内閣委員会 第16号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/05/13
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 行政機構並びにその運営に関する件、特に、防衛懇話会主催の講演会における伊藤防衛庁長官の発言の問題について調査を進めます。 質疑に入ります前に、去る六日、防衛懇話会主催の講演会において伊藤防衛庁長官が発言され、新聞等報道機関がその内容について報道しているのでありますが、防衛庁長官として適切を欠く御発言があったように伝えられておりますので、この際、伊藤防衛庁長官からこれらの点について説明を聴取することといたします。伊藤防衛庁長官。
○伊藤国務大臣 去る五月六日、防衛懇話会の依頼により私が行いました話は、防衛庁長官に就任して五カ月間の所感を、一人の政治家の立場を含め申し上げたわけでございます。 約五十分間の講演の中で、わが国の防衛を所掌する責任者として、一つ、「日本の防衛における日米安保体制の重要性」、二つ、「国民の期待に応える防衛努力のあり方」、第三点、「防衛問題をとりまく環境」等につきましてお話をいたしました。 しかしながら何分にも、講演を行うに当たりまして特に草稿をつくることもなく、また講演の記録も作成しておりませんので、この段階におきまして講演の内容を必ずしも発言どおりにあらわすことができない面のあることは否定し得ませんが、私もできる限り記憶をたどりまして、また、この講演を聴取をしておりました防衛庁職員等の記憶をもあわせまして正確を期しながら、ただいま皆様方のお手元に配付を申し上げましたところのものが講演の概要でございます。 内容について御説明を申し上げますと、最初の「日本の防衛における日米安保体制の重要性」につきましては、日米安保体制がわが国防衛の基軸であること、日本の自主的防衛努力は、安保条約のもとで今日の経済力をつけましたわが国としては当然のことであり、米国の対日期待にもこたえることになると述べたところでございます。 二番目の「国民の期待に応える防衛努力のあり方」のところでは、わが国としても哲学や世界観を持って防衛問題を再構築すべき転換期に来ていること、五六中業の完成時には「防衛計画の大綱」に示す防衛力の水準に達するようにしたいこと、そして、自衛官が国民の期待に沿った誇りや自覚を持てるような国民意識の向上がきわめて重要であること、また、平和は努力して得られるものという意識や日本国民であるという意識等が必要であることについても触れますとともに、防衛についての国民の連帯感の重要さを述べました。 三番目の「防衛問題をとりまく環境」の部分では、F4ファントムの試改修に係るさきの国会論議を念頭に置きつつ、防衛問題の取り扱いに係るむずかしさといいますか、慎重さが重要であるという私の日ごろの自戒を述べたところでございます。 以上のほかに、四番目に記載をいたしました事項についても話をしたわけでございます。 講演の内容はただいま申し上げたとおりでございますが、今回の講演を終わりまして後、表現の一部に適切さを欠く嫌いがありまして、国民をべっ視したとか国会における審議のあり方に批判を行った等の御指摘をいただいたわけでございますが、適切さを欠いた表現につきましては速やかに取り消し等の措置を講じますとともに、私の意のあるところが必ずしも十分に伝わらなかったことにつきまして深く反省するとともに、遺憾の意を表するものでございます。今後ともより一層の慎重さを持って防衛問題に取り組んでいくべく決意をしておりますので、よろしく御理解をお願いを申し上げる次第でございます。
○石井委員長 以上で説明は終わりました。
○石井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田名部匡省君。
○田名部委員 去る五月六日の防衛庁長官の発言、いま長官から、どういう趣旨でこの発言をしたか、講演をしたかというお話があったわけでありますが、長官の真意が一体どういうところにあったかということについて、これから質問をさせていただきたいと思うのであります。 いま長官から、大変遺憾であった、あるいは発言が不適切な部分があった、深くおわびを申し上げたいというお話があったわけでありますが、冒頭鈴木総理に、長官がそんな気持ちでおられるようでありますが、総理は一体この発言についてどういう感じをお持ちになっているか、お伺いしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 伊藤防衛庁長官から、あの講演がございました翌日に閣議がございまして、閣議後に私の部屋にお見えになりまして、ただいま長官から皆様に御披露がありました講演の趣旨の大要並びにその間において誤解を与えたような不十分な言動があったことにつきまして、大変遺憾に存じておる、申しわけのない次第であって、自分としても深く反省をいたしておる、こういう釈明と報告があったわけでございます。 伊藤長官が、防衛庁長官として防衛の責任の立場にあって、非常に重い責任感の上にいろいろ防衛努力の必要、国民の皆さんに対する防衛に対する認識を深めていただきたい、国民のコンセンサスを得ながらわが国の防衛に当たっていきたい、こういう熱意も持っての講演ではあったけれども、本人も言いますように、いろいろ誤解を招くような不適切な表現、言辞があったことについて深く反省もしておる、こういうことでございました。私は、この点については長官に対して十分注意を促すと同時に、国会初め各方面に対して十分自分の真意をお話をして御理解を得られるように努力をしてほしい、こういうことを申し上げ、今後再びかようなことがないようにということを強く求めた次第でございます。
○田名部委員 長官にお尋ねをしたいと思うのでありますが、国民の防衛意識が低いことが日本の防衛を非常に困難にしている、そういう認識をお示しになっておるわけであります。この意識の向上が日本の防衛の決め手だ、こうも言われておるようでありますが、全くその点についてはそのとおりだろう。国民の皆さんが国を守ろうという強い意識、そういうものがなければ、第一線の自衛隊の隊員だってそれだけの意識が一体保てるかどうかということはそのとおりだと思うのでありますが、しかし、一体わが国の国防意識がなぜ低いのか、そしていま一つは、一体国民の国防意識をどうすれば向上できるのか、その点についてのお考え方を初めに伺っておきたいと思うのです。
○伊藤国務大臣 わが国では、第一次世界大戦のあの苦い経験や、その後引き続き三十有余年にわたる長い平和を享受しているというようなことなどから、防衛問題に対しまして感覚的に拒絶をしたりあるいは無関心な風潮があることも否めません。また、現代の防衛問題が、各種の要因が複雑に絡み合っていることなどから、一般の方々の理解を困難にしている面もございます。これらが重なりまして防衛意識が薄い要因になっているものと考えておるわけでございます。 防衛庁といたしましては、このような状況のもとにおいて防衛意識の向上を図るために、まず国民の皆様方に自衛隊、防衛問題についての理解を深めていただくことが必要と考え、広く国際軍事情勢、各般の防衛政策、自衛隊の現況等を具体的に紹介するため、防衛白書の刊行、基地、訓練等の公開、各種の講演、催し物等の実施に努めているところでございます。 このようにして、先生御指摘のような問題に今後とも慎重に対処をしてまいりたいと考えております。
○田名部委員 時間がございませんので、私もいろんな私なりの考えを実は持っておるわけでありますけれども、議論をしておりますと時間が三十分という限られた時間でありますから、申し上げません。 次に、長官は、国民と国家の関係について、日本人という意識はあっても日本国民という意識がない、こういうことを発言されておるようでありますが、一体日本人であって日本国民でないということはどういう意味なのか、それをどういう感じでそのときにお話をされたのか、お伺いをしたいと思います。
○伊藤国務大臣 このことにつきましては、たまたま私は昭和三十五年に衆議院に初当選をいたしましたのでございまして、そのときにアメリカのケネディ大統領が大統領就任演説で、アメリカの国民に向かいまして、国民は国に何を求めるかということでなく、国のために何をなし得るか、何ができるかというようなことを考えてほしいということを述べたのを、政治家になりましてからずっと私の念頭にございまして、それがある意味においては私どもも考えなければならない問題だろうというふうに終始考えておったわけでございまして、そのような気持ちからいまのような発言をしたようなことでございます。
○田名部委員 ちょっとよくわからないのでありますが、確かにケネディ大統領の話は私どもも有名な話でありますから聞いておるわけでありますが、日本人であって日本国民でない——自衛隊がいま国民の皆さんの支持を八十数%得ているという調査の結果もあるわけですね。私は、日本人であって日本国民であるという人が相当数いるんじゃないのかなという感じを持っているのです。長官は、そこのところが日本人であるけれども日本国民ではないという御発言をなすっておりますので、そこのところはどういうお気持ちでお話しなすったかということを聞いているわけです。
○伊藤国務大臣 私は先ほども申し上げましたけれども、戦後三十有余年にわたり平和を享受してまいりましたわが国において、平和は努力して得られるものであるという意識がややもすると見失われつつある現状にかんがみまして、このような意識を向上することの重要さを述べたかったのでございます。 御指摘のように、自衛隊に対する支持率も八十数%に達しております。支持率もさることながら、私はいま日本国民が国家に対して何ができるかということを考えるべきではないかということを強調したかったのでございます。決して国民をべっ視したりそういうものでないことは明確にしておきたいと思います。
○田名部委員 次に進ましていただきますが、日本国民という意識が非常に低い、そのために国、政府、内閣を単なる行政主体として、甘え、ゆすり、たかり、おねだりの対象としてしか見ていないのではないかという、まあマスコミでは、国民をべっ視したともとれる発言をした、こういうことでありますが、政治家である長官の発言とは思えないばかりではなくて、まことに軽率であって不適切、そういう発言であるというふうに私どもも実は感じておりますし、国務大臣としての公的発言というものはもっと別な言葉を使っての表現でなければならなかったのではないかというふうに思っておるわけであります。地方によっては同じ言葉を使っても非常に不快感を強く与えるところもあるし、そうでないところもあるとはいいますけれども、このたかる、ゆするというのはどう見ても余りいい言葉だとは、金品をゆすったりおごらせたり、あるいは金品をおどして無理に出させるなどというふうにあるわけでありますが、どんなつもりでこのことの発言をされたのか、この真意を伺いたいと思うのであります。
○伊藤国務大臣 御指摘の用語につきましては、先ほど来私が申し上げております、政府や国や内閣は国民との対立物ではなくて、国民全体がつくり上げている国なり政府であり国家である、そういうような国に対して、いま求めることを考えられる前に国のために何ができるかということを考えるべきではないかということを強調したかった余り、使用したわけでございます。しかし、この点については適切を欠いた表現でございましたので、早速取り消し、訂正を行ったところでございます。決して国民をべっ視したりしたものでないことは重ねて明確にしておきたいと思います。 また、国家の行政サービスは必要不可欠のものでございまして、このことが重要な役割りであることは論をまちませんし、また国民が国に対してそういう行政サービスというものを期待することは当然のことでございます。
○田名部委員 恐らく長官は権利義務のことを言いたかったのではないかと思うのです。 そこで次に、長官は一億一千七百万人の連帯を結ぶ糸は防衛でなければならない、こういうふうに御発言をなすった、こう言われておるわけでありますが、国の防衛は国民的合意形成の結果として出てくるべきものであって、長官のこの発言は防衛を国民連帯の手段として利用しようとしている思い上がりがあるのではないか、こう思うわけであります。連帯の糸は、国民の自由と平和を守る、このことにあると私は思うのです。この自由と平和を守るために、手段の一つとして防衛があるというふうに私は思うのでありますが、長官はその辺のところをどうお考えになって御発言なすったのか、お伺いをしたいと思います。
○伊藤国務大臣 私は、防衛につきまして国民に連帯感がまだ十分でなく、侵略を抑止するための国民の連帯を結ぶ糸は防衛でなければならないというふうに日ごろの考え方を述べたのでございます。 わが国の防衛にとって国民の理解と支持が必要なことは改めて言うまでもないことでございます。国の防衛に関する国民のコンセンサスが国民一人一人の自発的意思により形成されることも重要な要件でございまして、このため政府としても、先ほども申し上げましたように、かねてから広く防衛問題に関する広報活動等に努力をしておるところでございます。私としては、わが国の平和と繁栄にとっての防衛の重要性にかんがみまして、防衛に対する国民のコンセンサスができ上がってほしいというかねてからの気持ちを申し述べたものでございまして、決して押しつけ等を考えて発言したわけではございません。
○田名部委員 時間が参りましたので最後に、長官は、他の大臣の発言は余り問題にならぬが防衛庁長官の発言は問題になる、こういう御発言、あるいは従来の国会審議等を批判したような発言をなすったということが伝わっておるわけでありますが、一体どういうことの御発言の中からそういうことが言われておるのか、この点についてお伺いをして終わりたいと思います。
○伊藤国務大臣 私は、防衛の問題は従来からの論議の積み重ね、経緯等がございまして複雑でもございます、これらを十分に踏まえて取り組むことが必要不可欠であると考えております。したがいまして、防衛庁長官としての答弁もこのような点を十二分に勘案し、適切かつ慎重な対応をし得るよう、常々自戒をしているところであります。今回の講演でも、私のこのような自戒の気持ちを率直に述べたところでございまして、いやしくも国会の審議のあり方等を批判したものでは毛頭ないのでございます。
○田名部委員 総理にお願いをして終わりたいと思うのでありますが、防衛庁長官は長官に就任されるとき、男子の本懐であります、こう言って就任をなすって、今日まで一生懸命わが国の防衛のために努力してきた。しかし、長官が一生懸命になっても、実際国民の一人一人がいまどれほど防衛に対する必要性といいますか認識といいますか、そういったものは余り感じていないのではないかという心配を私も実はしているわけです。私は、そういったことで長官だけがひとり一生懸命になっても、国防という問題は、国民のコンセンサスということからいたしますと、やはり全体でこれを進めていくという考え方でなければ国民のコンセンサスはなかなか得られにくいものだろう、こんなふうに感じておるわけであります。どうぞ、長官の発言はただひとり長官の発言ということではなくて、総理として、国防の最高責任者としてその考え方を伺って、終わりたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 防衛の問題につきましては、施政方針演説等におきましてもしばしば申し上げておるところでございますが、わが国は、戦後、平和憲法のもとに平和主義、民主主義、基本的人権の尊重を基盤とする新しい国づくりに精進をいたして今日に至っておるわけでございます。この憲法の理想に徹したところの国づくりを進めてまいりますためには、外部からの脅威、侵略等に対しましては国民が自分の力でこれを守るという自衛の信念がなければいけない、これも御指摘のとおりでございます。 近年、国際情勢はきわめて厳しいものがございまして、国民の間にも防衛に対する意識、重要性というものがだんだん高まってきておることを私は承知いたしております。今後こういう点を十分大事にしながら着実に日本の自衛力の整備に努力していきたい、私はこのように考えております。
○田名部委員 終わります。
○石井委員長 次に、岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 伊藤防衛庁長官に最初にお尋ねをしたいと思いますが、その前に、昨年の秋、鈴木内閣の組閣に際して、伊藤さん、あなたが防衛庁長官に就任されるという報道を伝え聞きまして、私はひそかに、ユニークな、そしてハト派の大臣の出現かなと思い、鈴木さんという人もやるものだなというふうに率直に思ったことを告白しておきたいと思います。そして同時に、あなたがその立場で自重自愛なさることを期待をいたしました。 しかも、就任に当たってあなたのお言葉は、男子の本懐でありました。申すまでもございませんが、昭和の初期、文字どおりその生命を賭して陸軍や海軍の大きな圧力に抗して軍縮と財政再建を断行した濱口雄幸総理大臣、井上準之助大蔵大臣、この勇気と政治信条をあなたは学ぼうとなさっているのかな、このように考えたものです。あれから五カ月、あなたの言行を承っていますと、残念ながら私のこの心ひそかな期待は裏切られてまいりました。 あなたが防衛庁長官という立場で、防衛庁という軍隊的な大きな組織の中で洗脳されてしまったのかな、あるいはもともとあなたは軍拡論者だったのかな、私にはそのことを知るすべはございません。しかし、こうしてあの許すことのできない非常識な暴言を糾弾する立場で質問せざるを得なくなったのであります。非常に残念であります。個人的に考えてみますと、その心情においては忍びないものがありますけれども、この国の平和や民主主義あるいは憲法や議会制民主主義、この立場に立って党を代表して一つ一つ質問をしてまいりたいと思いますので、誠意のある御答弁をいただきたいと思います。 去る五月六日、工業倶楽部で開かれた防衛懇話会の総会におけるあなたの講演は、申すまでもありませんが、いま国民の中に非常に大きなセンセーションとあわせて憤激を巻き起こしていることは御承知のとおりであります。当然のことながら、国会もこの発言の持つ意味を重大視して、きょうから政治家としての、そしてまた閣僚としてのあなたの政治的な責任の追及が行われているのであります。講演は、防衛庁長官に就任して五カ月間の率直な感想ということを前置きして語られたようですので、個人伊藤宗一郎ではなく、鈴木内閣の国務大臣であり防衛庁長官としての公のお立場での感想だと受けとめざるを得ません。あなたは講演に当たってこの点は自覚されてお話しになったのでしょうか、まず第一にお尋ねをしておきたいと思います。
○伊藤国務大臣 日本の防衛をあずかる、所掌する責任者としての自覚のもとにお話を申し上げたのでございます。
○岩垂委員 防衛懇話会という団体は防衛産業に関係する大企業の代表を中心とする集まりであるということは、御承知の上で御出席になったのですね。
○伊藤国務大臣 任意団体でございますけれども、防衛庁に対して御理解を持っておられる方々の集まりというふうに伺っております。
○岩垂委員 一般的な意味で御理解のある方々のお集まり、個人の集まりという意味ではなしに、防衛生産にかかわりの深い皆さんの会合であるということは知っているのでしょう。それを知らないのですか。お答えをいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 防衛思想の涵養と普及、及び自衛隊の健全発展に対して協力することを目的として設立をされた団体であると承知をしております。
○岩垂委員 それはある種の定款というか、あれを見ればそういうふうになるかもしれませんが、実態は私が申し上げたとおりです。そのことをあなたが知らないで出るはずはないと思うのです。防衛庁長官という肩書きで講演を依頼されて引き受けられたわけですね。その点をはっきりしておいてください。
○伊藤国務大臣 そのとおりでございます。
○岩垂委員 私は実は、あなたのゆすり、たかりという言葉を聞いて、改めて岩波の広辞苑をひもといてみました。ゆすりとは、おどかして金品を巻き上げることと書いてあります。たかりとは、人をおどしたり泣きついたりして金品を巻き上げ、または食事をおごらせることとあります。いずれも犯罪性を帯びた行為であります。あなたは、宮城県でこの言葉が気安く使われている言葉だということをある新聞に語っておられます。それならば伺いますが、あなたは宮城県第一区の有権者をゆすり、たかりと呼ぶ勇気がありますか。お答えください。
○伊藤国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、私の真意を伝える言葉としては不適切であるということで取り消し、訂正をさせていただいたところでございます。
○岩垂委員 後ほど申し上げますけれども、取り消しましたといまおっしゃったけれども、ゆすり、たかりというのはわが宮城県ではちょいちょい使っている言葉だということを新聞で語っていらっしゃるのです。そこが言いわけなんです。 続いて伺いますけれども、あなたの公報を私は取り寄せてみました。「いままでの農業は、土地と人間の労働力だけであった。しかし、今日の農業は、土地、人間、資本、知恵が必要となってきた。この資本は、国家が供給する。」国家がですよ。「本年度は、年三分五厘の近代化資金を三百億円、農村に供給することになったが、来年度は、このワクをもっと大幅にふやすとともに、さらに長期低利資金の充実をはかる。」云々ということであなたの公約が書いてある。また、何回目かわかりませんが、公報を見ると、「国民年金は夫婦五万円、老令年金は月一万円、六十五才以上の老人医療は無料、青少年の健康づくりの推進、勤労者の週休二日制の普及、一人一室の快適な住宅建設、物価の安定と公害の追放。」これも公約です。また「これからの低成長経済下にあっては、日本独特の福祉社会を築かなければなりません。そのために私は一生涯を通じ一定基準の社会保障で支え、その上に立って国民一人一人が安心して生きがいを追求できる社会を築き、お年寄りや病人をいたわり、世代を超えて交流できる社会の実現をはかります。」たくさん書いてあります。時間がありませんからそのことは言いませんが、あなたがこのように選挙で公約したこと、しかしその公約は実現していません。だから、あなたはむしろこの事実を反省すべきであります。ところがそれを無視して、選挙民あるいは国民があなたの公約の実現を迫ったときに、それをもあなたはゆすり、たかりと言わざるを得ない発言にこれはなってしまうのです。その点どうなんですか。
○伊藤国務大臣 先ほども田名部委員に申し上げましたとおり、国家が、また国民が、行政需要また行政供給、そのことに対して国民が期待をしそれに対して国家がこたえるということは当然のことでございまして、そのことについていろいろ申し上げるために不適切な言葉を使ったということについては、先ほども申し上げましたとおり取り消しをしたところでございます。ただ私は、防衛の重要性、必要性を強調したい余りにそういうようなことになったわけでございまして、私の真意を伝えるためにはきわめて不適切な言葉であったということについては遺憾に思い、また取り消しをしたところでございます。
○岩垂委員 防衛の意味を強調するためにゆすり、たかりという言葉を使わなければいけないんですか。やりとりが全くすれ違っているんです。 議員は、各級議員ですけれども、選挙民の要求にこたえて誠心誠意それを実現する。そのために努力をする。その結果としてですが、選挙で選挙民から支援されるという関係が多いと思います。選挙民がゆすり、たかりなら、それを実現するために努力してきて七回も当選を重ねられたあなたは、ゆすり、たかりの代表だと言われてもしようがないじゃないですか。天につばをするとはまさにこのことです。あなたはこうしたことを認識なすって発言なすったのかということを、くどいようですがあえて私は聞きたいのであります。この言葉は、あなたが防衛意識を強調したいがゆえに言った言葉だなどとすれ違えて議論をしたり、あるいは言葉が少し足りなかったとか不適切であったとか程度の話で済むことかどうかということをきちんと反省していらっしゃるかどうか、私には疑わしいのであります。その点、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 私の真意を伝えるためにはきわめて不適切な言葉であったことは深く反省をし、遺憾に思い、取り消しをしたところでございます。
○岩垂委員 釈迦に説法ですが、憲法の前文には「そもそも國政は、國民の嚴粛な信託によるものであって、その権威は國民に由來し、その権力は國民の代表者がこれを行使し、その福利は國民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」と明記されています。だから、不適切だという程度の言葉ではやっぱり問題が残るのですよ。ゆすり、たかり、甘えの発言は、まさに主権在民の憲法を無視して国民を侮辱した言葉と言わざるを得ません。 あなたはいま、言葉を取り消したと言われましたが、講演のどの部分を取り消されたんですか、それでそのためにどんな手続をおとりになったんですか、教えてください。
○伊藤国務大臣 いろいろ御指摘の用語が不適切ということで取り消しをさしていただきました。それは、私の講演をお聞きをいただいておりました防衛記者会の記者会見において取り消しをさしていただきました。
○岩垂委員 だから、あなたが取り消したのですから、どの部分を取り消したのですかと私聞いているんです。部分ですか、全部ですか。
○伊藤国務大臣 いま御指摘の用語の部分を取り消しさしていただきました。
○岩垂委員 それじゃ、ゆすり、たかりという部分だけを取り消したというふうに私は受けとめます。 それじゃ伺います。たとえ国会の外での発言でありましても、防衛庁長官という公的な資格で胸を張って述べられた講演の重要な部分を、まるで消しゴムで鉛筆の字を消すように簡単に抹殺することができるかどうか、それほど政治家が自分の言葉に対して無責任であってよろしいかどうか、この辺の判断をお尋ねしておきたいと思います。
○伊藤国務大臣 その点につきましては、先ほども申し上げておりますとおり大変遺憾な発言をしたというふうに深く反省をしております。
○岩垂委員 あなたは、「国民が平和をあたりまえのことと考え、自分の国を守るという意識が失われてきた。国民は国、内閣、政府などを行政主体として、甘え、ゆすり、たかりの対象としか見ていない。みんなでつくり上げていく国家という意識がない。国に対して求めるのはゆすり、たかり、おねだりのようなことばかりだ」と言われています。 たとえ国をどう守るかということについて意見の違いはあっても、あるいはこの国をどうつくり上げることが国民の幸せに通ずるのかという考え方に相違はあっても、戦後三十七年、議会制民主主義を軸として、平和や民主主義、国民生活を守ろうとしてきた国民の営々たる努力があったことを否定することはできないと思います。これを無視されるような御発言をなさるあなたの考え方は、単に国民べっ視ということにとどまらず、自分の立場や思想以外に不寛容な態度であると言われてもやむを得ないと思います。ある新聞は、これは一億一心火の玉的な発想であると書いた新聞がありました。これらの点についてあなたはどのように謙虚に受けとめておられるか、心境をお伺いをしたいと思います。
○伊藤国務大臣 これも先ほど来申し上げておりますとおり、日本の防衛を所掌する責任者といたしまして、現状等の分析その他にかんがみまして、防衛の重要性、必要性というものを強調したい余りにそういう発言をしたわけでございますけれども、何度も申し上げますけれども、私の真意を伝えるには不適切であったわけでございまして、取り消しをさしていただいたという経緯でございます。
○岩垂委員 それじゃ、取り消されなかったほかの部分について質問をいたします。 「一億一千七百万人の国民をつなぎとめるのは何か。防衛でなければならない。防衛を国民の連帯感のあかしとして新しい国家観をつくり上げねばならない」と言われています。憲法は「平和を愛する諸國民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と前文で宣言し、それを受けて第九条は「日本國民は、正義と秩序を基調とする國際平和を誠實に希求し、國権の發動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、國際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。國の交戦権は、これを認めない。」と明記しています。防衛を国民の連帯のあかしとして新しい国家観をつくり上げるというあなたの国家観は、この憲法第九条の規定に照らしてどんな関係に立つのか、私もようわかりませんので、御説明を願いたいと思います。
○伊藤国務大臣 国防、防衛というものは、国民のお一人お一人の自発的な形においてのコンセンサスが基盤でございまして、いまの状態を見ますと必ずしもそのことが十分ではない、そういう国民のコンセンサスができ上がってほしい、そういうことによって防衛なり自衛隊の基盤がなおしっかりしてまいります、そういうことを申し上げたわけでございまして、あくまでも私の考えの中には、いま御指摘のような憲法あるいはまた専守防衛あるいはまた非核三原則、日本の防衛をコントロールしておりますそういう原則について、いろいろと申し上げるつもりは一つもございませんでした。
○岩垂委員 あなたの公報を見ますと、幾つか書いてある。「第五に、「国を愛する政治」を主張します。青少年がほんとうに国を愛することができるように、政治をもつていきます。そして、時間をかけて、憲法改正を断行して、全国民が、仲よく目ざしてゆく日本民族の理想を確立し、五十年、百年、日本が大発展する基を打ち立てます。」と書いてあります。あなたは憲法改正を断行するつもりですか、どうです。
○伊藤国務大臣 そのつもりはございません。
○岩垂委員 それでは、このときの公約というのは若げの至りであったということですね。お答えください。
○伊藤国務大臣 ちょっといまその公約等につきまして記憶がないのでございますけれども、いま申し上げますとおりそういう考えは毛頭ございません。
○岩垂委員 憲法第九条を変える必要はない、こういうふうにおっしゃったわけですね。その中で、特に自民党の憲法調査会の森試案などというものが出されていますが、あなたはこれに反対ですか。
○伊藤国務大臣 まだ党の方のお話を承っておりませんので、いまコメントする立場にはございません。
○岩垂委員 党の方に承っていないからわからないといったって、新聞にも出ているし、テレビでも言っているし、中身まできちんと言っているでしょう。それについては賛成しないとは言えますね。そうしないと一致しません。
○伊藤国務大臣 憲法を守るお立場で政治をやっておられます鈴木内閣の閣僚でございますので、そういうことでございます。
○岩垂委員 そういうのでございますというのはようわからないのですが、まあ森試案に反対だというお気持ちだろうと思います。そうでないとつじつまが合いません。そう私は理解いたします。 長官は、さらに、「国内だけの論議はもういいのではないかと痛感している。むしろ外敵に対してどう守るかを集中して議論すべきだ」と述べられました。これは国会の防衛論議に注文をつけられたようなものですけれども、憲法や法律の論争はやめて、軍事的脅威について議論を集中すべきだというふうに受けとめざるを得ません。「外敵に対してどう守るか」、あなたがおっしゃる外敵というのは具体的にどこの国のことを指しているのですか、はっきりさせてください。そうしないとわかりませんので。
○伊藤国務大臣 いま、どういう言葉でそういうことを申し上げたかちょっと記憶に定かでございませんけれども、私がそういう中で申し上げたかったことは、より建設的に、より現実的に防衛の問題の議論がなされる、いまの日本の防衛問題を論じていただくにはそういう形で論じていただきたいということを申し述べたつもりでございます。
○岩垂委員 あなたがいまおっしゃった言葉と、講演会で——私、実はマスコミの関係者の皆さんを含めて複数の人たちからあなたの言葉をきちんと記録いたしましたので、そのもとでお話をしているのです。その点はどうぞ御認識いただきたいと思うのです。 国内だけの議論はもういいのではないかと痛感している、そしてむしろ外敵に対してどう守るかという議論を集中してすべきだという言葉は、やはりこれは適切じゃありませんね。あなたがいまおっしゃった「言葉」というふうに受け取ると、表現としてそれとは違いますね。お取り消しになりますか。
○伊藤国務大臣 ただいまも申し上げましたとおり、ちょっと正確に覚えておりませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、私は、防衛論議というものはより建設的に、より現実的に御論議いただく、またそういう議論というものが始まってもいいのではないかというような気持ちを申し述べたのでございます。
○岩垂委員 それじゃ表現が適切じゃなかった、こう言えますね。
○伊藤国務大臣 適切を欠く部分があったかもしれませんけれども、私の真意は、防衛の重要性、必要性というものを強調したい、その一つの中で防衛をより現実的に、より建設的に論議をしていただけるようなそういう環境がつくり上げられなければならないという真意を申し上げたつもりでございます。
○岩垂委員 時間がありませんからそこをやりとりしているわけにいきませんが、あなたがおっしゃる気持ちというのとわれわれが受け取る気持ちは全く違うのです。だから、この「言葉」の方があなたの真意ではなかったかと私は思いますが、お取り消しをいただく部分があるという意味でございますから、それはそれとして次に進みます。 長官はF4ファントムの爆撃装置復活問題に触れています。「F4ファントムの改修によって、目視による爆撃からコンピューターによる爆撃ができるようにすれば、必ず目標に命中するのだから、税金の無駄づかいにもならないはずだ」というふうに指摘しておられます。 F4は、長い航続距離と強力な爆撃能力を持っており、多くの国では戦闘爆撃機として導入されているということをわが党から主張されて、専守防衛のあかしとして爆撃装置を取り外した経過があることは御存じのとおりです。これを改修してレーダーとコンピューターシステムを入れかえることが国会で問題になったことも、まだ記憶に新しいところだろうと私は思います。一たん爆撃装置をつけないと国民に約束したのに、今度はその爆撃機能を復活させようとしたわけですから、問題になるのは当然であります。 これに対して二月の衆議院予算委員会で防衛庁は、私も議事録を持っておりますが、迎撃戦闘機としての能力アップを目指したもので、爆撃機能は付随的という答弁を行っています。ところが、今度のこの発言はどう見ても、爆撃装置を復活させるための改修だというふうに断言しているというふうにとらざるを得ません。これは重大な発言であります。これだけでも防衛庁長官の責任を断固として追及せざるを得ません。長官は、これまでの統一見解あるいは国会答弁を踏み出しているこの御発言をどのように受けとめますか。
○伊藤国務大臣 私は、先般の国会で防衛庁の統一見解として皆様方に申し上げましたいわゆる統一見解を踏み出しているものとは思いません。
○岩垂委員 爆撃装置をつけるということが税金のむだ遣いにならないから、F4ファントムに爆撃装置をつけるんだ、こうおっしゃっているのですよ。これは踏み出していませんか。
○伊藤国務大臣 踏み出していないものと確信しております。
○岩垂委員 それじゃこれは古い話ですが、政府の統一見解になっている、昭和三十四年三月十九日の衆議院内閣委員会における伊能防衛庁長官の敵基地攻撃と自衛権の範囲についての政府統一見解というのがあるんです。全文は長いから省略しますが、「たとえば、誘導弾等による攻撃を防御するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能であると私どもは考えております。」と言っています。これは私はいろいろな意見がございます。「しかし、このような事態は今日においては現実の問題として起こりがたいのでありまして、こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって平生から、他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。かように、この二つの観念は、別個の問題で決して矛盾するものではない」というふうに言っております。この統一見解をあなたは変える必要があるとお考えになっていますか。その点はどうですか。
○伊藤国務大臣 そういう統一見解を変える必要はないものと思います。
○岩垂委員 そうしますと、爆撃装置をつけても、つまり「平生から、他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは」という、爆撃装置というのは相手の国に脅威を与えないのですか。その点はどうですか。
○伊藤国務大臣 このことにつきましても先般の国会でお答えを申し上げましたとおり、今回爆撃機能を復活させましても他国に脅威を与えるおそれはないものという判断のもとに試改修に踏み切ったわけでございまして、統一見解を変えるということにはならないと思います。
○岩垂委員 だから、あなたが防衛懇でおっしゃったのは、そのいまの前段の試改修の意味というものを、これはもう統一してあなたも塩田防衛局長も述べていますけれども、基本的な改修目標はあくまでもF4の要撃戦闘機としての性能アップであります、こう言っているのですよ。それを外してしまって、そして税金がかからないために、税金が少なくなるために目視をコンピューターに変えるんだという論理で言ってしまえば、これがひっくり返るわけです。こっちの方が主目的になってしまうんです。ここでもあなたは非常に不用意な発言をしているのです。読んでもいいけれども、まあ長い文章ですから読みませんけれども、塩田さんもあなたも言っていらっしゃる、性能アップが基本的な改修目標だと言っているのですよ。このことに触れないでおいて税金のむだ遣い云々というところになったんじゃ、爆撃装置をつけることが改修目的だというふうに受け取られても仕方がない。この言葉は不十分です。そう認めますか。そうでないと、あなたは統一見解を踏み出すことになりますよ。 〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
○伊藤国務大臣 その話の前段で延命の話をしております。その延命をする場合において、十年先ぐらいまで延命するわけでございますので、その付随的な機能アップとして爆撃装置がつけられることになりましたという、それも、試改修でこれからの結果を見て皆様方の御論議を得ながらやらねばならぬというような趣旨でございまして、統一見解を逸脱したものではないものと確信をしております。
○岩垂委員 あなたが先ほど配付いたしました講演の概要というのは、都合の悪いところは全部削ってあるんです。そして、言ってしまえば余り問題にならないように、できるだけ皆さんにわかってもらいたいという気持ちで書いているのですが、実はやはりこのとおりじゃないんですね。後ほど、この点のところは委員会その他の場所で追及をしてみたいと思いますが、長官、講演の中で「防衛庁は外に対してだけでなく、」いいですか、「外に対してだけでなく、国内でも専守防衛でなければならず、国会で控えめなことしか答弁できない」と言っておられます。私は最近の防衛庁はかなり言いたいことを言っていると思いますが、それはそれとして、専守防衛だから国会では控え目なことしか言えないという御不満は、敷衍をして考えると、専守防衛自身に御不満じゃないのかな、だから控え目にやらざるを得ないんじゃないかな、こんな気持ちがあるんじゃないかと思うのですが、よもやそうではないと私は思いますが、これはそうとも受け取れるのです。決して揚げ足取りの議論じゃございません。これも舌足らずだ。どうです、この点は。
○伊藤国務大臣 先ほども申し上げておりますとおり、わが国の防衛の大きな一つの原則は専守防衛でございまして、そのことについて不満はございません。ただ、その話の中で御指摘の点は、防衛論議の非常にむずかしい、そういうことを訴えるということでございました。
○岩垂委員 長官はさらに「従って、」国会で「質問者に向かって「あなたの方が間違っているのでは、もう時代が違っていますよ」とはいえない」とも述べておられます。私も長官と当委員会や安全保障特別委員会で実は何回かお目にかかっておりまして、私のこともこの中に含まれているんじゃないかというふうに考えざるを得ませんのでお尋ねをいたしますが、いつの時代とどういうふうに変わっているか、説明してください。
○伊藤国務大臣 これも繰り返しになりますけれども、それらの発言は防衛論議のむずかしさというものをお話しするつもりで申し上げたのでございまして、いやしくも、先ほども申し上げましたとおり、国会の審議についての批判を申し上げるという考えやあれは毛頭ないのでございます。
○岩垂委員 それじゃこの言葉は取り消してくださいよ。防衛問題はむずかしいということを言いたかったんだ、そのために「「あなたの方が間違っているのでは、もう時代が違っていますよ」とはいえない」、これは全く違うじゃないですか、意味が、立場が。それは私もあなたと比べれば不勉強です。だからお教えをいただきたいと思うのです。いつの時代とどのように変わったかということを教えてください。
○伊藤国務大臣 これも繰り返しになりますけれども、それらの発言はいささかも国会の審議について批判とかそういうことを申し上げるつもりではございませんで、防衛論議というものをより建設的に、より現実的になされるような、そういうことをこいねがっての発言でございまして、重ねて申し上げますけれども、委員の方々にいろいろお教えをするというようなことではないのでございます。
○岩垂委員 そういう言葉というのは適切でないというふうにお認めになりますね、この部分についても。
○伊藤国務大臣 そういうふうにおとりになられるということであるならば、適切でない面もあったというふうに考えます。
○岩垂委員 正直なところを言って、一つずつやっていくと腹が立ってきますよ、本当のことを言って。あなたは、案外、大綱の時代は終わったという人たちが自民党の中に大ぜいおられますけれども、そういう意味のことを言いたかったんじゃないだろうかなと私は想像せざるを得ないのです。そうではないですか。
○伊藤国務大臣 そういうことではございません。
○岩垂委員 私はここで、最近の雑誌「世界」に寄稿された自民党の石田博英氏の論文の一部を紹介させていただきたいと思うのです。伊藤さんは、旧三木派であるだけでなしに、政治家としては石田博英さんにずっと私淑をしてこられたということをあなたの略歴の中で拝見をいたしましたので、少し文章が長くなりますが、ぜひしっかり聞いていただきたいと思うのです。 専守防衛、志願兵制度、非核三原則、武器禁輸、GNP比一%以内の防衛費など防衛政策上の諸原則は、国民の間に広く定着している憲法の平和主義の理念と、現実の国際政治上の拘束との相剋——それは防衛論争という長く困難な政治過程に象徴されている——の中で形成されてきた国民の英知ともいうべきものである。基盤的防衛力構想にもとづく「防衛計画の大綱」は、これらの憲法とそこから派生した諸原則を前提として成立したものである。その最大の意義は、ありうべき「危機」についての評価を極小化し、防衛力に上限を設定したことである。しかも、この「大綱」の達成は、GNP対比一%以下の防衛予算の範囲で実現するものとした。 私は、「防衛計画の大綱」作成の際の精神は、外に対しては日本の軍事大国化拒否の宣言であり、内に対しては軍事合理性の名のもとに防衛費が財政や国民経済を歪めないよう歯止めをかけ、産軍複合体の弊害の現出を未然に防ぐことにあったと理解している。 近頃、ソ連の脅威を根拠とし、軍拡論者が「大綱」を目の敵にしているのも故なしとしない。逆にそれ故にこそ、私はこれを高く評価しているのである。「大綱」やその前提にある諸制約を取り除こうという議論は、平和国家を志向する国民的合意を裏切り、いたずらに国内政治を混乱させるだけで何の益もない。 また、本来不可分であるべき「大綱」と「GNP比一%以内の防衛費」の二つの閣議決定を分離し、「大綱」を軍備拡張への踏み台にしようと考えている向きがある。GNP比一%以下の予算では「大綱」を達成できないとの論拠で、「一%以内」の制約を取り除こうという動きは、「大綱」の精神を理解しない危険な発想といわなければならない。 云々というふうに書いてあるわけであります。 「防衛計画の大綱」は五十一年十月。先ほど申し上げたようにこれと不可分な関係において防衛費GNP対比一%の上限は、五十一年十一月。いずれも三木内閣のもとでの閣議決定であります。当時石田博英氏は運輸大臣を務めておられました。あなたも旧三木派、石田氏は三木派の先輩であり、先輩の教訓ともいうべきこの論文を、その趣旨を生かすことこそがあなたの所信である男子の本懐を貫くことだというふうにはお考えになりませんか。 石田さんがいみじくも「専守防衛、志願兵制度」云々というふうにまとめていらっしゃる。ここを強調しておられるのは、憲法が改悪されない限り、大臣や内閣がかわるたびに防衛問題のスタンスがくるくると変わったのではたまったものではないという意味を申し上げていることでもあります。あなたはこの言葉をどのように受けとめられますか、率直な感想を伺いたいと思います。
○伊藤国務大臣 先輩の政治家の論文でございますから傾聴に値するところが多いのでございますけれども、御指摘の論文に指摘されております「防衛計画の大綱」の水準を達成するということも閣議決定でございますし、またGNP比一%以内をめどとして毎年度の防衛関係予算を決定していくということも閣議決定でございまして、これらをあわせながらいまぎりぎりの努力をして作業しているということでございまして、これからの作業の結果にもまたなければなりませんので、その点に関してはいまここで申し上げることはできませんけれども、先輩の政治家の蓄積の結果としてのそういう論文につきましては、大変傾聴に値する部分が多いものと感じております。 〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
○岩垂委員 あなたは就任後、去年の十二月九日の新聞のインタビューでこういうふうに言ってますね。「在任中に、次期の正面装備調達計画である「五六中期業務見積もり」を決めねばなりません。経済の低成長の時代に入って、防衛費をGNP一%以内に抑えたのでは目標を達成できないという意見が強まっています。GNP一%以内という方針を守りますか。」という質問に対して「まだ数字は聞いていません。GNPの成長率や国際情勢もあるので、いまなんともいえないが、防衛費はGNPの一%をメドとすることは閣議で決めている。初めから一%を超えることを考えてやるべきではないと思いますが、結果として一%を超えることもありうるとは思う」と言っています。これはいまでも同じですか。
○伊藤国務大臣 先ほどもお答えを申し上げましたとおりいま作業中でございまして、その数字等も固まっておりませんので、これ以上のことをいまこの段階で申し上げることはできないということでぜひひとつ御理解を賜りたいと思います。
○岩垂委員 「結果として一%を超えることもありうるとは思う」という御発言があるのですよ。あなたは、予算をつくる過程でこれはどうなんですか、私はこのことを聞いているのですよ。
○伊藤国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、「防衛計画の大綱」の水準を達成するということも閣議決定、それからGNP比一%ということも閣議決定、これを両方あわせながら日本の防衛を国民の御期待なり御信頼にこたえられる形に一日でも早く持ってまいるというのは防衛庁長官としての責任でもあり役割りでもございますので、そのことでただいま作業中でございまして、これからの見込み等につきましてはいま申し上げる段階ではないということを重ねて御理解を賜りたいと思います。
○岩垂委員 その次に「鈴木総理も在任中は一%を超えさせないといっておられる。私の在任中もこの方針に従いたい。防衛をめぐって支持の空気が強まったので、はしゃぎすぎて、世論の変化に悪乗りするようなことはやるべきではない。まだ確信はないのだが……」こういうふうに語っていらっしゃる。「鈴木総理も在任中は一%を超えさせないといっておられる。私の在任中もこの方針に従いたい。」こう言ってますね。このとおりですね。お答えください。
○伊藤国務大臣 総理がしばしば国会等でそういう御発言をされ、またそういうようなお考えでおられますことは十二分に承知をしておりまして、その中の閣僚として、そういうことを念頭に置きながらただいま作業しているということで重ねて御理解を賜りたいと思います。
○岩垂委員 「防衛をめぐって支持の空気が強まったので、はしゃぎすぎて、世論の変化に悪乗りするようなことはやるべきではない。」と自戒していらっしゃる。今度の発言はどうやらそれを忘れてしまったのじゃないだろうかと私は言わざるを得ません。 いろいろ長官の御発言について質問をしてまいりました。その結果、長い講演ではございますが、この講演の重要な部分というのは取り消しかつ訂正か、されてしまって、どうやら中身がなくなってしまうような感じがしないわけでもございません。防衛庁長官は御自身の言葉に責任を持てないということがはっきりしてまいりました。私は、できるだけ揚げ足取りにならないように私なりに気を使って、正確な言葉遣いを調べてここで質問をしてきたつもりでございます。しかし、なぜそんなことをしたかと言えば、伊藤長官の発言が日本の憲法体制の基本にかかわる問題である、同時に、これだけ経済が大きくなった日本の防衛庁長官の一言一言が国際政治にも少なからぬ影響を及ぼさざるを得ない、このことを恐れているからであります。いま、あなたはそのことをみずからに問うべきであります。 あなたは、ケネディ大統領の就任演説をまねて国民に語りかけたかったというふうに釈明をされましたが、お話を聞いている限りにおいて、それは講演のほんの一部分、ワンセンテンスのせりふにすぎません。本音は、軍備強化、防衛予算の拡大を要求する大企業、日本の産軍複合体とも言うべき防衛懇のその場所で本音を話されたのではないだろうかというふうに私は受けとめざるを得ないのであります。あなたがケネディ大統領を語るならば、同じアメリカのアイゼンハワー大統領が任を離れるときのあいさつを、私は私なりにあなたにお伝えをしたいと思う。アメリカの産軍複合体が意識的にしろ無意識的にしろ不当な勢力を獲得しないようわれわれは警戒しなければならぬ、この勢力が過って台頭し、破滅的な力をふるう可能性はいまでも存在しているし、将来も存在し続けるであろう、こういう警告であります。これはアメリカのことだけではなくて、いまや日本で真剣に受けとめなければならない言葉であります。この点を踏まえて、長官の出処進退についてあなたのお気持ちを承りたいと思います。
○伊藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、防衛の重要性、必要性を、防衛を所掌する責任者として、また二度と来ないこの大事な、自分の貴重な仕事として、自衛隊員として働いておられる自衛官の姿に接しております私の純真な気持ちを訴えたい余りに適切でない表現、用語を使ったということについてはまことに遺憾であり、また、真意を伝え得られなかったことについては大変反省をしておりますけれども、国政の最も重要な部門でございます防衛政策の健全な推進のために、今後なお一層の慎重さを肝に銘じながらその仕事に努力をしてまいりたいというふうにただいま考えております。
○岩垂委員 率直に申し上げます。長官の発言は数々の点で憲法上問題があり、これまでの政府の統一見解の関係においても問題があり、鈴木内閣の方針を逸脱するというふうに受け取られても仕方がないような発言がこの発言であります。国民の中に批判が非常に強まっているということ、それを反映してマスコミもあなたの政治責任を追及する論陣を張っております。 あなたは最近の公報に、「国民の間で、今日ほど政治への信頼と関心が薄れている時はないでしょう。それは政治が金や党利党略で動かされているという政治不信からきていると思います。」と書いて、政治を国民の手に取り戻すためにすべてをかけるというふうに述べておられます。これは公報で書いておられる言葉です。 あなたがこれだけ大きな過ちやあるいは問題を起こして、なおかつ長官の地位になりふり構わずにしがみつくということになれば、それこそ国民の政治不信というのは決定的なものにならざるを得ないと私は思います。私は、あなたが政治を国民の手に取り戻すためにこそ防衛庁長官を自発的に辞任して、みずからの過ちというものを反省すべきだと思いますが、その点についての御見解をいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、防衛を所掌する責任者としての熱意の余り、防衛の重要性なり必要性を強調したい余り、適正を欠く用語であり発言であったことは重ね重ね遺憾に思い、また深く反省をしておりますけれども、今後なお一層の慎重さをもちまして、防衛政策の推進のために懸命の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 率直に言って、自分の発言の重要な部分を取り消したり訂正をしたりしなければならぬ、国民から非常な批判を受けているその方が防衛庁長官、それでシビリアンコントロールのかなめの地位をあなたが守り切れると思いますか。その点は、私はあなた自身が自分で世論を含めて反省をしてほしいし、態度をとっていただきたい、このことを求めたいと思います。 総理、長いことお待たせをいたしました。防衛庁長官の発言はいま申し上げたような経過であります。そして、これは言葉足らずとか、熱意余ってとか、そういうやりとりでは済まされない問題だと私は思うのです。それは単にゆすり、たかりという言葉だけではないのです。全般について、鈴木内閣の防衛に対する基本的な方針をも、ときに疑わせるような言葉遣いを含めて講演が行われているわけであります。 私どもは、実は伊藤長官の発言は長官罷免に相当すると判断をいたしました。しかし、防衛庁長官が国民の批判に謙虚にこたえてみずから責任をとることを期待して、辞任を要求してきたことは御承知のとおりです。長官がどんな出処進退を決意されるかは知りません。いまの御発言では、ぜひ残りたいということだそうでございますが、鈴木内閣の閣僚として伊藤長官の発言というのはどういうことであったのかということについて、総理も御理解をいただいたと思う。この点について総理はどう考え、どのように対処なさるおつもりなのか、伺っておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 先般の防衛懇における伊藤防衛庁長官の講演につきまして、岩垂さんから相当時間をかけ詳細にわたりましていろいろ御質問があり、また御批判があり、さらにその真意を明確にせよ、こういうお話がございました。これに対しまして、伊藤防衛庁長官から誠意を持って御質問に御答弁を申し上げたところでございます。 特に伊藤長官は、防衛意識の高揚をぜひ高めていかなければいけない、そういうような観点から、自分の私淑をしておる故ケネディ大統領の、祖国アメリカに対してアメリカ人は何を求めるかということよりも何をなすべきか、こういうことを非常に感銘を持って脳裏に刻んでおりました関係で、防衛意識高揚についての国民への訴えに当たりましてその真情を吐露したかった、こういうことでありますが、表現その他きわめて適切を欠いたところの発言がございまして、本人もこの点につきましては深く反省をし、取り消しあるいは訂正もいたしました。今後におきましてはこの重要な防衛問題につきまして誠心誠意努力をしてまいりたい、こういうことを国会を通じて国民の皆さんにもその真情をただいま披瀝をいたしたところでございます。 私も、伊藤長官のこの誠意ある反省と御答弁を了といたしておるところでございまして、防衛庁長官を更迭するというような考えのないことを明確に申し上げておきます。
○岩垂委員 更迭するつもりがないとおっしゃるならば、あなたはどういう形で伊藤防衛庁長官のこういうやりとりに関係する問題点について注意をなさいましたか。
○鈴木内閣総理大臣 すでに伊藤防衛庁長官には直接私から注意も促し、また、今後の防衛に取り組む姿勢、特に、国民に対して責任ある立場としての今後の防衛問題に対する対処、取り組み方ということにつきまして、強く反省と今後の要請を申し渡しておるところでございます。長官からは、ただいま皆さんにお話を申し上げたような謙虚な誠意ある気持ちで今後の防衛政策の遂行に努力をするということを申し上げたところでございまして、この点御了承を賜りたい、こう思います。
○岩垂委員 私は鈴木さんに罷免をしろと申し上げているのじゃないのです、立場は同じですが。辞任というものを求めたという党の立場がございますから、それはそれとして承ります。 それならばあなた自身が、この伊藤防衛庁長官の不始末について一体どのように注意をし、あるいはそういう過ちを繰り返さないように言ったかを言わなければ国民も納得できないと私は思うのです。どうも伊藤君は熱意余ってちょっとしゃべったようだけれども、まあまあひとつこの辺のところは御理解をいただいてというのでは、これはやはり鈴木内閣総理大臣として、国民に対して理解を求める姿勢ではないように私は思いますね。だから、それはいろいろな手だてがあると思うのですが、それらを含めて総理が、罷免をしないならば、きちんと国民に対してけじめがつくようなあかしを立てていただきたいと思いますが、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 国会を通じまして、内閣委員会という非常に国民注視のきょうの委員会におきまして伊藤長官が釈明をし、真意を吐露し、今後の防衛庁長官としての職責に対して精進努力をするということを国民の皆さんに申し上げた次第でございまして、私は、その長官の気持ちというものを今後に生かしてもらうということにつきまして、十分今後とも総理大臣としての指導をしながら、このようなことのないように努力してまいりたい、こう思っております。
○岩垂委員 伊藤長官の辞任を要求する立場というのは、これからもあらゆる機会に表明をし、その責任を追及していきたいと思います。 しかし、それはそれとして、この長官の発言というものが、鈴木内閣の防衛政策やあるいは方針について国民の中に多くの不安や疑心暗鬼を拡大しているということは事実だと思います。こんなときでございますから、私は、総理に二、三点質問をいたしまして、鈴木内閣の防衛に対する基本的な姿勢というものについてお尋ねをしておきたいと思います。 第一点は、国連の軍縮特別総会についてでございます。 総会では、最低限憲法第九条を含む日本国の平和憲法と非核三原則を守り抜くという日本政府の決意を改めて内外に宣言をしていただきたいと思いますが、その点は問題ございませんか。
○鈴木内閣総理大臣 わが国は、平和憲法のもとに平和主義、民主主義、基本的人権の尊重という基本理念の上に立ちまして、平和国家の建設に向かって今日まで努力をいたしてまいったところでございます。そのような精神の上に立ちまして、専守防衛に徹する、また近隣諸国に脅威を与えるような軍事大国にならない、特に、世界における唯一の被爆国として非核三原則を堅持することを国是としておる、こういうような立場から、私は、核兵器の廃絶を究極の目標とする核軍縮、また全面的な核実験の禁止あるいは核不拡散体制の強化、また化学兵器等の非人道的な兵器の廃棄、そういう問題につきまして国連総会において日本の立場を強調いたしたい、このように考えております。 なお、出発前に各党の党首を初め各方面の代表の御意見等も十分伺いまして、全国民的な立場でただいま申し上げたことを国連において十分強調いたしたいものと考えております。
○岩垂委員 軍縮総会という意味では、たとえば平和憲法、特に第九条を持っている日本の立場あるいは被爆の体験を持っているという日本の立場、そういう意味で私は、鈴木総理の発言というのは非常に国際的な意味で重さを持つだろうと思うし、持つべきだろうと思うのです。そういう意味で、ぜひ憲法第九条、非核三原則を守り抜いて、核実験の全面禁止や核の廃絶あるいは全面的、全般的な軍縮という問題を含めてきちんと述べていただきたい、そのことをお願いをしたいと思いますが、よろしゅうございますね。
○鈴木内閣総理大臣 ただいまも御答弁申し上げたとおりでございまして、なお、社会党の飛鳥田委員長等の御意見も十分拝聴いたしまして、そして国連において全国民的な気持ちを反映するように努力いたしたい、このように思っております。
○岩垂委員 この間、閣議で総理は総合安保構想の具体化を指示されたそうでございますが、いやしくも、シーレーン防衛論のつじつま合わせといいましょうか、装備強化の口実にこれが使われてはいけないと思うのです。その意味で、総理の真意をはっきりさせておいていただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 この間の閣議におきましては、参議院の秦豊さんのシーレーンに関する文書での御質問があり、その答弁書を閣議で了承をいたしたわけでありますが、その際に防衛庁長官から発言がございました。それは、防衛庁としても周辺数百海里、航路帯一千海里程度を守るための海上防衛力の整備に努力をしておるけれども限界がございます、ついては国民の安全を確保するためにいろいろな面からの総合的な安全保障政策というものが必要である、こういうお話があったわけでございます。それに関連いたしまして通産大臣その他からも、関係省庁としてそれぞれいま総合安全保障の観点に立っての政策の整合性を確保するために審議会を設けたりあるいは懇談会を設置して検討中である、その成果についてはいずれ御報告をしたいという発言があったわけでございます。それを私が取りまとめまして、私が政権を担当して以来総合安全保障ということを政策の大きな柱にしておる、そして内閣に総合安全保障の閣僚会議を設置しておるゆえんのものはいま御発言があったようなことであるので、今後関係各省庁でそれぞれの総合安全保障の観点からの政策の調査立案等の成果が出た場合にはそれを御報告願って、整合性のある総合安全保障政策を展開していきたい、こういうことを指示いたしたというのがその経過でございます。
○岩垂委員 シーレーンに関係いたしまして、この間私、安保特別委員会で防衛庁とやりとりをしたときに、これは塩田さんの御答弁なんですが、シーレーンの防衛について「船団の場合、コンボイ方式の場合は、船団が集まって目的港に達するまでの防衛を担当するということでございますが、御指摘のように、それでは、いつ、だれがその船を集めて、それはどこに向かっていくようにだれが指示し、というふうなことになりますと、これは防衛庁の任務を超えるといいますか、それがなければわれわれが動きようがないきわめて大事な問題でありますけれども、防衛庁の問題を超える問題ではないかというふうに思うわけであります。」と答えております。総理は、この船舶統制と申しますか海上有事法制とも言うべきそういうことが必要であるとお考えになっていらっしゃいますか。
○鈴木内閣総理大臣 海上輸送路の安全の観点から、これが脅威にさらされるというような有事の際においてわが国の国民生活及び国の経済を賄っていく必要最小限度の物資の海上輸送を確保するということは、非常に重要な問題でございます。そこで海上自衛隊におきましては、その航路の航行の安全を確保する方策についていろいろ研究を進めておるということを私も承知いたしております。航路帯を間接的に防衛する方式、あるいは船団を擁護する、守っていくという方式、いろいろ専門的にあると思いますが、そういう点は検討になっておると思います。 そういう際におきまして、海上の有事に対しましての有事法制等が要るかどうかという問題につきましては、まだそこまで防衛庁の研究は詰まっていない段階でございまして、その問題は有事法制の検討の対象には当面なっていないと私は報告を受けております。
○岩垂委員 時間が来てしまいましたから、最後に一言だけ。 新聞紙上で自民党の田中龍夫総務会長が、海難救助の国際協定であるSAR協定に加盟し、海上保安庁が相当の能力を持てばシーレーン防衛の任務を果たせるということを主張なさっておられるわけでございますが、私も実はこの協定というものを勉強させてもらいました。フランス、イギリス、アメリカ、アルゼンチン、チリ、ノルウェー、西ドイツが批准を行い、スイス、ギリシャ、中国、デンマーク、ポーランド、トルコ、ニュージーランド、ソ連批准等を条件にして署名している国が八カ国、十五カ国が締約国になった日の十二カ月後に発効するという協定です。非常に意味を持っていると私は思うのです。それで、海運国で署名も批准もしていないのは実は日本だけなんです。だから鈴木さん、これらの問題を、やはり加盟をするという方向で早急に結論を出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 いわゆるSAR条約に対する加盟促進の問題でございます。日本のような海洋国家であり海運国である、したがって日本の沿岸においてしばしば遭難船等も発生をする。それは日本の船だけではない、外国の船舶もそういう場面があるわけでございます。そういう沿岸の捜索あるいは救援活動というものは私は非常に大事だ、それを一国一国だけではなしに近隣の諸国あるいは世界的に連携をとって、そしてそういう捜索及び救難活動を十分成果のあるようにやっていくということは非常に大事なことだ、このように考えております。 私は、今日まで日本がおくれておりますこと、いろいろ巡視船であるとかあるいはヘリコプターその他航空機の整備等がおくれておったというような事情等々もあるようでございますが、いま岩垂さん御指摘のように、これは海運国として非常に重要な問題でございますので、できるだけ早くこれができますように努力をしたい、こう思っております。
○岩垂委員 以上で終わります。
○石井委員長 市川雄一君。
○市川委員 いままでの質疑でいろいろな角度から防衛庁長官の発言についての質疑が行われたわけでありますが、少なくとも国民をゆすり、たかりという、国民を非常に侮辱する発言、非常に重大な発言だと思うのです。その立場から、重複を極力避けながらお伺いをしたいと思います。 まず防衛庁長官、先ほどから伺っておりますと発言の一部を取り消した、あるいは不適切な表現があった、総理も一部不適切な表現があったとか誤解を招くような表現があったとかということをおっしゃっているわけですが、ここでもう一度明らかにしていただきたいのですが、どういう発言が不適切なのか、不適切な表現だったのか、どういう発言を取り消したのか、具体的にはっきりここで、長官、明らかにしていただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 国民が国家なり政府に対していろいろの要求を出し行政サービスを期待することは決して悪いことではございませんし、また、そのために国家なり政治が一生懸命それにおこたえをし、われわれ政治家もその仕事をきわめて大事なものと心得やっておりますけれども、それとともに、いま国民の皆様方に国のために何らかの役割りなりそういうものを果たすべきということを、果たしてもおられるわけでございますけれども、いまのこの時期はもう少し考えてもらいたい、そういう状況ではないだろうかというようなことを先ほど来御指摘の故ケネディ大統領の発言を念頭に置きながら申し述べたわけでございまして、そのことは、これまた先ほど来申し上げておりますとおり防衛というのは国民のコンセンサスの上に成り立たなければならないわけでございまして、そういうことを申し上げたい余りに申し上げました、国、政府、内閣を単なる行政主体としてしか見ていない、この部分で甘え、たかり、ゆすりという言葉を使いましたので、このことはまことに不適切であったということで取り消しをさせていただいたわけでございますけれども、決して私の気持ちの中には、国民をべっ視したり、こういう行政需要というものを悪いものということで申し上げるつもりなり気持ちはいささかもなかったということを改めて申し上げておきたいと思います。
○市川委員 政治家ですよね。ゆすり、たかり、甘えということをおっしゃったわけでしょう。要するに人間が言葉を使うときは、何かそういう実態を自分が認識して、ゆすりとかたかり、甘えという実態がある。ないと思ったら、そういう表現は使わないわけですよ。そういう実態があるという認識があって初めてゆすり、たかりという言葉が出てくるわけですね。またそういう表現が出てくるわけでしょう。だから長官は、どういう行政の実態なり政治の実態なり国民の意識の実態を指して、ゆすり、たかりとおっしゃったのか、それをはっきりしていただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 これまた再三申し上げておりますとおり、いずれにしても適切を欠く言葉でございましたので、早速取り消しをさせていただいたわけでございまして、他意はないのでございます。
○市川委員 他意があった、なかったという質問をしているわけじゃなくて、取り消した取り消したと言うけれども、取り消すには、認識を取り消さなければならないわけでしょう。ゆすり、たかりの実態があると見たから、ゆすり、たかりということをあなたはおっしゃったわけです。それがなくなったといま見ているのですか、どうなんですか。ちゃんと質問の趣旨に合った答弁をしていただきたいと思います。時間は二十四分なんですから。いいですか。
○伊藤国務大臣 これも先ほど申し上げますとおり、国民が政治なり国政なりに対していろいろの形で要望を出し行政サービスを期待することは当然のことでございまして、そのことについて私がとやかく申し上げるつもりはございませんでした。ただ、講演の中で使った言葉の中で適切を欠く言葉があったわけでございまして、そのことを取り消しさせていただいたということでございます。
○市川委員 全然答えになっていないですね。ゆすり、たかりというのはどういう実態を指して言っているのか。国民が行政に対していろんな要求を出す、これをあなたは言おうとしたわけじゃないのですか。ですから、押し問答になりますが、取り消したら済むという問題じゃないんじゃないですか。 そこでお伺いしますが、先ほども憲法の前文の観点からの御質問がございましたが、「そもそも國政は、國民の嚴粛な信託によるものであって、その権威は國民に由來し」と、こうありますね。この点は、伊藤防衛庁長官も長官としての権威というのは国民に由来する、こういう御認識ですか、どうですか。
○伊藤国務大臣 当然国民主権のもとにわれわれはあるわけでございます。
○市川委員 そうなりますと、取り消したという意味を伺いたいのですが、国民に対して長官は、行政主体に対してゆすり、たかりと、こう言ったわけでしょう。先ほどゆすり、たかりの広辞苑のいろいろなあれがありました。あえてここで言いませんが、何か犯罪者あるいは暴力団かのように国民を言ったわけですね、国民に対して。これは国民を侮辱する発言ですよ。国民を侮辱した発言であるということを認めて取り消したんですか、どうですか。
○伊藤国務大臣 私の真意にはなかったわけでございますけれども、国民をべっ視したというような御批判をいただいたわけでございまして、早速取り消しをさせていただいたわけでございます。
○市川委員 それでは、国民を侮辱したということは、結果として認めるわけですか。
○伊藤国務大臣 国民をべっ視したというような御批判があったということは理解をしております。
○市川委員 ケネディ大統領のこの発言をよく引用されていますが、その国民が国家に対して何ができるかということを考えてもらいたい、政治家が少なくとも国民に向かって物を言う、ただ政治に対して要求するだけではなくて、国民が政治に対してあるいは国家に対して何ができるのか考えてもらいたい、こういうことを言うためには、やはり政治家の姿勢、責任というものは相当私は厳しいものをみずからに求められると思うのです。そういう意味で、そういうことをおっしゃる長官なら、こういう先ほどから自民党の方、社会党の方から追及されて、いろいろな発言をこれは不適当だと思いますとか取り消しますとかおっしゃっていましたけれども、こんなことですと、たとえば制服の方が何人かいままでいろいろな発言をして一定の処罰を受けていますね。長官、これはどうしますか。これからまた統幕議長だとか何とか幕僚長が憲法を無視するような発言をした場合、あなたは始末できないんじゃないですか。処置とれないんじゃないですか。済みませんとその人が言ったら、それで済ませますか、どうですか。
○伊藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、防衛の重要性、必要性、そのための防衛意識のなお一層の高揚というものを図りたいという熱意の余り申し上げたことでございますけれども、用語に適切を欠く面があったということは深く反省をし、また遺憾に思っておるわけでございまして、今後なお一層の慎重さをもちまして防衛努力の推進に邁進してまいりたいと考えております。
○市川委員 総理、どうでしょうか。やっぱり私も防衛庁長官がみずからの進退を自分で決する、それが男子の本懐じゃないかと思うのですが、こういうことですと、シビリアンの一つの最高責任者である防衛庁長官が、防衛庁長官として発言したことが問われて、それでこれは取り消します、真意を伝えていませんでした、これは不適切な表現でした。しかしいままで、過去に統幕議長栗栖発言というのもありましたけれども、そういう制服の人たちが憲法をばかにした発言とかあるいは専守防衛の方針と合わないような発言をした場合は、きちっとそれなりのけじめをつけてきたわけでしょう。これは政治家が一番けじめがはっきりしていなければならないと思うのです、防衛庁長官なんですから。その長官がこれだけの不始末の発言をなさっても、ただ真意を伝えてなかった、申しわけありませんで済ませるとなると、これは防衛庁としての規律というのは全然保てないのじゃないですか。その点について総理はどうお考えですか。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど来、講演の全体に対しまして相当詳細に突っ込んだ御質疑、また御叱正を含めた御意見等がございまして、これに対して防衛庁長官から、深く反省をし今後は一層防衛庁長官としての職責に精進、努力をしていきたい、こういうことを国会を通じて明らかにいたしておるところでございまして、私はその長官の誠意、今後の努力に対して深く期待をいたしておりますし、私も内閣総理大臣として十分今後とも伊藤長官の相談に乗り、指導も加え、二度とこのようなことのないようにやってまいりたい。したがって、防衛庁、自衛隊に対する伊藤長官のシビリアンコントロールにつきましては万全を期するように、今後私も努力してまいる所存でございます。
○市川委員 総理にお伺いしますが、伊藤長官が、一億一千七百万人の連帯を結ぶ糸は防衛でなければならない、こういう趣旨の発言をなさっているわけですが、これは非常に危険な発想だと私は思うのです。いわゆるこの国民連帯のあかしを防衛に求める、また防衛でなければならないという考え方を総理はどういうふうに見ておられますか。
○鈴木内閣総理大臣 私は先ほど来、その点についての伊藤長官の自分の真意、趣旨はこうであったという答弁を静かに聞いておったわけでありますが、その論理の展開等についてなお十分謙虚を要した点があったのではないか、こう思います。 日本は、日本国憲法によって戦後平和国家としての国づくりをやってきております。この平和国家日本を守ることがわれわれの目標であるわけでございまして、そのために、その平和国家建設を阻害するような外部からの侵略等に備えて抑止力としての防衛力の整備を図っていく、そしてそれは国民のコンセンサスのもとにおいて行われるものである、こういうことで自衛力の整備の必要性を強調していく、こういう論理であった、こう思うのでありますが、いささかその辺が、防衛が主体になって平和国家の建設というようなことと若干前後したような感じがいたしますが、真意は先ほど来伊藤長官が申し上げたとおりでございまして、御理解を賜りたい、こう思います。
○市川委員 こういう場所で問題にされれば、問題のないような形で真意を説明しますね。しかし、伊藤長官が発言した、国民は日本人という意識はあっても日本国民という意識はないのではないか、総理、これどうですか。そういうふうに総理も国民を見ておられますか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、そのような気持ちで伊藤長官が言っていることではないということを先ほど来るる釈明をいたしておりますから、その点を御理解いただきたいと思うわけであります。
○市川委員 ですから、総理はどう見ているのですか。日本国民という意識がないというふうに見ているのですか。
○鈴木内閣総理大臣 私はそのようには考えておりません。日本国民は日本人であり日本国民であるという意識のもとにやっておる、こう思います。その点は、伊藤長官も先ほど来自分の真意を十分伝えていなかったということで釈明をいたしておりますから、御理解を願います。
○市川委員 要するに、日本人は日本人という意識はあるけれども日本国民という意識がない、その日本国民という意識を持たせるために防衛が連帯の中心にならなければならない、こういう脈絡でしょう。これは言ってみれば、外に今度脅威をつくって国民を団結させるというかつての軍国主義的発想ですよ。長官もこの講演の中で、こう言うと軍国主義的と受け取られるかもしれませんがというようなことを断っておっしゃっておるのです。そういう意味でこれは非常に危険な発想だと思う。これは、外に脅威をつくって国民を団結させるという発想につながるのですよ。いま総理は、日本人は日本人という意識と同時に日本国民という意識も持っておると、伊藤長官と違う見方をされたわけですが、長官、これはどうですか。
○伊藤国務大臣 防衛は、もちろん防衛庁、自衛隊が中心的になってこれをやらせていただくわけでございますけれども、防衛が本当に全うされるためにはまた、自衛隊も防衛庁も国民から本当に御理解なり御期待がいただけなければ防衛の本当の目的が達成されない。したがって、国民の多くの方々から防衛というものを、また防衛の重要性、必要性というものを御理解いただかなければならぬということで、防衛についての国民的なコンセンサスが自発的な形で形成されることがきわめて重要であるということを私は申し上げたかったのでございます。
○市川委員 それだけ十分にここでしゃべれるなら、そういう形でしゃべればよかったのですよ。だから、本音は別にあって、いま別のことを釈明しているというふうに受け取られてもしようがないと思うのです。 そこでお伺いしますが、「文部大臣などほかの大臣は、前の国会でいったことと、今の国会の答弁が違っても問題にされない」、そんなことはありませんよ。文部大臣だって、前の国会で言ったことと今回の国会で言ったことが違えば大問題になりますよ。「防衛庁長官の場合は十何年前の発言がいまだに生きているものとして扱われる」、先ほどそちらでお配りになったこの発言要旨には「このように十数年前の発言が生きている。ここに日本の防衛の国内的なむずかしさがある。」 これはどういうことですか。シビリアンコントロールというものは、国権の最高の機関である国会が一番機能しなければならないのじゃないですか。その国会での発言は、年月がたてば、年月さえたてば何の手続がなくてももう国会の発言というものには束縛されないということなのですか、総理。これは長官に聞いてもしようがない、また言いわけするだけだから。総理はどう思いますか。国会で発言したことは、しかも防衛について発言したことは、たとえ年月がどうたとうと、やはりシビリアンコントロールという手続がない限り生きるのが当然じゃありませんか。それが何か、やりづらいとかやりにくいとかむずかしいとか、こういう認識というものは、総理、どういうふうにお考えになっていますか。これは総理に伺いたい。長官じゃない。長官が答えるのならもういい。総理に聞きたい。
○鈴木内閣総理大臣 国政全般を通じまして国会は国権の最高機関であり、予算案にいたしましても法律案にいたしましてもあるいは条約にいたしましても、さらに国政運営の全般につきまして、国会の御審議、御指導を受けることは、これは当然のことでございます。したがって、どの省の前国会あるいは以前の発言であっても、それは情勢が違ったり方針が変わった場合には国会で御披露をして、そして十分御論議を願い、国会の御理解を得た上で方針が変わる場合にはそれを行っていく、こういうことであるわけでございます。したがって、特にこの防衛政策の問題につきましては、国会がシビリアンコントロールの最後の、最高のこれは機関でございまして、平和憲法、憲法九条との関連その他で、国会が常にこの防衛政策の問題については重大な関心を持って御審議をいただいておるわけでございます。そういう中において防衛庁長官が防衛政策をいろいろ進めていく、御説明するに当たって、本当に身の引き締まる思いでこの国会の審議に臨んでおるという自戒の気持ちをあらわしたものと私は受けとめておるわけであります。
○市川委員 防衛庁長官の発言は、総理、明らかにこれは国会の答弁に縛られる、国会のシビリアンコントロールが、何か防衛力拡大の障害である、取っ払ってもらいたいというような感じが気持ちの中に含まれているのですね。 そこで伺いますが、これも総理に伺いたいのですが、F4改修は、確かに爆撃装置とか能力の向上ということも議論されましたけれども、それ以上に問題だったのは、いわゆる十年前の答弁かもしれませんが、国防会議にもかけなかった、総理にも十分な説明をしなかった。これは総理自身が記者会見でおっしゃった。そういうシビリアンコントロールの手続を何かないがしろにした、ここが一番問題にされたのじゃありませんか。こういうふうに私は認識しているのですが、伊藤長官、どういう御認識ですか。シビリアンコントロールの手続を省いたということが問題にされた。もちろん能力の向上の是か非かということも議論されたけれども、私はそこに国会議論の一つの本質があったと思う。長官はどう思いますか、簡単に。
○伊藤国務大臣 これは先ほど来申し上げましたけれども、増田発言が十数年前にあって、今回F4ファントムの爆撃装置をつけるための試改修をするということになりまして、そのときの統一見解でも申し上げましたけれども、あの当時では他国に脅威を与えるおそれがあるものと判断をされたけれども、十数年の軍事情勢の変化、技術の変化等も考えますならば、脅威を与えるおそれはないものというような判断をさしていただきまして今回試改修というものに踏み切ったわけでございまして、こういう考え方の中にシビリアンコントロールというものは厳然として貫かれているものと確信をしております。
○市川委員 何か答弁がよくわからないのですが、要するに、能力の向上も議論されましたけれども、そうじゃなくて、それは確かに国際情勢が変化したり月日がたてば政策が変わるのは当然だと思うのです。それまで悪いと言っているのじゃないのです。ただ、その手続がなければいけない、シビリアンコントロールという。その手続を要するに抜いたわけでしょう。国防会議にもかけない、総理にも十分説明しない。そこにこの問題のもう一つの本質があったと思うのです。総理、どうですか。総理はそういう認識じゃありませんか。いや、総理に聞いているのです。
○伊藤国務大臣 総理の前に答弁させていただきたいと思います。 先ほども触れましたように、これは一機だけの試改修でございまして、その結果を踏まえまして国防会議にかけるという手順になっておるわけでございまして、シビリアンコントロールの原則はあくまでも貫けているものと確信しております。
○市川委員 もういいです。要するに、その認識が伊藤長官にないのですよ、総理。目視からコンピューターにかわって爆撃能率が上がる、そして税金の節約になるのだという認識だけですよ。そういう発言をしているのですよ。それが十年前に縛られて、しかも十年たっても変わらないなんておかしいじゃないかという議論です。だから、シビリアンコントロールの手続を省いた、あるいはそれがまずかったという認識はないのですよ。だからそういう意味でやはり私は、総理はこの防衛庁長官に対してはもっと毅然たる態度をとってほしい、けじめをつけてもらいたい、こう思うのです。 長官、あなたは昔で言えば侍大将ですよ、言ってみれば。もののふの道とか武士道とかあった。あなたも男子の本懐なんという古いことをおっしゃるから私も申し上げるわけですが、自分の不始末は自分で始末をつける、これがやはり男子の本懐じゃありませんか。そのくらいの決意がなければ防衛庁長官というのは務まらぬのじゃないですか。自分の言ったことを取り消したり訂正したり、国会で追及されて、真意はこうでした、ああでしたと、こんなことでは、防衛庁の規律も何もあったものじゃありませんよ。あなたはやはり自分の不始末は自分で始末をする、そういうけじめをしっかりつけるべきだと思うのです。この点について、再度長官と総理のお答えを聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○伊藤国務大臣 防衛を所掌する防衛庁長官として、防衛の政策を推進するに当たりましてやはりその根底には国民の皆様方の防衛意識の高揚というものが欠くべからざるものである、まだその点については十分でないというふうに認識したものでございますから、そういう防衛意識の高揚というものを図りたい、そういう熱意の余り申し述べたことが適切な用語を欠いたわけでございまして、その点につきましては深く反省をし、遺憾に思っておりますけれども、今後なお一層慎重な態度で、また鈴木総理の御指導を賜りながら私の務めをしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○鈴木内閣総理大臣 ただいまも伊藤防衛庁長官から誠心誠意の真情を吐露して、反省と今後の防衛政策に対する取り組みの熱意と姿勢を明らかにいたしたところでございまして、この点は皆さんにおかれましても何とぞ御理解、御了承を賜りたい、こう思います。私もさらに一層防衛当局に対する指導を強めまして、長官ほか防衛庁が一体になって国民の期待にこたえるように進みますようにいたしたい、こう考えております。
○石井委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 私も率直に申し上げて、防衛庁長官、罪万死に値するような大失言をしている、これが一つであります。ただ、そのほかには、国民に訴えたいという、評価できる面もあることも事実であります。三つ目は、防衛論議について長官自身が反省をしなければならない、こういう問題があろうと思います。私はその三つについて率直に質問をいたしますので、これは率直にお答えをいただきたいと思います。 きのうのある新聞を見たら、「私の意見」「伊藤防衛庁長官発言をめぐって」ということで、五、六人の意見が載っているわけであります。投書欄みたいなものであります。その見出しだけを見ると、こう書いてあります。「せっかくの問題提起なのに」山口という公務員。「ゆするという発言は不穏当」無職、八木という人。「国民も胸に手を当て反省を」会社員、竹沢という人。「甘え、たかりは政治家が作る」会社員、石川という人。「私は国民への警鐘だと思う」飲食業、鴨志田という人。こういう見出しで出ておりますが、私も防衛庁長官の発言を聞いて率直に、このとおりであろう、私はこう思います。国民の防衛意識を大いに高めてもらいたいというせっかくの意図もありますが、たった一つの言葉によってそれが全部もう、何と言いますか、せっかくのいいことがみんな否定されたみたいなことになっていっているんじゃないか、私はこう思います。 そこで、ケネディの発言した関係からいろいろいま聞きましたが、ゆすり、たかりという言葉を使ったことはまことに申しわけないと、もう率直に国民に深々と頭を下げて謝ってほしい。それは長官にひとつお願いをします。 次は総理に私はお尋ねをしますが、さっきから総理の発言を聞いていると、防衛庁長官の誠意や熱意やあれを聞いたんだからと、こういうことだけが主体で、総理としてはこれを、何というのですか、叱責というか厳重注意というか警告というか、何をするか。これも一言でいいですから、国民の前に明確に言っていただきたい、こう思います。それは総理に対する質問であります。 続いて総理に対して質問をしたいが、ここに「甘え、たかりは政治家が作る」、いみじくもこう書いております。私の体験から言うと、私は戦争に行って、一時恩給を一万円か二万円もらって、これでちょんとこうなったら、ある政治家の人が、これから大いに本格的な恩給をもらってやるで、年二千円だか三千円の会費を納めてこれからやろうじゃないか、こういうことなので、もらえるならそれにこしたことはないと思って私も判をついて、ありがとうございます、しっかりやってくれ、こう言ってきたが、中央へだんだん来たら、それは軍人軍属の恩給の欠格者連盟をつくってこれから大いに政府に要求をしよう、こういうことのようであります。 それは例は悪いかもしれないけれども、ゆすり、たかられるような政治をいままでやっておったので、ゆすり、たかりの風潮が出てくる。これは政治家自身がつくったし、いままで自民党政府がやってきたわけですからその大半の責任は政府にある、こういうように考えるわけですが一これに対する反省はいかがであろうか。これも総理にお答えを求めたいと思います。 長官、いろいろむずかしいことは要らないから、率直に国民の前に謝っていただきたい。
○伊藤国務大臣 私の真意ではございませんでしたけれども、国民べっ視ととられるような用語を使いましたことはまことに申しわけなく、深く反省をし、遺憾に思っております。
○鈴木内閣総理大臣 伊藤防衛庁長官に対しましては、あの講演が行われた翌日の閣議後におきまして、私、長官を招致いたしまして厳重に注意をいたしますと同時に、今後誠心誠意防衛政策の責任者として努力をしてほしい、なお、講演の中における誤解を招くような言辞のあったことについては、真意がそうであるのであるから、各方面にその気持ちを十分御説明をして御理解を受けるようにしてほしいということを指示した次第でございます。 それから、甘えとかゆすりとかたかりとかいうような風潮を助長したのは政権政党であった自由民主党の責任ではないか、こういうきわめて不穏当なお言葉がございました。民主政治というものにつきましては、民意を国政に反映させるためにそれぞれの自分が支持する政党に対して陳情する、請願をする、いろいろの働きかけをやる、これは民主政治の常道であろうか、こう私は思っておるわけでございます。それが脅迫めいたことをやったりいろいろな手段、方法で政治家が自分の意に反した行動をとらせるような働きかけ、これは私は適当でないと思います。私はゆすりとかたかりとか、そういうようなことを自由民主党が助長したなどということはないことを信じて疑わないのであります。
○小沢(貞)委員 ただ、ゆすり、たかりみたいな、言葉も本当に悪いから謝ったのでこれ以上追及しませんが、そういうことは何か実現するとかそれで要求を獲得するとかがなければできないわけですから、そういう風潮をあおってきたのは政治家の責任、いままで政権をとってきた政府・与党が大部分の責任を負うべきものだ、私はこういうように考えるわけです。 続いて、私は長官の発言の中に評価すべきものがあると先ほど申し上げましたが、「世界の総生産の一割を占め、自由社会で生きていかねばならない我が国として、哲学や世界観をもって防衛問題を再構築すべき転換期にきている。」とか「国民の意識の問題がある。自衛官が国民から期待されているという誇りや自覚を持てるような環境をつくり上げるための国民意識の向上は、日本の防衛にとって重要である。」これは賛成であり、「経済力もついて平和も保たれ、それになれてくると平和は努力して得られるものという意識が、次第に失われてきている。」私は全くそのとおりではないかと思います。長官は勇気を持って今後も国民意識を高揚する、そして平和は努力して得られるような国民意識をつくっていく、こういうことは大切なことでありますが、これについても、そうでないような風潮をつくってきた責任はやはり政府・与党ではなかろうか、私はこういうように考えるわけであります。 こういう言葉があります。子供は教えたようにはやらない、見たようにする、親のまねをする、こういう意味であります。国民はやはり政治の状態を見たようにそのまねをする、私はこういうように置きかえて見てみればいいのではないかと思います。国民が国家に何を貢献するかという意識を与えていくためには、第一に、これは総理から御答弁いただきたいのですが、政治倫理の確立。財政が大変困難な中で防衛費もふやしていかなければならないような客観情勢にもあるし、あるいはまた長官が訴えたいというような事実も私はそのとおりだと思いますが、その第一には政治倫理が確立する、政治のありさまを見て国民はそのまねをする、私はこういうことではないかと思いますから、まず政治倫理の確立について確固とした不動の姿勢が政府になければ、長官、幾ら何を言ったって国民は言うことを聞きませんよ。 また、きのうだかきょうの新聞に出ておりました。行政改革をやってむだな費用を節約して、こういうことは総理みずからが先頭を切ってやります、こういうように言っておきながら、「省庁の統廃合 閣議で異論続出」、トップの見出しであります。こういうようなことでどうして国民に国を愛する精神とかを醸し出すことができるでしょうか。 また、これは新聞にもちらちら出ておりますが、来月八日には某灰色高官の判決が出る、そのときに国会が続いておったのではぐあいが悪いから、なるべくその前に国会を終わらせたい。これは私は国民が見ている政治の姿勢だと思います。政治倫理、行革を推進する、こういうことを総理みずからが正さなければ、防衛庁長官がいかほど絶叫しても、国民は国家に対して何を貢献しようかという意識は出てこないと思う。総理、どうでしょう。
○鈴木内閣総理大臣 御指摘のとおり、政治倫理の確立を図るということは民主政治の原点でございます。われわれ政治家は、私を含めて、その点につきましては襟を正して今後とも努力をしていかなければいけない、このように思うわけでございます。 それに関連いたしまして、国会の会期延長を裁判か何かがあるから延ばすのはどうかとかいうような新聞記事等を引用されましてお話がございましたが、国会の会期延長の問題は、国会が各党各会派で御相談の上に決まる問題でございます。政府がこの会期延長の問題を論議する立場にはございません。したがって、政府サイドから会期延長の問題についてあれこれ注文をつけたり申し上げたことはございませんことを御理解いただきたい、こう思います。 それから、閣議で中央省庁の統合の問題につきまして意見が出た、こういうことでございますが、これは、田邊総務長官が沖縄開発庁長官として沖縄の復帰十年に当たって沖縄を訪問する、その際いけない、こう考えておるので、自分の心情はこうであるということだけを申し上げてきたいと思うのでそのことを一言申し上げておきたいということでございまして、もとより、臨調の答申があり政府全体として中央省庁の統廃合をどうすべきかという問題につきましては、十分真剣な論議を尽くした上で結論を出したい。その際におきましては、内閣の閣僚はその決定には従うものと私は確信をいたしております。
○小沢(貞)委員 総理から行革の話がいま出ましたから、それについて一点だけ、これは総理から明確な御答弁をお願いしたいわけですが、臨調がいろいろ部会をやっている中でさまざまな意見を出してくるのは、私はやはり官僚だと思います。この官僚が行革に抵抗するものをきちっと抑える、きちっと処置する、こういうことがなければ、これは総理が政治生命をかけると称した行革というものは決してうまくいかないのではないか、こういうように考えます。これから部会報告、本答申、こういう中で目に余るのはやはり官僚の抵抗であります。私は省庁の名前を挙げて言ういとまがありませんから、全体の流れを見ていて私はそう考えるわけで、これを何とか処置する、これに対する対策を考える、これがなければ行革は成功しない。言うならば総理が政治生命をかけた行革も失敗する、こう思います。総理の確固たる決意をお尋ねしたい。
○鈴木内閣総理大臣 行政改革は鈴木内閣の最大の政治課題であり、公約でございます。私はこれに対して全力を挙げてその達成に努力をしてまいりたい。そのためには、臨調の審議に官僚の影響を及ぼすあるいは抵抗するというようなことがあってはいけないわけでございまして、特にこれから中央省庁の統廃合ということになりますと、いろいろ小沢さん御心配のような動きが出てきてはいけない、私もそのように思っておりますので、十分その点につきましては注意をいたしまして、そのようなことがないように指導してまいりたい、こう思っております。
○小沢(貞)委員 長官に質問したいと思っておりましたが、防衛論議で、これは総理も当然御答弁をいただきたいと思いますが、国会の中で本音の論議というものが行われていないのではないか、こういうように考えます。 たとえばことしのF4ファントム、五十六年の予算に十三億設計費が載っておった。それを審議ストップやそういう問題があったら凍結した。これはなれ合いみたいなもので、わずかの間にまた解除をした。こういう論議をやっているわけで、これでは防衛庁長官が、あるいはまた総理が考えているような、防衛の問題について本音の論議というものが国会でなされていない、こういうように考えるわけです。どうでしょう。防衛庁長官の今回の発言をめぐって、反省すべきものがあるとするならばそこではないか。長官及び総理から御答弁をいただきたい。
○鈴木内閣総理大臣 国会の御審議は、過去における長い経緯があり、また積み重ねの上に審議が進められておるわけでございまして、その一つの断面だけをとって、もっと明快に一刀両断に事柄を運んだらどうか、こういう御意見も出てこようかと思いますけれども、過去におけるいろいろのいきさつ、経過、論議等もあって、そういう上にその問題の処理が行われていく、こういうことでございますから、私はその点につきましては、各党各会派の御理解を得ながら国民が納得するような結論に運んでまいりたいもの、このように考えております。
○伊藤国務大臣 総理からお答えになったとおりでございますけれども、防衛庁長官としてお答えをさせていただきますけれども、わが国の平和、繁栄の基礎となっております防衛というものは広範な国民的な合意に支えられてこそ成り立つものでございまして、このような合意が形成されるためには、国会はもちろんでございますけれども、各界各層において広く論議が行われることが必要であると考えております。その意味におきまして、国会においても各党間でわが国の防衛につきまして隔意のない意見交換が行われることはきわめて重要であり、またそのことを通じて、防衛にとって一番大事なシビリアンコントロール、すなわち政治の軍事に対する優先が確保されるものと考えております。
○小沢(貞)委員 あれはことしの予算委員会のときかな、F4ファントム十二億設計費、五十六年度予算、この凍結等をめぐって行われたことを私は言っているわけで、あの当時は事務当局から長官にも総理にも報告がなかった。そしてまた、論議になればできるものもできなくなっちゃうからそうっとやっておけみたいなことで、事務当局だかが進めたことではないかといまでも私は考えているわけで、そのときの論議の仕方が、技術革新の時代でこういうように改良しなければならない、こういうことを率直に国民に向かって語りかけて、その結果、各党各派と総理はよく言うんだけれども、合意を得て進めていくということをやらなければ、あの論議の仕方を見ていれば、国民はあの国会論議を見て政治不信というものをつのらせていくばかりじゃないか、私はこういうように考えるわけです。 長官は、男子の本懐と、こう言うのだから、この時代にこういうことをやらなければならないということは率直に提案して、そうして国民の審判を待つ、こういう態度でなければ、国民に防衛の意識なり何なりというものを高揚させるということはできないのではないか。その反省を私はいま長官に求めているわけです。どうでしょう。
○伊藤国務大臣 先般の御論議の際にも、国会に対する御説明等が不十分であったという反省を表明したわけでございますけれども、ただいま御指摘のとおり、防衛の問題はより率直に、より速やかに国会を通じまして国民の皆様方に御説明を申し上げることが、とりもなおさず防衛というものをなお一層確かなものにするゆえんであるということを、私もこの五カ月間の国会の御論議あるいはまたただいまの御指摘等で痛感をしておりますので、御指摘に沿うような形で今後ともより率直に、より迅速に国会を通じて国民の皆様方に防衛の問題を御説明申し上げてまいりたいと、反省を込めて確信をしております。
○小沢(貞)委員 ゆすり、たかり発言は、以上をもって私の方は了として、これ以上質問をいたしません。 終わります。
○石井委員長 中路雅弘君。
○中路委員 発言の最初に、配られました「防衛懇話会における防衛庁長官講演の概要」ですが、各新聞で相当詳しくこの発言については報道されています。きょうの審議のためにこの講演の発言の中身を提出してもらいたいという要請に基づいて出されたわけですが、中身を見ますと、先ほどの論議から、取り消しやあるいは訂正、不適当だということで防衛庁長官が発言されていることは、ほとんどこの中に書いてないのですね。これでは全く作文なんです。 私は最初に、委員長に改めてこの六日の防衛懇話会における防衛庁長官の発言を提出していただきたいということをお願いをしたいのです。
○石井委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○石井委員長 速記を始めて。 質問を続行してください。
○中路委員 したがって、私はいままで報道されている各紙、ほとんど共通したものですから、基づいて質疑をしたいと思います。 国民は国家をゆすり、たかりの対象としか見ていない、この防衛庁長官の発言には、いま激しい怒りが国民の中にも広がっているわけです。私はあえて最初に憲法の前文を読みますが、「そもそも國政は、國民の嚴粛な信託によるものであって、その権威は國民に由來し、その権力は國民の代表者がこれを行使し、その福利は國民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」と明記をされています。こういう憲法の精神からいっても、国民がたとえば予算の国の使い方についていろいろ要望するのは国民として当然のことであります。主権者である国民を侮辱し、いわば刑法犯呼ばわりをする、これは主権在民の現在の憲法を真っ向から否定したものであって、憲法を遵守する義務のある閣僚として全く資格に欠けるものだと私は思うわけです。表現が妥当でなかったとか不適当であったから注意を促した、こういうことでは済まされない。 総理にお聞きしますが、当然防衛庁長官は罷免すべきだと考えますが、いかがでしょう。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど、岩垂さんその他の委員の皆さんの御質問に対してお答えをいたしましたとおりでございますが、伊藤防衛庁長官は、それらの点につきましては非常に自分の意に反した表現になり申しわけがないと考えておる、深い反省の上に立ちまして今後は防衛政策の責任者として誠心誠意職務を遂行していきたい、こういうことでございます。私も、十分防衛庁長官を指導しながら国民の期待にこたえるようにやってまいりたい、このように考えております。したがいまして、防衛庁長官の責任をこれ以上追及するというようなことでなしに、その誠心誠意の心情、今後の行動というものに信頼をいたしまして、この問題を処理いたしたいと考えております。
○中路委員 これまでその閣僚の発言が問題になって辞任をした、事実上罷免となった大臣が何人もおられます。 一、二例を挙げますと、たとえば六八年の倉石農林大臣、平和憲法なんてばからしいものを持っている日本はめかけみたいなものだ。七一年の小林法務大臣、閣僚は並び大名、予算はところてん。七一年の西村防衛庁長官、国連は田舎の信用組合、モルジブなんか土人国。原労働大臣、七二年一月ですが、養老院は我利我利亡者の集まり。いずれも憲法と国民を侮辱することでは甲乙つけがたいところですけれども、今回の伊藤防衛庁長官の発言は、その態度、言葉の低劣さからいってもこれまでの更迭大臣にまさるとも劣らないと私は考えるわけです。ゆすり、たかりといったようなことで国民を刑法犯呼ばわりをした大臣は、今回の伊藤防衛庁長官が初めてではないかと思いますが、これまでの事実上更迭されたこうした大臣の発言に比べても、今度はけじめをつけなくちゃならない。 再度私は要求しますが、総理、これまでのこうした、その発言が問題になって辞任をした大臣の例から見ても、今回の発言は当然大臣をやめなくてはならない、そういうものだと思いますが、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○中路委員 伊藤防衛庁長官の今度の発言に貫かれているのは、一貫して現在の憲法に対する軽視、否定だと思います。 発言の中での問題を幾つか取り上げますが、その前に総理にもう一度お聞きしたいのです。先ほど読み上げました、平和、民主主義、人権を規定したこの憲法の精神こそが、いま日本国民の連帯の糸といいますか柱にならなければいけないと考えますが、総理の御見解はいかがでしょう。
○鈴木内閣総理大臣 日本国民の連帯の柱は、日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権という、この基本的な理念の上にある、このように理解いたしております。
○中路委員 総理も、この憲法の精神、理念こそが日本国民の連帯の柱にならなければならないとおっしゃっていますが、伊藤防衛庁長官はその発言の中で、国家を防衛することが一億一千万人の国民の連帯の糸にならなければいけない、そしてそういう中から新しい国家観の再興を図るということで、いわゆる国防に結びついた新しい国家観をつくり上げなくてはならない。かつての一億一心ということを想起するわけです。また発言の中で、兵隊さんよありがとうということが言われなければいけない。いわゆる富国強兵、これこそやはり軍国主義国家観ではないかと思うのです。 ゆすり、たかりという言葉で国民を恫喝してこうした軍国への道を説いていくというのが今度の伊藤発言の本音ではないかというふうに考えますが、先ほど総理は、国民の連帯の理念はいまの憲法にあるとおっしゃいました。伊藤防衛庁長官の発言をいま読み上げましたけれども、この発言は明らかに総理の言われた憲法の理念と逆行する、憲法の精神と逆のことではないかと思うのですが、総理いかがですか。
○伊藤国務大臣 国民の連帯の柱が日本の憲法の精神にある、また基本的人権を含めました国民主権の考え方であるということにつきましては、総理のお答えになったとおりでございます。 ただ、私が申し上げたかったのは、防衛というものはやはり国民的な合意、コンセンサスの上に成り立たなければ本当に防衛というものの目的を全うできないのではないだろうか。決して合意が成り立ってないというわけではございませんけれども、まだ十分でない面もございますので、もう一層防衛の意識の高揚というものを図りたい、そして、そういう国民的なお一人お一人の自発的な合意の上に成り立った防衛、それが本当に防衛の力を発揮できるんじゃないだろうかということを申し上げたかったのでございます。
○中路委員 私は、防衛庁長官の罷免を要求しているわけですから、防衛庁長官に余り御答弁いただかなくてもいいわけなんです。 総理にお聞きしているんですが、いま総理は憲法の精神が、理念が国民連帯の糸だとおっしゃいました。この精神から言えば、たとえばいま全世界的にもあるいは全国的にも核兵器反対、いろいろ平和の運動が国連軍縮総会を前にして広がってきております。私は、こういうものこそ、唯一の被爆国民としての悲願を持つ日本国民の連帯のきずなにならなければならないと思いますが、先ほどの伊藤防衛庁長官の発言は、こうした総理がおっしゃった平和、民主主義の憲法の精神に明らかに逆行する。新しい国家観をつくるということを言っていますが、この国家観はこの憲法の精神に反するものだと考えますが、総理の御見解はいかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 われわれ国民は、戦後平和憲法のもとにおきまして、この理念の上に立ったりっぱな平和国家を建設をしようということで三十数年にわたって努力をいたしてまいったわけでございます。そういう際におきまして、もし今後において外部からの不測の侵略等があった場合には、この平和国家建設という大目標を達成するためにはやはり自衛のための必要最小限度の防衛力というものを持たざるを得ない、防衛努力というものが必要であるということは、これは自衛隊が国会で認められ、そして防衛庁がその責任を負っておる。直接的には責任を負っておるところから、防衛庁長官としてそれに努力をしてまいる。そのために国民の防衛意識の高揚等について訴えるということは私は当然のことである、こう考えるわけでございます。 私は、日本の防衛の問題、これは憲法と基本的防衛政策によりまして、近隣諸国に脅威を与えることのない必要最小限度のものである、非核三原則に徹する、こういう理念の上に進められておるわけでございますから、これが軍縮の精神に反するとは考えておりません。われわれは、そういう世界の恒久平和という観点から軍備をできるだけ低位に抑えて、そして平和の構築に努力をする。そういう意味で、私は第二回の国連における軍縮総会というのは、全国民にそういう努力の機会を与えるものであって非常に重要だ、このように考えております。
○中路委員 私は、伊藤防衛庁長官が講演で述べている防衛で結びついた新しい国家観というのは、明らかにいまの憲法の精神に逆行するということを強く指摘をしているわけです。 もう一問、発言の中であります、防衛庁長官は十数年前の発言がいまでも生きていて控え目な答弁しかできない云々という発言をされています。これは十数年前のF4ファントムの爆撃装置復活問題についての問題だと思いますが、この十数年前の発言、増田発言、これは四十三年ですが、あるいはその後の四十七年の増原長官の見解、いずれもこれは憲法上の制約から爆撃装置を取り外す、いわゆる憲法上の問題として論議をされた問題です。それが十数年、いまも生きている、もう時代は変わった、その議論は違うと言えないで、どうしても控え目な答弁しかできない、この発言は大変けしからぬことですし、私自身、本年の二月の予算委員会でこの問題で質問したときに、この当時の十数年前の基本方針は現在も変えておりませんということを繰り返し答弁されているところです。しかし、国会以外のこうしたところではその本音が出て、国会で控え目な答弁しかできない、まだ生きているのはけしからぬというような印象の発言をされているということは、明らかに憲法軽視であるとともに、国会軽視の発言だと私は思います。防衛論議は国会対策上のつじつま合わせにしかすぎないというようなこうした発言は大変けしからぬ発言だと思いますが、この点については防衛庁長官、十数年前の憲法問題を論議された発言がいま生きているというのは当然じゃないですか。
○伊藤国務大臣 私がいろいろ御指摘のようなくだりのお話を申し上げたのは、先ほど来申し上げておりますとおり、防衛問題の取り扱いに係るむずかしさといいますか、慎重さがきわめて重要である、そういうことを踏まえながら国会での論議に対処をしなければならないという、今度の国会での体験を通じましての私の自戒、みずからを戒めるという気持ちを申し述べたのでございます。 仰せのとおり国会での御発言はいつまでも生きているのは当然でございまして、今回のF4ファントムのことにつきましても、増田発言等の基本的な精神はいささかも変更していないわけでございまして、申し上げたかったのは、慎重な態度、また防衛問題のきわめてむずかしいということについての私の日ごろの自戒を申し述べたのでございまして、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
○中路委員 時間が迫っていますので、これは総理にお聞きしますが、発言がありました六日の翌日、これは新聞の報道ですと、七日の閣議でも鈴木首相を初めだれ一人この伊藤長官の暴言をしかる者がいなかったばかりか、いいことを言ったと励ます閣僚さえいたということが新聞で報道されています。これは事実かどうかということと、もし閣議がこうした状況であるとすれば、伊藤防衛庁長官だけではなくて、鈴木内閣自身がいかに主権在民の原則を軽視しているかということを証明する事実ではないかと思いますが、この新聞報道について総理はどのようなお考えですか。
○鈴木内閣総理大臣 閣議におきましては、この伊藤防衛庁長官の講演に関してはどの閣僚からも発言がございません。その閣議が終わった直後に伊藤長官が私の部屋に見えまして、そして詳細に経緯を話し、自分の不注意からいろいろ誤解や御批判を受けておるが、自分の真意はこうであるということでその心境を述べ、この問題について自分としての深い反省の上に立って防衛行政の責任者としての誠意ある対応を今後やってまいりたい、こういうことでございまして、私からは強くこの不注意、不十分な言動について注意を促しますと同時に、今後そのようなことがないように、また国民に対して十分信頼を得るように最善の努力をしてもらいたいということを強く、求めた次第でございます。
○中路委員 時間ですので終わりますが、いま総理がおっしゃったような注意を促したとかあるいは本人の釈明でこの問題はけりがつけられる問題ではありません。また世論も決してそういう措置で納得しないだろう。引き続いてこの責任は追及していきたいと私は思います。ゆすりとかたかりという言葉をあえて使うならば、やはりロッキード事件のような、国政を私利私欲を満たす金権、利権あさりの舞台にしてきたいまの政治が象徴している事実ではないかと思います。国、地方自治体の公共事業の甘い汁を吸っている官僚や政治家がいるとすればそれはたかりということの具体的なあらわれだと私は思いますし、また予算面で言えば、防衛庁のシーリング以上の概算要求、アメリカの要求に従って異常突出と言われる軍事費、国民の側から言えばこれは防衛庁が国費をゆすり取ったとしか見えないわけです。こういう点でやはり国民の側から言えばいまの政治の体質にあるゆすりやたかりこそ改めなければいけないということを私は強く指摘して、発言を終わりたいと思います。
○石井委員長 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は三時間に及ぶ論議を聞いておりまして、私の質問は一番最後であり、十分間でありますから、伊藤長官は個人としては友人であり尊敬している人物でありますけれども、ここでその論議の結論として私なりに判決を言わなくてはいけない感じがしておるのであります。 問題の発言について、私が別の意味で期待しておったのは、伊藤長官はみずからの信念であのような発言をされた、もしそうであればそれなりにわれわれと考え方は違ってもそれは大いに論議の対象になる、このように思っておったのですが、きょうの論議を聞いておりますと大体全部訂正をされたようであります。きょうお配りになりましたあなたのこの説明の中で「我が国として、哲学や世界観をもって防衛問題を再構築すべき転換期にきている。」と言われておりますけれども、あなたは全部取り消された。何もない。どういう哲学があるのですか、どういう世界観があるのでしょうか。あなたのきょうの態度では、防衛問題を再構築するあなた自身の哲学も世界観も何もない、全部取り消された、こういう感じがするのです。 それで、いろいろ重要な点がありますが、私はそのうちの一つの問題として指摘をしたい点があります。それは、あなたのこの説明の最後「その他」のところで「総合安保の中でシーレーンの構想を固めること」これに関してであります。 総理にお伺いをいたしますが、シビリアンコントロールは一つの重要なわれわれの責任である、つまりシビリアンコントロールのそのコントロールの判断基準は憲法であると私は確信をいたしております。いま一つ、シビリアンコントロールの制度、その制度はいろいろある中で、最高の制度は国民の代表で構成されておる国会である。これは防衛白書でしばしば明らかにされておる点であります。総理はその点について御異存はありませんか。
○鈴木内閣総理大臣 政治が軍事に優先するということは、民主国家の基本でございます。そして、わが国におきましては、国権の最高機関である国会がこのシビリアンコントロールの最高の権威ある機関であるという認識を持っております。
○楢崎委員 その点の認識は一致いたしました。 ここで伊藤長官は、国内の論議はもういいのではないか——国内の論議とは、それを代表するものは国会の論議である。つまり、国会の論議はもういいのじゃないか、この認識、これはシビリアンコントロールに対する重大な挑戦であると思います。だから、これは単なる失言問題ではない、あなたの認識の問題であろうと思います。その点については総理のいまの見解とあなたの見解は明らかに違っておる。私はむしろ、今度のリムパック82の内容を見て、もはや今日の段階においては専守防衛なり集団自衛権と憲法の関係について決着をつけなければならない瀬戸際に来ている。その内容は二法の審議のときにやりますけれども、それと国内の論議はもういいのではないかという点を結びつければ、私は非常に危機感を持っておるのであります。 そこで、先ほど申し上げた「シーレーンの構想を固めること」。シーレーン一千海里防衛ということはどこで決まりましたか。もし決まっておるとすれば、いつの国防会議あるいは閣議で決定されたか、それを明らかにしてもらいたい。
○伊藤国務大臣 先ほどの若干の御指摘にもあわせてお答えさせていただきますけれども、私が国会の論議等で申し上げたことは、できますならばより建設的な、より現実的な議論をお願いしたい、そのことが防衛というものをなお確かなものにできるのではなかろうかというような気持ちを申し上げたわけでございます。 なお、シーレーンの問題は、先ほど総理大臣からも若干の御説明がございましたようにこれからの問題であるわけでございますけれども、その考え方は、「防衛計画の大綱」を決める、そういう考え方の中にシーレーンという問題の構想が入っておるわけでございまして、いつの閣議、いつの国防会議ということではございません。これからの問題としてわれわれは対処していきたいというようなことで、総理大臣からも御説明していただきましたように、先般の閣議で防衛庁長官としての立場からぜひ防衛庁の役割りなり仕事を御論議いただきたいというようなことを申し上げたのでございます。
○楢崎委員 総理の発言が出ましたから、これは四月十九日、総理も覚えておられましょう。あなたは二度にわたって私に答弁をされた中で、「「防衛計画の大綱」、これは国防会議、そして閣議の決定でございます。」それはそのとおりです。「先ほども申し上げましたように、その中で海上自衛隊の防衛力の整備は、領海のほかに周辺数百海里、航路帯を設けるとすれば、一千海里程度を防衛できるようにという目標のもとに「防衛計画の大綱」ができておる」。「防衛計画の大綱」にこういう文章がありますか。どこにあるのです。 しかも、総理は昨年の五月、アメリカで記者クラブでこのことを言われた。しかも、いろいろ今日まで公約とかなんとかの問題があって、宮澤官房長官は、これは国の方針である、したがって相手方が公約と考えてもよろしい、こういうふうに発展をしてきた。つまり、国民に対する公約であると同時に外に向けても方針として総理は明らかにされた。もちろん、このシーレーン一千海里の構想が確定をしておれば、それのための装備あるいは予算、人員、国民をも縛ることになる。それがしかと国防会議でも決まらずにひとり歩きをしておる。こういう点についてもシビリアンコントロール上問題がある。 時間がありませんから、以上の点だけをいま申し上げまして、私は、最後に総理の御見解をお伺いしておきたいのですけれども、やめよとか罷免とかということは別にして、私は、今日の、あるいはこれからの国の防衛を任せる三軍の長として伊藤長官は最適任者であるとお思いかどうか、最後にその点だけをお伺いをしておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 楢崎さんの最後の御質問といいますか、楢崎さんのお考えにつきましてお答えをいたします。 伊藤防衛庁長官は、就任以来今日まで防衛庁長官として真摯な努力を続けてまいっておりまして、内外に評価をされてきたところでございます。今回の講演、確かにいろいろ御指摘がございますように不行き届きな点がございました。本人も深く反省をし、これを改め、今後は十分国民の皆さんにもその真意を説明をし、御理解を願って、そして本来の姿で誠心誠意防衛の責任者としての使命を達成をしたい、こういうことでございますから、私は十分信頼をして、今後精進、努力を願っておるところでございます。
○楢崎委員 これで時間が来ましたからやめますが、一言だけ。 いまいろいろ訂正されたりあなたがかばってやったり、そういうことをしなければならないという方が長官として最適任であるのかどうかを私は実はお伺いしたのであります。やめるかやめないかということはみずからの判断であります。そのことだけ私は聞きたかったわけでありますが、どうでしょうか、総理。努力をされておるのはわかっておる。適任であるかどうか。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま申し上げたとおりでございます。
○楢崎委員 わからないことを表明して、終わります。
○石井委員長 以上で伊藤防衛庁長官の防衛懇話会における発言問題に関する鈴木内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。この際、暫時休憩いたします。 午後一時四十四分休憩 ————◇—————