもあるわけでございますから、そういう関係から、自由化はこれ以上絶対許しちゃならない、日本の農林水産行政の面からいって許すことはできないという考えをこれまでも主張してまいりましたし、今後もあらゆる機会にこれを主張して理解を求めたい、かように考えているのでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 終わります。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員長代理 寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 昨日の私の質問の最後に、婦人の問題について一言大臣にお聞きしたわけですが、ちょっと時間切れになりましたので、中途半端にしておくわけにいきませんので、再度お聞きをしたいと思います。  昨日私は、農林省の統計情報部の資料を見ても、農業就業人口のうち、婦人の占めている割合というのは六二・三%もあるんだ。ところが農協組合員になっている人は八%しかない。これは家の問題でもありますし、社会的な問題でもあるわけです。まして、役員に出ておられる人は〇・〇三%なんだ。これは、民間諸機関の団体などの決定機関に参加しているその割合を見ますと〇・三%ですから、いかに農村の分野における婦人の進出が弱いかということは格段の注目を払う性格のものだ。したがって、それは自主的という団体には違いありませんけれども、かなりの指導をする必要があるんではないだろうか。私、気になったものですから、ここにわざわざまた本を探してきました。総理府の婦人問題担当室が、国内行動計画の後期の重点は何にするかということを書いています。政府機関なり公的機関への協力の要請と同時に、民間諸機関・団体等への協力要請、社会的機運の醸成ということを書いておられますが、その中にわざわざ、やはり協同組合の位置づけをやって、そうして政策・方針決定の場への婦人の参加の促進について協力要請をするんだということと「社会的気運の醸成を図るとともに、その基盤となる婦人の資質向上と諸活動の活発化を促す。」ということが方針として後年度の重点に置かれているのです。  さらに、五十六年五月、婦人問題企画推進本部、これは総理大臣が本部長でございます。そしてこの中には、ちゃんと農林水産省の農蚕園芸局長さんも幹事として入っておられるし、本部員としては事務次官さんが参加しておられます。この中で農林水産省の分野のところの問題が書いてあります。時間がありませんので長々とお読みはいたしませんが、「地域の農業に関する政策・方針の決定等に積極的に参加している婦人が少ない実情にある。」その一番最後のところに、「農業委員会、農業協同組合等の委員、役員等に婦人が積極的に参加できるような環境づくりのための啓発・指導を行う。」わざわざ総理大臣以下が参加される中でもあえて啓発、指導をやるのだということをおっしゃっているのです。ですから、自発性だけに任せておくわけにはいかないというところにここの特段の問題がある。現に、農協組合員が一〇%に足らないところは二十九県もあるのだ。実態は、婦人の方が主たる任務につきながら組合員にもなっていない。また、民間団体への参加についても、役員の占める状態は先ほど言ったような状況だ。だから、意識的に、自主性を尊重しながらも啓発と指導というものがあるのではないだろうか、私は、そこを積極的に農水省としておやりになる必要があるということを特段に強調したいので、大臣の御理解をいただきたいと思ってあえてもう一度質問をするものです。いかがですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 最近の農業の中での婦人の位置づけというのは非常に高いのでございます。また、重要な地位にあるのはいま御指摘のとおりでございます。したがいまして、最近の農協は婦人部というのをつくりまして特に農協の運営、活動等に参加をしていただいているわけでございます。しかし、農協全体で組合員あるいはまた役員になる率が非常に低いというのはいま御指摘のようでございますので、本来ならば、自主的な協同組織でございますから組合がやることなのでございますけれども、私は指導監督の立場にある者として、今後御指摘のようにできるだけ御婦人がよく組合に加入するようにあるいは役員に登用するように私たちも指導督励をいたしたい、かように考えています。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それでは次に移ります。  先ほどからここでも論議になっておりましたけれども、私は、特段に林野庁の仲裁の問題についてあえて一言申し上げたいと思うのです。  五月八日に、仲裁の委員長談話というのが発表されておりますが、この談話を見ますとこういうことが書かれています。「経営状況によって基本的賃金の引上げに格差を設けるか否かの問題については、公共企業体等の事業の性格を考慮すれば、本年も従来どおり、個々の経営状況によって格差を設けることは適当でないと考えました。」とあえて指摘をしております。そして最後に、「委員会は、関係政府機関の格別な配慮により、本裁定が速やかに完全実施されるよう要望します。」とあります。  大臣にお聞きします。昨年も経営が悪いということで、国鉄と林野の問題は特別に問題になりましたけれども、公企体の事業の性格を考慮した上で差別することなくおやりになりました。この点については、仲裁の委員長が仲裁裁定を出すに当たってわざわざつけ加えられた点であるだけに、必ずそのことを守っていただきたい。そして、格別な配慮によって速やかに完全実施をしてもらいたいということをおっしゃっているわけですが、大臣としてこの立場を尊重されますか、いかがですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 仲裁裁定委員長の談話については尊重してまいりたいと考えています。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 林野庁の長官、昨日のNHKのテレビを見ながらつくづく感じました問題について、急な問題提起でございますけれども、私の感じた点についてお答えをいただきたいと思うのです。  きのうテレビでやりましたのは、インドネシアの木材の状況がどういうことになっているかという姿でございました。それはインドネシアの問題であるとともに、直接的に日本の木材産業の問題を示しているというふうに言えると思うのです。  昭和四十年代から木材の輸入の自由化によって木材不況が起こって非常に厳しいものになってきております。木材の自給率は年々低下して、七割近くが輸入に依存するという事態にあります。木材の産地国の多くで、資源の有効活用と国内の雇用拡大を目的として丸太の輸出を抑えるという方向が打ち出されてきております。製品輸出を増大させようという動きと相まって、五十年に比べて五十五年には製材品が二倍にもなっているという姿を輸入の面をとってみても見ることができるわけです。インドネシアにおいては、向こう三年後には丸太の輸出は禁止しようかということまで話が出てきている。インドネシアを初めマレーシア、フィリピン、これらの地域から持ってきているところの丸太というのは、日本の輸入の中においても非常に大きな位置を占めているだけに、日本の製材業者にとっては自分の問題にもなってくるわけです。そういうことを考えると、今後の日本の木材というのはどういうふうにやっていくのか、もう少し真剣に考えないと、好きほうだいなことをやっておったならば、それは必ずたたりが来るというのは当然であろうと思うわけです。  一方、日本の人工林についても、半分以上が間伐期に来ているように思います。間伐を必要とする面積というのは二百万ヘクタールぐらいはあるだろうと思うわけですが、現実にはわずかな分野しか間伐は行われていません。林野庁としても若干の間伐の対策を打ち出されておりますけれども、この間伐対策という問題は、今後の日本の製材関係を考えても非常に大きな位置を占めるというふうに思うわけです。したがって、海外の、このように丸太の輸出を規制するという、みずからの国の問題として提起される問題が現実化しつつある中においてどのような国内における対応策をとられるのか、私は非常に重要な位置を占めておると思うのです。この間伐について、前にもここで論じたことがございますけれども、薄く板を切るという問題、大量にやっていくという問題など、本当にコストを安くして製材をしていくことを可能にする道をつくらなかったならば、あの間伐材が実際上積極的に日本の市場に出ていくということにはならぬだろう。もっともっと積極的にそこの研究開発を急ぐということが今日非常に重要な位置を占めているのじゃないだろうかという見解を私は持つのです。それが一つです。  同時に、日本の海外へ外材をとりに行く姿に対して、きのうも放映をやっていましたけれども、緑の破壊者日本というふうにこれらの国々で言われているわけです。きのう聞いておってわかることは、一ヘクタール当たりから、日本の木材業者がとりに行く木というのは本当に十本とか十五本とか一番大きい、いい木だけをとってくる、後は地元において大きな林道がつくられている、その周辺は焼き畑農業となって燃やしてしまってそして農業をやっているという姿が露骨に出ている。国際協力事業団ですか、林野庁の方々もかなり積極的に参加をして技術指導をやっておられるようですけれども、私はきのうの状況を見ておって、その後の植林の事情というのも必ずしも成功するようなことになっていないと思うのです。ですから、私はそういう意味において、日本の国内対策としての材木問題を考える問題と、海外にさんざん迷惑を与えてそして緑の破壊者とまで言われた日本ですから、したがって、ここの緑をもとに戻すんだという積極的な使命というのがこれまた日本に課せられた重要な仕事だろうと思うのです。その点では一体どのように海外におけるところの対応策を今日までとってこられたのか、その成功している実情はどういうふうになっているのか、成功しているのかしていないのか、していないとするならば今後どうするのか、私はそこのところを率直に事実に基づいて聞かしていただきたいということを感じましたので、林野庁の長官からお話しをいただきたいと思うのです。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 まず最初に、間伐の問題でございますが、先生御指摘のとおり、緊急に間伐をしていかなければならぬ面積が約百九十万、これは五年間でと思っておりますが、そういう段階でございまして、現在、残念ながら十万ないし十五万というようなことがございまして、御承知のとおり五十六年に間伐総合対策をいたしまして、さらに、ことしは間伐を促進するための必要な資金を国産材振興資金に加えると同時に、やはり需要者側でこれをうまく利用するためには計画的に生産しなければならぬということで、情報のデータバンクを主な県、十五県ぐらいにつくりまして、生産とそれから需要情報をリンクさせながら計画的に伐採しそれを活用するという方向に持っていこう、こういう方法をとっております。  さらにまた、先生御指摘の集成材の方の問題でございますが、最近、各地で間伐材を集成材に加工し、販売をしているのが非常にいい成果が上がってまいっておりますので、私ども日本住宅・木材技術センターを中心といたしましてこういう問題につきましてさらに一層進めてまいりたいと思っております。特に、二十一世紀におきましては国産材の時代になるだろうと私は思っておりますので、戦後植えられました人工林が約一千万ヘクタールございますから、これを計画的に間伐をし育てながら持っていくためには、いまのような方法をまず緊急対策としてとっていかなければならぬ、かように考えまして鋭意努力をしておるところでございます。  それから海外の問題でございますが、私どもの木材需要動向から見てまいりますと、やはり当分の間三分の二近くは外材に依存せざるを得ない状況にございますので、安定的輸入を図りながら、もちろん、国内の林産業に悪影響を及ばさないような形で推進してまいるわけでございます。  同時に、海外の森林造成問題でございますが、最近、新聞紙上あるいはテレビ等にも放映されておりますとおり、私どもこれはきわめて重要な問題だというように考えておりまして、かねてから国際協力事業団の林業開発部を中心といたしまして努力をしておるところであります。そこで、従来、伐採されまして現在裸地になっている地域での造林と、それから、ただいま先生御指摘の熱帯の降雨林の森林造成と二様に分かれると思います。そこで、裸地の方のアランアランという雑草の生えているところなどの造林につきましては、現在、私どもで進めておりますのはフィリピンのパンタバンガン、これは五十一年から実施しております。それからインドネシアの南スマトラでは五十四年から実施しております。それから、タイは五十六年の七月から始めたばかりでございます。この造林するに当たりましての一番の問題は、南方におきましては赤土が非常に多うございまして肥料分が少ないわけです。そこで、造林するに当たりましてはマメ科の植物をまず植えまして、それである程度うっ閉した中に今度はいわゆる有用樹種でございます松類だとかその他を植えるというような形でやってまいっておりますが、特に、パンタバンガンにつきましてはすでに五年間の歴史がございまして、樹種としてはナラという木をまず耕うんしまして植えまして、その後に今度松を入れていくという形でようやく成功の見通しがついてまいりまして、造林技術的には非常にむずかしいわけでございますが、これから積極的に進めてまいるということで、現在、林野庁から出向職員も約五十名くらい南方に派遣さしておりますので、鋭意進めてまいりたいと思っております。  なお、熱帯降雨林の一部のラワン材を伐採した後の更新の方法につきましては残念ながらまだはっきりした成果が出るまでには至っておりません。現在熱帯農業研究センターの林業関係で鋭意努力しておりますし、かつてマレーシア・ユニフォーム・システムというような一つの天然更新方式も理論的にはできておりますので、そういうものを現地に適用してどうなるかということを現在やっておる段階でございますが、いずれにいたしましてもきわめて重要な問題でございますので積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それから、五十五年の十二月から五十六年の三月にかけてずいぶん大きな豪雪害が起こりました。また、五十六年の八月には台風十五号などによるところの倒木が起こりました。特別立法をやったと思うのです。ところが、最近の気象状況などを考えてみると、私は、これらの結果が非常に大変なことになると思うのです。なぜかというたら、山にあるところのこれらの倒木材が必ずしも搬出されていないのですよ、引き取り手がないという問題が加わっているから。そうすると倒木されたままに置いてある。ことしのこのような気象条件を考えると、あの五十三年ですか、松くい虫の大被害が発生したように、私はそういう危険性を持っているのじゃないかということをいまから心配するものです。とすると、山にあるところの倒木材、これを早く搬出するという問題について真剣に考えなかったら、日本の林業にとって重大な段階になるのじゃないだろうかというふうに思うわけです。そういうことから考えると、山でチップにしておけば問題ないわけですけれども、日本のチップの業界が山から買おうとしないところにも大きな問題があると思うのです。ですから私は、何としてもこれをチップ材として確保しておくという手だてなどを考えて、害虫の発生に対する対応策を検討する必要があるのじゃないかと思うのですが、林野庁はどういう対応策をしておられるのか、どういう見解を持っておられるのかを聞きたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 雪害対策につきましては五十六年度以来鋭意努力をしてまいりまして、昨年予備費によりまして約六五%の処理をし、さらに残りを本年十四億を加えまして現在努力しておるところでございますが、やはり被害木の利用を積極的に進めてまいらなければ今後の林分の健全性確保という面から問題があるというふうに理解いたしまして、私どもも鋭意努力しておるわけでございます。まずは、被害木を伐採、搬出するための費用につきましては、無利子の被害森林整備資金というのを活用してこれを進めておるところでございますが、さらに五十七年度からは移動式チッパーあるいは必要によりましては移動式炭化炉の問題もございますので、そういう設備に対しまして技術導入資金ということで林業改善資金にこれを加えまして積極的に進めると同時に、間伐材等の総合加工対策あるいは集成材等に利用できるものは使うという形でやると同時に、もう一点、これはやはり利用者側との話し合いを十分詰めていかなければならぬということで、先般御審議いただきました松くい虫の被害木と間伐材につきましてはチップ業関係の皆さんとそれからパルプ業関係の皆さんと私どもと連携をとりながら進めてきておりますので、計画的に生産材を引き取るという意欲がきわめて高まっておりますし、もう一つチップ材の価格を針葉樹で見てまいりますと、この三月の時期で見てまいりますと、国産のチップが大体八千円弱、それから、外材のチップが一万三千円くらいでございますので、私ども計画的にこれを生産すれば十分利用していただけると思いますので、今後はそういう連携をとりながら被害木等の処理に全力を尽くしてまいりたい、かように考えております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私は、特段に害虫の発生を心配するものです。本当にきちんとやらなかったらえらいことになるということをあえてもう一度つけ加えておきたいと思います。  そこで、もう時間がございませんので、大臣に貿易摩擦問題といいますのか、農産物輸入問題について一言聞いておきたいと思うのです。  この前、局長さんに来ていただいたときに提起した問題ではありますけれども、日米間における貿易の小委員会を開いて作業部会で話をやりましょう、話をやるに当たってはこうこうこういう条件でやりましょうなという話までついておって、わざわざ大代表団出ていってやろうと言ったら、おまえのところどうなんや、ちゃんとスケジュールで貿易の残存輸入制限品目の問題をやるのかどうかというようなことで居直られてもうお話は終わりだ、ガットでいこうかい、こういうふうにぽんとけられて帰ってくる。帰ってきたら、後からまた、何かがやがや言ってきて、ガットでやろうというのかやろうと言うまいというのか一体何だと言っておったら、副大統領がやってきて、今度はジュネーブで話ししましょうかいなと言って話にまたのこのこ出ていく。出ていったら今度は牛肉とオレンジですか、これについてはこの前のときにすでに十月以降に検討するということになっておったはずなのに、二十二品目すべての輸入枠の拡大をちゃんとしてこい、それを持ってきて、次回、来週からですか、話し合おうじゃないか。一体話はどうなっているのか。ガットでやろうと言ったのだったらガットでやろうということではっきりしてくださいよと日本の政府が言うてあたりまえと違うんですかいな。オレンジや牛肉の話については十月以降に話し合いましょうとこの間話したところじゃないですか、こんな話をするとは何たることですか、何でそういうふうに怒れないのか。私が解せぬのはこのことなのです。ですから、来週からまた何かごそごそ会いに行かれるらしいのですけれども、会いに行くんだったら会いに行くではっきりしなさいよ。ガットの話はもう取り消しなのですな、それがはっきりしない限りむにゃむにゃついていくあほがおるかということになると思う、ばかにしておると私は思うよ。私が聞きたいのはそのこと。もう一度言いますと、御答弁いただきたいのは、一体ガットでやるという話は棚上げにしてからの話になっているのかなっていないのか、これははっきりしてほしい。棚上げになっているんやろ。なっているから話に行くのやな。なっているのかなってないのか、これははっきり言ってほしい、一言でいい。なっているならなっている、なってへんやったらばかかというのです、私に言わしたら。これが一つです。  それから第二番目に、十月以後にオレンジや牛肉については話ししましょうと言っておったのに、これは枠拡大だといってまた言うてきているというのは理不尽な話だと思うのか思わぬのか、これが二つ目。  三つ目に、この二十二品目の自由化のスケジュールをせいと言って、この間の新聞情報ですが書いてあるけれども、来週から話し合うに当たってスケジュールを持っていかなんだら話し合いまたあかんというのかどうか、そこはどうなっているのか、簡単に御説明を、ああやこうや言われたってわからぬぞ、私に言わしたら。お答えいただきたい。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野(宏)政府委員 第一点、ガットの紛争処理手続に訴えるかどうかということについては、アメリカは態度を決定しておりません。  第二番目、牛肉、柑橘の問題については十月送りということでございますから、現在の段階で枠の拡大を要求してきてはおりません。  それから第三番目、自由化のスケジュールを示せないかということは、ジュネーブでアメリカ側がそういう問題を提起いたしましたが、断わってございます。今度もそういう問題を日本側が議論するつもりは全くございません。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それで大臣は、新聞紙上読んでおると、フランスの大統領でもアメリカの大統領でも農業の問題について真剣に考えてそれなりにいろいろ言うておる。日本の総理大臣ちょっとも言わぬということに対する批判を持っておられるようですけれども、これは一体どうなんやろかね。ぼくもそう思う。自分の国の農産物については自分でちゃんと責任持たなんだら、外国の気象条件によって左右されたりいろんな戦争やその他の事情によって左右されるというようなことでは、昔から兵糧攻めということがある。日本の自主性を奪われる最大の問題になると思う。だからこれについては日本の食糧は日本で賄っていくのが基本だ。総理大臣としてそのくらいのことは言ってもらってあたりまえだというふうに思われるのかどうか。これが大臣に対する質問の一つです。  もう一つは、先ほど局長が答弁しましたけれども、大臣として、このアメリカの持ち込んできている取り扱いの問題については理不尽やと思われるのかどうか、お答えいただきたい。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○田澤国務大臣 各国とも農産物あるいはまた、農業政策に対しては非常に大きな関心を持っている。したがいまして、日本においても農産物の自由化を含めて農業全体に大きな関心を持っていただきたいというのが私の考え方でございますので、もちろん鈴木総理も農林大臣をおやりになった方ですから、私以上に大きな関心を持っておられる方でございますので、そういう点の矛盾はないのでございます。  それからもう一つは、いまのアメリカとの関係でございますが、アメリカの態度に応じて私たちは対応したい、こう考えておりますので、今後の推移を見詰めているというのが現状でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 時間が来ましたので、これで終わらしていただきます。ありがとうございました。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時七分散会

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