内閣委員会 第15号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1982/04/27
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 障害に関する用語の整理に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。田邊総理府総務長官。 ————————————— 障害に関する用語の整理に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○田邉国務大臣 ただいま議題となりました障害に関する用語の整理に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国際障害者年を契機として、障害者に関する国民の理解が高まってまいりましたが、障害に関する法令上の用語のうち不適当なものを改めることは、障害者に対する国民の理解を一層深め、障害者に関する対策を推進する上で大きな意義を有するものと考えております。 このため、政府においてはさきの第九十四回国会において、法律上の「つんぼ」、「おし」及び「盲(めくら)」という三つの用語を改めるため、関係法律の改正案を提案し、国会の御賛同を得て可決成立を見たところでありますが、今回、これに加えて「不具」「廃疾」等の用語を改めることとし、本法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、恩給法等において用いられている「不具廃疾」という用語を「障害」「重度障害」「心身障害」「重度心身障害」等と改めるものであります。 第二は、船員保険法等において用いられている「廃疾」という用語を「障害」「傷病」等と改めるものであります。 第三は、児童福祉法、公職選挙法等において用いられている「不具奇形の児童」「不具」等の用語を「身体に障害又は形態上の異常がある児童」「身体の障害」等と改めるものであります。 第四は、火薬類取締法及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律において用いられている「白痴者」という用語を、それぞれ「精神薄弱者であって政令で定める程度の障害の状態にあるもの」及び「重度精神薄弱者」と改めるものであります。 第五は、その他所要の改正を行うものであります。 また、改正の対象となる法律は、恩給法等総計百六十二件であります。 なお、この法律は、昭和五十七年十月一日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○石井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○石井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。市川雄一君。
○市川委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ・民主連合を代表して、障害に関する用語の整理に関する法律案について質疑を行いたいと思います。 昨年の一九八一年は国連により国際障害者年と定められ、「完全参加と平等」というスローガンのもとにわが国においても各種の行事等が行われ、障害者に対する国民の理解と関心が高まったことは御承知のとおりであります。今回提案された法律案は、障害に関する法律上の不適当な用語を適切な用語に改めようとするものであると理解しておりますが、私は、今回の改正は単なる言葉の置きかえということにとどまらず、国際障害者年を契機として、障害者の方々に対する国民の正しい理解を得るために展開された各種の活動の一環として位置づけるべきものではないかと考えている次第であります。 そこでまず、今回「不具」「廃疾」等の用語を改正することとされた背景を総務長官にお伺いしたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えをいたします。 国際障害者年を契機といたしまして、障害に関する法令上の不適当用語の改正につきまして関係者の要望が高まりました。第九十三回の国会におきまして総理大臣から、政府全体として前向きに取り組んでまいりたい旨の答弁が行われました。以来、各省庁連絡の会議を開催いたしまして検討を重ねました結果、第九十四回の国会におきまして、「おし」「つんぼ」「盲(めくら)」という三つの用語について関係法律の改正が行われたわけであります。また、「不具」「廃疾」等の用語につきましては、これらの用語を用いている法律の数が多いために調整に時間を要しましたけれども、このたび成案を得ましたので改正案を提出いたした次第であります。 障害に関する法律上の用語を改正するということは、障害者年を契機として高まってまいりました国民の障害者に対する理解を一層深めることとなりまして、今後障害者対策を推進する上で有意義であると考えておる次第であります。
○市川委員 ただいまのお答えで総務長官の御認識が私とほぼ一致していることはわかりましたが、しかしながら、残念なことに「不具」「廃疾」等の改正案を提案されるまでに時間がかかり過ぎたということを指摘しておかねばならないと思います。すなわち、国際障害者年はすでに終わりました。鉄は熱いうちに打てと言いますが、昨年、国際障害者年の機運が盛り上がっているうちにこの改正案が提出されていれば、この法案はもっと有意義であったと思います。 そこで重ねてお伺いいたしますが、「不具」「廃疾」等の改正が今日までおくれたのはなぜか、この点についての御説明をいただきたいと思います。
○石川(周)政府委員 「不具」「廃疾」等の用語につきましては、これらの用語を用いております法律の数が非常に多うございまして、かつ、その相互に関連する法律の間でできるだけ置きかえ用語を統一する必要がございます等、専門的、技術的な問題が含まれておりましたため、各省庁連絡会議における調整に時間を要したものでございます。 国際障害者年は終わりましたけれども、これを契機といたしまして今後とも障害者対策を推進していく必要があり、国民の障害者に対する理解を一層深め、今後の障害者対策を推進する上で今回の改正は意義深いものであると考えております。
○市川委員 ところで、今回の改正案では「不具」「廃疾」及び「白痴者」という三つの用語を改正することとしているようでありますが、障害者の方々の立場から見て好ましくないと思われる用語はこれに尽きるのかどうかということが懸念されるわけであります。今回改正する用語を「不具」「廃疾」及び「白痴者」の三つの限ったのはなぜか。また、この三つの用語のほかに検討の対象となった用語はなかったのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○石川(周)政府委員 今回改正をお願い申し上げたいと考えております「不具」「廃疾」及び「白痴」という三つの用語につきましては、関係者から改正の御要望がございまして、かつ各省庁連絡会議におきましても改正すべきであるという旨の意見が一致いたしましたので、その結果を踏まえまして、障害者の方々の代表も参加して構成されておりました中央心身障害者対策協議会の国際障害者年特別委員会に御報告をいたしまして、その御意見を承って今回これらの用語につきまして改正を行うこととしたものでございます。 なお、連絡会議における検討の過程で、この御提案申し上げております用語のほかに欠陥という用語について議論がございました。一部にこの際一緒に改正してはどうかという意見もございましたけれども、大方の意見は、欠陥という用語は一般的な用語でありまして、直接的に障害の状態を意味するものではなくて、障害に関する不適当な用語とは考えにくいのではないかということであったものでございます。
○市川委員 御趣旨はわかりましたが、しかしながら、言葉に対する感覚というものは時代の推移に伴って変化していくものであります。現に「不具」「廃疾」等の用語も、かつては特別の違和感もなく法律上の用語として用いられていたわけであります。今日では障害者の方々から好ましくないと感じられるようになり、今回改正案が提出されているわけであります。したがって私としては、今回改正の対象としていない用語であっても、大部分の障害者の方々が好ましくないと感じるような用語が生じた場合には今回と同様に改正の措置を講ずべきではないか、こう考えるわけであります。総務長官としては障害に関する用語の改正は今回改正で終了したと考えておられるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えをいたします。 今回の改正は、昨年の「おし」「つんぼ」そして「盲(めくら)」の改正に引き続きまして、関係者の御要望を承りながら各省庁と協議をいたしまして「不具」「廃疾」及び「白痴者」について改正をすることといたしたわけでございます。今回の改正に当たりましては、障害者の方々の代表も参加をし、それによって構成をされております中央心身障害者対策協議会の国際障害者年特別委員会に御報告をいたし、その意見を承って改正案を取りまとめたものでございまして、障害者に関する用語の改正は当面終了するものと考えております。 しかし、いま御指摘がございましたように言葉に対する受け取り方というものは時代の推移に伴って変化をするものでございますので、将来関係者からこれは不適当だと感ぜられるような用語が生ずることも考えられますので、そのような事態が生じた場合には関係者の御要望も承りながら適切に対処をしてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○市川委員 次に、改正案の内容について順次お伺いしたいと思います。 先ほど「不具」「廃疾」等の用語については関係する法律も数が多く、調整に時間がかかったとのお答えでありましたが、今回の改正の対象とした法律は総計何本であったのか、また、用語の種類別及び省庁別に見るとどうなっているのか、伺いたいと思います。
○石川(周)政府委員 今回改正をお願いしております対象の法律は総計百六十二本でございます。この内訳を不適当用語の言葉別に見ますと、次のようになっております。すなわち、「不具廃疾」の関係では十八本の法律でございます。それから「廃疾」に関する法律は百四十一本でございます。それから「不具」でございますが、この関係が四本、「白痴」が二本の法律でございます。ただ、同一の法律に二種類の不適当用語を含むものが三本ございましたので、いま申し上げました数を足しますと百六十二本よりもちょっと多くなります。総計とは一致いたしません。 また省庁別に見ますと、関係省庁は十七の省庁に上っております。そのうち、関係する法律の多い省庁といたしまして例示的に申し上げますと、大蔵省が三十九本の法律、それから自治省が三十六本の法律、厚生省が三十一本の法律、運輸省が十七本、文部省が十三本の法律といったようなところが数の多いところの省庁でございます。もちろん、いま申し上げました各省庁別の法律の数も他省庁と重複している部分もございますので、お含みおきいただきたいと思います。
○市川委員 総計百六十二本に上る法律について改正案を取りまとめられた御苦労には敬意を表したいと思いますが、これだけの数の法律について「不具」「廃疾」等の用語を新しい用語に置きかえるに当たっては個々ばらばらに置きかえるのではなく、統一的な基準というか、基本的な方針が当然必要ではないかと思います。新しい置きかえ用語を定めるに当たっての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○石川(周)政府委員 各省連絡会議等で議論をいたしまして、共通の思想で改正案を考えようということで合意いたしました基本的な諸点は、第一には、法律的な意味、内容が変わらないことということでございます。第二には、新しい置きかえ用語が関係者に受け入れられるものであることであります。それから第三には、類似の法律相互間、たとえば年金関係、共済組合関係、災害補償関係などいろいろございますが、そうした類似の法律相互間ではできるだけ置きかえ用語の統一を図ることといったような諸点でございます。
○市川委員 ただいまのお答えの中の置きかえ用語が関係者に受け入れられるものであるというのは、私も最も肝心なことだろうと思います。「障害」「心身障害」「身体障害」等の置きかえ用語について関係者は納得しているのかどうか、また関係者の納得を得るためにどのような手続を踏んだのかをお伺いしたいと思います。
○石川(周)政府委員 たびたび申し上げておりますように今回の改正に当たりまして最も意を用いたものは、関係者の方々に受け入れられる新しい置きかえ用語を用いるといったところでございます。このため、私どもといたしましては、今回の改正の一連の作業の過程で、障害者の方々の代表も参加して構成されておりました中央心身障害者対策協議会の国際障害者年特別委員会に御報告をいたしまして、その企画部会あるいは特別委員会の総会に御報告申し上げ、その御意見を承って改正案を取りまとめた次第でございます。
○市川委員 それでは、要綱に従って逐次質問してまいりたいと思います。 要綱の第一項では、「不具廃疾」の置きかえ用語として「障害」「重度障害」「心身障害」及び「重度心身障害」という四つの用語を用いることとしておりますが、その理由を伺いたいと思います。
○石川(周)政府委員 「不具廃疾」の置きかえ用語といたしましては、「障害」「重度障害」「心身障害」及び「重度心身障害」という四つの用語を用いることといたしております。これは次のような考え方によって整理したものでございますが、第 一に、法律の趣旨、目的等から特に心身障害と限定しなくても精神または身体の障害を意味することが明らかな場合には、単に「障害」と改めるということにいたしております。しかし世の中にはいろいろな意味での障害、極端なことを言えば電波障害とかいろいろな障害の表現があり得るわけでございますので、単に「障害」では精神とか身体の障害を意味することが必ずしも明らかでない場合がございます。そういう場合には「心身障害」というふうに改めることにいたしております。また、特に障害の程度が重いものを意味する場合には「重度」という言葉を付しまして、「重度障害」または「重度心身障害」というふうに改めることにいたした次第でございます。
○市川委員 次に、要綱の第二項では、「廃疾」の置きかえ用語として「障害」または「傷病」という用語を用いることとしていますが、この理由はどうですか。
○石川(周)政府委員 「廃疾」という用語は、年金関係、共済組合関係法、災害補償関係法などにおきまして広く用いられている用語でございます。これらの法律におきましては、「廃疾」という用語は、いずれも身体または精神に障害を有する状態を意味する用語として用いられております。これらの法律におきましては、特に身体の障害、精神の障害と限定しなくても、単に「障害」と改めることによりまして、この用語が精神または身体に障害を有する状態を意味することがそれぞれの法律の趣旨、目的等から明らかでございますので、今回の改正に当たりましては、原則として単に「障害」と改めるということにしたものでございます。 ただ、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法などの災害補償法関係におきましては、「廃疾等級」という用語が用いられておりますが、これを「傷病等級」というふうに置きかえることといたしたわけでございます。 これは、労働者災害補償保険法について申し上げますと、障害補償年金、障害補償一時金に係る障害の等級をあらわす言葉といたしまして、現行法上すでに「障害等級」という用語が用いられております。したがいまして、傷病補償年金、傷病年金に係る障害の等級をあらわす言葉といたしまして「廃疾等級」という用語、これを障害等級というふうに改めますと、すでに現行法上使われております「障害等級」と混同することになるわけでございます。そこで、傷病補償年金等に係る障害の等級であることを明示することも兼ね合わせまして、「廃疾等級」という用語は「傷病等級」ということに改めることとしたものでございます。国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法においても同様の趣旨でございます。
○市川委員 要綱の第三項では「不具」の置きかえ用語として「身体の障害」という用語を用いることとしていますが、この理由はいかがですか。
○石川(周)政府委員 「不具」という用語は公職選挙法、獣医師法、それと家畜改良増殖法において用いられております。いずれも身体上の障害をあらわす用語として用いられておりますところから、今回の改正に当たりまして「身体の障害」等と改めることとしたものでございます。
○市川委員 同じく要綱の第三項では「不具奇形の児童」を「身体に障害又は形態上の異常がある児童」と置きかえることとしていますが、その理由はどういうことですか。これは厚生省ですね。
○末次説明員 お答えいたします。 児童福祉法のこの規定の趣旨は、先天異常あるいは事故等によりまして通常の形態を備えていない児童を世間の好奇心の対象として見せ物にされることを防止するために設けられた規定でございます。したがいまして、従来から「不具奇形」という用語は一体として用いられてまいりまして、これを不具と奇形に分けて取り扱うことは適当でないというふうに考えたわけでございます。 その場合、仮にこれを身体に障害のある児童というふうに改めるといたしますと、単に形態上の異常がある場合、たとえば多指症と申しまして指の数が多いというような児童が除外されるということになりまして、対象範囲が変わるということになりますので、正確を期するために「身体に障害又は形態上の異常がある児童」というふうに改めることにしたわけでございます。
○市川委員 要綱の第四項では、「白痴者」を「精神薄弱者であって政令で定める程度の障害の状態にあるもの」または「重度精神薄弱者」に置きかえることとしていますが、それぞれについてのその理由を伺いたいと思います。
○谷説明員 お答え申し上げます。 白痴者に火薬類を取り扱わせることにつきましての制限は、明治十七年に制定されました火薬類取締規則に規定されて以来、昭和二十五年制定の現行の火薬類取締法に引き継がれておるわけでございます。火薬類取締法上の「白痴者」といいますのは、精神の発達が遅滞しているために火薬類を取り扱わせては危険な者を意味しておりまして、この言葉は戦前の用語法によっているために、現在の白痴者、すなわち重度の精神薄弱者のように限定された意味では用いられておりませんでした。現在の精神薄弱者という言葉に置きかえるということではその概念が広過ぎますので、一言で代替し得る適当な用語がございません。実質的な内容の改正を行うことなく言いかえるために、「精神薄弱者であって政令で定める程度の障害の状態にあるもの」と規定いたしたわけでございます。
○佐藤説明員 放射線障害防止法におきましては、「白痴者」という用語は、精神衛生法に規定します「精神薄弱者」のうち比較的障害の程度が軽い中等度等の者を除きました重度の精神薄弱者を意味するというふうに解釈しておりますことから、今回の改正では「重度精神薄弱者」と改めることといたしたものでございます。
○市川委員 以上の御答弁で、置きかえ用語についての政府の考え方はわかりました。 ところで、今回総計百六十二本の法律を改正することとしたという御説明が先ほどありましたが、「不具」「廃疾」等の用語を用いている法律で今回の改正の対象となっていないものがあるかどうか、もしあればその理由を説明していただきたいと思います。
○石川(周)政府委員 「不具」「廃疾」等の用語を含みます法律のうちで、今回の一括法の改正の対象といたしませんでしたものは、全部で二十八件ございます。 これは、別途改正について検討中のものまたはこれに関連して改正を行う予定ということで別扱いにするのが適当であるという理由で、刑法それから監獄法、軽犯罪法、刑事訴訟法といった四本の法律。 それから第二には、今国会に別途改正案を御提出中のものといたしまして、勤労者財産形成促進法、これが一件。それから、別途廃止予定というものとして日本学校安全会法と、それから同法の一部改正法の二件がございます。 それから、一部改正法の附則といたしまして経過的な取り扱いを定めているもののうちで、申し出期間の終了とか経過的取扱期間の終了といったようなことによりましてすでに実効性を喪失していることが明らかなものが恩給法の一部改正法、船員保険法一部改正法、戦傷病者戦没者遺族等援護法一部改正法等二十一件の法律がございます。 いま申し上げましたような理由の二十八件が、今回の一括法の対象としなかったものでございます。
○市川委員 いままでの質疑で本法案の内容はほぼ理解いたしました。本法案により法律の上からは「不具」「廃疾」等の用語は新しい用語に置きかえられることになるわけでありますが、国の法令の体系には法律のほかにも政令、省令等があります。法律の中から「不具」「廃疾」等の用語を追放するだけではなく、政令、省令等についても同様の措置を講ずる必要があると思いますが、政省令等で用いられている「不具」「廃疾」等の用語の改正はどうするのか、この点をお伺したいと思います。
○石川(周)政府委員 その点につきましては、各省庁連絡会議におきましても議論をいたしまして意思確認をいたしてございますが、今回御提案申し上げました改正案が国会の御賛同をいただきまして成立いたしました暁には、政省令等に用いられております「不具」「廃疾」等の用語につきまして各省庁におきましてそれぞれ改正を行うことといたしております。
○市川委員 ただいままでの質疑を通じまして、今回提出された障害に関する用語の整理に関する法律案の趣旨及び内容が明らかにされました。国際障害者年を契機として障害者に対する国民の理解が高まってまいりましたが、今回の改正は国民の障害者に対する理解を一層深め、今後の障害者対策を推進する上で有意義なものであると考えます。 しかしながら、障害者の方々の福祉は単に言葉を改めるだけで実現されるものではありません。障害者の方々に対する施策は、単なる同情ではなく、障害者が社会の一員として生活できるような、そういう社会を築いていくことが肝要であると思います。 本年一月二十二日、中央心身障害者対策協議会から内閣総理大臣に「国内長期行動計画の在り方」について意見具申が行われております。その中では、ただいま私が申し述べましたとおり、「障害者福祉の理念は、障害者が社会において、一般市民と同等に生活し、活動することを保障することにほかならない。」とした上で、保険医療、教育・育成、雇用・就業、福祉・生活環境の各分野にわたって具体的な提言が行われております。私は、単に障害者に関する用語を改正するだけではなく、この中央心身障害者対策協議会の提言に従って今後障害者対策を推進すべきであると考えますが、このことについて総務長官の所信をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えをいたします。 今後の障害者対策につきましては、お話がございましたように、国際障害者年推進本部におきまして、中央心身障害者対策協議会から提言を受けまして、昭和五十七年の三月二十三日に障害者対策に関する長期計画を決定するとともに、本年の四月一日から新たに内閣総理大臣を本部長といたします障害者対策推進本部を発足をさせるところでございまして、今後この長期計画に基づきまして障害者対策の推進に全力を挙げてまいる考えでございます。 以上です。
○石井委員長 次に、上田卓三君。
○上田(卓)委員 先ほど市川先生から、各党を代表しまして共通の問題について質問をしていただいたわけでございますが、それに関連いたしまして、私の方から若干追加の質問を申し上げたい、このように思います。 今回の障害に関する用語の整理に関する法律案でありますが、「不具」「廃疾」等の用語を改正する、こういうことで、なぜ改正するのかという理由につきましては、いまの答弁の中にも国際障害者年を契機として、障害に関する法令上の不適当用語の改正について関係者の要望が高まった云々、こういうような趣旨であったと思うわけでございますが、こういう不適当な用語、端的に言うならばこれは不愉快な用語でもあるし、人をべっ視する用語であるし、差別する用語である、こう言っても過言ではなかろう、こういうふうに私は思うわけであります。 国際障害者年を契機にしてそういう関係者の要望が高まったから云々、私は、もっと早くから、この用語の改正だけではございません、社会の中にあるそういう差別用語をなくしてもらいたいという要求が強かったのではなかろうか、こういうように思っておるわけでございます。政府の方はそれはいままでずっとそれに対してこたえてこなかって、努力してこなかって、国際障害者年という一つの国際的なそういう動きの中でもうどうもならぬということで、やむを得ずやったというように受けとめられても仕方がないのではないか、このように考えるわけですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○石川(周)政府委員 御指摘のように、国際障害者年を契機としてということで今回の作業をさせていただいたわけでございますが、それはあくまでも一つの契機でございます。政府といたしましては、従来からそういう不適当な用語はできるだけ使わないようにいろいろな意味で努力をしてきた、配意をしてきたつもりではございます。ただ、そう言いながらも十分でなかった点を、この国際障害者年を契機として統一的な法律改正に踏み切ったという次第でございます。
○上田(卓)委員 この障害者用語という用語の改正は、すぐにでも私はできる問題であったのではなかろうか。社会にあるところの差別意識というのですか、あるいは差別の言葉というのですか、不適当な用語を一朝一夕にすぐなくすということは、これは大変むずかしい問題だろうと思いますが、この用語の改正というのはもっと早く、五年前にでも十年前にもしようと思ったらできた問題じゃないか、各省に広範多岐にわたっているというのは理由にならぬ、私はこのように思っております。答弁要りません。私は、今回改正されることは非常に多とするものでありますが、なぜもっと早くできなかったか。口でこの問題について重視をするとか大切な問題だと言いながら、行動において政府が踏み切れなかったということについて、やはりいままでのあなた方の姿勢がうかがえるのではなかろうか、こういうように考えております。 次に、今回の改正は二回目というのですか、先ほどもお話がありましたように、九十四回の通常国会で、たとえば「おし」「盲(めくら)」「つんぼ」、こういうような言葉が不適当である、こういうことで新しく置きかえ用語というのですか、そういう形で是正されておるわけでございますが、先ほど市川先生からもありましたように、法令だけではなしに省令とか条例とかいうものからも一掃するということも当然でありますが、問題はやはり社会にあるそういう差別用語、不適当な用語をどのようになくしていくのかということが大事ではないか、こういうように思っております。 後から述べますように、これは用語をなくすということだけではなしに、そういう差別意識をなくするということ、あるいは差別されている、そういう障害者だけではございませんが、そういう差別された方々の差別された状態を改革せずして、臭い物にふたをするようなやり方では根本的な解決にならぬのではないか、こういうように私は考えておるわけでございます。そういう点で、この法律上の用語を変えるということだけではなしに、社会にあるところの差別用語といいますか不快用語、不適当用語、そういうものの一掃のためにどういう努力をされてきて、今後さらにどういう決意で臨もうとされておるのか。今度の用語の書きかえ、置きかえを契機にして、決意のほどをひとつ長官の方からお聞かせいただきたい、このように思います。
○田邉国務大臣 お答えをいたします。 中央心身障害者対策協議会の提言におきましても指摘をされておりますように、障害者福祉を実現するためには、やはり障害者が社会において一般市民と同等に生活をし、また活動をすることを保障するという障害者の福祉の理念を国民全体が理解をし、またその実現に向かって社会全体として継続的に取り組んでいかなければならない問題であると考えております。 このように、障害者福祉を実現するためには障害者福祉の理念を国民全体が理解をすることが重要な課題であるという認識から、政府といたしましても、地方公共団体、障害者関係諸団体あるいはまた報道機関等の協力を得まして、障害者問題全体についての啓蒙啓発を図っていくことといたしておるわけでございます。その点につきましても、私も山梨におきまして障害者のための福祉村というものをつくりまして、障害者の考え方、気持ちというものを十分理解をいたしておるつもりでございます。そういう経験を持っておりますので、そういうものを体して今後もやってまいる考えであります。
○上田(卓)委員 総理府の中にあります国際障害者年推進本部の長期計画を見ますと、たとえば「国際障害者年の理念は、障害者の社会への「完全参加と平等」というテーマに端的に表現されているように、この社会から全面的に障害者に対する偏見と差別意識を除去し、障害者が他の一般市民と同様に、社会の一員として種々の分野で活動するとともに、生活を営むことができるようにすることにある。」こういうように明らかにされておるわけであります。あるいはまた「まだまだ障害者に対する認識は、歴史的・伝統的偏見や医学的無知に基づくものが根強く残存しており、その結果として障害者の社会参加を阻み、一般市民が通常受けている諸権利、諸サービスを充分に享受できないという事態も現実に生じている。」あるいは「しかし一般に差別問題は、その社会の歴史、思想、習慣等と深いかかわりをもっており、一朝一夕に根本的に変革することは困難であって、今後においても長期にわたりたゆみない努力が必要である。」こういうことで基本的な考え方を述べておるというように思うのです。 ここに出ているように、一朝一夕には解決しない、非常にたゆみない努力が必要だ、こう述べられているのですね。だから、ゆっくりしたらいいということではないのですね。目的意識的に最大限の努力をしてもなかなかむずかしい問題だ、私はこういうように読むべきだと思うのです。この問題は意識の問題だから、むずかしい問題だから徐々にやっていったらいいんだという問題ではない。ところがややもすれば政府の考え方は、この問題はむずかしいからということで、むずかしい、むずかしい、解決しなければならない課題だと言いながら、実際は何もしていないというのが現状じゃないか。今度の用語の整理のこの法案自身も、なぜもっと十年前、二十年前にできなかったかということを私が指摘するのはそういう点であるわけです。 そこでいま私が問題にしたいのは、いわゆる不快用語といいますか差別用語、不適当用語でありますが、世間にあるところの差別用語をどうなくするための努力をしておるのかという点について、いま申し上げたそういう用語だけではなしに、それに関連して幾つかの用語がありますね。この用語についても関係団体から、何とかこういう不当な差別用語をなくしてほしいという要望も出ていると思うのです。たとえば九十四回の国会で「つんぼ」「おし」「盲(めくら)」という三つの言葉が廃止されたわけですけれども、廃止されたと言ったって現実に世間でそういうことは差別用語として通用していますよ。それだけではなしにそれに関連して、たとえば国会議員さんにおいてもこういう用語をしばしば使っていることを私は見聞きしておるわけです。たとえば模様がよくわからないという場合はめくらじまという言葉を使う場合がありますね。それからめくら蛇におじずという慣用句みたいな形で差別用語が定着している言葉もありますね。あるいは、わしをつんぼ桟敷にしているのかということで、そういう差別用語でもって、自分は全然そんなことを聞いてないということをつんぼ桟敷にしているというような形で、平然と何の罪の意識もなく使っている人があることも事実だと私は思うのです。あるいはあなた方の法令の中とか省令とか条例の中に、私自身あるのかないのかよくわかりませんけれども、たとえば足の悪い人に対してびっことかちんばとかいう言葉があることも事実であって、そういうことに対して政府自身が一体どう考えておるのか。そういう言葉は別段問題にならない言葉というように理解しておるのか。 〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕 あるいは、ときにはわけもなく泣いたりわめいたり、まあわけもなく泣いたりわめいたりすることはないと思うのですけれども、そういういろいろなことに対して気違いという言葉も実際ありますね。そういう言葉について差別用語として考えておるのかどうなのか。もしかそういう用語があったために当該者から抗議があってトラブルがあったときに、どういう判断をするのか。端的に言うならば長官の目の前でそういう用語が飛び交ったときに、あなたはどういう態度をとるのか。それはまだ法律で禁じられておりませんから別段どうもないと言うのか、やはりそういう不適当な言葉を使うのは間違っているんじゃないですかという形でいさめる方に回るのかどうかということが言えるのじゃなかろうか、こういうふうに私は思うのです。 私は、日本の社会というのは非常に差別社会だと思うのですね。貧富の差の差別もありますが、本当に貧富の差だけではなしに、いろいろな形の、二人寄ったらどっちかが上だ、どっちかが下だというような関係が非常にきついと思うのです。たとえば官公庁に勤めている人の場合でも現業職は一段低く見られているという面があるし、またたとえばごみの回収と屎尿に従事している人との関係も、まああの仕事よりはわしの方がましだというような形で、お互いに軽べつし慰め合うというような関係もこれまたあるわけで、職業に貴賎はないと言いながら、実際は貴賎があるわけですね。だから、自分の息子をできる限りとうとばれるようなしっかりした官庁あたりに就職させたいとか大会社に就職させたいとか、やはり職業に対して、この職業は自分の息子にとっては向いてないとか向いているとかいうふうに勝手に、それはやはり職業の置かれている社会的立場を反映しておるのではなかろうかというように考えざるを得ないわけであります。 また、婦人差別の撤廃条例云々の関係から、やはり女性の権利が戦後非常に強くなったとはいうものの、いまなお男性上位というのですか、そういう女性に対する、ちょっとしっかりしたことを言うと女だてらにとか、女のくせにとか、黙っとけとか、こういうようなことは、まだまだ農村とは言わず都市においてもそういう意識があるのではなかろうか。あるいはちょっとねちねちという言葉がいいかどうかは別にして、あるときにはそういうことを言うのは女々しいということで、女々しいというのは女女と書くわけですから、そういう点で、ちょっと歯切れのいいことを言うと、ああそれは男らしい、そうでないことを言うと、何や女々しいことを言う、男だてらにというような形で、何か女性に対する差別というのは、そのことはいかぬと言いながら現実としてそういう言葉で差別的な用語がまかり通っておるのではなかろうか、こういうように思いますので、そういう世間にはんらんしているところの差別用語、まあ問題は、言葉を言いかえたらそれだけで問題解決するというふうに私は思っておりません、用語を変えることだけで問題の解決にはならぬと思いますが、しかし、それがその当事者たちに対してくぎを刺すような、またときにはその人間を悩ませて自暴自棄に追いやったり自殺をさせたり、そういう凶器になるわけですから、そういう形で差別用語として、不快用語として、不適当用語として指摘されている問題については、即刻に私は関係者と話し合いをして適当な用語に変えるということはまず第一にしなければならない問題ではないか、こういうように思っておりますので、その点についてひとつ関係の方から、文部省も含めて、お聞かせいただきたい。各省来られておりますので、私がいま申し上げた点について、各省ごとにひとつ御意見を承りたい、このように思います。
○石川(周)政府委員 まず私の方から、全体的な感じとしてお答え申し上げたいと思います。 法令の中で、ちんば、びっこという用例はございません。それから、一般的な考え方といたしまして、そういう不快感を与えるような、傷つけるような、そういうような言葉を使うということは避けるべきである。それは法律の問題、立法の問題以前の、人としての基本的な心構えといった部分に属する問題でありましょうし、私ども行政に携わる者といたしまして、行政のあらゆる面でそういう配慮を常にしていくべきものであろうと考えております。 ただ、具体的に用いられております法律上の用語の中で一般的な用語というものもございますし、先ほど一つの例として、欠陥というような言葉が議論されてたというようなこともございます。言葉は生きておりまして、環境によりまして、そのときに使われる状況によりまして傷つける、傷つけない、いろいろな使われ方があり得る。したがいまして、一つの言葉をきめつけるといいますか、一つの角度から断定的に扱うということは非常にむずかしい、そういう性格があろうかと思います。慎重な扱いを要すると思います。ただ基本的には、先ほど申し上げましたように、人を傷つける不快な感じを与える、そういう言葉は行政のあらゆる面でできるだけ配慮をしていく、常に配慮をしていく、そういう心構えは必要であると理解いたしております。
○五十嵐説明員 お答えを申し上げます。 先生の御指摘のような出版が出ております場合には、そういう出版関係のところとも十分話し合いをしながら、そういうことが社会教育の場その他で適切な配慮のもとで行われるように私どもとして努力している次第でございます。
○上田(卓)委員 後で聞くにしても、いまの文部省の方、何も出版のこと、後から私が質問しようということで、聞いてないんで、社会教育として、やはりそういうのが子供の中でも大人の中でも不用意な差別発言があるわけですよ。 〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕 そういうものをなくするために、たとえば社会教育でどんな努力をしているのか、学校教育の中でどんな努力をしているのか。たゆみない努力が必要なんでしょう。そうでしょう。ほっておいたらそういう差別用語が蔓延するわけでしょう。だから、それを蔓延しないように、そういう用語は間違っていますよということでやはり学校教育、社会教育の中で正していかなければならないんじゃないですか。その努力を、具体的にどういうことをしてきたかということが、特に文部省なら文部省に対する私の質問であるわけです。後から答えてもらったらいい。あるいは障害者の方々に対して、やはり社会的に進出というか、就職とかいろいろ交際などの中でこうやって疎外されていっている。そういうことに対して、たとえば医療の面から一つ見ても、施設の面から見ても、厚生省は一体どういう努力をしておるのか。やはり私はそういうたゆみない努力が必要ではないか、こういうように思うのです。 それから、たとえば差別用語を浴びせられるということは、これはゆゆしき人権侵犯ですよ。逆に言うたら名誉棄損ですよ。そうすると、法務省はこの問題に対してどういうような態度をとっているのか、これは私は大きな問題だと思うのですよ。たとえば部落問題、私はそれにかかわってきたのだけれども、そういうある程度強力な団体の場合にはそれに対応するけれども、そういう組織を持たない、そういう力が弱いというような方々に対しては知らぬふりするのかということにもなりかねないわけでありますから、私は、事の本質はやはりわきまえてこれに対して適正な対策をとることが必要ではないか、こういうように思っているんです。 ただ、つけ加えて私は申し上げたいが、やはり皆さん方の中でも、国民の中でもそうですけれども、大体差別されている人たちはひがみ根性がきつい、大体被害者意識が強いとか、こういうような考え方もあるから私いまここでちょっと申し上げておきたいのだけれども、そうじゃないんですよ。差別意識、差別があるから、いつの間にか自分が差別されているのじゃないかという被害者意識も出てくるんですよ。優越感があるから劣等意識が出てくるんですよ。初めから劣等意識とか被害者意識とか、そういうものはないんですよ。それはやはり攻撃されて初めて身を守るという防衛的な、それが過度の防衛ということに私はなってくるかもわからぬけれども、そういう攻撃がなければ何もそれを守ろうということはないんですよ。そういう社会というのは、差別のない明るい社会のことなんですね。だから、そういう点は言うまでもないと思いますが、ややもすれば学校教育、社会教育の中では何かそういう人たちはいじけて、もっと自覚を持って堂々と社会に出てきなさいということで、何か差別している方のことが問題にならず、差別されている方の姿勢の問題としてややもすれば学校教育の中で、社会教育の中でとらえられるので私は一言申し上げたわけでありますが、そういう観点で、どういう努力をしてきて今後どうしようとしているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○五十嵐説明員 ただいま先生から御指摘のありましたそういう障害者の問題につきましては、学校教育の場あるいは社会教育の場におきまして、障害者の問題につきまして適切な理解を持つように私どもとしましては十分努力してまいっておるわけでございますが、今後とも先生の御指摘を受けましてさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○池堂説明員 お答えいたします。 私ども厚生省といたしましては、実は身体障害者の方々の実態あるいはその福祉の面を受け持っている省でございます。したがいまして、現在までも、身体障害者の方々の差別されること等に対しましては、その解消に努めてまいっております。 具体的に申し上げますと、実は昨年、障害者年を契機として、厚生省におきましてはいわゆる障害者対策を推進するための対策本部等を設置して、あらゆる面について配慮してまいってきているわけでございます。端的に申し上げますと、たとえば厚生省が担当しております病院等におきましてやはり身体障害者の方々が非常に受診しにくいというようなこと等についても、これはそういうことのないように、各医療機関等に対して障害者の方々の診療について積極的に当たるようにというような指導をしてまいってきております。
○寺西説明員 先ほど先生から人権問題であるというお話がございましたが、私どもの方では、そのような不快な用語を使われたということによって被害を受けたという方の申し出がございますと、これは事実関係を調べまして、そしてそれが人権侵犯に当たるかどうかということを判断して対処をしてきているところでございまして、今後ともこの姿勢は続けてまいりたいと考えております。 さらに言葉の問題といたしましては、やはり相手の心を傷つけるかどうかということが問題でございまして、ここ数年来人権の共存ということを訴えてきております。相手の立場に立って物を考えようということの啓発もやってきているところでございまして、これもまた今後努力してまいる考えでおります。
○上田(卓)委員 各省から決意も含めて述べていただいたわけですけれども、私自身非常に不満でありますが、時間の関係もありますので、一層ひとつ努力していただくということで理解をしたい、このように思います。 そこで、三年前に予算委員会で矢山有作委員からも指摘されたいわゆる「たのしい子ども会のゲーム集」というようなものがあって、そこで部落差別につながるそういう図書があるではないか、こういうことで追及して、その問題についての出版先とかあるいはそれにまつわる問題について調査を依頼されたはずでありますが、そのことについてどういうような結果が出ておるのか、あるいはそれ以外のものについても調べ上げたのかどうか、その点についてお知らせいただきたいわけです。 ここに私、数冊の本を持っておりますので、これ、委員長を通じて見ていただいたらいいと思うのです。これは恐らく社会教育で使われている子供の遊び方というのですかゲーム集というのですか、あるいはレクリエーションでの社会活動の中で使うものでありますが、こういうものがいまなお出版されて市販されておるということでありますが、こういうものに対して一体どう扱うのか、ひとつお聞かせいただきたい。 われわれの調査によりますと、障害者に対する差別のものが十八点、職業差別のものが五点、それから部落差別等のものが七点発見されておるわけであります。いろいろな遊び方があるわけでありますが、これに一回目を通していただいて、時間がありませんからもう読み上げませんが、こういうものがあるということで、ひとつこれに対して——これはすでにということで、文部省あたりも目にしておるのではないかと思いますが、それに対する答えが一向にないようでありますから、私の方から申し上げておるわけであります。 その中で特に私が指摘したいのは、日本レクリエーション協会が編集した「レクリエーション体操」不昧堂出版の本であります。こういう本自身に端的に表現されておるわけであります。その本自身もごく最近こっちが都内で買ってきたものでありますが、十年間に十一回も増刷されているというような、大変子供たちの中で人気の的になっておるようでありますが、この問題についてどう考えておるのか。特に、財団法人で文部省の推薦というのですか、文部省の外郭団体ということじゃないのでしょうけれども、何か文部省の推奨の本みたいな形で受けとめられている協会でありますが、そういう点について文部省はどのような具体的な指導をしてきたのか、するつもりか、そういう点について詳しく御説明いただきたい、このように思います。
○高石政府委員 このレクリエーション協会の出版しております幾つかの中に不適当な用語が使われている出版物があるということで御指摘を受けまして、文部省も直ちにこのレクリエーション協会に対して指導をしたわけでございます。その結果、私たちの聞いておりますところによりますと、八点ございまして、そのうちの五点は指摘された部分を削除して本を出すというような措置を講じたようでございます。それから、二点につきましては、出版そのものを指摘されてからは出さないというような措置をとったようでございます。もう一点は、現在改訂作業を進めているようでございますが、御指摘の内容を修正して出版するということで、現在の時点で、御指摘いただいた点についてはいずれも御指摘の趣旨に沿いながら出版、改訂をしているというような状況と承っております。
○上田(卓)委員 現場からのそういう指摘もあると思いますので、私どもの方から問題提起している問題については、それをどう処理したかということは後刻できる限り詳しく御報告いただきたい、こういうように思います。 それと、これは法務省の方にも文部省の方にも申し上げたいわけですが、やはり現実に日々学校とか地域あるいはときには職場において、当然大人の社会においてのことも含むわけでありますが、そういう差別用語がはんらんしているわけですね。それに対して、当該者でなくても指摘する向きもあるわけですけれども、どうしても声が小さい。あるいはそれをやると友達づき合いで非常に悪くなるとか、あるいはまた、それがときには大変腹が立つものですから、たとえば、あほにあほ言うて何が悪いねんとか、ちんばにちんば言うてどこが悪いねんという開き直りもあるわけですね。そういう中で、たまりかねてそれをどついてしまう。子供の場合だと、どついてしまう。そうすると、どついた行為だけが問題になって、なぜどついたのか、どつくこと自身が間違っているとはいうものの、やはりそこの因果関係というものがあいまいにされて、そういう障害を持つ子供は暴力的であるとか、感情的であるとか、ひがみ根性が強いとかというような形でしか処理されない場合が非常に多いと思うのですね。 そういう点で、私は日々の事案とは言いたくないのですけれども、そういうものについてどう把握していくか、そしてそれをその都度その都度正しい教育でどう指導をしていくかということをぜひともやっていただかなければやはりこの問題は解決しないのではないか、私はこういうように思うわけです。やはり、事うるさく言うように理解されがちですけれども、そういうことをしない限り、一つ一つの問題を取り上げて社会問題とするというのですか、やはり共通認識に持っていかないと、そのことを抜きにしていつかなくなるだろうというような形ではなくなっていかない。街の標語だけでは決してなくなっていくものではなかろう、私はこういうように思っておりますし、また、そういうことを解決することによってお互いの疎外感というものを、その壁というものを取り除いていって、お互いに立場がわかるということにもなるのではなかろうか、私はこういうように考えておりますので、その点について特に注意をして指導に当たっていただきたい、このように思います。特に、この推進本部でも「特に、幼少期から障害者に対する理解と認識を深めさせるような啓発活動に対する配慮が望まれる。」こういうように述べられておるわけでありますから、その点についてお願いをしたい、このように思います。 そこで私は、こういう用語を法律で廃止して、そういう用語を使用した者を刑罰に処すとかあるいは科料にするとか、そういう——教育、啓蒙啓発、人権思想の普及とか、そういう形で解決すべき問題であって、法的手段に持っていくことを私は要求しているものではないわけであります。しかし、やはり当事者にとっては非常に苦痛であるということで、名誉棄損とかという形で法に訴えるという場合もあるのではないか、私はこういうように思っているわけですが、そういう場合の法務省の考え方というのは現時点ではどうなっているのか、一言だけお聞かせいただきたい、このように思います。
○寺西説明員 被害者からそういうことで名誉棄損であるという告訴をしたいということで告訴をなされれば、これは刑事手続の上で処理していくということになってございます。したがいまして、そういう手続をおとりになれば刑事手続で処理されるということになると思います。
○上田(卓)委員 もう終わりますが、最後に長官に、やはりそういう意味で不適当用語という形で具体的に幾つかの言葉について置きかえをされたし、また今後これからしようということでありますから、いままで私がいろいろ発言した言葉以外にもたくさんな問題が私はあるように思うわけでありまして、そういう言葉が不適当な言葉であるのかないのか、そしてその言葉が不適当であればどういう言葉に置きかえていくのか。その社会的な差別の実態がなくならない限り、言葉を何ぼ置きかえてもその新しい言葉がまた差別用語になるのですよ。それだけはっきり言うておきます。 しかし、にもかかわらず、当面その言葉を置きかえて言いかえなければならぬという現実があることもこれは事実でありますから、言いかえたからもう問題はなくなったということではないということも、これは特に長官、理解をしておいていただきたい、こういうことでありますので、そういう点で、法律とか条文の部分だけ政府は関係しておりますが、社会にあるところのそういうものについて、たとえばそれが名誉棄損であるのかないのか、もしか事件が起こったときに、法務省においては、いや、それはどうということはないということになるのかならぬのか、そこの定義の問題もあると思うので、これは総理府だけの仕事ではなく各省にまたがる問題だろうと思いますが、特にそういう点で、国務大臣でもあるわけでありますから、最後にこういう問題に対する取り組みの決意を述べていただきまして、終わりたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えをいたします。 障害者に対するいろいろな不快な言葉、これが社会の中で不用意にも発せられておる、これは私どもにとっても大変に残念なことであり、悲しむべきことだと私は思っております。私は実は障害者のきょうだいを持っておる一人でございまして、こういう問題については、小さいときからこの用語の使い方ということを十分承知をしておる一人でございます。したがいまして、私自身、障害者に対する健常者の配慮というもの、これはやはり社会全体、そして家庭の教育、そしてまた社会全体の啓蒙啓発ということを本当に考えなければいけないのじゃないであろうか、こう考える次第であります。 また、国におきましては、いろいろとこの対策につきまして、いま不快用語の法改正、私はそれだけで事が足りるとは思っておりません、いま御指摘がございましたように、時代とともにいろいろな言葉が不適用語ともなりますし、またそれに合わして社会も前進していかなければならない。特に、障害者が全然意識してないことを健常者が不用意にも発したことによってその胸を刺すようなことが間々あるということを私は知っておりますので、こういう点については、やはり幼児のころ、障害者の家庭あるいはそういう施設でともに遊ぶ、ともにその障害者の気持ちになって生活をする、私はそこに障害者に対する言葉の配慮というものを当然考えると思います。実は中学、高校生に福祉村というものに宿泊をさせまして障害者との対話を三日ないし四日させますと、その人たちはすべてボランティアというものに真剣に取り組む青年になり変わってまいります。そういうことを考えますと、社会全体がこういう問題に取り組んでいくには、まず国もその中心になって、国民の障害者に対する偏見、そしてまた差別意識というものを除去するような深い理解と協力が必要であろうと思います。 今後の障害者対策につきましては、国際障害者年推進本部においても、中央心身障害者対策協議会から提言を受けております、いわば本年の三月二十三日の障害者対策に関する長期計画の決定をされましたと同時に、四月一日から内閣総理大臣が本部長としてこういう障害者の対策推進本部を発足するわけでございます。政府と民間とが一緒になりまして、今後ともこういう長期計画に基づいた、障害者対策というものは常に潤いとそして相手の気持ちを体しながらこの問題に対応していくという考え方が必要であろう、私どもはそういう考え方に立って今後進んでまいりますことをお約束をして、答弁にかえさせていただきます。
○上田(卓)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○石井委員長 榊利夫君。
○榊委員 私どもは、差別の根絶、克服、基本的な人権の貫徹を目指して、同時にタブーを廃して言論の表現の自由を守る、こういう立場で今回の法案に臨んでまいりました。基本的には賛成できる、こう考えているのであります。その上で、幾つかの点について追加質問をさせていただきます。 第一に、「不具」「廃疾」等の用語を含む法律でありながら、先ほど説明もございましたように、改正をいま検討中のものであるとかあるいは改正案を提出中のものであるとか、こういったものが今回の改正には含まれていないわけでありますが、これはどういう理由に基づくものなのか。私どもの考えでは、まだ改正されていないのですから、現存の法律である以上含めるべきではなかったか、それが筋道ではないか、こう考えるのでありますが、この点についての所見をお伺いいたします。
○大芝説明員 法務省矯正局の参事官大芝でございます。 ただいま御指摘の矯正局の所管の法律といたしましては、監獄法四十四条に「準病囚」といたしまして「妊婦、産婦、老衰者及ヒ不具者」という言葉がございます。これらにつきまして、おっしゃるとおり今回の一括法案にまとめて改正いたすべきであるかどうかということでございますが、数年来監獄法改正作業を継続いたしておりまして、目前に改正法案を上程する状況でございましたので、その改正法案の方で正式に処置いたしたいということで、別途監獄法改正法案の方にこれを盛ったわけでございます。 幸い、所要の手続を終えまして、今般、刑事施設法案といたしまして監獄法全面改正案を本日閣議で御決定をいただき、速やかに国会に提出する運びに至っております。 この法律案におきましては、現行監獄法四十四条の先ほどの規定を「老人、妊産婦、身体虚弱者その他養護を必要とする被収容者」というふうに改めております。 なお、法律ではございませんが、省令である行刑累進処遇令第二条第一項第四号に「不具廃疾」という言葉がございますが、この省令は新しい法律の施行に伴い廃止する予定でございます。 以上です。
○榊委員 そうしますと、いま説明がありました監獄法、これは刑事施設法と改めて、けさの新聞に出ておりますが、きょう国会提出を閣議決定される予定だ、こう言われますけれども、その新法案ではこの点はすでに改められているわけですね。 それからもう一つ。その他の刑法、刑事訴訟法、軽犯罪法、こういったものについてはどうなのか、その二点。
○井嶋説明員 お答え申し上げます。 先生御案内のように、刑法、刑事訴訟法、軽犯罪法にそれぞれ「不具」あるいは「不具者」という用語がございます。これを改めることにつきましては、先ほどお話しになりました監獄法と同様、法務省におきましては、刑法の全面改正作業を精力的にやっておりました時期にちょうど一括整理法案の話も出ましたわけでございます。 刑法、刑事訴訟法、軽犯罪法といった類型のものは、御承知のとおり犯罪の構成要件に当たるものでございまして、いわば明確な言葉を使う必要もあり、また概念が、それぞれの法律の解釈などに若干のニュアンスの差があるというような問題もございましたために、刑法全面改正作業の一環としてこれをとらえて、同時に置きかえ用語としての定着性といったものも十分検討いたしまして、その過程においてより明白な犯罪構成要件として規定すべきじゃないかということから、別途の法律とさせていただいたわけでございます。そして刑法改正作業を、今国会に提出を目途といたしまして精力的に進めてまいったわけでございますが、残念ながら監獄法と違いまして、今日の時点においては刑法の改正案の今国会提出が困難な状態になったというところでございます。 しかし、私どもは、この政府の不適正用語を改正しようという方針にのっとりまして、今後も引き続き刑法改正作業を進めながらこの点を改正いたしまして、可能ならば次期通常国会には提出をしたいというふうに考えておるところでございます。
○榊委員 いま出てまいりましたそれぞれの法ないしは法案については、それぞれの党の立場があると思いますが、それは別といたしまして、刑事施設法については用語は改正している、それから今後の問題についてもこの用語に関してはそういう改正の方向でやっている、こういうように確認してよろしゅうございますね。 置きかえ用語を定めるという点では、いまもちょっと出ておりましたけれども、法律上の意味、内容が変わらないことが基本になっていると思います。そこで、昨年の通常国会では「おし」「つんぼ」「盲(めくら)」、こういった用語を法律からなくしたわけでありますが、今回はそれに次ぐものであります。ところが、実は「廃疾」を「障害」「傷病」に、あるいは「傷病」を「障害」にと変えますと、国語上は微妙な差といいますか、ある場合にはかなり意味が違うということがあるわけでありますが、国語上意味が違っても、法律上の意味はいままでと変わらないのかどうなのか、この点お伺いします。簡潔に。
○鳥山説明員 恩給法におきまして、先生御指摘の「傷病」を「障害」に改めておりますので、その点についてお答え申し上げます。 恩給法におきましては、沿革的な意味もございまして、法律制定以来、傷病恩給に関する障害の状態であるとかあるいはその程度ということをあらわしますのに、重度の傷病者に支給をしております増加恩給につきましては「不具廃疾」という言葉を使っております。比較的軽症者に支給しております傷病年金であるとかあるいは傷病賜金という一時金でございますが、こういうものの障害程度などをあらわす場合には「傷病」という言葉を使っておるわけでございます。 確かに、「傷病」という言葉それ自体は不適当な言葉ではございませんけれども、今回、重症者をあらわす「不具廃疾」というグループを「重度障害」というふうに改めることといたしましたので、言葉の上の平仄をそろえる意味におきまして、「傷病ノ程度」あるいは「傷病ノ状態」というものを「障害ノ程度」あるいは「障害ノ状態」と改めようとするものでございまして、法律的な意味ないしは内容というものは変わらない、こういう ふうに考えております。
○榊委員 同じことを、いまのは恩給局でしたが、法務の方もよろしゅうございますか。いいですね。 それでは次に移ります。次は、法務省にお尋ねします。 各省庁でさらに用語改定の研究を迫られるものがあると思うのであります。その点についてはどういうお考えなのか。たとえば最近、皇室の身分離脱問題で関心を引いております皇室典範などにも「卑属」という用語がございますね。親族系の中でめいとかおいとか、自分より目下を表現する、こういったものもやはり一つの研究課題になっていくのじゃないかと思うのですが、その種の研究を迫られてくるような問題は現在あるのかないのか、やられているかどうか、あるいは今後どういうふうにするとお考えなのか。そのことをお聞かせ願います。
○石川(周)政府委員 御提案申し上げております不適当用語以外の用語につきましては、関係省庁連絡会議で承知いたしております限り、それぞれの関係者から特に法令上の用語として不適当である、直してほしいというお申し出、御要望があるというものは承っておりません。 先ほど欠陥という言葉につきましての御議論を御紹介申し上げましたが、これは一般的な用語であろうということで今回の改正対象といたしませんでした。それ以外の言葉につきまして、仮に各省庁の方から関係者の御要望としてお申し出があれば御議論することはあろうかと存じますけれども、関係庁省連絡会議の一年半の議論を振り返ってみますと、いまのところ、そういう意味での問題になっている言葉は一応ないのではないかと理解いたしております。
○榊委員 ただし、これで万事終われりというのじゃなくて、私一つだけ例を引きましたけれども、それ以外にもあれこれ気づく、また世上もとかく言われている用語があるわけで、それについて引き続き研究していく必要があるだろうと考えられるわけであります。その研究をする必要がないという立場なのか、あるいは現在はここまでなんだけれども必要があれば研究していくという態度なのか、その点はどうなんでしょう。
○石川(周)政府委員 先ほど市川委員からの御質問に総務長官からお答え申し上げてございますが、当面の作業としては終わったと理解いたしておりますけれども、言葉は生きておりますので、今後そういう不適当な用語についきましての問題が生ずれば、その事態に適切に対処してまいりたいというのが政府の姿勢でございます。
○榊委員 今回の法案をまとめるに当たりまして、政府は、関係者に受け入れられるもの、こういうことを一つの基本的な考え方とされております。ところで、今回の法改正につきまして、障害者団体との間に意見の違いはないのかどうなのか。改正法の運用に当たりまして解釈に疑義が生じたり意見の不一致が生じたような場合には、その関係者とよく相談をする、話し合う、そして理解、納得を得る、こういうことのために最善の努力をする必要があると思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
○石川(周)政府委員 関係者の方々との話し合いは、中央心身障害者対策協議会、その国際障害者年特別委員会の場におきまして政府の考え方を御報告し、その委員会の御意見を承りまして今回の改正案を取りまとめたものでございます。関係者、関係団体の御意向を十分に踏まえたと理解いたしております。また今後、新しい置きかえられた用語につきまして、私ども法律的な意味、内容が変わらないようにということを基本的な考え方として留意して置きかえ用語を定めたつもりでございますけれども、御指摘のような疑義を生ずることはないと考えております。しかし、万一そのような事態が生じた場合には、関係者と御相談しながら解決を図るよう関係省庁にお伝えすることにいたしたいと思います。
○榊委員 先ほどの答弁の際に、政令や省令等に用いられている「不具」「廃疾」等々の用語の改正につきましては関係各省庁で行うというのがありました。地方公共団体の条例等の改正についてはどういう指導が行われるのでありましょうか。
○中島説明員 昨年の通常国会と今回と二度にわたりまして国の方で改正されるわけでございます。私たちはその都度通達を出しまして、地方公共団体に準備に取りかかるように指導しておりますが、今度の国会が終了いたしましたならば、文書主管課長会議でも開きましてさらに趣旨を徹底してまいりたいと考えております。
○榊委員 もう一つ、こういう側面もあるのですね。いわゆる不快用語をめぐりまして、マスコミだとか文壇、芸能界などにいわゆる差別語狩りへの心配もあるわけです。たとえば古典落語などにその種の言葉が使われている。びくびくする。これは良識ある処理、解決を図っていかなくてはいけないと思いますが、そのことについて、昨年及び今回の法改正はそういった点まで制限をしていくものではないと思うのでありますが、その点を政府としてはどう考えておられるのか、お伺いしておきます。
○石川(周)政府委員 今回御提案申し上げておりますのは、法令上の不適当用語の問題でございます。昨年「おし」「盲(めくら)」「つんぼ」の三つの不適当用語の法令上の用語の改正につきましても、法令上の用語として御提案を申し上げ、御了承いただいたものでございます。これを御指摘のような一般的な日常会話において強制しようというところまで考えているものではございません。先ほどお答え申し上げましたように、私ども、人を傷つけ、そういうような思いをさせないようにということは行政のあらゆる面で常に配慮すべき問題であるということの基本的な考え方を持って行政としては対処してまいりますけれども、それを一般日常の国民の方々の生活に強制しようというところまでは考えてはおりません。
○榊委員 今回の法改正は障害者に対する不快な用語の改正にとどまっております。ところで、言葉には現実が反映する、そういう関係だろうと思うのであります。それで、用語でまずくなるあるいは不快になる、これは長年社会的に差別したり侮辱したりするものとしてその用語が使われた、そこに原因があるわけでありまして、言うなれば実態が問題だ。その意味で新しく改正した用語である「障害」とか「精神薄弱者」にいたしましても、その状況いかんでは新たな不快用語になりかねないわけであります。その点で今後、官公庁、企業においても、たとえば障害者の雇用の拡大とか全国的な社会参加など、要するに差別を社会的になくしていく、このための努力が何よりも肝要だ、こう思うのでありますが、この点について最後にお尋ねをしておきます。
○石川(周)政府委員 御指摘のように、言葉それ自身も問題でございますけれども、その背景にございます実態、それが問題でございます。政府といたしましては、先般障害者対策に関する長期計画を決定いたしまして、四月一日から障害者対策推進本部を発足させたところでございます。このような構えで障害者対策の一層の充実を図り、その用語にある実態を改善するよう精いっぱいの努力をしてまいる考えでございます。
○榊委員 最後に、いわゆるこの不快用語問題につきましては、これらをその実態を含めまして社会的にも克服していく、このことに力を注がなければなりませんし、そのためには過小評価することもいけないし、また過大視することもやはりまずかろうと思うのであります。やはり鋭意そういう状況の社会的な克服、このことでの関係省庁の一層の努力を期待し、また、この法案がさらにとどまることなく一層の改善の重要なステップになることをも要望表明して、質問を終わりたいと思います。
○石井委員長 これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○石井委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 障害に関する用語の整理に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○石井委員長 次回は、来る五月六日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会 ————◇—————