農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1982/02/10
会議録
○羽田委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、田澤農林水産大臣から、農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。田澤農林水産大臣。
○田澤国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。 わが国経済社会は、先進諸国がインフレの進行、景気の停滞等の問題を抱える中にあって、安定した経済成長を維持し、物価も落ちついた動きを示すなど相対的には順調な発展をたどっておりますが、調和ある対外経済関係の形成、財政再建、内需の拡大など多くの課題を抱えております。 こうした状況の中にあって、引き続き経済社会の発展と国民生活の安定を図っていくためには、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料の安定供給を初め、健全な地域社会の形成、国土・自然環境の保全などの重要な役割りを担う農林水産業について、その着実な発展を図ることが不可欠であります。 特に、世界の食料需給には不安定要素が多く、中長期的には楽観を許さないものがあり、また、今後、資源・エネルギーの制約の強まり、高齢化社会の到来、生きがいやゆとりを求める国民の志向の強まりが見込まれる中で、自然の物質循環に基礎を置き、経営者として創意工夫の発揮ができるという特質を持つ農林水産業は、わが国経済社会の安定と安全保障のため一層大きな役割りを果たすことが期待されます。 翻って、今日のわが国農林水産業をめぐる内外の状況を見ますと、食料消費や木材需要の伸び悩み、土地利用型農業部門の規模拡大や林業生産活動の停滞、就業者の高齢化の進行、農村社会における連帯感の希薄化、燃油価格の上昇による漁業経営問題などに加え、米国、EC諸国等からの市場開放要求の強まりなどその環境は一段と厳しいものとなっております。 このような状況にかんがみ、私は、農林水産業に課せられた役割りが着実かつ効率的に果たされることを基本とし、「八〇年代の農政の基本方向」と「農産物の需要と生産の長期見通し」を踏まえ、長期的展望に立つで、各般の施策の積極的な展開に努め、総合的な食料自給力の維持強化と国民生活の安定を図ってまいる所存であります。 そこで、昭和五十七年度の主要な農林水産施策について申し上げます。 まず、農業の振興について申し上げます。 第一は、生産性の向上を図ることであります。 今後、内外の厳しい諸情勢の中で、食料の安定供給と農家の所得を確保していくためには、農業の生産性の向上を図り、その体質を強化することが肝要であります。このため、これに必要な各般の施策の積極的な展開に努めていく所存であります。 生産性の向上を図る上で重要なことは、まず、生産対策について地域の自主性と活力を基盤としてこれを総合的に推進することであります。このため、従来各作目ごとに行われてきた生産対策を総合的、有機的に実施できるよう、新たに、新地域農業生産総合振興対策、畜産総合対策を実施してまいります。 これとともに、構造政策につきましては、特に、土地利用型部門を中心に、技術や経営能力がすぐれ、高い生産性を有する中核農家や生産集団の育成を図るとともに、これらを中心とした地域農業生産体制の整備を図ることが必要であります。このため、農用地利用増進法を軸に、構造政策の展開を図ることを基本とし、地域農業振興のための総合推進方策の策定、農用地利用増進特別対策事業や新農業構造改善事業の推進、農地流動化奨励金の交付等の事業を実施するとともに、農村青少年に対する研修教育等の推進を通じ、農業後継者の育成確保に努めてまいります。 また、農業の体質を強化する上で、技術の開発・普及、情報の整備は欠くことのできないものであり、土地利用型農業に関する技術の総合化、バイオテクノロジー手法の活用等による革新技術の開発推進と新技術の実用化を進めるとともに、普及事業の改善・充実、各種統計情報の迅速かつ的確な提供に努めてまいります。 さらに、農業生産基盤の整備につきましては、排水対策等水田の汎用化のための事業、畑作振興のための事業等に重点を置きつつ、新規事業を極力抑制することにより、継続事業の着実な推進と事業効果の早期発現に努めてまいります。 第二は、需要の動向に応じた農業生産の再編成を進めることであります。 地域の実態に即しつつ、過剰なものから、小麦、大豆、飼料作物等不足するものへ需要の動向に応じて農業生産の再編成を推進することは、総合的な食料自給力の維持強化を図る上で重要な課題であります。水田利用再編第二期対策の初年度である昭和五十六年度は、目標を上回る成果を上げることができたところでありますが、昭和五十七年度におきましては、一昨年の全国的な冷害と、これに引き続く昨年の東北、北海道を中心とした不作という実情等を考慮して、転作等目標面積を前年度と同様とし、対策の着実かつ円滑な推進を図ることとしておりますので、関係各位の一層の御尽力をお願いいたしたいと存じます。 また、米の需給均衡の回復を図るためには、これとあわせて、米等わが国の風土に適した食料を中心とする日本型食生活の定着を図ることが重要であります。このため、わが国の食生活の栄養面でのよさや、水田農業として発展してきたわが国農業の特質などについて、国民の理解を得るよう努めるとともに、日本型食生活の定着促進に資すること等を基本として、米、牛乳、果実、水産物等の消費拡大を図ってまいりたいと存じます。 第三は、活力に満ちた心の触れ合う農山漁村を建設することであります。 申すまでもなく、農山漁村は、農林水産業の生産の場であるとともに、農林漁業者の生活の場であり、わが国経済社会の安定基盤として重要な役割りを果たしております。兼業化や混住化の進展、高齢化の進行等により、住民の連帯感の希薄化や村機能の低下の傾向が見られる今日、地域住民の連帯感を確立し、心の触れ合う農山漁村社会を建設するとともに、農林漁業者の定住条件を整備することは、構造政策の推進や食料自給力の維持強化を図る上で、一層重要となってきております。 このため、地域社会づくりについての住民の合意形成を促進するとともに、中小都市に比べても整備水準の低い生活環境を生産基盤と一体的に整備するほか、就業機会の増大や農業者年金制度の充実等を図ってまいります。 第四は、農産物価格の安定と食品産業の振興を図ることであります。 価格政策は、農産物価格の過度の変動を防止し、農業所得と消費者家計の安定を図るとともに、価格の持つ需給調整機能を通じて農産物の生産と消費を望ましい方向へ誘導するというきわめて重要な役割りを果たしております。このため、構造政策、生産対策等の各般の施策の展開とあわせて、農産物の特性に応じ、価格安定制度の適正な運用に努めていく所存であります。 また、消費者の食料需要の多様化に伴い、流通、加工等を包摂する食品産業は、国民に食料を安定的に供給する上で農業と並ぶ重要な役割りを果たしております。したがって、食料消費の動向に対応して安定した価格で良質、安全な食品を供給するためには、その生産性の向上と体質の強化を図ることが必要であります。このため、中長期の展望に立った食品産業政策の課題について検討を進めるとともに、食品工業の技術水準の向上、卸売市場の計画的整備、小売業の近代化等の施策を総合的に推進してまいる所存であります。 なお、国民に対する食料の安定供給を図る上で重要な役割りを果たしております食糧管理制度につきましては、昨年、その制度の基本は維持しつつ、過剰、不足、いかなる需給事情にも的確に対応できるような仕組みとするよう、食糧管理法の改正が行われたところであります。今後、その適切な運営を図ることにより、国民の信頼と支持に基づく恒久的な制度として定着するよう努めてまいりたいと考えております。 以上申し上げました各般の施策のほか、食料の安定供給の観点から、輸入の安定的確保に努めるとともに、農産物等の備蓄対策の推進を図ります。 また、開発途上国等における農業開発の重要性にかんがみ、農業開発協力を一層推進することとし、引き続き協力推進に必要な情報の収集、整備等を行うとともに、国際協力事業団等を通じて技術と資金の両面にわたる協力を進めるほか、協力案件の増大、大規模化に対応するため、新たに農用地開発公団の活用を図ってまいります。 このほか、農業災害補償制度の円滑な運営、金融制度の充実等を図ることとしております。 次に、林業の振興について申し上げます。 林業については、住宅建設の落ち込みを背景とする木材需要の低迷、林業経営諸費の増高、林業労働力の高齢化等からその生産活動が停滞するとともに、木材産業においても業況が著しい不振にあるなど、厳しい情勢にあります。このような状況に対処して、わが国の貴重な資源である森林資源を整備し、国土の保全等森林の有する公益的機能の高度発揮、木材等林産物の安定供給、活力ある山村の育成等を図ることは、緊要な課題となっております。 このため、造林、林道等林業生産基盤の整備を進めるほか、新たに第六次治山事業五カ年計画を策定し、治山事業の計画的な推進を図るとともに、松くい虫対策について、被害木の伐倒とあわせて破砕、焼却等を行う防除方法を新たに加えるなど、その総合的推進を図ってまいります。 また、山村における定住条件の整備を進めるため、地域林業者等の創意と工夫を生かした林産集落の振興対策を新たに実施するほか、新林業構造改善事業、林業の担い手の育成確保等を推進してまいります。 さらに、木材産業における不況の深刻化等に対処し、木材産業の再編整備を図るため、製材業及び合板製造業における過剰設備の廃棄、生産方式の合理化等を促進する事業を新たに実施することとしております。 なお、国有林野事業につきましては、引き続き経営改善を計画的に推進する考えであります。 次に、水産業の振興について申し上げます。 水産業は、海洋新秩序のもとでの各国の規制強化、燃油価格の上昇、水産物需要の停滞等の厳しい事態に直面しております。このような状況に対処し、動物性たん白質の供給源として重要な地位を占めている水産物の安定供給を図るとともにわが国水産業を発展させていくためには、困難な状況にある漁業経営の立て直しを図るとともに、「つくり育てる漁業」を育成し、わが国周辺水域の水産資源の維持培養とその高度利用を進めるほか、遠洋漁場の確保に努めることが肝要であります。 このため、漁業経営をめぐる厳しい情勢に対処して漁業生産構造の再編整備を推進することとし、その手段としての減船等を円滑に遂行する上で必要な漁業者等の負債整理のための長期低利資金を設けるなど経営安定対策を強化するとともに、漁業における省エネルギー化を促進してまいります。また、新たに第七次漁港整備長期計画及び第二次沿岸漁場整備開発計画を策定し、漁業生産基盤の整備を進め、わが国周辺水域の漁業の振興を図るとともに、漁業交渉、漁業協力等漁業外交面での努力を粘り強く展開してまいる所存であります。 このほか、漁業災害補償制度について、加入要件の緩和、義務加入対象範囲の拡大等の改善を行うとともに、漁業共済団体の健全な運営を確保するため、累積事業不足金対策を実施してまいります。 これら農林水産施策を推進するため、昭和五十七年度予算編成におきましては、きわめて厳しい財政事情のもとで、臨時行政調査会の第一次答申等を踏まえ、行政の効率化を図りつつ、必要な予算の確保を図ったところであります。 また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましても、目下、鋭意法律案の作成を進めているところでありますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 最後に、緊要な課題となっております対外経済摩擦の問題について一言申し上げます。 私は、貿易の拡大均衡という方向はわが国経済社会の発展を図る上で重要なものであると受けとめており、この観点に立って、東京ラウンドの合意に基づく関税率の段階的引き下げについて、昭和五十七年度に一律二年分前倒し実施するとともに、輸入検査手続等についても可能なものの改善を図ることとしたところであります。 対外経済摩擦の解消は、基本的には国際経済の再活性化、内需の拡大等の総合的な見地から解決を図っていくべき性格のものであり、また、農産物等の市場の開放には限界があります。 私は、市場開放の要請につきましては、わが国の農産物等の市場はすでに相当開放され、その輸入量は膨大なものとなっていること、また、残された輸入制限品目は、わが国農業の基幹をなす作物、地域的に重要な作物、沿岸漁業等の振興上重要な品目に限られ、自由化がむずかしいものばかりであることから、国内農業、水産業の健全な発展との調和を図るという基本方針のもとに、慎重に対処していく考えであります。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、わが国農林水産業の発展とそれに携わる方々に明るい希望を持っていただけるよう、全力を傾けてまいる覚悟であります。 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○羽田委員長 次に、昭和五十七年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。玉沢農林水産政務次官。
○玉沢政府委員 昭和五十七年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて三兆七千十億円で、対前年比〇・二%、八十五億円の増加となっております。 本予算におきましては、財政再建と行政改革の推進の方向に即し、予算のより重点的かつ適切な配分、補助金等の統合・メニュー化等を図りつつ、農林水産行政を着実に展開するよう努めたところであります。 以下、予算の重点事項について御説明いたします。 第一に、生産性の向上を基本とした地域農業を展開するための予算について申し上げます。 需要の動向に応じた農業生産の再編成を行いつつ、農業の生産性の向上を図るためには、地域の自主性と活力を基盤とした総合的な生産対策等を推進する必要があります。 このため、従来各作目ごとに行われてきた生産対策等を統合・メニュー化し、耕種部門につきましては新地域農業生産総合振興対策として、畜産部門につきましては畜産総合対策として実施することとし、生産性の向上の促進等を図ることとしております。 また、中核農家や生産集団を育成し、これらを中心とした地域農業生産体制の整備を図るため、農村地域農政総合推進事業を引き続き推進するとともに、地域ぐるみで農業の再編整備が図られるよう、地域農業再編整備資金の拡充を図ることとし、七百億円の貸付枠を予定しております。 さらに、中核農家の経営規模の拡大等農業構造の改善を促進するため、農用地利用増進事業に積極的に取り組もうとする地区において、作付地の集団化、農作業の効率化、農用地の利用関係の改善等を図る農用地利用増進特別対策事業について八十一億円を計上するとともに、新農業構造改善事業、農地保有合理化促進対策等を引き続き推進することとしております。 第二に、食料の安定供給、農業の生産性の向上等を図るために必要な農業技術の開発を長期的視点に立って積極的に推進するとともに、新技術の普及指導、統計情報の整備に努めることとしております。 このため、細胞融合、核移植等により新生物、新品種を創出するための技術開発に着手するとともに、転換畑作技術の高度化、超多収作物の開発等を推進するほか、畜産新技術、省エネルギー技術等の実用化の促進に努めることとしております。 また、普及事業をさらに効果的、効率的に推進するため、地域への一層の密着を主眼とした指導、情報活動の充実等を内容とした新普及システム推進事業を新たに実施することとしております。 さらに、地域統計情報を含め、生産、流通、消費の各分野にわたる統計情報の整備に努めるとともに、統計情報ネットワークの整備等を通じその活用を図ることとしております。 第三に、農業生産基盤の整備であります。 農業生産の基礎的条件である農業生産基盤の整備につきましては、需要の動向に即した農業生産の再編成等現下の農業を取り巻く諸情勢に対応して、排水対策等水田の汎用化のための事業、畑作振興のための事業等に重点を置いて推進することとし、前年度とほぼ同額の八千九百九十七億円を計上しております。 なお、事業の実施に当たっては、今日の厳しい財政事情のもとで事業効果の早期発現を期するため、新規事業を極力抑制し、継続事業の着実な推進を図ることとしております。 第四に、農業生産対策等につきましては、地域の特性を踏まえつつ、需要の動向に応じて実施することが肝要であり、水田利用再編対策につきましては、第二期の枠組みのもとで着実かつ的確に実施することとし、奨励補助金等として三千五百億円を計上しております。 また、麦、大豆、果樹、野菜等の農産物につきましては、生産性の向上を一層促進するため、先ほど申し上げました新地域農業生産総合振興対策を実施することとし、六百二十八億円を計上しております。 畜産部門につきましては、地域の特性を反映させつつ、生産から流通、消費に至る各種事業が総合的に実施できるよべ畜産総合対策を実施することとし、三百五十二億円を計上しております。 なお、これらの生産対策等とあわせて、各種農産物の価格の安定、飼料穀物、大豆の備蓄量の確保等を図ることとしております。 第五に、農林漁業を基盤とする住みよい農山漁村を建設するため、生産基盤と生活基盤の一体的な整備を推進するとともに、地域住民の福祉の向上に努めることとしております。 このため、地域の特性に応じた住民の自主的な共同活動を推進するとともに、農村総合整備事業、農村地域定住促進対策事業、第三期山村振興農林漁業対策事業等の推進を図るほか、農業者年金の充実等に努めることとしております。 第六に、食料品に対する需要の多様化に対応して、農産物等を適正な価格で安定的に供給するため、生産対策、価格対策等とあわせて、食品産業対策、流通消費対策の充実に努めることとしております。 このため、食品産業の一層の近代化を進めることとし、中長期の展望に立った食品産業政策の課題について検討を進めるとともに、食品産業の技術水準の向上を図ることとしております。 また、卸売市場の計画的整備、小売業の近代化、流通情報の活用等により食品流通の効率化を推進するとともに、JAS制度の充実、食生活改善のための消費者の啓発に努めることとしております。 さらに、国民の栄養バランスの保持、総合的な食料自給力の維持等の観点から、米等わが国の風土に適した基本食料を中心とした日本型食生活の定着促進を図ることとしております。 第七に、開発途上国等における農業開発の重要性にかんがみ、農業開発協力を一層推進することとしております。 このため、国際協力事業団等を通じた調査一指導、資金の融通等を行うとともに、最近の協力案件の増大、大規模化等に対応して、農用地開発公団の活用を図ることとしております。 以上申し上げましたほか、農業金融の充実、農業災害補償制度の円滑な運営等により、農業経営の安定を図ることとしております。 第八に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 林業につきましては、国内林業の振興と森林の公益的機能の発揮とを調和させつつ、森林・林業施策を推進することとしております。 まず、林道及び造林事業につきましては、一千二百五十一億円を計上し、林業生産基盤の整備を進めるとともに、治山事業につきましては、新たに第六次治山事業五カ年計画を策定し、その計画的推進を図ることとしております。 また、木材不況の深刻化等に対処して新たに木材産業の再編整備を図るための低利融資を行うことを目的とした基金造成等の措置を講ずるとともに、林家の定住促進のため特用林産振興を主体とした総合的な集落振興対策を推進することとしております。 さらに、間伐対策の充実を図るほか、松くい虫対策につきましては、新たに被害木の特別伐倒駆除を実施する等により、総合的、計画的な対策を講ずることとしております。 このほか、新林業構造改善事業、林業の担い手対策、木材需給の安定対策等の推進を図ることとしております。 第九に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 水産業につきましては二百海里時代の本格的到来、燃油価格の上昇等の厳しい情勢に対処して、わが国水産業の振興と水産物の安定供給を確保する必要があります。 このため、漁業生産構造の再編整備を推進することとし、新たに長期低利の負債整理資金を設ける等漁業経営安定対策を拡充することとしております。 次に、わが国周辺水域の漁業の振興を図るため、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等を引き続き実施するほか、新たに第二次沿岸漁場整備開発計画を策定する等沿岸漁場整備開発事業の推進を図ることとしております。 また、漁港施設につきましては、新たに第七次漁港整備長期計画を策定してその整備を促進することとし、五十七年度は一千六百五十三億円を計上しております。 さらに、水産物の鮮度等を表示し、これを消費段階において保証するシステムの開発等水産物の消費拡大と流通改善対策を推進するとともに、引き続き水産物の価格安定対策を講ずることとしております。 このほか、漁業災害補償制度について対象の拡大等を図るとともに、漁業共済事業に係る不足金対策を講ずることとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、米の消費拡大やモチ米の需給安定を図るほか、本年四月から米の政府売渡価格の改定措置を講ずる等食糧管理制度の運営の改善に努めることとし、一般会計から調整勘定への繰入額を四千九百八十億円に減額したところであります。 また、五十四年度から計画的に実施している過剰米の処分に要する経費として、一般会計から国内米管理勘定へ一千四百二十一億円を繰り入れることとしております。 国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業の経営改善を計画的に推進することとし、事業運営の改善合理化等の自主的努力とあわせて、国有林野における造林、林道事業に対する一般会計からの繰り入れを行うほか、財政投融資資金の導入の拡大を図ることとしております。 このほか、農業共済再保険等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等による総額八千四百九億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和五十七年度農林水産関係予算の概要の説明を終わります。(拍手)
○羽田委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十分散会