地方行政委員会 第15号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/22
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 警備業法について質問をいたします。 議案書の五十二ページ、最後のページでありますけれども、第3表に「警備員による犯罪」というのがございます。昭和五十六年度総件数三百六十二件というふうになっておりますが、この犯罪の行為は多いのか少ないのか、まずこの点について伺いたいと思います。
○谷口政府委員 先生御指摘のとおり、昨年一年間におきます警備員によります刑法犯は三百六十二件でございます。 警備業務は、人の生命、身体及び財産の保護に当たるものでございまして、いやしくもこのような業務を行う警備員みずからがこれらを侵害するようなことはそもそもあってはならない、こう思うわけでございます。また、ユーザーの方あるいは一般国民の警備業に対する期待を裏切ることはなはだしいものがあるわけでございまして、私ども警察といたしましては、警備員によりますこの種犯罪につきましては、さらに減少させるべきものと考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 また、この中に凶悪犯が十件、粗暴犯が七十六件というふうになっておりますが、凶悪犯や粗暴犯の内容がどのような種類であるのか、伺いたいと思います。
○谷口政府委員 凶悪犯が十件、粗暴犯七十六件でございますが、これは全国の数字でございます。 この内容につきましては私ども把握しておらないわけでございますが、たとえば東京都の場合をとってみますと、凶悪犯が二件、粗暴犯が二十三件となっております。その内訳でございますが、凶悪犯は強盗一件、放火が一件。粗暴犯は、暴行十一件、傷害が十一件、恐喝一件ということで、いずれもきわめて悪質な態様のものばかりでございます。
○小川(省)委員 また、この前のページ、五十一ページでございますけれども、この中に「警備業者数及び警備員数の推移」及び「警備業法等違反件数及び行政処分件数の推移」というのが載っておりますが、警備業が三千二百十社で、五十六年度の違反件数は千五百十三件というふうになっております。ほとんど二社に一社が何らかの違反を犯しているということになるわけでありますが、余りにも多過ぎるのではないかというふうに思いますが、この点はいかがですか。
○谷口政府委員 先生御指摘のとおり、昨年一年間の警備業者の違反件数が千五百十三件でございますが、ただ、一社で数件の違反がある場合もございます。そのために、違反会社が全体の半分を占めているということに直ちにはならないのではなかろうか、こう思います。また、その違反態様につきましても、形式的なものも含まれておるわけでございます。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、警備業務の重要性にかんがみますと、この件数は、先生御指摘のとおりかなり多いものと思われるわけでございます。警察といたしましては、従来から指導あるいは取り締まりの徹底によりまして業務の適正化を図ってまいったところでございますが、さらにこの面で配意をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○小川(省)委員 議案書を見て、犯罪などを犯してはならない警備員にもかかわらず、犯した犯罪のデータがございます。しかし、これでは片手落ちではないかというふうに思うわけでございます。盾の両面を見なければならないというふうに思います。ならば、警備員なるがゆえにこうむった被害のデータもなければならないと思います。危険を伴いがちな業務でありますゆえに、勤務中にこうむる被害も少なくないだろうと思うのでありますが、こうむった被害のデータは調べてございますでしょうか。あったら示してほしいと思います。
○谷口政府委員 警備員の警察に対する協力状況を簡単に御説明申し上げますと、昨年一年間の数字でございますが、勤務中の警備員による協力が二万四百十四件でございます。このうち、刑法犯につきまして現行犯逮捕したというのが八百七十六件、それから検挙現場で警察官に協力したというのが千八百七十一件でございます。その他、警察側に対して何らかの情報を通報していただきましたというのが一万六千四百六十四件の多きに上っておるわけでございます。このように、警備員の活動によりまして犯罪捜査、その前の犯罪の未然防止といった面で貢献があるわけでございますが、警備業務の性格から申し上げまして確かに危険な目に遭われるという場合も多いわけでございます。 昨年、私どもに報告がありました主な例で申し上げますと、まず第一例は二月二十三百でございますが、N警備保障の警備員が基地局に異常が認められまして、そこで直ちに現場に急行しまして犯人を取り押さえたわけでございますが、電話で基地局にその旨連絡しようとした際、犯人にペンチで頭を殴られ逃走されたという事例がございます。それからもう一つの事例は、A警備保障の警備員でございますが、昨年八月八日に道路工事のための交通誘導をするために、整理さくを設けまして旗を振って車を誘導しておりましたところ、ある運送会社の大型トレーラーにはねられまして頭蓋骨骨折、全身打撲で亡くなられたという例もあるわけでございます。このように、交通誘導の際の事故、あるいは現場で犯人を捕捉するというような際に犯人から攻撃される事故等が目立っておるというような状況でございます。
○小川(省)委員 今回の改正で、第四条によって届け出制が認定制に変わったわけでありますが、どう変わるのか伺いたいわけであります。本質的には、変化がないんじゃないかというふうにも思います。認定という新しい名称のものに変わるわけでありますが、どのように変わるわけですか。
○谷口政府委員 最近残念なことに、悪質業者等によります不適正事例が多発しております。それに対処するために、警備業を営む者の要件を整備することにしました。その場合に、現行法では、欠格事由につきましては特定の前科者だけでございましたが、整備に伴いまして項目がふえたわけでございます。そういうことで、これらの欠格事由を含めた要件につきましての確認に都道府県公安委員会の判断を要する、またその調査等にある程度の時間がかかるわけでございます。そこで、現行法のように届け出制のままでございますと、営業開始後相当の期間を経過した後に要件を満たさないことが判明する場合が増加するということが予想されるわけでございます。 そうなりますと、業者はもとよりでありますけれども、ユーザーの方々に対しましてもいろんな意味の損害だとかあるいは不安を与えるということになりますし、また不適格業者が、警備業の要件を充足していないにもかかわらずある程度の期間営業するということになって、これを排除するという目的も十分達成できないということになるわけでございます。そういう意味におきまして、この警備業の要件につきまして、営業開始前に都道府県公安委員会でチェックいたしまして、その結果を警備業を営もうとする者に知らしめることのできる制度といたしまして、今回の改正で認定制を採用することにいたしたいということでございます。
○小川(省)委員 認定制というのは、許可制とはどのように違うのですか。
○谷口政府委員 ただいま答弁申し上げましたように、認定制と届け出制とは本質的には同じでございます。つまり、営業の自由を前提にいたしまして特定の不適格者を排除するということでございまして、ただ不適格者の審査につきまして、現行法では営業後、すなわち事後に審査するということでございます。それに対しまして認定制というのは、営業開始前に事前審査をするということになっておるわけでございます。 これに対しまして許可制でございますが、当該事業が一般的に禁止されまして、特定の者の能力あるいは資力、信用あることを前提にいたしまして、その一般的な禁止を解除するというものでございます。その許可要件の存否などにつきましては行政庁の判断によるわけでございますが、一定の裁量が認められ、その上に立って許可処分が行われるということになるわけでございます。 また、罰則の関係でございますが、認定制につきましてはその欠格事由、今回の改正法案では警備業の要件でございますが、その存否の判断のために、とりあえずすべての者に都道府県公安委員会に認定申請させるという認定手続を踏まさせることにしております。この認定手続に従わない者に対しましては、軽い罰金刑で臨むということになっておるわけでございます。しかしながら、現に警備業の要件に該当しない者、こういった者が警備業を営んでいる場合については廃止命令を出す。さらに、これをも無視して営業を継続するというような者につきましては、一段と厳しい罰則をもって臨むということにしておるわけでございます。 これに対しまして無許可営業の場合でございますが、先ほど申し上げましたように一般的に禁止は書いており、特定の者についてその禁止を解除し許可するという制度の趣旨にかんがみまして、無許可営業者に対しましては、その事柄の性質上直ちに重い罰則がかけられるということになっておるわけでございます。
○小川(省)委員 ありがとうございました。 第十一条の三によって警備員指導教育責任者を選任することになりまして、大変整備をされて結構だと思うのですが、警備員指導教育責任者講習を修了した者というふうになっております。現在この教育講習は行われていないのだというふうに思っていますが、まだ現在は行われていないわけですね。
○谷口政府委員 警備員指導教育責任者講習につきましては、この指導教育責任者制度が今回の改正法案で新設されることになり、そのための講習でございますので、現行法では法律に基づくこの種講習が行われていないということは先生御指摘のとおりでございます。しかしながら業界の方では、こういった教育担当者の業務の重要性にかんがみまして、すでに各種の講習が行われております。全国規模について申し上げますと、社団法人全国警備業協会主催の研修会でございますが、毎年開催されておるところでございます。一回約三百名程度でございまして、年三回、合計いたしまして九百名が二日間にわたってこの研修を受けておるということで、成果が着々上がっておるところでございます。 なお、これ以外に全国規模としましては、社団法人全国ビルメンテナンス協会がございます。御案内のとおり、ビルメンテナンス業者が警備業をもあわせて経営しておるというものが多いわけでございまして、そのビルメンテナンス業者の業界団体といたしまして全国ビルメンテナンス協会がございますが、ここでもその必要性を認めまして、昨年同じような規模の講習を行っておるところでございます。 また、地方におきましても都道府県単位あるいはブロック単位で、それぞれの実情に応じましてこの全国警備業協会主催によります講習会が開催されておるところでございます。東京都の例をとってみますと、東京都警備業協会主催で一回約六十名規模でございますが、年二回、合計約百二十名の教育担当者の一日講習を実施しておるということでございます。 その講習内容につきましては、警視庁及び協会の方が選定いたしました講師などによります警備員の指導教育、適正警備業務のあり方、あるいは消防庁からの防火活動のあり方を中心とした教養が行われておるほか、いろいろな実技講習も取り入れられているところでございます。
○小川(省)委員 講習内容までお話しになられたわけでありますが、業界が実施をしているということですから結構なことだというふうに思っています。 そこで、この法で言うところの講習というものはこれから行うことになるわけでありますが、そうすると、そのカリキュラムというか講習内容等についてはいま言われたようなものを敷衍して行おうとされるのか、あるいは警察庁が直接やるのか、それとも業界に委託をしてそういう講習会を開かせていくのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
○谷口政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは東京都の警備業協会が行っております講習の内容についてでございまして、今回の改正法で行います警備員指導教育責任者講習のカリキュラム、講習内容につきましては、現在次のようなものを予定しておるところでございます。 まず、警備員に対します実務教育の概要、それからその教育の内容あるいは指導の方法、それから教育計画、その他必要な書類に関すること、また教育及び指導の管理に関すること、こういったものがあるわけでございます。そしてこの講習につきましては、警察庁の示す基準あるいは指導によりまして、各都道府県公安委員会ごとに実施するということになっております。講習時間といたしましては、一応五十時間を予定しておるところでございます。
○小川(省)委員 警察庁の指導で各都道府県公安委員会ごとにやるということですから、大変結構だというふうに思っています。ぜひひとつ、徹底して教育研修をやっていただきたいと思います。 そこで、現在までのこの十年間に警備員に対する教育研修がどのように行われてきたかということなのでありますが、先ほどの御説明のように、業界が各都道府県ごとに実施をしてきたというのが実態でございますか。
○谷口政府委員 各業者の教育担当者に対する講習につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、全国規模あるいは地方規模において業界団体によって行われてきたということでございます。そして、その講習を受けた各業者の教育担当者が、いわゆる社内教育に努めてきておるということでございます。 それで、その社内教育でございますが、大多数の業者が教育担当者を置きまして自社内ですべての教育を行っておるということでございまして、具体的な実施方法としましてはやはり講義及び実技訓練双方ございまして、全国警備業協会等で作成されました教材も用いておるところでございます。
○小川(省)委員 私どもが承知をしている範囲でも、この数年間、会社雇用の警備員が警備業者の警備員にかわったところがかなりたくさんあります。このことは、警備業が市民権を得たというか定着をしてきた証左だろうというふうに思っていますが、しかし、一面このことは経営の合理化というか、警備業者の警備員を使った方が経営にとっては安くつくということではないかというふうに思っています。 そこで、労働省に来ていただいておりますので伺いたいわけでありますが、それだけに心配されるのは、警備業者が警備員を安く雇用するという問題だというふうに思っています。警備員の勤務条件や処遇はどうなっておるのか、一応労働に応じた保障を受けられるようになっておるのかどうか、また、これらについての指導、検査等が行われてきたのか、また行われているのか、伺いたいと思います。
○岡部説明員 警備業に関します労働条件のお尋ねでございますが、これは労働時間あるいは休日、賃金といったところが一つの目安であろうかと思います。労働時間に関して見ますと、たとえば昭和五十四年六月現在における第三次産業雇用実態調査を見ますると、全産業では一日の所定労働時間が八時間でございますが、この警備業を含みます事業サービス業という項目で見ますと九・二時間と相なっております。それから、週平均の所定労働時間数で見ますると、全産業平均が四十五・九時間に対しまして、事業サービス業につきましては四十九・四時間ということで、その分時間数が長いという状況が看取されるわけであります。 それから、休日について見ますると、完全週休二日制の普及度合いということを見ますると、調査産業計では六・三%の労働者に対しまして完全週休二日制でございますが、事業サービス業につきましては三・四%でございます。 それから、賃金につきましては、調査産業計では平均月間給与額十四万七千五百円に対しまして、守衛、警備業、保安員という項目で見ますと十三万七百円ということでございます。 なお、これを賃金構造基本統計調査、昭和五十五年六月というふうな統計によって見ますると、労働時間数は、産業計の男子について見ますと、月総実労働時間が二百時間に対しまして、警備員男子につきましては二百四十五時間。それから、決まって支給する現金給与額を見ますると、調査産業計の男子で二十二万一千七百円に対しまして、警備員男子が十五万四千四百円。それから、年間賞与その他特別給与額で見ますと、全産業計の男子労働者が七十四万八千四百円に対しまして、警備業男子は二十八万三千五百円というふうな状況で差があるわけでございます。 もとより、これらの労働時間あるいは賃金の比較というのは、単純に数字だけをもって論評することはできないわけでございまして、その作業内容あるいは年齢、学歴、もろもろの要素がございますので、単純な比較というわけにはまいらぬというふうに思うわけでございます。 それから、これにつきましての労働基準監督の問題でございますが、もとよりこれは毎年定期監督を行っているわけであります。たとえば、ここに四十八年の七月に東京都を初め五都道府県で行いました監督のまとめたものがございますが、その結果によって見ますと、やはり労働基準法違反という形では、労働時間関係、休日関係、割り増し賃金関係、就業規則関係、健康診断の関係などにつきまして、他産業よりも法令違反が多く認められているというふうな状況でございます。
○小川(省)委員 定期的な監督も行っているということでありますから結構なんでございますけれども、私は、警備員がその労働を搾取をされているんではないかというふうに恐れておるわけであります。いまの賃金の比較を聞いても、一般に比べてかなり低いようでございますから、ぜひひとつ定期監督等を行って、警備員の労働が搾取をされるようなことのないようにお願いをしたいと思っています。 また、職安法四十四条についての違反がかなりあるというふうに聞いておるわけでありますが、その状況はどんなふうになっておりますか。
○若林説明員 警備員を派遣しております業務を行っております企業は、通常請負契約に基づきまして一括受注をしているものでございまして、その限りでは、職業安定法の四十四条で禁止いたしております労働者供給事業に抵触するものではないわけでございます。しかしながら、これらの業務は、他の事業所の施設内で作業をするという特徴を持っておるわけでございまして、もし受注者が請け負った仕事の完成に事業主としての責任を負わないとか、労働者に対しても使用者として義務を果たさないとか、または労働者が発注者の指揮監督等を受けて作業するといったようなことがございますれば、職業安定法上の問題になるわけでございます。 したがいまして、これらの業務の処理に当たりましては、受注の範囲を明確にした請負契約によりまして、請負事業主としてのすべての責任を完全に果たしますほか、個々の派遣従事者に派遣先事業所の指揮命令が及ぶことのないように、私ども指導を行ってまいっておるわけでございます。 なお、このような業務の処理請負につきましては、経済活動に伴います多様なニーズにこたえまして一定の役割りを果たしております一方で、使用者としての責任が明確でないといったような問題もございますところから、これらの事業のあり方を検討する必要性が各方面から指摘されているわけでございます。このため、現在労働省の中に公労使から成ります労働者派遣事業問題調査会を設置いたしまして、この問題について検討を重ねておるわけでございまして、業種としては警備業、ビルのメンテナンス業、タイプ系統の事務処理サービス業、情報サービス業、四業種がその検討の対象になっておるわけでございます。
○小川(省)委員 警察庁は、労働省に委託をして警備業者等の抽出検査をやったことがあるのかどうかという問題でありますが、特に勤務条件や処遇等についての劣悪な点もございますし、あるいはいま答弁がございましたように、四十四条に対する違反等の問題も少なくはないだろうというふうに思っています。そういう点では警察庁としても、労働省に委託をして抽出検査等をやる必要があるというふうに思っていますが、今後そういう検査をやらせていくようなつもりがございますかどうか、伺いたいと思います。
○谷口政府委員 現在までに労働省に対しまして、警備員の給与につきまして照会したことはございますが、そのための特別な調査あるいはその他労働時間、労働条件あるいは労働者供給事業関係の調査をお願いしたことはございません。しかしながら、警備員の労働条件につきまして、警備業務の適正な実施を図る上でもきわめて関連の深い事項でございますので、労働省を初め関係機関と連絡をとりながら、実態把握に努めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○小川(省)委員 第六条の三の解釈について、若干お伺いをいたしたいわけであります。 これは、いわゆる名義貸しの禁止条項であろうと思っておるわけでありますが、ということは、認定を受けた者すなわち社長みずからが警備業に従事しなければならないという規定ではなくして、単なる名義貸しの禁止ということなんだろうと思いますが、そのとおりでございますか。
○谷口政府委員 先生の御意見のとおりでございます。第六条の三には、「警備業者は、自己の名義をもつて、他人に警備業を営ませてはならない。」こう規定されておるところでございます。いわゆる警備業者の名義貸しを禁止する規定でございます。 この規定につきましては、警備業の要件につきまして整備することになり、そうなりますと、警備業の要件に該当しない者がどうしても警備業をやりたいということで、勢い他人名義で認定申請してくるということが考えられます。また、営業の停止処分を受けている者が引き続き営業したいというようなことで、同様のことが行われるおそれもあるわけでございます。そこで、この制度の実効を担保しようということで、現行法ではございません名義貸しの禁止の規定を入れることにしたいということでございます。 現に、暴力団員が刑務所を出て間もなく警備業をやりたいということで、自分の親族の名義で届け出をし、営業をやっているというような例もあるわけでございます。
○小川(省)委員 第九条の関係、服装についてお伺いをいたしたいと思うのであります。 われわれでもほとんど警察官と見まがうばかりの服装の警備員をよく見受けます。これは色、型式等、警察官に似たようなもので警備員が見誤られることを好むのではないかというふうに思っていますが、第九条の趣旨は、警察官に誤られるようなものは困るというのが趣旨だろうと思うわけでありますが、その点はいかがですか。
○谷口政府委員 現行法制定前にありまして、警察官と似たような服装をした警備員が交通の罰金をだまし取ろうとするような例があったり、いろいろ不適正事例があったわけでございます。 そういうようなこともありまして、現行法では「警備業者及び警備員は、警備業務を行なうにあたつては、総理府令で定める公務員の法令に基づいて定められた制服と、色、型式又は標章により、明確に識別することができる服装を用いなければならない。」という規定が置かれておるわけでございます。現在では、警備業を開始しようとする場合の届け出に、当該業者警備員が採用する服装につきましてもあわせて届けさせまして、都道府県公安委員会の方で紛らわしいかどうかということについてチェックするシステムになっておるわけでございます。 しかしながら、先生も御指摘のとおり、警備員がその警備業務を遂行するに当たりまして警察官的な服装が好まれるということ、また、警備員自身の士気というわけではございませんけれども、そういった面で若干警察官と紛らわしい服装を採用している業者があることは否めない事実でございます。ただ、その場合でも、色が若干違ったりあるいは型式が違ったりあるいは当該業者の独特のバッジをつけるというようなことで、よく見ればこれを識別することはできると思うわけでございます。また、先ほど申し上げましたように、警備員は警察官と違いまして何らの法的な権限が付与されてないわけでございますし、一般国民の方々から警察官と警備員を明確に識別されるということが必要だと思うわけでございます。 現行法の第九条そのものにつきましては、今回の改正では何ら規定そのものを改正してないわけでございますけれども、本改正を契機にさらにこの面での指導に努めまして、服装の適正化につきまして一層推進してまいりたいと思うわけでございます。悪質な違反につきましては、第十四条でございますが指示命令が出せますので、そういったものによりまして是正方に努めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○小川(省)委員 現在届け出制になっておっても、われわれが見誤るような服装が間々あるわけでございますから、いま御答弁がございましたように、ぜひひとつ社長等への適切な行政指導で、見誤られるような服装については是正をさせるように適切な指導をお願いいたしたいと思っています。 さて、情報機器の発達によってここに機械警備業という項目を設定をしなければならなくなったわけでございますが、いま警備業に使われている情報機器というものは、私も実際に知らないわけでありますが、どんなものがどんなふうに使われておるわけですか、お答えをいただきたいと思います。
○谷口政府委員 現在、警備業者の方で用いられています警備用の機械装置でございますが、電気、赤外線、電波等を利用して自動的に異常の発生を感知する感知器、それから人の操作によりまして異常の発生を送信する非常通報装置、それからこれらの情報を送信する装置、それから情報を受信してその内容を認知するための装置が主なものでございます。これらの装置がシステム化されておるわけでございまして、具体的に申し上げますと、まず基地局に受信機器が備えつけられております。そこから、通常の場合有線、電話回線を利用される場合が多いようでございますが、警備対象施設になりますビル、事務所あるいは工場、最近は家庭の場合もございますが、そこにつながっております。 その警備対象施設には、センサーというものが置いてあるわけでございます。たとえばショックセンサーというのは、ガラスが破壊されますとその振動を感知する。それから振動センサー、外周囲障を乗り越えるときの振動を感知する。赤外線センサーでございますが、肉眼で見えない赤外線を使用いたしまして、そのビームを遮断することによって作動する。それから電波センサーでございますが、波長の短い電波を使用いたしまして、その電波ビームを遮断することによって作動する。それから熱線センサーというのがございます。身体から発します熱線を受光器で感知する。それからマグネットスイッチでございますが、これは永久磁石とリードスイッチとの組み合わせで窓等に使用する、それでそれをあけますと直ちにリードスイッチが作動する。それから最後にトラップセンサーでございますが、プラグ状のもので警報線に使用している、この警報線が引っ張られてプラグが抜けますと警報回路が作動するというようなものでございます。
○小川(省)委員 情報に関する機械器具の発展が目覚ましくて、この規定だけでは間に合わないような事態が起きてくるのではないかというふうにも考えられますが、その点は大丈夫なんですか。
○谷口政府委員 御指摘のとおり、最近におきます科学技術の発達によりましてまさに日進月歩でございまして、機械警備用の機械装置につきましても次から次へと新しいものが出てきておるわけでございます。この機械警備業務を適正にかつ効果的に行うためには、この種機械装置がある程度の水準に達しておることが望ましいと思うわけでございます。そういう面では、将来の問題でございますが、たとえば型式認定制度など機械そのものに関する規定を設けるということも考えられないわけではございませんが、ただ、今回改正法案、機械警備に関する改正をお願いいたしましたのは、機械警備業務に関して即応体制が必ずしも十分でないために各種の不適正事例が生じておる、それに対応するものでございます。そういう面で、現在のところでございますが、いわばハード面というよりもソフト面にあるところから、さしあたりこの面からの規制でほぼ十分ではないか、こう考えておるところでございます。
○小川(省)委員 目の覚めるような機械器具が出てくれば法改正すればいいわけでありますが、ぜひひとつ適用について誤りのないようにお願いをしたいと思っています。 さて、警備員に就職する者なんでありますが、警察官の退職者を調べたデータをここに持っておるわけですが、最近ではそう多くはないようでございます。しかし、自衛隊の退職者で就職する者はかなり多いと聞いております。 防衛庁においでをいただいておるわけでありますが、どのぐらい警備業界に第二の就職先を持っておるのか、調べたデータがあるのかどうか、伺いたいと思うのであります。また、就職者を多数抱えている防衛庁としては、どのように今度の改正についての考え方を持っておられるのか、その感想もあわせて伺いたいと思います。
○野口説明員 お答えいたします。 自衛隊の退職者の中で警備業界に就職している数は現在のところ把握しておりませんが、業種別の分類で申し上げますと、サービス業に約二割の退職者が就職いたしております。その中の一部が警備業関係であると思っておりますが、年間かなり就職していることは事実でございます。 今回の改正につきましては、最近の警備業の実情にかんがみまして必要な規制を加えたり、あるいは規定を整備するというようなことで、社会的要請にこたえた適正な運営が図られるようにという配慮から行われるものと承知しておりますけれども、就職先としての関心を持つ私どもの立場からいたしますと、警備業がかなり自衛隊退職者が再就職しているというようなことから、安んじて勤務できる職場であることを望んでおるところでございます。
○小川(省)委員 サービス業全体で二割ということで、警備業の就職者を把握していないということでございますが、最近は警備業等に就職をする者もかなりいるわけでありますから、可能でしたらそういう除隊後の就職先等についてもぜひ把握をしておいていただきたい、このように思っています。 さて、警察庁に伺うわけであります。道路工事や建設現場において、私どもは警備員を見かけることが多いわけでありますが、伺いたいのは、私たちはなぜこのようなときに警備員による交通規制を受けなければならないのかということでございます。警備員は、交通警察の権限も持っているわけなのですか。あるいは、警察庁が工事現場や建設現場では、交通警察の業務を委託をしておるというようなことになっておるわけですか。
○谷口政府委員 道路工事などにおきます警備員が行います交通誘導の関係でございますが、第二条の第二号に「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」、これに該当するわけでございますが、そもそも警備業務というものは本来的には全く一般民間人の立場でございます。こういった警備業務を他人の需要や他人の委託に応じて行うものでございますし、また第八条でも「警備業者及び警備員は、警備業務を行なうにあたつては、この法律により特別に権限を与えられているものでない」ということが明示されておるわけでございます。 そこで、その警備員が行っております道路工事等その周辺におきます交通誘導でございますが、これはあくまでもその工事現場周辺におきます交通の安全を確保するために、全く私的な立場におきましてその現場周辺を通行しようとする車両等に対しまして協力を要請するものでございますから、あくまでも任意的なものでございまして、警察官が行います交通整理とは本質的に異なるものでございます。何らの法的権限も与えてないということでございます。
○小川(省)委員 そういう点をわかっていればいいのですが、横柄な顔をしてやっておりますと、私どもも無理に従わなくてもいいのじゃないかというような感情も持つわけでありますから、ぜひひとつそういう点も徹底をして、警備業界に対する指導もお願いをいたしておきたいと思っています。 それから、法十条の護身用具に関してなんですが、「業務を行なうにあたつて携帯する護身用具」であります。もちろん、どんな危険な場合でも、拳銃等の携帯は当然許されないだろうと思います。「業務を行なうにあたつて携帯する護身用具」としては警棒ぐらいだろうと思いますが、どうなのですか。
○谷口政府委員 現在護身用具につきましては、十条で「警備員が警備業務を行なうにあたつて携帯する護身用具については、公安委員会は、公共の安全を維持するため必要があると認めるときは、都道府県公安委員会規則を定めて、警備業者及び警備員に対して、その携帯を禁止し、又は制限することができる。」ということになっております。 現在、各都道府県公安委員会とも「鉄棒その他身体に重大な害を加えるおそれがあるもの」などの禁止の規定が入っております。ただし警戒棒、これは「長さ六十センチ以下、直径三センチ以下、重さ三百二十グラム以下の円棒を言う。」というように明示されておりますけれども、これを携帯することができることになっております。具体的に申し上げますと、昨年末現在で警戒棒を備えつけておる数でございますが、四万五千六百六本ということになっております。現実に警備員の警戒棒の使用状況を見ますと、常時携帯していないようでございまして、夜間など必要のある場合に携帯するというような状況でございます。
○小川(省)委員 文部省においでをいただいておるわけでありますが、最近小中学校における教員の宿日直が廃止をされて、警備業者に委託をしているケースが大変ふえておるようでございます。これらについてのデータがあるかどうか伺いたいと思いますが、あわせて警備業者による宿直によって不都合なことが起きた事例はないのかあるのか、この辺も伺いたいと思います。
○横瀬説明員 小中学校におきます施設の管理面のことで、教員の宿直の問題でございますけれども、これは教職員の勤務の負担の軽減というような趣旨から、昭和四十年代の初めのころから廃止の方向で推移をしているわけでございます。現在のところ、昭和五十五年三月現在の調査によりますと、教職員が宿直を行っている学校は、小学校で四・二%、中学校で三・二%、九五%以上は宿直を教職員が行っていない実態にございます。 そこでお尋ねの民間への警備の委託状況でございますけれども、昭和五十五年三月現在の調査によりますと、小学校で二四%、中学校で二六%の学校が民間に委託しているというような状況でございまして、これを約十年前の四十七年に比べますと、四十七年は小学校で六%、中学校で約七%、そういうような状況になっておりますので、次第に民間に警備を委託する小中学校が増加しているという状況が見られるわけでございます。 そして、この委託がふえたことによって問題が生じていることがないかというお尋ねでございますが、これは私ども、特段それによって問題となったケースを都道府県から報告を受けているということはございません。ただ、統計的に見まして、真接にはそういう統計はないわけでございますけれども、全体的な傾向を示す一つの例として申し上げますと、民間委託を実施していなかったといいますか、昭和四十七年度六、七%と先ほど申し上げましたが、そういうような当時の事故の発生率——この事故というのは、学校の場合、火災と盗難と不法侵入というのが一番多うございますので、これを延べ数にして足しましてそれを全学校数で除した発生率、これは延べ数でございますので、そのとおりの発生ではないわけでございますが、一応目安といたしましてそういう発生率を算出してみますと、昭和四十七年当時の発生率が九%程度でございました。それが五十五年、民間委託している学校が先ほど申しましたように約二五%程度になりました状況において、約七%ぐらいということでございますので、むしろ事故の発生率は減少している傾向にございます。 これは、はっきり減少しているかどうかわかりませんが、委託しているという状態とその前の状態とはほとんど変わっていないということからいいましても、全体としてそれほど特に問題があるというふうには考えておりません。
○小川(省)委員 ありがとうございました。 さて、最後なのでありますが、最近、大手の警備業者がビルのメンテナンスであるとかあるいは興信所まがいのことをやっているケースがかなりあるようであります。ここに日本警備保障あるいは綜合警備保障株式会社の定款を持っておりますが、この定款を見ても、一般電気工事、建物、設備に関する安全管理の請負等が載っており、こちらの定款には、電気通信工事の請負、消防施設工事の請負、各種保険代理業等が載っているわけであります。こういうことが許されるかどうかという問題であります。定款に定めてあれば可能ということなんだろうと思いますが、警備業法第二条の定義を逸脱するようなことを定款に定めてやってよろしいのかどうかという問題でありますが、この点についていかがですか。
○谷口政府委員 御指摘のとおり、昨年末で三千二百十業者があるわけでございますが、その中には他の業務を経営されている方も相当多数あるわけでございます。 申し上げるまでもなく、警備業者が他の営業を兼業するということにつきましては、当然のことながら警備業法では禁止されておらないわけでございますし、他の法令に触れない限りそれは当然営むことができるわけでございます。
○小川(省)委員 いずれにしても、今回の改正はいい意味での前進の改正だと思いますが、警備業については社会的ないわゆる市民権を得てまいって定着をしつつある、五千万産業というふうにも言われているわけでありますが、ぜひひとつこの指導については適切な指導をして、誤りのないようにお願いをいたしたい、このように思っておるわけでございます。 私の質問はこれで終わりますが、松本議員から関連質問がございますので、お許しをいただきたいと思います。
○松本(幸)委員 若干時間があるようでございますので、関連質問をさせていただきたいと思います。 いまお話しのように、現在警備業者が三千二百十社ある、こういうことで、資料を拝見いたしますと、そのうち個人が二百八社、あとは会社が三千二社ということになろうと思います。この会社の形態は、株式会社とかあるいは有限会社とかいろいろあろうと思いますが、この会社の形態についておわかりになっておりましたらお伺いしたい。 第二点として、警備業は、いまも小川委員からお話があったように、警備業法第二条によってその業務の範囲が定められているわけであります。会社としては、警備業法に定められた業務の範囲とは別ないろいろな仕事ができるようになっているわけでありますが、そのことによって支障が生ずるようなことがないかどうか。会社であれば、定款等が届け出の要件になっているかどうかわかりませんけれども、そこでどういう仕事をするかということがわかるわけでありますけれども、個人の場合にはこれがどうなっているかということ。 それから、警備業を営む者に警備員として雇用された者が、会社ということですから他の仕事もできるというような場合に、二つばかり具体的な定款等の例もありますが、いろいろ、電気工事の請負をやるとかあるいは消防施設の工事をやるとか、そういった土木建設会社と同じような仕事もできるようになっておりますけれども、警備員として雇われた者が他のこういった土木建設等の仕事につくことについては、これはあくまでも会社と雇用される者との契約だから、警備業務をやる傍らいわゆる土木建設工事等をやっても差し支えないというように解釈してよろしいのかどうか。 それから、今回の法改正で指導教育の充実を行うということがかなり重点的に取り上げられているわけでありますが、この会社の定款等を見ますと、いわゆる防火防災、こういったことについても定款の中に定められているようであります。しかし、一方の警備業法については、その業務の範囲の中には防火防災のことについては全く触れられていないわけであります。この間のホテル・ニュージャパンの火災の経験に徴しましても、警備員は、火災の防止ということについては全く無知と言っては語弊があるかもしれませんけれども、ほとんど責任が与えられていないというようなこともあるわけであります。これらのことについて、警備業法自体の中で、俗に「地震、雷、火事、おやじ」と言いますから、火災が人命あるいは財産の損害には最も大きいわけでありますけれども、そういう点については警備業法自体では全く考える余地がないのかどうかということ。 まず、以上をお尋ねしたいと思います。
○谷口政府委員 まず第一点の、警備業者が法人の場合の態様いかんということでございますが、ほとんどが株式会社でございます。 それから第二点は、そういった株式会社である警備業者が定款で定めれば警備業務以外の業務が何でもできるかということですが、先ほどお答え申し上げましたとおり、法人の目的、業務というものは特に制限されておりませんし、警備業者が他の業務を兼ね行っても法的には別段問題がないと思うわけでございます。現実には、ビルメンテナンス業と警備業を兼業しているという業者が多いわけでございまして、昨年末の数字で申し上げますと千六百九十二業者でございまして、全体の五二・七%に当たるわけでございます。 先生御質問の、現実にどうなんだということでございますが、私どもといたしましては、特に兼業を行うことによって問題が起きているというケースにつきましては、報告に接してないということでございます。 それから第三点でございますが、警備員が警備業務に従事するとともに、その際にあわせて電気工事等をやることについてどうかということでございます。これはまた、電気工事等を行う場合の資格を備えているかどうかという他の法令との関係があるかと思いますが、それに違反しない限り、それ自体、法的には特に問題はないと思います。ただ、警備員はあくまでもユーザーの方々の依頼に基づいて警備業務、すなわちその方の生命、身体、財産の保護に当たるというきわめて重要な業務に従事しておるわけでございますので、そのように警備員が警備業務を行うに当たって、あるいはそれに際して関連して別な仕事をするということは、私どもの方はそういった不適正事例は聞いておりませんけれども、あってはならないものだろう、こう思うわけでございます。 それから最後、第四点でございますが、防災業務関連でございます。 御案内のとおり、現行法では警備業務は四つの種類になっておるわけでございます。第二条でございますが、簡単に申し上げますといわゆる施設警備でございまして、事務所等に常駐いたしまして警備をするということでございます。それから第二点は雑踏警備と言うのですか、交通誘導、それから第三点が輸送警備、現金等を輸送する際に警備する、それから第四点がボデーガードという四つの種類でございます。この中には、御指摘の防火防災関係の業務というものは入っていないわけでございます。しかしながら大部分の業者は、防犯的な警備業務とともに防火的なあるいは防災的な業務をやっていることは、そのとおりでございます。ただ、四つの種類のうち問題になりますのは、事柄の性質上施設警備だけだと思うわけでございます。 そこで、この関係についてどうなのだということになろうかと思いますが、私どもといたしましていろいろと検討は加えたわけでございますが、結論から申し上げますと、今回の改正で警備員の教育の充実強化というのが必要だということでございます。現在でも、いろいろな事故が起きた場合の現場措置に関しては、教育をしなさいということで業者に義務づけておるわけでございますが、率直に申し上げまして、火事の場合のお客さんあるいはいろいろな関係者の避難誘導についての教育というのが十分でなかった、こう思うわけでございます。そういう意味におきまして、このたびの改正を契機にいたしまして、その教育内容につきまして再検討したいと思っておるわけでございます。
○松本(幸)委員 消防のことに関しては、警察庁の所管ではありませんから当然消防庁の問題になるわけですが、警備業に対するユーザーの側のニーズから言えば防災防火というものも当然含まれてくる。そうすると、そのことが欠落している警備業務というものは、むしろ常識的にあり得ないということにもなろうと思うのであります。そういった意味で警備業法は、いわゆる防火防災の問題については全く触れられていないのですが、実際の警備業者の契約や定款の中にはそういったものも入っておりますし、民間の需要にこたえてそれらのことも担任をするということになっているわけでありますから、法そのものについてもその辺を含めて整備をしていただきたいと思います。そうなれば、当然防火防災に対する訓練といいますか、指導教育といったものも必要になってくるのではないかというように考えるわけでありまして、この点については今後十分御検討いただきたいと思います。 時間が余りありませんから次に移ります。 今回の法改正によって、業者、警備員ともに認定要件といいましょうか、欠格事由が非常に拡大されて厳しくなっているわけでありますが、この欠格事由のうちの第三号、第四号等については、なかなか判定がむずかしいのではないかと思われるものもあるわけであります。特に、いただいた資料の中で第四号の関係では、暴力団等の判定について累犯とか累犯歴といったようなことは具体的にあることを要しない、おそれがあれば足りるのだということ等の認定については、認定がかなりむずかしくなってくるのではないかと思いますが、そういった認定がどうなるのかということ。 それから、届け出が認定になるということになりますると、従来は事後の届け出ということですから、認定をした側の責任は比較的薄いということになろうと思いますが、これからは事前に認定、別な言い方をすれば許可に等しい形で行われることになりますから、認定の側の責任がかなり大きくなってくるということで、もちろん虚偽の申告等をして認定を受けて、これがその後に発覚をすれば取り消しということになりますけれども、やはり認定をするとすれば当然そのことによって、例のホテルの「適」マークではありませんけれども、業者自体の信用度が高まってくるわけでありますから、それだけに認定の側の責任も重くなる、こういうことでありますが、この認定に対する責任についてどのように考えておられるのか。 それから、余り時間がございませんので全部続けて申し上げますが、警備業者の業務契約の書式というのは統一されているのかどうかということであります。といいますのは、これから認定をされるということになりますと、認定業者であるということによって当然信用度が高まるわけですから、業務契約の書式等についても統一をされて、しかもその中に認定業者であることを明記するというようなことも必要になってくるのではないかと思うわけでありますが、そのことについてお伺いをしたいと思います。 それからもう一点、これは全く違ったことでございますが、前回の委員会の際に質問時間がなくなりましたので質問ができなくなってしまったわけでありまして、すでに採決も行われた後でいささか「六日の菖蒲十日の菊」といったような質問になるかもしれませんけれども、例の協力援助法と消防団員等の共済基金法に関連いたしまして、実はこの協力援助法等の根拠となる法律というのは国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法であります。国家公務員災害補償法二十条の二あるいは地方公務員災害補償法四十六条には、いわゆる特殊公務というものに対する補償金の五〇%増額の措置がとられているわけでありますが、この災害補償法に根拠を置く協力援助法等であれば当然これとの均衡が考えられなければならない、公務員と民間の協力者との間に著しく均衡を失するというような感がするわけであります。今回の法改正では困難だとは思いますけれども、今後の法改正においてこれらのことについて配慮する意図があるかないか、最後にお尋ねをしておきたいと思います。 以上であります。
○谷口政府委員 第一点は、警備業の要件に関する都道府県公安委員会の認定の方法でございますが、各都道府県公安委員会は、認定申請があった場合には前科照会はもとよりでございますが、警察の既存の資料あるいはいろいろな調査をいたしまして総合的かつ慎重に判断し、その存否につきまして認定をしていかなければならない、こう思います。 それから第二点の、今回の改正で届け出制から認定制になることにより業者の信用がつくだけに公安委員会の責任は重いのではないかということでございますが、先ほどお答え申し上げましたように、届け出制から認定制への移行につきましては本質的には何ら変わらないわけでございまして、事後審査を事前審査に切りかえるということでございます。ただ、現実の問題としては、やはり認定制ということになりますと、一つの社会的信用が付加されることは事実上否めないと思うわけでございます。それだけに、現行法のもとにおける届け出を受けた公安委員会の審査の場合も同じでございますが、改正法のもとにおける認定を行う公安委員会の責任というものは重くなるものと思うわけでございます。それだけに、その認定に当たりまして慎重に行いまして、国民の方々初め関係者の期待に反することにならないように十分調査いたしまして、慎重に対処してまいりたいと思っております。 それから第三点は、契約書の統一のことでございますが、今回の改正で、警備業を行っている者は認定業者になるわけでございますので、この点につきましてはちょっとどうかなと思うわけでございますけれども、なお検討させていただきたいと思います。
○金澤政府委員 お答えいたします。 特殊公務災害の関係でございますが、まず、特殊公務災害と申しますのは、現在公務員の中でも服務規定上危険な状況を避け得られない、こういった立場の職員についてのみ特に適用されておるわけでございまして、たとえば武器を携帯する職員、それに準ずる者、それからまた消防職員のような、非常に危険な立場にありながらそれを避け得ない、これを服務上定められておる、こういう職員がその危険を顧みることなく職務を執行しまして災害を受けたという場合に、先ほどお話がございましたように五割増しという補償が行われるということになっております。 今回改正をお願いしました協力援助法の関係では、一般の方々の、警察、消防の仕事に協力援助していただくという精神は、そこまでの、危険なことを冒してまでの協力援助というものはなかなか期待できないんじゃないか、こういう観点から協力援助法にはその規定が入っていないということでございますので、御了承いただきたいと思います。
○松本(幸)委員 時間がなくなりましたので、もう一つだけ、また後で質問というようなことでは困りますので、申し上げておきます。 欠格事由が拡大される、認定要件が厳しくなる、このことによって、現在の三千二百十あるいは十二万四千何がしかの業者並びに警備員で、欠格事由が拡大されるわけですから、該当して排除されると言うと語弊があるかもしれませんが、認定が受けられないといったようなものについては、どの程度推定をされておりますか。
○谷口政府委員 私どもが一応把握している範囲では、第三条第二号または第四号に該当するのではないかというのが十数業者だと思います。 それから警備員につきましては、本年三月の調査でございますが、第四号、第五号に該当する者が数十名になるのではないかということでございます。この点は確実な数字ではございませんけれども、そういうことでございます。
○松本(幸)委員 終わります。
○中山委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 私は、初めに警察庁長官にお尋ねをしてみたいと思います。 わが国の警備業は、たしか昭和三十七年に初めて専業の会社が設立されまして、それ以来いろいろな経過をたどりながら、四十七年ごろには一社で五千名も警備員を抱えるほどに成長した警備会社もできたというような状況のもとで、この警備業法というものが初めて成立した。そして今日まで十年が経過してきているわけでございますけれども、この警備業に対していかなる認識に立たれて、いかなる方針で臨んでおられるのか、長官の基本的な考え方を初めに聞いておきたいと思います。
○三井(脩)政府委員 いまお話しのように、この十年をとりましても、警備業は、業者の数において四倍、警備員の数において三倍というように、大変発展をしてきております。そういうふうになってまいりましたのは、社会の需要があるからだ。先ほども話がありましたように、第三次産業が非常にふえてくるというようなことがそのことを示しておるかと思うわけでございます。したがいまして、そういう社会の需要にこたえて、これは客観的にだんだんと発展してきたものだ、こういうことで、その経過を見ましても、この法律が制定される前には、個々の警備員に問題があるとかいろいろありました。四十七年に制定されましてからは、だんだんとそういう問題がある程度整理されるといいますか、軌道に乗ってまいりまして、今日では社会的な存在として一応の安定的なものとして発展してきておるのではないか、こう思います。 これにつきましては、社会的な背景と言いましたが、具体的には国民の安全に対する意識、つまり安全というのは空気や水、空気や水も今日では楽ではありませんが、従前言われておったようなものではなくて、それ相応の努力をして維持すべきものだ、こういうことだと思います。したがってそういう意識を背景にいたしまして、国民個々が自分でやれる自主的な安全措置といいますか、警備といいますか、こういうことをやっていかなければいかぬというきめ細かな要望に対して、そういう気持ちも高まってきておる、これが、これを業として補完をしたり代行するというのが警備業であろう、こう思います。 したがいまして、警察もまたこの警備業との関係において、警察の任務がそれによって軽減されるわけではありませんけれども、両者がそれぞれ社会的に健全な発展をしていくということが大事か、こういうふうに思っておるわけでありまして、今回の改正も健全な警備業の発展というものを目指しておる、こういうことでございます。
○大橋委員 警備業がぐんぐん増加していくというのは、やはり社会的な需要にこたえてのことである、そして安定的な姿で発展しているように認識している。いずれにしましても、生命あるいは身体、財産、そういうものは当然本人自身、人間であれば、だれでも自分自身が守らなければならぬという基本的なものがあるわけですから、それを補完的にやっていこうというのが警備業の仕事だろう、こういうお話でございまして、警察と相互いに健全に発展していかなければならぬものだというお話でございました。 業界に対する社会のニーズといいますか、これは防犯から防災面にまで広がってきている、こう思うわけでございますが、警備員の教育も、防災面に対する知識や対応の訓練が不可欠な条件になってきた。そうしまして、警備員というものは、一般の営業とは異なりまして、先ほど言われましたように社会的責任が一段と重いという、そういう仕事ではないかと思うわけでございます。したがいまして警察庁も、この指導監督に当たっては、愛情を持ってまず当たっていただきたい、こういう気持ちでいっぱいでございます。その点、いかがでしょうか。
○三井(脩)政府委員 おっしゃるとおりだと考えております。
○大橋委員 そこで、お尋ねしたいのでございますが、人間の生命、身体、財産の安全を守るという立場から拝見してまいりますと、警察官の任務も警備業が営んでいる業務もきわめて類似をしていると思うのでございますが、どこがどのように違うのか、これもこの際お伺いしておきたいと思います。
○谷口政府委員 御指摘のとおり、警備業というのは人の生命、身体、財産を守るといった点においては、警察の業務と類似した側面を持っておると思うわけでございますが、警備業につきましては、先ほど長官からお答え申し上げましたとおり、やはり国民各自が自分の生命、身体、財産の安全をみずから守るという基本的な権利というのですか、これを一つの根拠といたしまして、私法上の契約によりまして特定の者の生命、身体、財産の安全を守る営業であるということになろうかと思います。そういう面で、特別の法的な権限を何ら有しない私的な営業ということが言えると思います。他方、警察は、国民の生命、身体、財産の安全を守るということを責務としまして、そのために法律でいろいろな権限あるいは制限も課されておるわけでございますが、各種の活動を行っておるわけでございまして、警備業とは本質的に基本的に異なるものでございます。 ただ、現実の活動面で類似する面があることは、冒頭申し上げましたとおりでございます。その面では、各都道府県公安委員会がこの警備業法に基づきまして最小必要限度の規制をしつつも、まさに愛情を持って警備業者あるいは警備員に対する指導を、また育成強化を図ってまいりたい、こう思っておるところでございます。
○大橋委員 警備業というのは、要するに住民の要望、需要に応じて、そうした特定の人との間に契約を結んだ私的営業である、それに引きかえて警察官の方は、国民の生命あるいは身体の安全を守るという責務から、法令に定められる権限と制限のもとに各種の活動をしているのである、確かに現場での対応はあるいは類似したところがあるけれども、基本的には違うんだというお話があったように思うのです。 いま、特別の地位は一切認められていない。確かに私的契約のそれですから、そういうふうに感じられるわけでございますけれども、今回の法改正の内容というものはかなりレベルアップされてきたという感じを私は受けるのでございます。特別の地位は一切認めていない、こうすぱっとけ飛ばすような言い方ではなくて、もっと何か言い方があるのじゃないかと思うのですけれども、これはどうなんですか。
○谷口政府委員 現行法の第八条でございますけれども、ここで明示されておりますように、この法律によって警備業者及び警備員に対し特別な法的な権限を付与したものでないとなっておるわけでございます。その点を申し上げたまででございます。 ただ、先生御指摘のとおり、警備業務が最近の社会的需要に合わせてますます重要度を増しつつありますし、その業務の態様も各分野に入ってきておるということでございます。その社会的、あるいはあえて申し上げますならば公共的な性格というものも、顕著になってきておると思うわけでございます。そういう面で、国民の方々の生命、身体、財産を守るという重要な警備業務を行う警備業者あるいは警備員のレベルアップを図ることが焦眉の急だと思うわけでございます。そういうことでいろいろな角度から検討してまいりまして、今回の改正法案をまとめた次第でございます。
○大橋委員 確かに第八条には、「警備業者及び警備員は、警備業務を行なうにあたつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに」とあります。しかし、いま言われたように、非常に公共的な性格を顕著に帯びてきた仕事だと思います。この警備業は、申し上げるまでもなくデパートあるいはスーパー、商店、事務所、工場、倉庫、住宅、工事現場などの施設警備としまして活躍しておりますし、あるいはまた、工事現場での人や車両の誘導を行ったり、現金輸送車の警備、その他ボデーガードなど、広い分野の警備に従事している内容になっております。 そこで、警備業者なんですが、三千二百ほどあって、また、従業者いわゆる警備員も十二万人の人がいるということでございますが、この警備業の六八・二%が小規模経営者であるということが、政府のしっかりした関係の資料であらわれているわけでございます。こういう小規模営業者というのは、警備員の指導、教育に対して業務管理体制が非常に不十分だということも予想されるわけで、現に単なる人入れ稼業的な営業を行っているものもありますし、違反を繰り返す傾向にもあります。しかしながら、社会的需要は増大しておりますし、さらには、昭和四十七年この法律ができますころは想像もしていなかった機械警備業が急速に普及しているということから、現行法のままではどうにも対応できないぞということで今回の改正になったのだと私は認識するわけでございます。 今回の改正案の骨子を申し上げますならば、悪質、不適格業者を排除していこう、それから警備員の非行、不祥事への対応、そして警備員の指導監督あるいは教育の懈怠への対応、そしていま申し上げました機械警備業の普及に対する対応、このようなものが今回の骨子ではなかろうかと私は理解しているわけでございますが、先ほどの質疑応答を聞いておりますと、悪質、不適格業者等の排除、こういう問題が非常に強調されて論議をされているような感じを受けてならぬわけであります。 もちろん、悪質、非行、不祥事に対しては厳然たる態度で臨まなければならぬわけでございますが、この法改正を拡大解釈的に利用して、この際中小零細企業のものを排除していこうじゃないか、締め出していこうじゃないかというようなことがあってはならぬと思うのですね。業界の中には、すでにそういう不安の声がかなり持ち上がっておりますが、私のいままで申し上げました認識で特に何か違いがあれば指摘していただきたいし、それがなければ既得権に対する警察の措置といいますか、どういう考えをお持ちであるのか、お答えいただきたいと思います。
○谷口政府委員 改正に至りました背景あるいは改正の要点につきましては、もう御指摘のとおりでございますが、規模の小さい業者に対する措置いかんということでございます。 確かに、警備員が十人以下の業者が五四・六%を占めておるわけでございますが、規模が小さい業者であっても大部分の業者はそれなりに機動力を発揮してというのですか、本来、警備業務というのはローカル性の強いものだろうと思うのでございます。それなりに貢献されておる、りっぱにその業績を上げられておる、また地域住民の方あるいは業者の信頼をかち得ておると思うのでございます。 そこで、そういった規模の小さい業者を含めて現在ある三千二百十の業者に対するあれでございますけれども、これについては経過措置の問題になろうかと思いますが、十分配慮したつもりでございます。公布になって六カ月で施行になる。施行後三カ月以内にこの改正法に基づく認定申請さえしていただければ、引き続き営業を営んで結構です。各都道府県公安委員会の方は、三千余の業者から一斉に申請が出るわけでございます。それを逐次審査していきまして認定証を交付する、あるいは警備業の要件に該当しないということで、その旨の通知をして廃止命令の対象にやがてはなるというものと二つに分かれると思います。 ただ、後者につきましては、率直に申しましてそう多くはないと思います。また、大部分の業者が法人でございますので、役員の中に一人か二人欠格事由に該当する者がおる場合には、それを更迭していただければ要件を充足するということになりますので、現在健全経営をやっておられる大部分の業者の方は引き続き営業を営んでいただくことができる、こう思うわけでございます。 ただ、教育の充実強化というのは必要でございますので、若干負担になるかもしれませんけれども、この点は業者の方、業界団体からむしろこの機会に国民の方々の信頼を受ける必要がある、そのためにはレベルアップが必要だという要望もあったくらいでございますので、それを受けて警備業者、警備員のレベルアップに努めていただきたい、こう思っておるわけでございます。 〔委員長退席、染谷委員長代理着席〕
○大橋委員 とにかく、既得権の侵害になるような行為がいささかもあってはならないということを一応要望しておきます。 そこで、警備業界の現況をお伺いしたいわけでございます。 私の手元にある資料は、地行の調査室から出ているものでございますけれども、この資料の中に「昭和五十六年十二月末日現在においては三千二百十社となっており、この十年で約四倍に急増している。」中をちょっと割愛しまして、「三千二百十社を個人・法人別(法人については資本金別)、営業所数別、警備員数別にみると、約八割の警備業者が、個人企業又は資本金一千万円以下の法人、営業所が一箇所のもの(つまり本社が同時に営業所のもの)、警備員五十人以下のものとなっている。」というように示されているわけでございますけれども、いま申し上げましたように非常に中小零細業者が多いわけでございます。 この三千二百十社の組織化といいますか、私が知る限りにおいては全国警備業協会というのが組織化されているように思うのですけれども、これはたしか千社くらいだと伺っております。あと残りの二千社というのが、ビルメンテナンス協会に所属する警備業あるいは警備員あるいは中小零細業者というふうに伺っておるのですけれども、業界内のそうしたものは把握されておるのでしょうか、どうですか。
○谷口政府委員 警備業の業界組織といたしましては、社団法人でございますけれども、全国警備業協会というのがあるわけでございます。私どもといたしましては、その業界組織を通じましてある程度のことはわかりますけれども、先生御指摘のとおり全部が包含されておるわけではございません。そういう面で、三千二百十社の実態がどうだということについてはよく把握してないのが現状でございます。
○大橋委員 いままで論議されてきましたように、社会的需要は増大する傾向にあるこの警備業について、もう十年前から四倍にもふくれ上がっている、三千二百十社もあって、十二万以上の警備員がいるという、こういう大きな一つの組織体になっているわけですから、行政指導の立場からも何らかの姿で整理する必要があるように私は思えるのです。これは、他の業界の皆さんも同じ姿で発生してくるのですけれども、お互いが組織化されていきましてまとまっていくという事実がありますように、この業界もそういう意味ではまとめていった方がいいんじゃないか、これは私の印象でございます。 そこで、業界内の声なんですけれども、先ほど申しましたように中小零細業者がたくさんいるわけですね。三十人以下なんというのが大変な数になっているようでございますが、この業界の目的と社会的需要に対応するためにどうしても経営基盤の安定というのが重要だと私は思うわけで、こうした中小零細業者を合併していく、あるいは大手企業への吸収合併というのですか、こういうことが業界の中でもささやかれているわけでございますけれども、警察庁としてこういう状況を見てどのような御見解に立たれているのか、お伺いしたいと思います。
○谷口政府委員 警備業務の適正化といった面では、確かにそれぞれの業者の経営基盤が確立することが大事だとは思いますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、規模の小さい業者が多いというのが警備業界のある意味での特殊性かもしれませんけれども、それなりに機能を果たしておるわけでございます。合併するかしないかということにつきましては、関係業者の全くの自由でございまして、私ども指導監督に当たる立場としては、それについてコメントする立場にはないかと思います。
○大橋委員 確かにおっしゃるとおりだと思うのですけれども、たとえば、これから認可業務あるいは検定業務等をやっていくわけでございますが、行政の簡素化というような言い方が妥当かどうかわかりませんが、何かを警察庁の方から連絡をしたい、しようとするときに、ある程度の組織があれば、そこの中心にばんと指示を流せば徹底されていく。ところが、三千二百の中で千業者は大体連絡がとれるけれども、あとは小さな業者まで一人一人に連絡をとっていかねばならないということになると、行政的に非常にむだが生じるのじゃないかという気もするものですから、変な意味で強制的にまとまれと言うのじゃないけれども、何か適当な指導が必要ではないかな、こう思うわけでございますので、これに答えていただけたらと思います。
○谷口政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、私の誤解かもしれませんけれども、規模の小さい業者が二つ三つあってそれが合併云々、それについては特にということでございます。 もう一つの問題でございますけれども、いわゆる業界団体というのですか業界組織、これにつきましてはどの業者の全国組織でも同じだと思いますけれども、本来業者の方々が自主的に集まりまして、その業界のレベルアップを図ろうという団体だと思うわけでございます。その業界の発展あるいは質の向上を図るということでございますので、業者の方がより多くその全国組織に加入していただくことが望ましいと考えております。ただ、加入するか否かについては、やはり個々の業者の自由な判断に任せざるを得ないのではないかということでございますので、御了承いただきたいと思います。
○大橋委員 では、次にいきます。 今回の改正案の内容についてでございますけれども、十一条の三に「警備員指導教育責任者等」というところがあります。これによりますと、警備員指導教育責任者というものを各営業所ごとに置かねばならない、こう義務づけたわけです。それから十一条の三の五項では、「公安委員会は、総理府令で定める者に、警備員指導教育責任者講習の実施を委託することができる。」こうあるわけでございますけれども、その講習体制の方はどこを読んでもさっぱり出てこないわけですね。 そこで、だれがどこでどんな形で講習を行って、そして資格証を交付なさるのか。というのは、すでに先ほど言った、全国の警備協会等から講習の実施に当たってはぜひうちの方に委託してほしいという要望等もあっているかと思うわけでございますが、そういう点を含めてどうなのか、お答え願いたいと思います。
○谷口政府委員 今回新たに設けます警備員指導教育責任者に対する講習でございますが、具体的には総理府令で定めることになっておるわけでございます。 その内容でございますが、警備員に対する実務教育の概要だとか、あるいは教育の内容とか、指導の方法とか、教育計画その他必要な書類に関すること、ただし教育指導の管理に関すること、そういうようなものが挙げられるわけでございます。 この講習でございますが、各都道府県公安委員会がそれぞれ実施するということでございます。期間としては、おおむね一週間程度を考えておるということでございます。講師につきましては、警察の職員は当然でございますが、部外の専門家の方、有識者の方にお願いいたしましてやりたい、こう思っておるわけでございます。警備業務がどんどん多岐にわたっておりますし、専門的知識が必要でございますので、関係団体はもとよりでございますけれども、いろいろな方々の御協力をいただきたい、こう思っておるわけでございます。何といっても、この指導教育責任者というものが警備員の教育の中核になるわけでございます。この方たちがしっかりした能力、知識、人格、識見、これが必要でございますので、この講習については私どもとしてはもっと力を入れて運用してまいりたい、こう思っておるわけでございます。 そういう面におきまして、確かに法文上はこの講習を他の者に委託することができるという規定を入れておりますけれども、これは原則的に都道府県公安委員会が行うということでございまして、現段階では近い将来委託する云々ということは考えていない。都道府県公安委員会みずからの責任でやりたい、こう思っております。
○大橋委員 その講習に当たっては、当面は公安委員会の方で実施していく、しかし、その講師については専門家を仰ぎたい、こういうお話のようでございましたが、いずれにしましても、いままでの現行法でも警備員についてはたしか二十時間の教育をやらねばならぬという義務づけがあると思うのですけれども、その二十時間では、いまの警備員としての対応をしていくその知識やあるいは能力を備えるにはとても無理だろう、こう私は思っているわけでございます。 ちょうどこの法律改正で、いま言ったような指導教育責任者養成が行われる。これは本当を言えば、全員がそのような状況にならねばならぬのじゃないかと思うくらいに私は考えるわけですけれども、何かいまの話では一週間、五十時間程度だということも私聞いたわけでございますが、これだけの日程とそして教育内容ということになると大変な仕事量になるのじゃないか、こう思うわけでございます。これまでの警備員の皆さんが、その講習をどういう形で受けられるのか知りませんが、これは大きな問題になろうかと思います。 もう一つ、十一条の二に「検定を行うことができる。」こうあるわけでございますが、この検定の趣旨と検定体制についてもお伺いしたいと思います。
○谷口政府委員 まず検定の趣旨についてでございますが、先ほど来からお答え申し上げておりますように、警備業が急速に発展をしておる、しかもその業務範囲が複雑多岐になってきておるということでございます。そのために、業務の適否が社会に及ぼす影響がきわめて大きくなっており、専門的、技術的な知識、能力がますます要求されることになっておるわけでございます。そういうような情勢下におきまして、警備業務実施の適正を図るためには、何よりも警備員の知識及び能力を向上させ、しかも維持させることが必要だということでございます。そこで、現行法でも、この警備業者に警備員の教育義務というものを課しておるわけでございますけれども、さらに知識及び能力の向上の努力義務というものを課した上に、さらに積極的に知識及び能力向上を図る制度といたしまして検定制度を取り入れたものでございます。 体制でございますけれども、この検定は、十二万余のすべての警備員に対して一挙に行うものではございません。ただいま申し上げましたような検定制度の趣旨にかんがみまして最も必要だ、緊急度が高いというものから行いたい、こう思っておるわけでございますし、検定を行う体制そのものの整備につきましても受検者の状況などに応じまして順次考えてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○大橋委員 実は今度の検定だとかあるいは講習あるいは認定等の手数料が、かなりいろいろなところで取られ、出すわけでございます。第七章「雑則」の中に「手数料」、十六条の二ですけれども、「次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を都道府県に納めなければならない。」こう示されて、一号から八号まで列挙をされておりまして、実費を政令で定めるというわけでございますが、かなりの負担になるんじゃないか。先ほど講習料なんか、一週間というわけでございますので、一体これはどのくらいになるんだろうか。ある程度目安は立っているんでしょうか。
○谷口政府委員 手数料の額についてでございますけれども、昨今のような財政状況にかんがみまして、またこの事務の性格からいたしまして受益者負担という考え方から、その手続等に必要な実費に見合う金額にしたいということでございます。その決定に当たりましては、人件費、物件費その他の費用を積算して行うことになっておりますが、今後の経済情勢にもよるとは思いますが、認定手数料につきましては大体一万円程度、それから検定とか講習の手数料等についてでございますが、検定につきましては検定の内容だとかあるいは受検者の数にもよろうと思いますけれども、大体五千円ないし七千円くらいになるんじゃないか、こう思っております。それから問題の講習手数料でございますが、三万円くらいになるんじゃないかと予想しておるところでございます。
○大橋委員 この法律の条文にありますように実費ということがうたわれておりますように、ひとつ大変な負担にならないようによろしくお願いしたいと思います。 次に移りますが、第二章の「警備業」の第三条に「次の各号のいずれかに該当する者は、警備業を営んではならない。」とありまして、一号から八号まであるわけでございますけれども、その中で一、三、四、五、六、七は新しく設けられた条文でございます。その一は「禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ないもの」二号の方はいままでどおりのものですけれども「禁錮以上の刑に処せられ、」云々というのですが、これも年数だけは五年に変えられておりますね。三号は「最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者」こうあるわけですね。五番目ですが、五号は「精神病者又はアルコール、麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者」このようにあるわけでございます。 私が特にお尋ねしたいことは、警備業者にかけられたこの規制がそのまま警備員にも、特に一号から五号までは同じ内容が警備員にも課せられる、こうなっていると思うのですけれども、まずここを確認したいと思うのです。いかがですか。
○谷口政府委員 そのとおりでございます。
○大橋委員 そこで、その三号なんですけれども、「最近五年間に、」というここの項のところでございますが、確かに業者の場合は違反した者はだめだという内容でございまして、五年間ぐらいはやむを得ないかな、こう思うわけでございますけれども、警備員の方にまで五年をかぶせたというのはちょっと厳し過ぎるのじゃないかな、こう思うわけですね。というのは、この警備業、失礼な言い方になるかもしれませんけれども、大体一般の方ならば教育さえ受ければできる仕事だと思いますし、たとえば不幸にして前科がついたような方々でも、よし、おれも一生懸命働くぞ、いわゆる更生したい、そういう雇用の場でもあろうかと私は思うわけですね。ですから、業者の方にかぶせた五年はやむを得ないとしても、警備員の方の五年はもう少し短くするべきではないか、こう思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○谷口政府委員 この二号に言う五年の期間をもう少し短くしたらどうかという御指摘でございますが、先ほど来お答え申し上げておりますように、警備業務の持つ重要性とそれから最近の警備員の不祥事案の多発状況にかんがみまして、今回警備業者の要件、警備員の制限を図ろうとするものでございます。この場合、営業の主体になります業者についての要件もさることながら、やはり雇われる立場の警備員個々につきましても、被雇用者とはいいながら、現実に警備業務に従事するのは警備員の方々なわけでございます。その警備員の質の良否というのですか、これが国民の方々あるいはユーザーの方々にとって影響がより大きいところから五年ということにしたものでございまして、決して私ども、いわゆる前科者の社会復帰をことさらに妨げるものではないということでございます。あくまでも警備業務の性格にかんがみ、やむを得ずこういった警備員の制限を付したということでございます。
○大橋委員 他の行政を見ましても、こんな厳しいのは余りないように私は思いますが、これはもう一回再考を希望しておきます。 時間も迫ってまいりましたので次に進みます。この三条の五号「精神病者又はアルコール、麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者」とあるわけでございますけれども、こういうのは、いまそういうことはないんだけれども、かつてはそういう病気を患ったことがあるという既往症についても排除していくという考えなのかどうか、その辺はどうなんですか。
○谷口政府委員 この第五号関係につきましては、現時点において現に覚せい剤中毒者等である者を排除したいということでございまして、過去に病歴があることをもって排除をするものではございません。
○大橋委員 それでは履歴書等を出す場合に、医者の現在の診断書さえあって、それがそうでないということであれば問題ないということですね。いいですね、それは。
○谷口政府委員 そのとおりでございます。
○大橋委員 それでは次に移りますが、先ほど申しましたように業者がずいぶんとふえまして、最近は業者間でダンピング傾向が表面化しているのを懸念している一人でございます。物価はぐんぐん上がってきているのにもかかわらず、警備料といいますか、それがむしろ下がってきているという事実があるわけです、お願いする側からいけば安いほどいいわけでございますけれども。 その一、二の実例を挙げますと、これは北九州市の本庁舎、これが委託しているようでございますが、「年度別警備委託先及び委託料調」ということなんですけれども、昭和五十年度、大平ビルサービス株式会社北九州支店にお願いしたときの委託料は六百二十七万四千八百円であった。それから、五十一年度から業者が変わりまして、北九州ビル管理株式会社となって、ずっと今日までその会社へ委託しておりますが、委託料が五十一年は九百九十九万六千円、五十二年度は千七十七万六千円、五十三年度は一千二百万円、五十四年度は一千百四十万円、五十五年度は一千八十万円、五十六年度は一千七十八万八千円。五十三年度からこれが逆にぐっと下がってきているわけですね。 また、門司、小倉、若松、八幡、戸畑、松寿園という全市立病院の委託料でございますけれども、これも五十一年度は国際警備保障株式会社が二千七百万円で委託しておりましたけれども、五十二年、五十三年度まではこの警備保障株式会社でした。五十四年度から東洋警備保障株式会社に変わりました。その前の五十三年度は、先ほど言った国際警備保障株式会社は二千七百三十六万円でございました。ところがその次、五十四年度は東洋警備保障株式会社に変わりまして二千六百九十二万八千円にダウン。五十五年度は、また会社が変わりまして全日本警備保障株式会社、これが二千七百七十九万二千円になって、これはちょっと上がったみたいですけれども、その後はまた五十六年度、会社が変わりました。株式会社サービスエース、全日本警備保障、これががくんと安くなりまして二千百四十五万六千円。 こういうふうな実態が出てきているわけでございまして、お願いする側は安い方がいいに決まっておりますけれども、こうした警備保障が行っておる業務というのは人の生命あるいは身体、財産を守るという業務ですから、何でも安ければいいというものじゃないと思うのです。余り安くたたいていきますと、やはり手抜きみたいな警備になるんではないかという感じがするのですけれども、この点についての警察庁のお考えはどんなお考えか、ちょっと伺っておきたいと思います。
○谷口政府委員 確かに、一部の業者では不当に低い価格で受注するという場合もあるようでございます。その結果、ある業者でございますけれども、やはりペイするためにはやむを得ず学生アルバイトを大量に雇いまして、そして警備業務に従事させたというような場合もあるわけでございます。その結果、交通誘導が適切に行われず問題が起きたという例もあるわけでございます。 すでに全国警備業協会等関係団体、業者の方では、やはりこのままでは問題があるぞということで、適正な料金を設定する必要があるんじゃないか、お互いに不当な競争はやめようじゃないか、自粛しようじゃないかというような動きがあるようでございます。そういった業界あるいは業者の自主的改善にまつところだろうと思いますが、私ども警察といたしましても、警備業務の適正な執行という観点からもこの問題については重大な関心を寄せ、業界あるいは業者にも側面的な援助をしてまいりたい、こう思っております。
○大橋委員 もう時間が迫ってきました。最後にこの一問を聞いて終わりたいと思いますが、機械警備についてでございます。 電子機器等を利用した、店舗等に電話回線と接続した感知器をセットして、警備会社のセンターと結んでいわゆる異常発報ずるわけですね。防犯関係ならば一一〇番にぽんといったり、あるいは防災関係なら一一九番ということで、警察の方も実際は助かるのでしょうけれども、ところがこれは非常に誤報が多いということを聞いております。また、業者の出動処理体制にも問題があるようでございますけれども、要は機械警備、つまり設置する機器の性能の問題と設置基準等がいまのところ不明であるために問題があるんじゃないかな、こう思うわけですね。 たとえば、火災がこの前起こって大変問題になったあのスプリンクラー、これは警備業務とは直接の関係があるわけじゃないのですけれども、ただスプリンクラーをつけろと言っても、スプリンクラーの性能はいろいろあるわけですね。機器も幾らもあるわけでございまして、中にはすばらしいもの、あるいは改善しなければならぬようなものもあろうかと思うわけでございますが、それと類似したようなことで、ただこうした機械警備をやればいいという野放し的なことであれば、これはよくないと思うわけですね。この辺で十二分に検討して何らかの基準をつくる必要はないのかな、こう思うわけでございますが、いかがなものですか。
○谷口政府委員 機械警備が最近特に進展を見たわけでございますけれども、現行法では全く規定がないということでございます。一方、この機械警備業者の即応体制が、人的にも物的にも必ずしも十分でないということでいろいろな問題がある。そこで、最小限度の改正を行いたいということでございますが、率直に言いましてハードの面じゃなくてソフトの面に問題がある、そういった面の法的手当てをしたいということでございます。 ただ、御指摘のように、センサーというのですか感知器というのですか、それについても必ずしも整備が行われていない、あるいは機能そのものが十分でないといったために、誤報の原因になっているという場合も多々ございます。将来としてはやはり、消防器具の場合検定制になっておりますけれども、そういった面を考えていかなければならぬのじゃないかと思いますけれども、現在のところは、とりあえずそのソフト面だけの改正をお願いしておるということでございます。
○大橋委員 業者と機械設備個所というものはいまどんどん増加傾向にある、その反面、巡回車両及び専従の警備員が、業務の合理化等からむしろ減少傾向にあるというふうに私は感じているわけでございますが、いま言われたようなものもあわせまして、こういう点も適切な指導をお願いしたいということを要請しまして、質問を終わります。
○染谷委員長代理 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。青山丘君。
○青山委員 今日の警備業は、社会的需要に伴って著しい成長を遂げてまいりましたが、これは警備業界の社会的評価が高まってきたこと、その役割りというものが高まってきておる結果だと解釈しております。しかし反面、短期間に急成長してきたことによって、中には悪質な警備業者も少なくない。また、警備員による非行と不祥事、こういうものも続発してきていると聞いておりますが、たとえば昨年の警備業法等違反件数は一千五百十三件で、五年前の三百六十二件と比較してみますと約四倍となっております。警備業者のほぼ三社に一社が違反をしておるという計算になります。またさらに、警備業者の社長が、契約先のスーパーから預かっている合いかぎを利用して窃盗を働いていたという例がありました。また、暴力団員が社長をしておったという例もあります。 こういうことにかんがみて、警察庁は、警備業者にいままでどのような指導と監督をしてこられたのか、まずお尋ねをいたします。
○谷口政府委員 警察庁といたしましては、各都道府県警察に対しまして立入検査の充実強化あるいは行政処分の徹底など、警備業者に対する指導取り締まりの強化を指示するほか、都道府県警察の担当者の教養などを行いまして、都道府県警察におきます警備業者の指導監督の強化に努めてきたところでございます。また業者団体に対しましても、傘下業者に対する啓蒙活動その他の指導につきまして積極的に行ってもらい、法令の遵守が図られるように努めるよう要請してきたところでございます。
○青山委員 現行法の遵守に努めてこられたということですけれども、今回の法改正というのはほぼ全面改正に等しいと私は受けとめておりますが、現行法の運用で悪質な警備業者を排除していくこと、それから警備員による非行、不祥事、こういうものが防止できなかったのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○谷口政府委員 ただいまお答え申し上げましたとおり、警察側といたしましても指導監督の強化を図り、また業者に対しましても自主的な改善を促してきたところでございますが、残念ながら御指摘のように、最近不適格業者とかあるいは警備員の非行事犯が多発してきておるわけでございます。 現行法の欠格事由でございますけれども、一項目しか実質的にはないと思うのでございます。つまり、特定の前科者だけが警備業を営むことができないということしか書いてないわけでございまして、そういうことで暴力団などの悪質業者については排除がきわめて困難であるということが言えると思います。 また、警備員の非行とか不祥事につきましては、その原因、背景等を調査してみますと、多くは当該警備業者の指導教育体制が必ずしも十分でない、不備であるといったところにあるようでございます。もとより現行法では、業者に対しまして警備員に対する指導教育の義務について規定があるわけでございますけれども、いわば制度的な担保が必ずしも十分でないということで、これらについての行政指導にもおのずから限界があるということでございます。そういう面で不適格業者の排除あるいは警備員の非行、不祥事案の防止、積極的には警備員の質的向上を図るためにはどうしても改正をする必要があるということでございます。 それともう一つの問題は、機械警備の不適切事案がやはり多発しておるということでございまして、機械警備がどんどん発達してきておるわけでございますが、即応体制が必ずしも十分でないということで、いろいろな不適切事案が起きてきておるわけでございます。現行法では、十年前これほど機械警備が発達するということを想定しないために、全くこの規定がないわけでございます。そういうことで即応体制を整備するなどの一連の措置をとる必要が出てきたということでございます。 改正案は条文でいいますと三十九条でございます。現行法は二十一条でございますので、条文数でいうとちょうど倍になるわけでございますが、基本的な考え方については全くないわけでございまして、ただ不適格業者の排除あるいは警備員の非行を防止する、発生を一件でも少なくするという意味の指導教育の充実強化、また機械警備に対する一連の措置を図るためにやむを得ず改正をお願いしておるということでございます。
○青山委員 今回のこの改正を見てまいりますと、警備業の要件を強化し、また認定手続を整備することといたしております。このように大変な規制を強化しておるわけです。このことは、先ほど来の質問と若干内容において重複するかもしれませんが、改めて御見解をお尋ねしておきたいと思いますが、中小の警備業者を排除することになっていくのではないかと心配します。この点の御見解はいかがでしょうか。その結果、規制を強化していくということは、内容において整備がおくれておる小規模の警備業者が成り立っていかないということになっていくのではないかと心配するものです。同時に、それは大手警備業者に有利になっていく法改正ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○谷口政府委員 今回の改正につきましては、あくまでも警備業務に関します不適正事例の頻発等の情勢に対処するために、必要最小限度の規制を設けるというものでございます。つまり警備業の要件の整備というものは、やはり警備業者として不適格である、だれが見てもおかしいじゃないかというものにしぼりまして、そういった不適格者を排除するということでございます。 それから教育関係の規制につきましても、すでに現行法の第十一条で、警備業者は警備員の指導教育に当たらなければならないという義務が課せられておりまして、いわゆる法定教育でございますが、警備員に採用するに当たって、また現に警備業務についている警備員に対しまして、必要な教育をしなければならないという義務が課せられておるわけでございます。したがいまして、大部分の業者がまさにその警備業あるいは警備業務の重要性を認識していただきまして、ユーザーの方々の依頼に基づき、犯罪の防止等の業務に従事しておるわけでございまして、それらの業者にとっては、今回の改正は非常に負担になるというようなことはないと思います。 また、改正項目各般にわたりまして、業者の規模の大小によって不公平な取り扱いを受けることはならないように配慮しておりますし、そのようなことはないと考えておるわけでございます。
○青山委員 悪質な業者を排除していく、それから警備員の非行、不祥事をなくしていく、これを防いでいく、このことは全く必要だと思いますが、警備業者として不適格であるからこれを排除していくということと少し視点が違うように思うのです。警備業者として不適格なものは、現行法でも欠格事由が設けられてこれは排除することができるわけですね。ですから、不適格なものは当然ないわけです。ただ、警備業者として、中小業者の中には優良な警備業者も間々ある。しかし、今回の法改正から見ますと、規制が強過ぎて大手業者寄りだという印象を与えているのですが、その辺の御見解はいかがでしょうか、こういう意味でお尋ねをしておるのです。教育を徹底させて犯罪を防ぎ、悪質な業者をなくしていくということと今回の規制、それは全く不適格な業者であるかないかという問題とは、少し異質な論点だと思うのです。その辺、いかがでしょうか。
○谷口政府委員 今回御審議をお願いいたしております改正法の項目は、大きく言って三つに分かれるかと思います。 第一点は、警備業の要件に関する問題でございます。これが現行法で言いますと欠格事由に該当するものでございます。これは暴力団等につきましては、現行法の特定の前科者に関する規定だけでは排除できませんので、これを排除できるようにお願いする。それを踏まえて、届け出制から認定制に移行していただきたいというのが第一点だと思います。この点につきましては、これは健全な経営をやられております大部分の業者にとっては、何らの負担になるものではないと思うのでございます。 それから第二の改正の問題でございますが、これは教育関係だと思います。 教育につきましては、ただいまもお答え申し上げましたように、現在教育に当たらなければならないということになっておるわけでございます。その教育の科目あるいは時間等につきまして総理府令等で規定されて、各業者の責任において実施していただいておるところでございますが、だれがどのようにしてやるかということについて明らかにされてないために、必ずしも十分その機能を果たしていないということで、この教育関係の改正では警備員の指導教育責任者制度というものを新設して、その責任者が中心になって教育をしていただくことはもとより、日常の業務遂行を通じまして指導していただくということでございます。 もちろんその責任者は、都道府県公安委員会の行う講習を受けなければならぬという負担があるかもしれませんけれども、これは一回だけのことでございまして、どんな規模の小さい業者であってもそう負担にはならないと思いますし、仮に負担になったところで、指導の責任に当たる人が十分な知識、能力を持っておられる必要があるということで、ぜひお願いしたいということでございます。この点につきましては、業界の方からもぜひやってもらいたいという要望が来ておるところでございまして、その面では規模が大きいから、小さいからという問題はないかと私は思うわけでございます。 それから、第三の改正項目は機械警備に関することでございますが、これは率直に申し上げまして、大手ないしは中規模の業者が実施しておるということでございまして、この点については、強いて申し上げるならば大手、中流の業者の負担になるということでございます。 そういうようなことで、総じて申し上げますと、今回の改正は決して大手企業のみに有利になる改正ではなく、業者の方々、規模の大小を問わず不適格業者を排除し、それから警備員の質的向上を図るために、必要最小限度の規制を盛り込んだ改正であるということでございます。
○青山委員 私が心配しておるのは、警備業界そのものが規模の小さい業者が多いということからして、現状の認識からいたしますと、現在警備業を営んでいる人たちにとって、新しく法改正されることによっての適応力、対応力がさてあるかな、その点が心配です。ぜひひとつ、誠意を持って行政指導していっていただきたいと思います。 現行の警備業法は、警備業者の欠格事由を規定しておりますと同時に警備業の届け出制を採用しております。今回警備業の要件を整備して、届け出制を認定制に改めるということになっております。 まず、警備業の要件についてお尋ねいたしたいと思います。 現行法第三条一号、二号の二項目を「警備業者の欠格事由」として規定してまいりました。これに対して、改正案ではこれを「警備業の要件」と改めて、一号から八号までの八項目にわたって整備しております。しかし、従来の「警備業者の欠格事由」を「警備業の要件」としてきた理由は一体何でしょうか。
○谷口政府委員 改正法の一号から五号までにつきましては、現行法の一号と同じく人的欠格事由ということが言えるかと思います。特定の前科者あるいは禁治産者あるいは暴力団員あるいは覚せい剤中毒者などでございます。 しかしながら、七号でございますが、「営業所ごとに第十一条の三第一項の警備員指導教育責任者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者」というのを規定してございます。つまり、警備業を営もうとする者が認定申請をするに当たりまして、警備員指導教育責任者が選任される見込みがない者、こういった者は警備業を営んではならないということにしたわけでございます。これは、必ずしも人的欠格事由ではないわけでございます。言葉をかえて言いますと、いわば警備業を開始する際の要件ということが言えようかと思うわけでございます。したがいまして、人的欠格事由に七号の開始する際の要件というものをつけ加えたために、「警備業者の欠格事由」を「警備業の要件」と改めたものでございます。
○青山委員 「警備業者の欠格事由」を改めて「警備業の要件」として整備をしていく。その中の第三号で、警備業法や、これに基づく命令、処分に違反し、または警備業務に関し他の法令に違反する重大な不正行為をした者については、五年間警備業を営むことができないとしております。五年間このような者を排除していく理由は何でしょうか。また、重大な不正行為ということは、具体的にどのようなことを意味しておるのか、お尋ねしたいと思います。
○谷口政府委員 警備業が他人の生命、身体、財産を守るという重要な営業であるということ、しかも先生がさきに御指摘になりましたように、その社会的需要を受けてますます発展してきたわけでございます。それだけに、警備業の要件も厳格にする必要があるわけでございます。現行法では、特定の前科者につきまして、「刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過しない者」というだけの規定があるわけでございますが、この三年を今回五年に延長するとともに、これでは対応できない者につきまして、新たに三号で欠格事由を定めまして排除しようということでございます。この警備業法の規定、命令、処分に違反し、または警備業務に関して他の法令、典型的な事例が刑法だと思いますけれども、そういったものに違反する重大な不正行為で、しかも国家公安委員会規則で定めるもの、これにつきましては警備業を営む資格がない、適当ではないということでございます。 そこで問題は、重大な不正行為で国家公安委員会規則で具体的にどういう定め方をするかということでございますが、たとえば警備業法関係で申し上げますと、第十五条で営業の停止命令あるいは廃止命令が出せるわけでございます。その処分に違反する行為または悪質な無認定営業等でございますが、これは命令を含みますが、そういった警備業法に違反する行為で特に悪質なものというもの。 それから他の法令関係では、警備業務を行うに当たり、あるいは警備業者または警備員としての立場を利用して行う窃盗、横領などの財産を害する罪、殺人、傷害等の人の生命、身体を害する罪、それから職業安定法、労働者供給事業に違反するというようなものでございますが、こういった警備業務の実施の適正と密接な関連のある罪に当たる違法行為を、国家公安委員会規則で定めることを予定しておるわけでございます。 そのように、「重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるもの」というのは、二号の禁錮以上の刑に処せられた者と、警備業務の適正な執行を担保するという意味では、同じように悪質であると認められる者を限定列挙いたしまして、その者につきましてはやはり五年間は排除したいということでございます。 ちなみに、欠格期間を五年とする立法例は、宅地建物取引業法あるいは証券取引法などでもあるところでございます。
○青山委員 第四号の問題ですが、これは簡単にお答えいただきたいと思います。 要件の中に、第四号では、「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」は警備業を営んではならないとしております。これは、いわゆる暴力団等に対する欠格事由だと考えておりますが、明らかな暴力団員については排除をしていく、当然であります。しかし、暴力団とのかかわり合いの濃い者、薄い者、いろいろありますが、薄い者まで一律に規定を適用して、すべて排除するということについては問題があると思います。その運用、取り扱い方について、十分注意する必要があると考えますが、御見解はいかがでしょうか。また、犯罪を犯すおそれまたは「相当な理由」、これはどのように判断をされるおつもりか、お尋ねしたい。
○谷口政府委員 犯罪を犯すおそれといいますのは、犯罪を犯す可能性または蓋然性があるということになります。それから「相当な理由」というのは、単に主観的なものではなくて、社会通念上、客観的、合理的に見てそのように判断されるということでございます。 そこで、犯罪を犯すおそれがある相当な理由があるか否かの認定でございますが、都道府県公安委員会が一定期間におきます前科、前歴はもとよりでございますけれども、その罪種、罪数、言動、暴力団との関係等を勘案いたしまして、将来ここに規定されております犯罪を犯す可能性があると社会通念上、客観的、合理的に認められるかどうかにつきまして判断するということになるわけでございます。 おっしゃるとおり、その認定につきましては、警備業を営めなくなる、あるいは警備員になれなくなるという重要な意味があるわけでございまして、この運用につきましては十分慎重に取り扱う必要があろうかと思うわけでございます。
○青山委員 認定制についてお尋ねをいたしたいと思います。 現行法第四条は、警備業の届け出制をとっております。警備業者が欠格事由に該当しているかどうか、事後審査となってきたわけです。今回の法改正で、警備業者が欠格事由に該当しているかどうか事前に審査するということで、認定制を設けていくことになるわけですが、警備業を営もうとする者は事前に認定を受けなければならないということになりますと、憲法第二十二条の営業の自由との関係が問題になってまいります。この認定制度と憲法第二十二条に規定しているところの営業の自由との関係をどのように考えておられるのか、どうですか。
○谷口政府委員 憲法第二十二条第一項は、公共の福祉に反しない限り職業選択の自由を保障しているところでございます。つまり、職業選択の自由といえども、公共の福祉のために政策的見地から、法律をもってこれを制限し得るという趣旨だと解されているところでございます。 そういう意味でございますが、今度の改正は、あくまでも警備業を営む自由というものを前提としながらも、最近の警備業者の不適正事例にかんがみ、不適格業者の排除を初めとします警備業務の適正化の制限でございまして、公共の福祉のために若干制限するというのもやむを得ないのではなかろうかと思うわけでございます。
○青山委員 今回の認定制について少し重要な問題がありますのでお尋ねをいたしますが、この認定の法的性格というのはどんなものでしょうか。その法的効果というのはいかなるものでしょうか。 その認定の法的性格というのは、いわゆる準法律行為的行政行為であるところの確認であると考えます。すなわち、認定を確認行為と構成するのは、警備業の要件に該当しているのか否かを事前に審査するものであって、行政行為の体系の中ではこれは確認行為と観念されるものであります。したがいまして認定は、単に第三条の「警備業の要件」に該当しているか否かの判断の表示にすぎない。しかし警備業法では、この認定に伴い、プラスアルファの法的効果、すなわち認定を受けた者に対して警備業を営むことができる地位を付与しているのだとしますと、この認定は実質的には許可制度だと言わなければならぬのではないのでしょうか。実質的には許可制度と何ら異ならないと思うのですが、今回の法律案で言う認定制と本来の許可制とどう違っていくのか、お尋ねいたしたい。
○谷口政府委員 認定に対します法的性格、また本法によりまして付加されました法的効果につきましては、先生御指摘のとおりでございます。しかしながら、現行法の届け出制と改正法の認定制とは、実質的には同じだと思うわけでございます。つまり、営業の自由を最大限に保障しながら、特定の欠格事由に該当する者を排除する、その者につきましては営業を認めないというたてまえをとっておるわけでございます。その欠格事由に該当するか否かの審査というものが、現行法の事後審査である届け出制から改正法の事前審査に移行をするというだけでございます。 これに対しまして許可制と申しますのは、特定の能力、資力あるいは信用等がある者につきまして行政庁が判断して許可をする、つまり禁止が解除されて初めてその当該事業ができるという制度でございまして、その場合の罰則の担保につきましても、許可制と警備業に関する届け出制あるいは今度の改正法に基づく認定制とは、本質的に異なるものと考えておる次第でございます。
○青山委員 ここは大変微妙なところですね。実質的には同じということですが、許可制度の本来のたてまえと今回の認定制度の基本的な立場が違う、こういうことでしょうね。 時間がありませんので、そこで、今回の改正案で認定証の有効期間を五年と定めて、更新時には公安委員会で警備業の要件を審査するということでありますが、認定証の有効期間を五年と定めている根拠は何か、また、更新の審査はどんな方法でやられるのか、お尋ねしたい。
○谷口政府委員 一度認定を受けた者でありましても、時間の経過に伴いまして警備業の要件を満たさなくなるということが考えられるわけでございます。その把握につきましては、当然のことながら立ち入り、その他の調査によって行うわけでございますが、必ずしも十分でないということがあります。そこで、五年ごとに警備業の要件についてチェックするということで、認定証の有効期間を五年と定めることにしたわけでございます。許可制の場合の更新期間でございますが、大体三年から五年というようなことで決められておるわけでございます。そういった他の立法例をも参酌しまして、こういう制度を設けたということでございます。 それから、更新の審査でございますが、認定申請時の場合と同様でございまして、必要な書類の添付、関係機関への照会、あるいは警察の既存資料等によって慎重に行うこととしておるところでございます。
○青山委員 この法律では、更新申請ができる期間、更新期間は法律事項とはしない、法第十七条の三、総理府令で定めるということにしております。しかし、たとえば道路交通法百一条によりますと、運転免許証の有効期間の更新については、免許証の有効期間が満了する日の一カ月前から当該期間が満了する日までの間に更新手続をすることとなっております。こういうことで、法律事項として定められておるわけですが、今回警備業法においては更新期間を総理府令、府令事項とした理由はどんなところでしょうか。
○谷口政府委員 細かい点につきましては総理府令で定めることにされておりますけれども、現在のところ、更新申請の期間につきましては、総理府令で定めることは予定しておりません。 道路交通法に定められておる運転免許との関係がございますが、御案内のとおり運転免許者というのは多数に上るわけでございますが、今度の場合三千余の業者でございますので特にその必要はなく、業者の方も、五年ごとのチェックはお忘れなく申請されるということを前提にしておるわけでございます。
○青山委員 有効期間満期ぎりぎりに書類が提出されてくるというようなときには、一体その事業はどうなっていくのかという問題が出てきますので、この問題についてもひとつ対応できるようにしておいていただきたいと思います。 次の問題は、前質問者と大体合いますのでやめます。 そこで、警備員の制限について、第二号で、禁錮以上の刑を受け、また第三号では、重大な不正行為をなした者は五年間警備員になることができないとしておりますが、警備員の排除をそこまで徹底して行う必要があるのかどうか、お尋ねがしたい。むしろ私は、午前中の質問者からもありましたけれども、一定の刑を受けても、その後まじめに社会復帰をしようとする者の雇用の機会を奪ってはいけない。今回、この五年間の期間が設けられたことによって警備員になれない、こういうことによって雇用の機会を奪うことになってはいけないと思うのですが、いかがでしょうか。そういう意味で、現行法の三年間ではなぜいけないのか、お尋ねしたいと思います。
○谷口政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますように、警備業務の持つ重要性にかんがみ、現行法でも特定の前科者について、三年を経過しない者は欠格事由に該当する者として排除されておるわけでございます。この禁錮以上の刑に処せられた、それと、警備業法に違反して罰金の刑に処せられたというふうに限定されておるわけでございます。いわば重大な犯罪であるということでございます。 問題は、三年を今回五年に延長したのはどうかということでございますが、やはり警備業務の持つ社会性、公共性、重要性といったものから、この欠格事由をより厳しくすべきではないかという判断から、これも他の立法例でございますが、証券取引法に言う証券外務員あるいは保険募集の取締に関する法律の生命保険募集人が、いずれも五年ということになっておりますので、そういった立法例をも参酌いたしまして、このたび五年にしたものでございます。
○青山委員 次に通告してある問題は、すでに質問がありましたのでやめます。 警備員指導教育責任者制度の新設がありますが、これは営業所ごとに警備員指導教育責任者を、警備員指導教育責任者資格証の交付を受けている者のうちから選任しなければならないこととなっております。このような義務づけは、中小の警備業者にとって大変な負担になっていくと思います。まさに中小警備業者の排除につながってはいけないと思いますが、その辺の御見解はいかがでしょうか。
○谷口政府委員 今回の改正法で警備員指導教育責任者制度を新設しまして、営業所ごとに配置していただくということでございますが、私どもの調査でもすでに警備業者の九四%が、それぞれの社において教育担当者を決めておるわけでございます。そういった担当責任者が、都道府県公安委員会の行う講習を受けていただきまして、そして教育にあるいは指導に必要な知識等を得ていただきまして、その方たちが中心になって警備員に対する指導、教育をお願いするということでございます。業者の規模の大小にかかわらず、若干負担になるかとも思いますけれども、指導、教育というものの充実強化がきわめて重要でございますので、特にお願いしておるところでございます。
○青山委員 次に、機械警備業についてお伺いをいたします。 機械警備業は、特に夜間無人の店舗、事務所等における防犯に大きな力を発揮しており、今後ますます普及するものだと思います。今回、改正法律でこのような機械警備についてその適正化を図るため、機械警備業に対する規定を新設することとしております。そのうち、十一条の七で即応体制を整備することとして「機械警備業者は、都道府県公安委員会規則で定める基準に従い、基地局において盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に、速やかに、現場における警備員による事実の確認その他の必要な措置が講じられるようにするため、必要な数の警備員、待機所及び車両その他の装備を適正に配置しておかなければならない。」こととしております。ここにある「都道府県公安委員会規則で定める基準」というのは一体何ですか。その内容を御説明いただきたい。
○谷口政府委員 その内容につきましては、盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に、警備員が現場に到着するまでに要する時間が一定の時間、たとえば三十分以内となるように警備員、車両を配置すべきことなどを基準として定めることが考えられるところでございます。この規定は、そもそも即応体制が不十分なために機械警備業務の実施の適正が害されることがないようにするためのものでありまして、基準も必要以上に業者に過重な負担をかけないように配慮してまいりたい、こう思っております。
○青山委員 そこで、その基準というのが一体どんな性格を持っておるものか、すなわち強制力を有するものであるのかどうか、また機械警備業者がこの基準に適合しない場合にはどのように対応なさるおつもりか、お尋ねいたしたい。
○谷口政府委員 この基準は、これに従って業者が体制を整備しなければならないという法的義務を課するものでございます。したがいまして、これに違反した場合でございますが、軽微なものにつきましては、当然のことながら都道府県公安委員会、都道府県警察の指導によって改善を図らしめるということになりますが、悪質な違反につきましては、第十四条の規定によりまして具体的に改善方を指示することにしております。
○青山委員 「都道府県公安委員会規則で定める基準」については、当面、警備員の到達時間等によりその基準を定めることとなっておるようですが、この基準を都道府県の公安委員会規則で定めることとしておるところの地域的特性を考慮するということですが、地域的特性についてはどう考慮していかれるのか、お尋ねしたい。
○谷口政府委員 地域の人口密度だとかあるいは道路交通状況、犯罪の発生状況等、いろいろな条件を総合的に判断いたしまして、その地域の実態に合った基準を当該都道府県公安委員会規則で定めていくことを考えておるところでございます。
○青山委員 最近、防火防災を警備会社に委託する傾向が強くなっております。機械警備のこの分野への進出も相当著しいと聞いております。先般のあの大惨事を起こしましたホテル・ニュージャパンにおきましても、ホテルの消防計画の中に、警備会社の警備員が自衛消防隊として組み込まれているというのが現状でした。このような防火防災の警備業務について、残念ですが、今回の法改正では何らその措置が講じられておりません。しかし、警備業の目的が人の生命、身体、財産の安全を守るということにある以上、防火防災に関する警備業のあり方というものを検討する必要があると思います。その辺の警察庁の御見解はいかがでしょうか。
○谷口政府委員 現行法の警備業務の中には、防火防災業務が含まれておらないことは事実でございます。現在、警備員に対する各種の教育を義務づけておりますが、その際にも防犯的観点からの教育が大部分でございます。 しかしながら、今回の火災などにかんがみまして、火災を初めいろいろな事故が起きた場合の関係者の避難誘導措置、こういったものにつきましても警備員の活躍する分野があるわけでございまして、そういった点で、この教育項目につきまして再検討を加えていく必要があろうかと思いますし、また、すでに東京都では警視庁と東京消防庁とが協力して、東京都警備業協会の教育責任者に対する講習の際に、それぞれの立場から必要な教養を行っているところでございまして、そういった面も参酌しながら実のある、現状にマッチした指導、教育というものに努めてまいりたい、こう思っておるところでございます。
○青山委員 おっしゃるとおり。ところが、日本警備保障株式会社の定款の話が先ほど出ておりましたが、あれを見せてもらいますと防犯のみならず防火防災に関する業務を行っている、これが現実です。警備業がこうした防火防災に関して広く活躍しているという現実認識に立ちますと、今回何らかの対応措置がとられてもよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○谷口政府委員 警備業務のうち、防火防災業務との関連で出てきますのが施設警備でございます。施設警備の対象といいますのがほとんどビル等、あるいは工場という大規模な建物、施設ということになるわけでございます。そうなりますと、消防法でそれぞれの会社等が防火管理者を定め、その責任において必要な消防計画を立て、それに警備員が支援するというような形で行われておるところでございます。そういう面で、これは消防当局の方で十分指導されておられるところでございましょうし、今後とも指導を強化されていくことと思います。 私どもといたしましては、やはり警察の業務に関連するものとしての警備業者に対する指導監督を強化し、消防当局は消防法等の関係法令に従いまして、それぞれの行政指導が行われるところでございます。今回の火災を契機にいたしまして、それぞれのレベルでより密接な連携をとりながら警備業者に対する指導を強化してまいりたい、こう思っておるところでございます。
○青山委員 警察庁の立場から見れば、おっしゃるとおりであろうと思いますが、警備業法をより整備をしていくためには正しい現実の認識が必要である、そういうところから見てまいりますと、今日警備業が防火防災に果たしている役割りというのも、見落としてはならない重要な役割りだと私は思います。そういう意味で消防庁、防火防災について警備委託をどのように受けとめておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○鹿児島政府委員 警備の委託につきましての基本的な私どもの考え方を申し上げますと、御案内のように防火管理につきましては、私どもは、基本は自主防災組織、自主防火管理ということをたてまえにいたしております。このたてまえに基づきまして防火管理者を選任し、消防計画を作成し、これに基づいて自衛消防組織をつくり、訓練を行い、消火活動をするというたてまえになっております。 しかしながら、先ほど来お話がございますように、現実には社会の省力化の中でいわゆる無人化の建物でありますとか、あるいは警備を全部または一部委託する建物というのが出てまいりまして、率直に申しまして、こういう施設につきましてどのように消防が対応するかということに、私どもは苦慮いたしておるわけでございます。その結果、昨年の秋から、私ども防火管理の体制の研究会をつくりまして、その中で夜間対策でありますとかあるいは無人化対策でありますとか、そういう問題について現在検討中でございます。 私ども、基本的には、やはりビルの管理者なりあるいはビルの占有者なりというものが自主的に管理していただくことが望ましいとは思っておりますけれども、しかしながらいま申し上げたような社会一般の情勢がございますので、これを消防計画の中であるいは防火管理体制の中でどのように組み込んでいくかということを鋭意検討中でございます。
○青山委員 警備業務の中には、火災に対する防止あるいは災害を防止する、そういう役割りも、ただ単に犯罪を防ぐというだけではなくて重要な業務として今日現実にはあるという点から考えますと、今後の問題としては、これはぜひ警察当局と慎重にしかも確実に連携をとって、今後の問題として対応してくださるように要望を申し上げておきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○中山委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 まず、改正法案の内容について伺いたいと思います。 第三条で、従来の欠格事由の二項目に新たに六項目を加え八項目としていますけれども、第三条の三号で「警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者」という規定がありますけれども、この規則の内容は一体どういうものでしょうか。
○谷口政府委員 警備業法関係では、第十五条で営業の停止、廃止命令を出すことができるようになっておりますけれども、この処分に違反する行為、あるいは悪質な無認定営業等の警備業法、命令を含みますが、これらの規定に違反する行為で特に悪質なものを定めることになっております。 それから他の法令関係では、警備業務を行うに当たって、または警備業者もしくは警備員としての立場を利用して行います窃盗、横領等の人の財産を害する罪、殺人、傷害等の人の生命、身体を害する罪、その他職業安定法違反など、警備業務の実施の適正と密接な関連のある罪に当たる違法な行為を定めることを考えております。
○岩佐委員 同じく第三条の四号で、これも「国家公安委員会規則で定めるもの」というふうな記載がされていますけれども、どのようなものを想定しているのか、伺いたいと思います。
○谷口政府委員 「暴力的不法行為」そのものは、暴力的手段をもって人の生命、身体または財産を害するような不法な行為を言うわけでございます。国家公安委員会規則では、凶悪犯罪等の暴力的不法行為その他暴力団員が犯しやすい犯罪行為などを定める予定でございます。たとえば殺人罪、傷害罪、暴行罪、それから凶器準備集合罪、脅迫罪、強要罪、威力業務妨害罪、恐喝罪、強姦罪、強制わいせつ罪、暴力行為等処罰法違反があります。それ以外に、窃盗罪とか賭博罪、それから銃刀法違反、覚せい剤取締法違反、麻薬取締法違反などが考えられると思います。
○岩佐委員 暴力団排除を目的としたものというふうにうかがえるわけですけれども、たとえばデモ隊に暴力団などが襲いかかった場合、みずからの身体を守るために正当防衛をした場合、よく警察は暴力団をつかまえないでデモ隊の方を逮捕をする、そういうようなことがあるわけですけれども、こうした正当防衛的なもの、こういうものはこの号に該当しないというふうに考えますけれども、念のために伺っておきたいと思います。
○谷口政府委員 ここで暴力的不法行為と申しましても、これはそれぞれ具体的なケースと申しますか、認定申請にかかる方あるいは警備員について個々に判定するということになるわけでございまして、具体的な事例で入る、入らないという問題はちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○岩佐委員 しかし、いま言ったような正当防衛的な事例、こういうものまで「国家公安委員会規則で定めるもの」とするというところに含まれてしまう、つまりそういうものもかかってくるんだということなのかどうか、そこのところをやはりはっきりさせておかないと、これは法案審議ですので困るわけですね。ですから、個々の事例だというケース・バイ・ケースの一つの物差しというのがあると思うのですね。その一つの例としてこういうものはどうかということで聞いているわけで、答えがない場合、これはちょっと議論にならないということになると思うのですが、いかがでしょうか。
○谷口政府委員 本号はもっぱらと申しますか、暴力団を排除するということを目的にしておるわけでございまして、そういう面で常習的または集団的に云々ということになっております。通常の場合には、まず該当しないと考えて結構だと思います。
○岩佐委員 それから第三条の問題で、先ほどの論議の中で、会社だけではなく個人にもかかるという説明であったわけですけれども、たとえば第五号にかかわる病気を持っていて、そして本人が隠している場合、だれがどういうチェックをするのか。会社がそれはするのかどうかですね。そこのところを伺いたいと思います。
○谷口政府委員 警備員の制限というか、警備員の人的欠格事由の問題だと思いますけれども、七条に十八歳未満の者またはこの欠格事由に該当する者は警備員となってはならないということがあります。問題は二項で「警備業者は、前項に規定する者を警備業務に従事させてはならない。」という規定がございます。そこで、警備業者は警備員になりたいといった者につきまして、欠格事由に該当するかどうかという調査が必要になってくるわけでございます。現在、欠格事由に該当しない旨の誓約書を警備員になりたいという者が業者の方へ出しまして、そして履歴書等を見て、また面接して、うそがないかどうかを確認して採用するというような形がとられておるわけでございます。 今回の改正で、覚せい剤中毒者などの規定も入ったわけでございますけれども、それに伴って当然業者の方が診断書等の提出を求めるというようなこと等もあると思うわけでございますし、若干調査項目がふえるとは思いますが、業者の方の判断で採用云々ということになろうかと思います。
○岩佐委員 次に、第四条では、従来の届け出制から認定制に変更されているわけですが、認定制は許可制とはどういうふうに違うのか、御説明をいただきたいと思います。
○谷口政府委員 現行の届け出制と申しますのが、警備業はだれでも自由にやってもらって結構である、ただ特定の前科者についてはその資格を認めないというたてまえになっておるわけでございます。具体的な手続では届け出制をしいておりまして、営業開始の前日までに都道府県公安委員会に届け出さえすれば、翌日から営業は開始できるというのが現行法でございます。 今回の改正でこの人的欠格事由を整備いたしまして、「警備業の要件」ということで項目がふえるわけでございますが、そうなりますと、この欠格事由に該当するかどうかという審査も若干時間がかかりますので、認定制つまりあらかじめ審査をするという事前審査に切りかえたわけでございますが、たてまえとしては営業の自由を保障しながら、それを前提としながら、特定の欠格事由該当者を排除するということになっておるわけでございます。 それに対しまして許可制と申しますのは、その事業が一般的にも禁止されておる、ただ特定の資格、能力、信用のある者につきまして行政庁の判断に基づきまして許可をする、禁止を解除するという形になっておりまして、無認定営業あるいは無届け営業と無許可営業に対する罰則が違うのも、そういった法的性格が異なるということに基づくものでございます。つまり、現行の届け出制と改正法の認定制とは基本的には同じで、許可制とは法的性格が異なるということだと思います。
○岩佐委員 第十一条の三の五項で、「警備員指導教育責任者講習の実施を委託することができる。」というふうになっているわけですけれども、「総理府令で定める者」とはどういうものなのか。 また、社団法人全国警備業協会、ここに委託をするのではないかということが言われているわけですけれども、それは事実なのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
○谷口政府委員 警備員指導教育責任者制度というものを新設いたしまして講習を行うということでございますが、この講習は各都道府県公安委員会が直接実施するということでございます。と申しますのは、この警備員指導教育責任者というものが、各業者の警備員に対する教育、指導の中心になるということでございまして、きわめて重要な講習であるわけでございまして、各都道府県公安委員会が関係団体などの御協力もいただきながら実施するということでございまして、現在のところ、これを委託するということは考えていないところでございます。
○岩佐委員 現状では委託をする考えはない。しかし、この条文上は将来のことを見越したものだというふうに思えるわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○谷口政府委員 現在も近い将来も委託するつもりはないわけでございますが、将来適当な団体ができたときには、事務量等をも勘案し、委託することも考えられますので、改正法案ではこの第五項「委託」という規定を置いておるところでございます。
○岩佐委員 将来の問題として考えた場合に、この「総理府令で定める者」の考え方ですけれども、現在全警協というのが一番大きな業者の団体としてあるわけですが、全警協に入っていないけれども、たとえば大阪府では大阪府警備連盟、そういう有力な業者団体があるわけです。この団体は五十年に設立をされて、現在七十七の警備会社が加入をしている、そういう団体がある。こうした場合、たとえば一つのうんと大きなところ、あるいは大阪の有力なところ、そういうような、それぞれ、もし委託されるとすれば、委託対象になり得るというふうに考えられるわけですけれども、この点はいかがなんでしょうか。
○谷口政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、この新しい制度は警備員に対する指導、教育の充実強化の根幹をなすものでございます。そういう面で、この講習も重要な意味を持っておるわけでございます。したがって、各都道府県公安委員会がみずからの責任において実施するということでございます。しかしながら、もとより専門的知識を教育するという場合もございますので、関係団体等の御協力もいただくということでございまして、現在も近い将来も、他の団体に委託するということは考えていないということでございます。
○岩佐委員 改正法案の第十一条の七の問題ですけれども「基地局において盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に、速やかに、現場における警備員による事実の確認その他の必要な措置が講じられるようにするため、」とあります。この「現場における警備員による事実の確認」、これはわかるわけですけれども、「その他の必要な措置が講じられるようにするため、」そういう仕事というのは、これは本来は警察の仕事の範囲になってくるのではないかというふうに考えられるわけですけれども、いかがでしょうか。
○谷口政府委員 警備業務は、他の人の委託、需要に基づきまして、その生命、身体、財産の保護に任ずるという私的な営業でございます。その委託を受けた警備業務の内容といたしまして、機械警備の関係で申し上げますと、たとえば、夜間無人になるビルだとか工場に必要なセンサーを設置いたしまして、異常があった場合には警備業者の基地局に連絡がある。その場合には、待機所におります警備員が現場に急行しまして、異常の有無を確認するということでございます。 その他必要な措置ということでございますが、たとえば現場に急行してみたところ、ガラス窓が破られておって、中に犯人がいるようだといった場合には、その犯人の行動を確認するとか、あるいは現場保全のことをやるというようなことでございまして、これはあくまでも、そのビルあるいは工場の経営者が守衛さんにやってもらうことを、かわりに警備員が補完あるいは代行するという措置でございます。
○岩佐委員 同じく第十一条の七では、警備員の待機する施設を待機所と言うと規定をしていますけれども、第十三条では、警察職員がその待機所に立ち入り、検査、質問することができることになっています。 巡回先の会社に、ガードマンが制服に着がえたりあるいは休憩したり、そういう場所が設けられている、いわゆる待機所というのが設けられている場合があります。そういうところまで警察職員が立ち入りするということなのかどうか、伺っておきたいと思います。
○谷口政府委員 今回の改正で、立ち入りの対象に待機所を含めることといたしましたのは、機械警備業に対する規制を新設いたしまして、即応体制の整備義務等において待機所が重要な意味を持つことになったことに対応いたしたものでございます。したがいまして、そういったビル等のいわゆる施設警備におきまして、契約先のビル等の内部にあります警備員が休養をとる場所、詰め所でございますが、こういったものにまで立ち入ろうという趣旨ではございません。
○岩佐委員 今回の法改正にはありませんけれども、第十二条で警備員の名簿等を備えつけなければならないという規定があります。 中には、住民票を提出させたりあるいは五本の指の指紋をとらせた上に、さらに別の拇印を押させる、そういうような会社があるというふうに聞いています。こうしたことは施行令にも書いていないことです。指紋をとらせるなどは明らかに行き過ぎだというふうに思いますけれども、一般論としてどう考えておられるか、伺いたいと思います。
○谷口政府委員 第十二条の書類の備えつけの中の「書類」でございますけれども、住民票につきましては義務づけておりません。それからまた、指紋採取につきましても、そういうことを指導したことはございません。
○岩佐委員 この指紋をとらせるということについて、行き過ぎだというふうに思いますけれども、その点のお考えを伺いたいと思います。
○谷口政府委員 指紋採取については人権にかかわる問題もございますので、やはり業者の方々も慎重に対処してもらいたい、こう思います。
○岩佐委員 事件が起こった場合ですけれども、警備員が警察に連絡をして警官が現場に来ますと、よく警官の指示で警備員が働かされるというようなことがあると聞いています。警備員は契約会社との民事上の契約があって、独自に依頼主の財産や身体の安全を守るというような活動をしなければならないはずだと思います。警官の指示に従う必要がないように思いますけれども、どうでしょうか。
○谷口政府委員 警察官は、それぞれ警察法等に基づきまして国民の生命、身体、財産の保護に任ずる警察活動を実施しているところでございますし、警備員は他人の委託に基づきまして警備業務をやっておるということでございます。したがって、そこに基本的に性格が異なるわけでございます。警察官が警備員に対して指示、指揮するということはあり得ないわけでございます。ただ、機械警備等の場合に特に出てくるわけでございますが、あるいは雑踏警備などに当たりましても同じような任務をしているということで、相互に連絡をとりながらやるという場合もあるわけでございます。その場合であっても指示、指揮関係ではなくて、あくまでも一般私人として国民の立場において協力を要請するということになろうかと思います。
○岩佐委員 ちょっと前に戻りますけれども、先ほどの十一条の三の五項の問題です。これは、現在のところあるいは近い将来は考えていないというお話でしたけれども、その近い将来というのは一体何年ぐらいを考えておられるのか。遠い将来には、五項というのはある限り必ず適用されてくるわけですから、ちょっとその考え方を伺っておきたいと思います。
○谷口政府委員 近い将来が何年かという御質問でございますけれども、直ちにお答えしかねるわけでございます。ただ、私お答え申し上げたいのは、あくまでも指導教育責任者が重要な任務を持っておる、したがってその講習も重要である、そこで各都道府県公安委員会がその講習の実施責任者になるのだ、こういうことでございます。 遠い将来の問題でございますけれども、先生御案内のとおり、委託と申しますのは、委託を受けた以上、委託者にかわってその講習の責任者になるわけでございます。法的に重要な意味を持つわけでございます。そういう意味におきまして、委託を受ける団体がその講習を行うにふさわしい講師陣を備え、それから施設を備え、そういった体制が整備された場合に初めて委託というのは出てくるということだと思いますが、その場合にそういう団体がいまあるじゃないか、近い将来あるじゃないかと言われても、私ども、近い将来は委託するつもりは毛頭ないということでございます。
○岩佐委員 ちょっとしつこくなるかもしれませんけれども、そうすると条件整備をされた場合、たとえば業界が全国一つにまとまっているということであれば一番問題がないのでしょうけれども、一つにまとまらないで幾つかに分かれているという場合に、それでもそれぞれ一つ一つの業界の連合体について条件を満たしているという場合、つまり複数に対して委託ということをやっていくのかどうか、あるいは相手が一つでなければ一つになるまでやらないのだということなのかどうか、その辺のところをちょっと伺っておきたいと思ったわけです。
○谷口政府委員 そういう全国規模あるいは特定の都道府県規模の団体であるかどうかということは、かかわりはないわけでございます。 それから、講習を受ける者の数でございますけれども、現在業者が三千以上あります。営業所はもちろんそれより多いわけでございますが、確かに改正法が可決成立した暁でございますけれども、一年以内に講習を受けなければならぬということになっております。その施行後一年間は、相当の事務量になることは否めないと思いますけれども、一たんそれが過ぎますと、別段、資格者証をもらった者は永久にというわけではございませんけれども、引き続き責任者として指導に当たってもらうということになっておりますので、そう受講者数が多くないということ、それからこの講習は警察庁ではなくて都道府県公安委員会が行うということになっておるわけでございまして、それぞれがやりますので、そう負担にならないということでございます。そういう面におきまして、現時点でもあるいは近い将来においても、各都道府県公安委員会がみずからの責任において講習することができるし、そうしなければならない、こう考えている次第でございます。
○岩佐委員 次に、今回の改正の中には含まれなかった問題に、ガードマンが労働運動や市民運動あるいは住民運動に介入をする、こういう問題があります。現在の法律の審議の際、こうしたものに対する規制が盛り込まれずに、国会の衆議院地方行政委員会ではこの件について附帯決議がつけられたわけです。今回もこのような問題に対する規制がないわけですけれども、なぜそれをしなかったのか、御説明を願いたいと思います。
○谷口政府委員 現行法の法案を御審議いただきましたときに、当委員会において附帯決議がございまして、第二項でございますけれども、「警備業務を行なうにあたり、いやしくも労働者の労働基本権を侵害し、または正当な争議行為その他労働組合の正当な活動に干渉することがないようにすること。」ということでございます。この点につきましては、その際の審議に政府委員から答弁いたしておりますように、この第八条で、後段でございますが、「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」というように明示されておるわけでございまして、こういった警備業務実施の基本原則が明らかにされておるところでございます。各業者も、この点遵守に努めてきておられるところでございますし、私どももこの八条違反にならないように、業者に対する指導に努めてきたところでございます。
○岩佐委員 この法律ができてから五十六年までの間に、労働争議に関するもの、そういうトラブルが七件、それから大型店舗建設反対等の住民運動に関するトラブルが七件、それから学園紛争に関するものが三件、計十七件という資料が警察庁の防犯課から出されているわけでございます。この資料というか、私の手元に出していただいたわけでございますけれども、この十七件についてどういう措置をとられたのか、伺いたいと思います。
○佐野説明員 現場で被疑者を逮捕したりあるいは検挙しておりますのは七件ございます。それから、行政処分を行っておりますのが四件という報告でございます。
○岩佐委員 業者に対する、会社に対する処分がどのような形で行われたのか、行政処分というのは一体どういう中身であったのか、伺いたいと思います。
○佐野説明員 行政処分と申しますと、指示処分ということとそれから営業停止と二種類ございます。その両方ともございます。
○岩佐委員 営業停止は何件でしょうか。それから、その指示処分というのは何件で、どういう指示を出されたのでしょうか。
○佐野説明員 停止の日数が、現在把握しておりますのでは七日間、その他の指示処分については通常、これは推測で恐縮でございますが、多分警備員に対する指導、教育の不徹底というふうな点が、指示処分の原因になっておろうかと思われます。
○岩佐委員 その十七件のうち、営業停止七日間というのは、一件につき七日間ということですか。
○佐野説明員 仰せのとおりでございます。
○岩佐委員 この資料、十七件のうち全部が出ていないので全体がわかりませんけれども、具体的事案のうち主な例ということで幾つか示されております。労働争議のが三件、それから大型店の方が二件、それから学園紛争が一件、計六件ですか、出されていて、そしてそれがすべてが傷害事件になっている。つまり、労組員が一週間の傷害を加えられたということとか、労組員が負傷したとか、組合員がけがをして建造物も破損したとか、そういうけがをしたり目立った事故になった、そういうものがここに出てきているんだというふうに思うわけですけれども、それこそそういう目につく形で出ない干渉、介入というのは数知れずあるんではないか、そういうふうに推測をされるわけです。 最近でも、港区南麻布の安立電気旧本社跡地に米軍ホテルを建設をするという話が持ち上がって、地元住民の反対運動が起こったわけですけれども、住民を納得できないままに去年の五月十四日、工事用の資材を強引に建設現場に搬入しようとして、周辺住民ともみ合いになって、主婦が三人このもみ合いでけがをするというようなことがあったわけです。このときも、会社が雇ったガードマンが資材運搬の強行を助けているわけです。 これは、新聞にもかなり大きく報道をされているわけですけれども、住民とトラブルを起こしている会社と契約をして、そして会社の財産などを守るための警備の範囲を越えて、会社側の要請でその住民、市民、そういう人たちに手を出すということは、そもそも違法行為であるわけです。こうしたことはあってはならないわけです。 第八条違反の場合に、先ほど十四条、十五条でできる、罰則があるんだということを言われていましたけれども、この現行のままでいくと、直ちに罰則を適用するということではなくて、違反の程度に応じて、軽い違反には説明があったように指示だ、重い違反には営業の停止というふうに、それぞれ警察が判断をしてそして処分をするということになって、裁量がかなり働いてくるわけですね。やはりこうした違法行為の問題に対しては、第八条できちんと罰則を設けるべきだというふうに考えるわけですけれども、御意見を伺いたいと思います。
○谷口政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、第八条は、警備業務実施の基本原則でございます。ちなみに前段では「警備業者及び警備員は、警備業務を行なうにあたつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、」それから後段で「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」という、いわば警備業者あるいは警備業法の中心規定でございまして、憲法的な規定であるということでございます。 これについて直罰を設けることについては、いささか問題があろうかと思うわけでございます。いままでお答え申し上げたように、この八条違反のある場合には直ちに指導する、それからそれでいかないという場合については指示あるいは停止命令を出して、それに従わない場合には罰則で担保するという現行法のたてまえが妥当ではないかと思うわけでございます。
○岩佐委員 ただ附帯決議で、こうした労働基本権あるいは市民の基本的権利を侵すことをしてはならないのだということをうたい、そしてこの法律ができてからも、見方によっては十七件というのは少ないという警察の説明もあるようでございます。しかし一方では、目に見えたものだけでも十七件、目に見えないものというのは、たとえば私どものすぐ近くで、公団と住民が道路の建設をめぐって対立しているときに、ガードマンがその紛争の場に配置をさせられるために雇われて、そしてトラブルが起こっているという例なども直接ぶつかったわけです。こういうことというのは減っていないし、むしろこれからいろいろ問題が起こることも可能性としてあるのではないか。そうした場合にいまのような、十七件のうち営業停止が一件、しかも七日間ということだけでは不十分である。この問題がもっと厳しく配慮をされた法案にすべきだと思うわけですけれども、この点伺いたいと思います。
○谷口政府委員 現行法が制定されましたのはちょうど十年前でございますが、その当時は、残念ながら労働争議をめぐる警備員による不適正事案が多発したことは御案内のとおりでございます。そのことをも踏まえまして、現行法が制定されました。その後、私どもが報告に接しておるのは十七件でございます。それも年々減少してきておるということでございます。これも現行法が、業者の方々の自覚をもまってだと思いますけれども、適正に運用され、警備業法の制定の趣旨にもかなっているのではなかろうかと思うわけでございます。 ただ、こういった基本的人権にかかわる事案については、一件でも起きたらいけないわけでございます。やはり警備業者あるいは警備員一人一人が、この八条の持つ重みというものをしっかりと受けとめて実施してもらわなければならぬと思うわけでございます。警備業者、警備業全体が、社会的需要を踏まえて年々成長してきておるわけです。現に、もう十二万人余の警備員が配置されておるわけです。これの果たす社会的な役割りを無視することはできないわけです。それを踏まえて、警備業者から不適格な者を排除し、また警備員からも排除し、しかもレベルアップを図ろうというものが今回の改正でございます。 そういうことで、先生御指摘のとおり、こういった労働運動関係はもとよりでございますが、その他の住民運動絡みにつきまして、今後とも警備業者、警備員が適正に業務を執行するように、私どもとしては指導に努めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○岩佐委員 十七件について多いか少ないかという問題は、議論があるところだと思います。私は、やはり十七件というのは氷山の一角であって、決して少ないものであるという判断はできないわけです。この面について、法的にもっと罰則等を直接にできるように強化をすべきだということを思っているわけで、その点強く主張しておきたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、次の問題にいきたいと思います。 警備業の業務は、防犯だけではなく防災という面が不可分になっていることは、先ほどの同僚議員の指摘にも再三再四あったところであります。ガードマンに対する教育、指導が問題になっておりますけれども、私、全警協が出しているテキストが三冊ありますけれども、これを買ったわけでございます。この一冊目が「警備員テキスト 基本法令編」というふうになっています。二冊目が「警備実務編」というふうになっています。そして三冊目が「消防実務編」ということになっていて、この三冊の中では厚さも「消防実務編」というのは一番厚いものになっているわけですけれども、その三冊が一体のものとなって教育の面でやられているわけです。 また、ホテル・ニュージャパンの火災でも、ガードマンがいながらなぜ火災を防げなかったのかという声もあるわけです。ホテル・ニュージャパンの場合は、当時警備をしていた会社の責任者が言っておられるわけですけれども、同ホテルには政治家や文化人、芸能人などの事務所が多いことから、それらの夜の姿を警備員が目撃しないよう、午後九時から翌朝までは特命のない限りホテル内の巡回は禁止をされていた、このため警備員は夜は館外を見回るだけで出火場所付近には全く立ち寄っていなかったのだ、そういうことを書いているわけで、実際には出火場所には立ち寄れなかったということになるわけです。ですから、火災発見というのは当然無理であったわけです。しかし、この警備会社の社長は、プロとしての積極性に欠けていたという反省をしているわけです。 今回の法改正に当たって、全国警備業協会あるいは全国ビルメンテナンス協会の皆さんも、防災業務を警備業務の中に含めて規定をつくってほしいんだという要望が文書にして寄せられているというふうに私たちは確認をしているわけですけれども、この点についてどうか、伺いたいと思います。
○谷口政府委員 全国警備業協会並びに全国ビルメンテナンス協会から、私どもに対する警備業法改正の陳情がなされております。その中に、警備業法に言う警備業務の中に防火防災業務を加えてほしいという項目があることは事実でございます。しかも現在、施設警備、常駐警備を担当している警備業者が、当然のことながら防犯とともに防火防災業務をも委託されているというのも事実でございます。 そういった面で、警備業者、警備員に対する防火防災業務の指導、教育という必要性があることも、否めない事実だと思います。そういう事実を踏まえまして、私どももいろいろな角度から検討をしたわけでございますが、結論におきましては、今回の改正には防火関係については触れなかったということでございます。当面警備業務というものを、現行法の枠というかたてまえを踏襲しつつ、その中で必要な教育、訓練を強化するという形にいたしたいと思っておるわけでございます。 消防当局の方はその立場からいろいろな指導をされることになっておりますし、先ほど消防庁の方から答弁がございましたように、現在そういった点をも含めて研究会を開催し、検討をされておるということでございますので、私どもといたしましても、その結果につきまして関心を寄せておるところでございます。
○岩佐委員 消防庁に伺いたいと思いますけれども、この研究会は五十六年九月二十四日に発足をしたということですけれども、いつごろ結論が出るのでしょうか。
○鹿児島政府委員 御指摘の研究会につきましては、ただいまお話がございましたとおり、昨年の九月に発足いたしております。 御案内のように、防火管理につきましては非常に多々問題がございまして、この研究会におきましては、無人化建物の問題でございますとかあるいは夜間の防火管理の問題、もちろんこれは検討しなければいけないわけでございますが、その他にもたとえば用途別、種類別の防火管理をどうするか。旅館なら旅館、デパートならデパート、工場なら工場、こういうことも私ども非常に関心を持っておりまして、検討をしていただくというつもりでおりますし、それからまた防火管理者の地位が一般に高くない。これは社会的あるいは会社内における地位が高くない、これをどうしたらいいかという問題も検討項目に含まれております。 そのほか、複合施設の管理の問題、あるいは最近非常に防災システムが発達しておりますが、この管理運用、ソフトウエアの問題、こういったものもあわせて、現在、各界の有識者あるいは消防機関の方を合わせまして二十五名の委員を委嘱いたしまして、研究を進めておるわけでございます。 中でも、先ほども申しましたとおり、夜間における防火管理体制なりあるいは無人化建物の防火管理を非常に関心を持って、特にこれは急いでいただきたいということをお願い申し上げておりますが、問題が大変むずかしゅうございますので、ちょっと早急にはまだ結論が出る見通しは立っておりません。
○岩佐委員 ことしの秋ぐらいには何とかめどが出るんじゃないかという話もあるわけですが、その点はいかがでしょうか。
○鹿児島政府委員 なるべく急ぎたいとは思っておりますが、先ほど来申し上げておりますとおり、非常にいま問題が多岐にわたっておりますし、また、この二十五名の委員さんの中には警備業者の方も入っていただいておりますし、あるいはデパートだとか工場だとか、こういう方も入っておりますので、そういう方の御意見を十分聞いた上で結論を出したい、かように考えております。
○岩佐委員 警察の方も、この防火防災の問題について非常に必要だということ、これは認識をされておられるということは伺ったわけですけれども、先ほど私が示しましたテキスト、これは五十年に発行されているものです。それから現行でも、東京とかあるいは神戸の場合には条例でもって警備業法を補完するという意味で、消防警備業務従事者に対する試験を決めているというところがあるわけです。ですから、この点は非常に重要な問題であるということは異論のないところだと思うわけです。 現在、消防庁がそういうことで検討して、早急に結論を出すということで作業を進めておられるようですので、当然これは警備業法に反映させなければ、法律として完全な法律にならないと私は思うのですね。その点、法改正をして反映させるお考えがあるかどうか、伺っておきたいと思います。
○鹿児島政府委員 お話のように、警備業法の中で防災業務を取り扱うということも確かに一つの考え方だと思います。またそういう観点から、警備業界なりあるいは消防団体の方からもそういう要望なり陳情なり出ているということも事実でございます。 しかしながら、一体として扱うということは、業界の側から見ました場合には、確かに規制される側は一つでございますから、そういう規制の仕方もあろうかと思いますし、また別途、先ほど基本的な問題としてお答え申し上げましたとおり、私どもには防火管理という立場の一つの系列がございまして、その防火管理の一部を担うという形で警備業者が参画をしているという実態がございます。したがって、その管理の系列でこれをながめた方がいいのか、あるいは規制を受ける業界の側でこれをながめた方がいいのかというような問題もございますし、また内容的にも、御案内のように四十七年の立法の沿革もございますし、種々いろいろ問題がございますので、その点も御指摘の点を踏まえながら十分に検討させていただきたいと思います。
○岩佐委員 片肺飛行などということのないように、きちんとやっていくべきだというふうに思うわけです。 それから今回の法改正、この問題について、基本的な問題についてちょっと幾つか伺っていきたいというふうに思います。 警備業というものに対する警察庁の考え方、これは現行法が審議をされた四十七年のときには、当時の後藤田警察庁長官は当委員会でもって、この警備業につきまして、「こういった会社が続出をするということについては、警察としては、それなりに十分反省を要するところがある。率直に、さように私は思います。」「こういうものが出てくる背景については、警察としては十分反省しなければならぬ。」というふうに答弁されて、警備会社あるいは警備保障会社というものがどんどんできるということは警察が反省しなければならない、そういう事柄なんだというふうに認識をされておられたようですけれども、この点の認識、これはいまも変わらないかどうか、伺いたいと思います。
○三井(脩)政府委員 警備業がだんだんと発展をしてきまして、今日、企業としても、また社会的な安定といった点でも、一つの存在として発展してきた、こういうことは事実でございます。したがって、そういうものとして警備業が健全に社会の需要にこたえていくというような発展をしていきますように、私たちとしては、法的に、またその他の面で、これに対応していきたいと考えるわけでございます。 立法当時の長官の話としておっしゃったことは承知いたしておりますが、あれは四十七年でございまして、警備業がだんだん出てきましたのは、その十年前の三十七年ごろから出てきたわけでございます。本来なら、治安は警察が全部一手引き受けで、ほかの人が、個人あるいは私人が、団体にしろ個人にしろ何もそういう心配をしなくても、自然に治安は十分に保たれていくのが理想であるという意味では、それであろうかと思いますけれども、世の中複雑になってきますと安全に対する意識や要求もきめ細かくなってくる。 元来治安というのは、警察はなるほど治安維持の先頭に立ちますけれども、警察だけで維持するというのではなくて、国民の協力を得てやっていくべき性質のものでございますから、国民あるいは個人、団体もそれぞれできるところで自主警備というようなことがあって、おのずから全体としての治安維持が可能であろう、こういうように思うわけでございます。 なお、当時の長官の言われた反省云々という趣旨は、法制定の十年前から警備業が出てきまして、その間何ら法的な規制がありませんでしたので、その間に、今日でも問題であるような個々の警備員の行き過ぎであるとか、あるいは警備業者の行き過ぎであるとか、そういう不適切事例を特に頭に置いて、その点はそういうことのないように警察もそれぞれ措置をしていかなければならぬ、こういう発想に立って、その第一着手として警備業の届け出制でありますが、警備業法を制定しよう、こういう気持ちを申し述べたものと私は理解しておるわけでございます。
○岩佐委員 今度の法改正の問題は、いまの御発言の最後にあったように、警備会社のいろんな社会的な不祥事とか、いろいろあって必要が出てきた、そういう面というのはあるんでしょうけれども、ただもう一つ、法改正に当たってマスコミ等の報道によれば、警察庁は、国の財政再建政策上警察官の定員増が今後むずかしくなる、そういう見通しがあるなどの事情を改正理由に挙げているとされているわけです。むしろ警備会社を警察行政の中に位置づけて、有効に活用しよう、そういう考え方もあるのじゃないかと思えるわけですけれども、いかがでしょうか。
○三井(脩)政府委員 そういうようなことは毛頭考えておりません。警察の責任を他に転嫁することなく、これを十分に果たしていきたいという考えでございますし、財政再建云々というようなことにつきましても全く考えたことはございません。
○岩佐委員 今回の法改正の趣旨を簡単に御説明願いたいと思います。
○谷口政府委員 警備業は、社会的需要の増大に伴いまして著しい成長を続けてきたわけでございますが、反面、一部には暴力団関係者等の不適格業者が見られますとともに、警備員に対する指導、教育義務を怠る業者が増加してきた。警備員の非行を初め、警備業務の実施の適正を害する事件も依然として後を絶たないということであります。また、近年、急速に普及している機械警備業につきましても、即応体制が不備なために、事件、事故発生時に十分に対応ができない等の不適切な事案が多発しておるわけでございます。 こういうような情勢にかんがみまして、警備業を営む者の要件を整備し、警備業を営もうとする者は、これに関する都道府県公安委員会の認定を受けることとするとともに、警備員指導教育責任者制度を設ける等、警備員の指導及び教育につきましての規定を整備し、あわせて機械警備業に対する規制に関する規定を新設すること等、警備業務の適正化のための必要な措置を講じようとするものでございます。
○岩佐委員 いま言われたことは、現行法制定当時の後藤田警察庁長官の答弁にもあらわれているわけです。ところが、警備業者がどんどんふえてきて、警察の方に考え方の変化が出てきたのではないか、そのことがうかがえるのが白書の中で、どうもそんな気がする。 一つは、五十一年度の白書ですけれども「増加する警備業」ということで、「警備業は盗難等の発生を防止するほか、窃盗の現行犯人を逮捕したり、火災を早期に発見、通報するなど、防犯、防災面に寄与しており、その協力件数は」これこれになっている。「反面、勤務中の警備員による犯罪の発生件数」がふえてきている。「また警備業法違反、職業安定法違反等により、警備業法に基づく行政処分を受けた警備業者は、昭和五十年中に二十七社であった。警察としては、このような事犯を防止し、警備業務の適正な実施を図るため、警備業者に対する指導に努めている。」こういう記載があるわけです。 五十四年度になりますと変わってきている。「警備業の役割」というふうになりまして、 地域防犯組織や職域防犯組織と並んで民間防犯機構を支える第三の柱として警備業があり、デパート、ビル、金融機関等の施設警備から現金輸送、工事現場の警備に至るまで広範多岐にわたって、安全に関する社会のニーズにこたえている。特に、最近では、各種警報機器やコンピューターを利用した防犯、防災システムを開発する動きが活発化しその守備範囲はますます広まりつつあり、労働集約的な人的警備から機械警備への移行が急速に進行するなかで、現代社会における防犯システムの一環として重要な地位を占めるに至っている。 警察では、警備員の資質の向上や業務の適正な実施を促進するなど、警備業者に対する指導に努めているが、今後は更に一歩進めて、警察が行う警戒活動と警備業者が行う警備業務との間に有機的な連携を確保し、全体として最も効率的な警戒システムの形成についても検討を行う必要がある。 こういうふうになってきているわけです。 五十一年、五十四年の白書、見出しも「増加する警備業」から「警備業の役割」ということで積極的評価も加えながら、警察と有機的な連携を保っていくのだというようなことまで言われているその変化について、どうしてこう変わったのか、伺いたいと思います。
○谷口政府委員 警察は、本来法律に決められた警察活動を行うわけでございますけれども、みずからがみずからの生命、身体、財産を守るという、いわゆる自主防犯活動につきましては、二種類あると思うのでございます。一つは地域防犯、もう一つは職域防犯ということでございます。これは、それぞれの地域または職域において防犯活動を展開するということでございますが、最近の社会構造が変化してきたというようなこと、あるいは安全意識の高まり、あるいは分業化、専業化したことというようなこともあわせまして、警備業に対する社会的需要が高まってきたわけでございます。 しかしながら、あくまでも他人の需要、委託に基づいてこれを補完、代行する役割りを果たすにすぎないわけでございますが、自主防犯活動という意味におきまして、第三の要素として浮かび上がってきたのが五十四年白書の記述だと思うわけでございます。そういった三つの要素をもって構成される自主防犯活動につきまして、警察としましても密接に連絡をとり、治安の維持に努めなければならぬということは言うまでもないわけでございます。 そのことは、四十七年の警備業法制定時においてもその前においても全く変わらないわけでございまして、警備業に対する警察の基本的姿勢は何ら変わるものではない。ただ、警備業者の持つ重みあるいは社会的役割り、比重がだんだん増してきたということに伴っての記述の変化、こういうふうに受けとめていただきたいと思うわけでございます。
○岩佐委員 五十一年と五十四年は、その点が違うと私は思うわけです。五十四年度白書で、いま指摘しましたように警備業を含めて警察の警戒システムの検討を行う必要があるという記載があるわけですが、その後五十四年十二月には警備業問題研究会、こういう会が発足しております。この研究会の委員は、一体どういうメンバーであるのでしょうか。
○谷口政府委員 警備業問題研究会のメンバーは、全国警備業協会、全国ビルメンテナンス協会から選出された方々が中心でございまして、警備専業者の方が五名、警備業者の方が二名、それにお客さんの銀行などの立場から三名、それに学者など民間有識者二名、それに警察側三名の十五名で構成されておるものでございます。 五十四年十二月に発足しまして、五十五年十一月まで警備業法の改正につきまして検討してきたところでございます。
○岩佐委員 この研究会で検討することになっている課題を冒頭に書いた、これは警察庁が各委員に配付されたものだと聞いておりますけれども、「検討メモ案」というものがあります。それには、「一、許可、届出」「二、警備員教育」「三、警備教育主任者」「四、警備員の資格」「五、保秘義務」「六、警備業協会」「七、機械警備」という七項目が検討課題に書かれているわけです。この五項目に「保秘義務」として、「警備業者及び警備員の守秘義務を設ける必要があるか。」ということが記載されているわけですけれども、これはどのようなことを検討されたのか、説明をいただきたいと思います。
○谷口政府委員 この研究会では、警備業法施行後すでに七年たっておりまして、警備業の業者の実態が変わってきているということで、警備業法全般についてあるいは警備業のあり方そのものについても各界の意見を聞いて検討を願ったらいいじゃないかということで、五十四年十二月、警察庁保安部長を座長といたしまして、先ほど申し上げました民間有識者あるいは警備業界関係者、ユーザーで構成される研究会を発足させて検討したわけでございます。そういうことでございますので、いろいろな問題について洗い直したということでございます。警備業務のあり方、警備員の質の向上に関すること、機械警備のあり方、ユーザーの保護に関すること、いろいろあるわけでございますけれども、それらについてつぶさに検討いたしました。 そのうちの一つといたしまして秘密を漏らすような行為に対する問題でございますが、その際には確かに、警備員が職務上知り得たいろいろな秘密があるわけでございますが、これを漏らす行為については当然道義的にも責められるべきことでありまして、あってはならない行為であるということにつきましては各委員とも一致した意見でございました。しかしながら、法律で守秘義務を課せられております医師あるいは弁護士、そういった方々の知り得べき秘密と警備員のそれとは、その程度においてやはり大きな差があるのじゃないか、同列に論ぜられないのではないかということ、さらに、現在までに警備員が職務上知り得た秘密を漏らして大きな問題となった事例がないというような状況でございましたので、守秘義務につきまして法律で規制するのは問題があるというようなことで、これまた各委員意見が一致したところでございます。
○岩佐委員 同時に、研究会の中で警備業協会の問題についてもいろいろ論じているわけです。メモの中では、警備業協会の明文化の必要があるかどうか、必要がある場合には法人を設立して、しかも公安委員会の協会に対する指導、助言、勧告、あるいは他の者は警備業協会とか全国警備業協会という名称を用いてはならないというようなことまで書かれて、先ほど基本的には営業は自由だというように言われましたけれども、協会に入らなければ警備業ができない、そういうふうにも読み取れるような検討もあったようでございますけれども、これはどうだったのでしょうか。
○谷口政府委員 御指摘のとおり、その研究会におきまして全国警備業協会の明文化、すなわち法律ではっきり規定するということが論議の対象になったことは事実でございます。また、全国警備業協会がその点を強く要望していることも間違いないわけでございますが、この点につきましては、別段、研究会でございますのでそこで採決をとる云々ということではございませんけれども、現段階ではどうかなということで、消極意見多数というようなことでまとまったような次第でございます。
○岩佐委員 今後十年間警察が取り組むべき課題を明らかにし、これに対処する施策を展開した「八〇年代の警察」というのがあります。この中で警備業について初めて位置づけて、「警備業は八〇年代に向けさらに発展が見込まれている。都道府県警察における指導、監督体制を強化するとともに、警備業務及び警備員の質の向上、警備業務と警察活動との調整、利用者保護の観点からの施策を行うため、警備業法の改正をも含めた抜本的な検討を進めることとする。」というふうに記載をされて、警備業と警察行政との結合といいますか結びつきを非常に強めよう、警備業を警察行政の一環として位置づけようというようなことが強まってきたのではないかと思えるわけです。 ここに一つの事例があるわけですけれども、神戸のポートピアの警備です。 神戸のポートピア81は、去年の四月二十日から百八十日間の期間で開催をされましたけれども、これに対して兵庫県警が警備体制をとっているわけですが、どういう体制をとられたのか、簡単に説明をしていただきたいと思います。
○谷口政府委員 ポートピアにおきます警備体制でございますが、御存じのとおり、当然のことながら出展者側の自主警備があります。それから、神戸博の協会の警備隊、これはガードマン、警備員によって構成されているわけです。それが中心でございます。それから、警察、消防がそれぞれの立場で警備したということでございます。 そこで、お尋ねの兵庫県警の警備体制でございますが、百八十日、六カ月に及ぶ長期間でございまして、警察官は延べ約十二万六千人、一日平均七百二人というような状況でございます。中心になりますのは、海上警備隊という四十七名編成の部隊でございます。
○岩佐委員 ここに、警備保障新聞という新聞から具体的事例を申し上げたいと私は思うのですけれども、ポートアイランド博覧会協会も独自に民間警備会社八社からなる協会警備隊を三月十二日に発足させた。これは二百五十二名ですね。協会警備隊は、交通隊、南方面隊、西方面隊、中方面隊、東方面隊、直轄隊、隊本部、この七隊から編成をされているわけですけれども、隊本部、それから西方面、南方面、交通隊、これを担当する人として兵庫県警の真木一吉さんというのですか、それから中方面、東方面、直轄隊は藤原健一さん、こういう二人の現職の県警の方が配置をされて、そしてさらに警備隊全体の隊長として足立六郎警備部長が配置につくというかっこうになっているわけです。こういうふうに博覧会協会では、足立六郎警備部長のもとに協会警備隊を附置し、副長に県警から真木一吉、藤原健一両氏を迎え、七隊二百五十二名編成で、十二日午前十時より西ゲート前広場で発隊式を挙行したというふうになっているわけですね。 同時に、この警備保障新聞には「協会警備本部組織図」というのがありまして、そしてこの組織図からいっても警備本部に足立六郎氏が座って、その副長という形でその次に座られて、あとその下に警備会社の人たちが配置をされる。この図でいきますと、営利事業に現職のまま警察官が参加をしているということにもなるわけで、組織的にも実質的にもその営利事業を助けているということにもなるわけです。ですから、これは警察と警備会社との連結関係、有機的な結合関係がちょっと行き過ぎているんではないかというようなことさえあるわけで、この点についてどう考えるか、御意見を伺いたいと思います。もし必要でしたら、資料をお見せしたいと思います。
○谷口政府委員 神戸博覧会協会というのは、神戸市などが中心になりまして設立された公益法人でございます。その協会が自主警備を行うということで、警備隊を編成したわけでございます。構成員は、確かに八社から成る警備会社から警備員を出してもらうよう委託して編成されておるということでございまして、あくまでも協会が責任を持つということでございまして、警察と警備業者との関係云々ということには直ちにならないのではなかろうかという感じがいたします。
○岩佐委員 しかし、実際には警察が直接、この「協会警備本部組織図」から言えば警備会社を指揮をするというかっこうになっているわけです。先ほどの説明では、警察はガードマンに直接に指揮、指示はできないんだというふうに言っておられたわけですけれども、そういう面からいくとこの「協会警備本部組織図」というのは問題だというふうに思うわけです。いかがでしょうか。
○谷口政府委員 神戸博覧会協会は、先ほども申し上げましたように神戸市が中心になったものでございます。したがって、事務局長を初めとしまして神戸市役所の公務員が、相当出向あるいは派遣という形で実質的に担当しておると伺っておるわけでございます。 協会の仕事には、会場警備だけじゃなくて当然いろいろな業務があるわけでございますけれども、それぞれ分担してやったということでございまして、会場内の警備あるいは周辺警備について協会の警備隊が責任を持つということになったわけでございます。その警備につきましては、何分御案内のとおりのような広い地域、施設でございますし、それから敷地内でございますし、また周辺の交通整理、交通誘導ですか、そういった問題もいろいろありますし、当然警察官の持つ知識を活用したいというようなことがあって、若干幹部を派遣あるいは出向させたのではないかと思うわけでございます。そのことと、先生が御指摘になりました警備業者と警察とが一体となって、あるいは警察が警備業者を指揮してやるという問題とはちょっと違うのではなかろうか、こう思うわけでございます。
○岩佐委員 事実関係としてこういうことがあったということは確認をされたと思いますけれども、そうなるとやはり先ほどから言っておられるように、警察と警備会社と、おのずから権限を持つもの、持たないもの、全く性格が違うわけで、警察が指揮をするような警備組織、そういうふうに持っていくこと自体が私は問題だというふうに思うのです。 この事実関係について、まずこういうことがあったということは、そういうことでいいわけですね。こういう警備会社の指揮を頼まれて県警がとったということはあったわけですね。
○谷口政府委員 その点につきましては、私ちょっと確認しておりませんけれども、仮にそうであったとしても、そのことは、公益法人である神戸博覧会協会が自主警備をする、その際に警察官の持つ知識、技能、そういったものの応援を求めたというような形だろうと思います。 なお、万博などでも出向というような形で、これはもう完全に身分が切れていくというような形になりますし、間もなく行われます科学技術博覧会でも同じような問題が出てくるのではなかろうかと思います。これは、そういった大規模な博覧会で、しかも公益性が非常に強いという場合につきましては、警察だけではなく、関係省庁あるいは地方自治体がそれぞれの立場で法律に抵触しない限りにおいて支援するというのは当然ではなかろうか、こう思うわけでございまして、そのことと、警察が組織として警備会社の警備員を指揮することとは全然違うのではなかろうか、こう思うわけでございます。
○岩佐委員 しかし、結果的には警察が、この「組織図」で言えば全体の警備会社を指揮するというようなかっこうになっているわけです。こういう警備会社の整備と同時に、警察が指揮しやすいようなかっこうに持っていくという危険が一つポートピアの事例にあらわれているのではないかというその不安は、私はいまの答弁を伺っていてもぬぐい去れないわけです。警察が自分だけで警備し切れない大きな会場、そういうところでこういう組織的な形で警備をすることになった場合に、やはり一私人であるガードマン、民間人であるガードマン、この人たちが行き過ぎた行動に出るというか、そういう勘違いをするというか、そういう危険は残っているというふうに思うわけで、こういう問題について今後慎重に対応していただきたい、慎重にすべきだというふうに思いますけれども、最後に長官の考えを伺っておきたいと思います。
○三井(脩)政府委員 警備業者あるいは警備員と警察との関係につきましては、先ほど申し上げましたようにそれぞれ適正な関係で、片っ方は自主警備をやる、警察は公的な警備をやるといいますか治安維持をやる、こういう立場でございますので、いまのような御心配は全く御無用かと思いますし、私たちもまたそういうことを考えておるわけではございません。 いまのポートピアの例も、保安部長からお答えしましたけれども、大阪の万博、沖縄の海洋博、また来る筑波の技術博というような場合に、公的団体、組織が設けられて、それに官民を問わず各界から出向して、それぞれ自分の得意わざといいますか、その知識、経験を生かしてそれに寄与する、こういうことになるわけであります。そうなりますと、どうしても交通とか輸送とか警備とか、こういうものを派遣された、あるいは出向した業界なり公法人の仕事として担当し、それとは別に警察は、それぞれの関係をうまくやりながら外側の公的な警備をやっていく、こういう関係なものでございますから、そういう御心配は無用であるというように考えておるわけでございます。
○岩佐委員 時間が来ましたので、終わります。
○中山委員長 田島衞君。
○田島委員 警備関係で警備員に対する教育というものは、警備業務の適正化にとっては大変重要な事柄だと思います。特に今回の法改正のねらいの大きな一つも、そのようなことを考えての改正だと思います。 そこで、率直に、現状の中での教育のやり方、それから今度の改正によってそれがどういうふうに改善され、どのような成果が期待できるか、そのことについて、簡単でいいですから御説明を願いたいと思います。
○谷口政府委員 警備員に対する教育でございますが、現行法の十一条では教育の義務を課しておるわけでございます。その内容、時間でございますが、教育事項といたしましては、先ほど来からお話が出ております警備業務実施の基本原則あるいは法令に関する知識、事故発生における措置に関すること、護身用具の取り扱い、その他警備業務の適正実施に必要な事項というようなことでございます。それから教育時間でございますが、新たに警備業務に従事しようという者につきましては、警備業務に従事する以前に二十時間以上、現に警備業務に従事している警備員にありましては一年間に十時間以上を行うべきこととされておるわけでございます。以上が現行法でございますが、今回の法改正の趣旨にかんがみまして、この内容、時間等につきましても見直しを行って充実強化を図りたい、こう思っております。 教育事項につきましては、基本的な警戒予防措置とかあるいは各種警備業務ごとの特殊性に応じた措置などにつきまして教育内容の整備を図ることとしておりますし、教育時間につきましては、事前教育時間二十時間を三十時間程度に、年間教育時間を十時間を十五時間程度にふやすことを考えております。
○田島委員 要するに、今度の改正によって従来多少不備だと考えられていたところの警備員に対する指導、教育は相当充実される、そのことによって、現行法下においてはややともすると時折好ましからざる事故等も起きた、あるいは警備員の好ましからざる行動なんかもあった、そういうことがほとんど救済されるであろうということを予測してよろしいかどうか。ほとんどと言っても無理でしょうけれども、それは大分改善されると考えていいかどうか。
○谷口政府委員 先ほどお答え申し上げました、単に教育の項目、それから時間の増加だけにとどまらず、指導教育責任者の新設がありますので、そういった方々が中心になりまして指導、教育の徹底を図り、警備員の質の向上が図られるものと期待しておるところでございます。
○田島委員 なお、警備業者そのものについても、今度は相当厳しく適格者に対する条件がついたわけですけれども、ただ警備員に対する教育、指導ばかりではなくて、警備業者そのものにも、当初の認可を取る資格があるなしばかりではなしに、警備員に対する指導、教育と同じように何らかの指導、教育というものが必要ではないかと思いますけれども、その点ではどうでしょうか。
○谷口政府委員 おっしゃるとおり、警備業者、法人組織が大部分でございますけれども、本当に役員一人一人が警備業務に関する法令の知識を備え、また警備業務の基本原則を身につけ、そして警備業務を運営してもらうということが大事だ、こう思うわけでございますが、何分業者自身はみずからの責任において経営しておるわけでございまして、当然そういう知識、経験のある人が業者になるでしょうし、また自己研さんに努めるのではなかろうか、こう思うわけでございます。そういう面で、法律で業者に対する教育云々ということはどうかな、こう思うわけでございますが、業者自身のレベルアップにつきましては、関係団体ともよく連携をとりながら指導してまいりたい、こう思っております。
○田島委員 確かに、言われるようなことも考えられますけれども、いま部長言われるようなことが本当に一〇〇%そのどおりなら、たとえば今度の法改正によっての警備員に対する指導、教育だって、従来業者が一生懸命やっていていいはずだと思うのですよ。だけれども、そこには足りないところがあるから、法をもって少し強化してやらないとうまくいかない。ということは、やはり業者そのものの姿勢の中にももう少し改善すべきものがあるのじゃないか、ただ資格だけではなくて。業者とその下で働く警備員と、双方に対する、それぞれ多少の、レベルは違うのでしょうけれども、また内容も違ってもいいのでしょうが、何らかの形での指導、教育の機会は、今回の改正は別としても将来考えられていいのではないか。常に、これで大丈夫だじゃなくて、次々とさらに改善を期して考えていった場合には、そのようなことも考えられていいのではないかなと思うのですけれども、どうでしょうか。
○谷口政府委員 おっしゃられるとおりでございまして、経営者自身が必要な知識、技能を持ち、警備員個々の業務について理解をし、そして指導するということが大事だと思うわけでございます。 再三お答え申し上げておりますように、業者は規模の小さい業者が多いわけでございまして、十人以下が五四・六%を占めておるということでございます。こういった場合は、社長みずからが警備員として警備業務に従事するというような場合があるわけでございます。恐らくこういった業者の場合には、当然社長みずからが新たに設置することになります指導教育責任者としての講習を受けて、みずからを任命するというような形になろうかと思います。 今度の改正法案は、あくまでも指導教育責任者をとりあえず配置して、その者が中心になって、各営業所に配置されますから、これは日常の指導までできるだろう、こういうことで徐々に下の方からやりたいということでございます。ただ、業者に対するそういった教育と言っては語弊がありますけれども、研修会開催等につきましては関係団体とよく連絡をとりながらやらせていただきたい、こう思っております。
○田島委員 それから、いまお話の出た十一条の三に基づく警備員指導教育責任者についてですけれども、この十一条の三の一項の中に、「ただし、当該営業所の警備員指導教育責任者として選任した者が欠けるに至つたときは、その日から十四日間は、警備員指導教育責任者を選任しておかなくてもよい。」こうありますね。十一条の三、「警備員指導教育責任者等」というものです。この意味はどういう意味ですか。「欠けるに至つたときは、その日から十四日間は、」選任しておかなくてもよろしいという「十四日間」という日にちの設定と「おかなくてもよい。」というのは、やはりそれなりの条文の意味があるのだろうと思うのですが、それをちょっと説明してください。
○佐野説明員 指導教育責任者が欠ける事態ということは、ただの欠格条項と違いまして、日常的に勤務の異動であるとか、そういう企業内部の事情などで間々あり得ることでもある、そういうふうな意味から、仮にその種の者がこの十四日間の中におらなくても、直ちに法的な措置を講ずることは猶予いたしますという意味での、いわば十四日間の猶予期間を認めたという趣旨でございます。
○田島委員 それは文章でわかるのですけれども、その十四日間、言うならばちょうど二週間という期間をとったのには、こういうことを考えてみると二週間程度が適当だと考えたという理由があるのか、あれば説明してもらいたい。
○佐野説明員 この種の期間はほかの法律でも、届け出の期間だとかあるいは同じような種類の資格者の選任の期間というのは大体二週間とか、あるいは長い場合ですと一カ月とか、そういうようなごく標準的な数字がございますので、その中の均衡を見まして一応二週間程度が一番ふさわしいであろうというようなことから選んでおります。
○田島委員 それはそれでわかりました。 さてそこで、いまの十一条の三に基づいて設置されるところの警備員の指導教育責任者ですけれども、この責任者は一定の講習を受けて、その修了した者から選任されるわけですが、講習を受けて選任されたらそのままというよりは、自動車の車検とか免許証の切りかえじゃないけれども、一回講習を修了したらそれでいいというばかりでなしに、一定の期間を置いて復習の意味で定期的にもう一回講習を受けるとか、そういうことはその責任者に自覚を促し、さらにより練達した責任者とするためにも必要なことだと思うのですけれども、そういうことは考えないでよろしいかどうか、一回講習を修了したら、そのまま本人が怠けておろうとぼけちゃおうとお構いなしに有効でやっていくことがいいか、やはり一定期間にときどきクリーニングした方がいいのか、そこらのところはどうでしょうか。
○谷口政府委員 御指摘のとおりだとは思いますけれども、私どもが検討した改正法案では、一応講習を修了して、そしてその後その責任者として業務が継続していくわけでございます。その問題と、警備業者及び責任者の負担あるいは各都道府県の事務量の増加などを考えまして、現在のところは定期的講習を法的に義務づけるまでの必要性はない、こういう結論を出したところでございます。しかしながら、考えてみますと、警備業務の内容もどんどん変わってくると思います。それからまた、関係法令も改正されてくるという場合も多いかと思うわけでございます。そういう面で、業界におきます自主的な教育担当者に対する研修につきましては、今後とも必要によりまして業者団体を指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
○田島委員 法改正というものは、一回で最善を尽くすということはなかなかむずかしいと思いますし、改正をして、それでしばらくその改正に基づいた試みがなされる、その上でまた実際にいろいろの問題が出てくれば、それに対応した改正がされるということになることでもいいと思いますけれども、いま申し上げたことは、今回の改正案に大きな欠けたところだという意味じゃなくて、そういう点は常に心がけられていいのじゃないかということの意味を含めて申し上げたわけであります。何せ人間様のやることですから、どんなに完全な教育をし、指導をし、そして講習を受けさせても、それでもういささかの狂いもなくいくというわけにはいかない。これはいかなる場所におけるいかなる指導者、責任者と称する者の立場もそうだろうと思うので、ぜひその点は今回の法改正とは別に留意していただきたい、こういうふうに思うわけであります。 いずれにしても今度の改正によって動き出す、動き出せばそこに今度の法改正の成果といいますか、効果が現実の問題となってあらわれてくるわけですから、今度の法改正の効果が一〇〇%及第か、八〇%、八十点くらいかの採点はこれから出てくるだろうと思いますけれども、できれば今回の改正が満点の改正であるように、さらに実際の運用に当たっては十分御留意いただきたいことを希望いたしまして、質問を終わります。
○中山委員長 次回は、明二十三日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十九分散会