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96回国会衆議院1982/04/22

内閣委員会 第14号

発言数
374
登壇者
39
会派数
6
開催日
1982/04/22

会議録

石井一自由民主党

○石井委員長 これより会議を開きます。  上原康助君外八名提出、沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。上原康助君。     ―――――――――――――  沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍   用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

上原康助日本社会党

○上原議員 冒頭お断りいたしますが、趣旨説明の中で若干語句の訂正がございますので、説明の中で訂正をさせていただきたいと思います。  私は 日本社会党及び公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案について、その提案理由及び概要を御説明いたします。  復帰時の沖縄の軍用地面積は、二億八千三百九十三万七千平方メートルで、県土の一二%を占め、全国の基地面積の五三%が沖縄に集中しておりましたが、復帰十年を迎えようとしている今日においてもその実態は変わっておりません。  すなわち、本土の米軍基地面積が二億二千八百四十七万六千平方メートルであるのに対し、沖縄の米軍基地面積は二億五千三百五十四万平方メートルで、米軍基地の五三%は依然として狭い沖縄に集中しているのであります。この間に返還された軍用地面積は、わずかに三千三百六万八千平方メートル(五六年四月一日現在)にすぎず、しかもこの返還軍用地の大半は、有効利用ができないまま放置されている状況であります。その主な要因は、一、軍用地の返還が日米両政府の都合のみによってなされ、地主の意思を全く無視した部分的細切れ返還が多いこと、二、位置、境界、地籍等の明確化が困難を伴うこと、三、返還土地の形状が完全に復元されず、跡利用がきわめて困難であること等によるものであります。  このような事態を招いた最大の原因は、復帰の時点から自民党政府が沖縄基地の温存とその継続使用を最優先に公用地等暫定使用法を制定し、米軍用地、自衛隊用地等について土地所有者の意思いかんにかかわらず強制使用できる措置を講じたことに、そもそもの発端があります。さらに、復帰五年目の七七年における公用地等暫定使用法の期限切れに当たって政府は、混乱した地籍を明確化し返還土地の跡利用を促進していこうとすることよりも、新たな基地確保法を強制的に制定し、常に基地の確保、継続使用に重点を置いてきたことも大きな原因と指摘せざるを得ません。  社会党、公明党・国民会議は、軍用地主の所有権を著しく侵害するこのような法的措置に反対するとともに、政府の責任において軍用地に係る位置境界並びに地籍を早急に明確にするよう国会に地籍明確化法案を提出して、その実現に努力してまいりました。その結果政府は、一九七七年五月、沖縄が復帰した五年目に、例の公用地法の期限切れが近づいた段階で基地確保の必要に迫られ、沖縄県や関係地主の強い要求であった地籍確定や境界不明地等の解決策と抱き合せに措置せざるを得なくなったことは周知のとおりであります。しかし、地籍の明確化と不離一体の形で解決されなければならない返還軍用地の跡利用のための具体的措置は、その後も放置されてきました。  そこで、社会党及び公明党・国民会議は、返還軍用地の跡利用が効率的になされていないことは沖縄振興開発の各般に著しい支障を来しているとの認識に立ち、その有効利用を保障していくために、一、国が駐留軍用地等の整理縮小の基本方針を明らかにすること、二、そのために返還実施計画を定めること、三、駐留軍用地等跡利用策を具体的に定めること、四、その計画実施のために国は必要な財政上の措置等々の具体策を講ずるべきであることを機会あるごとに主張してまいりました。そのような立場から、去る八〇年、第九十一回国会でも本法案と同趣旨の法案を提出したところであります。  先述したように、復帰十年になっても沖縄の基地の実態はかえって強化され、返還された軍用地の跡利用も遅々として進まない状況にあります。そればかりか、政府自民党は来る五月十五日で公用地等暫定使用法が再度期限切れになることに恐れをなし、昨年十一月以降米軍用地収用特措法を適用して、延べ十八施設、百二十九件、七十万平方メートル余の未契約軍用地を三たび強制使用するため、県の土地収用委員会に裁決申請を行ってきました。これを受けた県の土地収用委員会は、委員会運営の公平性、中立性を全く顧みず、政府と保守県政一体となった政治的圧力に屈して、日時場所等も不明にしたまま、去る四月二日、隠密裏に裁決会議を開催し土地の明け渡し裁決を行ったことを明らかにしました。  社会党及び公明党・国民会議並びに沖縄県民は、土地収用委のこの不当な暴挙を絶対に容認することはできません。また、保守県政と県土地収用委員会を巧みに利用して基地確保の至上命題を強行するため、県民同士を対立させた中で未契約軍用地主や那覇市の土地を引き続き強奪しようとする政府の態度に激しい憤りを覚え、厳しく抗議するものであります。したがって、政府は安保条約を盾に土地の強制使用にのみ狂奔するのでなしに、地主や自治体の意向を尊重して土地の返還を行うと同時に、返還された軍用地の跡利用の促進を積極的に図るべきであります。  これが本法案を提案する主な理由でありますが、次に、法案の概要について御説明いたします。  第一に、国の責務及び地方公共団体の任務についてであります。国は、駐留軍用地等の整理縮小に関する基本方針を明らかにするとともに、駐留軍用地等及び駐留軍用地跡地等の総合的かつ計画的な有効利用が促進されるよう必要な措置を講ずる責務について定めることとし、地方公共団体は、この法律に基づく施策を適切かつ円滑に実施する任務について定めております。なお、土地所有者等の協力義務についても定めることとしております。  第二に、基本方針の策定についてであります。国は、駐留軍用地等の整理縮小に関する基本的な方針及びこれに関する目標について閣議の決定を経て定めることとしており、その策定に当たっては、沖縄県及び関係市町村の意見を聞くとともに、これを公表することとしております。  第三に、返還実施計画についてであります。防衛施設庁長官は、駐留軍用地等について日米間で返還の合意がなされたとき、またはこれについて自衛隊が使用しているものについてその用に供する必要がなくなったときは、速やかに土地所有者への返還の時期、返還に当たっての措置等について、土地所有者等の意見を聞いてこの計画を定めなければならないこととしております。  第四に、駐留軍用地等を土地所有者に返還する場合の措置についての定めであります。国は、駐留軍用地等を所有者に返還する場合においては、所有者の申し出があったときは原則として、当該返還される土地が駐留軍用地等跡利用計画に即し、かつ、周囲の状況から見て有効かつ合理的な土地利用が可能な状態となるよう必要な措置を講じなければならないこととしております。  次に、駐留軍用地等が返還される場合において、この返還予定地で土地区画整理事業等が予定されているときは、原状回復の措置等を講じないで返還することができることとしておりますが、この場合には、土地所有者等に対しては従前どおり行政的管理補償措置を行わしめることとしております。  第五に、駐留軍用地等跡利用計画についてであります。この計画は、基本計画及び市町村計画に区分することとし、土地所有者等の意見を聞いて基本計画は沖縄県知事が、市町村計画は関係市町村の長が定めることとしております。なお、この計画の内容としては、道路、公園、学校等の公共施設の整備、水道、下水道等の生活関連施設の整備、農地開発、林道開発等の産業振興に関する事項等について定めることとしております。  第六に、駐留軍用地等跡利用計画に基づく事業の実施であります。この事業は、当該事業に関する法令に従い実施することになりますが、この事業に要する経費につきましては、国の負担または補助の割合についての特例を設けることとし、その割合は、沖縄県で施行される同種の事業についての国の負担または補助の割合の百分の百二十としております。なお、負担または補助の割合のない事業につきましては、予算の範囲内でその事業に要する経費について補助することができることとしております。  次に、この事業に要する地方団体の経費につきましては、地方債をもって充てることができることとし、この地方債は国の公的資金をもって全額引き受けることとしております。なお、この地方債の元利償還金については、地方交付税の基準財政需要額に算入する措置を予定しております。  第七に、その他の措置についてでありますが、この法律の目的が達成できるよう駐留軍用地等跡利用計画と他の計画との調整措置、土地区画整理事業等の特別措置、国有財産の無償または減額譲渡についての措置、跡利用促進事業に要する資金の確保等の措置、所得税、固定資産税等の軽減措置等について定めることとしております。  なお、附則で関係法律の整理等について定めることとしております。  以上が本法律案の提案理由及びその概要であります。  慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。  終わります。(拍手)

石井一自由民主党

○石井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。      ――――◇―――――

石井一自由民主党

○石井委員長 次に、行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として宇宙開発事業団理事合田昌文君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石井一自由民主党

○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――

石井一自由民主党

○石井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原委員 この許認可法案の内容については、すでに各先生方の方から相当お尋ねがありまして、もうかなり審議も尽くされたような感も受けますが、私は若干与えられた範囲でもう少しお尋ねをさしていただきたいと思います。  そこで、最初にお尋ねしたいことは、行財政改革ということについて臨調を設置していろいろ本格的な議論がなされて、その本格答申も大詰めに来ているようであります。当初、第二臨調を設置して行政改革を断行していくということは国民的な課題であるとか、あるいは簡素にして効率的な政府の運営とか、いろいろなことが指摘をされてまいりました。私どもも、その基本といいますか行政改革をやらなければいかないということに対しては賛成をする立場をとってまいったわけです。しかし、だんだんその内容が具体化されてくるにつれて、当初われわれが疑問を持っておったことがいろいろな面で露呈といいますか露出してきたような感がいたします。  そういう意味で最初にお尋ねしたいことは、行政改革に対する理念について、一体行政管理庁――行政改革を進めていく最高の責任者は総理でしょうが、しかし、臨調答申なり行政管理を現に担当しておる大臣は中曽根長官であります。そういう意味で、改めて行政改革に対する理念というものはどういうふうに考えておられるのか。どうも最初の第一次答申から今日に至る経過を見てみますと、非常なぶれがあるような気がしてならないわけですね。そのことは、国民にも少なからぬ疑念と不安というか疑問を与えているのじゃないのか。そういう面で、基本的なお考えというか行政改革に対する理念をいま一度明らかにしていただきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 行政改革に関する理念につきましては、前から一貫して申し上げているとおりでございますが、一言で申し上げれば、簡素にして効率的な政府をつくり上げ、かつ、二十一世紀に対応し得る政府の機能、形態等をここで策定しておこうというところにございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 いつものことですが、そのようなお答えがはね返ってくるわけですね。この五十六年七月十日に出された第一次答申の中でも、いろいろ理念が述べられております。     〔委員長退席、山崎(拓)委員長代理着席〕 「行政改革の理念」、四ページですが、その後段で、臨時行政調査会、いわゆる臨調として「行政改革の理念については、国民的な論議の進展を見守りつつ、今後とも引き続き検討、修正を怠らないが、とりあえず現時点においては、今後我が国がめざすべき方向として、国内的には「活力ある福祉社会の実現」、対外的には「国際社会に対する貢献の増大」の二つを基本理念として提示しておきたい。」こういうふうに言っておるわけですね。  いわゆる「活力ある福祉社会の実現」、この中身も問題のとらえ方によってはいろいろあろうと思うのですが、一つの目標として、社会目標というか、国家目標という言葉はどうかと思うのですが、そういう福祉社会の実現は国民的な願望でもあると思うのですね。もう一点の「国際社会に対する貢献の増大」、これも、経済大国というか経済的に非常に力がついたという中で、いわゆる現在の国際社会において、国際社会に対する日本の貢献度というものは否定できない現実的、政治的、経済的課題であることはこれまた言うまでもありません。しかし、この二つの基本理念が本答申をまとめる段階においてだんだん変質というか変化してきているのではないかという懸念を持たざるを得ないわけですね。  いま長官おっしゃいましたように、確かに行政改革という面からすると、安定成長に移行した今日、簡素、効率化で行政需要等をどう充足していくか。財政収入を含めていろいろの検討課題がある、そういう中で簡素にして効率化の政府というか行政運営をやっていくというのは、これまた当然なことだと思うのですね。しかし、ここで私があえてこのことをお尋ねしている理由は、いま四部会で検討されているところの内容等がいろいろ報道されているわけですが、特にこの「行政改革の理念」という中で福祉社会というものをどうとらえるのか、これが一つの問題だと思うのですね。  たとえば、よく日本は近代化社会になったというようなことで、西欧に追いつけ追い越せで、追いついて追い越しつつあるんだというとらえ方もありますね。しかしわれわれの側から見ますと、社会保障にしても確かに国際的標準、水準には達しているかもしれませんが、まだまだ国民的格差というものが大きい。あるいは教官制度や社会保障制度、特に住宅、そういう面からすると、まだまだ国際水準に達しているというのはきわめて疑問を持たざるを得ないわけですね。こういう面を達成することが私たちは福祉社会の実現ということだと思うのですが、これを検討しているところは第一部会ですか、その理念の中には、そういった住宅とか教育とか福祉というような問題は個人負担の分野といいますか、いうところの自助努力ということを非常に強調するが余りに、福祉国家ということの本来の国家目標というものに逆行する方向に行きはしないのか、こういう懸念を持つわけですね。  したがって、その福祉国家ということと成熟した社会とはどう違うのか。こういう面もこの理念の中では大きな問題だと思うのですが、活力ある成熟社会の実現というふうにこれが変わってきている、先ほど私が引用したものとは。第一次答申では活力ある福祉国家の実現。活力ある成熟社会の実現を目指そうとするのとどう違うのか。そこらも、ぜひ明らかにしていただきたいと思う。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  ただいま臨調の第一部会で行政改革の理念について基本的に審議を行っておるわけでございますが、現段階におきましてはいまだ内部で検討中でございまして、部会として正式にまだ考え方を固めたわけではございません。そういった段階でございますので、現段階において確定的に概念がどのように変わったかということをいまだ申し上げる段階にはございません。

上原康助日本社会党

○上原委員 そういうお答えじゃ納得しかねるんです。もちろんまだ各部会の素案ができつつあって、それが成案を見ていない、それをまた臨調全体の総会というか会議に諮って基本答申というのはできるはずですから、その段階でないと全貌が明らかにならないということならそれはわかりますよ。しかし、いま連日報道されているわけでしょう、各部会で大体というかもうほぼ固まって、煮詰まってこうなっているということが。マスコミなりいろいろな面で報道されていることは、当たらずとも遠からずというよりは、その内容というものはほぼ間違いないですよ。それが一つの世論操作というかムードづくりをやっていって一気にやっていこう。これは第一次答申とも関連をしているから私は聞いているんです。ですから、活力ある成熟社会の実現とか国際社会への貢献、安心と安全の確保、この三つを三目標にして国民的、国家的目標であるとこれを明確に位置づけようとしているというわけでしょう。これは本当に中曽根さんらしい発想ですね。そして具体的には、国家的安全確保のため、西欧陣営と最大限の協調を図る、あるいは独自の基盤的防衛力の整備を持て、あるいはわが国の市場や組織の開放化など、いわゆる国の安全を前面に打ち出した高度の政治的な諸課題についてまで理念として臨調が大胆に取り入れようとしている。これは私はいささか問題だと思うのですよ。臨調というのはオールマイティーじゃないはずなんですよ。国家目標をどうするかということは高度の政治課題である。国会あるいは行政、国民が選択すべきものであって、臨調という非常に強力な政治権力というか政治力を持つところに、そういった国家目標についてまでわれわれは白紙委任をした覚えは、正直に申し上げてないですね、中曽根長官。そうであると、当初の臨調設置の目的が大きく食い違ってくる、われわれが善意に期待したものとは。その点、長官はどうお考えですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 まず、第一専門部会の理念に関する論議はまだ決まったものでもなく、新聞に報ぜられたものが正確なものであるともまだ申し上げられないものであります。したがいまして、われわれがこれを正式の論議の対象にするには時期尚早であると考えております。しかし私がいままで受けた報告に関する限りでは、そういうおっしゃったような御論議が行われていることは事実でありまして、まだそれが最終的に確定したということではないということであると思っております。  しかしながら、臨時行政調査会は、その設置法によりまして国の行政制度及びその運営の基本事項を審議するというところで、それらに関する仕事に専念しているわけでございますが、やはりその改革を行うについては、国の行政制度ということになりますとこれは司法並びに立法以外のことはすべて行政でございますから、防衛も入れば外交も入れば教育も入れば福祉も入ります。それ全般の包括概念で行政という言葉が使われているとわれわれは解釈いたしておりまして、それらに関する機構改革やら運営改革をやろうという場合にに、やはりどういう理念でその改革が行われるか、一つの総合的体系のもとに改革が行われることを示す必要があると思います。さもないと、当委員会について一部から指摘されておりますように食い散らしとか思いつきとか、そういう非難が寄せられるわけであります。そういう点もありまして理念というようなことも論議されておりまして、行政という広義の概念から見まして私はそれは妥当であると思っております。  それが当初から変異したではないかという御質問でございますが、私は変異したとは思っておりません。成熟社会という言葉が仮に使われておりますとするならば、成熟社会という言葉は福祉社会よりさらに広義の概念で、福祉が充実した場合に成熟という形にいくと思います。また福祉の欠陥が是正されて、より充実したりっぱなものになった場合に成熟とも言われると思うのであります。したがいまして、必ずしもおっしゃいましたように変異したというふうには考えておりません。

上原康助日本社会党

○上原委員 確かに、その答申がなされてそこにどういう内容が盛られているかということを確かめないでいろいろ議論するというのは、早計かもしれませんし、時期尚早というのもわからぬわけではありません。同時に、包括的、体系的な行政診断をやるということもそれは臨調の当初の設置目的でしょう。その点も理解をいたします。しかし私が指摘をしたいのは、こういうことは絶えずそのときどきで議論をしておかないと、コンクリートのものになってからではきわめてむずかしいのですよ。あるときは臨調という隠れみの、隠れみのと言ったらまたおしかりを受けるかもしれませんが、たとえば車検制度の問題にしたっておかしいですよ。けさの新聞なんかも社説で悪法だと言っている。ああいうことは骨抜きにしておって、何かしら一つの国家目的というか国家機構というものがこうあって、それに行政も包括的にはめ込む。国民の物の判断基準、思想もそういうふうにしていく。これは自由主義社会と違いますよ、皆さん。言うところの価値観の一元化を目指しているのじゃないか。選択はそれぞれの個々人にあるのですよね。どうもいまのいろいろな、断片的というか、かなり具体的に報道されているものを見ますと、日本という一つの国家機構、国家目的、国家目標を達成するためにそういう鋳型がはめられておって、全部それに定型化していこうということが今度の行政改革の大きなねらい、理念になりつつあるのじゃないか。概念じゃなくして思想性の統一化、価値観の一元化を目指そうとするということであるなら何をか言わんやだ。よもやそういうことはあるまいと思うのですが、改めて臨調の事務局と長官の御見解を聞いておきたいと思うわけです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 臨調は、許認可からの解放という意味におきましてはむしろ統制からの解除、自由化という方向に主として向かっていると思いまして、いわんや思想統制をするというような考えは毛頭ございません。しかし、やはりある改革を行う場合には改革の起点というものはございます。その改革の起点に関しては価値判断も当然入ってくると思います。そうして、それについて国民的合意を得るようにいま努力しているというのが経過措置としての過程の姿であると思っております。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 ただいまの点につきましては、大臣から御答弁がございましたような趣旨で臨調は検討を行っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 まだ私が抱いている懸念、疑念が解けたわけではありませんが、一応進めたいと思います。  そこでこれとの関連で、変異したものでないという御答弁があったのですが、第一次答申の場合は、さっき言いましたような二つの基本理念のもとに行政改革をしていこうとする目標は、第一は「変化への対応」でしたね。第二はさっきおっしゃった「簡素化、効率化」、そして第三は「信頼性の確保」。これに今回基本答申では「総合性の確保」というのが追加されようとしていて、四つの原則といいますか、四つの目標を挙げておられる。この総合性の確保というものが非常に漠然としておって、さっき言いましたような外交、防衛、いろんなものが包含されようとしているのじゃないかという気がするわけですね。  ですから念を押すようで恐縮ですが、少なくともこの一定の点まで踏み込まざるを得ない面はわかりますよ、長官がおっしゃるように、一つの改革をするということは血も出ればたまには批判も受ける、だから大変苦悩もするし、苦労もなさると思うのです。大きな揺れもある。それはそれなりにわかるわけですが、そのことが一つの国家目標を達成するあるいは国家権力の強化という面での行革であってはならぬということですね、原点は。あくまでも国民の価値観に対応して、行政サービスを国民的立場でどう満たしていくかということが基本でなければいかないと思うのです。その点はぜひ行管庁は踏まえておっていただきたいという注文をつけておきたいと思うのです。  そこで、この法案の件でも、せんだって逓信委員会との連合審査でもいろいろ指摘されましたが、相当広範な許認可事項の簡素化というか廃止等にまたがっているわけです。ですから、本来ですと、これは各専門委員というか常任委員会でそれぞれ審査をしていかなければいかない課題だと思うのです、特にデータ通信問題等については。しかし、そのことはいろいろ議論がありましたから省きますが、昨年出された第一次答申の中でまだ手つかずのものはどのくらいあるのか、現在検討されているのはどういうものなのか、少しお示しをいただきたいと思います。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 お答え申し上げます。  許認可の関係でたしか七事項の御指摘があったと思いますが、その中でまだ実施に移しておりませんものは、地代家賃統制令の関係一つだけだと思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 では、許認可以外はどうですか。

佐倉尚行政管理庁行政管理局長

○佐倉政府委員 ただいまの御指摘でございますが、非常に広範多岐にわたっておりますが、おおむね順調に措置しつつあるというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 おおむね順調に、そう言われるとおおむね順調にいっているんだろうと。そうではなくして、私が言いたいのは、これで指摘をされてまだ手つかずのものもあるんじゃないですかと言っている。「今後の検討方針」、四十八ページ以降はいま幾つかの分会に分かれてやっていることでしょう。そこで、さっきの基本理念の問題とも関連をするのですが、たとえば二十九ページなんか「防衛関係費については、装備品使用、調達方法等の効率化、合理化に努め、極力抑制を図る。なお、民生安定施設の助成及び周辺整備調整交付金については、その事業内容を見直し、当該経費を抑制する。」五十七年度予算では「なお」以下は実施された。「なお」以下は少しは手をつけた、長官御承知のように。しかしどうだったのです。極力抑制を図るどころか、皆さんは突出せしめたでしょう。だから一つの例を挙げても、重要な面で実施されなかった面はちゃんとあるじゃないですか。だから、臨調の第一次答申で指摘をされたものも、その都度都度で皆さんの自由裁量によって一つ一つ落とされていく。われわれから見ると、こういうものこそ答申どおり本当に真剣にやっていただきたい。こういう問題は全く手つかずですよ。しかも手つかずどころか、今度の基本理念の中ではもっと強化しようというふうな印象を与えつつある。ここにも簡素で効率化と言いながら、簡素で効率化どころか、もっと金のかかるような行革にしよう、行革というか答申を求めようとしている。一つの矛盾点ですよ。  さっきの車検問題、特に新車を買ったら二年を三年にして、後、意図的ではなくして何かの都合で点検を期限内に受けられないとすると、最高十万円の罰金でしょう。過料でしょう。こんなばかな話があるか、しかも臨調までが抗議をしておって。私なんかたまに車を持ったりするから、忘れていれば十万円罰金かと思うと本当にばからしくなってしまうよ。沖縄なんか電車もないから、車社会ですから、これは本当に庶民いじめですよ、中曽根長官。私はこういうことに対して、本当に国民の立場に立った行革なり国民の側に負担をかけないというのが基本であるならば、いろいろむずかしい面はあるにしても、もう少し臨調の考え方なりあるいは言い分というものも聞いて、国民的立場に立った許認可事項の改正というものをやってもらわぬと、一方では臨調臨調と言うが、また都合が悪くなったらこれは政党政治だから政府の判断でできます、こう言われたんでは弱い者はいじめられっ放しになってしまうよ。その点はいろいろ運輸省、運輸委員会との関係もあったでしょうが、私は許認可事項問題、あるいは行革を進める担当大臣としては、えらく力のある中曽根大臣としては大きなエラーだと思うのですが、どうなんですか、長官の御見解は。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 法案提出を急ぎましたので、ああいう状態で法案は提出されましたが、その前に官庁間におきましていろいろ話し合いをやらせまして、慎重な措置をとるような措置を講じておいたところであります。  運輸委員会におきます運輸大臣あるいは自動車局長の答弁を速記録で拝見いたしましても、あの条文は過料を取る手続をとることができるということで、とれという義務的にはなっていないのです。とることができると書いてあったと思います。それに基づきまして慎重な措置をとるという言葉が出てまいりまして、具体的には私の記憶では、ダンプカーとかあるいは暴走族とかあるいは欠陥車を運転してそれを直さなかったとか、そういう場合にそれは適用される、一般の皆様方に対しては慎重な措置をとる、そういうふうに速記録でも読んだことがございます。そういう慎重な措置が具体的にはとられるものであると期待しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 暴走族を取り締まるとか欠陥車を取り締まるというのは、現行法律でもできるのだよ。それは警察の仕事だよ。あるいは白タクをどうするというのは現行でもできるわけでしょう。  くどくは申し上げませんが、そうしますと、長官の苦しい心中わからぬわけじゃありませんが、いま運用面で一般の国民には負担にならないような行政措置をとるということであるなら、これは行管長官として――法律は成立すればひとり歩きしますよ、参議院でどうなるかわかりませんが。私は参議院の良識をもっと発揮されると期待しているんだけれども、いま長官がおっしゃるようなことであるとするなら、少なくともそのことについては閣議で一遍、法案の結論が出た段階で何らか国民に対して申しわけが立つようなことをやっていただかないと、さっき言いましたように三つの行革の目標まである、政府に対する信頼性は失いはしていっても回復というのはあり得ないですよ、こういうことを一つ一つ積み重ねていったのでは。そこは善処なさいますね。いまの御答弁からするとそれぐらいはやらなければいかぬと思うのですが、いかがでしょう。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 検討いたしたいと思います。

上原康助日本社会党

○上原委員 ぜひひとつ期待を裏切らないように特段の御努力を求めておきたいと思います。  それで、行財政改革、中曽根長官は行財じゃなくて行政改革だとおっしゃっているわけですが、理念も後退はしていないというか変わってはいない、また行政改革に対する姿勢も変わってはいないということです。しかし、昨年の臨時国会で例の一括法案を行革の特別委員会を設置してやったわけですが、鈴木内閣誕生以降、行政改革は政治生命をかけてやるんだということを強調してまいりましたね。中曽根長官も、ついつられたのかどうかわかりませんが、私も同感でありますと言って、政治生命をかけて行革をやると。いまごろあんなに強く言わなければよかったとあるいは思っていらっしゃるかもしれませんがね。しかしだんだん後退していることは事実ですね。  その事実関係は後で触れますが、五十六年度の歳入欠陥もほぼ二兆円前後になるのは間違いない。恐らく来月か六月前後にはその結果は出るでしょう。そうすると、増税なき財政改革ということを五十七年度は何とかやった。しかし五十六年度は大幅増税もしながらのことです。一体増税なき行財政改革というものは、五十八年度以降――しかも五十九年度で赤字国債からの脱却をやるという鈴木内閣としての、これまた政治のお約束があるわけですね。行政改革を担当している中曽根長官、大臣としては、現時点で、当初の行政改革を進めようとした時点からは経済的にも政治的にも国際環境の面からも相当シビアな面がより出てきていますよね。こういう点で果たして国民の期待にこたえて増税なき財政改革と、あなたがさっきおっしゃった簡素で効率的な政府運営というものの整合性のとれた結果を生み出すにはどうしたらいいとお考えなのか、可能性はどうなのか、改めて聞いておきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 事態は非常に厳しい状態にあると思います。しかし、行政改革はあくまで断行しなければならぬのでありまして、党、内閣一体になってへさきを波の方に向けてばく進していく、こういうことが適切であると考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そんなにばく進して自爆しないようにひとつ……。  しかし、そうはおっしゃっても僕はそれは容易じゃないと思いますよ、長官。そういういろいろなことがあるから、長官の姿勢も変わっていないとはおっしゃるけれども、二月の末から三月の初めごろずいぶん揺れましたよね。  まず鈴木総理ですが、発言を見てみると、後退していないと言うが、行革に政治生命をかけた、次は何と言っているかというと、情熱を傾けていくというふうにトーンダウンしている。宮津官房長官も、臨調答申は最大限に尊重されるべきである、その後は、原則的には大筋で尊重される、と後退している。自民党の行財政調査会の副会長の後藤田さんは、基本答申の一括処理についての方針は出た、政権は倒れた、では困ると。だからだんだん生臭い話に変わりつつある。自民党のある幹部は、臨調の「べき論」はいいけれども答申をどう実行するかは政府や国会だと。むずかしい問題からはだんだん避けて通ろうとしている。  ですから、マスコミの論調を見ましても行革後退のあれは強いですよ。八一年の十二月二十日段階のある社説は「行革早くも影薄れる 首相指導力に疑問」、今年の一月九日になると「行革で問われる首相の政治責任 国民の不信をどう考えるか」、一月二十九日は「行革に揺れる首相答弁 後退批判で修正」、三十日「首相の行革姿勢に臨調警戒 政治生命どこまで後退」、こういうふうな見出しに変わってきますね。二月「行革展望を示せぬ政府心もとない 不退転どこへ」、一月三十一日のある新聞の社説「政治生命をかけたはずだがいまや大型間接税導入の声」、二月一日は「臨調も先行きいやな感じ 首相の情熱、指導力に不信」。こういうのは国民は見ますよ、長官。だから、後退していないと言っても、意欲も影もだんだん薄くなってきていることは間違いない、鈴木内閣で。  そしてあなた御自身も総理に対して、私はぜひこの真意を聞かせていただきたいのだが、三月一日ごろでしたか、臨調答申の分割問題にお触れになっておられるのですね、六、七月に基本答申が予定されておるが、場合によっては二つに分けて十一月にも答申をすることが考えられると。首相も、検討に値することだということで、御承知のように、この前後の新聞というのは各紙とも全部、こういうふうに土光さんと中曽根さんと鈴木首相の写真。  なぜ私が後退発言が多いのじゃないかということを冒頭に申し上げたかというと、あなたも首相もあれだけ行革に意欲を持って、基本答申は六月、七月ごろだ、来年三月に最終答申になるんだということを昨年の臨時国会の行革委員会でも盛んに強調しておった。だから、事もあろうにそれを変動させるような――いまはもうやみの中であろうがばく進をなさるというような発言をしておられる。そう言ったかと思うと、またぶれがあるわけでしょう。これでは国民もわれわれも非常に不安を抱かざるを得ないのですね。なぜこういうお考えを一時期にせよお持ちになり、そういう進言をなさったのか。すでにこの点はお尋ねがあったかもしれませんが、もう一度長官の、そういう考えになっておった当初のお気持ちというか考えを明らかにしていただきたいし、現在はそれはどうなのかということ。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 ぶれはございません。また、行革に対する私の考えは一貫しておりまして、微動だにもしていないところであります。  例の分割云々と言われましたのは、前から私が言っていることでありますが、七月答申は最も重大なもので、ぜひ骨太の、焦点をはっきりした、そして国民が最も期待しているむずかしい問題を投げつけてきてください、気力体力の充実しているうちにこれを思い切ってやらなければなりませんと。そういう意味で焦点をしぼって、骨太の、国民によくわかる、むずかしい、期待している、そういう問題を出していただきたい、そう申し上げたのは、第一次臨調の答申は非常に分厚いりっぱなものではありましたけれども焦点がなかなかはっきりしない、遠近法も定まらない、そういうものを出されましたから、どうもぼやけてしまう結果になった。国民の側から言えば政府は逃げたと見られるわけです。逃げられないようなものにしてもらいたい、国民の目の前にはっきりしているということはそういう意味でもあります。そういう感覚で第一次臨調のことを思い浮かべながら、そういう発想を持って申し上げていたわけであります。  そこで、もし七月答申に盛れない、そういうものが出てきた場合にどうするかと言えば、三月答申では遅過ぎる、随時答申ということもいままで言っているのですから、いつでも適当なときにそれはお出しください、また、三月答申と一応予定しているものでも、三月では一番おしまいのどんじりであるから、食い逃げされるおそれもないとは言えないとも国民から思われる、そうであるなら繰り上げて御答申なさってくださっても結構です、それはすべて臨調の皆さんがお決めくださることです、そういう、臨調の皆さんの便宜を考えてこちらは好意的に申し上げた言葉が誤解されたのでありまして、その真意は、骨太の、そして最もむずかしい、国民が期待している問題を出していただきたいという真意で申し上げたのであります。

上原康助日本社会党

○上原委員 真意は善意に受けとめましょう、そういうことであったということは。しかし、十一月というのは、国民の側からすると、臨調よりもっと関心のある問題が多いですね。そこにタイミングを合わせて答申をしようということは、単に勘ぐりとか推測とかというわけにはいかないですね。これだけ読みの深い中曽根長官が十一月というものをあえて口になさったというのは、いまの善意という御答弁だけで、果たしてそれほど善良なのか、善意に解釈できるのか、これは私は疑問ですね。  では、今後はどうなんですか。第一次答申は確かに分厚いですね。分厚いのになると、専門的な方は全部お読みになるかもしれませんが、あとは自分の関係するところを斜め読みするということにもなりかねないわけです。しかし、当初の基本答申というものは七月。まず、基本答申はいつでき上がるのですか、六月ですか、七月ですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 七月中に出してもらうように期待しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 では十一月説というのは、善意が誤解されたから長官ももうあきらめたわけですね。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、臨調が自由にお決めくださることであります。

上原康助日本社会党

○上原委員 臨調の作業状態はどうなんですか。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  先般の調査会におきまして、来る七月の基本答申に盛り込みます主要課題につきまして決定をいたしたわけでございますが、そこで決定いたしました主要課題につきましては、七月中に答申を行うというふうにスケジュールを決めております。

上原康助日本社会党

○上原委員 あえてもう一度お尋ねしておきますが、当初といいますか、われわれはこの中曽根長官の御発言があるまでは、去年の七月に第一次がなされて、ことしの六月か七月に基本答申、そして来年三月に残余の最終答申だというふうに大体理解をしたわけですが、先ほどの長官の御答弁からして、すべて臨調が自主的に御判断をすることだとおっしゃいますけれども、それ以外に答申をすることもあり得るのですか。それはないと見ていいのか。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 先ほどの中曽根大臣の御発言の真意につきましては、調査会では十分理解をいたしたわけでございます。  ところで、先般の基本答申に盛り込むべき事項を決めました調査会におきましても、七月答申以降の部分につきましていかがするかという議論は一応あったわけでございます。中には、必ずしも来年三月まで待つ必要はない、物によってはそれまでもまとまったものから答申したらいいのではないかという御議論も確かにございました。しかしながら結論的には、現段階で基本答申に盛り込まれなかった事項の答申時期を云々することよりも、とりあえず基本答申を七月中にまとめるということで、そこに全力を注ぐ必要がある、そういった後の議論は後の段階で議論をすればいい、そういう結論になったわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 場合によってはあり得るかもしれないということかもしれませんが、そういうことで一応理解をしておきたいと思います。しかし、長官も微動だにしないとおっしゃるが、余りぶれのないことが望ましいのではないですか。  そこで、基本答申の件とも関連をいたしますが、一つは、冒頭申し上げたように、理念というものがどううたわれてくるのか、そこにどのような目標が盛られてくるのかというのが非常に関心が持たれることなのですね。いま一つは、何といってもみんな、第二、第三部会でやられていることも重要なことで甲乙論はつけがたいと思うのですが、第四部会で検討されておりますところの三公社五現業あるいは特殊法人等の問題ですけれども、余り勉強したわけではありませんで簡単にお尋ねしておきたいのです。  一つは、電電公社の経営形態をどうするかということ。素人ですが、後で少し国鉄の問題についてもお尋ねさせていただきたいわけですが、これは国鉄問題とは若干性格が違うと思うのですね。この電電公社の経営形態問題についてはすでに郵政省なり電電公社でもいろいろ検討して、それに対しての意見書も臨調、行管にも出してあるようですが、最近の第四部会でのほぼ方向づけとして、特殊会社方式をとる、あるいは民営会社方式、民営方式ですね。いま一つは、現在の公社制度を幾分手直しといいますか改革をして現在の公社制度でいく。大体この三つの方法が考えられていると報道されております。  これについては、一つは、公社と郵政省でどういう話し合いが持たれたのか、もう一つは、臨調に電電公社の方からいろいろ意見を提示しておられるようですが、そのことは臨調の答申なりいま進めている作業の中ではどのように検討がなされているのか、ここいらについて明らかにできればやっていただきたいと思います。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  電電公社の経営形態問題につきましてはただいま第四部会で検討いたしておるわけでございますが、電電公社の経営の現状及び問題点等につきまして、郵政省また電電公社当局からヒヤリング等を行いまして調査審議をやってまいったわけでございます。さらに当事者でございます電電公社におきまして、これらの問題点を改善いたしまして公社経営の効率化を図るためにはどのような経営形態がいいかということで独自に検討されましたので、その研究成果につきまして御報告は受けました。なお、これについての郵政省の考え方につきましてもヒヤリングを実施いたしてきたわけでございます。  現在、経営形態に関する問題につきまして、その現状と問題点を踏まえまして一体どのような経営形態が適切か、あるいは経営形態を変更いたしましても、サービス水準の公共性あるいは通信の秘密保護等そういった公共性の確保に支障を生ずることはないかどうか、あるいは独占の弊害の除去はどのようにしたら可能であるか、そのための経営形態はどうあるべきか、こういった点を中心に議論をいたしておりまして、電電公社等の研究成果も今後の論議を煮詰めていく過程で十分参考にさせていただきたいということで、ただいま審議中でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 審議中で、大体方向性は三つ考えられている。  そこで、郵政と電電公社にお尋ねしてみたいのですが、端的に言って、いまお答えありましたように電電公社の公共性というものは、経営形態がどういう形になろうが、社会的なニーズからして公共性の伴う企業であることは間違いないと思うのですね。もう一つは、通信の秘密あるいはプライバシー保護、情報化社会にこれからどう対応していくかという場合の経営形態は、果たして営利を追求するような純然たる民間経営でいいのかどうかという疑問も一部にあるのも事実です。そういう面。さらにはサービス面をやるということと、いま一つは、これまでは曲がりなりにも公共的性格、公社制度であるがゆえに料金問題も一定の標準を維持してきたと思うのですね。これがどう変わっていくのかというのがまた国民の関心事だと私は思うのです。料金体系がどうなっていくのか。経営形態のいかんによってはそれは変わる。そういう面から総合して、公社自体なりあるいは郵政省としてはどういうお考えを持っておるのか。この分厚いいろいろな意見書をちょっと斜め読みしてみましたが、現段階でお答えできる面をひとつ聞かしていただきたいと思うのです。

二木實郵政省電気通信政策局次長

○二木説明員 お答えいたします。  電電公社の経営形態につきましては、郵政省としても、利用者等に及ぼす影響が非常に大きいという観点から、単に経営の当事者という観点だけでなくて、国民的な、そしてまた利用者、国家的な多面的な検討が必要であるというふうに考えておるわけでございます。  臨調に対しましては、公衆電気通信事業が国民生活になくてはならぬものになっている、そしてまた、国の総合安全保障、あるいは先生御指摘のございましたような通信の秘密の確保、あるいは離島、僻地の非採算地域へのサービスの拡充というようなものも持った非常に高い公共性を持ったサービスであるというふうに考えておりまして、さらに技術的にも、全国単一で、電気通信というものがストップした場合にその代替手段もないという強い独占性を有している事業であると考えているわけでございます。この事業体がもし株式会社になった場合に負担増があるのではないかということも私どもも検討いたしまして、それが料金の値上げにつながるのではないかという不安も表明しているところでございます。いずれにいたしましても、郵政省といたしましては利用者、差上への影響を十分に考慮して、臨調で十分に検討していただきますよう御説明申し上げておりますし、お願いもしているところでございます。

小川晃日本電信電話公社総務理事

○小川説明員 お答えいたします。  電電公社にとりまして経営形態問題はきわめて重要な問題でございますが、いずれにしましても、私どもとしては政府関係機関という立場から、臨調の答申を待ちまして、かつ政府の御方針また国会の御判断によって決めていただくべき問題だというふうに思っております。  しかしながら、先般二月の二十六日に臨調の第四部会におきまして、現在の状況につきましてヒヤリングがございました。これは昨年の一次答申で、先生も御承知のように電電の経営形態につきまして民営を含めて抜本的な見直しを行うということに対応しまして、私ども勉強いたしまして、その結果を御報告したわけでございます。  いずれにしましても、先ほど来先生御指摘のように、電電公社といたしましてはきわめて公共的な事業でもございますし、また独占事業でもございます。それと同時に、また経営の効率化、能率化ということも当然求められるわけでございます。そういう角度からは、経営形態がどういうふうに変わりましてもこの三つの点については欠かすことができない問題である。     〔山崎(拓)委員長代理退席、愛野委員長代理着席〕 特に電電の現状から考えまして、私どもこれまでは高度成長に支えられまして非常に収入の伸びもあったわけでございますけれども、収入の伸びと支出の伸びとを比べますと、現在はどうしても支出の伸びの方が二ないし三%ずつ多くなっていくという状況でございます。これを、どうしてもやはり効率化を図ってその両方の伸びをできるだけ並行に持っていく努力をしなければならない。また、今後の電気通信のあり方というものを考えましても、量的な拡大は一応終わりまして、いよいよ質的な面で、新しい情報化社会に対応する高度情報通信網、私どもINSと呼んでおりますが、こういう体制に向けて経営的にも大きく転換をし、展開していかなければならない。そういう状況にありまして、私どももきわめて効率的な経営を迫られているということを考えます。  かつまた、料金につきましても、先生御指摘の、私どもとしては遠近格差を是正していくということが最大の課題でございます。そういったことにおきましても、何をおきましてもやはり財政基盤をしっかりしてそういう要望に沿っていくということが必要であろうという角度から、現在の公社制度による場合、それから民営の場合あるいは特殊会社、このようにそれぞれの場合の利害得失と申しますか問題点と申しますか、そういった点につきまして勉強いたしたところを御報告した次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 最終答申が出て、専門家の皆さんあるいは関係省庁で十分御検討が加えられると思うのですが、確かに電気通信事業というのは、これまでは量的面の需要というか必要というのが非常に大きかっただけに、拡大生産というか拡大をしてきたと思うのですね。いま総務理事の御答弁ありましたように、今後は量的な面から質的な面に変わっていく時代となってきている。そうしますと、私は専門じゃありませんが、従来のように人員的にもあるいは収入面においても、膨張傾向というのは表現悪いかもしれません、拡大傾向というのは、いわゆる上限の状況にくることは間違いないと思うのですね。そうしますと、かなりの経営合理化、効率化の形態というものを目指さなければいけない段階に来ていることはおっしゃるとおりだと思います。そういう面からして、今後の経営形態をどう位置づけていくかというのはきわめて関心の持たれることですが、いずれの場合も、やはりそこで働いておられる職員の皆さんあるいはそういった電気通信事業に従事をしてきた関係者の意向というものを無視してはならないと私は思うのですね。その点は臨調も郵政も、電電公社は当然でしょうが、十分御理解の上でやるべきだということを強調しておきたいと思います。  そこで長官、いま公共性の面あるいは電気通信業務の秘密確保、保持の面、サービス面あるいはその料金体系をどうしていくかということ、もう一つは、独占性が非常に強いのでむしろそれをもっと分散分離していく面から経営形態を見直してみたらという意向もあることは、これは事実ですね。そういったいろいろな要素が複雑に絡んでいるわけです。これまでの関係者の御答弁等もあったのですが、長官御自身は、電電公社の経営問題、形態、あるいは臨調の現在作業を進められているものとの関連で、どのように方向づけた方がいいとお考えなのか、もし御所見があればお聞かせをいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 この問題はいま臨調でもいろいろ御論議になっておるところであり、かつまた、社会的にもいろいろ理念やらアイデアが出ておるときでありまして、私がとやかく言うことは差し控えたいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 なかなかその点は慎重ですね。先ほど申し上げましたように、関係者の意向等もよく聞いてひとつお進めいただきたい。  臨調事務局にもう一度念を押しておきたいのですが、郵政なり電電の方から出された意見等というものは、相当部門について臨調の作業を進めていく上でも取り入れられるというか尊重されているのかどうか、そこいらをいま少しお聞かせをいただきたいと思います。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、電電公社におきまして経営形態のあり方につきまして、いろいろなオルタナティブスにつきましてメリット・デメリットを十分研究された成果を臨調に御報告されたわけでございます。したがいまして、臨時行政調査会におきましては、今後電電公社の経営形態のあり方を考える上でこれは非常に貴重な研究成果でございますので、十分参考にさせていただきたい、こういうことで審議を進めております。

上原康助日本社会党

○上原委員 公社問題はこの程度にしておきたいと思います。  次に、これとの関連で国鉄問題もちょっとだけ聞いておきたいのですが、これも国民がいま非常な関心を持っていると思うのですね。もちろん私は全くの素人ですので……。  要するに国鉄の再建をどうするかということは、言うはやすく実行は非常にむずかしいと思うのです。しかし、いま第四部会で検討されていることは、ほぼ方向づけとして大体四つの地域に区分して分割運営をしていこうということのようですね、本州、北海道、四国、九州と。これはどうなのか。将来は九電力並みに九つにさらにまた分割していく。人員もそれぞれ大体五万人体制。しかし、四国、九州、北海道、本州といってもそうはいきませんやね。われわれ素人が考えても、国鉄を分割運営するといっても、四国ならこれは一つのコミュニティーとしてできますよ。しかし、九州と本州は、どこで切って、ここまではA会社、ここからはB会社、ここまでは百円だった、ここからは百二十円ということにはこれはならぬですね。あるいは、ここまではおれが運転したけれどもここからは君の分野だからということになると、これはますますむずかしい面が出てきはせぬか、素人的に考えても。実際の現業部門、こういった事業を運営していくということは大変な課題、問題があると思うのですが、そういう面は一体どうなのか。あるいは分割した場合の料金体系、これもどうなっていくのか。ただ分割すれば人が果たして減るのかどうか。むしろいまの特殊法人みたいに高級官僚の天下り場所をたくさんつくってあげたようなものに変質していくと、これもまた当初の目的とは大分違った方向に行きはしないのかという懸念をちょっと、いま出ているいろいろな問題を見ても受けるわけです。     〔愛野委員長代理退席、山崎(拓)委員長代理着席〕 この件については、基本的な御判断なり考え方というものがあればこそほぼこういう方向で固まったということが報道されておりますから、国民はだんだんそう信じますよ。その点をぜひ明らかにしていただきたいし、また運輸省もいらっしゃっていると思いますので、運輸省の見解も聞いておきたいと思います。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  現在、国鉄問題を第四部会で検討しておるわけでございますが、先般来、運輸省あるいは国鉄当局、関係労働組合、それから有識者等から、経営の実態の問題点をヒヤリングをしてまいりました。現在国鉄の持つ公共性の問題あるいは財政状況、経営改善計画の妥当性と実現性あるいは例の三十五万人体制の問題、さらに労使関係、年金問題、過去債務等々非常に問題があるわけでございますが、これらにつきましても現在調査審議が進められておるわけでございます。これらの調査審議の結果を踏まえまして、経営形態のあり方をも含めた抜本的な改革案をまとめるということで検討が進められておる段階でございます。したがいまして、先ほど先生御指摘のいわゆる分割問題等につきまして、まだ結論らしきものは出ていないというのが実情でございます。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 現在、国鉄の問題というのは国民的課題として問題になっておりますが、運輸省としましては、政府として国鉄再建法を通し、去年経営改善計画を策定いたしまして三十五万人体制で国鉄の合理化をまとめ、六十年には経営基盤を確立するということで現在最大限の努力をいたしておるところでございます。一方、臨調におきまして、国鉄問題につきまして十分慎重な御審議をいただいておりますので、その結論等を尊重いたしまして、われわれとしては適切な対応をいたしたい、こういうふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そんな抽象的なお答えではちょっと納得いかないんです。臨調の方、まだ分割経営形態にするのかは決まったわけじゃないんだという御答弁で、関係者の意向を聞いて慎重に検討を進めている段階だということですが、公式の場ですからそうしかお答えできないかもしれません。しかし、実際問題としては、四分割にしていくあるいは特殊会社的性格にしていくということでやろう、けさもニュース解説でやっていましたよね。そういうのはまだ全然検討されていないのですか。検討というか、そういった方向じゃないんですか。少なくとも、何も臨調がやっている作業というのは秘密じゃないはずなんですよ。情報公開も一つの行政改革なんだよ、あなた。もう少し誠意を持ったお答えがあってもいいんじゃないですか。いかがでしょう。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、臨時行政調査会におきましてさまざまな角度から検討を行っておる段階でございまして、その審議の過程におきましていろいろなアイデアあるいは考え方、こういったものが出てきておるのは事実でございます。しかしながら、先ほど先生御指摘のように、いわゆる分割論について結論を得たとかあるいは結論らしきものを得て大体その方向でまとまる、そういったことをただいま申し上げる段階にないというのが実情でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 私は、すでに報道されたことが間違っているとは考えられませんね。あれだけ、一社じゃなくして各社とも、各マスコミとも、そういう方向で具体的な陣容なりあるいは赤字を解消していくにはどういうステップを踏めばいいのかということまで報道している向きもあるわけですから。  そこで、これについても長官は、また先ほどの電電公社の問題と同じようにいま言う段階でないとおっしゃるかもしれませんが、しかし国鉄再建というのはもう長年の課題ですよね。行政改革のまた一番大きな問題でもあると思うのです。いま臨調事務局の方は具体的なお答えはできないということでしたが、行管庁としてはこの国鉄問題についてはどういうふうな対処をしていこうとしておられるのか。ただ臨調の答申を待って、それを見た上で関係者で話し合って進めようというのか。積極的というか、もう少し能動的に行革を推進断行していくという意欲がおありであるならば、こうすればこうなるであろうというような考えも場合によっては披瀝するのも一つのまた手法ですよね。そういう面から御所見があれば聞いておきたいんですがね。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 行管当局は国鉄に対して何回か監査監察をやっておりまして、国鉄の経営につきましてはある程度知っておるつもりでおりますから、今回臨調が思い切ったドラマチックな改革案を出してくれることを希望しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 このことも先ほどの公社問題と同様ですが、そういった荒治療をできるような答申を期待するという向きの御発言ですが、しかし私は、改革とか改善というのは、上から押しつけていくあるいは一つの権力やそういった社会的な何か世論で締め上げていくというようなことだけでは必ずしも成功しない面もあると思うのですね。やっぱり国鉄関係者の意向というものもよくそんたくをした上でないと、なかなかこれもさっき言いましたように、そういった四つなり将来九つなりというようなことを言っても、一元化して運営をされている軌道ですからね、途中途中でぽっきりぽっきり切れるようなものでないわけです。そこいらも総合的に検討して結論を出す必要があると思いますし、とりわけ職員団体の意向というものも、もちろん事故を起こすとかあるいはやみ給与をもらうとか、そういう惰性的な面についての改善というものはこれは言うに及ばずですが、それがあるからといって、まじめに働いている人々も全部一緒くたにして問題を見るというのもこれは当を得ないと思いますし、そういう面もよく御配慮をしていただきたいと思います。     〔山崎(拓)委員長代理退席、委員長着席〕  次に進みたいんですが、これもいまの特殊法人の問題と関連しますから、沖縄電力の問題をまず先に取り上げておきたいんですが、これは私は何回かこの委員会でも長官の御見解も聞いた経過があります。  御承知のように七九年の十二月二十八日、七九年ですから五十四年の閣議決定で「沖縄電力株式会社については、離島を多く抱えている沖縄の実態に配意しつつ、諸般の措置を講じ、昭和五十六年度末を目途に民営移行する。」ということが初めて決定されたわけですね。しかし五十六年度末を目途ということは、もう五十六年度過ぎてしまったのですから、その閣議決定は履行できなかった。私はいつでしたか、むずかしいのじゃないかということを申し上げたのですが、いやあくまで閣議決定を尊重してやるのだということでしたけれども、結局できなかった、その結果をとやかく言うわけじゃありませんが。さらに八〇年の十二月二十九日にもそういう決定、大体同趣旨の決定がなされて、八一年の十二月にも閣議了解がなされているのですね。だがそれはできなかった。できなかった背景にはいろいろ事情があると思うのです。一つには、大幅な累積赤字を抱えている、民営移行をしようにもそれを引き取っていく経営者がいないという面。さらには、沖縄というのは御承知のように離島をたくさん抱えておって、なかなか離島への設備投資というものに予算がかかる、そういった面。いま一つは、人口百十万前後で一つの電力会社を維持するというのは、受け皿としてはキャパシティーが非常に小さいですね。そういう将来性の問題等々、いろいろあると思うのです。  だが、この第一次答申の中でも触れられておりますように、経営形態については民営移行していくんだという方向ですね。そこで、今後沖縄電力の経営形態をどういうふうにしていくのか、このことについてはまだ定かでない。今年の二月段階の予算委員会でですか、安倍通産大臣は、県民に対する電力の安定供給を図っていかなければならない、政府の検討と同時に九電力においても研究をお願いしており、夏までには何とか結論を出したい、これが最近の政府答弁のような感じがするわけですね。火力専焼から石炭を火力に取り入れた方向への企業改善、そういう面は六十年ないし六十一年に向けて一応なされているわけですが、特殊法人の単なる整理統廃合という面で片づけられない基本的なエネルギー問題なんですね、これは。そういう面で改めて、沖縄電力の将来の経営形態をどういう方向に持っていこうとしておられるのか、同時にそのめどはいつごろをお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 お答えいたします。  沖縄電力の民営移行の問題でございますが、御案内のとおりいろいろ情勢ございまして、民営移行の方式変更というようなことで若干時間がかかるということになったわけでございますが、いま御指摘のとおり、沖縄における電気の重要性ということについては私ども十分認識いたしておりまして、具体的な民営移行の方式をこれから検討してまいるわけでございます。その場合にも、電気の重要性を十分勘案して方式を検討したいと思っております。  なお、民営移行の具体的な方式につきましては、政府、電力業界あるいは沖縄県等々それぞれの関係者の間でこれから十分検討を尽くしてまいらなければならないと思いますし、その間、調整を図りながら沖縄における電力供給の安定的かつ適正な料金での供給を確保するということも十分考慮に入れて進めていきたいと思っております。  ただ、どのくらい時間がかかるかということでございますが、これは閣議了解にございますように、そういった検討を早急に進めまして、できるだけ早い時期に民営移行を図ってまいりたいと考えておりますが、現段階ではまだ検討中でございますので、どの時点でということは申し上げかねる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 そうしますと、夏ごろまでとか五十七年度末までというようなお考えも一部にあるようですが、いまの答弁からしますと、そういった面は具体的な作業というのは進んでいない。それと、何と言っても将来の経営形態をどうするかということと関連してやらなければいかないのは、これだけの累積赤字を抱えて、八〇年度末、五十五年度末で百四十八億ぐらいですか、あるいは五十六年度末ですともっとなっているかもしれません。五十六年度は経営状態は初めて五億ぐらいの黒字を出すというような報道も一部にあります、しかし、五十七年度の上半期以降はまた電力料金を値上げしなければいかないということも、電力会社そのものはすでに示唆しているのです。  そうなりますと、御承知のようにいま電気料金は全国平均より上回っていますよ。たしかキロワットアワー二十八円幾らかじゃないですかね。全国九電は二十四円幾らか。八〇年、五十五年は二回も値上げをしたのです、電気料金を。二月にやって七月でしたかね。また五十七年、今回全国九電も何か値上げ時期に来ているとかいうような話で、みんながやるなら沖縄もやれというようなことになるようですが、こういうことではますます格差は大きくなるだけで、県民側から見ると、特殊法人とかそういったものであるにしてもいろいろな疑問を持たざるを得ないわけですよ。したがってこれは、現在の面からしてこういうものこそ基本エネルギーの確保の問題ですから、長官、いまでも雨はどんどん降っているけれどもまだ二十四時間置きにしか水が出ない、実際問題として一年近くそういう状態が続いているのです。だから、さっきのような基地の問題も語気強くああいうことを言わざるを得ない状態なんです、基地だけはおんぶさせて、押しつけて。僕は国の政策として、長官、経営形態の問題を含めてもう少し県民負担というものを解消すべきだと思うのです。そういう意味で、これは善意な政治的な御判断というものを相当加味して解決をしていただかなければいかない問題だと思いますので、いまエネルギー庁の御答弁ありましたが、長官、五十六年度末までには民営移管をぜひやりたいとおっしゃったが、それが結果としていろいろな事情でできなかった。これからどうしていくのか。単に特殊法人の整理統合という面で片づけられる問題じゃないという御認識のもとに改めて御見解を聞いておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 いろいろ検討しました結果閣議決定なり閣議了解はつくられておるのでありまして、昨年末閣議で決めました方針にのっとりまして、民間の電力会社の協力を得ましてできるだけ速やかに民営の方向へ持っていって、できたら沖縄における電気料金を九電力と平準化していく、そういう形で沖縄の電気料金を安く安定的に持っていくようにすることが県民福祉につながるのではないかと思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 ぜひそういう方向でこの問題も――われわれは経営形態の問題についてとやかく言うつもりはございません。もちろん単に九州電力に吸収合併とかいろいろな意見もあるやに聞いていますが、ある意味ではこれは県民の共有財産ですから、そう安易な方法がベターなのかどうかは、いろいろはっきりした段階でまた意見なり申し上げたいわけですが、要するにいま長官もおっしゃいましたように、本土よりもはるかに高い電気料金を負担せざるを得ないという経営形態であってはいかぬわけですよ。特殊法人であってもそういう状況が続いているわけですから、しかも、この夏以降はまた電力料金値上げをやるかもしらないということがすでに言われている状況であるということも通産省もまた行管庁も御理解をいただいて、ひとつ特段の御配慮をお願いしたいと思います。  次に進みたいと思います。  これも臨調のことと関連するのですが、今度の基本答申の検討課題の中に、中央行政組織の再編合理化というのがありますね、第二部会で。この中央省庁の統廃合問題はどのように検討されているのか、まず聞きましょう。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 中央省庁の組織の問題あるいは内閣の総合調整機能の問題、こういった点につきましてはただいま臨調の第二部会で検討をしておるわけでございます。特に中央省庁の問題につきましては、たとえば国土の開発利用行政あるいは科学技術行政あるいは対外政策の問題、さらには年金行政の問題等々といった、それぞれ数省庁にまたがりまする問題を取り上げまして、それぞれの課題あるいは体制、運営の問題、そういった点につきまして関係省庁あるいは有識者等々からヒヤリングを行いまして、目下自由な討議を行っておるという段階でございます。現在のところ、その討議の過程でさまざまな考え方やアイデアは出されておりますが、それぞれの問題につきまして具体的な改革案がまとまるといった段階にはまだございません。

上原康助日本社会党

○上原委員 行管庁として、中央省庁の統廃合というか行政組織の再編統合ということは、これも古くて新しい課題ですね。福田内閣の時代にも相当打ち上げたが、何か潮が引くより早くこれは消えてしまったですね。資源エネルギー省をつくるとか住宅省をつくるとか、いろんな構想が出たが、中曽根さんのお力が強かったのかどうかわからないが、いつの間にか全部なくなっちゃった。そういう面で大変むずかしい面があると思うのですが、現在の行政機構あるいは行政組織のあり方という面からしまして、中央省庁の再編統合問題については行管庁としてはどういう御見解を持っているのか。やはり現状でいいということでいるのかあるいは改革すべきというようなお立場なのか、もしあればお聞かせいただきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 中央省庁の統廃合問題は、今次行革の大眼目の一つであるだろうと心得ております。そこで、臨調がいま鋭意ヒヤリングを行ったりあるいは討議を行ったりしてまとめている最中でございますので、その推移を見守っているという状態であります。

上原康助日本社会党

○上原委員 大眼目であるとすると、やはり基本答申の中には中央省庁の統廃合問題も出てくると理解していいですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 期待しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 内容がどういう形になってくるかはよくわかりません。しかし、ここでも一つ問題を指摘をしておきたいと思うのです。  確かに、さっきおっしゃいましたように、年金の一元化問題、これは大変むずかしい問題ですね。それぞれ歴史が違うし、あるいは年金の基本金というかその財政状況が異なるわけですから、したがって大変むずかしいと思う。だが、この委員会でもよく議論されますように、たとえば退職金問題は総理府の人事局、給与は人事院、また年金は大蔵というように、そういう分割問題をどう検討するかというのは、理屈の上では一つの検討課題であることは間違いないと思うのですが、しかしこれを全部一緒くたにするというのは、答申を出してもなかなかむずかしい面があると思うのですね。  それと、いま長官おっしゃいましたように期待をしているということですが、これも報道されているところによると、国土庁に北海道開発庁、沖縄開発庁を統廃合するということぐらいでしょう。これはそんなに大きな眼目に値することになるのでしょうかね。  本当の中央行政官庁の統廃合ということになると、こういった北と南を切り捨てていいということじゃないと思うのだね。ぼくは何も総論賛成、各論反対の立場から言うのじゃないですが、何かやることなすことすべてとは言いませんが、統廃合にしても弱いところにしわ寄せがいく。こういうあり方では私はやはり国民の期待には沿えない面が出てくると思うのですね。おのおの設置をされた時点も違う。  そういう意味で端的に聞くのですが、この沖縄開発庁の統廃合問題についても今度出すのですか、それとも、それには何かもっと配慮をせよという条件がついているとかつかないとかというようなことも聞いているのですが、この点ははっきりさしておいていただきたいと思うのです。

山本貞雄臨時行政調査会事務局首席調査員

○山本(貞)政府委員 いわゆる国土開発利用に関する企画調整機能、これを行っておる行政機関が多岐にわたっておるわけでございます。こういったものを相互にどうするか、あるいはこういった機能と他の関連諸機能を行っておる行政機構との関係をどうするか、こういった点につきまして多面的な検討を行っておるわけでございます。  沖縄開発庁につきましても、中央行政機構の一環といたしまして審議は行われておるわけでございますが、現段階におきましては具体的な結論は得ておりません。もっとも、先ほど来先生御指摘のように、沖縄が復帰後間もない等々のいろいろな事情があるわけでございます。これらの点は十分念頭に置きまして審議が行われておるわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ついせんだって沖縄振興開発特別措置法の十年延長というものもなされて、いま二次振計の策定作業中なのですね。ぼくは何も北海道開発庁はいいという立場で言っているわけじゃない。北海道のことは北海道の人がまた聞くでしょうからね。そういう前提もあるし、中曽根長官はこの間沖縄は別だということを私に少しささやいたこともあったけれども、まさかこれまで大きな眼目だからといって二つを統合すれば長官の願望が生かされるという御認識にはなっていないと思うのです。先ほどから言いました電力の問題、水の問題、基地の問題等々、率直に申し上げてこの種のことについてはもう少し配慮していいのじゃないかと私は思うのですね。これはまたいろいろ言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は国民にも理解していただける問題だと思うのですが、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 いま論議がだんだん白熱化しつつあるときでございますから、われわれの方からとやかく申し上げないで推移を見守っておる状態でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 何かきょうは時間を守りなさいという厳命が来ているようですから、あと十分ぐらいしかありませんので次へ進みたいと思います。  次は、行政改革の問題で私が以前からちょっと疑問を持っているのは、要するに公務員の不祥事件の対策問題ですね、綱紀粛正問題等々です。五十四年、五十五年とこの二、三年、不正経理の問題とかいろいろなことが取り上げられてまいりました。その都度各省庁の官房長示達とかあるいは官房長官通達とか、場合によっては総理の綱紀粛正要請、要望というものが出されている。それはそれなりにやらなければいかない点だと思うのですが、やっていらっしゃることを見てみるとみんな縦割りでやっているのです。それも必要だと思うのですよ。  たとえばA庁に何か不正なことがあると、A庁の人事官といった方々が中心になって対策委員会を持ってやるわけですね。しかし考えてみると、これはいわば身内のことをやるのだからどうしてもそこには手かげんというものが出てくる可能性が強いですね。だからそういう面で、これは人事院あるいは総理府の人事局のあれかもしれませんが、私は何も魔女狩り的、赤狩り的なことで公務員いじめをやれという立場で言っているのではないのですが、不正防止をしていく、汚職まがいの問題をなくしていくということであるならば、それこそもう少し組織的、体系的にそういうものをチェックをしていく機能があってしかるべきじゃないのか。これをどこに置くかはまた議論のあるところでしょうが、こういうことはほとんどなされていないですね。だからいつまでたっても根本的な改善というものがなされないのじゃないか。  これは何も私が新しく言うのじゃなくして、「行政管理の視点」という本で、行管庁管理官の増島さんという方が「汚職警報図の提言」ということで提起をしているのですね。時間がなくなりましたからたくさんは申し上げられませんが、この中で、そういった官庁の汚職の発生源を、根本的な解決はむずかしいであろうが、これをやっていくにはいま私が申し上げましたような機関が必要ではなかろうかという指摘をしているのですね。たとえば「汚職事件の類型別調査の必要」というところで「数多くの具体的汚職事件に即して、国・地方を通じて総合的、体系的に行うことができないかということである。」と言っている。そういうことをやらないと各省庁縦割りでやられてもなかなか根本的なメスは入れられないと私も思うのです。  せんだっても沖縄で起きた一例を出して人事院の見解も聞いたのだが、三十日の懲戒処分を受けて、その処分中に辞表を出してやめたいと言ったら、いまは普通の退職で退職できるということになっているのですね。もちろん、それは人間ですからいろいろ情状酌量もあるでしょうが、そういうようなやり方ではこの種の問題の防止はきわめてむずかしいと私は思うのです。  したがって、いろいろな行政改革とか綱紀粛正をやるということであるならば、こういう問題こそ本格的な検討に値する問題ではなかろうかということなんです。ですから、きょうはこのことについて行管なり人事院、そして総理府の見解を聞いておきたいと思うのです。現行制度では、いままでのことではこれはやはりちょっと手ぬるい。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 その点は同感でございまして、されば臨時行政調査会におきましても、公務員制度全般の見直しということをやっております。それから行管といたしましても、やはり国政の監査機能の強化が必要である。会計検査院が事後的に金の面から追及しておりますけれども、事前的にこれを行政の面から横にらみで全体的に把握しながらそういう非違なことを起こさせないようにするということも必要ではないか、そう考えております。臨時行政調査会におきましても国政における監査機能の強化ということは一つの項目になっておりまして、これらについても検討が行われるものと期待しております。

山地進総理府人事局長

○山地政府委員 官庁綱紀の粛正につきましては、先生の御質問の中にもございますように、その発生の原因とそれに対する対応、この二つがあろうかと思うわけでございます。発生の防止については、いま長官から御答弁のありましたように会計検査院なりあるいは行管のチェック機能もございますし、それから私どもといたしましても、各省には内部監察を強化するというようなことをかねがね申し上げておりまして、各省においてもそういった内部監察あるいは職場の人間同士の把握というようなことも通じてそれを防止する、あるいは人事上も三年以上同じところに置かないようにするとか、あるいはそういったいろいろな問題のあるところにはそれに的確に対応できるような人を配置するといった、いろいろの制度を導入するように各省にもお願いしているわけでございます。  そういったことを一体どういうふうにやっているのか、あるいはどういうふうにやるのかということについては、各省の人事管理官というものの会議が毎月ございますので、その徹底を図り、また一年に一回はどういうふうな実施状況になっているかということを報告してもらいましてその実情の把握に努めるとともに、そういった問題点がどこにあるのかということについてもお互いに検討することを通じて、その防止並びにそういったことの発生した場合の対応ということについても万遺憾のないように対応しているというのが実情でございます。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○金井政府委員 懲戒処分は、公務部内の秩序を維持するために職員という身分がある者に対して行うということでございます。先ほど先生おっしゃいましたように、懲戒処分をして効果が完結しない前に辞職承認をするということは問題であるという御指摘がございましたけれども、辞職承認の問題は、これは職員が職員という身分を離れるということについての自由というものがあるわけでございまして、特殊な場合、たとえば非行を犯しまして、その件につきまして量定上あるいは懲戒免職をしなければならないような事案について検討中に職員の方から先に辞職を求めてきたというような場合は、辞職を承認しないで懲戒免職ということでするという意味で、直ちに辞職承認はいたしませんという運用をいたしております。しかし、一般のそれ以外の件でございますと、やはり辞職の承認は自由ということを前提にして考えなければなりませんので、懲戒処分の方は、職員の身分があるということを前提にしてその上で公務部内の秩序を維持するために行うものでございますから、そういう関係に相なるかと思うわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 これは誤解されたら困りますので、私も強くその点は申し上げておきたいのですが、別に権力を乱用せよと言っているわけじゃないのです。私は、もっと締めつけをやれと言っているわけじゃないのです。しかし、これまでいろいろ出ている不正事件というのは氷山の一角だと思う。それを全部縦割りだけでやっているというところに、なかなか問題を根絶できない、根絶の方向に行かない点があるのじゃないのか。どう見ても社会的に制裁を加えなければいかないことについてはそれなりの責任を持たなければいかぬというのは、これは道義ですよ。そのことを言っているのであって、公務員いじめをやって権利をもっと締めつけろという立場で言っているわけじゃない。そういう面で、これは一遍検討する必要があると私は思う。  いま行政監察ということをおっしゃいましたが、確かに行管庁でナンバー二六六に「内部監査の実施状況」というのがございます。あるいはその前に「官房長等会議申合せに基づく措置状況」というのもございます。これを見ても、単にこういう、ことごとくありましたという問題を羅列しているにすぎないのですね。では、そのあった省庁に対してどう実効あらしめたかということがない。そこまでは恐らくできないわけでしょう。そういう面はもう少し検討してみていただきたい。もちろん、民主的に運営できる方向での条件がありますから、そのことをつけ加えておきたいと思います。  これは、もう少し、この増島さんがお書きになった論文の内容も引用しながら議論したかったのですが、もう時間がありませんから、いまのことは政府部内でも一応御検討をしてみていただきたいということを問題提起をしておきたいと思います。  それで、最後にもう一つは、簡素な行政運営とかむだのないということで、私一つ疑問を持っていることがあるのです。政府刊行物のあり方。相当の印刷があるわけですね。どこまでが政府の刊行物かということもいろいろ定義がむずかしいというのですが、大蔵省の印刷局で印刷されているものあるいは各省庁で縦割りにやっているもの、これの中には、どう見てもむだだと思うのがわれわれから見ても相当あるわけですね。名前を挙げることはどうかと思うのですが、たとえば郵送されてくるものにも本当に始末に困るものがたくさんある。したがって、本当にむだをなくしていくあるいは予算を効率的に運用していくというならば、きょうは具体的にどうとは言いませんが、中には調べてみるとある人々の広報活動のために補助金を出してやっているのもあるわけですね、特定の団体、特定の人々の。こういうのは国民的立場から見て問題だ。したがって、政府刊行物なり発行物についてどれだけの予算がかかってどうなっているのか、一遍、行政管理庁なら行政管理庁、総理府なら総理府で総点検をして検討していただきたい。この点については長官の御所見を聞いておきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 おっしゃいますように、ダブっているものやあるいは冗長なもの、むだと思われるものは極力簡素合理化、整理する必要があると思います。それらにつきましては点検をいたしたいと思います。

上原康助日本社会党

○上原委員 これで終えますが、これも、まあ情報公開という問題がありますし、何も国民に知らしむなかれ見らしむなかれという、そういうことじゃいかぬので、あくまで前提があって、長いしきたりで慣習になっていまでも発行しているものとか、相当の印刷をさせて政府が買い上げているものとか、その中身等もある程度検討してみて、これこそ行革あたりで、あるいは今度の二次答申にそういうものまで盛られるかどうか私はわかりませんが、やるべきことじゃないのかということをつけ加えて、質問を終えたいと思います。

石井一自由民主党

○石井委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十六分休憩      ――――◇―――――     午後一時三分開議

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 前回、一時間ばかり国鉄の経営改善問題について質問をいたしましたが、そのときに、次回には持ってきてもらう、こういうことになっておりましたし、一昨日だか一昨々日、高木総裁が私の部屋に来て、私はこの前から第六次経営改善計画、こういうように言っておりますが、その最初と終わりしかわからないので、途中損益勘定等もわからないから、年次別に計画がどうなっているかを明示していただきたい、高木総裁は、次回はやります、こういうようになっていますから、第六次と私は言っていますが、まずそのいまやっている経営改善計画の全容を示していただいて、年次別の損益勘定等の入ったもの、年次別にどれだけ人を減らして、最終年には三十五万人体制になるという、その計画書を見せていただきたい、こう思います。     〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 経営改善計画につきましては、五十五年度を当初として六十年度までにこうなるということで制定をいたしたものでございます。  その各年次別につきましては、それぞれの条件が年ごとに大変変わり得るということでございますので、六十年度を策定いたしますために仮定の数字を置いて六十年度まで積み上げてはまいりましたけれども、改善計画そのものにおきまして五十五年度と六十年度の部分につきましても参考表ということでございまして、途中の経過の部分についての収支は改善計画そのものには入っておらないわけでございます。たとえば助成の金額がどうなるかによっても収支は変わり得るということでもございましたので、そういう意味もございまして、途中の損益勘定で収支がどうなるかという意味のものは存在をしていないということでございます。ただ計算上、そういう仮定をして積み上げていったということでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 おととい高木総裁が私のところへ来て、きょうはそれを発表させていただきます、計画ですから若干狂いが出てくるのはあたりまえな話ですが、そういう約束になっているわけです。副総裁、それ聞いてありませんか。  その仮定の条件がいろいろあると思いますが、年次別の計画がなければこれは計画の名に値しない、こう私は言っているわけですが、また後になって国鉄はこれはだめだったと必ず言うに違いない。昭和四十四年から第一次、第二次、第三次、第四次、第五次の計画を積み重ねてきたが、すべてが国民をだますような、みんな間違った計画を立ててきて、後のない計画ということで今次、第六次と私は言いますが、経営改善計画をつくった、こう言いますから、私たちもこれに期待をするし、そしてどれだけの決意で、どういう数字で、最終の年には緯線部門は収支償う、六十年度の職員は三十五万人にする、こう明言しているわけですから、この前のとき副総裁は見えなかったけれども、四月号の文芸春秋に屋山太郎君が書いたものをわざわざ読み上げて私は申し上げたわけです。出せないですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 ただいまお尋ねがございました、三十五万人にするという意味におきます毎年の人員を減らしてまいりますものについては、公表をいたしておるわけでございます。  私どもの今回の計画の一番の眼目は、構造的な問題を除いて、幹線の収支を均衡させることにあるわけでございまして、そのためには、さらに幹線の内訳として貨物の個別収支を均衡させることを大きな柱にいたしております。貨物に例をとって申しますれば、ただいま現在収入は、残念ながら予定をしておりますものからは相当隔たりがございます。そのためには、当初考えておりました貨物の経営改善計画の中身をさらに深度化をさせて収支のバランスをとらなければならない。その意味では、途中年次において見直しをしながら、最終目標である幹線収支の均衡、そして貨物部門の個別費の収支均衡ということを一番のねらいとして考えてございますので、ある意味では、そういう目標値はございましたけれども、それに到達するためには、必ずしもその数字そのものにこだわらずに、むしろ趣旨を生かしていくことが今回の経営改善計画の趣旨である、また、それはやり遂げなければならない、そのように存じております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 さっきも鉄労の労働組合が陳情に参りまして、そこに文書があるわけです。「行財政の改革は、断じて実行されなければならない国家的な緊急課題であります。私たちも倒産同様の国鉄経営を再建するために」云々、「「後のない計画」といわれる経営改善計画の達成へ懸命の努力を続けております」、大変建設的なりっぱな文章だと私は思うのです。ところが、いま副総裁が言われているように中身がきちんとしていないから、五十六年度はどこまで達成する、五十七年度はどこまで達成する、収支はどうなる、五十八年度、五十九年度、この年次別の目標がわからないことには一体何を目途に、最後の年になったならばこの収支だか目標に到達する、こう言うのだけれども、途中がみんなわからないじゃないですか。いまも御発言の中に、予算だか予定と比べて隔たりがある、こう言っている。さらに検討を加えなければならない部分があると言っている。だからいまの副総裁の発言から聞くと、当初計画したものともうすでにそごを来している、こういうように理解していいですか。  それに一つつけ加えて、たとえばそういう経営改善計画に基づいて五十六年度の予算を出されたと思います。私の数字がもし間違っていたら訂正をしていただきたいが、最初の予算は、七千三百億の補助金で約九千億の赤字が出ますと最初から五十六年度の国鉄の計画にはあったわけですが、補正になったらまた二千億赤字になりました、こう言ってきているから、これと経営改善計画との絡みはどうなっているのか。私も、もう予算がこういうふうに変わってきちゃっているところを見ると、立てたところの経営改善計画も皆狂ってきているのじゃないか、こう思うわけです。それでも狂っていないと言いますか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 五十六年度の純損失について補正予算でお願いして成立をさせていただいた分については、いま先生のおっしゃるとおり総額において約二千億というものを支出してよろしいという予算をいただいたことは確かでございます。  その内容といたしますところは、大部分が、実際問題として起こっております退職金の支払い、その部分が非常に大きいわけでございまして、その部分につきましては、純損失の中でさらに特定人件費分はどうだとかということで区分けをさせていただいておりますが、その特定人件費分の増ということに五十六年度は結果としてなるはずである。ただいままだ決算をやっておる途中でございますので、そのような部分は当初予算から見て悪化をしたということでございます。また退職手当につきましては、法律の関係もございまして、法律が当初五十六年度初めから適用ができるものという計算であったわけでございますが、法律の成立がおくれたことによりましての影響もある程度その中にはあるわけでございます。  そのようなかっこうで、確かに純損失全体としてごらんになりますといまおっしゃったような結果になっておりますけれども、その中身を見ていただきますと、幹線部分ではどうか、これはまだ決算ができておりませんので、いま数字をもって御説明はできかねますが、その幹線部分をやるということに対しての努力は続けてきたつもりでございまして、いずれ決算が明らかになりました場合に、私が当初こういう考え方で経営改善計画を進めていくと申し上げた線に沿った形で決算ができ上がってくるのではないか、そのように考えております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 どういう言い回しをしても私には納得がいかぬわけです。  それで、五十七年度予算には、これも数字が間違っていたら教えていただきたいが、たしか五十六年度と同じように補助金七千三百億、赤字はさらに三千億ばかりふえて一兆四千億になるんでしょう。こういう五十六年度の実態を見、五十七年度の予算を見て、私は、あなた方がつくった第六次経営改善計画はすでに狂っている。さらにこういうように赤字がふえていくわけです。狂っていると見るけれども、狂っていないと言うならば、あなた方のつくった年次別の経営改善計画、人員はどうなる、損金勘定はどうなる、赤字はこういうようになっていきます、それを見せて、それと対比をしてこのように計画どおりにいっているといって提示をしなければ、私は納得できない。どうですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 五十七年度の予算の中で東北・上越新幹線の開業によります資本費の負担が非常に大きゅうございまして、その金額が、五十七年度では途中開業でございますので、約二千二百億というものが資本費の負担として五十六年度に比べて新たに加わっておるわけでございます。そういう意味で、いまおっしゃいました純損失全体としての金額は確かにふえております。  その点は、六十年度におきましては東北・上越新幹線の資本費は約四千億負担があるということはすでに申し上げているとおりでございまして、先ほどの構造的な問題として、細かくは御説明いたしませんでしたけれども、特定人件費と地方交通線によって生じてまいります損失額が約一兆ございます。それを除いたものということは、結局幹線の収支を均衡させるということを私どもとしては今回の改善計画の目標として組んだわけでございまして、途中の過程におきましては、いま申しましたような新幹線の開業のようなものがいつからどうなるかというような点も改善計画をつくりました時点においてははっきりしておりませんので、その辺のところは途中はでこぼこあり、しかし最終目標として先ほど申し上げました幹線の収支均衡、特別なものを除いての均衡をさせることを私どもの目標とした。  その意味では狂っているということではなくて、目標に向かって達成可能な範囲であって、われわれの努力をしっかり続けていくならば、私どもが目標としたものは十分できる、現在でもそう思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 くどいようですが、一兆四千億の五十七年度の赤字の中にも、ここのもの以外の、幹線を収支償わせるということ以外のたくさんの要素が入っているから、これは当然だと私は思うが、ちゃんと経営改善計画はこういうようになっています、幹線部分はこういうようなぐあいに六十年度に向かって収支償うようになっている、そういう基本があって、その周りにいまほかの要素がある、こういうぐあいにわかるようにしなければ、私たちには第六次経営改善計画というものがいまそのとおり達成されていると理解できないわけです。  だから、端的に申し上げれば、いままでの状態から見ればまたこれもだめなんでしょう、はっきり言うならば。たとえば人員だけでもきちっとそうなっていますか、減らし方なり何なり。ましてや収支均衡を六十年に幹線でとろうという、そのとおりになっていますか。なっていないでしょう。言いわけを言っているだけで、なっていないでしょう。だから、これも先ほど言われたように見直しをしなければならないという要素があるでしょう。もっと言うならば、第五次までみんなだめだったが、後のない計画というこれもまただめなんじゃないか、それを言っているわけです。これもまただめなんでしょう。われわれにだめじゃないという証明を出してくれない限りは、だめなんでしょう。第六次も、後のない計画もまただめでした、こういうように素直に言った方がいいと思う。どうでしょう。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 ただいま人員の計画について御指摘ございましたけれども、五十六年度でお約束をいたしておりましたものは、一万二千人を五十六年度中に合理化をし五十七年度の予算人員にそれを織り込んで予算を組むということでございまして、その一万二千人については五十六年度末に完全にやり上げまして、予算人員一万二千人を減らしたという姿で五十七年度を組ましていただいております。もしできなかった場合は大変重大なことになるという決心のもとで、ことしの三月三十一日の未明までかかりましたけれども合理化交渉をまとめ上げまして、一万二千人のお約束をいたしておりました分は確実に実行ができたわけでございます。人員の面ではそのような形で、ただ、その人員の中で一万二千人をどこからどう出すかという点につきましては、早い遅いの進み方によってどうしても間に合わない場合はほかのものを前倒しをしてもその人員は出そうということで、五十六年度の秋からその辺のところの進みぐあいを見ながら一万二千人達成に向けての努力をしてまいったわけでございます。  なお、五十七年度は一万四千三百人を減らすというお約束をいたしておるわけでありますが、これにつきましては、先ほど申し上げました貨物の問題等もございまして、貨物につきましては、六十年度までに達成するということで考えておりました貨物部門の合理化についてことしの十一月にその分を前倒しをして実行に移したいということで、ただいま具体案の細部を詰めまして、近々、来月になるかと存じますが、組合との交渉に入るという段取りをいたしております。  そのようにいたしまして、少なくとも先ほど私が申し上げました幹線の収支均衡、それから貨物の個別経費による収支均衡という点をどうしても達成しなければならないということで、ただいま取り組んでおる次第でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 あなた、そういう計画があったら、どうしてその計画を出せないわけですか。高木総裁も二日ばかり前に会ったときに、出します、こう言っている。貨物をいつまで、人員はどうなっている、大まかな損金勘定はどうなっている、なぜ出せないのですか。計画とそごを来しているか来していないか、比較検討のしようがないじゃないですか。出せない理由を言ってくれませんか。後のない、もう国民注視の的の最後の経営改善計画、中身がわからないで、やりますやります、こう言っておっても、過去五回計画を立ててはだめだ、計画を立ててはだめだ、こうやってきたんですから、私たちはまた今回もだめだ、こう見ている。だめじゃないというのを、ちゃんと計画と実績となぜ出せないのですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 経営改善計画の中におきまして、人員の計画については毎年これだけのことをいたしますということをすでに公表をいたしておるわけでございます。しかし、その中でどの部門がどの時期にということは相手のある話でもございますので、多少早い遅いはやむを得ず出て来る場合もございます。それを私どもとしては、トータルとしてお約束をしております、五十六年度で言いますならば一万二千人をどうしてもやらなければならない、また五十七年度につきましては一万四千三百人をどうしてもやらなければならないということで、その中身については、むしろどの部門がどうだということを進行ぐあいを判断しながら進めるという態度でずっと来ておりまして、今回の場合も一万二千人、先ほどちょっと早い遅いがあると申し上げましたが、実際問題として申し上げますならば、本社の関係の部分がやや実行上おくれる。しかし、地方局で、それぞれの管理局が計画をいたしております分をやり上げてもらって一万二千人という姿で実現をしたわけでございます。これは、どうしても交渉過程における問題がございますので、必ずその時期に合理化交渉がまとまるということはやはりやりながら考えていくしかございませんので、全体としてのお約束をしているというのが経営改善計画の内容でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 いつまでもこだわってはいけませんが、進行ぐあいを見ながらということはやはり計画がないということでしょう。実現できそうなものができたからこれで達成をした、しない、予定どおりいった、いかないというのは後から言うことであって、計画がないから進行状況を見ながらと、こう言っているのじゃないですか。ましてや、進行状況を見ながらやっているのだから年次別の計画は立てられようはずはない、こう私たちは見ているわけです。そしてまた、もうすでに破綻を来している、こう私は見ているわけです。総裁も出しますと言明したものを出せない、それはどういうことなんですか。私は、率直に言ってこの計画はまた達成できなかった、こういうことになると思う。どうです、それを認めますか。運輸省は計画はどういうように見せてもらっているかわからないけれども、やはり国鉄の言っているようなぐあいに聞いて、運輸省はそうかそうか、こう言っているだけですかね。もう五回も失敗してきているんだから私はもう成功しようはずはないと思うし、いまでも成功してないと思う。監督官庁どう見ているのですか。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 ただいま副総裁の方から答弁があったわけでございまして、いろいろ事情がございまして年次計画につきましては説明のとおりでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 若干補足させていただきますが、この前も答弁いたしたと思いますけれども、いわゆる国鉄の経営改善計画の収支試算が昭和六十年度を目標に健全経営の基盤を確立するという目標でつくってありまして、確かに人員につきましては年度別がございまして公表いたしておりますが、その間におきますところの計画遂行上の年度ごとの場合は、先ほど副総裁からもお話がありましたように、具体的にいろいろ施策によって変動要因がございますし、したがって年次別に確定したものはございません。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 これにこだわっていたのでは時間がかかりますので、いま労働組合が出してきたものを見ても、もう労働組合さえ認めているが、「倒産同様の国鉄経営を再建」こうなってますから、いまの国鉄の状態を破産状態である、こういうように認めますか。臨調あたりのをいろいろ見ているが、破産宣告を出して、それから腹を据えてやらなければならない、こう言ってますし、何か新聞の報道だけによれば、自民党の二人、三人と臨調の絆部が行き会って、三十五万人体制じゃなまぬるいから二十九万人とか三十万人を割るようなことをしなければとてもだめだ、こう言っているし、破産宣告でもやってからやり直そう、こう言ってます。おたくの労働組合の鉄労もこういうように言っているが、いまの国鉄の状態を破産状態である、法律的に破産宣告をしておいてそれからどうするとかいうことじゃなくて、破産状態であるという状態を認めますか。これは運輸省、国鉄。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 現況につきましてはきわめて危機的な情勢であるということを十分認識いたしておるわけでございまして、それゆえ今回の経営改善計画完全実施というふうなものに対しまして厳しく指導をしておるところでございます。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 いまの収支状況、結果として赤字が大変大きいという状況は、民間であれば破産そのものであるということだと存じます。その点はそういう状態である、危機的な状態であるという認識のもとで、いま取組みを行っておるわけでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 運輸省は危機的情勢と言い、国鉄は、民間であったならばまさに破産状態だ、こういうようにお認めをいただいたわけだが、いままで経営者としてずっとやってきて、この破産状態に持ち込んだ責任というものをどうお考えでしょうか。この前何とか常務が、責任を痛感しております、こう言っておりましたが、副総裁、破産状態に陥ったならば民間ならもう当然社長以下責任をとるんだが、この責任問題はどうしますか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 ただいまの赤字の内容は幾つかの要因に分かれておりまして、現在その一つとしてございますのが職員の数の問題、職員の働き度の問題、これにつきましてはまさに経営者の責任でございます。  ただ、私どものいまの赤字の要因の中には、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、国鉄の努力のみをもってしては解決し得ない問題がある。この点については、国鉄もその分についての努力はいたしますけれども、むしろ、なお政府においてもお願いを申し上げたいということを申し上げたのが経営改善計画を定めます前の国鉄の基本的な考え方、もしくはそれをつくります前に法律をお定めいただきます場合の閣議了解というようなところでも、その部分があるということについては御認識をいただいておるというふうに存じます。その点について、私どもとしては職員の管理の問題においての責任は大変重いものだというふうに痛感をいたしております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 この前の質問で私は、国鉄をこのような破産状態に持っていったのは、運輸構造の変化だとかいろいろ言っておったけれども、労使関係に大きな原因がある、こういうように指摘しておきましたが、いま副総裁はそれを認めたわけです。それは結構です。  もう一つ、まだ認めないことがある。国鉄の赤字には、政治的な要因とか公共的な使命とか、あるいは引き揚げてきた人を大ぜい雇わざるを得なかったとか、こういう国鉄自身によらざる責任のあることは私たちは重々承知しておりますが、経営者として国鉄が何にもやってこなかったというもう一つの大事な点が落ちているわけです。私の気がついた四つか五つのことは後で質問しながらお答えをいただくが、労使関係ばかりじゃない、経営者として何もやってこなかった、こういう重大な責任があると思う。  たとえば、後で質問しますが、病院なんかは三百億も四百億も赤字で、私が指摘するまでは何もやってこなかったじゃないか。公安職員なんて何で国鉄の、国民の運賃で払わなければならないのか、何もしてこなかったじゃないか。国鉄に印刷所なんか要らないじゃないかともう四年も五年も前に行管が指摘したけれども、何にもしていないじゃないか。普通の経営者としてやるべきことを何にもやっていないという大責任がまだある。それを一生懸命でやってくるのならば、経営以外の責任の部分の国家負担も、国民の運賃も喜んで負担をする。  けさ、加藤寛臨調第四部会長がこう言っていた。三方損でいかなければいかぬ、三方に犠牲をかけなければいかぬ、政府も出す金は出しました、国民の犠牲、運賃の値上げもやりました、国鉄のやるべきことをやっていなかったじゃないか、そういうようにけさテレビで明確に言っておったが、私たちもまさにそこに問題があろうと思う。いま一つ、経営者としてやるべきことをやってこなかったという責任をこの際明らかにしなければならない、こう思います。もう国鉄は破産状態だとみんな知っている。何で経営者が責任をとらぬか、これは国民の声だと思う。どうですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 一つ一つの問題は後ほど御指摘いただくので、その分についてはまた後でお答えを申し上げますが、結局、職員数という意味で申し上げますならば、昭和四十四年時点で四十七万人おりました職員をただいま現在では三十九万五千というところまで減らしてまいっております。それだけのことはいたしてまいりましたけれども、これはなおかつまだ足りないんだということで、今回の計画におきましてはそれをさらに三十五万人までは減らしますということを申し上げておるわけでございまして、その場合に一つ一つをどうするかという点についてのお考え方も、私どもの場合といろいろ違いはあるかと思います。しかし、その点でやはり世の中に御理解をいただけるやり方をしていかなければならないんだということで、その辺のところを、細部を今後とも御理解をいただけるような仕組みに直していくということも今回の経営改善計画の中で考えておる次第でございます。  一つ一つにつきましては若干いきさつもございまして、いまおっしゃられましたような印刷の問題につきましても、すでに四十四年以来、外注にすべきものを出し、また乗車券の印刷は、全部直営でやっておりましたものについてもすでに相当部分を外注に出して印刷をしておるということでございますので、全くしていなかったというふうな御指摘であれば、私どももやってまいったというふうに申し上げたいと存じます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 この問題はまた後でお尋ねします。  電電公社も専売も、臨調から求められている経営改善あるいは合理化、いろいろな案を出せというときに、出したように新聞には伝えられています。これは後で臨調の事務局にお尋ねしたいと思いますが、国鉄はそういう求めをされたか、何にも出していないか、どういうものを出したか、それをまず……。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 細部を全部承知はいたしておりませんが、最初のうち、そういうふうに国鉄側は大変資料の提出が悪いという御指摘をいただいたことは事実でございます。その後現在におきましては、いろいろ細部の資料の御要求に対して、御相談をしながら提出をさせていただいております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 私は資料のことを言っているわけじゃないのです。たとえば電電公社は経営形態についてもそれなりの案を出している、積極的に労働組合さえ出している、こういうように聞いています。専売公社もそれなりに泉総裁から何か案を出している、こう聞いている。国鉄は資料を出したというだけで、国鉄の経営形態あるいはこれからの再建計画、そういうものを臨調に出しましたか、こう言っているわけです。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 国鉄は出しておりません。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 運輸省にお尋ねしますが、運輸省もそういうことを何か言われましたか。国鉄の経営形態あるいは再建案、国鉄自体で考えているものを出せ、こういうようなぐあいに臨調から問い合わせがありましたか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 これは臨調の事務局の方にお聞きいただきたいと思うのですけれども、国鉄は臨調の方に、資料の説明等を含め、その他実態説明のヒヤリングを何遍かやっているはずでございまして、昨年経営改善計画をスタートさせ、そしてその軌道に沿って六十年度の経営基盤を確立するという計画をスタートしたのでぜひこれを達成させてもらいたいというような話をしたのではないかと思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 私もそこが大事だと思う。あなた方は経営改善計画で達成できるという見通しでやっているだろうけれども、いま臨調で伝えられたりよそで伝えられていることは、国鉄の経営形態からその他みんな変えなければならない、これは私は社会的な声だと思う。あなた方は、できるかできぬかわからぬ、それをやっているからということで、経営形態の変更なりあるいはまた合理化計画なり、みずから進んで出していない。こういうことは無責任じゃないか。民間なら破産状態である、こういうようにみずから認めていながら、なぜ積極的に、経営形態をこういうふうに変えた方がいいと思います、合理化計画はこういうふうにやった方がいいと思いますとみずからの計画を出さないのですか。それは拒否しているんじゃないですか。新聞にもそう書いてある。文芸春秋の四月号にもそういうように書いてある。これで責任者の態度と言えるのですか、どうですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 国鉄の仕事は旅客、貨物を輸送いたします、そしてそれによって収入を得るということが仕事でございます。その面から見ました場合に、全国を一本の姿で輸送をやっていくという姿が最も望ましい姿であるというふうに思っておりますので、意見があれば出してくれというお話でございましたが、輸送の方法等から考えまして現形態が望ましいということで、私の方ではお出しをいたしておりません。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 意見があれば出せと言ったが、意見はないから出さない、要するに国鉄としてはいまの経営形態でいいんだ、こう言っているのですね。それでは、その経営形態の中で国民に責任を負うような赤字をなくす方法の見込みはちゃんと立てておりますか。破産状態であるとみずから認めた、それが立っておりますか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 先ほど申し上げたような点をもう一度繰り返させていただきますが、幹線についての収支均衡をとりますということを申し上げたわけでございまして、地方交通線の問題は国鉄自体の努力では収支とんとんというわけにはまいらない。そういう意味で、現在法律をつくっていただいた上で地方交通線問題に取り組んでおるところでございますが、その問題と、それから六十年度という区切りをつけたところで申せば、東北・上越新幹線の資本費はとてもそこまでの間では回収、回収と申しますか収支均衡はできません。しかし長く考えた場合には、在来線も含めて東北・上越新幹線とも収支均衡ができるというふうに考えております。ただ六十年度の場合にはその問題はまだ未解決という姿でございます。  それから先ほど申しました特定人件費、退職金と年金の負担金にかかわります部分については、国鉄の努力ではだめでございますということを申し上げておるわけでございまして、そういう問題を含んでおりますので、全体としての収支ということになりますれば一兆円を超える赤字の状態が六十年度においてもあるということであります。幹線についての直接的な運営の費用は当然その中で全部賄っていけるだけの収入を上げ、また必要な場合には経費を切ってそれで収支均衡させるということを私どもとしては申し上げておるわけでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 いろいろ聞くのですが、再建はできぬ、いま破産状態だ、臨調に対して意見も出さない、これで責任者と言えるのですか。電電も専売もちゃんと経営形態その他について意見を出した。国鉄だけはさっき副総裁もおっしゃるように出してない、これから再建できるという確たる見通しも国民に与えない、過去の責任もとらぬ、これで経営者と言えますか。悪い言葉で言うならば、そっとしがみついているだけだ。これはそういうふうにしかとれません。出処進退、責任を明らかにして初めて過去の反省ができて、それで新しい経営でやっていこう、経営形態は別として、そうなるのが筋ですよ。  たとえば高木さんについても新聞等にちらほら出ているが、私は国民の声だと思う。それは何も高木総裁ばかりじゃないと思う。役員一蓮托生だと思う。ここで明確に国民に責任をとって、臨調どういうようにでも料理してください、まないたの上のコイである、そう言わざるを得ないようなところに追い込まれちゃっているんじゃないですか。さっきの経営改善計画は別にしたって、五十六年度の予算で最初九千億が一兆一千億になりました、来年はまた一兆四千億になります、それで先のことについてだってまだ確たる見通しもない。人から言われなくても、これは経営者としてあたりまえのことであります。そして責任は、政府がどれくらい金を出してくれるか、地方線云々と言いわけばかり言っても、経営者としての立場でちゃんと出処進退の責任をとらなければならない時期だと思う。再建は、一切はそれからスタートすると思う。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 出処進退は、いつでも明らかにいたします。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 総裁は、副総裁に私のことは全部伝えて答弁をさせると、これは私と会館で行き会ったときの話ですが、私はこの前も、もう総裁以下役員は責任をとってやめたらどうだ、今度は副総裁に必ず私の意思を体して答弁をさせます、こう言っているが、総裁は責任をとる意思があるのですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 これは総裁に聞いていただきませんと、私からお答えするわけにはまいりません。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 総裁は別としても、副総裁以下は明確に責任をとりますか。総裁はやめたくなければ一人で残っていればいい。この状態は、国民から見れば国鉄の役員が責任をとらなければならない立場だ、そういう責任をとって初めて国民は、これからみんな国鉄の再建に取り組もうというけじめができるわけです。どうです。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 ただいま申しましたように、いつでも出処進退を明らかにしますと申し上げたとおりでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 これは運輸大臣の意向を政務次官はよくよく体して答弁をしていただくように前から申し上げてあるが、いまからの質問、大事なところをひとつ大臣にかわって御答弁いただきたい。  まず第一点は、国鉄の再建計画のたび重なる失敗に対して責任を追及しないか、こういうことであります。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 先ほど来説明がありましたとおりに、先生御案内のとおり昭和三十九年度に単年度赤字を生じて以来、経営の悪化の一途をたどってきておるわけであります。数次にわたりまして再建対策というものが講じられてきたわけでありますけれども、いろいろな諸事情もありまして、なかなか所期の目的を達成することができなかったわけであります。  そこで今回の経営改善計画に対しましては、現況というものを厳しくとらえて、これは何とかして完全実施をしていかなければならない、こういうふうな気持ちで現在取り組んでいるわけでありまして、その完全実施をできるよう、私どもといたしましては国鉄に対して厳しく指導をしてまいりたい、こういうふうに思っておるところであります。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 私の質問に直接答えていないのだが、二番目にお尋ねしますが、先ほど来の問答でわかるように、国鉄は臨調への積極的な対応がなされていないわけです。どういうように指導をしてきたか、これから出すつもりか。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 国鉄問題に関しましては、十分に御理解をいただいて審議をしていただくということが基本でございますので、私ども運輸省といたしましても御協力を申し上げなければならないという姿勢でまいっております。そういうことから、国鉄に対しましてもできる限りの努力を払うよう指導してまいりたいと思います。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 これは五十六年度の補正のとき、二千億また赤字が出ました。そのときは、責任を追及という話はなかったですか。  もう一回くどいようですが、五十六年度の予算は、当初は七千三百億の補助金、赤字九千億前後だと思いました。補正予算になったら、二千億ふえて一兆一千億になりました。その二千億というときに、責任追及なりそういうことは一つも出てきませんでしたか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 五十六年度の補正におきまして、収入の減が約八百億、それから逆に仲裁裁定等あるいは退職金等の人件費の増が七百億ほどございまして、結果的に予備費その他の取り崩しで千二百億ほど予定よりも赤字がふえたという状況になっております。  まず人件費の方は、これは仲裁裁定その他の実施でございまして、収入のいわゆる落ち込みということにつきましては、これは特に貨物の面が非常に著しい低下があったわけでございますが、この点については国鉄側も、いわゆる改善計画で六十年までに達成しようとした合理化の目標、たとえば駅を八百にするとかあるいはヤードを百にするとかというような目標を前倒しをしまして、昭和五十七年度の十一月にそういう合理化を積極的に進めるというような説明があり、いわゆる貨物の合理化によって今後の改善計画に対しても達成の見込みがあるとわれわれは考えておりまして、そういう説明を受けております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 役所はいつでもいろいろ弁解ばかりしているので、そういうことを聞きたくない。  今度は大事なことを、これはひとつ運輸大臣にかわって御答弁いただきたいが、高木総裁以下の役員のもとで、経営陣のもとで国鉄は再建できると運輸大臣考えているかどうか。国民は、たび重なる失敗で言いわけばかりして、公共という甘えの上に乗っかって政府からの補助金だけを取ることをやって、みずからの合理化は何にも取り組んでこなかった、こういうことを見ていますから、高木総裁以下の経営陣のもとで、経営形態がどうなるかは別ですよ、これは私は七分割もいいと思うし何でもいいと思うけれども、できると思っていますか、いま。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 現況というものを厳しくとらえながら、新しい意欲のもとに国鉄再建というものに臨んでいかなければならない、こういうふうなことで努力を払っておるわけでありますので、運輸省といたしましては、厳しく監督、指導しながら見守っていきたい、こういうふうに思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 あなたは政務次官になったばかりだから、それぐらいなことしか言えないと思う。しかし、国民の目は違う。最近の国鉄を見る目は違う。いまの役員のもとで国鉄再建ができるとはだれも見ていない。監督する方が監督されていたんじゃだめだ。私は、運輸省はぴしっと監督すべきところは監督しなきゃならぬ、こう思います。  これもまた率直な意見ですが、法律的には何の効果もないけれども、さっき国鉄は破産状態だ、こうみずから認めているから、運輸省としては、国鉄の現状を破産宣告、こういう言葉がいいかどうかは知りませんが、そういうふうに現状を分析し判断をしなければ――そういう判断の上に立って過去を反省してこそ、これから再建ができる、こういうことになります。現状、さっきは厳しいという言葉を使っておったが、厳しいなんてものじゃない。破産状態だから国鉄そのものに破産宣告をして、さあその上に乗って、いかなる経営陣で、あるいはいかなる体制で、あるいはいかなる経営形態で運営していくかということを考えなければならない段階に来ていると思うのです。どうですか。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 今日臨調におきましても、国鉄再建の問題につきましていろいろと御検討いただいておるわけでありますので、その答申の出たそのものにつきまして踏まえさせていただき適切なる措置を講じていきたい、こういうふうに思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 次官そう言うけれども、先ほどの副総裁の答弁では、分割とかいろいろ論議されているが、そういうことは好ましくないからいまの体制でなければいかぬということで、いま主に論議されていることに対して反論をしているわけですよ。それじゃだめだと、こう言っているわけですよ、ここの答弁は。分割がいいかあるいは、私たちも分割した方が早く再建できると思うが、そういうことは別として、それが主な論議になっているときに、それに対して国鉄は意見を出さなんで、反発を加えているわけ。いいですか。それでどういう形で再建ができるかと言っても、めどもなし、過去申しわけなかったということでみずから責任をとろうとしない。出処進退はいつでも、こう言っているだけ。いま言ったようなことだけで国鉄は再建ができるか。監督官庁ですよ。国民の怒りというものは、もう頭にきています。だから、責任をとるべきものはぴしっととる。運輸省自体が国鉄に破産宣言なり何なり、これは法的には何もないけれども、その決意を下しておいて、それからゼロから出発するような決意がなければ私は国鉄は再建できないと思う。どうでしょう。これは後、きょうの五時過ぎに総理大臣にも質問をするんですよ、本当に総理はそう考えているかどうか。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 運輸省といたしましても、私どもみずから厳しい姿勢で臨んでいきたいと思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 思わぬことで大変な時間が過ぎてしまいましたが、いま大事なところは、政府みずからが国鉄に破産宣告をして、これは法的な効果は何もないと思うが、そしてゼロから出発するような考えがあるかどうか、後でまた総理に質問をしたいと思います。  それじゃ、先ほど来私は、経営者として経営感覚がなかったがためにということで、三つ、四つ時間のある限り、私が素人なりに気がついた点について質問をしたいと思います。  一番先に簡単なものからやりますが、前々から私申し上げている国鉄病院の合理化、たしか三十八病院あったと思います。それで赤字が、国鉄病院は二、三百億毎年出しておって、私は二、三年前からこれに独立採算なり何なりして改善をするように、運賃からこの赤字をみんな払っているわけですから、やるようにと、こういうように申し上げて、何かいろいろ御検討をいただいているようですが、お尋ねをしたいことは、一つは、五十四年、五十五年、五十六年、五十七年、まあ六、七年の予算ですか決算ですか、いまどのくらいの赤字になっているか、そういうことが一点と、その再建計画なり何なりはどういうものがあるか、そのことをお尋ねをします。

松田昌士日本国有鉄道職員局能力開発課長

○松田説明員 お答えいたします。  まず赤字でございますが、五十五年の赤字は約二百七十二億円でございます。五十六年はまだ決算がまとまっておりませんが、私どもの推計では二百六十五億円程度に、若干減少するものと思っております。  なお、あわせて現在の状況を簡単に御説明させていただきますと、御指摘のように鉄道病院はいままで三十八病院、そのほかに診療所、それから保健管理所等を合わせまして、全部で百二十八の医療機関を持っております。  私ども、これに対しまして抜本的にこの病院の収支を改善し近代化をしたいということで、計画を練ってすでに実施中でございまして、これを百二十八ある医療機関すべてを五十六に縮小する、残ったものはすべて廃止をするということで、まず第一点、計画をしております。それからもう一つは、それに伴いまして大幅な要員の縮減を行いたい、こう思っております。さらに三点目は、残します主力病院、そのうちの約九つのものについて当面一般開放をしたいということで、この三点を柱といたします計画をつくりまして、現在推進中でございます。  すでに昨年の十二月時点で、これに関します労働条件につきましては各組合と本社・本部間で妥結をしておりまして、きょう現在で、各管理局でその細部にわたりまして団体交渉の妥結をしたのがすでに過半数を超えて、すでに実施に移っております。残りもこの一、二週間の間に妥結をし、完全に実施に進むものと私ども考えております。  なお、それに伴いまして着実に要員の合理化も進んでまいりますし、残りました一般開放という問題につきましても、四月一日に広島病院を開放いたしまして、残ります八つにつきましても、本年度の秋ごろになるかと思いますが、それをめどに現在進めておるということであります。この計画を着々と進めまして、私どもといたしましては、六十年には現在持っております病院から生じます赤字はすべて解消したいということで、現在進んでおります。  以上でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 前向きに取り組んでいただいている御努力は、感謝します。  それから、六十年度に赤字を解消する、こういうわけですが、率直に言って国鉄の計画を信用しないわけです。もう一次から五次まで、私は六次もだめだと思うのですけれども、いままで国鉄の計画で達成されたものなし、こう思っていますから、六十年度に黒字になるという、これまた年次別ですよ、開放をことしの秋までに九つをやる、その他のことがいま言われましたけれども、年次別の計画はきちっとできているはずです、ここで六十年度に黒字にすると言うからには。私は率直に言って、この非常事態ですから、三千人も四千人も抱えて、赤字を二百億も三百億も抱えて病院を持っていなければならないという理由はないのです。  私はちょっとぐあいが悪くて国家公務員の虎の門病院に行った。あれは国公の共済病院。何か職員は優先的に診療するとか書いてある。警察病院も行った。警察職員は優先的に診療します、こう書いてあるだけで、一点単価はやはり民間と同じみんな十円でやっているわけです。あなた方今度は改善すると言ったって、一点単価七円から八円にしただけでしょう。だから、来年は九円にする、再来年は十円にする、一般並みにする、そしてここからは全然赤字は出さぬ、こういうきちっとした計画がないと、かたい決意でこの赤字をなくそうと私はどうしてもとれないわけです。その資料を出していただけますか。

松田昌士日本国有鉄道職員局能力開発課長

○松田説明員 先ほど申し上げましたように、私どもの方、すでに百二十八ある医療機関を五十六に減らすということを実施しておりますし、私どもは自信を持ってその方向に向かって進んでおります。  なお、医療単価も、去年単価を一円アップいたしまして、さらにことしもう一円単価をアップして九円に持っていくという計画を組んでおります。  なお、六十年に黒字にするということでありますから、もちろん私ども計算資料は持ってございます。計算資料は持ってございますから、計算資料を見せろとおっしゃれば御提出はいたしますが、それはいま言いましたように、これから病院をオープン化していくその時期のずれでありますとか、千名を超えます要員を削減するわけでありますから、そのことでありますとかという不安定要素は非常に多うございますから、その上での全く事務的な計算資料であるということで御理解いただきたいと思います。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 それじゃ、その事務的な資料で結構です、六十年度に収支が償う、もう運賃とか国民の負担で病院は経営しませんと、資料を出していただくように委員長からもお願いします。  それでは、これはちょうど文書質問中で、私はかねてから去年おととしの予算委員会等でも質問したと思いますが、この赤字の国鉄が、明治以来持っておったか大正から持っておったか知りませんが、鉄道公安職員制度、こういうものを国鉄でどうしてもやっていなければならないという積極的な理由があるでしょうか。いま一体、人員は幾らで、年間予算は幾ら使っていますか。

芝逸朗日本国有鉄道公安本部次長

○芝説明員 お答えいたします。  ただいま、われわれ鉄道公安職員は、法律に基づきまして大きく分けて二つの仕事をやっております。  その一つが警備業務でございまして、鉄道の施設とか車両とか線路とか、そういった施設の防護ということ、それからラッシュ対策あるいは波動対策等の警備業務、こういった広い意味での警備業務を行っていますのが一つ。それからもう一つは、これも法律に基づきまして、鉄道地内におきます犯罪捜査に従事しております。  この警備業務と捜査業務の二つについて従事しておりますが、これらの対象となります警備対象あるいは犯罪の内容というものは、きわめて鉄道に特殊な態様を持っております。したがいまして、これらの業務を遂行するためには、列車体系のあり方あるいはお客様の流れ方あるいは車の運用とか、さらには、いろいろな法律的な規定的な知識も必要でございますので、そういったものを持ちながら、さらに具体的に輸送体系にマッチした警備あるいは捜査体制をとるということにしております。したがいまして、われわれの公安職員の仕事というものはどうしても鉄道の輸送体系を十分に知っておるということが必要でございますので、私どもといたしましては、現在鉄道公安職員として指名されておりますわれわれ国鉄職員がこの鉄道犯罪の捜査あるいは鉄道警備に当たることが不可欠でありますし、また最も適切だと考えておりますので、現在のところ、そういうことで仕事を進めてまいっております。  なお、予算のお話がございましたけれども、現在鉄道公安職員は約二千六百名おりますので、一人の人件費が、正確ではございませんけれども、五百数十万だというふうに聞いておりますので、私ども公安本部といたしましては、われわれの経費というのは約百六、七十億ではないかと理解しております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 いまの答弁はやはりその担当者の答弁ですから、明治以来、大正以来からやっているのを担当者がみずから廃止しようということは言おうはずはないと私は思う。これは経営者が考えることです。  昔は、列車だけが唯一の輸送機関ですよ。その中に、すり、置き引きだか何かあった。そういうときに、この前のときに私は質問したのだけれども、国鉄は国家なり、こういう意識のもとでこれは警備までやらなければならないと、積極的な善意でこれはできたものだと思う。いま、五百人も乗る日航なり何なり、だれか公安職員は乗っていますか。長距離バスだか何か、だれか乗っていますか。そういうことを考えてみれば、経営の中でこれは警察にお願いをすべきものではないか、こういうようなことは当然気づくはずです。いまの御答弁だと、百何億と言っていますが、公安職員でない非公安職員の人の給料も公安制度の中には入っているでしょうし、建物とかその他いろいろのあれがありますし、通信事務費、そういうものがあればやはり二百数十億かかっているんではないか、こう思います。これは経営者がこういうことを考えなければならないわけで、すでに二年前に私はこれを提起してあるわけです。大体皆さんは、われわれの運賃から取ってこれを払わなければならぬというような経営感覚でいまやっているわけですか。副総裁、どうですか。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 私の経験から先に申し上げますと、東鉄のような場所におきましては、たとえば通勤のラッシュであるとかあるいはお盆、お正月というような非常にお客様の多い時期、こういう時期になりますと、いまの公安職員は全く旅客のための案内をしたりあるいは保護をしたりというような仕事も同時にこの人たちにやってもらっております。また、必要なときには捜査に当たったりあるいは警備としての仕事をしてもらったりということでございまして、やはりその意味では、鉄道職員としての仕事も公安職員の仕事の中にずいぶんあるというふうに思っております。  先ほど公安の次長から御説明申し上げましたように、経緯としてはそういうことで出発をしてまいりました上で、なおかつ現在の公安職員制度の可否という点もいろいろ御議論はございますが、私どもは、現在お客様に安心して乗っていただくためにはやはり公安職員はぜひ必要である。なお、警乗は相当きっちりダイヤを組みまして、列車にも乗り込んで警備をいたしておるわけでございまして、その点もお客様の安心感のためには大変役に立っているというふうに思います。またその場合でも、お客様から尋ねられればなおお客様に対しての御案内もできるというところが鉄道職員である鉄道公安職員の特質ではないかというふうに考えまして、これは必要なものである。  ただ、先ほど二千六百名という数字を申し上げましたが、現在の数字でございまして、過去におきましては三千名を超える公安職員がございましたものを、その辺のところはやはり減らすべきところは減らしてまいって、現在二千六百名で職員が仕事をしておるという現状でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 副総裁も経営的感覚でなくてやはり役人的な感覚で答弁をいまいただいているわけですが、さっきも副総裁みずから認めたように、破産状態なんですよ。そういう認識がないんです。この破産状態の国鉄が、警察に頼めば幾らでもできることを――警察に頼んだ方が運賃を上げなくても済むし、経営的には負担が少なくて済むし、経営者としてのイロハのイの字じゃないですか。これは運輸省なり政府がある限り、何でもかんでも臨調に頼むみたいなことはみっともなくてしようがない。いよいよいけなければ、臨調からまたこういうものはやめた方がいいと言ってもらわなければ実行ができないというなら、それはまた別です。これは運輸省の答弁いかんによっては、また臨調から診断を下してもらうよりしようがないと思うのです。私は恥ずかしいことだと思う。運輸省、これはどうですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 鉄道の特性と申しますか、やはり輸送の安全とサービスだと思います。確かに国鉄は破産的な状態にはありますけれども、やはり国民、利用者に対しましては安全とサービスを提供していくという公共的な使命があるわけでございまして、いまお話のありましたような公安職員の実際の業務が、そういう駅務におけるサービスなり安全という面が非常に大きい業務になっておるということをわれわれとしては考えておりますので、さらにもう少し合理化の余地があるかどうかという点につきましてはわれわれも検討さしていただきたいと思いますけれども、そういう趣旨ではないかと思います。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 役人の答弁じゃだめです。これはやっぱり政治家にちゃんと答弁してもらわなければならぬ。大体いま日航だって五百人も乗っているのにだれも公安職員ついていないでしょう。明治だか大正ごろから始まった、すり、置き引きのために始まったようなものがいま要るかというのだ。そういうことは政治家が判断してやらなければいかぬことだから、運輸省は検討させますか。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 合理化できるかどうか、十分検討してみたいと思います。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 経営を黒字にしようとする努力があれば、これはもう警察に飛んでいって、こういうような状態だからと言って頼む。いまの公安職員を移籍すればいいでしょう。なれているし、ちっとも差し支えないんです。そうすれば、国家の金でもって幾らでも公安職員がやっていたことはやってくれるんだからそれだけ経営は赤字が少なくなる。経営者としてみて当然のことですよ。だから、まあ次官がせっかくそう言うから検討してみて、結論をひとつ出してください。  次に、鉄道工場と三車両管理所、約二万五、六千人いるわけですが、これについては、経営者は一つも気がつかないでいるところを行政管理庁が監察をして、一定の枠の中だけれども、改善すべき点があるではないか、こういうような勧告をしているはずです。答弁の用意はないですか。大まかなことでいいわけです。  それから、全体の組織、地方の組織、これも私は総局なんというものはいまの国鉄には要らぬと思うのです。それから管理局、数が多過ぎたりまた人が多過ぎたり。こういうのは経営者として当然考えるべきことを何にもやっていないものだから、行政管理庁が監察をした結果、去年の暮れに勧告をしたわけです。大まかなことをここで発表していただきたい、こう思うわけです。

加藤武久行政管理庁行政監察局監察官

○加藤説明員 行政管理庁といたしましては、日本国有鉄道監督行政監察の結果に基づきまして、昨年の十二月に、先生御指摘のとおり工場の再編整理、鉄道管理局の再編整理について指摘いたしたところでございます。  工場の再編整理につきましては、最近車両性能の向上等に伴いまして業務量が相当減ってきているわけでございます。このようなことから、業務量、立地条件等を勘案いたしまして再編整理をする必要があるのではないか、このような指摘をいたしました。  また鉄道管理局につきましても、昭和三十年度以降におきます技術革新また輸送構造の変化等に伴いまして状況が大きく変わってきているわけでございます。鉄道管理局の組織につきましては、このような状況に応じて必ずしも簡素にして効率的なものになっていないんじゃないかということで、再編整理について指摘いたしたわけでございます。  以上でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 これは勧告で、これに対して、はいどうしますという返事を国鉄が出すわけですか、運輸省が出すわけですか。何かしなければならぬと思うのだけれども、この答弁がもうできるように、改善計画はできるようになっておりますか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 いまお話がありましたように、行管からそういう指摘がございます。それで、これは国鉄を指導し、その改善状況を報告することになっております。目下改善状況等について内部で検討中でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 副総裁にお尋ねするんだけれども、こういうことを改善しようとか機構を簡素化しようとか、私は総局なんというものは要らぬと思うが、そういうことをしようとかいうことは、経営者みずからやらなければならぬ。それを行政管理庁から見てもらって、これだけの矛盾、不合理、むだがあります、こう言われなければならぬような国鉄の経営陣というものは体質なんですか。私はそれを言っているわけだ。一般の民間の経営者から見たら、この工場あるいはこの国鉄の地方組織、われわれ素人が見たって何というむだ、何というもったいないことをやっているな、一目ですぐわかります。そういうことになぜ経営者が目を向けて改善をしようとしないか、私はそれを問いたいわけです。     〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 一つずつお答えを申し上げますが、まず管理局、総局の制度の問題からお答えを申し上げます。  この点につきましては、御指摘ございましたのは、輸送量等の減少のある地区についての管理局はいまの情報の発達している中でもっと統合したらどうかという趣旨の御指摘であったかと存じます。現在国鉄が取り組んでおります仕事そのものが、中の合理化も一つ大きな柱でございますけれども、地方交通線問題も大変大きな問題でございまして、これに当たっておりますのが管理局長以下、そのスタッフがこの問題で各地元と御折衝を申し上げておるという段階でございます。これらの拠点がございますことによっていまの地方交通線問題等の進捗が図り得るものと思っている次第でございまして、拠点そのものは現在の拠点をそのまま維持しておく。そしてなお、現在私どもがとらなければならないのは、それをいかに少ない人間でやり上げていくか。むしろ行管庁の御勧告もやはり全体の職員数を減らすことに趣旨はおありではないかというふうに受けとめまして、その点につきましてはすでに、かねてから考えておりましたけれども、本社についてはさきに二割減ということで人員を落としておりますが、管理局につきましても五十六年度末をもって定員的な整理をいたしまして、これは二年ぐらいかかりますが、まず課はすでに四分の一をつぶしました。そういう形で人間の数を減らす。しかしその拠点については、いまの体制の中では地元折衝等大変大事な役割りを果たしておりますので、そのままその拠点は当分の間維持してまいりたいと思っております。  なお、総局制について御発言、御指摘がございましたけれども、これはむしろそれぞれの地域をできるだけ本社と地方分権と申しますか、地方にもっと独自の判断を持って仕事を進めさせていくという観点から考えますと、三つの島に総局制、それから新幹線という長いものを総局の形で維持をしておりますが、その意味でその地域で権限をどれだけ持って仕事を進めていかれるかというところの方へ私どもは主眼を置いてこれまでも権限を大分落としてきておりますが、なお本社から総局等へ権限を落として、そうしてその地域に合った形で仕事が進められるように考えてまいりたいというふうに思っております。  それから、工場についての御指摘でございますが、これも過去におきまして相当数ございましたものを数は大分減らしてきております。しかしそこで、工場の立地条件というのはどういう点から判断すべきか。ただ工場を減らすことによって、そこだけの人件費は落ち得るかもしれませんが、それでは車両を遠方に回送する経費の方をどう考えるか。現在それだけの、それぞれの地域に配属をしております車両の検修のために入場いたします時間のロスを逆に考えなければなりませんし、回送経費の問題もございます。そういう点で、これまでつぶしてまいりましたのは、つぶしても差し支えないという判断で工場を減らしてまいりましたけれども、現在のところでは、なおもう少し貨車の問題や貨車の検修基地を減らすということは考えてまいりたいと思っておりますが、現在、基本的にはそういう点からの判断で工場の数を減少させることが一番いい方法だというふうには必ずしも考えておらないわけでございまして、工場につきましても同様に、ことしの春、四分の一の管理部門の課を減らしまして、これについての人員の減ということを当然そこで織り込んでおるわけでございまして、全体として職員の数を減らしていくという趣旨で取り組んでいきたいと考えております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 私たち民間人が見ると、こういうように考えるのです。二万何千人、工場部門があるでしょう。あの近代的な石油化学の工場だって、メンテナンスなんというものは本職員がやっていないのです。みんな下請会社がやっている。これは一般民間企業ではあたりまえのことです。だからわれわれがちょっと見たときに、工場の検査とか修理とか、そういうようなことを何で民間でできないのか、こう思うのです。だから、うんと極論すると、いま破産状態になった国鉄から二万何千人もいる工場は独立をして、国鉄から契約をして検査なり修理なりをやります。それは民間も、もしあるならやりますでいい。そういうことを民間の経営者ならすぐ考える。現に民鉄は、この勧告にも出ているように相当な部分を民間にやらしているわけで、そしてはるかに能率を上げているわけです。私はこの勧告ぐらいなまやさしい勧告は、役所が見たんだからこの程度の勧告しかできないと思うけれども、われわれ一般民間人が見れば、余りにもむだが多過ぎないか、こういうようにすぐ気づくわけです。経営者が物の見方をそういうように見てやらなければ合理化や近代化はできない、こう言っているわけです。そういう感覚に経営者が欠けている、私はこう思うわけです。もっと抜本的な改革、少なくとも勧告されたくらいなことは直ちに実施する。もっと抜本的な合理化を進めていく。少なくとも勧告されたことはやれますか。いまいろいろ言いわけみたいなことを聞いているんだけれども、もっと民間人的な経営感覚で工場の運営なり何なり見なければならぬ。どうでしょう。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 民間的なという意味でおっしゃられますと、国鉄の場合でもそうでございますが、現在の仕事を全部直営で職員がそのまま仕事をしておるということではございませんで、相当外注の部分をふやしております。現在大手の私鉄におかれましては、名鉄を除きましては工場そのものは直営でございまして、その中身が職員がやるか外注の人たちのお仕事になっておるかということでございまして、この点につきましては、私どもも現在その点をふやしたいと思っておりますと同時に、先般異動を行いまして、民鉄の経営の仕方を直に勉強に行くというチームをつくりまして、その辺のところをよく学んだ上でそれを取り入れたいと考えておる次第でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 さらに進めたいと思います。  国鉄のバス部門、これが約一万人、九千五百人いて、百四十四路線あって黒字の路線は一本だけで、あとの百四十三路線はみんな赤字。九千五百人の者がやっておって、私の推計では年間四百億の赤字。これに対して私が質問したところ、「今後ともこれらの諸施策を着実に実施することにより、地方バス補助対象系統等より生ずる欠損を除いて、昭和六十年度に自動車部門固有の経費で収支均衡を図ることとしている。」これもまた六十年度には収支均衡を図りたい、一部の赤字何とかを除いては、こういうようになっているわけです。私たち経営の立場から見れば、こんな赤字の自動車部門はもう独立しちゃって、日本バス株式会社に独立してもよろしい、何でもいい、独立してしまえば四百億の赤字は国鉄本体にかぶってこないわけですから、まずそういうことをやったらどうかとすぐ気がつくわけです。六十年度までに収支均衡というせっかくの答弁ですが、くどいようだけれども国鉄の再建計画というのはわれわれ全然信用できないから、これもまた年次別に、どことどこをいつやめて、六十年度どういうようにしてどこの路線をやめて、そして文章は「地方バス補助対象系統等より生ずる欠損を除いて、」とありますから、これは再質問も出してありますからひとつ文書で出してもらう。もっと大きな立場に立てば、運輸省、こういうものを別会社に独立して、そして国鉄の運賃にかぶってくる赤字と国鉄にかぶってくる赤字を切っていくというのが経営者としてのあたりまえの立場じゃないでしょうか、どうでしょう。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 国鉄バスは、先生御存じのように、いわゆる地方のローカルの輸送という面で鉄道を代行するあるいは培養する、先行するというようないままでの考え方があったわけでございますけれども、御案内のように非常に収支係数がよくないということから、現在においては極力合理化に努めて、そして収支の改善を図ろうということでございますが、さらに国鉄バスにつきましては検討を深めたいと思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 いまのは運輸省でしょう。監督官庁がそんなことを言っていては監督にならぬわけですよ。私は、新聞を見ただけでは、臨調としては、なるほどそういうものを取り上げなければいけないといって臨調は取り上げているんだ。だから、臨調から取り上げてもらって勧告を受けたらやりますということじゃ、監督官庁も恥かしいことですよ、国鉄も恥かしいことですよ、みずからやらなければ。みんな臨調もたれ合いみたいなもので、臨調から勧告されたらまあできるものからやるみたいなことでは、これだけの赤字の、破産宣言をしなければならない国鉄を監督官庁がどう見るかということです。監督されているのか監督しているのか、これはわからないじゃないですか。運輸省、臨調から言われなければ本当に何もできないかね。小坂大臣は民間経営人だから、いればこれは徹底的にやるつもりだが、どうも政務次官じゃ言いにくくてしようがないのだけれども、これも検討してくれますか。

鹿野道彦自由民主党運輸政務次官

○鹿野政府委員 臨調でもいま御検討いただいておるわけでありますので、その答申を待って適切なる措置を講じていきたい、このように思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 きょうはいろいろ問題を出すつもりで、原稿のあるだけやっていくにはまだ二、三時間かかるのだけれども、やはり同じような問題で、また国鉄では五百名いる印刷所を持っているのです。民鉄の中で、切符を印刷するのに自分の経営の印刷所なんというものはないですよ。昔は、民間の工場経営とか、修理部門も自分でやる、印刷所も自分で持つみたいなことを、三十年も四十年も前には経営の中でやったと思う。ところが、国鉄の切符を印刷するのに国鉄自体が印刷所を持っている。政務次官、これは御存じかね。われわれが見ると、もう明治か大正の経営をやっているようにしか見えないわけですよ。しかも、これも行管から勧告を受けている。勧告を受けてもまだ実施しない。だから私は、経営的感覚がないと思うのだ。国鉄の人は年間六百万かかる。だから、一分間に幾ら賃金を払っているかというと、これは恐らく五十円か六十円に相当すると思うのです。能率の悪いあの切符を国鉄の職員が印刷していれば、入場券というのは一枚百円だったか、今度上がったから百二十円ぐらい取られるのだから、これは印刷代の方が高くつきやしないかと前から心配をしているのですよ。そういう経営を国鉄の中ではやっているわけです。  これも突然の質問で申しわけないが、行管庁はいつ、どういう勧告をして、国鉄はどう改善したか。

加藤武久行政管理庁行政監察局監察官

○加藤説明員 行政管理庁といたしましては、日本国有鉄道監督行政監察の一環といたしまして、国鉄の業務委託につきまして調査をいたしたところでございます。その監察結果に基づきまして、五十三年の十月に、印刷所の切符等の業務につきましては部外委託によって経費の節減が可能ではないかということで、部外委託を進めるように指摘いたしたところでございます。国鉄はこの勧告を受けて、逐次合理化を実施している、部外委託を推進している、このように承知いたしております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 国鉄にお尋ねするが、これはどうしてやめられないのだね。その四百人か五百人の人も、老齢化した人ばかりが多い。それは独立させて、国鉄が幾らでも注文してやって買ってやる、民間に独立さしてやる、そういうことがどうしてできない。この勧告の中身を見ると、能率はますます悪くなって、古い機械でどうしようもないから、われわれから見ればいわば人件費だけ払っているみたいな工場経営です。いまは逐次何とかと言うが、見てみると人の減り方が少ない。こういうものなんかなぜやめられないのか、副総裁どうです。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 現在九カ所、三百四十三名というのが現在員でございます。その三百四十三名の年齢を申し上げますと、九割を超えます者が五十歳以上でございます。  それで、これまで行管庁からの御指摘もございまして、先ほどちょっとお答え申し上げましたように、すでに局報とか広報とかそういう帳票類のようなものにつきましては四十四年に全部外で印刷をするというふうに変えたわけでございますし、先ほどの御指摘がございました後で、現在の国電区間等で使用しております乗車券、これは薄い券でございます。これはもうすでに外注に変えたということでございますが、一方で、切符のうちで相当部分は「みどりの窓口」でむしろ機械で発券をする方が多くなってきておりまして、現在残っておりますのはかたい切符、硬券と申しておりますけれども、昔よく使われておりました切符だけの印刷でございます。  ただ、先ほど申しましたように大変大量のものが外注化され、あるいは印刷機械による発行というかっこうになりましたので、いまは非常に少量で、しかも個所数は多いというようなものを扱っておるということでございまして、これはある意味では外注しても大変経費のかかる部分もあるというふうに思われるわけでございますが、それよりも現在は、先ほど申しましたような五十歳を超えるような者が九割もいるというところから、その人たちのやめぐあいと合わせながら考えていった方が、もしいまその人たちをほかの仕事へ回すといいましても、長年印刷しかやってきてなかった人たちでございますので、それと合わせながら考えてまいりたいというのがただいまの気持ちでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 給料支払い団体みたいなことをやっているだけじゃないか、私はこう思うので、そんな答弁じゃとても私は満足しないし、もし経営者であるならばそういうものを一番先に合理化していくという着想があるのがあたりまえのことで、そこで私は経営的な感覚をと最初から申し上げているわけです。またこれは大いに後で検討してもらうように、運輸省にお願いをしておきます。  まだ幾らでもあるわけですが、私もこういうものがあるということは気がつかないでおりましたが、旅行センターというところに国鉄の職員は七百人出向みたいな形で行っているわけです。ところが、場所によっては人件費さえも払えないようなところがあるわけです。まだしさいに私検討していないけれども、そこには民間の四つの業者に委託ができるようなことになっているわけですが、これは七百名の国鉄職員をやめて、民間四つの委託業者だけではいけなければ五つでも六つでもふやしていいと思うのだけれども、民間業者に委託しただけの方がはるかに合理的だ、こういうことも行管の勧告で出ていて私はびっくり仰天しているわけですが、人件費さえも払えないような売り上げをしている。こういうばかなことが行われているわけですか、現状をひとつ国鉄当局から発表してください。

有馬訓祥日本国有鉄道旅客局営業課長

○有馬説明員 旅行センターにつきましては、実は昭和四十三年からつくり出しまして、現在八十二カ所旅行センターと言われているものがございます。これによります国鉄の旅客収入の売り上げは約七百億に至っております。  旅行センターというのは少しわかりにくい組織になってございますが、二つの仕事をいたしておるわけでございます。一つは、駅や駅周辺、それから国電などにお見えになっている一般のお客さん、これに国鉄の切符を中心にいたしまして旅館券とか、それからほかの運輸機関の切符でございますとか、こういう切符をお売りするという仕事が一つございます。それからもう一つは、あらかじめ定めておきました管轄ブロックがございまして、そのブロック内のほかの旅行業者とか大きな企業、それから老人会だとかそういうサークル、学校、こういうところにいわゆる広域のセールスをして回る仕事、こういう二つの仕事があるわけでございます。  それで最初の、一般に来るお客さんに鉄道を使います場合にすべての必要な手配、切符を売って差し上げる、この仕事はエージェントがやっているわけでございます。たとえば東京駅の場合ですと、交通公社がこの部分は主として仕事をしておるわけでございます。第二番目の広域セールスをしていくという部分の仕事は国鉄職員がこれをやっておる。それで、広域セールスをしてまいりまして、たとえば大企業での注文だとか、そういうものを受け取りましたものを発券する、こういう仕事をいたしておるわけでございます。こういう仕事と申しますのは、これは経費の問題もございますが、収入を確保するという意味では非常に大きな仕事だというふうに私どもとしては考えておりまして、事実、これは非常に競争の激しい中でございますけれども、たとえば航空会社でございますとか大手の船会社、大きなバス会社、こういうところも、私の申しました第二番目の仕事というのは直営でやっておるわけでございます。  これを委託ないしやめるという議論があるわけでございますけれども、結局二番目の広域セールスと申しますのは、横に提携をいたしております、たとえば東京駅の場合は交通公社と違うエージェント、こういうところに国鉄を使っていただく。それから、国鉄を使う場合に、団体等につきましてはいま所定の価格ではなかなか御利用していただけないという場面もございますので、価格についてのネゴシエーションだとか、こういうこともいたすわけでございます。それから、大企業などの場合には大概、学校なんかもそうでございますけれども、大体出入りのエージェントを持っているわけでございまして、そういうエージェントというのは横で提携しております業者と違う業者なわけでございます。したがって、私ども行政管理庁から御指摘をいただきました内容では、その部分を提携する業者に委託なりということで御指摘をいただいているわけですが、こういう形の商売の中ではこれは基本的にはでき得ないことだというふうに私は考えております。  ただ、先生おっしゃったように、これは行管からも御指摘をいただいておりますけれども、たとえば個人の一人当たりの売り上げ、これが地域によって市場性その他で大分違いますので、非常に低いところもございます。全体といたしましてはそういう広域セールス分も合わせますと三千万を超える一人当たりの収入を上げておりますので、平均的には決して人件費を賄わないという状態ではございませんけれども、地域によってはそういうところもございますので、そういう個所につきましてはもっと効率を上げるとか、それから管理運営のあり方につきましてはもっと厳しいノルマをつけていくとか、こういう形での改善は早急にやってまいらなければいかぬ、こういうふうに考えておりますけれども、この部分をすべて業者に委託をするということになりますと、国鉄としましては、たとえば団体等につきましても、座っていて来るお客さんだけを処理する、こういうことになりますので、これはこういう厳しい競争の中では国鉄利用がどんどん減っていくだけでございますので、収入を上げていくということもいまの状態を脱していく中では非常に大きな仕事だと私ども考えておりますので、これを委託するという考え方は私どもとしては持っておらないという実情でございます。  以上です。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 細かいことを一々言い出せば切りがないのですが、たとえば職員一人当たりの販売額で言うならば「国鉄を一〇〇とした場合、提携業者は一六九であるなど、旅行センターにおける国鉄の販売額はかなり低いものとなっている。なお、提携業者は、民鉄等との委託契約により民鉄乗車券類、航空券、宿泊券等も取り扱っており、これらを含めた提携業者職員一人当たりの販売額と対比すると、国鉄を一〇〇とした場合、提携業者は三一二であり、国鉄の方が更に低いものとなっている。」要するにいろいろ合わせれば三分の一くらいの能率しか上げていない、こういうことですよ。そのほかに、そのページで私は聞き捨てならぬことがあると思うのだけれども、国鉄職員が関与したが提携業者が扱ったことにして業者の方に委託費を払っている。これはおかしな話じゃないですか。職員が契約したけれども、それはそこの業者が扱ったことにして契約金だか委託金だか、それを払っている。これは大分たくさんの種類があるが、そういうことをやっているわけですか。

有馬訓祥日本国有鉄道旅客局営業課長

○有馬説明員 お答えいたします。  国鉄と旅行業者の一人当たりの売り上げを見ますと三分の一だ、基本的にはそうなるわけでございます。私どもとしましては、原則としまして旅館券でございますとか、それから片道たとえば飛行機を使うという場合の航空券でございますとか、こういうものについては扱っておらないというのが実情でございます。したがいまして、その部分につきましては提携する旅行業者と一緒になって一つの販売としての形を形成していくわけでございますので、旅行業者の場合に約六千万を超える一人当たりの売り上げを持っておりますけれども、これは旅館の売り上げだとか、たとえば片道飛行機を使います場合のそういう売り上げだとか、こういうものも基本的には入っております。それから国鉄券そのものの売り上げにつきましても、窓口で上がります金額というものを比べますといまおっしゃったような三割くらいの差がついてございますけれども、旅行センターの国鉄職員側が活動してまいりました国鉄券というものは必ずしも旅行センターだけで発売をするという形にはなっておりません。たとえば駅は一つの販売のエリアを持っておりますので、そういう場合にはほかの駅に上がる場合もございますし、それから大企業等にアプローチしましたときにはそこに出入りをしておりますエージェントの売り上げに上がっていく、こういうことはございます。     〔佐藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、そういうものを入れますと約三千万ちょっと超えるくらいの一人当たりの売り上げになっておりまして、相互を比べますと、平均的には国鉄収入が旅行業者以下という状態ではございません。  第二点で御指摘いただきました、国鉄職員が売ってきたものを旅行業者が売ったことにして手数料を交付する、これは一般券の場合でございますと五%程度、団券の場合だともう少し高い手数料を交付いたしますけれども、これは営業上からいいますと非常に複雑な中身になっておりまして、たとえば日本航空やそういうところも私の申しました代理店の仕事をしておるわけでございますが、それではこれが全部自分のところで飛行機券を切るかということになりますと、飛行機会社なんかの場合は完全にいわゆるエージェント側で切る、こういう形になっております。旅行業者と申しますのは、御存じのように、どういう交通機関でも基本的にはいいわけでございまして、それをお客さんに売ることを専門にいたしておるわけでございます。ただ、いわゆる飛行機会社とか国鉄というようなキャリアというものは、それに任せておったのでは結局旅行業者の利益のあるところにいわゆる輸送というのは大きく流れていくわけでございまして、そういうことでは運輸機関相互の競争の中で自分のところのお客さんというものを確保することはなかなか困難でございますから、基本的にはエージェントが売っております市場の中にキャリアとして入っていくわけでございます。この入っていきましたキャリアがとったお客というものをすべて自分のところの体制で切符を切る、手数料はエージェント側に全然行かないということになりますと、これは完全にエージェントとキャリアの利害が対立をいたすわけでございます。そういうこともございまして、エージェントとキャリア側が利害の対立した状態のままキャリア側が自分のところにお客を呼んでくるということは、これは営業上は非常に支障が多うございましてできませんので、ほかの運輸機関も含めてそういうやり方をやっておるというのが、いわゆる旅客営業上の市中における活動の現状においての実情でございます。  ただ、国鉄の場合には、そういう面ではすべてエージェント側に売らせるということはやっておりませんで、そのケース、ケースについて必要な場合にそうやっておるというのが一応たてまえでございます。  ただ、これは出入りの運用に絡む問題でございますので、必要最小限度のものをエージェントに売らせるという面で十分でないという面がないとは申しませんので、その点については現在チェックをいたしておりますし、さらにそういう手数料を不必要な場合には支払わなくて済む、こういう体制に持っていくべく努力いたしておるという状況でございます。  以上でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 私もこういうのを見て初めて気がついたのだが、「このため、f、n及びx駅旅行センターの販売額についてみると、表七十一のとおり、国鉄が関与した過半のものを提携業者扱いとしている。」これは要するに国鉄が関与しておいて、提携業者にわざわざもうけさせるためにそっちの扱いにしている、こういうように読めるわけです。さらに「これら提携業者扱いとしたもののうち、例えば回数券についてみると、昭和五十六年九月の旅行センターの一件当たりの獲得額は約五十万円で、その代売手数料は二万五千円となるが、これを提携業者の収入としている。」要するに、旅行センターへ出かけて行った国鉄の職員は、提携業者に収入を得させるためにそっちの扱いをしている、過半数がそうなっている、これはこういうことなんでしょう。  これはいつまでもやっているわけにいかぬが、次官もこういう問題についてきちっと調査をして、改善するならさせて、要するに提携業者にもうけさせるために国鉄職員が行っている、一番結論から見るとこういうことです。これは調査して、しっかり収入を一文でも国鉄が多くするという立場でやってもらわないと……。業者を助けるためにやっているのじゃないですか。

有馬訓祥日本国有鉄道旅客局営業課長

○有馬説明員 いまも申しましたように、提携する旅行業者をもうけさせるためにそういうやり方をしておるのでは決してございませんで、これはこういう場所で細かく限られた時間で御説明することは非常にむずかしゅうございますけれども、要するに私どもとしてはエージェントにもうんと売っていただかなければいかぬわけですし、国鉄側も国鉄を利用するようにほかのエージェントなり学校なり企業なりに働きかけなければいかぬわけでございますから、そういう中でどうしてもそういうことをしないと、エージェント側から国鉄としてボイコットをされるような状態になりますと、商売としてはなかなか進んでまいりませんので、そういうことの中で考え方としてはそういう状態になっておるわけでございまして、さきにも申しましたように、不必要に相手方に手数料が行くという状態の場合にはよく調べまして直させていく、こういう考え方でございます。  もうちょっとくどくなりますが、たとえば隣の提携しておりますエージェントと国鉄側の職員が両方一緒にセールスに行く、こういうような状態がございます。こういうときには相手方の売り上げに上がって手数料が行く、こういうようなケースが一般的なわけでございますが、私どもとしてはそういうものは営業上はやむを得ない、こういうふうに考えておるということでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 改善すべきものは改善していただくようにして……。  まだたくさんありますが、たとえば鉄道学園、これは関東地方なら関東地方にずいぶん幾つも幾つも置いてあるわけです。こういうのは整理統合できるのではないか。私はいつかもそういうことを提言したことがあると思うが、何かそれをやっているか。あるいは新幹線は保線を民間にゆだねているようですが、これは何万人いるか知らないが、保線の能率が悪いというのは国民の声であります。これは午前中一時間半とか午後一時間ばかりしか働かない。お昼をするのにわざわざ遠くから来る。弁当を持っていったらうんと能率が上がるのではないかと、民間の人、周りで見ている人がわれわれにみんな言うわけです。それで行管の勧告なり調べてみた結果を見れば、これじゃ民間と比べて、マルタイという一億もかかるような機械を使っても民鉄や何かの四分の一しか稼働率が上がっていないという数字でもって出ているわけです。たとえばこれなんかみんな民間に任せて、契約をしてやらせるということはできるじゃないですか。たとえば保線なんかの改善計画はどうやっていますか。

神谷牧夫日本国有鉄道施設局保線課長

○神谷説明員 お答えいたします。  保線関係の業務の非能率性については、かねてから先生方に御批判いただいて、まことに恐縮しております。  そういった趣旨で、従来から効率向上につきまして努力してまいっておりますが、その方法といたしまして、一つは作業の機械化、もう一つは作業の外注化、両面から進めておるわけでございます。ことしから来年にかけまして新しい体制で臨もうといたしておりますが、この二年間で現在考え得る作業の外注化をすべて実施したいと考えております。  また、残りますマルタイ作業の効率向上につきましても、行管庁の御指摘もございますし、私ども自体の問題としても従来からいろいろな改善策を加えてきておりまして、最近ではようやく効率も向上してまいりまして、一時の三倍程度の稼働率の向上になってきておりますが、まだレベルとしては低いものがございますので、さらに今後に向かってオペレーターの教育訓練でございますとか、列車間合いの確保でございますとか、いろいろな方策を講じながら能率向上をしてまいりたい。そして一日も早く民鉄のレベルに到達したいと考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 まだここにたくさん改善すべきものがあるのですが、時間ですからやめますが、私がこうやって指摘した一つ一つを見ても、国鉄の経営者としてみずから改善をしなければならないものが何にも改善されていないわけです。最初から言っているように、みずから改善をしなければいかぬ。それを、政府のこと、政治家の発言が悪いとか、公共的なことをやっているという甘えの上に乗っかっているだけなんです。ただ一つ、さっき労使問題が副総裁の口から出たのだけれども、いま一つは、経営者としてやらなければならないことを何にもやってこなかったわけです。私は、これを挙げて言ったのは、たとえば国鉄の公安職員三千名ばかりやめたらどうだろう。工場だって、うんと極端に言うなら独立させることもできると思う。印刷所は数は幾らでもないのですが、病院だって三千名四千名、こういうものを独立していけば幾らでもやっていける等々、やっていけば、私が素人なりに見たって二十万人ぐらいで国鉄というのは運営できることはあたりまえではないか。これは一般の常識にもなっている。民鉄の人が国鉄を眺めてみんなそう言っておるわけです。そして、いま副総裁が言うように破産状態である。まさに、宣言だけはしませんが、破産状態にまで陥ったその責任というものをどうしてもとってもらわないと国民は承知できない。私は、このことを繰り返します。過去の反省の上に立って、私たちはこういう間違いを起こしました、これからはひとつどうぞ新しい経営でもってどうにでもうまく再建をしていってもらいたい、これが国鉄のいままでの経営者としてのとるべき立場ではないか。くどいようですが、それだけを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

石井一自由民主党

○石井委員長 榊利夫君。

榊利夫日本共産党

○榊委員 今回の行革関連一括審議の対象になっております案件は、三百五十五本という国会史上でも異例の数の多さであります。しかも、昨年通常国会に出されました給与法令等その廃止法律関係は三百三十五本、さらに許認可等整理計画関係が八本、臨調第二次答申関係が十五本、しかもそれぞれが性格が異なる、そういうのがたくさん加えられておるわけでありますが、これも異例であります。やはりこの案件というものが、一山幾らでない限り、各党の立場としましても賛否こもごものはずであります。  中曽根長官に伺いたいのでありますが、こういう異例づくめの一括審議、これは行革の本議なのかどうなのか。また、国民に責任を持って慎重に審議をやるという国会審議のあり方から見てどうなのか。やむを得ない、あるいはこれは当然だ、そういう御所見なのか、そこをまず最初にお伺いいたします。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 臨時行政調査会の答申を受けまして、行政の簡素合理化、特に許認可の整理、廃止等々を目的といたしまして、趣旨も一致しておる、そういう点で一括したわけでございまして、いままでも先例が数回ございますが、その先例も追いまして今回提出したので、やむを得ないという言葉が適当であるかどうか、むしろ一括して出した方が行革の趣旨にも沿うし、審議の便宜上得るところもあるのではないかと思っております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 やむを得ないという御所見のようでありますけれども、やはり国会審議のあり方という点から見まして、これだけの数のものをそう短い時間に事実に即して国民に責任を持って審議をしていく、大変むずかしいことであります。そういう点ではやはり、これからの国会審議のあり方あるいは提出のあり方といたしまして、これについてのいま私が申し上げたような角度からの批判があることをひとつ御念頭に置いていただきたい、こう思うわけであります。  それで、次の問題でございますが、実効性を失った法律、これは廃止するのは当然であります。しかし、同時に膨大な戦時勅令、これは手つかずでありますし、戦後占領期のいわゆるポツダム政令、それの名残と申しますか、たとえば世上問題になってまいりました特別調達資金設置令とか、あるいは労働基本権剥奪の二百一号政令だとか、それの名残、これもあるわけでありますけれども、こういったのについてはやはり適切な見直しをやって、廃止するところは廃止をしていくし、改正するところは改めていく、そういう基本態度が必要ではなかろうかと思うのでありますが、この点いかがでございましょう。これもできたら長官に基本姿勢としてお伺いいたしたいと思います。

佐倉尚行政管理庁行政管理局長

○佐倉政府委員 先生おっしゃるようにポツダム勅令あるいは緊急勅令、こういったものは法律としての効力を有しております。今回の整理は狭義の法律ということで、今回の法令整理の検討に当たりましてはこれは検討の対象から最初に除外したわけでございます。ただ、これらの勅令につきまして現在でも生きているものも少なくないので、統一的な取り扱いにつきましてはさらに慎重な検討を加えたいというふうに考えております。  ただいま先生が御指摘になりました特別調達資金設置令でございますけれども、これはポツダム政令の一つでございますが、現在でも機能しているのではないかというふうに考えておりますが、ただいまの政令二百一号の話でございますが、これはたしか二十七年に失効しているというふうに私どもは考えております。ただ、こういうものにつきましても、さらに検討を加えていかなければならないというふうに考えています。

榊利夫日本共産党

○榊委員 この十五日、また以前から、ここで私どもの同僚の中路委員もいま出ました特別調達資金、この問題につきまして質問をいたしまして、この関係、二百数十億円のうち一般会計の繰り入れ未済額が約七十億円ある。米軍からの未償還も約二十六億円ある。こういうことは防衛施設庁当局も認めたわけでありますけれども、こういった問題についてはやはりきちっとしたけじめをつけていくべきだ、こう思うのであります。前回の中路質問以後、行管として何かこの件については御検討なさいましたか。

佐倉尚行政管理庁行政管理局長

○佐倉政府委員 関係省庁等と十分検討したいと考えます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 国会の場で提起された以上は、私はきょう防衛施設庁に直接指定してなかったのであれですが、直ちにやはりそれに対応するという機敏な政治姿勢、行政姿勢、これをひとつとっていただきたい。そのことを改めて要望しておきます。  逓信病院関係での質問に移りたいと思いますが、郵政省、電電公社の逓信病院、これは御存じのように、行管でもすでに調査されてまいりましたように赤字続きでございます。しかもこれらは郵政、電電の事業体の事業費の中から補てんされております。ということは、結局は利用者は国民の支出で最後は賄われる、こうなっているわけでありますが、行管庁として、逓信病院についてずっと調査見解をまとめられてきておられるはずでありますが、たとえば五十四、五十五年度、この郵政省直轄の逓信病院、電電公社の逓信病院、それぞれ百億から百九十億円という膨大な赤字を累積しているわけでありますけれども、どこに問題点があるというふうに見ておられるのでしょうか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 御指摘のように郵政、電電の十六、十七の病院の赤字の原因でございますが、まず第一の収入の面と申しますかそういう面から見ます峠利用者が限定されておりますために患者の数が少ないというのが一つございます。それからもう一つは、診療報酬の単価の減免措置があるということも一つの要因かと思っております。  一方、質の面から申しますと、病院等の看護単位が非効率になっておることから、結果的に職員配置が多くなりまして人件費が非常に多くなっているということが言えようかと思いますし、その次といたしまして材料費の購入等の経費の面の問題がございます。それが具体的な理由かと思いますが、全般から見ますと、病院が独立の経理区分になっていないことから経営意識に乏しいのではないかというふうなところが原因かと考えております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 つまり、利用者が限定されているということは、言いかえれば、せっかく設備がある、だけれども空きベッドが多い、そういうことにもなるだろうと思うのであります。資料によりましても、私どもが伺っているところでは、行管が調べた調査対象病院の平均が一昨年度で四六%の病床利用率、これはたとえば自治体などの公的病院はもちろん、民間病院等々に比べましてもお話にならないぐらい低いわけであります。大体ベッド使用率が六〇%以下ならば赤字は当然、これが常識。ところが、いまのお話のように郵政省の逓信病院では大変な赤字続きなんですが、実際いろいろ状況を聞いてみますと、それでも年間百五十万の患者さん、電電公社の逓信病院の場合実に年間百八十万を超えます。これは大変な量であります。しかも、現場の看護婦さんだとか技術者等々忙しく立ち働いている。それなのにどうして赤字続きか。結局はいま申し上げましたベッドの使用率が非常に低いとか効率的でない等々、問題がある。その主な点はすでに行管としてもお気づきのところだろうと思います。私も資料を研究させていただきました。ところが、なかなか直らないというのもまた現実なわけですね。  そこでお尋ねですが、それぞれの地域に行きますと、せっかくりっぱな病院の施設がある。ところが受診が限られている、いまお話に出ましたように限定されている。そのために、迷惑は受けるけれども利便がない。つまり、一般の人たちもせっかく近くにある病院だから受診できるようにしてほしい、オープンにしてもらいたい。もちろんいまでも場合によってはかかることができますけれども、非常に高い。つまり保険がきかない。そういう点から、保険も使えるような形での一般公開をやってもらいたい、非常に強いわけであります。言うなれば、閉鎖的な病院であることが赤字続きの原因にもなっている。その点では開かれた病院にする、もちろん地元の医師会だとか開業医の合意を得てのことでありますけれども、そうすれば一石二鳥三鳥の解決が可能になるのじゃないかと思うのです。東京にも関東逓信病院であるとか東京逓信病院であるとか、技術の中身につきましても非常に定評のある病院があるわけでありますが、開かれた病院にしていくという点での改革、この点、いかがでしょう。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 職域病院の一般開放の問題につきましては、さきの会計検査院の報告なりあるいは国会での議論なり臨調の議論なり等々で出ておるわけでございます。郵政省といたしましても、わが方で持っておりますこういったいろいろな施設を備えました職域病院を、職域病院として、機能させるほかに、地域の皆さん方の要望にこたえて開放していくということは非常に有意義なことだと考えておりまして、郵政省といたしましても一昨年からこれに本格的に取り組んでまいりました。したがいまして、現在では十六病院のうち十一病院が一般開放しておるわけでございますが、今後、地元の関係機関の御協力を得ながら逐次残りの病院につきましても開放をしてまいりたい、かように思っております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いま積極的に開放するというお話ですけれども、それでも五十五年度につきましては全国平均でまだ五九%ですね、病床利用率。東京なども比較的高いようでありますけれども、これについても地元のそういう要望が強いことは、先ほど申し述べた点、地方と同じなんです。この点ではどうですか、具体的にいつごろを目指してひとつ全面開放をやりたい、そういう具体的なプラン、ございますか。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 私どもの方といたしましては、できるだけ早期に開放を実現していきたいという基本的な姿勢にありまして、地元の関係の方々と協議をさせていただいているところでございます。したがいまして、そういった条件が整いますならば開放に踏み切ってまいりたい、かように考えております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 その点、いまおっしゃったような方向での大いなる努力をお願いいたします。  さて、診療単価の引き上げ、これを行っておられると聞きますけれども、現在、職員の場合一点単価は幾らなのか、また一般の人はどうなんでしょうか。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 職員の場合ですが、一点当たり九円になっております。これは健全な労働力を確保するという職域病院としての使命ということもございまして、一点当たり九円ということでやっております。それから一般の部外の方々につきましては、一点当たり十円ということになっております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 職員九円、一般十円、これは保険利用の場合でも十円になるわけでありますね。つまりそこにも一つ差があるわけでありますが、もう一つ、逓信病院の場合には郵政大臣、政務次官あるいは公社経営委員など、これらの方々の診療単価について特例が設けられているというように聞いておりますけれども、それはどういうものでありましょうか。また、その法的な根拠及びこれまでこの特例によって受診券を受け取っている人々は何人ぐらいおられるのか、お答え願います。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 受診券の問題でございますが、一般開放している病院におきましては、特段一点当たりの単価を安くするということはしておりません。ただ、一般開放していないところになりますと、退職者につきまして、せっかく自分が現職の間に育ててきた病院に退職するとかかれない、かかっても非常に経済的な負担がかかるということになりますので、長年の職員の労苦に報いるとかあるいは職員の士気を高めるとかというふうな考えを持ちまして、わが省の逓信病院においては退職者につきましては在職者に比べて幾らか安い単価にしております。したがいまして、先生御指摘の、郵政大臣であるとか政務次官とかについて特別安くしているということではございませんで、一般の郵政の職員の退職者と同様の扱いをしている、こういうことでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 同様の質問を電電公社の方の逓信病院にもお尋ねいたしますけれども、いまの問題について述べておきますと、従来一般公開していないところが多いわけです。ですから、郵政大臣や政務次官等々の場合、それについて特別の、特例による受診券を受け取ってやってこられた方があるはずなんです。  電電公社の前に、いまのもう一つですけれども、そういう特例による受診券を受け取ってきた人は何人ぐらいおられますか。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 この受診券は、大体原則として退職した人には発行しておるということになっておりますので、いま、それを全部、これまで発行した累計数を手持ちにございませんので、ちょっと申し上げかねるのでございますが……。

榊利夫日本共産党

○榊委員 では、電電公社の方。

澤田道夫日本電信電話公社厚生局長

○澤田説明員 お答え申し上げます。  日本電信電話公社の所有しております逓信病院に従業員あるいはまた退職者がかかりますといいますか利用いたします条件は、郵政省の逓信病院と全く同じ条件でございます。したがいまして、郵政大臣あるいは次官経験者、あるいは公社の場合は経営委員であられた方等は、いずれも退職者と同じ扱いということにいたしております。  また、具体的な受診券の発行の数でございますが、残念ながら把握いたしておりません。

榊利夫日本共産党

○榊委員 何人だということはついに言われないわけでありますけれども、大臣経験者などが退職者扱いとなる〇同時に診療単価も違うわけでしょう。先ほど、職員は九円だ、一般は十円だ。しかし、大臣や政務次官あるいは経営委員など、こういうような経験者の場合はもっと安いでしょう。どうですか。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 単価の問題でございますが、一点当たり七円でございます。これは、在職者が一点九円ですから二円の格差があるということでございます。ただ、これは大臣とか政務次官の経験者に限って七円ということでなくて、退職者すべてについて七円、こういうことでございます。  実は、なぜこういうふうなことになっておるかと申しますと、一般開放していない逓信病院にもしかかったといたしますと、何らの措置も講じていないといたしますれば、一点当たり十円まるまる本人が負担をしなければならないということになるわけでございます。これは長い間郵政省の方に勤務をし、事業に尽力してくださった職員に対する遇し方としてはいかがなものか、こういうふうなこともございまして、これを七円とした、こういうことでございます。  ただ問題は、七円はすべて本人に負担としてかかってくるわけでございます。一方、一般開放している逓信病院につきましては、大体退職された方もほかの保険、社会保険に加入されておるものですから、一点当たり十円といたしましても大体その三割の三円だけが自己負担、こういうことになってまいりまして、一般開放している、しかも何らの特別の措置をしていない病院にかかった方が有利だ、こういうことになってくるわけでございます。そこで郵政省といたしましては、冒頭申し上げましたように、一般開放というものを積極的に進めることによって、一点当たりの単価を低くするというふうな措置をすることなく患者本人に対しても負担を軽減し、また郵政省に対する収入をアップするということにもなりますので、私どもといたしましては一般開放を推進していくということによって全体的に問題の解決を図っていきたい、かように考えておるところでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 将来の問題でなくて、過去並びに現在の問題としてお尋ねしているのです。つまり、七円という別格の特典が与えられている。それは内規で、あるはずなんです。その別表につきまして、皆さん方の資料によりますと「退職者等」の「等」ということでいまの中身についての説明があったわけでありますが、電信電話公社の役員であった者とか、あるいは監督官庁つまり郵政省の大臣、次官であった者とか、いろいろありますけれども、実際問題としてかなり広くこの規定が運用されているように思うのであります。  もう一度お尋ねしますが、何人にこれは発行されておるのでしょう。統計はありませんか。

菊地惟郎郵政省人事局保健課長

○菊地説明員 残念ながら、私どもの方としてそういった統計をまとめておりませんので、ここで申し上げるということができかねるということでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 非常にずさんだと思うのです。  じゃ、具体的問題でお尋ねいたしますが、田中角榮元総理、この人は首相当時、一九七四年一月十八日から二月十五日までの約一カ月、ほぼ毎日のように顔面神経治療のため関東逓信病院に通院をされたということになっております。そのときの診療単価もやはり七円だったのでしょうか。あるいは当時は六円だったはずだと思うのです。どちらかだと思うのですが、その点間違いないかどうか。  それから、田中氏は最近も関東逓信病院に歯の治療でかかったと言われておりますけれども、この診療単価は現行七円というその該当になるのじゃないかと思うのですけれども、その点は間違いございませんか。

澤田道夫日本電信電話公社厚生局長

○澤田説明員 お答え申し上げます。  個人名で、どなたが病院にかかられたかという点につきましては、ちょっと病院としてはお答えいたしかねると思います。ただ、範疇といいますか、大ざっぱに申しまして、郵政大臣経験者の方の場合、当時といいますか、先生おっしゃったその時期は、たしか六円でございました。現在は七円の単価を適用しておるということは申し上げられると思います。

榊利夫日本共産党

○榊委員 つまり、七四年当時は六円で、最近は七円。田中氏の場合、郵政大臣をやられたことがある。郵政大臣をおやりになった、そのために、つまりこういう退職者等のというこの特例、特典、これによってずっと特別の低い診療単価で治療を受けることができる。そういうふうになっているわけであります。これはどこから見ましても常識的でない。私は、国民的な感情からいたしましても、これはあたりまえだ、そういう答えは出てこないだろうと思うのです。  お尋ねいたしますけれども、通常、現業の公社の直営病院の場合、たとえば鉄道にもあります。造幣にもあります。印刷、営林、専売、それぞれ公的な病院があります。こういう公社の直営病院の場合、逓信病院のように大臣だとか政務次官やあるいは何か役員の経験者、それに診療単価の特例を設けている例がほかにありますか。お尋ねいたします。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 私ども、いま御指摘の点の退職者等の問題でございますが、いま郵政なり電電からお話がございましたように、一般の退職者と同じ扱いであり、しかも現金で支払う。保険の利用の方から見ますとその辺くらいがいい線かと思いまして、ほかの方も詳細な調査はいたしておらないのが現状でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 ひとつ、それくらいの問題は御調査をお願いします。同じタイプの病院です。しかも公的な病院です。私たちが知る限りでは、鉄道病院でもそんな例はございません。造幣の病院にもありません。印刷関係の公的な病院にもない。営林関係にもない。専売関係にもない。逓信病院だけがどうしたことか、こういう非常に道理に合わない、しかも世論の不信を買うことは必定のそういう仕組みが存在している。これはやはり私は是正すべき問題だと思うのです。一般庶民から一点単価十円を取りながら、郵政大臣経験者、それも一週間経験しても一カ月経験しても一年経験しても、七円だ六円だ、こういう格差あるいは特殊な減免措置、これでは国民的な納得は得られないと思います。  しかも退職者扱いと言われますけれども、一般職員の退職者でその労に報いる、私はそれは当然だと思うのです。しかし、一般退職者の場合には、在職十年未満の場合七円での利用期間は五年間と限られているでしょう。限られているのですよ。在職十年未満の場合、七円での利用期間は五年という限度が設けられている。ところが、郵政大臣や電電公社の経営委員ならば、その在職が半年であっても一カ月であっても七円で終身利用ですよ。まさにこれは特権と言わざるを得ない。そういう点では、これは退職者の名をかりた特権的な優遇措置ですね。しかも、最初申し上げましたように赤字続きだというわけでありますから、赤字病院をたくさん抱えてこれらが今後続けられるということならば、それはそれ自体が大変な問題になると思いますけれども、この点についてはやはり見直しを図るべきであるし、是正していただきたい、是正の約束をしていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 私どもの勧告に当たりましては、まず基本の問題は、一般開放がなされますれば保険の診療ということになりまして、こういう問題が解消いたしますので、まずは基本はそこかと思いまして、この一点の指摘をいたしました。二点目は、それに至りますまでの暫定の措置の問題でございますが、これは現在の職員等に準じました暫時の引き上げ措置というのをお願いしているところでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 最後に、中曽根長官、ずっと話を聞いていだたきまして、長官としての御所見は、その点いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 郵政大臣や経営委員をやった方は、余りそういうことの意識なく入院しているのじゃないかと思います。安いから入るというよりも、むしろ技術がいいから入るのではないかと思いまして、仮にそういうことがあっても、恐らく御本人たちは御存じない状態で入っておるのではないかと思います。いずれにせよ、御指摘の点はよく検討してみたいと思っております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 検討じゃなくて、もうちょっと、先ほど事務当局の方がもう少し前向きの態度をとっているわけでありまして、ひとつ長官としてもこの是正のために、これは国民世論という点から見てそうでありますから、世間的に納得が得られないのはもう明らかですから、それこそ一般開放を自然に待つということじゃなくて、直ちにこういうことの是正に取り組むということをやっていただきたいと思うのであります。その点どうでしょう。最後にお尋ねいたします。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 よく検討いたします。

榊利夫日本共産党

○榊委員 次の問題に移りますが、科学技術庁、宇宙開発事業団の関係でございます。  科学技術庁が所管をしております宇宙開発事業団、これは一九八〇年から、現代科学の最先端でありますロケット開発センターを宮城県角田市に建設中でございます。ここにそのパンフレット等持ってまいりましたけれども、ちょっと資料を配らせてください。  それにはこういうように書かれております。「昭和六十年代における我が国の人工衛星打上げ要望にこたえるとともに、我が国の将来の宇宙活動に必要な基盤技術の蓄積を図ることを目的として自主開発される」ものとしてHIロケット、これは大変高性能なロケットで、「アメリカのスペース・シャトルと同様に、液体酸素・液体水素を推進薬とするエンジンと慣性誘導装置を採用した世界的水準を行く「新世代のロケット」」だというふうにうたわれております。やがて人間の乗った人工御足も打ち上げようという構想もあるようでありますけれども、この現代科学の最先端を行く、そういう意味合いではまさに国家的なプロジェクト、事業。その発射につながっていく直接の研究開発センターでありますけれども、この角田ロケット開発センターのプロジェクトによる工事の総事業費と申しますか、これは幾らなのか、それからそれに参加をしている企業は幾つなのか、その企業名はどういうものがあるか、まずお尋ねをいたします。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 お答え申し上げます。  ただいまお話がございました宇宙開発事業団の角田ロケット開発センターでは、HIロケットに使います液酸・液水ロケットエンジンのテストのための施設をつくるというのが目的で設置されておるわけでございます。  五十一年度から五十六年度までの支出予算ベースで申し上げますと、約百三十四億を投入してございます。なお、五十七年度におきましては、施設の関係の予算といたしまして四十五億七千万円、これを合計いたしますと、施設関係トータルでは、既支出予算ベースで申し上げまして百八十億円になるわけでございます。  それから、次のお尋ねでございますが、ただいま大きな施設といたしまして高空燃焼試験設備というものをつくってございます。なお、その前に供給系の試験の設備であるとかあるいはいろいろそれに伴う関連の施設、それから事務の管理のための管理棟というものをつくっておりますが、高空燃焼試験設備につきましては、契約の相手方、メーンは三菱重工業でございます。なお、いま着工中のものでタンク熱特性の試験設備がございますが、これはメーンが日立製作所、それから、もう済んでおりますが供給系の試験設備、これの契約のメーンは石川島播磨重工業、それから建物につきましては、かなりの部分を飛島建設がいままで受注をしております。なおいろいろ試験設備その他関連のものが非常に多品種にわたりまして、八業者というのはかなりの数に上りますけれども、いま主なものを申し上げた次第でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いまの説明でわかりましたけれども、大変大きな開発センターでありまして、事業も大変大きい。それに参加をしている企業も、三菱重工、日立、石播あるいは飛島といったまさに日本の代表的なビッグビジネスということになるだろうと思うのでありますが、その点では大変独占的だということができるわけであります。この問題に関しましては、工事契約前に受注調整がやられた疑い、いわゆるよく言われる談合の疑いもあるわけでありますが、これは私はきょうここで言うつもりはございません。その他、不正請求などの疑いもあるわけであります。私は、この行政改革の課題といたしましても、そういう独占大企業がもしも国家的な事業を食い物にするようなことが断じてあってはならないと思うのであります。  それとの関係で一つお尋ねいたしますが、三菱重工業が請け負っている建設事業の予定価格は総額幾らなんでございましょうか、現在までに幾ら支払われているのでありましょうか。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 ただいま御説明いたしましたいろいろな設備の中で、メーンとして三菱重工業がやっておるのは高空燃焼試験設備、HATSと申しております。これは、宇宙環境というのは空気の層が薄い、真空に近い、そういう中でロケットのエンジンがどういう燃焼をするかというのをテストするための試験設備で、私ども内部でHATSと申しておりますが、そのうちの本体設備を私どもが発注しております。  これの契約は、五十四年九月二十八日に当初契約いたしまして、あと数回、仕様変更等に伴いまして追加発注をしております。納期は、全体といたしまして本年の五月三十一日、それから契約金額は、累計いたしましていま現在約七十五億円になっております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 現在七十五億円の事業だというわけでありますが、それに関しまして、三菱重工が架空の工事をつくって、つまりでっち上げて水増し不正請求をやっている疑いがあるわけであります。  たとえば、はっきりしている分として申し上げますと、ロケット開発センターでいまおっしゃいました高空燃焼試験設備のボイラー、このパンフレットで言いますとここの部分、そこに届けました資料の下に写真がありますが、ここの部分に当たるのです。そのボイラー及び配管工事を昨年、東京大田区の芝浦工機に総計七千五百五十万円で発注をしております。ところがこの七千五百五十万円のうちの昨年六月三菱重工業が新たに追加した五百万円分、この工事が架空の配管工事なんです。この事実を事業団の人は御存じでしょう。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 私ども、先生の方から科学技術庁を通じてお話がございまして、そういう事実についてのお話があるということは承知したわけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 つまり、単に事実だったということを知っている、こういうわけですか。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 いま架空とかなんとかという表現がございましたようでございますが、そういう事実の判断は別といたしまして、それに関する話があるということを承知しておるということでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 そういう話があるということは知っている。それは調査されましたか、あるいは調査中ですか、いかがでございましょう。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 先般来、この件に関しましては、私ども本社を中心といたしまして、それから契約相手方である三菱重工の職員、さらに図面とか書類をいろいろ見るというような方法等によりまして調査をしております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 重ねてお尋ねいたしますけれども、宇宙開発事業団として、これまで現場監督や中間検査は行われたのでしょうか。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 角田ロケット開発センターには職員が全部で十四名おりますが、そこの主な技術系統の職員、それから本社のやはりそういう施設関係の担当職員、それぞれ多分七名ずつだと思いますけれども、これはいろいろ仕事の内容によりまして新たに任命するとかいうようなことをやっております。工事の途中におきます監督員ということで任命いたしまして、各工程に応じまして監督、通俗用語で言えば検査ということに当たるかと思いますが、そういうことをやっております。  なお、いま現在この施設はまだ納期の前でございまして、近く全部の竣工、それから納入ということになると思いますが、その前に、全体としての総合的な機能のチェック、確認を行う、それからさらに完成検査、受領検査を行うということになると思いますが、いま現在は、完成検査、受領検査、その前の総合的な機能の確認のテスト、これはまだ行われておりません。

榊利夫日本共産党

○榊委員 そうすると、結局中間検査などもやられてなかったわけですか、どうなんですか。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 私どもの表現で申し上げますと、監督と検査というのはちょっと用語を使い分けておりまして、納入直前の完成検査、受領のための受領検査というのを検査、検査員を特に任命いたしましてやるということをやっておりますが、それ以前の段階は、全部の工程を通じまして監督という表現を使っておりまして、各工程に応じまして工事が仕様書どおりあるいは予定どおり進行しているかどうか、問題ないかどうかということを監督ということでやっております。しかし実際は、内容的には普通の用語で言いますと検査、確認というような行為であります。そういうことは十分やっておるわけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 ただ、はっきりしておりますのは、先ほど申し上げました五百万円のボイラー配管工事、これを受け持ったとされる芝浦工機自身が、三菱から架空の注文書を受け取ってその工事自体はやってないと証言しているのです。手元に届けましたこの注文書が三菱重工業から出ているものなんですが、その工事をやっておらぬ。三菱側はこの七月の配管工事に対して、金は払ったとして、工事完了証明書まで発行しております。  ここに持ってきております芝浦工機によって作成されました、宇宙開発事業団にも提出されている工事日報、これによりますと、三菱重工が言っているのと違って七月に配管工事なんかほとんどやられてない。このことについては、その工事を現場で直接担当した角田市の業者も証言をしております。はっきりした架空工事なんです。しかも、この注文書は、中身そのものは架空の工事なんですが、ちゃんと「カクタムケ」云々と、五十六年七月十五日付の注文になっております。三菱重工横浜造船所、こうなっていますね。そういう点では、事実関係や証言から見ましても架空工事そのものなんですけれども、この点については、事業団としてはどういう御認識ですか。

合田昌文宇宙開発事業団理事

○合田参考人 私どもが契約相手方であります三菱重工業の人を呼びまして、あるいは先ほど申し上げましたようにこの問題に関連いたしました図面とか書類とかを見ましていろいろ検討をしておる最中でございますが、会社側の、私どもの契約相手方である三菱重工業の説明によりますと、いま申されました会社との五百万円の、これは一種の追加契約でありますけれども、これの工事の内容あるいは作業の内容、したがいましてその対価の、何といいましょうか、対象である事項ということにつきましていろいろ説明を聞いておるわけでございますが、現実にそれが追加した作業であるとかあるいは設計変更であるとか、あるいは金額を、こういう面の積算をどうこうするとかいうようなことになっておるわけでございますけれども、いま現在それについて証拠書類といいますか、あるいは先生御指摘もございましたが、文書の日付の前後の問題であるとか、そういうことにつきまして私どもいま鋭意調査といいますか、さらに判断を加えつつある。したがいまして、どうもいま現在まだそれについての事実関係、本当のところはどうであったのか、特に作業につきましては、いま申されました会社が倒産しておるというようなことのようでございますので、そういう意味での先方の調査というのがなかなかむずかしいとかいろんなことがございまして、まだ十分確認し、あるいは判断をするという状態には至っておりません。

榊利夫日本共産党

○榊委員 科学技術庁及び宇宙開発事業団としまして、工事日報は調査したんでしょうか。あるいはまた、ボイラー配管工事の完成図面から重量計算などは行われたんでしょうか。  私どもの調査では、完成図面の総重量というのは一万四千四百七十五キログラムになる。ところが、三菱重工と芝浦の契約時の見積もり書の重量一万五千二百八十キログラムに、三菱が行ったと称している追加配管工事の重量四千四百八十キログラム、これをプラスしますと一万九千七百六十キログラムになるんです。つまり五千キログラムの差が出てくる、合わない数字が出てくる。ここから見てもきわめて明白なんです。やられてない、やったと言っているけれどもやっていない。  で、三菱重工はこの五百万円を角田ロケットセンター向けとしてちゃんと注文書、工事完了証明書に明記をしておる。こういうことになりますと、公文書偽造として刑事問題にもなる。私はこの刑事問題をここでいまあえて言うつもりはございませんけれども、しかしそれ以前の問題にしましても、もちろん建設業法――三菱重工は建設業法で認められておる、認可を受けておる企業でありますけれども、この建設業法二十八条で禁止をする不誠実な行為をやっている、こういうことになりまして、つまり営業の停止問題にもなりかねない問題である、こういうふうに思うのでありますけれども、建設省としてはどうでしょう。この点どういう御判断でしょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 ただいま発注者でございます宇宙開発事業団でお調べと承っております。その御調査の結果を待ちまして、もし建設業法に違反するような事実が明らかになれば、法の規定に照らしまして厳正に対処いたします。

榊利夫日本共産党

○榊委員 つまり宇宙開発センターという、これから人間でも乗っけて宇宙に飛び出そうか、こういうときに、現代科学の最先端で、しかも国家的な金を投じての事業、そこにこういう不正請求が平気で行われる。私は本当にまともじゃないと思うのですよ。少なくともまともじゃない。仮にこういう不正な事実を含んだ宇宙ロケットが上がったら、宇宙の神様さぞびっくりするだろうと思うのでありますが、結局のところこの架空工事の事実は明白であり、三菱重工といたしまして公金の詐取や横領にもなっていくわけであります。  この点では、宇宙開発事業団としても調査団、建設省としても鋭意調査する、こういうことでございますけれども、公金の流れの問題ですから、会計検査院といたしましてこの点については、宇宙開発事業団のロケット開発センターについてのこの調査、これはもう厳正にやっていただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょう。

倉田建司会計検査院事務総局第一局上席調査官

○倉田会計検査院説明員 本件試験設備全体が本年五月末には完成するという予定になってございまして、完成後に本件概算契約に関します金額の確定行為、いわゆる工事費の精算行為が契約当事者間でなされることになってございます。  そういう事情にございますので、会計検査院といたしまして、事業団本社会計実地検査の際、この精算が妥当なものであったかどうかという点につきましての総合的な検査を通じまして、ただいま先生御指摘の問題について調査いたしたい、こういうふうに考えてございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 御承知のように、三菱重工は三菱軍需省であるとか、あるいはもう一つの通産省だ、こう言われるように最大のビッグビジネスでありますが、私はここで事実問題として申し上げたいのですけれども、概して、大きければ大きいほど社会的責任は大きいと思うのです、重大だと思うのです。ところが、中小下請業者を食い物にする非常にあくどいことをやっているんですね。実に目に余るようなことをやっている。  たとえば、先ほど聞きました芝浦工機の例でも、昭和五十四年、三菱重工から三菱油化四日市事業所の産業廃棄物の焼却炉及びボイラーの基本設計を除く設計、製作、現場建設工事を発注しております。ところが、これは当初一億九千五百万円で契約、進行したのでありますが、最終原価というのは実に三億八千万円にもなったんです。その差額のうち一億円だけ三菱側が負担した。残りの八千万円は町の小さな業者である芝浦工機の持ち出しになっちゃった。いろいろ聞きますと、初めから、このままいったら赤字になるんだけれども、わかっていても中小企業の悲しさ、やらなかったら、断ったらこれは後がうるさい、もう仕事をとめられたら困る、いやおうなしにやらざるを得ない。結局この赤字が素因となって、先ほどおっしゃったようにいま現在はもう倒産したわけであります。  ところが重大なのは、この赤字の背景に、三菱重工が四億円にも上る大工事であるにもかかわらず、芝浦工機のこの見積もり期間をわずか三日間しか置かなかった。三日間しか見なかった。三日間でできるはずありませんよ。あるいは機器の基本設計図を芝浦工機に渡さなかった。これは建設業法では元請がやらなくちゃいけないのです。そのために芝浦側としては、設計図をつくらなくちゃいかぬ、ところが材質の強度計算その他十分できない等々いろいろの問題があって、非常な苦汁をなめることになったわけであります。この点では言うなれば典型的な一括下請、業界でよく言うまる投げとかまる請けとかいうものです。これをやられている。  こういう三菱重工の行為、これは建設業法で禁止されているやり方だ、特定建設業者としても正当に考えて許されてはならないことがやられている、こう思うのでありますが、その点いかがでございましょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 三菱重工を呼び出してよく調べてみたいと思います。その結果、建設業法に違反する事実が明らかになれば厳正に対処いたします。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いま私が申し上げたことは明白に建設業法に違反している、このことはもう申し上げたいと思います。  さらに、これも驚くのですが、三菱重工には現場建設の施工の管理者を置かないケースがたくさんある。その管理者を下請任せにしている例もございます。手元に資料を一つお渡ししておりますけれども、たとえば、昨年京葉施設株式会社が三菱重工業横浜造船所に発注した千葉県の八幡宿でのボイラーのNOx低減対策工事、それから北海道の岩倉組木材が同じく三菱に発注した苫小牧での木くず燃焼ボイラーの据えつけ工事、これなどは三菱は現場に監理技術者を置いていないのです。建設業法二十六条では、特定建設業者は工事現場の施工の管理を行う監理技術者を置かなくちゃいかぬ、こういうことになっているのであります。この点では、私がいま申し上げたことが事実だとするならば建設業法に合わないということになると思うのですが、いかがでございましょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 同じく実情をまず確かめまして、それから判断したいと存じております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 しっかりひとつ調査をしてほしい。  さらに、三菱重工の場合、いま手渡した資料の例ですが、その蒸気プラント部が所掌する製品の現地据えつけ工事、この工事の現場監督者を自分が出さなくちゃいけないのを下請企業から出させているのです。しかもそれを無給の嘱託、ただでやらしている。これはここに書かれております。ちゃんと三菱重工株式会社横浜造船所、親展、どこどこ企業だれだれ殿、そして現場監督の嘱託員に委嘱の件、ずっと名前が書かれていますけれども、これは全部下請企業の職員です。三菱重工の職員じゃない。しかも支給条件として「嘱託(無給)」と書いてある。つまり、ただで現場監督をやれ、おれのかわりにやれと、こう言うわけです。これはもう本当に驚くようなことであります。この近代社会でこんなことが許されるだろうか。まさにそういう点では不思議なことがやられている。そういう点でも、いま申し上げたようなこと、これは建設業法上問題になると思うのですけれども、いかがでございましょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 ただいま先生から御指摘になった点も含めまして、いろいろこの件について元請、下請関係で事情があるようでございます。双方を呼びまして調べました結果、判断したいと思います。     〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕

榊利夫日本共産党

○榊委員 いまのそういう点では、結局下請にどんどんどんどんしわ寄せがいく。要するに下請の建設業者いじめです。労賃などの未払い問題も起こっています。三菱重工業の直接の下請である芝浦工機が三月約五億円の負債を抱えて倒産をした。ある意味では、だから三菱の悪事も明らかになったわけです。そうでなければ、倒産でもしない限りはとてもとてもそんなことは言うこともできない。その結果、三菱重工が元請の建設工事を担当した芝浦工機の下請関連数十社は危急存亡に追い込まれた。そのうちの十社が、これじゃもうとにかく倒産するほかない、何とか労賃、材料費などの不払い分六千五百万円の立てかえ払いをやってほしいということを元請の三菱側に請求をした。  御承知のように、建設業法は、特定建設業者に対して、大きな工事、つまり一千万円以上の工事を下請に発注できる資格を与えておりますけれども、同時に義務も課しております。それは下請全般に対する各種の指導の義務であります。また、建設業法上、不払い労賃だとか不払い工事代金、これについては元請が立てかえ払い責任を持っている、そういうことをうたっているわけであります。  建設省にお尋ねいたしますが、いま私が申し上げました不払い労賃や不払い工事代金の元請立てかえ払い責任、これは平たく言ってどういうものなんでございましょう。説明をお願いします。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 お答え申し上げます。  特定建設業の許可を持っている業者につきましては、これは一千万以上の下請を発注するということで下請を常に行うという形態をとる建設業者でございますので、再下請の保護のために、一次下請等が倒産した場合に、労賃の不払い等による労務者の保護のために建設大臣または都道府県知事、監督官庁から立てかえ払いの勧告をするという規定が四十一条にございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いまの説明にもありましたけれども、労賃などの不払い、それで下請が困らぬように何とかひとつ緊急の場合には救済措置をとる、そういう精神であるだろうと思うのでありますが、労災事故や工事による災害の防止、それから労賃不払いの発生が予想される場合には、下請にかわって立てかえ払いを行う。ところが三菱重工横浜造船所の場合は、いま申し上げました下請十社の立てかえ払い要求を拒否している。当初は、前向きに対処する、こう約束しておった。ところが本交渉になると、受け入れ業者の数を限定して、これ以上ふやさないでくれ、そういう取引条件を持ち出す。それが受け入れられないと見ると、今度は下請業者と話し合いも一切打ち切る。まことに手前勝手、汚い態度だと言うほかにございません。建設省としては、労賃不払いの対象業者が三十、四十あってもその立てかえは数を限れ、そういう指導を元請にやっているわけではないと思うのですけれども、その点いかがでございましょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 数ではございませんで、実態によって判断しているわけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 したがいまして、その実態に従ってひとつ厳正な行政指導を貫いてもらいたいと思うのです。  三菱側は、建設業法上落ち度はない、こういったことを強弁しておりますけれども、賃金の未払い問題などが猪生している以上、当然業法四十一条に触れる問題が起こっていると言わざるを得ないのじゃないかと思うのです。この四十一条というのはどういう内容なんでございましょうか、ちょっと平たく説明をお願いいたします。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 四十一条の趣旨は、特定建設業者、先ほども申し上げましたとおり一千万以上の下請工事を発注するという、下請業者を使うことを常にしておる業者でございますが、この業者につきましては、下請保護のための見地から、たとえば一次下請が倒産した場合、二次以下の下請業者の労賃の支払い等につきまして立てかえ払いというものをさせるために、監督官庁でございます建設大臣または都道府県知事にそれを勧告する権限を与えている規定でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 時間がだんだん少なくなってまいりましたので、最後でありますが、三菱重工がビッグビジネスとして行っていること、いま幾つか聞きましたけれども、私はやはり社会的責任という点、それを忘れた行為だし、特定建設業者としての資格の有無にかかわる問題だと思うのであります。特に不払い問題では、元請として当然の下請への指導責任である現場監督の配置をきちんとやらないとか、さらには工事の設計をみずから行わないで原紙のまま下請に渡すとか、そういった無責任きわまる態度、こういった態度が不払いの範囲だとか金額を結局は広げてしまった、こういうことになると思うのであります。  そこで最後でありますが、建設省として建設業法四十一条に基づいて三菱が早急に労賃などの立てかえ払いを下請業者が行うよう厳正な行政指導をやってもらいたい。癒着であるとか大企業べったりだとか、そういうことが言われないように厳正な行政指導を貫いていただきたい、そのことを最後に要望したいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 ただいま二次下請の一部の方からその訴え等もございまして、私ども双方呼び出して事情を聴取しておるところでございます。その結果、実態を明らかにした上で行政として適切な措置をとりたいと存じております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 あと十五分ばかりありますので、次の問題に移ります。防衛施設庁関係、来ていらっしゃいますか。  いわゆる行政改革の何たるか、これを端的に示すというのは、行管庁の仕事そのものにあるというふうに私は思うのであります。行管庁としまして、行政管理庁設置法に基づいて各行政機関の業務の監察、これを年に五、六回実施されておられます。その行政監察の目的はどこに置かれているのか、まずそれをひとつお聞きしておきます。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 簡単に申しますと、最近の五年の動きでございますが、一つが行財政の簡素化を柱にしております。二番目が国民生活に密接に関連する諸施策の点検、推進。それから、その三番目といたしまして行政の公正確保、窓口のサービスの点検等、さらに現段階でございますので臨調への協力というのが一つの柱になっております。  大体、以上でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 そういう趣旨で行くとすれば、当然各省庁まんべんなく行政監察を実施するということになるのが筋だと思うのです。つまり言いかえますならば、いかなる省庁に関しても行政分野に関しても聖域を設けない、それが基本方針でなければならないと思うのでありますが、その点はそう理解していいんでしょうか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 御存じのように監察の実施、年に約二十本を行うわけでございますが、このテーマの決定をどうするかが非常に重要な問題でございます。いままでは庁内の会議等の検討を経まして、行政監理委員会の数回の審議を経まして決定いたします。それでテーマが決定いたしますと、おのずから関係の省庁が内容的に出てくるわけでございまして、私どもが独自に一部の省を見ないとか特定のところを集中するとかいうことは全くございません。     〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕

榊利夫日本共産党

○榊委員 長官お見えにならないのだけれども、実は長官にそのことをお尋ねしたかったんですが、では次に進んでいきましょう、きょうは後が切られているものですからね。  それでは、最近五年間、仮に五年間とひとつ区切りましょう。本省庁を対象とする中央監察、上位五省庁と言えばどういうところが中央行政監察の対象として挙がってくるのか、その数は何回なのか、ちょっとそれをお尋ねいたします。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 ただいま手元に詳しく持ってまいりましたものが最近の勧告ベースのものでございますが、それで申し上げますと、この五年間で延べ二百七十一本ございました。上位は農林、厚生、通産、運輸、建設、ここがすべて二十本台でございます。防衛関係はこの五年間で六本ということになっております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 それは一般監察でしょう、中央監察ではどうなんですか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 先ほど申し上げましたように、いま手元に資料がございませんが、防衛関係というのはわずかだと思っております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 防衛庁への中央監察というのは、この五年間ゼロでしょう。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 いま取り急ぎ調べましたが、期間がひとつはっきりしませんが、全体で十件の中の二件というふうに出ております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いま挙げられました二件というのは、不正事案の発生に伴う人事管理の適正化についての云々、つまり個別問題なんですよ。たとえば自衛隊駐屯地における食料品納入に関する収賄の問題とかあるいは防衛施設局における電気設備工事に係る収賄の問題とか、そういう個別の問題での監察だったと思うのです。私がお聞きしているのは、中央監察はどうなんだ、こういうことなんです。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 防衛庁に関しまして、それを主体にしてやりましたのが過去九件ございます。最近は非常に少なくなっております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 最近非常に少なくなっているだけじゃないです。私の知っている限りでは、防衛庁に対する中央監察というのは、一九六四年以降つまり昭和三十九年の防衛施設庁の業務運営に関する監察以来やられていないのじゃないでしょうか。十七年間やられていないのじゃないでしょうか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 庁全体として見た監察はそのようになっておるようでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 それはやはりすごく重大だと思うのですね。先ほども質問いたしましたように、行政監察のあり方としてはやはりまんべんなく省庁の行政監察をやって、手抜かりがないかどうか、是正すべきところがないかどうか、これが行管庁本来の課題、任務だと思うのです。ただ先ほど、トップからいきまして厚生省であるとか運輸だとか通産、こういったところがかなりやられている。ところが事防衛庁に関しては十七年間も中央監察をやってない。これは聖域化しないということじゃなくて実際上、たてまえは別としてそれはやられてない、手つかずだ、こういうことになるわけであります。この点いかがでございましょうか。実際上そうなっているんじゃありませんか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 確かに御指摘のように昭和三十年代に非常に監察が多かったわけでございますが、私どもの職員にも旧軍の関係者と申しますか専門家もおりましたのでそうなりましたが、四十年代に入りまして、第一次の臨調答申の後、私どもの防衛担当の監察官は総理府も持っておりますが、許認可の方、それから行政サービスの方という面に手をとられているのは確かでございますので、専門要員の訓練の必要性は重々感じておるところでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 私、率直に言って、それは言いわけにならないと思うんですよ。やはり実際上、中央監察が十七年間も手つかずだった。それはどこから見たって、実際上聖域化しないと言っても聖域化しているじゃないか、こういうことになるわけであります。それで問題が起こっていなければいいのです。ところが、実際はやはりいろいろ問題が起こっているのは御承知のとおり。  たとえば一昨年、防衛庁が業者から備品を原価よりも不当に高い値段で仕入れた。その不正契約が逆に今度は会計検査院から摘発される、こういうことになってしまった。ことしに入っても、防衛施設庁と建設業者とのいわゆる談合問題も明るみに出てきた。いろいろ腐敗問題が相次いでいるわけです。  それから昨年十月十六日、この点質問いたしますけれども、呉防衛施設局の三条俊郎局長らが公務中に米陸軍川上弾薬庫内に公用車で乗りつけてマツタケ狩りをやったという、これは新聞でも大きく報道されました。これは飲み食いのための公用車使用ということにもなったわけでありますが、その後、この点については、防衛庁内部では何か措置をとられましたか。

平晃防衛施設庁総務部会計課長

○平説明員 お答えいたします。  昨年十月に日米の親善行事の一環といたしまして、現地米軍司令官の招待を受けまして、米軍の基地内で昼食会を催した。昼食会の際に、その前にマツタケを現地で採取しまして、昼食の席にそれを調理して供した、参加者が皆、食したという事実は御指摘のとおりでございます。  しかし、この日米親善の行事というのは米軍司令官の公式の招待でございまして、私どもいろいろ米軍との折衝業務がございますけれども、これらの業務を円滑に執行するために、日ごろから良好な環境条件をつくるということでこういう行事に参加することも公務の一環であるというぐあいに理解しております。したがいまして、このことにつきましては問題はないというように理解している次第でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いまのお話を聞きますと、マツタケ狩りも業務の一環ですか。

平晃防衛施設庁総務部会計課長

○平説明員 マツタケ狩りというのは、野外パーティーの昼食会が開かれた際に、まず午前中にマツタケを狩りましてそれを昼食に皆さんで食したということでございまして、趣旨は、日米の親善を図るために、地元関係地方自治体あるいは関係行政機関の関係者が米軍司令官の招待を受けて親善行事を行った。その親善行事自体は公務の一環である、公務の執行上プラスになることであるというように理解しておるわけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 マツタケ狩りが公務の一環だなどというのは、それは親善とかなんとかということじゃなくて、しかも公用車で乗りつけたんですよ。  それで関連してお尋ねしますが、防衛施設庁には公用車の使用規定は設けられているのでしょうか。

平晃防衛施設庁総務部会計課長

○平説明員 公用車の使用規定というものは特に設けてございません。しかし、運行管理の面におきまして、公用車を使用する場合には、使用者から庁用車使用申込書というものを提出させまして、これは会計課において一括管理いたしておりますので、内容を審査しまして、会計課の方から車庫の方に、ドライバーの方に運行を指示するということで、この手続は長年の慣行で確立したルールとなっております。したがいまして、特に使用規定というようなものはつくっておりません。

榊利夫日本共産党

○榊委員 公用車の使用規定がないような中央官庁はそれこそ余りないんじゃないでしょうか。公用車の使用規定ぐらいは設けるべきでないでしょうか。せっかく中に綱紀粛正のための委員会なども設けておられるようでありますけれども、文書もない。どうでしょう、その公用車の使用規定さえないような状態だからそういうことも起こるし、その点では、自粛しよう、乱用防止、このためにも使用規定を設けるべきじゃないかと思うのですが、検討はされておられないのでしょうか。

平晃防衛施設庁総務部会計課長

○平説明員 先ほども申し上げましたとおり、庁用車使用申込書という様式は設定してございます。その様式に必要な事項を書き入れて運行管理者の方に提出させる、内容をチェックして運行を認めるという長年のそういう手続がもうルール化しているわけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 そのルール化、これをひとつ改革する必要があるのじゃないでしょうかね、これまでがこうこうだったというのじゃなくて。いま紹介したような例もあるし、世論からの批判もあるわけですから、やはりきちんとした、中央官庁らしい公用車の使用規定を設ける、それに従って疑惑を招かないようなきちっとした姿勢を堅持をしていく、行政を貫いていく、こういうことが必要ではないかと思うのであります。  そろそろ総理もお見えになりましたので、何か私もうその時間が気にかかりますが、最後に行管長官にお尋ねいたしますが、不正腐敗根絶の立場、こういう点から――先ほど来おられましたかね、ちょっと外に出ておられましたけれども、防衛庁に関して中央監察が十七年間やられていない、こういうことが明らかになったわけでありますけれども、その点では、防衛庁の行政監察、これはやはり早急に実施すべきじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、その点いかがでございましょう。  ついでですが、これについては中曽根長官は、昨年三月二十三日の参議院予算委員会でそういう問題が出たときに、防衛庁監察の要望については否定的な態度をとらなかったと私、記憶しておりますけれども、その点をも踏まえて、ひとつ最後の御回答をお願いいたします。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 必要に応じていつでもやります。

榊利夫日本共産党

○榊委員 まさに必要なときである。十七年間もやられていない、やるべきだ、このことを最後に私は重ねて要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

石井一自由民主党

○石井委員長 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 総理にお伺いいたしますが、まず最初に、総理の行政改革に対する基本姿勢についてであります。  総理は昨年春以来、行政改革に政治生命をかける旨をたびたび言明され、施政方針演説等におかれましても、再三にわたり、行政改革は国政における最も重要な課題であり、これを強力に推進する旨の発言を繰り返されました。しかしながら、行政改革は改革そのものが目的であるわけではありません。改革構想を立案するに当たって、何のために改革をするのか、だれのために改革をするのかというそのことが最も重要だと思うわけであります。最近における臨調などの論議の経過を見ておりますと、行政の合理化を急ぐ余りともすれば政府側の便宜、統治する側の論理に重点が置かれて、国民のための民主的な改革というところが欠落しているように思われてならないわけであります。  そこで、政府はいまの行革を小さな政府として将来つくり上げようとしておるのか、あるいは産業優先で福祉や教育の切り捨てということをなぜ進めなければならないのか。また、最近国際的な責任と申しますかそういうものが少し過度というほど強調されておるように思われるわけです。こういう政府主導、中央政府の一方的なやり方が目立ってきて、住民の側のナショナルミニマムというものをどういうふうに達成するか、そういう議論がなくなってきておる。そこで私は、この際、行政の民主化とそのための民意の反映などをどのように住民サイドで考えておられるのか、この辺を明らかにしていただきたいと思います。  国民一般は財界主導の行革というふうに見ておりまして、その重点の置き方によっては大変危険な反国民的なものになりかねないと思うのであります。総理は、行政が国民のためのものであるという原点に立ち返って、国民サイドに立った行政改革の実現に向けてもっと民主化の方向を重点的に発想していくというお気持ちはないかどうか、行政改革の正念場を控えて、総理のこの点に対する基本的な考え方をお伺いいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 行政改革に関する私の基本的な考え方、姿勢につきましてお尋ねがございました。  行政の革改と財政再建は、鈴木内閣の最も重要な政治課題として取り上げてきたところでございます。また、いまや国民の皆さんも、この行財政改革は国民的な重要な課題として、今日ほど行革に対する国民の期待と熱意が盛り上がった時代はないとさえ言われておるところでございます。また、そういう国民的な要請の中にありまして、第二臨調があのようなりっぱな人選、各層を代表されて国民的立場でこの行革に取り組んでおられるわけでございまして、いま渡部さんが言われましたように国民の立場に立っての行革ということを第一の目標に置いて取り組んでいただいておる、このように私は評価をいたしておるところでございます。ただ、その臨調の審議の状態は、いろいろ報道もされておるわけでございますけれども、私はバランスのとれた審議が各委員によってなされておると考えておるのでありまして、その一部の主張なり考え方というものをとらえて、臨調の最近における論議が偏っておるというような御批判は当を得たものではない、このように考えております。  また、政府といたしましては、高度経済成長時代に肥大化したところの行財政を根本的に見直しをして、新しい時代が求めておるところの行政の簡素にして効率的な機能というものを十分発揮できるようにいたしたい、このように考えております。そして目指すところは、わが国の新しい時代の福祉を目指したところの社会の建設、高齢化社会に対応できるような行政のあり方、また国際社会における日本の使命と役割りを果たし得る体制の整備、そういう総合的立場に立っての行財政の改革ということをわれわれは目指しまして、臨調の答申を十分尊重しながら、最終的には国会の御判断をいただきながら行革を進めてまいる考えでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次に、民業と官業の役割り分担と公社事業の公共性、公益性の確保についてお伺いいたします。  臨調七月答申の最大の柱と目される三公社の民営化問題がありますが、これは民営化が無条件に正しいという独断が行われているように思われるのでありますが、民営化が即正しいという結論に結びつけることは非常に危険ではないか、こういうふうに私は思うわけでございます。三公社五現業及び特殊法人経営を効率化するあるいはそのサービスを改善するということが国民一般の利益であることは言うまでもありません。問題は、その際、公社の経営する事業の公共性、公益性をいかに確保するかという点であります。交通、通信、専売等国民一般を対象とする公共公益サービスの提供は、社会的要請のきわめて高い重要な機能であると思います。事業経営の効率性の問題はあくまでもこれら機能に対する社会的要請が十分に満たされるという前提のもとで論じられなければならないと思います。公共性、公益性の確保は目的概念であって、いま盛んに経営形態の問題が取りざたされておりますが、経営形態はこれは手段であると思うわけでございます。何のために改革かということを忘れて頭から民営化という考え方をとることは、社会全体の見地からきわめて危険であると思います。民営の中でも五十六年度は史上三番目の企業倒産を数えておりますし、そういうことを考えると民営が直ちに正しい、よろしいということにはならないと思います。経営の効率化というものはもちろん大事でありますが、最大の努力が望まれるこのあり方、効率化というものに、具体的改革を進めるに当たってもっと慎重さが必要ではないだろうか。いやしくも手段と目的を取り違えるようなことはあってはならないと思います。こういう点で総理はどのように考えておられるのか。  いま、公社民営化というテーマが叫ばれてひとり歩きをしておる現状のようでございます。その原因の一つは、政府の側において官業と民業、公共部門と民間部門との望ましい役割り分担について正確な認識がないのではないかと思うわけでございます。この点について、国民のコンセンサスを得るという努力をどのようになされるおつもりなのか。本来、市場経済の欠陥や私企業形態の問題点等を克服するための方策としてとられたのが公共企業体制度であることは申し上げるまでもありません。この創設時の趣旨に立ち返るならば・民営化オンリーの発想など出てこないのではないかと思うわけでございます。三公社の問題については、このような社会生活の現段階における公共部門と民間部門との基本的な役割り分担、こういうもののルールを改めて設定することを先行させて、これを基本とした十分慎重な検討を経てその改革方策を論ずべきであると考えますが、総理はどのようにお考えですか。  なお、七月の基本答申に国鉄問題が一つの目玉として改革方針が盛られるようでございますが、この具体的な、何か三段階改革の方向というものが新聞等に出ておりますが、これはそういう方向が確定したのか、あるいは盛ろうとする内容のポイントをひとつお聞かせ願いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 民間部門と政府部門の適正な役割り分担、機能分担を図るということは、わが国の今後の社会の活性化を図ってまいりますために非常に重要な問題である、このように考えております。私は、政府部門におきましてはその公共性、公益性というものを保持しながら、しかし効率的な運営をいかにして確保するかという点を十分私どもは腹に置いてその検討を進めなければならない、このように考えるものでございます。わが国の今日の経済社会が他の先進諸国に比べましても比較的活気を持って運営をされておるということは、余り行政が民間の分野に介入をしないという政府の方針、そういう方針に基づいてなされてはおりますけれども、今後におきましても、複雑多様な国民的ニーズにこたえる観点からも、この民業と官業の機能分担、役割り分担というものにつきましては十分時代の要請にこたえるようにわれわれは考えていかなければならない、このように思うわけでございます。  そこで、三公社の問題についていまどのように考えておるか、特に国鉄問題等についてどのような考えを持っておるかという御質問もございましたけれども、臨調におきましてただいまいろいろな面からいろいろ検討が行われておる段階でございまして、政府の責任者である私がいまこれに対してコメントをするということは適当でない、このように考えるわけでございます。臨調の答申を待ちまして、政府各関係省庁、また国民世論等にも十分耳を傾けながら、これが具体化につきましては十分慎重なる検討、そして最終的には国会の御判断を求めて、真に国民が求めるところの三公社に対するところの改革を達成してまいりたい、このように考えております。

佐々木晴夫臨時行政調査会事務局次長

○佐々木政府委員 一部の新聞に、臨時行政調査会が三段階方式によって国鉄の改革案をただいまほぼ確定をしたという記事が一応伝わっておりますけれども、臨時行政調査会におきましては、第四部会において国鉄について抜本的な改革策をただいま検討中でありますけれども、まだ必ずしもその方針を決定した段階ではございません。第四部会の作業予定といたしましては、大体五月の連休明けあたりに一つの考え方を提示をするということでただいま進んでおります。新聞に報じられますようないろいろな考え方も、これは確かに部会の中で一応論議をされていることは事実でございますけれども、いまだそのあたりにつきましての詰めが完全に行われておる段階ではございません。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次にお伺いしますが、これは国と地方の機能分担についてでございますけれども、よく地方の時代と言われますが、そういう時代は日本の民主主義国家としての基礎をなすものとして非常に重大だと思います。したがって、いま臨調を通して国は地方に対してどの程度の権限の移譲を考えておられるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 国の行政と地方の行政、これは車の両輪でございまして、中央、地方の行政が十全にその機能を発揮することによって国民生活に対して十分奉仕できるものと考えるものでございます。基本的には私は、住民に身近な行政、これは地方の行政として確保されなければなりませんし、それに対して政府は広い立場から最善の協力をする、またそれに関連する財政的な裏づけにつきましても十分な配慮をいたしまして、地方行政が十分な機能が発揮できるようにすることを心がけておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 時間がありませんから、先へ進みます。  そこで、ただいま議題となっておりますこの行政事務の簡素合理化法案の中には、第二次臨調の行政改革に関する第二次答申を受けて立案されたものが含まれておるわけでございます。ところが不思議なことに、この答申案に示されておった自動車の定期点検整備及び検査に関する案件が、一括法案の中で処理することを臨調は期待しておったにもかかわらず、これを自民党政府の圧力で一括法案から抜き取り、しかも答申案になかった過料十万円以下というものを付加してこれを単独法改正という手続で処理されたのは、どういう理由によるものか明らかにしていただきたいのであります。しかも、この件では、巷間伝えるところによれば裏に莫大な金が動いているというもっぱらのうわさであります。そういう関係から考えてみますと、まさに奇怪千万と言わなければなりません。  さらにまた一方では、データ通信規制に関して、郵政省は単独法改正による公衆電気通信法の一部改正法案として取り扱う準備をしておったところ、急遽一括法案の中に組み込まれてしまったということを仄聞しておりますが、これはどういう理由によるものでしょうか。不可解千万と言わなければなりません。しかも、本改正の内容は、電気通信政策の基本的課題を含むデータ通信そのもののあり方であり、まさに政策課題なのであります。しかるに、これを単なる許認可事務の簡素合理化という範疇でとらえ一括法案として処理しようという考え方は、言語道断であり、委員会審議の軽視と言わなければなりません。  なお、重要な問題がほとんど省令にゆだねられているということでありますから、この辺が大変問題になるわけであります。特に基本に触れるような問題については、八月実施時期を一時延期しても、十月に設置される電気通信審議会にかけて慎重な検討をしてはどうかと思いますが、その点について明らかにしていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 まず車検問題について何か不正なことがあったような御発言がございましたが、そのような事実は全くないと確信しております。  第二に、車検問題について一括法案から外して、そしてデータ通信を入れたのはどういうわけかというお尋ねでございます。  車検の問題は、単に期間を二年から三年にするというだけでなくして、道路運送車両法の他の改正の問題がございまして、したがって専門的な委員会において御審議を願うことが適当であったということであります。なお、その車検問題に絡みまして過料の問題がお話に出ましたが、この点につきましては、委員会におきまして運輸大臣あるいは自動車局長が次のように答弁をしております。運輸大臣は、実態上過料の規定の対象となるケースはきわめて少ないものと考えられる、規定の運用に当たっては慎重に対処する、教育啓蒙的な趣旨の規定である、こう言っておりまして、この十万円の過料についてはきわめて慎重に行うということを言っております。なお、事務当局、自動車局長は、三塚委員の適用対象はダンプ、不法改造車、暴走族にしぼるべきであるという質問に対しまして、おのずから重点はその辺に指向することになる、こう言っておりまして、ごく限られた少数のものにのみこれが対象とされるという意向を表明しておるのでありまして、一般の善良なユーザー、ドライバーについてはいままでとそう変化はないとわれわれは心得ております。  それからデータ通信の問題でございますが、これは許認可から解除する、そういう点が主でございまして、それ以外のものは今回の場合にはなかったわけでございます。したがいまして、許認可からの解放、そういう意味で今回の一括法案の趣旨と目的に合致しておりますので、そこで一括に入れたわけでございます。派生的に見まして、渡部委員御主張になっているいわゆる付加価値通信、VANというようなものやそういう問題は将来は絡んでまいりますけれども、今回の趣旨そのものは許認可からの解放、自由化という点に主眼がありましたものでございますから、一括法案に入れた次第でございます。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 電気通信審議会と省令の関係についてお尋ねがございましたので、実務的な問題でございますので、私の方からお答えさせていただきます。  電気通信審議会、この委員会でも御審議いただきまして十月一日から発足するということに相なっておるわけでございますが、一方、省令の問題もございます。ただし、十月一日までの間、現在郵政審議会の電気通信部会、これは電気通信審議会が成立しますときに廃止になるわけでございますが、この電気通信部会の方にこの省令の問題等も御相談しながら、御意見等も拝聴しながら適時適切な対応というものをやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この問題は実は討論したいけれども、時間がありませんので前に進みます。  次は情報公開の問題に関してでございます。  もはや情報公開は時代の要請であり、趨勢であると思います。しかも、地方公共団体がどんどんと前向きに取り組んで、条例等を自主的につくっておるのでございます。また国会においても、議員立法としてこれに関する各党からの議案が提出されております。しかるに、この情報公開法については政府は一向に積極性を持って取り組んでいないのではないか。情報公開とプライバシー保護法というのは表裏一体のものであって、非常に重大な関係にあると思います。プライバシー保護法ができないまま各所で情報公開がどんどん進む、また一方では情報機器の発達あるいは通信機器の進歩、こういうものからプライバシーがたまたま侵害される実例さえあるわけでございます。こういうもろもろの条件を考えたときに、いまや情報公開法とプライバシー保護法あるいは通信の秘密をどういうふうにしていくか、こういう一連の体系的な法の配置というか法体制というものを築く必要があると思いますが、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 情報公開につきましては政府も前向きに取り組んでおるところであります。最近、公共団体におきまして条例等で情報公開が行われておりますのを重大な関心を持って見守っております。  一方におきまして、プライバシー保護もコンピューターの発展等にかんがみましてまた重要な課題に登場しまして、この点についても、行政管理庁においてはつとに研究会を持ちまして検討を加えておるところでございます。  各党からも情報公開の法律案が提出されており、われわれもこれを拝読して検討しておりますが、情報公開につきましては臨時行政調査会におきましても大きな課題として取り組んでおるところでございます。われわれはわれわれとしていままでの研究の線をさらに進めてまいりたいと思っておりますが、一面において中央と地方との関係あるいは情報問題等について臨時行政調査会におきましても検討を加えておるところでありますので、その推移等も見守りながら、できるだけ早目にこの問題に対処してまいりたいと思っております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次には増税なき財政再建という問題でございますが、これは必ず貫徹するという決意と見通しがありますかどうか。  それからまた、政府は去る九日の閣議で景気浮揚重視の積極経済運営へ政策転換をする方向を打ち出されたと報道されておりますが、これは鈴木内閣の経済政策の転換と受けとめていいのでしょうか、この点をはっきりとさせていただきたいと思います。  さらに、五十六年度歳入欠陥として約二兆円が見込まれておりますが、この歳入欠陥に対する責任の所在というものはどこにあるのでしょうか。その見通しの誤りという問題について明らかにしていただきたいと思います。さらに、五十七年度ではどの程度こういう歳入欠陥が出てくるのか、その辺も、もし見通しがあればお聞かせ願いたいと思います。  ここで財政問題を全部時間の関係で出しますが、五十七年度予算は上半期で七五%以上の公共事業を執行する、こういうふうになると、あとの半年何で暮らすか。このことを国民に明確にしないと、せっかく設備投資をしたいと思ってもできない、差し控える、こういうことになりますので、その点の下半期の手当ての仕方を明確にしていただきたいと思います。  そしてまた、七月に臨調の基本答申が出されて、八月ごろからサマーレビューということで五十八年度予算編成に取りかかる。こういう際に、いまあるもろもろの条件の中で総理はどのような考え方で五十八年度予算に取り組もうとされておるのか、その辺の基本的な考え方を明らかにしていただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 財政、経済の広範な面にわたりましての御質問が大分ございました。  まず第一に、こういう厳しい財政、経済の状況の中で五十九年度特例公債脱却という公約を達成できるのかどうか、そういうお尋ねでございますが、これは確かに情勢は厳しくはなっておりますけれども、私どもは今後におきましてもさらに一層の歳出歳入両面にわたる見直しを行いまして、そしてそういう中から財源を見出しつつ、五十九年特例公債脱却という目標をぜひとも達成をしたいということで全力を挙げておるところでございます。  第二の点は、最近の経済の停滞に対処して、政府は経済政策を転換しようとしておるのではないか、こういうお尋ねがございましたが、先般の閣議におきましては、公共事業につきまして七五%以上の前倒しを実施しよう、大蔵大臣からは七七%程度の前倒しをいろいろいま検討中であるという報告がございました。そういうことをもとにいたしまして、公共事業を上半期に重点的に実施することによって景気を浮揚させるように努力をしようということにいたしたわけでございます。政府はかねてから東北、北海道を初めとする一兆円に及ぶ災害復旧対策、これにつきまして五十六年度補正予算でもって相当大幅な措置を講じたところでございます。また、五十七年度予算の実施に当たりましては、いま申し上げたように上半期に重点的に施行すると同時に、この具体的実施に当たりましては、用地手配済みの公共事業を取り上げまして、できるだけ波及効果の大きい、実効の上がる公共事業を優先的に取り上げるということにいたしておるわけでございます。また、公的住宅の建設の推進、これにも特段の力を入れておるところでございます。私どもは物価の安定に今後とも留意しつつ、実質所得の向上を図りながら、これらの施策を総合的に進めることによって景気の停滞を打破しようということでございまして、これは積極財政に転換をしたとかいうことでなしに、現在与えられた条件の中で私どもは十分景気の動向に配慮しながら施策を進めてまいろう、こういうことを図っておるところでございます。  なお、今後におきましても、内外の経済情勢を見きわめながら、私どもは景気と物価とそして財政をにらみながら施策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次に大蔵省にお尋ねいたしますが、最近グリーンカードについて大変な批判と申しますか抵抗と申しますか、そういうものが出ておるようでございます。しかしながらこれは昭和五十九年から実施するということが決まっており、すでに政府もそういう形で国民にPRをしておりますが、これは予定どおり完全に実施しますかどうか、はっきりとお答え願いたいと思います。  それからもう一つ、最近、新種の国債として貯蓄国債を発行するようにいま大蔵省の事務当局が具体的な検討に入ったという報道がありますが、これは事実かどうか、明確にお答え願いたいと思います。

水野勝大蔵大臣官房審議官

○水野(勝)政府委員 非課税貯蓄等利用者カードをグリーンカード制度と一般に言われているわけでございますが、この制度につきましては、五十五年三月におきまして、通常国会におきまして所得税法の改正が行われ、昭和五十九年以降総合課税の移行とカード制度の実施、採用ということが決定されておるわけでございまして、私どもといたしましてはこれを確実かつ円滑に実施する方針でございます。  ただ、この制度につきましてはいろいろ不安や誤解があるようでございますので、さらに正しい知識が深まりますように今後PRに努力したい、このように考えております。

酒井健三大蔵省理財局次長

○酒井政府委員 お答え申し上げます。  貯蓄国債についてのお尋ねでございますが、債の種類の多様化につきましては、私ども国債発行当局といたしまして、国債の円滑な消化を図る観点から市場のニーズを勘案しながら今日まで進めてまいっておりまして、御承知おきのように、十年の長期国債のほか五年の割引国債であるとか二年、三年、四年の中期国債であるとか、あるいはまた昨年は非市場性国債の発行を行ったりしてきておりまして、国債の種類の多様化につきましては日ごろ検討を行っておるところでございますが、過日新聞に報道されましたような貯蓄国債につきましては、目下のところ具体的には検討を行っていないという状況でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次に移ります。  防衛費の問題でございますが、総理はいままであらゆる場所で、防衛費の総額はGNPに比して一%以内である、こういうことを明言されてきておりますが、去る十九日の朝日新聞に、自民党の安全保障調査会、国防部会など防衛関係部会が、来年度の防衛予算概算要求枠を一%を突破してもやむを得ない、こういうことで、防衛費の一%枠を突破しよう、こういう力が働いておるようでございますが、一方総理が自民党の総裁として一%以内と言うのに、その下部の人たちのそれを無視するような発言を黙って見ているのは私は総理の指導性にかかる問題だと思います。そういう点で、総理はこの点はっきりした今後の方針をひとつお聞かせ願いたいと思います。  それからもう一つは、文民統制の問題でありますが、これも臨調でも若干議論されておるようでございますが、何か制度的には文民統制が非常に完全に近いような表現がされておりますけれども、私はそうは思いません。問題は、防衛庁長官が文民であるから文民統制ができる、最高指揮官の内閣総理大臣が文民であるから統制ができる、コントロールができる、こういう問題でなくて、常に防衛、隊の動きというもの、防衛上のあらゆる情報、動き、こういうものを文民の防衛庁長官なり総理の把握できるそういう制度上の問題としてこれをとらえる必要があるのではないか、そういう点でどのようにお考えになっておられるか、お伺いします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 まず第一に防衛費の問題についてでありますが、御承知のように現在わが国におきましては、昭和五十一年に国防会議並びに閣議で決定いたしました「防御計画の大綱」、これによりましてできるだけこの水準に早く近づけるようにということを目標にいたしまして、防衛予算を毎年度これを計上し、他の政策との整合性を考え、また財政事情等も勘案をしながら、一方において国民世論の動向等にも十分注意を払いながら防衛予算を計上して防衛努力を進めておる、こういうことでございます。  ただいまの「防衛計画の大綱」を決めました五十一年に合わせまして、当面、その費用というものは国民総生産の一%以内にとどめるように努力をする、こういうことになっておるわけでございます。現在五六中業を作業中でございますが、私はまだその大綱につきましては承知をいたしておりません。しかし五六中業におきましては、私が防衛当局に注意をいたしておりますことは、ある特定年度に防衛予算がかさむような形でなしに、なだらかにこの予算の計上がなされるようにしてほしいということを十分注意をいたしておるところでございます。したがって、五六中業の作業におきましても防衛当局はその点を十分配慮しながら進めておると思いますし、また節目節目、中間段階におきましては大蔵省、財政当局とも十分協議をしながら作業を進めるということにいたしております。最終的には国防会議に報告を求め、何らかの形で国防会議としての方向を決めたい。またそれに基づきまして五十八年度予算の編成に取りかかるわけでございますが、私は、自由民主党において防衛予算について関心を持っておるということはこれは政権与党として当然のことでございますが、まだ五十八年度の予算のベースになりますところの五六中業が作業中であるということ、そういう点もございますので、党として正式にそれを決定したとは承知いたしておりません。いずれ、政府と党が十分協議をいたしまして国民の納得するような措置を講じてまいりたいと考えております。私は、当面五十一年度の方針というものを変える必要はない、このように考えております。  次に、文民統制の問題についてお尋ねがございました。政治の軍事に優先をするということは民主主義国家におきましては最も重要な点でございます。わが国は、防衛の予算にいたしましてもあるいは自衛隊の定員の問題にいたしましても、すべて最終的には国会の御承認をいだたく。文民統制の最終のよりどころというのは国権の最高機関である国会によってコントロールをされておる。そして自衛隊を指揮いたしますのは内閣総理大臣であります。指揮監督を総合的にいたしておりますし、また、隊務を実際に指揮しておるのは防衛庁長官でございます。一方におきまして重要な事項は国防会議にかけてこれを慎重に審議をするというようなことでございまして、十分わが国の文民統制、シビリアンコントロールというものは確保されておる、このように確信をいたしておるところでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 いよいよ時間が迫ってまいりましたので、ひとつ要領よく簡単に御答弁を願いたいと思います。  国連軍縮総会が六月になると開会されますし、またベルサイユ・サミットも開かれるわけでございますが、総理はこの国連の軍縮総会に、もう原稿ができたと思いますけれども、どういう内容のものをここでアピールするおつもりなのか。かつて園田外相は大変格調の高い演説をして有名になりましたが、あなたはもっと格調の高い演説をされるのでないかと期待しておるわけですが、そのポイントをひとつ明らかにしていただきたい。  それから、サミットの中でフォークランド諸島の問題等も出てくるのではないか。そういう際に、日本はどういう態度で西側と話し合いを進めていくのか。西側の団結という名のもとでぎりぎりと紛争の中に引きずり込まれるようなことのないようにお願いしたい。そういう問題、あるいは貿易摩擦の解消の問題にいたしましても、私はこれはもっと基本的な問題でこの貿易摩擦が出ておると思うのです。構造的な問題であるならば、まずその構造から直さなければならない。そういう点について、ひとつどういうふうに考えておられるか。  それから最後に、こういうふうに考えると、七月に行革基本答申が出る、そうして総理は軍縮会議からあるいはサミットから帰ってくる、そうして年度後半のいわゆる予算執行の対策、来年度の予算編成、そういうもろもろの問題を見ると、やはり九月か十月ごろ臨時国会を召集しなければならないのではないだろうか。この点についてひとつお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 簡潔にお答えをいたします。  軍縮の問題は、今日核戦争の危機ということが世界各国民の非常な心配のもとに相なっておるわけでございますから、わが国といたしましては、究極においては核の廃絶を内容とするところの核軍縮を中心とした軍縮を徹底しなければならない、このような観点に立ちまして、核不拡散体制の強化、あるいは化学兵器等の禁止、あるいは核軍縮をバランスをとりながらできるだけ低位にこれを抑制をして、そしてこれを第三世界等の経済協力等に振り向けていく、それによって世界の経済の向上も図るし世界の平和の安定も図ろう、こういう趣旨のことをいま考えておるわけでございますが、しかし、参りますためには、国民の中にいろいろお考えがございます。そこで、私は各党各会派の首脳の御意見も十分拝聴もするし、国民各層の御意見も伺いながら、国民的立場に立ってこの特別総会において訴えたい、このように考えているところでございます。  それからフォークランドの問題につきましては、すでに外務大臣談話等で明らかにいたしておりますように、あのような領土をめぐる紛争の問題を実力に訴える、戦争に訴えるというようなことあるいはこれを武力で占拠するというようなことは、これは絶対に避けなければいけないということで、国連理事会の決議におきましては私どもはそういう決議案に賛成をいたしておるところでございます。現在、アメリカにおきましてヘイグ長官が、英国とアルゼンチンの間に立ちまして話し合いによる解決、これに向かって全力を挙げておるわけでありますが、私どもはそれに期待をし、その方向でイギリスもアルゼンチンも努力をするようにということで、日本としても側面の努力を続けておる段階でございます。  なお、ベルサイユ・サミットにおきましては、世界経済再活性化のために先進諸国と協力をして努力をしなければならないと考えておるわけでございまして、私は、今回のサミットは絶対に成功させなければいけない、それには、各国が自分の考えだけを主張するのでなしに、一つの目標に向かって連帯と協調をして努力することが必要である、そういう観点で取り組んでまいりたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 臨時国会の問題は。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いま国会が通常国会をやっている段階でございまして、それ以上のことは考えておりません。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 どうもありがとうございました。終わります。

石井一自由民主党

○石井委員長 次に、市川雄一君。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 ただいまの総理の御答弁に関連しまして、軍縮総会に向けて各党党首の意見も聞く、国民の意見も開く、こういうことを総理はおっしゃいましたが、軍縮特別総会あるいはサミットと続いているわけですが、それは総理の御意思で、積極的に各党野党党首に働きかけて党首会談を開いて意見を聞く、こういう意味でございますか、どうですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 すでに御承知のように学者の方々の御意見も拝聴したわけでありますが、できるだけ早い機会に各党の党首の御意見をそれぞれ拝聴いたしたい、こう考えておりますし、また、国内で署名運動等を熱心におやりになっております諸団体がございます。それらの方々の代表の御意見も伺いたい、このように考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 先ほど総理の答弁を伺っておりまして、五十九年度に赤字公債発行から脱却する、政治責任をとる、こういう非常に強い調子で総理が公約された問題について、要するに達成はむずかしいが努力する、政府挙げて努力するんだ、こういう何か努力目標に格下げになったのか、それとも達成はできるんだ、可能なんだ、そして実現に取り組むんだ、このどちらの意味でおっしゃられたのでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私が申し上げております真意は、財政並びに経済の諸情勢は非常に厳しいものがございますけれども、私は、五十九年特例公債脱却というのはぜひこれを達成をしたい、全力を挙げる、こういうことを申し上げておるところでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 達成をしたい、全力を挙げたい、これはあくまでも願望ですね、努力目標。総理は、要するに公約では、五十九年度に赤字公債発行から脱却するんだ。それは可能なんだというふうにいま御認識なのかどうか、それを伺いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私は、これを思い切った歳入歳出の見直しによって達成をしたい、そういう決意でこれに取り組んでおるわけでございまして、安易な大衆大型課税、増税というようなことを一切念頭に置いておりません。そういう姿勢で達成をいたしたいと考えておりますので、各党の御協力もぜひお願いを申し上げたい、こう思っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 依然として、達成は可能、こういう認識を持っておられるのかどうかということをさっきから聞いているのですが、どうもお答えがはっきりないようでございます。  それで一部には、宮澤官房長官などは、五十九年度の赤字公債脱却の姿は五十九年度の当初予算で赤字公債の発行がゼロになればいいんだ、後で補正予算で出るのはやむを得ない、そういう姿も描かれているやに聞いているのですが、そういう何かつじつま合わせのような五十九年度赤字公債脱却、こういうお考えではまさかないと思うのですが、その点はどうですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 先日、官房長官、大蔵大臣等に対しまして、私から、五十九年特例公債脱却、これは鈴木内閣の最大の課題であり、また公約でもある、これは是が非でも達成をする、そのつもりで五十八年の予算の編成に当たってもらいたい、こういうことを申し上げておるわけでございまして、それ以上の、いま宮澤官房長官がああ言ったとかこう言ったとか、そういうようなことは私自身は一言も言っておりません。そういうことのないように明確に指示をいたしておるところでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 五十六年度の歳入欠陥約二兆円、これはほぼ確定的になっている。五十七年度も三兆円近い税収不足が出るんではないかという予想をされておる。そうなりますと恐らく五十八年度も税収不足が続いていくんじゃないか。こういう中でいま総理のおっしゃった五十九年度赤字公債脱却という公約を守るためには、徹底した歳出の削減を行うか、あるいは景気浮揚による税収の確保という手段を使うか、あるいは増税という手段を使うか、この三つがほぼ考えられるわけですが、総理はこの三つ全部を考えていらっしゃるのか、それとも徹底した歳出削減だけで後行くんだとか、何かその辺の具体的な方法について総理はどういう御見解ですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いま市川さんは三つ順番をつけてお述べになりましたが、第三番目は考えておりません。最優先は何といっても歳入歳出を従前以上に思い切った見直しをする、そういう中から特例公債の発行減額の財源を見出そう、こういうことでございます。  かといって、景気の方はどうでもいいんだということではございません。与えられた条件の中で絶えず情勢に対応できるように機動的に財政並びに金融を運営をいたしまして、景気についても十分配慮をしていくことは当然でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 歳出の徹底した削減というのは非常に急務ですが、しかし、五十八年度の予算編成の大きな山場がやがて来るわけです。総理は五十八年度予算では五十七年度よりさらに厳しく歳出を削減すると四月九日の衆議院大蔵委員会でお述べになったようでございますが、しかし五十八年度の赤字公債減額のための要調整額が約三兆三千七百億円、これを五十七年度と同様に一般歳出の削減でおやりになるお考えなのかどうなのか。それから概算要求の方針はいつごろお決めになるのか。  それに関連しまして、マイナスシーリングとかスーパーゼロシーリングとかいろいろ言われておるようですが、たとえば防衛費とかエネルギー関係費とか経済協力費だけは特別枠をやってきたわけですが、今年度はそういう特別枠はもう認めない、こういう厳しい姿勢でお臨みになるのかどうなのか。  それから、第二臨調の基本答申を五十八年度予算に反映させる、どのように反映させるお考えなのか。その辺を承りたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 五十八年度予算の編成につきましては、先ほど申し上げたような基本的な考え方、これを官房長官と大蔵大臣に指示をしてあるところでございまして、それに基づいて大蔵大臣がいろいろ工夫をされて、そしてそれをどのように具体化していくか、またどのようなタイミングでそれを実行に移そうとするのか、そういう点につきましては大蔵大臣のこれからの作業にまつわけでございますが、私としては先ほど来申し上げるような基本的な姿勢で取り組んでまいる考えでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 グリーンカードのことですね。先ほど大蔵省の御答弁は伺ったのですが、総理のお考えを伺いたいのです。  これはどうも自民党の中では議員連盟全会一致で廃止ということを決めておられるようですね。中曽根長官は、政党政治だから幾ら政府が決めたとしても党議が変わればある程度それに影響を受けざるを得ないという趣旨のことを先日答弁なさっていた。  そこで総理の御決意を伺いたいのですが、確かに政党政治というたてまえから考えれば、党議が変われば政府が影響を受けるという、それはそういう面もあるかもしれませんが、このグリーンカードにつきましては、総理は自民党の決定に今後影響を受けて総理のいまの姿勢が実施から後退するということがあるのかないのか、総理としては、たとえどういう自民党の党議があろうと断固実施する、こういう御決意ありやなしやということを伺いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 自由民主党の議員の諸君の中でいろいろの御意見があり、また議論をされておる、これは私はそのようなことがあろうかとは思います。しかし党の正式機関で、具体的には党税調あるいは政調会、政審、総務会等でこれが正式の議題として取り上げられて検討されておるということは報告を受けておりません。そういう党の方で正式な機関において正式の議題として検討を加える、党議をいずれかに決めようという場合には、当然党総裁でもあり内閣総理大臣である私に事前に御相談があるものだ、このように思っております。  私は、ここで申し上げられることは、国会において御決定をいただいておりますところの現在の所得税法の中でグリーンカード制が採用されることに相なっております。五十九年一月から実施されることになっております。政府としては、国会でお決めいただいた法律、これを忠実に実行するというのが政府の責任である、このように心得ております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 先ほど総理は、歳出削減等に関連した話の中で増税というのはやらないとはっきりおっしゃられたわけですが、どうも五十八年度予算編成に絡んで増税は避けられないんじゃないかという見方が非常に強くなってきておる。そういう中で、五十八年度所得減税と抱き合わせで増税をやったらどうかというような意見が一つあるわけですね。あるいは大蔵省は依然として大型間接税という構想がある。これについて総理はどうお考えになっていらっしゃるのか。いわゆる直間比率の変更とかそういうことを含めて、一切五十九年度まで財政再建は増税なしだというお考えかどうかということも含めてお伺いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 この所得減税の御要望が、五十七年度予算の審議の過程におきまして野党各党から強く出てまいりました。各党のお話し合いの結果、衆議院議長見解というものが出されまして、大蔵委員会に小委員会を設置してこの所得減税の問題を検討し、行うとすればその税法をどのように改正をするか、また財源をどのようにして確保するか、こういうことを御検討いただくことに相なっておるわけでございます。その際に、相当幅広くわが国の税制全体についても御論議がなされるということも伺っておるわけでございますが、そういう点を政府としては十分注視をいたしておるところでございます。一体国会がどのような御判断を示されるのか、それによって自由民主党の税調あるいは政府税調等におきましても国会の御論議を踏まえながら審議が進められることであろう、このように考えておるわけでございます。  いずれにしても私は、先ほど来申し上げるように、五十八年度予算を編成するために、安易と言ってはいろいろ語弊を生じますが、増税に寄りかかるというような安易な姿勢で予算の編成をやろうとは考えておりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 次に、防衛費の問題についてお伺いいたしますが、総理はたびたび鈴木内閣はGNP一%の枠を守るあるいは五六中業期間中はなだらかに行ってどこかの年度で突出するようなことをしないようにしてという御答弁でしたが、この五六中業期間申すなわち五十八年度から六十二年度までGNP一%枠というものを堅持する、こういう御決意かどうか伺いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 この問題は先ほどもるるお話を申し上げたように、国防会議並びに閣議の五十一年における決定というのは、御承知のとおりこの「防備計画の大綱」を達成するに当たって当面GNPの一%を超えない枠の中でこれを進めていくということになっておるわけでございます。当時のどういう閣議の判断でございましたか、とにかくGNPの関係だとかいろいろな情勢だとかいうようなこと等を慎重に考えますと、当面という言葉を使っておるわけでございます。私はいま当時の決定、それを変更することを考えておりません。当面はGNPの一%以内という当時の決定そのものを鈴木内閣においては尊重していきたい、こう思っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 国防会議でたしか五六中業期間中に大綱水準を達成することを基本として作業に取り組むということを確認したと思うのですね。ということは、この五六中業期間中に大綱水準を達成する。その達成という意味は、総理は昭和六十二年度に発注を完了する、こういう意味ですか、どうですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 予算ベースでこの仕事は進められておるわけでございます。達成ということが、すべての航空機から艦船から何から全部それが防衛庁に納入されたときということを目標としておるものと私は受けとめておりません。予算の面で、あるいは五三中業の場合でありましても、予算要求の一つの目安として従来策定をやってきたものでございます。でありますから、五六中業におきましては「防衛計画の大綱」を達成することを基本として五六中業の作業を進める、こういうことでございますから御理解をいただきたいと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 ということは、発注完了という意味ですね。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 六十二年にこの水準を達成するための発注がなされるということでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そこで後年度負担の歳出化があって、五十八年度予算でもすでに対前年度の防衛費の四・二%が六・二%ぐらいその分だけでもふえちゃう。こういう数字が出ている中で、総理は目下のところGNP一%の枠を変える考えはない、こう明言されたわけですが、しかしこのGNPが下がったり上がったりしているわけですね。そういう場合に、五六中業期間中の大綱水準達成を優先するのか、あるいは国民に対する歯どめとしてGNPの一%枠を守るということを優先するのか、そういう政策判断に迫られる場面が出てくるのじゃないか、こう思うのです。その場合、国民のコンセンサスというものを考えて断固としてGNP一%枠を守るということを優先するのだ、こういうお考えなのかどうなのか、お伺いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いろいろの状況の変化があろうかと思います。GNPが五・一%の水準でずっと六十二年まで推移できるかどうかという問題がまず一つございます。私どもはそういう経済、財政運営ができるように最善の努力をするわけでございますが、激動する国際情勢、経済情勢の中でどう経済が動いてまいりますか、その結果がわが国のGNPにどういう影響をもたらすか、そういう問題は、これは人間のことでございますから、いまからお互いになかなか予見ができない。これは市川さんも御理解がいただけると思います。それが一つ。  それからもう一つは、一番大きいのはやはり国民のコンセンサスを得なければなりません。それから他の政策との整合性を考えなければなりません。財政事情も考えなければなりません。そういう点を総合判断をしてその際の最高責任者が政治判断を下す、こういうことになろうかと思うのでございます。  私はそういう意味で、当面という慎重な言葉を五十一年当時三木内閣で使われたということは責任ある立場としてやむを得ない当然のことであった、こう思いますが、要は、わが国の防衛というものを、平和憲法なり基本的防衛政策なりあるいは専守防衛に徹するという基本的な方針なり、そういうものに照らして節度のあるものでなくてはいけないということがその中に貫かれておるということだと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 終わります。

石井一自由民主党

○石井委員長 次に、小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 行革について御質問をいたしたいと思います。  総理は、政治生命をかけてこの行革を遂行していきたい、こういうようにおっしゃっているわけであります。ただ、最近どうも不景気なものだから、行革に手心を加えなければ景気は回復しない、こういうような雑音みたいなものが方々に出てくるわけであります。私は、行革と景気論争とは何の関係もない、むしろ行革を遂行して、そして景気を浮揚するのだ、これの方が正しいのではないか、こういうように考えます。総理は、景気論争と行革は無関係に遂行していく、そういうような御決意は言明できますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私も、景気が回復をして、そして税収その他も上がる、そういうような形で財源が比較的楽になる、財政収入が楽になることは、特例公債の脱却に対して非常にいい条件になるということはそのとおりだと思いますが、しかしそれに頼って財政再建というものを図ろうということであっては達成できない、私はこう思っております。特例公債の脱却というこの至上命令は、思い切った歳出歳入の見直し、節減合理化によってこれを達成するのが本筋である、このように考えておりまして、その点は小沢さんの御意見と全く同感でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 それで、国民もみんなそう考えているでしょうし、閣僚諸公の中の発言もあったやに聞いておりますが、これから出される第三次答申の中の行革の中の目玉は、その焦点は、シンボルは、こう言った方がいいかもしれませんが、それは国鉄の改革である、こういうようにわれわれ理解しておりますが、総理もそういう理解でいいわけですか。行革の目玉は国鉄である。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 臨調の基本的課題についての七月答申は、いまおっしゃるように国鉄を中心とする三公社等の問題に重点が置かれるものと私は推察をいたしておりますし、その答申が出た場合におきましては、政府としてはあらゆる努力を払ってその趣旨にこたえたい、このように考えています。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 ちょっと答弁がずれていますが、いまの答弁でいいわけですが、その中でもなかんずく電電公社は黒字です。いま再建のために年に千二百億ずつ納めているわけです。専売公社も税金を納めている。ただ国民の税金をもう大変に使ってやっているのは国鉄ですから、この国鉄の改革がこの目玉である、こういう認識で総理も行革に当たるか、こう言っているわけです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 そういう御趣旨であれば、全くそのとおりでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 そこで、これは総理との一相談でありますが、臨調あたりでは、国鉄に対して破産宣告、こういうものを一たん出してからやってはどうだろうかというような報道が伝えられております。これは臨調がどういうことを考えているかは答申にありませんからわれわれはいろいろ言うわけにはまいりませんが、恐らく民法だか商法だか会社更生法だか、そういう裏づけのあるような破産宣告、こういうようなものを想定して言っているのではないか、こう私は想像するわけです。  私はそういうことでなくて、いまの国鉄のやり方を見ていると、四十万の人に本当にこれから再建をしなければならないという気魄が見られないのではないか、こういうように考えるわけです。依然として親方日の丸のような感覚でいるのだ、こういうように見られますから、法的な裏づけなしに、国鉄は破産しちゃったのだ、これは政治的な問題だと思いますが、こういうぐあいに破産宣告をまず政府が出してはどうか、こういうように考えるわけです。  くどいようですが、臨調や何かの考えているその法的な裏づけとかそういうものは全然なしに、もう破産したのだ、こういう宣告を政府がすべきである、こういうように考えるわけです。先ほどもこの内閣委員会で国鉄の馬渡副総裁にそれを尋ねたところが、民間であったならば破産状態であります、国鉄みずからそう言っているわけです。そこで、全従業員を引き締めるためにも、私はいまの状態は破産したのだ、こういうように政府が宣言をして再建に当たっていくべきではないか、こういうように考えるわけです。どうでしょう。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 国鉄問題は、いま七月答申を前にいたしまして最大の山場に臨調においても来ておると私は思います。いろんなお考え方がそれぞれの委員の方々におありになろうかと思います。私は、いまそれに対してコメントをするということはかえって事態を混乱させる心配もございますので、小沢さんの御意見は御意見として拝聴しておきたい、こう思います。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 カラスの鳴かない日はあっても国鉄の非難されない日はないわけです。ようやく国民も、国鉄は大変なことだ、こういうことがわかってきたんではなかろうか、こういうように考えます。  先ほど二時間ばかり、先日一時間、国鉄当局に私はいろいろ質問をしてまいりましたが、考えてみると、昭和四十四年に再建計画を立てて、それは誤解、みんなうその再建計画でありました。間違っていました。最近はまた、経営改善計画、六十年までに三十五万人体制、それから幹線部門の収支を償う、こういう計画のもとにいま進めている、こう言っているから、その具体的内容について、いまの進んでいる状態がその計画どおりに進んでいるかという質問を出しても、どうも答弁はあいまいですし、私たちが五十六年度予算審議のときには、補助金は七千三百億、そのときの赤字の予定は九千億、ところが五十六年度の補正予算のときには、赤字が二千億ふえました、こういうことであります。五十七年度においては補助金は七千三百億、同じであるが、さらに赤字は一兆四千億になります、こういうのが現状であります。  そこで、総理のところへ、たびたびの再建計画は失敗に帰しました、いまこれだけの社会的な非難の中にある国鉄総裁から、私たちは責任をとりたいと思いますとかいうような進退伺い、そういうようなものが一体国鉄総裁から出されているでしょうか。常識的に言うなら当然そうあってしかるべきだ、われわれはこういうように考えます。どうでしょう。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 人事のことでございますので、いまこういう場で人事の問題に触れることは差し控えたい、私はこう思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 先ほど国鉄へやはり質問をしました。臨調は、この事態を改革しようということで国民の総意によってできているわけであります。それに対して、黒字である電電公社も、総裁みずからあるいは労働組合からも出されているとか聞きましたが、臨調の討議の資料としての再建案、あるいは経営形態の問題について積極的な意見を述べて臨調審議の参考に供している、こういうように聞いております。専売公社もそうだと聞いております。ところが国鉄からは出されていない。  先ほども馬渡副総裁から答弁がありましたし、雑誌等の報道においても高木国鉄総裁は、臨調は国鉄のことなど何もわかっていない、こういうように広言をしておりますし、二、三日前の新聞によれば、日本記者クラブの講演でもって、分割とか民営化については職員が生活に不安を持つことになり、そういう論議が活発なのはむしろマイナス、こういうことで、見出しは「またまた臨調批判」こういうように出ているわけであります。いままでの再建計画が全部失敗して、いまもまた失敗しよう、こういう現状の中にあって、国鉄の経営者から進退伺いを出して、私は責任をとります、こう言うのがあたりまえのことだと私は思います。私は率直に言って、この間は常務に質問をいたしました。きょうは馬渡副総裁に質問をしたところが、こういう答弁であります。先ほどの答弁であります。出処進退はいつでも明らかにいたします、これは総裁もそうか、こう言ったら、総裁に聞いてもらわなければわかりません、こう言ったのだけれども、私と総裁の話では、総裁は、一切を副総裁に任せてある、副総裁を派遣するから答弁を聞いてくれ、こう言っておりますから、私は総裁もそういう心境ではなかろうかと、これは推測をするわけです。重ねて聞いたら、ただいま申し上げたように、いつでも出処進退を明らかにいたすと申し上げておるとおりでございます、二回にわたる質問をしたら、そういうことです。  私は、国民の常識からいって、このような状態にさしたのはやはり経営者の責任である、その経営者が責任を明らかにしなければこれから再建の出発ができない、こういうように考えるわけです。向こうから進退伺いがないならば、これをやめさせたらどうですか。そして本当に気魄を込めて再建に取り組まなければならない。臨調任せじゃいかぬと思います。これは政府の責任でもあると思います。重ねてお尋ねをいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 臨調任せにしておるわけではございません。いませっかく臨調におきまして、国民の声を十分踏まえて最終的な案をお取りまとめいただいておる段階でございます。私は、決断すべきときに対しまして国鉄も運輸省も政府もちゅうちょするものではございません、臨調の答申の趣旨を十分生かすように全力を尽くしたいと思います。そして国会の御承認、御支援をお願いを申し上げたいと考えておる次第でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 どうも、大事な問題だから、総理の答弁はそれてしまっていけませんが、いま民間企業の経営者、これはこの間も新聞に出ておりましたが、九割の者は、民営にしなければならない、こういうようなことも言っておりますし、そのもとは、民間的感覚で経営をしなければ国鉄は再建できぬ、こういうことではないか。国鉄をこういう状態に陥れたのは役人的な経営をやってきたいまの経営者ではないか、これは国民の声だと私は思います。だから、端的に言うならば、総裁以下をかえて、そして理事、役員に半分以上、六割ぐらい民間人を入れて、あの第一次、第二次石油ショックの中で乗り切ってきたその経験を生かさなければ国鉄は再建できない、私はこう思うわけです。民間の経営者はみずからの給料を減額をして、みんなそれをやってまいりました。労働者に訴えて全部乗り越えてきました。ところがいまの国鉄の経営陣を見ていると、毛頭そういう心構えはないわけであります。これに任しておいたならば再建は不可能ではないか、私はこういうように考えるわけです。民間の血でもって、民間の知恵をもって国鉄は運営されなければならない、こういうように考えるわけです。どうでしょう。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 小沢さんのおっしゃっておるお気持ちは私も理解がいけるわけでございます。しかし、いつ、どういう時点でそういうことを決断をし、実行に移していくかという問題は、十分慎重であり、タイミングも必要であろうか、こう思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 まあまあ総理の答弁としてはそこらが限界かと思いますが、いついかなるときにかは私の言うような意見に従ってやる、こういうように私は理解をするのですが、いいですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私は国鉄再建をどうやって図るかということにつきまして真剣に考えておるわけでございまして、個々の人事についていま私が触れて申し上げておるということでなしに、国鉄再建、どうやったらこれが達成できるかということで、ひとつお互いに考えていきたい、また行動していきたい、こう思っております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 どういうように考えても、私は、国鉄の形態というものを、経営形態を変えなければならない。これは、臨調はもう盛んに分割案まで行っていますが、現状のままでは再建できぬ。経営形態を変えなければならない。総理はどうでしょう。どうしてもそこまでやらなければ再建できぬ、私はこう思うのです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 この点は先ほども申し上げましたように、臨調におきましても、国鉄問題についてはいま本当に審議は大きな山場にかかっておる段階でございます。したがって、この段階で私がいろいろ今後の経営形態等に触れた発言をするということは事態を混乱させるだけでございますから、私は、臨調の御判断、大局に立った御判断を期待をいたしておるところでございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢(貞)委員 時間ですから、希望だけ申し上げておきます。  いま国鉄を再建することがこの行革の目玉、これはもう総理もそう考えているでしょうし、そしてまた、国民の目はすべてこれに注がれていると思います。どのような案が出ようと、これは大変な問題になると思いますが、総理は勇断を持って臨調の答申を実施して国鉄の改革に向かう、こういうように決意を表明していただいて、私の質問は終わりたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 おっしゃるとおり、国鉄問題は今次の行政改革の最大の国民的関心事でございます。この問題につきましては、私も腹を据えて取り組むつもりでございます。

石井一自由民主党

○石井委員長 中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 先日、渡辺大蔵大臣も参議院の委員会で、五十六年度の税収不足、歳入欠陥が二兆円を超える、二兆数千億の巨額に達する旨の答弁をしておられますが、総理も同じ認識かどうか。十七日の新聞の報道ですと、総理と大蔵大臣、官房長官の三者でこの問題の話し合いをされて、この五十六年度の歳入欠陥を埋めるために国債整理基金からの借り入れあるいは決算調整資金の取り崩し等が報道されているわけですが、予算の補正後にこうした兆単位の税収不足があらわれたというのは戦後初めての事態だと思いますが、重要なこの問題について総理の政治責任はどのように感じておられるのか、どのように対処をされようとしているのか、最初にお聞きしたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 これはしばしば大蔵当局からも御説明を申し上げておりますように、この予算の編成の時点におきまして、税収等の見積もり等につきましては、その時点で与えられた資料を駆使して専門家があらゆる角度から検討した上で税収の見通しをつけるものでございます。これはあくまでいま申し上げるように見積もりでございまして、その後における経済の諸情勢、いろいろな条件によってこれが見積もりどおりにいかないということは、過去においてもしばしばございます。それは見込みよりもむしろ多く税収が上がることもございますし、見積もりに達しない場合もあるわけでございます。これに対しましては、その決算の時点におきまして総合的に勘案をして、そうしてそれを適正に処理するということであろうかと、こう思っております。  私は、衆議院の予算委員会におきましても、したがいまして、その年度の税収の出たり引っ込んだりという見積もりが狂ったからといって一々私が政治責任をとるということを考えておりません、国民の皆さんにお約束を申し上げておることは、五十九年までに特例公債依存の体質から脱却をする、これが国民の皆さんに対する私の公約でございますということを明確に申し上げておるところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 私たちは、共産党の国会議員団で、通常国会の再開に当たって一月二十六日に私たちの見解を発表しました。いまの消費不況が税収不足にはね返って八一年度の税収不足は二兆三千億、八二年度の税収不足額は三兆円以上になるだろうという独自の試算で発表したわけですが、これをもとにして、二月十日の予算委員会で同僚の岩佐議員が質問しましたが、総理はこう答えているのです。仮定を置いて政治責任だと言われても申し上げる立場にないという御答弁なのですが、しかし、仮定ではすでになくなってきた。戦後初めての事態ですね。決算段階で他の資金などから借り入れをして歳入欠陥を穴埋めするということは、前代未聞の重要な財政破綻の象徴的な出来事だと私は思いますが、仮定を置いて政治責任と言われても申し上げられない、これは仮定じゃなくて、現実になっていまあらわれているわけです。重ねてお聞きしますが、この責任についてはやはり免れないのではないかと思います。いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 ただいまお答えを申し上げたとおりでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 それでは、この五十六年度が発射台になるわけですね、五十七年度の予算というのは。五十七年度の予算は成立したばかりでありますけれども、すでにこの五十七年度も三兆円から四兆円前後の歳入欠陥は必至だという見通しも、これは大蔵大臣自身が見通しも答弁しているところです。総理はどのような見通しを持っておられるのか。五十七年度も赤字国債増発は、私は恐らくこの補正の中で大幅な赤字国債の発行による補正予算を組まなければならないと思いますが、五十七年度は赤字国債を増発しないと約束できますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 五十七年度予算、いろいろ国会の御審議、御論議を経て成立を見たわけでございますが、国会の御審議も踏まえながら、私どもはこの五十七年度予算を適正に執行し、そして財政の問題あるいは経済の問題、これに対して最善の努力をする、こういう方針でいま取り組んでおるところでございまして、おっしゃるように、いま始まったばかりの予算の執行について将来どうなるとかというようなことをいま申し上げる段階ではございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 五十九年赤字国債ゼロということと関連してお聞きしているので、もう一度お聞きしますけれども、私の質問は、五十七年度特例公債、赤字国債を増発しないと約束できますかという質問なんです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 先ほど私お答えをしておるわけでございますが、税収のふえたり減ったりというようなことに依存をしておりましては特例公債からの脱却ということはできない。これは税収が伸びる、自然増収が年々出てくるということであればそれは楽なことは事実でございますけれども、そうでない厳しい状況下においても財政再建という国民的な課題は何としてでも達成しなければいけないというのが私の考えであり、政府はその方針に基づいて進めておるところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 私のお聞きしている問題に端的にお答えができない状態ですね。  先へ進んでもう一度戻りますが、政府はこれから五十八年度の予算編成の作業に入るわけですけれども、五十八年度、このままの状態でいけばさらに三兆円から四兆円の歳入欠陥を来すことは必至だということは一般の報道でも言われていることですが、最初にお聞きしました五十六年度の歳入欠陥のために借り入れる国債整理基金というのは、翌々年に返さなくてはならない。どれくらいになるか、恐らく二兆円近い、一兆数千億円の額になると私は思います。それに大蔵省が財政の中期展望で試算した要調整額が五十八年度三兆三千七百億円に上りますから、この予想される歳入欠陥、そして五十六年度穴埋めに充てた返済しなくてはならない国債整理基金、さらにこの試算で出ています要調整額三兆三千七百億円を入れますと、これだけでも八兆数千億円になるわけです。一般の新聞報道でも五十八年度は少なく見ても六兆円から七兆円の財源不足になるだろうということが報道されていますが、先ほどから総理が言っておられるマイナスシーリングとか歳出の削減というやり方だけではこの財源をひねり出すことができないのは明白ではないかと思うのです。これまでのこうしたやり方、路線だけでは五十八年度の予算編成そのものができない状態ではないか、これまでの財政政策、こういうものの根本的な転換がいま求められているのではないかと私は思いますが、先ほどの問題とあわせて総理にお考えをお聞きしたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いま中路さんがおっしゃいましたように、従前のような考え方で五十八年度以降の予算編成はなかなかむずかしい、この際発想の思い切った転換が求められておる、このように思うわけでございます。先日基本的な考え方を大蔵大臣等に指示したばかりでございまして、これから五十八年度予算に向かって具体的に工夫をこらし、いろいろの措置を講じてまいるわけでございまして、いまここで中路さんにあれこれ申し上げる段階ではございませんが、五十八年度予算の編成を見て御批判を賜りたい、こう思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 これまでの行き方で考えられるとすれば、一つはマイナスシーリングと言われている一層の歳出の削減ですね、もう一つは赤字国債を含めたいわゆる借金の増発、三番目に大型な増税といいますか間接税の導入、このくらいしかないじゃないですか。その中で、もう一度お聞きしますけれども、それでは五十八年度も赤字国債は増発しないと明確に約束されますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 五十八年度の予算の編成作業はこれからでございます。いまここであれこれ私が申し述べましてもそれは国民の皆さんに御納得をいただけるかどうか疑問でございますから、五十八年度予算編成の作業を進めてまいりまして、その間においてだんだん固まってまいりますから、御批判をいただき、御叱正を願いたい、こう思っております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 大蔵省などでは直接税と間接税の比率の見直しを行うなどというのも出てきています。また、臨調も不公正税制を口実にして直間比率の見直しを検討しようとしているわけですが、この直間比率の見直しで問題になるのは、やはりその中で大幅な税の増収を確保するためには大型な間接税、いわゆる新税の導入以外にないと思いますが、総理は五十八年度も新税の導入、大型間接税の導入はしないとお約束できますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 私はしばしば申し上げておりますように、財政再建すなわち五十九年特例公債脱却というものを一般消費税のような大型新税によってこれをやろうなどということは念頭にございません。そのことは何遍も繰り返し明確に申し上げておるところでございます。  直間比率の問題その他税制全般については、衆議院大蔵委員会の小委員会等におきましても減税の問題と絡めていろいろこれから御論議がなされることと思うわけでございます。国会の論議を私どもは注目しながら、今後自由民主党の税調あるいは政府税調等々におきまして審議を尽くしてまいりたい、こう思っております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間が近づいていますけれども、先ほど総理はお答えされないわけですけれども、五十七年度、ことしじゅうにも補正予算で赤字国債の発行、特例公債の発行は必至ではないかと私は思いますし、五十八年度も当然増発が考えられる。総理の増税なき財政再建あるいは五十九年度赤字国債ゼロという公約は、現実の問題として完全に破綻してきていることは明らかではないかと思うわけです。また、これまでの中期財政展望あるいは新経済社会七カ年計画といった政府の中長期の計画を含んだ経済運営の方針も見直さざるを得ない現状ではないかと思うのですが、総理がなお増税なき財政再建とか五十九年度赤字国債ゼロを看板にこれからも掲げていくと言われるならば、政府の責任においてこれまでのこうした破綻した財政再建計画をもう一度全面的に見直して、国会に具体的な計画を出し直すべきではないかと考えますが、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 中期展望というのは毎年見直しをいたしておりますし、経済社会七カ年計画につきましても毎年フォローアップをしながらこれを現状に近いものに置きかえて、現実に近いような経済の基礎としてそれを進めておるところでございます。したがって、この七カ年計画なりそういうものをいま変えるという考えは持っておりません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間なので終わりますが、最後に、行革に関連して一間お聞きして終わりたいと思います。  臨調が七月に予定しています基本答申を目指して、相次いでいろいろ臨調の部会等の検討、作成されている素案の概要が報道されています。まずその中では、行政改革の理念等でも、戦後三十余年の民主化の歴史を振り返って国民と国の歩むべき方向を設定するための全面的な改革ということがうたわれていますし、第一、第二部会の素案等でも、防衛体制の整備や有事体制といういわゆる軍拡の路線が前面に押し出されてきているわけですが、私は、臨調がこうした国家目標や政策選択あるいはその優先順位の設定まで行うことは、臨調の設けられた設置法の本来の趣旨からも著しく逸脱すると思います。また、審議会がこういうことを一切やっていくということは国会を無視したことでもありますし、政府の権限、機能を代行することにもなってくるわけです。  いまの臨調のこうした方向について、私は、作業は中止をさせて、やはり本来の、汚職やむだのない清潔で効率的な行政という国民の声に沿った行政改革を進めるべきではないかと思いますが、最後に総理の御見解を聞いて、質問を終わりたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 臨調は、行政改革の基本理念と相当幅広い高い立場に立っての御論議がなされておると思いますが、それにつきまして、中路さんがおっしゃったような方向に結論が固まったというようなことは私はまだ聞いておりません。いずれにしても、今回の臨調に対しましては国民の皆さんが大変な期待を寄せておるところでございます。国民的な信頼と期待にこたえてりっぱな答申をいただけるものと信じております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 終わります。

石井一自由民主党

○石井委員長 小杉隆君。

小杉隆新自由クラブ・民主連合

○小杉委員 時間が制約されておりますので、お手元にお配りした資料に基づいて質問します。  まず、いま国民が一番関心を持っている問題はグリーンカードがどうなるかという問題あるいは所得税減税だと思います。最近自民党の中でも三百名を超える反対署名が集まったし、対策議員連盟は反対決議を行っております。また、野党の中にもそういう動きがあります。このグリーンカードがどうなるかということによって金融界も相当揺れております。現実にもう事務は進んでおりまして、たとえばコンピューターセンターは、筑波にこの十一月を目途に進行中であります。民間の銀行等でもPRが盛んに行き届いておりますが、一体このグリーンカードは本当に実施されるのかされないのか。総理はいままで積極的にやってこられたと思うのですが、改めて決意のほどを伺っておきたいと思うのです。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 先ほどもお答えを申し上げておりますように、国会で御決定いただいたあの改正された税法、これを忠実に執行していくということが政府に与えられた任務でございます。したがいまして、国会で法律の改正等がなされない場合におきまして、それに対して政府側としてどうこうということを申し上げる考えはございませんし、政府から改正案を出す考えもないことをはっきり申し上げておきます。

小杉隆新自由クラブ・民主連合

○小杉委員 こうした動きに対応したのかどうかわかりませんが、最近、大蔵大臣あるいは大蔵省首脳がグリーンカードの実施に合わせて、たとえばいま最高税率七五%になっているのを五五%に引き下げるとか、あるいはシルバーマル優等も検討したいというふうなことを言っております。こういう考え方について総理は、グリーンカードを実施するに当たってそういうさまざまな環境整備というのを考える必要があるかどうか、お答えいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 グリーンカード制実施に関連いたしまして、いろいろの懸念を持ったり心配をしたり、あるいは誤解に基づくいろいろの御心配等が生まれたりというようなことがあるやに私も聞いております。そういうようなことからいたしまして、グリーンカード制の実施に関連してそのようなことがないように政府として十分国民の皆さんにPRをする必要がある、御理解を求める必要がある、環境を整える必要があるということにつきましては、大蔵省においていま十分努力を進めておる、このように承知をいたしております。

小杉隆新自由クラブ・民主連合

○小杉委員 そういういろいろな工夫をするならば、最高税率の部分を引き下げるということはいわば金持ちの部分だけに手をつけるということですから、私は国民の納得はなかなか得られないと思うのです。私は、いま懸案となっている所得税減税をこういう最高税率の引き下げとあわせてこの機会にやったらどうかということを考えているわけです。  いまお配りした表の中で、たとえば五十七年度予算で直接税と間接税の比率を見ますと、直接税の比率が七二・四%、間接税が二七・六%ということです。かつては大体六〇%と四〇%ぐらいだったのが、直接税が非常に多くなっているわけです。下の一連の表で国際比較を見ますと、アメリカは例外ですけれども、イギリス、西ドイツ、フランス等を見ましても、大体六、四という程度になっているわけです。そう言うと、先ほどから議論が出ておりますように間接税を増税してという議論が出やすいわけですが、私は、直接税と間接税を総枠としてこれを増税しないで、その枠組みといいますか中身を変えることによって所得税減税が可能になるのではないかということで試算をしたわけでございます。  たとえば試算のAを見ますと、かつてのように直接税と間接税の比率を六対四にしますと、直接税を四兆七千三百八十億円減らしてその分を間接税に移行させるわけですが、そういうことによって最高税率の引き下げと課税最低限の引き上げと同時に一挙に解決できるのじゃないか、あるいは試算Bのように、四兆七千億というとかなり大きな数字だからせいぜい三兆円程度で動かしたらどうかといいますと、その比率が六四・六%対三五・四%、こういうことで、一挙に所得税減税といままでいろいろ指摘されてきた最高税率の引き下げ等が解決できると私は考えるわけですが、総理が先ほどからしばしば言われている増税なき財政再建という増税というのは、要するに間接税を現在より大幅にふやすということ、あるいは総枠を変えないで直接税と間接税の比率を変えるということも総理の言われる増税に含まれるのか含まれないのか、その辺をはっきりさせていただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 小杉さんが直間の比率は改善をすべきだというお考えの上に立って、減税をやる場合に間接税でその分を補完をするとか、いろいろな御意見を述べられました。こういう問題は恐らく衆議院大蔵委員会の小委員会等においてもいろいろ御論議をなされる問題ではなかろうか、こう私は思っておるわけでございます。したがって、私がいまここでその問題についてあれこれ申し上げるということはいかがか、こう思いますので、小杉さんの御意見として十分勉強させていただきます。

小杉隆新自由クラブ・民主連合

○小杉委員 これからの減税小委員会なりあるいは税調の議論の前提として、増税というものの定義は総理がはっきりつかんでおかれないといかぬと思うから聞いているわけなんで、私はむしろ助け船を出したつもりで言っているのです。もし総枠を変えないで直間比率を変えることも、部分的に見れば直接税は下がるけれども間接税はふえるから、その片っ方だけを見れば増税になりますけれども総体として見ればそれは変わらないということですから、そこまでも増税と考えるのかどうか、これはこれからの議論のポイントになりますので、もう一度お答えいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 小杉さんが言わんとしておるところは私わかるのでございますが、その助け船に乗りまして私があれこれ申し上げますと大きな活字で出ることになります。今後の税制の改正の上にいろいろ問題を投じることになりますから、ひとつその点は小杉さんの御意見として拝聴させていただきます。(私語する者あり)

石井一自由民主党

○石井委員長 静粛に願います。

小杉隆新自由クラブ・民主連合

○小杉委員 時間に制約がありますから、第二の問題に移ります。  最近貿易摩擦にしてもあるいは防衛努力に対しても、諸外国から非常に圧力がかかってきているわけですが、私はここで防衛予算のとらえ方と対外経済協力ということについて質問したいと思うのです。  いまこの資料IIの方に書いてありますように、日本の国防費というものは過小に評価されていると思うのです。右の国防費の欄の日本のところを見ていただきますと、実際は防衛予算というのは二兆五千億程度ですけれども、NATOがとっている計算方式、つまり沿岸警備隊とか国境警備隊とかあるいは軍人恩給とか、そういうものも含めますと実際には三兆四千億円くらいの規模になるわけですね。これはGNPの一・二%になるわけです。GNP対比一%是か否かという議論はちょっと別にしていただいて、そうしますといま〇・九%だと言われているのが実は一・二%なんだということで、どうして日本の防衛予算の計算の仕方はNATO方式をとらないのかということが一つ。  それからもう一つ、政府の開発援助というのが日本は〇・三四%程度で、サミット参加国の中でも一番低い方に入っているわけです、大体サミット参加国並みと言ってもいいかもしれませんが。そこで、いま諸外国から日本の国際社会に対する貢献ということで非難がされているのは、日本がこれだけ経済大国になって防衛努力もしない、経済協力も余りやってないということがあると思う。しかし私たちとしては憲法の制約もあるし、国民の世論もある、あるいは専守防衛とか非核三原則といういろいろな制約の中で、そんなに急激な防衛予算の増大はできないということで防衛予算プラス対外経済協力をトータルで示す、世界に対して、私たちは防衛予算に関してはこうだけれども経済協力と海外に対する投資についてはこれだけやっているのだということをトータルでやれば、諸外国の日本に対する見方がもう少し変わってくるのじゃないか。そうしますと、いま私の計算で国防予算を、たとえばNATO方式でやりますと一・二%、それに政府の開発援助ODAが〇・三四%ですから、合わせて一・五四%。アメリカやイギリスの五%台あるいはフランス、西ドイツの四%台、三%台と比べても非常に低いわけでございます。  そこで、いま日本がこの五年間で対外経済協力を五倍にしようということは私は評価しますけれども、もし仮に政府開発援助プラス国防費のGNP対比をせめて西ドイツ並みの四%程度まで持っていくとすれば、いまの五十七年度予算の九千四百十八億円というのを八倍ぐらいにしないとならないわけです。そういう考え方について、国防予算はそんなに余り急激にふやせないけれども、それ以外の海外経済協力の面で努力をしたという姿勢を示すべきではないか、そうすればいま問題になっている貿易摩擦ももっと解消できると思うのですが、総理の御見解を伺いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○鈴木内閣総理大臣 いまの防衛予算のGNP対比の問題につきましてNATO方式をとったらどうか、こういう御意見のあることも承知いたしておりますが、日本はずっといまのような方式で計算をしておりますので、いまこの時点で変えるということは、これに対する御批判も、見せかけを大きくするためにそうやっているのだとかいろいろ出てこようかと思うのでありまして、いままでやったとおりの姿で防衛努力を着実にやってまいりたい、こう思っております。  それから対外経済協力、ODA等に対しましては、倍増計画というものを立てましてこれに努力をいたしておるわけでありまして、これをはっきり今後打ち出しまして、日本は国力国情にふさわしい貢献をしておるのだ、対外経済協力の面で大いにやっているのだという姿を出していくことが、わが国の立場からいって国際的にも理解がいただけるだろう、このように思っております。

小杉隆新自由クラブ・民主連合

○小杉委員 まだ質問がありますが、時間がありませんので終わります。

石井一自由民主党

○石井委員長 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終わりました。  これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

石井一自由民主党

○石井委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消減等による法律の廃止に関する法律案、いわゆる行政事務簡素合理化法案に賛成の立場から討論を行うものであります。  申すまでもなく、行財政改革は国家的、国民的課題であり、国政の中で最も重要な課題として取り組まなければならないものであります。社会経済情勢の変化に即応して行政を徹底的に見直しその対応力を回復することなくしては、今後のわが国に課せられた困難な課題にとうてい対処していくことはできないと考えられます。わが党は、このような観点から、政府と一体となって行財政改革の推進に取り組んできたところであります。  すでにさきの第九十五回国会においては、その第一次の着手として行革関連特例法の成立を見たほか、各般の改革措置が着実に進められていることはまことに適切なことであります。本行政事務簡素合理化法案は、このような行財政改革のいわば第二弾として重要な意義を有するものであります。行政改革がさらに本格化の段階を迎えようとする現在、本法律案をぜひとも成立させなければ今後の行政改革はその進展を見ることができないと指摘せざるを得ないのであります。  本法律案の内容は、一、去る二月の臨時行政調査会の第二次答申の指摘事項を初めとして、行政事務の簡素合理化に関するかねてからの課題のうち法律改正を要する事項について一括して整理を行うとともに、あわせて、二、適用対象の消減等により実効性を喪失した法律等三百二十件を廃止するものであり、行政の簡素化、合理化及び国民負担の軽減に資するところがきわめて大きいと認められるものであります。  また、本法律案が一括法案として提出、審議されましたことは、国民一般を含め、行政改革の一環としての行政事務の簡素合理化、こういうものに関する当面の政府の施策を総合的に把握し得るという観点から、まことに適切な措置であったと考えるものであります。  本法律案については、去る三月二十六日に当委員会に付託されて以来、当委員会において慎重な審議が行われ、また逓信委員会との連合審査も行われたところでありまして、十分かつ幅広い論議が尽くされたものと考えます。このような審議の過程において、本法案の必要性とその内容の妥当性については国民の大方の理解が得られたものと考える次第であります。したがって、以上の見地から、私は本法律案につきましては速やかに可決成立させるべきものと考えるものであります。  最後に、当委員会における審議を通じて表明された行政改革に関する各般の建設的意見については、政府においてこれを尊重し、今後における行政改革の推進に十分反映させられるべきことを主張いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)

石井一自由民主党

○石井委員長 上田卓三君。

上田卓三日本社会党

○上田(卓)委員 私は、日本社会党を代表して、行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消減等による法律の廃止に関する法律案に反対する立場で討論を行いたいと思います。  本案の内容が、去る二月十日に行われた臨時行政調査会の許認可等の整理合理化のための行政改革に関する第二次答申に基づいて、同答申の指摘事項を初めとして行政事務の簡素合理化に関する従来からの改革合理化の課題のうち、一括して法律改正を行うことが適当と認められる事項について十三省庁三十五件の関係法律の整理を行うとともに、適用対象等が消滅し及び行政目的を達成したこと等により十三府省三百二十件の法律を廃止しようとするものであることは申し上げるまでもございません。  現在、許認可等には特許、許可、認可、登録、届け出、報告等さまざまな種類のものがあり、その数は約一万件に達していると聞いておりますが、これらの中には民間の技術水準や経営能力が著しく向上するなど社会経済情勢の変化により実情に合わなくなったものや、民間の自主的な活動にゆだねることが適当となったもの、地方公共団体等において処理することが効率的であり、事務、権限等を移譲することが望ましいもの、規制の範囲が広範にわたり過ぎるもの、規制方法が強過ぎるもの等々が少なくないのであります。  これらのことは従来から各方面で指摘され、改善措置が望まれていたわけでありますが、去る二月十日の臨調答申を受けてやっと今回の許認可等整理法案が提出されたことにつきましては、遅きに失したとはいえ一応の評価はできるものであります。  しかしながら、データ通信の自由化の問題につきましては、公衆電気通信法の一部改正の内容が、現行法においてデータ通信回線の利用に関して規制の原則に立っているものを自由化の原則に変革するものであり、単に許認可事務の簡素合理化というサイドから取り扱うべきものではなく、今回のごとく一括法案に含めることなく当然単独法として提出すべきであったと思うのであります。さらに、一昨年郵政省設置法の一部改正による電気通信政策局の設置に関し本委員会で審議を行いましたが、その際に、電気通信政策の重要性が強調され、附帯決議によって電無通信政策懇談会が設置され、昨年八月にはその検討結果が答申されているのであります。その中で、電気通信政策の具体化については将来的な検討とされながらもデータ通信については緊急課題として提起しており、電気通信政策局はその具体化について明らかにされないままに、今回の法改正を行っているのであります。私は、このような一貫性のない行政の姿勢こそが行政改革の対象とされるべき問題ではないかと思うのであります。  また、郵政省令の内容とされているメッセージ交換、電信電話的利用、基本的公衆電気通信、他人の通信の媒介等の問題は通信の秩序における基本にかかわる課題であり、その意味では公衆電気通信法等における定義で明らかにされるべきものであります。しかも、先日来の審議においてもその内容は必ずしも明らかではないのでありまして、このことは通信の秩序を監督する立場にある郵政省としてきわめて問題であり、将来に重大な禍根を残すものであります。  さらに、本法案の目的である許認可事務の簡素合理化については、郵政省は国際電電や電電公社を指導することとしておるが、許認可に当たっての郵政省の姿勢こそが問題であり、許認可申請以前の事務折衝等のあり方を含め、国際電電や電電公社の主体性を尊重することを基本に合理化すべきであると思うのであります。  以上、私は数点にわたって本案に対する反対の意見を申し述べまして、討論を終わるものであります。(拍手)

石井一自由民主党

○石井委員長 中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案に対し、日本共産党を代表し、反対の討論を行います。  反対理由の第一は、本法案が、死文化した法律の廃止や旅券発給申請の代理人範囲の拡大などの一定の改善と抱き合わせて、データ通信に係る回線利用の原則自由化であるとか高圧ガス保安規制や統計主事必置規制の緩和など、もっぱら大企業の活動の自由を拡大し、国民の安全を脅かし、行政サービスの低下を来すおそれのある改悪を盛り込んでいることであります。  第二は、性格の違うものを大量に一括して処理するという今回の法案提出の仕方が、国会の審議権を不当に制約するということであります。  昭和二十七年のポツダム政令の整理では、所管別、問題別に法案を提出いたしましたし、昭和二十九年の法令整理でも、多数の法案に盛り込んで処理いたしました。今回のように一本の法案で三百五十五本に上る法律の廃止、改正を一括処理するなどというのは、前代未聞であります。しかも重大なのは、データ通信回線自由化のように今後の電気通信行政の根幹にかかわるものを、死文化した法律などとともに一括して処理するなどとしていることであります。  第三は、本法案が、許認可事務運営の改革であるとか地方自治体に対する国の統制的関与手続の廃止、緩和などの国民的課題に何一つこたえていないという欠陥を持つほか、二十四項目の許認可整理についての臨調第二次答申と千百四十七項目に上る許認可等整理計画の全面実施の一環として提出されたものであるということであります。  臨調第二次答申は、運転免許更新手続の簡素化などの改善策と抱き合わせて原発立地手続の迅速化や計量器の検定検査の簡素化などの改悪を随所に盛り込んでおり、許認可等整理計画も、政省令等の改正で医薬品の検査に対する規制緩和や労働基準法に基づく特殊日勤許可の廃止をするなどの改悪等を少なからず盛り込んでいるのであります。こうした臨調第二次答申と許認可等整理計画の全面実施の一環として提出された本法案に賛成することはできません。  以上、本法案に反対する主な理由を述べ、討論を終わります。(拍手)

石井一自由民主党

○石井委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――

石井一自由民主党

○石井委員長 これより採決に入ります。  行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

石井一自由民主党

○石井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石井一自由民主党

○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

石井一自由民主党

○石井委員長 次回は、来る二十七日火曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二分散会      ――――◇―――――

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