地方行政委員会 第16号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/04/23
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 改正案第二条の定義で、この警備業務についてでありますが、いろいろお話を聞きますと、実際には業務の内容で防災に関する点が非常に多いようであります。ところが、従前の法律でもそうでありますが、改正案の場合でも、防災に関しては警備業務の内容としては全く触れられていないようなんであります。そういう面では、実情とはかなり異なっているのではないかという感じがいたしますが、いかがですか。
○谷口政府委員 御指摘のとおりでございまして、第二条に規定されております警備業務、四種類ございますが、この中にはいわゆる防火業務というものが含まれておりません。現実には第一号のいわゆる施設警備、常駐警備につきましては、防犯的な業務のみならず、防火的な業務をやっておるのが通例でございます。そういう点におきまして、現実に警備業務の行っております防火業務につきましても、当然その適正化を図る必要があると私どもも考えておるところでございますが、先生御案内のとおり、こういった防火業務につきましては、消防庁並びに市町村の消防の行政指導等にまつところでございますので、その点につきましては、消防庁並びに関係当局と十分連携をとりながら、警備業者あるいは警備員に対する防火業務の指導、教育につきましても十分配慮してまいりたい、こう思っている次第でございます。
○五十嵐委員 しかし、もうすでに警備業法が施行されて十年たつわけですね。その十年の動向というものはよく御存じのとおりであって、やはりこういう改正期には、そういう懸案の重要な問題も含めて改正に当たるべきではないかという感じがするのです。どうもそこのところが納得がいかぬ。業界なんかからの要望などをさまざまな形で見ましても、そういう点が非常に強く言われているようですね。明記してほしいという意見も非常に多いようであります。したがって、消防等と十分な御協議、連絡をとりながら、やはりこういう機会にこそ、そういう点の法令を整備すべきものではないかという気持ちがしてなりません。 特にこの間ニュージャパンの問題があって、参考人としてホテル業界の会長だとか、横井さんも来てもらいましたけれども、皆さんおいでいただいていろいろ意見を聞いた。そういう中でも、防災等、あるいは警備も含めて大幅に警備業者に委任をしているという面が多いようでありますから、私はやはりきちっと法律の上で明記するものは明記して、その上で業者に対する防災上の十分な指導もしていく、責任をきちっと分担させる必要があるのではないか。何のことやらあいまいなかっこうで、法の上でもちっともわからない。しかし、事実上はその仕事をやっている。その責任を問うときに一体どうなるのかという懸念もするんでありますが、いかがですか。
○谷口政府委員 現行の警備業法の制定目的、制定趣旨は、御案内のとおり、十年前警備業者あるいは警備員の不適正事例が残念ながら多発したということにかんがみまして、最小限度の規制をかけようということで制定されたわけでございます。そういう面で、どちらかといいますと、警備業務実施に際して他人の権利、自由を侵害する、あるいは個人もしくは団体の正当な活動に干渉することがないように、そういうことが基本になっておったと思います。 そういう面で、通常対人的な活動を要しない火災の発生を警戒するとかあるいは防止する業務、いわゆる防火業務でございますけれども、これについてはこの警備業法の規制の対象から外してもいいんじゃないかというようなことで制定されたわけでございます。その後、先生御指摘のとおり、現実に大部分の警備業者が防犯業務とともに防火業務をやっているということは否めない事実でございます。また、全国警備業協会あるいは全国ビルメンテナンス協会等からも、この改正の機会にこういった防火業務を警備業務に含めてもらいたいという強い要望があったことも事実でございます。 そこで、私どもとしましては、その点につきましていろいろと検討をいたしましたが、やはりいろいろな観点から問題が出てくるわけです。確かに警備業者の立場からいいますと、一本の法律で いろいろな面で規制というか指導が行われるということがベターであることは間違いないわけでございますけれども、何分この根拠法規あるいは行政機関というものが違っておりますので、直ちにここで一元的に指導監督することが果たしてできるのかどうかというような問題とか、いろいろ立法技術的にもむずかしい問題もございます。しかしながら私どもといたしましては、先生御指摘のとおりでございますので、そういう趣旨のもとに今後さらに検討を続けてまいりたい、こう思っております。 現在、消防庁におかれましては、すでに研究会を開催されまして鋭意検討されておられるということでございますし、警備会社の方もその委員として参加されて、警備業者の立場からのそういったビル等の火災予防の観点のいろいろな要望が出ておると思うのでございます。したがいまして、その研究会の結果をも参酌しつつ、消防庁とも緊密な連絡をとりまして検討を進めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○五十嵐委員 今度の改正案では、教育にかなりウエートを置かせたという点が一つの特徴だと思うのですが、その教育の中で消防といいますか防災、火災予防だとかその警戒、そんなことについては教育をする計画があるのですか。
○谷口政府委員 現在の警備員に対する教育につきましては、新任の場合につきましては二十時間、それから現に警備員になっている者に対しては、年間十時間という教育をしなさいと義務づけておるところでございます。その教育科目いろいろあるわけでございますが、いろいろな事故が発生した場合の措置についても教育をすることになっております。 しかしながらこの事故の中には、率直に申し上げまして火災発生時の措置、特に現場における関係者の避難誘導とかあるいは関係機関に対する通報とかあるいは一時的な消防業務、こういったことが警備員にとってきわめて重要な業務であり、それについて指導を徹底しなければならない、こう思うわけでございますが、必ずしも十分ではございません。今回の改正を契機にし、また先般のホテル・ニュージャパンの火災等、大規模な火災が残念ながら相次いでおりまして、現実に警備員が防火あるいは火災発生時の措置を担当することはあるわけでございますので、そういった面の教育内容につきまして再検討を進めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。 もちろん、持ち分があるわけでございます。私どもの立場からいいますと、どちらかというと火災発生時、その後の避難誘導というのが重点になると思いますし、あるいは立入禁止措置というのですか、というような問題になると思いますし、消防庁の関係で言いますと、火災発生を防止するにはどうしたらいいかとか発見した場合にはどうするかという問題があろうかと思います。 そこで、現実にその講習というか教育をやる教育責任者としては、都道府県公安委員会とかあるいは関係団体がなりますし、それから業者がそれを受けて、また個々の警備員に対する指導、教養をするわけでございますが、それぞれのレベルの講習、教育につきましてはそれぞれ消防当局と十分連携をとりまして、そごのないようにいたしたい、こう思っております。
○五十嵐委員 いまその教育に関して御説明をいただきましても、僕はますますこの警備業務に防災を明記すべきだという感じがしてならないですね。実際に仕事もそうしているし、またいまお話しのように、であるからこそ教育内容につきましても、火災時のさまざまな問題あるいは警備等について十分な教育、指導をしようということなわけですから、僕はやはりこの第二条において明確に警備業務の内容にそれを明記すべきである。そうして教育の上でも、お話のようにしっかりと火災をめぐるいろいろな問題も十分な教育をすべきものでありますし、また消防当局からも、必要な十分な指導がなされていくべきものだろうと思うのですね。そういうところで一つの食い違いがありますと、さあ、この間のような大きな火災が起こったときに、僕は非常に責任の不明確さ、手違い、こんなことが出てくるような気がしてなりません。 どうもせっかくの御答弁でありますが、第二条につきましては納得がいきません。お話のように、どうせ改めなければならぬという必要性をお感じだとすれば、これはやはり十年たってこの際全面的に警備業法を改めるとすればその機会に改めるべきが当然だ、こういうぐあいに思います。 それから次に、僕はやはり一番問題だなというふうに思う警備業者あるいは警備員の資格要件といいますか、なかんずくいわゆる欠格の要件について幾つも疑問がありますので、そういう点の御質問を申し上げてみたいと思うのです。 その前に、おたくの方からいただきました資料を見ますと、警備員による犯罪の最近の傾向が出ておりますが、五十二年対五十六年の推移を見てみますと、まず警備員の総体の数ですね。警備員数の指数は、五十二年を一〇〇といたしますと、五十六年で一四四ということになっているようであります。このいただいたものの一番後ろのところに表があります。警備員の数はずいぶんふえた。言われていますように十二万四千人余りになった。それは五十二年に比べて指数は一四四。 近年、この警備員による犯罪が非常に激増している、こう言われているのであります。しかし、この表によると警備員による犯罪数は、五十二年を一〇〇とすると五十六年は二一七、そうなんですね、間違いありませんね。つまり、警備員の数の増加に比べると犯罪数はむしろ減ってきておるということも、これは数字上明らかな傾向でありますから、認めておかなければならぬなという感じがいたしました。 内容的に言うと、凶悪犯は七七%に減った。粗暴犯の件数は八五%に減った。しかし窃盗犯は一四六%で、これは員数がふえるのと同じ傾向といいますか、やや同じ率でふえている。知能犯がえらいふえて、二三六ということになっている。これらの傾向について、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○谷口政府委員 警備員数の推移と警備員による犯罪の推移、これにつきましては御指摘のとおりでございまして、警備員数が五十六年は十二万四千二百八十六人、これは五十二年を基準にいたしますと一・四四倍になっておる。それに対しまして警備員による犯罪が、五十六年で三百六十二件、五十二年を基点にいたしますと一・二七倍というような状況でございますし、また、罪種別につきましても御指摘のとおりでございます。 ただ、申し上げたいのは、警備員の警備業務の重要性ということでございまして、他人の依頼に基づいてやるとはいえ、いやしくも生命、身体、財産の保護に任ずるという重要な仕事でございます。ユーザーの立場から見ますと、自分たちの身体あるいは財産を守ってもらいたいということでお願いしておるわけでございます。その警備員自身がこのような犯罪を犯すということは、あってはならないわけでございます。しかも、こういった警備員の犯罪を犯した者につきましていろいろと背景等を調べてみますと、今回の改正でお願いしておりますような、前科者あるいはこれに類する者が犯しておるということが多いわけでございます。そういうような事情を勘案いたしまして、今回の改正で警備員の人的欠格事由の整備をお願いし、それによりましてこういった警備員による犯罪を減少させたいということでございます。
○五十嵐委員 ぜひお答えを、質問の趣旨に沿って簡潔にお願い申し上げたいと思います。 どうも警備員の数の割合には犯罪件数はむしろ低下しておる。つまり、警備員の数は五十二年対五十六年で一四四という指数だが、警備員による犯罪は一二七だ、僕はそれを言っているわけですよ。おわかりですか。それはおたくの方の資料からの話ですね。しかし、いまのお話によると、どうも前科者の犯罪傾向が強いということでありますが、何かそういう資料はありますか。つまり、警備員による犯罪件数、すなわち五十六年において総件数は三百六十二件、お示しをいただいている五十二年から五十六年の推移からいうと、総件数はここに出ているわけですが、たとえば前科者はこのうち、五十二年は何件であるが五十六年は何件になったというような傾向のようなものがあるのですか。
○谷口政府委員 五十六年中の調査によりますと、非行警備員について見ますと、前科者等の占める割合が三二・三%、約三分の一というような状況が出ています。
○五十嵐委員 五十二年はわかりませんか。
○谷口政府委員 五十二年当時につきましては、ちょっと調べておりません。 なお問題は、四十七年の現行法制定時のこの種数字が出てきますと、その推移がよく出てくると思いますけれども、これも残念ながら当時調査されてないということでございます。その点、御了承いただきたいと思います。
○五十嵐委員 数字がないのでは、ふえてきたとおっしゃいますけれども、ふえたんだかふえてないんだかわからないわけですがね。 いま、前科者などと言いましたね。などというのは何ですか。
○谷口政府委員 検挙されまして有罪判決が確定した者以外の者、私どもは前歴者と申しますけれども、それを含んでおるということでございまして、ここに言う検挙に係る件数、人員に対応するものでございます。
○五十嵐委員 第三条にこの改正案の欠格条項が並んでいるわけですが、どうも私は人権上問題があるのではないかなという感じがしてならないのですよ。第三条二号「禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者」、従前の現行法では「三年を経過しない者」こうなっているわけですね。三年を五年にした理由はいかなる理由ですか。
○谷口政府委員 警備業務の重要性と警備員が直接従事するその活動範囲が拡大しておるというようなこと等も勘案いたしまして、警備員の欠格事由を厳格にする必要があると考えておるわけで、このたび改正をお願いしておるところでございます。特に、この犯罪歴のある者につきましては、その業務の性格上厳しくする必要があるという判断のもとに、他の立法例などをも考慮いたしまして、このたび三年から五年に延長することにお願いしておるところでございます。 他の立法例と申しますと、証券取引法の証券外務員あるいは保険業務の取締に関する法律に基づく生命保険募集人、こういった立法例ではいずれも五年、執行が終わってからたっていないとなれないという規定があるわけでございます。
○五十嵐委員 禁錮以上の刑といったって、たとえば道路交通違反で何カ月かの懲役、執行猶予だ、こういう場合だってあるわけですね。破廉恥罪等に限ったことではないわけですね。道路交通違反だって、そういう刑を受ける内容の者はそれなりに罰せられなければいかぬものだというふうには思いますけれども、しかしどうでしょう、いままで三年のものを特に五年にしてですよ、職業選択の自由をそこで制限するというような根拠がありますか。ちょっとこれはわからないのですが。
○谷口政府委員 交通事故の場合、業務上過失致死傷という刑法犯として問われるわけでございます。その結果、裁判所で禁錮以上の刑に処せられるといった場合につきましては、それなりの社会的な責めというのですか、それが追及された、刑事責任が追及されたということだろうと思います。そういった前科者につきましては、やはり警備業務の重要性にかんがみますと、五年は警備員としては従事してもらいたくないということでございます。やはり警備業務の重要性が年々高まってきておるということでございますので、この期間延伸については御了承いただきたい、こう思うわけでございます。
○五十嵐委員 まあ、暴力団をこの際完全に追放しようというのは、警備業の性格からいってよくわかるのです。それはそうなくちゃならぬ。しかし、そういうことの余りに、どうも一生懸命刑を終えて償いをして、それが終わって更生をしていこうとみずからの力で努力をする善意の人たちにとっては、こういうような制限を受けるというのは適当じゃないのじゃないかと思いますよ。そういうような見地からのお苦しみや立法上の疑問や、そんなことはありませんか。
○谷口政府委員 警備業者に勤める者は、警備員だけでなくてその他の事務職員も含まれておるわけでございます。ここで、人的欠格事由として制限を課するというのは警備員だけでございまして、当然事務職員の問題ではないわけでございます。 では、どうして警備員についてこういう人的欠格事由を現行法も課されているかということになりますと、やはり警備員が警備業務に従事するというその仕事の性格上、現行法でも規定されておると思います。それから他の立法例でも、「禁錮以上の刑に処せられ」云々というのは多数ございます。その点は、別段警備業法だけの問題ではないというように考えられます。
○五十嵐委員 従前の法もそうですし、改正しようとする法もそうでありますが、第八条で警備員に対して「特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、」こういうぐあいなことが書いてありますね。なお特別な権限をやっているわけじゃないですよ。警備員に、それは特別な権限を与えているものではないということを、この法の中で言っているのですよ。その者に対して、なぜ一般の人間と異なった、しかもいままでは三年のものをさらに五年にまで延ばして、その職業選択の自由というものを制限しなければいけないのか。これは、善意の者にはやはり問題があると僕は思いますよ。これは、ほかの立法の経過からいろいろあると、いうのはわかりました。しかし、それであるから何でもいいとは僕は思いません。いまこの法律を改正するに当たっては納得がいかないですよ。どうですか。
○谷口政府委員 何回も申し上げるようでございますけれども、やはり警備員の行う警備業務の重要性、結局ユーザーの警備業者あるいは警備員に対する信頼性、これを担保するものの一つがこの人的欠格事由ではなかろうかという感じがするわけでございます。そういう面で、現行法でも前科者について規定されておるところでございますが、三年では必ずしも十分ではないということで、他の立法例をも考慮いたしまして五年に延長することとしておるわけでございます。
○五十嵐委員 わからないですね。それじゃ聞きますが、国家公務員の欠格条項はどうなっていますか。
○谷口政府委員 国家公務員法第三十八条二号で、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」ということになっております。
○五十嵐委員 地方公務員法の——これはごらんにならないでもいいです、時間があれですからね。同じことです。地方公務員法で欠格条項で出ているのもまさに同文です。 警察官の欠格条項はどうですか。
○谷口政府委員 警察官の場合、国家公務員または地方公務員でございますので、両法の適用を受けるということになります。
○五十嵐委員 先ほどお読みになりましたように、国家公務員も地方公務員もすなわち警察官も、刑が終わってから三年も五年もとかそんなことはありますか。警察官にさえ制限をしないものを、何で一体警備員に制限せにゃいかぬのですか。どうですか。
○谷口政府委員 警備員の場合は、各業者が採用するに当たっての一つの最低基準ということになろうかと思います。警察官を初め公務員の場合につきましては、いわゆる前科者の採用ということは普通考えられないのではないかということでございます。
○五十嵐委員 これは法的にどういう根拠で採用できないのですか。
○谷口政府委員 法的の問題でなくて、運用の問題だと思いますが、ただ実際に採用する場合には、当然のことながらそれぞれの根拠法規に基づきまして、警察官の場合でございますが、試験を行います。そこで選抜されてくるということでございます。そういう面で警備員の場合には、いわゆる最低限の法的な採用事由を決めておる、このように解釈されます。
○五十嵐委員 民間の、しかも法第八条で言うように警備員というのは何の権限も与えていないんだよ、こう確認までしている者について、その者に対する欠格条項よりも非常な権限を持っている警察官の欠格条項の方が低いというのは、だれが考えたっておかしいんじゃないですか。試験どうこうと言いましても、さっきお読みになりましたように、それは刑の執行が終わって三年後、五年後でありましても、つまり三年以内でありましても、公務員は採用されてはならないということはないわけですよ。地方自治体の場合には地方自治体の長の判断によって、必要とあればそれは採用するでしょう。採用してはならないという法的な根拠はないですよ。それは地方自治体の長の判断に任せられているものですよ。 僕はどう考えてもおかしいですね。国家公務員、地方公務員すなわち警察官も制限をしていないものを、何で一体警備員に制限しなければならないのか、基本的な人権というものをそれによってどうして制約をしなければならないのか、どうお聞きしても明確な根拠は出てこないのです。どうですか、もう少しはっきりした返事を聞かしてもらえないですか。ことに、三年を五年になぜせにゃいかぬのですか。
○谷口政府委員 やはり警備業務の持つ重要性にかんがみ、警備業の要件とそれから警備員の制限と申しますか、人的欠格事由につきまして必要最小限度の規制をかけよう、こういうことでございます。この人的欠格事由に該当する者につきましては、第七条二項で業者は採用してはならない、こうなっておるわけです。 警察官の場合につきましては、たとえその警察官になろうとする者の採用試験の成績が優秀であっても、その者は人的欠格事由に該当する者として採用を認めないということでございますので、やはり採用のシステムといいますか流れというものが違うのではないか、こう考えられます。先ほど申し上げました、たとえば証券外務員などにつきまして五年というふうになっておりますけれども、それと同じようなものではないかと思います。
○五十嵐委員 試験といったって、あなた、警備員を採用するのには、警備業の経営者が試験しないで採用することないでしょう。それは自治体の首長が採用すると同じように、これはやはり業者にしたって採用するときには、試験をして適当な者と思う者を採用するわけですからね。採用時のことじゃなくてもっと基本的なこと、それはうまくないですよ、そういうようなことで制限をするというのは。 必要最小限といったって、それじゃ警察官としての必要最小限のものは法で決められているものでしょう。そういうことですね、あれは。その必要最小限のものよりも民間の警備業の警備員の必要最小限のものの方が、欠格の条件が上回っているという根拠はどう考えたってないでしょう。権限が全然違うのですよ。警察官の方ははるかに権限を持っているでしょう。どうですか警察庁長官、この辺で御返事をいただきたい。(谷口政府委員「委員長」と呼ぶ)同じ返事は何遍聞いてもしようがない、時間のむだだから。
○谷口政府委員 現に起きておる例でございますけれども、ある警備業者は、できるだけ安く人を雇いたいということで意識的に前科者を雇い入れまして、それを法定教育も経ずして警備業務に従事させているという例があるわけでございます。それを排除したいわけでございます。普通の大部分の業者は、刑務所から出てきた直後の者を雇うことは当然あり得ないわけでございますけれども、そういう場合があるので、それを防ごうというのが今回の延伸の理由であり、現行法のたてまえでございます。
○五十嵐委員 それなら、業者の認定に当たって判断をすればいいでしょう。僕は、第七条の警備員について言っているのですよ。警備業者については、ある程度いろいろな配慮は必要かなという感じもします。しかし、一万二千四百人の、これからまたもっとふえるであろう警備員の一人一人について、こんな基本的人権を無視するようなやり方というのは、僕は納得いかないのですよ。長官、御返事ください。
○三井(脩)政府委員 基本は、公務員の場合は、公的な立場、公的な責任、そしてまた公的な権限をしょっておるといいますか、それを執行する、こういう立場でございます。この警備業及び警備員の場合には、性格はあくまで私的なものでありまして、私的契約によってやっていく。ただしその内容が、警察官が公的な立場で行う責任あるいは仕事に近いような部分が非常にあるというところに着目しますと、私的なものであるけれども公的なものに近いような規制が必要であろうというところは、他のものと違ってきておると思います。 いまの、過去に刑法犯を犯したとか犯罪を犯したということとの絡みで申しますと、公務員の場合には、犯罪を犯した者について欠格条項とされ就職制限があるというほかに、懲戒処分を受ける。つまり、犯罪にならなくて懲戒処分を受けた者でも、一定の年限を限って公務員になれないということは、国家公務員、地方公務員ともにあるという意味で言いますと、いまの警備員の場合よりもさらにきつい制限が課されておる、こういうことだと思います。 それから、根本から申しますと、公務員であるということは、国民といいますか世間の監視の目が厳しい、関心が厳しいということは基本にあると思います。私的企業でありますと、それがそれほど厳しい目で見られない可能性があって、いわゆる営業の自由によるぎりぎりの競争、こういうことになりますと、公務員の場合は、法律以外の社会的関心を背景としたいろいろな規律によるそれぞれの組織の自己規制といいますか、そういうことが働きますけれども、私的企業の場合には、それが働かずに営業の原則の方が優先して、法ぎりぎりいっぱいの、法にさえ触れなければ最大限のことをやろうというようなことになりかねないもう一つの要素もある。 こういうことになりますと、他の立法例等のこともありますが、自己規律的なものよりは、もっと直接法律的なもので規制していかなければいかぬ、こういうことが基本にあろうかということであります。そういう考慮の上に立って、現行法にそれがあり、今日の情勢の中で、社会の安全への要求がきめ細かになってくる。それからまた、これはニーズが多様化していくということでありましょう、警備業及び警備員に対する社会の期待がだんだん高まってきておる、こういうことであります。 先ほど犯罪件数のこともありましたけれども、過去の例から言えば、つまり犯罪率的に言いますと、警備員の一定単位当たりの犯罪の件数が減ったかふえたか、こういうことからいきますと、先ほど御指摘のようにそれは若干減っておる、こういうように思いますが、では減ればいいのかということでありませんで、やはりそこは質的な要素を入れまして、およそ警備員が個人の生命、財産を、特に契約により委託されておる人が、その職務を通じ知り得た知識とかあるいはその職務の過程を通じて、自分の警備しているところに泥棒に入る、あるいは泥棒を手引きするというようなことでは困るわけでありまして、モラルがもっと高いものが求められてきたというような社会の情勢と兼ね合わせますと、三年を五年にするというのは、全般として厳しいモラルなりやり方を期待する、こういうことにこたえようというものであろうと考えるわけでございます。
○五十嵐委員 どうも残念ながら、すとんと腑に落ちたという感じがいたしません。やはり警察官に近い欠格要件を決める必要があるだろうというお話ですが、近いどころか上回っているわけですね。上回っているどころか、今度はさらにそれを三年を五年にしようというのですから。それは、お話のように警察官に近いというならわかりますよ。しかし上回っているのです。お互いの権限の比較からいっても、僕はおかしいと思いますね。 それは、公務員というのは自己規制がよりあるというお話もあったのは、まあそうなのかなというふうに思いましたけれども、どうなんでしょう、そういう言い方だけでも、僕はやはり問題があると思いますよ。しかし、このことばかりにかかわっておられません。したがって、どうもこの面についても、せっかくの御答弁でありますが、僕は納得がいきかねるのであります。 いまの三条二号はいままでのことですが、四号はこれからの問題について述べているのです。「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」と、これは非常にややこしい表現でありますが、僕がこれを読んで感じますのは、非常に抽象的で主観的だ、客観的な具体的な根拠がない、判断する者のきわめて主観的、一方的な判断で決められる、一体いいのだろうかという気持ちがしますよ。いかがですか。
○谷口政府委員 この認定につきましては、警備業に関しましては都道府県公安委員会が行うということになるわけでございます。主観的な要素が強いと言われるのですけれども、私どもはそのようにとっておりません。 「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由」ということでございますけれども、集団的、常習的というのはいろいろな資料に基づいて認定するということでございますし、それからこの客体といいますか、それを今度は「暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるもの」ということでしぼっておるわけでございます。暴力的不法行為につきましても、国家公安委員会規則で限定列挙をすることになっておるわけで、殺人罪、傷害罪、暴行罪などが挙げられるわけでございます。その他の罪でございますが、これも暴力団員が通常犯しやすいような犯罪行為を定めることにしておるわけでございまして、たとえば賭博罪とか窃盗罪とか銃刀法とか覚せい剤取締法、麻薬法違反というようなものにこれまた限定列挙するということでございます。そういったことをするおそれがあると認められる相当の理由ということでございまして、この表現につきましては他の法律でも使われておるところでございます。 問題は、その認定、判断ということでございますが、これは当該業者あるいは警備員につきまして、一定期間におきます前科、前歴あるいは罪種、罪質、その他暴力団との関係、いろいろな要素を勘案し、将来こういった暴力的不法行為その他の罪に当たるものを犯すおそれがあるかどうか、その可能性があるかどうかということを社会通念上、客観的にかつ合理的に認めるかどうかということで判断するものでございまして、決して主観的なものではないわけでございます。
○五十嵐委員 いま保安部長は、ちょっと問題の御発言をなさったような気がしますよ。つまり、警備業者それから警備員について、いままでの前科、前歴というようなものと照らし合わせて判断するんだから心配ない、こういう話をしましたね。警備員について業者が判断できますか。おたくの方から資料をもらうのですか。
○谷口政府委員 一般に、警備業者が警備員になろうとする者につきまして、第七条第二項で採用してはならないというあれがありますので、その警備員の制限に該当するかしないかということにつきまして、一般私人として可能な範囲において、社会的妥当な方法で調査すべき努力義務が課せられておるということでございます。具体的に現在も各業者が実施しておるところでございますが、警備員になろうとする者に対しまして、履歴書は当然ですが、あと制限に違反しない旨の誓約書などを提出させまして、当然面接調査など必要な調査をいたしまして、そして真偽のほどを確認するということになります。 では、警察に問い合わせることができるかどうかということでございますが、前科、前歴等個人の秘密に属することでございますので、現行法制下にあっては、たとえお問い合わせがあっても、警察といたしましては照会には応じられないということになるわけでございます。
○五十嵐委員 それは当然そうですね。「行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」、これは行うおそれがあると認めるのは、警備員に関しては警備業者が、ということですね。これはかなり主観的だと僕は思うのです。これは、国家公安委員会規則を拝見しなければちょっとわからぬような気もしますが、その規則で定めるものを将来「行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」、こういうのですから、これはかなり抽象的なものではないですか。かつ、主観的なものですね。そんな感じがしますがね。いいんだろうかという気がしますね。 第五号「精神病者又はアルコール、麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者」、この精神病者というのはだれが確定するのですか。
○谷口政府委員 精神病者であるかどうかの確認につきましては、警備業者につきましては認定申請を都道府県公安委員会にするわけです。その際に、医師の診断書を添付させることにいたしたいということでございます。その診断書に基づいて都道府県公安委員会が判断するということになります。 警備員についてでございますが、これは業者の方が採用するに当たりまして、先ほど申し上げましたように誓約書で通常は賄うと思いますが、必要に応じて、応募してきた者に対して診断書の提出を求めるということで、総合的に判断するということになろうかと思います。 なお、業者にとって認定というか判断が酷ではないかということでございますが、これは現行法でも全く同じでございまして、まず警備員になろうとする者は、ここに欠格事由に該当する者はなってはならないという規定がございます。これは訓示規定でございます。問題は、業者の方のそういった者を採用してはならないという義務づけでございますが、これにつきましては罰則がございません。したがって、そういった欠格事由に該当する者を採用していることが各都道府県公安委員会でわかった場合にはそれに対して行政指導をする、聞かない場合には第十四条に基づきまして指示命令を出して是正するというような形になろうか、こう思います。そういう面で、間接的ではございますが、都道府県公安委員会の判断に任せられているということになろうかと思います。
○五十嵐委員 これはこの法律全体を通じて、三条の一号から五号までの警備員にも適用されるこの欠格条項につきましてはいろいろなところに出てくるわけですね。これに違反したときには業者も認定を取り消されるということになるのですか。そういうような営業の停止のようなことだとか、さまざまなところに出てくることですが、その根拠になる、たとえばいま話題になった警備員の精神病者について、これまたきわめてあいまいなお答えなんですね。警備員の欠格条項としての精神病というのは、格別、もちろん診断書をどうこうというものでもない、しかし、そうであってはならぬというだけの話だ。僕は、精神病の認定というのは非常に大変だと思いますよ。さっき業者の場合も、診断書をとってというお話があった。その診断書だって、一体一人の医師からの診断書でいいのかどうかという問題だってあるでしょうね。複数のをとる場合が少なくないですからね。そんなこともあると思いますが、警備員に関しては、いまの御説明では、これまた全くあいまいな話という感じがいたしましたね。余り時間がなくなってまいりましたので、きょうは法務省から人権擁護局の寺西総務課長さんにおいでいただいておりますので、この辺で第三条の各号にある、いまお聞きになっていたような問題点について、ことに警備員に関してこのような欠格条項をつくるのは、私はどうも人権擁護上問題があるという感じがするのでありますが、御所見を伺いたいと思います。
○寺西説明員 先ほどからの先生のお話をお伺いしておりまして、この問題は憲法二十二条の職業選択の自由に対する公共の福祉による制限の可否の問題というところになろうかと思うわけでございます。その点につきまして若干おわび申し上げなければならないといいますか、法務省といたしましては憲法判断をするわけではございません。公共の福祉として制限が加えられるかどうかということはあくまでも実質的な判断で、立法過程で御判断いただく問題ではないかと思うわけでございます。私ども法務省の人権擁護局といたしまして、人権侵犯に当たるかどうかというのは具体的な事象が起きてきた場合に、それが憲法で定める基本的人権の思想に反しているかどうかということで救済措置を講ずるわけでございまして、ここで憲法判断ということで意見を申し上げるわけにはいかないと思うわけでございます。その点、お許しいただきたいと思うわけでございます。 ただいまの欠格事由の問題でございますけれども、先ほど来公安委員会の方々から答弁なさっているところでございますけれども、これは警備員というのがまさに需要が広がってきた、そして市民生活の隅々に入っていく、しかもそれが一人一人で入っていくという状態でございます。そうなりますと、かなり一般市民の安全に対する要求にこたえていかなければならない問題が出てくるのじゃないか。そうなりますと、かなりの程度の公共の福祉による制約が課せられてくるのは、抽象論でございますけれども、やむを得ないのではないか。そういう観点から考えますと、現時点でこれが人権侵害に当たるとかあるいは問題があるということは、ちょっと申し上げかねるところでございます。 ただ、犯罪者の就職口をたくさん広げてもらう、そして犯罪者の更生保護という見地から見ましても、そういう職業の機会を多く得るということは必要なことではあろうと思いますけれども、ここで私から人権侵害になる、ならないということは、ちょっと断定的に申し上げることができないということでお許し願いたいと思うわけでございます。
○五十嵐委員 そうですね。しかし、三年から五年に延びるわけですね。どうお思いですか。
○寺西説明員 職業の選択の自由の門戸が完全に閉ざされるということになれば、重大問題だと思います。そこの三年、五年というのは、先ほど申し上げましたまさに合理的な必要性の有無の問題となるわけでございまして、その点については私第三者の立場から、必要があるとかないとかということは申し上げられないのではないかと思います。
○五十嵐委員 人権擁護の立場に立つ課長さんのお言葉としては、国民として心もとない気持ちがしますね。もう少し毅然として、一人一人の権利を守ってもらわなければいかぬと思うのです。いまここであなたといろいろやっておったって話にならぬわけでありますから、ここは話を進めますけれども、ちょっと期待したようなお答えでなかった、残念だと思います。 さて、そうやって警備員については従前もあるいはこれからはより以上に、制限といいますか、資格の上でやかましいことを言っていこうとお考えになっているわけであります。ところがそれに反して、いままでお話がございましたように、社会上も任務のウエートといいますか、そんなものが非常に高くなってきたと言われるこの警備員の勤務の状況は、一体どうなっているかということなんです。これは、きのうも同僚議員から質問があったと思うのでございますが、非常に問題が多いようです。ここにありますのは、中央労働基準監督署の監督官のある研究会でお話をなさったときにお示しになった資料であります。これによりますと、五十五年度の主要条項別違反件数、これが出ているのであります。たとえば基準法の三十二条、労働時間に関しては、警備業で違反率は五九・二%、ビルメンテナンスで違反率は三八・二%、あるいは労働条件明示に関する基準法十五条の違反率は、警備業で四六・九%、ビルメンテナンスで四一・八%。あるいは八十九条の就業規則に関するものでは、警備業が四八・八%、ビルメンテナンスが五三・二%。六十六条の雇い入れ時の健康診断では、警備業が四〇・八%、ビルメンテナンスが四一・八%。あるいは法六十六条、規則四十五条の深夜業務従事者健康診断、年二回やらなければいかぬ、警備業の違反率が五二・四%、ビルメンテナンスが五八・四%。これらは全国、全産業から比較するともう話にも何にもならない、四倍も五倍もですね。非常に違反率が高い。 労働省からの資料によると、これは五十四年六月現在の調査によるものでありますが、警備業の労働条件の実態は、労働時間は、一日の平均労働時間数、労働省が調査をした全産業の合計で見ると九時間以上が一一・五%、建物サービスその他事業サービス業が一九・四%。一日の平均所定労働時間は全産業で八%、建物サービスその他事業サービス業で九・二%。週平均の労働時間は、四十八時間以上が全産業で四二・六%、建物サービスその他事業サービス業は五三・五%。四十九時間以上が全産業で一一・五%、建物サービスその他事業サービス業で一八・九%。週休制の悪いのはもう言うまでもありません。 賃金はどうか。平均月間給与額、調査全産業の場合、男女計で十四万七千五百円、建物サービスその他事業サービス業十三万三千四百円。そのうちの守衛、警備、保安員で見ると十三万七百円。男は全産業が十七万一千七百円、建物サービスその他事業サービス業が十五万五百円、守衛、警備、保安員は十三万八百円。非常に労働条件が悪い。しかも基準法違反、職安法違反が続出をしている。 農水省、お見えになっていましたか。——農水省の筑波にある家畜衛生試験場、ここの庁舎の機械の保守だとか警備だとかはどこにやらせていますか。
○丸山説明員 お答えいたします。 先生御承知のように、筑波の研究学園都市には非常に高度な施設なり機械が集団的に移転をしておるわけでございまして、最近の科学技術の進歩に合わせまして非常に水準の高い研究をやっておるわけでございます。そのための、たとえば施設なり機械のメンテというものは、非常に特殊な、特に農水省関係の生物系の研究につきましては二十四時間体制で臨まなければいかぬということで、相手が生き物でございますので、非常に高度な技術といいますか、少なくとも農林水産業に知識を持ったメンテ業者が必要なわけでございます。 その意味で現在私どもがお願いしておりますのは、財団法人の農林弘済会にお願いしておるわけでございます。農林弘済会は、農林水産業の知識についてかなりの部分を承知しておると私どもは理解しておりますけれども、ただああいう非常に高度な機械の保守管理ということになりますと、必ずしも人的な面で完備をしておるというわけでもございませんので、実態は、それぞれそれにすぐれております民間のメンテ業者にさらに出向なり派遣というかっこうで弘済会の中に入っていただきまして、そこにやらせておるということになっておるわけでございます。
○五十嵐委員 十六人くらいというお話を聞きましたけれども、お話のように、弘済会で農水省から仕事を受け取っておる、しかし実際に働いているのは日本不動産管理株式会社の職員が、弘済会のネームプレートをつけて日常働いているそうですね。これで利益はとっているのですか。つまり利益といいますか、弘済会がこの不動産管理株式会社に仕事を渡すときに。
○丸山説明員 先生御指摘の家畜衛生試験場のメンテの契約の主体でございますけれども、これはあくまで財団法人農林弘済会でございます。それで、いま先生御指摘の具体的なメンテ関係につきましては、日本不動産管理株式会社の職員にやらせておるわけでございますけれども、これはあくまでも農林弘済会の職員というような位置づけで出向なり派遣という形をとってやらせておるということで、もしメンテ関係で責任が生じた場合にはすべて農林弘済会にあるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○五十嵐委員 労働省からお見えになっていますか。——労基法六条の「中間搾取の排除」「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」これにはさわりませんか。
○岡部説明員 ただいま先生お示しの事案につきましては、私初めて伺うわけでございまして、これにつきましては、所轄の労働基準監督機関におきまして何らかの対応をしているのかもしれませんけれども、詳細は承知していないので、具体的なコメントは避けたいと存じます。 ただ、一般的に申し上げまして、労働者を派遣するというふうな形態の場合におきまして、これは場合によっては基準法六条の問題あるいは職業安定法四十四条の労働者供給事業違反の問題が生じ得るという形におきまして、最近いろいろと話題を呼んでいる事柄でございます。 派遣事業一般につきましては、これはわが法制といたしましても整備をしなければならぬという観点から、労働省に派遣事業に関する調査会を設けまして、現在この法的整備につきまして検討中の段階ということでございます。
○五十嵐委員 労働省は、日本不動産管理株式会社に労働基準法違反の勧告をしたことはありますか。
○岡部説明員 この問題は、先ほど申し上げました具体的事案にかかわる問題でございまして、その詳細、本省段階においてこれを把握はしていないわけでございます。ただ、本件につきましては、そのような事案を取り扱ったことがあるということを間接的に聞いておるわけでございますが、具体的な報告はまだ取り寄せておりませんので、私、この場で詳細をお答え申し上げるわけにはいかない段階でございます。
○五十嵐委員 勧告をしているわけですよ。内容についていろいろ申し上げる時間はありませんが、内容はひどいものです。しかし、この日本不動産管理株式会社というのは、大蔵省だとか農水省だとか国立衛生試験所だとか科学技術庁だとか、あるいは区役所なんかもそうですけれども、こういうところの業務をしているのですね。警備員なんかを募集する新聞広告を出しているのですが、「中央官庁ビル管理20年信用第一」というような広告の出し方をしておりますが、実際に諸官庁の仕事をやっているわけです。やっているのだけれども、仕事の内容というのは、いま言うように違反を勧告されるようなことがずいぶん多い。 しかし、これはこの会社だけを言うんじゃなくて、いずれの会社でもそういうことは非常に多い。きわめて労働条件は悪い。一方で社会的に警備員というのは、このごろは社会的地位といいますか責任というものも非常に高くなってきた、こう言いながら、他方ではその実際の置かれている状況というのは最悪の状況にある。これは前からみんな気がついていることだろうと思うのでありますが、ぜひひとつ労働省としても実態を把握なされて、改善方をお願い申し上げたいと思う。 同時に、こういう労働法規の違反件数が重なるような警備業者については、官公庁の仕事の発注をこういうところには少し制限していいんじゃないですか。つまり、入札に当たって指名業者として考えるときにはやはりこういう点なんかも、こういう労基法に違反するような業者については指定しないというぐらいな考え方を持つのが当然だと実は僕は思うのです。これも、警察庁に言っても少し筋が違うかもしれないけれども、正常な警備業者の育成というものを考えるときには、ぜひそういう配慮も必要でないかと思うのですが、いかがですか。
○谷口政府委員 そのような悪質業者についての入札制限の問題につきましては、私どもの立場からはお答え申し上げることを差し控えさせていただきたい、こう思うわけでございます。 ただ、警備業務というのが、その性格上不規則である、それから深夜勤務になるというようなこともありまして、間々労基法違反というのが生じがちであることは否めない事実だ、こう思うわけでございます。一般に労働条件の改善ということは、労働者の利益になるばかりではなく、やはりそのことが、ひいては警備業務の実施の適正化を担保する意味で重要な意味があると思います。私どもは、立入検査等、いろいろな機会に業者を指導するわけでございますけれども、こういった労基法等関係法令の違反がないように指導してまいりたい、こう思っております。その点では、労働省を初め関係機関とも十分連携をとってまいりたい、こう思っております。
○五十嵐委員 ぜひひとつ、そうしてください。 最後に一点。さっきの三条の三号「最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する」、この「他の法令」というのには労働基準法も入りますか、それをひとつ。
○谷口政府委員 当然入ります。
○五十嵐委員 質問を終わります。
○中山委員長 寺前巖君。
○寺前委員 最初に、昨日わが党の岩佐議員が質問したこととの関連において御質問いたします。 警備員の指導教育責任者講習の実施を委託するという問題をめぐっての件です。法案の第十一条の三の五項で「公安委員会は、総理府令で定める者に、警備員指導教育責任者講習の実施を委託することができる。」こういうふうにされております。この「総理府令で定める者」という点で厚生省にお聞きをしたいのですが、警察庁との間に一定の合意ができておるということが報道されているわけですが、どういう点を話し合われたのか、具体的にお話を聞かしていただきたい。その内容一について説明していただきたいと思います。
○花輪説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の警備業法の改正案、第十一条の三第五項におきまして「指導教育責任者講習の実施を委託することができる。」という規定が入ってございます。新しい規定でございますので、その実施方法等につきまして、警察庁と私どもの方でいろいろと御相談をいたしたわけでございます。 先生御案内のことだと思いますが、これは委託でございますから、委託する場合は公益性のある団体を選ぶということに当然なるわけでございまして、現在そういう観点で言いますと、全国警備業協会というのが社団法人にございます。それから、私ども厚生省の所管している団体に全国ビルメンテナンス協会、これは社団法人でございますが、ございまして、ビルメンテナンス協会も企業数で申しますと、警備業を実施しているものは千二百余ございます。従業員で約四万というふうなことになっておりまして、かなりのウエートがあるわけでございます。こういう実態を踏まえまして、今後実施を委託する場合におきましては、こういうふうな両団体を中心に統一のある団体をつくりまして、その公益団体に委託をしたらどうか、こういうことでこもごも相談いたしまして、そういうふうな合意を得ているところでございます。
○寺前委員 そうすると、昨日の警察庁のお話とちょっと違ってくるんじゃないかと思うのです。昨日のお話だと、都道府県公安委員会が直接実施をする、さらに条文は将来のことを見越したという条文かという質問に対して、近い将来も委託するつもりはない、こうおっしゃっている。しかし、微妙なことに、将来適当な団体ができれば委託することが考えられるのでこの条項を入れたというようなお話でした。ところが、いまの厚生省との合意の話を聞いていますと、何か事態は二つの団体を中心にして平等に指導者講習をやっていくんだ、既成事実として両省の間で話が進んでいっているんじゃないか。 きのうのお話だと、公安委員会が直接実施するようにやっていきたい、近い将来もやるつもりはないと言いながら、既成事実としてその両団体の手で運営されていく方向で準備されていると言う。ちょっとこれは話が違うんじゃないですか、きのうの答弁と。その点、警察庁、もう一度きちっとしてほしいと思うのです。
○谷口政府委員 昨日岩佐先生にお答え申し上げた点でございますが、この講習につきましては、指導教育責任者の持つ役割りの重要性にかんがみ、都道府県公安委員会が直接実施するということでございます。近い将来どうか、それについてもそのとおりということでございます。その点は現在も変わらないということでございます。 それから、厚生省との話し合いにつきましては、ただいま厚生省からお答え申し上げたところでございます。そこに食い違いがあるではないかという御指摘でございますが、この委託先につきましては、実は全国警備業協会及び全国ビルメンテナンス協会から、将来委託する場合にはぜひうちの協会で引き受けたいという強い要望があったことは事実でございます。そういった点でいろいろと厚生省ともお話し合いをしたわけでございますが、冒頭お答え申し上げたとおり、現時点、当面と申しますか、まずその必要性はないと思います。都道府県公安委員会が直接実施すべきであるし、また実施することができるということでございます。 仮に委託する必要があった場合にはということになりますと、何か公益法人がふさわしいだろうということになるわけでございます。その場合に、現在全国警備業協会、全国ビルメンテナンス協会という業界団体としての全国組織があるわけでございますが、それ以外にも関連業界あるいは都道府県単位の業界団体がないわけではないのでございますし、また業界団体だけではなく、やはり関係団体の御協力もいただかなければならないというような点をも含めまして、両協会が中心になった公益法人、これが設立された場合、もし委託する必要があるとすれば、そういった団体に委託することになろうということでございます。 何回も繰り返すようでございますが、この講習の重要性にかんがみ、各都道府県公安委員会が直接実施するということでございます。
○寺前委員 そうすると、都道府県公安委員会を中心にして直接やるし将来もそういう計画はない。けれども、もしもそういうことが起こってきた場合には、二団体を中心としたところの別法人にひとつお願いをしたい。もしもの場合ですよ。そうすると、その二団体を中心に、いまもう事前に厚生省と警察庁の間にもすでに、話されたように、これが独占的にやられていくことになるのか。 いまおたくもおっしゃったように、いろんな団体がほかにもあるでしょう。都道府県の公安委員会を中心にしてやらしていくということを見れば、いろんな団体の問題についても、これは都道府県ごとに結集しているものもあればいろいろあるんだから、独占的にこの二団体中心の考え方だけで法人をつくらしてやっていくんだ、すでにそういうふうな相談になっているということになってくると、たとえ委託をするという場合だって、何か独占的に特定のところにやらしていくということにならないのか。絶対にそうじゃなくして、民主的にそういう場合であってもいろんな形態が生まれるんだという態度をとられるのか、そこのところはどうなんです。
○谷口政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、都道府県公安委員会が直接実施するということでございます。委託については全く考えてないわけです。ただ両協会から、委託するような場合があったらぜひうちの協会に委託してくれという強い要望があったということでございます。それに対して再三再四、直接やりますからその点はお考えにならなくても結構ですということを申し上げたわけでございますが、ぜひということで、仮にということでございますが、全国的な規模の問題とすれば、やはり何といっても現実に両協会が中心になって運用されておる業界の情勢でございますので、そこら辺が中心になって、あと関係団体いろいろ集まってそして新たな団体を設立し、委託するということがふさわしいのではなかろうかという程度で、いわゆる仮定の問題として俎上に上ったということでございまして、その法人だけが、新たに設立される法人だけが唯一の委託先になるかどうかは、これはもう仮定の問題でございますので、お答えを差し控えさしていただきます。
○寺前委員 これだけに、仮定の問題だから、独占的にやらしていくということになるかどうかは、お答え差し控えさしていただきたいといういまのお話です。ところが、たとえばここに防犯防災新聞社が四月七日に出している新聞を見ますと、さっき厚生省が言ったと同じ話ですが、二つの業界の団体が同一比率で役員構成をやっていくんだということが書いてある、そこまで話が、独占的にやっていくという方向が。おたくの話だと、それを中心にして協力を得るんだと言うけれども、この二つの団体の間でもうすでに役員構成がこうだというところまで話が具体的に進んできている、これを読んでみると。 そうすると私は、いまおたくが言ったようにそれは仮定の話ですよ、基本的には公安委員会でやるんだとおっしゃっているんだから、それはそれでいいと思うのです。問題は、そういう話が独占的にやられていくということが、一つの現実の進んでいる問題として出ているから、だからちょっとそれではおかしいんではないかという意見が地方からも生まれてくるのは当然のことです。 そういう二団体からの申し出がありました、あったけれども、いよいよ委託をするという場合にはフリーな形で民主的に検討さしてもらいますと言うんだったら、話はまた別なんですね。ところが、二団体でもうすでにこうやってどんどん積み上げていって、そして、役員の構成の比率が初めは何対何だと書いてありましたな、六対二か、そういう形でやっていくんだと言うておったものを、いやいや、それは半々にしようとか、そんなところまで来ているところに、さあ、そこが中心になってみんなやってこいということでは、それは僕は民主的じゃないと思うのだ、たとえ委託するにしたって。 だから、委託をする、仮定の話だとおっしゃる以上は、これははっきりと民主的に、いま出ているようなことではなくして、それこそ業界の皆さんの協力を得られるように民主的にやります、そんなものに独占的にやらすというようなことは方針としてとりませんということを明確にしてもらわなければ困るじゃないですか。そこはどうなのです。
○谷口政府委員 きのうもお答え申し上げたとおりでございますけれども、その受講予定者数というのが数千人でございます。これは、各都道府県公安委員会がそれぞれ講習を実施するわけでございまして、施行直後は相当の事務量になると思いますけれども、それは処理できるということでございまして、その後は結局補充だけというような程度でございます。そういう意味と、この指導教育責任者の持つ役割りの重要性にかんがみ、その講習をみずから行おうということでございまして、委託については全く考えていないということでございます。
○寺前委員 全く考えていないのに、事態は、厚生省との間に話が始まるから、それで既成事実がつくられていくというところから、これはおかしいじゃないかということになるので、その点は十分注意してもらいたいということをあえて提起をしておきたいと思います。 次に、今回の警備業法の改正に当たって、理由の一つに警備員の非行や不祥事が多いことを挙げておられる。警備員による犯罪や不祥事はどのぐらい起こっておるのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○谷口政府委員 昨年一年間の警備員による刑法犯は、件数で三百六十二件、うち勤務中のものは五十五件、警備員数では三百六十八人に上っております。依然として質の悪い警備員が多くいるというような現状でございます。 この犯罪の中には、アルコール中毒で入院歴のある警備員が飲酒の上居合わせた客三人に暴行、死傷させたという事件だとか、あるいは警備業務委託先から十数回にわたり物品を窃取していた事件など、きわめて悪質なものが多いということでございます。 なお、以上は刑法犯の関係でございますが、これ以外に特別法犯及び交通犯罪については、件数で三百七十一件、うち勤務中九十二件、警備員数では三百七十人となっております。
○寺前委員 そこで、いま調査室の参考事例の中の事例四の話が出されたわけですが、営業の問題についていろいろ聞きたいのですが、時間の都合もありますので……。 私、この間うち新聞を開き直してみて、警察官の不祥事をずっと一覧整理してみたのです。八〇年の三月十六日から八二年の三月十九日までに、主な新聞に載った警察官の不祥事件というのをずっと列記してみたら、新聞に載っただけで八〇年に四十七件、八一年に三十七件載ってきているわけです。 なぜこういうことをやったかといいますと、こういう非行で退職あるいは懲戒免職など免職処分を受けた警察官が警備業界に紹介されているということがかなり言われているのです。だから、気になったから一体どういう事犯があったのだろうかということで、私自身が整理してみたわけですが、おたくの方でこういう懲戒免職など免職処分を受けた諸君たちが警備業界に入っているという事実があるのかどうか、知っておられるのかどうか、調査されたことがあるのかどうか、お聞かせをいただきたい。
○谷口政府委員 いままで、そのような調査をしたことはございません。急遽、数県につきまして調査いたしましたところ、そのような事実がないということでございます。
○寺前委員 自治省にちょっとお尋ねを申したいのですが、都道府県職員の中で、人員ですね、警察官というのは何%ぐらいおるのですか。
○大嶋政府委員 都道府県職員の中では一二・三%ほどになっております。
○寺前委員 そこで、地方公務員の非行の問題についてですが、最近三年間の懲戒免職について、一般職、教育職、警察官について、それぞれ職種別の実態はどういうことになっているのか、都道府県別に説明していただけますか。
○大嶋政府委員 昭和五十二年から五十四年までの職種別の調査で申し上げますと、一般職が五十二年が三十四、五十三年が四十七、五十四年が三十二、教育職が五十二年が二十六、五十三年が三十、五十四年が十九、警察が五十二年が二十、五十三年が二十五、五十四年が十五ということになっております。 昭和五十五年につきましては、職種別の調査はいたしておりません。
○寺前委員 それで私、いまの状態を見てちょっと考えさせられたのですね。どういうことかといいますと、あわてて昨日ちょっとパーセントを出してみたら、都道府県の免職のパーセントというのが、処分された人の中で警察官が五十三年度で二四%、五十四年が二六%になるのです。そうすると、職員全体の中で警察官が占めているのは一二%ほど、ところが、処分された人の中で見ると、警察官が二四%、二六%というふうに倍の処分率になってくるわけですね。警察官の方が教員や一般の職員よりも非常に高い実態というのは、これは警察官についてわれわれは非常に考えさせられる問題である。 しかも、処分された諸君たちがずっと警備会社に入られているという話をかなりいろいろ聞かされるわけです。ところが、処分された諸君たちがどういうことになっているのか、実態はよくわからぬわけですけれども、それではちょっと困るのじゃないだろうか、こういうことになると思うのです。 それのお答えをいただく前にちょっと聞きたいのですが、警察庁自身で五十三年、五十四年、五十五年の警察官に対する懲戒免職、分限免職の合計は、年度ごとに何人になるでしょうか。
○金澤政府委員 お答えいたします。 懲戒免職の処分を受けました者は、五十三年中が二十六人、五十四年中が二十人、五十五年が十八人という報告を受けております。 分限の方は、これは必ずしも明らかではありませんが、当庁に対して報告のありましたものは年間約五十人程度、こういうことでございます。
○寺前委員 さっき私が新聞報道を調べた話をちょっとしましたので、長官にこれをお示ししたいと思います。 私がずっと新聞に載ったものを列記して調べただけでも、懲戒免職が五十五年度で八人、五十六年度で七人になります。諭旨免職というのが五十五年度で七人、五十六年度で六人、ずっと数字をひもといてみますとそういうことになるわけです。ですから、たとえばいま五十五年の懲戒免職は十八人だと言っておられたんですから、新聞に載った以外にたくさんあるんだ。諭旨免職というのも全部含めて懲戒免職という性格になっているのかどうかわかりませんけれども、きちっとした言い方をしておられるとするならば、新聞に載った以外にずいぶんたくさん、これ以上にあるということにもなると思うのです。こういうふうに、地方公務員全体の中よりもうんと上回ってきていることについて、警察庁長官としてどういうふうにお考えになるか、御答弁いただきたい。
○金澤政府委員 先ほどお答えいたしました分限と申し上げましたのは、諭旨免職の誤りでございました。訂正させていただきます。 それから、いまお尋ねの、警察官の懲戒の件数の比率が高いのではないかというようなお話でございますが、これはいろいろと警察の規律の関係で職務執行上非常に厳しくやっておりますので、そういった結果が先ほどお話がございましたような数字にあらわれているのではないかという感じがするわけでございます。
○寺前委員 ところが、それは厳しくやっているから、教員や一般職の方は厳しくないから、だからああいう差が出ているんだという言い分をおっしゃっているわけですが、たとえば総理府の広報室が去年の暮れ出した本で、国民の警察官に対する印象や評価、警察活動への協力、要望などを調査しています。実施時期は五十六年八月十七日から二十三日まで、全国二十歳以上の者三千人を対象にして、八四%の回収率でやった報告が出ています。この報告書を見ますと、「警察官の良くなった点と悪くなった点」というのがずっと出てくるわけです。 私、そういう点では、いまの話で済むのかいなというふうに気づきますので、ちょっと説明をしますと、「良くなった点」の項目では、「親しみやすくなった」が、四十九年の調査では四九%であったものが五十三年には四三%、そして今回の調査では四一%と低下をしていると、ちゃんと指摘しています。それから「態度や言葉使いが良くなった」という問題に対しては、四十九年には四五%だったのが五十三年に三六%、今回は三四%へと、ずっと低下をしているわけです。また、「悪くなった点」というところのこのアンケート調査を調べてみると、圧倒的に多いのが「全般的に警察官の質が低下した(警察官の犯罪が増加したなど)」というもので、四十九年の調査では四四%だったのが五三年には五七%になり、今回は五九%にはね上がってきているわけです。 先ほどもお渡ししましたように毎日のように各種の犯罪や不法な暴力事件が発生し、国民が不安にさらされている中で、国民の自由と人権、生命と財産を守るために、法の番人として警察官が重要な役割りを果たさなければならないはずなのに、その警察官が国民からこういうふうに見られている。事実としても、厳しいという言い方をしておられるけれども、一般公務員の中では最もこの分野がたくさんの処分を受けなければならない事態が生まれている。これは厳しいからこうなっているというだけでは済まない。国民の批判がこういう形であらわれているということを、総理府の調査の中からも出ている以上は、警察官としても考えなければならない問題じゃないのだろうか。警察庁長官、この点についてどうお考えになりますか。
○三井(脩)政府委員 いま引用されました同じ調査によりますと、「全般的に警察官の質が向上した」というのが前々同一一、今度は一七というようになっておりますし、「態度や言葉使いが悪くなった」という数は、前々回二九、前回二四、今度は一七、これは進歩した、いずれも若干ながらよくなったというようにもとれるかと思うわけでございます。 私たちは、これに限らず、これもまた総理府にお願いしておるのは、警察がお願いをいたしまして、これを参考として警察官の指導その他運営に資していこうということから始まったわけでございまして、大変大きな関心を持っておるわけでございます。したがって、足りない点につきましては、今後ともこれを改善していくという指針にいたしておるわけでございます。 ちょっと話が横へそれて恐縮でございますが、私たちは、この中で一番、治安維持のためには国民が警察に協力していただく、そのためには警察が国民から信頼されなければいかぬということを基本にしておるわけでございます。トータルにおきまして警察に協力をするという数は八六%でありまして、これはいままでと大体横ばい、こういうことでございます。幸いそういうことでございますが、今後とも努力をしてまいりたいと思います。 それから前段の、懲戒処分のさっきお挙げになりました数字からいいますと、警察の方が一般の職員よりも二倍規律維持のために努力しておる、こういうことになろうかと思うのでございまして、この点もその努力の結果、全体として処分される者も減ってくるということは一番望ましいわけでございますが、厳しくやっておるという点を評価していただきたいと思うわけでございます。
○寺前委員 それは評価の基準を、それでは教職員の方は文部省はたるんでいるのと違うか、あるいは自治省はたるんでいるのと違うかという言い分にも聞こえる話であって、それはそれぞれのところがきちんとまじめにやっておられると私は思う。やはり出てきた、懲戒処分にしなければならない、分限処分にしなければならない、そして国民の批判の調査を見てもこうだという点から、謙虚に質の向上のためにどうするのかという問題について検討されることが一番筋道じゃないか、変なところに話を持っていって、私のところはきちっとやっているからこうなんですという言い分は筋の通らぬ言い方じゃないかというので、あえてつけ加えておきたいと思うのです。 それで、日本の警察の特殊性の一つの問題として、警察官の団結権が認められていないという問題は、自覚的に質を向上させる上では非常に重要な問題じゃないだろうか、それを一つ感ずるわけです。それから、警察の徹底した官僚性が第一線の警官の使命感や将来への希望といったものを封じ込めてしまうことになるんじゃないか、そういうことから考えてみると、この団結権の問題についてどういうふうに考えておられるのか、内部的に検討しておられるのか検討しておられないのか、一体どういうことになっているのか、御説明をいただきたいと思うのです。
○金澤政府委員 お答えをいたします。 警察職員につきましては、御案内のとおり国家公務員法及び地方公務員法におきまして警察職員の団結権が禁止をされておるわけでございます。この法で禁止をされております趣旨を考えますと、警察職員の仕事の性格、国民の生命、身体、財産を守るという仕事、それにあわせまして公共の安全と秩序を守る、こういった仕事の特性からいたしまして、不偏不党、厳正公平ということが常に要求されておるわけでございます。 それと、そういった仕事を持っております職員でございますので、団結権ということで組合が結成をされますと、その組合に対する一つの指揮命令系統というものが発生をいたします。仕事上の警察という組織の指揮命令系統ということで、同じ組織の中に命令系統の二元性というものが生まれてきますと、先ほど言いました警察の仕事の特殊性から、これはやはり国民のための警察ということで問題があるということで、法律が禁止を規定しておる、こういうふうに理解をしております。 しかし、そういう状況でありますので、特に警察の組織内部におきましては、職員のいろいろな勤務に対する要望であるとか職場の状況であるとか、そういったものを管理者が把握をして、できるだけ適切に処置をしていくということが必要でございますので、職場の中におきましても、いろいろな委員会なり要望を聞く協議会といったようなものを設けまして、そういった要望その他をいろいろと聞いて措置をしておる、こういう状況でございます。
○寺前委員 内部的に団結権の問題、先進諸国では保障がされているのに、日本の警察機構ではそれがどういうことになっているんだろうかということについて検討しておられるのか、しておられないのかを私はいま聞きたかったわけですが、後で関連して御説明をいただいたらいいわけですが、国民が、こういうようなアンケート調査に見られるように、いろいろ批判を持っているわけですね。 具体的な事実を持って警察に行くとしますか、そうすると、先日も三谷議員が申し上げておりましたけれども、卑劣な手段でスパイ活動をやったりしている、こういうことについて指摘をするということで、現地で警察署へ行くあるいは都道府県の警察本部へ行く。ところが、普通の官庁だったら、たとえば国会議員が行く、行って事情も調査をしたいし、意見も聞きたいということで関係者を連れて行くと、素直にどこだって話を聞くものなんです。ところが不思議なことに、警察に限って、本部長にしたって、しかるべき部長にしたって、都道府県でも出てこない、あるいは簡単にあしらわれる、あるいは警察においても同じことが行われる。 そういうふうに門前払い式に、ともかく聞く耳なしという態度を改めなかったら、国民から信頼をされるということにはならないのは当然ではないだろうか。こういう警察の持っている国民に対する扱い方の問題、ここが改善をされなかったならば、このような不祥事があっても、あるいは警察官の中において団結権もないから言えない状態にあっても、それを改善に発展をさせることができない原因というのは、素直に門戸を開かないところにあるんじゃないだろうかというふうに私は感ずるわけです。 この点について、警察庁長官、一体どういうふうにお考えになっているのか。内部の警察官の団結権の問題と、この国民の声に対して、本部長にしても警察署長にしても、素直に会って話を聞くという態度をとられるように改善すべきだと私は思うのですが、いかがなものですか。
○三井(脩)政府委員 団結権の問題につきましては法律に規定されておるところでございますし、ただいま官房長からお答え申し上げたとおりでございます。また、それも含めまして一般に部内、部外の声を十分に聞いて、警察運営の上にこれを反映していくといいますか、警察運営をよりよきものにしていくということについては、私たちは平素努めておるところでございます。 具体的にどういう場合に人に会い、どういう場合に会わないというのは、それぞれの個々のケースの問題であろうかと思うわけでありまして、警察をよくしようというような気持ちで警察に言ってくださる場合と、警察を批判、攻撃するだけの目的で警察に会いたいとおっしゃる場合とおのずから違うわけでありまして、基本は国民の声を聞き、部内職員の気持ちを十分に察しまして、警察法に規定された責任を国民に対して十分に果たし得るためにはどのように努力すべきか、これを日夜考えておるところでございます。
○寺前委員 主観的に批判や抗議をされる場合にはとか区別しておられますけれども、少なくとも国民の代表としての国会議員なり都道府県会議員なり、そういう人までが行っているのに素直に話を聞こうとしないというようなことでは、私はいまおっしゃったようなことにはならないのじゃないだろうかというふうに思います。これは改善されるように、私はあえて強調しておきたいと思います。 次に移りたいと思うのですが、去る四月十四日に、兵庫県の加古川市の高田建設の従業員が殺害をされるという事件が起こっているわけです。私は、一般的質問としてこれをやろうというわけじゃないのです。警備保障会社の関係がある具体的な例ですから、この問題についてあえて聞きたいわけです。 高田建設と言っておっても、どういうことかおわかりにくいだろうと思いますので簡単に御説明いたしますと、従業員総数は約三十名で、生コン工場を兵庫県の東播地区で協同組合にも加盟せずにわが道をいく方式でやっておられた会社です。その会社は、ダンピングなどによって出荷をするものですからずいぶん混乱をさせられるということで、業界なども圧力をかけて協同組合に加盟させるというようなこともなされた会社です。そこで、会社は協同組合に加盟させられて、混乱をしないようにせいと言われることの中で出荷減になっている、利益の減少も起こってくるというところから、そのしわ寄せを労働者にかける。 それで、職場の労働者の状況は、非常に苦しい生活条件を強いるということになるものですから、ここの労働者は、一年ないし二年という勤務状況になっていって、低賃金、長時間労働、有給休暇、昼食休憩すらとれない、牛馬のごとくに使われるというところから、このまま黙って見ているわけにはいかないということで、ことしの二月十五日に労働組合を十人でもってつくっておられるわけです。 二月十五日に組合を結成して分会役員を四名選んで、そうしてその日のうちに、われわれの要求することをということで結成通告書と要求書を出したところが、直ちにすべてを突き返して、分会役員四名に解雇命令を出すということが起こったわけです。そして、単に解雇命令だけではなくして、その日のうちに会社出入り口にバリケードを張ってガードマンを雇い入れ、二月十六日には組合員全員の仕事を取り上げるという経過を経てきたものです 質問はこれからなんです。このガードマンは、警備業法の四条によって届け出がなされているところなのかどうか、その企業名とガードマンの名前を教えていただきたいと思います。
○谷口政府委員 当該事案の警備業者の名前でございますが、近畿警備保障株式会社で、昭和五十六年十二月十七日兵庫県公安委員会の方に届け出がございます。 警備員云々につきましては、私どもはわかりません。
○寺前委員 この業者は、三条の欠格事由に該当する業者ではなかったのですか、どうですか。
○谷口政府委員 欠格事由に該当しておりません。
○寺前委員 労働争議にガードマンを介入させることは、本法律成立時の審議でも大いに論議になった点だ。現在においても、このようにガードマン自身が争議に介入をしてきているわけですね。警察庁の話を聞きますと、この数年間を見てもガードマン、警備会社が争議に介入したということは余りないのだというふうにおっしゃっておるようですけれども、現にここの事態というのは、ガードマンを入れて、そして殺人事件にまでこれが発展するという方向に動いてきているというふうに見ることができるわけですけれども、これはどういうふうに見ておられますか。
○中平政府委員 この事件は、先ほど御指摘のあったようなケースで四月十四日に発生をいたしておりまして、現在兵庫県警では刑事部長を長にいたしまして、百九名の捜査体制で全力を挙げてその検挙、解決に努めておる、こういうところでございます。ただいま、ガードマンが何かこの事件に関係あるかどうかという御指摘でございますが、少なくとも私どもの現在までに得ている捜査の過程ではそういう事実はございません。
○寺前委員 その問題についてちょっと聞きたいわけですが、現行法上ガードマンがこういう争議に介入をしてくるという場合には、どういう措置をとることができるようになっているのか。これは一番中心的に従来から論議になってきた問題ですが、それは法的にはどういうことに処置しようとしておられるのですか、今度の法律改正にはないようですが。
○谷口政府委員 現行法の第八条で「警備業者及び警備員は、」「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」という規定がございます。この規定をまつまでもなく、正当な労働争議に警備員はもとよりいかなる者も不当に干渉してはならないということは、言うまでもございません。 そこで、具体的に警備業者あるいは警備員が正当な労働争議に干渉する、介入するというような場合につきましては、この第八条違反といたしまして、直ちに各都道府県公安委員会におきましては是正方行政指導をいたしますし、悪質な場合につきましては指示、停止命令等の処分を出すということになっております。
○寺前委員 通達でこういう介入について、なしてはならないというような指導をしておられるようです。そういうように介入してきた場合に、営業する側には営業の停止処分をするとかあるいは罰則を加える、そういう点を法律的にも明確にしておかないと、第八条を見ると「警備業者及び警備員は、警備業務を行なうにあたっては、」「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」こうなっているけれども、これがどういう罰になるのかということが法律的には少しも明確になっていないのじゃないだろうか。だから、こういうものを明確に罰するようなことにしておかないとぐあい悪いのじゃないかと思うのですが、そこはどうなっているのですか。
○谷口政府委員 昨日も岩佐先生にお答え申し上げたところでございますが、この第八条は警備業務実施の基本原則、いわば警備業者、警備員にとりましての憲法というか、基本的な遵守規定ということでございます。これに対しての直罰規定を設けることについてはどうかということでございますが、ただいまお答え申し上げましたとおり、間接的に担保されるということでございまして、悪質な場合には指示命令あるいは停止命令を課することになっております。これは第十四条それから第十五条の第一項でございます。その都道府県公安委員会の命令に従わなかった者につきましては罰則の規定があるということで、最終的には担保されているということでございます。
○寺前委員 どうも私は、その問題についてはそういう程度ではいかぬのじゃないかというように思うのですが、ちょっとさっきの話に戻ります。 二月十五日にここの組合は結成されているのですね。その日のうちに、当該加古川署の警備の方が五名も会社に入り込んできて、そして情報収集あるいは威圧のごとく、労働運動に介入しているがごとき行為がとられているわけです。労働組合がその日、今度は解雇された時点でこうやって警察が動いてくるわけですが、警備警察というのが何で、組合を結成して要求を出したりすると途端に、わずか十名ぐらいの組合のところにこれだけの人が入り込んでくるのかということ自身が解せないわけですね。 それから、こういうことを会社が言っているわけです。加古川の暴力団を知っている、組合は必ずつぶす、運輸一般に入っているとそのうちにえらいことになるぞ、そういう脅迫の話が組合員にされるという事態も生まれているわけですね。いろんな言動で、今回の殺人事件を予測するような言葉がずっと次々に出てくるわけなんです。ですから、先ほど聞いたら、警備会社は今度の殺人に関係はないのだというような話をしておられるけれども、組合ができたときにすでに警備警察が入ってきておる、そして会社からの話というのもそういう話が次々に出されてくるという事態、これは組合員にとっては、何か予測されたような行為が起こっているというふうに見られても仕方がない。 しかも、そういうふうに行為をやっている諸君たちに対して泳がしておきながら、野村分会書記長が殺害された四月十四日に立入捜査として県警の警備課長や課員の人が来ている。一体これはどういうことなんだろうか、不思議でかなわない。しかも、ここの殺された野村分会書記長を初めとして従業員の精密な通勤通路などについても会社側に提出されている。だから、全体としておどしから殺人への経過というのは、何か突発的な事故だというふうに見ることのできない暗くつくられたような不審な姿を全部に感じさせているという事件になっているのですね。 もう時間もありませんから、私最後に、何で警察の警備がこんなふうに事前にうろちょろしておったのか、それから、うろちょろしておきながら殺人事件にまで発生させたのか。そして、いまだにその殺人の犯人がつかまらない。一体目星はどうなっているんだ、いつになったらみんなの前に逮捕という姿で明らかにさせることができるのだろうか。初めから警察も参加しておきながら、不審なことにずっと今日まで終わっておる、これは一体どういうふうに見たらいいんだろうか。御説明いただきたいと思います。
○山田政府委員 加古川署の警備課員が高田建設に行っておるということについてお答えいたしますが、一度だけ高田建設を訪問しております。それは二月十四日と言われましたが、そうではなくて二月十六日でございます。加古川署の警備課長ほか課員が訪れておりますが、それは前日の二月十五日の午後三時ごろに高田建設の高田社長が加古川署に参りまして、労働争議が発生した、よその組合員を大量動員すると言っているので不測の事案が発生するかもしれない、その際にはよろしくお願いしたいという趣旨の話を、二月十五日に来署して話があったわけでございます。 その話を聞きました加古川署の警備課長でございますが、初めて聞く話でもございます、それから、社長の話ではどうも具体的内容がない、余り細かい点を知らない、それに加えまして生コン組合、他府県では団体交渉をめぐりまして違法事案も発生しておりますので、これはどういう経緯といきさつで不法事案発生という懸念を持っておるのか、直接担当者から聞かないとわからないということで、翌日の二月十六日午前十時ごろ会社を訪問して、営業部長の方と三十分間ぐらいでございますが面談したというのが訪問の目的といきさつでございます。 それから、事件当日の十四日に警備係員が会社に出入りしたということでございますが、これは所轄署の管内の殺人事件でございます。全署を挙げての捜査を行うのが通例でございまして、警備係員も捜査本部に編入されて殺人事件捜査に従事しておるわけでございまして、捜査の必要から会社に行っておるということでございます。
○寺前委員 殺人だから、私は刑事が行くのかなと思っておったら、違うところが行くものだから不思議でかなわない。 それで、刑事事件としての結末は一体どういうことになるのか。おたくがそれをやってくださるのですか。
○中平政府委員 先ほどの御質問の中に、何か生コン会社の言動として加古川の暴力団を知っておるぞとか、あるいは運輸一般労組に入ればえらいことになるぞとか、そういうことを言ったというようなお話がございましたが、これも私どももこの被疑事件の真相を解明する一つの事項として、現在その真相の解明に努めておる次第でございます。 なお、御案内のことだと思いますが、犯罪が発生いたしますと、まず基礎的な捜査というものを十分にやらなければならぬわけでございます。したがいまして、この場合におきましても現場検証の徹底とか関係者からの詳細な事情の聴取とか、それから周辺の徹底した聞き込み活動、勤務先に対する内偵捜査の徹底、それから組合結成の経緯及び組合活動をめぐる会社側とのトラブル等の実態、これに対する会社側の対応の実情、あるいはこれは司法解剖いたした次第でございますが、司法解剖による死因の究明、こういうものをまず幅広く基礎的に解明をし、その上に立って事件の被疑者の検挙の方に向かって捜査をしぼってまいるわけでございます。 現在、事件が発生いたしまして十日ぐらいでございまして、そうしたおおむね基礎的な捜査が大体固まってきたとか、そういう段階であるというふうに理解しております。何分にも、ただいま御指摘がありましたような非常に重大な殺人事件でございますので、兵庫県警としては全力を挙げて一日も早く犯人を検挙いたしたい、そういうふうに取り組んでおりますので、これがいつ解決ができるかとか、そういうようなことは現在の段階では申し上げられませんが、とにかく兵庫県警としては全力を挙げて一日も早く犯人を検挙いたしたい、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○寺前委員 お約束の時間が来ましたのでこれで終わりますが、ぜひ、あいまいにすることなく速やかに逮捕され、目星を明確にしていただきたいということを重ねてお願いしておきます。
○中山委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 最初にお尋ねいたしたい点は、趣旨説明もお伺いしたのでありますけれども、警備業法の一部を改正する法律案、法律ができて約十年になるわけでありますから、この時期がある程度見直しの時期だろうということはわかりますけれども、どうも改正案を見ますと、かなり技術的な点はございますけれども、根本的な点についての改正等は見当たらないようであります。あえてこの時期に、警備業法の一部を改正するのを提案するに至った考え方、こういうものをまずお伺いしたいと思います。
○谷口政府委員 わが国で警備業が始まりましたのがちょうど二十年前でございます。その後、年々成長を続けてまいりました。その間、いろいろな不適正事例があって現行の警備業法ができたわけでございます。その後も、社会的な需要を受けまして成長を続けてまいりました。その結果、昨年末では三千二百十の業者、十二万四千余の警備員を擁するに至ったわけでございます。その業務そのものは各分野にまでわたりまして、社会的に果たす役割りも高まってまいったわけでございます。大部分の警備業者、警備員は、その仕事につきまして職責を自覚されまして遂行をされておられるわけでありますけれども、一部の業者ではございますが悪質、不適格な業者が出てきた。また、警備員の非行事案というものも依然として後を絶たないというような状況でございました。 御案内のとおり、これら警備業者あるいは警備員に対しますいわゆる人的欠格事由につきましては、現行法ではわずか一項目でございまして、特定の前科者についてしかないということでございまして、暴力団などが経営する業者等につきましては、現行法では排除することができないというような問題。また警備員につきましても、いろいろの特定の前科者に準じて、当然社会的に見ても排除しなければならないというような警備員が警備業務に従事する、その者たちが非行を犯すという例が多いという実情にかんがみまして、まず人的欠格事由につきまして整備を図り、さらにその上に立ちまして欠格事由の存否に関する手続でございますが、届け出制から認定制に移行する必要があるということ。それともう一つは、警備員に対する指導、教育、これを充実強化するという必要が出てきたわけでございます。 それから第二点は、現行法の制定当時全く予想されなかった機械警備につきまして、最近とみに発展してきたわけでございますけれども、それに対する規定が全くないというようなことで、即応体制の不備等に伴う不適正事例が多く見られるようになったわけでございます。そこで、機械警備に関する規定を入れる必要があるというようなことで、今回改正法案の御審議を願うことになったわけでございます。
○細谷委員 いま詳しく改正法案を提案するに至った経緯を御説明いただいたのですけれども、簡単に申し上げますと、一つは手続の問題、あるいは欠格事由、こういうような問題、さらに規制と指導、教育を強化していこう。それから、新たに機械警備の新設、こういうことに尽きるのだと思うのですけれども、そういうふうに理解してよろしいですか。簡単に。
○谷口政府委員 そのとおりでございます。
○細谷委員 そこで、すでにたくさんの方から、いろいろな角度から質問が展開されたわけでございますから、私も新しい質問をしようとは思っておりません。また、繰り返して質問をしよう、こういう気持ちはございません。ただ、この問題に関連して、警備という問題と防火あるいは防災、こういうような問題の絡み合いでもかなりの質問が行われましたけれども、なお問題点が私には感ぜられますものですから、この点を中心にして少し質問をしてみたいと思います。 いまたくさんございます警備会社の定款で、この法律に言う警備、防犯、こういうものだけをやっているところと、防火問題あるいは防災問題こういうものをあわせて定款で書いてやっている会社とを区分できるか、区分できるとどういうような状況になっているのか、御説明いただきたいと思います。
○谷口政府委員 警備業法に言う警備業務のみと、それから防火業務をあわせてやっている業者の比率でございますけれども、そういった調査は私どもいたしておりません。しかしながら、施設警備を実施しております警備業者につきましては、その大部分が警備業務とともに防火業務をも実施しておる、こういう状況でございます。
○細谷委員 そこで、私は幾つかの会社の定款なり、あるいは数回にわたって警察庁に出されました警備業法改正に関する陳情書、この内容について、防災との関連にしぼってちょっと質問をしてみたいと思うのです。 ある会社の定款を拝見いたしますと、その中にこういうことがございます。「防犯、防災等に関する器具の開発と販売に関する業務」、防犯、防災と、こうなっております。それから「電気通信工事の請負」、こういうのがございます。それから「消防施設工事、保守の請負及び消防施設機器の販売」、こういうものを「当会社は次の業務を行うことを目的とする。」と定款の中にうたってございます。この定款にうたってある工事をやるといたしますと、他の法規との関係があるように思うのでありますけれども、警察庁の方ではどうお考えですか。
○谷口政府委員 一般論で申し上げますと、警備業者が他の業務をもあわせて仕事をするといった点につきましては、他の法令の制限に反しない限り、何ら差し支えないということになろうかと思います。ただいま先生が列挙されました点について、果たして他の法令の制限に該当するかどうかにつきましては、にわかにお答えできませんけれども、おおむね差し支えないのではなかろうかと私は思います。
○細谷委員 電気通信工事の請負ということになりますと、これは郵政省関係でありますけれども、時間の関係がありますからおいでいただいておりませんけれども、消防庁が見えております。いま私が読み上げました定款の中の仕事をやるに当たって、警備業法に言う警備員だけでやれるものがありますか。他の法規によって何らかの資格がなければやれない、こういうものがあると私は思うのでありますけれども、いかがですか。
○鹿児島政府委員 ただいまお話しになりました中で私どもが思い当たりますのは、消防設備につきましては消防設備士の資格を持ちませんとその業務を行うことができないということでございます。
○細谷委員 いまの鹿児島次長のお答えは、「消防施設工事」それから「保守の請負及び消防施設機器の販売」、この点に該当すると思うのです。たとえば消防施設工事について、スプリンクラーを設けるということになりますと、少なくとも消防設備士の免許を持っておらなければやれない、こういうことだと思うのです。そういうことですね。
○鹿児島政府委員 若干詳しく申し上げますと、消防設備を設置いたします場合には、いまお話しのとおり消防設備士の資格が必要だということでございます。また、保守、点検につきましては点検資格者としての資格が必要で、販売につきましては格別の資格要件はございません。
○細谷委員 警備業法に基づいて会社がつくられている定款の中に、いや、工事の方もやるんだ、工事をやる資格があれば、他の法規に制限がない限りは問題ない、それはそのとおりだと思うのですけれども、少なくともこの定款に書かれてあるような仕事をやった場合に、警備業法に基づく会社におる警備員が消防設備士の免許を持っておれば、無制限に野方図にやるようにしても消防法上大丈夫ですか。いかがですか。
○鹿児島政府委員 消防設備士なりあるいは点検資格者としての一定の資格を持っております限りは、それ相当の技能あるいは知識を持っておるということでございますので、警備業法の資格の有無にかかわらず、そういう資格者がおりますればそういう業務を行うことは差し支えないということでございます。
○細谷委員 東京都の火災予防条例、施行規則というものがございまして、「消防用設備等の管理、消防警備業務従事者の試験」という条項がございます。この消防警備業務従事者の試験、消防警備業務と、警備業でありますけれどもそれは消防だという形で、新しい言葉がございますね。こういう言葉で東京都で条例が制定されて運営されておることは御存じですか。
○鹿児島政府委員 承知いたしております。
○細谷委員 この東京都の消防警備業務従事者は、試験を受けまして、それに合格をいたしますと認定証が交付されます。もちろん手数料は要るわけであります。この認定証を受けますとどういう資格ができるんですか。
○鹿児島政府委員 私どもが承知しております限りにおきましては、この消防警備業務従事者と申しますのは、防火管理の一環として、御案内のように防火管理者がおりまして防火管理をやるわけですが、その権限の委託を受けて第三者が防災上の警備業務を実施をする、そういう事例が多々出てきたことにかんがみまして、そういう防災上の警備業務に従事する者につきましては、一定の講習といいますか訓練を行い、それに基づいて資格を与えた上で全部または一部の委託を認める、こういう趣旨でできた制度だ、かように理解いたしております。
○細谷委員 きわめて初歩的な質問でありますけれども、東京都ではこういう火災予防条例が東京都の条例としてつくられております。一般の道府県では、こういう火災予防条例というものを道府県の条例として制定することはできますか。
○鹿児島政府委員 原則的には、火災の予防業務につきましては市町村の事務でございますので、市町村の条例で制定するということになります。東京の場合には、御承知のとおり、東京の消防業務というものが、二十三区の特別区につきましては都知事の管轄にございますので、都条例で制定をする、かような形になっております。
○細谷委員 私がお聞きしているのは、東京都は二十三区はそういうかっこうでございますから、都が全部カバーするわけですからいいわけですけれども、一般の府県、たとえば大阪府なら大阪府というものが条例をつくって大阪市にかぶせることはできるかできないか、この種の条例をつくった場合にどうなるのかということをお聞きしているわけです。
○鹿児島政府委員 都道府県が市町村の事務につきまして条例をつくるということになりますと、これはごく一般論でございますけれども、いわゆる行政事務条例の場合には、そういう規制も地方自治法上可能だろうと思います。しかしながら、それは具体的な内容によって定まってくるわけでございまして、火災の予防につきましては、先ほど申し上げましたとおり、基本的に市町村の事務でございますので、市町村の条例でつくるべきもの、かように考えております。
○細谷委員 そこで、一つの問題点ができるわけですね。消防は市町村が主体である、そうして警察というのは、警備業法を管理しておるのは県の公安委員会だ、こういうことになってまいりますと、県と市町村という担当の主体といいますか主管といいますか、そういうものが違っておりますね。そういう場合に、一つの警備業法という形で、それに基づいて定款の中で、私のところが消防もやりますよ、防災もやりますよ、こういう形になって、一つの警備業法という公安委員会の握っておる法律、運営の責任を持っておる法律と、市町村長が持っておるそういう法律というもので、これはかなりの組織上の問題がありまして、法律の立て方が変わってこなければならない、こう思うのですけれども、いかがですか。
○鹿児島政府委員 いまお話しの件につきましては、いわゆるある業態につきましての監督権限の行使の問題であろうかと思います。たまたま行政権限の分配におきまして、一方が都道府県に分配され、他方が市町村に分配されているということで、そういうレベルの違った監督が行われるということになるんだろうと思いますが、そういう点で、私ども火災の観点からいたしますと、やはり市町村がこれを監督をするというのがたてまえであるというぐあいに考えております。
○細谷委員 私がお聞きしている問題点は、警備業法、いわゆる防犯もやる、それから火災の心配があるのじゃないか、漏電か何かで火災が起こっているんじゃないかという形で防火の監視をする、あるいは機械業務についてのいろいろな問題について、東京都の条例のようなもので認定証はもらっておりますけれども、設備をやるとかなんとかというのはこれは別な資格ですから、そういうものでありますけれども、いわゆる警備業法というのは、防犯とそれから防火あるいは防災についての監視、こういう任務を持っておりますが、これはなかなか切り離すことはできない、これはよくわかります。 ところが、この警備業法でおる警備士は、いかに教育されても、消防設備、スプリンクラーを設けるという資格は持たない。その他のあるいは避難ばしごについての資格も、これは設備士でなければ持たない。こういう問題になってまいりますと、消防と警備というのは一体なんだという形で、一本の法律で律することは、主体が違っておるばかりじゃなくて、実態面としても問題があるのではないか。そうだとするならば、きのうも質問がございましたけれども、警備業法のあるべき姿、今後の問題を含めてあるべき姿を確立していくには、消防法を適当にこの警備業法の中に取り込んでいくのがいいのか、あるいは別建てできちんと組織立てていった方がいいのかという重要な問題が起こってくるわけですよ。 あるべき姿というのは、一体的に運営されることが望ましいわけでありますけれども、一体的に運営されるような行政形態にもない。行政主体も違っておる。しかも、資格条件というのが大変な違いが起こってくるということになりますと、私はあるべき姿の追求というのは、一本の法律で対応することはできないという気がいたしますが、その辺は警察じゃどうお考えになっているか、消防庁はどうお考えになっているのか、お聞きしたいと思うのです。
○谷口政府委員 業界からは、防火防災業務もぜひ警備業法に言う警備業務の中に取り込んでもらいたいという強い要望もありました。それを受けまして、また現実に大部分の業者が警備業務とあわせて防火業務を行っておるということ、それがきわめて関連する業務であるという現実を踏まえまして、真剣に検討をいたしました。 しかしながら、現在のところ、先生の御指摘のあったような行政機関がたまたま都道府県と市町村と食い違っておるというようなこと、その他いろいろな問題点もありますので、今回の改正法案ではこの点については盛り込まなかったということでございます。ただ、今後の問題といたしましては、警備業者の行う防火業務をどうするかというような点をも含めまして真剣に検討してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○鹿児島政府委員 ただいま警察庁の方からお答えがございましたとおり、警備業界の方からは私どもに、やはり一本の法律の中で両方の事業が管理できるようにという口頭のお話もございました。また、消防機関の側からは、やはり警備業法の中で防災業務を取り扱えるようにという要望書が出ております。そういう御意見も私どもとしましては一応ごもっともだというぐあいに考えますが、同時に、ただいま先生からお話がございましたとおり、監督権限のそれぞれの所在が違うという問題もございますし、また現在私どもの防火管理につきましては、防火管理者という制度を中心にして、その中にすべての防火管理というものを組み込んできているわけでございます。 したがって、防火管理体制の中の消防計画の中で業務の委託を行う場合にはどういう形で行うのが望ましいか、どういう資格者がいればいいかというようなことを事細かに決めていくこともできますし、そういうことで両様それぞれの御意見があろうかと思うわけでございますが、これはこれまでも重ねてお答え申し上げておりますとおり、現在防火管理体制研究会で研究を重ねておりますので、その中で結論を見出したいというぐあいに考えております。
○細谷委員 きのうの自治省の御答弁と一歩も進んでないわけですよ。今後の問題だ、いま研究中だということであります。あるべき姿は、やはり警備、防火防災は一体のものでありますが、それを一本の法律でくくるわけにはいかぬ、これは申すまでもないことですね。警備は警備ですよ。そうなってまいるわけでありますけれども、一方業界の方では、私もあれは見ておりますけれども、ある警備会社の社長は、防災のウエートが現在きわめて大きいのに防災を警備業法から除いたのは心外だ、こういうふうに言ったと報道されております。またある新聞には、そういう実態にありますから、警察の方から消防庁の方に防災に関して法制定の検討依頼があった、こういうふうに書かれております。事実、警察庁と消防庁の間で、この防災問題、防火問題を警備業法に取り込むことも含めて対応について依頼があり、検討をされたようでありますが、事実ですか。
○谷口政府委員 今回の法改正は十年ぶりのものでございます。各般にわたりまして検討をしたわけでございますが、そのうちに重要な問題として、防災業務を警備業務の中に取り込むかどうかということにつきまして検討を加えました。当然、防火業務に関しては消防庁の所掌事務でございますので、その点につきまして十分協議を重ねてきたところでございます。
○細谷委員 重ねてお伺いします。 業界からの要望もありますけれども、一本の法律の中に業界がこれもあれも取り込んでくれという意味じゃないと思うんですよ。要するに、警備と同時に、不即不離の防火防災の問題についても一緒にやれるようにしてほしいというのが、警備会社、保障会社の方の熱望だろうと思うのです。そうだといたしますならば、ある意味においては防火防災問題が警備の問題よりもウエートを持っておる会社もあるはずでありますから、この防火防災の問題についてはきちんと法律的に位置づけをしなければならぬ。警備業法とは別建ての法律においてきちんと整備しなければ、あるべき姿が実現しないと私は思うのでありますけれども、いかがですか。
○谷口政府委員 現実に、警備業者が行っておる防火業務の法的規制の問題については、いろいろな立法が考えられると思います。そこら辺を含めまして検討を重ねてきたところでございますが、何分、警備業者の行っている防火業務の実態についても、政府側として、関係省庁としてよくわからないという面もあります。そういった実情を調査し、その上に立ってどう規制するか、あるいは関係法令をどう調整するか、あるいは監督機関が異なるわけでございますので、それをどう調整するかといったむずかしい問題があるわけでございます。そういう意味におきまして、警察庁と消防庁とが中心になりまして、今後相当時間をかけて検討を進める必要があろうかと思うわけでございます。
○細谷委員 私の質問は、あるべき姿は、警備業法は一本だけという形であとは定款で処理させていくのか、防火あるいは防災という問題については別建てで体系も整備していくのか、それをどうするのかということを聞いているわけですよ。
○鹿児島政府委員 防火防災の観点から申し上げますと、御案内のように、防火防災につきましては防火管理者制度という基本的な制度がございまして、その防火管理者の権限の一部を行うという形で、警備業者が徐々にその内容といいますか仕事を充実させてきたというのが現状だろうと思います。したがいまして、私どもは、現在の防火管理者制度の基本というものは今後もあくまでも維持すべきだというぐあいに考えております。 この防火管理者制度の中で、いわゆる警備業者がどういう位置づけになるかということは時代とともに変わってまいりますけれども、その辺を十分見きわめました上で、現在の消防法の中で運用上解決がつくものであれば運用上解決をいたしたいと思いますし、またあるいは、これは仮の名前でございますが、防災業というものが非常に大きな業として成立するということであれば、それにつきまして単独の立法を行うということも可能だろうと思います。いずれにいたしましても、その辺のところは実態を見きわめました上で今後検討いたしたいということでございます。
○細谷委員 実態を見詰めて対応したいということでありますけれども、いまのお言葉によりますと、防火管理者というものできちんと守っていく、しかし現実には、防火管理者が四六時中、三百六十五日そこにおって防火管理をしているわけじゃありません。多くの場合に、最近またそういう傾向がふえてくると思うのですけれども、恐らく防火あるいは防災の問題も言ってみますと、これを他人に委託するというケースが多くなってくるのではないかと思うのです。だからこそ、東京都の条例の中でも消防警備業務という新しい言葉——警備業務じゃないですよ、消防警備業務という言葉が使われておるのではないかと思うのです。 ですから、警備員と消防警備業務というのは明らかに違うのです。しかし実際の仕事は、消防警備員と警備員を二人置くなんということはできませんから、どっちかやらなければいかぬでしょうけれども、それはやはりそれぞれのあれに能率的に対応できるものをしなければいけません。それを警備業法という中で、あとは定款にゆだねてやるというお考えはないですね。あるのですか。そうではなくて、これに書いてありますように、防火、消防あるいは防災の問題についてはきちんとした体制をやって、あるべき時代に対応するような組織あるいは法体系というものをつくり上げていく、こういうお考えだと理解してよろしいですか。
○鹿児島政府委員 ただいまお話しのとおり、施設の防火管理につきましては、最近非常に、第三者に委託をするとか、極端な場合には無人化の施設というようなものもふえてきておるわけでございます。ただ、大部分は、あくまでもその権限を持っております管理者なり専有者がそれぞれ防火管理をしているというのが実態でございますので、それはそれでよろしいわけでございますが、無人化の建物でありますとかあるいは防災業務を第三者に委託をする、それも全部の場合、ごく一部の場合、さまざまでございます。 そういった場合に、その委託をする形が現在の防火管理の中にどのように位置づけられるかということはまことに千差万別でございますので、その辺の実態を十分に踏まえまして、現在の防火管理制度、たとえば消防計画の中に自衛消防組織のことを書かなければいかぬわけでございますから、消防組織のことをきちんと、そういう警備業者に委託をするというような形で位置づけることができます場合には、それなりに整序できる問題だというぐあいに考えております。また、定款に書いてあるからと申しまして、定款はまさに業界の方でそういう業務をいたしますというサービスを示している事柄だと思いますので、そのこと自体によって防火管理業務というものが左右されるという性質のものではないというぐあいに考えております。
○細谷委員 これは今度の法案の一番重要なポイントではないかと思うのです。警察庁長官も見えておりますが、消防と警備との、いわゆる警察の警備ではありませんで、警備業法に基づく防犯等を含めた警備でありますが、そういう問題の境目はきちんとしておきませんと、混乱しますと時代に即応できないのじゃないか。その割れ目から大きな事故が引き起こされてくる。ニュージャパンの問題もそういう点が大きな発火点になっているのじゃないかと思うので、この問題についての法整備という観点について長官の基本的な考えをお伺いしておきたいと思う。
○三井(脩)政府委員 ただいま先生御指摘のような問題があるということは私たちも十分承知をいたしておりまして、またそれが今回の法改正の場合にも問題の一つであるというように認識をいたしておったわけでございます。したがいまして、この点について警察の所管する警備業という観点からは直接取り入れるというわけにまいらない、消防庁の所管される立場からは大いに考えられるべき問題であるというように考えるわけでございまして、私たちも研究はいたしますが、消防庁における研究の結果を待ちまして、いまおっしゃるようにどういう法律にするのがいいのかというのはこれからの検討課題であると認識をいたしております。したがいまして、そういう結論が今回の改正に当たりましてはまだ出るまでには至っておりませんので、今回はその問題は一応別にして、こういう改正をしたということでございます。
○細谷委員 業界の強い要請があるにかかわらず、境界をきちんとして、この警備業法を出されたということについては敬意を払いますけれども、これではまだあるべき姿が姿として浮かんでおりませんから、いま幸い——幸いというか遅きに失した感がありますけれども、消防庁の方でも、防火管理体制研究委員会というものを昨年の九月から発足させて鋭意研究しておるようでありますし、警備業務の組織というのはかなりの速度で進んでいっておりますから、そういう体制にできるだけ早く対応していただきたい、時代もまたそういう要請があるということを強く指摘しておきたいと思うのです。 そこで、もう一点だけお伺いしておきたいわけでありますが、今度の法律の一つのポイントというのは、機械警備であります。 私が調査室からいただきました警備業法の一部を改正する法律案についての勉強資料、その十三ページに「警察庁が誤報率について調査したところによれば、昭和五十六年十月一日から十月三十一日までの一ケ月間に一一〇番集中地域において警報装置からの異常発報によって警備業者から警察の通信指令室へ入った一一〇番通報のうち、誤報であったものは約七五%であった。」こういうことであります。大体誤報七五%ということになりますと、イソップ物語のオオカミ少年に近いですよ。これほど急速度に機械警備というものが進んでおるにかかわらず、七五%の誤報があったら、一一〇番もたまったものじゃないと思うのです。 ところが、私の聞くところによりますと、七五%じゃないというデータもあるわけです。私の手元にあります「機械警備業者の火災誤報について」、五十六年度はA市では一〇〇%誤報だった。五十五年度は誤報率が九六・七%だという。B市では五十六年度は九七・三%の誤報率、五十五年度は九九・六%、五十四年度は九四・四%。この表でAとBの比を見ますと、五十四年から五十六年にかけまして、誤報率は数字を見ますと、よくなったという傾向よりもやや悪くなっておる。そうして一〇〇%に近い誤報率だ。こういうことになってまいりますと、この機械警備についてこの辺に大きな問題点が存在しているのではないか、こう思います。これは七五%でも驚いておったのですけれども、九九%まで誤報率があるようでは大変なんですが、いま私が挙げた数字は大体事実か、あるいはそれに近いのか、お答えいただきたい。
○鹿児島政府委員 私どもも正確な統計は持っておりませんが、火災の誤報率につきましては、ただいま先生の御指摘のような状況であろうというぐあいに推測しております。
○細谷委員 火災の誤報率については一〇〇%に近い、こういうことでありますが、機械警備の誤報率はその他も突っ込んで七五%ということなんですか、いかがですか。
○谷口政府委員 七五%の誤報率は、警察の一一〇番通報にかかるものだけでございます。
○細谷委員 一一〇番にかかるものだけは七五%だ、これもこれに書いてあるのは五十六年度のたった一カ月分ですから、一年平均とかあるいは三年ばかりの平均というのは、一一〇番の誤報率はどうなっておりますか。
○谷口政府委員 この誤報率七五%につきましては、先生御指摘のとおり一カ月の特別調査でございまして、年間というような調査は行っておりません。
○細谷委員 申し上げるのは大変恐縮でありますけれども、たった一カ月間、しかも誤報率七五%という二〇番の数字で、そうしてこの法律のみそとして機械警備というのは確かに非常に多くなっておるし、もう従業している人も警備員も、あるいは専業巡回車もかなり多くなっておるし、これからセンターも設けてかなりの設備投資が必要な段階において、一カ月七五%の誤報で、この法律の心臓の一つにする、大黒柱にするということについてはいかがという気もするのですけれども、いかがですか。
○谷口政府委員 最近一一〇番通報というのがふえてまいりました。昨年の場合で申し上げますと、全国で約三百万件ということでございます。それについて全部調査するということは非常にむずかしいわけでございます。そういうようなことで、先生が御指摘のとおり、わずか一カ月云々と言われる点はあれでございますけれども、特別調査をやりまして、全国の都道府県警察に指示いたしまして、その一カ月間の約二十万件くらいを全部チェックして、そして警備業者からかかってきたものにつきまして誤報か誤報でないかを振り分ける。その結果、誤報率七五%というものを出したわけでございます。その点、御了承いただきたいと思います。
○細谷委員 いずれにいたしましても、あなたの言葉もいいかげんなものだ。私の議論もいいかげんなものですよ。一一〇番に七五%の誤報率だ。消防庁の火災についての誤報率というのは一〇〇%近いということは、三年間の統計でかなりな正確さを持っているのですよ。たった一カ月で議論することは、あなたもちょっと少し飛躍し過ぎているし、私もこれ以上申し上げるのは少し歯がゆくなりましたから、もう申し上げませんけれども、いずれにいたしましても、機械業務というのがこれからの時代の重要なものであるとするのならば、そういう誤報がないように、的確に対応できるようにしていかなければならないと思う。そういう面におきまして、誤報がうんと減るように、そしてこれが信頼をかち得るような体制を一日も早くつくらなければならない。それでなければこういう法律をつくったって意味がない。ある意味では、場合によっては悪質の警備業者がうまく利用するかもしらぬ。そういう問題もありますから、ひとつ十分な対応に努力していただきたい。これだけを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中山委員長 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 何遍も同僚の委員から質問がありましたけれども、重複するかもしれませんけれども、もう一遍御質問いたします。 この改正法によりますと、「公安委員会は、総理府令で定める者に、警備員指導教育責任者講習の実施を委託することができる。」これで先ほどどなたかから質問がありましたのですが、「総理府令で定める者」このことについては直接警察庁がやるという先ほどの答えでありましたが、そのとおりですか。
○谷口政府委員 警備員指導教育責任者の講習は、各都道府県公安委員会が直接実施することにしております。
○佐藤(敬)委員 これも先ほどの質問にありましたが、その際、もし将来あることになれば、警備業協会とビルメンテナンス協会とが委託してくれという強力な要請があったということですけれども、これに委託するということはまず絶対にないと考えていいのですか。
○谷口政府委員 この講習の持つ重要性にかんがみ、直接都道府県公安委員会が実施いたします。
○佐藤(敬)委員 そうしますと、一部巷間伝えられているところによりますと、いまちょうど成田空港をやっております、各空港をやっております、空港保安センターですか、ああいうような形の第三セクターをつくってやるんじゃないか、こういうようなことが言われておるようですが、そのことについてはいかがですか。
○谷口政府委員 直接都道府県公安委員会が実施することになっておりますので、委託先については現段階何ら考えてないわけでございます。ただ、両協会から強い要望があった点を踏まえまして、厚生省とも話し合った際に、仮に委託するとすれば、やはりその講習を受託するにふさわしい公益法人ができないとまずいのではないか、適当ではないのではないかというような話が出ておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 これも巷間伝えられるところで、一つの疑問が出てきておるのであれなんですが、警察庁が何か第三セクター、たとえば空港保安事業センターみたいなものをつくって、そこへ警察の人たちが入っていって、いわば簡単に言うと天下りをする、そういう場所をつくるのではないかという懸念が大分表明されておるのですが、第三セクターをつくって警察が天下りをしていくというようなことは絶対にありませんか。
○谷口政府委員 何回もお答えして申しわけありませんけれども、直接都道府県公安委員会が実施しなければなりませんし、することができる、こう思っておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 それから、これも何遍も質問されたことでありますけれども、今度の法改正によって、かなり大がかりな改正もあるし、さらに機械警備というのが大変徹底しなければいけない状態になっておりまして、これを突き詰めていきますと大分金がかかるのではないかと思うのです。そういう意味で、この法の改正について、業界のレベルアップになるという評価がある反面、中小企業が淘汰されてしまうのではないかという懸念を中小の業者がかなり持っておるようですけれども、これに対してもう一度、警察庁の考えをお願いします。
○谷口政府委員 警備業の要件につきましては、現行法の人的欠格事由を検討し整備したということでございまして、そういう面では現行法と同じような仕組みになっておるわけでございます。その延長とお考えになっていただいて結構だと思います。 ちなみに、許可制にした場合には、一定の資格、能力云々ということがございます。他の外国の立法例を見ましても、能力、資格、経営状態というようなことが許可要件になっておる場合があります。そういった点につきましては、今度の改正案では全く触れてないわけでございます。そういう意味におきまして、健全な営業を行っている業者の方々にとりましては、その規模の大小にかかわらず、現行法のもとに行われる営業と全く同様な営業を行うことができるということでございまして、不公平な取り扱いをする云々ということではない、こう思うわけでございます。 なお、機械警備の関係について先生言及されましたので、一言つけ加えさせていただきたいと思います。 即応体制の整備義務ということでございますが、この都道府県公安委員会規則で定める基準につきましては、現場に急行する時間を決めるということでございまして、その基地局とか待機所に配置すべき車両とかあるいは警備員の数、こういうものを基準とするものではないわけでございます。そこで、規模の大きいところは大きいなりに、小さいところは小さいなりにそれぞれの業者の契約件数あるいは契約先分布状況等、それぞれの業態に応じた義務となるということでございまして、規模の小さい業者にとって今回の機械警備に関する改正が酷であるというようなことにはならないと思うわけでございます。また、経過措置につきましてもできるだけ配慮いたしまして、現在ある業者の大部分の方々がそのまま営業を継続できるように配慮しているところでございます。
○佐藤(敬)委員 いま、業界の新聞見たりあれしますと業界が二つに割れておりまして、大規模な業者はこれをうんと強化することによって自分の立場を有利にしたいという意向があるようだし、小規模の人たちはそれによって死活問題に逢着するのではないか、こういうことで大分意見が分かれているようなところがあります。いま詳しくは申し上げませんけれども、これを徹底してうんと厳重にやられると、どうも立っていかないのじゃないかという心配を持っている向きがかなりあるようでありますので、その点に対して、いまの答弁で大分安心しましたが、十分な配慮の上やっていただきたいと思います。 それから、第三条の欠格事由を八項目にふやしておりますけれども、たとえば前科のある前歴者、これがわからないで頼んで、その人が何か事故を起こして調べられると初めて前科がわかった、そして逆に今度は会社が罰せられるということがあって会社は非常に困っている。八項目にふやしていきますと同じような問題が——先ほどから質問されているようにプライバシーの問題、これは調べようがない。たとえば精神病患者ですと、医師の診断書でもあればわかるかもしれませんけれども、犯罪の前歴者、こういうのは調べるに調べようがない。そして雇ってしまった、後でその人が何か事故を起こすとそれがばれてくる、こういうようなことがあるようなのですけれども、それはどういうふうに取り扱っていくものなのですか。
○谷口政府委員 警備業者が警備員の採用に当たりましては、人的欠格事由に該当するか否かということにつきましては、経歴書だとかあるいは応募してきた者の欠格事由に該当しない旨の誓約書あるいはその他の社会通念上妥当な範囲内での調査を行っていただきまして、そして欠格事由に該当しない旨を確認していただいて採用することになろうかと思います。当然のことながら前科、前歴照会というものは公的機関だけでございまして、一私人である警備業者はできないわけでございます。そういう面では、応募してこられる方の供述に待つよりほかはないというような状況だと思います。 それが後ほどわかった場合どうなるという問題でございますが、この違反につきましては直接その罰則というのでないわけでございまして、速やかに排除していただきたいということで行政指導しますし、場合によっては指示命令を出してその違法状態を是正していただくというような形になろうかと思うわけでございます。運用に当たりましては十分注意して指導してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 大臣にお聞きしますけれども、いま行政改革で許認可事務をなるべく廃止する、こういうような方向で盛んにやっておりますが、届け出じゃなくて今度は認定制にする、新しくこういうようなことを創設するということは行革の精神に反しませんか。
○世耕国務大臣 お答えいたします。 この警備業法は改正の必要性があって、しかもなお警備に立脚した合理性を持たなければいけないだろうという線に沿いまして、むしろ行政改革という観点に立ってこの法の改正を行おうとしておるものでございます。一つには、事務が大幅にふえて負担にならないように努める、つまり国民に対しても無用な過重の負担とならないように側面から十分に検討を加えなければならない、それから現下の行政改革の方向に逆行するようなことであってはならない、むしろ時代の要請と国民の期待に合致するように、これに確実にこたえ得るものでなければならない、こういうことを基礎としてこの法案は出されてきたものでございます。
○佐藤(敬)委員 この法令を見ますと、警察庁だけでなくて総理府令が盛んに登場してきます。十一条の三の四、十一条の六の一、十一条の八、九条二、四条の四の三、六条、六条の二の三、十七条の二、こういうふうにたくさん総理府令がきて、最後に十七条の三で総理府令への委任が出てくるわけです。いま行革で盛んにこういうものを整理するというのに、総理府令というのがなぜこんなにたくさん出てこなければいけないのか。従来の慣行もあることでしょうが、これを整理することはできませんか。
○谷口政府委員 いかなる法律でも同じだと思いますけれども、法律事項というのはある程度基本的な問題について規定されるということでございまして、具体的、技術的な問題につきましては総理府令あるいは国家公安委員会規則にゆだねざるを得ないということでございます。
○佐藤(敬)委員 国家公安委員会のそれなら系列だからわかるのですが、これはどうしても総理府令に持っていかなければいけないのですか。
○谷口政府委員 警察所管の法律につきましては、従来総理府令へ委任する場合が多かったわけでございます。最近になりまして、技術的、専門的な問題につきましては国家公安委員会規則にゆだねるというようなことで、若干使いわけておるということでございます。
○佐藤(敬)委員 そこで、もう一遍大臣にお願いするのですが、いま行政改革で繁雑なものを盛んに整理しようとしているわけです。いまの部長のお話を聞きますと、従来そうやっているからこうやるのだという話なのです。従来の陋習をぶち破るのが行政改革なのですね。だから、こうしてせっかく抜本的な改正をするのに、こういうものを取ることはできませんか。
○谷口政府委員 できるだけ下位の法令にゆだねるというのが、現在行われております行政事務の簡素化、合理化の一つの項目だと思います。しかしながら、現在の警察所管法律の場合にはその委任は総理府令、場合によっては、技術的な問題については国家公安委員会規則ということになっておるわけでございます。それ自体事務の合理化、簡素化という問題とは直接関係がないような感じがいたします。問題は、総理府令などに定められております書類の様式、そういった面につきまして関係者に無用の負担をかけてはいけない、あるいは都道府県警察の担当者の事務量を増加させないような配慮をした規定をつくるということが現在の行政改革の一つのねらいではなかろうか、こう思うわけでございます。
○佐藤(敬)委員 いまのお話を聞いてますますわからなくなったのですが、一遍総理府令に任せてそれからまた公安委員会の規則に返ってくる、それじゃますますおかしいじゃないですか。
○谷口政府委員 総理府令で一たん決めますと、それは直接作用するわけでございます。さらにその事項について国家公安委員会規則に委任するということにはならないわけでございます。総理府令か国家公安委員会規則で定めて実施細目を決めていくということでございます。 なお、警察庁令というのは現在の行政組織のもとでは認められていないところでございます。
○佐藤(敬)委員 私はそういう仕組みに詳しくないのでいまあれしたのですが、そうすると、必ず、どうしても総理府令というものに委任しなければならないのですか。
○谷口政府委員 そうではございませんで、先ほど申し上げましたように法律でそのまま実施されるということもございますけれども、具体的な事項、たとえば認定申請書の様式とかそういったことになりますと、どの省庁の所管の法律でも同じでございますけれども、省令に委任するという形になっておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 そうすると、いまのお話ですと、どこの省でも届け出の様式なんかを決める、その様式というのは総理府令で決まっているということですか。
○谷口政府委員 ある省の所管の法律の場合、その書式につきましてはその省の省令で決めるということになりまして、すべて総理府令ということではございません。警察所管の法律であるために総理府令で決めるという形になっておるわけでございます。
○三井(脩)政府委員 ちょっと補足します。 警察庁は総理府の外局でございますから、ほかの省は何々省令というのを出せるわけですが、警察庁の場合はそれが総理府令になっちゃうわけです。一方、国家公安委員会は公安委員会規則を出せる、こうなっておりますから、細かいものは公安委員会規則で、ほかの省の省令に当たるものは総理府令、こういう位置づけになるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 そうすると、警察庁というのは二足のわらじなわけですね。片方は総理府の外局であり、片方は公安委員会に属する。属するのかどうかわかりませんが、そういう双頭の蛇になるわけだ。
○谷口政府委員 規則制定についてはそのような形になろうかと思いますけれども、ただ詳しく言いますと、警察法で場合によっては国家公安委員会規則に委任することができるというあれができておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 これは一つのものが二つにまたがって、こっちの方の法律をつくったりこっちの方の法律に属したりするということはかなり複雑だと思うのですよ。私もいま、総理府の外局で公安委員会の配下にあるということを初めて知ったのですが、何か整理する必要はありませんか。
○三井(脩)政府委員 総理府の外局は警察庁だけでなくて、防衛庁もそうですし、経済企画庁とかいっぱいあります。そういうところはそれぞれの庁令というのはありませんで、そのかわり省令に匹敵するのは総理府令になっちゃうわけです。われわれが府令、府令と言いますのは総理府令のことを言って、ほかの省の省令に当たるわけです。国家公安委員会規則は、法律の特別の委任によって、たとえば道路交通法で細かなことは国家公安委員会で決めるというように、それぞれの法律に書いてある場合に公安委員会規則をつくる場合と、それからきわめて内部的なことで、公安委員会のことをどうするとか警察官の捜査規範をどうするとかいうことは公安委員会規則でできるというのが大筋でございます。
○佐藤(敬)委員 大分わかってまいりまして、ありがとうございました。しかし、これはこの問題でないからやめましょう。 もう時間ですのでこれでやめますけれども、きのうから皆さんに大分熱心に審議していただいた過程でも出ましたように、非常にプライバシーにわたるような問題もあるし、あるいはまた、小さい業者が大変心配している点もあるし、防災なんかの点をどうするかということもありまして、いろいろな問題をまだ抱えておるようで、本改正によっても完全なものにはならないと思いますので、これの取り扱いはなお一層慎重にし、しかももっといい法律になるようにひとつ検討していただきたいと思います。大臣、せっかく来られたので、最後に何か一言ございませんか。
○世耕国務大臣 今度の警備法の改正は、一応の目的には達しているのですが、警備業者で一緒に消防の方、火災から守るというので中でやっているあれもあるのです。これは消防法は消防法で別にいろいろむずかしい点もありますので、実際にやっているものをとめることはないじゃないか、ついでにやっているのでとめることもないじゃないかという程度のことで、今後とも当分成り行きを見なければならないと思うのです。そういう未完成なところももちろんあるかと思うのですが、これはその都度いろいろ改正すべき点は改正すべきで、今回は大体このとおりでございまして、ひとつ何とぞ御承認をいただきたいと思う次第でございます。
○佐藤(敬)委員 終わります。
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 警備業法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○中山委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合を代表して工藤巖君外五名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。工藤巖君。
○工藤委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の六党を代表いたしまして、警備業法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。 警備業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、警備業の健全な運営を図るため、左の事項について十分留意すべきである。 一 警備業の要件の強化は、不適格警備業者を排除することを目的とするものであって、中小警備業者を排除するものでないことに留意するとともに、中小警備業者の健全な発展を妨げないように配慮すること。 二 認定制度は、単に警備業の要件に該当しているか否かを事前に判断するための手続にすぎないことにかんがみ、認定にあたっては、本法が認定制度を設けた趣旨を尊重して慎重な運用を行うこと。 三 認定手続において警備業者の欠格事由を審査するにあたっては、本法の立法趣旨に基づいて審査にあたることとし、いやしくも個人の基本的人権を侵害することのないようにすること。 四 警備業者が警備員の欠格事由を調査するにあたっては、本法の立法趣旨に基づいて調査することとし、いやしくも個人の基本的人権を侵害することのないようにすること。 五 警備業者及び警備員は、警備業務を行うにあたり、いやしくも労働者の労働基本権を侵害し、又は正当な争議行為その他労働組合の正当な活動に干渉することがないようにすること。 六 警備業者及び警備員が、業務上知り得た他人の秘密、プライバシーを漏らし、その他他人の基本的人権を侵害することのないように指導すること。 七 警備業者が防犯等の警備業務のみならず、防火・防災に関する業務をあわせて実施していることが多い実情にかんがみ、防火・防災業務のあり方について、消防・防災法令の趣旨に即して適切に対処すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく本案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、世耕国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕国務大臣。
○世耕国務大臣 ただいまは、警備業法の一部を改正する法律案について慎重御審議の結果御採決をいただきまして、まことにありがとうございます。 ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、法律を運用してまいる所存でございます。 —————————————
○中山委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○中山委員長 これより、内閣提出、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。世耕自治大臣。 ————————————— 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○世耕国務大臣 ただいま議題となりました法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 この法律案は、地方公務員共済組合の退職年金等について、別途本国会において御審議をいただいております恩給法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じてその額の引き上げ等を行うとともに、市町村職員共済組合の短期給付に係る財政調整事業を実施するための措置を講ずるほか、地方団体関係団体職員の年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる所要の措置及び地方議会議員の退職年金等についての増額改定措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項についてであります。 まず、その一は、恩給における措置にならい、地方公務員等共済組合法に基づく退職年金等について、その年金の額の算定の基礎となった給料を昭和五十六年度の公務員給与の改善内容に準じて増額することにより、年金の額を、本年五月分から平均約五%増額する措置を講ずることとしております。 なお、増額後の給料の額が一定額以上の者に支給する退職年金、減額退職年金または通算退職年金については、昭和五十八年三月分まで、引き上げ額の三分の一の支給を停止することとしております。 その二は、恩給における最低保障額等の改善に伴い、長期在職者に係る退職年金等並びに公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。 その三は、市町村職員共済組合ごとに実施している短期給付につきまして、市町村職員共済組合連合会が財政調整事業を行うこととしております。 以上のほか、昭和五十七年四月分以後の掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を公務員給与の改善内容を考慮し四十四万円に引き上げることとし、また、昭和五十七年四月一日以後に指定都市の指定があった場合については指定都市職員共済組合は設けないこととする等の所要の措置を講ずることとしております。 第二は、その他の年金制度の改正に関する事項であります。 すなわち、地方団体関係団体職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度の改正措置に準じて所要の措置を講ずるとともに、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、その額の増額改定を行うこととしております。 以上が昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及び内容であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げる次第であります。
○中山委員長 以上で本案の提案理由の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時六分散会 ————◇—————