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96回国会衆議院1982/02/25

逓信委員会 第3号

発言数
135
登壇者
17
会派数
4
開催日
1982/02/25

会議録

水野清自由民主党

○水野委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りを申し上げます。  本件調査のため、本日の委員会に参考人として、日本放送協会理事田中武志君、日本放送協会理事渡辺伸一君、日本放送協会理事木村悦郎君、日本放送協会技術本部副本部長中村有光君、国際電信電話株式会社常務取締役児島光雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水野清自由民主党

○水野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

水野清自由民主党

○水野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久保等君。

久保等日本社会党

○久保委員 私は、まず最初に、少し電電公社の真藤総裁にお尋ねをいたしたいと思っております。  昨年新しく総裁に御就任になられてちょうど満一年を迎えたわけでありますが、大変な激職にもかかわらず大変な精力的なお取り組みで、最近は「電電ざっくばらん」等の本をお出しになっておりますが、私も中をちょっと拝見をいたしております。もう十年も電電公社の総裁をやっておられたかのような非常に具体的な数字等を駆使せられまして、縦横にいろいろ御意見をお述べになっておられます。非常な御努力と熱意をもって、国民にこたえる電電公社に成長させようということで、大変な御努力をされておりますことに、心から敬意を表したいと思うのですが、きわめてざっくばらんというような形で御意見をお述べになっておられるわけですが、いろいろと重要な問題等を当面抱えて御努力になられて満一年たたれた現在、御就任になられた当時に考えておられたお考えが一年の実際の御経験の上に立ってどのようになったか、そのことをまず最初に承りたいと思うのです。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 就任して一年過ぎましたが、端的に一言で申し上げますと、公社の中の人間の要素というものが、思っておったよりも非常に素直であり、また、納得する方法なり助言、指示をすればまともにその方向に向いて動こうとするまじめさがあるということをはっきりここで申し上げることができます。したがいまして、私がここに参りましたのは、独立企業、独立採算の責任を持っておる国営事業であるがゆえに、民間の企業の経営のやり方、考え方で公社に当てはめ得るものは当てはめてやってみろという御趣旨をいただいたものだというふうに解釈いたしまして、現在の公社の枠の中で実行可能なものがあればそれを実行に移していこうとして、一年間いろいろな準備行動をやったわけでございますが、社内の意識もずいぶん変わってまいりましたし、ことしから実行できるものを一つずつ実行に移していきたいというふうに考えております。大ざっぱに申し上げてそういうことでございます。

久保等日本社会党

○久保委員 先ほどちょっと申し上げた総裁の「電電ざっくばらん」というこの本ですが、総裁も率直にぜひ意見があったら批判をしてもらいたいというようなこともお述べになっておられるのですが、そういう意味で、若干総裁のお考えもなおお尋ねをいたしながら、私の意見も多少織りまぜていきたいと思うのです。  いま、人的な面では公社職員のまじめさといいますか、そういったことに非常に意を強うしておられるようなお話なんですが、一面また、総裁の特に指摘しておられます電電公社の経営基盤の問題、健全性の確保の問題、これを非常に強調しておられるわけですが、私、全くその点でも同感です。ただしかし、そのよって来った今日までの財政的な問題、この問題については総裁も触れておられるのですが、財政面についてはむしろ危機感をさえ持っておられるふうに見受けるわけなんですが、この財政基盤の問題について、しかもそれは思ったより以上に何か深刻な危機を迎えておるのじゃないかというふうにおっしゃっておられるわけでございます。第二国鉄になりかねない危機を迎えておるというふうに強調せられておるのですが、それは端的に言って、どういったところに具体的な原因があるとお考えになっているのでしょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 私、就任いたしまして、財務の内容の業務説明を聞きましてすぐ気がついたことは、私が予想しておったよりも債務残が非常に大きいということであります。一方、予算の数字の変化を見てみますと、支出は確実に毎年ふえております。いまだかって過去の歴史で支出が実際に減った歴史はございません。いまの体質、制度というものを考えますと、支出が減るということは、実際の行政の枠内で実現することはなかなかむずかしいなということを感じました。一方、収入の方は、高度成長の時代は日本の高度成長の伸びに応じてかなりの収入の増があった歴史を持っておりますけれども、日本の経済成長が世界的な経済成長の低成長下という影響を受けて低成長の傾向をたどっておりまして、この状態からしばらくの間抜け出すことができないというふうな常識から考えますと、支出の伸びと収入の伸びにギャップがございますので、日ならずして赤字が出てくるということは避けられないなというふうに見たわけでございます。  一方、そういうふうになった場合に、果たして対策としては、借り増しをしていくよりほか仕方がない。借り増しをするということは、さらに資金負担をふやして赤字を大きくしていくという過去のサイクルにほとんど同じような経過をたどるよりほか仕方がない。何か根本的な対策を立てぬ限り、現状の枠内、現状のやり方、現状の組織内、現状のしきたりということをかなりの部分捨てぬことには、この傾向から抜け出すことはできないなということを非常に強く感じておる次第でございます。

久保等日本社会党

○久保委員 どうも余り具体的な御説明がないのでぴんとこないのですが、世界的な情勢なり国内の経済情勢、御承知のように物価は年々歳々とにかく上がっていく、そういういわばインフレ的な要素を持っておる経済情勢の中では、仮に同程度の規模の工事を一つやるにしても、どうしても物価は上がる、人件費は上がる、そういったようなことで支出がふえていくのは当然だと思うのです。ですから、それはひとり電電公社だけの問題ではない、一般論として私はお聞きし、納得できる問題なんです。  ただ、総裁が電電公社の総裁という立場で、この「ざっくばらん」の中にも書いておられますように、「「このままだと、第二の国鉄になるぞ」という危機感を、このごろは強く持っている。電電公社に来るまでは「黒字決算であるし、政府に臨時納付金を納めているくらいだから、国鉄などと違って、もうかっている公社らしい」という感じであったが、実態を知れば知るほど、危機感はつのるばかりである。」「実態を知れば知るほど、危機感はつのるばかりである。」と言われておるのですから、電電公社特有の何か特別な危機的な要素、そういったことが御説明としてはぜひお聞きをいたしたいと思うのです。  電電公社の収入と言えば、これはもちろん通話料を中心とする収入が唯一の財源といってもいいと思うのですが、これ自体を戦後ずっと振り返ってみて、料金の値上げと言えば、通話料の値上げが行われたのは二十八年と五十一年です。もちろん、その間設備料の若干値上げ等を行ったことはありますが、通話料の値上げはとにかく昭和二十八年と昭和五十一年、その間約二十三年間。公共料金の値上げで、二十数年間値上げをしないでずっときたという例は余り私は聞かないのです。  そういった点を考えてみますると、ここ数十年の経過を振り返ってみると、料金の問題ということになると、単に電電公社の経営者だけの問題というよりも、国会自体が料金の問題にも参画し決定をしておる問題ですから、ひとり電電公社の経営者だけの責任問題ではないと思うわけです。そういう点では、われわれも一半の責任があるという立場で、電電公社の料金値上げ等については、国民に非常に関係の深い公共料金でありますから極力これを抑制をするという方針で取り組んできたつもりであります。  したがって、そういう経過もあって、いま申し上げたように、通話料の値上げ等は二十八年から五十一年まで上げられたことはないわけなんですが、そういう点を考えますると、もちろん当該の総裁初め全職員が相当大変な努力をしたということは十分に認めざるを得ないと思うのです。そういう状態の中でなおかつ、去年の一月に御就任願われて以来ここまる一年間、見れば見るほどますます危機感を深めているのだということには、それ相当の具体的な電電の特有の何か危機的な要素があるのかどうか、ここらあたりをひとつできるだけ具体的にお聞きしたいし、総裁としてはこういう場を通じて、そういうふうに電電公社が財政的な面で危機的な要素があるとするならば、これに対してさらに具体的な対策も考えなければならぬ、われわれ自体ももちろんそのことについて取り組まなければならぬ、かように考えるのですが、どうも総裁のここでお述べになっておられること等からは、いま総裁のお話があった程度のことは一般論として理解ができるのですが、電電公社特有の問題としては、まだ具体的な御説明とは私自体受け取れないわけです。その点をもう少し、それこそざっくばらんに、端的にひとつ明快にお答え願いたいと思うのです。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 まず、電電公社の収入といったものは一体どういうものかということを考えますと、収入の大部分は通話料、それから回線料、それからこれから情報産業が入ってきますが、要するに加入者がわれわれの設備を使う量によって決まるものでございまして、言いかえますと、公社の立場からそういうふうなものを積極的にふやすということができない性質のものでございます。ここに普通の民間の企業と違った性質のものがございます。要するに、平たく申し上げますと、こういう収入というものは行き成りのものでございます。公社自体に自主性がない。したがって、不景気になれば可処分所得が減ってまいりますので、電話をかけるということは必ず締めていくのがこれは常識でございます。私が民間におりましたときも、経費節約の第一項目に必ず通信費の節約ということを入れるぐらいでございます。これが実情でございます。  したがって、現在伸びております通話料を主体にした収入というものは、こういう景気停滞になりますと、かなり伸びが縮んでくるというふうに考えざるを得ません。そして、それをふやすということがわれわれには力がないわけでございます。したがいまして、収支のバランスをとるためには、出銭を切っていくよりほかに収支のバランスをとる方法がございません。ここのところが公社の経営の特質でございます。普通の民間の企業でありますれば、収入をふやすということは社員の努力によってふやす余地を持っております。力を持っております。技術なり設計なりみんなの勤労意欲なりということで、マーケットのシェアを広げることができます、新製品をつくるとかいうことで。しかし、われわれにはその力はないわけでございます。それで、そういうことが一つ特質的なものでございますので、出銭を収入に合わせて減らし得るという自由度を普通の企業以上に強く持たない限りにおいては、この問題は解決できないというふうに私は思っております。  で、この辺が電電の特有性的なものでございまして、家庭におきましても考えてみますと、電力は一時間でも停電されては大きかダメージを受けますけれども、あるいは地域社会も同じでございますけれども、お金がなければ電話は倹約することができます。この辺がまた、いよいよ行き詰まった生活状態あるいは行き詰まった経営状態の中では、一番かげんしやすい公共料金でございます。要するに、不況に弱い性質を持っておるということはわれわれ十分考えておかなければいかぬ。  過去は、日本全体の高度成長、しかも公社がスタートした時分に、日本の電気通信設備というのは世界の同等の国に比べてはるかにはるかに後進性が強くあったわけでございますから、したがって、急速な膨張を要求されたために、いま先生もおっしゃるような現象はわりあいに楽にしのぐことができたわけでございますけれども、現在、われわれの電話普及度といいますのは先進国の中で一流の姿になっておりまして、これ以上普及率を上げる要求が世の中から出てくるとは考えられません。それやこれや考えますと、値上げをすれば、国鉄の場合よりもなおかつ客離れはひどいと考えざるを得ません。ここのところにもまた、企業の性質として大きな弱点を持っておるわけでございます。この辺のことを経営の責任者としていろいろと考えてまいりますと、いまどうかして考え方を変えないと、非常に危ないよという意味のことを申し述べておる次第でございます。

久保等日本社会党

○久保委員 本の九十六ページに、「構造的にみると、病巣が進行していることが分かる。いまのままで放置しておくと、病気が広がり、取返しがつかないことにもなりかねない。」これは、言葉としては非常に危機感を訴える表現だと思うのですけれども、いまお聞きするような御説明ですと、これは電電公社の性格からいって、ひとつ大いに電話を使ってくれと言って宣伝して歩くといっても、そういったことによっての効果は確かに余り期待できないというようなこともあるでありましょうし、それからまた、できるだけ支出を抑えていく、借入金の増大は極力抑えていく、これは当然のことだと思うのです。いま言う病巣がだんだん深まっていっているのだという見方は、もう少し何かぴんとくる御説明がないとどうもよくわからない、そういう感じがいたします。  総裁いろいろと非常におもしろいことも言っておられるのですが、電電語あるいは日本語というようなことも言っておられます。この電電語と日本語という話も、総裁が具体的に挙げておられる例で、私もちょっとよくわからないのですが、あるいは真藤流表現ということなのかもしらぬのですが、たとえば二十九ページ、三十ページ、三十一ページというあたりに具体的な例として挙げておられる問題。要するに、総裁は、電電特有の言葉というものは常識的でないというようなことで言っておられるのですが、「物事を判断する常識が、一般の常識ではないということだ。」「例えば、」ということで例を挙げられて「「電電語」ではこうなる——公共料金の中で、電電公社は値上げしていないどころか値下げしている。さらに四八〇〇億円の納付金を納めている。おまけに、これまで払ってきた〇・四カ月の手当をとり上げるなんて、どこまで搾りあげるんだ。」しかし、日本語ではこうなるのだ。日本語では、「電電公社はたっぷりもうけている。遠距離料金は世界の何倍も高い。ヤミ給与もあるらしい。しかもそれを不正経理手続きで出しているらしい。そんなカネがあるなら料金を値下げしろ。」これが日本語だと総裁は言っておられるのです。しかし、これでは事業に対する正しい理解に基づく日本語だとは言えないと私は思うのですね。要するに、「たっぷりもうけている。」いま総裁がるるお述べになったように、そんなにたっぷりもうけるどころではなくて、経営的にはだんだんと危機を深めていっているのだという認識を総裁自体が持っておられるとすると、日本語でこういう表現をするような形で理解されていることは、実は誤解に基づく日本語だと私は思うのですね。ところが、それが正常な常識に基づく日本語であって、四千八百億円を取ったりなんかするのはけしからぬ、手当なんかも取り上げるといったようなことはけしからぬということは電電語であって、一般の常識ではどうもおかしいのだというふうに書かれておるのです。  私は、電電語というからどういうことを言っておられるのかと思ったら、要するに、電電特有の発想なりあるいは物の考え方が総裁の言う電電語の意味らしいのですけれども、ここで具体的にお述べになっております「電電公社はたっぷりもうけている。遠距離料金は世界の何倍も高い」のだというたようなこと、これは確かにそういう見方をされる国民はおられると思うのですね。しかし、これはいま言った、実態を十分に理解せられない向きですから、電電公社としては、そういう方面に対して十分に真相といいますか実情を訴えていく、正しい理解を求めていく、これは総裁の言われる広報活動を大いに活発にして、そういった誤解のないようにしなければならぬと思うのですが、そういう誤解を持って見ている見方が日本語的で常識的なんだというのは、私はいささかどうも理解できないのですね。しかも、ここにお述べになっておられますように、値下げしているということも事実だし、四千八百億円の納付金を納めているということも事実なんだし、その事実を事実としてしゃべること自体が電電語なんだというふうに受け取れるのですが、この点はどうお考えでしょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 私がそこで言いたいことは、いま先生のおっしゃったように、世の中に実態を知らせなさ過ぎておる。私は基本的に、国営の独占企業体である限りにおいては、当事者の方から積極的に実態を世の中にPRする義務があると心得ております。それがなされていない。なぜなんだ。いまおっしゃるように、誤解に基づくのが日本語というのはおかしいとおっしゃいますけれども、いまの日本語は、日本全体の大部分の方に知らされていないのだからそういう日本語になってしまっている。要するに、日本語が正しくて電電語が間違っておるということではございませんで、比較対照するとそうなるということですね、現在の姿においては。PRをしなかった、足りないのだということ、なぜPRをしなかったのか。私が入ってみますと、いまはもう大分根本的に考え方は変わりましたけれども、できるだけ外部に実態は説明しまい、説明しまいという強い空気があったことは、もちろんそれは不正経理の問題なんかがあったからなおさらだったと思いますけれども、そういうふうな空気があったことは否定できないと私は思っております。もちろん、この不正経理なんかが起こるのも、見せまい、見せまい、それで何とかなるだろうという空気が組織全体にあったからああいう事件も出てきたのだ、根はそこにあると思うのです。ですから、国営の独占企業体というものの弊害がそういうような形で端的にあらわれてきたのが不正経理だと私は見ております。したがって、独占企業の弊害をなくするということは、そういうことをはっきり社員に、少々ディビエートした方向からでも刺激を与えて考え直させるという必要があろうと思いまして、そういうことを入れてあるわけでございます。  私、もともとその原稿は社内出版物としてやるつもりでかかったのでございますけれども、そういう考えなら世の中にも見てもらって、あなたの言う電電の姿を世の中に理解してもらう一つの方法としてやったらどうかという勧めを受けまして、途中で急遽内容を少し書きかえて出したのがその本でございますが、そういう意味で、そういうことを入れてあるわけでございます。要するに、正しいか正しくないかというのではなくて、現実にそれだけの違いがあるのだというのを見せたかったわけでございます。

久保等日本社会党

○久保委員 この本の中で言っておられるお話と総裁のいまの御説明とは、何か少しぴんとこない、食い違ったような感じがするのです。要するに、電電語というのは一般の常識ではないんだ、常識的な言葉ではないんだということを言っておられるわけなんでして、物事を判断する常識が一般の常識ではないということだ、そういうふうな、何といいますか、定義というか、お考えのもとに、先ほど私が申し上げたようなことについて、それは電電語だというふうにおっしゃっておられるわけでして、私は、もちろん不正問題については徹底的に究明をしなければなりませんし、また同時に、国民の前にも明らかにすべき点は明らかにしていかなければならぬと思うのですが、これは経営全体の問題について言える問題でして、当然だと思います。したがって、隠すだとかあるいは何か臭い物にはふたをする、そういったような措置は当然とるべきではありません。そういったことについては厳密にやってまいりますことは大事だと思うのです。  ただ、先ほど総裁の挙げておられる具体的な例でちょっとお話をしたのですが、その点については、総裁がいま御答弁になられるように、十分な説明をする、理解を求めるための努力をする、そういったことが必要なことは当然ですし、従来そういった点について万全であったかと言えば、万全でなかったというお話も、私も全面的にそういった点ではお話がよくわかるわけなんです。しかし、この中に書いておられます具体例は、どうもいま総裁の御説明とは多少ニュアンスが違うと私は思うのですが、いずれにいたしましても、とにかく不正問題をただし、また真相については国民の前に明らかにする、また経営そのものについても国民にできるだけ周知をし理解を求めていく、これはもう当然大事な問題でありますし、今後一層御努力をせられることが必要だと存じます。  ただ、経営問題について、財政基盤の問題について、いま非常に窮屈な経営形態の形にもなっておりますが、しかし、総裁が特に危機的な状態にあると言う中に、私がさっきちょっと申し上げた、たとえば納付金の問題であるとか、あるいはまた、そういう中で、遠距離通話の問題にいたしましても、昨年総裁になられてからも値下げをおやりになったわけです。もちろん料金の値下げのできる部面は積極的に値下げをしていくことが正しいと思うのですが、しかし片方においてはまた、いま総裁がお考えになっておるように大変危機的な様相なんだという事態があるとするならば、これまたそれに対する手当てをしなければならぬと私は思うのです。そういう危機的な状態にあるならば、今後料金問題を中心にして一体どう対応しようとしておられるのか。  そうでなくても、例の拡充法と言われます、加入者の電話債券の発行を五十八年度からはやめなければならぬ。明年度の予算案にいたしましても、二千六百億円程度の債券発行による資金確保が予算として計上せられております。そういう中で、五十八年度から電話債券の発行がいわばできないという、一体そういう資金的な手当てをどうするか、これはきわめて具体的な問題であり、五十八年度からの問題でありますから、当然いまから考えて手をつけなければならぬ問題だと思うのですが、こういった財政問題に対する問題をどうお考になっておりますか。特に拡充法廃止に伴う資金手当て問題、具体的な問題ですからお尋ねしたいと思うのです。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いまおっしゃるように、五十八年度から拡充法に伴う加入者債券の金融措置ができなくなりますが、したがって、私いまやっておりますのは、とにかくいまの枠内であらゆる努力をやって、支出の削減ができるんだということを実現するということでございます。要するに、従来長い間やってきました予算生活という概念を公社員に捨てさせることでございます。これができれば支出の削減の実績が積み上げができると思っております。また、公社の人間は、去年の四月から月次決算をやらして、お手習いの月次決算を始めておりますが、さっき申しました、まじめな生一本なところがございますので、いろいろなひずみ、論議は起こしながらも、五十六年度の支出は、かなり予算と大きく乖離する実績が出そうでございます。したがって、これを五十七年度でさらに程度を上げまして支出の削減の力を持っておるということを見せて、収入と支出のギャップをできるだけ縮める力を持っておるということを見せた限りにおいては、加入者債券がなくなりましても、世間の債券市場の信用というものは確保できるというふうに思っております。債券市場の信用を確保できるか否かということは、制度の問題ではございません。その企業自体に活性があるかどうかということが、要するに支出を収入に合わせてコントロールできる力があるかどうかということが、債券市場にとっては、国営であろうが民営であろうが何であろうが、それが唯一の信用の源泉でございます。したがいまして、その力を見せることができるかどうか、五十七年、五十八年で勝負しなければならぬわけでございますが、そのためには、現在の、今日まで行われた予算統制あるいは公労法に基づく人事統制というものに対して、かなり抵抗をしなければ実現しにくいんじゃないかというふうに思っております。現状においてはお手習いでございますからそこまでまだ切り込む必要もございませんが、それでもかなりの数字が出てくる。申し上げますと、みんなが本気になれば何も——すぐこういう企業のときに決まり文句になりますが、人員の削減という言葉が必ず合理化という言葉の中に出てきますが、そういう実際問題としてできないことを条件にしてやらなくても、できる可能性はあるなというふうに、いま少し自信ができつつあるところでございます。ただ、従来長いこと習慣的にやっております予算統制のあり方、あるいは人事統制のあり方ということに対しては、かなり修正していただかないとこの問題はできないだろう、低いところに限度があるんだろうというふうに見ております。

久保等日本社会党

○久保委員 総裁の言われんとするところは、要するに、支出をできるだけ削減をする、一方においては、できるだけ公社に信用度を高めていくことによって金融界方面からの協力を得ていこうというお話ですから、端的に言えば、要するに足りないところは借入金をする以外にないじゃないか、こういうお話だろうと思うのですが、その借入金を借りるにしても、信用がなければもちろん金融界の協力を得るわけにはいかぬと思う。そういうことだろうと思うのですが、しかし、それは拡充法の廃止に伴って、さしあたり五十七年度は約五千六百億円近い資金手当てが行われるわけですが、二千六百億前後のものを、支出の削減、あるいは一方においては借り入れをどの程度お考えになっておるのか知りませんが、いずれにしてもとにかくどこかから借りてこなければならぬというようなことになりますことは、まさに財政的な基盤から言えば非常に大きな問題だろうと思います。  私は、そこで総裁に、支出の削減と言われるが、また一面においてはINS問題、これは非常に一つの今後の大きな目玉にしようという抱負を持ってすでに明年度の予算案の中にも若干の資金の計上がなされておりますが、そういう点を考えますると、支出の削減といってもそう大きな金額を考えるわけにはいかない。特に、いま総裁のお話があったように、合理化なんというような形で人員の削減なんというのを考えているわけじゃない。また、われわれも人員の削減なんという問題についてはもちろん強く反対をせざるを得ないと思っておりますし、また総裁もそういうことを考えておられないようなお話がありましたが、そういうことになってまいりますと、なかなか支出を抑えるといってもこれまたむずかしい問題だと思います。  したがって、そういう点に対する問題としては、財政的に楽観を許さないという総裁の指摘は私は正しいと思うのですが、しかし、本年度から始まった例の千二百億円、これらの問題は総裁余り触れてもおられないのですが、私は、こういったいわば政治的な要請に基づく突如としてあらわれてくるような問題、これについては、企業を預かる立場から言えば、納得できないものはやはり納得できないという形で取り組んでもらわなければならぬと思うのです。これは総裁のおいでになる前にほとんど話が決まってしまったような問題でございまして、そういう点では真藤総裁の問題ではないと思うのですけれども、われわれもやかましくその点については政府に反省を求め、強く申し入れ等も行ってまいったわけでありますが、こういう形のことが突如として行われてまいるということになれば、経営はそれこそ根本的に大変な危機を迎えてまいることになると私思うのです。そういったことがいわゆる電電の危機的な原因として考えられるわけなんでして、総裁、こういった問題について、私は、ぜひ、電電公社の経営基盤が危うくなるようなことについては、特に外的な問題、外的な要請に基づく問題等については、やはり経営者の立場でいって十分に理解を求めるような努力を対外的な問題としてしなきゃならぬと思うのです。内部的にいろいろ総裁おっしゃっておられるわけですが、そういうことはもちろんやらなきゃなりませんが、同時に、総裁が言っておられるように、いろんな制約がある。言葉をかえて言えば、要するに制約という中には、四千八百億円というような金が突如として出てくるのは、まさにこれは最たるわれわれの納得できない問題だと私は思います。  そういうことで、とにかく危機的な問題の視点が若干どうも総裁のお考えになっておる危機的な問題と私の考える問題点はちょっと違うことを指摘をしておきたいと思うのです。  同時に、総裁の言っておられるINSの構想問題、これは新年度、五十七年度の予算の中で経費を四百二十五億ですか計上しておられるのですが、これを少し具体的に、経理局長なりどなたかで結構ですが、四百二十五億の五十七年度におけるINS構想に対する具体的な計画は一体どういうものか、お尋ねをいたしたいと思うのです。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  INSの基盤形成に向けまして五十六年度からすでにスタートはしておるわけでございますが、事業計画の形で比較的はっきり打ち出したのは五十七年度でございます。その具体的な内容につきまして、まず、先生ただいま御指摘の四百二十五億円、これは研究開発費でございまして、そのうちの研究施設費でございます。この中にINS形成のためのまずプラントシステム、パイロットプラントといいますかモデルシステムといいますか、このための建設を東京の三鷹地区で現在予定をしておりまして、このうちの五十七年度の所要経費として四十億円を計上しておる、あるいは現在厚木で建設中の超LSIのための第四通信研究所と仮に呼んでおりますが、このための建設費を通常計上しておる。こういったものが研究施設費の四百二十五億円の中に含まれておるわけでございますが、INS関係の事業計画としましては、これはそのいわば一部でございまして、このほかに、まず交換設備、つまり市内あるいは市外の交換機といたしまして、ディジタル交換方式による交換方式を五十七年度から着工する。五十六年度も一部ございます。これは市内外合わせまして十八局の建設を予定しております。  それからまた、新技術をアプライいたしました光ファイバーケーブル、これの布設につきましても、五十六年度は十二区間でございましたけれども、五十七年度につきましては四十区間の布設を予定する。  それからまた、伝送路のいわゆるディジタル化の計画につきましても、これも五十六年度からすでにやっておりますが、五十七年度につきましては、たとえば同軸ケーブル八十七区間の工事のうち四十八区間はディジタル方式で行う。また、マイクロウエーブ百八十六区間のうち百二十八区間はディジタル方式で行う。  こういったところが基礎施設のいわばINSに向けての施設になるわけでございます。  このほか、いわゆるサービス工程、具体的にお客様のすぐ手の届く範囲にあるものとしましては、代表的なものはファクシミリ通信サービスがございます。これについても、いわゆる電話網、電話のネットワークを利用するものではなしに、昨年の秋から実施をいたしましたファクシミリの専用のネットワークの形成に取りかかりまして、すでに東京、大阪、二都市だけでございますが、サービスを開始しておりまして、これを順次、今後数年全国の主要都市において御利用できるように拡大していこうという計画も五十七年度の予算の中に織り込んでございます。  こういったいわゆるディジタル方式のための投資あるいはアナログ方式であっても非電話系のサービスにかかわるもの、こういった投資額を概算いたしますと、一兆七千二百億円のうち約二千五百億円程度をこの五十七年度の予算の中に織り込んでおるわけでございます。  以上が概要でございます。

久保等日本社会党

○久保委員 ディジタル化だとかなんとかいろいろあるのでしょうが、もう少し焦点をしぼって、INSのモデルシステムといま言われたですが、そのモデル的なものをやるのに、一体一年で済むのか二年か三年か知りませんが、そういった期間をある程度設定をし、それからその地域を設定し、やるのでしょうから、そういった具体的な構想が例の三鷹、武蔵野市あたりで計画してやっておられるのだろうと思うのですが、その問題に焦点をしぼって、もう少し系統立った御説明を願いたいと思うのです。

山口開生日本電信電話公社総務理事

○山口説明員 お答えします。  ただいま具体的に武蔵野、三鷹でモデルシステムを構築するということにつきまして、この主体は研究所が中心となりまして、いま交換機なりあるいはディジタル系の電話機あるいは非電話系の宅内装置について開発を進めておりますが、この全体のモデルシステムに要する経費としましては、百億円を予定しておりまして、五十七年度、来年度から工事に入りまして、五十九年度から総合的なサービスに入れるものと思っております。総合的なサービスに入りまして、これはお客様に一応モニターの形で加入していただく。現在そのことにつきましては関係方面あるいは市当局等と打ち合わせ等を持っておりますけれども、最終的にはまだどなたがモニターになっていただくかは決まってはおりませんが、いずれにしましても皆さん方に加入、テストをしていただきまして、その意見を将来の本格的なINSの構想に向かって取り入れていきたい、こういうふうに思っております。建設工事が始まりましてから、このテストを大体五年ぐらい予定をしておりまして、そういうふうに現在進めているところでございます。

久保等日本社会党

○久保委員 サービス開始は五十九年度ぐらいからになるわけですか。そうすると、百億を五十七年度、五十八年度あるいは五十九年度にもかかるかもしれぬのですが、どういう経費の割り振りになりますか。それから、加入者のサービス対象の世帯数なり加入者数、どういうふうに変わりますか。

山口開生日本電信電話公社総務理事

○山口説明員 二年間でただいま申しました設備費としまして約百億でございます。二年間の工事が終わりますと、あと総合運用に入るわけでありますが、大まかな内容といたしましては、約一万の加入者の方を対象としまして、そのうち二百か三百ぐらいのお客様にディジタル系の電話機をおつけします。それから、あと八百ぐらいの加入者の方に非電話系の宅内ファクシミリだとかあるいはそういったものを考えておりますし、そのほかにもたとえばPBX等につきましても、PBXに現在銅線でメタリックの加入者回線を引いておりますけれども、これに光ファイバーも使いましてPBXにお使いいただきたい、こんなようなことも考えております。  なお、武蔵野、三鷹以外にも、東京の加入者にも一部伝送をしてまいりまして御利用いただきたい、このように考えております。

久保等日本社会党

○久保委員 五十九年度からサービスを開始し、どのぐらい実験をやれば、あとさらに今度はいよいよ本格的といいますか、全国的なやれるところからやってまいるというようなことになってまいるのだろうと思いますが、しかし、なかなかこれは技術的な点から考えても大変ですし、金の点からいっても大変だと思うのですが、大体このモデルシステムそのものの実験期間というのは、どの程度の期間を予想しているのですか。

山口開生日本電信電話公社総務理事

○山口説明員 先ほどもちょっと申しましたけれども、工事から運用開始いたしまして総合的に五年間ぐらいを考えております。その後実は科学万博が筑波でございますので、そちらの方にもその成果を直ちに使っていきたいということを考えておりますが、こういったものを踏まえまして、六十年あるいは六十五年、七十年、こういった大体五年刻みのところで一つのステップを考えておりますが、現在、じゃ六十五年に全国どういったところでINSのサービスを具体的に始めていくかということにつきましては、まだ詰めておりません。しかし、いずれにしましても、先ほど経理局長も御説明申し上げましたように、すでに交換機につきましては、あるいは伝送路につきましてもディジタル化を進めてまいっておりますので、こういったものが全国的なネットワークを早く構築するということがつまりINSの構想に向かっていく、こういうふうに理解しております。

久保等日本社会党

○久保委員 わかりました。  それで、私いままでもお話を総裁から伺ったこと等を取りまとめて、やはり今後の財政基盤の確立という意味、それから、いま言った新しいINS等の事業をやっていく、そういったこと等をにらみあわせて、結局、通話料等を中心にする料金の問題これをどうしていくか、非常に大きな課題だと思うのです。それから同時に、現在の料金体系の問題、これそのものを、料金の値上げだとか値下げだとかそういうことを別にしても、料金体系の問題として、これを何とかもう少し整合性といいますか、バランスのとれた、体系としておかしくない料金体系というものをつくってまいらなければならない、これはもう長い間かねがね問題にもなっておる問題なんですが、こういう問題についてどうお考えになっておりますか。いろいろと支出の削減を図ってまいる、当然のことであります。それからまたできるだけ増収も図っていく、これも当然のことでありますが、しかし、料金体系の問題に一体どう具体的に取り組んでいこうとしておられるのか、このことをひとつ承りたいと思います。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いつできるかわかりませんけれども、INSということと加えて料金体系というものを考えますと、遠近格差というものを理想的に言えばゼロにしないと、INSというものは成り立たないのでございます。実際問題として、INSが普及しまして、日本の社会にいろいろな新しいデータバンク業者というものができまして、それが有効に社会的な意味を果たすためには、東京にほとんど集結するであろうデータバンクを東京の人が利用する料金と、鹿児島の人が利用する料金と差がありましたのでは、本当の意味のINSにはならないのでございます。また、技術的に、INSという設備は遠近格差が非常に少なくできる性質のものでございます。したがいまして、これから漸次新しい電話以外のINSのサービスが一つずつ、ある地域からだんだん広がっていくと思いますが、この新しいサービスについては、遠近格差を極端に縮めた料金で始めるということをすでに始めております。たとえば、いまの新しく始めました電話ファクシミリは遠近格差がほとんどない料金で決めて、すでに実行にかかっております。そういうふうに新しいサービスは、遠近格差のないサービスあるいは遠近格差が非常に少ないサービスを次々に持ち出しまして、一方、現在の電話め料金の遠近格差の大きいものは、財務の許す限りにおいて、長距離の料金を少しずつでも下げていくという努力を重ねて、INSのある程度の普及が実現されまして、そこで財務の基盤の見通しがついたところで、電話料金もまあまあ世界の先進国並みの遠近格差まではさしあたり持っていく必要があるというふうに考えております。したがいまして、私ども当事者としてのポイントは、INSになっていこうがどうなろうが、総支出が総収入とバランスしておる限りにおいては、私がいま申し上げるようなことは実現可能だということは明らかでございまして、総収入と総支出のバランスを壊した限りにおいては何を考えても実行できないというふうに考えております。  ここで一つ問題になりますのは、財務の問題よりもむしろ人間の問題に問題がございまして、新しいINSの設備を運営いたしますのに必要なわれわれの職員の技術は、現在持っております職員の技術とかなり違ったものになってまいります。そのために、これから膨大な人数の膨大な再教育、再訓練、再配置がえというものをやらなければこのINSの方へ移行できないのでございまして、このINSの技術的内容のよくわかっておる人たちがいま皆悩んでおりますのは、銭があってもお客がついても、中の従業員の技術の再訓練をどうするかということでINSにかわっていくスピードが抑えられるのじゃなかろうかというのが現在の技術的な問題でございまして、財務の問題も、さっき申しましたように、財務がバランスとれておらなければこんな転換はできませんが、むしろ問題は、人間のそういう再教育、再配置、再訓練というものをどういうスピードでわれわれがやり得るか、これは全くもって職員のこういう転換をすることに対する積極的な意欲というものがなければできません。しかも、御存じのように、転換の一番むずかしい技術は、交換機をコントロールする、われわれの言葉で言いますとソフトと言いますが、交換機をコントロールするプロセッサーの調節が一番やっかいな仕事となります。これに非常に高度な技術と非常に多人数の人間が要る。ここにどう対処するかということが、実は経営の面では一番むずかしい問題だというふうに私ども了解いたしております。金はある、しかしながら人がないという現象がうっかりすると出てくる可能性が多分にございます。この辺は、われわれ公社の人事問題で、ほかの公社に全くない別の問題でございまして、特殊な問題でございまして、これをこれからどう具体化していくか、まだ表面には出ておりませんけれども、すでに実はそっちに向けて訓練のスケジュールはかなり大がかりに進めてはおりますけれども、果たしてそれで間に合うかどうか、まだ自信がございません。

久保等日本社会党

○久保委員 総裁が最後に言われた問題、これは非常に大事な問題で、そうでなくても従来から、電気通信産業、ここに働く労働者というものは、どうしても神経あるいは知能、こういったものを中心にした労働であるだけに、いろいろな他の産業には見られないような問題が現実に出てきているわけです。今度の日航の事故じゃございませんけれども、技術が非常に発達すればするほど、それに携わる労働者、人間、こういうものを一体どう職場環境を考えていくか、あるいはまた労働条件等の問題を考えていくか、これは非常に切実な問題だと思うのですね。その点に触れられて、その面から見て人員確保は非常にむずかしいんだと言われることは、全く私も同感です。しかし、これに対して、したがって全職員そのものに本当に意欲的な積極性を持たせるような環境と施策というものを考えていかなければならぬと思うのです。  それで、不正問題はこれは論外の問題でして、そういった問題が必罰されるのは当然のことなんですが、同時に、昔からよく信賞必罰と申しますが、信賞の方ももう少し積極的にぜひ取り組んでもらいたいと私は思うのですね。  この「ざっくばらん」を読んで、率直に言って、従業員の一般の気持ちから見てまことに無理からぬ、もっともだという受け取り方よりも、総裁そのものが一面からいくときわめて評論家的な御意見も見られないではないわけですね。だから、こういったことについて、電電公社の総裁というものは、現職の総裁なんですから、血の通った、やはり自分のおやじだ、自分の総裁だという感覚を従業員が持つような方向に指導することも非常に大事なことだと思うのですね。  そういう点で、私は先ほどちょっと電電語と日本語の話も持ち出したのですけれども、確かに、一般の評論家的な立場なり、あるいは一般の国民そのものが誤った理解の上に立った批判というものがあるわけですから、そういった批判というものはなくするように、電電公社は当然のことですがPRも積極的に行っていくということの努力が必要ですが、同時に、やはり職員の士気高揚という問題、これは非常に大事な問題だと思うのです。一万か二万の会社か工場でしたら、社長みずからほとんど毎日といってもいい、直接顔を合わせていろいろな話をする機会もあるでしょうけれども、全国三十三万のこの大組織体の中で、しかも山間僻地といわず全国各地に点在する職員を対象にして電電公社の総裁というのは、そういったことについて格段の御配慮を願いたいと私は思っておるのですね。たまたまいまお話があって、高度な技術の問題で、今後のそういった担当職員を確保すること自体がなかなかむずかしい、私、確かにむずかしいと思います。むずかしいと同時に、またいろいろな、人間疎外といったような問題も非常に大きな問題として出てきつつあるわけでして、電電の場合には特にそういう問題が今後深刻になっていくと私は思うのですけれども、そういうことについては未然に、平素から職場環境その他労働条件等の問題について格段の御配慮をいただかないと、事業というものはうまくいかないと思います。何といっても事業は人ですから、その方面についても十分に経験をお持ちの真藤総裁ですから、私の申し上げておることはまさに釈迦に説法かもしれませんけれども、どんなに強調しても強調し過ぎることはないと思って、私はあえて総裁にそのことを申し上げておきたいと思います。ぜひひとつそういう点の御配慮を願いたいと思うのです。  信賞必罰という言葉がありますが、必罰問題は最近いろいろやかましく言われている。批判にこたえて、もちろんこれは厳正に処理してまいらなければなりませんが、同時に、信賞の方についても、制度的に非常にむずかしい問題はあるけれども、これまた真藤総裁ならではできないような問題だと私は思って大いに期待しておるのですが、ぜひ御尽力を願いたいと思うのですが、いかがでしょう。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いま申し上げましたような将来が目の前に来ておりますので、働きがいのある職場という気持ちを、またそういう現実を実現化し得る人事管理のあり方がこれからの一番大きな問題になってくると思います。そういう面で、現在の制度及びその運用のあり方というのは、必ずしもいまのことを解決をしていくのにやさしい姿にはなっておりません。この辺のことを考えますと、まだ私、どうすればいいという方向を腹の中に据えるほどにはできておりませんが、もうしばらく時間をいただきたいと思っております。

久保等日本社会党

○久保委員 総裁のお答え、私の質問に必ずしも的確にお答えになっておらないのですが、職員そのものの気分といいますか気持ちといいますか、そういった問題についても御配慮を願って、要するにやる気を起こさせるようなそういう具体的な対策といいますか、処遇といいますか、そういったことについても格段の御配慮を願いたい、こういうことを申し上げたわけでして、ぜひひとつ一層の御努力をお願いしたいと思います。  次に移ってお尋ねしたいと思うのですが、地域集団電話の問題、これは昨年の例の法律改正によって逐次一般の加入電話に切りかえてまいろうということで法律が改正になったのですが、五十六年度、すなわち本年度実施をし、明年度でこれも何か全部片づくように明年度の予算案の中ではなっておりますが、なかなかそうは簡単にいかないと思っておったのですが、二カ年くらいで何か片づいてしまうようなお話ですが、現在の推捗状況、これはどういうことになっておりますか。本年度あたりの状況をちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。

稲見保日本電信電話公社業務管理局長

○稲見説明員 お答えいたします。  まず、マクロ的に地域集団電話の動きを申し上げますと、地域集団電話の加入数がピークを迎えましたのは四十七年度末でございまして、その時点では百三十七万八千。個所数と申しますかボックスの数で申しますと、これは四十八年度末三千八百三十四という状況でございました。その後、ちょっと集約して申しますと、四十四年度から昨年の十二月末までに一般加入電話に切りかわった数、これが累積で約百三十万でございます。  次に、いまお尋ねの現状でございますけれども、五十五年度末におきますところの地域集団電話の加入数は、個所にいたしまして七百七十四、加入数にしまして二十七万四千でございまして、これに対しまして、五十六年度は十四万加入、これを切りかえようという計画を立てまして、実績を見ますと五十六年、昨年の十二月末までに七万七千加入の切りかえを終わっております。この結果、昨年の末、五十六年十二月末には個所にいたしまして四百九十、加入数にしまして十三万一千、これだけの数が地域集団電話として残っておるという状況でございます。  今後、年度末、五十七年の三月末までにはほぼ六万三千加入、これの切りかえを行うように予定をしておりまして、年間の、先ほど申しました十四万加入、これの切りかえがほぼ達成できるであろうというふうに考えております。また、五十七年度には六万五千加入の切りかえを計画しておりまして、これが達成できますと、日本全体にわたりましておおむねすべての切りかえの要望にこたえ得るという予定でございます。  しかしながら、実際には地域集団電話のままでいいんだという場所もないわけではございませんので、私どもとしては完了する体制は持っておりますけれども、実際には何がしか五十八年度以降にも残るものがあり得るであろうというふうに考えております。  それから、ただいま先生お話しいただきましたように、地域集団電話の切りかえに当たりましては、地域のコミュニティーの円満ということも考えなければいけませんし、私どもの方の設備の経済性も考えなければいかぬということで、極力、個所ぐるみと申しますか全体がまとまって切りかわるというのが望ましいわけで、電電公社といたしましても、それに向けて今日まで最大限の努力をしてまいったわけでございますが、ただいまお話しのように、昨年公衆電気通信法の改正をしていただきまして、たとえば一%の方が切りかえをしたくないと言ってがんばっている、そのために九九%の人が便益を受けられないといったような場合は、十分判断を詰めた後に、いわば見切り発車と申しますか、それを実行するような道筋ができましたので、おかげさまで大分ピッチが上がってまいっておるというような状況でございます。現に、すでに岡山県の七百加入近い大規模な地域集団電話につきまして、ごく一部の人を除きまして見切り発車をしたという実績もございますし、年度内にも三カ所程度は見切り発車ということで、お待ちいただいている大多数の方の要望に応じるということができる見通しでございます。  なお、運用上はやむを得ずただいま申しましたように見切り発車になった場合、そのわずかに残った少数の加入者に対しましてもそのままにしておきませんで、私どもとしては、引き続いて極力、円満に任意に一般加入電話に切りかわっていただくというふうなお勧めと申しますか、そういう努力は継続してまいる考えでございます。

久保等日本社会党

○久保委員 次に、きのうも当委員会で御質問があった問題で、電話加入権の質権問題。これは、私も昨年の臨時国会の際にもお尋ねをして、公社の考え方もわかったわけですし、また、郵政当局の考え方もきのうあたりの御答弁で理解いたしました。ただ問題は、だから具体的にいつその法改正を行うのか、時間的な問題があると思うものですから、その法案の国会提出の時期等について郵政省の方から承りたいと思うのです。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 きのう多くの先生からこの問題が出まして、私どもの取り組む姿勢と申しますか、状況というか判断というか、そういうことを御説明したわけでございますが、私どもといたしましては、少なくとも現行法では、公衆法でございますが、三十八条四項で禁止が原則になっておる、その例外であり、暫定措置であるし、またその以前の国会のお決めが来年の三月末日まで、こういうことにもなっておる。他方、いろいろ御意見、御質問もございましたし、それからさらに国会への請願が多数出ておるわけでございます。したがいまして、その請願を受けました場合の請願の処理と申しますか、そこで国会の御意思というものが相当出るだろう。それを受けまして、またこれは例外措置でございますので、法務省の民事局とか法制局とか、いろいろ検討もせなければならぬ面もございます。したがいまして、そういう国会の意思を受けまして、積極的に十分目切れ法案として対処できるように、あるいは国会の意思がそこであらかじめ出ておりますと、後は国会での御判断だけというふうな御審議が、というふうなことも一応念頭に置きながら、十分間に合うように対処してまいりたい、このような線で考えておるということでございます。

久保等日本社会党

○久保委員 そうすると、少なくとも今国会に出すことはちょっと無理だという判断ですか。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 今国会中の請願の処理を受けてということでございますし、また、いろいろ検討せなければならぬ、打ち合わせせなければならぬ政府部内のこともございますので、今通常国会は無理だ、こういうふうに考えております。

久保等日本社会党

○久保委員 請願の結論を委員会として出すのは、いつも例によって国会の会期末に行うわけですから、その請願の扱い方についての結論は会期末にもちろん出るわけですが、私前にも申し上げたように、それからまた現在の質権設定の状況等を見たときに、従来の法制定等の経緯あるいはまたその後の情勢の変化にもかかわらず、実際問題として質権設定者が年々むしろふえるという状況を考えると、きわめて雰細な金額ではあるけれども、やはりそれだけ電話というものが大衆化したというか、国民の単に家庭に一電話というだけではなくて、東京あたりの大学に上京しているという学生個人が電話を持つといったようなこともあって、われわれから考えますと、昔のときほどにいわゆるやみ電話の値段というものが今日はほとんどない状態になっても、なおかつわずかばかりの金のために電話の通話が停止されるといったようなこと等もあったりして、案外思ったより以上に利用者が多いというのが現状だろうと思います。そういう状況を考えて、私は少なくともこれを延期することはやむを得ないし、やるべきだというふうに考えております。  同時に、時間がありませんからお尋ねしませんが、電電公社の立場からしても、この電話質権設定が事務的にもそれだけ手数もかかるわけだし、権利関係が複雑となることもあるかもしらぬが、しかし、反面、通話料不払い等の問題を金融業者等が中に立って立てかえ払いをするとかといった面でプラスになっている面も一面においてはあるというような話も私ちょっと耳にしたのですが、そういったようなこともあるとするならば、この制度をしばらくさらに存続をするということが適当ではないかと実は思っておるわけでありまして、そういう点では、国会のこの会期末に結論は、形式的な面からすれば出すにいたしましても、きのうの答弁でもお話があったように、積極的に前向きで考えようという郵政省の考え方のようですから、これはぜひひとつ実現する方向で準備を願う。来年の三月といっても通常国会に出したのでは私は無理だと思います。率直に言って、臨時国会等ででも出しませんと、来年の通常国会でやっておりますと三月三十一日までに法案を上げるというようなことは事実上困難になってまいると思いますから、そういう点で、時期を失しないでぜひひとつお願いをいたしたいと思います。  時間が来ましたので、私の質問は以上で終わります。

水野清自由民主党

○水野委員長 久保等君の質疑は終わりました。  午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十一分休憩      ————◇—————     午後二時十二分開議

水野清自由民主党

○水野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  逓信行政に関する件について質疑を続行いたします。森中守義君。

森中守義日本社会党

○森中委員 開会前に大臣から雫石のお話が出ましたが、まことに私も思い出新たなものがあります。あのころはまだ大臣ではなくて防衛政務次官でございましたね。非常に頑固一徹な御意見を拝聴いたしましたが、いまを時めく郵政大臣、ずいぶんお人柄も大きくなられたはずですから、ひとつできるだけイエス、イエス、イエスで何でも肯定していただいて、広く逓信事業のために功績を残していただきたい、そういうつもりで少しくお尋ねしたいと思います。  間もなく日本放送協会の予算審議にも入りますので、委細はそのときにもと思っておりましたが、ちょっといま審議されておる国の予算にも関係のあることのようでございますから、この際、少しくそのことを中心に、内容としては国際放送に関する件についてお尋ね申し上げておきたいと思うのです。  たしか昨年のこの委員会であったでありましょうか、もちろん私は出ていないのでございますけれども、会議録を拝見しておりますと、たしか当時の大臣だったのでしょうか、国際放送のあり方についていろいろ検討しなければいけない、ついては次年度の予算、つまりいま審議されておる予算の中に、国際放送に関する研究等のために予算要求をしたい、実はこういう答弁が会議録に残されているようでありますが、その結果どうなったのか。もちろんこれはひとり郵政省のみならず、外務省もやや同じような方向だというように記録にあるようです。したがって、郵政省では要求額と確定額、並びに外務省、そこまで郵政省はわかるかどうかわかりませんが、合わせてどのくらいになっておるのか、まずその辺からお答え願っておきたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 お答えいたします。  郵政省についておりますのは八百万円でございます。外務省の分は、ちょっと聞いたような気がしますけれども、ちょっとはっきり覚えておりませんので控えさせていただきますが、わからないということは、およそその程度だろうと思います。郵政省の分は八百万円でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 たしか款項目の中の目で、八百二万五千円だったかな。昨年の質問の中の答弁としては大体一千万というようにお答えに出ている。したがって、残余が外務省二百万という計算じゃなかろうかと思うのですが、これはひとつ電波局長、合わせてどのくらいなのか。  また、外務省及び郵政省が何を中心に八百二万五千円並びに二百万で国際放送のために調査研究を行おうとするのか、そういうことをちょっと検討してもらいたいと思います。要求した内容はわかるでしょう。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 いま補助者から伺いますと、先生御指摘のように外務省の分は二百万程度のようでございます。早速訂正させていただきます。  ところで、私ども要求しております調査費を何に使うつもりなのかということでございますけれども、効果的な充実強化を図る必要があるということで、国際放送の制度及び技術面につきまして総合的な調査研究を行って、今後の国際放送のあり方の検討に役立てたいというものでございます。  調査内容でございますが、まずあり方につきましては、主要各国の国際放送の諸制度あるいは国際放送の実態について調査する。ある程度わかっているわけですけれども、なお調査いたしまして、今後の国際放送のあり方についてより強化策はどうした方向をとるべきかというような御検討をいただくつもりでございます。  二番目には、技術的な問題でございますけれども、効果的な実施にはまず受信状況の改善を図ることが必要なのは当然でございますが、そのためには現行送信装置の改善あるいは技術的に新しいSSB方式の導入の可能性等技術的な検討ということで、その経費の割り振りはほぼ半々かと承知いたしております。

森中守義日本社会党

○森中委員 これはないよりもあったがましだということになるのだけれども、そもそも国際放送を始めて何年になるのですか。正確に申し上げると、これは長年非常に慎重に国際放送の議論は国会でしてきたのだ。なぜやったかというと、これは少し郵政省も考えてほしいのですが、もともと国際放送というのはGHQによって遮断されていた。二十七年に復活しているわけです。その復活の動機になったのは、第十回の国会でこの逓信委員会で決議がされている。再開の決議がある。それを受けて政府に、速やかに再開すべしという決議が渡された。したがって、国会としては、この逓信委員会としては、長年国際放送についてさまざまな議論をしてきたわけです。ですから、いまになって五十七年度からようやく調査研究を始めるというのは、その限りにおいては非常にこれは時期がおくれている、怠慢という一語に尽きる。しかも、八百二万五千円程度で一体何ができるのか。もう少し具体的に、将来これは続けられていくものだとは思うけれども、何をねらって——いまいろいろ改善を図りたいとおっしゃるのだけれども、その中心はどういうことですか。わからない。もう少し具体的に内容をおっしゃってください。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、戦後再開いたしましたのは昭和二十七年かと思いますが、それ以来何をしておったかというようなおしかりでございますけれども、従来のところでは同じ方式で、その間におきまして、毎年度のいわゆる政府命令分と申しますか、その辺の分担、通常の私どもにつきます額というのは、前年度に比べて何%というようなことを平均に出しますけれども、それ以上の額を得て、私どもとしては国際放送にはずいぶん力を注いでまいったつもりでございます。私ども郵政省の場合、一般会計の予算額というものは一御存じのとおり非常に細々としたものでございますけれども、私どもは私どもなりに努力してまいったということでございますけれども、御指摘のように、世界先進各国に比べましてその絶対額は非常に低い。  その原因といたしましては、先生も御高承のとおり、何分にも日本の位置する場所が地球の一番端っこにあるというようなところが一つあろうかと思います。それから周波数、どんないい周波数が使えるかというような問題もございまして、なかなか聞こえにくいという声はあったわけですが、私どもなりに努力はしてまいったわけでございますけれども、一昨年でしたか、特に、総理大臣に同行されました大臣等の御発言もありまして、また国際交流特別委員会の方での御審議というようなことで、いまにわかにということではございませんけれども、問題が浮き彫りにされてきたというようなことで、ここらでひとつ、抜本的な方法はないのか、その辺を御研究いただくというのが一つの大きな眼目かと存じております。

森中守義日本社会党

○森中委員 NHKの長期ビジョン審議会、この答申というのか報告書が出ておりますね。ごらんになっていますか。この中で「国際放送」の項目ですが、「送信施設に要する経費はすべて国の負担とする考え方を含め、」だから、送信施設は全部国で持て、こう言っている。  そこで、問題なのは、統計をちょっと整理してみますと、ことしが十億四百万ですか交付金がある。ところが、政府交付金のNHKの国際放送に対する負担の比率を出してみると、ちょうど二五%になる。この二五%というのは五十四年段階と一緒、逆戻りしていますね。五十四年度が二五・三%、五十五年が二六・六%、五十六年が同率、今度は二五%に逆戻りした。十億台の大台に乗った、こういうつもりかわからないけれども、実際の率からすると五十四年に逆戻りした。それで、臨調の助成金、補助金カットの結果こうなったのか。それと、要するに持ち出しがこういうようになればだんだんふえていくわけです、NHKの場合には。  参考までに私の資料から申し上げると、五十四年が二十四億五千百万、五十五年が二十六億四百万、現行年度が二十七億五千九百万、五十七年は三十億一千百万、こういうことになる。ですから、これはどういうことになりましょうか、受信契約、受信料といういまの制度から考えた場合。放送法に定める日本放送協会の業務とは言いながら、国際放送に投入する協会の財政規模に対し何%ぐらいが一番妥当なのか。これは定見があるのですか。毎年変動するわけです。大体一%ちょっと出たりあるいは一・五%というような状態で、なかなか定率、定額というのは無理でしょうけれども、受信料という制度上の考え方からいくならば、国際放送に入れ込んでいく率は予算規模の何%を妥当とするか。こういうことぐらいは一定の方針を出しておいていいんじゃないでしょうか。  私がなぜこんなことを言うかと言えば、恐らく十八方向というのは減少するわけにはいきますまい。しかも、設備もかなり老朽化しているらしい。こういうようなことを考えたり、いまの国家財政の急迫した状態からいけば、持ち出しはふえる、交付金は少なくなるというような現象が当分続いていくであろうということになると、料金改定のローテーションを仮に三年とした場合に、国際放送の負担が非常に過重になったからローテーションの期間を繰り上げなければならぬとか、会計の率を高めなければならぬ、こういうようなことが起こるとすればこれは一大問題という懸念がありますので、財政規模に対して、国際放送に投入するNHKの率はどの程度を妥当とするか、この辺をひとつはっきりしておく方がいいのじゃないか、こう思います。恐らく長期ビジョンの審議会の意向というものは、NHKもしくはこの審議会にお聞きしないとにわかに郵政省でははかりにくいとは思いますけれども、大体どの程度を妥当とするのか、見解を承っておきたい。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 先生一つ一つ、五十四年度あるいは五十七年の数字をお挙げになりまして私どもの国際放送に対する力の入れ方ということで御指摘いただいたわけでございますけれども、私どもが持っております数字と同じでございます。五十一年、五十二年、五十三年、五十四年、五十五年までは、何とか少しずつでもパーセンテージで申しましても上がっておったわけでございますけれども、五十五年、五十六年は二六・六%と、ここが最高に行きまして、御指摘のとおり五十七年で五十四年の線以下に、ほとんど同じですけれども、五十四年の線まで逆戻りしたということ、まことに遺憾だと思っております。  御高承のとおり、国家財政の方でゼロシーリングというようなことで、実は国際放送につきましては、性格は違うというふうに思いましたけれども、補助金の一種であるというようなことで、当初は一割カットの査定といいますか、そういうお話まであったわけですけれども、一応額といたしましては、ゼロシーリングの時代ですけれども、いま一割カットではなくて、絶対額で申しますれば、わずかながらでも十億を超えたのはことし初めて……(森中委員「それは私がちゃんと指摘してあるわけだから、何%が妥当なのか」と呼ぶ)その辺につきましては具体的な数字を挙げるということは非常に困難でございますが、先ほども申しましたように、そういう既定の路線での要求ということでは、要求されあるいは声が高くなっております国際放送の重要性に反映するような直接的な解決はむずかしいというようなことで、わずか八百万でございますけれども、調査費をいただいたということでございますので、重要性は皆さん御認識いただいているわけで、今後とも財政の許す範囲内でその充実に努めていただきたいというようなお答えしかできないわけでございます。  もう一度繰り返しますけれども、何%が妥当かという——やはり政府命令分とNHKの分、そして外国に与える影響としてみましては、やはりNHKがやっているんだという分、そうした面からその価値も高く評価されておるというようなことで、政府命令分等含めまして、またNHKの本来業務としても行っていただいているという形がいいんではないだろうか。そのパーセンテージについては、御質問でございますけれども、大変お答え申し上げにくいということでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 NHKいらしていますか。協会では、私が申し上げたように、いま電波監理局長のお話のように、恐らく国家財政からして交付金が急激に伸びるということは残念ながらいまのところ期待できない。だからといって、国際放送縮小という方向にはいかないでしょう。ですから、当然これは増加するという可能性が生まれてくる。したがって、財政規模の何%までが投入率として妥当とされるのか。しかもそのことは、定率、定額とはいかないにしても、上限はある程度決めておいて、それを本来的には予算総則に入れ込むぐらいのことを考えておかないと、将来国際放送は非常に大きな問題になります。そういう意味で、大体何%ぐらいを妥当とされるのか、協会自身はどうお考えになっていますか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中参考人 お答え申し上げます。  先ほど御指摘のように、私どもの国際放送は、昭和三十四年の法改正によりまして、NHK本来業務ということで明確に位置づけられておるわけでございます。それで、現在御存じのように十八の方向を一日三十七時間ということでやっております。私ども、こういった現行規模につきましては、少なくとも現行のこの規模は維持していかなければならない、必要であるというふうに考えております。したがいまして、さらにそのほかに、先ほど御指摘のように受信改善等も考えなければならないという点で、いま御指摘の国際放送の経費負担というものをどういうふうに考えるのかということでございますけれども、これにつきましては、私ども、御存じのように国内放送等々ほかに非常にたくさんの重要な業務をやっております。そういった関連の中で考慮しなければならないという点が一点ございます。それからまた、この経費負担につきましても、あり方とか割合というものを視聴者の理解等も得ながらやらなければならないという点もございますので、その辺を総合的にひとつ検討しながらやっていきたいということでございまして、何%という数字をきちっと申し上げるのは大変困難なところでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 確かにいま何%というのをずばりと言うのは無理、それは私もわかる。けれども、毎回受信料とは一体何なのかというこの議論がある限り、国際放送に、広い意味から言えば法定事項ですからやらなければいかぬ。だから、受信料で払っていいということになりましょうけれども、なかなかそうもいかないでしょうね。そうなると、やはり上限はほぼこの程度であろうぐらいのことは、それは協会もある程度議論をされて、しかも一歩進んで言うならば、予算総則の中にその限度ぐらいは指し示しておくという必要があるのじゃないか、こう思うのです。これはひとつ検討してください。また予算審議の際にもう一回私はお尋ねいたします。  それで、交付金の内容ですが、今回の十億四百万かな、この中から国際電電に——八俣の送信所をチャーターしているというのか専用しているわけですね。これに支払っている金は幾らですか。その認可料金というのか、これでぴしゃっと定額を決めているのでしょう。幾ら払っているのですか。

児島光雄国際電信電話株式会社常務取締役

○児島参考人 お答え申し上げます。  現在KDDがNHKさんからいただいております料金は、月額五千七百万、年額で六億八千七百万でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 大体私の数字と合います。この六億八千七百万というのは、これの根拠になっておるのは、五十三年の国際放送料金の改定によってこの金額が出されている、こう聞いているのですが、そのとおりですか。

児島光雄国際電信電話株式会社常務取締役

○児島参考人 お答え申し上げます。  改定されましてより五十四年度、五十五年度、五十六年度と同じ額をちょうだいいたしております。

森中守義日本社会党

○森中委員 だから、その料金は認可料金かどうかと聞いている。

児島光雄国際電信電話株式会社常務取締役

○児島参考人 認可料金ではございません。NHKさんとお話し合いの上で決めております。

森中守義日本社会党

○森中委員 ちょっとその辺おかしいね。私の調べたところでは、五十四年が六億八千七百万、五十五年も同額、これは五十三年に改定をされた認可料金によると、こうなっているわけです。——いいですよ。それは私もわかっておる。それで、こういう支払いを受けて、なるほど国際電電全体の経理をしているわけだから、これは八俣の送信所だけでペイラインに乗るかどうかというのはちょっと無理だけれども、単局だけの計算をした場合、黒字ですか、赤字ですか。

児島光雄国際電信電話株式会社常務取締役

○児島参考人 先ほどの料金認可制につきましては、訂正させていただきます。認可料金でございます。  この数年間、KDDのこの関係での収支は、五年間で見ますと六億ないし十億足らずの赤字を毎年重ねております。

森中守義日本社会党

○森中委員 いま答弁のとおりですね。五十一年度が約六億二千五百万、五十二年度が八億六千七百万、五十三年度が九億二千八百万、五十四年度が七億九千五百万、五十五年度が九億八千万。まあ、いまになると大体十億近いでしょうね。  こういうように見てくると、一体認可料金とは何なのか。しかも、本来的には日本放送協会が自前で送信設備を持ち、自前でやるのが妥当であろう。それを国際電電に依存している。しかも、国際電電というのは、八俣の送信所に限って計算してみればいま御披露したような赤字が出ている。こういうようなことを考えると、ずいぶん政府交付金というのはこれに食われてしまうという感じだな。  それで、この認可料金をおやりになるのは郵政省でしょう。守住さんのところかな、あるいは官房長でやるの。大体認可料金というのは、認可する際にどういう内容によってこれをやっているのか。もちろん、さっき申し上げたように、国際電電はこれは附帯業務。本体業務があるわけだから。附帯業務、本体業務合わせて収支計算をなさるわけだろうから、この程度でいいといえばいいかもわからぬけれども、日本放送協会と契約を結んでいる、そのためにこれだけの欠損が出ている。しかも、協会と国際電電の間で結ばれている契約というのは、認可料金によると、こういうようなことらしい。国際電電がいかに収益を上げていると言ってみても、ちょっとこれはおかしいんじゃないかという気がするのですね。認可料金は何を根拠に認可しているのか、ちょっとお考えを述べてもらいたい。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 御指摘のように本件につきましては認可料金でございますが、いわゆるKDDの独占である本来業務ではなくて、附帯業務ということに法律的位置づけになっております。したがって、KDDでなければならぬということではないわけでございますが、その附帯業務を認可するに当たりまして、そのサービスの内容といいますか、その関連での料金というものを認可しておるということでございます。  それからまた、物の考え方といたしましては、NHKの行います国際放送、その中で特に命令放送の方、郵政大臣が命令する放送という非常に公共性の強い分野もございますので、この認可を算定するに当たりましては、一つは、管理共通費とかいうものは一切除外いたしまして、八俣の直接費だけというとらえ方でこれの算定をしておるわけでございますが、歴史的には、先生御承知のとおり、かつて短波通信の時代があった。KDDが短波通信を行っておった。それと併用しましてこの国際放送の短波放送を同じ施設を使ってやるというメリットがあったわけでございますが、御承知のとおり、いまの時点ではもう短波自体はKDDの本来業務は一切なくなりまして、この八俣はNHKの国際放送のためだけの施設としてやっておる、こういう状況にあるわけでございます。  そういう経緯等も勘案しまして、それからまた収支も一方にらみながらこの料金を決めておるわけでございまして、たしか五十三年あたりまでは、五十一年三〇%、五十二年一〇%、五十三年二月から三二%というようなことで改定をしてまいりましたが、御承知の、一方では交付金がゼロシーリングその他の状況でなかなか出せないという面もありまして、その後は見直しをしていないというのがいまの時点までの状況でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 もう一つ、ちょっと数字を整理する意味で聞いておきますが、シネス中継局関係で必要な経費は幾らぐらいですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 シネス中継分は、約一億というふうな感じでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 いまの電波監理局長の答弁のように、私の資料からしても約一億強。そうなりますと、さっきから申し上げているこの六億八千七百万、この金とシネスの中継局関係の一億、合わせてもうこれで約八億近く。そういうところに十億四百万出してみても、もうこれだけで終わっちゃうわけだ。他の、番組編成とか人件費とか、いろいろNHKは出そうとしても残額ないということだ。  これは、NHKはどうなんですか、こういうように計数整理をして、五十七年度に十億四百万もらった、しかしシネス分が幾ら、八俣に六億というように計算してみると、交付金として使える金はあと幾らですか。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 お答えいたします。  五十七年度のお話がいま出ておりますから申し上げますが、交付金が十億でございまして、KDDさんにお払いしますもの、シネスのものを入れますと約八億五千万ぐらいになりますので、あと一億五千万ということでございまして、その点からいいますと、番組に充てる金が一億五千万、その差し引きが正しいかどうかわかりませんが、そういう計算になるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 ですから、結局その二五%にしかならない。協会の持ち出しが余りにもでか過ぎる。だから、このあたりである程度、何%ぐらいが妥当であるという基準を出しておく必要がある。さもなければこの料金の改定を見直す、ひいては交付金をもっと増額しなければ、とても受信契約者としては問題があるんじゃないか、こういうように思うのですが、大蔵省、これは電波も聞いておってほしいんだけれども、大体ことしの十億四百万という積算の根拠はどうなっているの。財政再建で助成金、補助金のカットがあるという、それは私でもわかる。けれども、こういうものを非常に国際的な問題として重視しているわりあいに、これは別扱いとかなんとかというわけにいかぬのかな。大蔵省はどのくらい査定したの、これは。

藤井威大蔵省主計局主計官

○藤井説明員 お答え申し上げます。  御存じのような財政状況でございますので、各省一律に一〇%削減という中で、各省御自身の御判断によりましてそれぞれの中でめり張りをつけていただいて御要求いただくという趣旨で予算編成を行ったわけでございます。大蔵省としましても、もちろん先生の御議論のとおり国際放送にかかわる重要性というのは十分認識しておりまして、郵政当局の御要求をこちらは受け取りまして、その後御相談したわけでございますけれども、さらに若干その他の補助金を査定いたしまして国際放送の方に回す、そういう査定をいたしたところでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 これでひっかかっていると先へ行きませんので少し進みますが、郵政大臣、結局こういう状態では非常に協会も困るでしょう。国際も困るでしょう。なるほど国際は、附帯業務と、こうおっしゃるから、本体業務は別にある、だから附帯業務で損をしてもほかでもうかればいいという、こういうものかもわからないけれども、みすみす年間に相当欠損を生じる、こういうようなことを考えていけば、国の財政再建というのは続いていきますね、交付金をさらに期待することもできないということであれば、何かここで改善策を考える必要があるんじゃないですか。だから、私は、基本的には受信料、受信契約というものは国際放送の分まで含まっているとはいいながら、しかしこれはやっぱり限度がある。ある程度、上限はこのくらいだという抑え込みをして、いろいろ改善の必要があるでしょうね。私も余り知恵がないのでいま急に思いつきませんけれども、八俣の送信所というのは、もともと国際電電の前の機関、日本電気何とかという時代がありましたね、その後国際電電が引き受けた、こういう経緯があるようです。ですから、これは、本来ならさっきNHKがおっしゃるように、三十年の放送法の改正のときにきちんとしておくべきでしたよ。なっていないからこんなことになってしまう。  しかし、じゃいまからどうするかということになると、国際電電の何条でしたか、要するに郵政大臣の認可によって送信所等の設備は譲渡ができる、こういう条項がある。さて、八俣の送信所が何平米あるのかわかりません。時価に換算して幾らあるのかわからない。しかし、本来ならば、電波法に基づき、あるいは放送局の開設基準に関するものがありますよ、そういうものによって、日本放送協会が国際放送の免許を受けようという場合には、これはやはり自前でやるのが正当ですよ。自前でなくて借り物でやっているわけだ。国際放送というが、元請はNHK、送信をするのは孫請国際電電、こういう図式ですね。  だから、これから国際放送をかなり重視していこうというならば、NHKというこの機関の本体業務ですから、思い切って国際電電の送信設備等々をむしろ日本放送協会に移管する、譲受、譲渡する、こういう方法が手段としては考えられる。ただ、財政的なものとして、にわかにNHKにそういう余力があるかどうか、それは知りません。しかし、方法論としては考えられる。それが一つありますね。こういうことについてはどうお考えか。こういうのが多少改善されてきますと、認可料金に基づいて支払っているものが浮いてくる、かなり変わってくるのじゃないですか。これは私が思いつく一つの方法なんですが、何か改善の方策というならば、いまそういうのも考えられる。どうでしょうか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 確かに、森中先生のおっしゃることに理屈があると思います。一つの方法だと思うわけでありますが、何分政府の財政状況がよくない。ゼロシーリングだ。十億を十何億かにすれば大体いけるのでしょうけれども、しかし、財政状況からいってゼロシーリング。矛盾と矛盾が絡み合って、さてこれを解決するためにどういう方法がとられるか、御質問はそういうことだと思います。  こういう方法がいいだろうなんということもいま急になかなか思いつかないのであります。しかしお互い政府の財政事情もあります、それからまたNHKの財政事情もあるでしょうし、KDDの財政事情もあるでしょうけれども、そういう財政事情を踏まえながら——何といってもこの国際放送というのは、わが国がこれだけ国際社会の中で重要な政治、経済の地位を占めている限りにおいてますます必要であることは、これはもう私もよくわかります。ますます国際放送の充実をしなければならないことも理解するところでありますので、ひとつ先生の御意見などを参考としてしばらく検討させていただきたい、かように考えます。ありがとうございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 もう一つ考えられますことは、いま十八方向、こうおっしゃるのだが、十八方向の聴取者というのが大体どのくらいあるんですか。わかっておれば、地域別でなくともちょっとお示しいただきたい。恐らく在留邦人の数等からいけばほぼ想定がつくだろうと思うのですが。国内ではかなり力を入れて国際放送と言っておる。しかし、十八方向はどういう人たちが聞いておるのか。  それから、さっき電波監理局長の言われる技術革新というのは、確かにいま使っているものと新しい開発をやる、こういうものだと思うけれども、新しく開発されるものが、さて十八方向の場合、一般的に受信機器として手に入るものかどうなのか。国内においてはそれはできたけれども、さて十八方向の聞かんとする側の機械というものは、それが果たしてどうなっているのか、この辺も非常に問題だと思うのです。それもひとつ確かめておきたい。  それから、国際放送。海外中継局を持っているのは、わが国はシネス一か所。ところが、たとえばVOAとかBBCとか、ずっとこの資料を見ると、VOAが全部で九、BBCが六、DWが五、RNが二、RFEが五、こういったようにかなり外国はある。これはなぜわが国はこういうようにただひとりポルトガルのシネスだけしかもらえないのか。この辺を考えてみると、結局いまのわが国の電波法は相互主義になっていない、これが問題じゃないか。ですから、まずこの辺を改善していくためには、電波法を改正をして相互主義がとられる、外国のラジオもいらっしゃい、こういうやり方が一つ考えられるものかどうなのか。  それから、何といってもテレビの時代に来たわけですね。しかも、インテルサットもこれほど充実してくれば、テレビの時代でしょうから、生でやるとかフィルム交換とか、そういうテレビにふさわしいような体制の変化というものは考えられないのかどうなのか。  こういうように全体の流れを少し整理してみると、国際放送の方向というのも大分変わってくるように私は思うのですが、どんなものでしょうか。要するに、言ってしまえばこういうものは改善策の一つですね。見解をお持ちであればちょっと承っておきたい。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中参考人 最初に、国際放送を聞いておられる方の数を申し上げたいと思います。  結論から先に申し上げますと、私ども、現在NHKのラジオ・ジャパンの電波を聞いておられる方は、世界各国含めまして大体一千万あるいはそれ以上というふうに推定しております。これは実はなかなか捕捉しにくい数字でございますけれども、一つの根拠といたしましては、国際短波クラブというのがたくさんございまして、そこの一つの放送局が一年間に受け取ってきます手紙一通、それが大体二百人ぐらいの視聴者がいるんじゃないかという見積もりがございます。それからもう一つは、BBCで視聴者数の調査などをやっておりますけれども、ここの調査結果等を見ましても、大体投書一通当たり二百二十人ぐらいということでございますので、たとえば現在一年間に私どもの国際放送に寄せられますところの投書数が、その年によって若干違いますけれども大体五万通ぐらいというふうに、平均しますとそうなっておりますので、大体一千万、それから六万通くらい来ますと一千二百万ぐらいと、私どもこのくらいの視聴者はあるんだろうというふうに思っております。これにつきましては、その年によりまして投書の数が若干変動しておりますので、正確ではございませんけれども、大体この数じゃないか、そのように思っております。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 先生ただいま幾つかの御提案なり御提言をいただきましたので、順を追ってお答えいたしたいと思いますが、まず、技術的にSSBなどの導入を図ると考えておるけれども、これで受信機の普及の問題はどうなんだというようなことがまず一つあったかと思いますが、これにつきましては、実は国際的な問題になっておりまして、五十九年と六十一年に短波放送に関する世界無線主管庁会議というものが予定されておりまして、ここで世界的にSSBというものの導入方法、それに使う周波数計画をどうするか。それから、御存じのように、現在はDSBの受信機がたくさん普及しておるわけでございます。これへの円滑な移行といいますか、そういうものについての方策を、繰り返しますが五十九年と六十一年に二回予定されております短波放送に関する世界無線主管庁会議で討議される、こういうようなことになっておりまして、一つの考え方としましては、いきなりDSBからSSBに移るのではなくて、ある程度DSBの受信機が受かる形での、低減搬送波と申しておりますけれども、抑圧搬送波でございませんで、両方、途中の移行期間においては、従来の受信機も、また新しい受信機は当然ですが、そういう形で徐々に導入されていくものというふうに考えております。  それから二番目の、中継局というわけですが、実はポルトガルのシネスの中継局では、先生もお聞きいただいたと思いますけれども、ヨーロッパでは非常によくなっております。その辺のことで、やはり中継局方式というのは、たった一つでございますけれども非常に効果があるというふうに考えておるわけでございますが、それについて、いま実は、そのポルトガルのシネスは、外国にこういう形で商業的に貸すことを許しております性質の局でございまして、日本だけではなくてよその国にも貸しておるわけでございます。放送でございますので、ちょっと相互主義とかそういう問題とは離れておるのではないか。いずれにいたしましても、日本は地球の端っこにございますので、この遠いところから、電力を増すというのも一つの方法でございますけれどと、先生御指摘のように、海外に中継局をつくるということの方が、遠くからどなるよりも近くの方がよく聞こえる、こういうことでございまして、現在のところただいま一カ所しかないわけでございますが、やはり外務省との関連もございますので、ここらと十分御相談しながら、中継局の持てる国はどこかというようなことも含めまして検討さしていただきたい、実際に検討、お話し合いをしているということでございます。  それから、衛星利用などについてどうかということでございますけれども、これは直接放送衛星という形になりますと、国際放送に衛星を使うということはスピルオーバーとか国の施策の問題もありまして、また技術的にも国際的な取り扱いまだ実は決まっておりません。よその国の電波も入る、放送で空から入るというようなことがございますので、まだ決められておりませんので、衛星放送を直接国際放送に使うということは国際的には困難か。ただ、インテルサットなどは現に利用しておるわけでございまして、シネスへもこのNHKの番組を送りますのはインテルサットの衛星を利用して届けておるわけでございます。  そういうようなことでございますが、先ほどから話の出ております調査費、調査案の中でごくわずかですけれども、先生御提言のようなことも含めまして検討さしていただきたい、かように考えております。

森中守義日本社会党

○森中委員 ちょっときちんと整理できるような感じでもないけれども、やはりこれは急がなければいかぬという気がするし、それで、NHKの長期ビジョンの報告書いこれは非常に内容的にかなり重みのあるものですが、これは一体、NHKの場合、どういうように消化しようというのですか。内部のものとしてとどめておくのか。しかし、これは多分に協会の内部だけにとどまらない問題が非常に多い。それをどういったようにこれから進めていくのか。その辺がいままでの議論とある程度セットにならないと解決つかない。  私は、そういう一つの解決を見出したいということで二、三の提言をしたわけですが、この基本構想あるいは本論、それから財政負担、こういうものが分かれていますが、これは協会の内部としてはどういうように扱われるわけですか。たとえば郵政と協議をされるとか、いろんな方法があるでしょうね。そういう扱い方は一体どうなさるのか、ちょっと聞かしておいてください。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中参考人 私どもといたしましては、一月八日に、一年半にわたりましていろいろ御討議いただいた長期ビジョン審議会の方から答申をいただいたわけでございますので、この中に盛られております提言その他につきましては、ただいま会長を長といたします運営会議というものを私どもの中で設けまして、それでその中に、たとえば放送にかかわる部分一あるいは技術にかかわる部分、それから管理関係、財政関係というふうに幾つかに分けまして、それぞれのプロジェクトの長が、役員が当たりまして、そして、いろいろ現在、この提言については緊急に早く実現しなければならないとか、あるいはこの提言につきましてはしばらくおいてからいろいろやるとかいうようなことなど、振り分けながら、そしてできるだけ御提言の趣旨を踏まえながら実現していく方向でやっております。  特に国際放送関係、いままでお話が出ておりましたけれども、この辺につきましても、私が長となっております放送関係のプロジェクトの中で、いろいろ御提言の中身を討論しながら、これは実現できる、これはしばらくおいてからやろうとかいうことで、いまいろいろ話を進めている段階でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 大体わかりました。  ただ、財政の項目の中で、ちょっとこの提言からいけば合点がいかない、そこまでも協会の方では考えておられるかどうか。もちろん、これは報告だから実施に移すかどうかというのはこれからの問題ですが、気になりますのは、ここまではいいのですよ、これは政府に言っているのだね、「政府は、国際放送の一層効果的な実施を保障するために、送信施設に要する経費はすべて国の負担とする考え方を含め、国庫負担分の増額を図ることを検討すべきであると考えられる。」その次が、非常に財政が気になると見えて、「国際放送に関する基金を設けて企業・団体、個人に広く費用負担を呼びかけ、」る、これは非常に問題です。  在来、私どもは、国に、金は出せ、口は出すな、こういう実は方針を貫いてきているわけであります。その考えというのは前段にずっと貫かれている。いままでもそういう方向ですよね。これが、ちょっと体系が変わって、基金をつくる。その基金の対象としては企業であったり個人であるということになると、非常に前段の方向が性格が変わってくるという可能性があるわけですね。これについてはどうお考えか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中参考人 先生御存じだと思いますけれども、この長期ビジョン審議会と申しますのは八〇年代のNHKの経営のあり方あるいは仕事のあり方、そういったことを非常に幅広く、しかも期間を非常に長い間をとって、長期間でいろいろ問題を考えなさいというような提言が多うございます。したがいまして、いま先生御指摘の、国際放送にかかわるところで基金を設けてやるようなことも考えてみたらどうであろうかというような御提言も確かにございます。こういった問題につきましては、先ほども申し上げましたように、私どもこの御提言の中には、いますぐやらなければならないもの、それから少しスパンをかけてやらなければならないもの、それから現在のNHKの持っております公共性あるいは放送法の中での考え方からいきまして、やはり実現がむずかしいのではないかというようなもの等々もいろいろ入っていると思いますので、その辺も十分洗い出しまして、これから総合的に広く検討していくということでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 この問題は、大体急速にというわけにもまいりますまいが、非常に問題ですよ。在来のように、ただ、金を出せ、口は出すな、こういう論法だけではもう済まなくなっている。だんだんNHKの持ち出しが多くなりますと、これは料金改定のときなんか大問題ですよ。だから、速やかにどの程度が妥当であるのか、一遍ひとつ議論をして検討してもらいたい。しかも、それができるならば、一歩進んで、投入すべきものは予算総則あたりにきちんと明定をしておく。これはやはり協会予算の秩序を立てることだと私は思うのですね。しかし、それもやはり限度があるでしょうから、できるだけ経費を節減していかなければいかぬ。節減をするにはいろいろ改善をする。改善の一法としては、国際電電の現在の資産を郵政大臣の認可によってこれはあれできるわけですから、なかなかこれも安直にというわけにはまいりませんでしょうけれども、一応それも一法として考えてもらうというようなことでひとつお願いしておきたいと思います。  総裁いらしてますけれども、鈴木質問でもちょっと出たようでございますけれども、私もちょっと気になりますのでお尋ねをしておきますが、二十三日付日本経済新聞で、第二世代のロケットの問題、CS3の問題で、もう国産のロケットをつくらない、スペースシャトルに持っていって上げてもらうんだ、こういうような見解が述べられ、しかも解説としては、非常に衛星の開発、実用化が各国で進んできている、電電公社は危機感を持ってこういう対応を迫られているというようなことが出ておりますが、きちっと内部で固められたものでしょうか。

山口開生日本電信電話公社総務理事

○山口説明員 お答えいたします。  ただいま電電公社では、郵政省さんの御指導によりまして実験用の通信衛星について実験を行っているところでございますが、その成果を踏まえまして、通信衛星二号、これは実用衛星の最初のものでございますけれども、来年の二月に……(森中委員「それはわかっております、CS3を言っているわけでしょう」と呼ぶ)CS3がおよそ六十二年ごろにHIロケットで上がると思っておりますが、後者も、現在私どもは郵政省さんの御指導あるいは宇宙開発委員会の御指導を受けまして、このCS3もこのロケットを使って打ち上げていただく予定にしております。  ただいま先生が御質問の点でございますが、これはその後の国内の電電公社の電気通信公衆回線のいろいろな利用形態なりあるいはその後の非電話系の需要の伸びを見ますと、一方、通信衛星が非常に経済化が図られまして、たとえばスペースシャトルを使うようなことをいたしまして、非常にコストダウンが図られるというようなことがいまの段階で確かに考えられることでございますので、その点も含めて社内で検討しておるということでございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 これは新聞が抜いたのかどうかわかりませんが、あの記事では北原副総裁のコメントが出ている。かなり具体的だなという感じがしたわけですが、電波局長に聞いておきますけれども、「昭和五十七年度における電波監理局の主要な行政方針について」というものを策定されておりますね。この中身は主としてCS2、BS2、これまではとらえておりますね。そこで第二世代、つまり六十二年CS3、BS3についてはこうおっしゃっておる。「「電波利用開発調査研究会実用衛星部会」の審議結果を踏まえ、第二世代の実用衛星の利用計画を策定するとともに第二世代の実用の通信衛星(CS−3)の予備設計及び実用放送衛星(BS−3)の概念設計を行う。」ということで、一通りスケジュールができておる。しかも、このスケジュールをさらに具体化するために部会をつくられて、部会もどうするという設置要綱ができておる。しかも、こういうものを議していくために、分科会のメンバーも二十四名決めておられる。ここまで大体スケジュールが決まってきているのですが、電電公社のこういうものは、こういうスケジュールの中で消化されていくのか。もっと極端に申し上げると、2まではN型IIでいこう、3になればHIでいこう、こういう国産のロケットを中心にされているわけでしょう。これが電電公社の御意見あるいは計画に基づけば、もう国産では間に合わないんだ、だからスペースシャトルに持っていく、こういうことなので、計画それ自体に根本的な変化をもたらすことになる。いわば軌道修正ですね。こういう画期的なことに対してどういう見解をお持ちなのか。私は固有の意見としては、何年でしたか確信を持って内之浦で打ち上げたものが、あやめ何号でしたかぽしゃってしまった。こういう経緯もある。もともと衛星にしろ、ロケットにしろ、USAものが日本には大分来ているのでしょう。全部国内の開発ですか。そうとも思えない。かなりUSAものが来ているというような話のようですから、もうこの際思い切って、むしろ公社が言われるようにスペースシャトルへ持っていったらどうなんだというような気がするのです、固有の見解としては。だから、国内ものではもういかぬ、要するにアメリカに持っていく、こういう公社の提言では、根本的にこの計画は大変動を来さざるを得ない。こういうことに対してどうお考えですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 いろいろ御指摘があったようでございますけれども、実は私どもの理解は、ただいまのところ、先生がお取り上げになりました新聞記事でございますけれども、その程度の話は非公式には聞いておりますけれども、まだ正式のお話は受け取っていないわけでございますけれども、非公式ながらも確かめたところでは、NIIロケットを現在開発中で、それによりまして今年、五十七年度の打ち上げにNIIロケットを使う。それから、HIロケットの開発に備えまして今年度から始められるわけですけれども、これらのロケットの開発もおくらせてはならない。それで、CS2はNIIロケット、それからまたCS3につきましてもHIロケットを使用するという基本路線、これは宇宙開発委員会で決められておるところでございまして、この辺につきましては、私どもの理解としましては、公社さんの方でも十分その辺お踏まえの上でお話をされておるといいますか、御方針をお立てになっておるというふうに理解しておるわけでございます。  それで、問題は、CS3の次の話として、こうしたものにつきましてはかなり早い時点から検討なり何なりを進めなければいかぬ。その時点が昭和六十年代の後半になりますかどうですか、その辺はわかりませんけれども、そうしたものにつきまして、公社さんの方では研究体制をつくらなければいかぬというようなことで研究を始めたというふうに聞いておるわけでございますけれども、郵政省といたしましては、CS4といいますか5といいますか、CS3の次の問題についてどうするかということにつきましては、今後の通信政策におきます通信衛星の位置づけ、あるいは国の宇宙開発政策との整合に配意しながら、公社さんとも御相談しながら進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 これはさっき申し上げた部会のやや踏み込んだ計画ができているでしょう、スケジュールが。それからいけば、CS3は五十六年に概念設計をやろう、五十七年に予備設計、それから五十八年、五十九年にかけて基本設計をやる、六十年、六十一年に詳細設計をやって、それで六十一年に予備機を上げる、六十二年に本機を上げる、こういう計画ができているわけね。  それで、こういう所定のスケジュールがすでにもうできておるところにああいう意見がぽんと出てくる。さてそうなると、何年前でしたか、BSの問題のときに当時のNHKの前田会長が、とにかく政府に任しておったのではこれはどうにもならぬのだ、NHKは金も持っている、技術力もあるのだから、BSはNHK独自で上げますよということをやったものだから、宇宙開発委員会を初め郵政省もどこもかも大混乱を起こしたことがある。こういう記憶がある。ですから、いま急がるべき宇宙開発のスケジュールに混乱を起こしてはいかぬ。けれども、公社が求めようとする方向、衛星開発の時代ですから、十年おくれているのか十五年おくれているのか知らぬけれども、ロケットの開発が衛星の開発となかなか並行できない、こういう状態の場合には、何かひとつ考えを新たにする必要もあるのじゃなかろうか。  ただ、宇宙開発委員会もこのことについてもしょっちゅう見直しておりますから、これは一遍決めたことだから必ずやらぬでいいということはない。特にきょうお見えになっていないけれども、大臣のぼん友のあの中川さんはなかなか思い切りのいい人だから、この開発委員長あたりによく相談をされて、混乱がないようにきちっと整合してもらいたい、このことをこの件では特にお願いをしておきたいと思う。  ですから、公社の内容もいま検討中で固めていないということのようですが、いずれこういう開発計画からはみ出していく気持ちはないのだと新聞にも言われておりますから、その限りにおいてはスケジュールの一環としてということになりましょうが、国産でいくのかアメリカ物でいくのか、非常に重要な問題ですから、特にこれは御検討いただきたいと思う。大臣、いかがですか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 まだ正式に公社が決めたわけでもないという先ほどのお話でもございます。さらに国産でいくかアメリカ物でいくかということでございますが、先生も御承知のとおり、中川科学技術庁長官の名前も出ました、科学技術庁長官は宇宙開発委員会の委員長でございまして、ここで宇宙開発政策というものが毎年決められるわけであります。これは毎年やっておりますから、そういうところでどういう結論が出るのか、それとの整合性というようなこともあわせて考え、慎重に検討しなければならない、こう考えている次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 もうあと時間が十分程度ですから、はしょって少しお尋ねしますが、昨年暮れの内閣改造前、つまり前郵政大臣に私の方の党の逓信部会の意見としまして、八二年度の予算編成に対する見解表明をしております。文書で申し入れをしております。これはどうでしょう。新大臣に引き継がれておりますか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 これはお会いいたしました先生方にも、予算編成のときに社会党逓信部会から五十七年度予算編成に対する申し入れ、私が久保先生などからちょうだいをいたしております。

森中守義日本社会党

○森中委員 別段文書で回答を求めているわけでも何でもないので、それでいいのです。  それで、内容を見ますと、たとえば窓口の貸し付けの限度額はすでに百万をお出しになっているようだが、ある程度満たされている。しかし、大体一年間単一年度の中における政党としての見解をここで全部整理しているわけですから、こういうものについては回答を求められていないからということでなくて、真剣にひとつ処理に当たってもらいたいし、そういう措置をお願いしておきたいと思う。  そこで、この中で、郵便事業のあり方を早急に具体化し、あわせて赤字の解消を図るため郵便の需要拡大と増収対策の徹底を図れ、こういう見解を述べているわけです。さて、こういうものがどの程度具体的に実行に移されているのか。つまり公共性を持って、しかも、現代としてはきわめて強烈な企業性といいましょうか経済性が追求される。この公共性と経済性ないしは企業性の具体的な整合点はどこなのか、こういう原点をひとつお聞かせいただきたい。  それからいま一つは、これまた改善すべきたくさんのものがあるのですが、私の手元にあるのは五十三年度ですからちょっと古いのですよ。その資料によりましても、郵便局の展開の問題として、局長を含めて二名から五名局、これが全国で集配局に四十局ある。それから六人局から十人局まで八百十七局ある。この十人というのは方々にもあるわけですから、大体わかりますね。しかし、当初お示ししました二人から五人の、局長を含めるわけですから、こういう集配局が四十局あるというのは、私も郵政事業のことは多少とも存じ上げているつもりですけれども、余り見たことがない。なぜこういうものがあるのか。わかっていながら放置しているのか。解消の方向にいっていない。真に必要とすれば、これは何も言いません。ちょっとこれは異常な置局展開だという感じがする。公共性という名のもとにこういう展開をしておかねばならぬのか。つまり、速やかに是正さるべきものであろう。公共性、経済性の整合の一つになるのじゃないか、こういう気がするのです。  それからいま一つの問題は、いまのことに関連をしまして、全国的に特定郵便局の廃止が数字としてあらわれてきている。五十一年で四局、五十二年十三局、五十三年五局、五十四年五局、これは、いろいろ聞いてみますと、大体産炭地域らしい。これはこれで理由があると思うのですが、あと五十五年、五十六年に十五ずつ切っているのですね。この辺は一体どういうような経緯によるものか。  それからいま一つは、三十三年の一月十四日に、大先輩であられる大橋八郎先生が、特定局制度調査会会長という立場で田中角榮郵政大臣に特定郵便局制度に関する答申というのを出された。これを受けて、三十七年五月八日、無集配特定局の設置基準、それから簡易郵便局の設置基準がつくられて今日に至っているわけです。何も私は、早くも二十年たっているから、それで新しいよ、古いよという暴論は申しませんけれども、内容はかなり変わってきているという状況だけは言えるでしょう。特に、国土庁あるいは建設省あたりも、六十五年を見通した場合に、人口の動態の推移というものは、一億三千七百万と想定したものがすでに崩壊をして一億二千七百万、一千万減少するだろうというわけで、新産都市計画であろうと、定住圏構想であろうと、みんな一億二千七百万体制に切りかえ始めた。そういうものを背景に置きながらしているかどうか。少なくとも社会情勢や人口動態もずいぶん変わっているわけですから、そういうものを考えた場合に、二十年経過したものを依然として置局の物差しとしていいのかどうなのか。こういうところの近代化が郵政の中で検討されているかどうかという問題が一つはある。  それからいま一つは、無集配特定局の予算と設置の問題ですが、五十年で予算上百五十億、それから置局は百五というように全部満たされていない。これは、用地取得であるとかあるいは局長の任命の問題、いろいろあるでしょうが、予算は取ったが充足されていない。簡易局にいったらなおさらですよ。五十年は二百五十億予算が取れているのに八十八しかない。こういう状態は一体どういうものなのか。したがって、近代性あるいは企業性、経済性、公共性の整合点をどこに置いておられるのかということを承っておきたい。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 先生からのお話、いろいろございますが、簡単にお答えいたしたいと思います。  まず、郵便事業の基本的なあり方として私ども絶えず心に銘じておりますのは、先生仰せのとおり、企業性と公共性の調和ということがあるわけでございまして、全く同感でございます。  そこで、今日、郵便事業のあるべき具体的な方針としてどういうことを持っているかということになりますと、これはもう過般国会でも附帯決議という形でお示し願っているわけでございますが、効率化と営業的な感覚による需要の拡大ということがあるわけでございます。したがいまして、今日の郵便事業のあり方は、多少抽象的な表現になるかもしれませんが、公共性と企業性の調和、その上に立った営業拡大、効率化の推進ということになろうかと思います。  そこで、具体的なお話がありましたので、その問題に関連いたしまして若干申し上げたいと思いますが、最初に、定員が五名程度の集配局が全国に四十局程度あるというお話でございますが、そのとおりでございまして、正確に申しますと現在四十二局ございます。この四十二局というのは、定員が総体として五名の小規模の局なのにどうして集配事務までやっておるのか、もう少し郵便区の調整をすべきではないかという御趣旨の御指摘かとも思うわけでございます。ただ、これはちょっと内訳を申し上げさせていただきますと、四十二局のうち実に三十七局が沖縄の本島あるいは離島なのです。沖縄県における三十七局の集配局と、たとえば東京あたりには一局ございますが、これは伊豆七島の利島の集配局なんです。ですから、現在の四十二局は、そう非効率的な運営による集配局とも思えないわけですが、ただ私は、今日この効率化を推進すべきだということを申し上げましたが、単に五人ということでなくて、たとえ十人でもあるいは十五人でも、効率的に見まして集配局の規模としてやはり不適当だという局がございますれば、郵便区の統合、郵便区の組みかえというかっこうで、私ども積極的に郵便局の調整をしているわけでございます。大体ここ一、二年を振り返ってみますと一年間に数十局郵便区の調整を図りまして、集配局の効率的な運営をやらせていただいております。  それから、特定局の廃止という問題でございます。一方では置局の申請がございます。しかしながら一方では地況が大きく変化したために、置局したときには基準に該当しているけれども、今日もうすでに置局の基盤がなくなっているという局が全国的に数多くございます。したがいまして、先生先ほど仰せのとおり、従来は炭鉱だとかあるいは発電所の関連で、いわば他律的な意味での廃止ということでございましたけれども、私ども主体的にその地況の変化をとらえまして、片方でふやすものはふやす、そして片方で、もう特定局の置局の基盤がなくなっているというようなところについては、年間この程度、この局をということで、あらかじめ計画を立てておりまして、五十六年度本年度では、最終的には二十数局程度廃止をしていく、そして一方で、必要なところに置局をする、こういうことをやっているわけでございます。これは、とりもなおさず、先ほど言いました公共性、企業性あるいは営業拡大、そして効率化の推進という理念に沿った具体的な施策だ、こういうふうに私は思います。  それから最後に、置局の設置基準でございますが、設置基準は、昭和三十七年に現行の設置基準ができているわけでございます。これはいろいろと議論があろうかと思いますが、現在どの程度の置局しなければならない局があるのか、そして年間どういう程度の消化というような点になりますと、議論はあろうかと思いますが、まずまず、私ども、二十年たっていても、具体的な置局をする際に知恵は当然出さなければならぬと思いますが、標準そのものがもう時代に合わなくなったというような結論は、私は必ずしも持っていないわけでございます。ただ、私ども、窓口機関のあり方、局の置き方というものの時代の変遷に伴う調査といいますか、われわれ自身の検討は絶えず続けなければならぬということで、今後ともそういうことを考えながらやりたいと思いますが、さしむき現在の設置標準がもう時代に合わなくなったという結論は、必ずしも私は持っていないところでございます。  十分意を尽くした御答弁はできなかったかもしれませんが、概略、以上お答えさしていただく次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中委員 時間が来ておりますが、もうこれで終わりますけれども、いまのはちょっと得心できぬけれども、ただ一つだけ申し上げておきたいのは、すでに開設しておるところでこの基準に当てはまらないのはどうするのか。該当しないものがあるでしょう。つまり、郵便区市内地で局間距離八百メートル、それから利用区域人口八千人以上に該当しないのが恐らくたくさんあるわけですね。全部点検しているの。そういうものはどうするのですか。

魚津茂晴郵政省郵務局長

○魚津政府委員 設置標準に合致しない局はかなりございます。距離は余り変化するわけじゃないのですが、享便人口と称する人口の面での変化がございますから、合わなくなった局は少なからずございますが、私ども、その設置標準に該当しなくなったことイコール廃止ということもいろいろな点でいかがなものか。先生先ほどおっしゃっている公共性という点からいいましても、基準に合致しなくなった即廃止というようなことは、まず対外的に問題がある場合もございます。それから、そこの職員の処遇の問題もございます。それから、地域社会のいろいろの反響という点もございます。そういうようないろいろな点を考えながら、しかも、仰せの標準も念頭に置きながら、ケース・バイ・ケースということでやっているわけでございますが、一応目のつけどころといたしましては、その設置基準に大きく外れる局は当然具体的な検討をする対象局になる、こういうことは言えようかと思います。

森中守義日本社会党

○森中委員 その辺が問題なのであって、この設置基準が経過年数必ずしも不当なものとも思わないが、実際問題として基準に適合しないものが数多く存在する。しかも、予算上は新しい置局予算をとっている。これが充足されていない。それと簡易局も同様というようなことになると、にわかに、この基準に合わなくなっているから既設のものを廃止しなさい、こういう短絡的な物の考え方は持っていないのですよ。いないけれども、そういうものをあれこれ考えると非常にむずかしい。しかし、むずかしいけれども、何かその辺が全体的に包括できるような、あるいは、基準に合い過ぎて、もう何年も何年も申請しているけれどもやってくれないというのがたくさんあるわけだから、このばらつきというか、不均衡をどうしていくのか。少なくとも郵政省としても、そういうものを利用者に向かって釈明できるようなものが必要じゃないのか。だから、そういう意味で、この基準は再検討すべきじゃないのか、こういう見解を一応この際申し述べておきたい。もう答弁は要りません。  時間がたちましたからこれで終わりますが、とにかく箕輪郵政大臣、当分おつき合いしなければならぬでしょうから、これは私まだうんと勉強します。これで終わります。

水野清自由民主党

○水野委員長 森中守義君の質疑は終わりました。  大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 私は、国会に参りまして逓信委員会に所属したのは初めてです。きょう私に与えられた時間は五十分程度だそうでございますので、きょうは、電話または電話料に関して、また電電公社の経理内容について若干疑問を抱いておりますもので、そういう点についてお尋ねをしていきたいと思います。  まず初めに大臣にお尋ねしますが、電電公社というものは国が一〇〇%出資している公社でございますので、その行政ないしは運営の監督責任は郵政大臣にあることは当然だと思いますが、最初でございますので、肝心なことですから、まず聞いておきます。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 電電公社は、私の所管する公社でございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 それでは、電話料というものを改定する場合には、どのような状況になったときにどのような手続きをとって決定されていくのか、お尋ねします。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 御承知かと思いますけれども、電話料の、特に大宗と申しますか、基本料等基本的なものにつきましては、法律によりまして国会の御審議をいただいて決められる、こういうものでございます。ところが、電話の利用が非常に多様化してまいりまして、一部の付加使用料と申しますか、付加サービス、こういうものにつきましては郵政大臣の認可を受けて決める、こういうことに相なっております。  そこで、前段の方の問題でございますが、すでに電話がこのような成熟した一番基本的な通信手段、こういうことに相なっておりますので、公社自身におきましても、この改定というものは法定が示すように軽々しくすべきではないというのが一つ基本的な姿勢でございますが、経営状態、財政状態が非常に長期的に悪化していくという傾向になりますと、やはりこの問題に触れざるを得ないということに相なります。ただし、歴史的に見てまいりますと、この電話の、特に通話料の方は、技術革新あるいは電話の普及、成長というものを控えまして、他の公共料金と比較いたしますと、そういう値上げと申しますか、改定の時期と申しますか、これは非常に長期間安定した収入で成長を遂げてきた、こういう事情、背景はあるわけでございます。最近の例で申し上げますと、むしろ値下げと申しますか、初めての例であったわけでございますが、遠距離料金の値下げ、それから日曜・祝日等の割引、あるいは夜間割引の拡大等を最近になりまして行ったところでございます。これは法定でございますので、それぞれの所定の手続を経て政府部内においても検討され、国会においても十分な御論議の後に値下げにつきましても決定された、こういうことでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 電電公社の五十六年度末の総資産額を見ますと、十兆八百十五億円が計上されております。それに対する、電電公社に出資されている国からの出資額は百八十八億ですね。ということは、一%にも満たない、〇・一%が国の出資額であるわけですね。そのほとんどが国民のものと言っていい内容になっているわけですが、そういう電電公社が一生懸命努力をして利益が大幅に出た、こういう場合は、これは当然国民、利用者に還元されてしかるべきだと私は思うのです。一般の株式会社等を見てまいりますと、当然、利益が出てまいりますとそれは株主に配当されていくわけです。しかし、これは公共事業だし、公社でございますので、株式会社みたいにはいかないまでも、大きな利益が出てきた場合は当然利用者に還元されていくものだと考えるわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  電電公社の場合収支差額、これは民間のいわゆる利益金とは異なっている点、これは先生よく御存じのとおりかと思います。つまり、いわゆる株主への配当ですとか重役への賞与といった形の社外流出は全くありませんで、すべて利用者サービスの改善、拡充のために使われる、あるいはまた一部債務の償還に充てられる場合もございます。したがいまして、この収支差額につきましては、予算をもちまして、国会の議決をちょうだいして、そういった使途を明らかにしておるわけでございます。そこで、年度によりまして予定した収支差額を実績が上回る場合がございます。五十六年度現に予算で九百三十八億円の収支差額でございましたけれども、職員の努力もございます、また利用者の方々の御利用が基本的にあるわけでございますが、増収あるいはまた月次決算制度の励行による経費の節減、こういったことによりまして、現時点の見積もりで、予算の収支差額に対しまして二千億を上回る収支差額が出るだろうというふうに考えておるわけでございますが、こういった予算を上回る収支差額につきましても、まずもって第一に何らかの形でこれは利用者の方々へ還元をするというのが本旨であろう、かように私どもは考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 最終的には大臣に結論を言ってもらいますからよく聞いておいていただきたいのですが、先ほど申しますように、電電公社の皆さんの営業努力によってここ数年間四千億前後の黒字を出しておるわけですね。五十五年度の決算でも明らかでございますけれども、その資本剰余金を見ましたときに二兆七百五十四億円、それから利益剰余金が一兆七千二百五十六億円、合わせまして三兆八千十億円というのが、いわゆる積立金、内部留保という形になっていることが予算書で明白ですね。大変な利益が上がってきているわけでございまして、こういう電電公社の経理状況からでしょうか、国の方から金が余っているなら少し持ってこいというようなことで、昭和五十六年度事業年度から五十九年度までの四年間、年に千二百億ですか、合わせまして四千八百億国庫に納付しなさい、こういうことがもうすでに五十六年法律第三十九号、特別措置法で決定されているわけですが、決定をされたことについて私はいまさらとやかく言うわけではございませんけれども、こういう立場からも、大いに国民、利用者に還元していくべきである。いまの局長さんですかの答弁は、もちろんそういう考えだということでございますが、大臣もやはりそれは同じような考えをお持ちでしょうか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 お答えをいたします。  大橋先生も御承知のとおり、やはり国に対する納付金というものは、あのときも相当議論があったわけでございます。しかし、国の財政の再建というそういう問題が出てきて、大局的にこれに御協力しようというようなことになったわけであります。しかも、納付金の問題は、これは臨時的なものでありかつ特例的なものだ、例外的な措置として五十九年まで四年間やってくれ、こういうことでやったわけであります。  先生おっしゃるとおり、利益が出ればやはり利用者に対するサービス向上に向けるべきだ、あるいは債務があるならばその返済に向けるべきだとか、そして、かつ低廉な価格で、利息のつく金もなくなるわけですから、そういうことで国民に還元していくべきだ、利用者に還元すべきだ、私はそのように考えます。  これは五十九年までの、いま申し上げた例外的な措置だと私は心得ているわけであります。もしも五十九年過ぎてからもということになれば当然——私はないと思いますよ。そういうことはもう言わないだろうと思う。五十九年までの本当に例外的な措置だと考えているわけでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 いま言われるように、決まったことについてはもうとやかくは言いませんが、いま大臣もおっしゃるとおり、当然、公社で上がってくる利益は国民、利用者に還元されていく姿が妥当である。ということになりますと、いま五十七年度の予算審議を実はしているわけですけれども、五十六年度の決算見込みがもう新聞の方でぽんと出ましたね。決算見込みというよりも、決算におけるその額がこの程度黒字になる。新聞によれば、三千二百億、こう出ておりました。予算額よりも二千億以上の利益が出てくるわけですね。  いま政府納付金されるその問題、決まった後のこれは利益でございますから、しかも予算書には全くあらわれてないその利益でございますので、これはもう大臣の判断で幾らでも処置ができると思うのですね。ということになれば、これは近々のうちにその分が国民に還元される、利用者に還元されるという方向で決められる、こう理解して差し支えありませんか。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 この五十六年度の、新聞に報道されて、公社の方でも御説明をしておるようでございますけれども、この状態というのは、実は五十六年度に、先ほど申し上げました遠距離料金の引き下げや、日曜・祝日等の割引の拡大等やったわけでございますが、当時もこの国会、この委員会で御議論ございまして、実は私もこの席で答弁に立って、その減収の見通しというのを御説明したわけてございますが、公社の見通し——いままで公社は、値上げは二、三回ありましたけれども、値下げというのはなかったわけでございまして、値上げの際の価格弾性値と申しますか、値上げをすればどれだけさらに需要が減る、値下げをすれば逆に需要がふえる、こういう面で、値下げのケースがございませんので、値上げのときの数値をもってこれは試算せざるを得なかったというのがあるわけでございまして、その減収の見通しが、そういうふうな値上げの場合の数値を持ってきておりますので、それしか方法がなかったわけでございますので、その場合よりも思ったほど多くなくて済んだというものがまず一つここにございます。この点につきましては、実績がございましたので、五十七年度予算につきましては、その実績、その後の経過が出ておりますので、それを見て次の年度の五十七年度は正確にこれを織り込んだ、こういうことに相なっております。  それからもう一つは、これは単年度の問題でございますので、単年度だけという処置というのがございます。料金というのは構造的な問題でございまして、もっと長期的にこれを見ていかなければならない。特に基本的な料金はまさしくそうでございますので、いま公社の方の経理局長も申しましたように、収支差額黒字と申しましても、全部設備投資の自己資本の方でございますが、入るわけでございまして、したがって、金融費用、金利負担のない形で設備投資ができるわけでございまして、結局利用者の方々には、そういう金利負担のより少ないコストで電話網等の設備あるいはサービスの向上ができるというものが収支差額である。当時、その収支差額論につきましても、世上一般に非常にもうけ過ぎとか黒字という論がございまして、私どもも公社ともどもこれは性格がこう違いますよということを大いにやったわけでございますが、あれは当時の財政再建という、五十九年度までに赤字国債を解消していくというための大局見地からの協力であった、こういうふうに認識をいたしております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 確かに、過去の実績というものから将来の予測を立てていくわけですから、いままで値下げという実績がなかったので、非常にそれはむずかしいことであったというようなお話が実はありました。これは当然のことだろうと思うのですけれども、いま審議されております五十七年度政府関係機関予算、これは予算書ですね、可決されるまでは予算案ですけれども。この中に出てくる数字を見ていきまして、非常に疑問に感ずることが出てきたわけです。これは「日本電信電話公社貸借対照表」、それから「日本電信電話公社損益計算書」というところでございますけれども、これはまるで利益隠しじゃないのかなというふうに感じられるような経理の処理がされておるわけですね。たとえばこの予算書によりますと、五十七年度の予算の内容が出ておりますね。それから前年度の五十六年度の決算見込みが記されております。そしてその前年度の五十五年度の決算がここに同時に記載されているのですね、当然のことだと思いますが。  私がここで質問申し上げたいことは、五十六年度の「電話収入」の欄を見ます。これは電電公社の損益計算書の「収益の部」にある一番大きな額ですから私はこれを見たわけですけれども、五十六年度の電話収入は、予算額では三兆四千七百七十四億円になっております。ところが、五十六年度の電話収入の同じ欄の決算見込みを見ますと、それと同じ額が書いてあるわけですね。三兆四千七百七十四億、こうなっておるわけです。どうもこの点が理解いかない。予算を通して、執行されるのは四月ですね。ことしで言えば五十七年の四月から予算が執行されまして、年末に大体予算が固まって閣議決定されて、一月に今度は次の年度の予算が出るわけでございますが、それだけ経過しているわけですから当然決算見込み額は変わってこなければならぬと思うのですね。これはおかしいなということで、五十五年度、五十四年度、五十三年度とさかのぼって調べてみました。そうしましたら、収益の部は予算額も決算見込み額も全部同額ですよ。こんなばかなことがあるんだろうか。しかし、数字は確かに間違いないですよ、これは調べてもらって結構ですけれどもね。こんなはずがありますか。まず、なぜこんな決算見込み内容になっているのか、その説明をお伺いしたいと思います。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  五十七年度の予算書、案でございますが、この中の予算参照書の中に、先生ただいま御指摘の損益計算書の表示がございます。このうちの「収益の部」に、おっしゃいますように電信、電話、専用、雑収入の事業収入並びに事業外の収入、これは評価益的なものでございますが、計上してございます。これに五十七年度の予定額、つまり予算額と合わせて五十六年度予定額という形で、たとえば電話収入で申し上げますと三兆四千七百七十四億円が計上されているわけでございます。この金額は、御指摘のように五十六年度の予算そのものにおきます電話収入の予算額と同額でございます。予算案ができます、具体的に五十七年度予算案の場合で申し上げますと、昨年の十二月の時点では、たとえば十月ごろまでの実績は確かに出ておるわけでございます。しかし、その後、たとえば五カ月なり何なりの間、公社の中と申しますよりもお客様の利用の態様なりあるいは外的な要件、特に経済的な諸因子、お客様の使い方、こういったものの変動も予測されるわけでございます。そういった意味で、国会の御審議をお願いしますこの書かれたものとしての計数としては、まだ見込みというものを出すのは非常にむずかしゅうございますし、むしろ予定額として予算額そのままを、五十七年度予算案で申しますと五十六年度の予算の額そのままを掲記しておる、こういうことでございます。  この様式は電電公社だけではございませんで、私の承知しておりますところでは、国鉄あるいは専売公社なり、政府関係機関の場合に、この事業計画のいわば予定損益計算書の作成に共通して使われている手法かと存じますが、考え方はそういうことになっておるわけでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 あなたただいま、電電公社の場合は決算見込みのときはまだなかなかつかみにくいので予算額と同額を使用しているんだ、三公社が全部そういう考えでいっているんだといまおっしゃいましたね。間違いありませんか、それは。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 私、ほかの二公社のものを項目別にすべて当たったわけではございませんけれども、あるいは一部間違っておるかもしれませんが、大体同じ考え方で計上してあるというふうに理解をしておりますが、もし間違っておりましたら後ほど訂正させていただきます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 大間違いです。ぼくは調べてきております。  大臣、電電公社の経理の仕方は根本的に見直していかなければならぬと思うのですね。私はごまかすためにやっているとは思いませんよ。だけれども、こういう経理の仕方は国民をばかにしておると思うのですよ。要するに、五十七年度のいまの予算書ですよね、予算案ですけれども、これは一月に提出されましたですね。その前年度、五十六年度の年末に大体調整されて、閣議決定されるわけですね。そして一月に出てきて、いまこれを一生懸命審議しているわけですよ。これを審議して、可決されれば予算書となって四月一日から執行されていきますね。それからずっとたって十二月を迎えるわけです。そして一月、こうなるわけですから、結局は九カ月経過していっているわけですね、執行されて。予算書がこうして出てくるときはもう九カ月経過しているのですから、その収支がつかめないなんという問題じゃないのですよ。絶対つかめるはずですよ。だから、私は最初何となく疑問を抱いたので関係者に聞いてみたら、いやそういうものだと言うからそうかなと思って専売公社も調べてみました。国鉄も調べてみましたら、電電公社のようにはなっておりません。こちらは非常に常識的な経理ですよ。  たとえば専売公社を見ますと、五十三年度の総売り上げ高は予算では二兆二百六十四億になっております。決算見込みは二兆五十四億、下がってますね。そして決算は一兆九千六百六十九億ときちっと数字は変わっていっておる。これは当然だと思うのですね。当期利益を見ましても、五千八百三十四億が決算見込みでは六千二百六十億、それが決算では六千五百四十五億と、こう変わっております。五十四年度も、売り上げは二兆二千九百三十四億から、決算見込みでは二兆一千四十九億とがくっと違うでしょう。そして決算で二兆三百五十九億。これは売り上げのところですよ。五十五年度もまたしかりです。五十六年またしかりということで、五十六年度まだ決算は出ておりませんけれども、売り上げで二兆四千七百九十三億、そして決算見込みで二兆五千九十二億と、数字は当然変わってくるわけですよ。電電公社のはみんな同額ですよ。一体何を考えているんだろうか。  国鉄も見ました、調べてきました。そうしましたら、五十三年度の運輸収入は、予算額では二兆五千八十七億、決算見込みでは二兆三千四百五十二億、決算で二兆二千五百九十四億と変わっていっていますね。また五十四年度もそのとおり全部変わっていっています。  そこで、私が非常に疑問に思うことは、いまの決算見込みに対して非常に雑な考えで動いているんじゃないかな。どっちみち決算されるのだからそのときにもうけか損かわかればいいんだ、こういう感じでもしいっているとすれば、この前の電電公社のいろいろな事件がありましたね。ああいうことがやはり起こってくるんじゃないか。まじめに働いているほかの職員さんに対して非常に気の毒な思いになりますけれども、経理そのものがこういうあり方では問題が起こるんじゃないか、こう思うわけですね。と同時に、その収入の方はまあまあ同額で予算額そのままいくんだ、こう言っておりますけれども、当期利益の方は当たっていますね。こちらの方はどういうことですか。もし先ほどの考えならば、同じように当期利益の方も予算額と決算見込みは同額にしていけばいいんじゃないですか。一貫性がないじゃないですか。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 五十六年度の予算書の中での予定損益計算書における当期利益、これは一千三十二億円と掲記されてございます。これが五十七年度の予算書では、五十六年度の予定利益としまして九百八十三億円という表示になっております。したがいまして、これは五十六年度予算書におけるものと五十七年度の予算書におけるものが四十九億円の差があるわけでございますが、この差が生じました理由といたしましては、五十五年度予算の執行の過程で災害対策の保守費の支出がございましたけれども、このうち四十六億円が五十六年度に繰り越されまして、また通信研究所におきます施設物品でございますが、これも五億円繰り越しがございました。合わせて五十一億円が五十六年度に繰り越し支出される、つまり予算以上に支出が増加をするということが見込まれたわけでございます。と同時に、五十六年度の五月だったと思いますが、先ほどもちょっと話が出ました債務の繰り上げ償還を行いました際に、市中に出回っております電信電話債券を買い入れ消却をするわけでございますが、これの額面に対しますアンダーパー、これは一種の雑益、評価益になるわけでございますが、これが五億円、逆にオーバーパーの分、これは雑損でございますが三億円ということがございました。したがいまして、費用の部では、先ほど申し上げました繰越額の五十一億円と雑損で三億円、合わせて五十四億円がいわば予算よりもプラスになるわけでございます。ところが片方で、いまの収益面で雑益の五億が逆にふえるということで、五十六年度の当期利益の予定額としましては、五十六年度の予算書において予定したものよりも差し引き四十九億円減るということからただいまの差が出てきておる、こういう表示になっておるわけでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 いまの答弁では五十六年度の当期利益の予算額は一千三十二億であった、そして決算見込み額は九百八十三億になって、その差額は幾らでと、そうなった理由を連綿とお述べになったわけですが、私が聞いているのはそういうことじゃないんですよ。よろしいですね。先ほどこちらの局長さんがおっしゃったように、過去の実績から次年度の予算の予想を立てていくわけでしょう。政策面あるいは行政面をどうしていこうということで、おのずと予算額が浮かび上がってくるわけですね。そうしてまいりますと、五十六年度の当期利益は一千三十二億としたためてありますが、その前年の五十五年度の当期利益の決算は三千八百八十億あるんですね。その前の年、五十四年度当期利益は決算で四千五百二十九億円あるんですよ。その前年度の五十三年度の当期利益も決算で三千九百七億、大体四千億近いほどの利益がずっと続いて出てきているわけですよ。それなのに、五十六年度の予算額はその三分の一あるいは四分の一と思われるような額の千三十二億。何でこんな低い額を予算として立てるんだろうか。これが疑問の第二ですね。また、いまのように毎年毎年電話料がぐんぐん収益を上げていっているのに、いまのような低い予算額を提示し、しかも五十六年度の決算見込み額がそれよりもまたがくんと落ちた。いまいろいろ説明なさったけれども、どうも納得いかぬですね。もう一度、この点についてお答え願いたいと思います。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 先生御指摘の趣旨は、こうした年度の予算、特に収支予算の算定に当たっては過去の実績を踏まえてできるだけ正確な見積もりをすべきであるという御指摘かと思います。私どもも先生の御意見のとおりだと思っております。事務的に計数を算出します場合に、たとえば収入につきまして、五十七年度の現在御審議いただいております予算で申し上げますと、この夏まで、六月ごろまでの収入の実績を踏まえまして、同時に、この夏以降五十七年度いっぱいにかけての景気の見通しその他を踏まえた上で、特に収入ウエートの大きい電話収入等は算定するわけでございます。同時に、これをまた九月までの時点でもう一遍見直しまして、収入実績の最終的なものを盛り込んで収入動向を踏まえた上で、かつまた翌年度、執行年度における考えられる条件を織り込んで算定をするということで、五十七年度予算の場合は収入を算定いたしました。この結果、予算ではございますが、五十六年度に対しまして六・三%の伸びと、これは景気の先行きその他が論議されている時点だけに、かなり執行上一生懸命やらなければ確保もむずかしいかなと思われるほど、私どもとしてはかなり目いっぱいといいますか、見積もったつもりではございます。  また、支出につきましては、同じように過去の決算額をベースにいたしまして、同時に執行年度におきます予見される各種の事情、たとえば電話の増加の模様、あるいは各種端末機の増加、あるいはまた作業態様の変化、技術革新による経費の節減の可能性、こういったものを織り込んで支出を見積もるわけでございます。  その執行の過程におきまして、収入につきましては、たとえば景気の変動なりあるいはお客様側の利用の仕方の変化等によります増または減の変化が出てくるかと思います。また、支出につきましても、これは私どもも予算いっぱい使えばいいということではございませんので、むしろ極力これを節減して経営効率を上げるように努力をするということを本旨としておるつもりでございます。  基本的に、収入につきましても支出につきましても、同時にまた、その差額であります収支差額の見積もりについても、できるだけ経営努力を織り込んで、過去の実績を踏まえた上での適正なものにするということを従来もやってきたつもりでございますが、今後そういった点はなお十分努力をしてまいりたい、このように思っております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 では、もう一つ確認します。  先ほど私が申し上げました電話収入に対する当初予算額と決算見積もり額が電電公社は同額であって、それはそういうものなんだ、そういうしきたりになっているんだ、こういう話だったけれども、これは先ほど僕が言ったとおりに他の公社は違ったですね。あなた、それはおわびしますね。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 私、各予算書をしさいに自分の目で確かめたわけではございませんので、準備が不十分でございまして、おわびを申し上げます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 それでは、いまの件にもう一度立ち戻りますけれども、当期利益金を見てまいりますと、先ほど言ったように、五十三年度は三千二百七十億、決算で三千九百七億、予算よりもプラス六百三十七億円、五十四年度は予算二千九百六十五億、決算で四千五百二十九億ですからプラス千五百六十四億、五十五年度は二千七百四十三億、決算で三千八百八十億、プラス千百三十七億。このようにぐっと利益が大幅に出てきている予算が続いたような場合は、その次年度の予算額はやはりその実績を踏まえてつけるべきではないだろうか、私はそう思うのですけれども、これは余りにも低い予算額をつけているのじゃないか、こう指摘したいのですが、いかがですか。     〔委員長退席、畑委員長代理着席〕

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 ただいま先生おっしゃいました五十三年度、四年度、五年度、この三年間におきます予算と実績の収支差額の差は御指摘のとおりでございます。  そこで、五十六年度の予定額をどういう形で予算書の面で表示するかは先ほど申し上げたとおりでございますが、五十七年度の予算案につきましては、この収支差額を一千七十六億円ということで現在御審議をお願いをしております。  そこで、五十五年度のたとえば三千八百億円の収支差額から、五十七年度の一千百億円という収支差額の減少が非常に大きいのではないかという御指摘かと思いますが、ここで五十五年度と五十七年度と基本的な違いの大きなものの一つに料金の値下げの問題がございます。五十五年十一月に御存じの夜間料金の値下げを実施いたしました。これの平年度の影響額、これは推定でございますけれども、約七百億円というふうに推定しておるわけでございます。それから、五十六年八月に実施いたしました遠距離二段階の値下げと日曜・祝日割引制度の実施、この二つの値下げの措置によります影響額、これが五十七年度はいわば平年化されるわけでございますが、平年度の金額をおよそ九百億円というふうに減収額を見積もりまして、これで五十七年度の予算の中に織り込んだわけであります。したがいまして、これはもちろん推計でございますけれども、夜間割引と遠距離、日曜・祝日、この二つの料金の値下げの影響額が七百億円と九百億円、合わせて約千六百億円程度のものが五十五年度と五十七年度とベースがいわば違っておるということがございます。  と同時に、また、いまの値下げの問題とは別に、現在新しくふえております電話の利用者の方々の八割方が実は住宅、家庭用の御利用でございまして、当然これは事務用の御利用よりも利用度が低いということから、一般的に一加入当たりの御利用になる回数あるいはそれの反映であります電話収入というものはどうしても伸び悩む、ある場合には少し落ちるという傾向にございます。そういった収入の方の問題。  と同時に、また、支出のサイドにおきましては、人件費、これはベースアップその他定昇がございまして、これは三三%もの総費用の中のウェートを持ちますので、人件費によります支出の増加、あるいは一般の物価の値上り、それから設備産業でありますだけに設備投資に伴います減価償却費の増加、こういったものである程度の数%の支出の増加がどうしても避けられないという点もございます。  そういった収入がどちらかと言えば伸び方が鈍る、加入電話の数の増加が少のうございますので、伸び率が頭打ちになる、支出の方がいま言ったある程度のものが出てくるということから、やはりほっておきますと、一種の構造的な形でこの収支が悪化しがちな傾向が基本的にございます。ただ、だからそれでいいというわけではございませんので、収入につきましてもできるだけ増収の努力をする、経費についてはできるだけ節減をするという努力を今後も織り込んでいくつもりでございますし、また、そういう前提で五十七年度の予算案も編成をしたわけでございますが、そういった問題があるということも御理解をいただきたいと思います。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 大臣、経理の仕方について先ほど僕が、電話収入の欄では予算額も決算見込み額も同額なんというのはおかしいぞ。そうしたら、電電公社は大体そういうしきたりできたんだ、他の公社もそうだと言ったから、僕は事前に調べてきて、そうじゃないじゃないかと言ったら、自分が調べなくてそれはおわびしますということは、他の公社はやはりちゃんと動きを帳簿の上に記しておりますね。電電公社も今後はそうあるべきだと思いますので、これは大臣からしかと指導していただきたいということ。  それからもう一つ、大臣に私返事をいただきたいのですが、いまの五十六年度の当期利益、予算は千三十二億、そして決算見込み額が九百八十三億、この計算書に出ておるわけです。この決算見込みというのは、もうあとわずか三カ月程度で決算されるわけですから、そういうことで九百八十三億というこの予算書に出ておるのをいま審議しているわけですけれども、ぽんと三千二百億利益が出るぞと出ているわけですよ。そうしてみると、これは何のための予算書なのだろうかなという疑問がしてならないのです。  過去の実績を見ますと、五十三年、五十四年、五十五年度も、決算で大幅な四千億前後の利益が出てきたにもかかわらず、五十七年度の見積もりも千九十二億程度の額、その前の五十六年度も千三十二億、こう低く見積もりてくるわけですね。こういう考えもきちっと指導していくべきじゃないか。もっと正直に、実態に即した立場で予算計上していくべきではないか。  私が、おかしいおかしいと思ったので、電電公社の収支状況を持ってきてくれ、こう言いましたら、確かに五十五年、五十六年度の収入、支出そして収支差額の数字は並べてあるのですけれども、その備考の欄に「現時点における五十六年度の予算に対する増収見込額は約千五百億円程度、節減見込額は約八百億円程度と見込まれ、この結果、収支差額は約三千二百億円程度になるものと見込まれます。」これは電電公社の方からいただいた資料ですよ。予算書には九百億余のお金しか計上されていないのですね。しかし、資料を要求したら、三千二百億になりますよと。二千億以上の大きな違いが出てきますね。これもやはりおかしいと私は思うのです。ですから、いわゆる決算見込みというところがもっと実態に即した数字が出てこなければおかしいということです。それもあわせて大臣の見解を聞いておきたいと思います。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 今年度、五十六年度の収支については、先生おっしゃるとおりでございます。ただ、五十六年度の予算と決算がこんなに違っているぞ、三千二百億も出ているじゃないかということでありますが、先ほども郵政省の電政局長からお話がありましたように、その前の年に、夜間割引をやったり、それから日曜・祭日の割引をやったり、そこでその減収がどの程度になるだろうか、予算をつくるときでありますから下目に見たのだろうと思うのです。     〔畑委員長代理退席、委員長着席〕 それが、確かに減収にはなったけれども、予想したよりも減収は少なかったというような問題や、最近真藤総裁のもとに大変な経費節減をやっております。支出が減ったなんということもいままではなかったのでありますけれども、かなり節減をいたしております。また一増収対策などもやっておりまして、そういうことで五十六年度の決算では、決算の予想でありますけれども狂ってきた、私はそう理解しているのです。しかし、さっき電政局長の守住さんからもお話がありましたように、五十六年度の実績がわかったのでありますから、五十七年度の予算を立てる際に五十六年度を参考にしてつくりまして、この程度の利用率があったのだなとわかりますので、五十七年度からはそういうような間違いのない予算案をつくった、こういうことでございます。  しかし、先生御指摘の点については、将来予測をより的確に行う手法と申しましょうか、これを研究いたしまして、電電公社を指導してまいりたい、また、電電公社も、みずからの研さんに努めて、適正な予算編成を行うよう努力していただきたい、私からもそういう指導をしたい、こう考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 大臣、私が言いたかったことは、五十六年度当期利益の決算見込み額が予算額よりもぐっと低く抑えられている。実は、三年前はずっと大変な利益が出てきているわけですから、その予算額そのものも低過ぎるのじゃないですか、なおかつ、さらに低い額で決算見込みが出ているのはおかしいですよと言っているのです。なぜならば、いまわれわれはそれを信頼して、ああなるほど、五十七年度は千九十二億が予算で出てきたなこの関係からいけば理解はできるのですよ。しかし、いま審議しているこの数字のときにもう決算の予想が三千二百億なんて出てくるわけでしょう。だから、そこまでわかるくらいだったら、この予算書を出すときに、見込みを出すときには、もう相当の実績が出てきているはずですから、こんな数字にはならぬはずですよ、もっとしっかりした指導をしてください、こういうことです。  五十六年度も皆さんの努力のおかげで大きな利益が出ることが確実になってきたわけですね。そういうことで、先ほど国庫納付金の問題は五十九年度まででもうそれ以上はないと私は思うと大臣はおっしゃった。そういうことでもありますし、せっかく出てまいりました利益を国民の利用者側に大幅に還元していただきたい。特に長距離は近距離に比べて六十倍ほどの割り高になっておりますし、また先進諸国と比べても平均二十倍くらいの差がありますので、この際、もう何が何でも長距離電話の料金を下げていただきたい、こう思うのですけれども、大臣いかがですか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 確かに先生おっしゃったとおり、遠近格差が、かなり是正されたとは言いながら、ただいま申し上げたような日曜・祝祭日の割引だとか、遠距離の場合でも夜間割引だとかいうことをやりましたので、確かに改善はされたのでありますが、いまなお諸外国に比べて遠近格差は大きいものがあります。いま直ちに料金改正をこのようにしますということを申し上げることはできませんけれども、これは郵政省でも鋭意検討しているところでもありますし、また、真藤総裁のもとに電電公社も検討をいたしているところでございますので、いましばらく検討の結果を見守りながら、何とかひとつ遠近格差をなくそう、そして、国民に良質でしかも低廉な価格でサービスのできることを私もこれから、いまはお答えできませんけれども、やっていきたい、同じ考えでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 それでは、ちょっと話は変わります。  最後に、実は、電話加入権質に関する臨時特例法の期限延長の問題なんですけれども、昨日も同僚議員からいろいろと質問が出まして、それなりの御答弁が出ているようでございますけれども、私はまた地域が違いますので、というのは、私の地元の関係の皆さんから真剣な訴えが続々と届いております。請願書も出させていただいております、いずれ委員会で審議されると思いますけれども。特に九州の方は、この電話加入権質に関する臨時特例法の延長について、五十七年三月六日九州総決起大会が行われるようでございます。私はいままでの事情はよくわかりませんけれども、皆さんのお話を伺えば、これは非常に重要な内容であるようでございます。これが三月三十一日でもって期限切れになりそうである。電電公社としては再廷長はしない方針だと承っておるけれども、われわれはぜひこれを延長してほしい。というのは、電話拡充法ですか、それから退職資金手当法が必要でなくなってきたことと、行政改革に沿って事務の簡素化のためにこれもついでになくしてしまおうという考えのようだけれども、決してそういうものじゃない。何とかひとつ延長していただきたい。あるいは何回も何回も延長されているわけでございますので、むしろこういう必要なものならば恒久的にぴしっと決めたらいいじゃないかという意見すらございますが、これに対して大臣の御見解を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 昨日も多くの質問者の方から、きょうもまた大橋先生から同様の趣旨の御質問がございました。前向きに対処してまいりたいと考えているのでありますけれども、先ほどたしか久保先生からでございましたか、あるいは違った先生かもしれませんけれども、今国会でやらぬかという話もございました。しかしながら、前向きで検討していこうという考えはあるのですけれども、国会が、この委員会等で各党の先生方が、おれたちはこういう決意だぞ、まあ決議でもあれば一番いいのですが、そういうことを確認しながらひとつ延長でいくか——私は事務当局には、また延長、また延長、また切れるんだというようなことでなしに、恒久的にやる方法はないか、それもひそかに勉強してくれということを言っておりますが、やはり現在の公衆法が御承知のとおりにできておりますから、これを直すからには、政府提案で直すわけですから、やはり相当な何かがあれば私どもの方はやりやすい、こういう考え方でございますので、どうぞ御了承いただきたいと思います。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 終わります。

水野清自由民主党

○水野委員長 大橋敏雄君の質疑は終わりました。  依田実君。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 最初に、昨日自由民主党の政調の通信部会に、例のデータ通信の郵政省の第二次案が提示されたようでございますので、その問題から取り上げさせていただきたい、こういうふうに思っておるのであります。  先般の臨時行政調査会の答申にこのデータ通信のことが出ておりました。少し長くなりますけれども、「通信と情報に係る急速な技術革新の成果を生かした高度で多様なコンピュータ利用が行われることである。このため、通信回線の利用については、国の規制を極力排し、民間の創意工夫が最大限に生かされるようにすべきであり、」そして、その一として、「データ通信回線の利用については、不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステムを除き自由にする。」こういうことが書いてあるわけであります。  しかし、昨日のこの郵政省案を見てみますと、前の第一次案よりは、情報処理の面では自由化が進んでいるわけでありますけれども、将来の高度通信サービス、この面についてはいささか道が閉ざされておるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。今度の案をつくられるについて郵政省は基本的にどういう態度でこれをおつくりになったのか、その辺からお聞かせいただきたいと思います。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○箕輪国務大臣 この問題につきましては、関係省庁の一つであります通産省とかなり前から鋭意その調整、相談をしてまいったのであります。ただ一点詰まらないものがございました。それは、先生おっしゃるいわゆるVANというところであります。なぜ詰まらないかと申しますと、いま電電公社がやっているデータ通信がございますね。これは、通信の最も大切な基本的な秘密を守るとかあるいは信頼性を確保するとか、公衆法でちゃんと決められておりまして、それで電電公社がやっているわけでございます。未来こういうVANのような情報処理産業ができる、これは民間にやらせようということであります。そうしますと、やはり通信には違いないわけですから、電電公社の回線を使って情報処理をしていただいて、それがまた電電公社の回線を使って端末へ返ってくるわけでございますから、公衆法で電電公社に課しているのと同じような規制、通信の秘密を守ってもらおう、利用者の信頼を確保しよう、そういう同じ文言の同じ規制をしたいということに対して、通産省の方は、それはならぬ、自由でいいじゃないか、そんな、人の秘密を盗んで悪いことをしたやつは後で罰すればそれでいいじゃないかというような考えのようだ、私はそのように聞いていたわけであります。この点だけが詰まらないのであります。どうしても今日まで詰まっておらない。  しかし、臨調からたしか十日ですか第二次答申が出された。この臨調の答申を最大限尊重しようと、閣議決定は十九日に行われたわけであります。そして今度、法律を出しなさいということで二十四日まで行政管理庁でまとめよう、そして、来月の十二日の閣議で決めて提案しよう、こういう段取りになってきたのですね。そうすると、通産省とわが省と詰まらない問題を法律化することはできませんので——いつの場合でもそうであります。多省庁の間にわたる問題で法律をつくろうとすると、もう詰まらないものは今国会はあきらめとなるわけでございます。でありますから、私としては、詰まったものの中で、さらにプラスみずから考えて、臨調の答申を最大限尊重して前広にやってみてくれというのが、この間つくった、先生いまおっしゃった法律要綱であります。二十四日に行管に提出したのであります。  細かいことにつきましては、関係局長から答弁させます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 確かに通信の秘密保持、これは非常に大事なことだろう、こう思うのであります。だからなかなか自由化できない、こういう直接の議論にもまたならないのじゃないかと私は思うのです。それを侵されないためには、技術開発なりあるいは人事管理、そういうものでできるのじゃないか、こう思うのであります。  この臨調の答申にも、一番最後に、「なお、プライバシー保護については、別途関係省庁で総合的な研究が進められるべきである。」こういうふうに書いてあるのですが、その辺はどういうふうにお考えになるでしょうか。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 臨調の答申の最後に「別途」ということが書いてございますが、事務当局のあれによりますと、それは条件ではない。プライバシー全体論である。単に通信に直接関係するプライバシーだけでなくて、プライバシーの問題は、政府が保管する情報からその他民間までいろいろ幅広いものがございます。そういう意味であって、この通信問題と直接のものではない、別途である、条件ではない、この点が入っておるわけで、通信の秘密関係はそういうことでございます。また、大臣のお答えしたように、ただ後で罰則さえ整備しておればいいというものではなくて、やはりそこには人的、物的管理体制の問題まで十分整備された上で初めてこういう通信サービス業は道が開かれるべきものである、こういうふうに考えております。  さらにまた、何と申しますか、あまねく全国に公平にという使命を持ちました公衆電気通信事業の、情報処理はともかくといたしまして、通信サービスというものは現在電電公社の独占になっておるわけでございます。それが具体的にあらわれたところが、いわゆる通信の他人使用の禁止ということであらわれておるわけでございます。高度通信、電信電話は全く除外でございますけれども、技術的には使える可能性を実は秘めておるわけでございますが、理論的には、制度的にはこれを排除するといたしましても、この高度通信サービスの方につきまして民間の活力導入という御意見が出ておるわけでございます。しかし、電電公社は、いろいろな公衆電気通信法の形あるいは組織体制の形で、公共企業体としてもこれをがっちりと守っておる。さらに、それを民間に開く場合は、そういう通信の秘密だけの問題、信頼性の問題だけでございませんで、この公衆電気通信全体としての秩序の維持というのが要るわけでございまして、そのためには電電公社の業務との切り分けあるいはその調整という行政的な分野が必要であるわけでございます。  そういう問題等々も考えて、こういうものが前提条件でありますという、その前提条件につきまして通産省の方と意見の対立があって、他方、臨調の方からも御答申が出ましてタイムリミットも迫っておるということで、情報処理の分野につきましてはほとんどもう、いろいろ行管や通産が言っておりました過去の具体例等にも全部即応できるような案を考えた。ただし、今後の問題は、もちろん先生御指摘のように残っておるわけでございますので、私ども、今回はタイムリミットがございますけれども、今後に向かってはもっと幅広い検討を加えながら、また、いずれ内閣委員会で御審議がありまして、御審議の結果できますと期待いたしております電気通信審議会等々、専門の審議会が電気通信についてできるわけでございますので、そういう場を通し、あるいはいろいろな民間の方々に、通信の持つ特性というもの、情報処理については非常におわかりでございますけれども、いままで通信そのものは電電公社だけの独占であったわけでございますので、通信の特性、特色というものがなかなか理解されないということは私ども反省しておるわけでございますけれども、そういう御理解も一方で求めながら、さらにこれに向かって取り組んでいこう、今後継続の部分は取り込んでいこう、このように考えておる次第でございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 いまのお話にもありましたけれども、共同使用、この部分は自由になっておるわけでありますけれども、他人使用、これはデータ処理の場合以外は制限される、こういうことになっておるわけです。独自にコンピューターを持つところはいいわけでありますけれども、中小企業などにとってはこの他人使用が禁じられるということは非常に不利じゃないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、この辺はどういうふうにお考えになりますでしょうか。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 御指摘の他人使用と共同使用に差があるのではないかというふうな点、コンピューターを持たない中小企業の問題はどうか、こういうふうな角度の御質問だと思いますけれども、先ほどのお話とも通ずるわけでございますけれども、他人使用と共同使用に差がございますのは、わが国の通信秩序と申しますか、その秩序といたしまして、通信サービス、いわゆる他人のために通信を媒介する業務と申しますか、それにつきましては電電公社が一元的に提供するということが公衆法の体系の思想でございまして、それが基本になっておるということでございますので、この他人使用につきましては、この制度の基本とのかかわりということを特に配慮する必要があるからだ、このように考えておる次第でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、民間でこの他人使用という意味での通信サービスを提供することは、いまの時点では、その前提条件が確保されない限りこれは重大問題である、このようにとらえておりまして、ただし今後さらに継続して検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 そうなりますと、架空の問題になるかもしれませんけれども、たとえば、民間でよく言われております電電公社民営論の中の一つの議論に、このデータ通信部門を離したらどうだ、こういう議論があるわけでありますけれども、そういうふうになった場合はいまの問題は解消するのか。つまりメッセージチェンジの部門、こういう部門も自由化されるのかどうか。これは仮定の問題ですけれども、その辺をお聞かせいただきたい。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 臨調におきましては、この電電公社の行っておりますデータ部門の問題だけでなくて、全体まで御検討の対象になるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございますが、その全体論ということがどういうふうにどういう角度で御検討になっていくのか、また、その中でデータ部門の問題がどのようになっていくのか、私どもとしては、まだそういう部門、特にデータ部門については全く聞いておらないわけでございます。しかしまた、電電公社のそのデータ部門につきましても、やはり全国あまねく公平にという公社の使命と申しますか、そういう分野につきましてはやはり積極的に取り組んでいかなければならない問題ではないか。まして別会社だとか民間会社とかいうようなことにつきましては、全くの新聞の一部の予測と申しますか、何かのことだと受けとめておりますので、私どもとしては、単に仮定という問題だけでなくて、そういう本質的な通信の使命を含めまして、全く考えてもいない、こういうことでございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 これも仮定の問題になりますけれども、外資の参入、この問題について、電信電話のようなベーシックなものは非常に困るわけでありますけれども、この情報処理のところ、こういうものは将来入れざるを得ない、こういう見方ができるんじゃないかと思うのであります。もちろん、日本の弱小業者、これを外資が入ってつぶすようなことがありますと困るのですが、こういうものは独禁法でいろいろ調整できるわけでありまして、現在アメリカでいろいろ相互主義というものが唱えられておるわけだし、この通信の分野でもいまそういう議論が起こっておるわけでありまして、将来にまたいろいろ貿易摩擦、こういうようなものに対しても影響をしてくる。そういう意味で、外資の参入ということについて郵政省はどういうふうにお考えになっていますでしょうか。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 先生御指摘のような議論がありまして、不必要な貿易摩擦に類するようなことが生じるようなことは避けるべきではないか、こういう点はわれわれも十分念頭に置いておるわけでございますが、ただ、外資の参入につきましては、冒頭おっしゃいました電信電話等基本サービス、電電公社が行うべき基本サービス、電信電話だけでございませんで、DDXからファクシミリ専用網、ネットワーク提供型の基本サービスがあるわけでございますので、そういう問題につきましては、国家の通信主権と申しますか、あるいは国の安全保障等々と直接にかかわる通信業の問題でございますので、これについては諸外国もそういう例はないわけで、過去におきましては、発展途上国、中進国等でそういう通信業にいろいろな先進国が入り込んで、それを排除していくのに非常に苦労しておるという歴史もございます。日本も明治の最初は実はそうであった歴史もあるわけでございますし、一方、通信と放送の分野におきましても、放送の問題あるいはCATVの問題と、一定の排除と申しますか一定の制限を設けておるのが日本の通信、放送の法制である、このようにとらえておるわけでございます。  他方、情報処理の分野につきましては、これは外資は一切排除しておらないわけでございまして、例を挙げてなんでございますが、日本IBM等々、情報処理の分野では自由に認められておりますし、私どももその分野で外資の制限はしておりませんし、将来ともする考えはないわけでございます。したがいまして、今回の郵政省の公衆電気通信法の改正におきましても、情報処理のための回線利用は自由といたしまして、外資企業でも自由にデータ通信サービスができるようにしておるということでございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 もう一、二点お聞きしたがったのですが、ちょっと時間がなさそうなので、次へ移らせていただきます。  電電公社の民営化の話がいろいろ出ております。臨調から次の答申のときには何らかの形で出てくるのじゃないかと思うわけであります。  この総裁のお書きになりました「電電ざっくばらん」、大変おもしろく拝見させていただいたわけでございますが、これを読んでおりますと、至るところで総裁は、このままでは数年を待たずして電電公社は赤字に転落する、第二の国鉄になる、こういう危機感を非常にお持ちになってお書きになっておるわけでありますけれども、総裁がそういうふうにお感じになる理由はどこにおありになるんでしょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 過去の数字を見てみますと、オイルショックが一段落した後、依然として支出の対前年度の伸び率の方が収入の対前年度の伸び率よりも三%ないし四%高いのでございます。しかも、現在電話は世の中に行き渡ってしまいまして、したがって加入者の数字が、ことに利用度の高い加入者の数字が増加がとまっております。そこへもってきて御存じのような世界的な不況の波を受けておりまして、この世界経済の動きが高度成長に簡単に戻らないというふうな様子もございます。  そう考えますと、この収入の伸びと支出の伸びの乖離がマイナス三%前後あるということは、一年間に千二百億ずつぐらいの収支差額の減少が出てくるということでございます。これは料金を値上げしない、動かさないという前提でそういうことでございまして、しからば三%をどうやって、収入の伸びと支出の伸びとを少なくとも平行線に持っていくのにはどうすればいいかということになりますと、現在の仕組みの中ではなかなか簡単には実現できそうにないといういろいろな状況がございます。また、そういう支出の伸びに対して経営力でもってコントロールできるものなら、過去こういう数字が並んできたはずはないのでありまして、現状の制度のもとでは、支出をコントロールするフレキシビリティーというものは非常に少ないものだというふうに考えますと、必ず赤字になる。赤字になった場合に、値上げに持っていくよりほか仕方がないというけれども、こういう低成長で可処分所得が伸びないときに、果たして従来のほかの公共企業がやったような値上げが簡単にできるかなと考えますと、ここ二、三年もこの調子が続きますと、公共料金の値上げというのはものすごい社会的な抵抗が出てくるのは必然だと思います。そういう面から考えまして、このままじっとしておったのではこわいというふうに感じておるわけでございます。  しからば、当事者としてそれをどう解決するかというのが私どもの義務だというふうに考えておりまして、いま社内では、少々無理をしてでも黒字の間に収入の伸びと支出の伸びと少なくとも平行線に持っていこうじゃないかというのをモットーにして、いろいろな施策の実行にかかっているというのが現状でございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 当事者であられる総裁が、将来のことについて、このままでは第二の国鉄になるということをそれだけはっきりお書きになるというのは、これは非常に卓見ではないか、私はこう思うのであります。  そこで、いずれにしてもいまの形の電電ではだめだということで、社内でいろいろ御検討だ、こういうことでございます。しかし、一方、世の中ではいろいろかしましい議論があって、さっき言ったデータ通信部門だけ別会社にするとか、電話機本体は別会社にするとか、いろいろ雑音が多いわけでありますけれども、総裁が一貫してこの中でも言われておるお考えというのは、予算が国会で縛られ、そしてまた給与あるいは労使関係などが公労法で縛られてほかの五現業と同じようなことでは困るというようなことをお書きになっているような気がするわけであります。  総裁として、いわゆる通俗的な意味で民営論というものをこれから考える場合の基本的スタンスといいますか、将来の公社の職員の処遇や何かも含めて、どんなところへポイントを置いていったらいいのか、その辺を総裁はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお聞きをしたいのであります。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いま申し上げたような現状認識に立って、今度の臨調の第一次答申の文言を読みますと、臨調としては何か現状を変えることをお考えになっているように受け取っております。原則として、私どもは当事者でございますので、自分たちはこういう形がいい、ああいう形がいい、それは反対である、賛成であると言う立場にはございませんで、臨調の答申、それに対応する国会の論議、御決定に従って私どもは動くわけでございます。  ただ、現状ではっきり申し上げられますことは、公社は独立採算の責任を持たされております。また、それが持ちやすいような公社法というのがございます。しかしながら、実際今日までの運用の姿は、予算の方は行政官庁とほとんど変わらない予算統制の強い力を受けております。したがって、はっきり申し上げまして、今日までの公社の動きというのは、予算まではきっちり使うということで長い間歩いてきておるわけでございます。  一方、労務管理につきましては、人事管理につきましては公労法の強い影響を受けております。また、受けざるを得ない状態にもなっておるわけでございまして、したがいまして、公労法を国全体の目で運用する場合に、国のこういう事業体の労働問題を一括処理せざるを得ない立場に立つことは、これまた当然だと思います。  したがいまして、企業の中の従業員にとりましては、自分の企業の独立採算という目から見た働きがいのある職場ということは、自分の企業の決算の成績によって、努力したなら努力した、努力が足らなかったら努力が足らなかった、あるいは社会状況がわが事業にうまい状況になっていない、こういう企業別の独立採算という目から見た特殊性に応じて人事問題が処理されるのが、これは常識でございますけれども、今日までの歴史はそうはなっていない。言いかえますと、今日までの歴史では、本当に従業員が、ことに下部組織の従業員が本気になって働くのがばかばかしいという形になっているのは否定できないと思っております。  そういうことで、この三つの柱にはおのおの矛盾しております。これをどういう形で解くかというのが今度の臨調の御勉強のなさるポイントだと了解いたしておりますが、現状、私民間から参りまして、そういう矛盾を感じておるのが実際の状態であります。いま申し上げたことは、この前参議院の決算委員会のときも説明を求められましたので、同じことを御説明してあります。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 いまの総裁の御意見というのはやはり私聞くべきものがあるんじゃないか、こう思うのであります。やはり第二の国鉄にならないためには、予算の面あるいは公労法の面、そういう意味でそれから脱却していくということが大事じゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。  それでは、次の問題に移らせていただきまして、この大臣の御説明の中に、昭和五十八年度にテレビジョン放送の難視聴解消に利用するために実用の放送衛星を打ち上げる、いま関係機関とその準備を進めているところだ、こういうふうに書かれておるわけでありますけれども、今度の実用放送衛星は主にNHK、ですから関係法令の方は余り改正をしなくてもよろしい、こういうお話でございますが、いまどういう準備をお進めになっているのかお話をいただきたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 いま先生おっしゃいましたように、五十八年度から予定しておりますBSについてでございますが、NHKの難視聴解消の目的だということでございますので、現行の放送法のままで対応が可能であるというふうに考えておりますが、いろいろ準備は行っておるわけでございまして、その辺、法制上の準備は一応電波法で衛星を取り上げましたときに、位置の問題とか設置場所の問題あるいは自由にとめられるようなことを可能にする、その場合に、郵政大臣の命令といいますか周波数利用上の観点からした場合には保証をしなければならないいその辺の手当てはすでにいたしたわけでございまして、ただ、今日までやってまいりましたいろいろな準備がございますが、その中には放送衛星局と申しますか、無線局としてつかまえておるわけでございまして、それらのテレビジョンの伝送方式あるいは空中線電力、周波数の許容偏差等、技術的な審議を五十五年度から電波技術審議会という場において御検討をいただいております。  また、一方、一応導入いたしますと、やはり受信が問題でございまして、衛星放送用の受信機、それはどうあるべきか、標準的に所要の性能はどうあるかというようなことで、その辺の問題につきましても、五十三年ごろから郵政省もあるいはNHKとも協力いたしまして、ある程度の経費をつけまして、研究も行っておるというような状態でございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 一方、NHKの方は、この実用衛星が上がったときにどう対応されるのか、ハードとソフトの両面を含めて、現在どういうふうにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

木村悦郎日本放送協会技術本部副本部長

○木村参考人 お答え申し上げます。  NHKといたしましては、放送衛星につきましては、昭和四十一年から研究開発を進めておりまして、ただいま局長からもお話がありましたような高性能の低雑音受信機とか、あるいは放送衛星の搭載用の中継機とか、そういった研究開発を生かしまして、昭和五十三年度から五十六年度にかけましては、国の打ち上げました実験用の中型放送衛星、これを使いました実験でいろいろ成果を上げてまいっております。本土内では大体直径一メートル程度のアンテナで良好な受信ができるというようなこと、あるいはそれは難視聴の解消に活用を十分できる、あるいは非常災害時のような場合にも、放送衛星というものが、まあ宇宙のかなたにございますから、地上の災害の影響を受けないというようなことで有用であるということを確認いたしましたし、また、そのほか、高品位テレビジョンというのが最近話題になっておりますけれども、こういったものについても実験をいたしました。  この実験に際しまして、私どもといたしまして、いろいろ、衛星が上から電波を降らすためには、まず地上から番組を衛星の方に届けてやらなければならない、そういうための設備、そういうものは私どもの方で、可搬型のもの、それから車に乗せるもの、車に乗せますと全国が移動できるわけでございますが、これは稚内から沖縄まで移動いたしまして、二十六カ所から送信の実験をいたしまして、そのほか各地での受信実験といたしましては、離島ではかなり若干大きなアンテナが必要でございますけれども、受信専門局というようなもの、それからさらに、先ほど申し上げました簡易受信装置といったものも数つくりまして、いろいろ確認をいたしてまいりました。  そういった実験の結果を踏まえまして、現在鋭意準備を進めているところでございますが、まず衛星につきましては、放送衛星二号でございますけれども、昭和五十五年度にその製作と打ち上げを通信放送衛星機構の方に委託いたしまして、現在宇宙開発事業団で衛星の製作とそれから打ち上げ用のロケットの開発が進められておるわけでございます。  五十九年度の放送開始を目指しまして、当然、実験に使いました設備はもちろん活用をできるだけいたしますけれども、実験の際には一チャンネル——実験衛星も二チャンネルの放送機能がございましたが、今度は当然難視解消のために二チャンネルを同時に放送するということになりますので、そのためのパラボラアンテナを初め送受信の設備、さらにはこの電波をたとえば離島などで受信いたしまして、さらに地上で再送信するという設備、そういったものがいろいろ必要になりますので、これを昭和五十七年度から着工するということで鋭意検討を進めているところでございます。  五十九年度に入りますと、大体昭和五十九年の五月ぐらいから使えるようになるんじゃないかと期待しておりますけれども、そういう段階になりますと、難視の解消が全国的にできるわけでございますけれども、何と申しましてもこの衛星の受信の普及ということが一番大事に考えておりまして、先ほど電波監理局長からもお話ありましたような、低価格でできるだけ使いやすい受信機というものを受信者の方々に使っていただくために、総合技術研究所を中心に開発を進めておりますが、現在までに国内のメーカー十六社に技術協力ということをやっておりまして、メーカーの方でも大量生産を通じて低廉化の検討を行うという状況でございます。  以上でございます。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 打ち上げの費用は六百億とわれわれは聞いておるわけであります。四〇%は開発費として科技庁、それから六〇%がNHK、三百六十億というふうに伺っておるわけでございます。NHKの予算書を見ましても、来年度七十六億円計上されておるわけであります。われわれ、初めはこれは五分五分、NHK五割、こういうふうに伺っておったのですけれども、いまのNHKの財政状態から、六〇%持たされるというのも大変じゃないかと思うのが一つ。  それから、いままでサテライトなど、相当に地上のマイクロを使っての難視聴解消施設ができておるわけでありまして、二重投資にもなるのじゃないかというような気がするわけでありますが、その辺のことはどういうふうにお考えでしょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○田中(眞)政府委員 お答え申し上げます。  現在考えられておりますBS2でございますが、NHKの難視聴解消ということを目的としたものでございますけれども、現在のところ四十一万ともあるいは四十五万とも言われておりますが、そうした見えないところがある。それに対しての難視聴解消、これを地上の従来方式にやって継続的に建設していくとした場合の試算でございますが、どちらが安くつくかということで、私どもは衛星方式で一挙に解決する方がより経済的に有利であるというふうに推定しておるわけでございます。  次に、二重投資かどうかということでございますけれども、放送衛星の打ち上げ後におきましては、当然辺地におきます従来の形での投資は行われないわけでございますが、すでに設置した地上の放送施設、これをどうするかということでございますが、これにつきましては、受信者が現におる、また衛星によって、衛星はいまのところ技術的にはローカル放送がむずかしいというようなことでございますので、すでにあるものと比べまして、ローカル放送が確保できるかどうかということが一つ重大な問題だと考えておるわけでございます。したがいまして、衛星放送用受信機の普及の度合い、あるいは民放の中継局と共同建設した場合、NHKだけやめるというわけにもいかない。そうした観点から、直ちに既設の局を廃止するということは困難ではないかと思うわけでございます。  ただ、なお将来とも既設の地上放送施設を存続していくかどうかという問題になりますと、ローカル放送がどうなるのか、あるいは衛星の発展がどうなるのか、また、衛星放送用の受信機が辺地のみならず全国的にも普及されていくのかどうなのか、そのような諸事情から勘案した上で、その時点と申しますか、早い目にその辺の見当をつけたいといいますか、慎重に技術的な開発の状況等も見ながら考えるべき問題だ、このように理解しております。

依田実新自由クラブ・民主連合

○依田委員 きょうは、本当はこれから郵便貯金特別会計の赤字の問題だとか、グリーンカードの導入についてとか、いろいろやりたかったのでありますが、残念ながら時間が参りました。また次の機会に譲らせていただきたい、こういうように思います。どうも御苦労さまでした。

水野清自由民主党

○水野委員長 依田実君の質疑は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十五分散会

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