地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/15
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩佐恵美君。
○岩佐委員 まず最初に、過疎バスの問題について伺いたいと思います。 地方住民の足を守るために赤字路線バスに対する国庫補助がされていますが、その制度の趣旨、そして地方バス路線運行維持対策要綱の内容について説明を願いたいと思います。
○寺嶋説明員 お答え申し上げます。 地方バス路線につきましては、地方バス路線運行維持対策要綱というものに基づきまして毎年予算措置を講じて実施をしているものでございます。その趣旨は、住民の足として必要不可欠な路線バスが過疎現象等によりまして輸送人員が減ってまいる、そのために事業の遂行が困難となっておるという現状にかんがみまして、当該バス路線の運行を維持するために、バス事業者の経営合理化の推進と都道府県による道路整備等のバス輸送整備計画の推進とあわせまして、国及び地方公共団体により所要の助成措置を講じようというものでございます。 その助成措置の内容でございますが、非常に複雑な制度でございますのでかいつまんで申し上げますと、地方バス路線維持費補助金交付要綱というものに定められておりますが、大きく分けまして、一つは生活路線維持にかかわる補助というもので、これはバス事業者が運営しております路線につきまして補助金を出すものでございます。この最初のカテゴリーの中身といたしましては、第二種及び第三種生活路線の欠損が出た場合の欠損補助、それから、第二種生活路線につきましての車両の購入費、この二つの種類の補助が出ております。第二種、第三種と申し上げましたが、第二種と申しますのは平均乗車密度が五入以上十五人以下のもの、第三種と申しますのは平均乗車密度が五人未満のものでございます。それが第一のグループでございまして、生活路線維持にかかわる補助でございます。 それから第二のグループといたしまして、廃止路線代替バスの車両購入費、初度開設費、運行費につきまして、やはり交付要綱で定めたところにより補助をしております。これは、都道府県がバス事業者あるいはその市町村に補助する場合にその二分の一を国が補助するという、いわゆる間接補助の形をとっているものでございます。
○岩佐委員 その第三種生活路線運行費国庫補助金の問題ですけれども、第二十四条に「国庫補助金は、昭和五十五年度以降、路線ごとに、当該運行費補助の対象となった年度から三か年を限度として交付する。」というふうにあるわけですが、第三種の生活路線の補助、これが五十八年度からなくなるということでしょうか。
○寺嶋説明員 お答え申し上げます。 地方バス運行対策費補助金につきましては、政府としても、非常に財政事情の厳しい中でございますが、五十七年度予算案におきまして、前年度比四・八%増の九十四億一千三百万円を計上しております。政府としても地方バス対策を重視しておるということが、この点で御理解いただけるものと思います。 第三種生活路線につきましてただいま御質問の点でございますが、補助要綱には御質問のとおり、五十五年度以降につきましては、路線ごとに三年間に限って補助をするという期限がついております。したがいまして、五十五年度に補助を受けました路線は、五十六年度、五十七年度までは補助を受けられますが、それが期限になる。他方、それよりも後に三種の補助を受けました路線、たとえば五十六年度に補助を受け始めた路線につきましては、五十六、五十七、五十八というふうに三年間でいくということでございますから、五十八年度以降、三種の補助制度というものが全くなくなるわけではございませんで、制度としては残っておりますが、路線ごとに三年が限度になる、こういうことでございます。
○岩佐委員 大蔵省の方もそういう解釈でしょうか。
○藤井説明員 同様の解釈でございます。
○岩佐委員 第三種生活路線の場合は、五十五年度に補助を受けたものでその後第三種の補助を受けている路線は、少なくとも五十七年度までは引き続き補助を受けられるということですけれども、五十八年度以降は補助がつかないことになります。この五十八年度で補助がカットされる路線、これは全国でどのくらいあるか、つかんでおられますでしょうか。
○寺嶋説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問の三年間で補助が切れるというものに該当する路線は、六百九十四本でございます。
○岩佐委員 第三種生活路線の系統数、それから補助をした系統数のこの五年間の推移がどうなっているか、お示しをいただきたいと思います。
○寺嶋説明員 お答え申し上げます。 五十二年度に第三種生活路線補助金を受けました系統は八百三十七、五十三年度には九百九、五十四年度には八百三十一、五十五年度には九百三十六、そして五十六年度には千八十三系統となっております。
○岩佐委員 年々第三種の生活路線がふえてきているわけですけれども、これは第二種生活路線から第三種生活路線に落ちたといいますか、そういうふうに移行したということなんでしょうか。
○寺嶋説明員 御指摘のとおり、第三種生活路線として補助を受けました系統の数が年々漸増の傾向にあることは事実かと思います。その主な原因は、やはり御指摘のように、いままで二種路線でありましたものが、利用者の減少に伴いまして第三種生活路線に転落するというケースがかなり出ておることが主な原因かと思います。 なお、そのほかにも新たにバス事業者が赤字に転落したために、従来は全く補助金を受けていなかった事業者が新たに補助対象事業者となる、その会社が抱えておりました乗車密度の低い路線が第三種補助の対象になるというようなケースも一部ございます。 いずれにいたしましても、五十五年度九百三十六系統の三種路線が補助を受けておりましたが、五十六年度に千八十三本にふえておる。これはその九百三十六本のうち二百四十二本は、何らかの形で第三種路線でなくなったのでありますけれども、新たに三百八十九本の系統が補助対象になったということでございまして、やはりこれは二種からの移行が主であるということが言えるかと思います。
○岩佐委員 私も調べてみたのですが、奥多摩一帯を走っておる西東京バスという会社があります。この会社は、五十六年度は経営が改善されたこともあって補助は受けてないわけですが、五十五年度には路線バス事業も赤字、そして全事業も赤字ということで第二種の補助を受けているわけです。 その系統の内容を細かく見てみたわけですけれども、全体で二十一系統のうち、八つの系統が第三種に落ちる傾向にあるということがわかったわけです。たとえば奥多摩湖線というのがありますが、平均乗車密度は六・二人です。それから上日向線五・七人、清東橋線六・九人、桜木−上日向線五人、桜木−清東橋線五・一人、曽利郷橋線六・五人、松尾線五人、それから細尾線五・三人。この最後の二つについては、ことしの四月十二日にダイヤ改正で肝要線というのに一本化をして、転落に歯どめをかけるということで対応がとられているようですけれども、結局全体のうちの三割以上がもう第三種に落ちる寸前にある状況であることがわかったわけです。 乗り合いバスの運送人員というのは年々減っているんではないか、また乗り合いバスの経営も年年悪くなっているんではないかと思われるわけですが、その点、いかがでしょうか。
○寺嶋説明員 お答え申し上げます。 乗り合いバスの輸送人員でございますが、全国ベースで見ますと、四十三年をピークに長期的に低落の傾向にございます。ただ、この二、三年はやや下げどまりの傾向が出ておりまして、対前年度比で申し上げますと、五十年度は四・一%の減、五十一年度は三・八%の減、五十二年度二・一%減、五十三年度三・三%減と続いておりましたが、五十四年度は一・六%の減、五十五年度は一・〇%の減ということで、減り幅がやや少なくなってきておるというような傾向は見られております。 それから、乗り合いバス事業者の収支の状況でございますが、五十五年度で見ますと、全国で民営事業者を保有車両三十両以上でとりますと、百七十一社のうち四十八社が黒字、百二十三社が赤字というようなことになっております。それら百七十一社の損益を全部足しますと、二百七十八億の赤字が出ておる。経常収支率で平均九六・二%という状況になっております。
○岩佐委員 私も、この経営状況について、「運輸経済年次報告」ですか、これで見てみても同じような傾向、つまり黒字の会社が二、三割、あとは赤字であるということで、大変経営が苦しくなっている。そして人員もふえていない。非常に減ってきて、減り方はとまっているけれども、減る傾向にあるような状況が出てきているということはうかがえるわけですけれども、こういう状況の中で何の手も打たれないということになりますと、第二種の生活路線が第三種にどんどん落ち込んでいくんではないか。個々には運行系統の変更、これは奥多摩でとられているわけですけれども、あるいは短縮をやったり、一時的にはよくなることもあると思いますけれども、全体としてよくなるということはないと思います。 こういう第三種生活路線が、前の議論にもありますように、三年間を超えて補助が受けられない。そういう状況がありますと、事業者は何年も赤字路線を維持していくということはできないわけです。じゃ、もし続けられないということになれば、一体どうやって住民の足を確保していくのか、こういう問題が生じてくるわけですけれども、具体的に運輸省としてその点どう考えておられるのか、伺いたいと思います。
○寺嶋説明員 お答え申し上げます。 三種路線の補助に期限がついておるわけでございますが、その後どうなるかという点でございますが、私どもとしては、先生から最初にお話がありましたとおり、なるべくバスを多くの方が利用していただくということで、平均乗車密度を上げていくのが一番いい解決であろうかと思っております。 これにつきましては、事業者がサービス改善をする。たとえば、フリー乗降区間というようなものを設けまして、停留所以外のところでも手を挙げればバスがとまるというようなことにしたり、あるいはバスが過疎地帯を走るときに音楽を流しながら、バスが来たなということが利用者によくわかるようにするというような、いろいろな努力をしておりますが、そのようなサービス改善、あるいは市町村等が住民にPRをして、ぜひバスを利用しましょうということで利用者を増加させることをやっております。それから、場合によりまして路線の再編成をいたしまして、乗車密度を上げるというようなことも可能でございます。このようないろんな措置がございますが、地域の実情に沿っていろいろ手を打っていただくということで、できるだけ第二種生活路線に引き上げるというのが最も望ましい解決かと思っております。 それから、それがうまくいかない場合の一つの受け皿といたしまして、先ほど冒頭に制度の御説明を申し上げた際に申しましたが、市町村等が従来のバス事業者の路線にかわって代替バスを走らすという場合にも国が補助をしようということで、この場合には、車両費、初度開設費それから運行費の一部につきまして、国、県が三分の一ずつ補助をするということでやっております。こういう措置を通じまして、住民の足を確保していきたいと考えておるわけでございます。
○岩佐委員 市町村代替バスの問題は後でまた少し議論をしたいと思いますけれども、ただ、第二種から第三種になった場合に、第三種五人未満ということで、それが本当に努力をして、すれすれのところで三種に落ち込んで全く補助を受けられない、そういう状況が発生するということは、これは容易に想像ができることですけれども、そういう三種になったらばっさりと機械的に切り捨てていく。その点、一体どうなのかという疑問が残るわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○寺嶋説明員 現行の制度でございますと、ただいま申し上げましたように、市町村等の代替バスが走らされる場合には国は補助をするということで、受け皿をつくっているわけでございますから、地方住民の足を全く切り捨ててしまうということにはならないわけでございます。 それから、どうしても市町村がそういう道を選ばないという場合に、バス事業者に対して国の補助金が出ない場合にも単独補助ということでお出しになれば、これはバス事業者として継続することが可能かと思われます。 いずれにしましても、いろんな手を尽くしまして、何らかの形でのバスサービスの維持ということを図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
○岩佐委員 先ほどから説明がありますように、第三種から第二種への引き上げ、これは数字的な引き上げということもあるんでしょうけれども、数字的な引き上げを図れない、しかし、第二種への引き上げを何とか努力をしてそれに近づいているバス会社に対する配慮、それが何らかされていかなければならないんではないか。その点について、運輸省として弾力的な配慮がされるのかどうか、もう一度そこのところを伺っておきたいと思います。
○寺嶋説明員 現行の補助制度におきましては、はっきり三年ということで期限がついておりますから、この点は一応明確になっておるわけでございます。運輸省としましては、先ほど来申し上げておりますように、住民にとっての足が全くなくなることのないように、いろんな地域によって選択があるわけでございますから、最も地域の実情に合った選択をしていただくように、市町村あるいはバス事業者等とよく協議をしながら地域住民の足の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
○岩佐委員 バスが廃止をされるということになると、それを利用する人が非常に大きな影響を受けるわけですけれども、特に遠距離通学者の問題を取り上げたいと思うのです。 遠距離通学者に対する費用が交付税として算入をされておりますけれども、その基準はどういう内容で、そしてまた全国で何人ぐらい算入されているのか、その数を教えていただきたいと思います。
○土屋政府委員 遠距離通学者の通学対策費につきましては、地方交付税の算定上、四十四年度からでございますが、小中学校費において「公共施設状況調」に登載されました通学距離四キロ以上の小学校児童数、それから六キロ以上の中学校の生徒数、並びに船舶利用者を指標とした密度補正を適用いたしまして、できるだけ的確な財源措置を講じておるということでございます。 なお、交付税上の措置人員は、小中学校合わせて五十四年度で三十二万八百八十九人、五十五年度が三十万七千二百八十三人、五十六年度では三十万四千四百五十七人ということになっております。
○岩佐委員 これに加えて、文部省の、学校の統廃合後五年間補助が出される対象児童、これが全国で小学生が四千六百五十一人、中学生が七千四十六人、計一万一千六百九十七人になるわけです。標準的な市町村においても、政府の数字を合わせれば、これは多少性格は違いますが、交付税上の数字と補助金の数とは全く違うわけですけれども、五十六年度で約三十二万人、こうした児童生徒がバスを利用して通学をするということになっています。この通学の児童に対する交付税土の措置ですけれども、小学校の生徒が四キロ以上、それから中学校が六キロ以上ということになっているわけです。この点、どうしてそうなっているのか、文部省から説明をいただきたいと思います。
○西崎説明員 ただいま御指摘のございました遠距離通学に関する補助要件のキロ数の問題でございますが、昭和三十一年に中央教育審議会から、公立小中学校の統合方策についてという答申がございまして、その中で遠距離通学についての基準的な限度と申しますか、最高の限度のキロ数は、小学校児童にあっては四キロメートル、それから中学校生徒にあっては六キロメートルというふうなところをちょうだいしまして、それを基礎にいたしまして、文部省としては従来からこのキロ数を限度にしておるという実情でございます。
○岩佐委員 この小学生が四キロというのは片道なんですね。片道四キロというと、大体一キロ十五分くらいかかりますから一時間を歩く。中学生の場合には六キロということですからかなりの時間になるし、それから往復になったらちょっと大変な距離なんじゃないかというふうに思います。非常に厳しいんじゃないか。ですから、多くの自治体ではもっと近い通学距離についても、遠距離通学者として財政措置をしているわけですね。たとえば奥多摩町では小学校では二キロ以上、中学校では三キロ以上、こういう児童あるいは生徒を対象にしているわけです。 これは五十六年度の奥多摩の資料ですけれども、小学校の場合に交付税で措置をされていない児童は、全体で百一名のうち五十四名いるんですね。ですから、半分以上が四キロ未満ということになります。それから中学生の場合にも、七十三名のうち五十四名が六キロ未満というふうな実態になっているわけです。それで、こういう実態から見て、この四キロ、六キロということを、やはり自治体が具体的に措置をしているように三キロ、五キロという形での措置をすべきなんじゃないかというふうに思いますけれども、文部省、自治省にそれぞれ考えを伺いたいと思います。
○西崎説明員 ただいまお話ございましたように、各市町村におきましては若干いろいろな要件緩和をしている例があろうかと存じますが、四キロ、六キロの考え方を定めました当時は、実は労働科学研究所というところで調査をいろいろとやっていただきまして、通学距離の限度についての要件としては、やはり児童生徒の疲労という問題が一つと、それから通学のために相当な時間を必要としますと、家に帰っての自由時間その他が圧迫を受ける、そういう児童生徒の生活条件の時間、それが第二点でございますが、この二つを要件といたしまして実態調査をちょっとやっていただいたようでございます。 その実態調査の結果といたしまして、小学校の場合は、四キロメートルを超えると大変その点で疲労度等が加わる。中学校は余り有意な差があらわれないのでございますが、やはり時間の問題といたしましては、中学校でも六キロを超えますと自由時間が減るというふうなことがございまして、そういうふうな労働科学研究所の調査等を踏まえて四キロ、六キロとしたという経緯が一つございます。 それから、もう一つ先生おっしゃいます三キロとか二キロという点でございますが、現在私どもの方での補助の関係で申しますと、豪雪地帯でございますが、積雪等のある豪雪地帯については、児童は二キロメートル以上、それから生徒、中学でございますが、三キロメートル以上とする。それから船舶利用の児童生徒及び特殊学級の児童生徒については、通学距離を問わないで補助したいというふうな、補助制度上は若干そういう要件緩和をいたしておる次第でございます。
○土屋政府委員 通学距離限度がどの程度が適当であるかということになりますと、きわめて専門的な問題になりまして、私ども、それについて十分お答えするほどのものを持っていないわけでございますが、専門的にやっておられます文部省において、先ほども話がございましたように中教審の答申を受けて、通学費補助においてもこの距離基準が採用されておるということでもございますので、交付税算定に当たっても同様に取り扱っておるわけでございまして、具体的にも、この基準によるところの「公共施設状況調」の遠距離通学者数を指標としておるわけでございます。指定統計である学校基本調査等も取り扱いは同じでございまして、専門的にやっておられます文部省の基準に従っておる、こういったことでございます。
○岩佐委員 かなり科学的な資料といっても古い資料だというふうに思うのですね。 それから奥多摩とか檜原、ここは豪雪地帯ではありませんけれども、かなり道なども悪くて、小学校、中学校の生徒たちが歩かされるということは、やはり本人たちにとっては大変厳しい。だからこそ奥多摩でも、町独自の、その距離を縮めてそういう財政措置をするということをしているわけで、私はこういう実態に見合わない考え方、基準というのはもう一度洗い直す、考え直すべきではないかと思うわけですけれども、文部省の考えを伺いたいと思います。
○西崎説明員 重ねての御指摘でございますが、私どもの従来からの補助制度の運用といたしまして、四キロ、六キロという形での運用をしてまいりまして、ただいま御説明しましたように豪雪地帯等については若干緩和しておるわけでございます。個々の市町村におきましては、私どもの基準以上の実態の運営をしておられるところもあるやでございますし、その点は先生御指摘のとおりだと思うわけでございますが、地方交付税の一般的な財源措置といたしましての財政措置、それから私ども学校統合に限っての財政措置というふうな点で考えますと、個々の市町村の個別のそれぞれの事情に財政措置として厳密に対応するということは、なかなかむずかしい点がございます。 それから、全体的な基準緩和の問題といたしましては財源プロパーの問題もございまして、現時点では現在の基準を維持してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○岩佐委員 こういう過疎地域の場合にはよく調べていくと、過疎で子供たちがいなくなる、残された子供たちはこういう過酷な条件に置かれる。しかも、それは国がめんどうも見ない、町が見ていかなければならない。そういう中で、通学者の足が奪われるようなそういう状況が、いま過疎バスに対してとられている措置によって生じようとしている、こういうことが、いままで私がいろいろ言ってきた数字あるいは実情等でかなりはっきりしてきたんではないかというふうに思うわけです。 だからこそ奥多摩とか檜原、そういう西多摩地域では、何とかその地域のバス路線の確保という意見書が最近の議会で採択をされて、そして自治省の方にも送られてきているわけだというふうに思うわけです。奥多摩町は、小学校で二キロ以上、中学校で三キロ以上、遠距離通学者として町が独自に負担をしている。それが小学生全体のうちの一三%に及ぶ、あるいは中学生では二二%に及ぶ、そういう状況にもなっているわけです。こういう状況、いろいろな各地の自治体の状況を反映して、そして意見書が自治省の方に送られてきていると思いますけれども、その数が一体どのぐらいになっているのか、そしてこれに対して自治省としてどういうような対応をされていかれようとしているのか、その点伺いたいと思います。
○土屋政府委員 第三種の地方バス路線存続のための要請につきましては、地方自治法の九十九条第二項の規定に基づくものとして四月九日現在で集計したものが、福島県の安達郡本宮町ほか百三十団体から提出されておる状況でございまして、かなりこれに対して地方団体の関心は強いと私どももとらえておるわけでございます。先ほどから説明がございましたように、五十五年度以降補助対象となった年度からこの地方バス路線維持補助金というのは三年を限度として交付されておるわけでございますが、この助成措置が三年たって廃止をされるという場合は、なかなか全部やめてしまうというわけにまいらぬとすれば、結果として関係地方団体の財政負担が増大するということになるわけでございます。そういったことを私どもとしては配慮をする必要があると思っておりまして、今後の取り扱いにつきましては慎重に検討すべきだと思っております。関係省庁とよく協議をしてまいりたいと思っております。
○岩佐委員 意見書が全国の自治体で採択されているのは、いま言われたように第三種生活路線の補助が打ち切られるということとあわせて、昨年七月に出された運輸政策審議会の答申、この中で「バスは、乗車密度が五人未満になると、企業としての維持が困難になる。しかしながら、このような分野においても公共的な交通手段を確保することが必要であり、このような輸送については、企業の立場を離れてその維持を図ることが必要である。このため、定型性のある輸送については、市町村等による定時定路線のバス輸送の確保を図り、その他の輸送については、相互扶助の見地から自家用車を使用する者とその利用を希望する者を地域的組織の力により結びつける自家用車利用の導入を検討する」、こういうふうに述べられているわけです。運輸省はこういう方向で進められるおつもりなのかどうか、伺いたいと思います。
○後出説明員 運輸政策審議会におきましては、今後の資源あるいはエネルギーの制約の強まりでございますとかあるいは厳しい財政事情のもとにおきまして、どのように国民の足を確保していくかということを目標に審議したわけでございます。そして、これにつきましては結局各交通機関の特性それから利用者の選好、これに基づきまして効率的で質の高いネットワークをつくるということが政策の基本である、こういうふうに結論をしたわけでございます。 交通需要が減少した場合につきましても、既存の交通機関では交通需要の減少に伴いましてとても対応できない、特性を発揮できないというような場合におきましてはむしろ交通機関の転換を図る、そうすることによりまして新たな交通需要に対して的確な交通機関のサービスを提供する、そうすることによって全体として地域における交通需要に最も適した交通ネットワークの提供を図ることが必要である、こういうふうに提言しているわけでございます。 私ども、運輸政策審議会の答申につきましては、今後の運輸政策の展開の基本といたしたいと考えておりまして、交通機関の転換につきましても同様答申で示された方向を基本としていきたい、こういうふうに考えております。
○岩佐委員 現在、路線バスが廃止をされてしまって市町村がかわりにバスを走らせている自治体の数は、五十六年度で幾つになるでしょうか。
○寺嶋説明員 五十六年度で廃止路線代替バスを国庫補助を受けて走らせております市町村等の数は百四十一でございます。
○岩佐委員 そのうち九十一市町村は、過疎法による過疎市町村であります。北海道では、代替バスを運行している三十四市町村のうち二十六市町村が過疎法適用市町村、長野では六村のうち五村、岡山県では十九町村のうち十四町村、徳島では六町村すべてが適用を受けている、そういう状況で、過疎市町村がほとんどであると言っても過言ではないと思います。そういう中で代替バスを運行する市町村の数、これは運行費補助が出てからふえたわけですけれども、後は頭打ちで、最近ではふえていない。そういう状況が生まれていると思いますけれども、その理由をどう考えておられるか伺いたいと思います。
○寺嶋説明員 廃止路線代替バスを走らせております市町村等の数は、御指摘がございましたように五十二年度以降余りふえておりません。その原因でございますが、いろいろあろうかと思いますけれども、一つには、市町村がバス事業というものの経営に知識経験が全くないということで不安があるというようなこと、あるいは新しく運転手などの職員を採用いたしますと人件費の負担が大きくなる、また、労務管理等もむずかしいというようなこと、それから、万一事故が起きました場合に市町村等が責任を負わなければいかぬというようなこと等々で、なかなか運行に踏み切れないというような事情があろうかと思っております。
○岩佐委員 私は、非常に負担が重いからというのがその理由ではないかというふうに具体的事例を通じて思っているわけです。たとえば富山県の利賀村、ここは青ナンバーで村営バスとして営業しているのですが、経常損益というのが暦年でずっと出ています。五十三年からざっと申し上げますと、二千四百五十四万、それから三千二百十四万、二千八百九十一万、二千八百九十七万、そういうふうに経常損益が大変な額になる。しかも、これが地方税収に比べてどういう割合を示しているかを見ましたら、大体二割から三割を超すときもある。 それから岡山県の美星町、ここも資料を取り寄せてみると、経常損益が五十三年、五十四年、五十五年に一千四百四十万、一千二百三十五万、一千三百五十一万というふうに出ていて、地方税収と比べると大体その一割ぐらいという状況になっています。 それから北海道の奥尻町というところでも、経常損益で五十三年−五十五年まで出ているわけですが、二千二百五万、二千七百八十九万、三千四百十六万、そういう状況になっていて、これも地方税収と比べますと大体二割内外という状況になっていて、いずれも大きな財政負担となっているわけです。 そして、しかも人口が年々それぞれの町で減ってきています。たとえば富山県の利賀村の場合には一千三百六十一人が五十三年、それが五十四年には一千三百五人、五十五年には一千二百六十六人ということになっていますし、岡山県の美星町でも七千四百四十二人が七千五十七人、七千二十九人、北海道の奥尻町では五千七百九十三人が五千六百二十三人、五千五百十四人というぐあいにどんどんと減ってきている。非常に自治体がバス事業に展望を見出せない、そういう状況が生まれているというふうに思うわけです。この点について、自治省は先ほど、よく事情を調べていろいろ対策を弾力的にとられたいということでしたけれども、代替路線バスについてこういう実態があらわれてきている、これを放置することはできないのじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、自治省の考えを伺いたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまお示しのございましたように、市町村によっては代替バス維持のためにかなりの経費負担をしておるということでございまして、それぞれの町村の実情によって異なるとは思いますけれども、その地域の足を確保する意味でいろいろ苦労しておることは事実でございまして、私どもとしては、現在はそういったところに対しましてはできるだけ財源措置も講じようということで、特別交付税等で措置をしておるわけでございます。しかし、今後とも主としてその仕事を所管しておる省庁とも十分相談をしながら、そういった対策が充実されるように努力をしたいと思っております。
○岩佐委員 もう一つ申し上げたいのは、確かに交付税上の措置がされているわけですけれども、これは補助制度があるものも、それから地方の単独事業への補助についても、両方とも人件費が見られていないということで、それが赤字負担をさらに重くしているということがあると思うのです。そういう実態について、自治省がどういう認識でおられるのか伺いたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまの問題につきましては、国庫補助対象になります廃止路線代替バスについては、御指摘のように人件費は対象になっていないわけでございますが、国庫補助対象でない路線に関して代替バスを運行し、あるいは民営代替バスに対して地方単独で補助しております場合は、人件費相当も含めて特別交付税の対象にいたしておるわけでございます。 先ほど申し忘れましたが、国庫補助対象のものについては、特交でかなり高率の措置をしております。他のものに比べまして、私どもとしては、いまの点で申しますと八〇%見ておるわけでございますから、かなり措置をしておると思っておるわけでございます。 まあ、特別交付税そのものが全地方団体共有の財源でございますし、総額の決まった財源でもございますから、算定の対象とすべき財政需要も多岐にわたっております。地方バス路線等については、現行の措置で私どもとしては精いっぱい見ておるというふうに考えておるわけでございます。しかし、基本的には地方バス路線維持にかかわる国庫補助制度のあり方といったことも重要な課題でございますので、そういったことも含めて、今後とも施策の充実が好ましいと思っておりますし、私どもなりにそういった努力はしてみたいと思っておるわけでございます。
○岩佐委員 自治省の単独事業に対する補助について人件費を含んでいるということは、自治省の基本的な姿勢というのをその中で示しているというふうに理解できるのかどうかですね。つまり、人件費補助というのはやはり見ていかなければならないということで考えている証拠としてそれはとっていいのかどうか、その点伺っておきたいと思います。
○土屋政府委員 国庫補助につきましては、車両購入費とか初度開設費とか運行費等だけを補助対象としておりまして、人件費は対象になっていないわけでございますが、私どもがそういう国として取り上げて補助制度を持ち込んでおるものにつきましては、特別交付税というのはいわば補助裏を措置しておるということでございますので、人件費については措置をしないというわけでございまして、むしろそういった点については、基本的なあり方として、国としてどう対応するかということがまず先決ではないかと思っておるわけでございます。そういった点も含めて、十分検討すべき問題だろうと思っております。
○岩佐委員 補助について言えば、車両購入費あるいは開設費の補助、それに運行費の補助、これはあるけれども、それも物件費相当額の補助だけで、人件費補助がない。これはいままで議論してきているところです。代替バス事業に対する補助、これでは非常に不十分なわけです。そういう状況だから、代替バスを行う市町村がふえないということになっているのではないかと思われるわけです。この問題を改善しないで三種生活路線を三年で打ち切ってしまう、その後は市町村の代替バスだというふうに安易に考える、そういうことはいままでの実例から見て非常に危険だし、結局は自治体への負担になるのかあるいは住民への負担になるのか、その二つの道しかないというふうに思うわけです。 ですから、先ほどからもうすでにいろいろと中途で決意のほどは出ているわけですけれども、第三種生活路線の補助については国の責任でやはり継続をする、そして、安易な市町村への押しつけをしないようにすべきだ、代替バス路線に簡単に変えたりあるいは廃止のままになってしまうような、そういう状況を放置するということがないように、ぜひ自治省としても努力をすべきだというふうに思うわけですけれども、最後に大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○世耕国務大臣 いろいろ各路線によってその背景になる事情、それから経緯のあることでございますから、関係省庁と十二分に連絡をとりまして、実際に支障のないように対応してまいりたいと存じております。
○岩佐委員 以上で、過疎バスの問題については終わります。 次に、基地関連問題について何点か伺いたいと思います。 まず最初に、基地交付金についてですけれども、自治省の税務局編「地方税制の現状とその運営の実態」によれば、基地交付金制度とは、「基地所在市町村に対し固定資産税に代わる安定した一般財源を賦与するため設けられた財政補給金的性格を有する交付金で、固定資産税に渕源を発する制度」と説明されていますけれども、これは自治省の正式の考え方と理解してよろしいかどうか。それから、国有提供施設等所在市町村助成交付金、いわゆる基地交付金と、施設等所在市町村調整交付金、いわゆる調整交付金の額はこの五年間どうなっているのか、伺いたいと思います。
○関根政府委員 基地交付金の性格でございますが、基地交付金は米軍や自衛隊の施設が市町村の区域内に広大な面積を有しまして存在をし、これらの施設が所在することによりまして市町村の財政に著しい影響を及ぼしておりますことを考慮いたしまして、固定資産税の代替的性格を基本としながら、これらの施設が所在することによる市町村の財政需要に対処するための財政補給金としての性格を有するものというふうに考えております。 最近五年間の基地交付金及び調整交付金の推移でございますけれども、基地交付金につきましては昭和五十三年度が百五十一億五千万円、五十四年度百七十五億五千万円、五十五年度百八十八億円、五十六年度が百九十九億五千万円、五十七年度は五十六年度と同じ百九十九億五千万円でございます。調整交付金につきましては五十三年度四十四億円、五十四年度四十七億五千万円、五十五年度五十億円、五十六年度五十二億円、五十七年度も五十六年度と同額の五十二億円でございます。
○岩佐委員 五十七年度の基地交付金、調整交付金、これは前年度と同じということですけれども、もし固定資産税を基本としたものであるとすれば評価がえに伴って五十七年度は当然引き上げられなければならない。そういうことになるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○関根政府委員 御指摘をいただきましたように、基地交付金につきましては固定資産税の代替的性格を基本とはいたしておりますが、やはりあくまでも財政補給金でございまして、国の支出項目としては補助金に分類されるものでございまして、固定資産税そのものではないわけでございますので、年々必ず上がるといったような性格のものではないわけでございます。 ただ、財政補給金というものでありましても、市町村の財政の実態なり基地対策のために市町村が支出しなければならないいろいろな要因が年々ふえてくる、こういった実態を考えますと、仕事の増加量に応じましてできるだけある程度コンスタントにふやしていくことが望ましいことは申すまでもありません。しかし、そういう考え方でずっとやってきて、年々増加を図ってきておるわけでございますけれども、五十七年度におきましては、御承知のように、国の財政再建を進める過程におきましてゼロシーリングという手法を用いまして、歳出の縮減圧縮を極力図るという基本方針で臨みました。 基地交付金につきましても、その性格が補助金であるということもございまして、一応一律一〇%カットの対象にされたわけでございますけれども、地方団体におきます基地を抱えておる市町村の実情からして、これを減額するということはやるべきではないという考え方に基づきまして、財政の厳しい中、昨年度と同額を確保したような次第でございます。
○岩佐委員 固定資産税に淵源を発するということであるならば、それに少しでも近づけるべきだというのが基本だと思うのです。固定資産の評価がえは三年に一度です。しかし、基地交付金の算出のもとになる国有資産の台帳価格の改定は五年に一度です。ここにも問題があると思います。また、五年に一度価格が改定されたとしても、価格の改定に比例して交付金の引き上げが行われる、そういうことにはなっていないわけです。五十一年と五十六年は、国有財産台帳価格の改定年度であったわけですが、対象資産価格の引き上げに比べて基地交付金の引き上げ割合が少なかったと思います。 五十一年の場合には、価格の方は前年度の二・二九倍、ところが交付金の場合には一・二二倍。五十六年度の場合には、前年に比べて一・四九倍ですが、それが交付金の場合には一・〇六倍になっている、そういう状況だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○関根政府委員 数字的には御指摘のとおりでございます。ただ問題は、五年に一遍、国有財産台帳価格の評価がえを実施いたしておるわけでございますが、基地交付金の方は固定資産税そのものではございませんで、あくまでも財政補給金でございますので、五年に一遍どかんと上げるというやり方をいたしませんで、年々数%ずつ引き上げをしているという形をとってきているわけでございます。
○岩佐委員 五十七年度は前年度と同額に据え置かれたわけですが、基地交付金はいままで毎年おっしゃられるように引き上げられてきました。しかし、台帳価格の改定は五年に一度ですから毎年変わるはずはなくて、対象資産の多少の増減はあるにしても全体から見れば余り大きな数字ではないわけです。台帳価格の改定の伸びと交付金の額の伸びには隔たりがありますけれども、毎年の交付金額の引き上げ、これはこの乖離を五年間で埋めようとするものかどうか、その点を伺いたいと思います。
○関根政府委員 何回も申し上げるようでございますが、交付金は固定資産税そのものではございませんので、必ずしも常に国有財産台帳に登録されました対象資産価格に一・四%、固定資産税率をかけた金額というものに一致はいたしておりません。しかし、私どもといたしましてはできるだけ、対象資産価格が上昇いたしました場合にはそれに対する交付金額の割合が下がってしまわないように注意しながら、交付金の額の確保に努めているところでございます。したがって、改定の年度におきましては改定額が、たとえば五十六年度の場合にも五割程度上がるということでございますから、率としては割合が下がるわけでございますけれども、それをあとの四年間でだんだんと埋めていく、こういうことを念頭に置きながら交付金の確保をしているわけでございます。
○岩佐委員 法律では「毎年度、予算で定める金額の範囲内において、政令で定めるところにより、」というふうにあるわけですが、この金額は、総額として国有財産台帳価格の固定資産税相当分に近づけようとしているものなのかどうか、そして毎年基地交付金の増額が行われてきたのかどうか、少なくとも自治省はその目的で概算要求をされているのかどうか、その点再度伺いたいと思います。そして、五十六年度の百九十九億五千万円、これは台帳価格に対応する固定資産税総額の大体何割ぐらいになるのか、伺いたいと思います。
○関根政府委員 五年に一遍国有財産の台帳価格が上がるわけです。ときによると、先ほど御指摘いただきましたように、五十一年の場合には二・三倍も上がるわけですから、それに全くスライドして単年度で交付金の額を二・三倍に引き上げるというわけにはまいらぬわけでございます。したがってそういう年度には、資産価格に対する交付金の割合というのは率としては下がってしまいます。 たとえば、五十一年度の場合には〇・九二四%に下がったわけです。その前の年度は一・七三%で、固定資産税の標準税率であります一・四%を上回ったということであったわけですが、それが資産価格が急に二・三倍に上がるものですから率としては下がる。それを、毎年交付金を、たとえば五十二年度には百二十七億円にふやし五十三年度には百五十一億円にふやすということによりまして、資産価格に対する率も五十二年度は一・〇九%、五十三年度は一・三二%、昭和五十四年度が一・四八%、五十五年度が一・五四%という形で、固定資産税の標準税率一・四%を超えている、こういう状況になってきております。 また五十六年度は、評価がえがありまして五割ほど上がりましたから、逆に率としては一・一〇%に下がっております。しかし、一・一〇%に下がりましたけれども、今回の五十一年度のときの〇・九に比べれば、比較的下がり方が少なかったということでございます。五十七年度は、交付金額を据え置きましたので一・〇九%ということで、ほんのわずかでございますが下がっているわけでございます。 今後私どもといたしましては、従来やってまいりましたような形で、評価がえの年度におきましてはやはり率は下がりますけれども、それがだんだんと年を経るに従って上がってくるように、率を上昇させてくるような方向で概算要求等はやっていきたいというふうに考えておりますが、何せ国の財政も非常に厳しい状況の中でございますし、予算要求に際しましての国、大蔵省での統一的な要求方針というものも設定される場合があるわけでございます。そういうものにつきましても、やはりそういう制約の中で要求せざるを得ないわけでございますので、そういったもろもろの要因を考えながら、できるだけ交付金の確保についてはわれわれとしては努力をしていきたいというふうに考えます。 なお、現行の百九十九億五千万円が、まるまる一・四%で計算した場合にどの程度になるのか、それに対する割合がどの程度かというお話でございますが、現在の対象資産価格の総額は一兆八千百二十二億円でございますので、それに一・四%を掛けますと、二百五十三億七千万円という数字になります。率にしては、おおむね七割程度と考えております。
○岩佐委員 そうすると、交付する際は固定資産の価格を考慮する、つまり固定資産の価格に応じて交付をする、そういうふうになると思いますけれども、総額との関連、これは固定資産の価格を基本にしているのでしょうけれども、それにはとうてい見合わないということではないのだろうか。つまり、固定資産の価格評価、それを基本にするといっても、結局配分のための基準であって、それは資産を総額に正しく反映させる、総額で評価するということには現実なっていないのではないかというふうに思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○関根政府委員 たびたび申し上げるようでございますけれども、固定資産税そのものではございませんので、資産の評価額なりあるいは台帳価格に対して標準税率の一・四%を掛けて、それで出た答えを交付する、こういう仕組みのものではないのでございます。予算を通じて交付金の額、総額が決まりまして、それを基地所在市町村に対しまして公平に、かつ財政需要等を考えながら的確に配分をするというのが、配分の趣旨であろうというふうに考えます。 したがいまして、その配分につきましては、現在、交付金の七五%相当額を、所在する資産の価格に、これは自動的に案分をいたしまして配分をいたしますし、残り二五%につきましては、資産の種類でありますとか用途等に応じまして、また当該市町村の財政の状況等を考慮して配分をする、こういう仕組みをとっているわけでございます。残り二五%についてそういう状況に応じた配分の仕方をする、そういう仕方をしておるわけでございます。
○岩佐委員 その残り二五%ですけれども、いま言われた種類補正、用途補正をされて各市町村に配られるということですが、この配分基準がどうなっているか、お示しをいただきたいと思います。
○関根政府委員 残り二五%分の配分の基準でございますけれども、大きく分けて三つの要因といいますかによって、配分を考えていくわけでございます。 一つは、資産の種類による補正をいたします。同じ提供施設なり自衛隊の使用している施設の中でも、いろいろな種類があるわけでございますが、特に飛行場でありますとか演習場でありますとかこういう施設につきましては、広大な面積を使用している割りに資産価格としてはそれほど大きなものにならない。したがって、自動的に配分をいたします七五%分の配分額が余り大きくなりません。それではその地域の財政需要を十分満たすことができませんので、こういったものにつきましては割り増しの補正をいたしております。 また、弾薬庫でございますとか燃料庫というようなものは非常に危険性が高いといいますか、また地域の住民にいろいろと心配をかける施設ではありますけれども、同じように資産価格が余り大きなものにならないといったようなものもございますので、このものについて割り増し補正をいたしております。 二番目が資産の用途による補正でございますが、同じ飛行場でありましても、練習機のようなプロペラ機が飛んでおるといったものから、ジェット機が飛んで大変な騒音を起こしておるというようなところもあるわけでございますので、そういった種類によりまして、たとえばジェット機の発着する飛行場については割り増しして配分する、そういった補正をやっております。 また、演習場におきましても、射爆撃場のような演習場でありますとかあるいは重火器を使いまして大砲の弾がどんどん飛んでくるといったようなもの、そういうものにつきましては同じように割り増し補正をいたしまして交付金の配分を増加させる、こういう仕組みをとっております。 三番目が当該市町村の財政状況等による補正でございまして、基地の返還等がありました場合に、資産価格としてはぐっと減ってしまうわけでございますけれども、なお当該市町村にとりましては基地対策のための事後処理みたいなものが相当あるという場合がございます。そういうときに、財政需要は依然として残るけれども、定型的に算出をいたしました資産価格に応じた配分額ではほんのわずかなものになってしまうということになりますと財政需要を賄うことができませんので、そういう市町村に対しまして、その具体的な状況に応じまして激変緩和等のための割り増しの配分をする、こういう仕組みをとっているわけでございます。
○岩佐委員 一の種類補正のところで、たとえば飛行場についてはどのぐらいの面積以上とか、あるいは演習場についても面積だとかそういう規定があるのかどうか、それから弾薬庫と言っても、自家消費というか自分が使うために備蓄しているというよりも、むしろ弾薬庫として独立をして使用されているものという理解だというふうに伺っていますけれども、たとえば弾薬はどういうもので何トン以上ということがこの中でも細かく分けられているのかどうかですね。それから燃料庫にしても、どういう燃料を何トンぐらい、一体その燃料はどういうために置かれているのかとか、そういう点についてそれぞれ基準が細かくあるのかどうか、その点、まず伺いたいと思います。
○関根政府委員 飛行場でありますとか演習場は一定面積以上のものについてだけ補正をするのかということでございますが、これは飛行場なり演習場なりというものであれば、その面積に関係なく割り増し補正をいたしております。 それから弾薬庫とか燃料庫でございますけれども、こういうものにつきましては、防衛庁の方で指定をいたしておりますいわゆるデポ的なもの、その当座使うものをその場に置いておくというようなものではございませんで、いわゆる補給廠的なもの、そういう弾薬庫なり燃料庫というものを対象にして割り増し補正をいたしております。
○岩佐委員 それから用途補正ですけれども、たとえばジェット機がどういう型のものが何機以上離発着するとか慣熟飛行がされるとかされないとか、射爆場についてもどういう基準で騒音を測定しているのか、恐らく基地によってそれぞれジェット機が離発着するにしたっていろいろな条件があると思うのですね。そういう点、あるいは重火器の問題でもそれぞれ細かい基準があるはずだと思うのですが、その点はどうなっているのですか。
○関根政府委員 ジェット機の割り増し補正を行う飛行場につきましては、ジェット機が常駐している飛行場について行っております。したがって、一機でもよろしいということでございますし、離発着回数にリンクをしておりません。それから、重火器等の使用をする場合の演習場の割り増し補正でございますけれども、これは防衛施設庁の方の資料によりまして、防衛施設庁の方で射爆撃場なり、あるいは重火器使用の演習場であるというふうに指定をしたものについて、私どもはそれを使いまして割り増しを行っておるわけでございます。
○岩佐委員 ところで、この二五%のことですけれども、法制定当初は二〇%で、後に二五%に改定をされたわけですけれども、それはいつからどういう理由で行われたのか、説明をいただきたいと思います。
○関根政府委員 従来、資産の価格に応じまして配分をいたしておりましたのは御指摘のように八割相当額でありましたが、四十八年からこれを七五%相当額に改めて、残り二五%について資産の種類や用途による配分なり、あるいは財政需要に応じての配分ということにしたわけでございます。 これはなぜしたかということでございますけれども、先ほどから御説明申し上げておりますように、やはり同じ基地なり米軍提供の施設というものでありましても、それぞれ単に資産価格だけでこれをはかることができないいろいろな態様がありますし、同じ資産価格でありましても、地元市町村に与えるいろいろな対策経費のかかり増しの程度が違ってくる、こういうものがございます。これをより適切衡平に実態に即して交付金を配分をする必要から、いわゆる実態に応じて補正をしていく分野がもう少し欲しいといいますか、もう少しふやすべきである、そういう考え方に基づいて変更をした次第でございます。
○岩佐委員 この二五%の補正について、中身的にこの基地についてはこうこうこういう理由でもってこういう補正をしているんだ、そういうことを外部的に明らかにしているのかどうか、伺いたいと思います。
○関根政府委員 補正の要因は、先ほど申し上げましたように三つの種類に分けて整理をいたしておりますけれども、それぞれその基地の置かれております実態というのはまさに千差万別でございます。特に、第三番目の市町村の財政状況との兼ね合いでの割り増し配分につきましては、当該市町村の財政状況、置かれている条件がいろいろと違うわけでございますので、必ずしも一律に、資産価格に応じて配分をいたします七五%と同じように機械的にはじかれるものではございませんので、一々の説明はできないわけでございますし、また実際問題としてもしていないわけでございます。
○岩佐委員 この二〇%が二五%にされた、そういう背景の問題があるんじゃないか。つまり、関東計画が問題になった一九七三年の二月十二日に、昭島、福生、武蔵村山、瑞穂、羽村の市、町議会議長が連名で、当時の首相であった田中角榮氏に対して、「関東空軍施設の横田基地統合計画に伴う政府の基地対策について」という質問状を送り、これに対し当時の二階堂官房長官が文書で、基地交付金の重点配分を行うよう検討中であると三月十五日に回答しているわけです。これを受けて同年九月二十九日に、「国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律施行令の一部改正について」という自治省の固定資産税課長通達が出され、基地交付金の総額を交付するに当たって台帳価格を基礎にして交付する割合を八〇から七五、そして自治大臣の裁量に任せられる部分、これが二〇から二五%に変更された経緯があると思います。 この関東計画というのは、第一にニクソン・ドクトリンに基づく日本列島の米軍基地群の拠点強化策の一環であったし、米軍と自衛隊との日米共同作戦体制の一層の展開をするために明らかに強化をされる、そういう計画であった。地域住民から非常に反対運動が起こっていたわけです。そういう中で二五%に改定をされたという経緯があるんではないかというふうに思っています。 基地があることによって生じる各種の被害、これは私どもも基地を抱えている市町村が選挙区にたくさんあります。そして被害の実態を見ています。だから、補償は当然だというふうに思います。しかし、いわゆる基地対策としてつかみ金のような形で、わからない形で国費が使われる、それは問題だと思います。基地交付金がもしその固定資産税見合い分だというふうに言うならば、総額の確保について、あるいは配付の仕方についても、もっとはっきりしたものにしていくべきだ。いわゆるあめとむちのあめの部分にこの基地交付金が使われるというのは、不正常であるというふうに思うわけです。ちょっと時間がありませんので、大臣に簡単に御所見を伺いたいと思います。
○関根政府委員 基地交付金の配分額につきまして補正分を二五%に増加をいたしましたのは、より実態に即した交付金の配分を行うためにやったものでございます。それから、交付金の配分そのものが内容的に不明朗であるというようなことは、私ども決してないというふうに考えております。 先ほどから御説明申し上げておりますような七五%につきましては、資産価格に応じまして自動的に配分をし、その残り二五%につきましては、それぞれ大きく分けまして三つの要因に基づきます補正を加えて配分をし、実態に即した配分に努めているところでございます。また、これは固定資産税そのものではないわけでございます。あくまでも財政補給金的性格を持つものでございますので、資産価格のみに応じて自動的な計算をしていけるというものとは性格が異なるということを御理解をいただきたいと思います。
○岩佐委員 さっき説明にあったように、その具体的な補正の中身についても基準がきちっとした形で出ているというわけではありませんし、それからその補正の一、二、三の三については、これはもう明らかにできないという部分があるわけで、それが一体じゃどの程度を占めているのかということだってわからないわけですから、税金が使われるという性質から考えれば、そこが表にわからないという形ではこれは何もガラス張りであるということは決して言えないわけで、非常に問題があるというふうに思うわけです。大臣の端的な御意見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 基地交付金については先ほどからいろいろ御説明をしてきたとおりでございますが、後に残された幾らかの枠、これはその基地その基地によってそのときそのときにいろいろな微妙な変化というか、いろいろな事情が起こってくる場合もありますので、その実態に応じて行われていく性格のものであります。 今後とも、これはこうだというはっきりした規定というのはなかなかむずかしいのでございますが、そのときの実態に応じましてどこから見てもおかしくない形の、実際に即した運営の仕方を行ってまいりたいと存じております。
○岩佐委員 時間がなくなりましたのですが、あと横田基地とそれから周辺市町村の基地あるいは基地周辺の消防の問題について一言伺っておきたいと思います。 横田基地と東京消防庁の間に、いわゆる消防の相互援助協定というのが結ばれています。この協定は、何の法律にも基づかない任意のものであるというふうな説明があるわけでございますけれども、横田基地関連、東京消防庁との間の協定書を見ますと、まず問題があるわけです。一つは、横田基地の消防について事前の査察あるいは共同訓練、こういうものが全く明記をされていないわけです。この協定の中には、火災あるいは災害が起こったときには、現地に行って相手の指示に従えというふうになっているわけですけれども、たとえば横浜の同じような基地と横浜市の協定を見ますと、この場合には「両当事者の所属消防隊の幹部及び隊員は、互恵の基盤に立って、各施設の保安上の規制に適応する範囲内で、それぞれの地域に対する精通を目的とした案内付訪問を時宜に応じて行い、実行可能な限り火災先行計画及び訓練、演習を合同で実施することが招請され、推奨されるものとする。」というふうに、不十分ではありますけれども基地への立ち入りができることになっています。これは埼玉県の大和田基地も新座市との間で同じような協定が結ばれ、これが入っているということですが、横田関連ではこれもありません。 それから、こういうことがないと、この間の横浜の小柴で起こった事故の例ですけれども、小柴の場合にはこれはタンクの炎上ですけれども、五百十一名の消防隊員が投入をされている。横浜市の消防局の三八%に当たる二百八十七名と金沢の消防団の二百二十四名、合わせて五百十一名が入ったけれども、消火栓がどこにあるかわからなかった、あるいは何で消していいかわからなかった。横須賀へヘリコプターで消火剤を取りに行って、そしてそれを持ってきて初めて炎上を消すことができたというような事態があったわけです。こういうことではいざというときに大変なことになるわけで、これがないということが問題だと思います。 それから、事故のあった後の調査の問題ですけれども、これもやはり小柴の例では事故の後の三カ月間入ることができなかった、そういう状態になっているわけです。これでは再発防止ということがなかなかでき切れないわけですね。この小柴の例では、事故が去年の暮れに起こっているわけですが、去年の六月に米軍は、危なくないということを言っているわけです。そういう点で、事前の調査なりあるいは事故後の調査なりあるいは共同の演習なり、そういうものが確保されていないこういう協定というのは非常に問題だ。それも自治省が全く関知しない任意のものだからといって、各自治体任せになって野放しになっている、そういう状況というのは改めさせていかなければいけないのじゃないか。やはり、いざというときの消防に役立つようなかっこうでの協定書にそれぞれやらせていく必要がある。 これも時間がないので一気に申し上げますが、米軍の百三十九施設のうち、協定締結施設数が百十二あるということで、あと結んでないところはほとんど結ぶ必要がない、つまり米軍の施設そのものが火事が起こりそうもないとか、あるいは離島とかそういうところであるということで、必要があるところは全部結んでいるようでございますので、その点、今後どういうふうにされていかれるのか、伺っておきたいと思います。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 ただいまお示しにございました消防機関と在日米軍との間で締結をいたしております消防相互応援協定につきましては、お示しのように特別な法的な根拠に基づいて結んでおるものではないわけでありまして、現地の実態に応じまして事実上の行為として行われておるわけでございます。 消防庁といたしましては、これらの協定の締結に当たりましては、基地とそれぞれの市町村との実態が千差万別でございます、あるいはまた長い経緯を経ておるわけでございまして、それぞれの市町村、それぞれの地域の実態に応じて協定が締結されるのがより適当であり、あるいはまた現実的ではないかというような判断に立ちまして、いわゆる全国的な統一的な、あるいは画一的な指導というものは行っておりません。しかし、ただ、関係の消防機関から従来からもいろいろと相談がございます。私ども、相談がございました場合には、消防庁といたしましてこれまでも適切に対応してまいってきておるところでございますし、今後ともこのような方向で努力してまいりたいというふうに存じておるところでございます。 一方、国サイドで考えるべきことといたしまして、在日米軍の公的な活動につきましては、一般国際法上の原則によりまして国内法令の適用はないものとされておることは、御案内のとおりでございます。したがいまして、米軍施設につきましては消防法の適用はないわけでございますが、しかし、施設内におきまして一たん火災等が起こりました場合には、地域住民の方々が被害を受けるということも当然想定されるわけでございますので、事故が生じました場合の原因究明あるいはまた、ただいまお示しにございましたような再発防止につきましては、現在外務省に対しましてその必要性について要請をいたしておるところであります。また、先般の閣議におきましても、私の方の大臣から外務大臣に対しましてこのことを要請され、なお引き続き事務的にいろいろ折衝を続けておるという状況でございます。
○岩佐委員 時間が参りましたので、この問題については改めて質問させていただきたいと思います。
○中山委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ————◇————— 午後一時三分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 きょうは一時から臨調の第三部会がかなり大事な詰めをするようでありますから、先にその関係だけ済ませておいて、駆けつけていただきたいと思います。 機関委任事務の問題であります。地方自治法百四十八条が定める機関委任事務でありますが、改めて言うまでもありませんが、まず、地方自治法百五十条によって、国の事務を委任された地方公共団体の長は、国の機関たる地位として主務大臣の下位機関といいますかに位置づけられて、その指揮監督を受けることになるわけであります。また百四十六条によって、その事務処理において違反、怠慢があるときには、職務執行命令によって履行の強制を受ける。定められた司法手続を経た上ではありますが、長は罷免されることがあるとなっているわけであります。さらに、機関委任事務は国の事務でありますから、その事務処理は地方議会に検査権、議決権はないとされているわけであります。こういう機関委任事務は、自治体にとりましては、いわば憲法九十二条から九十五条で保障する地方自治の本旨に照らして、大変に問題の多い存在とわれわれは思うのであります。 このように定められた機関委任事務は、戦後年年非常に膨張をしてきている。地方自治法別表に列挙されているわけでありますが、今日、都道府県やあるいは市町村が行っている行政事務のうち、これらの機関委任事務が占める割合であるとか、あるいは、自治省のことでありますから恐らくそれぞれ相当な調査をなさっていると思うのでありますが、もしわかれば機関委任事務に携わっている職員の数は一体どのぐらいなのか、こういうようなところまでこの機会にできるだけお教えをいただきたいと思うのです。
○砂子田政府委員 お話のございました機関委任事務に関しましては、地方自治法の別表第三なり第四なりに明記されているわけでございます。ただ、この明記されております事務は、実は昭和五十年の地方自治法の改正以来改正をしておりませんので、四十九年までを考えますと大体五百二十二件ぐらいあるだろうと思います。ただ、他の法律の改正がございまして、その後の五、六年の間にやはり三十件以上のものはまたふえていると思います。したがいまして、そういう事務のふえ方に従いまして、職員の数もふえているのは疑いない事実だと思います。 ただ、それでは職員がどれだけ機関委任事務に関与しているのであろうかということになりますと、御案内のとおり、職員自身も公共団体自体の固有事務というものと機関委任事務というものをあわせ持って仕事をしておるという人が非常に多いものですから、事務の形態としては、先ほどおっしゃられましたように七割ぐらいあるだろうということはわれわれもわかりますが、それじゃ職員が全体の七割かと言われますと、これも大変むずかしい問題でございまして、現実に職員の数がどのぐらいあるかということは、そういう事実上の調査がきわめて困難でもございますし、いままで確として調べたものはございません。おおよそ機関委任事務の数は、県におきましては大部分がそうでございますし、市町村におきましても相当部分やっておりますから、相当の人数がかかわっているということまではわかりますが、正確に何人であるということまでは調べたことはございません。
○五十嵐委員 正確に調べたことがないということであります。いつでしたか、東京都がみずから調べたことがあったのじゃないかと思いますね。これはいまのように、職員の数についていろいろモデル的なものを検討したりさまざまおやりになっておるわけだから、実は相当お調べになっているのじゃないかと思うのですが、調べていないとすれば、やはり調べる必要もあるような気がするのであります。しかし、調べ切れぬということは、その固有の事務と機関委任事務の差が実態上ほとんどつかぬというところもあるのかもしれません。しかし、おしまいにお話しのように、県においては大部分、あるいは市町村においても相当部分あるというお答えでありますから、言われているように都道府県の場合七、八割だとか、あるいは市町村の場合三割とか四割とか五割とかいうような相当な部分、実は国の機関委任事務を扱っているということは間違いないことになるのではないかと思うのです。 それで、これほどまでに国の事務を地方が扱うということになると、しかもそれは前段に言いましたように、国の指揮命令のもとにやらにゃいかぬ、その事務の執行は、怠ったりあるいはそれに違反すると罷免されることもあるという、きわめて地方自治上問題のあるような姿のものが都道府県団体においてはあらかた大部分、まあ七割とか八割とか、そんなにそういうものが占めるようになったら、憲法が言う地方自治の本旨に基づく地方自治体の運営というようなことは言えるのだろうか。そういう過大な機関委任事務の現実というものは、地方自治の点からいうと、どうも違憲の疑いさえ実は感じられるものではないかと思うのですが、この点どうですか。
○砂子田政府委員 おっしゃっておられますように、憲法で定めます地方自治の本旨というものがいつも問題になるわけであります。住民自治の原則でありますとか、あるいは団体自治の原則でありますとか、そういうものに従いまして公共団体が仕事をするというのは、憲法上保障された一つの行き方でありますから、それなりに私は地方自治団体が尊重されるべきものだと思うことについては、全く同感であります。 ただ、この機関委任事務というものがどういうことでこういうことになるのかということになりますと、やはり国と地方とは共同して仕事をしていく、公共部門を受け持っているという中で、国政に影響する部分というのが多分にやはり事務としてあるけれども、むしろ住民の身近で処理させておく方が望ましいという考え方が、実は機関委任事務を委任するときに必要な考え方であったろうと私は思います。そういうことからいたしますと、機関委任事務というのは、なるべく住民の身近なところで公共団体の監視を受けながらやるというのが普通であると思いますし、それが国政に影響を及ぼすといたしましても、住民みずからが見て、なるほどそれはという納得のいくやり方が望ましいのだと思います。 ただ、機関委任事務それ自身が非常に多いから憲法違反ではないかという議論につきましては、いろいろなところで論議がされておりますが、必ずしも、いまの国と地方とのあり方、たてまえ、そういうことから考えますと、直ちに違憲だという議論にはつながらないだろうと思います。ただ、つながらないということと、地方自治の本旨を少し没却し過ぎていはしないかという議論とは相違っておりまして、やはりその地方自治の本旨というものについて、それじゃ本当にそうかという議論になりますと、その辺は私はもう少し考えなければいかぬ部分だと思っております。 やはり本来は、地方に委任をするならば、地方の団体と申しますか、委任をされる方の意見がどこかで徴せられてしかるべきものではないかというのは、全く個人的にそう思っております。それなるがゆえに、この間も地方自治法を改正いたしまして、六団体の意見提出というようなことを実は設けようと思ったわけでありまして、いたずらに、単にこれを委任をしていくという形式はどこかで歯どめをかけておく、あるいは公共団体のそういう意見を聞く機会を設けるというのは、やはり親切なことではなかろうかと思っております。
○五十嵐委員 まあ、ここで違憲というような答弁にはなるわけはないわけですが、しかし、いまの答弁の趣旨というのは、そういう自治省としてのお気持ちが——お気持ちというのは、違憲についてというよりは地方自治の本旨として問題があるというお気持ちは、よく察することができたと思います。 最高裁の昭和三十五年六月十五日の判決ですが、砂川事件についてこういう判決があります。「国の委任を受けてその事務を処理する関係における地方公共団体の長に対する指揮監督につき、いわゆる上命下服の関係にある国の本来の行政機関内部における指揮監督の方法と同様な方法を採用することは、その本来の地位の自主独立性を害し、ひいて、地方自治の本旨にもとる結果となるおそれがある。」こういうのが出ているのですね。 そういうものに照らしても、僕はやはりどうも今日のような機関委任事務の現状というものは、大いに問題があるという思いがしてならぬのであります。この問題につきましては、いわゆる機能分担という立場から、臨調においても鋭意検討課題としてお取り組みになっているようでありますが、この際、臨調の検討の方向等についてお知らせいただきたいと思います。
○陶山説明員 御説明申し上げます。 臨時行政調査会の第三部会、御承知おきのとおり、国と地方の関係の問題を扱っておりますが、昨年九月にスタートいたしまして今日まで、全体の審議状況をまず申し上げますと、部会が三十回、なお二月に入りまして機能分担と財源配分あるいは地方財政問題を専担する分科会を設置いたしまして、分科会審議が十回でございます。部会、分科会ともに各方面からのヒヤリングあるいはフリートーキングを続けてまいりまして、方向づけの議論に入ったのはつい最近というのが実情でございます。 先生御指摘の機能分担の問題は、分科会を中心として議論が行われておりますが、分科会におきましても、申し上げたような審議の全体状況からいたしまして、方向づけが固まったものは現段階のところまだございません。いろいろな御議論がございまして、具体的な論議の過程につきましてはこの段階ではお許しいただきたいと思いますが、御指摘のような機関委任事務制度の問題につきましては、分科会における先生方の議論の中で、たとえば整理合理化あるいはその制度の改善、制度の改善と申しましてもいろいろな議論がございますが、たとえば地方団体の裁量権の拡大とか、そういった観点でこうした問題を議論すべきであるという御意見が出ているということを申し上げておきたいと思います。
○五十嵐委員 僕は、やはり行政改革の非常に大きな主題、テーマであるべきだろうというふうに思いますし、御検討はもちろんいただいているのだろうと思うのでありますが、長い間の、しかもあらゆる機会に、各種の調査会であるとか審議会でこの機能分担に関して機関委任事務の問題が取り上げられて、これを整理すべきだ、僕なんかやはり機関委任事務というのは廃止すべきだ、こういう考え方を持っている。 そして、国は国のもの、地方は地方のもの、さっきなるべく現地主義といいますか、住民の生活に近づいた行政の処理をすべきだというお話がありましたが、まさにそういうものは地方に固有の事務として渡すべきだし、共同でやるべきものももちろんあるでしょう、そういうものはやはり委託事務というようなかっこうで処理すべきものであって、さっき言うような幾つかの自治を侵害する大きな問題のある点については廃止をしていくべきではないかという感じがいたしますので、ぜひひとつ臨調でも熱心に取り組んでいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。 いろいろな事務があるわけでありますが、国の事務であって国がみずからの組織で処理をしていく事務、それから地方自治体の団体に委任する事務あるいは地方自治体に機関として委任する事務、そういうぐあいにそれぞれあるんではないかと思うのでありますが、しかし、本来そういうように区分する原理的な基準というものは一体あるんだろうか。この辺についてちょっと御見解を伺いたい。
○砂子田政府委員 地方自治法の法律の全体を流れている一つの事務の形態といたしまして、いまお話がございましたように、固有事務と申しますか、そういうもの、いわゆる公共事務のようなもの、あるいは機関委任事務のようなもの、あるいは団体委任事務のようなもの、こういうものがあると思います。そのほかにも行政事務と称するものもあるわけですが、そういう一つの事務の規定の仕方が地方自治法の中にあるわけです。 お話がございましたように、この事務の決め方というのは、地方自治法の施行以前からこういう決め方をしておりまして、特に市政、町村政あるいは府県政あるいは都政、そういうものを流れる一つの事務の処理の仕方として当時やったものを、地方自治法ができました以後も事務の形態として引き継いできたというのが現実であろうと思います。 しかしお話のように、こういう事務というものに本当に原理原則があって、しかも明確に事務として区分され得るものかどうかという議論になりますと、これは多分に疑問があると私は思っております。たとえば公共事務と申しますか、そういうものと、団体委任事務との区別というものは本当に可能かどうかという議論になりますと、とてもなかなかそうはいかないのではないか。むしろ区分というのはしづらいものだ。法律上に都道府県がやるべき仕事だと書いてあるから団体委任事務にするのだという、きわめてラフだと言えばラフな決め方をしながら決めてきているのが通常だと思います。といって、じゃ法律全体をながめてみてそれが団体委任かということになると、どうも本当は違うんで、固有事務ではないかという議論さえ私はあると思うわけであります。 そういうことを考えますと、この両者の区別というのは本当はなかなかしづらくて、むしろない方が素直だと私は思うし、団体委任事務というものをどちらかに、国の事務か地方の事務かと言ってきわめて峻別して分けろと言ったら、それは地方の事務ですと言うのがむしろ正解に近いものだと私は思っております。 ただ、機関委任事務の問題は、先ほどから申し上げておりますように、本来国の事務だ、こう言っておるものですから、そういうものについて国がある程度指揮監督をするということは認められることでもありましょうし、そういうものが残って悪いということでもなかろうと私は思います。ただ、そういうものが漸次少なくなる方向へ努力をしていくということは私はあろうと思いますが、全くなくなってしまうということではないのではないか、そういう区別は私はあると思っております。
○五十嵐委員 各地方自治体で日常事務処理をしているわけでありますが、実態として一体地方自治体は、事務の処理をしながら、機関委任事務と自治事務との区分というようなものが行われているのか。この点はどうですか。
○砂子田政府委員 現実に執行している職員と申し上げては非常に失礼に当たるかもしれませんが、現実に執行している職員でさえもなかなかわからないことがあると思いますから、一般の住民の人が、これが機関委任事務であるか、団体委任事務であるか、固有事務であるかなどというのは、分けて考えるということはおよそ全く困難であろうと思っております。
○五十嵐委員 それから経費負担の面からいいましても、国の経費負担がどうも足りなくて、機関委任事務であっても、実際には地方公共団体が住民の経費でそれをやっているという部分も少なくないのじゃないかと思いますが、どうですか。
○砂子田政府委員 物によっては、やはり機関委任事務のものを公共団体が自己の財源でやっている例はあると私は思います。たとえば河川改修に当たりまして、国が河川改修の費用を負担すると言いましたときに、河川の改修をやるためにはどうしてもそこに現場の事務所をつくらなければいかぬという問題がもし起きましたときに、国が事務所を建てる経費がなくても、やはり公共団体としてやらなければいかぬということも起きましょうし、そこに張りつける帳簿でありますとか書面でありますとか物品だとか、いろんなものが出てくると思いますが、そういうものを国がめんどうを見ているわけではありませんでしょうから、公共団体がみずからの経費でそれを負担をしているということはあり得ると思います。
○五十嵐委員 それからいろいろ地方議会で審議をする、その場合なんかだって、議会に検査権であるとかなんとかというのは機関委任事務に関してはないということになっているわけですね。ないが、しかし事実上はそんなことまるっきり頭にない。議会の論議の中では、それは固有の事務も機関委任事務も差別なく審議の対象にしていると思うが、いかがですか。
○砂子田政府委員 五十嵐委員御存じのとおり、予算は全体として審議をするという形になっておりますから、予算を審議する過程で機関委任事務だけは除いて審議をするというのは、これは不可能な話でございます。そういう意味におきましては、機関委任事務についての予算を審議するというのは当然あり得ることですが、予算を審議する過程の中で、委員会等でもそうでありましょうが、機関委任事務に全く触れずに、事務のあり方というものに触れずに審議することはなかろうと私は思います。そういう意味では、機関委任事務について一般的に議会は実態としては関与しているというふうに理解をいたしております。
○五十嵐委員 それから監査事務ですね。これも機関委任事務については、本来監査の対象にならないということになるわけです。しかし実際には、監査委員が監査をする対象としては、そんな区別は全然していないわけですね。これはどうですか。
○砂子田政府委員 機関委任事務に関する議会の関与というのは大変むずかしい問題でございまして、御案内のとおり、いまの地方自治法の中では、そういう検査権というものはないんだということになっているわけであります。じゃ、監査委員も同じように、監査をするときに機関委任事務についてやらないかと申しますと、先ほど申し上げましたように、いまの地方自治法の規定の中では、財務監視というのが監査委員の大きい仕事でありますから、予算を通じて機関委任事務のことを全くやらないというわけにはまいらない。それは先ほど申し上げましたように、河川改修に関してそういう事務所をつくるという事務が地方の事務として附帯をしてくるところは幾らでもあり得るわけですから、そういうことについてやはり監査をするということはあり得る。ですから、監査委員は機関委任事務に全くノータッチで何もしないということではない。しかし、それが最終的に監査報告に出てくるときにそこを省くかどうかという問題は、これは別問題であろうと思っております。
○五十嵐委員 いますっとそれぞれお聞きをして、実態としては全く一緒にやっている。一緒に処理しながら、支障はありませんか。
○砂子田政府委員 機関委任事務であれ団体委任事務であれ固有事務であれ、一体的に監査をし検査をするというのがむしろ普通だと思うわけです。むしろ、離すことに非常に無理があるのだと思うわけです。ですから、一体的に監査をしていることに私は無理はそんなにないものだと思っております。
○五十嵐委員 そうすると、機関委任事務に関する情報、機関委任事務を執行する上で生ずる情報、この情報の処理につきましても、いずれの場合もいまお話があったようなことなんでありますが、この機関委任事務から生ずる情報についても同じようなことは言えますか。
○砂子田政府委員 情報公開というものをどういう形で見るかによって大変違うだろうと思います。私たちは、情報というものがどういうようにして処理されているかということが一つあると思います。その処理の仕方について、いままで公共団体の中で、機関委任事務の処理の仕方はこうですよというようなことで国から指揮監督を受けたことがあるかと言えば、私は、ごく例外を除いてないものだと思っております。そういうことから考えますと、公共団体の方から見れば、基本的には若干固有事務的な処理の仕方が情報の処理についてはあり得るだろうと思っております。
○五十嵐委員 地方自治法七十五条には、住民による事務監査請求が定められているわけであります。これは、有権者の五十分の一の署名をもって直接請求するというものでありますが、この監査対象の事務には機関委任事務は含まれますか、含まれませんか。
○砂子田政府委員 七十五条の事務監査には、当然機関委任事務は含まれているわけであります。
○五十嵐委員 自治法二百四十二条の住民監査請求、二百四十二条二項の住民訴訟の対象の事務も同じようなことが言えますか。
○砂子田政府委員 そのように考えております。
○五十嵐委員 ずっといまそれぞれお話しをいただいてきたのでありますが、結局何だかんだ言っていても、憲法が保障する、そして地方自治法がそれを裏づけているいわゆる地方自治の本旨、憲法原理というようなものはいろいろな面でやはり生きている。それは機関委任事務の法論理をいわば抑えて、そういうものはそういうものなりに、地方自治の本旨がうかがえるように実は感ずるわけであります。 そこで、この機関委任事務の関連における情報公開で非常に問題になっている部分に入りたいと思うのです。 大臣は、僕はきょう初めて御質問を申し上げることになるものでありますから、そして情報公開に関しては、僕の記憶している限りではまだ御見解を十分に承っておらぬような気がいたしますので、この機会にお伺いしたいと思うのでありますが、基本的に大臣は、行政に対する住民の、国民の知る権利というものがあるというふうにお考えですか。
○世耕国務大臣 地方自治それから民主主義の体制下でございますから、でき得る限り知らせるべきである、このように考えております。
○五十嵐委員 もう一つ、同じことなんですが、もうちょっと突っ込んでお聞きしたいのですが、つまり知る権利というのはいわば国民に与えられた基本的な人権の一つだ、こういうふうにお感じになっておられるのでしょうか。
○世耕国務大臣 憲法上の規定はないと思うのでございますが、民主主義の上に立てば可及的にそういうものを拡大して解釈すべきであると考えております。
○五十嵐委員 ちょっとわからぬな。
○世耕国務大臣 知る権利という分野でも、できるだけそのことを尊重しなければならないと思っております。
○五十嵐委員 今日大きく言われている情報公開というもの、あるいは地方における情報公開条例の制定の動きというようなものは、いまおっしゃった住民の基本的人権といいますか、それをできるだけ尊重すべきだといういまの大臣のお話でありますが、そういう一つの知る権利にこたえたものと考えてよろしいかどうか。
○世耕国務大臣 知る権限をできるだけ尊重したということから御推察いただきたいと思います。
○五十嵐委員 まあ、余り事務的なことは大臣いいんですから、何というか、魂といいますか、これはわが国の地方自治という民主主義の根幹の制度の頂点にあなたは立っているんですからね、だから余分なことはいいですけれども、魂だけはきちっとしてもらわなくちゃいけないです。もう一遍答弁してください。
○世耕国務大臣 住民の知らんとするところは、十分尊重しなければならないと存じております。
○五十嵐委員 おとといですか、内閣委員会で行政管理庁長官が、実は従前から見るとかなり前進した答弁をなさっているようであります。基本的な知る権利といいますか、情報公開に対する見解というものは、おとといも中曽根長官からお話があったようであります。きょうは行管の方お見えだと思いますが、いまの自治大臣の見解と異なる見解ではないと思いますが、一応お話しを願います。
○吉村説明員 情報公開については、御承知のようにいろんな言い方でいろんな説明がされております。知る権利という表現で言われている場合もありますし、いろいろ憲法上の解釈で議論をされている例もございます。ここで、その辺について申し上げるつもりはございませんが、中曽根大臣が先般国会で答弁いたしましたのは、情報の公開というのは歴史の流れである、あるいは世界の動向であるということを踏まえまして、行政管理庁としても積極的に推進していきたい、そういう趣旨のことを申されたかと思います。
○五十嵐委員 私も、実は傍聴したわけじゃないのですが、しかしそのときのメモを読ましていただきました。 長官は、いまのような趣旨でお述べになられて、同時にこう言っておられるようですね。機関委任事務における情報公開の問題は自治省で責任を持って指導するようにしてほしい、これはその概要ですよ。要旨ですが、そうして、必要があれば行管もお手伝いしたい、こういうような趣旨のことをお述べになっているようでありますが、そうですか。
○吉村説明員 詳細はともかく、ほぼそういうふうな趣旨で申されたと思います。
○五十嵐委員 そうですね。自治省が、前段言いましたように、基本的には積極的に推進すべきだというふうに中曽根長官も言っているわけですね。そして、自治省は責任を持って、機関委任事務の問題に関してもその公開に関しても指導していけ、おれの方も手伝う、こう言っているわけでありますが、自治省としてはどういうぐあいにお考えですか。
○砂子田政府委員 お話の内閣委員会におきまして私のところの行政課長がお答えをしましたとおり、機関委任事務というものも要するに文書管理の一つの態様でしかない。先ほど申し上げましたように、そういう意味ではそういうことについて国の監督をいままで受けたことは公共団体としてはないわけでありますから、とりわけ機関委任事務であるからといって自治省が指導する必要はなかろうと思っております。
○五十嵐委員 改めて言うまでもないのですが、埼玉と神奈川は今年十二月の県議会で条例を制定したい、それで五十八年度からこれを実施したい、こう言っているわけですね。さらにまた、東京都、長野県は五十九年度には条例を制定したい、大阪、栃木、滋賀、これらも条例制定を想定して準備に努力をしていることを初め、これはもう全国どこでもやってないところはないくらいにそれぞれ研究し、検討し、準備を進めているわけです。すでにこの間は金山町が条例を制定し、実施に入っておる。市町村段階でも、同じように皆準備に努力をしていると思います。これはみんなそうやって、もうやったところもある、目の前にやろうとしているところもたくさんある。 どこも壁になっているのは機関委任事務の問題。一体これはどうなんだ、いままでの国会等の答弁から見ても何だかわけがわからぬ、こういう印象を持って皆困っておられるわけでありますから、政府は機関委任事務の情報公開の扱いについて、もう明確にしてもらわなければ、実際これは困るのですよ。まさか自治省と行管と、あるいは各省が、お互いに責任を押しつけ合って逃げているなんていうことではないと思いますよ、そんなことをしたら大変なことだから。これは日本じゅう大騒ぎですよ。もうきちんとしてもらわなければうまくないと思うのです。 しかし、そこへおととい行政課長の内閣委員会における答弁はかなりすかっとしておった。これは、私は新聞のあれでありますが、拝見して、そういう意味ではようやく明るさが見えた。そんなことで恐らく情報公開における先進的各自治体も少し安心したのじゃないか、こういう気がいたしたわけでありますから、ぜひひとつ積極的に取り組んでほしい、こういうぐあいに思います。 そこで、もう少し話を詰めていきたいと思いますが、機関委任事務文書というのは、あらかじめ各省庁から、この文書の保管は何年間であるとかいう各地方自治体における保管期限、保存期限のようなことについての指示はあるのですか。
○砂子田政府委員 先ほど申し上げましたように、機関委任事務に関しましてごく少数そういうことがあると申し上げました。たとえば戸籍がそうであります。要するに様式を示しまして、七十年間保存しなければならぬというのが一つの例だと思います。 先ほど自治省が指導するとかしないとかいうお話がございましたが、私が申し上げているのは、本来公共団体というのは、機関委任事務であれ、自分のところで行っている事務であれ、すべて文書の保管、処理というのは固有事務だと観念をしているという前提に立って、お話を申し上げているわけであります。そういう前提に立ってお話を申し上げておりますから、機関委任事務がどうだ、こうだといってお騒ぎになる方がむしろおかしいのではないか。 ですから、本来的な固有事務として文書管理を行っていたものであればそうすればいいのであって、もしそれについて異論があるとおっしゃるのであれば、それはその機関が、それは異論がありますというふうにおっしゃっていただくのが通常だと思うわけであります。そういう意味で、自治省が機関委任事務について情報公開制がどうだ、こうだというような指導をする立場にないということを申し上げたわけであります。
○五十嵐委員 非常に明快なお答えですね。しかし、もう少し話を進めていきたいと思います。 そうしますと、ごく一部を除いて機関委任事務の文書というのは保存年限が格別指示してない、つまり何年間そこで保存をしていくか、あるいはいつの時点でそれを廃棄処分にするかということは現に地方自治体自身の考え方で処置をしている、こういうことですか。
○砂子田政府委員 五十嵐委員も前にそういうことをおやりになっておったからおわかりかと思いますが、一般的には国が一々文書についてそういうことを指示することはほとんどないのではないかと思っております。
○五十嵐委員 いま局長のお話しになっていた固有の事務だということは、つまり言いかえれば機関委任事務であっても、その事務の処理をしている処理そのものはこれは機関委任事務には違いないが、その執行の過程で生まれた情報あるいはそういうものの処理というものはそれから離れて固有の事務である、こういうことであるのかどうか。
○砂子田政府委員 先ほど申し上げておりますように、事務の処理というのは、おっしゃっているとおり機関委任事務である限り主務大臣の指揮監督を受けてやるのは当然であります。ただ、私たちは、情報管理と申しますか情報公開と申しますか、そういうために必要な処理というのは、一般的には文書管理だと思っているわけであります。ですから、情報の公開といいましても、一つはそういうふうに見る見方が間違っていると言えば全部崩れてしまうわけでありますが、私はそういう意味で、情報公開というのは文書管理の一態様だと思っているわけであります。 そういう点から申し上げますと、文書管理というのは、一般的には長の責任と判断で行っているのが通常でありますから、それについて問題があるならば、それぞれの主務大臣がそれぞれお示しいただければいいのではないかと思っているわけです。何回も申し上げますが、私たちが一般的に文書管理の一態様だと考えることが間違いでない限り、それは固有事務として観念せざるを得ない、こう申し上げているわけであります。
○五十嵐委員 間違いでない限りといっても、自治省としては明確に——言いかえれば地方自治法百四十九条で長の担任事務が規定されているわけでありますが、ここで「普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。」ということになっていて、その第八号で、「証書及び公文書類を保管すること。」こうなっておるわけですね。行政実例としては、公文書とは府県の行政に関する一切の帳簿書類を指す、こういう解釈がなされているわけでありますから、機関委任事務の公文書といえども、そういうような地方公共団体の長が担任する事務である、こういうお答えであろうというふうに思うのですが、まあくどくて悪いが、そうですね。
○砂子田政府委員 おっしゃっているとおりでございます。
○五十嵐委員 それでは、自治省の機関委任事務の情報も情報公開の対象になるものだ、それは地方自治体の固有事務だというお答えをいま確認させていただいたわけでございますが、そういう考え方に立って、先ほど言うような各地方自治体の情報公開条例制定の動きについて積極的に対応をしていただきたい。当然またそういうことであろうと思うのでありますが、そういう考え方をこの機会にまた少しお話をいただきたいと思います。
○砂子田政府委員 先ほどから申し上げておりますとおり、情報公開の問題というのは、そういう意味で長の責任と判断において行わるべきものだと思っております。ただ、条例を制定するということになりますと、その条例の内容にいろいろな問題がおっしゃるように出てくると私は思います。ただ、いまこれを一々全部私たちが指導するという点に至りますまでには、まだまだ私自身の方で研究しなければならぬ部分がずいぶんございます。この間も金山町の条例を送っていただきましたが、やはりその中にプライバシーの問題でありますとか非公開の原則をどういうふうにするのがいいのかという問題もございますし、単にプライバシーと申しましても、その基準でありますとか範囲というものはどういうものかというのは、大変むずかしい問題だと思います。 またさらに、文書を公開すると申し上げましても、一般の住民の方々が役所へどんどん入ってきて公文書を見るというのはとてもできることではないと思います。そういうのであれば、そういう文書の保管というのをどうしなければいかぬのか、そういういろいろな前提もありますし、直ちにこれをやれやれと言ってやるほどまだ私たちの方も研究といいますか、その準備といいますか、そういうものができていないのも実情ですし、地方団体におきましても、恐らくそういう文書を公開するようになりましたときには、公文書館みたいなのをつくらなければなかなかこれもできないだろうということも考えられますし、そういう点から考えまして、もう少し研究させてから指導していくということを、やはり国としては慎重にやっていかなければいかぬのじゃないかと思っております。
○五十嵐委員 しかしそれにしても、余りゆっくりされても困ったものですね。もう情報公開の問題が論議になってからかなり時間がたっておるわけです。もちろん、自治省も鋭意研究会的なものを持って御尽力いただいたのはわかりますけれども、しかし、各自治体がむしろどんどんそうやって進んでおる折でありますから、その対応をひとつ急いでほしい、こういうぐあいに御要請を申し上げたいと思います。 少なくとも、それぞれ相談に来るわけだから、きょうの答弁で、そういうことに歯どめをかけたり、あるいは機関委任事務の問題に関連してブレーキがかかったりというようなことはなくなったと確信を持てるわけでありますが、ぜひひとつ積極的に御助言を願いたい。あるいは行管の方も、私どもの方もお手伝いをいたします、こう言っておるわけでありますから、各省の意見等もまとめながら、ぜひ積極的にひとつ御協力を願いたい、こういうぐあいに思います。そして、いま予定されている各県等の情報公開条例の制定に支障のないように、万全を期してほしいというふうに申し上げておきたいと思います。 それから、この機会ですからちょっとあれなんですが、秘密文書の取り扱いの問題なんですよ。昭和四十年の四月十五日に、事務次官等会議申し合わせによって、「秘密文書等の取扱いについて」というものが出ておるのであります。これは、現在もそのとおり実施しているのではないかと思いますが、いかがですか。行管の方でおわかりであれば……。
○吉村説明員 昭和五十五年五月二十七日の閣議了解にも明記してありますとおり、ただいま御指摘の事務次官等会議申し合わせ事項は現在でも生きております。
○五十嵐委員 当時の「秘密文書等の取扱いについて」という事務次官の申し合わせの通達、これの内容というのは非常に細かく具体的に書かれていまして、秘密文書というものを「極秘」と「秘」に分けておる。そして、「秘密文書には、秘密にしておく期間を明記し、その期間が経過したときは、秘密の取扱いは、解除されたものとする。」あるいは「「極秘」の文書の複製は、絶対に行なわないこと。」あるいはまた、「秘密文書を保管するときは、金庫等施錠のできる書庫に保管すること。」「各省庁は、以上の取扱いを当該省庁の文書取扱の規程にもり込むこと。」そのほかさまざまありますが、こういうことになっておるわけですね。 つまり、機関委任事務で秘密にしなければだめだ、非公開だというものは、あらかじめこのようなマル秘扱いとしての指示があるものだと思うんですね。そうですが。
○吉村説明員 先ほどの閣議了解は、できるだけ公開するものをふやす、非公開のものを少なくしょうという趣旨で盛り込まれているものでございます。 ただいま御質問の極秘あるいはマル秘の問題につきましては、直接行政管理庁で所管しておりませんので、その辺の微妙なところは多少申し上げがたいのでございますけれども、精神としては、ただいま御指摘のような方向で考えるべきであろうというふうに思います。
○五十嵐委員 そうしますと、マル秘でないものは、これは皆公開していいわけでしょう。公開してだめなものは、マル秘として指定しておるわけですからね。これは、こういう事務次官通達で明確になっているわけです。しかもそれは、お話のように五十五年の閣議了解でさらに確認をしているわけですから、したがってこのマル秘でないものはいいという解釈でよろしいのですか。
○吉村説明員 再度申し上げるようでございますが、行政管理庁は閣議了解の推進を図るという立場にございます。ただいまの事務次官等会議の申し合わせ事項そのものにつきましては、直接行政管理庁の所管になっておりません。そういったことで、そこら辺の区別等については申し上げるのはどうかということでお答えしたわけでございまして、考え方としては、できるだけその点をはっきりしていこうという趣旨であるということをお答えしておきます。
○五十嵐委員 どうも答えにならぬですね。僕の言うこと、違いますか。論理的にそうでないですか。これはしかし、おたくの方で答弁しなければしようがないですよ、行管ですからね。どうですか、もう一遍お答えできませんか。
○吉村説明員 たとえばプライバシーにかかわるような事項、こういったものは一般的に公共団体でも検討されておりますように非公開、そこらがいまの文書の取り扱い上極秘とか秘とかということになっているかどうかといったような具体的な問題もございます。そこで、もし先生のおっしゃるようにするならば、現在の申し合わせ事項等の解釈をもう一度確認しておくとか、そういったようなことも必要ではないか。たとえば、いろいろなそういった事項も必ずしも秘あるいは極秘となっているとは限らない。プライバシーにかかわるような事項は、極秘ということで金庫とかそういうところに入れるというわけになかなかまいりません。まだ、そこらの実務的な検討もせざるを得ない面もございます。
○五十嵐委員 しかし御懸念のような問題は、もう各地方自治体で、情報公開条例の中で非公開にすべきものとして幾つかやっているわけですね。ですから、そういう点は余り懸念しないでも大丈夫なんですね。ひとつ前向きに取り組んでください。僕は、論理的に言いましても、非公開にせよというものはそういうぐあいにしているわけですから、そうでないものは、地方自治体でそれぞれ首長の責任と判断でやっていくということでいいものだというふうに思います。きょうはなかなか答えが詰められぬようですが、ぜひ、なおひとつ前向きに御検討をお願い申し上げたいと思います。 情報公開の問題はその程度にしておきたいと思います。 何か、きょう明確になるんだというお話を仄聞しておりましたが、自民党の選挙制度調査会が地方選挙について検討してきたが、今回方針を固めたというふうに伝えられているわけであります。幾つか内容はあるのでありましょうが、その一つで、毎年十月もしくは十一月の日曜日を地方選挙の日として、地方の首長あるいは地方議員の選挙を一括して実施する、こういう趣旨が盛り込まれているようであります。そういう必要性があるというふうにお考えですか。
○大林政府委員 すでに新聞等で御案内のとおり、来年の統一地方選挙を控えまして、過去九回執行してまいったわけでありますが、一〇〇%の執行率が次第次第に減少をいたしておりまして、来年は恐らくは四〇%あるいはややそれを切るかもしれないというように減少いたしております。 そこで、ぼちぼち地方選挙の統一のあり方というものをこの辺で見直すべきではないかという御意見が自民党の選挙制度調査会の中で起こりまして、現在小委員会を設けて検討をされております。もちろん、いろいろな御意見が出ておりまして、もう少し幅を広げるべきではないかとか、あるいは一年に一回秋口にまとめるべきではないかとか、あるいはさらには四年に一度というふうにまとめるべきではないかとか、いろいろな御意見があるわけでありますが、だんだん一年に一回という御意見が多くなりつつあるようであります。 ただ、こういった問題につきましては、一応そういった御意見を中心に検討を進められておるようでありますけれども、長い間のルール、仕組みを変えるということになりますので、いろいろな方面からの御意見がすでにいろいろ出ておるやに聞いております。そういった御意見を今後もまって、さらにそういった御意見を踏まえて具体的に検討をされる段取りというふうに伺っております。
○五十嵐委員 懸念される問題点がございましたら、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○大林政府委員 問題点と申しますか、それぞれの立場における御意見、地方の御意見、そういったものが出てまいりましょうから、そこら辺から問題点が整理されると思いますが、現在論議されておる過程におきましても当面、来年統一選挙の年を控えまして余り急激な変化はいかがなものであるかとか、あるいは四つの選挙を一緒にするというのもいかがなものであろうか、こういう御意見も出ております。さらには、現在の考え方に沿ってまいりますと、任期の特例措置というようなものも必要になってまいろうかと思いますが、こういった問題についてもどう考えていくべきか、さらに詰めていかれる御予定と聞いております。
○五十嵐委員 解説ばかりお伺いしたのでありますが、解説もさることながら、まあ政党で御論議いただいておるわけでありますから、なかなかお話しづらいのもわからぬではないのでありますが、部長さんの方での少し主体的な御意見もいただきたかったというふうにも思います。 地方自治体の選挙でありますから、何にしたってそれぞれ住んでいるところに密着して、その地域や住民の幸せを願って地方自治体が構成され運営をしていく、そのために最もすぐれた代表を選んでいくということになるわけでありまして、どうも一括しなきゃだめだということがよくわからぬ。一括すると、むしろ地域の特性なり争点というものが失われていくことになるのでないか。経費の節約になるというのはそうかもしれません、あるいは投票率はかためてやれば上がるのではないかということもわからぬものでもない。しかし、それならば、投票率を上げる、経費を安上がりにするというなら、地方選挙だけでなくて衆参も一緒にやった方がいいのじゃないか、こんなようなことさえも出てこないものではないのでありまして、どうも僕は今回の一括選挙という考え方には納得がいかないのですよ。 投票率が低くなってきているというのはそのとおりです。しかし、それはもっと大事なところに問題点があるのでないだろうか。このごろの各地の選挙なんかを見ても、われわれ自身が、政党側でむしろ反省すべき点がずいぶんあるのであって、そんな点を抜きにして画一的に手続だけを考えるというのもどうかなというふうに思いますし、この点については慎重を要すると思うのです。一括しなければならぬという必然性は全くない、僕はそう思っている。党利党略でいろいろなことを言われておりますが、そのことをいま申し上げようとは思いませんけれども、その必然性は僕はないように思われる。 むしろ地方自治の本筋を曲げないで、ばらばらであったっていいではないか。むしろそれぞれの地域の実態に応じて、地域性を十分に組み入れながら政策の論議がなされていくように期待をしたいというふうに思うのであります。大臣は、自民党でそれをやっているのだから、それはなかなか大変なことでありますが、しかし自治大臣という立場でお考えになられて、御見解を承りたいと思います。
○世耕国務大臣 地方選挙を一緒に統一してやろうという考えの一番根底にあったのは、最近首長選挙も、場所によってですが投票率が下がってきて、どうももう一つ熱がない、それから県議選とかそのほかの市議選、町議選、いろいろ何回もやられるのですが、やられる方の住民の方がちょっと熱もないし、余り回数が雑多にありますのでちょっと迷惑である、そういう意識も実はあるのだそうでございます。そういうところから、行財政改革の折から経費の節約にもなるし、事務の手間の節約にもなるので、ひとつそういうふうに統一してはどうか、こういう考えが一番基調になりまして起こってきたところでございます。 これを、私は自民党に所属しておるのでありますが関係省庁の長でございますので、その関係省庁のわれわれの方の側から見てまいりますと、これは各都道府県、市町村、いろいろ御事情もあるし、それから政党的な色彩はわりあい、中央ほどはそう強くはないのでございますが、いろいろ各党のよって立つ基盤もありますので、いろいろな分野から公平な幾つもの議論が出て、そこでよくよく協議した上でなければいけないのではないか、こういう判断を持っておる次第でございます。
○五十嵐委員 ぜひひとつ、慎重な御検討をお願い申し上げたいというふうに思います。 多選禁止というのもやっているのだそうであります。しかし、私はちょっと感ずるのですが、ずっと二十五年以上の額がある。国会議員は二十五年以上を奨励して、地方の首長は三期で定年というのもちょっとおかしいなという感じがしないものでもありません。首長には権限が集中するという意味もあるのでしょう。しかし、これらにつきましても、ぜひ慎重な御検討をお願い申し上げたいと思います。 次に、最近一部事務組合が、これはもちろん自治省の御指導もあってのことでありましょうが、非常にふえております。現在、大体どのくらいの数になっているのか、あるいは職員数なんかももしおわかりになれば、お知らせいただきたいと思います。
○砂子田政府委員 お尋ねの一部事務組合に関してでありますが、昭和五十五年七月一日現在におきまして、一部事務組合の数は二千九百五十四件でございます。組合を組織しております団体の数は、延べにいたしまして二万五千五百九十五でございます。さらに、一部事務組合に勤務しておる職員の数は、五十六年四月一日現在で六万六千六十六人ということになっております。
○五十嵐委員 やはり相当なものですね。二千九百五十四件というのは、今日わが国の地方公共団体は三千三百くらいですから、その総数に匹敵するくらいの一部事務組合ができたということですね。しかも、そこに六万六千人職員が働いている。 地方公社というのもずいぶんできましたね。さまざまな形の地方公社が目的を持ってできた。ことに高度成長期にできた。この地方公社の種類であるとかあるいはできた数であるとか職員数はわかるかどうだか、そんなことなどお知らせいただきたいと思います。
○小林(悦)政府委員 地方公社の数でございますが、ここで申します地方公社というのは、地方公共団体が二五%以上出資しているもの、こういうものを対象といたしているわけでございますが、五十六年一月一日現在で三千七百十六公社ございます。 業種別に見ますと、ほぼ半数、四六・六%が地域、都市開発関係でございまして、以下農林水産関係、教育文化関係の順となってございます。 それから地方公社の職員数でございますが、やはり五十六年一月一日現在で六万四千五百七人でございまして、そのうち常勤者は四万八千六百十六人、非常勤者は一万五千八百九十一人となっております。
○五十嵐委員 これも相当なものだと思います。ここのところには、職員だけでなくて常勤役員なども皆いるわけですね。 最近、民間に対する委託事務がずいぶんふえていますが、この民間委託事務の最近の状況は一体どんな程度になっているか、概要で結構です。
○砂子田政府委員 民間に対する事務事業の委託の問題でありますが、実は都市に関する調査しかいたしておりませんのでそれで御容赦願いたいと思いますが、五十五年の三月三十一日現在におきまして、清掃でありますとか警備でありますとか、いわば庁舎の内部管理、そういう事務が大変多うございますが、そういうものを集めますと大体四二・七%ぐらいでございます。公の施設の管理委託のようなことになりますと、実施率では六・一%ぐらいでございます。
○五十嵐委員 四二・七%というのは、やらなければだめな事務のうちの四二・七%委託している、こういう意味ですか。
○砂子田政府委員 ただいま申し上げましたのは、市などにおきまして庁舎管理でありますとか警備でありますとかあるいはタイプの委託でありますとか、そういう内部管理と申しますか、そういうものをやっているものが大体四二・七%、それは全体の公共団体に対してそれくらいの比率である、こういうことを申し上げたわけでございます。
○五十嵐委員 これも、自治省の御指導もあってのことですが、ずいぶんふえていることは言うまでもありません。膨大な委託内容になっているわけであります。 こうして、いま三点お聞きしました。一部事務組合あるいは地方公社あるいは民間委託事務、いずれも大変大きなボリュームになっている。 この事務について、地方議会の調査権、監査権は及ぶのですか。
○砂子田政府委員 御案内のとおり、一部事務組合、地方公社、民間委託、こういうものにつきましては、一般的に公共団体の事務を委託をしたり、あるいは組合に任せたりいろいろしているわけでありますから、住民の意思を行政運営に十分反映させるように、議会の機能というのが考えられなければいかぬと思っております。御案内のとおり、一部事務組合に関しましては、もともと議会がございますし、公共団体自身、本来母体と申しますか、母体の市町村につきましても、負担金を出すという形の中において当然にこれは議会の監視がなされているわけであります。 開発公社につきましても、それぞれ出資率に従いまして議会が当然関与することになりますし、設立でありますとか解散でありますとか、そういうときにはもちろん議会が関与しますが、そのほかに出資金の予算あるいは債務保証、そういう段階では当然に土地開発公社につきましても議会の関与がなされます。特に、資本金の二分の一以上出資している団体、主に先ほど審議官の方からお話を申し上げました一般的な法上の公社、こういうものは二分の一を出資しろということになっておりますから、その毎事業年度の経営状況というものを説明する資料と申しますか、そういうものは議会へ提出しなければならぬということになるわけであります。 民間委託の問題につきましても、当然毎年度予算で委託の予算を組むわけでありますから、その過程におきまして議会が関与してくるということは当然あり得ますし、議会の関与の足りない部分につきましては、なお今後とも議会の権限というものを強化をしなければいかぬだろう。これは、先ほどお話のありました地方自治法の一部改正案の中にも、そういう制度をやはり組み入れていくべきものではないかというふうに考えております。
○五十嵐委員 最近の傾向からいって、議会がもっと積極的に関与できるような改正がぜひ必要でないかというふうに思いますので、この前の地方自治法の一部改正が御準備いただいたのになかなか提出するに至らなかった、このことは非常に残念に思うのですが、これは近く再び提案するというお考えはありますか。
○砂子田政府委員 前に提出予定しておりました地方自治法の一部改正につきましては、断念をしたわけではございませんで、各省との調整ができないという過程で出せない状態にあるわけであります。私たちといたしましても、先ほどからお話がございましたが、地方公共団体が本当に自主自律の精神でいけるということのためには、やはり地方公共団体の監査でありますとか議会でありますとか、そういう点の機能強化ということを考えなければいかぬと思っておりますので、今国会は非常に申しわけないのですが、もう会期も余すところ余りございませんし、そういうこともございますから、今国会に出すのは大変困難だと思いますが、ともかく提出することについては私たちは最大限の努力をしたいと思っております。
○五十嵐委員 ぜひひとつお願いしたいと思います。行政改革なんて言っていますが、あれが提案できないような状況ではもう行政改革のお話ができぬくらいな気持ちでおりますので、ぜひひとつ積極的なお取り組みをいただきたいと思います。 この機会に、あと一、二ちょっとお聞きしたい点があります。許認可等の関係もあるわけでありますが、例の都道府県の教育長の任命の問題なんですね。これは、ときどき僕も御質問させていただいておるのでありますが、大臣、御承知だと思いますが、都道府県教育委員会の教育長は文部大臣の承認、市町村の教育長については都道府県の教育委員会の承認を要する。これは去年、たしか時事通信社でアンケートをとった結果が出ておりまして、関係者のほとんどは、こんなことは放置しておいてはいかぬ、意味のないことだ、非常に自治権を侵害することであるし、ぜひ廃止すべきだという意見が強い。この際、自治大臣としても、臨調等とのかかわりの中で積極的にこれが廃止についてお願いを申し上げたいと思うが、いかがですか。
○砂子田政府委員 教育長の文部大臣及び都道府県教育委員会の承認に関しましては、実は地方制度調査会でも問題になっておりましたし、全国知事会からもそういう御要望がございまして、私の方でも地方分権というものを推進をするという考え方からいたしましてそういう方向に持っていくべきだと考えております。そのために、実は臨時行政調査会の方から都道府県に関します許認可の問題につきまして意見を求められておりましたときに、そういう資料を提供いたしまして考え方を示してございます。
○五十嵐委員 この点も非常に心強く思います。大臣、ぜひひとつ御尽力をいただきたいと思うのですが、一言。
○世耕国務大臣 私も、地方自治尊重の上に立って教育の問題も考えておりますが、教育ということ自体を全体としてとらえていきますと、教育の中には国際性もあるし、国全体としての教育のあり方も含まっておるし、それからさらには郷土固有の、つまり地方固有の教育性というものも入っておりまして、いろいろな形で入り込んでおりますので、この点は地方自治尊重のたてまえからいっても、その教育自体をよくよく全体を熟慮した上での判断にまってやっていくのが最もよろしいのではないか、そのように考えております。
○五十嵐委員 というわけで、やはり都道府県の教育委員会の教育長の任命に当たっては文部大臣の承認を得るというようなことはあるべきものでないというところをひとつ……。
○世耕国務大臣 御指摘のことはよくわかるのでございますが、文部大臣は私と所管違いですが、私も長い間文教のことに携わってきましたので、文部大臣の場合は日本全体の教育を所掌するところでございますが、市町村になりますと、私はそこまではよく存じないのですが、都道府県の教育長さんは少なくとも都道府県だけではなくて、都道府県以外の国全体に対する視野というものも職掌柄必要性が出てくるのではないか。その点で、あと文部大臣との兼ね合い、いろいろな関係というものを考えていって、その上で地方自治体尊重の立場に立って今後の教育長の推薦あるいはそれの承認のあり方というのを決めていくべきであろう、そのように考えております。
○五十嵐委員 これはどうも局長さんの答弁より大分後退して、聞かねばよかったなというふうにも思いますが、しかし大臣、この点は実は長い問題でして、ぜひひとつ自治大臣の立場でこの問題を検討してみてください。いずれまた機会あるときに御質問いたしますから。
○世耕国務大臣 私の見解は、大体まあ月並みな見解を申し上げたので、これを地方自治という一つの個性的な立場から考えていきますと、この教育及び教育長のあり方というのはまたおのずから別な見解が出てくるのではないかと思っておるのです。
○五十嵐委員 そこのところをちょっとお話しできませんか。この次にしますか。
○世耕国務大臣 自治省としましては、御指摘の御意見に沿ったものを臨調に提出してあるそうでございまして、そういうことでございますから、その点を御理解いただきたいと思います。
○五十嵐委員 ぜひひとつ、臨調に強くその意見を反映していただくように御要望申し上げておきたいと思います。 あと十分ほどでありますが、この前、地方六団体であったと思いますが、去年の十月ですか、行政改革に関して要望をまとめていろいろな資料をつけて、非常に具体的な、私ども参考になる資料を見せてもらったのです。この中で補助金の問題に関連して、補助金の問題はかねがね改革をする必要が非常にある、やはり地方の立場からいうと、基本的には補助金というものは縮小して一般財源化してもらう、そして地方の実態に合った仕事ができるように改善をすべきだとわれわれは思うのであります。もちろん、そういう方向で御努力をいただかなくてはならぬのでありますが、当面補助金で幾つか問題があるうちの、ことに地方六団体が出した資料の中でなるほどなと思って僕は見たのでありますが、補助金の申請やら交付に関する事務手続が大変な事務量になっておる。 そこできょう、お忙しいところ恐縮だったのですが、一つは農水省の県営の農道整備事業に関して、それからもう一つは建設省の道路改良事業についてお聞きしたいと思っておいでをいただいているのでありますが、まず建設省で道路改良事業に関して要望ヒヤリングあるいは認可申請、交付申請、変更認可申請、変更交付申請、終了実績報告、完了実績報告というようなそれぞれの手続段階における提出必要書類、これは一体どんなものがどのくらいあるのか、現状をお知らせいただきたいと思います。
○高見説明員 道路改良事業に係ります補助金の交付申請につきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第五条に基づきまして申請していただくわけでございますが、申請に必要な書類としましては補助事業の目的、内容、経費の配分、額の算出の基礎等の関係書類を添付してもらいました申請書を出してもらうわけでございますが、場合によっては、補助目的として定められたところに従い適正に使用されるかどうかの判断に必要な説明資料の提示をお願いすることもございます。
○五十嵐委員 もう少しちゃんと説明してもらいたかったのですが、時間もないからしようがないですかね。 六団体でつけている資料によると、要るのも要らないのも団体によってあると思いますが、しかし、一応見せられた資料によると六十一あるのですよ。だけれども、聞いてみたらその後多少これは減っているのもあるのかな、そんな話もちょっと聞いたりもしました。しかし、それにしても相当膨大なものだ。道路改良事業、全国で約八千件あるそうですね。それでこれがこういうことになっている。それについて六団体の資料によると、この道路改良事業に要する手間、所要人員が延べ二千二百六十人に上るのですね。そのうち出張に係る延べ人員は二百三人、これはいずれも都道府県における平均的数値だというのですね。 これは、この資料に基づいて言っているわけですから言い分がいろいろあるのではないかと思いますが、しかし、何にしても相当なものだ。こういうことは補助事業にかかわって山ほどあるわけでありますから、できるだけひとつ簡略化してほしい。これは、五十二年でしたか五十三年でしたかに一遍それぞれに簡略化の努力がなされているようでありますが、なおひとつぜひ簡略化してほしいと思うのでありますが、いかがですか。
○高見説明員 五十三年来、簡素化あるいは合理化について努力してきたわけでございますが、今後も検討可能なものとしまして三点ばかり考えております。 一つはヒヤリング等の改善でございまして、審査の時間の短縮とかあるいはもうちょっと合理化するとか、そういうことを考えております。それからもう一つは、軽微な変更の拡大についても検討しております。その他としましては、書類の記載方法の簡素化等についても、もう少し事業ごとあるいは個別的に検討して改善を図っていきたいと考えております。
○五十嵐委員 では、恐縮ですが、農水省お待たせしましたけれども、県営の農道整備事業についての手続の現状、それからおたくの方はここ三、四年かなり省力化に御努力いただいたようでありますからその状況、あるいは今後の努力の見通しなどについて、お話を伺いたいと思います。
○坂根説明員 御説明申し上げます。 土地改良事業の補助金の事務手続につきましては、予算費目の整理統合、提出資料の削減等、その簡素化に努めておるところでございますが、ただいま御質問いただきました県営農道整備事業につきましても、この趣旨を踏まえまして簡素化に努めているところでございます。 現在提出をお願いしておりますのは、事業の適正かつ効率的な執行を図るために必要な最小限の資料にとどめておるわけでございまして、具体的に現在提出をお願いしております様式の数でございますが、五十三年当時は全体で五十八種類ありましたものを現在三十四種類に削減いたしまして、五十三年当時の約六〇%になってございます。 その内容をさらに大別いたしますと、概算要求及び予算割り当て等に必要な資料、それから予算内示後補助金の申請から確定までの手続上必要なもの、この二つに大別されるわけでございますが、いま申しました予算内示後補助金の申請から確定までの手続上必要なものにつきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づく補助金の交付申請書、事業実績書等でございます。 このほか、先ほど申しました農林省で定めております概算要求、予算割り当て等につきましては、先ほど申しました全体の数字三十四種類のうちの十八種類でございますが、この中で必ず提出をお願いしておりますのは八種類だけでございまして、あとの十種類につきましては特定の地区に限りまして、たとえば広域農道等の県債務負担の予定年度割り表等、その特定な地区に限りまして提出を願っておるわけでございます。また、この十八種類のうちの約半数は一地区一行にとどまる程度の様式でございますので、一様式一枚というものとはかなり簡略なものが相当入っておるということを御理解いただきたいと思います。 それから今後の予定でございますが、私どももこの簡素化にとどまることなく、今後とも簡素化、省略化できるものにつきましては努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○五十嵐委員 ぜひひとつ、なお御努力をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。 最後に一点、これはなかなかむずかしい問題でありますし、いまここで結論ということにならぬと思いますが、しかし過疎地域でいま最大の悩みになっているものですから、言いたいことは、ひとつ一緒に悩んでみてほしい、そのお願いなんですよ。例の国鉄の赤字線の問題です。 特定地方交通線が、北海道なんかの場合でも地方協議会に皆参加しないわけです、とてもどうにもならぬということで。したがって、にっちもさっちもいかない。その中で北海道の場合でいいますと美幸線、それから興浜北、興浜南を含めるオホーツク線というのを構想しまして、どうしてもやはり線路を残したい、そのためには第三セクターもやむを得ないかという気持ちで、道なんかにも協議しながら一生懸命検討しているようです。おとつい道において、美幸線の場合ですと、沿線の町村を含めて道議会の方も入れて研究会を発足させたりして、出る赤字はどうするというようなことも一生懸命相談しながら、しかしどうしても線路はなくしたくないという考え方で苦労しているわけですね。 第三セクターについて自治省がお考えになっている見解は、かねがねお聞きしていますし、よくわかっています。わかっているけれども、実際にはそうやって本当に苦労している人たちと、ともかくも一緒になってひとつ相談して、どうしたらいいかというようなことで、やはりその苦労をともにしてほしいという気がするのですが、この際、きょうは運輸省の方来ていましたね。まあ、もともとは運輸省が悪いのだろうというふうに思うのだけれども、ひとつ運輸省あるいは自治省の、具体的にどうこうという話は要りません、気持ちの問題でいいですから、ちょっとお答えをいただいて質問を終えたい、こういうぐあいに思います。
○野間説明員 先生御承知のとおり、特定地方交通線につきましては、鉄道輸送にかえましてバスによる輸送を行うことが適当な路線であるということで選定されているわけでございますけれども、しかし国鉄の再建法によりましても、そのような場合に、地域におきましてどうしても鉄道を残してもらいたいというような場合には、第三セクターですとかあるいは民間事業者等によりまする鉄道というものを残す道が残されているわけでございます。 ただ、私ども、この第三セクター等によりまする特定地方交通線の地方鉄道としての経営につきましては、関係地方公共団体等の協力によりまして、その将来計画を含めた財政能力等を勘案して、将来計画が確実なものであるということが必要でありまして、そこら辺の十分な検討が必要であろうというふうに考えております。ただ、そのような場合でありましても、地元でそのような選択がなされた場合には、われわれとしてはできるだけのことはしていきたいというふうに考えております。
○小林(悦)政府委員 第三セクターの設立につきましての自治省の考え方は、申すまでもなくおわかりいただいていると存じます。第三セクターの具体的な設立の問題がすでにあったわけでございますけれども、これにつきましては、地域の実情を判断いたしまして地元で判断すべき問題という考え方でございますけれども、その間非常におつらい気持ちはわかりますので、それまでの経緯なり地域の実情は十分承りたいと存じております。
○五十嵐委員 ぜひひとつそんなことでお願いしたいと思いますが、何といっても地方の人はまいり切っているので、どうですか、最後に一言温かいお言葉を大臣。
○世耕国務大臣 実は私は和歌山県なんですが、和歌山県で新宮といいまして熊野川の入り口の、一番端っこの三重県との県境の町が私の町なんですが、交通が大変不便でして、そこから奈良の五條を抜けて京都の方へ鉄道を敷こうという、これは大正の初期からの念願で、一生懸命運動してきて、途中まで実はできてきたのです。 ところが、例の国鉄の問題になりまして、これは涙をのんで中止ということになって、途中まで線路が行ってだめになって、それは廃墟同然になっているのです。ここを何とか第三セクターでやれないものかという提案をしまして、われわれも一生懸命やったのですが、これもどうもだめなようで、住民の不便を考えて大変残念なんですが、とにかく人間よりもお猿さんの方が多いという地域でございまして、熊野の真っただ中を通る。そういうことで、われわれも第三セクターというものには一時大変興味を感じて、それにすがって一生懸命進めてきたのですが、廃絶のやむなきに至って大変残念なんです。 これはある意味では無理もないので、いろいろな周囲の状況とか乗客の数とか将来の経営のバランスから考えていきますと、なかなか思うようないい結果というのは出ないことが推定されますので、そういう結果になったわけでございます。これはお気持ちは非常によくわかるのですが、いろいろな多角的な面から見ていきますとよほど慎重にやっていった方がいいのではないか、われわれはそれにある意味で温かい目で声援を送らねばならないのではないか、このように考えておる次第でございます。
○五十嵐委員 声援だけでなくて、ひとつがんばってお願い申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
○中山委員長 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 私の場合は最後の質問でありまして、数字的なことはもうみんな申し上げてしまいましたので、余り数字のことには触れないで、お役人の数字の講義を聞くよりも大臣の政治の話をたくさん聞かしていただきたいと思うのです。 早速ですが、いま五十嵐委員から国鉄の地方線の第三セクターの問題についてお話がありました。大臣も地元で大変悩んでおられるようですが、私どものところも悩んでおりまして、いまいろいろ問題が起きて、多分これは第三セクターでいくのではないか、県の意向もかなりあってそういうふうになるのじゃないかという現実的な見通しが幾らかできるようになってきたわけです。そこで、やはりこれは将来の地方自治体にとって大変大きな問題になることは、もう自治省おわかりのとおりであります。残さなければいけないというので第三セクターで残してみたけれども、大変大きな借財をこうむって、今度は解散してもだれも後を始末してくれる人がいない、こういうような危険性も非常にあると思うのです。地元で悩んでおるのは、いま足元の明るいうちに国鉄が全部処分してくれるだろうから、そのうちにやめてしまうのか、しばらく第三セクターでやるとかなり大きな借財をしょわされるのではないか、そのときやれなくなってやめてしまうと一体どうなるだろう、こういう一つの非常に大きな選択の岐路に立っておるのです。 これは初めから自立するならば、第三セクターも何も要らないで国鉄がやればいいので、経営困難だから国鉄が手放すということになるわけですから、初めから困難なことはわかっておるわけです。 〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕 そこでこれを第三セクターにしようが何にしようが、とにかく地元の県あるいは市町村に非常に大きなウエートがかかってくると思うのです。財政的な負担がかかってくると思います。いままでは一つの現実味を帯びない議論でありましたけれども、いまやまさに現実味を帯びて、引き受けるか引き受けないかという現実的な問題に入ってきました。 そこで自治省は、いままではこんなことはとても引き受けられない、地方自治体が財政貧乏ないま、そんなものにかかわっちゃいかぬという態度をとっていましたけれども、恐らく私は、これはずっといきますと、たとえば県なり何なりが、あるいは市町村長なりが、地元の住民の非常に強い力に押されて、多少困難があっても、第三セクターで発足するところがたくさん出てくるのじゃないかという気がいたします。いまから自治省はそういうことを見越しまして、そして一体自治省としてどう対処するか、地方自治体がこの財政に対してどういうふうに立ち向かったらいいのか、あるいはまた自治省として、その大もとである運輸省、そういうところとどういうふうに折衝したらいいのか、これを私はやるべきじゃないかという気がいたしますけれども、いかがですか。
○土屋政府委員 もう率直に申し上げまして、昨年、一昨年当たりからこの問題は、大変大きな問題としてたびたび議論をされてきたわけでございまして、私どもの立場としては、いままさに御指摘のございましたように、いままでの採算の現況から見まして、これが第三セクター方式によって経営をやるとしても、どうしても赤字を生ずるおそれがもう多分にありますので、その結果地方団体に負担が転嫁されるということになると、やはり大きな問題でございます。 〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕 私どもとしては、やはり鉄道網の整備というのは国の基幹的な交通網の整備の一環であって、まさにそれは国と地方との事務分担という形の中で国の仕事として財源配分もなっておるのだ、そういう中で財政秩序を乱してまでやるかどうかとなると、地元の実情はわかるけれども、これは大変むずかしい問題だということで慎重に対処しなければならぬということを、たびたび言っておったわけでございます。同時に、いまの財源の問題についても、地方団体共通の財源から半恒久的に特定の地域へ出すということも、これもいかがであろうかという問題がございまして、大変私どもとしては残念ながら厳しい態度で対処せざるを得ないということで、今日まで来ております。 その後、たとえば野岩線とか岩手県あたりでもいろいろな動きがございますし、いま御指摘のような動きも、現に秋田であることもわかっております。ただ、秋田県あたりでの調査報告でも、開業十五年でなお欠損が解消されない、なかなかむずかしいということも指摘をされておりまして、これが開設されることによって発生する便益をあわせて考慮することも必要だが、やはりむずかしい問題だ、こう言っておられます。 そういう場合に、自治省としてどう決断するのだ。やはり住民がやりたいということになってきました場合に、私どもとしても前々から申しておりますのは、非常に冷たいような言い方でございますけれども、現実を考えてみますと、そういうものがどんどんそういう財政的な負担をしょい込んでいくということは、いまの財政秩序から見て問題である。だからそういう点については、もちろん代替バスとかどうとかということがうまくいかぬので、この第三セクター等になってきておるのだとは思うのでありますけれども、もう一回よく地元としても相談をされて、その去就をはっきりさせていただくしかないだろうというような感じがいたしておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 私が心配しているのは、自治省がやっちゃいかぬと言って禁止できるならばいいけれども、地元の中と運輸省あたりのいろいろな関連等のあれで、第三セクターにいくところも私はかなりあると思うのです。しかし、これは第三セクターを設立すれば、運輸省は五年しかめんどう見ないことになるけれども、県なり市町村は恒久的に負担をしていかなければいけないことは必然なんです。そうした場合に、自治省はだめだと言っても、できる可能性が私は非常に多く強いと思うのです。できてしまえば必ず負担しなければいけない、そこのとき、自治省はどういう対処の仕方をするのか。私は、やれというわけじゃないですよ。やれというわけじゃないけれども、いまから考えておきませんと手おくれになるのじゃないかという心配を申し上げておるのです。
○土屋政府委員 たとえば野岩線の問題が出ましたときも、私どもとしては、基本的な考えはいま申し上げたようなことでございますので、よくよく話をいたしました。しかしあの場合でも、われわれとしては何とかつくりたい、また、将来にわたっても何とか採算もとれるのではないかという期待も持っておるのでどうしてもやりたいということで、その点については私どもがまさに住民の意見、議会の意向等を聞いて、団体として責任を持って全体としての地方の共通財源といったようなことには迷惑をかけない、こういうかたい態度で出発された。それについては私どもとしても阻止することはできなかったわけで、責任を持ってやってもらいたいということを言っております。 今後ともおやりになるとすれば、そこのところを十分考えてひとつやっていただく以外にはないのであって、現段階において私どもが、もしこうなったらその点については自治省としては財源措置をするとかどうとかということはとても言えないわけでございまして、その点たびたび申し上げておるわけでございます。 ただ、いろいろな動きがあるときに、私どもも、もうそう言っているのだから知らないという冷たい態度をしておるつもりはございませんで、いろいろとこういう状況のもとにこういう条件でやっていくんだがどうだというような相談などには乗っておるわけでございます。そこで篤とお話をし、その上に立って決断をしていただかなければならぬということで、こちらとしては何かあったら将来その財政は考えていくという立場はとても言えない、こういうことでございます。
○佐藤(敬)委員 いま申し述べましたように、ああやれこうやれということは、もちろんいま結論が出るはずもありませんので、現実の問題としてそういう状態がどんどん進んでいくと、手おくれになる危険性があるから考える必要があるのじゃないかという一つの警告みたいな形で申し上げておるのですから、いま五十嵐委員からもありまして、地方は本当に自分の子供が死ぬんじゃないかというような非常な大きな悩みを抱えてこれに対処しているわけなので、十分ひとつそのこともおわかりになった上で、自治省としてこれから対処していただきたいと思います。それはそれで終わります。 今度は大臣にお聞きしますが、この間大臣は文化行政懇談会というのを私的諮問機関としてつくった、こういうお話であります。けさの新聞を見ましたら、大臣は十二日に初会合を開いて「「どんな田舎へ行っても鉄とコンクリートの建物が立ち並び、地域の独自性が失われていくように思えてならない。これでは日本は隅々まで画一化されてしまう」と自治相は日ごろの不満をぶちまけて切切と訴えた」こういうふうに書いてあるのです。地方自治と文化というものが結びつかないわけではありませんが、何となくいままで聞いたことがないので、一体この文化行政懇談会で大臣は何を目指しておるのか、その所信をお聞かせ願いたい。
○世耕国務大臣 その新聞はまだ私読んでないのですが、実は私が一番最初に感じたことは、東京もそうですが、私の郷里などでもそうだし、あっちこっち行きまして何だかぴんとこないときがあるのです。何かちぐはぐな町づくりとか、それからいろいろな行政のあり方、道路づくりとか建物とか、われわれの方で予算を出して、国の方からも総合的な予算を寄せてつくっていく場合でも、何か地方へ行ってちぐはぐな、受け入れるのに戸惑っているような感じのする町づくり、いろいろな生活区域のあり方を私は感ずるわけであります。 何となくぴんとこない、そこから始まったわけでございますが、それはつまり私どもの方では、こういう企画に対してこういう計画で設計がこうであって、玄関は何メートルあってどぶはどのぐらいの幅であるとか道路はどのぐらいの幅であるとか、そういうふうなことがあると、その目的に対していろんな予算づけをしたりなんかする、そういうことなので、それを受け入れて地方の方で実施する。実施してお使いになる段階では、地方の自由意思でおやりになるわけなんですが、ぴんとこないというのは、そこのところに何か一つ欠けているものがありはしないかな、そういうところから思いついたものでございます。 つまり、地方の住民の方々の生活と一番密着したところで行政を行うのは、その母体は自治省になるのですが、それから地方団体であろうと思うので、そこに国や何かから予算が出て受け入れていろんなものをつくっていく場合、その区域につくっていく場合に、受け入れるときに何か一つか二つの要素がこれから必要ではないか、それがつまり何となくぴんとこないという感じにつながっているのではないか、こういうことでございます。 その一つが、何か一つの生活文化に対する理解とか幅とか、そういう配慮がわれわれの方にもちょっと欠けているかもしれないし、建物とか町づくり、道路づくり、住民のいろんな福祉、そういうものを考えるときに、そういうことの配慮がちょっと足りないのではないか。それは一体どういうところにあるかというと、恐らく広い意味で言う文化というものの行政における欠如性、そういうところだろうというので、実は私の方から私的な勉強会を設けて有識者にお集まりいただいて、自由な発想で、今後の地方における文化の保存も入れて、そういう広い立場からの発言、知恵を出していただこう、それを何らか将来の地方行政の中に役立てていけたらと、こういう趣旨で始まったものでございます。
○佐藤(敬)委員 大臣はぴんとこない、ぴんとこないと言われておりますが、どうも私も大臣のお答えを聞いてぴんときません。そうすると、何というか、ぴんとこないのでぴんと言えないのですが、たとえば橋をかけるというときに、ただ普通のコンクリートの橋をかけないで何か飾りでもつけたヨーロッパの橋みたいなものをつくるとか、そういうことですか。
○世耕国務大臣 そうではないので、つまりそれをまた逆に否定していくあり方もあるのですが、文化庁でいろんな文化の件に関して担当しているわけでございます。これは、行政の上で文化というものは非常に扱いにくいので、どういうふうにやっていくか、ああいう無形の、形のないものに対して扱っていくのに、何か形をつけなければ行政の上で予算化されてこないわけですね。あるいは博物館とか文化会館とか神社とか仏閣とか重要文化財とか、そういう形のあるものにはいろんな予算づけとか裏づけができるのですが、これは文化庁の方でおやりになるお仕事だと思います。 それから建設省の方はどちらかというと、保存するのがなかなかむずかしいくらい開発が日本全体として進んでいく。これは高度経済成長のもとでは当然のことで、これも否定できない事実でございます。環境庁の方は、どちらかというと公害とか汚染とかそういうことに関するものが主な仕事でございますし、それから国土庁の方も、どちらかというと建設省に近いようなお仕事が主眼になっておる。そうすると、実際言われている本来の意味の、橋を変なかっこうをしてかけるとかそういうのじゃなくて、本来の生活——文化というのは、一つの生活様式であろうと私は考えております。そこが文化と文明の違うところでございまして、例をとるとコンピューターは明らかに文明の一つである。 文化というのはまた別なところに、見えないところにあるので、その見えないものを中心にしていろいろな開発とか地方の町づくりとか地方自治体の独自のあり方とかそういうもの、行政を行うときに自治省とか地方団体が一番住民に密着したことをやっているわけですから、いろいろなことをやっていくときにその受け入れ側、つまり人と自然のあり方の中に新しい町づくりとか建物づくりが入っていくときにちぐはぐにならないで受け入れられる方法、こういうものを考えていかなきゃならないだろう。非常にむずかしい言い方になるのですが、そういうのが本来の目的でございます。
○佐藤(敬)委員 非常に高尚な議論なので、これは何遍も聞かないとよくわからぬと思います。私もお聞きしておりまして、わかるようなわからないような大変複雑な感じを持っております。しかし、いままで歴代の自治大臣の方々は皆大変な地方自治のエキスパートばかりでありまして、非常に細かい世知辛い議論ばかりしてまいりましたが、その地方自治論争の中にこういう文化論争が入ってくるということは大変ユニークなあり方でありまして、私は大賛成であります。 ただ、どうも新聞を見ますと、大臣は文部大臣になりたがっておったんじゃないか、鈴木さんの間違いで自治大臣になったんじゃないか、こういうふうなことを書いてありますけれども、その例として、国会で自治大臣は官僚がつくったメモを棒読みするだけだったが、文化論になると途端に目を輝かせる、こういうふうに書いてあります。私はそれで結構だと思いますけれども、ぜひひとつ自治問題に関しても目を輝かせてがんばっていただくように、私からもお願いいたしたいと存じます。これだけ見ますと、いまお話を聞いただけではわかりませんけれども、自治省の役人も大臣の道楽じゃないかというのでもてあましぎみだということも書いてあるのですね。私は、別にこれをやるなというのではなくて、これは非常におもしろいことだし、やり方によっては大変おもしろい行き方になるのじゃないか、こういうふうに思います。 私も、大臣の考え方には本当に賛成なんです。やはり地元地元には一つの文化、生活の様式というものがあります。みんなユニークな生活様式を持っているので、一律に——たとえば、私が市長をやっていたときに火事がありました。そうしたら、建設省が防火建築帯をつくれと言う。一軒一軒つくってはだめだと言うのですね。ずっと連続しなければ補助をやらないと言うのです。それでみんな連続した長屋、いまは高級コンクリート長屋だと言ってひやかされているのですが、そういうふうな行政のあり方というのはやはりうまくないと思うわけで、家を建てるにも家並みをつくるのでも、いままでのことをよく尊重しながら、伝統を守りながらつくるということは、私は非常に大切だと思います。 ところが、いま国のあり方というものは、全国画一的に同じものでなければ、補助金もやらなければ起債もつけないぞということでがんばっているのですね。こういうことでは困るので、多少金がかかることがあってもやはり伝統というもの、大臣がいみじくも言われる地元の生活様式、文化というものを尊重しながら金をつけていく、こういうような立場で大臣考えていただけば私は大臣に大賛成をしますから、どうかひとつがんばってください。
○世耕国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、そういうことが私どもの今回の企ての一番基調になっているのですが、決して奈良、京都みたいなものにすべきではないという委員の中の御意見がございまして、ああいう——文化論になってくると余り言うとまずいので、ああいう形をわれわれは求めているものじゃございません。 それからもう一つ気になったのは、二、三カ月前に照葉樹、つまりてかてか光っている葉っぱを持った植物ですね、カシとかドングリとかツバキとか、ああいうものは弥生文化の以前からあるのです。中国の大陸、それから地中海の近くからシナ大陸を通って日本列島へ来て、太平洋岸と西南の方にずっとあったわけなんですが、これが環境庁の発表ではほとんどなくなってしまった。神社仏閣の周りにわずかだけ残っている。そうしますと、稲作文化と一緒に出てきたああいうものが、稲作文化というものが根本的に要らない、否定されてしまうような形にもなるので、こういうことが私を含めて今度お集まりいただいた人たちの中に共通の将来への心配事としてあったわけでございます。 それで、自治省で文化というと、ちょっと異分子扱いみたいなことにもなりかねないのでございますが、やはり一番やれるのは自治省じゃないか。ただ、こういうものに予算をつけていろんな補助、助長していく政策をとるのは、口では言っているんですが、具体化するのには非常にむずかしいということがありまして、今回のこういう私的な勉強会の機関をお集まりいただいて始めたわけでございます。
○佐藤(敬)委員 大臣は文化論をぶち上げたいと思って胸のわだかまりがあるだろうと思い、ひとつ大いにこれからがんばってもらいたいと思って私は取り上げたんです。どうかひとつがんばっていただきたいと思います。 高尚な文化論から一変して大変生臭い話になるんですけれども、地方事務官の問題について、局長の方は要りませんから、大臣からひとつお話をお聞きしたい。これは、もういまは大臣よりも首相の決断に一にかかっているという状態にあるので、所管と言えば最大の所管になっております自治大臣、ひとつこれを早急に解決するようにがんばっていただきたい、こう思うのです。 去年の十一月現在で、全国で合わせて二万一千百十七人もの地方事務官がいる。これは、減らすつもりが逆にどんどんふえていっているんですね。これを全廃するということを、この委員会でも何遍も決議してやっているのです。地方制度調査会からも行政監理委員会からも、こんなもの早くなくせと言ってきている。ところが、だんだん減らしていくつもりにしておったが、だんだんふえてきているのです。さっぱりなくなるあれがない。 いま第二臨調でもこれをやっておるようですけれども、各官庁のセクト争いが非常に激しくて、自分の物はつめのあかでも放さないという官庁のセクトがこれを妨害しているわけですが、実際問題として非常に迷惑しているのは地方事務官自体なんです。県に行けば、何だおまえは国のあれじゃないかと言って異端者扱いする。国に来れば、何だおまえは地方事務官じゃないかと言って異端者扱いする。国に転勤もなければどこへも転勤がない。保険の人は保険のことしか知らない。何も知らないのです。だから、県庁内にいてもどこへも転勤することもなく、使いたがらない。だからといって、中央へ戻ってくるわけでもない。一生そこで地方事務官として飼い殺しみたいなものです。もう前途真っ暗なんですね。黙ってそこにいて、保険の仕事ならそういうことばかり退職するまでやってやめていかなければいかぬという、余りにも惨めな身分なんですね。 私は、この前の行革のときにも言ったけれども、人道問題なんです。ほかの高級官僚の人は天下りで三回も退職金をもらったりしているのに、どこへも行くところがない。本当に人道問題だと思うのです。これを私は早急に解決していただきたい。特に、これに一番大きな関連があるのは自治大臣ですから、これはもうまさに政治の問題ですから、ひとつ大臣にがんばっていただきたいと思います。
○世耕国務大臣 これは私としては、御指摘のように地方制度調査会の答申、さらには地方自治体からの御要望の上に立ちまして、地方事務官制度は暫定措置として本来設けられた異例の制度だから廃止すべきである、したがって地方公務員にすべきであるという主張を明確に繰り返しているところでございます。ただ、関係省庁で反対の意見を持っているところも非常にございまして、この点でいろいろ議論が百出してなかなかその実現に至らないというのも事実でございます。
○佐藤(敬)委員 ぜひひとつ踏ん張って早急に解決して、地方事務官の方々を喜ばし、また複雑になっている地方の機構のためにもしていただきたいと思います。大臣のがんばりに御期待いたしたいと存じます。 それから、今度の予算を組むときに、大蔵省、厚生省から強く要請されました国保のあれを五%県で負担しろという肩がわりの問題でありますが、あれはその後どうなっておりますか。
○土屋政府委員 昨年の臨調の第一次答申をめぐって関係省庁でいろいろと議論したわけでございますが、その点については年末に三省庁の大臣が集まりまして、五十七年度予算において都道府県に一部負担をさせるということはしないことは決定したわけでございます。ただ、今後のあり方として、そのときの三大臣の合意事項といたしまして、国保については医療保険全体の制度の中でそのあり方を検討していくということになりまして、厚生省において最近そのための懇談会が発足をしたわけでございます。これには地方団体の代表なども入っておるわけでございますが、これからそういった見地からいろいろと検討がされるものと思っております。 私どもとしては、昨年末に結論が出ましたように、国保についてその医療費の一部を都道府県に負担をさせるといったことは単に負担の転嫁である、そういう形のもとでは行うべきでないということは強く主張し、五十七年度はそのとおりになったわけでございまして、今後ともそういう形で行われることについては反対でございます。 ただ、国保の問題はきわめていろいろと大きな問題を含んでおりまして、国保のみならずいまの被用者保険等を含めた全体の医療保険体系の中でどうあるべきか、また、どういうふうにしたらうまく運営できていくかというようなことは、相当広範囲に勉強していかなければならないと思っておりますので、ちょうど懇談会ができて検討をされていく機会に、私どもとしても、機会があればわれわれのそういった気持ちを申し述べたいと思いますけれども、せっかく懇談会の皆様方で検討されていくわけでございます。その様子をしばらく見守っていきたいと思っておるところでございます。
○佐藤(敬)委員 いま局長のお話にありましたように、厚生省が国保問題懇談会を厚生大臣の私的諮問機関としてつくったということが新聞に出ております。私はこれに、厚生省が国保問題懇談会としてここにつくって、非常に危険を感ずる。厚生省は、国保問題に関しては、これは県で肩がわりするのが当然だという理論でもって、ずいぶんしつこく自治省に攻撃を加えてきた。いまの森下厚生大臣も就任当初この問題について、ぜひやらなければいかぬと発言をしておるのです。厚生省の中にこういう懇談会ができたということは、厚生省のサイドで走るあれが非常に私は強いと思うのです。何かしらそれに対して自治省として、ただ厚生省で結論が出るのを黙って見ておって、そして、やはり県が監督権があるのだから監督権のかわりに五%負担しろ、こういうふうになりかねないと私は思うのです。何かそれに対して考えておられますか。
○土屋政府委員 御意見はよく理解できるわけでございまして、私ども、いまおっしゃいました意味での負担の転嫁については反対であるということは、たびたび言明しておるわけでございます。今回、率直に申しまして、懇談会発足に当たっては暮れの三大臣の合意に基づいて全般的な立場から検討するということでございまして、厚生省もいろいろと意見を求めてまいりました。相談にもあずかっておるわけでございますが、何せ所管そのものが厚生省でございますので、厚生大臣の諮問機関ということで発足したわけでございます。ただ、いまも申し上げましたように、今回の場合は他の懇談会等と違って、地方団体関係の代表者の方などもかなり含んでおりまして、そういった方々の意見も十分聞く体制にはなっておるようでございます。 ただ、形はやはり厚生省が所管でございますから、厚生大臣の諮問機関としてできておることは間違いないわけでございますけれども、私どもは先ほど申し上げたような立場におりますので、その会議の中に直接入るわけにはまいりませんが、いろいろ議論をされる中で意見を求められれば、常にわれわれの立場からの意見、ということは地方団体の意向を踏まえた意見でございますが、それを十分反映できるように努力をしたいと思っております。
○佐藤(敬)委員 どうかひとつ、十分警戒しながら推移を見守っていただきたいと思うのです。 それで、それに関連してお聞きしますが、今度は五十七年には国保の給付ですか、十一カ月分しか入れないというあれになっておりますね。これは、こういうふうにすると法律を変えなければいかぬとか、何かそういう手続が必要ですか。
○砂子田政府委員 国自身が補助金を十一カ月しか組んでおりませんので、地方としては、例年に従いまして四月に始まって三月に終わるということになっておりますから、五十八年度の予算の中から五十七年度に出してもらうように、それが五十七年度の歳入になるように政令の改正をいたしたいと思っております。
○佐藤(敬)委員 そうすると、受け入れる側の政令を改正すればそれで手続は全部済むのですか。
○砂子田政府委員 歳入歳出の年度区分は、御存じのとおり政令で定めることになっておりますので、議会のいろいろな、国会の御意見もございましょうから、そういうことを聞きながら、歳入の確保をすれば市町村としてはよろしいわけでありますから、五十八年度の歳出、国が出します補助金のうちから、五十七年度の三月分だけ繰り入れるための歳入の制度をつくるわけであります。
○佐藤(敬)委員 大蔵省の方は何の手続も要らない、ただ予算を十一カ月分組むだけでいいのですか。
○砂子田政府委員 国としましては、予算がすでに成立いたしておりますので、五十七年度に対しましては十一カ月で済ますということになっておるわけであります。
○佐藤(敬)委員 いや、十一カ月組めば金は動くだろうけれども、その動かすために、たとえば自治体の方では、受け入れる側で政令改正すると言ったでしょう。それと同じように、向こうでも、十二カ月組むべきものを十一カ月しか組まないからということで何か手続を踏まなくてもいい、ただ単に予算上の措置だけでいいのですか。
○砂子田政府委員 そのとおりでございます。
○佐藤(敬)委員 この問題については後からもう一遍申し上げますが、医療の問題は、国保の問題をだれも取り上げる人がいないので、私いつも国保の問題をこの委員会で取り上げて主張しておりますけれども、いまのように、保険全体をどういうふうにしたらいいか、機構を考えるといってさらに検討しておるようですけれども、どこへやっても結局は国民の負担であって、そっちへやってもこっちへやっても同じことなんですね。国保だって、老人保健を創設するとどこから出るかというと、国保だ健保だ組合だというところしか出てこない。結局出どころは一緒なんですね。 問題は、医療費がどんどん高くなっている。もう十三兆でしょう。ことしは一番低くて、十五兆ぐらいになるかと思ったら十三兆か十四兆ぐらいになっている。また来年になると、たちまち二十兆ぐらいになってしまうんですよ。国民医療費が国家予算の半分ぐらいになってしまうんですよ。とてもやっていけない。しかも、これは外国の先進医療国と比べると薬代が倍も多い。そういうような状態で進行していけば、いまにとても医療費を払えなくなってしまうと思うのです。一点単価請負制という診療報酬の支払い制度に根本的に手をつけなければどうにもならぬ問題だと思いますよ。これは蛇足ですけれども、ひとつこの問題について、十分厚生省の出方をにらみながら進行していただきたいと思います。 それからもう一つ、これもこの前に民社党の青山先生から質問になっておることですけれども、地方交付税が地方固有の財源であるかないかということが去年大論争になりました。ことしはすんなりと大蔵大臣も、地方固有の財源だということをはっきりと本会議でも、ここでもこの間認めておるわけです。これが地方固有の財源だとするならば、国の一般会計を通さないで直接特別会計に繰り入れるのが一番の筋道だと私は思います。特に、いままでのような積み上げ方式と違いまして、税率がはっきり定まっておるのですから、そのことをやろうと思えば十分やれると思うのです。 でないと、いつも国の財政に組んでそこからありがたく押しいただいてくるというような形で、何かあるとこれは固有の財源でないという主張が繰り返し繰り返し大蔵省から出てくる。多少の不便はあるかもしれないけれども、この際はっきりと、一般会計に入れないで直接交付税特会に繰り入れるのが筋ではないかと思います。これも政治問題ですので、局長の意見はもう十分わかっておりますから、ひとつ大臣から……。
○世耕国務大臣 御指摘の点はごもっともでございまして、われわれもそれをよく了解するものでございます。ただ、いまおっしゃられましたように、あとは国との政治的な話し合い、やりとりの問題が残っておりますので、今後ともわれわれの方は同じような御意見の上に立ちまして、いろいろ折衝を重ねていく所存でございます。
○佐藤(敬)委員 これは大蔵省の問題がありましょうから、なかなかそう簡単にはできないと思いますが、ぜひひとつその方向で進んでいただきたいと思います。 それから、地方交付税の特別会計には借入限度をはっきり書いてありますね。しかし、この特別会計は表面に出てこない。表面に出てくるのはやはり交付税ですよ。だから私は、交付税法にも毎年度の借入金をはっきりと明記するのが非常にわかりやすい親切な方法じゃないかと思います。これは局長でも結構です。
○土屋政府委員 交付税につきましては、交付税法と実際に金を扱う特別会計、いわゆる交付税特別会計とございまして、全体を見て私どもとしてはきちっと整理をしておるつもりでございます。 おっしゃいますように、特会法だけでなくて、どういう姿になっておるかということをこちらにも書けば明確になるのじゃないかということは理解できるわけでございますが、同じ法体系の中であれこれ書くというよりは、全体として体系が整っておればいいという前提で私どもはやっておるわけでございまして、いま直ちにそういたしますというわけではございませんが、御指摘のように最近では非常に複雑になっておることも事実でございますので、もう少しここらがわかりやすくなる方法があるかどうか、その点についてよく検討してみたいと思います。
○佐藤(敬)委員 この問題については後からもう一遍申し上げますけれども、交付税の仕組みというのが余りに複雑になってわからないんですよ。しかも、この五十年以来いろいろなやりとりがあって、一体どのくらいあるのか、僕らにもわからない、なかなか難解になってきておりますので、特会というのがどこにあるかわからないけれども、交付税法というのはいつも出てくるから、ここに明記しておくことが非常にわかりやすくて親切な方法じゃないかという気がするのです。その方法に限らず何かもっと、ぱっと見ればいつも目につくようなあれがあるかもしれませんが、私は交付税法にも明記しておいた方がいいのじゃないかと思いますので、検討していただきたいと思います。 それから、五十七年度の地方財政は収支の均衡が久しぶりでとれた、こういうふうなことになって、こじつけて財源対策債を全部やめてしまいましたが、これに伴って、従来財対債が充てられていた公共事業について、地方債の充当率が大幅に引き下げられた、こういうことです。これに対して、財源対策債の減額相当分として六千九百億、それから残した調整分の千二百五十億を差し引いた五千六百五十億を全額基準財政需要額に振りかえ算入する、こういうふうなことになっております。 そして、いわゆる事業費補正を復活させようというような意向もあるようですが、事業費補正については特定財源化しているといういろいろな問題があるにしても、それはさておきまして、さらにまたこれも問題になっておりました、国の景気対策の一環を担って八・五%と大きく伸びたところの地方単独事業、財源対策債が解消されたのに対応しまして、その所要額を需要額に算入するというような方法を講じておるようです。 そのために、道府県分の河川費、港湾費、農業行政費、林野行政費、水産費、こういうものや、あるいは市町村の港湾費、都市計画費、農業行政費、その他産業経済費、こういうふうな投資的な経費にも単位費用が大幅に高い伸びを示しているわけです。特に市町村の道路橋梁費、公園、清掃、こういう都市機能の経費の単位費用がそれぞれの費目で大きく伸びているんですが、この金を、何ほどのものをどんな率で、どんな条件で一体配分するのか、どんどん仕事をやれば、小さくても大きくてもそれに比例して金を出すのか、そこいらのところはどういうふうになっているか、大分議論があるようですが、ちょっと考え方を教えていただきたいと思います。
○土屋政府委員 最初に財源対策債の問題でございますが、一応収支が均衡すると見込まれましたので、財源対策債による措置は廃止することになりました。五十六年度で六千九百億円措置しておりましたが、そういうものがなくなるわけでございます。 そこで、これに対応する額を私どもとしては基準財政需要額に算入することとしておるわけでございますが、結果的には個々の地方団体、特に市町村について見ますならば、標準事業費を中心とした交付税措置時に切りかえるといたしました場合は、実負担額と基準財政需要額とが一致しないことになる。要するに、財源対策債の場合はずばりそのものを見ておりました。標準経費で見ますと、標準事業費を中心としますと、そのとおりいかないということが出てくるわけでございます。 かなりの変動を生ずるというところが出てくることも予想されますので、五十七年度の地方債計画におきまして新しく調整額千二百五十億円というのを設けまして、激変緩和措置を講ずる。実際の市町村の状況に応じまして、そういうことで激変緩和をするということにしておるわけでございますし、同時に、なくなったことに伴います基準財政需要額の算定に当たって、河川事業費なり港湾事業費について地方負担額を指標とする事業費補正を適用する、そういうことによって的確な算定と、大きな変動を避けよう、こういうことにしておるわけでございます。したがいまして、千二百五十億の調整債と、それ以外のものは標準事業費措置によって措置をするということでございます。 それからもう一つ、単独事業について傾斜配分をするというような言い方をしておるがどうかということでございますが、私どもとしては、住民生活に直結する公共施設等の整備を促進するということがねらいでございます。あわせて、地域経済の振興にも資することになるということを考えまして、地方単独事業を対前年度比八・五%の伸びを見たわけでございますが、そういった中で仕事をどんどんやるのはいいが、何らか財源的な手当てはできないものかという声もなかったわけではございません。 そこで、私どもとしても実効あらしめる意味で、普通交付税算定においても重点的な傾斜的配分を行うことについてその是非なり、仮にやるといたしました場合の算定方法等について検討をしておるということを申し上げたわけでございます。 ただ、確かに事業費補正について意見がございますように、実際にやったものをそのまま交付税で見るということになりますと、それはまさに補助金的な性格になってまいりますので、そういういままでの交付税の考え方の枠を踏み外すようなことはしたくないということで、何らか平均的な水準を超えて単独事業を実施した団体についていい方法はないだろうかということを実は模索しておるわけでございまして、何か客観的な指標がとり得るものであるならば、そういったことを基準財政需要額の算定に反映をさせても、あるべき財政需要を算定するという交付税制度の基本的な枠組を逸脱するものではない。また、そこで配分されたものは特定目的のために強制するわけでもございませんので、何らか実態を反映させたものができないだろうかということを検討しておるわけでございます。 なかなかそこのところが、どの程度のものにすればいいのかいろいろ議論がございますので、内部的にはまだ詰めていないわけでございますが、おっしゃった趣旨は十分踏まえて検討してみたいと思っております。率直に申しまして、これならいいというものが見つけ得るかどうか、まだ私ども最終的にちょっと自信がないわけでございますが、できればやりたいということで検討しておるという状況でございます。
○佐藤(敬)委員 そうすると、五千六百五十億については標準事業費の方式でやるということですか、いまのお話だと。
○矢野政府委員 お答えをします。 ただいま御指摘の額でございますが、これは交付税の需要において算入するわけでございます。その場合、事業費補正方式を用いるものと、それから標準事業費方式で単位費用に算入していく、両方に分かれます。事業費補正方式を用いるものは、たとえば港湾費とか河川費とか、こういったようなものにつきましては、これは先生もよく御案内のように、従前、昭和五十年度以前におきましては、河川の延長や港湾の施設の延長ではなかなか現実の事業費は算定しにくいということもあって、事業費補正を使ってきたわけでございます。七年間にわたって起債方式を導入してきたものでございますから、その点は余り実態との食い違いはなかったわけでございますが、今回交付税に戻すにつきましては、事業費補正方式を使った方が各団体の実態に応ずるということで、これは事業費補正方式を使う、そうでないものは標準事業費で単位費用で算入していく、こういうことにいたしたいということでございます。
○佐藤(敬)委員 そうすると、調整分として残している一千二百五十億は、どういうふうな割合で、どういうふうにして配分するのですか。
○矢野政府委員 いわゆる調整分として千二百五十億を確保しておるわけでございますが、今回の財源対策債から交付税への振りかえに当たりまして一番激変が大きいものは、市町村の農林業系統の事業費、農業基盤整備事業費であるとか、あるいは林道関係の事業であるとか、こういったような事業は従来、五十年度以前におきましては起債がございませんでした。全部交付税の単位費用で算定しておったわけでございます。それが五十年以降、財源対策債を発行するようになりましてから、これは起債を認めてきたわけでございます。 以前は交付税の単位費用だけでやっておったわけでございますから、それを単純にもとに戻せば昔どおりじゃないかということになるわけでございますが、何分、七年間にわたって起債になじんできたわけでございますので、こういった農業基盤整備事業費はもちろん単位費用にも算入いたします。単位費用に算入をいたしますけれども、それでは各団体ごとに現実に計画的にやってきておる事業費についてはでこぼこが出る可能性がある、そこを調整するということを主眼に考えておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 単独事業をどんどんやれば、それだけ交付税がどんどん配分されるということになるのですね、このあれでいきますと。そこに、単独事業をやっておるところとやらないところと何か不公平みたいなのが出てきませんか。 もう一つは、単独事業というのはことしやっても来年やるとは限りませんし、毎年毎年非常に不同でしょう。それから、こっちの村でやったからこっちの町でもやるというわけにいきませんからそういう点でも非常に不同ですね。 単独事業がこういうふうに非常に大きくなってきて、そしてそれに交付税をやっただけどんどんつけていくということになると、そういう面から不公平というのが出てきませんか。
○土屋政府委員 先ほども申し上げましたが、そこらがある年に単独事業をやった、それに対応してぴしゃっと交付税を傾斜配分するという形になると、まさにそういった問題が出てくるわけでございますので、そういう短期的な見方ではなくて、もっと全体的にもう少し広い視野から見て、何らか一定水準以上のものをやっておるものについて、包括算入という方法が長い目で見れば合理的なものができるかできぬのか、そこに実はいま苦労しておるところでございまして、いい指標ができるようであれば私どもとしても取り入れたい、こういうことでございます。 いまおっしゃいますように、年度年度後追いする、まさに事業費補正的にやりますと、それは問題が出てくるだろうと思いますので、何らかそれをある程度の期間を見て、調整できた上で客観的な指標がとれないものだろうか、それの結論が出てないので、ずばり申し上げにくいので恐縮でございますが、模索しておるということでございます。
○佐藤(敬)委員 単独事業をこの前みたいに、たとえば財源対策債でもいいから一つの起債でやっている分にはこういう問題が出てこないのですが、今度はこれが交付税の中に算入されて出てくるということになると、直接何か仕事をやれば交付税がよけいいくという形になるでしょう、そうじゃありませんか。何か起債だと、実施した町村にしか関係がありませんが、これは交付税だというと、片方で持っていかれると片方はそれだけ減ることになりますからね。いままでの起債から、それをカバーするのに交付税に変えたというと、そういう問題が出てくるでしょう。
○土屋政府委員 六千九百億の財対債がそちらへ変わっていくという考え方とは無関係だと思います、単独事業そのものの問題でございますから。しかし、その際も、いまおっしゃいましたようにいろいろな補正がございます。事業費補正で現にやっておる港湾とか、そういうものもあるわけでありますし、その他投資補正なりいろいろな地域差なり、他の配慮から補正係数を用いているわけでございますが、単独事業というのも、過去のいろいろな情勢を見ますと、よくやっているところ、あるいはよくやっていないところ、あるいはまた先進地域や後進地域、いろいろあるわけでございます。 そういったものを眺めた上で、ずばり事業費補正的なものでなくて、と言いながらも、やはり仕事をやったところとやらないところとは、おっしゃるように結果的に若干差はつくかもしれませんけれども、何らか許容できるような範囲内での指標がとれないだろうか、いまこういうことを模索中であるということを申し上げておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 それはそれでおきます。 それから、昭和五十年からことし五十七年で約八年間、この間にいままで非常に不正常だと思われるような交付税総額の問題が行われてきた。これはもうすでにここで、皆さんでずいぶん議論したので、私はそういう中に入るつもりは毛頭ございませんけれども、まさに皆さんが御指摘しているとおり、六条の三の二項にそのまま当てはまる状態がいままで八年ぐらい続いてきておるわけです。 しかも、私どもが最初聞いたとき、これは六条の三の二項の違反だ、当然税率を上げるべきじゃないか、そうしたらこういういわゆる二分の一方式というものを取り上げてきて、そしてこれはその制度の改革であるかないかということを大変議論しました。参考人に聞いたけれども、これは制度の改革であるなんという人は一人もいなかった。そういう状態の中でいろいろ議論してきたけれども、批判が非常に強いものだから、政府は、今度はこれは制度の改革だと強弁して、いままで改革として取り上げてきました。六条の三の二項にそのまま当てはまるのだ、制度の改革だ、だから法律の違反ではないというので主張してきました。 それはそれとしまして、このいわゆる二分の一方式というものが五十六年まで七年間続いてきました。その中に、普通ならば何が何だかわからないような、大臣もわからないかもしれませんけれども、非常に入り組んだものが出てきている。たとえば五十五年ですと、不足額が二兆五百五十億あった。ところが、その半分を財源対策債として地方の借金にし、残りの半分を国の特別会計の借金にしまして、その二分の一を返すときに国が負担する、こういうことなんですね。 そのほかに、臨時地方特例交付金というものが出てきている。よっぽど図解してみないと、われわれのような頭の悪い者は、ちょっと見たってすぐ入ってこないような複雑な方式がとられておるのです。これが五十年、五十一年、五十二年、五十三年、五十四年、五十五年とずらっととられてきておる。そのたびに政治も変わる、やり方も変わる、臨特が一つから二つにふえたり、いろいろな複雑怪奇な扱いが出てきておるのです。 そして五十七年、ことしになりまして、今度は地方が金持ちだというので財対債を全部取ってしまいました。そして財対債を——何というか、私、非常におかしいと思っておるのですが、臨特を入れないかわりに、交付税特会で二千九十八億を借金する。金持ちになって借金する、これは大変おかしい状態じゃないかなというふうに思っておるのです。何か無理に借金をさせられたという感じですね。それじゃ地方が借金するほど貧乏なのかと思っていると、その次には地方は金持ちだからといって逆に千百三十五億、国が地方から取り上げる。 片っ方では貧乏だといって借金させておいて、片っ方は金持ちだといって取り上げていく。こんな矛盾に満ちたやり方。さっきから二分の一方式だと言う。二分の一方式をようやく解消したと思ったら、地方が金持ちだというのと貧乏だというのを適当に使い分けて、金持ちだからといって金を取り上げる、貧乏だからといって借金しろと言う。こんな矛盾だらけのやり方というのはないと思うんですがね。どうですか、大臣。もう局長は、しゃべることはちゃんとわかっていますから、大臣、どうですか。私がこう言ったことで、そういう矛盾を感じませんか。
○世耕国務大臣 御指摘のように、いろいろな矛盾があります。私はやはり、この矛盾があるから、逆に政治というものが存在する、そのように考えております。
○佐藤(敬)委員 五十七年度の予算は、地方が金持ちだというので財対債をなくして、まずつじつまが合ったということになっています。しかし、いまの趨勢を見ますと、恐らくこのままでは済まない、五十七年度にはかなり大型の補正予算が出てくると思いますよ。河本長官は、二%くらいしか五十六年度はないなんと言って、ほとんど必然。この経済論争を見ると、自民党側が大騒ぎになって解散するんじゃないかという、われわれの危機にまで波及してきているような、そういう状態になっているくらい。恐らくこのままじゃ済まぬで、五十七年度はかなり大型の補正を組まなければいけないと思う。それは必然的に地方財政にはね返ってきます。そうすると、収支の均衡がそこでばらばらになって、もう一遍財対債か何かをやって、また再び二分の一方式を取り上げるようになるのじゃないかと私は思う。 さらに五十八年も、いまの見通しでありますと大変な状態だという予測をしております。そうすると、いま言いましたように、またまたこの二分の一方式、せっかく五十七年の当初予算で解消したと思われたこの二分の一方式、こういうまやかしの手段というものが再び復活してくるのじゃないかという気がするのです。そうすると、大体十年間にわたって、臨特出したり引っ込めたり、分割したり、借金やったり借金返したり、もう何が何だか全然わからない。 私の方の細谷先生は数字に大変詳しい人ですが、それでもわからないといって頭を抱えなければいけないような、こういうむずかしい交付税になってしまったんですね。これで日本の交付税制度というものは、自治省が、世界に冠たる、精密でりっぱな制度だといって自慢しておるのですが、その世界に「冠たる」に「超冠たる」のレッテルが張られて、何が何だかさっぱりわからない。(「勉強しろ」と呼ぶ者あり)いや、勉強してもわからないですよ。 だから、こういう制度というものは、幾ら強弁してみたって、六条の三の二項の前段に言われている制度の改正でも何でもないのですよ。いわゆるごまかしなんです。だから、どこかでやはりこれを、自治省の立場として、すっきりしたものになるような方策を講じなければいけないと思うのです。もし、この二分の一なり、いままでのまやかしのやり方が、本当にあなた方の言うような、六条の三の二項前段にある制度の改革であるというならば、制度というものはそんなに朝令暮改——去年変わって、ことし変わって、また変わってまた変わって、また逆戻りしたというような、こういう制度というものは国民から絶対信頼されない。 信頼感のない制度というのは成り立っていかないのですよ。制度の改革であるといって年がら年じゅうまやかしの手段を使っているようなことをどこかで解消してすっきりしたものにしなければ、交付税制度そのものが崩壊していく。すでに崩壊していると私は思っていますが、こういうふうな感じを強く持っておるのですけれども、大臣の御感想をお伺いいたします。
○土屋政府委員 先に答弁させていただきますが、御指摘のございましたように、確かに五十三年度以降は交付税法第六条の三第二項の事態に該当しておるわけでございます。そのために私どもとしても、交付税率の引き上げを含めて大蔵当局と強く折衝したわけでございますが、何と申しましても、たびたび申し上げておることでございますが、国自体が特例公債を発行するような大変厳しい状況でございましてすっきりといかなかった。そこで、暫定的と言ってもいい形でおっしゃるように複雑な方法を取り入れて、結果としてはそのときどきの実態に合うように、また必要な交付税額を確保できるようにするために、利差臨特なり財対臨特なり償還臨特といったようないろいろな方法を講じておるわけでございますが、それは現実に合わせて必要な交付税額を確保するということを国の財政との絡みでやった結果出たわけでございます。 それぞれに目的があったのでございますが、それですっきりしてわかりやすいわけじゃなくて、いま御批判をいただいたように、決して私どもとしてもこれでいいのだと言うほどりっぱな形であるとは思っておりません。不本意な形に過ぎておることも事実でございます。ただ、率直に申しまして、五十七年度、五十八年度今後の状況を見ました場合に、景気が底入れになって少し上向いていくことを期待いたしておりますが、なかなか地方財政そのものも容易でないことははっきりしておると思うのでございまして、こういった中で国も相当厳しい、そこでたとえば交付税率を直ちに引き上げられるかどうかとなりますと、そう簡単に見通しができるものではないと思っております。そこで、私どもとしては、いま行財政改革が進められておりますが、国、地方を通じての事務全体を見直して、やはり国と地方の機能分担をはっきりさせて、そういった中で地方の自主性、自律性が強化される方向で仕事の分担を決めていく、その中で交付税率のあり方も改めて見直していく時期が来るのではないかと思っておるわけでございます。 いずれにしても、おっしゃるとおりすっきりした形にすべきだという気持ちは持っております。ただ、客観情勢が非常に厳しいということで、こういった御答弁を申し上げざるを得ないのがわれわれとしてもつらいわけでございますが、いま申し上げたような方向で、今後全体を見て地方の立場も十分踏まえて検討してみたいと思っております。
○世耕国務大臣 いま財政局長から申し上げたとおりのことでございまして、政治とか行政、それから経済の機構がだんだん、ここ十数年間でふくれ上がってきて大きくなりますと、いろいろな補助金だの何だの、交付税なんかの問題もそれに絡んで細かい項目が出てきて、結局行政を実際維持していくのに財政的な機構とかなんとかがなかなか追いついていけない、現実の方がどんどんふくれ上がっていく、こういうことから今日のような結果を招来しているのでございまして、確かに御指摘のように矛盾した点が非常に多いし、もっとすっきりさせなければいけないと思うのでございます。 いまある姿はあくまでも暫定的なものでございまして、これはいつかは抜本的な改正を行う必要がある、こういうことで、今後ともその線に沿いまして十分検討していくべきものと思っております。また、そのように努力してまいる所存でございます。
○佐藤(敬)委員 どうかがんばってください。 いま第二臨調の第三部会のあれにも見られるように、何とかして地方を金持ちに仕立てて地方を退治してやろう、こういうようなあれがありありと見られるのです。交付税率を下げろとかいろいろな問題で非常に地方が攻撃の目標になっている。その攻撃の目標を設定する一つのベースになっているのが、地方財政余裕論というか地方富裕論です。地方は金持ちだから、国は貧乏だからという理論が、非常に横行しているのです。 これはある新聞の社説です。「“交付税”への疑問残す地方財政計画」これは典型的な例なので、私はあえてきょう持ってきたのです。「来年度地方財政計画で注目したいのは、国の財政がなお再建のメドが立たず、大きな赤字を出して苦しんでいるのに対し、地方財政は逆に財源にかなりのゆとりを生じているとみられることである。」と書いてある。大臣、この間からここで地方財政は貧乏であるか金持ちであるかということが大変議論になりまして、決して金持ちじゃない、大変貧乏だ、こういう結論なのです。 いま、財源対策債をもらって赤字がなくなったなんと言っているのは、国に金を取られるための単なる手段をとったにすぎないので、あれが全部正常化したら、地方財政、交付税だってかなり大きな赤字が出てくることは決まり切っているのです。しかし、こういうふうに書いてあるのです。「地方財政は逆に財源にかなりのゆとりを生じている」一般世論、新聞が見ているのです。 その次にその理由。「第一に、地方財政の財源不足はピーク時の五十四年度には四兆一千億円にも上っていたのが、五十七年度にはゼロとなっている。それどころか、交付税のうち一千百三十五億円を減額留保して地方財政計画には計上せず、国に貸与している。」と書いてある。だから、貸すほどの金があるならば地方は金持ちじゃないかとはっきり言っている。 しかし、この問題については財政局長が再三再四答弁しているように、これは決して金が余って貸したのではないということは明らかなのです。ところが、それが明らかであるにもかかわらず、金を貸してやると、余っているから貸したのだろう、めんどうを見てやれば逆にそれがあだになって返ってきているのです。地方は金持ちだという一つの重大な論拠にもなってきている。 「第二に、国の補助建設事業費は前年度比二・六%減なのに対し、地方単独の建設事業費は八・五%増と高い伸びを示し、その額も八兆五千五百億円余と国の補助事業を上回っている。」しかし、この問題も、八・五%単独事業をふやしたのは決して地方の要望ではないのです。国が公共事業をやれない、そうすると景気が停滞して税収が不足になるから、せめて地方の単独事業を伸ばして景気の支えにしてくれというのが、八・五%伸ばした最大の理由でしょう。そういう国の要望に従って八・五%伸ばすと、国よりも大きな仕事をやっているから地方は金持ちだという論拠になっている。ことごとに、国の政策に同調すれば、それが逆のやいばになってみずからのところにはね返ってくるのです。こんなばかげたことがありますか。 しかも、この中に「その財源は二割が地方債、残りの大部分が交付税でまかなわれることになっている。」こういうふうに書いてある。「また、地方債発行額も前年度計画より四千六百億円、一〇・八%減となっており、ピークの五十四年度には一二・六%だった地方債依存度も八・一%に低下」した、だから金持ちだと言う。しかし、これもこの間からの論争でおわかりのとおり、財源対策債というものを無理になくさせられたから、その比重でこういうふうになったにすぎない。金持ちになったからこうなったのじゃないということは、明らかであるのです。 そこでさらに、交付税率を見直せ、こういうふうに書いてあるのですね。これは、交付税がかなり大きく伸びることも地方が金持ちになった大きな原因になっている、その交付税が国に減額留保分を貸与するほどゆとりを生じているのに、なぜこの三二%を見直さなかったのか、こう言って論拠を展開しているのですね。貸すほど金が余っているじゃないか、だったら三二%の交付税率が高過ぎるんだからこれを切り詰めろ、こういう論拠なんです。 それから、四兆円もあった財源不足を二、三年で解消できた改善ぶりを見れば、決して返済の重荷は過度であると強調することはできないだろう。これは、国は三十年かかって返します。地方は十二、三年、十五年で返す。その年代の差というものは、大きなハンディキャップとなって地方に負担を強いてきている。地方は国よりもっと苦しんで返しているかもしれないのです。 そういうもろもろのことをずっと考えてみますと、国が貧乏だ、あれが貧乏だ、こうして余り責められて地方を悪者にされているものだから、小さくなってしまって、意気阻喪して、一生懸命国に同調して国のためを思ってやってやれば、逆にそれが、地方は金持ちだから交付税率を減らせ、そういうふうなとんでもないやりになって返ってくる。まさにいま地方が国に対して同調する、協力するということは、天に向かってつばをするのと同じような感じになってきているのですよ。 こういうことで、私はそれをやるなということではないのです。せっかく協力したのに、こういうふうに世間で見られているということはどういうことかということです。もっと自治省が地方財政の実態というものを国民にPRして、正当に理解してもらうような手段を講ずることが必要ではないか。これは、この間参考人の中でも言っていました。名古屋学院大学の横井学長がそう言っていました。余りにも地方は引っ込み思案、消極的、小さくなり過ぎている、もっと堂々と自分の立場を主張すべきではないか、こういうことを参考人が言っているのです。私は、まさにそのとおりだと思います。 だから、こういうことについて、いまでは給与の問題からいろいろな問題で地方悪者論が次から次へと展開されて、本当に小さくなってしまっている。この態度はやはり捨てて、地方と国は車の両輪だとも言われている。いまや地方の時代とさえ言われている。——地方の時代なんということはどこかへ吹っ飛んでしまった。自治省自体が、地方の時代なんて言わなくなってしまった。地方の時代の看板を外してしまった。こんなことではだめだと思うので、これは一体になってやらなければ、私は非常に危険な方向に日本の民主主義が進んでいくんじゃないか、こういうことを感じております。 国の財政が大変だ、やむを得ないというので、自治省が次から次へと譲歩していく。しかし、このことはどういうことになっているかというと、いま国と地方の根本的な、たとえば財政問題を取り上げましても、国が困ったからといってすぐ県から五%国保の金をよこせとか、全く従来の財政秩序を無視したことをたちまちやってくる。しかも、それもやむを得ないという感じをもって応じていく。こういうような国と地方の根本的な関係が破られていくという非常に危険な方向に向かっているのではないか、こういうふうに思います。 それが、しかもいろいろやってみますと、たとえば第二臨調でやっているところの、いま申し上げました交付税率を四%か五%引き下げろとか、あるいは道州制をやれとか、ラスパイレスの問題だとか、経営モデルをやって地方を縛ろうとか、地方富裕論だから金をよこせとか、あるいは自民党がいまやっておりますように、地方選挙を統一して参議院選挙の足しにしようとか、いろいろな中央支配、地方を中央でもって支配しようという危険な動きがかなりあると私は思うのです。 地方の時代だとかそういう問題ではなくて、財源問題、財政の危機ということをてこにしまして、次第に国中心、中央集権的な方向に逆進しているんじゃないか、こういうような危険性を非常に持っているのです。もし、これが本当にそういうふうになって地方が壊滅するならば、私は民主主義の危機だとさえ思うのです。 どうかひとつ、先ほどから申し上げておりますように卑屈にならないで、堂々と自分の所信を展開していただきたい、このことを申し上げて終わります。自治大臣の御所見をお伺いします。
○世耕国務大臣 御指摘は、一々私ども肝に銘じているところでございます。しかしながら、いろいろ新聞その他で言われているような論説は、これは明らかに誤解に基づくものでございまして、われわれは地方自治の本旨に立って、自治省そのものは決して卑屈でも何でもございません。かえっていばり過ぎているんじゃないかと言われるくらいなんでございますが、公然と言うべきところは言い、行うべきところは行い、是正を求めるべきところは是正を求める、そういう姿勢で今後とも臨んでまいりたいと思う次第でございます。
○佐藤(敬)委員 がんばってください。質問を終わります。
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中山委員長 この際、本案に対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党を代表して佐藤敬治君外三名より修正案が提出されております。 修正案の提出者から趣旨の説明を聴取いたします。佐藤敬治君。 ————————————— 地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐藤(敬)委員 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党を代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 昭和五十年度以降の地方財政は、毎年度多額の財源不足に見舞われ、地方債の増発と交付税特別会計の借り入れによって穴埋めされてまいりました。この結果いわゆる財源対策債の今年度元利償還額は一兆六百三十三億円、交付税特別会計の今年度末借入額は八兆八百二十八億円、合計九兆一千四百六十一億円となり、一般財源の三一・六%となっております。このように、政府の地方交付税法第六条の三第二項の規定を無視した財政対策によって、地方財政は多額の借金を背負う一方、借金対策及び経済対策による地方債の増発、起債充当率の恣意的操作によって計画的運営を大きく阻害されるに至っております。加えて、第二次臨時行政調査会の緊急答申等による国の歳出カットによって、国、自治体間の合理的負担関係もこれまた大きく改変させられてきております。 このような経緯に加え、昭和五十七年度地方財政は、地方財政裕福論を基調に国の財政再建に量、質とも大きく従属させられる結果を生んでおります。まず地方財政対策においては、積算根拠が一切明確にされないまま財源不足は一転収支均衡化され、あまつさえ、国の一般会計における既往の制度的負担を軽減するため約二千四百億円の協力措置が講じられる一方、国の公共事業の肩がわりとしての地方単独事業が八・五%増と大幅に拡大されているのであります。 地方財政裕福論は、地方交付税率の引き下げを企図した、ためにする議論であることはもはや明らかであり、このような認識に立つ本年度地方財政対策を容認するならば、地方交付税制度の崩壊と国から自治体、自治体から住民へという新たな負担転嫁が一層強化されることは明らかであります。 すでに昭和五十六年度においては、約二兆二千億円の歳入欠陥となることが明らかとなっており、輸出の鈍化、国内需要の低迷という諸般の事情を勘案すれば、昭和五十七年度の経済、財政見通しもまた悲観的と言わざるを得ません。年度当初からのこうした見通しによって、すでに政府においては、公共事業の七五%以上の前倒し、下半期における国債増発を言明しており、地方財政計画の有効性もまた半減していることは明らかであります。この意味で昭和五十七年度地方財政は、昭和五十六年度までの地方財政の状況と同様に地方交付税法第六条の三第二項が適用されるべき財政状況にあることは明らかであり、以上のような認識に立ちつつ本修正案を提案いたした次第であります。 以下、本修正案の概要を御説明申し上げます。 第一は、地方交付税率についてであります。 すでに申し上げましたように、昭和五十七年度地方財政においても地方交付税法第六条の三第二項の規定が適用されるべき状況にあるとの立場から、地方財政計画における地方公営企業繰出金と決算との乖離を是正すること等地方財政需要を適切に地方財政計画に計上するため、昭和五十七年度から地方交付税率を三%引き上げ三五%といたしております。第二は、臨時地方特例交付金の増額等についてでありますが、まず昭和五十一年度から昭和五十六年度までの各年度に発行された財源対策債については、元利償還とも全額臨時地方特例交付金で措置することといたしております。 また、交付税及び譲与税配付金特別会計における二千九十八億円は、当然国の一般会計で措置るべきものであるとの考えから、借り入れ措置は行わず、同額の臨時地方特例交付金を交付することとし、あわせて一千百三十五億円の減額措置も行わないことといたしております。 このような措置によって、昭和五十七年度においては臨時地方特例交付金を一兆一千七百九十八億円交付することといたしております。 第三は、借入金の明記についてであります。 昭和五十年度以降、交付税及び譲与税特別会計において、すでに申し上げましたように多額な借金を負っておりますが、地方交付税の借金状況を理解し得るよう地方交付税法においても毎年度借入金を明記することといたしております。 第四は、交付税及び譲与税配付金特別会計への直接繰り入れについてであります。 地方交付税は、自治体固有の財源であることを制度的にも明らかにするため、地方交付税は国税収納整理資金から交付税及び譲与税配付金特別会計へ直接繰り入れるものといたしております。 第五は、基準財政需要額の算定方法の改正であります。 道府県及び市町村の「教育費」及び「厚生労働費」の単位費用を修正するとともに、地方公営企業に対する繰出金を地方交付税法において的確に算定するため、新たに地方公営企業債償還費を設け、五十七年度においては償還額の二五%を基準財政需要額に算入することといたしております。 以上が本修正案の提案理由及び概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○中山委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。 この際、修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればこれを聴取いたします。世耕自治大臣。
○世耕国務大臣 ただいまの地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党共同提案の修正案については、政府としては賛成いたしかねます。 —————————————
○中山委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。宮下創平君。
○宮下委員 私は、自由民主党を代表し、政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党共同提案の修正案に反対の意見を表明するものであります。 今回、政府によって提案された地方交付税法等の一部を改正する法律案は、第一に普通交付税の算定方法の改正、第二に昭和五十七年度の地方財政対策をその内容とする地方交付税の総額の特例措置、第三に激甚災害に係る小災害債の元利償還に要する経費を基準財政需要額に算入することをその内容とするものであります。 自由民主党といたしましては、これらの措置を内容とする政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢、国の財政状況等を考慮するとともに、地方財政の中長期的な健全化を図る見地から適切なものであると認められるので、同法律案に賛成するものであります。 次に、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党共同提案の修正案につきましては、自由民主党といたしましても検討を重ねたところでありますが、昭和五十七年度の地方財政は収支の均衡が図られたこと、また、目下行政改革を通じて国、地方の事務配分、財源配分のあり方の見直しが検討されようとしていること、あるいは国家財政の状況等を総合的に勘案すれば、この時期に、国、地方を通ずる財源配分の恒久的制度としての地方交付税率の引き上げを行うことは問題があると考え、修正案に反対の立場をとるものであります。 しかしながら、地方財政は、引き続き巨額の借入金残高を抱えており、今後においても地方財政を取り巻く諸条件は依然厳しいものが予想されておりますので、政府におきまして、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努められるよう強く希望するものであります。 以上をもちまして、政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党共同提案の修正案に反対の意見の表明を終わります。(拍手)
○中山委員長 松本幸男君。
○松本(幸)委員 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、政府案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党の四党共同修正案に賛成する立場で討論を行います。 すでに多くの方々から指摘されておりますように、今日の地方財政は先行きの見通しを含めまして、政府が言っておりますように収支が均衡して好転をした、したがって五十七年度は財源対策債の発行も廃止したと言うほどよくなっているとはとうてい思われません。むしろ、きわめて厳しい状況のもとに置かれているのが現実であると思います。 そのことの明確な証明は、政府が甘い経済成長見込みの上に立って編成した五十七年度の国の一般会計予算を下敷きにして策定をされた地方財政計画に対して、地方団体の側の実際の予算編成は、地方税収見込みを中心にきわめて緊縮型の堅実な予算編成が行われていることを見ても明らかであります。歳入が先行き不安定な状況の中で極力歳出の圧縮に努め、無理に収支を均衡させたものでありまして、その結果、地方財政が好転したとかあるいは地方財政は裕福であるとか言うのは、政府がいま行いつつある行財政改革に伴う地方財政への負担転嫁を求めるためのきわめて悪質な、作為的、意図的なものであると断ぜざるを得ません。 さらに、伝えられるところによりますと、五十六年度の歳入欠陥二兆二千億円、五十七年度においても三兆円以上の税収不足が生ずるのではないかと言われております。このような厳しい状況はひとり国だけの問題ではなく、地方団体もらち外ではないと思います。要するに、地方財政は決して楽観を許さない厳しい状況に置かれているということであります。 このような状況のもとで地方財政計画が策定され、その中で五十七年度の地方交付税総額が九兆三千三百億円と定められ、所要の地方交付税法の一部を改正する法律案が提案されているのでありますが、この改正案によりますと、まず第一点は、交付税総額の特例に関するものでありますが、総額九兆三千三百億円の交付税額を確保するために法定額分に交付税特別会計において二千九十八億円を借り入れ、逆に千百三十五億円を減額留保し、精算金、返還金等を差し引きして九兆三千三百億円としております。 この二千九十八億円の借入金は、いわゆる利差臨特や利子税の源泉分離課税に伴うものでありまして、本来、当然国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れらるべき性格のものでありますのに、国の予算編成のつじつま合わせのために、御都合主義的な全くこそくな方法をとっていることはまことに遺憾であります。 また、千百三十五億円の減額留保の措置につきましても、特別会計借入金の償還財源に充てるため五十七年度は留保をして、五十九年度以降三カ年間で一般会計から特別会計に繰り入れるというものでありますが、これをしもやはりつじつま合わせのこそくな手段でありまして、国の都合で国が勝手に留保して後年度に繰り入れるというようなやり方でなく、交付すべきものはきちんと交付をして、地方財政の運営は地方団体の自主的な運営にゆだねるべきだと存じます。 この交付税総額の確保につきましては、言うまでもなく、基本的には交付税法第六条の三第二項の適用によって交付税率の変更を行わなければならないものでありますが、にもかかわらずこの点については一顧だにせず、全く法を無視した姿勢であることも大きな問題であります。 第二は普通交付税の全体配分計画についてでありますが、これは第三点の改正点であります基準財政需要額の算定方法の改正にもかかわる問題でありますが、この地方交付税は、交付税法第三条によって衡平な配分と、条件をつけたり使途を制限したりしてはならないということを規定しております。 ところが、最近の傾向は、ややもするとこの地方交付税の基本的な性格や運営の基本が崩れてきているような感じがしないでもありません。 今回の需要額算定方法の改正の項目を見ましても、また、景気対策として地方単独事業を多くやらせるために、単独事業費を多く計上した団体に対しては交付税を重点的に傾斜配分するとか、先般指摘をいたしましたが、小規模災害債の元利償還金を指示的に交付税で措置させるとか、あるいは、これは普通交付税ではありませんけれども、ラスパイレス指数の高い団体に対してはいわゆるペナルティー的な措置をとると言っておどかしたり、直接的ではないにいたしましても、間接的な方法で政策誘導をしたり、地方団体を支配する手段として交付税を使っているような傾向があらわれていることも問題であります。 以上のような観点から政府案に反対するものでありますが、この政府案に対しまして四党共同修正案は、先ほど提案理由の説明がありましたとおり、第一点は、交付税総額確保のために現行の交付税率三二%を三五%に引き上げて、借入金とか減額留保などの変則的な措置を解消しようとするものでありまして、このことは、かねて地方団体側からも再三再四にわたり強く要請されてきたものでありまして、そろそろこの辺で地方団体の要望にこたえるべきであると存じます。 第二点は、臨時地方特例交付金の増額等についてでありますが、財源対策債の元利償還金に対する地方負担をやめることや、あるいは五十七年度の借入金をやめて一般会計からの特例交付金とすること、また減額留保措置をやめることなどは至極当然のことであると存じます。 第三点は、交付税法において毎年度の借入金を明記すること。 第四点は、地方交付税が現在一般会計の歳出として計上されておるのでありますが、そのために、地方交付税が本来地方団体の固有の財源であるにもかかわらず、その基本的な観念が薄れて、国からの地方に対する恩恵的な支出金であるかのような誤解や錯覚が生じて、そのときどきの国の財政事情によって左右されるような危惧がないでもありません。現に第二臨調等においても、作為的、意図的な地方財政裕福論を背景に交付税率の引き下げなどが論ぜられているやに仄聞するのでありますが、これらは地方交付税の基本的な性格あるいは交付税法の精神を無視した論議であると言わざるを得ません。したがって、このような誤解や錯覚が生じることのないように、本来の基本的な性格に従って、国税収納金整理資金から直接交付税特別会計に繰り入れようとするものであります。 第五点は、基準財政需要額の算定方法の改正であります。 以上が修正案による主な改正点でありますが、恐らく大臣も政府委員も政府案よりも修正案の方が、先ほども佐藤委員の質問に大臣がお答えになっておりましたようにごもっともであるということでございまして、修正案の方がはるかに合理的でありかつ妥当なものだと心ひそかに首肯し、賛同していただいておるものと確信をいたします。 何とぞ、このひそかな御意向もしんしゃくをされまして、政府案を否決し、修正案を満場一致で御可決くださるようお願い申し上げまして、討論を終わります。(拍手)
○中山委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました内閣提出に係る地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党提出の同修正案に賛成する討論を行います。 昭和五十七年度の地方財政は、昭和五十年度以降七年間にわたって続いてきた大型財政赤字から一転して、収支均衡のとれた財政計画になっております。 五十四年度の四兆円を上回る財政赤字が生じたことから見れば、表面的には確かに好転したとはいうものの、その内容はきわめて厳しい状況に置かれております。 すなわち、大幅な地方税の伸びを見込み、歳出面においても行政経費の思い切った切り詰めを行うとともに、住民税の減税を二年見送るなど、いわば住民負担と経費の切り詰めによるものと言わざるを得ません。 しかしながら、最近の地方自治体は、住民の生活様式や価値観の多様化及びこれに伴う地域的な特殊性を重視した地域づくりなど、事務量の増大とともに、運営面においても自主的な行財政運営が要求されております。 こうした事態に対応するためには、基本的には、中央に集中している権限、財源を地方分権化することが最も重要であります。しかし、政府は、こうした問題に対して根本的な解決を行おうとしておりません。 したがいまして、当面の地方財政の置かれた現状を解決するためには、一般財源の拡充強化が急務であり、地方財政充実のため、野党共同提出の修正案のように交付税率を引き上げるべきであります。 また、昭和五十年度以降の借金財政によって、地方の借金は増大する一方であります。このため、地方債の残高は五十七年度末で三十四兆円、交付税特別会計の借入金は八兆円、合わせて地方の借金は約四十二兆円にも上っております。 このために、借金返済に要する費用は年々増大の一途であり、五十七年度の場合、地方債の償還費だけでも地方財政計画の九%に当たる四兆二千億円も返済に充てなければならない現状に追い込まれております。 したがって、こうした地方財政の実態を考えたとき、少なくとも野党修正案のように、昭和五十一年度から五十六年度までの各年度に発行される財源対策債の元利償還費については全額臨時特例交付金で交付すべきでありますが、このような施策が政府案にないことはまことに遺憾であります。 このように、借金返済に財源が食われている実態は、必然的に交付税の単位費用の締めつけなど、行政経費の切り詰めを行わなければならないのが実情であります。 さらに、交付税制度の点についてでありますが、これまでもたびたび論議されてきたところでありますが、国は、地方財政が少しでも好転したときには、一方的に国の借り上げ措置を講ずることがこれまでの例でありました。 また、国の財政硬直化の主な要因としても交付税を挙げるなど、交付税が国の財政の重荷であるような印象を与えようとしております。 しかしながら、交付税の本質を考えたとき、交付税はあくまで地方の固有の財源であります。したがって、交付税の性格を明確にする立場からも、野党修正案のように国の一般会計を通さず直接交付税及び譲与税会計に入れるべきであります。 以上、政府の地方交付税法等改正案に対する主な問題点について述べ、討論を終わります。(拍手)
○中山委員長 部谷孝之君。
○部谷委員 私は、民社党・国民連合を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党提案の修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。 地方行政は今日、きわめて厳しい状況に置かれております。すなわち、新たなる行政需要並びに多様化した住民要求にこたえつつ、主として財政的な制約から行政の簡素効率化等の行政改革を進め、あわせて受益者負担の導入など住民の協力を呼びかける努力が、地方自治体に対して強く要請されているのであります。 このような中で、政府自身も、憲法で保障された地方自治の本旨にのっとり、地方行財政の運営を制度的に確立していく責務を有しておると考えるのであります。地方税源の充実強化、補助金行政の改革、行政事務の再配分など、国、地方を通ずる抜本的な行財政改革が行われなければならず、今回の地方交付税法の改正もその一環としての意味を持つものでなければならなかったのであります。しかるに、政府提出の改正案は、地方行財政の改革に資するにはほど遠い内容となっておると断ぜざるを得ません。 昭和五十年以来表面化した地方の財政危機に対し、本来地方交付税率の引き上げによって対処しなければならなかったにもかかわらず、政府は、臨時地方特例交付金の交付と交付税特別会計の借り入れ、財源対策債の発行などを内容とする地方交付税法の改正を毎年度行うことにより、場当たり的な収支のつじつま合わせに終始してきたのであります。 また、昭和五十七年度においても、地方財政の収支が均衡するという政府の見込みは、地方の行政需要を低く見積もる一方で、税収を高く見積もった結果によるものであり、計画と実態が乖離するであろうことは、昭和五十七年度の自治体予算を見ても明らかであります。さらに、国も地方も、五十六年度の税収が大幅に落ち込むことが確実となっておるにもかかわらず、それを土台として見込んだ五十七年度計画を押し通そうとする態度は、無責任のそしりを免れません。政府に対し、地方交付税率の三%引き上げを強く要求するものであります。 昭和五十七年度の地方交付税額九兆三千三百億円を見込むに当たり、政府は、一方で資金運用部より二千九十八億円を借り入れ、他方で国の一般会計に減額留保分として一千百三十五億円を貸し付けるという、社会通念上理解できない方法をとっております。これらは、本来国の一般会計から支出すべき経費であり、それを他会計に負担させることはまさに赤字国債の発行にも等しいものであります。 このような措置は、地方共通の、地方の固有の一般財源である地方交付税を国の都合によって操作するものであり、断じて行うべきものではありません。そのためにも、地方交付税の法定額分を国税収納整理資金から交付税及び譲与税配付金特別会計へ直接繰り入れるよう、制度の改正を行うべきであると考えるのであります。 地方交付税法の改正は、五十七年度の予算編成だけを中心とした限定的なものではなく、あくまでも将来ビジョンの上に立ち、地方行財政制度を確立するという目的に沿うように行うことこそが重要であることを重ねて申し上げ、政府案反対、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党提案の修正案賛成の討論といたします。(拍手)
○中山委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、わが党を含む四党共同提案の修正案に賛成の立場から討論を行います。 昭和五十七年度の交付税総額は、対前年度伸び率七%増の九兆三千三百億円とされています。この総額は、国税三税の三二%分九兆二千四百五十一億円から昭和五十五年度精算分百四十二億円を減額した額に、返還金二十八億円と交付税特別会計借入金二千九十八億円を加えた後、特例措置として一千百三十五億円を減額留保したものとしています。 この政府の措置について第一に指摘しなければならないのは、国税三税の法定三二%分に相当する九兆二千四百五十一億円の確保がきわめて困難だという点であります。 これは、政府の経済見通しをもとに算定されたものでありますが、五十六年度の税収の推移をもとに大蔵省自身が五十七年度において三兆円以上もの巨額の国税の減収を早くも認め、大蔵大臣は、財政収支の中期展望の見直しさえ示唆しているのであります。 このように、すでに破綻が明白となった政府の経済見通しをもとに算定された交付税額が確保できないことは明白であります。法律の成立以前において補正が必要とわかっているような、明白な欠陥のある算定が認められないことは当然であります。 第二の点は、臨時地方特例交付金の借入金化、及び交付税総額から一千百三十五億円を減額留保し、国の一般会計に貸し付けている点であります。 政府は、昭和五十七年度の地方財政計画の策定に当たって、八年ぶりに収支が均衡し財源不足が解消したと判断していますが、この地方財政計画は、財政需要における厳しい抑制と財政収入面での過大見積もり等を前提とした不当なものであります。 すなわち、歳出面においては、治山治水や公営住宅建設などの生活関連事業や義務教育施設など国の補助事業が前年度に比べて大幅に削減され、生活保護費、児童保護費、老人保護費などを含む一般行政経費も厳しく抑制されました。これらの結果、地方財政計画の対前年度伸び率は戦後二番目に低い五・六%となったのであります。 また、歳入面においては、すでに述べた政府の希望的な経済見通しを根拠とした算定は、交付税だけではなく地方税においても同様に過大見積もりが行われているのであります。 仮に、住民の暮らしと福祉を充実させる立場から財政需要額を算定し、経済の低迷を率直に認めた適切な財政収入額を設定していたならば、五十七年度においても巨額の財源不足が生じていたことは明らかであり、したがって、交付税率の引き上げ等の措置が必要とされたはずであります。 しかるに政府は、収支の均衡を強弁しつつ、交付税の減額まで行ったのであります。このような措置は、臨調などの地方財政裕福論に口実を与え、交付税率引き下げに道を開くものであります。しかも、自治省がこれを容認したことはまことに重大であります。政府は、地方交付税法第六条の三第二項の規定に基づき、直ちに税率の引き上げを行うべきであります。 第三に、基準財政需要額の算定方法の改定についてであります。 政府は、収支均衡の立場から財源対策債を廃止しましたが、これの基準財政需要額への算入戻しに当たっていわゆる事業費補正を復活していることは、地方交付税法第二条が規定する「地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する税」という交付税の基本的性格を変質させ、補助金化をもたらすものであります。また、小災害債の元利償還金の基準財政需要額への算入も、従来国が負担していたものを財源措置をとらずに地方負担とするものであり、容認できないものであります。 以上指摘したことでも明らかなように、住民生活と福祉を守るという地方自治の基本的理念から見て、政府案は地方財政を健全化しつつこれを守るのではなく、逆に住民に対して負担と犠牲を強いるものであります。まさに、国民を犠牲にし、軍事増強を目指す臨調路線に屈服し、将来への地方財政圧縮に足がかりを与える措置であり、断じて認めることはできません。 最後に、わが党を含む共同修正案について述べます。 本修正案は、交付税率の三五%への引き上げ、財源対策債償還費を全額国の負担とすること、交付税の減額留保措置は行わないことなどを中心内容とするもので、交付税法の趣旨に基づいた正当な措置によって地方財源を補完しようとするものであります。 本修正案の成立は、地方自治の復権と拡充を保障する地方財政制度確立への重要な第一歩となることを強調し、討論を終えます。(拍手)
○中山委員長 田島衞君。
○田島委員 私は、新自由クラブ・民主連合を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、原案に賛成、修正案に反対の立場から討論をいたします。 議題となっております改正案は、例年のごとく、改正と名づくるには余りにも期待に遠いものであることは事実であります。そして、相変わらずのその場しのぎの小手先だけの措置であり、単に収支のバランスをとるための措置をしただけだと批判されてもやむを得ないような内容だと言わざるを得ません。その点では大変お粗末なものでありまして、まさに実を失いつつある交付税制度のよみがえりを期待する者としては大変不満であります。 一方、修正案でございますけれども、もしそれ、そのことが実際に行われ得るかどうかという議論を別にしたら、原案よりも修正案の内容の方がはるかに妥当だということも言えると思うわけであります。ただ、残念ながら、現状ではその内容の実施はなかなかむずかしいことだと思うわけであります。 そこで、私は、いかに不満足な内容であろうとも、現実の問題として考えた場合には、可能な限り早い時期に交付税制度に明るい道を開くことのできるような本当の意味の改正が行われるように強く要望し、なお一方、修正案を出された各党の熱意に対しては心から敬意を表して、修正案に反対、原案に賛成をいたします。 終わり。(拍手)
○中山委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより採決に入ります。 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、佐藤敬治君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立少数。よって、佐藤敬治君外三名提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○中山委員長 これより、内閣提出、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案及び内閣提出、警備業法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。世耕国務大臣。 ————————————— 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案 警備業法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○世耕国務大臣 ただいま議題となりました警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、警察官の職務に協力援助し、または消防作業等に従事して災害を受け、年金である給付または補償を受けている者について、子女の誕生、入学、結婚等の一時的出費を必要とする事由が生じた場合に、その資金の需要にこたえるため、年金受給権を担保にして小口貸し付けを受けることができる方途を講じようとするものであります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 現行法におきましては、給付または補償を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、または差し押さえることを禁止しておりますが、このうち年金である給付または補償を受ける権利を国民金融公庫または沖繩振興開発金融公庫に担保に供することを認め、小口貸し付けを受けることができるよう措置するものであります。 なお、以上の改正は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から実施することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に、ただいま議題となりました警備業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 警備業は、社会的需要の増大に伴い著しい成長を続けておりますが、反面、一部には、暴力団関係者等の不適格業者も見られるほか、警備員に対する指導、教育義務を怠る業者が増加しており、警備員の非行を初め警備業務の実施の適正を害する事件等も依然として後を絶たない状況にあります。また、近年、警報装置等を使用して行う機械警備業が急速に普及しておりますが、その即応体制の不備により事件または事故の発生時に十分な対応ができないこと等の不適切事案が多発しております。 この法律案は、このような警備業の実情にかんがみ、警備業を営む者の要件を整備し、警備業を営もうとする者は、これに関する都道府県公案委員会の認定を受けることとするとともに、警備員指導教育責任者制度を設ける等警備員の指導及び教育についての規定を整備し、あわせて機械警備業に対する規制に関する規定を新設すること等をその内容とするものであります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 第一は、警備業を営む者の要件及び警備業の開始手続の整備であります。 その一は、警備業を営む者の要件の整備でありますが、これは、禁治産者、準禁治産者、覚せい剤中毒者、暴力団員等に該当しないことを新たに要件に加える等所要の整備を行うことをその内容としております。 その二は、警備業の開始手続の整備でありますが、これは、現在の届け出制を認定制に改め、警備業を営もうとする者は、警備業の要件について都道府県公安委員会の認定を受けることとするとともに、認定証の有効期間とその更新、認定の取り消し、認定証の返納等について所要の規定を設けることをその内容としております。 第二は、警備員の欠格事由の整備であります。 これは、禁治産者、準禁治産者、覚せい剤中毒者、暴力団員等を欠格事由に加える等所要の整備を行うことをその内容としております。 第三は、警備員の指導及び教育についての規定の整備であります。 その一は、都道府県公安委員会は、警備員等について、その知識及び能力に関する検定を行うことができることとすることであります。 その二は、警備員指導教育責任者制度の新設でありますが、これは、警備業者は、営業所ごとに、警備員の指導及び教育に関する業務を行う警備員指導教育責任者を、警備員指導教育責任者資格者証の交付を受けている者のうちから選任することとするとともに、その欠格事由、資格者証の返納命令等について所要の規定を設けることをその内容としております。 第四は、機械警備業に対する規制の新設であります。 その一は、機械警備業務を行おうとする警備業者は、その区域を管轄する都道府県公安委員会に届け出なければならないこととすることであります。 その二は、機械警備業務管理者制度の新設でありますが、これは、機械警備業者は、基地局ごとに、機械警備業務を管理する業務を行う機械警備業務管理者を、機械警備業務管理者資格者証の交付を受けている者のうちから選任することとするとともに、その欠格事由、資格者証の返納命令等について所要の規定を設けることをその内容としております。 その三は、機械警備業者は、盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に、必要な措置をとることができるよう、必要な数の警備員、待機所、車両等を適正に配置しておくこととすることであります。 その四は、機械警備業者は、機械警備業務を行う契約を締結するときは、その相手方に対し、基地局及び待機所の名称及び所在地その他の事項について説明しなければならないこととすることであります。 以上の措置に伴い、聴聞の規定の整備、手数料の規定の新設、罰則の整備等所要の改正を行うこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、施行の際に警備業者である者は、施行の日から三月の間は、認定を受けなくても警備業を営むことができることとする等所要の経過措置を設けております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○中山委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 次回は、明十六日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会 ————◇—————