内閣委員会 第1号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/12/21
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 今回、当内閣委員会の委員長に就任いたしました。委員各位の御協力によりまして、円満かつ適正なる委員会の運営を行いたいと存じます。 以上、簡単でございますが、就任のごあいさつといたします。(拍手) ――――◇―――――
○石井委員長 この際、理事の辞任の件についてお諮りいたします。 理事神田厚君から、理事を辞任したい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの神田厚君の理事の辞任による欠員のほか、理事稻村左近四郎君及び理事染谷誠君が委員を辞任されておりますので、現在理事が三名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって 佐藤 信二君 山崎 拓君 及び 小沢貞孝君 を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○石井委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 今会期中、国の行政の改善を図り、公務員の制度及び給与の適正を期する等のため 一、行政機構並びにその運営に関する事項 二、恩給及び法制一般に関する事項 三、公務員の制度及び給与に関する事項 四、栄典に関する事項 以上の各事項について、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○石井委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 同和問題調査のため小委員十三名からなる同和対策に関する小委員会 及び 恩給等調査のため小委員十三名からなる恩給等に関する小委員会 を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長につきましては、委員長において指名し、追って公報をもってお知らせいたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任並びに委員の辞任に伴う補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、両小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じた場合は、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○石井委員長 この際、常会の初めに当たり、当委員会所管の国務大臣及び政務次官各位から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。総理府総務長官田邉國男君。
○田邉国務大臣 このたび、第二次鈴木内閣の発足に際しまして、総理府総務長官、沖繩開発庁長官を命ぜられました田邉國男でございます。 微力でございますが、所管の事項につきまして誠心誠意努力をしてまいりますので、委員長を初め委員各位の皆様によろしく御指導、御鞭撻をこれからお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
○石井委員長 行政管理庁長官中曽根康弘君。
○中曽根国務大臣 再度、行政管理庁長官を拝命いたしました。誠心誠意努力いたします。御指導、御鞭撻をお願いいたします。(拍手)
○石井委員長 北海道開発庁長官松野幸泰君。
○松野国務大臣 このたび、北海道開発庁長官に任命されました松野幸泰でございます。 委員長並びに委員各位には、日ごろ北海道開発のために御尽力いただいておりますことをこの機会に感謝申し上げるとともに、その御努力に対し深く敬意を表するものでございます。 私も、長官に任命されました以上、全力を傾けて北海道開発に尽くしてまいりたいと考えております。よろしく御指導、御鞭撻のほどお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
○石井委員長 防衛庁長官伊藤宗一郎君。
○伊藤国務大臣 先般、防衛庁長官を拝命いたしました伊藤宗一郎でございます。 内外の諸情勢ことのほか厳しいこの時期に防衛行政を担うことに相なりまして、その責任の重大さを身にしみて痛感をしております。与えられました職務に誠実に忠実にその責めを果たしてまいりたいと決意をいたしておりますけれども、委員長を初め委員各位の御理解ある御支援なり御鞭撻がなければ、この任務をつつがなく果たすことばとうてい相かないませんので、委員長初め委員各位の格別の御理解と御支援のほどを心よりお願いを申し上げまして、私のごあいさつにかえたいと思います。 何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。(拍手)
○石井委員長 総理府総務副長官福島譲二君。
○福島(譲)政府委員 このたび総理府総務副長官を拝命いたしました福島譲二でございます。 田邊長官のもとで、微力ではございますが、全力を尽くさしていただきますので、どうか委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。(拍手)
○石井委員長 行政管理政務次官中村靖君。
○中村(靖)政府委員 このたび行政管理政務次官を拝命いたしました中村靖でございます。 大臣を補佐して最善を尽くして努力をする所存でございますので、委員長を初め委員各位の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○石井委員長 北海道開発政務次官北修二君。
○北政府委員 このたび北海道開発政務次官を拝命いたしました北修二でございます。 諸先生の御指導をいただきながら最善の努力を払いたい、かように存じます。 よろしくお願いいたします。(拍手)
○石井委員長 防衛政務次官堀之内久男君。
○堀之内政府委員 このたび防衛政務次官を拝命いたしました堀之内久男でございます。 伊藤長官のもと最善を尽くしましてがんばりたいと思いますが、委員長を初め皆様方の一層の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げる次第であります。 よろしくお願いいたします。 ――――◇――――― (拍手)
○石井委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 これより趣旨の説明を求めます。田邊総理府総務長官。 ――――――――――――― 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○田邉国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案につきまして、一括してその提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本年八月七日、一般職の職員の給与について、俸給及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行われました。政府としては、その内容を検討した結果、調整手当の改定並びに指定職及び百分の二十以上の割合による俸給の特別調整額を受ける官職を占める管理職員の給与改定について、昭和五十七年四月一日から実施することとし、昭和五十六年度に支給する期末手当及び勤勉手当について、昭和五十五年度の俸給等を基準に算定した額に据え置くこととしたほかは、勧告どおり本年四月一日から実施することとし、このたび、一般職の職員の給与に関する法律について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、全俸給表の全俸給月額を引き上げることといたしております。 第二に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額の限度額を二十万五千円に引き上げるとともに、いわゆる医系教官等に対する支給月額の限度額を三万九千五百円に引き上げることといたしております。 第三に、扶養手当について、配偶者に係る支給月額を一万二千円に、配偶者のない職員の扶養親族のうち一人に係る支給月額を八千円に引き上げることといたしております。 第四に、調整手当について、甲地のうち人事院規則で定める地域及び官署における支給割合を百分の九に引き上げるとともに、医師等に対する支給割合を百分の九に引き上げることとし、官署が多数移転または新設された場合において、当該移転等の状況等に特別の事情があると認められるときの支給割合の限度を百分の九に引き上げることといたしております。 なお、筑波研究学園都市移転手当についても、調整手当との均衡上、同様に支給割合の限度を百分の九に引き上げることといたしております。 第五に、住居手当について、月額九千円を超える家賃を支払っている職員に支給することに改め、その支給月額の限度額を一万四千円に引き上げることといたしております。 第六に、通勤手当について、交通機関等を利用する職員に対する全額支給の限度額を月額一万七千円に引き上げることといたしております。 第七に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、支給限度額を日額二万二下三百円に引き上げることといたしております。 第八に、筑波研究学園都市移転手当の改廃に関する措置についての人事院の勧告の期限を五年とすることといたしております。 以上のほか、附則において、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置、住居手当の改定に伴う経過措置について規定するとともに、管理職員の給与について、非管理職員との権衡上必要な限度において所要の保障措置を講ずるなど、所要の規定の整備を行うこととしております。 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、ただいま申し上げました一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、内閣総理大臣、国務大臣等の俸給月額は据え置くことといたしましたが、その他の特別職の職員の俸給月額についてはこれを引き上げることといたしております。具体的には、内閣法制局長官等の俸給月額は百八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、九十二万円から七十九万八千円の範囲内で改定することといたしております。 また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は据え置き、大使五号俸は旧八万円とし、大使四号俸以下及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、九十一万円から五十九万千円の範囲内で改定することといたしております。 なお、秘書官については、一般職の職員の給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしております。 第二に、委員手当については、委員会の常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を三万九千二百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を二万二千三百円にそれぞれ引き上げることといたしております。 第三に、内閣総理大臣及び国務大臣に支給する調整手当の月額については、当分の間、俸給月額に百分の八を乗じて得た額に据え置くことといたしております。 以上のほか、附則においては、この法律の施行期日、適用口等について規定いたしております。 次に、国家公務員等退職手出法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 昭和五十六年度に俸給が改定されることに伴い、同年度に退職する職員の間の退職手当について不均衡の生ずることがあり、これを是正する必要があると認められますので、政府としては、このたび国家公務員等退職手出法について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一に、職員が昭和五十六年度中に退職した場合における退職手当の支給に関する法令の適用については、同年度内に俸給月額を改定する法令等が制定された場合において、退職の日における俸給月額がその日の前日までに改定があったとした場合の退職の日における俸給月額に達しないこととなるときは、その者について適用される退職手当の額の計算の基礎となる俸給月額は、改定後の俸給月額とすることといたしております。 第二に、整理等による短期勤続退職等の退職手当の額の計算の基礎となるべき扶養手当の月額については、改定後の扶養手当の月額とすることといたしております。 以上のほか、附則において、この法律の施行期日について規定しております。 以上が、これら法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○石井委員長 伊藤防衛庁長官。 ――――――――――――― 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○伊藤国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に準じて、防衛庁職員の給与の改定等を行うものであります。 防衛庁職員の給与の改定等につきましては、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定等を行うとともに、営外手当についても改定することとしております。 この法律案の規定は、公布の日から施行し、昭和五十六年四月一日から適用することとしておりますが、指定職及び管理職員の給与改定について、昭和五十七年四月一日から実施することとし、昭和五十六年度に支給する期末手当及び勤勉手当について、一般職の職員と同様に、昭和五十五年度の俸給等を基準に算定した額に据え置くこととしております。 以上のほか、附則において俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置、住居手当の改定に伴う経過措置について規定するとともに、管理職員の給与について、非管理職員との権衡上必要な限度において所要の保障措置を講ずるなど、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用し、またはその例によることとされている事務官等の俸給並びに扶養手当、通勤手当、住居手当、調整手当及び初任給調整手当等につきましては、一般職の職員と同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○石井委員長 以上で各案について提案理由の説明を終わりました。 ―――――――――――――
○石井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 去る十一月二十七日に閣議決定された人事院勧告の取り扱い方針は、言ってしまえば、終始大蔵省の財源難を理由とした強硬方針によって貫かれ、結果として一九七二年以来十年間にわたって続いてきた四月完全実施の慣行を破り、それを前提として成り立つ現行人事院制度を大きく切り崩すことになったと言わざるを得ません。きわめて遺憾な事態だと私は率直に申し上げたいと思います。 そこで、最初に大蔵省にお尋ねをいたしますが、提案されている改正案によって私が試算をいたしますと、完全実施に必要な財源額約三千四百十億円のうち九百億円が削減をされている。内訳を言いますと、期末・勤勉手当七百十億円、調整手当百三十億円、管理職等で六十億円、これは完全実施に必要な財源のうち二六・四%を削減している。また五十六年度予算計上額六百三十億を、これは一%相当分なんですが、三千四百十億円から引いた追加必要財源、引き算をすればおわかりのように、二千八百億円から見ると、何と三二・四%の削減率となっています。こういう計算、余り実はしていませんので、この際はっきりさせておくという意味でお尋ねをするわけですが、大蔵省、間違いございませんでしょうか。
○水谷説明員 お答えをいたします。 ただいまお示しになりましたように、今回の給与改定の中で、削減額はおおむね九百億円でございます。したがいまして、それに対しまして、ただいま削減率という考え方を御提示をいただきましたけれども、私どもは削減率という考え方をとっているわけではございません。ただ、お示しのございましたように、全体の所要額が約三千四百億円である、だからそれに対する九百億円は二六%程度ではないか、あるいは三千四百億円から既定の給与改善費一%計上額、この六百億円を差し引きました約二千八百億円に対して三二%程度ではないかというお示しでございましたけれども、計数的にはそういうことになるわけでございます。
○岩垂委員 計数を申し上げただけですから、それで結構ですが、人事院総裁にお伺いをいたしますけれども、同様な試算によりますと、五・二三%の勧告の総原資のうち調整手当〇・三四%、管理職等の措置で〇・一二%、計〇・四六%が値切られている。実施に移されるのは四・七七%にすぎなくなりますけれども、これは間違いございませんか。 金額であえて申し上げますと、一万一千五百二十八円の勧告が、実に千十四円値切られて一万五百十四円しか実施されないという姿になっているということについても、これも数字の問題ですから尋ねておきたいと思います。
○藤井政府委員 いまお尋ねになりました数字はそのとおりでございます。ただ、五・二三%ということで御勧告を申し上げたのでありますが、今度の措置でどのような削減が行われたかということにつきましては、大体は明確でございますけれども、管理職の中で、要するに、一種、二種の関係でそれぞれ具体的に全部当たってまいるということをいたします場合におきましては、結果的には若干の差がそこに出てくる場合もあり得ますが、大体われわれの試算でやったところでは四・七七、あるいはそれが多少狂いましても四・七八程度という数字は間違いございません。
○岩垂委員 大蔵省から財源の削減率、まあ削減率という言葉は使っていませんがという言葉が入っておりますが、いま総裁から勧告の値切りの状態というものが確認をざれたわけでございます。総裁、人事院勧告制度というものが昭和二十三年に発足をして以来三十有余年、四月実施となってから十年、長い間かけて築き上げてきたこの人事院勧告制度が、まさにことし、いまのように値切られたことによって崩されている。私は、完全実施に至る道のりについて、この前の委員会でも申し上げたことがございました。大変な御努力であったわけであります。しかも、私に言わせれば、人事院の御努力と相まって、労使の英知と言われるものがその中に積み重ねられてきているということを否定すべくもございません。こういう結果について、総裁はどのようにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねしておきたいと思います。
○藤井政府委員 この点につきましては、従来機会のあるごとに申し上げてきておりまして、その態度自体は不変でございます。すなわち、給与に関する人事院の勧告というのは、公務員について労働基本権が制約をされておるということに対する代償措置として認められておるものでございまして、この制度は、わが国の制度上すでに慣行として定着をして今日まで参ってきておる次第でございます。 いまお述べになりましたように、昭和四十五年以後は、その時期、内容ともに完全実施ということで今日まで来たわけであります。いろいろ困難な事情があるということは、私といたしましても、その点は承知をいたしておりますけれども、勧告の持つ精神、意義、従来のたどってきた足跡というものから見ますると、いろいろな事情があるにしても、これについて政府の案として削減措置が講ぜられざるを得なかった。人事院といたしましては、この点はやはり大変遺憾のきわみであるというふうに申さざるを得ないと思います。
○岩垂委員 いま総裁からお言葉がございました。新任早々の総務長官にこういうことをお尋ねするのは申しわけございませんけれども、お立場でございますから、あえてお尋ねをいたしますが、労働基本権を奪われた公務員労働者の賃金あるいは労働条件を改善するほとんど唯一の手段として政府がみずから認めてまいりました人事院勧告制度、そしてそれによって完全実施という裏づけをもっていわゆる労使の安定というものの役割りが果たされてきたわけでありますが、それが大きく崩されるという今日の事態は、先ほど総裁も言われましたけれども、私はきわめて遺憾な事態だと言わざるを得ません。実際このまま改正案が成立をいたしますとすると、公務員の賃上げというのは、先ほどちょっと計算をしましたけれども、四・七七%、一万五百十四円。たとえば人事院が言うところの定昇分の二・一六%を加えたにしても六・九三%にしかなりません。これは御説明のとおりです。それで労働省が、ことしの春闘に関連をいたしまして、一部上場でございますが、二百八十八社を対象にして調査をした春闘結果というのは、御案内のとおりに七・六八%という数字になります。それと比べても大変低くなる。〇・七五%になりましょうか。とても民間や三公社五現業に準拠した公務員賃金とは言えない、これははっきりしているわけであります。民間や三公社五現業の賃金に準拠することを原則として、いわば人事院の科学的な方法に基づくところの算定による勧告、それがこういう結果になった影響というのは、私ははかり知れないものがあると思うのです。来年への影響にも重大な問題点を投げかけていると言わざるを得ない。その意味で給与担当大臣の責任というのは非常に重いと私は思う。新任早々の総務長官にそういう責任を問うのもいかがかと思うが、お立場でございますから、新任の決意の中で労使の安定、それから人事院勧告制度、慣熟をした完全実施の今日までの経過、それについてどのようなお考えに立っていらっしゃるか、これはあなたの新任の決意ということをも含めてお尋ねをしておきたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えをいたします。 先ほど人事院総裁のお話もございました。人事院勧告について、政府は四十五年以来十年以上にわたりましてこれを尊重し、そしてまた厳しい財政事情にもかかわらず一般職の給与の改善について完全実施をしてきたわけでございます。今回の措置は、第二次臨時行政調査会を設置するなど、国の行財政全体が非常に危機の状態にあるという中で、労働基本権の制約、またこれまで維持されてきた良好な労使関係というもの、そして現下の厳しい財政状況、また行財政の改革、こういうものが推進をしておる中で、国民の動向というものを総合的に勘案をいたしまして、そして今回の臨時、緊急の措置をとったわけでございます。しかし、人事院の勧告を尊重するということは、政府の立場は変わっておりません。また私といたしましても、今後良好な労使関係を維持していくことがきわめて重要であると考えております。こういう基本的な考え方に立って、今後も対処をしてまいる考えでございますので、御理解をしていただきたいと思います。
○岩垂委員 これは後でもう一遍お尋ねをしておきたいと思いますから、次に移りますが、総務長官というお立場をどうぞお踏まえの上で、いわば責任ある給与担当閣僚でございますから、その点、今後ともぜひきちんとしていただきたい。後ほどまた確認を求めたいと思います。 私が言うまでもございませんが、これは大蔵省にお尋ねしますけれども、賃金というのは、社会経済情勢を反映して、まあおのずからというふうに言ってもいいと思うのですが、決まるたぐいのものであります。勧告もまた、その市場実勢というものを反映するという仕組みになっているわけでありまして、財政はこれを受けて所要の措置をとるのが筋なんです。これが実は人事院勧告制度のあり方でなければならぬ。決して財政事情が先に出るものではないということを私は言いたいのであります。ところが、今回の経過というものをずっと見てみますと、当初から、大蔵省がたとえば五十七年の一月実施を主張するなどということ、とんでもない話ですけれども、経過がある。そして終始財政事情というものが優先されてきた。加えて、それに臨調の答申というものが非常に御都合主義的に、いい言葉じゃございませんが、至上命題化されている、こんな感じがいたします。 大蔵省は、その根拠として、本年度の給与改定財源が一%しか組まれていないことを挙げていました。私はこの委員会でやりとりをしたことがありますからはっきり覚えていますが、一%しか計上しない根拠についてやりとりをしました。そのときには、純粋に予算編成上の技術問題だ、総合予算主義に基づく給与改定費の、まあ先組みという言葉があったと思うのですが、の持つ意味、すなわち勧告は完全に尊重していきます、必要な財源は措置をいたします、こういうことにやりとりがあったわけでありますけれども、結果的にはそうなっていない。なっていないどころか、私に言わせれば、昨年末の予算編成にかかわって、あるいはことしの春の国会のやりとりということにかんがみてみると、百八十度主張というものを変えている、変更している、こういうふうに言わざるを得ないのですが、その辺の事情について公式に大蔵省の見解を伺っておきたいと思うのであります。
○水谷説明員 お答えをいたします。 給与改善費の計上割合につきましては、かねてから御説明申し上げておりますように、年度の途中に予想されます人事院勧告に備えまして、ある程度当初予算に財源措置をしておく、すなわち、全く財源措置がない場合には、一般に大きな補正要因ともなりますので、当初予算に計上をしておくという意味で、その意味では予算編成上の技術的な配慮がございます。しかしながら、財政措置でございます以上、その計上割合につきましては、財政状況を離れてはあり得ないのであろうと思います。したがいまして、その点につきましては、たとえば五十三年の八月でございましたか、岩垂委員の御質問にお答えをいたしまして、今後の計上割合につきましては、経済社会情勢の推移等諸般の情勢を考えながら結論を出していきたいというお答えをしている経緯がございますけれども、いずれにいたしましても、財政事情というものを勘案をいたしまして計上をさしておっていただくという点が一点ございます。したがいまして、五十六年度につきましては、大変厳しい当初予算の財政事情がございまして、前年度の二%から一%に変更させていただいたという経緯があるわけでございます。 ただ、かねがね御説明をいたしておりますように、給与改善費の計上割合とそれから政府の人事院勧告制度に対する基本的な立場というものは、直接にリンクしていない。つまり計上割合が何であれ、私どもといたしましては、人事院勧告制度というものあるいは人事院勧告というものはできるだけこれを尊重するという基本的な立場がございます。そういう基本的な立場を変えているわけではございません。したがいまして、本年度の人事院勧告の取り扱いの過程の中でも、私どもといたしましては、できるだけ財源を捻出するように誠心誠意検討さしていただき、また誠心誠意財源の捻出に努力をさせていただいたという経緯でございます。
○岩垂委員 誠心誠意やっていらっしゃるならば、たとえば五十七年の一月実施などという言葉は出てきません。人事院勧告を尊重していくとおっしゃるならば、四分の三削って四分の一実施するなどという言葉は出てくるはずはないのであります。だから、ここであなたと私がやりとりをしてもいけませんけれども、いわゆる御都合主義といいましょうか、財政状況を離れてはないという言葉にウエートがかかっていくと、人事院勧告というのはあってもなくても同じになってしまうのです。勧告を尊重していくという言葉をいま述べておられるから、私はそれ以上は言わぬけれども、その辺は、ことしの賃金を決定する過程をつぶさに検討すると、いささか勧告制度というものをないがしろにするという発言だ、たとえそれが政府部内のやりとりで駆け引きであったとしても、穏当ではない、このように私はあえて申し上げておきたいと思います。 総務長官に先ほどお尋ねしましたが、今回の政府の態度決定に、いま申し上げたように、大蔵省の影響が非常に強かった。しかも、私に言わせればきわめて不当なやりとりさえ行われているというふうに言わなければなりません。本委員会で中山前総務長官は、財政事情を優先させるというこういう考え方に対して、はっきりと人事院勧告を尊重して完全実施に努めて努力をすると態度表明をされてこられました。私はその努力を多といたします。まだ十分だとは言いませんが、多といたします。そういう前の総理府総務長官がおとりになった態度というものは、閣内で新しい総務長官もとり続けていただけるかどうか、変化がないかどうか、その点について明確な御答弁をいただきたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えします。 前中山長官が申されたように、私も、人事院勧告につきましてはできるだけ尊重をいたしてまいり、そして労使の協調の中でこの問題が十分理解できるような対応をしてまいる考えでございます。
○岩垂委員 それにはもう一言お書架が欲しいのです。つまり中山さんははっきりと完全実施に向けて努力をするとおっしゃっておられます。このお立場というものをこれからもおとりいただけるというふうに考えてよろしゅうございますね。
○田邉国務大臣 できるだけその方針に沿って私はやってまいる考えでございます。
○岩垂委員 人事院総裁、いまの経過があるわけですが、政府の態度決定過程を重大な関心を持って恐らく注目されてこられた。財政事情を優先させる考え方については、どのようにお考えになっていらっしゃるか、総裁の御答弁をいただきます。
○藤井政府委員 従来も、程々の論議の過程を経て人事院の立場というものは明確にいたしておるつもりでございますが、人事院の給与に関する勧告制度というものは、やはり公務員の給与のあり方の基準をどこに置くかというところから発足をしておるものでございます。民間であれば、これが労使の団体交渉でもって積み重ねの上で決定をされていくだろう。しかし、公務員には、その職責の特異性からいって、労働基本権は認められない、制約せられざるを得ない。したがって、その待遇については、しかも、待遇の基本的な項目である給与については、少なくともやはり民間並みのレベルを保障しなければ公務員としていい人が来てもらえない。そのことは、結局はね返って国民に対する公務の執行というものについて支障が起きる可能性があるということから出ておるものであるという考え方がその基本でございます。したがいまして、われわれが自信を持って調査をいたしました結果に基づいてはじき出した勧告でございますので、これはやはり尊重をしていただかなければ困るのであります。しかし、人事院自身がこれを最終的に決定する権限は、憲法上も法制上も与えられておりませんので、そのやり方の手段としては、内閣と国会に対して勧告をする、そういう制度の仕組みになっておるわけでございまして、最終的には内閣と、またさらに最終的には国会が御決定をいただくことになると思いますけれども、その際におきまして、やはり財政問題というものは、勧告が出た限りは、これを完全実施するたてまえのもとに種々の工夫をしていただくというのが制度のたてまえであるというのが人事院の基本姿勢でございます。
○岩垂委員 私ども社会党は、公務員労働者の権利や生活の状況というものを顧みないで、しかも、労働意欲に与える影響ということも、いまの総裁のお言葉じゃございませんけれども、考えないで今回の措置をとったことについて、私は賛成をするわけにはいきません。これまでの経過からしても、これが来年も繰り返されないという保証は、実はせっかくの総務長官のお雷葉にもかかわらずないわけであります。 そこで、具体的にお尋ねしますが、鈴木総理大臣は、十一月二十六日の参議院行政改革特別委員会で、「今回のことは本当に異例の措置でございます。今後は私は、人事院の勧告というものを最大限に尊重するというその精神で今後の取り扱いはやっていかなければいけないものと、このように考えます。」と発言しておられます。この文言どおりに受け取れば、人事院勧告の値切りなどというものは、本年度限りのいわば必要悪だ、来年以降は絶対に完全実施をするという言葉として私どもは受け取るわけです。また受け取りたいわけでございます。総務長官、くどくて大変恐縮ですが、入閣早々で大変恐縮ですが、この方針は、あなたは同じですね。もう一遍お尋ねをしておきたいと思います。
○田邉国務大臣 お尋ねにお答えします。 総理の答弁も、私が申し上げましたように、人事院の勧告を尊重するという基本的なたてまえに立って給与問題に対処していくとかうことを言われたものだと理解をいたしております。
○岩垂委員 これは総裁にも確かめておきたいのですが、総裁は、ことしの勧告に当たって、いかなる風圧があっても勧告は例年どおり行うということを言明されておられました。本年の事態を踏まえて考えてみると、そういう姿勢が、人事院身の毅然とした姿勢がますます重要になってきている、こんなふうに私は考えます。それは何も私どもだけにとってというのじゃなしに、国家、国民にとって重要である、こんなふうに考えるわけでございますが、来年の勧告についても、これまでどおりの方針で作業をお進めになるということをここではっきり述べていただきたいと思います。
○藤井政府委員 ことしの給与勧告について申し上げますと、臨調の答申が出たのは、これは七月でございました。これに対していろいろ当委員会においても御論議をいただきましたが、人事院といたしましては、終始一貫いたしまして、現在の勧告制度がある限りは、従来と同じペースで、同じやり方で作業は続けてまいります、同じ方針で、勧告すべきであるという答えが出れば勧告はいたしますということを一貫して申し上げてまいりました。この方針に従いまして、七月の臨調答申では「適切な抑制措置を講ずる。」ものとするという答申が出ましたけれども、従来の一貫した態度の延長といたしまして、人事院はそのとおりに作業を進めて、その結果、結論が出ましたので、これに基づいて、八月になって従来どおりの方針で勧告を出したのであります。 こういうことでございますので、将来といえども、少なくとも現在の制度がそのまま存続をいたします限りにおいては、この方針を変えるつもりは毫もございませんということをはっきり申し上げておきたいと思います。
○岩垂委員 ちょっと個別の問題について伺っておきたいのですが、これは総務長官でなくて人事局長で結構ですが、調整手当の一年間実施見送りでございます。これは甲地、八%指定の人たちだけの部分的な問題ではないということを前提にしまして申し上げたいのですが、調整手当というのは、総原資とは別に該当者に上積みされるようなものじゃございません。これは五・二三%の内訳をなすものなんですね。だから、これを値切るということは、率直に言って手当を値切っただけでなくて、ストレートに勧告全体を値切ったということになるわけです。きわめて遺憾な事態だと言わざるを得ません。この点については、給与種目によって取り扱いを差別したということになりますね。答弁にはならぬと思いますが、この際、やはりその答弁はいただかないと、今後に問題が残りますので、もう一遍言っておきますが、やりにくい答弁だと思いますが、御答弁をいただきたいと思います。
○山地政府委員 いま御質問の中でお述べいただいたように、調整手当というのは、五・二三%の総原資の中である。しかも、中の配分問題でございまして、長年の調整手当というものについての問題意識があって、こういうふうな人事院勧告が出たわけでございますが、いま先生が言外にお触れになったように、今回のこの問題の取り扱いというのは、各党間のお話し合いの結果、こういうような取り扱いについて御決定いただいたものでございまして、私どもの中でもいろいろの議論のあるところでございますけれども、これも一つの決め方であろうかと思って、やむを得ない措置ではないだろうか、かように考えております。
○岩垂委員 それは答弁というんじゃないんだよ。経過報告みたいなことを言ったって納得できない。 次に、後ろに並んでいらっしゃる管理職の気持を察しながら私は申し上げるのですが、管理職員等の給与改定が見送られて生ずる問題をやはり言っておかなければいけませんね。 公務員の給与というのは、職務と責任に応じて決定されている。それが秩序と均衡というのですか、それを形づくっているのです。政府並びに人事院は、事あるごとにこのことを実は強調してきました。ところが今回の措置によって、この原則は大きくゆがむことになるのではないか。組織を円滑に運営管理し、秩序から外れた者には厳罰を下してきた当事者が、いいですか、みずからこれを放棄して、この原則を否定したという事実だけは否めないと私は思うのです。つけ加えれば、逆転回避措置によっても給与体系上の大きなゆがみは決して直っていないのであります。これは給与法の言う職務給の趣旨にも反する不合理なものだと言わなければならぬ。この点はどうやって御説明なさるのですか。これは本当は総務長官がやらなければいかぬが、しかし人事局長、先にやってください。
○山地政府委員 先生も御承知のとおり、五十三、五十四、五十五と、指定職についてその給与の昇給の停止、あるいは今回のような延伸といいますか、十月まで延期をするということがありまして、これはやはり財政が非常に厳しいという中で、民間における各企業の管理職の給与の抑制というのが行われてきておりまして、そういう姿勢を正すという意味も込めまして行われたわけでございますが、今回は、先ほど来御説明いたしておりますような、臨調を設けなければならないような国の財政事情あるいは世論の動向あるいは各階一層にわたって痛みを分けなければならないというような事態下における皆さん方の、国民の考え方というようなものも考えまして、指定職に準ずるような管理職の地位にある方については、今回のような措置をとらざるを得なかった。これも、もう一つ申し上げれば、各党間のお話し合いもあってこのような結論に達したものでございます。私どもとしては、それに対して、逆転をするというようなことは避けるというような消極的な対応はいたしたわけでございますが、こういったことが職務給全体のバランスというものについて決して望ましい方向でないということは存じておりますので、今後ともこういうことについてはないように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○岩垂委員 これは管理職組合でもつくってがんばらなければいかぬ。 期末・勤勉手当というのは、人勧の際に、民間の給与月数が四・九八カ月であるにもかかわらず、実は〇・〇八カ月分の勧告が見送られてきた経過がございます。これはこの前の委員、会で私が指摘しました。〇・〇八なんだから、事実上〇一一と同じじゃないかということを申し上げてきました。ここでも、勧告自身の中ですでに目減りがある。加えて、五十五年度ベースを基礎に算定した額に凍結されるということになると、私の試算では、行一、三十五歳配偶者一人、まあ配偶者は一人に決まっているのですが、子供二人の東京に住む人で五万八千円の損失額になります。これに〇・〇八カ月分一万七千円を加えますと、トータルで七万五千円の損失であります。これはこの手当の官民比較方式の矛盾と相まって、民間より二年おくれの水準に公務員がとめられているということを意味しているのであります。これは計算上きわめて明白であります。これもやはり私は問題になろうと思うのです。 閣議決定に至る経過の中で、ベースで凍結する時期をめぐっていろいろ議論がありました。旧のベースで凍結するという議論ですね。大蔵省は今年度限りではなく来年度にもつながるような措置を強く要求したと伝え聞いています。本年の勧告は本年度に処理するという原則に照らしても全くおかしな話であります。何とか来年度予算に反映させまいという意図が見え見えであります。 再確認をしておきたいと思いますが、この措置は、今年度の取り扱いに限られたものであるということをぜひひとつ間違いはない――総務長官、何かくどくて悪いのですが、やはりみんな心配しているのです。年末でございますし、もう一遍御答弁をいただきたいと思います。
○田邉国務大臣 本年は大変危機的な財政事情、また産業や国民生活の各分野において、いわば大変困難な状況の中で行財政改革が推進をされておりまして、国民世論の動向というものにかんがみ、臨時、緊急の措置として一般職員を含め期末・勤勉手当につきまして昭和五十五年度の水準に凍結するということにいたしたわけでございますが、これは本年度限りの措置であると私は考えております。
○岩垂委員 もう一つ、総務長官、こういう実態があるのですよ。不均衡の問題で言いますと、たとえば農林省の職員と林野庁の職員は、職場へ行きますと机を並べて仕事をしている間柄なんですね。これはもう総務長官御存じのとおりです。ところが今回の措置で、同じ国家公務員でありながら一時金の支給で大きく区別される――これは差別だと言わなければならぬですね。またひとしく労働基本権を剥奪した代償であるということを言っていながら、なぜ仲裁裁定と人事院勧告が区別されるのか。これもまた答弁にならぬと私は思うが、この際、やはりきちんとそういう差別、不均衡、こういう状態についてどうお考えになるかということだけは承っておきたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えします。 いま人事院の取り扱いと仲裁裁定とは区別される扱いになっているがどういうわけだ、こういうことのお尋ねだと思いました。 非現業の国家公務員と三公社五現業の職員については、それぞれ人事院勧告と仲裁裁定の制度が設けられております。いずれも労働基本権の制約に対する代償措置としての一つであるという点においては共通の性格を持っておるわけであります。しかし、給与財源や給与の決定方式は、非現業の国家公務員と三公社五現業の職員、との場合は異なっております。三公社五現業の給与は労使交渉によって決定されるたてまえでありますし、紛争調整のための仲裁裁定は労使に対して最終決定としての拘束力を持ち、政府は実施の努力義務を負うわけであります。ただし、当該企業体等の予算上あるいは資金上実施不可能な協定または裁定につきましては、国会がこれに関与するということになっております。これに対して人事院勧告は、法律という形で国会で決定をしていただくことになっておりまして、国会のこれらの二つの関与の方式も違っておるわけでありますので、その取り扱いにつきましては若干の差が出るのもやむを得ないと考えております。 以上でございます。
○岩垂委員 いまのお言葉にも私はちょっと物を言いたいのですが、新任でございますからこれ以上聞きません。しかし、率直に言って、差別をされるということがやむを得ない措置であるなどというふうにお考えになってしまうと、これはやはり問題が残りますよ。不均衡である現実は否めないわけですから、そういうことのないように努力することが必要ではないかと私はあえて申し上げておきたいと思います。 大蔵省、いま予算編成中だけれども、さっきから議論がありますが、来年度の給与改定費は何%計上になっていますか。まだ発表になっていませんけれども、私はこれはちゃんとしておいていただきたいのです。
○水谷説明員 ただいま大蔵原案の最終的な詰めの段階でございますが、結論を得ておりません。公表し得る段階でございませんので、御勘弁をいただきたいと思います。
○岩垂委員 大蔵省としてはどう考えているかと聞いているのです。
○水谷説明員 五十七年度の給与改善費の計上につきましては、一方におきまして、これを増額すべきだという御意見と、他方におきましては、この際現下の厳しい財政事情にかんがみまして、これを削減すべきだという意見、つまり両方の意見があるわけでございます。したがいまして、大蔵省といたしましては、この両方の意見によく配意いたしまして、つまり両にらみで適切な結論を出してまいりたい、かように考えております。
○岩垂委員 問題はそこなんですよ。だから、人勧の扱いをめぐって今回のような混乱や、言ってしまえば政府部内の不協和音が生まれたのは、公務員労働者の賃金や労働条件について使用者の責任、その自覚に基づいた明確な方針がないからいつでもこうなるのです。そしてその場その場のいわば御都合主義、政治的な理由、そういうことによって、言ってしまえば方針がぐらりぐらりする、ここに問題があると私は思います。ことしもいまやりとりを聞いていると、これはまた来年やらなければいかぬけれども、どうもその根拠がきちんとしていない。総務長官、これはやはり大蔵原案が決まる段階で給与閣僚会議を開いて、それらの扱いというのをきちんとしないと、いま言いましたような、要するに使用者責任というものがあいまいになってしまいますよ。そっちがそうならこっちもそうだよというようなことになってしまいますよ。これはどうなんですか。給与閣僚会議をこの段階で開くという気持ちはございませんか。
○田邉国務大臣 この問題につきましては、閣内でよく協議をしてまいりたいと考えております。
○岩垂委員 海外協力費だとか防衛費をゼロベースの別枠にしたわけですね。私は、確かに財政再建というのは重要だと思いますけれども、だからといって、さっき数字を挙げて説明をしたように、公務員労働者を犠牲にして、それでそこに責任をおっかぶせてやっていくというやり方は、私は問題があろうと思うのです。こんなことを繰り返していったら、本当にまじめに仕事をするのがばかばかしくなるという雰囲気が職場の中に蔓延していますよ。私も少し職場を歩いてみてそんなことを言われました。岩垂さん、人事院勧告もやらない、それで一体私たちに綱紀粛正を求めるという資格があるのかどうか。これは私にとってみても非常に痛い言葉でした。だから、私がお願いをしたいのは、総務長官、その給与財源は、いま大蔵省の課長が言っている程度の話じゃなくて、やはりきちんと確保する、こういう努力をなさっていただけますか。もうあした、あさっての話になっちゃうのかもしらぬけれども、これはもう率直に言って防衛庁長官も同じですよ。そういう立場でぜひ御努力をいただけるかどうかお尋ねをしておきたいと思います。
○田邉国務大臣 良好な労使関係を維持していく上におきましても、私どもは、できるだけこの問題につきましては、閣内において十分協議の上で対応してまいりたい、かように考えております。
○岩垂委員 防衛庁長官もどうぞ。
○伊藤国務大臣 総務長官が御答弁されておるとおりでございます。
○岩垂委員 給与問題はまだいろいろございますけれども、ちょっと時間が参りました。 昨日の新聞あるいはテレビなどで明らかにされましたアメリカの国防総省の見解、これは核持ち込みの問題、なかんずく事前協議の対象外という政府当局者の発言について、淺尾さんお見えですから、日本政府の公式な見解をここで述べていただきたいと思います。
○淺尾政府委員 いま御引用になりました点については、日曜日の朝刊に出ておりました。その点で私たちは承知しております。これはいわゆるラ米禁止条約との関連で上院の議事録がございまして、その議事録に基づいて、報道によりますと、共同の記者がアメリカ側の政府当局者、これはどの当局者かわかりませんが、政府当局者に質問したということでございます。したがって、私たちとしては、その報道だけを見てアメリカ側の政府の見解がどうこうということを申し上げるわけにはまいりませんが、基本的にアメリカ側が言っているのは、核の存否については否定も肯定もしない。これは前から言っているとおりでございます。そこで、核を搭載した艦船が寄港しても、それは相手国は知らないであろうということを言っておるわけでございます。 ただ、日本との関係について申し上げれば、まさに一の点については安全保障条約がございまして、艦船の瀞港を含めて核の持ち込みというものは事前協議の対象になっている。事前協議を尊重するということは、アメリカの最高首脳を含めて国務、国防両省が従来繰り返しているわけでございますので、新聞に出ている一般論がそのまま日本に当てはまるというふうには考えておりません。したがって、私たちとしては、従来の核の持ち込みあるいは艦船の寄港に対する日本政府の立場という点については何ら変わっていないということでございます。
○岩垂委員 あなたも五月二十一日のこの委員会でのやりとりで記憶なさっておられると思うが、ライシャワー発言のときは、アメリカ政府も、一私人ということだから、政府としてライシャワーさんの発言を確認する意向はないということを繰り返して答弁されておられました。総理もそのとおりです。しかし、今度のやりとりは、どうも必ずしも私人とも言いがたい。それは米上院外交委員会の公聴会記録に関連して――私はここで細かいことを言いません、あなたも御存じのはずだから。関連して共同通信が公式に質問したものに対する米政府当局者の回答であります。どのレベルか私も知りません。しかし、少なくともこれだけ新聞に大きく報道され、あるいはテレビなどでも紹介をされているという事実にかんがみてみると、どうもちょっと日本の側で言っていることの方がおかしいのじゃないかという不安や疑惑が広がるのは当然だと思う。 そこで、米政府に対して、この問題について外務省として確認をする努力をなさるおつもりはございませんか。
○淺尾政府委員 先ほど申し上げましたようなことでございますけれども、実は、まさに外交委員会でどういうふうなやりとりがあり、それについて共同通信の記者がアメリカ政府のどこに照会されたかという点については、まだ私たちは承知していないわけでございます。しかし、われわれとしては、その全体の正確な実情というものを十分調査したいと思っております。
○岩垂委員 これはまた後ほど議論をしようと思いますが、きょうは時間がございませんから、念のために申し上げておきますが、アメリカが核兵器の存在を否定も肯定もしないという原則は一般的にある。例の交換公文や口頭了解ということにかんがみて、それとは日本の場合は別扱いなのだ、別の次元なのだ、つまり事前協議ということはそういうことなのだ、そういうふうに理解してよろしいかどうか。
○淺尾政府委員 先ほど御答弁したように、それは全く別の次元であるというふうに考えております。先ほど私が実情を調査しますと申し上げたのは、どういうコンテクストでやりとりがあったのかという実情をまず調査したいと思います。
○岩垂委員 これは目下研究になっていらっしゃると思うのですが、中南米非核地帯条約と日本の非核三原則とは事情が違うというふうに断言できますね。
○淺尾政府委員 通称ラ米の非核条約、これは当該地域国及びその地域に属領を持つ国とさらに核保有国とで成り立っている条約でございます。したがって、その条約で述べられている点について……(岩垂委員「核の問題についてだけ」と呼ぶ)核の問題を含めまして、それは当該地域にだけ適用があるのだ、したがって、その適用について解釈を第三者が有権的に云々するという立場にはない、日本の場合はあくまでも日米安保条約をもって規定される、こういうことでございます。
○岩垂委員 それはなぜ聞くかというと、たとえば中南米非核地帯条約の中で述べられている「加盟国は核兵器の実験、使用、製造、生産、取得をしてはならないし、同時に核兵器の受理、貯蔵、配置、配備、所有もしてはならない。」という文章に対して、アメリカ政府は、その議定書批准に当たって、これらの禁止事項を一括してイントロダクションと呼んで、核積載の米国の艦船、航空機の一時持ち込み、これがこの間問題になったトランジット、及びトランスポートは同条約によって制約されないとの了解事項を宣言している、こういうふうになっているわけでしょう。これは新聞報道の文章のとおりです。つまり、こういうやりとりは、どうもアメリカの方が一貫しているように思われてならないのです。ラロック証書、ライシャワー証言、そして今回の国防総省の見解、ずっと一貫しているのですね。わが方もそれは一貫しているとおっしゃるかもしれませんが、そこにどうも明確に違いがある。だから、その辺のところをきちんと確かめておかないとだめではないかということを私はこの前も総理大臣に申し上げた。少なくとも非核三原則というのは、日本国の主権の作用として日本が主体的に採用した国の政策であります。アメリカはこのことを了解しているのかいないのか私にはわかりません。しかし、これを本当に実効あらしめるためには、アメリカとの間でこの点をはっきりしておかないと問題がいつでも起こってくる。そういう意味では何らかの見解の一致を見出すための努力がいまこそ必要ではないだろうか。それこそが世界じゅうにいま非核地帯の設定などを含めて起こっている運動、その先駆けとしての日本の非核三原則、それを価値あるものにすることにはならないだろうか。こんなふうに思いますが、淺尾さん、そういう努力をなさる外務省の決意はございませんか。
○淺尾政府委員 一つの条約と日米関係との関係でございますが、いま問題になっている条約それ自身は第三国間の内容でございます。したがって、それについてわが方として有権的にコメントできないわけでございます。日米の関係というのはあくまでも日米間で結ばれている条約、協定あるいは交換公文、口頭了解を含めて、そういうものによって成り立っている。したがって、わが方としては、日米間の関係というものは、そのような諸規定及び安保条約の前提になる信頼関係というものから成り立っているものであって、第三国間での解釈によって左右されるものではないというふうに考えているわけでございます。
○岩垂委員 第三国間の解釈じゃないのですよ。アメリカの方はこういう解釈だと言っているのですよ。日本はそれとは違うと言っているのですよ。こっちの方がこれほど何回か――最初はラロックさんですから、まさに軍人さんですよ。そしてライシャワーさん、駐日大使ですよ。そして今度は本省でしょう。下から上まで同じことを言っているのですよ。それなら、おかしいんじゃないかということをなぜ言えないのですか。第三国じゃないのです。第三者でもないのです。当事国なんです。この努力を、何遍求めろと言っても求めそうもございませんが、そういう形で日米の関係というのはいろいろな誤解やあるいは問題が起こってくる可能性がある。それをなさらないということになると、やはりどこかにごまかしがあって、そこには触れられないみたいなことになっているのではないだろうかとつい私たちも疑いたくなる。こんな関係がずっと続いている状態について、日本政府がしかるべき措置をとることを私は求めます。 それで淺尾さん、さっき状況を調べるとおっしゃいましたので、後で御報告いただけますね。
○淺尾政府委員 実情把握に努めまして、その結果がわかれば当委員会あるいはしかるべき方法でもってお知らせしたいと思います。
○岩垂委員 実は、この前からやっている戦域核の問題ですが、ヘイグさんがNHKとの会見で戦域核というのはアジアに持ち込むつもりはないということをおっしゃったというようなことをちらっと私はテレビのニュースで見たのですが、その後確かめてございませんけれども、その点は外務省としては確かめてございますか。
○淺尾政府委員 ヘイグがNHKの記者と会見したという事実はございません。ワインバーガー国防長官がNHKと対談して、今夕放送されるそうでございます。その内容については、まだ私たちは承知しておりませんけれども、先般来ロストウ軍縮局長あるいはその他のアメリカの高官が、アジア・太平洋地域にもクルージングミサイルを含む戦域核を配備することを研究しているというような報道がございました。しかし、これはあくまでもまだ研究、討議の段階でございます。それ以上私たちは情報というものを把握しておりませんし、したがって、具体的にアメリカがいつどういう態様でそういうものをアジア・太平洋に展開するのかあるいは展開しないで済むのかという段階までにはまだ至っておりません。
○岩垂委員 この問題は、また来年の通常国会でいろいろ議論になると思いますが、ちょっと時間がございますから防衛庁にお伺いをいたしますが、P3Cオライオンが厚木に配備をされるのですが、二十五日に三機という話を聞いております。三月末までに十五機の移駐が完了するということを承っておりますが、その配備計画を明らかにしていただきたいと思います。
○塩田政府委員 P3Cの配備計画でございますが、いまお話のございましたように、ことしの十二月二十五日にP3C三機、五十六年度はこれだけでございまして、これを厚木の第五十一航空隊に配属する。 なお、いま十五機というお話がございましたが、P3Cにつきましては、五十三年度契約分が今度の三機のほかにもう五機ございまして八機でございます。この五機は五十七年度に入ってくる予定でございますので、十五機ということはございません。
○岩垂委員 一号機に重大な欠陥が発見されたことが新聞報道で伝えられております。これは二十五日に厚木に配備される三機のうちの一つですか。
○和田(裕)政府委員 いま欠陥があった飛行機が二十五日に配備される飛行機かということでございますが、さようでございます。私ども重大な欠陥とは思っておりません。
○岩垂委員 思ってないけれども、それは予定の耐用飛行時間を確実に確保できますか。
○和田(裕)政府委員 まず、お答えからいたしますと、予定の飛行時間は十分に耐えるものだというふうに考えております。 これは実は、主翼の取りつけ部に若干の切削上の不良加工がございまして、取りつけ部というのは、簡単に言いますと、高歯のげたというのがありますが、高歯のげたのように主翼の上と下がちょうどはめ込むようになっておりますが、はめ込むときに下の方につっかかりまして、のぞいてみたら向こうの方から若干突起物が出たということで、その突起物を削る際に、いわば上と下の部分を若干ひっかいてしまったということでございます。現場はそのままにしておいたのでございますが、その報告が上の方に上がってきまして、当座は全く問題がないけれども、将来は飛行時間等の耐用年数に影響があってはいけないということで、念のために、その部分につきましては全く新しいものと取りかえた。今度厚木に入ってくるのは全く新しく取りかえたものでございます。
○岩垂委員 アメリカが生産中止をいたしました。つまりアメリカの調達の中止ということの意味は、日本でそれを調達する場合にますます高いものについていくという懸念がありますが、その点とあわせて、何か一〇%程度毎年毎年値段は上積みしていくのですか。値段のことをちょっと教えてください。来年一機幾らぐらいで……。
○和田(裕)政府委員 まずアメリカが調達を中止したということでございますが、その事実関係はいま米国政府に正式に問い合わせ中でございますが、いままで得た情報によりますと、米国政府としては、現時点で生産中止ということを決めたわけではございません。 次に、値段は幾らかということでございますが、五十七年度概算要求におきますところのP3Cの平均単価は約百十一億円でございます。
○岩垂委員 毎年一〇%ぐらい上がっていくというのは本当ですか。
○和田(裕)政府委員 これまでのところ、確かに五十三年度から五十五年度、それから五十五年度から五十七年度につきましては価格が上昇しております。これは主としてアメリカにおきますところの物価の上昇というのが十数%に及んでいるということもございまして、価格が上昇しておることは事実でございます。
○岩垂委員 きのうも厚木で配備反対の大きな大衆行動がございました。地元の神奈川県民は非常に強い反対をしています。基地機能の強化、日米共同作戦態勢の強化、あるいはそういう事故の問題などなど含めて反対が強いことを明らかにしながら私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○石井委員長 次に、鈴切康雄君。
○鈴切委員 人事院の給与勧告の取り扱いについては、政府は、財源がないことを主たる理由にして、一部凍結や実施時期の繰り延べ等の措置をとり、完全実施というものを見送ってしまいました。よき慣例を政府みずから取り崩してしまったということについては、私は大きく問題を後に残すだろうし、大変に遺憾なことだと思っております。しかも期末・勤勉手当は五十五年度の額に凍結され、調整手当一%も来年度から実施、管理職手当の逆転防止措置等、完全実施を見送ったために生じたひずみというものは不公平の感をぬぐいきれないわけでありますが、その点人事院総裁は、今回の政府がとった、いわゆる完全実施を見送ってしまったという問題について、どのようにいまお考えになっておられるか、その点についてお伺いします。
○藤井政府委員 給与に関する人事院の勧告は、制度のたてまえから申しまして完全実施をしていただかなければならない問題でございます。しかも、この点は従来すでに長年にわたる慣行として、内容、時期ともに完全実施されて今日に至っておるわけでございます。ここ数年非常に厳しい財政状況にある、そのために何らかの削減措置あるいは調整措置というものが必要であるという議論があることば、私自身も重々承知はいたしておりますけれども、しかし、制度のたてまえ、これが存続をいたす限りにおきましては、内容、時期ともに完全実施をしてもらわなければ困るというふうに考えておりまして、いろいろな情勢があったにいたしましても、本年の勧告について一部凍結、その他の削減措置が講ぜられたことに対しましては、人事院といたしましては衷心遺憾に考えておる次第でございます。
○鈴切委員 今回の決定で十年来続いてまいりました人事院勧告の完全実施の一角が崩れたことになりますけれども、その要因というのは、臨調の第一次答申の抑制意図に基づくものであって、これは人事院勧告尊重の精神とは大変に大きくかけ離れている問題でありますが、今後臨調の最終答申で人事院制度そのもののあり方について触れられるかどうかは予測できませんけれども、少なくとも現行の人事院制度の枠内において給与抑制の方向等、そういう形が、もし人事院勧告とは逆行するような答申が出された場合、政府が今回のように臨調答申を尊重するということだけで進められた場合に、人事院勧告がなし崩し的になってしまうおそれが多分にあるわけでありますけれども、今回給与担当大臣になられた総務長官は、その点についてはどういうようにお考えでしょうか。
○田邉国務大臣 お答えします。 公務員に関する諸制度のあり方については、最近における社会情勢の変化等に対応するために、第二次臨時行政調査会あるいは人事院においてそれぞれの立場から総合的に検討が行われているところでございまして、政府としては、これらの検討を待って適切に対応をしていこうとしているわけでございます。これに当たっては、民主的な、しかも能率的な行政運営を国民に保証するかどうか、基本的な問題であると考えております。したがいまして、政府といたしましては、今後安定した労使協調を基本として、人事院勧告につきましては十分尊重をし、それに対応していく考えでございます。
○鈴切委員 前国会の終わりに総理が、このような措置は今年限りの異例の措置である、来年以降は制度の趣旨に沿って人事院勧告を完全実施したいというふうに言われたけれども、総務長官はその点どういうようにお考えになっておりましょうか。
○田邉国務大臣 総理のお考えどおり、私どももその基本的な考えに沿って対応をしてまいる考えであります。
○鈴切委員 先ほど答弁の中に、今年度限りということについてえらく強調されましたけれども、そうなりますと、来年度は完全実施をされるということでしょうか。
○田邉国務大臣 私どもは、この問題につきましては、閣僚会議の中で、できるだけ人事院の勧告に沿って対応をしていく、そういう基本的な考え方に立って対処をしてまいりたい、こういう考え方でございます。
○鈴切委員 人事院勧告を尊重するということは、どういう認識に立っておられましょうか。
○田邉国務大臣 人事院勧告を尊重するということは、長い間人事院勧告に沿って政府の給与体系というものはやってまいりました。したがって、今回のこの異常な事態に対応した五十六年度の給与でございます。したがいまして、私どもは、来年度に向かっては、やはり人事院の勧告を尊重しながら、そしてその線に沿ってやってまいりたい、こういう考え方でございます。
○鈴切委員 人事院勧告を最大限に尊重してということと完全実施という問題とはどういうふうなうらはらがあるのでしょうか。それを担当大臣としてはどう御認識になっておりましょうか。
○田邉国務大臣 私どもは、人事院勧告を受けて、そして給与に対して、やはり政府の財源の許す限りその線に沿ってやってまいりたい。この点については、やはり閣議におきまして十分その考え方を私どもは申し述べ、そしてその線に沿ってやってまいる、こういう考え方でございます。
○鈴切委員 政府のいわゆる財源のいかんによって考えていくということになると、人事院勧告というものは、結局政府の考え方の財源だけですべてが判断されることになるのでしょう。そうなると、またことしのように来年も非常に財政が苦しいということになれば、人事院勧告についての完全実施というのはまた見送られる、こういうふうになるわけですけれども、いわゆる財源だけの問題で判断されるわけですか。
○山地政府委員 御承知のとおり、この人事院勧告というのが労働基本権制約の代償措置の一つとして設けられております。四十八年の最高裁の判断におきましても、政府はこの人事院勧告というものをできるだけ尊重すべきであるというふうなことを申し述べておられます。ただしかし、最高裁の判決におきましても、この人事院勧告というものを完全実施しなければいけないというところまでは、それが違憲であるというところまでは言ってないのは御承知のとおりでございまして、政府といたしましては、この公務員関係の安定した良好な労使関係というのが国全体の労使関係に非常に重要な役割りを果たしてきたという認識はございます。しかし他方では、このような臨調を設けてまで国の財政の再建を図らなければならないというような緊急の事態に当面いたしておりますので、この財政問題というものも十分考慮に入れ、あるいは国民が各方面において財政再建のための痛み分けをするという事態にも際しておりますので、そういった中の世論の動向というのも十分考えてこれには対処しなければならない、こういうふうなことでございまして、いま大臣がお答えいただいたように、基本は人事院勧告の尊重ということでございますが、そういった国全体の立場に立った考え方というものでこれには対処していかなければいけない、かように考えておるわけでございます。
○鈴切委員 いわゆる労働基本権の代償機関としての人事院がある以上は、人事院勧告を尊重するということはもう当然のことだ。それでいま、最高裁判所でそれが合憲だ、違憲だという問題を言われましたけれども、そんなことは問題外であって、少なくとも給与担当大臣が財源のあるなしによって云々ということを言われるということはもってのほかだ。それではとても労働者の信頼をかち得るわけにはいかないと思いますね。人事院勧告を完全実施をするということは貫いていくという気持ちでないと、人事院が勧告されたって、結局最終的にどんどんなし崩しにされてしまったのでは、どうして正常なる労使関係というものが生まれるかということを考えたときに、担当大臣もこれからいろいろとまた折衝される立場でありましょうから、きょうはそのくらいにしておきます。 さて、防衛庁長官、今度御苦労さまでございます。 そこで、防衛庁長官にお聞きをしたいわけでございますが、非常に内面的なむずかしい問題は、これはまだ防衛庁長官きょうは初めてでございますから、あなたがおっしゃっておられる内容について、どういうお考えであるかということについてちょっとお聞きをしたいわけであります。 まず、防衛庁長官が「閣僚に聞く」というところでいろいろとおっしゃっている中に、「防衛問題は国民の意識から離れて、一人よがりのプロ意識でやるべきものではない。私の二十一年間の政治家の経験をぶちまけて、伊藤色のにじみでる防衛政策を考えてみたい」と言われておりますけれども、「伊藤色のにじみでる防衛政策」というのは、具体的にはどういうことなんでしょうか。
○伊藤国務大臣 いまの防衛力の整備は、御案内のとおり「国防の基本方針」また「防衛計画の大綱」等に従いまして、歴代の長官が順次着実に進めておるわけでございまして、それを私も踏襲をさせていただきまして、できるだけ早く「防衛計画の大綱」の水準が達成できるように懸命の努力を続けるわけでございますけれども、あわせまして、いまもありましたように、せっかく私が防衛庁長官を拝命いたしました以上は、私なりのカラーも打ち出したい。その大綱あるいはそういうものについてのそういうことは、いままでの方針を踏襲してまいりますけれども、たとえて申し上げますならば、いまもお話しのとおり自衛隊、防衛庁だけでは日本の国防は全うできないわけでございますから、国民の広範な御支持なり御協力がなければ本来の意味の国防は全うできない。そういうためには、いままでもやってこられておりますけれども、もっともっと国民に密着した、また国民の御協力を得られるような姿、具体的に言いますならば、PR等々もいままで以上に詰めてやりたい。また防衛庁長官として国会の合間を縫って巡視をするようなことがあるわけでございますけれども、そういう場合にも、いままでのような都会とかそういうことでなしに、辺地なり離島で四六時中わが国を守る貴重な、とうとい任務についておられます自衛隊員に激励を兼ねて、そういう方向に巡視なり視察を進めたいというようなことを頭の中に描きながらそういうことを申し上げたようなことでございます。
○鈴切委員 「防衛計画の大綱」を踏襲するということ、そして自衛隊が広範な国民の御協力を得るということにぜひ力を入れたいということ、これは各防衛庁長官が言われるときには必ずそうおっしゃるのですよ。だから伊藤色という、特別に伊藤防衛庁長官が今回誕生されたことによって何らか別な方向を打ち出すんじゃないだろうかということで、実は御質問申し上げたし、また国民は「伊藤色のにじみでる」というこのところが大変に気になったわけでありまして、結局前の防衛庁長官とさほど変わらない、こういうことですか。
○伊藤国務大臣 もちろん、長官がかわるたびにそうしばしば変更したのでは本当の意味での国防は成り立ちませんので、あくまでもいままでの基本はしっかりと守って、いま申し上げたようなことで、繰り返して申し上げますけれども、国民に支持をされ、理解をされる自衛隊でなければ本当の力は発揮できない、そういうことにもいままでより以上に私として力点を置きたいということでございまして、はっきり言いますならば、それほど変わったことをしでかすつもりはございません。
○鈴切委員 わかりました。 次は、「七・五%増は、人件費の二・四%上昇分を含んでいない数字です。大河原さんに会ったんだが、米国側は満額達成でもまだ不満だと聞いた。予算で下手をすると日米関係にも悪い影響がでてくる。」こうおっしゃっておりますね。「予算で下手をすると日米関係にも悪い影響がでてくる。」というのは、具体的にはどういうことなんですか。
○伊藤国務大臣 これもいまさら申し上げるまでもなしに、日本の防衛は、わが防衛庁、自衛隊が必要最小限度の防衛力を持ちながら、また反面安保体制の発動を願う、そういう形でこれからの防衛を持っていくわけでございまして、そのためには日米間に本当の信頼関係が維持されておらなければ日本の国防は全うできませんので、安保条約というものは条約ではありますけれども、その条約が本当に発動されるためには、日米関係が従来以上に信頼関係が維持されていかなければならない。そうしますと、防衛予算等につきましても、この財政事情の厳しい中にもかかわらずわれわれがこれだけのことは精いっぱいやったということが伝わらなければ、日米の信頼関係にも若干のかげりが出てくるのじゃないかなというようなことを憂慮する余り、そういうようなことを申し上げたのでございます。
○鈴切委員 予算について、へたをすると日米関係に大変悪い影響が出てくるということなんですが、具体的にお聞きしますと、七・五%の防衛予算に対して、いわゆる今回ベースアップの人件費二・四%をどう扱うかという問題なのか、あるいはそれともゼロシーリングだからといって七・五%という防衛予算は決してアメリカを満足させるものでないというふうに思っておられるのか、あるいは一九八一年十一月四日にザブロツキ米下院外交委員長が議会に提出した日本の防衛努力を求める決議案の中の、日本国の鈴木総理とレーガン大統領の共同声明にある「同盟関係」、「なお一層の努力」という共通の価値観の上に立って日本国政府が防衛支出を少なくともGNPの一%の水準までに増額すべきであるということにもかかわらず、そういうことについての誠意がないというふうなことになると、それは大変に問題が出てくるのじゃないかというのか、その点についてはどうお考えでしょうか。
○伊藤国務大臣 わが国の防衛は、わが国が自主的に、また国民のコンセンサスを得ながら進めていくわけでありまして、わが国の主権の発動であるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、日米安保体制を貫いている以上、アメリカとの信頼関係もなお一層維持していかなければならぬ。そういうときに、アメリカが大変経済状況の悪いときに軍事費を増加させている、アメリカの国民が大変な負担を背負っている。反面、日米間の貿易摩擦の問題もございます。恐らくことしの末には百六十億ドルと言われるような出超もあるだろう、そういうような問題も出てきておるわけでございまして、そういうときでのことしの防衛予算の編成でございますので、そういう点もひとつ各方面の御理解をいただきたいということで、概算要求には当然質の高い防衛力をつくるための必要最小限度の要求を出しておりますけれども、その後に出てまいった人件費の問題等新しい問題でございまして、そこで七・五%シーリングを認められた、この要求だけはぜひともひとつ貫徹をしたいということでいま進めておるわけでございます。
○鈴切委員 では、防衛庁としては、ゼロシーリングの中に七・五%でそれでいい。これは言うならば、日本で独自に防衛努力をすることであって七・五%でいいというお考えに立っているとするならば、これは案外と大蔵省との話し合いもさほどむずかしいことではないだろう、それ以上のことを要求されるから、そこで大蔵省となかなか問題が詰まらないということであると私は思うわけでありますけれども……。 もう一つ、「防衛費はGNPの一%をメドとすることは閣議で決めている。初めから一%を超えることを考えてやるべきではないと思うが、結果として一%を超えることもありうるとは思う」ということは、どういうことを頭に置いておられるのか。私は、そのGNP一%以内ということは、今後GNPの伸び率あるいは防衛費の動向によって左右される点があろうかと思いますけれども、「防衛計画の大綱」を達成するということを基本とした場合、一口でその「防衛計画の大綱」を達成するということは容易なものでないだろう、こういうふうに思っております。 たとえて言うならば、一機当たりの価格、一隻当たりの価格、それにバッジシステム等の近代化等を考えたとき、五三中業はまあまあ一%内におさまるにしても、五六中業に入るとGNP一%は超えるのではないか。そういう問題が真剣な課題になっているからこそ防衛庁長官は結果的に言って一%を超えるのではないだろうかとおっしゃっているのではないかと思いますが、その点はどうお考えでしょうか。
○伊藤国務大臣 まず、先ほど七・五%の問題を申し上げましたけれども、これにはわれわれは初めから人件費は含まれてない、これは別だ、概算要求で出した七・五%は人件費以前の問題でございますから、これは別だということで申し上げておきます。 それから、GNP一%の問題は、これはもう閣議決定がすでにあり、その方針に従っていまやっておるわけでございます。また、鈴木総理もしばしば国会その他で言明されておるとおりでございまして、鈴木内閣の一員としては、この節度ある整備ということ、効率的な防衛力の整備ということを念頭に置きながら、GNP一%に関する閣議決定を念頭に置きながら、大変むずかしいのでございますけれども、大綱水準の達成が一日も早くできますようにぎりぎりの努力を今後とも続けていく必要があると考えております。 しかしながら、このようなぎりぎりの努力を行ったとしても、なおいまも鈴切委員お話しのとおり、大綱水準達成等のため防衛関係費の対GNP比が一%を超える必要があると判断される場合があるかもしれない。その場合は、防衛庁としては、その必要性を明らかにし、国防会議等において審議をお願いをしていただくことになろうと思いますけれども、まだそのことにつきましても、先ほど鈴切委員御指摘のとおり、GNPの成長率も流動的でもございますし、期間内の防衛関係費や対GNP比がどのようになるかについては明確な見通しを得がたい状況でもございます。またその必要が生ずるかどうか、あるいは仮に生ずるとしても、いつ何どきどういう状態になるか等につきましては、いまこの時点では判断できる段階ではないということを申し上げておきます。
○鈴切委員 最後でありますけれども、御存じのとおり、GNPは伸びない、価格は高騰している、こういう諸般の中にあって「防衛計画の大綱」を言うならば達成するということは、これは計算をしてみるとなかなか並み大抵のものでないというので、ここで防衛庁長官が結果的に言って一%を超えることもあるかもわからないというふうにおっしゃったということは、まあこれで大体わかったわけでありますけれども……。 防衛局長にちょっとお尋ねしますが、五六中業は、すでにことしの四月作業に入るときに、国防会議にかけて期間は五十八年から六十二年ということで、その間に「防衛計画の大綱」の線に到達することを基本として進められていると思いますけれども、五六中業の作業日程を終わって、具体的に国防会議におかけになる予定はいつごろであるというふうにお考えになっているのか。また五三中業の五十五年から五十九年度の五カ年間の整備目標をどうしても五六中業で見直しをしなければならないという点は、具体的にどういう部分があるのか。「防衛計画の大綱」そのものはもう変更しないでそのままで進んでいかれるのか。そして五六中業については、国防会議におかけになって正式に五六中業というものを国会にお出しになるという方針については変わりがないか、その点について最後にお伺いして終わります。
○塩田政府委員 まず、五六中業の作業日程でございますが、かねて申し上げておりますように、来春ぐらいまでをめどに防衛庁としての案を固めたい。その後、国防会議にかける必要がございますので、各省折衝をした上で国防会議に持っていきたい。その時期は、したがいまして、いま定かに申し上げることはできませんけれども、まあ来年の春以降できる限り各省折衝を早く詰めて国防会議に持っていきたいというふうに考えております。 それから、五三中業の見直しを五六中業の中でどういうふうに考えていくかという問題でございますが、いま五六中業の作業をまさにやっている段階でございますので、具体的には申し上げられませんけれども、五十七年度予算が決まった後、五三中業の進展状況を見まして、それに対応して五六中業の中でどう対応していくかを考えていく必要があろうかと思います。 それから、大綱の見直しは考えておるかということでございますが、先ほど先生もおっしゃいましたように、五六中業は大綱を達成するということをめどに作業しておるということでございまして、大綱の見直しということは考えておりません。
○鈴切委員 以上をもって終わります。
○石井委員長 中路雅弘君。
○中路委員 今回の給与改善勧告値切りの措置ですが、これはいままで慣熟した慣行を破壊するということだけでなくて、政府がいままでILOなどで公務員の労働基本権の剥奪を合理化する最大の論拠にしてきた代償機関である人事院の存在それ自体も問題になる非常に重要な問題だと思いますが、こうした値切り措置が公務員給与を所管する衆参の内閣委員会の外で、しかも衆議院でなくて参議院の行革特別委員会を舞台に行われたということは、私は非常に重要だと思うのです。 先ほど岩垂委員の質問に対して山地人事局長が、今回の一連の人勧の値切り措置は各党間の話し合いで決まったものだという趣旨の答弁をされています。私は大臣でも局長でもいいのですが、この各党間というのは、一体どの党とどの党がこの中で話し合いがなされたのか。わが党は入っていないわけです。どういう話し合いの経過でこうした値切り措置がとられるようになったのか。また、この問題について総務長官として、給与担当大臣としてどのような認識を持っておられるのか、まずお聞きしたいと思います。
○田邉国務大臣 お答えいたします。 本年度の人事院勧告の取り扱いに関する各党間のやりとりの経緯でございますが、政府といたしましては、この点承知はいたしておりませんので、御了承していただきたいと思います。
○中路委員 先ほど局長がお話しになったのは、もう少し局長から答弁願います。
○山地政府委員 ただいま総務長官がお答えいたしましたのは、各党間のお話があったけれども、それについては政府が関与していないということを御答弁いただいたわけでございまして、先ほど中路先生おっしゃいましたように、参議院の行革委員会の最後の段階で各党間のお話があった、その結果について私どもは知らされているということでございます。
○中路委員 私はこれは今後の問題としても非常に重要な問題だと思うのですね。所管の委員会が全くかやの外であって、しかも行革特別委員会の参議院の舞台でこういう問題の最終的な処理がやられる、しかも政府は知らない。これは大変重要な問題だということを最初に指摘しておきたいと思います。 今回の値切り措置が、一定の逆転防止措置をとっておりますけれども、事実上実態的には逆転は依然として残されたままでありますし、特に期末・勤勉手当については、先ほども質問がありましたが、三公社五現業の場合には新ベースで支給をされているわけですから、現業と非現業の間に不当な差別が生まれていることも事実であります。 しかも、公務員給与については、公務員法でも官民対応の原則や情勢適応の原則があるわけですし、これを踏みにじるだけじゃなくて、国公法では明確に「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」という給与の根本基準が決められているわけですが、これをも否定することにもなるわけです。現行の給与法四条でも、職員の俸給は、「その職務の複雑、困難及び責任の度に基づき、且つ、勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤務条件を考慮したものでなければならない。」と定めているので、財政事情が中心で公務員の給与が決められるというようなことは、先ほど大蔵省も何か財政事情を言っていましたが、そういうことは一切ここに書かれていない。 私は人事院総裁にお伺いしますけれども、公正、民主、科学的な人事行政の機関として自認している人事院として、こうした不法な値切り措置に対してどういう考えを持っておられるのか、人事院の存在意義そのものも問われている問題だと思います。今後の問題も含めてお考えをお聞きしたい。
○藤井政府委員 繰り返し申し上げておりますように、給与に関する人事院の勧告というものは、非常に基本的な問題につながることでございまして、事改めてここに繰り返す必要もございませんが、公務員についての労働基本権が制約せられざるを得ないという観点から基本権がそれぞれ制限を受けておるわけでございますが、これに対する代償措置ということで勧告制度というものが設けられておるのでございます。これは基本的な公務員制度自体の中核でございます。 こういうことから、従来もこの取り扱いをめぐってはいろいろ各方面で御論議もいただき、また御心配もいただきました結果、すでに昭和四十五年以来、時期、内容ともに完全実施というよき慣行が確立されて今日まで来ておるわけでございます。この勧告は、制度のたてまえからいって当然に尊重をされるという基本的な姿勢が貫かれなければならないというふうに考えております。 そういう意味合いで、国家財政をめぐる諸般の大変厳しい情勢あるいは行政改革の必要性、そういう諸般の情勢があることは、私自身も重々承知はいたしておりますけれども、それとこれとはやはり別個の問題でございまして、あくまで給与の勧告が基本的に尊重されなければならぬというのは、公務員制度の鉄則であると私は思っております。したがいまして、これについての制約あるいは削減措置というものが講ぜられたことに対しましては、諸般の事情を考慮に入れながらも、なお大変遺憾であるというふうに申さざるを得ないということは繰り返し申し上げておるとおりでございます。
○中路委員 いま人事院総裁も、この問題は公務員制度の鉄則であるということを話されているのですが、担当大臣として総務長官の認識はいかがですか。
○田邉国務大臣 長い間の人事院勧告に従って給与というものは実施をされてまいりました。しかし、今回の異常な事態、また経済情勢の非常に厳しい中で今回の措置がとられたわけでございますが、私といたしましては、円満な労使関係を維持していくためにも、でき得る限りの努力を払ってこの人事院勧告に沿って対応をしてまいりたい、そういう考え方でございます。
○中路委員 今後の問題と関連して、後にもう一度お伺いしますが、その前に、人事院総裁に具体的な問題でお尋ねしますが、今度の値切り措置と来年度の人勧との関係の問題です。 来年の公務員給与実態調査で、俸給表等について実際に支給されたものを使われるのか、すべての職員の給与改定が本年四月一日から実施されたものとみなした、いわゆる仮定俸給表を使うのか、あるいは期末・勤勉手当はどうされるのか、新ベースによる支給月数に引き戻して官民比較をやるのか、あるいは旧ベースのままの支給月数で官民比較をやるのか、いろいろな問題が出てくると思うのです。いずれにしても、来年度の人勧作業は従来になかった新しい問題をしょい込むことになるわけですが、いま例を挙げましたけれども、人事院としてこういう問題についてどう対処をされるのかということ。もう一つは、さっきは公務員制度の鉄則だという話もされましたし、削減は非常に遺憾だということも総裁はおっしゃった。そうすると、今回の値切り措置が確定した場合に、今後の人事院勧告等において何らかの補てん措置を講ずるお考えがあるのか、そういう点について二点お伺いしたいと思います。
○藤井政府委員 お答えをいたします。 第一点でございますが、今度の取り扱い措置は、これを内容とする法案としていま国会で御審議をいただいておるわけでございます。国会でもってどういう結論が出ますか、その上でのことであろうと思いますが、人事院の基本的な態度は変わりがございません。すなわち、いろいろな情勢がございましょうとも、従来のペースで来年度につきましても給与の勧告作業の基本調査というものは実施をいたしてまいります。すなわち、来年の一月になりますと、御承知のように一月十五日現在で公務員の実態を詳細に調査いたします。これをもとにいたしまして、四月における民間給与というものを調査、比較検討の結果、結論を出すということをやっておるわけですが、その基本的なやり方自体については変えるつもりはございません。従来どおりやってまいります。したがって、あくまで公務員の給与の実態の調査でございますから、実態が出てくるわけです。それについて仮定の俸給等のことは考えません。実態はあくまでこうだということでございますから、それとの比較でもって来年度はどうなるか。普通でいけば、ことしの場合、勧告が完全実施されたとした場合よりも削減があったとすれば、その点が端的に来年の差額の点に影響してくる、これは当然のことでございまして、その結果を厳密な資料のもとの積み重ねで結論を出してまいる所存でございます。 それから、今度値切られたことに対する将来の補てんの問題ということでございましたが、これは国会並びに内閣に対して勧告をいたしまして、法案の処理の形で国会でもって最終結論が出るわけでございます。したがって、それについてのわれわれの見解は、内心いろいろ思うこともございましょうけれども、これは最高の意思決定機関である国会で決まることでございますので、決まった結果というものは、そのままで受け取らざるを得ないということでございます。したがって、給与の取り扱いに関する最終の国家意思というものがそのように決定をせられた上は、本年度の給与勧告に対する取り扱いというものが最終決定を見るわけでございますので、その点については将来の調査の結果による校差の問題あるいはこれに基づく勧告の問題で処理をしていくということに相なりますので、したがって、ことしのいわゆる値切り分に対する補てん措置その他のことは、人事院としては考えるつもりはございません。
○中路委員 先ほど来の論議を聞いていますと、来年度もまた財源不足を口実にして値切られるおそれが十分あるわけですね。 私は、先日の十一月十二日の当委員会で、数年前までは少なくとも五%は組んでいたわけですが、五十六年度の予算には最初一%しか組まれていなかった、この問題について中山総務長官にお尋ねした際に、中山総務長官は、こう答弁されているのです。閣議のお話をして、「当日の記録にも明確に載っておりますけれども、私は、一%の予算編成方針というものには問題点があるのではないか、消費者物価上昇の予測値とかいろいろなものを含めて、この一%という数字についてははなはだ疑問を持つ、こういうふうなことを発言いたしております。しかし政府は、ここ数年来の歴史の中でごらんのように、人事院勧告が出た際には、それなりの財政措置をとってきておりますので、そのような措置をとりたい、こういうことで、私としてはこの予算の編成方針に賛意を表した」ということを言っておられるのですね。大臣は、一%に自分も大きな疑問を持っていた、しかし、勧告が出れば財政措置をとるのだという閣議の話だったから、自分は担当大臣として一応賛意を表したのだという答弁をされている。 それで、私はその後、これは意図的に財源不足がつくり出されるということではないかということで、内閣改造で総務長官がかわられる場合もあると思いますが、今後こうした事態が起きないように、次の大臣にも予算編成期にこの問題について全力を挙げてもらいたいという趣旨のお話をしてあります。大臣が今度かわられたわけですけれども、それについて中山前総務長官は、御指摘の点を十分踏まえて、公務員の諸君の期待にこたえられるように努力するということを答弁されていますが、そういう点で、来年度は二度とこうした不法な値切りは絶対にやらないと担当大臣として確約できるのかどうかという問題です。 それから、人勧の値切りの口実となったこうした最近の予算の措置、こうした問題について、少なくとも今年度の人勧水準並みにするか、人勧が出たときに必要な財源措置をとるという何らかの保証をやはり明確にすべきだというふうに考えるわけですが、大臣、いかがですか。
○田邉国務大臣 いま中山前総務長官のお話が出てまいりましたけれども、私も中山前長官と同じ考えを踏襲してまいる考えでございます。 また、予算編成も、五十七年度の予算編成の大綱が出てまいる時期になりました。したがいまして、私も、この問題については閣議の中で担当大臣としての意見を十分率直に申し上げ、円満な労使のこの慣行を尊重する上においても、大事な給与問題でございますから、十分これに対応をしていく考えでございます。
○中路委員 この点について、先ほど人事院総裁のお考えもお聞きしていますけれども、いま人事院勧告制度そのものが事実上崩されようとしている、問われているときですから、来年の勧告も含めて、人事院総裁からももう一度決意を伺っておきたい。
○藤井政府委員 現行の制度が存続されてまいります限り、給与勧告に対しての人事院の態度は一切変わりはない、また変えるべきではないというつもりでおります。したがいまして、来年度についても同じペースで、同じ方法で調査その他の基本的な問題も処理をいたしまして、必要があれば、所要の勧告その他の措置を講じていく、その基本的な態度は変わりはございません。
○中路委員 あと、もう若干しかありませんので一、二問で終わりますが、先ほど取り上げられました問題に関連して私もお聞きしたいのです。 防衛庁長官に対してですが、先ほどお話しになりました朝日新聞の十二月九日の「閣僚に聞く」という中で、防衛庁長官は「鈴木総理も在任中は一%を超えさせないといっておられる。私の在任中もこの方針に従いたい。」と言っておられますが、これは全く事実と違うのですよ。鈴木総理は、在任中に一%を超えない、そう言っていないじゃないですか。これはさきの臨時国会の参議院の行政改革特別委員会の締めくくり総括で、私どもの山中議員が、五六中業、いわゆる六十二年度までの五六中業の期間中も一%内というのを守るのかという質問をしています。それに対して鈴木総理は、こう答弁されております。五六中業の作業に当たっては、GNPの一%を超えない方針のもとに「防衛計画の大綱」を達成する、この方針に何ら変わりはないということを答弁されています。鈴木総理の在任中ではないのですよ。いわゆる五六中業の達成の中でもこの一%を超えないという方針に変わりはないという答弁をされているのですが、防衛庁長官が新任になって、この総理の国会答弁をここで覆して、少なくとも八三年ぐらいには一%を超えてもやむを得ないんだという話にこの「閣僚に聞く」という中では受け取れるのですが、この点では全く防衛庁長官と総理の見解も重要な問題で違うということになりますが、総理の見解と明らかに違うでしょう。あなたはそれで「私の在任中もこの方針に従いたい。」そうすると、六十二年まで防衛庁長官をやるつもりですか、お聞きしたい。
○伊藤国務大臣 総理大臣が答弁されたとおりでございます。
○中路委員 それでは、この朝日新聞の「結果として一%を超えることもありうる」ということだとか「鈴木総理も在任中は一%を超えさせないといっておられる。」というのは取り消されますか。
○伊藤国務大臣 総理大臣の答弁のかさの中の答弁として御理解いただきたいと思います。
○中路委員 F15とかP3Cも五十七年、八年に分割発注ということですし、そうなってきますと、五十八年度にはGNP一%も突破するのではないかということも言われている。そういう点で、こういう新聞の記事の中で重要な国会における総理の答弁が事実上崩されるということは大変けしからぬというふうに思いますので、その点は明確に私は指摘をしておきたいと思います。 最後に、一間ですが、これは簡略にします。 岩垂議員も質問された問題ですが、私は十二月の初旬に厚木の航空基地を視察をさせていただきました。今度P3Cの受け入れの司令部の鉄筋の三階建ての建物を見てきたのです。まさに米軍の司令部と隣り合わせ、一体のところにつくられていますし、格納庫はいま一個できたわけですね。しかし、現場の司令官の話ですと、二機しか入らないから、当然今後ともこの基地の拡張、格納庫の増設を含めてお願いしたいと言っています。現地で心配していますように、これは神奈川県も含めて、この基地の撤去については強い要望を出しているところですが、恒久化につながるということも明白ですし、第一、一機百十億も超える航空機です。先ほどお話しのように、アメリカでは財政難でP3C調達の中止も問題になっているわけですから、一層海外の購入価格も上がるということにもなってきます。しかも、先ほどの指摘のように、二十五日に入ってくる三機のうちの一号機は重要な個所に欠陥があるということが報道されています。すでに改善されたということが言われていますが、どういうルートで正確にこの一号機の欠陥の個所が修理をされたのか。もう四月に受け渡ししてから問題になっているわけですから、その経過を一言最初に簡単にお聞きしたい。
○冨田政府委員 ただいま御質問ございましたP3Cの欠陥の報道につきましては、米国におきましてFMSの調達をいたしました三機のうちの初号機、第一号機に切削工作上の欠陥があったということで、それの改修をいたしたということで、その報告はことしの九月に正式に受けております。
○中路委員 いずれにしましても、いま大変な財政難と言われている中で、これも防衛庁長官がこの「閣僚に聞く」というところで「世論の変化に悪乗りするようなことはやるべきではない。」防衛費の拡大について余りはしゃぎ回らないということも言っておられるのですが、悪乗りどころじゃないですよ。 たとえば、先日の読売新聞の世論調査で、いまの予算の中で一番最初に削るというののトップは、五二%が軍需費なんですよ。軍事費なんですよ。世論の一番トップにこれを削るということが挙がっている。削って困るというのは、五三%が社会保障費なんです。国民の世論ということになれば、これがいまの国民の世論なんです。 そういう中で、こうした膨大な価格の航空機を大量に購入するということは、私は中止をすべきだと思いますし、地元の神奈川県だけでなくて、たとえば地元紙である一般新聞の神奈川新聞も、十二月二十日にP3Cの配備に反対だという社説も掲げています。これが世論であり県民の声なんです。 最後に、防衛庁長官に、もう目前に迫っていますが、二十五日の配備について中止をさせる考えはないかどうかをお聞きして、終わりたいと思います。
○伊藤国務大臣 中止をする考えはありませんけれども、本日の委員会のいろいろの御論議は十分参考にいたしまして、これからの防衛問題に取り組んでまいりたいと思います。
○石井委員長 これにて質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○石井委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤信二君。
○佐藤(信)委員 私は、自由民主党を代表して、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。 これら四法案の内容は、本年八月の人事院勧告に基づき、一般職及び特別職の職員並びに防衛庁職員の俸給及び諸手当の改善を行うとともに、俸給月額の改定が一年延期されることとなる指定職及び本省課長等の職員に係る退職手当の額の計算について特例を設けようとするものであります。 本年の財政事情は、大変厳しかった昨年よりもさらに厳しく、国債の残高が本年度末で八十二兆円に上ることに示されるように、国の行財政全体が危機的な状況にあり、政府においては、第二次臨時行政調査会を設置する等、この難局の打開に努力されようとしているわけであります。 このような中で、人事院勧告の取り扱いについては、政府としては、これを基本的に尊重するたてまえに立って検討を加えてきたところであり、臨時行政調査会の第一次答申、さきの臨時国会の終盤における各党間の話し合い等を踏んまえて決着を見たところであります。 政府としては、労働基本権の制約及びこれまで維持されてきた良好な労使関係、現下の厳しい財政事情、行財政改革が推進されている中での国民世論の動向等を総合的に勘案しつつ、人事院勧告の実施のために誠実に可能な限りのことを尽くした結果、臨時、緊急の措置としてその取り扱いを決定したものであり、現下の厳しい経済社会情勢と窮迫した財政状況等を考慮すれば、十分とは言えないが、今回の措置の内容はやむを得ないものと考えます。 以上の理由をもちまして、私は、自由民主党を代表して、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について賛成するものであります。 以上でございます。(拍手)
○石井委員長 次に、上田卓三君。
○上田(卓)委員 日本社会党を代表して、一般職職員給与法一部改正案等四案に対し、反対の立場から討論を行います。 今回提案された一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、給与改定財源の九百億円、人事院勧告の〇・四六%を値切ったものであります。もしこれが成立するならば、戦後二十数年にわたる勧告制度の歴史と、十年間の四月完全実施の慣行を政府みずからが否定し、公務内における近代的労使関係確立のための幾多の血のにじむ努力とその犠牲を一夜にして無に帰すこととなるのであります。 現行の勧告制度は、公務員労働者から労働基本権を剥奪した代償措置として位置づけられてきたが、公務員労働者の賃金、労働条件の最も大きな解決手段を一方的に否定する限りにおいて、もはや代償措置論は成り立たないし、同時に、憲法に保障された生存権を公務員労働者から奪う行為と言わざるを得ないのであります。 そして、このことは民間、三公五現に準拠し、社会一般の情勢を反映して勧告される現在の官民比較方法への政府の不当な介入でもあるからであります。また、ひとしく労働基本権剥奪の代償と位置づけてきた仲裁裁定と人事院勧告の取り扱いを区分することは、官公労働者に差別と分断を持ち込むことにほかならないのであります。 公務員二法の強行、行政改革による首切り合理化、そして人事院勧告の値切りと続く一連の公務員攻撃の諸政策は、単にそれのみにとまるのではなく、必ずや他の労働者、勤労国民に波及する質を持った攻撃であります。それは財界主導による第二臨調答申を錦の御旗とし、軍事費を聖域にし、福祉や国民生活を犠牲にして行政改革を進めようとする政府・自民党の反国民的政治姿勢と共通するものであります。 わが党は、あくまで公務員労働者の労働基本権、生存権を守り、広く勤労国民の利益を守る立場から、今回の給与法改正案に強く抗議し、四案に反対の意を表明し、討論を終わります。(拍手)
○石井委員長 中路雅弘君。
○中路委員 私は、日本共産党を代表して、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案並びに国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対し、これら四案のいずれにも反対する立場から討論を行います。 まず初めに、一般職給与法案についてであります。 わが党は、指定職高位号俸の給与改善実施を一年間繰り延べるという形での高額給与の凍結に反対するものではありません。しかし、本案に賛成できない最大の理由は、民間労働者の賃上げ相場はもとより、物価上昇にさえ及ばない、きわめて不満足な給与改善勧告をさらに値切ろうとしていることです。 第一に、今回の値切り措置は、公務員労働者の実質賃金の切り下げ、人事院の不十分な代償機能の一層の空洞化、慣熟した健全な労使慣行の破壊を目指すものであり、断じて容認することはできません。 しかも第二に、今回の措置は、憲法の労働基本権保障規定への真っ向うからの挑戦であるばかりか、政府がILOなどで表明してきた公務員労働基本権剥奪合理化の最大の論拠をみずから否定するものであり、国際的な公務労働関係の趨勢にも逆行するものであります。 第三に、今回の措置が、国民生活攻撃、財界奉仕、軍拡推進の臨調路線に全面的に呼応し、恩給、年金など社会保障給付水準の低位平準化や、中小零細企業労働者など広範な民間労働者の賃上げ抑制の突破口とされていることであります。 こうした措置が、参議院行政改革特別委員会を舞台にした、わが党を除く与野党の合意のもとにやられたことについてもきわめて重要であると考えます。 次に、特別職給与法案と防衛庁職員給与法案についてであります。 これら二法案が、内閣総理大臣や国務大臣等の給与改定を据え置き、高級大使や高級自衛官、高級参事官等の給与改定実施を一年繰り延べたことはきわめて当然であります。しかし、秘書官や圧倒的多数を占める曹士自衛官などの給与改善を一般職に準じて値切ることは容認することはできません。 最後に、退職手当法改正案についてであります。 給与改善勧告値切りに伴う退職金の逆転防止を内容とする本案は、俸給や諸手当の逆転防止措置と同じように各給与法案に盛り込むべきところ、退職手当法がすべての国家公務員に適用されることになっていることから一本化されたにすぎず、一連の給与改善勧告値切り給与法案と一体をなすものであります。したがって、今回の給与改善勧告値切り措置に反対する見地からは、本案それ自体として一定の改良法案とはいえ、これに賛成することはできません。 以上、給与関連四法案に対する基本的な見地を表明し、あわせて、政府と人事院に対し、今回の値切り分を何らかの形で速やかに補てんする措置を講ずるとともに、今後再びこうした不当な措置をとることがないよう重ねて強く要求して、日本共産党を代表しての反対討論を終わります。(拍手)
○石井委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○石井委員長 これより順次採決に入ります。まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○石井委員長 本日は、これにて散会いたします。午後三時二十分散会 ――――◇―――――