地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/08
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青山丘君。
○青山委員 最初に、中長期的に見た地方財政対策についてお尋ねをする予定でおりましたが、それは少し後にさしていただいて、その前に、現在大変問題になっております公務員、高級官僚の選挙立候補の問題について、若干お尋ねをしておきたいと思います。 今通常国会冒頭の二月二日、衆議院予算委員会におきましてわが党の塚本書記長が、高級公務員の天下り候補について次のように指摘をしています。「各省における中堅幹部が次の衆議院選挙の立候補を目指して、各地で国費で選挙運動をしているのですよ。これは皆様方も被害者なんです。」ちょっと中を略しまして、「建設省のお役人は、公園つくってやろうというようなものでしょう。厚生省のお役人は、会館つくってやろう。だれの金なんですか、これは。」と指摘しているんです。また、「足りない国費でもって選挙運動をやらかしておる。」こういうふうに指摘しているわけです。 中曽根長官はその指摘に対して、「公務員の倫理を向上させて官紀を振粛するということは、閣議で何回も決定をしておりまして、昨年の十二月の閣議でも決定いたしました。もし、それに逸脱するような公務員があれば、その関係の大臣を通じてびしびし取り締まらせる予定でありますから、」云々と答えているんです。また鈴木総理は、「これは綱紀粛正にもつながる問題でございます。私は、選挙に出るなとは言いませんが、その場合にはもう役所をやめて堂々とフェアにやったらいい、こう思っております。そういうような行為がございますれば厳重に注意をいたしますし、そのように進めるつもりでございます。」二月二日の答弁であります。 しかし残念ながら、昨今新聞報道で私どもが接しますと、舘山不二夫元厚生省審議官の件はまことにゆゆしき問題であると思います。これについて関係各省、人事院、自治省の御見解を伺いたいと思います。
○大林政府委員 公職選挙法上は、公務員特に国家公務員あるいは地方公務員の持つ影響力からかんがみまして、地位を利用して選挙運動をするとか、あるいは選挙運動に至らなくても職務上の出張でありますとか会議でありますとか、そういうものを利用して選挙のあいさつをしてはいかぬ、こういう厳重な規制があるわけでありまして、そういう厳重な規制があるにもかかわらずそういった疑惑を招くような行為が行われること自体、私どもとしては非常に遺憾に存じております。
○金井政府委員 報道されましたような事情のもとで現職の国家公務員が短期間に集中して特定の地域に赴くようなことは、それ自体世間の疑惑を招き批判を受けることになりますので、一般的な服務のあり方といたしましては公務員全体の信用にもかかわることでございまして、はなはだ好ましくないことであると考えます。
○青山委員 中曽根長官も総理大臣も、びしびし取り締まりをしてこういうことがないようにすると断言しておられるのです。にもかかわらず、先般来新聞報道でこういうことが報道されておる。後でそのことにもう少し触れますけれども、ただ単に遺憾であるという程度のことでは私は済まない。後で重大な問題をここで提起さしていただきたいと思います。 新聞報道によりますと、舘山氏は二年ほど前から出馬の決意を固め、地元福井県の厚生省の所管業務の関係者、たとえば身体障害者、戦傷者、マッサージ、整骨院などに、暑中見舞い、年賀状などを発送しているという事実があります。また福井では、すでに後援会活動も盛んに行われている。ちょうど二年前ですが、五十五年四月一日には、政治団体の届け出もされているという事実にかんがみますと、舘山氏の立候補の意思は十分あるというふうにみなさなければなりません。また舘山氏は、以前より立候補の意思について公言してはばからなかったと伝えられております。 昨年度十回の出張のうち、実に八回が福井県で会合に出ている。それぞれの会合で露骨に選挙のことは頼まなかったのかもしれない。しかし、これらの行為は公務員の地位利用の選挙運動を禁止した公職選挙法第百三十六条の二、また公務員の選挙運動を制限しておるところの公職選挙法二百三十九条の二——条文を読んでみますと、公職選挙法第百三十六条の二「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」の項目では「国又は地方公共団体の公務員」は「その地位を利用して選挙運動をすることができない。」第二百三十九条の二「公務員等の選挙運動等の制限違反」の項では「国又は地方公共団体の公務員」「であつて、衆議院議員又は参議院議員の選挙において当該公職の候補者となろうとするもので次の各号に掲げる行為をしたものは、」「二年以下の禁錮(こ)又は十万円以下の罰金に処する。」とあります。その一号「当該公職の候補者となろうとする選挙区において職務上の旅行又は職務上出席した会議その他の集会の機会を利用して、当該選挙に関し、選挙人にあいさつすること。」と規定されております。 すなわち、今回のこの舘山氏の行為は、公職選挙法第百三十六条の二、二百三十九条の二に抵触するのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○大林政府委員 公職選挙法上はいま御指摘のような条文があることは、そのとおりであります。舘山審議官が従来どういう行為をされ、新聞報道でありますような事実があったかどうか、事実認定をする立場にはございませんけれども、先ほど申しましたように、そういう疑惑を生じたこと自体非常に残念に思っております。
○青山委員 法文に抵触するのではないかと私は尋ねているのです。そういう疑惑を招いたのは残念だという答弁を求めているわけではありません。問題は、その事実認定というのはされるのかされないのかということをお尋ねしたい。
○大林政府委員 私どもは、行政庁としまして公職選挙法を所管しております立場から申しまして、法律の具体的な解釈、運用というのはいたしますけれども、一つの具体的な事件が起きました場合に、その事件につきましてどういう事実があったか、それが法律の構成要件に該当するかということを認定する立場にはないと申し上げておるわけであります。
○青山委員 公職選挙法でここまで規定されておって、それじゃそれはだれがやるのですか。
○中平政府委員 私どもは、公職選挙法上選挙の取り締まりに関する規定を公正に執行する立場にあるわけでございます。したがいまして、今回の舘山元厚生省審議官に係る問題につきましても、警察といたしましては、かねてから報道等により同氏が政界入りを希望しておったことは承知しておったわけでございます。しかしながら、先般報道に伝えられておりましたような具体的な事実については、その段階において警察においては把握をしてなかったわけでございます。 したがいまして、ただいま御指摘のような、少なくとも疑いのあるケースであることには間違いございませんから、早速福井県警に、事実関係を把握し、公職選挙法のそれぞれの規定に触れる具体的な事実があればこれに厳正に対処するように、すでに指示をしてございます。しかしながら、ただいままでの福井県警の報告によりますと、諸会合等があったことは事実である、しかしながら、そこで具体的に公職選挙法の個々の規定に触れる証拠関係については得られていない、このような報告を受けております。 しかし、いずれにしろ疑惑を招く行為があったこと自体は間違いないことでありますし、したがいまして先ほど御指摘がありましたような、将来同氏を支援するであろう団体の責任者に対して厳重な警告を一応実施し、今後かかることのないように、さらに今後そのようなことがあればそれなりに警察としては厳正に対処する、こういう旨を厳重に通知してございます。
○青山委員 舘山審議官に立候補の意思がある、これは客観的証拠はあるわけです。立候補の意思があって、疑惑を招く行動が重なっている、これも事実です。舘山審議官が厚生省をやめたからそれでいいという世論も若干見受けられるのですが、厚生省の審議官のときにとられた行為そのものは消えるものではありません。したがって、いまのようなもうすでに結論が出たかのような答弁については、私は不服です。そんな結論ではないと思いますので、また引き続き事実関係を十分調べていただきたいと思います。委員長、よろしいでしょうか。
○中平政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、一応事実関係の把握に努めるよう、しかも公選法の具体的な行為に触れる証拠関係が得られればそれなりに対処するように、指示してあるわけでございます。しかしながら、今後そのような行為がさらに繰り返されるということになりますと、これまた選挙の公正な執行という立場からはいろいろ問題がありますから、今後さらにこのようなことがないようにということであって、いままでした行為がそのことによって帳消しになるという趣旨のものではございません。したがいまして、その辺の関係につきましては、引き続き事実関係の調査を下命してございます。
○青山委員 これまであったことについては、引き続き調査をしていただきたいと思います。 また、同氏の行為は在職中になされたものでありまして、当然そこには国家公務員法が適用されるものだと思います。国家公務員法百一条一項によりますと職務に専念しなければならない。舘山氏の十回の出張のうち、そのほとんどが私のための出張であったということは明らかだと思います。十回の出張のうち八回までが福井に行っていた。私のための出張であったということは明らかだと思います。 そういう意味で、国家公務員法百一条の一項「職務に専念する義務」に抵触しておるのではないかと思います。また、政治的行為を制限しておる百二条にも抵触しておるのではないかと思うのですが、人事院の御見解はいかがでしょうか。
○金井政府委員 具体的な事実関係の詳細が明確でない点もございますので、断定的なことは申し上げかねるわけでございますけれども、報道されましたような事実だけから申しますと、舘山氏の行為は、ただいま御指摘の国家公務員法百一条職務に専念する義務の問題並びに同法百二条及び人事院規則一四−七政治的行為の禁止の問題、こういう規定に抵触するのではないかという御指摘でございます。出張につきましては、上級者の出張命令のもとで一定の業務をもって行っておるようでございます。それから、その間に休暇等で、大分回数が多いわけでございますけれども、やはり上司の休暇の承認を受けて行っておりますので、そういう点から申しますと、直ちにこれら百一条ないしは百二条に抵触するということは言いがたいというふうに考えます。
○青山委員 後でちょっとまた触れたいと思いますが、この問題が表面化した四月一日、同氏は厚生省を辞職しております。とはいいながら、厚生省をやめたからもういいという問題ではありません。在職中になされた行為は、当然国家公務員としての責任が問われるわけです。 そこで、昨年度一年間で厚生省へ出勤したのはわずか六割にすぎない、二百十九日であった。十回の出張中八回までが福井への出張であります。そして、中には朝八時三十分の開会式にあいさつをするだけの出張であったにもかかわらず、三日間の出張扱いにされている。厚生省もおかしい。いま人事院は、厚生省がやっているのだから私のところは知らないという意味のことですけれども、厚生省もおかしい。審議官以上の出張休暇というのは大臣が承認をする、事務次官が決裁をしているということでありますが、これほど頻繁な舘山氏の出張を厚生省は黙認しておったのか、認めて支援していたのか、あるいは厚生省の部下の監督責任というのはどうなのか、厚生省の御見解をお尋ねしたい。
○森説明員 最初に、今回このような御批判を招きます問題を起こしましたことにつきまして、まことに申しわけないと思っております。 出張の命令権あるいは休暇の承認権の問題につきましては、御指摘のどおりでございます。ただ、舘山元審議官に対して行いました出張命令あるいは休暇の承認というものにつきましては、先ほどもお話がございましたようなことで所要の手続を経て行っておるものでございますが、その取り扱いに不適切な点があったことはまことに遺憾に存じております。今後こういうような管理の適正化につきましては、私どもといたしましても遺憾なきを期するようにやってまいるつもりであります。 それから、ただいま先生申されましたような、要するにこういうような問題を招いた責任問題につきましては、これは私ども大臣の御判断に基づいて、必要な御指示あるいは処分を受けるというようなことも必要かと存じます。これは、いずれにいたしましても大臣の御判断をまつべき問題でございますが、私どもこういうことにかかわった者といたしましては、今後十分に注意してまいるつもりでございます。
○青山委員 これだけ問題になっているのですから、今後注意していただくのはあたりまえのことですが、今回までのこの責任はどうなるのかということであります。十回の出張のうち八回までが選挙区とみなされる地域への出張、これは厚生省ぐるみだと言われている批判もあるのです。こういう批判に対して厚生省、どういうふうに答えられるのか。
○森説明員 いま先生御指摘の、今回の問題になっております出張あるいは休暇の点につきましては、私どもといたしましても、それぞれ所定の手続に従って行っておるわけでございます。ただ、先生がいま申されましたようないろいろな疑惑と申しましょうか、そういうものを招いたことにつきましては、先ほど申しましたようなことで十分責任を感じておるところでございます。今後、こういうことがないようにやってまいりたいと思います。
○青山委員 これは、責任を感じておる、今後ないように努力するということだけでは、私はだめだと思う。厚生省として国民に対して明らかな対処、方針を示さなければ、国民は納得しませんよ。この責任を感じておる、今後こういうことのないように十分努力する、これだけじゃ私はだめだと思う。厚生省としての見解を求めたい。
○森説明員 先生御指摘のようなこの問題に対する責任ということにつきましては、これは先ほど申しましたように、私どもこの問題を招いたことについての取り扱いについては、大臣の指示をまって私どもの責任をとっていくことが必要であろうというふうに考えております。
○青山委員 厚生省内部で検討しているのですか。人事課長のあなたに何回も同じことを尋ねても意味ないことだと感じておるのですが、厚生省内部で具体的にこういうことが再び起きないような具体的な措置、それから今回こういう事件が起きたことの国民が納得してくれるような具体的な処理、そういうものを厚生省内部で検討していますか。
○森説明員 今回のこういう問題を招いたことにつきましては、省内の出張であるとか休暇の手続の面にもやはり不十分な点があったのではないかというふうに思います。これに私の立場でも関与をいたしておったわけでございますので、今後そういう省内の手続の面で、従来に増して適正なチェックを行っていくというようなことはやってまいりたいと思います。そういうようなことで、今後こういうような問題を起こさないことを通して、この問題に対するよりはっきりとした対応の姿勢を私どもとしても示してまいりたいと思います。
○青山委員 厚生省として明確な態度、方針を打ち出して、当委員会に書類として出していただきたい。どうですか、委員長。
○森説明員 私どもといたしましても、先生御指摘の点につきましては、それでは十分検討させていただきまして、先生にまた御指示をいただきまして今後の取り扱いを決めたいと思います。
○青山委員 たしか一昨々日ぐらいだと思います。この件における鈴木総理大臣の答弁ですけれども、公務員が選挙に出るために準備行為に入り、仕事を顧みないという問題は放置できない。——総理府おられますね。後で各省庁の候補者の問題をこの次にお尋ねしますが、よろしいか。——立候補したい者は、きちんと出処進退のけじめをつけてやるべきだ、これは総理大臣の答弁です。立候補したい者は、きちんと出処進退のけじめをつけてやるべきだ、舘山氏の場合、私の指導が徹底する前に指摘され残念だ、今後は指導を徹底すると答えているのです。たしか、これが四月五日だと思います。塚本書記長が予算委員会で尋ねたのが二月二日です。二カ月もたっているのに、私の指導が徹底する前に指摘されて残念だと言っておる、総理大臣が。二カ月前が、厳重に注意する、こういうように答えているのです。この二カ月間何かなされておったのか、お尋ねしたい。
○橋本説明員 お答えいたします。 総理府としては、官庁綱紀の粛正という立場から機会あるごとに、一般的にではございますが、各省庁に対して国民の信頼を失うことのないようにということを繰り返して申し上げているところでございます。今回の事件につきまして、特段に注意したということはございませんが、できるだけ早い機会に、各省庁の会議において改めて注意を喚起したいと存じております。
○青山委員 これほど重大な問題が提起されてきておって、しかも二カ月前にわが党の書記長が予算委員会で総理大臣に質問をしておる。にもかかわらずこういう対応です。まことに私は残念。 総理府にもう一つお尋ねしたい。私は、舘山氏や厚生省に個人的な恨みがあってやっておるわけじゃありませんよ。今回たまたま表面化したことがこの問題であるわけで、衆議院選挙に出馬を予定しておる高級官僚は他の省庁でも数多いと聞いております。たとえば通産省、大蔵省、建設省など、その他にも出馬をうわさされる高級官僚は精力的に事前運動を行っているようであります。勉強会、講演会と称して顔と経歴を売り込み、出席者の名刺はもとより、住所、氏名、電話番号までを控えて、選挙出馬のために余念がないという報道もされております。それはかなり巧妙に潜行しているということです。総理が堂々とフェアにと言明しているにもかかわらず、こういったことが横行してきている。候補者を、たくさんと言えるかどうか、候補者を抱えている各省庁に対して、総理府はどのように対処していかれるのか、お尋ねしたい。
○橋本説明員 総理府としては、新聞紙上に報ぜられておりますような個々の事件につきまして掌握しておるわけではございませんけれども、そういう疑惑を招くことのないように、改めて各省庁に注意を喚起いたしたいと思います。
○青山委員 注意を喚起いたしますとおっしゃったのですか。そういう程度ですね。恐らくよほど腰を据えてかからないと、これは第二の舘山さんが出てくると思います。国家公務員が法によって事前運動を規制されているにもかかわらず、公然とこういうことが行われていることは、公職選挙法がざる法であるがためだと言っても過言ではないと思います。 自治大臣、高級官僚の民間就職については人事院規則によって規制されているのと同様に、高級官僚の立候補に関しては何らかの規制をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。もちろん、憲法上すべての国民に保障されている就職、立候補等の自由は、公務員も何ら変わるところはありません。しかし、公共の福祉のための公務員であることを踏まえた上で、高級公務員の衆議院議員及び参議院議員の選挙については、その立候補に関して規制を設けるべきだと考えます。私どもは数年来、この趣旨の提言をいたしております。たとえば、事務次官、庁の長官それから次長及び局、官房または部の長などの職にあった者は、その職を離れて二年間は立候補することはできない旨の案でありますが、いまここでもう一度見直すべきだと考えております公職選挙法について、自治大臣の御見解を伺いたい。
○世耕国務大臣 お答えいたします。 こういった事例がいままでずいぶんありますので、高級公務員の選挙の立候補について、選挙制度審議会の第一次のあれでいろいろと論じられたところでございます。ただ、高級公務員だけに限って立候補そのものをいろんな形で制限するということが、実際は憲法とか立法上のテクニックの上からいろんな問題が出てきまして、結局は昭和三十七年の法改正で、公務員の地位利用による選挙運動の禁止、それから地位利用により地盤をつくっていくような行為の禁止、それから連座制を強化しようという、こういう形で取り入れられてきたのが現状のあれでございます。 公務員であるがゆえに何年間か全部一律に立候補を禁止するということが、現実の面ではいろんなことと差し支えまして非常にむずかしい。こう いう点で、御意見はよくわかるのでございますが、現実の問題としては非常に困難である、そういうふうに私は理解しております。
○青山委員 憲法上のことは私もよく存じ上げておりますが、しかし、現実には高級公務員の民間への就職については規制されております。それから、現にこういう事態がこうして頻繁に出てきておる。しかも地位を利用して、他の候補者に比べれば著しく公平を欠く、あるいは国費で選挙をやっておるというような批判にこたえることができないと思います。私は、非常にいい機会である今回の機会を通じて、公職選挙法の改正についてぜひ検討に入られる必要があるではないか。総理大臣のあの厳しい姿勢の答弁ですら、いまお聞きいただいたような事態です。そうなってまいりますと、こんなことでは国民の政治に対する信頼がますます失われていってしまう、まことにゆゆしき問題でありますので、要望しておきたいと思います。 次に、中長期的に見た地方財政対策について御質問いたします。 昭和五十年の補正予算以来続いてきた地方の財源不足が、今回七年ぶりに解消されることになりました。こういう状況が果たして五十七年度限りのものであるのか、あるいは今後数年間は地方の財源不足が生ずることも十分考えられるのかどうか、この点について自治省の認識をまず伺いたいと思います。
○土屋政府委員 御指摘のございましたように、五十七年度の地方財政は、単年度としては均衡するという見通しを持っておるわけでございます。ただ、五十八年度以降がどうなるかということにつきましては、国の予算編成の状況がどうなるか、また経済の推移がどういうことになっていくのか、そこらときわめて深いかかわり合いを持っておることでございますので、私どもとして、現段階で責任のある的確な見通しを申し上げることはいたしかねるわけでございます。 ただ、御承知のように今後大幅な増収が見込まれる状況にはございませんし、また現に五十兆にも及ぼうとする膨大な借入金を抱えておりまして、この返済に追われていくということになりますので、率直に申し上げて、五十八年度以降もきわめて厳しい状況のもとに推移していくであろうというふうに考えております。
○青山委員 将来の地方財政の状況を見通すということはなかなか困難であると思います。しかし、これまでの日本経済の状況を見てまいりますと、あるいは現在の世界的な景気の低迷などを考えてまいりますと、今後の日本の経済は少なくともかつてのような高度成長というのはもう望めない、すなわち安定成長が続いていくであろうということが十分予想される。しかも、貿易摩擦の問題に象徴されているように、今後は国際社会の中で果たすべき日本の役割りもますます大きくなろうとしておる。同時にまた、輸出には頼れない、内需拡大による経済成長、内需中心に経済成長が強く求められているという状況であります。 こういう前提に立って今後の地方財政を考えてまいりますと、一つには、税収の大幅な増加はなかなか期待できない。それから政府が明らかにしているように、大型新税などは導入できる状況にはない。歳入についての見通しというのはなかなかむずかしい。ところが一方で、新たに行政需要が増大していく、支出に対する要求が大きくなっていくというような状況の中で、これからの地方財政はなかなか楽観を許さないと思うのです。それで、地方財政の今後をどのように見ておられるのか、いま一度お答えいただきたいと思います。
○土屋政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、五十七年度の地方財政収支は、単年度としては均衡する見込みではございますが、前にも申し上げましたとおり、その背景に地方交付税の特例による増額措置や交付税特別会計借入金の返還というものをしばらく繰り延べておる、そういった措置をとっておるということがあることを考える必要があると思っております。したがいまして、五十七年度に収支が均衡したからといって、それで地方財政の基盤が基本的に改善されたり、地方財政の再建が達成されたものとは、決して思っていないわけでございます。 先ほどもちょっと申し上げましたが、五十七年度末の見込みでございますけれども、普通会計債残高が三十四兆円、交付税特別会計借入金の残高が八兆円、それに地方の普通会計で元利償還を負担することとなっております公営企業債が約七兆円ございますので、合わせますと五十兆円になんなんとする借り入れを抱えているわけでございまして、この累積した借入金の返済を今後行っていかなければならぬというわけでございます。 したがって、五十八年度以降の地方財政は、御指摘のようにとても楽観を許せる状況にはございませんし、むしろ大幅な増収の期待もできないわけでございますので、非常に厳しいものと考えておりまして、今後、地方行財政の円滑な運営を図っていくためには、相当な努力を要するものだというふうに認識をしておるわけでございます。
○青山委員 そういうことであろうと思います。今後の財政収支というのは相当苦しい、そういう中にあって、いまお話がありましたように五十七年度末までの交付税特別会計の借入金あるいは地方債残高、これが四十二兆円近くにもなる、公営企業債が七兆円ばかりある、合わせて五十兆円ばかりの借り入れをしておるという状況です。ある意味で、これはやむを得ない面もあったでしょうけれども、しかし、過去の場当たり的な措置によってこれだけの借金を抱え込んでいると言っても過言ではないと思います。 そこで、これからは単に単年度で収支が均衡したからいいであろうというわけにはいかない。財源が不足するから借り入れをするということではなくて、国と地方を通ずる抜本的な行財政改革を行わなければならないであろう、相当思い切った行財政改革が必要なのではないかと考えるのです。いかがでしょうか。
○土屋政府委員 申し上げるまでもなく、国も地方も大変厳しい財政状況になっておるわけでございまして、早急に財政再建を考えていかなければならないわけでございますが、国、地方を通じまして財政再建を進め財政の対応力を回復してまいりますためには、行政のいわば守備範囲の見直し、事務事業の見直しあるいは国と地方との間の役割り分担、事務配分、そういったものの見直しを初めとします徹底した行政改革を行いまして、行政経費の節減合理化を図ることが必要であろうと思っております。そして、それにあわせて国、地方間の財源配分あるいは国庫補助金のあり方等についても根本的な検討を加えて、効率的な財政制度というものを確立する必要があると考えておるわけでございます。 同時に、そういった形で財政再建と申しますか行政改革を進めるに当たりましては、最終的には行政サービスの水準と国民負担の水準ということをどの程度にしてバランスをとっていくか、そこらにかかってくる問題でもあろうかと存じます。国民がどのような選択をするかということも十分見きわめていかなければならないわけでございますが、いずれにいたしましても、国民は増税という方法ではなくて、行財政の改革によって財政再建をすべきであるという強い声があるわけでございますので、そういったことを踏まえて、私どもとしても適切に対処していかなければなりませんし、その努力をしなければならぬと思っております。
○青山委員 地方財政の将来というのはなかなか困難である、そのためには基本的に抜本的な行財政の改革をしていく、そしてそのことによって一つは自主財源の確保に努めていく、あるいは国と地方との財源の配分についても見通しを立てていく、こういう方向でこれから取り組んでいただくわけですけれども、しかし、何といっても指針となるものがないのですね。それから、見通しとなるものがなかなかむずかしい。私は、大蔵省あたりが出しておる財政の中期展望みたいなものを、あとう限りの地方財政の展望、見通しというものを出していかなければいけないのではないか、そういう指針に沿って抜本的な行財政の改革に精力的に取り組んでいただく、こういう指針がどうしても必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 お示しがございましたように、国におきましては五十六年度からいわゆる後年度負担方式、後年度負担額を推計するという方式によって財政の中期展望を作成しておるわけでございまして、私どもとしても、従来から国の収支試算とあわせて地方の収支試算というものを一応つくっておったわけでございます。国の方がこういったものをつくりましたので、いろいろ私どもも検討してみたわけでございます。 率直に申し上げまして、地方財政が三千数百の地方団体の財政の集合体でありまして、各地方団体はそれぞれ自主的な判断に基づいて財政運営を行っておるということ、また地方財政は、地方交付税なり国庫支出金等国の財政ときわめて関連する面が多いということ、したがいまして、国の計画との整合性を図りながら、多様な地方団体固有の施策を織り込んだ地方財政収支の見通しを策定することはなかなか容易ではないわけでございまして、技術的にきわめて困難な問題が多かったために、同じような収支見通しを示すことができなかったわけでございます。 しかしながら、ただいまもお話がございましたように、地方団体の財政運営に資するという意味で何らかの形で中期的な見通しを立てていくということはやはり有意義なことであり、また必要なことでもあると考えておるわけでございまして、いま申し上げましたような理由で、国の中期展望と同じような手法で見通しを立てることは困難であると考えておりますけれども、われわれなりに一定の前提を置きながら、何らかの形で地方財政の中期的な見通しを立てるという方向でいま検討しておるところでございます。
○青山委員 ぜひ進めていただきたいと思います。 そこで、臨調では国と地方の関係についても答申を出すべく準備を進めております。四日ほど前の四月五日、調査会に対して第三部会が「国と地方の機能分担および地方財政制度のあり方」について改革原案なるものを提出していると、一昨日の新聞報道で見ております。そこで答申がやがて出てまいりますが、答申が出た場合に、自治省としても最大限に答申を尊重して、積極的にこの改革に取り組んでいくと理解してよろしいか。
○世耕国務大臣 御指摘の点でございますが、第二臨調でも国、地方の機能分担、これが主体になって論議されているというふうに伺っております。われわれの方といたしましても国、地方を通ずる行政改革をやるときに、つまり問題は、両方を通じて行政の簡素化、財政の簡素化、効率化、それからもう一つは、地方の分権化をさらにもっと推進していく、こういう二つの方向に向かって、われわれはいままでも現在も取り組んでいるわけでございますが、第二臨調の方でもこのような方向でいろいろな答申を出してくださることをわれわれは非常に期待しておるわけでございます。 そして、この答申が出ました暁にはできるだけそれを尊重しながら、また一方で、地方自治制度の重要事項に関することについては地方制度調査会とかいろいろな関係方面の御意見を伺いながら、地方公共団体の自主性、自律性が強化されるように積極的に取り組んでまいる所存でございます。しかしながら、いろいろな大変困難な事柄も横たわっておりまして、われわれの方はかなりの決意を固めながらこれを推進していこう、そのように思っているところでございます。
○青山委員 改革原案なるものがつい二、三日前出されたわけですけれども、この中ではたとえば「国の標準を上回る上乗せ福祉や、高過ぎる地方公務員給与は住民の負担で行う」というような、なかなか厳しい姿勢でこれから原案をまとめられるようであります。 そこで、臨調答申が五月中旬に最終の取りまとめがなされるというふうに私ども思っていますけれども、どの程度の内容のものなのか、現段階ではつまびらかだとは言えません。問題は、答申にあること、答申にないこと、答申にないことについては制度改正をやる必要はないのか。答申のあるなしにかかわらず、地方行財政の抜本改革について自治省みずからが立案をして政府部内に働きかけていくべきではないかと私は思うけれども、自治省のその辺の御見解はいかがでしょうか。
○砂子田政府委員 ただいま大臣からお答えを申し上げましたように、臨調の答申に関しましては、総理もたびたび答弁をしておられますように最大限の尊重をしなければならぬことは事実だと思います。そのほかに、前々から地方制度調査会でも地方制度の抜本的な改革について答申をいたしてございます。これも、先ほどの地方自治法の改正その他でもいろいろやってまいりましたし、今後とも地方制度の改正につきましては、その都度地方制度調査会の議を経ながら改革に取り組んでいかなければならぬものだと思っております。 いずれにいたしましても、高度経済成長のときに肥大化しましたいろいろな事務事業を見直しまして、行政の簡素効率化を図るということは現在の行政に課せられました最大の課題でもございます。そういうところに着目をしながら、臨調の答申があるなしにかかわらず、やはり行政としては、常に行政改革を進めていくのが私たちの務めだと思っております。そういう観点から、今後ともそういう形の中で取り組んでまいりたいと思っております。
○青山委員 次に、昭和五十七年度の地方財政についてお尋ねをいたしたいと思います。 五十七年度の地方財政対策については、昨年の十二月二十一日、自治大臣と大蔵大臣との間において折衝の合意を見たわけでありますが、この折衝の経緯についてお伺いをしたいと思います。
○土屋政府委員 五十七年度の地方財政対策におきましては、事務当局間の折衝を踏まえまして十二月十九日に第一回目の大臣折衝が行われたわけでございますが、自治省からは大蔵省に対しまして、第一に、地方交付税の所要額の確保につきまして、法定分の確保はもとより、従来と同様の臨時地方特例交付金の確保を要求いたしましたし、また、投資的経費の地方単独事業費の拡充ということ、さらには、財源不足が生じた場合におきましては地方交付税の増額により補てんをし、財源対策債は解消すべきであるということを申し述べましたし、また、地方債資金の確保と資金構成の改善等を中心に要求をしたわけでございます。 この自治省の要求に対して大蔵省は、基本的には国と同様に地方の歳出も極力抑制して行政の減量化に努めるべきであるといたしまして、まず、国の財政事情がきわめて厳しいことから臨時地方特例交付金は廃止をして、あわせて国の一般会計が負担してきている交付税特別会計借入金の利子の一部を交付税特別会計で負担することとされたい、これによって昭和五十六年度予算に比べて地方交付税の法定分以外の地方財政関係費で三千億円程度を縮減するように協力をされたいということ、また、地方単独事業費については経済情勢等も勘案してある程度配慮をするとしても、全体の歳出抑制という方針の中で考えるべきであって、昭和五十六年度の伸び率、八%でございますが、それ以下の伸び率に抑制すべきであるということ、さらに歳入の増加、歳出の抑制を前提とすれば財源不足は生じないのではないかという考え方を述べました。また、地方債資金については、財政投融資の原資事情がきわめて厳しいから極力民間資金を活用することとされたい、こういった主張が行われたのでございます。 そして、国の予算編成作業が進み、また、国税、地方税の収入見込み等が制度改正等を含めて次第に明らかになるのと並行いたしまして、さらに両省間で折衝を重ねた上、十二月二十一日、自治、大蔵両大臣の二回目の折衝が行われて、最終的にお示ししておりますような五十七年度の地方財政対策を決定された、こういう経緯がございます。
○青山委員 一つは、去年の十二月二十一日、五十七年度に対しては交付税率の五%アップ、まあ五%アップしなくても、あるいは一%くらいで、あるいは〇・五%くらいでと見通しをされておられたから出されなかったと思いますが、おととしの場合は交付税率の五%のアップを要求しておられましたね。これが今回取り下げられたことはなぜか、こういう点が一つ。 それから、地方財政対策によりますと、五十七年度の交付税総額は九兆三千三百億円となっている。このうち、二千九十八億円を資金運用部から借り入れをする。一方では、一千百三十五億円を減額留保という形で、今度は国の一般会計に対して貸し付けをしている。片方から借り入れをしておいて、片方に貸しつけるということは、社会通念上は考えられないと言わざるを得ないと思うのですが、こういう措置をとられたということはどういうことか、御説明をいただきたいと思います。
○土屋政府委員 まず最初の、交付税率の引き上げをなぜ要求しなかったかということでございます。 私ども、先ほど申し上げましたように、大蔵省との折衝の過程でいろいろと明年度の収支の見積もりを立てたわけでございますが、率直に申し上げて、抑制的基調のもとで、歳出も必要なもの以外はできるだけ抑制をいたしまして、歳入もいろいろと工夫をいたしまして、税制度等についての改正もございましたことから、収支の均衡がおおむねとれるのではないかということ。したがいまして、交付税法第六条の三第二項には該当する状況にないということでございますので、これは要求をしないということに方針を決めたわけでございます。 それから、二千九十八億を借り入れて千百三十五億円を貸し付けるといったようなことはどうもよく理解ができないということでございます。 この点につきましては、少し長くなるかもしれませんが、もう御承知のように、五十七年度の交付税特会におきます借入金二千九十八億円というのは、五十一年度から五十六年度までの間の地方債発行によります地方負担の軽減のために、昭和五十七年度において国庫から繰り入れることを予定しておりました臨時地方特例交付金、私どもいわゆる利差臨特と呼んでおるものでございますが、この千九十八億円、それから、源泉分離課税が選択された利子所得等について住民税が課税されていないということ等を考慮して、従来から国庫から繰り入れられております臨時地方特例交付金、いわゆる財対臨特千億円、これに相当するものでございまして、この利差臨特と財対臨特は五十七年度において、私どもとしては、当然地方財政として確保すべきものだと考えておるものでございます。 本来なら、国の一般会計予算に計上して交付税特別会計に繰り入れられるべき性格のものであると考えておりますが、昭和五十七年度においては国の財政状況がきわめて厳しいということでございまして、これを一般会計予算に計上することが困難であるという事情がございましたために、交付税特別会計において資金運用部からこれに相当する額を借り入れて、償還時にはその償還額の全額を国が負担するということにしたわけでございます。したがいまして、借り入れという形はとっておりますが、実質的に臨時地方特例交付金を確保したと同じものと私どもは考えております。そのように御理解願いたいと思うのでございます。 それから一方、五十七年度で千百三十五億円を減額をしたわけでございますが、五十七年度の地方交付税の原資といたしましては、法定分の三二%、それに相当するものが九兆二千三百九億円ございました。それから、臨時地方特例交付金に相当する、ただいま申し上げました借入金が二千九十八億円、そのほか地方団体からの返還金二十八億円がございますので、合わせて九兆四千四百三十五億円と見込まれたわけでございますが、地方財政の収支の見通しを詰めてまいりますと、昭和五十七年度分として地方団体に交付すべき地方交付税の総額は九兆三千三百億円、前年度に比べて七%の増加を確保すれば五十七年度の地方財政の運営に支障を生ずることはないというふうに見込まれたのでございます。 そこで、その九兆四千四百三十五億から九兆三千三百億円を控除した残りの千百三十五億円については、中長期的な地方財政の健全化を図るという観点からすれば、五十七年度においてはこれを減額して、交付税特別会計借入金の償還が再び始まってまいります五十九年度以降の地方交付税に加算することとする方がむしろ好ましい、適切であるというふうに考えられましたので、こういった措置をとることとしたものでございます。そういった意味で、この千百三十五億円の減額措置というのは、中長期的な地方財政の健全化を図るという上で好ましいものでもありますし、またそのことが結果として国の財政にも協力をすることになるという考えに立っているものでございます。 なお、率直に申されましたように、なぜこんな複雑なことをするのかということでございまして、二千九十八億と千百三十五億円の差額である九百六十三億円を交付税特会で借り入れれば、結果としては済むのじゃないかといったような考え方もあるいはあろうかと思うのでございますが、先ほどるる申し上げましたように、二千九十八億円というのは、私どもが当然確保すべき臨特に相当するものとして借り入れるわけでございまして、千百三十五億を一時留保して国に貸すかっこうになるにいたしましても、この借り入れは、長期的に見ればあくまでも臨時特例交付金相当の二千九十八億円の地方財源を確保するという措置でありまして、九百六十三億円の借り入れのみで対応するといたしますと、本来措置されるべきものが十分措置されないままに終わってしまうということになるわけでございますので、中長期的な観点から、いささか複雑なようでございますが、ただいま申し上げたような方法をとったわけでございます。
○青山委員 いま御説明いただきました措置、地方の側から見てまいりますときわめてわかりにくい。しかし、国の側から見てくると、なるほどあたりまえの措置ということになるでしょう。本来国の一般会計から出すべきものを、財源がないということで資金運用部に肩がわりさせ、なおかつそれによって地方財政に余裕が出たということで、その分の国の負担を留保する。ところが、これは私から見ますと、つじつま合わせだ、事実上の国の方の赤字国債の発行に等しいというふうに思うのです。その辺いかがでしょうか、まずお答えいただきたい。
○土屋政府委員 ただいまも申し上げましたように、二千九十八億円というものは、臨時特例交付金として当然確保すべきものだと私どもは思っておるものでございます。ただ、国の一般会計からそれが支出をしにくい厳しい状況であったために借入金を行いました。しかしながら、その借入金の返済は全額国が負担をすることになっておりますから、地方から見れば、それは何ら負担増にはつながらないものでございます。ただ、全体として取るものは取ると申しますか、そういう形になりましたが、結果として見れば、九兆三千三百億円だけ交付税を確保すれば大体収支の均衡がとれるという前提に立ちましたので、むしろ千百三十五億というのは、中長期的に見て地方財政の健全化に資するという方向で使った方がいいという判断に立ったわけでございます。 ただ、お示しのように、結果として交付税特会に留保したかっとうで減額いたしておりますから、その分については国の財政が一時的にそれを利用するということになるわけでございますけれども、しかし、いま申し上げましたように、地方財政の立場から見てもそれがいい、また一時的に国の財政の援助にもなる、そこらを考えてとった措置でございまして、国の赤字国債の肩がわり的な形でやったものじゃないと私どもは確信をいたしております。
○青山委員 今回のこの措置が国のベースで行われておるわけですけれども、地方交付税というのは地方の固有の財源であるという考え方からしてまいりますと、地方から見てみれば国のベースで貸し付けられるというのはいささか蹄に落ちない。大蔵省から見てまいりますと、こういう形で地方交付税の一部を国に貸し付けをしてもらうということによって、地方固有の財源であるということをなし崩し的に否定していきたい。交付税が地方に配分された、そして地方によって減額留保されたというものなら私は理解できる。ところが、地方固有の財源である交付税が国のベースにおいて国に貸し付けがされるということは、地方の固有の財源ではないかのような印象を与えていく。だからこそ去年大蔵大臣の、地方交付税は地方固有の財源ではないかのような発言が出てきておるわけです。こういう心配がある。これは余りいいやり方だとは私は思わないが、どうですか。
○土屋政府委員 御指摘のございましたように、地方交付税は地方団体固有の税源であると私どもは考えておるわけでございますから、それをどう使うかということは、地方団体の立場に立って考えるのは当然であろうかと思っております。そういった意味で、交付税の収入状況等を見ながらその年度間調整といったようなことを考えるのは地方団体が独自に行ったらいいではないかということは、ごもっともなお説だと思います。 ただ率直に申し上げまして、過去、収支が不均衡の時代に借り入れました交付税特会の残高も八兆円になろうとしておるわけでございまして、これは大もとのところの交付税特別会計で借金を抱えておるということでございますので、全体を見通した上で中長期的に見てどうすれば地方財政に一番いいかといったような観点からいろいろと工夫をしておるわけでございまして、お説はごもっともであるわけでございますが、いまのような異常な状況のもとではそういうマクロ的な面から総合的に考えていくのもやむを得ないだろうということで、私どもとしてもいろいろと工夫をしたということでございます。
○青山委員 地方だって、交付されたものが減額留保できるような状況ではありませんから、たとえば公共事業のゼロシーリングということですから、今度は地方団体に対して単独事業をうんとやってくれ、前年に比べて八・五%もふやしてくれ、こういう状況でしょう。 そこで、単独事業の伸び率を前年度の八・五%とかなり伸ばしておる、その本当の理由は一体何か。それから、この五十七年度の単独事業を一体地方団体が十分消化できるか、そういう保証があるのか。聞くところによると、交付税の重点配分を考えておられるようですが、具体的にはどうされるつもりなのか、これが二点。よろしいか。第三点は、都道府県、指定都市あたりではもう当初予算が組まれておりますから、地方の単独事業がどの程度計上されておるのか、あるいはどの程度の伸び率になっておるのか、おおよそつかんでおられると思うのでその辺をお聞きしたい。
○土屋政府委員 五十七年度におきましては、大変厳しい財政状況のもとでございますので、全般的には抑制的基調のもとに地方財政計画を作成したわけでございますが、地方単独事業が地域における社会資本の計画的な整備と地域経済の安定的な発展に特に重要な役割りを持つものであるということを勘案いたしまして、同時に地方団体からもこれを拡充すべきであるという強い要望がありましたために、そういった状況を踏まえて、単独事業費について前年度に比べて八・五%の伸びを確保するということにいたしたわけでございます。 五十七年度、一体十分に消化できるのかということでございますが、各都道府県の当初予算におきます単独事業費というのは、全体で二兆一千五百八十八億円というふうになっております。骨格予算を編成いたしました三団体を除いた単独事業費を見てみますと、二兆八百七十九億円ということで五・九%の伸びになっておるわけでございます。ただ団体別に見ますと、地方財政計画の八・五%を上回る伸びを確保しておる団体が二十六になっております。一〇%を超える団体も十七に上っておるわけでございまして、地方団体においてもそういった単独事業を伸ばそうという意欲はかなり見られるわけでございます。 しかし全体として見れば、ただいま申し上げましたように、骨格予算を組んだところを除いての数でございますけれども、五・九%ということは八・五%を下回っておるわけでございます。ただ、私どもとしては、当初予算の段階では地方税収を初めとしまして歳入をやや控え目に見通しておる、やや慎重な態度が見受けられるわけでございまして、そういう状況ではございますけれども、九月補正でかなりの肉づけを行う団体が多いことも理由の一つであろうというふうに考えておりまして、今後の補正の状況を見守りたいと思っております。また、五十六年度の状況を見てもかなり補正で追加をしておるという状況でございますので、それに期待をしておるということでございます。 また、私どもとしては地方財政計画に即して、地方交付税あるいは地方債によって所要の財源措置を講ずることにいたしておりまして、御承知のように一般財源のシェアも高まってまいっておりますし、地方債については単独事業をかなり伸ばしております。特に、その中の一般事業は相当な伸びを見ておりますので、できるだけこれを利用してもらいたいと存じますが、地方団体においても財源の重点的な配分によって、積極的に単独事業を実施されますように指導をしてまいりたいと思っております。 なお、もう一つのお尋ねとして、交付税上の算定において何らかの方策を講ずるのではないかということでございますが、私どもとしてはいま申し上げましたような事情で、特に国の公共事業が余り伸びない時期でもございますし、地方単独事業の推進を一層図りたいと思っておるわけでございまして、普通交付税の算定におきましても重点的、傾斜的な配分を行うことについて、その是非やどのような算定方法等が考えられるかということを目下検討しておるところでございます。 率直に申し上げまして、交付税の性格等から見て余り直截的な配分の仕方というのもできにくい問題がございますし、いろいろと議論もございまして、まだ成案を得ていない段階でございます。平均的な水準を相当程度超えて単独事業を実施した地方団体に対して、その実施状況を勘案していわば包括的な割り増し算入ということなどが考えられないかどうかということで検討しておりますが、大変議論百出でございまして、いま一生懸命内部で詰めておる、そんな状況でございます。
○青山委員 一つだけお聞きしておきたいのは、五十五年度の決算が出ておると思いますけれども、地方単独事業の当初計画との間に乖離はなかったか。その辺はどうでしょうか。
○土屋政府委員 五十五年度の決算が出たわけでございますけれども、五十五年度における決算と地方財政計画の詳しい比較分析はまだちょっとできていない状況でございます。しかし、地方単独事業、普通建設事業につきまして、決算と地方財政計画を単純に総額で比較をいたしますと、前年度に引き続いて決算額が計画額を下回っておりまして、一兆九千億円ぐらいの差がございますが、対前年度伸び率は七・五%と、地方財政計画の伸び率であります七・三%をやや上回っておる状況でございます。そういった状況でございまして、全般的に見ればかなり乖離がございます。ただ、いつも申し上げておりますように、そこらのところはもう少し分析をいたしませんと、いわゆる継ぎ足し単独という形で公共事業の中に入り込んでおるのが相当な数に上っておりますので、もう少しそこのところは分析をさしていただきたいと思っております。 いずれにしても、私どもが見て、過去せっかく財政計画で組んだけれども、必ずしも十分ではないではないかといったような感じは持っておりました。ただ、五十六年度の状況を見ますと、公共事業の伸びが引き続いてなかったということもございまして、やはり地方団体としては、地域経済の振興のため、また中小企業対策といったこともありまして、かなり伸ばしてきておりまして、五十六年度は財政計画の伸びが八%であるのに対して、都道府県で一〇・六%増という予算を組んでおる状況でございますので、だんだん積極的になっておる感じでございます。先ほど申し上げましたように、かなり地方財政計画を五十七年度でも超えておるところもあるわけでございます。九月補正等を見れば、さらにふえるのではないかと思っておりますが、いずれにしても乖離があることは事実でございます。
○青山委員 政府は三月十六日の閣議で、五十七年度の公共事業上半期に七五%以上契約執行するということであるようです。公共事業の前倒し措置を決められたようでありますが、自治省としては地方団体にどのように指導していかれるのか、また単独事業も同様にするおつもりであるのか、お尋ねしたい。というのは、地方団体というのは、非常に小さい経済の中で、それが混乱なく乗り切れるかどうか心配をするものであります。ただ、経済がこういう状況ですから、ここらは予算が通った後ですから、ひとつ本音で取り組んでいただかなければなりませんので、御見解を伺っておきたい。
○世耕国務大臣 お答えいたします。 明日の閣議で私どもから発言することになると思いますが、地方の公共事業の執行について発言するわけですが、これはいま御指摘のようなわが国の経済状況にかんがみて、公共事業の前倒しという国の方針に沿いまして、地方の方でも国と同様の方向でその執行をしていこう、こういうことを発言する予定になっております。そこで、地方公共団体に対する積極的な御協力をこちらからお願いしてまいるわけでございますが、特に地方財政計画上、地方の経済の発展とか安定のための単独事業債、これもひとつ一緒にどんどんやっていただこう、こういうことで少し景気の手直し、てこ入れを図っていく、こういう所存でおります。
○青山委員 ぜひひとつ、公共事業の前倒しをしてでも景気の底支えをしていただかなければならない、非常に厳しい状況に立ち至っていると思います。 そこで、公共事業前倒しは当面の景気刺激を重視して決めたものであると思いますが、そうなると下期に残された、たとえば二五%以下ということですと、せっかくの景気に今度は後半に入って水を差す結果になるのではないかと心配するわけです。予想されることは、できるだけ早く手を打つことが必要であると思いますので、この点についての見通しと、考えられる景気てこ入れ策について、自治省はどう考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
○土屋政府委員 公共事業の前倒しを行った場合、下期はどうするんだということが当然疑問になってくるわけでございますが、そういった点については、自治省の方から実はお答えする立場にはない、国全体の問題でございますから、そういった立場にはないわけでございますが、今後のわが国の経済の動向がどうなるのか、さらにそういった動向を踏まえて下期の経済運営にどのような方針で対処していくのか、また一方では、財政の対応力というものがどうかといったようないろいろな観点から、政府として総合的に慎重に考えていかなければならぬ問題だと思っておりますし、そういう状況を踏まえて何らかの適切な対策が考えられると思います。いま私どもの方で、残った分あるいはそれが不足ならどうするとかいったような具体的なお答えを申し上げることはちょっといたしかねますので、御了解を願いたいと存じます。
○青山委員 公正な公共事業をこれから進めていかなければならないという状況でございますけれども、その実施のために、いま入札制度の見直しというのが盛んに論議されております。このほど、中央建設業審議会が入札結果の公表についての中間報告を行っておりますが、これについて自治省の見解はどうでしょうか。
○砂子田政府委員 お話ございましたように、契約事務を執行していくことにつきまして国民の疑惑を招かないような方法をとるということは、大変大事なことだと思っております。お話のように、今回中央建設業審議会から、被指名業者の公表あるいは入札の経過及び結果の原則としての公表、さらには指名競争入札の運用の改善、こういうことが示されまして、契約の公正あるいは信用の確保という面からいろいろな指摘を受けました。自治省といたしましては、地方公共団体におきましても、これらの建議が十分に受け入れられるということが大変大事なことだと思っておりますし、そういったことを実行していく方法がこれからの望ましい方法だというふうに思っております。
○青山委員 入札制度のあり方という問題、これは地方行政にとって非常に重要な問題です。かかわりを持っています。自治省として、今後この問題にどう取り組まれようとされるのか、いろいろと論議されておりますけれども、具体的に談合の問題をすぱっと快刀乱麻解決する方策というのは、なかなか困難のようです。しかし、一つずつ積み重ねていかなければいけない。具体的には中央建設業審議会からこういう形で案が出てきておるわけですし、自治省としては今後どういうふうに取り組んでいく姿勢なのか、お示しいただきたい。
○砂子田政府委員 お話のように契約事務の適正な執行は、地方行政を適正に運営をしていくという上から大変大事なことでございますし、住民の信頼を確保するという上からも大変大事なことだと思っております。この契約の問題につきましても、実は昭和三十八年の財務会計制度の改正がございました際にも、どういうふうな契約のやり方をするかということにつきましていろいろ議論がございました。斯界の権威を集めまして、その中でいろいろなやり方を検討し、国の財務会計のあり方、そういうものも参酌をしながら、現在の地方自治法で定めます契約の規定を整備をいたしたわけであります。 こういう契約をするに当たりましては、お話のように、世間一般から談合でありますとかそういう意味での疑惑を招かないということは大変大事なことでございまして、中央建設業審議会が出されました一つの方法も、やはりこれからの公正な入札を進めていく上に大変大事なことだと思っております。ただ、これだけで実は満足をするということではありませんが、公共団体自身における契約というのは大変多うございます。公共団体三千三百あるわけでありますから、むしろ契約件数からいったら、国よりも公共団体の方がはるかに多い件数を持っているわけでありますから、その一つ一つをやはり慎重に入札をされていかなければならぬ、契約をされていかなければならぬというふうに思っております。 そういう意味で、これからも公共団体の側にいささかでもそういう住民から指弾を受けることのないように、適正に執行するように指導したいと思いますし、私たちも、契約のあり方、制度の仕方について最善の方法と申しますか、何かこれからもいい方法がございましたら、適宜制度の見直しをしていきたいと思っております。
○青山委員 あと、給与の適正化について少しお尋ねするしか時間がありませんから、他の省庁来ていただきましたけれども、恐らく無理だと思うので、お引き取りいただいて結構です。 最初に、国、地方を通じて行政改革は今日最大の政治課題となっておりますが、行政改革に臨むに当たって大臣の基本的な見解、先ほどその態度、方針について御所見をお伺いいたしましたので、それに立って質問をさせていただきたいと思います。 地方の行政改革を行う場合、どうしても避けて通れないものとして、地方公務員の給与問題があります。さきに自治省が発表した昭和五十六年四月一日現在の地方公務員給与の実態調査によりますと、全地方団体のラスパイレス指数は一〇六・七で、依然として地方公務員の給与が国に比べて高い水準にあることが明らかになりました。財政危機が深刻化した五十年以降、国と地方との給与水準の格差は年々縮まってきているものの、今回の指数は、前年度と比べた場合その低下率はわずか〇・二ポイントにすぎず、地方団体の給与水準の適正化が叫ばれている今日、その是正のテンポはいま一つ鈍いのではないかという評価ができると思いますが、大臣は今回の実態調査の結果をどのように受けとめておられるのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 御指摘の点でございますが、自治省としては、昨年からわりあい遠慮会釈なく地方団体に向かってこうしろああしろという、給与と定員の適正化を抑制方向に向かって、かなり強く厳しく言ってまいりまして、その結果、やっといま御指摘の〇・二ポイント下がったということで、あれだけやってまだ〇・二かというのでちょっとあれなんですが、そこまでやるのにもかなりの苦労が要りました。今後とも、基本的なこの厳しい姿勢はずっと維持して、地方団体を指導監督してまいろうと思っております。 きのうも全国の市町村会の皆さんが集まって、こちらが逆に呼ばれて相談を受けたわけでございますが、その席上でも、私どもは今後とも地方団体に対しては定員と給与、これはラスパイレス指数に基づくいろいろな抑制的な、行財政改革の方向に沿ってもっと積極的に推進していっていただきたい、こちらの方としても遠慮なくその方向で指導監督を行っていく、こういうふうに申し上げたところでございます。 先ほど、行財政改革でわれわれの方針として申し上げたのは、大体国の方を主体にして、それが地方にいかに影響してくるかという立場から申し上げてきたわけでございますが、それを受けて立つ地方の側は、地方の分権を促進するためには地方団体自体が信頼度を高めていく、それには一番中心になるのは地方公務員の定員、給与の適正化、それからそれに伴ういろいろな財源的な附属物、こういうことが地方の方としては非常に問題になってくると思うのでございます。これが確立されないと、なかなか国、地方を通じての行政並びに財政の改革というのは進みにくい、私どもはこのように考えております。しかしながらわれわれは、あくまで地方の立場の上に立ちましてこれを進めてまいりたい、そのような所存でおる次第でございます。
○青山委員 給与の高い地方団体に対して、どう指導、対処していかれるのかという大臣のお考えを伺いたいのです。すなわち、給与の高い地方団体をどう見ておられるのか、それをどう指導されるのか、具体的な対処の仕方について考えておられれば、お示しいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 まず第一番に、すべて住民とか国民全体の税金によって地方団体といえどもいろいろな施策が行われていくわけでございますので、その地域の住民に地方公務員の給与のあり方、それに伴ういろいろな事柄を公表すべきである、こういう線に沿って強く指導してまいるわけでございます。さらに、それはしっぺ返しじゃないかと言われるときもあるんですが、国家公務員に比べて異常に高い給与団体は財政的にゆとりがあるんだろうというので、その意味でわれわれの方も適切にいろいろな対応をしていく考えで指導しておるものでございます。
○青山委員 公務員の定員管理の問題は、先般モデルが発表されておりますので、改めての機会で御質問させていただきたいし、給与問題で実はきょうはたっぷり御質問をさせていただこうと思っておったけれども、前の方に時間を食ってしまいまして、時間だけ質問をいたします。残ったのは改めての機会に続きをやりますので、できるだけのところまでで質問をさせていただきます。 さて、自治省は、昨年地方団体に職員の給与実態を公表するように指導しておりました。その公表の実施状況はどうなっておりましたか、率直にお答えいただきたいと思います。
○大嶋政府委員 公表の実施状況でございますが、都道府県、指定都市、特別区、これらはいずれも五十六年度中にすべて公表がなされました。市につきましても、九割近くがすでに公表されておるというふうに理解をいたしております。
○青山委員 本来なら、十月に公表を指示しておられますが、十二月末までに公表された地方団体が非常に少ないということで、私は心配をしておりました。しかし、御報告ですと、都道府県は一〇〇%の公表、市においても九割方が公表をしておる。ところが、問題はこの公表の仕方です。実にいいかげんな公表がしてある。それを見まして、あなた方自治省の元幹部という方の発言がある報道の中に述べられておりました。「今回の給与公表劇は、正直なところ自治省側の完敗。あんな公表ぶりでは、実態がなんにもわからない。自分たちの既得権益を守ろうとする、地方公務員の狡猾さ、悪知恵にやられてしまったねえ。これからは、ますますウラ給与が流行するよ」こういう発言が出ているんですが、私は案外ずばっと言われたように感じて、私自身がずきっと感じておるのですよ。実は自治省も本当なら感じてほしい。 たとえば新聞報道によりますと、公表した場合でも単に数字の羅列。何だかよくわからないでしょう、数字ばかり並べたって。発行部数の少ない官報に掲載。官報というのは公共機関向けに発行されておるものであって、市民向けに発行されておるものではないと私は受けとめておるのですよ。官報に掲載するなど、非常に住民にはわかりにくいものばかりだと言うのです。自治省としては、もっと適切な公表の仕方を指導すべきではなかったかと思います。 御答弁をいただく前に、実は朝日新聞の一月三十一日、「給与公開、おざなり 一カ所だけ掲示の市も」という報道があります。ちょっと読んでみましょう。 公表の仕方でも、はっきりわかる。千葉、滋賀県、札幌、広島市などのように広報紙を各家庭に配ったところや、新潟、秋田、石川、島根県のように、新聞の広告欄を使って公開した自治体はましな方。全くそのとおりです。大半が発行部数が少ない公報や広報誌に掲載している。 徳島の県報の発行部数はわずか八百部、鹿児島は約九百七十部、広島は県報号外で千百部。配布先は、県内の市町村や議会、その他の公共機関にすぎない。 三重県の津、松阪、鈴鹿市の場合のように、市役所前のたった一カ所に掲示しただけ、というところもあり、市民から「公開とは名ばかり」の不満の声も。こういうことですね。私は、公表の仕方に問題があったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○大嶋政府委員 給与の公表の趣旨は、地域住民にその団体の給与水準の実態を理解してもらうということにあるわけでございます。そういった意味におきましては、広く住民が知り得る方法が望ましいわけでございまして、私どももそういうことを希望したわけでございます。しかしながら、実際公表された実態は、ただいまお話しのようなところもございました。これは、一つは時期的な問題もあったろうと思いますし、最初であるということもあったと思います。今後は、できるだけ広く住民が知り得る方法で公表していただくように指導してまいりたいと思います。 それから公表の内容でございますが、これは私どもが一つのモデルを示しまして、それをさらに住民にわかりやすい方法でアレンジしてやってくださいよ、こういうことを言ったわけでございます。数字の羅列ということは確かにそのとおりでございますが、私どもとしては、その数字から大体の水準はわかるというふうに考えておったわけでございますけれども、必ずしも一般の住民の方にそのままで御理解をいただけたのかどうかということは、やや疑問も持っておるところでございます。実際に公表されましたものを取り寄せてみまして、今後どうしたらいいのかということをまた検討してまいりたい、このように考えております。
○青山委員 もう時間が来ましたから最後になりますが、週刊現代のことしの二月六日号に「正直度なんと五〇% 地方公務員三〇〇万人の本当の給与」というのでいろいろ報道しているのですが、これはその中のたった一つだけ。 たとえば、東京都は平均給与が二十一万四千二百五十七円(平均年齢三十八歳十カ月)、大阪府は十八万三千九百円(三十四歳七カ月)、埼玉県は十九万四千四百三十六円(三十六歳二カ月)となっている。 この額面だけ見れば、 数字の羅列ということですが、 この額面だけ見れば、「なんだ、そんなものか」「いわれているほど高くはないよ」と思われるだろう。これに夏一・九カ月、冬二・五カ月、三月の期末〇・五カ月分の計四・九カ月分のボーナスを加えれば、年収は東京三百六十万円、大阪三百十万円、埼玉三百二十七万円ということになる。 だが、これが年収のすべてではない。このほかに調整給、扶養手当、住宅手当、通勤手当、それに、ヒマがあり余っているのに時間外手当がついたり、いくつもの名目をつけた特殊勤務手当、さらに図書費だの、研修費だの、健康増進費だのとかのモロモロのヤミ手当がついて、年収は五〇パーセント高にハネ上がる。 その結果、東京四百九十七万円 よろしいか。三百六十万円だと思っておったが、四百九十七万円。 大阪四百四十九万円、 これは三百十万円だと思っていたけれども、四百四十九万円。 埼玉四百十四万円となる。一人平均これだけの予算が計上されているのである。 という一部報道があるんですよ。数字の羅列だけでは住民はよくわからない。したがって、今回の公表の仕方について、まだそのあと給与の高い団体に対しての財政措置、個別指導その他については改めて質問させていただくとして、いま私が読み上げた文章についての御見解をお聞きしたいと思います。
○大嶋政府委員 国家公務員との給与水準の比較を行います場合に、いろんな手当は一応外してラスもはじいておるわけでございます。そういった意味で、給与の公表の中におきましては、通勤手当でありますとかあるいは扶養手当でありますとか、そういったものを直接含まないという形にしたわけでございます。ただ、一人当たり給与費という中では、すべての手当も含んで水準がわかるようにはしておったつもりでございます。ただいま御指摘のような諸手当を含めますと実際の給与よりは高くなる、これは当然であろうと思っておりますが、今後の公表のあり方につきましては、先ほども申し上げましたようにいろいろと検討してみたい、このように考えております。
○青山委員 質問を終わります。
○中山委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 本年度の地方財政対策は、ここ数年来続きました巨額の財源不足額が解消して、辛うじて地方財政の収支バランスがとれたとされておりますが、この理由は何でしょうか。
○土屋政府委員 五十七年度の地方財政の見込み、見通しでございますが、御指摘のように、単年度としては収支が均衡したということでございます。その原因は、歳出面においては、私どもとしては必要な単独事業費等の伸びは見込みながらも、全般的に極力抑制基調に立って歳出の節減合理化に努めるという方針を立てましたことと、歳入面におきましては、税収その他の収入をできるだけ的確に見込むということにいたしまして、制度の改正等もございまして、ある程度の収入の見通しが立ったためにそういうことになったわけでございます。 ただ、たびたび申し上げておりますように、歳入面におきましては、交付税の法定分だけでは足りないで、特例によって若干積み足しをしておるといったようなことがございますのと、それから五十六年度において、交付税特別会計の借入金の返還を五十六、七、八とこの三年度間はやめまして五十九年度以降に送り込んだ、そういう特別な事情があるということもあります。 そういったことがございますから、完全に収支が均衡と言えるかどうかはいろいろ見方があろうかと存じますが、形の上で収支が均衡するという見込みを立てた次第でございます。
○三谷委員 本年度の地方財政計画が、政府の臨調路線に基づいて住民生活関連事業の切り下げ、地方公務員の人件費の削減などによりまして大きく圧縮されております。このことは、地方財政計画と国の一般会計予算を対比してみるときわめて明瞭であります。 地方財政計画は、昭和五十年度から五十四年度までは国の一般会計予算ベースを上回っておりました。たとえば五十年度におきましては、国の一般会計予算と地方財政計画を比較してみますと、地方財政計画の方が二千七百億多かったのであります。五十一年度におきましては、九千六百三十五億多かったわけであります。五十二年度におきましては三千二百二十二億、五十三年度で四百四十六億、五十四年度で二千十三億地方財政計画の方が上回っておりました。ところが、五十五年におきましては国の一般会計予算と比較しますと、九千四百六十二億円の減少であります。それから、五十六年度におきましては二兆二千三百七十二億円の不足であります。五十七年度におきましては二兆六千三百九億円の縮減になっております。つまり五十四年度まで、五十五年度以降は国の財政規模と地方の財政規模が逆転をしている、こういう状況になっておるようでございます。 このことは、意図的に地方の需要が削減されたことを示しておると思います。自治省は、五十五年度を境とする地方財政計画の圧縮について、国の一般会計規模との関係でどのようにこれをとらえていらっしゃるか、お聞きしたいと思うのです。
○土屋政府委員 ただいま御指摘がございましたように、五十四年度までは地方財政計画の規模の方が国の一般会計予算よりは多いということになっておるわけでございます。五十五年、五十六年、五十七年についてはおっしゃるような傾向がございますが、これは中身の問題がいろいろあるわけでございまして、総体規模だけでは申せない。国の場合に、率直に申しましてきわめて伸びが大きいのは、公債費、国債の償還費、利払いが非常に高く伸びておりますのと、地方交付税が一般会計を通して地方に出されるということのために、それが大きく伸びた形になっておるわけでございます。 したがいまして、五十五年度におきましても、そういう公債費と交付税交付金を除いたいわゆる一般歳出と、地方財政計画の中における公債費を除いた一般歳出と比べてみますと、国が五・一%、地方財政計画では六・六%の伸び、五十六年度におきましても国が四・三%で地方が五・九%ということでございました。五十七年度の予算では国が一・八%、地方の場合は四・七%ということでございました。いろいろ歳出構成の中身もございますので、形としてはそういうことになっております。 ただ、いずれにしても私どもとしては、必要なものは確保いたしたいということで努力をしておりますが、財政の健全化を図る意味で全般的に抑制基調に立っておる、これは事実でございます。
○三谷委員 少なくとも五十年度並みの方針に基づいて計画の策定をしますならば、五十七年度の不足はゼロではなくなってくる。五十四年度そのまま横並びで財政計画を立てますならば二兆六千億ぐらいの不足が出てくるのではないか、そういう推定ができるのでございます。 御承知のように今度の地方財政計画というのは、歳入見積もりの過大視——経済成長率と前年度税収見込みを基準として割り出しました歳入見積もりが歳入見込みの基礎になっておりますけれども、すでに大蔵省が本年度におきましては二兆円以上の税収不足が確定的だと発表しております。それから経済成長率につきましても、五・二%というふうなものはとてもじゃありませんが考えられない。ですから、そういう点から見ますと歳入の見積もりが過大であり、同時に需要をはなはだしく圧迫されておる、そういう特徴を持っておると思います。そういう点についてはどのようにお考えなのでしょうか。
○土屋政府委員 歳出をどの程度のものとするのが適正規模であるかということは、それぞれに考え方はあろうと思います。いま一定の前提のもとにおっしゃったわけでございまして、その前提のもとにおいてはあるいはそういったお考えも成り立つものと存じますが、私どもとしては地方財政の現況から見て、一般行政費等については極力切り詰めを行うといった立場に立ってやってきておりますので、全体として均衡が図れたかっこうになっております。 ただ、最後に御指摘のございました今年度の収支の見込みの中で、歳入面においていろいろ問題があるのではないかということでございます。私どもとしては、昨年地方財政計画を立てます際は、その段階におきますいろいろな資料をもとにいたしまして最も適切と考えられる方法で地方税収を見込み、そしてまた、国税当局から国の経済見通しをもとにして算定されました三税の数字をもらって見込みを立てたわけでございます。 ただ、五十六年度において国税においても補正後さらに税収が減るのではないか、またそれをもとにして五十七年度を見込んでおるとするならば非常に問題があり、かつまた名目八・四%の伸びというのも疑問がある、こういった御指摘でございました。私どもとしては、そういった点については、今後の経済の動向等いろいろと懸念材料もあると考えておるわけでございます。ただ、五十六年度はともかくといたしまして、五十七年度については、地方税については私ども政府の経済見通しをもとにしながらも、実際上具体的な課税の実績等をもとにして積み上げ算定などもしておりますので、大体見込みどおり確保できるという税務当局の資料をもとに計画を立てております。 国税につきましても、われわれとしては、今後の経済の推移等問題はございますけれども、いろいろな施策よろしきを得れば後半経済も伸びていく、明るい材料もあるというような前提のもとで組まれたものでございますので、それを使っておるわけでございまして、全体としては何とか収支のバランスは保てるものだと考えておる次第でございます。
○三谷委員 自治省は、五十七年度の交付税の算定に当たりまして、単独事業の実施状況を反映させる補正を検討したいと言っていらっしゃいました。財政局長は、おとといの質疑でそのような方向に模索しておる、こうおっしゃった。ところが今回の交付税を見ますと、事業費補正を新しく導入されておる、それから投資的経費の単位費用の格段の増額を行っていらっしゃる。ですから、これは模索しておるどころじゃない、もう具体的に実施段階に入っているという感じは私は受けますけれども、その点はいかがでしょう。
○矢野政府委員 ただいま事業費補正を復活するあるいは投資的経費の単位費用が伸びておるという御指摘でございますが、この点は、御案内のように五十七年度におきましては、財源対策債による措置を解消いたしまして、従前のようにこれを交付税の基準財政需要額で算入をしていく、こういう措置をとりましたために、五十六年度約六千九百億ほどございました財対債の相当分につきまして需要への振りかえを図ったわけでございます。 そのために、関係費目の単位費用が伸びると同時に、また特に港湾費あるいは河川費につきましては、従来、昭和五十年以前もそうでございましたけれども、公共事業の地方負担でございますので、各府県ごとに単位費用と測定単位の数値、河川の延長であるとか港湾の外郭施設の延長、こういったものではなかなか捕捉しにくいわけでございます。したがいまして、そういった財源対策債の振りかえに伴う需要を的確に算入するために、以前用いておりましたところの事業費補正を復活する。特に河川、港湾につきましてはその必要性が高いわけでございます。 そのほか、先ほど申し上げましたように単位費用でもってこれを反映するために、投資的経費の単位費用が大きく伸びているわけでございます。いま御指摘のようなこれらの問題は、いずれも財源対策債の対象になっておりますところの公共事業費等の地方負担、これを振りかえるために行ったものでございまして、単独事業につきましての算定方法につきましては、前回局長からお答え申し上げましたように、私どもとしてはなお模索中であるということでございます。
○三谷委員 確かに、財源対策債の振り戻しといいますか、その要素は数字の上にはっきり出ております。しかし、それで見ましても問題なのは、国の直轄事業、国庫補助事業は前年比で伸びが二・一%にすぎません。そして補助裏起債は五九%縮減する計画だそうであります。これに反して、単独事業費は八・五%増とされております。今回の単独事業といいますものは、国庫補助事業を代行する性格のものであるというように私は理解しておりますが、単独事業を促進するために交付税の割り増しの支給をするのか、そういう処置が妥当であろうか。地財計画を上回った単独事業を実施する団体に対して、それに応じて配分を行うということでありますならば、これは要するに事業費の後追いの配分をするわけでありますから、明らかに一般財源であります交付税を特定の財源として使っていく、補助金化する、そういう性格になってまいりますけれども、その点はいかがでしょう。
○矢野政府委員 単独事業費を本年度の地方財政計画におきましては、対前年度八・五%ふやしておるわけでございます。先ほどのお答え申し上げましたことにやや補足することになろうかと思いますが、投資的経費の単位費用につきましては、公共事業費の財対債振りかえ需要分を算入すると同時に、また単独事業費につきましても八・五%伸びたことを反映をさせて、それぞれ単独事業の単位費用を伸ばしておるわけでございます。 ただ、そういったことのほかに、地方団体において単独事業を水準以上にはるかに多くやっておるようなところについて、何らか交付税本来の性格の範囲内で算定方法の改正ができないか、端的に申しますと、いわゆる割り増し算入ができないかということについての方法を検討しておるわけでございまして、単独事業のふえた分をすべてそういった方法でやっていこうというものではもとよりございません。いま御指摘のように、事業費補正などと類似する一種の後追い的な方法ではないかといったような御批判、これは事業費補正につきましてもかねがねあるわけでございまして、ただ、地方財政計画上これだけ大きくなってまいりました投資的経費をどういった方法で交付税の上に反映させていくかということについて、私どもとしてはさらに新たな観点から何らかの方法がとれないかどうか、いろいろ問題はあろうかと思いますが、そういった問題点につきましてただいまいろいろ議論を尽くしておるところでございます。
○三谷委員 いろいろおっしゃっておりますが、大変苦しい答弁のようです。事業費補正というのは従来から大変問題になりまして、六、七年前に廃止をした補正の制度でありますが、これをいま復活するということは改正ではない、もとに返るということだ。 交付税の目的といいますのは、言うまでもありませんが、財政の調整を通じまして地域住民のシビルミニマムを充足するための一般財源の保障であります。かつて高度成長期におきましては、地方財政が産業開発に重点を置きました公共投資中心に操作されまして、交付税が一般財源としての性格から開発事業という特定財源に変質したことが指摘されました。地方交付税が、その本来の機能であります地方行政水準のあるべき姿のための財源保障から開発事業の実績に対する財源補てんに変わってしまっている。これが財政学者の間でも大変問題になり、委員会でも議論になりまして、事業費補正は廃止をするということになったと私は記憶をしております。この事業費補正といいますのは、これによりまして地方交付税が公共事業の実施の後追いをしてしまう。地方行政水準のあるべき姿の保障ではなしに、国の政策実施のための事業費の補償に変わってくるわけであります。 交付税といいますものは、交付税法に明確に示されておりますけれども、「地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する」あるいはまた、「財政需要額が財政収入額をこえる地方団体に対し、衡平に」衡平にというのは、平衡を逆に書いてありますが、「衡平にその超過額を補てんすることを目途として交付しなければならない。」そういうことが言われております。そして、その基本は地方自治の尊重である。 そして交付税には、「条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」ということが明確にうたわれておるわけでありますが、これを事業費の後追いなどに使いますならば、使途を特定する、そして本来のあるべき行政水準ではなしに、事業費の補てんという特殊の目的に使われてしまうわけであります。こういうことが果たして妥当でありましょうか。今回の単独事業に対する傾斜配分というのは、かつて問題になりました事業費補正と全く同じ発想に立つものであって、交付税本来の性格を全くゆがめたものだと言わざるを得ませんが、その点はどうお考えでしょう。
○土屋政府委員 いまお話がございましたように、普通交付税は地方税だけでは賄えない地方団体の一般財源不足額を衡平に補てんする、そういう目的で交付されるものでございますから、財政需要についても各地方団体の現実の財政需要そのままを算定するのではなくて、おっしゃいましたように、基本的には合理的かつ妥当な水準におきますあるべき財政需要を基礎として算定される、そういった性格のものでございます。したがいまして、基準財政需要額につきましては、客観的で衡平な算定を行うために単位費用と測定単位を用いますと同時に、地方団体の置かれたいろいろな条件の差を反映するために補正係数を乗ずるといったようなこと等もやりまして、客観的に、かつまた的確な算定に努めておるところでございます。 河川費、港湾費については、先ほど審議官からいろいろ申し上げたような理由によって事業費補正を復活することにしたわけでございますけれども、こういった事業は各団体間の事業費に相当の格差があって、単位費用を中心とした標準事業費だけでは的確な財政需要の算定が期しがたい。もちろん、交付税というのは一般財源ではございますけれども、ある程度地方団体が財政運営ができるようなものがなければいけないわけでございますから、いま申し上げましたような意味から、これらの事業について地方負担額を指標とする事業費補正も適用しておるわけでございまして、御承知のように流域下水道事業なり小中学校の校舎なり、また屋体あるいは清掃施設建設費等についても同じような考え方を現在取り入れておるわけでございます。 単独事業についてもまだ模索中でございまして、まさにお示しのありましたようにずばり事業費そのものを指標に用いるということには問題があると思いますし、と申しまして一般の水準をかなり超えて事業を進めるところに全然反映しないのも的確な算定になるのだろうかどうだろうかと、いろいろ疑問がございますので、いまあれこれ議論を尽くしておるところでございます。 もちろん、そういった事業費補正を適用するからと申しましても、交付税の一般財源としての性格が変更されるものではなくて、標準的な、大体これでいけるというその需要を算定をした上で、それは地方団体が使途に制限されないで使用するものであるということは、ちっとも変わりないと思っております。
○三谷委員 御説明が大変複雑で理解しにくいわけでございますが、そもそも交付税といいますのは、開発度の違いによる行政水準の差を補てんすることを目的にしておるものだと思います。ですから、開発度の違いそのものを解消することを目的とするものではありません。開発度が違うことによって行政水準に差が出てきておる、その差を調整するという性質のものでありますが、事業費補正というものはそういうものではない。これは直接、経済開発度の違いそのものにまで介入するということになってくるわけでありますから、これは交付税の本来の性格を逸脱したものであります。 事業費補正を取り入れるものではないとおっしゃるのであれば、それはそれでよろしいけれども、いまのお答えを聞いておりますと、なお慎重に検討中とおっしゃっておりますが、一方におきましては事業費補正の導入が現実に図られようとしておる、そういう状況でございますから、交付税の本質をしっかりと守ってもらうということが必要でございます。そうでなければ、今日までの開発の後追い、事業の後追いによりまして、交付税が財源保障機能から産業基盤投資の財源保障に変わってしまっている、かえって経済や財政の地域的な不均等を生み出しております。 この不均等が、たとえば減収補てん債でありますが、減収補てん債も交付税に算入しましたけれども、これなども結局は法人関係の税の収入不足に対する措置でありますから、開発度の非常に進んだところにおきましてそういう状況が生じてくる。ですから、この問題なども大変問題のあるやり方だと私は思います。減収補てん債を交付税、一般財源の中に入れるということですね、これも問題があると思いますが、きょうはそこまではいきません。 とにかくいま申しましたように、行政水準の均衡化を図るものであって、直接事業やあるいは開発度の違いにまでこれが介入するという性質のものではないという考え方でありますが、この点はいかがでしょう。
○土屋政府委員 交付税の場合は、まさにあるべき行政水準を維持するに必要なものを保障しようというものでございますから、特別な事業をやる、開発を進める、そういうところに直接的に交付税で穴埋めをしていくといったものではあるべきではない、これは御指摘のとおりでございます。 ただ、地方団体にはいろいろと地域差もございます、条件の差がございます。いまおっしゃいましたようにもうすでにできた施設、小中学校全部屋体も完成したというところもございますれば、ごみ処理施設はこれからだというところもございます。いろいろなそういう状況を見て、実際にそういう地方団体の姿を見ながらやるべき事業を全体として組んでいくということでございますから、その見方にはおのずから限度がございます。 しかし、単独事業についてもやはり地域差がございまして、非常におくれた地域あたりでは、そういったものを進めないとなかなか地域経済の振興もできないというところは、非常にこれから力を入れられていくこともございます。その際に、事業費補正というずばりとした形をとるのではなくて、実態上いまいろいろな補正係数を使っておりますが、そういった何らかの方法で適切な水準というものを頭に置いた係数のとり方ができるのかできないのか、そこらをいまいろいろと模索をしておるところでございます。事業費補正でやるとすれば、それはきわめて簡単なことでございます。そういったやり方ではいけないだろう、そういう面で何かいい指標がないかということでいま勉強をしておる、こういう状況でございます。
○三谷委員 それでは、事業費補正の導入は確定をしたものではないというふうに理解していいわけですか。
○土屋政府委員 単独事業について私どもが検討しておるのは、事業費補正を持ち込もうというものではございません。
○三谷委員 先ほど言われましたおくれた地域がある、そしてなお事業をやらなくちゃいかぬところがある、そういう条件の自治体があるということでありますが、そのおくれたところは要するに財政需要が多い、しかも財政収入が少ないというわけでありますから、交付税の本来の性格から見て傾斜的な配分はできるわけであります。それは事業とは別です。事業とは別に、行政の水準が立ちおくれておる、その立ちおくれたところにはそれなりの交付税を支給する。財政収入と財政需要の差でありますから当然いくわけであって、事業費なんというものを考えなくたってそれは十分に解決がつくという問題のものだと思います。しかし、いま事業費補正につきましてはなお検討中というお答えでありますから、私は意見を申し上げて、その点については触れるだけにしておきます。 もう一つ、交付税につきましてお尋ねしたいのは教員や警察官の増員。人確法によります教員の待遇の改善、そしてそのほか石油コンビナート対策あるいは公害防止対策、同和対策等に係る地方負担を安易に交付税に吸収してまいりました。これが交付税の行き詰まりをもたらした一つの要因ではないだろうかと私は考えでおります。国税三税に対する比率で申しますと、昭和五十一年度の交付税額は三二%ではありません、四二・九%であります。五十二年度におきましては四〇%、五十三年度におきましては四二%、五十四年度で四七%、五十五年度で約四〇%であります。つまり、いまの交付税率というものが事実上空文化してしまっておる、こういう状況になっておるわけでございます。 そうしますと、今日地方財政にゆとりができた、本年度におきましては均衡がとれたと言って交付税の一部を留保する、国に貸し付ける、あるいは国が出すべき臨特をストップする、これは後年度におきまして支給するそうでありますが、だから差し引き計算は損ではないということでありますけれども、緊急を要する事業というものがいろいろあるわけであって、そのために事業費補正までやろうというふうな検討がなされておる状況であります。そういう状況からしますならば、今次の交付税における留保措置、それから臨特の繰り延べ措置、こういうことは決して妥当なものではないと私は思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
○土屋政府委員 私どもとしては、いまの地方財政の状況を考え、膨大な借入金を抱えている実態を頭に置きながら、今後の地方財政のあり方ということを中長期的に見て地方財政計画をつくっていったわけでございます。 そういった中では、何度も申し上げておりますように、全体としては、一般行政経費等については抑制基調に立ってできるだけ節減合理化を図るということでまいっておりますから、一般歳出の伸びも従来に比べてかなり低いものになっておるわけでございます。しかしながら私どもとしては、必要最小限これだけはやらなければならぬというものは十分見込んだつもりでございます。そういう結果、収支の均衡がとれたわけでございます。 その中で、いまの二千九十八億円の借り入れ、そのうちの千百三十五億を留保したことは納得できないということでございますが、たびたび申し上げておりますように二千九十八億の臨特、これは私どもとしては、当然地方団体として確保しなければならない、ただ、国の財政の状況が厳しくて一般会計から出し得ないということでございますから、とりあえず資金運用部資金から借り入れて、それで地方交付税の原資とするということにして、その償還についてはすべて国が責任を負うということにしておるわけでございます。 しかし、いま申し上げましたような節減合理化を図るという形の中で考えていきますと、九兆三千三百億円交付税としてあれば何とか均衡がとれるということでございましたので、その分は、全体的に考えまして、中長期的に見て地方財政の適切な運営に資するということで、五十九年度から六十一年度までの間に使用するということにしたわけでございまして、いろいろ御意見があろうかと思いますが、私どもとしては中長期的というよりはむしろ中期的に見て、地方財政全体にとって最もいいであろうという方法を選んだわけでございます。
○三谷委員 今次の交付税の計画を見ますと、一般行政経費の増加額が過去九年間の最低となっております。約十年ぶりの低額になっておるわけであります。そういう状況の中で収支の均衡がとれたとおっしゃっても、これはなかなか首肯できるものではありません。 しかも、いまの国の地方財政計画を見ますと、たとえば財政需要と財政収入との関係で不足額を補てんする、これが交付税でありますが、それが足りないからといって従来借入をしてきました。その借入金の半額を地方が負担せいというわけであります。その負担する償還財源などは一体どこから出てくるのか。そういう全く解決つかない、矛盾した措置をとり続けて、そして、本年度におきましては均衡したということをおっしゃっている。余りにも論理に正当性がないのでございます。 そういう点から申しまして、この交付税計画といいますものはずさんもずさん、大変なしろものだと私は考えております。国の財政状態でやむを得ないとおっしゃいますが、これは国の政策選択の問題であって、国の方がとんでもないところにどんどん金を使うという状態をそのままにしておいて、国の財政が行き詰まったから地方にしわ寄せをするというのでは、地方自治、地方財政の観点に立って少し不十分ではないでしょうか。
○土屋政府委員 国の財政が厳しい、行き詰まったからしわ寄せが来たということにはなってないと私は考えておるわけでございます。国の財政が厳しいので一般会計の予算に組めなかった、そこで私どもとしては、地方団体として必要なものは借入金によって借りて、一般会計から出したのと同じ形にしたわけでございまして、そういった形で地方財政計画を組んだわけでございます。 ただ、地方財政計画全体を眺められまして、一般行政なり等についてできるだけ節減合理化を図ってこれで十分やれるということを私の方は申し上げておりますが、先生の方からは、なおこれでは不十分だといった御見解がございました。それは御見解として、私どもとしてもそういうお考えもあるものだろうと思いますが、私どもは、地方財政の置かれた現状のもとにおいて最も適切であると考える方法によったものでございます。 なお、地方財政計画は、単年度単年度収支を合わせてバランスを考えてやるものでございます。大もとのところで、たとえば特別会計において八兆円に上る借り入れ等がございます。その半分は国の方で返還時に持ちますが、残りの二分の一は地方が独自で自前で処理をしろという形になっておることは事実でございます。五十三年度以来そういった制度をとってきているわけでございますが、そういったものが返還金として当然出てまいります。その年々の財政計画において、そういう返還金が減ることを前提として全体の財政運営がうまくいくように財政計画を立てていくわけでございますので、私どもとしては、毎年毎年の財政計画で適切に対応していけばいいと思いますし、また、今日までそういうことで地方団体に支障のないように措置をしてきたつもりでございます。
○三谷委員 いろいろおっしゃっておりますけれども、私はその説明は合理性に欠けていると思っている。たとえば財政収入と財政需要の差、これは交付税で補てんをするということになっております。その交付税で補てんをする国が責任を持つべきものが借入金にすりかえられて、その半分を地方が持つという。元来国が持つべきものを地方が持つ。いまの計算では四兆になりますが、そういうことになっていく。そうしますと、その償還財源はどこから出てくるのか。結局、今後における財政需要の圧縮をする以外に方法がない。その圧縮がすでにこの交付税計画に出ている。 いま申しましたように、一般行政費の伸び率が九年来の低率になっている。そして、社会福祉関係の予算などは大変低いものになっておるわけでありますから、結局住民にしわ寄せをするという結果になってくるわけであって、いま局長は地方財政の運営に支障がないようにやるとおっしゃっておりますが、なるほどこれは機関車や電車じゃありませんから、ぴたっと地方財政がとまるなどということはあり得ない。やっていっている。やっていっているが、その内容がはなはだしく粗悪になってきている。そういうことではいけないのではないかということを申し上げておるのでございます。 これは繰り返しましても格別なお答えは出ないと思いますが、これは指摘しておきます。 人件費に関する交付税の削減措置が行われておりますが、これも交付税本来の目的に反するのじゃありませんか。ペナルティーではない、こうおっしゃっている。富裕団体だ、こうおっしゃっている。冗談じゃありません。富裕団体かどうかを判断するのに、人件費を基準にして判断するというふうなことがどこにありますか。富裕団体かどうかということは、基準収入額あるいは起債率、行政水準、こういうものを総合的に判断するのであって、少しばかり給与が高いから富裕団体だと認定をするというふうなことがあり得るでしょうか。 私は、制裁権という種類のものが国に存在するとは思いません。どの法律を見てもそういう規定はありません。しかも、市町村長の場合は府県知事が指導監督するわけでありますが、それに対して実質的なペナルティー措置をおとりになる。地財法の二十六条によりますと、地方公共団体が法令の規定に違反して著しく多額の経費を支出した場合、この場合におきまして地方自治体に対する財源措置を一定変更ができますが、この給与の問題というのは法令に違反したものなんでしょうか、その点どうですか。
○土屋政府委員 最後の御質問の前に私どもの立場を申し上げますが、おっしゃいますように私ども、給与水準が国家公務員よりも高い団体、すなわちラス指数が高い団体について、そういったものを規準といたしまして制裁的なものを考えておるものでもございませんし、またそんな措置も全然とっておりません。 ただ、特別交付税の配分に当たりまして、期末・勤勉手当についてプラスアルファを出しておるというところにつきましては、富裕団体かどうかということの議論はいろいろあろうかと思いますけれども、全体として財政的に余裕があるからこそプラスアルファを出しておると判断せざるを得ない。地方団体共通の交付税を使うわけでございますから、いろいろと算定に当たって配慮をするということはあるべきであるという立場でやっておるわけでございまして、給与水準が高いことを何らかの指標として措置をしておるというふうなことはやっていないわけでございます。 後の方は公務員部長からの答えになろうかと思いますが、公務員法に基づき条例に従ってやっておるものが直ちに全部違法であるとはちっとも考えておりません。
○三谷委員 年末手当を少しよけい出したのは財政力が豊富である、その言い方がこじつけなんですよ。財政力をはかりますためには、そんな部分的なものではかっちゃだめなんでしょう。財政力をはかりますためには、収入額そして起債額というものが入ってきます。あるいはまた、その地域における行政水準、こういうものを総合的に判断をして、ここは行政力が豊かである、あるいはない、そういう計算をやってきているんでしょう。たまたま、年末の手当がいささか多かったからこれは富裕団体だ、その考え方がこじつけなんですよ。それは牽強付会の議論だ。私はそれが納得できません。 ただ、自治省として指導や監督をされる、恐らく府県知事を通じてやるわけでありますが、それについてとやかく言うわけじゃありません。十分に指導監督をし、話し合いをして、よくない点があれば是正をする、このことは一向に差し支えはありませんけれども、交付税を削って制裁を加える、そういうことは地方自治に対する明確な侵害であります。そういうことはやめてもらいたい。これは私は、この前も申し上げたことがありますけれども、依然としてそういう措置をおとりになっている。あなた方は交付税を今後配分されます場合に、財政力の豊かさ、財政力の程度をはかりますのに給与だけではかりますか。そんなことはあり得ぬことでしょうが。そのあり得ないことをここで行われてきておる。そういう道理に合わないことは是正してもらいたいと思います。 ただし、指導や監督は幾らでもなさったらいい。それが道理にかなったものでありますならばやるべきであるし、そうしてそれにもしも首長が従わない場合には、当然それなりの措置があるわけであります。裁判所に提訴をして罷免という措置もあるわけでありますから、法律にかなった手続を踏んでいくということを怠って、恣意的に地方自治体に対して握り金のように渡したり渡さなかったりするそういう態度は、行政官庁としてやるべきことではありません。これは是正してほしいと思う。
○土屋政府委員 地方交付税においては、基準財政収入額と需要額とを比べまして、収入の低いところには当然財源保障という形で交付税がよけいに配られていくわけでございます。ただ特別交付税というのは、御承知のように、普通交付税では十分算定し得なかった、たとえば特別な災害があったとかその他いろいろな事情がある場合に、その地方団体の財政状況を全体的に見て特別な必要がある場合に交付するという性格のものでございますから、それを交付する際はいろいろな基準を設けて算定しておるわけでございます。 たとえばただいま申し上げましたような、全体ではございませんが特別にきわめて高い水準の給与団体について、特にラス指数を基準にはしておりませんけれども、期末・勤勉手当についてプラスアルファを出せるということは、その分国家公務員よりもよけいにそちらに金が回っておるということでございますから、ある意味ではきわめて限られた地方団体の共通の財源である特別交付税を配分する際にいろいろとそこらの事情を配慮するということは、これは私どもとしては考えてもおかしくないことだと思っておるわけでございます。交付税全体としては、ただいまおっしゃいましたとおりでございまして、それはやはり財政力の弱いところへよけいに配っていくということになることは当然でございます。
○三谷委員 地方自治体におきましては、高度経済成長の時分にはなかなか職員の確保ができなかった、そこでいろいろと優遇措置を講じて人員をそろえた時期がある。それを改善しようというわけでありますが、これは一定の時期が要ります。期間が要ります。にわかにこれを激変させますと大変なことになってしまうわけですから、激変緩和の措置をとりながら徐々に是正を図っていくという立場にあることは、私は疑いないと思っている。それに対して特別交付税の削減をする。 特別交付税はいまおっしゃいますように、ここにありますけれども、一般の基準財政需要額の算定方法によっては捕捉されなかった特別の財政事情がある場合、あるいは基準財政収入額のうちに著しく過大に算定された財政収入がある場合、あるいは交付税の額の算定後生じた災害その他の特別な財政需要または財政収入の減少がある、その他特別な事情があることによりまして、算定方法の画一性のために生ずる矛盾を緩和しようという性質のものでありますから、ここでもこの条文から照らしまして、そういうペナルティー措置というものは妥当ではありません。 〔委員長退席、安田委員長代理着席〕 私は、高ければ高いだけいいというようなことを言うものじゃありませんけれども、やはり法律に基づいた行政的な手続をもって指導する、そうして一定の時間をかけて激変の緩和をしながら是正を図るということをすべきであって、私はそのような方法に立って今後措置してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 先ほどから申し上げておりますように、確かに給与水準の著しく高い団体につきましては、昨年の暮れから百五十三団体について個別に公務員部を中心に給与の適正化ということについて指導しておるわけでございまして、そういった段階でございますから、いろいろとみずから計画を立てて自主的に改善をされていかれることを私どもも希望しておるわけでございます。それが本筋だと思っております。したがいまして、その状況を見て私どもとしてもいろいろ考えたいということで、いま現に高いからといってそれについて何ら手を打っておるわけではないわけでございます。 ただ、期末・勤勉手当のプラスアルファというのは、これは明らかに国家公務員で基準が決まっており、地方公務員も国に準じてやるということでございますから、もう十年も前からこれは国並みにしてもらいたいということで、当初は御承知のように全部カットしておるわけでもなくて、そのうちの幾分かを削減をするというような状況で来たわけでございます。いつまでたってもそういった状況で続いておるところについては、期末・勤勉手当についてはやはり財政的余裕があるということで、交付税法の規定に従ってやっておるわけでございまして、したがいまして基本的な給与の問題については、私どもとしても公務員部を通じていろいろ指導しておるところでございますから、地方団体が全体の姿を見ながら自主的に改善を進められることを心から期待をしておるわけでございます。交付税についての考え方は、いま申し上げたとおりでございます。
○三谷委員 そうしますと、ラスパイレスの高低については対象にはしていない、する意思もないというお考えですか。
○土屋政府委員 特別交付税の配分に当たって、ラスパイレスが高いということを基準にしたりして、それによって削減をするということはしておりません。
○三谷委員 いままでありませんでしたか。
○土屋政府委員 いままでもやっておりません。プラスアルファだけでございます。
○三谷委員 それは今後もしないということですね。
○土屋政府委員 いま、将来どうするかということをここで答える立場にはございませんが、ただいませっかく公務員部を中心に自主的に改善されることを指導されておるわけでございますから、そういった状況をしばらく見守りたいと思っております。
○三谷委員 指導を通じてよく自治体と協議しながらこの種の問題は扱っていくということにしなければ、実質的な制裁になっている。行政の中に法律に規定されていない制裁措置などがあってはならぬわけで、そういう点では自治省の措置については多大の問題があると私は思っておりますけれども、これは指摘するにとどめておきます。 補助金的な特定財源として交付金算入される費目が著しく増加しております。先ほど申し上げたとおりでありますが、その一、二についてお尋ねしたいと思います。 同特法が今回改正されまして、地域改善対策特別措置法になりました。旧法、新法を通じまして、同和対策として税の負担の免除、軽減等の事項がありますかどうか、お聞きしたいと思います。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 地域改善対策特別措置法は、その中で政令で指定するいわゆる地域改善対策事業に関する法律でございまして、一切税は関係ございません。
○三谷委員 自治省にお尋ねしますが、同和関係に関する固定資産税の軽減措置の状況、これに対する交付税措置の状況をお知らせいただきたい。
○土屋政府委員 固定資産税の減額でございますが、五十六年度で十九億四千七百万円と聞いております。これに対して、特別交付税による措置額は七億三千万ということに相なっております。
○三谷委員 同和地方債の元利償還金を基準財政需要に算入することは法定されておりますが、税の減免額まで交付税に算入する根拠は何にあるのでしょうか。
○土屋政府委員 税の減免というのは、地方団体の税条例で減免し得る場合が定められておりまして、それに基づいて税の減免が行われておるわけでございますが、税の減免が行われました場合、特に固定資産税について行われました場合は、それが市町村における基幹税目であるという性格に着目いたしまして、その減免によります収入減が財政運営に及ぼす影響を勘案いたしまして、特別交付税による措置を行っておるものでございます。
○三谷委員 税の減免措置というのは、自治省の地方税法の逐条解説を見ましても、担税力の薄弱な者に対する救済措置として設けられておる、このように規定されております。そして、その趣旨を具体的な減免基準として規定して運用すべきものである、このように解釈されております。減免すべき範囲といいますのは、「天災その他特別な事情がある場合において減免を必要とすると認める者」そして「貧困により生活のため公私の扶助を受ける者」「その他特別の事情がある者」その特別の事情というのは引例がありまして、たとえば「失業により当該年の所得が皆無となった者等客観的にみて担税力を喪失した者等をいう」こうなっている。これはだれしもが首肯できるものであります。 ところが、同和関係の固定資産税の一律減免はどの条件に適応するのでしょうか。この一律減免といいますのは、担税力があるなしにかかわらず一律に四分の三減免をするというのが全国の市町村の大部分であります。しかもそれは、そういう対象地域だけに限らない、他の地域におきまして土地を買収して固定資産をそこで確保した場合におきましても一定の減免をする、こうなっておりますが、これは一体何を根拠にしたものですか。
○関根政府委員 固定資産税に対する税の減免につきましては、地方税法三百二十三条の規定に基づきまして、この法律に規定をいたしております条件に該当する場合につきまして、各市町村の条例で定めるところに従い、それぞれ地域の実情に応じまして減免を行っているものというふうに考えている次第でございます。三百二十三条の書き方は先ほど御指摘をいただきましたような書き方でございまして、相当幅広い事由による減免を認めているわけでございまして、単に担税力が低い、貧困によるという場合だけではございませんで、公益上その他特別の事由がある場合におきましても減免を行うことができるものというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。 先ほど三百二十三条と申し上げましたが、失礼いたしました。固定資産税の条文につきましては三百六十七条でございます。先ほどの条文は市町村民税の減免でございまして、ほぼ同じ規定があるわけでございます。 そういうことで、これらの法律の規定に基づきまして、各地方団体が自主的に自分のところの判断におきまして減免をいたしておるものというふうに理解をいたしております。
○三谷委員 担税力のあるなしにかかわらず減免をするというのは、税の公平の見地に反するものじゃありませんか。そして、公益上必要というふうなことをおっしゃっておりますが、公益というのは不特定多数の利益の確保という問題でありますが、これは不特定多数じゃない、特定の者の減免をやる、こういう内容になっているわけです。そこはどういうふうに解釈されているのですか。
○関根政府委員 公益上の理由に基づきまして減免を行うというのは、その結果が特定の個人についての減税になりましても、納税義務の免除あるいは軽減ということになりましても、そのことを行う本来の目的が不特定多数の者の利益に通ずる、そういう行政目的、政策目的をもって行われる場合には、十分減免をなし得るものというふうに理解をいたしております。
○三谷委員 わけがわからぬ、その説明では。たとえば同和減免というのは、それはどういう意味のものですか。
○関根政府委員 同和減免という言葉につきまして、私ども必ずしも明確な定義の理解ができているわけではございませんが、地域改善の対象となる地域につきまして減免を行っていくという場合があろうかと思いますけれども、それは法律をもって従来は同和行政が進められてきたわけでございますし、今後新しい法律に基づきまして地域改善対策事業が進められていくものというふうに考えます。 この法律に基づきまして対象地域につきましていろいろな諸施策を講じていく、こういうものは一つの国家の政策目的でもございますし、また地方公共団体といたしましても、一つの公益目標として追求されていくべき政策課題であるというふうに考えます。したがって、そういう事業に、そういう法律の精神に即していろいろな施策を市町村段階で進めていくことは、公益上の目的に資するものというふうに理解できると考えます。
○三谷委員 あなたの説明につきましても私よくわからぬが、精神とは何ですか。行政に、精神を基準にする行政措置があるわけですか。これはすべて物理的な法文によってやっていくべきものでしょう。その精神とは一体何ですか。 これはあなた方の、五十年の十二月に改定された自治省の税務局の逐条解釈というのに、この公益という問題を取り込んでおります。「公益上の必要があると認められる者」という解釈がなされておりますが、それは「租税負担の公平の見地からみても減免を相当とする程度の強い公益性があるものに限って減免をおこなうことができるものであり、他の納税者との負担の均衡を失することがないよう慎重に取り扱う必要がある。」「特定の者について一律に判断すべきものではない。」こうされております。 そして、たとえば戦災遺族についてはどうなのか、あるいは未帰還者についてはどうなのか、これについては減免できるかという設問に対して、自治省が答えておりますのは、「これらの納税者の実態を検討のうえ判断すべきものであり、単に戦災遺族、未帰還者の家族であるという理由のみによつて一律に減免することはできない」。今回私どものところに、重度身障者からの固定資産税の免除の請願が来ておりますが、重度身障者といえどもそういう減免の対象にはなっていないのだ。それが同和関係におきましては、担税力を度外視して一律減税を行っております。根拠を知らせてください。精神などというわからぬものでなしに、はっきりした行政上の根拠を示してほしいと思う。
○関根政府委員 精神と申し上げましたのは、地域改善対策特別措置法の法律の趣旨なり政策的な物の考え方なり、こういうものを流れる考え方を申し上げたつもりでございます。新しい法に基づきまして地域改善対策を進めていく、そういう方向に沿った、そういう趣旨に沿った施策を地方公共団体で進めていくことが、公益上の理由というふうに考えられる場合があり得るということを申し上げているわけでございます。
○三谷委員 そうすると、あなたは旧法と新法との差をどこに見出しておるのですか。かつての同和対策事業特別措置法と今度の地域改善対策特別措置法はどこが変わったのか、その精神の中にどういう変化が生じてきたのか、それをちょっと説明してください。——税務局長答えぬかい。君のいま言った答えについて聞いているのだ。
○関根政府委員 このたびの地域改善対策特別措置法の施行に当たりましては、四月一日付で各省の次官の連名におきまして、新しい法律の施行についての物の考え方なりあるいは運用上の地方公共団体におきます留意点なりについて、指示、連絡をいたしております。 〔安田委員長代理退席、委員長着席〕 その中におきまして、法施行に当たっての配慮事項といたしまして、第二の項目で、旧同和対策事業特別措置法の運用につきまして、広く国民の理解と協力を得るという立場から法の運用に当たることが必要でありますよとか、あるいは地域改善対策事業を進めるに当たっては、その適正化及び効率化を図るとともに、広く住民一般のコンセンサスを積極的に得るように努めなさいということを述べておりますが、そういったような点が、新しい法律におきます変わった点ではなかろうかというふうに理解をいたしております。
○三谷委員 それは次官通達を読んでいるだけじゃないか。次官通達というものは、新法ができた、それを施行する段において、注意事項として、留意事項として通達されたものじゃないか。そういうわけのわからぬことを言ってはだめじゃないか。 そして、いままで市町村税課が、この減免の根拠としては、同対審答申や同特法の精神と言っておったのだ。一体、この同対審答申や同特法の基本的なものは何かということです。これは、同和地区住民の基本的な人権や市民権を保障して、旧身分に対する政治的、社会的差別を一掃すること、そしてそのことは慈恵的な、恩恵的な特殊行政を意味するものではないのだ。一般地区と差別をして、それを行政的に固定化する、そういうものであっては差別は解消しないわけだ。 憲法の十四条は、言うまでもありませんが、すべての国民は法のもとに平等であって、人種や信条、性別、社会的な身分——この身分は、同和問題の身分とは少し違うわけであって、同和問題の身分というのは、江戸幕府がつくりました格づけされました身分でありますから、それは一般的な社会的な身分と言うことはできますまいけれども、身分という問題にここで触れて、または門地で差別されない、公正平等な人間関係を打ち立てることだ、そういう理想に立つ。これが同対審答申や同特法の基本なんだ。そして、江戸幕府がつくりました旧身分者だけが、資産の有無あるいは担税力の有無にかかわらず、住民としての義務とされております負担分任を免除されて、一方では膨大な個人給付がなされるというゆがんだ行政というものは、これは決して差別を解消することにはならぬのだ。差別を固定化することになってしまう。 そこで、同対審が言っておりますのは、一般地区の生活状態及び社会経済的な一般水準と比較して、同和地区なるがゆえに解決されずに取り残されておる環境そのものの改善、要するにいまおっしゃった地域改善、そして同特法は、対象地域の住民の社会的、経済的地位の向上を不当に阻む諸要因の解消を図る、諸要因の解消だ、そういうことをうたっておるわけであります。ですから、これは歴史的に劣悪な地域の環境の改善と教育の機会均等、就職条件の改善等によりまして市民権をしっかり保障する、これが同対審答申や同特法の基本になっているのであって、税金まで免除して特別な扱いをする、準禁治産者的な扱いをするというふうなことをここでは言っているわけではないのだ。それがなぜそのようなことが行われてくるのか。貧困者に対する税の減免は、一般地区であろうと対象地区であろうと適正に行うべきであります。それから担税力の十分にある者に対しては、対象地区であろうとそうでなかろうと、これは当然納税の義務を負うというのが基本的な考え方じゃないですか。これは解釈例規に示されておるとおりであります。 そこで、一体何を根拠にしてこういう減免をやるのか。身分を対象にしてやるのか。そして、いま地方自治体で条例をつくっているとおっしゃっておりますが、いま地方におきます減税の一番大きな部分がこの同和関係者に対する減税になっているけれども、そういう文言というものは地方の条例に一つも入ってはおらぬ。「その他特別の事情がある者」、そういうふうになっている。要するに付随的な条項になっている。むしろこれはそれが必要でありますならば、また今度の次官通達でも言っておりますように住民等のコンセンサスを積極的に得るというような立場に立ちますならば、必要があれば条例でもはっきりとそういう内容を規定をする。「その他特別の事情がある者」なんてところに突っ込んでしまって、そこで最も大きな減税が行われておるという国民を欺瞞するような措置をとるべきではない、そういう点について御意見をお聞きしたいと思う。
○関根政府委員 先ほども申し上げましたように、固定資産税等の地方税の減免につきましては、法律の規定に基づきまして、各地方公共団体がそれぞれ条例の規定に基づいて減免の実施をやっていく、それぞれ必要に応じて、地域の状況に応じてやっていくものでございます。 具体的な条例の規定の仕方等につきましては、もちろんきわめて明確に、具体的に事項を列記することが最も望ましいことは申すまでもございませんけれども、世の中の事象というものはいろいろな変化をするものでございますので、必ずしも減免を要する場合の一々について具体的に書くことができない場合もあるわけでございます。そういう際に、条例の規定の仕方といたしまして、その他特別の事情がある場合というふうな規定の仕方をすることは、これはまたやむを得ない場合もあろうかと思います。いずれにいたしましても、地方公共団体における住民の代表として選ばれました議会において議決を経て条例がつくられるわけでございますので、その辺のところにつきましては、余りわれわれの方から細かくああいう表現にしろ、こういう表現にしろと言うことはいかがなものかということでございます。
○三谷委員 地方自治体の議会の議決を経て条例がつくられるとおっしゃっておりますが、その条例の中にこういう大規模な減税についてその内容をはっきりと特定をした条項は入っていない。それはどこにも一つもない。 〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕 だから、地方自治体の議員も、そういう減税が行われでおるのかという新しい問題意識を持つような状態がいま各地で起きておるわけです。 そういうものをあなたは、地方自治体の議会を通ったものだから、これは自治省が介入すべきでないというようなことをおっしゃっている。地方自治体で行われることであっても、合理性を欠くもの、法令に違反するもの、そういうものについては当然指導監督をすべきものであって、そういう立場に立ってみますならば、一体担税力があって——これは固定資産税ですから資産です。資産を持つ者が一律に減免をされるというふうなことがあるべきことなんでしょうか、そういう例がありますか。なぜこの場合にそれが行われるのか、なぜそれを特交で補てんをしなくちゃいけないのか。
○関根政府委員 たびたび申し上げておりますように、地方公共団体におきます具体的な税の減免につきましては、それぞれの地方公共団体が地域の実情に基づきまして、条例に基づいて減免措置を講じておるということでございます。それの実施の権限を市町村長に与えます場合に、細かく個々具体的に列記することによって、市町村長の実施の裁量の範囲をうんと狭めて規定をする場合もあるでしょうし、あるいはある程度概括的に広く市町村長の判断にゆだねるというような形で規定をする場合もあろうかと思います。いずれにいたしましても、地方団体の自主的に決めていることではなかろうかと理解をしているところでございます。
○三谷委員 依然としてはっきりした答えをしませんが、なぜ一律な減免をするのかということだ。国の方でもそういう制度はないとおっしゃっている。ところが、なぜそういうことがなされなくちゃならぬのか、そのことを聞いているわけです。
○関根政府委員 地方公共団体の条例に基づきまして、地方公共団体の条例の規定に従い、それを執行する権限のある市町村長が自分の判断に基づきまして自主的に減免を行っているもの、こういうふうに理解をいたしている次第でございます。
○三谷委員 条例さえつくれば何でもできるわけですか。そうしてこの条例は、ここに私は各自治体の条例を持ってきているけれども、中には、そういう法律が制定されるまでは行政の責任でこれを行うというふうな要綱でやっているところもある。条例をつくったとおっしゃっているが、あなた条例を全部目を通して知っているわけですか。いま財政局長が説明をしました幾つかの自治体がありますけれども、条例をあなたごらんになって、適正にやっているというお考えですか。 〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○関根政府委員 すべての固定資産税の減免団体の条例について、私、目を通しているわけではございません。ただ、当然税の減免につきましては、各地方公共団体の段階において条例の規定が必要ですよという一般的な指導を申し上げているわけでございますし、そういう指導の中で、条例をつくって実施されているものというふうに理解をいたしております。
○三谷委員 それは勝手に推定しているのじゃないですか。いま言ったように、条例がなくて要綱だけでやっているところがあるのです。そうして条例については、国の法律等においてそれが制定された場合にそれを行う、それまでは行政で行う、こういう要綱を発表している自治体もあるわけです。 そこでいまの問題ですけれども、形式問題でなしに実態論でいこうじゃないか。一体こういう減免が行われて国民が理解ができることでしょうか。そうして、同和問題は国民の理解がきわめて必要であるということは、特に今度の新法の施行については留意事項として次官通達で流されておる。そういう状況の中で、非常な多額の所得のある方もこれが減免されておる。それはどこに根拠があるのですか。そうして、これを交付税で処置されている。財政局長どうお考えなんでしょうか。
○関根政府委員 減免の根拠につきましては、各地方公共団体がそれぞれ条例の規定に基づきまして、公益上の必要があるというふうに判断をして行う場合には、それを根拠として減免をし得るものというふうに考えておるわけでございます。
○土屋政府委員 先ほど税務局長からお答え申しておりますとおり、市町村の判断において条例に基づいて減免をされておるということでございますが、固定資産税というものは市町村における基幹税目であるという性格から見まして、減免による減収額が財政運営にいろいろと影響を及ぼすということを勘案いたしまして、一部ではございますけれども特別交付税で措置を行っておるものでございます。
○三谷委員 十二月の十日に公表されました同対協の意見書をどのように受けとめていらっしゃいますか。
○砂子田政府委員 昨年十二月の同対協の意見具申につきましては、同和関係の今後の推進の仕方につきまして、その内容について検討を加えて適正化及び効率化を図っていくように、また広く住民一般のコンセンサスを得る努力をする必要があるという指摘がなされておりますことは、御案内のとおりでございます。新法もそういう精神にのっとりましてでき上がったものだというふうに考えておりますので、これに従って私たちも適時適切に指導していく必要があるというふうに考えております。
○三谷委員 同対協の意見書が言っておりますのは、「同和関係施策の実施に当たって行政機関のなかにはややもすると民間運動団体の要望に押されてそれをそのまま施策として取り上げるものがあり、」「他の施策の拡充整備を抑制したり、或いは周辺地域の状況に比べて不均衡を生ずる等、そこに摩擦が生じてきたことも見過ごすことのできない問題になつてきた。」こういう指摘をしているのです。いまの減税もそうなんです。周辺地域の一般住民と比較して明らかに均衡を失っている措置をとってきている。 それから同対協の意見書が言っておりますのは、「従来の施策の反省に立つた新たな観点を加えた新規立法」を必要とする。そこで今度地域改善対策特別措置法ができたわけです。「国および地方公共団体が講じてきた同和関係施策については、今の時点でみるとその内容や運営が果たして妥当であつたか否かについて十分に検討を加え、その適正化および効率化を図つていくこととし、特に個人給付的事業」これは個人に対する特別な措置でありますが、税もこのカテゴリーの中に入る。これについては、「経済的理由その他真に必要な場合に限って行うこと。」「経済的理由その他真に必要な場合」こういう指摘がなされている。そして、「一般施策との権衡を失することのないよう、十分配意」しなくてはいけない、こういう指摘がなされておるわけです。 いま申し上げましたような十三年間の同和行政の総括の上に立って、新しく法をつくる際に当たりまして、特に同対協が意見書として出しましたいろいろな問題点をあなた方が本当に受けとめますならば、富裕者も貧困者も一律に減免するということがあり得ることはないはずだ。それをまた交付税で補てんをするということが許されていいものではない。この同対協の意見書についてどうお考えになっているか、意見を聞きたい。
○関根政府委員 同和対策協議会から私ども、自治大臣に対しましても御意見が出ているわけでございまして、それにつきましての全般的な全省的な受けとめ方としましては、先ほど行政局長から答弁申し上げたとおりでございますが、私ども税を所管する立場におきましても、この具申をされました意見を尊重しながら、新しい法律のもとで間違いのない運用を図っていきたいというふうに考えております。 そのために、一般的な指針といいますか対処の仕方のよりどころといたしまして、先ほどちょっと申し上げました四月一日の次官の連名による通知を差し上げたわけでございまして、その中で、これも先ほど申し上げましたように実際の法施行に当っての配意事項等を明確に示しまして、いま先生が御指摘いただきましたような諸点につきまして留意するよう呼びかけているところでございます。
○三谷委員 それに留意するように呼びかけるのであれば、富裕者も貧困者も同じように一律減免をするというふうな公正を欠いた処置について、まず是正を求めるということをやるべきだ。ここではいろいろ言われている。「周辺地域との一体性」、周辺地域との一体性といいますのは単に環境改善事業だけに限らない、こういう人的な、個人給付的な内容のものも含まれて、一貫性、一体性ということが言われている。公正の確保ということもいままでの法律にはなかった。そういうことが今度の新法には入っている。 そうして、この通達でも述べておりますけれども、従来ややもするとこの種の法律は、行政機関と同和関係者のみの法律のごとき印象を与えてきたことにかんがみて、広く国民の理解と協力を得るという立場から法の運用をすべきだ。国民の理解を得る、国民のコンセンサスを得るという立場に立てば、税の減免など真に必要でありますならば明確に条例に規定をすべきだ。「その他特別の事情がある者」「特別の事情」とは一体何ですか、これは。税を納める能力があってもそれは払わなくてもいいという、その特別な理由というものは一体何ですか。 そうして、ここでも言われておりますが、「個人給付的事業については、行政の主体性」ということを言っている。行政の公平平等という、この主体性に立って個人給付事業についても行っていくべきだ、こういう通達が出されている。出されているところにおいて、いま言いました不合理な減税制度というものがそのまま放置されておって、何一つこれを反省しようとしない。大臣、どうでしょうか。
○関根政府委員 「特別の事情」と申し上げますのは、税の減免を要する具体的な事情がありまして、その事情に基づいて行っていく、それを条例上概括的に表現したものというふうに理解しているわけでございます。この運用通達につきまして御指摘をいただいたわけでございますが、私どもとしては新しい法律の施行に当たりまして、いま御指摘をいただいたような点に特に配意をして運用をすべきであるということで、地方団体に対して指導をいたしているわけでございます。個々の具体の減免条例のつくり方なりあるいは税の減免の個々のやり方について、一々の指導というものはこの一般的な指導の中で十分なし得るものということで、格別にやる考え方はないわけでございます。
○三谷委員 しかし、この通達で是正されるかと言えば、されぬじゃないの。また、交付税もやはり支給するということを言っているわけでしょう。そこら辺を根本的に考え直す必要があると言っているのだ。この問題、こういう減免が地方自治体において行われているというのは、地方自治体の主体性に立ってできたものじゃない。これが一番最初にやられたのは大阪なんだ。ですから大阪では、各市長が市長会で協議をしてこれをやっている。これらが大阪を突破口にして全国に広がりましたが、大阪では四十五年十月に府の地方課、それから四十六年四月に大阪市に対する集団の交渉、そして四十八年には大阪あるいは泉大津、高槻、大東市等の市民会館あるいは市役所等におきまして、いわゆる暴力的な強要がなされてきた。 この昭和四十六年から八年の時期といいますとどういう時期か、御承知だと思うのだ。この四十六年には、いわゆる同和問題の矛盾が非常に激発した矢田事件が起きてきた。六月には、八尾市におきまして同和問題を質問をした議員の除名が行われる、こういう問題が起きてきた。八月には、大阪市会への包囲事件が起きてきた。そして、それ以後西宮事件、八鹿事件、相次ぐ暴力行為が発生してきた。そういう暴力、蛮行の最盛期におきまして、これが市長に押しつけられた。主体性を失った市長がついにこういう制度をつくってきたのだ。あなたが言うように、議会で公正な審議をして条例ができたという性質のものじゃないのだ。 そういう点から考えますと、主体性をはっきりと自治体が持つという観点に立ちますならば、これについては歴史的な検討も加えて、そういう不合理な減税措置はやめるべきだ。貧困者は部落内外を問わず減税をすべきだ。富裕者は部落内外を問わず税金を負担すべきだ。これはあたりまえのことじゃないか。一体あなた方は、同和地区住民に対してどのような考えを持っていらっしゃるのだ。これは特別なものだとお考えになっているのか、そういう差別意識を持って取り扱っているのかね。そこはどうなんです。
○関根政府委員 少なくとも私どもに、差別意識はないものというふうに考えております。
○三谷委員 そこだけ言ったらだめじゃないか、これができてきたいろんな経過を述べたわけだから。行政の主体性を言うのであれば、その経過に照らしてどうなのか、そこら辺の判断を示す必要、がある。大臣、しどろもどろで言っているのだが、大臣は政治的な見解を明らかにして、間違ったものは是正をする。今度の同対協の意見書というのは、同対審答申におきまして幾らか行き過ぎになった部分を矯正をするということであって、十三年間の同和行政の反省の上に立ってこういう意見書が出てきた。それを尊重するのであれば尊重する立場に立って、従来の行政上のたとえば税の特別減免もそうでありますけれども、それもそれなりの手を打つということをやるべきがあたりまえじゃないですか。
○世耕国務大臣 いろいろ貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。私もいささか感ずるところはございます。ただ、私としては、先ほどから政府委員がお答え申し上げたとおりに考えておりますところでございますが、なお新しい今度できました法律の趣旨について、地方団体に対してよくよく今後指導してまいりたいと存じております。
○三谷委員 政府委員が答えたことを首肯してそれから指導するというのでは、これは改善にならぬわけだ。いまいろいろ考えることがあるとおっしゃったけれども、考えることに立って、従来の不公正、不公平は是正するという立場に立ってもらわぬと、大臣に答弁を求めた価値が全然ないわけです。
○世耕国務大臣 ただいま申し上げましたとおりの方向で、十分に指導してまいる所存でございます。
○三谷委員 何を指導されるのか、わしはようわからぬがね。要するにこういう税の面の不公平、そしてこれは旧身分を根拠にする特殊扱いですね。こういうことはすべきではない。国民として、対等、平等な立場に立つべく保障しようというのが同和関係の問題でありますから、その面に立ちますならば、そのような一般の国民と差別をして、あたかも社会的な弱者のような取り扱いを一般的にするということ、このことが問題なわけであって、そういうことを是正するように今後努力を願いたいと思いますが、いかがでしょう。
○世耕国務大臣 御指摘の点、私も知らないわけではございませんので、新しい地域改善法の趣旨に沿いまして、十分努力してまいりたいと思います。
○三谷委員 時間がありませんからもう一つ聞きますが、これについては大臣の学校、私の地元に、ありますが、ここの学長もこのことについて考え方は余り正当でないというふうに私は思っておりますが、ついでまでに申し上げておきます。 環境整備課長お越しになっておりますか。それから運航課長お見えになっておりますか。——あなた方がこの間、松原市の若林町の町会長と確認書を示されております。確認書を取り交わしたわけですか、あるいは確認書を渡したわけですか。これはどういう趣旨のものでございましょうか。
○石井説明員 お答え申し上げます。 二月の下旬だったと思いますが、松原市の若林町の町内会の方が航空局の方へお見えになりまして、松原市が焼却場の煙突を建てるような計画があり、標高十六メートルのところに四十一メートルの高さの煙突を建てるように聞いておるけれども、これについて水平表面との関係におきまして航空法四十九条に違反するかどうか、その見解を伺いたいというような質問を持ってまいりましたので、私どもは検討いたしました結果、八尾の飛行場の標高が十メートルでございます。そして、水平表面の制限高は四十五メートルでございまして、海抜高五十五メートル以上の建物は、航空法四十九条に違反することになりますが、標高十六メートルのところに四十一メートルの煙突を建てますと五十七メートルとなりますので、二メートル水平表面の上に突出することになります。 それで、二メートル出るということは違反になりますよということで、私ども口頭で申し上げたわけでございますけれども、これをひとつ文書にしてもらえないかということで、私どもの運航課の担当官と若林町の町内会の方との間に文書を交換してございます。 以上でございます。
○杉戸説明員 お答えいたします。 運輸省に行かれましたその翌日、この若林町会の方が厚生省に来られまして、これは二月の二十四日でございます。運輸省で航空法に現在の計画は違反する、そういうことに対して厚生省として補助の対象にできるのかという御質問がございまして、このような法律の規定に違反するものにつきましては補助の対象にはできない、そのように申しまして、そしてそれを確認文書として取り交わしたものでございます。
○三谷委員 松原市がすでに長いこと、十年近くなりますが、ごみ焼却場がないためにごみ処理場をつくる。松原市内におきましては最もスペースの多いところ、ここにつくろうという計画を持っていろいろ努力をしておりますが、地元の反対がありました。もちろん、住民運動というものは尊重されなければいけませんけれども、こういう確認書を自治体の頭越しに反対運動者に渡して、その確認書をビラにしてまいて、そして松原市のごみ行政について支障を来すようなことを国としてやっていいことなんでしょうか。もしもこういうふうな内容が必要であれば、まず市に対して指導して、煙突が四十一メートルでは許可になりませんよ、そういう指導をすべきものであって、市を全然等閑視してしまって、はねのけてしまって、そうしてこういう運動団体に確認書を出すというふうな行政の扱いというものがあっていいことなんでしょうか。それじゃ全く地方自治の否定じゃありませんか。どうお考えになりますか。
○杉戸説明員 御指摘の点、ごもっともでございますが、この確認書は、諸法令の規定に違反するものに対して補助の対象としないという、きわめて一般的なことを確認して取り交わしたものでございます。松原市に対しましては、その後府を通じまして一度こちらへ来ていただいてその事情をよく聴取し、そしてまた適切な指導をしたい、そのように考えておるものでございます。ただし、この件は現在係争中のものでございますので、現在の計画につきましての適否は言える立場ではございません。
○三谷委員 航空法、つまり煙突問題だけれども、煙突問題というのは厚生省の管轄じゃないんだ、それは運輸省の管轄なんだ。よその管轄の事項にまでくちばしを入れて、それを条件にして国庫補助の対象としないとか、あるいは建設を認めないとかいうふうなことを確認するとは一体どういうことなんですか。おかしいじゃないですか。まず、自分のところの管轄事務につきましてどうこう言うのであればまだしもでありますけれども、運輸省の管轄する事項について触れて、それを土台にして補助金は出さないなんということは言うべきことじゃありますまいが。 この確認書の内容というものがごく通り一遍のものである、諸法令の規定に違反するごみ焼却場については建設を認めないというわけですから、それはごくあたりまえのことなんだ。あたりまえのことをなぜ確認書に出して渡すのか。確認書を利用するという意図がなければ、そういうものは欲しがるわけがないんだ。ところが、確認書を渡して、あたかも松原市が諸法令の規定に違反するごみ焼却場をつくろうとしているかのような印象を与える行動をとらせる結果になってきている。こういうことでは、地方自治体は本来の使命を果たすことができなくなってくる。これは少し軽率と違いますか、どうですか。
○杉戸説明員 お答えいたします。 結果といたしまして地方行政に介入するとか、現在訴訟の係争中でございますが、それに影響を与える、そういうようなことで活用されるといたしましたらまことに私ども心外でございますが、この確認書の内容につきましてはきわめて一般的なことを私どもは申しまして、それについてどうしても文書で取り交わしをということで申し出がありまして、取り交わしたものでございます。
○三谷委員 それが妥当ではないのではないかとお尋ねしている。御承知のように、昭和五十一年に廃棄物処理法が変わりまして、市町村は業者に廃棄物の処理を委任する場合には、処分の方法と処分の場所を指定しなくちゃいけません。松原市はごみを処分する場所がないために、海洋投棄をしてみたり、あるいは兵庫県や京都府あたりの山間部に業者委託で投棄する、そういう状態になってきている。ですから、むしろ厚生省としては、ごみの焼却場をつくるように指導する努力をするのが当然の責任だと私は思う。 ところが、こういうわかり切ったことと言えばそれまでだけれども、わかり切ったことであれば、確認書などを渡して、これを印刷して配布するというような行為を助長すべきではないと思う。その点について、自治省は一体どうお考えですか。これでは、松原市がごみの焼却場をつくろうとしても、これは確かに係争中ではありますけれども、容易にできない状況がだんだんと培われてくるわけです。それで一体、ごみ、じんかい焼却場の設置その他に責任を持つ厚生省の責任は果たせますか。自治省は、こういう措置に対してどのような所見をお持ちですか。
○小林(悦)政府委員 確認書を出しました経緯は、ただいま両省から申されたとおりでございますが、私の方といたしましては、もともとこのようなごみ処理の問題につきましては、地元で十分話し合いをいたしまして、その結果に基づきまして円満に解決する、こういうことが一番よかろう、こういうことを期待いたしておるわけでございます。
○三谷委員 期待いたしておりながら、こういうものを出しちゃだめじゃないの。要するに、これは松原市が主体になってやる工事であって、そして反対運動者との関係は市と反対運動者との関係なんだ。それに国の方が確認書を出す。こんなものをしょっちゅうお出しになりますか。これからも、住民運動の諸君などが来まして確認書を求めた場合に、このようなものはもう慣例としてお出しになるということなんでしょうか。そこら辺どうなんですか。 これは異常なんだ。まず地方自治体に対して、煙突が四十一メートル以上になれば、あるいは水面からすれば四十七メートルだと思いますが、それ以上になりますとだめですよということを言って、そうして計画については十分に慎重に考慮しなさいという指導をすべきじゃないですか。そういうことを全くなさっていない。松原市長は本旨を聞きたいと言っている。地元の新聞は、地方自治に対する介入であるといって盛んに書いている、そういう状態が生まれてきている。 そうして、煙突の高さなどは国の指導によって、法律に適合するようにやっていきますというのが松原市の考え方。ところが一松原市の意向などは全然聞かずにこういう確認書を出して、あたかも違法な措置をやりつつあるかのような印象を与える、それに手をかすというようなことがあっていいことなんでしょうか。もう一遍厚生省のお答えを聞きます。自治省もこんなことをほっておいてよろしいか。これじゃ地方行政を円滑に進めるのに非常に困るじゃないですか。
○杉戸説明員 確認書につきましては、先ほど申しましたように、私どもは一般的なこととしてその取り交わしをいたしたつもりでございますが、そのようなことで、たとえば裁判に影響のあるおそれのあるように活用されるといたしましたら、まことに遺憾なことでございます。
○三谷委員 自治省どうですか。
○世耕国務大臣 厚生省のことでございますから、われわれの方の管轄からそれているのですが、一般的な通念として、役人はそのルールに大体一致していると何でもしゃべってしまう方で、それが文書になるというのは配慮に若干欠けておったというふうに私は推察しております。そこで、やはり、私は松原市のあのあたりよく知っておりますが、話し合いをもっと早めていろいろ詰めて、早急にごみ処理のあれをつくった方がいいように思います。その意味で、われわれの方も側面的には御援助していく、そのような所存でおるものでございます。
○三谷委員 大臣の哲学的な答弁には私も歯が立ちませんけれども、まあ大体意のあるところはわかりましたが、いまの厚生省と運輸省、これについては、この処置についての態度、もう一遍はっきり示してほしいんだ。こういうことが行われていっていて妥当なのかどうか、それについてもう一度聞いておきたい。
○杉戸説明員 松原市のこの計画につきましては、ただいま自治省の方から申されましたように、これは当事者間の問題でございますので、よく話し合って早期に円満解決されるよう、私どもといたしましても望んでおるところでございます。この確認書は、再度同じことを申し上げるようでございますが、あくまでも私どもは一般的なことを申し上げて、それを文章にという御要望で取り交わした、そのようなものでございます。
○石井説明員 私どもも、いま町内会の有志の方の御要望でそういう文書にしたわけでございますが、今後は御相談があれば、その高さの制限等について十分お打ち合わせをして、いろいろ御相談に応じたいと思います。
○三谷委員 厚生省は今後どうするんだ。いま、今後は気をつけると言っているが、厚生省はどうなんだ。言いわけばかりしていてはだめだぞ。
○杉戸説明員 先ほど申しましたように、松原市の方に一度来ていただいて事情をよく伺いまして、そして係争中の内容につきましては、私どもは直接の指導とか見解を申せる立場ではございませんが、現在かなり困っておる状態でもございます。そのようなごみの処理が円滑に、かつスムーズにいきますように、私どもはできるだけその意味での援助はいたしてまいりたい、そのように思っております。
○三谷委員 援助をすると言いながら、むしろ市側が事業の遂行を困難にするような確認書を出しちゃだめじゃないか。だから、今後こういう確認書についてはどう扱っていくか。そういう陳情があれば、確認書を書くわけですか。どうなんです、そこは。
○杉戸説明員 この確認書、これからは、目的にもよるかと思いますが、できる限りそのような確認書は取り交わさないように努めてまいりたいと思います。
○三谷委員 終わります。
○中山委員長 午後三時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時四十四分休憩 ————◇————— 午後三時三十分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 私は、当面する地方財政あるいは交付税制度、そういう問題につきまして、きわめて素直に質問をいたしたいと思いますので、大蔵大臣も素直な答弁をしていただきたいと思います。 まず第一番に、おととい、きのう、きょうの新聞の記事に出ておる重要な問題点、七日の大蔵委員会でも議論されましたように五十六年度の国税収入が大きく落ち込むのではないか、こういうことであります。 たとえば、一番近い新聞の記事を読みますと、きょうの朝日新聞。「大蔵省が七日までにまとめた最も新しい推計によると、五十六年度の税収は、当初予算額に対して約七%、二兆二千億円程度不足する見通しとなった。」こういうふうに新聞記事は書いてございます。きのうの毎日新聞でも読売新聞でも、あるいは私の見ておるサンケイ新聞等でも、すべて二兆円近い税収不足ということでありまして、新聞によりますと、大蔵大臣は大蔵委員会で、「当初見積もりに比べ数%足りない気がする。数%といえば一から九%の幅だが、このうち高い方(数字)になることもありうる」、こう答えたと報道しております。そして、それを裏づけるかのごとく、きょう朝日新聞では七%の減収だ、こういう見通しだ、きちんと数字を挙げて書いてございます。これは大蔵省の見通しと書いてありますから、これに近いものか、新聞記事は荒唐無稽じゃないと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 税収の見通しのことでございまして、全体の収入の四割を占める法人税の収入が、三月決算がまだかいもくわかりません、五月いっぱい、六月ぐらいにならぬと。断定的なことは申し上げることができませんけれども、いままでの趨勢、ことに二月の分がきょう発表になります。それをもとにして推計をしてみると、これは一つの推計の仕方ですけれども、これから三月がうんとよくなるという考えを入れれば別ですよ。だけれども、そういう二月の状況がずっと続くということになると、そのような可能性も出てきているというように考えます。
○細谷委員 国税の収入が、一から九までの間で大体多い方のということでありますから、常識的に言いますと六%か七%くらいと思って、私はゆうべちょっと電算機に入れてみました。ところが、きょう七%と書いてありますから、七%ということで話を進めたいと思う。 七%の税の減収になりますと、大蔵省が発表いたしました一月の実績は大体八ポイント前年同期より落ちておるようでありますから七%が妥当といたしますと、大体当初予算に対して二兆二千五百九十九億円、おおよそ二兆二千六百億円の減収ということになります。すでに補正段階で補正されておりまして、その補正の分四千数百億円というものを差し引いても、現在の補正された税収見込み額に対しても一兆八千百億円、数字では一兆八千七十五億円の減収というのがはじかれます。 この一兆八千億円というものは、いまこの地方行政委員会で審議しております地方交付税法にとっては、根底からこの法律の前提を動かすような数字だ、こう申していいと思います。仮に一兆八千百億円程度の減収がございますと、その三二%という税がすでにこの三月に補正段階でしましたけれども、そして補正に対する財政対策をしてありますけれども、あと一兆八千百億円程度の減収になりますと、交付税はその三二%、莫大な交付税の穴があく、こういうことになってまいります。 参考のためにはじきますと、一兆八千百億円といたしますと、国税三税分がこの減収の約八〇%と仮定いたしますと、国税三税分が一兆四千五百億円の減収ということになります。それの三二%でありますから、四千六百三十四億円の穴があく、こういうことになります。これは、私どもがいま審議しておる交付税法の前提的な土台でございますから、こういうことになるが——大蔵大臣としては、いまの大きく減るだろうという見通しは最終的な、定かではないけれどもそういうことだ、こういうことでありますから、そういうことになると私は理解しますが、大臣、いかがですか。
○渡辺国務大臣 私が申し上げたのは前提がついておりまして、法人税というような全体の四割も動かすものがわかりません、しかし仮に法人税が伸びないと仮定をすれば、そしていままでの状況が続くとすれば、そういうことも予想されるということを申し上げたわけでして、法人税の確定申告が五月に出てみないと、それは本当はよくわからないのです。 わからないけれども、続くとすればということで申し上げたわけで、法人税も、業種によっては非常にいいところがあるわけです。それから、業種によっては去年と同じくさっぱり伸びないというところもあるわけです。これは出てみないことには、実際のところ何と言われてもわからない。そういう状態が続くかどうか、これははっきりしたことはわからぬです。 ただ、御質問がありましたから、そういう状態が続くと仮定をすればということで、一つの予測でしょう、新聞にそう出ていると言いますものですから。ですから、仮定をすればそういうことも考えられるということを申し上げたわけです。
○細谷委員 大臣はきわめて用心深く、五日に今年度、五十七年度の予算が審議されている段階ではずいぶん慎重に答弁しているな、こう私は思っておりました。ところが、それが予算が成立した七日の大蔵委員会では、かなり正直に、素直に、状況をある程度見通しながらお答えをいたした。ところが、ここへ来ますと、まだ仮定の問題、仮定の問題でわからぬ、わからぬ、こういうことではないと私は思うのですよ。 私が心配しているのは、国税のへこみの問題については大蔵委員会でしきりにやっておりますから、この辺については問題はありませんけれども、私どものこの委員会にも密接不可分の土台的な関係がございますので申し上げておるわけです。しかも、すでに四月に入りましたから補正できる問題じゃないわけです、この五十六年度の問題は。やがて精算段階、国税三税に対して精算されて、次々年度、五十八年度に一体どうなるのか、交付税の総額が精算されてくるわけですから、大変重要な問題であります。後ほど述べますが、これも五十七年度の交付税の総額に無関係ではございません。 でありますから、これをあえて質問しているわけですから、ひとつ冒頭にお願いしたように素直にお答えいただいて、そして正直な大蔵大臣ということで貫いていただきたい。どうも大蔵委員会とここでは、素人の方の私どもにかえって殻が固くなって、専門家の大蔵委員会では少し胸襟を開いているのではないかという印象がありますが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 それは同じことなんです。やはりあそこの場合もまくら言葉がついているのです。最終的には法人税が出なければわかりません。わかりませんけれども、こういうような状態がもし続くとすれば、それは数%の税収不足も考えられますということを申し上げておるわけでございます。決して差別をしているわけでも何でもないのです、これは実際問題わからぬわけですから。法人税の申告が何ぼ出るんだ、だれだってわかる人はない。 だけれども、それは予想としてはいろいろ予想がありますよね。だから、三月決算がそんなにどんとよくなるということはないじゃないか、予想としてはそういうことも一つの議論として言えるでしょう。しかしながら、正式に聞かれれば、それは出てみなければわからぬ。予想としてはいろいろなことが想像されます。私としては、そんなに極端によくなるということも本当にあるのかなという疑問は当然ありますよ。ですけれども、それは公式な発言と予想とは違いますよ。
○細谷委員 それでは、今度は別の面からちょっと、これは自治省の方にお尋ねいたしたいと思います。 私の手元に国税の一月の実績と、それから地方税、特に市町村税を別として都道府県税の徴収実績というのがございます。これを見ますと、昨年同期と比べますと四・二ポイント程度税収全体が落ち込んでおります。この四・二ポイントの落ち込みから推計いたしますと、地方税収入が地方財政計画で想定した、期待した数字よりも三千百億円程度減収になる、こういう勘定になってまいります。 そこで、すでに新聞等でも報道されておりますように、地方の方では、自治省では三月二十六日にこの減収に対して減収補てん債というものを発行いたしました。新聞の報道によりますと、二十四都府県、十八市町村に対して総額千七百三十七億七千二百万円を配分した、これは自治日報に紹介されております。したがって、推計する三千百億円程度の減収に対して、千七百四十億円程度の減収補てん債がすでに許可されておる、配分をした、こう言っております。これは事実ですか。
○土屋政府委員 法人関係税の減収が見込まれまして、関係地方団体から要請がございましたので、私ども財政状況その他全般の状況をにらんで、お示しのございましたように、府県で千七百四十億程度、市町村で三十億程度、約千七百七十億程度の減収補てん債の許可をするということで連絡をいたしております。
○細谷委員 三千百億円の落ち込みは、税務局長どうですか。
○関根政府委員 一月末現在の先生御指摘の数字によりまして、そのまま推移するということで推計をいたしますと、三千百億という答えが出ることは間違いございません。 ただ問題は、そのとおり全体で減収が生じるのかどうかという見通しの問題でございますが、実は本日の時点で、二月末の都道府県税の収入状況が数字としてまとまっております。これによりますと、法人関係税が相変わらず悪うございまして、事業税で計画に比べて一四・六%の落ち込みになっております。全体では、ほかに自動車関係税等で多少計画を上回るものがございますので、先生がおっしゃいました一月末の四・二に相当するものが、二月末では四・七という数字で出ております。したがって、もし仮にこのままの形で推移をいたすという前提に立って言いますと、先生のお示しになりました三千百億という数字よりも多少ふえた形で数字が推計できるということだと思います。
○細谷委員 私の一月の実績で推計した三千百億円よりもっとふえるだろう、こういう悲しい答弁が私のところに返ってまいりました。確かに締めくくりは国税と地方税は違いまして、私の理解するところでは、もう地方税は五十六年度の収入というのはほぼ決定的、もう締まった、あと三月の分についてはきわめてウエートが低い、こう見ておりますから、税務局長の二月の実績から推計した数字が正しいと思うのです。 そういう認識の上に立ってもう一つお尋ねいたしたい点は、自治省が先般発表いたしました五十七年度の各都道府県の予算編成、こういうものを拝見いたしますと、幾つかの県で知事の選挙があったために、いわゆる三カ月予算とか骨格予算とかいうものを組んでおりますけれども、そうでないところでは大体年間予算を組みました。自治省はその年間予算を組んだところ、都道府県全部のもの、いわゆる骨格予算を含めて全体の問題と、それから骨格予算を除いた年間予算を組んだところだけについての表と、二種類やっております。それを見ますと、地方財政計画では一〇・二%か三%の伸びを期待しておりますけれども、大体都道府県は六・七%ぐらいの伸びであります。 こういうことでありますから、これはまあ各都道府県は現実に即して見積もった場合には、とてもじゃないが地財計画のような税収は期待できないということで、どういう予算の組み方をしているかというと、御承知かと思うのですけれども、財政調整基金というのは恐くら六千億か六千五百億程度あると思うのですけれども、その半分ぐらいを取り崩して五十七年度の予算を編成しているのが実態だ、こう私は理解いたします。私の住んでおります福岡県では、二百九十億円の調整基金から百五十億円を取り崩しております。鹿児島県では、二百九十九億円の基金の中から百三十二億円を取り崩しておる、こういう実態であります。 これは今日の地方財政の事情が、そうして五十七年度の予算編成というものがずばり言いますと、大蔵大臣を前に置いて大変恐縮でございますけれども一歳入できわめてアンステーブルな税収を見積もっておりますが地方ではそういうことはできないということで、きわめて控え目な、そうして財政調整基金まで取り崩して予算を編成して、苦しみに苦しみ抜いて編成している、こういうふうに私は理解しているのでありますが、いかがでありますか。自治大臣、どう見ているのですか。
○世耕国務大臣 私どもは、この交付税に関しましては、政府のいろいろな指数を使った見通しの上に立ちまして、それに準じて交付税をながめております。それから地方税に関しましても、これは経済の見通しでございますから、必ずその見通しが正確ということはあり得ない、どんぴしゃりというわけにはまいらないのでございますが、その基盤のところが変わってきますと、地方自治体の予算の組み方はやはり非常に影響されますので、そういうことも考慮して、地方団体の方では用意周到に、控え目に控え目に予算を組んでいるであろうことは推測できるところでございます。
○細谷委員 これ以上は申し上げませんけれども、大蔵大臣いらっしゃいますから、大蔵大臣、いま申し上げたような予算編成なんですよ。大変厳しい、ある意味では国の予算についてのやや不信という意思も込めながら予算編成をしたのではないか、こういうふうに思われます。私は去年の大蔵省の歳出百科を見まして、地方の予算というのは、財政というのは、国の予算と比べると格段にリッチなんだ、こういうことがよく言われておりますけれども、いま私が申し上げたようなことについては初耳でしょうか、前から聞いてよく知っておる、こういうことなんでしょうか、素直にお答えいただきたい。
○窪田政府委員 私ども、地方財政がリッチだというふうに申し上げたことはございません。しかし、御承知のように国の財政も非常に窮地に陥っておりますので、それと比べますと、たとえば公債依存度、国は二一%でございますが、地方は全体として八%だというふうな比較をいたしたことはございます。 地方もそれなりに苦しいであろうということはわかりますけれども、しかし、国も非常に困窮しておりますので、両者相協力して円滑な財政運営ができるようにということで考えております。
○細谷委員 私は比較で申し上げたので、リッチという言葉はお気にさわったかもしらぬけれども、いかにもリッチであるかのような形で物事が言われる風潮がどうもございます。たとえば人件費じゃないかという形で、きわめて短絡した形で地方財政をながめる、こういう傾向がかなり強いので、その辺は財政専門家の大蔵省のことでありますから、大臣以下そういう誤った認識はないもの、こう確信をいたします。 そこで、一歩踏み込んで私が質問をいたしたい点は、五十六年度のせんだっての補正予算のときに、税が四千数百億円削減されましたために三税にはね返りまして、交付税が減額をされました。その減額については二種類あります。四百四十億円交付税が減額されまして、一つは、百五十五億円は所得税のミニ減税にかかわるものである。ですから、これはやはり国の責任だということで、全額国の一般会計から見るべきだ、こういうことになりました。もう一つは、二百八十五億円は税の自然減収にかかわるものなので、これは国と地方が半分半分だ、こういうふうな措置が講ぜられました。 ところが、これは三月の補正段階で、国会の議決によってその補正予算が成立いたしたわけでありまして、今度は大蔵大臣はきちんと言いませんけれども、やはり間違いなく国税の落ち込みが、七%かどうかは別として、大蔵大臣が言うように一から九までのうちの九に近い方の数字、六、七%の落ち込みがありますと、かなり大きな交付税の落ち込みがあります。ところが、これは実はもう四月に入っちゃったんですから、補正措置を講ずるいとまがございません。そうしますと、法律に基づいて、言ってみますと五十八年度の予算編成のときまでにこれは精算をしなきゃならぬ、こういうことになるわけであります。 仮定の問題では答えられないなんという、そんなことをおっしゃらないで、落ち込むことは間違いないわけでありますから、そうなった場合にどうするのか。そういう例が一つあります。時間の節約上、私がその一つを申し上げておきたいと思います。 一つあると申しますのは昭和四十九年、あとは全部予算の補正措置を講じまして減額をいたしました。その減額をする際に、五十六年度の場合には、減税した分については国の責任だ、自然減収の場合については二分の一方式だ、こう言っております。四十九年は、補正をやらないで精算に持っていったわけですから、精算の段階で、四十九年五百五十九億円精算額が出ております。これに対して私は予算委員会で、当時の大蔵大臣は亡くなった大平さんでありましたが、大平さんに、こういう税収の見込み違いはかかって財政当局の見積もりの誤り、しかもすでに交付税として配ってしまったんだから、これは国の責任ではないですかと言いましたら、国の責任でありますと大平さんは答えていただきました。 答えていただいてどういうふうに具体的措置をしたかといいますと、精算段階、この場合には五十一年度の予算措置の際に、この減額された五百五十九億円というのをまるまる交付税の総額につけ加えていただきました。そういう例がたった一つある。あとは昭和四十年度以降、当初より減額はされておりますけれども、すべて補正を経過した数字であります。今度の場合、間違いなく落ち込むわけでありますから、どうなさるのか。これはもう大蔵大臣の腹ですから、事務当局の問題ではありませんから、お答えいただきたいと思います。
○窪田政府委員 初めに、ちょっと御説明させていただきます。 五十六年度の問題をいま御指摘でございます。五十六年度は、おっしゃるように交付税はすでに配付済みでございます。したがいまして、五十六年度の国税三税が決算上仮に減収となった場合は、先ほどお話しのように、地方交付税法六条の規定によりまして、五十七年度以降精算をするということに相なるわけでございます。決算上減収が生じた場合はそういう原則に基づいてやりたい。しかし、その精算を行う年度の地方財政の状況あるいは国の財政の状況を見まして、どういう対策をとるかということは、そのとき自治省とも相談をして十分慎重に考えたい、こう思っております。
○細谷委員 両方で協議する、これはあたりまえですけれども、しかし、ここまで、もう補正をするいとまがないようなところまでなって税収の見積もりが落ちたということになりますと、これはやはり財政当局、大蔵当局、税務当局、税制当局の責任だろうと思うのです。大臣、責任を感ぜられなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 結論から申し上げますと、いま窪田次長が言っておりましたように、地方自治団体といえども国民のもの、国も国民のもの、同じなんですね。これは国民からすれば、実際は一心同体みたいな問題でございますから、お互いに相助け合っていかなければならない。そういうことで、どういうふうな結末をつけるかということについてはよく話し合いをして、地方財政に支障のないように話し合いの上で解決をしていきたい、そう思っております。 それから、税収見積もりの責任ということですが、もちろん責任があるに決まっております。ただ、税収の見積もりというのは経済の見通しと同じでございまして、経済見通しが当たったことがないと同じように、税収の見積もりというのもまず当たったことがない。 過去を私ずっと調べてみました。昭和四十年から五十六年までの当初予算について、多いときには、たとえば昭和四十七、八年のような狂乱物価時代には二〇%もよけい取り過ぎちゃった。それなら減税に回した方がいいのじゃないか、そんなに取るんならなぜ借金するんだ、借金しておいて金余すばかがあるかという議論が当然あるわけでございます。ところが昭和五十年のように、逆に二〇%も今度は見積もり不足という問題がございます。いつでも大体五%から一〇%ぐらいの間で、上に行ったり下に行ったり、極端なときには上下二〇%ということもございますが、なかなかどんぴしゃりといかない。 まことに申しわけない話でございますが、社会主義の計画経済でも、計画立てたっておてんとうさま次第でなかなかそれはうまくいかない。まして、自由体制の中できちっとしたものを押さえるのは非常にむずかしい。それで、去年なども、われわれも心配したのですが、国会の議論、去年の予算委員会の議論などでは、過大見積もりだと言う人は非常にまれでして、まだ自然増収がある、大蔵省は財源を隠しているのではないか、自民党を初めそういう議論の方が、国会議事録を見ればわかるように多かったわけですよ。 ところが現実には、こんなに物価が安定するとはだれも思っていないし、非常な物価高の後で政府は何とか消費者物価五・五、卸売物価四・一ぐらいに抑えたいという願望はあったが、消費者物価は三%台に下がる、卸売物価は一・六とか幾らとかいうようなことでどんと下がっちゃって、そういうのが物品税とか印紙税とか法人税の棚卸しとかに影響が出てくる、夢にもわれわれ思っていなかったわけでございます。 世界じゅう、なかなか第二次石油ショックが吸収できないで、イギリスの一二とかイタリアの一八とかいうインフレ率の続いているところがあります。したがって、予想外の物価の鎮静はありがたいことではあるが、その反面税収に大きな影響を及ぼしたということも事実でございまして、本当に申しわけありませんが、そういうわけでございます。
○細谷委員 見積もりの誤りということは申し上げませんけれども、見積もりの違いについてはやはり見積もった人の責任があるわけで、大平さんは素直に見積もりの責任を痛感して、四十九年精算段階において、五百五十九億円はひとつ国が持とうということで持ちました。私は、自治大臣はどういうつもりなんだい、そして両大臣をここで対決させようと思ったけれども、そんなことはやらぬで、とにかく手を合わせてやらなければいかぬわけで、あなたの方で腹を決めれば、そのやり方は幾らでもあるわけです。一遍にそんな不足の四千六百億円なんて、とてもじゃないが穴埋めできぬぞ。穴埋めする仕方は二分の一方式じゃないですよ、二分の一方式は他のケースですから。やり方は幾らでもあるわけです。借金したのを三年間据え置いて後の方へ延ばしてしまって、ことしはみごとに大体財源不足がないなどということを去年から仕組んでいるのですから、なかなか頭がいいわけです。頭はいいけれども身をもってこたえていただきたい、こう思います。 そこで、私は、もう一つこの問題について聞いておかなければいかぬ問題がある。これは大蔵委員会でも議論されておりますけれども、五十七年度予算も経済の実質五・二%の成長ということを前提として、弾性値を見ながら個々の税金について積み上げて税収を計算しているでしょう。ですから、その部分については申しません。ただ、五十七年度が落ち込みますと発射台がぐっと下に参りますから、もう間違いなく中期経済、しかも五十六年につくった中期経済展望というのを下敷きにしてつくったものですから大きく狂ってまいります。しかも、発射台が低くなったということはほぼ確実になってまいりましたから、こういうことについて私は心配しております。 端的に申し上げますと、いま交付税の総額が九兆何がしだということで、私どもは地方財政計画と一緒にして議論しておるわけですけれども、言ってみますと、ひょっとしますとこれは砂上の楼閣に近いものじゃないか。砂上の楼閣と断定しませんよ、五十七年度の歳入も地方財政計画も砂上の楼閣に近いものじゃないかという気がしてなりません。こういうことだと、まことに遺憾なことになるわけです。虚構の問題についてこの地方行政委員会が取り組んでおったということは後世の笑い物になりますから、そういうことはあり得ないだろうと思うのですが、同時に絶対にないように努力していただかぬといかぬと思います。これは、ひとつ要望の程度にしておきたいと思います。 そこで、少し技術的な問題になるわけです。 そういう前提に立って物を言いますと、今度の地財計画は財源不足なしということで、自治大臣の所信表明も、大分財政が出世したかのごとき言葉が使われております。その辺で見てみますと、わずかということでありますけれども、詳しくは申し上げませんが、資金運用部から一千億円程度金が足らぬ、こう言っておりました。厳格に計算いたしますと、地方財政計画をつくる場合に、一千億円というのは、九百六十三億円足らなかった。その上に、去年措置した二千百五十六億円をことし返さなければいかぬのをずっと後に延ばしてしまった。これで助かったと言っておりますから、言ってみますと、三千億円程度の財源不足額が自治省の物差しでも出てくるわけであります。二千百五十六億円は昨年度措置しましたから九百六十三億円だけ足らなかった。 そういう足らないことを知りながら、何だって千百三十五億円ですか、留保したんですか。何だって留保したんですか。これは自治大臣と大蔵大臣の何か覚書、念書みたいなものがあるようでありますけれども、両大臣これは了解しているようであります。おかしいでしょう。一千億円ばかり足らぬというのを、何のことはない千百三十五億円は留保しておる。そして理屈は、後年度に財政の負担が起こりますからそのための用意だ、こう言っております。これはちょっと常識的に納得できないですよ。 恐らく大蔵省が予算編成の段階で、昨年の十二月二十日ころの段階で、三千億円程度何とか地方財政から協力してくれという強い要請がありまして、担当者が頭をひねった後、ああでもない、こうでもないと寄せ算、足し算をやった結果の貸し借りだと思うのですよ。おかしな話ですよ。後で個々に聞きますが、二千九十八億円というのは運用部資金を借りているわけですよ。二千九十八億円借りておって、千百三十五億円を今度は留保している。本当のところは二千九十八億円マイナス千百三十五億円だけ、問題でしょう。それを何か複雑にしたのはどういうことなんでしょうか、お答えいただきたい。
○窪田政府委員 去年の十二月に頭をひねって相談したことは御指摘のとおりでございますが、私どもの基本的な考え方は、何も国のしわを地方に寄せるというふうなことではなくて、やはり地方財政の収支を自治省にも検討していただき、地方団体に交付すべき地方交付税の総額は確保する、必要額は確保する、こういう考え方でやったわけでございます。したがいまして、交付税特会からの出口ベースで七%確保する。確かに差し引きすれば九百六十三億円で済むわけでございますが、しかし一応決まりになっております二千九十八億につきましては、国から入れるゆとりはございませんが、とにかく運用部から借入金をしてちゃんとけじめはつけよう、そういうことでやりまして、差し引き、結果として千百三十五億交付税特会の中でゆとりが出た、これは結果でございます。 先ほどお話のありましたように、地方財政も絶対的にリッチというわけではございませんで、将来交付税特会の借入金の返済時期も参りますので、そういうときにそれは備えておこうではないかということで留保したわけでございます。そうなりますと、そのゆとりをまるまる遊ばしておくというわけにもいかぬものですから、国からの交付税特会へ入れる額がそれだけ少なくて済んだという結果でございまして、私どもはやはり交付税総額を確保するという点から考え方を進めたわけでございます。
○細谷委員 十二月二十日前後の両大臣のやりとりの問題ですから、おかしな話だ。これが日本の頭脳と言われる大蔵省と自治省のやり方か。足らぬ足らぬと言いながら借りてきて、そしてその一部分というのは後に譲っておる。それはちょっと小学校の一年生、素直な頭の構造の人はわからぬですよ。曲がった構造の人でないとわからぬです。 そこで私はお聞したいのですが、これからここで議論しますけれども、その二千九十八億円のうち千九十八億円というのは利差臨特です。大蔵大臣は利差臨特といいますと御存じと思うのですが、運用部資金が質が悪いので、六〇%までは政府資金で準備したと同じように、利子の差を見てやりますよという利差臨特ですよ。一千億円というのは、臨時特例交付金として従来五十一年以降ずっとありました、いわゆるいまのグリーンカードに関連する問題です。 そこで、最初の千九十八億円、去年は地方債の原資が、四五%ばかりが政府資金でありましたが、ことしは五〇・五%までと少し質をよくしてくれました。まあ前向きでありました。ところが、両大臣の話し合いの中で、今度はこれは臨時特例交付金として計上しないけれどもと書いてあります。これは五十八年度以降はどうするんですか。六〇%にしてもらうんですか。もらわぬとすれば、六〇%になるまで利差臨特をつけておったわけですから、今後はどうするのか。それはひとつはっきり聞いておきませんと、中途半端、単年度主義、五十七年度さえよければ後はどうなれ、こういうことではいかぬわけですから、どういう意味なのですか、お聞きしておきたい。
○窪田政府委員 利差臨特それから臨時特例交付金につきましては、やはりそのときどきの国と地方の財政状況を見まして、その計上の仕方、処理の仕方については、自治省と十分相談してまいりたいと思っております。
○細谷委員 その都度都度相談したいと言うけれども、両大臣の覚書と言われるものが、その一部新聞に出ております。利差臨特として千九十八億円が予定されていたが、これは一般会計との関係で借金にした、そして後年度これは全額国が持つ、五十七年度は持つ、今後はどうするかというと、「今後、地方財政の状況に応じ必要がある場合においては、適切な配慮をするものとする。」「適切な配慮」というのはどういうことなんでしょう。問題は地方債の資金を、原資の分を六〇%にしていけば片づく問題なんですよ。どうしてくれるのでしょうか。これは今後どうするのか、これではちょっと理解できないのです。これは審議できません。どうですか。お答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 具体的には書いてありませんが、結論的に適切に配慮する、適切にですから、よく話し合いをして、そして地方財政に支障のないように配慮する、こういう意味でございまして、具体的にどうするかということはそのときになって相談をしましょう、こういうことでございます。
○細谷委員 立ち入って恐縮でありますが、そのときになってやるということはどういうことかというと、二つしかないのですよ。原資を、政府資金を六〇%に持っていくか、あるいは六〇%に持っていく間のいままでの措置として利差臨特を一般会計から見てやった、この二つしかないわけです。そういうふうに思ってよろしいですか。
○窪田政府委員 利差臨特は過去の利差の各年度に来る分もあるわけでございまして、今後六〇%にするかどうかという問題は、私どもはいまここで具体的にどうこうお約束できませんけれども、しかしやはり究極的には地方財政の運営に支障を来さないように総合的に考えるという精神でやってまいりたいと思っております。
○細谷委員 時間がありませんから……。いまの答弁ではきわめて私の言葉にも——過去の分についての集積として五十七年度までは、五十七年度はごまかしですよ、一般会計から入れるのを入れないで後の方で全部見てやるとか言っているのですから、これもよくないのですよ。財政負担を後年度、後年度に譲っていったというやり方はよくないのですけれども、しかし五十八年度以降もこの利差臨特はかなりの大きい金額あるわけですから、これはどうするのかという問題がございます。いまの言葉では納得できません。 時間がありませんから、もう一つの問題点、一千億です。これは私が申し上げるまでもなく、利子について分離課税をしておるわけです。ところが、その分離課税を総合課税にする過程において——いま分離課税が三五%いっております。ところが、これは地方税としては課税されておりませんので、国がかわって、三五%取った分についての一部を言ってみれば財特臨特にやる、財政特例についての臨特という形でやっておりました。いままでずっと千三百億円程度、それを主体として財特臨特がつけられておりました。これが今度ゼロになったわけです。 しかし、ことしは一千億円だけれどもそれは一般会計でやらぬで借金しておいてくれ、後で全部国で見てやるから、こういうことですが、しかし五十八年度以降はどうなるかということをこれは一つも書いてないのです。たまたまグリーンカード問題が出ております。グリーンカードについては大蔵大臣はきわめて一貫した態度を持っておるようであります。大蔵省もしきりにグリーンカード問題についての一問一答という形でパンフレットも配って、鋭意これについて取り組んでおりますけれども、いまなかなか厳しい状態にあります。 そこで私がお尋ねしたいのは、大蔵大臣は七日の大蔵委員会で、非課税貯蓄、グリーンカードの問題についてこう答えているのです。五十六年度にふえた個人所有の金融資産は三十五兆円、このうち約二十二兆円が非課税貯蓄と推定され、課税貯蓄は分離課税が二兆円、総合課税が四兆円の合計六兆円しかなく、マル優など非課税預貯金の額が守られているかどうか疑問に思っている、だからグリーンカード制はやらなければいかぬ。あなたの主張、私も同感です。ところが、その大蔵省のグリーンカードの一問一答にどう書いてあるかといいますと、個人の金融資産の残高は五十六年末で三百三十八兆円だ、こう書いてあります。そうしますと、一年でこの金融資産は一割以上も伸びていっておるということであります。これもそのとおりです。 それから、「ジュリスト」という雑誌にことし、東京大学の金子教授のかなり詳細な利子所得についてのあれがあります。そして源泉徴収税額というのは、五十四年度は九千九百五十四億の源泉徴収税額があったと言っております。そうしますと、大体一割ぐらいの速度で伸びていっておりますから、五十五年、五十六年、五十七年と推定いたしますと、これは私はずいぶん伸びておると見ておるわけです。そうしますと、一千億円とか一千三百億円いままで財特臨特としてもらっておった交付税が、五十七年度は借金で後で見てやるということで一千億見られましたけれども、金額においても、一千億円ではこれは不十分な今日の措置になっておる。もっと金額は上がってしかるべきだと思います。ところが、それを今度はゼロにカットしてしまう、こういうことはもってのほかだ、こう申さざるを得ないのでありますが、大蔵大臣、そう思いませんか。
○窪田政府委員 この千億円につきましては、源泉分離課税が選択された利子所得等については住民税が課税されないこと、その他の事情を総合的に勘案して千億ということにいたしたものでございまして、そこはワンクッションあるわけでございます。 そもそも私どもの考え方といたしまして、特例交付金とそれから交付税特会での借入金、この両方はともに交付税総額を確保するための手段であって、究極の目的は交付税総額を確保するということにあるわけでございますが、そこは国の財政事情その他によっていろいろ検討いたしまして、その時点における適切な手段をとり、金額を決めるべき問題だと思っております。そういうわけで総合勘案をいたしまして、千億ということにいたしたわけでございます。
○細谷委員 余り時間がありませんが、昨年、私は大蔵大臣と一時間、交付税の性格論をやったのですよ。ところが、いまのあなたの言葉を聞きますと、交付税の総額は地方財政が困らないように見てやるんだ、額さえ固めればいいんだなんと、こういうような認識では困るわけですよ。量と質、それから交付税の性格、こういう問題がありますけれども、きょうは時間がありませんから去年の確認の上に立って議論をしておりますから……。 そこで、もう一つこの問題で。大蔵大臣は、三月十八日の衆議院の大蔵委員会で社会党の平林委員の質問に対して、全法人のうち大体半分近くが欠損法人だ、その欠損法人も、考えてみると貸し倒れ引当金とか退職給与引当金とか価格変動準備金とか、たくさん資産を持っている、こういうことなんで、この所有資産とかあるいは資本金というものを対象にして応分の負担をしてもらいたい、こういうふうに大蔵委員会で答えております。この真意はどういうところにあるのですか。とにかく取れる税金は何でもかんでも国税として取ってしまえ、みそもくそも一緒だ、こういう考えなんですか。この真意が私はわかりませんので、お聞きしておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は、国税として取れという意味じゃないのです。赤字法人といえども配当している法人もあるわけです。いままで積立金がいっぱいある、ことしだけ不景気だったためにともかく黒字になれなかったが、利益積立金から配当だけは続けよう、しかし法人税は一円も払わない。しかしながら、そういうふうな法人でもピンからキリまでうんとあるわけです、何百億という会社でも法人税を払わないのもあるわけですから。しかし配当はやっておる。そういう人が、法人税は払わないわ、今度は住民税も払わぬわ、均等割だけだわ——均等割はごく小さいのですね、何百万なんという均等割はないと思いますから。 そういうことで、社会的にいろいろ貢献もしているかもしれないけれども、公共団体からいろいろめんどうも見てもらっているわけだから、そういうのは住民税の均等割というものについて、何かもう少し研究してもいいんじゃないかという趣旨のことを私は申し上げたのです。ちょっと低過ぎるのではないかという意味のことなんです。
○細谷委員 この問題につきましては、今度の国会の重要な問題でありました一兆円減税、その中における地方税の三千億円減税の重要な当て財源として、この均等割の問題が取り上げられていることは御承知のとおりであります。大蔵大臣も申すように、私も幾つかの例を知っているのです。たとえば一万人以上の従業者を持っておるところが、利益がございません、したがって法人税も納めません、法人税割もありません、あるのは均等割です。私の知っているときには均等割は四千円でした。その後五十年代に入りまして、法人均等割について一番高いところで府県の税金均等割が二十万円、市町村の場合は八十万円と百万円まで行っているようでありますけれども、おっしゃるように、なおこの問題については現実妥当な数字に変える必要があろうと思います。これを国税とすることについてはいろいろ問題がありますので、この税がどうあるべきかということについては、税は国税だけでございませんで全体の三五%は地方税であり、地方団体もまた今日その税源の充実を願っておるわけでありますから、十分な配慮をしていただきたいと思っております。 私はもう一つ準備してきたわけでありますけれども、時間が来ましたから、しり切れトンボになりますが、与えられた時間が過ぎましたので、私の質問をここで終わっておきたいと思います。
○中山委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 地方交付税の審議をいたしますときは、一度は必ず大蔵大臣が地方行政委員会においでになって、このように審議がなされるわけです。昨年を思い起こしたわけでございますが、昨年は地方交付税の性格について、大蔵大臣の御認識といいますか理解が少々違っていたというような大議論がなされた記憶がございます。最終的には、現在では国税三税の三二%が地方交付税であって、その地方交付税というものは地方公共団体の固有の財源、自主財源であるんだということで理解が改まって、委員会が正常化された記憶を持っておりますが、いまさらそれを蒸し返すつもりはございません。そういうことでございましたねということを前提に、いまから質問をしていきたいと思うのです。 と申しますのは、最近、臨調等で地方交付税の問題がいろいろと論議され、三二%の交付税率は高いのではないか、低いのではないかといろいろと議論をされている。その背景には、いま地方の財政は豊かになったんじゃないか、こういう認識があるやに、これはマスコミ等の報道で知る限りでございますけれども、実はいまそういう印象を受けているわけです。 そこで初めに、大蔵大臣の地方財政の現状認識について、どのようなものであるかをお尋ねしてみたいと思うのです。というのは、特に昭和五十七年度の地方財政の計画を見ますと、財源不足を脱出してとにかく収支均衡という形になってきたわけですね、御承知と思いますけれども。しかしながら、昭和五十年度から五十六年度までは毎年大きな財源不足を生じてきて、今回、五十七年度の地方財政計画では収支均衡した、財源不足がなくなった、こういうことになっておりますために、あるいは地方が裕福になったんじゃないか、こういう認識が間違って流れていっているのではないかという心配がございますので、この点について大蔵大臣のお考えをお尋ねしておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 地方団体も非常に大変だと私は思います。思いますが、この財源不足のお話については、いまの御説のとおりでございますし、国の財政事情と比べてまだ地方の方が恵まれているということを申し上げたわけであります。
○大橋委員 そうしてみると大蔵大臣も、地方の財政は豊かなんだなというお考えなんですね。これはやはり考えを改めてもらわねばならぬ。 確かに、給与のラスパイレスを見ると高いところがあったり、多少の問題はありますね。ありますけれども、昭和五十年度から五十六年度の財源不足に対する手当てといいますか措置は、交付税の特別会計から大幅に借り入れたわけです。それから、財源対策債等も大幅なものになっていて、現実的には、地方財政全体的には四十二兆円という借金が重なってきて、いよいよその償還の時期が目の前に来始めているわけですね。 この五十七年度は、償還時期を繰り延べたりなんかして、何とかかんとかつじつまを合わせて収支均衡ということになっているわけでございますが、そういう意味から、安易に地方は豊かになったんだという考えで、いま言われるような地方交付税率を引き下げるというようなことは絶対あってはならぬ。もし地方交付税率を下げるというならば、国の財源と地方の財源の均衡を図った上で、総合的な立場の中で、交付税率はこの程度でいいんじゃないかということであれば理解します。ただ単に、いま言うような裕福になったんじゃないかという安易な考えでの交付税率の引き下げについては、断固私は反対いたしますし、また大蔵大臣も、そういういままでの認識は改めていただきたいということを申し上げます。それについて。
○渡辺国務大臣 冒頭申し上げましたように、地方財政が豊かになったなどということは私は言っておりません。なかなか大変ですねということは申し上げておる。国と比べた場合の比較の話をしておるわけでございます。 国と地方との役割り分担、仕事の分担、どういうふうにこれを整理をするか。仕事でお金がついているわけですからね。ですから、ともかくそういうふうな仕事の分担、役割りも決まらないで、交付税率を下げろとか、そんな暴論を言う気は毛頭ありません。仕事の役割り、分担が決まった中でどういうふうにするかというときはまた別な新しい話、それは御説のとおりだと思っています。
○大橋委員 大蔵大臣のその御決意を信頼しておきます。 そこで、先ほども論議されているわけでございますが、五十六年度の税収不足が大変な額になるんだということを、きのうの大蔵委員会で大臣の答弁がその内容を示唆したということが各新聞に報道されておりました。中には、約二兆円程度になるのではないかという金額まで示してきたわけでございますが、先ほどの大臣の答弁を聞いておりまして、仮に現状の成長率で行けばあるいはそういうことになるかもしれませんというお話でございまして、これは実際に六月ないし七月にならないと最終的な結論は出ないわけでございますけれども、予測としては、これは厳しいなということは大臣もおっしゃっておりました。公式な発言と実際の思いというものは別ですとおっしゃったように、厳しいものがある。 私は、その内容をここで論ずる気持ちはございません。むしろ、もうすでに五十六年度の地方交付税は地方団体に交付されて使ってしまったのですね。その後で、いま言う一兆円か二兆円かの大きな財源不足が出てきて、先ほどの議論の中でも、その中で地方交付税関係は幾らになるのかと。決して低い額じゃございませんね。そういうことになりまして、結論的には昭和五十八年度の一般会計予算で精算がされるということのようでございますけれども、その際、地方負担、地方にすべてしわ寄せされるような形での措置というものは理解できません。先ほども、地方財政に支障のないように、自治省とよくお話し合いして対処するというお話でございましたが、どうか地方財政に厳しくしわ寄せするような、負担をおっかぶせるような姿での形にならないようにお願いしたい。これは要望でございますが、いかがでございましょうか。
○渡辺国務大臣 これも先ほどお話ししたように、国と地方というのは車の両輪でございますから、国民からすればどっちも自分たちのものでございます。ただ、仕事とか何かの分担が違っておるというだけのことじゃないか。ですから、私はよく話し合いをして支障のないようにやっていきたい、そう考えております。
○大橋委員 先ほどからずいぶんと論議がなされてきたわけでございますが、五十六年度の地方財政計画は最終的には大幅な歳入欠陥、成長率の見込み違いといいますか、落ち込みからそういうことになりまして、大きく崩れたわけですが、その上に立って五十七年度の地方財政計画が組まれているわけですね。もともとその土台となるべき五十六年度の財政に大きく穴があいたわけでございまして、その上に立てられた五十七年度の地方財政計画も大きく連動して狂ってきたという認識で私は間違いないと思うのですね。しかも、五十七年度に用いられております経済成長の率、名目で八・四%、実質で五・二%、こうなっておるわけですが、これが五十七年度の地方財政計画の基礎になっているわけですね。 ところが、これは民間団体のあらゆる調査機関が、こんな高い数字はとても出てこない、政府の経済の見通しは甘い、非常に甘過ぎる、こういう見方をしているようでございます。その民間団体、幾つもそういう調査機関があるわけでございますが、その中で特に一番厳しく見ているのは、実質成長率を三・一%、名目で五・三%ですね。そうすると、確かにこれは余りにも違い過ぎているわけですよ。 そういうことで、もうすでに五十七年度も二兆五千億円程度の税収不足が出るのではないかなと、いろいろと報道がなされております。したがいまして、恐らく私もそうではないかな、こう感ずるわけでございますが、そういうことになれば、五十七年度中に減額補正がなされるであろう、これは仮定の話になりますけれども、そう思うわけです。 しかし、いまの地方公共団体は、もう五十七年度の地方財政計画に計上された地方交付税総額によってそのスタートを切ってしまったわけですね。そこで動いているわけですよ。その年度途中で減額補正がされて云々ということになれば、非常な不安が出てくるわけでございますが、まあ仮定の話ではございますけれども、仮にそういう状態になった場合、自治体の財政運営に支障を与えないという立場から、交付税の当初計上額を保障する措置を講じます、それをここで大臣にお約束をしておいてもらいたいという思いがするのですが、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 まだ五十七年度の予算が通過したばかりで、これから執行しようという段階でございまして、関連法律もまだ上がっていないというような状態でございます。その段階で私が補正予算の話をすることは適当じゃない。しかし、万々一の場合は、それは国と地方の間柄でございますから、よく話し合いの上、支障のないようにやってまいりたいと思っております。
○大橋委員 まずそういう減額補正は間違いないだろう、これは鈴木内閣の政治責任にも関連していくほどの重大な問題になると思うのですけれども、いずれにしてもそういうことになった場合に、いま申し上げましたように、交付税の当初計上額を保障する、自治省と話していくというお話でございますけれども、問題はその額を保障することが大事なんですから、その上に立っての自治省との話し合いをしていただきたい、これを強く要望をしておきます。これは後で、いまの問題についてお答えを願いたいと思います。 そこで、話をずっと角度を変えますけれども、内閣の使命といいましょうか、これはまず国益を増進せしめていく、国益を図って、そしてわが国を平和に、しかも国民の生活を安定せしめていく、福祉社会を実現していく、これが私は内閣の基本的な使命であろう、こう思うのです。 当然責任ある行財政がなされなければなりませんし、国民の信頼を得ていかねばならぬわけでございますが、そういう国の行財政計画というものは、大蔵省の役人さんあるいは経済企画庁の役人さん、こういうところにいる役人さんたちは、もう秀才の中の秀才だと聞かされておりますが、またそうでなければならぬと思いますね、日本の行財政をつかさどっていく計画を立てなければならぬわけですから。ですから大蔵大臣、鈴木内閣と表裏一体、一心同体で進んでいっているわけだと私は思うのです。 ところが、新経済七カ年計画、これは五十四年八月に閣議が決定した内容でございますが、昭和五十四年度から六十年度の七カ年の経済計画の青写真を示されたわけですね。これは鈴木内閣が閣議決定した、しっかりした内容になっているわけでございますが、この計画がもうがたがたですという意味の答弁を大臣もなさいまして、まあがたがたという言い方はよくないかな、大幅に見直さねばならない状況になっておりますと、素直にお答えになっていたのを私は拝見しました。 また、実を申しますと、毎年毎年大きな歳入欠陥、財政運営に政府の見通しがずいぶんと違ってきたのが最近幾らもあるわけですね。そういう失政が続発しているわけでございますが、たとえば多額の歳入欠陥があった、大幅な税収不足が出てきた、ああそれは単に見込み違いでありました、私はこれだけで済むのだろうかな、こう思うのですね。もしそれだけで済むようだったら、内閣の使命も何もあったものじゃないじゃないか、こう思うわけです。 従来、現実に先ほど大臣もおっしゃっていました、毎年毎年見込みと実際の実績がぴたっと一致することなんてめったにないのですよと。大幅なときには、税収不足が二〇%を超したときもありますという話があっておりましたが、そういうときに、大蔵あるいは経企庁の官僚の皆さんはやはりすばらしい知恵をお持ちですから、いろいろな工夫をなさるわけですね。そしてすべてが、まあ名案といいますか、ウルトラCも使われて、とにかく、その場その場で何となく処理されていくわけです。たとえば、国債を大増発してみたり、赤字国債を発行してみたり、それから法人税の年度区分の変更等をやってみて、まさにウルトラC的な対策をなさったりして、つじつまをきちっと合わせていかれるわけですよ。これはみごとだと思うのですよ。結局、だれも痛くもかゆくもないわけですね。 私は、これを見ていったときに、おかしいなといつも思うのです。そして、そうした経済の見通しの過ち、財政運営の失政のしわ寄せは、全部国民大衆の方にしわ寄せがいくわけですよ。そして国民の方からは、何という政治なんだという政治不信がつのっていくわけですね。だから、鈴木総理が財政再建に対して政治生命をかけられた、昭和五十九年度までには赤字国債発行から脱却しますよ、もしそうならなかったならば私の政治生命をかけて責任をとりますとまでおっしゃった、これはみごとな総理の決意だと私は思うのですよ。しかし、その決意は決意として、対処は別だぞと言われると、これはまた問題になるわけでありますが、もうすでに五十六年度の補正予算のときに三千七百五十億円の赤字公債が発行されたということになったわけですね。 そこで、お尋ねしたいことなんですが、五十六年度の歳入欠陥の穴埋め措置としてまた官僚の皆さんが考え出したことは、決算調整資金あるいは国債整理基金から繰り入れて何とか穴埋めしていこう、これが昭和五十三年にできたのですか、まさにすばらしい知恵だと私は思うのですね。毎年毎年何かかんかあって、その都度国会に補正予算というかっこうで出していくと、うるさいチェックがあるし、それよりも、こういうことで歳入欠陥が処理できるような何かを考えようじゃないかといって出てきたのが決算調整資金の法律だと私は思うのですけれども、これはどんなものなんですかね。大臣、そういう考えから官僚の皆さんが考えついたものじゃないでしょうか。どうなんですか。
○渡辺国務大臣 それは、いまのように急激に経済事情が変わるという場合、年度を越してしまったら補正予算の組みようがないわけですね、年度をもう越してしまっているわけですから。そういうような場合も想定をして、そういう制度をこしらえてあったということでございまして、特別に他意はなかったんじゃないか。頭がいいと言えば頭がいいでしょうが、それ以上のことは別にないと思います。
○大橋委員 確かに、決算のそのときにならないと実際の姿は見えませんよね。だけれども、一般の株式会社にしろどんな団体にしろ、三月決算の前には、少なくともその前年の十二月の末には、決算見込みというものを、実績見込みということで予想を立てるわけですね。これを立てなかったら進まないわけですから、手が打てないわけですから。だから、国の全体的な財政の動きも当然わかるはずなんですよ。わからなければおかしいはずなんです。ましてや優秀な、秀才中の秀才ばかりが集まっている大蔵省、あるいはそういう企画庁の皆さんですから、これが見えぬはずがない。 しかし、三千七百五十億円程度なら赤字国債発行しても、野党のみんなもまあまあということで留飲を下げるのではないか。このときに一緒に、いま言われたように二兆円が重なってそれが発行されたとなったら、もういまの鈴木内閣はないと私は思うのです。政治責任をとらせられていると思うのです。ですから、この決算調整資金による措置というものは、これは私は、役人さんも頭がいいし、それを決算見込みのときに明らかにしなかった大蔵大臣もすごく政治的だと思うのです。本当ですよ。頭がよ過ぎるということですよ。 ということは、実際、今度五十六年度でもう二兆円ほどの赤字がいまから出ますよ、それは決算調整資金で整理しますけれども、それだけでは足りぬから基金の方からまた繰り入れますよと。ところが、このお金はいわゆる借金ですからね、形の変わった赤字国債発行と同じですから、しかも五十八年度には整理をしなければならぬ、つまり短期赤字国債発行と同じことだと私は思うのですよ。しかも、それは国会の厳しいチェックを受けなくともいいのですよ。五十八年度、こうこうこういう事情だからこういうことにしますので御承認願います——もちろんわれわれは賛成はいたしませんけれどもね。いたしませんけれども、自民党さんの多数でそれが通っていく姿になると思うのですね。そうした、補正予算として計上されたわけではなくて、国会の厳しいチェックも逃れられる、政治責任もそんなに問題にならぬだろうというような、安易なものだと私は思うのです。 いま言うように、五十八年度の一般会計予算でこの借金払いをしなければならぬわけですが、これは国も地方も同じことだとはいうものの、いま私は地方行政委員会のメンバーの一人ですが、地方自治体に絶対にこういう失政のしわ寄せを持っていっていただきたくはないという立場でお尋ねしているわけです。 そこで、最終的にはこうした経済政策、行政の失敗の責任は一体どうなるのだろうか。先ほど言いましたように、これは見込み違いでした、ごめんなさいということだけでは済まされぬと私は思うのですけれども、それも含めてお答え願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 日本の経済も世界的なシェアになって、世界の経済と密接な関係があるわけです。したがって、どこかの国で失敗すると直接もろに日本がかぶる。早い話が、ポーランドで騒動が起きただけで日本の円がどんと安くなる。これは日本の責任でも何でもないわけですね。それぐらい実際は関係がある。まあ、アメリカにも学者もいるし、イギリスにも有名な学者がみんないます。政治家もみんな、インフレと失業をつくりたいと思っている政治家はいないでしょう。しかしながら、現実の問題としては、急激な石油の値上がりというものを消化できないというと、ああいうような事態になってしまう。日本は、幸いに国民の英知と努力によって、そういうような世界の中では失業も一番少ない、物価も一番安定しているという状態になったわけです。 この経済の見通し、なかなかどこの国でもむずかしいんですね。OECDなんかもいろいろな経済見通しを発表するけれども、まず当たらない。日本だけじゃない。したがって私は、責任がないとは決して言わない、責任はありますよと言うけれども、当てることは非常にむずかしい、これも現実のことなんです。したがって、やはりそういう現実に対処してどうやっていくのがいいか、みんなで知恵をしぼってやっていく必要がある。国と地方といっても、これは国民からすれば同じものですからね。地方も自分たちのもの、国も自分たちのもの。ただ、そこではやっている仕事の中身が違うとか仕事に分担があるとかいうことだけですから、国民の方から見れば対立するというのではなくて、それはお互いに有無通じ合って、話し合って、どっちも助け合ってやっていくということじゃないか、国民から見ればそうだと私は思います。だから、そういうことでよく話し合いをしながらやってまいりたいと思います。
○大橋委員 では最後に一言。 いま、不公平税制の是正という立場からグリーンカードの実施が具体化されようとしてきた段階だったのですが、最近いろいろなところで賛否こもごもの意見が飛んでいるわけでございます。総合課税の立場から不公平税制の是正をやろう、こういうことでございますけれども、これはやはり地方財政の方にも大きな影響がかかってくる問題だという立場から、大蔵大臣のお考えはどうなのかなということを聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は法律の執行者でございます。法律と憲法を守るというのが大蔵大臣の立場でありますから、法律が決まっている以上、法律どおりにやるということであります。
○大橋委員 終わります。
○中山委員長 青山丘君。
○青山委員 最初に、大蔵大臣にお尋ねをいたします。 これはけさの新聞ですけれども、「五六年度の税収不足額 二兆二千億円に 大蔵省推計」こういうことで報道されておるわけです。先ほど来の質疑と若干重複するかもしれませんけれども、今日のこういう事態を大蔵大臣としてどのように受けとめておられるのか、最初に御所見を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 非常に心配をいたしております。
○青山委員 いま大蔵大臣は、心配をしておるという御答弁でございました。 実は、私はここに二月三日、二月前の衆議院予算委員会の議事録を持ってきておりますが、藤田高敏委員の質問の中に「私の言っておるのは、税の弾性値を一・二あるいは政府が一・四七だったら四七、非常に高いものをとっておる。こういう審議をするにしても、そこへ入れないというのですよ。五十六年度のこの予算において今後どういう歳入欠陥が生まれるのか、全然生まれないかによって、五十七年度の予算に重大な関係を持つのですよ。」ということで、歳入欠陥についての質問があります。その中で福田主税局長が「繰り返して申しわけありませんが、五十六年度の税収としては、補正後としては、見積もりとしては正しい。また、その前提に立って五十七年度も予算の基礎の数字がわれわれは正しいということでございます。税収は私が責任を持って見積もっておりますので、見積もりでございますので、どうなるか、これはいままで振れがございます。しかし、その見積もりの責任は私にございます。」こう答弁しているのですね。 藤田委員は、私は役人にそんなことを言っているのではないということから、「私の問うておるのは、責任論の問題では、そういう事態が起こった場合には大蔵大臣がどういう責任をとるのだ、内閣の責任はどうなるのだということになるのでね、ああいうよけいな答弁をさすこと、委員長おかしいですよ。」こう言っておるわけです。その後大蔵大臣の答弁に、「それは、部下が責任を持つものは大蔵大臣が責任を持つのはあたりまえでございますから、それは見積もりについては、見積もりというのは非常にむずかしいのですという話を先ほどから前の例も挙げて言っておるわけです。」ということから、また藤田委員の質問があって、その次の質問ですが、「責任を持って後のやりくりをやる、財政調整資金でやるのか決算調整資金でやるのか、そういうことを言っておるのじゃないのですよ。そういう鈴木内閣の財政再建計画に重大な支障を与えるような見通しのそごを来した場合の政治責任の問題ですよ。どうですか。」とただしたときに、大蔵大臣は「結論が出てから、私がしかるべき責任をとります。」こう述べておられます。その後藤田委員は、総理大臣に聞いておられるわけです。 ちょうど二月前、似たような質疑の中で、大蔵大臣に責任をおとりになるのかという質問が出ています。そのときに、私がしかるべき責任をとると答えておられますが、そのしかるべき責任とはどういうことでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは、しかるべき責任でございます。 前例もたくさんございますから、いままで見積もり違った例というのはたくさんございまして、みんないずれもしかるべき責任をとっております。
○青山委員 しかるべき責任ではよくわからないのですが、具体的にはどんなことなんでしょう。
○渡辺国務大臣 これは日本語でありまして、適切なと訳しますか、適切な、そのときに応じた責任ということだと思います。
○青山委員 これはたとえばいつごろまでに、具体的にこういう責任をとるというお考えがいまおありでしょうか。
○渡辺国務大臣 私は、いつでも責任を持って仕事をいたしております。したがって、何月何日にどういう責任なんということは考えたことはありません。
○青山委員 いや、歳入欠陥が生ずるということについて、そういうことはありませんというやりとりの中で、もしそういう事実があればしかるべき責任をとる、こう言って大蔵大臣答えておられるわけですね。これは政治責任です。ですから、ああ、そういう事態は来ないであろうけれども、もし来たら、これは大蔵大臣が腹を切って辞職をされるのかと実は私は見ておったわけです。そういうお考えはありますか。
○渡辺国務大臣 私は、歳入欠陥が起きれば、行政上支障が来しますから、支障が来さないように、責任を持って解決をいたします。
○青山委員 それは歳入欠陥が起きれば、行政に支障が起きないように努力をしていただくのはあたりまえの話です。恐らく、またこれは藤田委員自身が問題にされるのかもわかりませんけれども、こういうやりとりを聞いて国民は、相当な決意で大蔵大臣が臨んでおられると思って当時信頼をしておったわけです。ところが現実には、二兆二千億といえば相当な歳入欠陥を来す。先ほどのやりとりでは、地方交付税について四千六百億くらいの歳入欠陥があるかもしれないというやりとりがありました。地方行政にとって大変重要な事態ですけれども、地方行政だけではなくて、鈴木内閣の財政の責任者として大蔵大臣がとられる責任というのは、いまおっしゃったような具体的な措置、たとえば財政調整基金だとかそういうものではないというふうにやりとりしているのですよね。だから、いまのような御答弁ではちょっとおかしいと思いますが、どうでしょう。
○渡辺国務大臣 これは前例がたくさんあります。上は二〇%、下も二〇%、毎年五%から一〇%の間ぐらいの振れは、〇・九ぐらいのことも一、二度ありました、ありましたけれども、大体そういうようなことになっておりますので、額の大きさ、予算規模が五十兆円のときと十兆円のときと、同じ一〇%でも、十兆円だと一兆円で済むし、五十兆円になれば五兆円、開きができるわけですから、金額だけでなくて、数字のパーセンテージの問題もございましょう。だから、そういうような政治責任という問題で追及をされれば、そのときの政治情勢による、こういうことじゃないでしょうかね。
○青山委員 だから、具体的に政治責任をどうおとりになるかということを尋ねているわけです。
○渡辺国務大臣 それは、そのときにならなければわからないということです。
○青山委員 それでは、歳入欠陥がはっきりした段階で政治責任をおとりになる、こういうことでしょうか。
○渡辺国務大臣 政治問題というのは、政治の話でありますから、これは、そのときの政治情勢によるということであります。
○青山委員 限られた時間で、こんなやりとりをしておりますと、大蔵大臣にもっとたくさん質問を持っておってあれですから、大体大蔵大臣の心中を私なりに察した、こういうことで先に進みたいと思います。 大蔵大臣は、五十六年度には当初見積もりに比べて数%の歳入欠陥が出るということを公式に表明されましたが、この歳入欠陥によって、五十六年度の予算をベースにしておるところの五十七年度予算における歳入不足の可能性もまた強くなってきておると見るべきであります。これらの歳入欠陥には、当然国税三税のはね返り分としての地方交付税分が含まれるわけですが、いずれも国が税収見通しを誤っておる、その結果生ずることになったものであって、その補てんについては、方法はいろいろあると思いますけれども、地方財政に支障を生じないように措置されなければならないと考えております。そういう意味で現段階で、地方財政に対して大蔵大臣が支障を生じないようにやりましょうと言ってくださるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 それは、先ほどから言っているように、国も地方も国民のためにあるわけでございまして、地方が仕事に支障を来すということは困ることでございますから、国が支障を来しても困るし、地方団体が支障を来してもちぐはぐになってしまう。したがって、これはお互いに助け合って、そうして支障のないようにやっていきたいと思っております。
○青山委員 大臣の言われること、よくわかります。政治は別に政府のためでもない、これは国民のためのものです。私たちの政党のためではない、国民のためのものですから、国の政治も地方の行政も円滑にやっていっていただきたい。 ただ、私がお聞きをしたいのは、地方財政に歳入不足が生ずる可能性が非常に強い、こういうときに、大蔵大臣として、いや心配しないでくれ、こういう強い決意を聞かせていただきたい、こういうことでございます。
○渡辺国務大臣 それは、自治大臣とよく相談をしてやりますから、心配しないでいただきたいと思います。
○青山委員 今回の地方財政計画について、昭和五十七年度の国の予算というものが、地方へ負担を肩がわりさせる形で編成されたものだと私は受けとめております。五十七年度予算は、本来一般会計から交付税特別会計に繰り入れるべきである二千九十八億円を資金運用部に肩がわりをさせて、そうすることによって生じた一千百三十五億円の剰余財源を減額留保するという措置をとっております。こういう措置は、事実上の赤字国債発行に等しいと私は思いますが、大蔵大臣の御見解はいかがでしょうか。
○窪田政府委員 私どもは、地方団体に交付する交付税総額を必要なだけ確保するためにいろいろな工夫をいたしたわけでございまして、地方団体にしわを寄せたとかそういう考えはございませんし、また、これが赤字国債のかわりだというふうなことではないと思っております。
○青山委員 大蔵省、五十七年度は自治、大蔵両省の折衝によって財源不足が解消されたというふうに受けとめておられるかと思いますが、中長期的な地方財政は国同様に依然として厳しいという認識に立っておられると思いますが、大蔵省としての受けとめ方はどうか。ことし均衡がとれたということによって、地方財政の健全化が図られたと受けとめておられるのかどうか、お尋ねいたしたい。
○窪田政府委員 地方団体全体といたしましてはまだ借入金も多うございますし、交付税特会の借入金も残っておりますし、地方財政が完全に健全化されたというふうには考えておりませんが、ことし財源不足がゼロになったということで、健全化の方向に一歩を進めたものと考えております。
○青山委員 健全化の方向へ一歩というのは、ことし、五十七年度からではなくて、数年前から財源不足を何とか圧縮していこう、抑制していこう、こういう努力をやってきているわけですね。大蔵省もそういう意味では、五十六年度の大蔵、自治大臣折衝の経過の中では、五%の地方交付税率を上げてほしいというわれわれの考え方をそれなりには理解してくださったが、多額の赤字国債を抱えておるからむずかしいんだ、こういうことのようでしたね。地方財政の将来も私はそうたやすいものではないと思っております。 大蔵大臣、お帰りいただきましたので、簡単でいいです、大体大蔵大臣はいつも一言二言言われるだけですが、言われたことをもう一回聞くなとおっしゃらないで、地方交付税は地方の固有の財源であるということで、大蔵大臣は昨年の当委員会で発言されておりますが、その見解はいまも変わらないのかどうか、私から質問させていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 昨年の四月十五日に私が答弁した気持ちと、少しも変わりません。
○青山委員 固有の財源であるということになりますと、一つの考え方でこれは重要だと思うのですけれども、その性格を明確にするためには、法定額分は一般会計を通さないで国税収納金整理資金からストレートに地方交付税特別会計に繰り入れる、こういうふうにするべきだと私は思うのですけれども、大蔵大臣の御見解はどうでしょうか。
○窪田政府委員 交付税を特別会計に直入せよという御議論がかねがねあることは、私どもも承知いたしております。地方制度調査会の答申でございますとか、あるいは国会の決議等にもあったことも承知しておりますが、ただ、その趣旨は、おっしゃったように地方の固有財源であることを明確にせよということかと思います。 しかし、私どもの方の立場からいたしますと、これは国の予算制度に非常に大きな影響があるものでございますから賛成いたしかねるわけでございます。歳入面で申しますと、所得税とか法人税とか、こういう国の基本的な税が一目でわかるように一般会計に載せておいた方が、所得税負担あるいは所得税の制度というものを考える場合にいいのではないか、あるいは歳出面におきましても、いまの形の方が国と地方の財政関係をより明確に示せるのではないか、こういうことを考えるわけでございます。 さらに直入いたしますと、地方財政にもいろいろ技術的に大きな影響が出てまいります。たとえば、交付税の交付時期がいまのとおりできるであろうかとか、歳入欠陥のような場合にどうなるかとか、いろいろな問題がありまして、やはりこれはにわかに踏み切れない問題であろうかと思います。いまのような困難な財政事情のもとでは、国と地方の両方の財政をあわせて考えまして、支障のないように考えていくという方が適切なのではなかろうか、こう考えております。
○青山委員 大蔵大臣に、昨年の四月十五日にわが党の部谷委員の質問に答えていただきまして、私どもが主張しておる第二交付税、これを実施すると、道路の好きな町長があらわれたり農業の好きな町長があらわれたりして、合理的な行政がなかなかできないという意味の発言をしておられます。現在の補助金制度について幾つかの弊害が出てきておる、縦割り行政のために他の省庁との脈絡を持たない、また、それぞれの予算枠で決めてきておる、また、補助金の指定が非常に厳しい、あるいは得るための事務量が膨大である、陳情行政が続いてきておるというようなことから、建設関係の補助金を一括して第二交付税として交付したらどうかという提案があるわけです。私どもしているわけです。その答えの中に、いまのような御答弁のようですが、いまもその点は変わっておりませんか。
○渡辺国務大臣 私も、この補助金制度が非常に細分化をして手間その他が大変である、何とかこれをもっと合理化、効率化ができないか、この趣旨については賛成なんです。したがって、できるだけメニュー化方式とか、同じようなダブっているものの補助金はまとめてしまうとか、そういうことは極力やれと言って各省庁にもお願いをいたしております。 ただいまのなには、たとえば河川補助金として一本一本にしないで一本で出してしまったらどうだ、あるいは道路補助金ということにしたらどうか、簡単に言えばそういう趣旨でしょう。しかし、それが県道あり町村道ありいろいろあるわけでございますから、その町として見れば県道なんかよりも町村道をいっぱいやりたいと思う人がいるかもしれない。しかし、国の交通政策という点から見て、車の込みぐあいとか、町の隅っこを走っているがいろいろな点から見て、県としては県道の方を優先的にやった方がいいとか、いろいろむずかしい問題があるようでございます。 何を基準にして道路補助金とか河川補助金とかするかといっても、結局は個々の個所づけがわからぬと優先度というものが決められない。ただ川があるからというだけで、川の面積とか長さとかだけで補助金を出して、あんたのところは幾ら、幾らというわけにもなかなかいかぬだろう。いろいろむずかしい問題があるようです。私は、個別案件はわかりませんが、むしろこの質問は農林省とか厚生省とか、そういうところに実態に即して聞いていただいた方が、私から聞くよりも理解が得られるのじゃないかと思います。
○青山委員 大蔵大臣、第二交付税の使い道によって各市町村長の姿勢がなるほど変わっていく、こういう趣旨の発言が去年あったわけです。それはそれで、私理解できます。しかし、現行補助金制度においてもずいぶんの矛盾があるわけです。 たとえば、ちょっと見てください。写真の手前の広い方を見てくださるとわかりますが、圃場整備事業の補助金で整備されております。一本の道路でございます。向こう側の集落に入りますと道路が昔のままの道路で、これは建設省管轄ということになるでしょう。一本の道路でも現行補助金制度は、非常に広くてきれいにびしっと整備されておる道路と、集落に入ると途中からとんと急に細くなって昔のあぜ道の幅そのまま、こういうことですね。ですからそういう意味では、こういう現状を大臣どういうふうに受けとめておられるか。時間がありませんので、これが一つ。よろしいですか。いま見ていただいた写真の感想をぜひ伺いたい。 それから、いま大臣の方の答弁の中にもありました統合メニュー化、現行の補助金制度が縦割り行政の弊害を直していかなければいけないということで、補助金行政の改革を進めていかなければならぬのですが、統合メニュー化は現在同じ省庁の中の補助金でしか行われていない。この意味から、第二交付税を導入して補助金行政の抜本的改革を図るべきではないかと私は思いますが、大蔵大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほど私が申し上げましたようなことによって、第二補助金ということについては、いま賛成はいたしかねます。 それからただいまの写真の感想でありますが、これは私、聞いてみなければわかりませんが、片方は圃場整備でやったからりっぱな道路がどんとできている、片方は町道か何かだから小さくなっている。恐らくこれは減歩か何かで出したのでしょうね。減歩してみんな土地を出し合って圃場整備をやった。片方は人家、集落ですから減歩というようなわけにいかない、それから費用もうんとかかる。片方は家が一軒もないというようなことで、あるいはできたんじゃないだろうか。それを道路の補助金を一本にしたからといって、たんぼの中に道路をつくる場合と集落地に道路をつくる場合とでは、やはり難易の問題がかなり違う。なかなか集落地で減歩で出させるというのは、都市計画か何かで押せ押せ方式というのはあるようですが、そういう問題との絡みもありますから、一概に補助金を一本化すれば幅の広い道と細い道が解消するという筋合いのものでもないだろうと思います。
○青山委員 いま大臣の答弁がありましたので、私はこれでやめようと思ったのですが、ちょっと理解の仕方が違うと思うのです。地方行政が主体となりまして自主財源が確保されたことによって、地域の総合的な整備が地方団体においてできる。ところが国の縦割り行政だもんですから、こちらの補助金がつかないでこちらの補助金だけついたという場合は、こちらだけ整備されてこちらが整備できない、こういうことが幾つかあるわけですね。ですから、そういう点で、地方の時代とこれから言われるわけですけれども、地方の自主的な総合的な地域整備計画の中で、地方の自主的な判断で地域整備をさせていくためにも、首長の姿勢はなるほどあるでしょうけれども、総合的な整備から見れば、第二交付税で地域に整備計画を任していくということがこれから好ましいと私は考えるわけです。最後に大臣の御見解を聞かしていただいて、終わります。
○渡辺国務大臣 一長一短だと私は思います。したがいまして、こういうふうな実務面の話は、むしろ実務担当の各省から聞いた方が納得がいくのではないか。ただ、補助金の手続がめんどうである、零細である、そういうようなものについては解決をしなければならぬので、メニュー化、効率化ということについては一層推し進めていく必要がある、その点では私は同意見であります。
○青山委員 質問を終わります。
○中山委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 交付税の問題については午前中に質疑をしましたので、私は、きょうここに大蔵省あるいは国税庁もお越しになっておりますから、同和団体の申告に対する違法な減税の問題についてお尋ねしたいと思うのです。 この問題は、従来からしばしば取り上げられておるわけでございますが、これに対して政府の見解というのもいつの場合でも一致しております。 たとえば、五十四年の五月九日の衆議院の決算委員会で、米山国税庁次長がおっしゃっておりますのは、「特別の団体について特別の取り扱い、特に課税上の特別の取り扱いというようなことは一切すべきでないと考えておりますし、また、してないと考えております。」これが国税庁の次長の答弁であります。金子大蔵大臣も同じ日に答えておりますが、「税法の前にはすべての人が平等であるべきで、執行官庁の手によって特別の控除が行われるようなことがあってはならない」とおっしゃっております。 五十年の三月に、これは衆議院の大蔵委員会でありますが、磯邊国税庁次長がおっしゃっておりますのも同じ趣旨です。「私たちも、法の前の平等という憲法の大原則の例外とか、あるいはそれを否定するという気は毫もございません。」同じ五十年の二月に、これは衆議院の予算委員会でありますが、横井国税庁直税部長がおっしゃっておりますのは、「御質問の同和控除というのが、法律、政令等にあるかどうかということでございますが、そういう特別の控除は、法令上認められておりません。また御質問でございますが、私ども、そういう同和控除というふうなものを認めておるということでもないということを申し上げておきたいと思います。」そこでわが方の東中議員が、制度上ないものを認めておったら違法だということかとただしましたら、横井直税部長は、「おっしゃるとおりでございます。」違法であります。こうお答えになっておるのであります。 また、これも同じ予算委員会でありましたが、横井直税部長が、「私どもは、同和控除というふうなことでございますとお認めするわけにはいかないと思うのでございます。」「同和控除という名目で、経費がないにもかかわらず経費を控除するというふうなことでございますならば、適法あるいは適当ではないということでございます。」こういう答弁が行われております。当時は大平大蔵大臣でありましたが、大平さんも同様の趣旨のことを述べておるのでございます。この政府の見解というものは、もちろん今日におきましても変わるところはいささかもないと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
○吉田(哲)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま、当時の大蔵大臣あるいは国税庁の幹部の発言を引用されまして御質問になりましたが、国税庁の課税に対する考え方は、いま先生が御指摘になりましたもろもろの答弁と全く変わっておりません。すべての納税者に対しまして適正に税法を執行していくということが基本的姿勢でございます。
○三谷委員 ところが、この同和団体の申告に対する税の減免というものは、一般的に普遍的に行われております。従来これをただしましたときには、そういう所見をお述べになりましたけれども、私どもは実態が明白でありませんから、さらに突っ込んだ質問はできませんでしたけれども、今日私ども調査いたしまして、そういう事態が随所にあるということを確認しておるのでございます。たとえば、今次の北九州市の土地転がし問題がありましたが、これの税の課税などにしましても決して適正なものではありません。 そこで、四十三年の一月三十日に大阪の国税局長と運動団体、これは部落解放同盟でありますが、それから同和の企業団体、これは大企連と言っております。これとの確認書がございます。この確認書に基づいて国税庁の長官通達が出ております。四十五年の二月十四日であります。 この通達を見ますと——この確認事項といいますのは七項目ありまして、たとえば租税特別措置法の法制化、同和控除ですね、これの法制化に努める。それができるまでの措置としては、局長権限による内部通達によってそれに充てる。それから企業連、いま申しました大企連でありますが、大阪の場合大企連、これを窓口として提出された白、青色を問わず、自主申告については全面的にこれを認める、こういうことでございます。同和事業については課税対象としない、こういう確認事項七項目ありますが、いままではそういう確認はしていない、それは単に団体側の要望にすぎないものである、このようにおっしゃっておりました。 ところが、この確認事項に基づく減税措置というものは、随所で行われておるということでありまして、これはそういう特別な措置を受けた納税者の自白、それから元の税務職員の証言などによりまして、次第にその実態が明らかになりつつあるわけでございます。私は、きょうここにわかりましたものを幾つか持ってまいりましたが、これは全部その関係の申告書類と税務署の措置文書でございます。これはどのように行われておるか、時間がありませんから、これを一つ一つ読み上げて申し上げることは避けます。 しかし、これはプライバシーにもかかわりますから、固有名詞などは全部省略しますが、このうちで代表的なものを引き出しまして引例しますならば、A氏という方があります。このA氏は五十五年三月の申告によりまして、長期譲渡所得約五千六百万円を自主申告をしたのであります。税額が約二千万円強であります。ところが、これは申告はしましたけれども払えなかった。そこで滞納処分、差し押さえが行われました。そして、これを徴税官におきまして処分にかかろうとするときに、七月になってからでありますけれども、大企連という判を捺印した再申告書が出てきたのでございます。この書類は一連のものがここにございます。七月の申告でありますから、期限内申告をしておりませんから、一〇%の加算税がつくはずであります。 ところが、再申告をしまして三日後に、加算税の不徴収決議をしておるのでございます。本税の減免はありましても、こういう加算税の減免などというものはあり得ないことでありますが、これが再申告をしまして三日後におきまして、加算税不徴収決議書というものがつくられております。そしてこの捺印をしておりますのは、担当者は除外している。つまり担当職員にタッチさせない。統括官と副署長と署長、国税徴収官、四人の捺印によりましてこれが不徴収になっておる。しかも、不徴収の理由は何一つ明らかにされていない。不徴収にした場合にはそれなりの理由が記載されるべきでありますけれども、記載をされていない。こうういう状況になっておるのでございます。 そうして、加算税は不徴収になりましたが、本税はどうなったか。本税の納税者索引簿が申告書類つづりから消えてしまったのであります。要するに署長が管理をしたのであります。そうして、本税も理由不明のままで徴収されておりません。同時に、地方税の方もそういう状態でありますから、市民税の所得割は徴収不能になって徴収はされておりません。こういうような事案がここにあるのでございます。 それからもう一つ、B氏という方があります。このB氏は、五十六年三月に自主申告をしております。これも土地譲渡所得約六千万円であります。譲渡益が五千五百万円とされております。申告税額が約千二百万円であります。そこで、これも申告はしましたけれども、納税をしない。七月に差し押さえをしたのであります。ところが、五十六年の十二月に大企連を通じて更正の請求が行われました。それから三日後に、理由もなく納税額ゼロという更正決定がなされておるのでございます。 つまり、五十五年の十二月に土地を譲渡して譲渡益が五千五百万。五十六年三月に申告をする。五十六年七月に差し押さえをする。五十六年十二月にこの判をついた書類が出てきた。そこで同じ十二月に更正決定、全免になってきている。判を一つづきますと、実にこれは全く神通力を示しておるのであります。理由も明らかにしないままで、税のゼロ減免が行われておるのであります。これも理由が不明でありまして、係員の起案がありません。課長と副署長と署長、この決裁でこれが決められております。担当職員はタッチしておりません。そうして、これは市民税の所得割はもちろん徴収はできません。市の方では大変な不満を持っておるわけであります。 それからもう一つ、Cというのがあります。これは五十五年の三月に申告をしました。農地長期譲渡所得、約五千五百万円であります。申告税額は約九百万円であります。しかし、これは税務署が更正決定をしました。更正決定をしましたのは、本人の申告では、農地の譲渡に係る特例を主張しておりましたけれども、これはB農地ではなかった、C農地でありましたから農地に係る特例は適用できないとして、更正決定を税務署が打ったのであります。そして特例の非該当でありますから、申告税額は九百万円でありましたけれども、税務署が決定しました税額は約二千百万円であります。既納分に約千二百万円増額したのであります。過少申告加算税が約六十万円であります。 ところが、これがまた五十六年の二月になりまして、大企連という印の更正請求書を出してきた。そこでまた税額を約一千万円強減額、ぽかんとやった。九百万円はすでに申告納税したわけでありますから、あとは百余万円で完済、こういうことになる。 それから、数え上げますと切りがありませんからもう一つくらいにしておきますけれども、D氏という人がおりますが、このD氏というのは五十六年三月に申告をしたのであります。長期譲渡の耕作金であります。これは羽曳野市が陵南の森という総合福祉施設をつくりますのに土地を買い込んだわけでありますが、その際・耕作者に対して耕作金を払ったわけであります。この長期譲渡の耕作金が四千万円払われております。そこから必要経費二百万円を引きまして、特別控除を三千万円として、課税所得額八百万円、税額にしまして約百六十万円の申告をしてきたのであります。 しかし、これも三十三条の租税特別措置が不適用になったわけであります。つまり、これは公用地として買いましたけれども、収用したわけではありませんから、都市計画法による措置をとっておりませんから不適用となりまして、更正決定によりまして課税所得額が三千八百万円となったのであります。税額もふえまして七百六十万円程度になるわけであります。ところが、これがまたこの団体の交渉によりまして、三千八百万円の課税所得を二千八百万円で修正申告したのであります。理由もわからずに一千万円減額であります。そして、この修正を是認しているわけであります。 こういう事態があちらこちらで起きておりますから、ここに行って判をついてもらえば税金は払わないで済むというのが地域の共通の認識になっている。しかも、これらの方たちは対象地域とは関係ありませんよ。一般の農家であり一般の農業者でありますけれども、この同和団体の判をついてもらえれば、それで減免が行われるあるいは免除が行われる、こういう状態が出ておるのでありますが、こういう事態に対して国税庁はどうお考えでしょうか。 私、申し上げますけれども、これは単に偶発的なことではない。そして、国税庁は絶えずそんなことはありません、こう言っているんだ。しかし、従来から同和関係の方の申告は国税庁で一括して受け入れをする。この分はもちろん末端の諸君にはわかりません。約三年とおっしゃっている。しかし、いま申しましたのはその分ではない。つまり、一般の方が地域の税務署に申告をして、税が払えないあるいは税が高いというので、こういう団体の捺印を受けて、そして免税になるあるいは減税になる、こういうことが公然と行われている、こういうことがあっていいでしょうか。しかも、これはあなた方御承知がないとは考えられない。かなり大規模にやっているわけであって、そして主にこれを取得するために署長の管理のもとに置かれている申告書が非常に多いのであります。そういう点から考えて一体どうなんでしょうか、お聞きしたいと思う。
○吉田(哲)政府委員 いまいろいろ先生の方で、資料をもとにされまして御質疑があったわけであります。私ども、その内容については存じておりませんが、冒頭に申しましたように、これは租税法定主義のもと適正執行をするというのがわれわれ国税庁の立場でございますから、法律の根拠なくして、法律に反するような取り扱いができないのは当然でございます。一般の申告書の処理の仕方、事後処理、事後調査、そういったものについても、特に私どもはこれを変えるという扱いはしてないわけであります。 ただ、いわゆる同和関係の方の課税につきましては、これも先生御承知と思いますけれども、国税庁長官通達が四十五年に出ておりまして、その中で、今後とも実情に即した課税を行うということは言っております。しかしながら、実情に即した課税というのは、超法規的なものであってはならないということは当然であろうと思います。したがいまして、特定の団体のグループに入っていることを理由にして、あるいは特定の団体を経由することによりましてそういうような扱いが行われるとすることは、これは非常に問題であろうと思います。 私ども、課税の公正ということにつきましては、常日ごろ各局署に言っておりますけれども、さらに今後とも十分念を入れていきたい、かように考えております。
○三谷委員 これは、間違いもなく税務署における公の文書であります。そしてここには、署長その他担当者の捺印もあるわけであります。そして内容が、いま申し上げましたようなものでございます。そして、いま幾つか例を引きましたけれども、まだこれだけ後に指摘すればあるのであります。私どものようなところにでもこの程度の資料が入ってくる。それほど普遍化した違法な減税が行われておる。 そうしますと、どうですか、私が先ほど指摘しましたように、答弁の中でもおっしゃっておりますけれども、そういうやり方、そういう税の扱い方は違法であるということになってまいりますが、そういう違法な処置をとっている税務署の署長やあるいは副署長、統括官、これは一体どうなるのか。背任罪になるわけですか。そこら辺はどういうことなんですか。
○吉田(哲)政府委員 私ども、その申告書の中身を存じておりませんので、一般的な答弁になると思いますけれども、先ほど申しましたように、法律に規定のない特別の減免といったようなものが税の執行上認められないことは当然でございます。私ども、いわゆる同和関係のいろんな課税問題につきましては、十分慎重を期し、また、地域の実情を酌んで課税するようにということは、長官名でもって各国税局、各税務署に指示しております。しかしながら、法律に反するような取り扱いを認めているわけでは決してございません。 そういう意味で、いま御質問ございましたけれども、私は、署の幹部がそういったことをやっているということはにわかに信じがたいところでございます。なお、その課税の処理が、署長とか統括官とか一部の者によって行われておるということは、これは事案の性格上ままあり得ることでございまして、ただそれだけでもって、処理がすべて問題がある、疑問があるということにはならないのではなかろうか、かように考えております。
○三谷委員 そういうことはあり得ない、あってはならぬことだ。しかし、実際にはこれがかなり普及しているということも事実だ。私どものところに、十通余りのそういう不正な処置に対する書類が来ているわけでありますから、これは少なからずそういうことが行われておるということがわかるわけでございますが、いま私はここで幾つかの事例を引用しましたけれども、こういう処置がとられます背景というものももちろん存在しております。 私どもの選挙区の中の税務署でありますが、この判をついた申請書から加算税延納金を徴収したというので、統括官が団体に呼び出されて終日軟禁、糾弾されるという事態が起きております。これも遠い昔のことじゃありません。そして翌日、総務課長と統括官が出かけていって、平身低頭して謝罪をしてくる。そしてこの原因、つまり加算税延納金、これは署長預かりになって、そのままお蔵に入ってしまっている、こういう事例もあるのであります。それから一般の納税者の所得調査、所得額が隠されておった、こういう事案が出た場合、この団体の領収書をもらってきて出せば、それで所得調査は打ち切られる、こういう事例も出ております。 それから、最近は申告をゼロにするのは、だんだんとふえてきますし、この問題が関心を集めてまいりましたから、ゼロにするのは適当にとどめて、申告したものは一般徴収課では扱わずに、徴収も同和関係は署長が直接管理をする。そして、署長が命令をして納税の督促をした、そういう記録をつくる。とどめる。そして、徴収不能という状態に持ち込んで、滞納処分の執行停止を行う、こういう手法も最近は少なからず行われておるということが言われております。 ただ、御承知のように、今日、税務職員がこういう不公正、不平等、乱脈な税の扱いについては、不満やふんまんを示しておりますけれども、何といいましても税務職員が退職しました後、税理士になって国税局のお世話になる、そういう税務署との友好関係というものが必要でありますから、なかなか内部告発はむずかしいということを、退職した税務署員がしばしば漏らしておるのでございます。こういう事態になっておるわけでございますが、これについて、こういう事態そのものを私は詳しく調査してほしい。 会計検査院がお越しになっておりますが、こういう事案についての会計検査院の所見と今後の対策、これをお聞きしたいと思う。
○平原会計検査院説明員 先生のお示しのような事態は、私どもの検査におきまして把握しておりませんけれども、私どもも、法律の規定によらないところの不当な租税の減免というようなことがあってはならないとかたく考えております。私どもの租税検査は、国税の賦課徴収が法律に基づきまして正当に行われているかどうかにつきまして、税務官署の書類を検討するということによって実施しているわけではございますけれども、先生のただいまの御指摘の点を念頭に入れまして、今後とも検査の実を挙げるように努力してまいりたい、かように存じております。
○三谷委員 私は、この個人名を出したりするのは避けたいと思いますが、会計検査院が検査をされます便宜上申し上げますならば、このDと言いますのは、これは羽曳野の総合福祉センターをつくります土地売買に絡む問題でありますから、そう申し上げますと、税務署もおわかりだと思うのです。 それからもう一つお尋ねしますが、東大阪市に意岐部小学校というのがあります。この小学校の用地を公用廃止をしまして、地主のE氏でありますが、七百坪のこの公用廃止をした土地をさらに東大阪市の土地開発公社に売り渡したのでございます。そうして契約書を見ますと、四億八千二百七十六万円という契約書ができておりますが、このあっせんに入りましたのが運動団体であります。本人が手にしましたのは三億数千万円であって、差し引き一億五千万円ほどが手に入っていない。要するに土地転がしです。北九州市で頻繁に行われました土地転がしが、ここでもこういう形で出てきているということであります。ただし、そのかわりに税の減免を条件としておるわけであります。 そこで、この取引は五十六年八月でありまして、この所得の申告はことしの三月の申告になるわけでありますが、この申告がなされておるかどうか。何と申しましても四億八千万、約五億円の取引でありますから、これが申告をされないままで済まされておるとなりますと、これまた変わった手法による脱税になってくるわけでありますから、これも調査していただきたいと思います。 いま申し上げましたいろいろな諸点につきまして、私どもの方で説明が必要なものについては説明をさしてもらいます。しかし、秘匿しなければならぬ部分もありますから資料を全部出すわけにはいきませんけれども、こういう状態について全面的な点検をしてもらいたいと思うのです。それについて、大臣どうでしょうか。御所見をお聞きしたい。
○渡辺国務大臣 私は、いま初めてそういう話を聞きまして唖然としておるわけであります。しかしながら、実態がどうであるかよくわからないので、皆さんの方から具体的な資料を御提供いただくならば、われわれはそういうものも放任をしておくというわけにはまいりません。やはり、社会正義の確保ということは政治の上で大事なことでありますから、いかなる団体であろうとも差別をするわけにはまいりません。国税庁長官によく申し伝えておきます。
○三谷委員 時間が来たようですからこれで終わりますが、幾つかの例を挙げました。この例だけではないのであって、国税庁がこの問題を本当にしっかりと監視をして是正するという観点にお立ちになりますならば、容易にできるものであることを御指摘申し上げまして、質問を終わります。
○中山委員長 田島衞君。
○田島委員 大変長い時間でお疲れのことだろうと思いますから、できれば時間を短縮して終わりたいと思いますので、御答弁もひとつ率直、明快にお願いをいたします。 せっかく大蔵大臣お見えですから、大蔵大臣にお伺いをしてみたいと思うのです。 地方交付税制度というものが、最近の実態から見るとほとんどその存在の意義を失いかけてしまっている、これはもう私がくどくど言わなくてもおわかりだろうと思うのです。地方団体の一般財源の不足が交付税総額と著しく異なっている。しかも、それが一年や二年、二年や三年ではない、もう大変長い間ずっとであります。ところが、交付税法六条の三では、そのような状態が数年続く場合には法の制度の改正または税率の引き上げをする、こうなっているのですけれども、それはやっていない。そこで、たびたびこの問題を取り上げておるわけですけれども、確かに交付税そのものは自治省の管轄するところでありますが、その制度の見直し、税率の見直し等を可能にするためには、どうしても大蔵の理解がなければだめだと思うのです。 そこで、現在置かれておる交付税制度というものが健全なあり方であるか、そうでないと考えるか、改めて大蔵大臣の率直な認識を伺ってみたいと思います。
○窪田政府委員 五十年度以降非常に著しい地方財源不足が続きましたので、交付税率の変更というふうな基本的な制度変更にかわる暫定的な特例措置を続けていることはそのとおりでございますが、これは石油ショック以後激変した経済環境に対応した現実的な対処方法であると考えております。つまり、先ほどからたびたび出ておりますように、国も地方も財政運営に支障を来さないようにいろいろ工夫をこらしてやっているところでありまして、そういう意味では交付税制度の基本的な変更ということではございませんが、しかし、こういう経済情勢のもとではやむを得ない措置ではないかと思っております。
○田島委員 私は大蔵大臣に聞いておるので、ほかの人に聞いているわけじゃない。この問題は、現に大変むずかしい問題だけれども大変素朴単純な問題で、何も石油ショックのどうのこうのなんという理屈を聞きたくて取り上げているわけじゃない。だから、大蔵大臣からどのような認識を持っておられるかを聞きたいのです。渡辺さんが大蔵大臣であろうとどなたが大蔵大臣であろうと、できるものはできる、できないものはできない。だから、そんな無理なことを言おうと思っているのじゃないのです。ただ、そのことを認識されておるかどうかということを聞いているわけなんで、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 ただいま窪田次長から答弁をされたように認識をいたしております。
○田島委員 そのような認識では、大蔵大臣の認識としては大変欠けると思います。たとえば、私が言ったように、どういう理由があろうとも数年以上——数年というのは大体どのぐらいだと聞いたところが、三年だ。いままで答えられたところからすれば数年どころではない。もう数々年にわたって、とにかく交付税制度というのは大変不健全な形になっている。普通だったら当然、そのための条文があるんですから、六条の三で制度の見直しをしなければならぬ。あるいは税率の引き上げをしなければならぬ。ところがしてない。それで相変わらず借入金や基準財政需要額の起債振りかえですか、に頼ってやっておる。この形は不健全だと思うのです。 だから、不健全だと思いませんかと聞いておるのに、窪田さんはそうは言っていない。やむを得ないと言う。そうしたら大臣もそれと同じだと言う。それじゃ少し大臣情けないんじゃないですか、そんな認識では。不健全じゃありませんか、これは。当然のあり方ですか。これはもちろん大蔵省管轄のことじゃありませんよ。先ほど言ったように、なぜ大蔵大臣にそれを聞いているかということは、この地方交付税法の改正、制度の見直しなり税率の引き上げなりを考えるためにはどうしても大蔵の理解がなければできないから、大蔵大臣に聞いておるわけです。
○渡辺国務大臣 いまおっしゃったように、本文ではあなたのおっしゃるようなことが書いてございます。しかし、現在のところ諸般の事情にかんがみ、新しく交付税法附則第八条の三という法律をこしらえて現在のようなことをやっておるわけですから、そういう法律を承認してもらってやっておるわけですから、便法だと言われれば便法かもしれませんが、私はやむを得ないものである、そう考えております。今後臨調答申等で国と地方との役割り分担というようなものがどういうふうに決まっていくか、そういうものがうんと変われば、変わった中での見直しということが行われることがあり得る、そう考えております。
○田島委員 附則があるからそういうふうにやっているんだと言うけれども、それはそうでしょう、附則もなしにやっていたらまるっきり違法の措置になりますからね。だけれども、本来附則というのは本則の後にできるもので、附則が先にできて後から本則ができるわけじゃない。本則でうまいこといかないから、そこがやはり政治、行政というものの便法で、逃げを打つ。その逃げの一つが附則ですね。だから、それはやはり本来あるべき姿ではないということは、これは認識してもいいと思うのですね。それをすぐ直せと言ったって無理なことはわかっているのですよ。だけれども、無理であろうとあるまいと、やはりいいものはいい、悪いものは悪いという認識は、常にお互いに持ち続けなければいけないと思うのです。それでなかったら直らない。だからそれを聞いておるのですけれども、どうですか。
○渡辺国務大臣 それは、本則で書いてあることがあるべき姿ですから、本来ならばそうありたい、しかし、現在のところやむを得ないので、そういうような附則を使っております、こういう認識でございます。
○田島委員 もう一つ。私は東京都関係だから言うわけじゃありませんけれども、現在、交付税制度の中で都道府県段階で不交付団体というのは東京都だけ。じゃ、その東京都、そんなに豊かであるかというと、そうでない。恐らく厳密な査定をしたら、東京都も交付団体になるんじゃないかと思うわけです、むしろ東京都という大都市なるがゆえに抱えている問題がいっぱいありますから。そうなるんじゃないかと思うけれども、もし、その唯一の不交付団体東京都が交付団体になったら、それだけでも交付税制度というのは成り立たなくなる。これ一つを考えても、やはりいまの交付税制度というのは、非常に不健全な形のまま放置されていると言ってもいいと思う。 そういうこととあわせて、今度は別の面から考えてみて、これも私がしょっちゅう口うるさく言うことですけれども、地方団体が担当しておる行政、そこに使っておるお金、財源というものは、国の租税総額の約八〇%ぐらいになっておるはずだ。だけれども、現実に徴収をしておるのは約三分の一ぐらい。ここにやはり、税財源の配分の問題を考えても、まるっきりそのパーセンテージを同じにしようと言ったってこれは無理でしょうけれども、もう少し調整をする必要があるんじゃなかろうか。そうじゃないと、地方自治の本旨というものは守られていかないんじゃないかということと同時に、また、いま問題にしておるところの交付税の不健全な姿を引き出す一つの要因にもなっている。だからこそ、大蔵大臣にだけ短い時間聞いておるわけです。 だからといって、いまの現実の国の財政事情等から考えれば、財源の配分をもう一回考え直せと言っても、あるいは交付税制度を抜本的に変えろ、あるいは税率を引き上げろと言っても、なかなか無理なことだとは思います。どなたがやっても無理なことだと思うけれども、だからといって、年じゅう交付税法の改正だ、やれ何だと言って、判こで押したように同じようなことを繰り返しているということは余りにも能がなさ過ぎる。少しぐらいは、たとえ半歩でも前進しなければ、担当者少し恥ずかしいと思うのです。 われわれ議会側だって同じだと思う。毎年毎年同じものをまないたの上にのせて、しようがないわなと言ってやむを得ず、賛成するか反対するかわかりませんけれども、賛成する場合もある、これじゃ情けない。そこで、まずその認識をお互いにぴしゃっと一つにしてみたい。した上で、決意を新たにしてできるだけ早い時期に、たとえ少しずつでも改善への道を探り当てていくという努力が必要なんじゃないかなと思って私は聞いてみたわけですけれども、それには、どうしても大蔵大臣の決断といいますか、大蔵省の理解ある協力がないとできない。その見通しといいますか、なかなかむずかしいことだろうと思いますけれども、どうでしょうかね。
○渡辺国務大臣 国と地方の役割り分担、こういうものについて、時代もかなり変わっておって何も国が口出ししなくたって、地方に任せたっていいのじゃないかというようなことが幾つかの問題として議論をされております。ちょうどいい幸いに、今回は行政改革を推し進める、地方においてもやはり国に準じてやっていただきたいということをお願いしておりますが、臨調の第二次、第三次答申等を通してそういう根本的な問題にメスが入るということになれば、それを機会に、当然仕事とお金というものはくっついているわけですから、どういうふうなものがいいのか、抜本的に臨調答申の生かし方と絡んで検討をしてみたいと思っております。
○田島委員 確かに大臣が言われるように、臨調の答申に対する行革の断行の時期は一つの時期だと私も思いますけれども、問題は、臨調の答申は間違いなく出てくるでしょうけれども、果たしてその答申に対応して本当にいまの政府が行政改革を思い切って断行できるのかどうなのか、このことについては残念ながら非常に大きな疑問を持たざるを得ない。いままでの経過を見ても、果たしてどの程度できるのか、大体やる気が本当にあるのかどうかということすら考えられるわけなんです。 だけれども、いま別にそのことを議題にしておるわけじゃありませんから横道にそれたくはないのですけれども、私は地方税というもののあり方の中で、大変乱暴な言い方かもしれませんけれども、いわゆる地方税の性格の原点というものは応益的なもの、したがって、所得がうんとあるからそれに応じてばんばか税金をたくさん取るということについては、公平のようで本当は公平じゃないのじゃないかということを考えておるわけなんです。その点が国税と地方税の違い。 したがって、国税の方は、やはり力のある者が応分の税その他のいわゆる租税負担をして、そして弱い者を一緒に引っ張っていくというのは大変いいことで結構だと思うのですが、国税にはそういうことが許されるけれども、地方税は本来からするともっと違った形での、いまみたいに税金を取りまくれというあり方ではなくて、税金の取り方そのものをもっと根本的に性格変更する必要もあるのじゃないか、それが本当の税の公平であり、地方自治の本旨にのっとるものじゃないかということを考えておるのです。そんなことを考えてみると、いよいよもって現行の地方交付税制度や税財源の配分等の問題は、大変大きな将来の問題をはらんでいると思わざるを得ないわけです。 そこで、無理は承知で聞いておるのですけれども、ことしどうだとかそうせっかちなことは言いませんけれども、交付税制度を、このままじゃいけないな、何とか大蔵としても理解と協力をして、交付税制度がより健全になるようにしなければいけないなということぐらい考えていてくれるかどうか。大臣、どうでしょうかね。
○渡辺国務大臣 理想的なものというのは、なかなか一長一短でやりにくいかもしれませんが、先ほど言ったように、地方自治のあり方、国と地方との仕事の分担の仕方等を抜本的に臨調で見直す、こう言っているわけでございますから、それを見直した段階において、当然それは金目との関係もございましょうし、そういう時期に見直すこともやはり必要じゃないか、私はそう考えております。 行政改革を本気でやるのか、できるのかというお話でございますが、本気でやる気がございますので、しかしながら議会の協賛を得なければ法律が通過しませんから、何分よろしくお願いを申し上げます。
○田島委員 行革の方も大臣一生懸命やられるというし、臨調の答申の時期に交付税法制度の問題その他も考えてみたいという大変前向きな御答弁でありますから、それはそれとして大変結構だと思いますが、本来行政改革一つにしても、臨調の答申を待ってやろうという姿勢そのものが大体だめなんですよ。臨調から答申が出たらやりましょうなんていうんじゃ、一体政府は何をやっているんだということになるんですよ。本当は、そんなものが出ないうちに、政府みずからどんどん行政改革を断行するぐらいの覚悟でなければ、できっこない。自分で先にやろうと思ったってなかなかできない。いわんや、よその方からこういうことをやれ、ああやれと言われたって、なかなかできないと思いますけれども、やると言うんだから、そのことに期待をして、私の質問を終わります。
○中山委員長 次回は、明九日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十二分散会