内閣委員会 第20号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/08/10
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、趣旨の説明を求めます。厚生大臣森下元晴君。 —————————————
○森下国務大臣 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今日、わが国においては、諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進みつつあることは御承知のとおりであります。このため、本格的な高齢化社会の到来に対応し、国民の老後における健康の保持を図るため、壮齢期からの予防、健康づくりを初めとする総合的な老人保健対策の確立が急務となっております。 政府といたしましても、この要請にこたえるべく、第九十四回国会に老人保健法案を提出し、今国会においても御審議を煩わしたところでありますが、さらに、老人保健対策の総合的な推進を図るための体制整備を行う必要があります。このため、厚生省公衆衛生局に老人保健部を設置することとし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、老人保健対策を総合的に推進するため、公衆衛生局に老人保健部を設置することとし、これに伴い医務局次長を廃止することとしております。 第二に、老人保健部においては、老人保健法の施行に関する事務等を所掌することとしております。 なお、施行期日につきましては、老人保健法案の施行に合わせて定めております。 以上が、この法律案を提案する理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことを御願い申し上げます。
○石井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
○石井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関晴正君。
○関委員 今度の提案された法律でございますけれども、この案はいわば老人保健法案を受けてつくられたものだ、こう思います。そもそも、わが国における福祉行政、なかんずく老人福祉の行政というものが、十年前に無料化という一つの画期的な線を出した。七十歳以上の老人は医療を無料とする、また自治体の幾つかにおいては七十歳以下でも無料化という方針を出して、それぞれ福祉の行政に寄与してきているわけなんです。十年にしてこれが崩れた、十年にしてこの制度を崩壊させたということはまことにゆゆしきことだとわれわれは思うのですが、なぜ無料制の方針をここで有料制に切りかえなければならないのか。真のねらいはどこにあってそういう方針をとったのかということについて、まず伺っておきたいと思います。
○森下国務大臣 ただいま関委員より、十年前、すなわち福祉元年、老人の医療無料化が始まったわけでございますが、十年後の今日において新しい老人保健法によって一部負担の必要性が出てきた、これに対する御質問でございますが、この国民の老後の健康を確保するためには、国民がみずから加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して、常に健康の保持増進に努めてまいること、それから、壮齢期からの予防と健康づくりを初めとする総合的な保健事業を実施すること、三つ目に、老人医療費を国民みんなで公平に負担することにより老人の医療保障の制度的基盤を確立することが重要と考えております。 そういうことで、新制度の一部負担金の問題は、そのような観点から老人の方々にも健康に対する自覚と適正な受診をお願いするとともに、老人医療費を主として負担する若い世代との負担の公平を図るという観点から、無理のない範囲で実際にかかった費用のごく一部の負担をお願いしているところでございます。 いわゆる高齢化社会に入りまして、われわれの想像以上の高齢化社会への進度、進み方が早かったということもこの原因の一つでございますけれども、最後に申し上げましたように、負担の公平という問題、それから健康に対する自覚と適切な受診をお願いしたいというようなことでございます。
○関委員 これは大臣にきちんとお聞きしておきたいのですが、福祉行政というものは無料化よりも有料化の方がいいんだ、こういうお考えがあって進めたのですか。どうなんです。
○森下国務大臣 もちろん福祉は、無料の制度もございます。また、この有料制度によって負担の公平化というまた一つの社会保障的な意味もこれに加わるわけでございまして、十年前の情勢と現在ではかなり情勢が変わってまいったということもあるわけであります。 この老人福祉法は、ちょうど五年前のこれに関連する懇談会から話が始まりまして、将来の高齢化社会に備えて医療はいかにあるべきか、また老人の全体の人口に占める割合が非常に大きくなる、これはいわゆる医療費のウエートにもかなり影響もあるというような観点から、福祉の精神また社会保障の精神、それから高齢化、また、老人人口が国民の総人口に占める割合がふえていく、そういうようなこともすべて含めまして、今回のような老人保健法案を提出させていただく、それに従って機構の改革をさせていただく、そういうことで、決してこの一部負担ということが福祉の後退には特につながっておらない、こういうふうに実は私は思っておるわけでございます。
○関委員 この法律の制定によって国の負担というのはどれだけ減るのですか。平年度においてどれだけの金額が負担減になるのですか。
○吉原政府委員 老人保健法によりまして現行制度と新制度を比較いたしてみますと、五十七年度の満年度におきまして、国の負担は、公費負担分はふえますが、保険者の拠出金に対する負担分、これは現在よりも減少いたします。トータルをいたしまして、平年度ベースにおきまして約七百九十億、国の負担減になるわけでございます。
○関委員 およそ八百億近い金が負担減になる。そのために七十歳以上の老人の医療を有料化にする。六十九歳の老人の方は、せっかく来年からはただになるということで喜んでおった。もう一年だなあと思っておった。それが今度はあなた方はだめになりますよということですから、これはとんでもないということで、また大変なショックを受けているわけであります。 八百億という金は大した金じゃありません。P3CやあるいはF15、一機百億も超えるようなものに比べますと、八機未満です。防衛計画においては百機も買おう、こう言っています。そういうようなことを考えますと、八百億の金が惜しいからといってこういう方向に切り込むということは、まさに老人のべっ視政策になるじゃないか、老人の福祉政策じゃなくて老人切り捨て政策を打ち出したんじゃないだろうか、こう思うわけです。そういう意味においては、今度の方針というものはまことに残酷なものだ。財政を知らない人々は、国の財政のために今度は負担するんだ、こう思われているけれども、わが国の中におけるむだ遣いというものがいかに多いかわからない。厚生省というものはそういうことにもっと大胆にかかっていくようにしなければならないんだと私は思うわけです。そういうこともしないで、そうしてそこに踏み込んでいることについて、まことに残念だ、こう思います。 次いでなお聞きたいことは、そういう節約をして、そうして老人の医療の仕事が有料化されて、その事務の量が市町村にどっさり落ち込んでいきます。市町村行政の中でまた事務量がふえてくる。医療の対策からいきますと、医療に従事する人もまた求めていかなければならなくなる。そういうような市町村の負担や、求めていかなければならないであろう保健婦さんだとか医療従事者の関係等については、どのような次の手だてあるいは方向というものをたどるものか、その点についてひとつ御説明いただきたいと思います。
○三浦政府委員 老人保健法の施行に伴います都道府県それから市町村の事務が増加することが予想されるわけでございますが、これは地方交付税の交付金によりまして事務職員を措置することとしておるわけでございます。 五十七年度におきましては、都道府県、市町村合わせて四千二百六十二人の増員を見込んでおるところでございまして、五十八年度以降におきましても、事務量の増加というものを勘案しながら適正な措置が講じられるように、関係の省庁と協議していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○関委員 この四千二百人余というのは、これは公務員の定数増の数ですか。 それからもう一つは、純粋に事務に携わるところの定数のことを指すのですか。 あわせて、看護対策についての保健婦さんの数なんかはどのように考えておられますか。
○三浦政府委員 ただいまお答えいたしましたのは事務職員でございまして、これは根拠を申し上げますと、交付税によります事務職員の増につきましては、都道府県で、百七十万人の標準団体、これを五十六年度は五人から六人にしたわけでございます。したがいまして県として百四人ふえたということになります。それから市町村は、十万人の標準団体で五十六年度は二人でしたのを二人ふやして四人にいたしまして、これで市町村が四千百五十八人ふえまして、合わせて先ほど申し上げましたように四千二百六十二人の増ということになるわけでございまして、これは老人保健におきます保健事業、医療も含めまして実施に充てるということでございます。 それから、老人保健事業の実施に当たってマンパワーの整備ということが大変重要な問題でございますが、保健事業につきましては、厚生省といたしましては、五十七年からおおむね五年間で、保健婦等の必要なマンパワーの配置、それから保健所や市町村保健センターの施設整備、こういうものを進めてまいりまして、六十一年、五年後に全市町村でおおむねある一定のレベルまで引き上げていこうということで、いま準備をしておるわけでございますが、保健事業実施のためのマンパワーの中心となる保健婦さんにつきましては、これを年次計画的に必要な増員を図ってまいりたいと考えておりまして、五年間で約八千名の増ということを考えておるわけでございます。 この内訳を申し上げますと、現在、保健所、市町村に合わせて一万五千人の保健婦さんがおりますが、このうちの約二千名を老人保健事業の方に充てるということでございまして、それからあと三千人は新規の保健婦さんの採用ということでございます。それからあとの三千人は雇い上げの保健婦さんということで、合計八千人の増を見込んでおるわけでございます。
○関委員 八千人の保健婦さんを必要とする、しかもそれを五年の間に何とかしたい、こういうお話でありますが、その計画をどのようにして実施していきますか。 もう一つ聞きたいことは、言うなれば無医療地区といいましょうか、お医者さんのおらないところですね、そういう無医地区また僻地、そこに住んでおる老人に対しての医療政策というものをどういうふうにして考えておられますか。 保健婦さんの充足の手順とあわせて、僻地における医療の対策というものについてどのような考え方があるのか示してください。
○大谷政府委員 厚生省におきましては、僻地医療対策を昭和三十年代より長期計画をもって実施いたしてきております。 第四次計画からは、従来の無医地区診療所あるいは巡回診療車等に加えまして、その地域を広域市町村圏としてとらえまして、そこに僻地中核病院というものをつくることにいたしまして、その僻地中核病院に国から設備あるいはマンパワー等の補助をいたしまして、その中核病院の医療を増強することによりまして、その広域市町村圏内における無医地区に対しましてあるいは巡回診療を行う、あるいは駐在を行う、あるいは医師の研修等も引き受けるというふうな総合的な僻地の医療対策というふうなことを現在講じているところでございまして、この政策につきましては今後とも、現在第五次計画でございますけれども、年々これを増強していきたい。またこの中で、先ほど先生お話しのございました保健婦につきましても、保健婦の駐在等につきましてもこの計画の中に含めまして、総合的に実施いたしていきたいというふうに考えているわけでございます。現に実施をいたしているわけでございます。
○関委員 とにかく、無医地区の解消問題にしろあるいは僻地における医療対策にしろ、欠けることがたくさんあるわけです。しかし日本国民一人一人、最も弱いところにおられる方々をも救い上げるというのが福祉の精神であろうと私は思いますし、その趣旨で今日まで七十歳以上の老人はせめて無料にする、やがてはその年齢を引き下げるべきものだという一つの方向から、まさに逆行の方向に立ってしまった。そうして、なすべき多くの行政の方向というものが、医療行政というものが今日非常におくれているわけですが、そのおくれていることにuターンといいましょうか、舞い戻ったところの有料化制度というものは、よけいにまた迷惑をかけていくことになるのではないだろうか。無料であればこそ、遠い道のりでもとにかくちょっと行ってくるかといって出かけられた老人の患者さん、今度はそうはいかないよ、お金がかかるよということから、ちょっと大儀になる、その結果落とさなくてもいい命を落としていくようなことにもなるだろう、こうわれわれは思うわけです。そういう意味において、今度の法案、これは可決されたとはいいながら多くの問題のあることだらけだ、こう言っていいだろうと思うのです。 それでも、とにかく今度四十歳以上の方々の健康について留意するのだ、一つのおみやげといいましょうか、そういうものを持ちかけてこれを合理化しようとしているのだなと私は思うのですが、この四十歳以上の方々に対する健康手帳にしても、これはすべての方々に差し上げるのですか。その点どうなっています。
○三浦政府委員 健康手帳につきましては、受診にいらした方々には全員に差し上げたいと考えております。
○関委員 そのほかいろいろといまの問題についてお尋ねしたいことがあるのですが、これはまた他日に譲ることにしまして、実はきょう特に、防衛庁長官おいでになっておられますならば防衛庁長官にお尋ねをしたいことがありますので、御質問したいと思います。——それでは、防衛庁の方にお伺いいたします。 私ども社会党の方から去る七月十五日申し入れた、青森県の六ケ所村泊の地域における陸上自衛隊の射撃訓練、これについては地域における漁民が相当にこの問題について合意していない、また漁協の中における内部の紛争も大変なものがありまして、とてもとても射撃訓練なんかできるような状態にはない。出かけていっても、漁民がまた漁業を営むということで射撃訓練はできないままになっておる。七月一日から本日の八月十日までの間に四十日たっておるが、この四十日の間にどれだけの日数射撃訓練が行われ、これに参加した射撃部隊と申しましょうか、さらに発射した弾の数と申しましょうか、その点についてひとつ御報告いただきたいと思います。
○友藤政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、七月の十五日に私どもの大臣室へ関先生初めお見えになりまして、関係漁民の反対が強いので円満な話し合いをしてもらいたい、ついては訓練も中止していただきたいということでお申し出があったことは、私どももよく承知をいたしております。大臣からはそのとき、円満解決については私どもも当然望んでおるところであるということは申し上げたかと思いますが、私どもも隊務遂行上、練度の維持というものは大変重要でございますので、実施可能な限り訓練については実施をしてまいりたいというふうに申し上げたかと思います。 訓練の実施の状況でございますが、七月一日から八月十日まで四十一日間ございますが、この間、射撃の準備でございますとか、部隊の交代あるいは悪天候、視程の不良等のために、私どもの準備の都合上できなかった日と申しますか、準備に費やした日が十一日間ございます。それから、射撃を実際行いました期間、まる一日ということでございませんで、一部の日もございましたが、それは十九日間でございます。それから、漁船等が危険区域内に立ち入りましたためにやむを得ず射撃を中止いたしました期日が十一日間ということでございます。訓練をできないで帰りました部隊は五個部隊ございまして、一部隊約百五十名の五個部隊というふうに聞いております。 射撃いたしました弾数でございますが、約六千発でございます。弾種は、三十五ミリのL90の高射機関砲あるいは七十五ミリの高射砲あるいは十二・七ミリの機関銃、こういったものの弾約六千発という状況でございます。
○関委員 この四十日の間に実際に撃った日にちというのはわずかに十九日、五割にも達しておりません。 そこで、どうしてこんなことになっているのか、その最大の理由を何と考えておられるのかということです。防衛庁は、どこに原因があってこんな状態に追われているのか、そこからどんな反省をしてどう立ち向かおうとしておられるのか、私はこの点をお聞きしたいと思います。
○友藤政府委員 私どもといたしましては、御案内のとおり、この六ケ所の対空射撃場でございますが、従前はこの六ケ所村の尾駮という地区にございまして、御案内だと思いますが、この場所がむつ小川原の総合開発計画の工業開発地区ということで指定をされましたために引き続き使用することがむずかしくなったということで、地元の開発に御協力申し上げるということで、事業主体でございます青森県の御負担と責任におきまして別の場所に移転をしていただくということで処理をしてまいったわけでございまして、青森県側で新しい射場の設定につきまして地元の関係の皆様と種々御調整をいただき、私どもも側面から御協力をいたしまして、現在の射撃を行っております泊地区に新しい射場を設定していただいたのが現在までの経緯でございます。 ただ、先生御指摘のように、この新しい射場の地先制限水域内に漁業権を持っておられます泊漁協組合におきます了承をとりました際のいろいろな決議等に若干いろいろ疑義が出されまして、いろいろ紛議が出ておるわけでございますが、私どもとしましては、やはり県の事業に積極的に協力していくという立場、あるいはいろいろ紛議は出ておりますけれども、一応公式には告示をされまして、御了承もいただいて、調整を終わって県からお使いくださいということで使用について御了承をいただいております射撃場でございますので、射撃が実施できる状況でありますれば、私どもとしましても任務遂行上非常に重要な訓練でございますので何とか使用してまいりたいということで今日まで参っておるわけでございまして、決して私どもの方から紛議を引き起こしたいというようなことは毛頭ございませんで、できるだけ地元の円満なる御解決をいただいた上で使いたいということは当然でございます。私どもも引き続きまして事業主体でございます青森県を通じまして側面からも一生懸命努力いたしまして、円満なる解決に持っていければというふうに考えておるところでございます。
○関委員 せっかくあなた方の方も、円満な解決に持っていけるならば持っていきたい、こう考えておる。誠意をもって円満な解決を図るために踏み込まなければならないと思うのです。県にお任せする、あるいは漁協がとにかく決めたんだから、なりふり構わずわれわれは発射する、こういうことでは漁民はますます不信感を持って、もう射撃訓練なんかよしてくれ、他に転じてくれ、こう言ってますよ。 現在、この高射砲の低空域における射撃訓練はどこどこで行われていますか。
○友藤政府委員 現在、こういう陸上自衛隊の対空射撃でございますけれども、当六ヶ所のほか、静内それから佐多の全部で三カ所でございます。
○関委員 それらの地域ではどの程度の補償金を払っていますか。
○甲斐説明員 お答えいたします。 静内につきましては約一億でございます。それから佐多につきましては六千万でございます。
○関委員 もう一つ、尾駮でおやりになったときは幾ら払っておりましたか。
○甲斐説明員 お答えいたします。 一億二千万でございます。
○関委員 大変な話です。いまの答弁は本当でしょうね。もう一遍確認しておきますけれども、間違いじゃありませんか。尾駮の場合一億二千万ですか。もう一遍確認します。
○甲斐説明員 お答えいたします。 失礼いたしました。一億二千万と申しましたのは六ケ所対空射場全体でございまして、そのうちの泊の漁協につきましては四千二百万でございます。先ほど申し上げた数字の、ほかの静内あるいは佐多の対空射場、これは全体でございます。
○関委員 私の聞いていることにちっとも答えてくれてない。私は、射撃訓練場において被害を受けている、あるいはその補償分としてどれだけ払っているかということを聞いているんです。まあそういう論議はまた後にします、とても時間がありませんから。 そこで申し上げます。泊のところで八千万ですよね。そうして尾駮のところでは四千二百万ですよね。この計算の基礎はどうしてやるのですか。
○西原説明員 お答え申し上げます。 いわゆる八千万円、これは六ケ所対空射場水域におきます制限期間内の泊地先における過去の操業実態を県、組合の漁獲統計資料等をもとにいたしまして、泊漁業協同組合にかかる損失を算定した目安の額でございます。なお、具体的な補償金額につきましては、訓練実施後、実際の水揚げ等を調査の上、具体的かつ適正に算定するということは当然のことでございます。 この目安の額につきましては、当該漁業協同組合幹部と十分な話し合いを行いまして、その了解を得たところでございます。一部の組合員に不満があると聞いておりますが、補償の実施に当たりましては、組合員の十分な了解が得られるよう努力をいたしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○関委員 水揚げの金額に照らし合わせと言っておられるのですが、水揚げの金額を幾らと踏みましたか。
○甲斐説明員 お答えいたします。 水揚げの金額につきましては、県の方から資料をいただきまして一応計算いたしてございますが、その数字でございますけれども、これはいろいろな数字と申しますか、地先の漁場もあればあるいははるか沖合いの漁場とか、そういうものもございますものですから、そういうところでその分をいろいろと仕分けしてやっておるというところでございます。したがいまして、そういう資料等につきましては、ほとんど県の方からいただいたものでやってございます。
○関委員 ふまじめですね。防衛庁というのはこんなにずさんなんですか、物の考え方が。六ケ所村の尾駮というところは、魚がほとんどとれるようなところでもありません。とれないとは言いません。しかし、泊というところは大変な漁業の盛んなところなんです。ここには漁民が一千人近くおります。一千人近くあって、わずか八千万円の補償でどうなるかと言っているのです。しかも海面積が四五%占領されちゃう。そうして期間が五カ月間にわたって制限を受ける。年間の水揚げが約十二億あるところですよ。一カ月一億と見てもいいでしょう。それを八千万で片づけようというのですから、びっくり仰天なんです。八千万を千人で割ったら何ぼになります。八万円でしょう。八百人で割ったら十万円。五カ月で割ったら一カ月二万円。昼もいまイカがとれるというところで、非常にみんなが逃がすわけにいかないと言って出かける。たった八千万で片づけるというのは、一体何たることだ。何で防衛庁はこんなわれわれの好漁場へ徹底してそうしてのしかかってくるんだ。とてもわからぬ。 しかも、むつ小川原開発において、ここの港湾を建築するに当たって影響補償として出された金額は三十三億ですよ。むつ小川原の開発の場合においては三十三億、そうしていまこの射撃訓練においてそういうような状態のときに、わずかに八千万。何ぼ自民党の支持派でもとってもかなわぬというところで、社会党のわしのところにやってきたんだ。党派の問題を私は論じようとは思いません。私ども自衛隊は認めてないですから余り論もしたくない。しかし、現実に漁民にそういう悪影響を与え、しゃにむに射撃してくるならば、やはり漁民だって抵抗しますよ。こんなむちゃな算定の方法でどうしていいということになるのです。好漁場、その声を素直に聞いて、やはり防衛庁はやり直しをして、漁民の納得を得るように道をとるべきだと思う。 青森県の知事は、議決した余端に、その日のうちに差し支えないという文書を出した。この議決の内容というものは、出席した組合員がわずかに二十四名ですよ。六百四十四名もある組合員のうち出席した組会員わずかに二十四名。そうして出席した者は十四対十。そうして、何も出てこないで、書面議決という方法で三百二十二名を取っておる。 ここで私は水産庁にも聞きたいのだが、この書面議決というものが、大半どころじゃない、九割も占めているような状態、極端に言えば漁業協同組合というものは、だれも出なくても、勝手に買収供応で白紙委任状取ってきさえすれば何でもできるということになってしまうのじゃないだろうか。しかもこの十五日の決定というのは、十五日の委任状ではない。十五日付の書面議決でもない。三日前の六月十二日付の書面議決をそのまま使っている。六月十二日の漁協の総会というものは、全く流会です。だれも議長になる者がなくなって、最後に組合長が立って、おれが議長になって三日後の六月十五日に再び臨時総会を開く、こう宣言した。これを流会の姿で組合長が宣言すれば三日後の組合総会が成り立つと思っておられるならば、とんでもないことだと思う。 〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕 だからだれも出ていかない。わずか出ていった者は二十四名。あとは書面議決の三百二十二を使って片づけちゃった。こんなむちゃなことなんです。普通、防衛庁のやることにみんな逆らうなんということはあり得ないでしょう。逆らうとすれば、社会党か共産党に決まっているというのが定説でしょう。これらの漁民は抵抗していますよ。射撃訓練の場所に出かけていっています。あんた方の方は撃てないでしょう。後ろめたいものがあるから、撃つわけにもいかない。出ていけという強制権だって発動できないでしょう。しようと思えばできないこともないかもしれないが、瑕疵のある議決だからそうもできない。海上保安部だって、何とか出ていけといって警報を鳴らすけれども、それだって威令は行われない。その根本原因は、漁民の納得を得ていないからですよ。 こういうむちゃな、無法な議決をもってあなた方に返事しているんです。青森県の北村知事というのは、自民党の言うことであれば何でも言うことを聞くという知事なものだから、珍しい自民党公認の知事だから、それをいいことにしてまた逆用してもならないと思う。泊の漁民たちは、いま、さらにこの議決案が無効だというので無効の申請を青森県知事に出しておる。しかし知事は、指導をしてそういうふうに持っていったものだから、裁判官も一緒にはまり込んでいるものだから、なかなかいい判定が出せない。もう間もなく一カ月になりますよ。黙ったままです。そういう姿もあるわけですから、私は、敢然として、これは防衛庁は自分の責任でやりたいというならば、それらの諸君に対する話し合いをすべきである。 あわせまして、水産庁長官おいでになっていると思いますから、こうした無法な議決をもって差し支えないとか、訓練よろしゅうございますなんと言って訓練が行われたりされたりするようじゃ、まことに情けないと思う。そういう意味において、水産庁はこの議決に対して、またこういう状態について何らかの指導をすべきじゃないだろうか。権限の有無じゃなくて、そんなことを聞いた以上は黙ってはおれない、こういうことで指導をすべきじゃないかと思うのですが、この点についての御見解をひとつ聞いておきたいと思います。
○松浦政府委員 六月中旬に開催されました六ケ所村の泊漁協の第四回の臨時総会におきまして、六ケ所の射撃場が泊地先水面に移転するということにつきまして、漁協の損失補償額及び協定案の承認につきましての総会の議決につきまして手続的に問題があり無効であるということで、取り消しの請求が関係者から七月十三日付で出ていることは私どももよく承知をしているところでございます。 先生も御案内のように、本来から申しまして水協法の百二十七条で泊漁協の監督権は都道府県知事に属しておりまして、当然都道府県知事がこのような問題につきましての処置を考えていただくというたてまえになっているわけでございます。私どもも、事態が事態でございましたので、青森県に対しまして、一体事実関係がどうなっているかということの実情の聴取はいたした次第でございます。 その結果でございますけれども、問題は、この六月十二日の総会の議決に当たりまして、組合長が議長に適法に選任されているかどうか、あるいは総会を継続させることについて総会の意思が明確になっているかどうか、こういった法的な問題があるように見受けられたわけでございますが、実はその内容といたしまして、このような法的な判断をする前にそのような行為が行われた事実関係、これが一体どのような状況になっていたかということが最も重要であり、かつ同時に、それによって法的な関係というものは左右されるというふうに判断をされるわけでございます。さようなことから私どもといたしましては、第一次的に当然都道府県知事の監督権のもとにあるわけでございますので、県に対しまして、この事実関係をより明確に究明して、その結果的確な判断を下すようにという指導をしている次第でございます。
○関委員 重ねて水産庁長官、あるいはまた自治省からもおいでになっているかと思いますが、来ていますか。 実は、こういう漁協が総会において議決をした内容について問題がある場合には、一カ月以内に議決無効の申請をすることができると水協法の百二十五条にあります。したがって、異常な状態で開かれたような総会の場合には、せめて一カ月ぐらいは様子を見て、そうして回答をそれぞれにするのが筋だろうと私は思うのです。それを議決が終わるか終わらないかのうちに、直ちに防衛庁長官あるいは水産庁長官に差し支えないという返事を県は出しておる。あり方からいくならば、一カ月間に異議が出てくるかもしれないし、無効の申請が出てくるかもしれない。当然間を置いて、そうしてやはり大したことがないというので差し支えなしという文書を出すならばこれは正しいと思う。そういう異常な雰囲気の中で行われているのにもかかわらず、またそういう法律の規定というものがあるのにもかかわらず、防衛庁に迎合すると申しましょうか、まあ早くやりたいというものへお手伝いをするという意味があったでしょう、そういうことで、議決と同時に差し支えないという文書を出しているのです。こういうことなんか私は軽率だと思うのです。あり方からいけばもっと慎重にすべきものじゃないだろうか、こう思うのですが、この点について水産庁長官並びに自治省関係者にお答えいただきたいと思います。
○松浦政府委員 この件に関しましては、実は四月二十六日に内閣総理大臣から農林水産大臣にあてまして御照会がございまして、また同時に青森県知事にも御照会があったようでございます。これに基づきまして、私ども四月三十日に水産庁の部長名をもちまして青森県の水産部長に照会をいたしておりまして、その後六月十五日に差し支えない旨の回答があったということでございまして、その間に約一カ月半の時間がございました。さようなことから私どもとしては、十分に県としては検討をしたものというふうに考えております。六月十五日の日付でこれを飛行機で持ってまいりました。私どもとしては、慎重に審議をした上でこれを持ってきたものと思いまして、当日付をもちましてこの照会文書を受理した上で防衛庁あてに御回答申し上げたという次第でございます。
○金子説明員 御質問の件につきましては、事実関係を私ども十分把握できない点もございますけれども、青森県に電話で照会いたしましたところ、県といたしましては漁協総会におきます適正な議決が行われたということで防衛庁に対して同意をいたしたという返事をいただいております。ただ、伺いますと、この総会の議決の効力をめぐりまして現在県に対して異議申し立てが出されているということでございますが、いずれにいたしましても、このような問題につきましては地元で円満に解決されることが必要ではないかというふうに私ども考えているところでございます。
○関委員 同じ行政機関の中でありますからお互いかばわなければならないところもあるだろうし、また余り批判がましいことも避けなければならないという心情もあるだろうと思います。しかし、いま水産庁長官が言うように、きちんとしてきちんとなされたものだと思っているというこのことなんです。ところが事実はいま申し上げたようなことであったわけですから、ひとつ十二分に指導と監督と、それから前向きの方向で事が運ばれるように努めていただきたい、私はこう思います。 それから防衛庁においては、算定の基礎です。話は戻りますが、防衛庁の方にもう少し申し上げたい。算定の基礎は、言うなれば近年における水揚げ高を基礎にしてやっていると言うのだが、その水揚げ高を幾らとして勘定しました。この金額は何ぼと聞いてやりました。これだけはひとつ言ってください。
○甲斐説明員 先ほど先生一応、八千万が大変金額的に三十三億と比較されまして少ないというお話がございました。実は私どもでやっております補償と申しますのは、毎年毎年制限をいたしまして、そして制限をした結果損失が生ずるわけでございますが、その場合におきまして、水揚げそのものじゃなくてそれの所得の分でございまして、所得の差が出てまいります。その所得の差の八〇%を一応補償金といたしておりまして、これは毎年毎年お支払いいたします。三十三億というものにつきましては、これはたとえば漁業権を消滅いたします、そういったもので一回限りの要するに打ち切り的な補償でございまして、したがいまして比較が多少違うのではなかろうかと思います。 なお、おっしゃるとおり泊の漁場につきましては、私どもも、大変いい漁場であるし、今後いろいろとさらにそういう面の調査等も含めまして、金額や何かについて、八千万ということに余りこだわらずに検討してまいりたい、こう思っておりますので、ひとつ何とぞ御了解願いたいと思います。
○関委員 六ケ所の村は、そういう防衛施設関係のものが来れば村の財政に寄与するからというので賛成していますよ。しかし泊の漁民たちは、尾駮から北上するにしてもこんなに近くまで来るとは思っていなかったと言っているのです。しかも、この射撃場のすぐ前二百メートルの地域というのは非常に海が深くなっているところなんです。魚の巣なんです、ここは。この魚の巣のところにドカンドカンと撃たれるものだからたまったものじゃない。ですから何としてもこれは移転してもらわなければならない、これがいまの漁民の要求です。補償の金額の八千万なんというのは、とてもとても不足でお話にならない。ただいまの答弁者は三十三億と比較して云々と言うけれども、三十三億だって根拠があってやっていますよ。漁業権の消滅の部面もあるけれども、この泊というところは営業補償の方が大部分なんです。漁業権の消滅というのは平沼の方なんです。尾駮の方なんです。泊の方は営業補償なんですよ。ですから消滅の方は百万多くもらいましたよ。その場合における算定の基礎というのは、余りにもでたらめじゃないか、これは、かつて防衛庁長官がゆすり、たかり論をやったときに、少したかり過ぎた分があったのじゃないかと批判されておりまして、このことについて今日訴訟が行われております。幾ら国の方に金があるからといってむやみやたらに取り過ぎたじゃないか、それがけしからぬといって今日訴訟になっておりますよ。青森県民はきわめて正直で、取り過ぎたものがあるというと見逃さない、しかし、不当なことがあるとこれはやはり許さない、こういう心情が正しく働いているのです。 ですから、いまの場合、先ほど申し上げたように、漁民が使うところの面積において四五%締め出される。それが七月から十一月までのいい期間なんです。そして一カ月二万円程度しか補償されないとあったら怒るのがあたりまえじゃありませんか。どうしてこんなことが漁協の幹部においてよしとされたのか。それにはまたいろいろ事情がある。今後仕事を与えるとか、今後おまえの方をよくめんどう見てやるとか、工事請負とか工事等にかかわる将来の所得において幾らかもうける者が出てくる、そういう者が幹部になって、不足だけれどもがまんしようといって調印した。案の定漁民から総スカン食っているわけです。そうしてしゃにむにやろうとしている。ですから私は、何としてもこういうようなことは、防衛庁の方はもっと漁民と話をして、村だとかボスだとか相手にしないで、仲立ちを頼まないで、直接交渉して意のあるところを引き出して対処したらいいと思う。 ただいまの答弁の中に、今後そういう問題についても検討して当たりたい、こう言っている。何もゆすりたかりでこれらの方々がやっているのじゃない。どこかの中間において適当にいいかげんにされているものがあるからこんな結果が生まれたものだと私は思います。そういう点でひとつ速やかに、率直にこれらの反対漁民の諸君と話し合いをして対処すべきだと私は思うのですが、こういう点で長官はどう考えますか。
○友藤政府委員 先ほど来お話をいろいろ伺っておったわけでございますけれども、漁協の組織の中の問題も相当ございまして、なかなか私どもとしてもむずかしい立場であることは十分御理解いただけるのではないかと思いますが、初めに御答弁申し上げましたように、そもそもこの事業の発端が県の開発事業に御協力申し上げるということで、それではということで青森県の方でその御負担と御責任でもってこの場所を御選定いただき、いろいろな御調整をいただいておるという経緯もこれまた無視をするわけにもまいりません。私どもといたしましては、先生のお話もございますので、誠心誠意この問題への努力はいたすつもりでございます。ただ、県当局のお立場、いままでの経緯もございますので、そのような中でどういう工夫が今後できるか、関係者よく協議をいたしまして円満な解決に持っていけるように努力をいたしたいと思うわけでございます。 なお、先ほど一番初めにちょっと御答弁いたしました数字の中で、数字が一カ所ちょっと違っておりましたので、謹んで訂正させていただきます。訓練できないで帰った部隊の数を五と申し上げたかと思いますが、ただいま調査いたしましたところ四というのが正確でございますので、謹んで御訂正いたします。
○関委員 とにかくわが国内における射撃訓練だけでも、合意のないままにと言えば少し当てはまらないかもしれないが、不合理な、言うなれば常識を欠くような形で、議決があれば何でもその議決に従って事を進めればいいだろうということは考え直していただいて、そうして納得のいくような解決策、納得が得られない場合はやっぱり引き揚げるしかないと思う。それをしゃにむに進めばいいのだというところに私は誤りがあるのじゃないだろうかと思いますから、ぜひひとつ射撃訓練を中止をして、そうしてこれにまともにぶつかって当たるのだという気構えで向かっていただきたい。射撃はあたりまえにする、話はとにかく県のとおりに黙っている、こういうことじゃ解決にはならないだろう、こう思いますので、そのことを強く私から要望しておきたいと思う。 もう一つ。七月二十六日に私はこの射撃訓練場を視察すべく参りました。ところが、あなたが来ても見せるわけにはいかない、こういうことでお断りを受けました。防衛庁というのは、国会議員が施設を視察する場合に、これを断るように言いつけているのですか。何でそういうようなことになるのです。しかも、私どもの大事な青森県の地域における訓練の状態、訓練海域、訓練場、訓練の姿、そういうものを調査しなければ問題の解決にもならないと思いまして出かけていった。あなた方の味方になるつもりで出かけていっているのです。それなのに断られる。何で国会議員が当該施設の視察を断られねばならないのです。だれの責任でそうなるのです。この点についてお答えください。
○友藤政府委員 ただいまのお話、結果としては大変遺憾な形で、お断りするという形で、私どもも大変残念に思っておるわけでございます。 いろいろ調査をいたしましたところ、七月の二十六日の日突然のお申し越しということで、実は前もってわかっておりますれば応分の対応を当然指示をいたしておるはずでございますが、ちょうど射場関係の責任者が不在でございまして大変失礼をいたしたわけでございます。当日は、訓練は実施をいたしておったわけでございますが、訓練実施部隊は訓練の安全確保その他で訓練の実施上手が離せませんので、通常こういう場合には射場の管理担当者の方で当然お相手をしなければいけないわけでございますが、たまたまほかの重要な用件がございまして不在であったというのが実情であったようでございます。そういうことでございますので、何とぞ御了承いただければと思うわけでございます。当然、期日を御調整いただいて御視察いただくということは十分可能でございます。
○関委員 私は、あなた方の指導理念を言う。国会議員がその施設を視察に来たという場合に、事前の通知を受けてこれを認めることもあるでしょう。しかし、通りがかりに寄るということだってあるでしょう。いつ行ったって差し支えないのじゃないですか。都合によって見せられないというのは何です。どんな都合があれば見せられないのです。私は言いましたよ。きょうはどうした。管理隊長がいない。管理隊長はどこへ行った。八戸に会計検査院の監査に出向いております。それじゃ次の隊長はいないか。次の隊長も出かけております。それじゃその次の隊長に次ぐ者がいないか。私でございます。それじゃあなた案内したらいいじゃないか。ところが、上司の命によってお断りすることにいたしました、こう言うのです。社会党の国会議員だから断ったのですか。自民党の国会議員でも突然来れば断ることになっているのですか。国会議員に差別をするのですか。それともしないのですか。こういう場合、たてまえとしてどうすることが正しいのです。何て情けないことです。よくも思い切って断るものですね。それが教育訓練科目の中にあるのですか。何と教えているのです、答えてください。
○友藤政府委員 結果としてお見せできなかったのは大変遺憾であるということを申し上げておるわけでございます。私どもとしては、決して先生方を与野党ということで区別を申し上げているということは毛頭ございませんし、国政調査というような観点からも、防衛施設につきましてはお申し越しがあれば日程等について御相談を申し上げておるわけでございます。ただ、何分にも部隊、非常に危険な実弾射撃をやっております最中でございます。安全管理その他いろんな面で手落ちがあったりいたしますととかえって失礼に当たる部分もあろうかということで、恐らく現地で気をきかせてこのような取り扱いをいたしてしまったのだろうと思いますが、今後そういった点、手落ちがないように十分指導してまいりたいというふうに考えております。
○関委員 この日に私が行ったのは二時です。待ってください、待ってくださいで回答を待ちながら、次の人の回答、次の人の回答、みんなの回答を私は待ちました。一時間待ちました。三時に私は帰りました。ところが訓練もこの私の帰るときに終わっちゃったのですよ。七時までやる訓練でしょう、あなた方。しけでもないし、漁民が漁船で妨害しているのでもない。私が立ち寄っただけで、私が帰るときに終わっちゃった。これはどういうわけです。
○友藤政府委員 先ほど来申し上げておりますように、現地の部隊の方で大変慎重に事を取り運んでしまったということについては、私ども大変遺憾であるというふうにおわびを申し上げておるわけでございます。個々の隊員の対応につきましては、日ごろよく指導をいたしておるわけでございますが、足りなかった点もあったのではないかということで、今後十分指導していきたいというふうに考えております。
○関委員 国の金を使って国民のために働くんだと言っていながら、国民の代表に対する仕打ちというものはまことに非情です。今後ともこれは全隊員に、国会の代表が行った場合にはそういう遇し方はよろしくないんだ、いつでも——秘密がないのですからね、核兵器でも持っておるわけでもないのでしょうから、もっと明るくしてくださいよ。そういう指導を私はすべきだと思いますので、その点についてのお考えを一つ。 もう一つは、この間、青森県の陸奥湾で海上自衛隊が、言うなれば国民教育というのですか、一般市民に自衛隊を開放するというのですか、体験訓練、訓練体験というのですか、そういうようなものをさせるというので、千八百名の市民を十隻の船に分乗させて、そうして陸奥湾の海を走った。ところが号砲が暴発して三十二名の諸君にやけどを負わせた。この護衛隊は第三二護衛隊と聞きます。三二護衛隊が三十二名を護衛しないで、やけどさせた話です。二十七名の市民、五名の隊員。一番小さいのが赤ちゃん、一歳未満ですよ。一番の年寄りは七十歳。しかも男女それぞれあります。 こういう体験訓練とかあるいは体験させるということは、何を目的にしているんです。どうしてこういう号砲の発砲に当たって暴発が起こったんです。海の方へ向けて、空の方へ向けて撃つべき号砲を、観覧者の方に向かって撃つとは何事です。近ごろ自衛隊は、昇任試験に当たっても秘密が漏れて、試験問題が漏れるようなほど腐っているから撃つべき方角間違うのもあたりまえだろうなんと悪口言う人もありますよ。それほど弛緩している。これは弛緩以外の何物でもない。何でそういうような号砲のことまで体験させなければならないんです。過剰体験じゃありませんか。しかも子供たち、女、未成年、老人、何が何でも集まればいいということで一千八百名集めたのかもしれないけれども、そうしてこの始末です。このことについて何が原因だと思っておられます。また、どんな反省をしております。 あわせて、明日から日米合同訓練がわが青森県の沖合いにおいても、また秋田の沖合いにおいても行われようとしております。昨年の例にかんがみて、漁民の網を切ったり大変な損害を与えて、その後始末だって十分なかっこうで終わってはおりません。それなのにまたまたこの訓練が始まるという。この訓練は毎年おやりになるんですか。何の目的でやるのか知りませんけれども、それに対する安全の対策なんというものはきちんととられていますか。これについてもひとつお尋ね申し上げておきます。
○友藤政府委員 私の方から最初に御視察の件について申し上げまして、あと関係の責任者から体験搭乗、合同訓練について御答弁申し上げます。 先ほどの射場の御視察の件につきましては、重々申し上げますとおり適切でなかった点もあったかと思います。私どもとしましては、一般論を申し上げますれば、できるだけ日時等について御調整をいただいて、私どもも十分御説明あるいは御案内できる態勢でごらんをいただきたいというのが私どもの希望でございます。ただ、臨時にいらっしゃった場合に十分な対応がとれない部隊も、中に人手がおりませんでそういった事態になることもあるわけでございますが、そういった場合でも失礼がないように私どもとしては十分な指導をしてまいりたいと思います。決して議員さんを差別をするとかあるいは臨時だからということで、ただそのことだけでお断り申し上げるということがないように十分今後指導してまいりたいというふうに考えております。 〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
○村田説明員 先生お尋ねの「おおい」の事故について御報告いたします。 防衛庁としましては、広報行事のように、今回の「おおい」の体験乗艦というような部外の方々の参加を得て実施するような行事については、特に安全管理に留意してやっておるわけでございますが、それにもかかわらず今般「おおい」のような事故が発生し、先生御指摘のように三十二名の方々、隊員を含めてでございますが、負傷を負わしたということについては、まことに申しわけないと思っております。 今回の事故が発生いたしましてすぐ、負傷された方々に対して早速海上自衛隊の大湊地方隊の責任ある立場の者をお見舞い等に差し向けるとともに、三度と再びかような事故を起こさないために、海上幕僚監部に監察官を長とする事故調査委員会を設置し、現在原因の究明に当たっておるところであります。 それで、先生御指摘のこういうような体験乗艦等の行事の目的でございますが、御承知のとおり防衛庁、自衛隊の現在の状況とかいろいろな防衛の施策というものを広く紹介しまして、国民の皆様に防衛問題や自衛隊に対する関心を深め、理解と認識を得ていただくということを目的としていろんな広報活動を実施しておるわけでございますが、その護衛艦による展示訓練もその一つでございます。従来から実施しておるものでございますが、その内容等は、参加艦艇による編隊の航行、参加航空機による編隊飛行と海上自衛隊の日ごろの訓練の一端を展示して認識を深めていただく、こういうようなねらいで行っておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、「おおい」は先ほど申されました参加艦艇十隻と同様に展示訓練を行っておったわけでございますが、その航行中に後部左舷の三十二番砲において空砲が暴発いたしまして事故が起こったということで、艦長すぐ展示訓練を中止いたしまして、負傷者の応急手当てを実施しつつ青森に帰港し、まず負傷者を病院に移し、治療に当たったものでございます。 負傷の程度でございますが、三十二名の方々、不幸中の幸いと申しますか、その日のうちに帰宅されるというような、不幸中の幸いに非常に軽かったというふうに報告を受けております。 現在、その事故の原因につきましては、先ほど申しました事故調査委員会で究明中でございますが、やはり操作に誤りがあったのではないかという方向にいま進んでおりますので、重ねて申し上げますが、まことに申しわけない事故であったと反省しておるわけでございます。
○今西説明員 日本海における日米共同訓練についてお尋ねがございましたので、お答えいたします。 まず、訓練の目的についてでございますが、これは海上自衛隊と米海軍との間で、対潜訓練を中心とする日米共同訓練を実施するものでございます。 安全対策はどうなっておるかということでございますが、これは私ども、海上で行います自衛隊の訓練につきましては、漁民の皆様に御迷惑をかけることがないよう細心の注意を払ってやっております。具体的に申しますと、かなり早い段階から、訓練海域、その周辺海域、それからさらにはほぼ日本海の全域にわたりまして、漁業の操業状況につきまして克明、綿密な調査を実施いたしておりまして、その調査結果を日米双方の訓練参加部隊に周知徹底させております。米側参加部隊に対しましては、この調査結果を十分に活用して安全対策に遺漏なきよう厳重に申し入れておるような次第でございます。それから、海上自衛隊の訓練参加部隊につきましては、漁業操業状況に関します情報の把握収集、それから評価、分析、伝達、こういったことを専門に担当いたします専従幕僚を配置することといたしております。それから、レーダーとか見張りによります監視、このための要員をふやしております。また、漁船等の船舶を近くに発見しましたときはこれを回避し、距離を十分に隔離して訓練をするように指示しております。 それから、この種の訓練は毎年やるのかというお尋ねでございましたが、海上自衛隊の訓練につきましては、日米共同訓練を含めましてなるべく数多くの機会に訓練を実施いたしたいと考えておりますが、一年に一回やるとか毎年やるとか、そういった方針は確たるものがあるわけではございませんが、米側と調整が整い、それから漁業操業状況なども勘案いたしまして、可能な場合にはなるべく数多くの機会にこういった訓練を実施いたしたいと考えております。 それから、はえ縄の後始末に関する御指摘がございましたが、この件につきましては、被害お申し立て額のまず八割につきまして防衛庁が特別支出金を支払いまして、それからその後、先月でございますが、米海軍から回答があったと承知しております。これは被害総額の約六割相当額を提示されまして、漁民の方々はこれを受諾されたやに聞いております。それから、ソ連の方からはこれはナシのつぶてでございますので、そういった意味におきまして、全面的に解決したかということになりますとそうでもないかと思いますが、事態はそういうふうにいま順調に進んでおるというふうに理解いたしております。
○関委員 時間でありますから終わりますけれども、安全対策の部面でまた漁民に迷惑をかけるというようなことができた場合は、直ちに中止するようにしてほしいと思うのですが、そういう構えでおられますかどうか。
○今西説明員 先ほど申し上げましたように、漁業の安全につきましては、事故が万が一にも発生しないように細心の注意を払ってやっておりますが、それでも、もし万が一発生した場合はどうなるのかということでございますが、そういった場合は、事故の発生の態様とか、仮に被害が生じたとしまして被害の規模とか、そういったことはいろいろあろうかと思いますから、あらかじめ前もってどうこう、どういうふうにするんだということを一般的な形で申し上げることは困難でございます。
○関委員 田澤農林水産大臣は青森に参りまして、また漁民に御迷惑をかけるようなことがあれば直ちに中止させる、こう言うております。これは個人の意見なのか内閣の意見なのか。あなたの方の考え方からいけば、状態に対して対応すると言わない。しかし、一国の水産大臣が青森県に来ての話なんです。かりそめにも御迷惑をかけるようならば直ちに中止させる、こう言明している。その意向をやはり継いでいいじゃないか、その意向を受けてそうするのが筋じゃないだろうかと私は思うのだが、あれは個人の勝手な話ということになりますか。
○今西説明員 いまし方委員が御指摘になりました農林水産大臣の発言があったことは、報道によりまして承知いたしておりますが、そういうお申し入れが防衛庁に対してあったわけではございません。
○関委員 終わります。
○石井委員長 市川雄一君。
○市川委員 厚生省の設置法に関連いたしまして、在宅の寝たきり老人の問題についてお伺いしたいと思います。 現在、在宅の寝たきり老人の数は約三十万あるいは四十万とも言われておりますが、厚生省で把握しておられる数はどのくらいか、あるいはまた、今後五年、十年という展望の中で、その寝たきり老人の出現率をどう見ていらっしゃるのか、これをまずお伺いしたいと思います。
○金田政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十六年厚生行政基礎調査によりますと、在宅の寝たきり老人、これは半年以上床につきっきりの方でございますが、六十五歳以上で三十二万四千人、六十五歳以上人口の二・九%でございます。それから六十歳以上で三十四万六千人、六十歳以上人口の二・二%となっております。 寝たきり老人が今後どの程度ふえるかということにつきましては、社会的あるいは医学的な環境条件の変化によって左右されますので、厳密に予測することは困難でございますが、五十六年調査時の六十五歳以上の人口に対する割合、百人中二・九人というこの割合と同様の割合で推移すると仮定いたしました場合におきましては、昭和五十六年におきましては三十二万四千人でございますが、これが昭和六十年には三十五万五千人、六十五年には四十一万六千人になるものと推計されるわけでございます。
○市川委員 いま厚生省のおっしゃった数、いろいろ複合的な要素がありますから一概に断定できないと思いますが、ある学者の推計では昭和六十年には六十万五千人、三・五〇%という数もあるわけです。いずれにしてもふえていく。老齢化社会というものがそういう形で進んでいくわけですが、そういう中で特別養護老人ホームの入所率を見ますと五十一年で一二%。いまの御答弁にありましたように、これからますます特別養護老人ホームに入りたいという方がふえていくと思うのです。 これからの対処の仕方ですが、この特別養護老人ホームというものをどう考えていらっしゃるのか。ふやしていこうというお考えなのかどうなのか、あるいはそういう具体的な計画がまずおありになるのかどうなのか、その辺はどうですか。
○金田政府委員 寝たきり老人を対象といたします特別養護老人ホームの需要はかなり高いわけでございますので、従来から鋭意その整備に努めてまいっているわけでございます。ここ何年かの間、一年間の新設がおおむね百カ所、定員にいたしまして一万人程度ずつふえているわけでございます。そういうことでございますので、今後ともこの特別養護老人ホームの整備は重点的に進めてまいりたいと思っているわけでございます。
○市川委員 重点的にというのはわかるのですけれども、だから、要するに寝たきり老人の数が大体ふえていくという予想を持っていらっしゃるわけでしょう。需要がふえてくるということも予想していらっしゃるわけですよね。それに対して何か計画性を持ってこの特別養護老人ホームをつくっていこうというお考えなのか、それとも予算があったらつくろうというお考えなのか、その辺はどうなんですか。
○金田政府委員 各地におきましてそれぞれ、たとえば都市部、農村部あるいは各地域の老人に対する扶養意識の相違等によりまして一概に申すことはできないわけでございますが、なおまた今後在宅老人に対する対策を強化してまいりますと在宅においてこれらの方々を十分扶養できるというような場合もございますので、必ずしも全体的な数字については明確ではございませんが、現に各都道府県における需要、それから特別養護老人ホームを整備するいわば受け入れ体制、それらを考慮いたしまして、現在のところ各県からのお申し出、需要にはおおむね応じているという状況でございますので、今後ともそういうことで全体の推移を見ながら整備を進めてまいりたいと思っているところでございます。
○市川委員 しかし、各県と言うのですが、県の方はある意味では財政的な問題があって腰が重いという面があるわけですね。国がかなりその気にならないと進まないのではないかというふうに思うわけです。 そこでお尋ねしますが、この特別養護老人ホームの入所者一人当たりの所要額は大体どのくらいですか。新聞等によりますと十八万というような数字も出ておりますが、厚生省ではどういう数字でございますか。
○金田政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、おおむね十八万円でございます。正確に申し上げますと、五十七年度における入所者一人当たりの措置費は、定員規模あるいは施設の所在する地域によりまして若干経費は違うわけでございますが、東京における五十人施設の場合を見てみますと一カ月当たり十八万七千六百八十円でございまして、これが最も高いわけでございます。
○市川委員 特別養護老人ホームにお入りになっている方にかけている国公費の額と在宅の寝たきり老人にかけている国公費の額、これは単純に比較はできないかもしれませんが、在宅の場合は、こちらの計算ですと、老人家庭奉仕員派遣事業六十四億円、老人日常生活用具給付事業四億三千万、寝たきり老人短期保護事業一億八千万、それに通所サービス、訪問サービス等を加えて約七十三億円。この七十三億円を五十六年度六十五歳以上の在宅寝たきり老人の数三十万七千人で割りますと大体二万三千八百十一円、こういう金額が出るわけですが、その辺はどうですか。そういう金額というふうに見ていらっしゃいますか。
○金田政府委員 ただいま先生おっしゃいました数字は、ただいま先生が計算されたようなことでございますとたしか二万三千円になるわけでございますけれども、在宅の寝たきり老人三十二万四千人といいますものは寝たきり老人の数全体でございますので、必ずしも七十三億四千万の予算の対象となっている老人全体ではないわけでございます。ただ、在宅対策につきましては、それぞれの対策の対象が何人であるかということを必ずしも正確に把握できないケースが非常に多いわけでございますので、マクロで言いますと先生おっしゃったようなことでございますが、実際にサービスを受けている人で割りますと額は何倍かになるのではないかと思っております。
○市川委員 計算の仕方によって多少金額は動いてくると思うのですが、いずれにしても片や十八万、片や二万三千、高く見ても三万と国公費のかけ方に大きな差があることは事実ですね。この格差があるということを厚生省としてどうとらえているのかということです。これは処遇の不公平というとらえ方もあるし、ある一面では負担の公平化という観点もあると思うのですが、この格差を是正すべきものというふうにとらえていらっしゃるのか、やむを得ざるものというお考えなのか、その辺はどうですか。
○金田政府委員 在宅の老人福祉対策につきましては、施設整備対策ももちろん今後推進すべきではございますけれども、先生御承知かと思いますが、たとえば老人家庭奉仕員の制度につきましては、従来は低所得だけでございましたが、五十七年度から新たにある程度公費負担を入れながら、数カ年の年次計画をもって対象を拡大することを考えているわけでございます。五十七年度から初めて家庭奉仕員がそのようなことになりましたので、いわば在宅老人福祉対策も体系がいよいよ整ったわけでございますが、これからさらに年次計画等をもって予算の拡充あるいは対策の推進に努めていきたいと思いますので、いましばらくその状況を見守っていただきたいと思うわけでございます。
○市川委員 言わんとする意味はわかるのですけれども、寝たきり老人でありながら特別養護老人ホームにお入りになった方と在宅の方の国公費による対処に大きな格差がある、その格差をどう見ているのかという認識を伺っているわけです。余り開いちゃいかぬというふうに見ておられるのか。特養ホームをたくさんつくればいいのでしょうけれども、いろいろな事情があってなかなかつくれない。ですから、どういうお考えでいらっしゃるのかということですね。これから在宅の方をもっともっと手厚くやっていくのだ、こういうお考えなのかどうか。その辺はどうですか。
○金田政府委員 もちろん、先生がおっしゃいましたように、家族の方の負担を金銭的な面においてもあるいは精神的な面においても軽減して差し上げる必要があると思います。基本的には、住みなれた家庭の中で生活していただくように在宅福祉サービスを拡充することが今後の最も重要な課題であると考えているわけでございます。
○市川委員 在宅の寝たきり老人の家族の負担は、経済的に、肉体的に、精神的に非常に大変なわけですね。したがって、その辺の対策をもっともっと力を入れてぜひやっていただきたいと思うのです。 中央社会福祉審議会の五十六年十二月に出た答申によりますと、現行の家庭奉仕員について一人当たり平均七世帯強を受け持っており、一世帯当たり一週間に六時間程度のサービスにすぎず、訪問回数、訪問時間数を拡充する必要がある、こういう提言があるわけですが、この家庭奉仕員の事業を拡充していくということについて具体的にどんなお考えをお持ちですか。
○金田政府委員 今年度予算におきましても、従来に比べましてある程度訪問回数、日数等を増加したわけでございますが、また、それぞれの家庭の需要に応じて弾力的に対応していく必要があると考えまして、予算上あるいは対策上そのような措置を今後とることにいたしております。
○市川委員 老人保健法案に基づいて、保健事業の実施に際して保健婦等の技術系職員、事務職員も配置しなければならないわけですが、恐らく五年かけても保健婦のその体制が整うかどうかということですね。自治体ではかなり無理だという声もあるようですが、その辺実施に当たって、厚生省としてはどういうお考えですか。
○三浦政府委員 老人保健事業の実施に当たってのマンパワーの整備につきましては、五年間で保健婦は八千人の増員確保を考えておるわけでございまして、この八千人の確保につきましては、現在市町村と保健所で一万五千人の保健婦がおるわけでございまして、このうち二千人を老人保健事業の方に振り向けようということでございます。それからあとの三千人は新規に採用しよう、それからあともう三千人につきましては、退職保健婦の雇い上げで対処していこう、こういうことでございまして、問題は新規の保健婦の採用でございますが、年間大体二千名ぐらい卒業してまいりまして、そのうちの民間部分を除きますと、雇い上げや新規の採用が可能じゃないかということで私ども予算を組んでおるわけでございます。この八千人の確保は、私ども何としても達成しようというふうに考えておるわけでございます。
○市川委員 保健婦の役割りというか位置づけなんですが、保健婦はどういう資格、どういう役割りか、簡潔にお答えいただきたいと思うのです。
○三浦政府委員 この八千人の保健婦の中で、三千人は雇い上げということになりますので賃金職員ということになりますか、あとは都道府県なり市町村の常勤の保健婦、こういうことになるわけでございます。 役割りにつきましては、保健婦の役割りは大変広うございまして、健康相談あるいは健康教育、この面でも大いに活躍していただかなければならないわけですが、そのほか健診のときの立ち会いも必要でございます。 なお、この三千人の雇い上げの保健婦さんにつきましては、寝たきり者の訪問指導に振り向けたいと考えておるわけでございます。そのほか、あとリハビリの方にも、多方面にわたってこの保健婦さんの活動は期待されておるわけでございます。
○市川委員 寝たきり老人の世帯の訪問指導、この保健と医療を結びつけるという考え方、同時に保健と福祉を結ぶという考え方、家庭奉仕員と保健婦さんが連携をとって、保健婦さんの働きが在宅老人の健康管理に非常に役に立ってくる、そういうことを恐らく期待されておると思うのですけれども、ただ、縦割りという中で実際どうですか、たとえば、保健婦さんが幾ら在宅の寝たきり老人の実態をつかんでも福祉事務所にはその情報が行かない、よしんば行っても福祉事務所は参考意見としてお伺いしておきましょうという程度で終わってしまうのじゃないか。そういう点、これからせっかく新しい制度で保健婦をふやしてということですから、その辺がもっと福祉向上に結びついていくような形での役割りが果たせるような、そういう厚生省としての考え方、姿勢、指導というものを望みたいと思うのですが、いかがですか。
○三浦政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、特に私ども保健婦の訪問指導につきましては、ホームヘルパーとの連携というのは大切な問題ではないかと考えますので、その点、市町村、都道府県を十分指導してまいりたいと考えます。
○市川委員 次に、空き缶の問題についてお伺いしたいと思います。 昨年二月の予算委員会の一般質問や分科会等で空き缶の問題を再三質問してまいりました。昨年一月、環境庁を中心に十一省庁による空カン問題連絡協議会が発足し、空き缶対策について協議されてきたと思いますが、まず協議会の経過と具体的な成果、結論というようなものがあるのかないのか、あったとしたらどういう成果が上がったのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○杉本説明員 先生いまおっしゃいましたように、空カン問題連絡協議会は五十六年一月末に設置をいたしましたが、現在までにちょうど十回開催をいたしまして、いろいろな問題につきまして論議をしてまいりました。 その中で、散乱防止のためにはモラルの向上が重要であるということから、昨年四月十三日に「空カン散乱防止等のための普及啓発活動の充実について」ということで各省庁申し合わせを行いまして、夏を中心にPR、キャンペーンを強化いたしました。その後の状況を環境庁が昨年九月に実施いたしました空き缶散乱状況の追跡調査結果から見てみますと、散乱状況は約四〇%の個所で改善が見られ、反面約一五%の個所で悪化をしております。そういう意味で評価は非常にむずかしいですが、若干それなりの成果は上がっているのではないかと思います。 さらに、対策の前進を図るために、昨年十二月には環境庁から警察庁にお願いいたしまして、空き缶の投棄者に対する取り締まりの強化の方針を出していただいております。また現在では、各省庁におきまして、さきの連絡協議会の申し合わせをもとにいたしまして普及啓発活動を鋭意実施しているところでございます。
○市川委員 簡単に結論の出る問題ではないと思うのです。しかし自治体レベルでは、国の対応が煮え切らないので待ち切れない、こういういら立ちがあると思うのです。たとえば、もうすでに御承知かと思いますが、京都市、兵庫県、新津市、名古屋市、町田市、あるいは関東知事会で広域的な条例制定を検討中、こういう自治体が出てきているわけですが、京都、兵庫県、名古屋市でつくった条例や要綱について、環境庁としてはどうごらんになっていますか。
○杉本説明員 先生いま御指摘ありましたように、各地方公共団体におきまして空き缶の散乱防止のための条例あるいは要綱等いろいろ工夫をしてつくっておられるところでございます。 各条例、要綱等につきまして私どももいろいろ聞かせていただいておりますが、全体的に申しますと、各公共団体におきまして、各地域のそれぞれの特色に対応して創意をこらして、各種の対策をその条例あるいは要綱に盛り込まれてつくっていらっしゃるわけでございます。活発にその対策を講じていらっしゃることに対しましては、環境庁といたしましても心から敬意を表しているところでございます。各条例のそれぞれのねらいが実際にその成果を発揮されますようにわれわれとしては期待もしておりますし、心から見守っていきたいと思っているところでございます。
○市川委員 廃棄物の処理行政を担当する厚生省はどういうふうにごらんになっていますか。
○山村政府委員 厚生省としましては、廃棄物の適正な処理を確保するという観点から廃棄物の減量化でありますとか有効利用に関するいろいろな施策を推進しているところでございまして、地方で行われております事業者あるいは一般消費者の協力のもとに、飲料容器の散乱防止でありますとか再資源化の促進をねらいとされ、ひいては適正処理に資するというような自治体の条例案につきましては、まことに結構でございまして敬意を表するところでございますし、その成果を見守っておるというところで、今後とも趣旨に賛同しつつ支援してまいりたいというように考えております。
○市川委員 それぞれ伺えば、敬意を表する、見守っているとおっしゃるのですが、昨年十月、環境委員会で鯨岡環境庁長官は、各自治体がいろいろな条例をつくり始めたことについて、同じ国の中で同じことにいろいろな条例でもってばらばらにやっていいとは思いません、ですからここにどうしても統一的なものがあった方がいいと思います、ひとつ年内に——昨年の話ですよ。ひとつ年内には何らかの形をつくって、来年度の通常国会なんかには御審議願えるようにという趣旨の答弁をなさっているわけです。厚生省も、このモデル条例的なものを作成するに当たりまして何かしら素材的なものが必要ではないかということで、とりあえず廃棄物処理行政を担当する厚生省がたたき台を準備して協議会の場にお出しする、こういうことを言っておるわけですが、厚生省も環境庁もこのままばらばらにいっていいという御認識ですか。こういう問題はやはり広域的でないと余り効果が上がらないのではないかという気がするのです。そういう意味で、国が一定のリーダーシップをしっかり発揮した形で、もちろん地域差というものは考慮に入れなければならないにしても、めんどうくさいから自治体に任せて逃げているという感じではなくて、国がもっと本腰を入れてイニシアチブを握ってやっていくというお考えは、厚生省にも環境庁にもないのでしょうか、どうでしょうか。
○森下国務大臣 この問題は各省に関連する問題でございますので、抽象的になるかもわかりませんから私がお答えしたいと思います。 昨年、前長官でございました鯨岡環境庁長官が、空き缶問題を初めとする廃棄物の処理問題について非常に御熱心にやられまして、協議会をつくって各省でそれぞれ具体案をつくろうということでかなり成果は上げたし、また、個人個人に対する啓蒙啓発運動にもなったと思います。しかしながら、それだけでは実効が上がりませんし、また忘れがちになっていくというようなことで、各省庁とも、特に厚生省といたしましても公衆衛生的な立場、環境衛生的な立場でこの問題には今後とも真剣に取り組んでいくべきである、私どもも、昨年だけの問題とせずに今後とも積極的に取り組んでいきたい、このように思っておるわけでございます。
○市川委員 本当は関東知事会で出した条例の骨子について意見を聞いてみようと思っていたのですが、いまの御意見で大体わかりましたので、もうちょっと具体的に話を進めたいと思います。 この空き缶の問題が、実際は自治体においては、たとえば収集運搬に当たっても、空き缶ですから空気を運んでおるようなもので、がさだけとって収集運搬のコストも非常にかかるし、焼却炉も傷む、こういういろいろな負担をかけているわけですね。 そこで、先ほど環境庁の方がおっしゃっていましたけれども、確かに改善されたところもあるかもしれませんが、悪いところは決まっているわけですね。神社、仏閣等の名所旧跡の周辺、広場、公園、ハイキング登山道、これはわりかし改善が上がった。しかし、逆に改善率の低い場所、大きな川の河原あるいは海岸湖沼の岸辺、海水浴場。あるいは同じアンケートの中で、これは環境庁のまとめたアンケートですが、散乱場所に対する清掃効率で見ても、ワースト三は海水浴場、海岸湖沼の岸辺、行楽地の休憩所、こんなふうになっているわけです。そのほかいろいろなデータを見ましても、海岸と海水浴場が必ず悪い方に出てくる。これはいままで二回ぐらいこの内閣委員会で取り上げたことがあるのですが、海岸とか海水浴場というのは、ある意味では法律の上で非常に無責任になっているんじゃないですか。 ここでちょっと問題を整理しながら伺いたいと思いますが、たとえば私の地元の三浦半島にいろいろな海岸があります。由比ケ浜とか七里ケ浜とか逗子あるいは三浦海岸、二十八の海岸がありますが、すべてこれは国有財産である。大蔵省に伺いますと、三浦半島の場合は漁港や港湾を除いては海岸の所管は建設省だ。建設省に聞きますと、海岸法の規定で保全管理を神奈川県の知事に委託しているんだ、こう言うわけですね。今度は神奈川県知事に確認しますと、保全管理は委託を受けているが、海岸の清掃までは委託されてない、こういう返事が戻ってくる。昨年の予算委員会の分科会で建設省にこの点を聞いたわけです。そうしたら丸山官房長という方が、要するに国有財産法の規定で知事に海岸の財産管理をお願いしている、その財産管理の中に空き缶の清掃まで入るのかどうか、本来であれば入らないと思います、こうはっきり答えているわけですね。これが建設省の見解なんですが、この海岸の清掃責任という問題について厚生省はどういう見解をお持ちですか。
○山村政府委員 廃棄物処理法によりますと、一般的な訓示規定といたしまして、何人も海岸湖沼等の公共の場所を汚さないようにしなければならないというのが一つございますが、それぞれの場所の管理者がその清掃を保つように努めなければならないというように、これも努力規定で決められております。
○市川委員 ですから、清掃法では管理者が清掃の責任を持っておるわけでしょう。
○山村政府委員 そのとおりでございます。
○市川委員 ところが、海岸法で言う保全管理者とは、清掃法で言う管理者と違うのじゃないですか、同じですか。
○山村政府委員 あるいは例外があるかもしれませんが、一般的には一致するものというふうに考えております。
○市川委員 それはちょっと、そんなことを言っていいんですか。建設省では、保全管理には本来清掃は含まれていない、そういう見解ですよ。厚生省はそういう見解ですか。神奈川県の知事に再三確認したところ、保全管理の中に清掃は入っていません、保全管理とは防潮とか高潮対策とかそういうことであって、海岸の空き缶の清掃まで神奈川県は委託された覚えはない。こういうふうに省によって清掃責任さえ不明確なんです。たらい回しなのです。その辺がはっきりすればすべて解決するとは思っておりませんが、その辺もひとつ頭に入れて今後しっかり対策を考えてもらいたい。保全管理の責任の中に清掃責任があるかないか。建設省では、ないとこう言っている、厚生省では、あるかもしれないとこう言っている、こういうことでは進まないと思うのです。こういうことももうちょっとはっきりさせてやっていくべきではないかと思いますが、その辺の見解について厚生大臣、どうでしょうか。
○森下国務大臣 海岸の管理とか河川の管理につきましては、いまおっしゃいましたように、たとえばバラス、砂を取るとか勝手に構築物をつくるとか、いわゆる形を変える、これに対する一つの管理であって、空き缶等については、私は建設省にはそこまではないように思うのです。 〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕 しかしながら、この清掃についてはどこかの省がはっきり責任を持ってやらなくては、お互いにはねかけ合いのようなかっこうではいつまでたってもきれいにならないし、それが非常に衛生上もよくないし、また美観も損なうというようなことがございます。そういう意味で、厚生省は環境衛生、公衆衛生を持っておりますが、実はそこまではっきり義務づけられておりませんし、厚生省がすべて責任を持っておりますということは言えませんけれども、私どもも非常に強い関心は持っております。そういうことで、今後の問題として、どこの省庁と、また地方にお願いする場合にはどこからどういう形でお願いするかということはやはりはっきりすべき問題である、このように思っております。
○市川委員 だから、国有財産ですから管理者は普通大蔵省ですよね。大蔵省に聞くと、建設省にお任せしてあると言うわけです。建設省は、いわゆる海岸法によって保全管理は各県の知事に委託しておる。知事は、保全管理は委託されたけれども清掃の責任は委託されてない、こういう見解です。清掃法で言うと管理者が責任を持たなければならない。ということは国ですよ。その辺のことをひとつ考えていただきたいと思う。 それから、デポジット制を導入するということをもうある程度決めないとどうにもならないのじゃないか、こう思うのですが、厚生省や環境庁では、このデポジット制の導入ということについていかがですか。これが一つの今後のポイントになると思うのですけれども、その辺はどうお考えですか。
○杉本説明員 デポジット制につきましては、十一省庁の連絡協議会におきましても検討されましたが、散乱防止及び資源化の促進にかなり効果があると予想され、検討に値するという意見がある一方では、わが国における末端小売店の実態から考えますと、流通効率化に逆行すること、消費者の負担が増大することなどから実現性に乏しく、余りにも問題が多いとの意見もありまして、両方の意見が出ております。したがいまして、これを直ちに実施するということにつきましてはなかなかむずかしいと考えますが、しかしながらこの問題につきましては、先生も御存じのとおり関東地方知事会におきまして継続して検討するというふうに聞いております。アメリカにも調査に行かれるというふうに聞いておりますが、その検討の経過を環境庁といたしましても見守ってまいりたいと考えております。
○市川委員 次に、産業廃棄物の問題で、何点か伺いたいと思います。 最終処分場、これが各県とも恐らく同じ問題を抱えているのだろうと思うのですが、最終処分場がなかなか確保できない。用地が確保できない、あるいは用地が仮にあっても、いろいろな公害防止の枠がありますので当然公害防止をしなければならないわけですが、それにはやはり相当の資金がかかる。 そういう問題を抱えておるわけですが、たとえば神奈川県で見てみますと、民間の最終処分場は、五十四年当時ですと全体でまだ三九%という残りの部分があったのですが、これが現在では、県下で二十七カ所ある最終処分場のほとんどが進捗率が八〇%から九〇%という状況で、先行きに大きな不安を抱いておるわけですね。こういう中でこの処分場確保という問題について厚生省がどういう考え方を持っていらっしゃるのか、あくまでも民間だけでやっていけということなのか。もちろんいろいろな助成措置は多少やっておりますが、これから公的関与ということももっと本腰を入れて考えていくということなのか、その辺のお考えはどうなんですか。
○山村政府委員 廃棄物の最終処分場の確保の問題は、御指摘のとおり用地の買収を含め非常にむずかしい課題でございます。産業廃棄物につきましては、御案内のとおり排出事業者の自己処理が大原則でございますが、たとえば中小企業等自力ではできないとか、地域によっていろいろむずかしい課題があるわけでございます。それに対しまして一地方公共団体が関与して処理をするいわゆる公共関与事業というものを現在指導いたしておるところでございまして、現在全国的にも三十数カ所で都道府県等による事業が行われておるところでございます。 関東地域につきましても、あるいは大都市圏につきましてはとりわけ用地確保がむずかしいという事情にあることから、昨年、広域臨海環境整備センター法を制定していただきまして、公共関与による広域的な対応をしていこうという対応をとったわけでございます。すでに近畿圏におきましてはその事業主体が発足をいたしておりまして、処分地の確保の準備をいたしておるところでございます。首都圏についても着々検討を進めておられるところでございます。
○市川委員 一つの最終処分場をつくる場合に、約十億円から十二億円前後かかる。大体三十五万立米。ここに細かいいろいろな金額が出ておるのですが、この中で一つの例で言いますと、河川の改修に七千万かかっておる。あるいはほかのケースで見ますと、排水下水路に一億円かけた。また、地域の住民の賛成を得るために搬入道路に一億二千万もかけた。実際つくったとき幾らかかったかといういろいろなデータを見ますと、こういう数字が出ているわけです。 確かに汚染者負担の原則ということもわかりますが、この河川改修などは終了後に市町村に寄贈する。こうした河川改修とか道路の建設について、もちろん汚染者負担の原則ですからそれはわかるのですが、何らかの公の助成措置というか、そういうものは考えられませんか。
○山村政府委員 御指摘は、最終処分場の確保をめぐって、河川工事でありますとか下水道あるいは搬入道路等附帯的な工事に非常に金がかかる、それに対しての助成をすべきではないかということかと存じますが、原則は先生御指摘のとおりでございまして、個々のケースごとにまた事情も違いますから、一つ一つ実態を把握して検討していく必要があろうかと思いますが、一般的には河川、下水、道路等は公共的な事業として実施されておる部分が相当あるわけでございますので、そういう関連行政分野に調整、協力等お願いをして、あらかじめ土地が確保できた、それに関連しての関連公共事業の整備を並行して進めてもらうよう、地元の公共団体等と調整するようできる限り指導してはどうかというふうに考えているところでございます。
○市川委員 いま申し上げた、一つの最終処分場、三十五万立米程度のものをつくるのに十億から二十億かかる。その中に、たとえば河川の改修というのは七千万、あるいは覆土工事、これが一億五千万かかっているわけですね。 〔佐藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕 埋め立て終了後跡地を造成して芝を植えたり、植林したり、あるいはまた公園にする場合もあるわけですが、こういう覆土工事に約一億五千万、これには税の優遇措置がない。しかも維持管理基準が義務づけられているわけですが、せめてこの跡地造成工事費用くらいは、最終処分場をつくる五カ年なら五カ年計画の中での引当準備金、費用として認めてもらえないのか、こういう意見もあるのですが、その辺についてのお考えはどうですか。
○山村政府委員 現在、こういった最終処分場等をつくるための財政措置といたしまして、先生御指摘の税制上の特別措置を受けられるものもございます。また、金融上の財政措置といたしまして、公害防止事業団が低利長期の融資あるいは公団がみずからつくって譲渡していくというような方法もとられておるところでございます。 先生御指摘の跡地利用を引き当てにという考え方も一つの御提言であろうと思いますが、一般的に当然その跡地利用を考えながら埋め立て処分も行われているわけでございまして、計画段階では恐らく一般的にはそういったことも検討されながら進められておるように理解をいたしておるところでございます。
○市川委員 さらに細かい問題ですが、この産業廃棄物の処理業は産業分類ではサービス業に分類されているわけですね。サービス業ですと、中小企業は資本金一千万、従業員五十人以下。したがって、収集運搬をしながら最終処分場をも両方経営している、こういう場合ですね、処分場の建設運営に十億、二十億とかかるわけですから、資本金の面でも従業員の数でもサービス業における中小企業という枠をオーバーしてしまう。オーバーしてしまうために中小企業を対象とした各種の融資制度が利用できない、こういう問題点が一つあるわけです。 たとえば、土木建築工事業では中小企業の枠は資本金一億円、従業員三百人以下。資本金で約十倍、従業員の数で約六倍になっておるわけですね。ところが、先ほど申し上げた収集運搬だけというのではなくて、収集運搬もやれば最終処分場も経営しているという場合は、実際やっていることはどういうことかというと、御承知かと思いますが、ブルドーザーやパワーショベルなど土木建築業と同じ重機類を使った埋め立て工事あるいは土地の造成工事をやっておるわけです。ちなみに見てみますと、産廃処理業者の許可件数が、五十五年四月現在で、その中の八八・七%が収集運搬だけ、最終処分場のみをやっているのが〇・六%、収集運搬と中間処理を含めて最終処分場もやっているという業者が合計で五%、このわずか五%の業者がいわば土木建築業を兼ねて最終処分場をやっているわけですが、しかし、たったトラック一台で収集運搬をやっている業者もひっくるめて、サービス業ということで十把一からげで片づけられてしまう。ですから、中小企業を対象にした各種の融資が受けられない、こういう問題があるわけです。 最終処分場の確保ということがいま非常にむずかしい、特に人口が集中している都市部においてはむずかしいという状況を考えますと、こういう措置はやればできるんじゃないですか、やった方がいいんじゃないですか、その辺どういうふうにお考えですか。
○山村政府委員 民間業者がそういう事業を実施する際にそういう問題のあることは承知をいたしておるところでございます。また、中小企業基本法に基づきまして御指摘のような制約がございまして、種々の財政、金融上の措置につきましてもこれによって制約を受けておるのが実態のようでございます。 問題は、中小企業の範囲の拡大という御提言でございますが、それには中小企業基本法を初めとして多くの法令を改正する必要があるという大きい問題がございまして、現状では非常にむずかしいというふうに理解をいたしております。
○市川委員 その多くの法令を改正するということは非常にむずかしい、しかし、サービス業というとらえ方に問題があるんじゃないでしょうか。実際やっていることは土建屋さんと同じことをやっているわけですね。パワーショベルやブルドーザーで造成をやったり、掘ったり埋め立てたり、実際はね。しかも、それは産廃処理業者の許可件数の中ではわずか五%ですよ。その五%の人たちが一生懸命最終処分場の確保のために努力しているわけですね。それが形式的な、まあ言ってみればサービス業という分類のためにいろんな助成措置が受けられない。やっている内容は土建業者と全く変わらないこともやっているわけです、現実には。単なるサービスではない。その辺は、厚生省が最終処分場という問題の困難性を考えた場合には、もっと積極的でいいんじゃないですか、そういう人たちを守るために。その辺はどうですか。
○山村政府委員 御趣旨十分理解できますので、よく勉強さしていただきたいと思いますが、非常にむずかしい。過去にちょっと研究したこともございますが、非常にむずかしい状況にあることだけは御理解いただきたいと思います。
○市川委員 公害防止事業団の問題なんですが、最終処分場等の融資問題を聞きますと、厚生省では産廃関係の資金は公害防止事業団でと、こう逃げてしまうわけですが、じゃ公害防止事業団の中で産廃問題に、そういう政策的な問題を含めていま現場の人たちがどんなことで困っているのか、いま私が指摘したようなことを含めて、そういう現場で困っている問題を解決してあげるという、そういう政策的な中枢機関というか、そういう役割りを本来果たしていいんじゃないかと思うし、産業廃棄物処理問題懇談会の答申でも、何というんですか、そういう役割りを言っているわけですから、その辺、前回伺ったときは検討中という御答弁でしたが、どうですか、何か検討結果が出ましたかどうか。
○山村政府委員 御指摘のように、現場で困っている問題を行政が片づけていくということは非常に大事なことだろうというように思うわけでございますが、先ほど中小企業の定義の問題で申し上げましたとおり、過去いろいろ接触した段階でもそのネックのために進展していかなかったというようなことでございまして、今後ともよく勉強してまいりたいと考えております。
○市川委員 産業廃棄物の処理は非常にむずかしい問題ですよね。だからその中で、関連の法律が五十ぐらいある中で一生懸命その法律をクリアしながら、しかも場所を探して、河川の改修だ、下水、排水路だ、住民の要求だという中で公害防止をしながらやっているわけです。ところが、いろいろなところでそういう問題に突き当たっているわけです。厚生省は、もうちょっとこの辺は痛みを感じていいのじゃないですか。しかも、やっていいことはもっと早くやってあげないといけないのじゃないかと思うので、その辺強く御要望申し上げたいと思うのです。 次に、これもやはり現場で問題になっておることですが、ベントナイト汚泥の処理について伺いたいのです。 ベントナイトと限らず汚泥の場合、天日乾燥施設については日量百立米を超えるものについては厳しい基準がある。しかし、日量百立米を超えない天日乾燥施設については基準がない。そのために、ほとんどがベントナイトの汚泥をコストに入れないわけです。ですから元請業者でもコストに入ってない。産廃業者はどうするかというと、日量百立米以下のところをつくって、そこへベントナイト汚泥をぶち込んでしまう、コンクリートなんかをまぜて、どこかの埋立地なり造成地に持っていってしまう、こういうことをやっているわけですが、日量百立米を超えないものについて厚生省は野放しにしていく方針ですか、現状をいいとお考えですか。
○山村政府委員 処分基準は基本的には適正な処理をし環境に影響を及ぼさないという観点から決められておりまして、それを便宜百立米以上に適用しているわけでありますが、それ以下につきましても当然それに準じて指導していくことになると考えております。
○市川委員 百立米以上の汚泥を乾燥させるとなると、実際は最低で五千坪必要だ。そんな施設を持ったものは現実には関東一都三県には一つもない。ということは、百立米を超えないものについては何も規定がないから、百立米を超えないということでどんどんみんな処理してしまうわけです。ですからこの辺の問題を本気で考えませんと、ベントナイト汚泥はこの法律の抜け穴でみんな処理されてしまうのではないか。その辺の御認識は全くないのですか、どうですか。
○山村政府委員 ちょっと訂正させていただきますと、現在の基準は脱水、乾燥、焼却について決められておりまして、脱水、乾燥につきましてはそれぞれ一日十立米以上のものが適用を受ける、焼却につきましては五立米以上のものが適用を受けるということで、かなり小規模まで規制を受けておる。一市川委員「天日乾燥ですよ」と呼ぶ)失礼しました。天日は百でございます。
○市川委員 天日は百なんですよ。百というと五千坪必要なんです。一都三県、そんなのないというのですよ、実際。そうすると、百以下でやってしまうわけです。どういうことかというと、汚泥を、穴を掘って入れる、コンクリートなんかを入れてどこかの造成地に持っていってしまう。自然、造成工事だっていいかげんになるわけですよ、がけ崩れの原因にもなるし。 じゃ、百立米で区切った、決めた基準は何かあるのですか。いま現場では抜け穴になっているわけです。そのために、産廃処理業者が厚生省の言う正しい処理をしたいのだけれども、コストの計算に入らない。たとえば金額で申し上げますと、十トン車で一台分のベントナイト汚泥をまともに脱水処理施設に持っていけば、運搬費は一万五千円、処理費が三万円、計四万五千円かかる。天日乾燥施設なら運搬費が一万五千円、処理費は十分の一の三千円、計一万八千円、こうなってしまう。だれだって一万八千円の方を使いますよ、しかもうるさい基準がないのだから。こういう抜け穴があって、どうしてもベントナイトの汚泥が七、八割は実際正しく処理されてない。その法律の抜け穴が完全に盲点として利用されている。だから産廃業者としては、正しく処理したいのだけれども、そういう抜け穴があるために一万八千円の方でやればいいじゃないか、あるいはやられてしまう。厚生省としては産廃の処理というものを厳しくやりながら、一方ではそういう抜け道をつくっているわけです。この抜け穴をふさがないと出す方にコスト感覚が出てこない、そういう問題を言っているわけです。御認識ありませんか、どうですか。
○山村政府委員 少し説明が足りませんで失礼をいたしておりますが、天日乾燥百立米と申し上げましたのは、届け出を要するものが百立米でございまして、たとえば下にしみ込んで地下水を汚染することがないようとか、環境汚染上のいわゆる処分の基準についてはすべて適用されますし、それに違反する際には当然罰則等の措置を受けるわけでございますので、法制上の問題はないのではないかというふうに考えるところでございます。 しかしながら、汚泥に限らず産業廃棄物の不法投棄と申しますか不法処分の問題は、あらゆる公害事犯の中で八〇%近い比率を占めておりまして、非常に問題であると認識いたしておりまして、先生御指摘のコストに入れないから安く処分をするといった経済的な理由も、その不法投棄等の処分の理由になっておるようでございます。したがいまして、監視体制を強化するとか業者を十分指導するとかいうふうな基本的なところから指導していく必要があると考えておるところでございます。 また、コストが安いためにそういうことが起きるとすれば、処理を委託する際に排出者の委託料の中にそういった最終的な処分のコストも含めるように指導していくことが今後必要であろうというように考えております。
○市川委員 質問通告を丁寧にやらなかったことがいけなかったのかもしれませんが、なかなか議論がうまくかみ合わないので困っているのですが、最後に一点お伺いします。 昨年、五十六年三月、厚生省で「産業廃棄物処理業の許可事務遂行上の留意事項について」という通達を出しましたね。その通達の中に、建設工事を請け負った者は産業廃棄物の排出事業者に該当する、こういうふうに言っていらっしゃるわけですね。あるいは「建設廃棄物の処理の手引き」を拝見しましても、元請業者というものに産業廃棄物の処理の責任があるのだと言っておるわけです。ここまではっきりおっしゃっているのですから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行規則にある事業者の帳簿記載義務を課したらどうかというふうに思うのですが、この辺はどうですか。
○山村政府委員 排出者が自分の処分した量でありますとか処分の方法等について帳簿を整備すべきことは当然であるという認識から、あえて手引き等には書いていないところでございます。
○市川委員 当然であるということは、施行規則 では事業者には帳簿記載義務を課しているわけでしょう。いわゆる元請ですよ、元請業者。たとえば建設工事の発注を受けた人間が廃棄物の処理及び清掃に関する法律で言う事業者に当たるのだ、こういう認識ですか。
○山村政府委員 建設工事の元請が排出事業者になります。
○市川委員 いや、排出事業者という表現はたしか出てこないはずなんですね。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、たしか「事業者」という表現なんですね。この通達で言う産業廃棄物の「排出事業者」と、この法律で言う「事業者」というのは一致しているのですか、どうですか。
○山村政府委員 同じでございます。
○市川委員 一致しているなら、それでは当然施行規則で言う帳簿記載義務はある、こういうお考えですか。
○山村政府委員 そのとおりでございます。
○市川委員 しかし、現場では何かそうなっていないみたいですね。ですから、この施行規則で言う帳簿記載義務がきちんとあるのだということをはっきりさせた方がいいのじゃないかという意見が強いのですが、その点は御要望申し上げておきましょう。 こういう産業廃棄物について、最後に厚生大臣。 いわゆるフェニックス計画とか、厚生省がかつて考えた計画もあるやに伺っておりますが、なかなかうまくいかない。最終処分場の確保という問題は、東京とか神奈川県では非常に困難を来しておる。しかも、やっている業者は非常に中小企業が多い。しかも、これはさっき申し上げたような一つの例を、限られた時間の中で何点か問いただしただけにすぎないのですけれども、まだまだたくさんあるわけですよ。ですから、そういう意味で、産業廃棄物の処理という問題あるいは最終処分場の確保という問題そういう現場で困っている問題の解決にもっともっと厚生省が前向きに何か政策的な対応というものをしっかりしてやってもらいたいという気持ちを持っているのですが、その辺のことを締めくくりで大臣に伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○森下国務大臣 産業廃棄物とか建設廃棄物の問題は、高度に経済が成長して、また消費経済が非常に高度に進んできたその副作用と申しますか、そういう処理のために大変苦労しておる。しかも、この問題は厚生省だけでは解決できない。物をつくる通産省にも関係しておりまして、ちょうど私が通産政務次官のときにそういう問題がかなり出ました。同じ産業廃棄物の中でも、ただ燃焼してしまえば終わるものもございますし、また中には毒物がございまして、かなり高度な処理をしなければ処理ができないというような問題もあったわけであります。また中には、屎尿処理と同じように海洋投棄ができるかできないかというような問題も実はあったわけであります。それから建築廃棄物等の中では、夜中に山の中に持っていって捨ててきた、後で地元で大きな問題になったという、非常に社会問題にもなったようなこともございまして、この問題につきましてはもちろん厚生省といたしましても全力を挙げて取り組まなければいけないわけでございますけれども、いろいろな問題が絡んでおりまして、やはり各省庁との連絡調整、その主管たるべきもの、中心たるべきものがなければいけない、このように実は思っております。 いろいろ空き缶の問題から、公有水面を埋め立てまして大阪湾でフェニックス計画をやっておりますし、また羽田の飛行場へ着く前に、あそこでもわれわれときどき見ますけれども、あれですべて終わればいいわけでございますが、まだまだ廃棄物が非常に多くなる傾向がございます。この問題につきましては、公衆衛生、環境衛生の問題かんでいく必要がある。いろいろ予算の問題とか、また横並び、各省との連絡調整の問題もございますけれども、全力を挙げて取り組んでいきたい、このように思う次第でございます。
○石井委員長 中路雅弘君。
○中路委員 最初に、厚生省設置法の一部を改正する法案について、私たちの党の見解、態度を一言明らかにしておきたいと思います。 本日、衆議院の本会議で成立しました老人保健法が、患者一部負担の導入によりこれまでの無料化を廃止する制度的改悪であること、また、患者負担の差額ベッドや付添料などの保険外負担が解消されていない現状では新たな重い負担となって、月額二万円台の老齢福祉年金しか受け取れないお年寄りや低所得者にとって過重な負担であって、所得の低い人ほど医療機関にかかれなくするということは明らかであります。所得の民主的再配分を内容としなければならない社会福祉のあり方から言っても容認できるものではないと思います。この改正案が老人医療を有料化する保健法と一体のもので、これを行政機構的に裏づけて推進するものでありますから、本法案に反対の態度を私たちは明らかにしておきたいと思うのです。 これと関連して二、三御質問をしておきます。いろいろ資料をいただきましたが、限られた時間ですので説明資料を抜きにしてお尋ねします。 老人保健法について再修正が行われたわけですが、五十七年度満年度ベースで現行制度での七十歳以上の老人医療費患者負担の額を見ますと、現行で三百四十億、新制度になりますと合計して四百六十億と、昨日いただきました一部負担金関係資料ですとなっているわけですが、現行制度で原則無料である患者負担が三百四十億あるというのは、この資料にあります所得制限者、高額所得者、約五十二万と言われております所得制限者がある、このことがその理由になっていると思いますが、間違いありませんか。
○吉原政府委員 そういうことでございます。 なお、現在の制度による患者負担は、満年度ベースで私ども三百六十億というふうに推計をいたしております。
○中路委員 きのういただいた資料二つありまして、三百六十億というのがあるのですが、もう一つの一部負担金関係資料で見ますと三百四十億となっているものですから、こちらの資料を使ったわけですが、いずれにしてもその程度ですね。 それで、現行制度での所得制限該当者は、老人保健法が今度施行されますと改善される。この資料によりますと、負担額は三十億ということになるわけですね。私が使いました資料で見ますと、現行で合計三百四十億の患者負担、新制度ですと合計して四百六十億になりますと、差し引きして百二十億という負担ということになりますけれども、従来無料だったお年寄りということで考えますと、この百二十億に三百十億、三百四十億から三十億を引いた三百十億が加わりますから、従来無料だったお年寄りにとっては新たに大きな負担増になるということになると思うのですね。現在所得制限の対象になっている患者の場合は、国保の場合三割負担をしていたが、老人保健法施行で通院で一カ月四百円、入院で二カ月まで一日三百円となる。他方、従来無料だったお年寄りは、負担の額で同じとしても、いまありましたように新たな負担を負わせるようになるわけですから、福祉は本来所得の民主的再配分を行うべきところを、全くこういう点で見ますと高額な所得者には医療費負担を大幅に減らして、低所得者のお年寄りは一部有料化になっていくという逆なことが行われることにもなるわけです。この点では、この法案が基本的な理念で言っている、第二条の「自助と連帯の精神に基づき」とか、「老人の医療に要する費用を公平に負担する」という基本理念からいっても反するのではないかと思いますが、改めてこの点の見解をお聞きしたい。
○吉原政府委員 現在の老人医療の無料化制度と申しますのは、健康保険等の自己負担分をいわば低所得者に対する福祉制度として公費で見ているという性格のものでございますけれども、今度の老人保健法案というのはそれとは若干性格を異にしておりまして、低所得者対策という観点からではなしに、むしろ社会保険の共同的な事業として老人保健制度を新たに創設しようというものでございます。 現在、社会保険制度におきましては、健康保険にいたしましてもあるいは国民健康保険にいたしましても、患者の給付の際の一部負担というのは所得によって差をつけておりません。全く同じでございます。そういったこともございまして、新しい老人保健制度におきましては、老人の所得の多寡いかんにかかわらず、同じ一部負担、どなたでも負担していただけるような額ということで、外来の場合に四百円、入院の場合には一日三百円という負担をお願いすることにしたわけでございます。それからまた同時に、老人の方々の御意見なり御要望等を伺ってみますと、老人の所得の額によってその一部負担に差をつけてほしくない、一律にしてほしい、こういう御要望が非常に強かったわけでございます。そういった観点から、新しい制度におきましてはそういう扱いにいたしたわけでございます。
○中路委員 いま挙げましたように、具体的に現行法と新制度と比較してみますと、いずれにしてもこうした対象者には大きい負担になることは事実なわけですね。老人保健法の第三条で「国の責務」というのがありますが、「第一条に規定する目的の達成に資するため、医療、公衆衛生、社会福祉その他の関連施策を積極的に推進しなければならない。」として、憲法二十五条二項の国の社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上、増進の責務の一部を受けた形になっていますが、七〇年代の初めから住民や地方自治体の努力で推し進めてきた結果、国の制度としてもすでに九年、十年近く経過したこの老人医療の無料化制度を崩すことになるわけですから、この点では私は、憲法で言われている二十五条の第二項に示されている国の責務からいっても後退したと言わざるを得ないと考えるわけですが、この点は私たちの老人保健法の今度の改正についての見解、態度を強くもう一度表明しておきたいと思うのです。 あと一問だけ取り上げたいと思うのですが、心身障害者の成人施設整備ですね、これは大変おくれているために、十八歳を超えるいわゆる心身障害者が精神薄弱児の施設を初めとした児童福祉施設にとどまらざるを得ないという状況がこれまでも問題になってきていました。そのため、児童福祉法三十一条ですか、あるいは六十三条等で、十八歳以後においても在所期間の延長を行うことができる規定が設けられていますけれども、たとえばいただいた資料で見ますと、精神薄弱児施設の場合、五十五年の社会福祉施設調査の資料で見ますと、精神薄弱児施設の在所者数総数が二万四百五十八名に対して、十八歳以上が四千八百十八名、二三・六%になっているというのが出ていますし、過去の推移を見ましても、この比率はだんだん悪くなってきているということも言えるわけです。また、その十八歳以上の中の重度者の割合、これもいただいた資料で見ますと、大変ふえてきているという状況ですね。中には、事実上こういう点で成人施設かと思われるような児童施設もあるような状態になってきているわけですが、こうした状態は児童施設としてはやはり不正常ではないかと思うのです。成人施設に対する需要に対してどのように今後対処をしようとされているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○幸田政府委員 精神薄弱関係の施設におきまして、十八歳以上のいわゆる大人の方々がふえているということは御指摘のとおりでございまして、五十五年十月現在で、御指摘のとおり収容施設、子供の精神薄弱児の収容施設のうち二三・六%が十八歳以上の者で占められている、こういう状況でございます。 今後、私どもといたしましては、子供の数そのものが日本全体で減少いたす傾向にございますので、入所児童数というものは減少する、かように考えておりますが、それに加えまして養護学校の義務化といったような問題がございますので、入所児童数はさらに減少するのではないか、かように考えております。したがいまして、十八歳以上の在所者が多い精薄児の施設につきましては、できる限り大人向けに転換をするように指導いたすと同時に、大人の精神薄弱者の施設につきましても大幅な拡充を図ってまいるように、今後とも努力をいたす考えでございます。
○中路委員 いまおっしゃったように、この問題では抜本的な対策が求められているわけです。しかし現状は成人施設の整備がおくれている状態ですから、当面の対応として、在所期間の延長が避けられないとすれば国としても措置延長された者について措置費を見ることは当然であります。しかし、児童福祉施設の中で、これもいただいた資料で調べてみますと、児童福祉法上措置延長の規定のない施設として精神薄弱児通園施設があります。だから、十八歳に達すると原則としてその施設を出なければならない。現状を聞いてみましてもそういうようなことで、都市によっては必要に迫られて市が単独で措置延長をすることもあると聞いていますけれども、精神薄弱児通園施設で十八歳以上でいま通所している人数はどれくらいか、お調べになっていますか。
○幸田政府委員 昭和五十五年十月の社会福祉施設調査によりますと、精神薄弱児の通園施設に十八歳以上の精薄者が通っております人数は、五十一名ということになっております。
○中路委員 五十一名と言えばそんなに大きな人員でもありませんから、やはり国が何らかの運営費補助を行うべきじゃないかと私は思うのです。実際に行った場合に、どのくらいの金額があればいいのか。また、この問題について、わずかであるということで放置されないで、具体的な対策を検討すべきではないかと思いますが、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。
○幸田政府委員 先ほども御答弁申し上げましたとおり、養護教育の義務化という問題がございますので、精神薄弱の通園施設につきましては、学齢前の児童がその過半を占めている、こういう状況でございます。 大人の精神薄弱者の通園をどうするかという問題でございますけれども、精神薄弱児通園施設を成人の精神薄弱者施設に転換する、こういう場合には、設備、構造等につきまして整備を必要とする場合には国庫補助の対象にいたしているわけでございまして、いま申し上げましたようなことから、通園施設につきましても、成人向けに転換ができるものはできる限り転換をするように指導してまいりたい、私どもはかように考えているわけでございます。
○中路委員 いずれにしても、現実に五十一名というのが存在するわけですから、この人たちについては何らかの補助が必要ではないかということを私はもう一度要請しておきたいと思うのです。 もう一問。精神薄弱児の通所施設は、十八歳以後は出なければならない。こうした、比較的重くても身辺自立できるが、雇用されることが困難な場合、これは、調べてみますと、法外の小規模な作業所や法内の通所授産施設を利用することになっているわけですけれども、たとえば私の地元の川崎では、精神薄弱者の更生施設がないために、中、軽度の精神薄弱者の施設ということで、昨年十月ですか、川崎授産学園という更生施設がオープンしました。しかし、父兄の間では、さらに重度障害者のための成人更生施設ということで要望も強く、市民の共感も得て、十万を超える署名、要請も集められて、市でも五十七年度に五百万の調査費をつけて、五十八年度には建設を予定しています。 ところが、オープンした川崎授産学園の入所希望者は重度者が多数を占めているのですね。しかも、深刻な事態にあって緊急な対応を要することから、重度の棟の建設については国と幾らかいきさつもあったように聞いておりますけれども、いずれにしても、五十八年度の建設を待てないで重度者を入所させる措置がとられたわけです。このために、事実上重度の精神薄弱者の更生施設として運営せざるを得ない事態になっています。 定員五十人に対して、国の現行の基準で見ますと、三十人で重度の指定ができると言われていますけれども、施設長を含めて職員二十八名のうち指導職員十八名で、うち五名が市の単独の負担で確保しているわけです。これがなければ、現在の変則三交代と言われるローテーションはとうてい組めないわけです。この重度者については、重度の棟でなくて一般棟においても、重度者の人数に応じて重度加算を行う必要があると思いますが、整備がはかどらないで、重度棟でなくても、一般棟でもベッド指定を行って重度加算を行うということについて、国の方のお考えをお聞きしたいと思うのです。
○幸田政府委員 一般論で申し上げまして、精神薄弱者更生施設におきまして重度棟の整備が行われていない場合でございましても、重度棟の対象となるような重度の精神薄弱者につきましては、重度棟と同じように一般棟に収容いたしました場合にも運営費の補助の対象にいたす、かような仕組みを現在とっておるわけでございます。
○中路委員 それですと、こういう点については県や厚生省と協議をすればそうした措置が個別的にもやれる、相談に十分応じてやっていけるというお答えですか。もう一度この点は確かめておきたいと思います。
○幸田政府委員 ただいま御指摘のとおりでございまして、県なり市と協議をいたしまして指定を行う、かようなことになっておるわけでございます。
○中路委員 あと若干の時間、関連で同僚の榊委員にお願いしたいと思います。
○石井委員長 榊利夫君。
○榊委員 最近、差額ベッドの問題で、保険外の患者負担がふえる傾向にあるということで、いろいろこれが社会問題になっておりますが、歯科医療の場合にも、補綴などで保険外の治療費が高過ぎるという声がよく耳に入ってまいります。日本消費者連盟の調査でも、虫歯十一本の処置に保険がきかないで三十三万円かかったとか、あるいは他の歯も悪いからと言って総入れ歯にしたわけですが、三百八十万請求をされたとか、こういった極端な例もあります。 歯科医療における保険制度の充実というのがこういう点で非常に望まれているわけでありますが、この点で、開業医の歯医者さんたちもちゃんと採算がとれるような方向での充実が必要ではなかろうかと思うわけであります。恐らく厚生省としても、保険点数の見直し作業その他、いろいろこの問題では御苦労願っているのじゃないかと思うのですが、厚生省としては、この歯科の医療保険の問題でどういう現状認識をお持ちなのか、それからどういう対応策をお考えなのか、まずこの点をお伺いいたします。
○大和田政府委員 お答えを申し上げます。 まず、歯科の差額問題、つまり保険外負担問題でございますが、これは数年前、この保険外負担問題でいろいろ議論されたことがございます。したがいまして、私どもといたしましては、日本歯科医師会と話し合いをいたしまして、保険外負担の解消につきまして逐次それを行っていきたいということで合意をいたしました。それは中医協にも報告をいたしまして、逐次保険外負担の解消ということをやってまいったわけでございます。 昨年の六月の医療費改定におきましても、たとえば歯の唇顎、口蓋裂といったようなものにつきましても、これを保険に導入いたしまして、保険外負担の解消を一歩進めてきておるわけでございますが、なおまだ保険外で残っておるものにつきましても、できるだけ保険の中に入れるということで努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○榊委員 この問題では現状いろいろ言われておりますので、改善、向上という点で前向きの御努力をこの際特にお願いしておきます。 それから、一般的に申しましても、医療では予防、早期発見、早期治療、これが肝心だと言われておりますが、そのためにも医療保険制度の充実ということが望まれるわけでありますが、他方、臨調答申のように医療費総抑制ということで国庫補助を削減したりあるいは患者負担の増加を求める、言うなれば逆行現象も出ているわけであります。そういう点で、国民の中には心配もあるわけであります。厚生大臣にこの点をお伺いいたしますが、大臣は国民の健康に責任を持つ、こういう立場におられますが、当然そういう立場から医療保険制度については充実を願っておられるだろうと思うのであります。この点、所見はいかがでございましょうか。
○森下国務大臣 厚生省は、暮らしと健康を守っていこう、またこれが厚生省の大きな目的でございまして、その中で、やはり健やかに長寿を保つ、長生きをするということが人間生活として大事なことでございます。臨調でも、活力ある福祉社会をつくるとか具体的にいろいろ書いてあるわけでございますが、現在の医療制度はいわゆる出来高払い制度で、患者はどの医者にかかってもよろしい、また、医者はどういう治療をしても自分の良識に従ってやってよろしい、それが点数になって請求される。私は、どの国よりもすぐれた制度であって、それが平均寿命を延ばしてきたんだ、このように思っております。ただ、新聞紙上をときどきにぎわしておりますように、もうほんの一部の方が乱診乱療、不正請求等で問題になっておりますけれども、私はいまの制度は悪くないという考えに立っております。 しかし、これからの高齢化社会、高齢化時代に備えまして、今回老人保健法を提出させていただいておるわけであります。大体いま七十歳以上の方が国民の六%である。これがだんだん二十年後、三十年後、四十年後となってまいりますと、一〇%から二〇%近くまで上っていく、こういうことまで実は考えて、いわゆる中長期的な展望の上に立って、四十歳からの予防、保健、それから医療、リハビリという一貫した体制をつくっていこうということでございます。そういうことで、そのことによって総医療費の抑制が図られるというのが今回の老人保健法の目的でございまして、この医療費の問題につきましては、積極的にはまず病気をしないように保健、診断等を通じてやっていこう。ただ今日的な問題としては、やはりかなりの上昇率がございますので、この医療費の適正化対策のために積極的に取り組んでおりまして、高額な医療費につきましては十分補助をする一方、軽費な医療については受益者負担を求めるというような指摘があるわけでございますけれども、今後の医療保険制度のあり方に関しまして、保険の給付と患者負担はいかにあるべきかという制度の根幹にかかわる問題もございますので、そういう点も慎重に検討をしていきたい、このように思っております。 以上でございます。
○榊委員 大変長い御答弁をいただきましたけれども、老人保健法のことにつきましては、有料化という点ではやはり大変強い不満、反対もあるわけでありまして、この点では見解を異にいたします。しかしいま、今日の医療保険制度についてはいい制度だという御認識をお持ちのようでございますので、その点についてはそのいいところを伸ばしていくという方向で努力を願いたい、こう思うわけであります。 それとの関連ですが、一部には歯科の問題で補綴部門を保険制度から外せという動きもあるように聞きますが、厚生省としては、この歯科診療の一部を保険制度から外す、こういう点ではいかがなお考えでございましょうか。
○大和田政府委員 先ほども御答弁をいたしましたように、保険外負担というものはやはりできるだけ解消していかなければならぬ、そういう方向で私どもは努力をしていかなければならぬ、このように思っておるわけでございます。 ただいまのように必要な医療、歯科医療の補綴につきましてはそれに属するわけでございますけれども、そういった必要なものにつきまして逆に保険外にするということにつきましては、私どもといたしましては、私どもの考え方に逆行する考え方である、したがって、それは保険外のものを保険内に入れる努力はいたしますけれども、保険内のものを保険外に持っていくというようなことを考えてはいないわけでございます。
○榊委員 ひとつ必要な保険内のもの、これを堅持するということでお願いいたします。 昨年厚生省の保険局の方でいわゆるポリサルホンの義歯床が保険導入されました。この問題は国会でも多くの議論があったと承知しておりますが、いまなお納得がいかない点が幾つかあります。むしろ幾つもあると言った方がいいかもしれません。その一つは、わが国の唯一の専門機関である日本補綴歯科学会が、このポリサルホンというのは金属床にかわるとは断定できないという見解をとっておられるわけであります。ところが厚生省は、これに耳をかさないで、ポリサルホンというのは金属床にかわり得るという見解のようでございます。 お尋ねいたしますが、ポリサルホンについては臨床データがあるのでしょうか。
○大和田政府委員 このポリサルホンにつきましては、先生先ほどおっしゃいましたように、金属床にかわり得るものということでポリサルホンの採用を昨年の六月に行ったわけでございます。それは、金属床につきましては従来から保険外負担である、これを保険内に導入すべきであるという意見が非常に強うございまして、何とかこれを保険内に入れたいと思っておったわけでございますが、どうも金属床につきましては価格が高いということで保険内導入がなかなか実現しなかった。ところがポリサルホンにつきましては、たとえば薬事法に基づいて製造承認なされる際の申請書についております添付書類であるとか、あるいは日本歯科技工学会会員のポリサルホン樹脂についての物性試験データといったようなものを見ました場合に、このポリサルホンが最も金属床に近いものである、こういう判断が行われたわけでございまして、それでこれはできるだけ早く金属床にかわるものとして保険内に導入しなければならぬということで導入いたしたわけでございます。 先生の御質問でございますこの臨床データでございますけれども、これはこのポリサルホン義歯を使用しておる医療機関に依頼した臨床応用例というものの報告書が添付されておりまして、それを見ますると、ほとんどのポリサルホン義歯というものは歯科補綴物として適当であるというように報告をされておるわけでありまして、私どもといたしましては、先ほど申しました薬事法に基づく製造承認申請の際の添付資料あるいは日本歯科技工学会会員の物性試験データ等につけ加えまして、この臨床データを参考にいたしたわけでございます。
○榊委員 いま応用例の話が出ましたけれども、少なくとも私たちが承知しておるところでは、許可に関する検査、これは申請者の自家試験によって判断されたというふうに承知しております。それで一時、去年でしたかしら新聞でちょっと騒がれたことがありますけれども、臨床試験が実はアンケート調査だというようなことも問題になりました。しかしいずれにしても、そういう状態のもとで意見も真っ二つに分かれておる。学会の意見もある。そういう中でポリサルホン義歯床が医療材料として承認された。そして従来の義歯床の倍の点数で保険導入されている。義歯床というのはここですね。私は玄人ではありませんけれども、ここに金属を使っておりますが、この金属のかわりにポリサルホンを使う。点数が従来の倍なんですね。これはどこから見ましても異常なんです。 しかも、医師の証言をいろいろ聞きますと、ポリサルホンについては、樹脂なのでよくひずんでもとに戻る性質があるのだ、これが歯科の材料としては一番こわいのだと言うわけですね。つまり、たわむ。したがいまして、義歯床の材料としてはまことにこわい性質だ、こういう声さえあるわけでありますので、しっかりとした物理的、化学的な安全性の保障、検証がやはり必要だろうと思うのです。学会の一部あるいはお医者さんの中からも、検証がなされるまでしばらく使用を凍結したらどうだ、こういう提案もあるわけでありますが、ここまで来ますと一種の医療行政のトラブルということにもなるわけであります。私はこの点では、これまでのいきさつがありますので、担当部局というよりもむしろ大臣の大局的な見解を伺いたいと思うのです。 たとえばソフトコンタクトレンズの承認の際は、成分の違いがあるのでそれぞれ臨床試験に関する資料提出が義務づけられた。そして薬事審議会にもかけられることになっておる。これは薬務局から通達が出ております。ポリサルホン義歯床も、たとえば改めて薬事審議会にかけるとか、そういった再検討の余裕を持つ必要があるのじゃないか、せっかち、無理押しはよろしくないと思うのです。このあたりについてはいかがな所見をお持ちでございましょうか。
○大和田政府委員 先生のおっしゃいました件につきまして、もう少しコメントさせていただきたいと思うのでございます。 まず、この適応症といいますか、これでございますけれども、このポリサルホン義歯につきましては、堅牢さ、それから薄さといったものについては、先ほど申し上げましたようなデータでもって明確にこれが立証されておるというように考える。ただ、口内状態が非常に変わり得るといったようなものにつきましては、これは非常に丈夫なものでございますので適応症というものにふさわしくない。したがって、ポリサルホン義歯を使う場合にはやはり適応症というものを選ぶことが必要だ、こういうことが言えるわけでございます。 さらに学会の問題につきましておっしゃいましたが、私どもは、日本歯科医師会、これは学術団体の性格を有するものでありますが、これとの相談をいたしておりまして、合意の線に沿いまして、これは保険外負担の解消を図るための一環として行われたものでございますので、そういった面で私どもは歯科医師会の意見を十分に聞いておるということは言えるわけであります。 それから、点数につきましては、先生おっしゃいました二倍といいましても二万一千円でございます。二万一千円、こういう点数でございます。これは従来のものに比べまして外注の技工料金が高いということから、このような値段にいたしたわけでございます。そういったようなことでございまして、これは保険外負担の解消ということにつきましてのメリットが十分にあるというふうに私どもは考えておるわけであります。
○榊委員 余り時間がありませんので論議できませんけれども、歯科医師会の御意見というものも認可のときには聞かれた、ところが会そのものは、いやそのことは承知していない、こういう話もあるわけであります。 それはともかくといたしまして、この問題については科学的な検証を大切にする、これがやはり医療の中では一番大切なことだと思います。その点では、いまここですぐに、いや再検討いたします、こういう答えはいただけないかもしれないけれども、しかし、少なくとも無理押ししないでじっくりと考える、大きな立場で研究したい、これぐらいの答弁はいただけるのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○大和田政府委員 先ほど申しましたように、これにつきましても各県からはぼつぼつこれが使われているという報告も得ておりますし、またこれに対しまして、適応症にふさわしいものを使った場合にクレームというものが私どもの方には出てきておりませんので、これにつきましてはこのまま進めていって問題はないというふうに考えておるわけであります。
○榊委員 その点については私、厚生省の姿勢が大変硬直していると思うのです。最後に、そういう硬直的な姿勢を改めて、やはり改むるにはばかることなかれではありませんが、率直に科学的な対応をする、これで終わりというのではなくて引き続いて研究を進めていく、こういう態度を望みたいと思うのであります。 次の質問でありますが、森村誠一さんのベストセラーで「悪魔の飽食」というのがいま大変評判になっております。これで有名になった旧陸軍の細菌戦部隊、これは防疫給水部というのが表看板だったわけですね。石井四郎軍医中将の指揮下にそれがつくられて、その関東軍の本拠地がハルビンの七三一部隊である。ここで細菌戦、すなわち生物兵器の研究あるいは生体実験、細菌爆弾の製造などが行われた。つまり、こういう点では防疫給水部というのは二枚看板がありまして、一つは日本軍隊の中で防疫を行い給水を行う。外向けに対しては、命令があれば中国人その他に細菌戦を実行する実行部隊としての実体。 そこでお尋ねいたしますが、厚生省がお持ちの厚生省調査で明らかになっている限りで結構でございますが、防疫給水部というのは、中国各地だとかあるいはシンガポールその他にどれくらい配置されていたんでしょうか。どれくらいの数に上るのでしょうか。
○北村(和)政府委員 厚生省が旧陸軍から引き継ぎました各種資料によりますと、昭和二十年一月現在で、防疫給水部なる部隊は六十七、編成されたことになっております。これらの防疫給水部は、当時の軍及び師団単位に設けられておりますほか、さらに野戦防疫給水部も設けられておりまして、中国南方、朝鮮、台湾の各地域に配置されていたわけでございます。
○榊委員 いまの数字を聞きましても、六十七というのは大変大きな数字であります。私たちもちょっと調べてみましたけれども、昭和十二、三年ごろから設置をされております。いろいろ変遷はあります。それが旧満州ですね、それから北支つまりいまの華北、中支つまり華中、南支つまり華南、こういった各方面軍にそういうのがつくられていた。師団でいえば、第一師団関係だけで十八というふうに聞いております。他の師団を合わせまして計二十六くらい。大規模な施設であります。そのほかに、いまおっしゃった機動的な野戦防疫部が八つあったと思います。こういう、六十七という大変大きな部隊でありますが、これは予想以上に大がかりといいますか、戦略的に展開をされていたということであります。 四月のいつか、私はここの委員会で、いわゆる関東軍防疫給水部の人員が三千五百名に上るという質問をしてその答えをいただきましたけれども、これは初めての規模で、それ自体がニュースになりましたけれども、その種の細菌戦部隊がこれほど大規模に配置されていた、これもある意味では衝撃的な新事実であります。 いまおっしゃったような大規模な細菌戦が準備されていたわけで、どうしてそういうことが戦後三十八年間発表されてこなかったのでしょうか。私ちょっとそこは不思議なんですが、どうなんでしょうか。
○北村(和)政府委員 私どもが軍から引き継ぎました資料によりますと、これら防疫給水部の業務内容と申しますか、それは部隊に関する防疫とか給水とか疾病の予防とか種痘とか、そういう業務に従事したという記録を引き継いでおりまして、それ以上のものは資料からはうかがい知るわけではないわけでございます。
○榊委員 つまり、それは表の看板だったわけですね、防疫とか給水とか。実際にはそれが、たとえばハルビンの七三一部隊のように、生体実験その他までやっていた。これがいま世界的に問題になっているわけであります。しかもそれが非常に大がかりだった。ハルビンだけじゃない。各地に、中国大陸だけじゃなくて、シンガポールにもあったはずです、南方軍に。幸い大規模な細菌戦にならずに終戦を迎えた。これは不幸中の幸いだと言っていいと思いますが、しかし、関東軍の防疫給水部だけでいま言いましたような生体実験その他で命を奪われた人というのは、中国人その他捕虜三千余名、これがペスト菌その他の細菌爆弾の生体実験になったわけであります。しかも、この南支、華南、これは局地的に細菌戦を実行しまして、多くの被害を出した事実もずっと明らかになってきております。 ところで、そうした防疫給水部の一つに第十六防疫給水部というのがあったと思います。これは石井四郎自身が一時そこに責任者でいたことがありますけれども、これはどこにあったのでしょうか。
○北村(和)政府委員 これも私ども軍から引き継いだ資料によりますと、第十六防疫給水部は昭和十三年九月に編制下令——編制下令と申しますのは、部隊を編成するための命令が出たという記録は保持しておりますが、昭和二十年一月に、当時の軍が、その二十年一月現在におきます各部隊の、その時点における現状を調査をいたした記録がございます。その記録、留守名簿でございますが、その留守名簿には、この部隊の存在が認められません。したがいまして、編制下令はされたものの、実際に編成されなかったのか、あるいは編成されたけれども昭和二十年一月までの間にほかの部隊に編成がえになったのか、その辺の状況はつまびらかにいたしておりません。 なお、この給水部の場所はちょっといまわかりかねます。
○榊委員 昭和二十年一月現在ではそれはないかもしれませんけれども、厚生省の資料でも、この第十六防疫給水部、昭和十三年九月二十八日に発足しています。あるのです。 それで、これは北京に司令部を持っておりまして、いわゆる北支方面軍、これの直轄部隊、山西省に配置されていたのですね。この細菌戦部隊である第十六防疫給水部付の主計将校に鈴木俊一という人が昭和十三年から十四年にかけていたはずでありますが——ちなみに、この主計将校というのは、石井部隊の場合でいいますと、生体実験用の捕虜受け取りの際報償金を支払うとか、あるいは食糧徴発、略奪、これを指揮したりする、これが主計将校の仕事でありますが、この鈴木俊一という名前は厚生省保管の名簿にはあるのでしょうか、ないのでしょうか。ないとすれば、そういう人の部隊行動などは、都道府県保管の兵籍名簿にはあるということなんでしょうか。その点お聞かせください。
○北村(和)政府委員 旧軍、特に陸軍の軍人でありました方の兵籍につきましては、都道府県が現在保管をいたしておりますので、調査をしてみればその結果がわかると思います。
○榊委員 時間が参りましたので終わらなければなりませんが、この鈴木俊一という方は大変東京都民にはなじみの深い名前でございますが、いずれにしましても、このいわゆる「悪魔の飽食」と言われるような細菌戦部隊、これはひとつ、繰り返してはならない汚辱であり、これは本当にこの歴史の中から教訓として酌み取っていかなくちゃいけないものだ、こう思うのであります。 そういう点では、先ほど厚生省の資料幾つか聞かしていただきましたけれども、私たちは、そういうことを繰り返さないためにも、そういう残酷な侵略行為、非人間的な行為、これを繰り返さないためにも、やはり資料があればその資料を公にするということが大切ではないかと私思うのであります。 その点を最後に要請いたしまして、きょうの質問を終わらしていただきます。
○石井委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、厚生省設置法一部改正に際しまして、緊急調査を要する事態が起こっておりますので、以下、問題点を明らかにしたいと思います。 内容は、白い巨塔、国立大学医学部と製薬会社の癒着の問題についてであります。 まず、厚生省にお伺いをいたしますが、特発性の感音難聴研究班に厚生省が出しております研究費の性格は、何でしょうか、補助金ですか。
○三浦政府委員 この研究費は、いわゆる難病研究費と申しまして、原因が不明で治療方法も未確立でございます……(楢崎委員「補助金か何か聞いているのですから、説明は要りませんよ。性格を」と呼ぶ一これは調査研究費でございます。(楢崎委員「補助金じゃないのですか」と呼ぶ)補助金でございます。
○楢崎委員 補助金でしょう。そうでしょう。
○三浦政府委員 そうです。
○楢崎委員 それを聞いておるのです。時間が短いですから、要らぬことは言わぬでいいですよ。 この特発性の感音難聴研究班の研究期間及び研究費の金額は幾らですか。
○三浦政府委員 これは班長さんがおりまして、その班の班長さん以下二十名でやっておりますが、費用は、五十四年から五十六年までかけまして五千百万円を出しております。
○楢崎委員 研究期間はどうなっていますか。
○三浦政府委員 期間は、五十四年から五十六年までの三カ年でございます。
○楢崎委員 期間は五十四年から五十六年まで三カ年、その調査研究費は五千一百万円。 この研究班の事務局はどこに置かれておりましたか。また、事務局長はだれでありましたか。
○三浦政府委員 この研究班の事務局は、班長が名古屋大学の三宅弘さんという耳鼻科の教授でございまして、事務局はそこでやっております。
○楢崎委員 事務局長はだれかと聞いておるのです。
○三浦政府委員 事務局長は柳田先生でございます。
○楢崎委員 そういうときは氏名をきちんと言うものですよ。
○三浦政府委員 柳田則之先生でございます。
○楢崎委員 いかなる立場の人ですか、名古屋大学の。
○三浦政府委員 名古屋大学の医学部の講師でございます。
○楢崎委員 研究費のうちで、五千一百万円のうち、この柳田講師が事務局長をしておるこの事務局に落とされる事務局経費の金額は幾らですか、五十四年、五十五年、五十六年。
○三浦政府委員 事務局経費につきましては、五十四年度五百四十八万円、五十五年度五百五十万円、五十六年度六百五十万円でございます。
○楢崎委員 この事務局経費がどのように使われたか、その決算の報告及びその決算内容について、会計監査はどのようになされておるか。
○三浦政府委員 五十六年度の配分額六百五十万円の内訳でございますが、研究報告書の印刷代が三百九十万円、それから会議出席旅費が百十万円、会議費が五十万円、通信運搬費が五十万円、その他五十万円となっております。
○楢崎委員 そのいま報告された詳しい内容を文書として出せますか。
○三浦政府委員 私どもは、この報告書と同時にこの費用の使い道その他も全部報告を受けまして、これからやるわけでございます。これから確かめるわけでございます。
○楢崎委員 まだそれは払われていないのですか。
○三浦政府委員 これは五十六年度の予算でございますから、当然払って、これに対する報告書が出てまいっております。これをこれから中を監査することになっております。
○楢崎委員 それは厚生省のどこが監査をなさるのですか。
○三浦政府委員 難病対策課でチェックをしております。
○楢崎委員 この内容は会計検査院の検査対象になっておりますか。
○三浦政府委員 なっております。
○楢崎委員 この五十六年度の分は、会計検査院は検査を始めておりますか。
○水越会計検査院説明員 お答えいたします。 五十六年度については、決算検査は会計検査院でやっておりますが、本件補助金についてはまだやっておりません。
○楢崎委員 文部省の大学局にお伺いします。 大学関係を中心にして各種の学会が行われておりますね。この学会への出張旅費は文部省から出されるのですか。出されるとしたら、その出張旅費は実費で出されるのですか、それともあらかじめ各大学に投げ渡ししておられるわけですか。
○国分説明員 お答え申し上げます。 国立大学の教官の学会出席に要するいわゆる旅費の問題でございますが、国立大学にあらかじめ文部省で予算の範囲内におきまして旅費を配当いたしまして、その範囲内において旅費法の規定に基づきます額を学会出席の場合も支給するということになっております。
○楢崎委員 実際に出張されたかどうかは確かめるのですか。それとももうそれは投げ渡しきりですか。
○国分説明員 文部省が国立大学に配当いたしますのは年間に何々大学幾らという形で配当いたしまして、その範囲内においてそれぞれの国立大学が執行する、こういう形になっております。
○楢崎委員 そうすると、実際に残が出てもどのように処理されておるかわかりませんね。 その際の交付額の基礎は、講師は五万円、助教授は六万円、教授は七万円、そういう基礎になっていますか。
○国分説明員 お答え申し上げます。 文部省が各大学に配当いたします場合に、それぞれ予算の積算が一応ございます。ただいま講師あるいは教授幾らというようなお話がございましたが、予算的には、たとえばいろいろな種別がございますが、一例を申し上げますと、講座制の教授につきましては年間十三万円、助教授あるいは講師につきましては十万円、これは予算の積算でございます。これで文部省と申しますか、国立大学全体の旅費が決まっておりまして、それを、各大学のそれぞれの人員構成あるいは特に東京からの距離等を勘案いたしまして年間個々の大学は幾らという配当をいたすわけでございまして、それを各大学が執行する、こういう仕組みになっております。
○楢崎委員 五十七年度、本年度名古屋大学医学部関係の出張旅費は、総額幾らになっていますか。
○国分説明員 名古屋大学につきましては、五十七年度で、これは各学部ごとということではございませんで、大学全体ということでございますが、項「国立学校」の分といたしましては約一億円を配当いたしております。
○楢崎委員 予備的な質問はそれくらいにいたしまして、以下、事実の指摘をいたしたいと思います。 私が急遽この問題を取り上げましたのは、実は理事会でもきょう厚生省関係が行われるかどうかわからなかった。これが行われることになったから急遽取り上げたわけです。なぜかというと、私がいろいろ調査を行ってまいりました。ところが、それをかぎつけて、先週末から証拠隠滅が行われておる。したがって、私は以下申し上げる点で、実際には本委員会で具体的なものは明らかにせずに、委員会が終わってそれぞれの関係のところに証拠を出して調査をお願いしようと思っておりましたが、悪質な証拠隠滅が行われておるから、この際、関係しておる会社名、関係者の氏名及び旅行会社の名前を具体的に明らかにいたします。 まず、提供者は塩野義製薬株式会社、ここの直接関係しておるところは名古屋分室であります。いろいろ便宜提供を受けておるのは、名古屋大学医学部耳鼻咽喉科のいまお話のありました講師柳田則之外。以下明らかにしてまいります。 まず、私が調査の結果裏づけをとった、判明した事実を申し上げます。 いまから申し上げる総会や学会にこの柳田講師外が出席する際、塩野義製薬から提供されたホテルのクーポン券で宿泊をし、出張旅費は厚生省のさっき説明された補助金や文部省の出張旅費から別に取っておる。まるまる金が浮くわけです。なぜこの塩野義製薬がそういう提供をしておるか。いま御案内のとおり、最近抗生物質の競争は非常に激しい。そこで、塩野義製薬は自分のところの薬品をこの医学部及び附属病院で大量に使用してもらうことを条件に、こういう便宜供与を図っておる。 まず三つ例を挙げます。 一番目。さっき申し上げました特発性の感音難聴調査研究班、これの第一回の総会は、昨年八月二十八日から二十九日、東京都港区の笹川記念館で行われております。柳田講師らはこれに出席するために、その八月二十八日にクーポン券で一泊をしております。さっき申し上げたとおり、これは厚生省の補助金から別にもらっている可能性があります。 二番目に、この研究班の第二回総会はことしの二月六日から七日にかけて同じく笹川記念館で行われました。それで柳田講師らは、二月六日土曜日、都イン・東京——先ほども泊まったところは都イン・東京というホテルです。この二回目の総会のときも、二月六日、都イン・東京に同じようにクーポン券で一泊をしております。 三番目に、日本耳鼻咽喉科学会第三十回中部地方部会連合会、これはことしの七月十八日、浜松医大で行われております。これは名古屋から新幹線に乗ったら四十六分で着くのです。何も前の日に行って泊まることはないのにわざわざ前の日に出かけておる。つまり七月十七日の土曜日に出かけております。そしてホテルコンコルド浜松というところにクーポン券で一泊をしております。これは恐らく文部省の先ほどの出張旅費から別に金は取っておるに違いない。提供は塩野義。 そこで問題は、こういうことがなぜ行われるかというと、さっき言った文部省の出張旅費その他あるいは厚生省の補助金その他のチェック体制、管理システムに問題があるのではないかという気がします。このために公務員法違反あるいは贈収賄罪、詐欺横領罪、公文書偽造罪、こういった犯罪を生み、犯人をつくることになっておるのではないか。私は直ちに調査に入ってもらいたい。 それで、私がなぜこれを急にと言うかは、これは名大の医局が医局ぐるみでこういうことをやっている可能性が大だからであります。どのような証拠隠滅が行われておるか、いまからその証拠になるものを、文部省と大臣と会計検査院と警察庁と四者にこれを渡したいと思います。これを説明しますから。 先週末に私が調査しておるのを感づいて、日本旅行、これは旅行会社ですが、日本旅行が塩野義製薬に連絡をした。塩野義製薬の関係者が、後で言いますが、柳田講師のところに走っている。実は楢崎が調べておる、どうするか、それじゃ塩野義で出したクーポン券に対して塩野義に自分が金を支払った、そういうことにして日にちをさかのぼって処理してくれ、そういうことが、ほんの先週末ですよ、行われておるから、私はやむを得ずこういうことを明らかにしておるわけです。 いまお渡しした書類、この説明をいたします。 まず上の方、私は黒く削っておったのは日本旅行と書いてあるところ、しかしこれはもうはっきりしますよ。まず「ご旅行申込書」。これは一番左の上に七月十七日とありますね。「お名前」は「イトウアキカズ」「ウエダヒロミ」「ヤナギダノリユキ」。「ウエダヒロミ」これはかたかなで書いてあるけれども、漢字は植田広海という字です。これは名大の大学院の学生、三年生。これがどういうことをしたか、後から触れます。 それから伊藤明和、これは名古屋大学附属病院耳鼻咽喉科助教授であります。この伊藤明和というのは消してありますね。これは矢が引っ張ってある。この人はキャンセルした。「七月十六日トリ申出」取り消しの申し出のことです。そして次に丸が書いてある。その中には七月十六日と書いてある。そしてホテル側は「トリOK」と書いてある。取り消しオーケーという意味です。それから連絡先は、ここに明らかなとおり「シオノギ一学岡田 納田」と書いてあります。この一学というのは、塩野義製薬本社名古屋分室の第一学術部という意味であります。塩野義製薬は二学とか一学とか地域で分けています。その岡田と書いてあります。この人は岡田和彦、納田敬一郎、ともに塩野義製薬名古屋分室の人であります。これを塩野義が申し込んでいる。そしてここに丸い印がある。これはクーポン券を発行した日である。「発行済」とある。五十七年六月十日。それで下の方の「宿泊月日」のところに、最初浜松グランドホテルに申し込んだけれどもだめで、それでコンコルド浜松に変えた。オーケーです。それから端の方には、ルームチャージ六千円、これは税、サービス抜きです。これがこの「ご旅行申込書」の説明です。 つまり、塩野義製薬がクーポン券を自分のところで買って渡していることはこれで歴然であります。そしてコンコルド浜松は確かに泊まっている。これは私、調べました。クーポン券で泊まっておる、これも明らかです。 その次、これは都イン・東京、宿泊カードであります。ここに前受金七千円と書いてありますね。これは八月二十八日の分です。ここに英語でクーポンと書いて丸が書いてあるでしょう、七千円の横に。つまり、クーポンで泊まったということです。 それから次に、ことしの二月六日の分、八千五百円、その横もクーポンに丸が書いてありますね。こっちの方の都インの方のクーポンはどこで買われたかというと、日本交通公社渋谷営業所です。何で渋谷の営業所で買うのか、私よくわかりません。何か因縁があるのでしょう。そしてこの学会に出た。 学会のことをちょっと説明しますけれども、いまの宿泊者の名簿にありますとおり伊藤明和という人は、この学会の日に「滲出性中耳炎と内耳」という講演をしております。それから植田広海、この人はやはり学会の学会員になっておるのですけれども、「伝音難聴とティンパノグラム」という題で講演をしております。ほかというのが書いてありますが、この学会は、いまの主題で講演をしたのは村橋けい子というこれも同じ大学。それから柳田則之がここで同じようにやっております。それから、さっきの「滲出性中耳炎と内耳」の方は、これも伊藤明和ほかになっておりますが、このほかは鈴木康之のことであります。 以上が大体、もう時間が来ているということですから、あとは直接説明を別にいたします。したがって結論は、私は早急に検査をしてもらいたい。会計検査院、いいですか。
○水越会計検査院説明員 ただいま先生御指摘の事態を踏まえまして、今後十分に検査をしてまいりまして、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
○楢崎委員 警察庁の方はどうですか。
○森広説明員 さらに詳しいお話も伺いまして、調査をいたしたいと思います。
○楢崎委員 文部省、厚生省、いいでしょうね。それぞれ明確にしてください。
○森下国務大臣 大変な疑惑を抱いているような内容でございまして、よく調査をいたしたいと思います。
○楢崎委員 もうこれで最後です。調査の結果をぜひ当委員会で報告してください。 もう一つつけ加えておけば、この名古屋大学はこの五月に起こりました薬品問題でも厚生省が調査対象にしておるはずです。これについても私は別に資料を持っています。そのほか、問題はまだあります。私自身も調査中でありますから、これは別の機会にやります。 それでは、これで終わります。
○石井委員長 これにて質疑は終局いたしました。
○石井委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 厚生省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○石井委員長 次回は、来る十九日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十三分散会 ————◇—————