P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
96回国会衆議院1982/02/23

内閣委員会 第2号

発言数
38
登壇者
8
会派数
1
開催日
1982/02/23

会議録

石井一自由民主党

○石井委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事塚原俊平君及び岩垂寿喜男君から、理事を辞任したい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石井一自由民主党

○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの塚原俊平君及び岩垂寿喜男君の理事辞任による欠員のほか、理事鈴切康雄君が委員を辞任されておりますので、現在理事が三名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石井一自由民主党

○石井委員長 御異議なしと認めます。よって       田名部匡省君    渡部 行雄君    及び 市川 雄一君 を理事に指名いたします。      ――――◇―――――

石井一自由民主党

○石井委員長 次に、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、労働省設置法の一部を改正する法律案、地域改善対策特別措置法案の各案を議題といたします。  順次趣旨の説明を求めます。櫻内外務大臣。     ―――――――――――――  在外公館の名称及び位置及びに在外公館にきんむする外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法御の一部を改正する法律案について御説明いたします。  改正の第一は、在外公館の設置関係であります。今回新たに設置しようとするのは、大使館一館であります。これは、東欧のアルバニア人民社会主義共和国に設置するものであり、他の国に駐在するわが方大使をして兼轄させるものであります。昨年三月わが国は同国と外交関係を設定したものであります。  改正の第二は、現在米国にある在アンカレジ領事館を総領事館に昇格させるものであります。  改正の第三は、これらの在外公館に勤務する在外職員の在勤基本手当の額を定めるものであります。  改正の第四は、最近の為替相場の変動、物価上昇等を勘案して既設の在外公館に勤務する在外職員の在勤基本手当の額を改定するものであります。  最後の改正点は、研修員手当の額を改定するものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

石井一自由民主党

○石井委員長 次に、初村労働大臣。     ―――――――――――――  労働省設置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

初村滝一郎自由民主党労働大臣

○初村国務大臣 ただいま議題となりました労働省設置法の一部を改正する法律案の提案理由とその概要を御説明申し上げます。  現在わが国においては、かつて西欧諸国が経験したことのない速さで人口の高齢化が進み、二十一世紀初頭には世界に類を見ない高齢化社会となることが確実となってきております。このように、今後高齢化社会が急速に進展する中で、引き続きわが国社会の活力を維持し、発展させていくとともに、高齢者の生活の安定を確保していくためには、高齢者ができる限りわが国の経済や社会の担い手として活動し得る環境を整備していくことが不可欠であり、そのためには雇用就業対策の面においても、それぞれの高齢者の体力、能力等に応じた多様で的確な施策を積極的に推進していくことがきわめて重要な課題となってきております。  労働省といたしましても、従来から、行政の最重要課題として、定年延長の促進等高齢者に対する施策を推進してきたところでありますが、今後の高齢化社会の進展に適切に対応した施策を一層強力に展開していくためには、組織体制の面においても整備を図ることが急務となっております。  この法律案は、このような考え方に基づき、労働省職業安定局に高齢者対策部を設置し、今後の高齢化社会における雇用失業情勢の的確な把握と見通しの上に立って、定年延長、継続雇用等の雇用の延長の促進、高齢者の再就職の援助、さらには高齢者の多様な就業希望に応じた就業機会の確保等の施策を総合的、一元的に推進しようとするものであります。  なお、高齢者対策部の設置に伴い、失業対策部を振りかえて廃止することとし、その事務は、失業対策事業就労者が高齢化しているという事情等にもかんがみ、高齢者対策の一環として対応することが適切であるとの観点から高齢者対策部において所掌することといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。

石井一自由民主党

○石井委員長 次に、田道総理府総務長官。     ―――――――――――――  地域改善対策特別設置法案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○田邉国務大臣 ただいま議題となりました地域改善対策特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  御承知のように、現行の同和対策事業特別措置法は、昭和四十四年に十年間の限時法として制定され、さらに三年間の期限の延長が行われたものでありますが、本年三月末日をもって、その有効期限が経過しようとしております。  顧みますと、同和対策事業特別措置法施行後十三年間にわたる関係施策の推進の結果、生活環境、産業基盤の改善整備を初めとして、地域住民の生活状況の改善向上には見るべきものがあり、また、国民のこの問題に対する理解度も高まってきております。  しかしながら、現在なお生活環境、産業基盤の改善整備等について残された問題も少なくないこと等から、これら問題の早期解決を目指して、今後とも引き続き、日本国憲法の理念にのっとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域について生活環境の改善、産業の振興等に関する事業を円滑に実施するために必要な特別の措置を講ずることにより、当該地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上等に寄与することを目的としてこの法律案を提案することといたした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、対象地域について実施する地域改善対策事業の範囲及びその内容を明らかにするため、これを具体的に政令で定めることといたしております。  第二に、地域改善対策事業の円滑な実施を図るため、国及び地方公共団体並びに国民の責務を定めるとともに、同事業の推進に当たり配慮すべき事項を定めることといたしております。  第三に、現行の同和対策事業特別措置法におけると同様に、地域改善対策事業に要する経費について、地方公共団体の財政負担を軽減するため特別の措置を講ずることとし、同事業に係る国の負担または補助については、原則として予算の範囲内で三分の二の割合をもって算定するものとするとともに、地方公共団体の起債について特例を設け、その元利償還金を地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入することといたしております。  第四に、本問題の早急な解決を図るため、この法律の有効期間を五年間とするとともに、現行の同和対策事業特別措置法の失効に伴い必要な経過措置等を設けることといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

石井一自由民主党

○石井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――

石井一自由民主党

○石井委員長 これより、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に  ついて質疑を行います。   質疑の申し出がありますので、これを許します。山崎拓君。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 ただいま提案されましたいわゆる在勤法について御質問を申し上げます。  わが国は、申すまでもなく、国際社会の中で孤立して生きていくことのできない国であります。また、これだけの経済大国になりました以上は、応分の国際社会に対する貢献をなしていかなければならぬという点も言うまでもないことだと存じます。さらに、総合的安全保障の見地から考えますと、つまりこれだけの経済大国になったということを申し上げましたが、せっかくの繁栄というものを、私どもは平和と安全を確保しながら、これをさらに一層よい方向に築き上げていかなければならないということであります。そういう見地から、総合的安全保障政策の中で非常に大きな役割りを果たしていきます外交努力の分野について、これからさらに一層の充実をさせていかなければならぬと私どもは考えるわけでございます。  今回提案されましたこの改正案も、そういった意味でのいわゆる外交実施体制の強化の一環をなすものである、かように認識をいたしますが、外務省として外交実施体制の強化充実を今後どのように考えておるのか、まずその点から質問に入りたいと存じます。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 いま世界では百六十数カ国の国家があると思うのであります。日本がこれらの諸国と友好親善の体制を強化していく必要は絶対にあると思います。そういうことを考えますときに、現在の日本の外交体制は率直に申し上げまして十分とは言えないところがございます。そういうことから、近年五千人体制強化ということも申し上げまして、毎年の予算の折には、これらの点につき皆様の御協力をちょうだいしておるようなわけでございます。今後、山崎委員のおっしゃるとおりの外交体制の強化こそが、これが日本に課せられておる総合安全保障の一環でもある、このように踏まえておる次第でございまして、これがために先般の本会議における外交演説の際にもこのことを強調した次第でございますが、山崎委員からどういうような体制、措置をとるのだ、こういうお尋ねがありますれば、官房長から逐次御説明をいたさせます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 ただいま外務大臣の御答弁の中で、外交体制は必ずしも十分でない、五千人の体制強化を考えているという趣旨のお話がございました。確かに、外交は人がやるものでございますから、人員の増強と申しますか定員の増強ということは大変重要な事柄であると考えます。  そこで、戦前のわが国の外交体制と今日のわが国の外交体制、今日の方が弱体化しているという定評があるわけでございますが、それを人員の面で見た場合にどのようなことになっておるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

伊達宗起外務大臣官房長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  ただいま戦前の外交人員と戦後の外交人員との比較においてどのような状態であるかというお尋ねでございますが、ここに、一つの統計資料でございますけれども、昭和十五年には本省の定員が千六百九十六人、在外の定員が千百十六人、合計二千八百十二名という統計がございます。これが、戦後、外交が再開いたしましてから私どもも外交実施体制の強化ということで努力をいたしましたし、また独立国の数も戦前に比較いたしまして大変ふえておりますので、在外の定員というのは逐次伸びてきております。五十六年におきましては、二千二人というのが在外の定員でございまして、約九百人ぐらい戦前と比べて伸びているわけでございます。ところが、昭和五十六年におきます本省の定員は千五百五十八名でございまして、これに五十七年度認められました七名を加えますと千五百六十五名ということでございまして、先ほど申し上げました昭和十五年の千六百九十六人と比較いたしますと、ふえるよりはむしろ若干減っているということでございます。  なお、付言いたしますと、実は戦後の昭和三十八年に本省の定員が千五百八十五名おりました。それ以降、政府のいわゆる定員削減の方針に従いまして本省定員は削減いたしておりまして、今回、先ほど申しましたように七名認められましてもなお千五百六十五名ということで、三十八年の本省定員にも満たない、こういう状況でございます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 ただいま伺いますと、人員の面でも、これだけ国際社会が複雑化してまいりまして一層外交機能を強化しなければならないときに、逆方向になっておるという認識を持つのであります。これから私どもも大いにバックアップしてまいりたいと思いますが、さらに一層の外務省の努力をお願いしたいと思っております。  そこで、私は国会に出ましてからまだ十年目でございますが、この間にさまざまな国際情勢の激動がございました。たとえば第四次中東戦争等々あったのでございますが、大変申し上げにくい点もあるのですけれども、そのときどきの情勢を外務省が的確に把握してまいって適切な対処ができたかどうかという点は、率直に申しまして、必ずしもそうとは言えなかったという印象を私は持っておるのでございます。これは外務省としてはどうお考えになっているかわかりませんが、いずれにいたしましても、もう少し的確に情報収集を事前に十分やらなければならぬ。  たとえば、私はアラブ問題、この石油諸国の問題について関心を持っておりますが、どうもアラブ外交を見ておりましても、第四次中東戦争が起こりました後いわゆる石油ショックが発生をいたしまして、その後、アラブ産油国に対します外交に力を入れていくようになった、そういう経緯だと思うのですが、これではいわゆる油ごい外交というふうに指摘されてもいたし方がない。そういうわだちを今後踏まないように十分事前に情勢を把握していくということが、そういう国際社会における誤解を生まない非常に大事なポイントだと思うので、情報収集の強化の方策についてどのように考えておるか、御質問申し上げたいと思います。

伊達宗起外務大臣官房長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  先生もおっしゃいましたように、まさに情報の迅速かつ的確な収集というものは、私ども外交に携わる者にとりましては必要不可欠のことでございます。私どもも情報を的確に把握しようということで日夜努力をいたしておるわけでございますが、残念ながら、先ほども申し上げましたように、在外公館及び本省におきます人手不足の実情からいたしまして、なかなか思うようにまいっておらないということは申し上げざるを得ないわけでございます。  ただ、ここで申し上げたいのは、私も外務省に勤めましてから三十年になるわけでございますけれども、当初、外交再開以来の努力と申しますか、それは目覚ましいものがございまして、現在、毎日毎日各地の在外公館から参ります情報というものは非常に密度の濃い、また数も多量なものとなってきておりまして、もはや三十年前と同日の談ではないというふうなこともある程度申し上げられると思うのでございます。  そこで私どもは、今後の問題といたしましては、この豊富な情報というものをどのように分析し、どのように蓄積し、また必要あるときにそれを引き出してくるか、そして国際情勢判断の材料として使えるかというところが一番問題となってくるのではないかというふうに考えております。このためには機械化の問題もございましょうし、また分析の専門家の育成ということもございましょう。それらのことを考えまして、今後の努力を傾けていきたいと思っております。  より一般的に申しますと、職員の訓練、つまり在外におります情報担当官の訓練、これが必要でございますし、それからそのための研修の内容の充実ということも必要でございます。また、在勤期間が平均いたしますと二年ちょっとになっておりますけれども、これなども、よく言われることでございますけれども、やはり情報は人と人との関係でございますので、在勤期間を長くすることによって、その顔のつながりによる情報源の開拓ないしは情報源からの情報の収集の円滑化を図るということを考えておりまして、この五十七年度の予算につきましては、一つの柱といたしまして、在勤期間を、平均でございますけれども三年に延長する、三年在勤期間の実現を目指すということも打ち出しているわけでございます。  またそのほかにも、人員の適正配置ということも必要でございまして、この人手の足りないときでございますので、全部の公館に情報担当官を置くことはできないわけでございますので、一つのアイデアといたしまして広域担当官というようなアイデアも五十七年度の予算では打ち出しまして、ある地域におきます主要な公館に情報担当官を増強して派遣する、そしてその情報担当官は、当該国のみならずその広域な地域を巡回する、また必要に応じ出張し、その地域にある情報ソースの開拓及び情報の収集に努めるというようなことも図っているわけでございまして、以上のようなことを総合いたしまして情報収集機能をさらに拡充いたしたいと思っておりますので、先生、皆様の御援助、御助力もお願いする次第でございます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 ただいまの御答弁によると、情報の密度というのは大変濃くなっているというお話で、そうであれば大変結構なんでありますが、ただ先ほど申しましたように、諸外国の情勢の変化についていままで的確な情報収集が行われたというふうには私は必ずしも評価していない。そこで、在外公館勤務の年限を三年に延長するという御答弁もございましたが、それはそれで意義があると思うのですけれども、しかし御答弁の中にも出てまいりましたように、その当該国の政治の中枢なりあるいはその国のことを本当に理解するための人脈、的確な情報を得るための人脈というものをつくっていくことが必要だということは確かにそのとおりなんで、それはやはり英語で外交をやる人材ではなくて、その国の言葉で外交をやれる人材というものをキャリア外交官以外にきちんと養成していく必要があるというふうに私は考えるのです。でありますから、それは三年でぐるぐる回すという話とはちょっと違うわけですね。その点についてはどう考えておるかということが一点、御質問申し上げます。  それから、わが国の商社機能というのは、これはわが国特有のものでありますが、これはすばらしいものを持っておるんで、われわれが外国に行きましたときに商社から得る情報というのは、後で振り返ると、なるほど正しかったということが多々あるんです。そういう意味で、せっかく商社が全世界に根を張っておりますし、あるいはまたジェトロもこれについては協力体制にあるわけでございますが、そういう機能もこの人員不足の中でできるだけ有効に活用するということが重要な姿勢だと考えるのですが、その点についてどういう認識を持っておられるか、二つの点をお伺いいたします。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 官房長から御説明を申し上げ、また山崎委員の御指摘のように、情報収集能力が現状で十分かどうかということでありますと、これはもう強化すればするほどそれだけの効果は当然あるわけでございます。外務省自体としての強化策もいろいろお願いをしておるわけでありますが、お話のような在外商社の機能を利用するとか活用するとか、ジェトロとの緊密な連絡は言うまでもないことと思いますが、いろんな面で情報活動を肉づけしていく、それは私としても大変重要なことであるというふうに認識しております。外務省本省におきましても、産業界の有力な方々と時折懇談をいたしまして、私の方から一般的な諸情勢を申し上げて参考に供するとともに、また御意見も徴するというような工夫もいたしておるわけであります。  特に先般のポーランドの事態からいたしますと、通信についての管制がしかれまして、直接な情報がとれないというようなことから、日本の大使館での無線網というようなもの、こういうようなものを当然考えるべきじゃないか、そういう御意見も国会でちょうだいをいたしました。そしてそれは大変ごもっともなことで、われわれとしてもぜひお願いをしたいということで、郵政省の方にいま連絡をとっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、情報収集の機能をあらゆる面で強化をしていくということは、これはもう外務省としての当然の仕事である、このように思います。

伊達宗起外務大臣官房長

○伊達政府委員 先生の御質問の第二の点につきましては、いま大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、第一の点、つまり語学の重要性という点につきましてお答え申し上げます。  当然のことながら、特殊語学と申しますか、いわゆるスワヒリ語その他各地域にあります少数の国で使われておる言葉というものに精通いたしました専門家の養成というものは、情報の収集にとって欠くべからざるものでございます。  そこで、私どもは昭和五十一年までございましたいわゆる中級試験と、それからもう一つ、語学研修員試験というものを統合いたしまして、五十二年度から専門職員試験というものを設けました。そこで特殊語学の者を採用すると同時に、またわれわれが欲するところの特殊語学の研修者が合格者の中にいないときには、それらの者に研修を施しまして、特殊語学の専門家を養成することに努めておりますし、またそれらの者をそれぞれの国へ派遣いたしまして、その地域の専門家となるように、人高配置上考慮をするということをしております。  そこで、若干数字のあれでございますけれども、一応の数字を申し上げますと、英語、フランス語、ドイツ語、中国語、スペイン語、ロシア語ぐらいは、これは通常の言葉でございますが、アラビア語で申しますと、現在五十七名のアラビア語専門家がおります。以下、韓国語につきまして十八人、モンゴル語につきまして五名、ヒンディー語につきまして九名、ベンガル語につきまして四人、ウルドゥー語につきまして七人、シンハラ語につきまして四人、インドネシア語十四人、ベトナム語十二名、カンボジア語三名、タイ語十一名、ビルマ語四名、タガログ語三名、マレー語五名、ラオス語四名というようなことになっております。もちろん私どもはこれで足りているということを申し上げているわけではございませんで、今後ともこれの拡充強化に努めてまいりたいと思っております。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 そこで、法案の中身について少し御質問申し上げますが、今回大使館を設置されようとするアルバニア人民社会主義共和国でありますけれども、確かに、アルバニアという国は日本にとりましてきわめて閉鎖的な国になっているということは承知をいたしておりました。しかし、大使館すら設置されていなかったということは、私は不敏にして知らなかったわけであります。今回設置をすることとなった経緯等につきまして御説明いただきたいと思います。

伊達宗起外務大臣官房長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  わが国とアルバニアとの関係でございますが、戦後、貿易関係も非常に小さいという上に人的交流もほとんどございませんでした。一言で申しますれば関係が希薄であったということでございまして、アルバニアとの外交関係設定の問題が具体的な日程には直ちには上らなかったということでございます。  実は、昭和四十八年に日本側から外交関係設定のお話をアルバニア側に申し入れたわけでございまして、アルバニア側も一応それを受け入れまして話が続いていたわけでございますけれども、その交渉も余り活発に行われることもなく、実際上の必要もなかったせいもございますので、断続しながらその交渉が行われておったということでございます。そこへ、昨年三月に至りまして、ここに再び外交関係を設定しようという合意が成立いたしましたので、今回この法律にお願いいたしましてアルバニアに大使館を設けるということとした次第でございます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 次に、アンカレジ領事館を総領事館に昇格させる理由について御説明してください。

伊達宗起外務大臣官房長

○伊達政府委員 アンカレジはアメリカのアラスカ州にございます。在留邦人、日系人合わせまして約千二百人おります。そしてその人たちは大体アンカレジ市及びその周辺に住んでいるわけでございます。また、産業的に申しましてもアラスカ州は漁業、林業、貿易等を通じまして日本と大変深い関係にございます。水産加工、パルプ、木材、天然ガス関係等の日本からの進出企業というものも三十五という数に至っているわけでございます。  こういうふうにこの関係がだんだんと拡大してまいりましたので、アンカレジ領事館の取り扱う事務というものは年々ふえて複雑多岐なものとなってきておりますし、かつまた事務量もふえてきている、こういう事態に対応いたしますために、この際、アンカレジ領事館を総領事館に昇格させ、総領事を配置することによりまして館務の充実を図ることが必要であるというふうに考えられたのでございます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 改正の第三点は、在外職員の在勤基本手当の額を定めるものとなっておりますが、この給与に関する改正の内容につきまして御説明いただきたいと思います。

伊達宗起外務大臣官房長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  今回、法律の基準額というものを改定いたしているわけでございますけれども、前回の法律基準額を改定いたしましたのが昭和五十六年度でございましたけれども、その後各在外公館の所在国におきます実質生計費指数が変動いたしております。また本俸も改善されておりますので、本俸の改善額等の様子を勘案いたしまして検討いたしました結果、多くの公館におきまして法律基準額そのものを改定することが必要ないし適当であると考えられたために、今回御提出申し上げました法律のように別表の法律基準額を全面的に改定することといたしました。また、政令支給額につきましても、改定後の法律基準額を基準にいたしまして、所要の全面的改定を行うこととしたものでございます。  数字を申し上げますと、この改定の結果、五十七年度の支給額につきましては、最近の世界的なインフレ傾向等を反映いたしまして、五十六年度の支給額との対比におきましては、若干の例外はございますけれども、ほとんど全公館が増額の対象となっておりまして、全公館平均で約七・六%の増額改定ということになっております。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 せっかくの機会でございますから、外務大臣にお伺いをいたします。  外交方針なるものは国際情勢をどう認識するかによって樹立されるべきものである、かように考えます。  そこで、一九八〇年代の国際情勢と申しますか国際軍事情勢というふうにしぼって申し上げてもいいと思うのですけれども、一九七〇年代はデタントの時代、緊張緩和の時代だと今日まで定義づけられてきたと言っていいと思いますが、一九八〇年代はそれではデタントの時代は終えんを告げて新しい東西対立の時代に入った、そういうふうな認識で正しいかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 一九八〇年代のデタントということでございますが、残念ながらデタントの間ソ連においては相当軍事力の強化をしてまいったと思うのであります。そういうことで、現状では東西の相互軍事勢力は大体均衡がとれておると見られますけれども、しかし核戦力の面におきましては、ヨーロッパにおいてはソ連側が非常にまさっておるというように言われております。それから、先般のアメリカにおける国防報告をごらんいただきましても、八〇年代中葉にはこのまま放置しておくと東西勢力がバランスを失うんじゃないかというようなことも触れられておると思うのであります。要は、東西間の勢力が均衡が保たれておるということ、これがもし破れるようなことがあれば、そこに非常に不安定要素を醸す、こういうことだと思うのであります。  そこで、昨年のオタワ・サミットにおける西側先進諸国の話し合いを見ましても、ソ連の軍事勢力の増強を非常に心配をしておる、そしてできるだけ均衡を低いレベルに持っていこう、こういう動きが現にあると思うのであります。現在、アメリカが強いアメリカとして相当軍事費の増強に相努めてはおりますけれども、一方におきましてはソ連との間の対話をしよう、こういうことで、昨年の十一月三十日を皮切りにいたしまして、中距離核戦力の削減交渉に入っておる、あるいはそのほかの戦術兵器の削減もしようではないか、こういう動きも他面にはあるわけでございますが、私どもとしては、できるだけ低いレベルの均衡で、そして安定の保たれることを望んでやまないのが現状の見方でございます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 外務大臣の御答弁の中で、今日米ソの軍事バランスは均衡状態にあるというお話があったわけでございますが、そうであるとするならば、一九六二年のキューバ事件のときと一九七九年のアフガニスタン事件のときの米側のソ連への警告に対するソ連側の対応がまるきり違ってきておるということは、一体どういう背景なのかという点についてお伺いしたい。そこには重大な軍事バランスの変化があったのではないかというのが常識的な見方になっておるのでございますが、その点についてどう考えるか、御答弁願いたいと思います。

秋山光路外務大臣官房調査企画部長

○秋山説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のとおり、一九六二年のキューバのときは、米国の圧倒的な核戦力のもとにありましてソ連は御存じのような対応をしたわけでありますが、七〇年代のアフガニスタンの場合におきましては、六〇年代からいわゆるデタントの時代にソ連が軍事力の増強を行いまして、こういう軍事力を背景にしましてアフガンに進出した、いわゆる軍事力の増強がその大きな力になったというふうに見てよろしいかと存じます。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 そういうことであるとするならば、外務大臣がお話しされました、今日核戦力を含めまして米ソの軍事バランスが均衡状態に入ったということ、外務大臣は、特に欧州におきます戦域核兵器の問題でソ連が、SS20の二百数十基の配備のことをお取り上げになったと思いますが、むしろ優位に立っているというコメントもございましたし、そういうことが実は重大な軍事バランスの変化なのだ、それがただいまの答弁のように、要するにソ連のアフガニスタンに対する行動のバックグラウンドにある、こういうことだと思うのです。  加えて、外務大臣のお話のように、一時的にはソ連が今後軍事力におきまして、まあ軍事力と申しますと通常兵器のレベルもございますし、核兵器には戦術、戦域、戦略、それぞれのレベルがあろうかと思いますが、きょうは詳細な点を議論をいたしませんけれども、一時的にはソ連がワードする可能性があり得るという認識を示されたわけでございます。  そういう情勢下にありまして、自由主義陣営の有力な一国であるわが国といたしましていかなる対応をなすべきか、いかなる対応を迫られているのかという点についてお伺いしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○櫻内国務大臣 日本にとりまして、外交による平和と安定を望むということは、最も肝要なことだと思うのであります。東西の勢力関係の上にどう日本が寄与していくかということにつきましては、日本の憲法上の制約からいたしまして当然なことではございますが、軍事力の面で寄与するということは考えられないところでありますので、わが国は従来総合安全保障ということを申し上げまして、そしてその一環としての経済協力の推進に努める、開発途上国あるいは紛争周辺諸国の経済、社会不安を除去するための協力をする、そのことが総合安全保障の上に役立つのではないかというような努力をしておるわけでございます。  要は、日本は、外交こそが日本の平和と安定だけでなく世界の、平和と安定に寄与するものである、こういうことで各国との間で友好親善を深めていかなければなりませんし、また問題のある国とはそれなりの外交努力をして問題を解決していくということ、これが国際的に寄与する日本の役割りではないか、このように思うわけであります。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 外務大臣は、非軍事的な安全保障の面についてお触れになったわけでございますが、軍事的な安全保障の見地から申し上げますと、このようなソ連の著しい軍事的な増強に対処いたしまして、これは自由主義陣営全体としていかなる対処をするかという点もございますし、またわが国は憲法上の制約もございますから、わが国の安全保障について自主的な防衛努力を今後一層充実させていかなければいかぬという要請に迫られておる、かように私は考えておるのでございます。  そこで、わが国の軍事的な安全保障を考えました場合に、ただいま申しました自主的な防衛努力ということも当然のことでございますが、同時に、従来からの日米安保体制というものを今後とも堅持してまいらなければならぬ、かように思うのです。そういうことで、日米関係というのは、わが国にとりましてきわめて重要な、いわゆるバイタルな国際関係である、かように考えるわけでありますが、その重要な日米関係が、今日貿易摩擦やあるいは防衛問題を通じまして、さまざまな不安定要因、摩擦要因というものが出てきておるわけであります。  北米局長、せっかくの御出席でございますので、今日の日米関係の状況についてどのように考えておられるのか、まず基本的な認識を聞きたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 お答えいたします。  日米関係につきましては基本的に非常に良好であって、両者の間で緊密な対話が開かれているということをまず冒頭に申し上げます。  にもかかわらず、アメリカの国内の状況によりまして、特に本年は中間選挙を控えているということも加わりまして、経済の面でもあるいは防衛の面でも特に議会筋から日本に対する批判の声が起きている、これも事実でございます。そこで、私たちとしては、政府のみならず民間の力もかりて、アメリカに対して日本側のやっているいろいろな努力ということを十分に認識してもらい、かつ、わが方としてさらになすべきいろいろな点があるかと思いますが、その点について努力を図っていく必要があるかと思います。  防衛の点について私の観点から申し上げれば、昭和五十七年度の防衛予算については、アメリカ側としては、今回の防衛予算が総理以下政府あるいは与党の指導力によって七・七五%ということを達成したということで、それはそれなりの評価をしておりまして、アメリカ側から言わせれば、正しい方向への第一歩であるということを言っております。  ただこの問題は、今後とも、日本の防衛という観点からもあるいは日米安保体制の堅持という観点からも、中長期的により一層アメリカ側との意見を交換しながら、さらに充実していく必要があるというふうに考えております。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 日米関係の重要性については、これは日本側からの認識だけではなくて、アメリカ側だって、日米関係は非常に重要であるという認識は当然あると思うのですね。そういうことでありますが、アメリカも民主主義の国家であり、世論政治でありますから、アメリカ国民世論の中にいわゆる安保ただ乗り論で代表されるような対日批判の世論が高まってくるということは、これはアメリカの政治の方向を多少なりとも変えていく可能性をそこにはらんでおる、その点でわれわれ十分注視をしなければならぬと思うのです。  そこで、ただいま御質問申し上げましたように、あるいは御答弁の中にありましたように、一方では貿易摩擦があり、一方ではわが国の防衛努力に対しますアメリカ議会における非常な批判というものも高まっておる。でありますが、この貿易摩擦と防衛問題とがリンケージするということはこの事柄を一層複雑にし、解決を困難にするという要素があるので、このリンケージだけはきちんと断ち切っておかなければならぬ。これはわが国の外交にとって非常に重要なポイントであると私は思います。  そこで、いまお話がありましたように、財政再建という国内政治の最大の課題にわれわれは真剣に取り組んでおって、いわゆる概算要求のときにゼロシーリングを設けて各分野の予算を極力抑えてきた。その中で防衛費につきましては、これは正確に申し上げなければなりませんが、エネルギー対策費の一三・二%、経済協力費の一〇・八%に次ぎまして第三位の突出をした、こういうことであります。社会保障費は二・八%で、この社会保障費の伸び率はずいぶん抑えたが防衛費は四捨五入して七・八%も伸ばしたじゃないかというような批判があるが、額におきましては社会保障費の方が伸びている。そういうこともございますけれども、いずれにいたしましても防衛費は、財政再建の中で懸命な努力で七・七五四%の伸び率まで、厳しい財政の中でこれを捻出をしたということであります。しかし、これはわが国の自主的な防衛力の増強をしなければならぬことから申しますと、私個人といたしましては、必ずしも十分な予算であると考えておりません。ただ、財政危機との絡みから申しますと、精いっぱい努力をしたという意見もこれは認め得るところがある、かように思うのです。  そこで、私が御質問申し上げたい点は、今日審議されております今回のわが国の防衛予算によって、貿易摩擦と防衛問題とのリンケージは一応この努力によって断ち切ることができたというふうな認識を持っていいかどうかという点について、北米局長いかがでございますか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いま山崎委員が御指摘になりましたように、アメリカもアメリカとしての立場があって、アメリカの声に当然耳を傾けるべきであるという御指摘、その点については私たちも認識を十分御一緒にしているわけでございます。  御質問の点の、五十七年度の防衛予算の結果、貿易と防衛摩擦のリンケージが断たれたのかどうかという御質問でございますが、アメリカの行政府の中には、本来この貿易と防衛の摩擦とは別個のものであるという認識がございます。他方、議会ついては、選挙区の実情も反映いたしまして、貿易と防衛の摩擦というものが一緒になって日本に対する批判というふうに出てきている、それも事実でございます。  そこで、五十七年度の予算ができた結果、まずアメリカの行政府は、日本が行った今回の予算というものは正しい方向への第一歩であるというふうに評価をしております。議員の中にも、大河原大使が多くの議員に対して五十七年度の予算について説明をする過程の中で、行政府と同じような意向を表明した方もございます。しかし、ある議員の意見の中には、まだまだ不十分であるということ、やはり根底にはそれぞれの選挙区の実情を反映して、どうしても感情的な問題として貿易と防衛というものが絡まっているということは否定できないということが実情ではないかと思います。

山崎拓自由民主党

○山崎(拓)委員 時間が参りましたので、終わります。

石井一自由民主党

○石井委員長 次回は、来る二十五日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時八分散会      ――――◇―――――

国会会議録検索システムで原文を見る ↗