地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/02/09
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 この際、世耕国務大臣から、所管行政について説明を求めます。世耕国務大臣。
○世耕国務大臣 所管行政の当面する諸問題についての所信表明に先立ちまして、昨日のホテル・ニュージャパン火災につきまして一言申し上げます。 このような多数の死傷者を出した火災が発生したことはまことに遺憾であり、不幸にもお亡くなりになった方には心から深く哀悼の意を表する次第であります。 この不幸な事故を教訓として、今後さらに火災予防対策を講じ、死傷者の防止に努めてまいる所存であります。 委員各位には、平素から地方自治行政及び警察行政に格別の御尽力をいただき、厚くお礼申し上げます。 この機会に、所管行政の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。 〔地方行政、消防行政〕 私はかねてから、民主政治の基盤は地方自治にあると確信しております。わが国の地方自治は、戦後幾多の試練に耐えながらたゆみない発展を遂げ、国民の間に根をおろしてまいりました。しかしながら、最近における社会経済情勢の著しい変動は、地方自治の上に、また新たな課題の解決を迫ってきております。このような状況に適切に対応し、地域住民の福祉の向上と地域社会の健全な発展を図るためには、長期的な展望のもとに行財政改革を推進し、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが必要であります。 私は、このような認識のもとに、新しい時代に即応した地方自治の確立のためたゆまざる努力を続けるとともに、明年度における所要の地方行財政施策を講じてまいる所存であります。 以下、その概要について御説明をいたします。(地方財政) まず、昭和五十七年度地方財政対策について申し上げます。 明年度の地方財政の収支見通しにつきましては、歳入面においては、地方交付税の所要額を確保する等の措置を講じ、歳出面においては、地方単独事業費の規模の確保に配慮しつつも経費全般について徹底した節減合理化を行うこととすること等により、単年度ではありますが収支が均衡する見込みとなりました。 次に、このほど策定を終え、閣議決定を見ました明年度の地方財政計画について申し上げます。 明年度の地方財政計画についましては、引き続く厳しい財政状況にかんがみ、財政の健全化を促進することをめどとして、おおむね国と同一の基調によりながら、次の方針に基づき策定することといたしたところであります。 その第一は、地方税源の充実と地方税負担の適正化を図るとともに、地方交付税の所要額を確保する等により地方財源を確保することであります。 第二は、歳出全般について徹底した節減合理化を行いつつ、他方、地域住民の福祉の充実、住民生活に直結した社会資本の計画的整備と地域経済の振興、住民生活の安全の確保等を図ることとして、財源の重点的配分を行うことであります。 第三は、定員管理の適正化等により地方行財政運営の合理化を図るとともに、国庫補助負担基準の改善等財政秩序の確立を図ることであります。 この結果、明年度の地方財政計画の規模は、歳入歳出とも四十七兆五百四十二億円となり、前年度に比し二兆五千三十三億円、五・六%の増加となっております。 また、地方公営企業につきましては、その経営の健全化を図るため、引き続き交通及び病院事業の再建を推進するとともに、下水道等生活関連事業を中心に地方債資金の所要額の確保とその質の改善を図ることとしたほか、上水道事業及び下水道事業について、資本費負担を平準化するための地方債措置を講ずることとしております。(地方税) 次に、地方税について申し上げます。 ただいま申し述べましたとおり、明年度の地方財政は、単年度としては収支が均衡する見込みとなったのでありますが、経済の安定成長のもとにおいては、従来のように地方税の自然増収に大幅な伸びを期待することは困難であり、さらに昭和五十年度以降累積してきた巨額の借入金の返済等を考慮すれば、依然として厳しい環境に置かれていると言うことができます。このような事態に対処するためには、歳出の一層の節減合理化に努め、効率的、重点的な財政運営に徹することが必要でありますが、その努力とあわせ、生活関連施設の整備、住民福祉の充実等行政サービスの水準を確保していくためには、税負担の公平確保に努めつつ、今後とも地方自主財源の充実を図っていく必要があるものと考えます。 明年度の税制改正におきましては、このような基本的方針を踏まえつつ、最近における地方税負担の現状と地方財政の実情とを勘案し、地方税負担の適正化、合理化と地方税源の充実を図ることを基本として、住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ等住民負担の軽減合理化を図ることとするほか、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減、非課税等特別措置の整理合理化を図る一方、固定資産税、特別土地保有税等につき、市街化区域農地に対する課税の適正化措置等土地税制についての所要の措置を講ずることとしております。 また、基地交付金及び調整交付金につきましては、基地所在市町村の実情にかんがみ所要の額を確保することとしております。(総合的な地域振興策) 地域社会の健全な発展を図るためには、それぞれの地域の特性を生かしつつ、その総合的な整備を図る必要があり、そのためには、地方公共団体が主体となってこれに取り組むとともに、国においても積極的に協力する必要があるものと考えます。このため、過去十年余にわたり広域市町村圏の施策を推進してきたところでありますが、明年度はすべての圏域において新広域市町村圏計画に基づく事業が本格的に実施されることになります。そこで、その円滑な推進を図るため、明年度予算においては、広域市町村圏における各種行政サービスシステムの中心となる田園都市中核施設の整備に対する助成を初め所要の財政措置を充実することとし、地方の時代にふさわしい地域社会の整備を積極的に推進してまいりたいと存じます。 また、地域的な連帯感に支えられた近隣社会としてのコミュニティーの形成を図るため、コミュニティーにおける生活環境の整備、コミュニティー活動の促進など、その施策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 さらに、地域社会の均衡ある発展に不可欠な地域経済の振興についても、あわせてその対策を推進してまいりたいと存じます。(行政改革の推進と地方行政の充実) 行政改革は、今日における政治、行政上の最重要課題であり、国民の最大の関心事の一つでもあります。また、一方においては、住民生活に身近な行政に対する国民の関心と期待は一段と高まりつつあり、地方行政の果たすべき役割りはますます重要となってきております。 このような状況のもとで、今後行政改革を進めるに当たっては、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化を図るとともに、自主的、自律的な地方行政を実現し、地方分権を推進することを基本的な方向とする必要があり、また、地方行政の運営に際しては、最小の経費で最大の効果を上げることにより、住民福祉の向上に努める必要があると考えております。 このため、地方制度調査会の答申を踏まえ、さらには臨時行政調査会の審議の動向にも留意しつつ、国と地方公共団体との間の事務の再配分、国の地方出先機関の整理縮小、地方財政基盤の確立と国庫補助金等の整理合理化等についてその実現が図られるよう一層努力するとともに、地方公共団体における事務事業の見直し、機構及び定員管理並びに給与の適正化等を強力かつ計画的に推進するよう指導に努めてまいる所存であります。(公務員行政) 地方公務員行政につきましては、かねてより公務員秩序の確立と公務の公正かつ効率的な遂行に努めてまいったところでありますが、今後ともこの方針に基づき、公務能率の向上、厳正な服務規律の確立、正常な労使関係の樹立等を図るとともに、地方公務員の給与及び退職手当については、その是正を強力に進めることとし、特に給与水準が著しく高い団体等に計画的に是正措置を講ずるよう個別に助言、指導を行うこととしており、また、定員管理についても、その適正化を一層推進し、もって住民の期待と信頼にこたえるよう、さらに積極的に取り組む所存であります。 また、さきの国会におきまして成立いたしました地方公務員の定年制度につきましても、昭和六十年三月三十一日から円滑に実施されるよう地方公共団体に対し所要の助言、指導を積極的に行い、進展する高齢化時代の要請にこたえてまいりたいと考えております。(消防行政) わが国の消防は、戦後自治体消防として発足して以来、制度、装備等着実に充実強化されてまいりました。 私は、国民の生命、財産を火災を初めとする災害から守るため、今後とも人命尊重を最優先として、災害の複雑化、多様化に対応し、住民、事業所及び消防機関が一体となった安全な地域社会を実現するための消防防災体制の確立を効率的に推進してまいりたいと考えております。 まず、消防機関の施設、装備の重点的な整備を図るとともに、小規模消防、特に組合消防の基盤の強化に努めてまいりたいと存じます。 次に、警防、予防及び救急救助業務の高度化に対応して、これらに従事する消防職団員の専門的教育訓練の充実を図るとともに、消防職団員の処遇の適切な改善に努めてまいる所存であります。 また、震災その他大規模災害に備えるため、消防施設の整備と情報連絡体制の確立を図るとともに、危険物施設、石油コンビナート等に係る総合的防災体制の整備を推進してまいりたいと存じます。 さらに、地域における自主防災活動の拠点施設の整備及び事業所の防火管理体制を強化し、国民に対する防災知識の普及啓発に努めてまいる所存であります。〔警察行政〕 言うまでもなく、治安の維持は国家の基盤をなすものであり、一たん治安が乱れると、その復元は容易でありません。 私は、流動する社会情勢に的確に対応する警察運営の推進を図り、引き続き治安の確保に努めてまいる所存であります。 最近の犯罪情勢を見ますと、刑法犯の認知件数は昨年百四十六万件に達し、昭和二十三年、二十四年に次ぐ戦後第三位の発生となり、その内容においても、通り魔事件、金融機関対象の強盗事件、コンピューターシステムを悪用した犯罪、国際的な保険金目的殺人事件等の、いわば社会の変化を反映した新しい形態の犯罪が多発しております。 このような厳しい犯罪情勢に対処するため、警察は、さらに捜査体制の整備充実、科学器材を活用した捜査活動の推進を図るとともに、国際犯罪に対しては、外交ルートによるほか国際刑事警察機構(ICPO)を通じて、外国警察との捜査協力を一層推進してまいる所存であります。 さらに、民事事案への介入等一段と知能化、巧妙化の傾向を強めている暴力団に対しては、組織の根絶を目指した総合的な取り締まりを強力に推進するとともに、国民各層に蔓延し、さまざまな社会的弊害を引き起こしている覚せい剤事犯に対しても、その取り締まりを徹底するほか、覚せい剤を拒絶する社会環境づくりに取り組んでまいる所存であります。 少年非行は、ここ数年来増加傾向を示し、特に最近は、校内暴力事件や少年による通り魔事件等の凶悪粗暴事犯が続発するとともに、非行の低年齢化の傾向が進むなど、きわめて憂慮される状況にあります。 このため、少年非行抑止のための警察活動を一層強化するとともに、関係機関、団体とも連携を図りながら、長期的な展望に立った総合的な少年非行防止を推進してまいる所存であります。 次に、交通問題について申し上げます。 昨今の交通情勢は、運転免許保有者数の増大及び自動車台数の増加による大量交通化の進展に伴い、一段と複雑化し、特に交通死亡事故は、昨年若干減少を見たものの、交通事故発生件数は昭和五十三年以降増加を続け、年間六十万人を超える死傷者が生じるなど厳しい状況にあります。 そのため、警察といたしましては、国民各位の理解と協力を得つつ交通事故防止を図るため、第三次交通安全施設等整備事業五カ年計画、運転者対策等の諸施策を一層充実強化してまいることとしております。 なお、四千五百万人に及ぶ運転者の免許証更新時の負担軽減を図るため、更新手続の簡素合理化等の諸施策の推進にも鋭意努力してまいる所存であります。 次に当面の治安情勢でありますが、極左暴力集団は、引き続き新東京国際空港に対する反対闘争を当面の課題としながら、テロ、ゲリラ闘争への動きを強めており、また、陰惨な内ゲバ事件を敢行するおそれもあります。さらに、右翼の動向にも警戒を要するものがあります。警察としては、強靭な体制を確立し、法と秩序を破壊する暴力的行為の取り締まりの徹底を期す所存であります。 以上、警察当面の諸問題について申し述べたのでありますが、流動する社会情勢に的確に対処し、治安の万全を期すためには、警察体制の整備充実を図り、警察官の資質の向上を図ってまいることが肝要であります。このため、昭和五十七年度においては、緊急に体制の充実強化を要するものについて、地方警察官一千五百人の増員を行うこととしたいのであります。 また、警察官の資質の向上を図るため、警察教養の徹底と処遇の改善についてさらに配慮するとともに、警察職員の規律の保持並びに士気の高揚についても一層努力をいたし、もって国民の信頼にこたえてまいる所存であります。 以上、所管行政の当面の諸問題について、所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。(拍手) ————◇—————
○中山委員長 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。世耕自治大臣。 ————————————— 地方交付税法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○世耕国務大臣 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 今回の補正予算において、昭和五十六年分所得税の特別減税措置等によって所得税が減額補正されることに伴い、地方交付税においても、当初予算計上額に対して四百三十九億六千八百万円の落ち込みを生ずることとなってまいったのであります。 しかし、現下の地方財政は、すでに決定された地方交付税の総額を減額できるような状況ではありませんので、昭和五十六年度分の地方交付税について、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金を四百三十九億六千八百万円増額することにより当初予算に計上された地方交付税の総額を確保することとし、さらに、当該借入額のうち、昭和五十六年分所得税の特別減税による地方交付税の減百五十四億八千八百万円に相当する額の償還については後年度における償還額に見合う額を、残余の額については後年度における償還額の二分の一に相当する額を、臨時地方特例交付金として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることにより、地方財政の運営に支障のないようにいたしたいのであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○中山委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○中山委員長 ここで、消防に関する件について調査を進めます。 この際、昨八日のホテル・ニュージャパンの火災事故について報告を求めます。石見消防庁長官。
○石見政府委員 昨日発生をいたしましたホテル・ニュージャパンの火災につきまして御報告を申し上げます。 出火の日時は昨日でございますが、時間につきましてはただいま調査中でございます。 覚知をいたしましたのは、消防機関が一一九番によりまして三時三十九分に覚知をいたしております。 鎮火は、十二時三十六分でございます。 出火場所は、千代田区永田町、ホテル・ニュージャパンの九階宿泊室でございます。 出火原因につきましてはただいま調査中でございまして、最終的な結論はまだ見るに至っておりません。 損害につきましては、人的損害は、死者三十二名、負傷者二十八名ということに相なっております。 物的損害は、焼損床面積が四千三百八十平米であります。焼損いたしましたのは、九階が千九百二十平米、十階が二千四百四十平米、屋上二十平米であります。 建物の概要でございますが、耐火づくりになっておりまして、地上十階、地下二階でございます。建面積は五千二百八十七平米、延べ面積は四万六千六百九十七平米であります。収容可能人員は二千九百四十六名というホテルでございます。 消防用設備等の設置状況でありますが、法によります必要消防設備等の設置状況につきましては、消火器、屋内消火栓、二酸化炭素の消火設備、放送設備、避難器具、誘導灯、連結送水管、自動火災報知設備等は設置が終わっております。スプリンクラー設備につきましては、一部未設置であります。 過去の指導の経過でありますが、立入検査を東京消防庁は定例年二回実施をしてまいってきております。 その際の主な指摘事項といたしましては、スプリンクラーの設備の一部未設置ということ、それから防炎対象物品の防炎性能がないということを指摘してまいってきております。 指導書の交付でありますが、昭和五十二年以降四回指導警告書を発しておりますが、ホテル側は昭和五十二年以降改修計画を八回提出してまいってきております。 措置命令書の交付でありますが、ホテル部分にスプリンクラー設備の一部未設置部分がございますために、東京消防庁は昨年九月十一日付をもちまして、消防法十七条の四の規定に基づき、スプリンクラーの設備を設置するよう、履行期限をことしの九月十一日と定めました措置命令書を発しております。 なお、昨年五月から発足をいたしました防火基準適合表示マークは交付をされておりません。 それから、防火管理の状況でありますが、防火管理者、消防計画につきましては、東京消防庁の方に選任あるいは作成をして届け出済みに相なっております。 避難訓練は、東京消防庁の報告によりますと、五十五年は実施をいたしておりませんが、五十六年秋に一回実施をしておるという実績がございます。 消防隊の出動状況でありますが、出場隊数は、東京消防庁が百十六台の消防関係車両を出場させております。第四出場を命じております。ポンプ車四十六台、はしご車十三台、救助車八台、救急車二十二台、空気補給車六台、化学車四台、その他十七台の出場をいたしたわけでございます。 以上でございます。
○中山委員長 以上で報告は終わりました。 ————◇—————
○中山委員長 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本幸男君。
○松本(幸)委員 予算委員会の都合もございまして、大臣が提案説明だけでお帰りになってしまいましたのでちょっと残念でありますけれども、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、若干の質問をいたしたいと存じます。 議案に関する質問を申し上げます前に、ただいま御報告のありました昨八日未明、この議事堂のおひざ元といいますか、隣組のようなところで発生をいたしましたホテル・ニュージャパンの火災のことにつきまして、若干お尋ねをしたいと存じます。 まだ本格的な調査の結果等が出ておりませんから、後刻またこれに対する対策等については本格的な論議があると思われますけれども、ただいま報告がありましたような状況で発生をした火災、三十二名もの死者を出したという大変な火災であります。しかもこれが首都の真ん中で、国際的に与える影響も、宿泊者に外人等が多かったという関係もありますので、かなり大きなものがあるのではないかというように思うわけでありますが、いま御報告がありましたように、この施設については、建築基準法上もあるいはまた消防法上からもかなり欠陥があるということで、指導書が交付をされたりあるいはまた命令書も交付をされているということでございます。 御承知のように、四十八年でございますか熊本市の大洋ビル火災、あるいは四十七年の大阪千日前デパートの火災、さらに一昨年は川治温泉のホテルの火災等、こういった宿泊施設あるいは不特定多数が集まる場所の大規模な施設の火災が発生をしているわけでありますが、火災が発生した直後においては、いまも自治大臣から冒頭お話がありましたように、二度とこういったことは起こさないように厳重に指導もし、改善すべきものは改善させるということを言うわけでありますが、何か「のど元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉がありますけれども、しばらくたちますと、それらの改善の措置等について多少熱意が薄くなるといいましょうか、何となく忘れ去られるというようなことであります。 このホテル・ニュージャパンにつきましても、指導書が交付をされたりあるいは命令書も交付をされているわけでありますけれども、何かこういった改善命令が出されましても、改善措置が命令のとおりに行われているのかどうかということについての事後の十分な監視と言うと語弊があるかもしれませんけれども、指導というものが必ずしも十分ではないような感じがするわけであります。こういった改善命令等が行われなかった場合に、やはり消防法等でも規定をされております厳格な罰則の適用、こういったものも考えてまいりませんと、何か命令を出しっ放しで、命令を受けた側はほとんど改善措置をとらないというようなときに、これはどうしても罰則をもって臨む以外に方法はないと思うのでありますが、そういった点についてどのように考えておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○石見政府委員 今回のホテル・ニュージャパンの火災事故は、私どもといたしましてまことに残念なことだと存じておるわけでございます。 ただいま御指摘のございましたように、措置命令を出しまして、出しっ放しではもとよりこれはいけないわけでありまして、ホテル・ニュージャパンの例で申し上げますと、昨年の九月に、ただいま御説明申し上げましたように、措置命令を一年の期限を切りまして出したわけであります。ホテルの方でも、東京消防庁と十分連絡をとりながらやってまいっておりまして、実は東京消防庁からの報告では、この二月からいよいよ着工するというところへ来ておったようでありまして、九月を完成のめどにしてやりたいということで話が来たようであります。そのようなことが進められておりますやさきに、このような事故が発生したわけであります。 と同時に、これまでも、先ほどお示しにございましたように、川治のプリンスホテルの火災以後、私どもは全国消防機関に対しまして、旅館、ホテルの一斉点検をお願いをいたしまして、その結果を踏まえまして、少なくとも防火管理体制の充実、あるいはまた消防用設備等の設置あるいは維持管理の徹底という基本的な消防法に基づきます義務を履行することを強く指導いたしますとともに、このような措置に従わないと申しますか悪質な者につきましては、措置命令あるいは状況に応じまして罰則の前提となります告発というような措置を、ちゅうちょすることなくとるべきであるということを通達をいたし、各消防機関もこれまで努力をしてまいった状況であります。今後とも、このようなことが二度と起こらないように、私ども一層各消防機関に対しまして、一斉査察あるいは事後措置の徹底につきまして指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○松本(幸)委員 新聞等の報道によりますと、いまの報告にもあるわけでございますが、スプリンクラーが一部しか取りつけられていないとか、防火扉の設置も不十分であるとか、さらに非常ベルあるいは火災報知機、煙感知器、こういったような設備も有効に作動しなかったというようなことも報ぜられているわけであります。 御報告のように、このホテルは防火基準適合表示マークが交付されていない、こういうことになっております。スプリンクラーの取りつけ等については、かなり多額の費用を要する改善、改造だと思いますが、すでに取りつけられている非常ベルであるとか火災報知機であるとか、そういったものが作動しなかったということが言われているわけでありますが、そういった点については、すでに取りつけられているものでありますから、それが十分に作動するかしないかということについて、特に適合表示マークが交付をされていないホテル等についての査察というものは、これは設備がかなり完全である、十分であるというところは別といたしましても、こういうところについては十全の査察というものが行われなくちゃならないと思います。 そういった点については、これは所管は消防庁というよりも、直接のこのホテルに関する査察の責任というのは東京消防庁にあるんではないかと思いますけれども、そういった査察の体制はどのようになっていたのか、お尋ねいたします。
○石見政府委員 御指摘のように、消防設備は設置がされておるだけではこれは意味がないわけでありまして、緊急の場合に十分作動し得る性能を持っておること、あるいはまたそれに対する維持管理が十分できておることが当然のことだと思っております。 今回のホテル・ニュージャパンにつきましては、一応火災報知機は備えられておったわけでありますが、それが十分作動したかどうかということはまだ調査が済んでおりませんので、私どもまだ御報告申し上げる段階ではございませんが、十分な作動はしてなかったんではないかという疑いも持たれておるわけでございます。 で、ただいま御指摘ございました「適」マークの交付に際しましても、私どもは二つの区分に分けておりまして、一つは、そのような消防法に基づきますだけの設備が十分設置されておるかどうかということと、もう一つは、日ごろのそれに対しまする維持管理の状態、あるいはまた防火管理責任者の選定、消防計画の策定あるいは日ごろの避難訓練、誘導訓練等が十分なされておるかという、いわばハード面と申しますか設備の面とソフトの運用面とが両々相まって十分できておるというところでなければ、「適」マークは交付はしないという措置をとってまいってきているところであります。
○松本(幸)委員 質問は、そういった不適格なホテル等に対する査察の体制というものがどのように行われているかということをお尋ねしたわけでありますが、時間の関係もございますので、これはまだこれから調査が行われて、さらに本格的な対策が講ぜられるというように思いますので、もう一点だけ、ホテル火災に関連をいたしまして……。 これは、直接このホテルの火災との関連ではないわけでありますが、先日、五十七年度の地方財政計画というものをいただきまして、これを拝見いたしました。また、本日の大臣の所信表明演説の中でも、消防力の充実整備のことが述べられているわけでありますが、この地方財政計画によりますと、やはり「地方財政計画の策定方針」の中に、消防力の充実であるとか、自然災害の防止、あるいは震災対策の推進がうたわれているわけであります。 ところが、これらの方針を具体化する、実現するための予算の方を見てみますと、総額で二百七億ほどの予算の中で、これは行政改革、財政再建との関連もございましょうが、消防施設等整備費補助金というのが十四億七千二百万円削減をされているわけであります。これでは、大臣の所信表明演説やあるいは地方財政計画で消防力の充実をうたいましても、実際にこの施策を推進するための予算の方は削られているということでは、単なる文言だけであって、具体的な消防力の充実ということとは矛盾するんではないかという感じがするわけであります。 そういうやさきに、国会の目の前でこのような火災が発生したということは、これは頂門の一針とでもいいましょうか、あるいは一つは警告の意味もあるんじゃないかという感じがするわけでありますが、こういったことで果たしてこれからの消防、防火、防災、こういったものの施設を含めた体制というものが十全を期せられるのかどうか、この予算が削減されたことと消防力を充実するといううたい文句との関係についてどういう考え方を持っておられるのか、ひとつお尋ねしておきます。
○石見政府委員 昭和五十七年度の予算につきましては、御案内のとおり概算要求の段階におきまして、臨時行政調査会の答申を踏まえまして補助金につきましては一割削減という方針が打ち出されたわけでございます。もとより、消防補助金につきましても消防関係予算につきましてもこの例外ではなかったわけでございますが、私どもといたしましてはよく国庫当局ともお話をいたしまして、消防庁の所管に属しまする予算につきましては、全額で約二百七億円余りでございますが、昨年に比しまして七・五%の減にとどめていただくという措置をとったわけであります。と同時に、消防庁関係予算の九割近くを占めております補助金につきましては、八月の概算要求どおり満額認めていただいたというふうな状況になっております。 しかしながら、いま御指摘ございましたように、私どもこれでもって必ずしも十二分とはもとより考えておりません。この補助金につきましては、非常に貴重な財源でございますので、私どもといたしましては、五十七年度におきまして各消防機関の御要望の強い、しかも緊急度の高い小型の動力ポンプ積載車でございますとかあるいははしご車、さらには市町村の防災無線あるいはまたコミュニティー防災センター、このようなところに重点的に配分をいたしまして、市町村の御要望にこたえてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 なお、各消防機関におきましても、非常に財政厳しい折でございます。人的、物的にも最大の効果を発揮いたしますように、それぞれの消防機関の実態に応じて、その点についての十分の努力をしていただきますように、私どもことし初めから強くお願いをいたしておるようなところであります。 なお、五十七年度の地方財政計画におきまして、消防職員につきましては九百七十九名の増員を認めていただいたわけでありまして、これによって消防の常備化あるいは近代化も、人的な面でも重点的に進めてまいりたいというふうに考えておりますと同時に、交付税の基準財政需要額におきます消防費につきましても格段の御配慮を願いますように、ただいま財政当局といろいろお話を申しておる最中でありまして、今後とも引き続きそのような努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○松本(幸)委員 五十七年度の予算におきましては、財政再建の中で歳出のカットが行われているにもかかわらず、防衛費だけが七・八%も突出したものになっているということで、多くの批判も意見もあるわけでありますが、防衛費については国の安全、つまりは国民の生命、財産、こういったものを守っていくという目的があると思います。一方、消防につきましても、これはやはり同じように国民の生命、財産をいろいろな災害から守っていく、こういう使命があるわけであります。 消防につきましては、必ずしも防衛とは違って地方団体の責任というものもそれぞれある。したがいまして、国の予算だけで一概に論ずるわけにはまいりませんけれども、同じように国民の生命や財産を守っていくんだ、外国と発生するいろいろな自然災害等と異なりますけれども、目的は同じであるということで、そういった意味合いから言えば、防衛費に匹敵すると言うと少し言い過ぎかもしれませんけれども、同じような性格を持っている。国民の生命、財産を守るんだという意味合いではですね。そういうことでありますから、ぜひひとつこれからも消防関係の予算の充実について、増額について、せっかく御努力をいただきたいというように考えます。 それでは、提案されております議案に関連をいたしまして、若干の質疑を行いたいと思います。 今回提案されておりますこの地方交付税法等の一部を改正する法律案につきましては、御説明のように交付税の算出の基礎となっております国税三税が減収になった。国税三税千三百七十億円が減収になったことによって、いわば自動的に交付税が減額をする、こういうことでありますけれども、この減額された分については後で全額国が補てんする、こういうことになっているわけであります。 昨年は御承知のように、税収の増加に伴って地方交付税の増額が行われた。ところがことしはさま変わりで、国税のこういう減収に伴って交付税も減額しなければならない、こういう事態になってきたわけでありますけれども、こういう事態が生じた背景といいましょうか、今日の経済情勢、日本経済の現状、こういったことにつきまして、まず見通しを含めて御説明をいただきたいというふうに思います。
○宮島説明員 お答えを申し上げます。 第二次石油危機の影響によりまして世界経済が停滞している中で、わが国経済は比較的良好な実績を示しておるのでございますけれども、現在、わが国経済は、内需の回復の足取りは当初見込んでいたよりも緩慢なものとなっております。景気の動向には業種別、地域別、規模別の跛行性も見られております。こうしたことに加えまして、物価の予想以上の安定等もありまして、先生御指摘のように、五十六年度の税収は現在までのところ伸び悩みを見せておりまして、現時点で給与所得に係る源泉所得税につきましては、八百九十億円程度の減収は避けられないという判断をして補正減を計上したものと私どもは承知いたしております。 政府としてはこのような経済情勢にかんがみまして、内需の回復を図るために、昨年三月には総合経済対策を決定し、また十月には下期の経済運営の基本方向を定め、その着実な実施に努めてきたところでございまして、その結果在庫調整はほぼ終了し、生産活動も上昇してきております。それに伴いまして、所定外給与も増加しているというような現状でございます。今後、先般決定した経済運営の基本的態度のもとに、景気は着実に回復していくものと期待しております。
○松本(幸)委員 このことにつきましては、私は昨年十月のこの委員会におきましても同じような趣旨の質問をいたしまして、その際のお答えは、日本経済は緩やかな回復過程にあるということで、さらにいま御説明がありましたように、昨年十月二日の経済対策閣僚会議でありますか、決定した対策を講じていけば、景気がこれから徐々に上昇していくというような御説明であったわけであります。 これと関連して国税、地方税の収入見込みについても、その時点ではまだ上半期の状況しかわからないので、景気が徐々に上昇していけば国税収入の落ち込みも余りないのではないかというような御説明があったわけであります。 当時は年度の半ばでもございましたから、特に九月期の法人の決算状況を見なければ見通しがつかない、こういうお話でありましたので、私はそのときに素人考えながら、現状で下半期を見通した場合に、日本経済が徐々に上向きになっていくというような状況はないんじゃないかということを申し上げたわけであります。国税あるいは地方税の大幅な減収も避けられないのではないかというようなことも申し上げたわけであります。 そのことについては、その時点ではまだ将来の予測であるということでありましたので論争を打ち切ったわけでありますが、今日の時点で考えてみますと、やはり政府が言うように、経済対策閣僚会議等で講じた景気対策を実行していけば、下期には景気が回復をするというようなかなり楽観的なお話であったわけでありますが、現実の状況というのは御承知のように必ずしも期待したような景気の浮揚が行われていないという状況でありまして、先ほども申し上げましたように、昨年の場合には、国税が増収をして、地方交付税もそれに伴って増額をするというような措置が、昨年のちょうどいまごろでありますが、とられたわけであります。 ことしは御承知のような状況で、国税三税が落ち込んでしまったというようなことから今回のような措置がとられたわけでありますけれども、現状からさらに先を見通した場合に、今回国税三税のうち四百三十九億六千八百万円の交付税減額になりました基礎は、所得税だけが千三百七十億円減収をした。国税三税は、御承知のように酒税もあれば法人税もあるわけでありますが、そのうちの所得税だけが千三百七十億円減収になったので、四百四十億円の交付税減額をするということでありますけれども、果たして所得税減額だけの交付税減額で今後済むかどうかというようなことが危惧されるわけであります。 そうなった場合に、法人税等が落ち込んだといった場合にさらに交付税の減額措置をしなければならないということになるわけでありますが、それらの見通しと減額をこれから——今回はこの措置で賄うわけでありますけれども、今後法人税収等が減収になった場合に、その減額されたときの措置はどうなさるおつもりなのか、このことをお尋ねしたいと思います。
○真鍋説明員 今回補正減をいたしませんでした法人税及び酒税、国税三税のうち二税につきまして、今後の見通しはどうかということでございます。 御心配の点はよくわかるのでございますけれども、なお法人税の進捗割合は四割ということでございます。確かに十二月までの累積の実績で見ますと、予算の伸びは一六%を期待しておるわけでございますけれども、現実は前年を少し切るぐらいな状況でございます。そういうことでございますから御心配の向きはよくよくわかるわけです。 この背景といたしましては、もうすでに御高承のとおり物価——法人税は、鉱工業生産つまり生産の動きと、それから物価の動きに非常に影響を受けるわけでございますけれども、とりわけ卸売物価が安定しておるということ、さらに加えて内需の回復のおくれが見られるというようなことからきわめて低調であるというふうに考え一実績としてそうなっておるわけでございます。 しかしながら、先行きということで見ますと、ただいま申しましたように予算額の四割強の段階にとどまっておりますし、毎々申して恐縮でございますけれども、とにかく国税の場合には三月期決算の法人税が非常に大きなウエートを占めております。つまり、法人税収の三分の一は三月期の法人であるということでございまして、これがまだ残っております。さらに、これまでの月々決算期が来ますものは、月によりまして業種の隔たりといいますか偏りがございまして、必ずしもこれまでの月々の法人税の実績がそのまま今後を占うというふうにはつながりにくい点があるということもございます。 さらにまた、今年度の特殊要因といたしまして、五十五年度の三月期決算法人の延納割合が非常に低かった。五十四年度の場合であれば一二%程度の延納割合であったのですが、今年度の場合は五%程度であったということで、五十五年度の税収の方に入ってしまっておるというようなことが響いております。これが数字として、実勢の伸びを低めておるという面があることも指摘さしていただきたいと思います。 それから、本年度下期の企業業績は、全体として改善状況にございます。昨日も発表いたしましたけれども、十二月の税収の動向を見ておりますと、たとえば十二月分の税収としては前年比六・六%の増ではございますけれども、九月、十月の決算大法人は前年度に比べまして二八・四%というふうな高い伸びになっております。大法人の伸びが、そのまま法人税そのものに全体としてつながるとは必ずしも言い切れませんけれども、とにかく明るい兆しが大法人の決算状況から見え始めておるということでございまして、経済は生き物でございますから、いろいろな血管、毛細管を通じて経済全体にこういった動きが及んでいくことを強く期待しておるということでございます。 そういったわけで、私どもとしては法人税につきましては、大体予算のところまで行くのじゃないかというふうに強く期待しておるということでございます。
○松本(幸)委員 お話のような結果になれば大変結構なことなんでありますけれども、素人考えで現状を見てみますと、とてもそういうことにはならないのじゃないかという危惧もあるわけであります。 いずれにしても、三月期の決算法人の税収が三分の一を占めるということで、それが最終的に確定するのは本年六月ごろであるというようなことですから、いま予想をもってそう論ずるわけにはまいりませんので、いまのような御説明のようなことになれば大変結構なことだと思いますけれども、私はなかなかそうはなっていかないのではないかという前提で、そういう事態が生じた場合にはどうするのかということをお尋ねしたわけでありますが、そのことにつきましてはお答えがございませんでしたけれども、結構であります。 地方財政の側から考えますと、当面は、所得税の減収に伴う交付税の減額分を特別会計から借り入れて措置をするということで穴埋めができるわけでありますけれども、地方団体の側における地方税の減収、これによって生ずる歳入の不足、これらにつきましては、どういうように措置をされるつもりであるのか。これもまたこれからのことでありますから、仮定の論議になるわけでありますけれども、国税における減収が四千五百億、そのうちの所得税分が千三百七十億円、こういうことでありますから、当然この傾向は地方にも及んでくる。地方の方は増収になって、国税の方は減収になるというようなことはあり得ないと思いますので、地方税収それ自体が減収となって、地方自治体の予算に歳入不足が生じた場合の措置はどのようになされるのか、お伺いしたいと思います。
○土屋政府委員 五十六年度の地方税の税収がどうなるかにつきましては、地域により、それぞれの団体によって状況が異なっておりますので、一概には申せませんし、また、ただいま大蔵当局から法人税の見込みについていろいろお話がございましたが、そこらの動向がどういうふうになっていくのかということで、マクロ的にも必ずしもまだ十分把握ができていないのでございます。 しかしながら、いまも申し上げましたように、地域によっていろいろと状況が異なっておりますので、法人関係税については当初見込まれた額よりも減収となる団体が出てくることも予想されるわけでございます。こうした団体に対しましては、私どもとしては、財政運営の状況等を見ながら、必要があると認められます場合は、たとえば減収補てん債による財源措置を含めまして適切に対処をしてまいりたい、財政運営に支障のないように措置をしてまいりたい、かように考えております。
○松本(幸)委員 減収補てん債、あるいは積立金の取り崩しとか、あるいはまた交付税の増額とか、いろんな方法があると思いますが、いまお答えで、もし地方税収に歳入欠陥が生じた場合には減収補てん債のような措置でやっていくというお答えがありましたので、これは結構でございますが、今回の交付税の減額の内容については、政策減税、いわゆる五百円のミニ減税に係るものが百五十五億円である、さらにいま申し上げましたように、所得税の自然減収分に係るものが二百八十五億円である、こういうことでありまして、この総額四百三十九億六千八百万円のうち、政策減税分の百五十五億円については後年度全額国庫負担ということになっているわけでありますが、自然減収分については国と地方でおのおの二分の一ずつを負担する、こういうことになっております。 それで、政策減税としてのミニ減税分の百五十五億円を後年度全額国庫で負担するということはいいわけでありますけれども、あとの二百八十五億円、国税の自然減収分について二分の一を地方に負担をさせるということについては、これはどういう理由といいますか、地方に負担させる理由があるのか、大変これも不合理ではないかというように考えるわけであります。 といいますのは、いま地方税の歳入不足が生じた場合には、減収補てん債を発行して補てんをするという御説明があったわけでありますが、減収補てん債に対するその後の償還についての対応は、御承知のように交付税において措置をする。しかし、補てん債の八〇%、都道府県の関係については八〇%は交付税精算の際に国が元利を保証する、市町村は七五%、こういうことになっているわけでありますけれども、そういう中で今回の自然減収分については二分の一ということは、つまり五〇%ということになるわけでありますが、減収補てん債については八〇%とか七五%とか国が元利保証をするというのに、この自然減収分については五〇%だけきり国がめんどうを見ないということについては、これも制度上から考えましても大変不合理のような感じがするわけでありますが、どうしてこういうようにしようとするのか、その点ひとつ納得のいくような御説明をいただきたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまもお話がございましたように、政策減税分につきましては、国の一定の政策に基づいて行われる特別の措置でございますから、五十二年度、五十三年度の戻し減税と同様に、全額国が負担するということで合意ができたわけでございます。ただ、約二百八十五億の自然減収分につきましては、これをどういうふうにするかということについては、私どもとしては、諸般の状況等をいろいろと考慮してその負担関係を決定すべきものだと考えております。過去においてもいろいろなやり方があったわけでございます。 ただ、今回の場合は、いまもお話がございましたが、五十三年度の制度改正によりまして、財源不足に係る借入金について国が二分の一を負担するといったようなルールが設けられて、その後ずっとそういったやり方をしてきておるということがございます。そういった点と、もう一つは、現下の国の財政というのが御承知のようにきわめて厳しい状況にあるといったこと等を全般的に勘案いたしまして、二分の一を国が、二分の一は地方が負担するということにいたしたわけでございます。 地方税の減収についての減収補てん債等の扱いはただいまお話のあったとおりでございますが、交付税につきましては、ただいま申し上げましたような全般的な情勢を勘案をして二分の一という方法を選択をしたということでございます。
○松本(幸)委員 時間の関係もございますのでお答えは要りませんけれども、私の意見とすれば、政策減税分を国が全額補てんをするということ、これはいいのでありますけれども、自然減収分については二分の一を地方側が負担するという発想について、そもそも税の自然減収という言葉自体がおかしいのじゃないか。何か自然減収といいますと、どこにも責任がない、天然自然の災害のような、国にも地方にもどちらにも責任がないのだというようなことにつながっていくと思うのです。自然減収、自然ですから。しかし、自然減収というこの自然という言葉自体がおかしいのであって、どこかにそういった歳入不足が生ずる責任があると思うのです。 その責任をあえて言えば、やはり国が一つの経済指標というものを想定をして、そしてそれに基づいて国の予算を組み、さらに地方財政計画を立てる。その地方財政計画に従って、地方は一応これを指針として各自治体の予算を組むわけですから、その結果国の見込み違いということでそこから生じた歳入不足というものを、何か自然現象で自然災害と同じようなものだから、国も半分持つから地方も半分持てという考え方というのは間違っているのじゃないかと私は考えるわけでありますが、これはお答えは要りません。 次に、公共事業の繰り上げ発注のことについてお尋ねしたいわけでありますが、先ほども経済企画庁の方から、景気浮揚対策の一環として、昨年三月十七日の経済対策閣僚会議において上半期の契約率を七〇・五%とするという方針を決め、さらに、昨年十月二日の経済対策閣僚会議におきましても、「当面の経済運営と経済見通し暫定試算」ですか、こういったものを策定をいたしまして景気の浮揚を図ってきたわけであります。 この公共事業の繰り上げ発注についても、これも前の国会のこの委員会で申し上げたわけでありますが、定められた当初予算の前倒しで上半期に集中して発注をしてみたところで、それに続くものがなければ、補正等で追加がなければ景気の刺激にはならないということを私は申し上げたわけでありますが、上半期に繰り上げ発注をする、あるいは前倒し契約といいましょうか、こういうことをやった実績と、これが景気浮揚にどれだけ効果を発揮したのかということにつきまして、ひとつお答えをいただきたいと思います。 もう一つ、これは国の方針の公共事業でありましたが、地方団体に対しましても、公共事業あるいは単独事業を含めての繰り上げ発注の指導をしたわけでありますが、それを含めまして、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○宮島説明員 お答えを申し上げます。 五十六年度の公共事業等の執行につきましては、先生が御指摘のとおり、昨年の三月十七日の経済対策閣僚会議で上半期の契約率が、このときは七〇%以上ということを目途として決定され、その後七〇・五%という国の目標が決められたわけでございます。また十月二日の経済対策閣僚会議において、下半期の公共事業等の円滑な執行、それから年度内実施を目標とすることが決定されまして、地方の単独事業をふやすということがその中で決定されたことは先生御指摘のとおりでございます。 このような公共事業の執行促進は、現在までのところおおむね目標どおり実施されておりまして、私どもといたしましては、この公共事業の施行促進によりまして、景気の維持、それから緩や、かな拡大となっておりますが、その拡大に相応の寄与をしているものと考えております。 現在、わが国経済は、そのテンポは緩やかであるものの、次第に回復してきているということが言えると思います。もとより、財政の再建が緊急の課題となっている現状では、財政に本格的な景気調整機能を期待するというのは困難となってきておりまして、限られた財源の中で、できる限りの工夫を行い、景気に対する配慮を払っていくというのが政府に課せられた課題である、このように考えております。
○松本(幸)委員 景気がよくなったのか悪くなったかということを測定する材料としては、やはりこれは国税、地方税を含む税収が伸びるか伸びないかということにかかってくると思うのですけれども、ともかく国税の関係についてはいろんな税目を含めて四千五百億の減収だ、だから補正を組まなくちゃならない一、追加で公債も発行しなくちゃならない、こういう事態になってきているわけであります。 地方税についても御多分に漏れず、同じような方向で行っているわけでありまして、まあ言葉では緩やかな回復過程だとか、何とかかんとか言っておりますけれども、実態で景気がよくなったか悪くなったかを示すバロメーターともいうべき税収の方については落ち込んでいるということは、これはまあ景気が余りよくなっていないということの証左でもあろうと思いますが、これをしも、国税、地方税を通じてまだ三月期決算等がはっきりしないから何とも言えないということになると思いますけれども、私は端的に言って、この公共事業の前倒し契約をやったけれども、必ずしも景気の浮揚効果というものは余りなかったんじゃないかというように思います。しかし、これについてもお答えは要りません。 時間が余りありませんので次の質問に移りますが、一つは、五十六年度の地方公務員の給与改定のことについて、その実施状況をお伺いしたいと思います。 自治省では昨年の十一月に、いわゆるラスパイレス指数が高い地方団体に対して個別指導通達といったようなものを出しまして、かなり厳しい強力な行政指導が行われたようでありますけれども、この結果がどうなっているのかということと、もう一つは、給与改定のための先組みの予算というのは国も地方も一%だけでありましたけれども、この一%の先組み分を除いた給与改定に要するその他の財源の措置についてはどのように行われてきたのかということにつきまして、お伺いしたいと思います。
○大嶋政府委員 給与改定の実施状況等につきまして、先にお答えを申し上げます。 五十六年度の地方公務員の給与改定の実施状況につきましては、現在調査中でございますので確たることは申し上げられませんけれども、全地方公共団体の約八割程度は年内に給与改定を実施したというふうに考えております。その内容につきましては、一部の団体を除きまして国並みと申しますか、国に準じた改定措置を講じた団体が多いというふうに考えております。 それから、個別指導のことでございますけれども、まず、この個別指導の対象になる団体といたしましては、給与水準が国家公務員を著しく上回っております地方団体の中でおおむね百五十団体程度、それから退職手当の支給率等が国家公務員のそれを上回っております地方団体、それから三つ目には、以上二つには該当いたしませんけれども、給与に関して不適正な制度を設けておるとかあるいはその運用を行っておる団体等を対象にしておるわけでございまして、いま申し上げました著しく給与水準が高い団体の中でおおむね百五十団体というのは、昨年の十二月に公表したところでございます。 助言、指導の方法といたしまして、対象団体に対して給与制度それから運用の状況について報告を求めまして、是正に必要な助言、指導を行う。それに基づきまして、当該団体がみずから講じようとします是正措置についての計画を策定をし、計画に沿って是正をしていただくというふうに考えております。現在、この前の給与改定の中におきましても一部是正を行った団体もあるわけでございますが、それらを含めまして計画をつくり実施するよう、助言、指導を今後進めてまいるというふうな予定にしておるところでございます。
○松本(幸)委員 いろいろなものを含めて、退職手当、あるいはわたりとか昇給短縮とかいったようなものを含めての是正措置を講じたということでありますが、百五十団体の特に強力な個別指導をした団体が、具体的にどの程度どういう措置を講じたのか。一部というようなお話でございまして、なかなか内容がはっきりしませんけれども、時間がございませんからまた後刻いろいろこれらの措置について、自治省の言うことを聞かないようなところに対する措置等をどうするのかというようなことについても、その是非についてお尋ねしたいと思いますが、これもこれで打ち切らせていただきます。 もう一つ、これも前国会で御質問を申し上げたわけでありますが、老人医療費の無料化制度の問題であります。 自治省が地方団体のやっていることについて余り喜んでいないものの一つに、いま申し上げたラスパイレス指数が高いという団体の給与問題があり、もう一つには、国が制度として決めている七十歳以上の老人の方の医療費の無料化について、さらにそれを年齢を引き下げて地方が単独で行っている事業についてあるわけであります。前の国会で、このことを大臣にお尋ねしましたところ、これは一口で言ってしまえば、地方団体の責任者の裁量、判断に任せるべきものであって、国がラスパイレス指数が高い団体のように、個別に指導してどうこうという問題ではないというお答えがあったわけでありますが、前大臣から新大臣にかわられたわけであります。いま大臣おいでになりませんけれども、自治省自体としてそういった考え方、方針に変わりはないかどうかということを、ひとつお尋ねしておきたいと思います。
○小林(悦)政府委員 御指摘の老人医療の無料化につきましては、単独事業といたしまして各地方団体が自主的に行っておるところでございますが、このような単独事業につきましては、将来にわたる財政負担であるとか行政効果、また国の施策の動向等を勘案して慎重に行うべきである、このような考え方に立っております。 個々の分野について行政指導をする考えは持っておらないわけでありますけれども、財政運営通達におきまして、事業の選択に当たっては行政が真に責任を持つべき分野を的確に見きわめ、地域の実情に即して十分その緊急度を検討し、将来の財政負担についても考慮して財源の重点的配分に徹する、こういう指導をしているところでございまして、今後もこの方針で行いたいと考えております。
○松本(幸)委員 わかったようなわからないような答弁です。 いずれにいたしましても、このことは、給与の関係は地方公務員、地方団体が雇用していると言うと語弊があるかもしれませんが、公務員自体の問題でありますけれども、七十歳以下の医療費の無料化については、これは住民といいますか、国民一般が対象になっていることでありますから、ラスパイレス指数が高いからどうこうするというような問題とは、おのずから性格が多少異なるというように思うわけでありまして、これはぜひその地方の実情に応じて、それぞれの地方団体の自主性あるいは裁量、こういったものに任せるべきであって、このことについてラスパイレス指数が高い団体に対して強力な個別指導をするといったような措置がとられないようにお願いをしたいと思います。 実は、もう少し時間があれば御質問申し上げたいことがもう一つあったわけでありますが、これは五十七年度の税制改正にも関連することでございますので、時間が参りましたから次の機会に質問をさせていただくといたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○中山委員長 小川省吾君。
○小川(省)委員 昭和五十七年度の交付税のところで詳しくはやりたいと思うのですが、ちょっとお聞きをしておきたいと思うのです。 昭和五十七年度から地方財政は健全性を取り戻したのかどうかということなのでございますが、昭和五十年以降一兆円とか二兆円とか、あるいは多いときには四兆幾らという財源不足が生じてきたわけでありますが、なぜ五十七年度には財源不足は発生をしないのですか。
○土屋政府委員 五十七年度は、単年度といたしましては収支が均衡するという見通しになったわけでございますが、その原因はということになりますと、一つには、歳出を国と同じ抑制基調に立って節減合理化に努めたという点がございますが、一方、歳入面においてもある程度の税の自然増収が見込まれたことと、それに対応して、また国税の伸びに応じて交付税の伸びも見込まれたということもございましたし、さらに五十七年度に見込まれております税制改正によって、地方税でも三百十億程度の増収が見込まれ、また地方交付税においても、国税三税の大勢に対応して千百十四億くらいの伸びが見込まれたということがございました。それに加えて交付税上において、さらに法廷額に約千億円程度の上乗せをしたということがございました。歳入歳出、そういったような状況のもとで収支を見通した結果、おおむね単年度としては均衡がとれるということを見込んだわけでございます。
○小川(省)委員 御説明がありますけれども、私どもは大変奇異の感を実は受けるわけでございます。やり方として、千百三十五億円を国に貸して二千九十八億円を借入をしておるというような方法をとっているわけでありますが、何か地方財政にゆとりがあるような感じを与えるやり方をとっているわけでありますけれども、こういう方法をとらずに、九百六十三億ですか、これを借り入れをすれば済むのであって、何も千百三十五億円を国に貸し付けるなんという方法をとらなくてもよかったのではないかというふうに思いますが、どうなんですか。
○土屋政府委員 確かに、二千九十八億円の借り入れを行いまして千百三十五億円は減額して留保しておるということでございますから、その分については借り入れをしなくても、残りの九百六十三億について借り入れをしておけばよかったのではないかというお話でございまして、形としてはそういったことも考えられないことはなかったわけでございます。 ただ、私どもとしては、一つには二千九十八億円というものはいわゆる利差臨特と、それから所得税において利子配当所得について源泉分離課税が選択された場合に住民税で把握ができないといったこと等を考慮した臨時特例交付金である、そういうことから、どうしてもその点については確保したかったということでございましたために、それを明確にする意味で、結局一般会計からは交付税会計に入れないけれども、借入金によってそれを確保するということにしましたことと、もう一つは、千百三十五億を留保することによって国の一般会計についても活用できる面をあけておくということと、さらに後年度の交付税の返還において、それを後で返してもらうことによって、中長期的に見た地方財政の運営の円滑化、返還の緩和という意味で円滑化が図られる。 いろいろな面を考慮してやったわけでございまして、単純にその分は、千百三十五億は除いて借りればよかったじゃないかという御議論もあるいはもっともだと思いますが、いま申し上げましたような国との協力関係等含めて、全般的な地方財政の円滑な運営という点からあのような措置をとった次第でございます。
○小川(省)委員 いまこの法律案でありますが、いわゆる補正をされてこういうふうにやったわけでありますが、昭和五十六年度の国税の税収不足はさらに年度末までに一兆五千億ぐらい出るとかというふうに言われておるわけでありますし、地方団体においてもかなり法人関係税等で税収不足が出てくる団体があるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○関根政府委員 御指摘をいただきましたように、本年度の地方税の収入状況というのは必ずしも順調ではございません。都道府県の税収は十二月末までの状況がまとまっておりますけれども、昨年度の同期に対しまして進捗率が三ポイントほど落ち込んでいるような状況でございます。特に、法人関係税の伸びが余りよくないという状況でございまして、私ども心配をしながらその推移を見守っておるというところでございます。 ただ幸いなことに、自動車関係税等において比較的計画を上回った収入が得られておりますし、また市町村関係税におきしましては、個人住民税などが比較的順調でございます。したがって、年度全体、税収全体といたしましては、何とか計画額をカバーできるのではないかというふうに私どもとしては期待をしているところでございます。何しろ、まだ年度途中でございますので、余り確定的なことが申し上げられないわけでございます。 御指摘をいただきました地域的な跛行性の問題でございますが、確かに景気の回復過程が地域によって異なっておりますので、法人関係税の税収につきましても、県によって地方団体によって相当のばらつきが出てきておるということも事実でございます。
○小川(省)委員 期待をしているようで、期待は結構でございますが、期待倒れになると困ると思うのであります。先ほど松本議員の質問でもありましたが、この場合には減収補てん債を出されるわけでありますから結構だと思うのでございます。 大蔵省からおいでをいただいておりますので大蔵省にちょっとお伺いをいたしておきたいのですが、昭和五十七年度の地方財政については、一方では税収の落ち込みがかなり出てくるようでもございますし、また五・二%の経済成長というのが大変高い目標値でありまして、五・二%が達成をされるような見通しにはないというふうに思っています。 そういう意味では、昭和五十七年度の地方財政というのは大変厳しい苦しい局面を迎えるのではないかというふうに予期されるわけでございまして、地方財政が健全になったというようにはとても考えられない状態であろうと思いますが、その点については大蔵省の主計官いかがでございますか。
○八木橋説明員 お答え申し上げます。 五十七年度の地方財政でございますが、先ほど来自治省の方から御答弁がございましたように、地方財政計画を見ますと、五十年度の補正以来続いてきた財源不足が本年度は解消しておるというようなこと、また財源対策債を発行しないでも組み得たということで地方債依存度が前年度より低下しているというようなこと、またさらに一般財源比率が向上しておるといったようなことから、前年度に比べますと、地方財政の健全化は進んでおるというぐあいには見られるわけでございます。 ただ一方、地方債残高がかなりのものに達しているというようなこと、また財政計画そのものが国と同一の基調で抑制的に組まれているというようなことから、各地方公共団体におきましても、かなり歳出の節減合理化を図って節度のある財政運営をやっていかなければならないというような状況にあるということも、御指摘のとおりでございます。 さらに、地方税収の関係につきまして、地財計画で見込まれた地方税収が確保できないのではないかというような御意見でございましたが、現段階で私どもそのように考えておりませんけれども、ただ今後とも地方税収の動向には十分注意いたしまして、地方財政の適正な運営に支障が生じないよう、その点については十分配慮してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○小川(省)委員 昭和五十七年度五・二%の経済成長がとうてい望めそうもない、インフレ志向の強いときならまだしも、百三十万戸という計画目標の住宅建設もとても望めない状態だろうと思いますし、貿易面でも貿易摩擦等、これ以上貿易面における伸展は期し得ないだろうというふうに思っています。そういう意味では、景気を浮揚できる可能性があるのは減税と大幅な賃上げしか考えられないというふうに思っていますが、大蔵省としてはどう思いますか。
○真鍋説明員 五・二%は政府見通しでございます。その背景にある物の考え方としまして、しばしば御高承のとおり、第二次石油ショック直後の五十五年度、五十六年度、両年度の経済情勢というのが、五十七年度においては次第に好転するというふうに考えておりまして、先ほど来御論議になっております公共事業の前倒しであるとか、その他もろもろの適切な経済運営のもとにおきまして、五・二%程度は確保できるというふうに考えておるわけでございます。 特に個人消費につきましては、五十五、五十六と前年度に比べて、たとえば実質〇・三、一・八というふうに低い伸びであったわけでございますけれども、この点につきましては消費者物価が安定しておりますし、さらにまた所定外給与の増加など、実質所得の回復というものがございますので、そういった意味合いで、五十七年度においては個人消費は三・九%程度伸びるというようなこと等を中心としまして、内需は確保できるというふうに考えておるわけでございます。 そこで、さはさりながら、さらに経済の回復基調を力強いものにするために減税はどうだというお話でございます。さらにまた賃上げはどうだという話。賃上げの方は、私ちょっと申し上げる立場にございませんので、その点には必ずしも言及しないでお許し願いたいと思いますが、減税ということになりますと、まず一つ御理解願いたいのはわが国の財政の現状についての認識でございます。財政再建は緊急の課題でございまして、やはり財政の対応力というものを回復することはどうしても大事でございます。わが国経済を中長期的に安定した成長をさしていくというためにも、どうしても必要な重要な課題でございます。だから、どうしても財政再建ということがまず第一になければならない。 さらにまた、税負担の関係につきましても、個人所得に対します所得税負担の割合というのは、毎々申し上げておりますけれども、国際的になお低い水準にございます。こういったこともございます。そういうことで、私どもとしては減税をすべきタイミングにはいまないというふうに考えております。 そこで、それでは減税して経済にどういった影響を与えるかということでございます。減税してそれの波及効果がさらに税収につながる、こういうお考えかと思いますけれども、日本の経済構造といいますか個人の可処分所得の使い方といったものを見てみますと、貯蓄率が国際的に非常に高いということでございます。そういったことで、減税の消費拡大効果は限定されたものにならざるを得ないということで、減税いたしましても税収でその分をカバーする、回復するということはとうてい無理だというふうに考えております。 そういったこともございまして、所得税減税が要するに経済の回復に役立つにしましても、それによって財政再建なり何なりに直接的に役立つということではなく、むしろ財政再建をおくらせる要因になるというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 五・二%の経済成長について大分自信のあるようなお口ぶりでございますが、私は五・二%の成長というのはとうてい期し得ないものだろうと思っています。これはもう少し先へ行って議論をいたしたいと思っています。 それから、いま減税について、仮に減税をしても、日本人のいわゆる貯蓄性向からいって貯蓄に回って、消費購買力に回らぬというようなお話がございましたけれども、いま減税をすれば私は消費購買力に回るだろうと思っています。その消費購買力の増加によって、私は財源は必ず出てくるだろうと思っています。現在私どもの生活は、いろいろ欲しい品物がたくさんあるわけでございますから、減税をすることによって貯蓄に回るなどということは決してないだろうと思っていますが、この際思い切ってひとつ大幅な減税を実施する。あなたは、大蔵大臣でもないし局長でもないわけだから、少なくとも大蔵省の下部の方ではそのくらいの気構えを持ってもらわぬと困るだろうと私は思っているのですが、もう一回お答えをいただきます。
○真鍋説明員 マクロのきわめて大胆な計算でございます。それで、所得税減税の税収取り戻し効果といいますか、どの程度増収になるかということを非常に大胆に計算いたしますと、千億の減税で百億というふうな数字も一応内部の数字としてはあるわけでございます。もちろんこれは初年度でございまして、年々少しずつ回復はしていきますけれども、いずれにしましてもネットでかなりの減収になることは避けられないというふうに考えております。もちろんこれはマクロの計算でございまして、国民一人一人がどのような対応を、消費行動、貯蓄行動をするかということまではわかりません。非常に大胆な話でございますので余り大きな声では申せませんけれども、一応私どもとしてはその程度の計算が一つあるということでございます。そういったことで、いまの段階ではちょっと所得税減税は、そういった面でも非常にむずかしいというふうに御理解願いたいと思います。
○小川(省)委員 いま言ったように、あなたは大蔵大臣でもないんだから、大蔵省の課長クラスは国民の気持ちを、大蔵大臣はつかめないのかもしらぬけれども、あなた方は本当に減税要求が強いということをはっきりつかまなければいかぬと思っております。 そこで、自治省に伺いますが、五十五年度の決算状況が各市町村出たようであります。何か六十八の赤字市町村の数だというふうに言われていますが、この五十五年度の決算状況についてどのように見ておられるわけでございますか。
○土屋政府委員 お示しのございましたように、五十五年度の市町村の決算におきましては実質収支の赤字市町村が六十八団体でございまして、前年度の五十六団体に比べますと十二団体増加しておるという形になっております。こういった赤字団体について眺めてみますと、おおむね共通しておりますことは、経常収支比率が比較的高くて、人件費なり公債費等の経常経費の増高によって財政構造の硬直化が進んでおるという状況にございます。したがいまして、税収が低迷いたしましたり必要な事業の増加が出てまいりました場合などに情勢の変化に対応する余力がない、そういったことが指摘できるのではないかと考えております。 今後の地方団体の財政運営は、全般的に見ましてやはり問題となってまいりますのは過去の借金返済、要するに公債費の増高を中心といたしまして引き続いて厳しいものがあり、なかなか楽観を許さないというふうに考えられておるわけでございまして、情勢によっては赤字団体数が増加する可能性もあり得るというふうに考えておるのでございます。したがいまして、今後とも各地方団体に対しまして歳入の確保に努力してもらいますとともに、歳出の節減合理化について一層努力をしていただきたいと思っておりまして、そういった方向で私どもとしては指導してまいりたいと考えております。
○小川(省)委員 今後、赤字市町村の推移といいますか、流れる傾向というのはどんなふうになると思っておられますか。
○土屋政府委員 最近の状況を見ますと、いま市町村のお尋ねでございましたから財政力の乏しい市町村で申し上げますと、昭和五十一年度が百三十一団体あったものが五十二年度が百三、五十三年度が七十四、五十四年度が五十六ということで、ずっと減ってきておる状況にございます。 五十五年度は十二団体ふえたわけでございますが、今後これがどういうふうに推移していくかということになりますと、私どもとしては、いませっかく減少してまいりましたこの健全性というものはどうしても確保してまいりたいということで、行政の見直し、経費の節減合理化等によりまして、赤字団体に転落しないように十分指導もし、またそれに対応する私どもの財源措置等も考えていかなければならぬと思っております。市町村の努力と相まって、今後赤字団体がふえることが全然ないとは申せませんけれども、そういう方向に行かないように私どもとしては努力をしてまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 実は、国税庁にお聞きをしたいと思ったのでありますが、何か主税局の方でお答えいただけるそうですので、お伺いをいたしたいと思います。 実は、給与所得者と自営業者のいわゆる所得税負担の相違の点でございますが、いま年収一千万円の給与所得者と自営業者の課税額を比較する場合に、給与所得者の場合には給与所得控除が約二百五万円、配偶者控除や子供の扶養控除その他社会保険料や生命保険料の控除で約百五十万円、課税対象額が六百四十五万円で、支払い所得税が百二十七万五千円となるようであります。 一方、いま年間の売り上げが二千七百万円の八百屋さんがあるといたします。その場合、仕入れ原価が約一千五百万円で粗利が約千二百万円、雇い人を一人雇っておりますので、その給料が約二百万円で一千万円の収入となるわけであります。しかし、支払い所得税は七万四千四百円ということで、給与所得者との差が百二十万円にも実はなるわけであります。 聞いてみると、八百屋さんの場合には奥さんに月三十万円、息子に十五万円ずつ給料を出すことにしておって、これで年間五百四十万円、このほか国民健保や国民年金等、諸控除で約百五十万、水道光熱費やあるいは電話代、車の償却費、ガソリン代、修繕代、チラシなどの広告宣伝費等必要経費が二百二十万円、課税所得は七十二万だったようであります。 この二つの例を引いてみたわけでありますが、私は税の矛盾というか不公平を感ぜずにはいられないわけであります。自営業者の必要経費を認めるのは当然でありますし、わかります。しかし、背広を作業衣にして落とすとかあるいは家族旅行を必要経費として落とすなどということでは困るのでありますが、これは給与所得者に必要経費を認めていないところに問題が実はあると思うのであります。給与所得者にしても、仕事をやる上に必要な図書の購入費であるとか、あるいは必要な冠婚葬祭の費用であるとか、当然必要経費に回すべきものがあるはずであります。そういう意味で、大蔵省としては、給与所得者に必要経費として認めるものにはどんなものがあるのか、また、確定申告をして還付を受けるにはどんな項目について申告をすればよいのか、伺いたいと思います。
○真鍋説明員 先生の御質問は、直接的には二つあったと思います。一つは、給与所得者に必要経費を認めよというお話、もう一つは、申告の際どういう控除項目について申告すればいいのかという御質問であったと思います。 その御質問に入る前に、ちょっと設例の点につきまして、多少コメントをさせていただきたいと思います。 給与所得者の方のお話につきましては、計算は大体そのとおりだと思います。 それから事業者、八百屋さんのケースでございます。先ほど奥様とお子さんということで、専従者給与ということでございます。これは青色という前提だと思います。そういったことで私ども計算いたしますと、この八百屋さん、御主人のケースは大体先生御指摘の数字になろうかと思います。 ただ問題は、御主人の所得が七十二万円である。にもかかわらず、奥様の給与は月三十万。七十二万というのは年でございますから、月六万ぐらいでございます。奥様が三十万、息子さんが月十五万というような計算であれば、これはやはり常識的に考えまして、いささか奥さん、お子さんに対して、全体の八百屋という所得の中で給与が高過ぎるのじゃないかということでございまして、青色の専従者給与の適用を受けるためには、あらかじめ幾ら払いますということを税務署長に届けねばなりませんけれども、いまのような、御主人の稼ぎに比べて奥様方に与える給与が非常に高いということであれば、これはおのずからまず問題があるということであろうかと思います。 それからもう一つは、税金は御本人にかかる七万数千円の税金のみならず、奥様の月三十万あるいはお子さんの月十五万というものにつきましては、交付税、地方税合わせまして、奥様について約四十五万円、お子さんについて約十三万円の税金がかかるということになります。 これらは、先ほどおっしゃられました給与所得者にかかる税金約百二十七万、約百三十万に対しまして、すべて合わせましても百万にはもちろん満たないという数字でございますから、非常に差があるじゃないか、こういうことかと思いますけれども、この場合には、要するに八百屋さんの場合は三人が働いておられるわけでございまして、その点は実際に働いておるという事実がある限りは、そういうものと認定した前提でございますけれども、これはそれなりに合理性があるのじゃないかというふうに考えます。 その次に、八百屋さんの経費の話でございますけれども、やはり私ども、青色申告者にお願いいたしておりますことは、要するに記帳をきちんとする。記帳をきちんとするということは、同時に家と店とを明確に区分して経理するということを求めておるわけでございます。そういった前提で、いろいろ専従者給与であるとかいう特典といいますか、特別の措置を認めておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして、店と家とは区分する。そこに必要経費というものは、おのずから法に照らして厳格にやっていただかねばならないということでございます。 したがいまして、そこがルーズに流れるようであれば、そこのところは税務調査等を通じて正していかなければなりません。しかしながら、国税庁といたしましては、長年青色申告の定着を図ってきておりまして、私どもの評価としては、申告納税制度は次第に深く定着してきておるというふうに評価いたしておるわけでございまして、大体多くの方々は必要経費についても、世間から非難を浴びないような区分をするように努めておるというふうに、私どもは理解しておるわけでございます。 そこで、御質問の給与所得者に必要経費を認めたらどうかという御指摘でございます。この点についてはいろいろ御議論があるわけでございますが、わが国の税法では、この点につきましては給与所得控除という制度を認めております。これは、勤務に伴います経費を概算的に控除するということでございまして、一々記録に残して申告をしなくとも、要するに概算で引いてやりましょう、こういうことになりまして、たとえば給与収入が年間三百万円という方であれば、給与収入の三五%が給与所得控除ということで引かれていくわけです。限界的には、一千万超になりますと五%というふうに、だんだん給与所得控除の率は小さくなっていくわけでございますが、たとえば給与収入一千万円という人は、二〇・五%が給与所得控除ということで引かれております。 そこで、それじゃこの水準が高いのか低いのかということでございます。これにつきましては、家計調査等で私ども調べてみました。その中で、いろいろ給与所得者の必要経費と見ていいだろうというのを精いっぱいかき集めて見てみましても、大体一〇%程度でとどまっておる、最大限一〇%だ、各所得階層とも大体一〇%から一一%の間であるというふうなことで、最大限そういうことであるということになっておりまして、この点につきましてはそういうことで給与所得控除という概算経費控除で十分にカバーされておるというふうに評価しておるわけでございます。 それから、最後に御質問ございました、一体給与所得者についてはどういう控除項目について申告すればいいのかということでございます。 所得控除は、御承知のとおりたくさんございます。そのほとんどは、給与所得者の場合には給与支払い者の方で申告しなくて措置してくれるわけでございますけれども、この中で申告しなければいけないものは雑損控除と医療費控除と寄附金控除の三つであろうかと思います。 そういうことでございます。
○小川(省)委員 いまの御説明によれば、大体給与所得控除でカバーをされているから、給与所得者に対しては申告は不要なんだというようなことでございますが、私は、給与所得控除だけでは足りないほど、現在給与所得者の担税額は異常に高くなっていると思うのであります。そういう意味では、給与所得者からの申告を認めていって、ある程度還付できるような状態をつくってまいらなければならぬというふうに思っています。 いま御説明の雑損だとかあるいは医療費控除あるいは住宅建設等の控除があるようでありますが、仮にある人が講演をして講演報酬等の雑所得があった場合に、雑所得等を届け出をすると、その講演に要した資料収集のための必要経費等は控除になるというふうな話も聞いておるわけでありますが、雑所得がある場合には、申告をすればそういう形で控除が認められますか。
○真鍋説明員 原稿料等の雑所得につきましての申告についてでございますけれども、申告義務が、年間の雑所得の収入が二十万以上ある場合にはございます。そういうことで、原稿料等が年間二十万以上ございます場合には、申告いただきまして、その際にはそれに要した実費というものは控除になるわけでございます。
○小川(省)委員 特にこの点は、地方議員などの間で大変この声が強いわけなんですね。地方議員もわれわれと同じように、冠婚葬祭であるとかあるいは地域の寄附金であるとか、非常に必要経費の支出が多いわけであります。地方議員が、これらの支出について領収証を付して確定申告の折に申告をすれば、これは認めてくれるわけですか、どうですか。
○真鍋説明員 お答えいたします。 寄附金につきましては、所得税法上「特定寄付金」という項目がございまして、これは国であるとか地方公共団体であるとか、あるいは特に公益的な役割りを果たす法人であるとかいうものに対する寄附金以外は、一般の寄附は幾ら領収証をつけましても、これは寄附としての取り扱いはされませんでして、給与所得者の場合には、給与所得控除の枠の中で考えておるというふうに考えるわけでございます。 そこで、恐らく先生の御指摘の中には、先ほど来、要するに給与所得者にも実額経費による控除を認めるべきではないかという御主張だと拝察いたしますけれども、この点はいろいろむずかしい問題がございまして、何と申しましょうか、結局何が費用かということについての基準をそういう場合にはあらかじめ設けなければいけませんけれども、それは非常に現実の問題としてむずかしい。特に、国民のコンセンサスを得られるような客観的、画一的な基準を見出すということは非常にむずかしいという問題がございますし、そういった基準を見出し得ないままに実額控除制度を採用いたしますと、結局は個々人の立証技術の巧拙によって負担の差が出てくるということで、それがひいては大きな負担の不均衡を招くおそれなしとしないということが悩みの種でございまして、そういったことで給与所得控除という概算経費控除の中で処理させていただいている、こういうことでございます。
○小川(省)委員 特に地方議員の場合、非常に支出が多いわけでありますから、ぜひひとつ今年の確定申告からは、地方議員のそのような申告について特段の配慮をしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。 消防庁の長官が戻られたようでありますので、ニュージャパンの火災について若干お伺いを申し上げたいというふうに思っております。 またまた火に弱い高層建物の弱点をさらけ出したわけでありますが、死者三十二名、負傷者二十八名に心から同情とお見舞いを申し上げながら、少しく伺いたいと思います。 新聞の報道によれば、四階から十階まではほとんど防火設備がなかったと言われておるわけでありますが、先ほどの御報告によっても、再三再四警告をしていたけれども無視をされてきたような状態であります。横井英樹社長というのは名うての人であって、従業員も半減をするなど、無理な合理化をしてきたとも言われておるわけであります。熊本の大洋デパートの火災以降消防法が改正をされて、設備も整ってきていたと思っておりましたけれども、火災になって初めて警告が無視されているというようなことがわかってまいったわけであります。 そこで伺いたいのですが、このようにスプリンクラーの設置とか防火シャッターその他設備をすべきものが無視されている実態を利用者は何一つ知らないわけであります。正式に営業していれば、防火施設は整っているものと思っておるわけでございますが、このように警告が無視されている場合に、必要な防火施設を設置するための強制的な措置をどうとっていかれるかということなんであります。東京消防庁がさらに調査を開始をするということでありますが、違反があって一回警告をして、それでも守らない場合には公表するというような措置をとることの方がよろしいのではないかというふうに思いますが、そのような考え方はありますか。
○石見政府委員 ただいま御指摘がございましたように、従来からも消防機関の指導あるいは指示に従わないという例は間々あったわけであります。私どもといたしましては、これまでも悪質な違反事案に対しましては、法令の規定に従いまして厳正な措置をとるように強く指導してまいったところでございます。とりわけ、御案内のとおり昨年の五月から旅館、ホテルにつきまして表示制度、いわゆる消防法の基準に適合しております旅館、ホテルにつきましては「適」のマークを交付するという措置をとります一方、違反事案に対しましては、消防法十七条の四の規定に基づきます期限を付しての措置命令を発する。措置命令になお従わぬ場合には、ただいま申し上げましたような表示制度と並行いたしまして公表制度というものを実は導入したわけでございます。 その内容は、いま申し上げましたように十七条の四の規定に基づきます措置命令に従わないというときには、消防機関はその防火対象物すなわち旅館、ホテルの所在地あるいは名称、違反の事実、内容というものを報道機関に公表する、あわせて各市町村の広報紙等に掲載するというようなことを去年の五月から実は導入をいたしたわけであります。 現在、消防機関におきましてはこれを受けまして、今後ともなお一層厳正な措置をとりますように指導をしてまいったわけでありますけれども、なお今回の事故にもかんがみまして、一両日中にさらにこれの趣旨徹底を図るべく通達する予定にいたしておるところでございます。
○小川(省)委員 去年の五月からそういう公表措置を導入したと言いますが、ニュージャパンの場合には公表をされたのですか、どうなのですか。
○石見政府委員 ニュージャパンにつきましては、数度にわたる警告、指示に従わないものでありますから、差しとめと申しますか、いわば最終的な措置命令を去年の九月にいたしたわけでありまして、一年の猶予期間を置きまして必要な措置をとるようにということにいたしておったわけであります。 したがいまして、去年の九月から一年間でございますので、ことしの九月まで一応の猶予期間を置いたわけでありまして、ことしの九月になりましてもなおこの措置命令に従わないというときには、ただいま申しましたような公表制度、あるいは状況に応じましての告発ということの段階があるいは来たであろうと思っておりますが、まだ一年間の猶予期間の中でございましたものですから、いま申しましたような公表制度あるいは告発というような手続はとっていなかったわけでございます。
○小川(省)委員 いや、手ぬるいのですよね。やはりそんなに、一たん起こったら人命に関することなのですから、再三再四なんて言わずに、一回警告して守らなかった場合にはすぐ公表するというふうにやっていかなければ、効果はないと思うのですね。事実、利用する人は知らないわけでありますから、起これば人命にかかわるわけでありますから、二度とこういう事故を起こしてもらいたくないと思うわけです。大洋デパートのときでもそうだったわけですよね。そういう意味では、今後、具体的な設置義務等についてどういう指導をしていかれるつもりですか。さらに、そういう点は厳しく公表をして、利用者に迷惑をかけないような状態をとっていくような方法を講ずる用意がありますか、どうですか。
○石見政府委員 私どもといたしましては、ただいま御指摘をいただいたとおりだと存じておりまして、昨年五月から導入をいたしました表示、公表制度を徹底して、厳正に実施するように地方団体に指導もしてまいったわけでございますけれども、今回を契機といたしまして、さらに近日中に通達等を出しまして、この趣旨徹底を一段と図ってまいりたいというふうに考えております。必要に応じまして、さらに重ねての一斉点検あるいはまた特別防火査察というものも、消防機関の実態に応じて実施するようにお願いをしてまいりたいと思っております。 現に東京消防庁におきましては、本日から二週間を切りまして、旅館、ホテル九百余りを再度一斉点検をして、「適」マークの交付されているものももう一度見直す、されてないものは期限を付するというような措置をとりたいという報告も受けておるところでございまして、今後とも、各消防機関に強力に実施していただきますようにお願いをしていきたいというふうに存じておるところでございます。
○小川(省)委員 さらに二度とこういう問題を地方行政委員会で取り上げることのないように、ひとつ適確な厳正な指導をぜひお願いを申し上げたい、このことを申し添えて私の質問を終わりたいと存じます。
○中山委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大橋敏雄君。
○大橋委員 きのうはホテルの火災によりまして、またけさは日本航空の着陸のミスで、大変な事故が発生したわけでございます。いずれも多くの死傷者が発生したわけでございますが、死亡された方、またその御遺族に対しましては、心から御冥福を祈り、弔意を表したいと思います。また、負傷された方々に対しましても、心からお見舞いを申し上げたいと思います。 そこで、補正予算絡みの法案の審議に入る前に、ホテル・ニュージャパンの火災について、いずれ本格審議は別の機会に譲るといたしまして、若干聞いておきたいことがございますので、よろしくお願いします。 きょうの新聞報道等によりますと、都内には消防法違反と思われるホテルが三分の一もあるという報道がなされておりますけれども、これは事実かどうか、また事実ならばどう対処していく考えなのか、お尋ねしたいと思います。 時間の関係もありますので、初めに質問を全部並べますから、答弁の方もよろしくお願いします。 次に、けさいただきました消防庁の火災報告の内容を見てみますと、消防法による指導書交付、それが五十二年以降四回、ホテル側も五十二年以降改修計画を八回も提出したとなっているわけでございますが、この指導書交付のあり方に関して、甘さがあるのじゃないか、形式的ではないかと感ずるわけでございますが、この点についてどのようなお考えか、お尋ねしたいと思います。 それから、同じく改善命令書でございますが、これは消防法の第十七条の四に基づいて行われたとあるわけでございます。ホテル・ニュージャパンについては、五十六年九月十一日付で改善命令が出されているわけですが、問題はその履行期限、つまり一年間、五十七年九月十一日までなぜ猶予をしたのか、その理由を聞きたいのでございます。 新聞報道によれば、五十六年九月十一日に改善命令を出したときにホテル側の副社長が、来月早々着工いたします、こういうふうな返事をしていたということも出ているわけでございます。私も、改善命令は、何回も何回も指導したにもかかわらずやらないという立場から命令するわけですから、その着工は即座にやらせるべきである、こう考えるわけでございますが、なぜこのような猶予を与えたかということ。 それから、都の消防庁は、今回の事故を契機に消防法の改正をしたいという意思で、その動きを示しているようでございますけれども、自治省の消防庁はどのような考えでいるか。 それから、これも報道でございますけれども、ホテルの宿泊者の掌握に対して問題があるのではないかと思われます。なぜならば、宿泊名簿は三百十五名に対して、実際には三百五十二名と報道されております。これには当然改善すべきものがあろうかと思いますが、どういう考えであるか。 それから、死亡者三十二名の内訳ですね。つまり、外国人の方もかなりいらっしゃったように聞いておりますが、そういう内訳について、またそれに対してどう対処していぐ考えなのか、補償措置も含めて御答弁願いたいと思います。
○石見政府委員 お答えを申し上げます。 まず第一点は、都内に「適」マークの交付をされていない旅館、ホテルがまだ三百余り、すなわち全対象の三分の一ぐらいあるのは事実でございます。東京消防庁といたしましてはこれまでも、「適」マークの交付を受けていない旅館、ホテルに対しましては、「適」マークの交付を受けられますように、消防法基準に適合するような措置をとるように指導を続けてまいっております。 内容によりましては、「適」マークを交付はいたしておりませんけれども、非常に軽微な改修工事と申しますか、設備の整備によって「適」マークが交付できるという本当に軽微なものから、かなり大きな問題点を含んでいるものまで、いろいろなケースがあるわけであります。消防庁といたしましては、いま申しましたように、段階に応じましてその後指導を続けてまいっておりますけれども、本日から一斉に、「適」マークを受けたもの、受けていないものも改めて洗い直しをいたしまして、点検をし、措置をしたいというふうに、私たちは報告を受けております。 今後とも消防庁といたしましては、このような措置がとられますことを期待いたしておりまして、今後十分東京消防庁とも、あるいはその他の消防機関とも連絡をとりながら、万全を期してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 それから二番目は、東京消防庁の指導が甘かったのではないかという御指摘でございます。 確かに御指摘のように、結果から見れば、私どもも、もう少し早く手が打てなかったのかという気持ちもいたす部分もあるわけであります。しかし何分にも、スプリンクラーの設置といいますものは、非常に大規模な改修工事にかかわってまいります問題であります。やはり相手に理解をさせ、納得をさせて早くやってもらわなければならないということもございまして、若干手間取ったことは事実だと思っております。私ども、東京消防庁の職員が手心を加えたとか甘かったとかということは、さらさら考えていなかったわけでありますけれども、結論的にはそういうことの御批判もあるいは受けなければならぬだろうということでございます。 今後この種の事案につきましては、消防法に基づきます措置命令を出す、あるいはまた、措置命令に従えない者につきましては公表する、さらには告発の手続をとるというような一連の厳しい措置をとるように重ねて指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから三番目は、昨年九月の措置命令に対しまして一年間の留保期間と申しますか、一年以内に完成をするということを東京消防庁とホテルの方とで了解し合ったことは少し長過ぎるのではないかという御指摘であったと存じております。 ただいま申し上げましたように、スプリンクラーにつきましては、表に取りつける工事ではございませんので、いわば目に見えないところに導水管を配管し、そして相当全館にわたりまする大きな工事になるわけであります。見積もりあるいは設計、施工ということを考え、かつまた、あのホテルの中に一部消防設備が完備しておる部分もあるわけでありますから、そこは営業しながら工事を進めていくということになりますと、何かと支障のある部分も出てくるわけであります。 東京消防庁といたしましては、一年間という中でぜひ仕上げてくれということで了解したものと理解をいたしておるわけであります。一年間でございますので、ことしの九月に工事が完了するという予定になっておりまして、この二月十日には着工の運びになっておったというふうに承知をいたしておるわけであります。今後、この点につきましても、可能な限り早急な改善措置をそれぞれについてとりますように、この点も指導してまいりたいと思っておるわけであります。 それから、東京消防庁の方で消防法の改正の議論がなされておるというふうなことのようであります。 私どもまだ詳細伺っておりませんが、今回の火災の原因究明、それの分析等も十分いたしまして、東京消防庁その他関係消防機関とも相談をしながら、今後法改正あるいは政令改正を必要とするものがある部分がございますれば、十分検討してまいりたい。あるいはまた、運用で賄い得るものがあれば、その点についても運用をさらに改めていく。いろいろな制度改正あるいは運用面、両面にわたりまして、今後、いま申しましたように、今回の結果を踏まえて私どもは検討していかなければならないというふうに考えておるところでございます。 それから、ホテルの宿泊者名簿に登録されておりました者と、実際に宿泊しておった者の数字が食い違っているではないかという御質問であったと存じます。 この点につきましては、正確な数字はまだ私ども詳細報告は受けておりませんが、御指摘のように、やはり若干食い違っておったのではないかということを東京消防庁の方でも申しております。 この点につきましては、先般の川治のプリンスホテルの火災以後、関係七省庁の連絡会議を設けまして、了解事項というものをお互い了解し合っているわけであります。その中に、宿泊につきましては宿泊者名簿を整備して、宿泊者の確認を十分行うということを申し合わせておるわけでありまして、それぞれ主管官庁からホテル、旅館に御指導を願っておるところであります。私ども、今回のこの事故を踏まえまして、なお、いま御指摘のございました点につきましては、関係省庁とも十分御相談申し上げ、さらに関係省庁におきます御努力をお願いしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、最後は死亡者、亡くなられた方の内訳でございますが、日本人が八名、外国人が二十一名、まだ身元の確認をし終えておりません者が三名ということに相なっております。 なお、今後私どもといたしましては、表示、公表制度の徹底あるいはまた一斉査察の徹底を図りまして、このような事故が再び起こりますことのないように、絶無を期してまいりたい、また努力もしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○大橋委員 時間に限りがありますので、深くはまた別の機会に譲るといたしましても、先ほどの、指導に消防庁の甘さはなかったかということに対して、いま、決して甘さはなかったと思うというような答弁がありましたけれども、その指導書を交付したのが五十二年、そして今回の事故までもう五年経過しているわけですね。これはどんなに言いわけしてみても、やはり甘さを認めざるを得ないと私は思います。 それから、スプリンクラーという非常に技術を要する設備だから、一年ぐらいの履行期間をつけられたという話ではございますけれども、それにしましても、それの改善命令を出すまでの経過があるわけですからね。この着工までの期限については今後もう一度考え直す必要がある、このような思いでなりません。ということは、人命か営業か、こういうことになってくるわけですね。やはり人命尊重の立場からは、一日も猶予できないほどの重要な問題であります。何しろ人間の命に関する問題ですから、そのことを十分踏まえていただきたい。 それから、いろいろ研究した上で、消防法の改正の必要があればやろうという話でございますけれども、もう現に罰則そのものが非常に甘いという指摘がございます。たとえば、違反しても二十万円程度の罰金だというようなことですから、相手が、その関係者がそれを非常に軽く見ているのではないか。そういう罰則の上から見ても、当然これは早急に改善する必要がある、このように思います。 それから宿泊者の問題については、これは自治省だけの問題ではないわけでございますが、これももっと的確に掌握されるような方法を考えていただきたい。 死亡者につきましては、これは自治省だけの問題ではございませんが、十分補償されるよう、すべてホテル側に責任があるわけですから、それも踏まえて指導の努力を要請しまして、火災問題については質問を終わりたいと思います。 次に、きょうの議題になっております法案に関係しまして、質問をしたいと思います。 五十六年度の経済成長率は、内需中心で当初実質成長率が五・三%と設定されたわけですが、景気の立ちおくれ等から、ことしの一月、四・一%に下方修正されたわけでございます。 御承知のとおりに、政府は、五十六年度予算では二兆円の赤字国債の減額を公約として掲げていたわけでございますが、これも公約違反といいますか、三千七百五十億円の赤字国債の追加発行をしたのです。この問題については、さきの予算委員会でその責任問題が厳しく指摘されてきたところでございますが、私がここで聞きたいことは、この下方修正された経済成長率四・一%は、果たして確保されるのだろうかということなんですね。 これは経済企画庁の問題になるでしょうけれども、きょうは企画庁さんの方からは来ていただいておりませんので、また変わった立場から大蔵省にお伺いいたします。 内需は相変わらず横ばいである、そしてやっと外需の方で目標達成にカバーしようとしてきたわけでございますが、きのうの日本経済新聞を見ますと「外需もダウン 景気低迷、一段と深刻」、こういう見出しで詳しい報道がなされております。こういう現象の中ですから、私はさらに歳入欠陥が生ずるであろう、このように思うわけでございます。大蔵省の方に、二月八日に十二月度の税収の状況を公表されたわけでございますが、その線に沿って四・一%に対する見通しも含めてお答え願いたいと思います。
○真鍋説明員 昨日発表いたしました十二月分の税収は、きょうの新聞にも出ておりますけれども、やや重苦しい中で明るさが出てきたという数字になっております。すなわち、十二月分で対前年同月比で見ますと一四・二%の伸びになっております。進捗割合からいきますと、前年に比べましてなお四ポイントばかり、補正後でも三・九ポイントばかり落ちておりますけれども、しかしながら次第に明るい感じがやはり出てきたというふうに考えておるわけです。午前に若干御説明いたしましたけれども、法人税収あたりも、たとえば大法人におきまして非常に高い伸びが出ておるというふうなことでございまして、私どもとしては次第に明るい感じが出てきたなというふうに思っています。 それが果たして四・一%の成長を占うものかどうかということについては、私自身はなかなかこういう公の場で申すだけのものはございませんけれども、やはりいろいろ政府の諸施策、次第に浸透しておりますし、国際環境も本年後半に向かって緩やかに改善に向かっておるというふうなことが徐々に反映しつつあるのではないかというふうにいま観測いたすわけでございます。 私どもとしましては、税収の中であと明るい話が十二月で出てきたお話を順次申し上げますと、まず申告所得税につきましては、今回剰余金減税に係るもの以外につきましては全く補正をやっておりません。これは要するに、三月の確定申告でほとんどがそこで勝負になるということでございます。 源泉の方でございますけれども、一応十二月分の税収は一六・四%ということで、十月、十一月が一〇・〇、一〇・七というところが一六・四というふうに次第に伸びてきております。所定外労働時間も、最近はやや増加傾向にあるということが見られるわけでございます。 法人税は、先ほど申しましたので省略させていただきます。
○大橋委員 時間がないから、聞きたいことだけ聞きますので……。 いまの御説明では、十二月分のみで見れば確かに前年同月比で一四・二%増だということですね。まあ明るい見通しと言えないことはないのですが、四月−十二月の間を前年同期比で見てまいりますと一〇・三ですね。ということは、今回の補正予算で見込みました税収見込みは、五十六年度は五十五年度に比べて一八・五%という増の見込みで補正予算が組まれているわけですね。もしこの一八・五%増という見込みになるには、あと三カ月しか残ってないのですけれども、恐らく二〇か三〇ぐらいの伸びがなければとてもこれには追いつかぬと私は思うのですけれども、その見込みはどうですか。
○真鍋説明員 お答えする前に、実は五十三年の税制改正によりまして収納の時期を五月末まで延ばしております。つまり、三月三十一日までに納税義務の確定した者につきましては、収納は五月末まで来ておりますので、そういった意味では三カ月残っておるというよりは、むしろ五カ月残っておるといった方がより近いあれかと思います。 そこで先生仰せのとおり、十二月末までの伸びが平均しまして、一〇・三でございます。補正後の数字が一八・五、年度通して一八・五でございます。そういうことで、これからの伸びが二割も三割近い方の伸びでなければいかぬということでございますが、私どもとしましては、法人税も三月期法人の申告といいますか、それが残っておりますし、先ほど申しました源泉分につきましても確定申告というものが残っておりますので、経済が次第によくなっておるということを期待しながら、こういうことでいけるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○大橋委員 私の認識とはずいぶん開いているわけでございますが、これは政務次官にお尋ねしたいと思うのです。 いま大蔵省の答弁は非常に甘い答弁だと私は思うのです。恐らくこの一八・五%の増の見込みはとても達成できないだろう。ということになれば、これは私の認識ですけれども、いま補正をやっていますけれども、もう一回補正のやり直しをしなければいかぬですね。いわゆる補正の補正を組まねばならぬという事態が発生するのではないかと私は思うのです。そうなった場合、その不足分についてまた大蔵省と折衝なさらなければならぬのは当然のことではございますが、それ以前に私は政治的な責任が、これはまた深刻な問題だと思うのです。これについて副大臣の立場にいらっしゃる政務次官さん、気持ちを聞いておきましょう。
○谷政府委員 お答えいたしたいと思います。 ただいま大蔵の方から答弁がございましたが、私ども財源確保につきましては極力がんばっていきたいと思っております。 御指摘の、今回の問題になっております所得税の財源減につきまして措置をすることは、現在お願いしておるわけでございますが、いまお話のございました法人税等のもし万が一の仮定の話としてのお話につきましては、今後そういう事態が起こりましたら、もうすでに地方交付税につきましては特別交付税の一部を残すのみでございまして、皆地方各団体に配分しております関係もございますし、私ども地方の各団体の状況は決して甘いものではない、こういう判断に立ちまして、そういう事態が起きた場合には、われわれは今後、いまやっておりますような財源措置につきまして極力がんばっていきたいと思っております。
○大橋委員 それはわかるのです。それはもうそうなればそうやられるでしょうけれども、問題は政治責任の方ですね。あなたはまだ第三者の立場で大体こう言えると思うのです。ならないという自信があるならば、大いに言えるのじゃないですか。私は、この政治責任はきわめて重大だと思うのです。それこそ、鈴木内閣総辞職ものだと思っている。本当にそのぐらいなものです。財政局長もあわせていまの見通し、私の見通しと——きょうはもう時間がないのです。残念でなりませんけれども、政務次官、この際もう少し政治責任の問題にも触れておった方がいいですよ。どうぞ。
○谷政府委員 ただいまの御質問に対しましては、まあ経済は生き物であるというお話のとおり、われわれとしましては先ほど申し上げたとおり、極力がんばって財源確保には努めることをお約束申し上げたいと思います。
○大橋委員 あともう一分足らずですけれども、財政局長、きょうはいろいろとあなたと論議したかったわけですが、もう時間になりました。それで、いま言う私の経済成長の見通し、かれこれいままでこう議論してきたわけですけれども、財政局長の立場から、どういうふうな感じでおるのか。
○土屋政府委員 内需が緩慢であるというようなことから五十六年度の経済見通しも下方修正されたということもございまして、全体的に景気がそれほど順調に伸びておるというわけにはまいらないことは事実でございます。その意味で、所得税についても減額補正がされたわけでございますが、今後法人税がどうなるかということは、先ほどからるる大蔵当局から説明がございましたわけでございまして、私もいろいろな面で気になることはありますからいろいろ注意はしておりますけれども、実際に当たっておられます国税当局から、いまの状況等から見てその程度は確保できる、またそうしたいという御意見がございました。それが実現することが交付税の減収にもつながらないわけでございますので、私どもとしても期待をしておるわけでございます。 先ほど政務次官が申されたのは、そういうことでいくのだけれども、仮定の問題として、何か地方へ影響が出てくるときは最大限の努力をする、こうおっしゃったわけでございまして、今後税収が順調に伸びることを私どもとしては期待しております。いろいろなケースに応じて、私どもとしてはできるだけの努力をしたいと思っておるわけでございます。
○大橋委員 終わります。
○中山委員長 青山丘君。
○青山委員 けさ八時過ぎですが、羽田沖で飛行機が墜落いたしました。私は大変ショックを受けています。 とりわけ、昨日ホテル・ニュージャパンで三十二名の死者を出しました。まず冒頭、亡くなられた三十二名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷されました二十八名の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 激動不透明、ことしもそう考えておりましたが、特に最近の、この一両日の動きを見てまいりますと、これは深刻に受けとめざるを得ない。すべての責任が行政にあるとは決して言いません。しかし、行政の責任もまたきわめて大きい、そう思いまして、ホテル・ニュージャパンの火災に関する質問を少しだけさせていただきたいと思います。 新聞、テレビの報道からしかわからない部分もありますけれども、特に安全管理に手落ちはなかったか。その一つは、迅速に火災を泊まり客に知らせてあったかどうか。たとえば非常ベル。ホテル側は鳴ったと思う、その形跡はあると言っておりますが、客室にいた人たちは全く聞いていないとも言っている。あるいは館内放送から見てまいりますと、ホテル側はしたと思うと言っておるし、客側は聞いていないと言っている。一部電話の連絡を受けたと言っている。 また、従業員等の対応もいろいろな報道がなされております。九階だけに三人だけがキーをあけて知らせたと言っておりますが、多くの証言からは、従業員はどんどん逃げていくのを見たと言っておる。あるいは避難誘導はあったのかどうか。迷路のようになっておるあの建物の中で、九階だけ部分的にはあったという報道もなされておりますが、ほとんどが誘導がなく自力で逃げたとも言っておる。あるいは初期消火はどうか、従業員は手薄ではなかったか、幾つかの問題が出ております。 それから、特に先ほど来質疑されておりましたが、防火設備が整っておらなかったようであります。その点では消防法違反ではなかったか。 それから、改修計画はどのように進んでいたのか。先ほど来、この二月に設置工事に入るというようなお答えがありましたけれども、私が調査したところによりますと、昭和五十五年八月二十五日防火設備新改修計画提出ということになっておりますが、有価証券報告書の中には、設備の新設、拡充もしくは改修等の計画該当事項なしということになっております。 それからまたもう一つの点は、建設省においては、建築基準法上不適格なところはあったが、違法建築ではないと言っておる。消防庁の方では、消防法違反による違法建築だと言っておる。見る点が若干違うのかもしれませんが、行政側における見方がこのように食い違ってきております。 そこで、昭和四十九年の消防法の改正によりますと、百貨店、雑居ビル、地下街については五十二年三月三十一日まで、旅館、ホテル等は五十四年三月三十一日までに、スプリンクラー等の消防設備を設置することを義務づけております。その期限はすでに終了している。にもかかわらずこのホテル・ニュージャパンについては、東京消防庁は五十二年以降四回指導書を交付し、また毎年二回の査察に際してはスプリンクラー設備の一部未設置について指摘している。そういう経過でありますが、五十四年三月三十一日からは今日までおよそ三年たっております。その間、消防設備を設置すべきだという指摘がたびたびなされているにもかかわらず、しなかった。消防庁の対応が、もしもっと早く厳しい姿勢で臨んでおられたら三十二名の命は救えたかもしれない。非常に重要な点であろうと思います。 これまで消防庁の方も、それなりの努力をしてこられたということは率直に認めます。しかし、いま指摘したような幾つかの問題から見てまいりますと、行政の責任もなお重要になってきておる。ここでひとつ、第二の川治温泉、第二のホテル・ニュージャパンの事故を起こさないようにするために相当な決意で臨んでいただきたいと思いますが、消防庁の御見解を求めます。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、ホテル・ニュージャパンにつきましては、法律改正後、その施行期日でございます昭和五十四年三月から見ますれば約三年余りを経過いたしておりまして、今回のような事故を発生いたしましたことはまことに残念に存じているわけでございます。 その三年間、一体何をしておったのかというおしかりであろうかと存じております。私ども、あるいは御指摘ございましたように、三年間というのはいささか長過ぎやせぬかという気持ちも持ちます。あるいは、もう少し早く手が打てなかったのかという御批判も十分受けとめなければならぬだろうと思っております。ただ東京消防庁といたしましては、この問いろいろ手を尽くし、努力をいたしてまいったことも事実であります。決して、ホテルの方も何もせずにほっぽらかしておったわけではないわけでありまして、一部スプリンクラーあるいは一部防火壁というようなことで、徐々にやってまいったこともあるわけであります。 徐々ではだめなのでありまして一気にやらなければならないということは、御指摘のとおりだと思うわけでございます。そこで、そういうことでできるだけ相手を納得させ、できるだけ早くやらせようということで進めてまいったわけでありますけれども、最終的には昨年九月措置命令書を発して、一年間の期限を切って措置をとるということをいたしたわけであります。なお、この措置命令に従わない、実行しないという場合には、昨年五月から発足いたしております公表制度を適用してこれを明らかにする、あるいはまた、状況に応じまして、罰則規定の前提となります告発も行うという強い決意で東京消防庁は臨んでおったわけでありますけれども、そのやさきにこのような事故が発生したわけであります。 今後、私どもといたしましては、今回の事故を踏まえまして、再びこういうことがあってはならないことはもとよりであります。これまでもたび重ねて各消防機関には、厳正にこのようなことを実施するようにお願いをし、指導してまいったわけでありますけれども、今後とも一段といままでの指導を強めまして、一斉査察あるいは特別査察、さらにはまた公表制度の厳格な適用等を促進いたしまして、このような事故の発生が二度とないように十分な努力をいたしてまいりたいという決意でおる次第でございます。
○青山委員 時間がありませんから次に進みたいと思いますが、一点だけ指摘をしておきたい。 五十四年三月三十一日までに設置しなければならなかったのです。にもかかわらず、それから二年たって初めてこの措置命令が出されている。一年間に区切る、一年の間に設置しなさいという措置命令が出されておる。それ自体が遅いと言うべきだろうと思うのです。この問題は、改めてじっくり質疑をしていきたいと考えております。 昭和五十六年度の当初予算では、赤字国債二兆円の減額を目指してまいりましたが、結局、約四千億円の税収不足が生じ、これを補てんするため国債を追加発行するという補正予算が提出されていることは御承知のとおりであります。しかも、今後さらに一兆円あるいは一兆五千億円にも上る税収不足が生じるのではないかと言われておりますが、五十六年度の税収についてはどのような見通しを持っておられるのか、大蔵省にお尋ねいたします。
○真鍋説明員 五十六年度の税収につきましては、五十七年度の予算編成作業過程におきまして、それまでの課税実績さらにはまた政府見通しなどを基礎として見直しを行いました。そうしましたところ、予想以上に物価が安定し、内需の回復もおくれておるというふうなことなどがございまして、四千億円程度の減収は避けられないということで判断いたしまして補正減を立てたわけでございます。 この後の見通しにつきましては、私ども先ほど申しましたとおり、この見直しで問題なところは見直したというふうに判断しておりまして、予定どおり税収が確保できるということを強く期待いたしておるわけでございます。
○青山委員 一つは、総理大臣もいつも内需の停滞、予想以上の物価の安定——物価が安定するように努力してきたのでしょう。物価が安定するように努力してきたにもかかわらず、だから税収が不足したなどというのは理屈に合わないと思うのですよ。これが一つ、いいですか。いつも、本会議でもそうですよ。恐らく大蔵委員会でもそんな答弁あったでしょう。大体おかしいと思う。 それから、きのう大蔵省が発表しました昨年十二月の税収実績によれば、法人税、所得税を中心に税収はやや上向きになったものの、今後五十六年度税収が補正での修正見込み額を達成するのはむずかしいのではないかと思うのです。けさの日本経済新聞によりますと、「補正予算での税収見通しを達成するためには、今年一−五月に前年同期比二九%増と大幅に伸びなければならない。税収が十二月回復したとはいえ前年比一四・二%増で、補正予算での見込み」このときは一八・五%増でありますが、この「見込みを四ポイント以上下回っている現状からみて、これは事実上不可能に近い。」こう報道しているのです。 さらに、一−五月の税収が四—十二月と同じ前年同期比一〇・三%増のまま推移すると、約二兆二千億円の税収不足となっていく、補正で見込まれた一八・五%増で推移したとしても、一兆二千四百億円の不足となると報道しているのです。 そこで、大蔵省は、補正後の予算で見込んだとおり、三十一兆八千三百十六億円の税収を確保できると言い切れますかどうか、お尋ねをいたします。
○真鍋説明員 第一点の、物価の安定をいつも例に引くとおっしゃられる点、まことによくわかるわけでございます。 ただ、私ども申し上げておりますのは、税収のタームといいますか言葉で申し上げておりまして、どうしても物価が、たとえば法人税をとりますと、鉱工業生産の伸び、それと特に卸売物価の伸び、こういったものが相乗いたしまして、特に私どもの法人税といいますのは収益部分つまり所得にかかるものですから、そういった限界部分が大きな要素を占める、こういった面があることは事実でございます。 さらにまた、物品税等も価格に対してかけるというケースが多い。数量もございますけれども、従価税である場合もございます。そういったことにも影響してまいりますし、あるいはまた印紙税なんかにもやはり物価が影響してくるということで、税のタームで申しますとそういったことになるということでございまして、まことにお聞き苦しいとは思いますけれども、もちろんそのバックに景気の回復がややおくれておるという面もあることは当然のことでございますが、税のタームでございますので、ひとつお許し願いたいと思います。 その次は、十二月実績を見ても、なお今後の五カ月間で二九・一%の伸びがなければ確保できぬじゃないかということでございます。 これにつきましては、私どもとしましては、先ほど来申しましたように各税目にわたりましてそれぞれ実績、さらには主要な部分につきましては聞き取り調査等々をいたしまして、さらにまた政府見通しとの整合性を勘案しながら見通したわけでございまして、私どもとしてはこういったことでいけるというふうに強く期待しておるわけでございます。 ただ、そういったふうにこれまで一〇・三であったのが残り五カ月は突然二九・一%になるかということでございます。ここらのところは私どもの税収の見積もりの仕方が、ただいまのようなことで各税日ごとに積み上げていくということでやっておりまして、それぞれ押さえてやっておりますので、全部合わせたところで二九・一がいけるかということにつきましては、積み上げの結果はそういうことで、私どもはいけると強く期待しておるわけでございます。 これまで、それでは十二月末まで低くてその後ぐっと上がったとかあるいは下がったことがあるかということでわずかに御説明するしか、この段階では、いま申しました以外には方法はないのでございますけれども、やや補強いたしますと、たとえば四十七年度におきましては、十二月末までの伸びが一八・六でございましたが、一月以降は三一・六、この時期はやや異常なときに近かったかもわかりませんけれども、そういうこともございますし、さらにまた五十年では、マイナス一三・二であったのがマイナス〇・六というようなときもございますし、五十二年度でございますと一一・〇であったのが、落ちる方でございますが三・九というふうに落ちておるというケースもございます。いずれにしても、これは補強的な材料でございますが、そういったことでございますので御了承願いたいと思います。
○青山委員 まだ後に質問をたくさん残しておるものだから、余りこれだけをいつまでもやっているわけにはいきませんが、しかし二九%増というのに強く期待しておられるのはよくわかる、積み上げてきて。期待しておられるのはわかるが、あなたたちが責任を持ってそれは達成可能だと確信しておるかどうかということは、これは政治的にも責任の問題になってくるが、結果的にだめでしたよなどというようなわけにはなかなかいかないので、この見通しは大丈夫か、こういうことなんですよ。 それからもう一つ、もし新たにいま申し上げたようなことで歳入欠陥が生じた場合に、第二次の補正予算を編成して赤字国債をさらに増発していく考え方がおありか。これは政治的には大変責任の問題だから、そんなことは結果的に赤字が出たらまた後ということになるかもしれませんが、そんな無責任なわけにもいかないと思う。そこで、歳入欠陥を埋めていくために決算調整資金の取り崩し、それでも不足する分は国債の整理基金特別会計からの借り入れで穴埋めをしていく方針かどうか、お尋ねをしておきます。
○八木橋説明員 お答えします。 ただいま主税局の方からお答え申し上げましたように、私どもといたしましては、全体としては補正予算で見込んだ税収は期待できるのではないかというぐあいに考えておるわけでございますが、仮に歳入欠陥が生じるような場合にはどうするかということでございますが、その場合におきましては、歳入歳出全体を通じますところの状況を見た上で適切な処置を講じてまいるというぐあいに考えておるわけでございまして、具体的にどうこうというようなことは現在考えておりません。
○青山委員 全く無責任な話だ。その事態にならなければ何にも考えられないのかね。もう一遍改めてやらざるを得ない。これだけだったら、あと持っている質問ができなくなってしまう。ただ非常に不満です。その事態にならなければ態度が表明できない、国会のこの場で国民の前に明らかにすることができないというのは大変不満です。ですが、これは改めてやらなければならぬと思います。 自治省にお尋ねします。 景気の停滞が国と同様に地方税収へも重大な影響を与えてきておりますが、五十六年度の地方財政計画に見込んだ税収入に対していまどのような状況にあるのか。地方税収の見通しはどうでしょう。これが一つ。 それから、地方財政計画における税収見込み額に比べて税収が不足した場合、どのような形で処理されるのか。多くの地方団体は積立金を取り崩して対応していく、こういう見込みであろうと思いますが、積立金で対応し切れない地方団体、たとえば、東京、大阪、愛知などは減収補てん債の発行を希望しております。自治省はどのような方針で臨まれるのか、お尋ねいたします。
○関根政府委員 地方税の収入状況でございますが、今年度計画額に対しまして、必ずしも進捗状況がよくございません。特に法人関係税におきまして、伸び悩み現象が出ております。十二月末の都道府県の徴収実績を進捗度合いで見ますと、七四・二%のものが収入されております。昨年の同時期は七七・二でございましたから、去年に比べまして三ポイントほど進捗度合いが落ち込んでおる、こういうことでございます。 ただ、法人関係税が比較的悪いのですが、反面自動車関係税でございますとか、あるいはたばこ消費税の関係でございますとか、こういったものは比較的よろしい。特に、市町村税におきまして個人関係の住民税所得割、これが比較的順調に入っておる、こういうことでございますので、私ども心配はいたしておりますけれども、これからまだ多少期間もありますので、全体としては何とか計画額を確保できるものというふうに考えている次第でございます。
○青山委員 追加財政需要についてちょっとお尋ねいたします。 昭和五十六年度の地方財政計画策定後の追加財政需要としては、今回の補正予算に関連するところの冷夏や台風、雪害等々によるいわゆる災害に伴う新たな財政需要のほかに、国と同様に地方公務員の給与改定にかかわる新たな財政需要、これらが生じていると思うのです。 そこで質問の一つ。今回の補正予算の現年災害復旧事業費の地方負担額はどの程度見込んでおられるか、これに対する財源措置はどのように講ずるお考えか、その他の冷夏等の災害による特別な財政需要についてはどのように対処されるのか、これが一つです。よろしいか。 それからもう一つは、国家公務員の給与改定に準じて措置した場合の地方公務員の給与改定所要額はどの程度見込まれているのか、またこれに対する財源措置はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
○土屋政府委員 最初に、先ほど御質問のあったことで私の方からお答えすべきものが漏れておりますので、一言申し上げます。 簡単に申し上げますと、五十六年度の税収については税務局長から申し上げたとおりでございますけれども、私どもとしては、法人関係税について当初見込んだ額よりも減収となる団体がやはり出てくると存じます。なお、最終的にどういった状況になるか明らかではございませんけれども、そういった団体に対しましては、その団体の財政運営の状況、少額であるから基金を取り崩すとかいうようなことで済む場合もありましょうし、いろいろなそういった状況を踏まえながら、必要があると認めた場合には、たとえば減収補てん債による財源措置を含めて適切な対処を考えていきたいというふうに考えております。具体的な中身は、さらに最終的な状況等を見た上で考えたいと思っております。 それから、ただいまおっしゃいました追加財政需要額の中の現年災害復旧事業費に係る地方負担額でございますが、これは七百三十七億円になっておりまして、この地方負担については地方債で一〇〇%措置をして、後ほど普通交付税で見ていくという仕組みになっております。そのほかの災害関係の経費等についても、地方債なり特別交付税等で措置をしていくというつもりでございます。 それから最後のお尋ねの、地方公務員の給与改定の所要見込み額と財源措置をどうしたかということでございますが、五十六年度の給与改定について見ますと、人事院勧告を国並みに実施をするとした場合に必要となります一般財源は、約三千六百億円くらいになると見込まれております。本年度の地方財政計画において、地方公務員の給与改善に要する経費として一%分、約九百三十億円が計上されておりますので、差っ引きますと約二千六百七十億円の財源を必要とするということでございます。 これについての財源措置は、すでに御説明も申し上げましたように、追加財政需要額のうち災害分を除いた額が三千九百億円ございますので、このような要財源ということになりますれば、これで十分対応できるものというふうに考えております。
○青山委員 最近の新聞報道によりますと、タブー視されていた地方交付税率の引き下げを検討することになったという動きが伝えられております。これはもちろん大蔵省で検討しておるという報道ですが、事実関係はどうか、自治省は御存じか、お尋ねをしておきます。
○谷政府委員 お答えいたします。 ただいまの問題につきましては、大蔵省の方から何ら自治省としては聞いておりません。
○八木橋説明員 御指摘のような新聞報道されております交付税率の変更につきまして、現在検討しているという事実はございません。
○青山委員 ない。
○八木橋説明員 現在検討しておりません。
○青山委員 時間が来ましたので、この質問の続きは改めてさせていただくとして、こんな新聞報道がなされるのは、その裏には、地方財政は豊かだ、なぜかならば地方団体の職員の給与は高い、こういう問題があります。したがって、この問題が背景にありますので、これまで自治省がとってこられた、たとえば地方公共団体の給与を公表せよ、こういう姿勢、これは非常に重要です。もっと徹底してやらなければいけません。しかし、この問題をまた取り上げますと、地方団体の公表の仕方にもたくさん問題があるし、また、地方団体においては、理事者と組合だけで適当にうまくやっていて市民はよくわからないということも幾つかあるので、自治省、ひとつぜひしっかり取り組んでくださるように要望を申し上げて、質問を終わります。
○中山委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 私は、最初に昨日のホテルの火災について伺いたいと思います。 その前に、亡くなられた方々に対し心から御冥福を祈り、そして御遺族の方には心からの哀悼の意を表したいと思います。 まず最初に、ホテル・ニュージャパンの出火当時の客室関係の従業員の夜勤体制は一体どうなっていたのか、伺いたいと思います。
○石見政府委員 当日夜の状況あるいは原因等につきましては、ただいま東京消防庁と警視庁とで合同でいろいろ調査をいたしておる段階でございまして、まだ詳細把握できない部分も多々あるわけでございますけれども、私ども、今日までの段階で東京消防庁から報告を受けましたところによりますと、災害が発生いたしました夜、従業員の勤務は八名であったと聞いております。なお、そのほか警備保障会社に警備を委託をいたしておりますものですから、その警備員がそのほかに五名、それから、あそこには御案内のとおりテナントが入っておりますので、テナントの従業員十八名が当直をしておった、合計三十一名が当日夜あのホテルの中に一応おったということでございます。
○岩佐委員 ホテル・ニュージャパンの労働組合が、きのうこの夜勤体制についてコメントをしているわけですけれども、交換台の女性従業員二名を除く夜勤者、フロントが三名、ロビーが二名、ルームサービス二名、七名しかいなかった、こうコメントをしているわけです。この夜勤体制で初動消火や通報、こういうものに当たると同時に、四階から十階までの泊まり客三百十五人の避難誘導をしなければならないわけです。とても手が回らない、そのことは明らかだと思います。客室が四百十九、収容能力三千人、そういうところで当直が七名、こういうことであるわけです。これは横井社長の徹底した人減らし合理化、そういうものによるものだと私どもは思っています。 昭和三十五年オープン当時八百名以上いた従業員、それが百四十名に減らされてしまいました。ホテル経営者にあるまじきこうした行為は、人命軽視の営業方針だというふうに言わなければならないと思います。初動消火、それから通報、避難誘導、こうしたことに間髪を入れず当たる、そういうためには日ごろの訓練はもちろんのこと、ホテルの規模に応じた必要かつ十分な一定の基準が必要だと思います。合理化でどんどん従業員を減らし、消火や誘導を機械設備に任せておいていいというものではないと思います。消防庁は、一体その基準を明らかにしているのかどうか、あればお示しをいただきたいと思います。もしその基準がないのならば、やはりつくるべきではないかと思います。大型、都市型ホテルがこういう無人型の状態にある、これは非常に好ましくない。たとえ「適」マークがあったとしても、本当に安眠できるホテルであるかどうか、そういうことが別問題になってくるわけです。 そこで伺いたいと思いますけれども、ホテル・ニュージャパンの消防計画の作成及び届け出、そういうものがあって、消防計画については「適」マークの要件を満たしていたのかどうか、その点についても伺いたいと思います。
○石見政府委員 ホテル・ニュージャパンにつきましては、法律に基づきます消防計画の届け出はされております。その内容につきましては、御案内のとおり、消防計画は地元の消防署長に届け出ることが法律によって義務づけられておりまして、それぞれの消防機関では、各ホテルが消防計画を作成いたします際には、建物の規模でございますとかあるいはまた用途、収容人員、さらにはまた消火・防火施設の状況、その他もろもろの要素を判断をいたしまして、その消防計画の作成につきまして相談に乗り、指導も行っておるところであります。 そこでホテル・ニュージャパンの場合、消防計画が出されておりまして、その内容につきましては、私ども報告を受けましたところでは、いま申しましたもののために、避難誘導あるいは初期消火等の連絡通報要員として四十五名の職員の待機と申しますか、配備を計画では出されておったわけでございますけれども、先ほど申しましたように、当夜の実態は三十一名しかいなかったということになっておるわけであります。その限りにおきましても、計画に違反をしておったということかと存じております。 一体、どの程度の規模でどの程度の要員が適当かということにつきましては、ただいま申し上げましたように、いろいろ旅館、ホテルの実態が区々でございます。一律に何名がいい、ホテルの宿泊人員何名につき何名というような一律基準を設けることは非常にむずかしい問題だと思っております。ただ先ほど申しましたように、それぞれホテルが計画をつくります際に、地元消防機関といたしましては、合理的な妥当な線に基づいて指導しておるのが実態でございます。 なお、そうは申しましても、何らかそういう意味での基準ができないか。とりわけ最近、消防設備あるいは通報設備につきましては非常に精度が上がってきておりまして、集中管理システム等が非常に精巧なものができてきております。そういうものを導入しておりますホテルもかなりございます。そうなりますと、かなり人員等につきましても整備ができる向きがございます。 そういうような状況も踏まえまして、私どもでは現在このための検討委員会を設置をいたしまして、専門家の手によりまして、この辺のホテル、旅館その他のビルの防災管理体制はどうあるべきかという中で、いま御指摘ございましたような人員配備等につきましても十分検討していただき、適切なる御答申をいただきまして、基準をできれば作成したいということでせっかく努力をいたしておるところでございます。
○岩佐委員 ホテルの中では、ワンフロアーだけでも百の部屋があって、そして一人の従業員が三つのフロアーを受け持たなければならない、そういうホテルもあるということで、これではもう非常に危険なわけですね。 先ほど説明があった三十一名という人についても、たとえば正規の従業員と警備員と、そしてテナント十八名というのがどういう方かわかりませんけれども、こういう人たちが本当に緊急事態だというときに、気をそろえて初期消火に当たれる、あるいは誘導に当たれるのかどうか、こういうことだって本当に検討していかなければならない事態だというふうに思うのです。そして、いま検討委員会で作業を始められるということですけれども、一体どういう期間でこの作業を上げられようとしているのか、その点の見通しについてお示しをいただきたいと思います。
○石見政府委員 ただいま御質問がございましたように、どの程度の人間が必要かということは、先ほど申し上げましたように、消火あるいは防火あるいは火災感知の集中システム化の進捗と申しますか、整備状況ともかかわる問題でございます。したがいまして、そういう人的、物的な両面を組み合わせまして、と同時に、あわせて日ごろの防火管理体制、訓練等も十分やらなければならぬわけであります。そういうことで、ビル全体としての物的、人的あるいは日ごろのそういう管理体制というものを含めまして検討していただくことにいたしております。 発足をいたしまして、鋭意専門家の手によっていろいろと検討していただいておりますけれども、どれぐらいでその結論が出るかという日数につきましては、まだ確たる、私自身日にちを申し上げるところまでまいっておりませんけれども、私どもといたしましては、できるだけ速やかに何とかして結論を出していただきたいということで、先生方各位にはお願いをしておるような状況でございます。
○岩佐委員 これでは、「適」マークがあっても安心して泊まれないということになるわけですね。そこで、政務次官にお願いをしておきたいのですけれども、このことについては真剣に受けとめていただいて、早期にやっていただくように、自治省としても作業を進めていただきたい、このことを要望したいと思います。 それから、先ほどの質問の中で、いま消防庁として都内のホテルの点検をやっておられる、そういうことがありましたけれども、この点検というのはどういう中身で、そしてどれぐらいの期間をかけてやられるのか、教えていただきたいと思います。
○石見政府委員 東京消防庁で昨日より実施いたすことにいたしました総点検でございますが、御案内のとおり、昨年五月に公示制度を設けまして、東京消防庁は大変精力的にこれを進めてまいったわけであります。九百余りの対象物の中で、約三分の一が「適」マークが交付できないという状況で今日まで至ったわけであります。「適」マークの交付できない旅館、ホテルにつきましては、その後「適」マークを受けられるように、設備の改善その他指導をずっと続けてまいったわけでありますけれども、今回の事故を契機といたしまして、東京消防庁におきましては、二月の九日から二十三日までの間をかけまして、すでに「適」マークの交付を受けております旅館、ホテルにつきましてもなお再度調査を実施するということ、それから「適」マークの交付を受けてない旅館、ホテルにつきましては、引き続き徹底した調査、指導を重ねていくということで、昨年五月以降やってまいりましたことをもう一度再点検、再確認をしたいということであります。 内容的には、消防法の基準あるいは建築基準法の規定に基づきまして、二十四の項目、約六十の点検個所につきまして、総点検を各施設ごとに行うということを内容といたしておるものでございます。
○岩佐委員 その結果について、本委員会に提出を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○石見政府委員 ただいま申し上げましたような一斉査察、調査を行いましても、なお「適」マークの交付できない旅館、ホテルというものが残ると思っております。これにつきましては、公にしてはどうかというお話でございましたと存じます。この点につきましては、東京消防庁の方とも十分よく話をいたしまして、そのような方向で委員会あるいは理事会にお示しできるようなことに努力いたしたいと存じております。 ただ、出す時期とか出し方につきましては、いろいろ問題があろうかと存じております。ちょっとした手直しで「適」マークがもらえるところとどうにもならないところ、段階がいろいろあろうかと思っております。その辺十分コメントをつけながら、東京消防庁の方とも今後その方向で出せるように努力をいたしたいというふうに存じております。
○岩佐委員 客の安全のためにスプリンクラーをつけよということは、労働組合も再三にわたって要求してきたところです。それが果たされなかったわけですが、それと同時に、外見はりっぱに見えても内部構造は、一たん火が出ればまたたく間に水平方向に広がるというベニヤ張り構造が一部にあって、これが改善されない、残されていた、そういうことになっているわけですけれども、この点改善命令事項だったのかどうか、その点を消防庁に伺いたいと思います。もし改善命令事項じゃないと、これは大変なことだと思うのです。 それから建設省に伺いたいのですが、これについていかなる措置をしておられたのか、そういう点について伺いたいと思います。
○石見政府委員 ベニヤ張りの部分があったことは事実でございます。これは各室内が、御案内のとおりコンクリを打ちました上にベニヤ等を張る、あるいはまたその上にクロスを張るというようなことで内部の装飾を行うわけでありまして、この部分につきましては東京消防庁といたしましては、その内装部分の不燃化を行うように、これは文書で十分指導改善方を指示してまいってきておったところでございます。
○梅野説明員 私ども建築基準法の関係でお答え申し上げます。 建物のつくりにつきましては、設計と施工、それから維持管理という各段階で、基準法で求めておる性能を十分満足するということが必要なわけでございます。これに対しまして、東京都、公共団体を通じまして、建築基準法の確認制度という制度の中で、計画及び竣工検査というようなことでチェックをしてきておるわけでございます。 今回の構造につきましては、手続的には三十三年以降一応適正に行われているというふうに考えておりますけれども、実際の実態をできるだけ早い機会に東京都とともに調査をいたしまして、把握いたしたいというふうに考えております。
○岩佐委員 その調査については、後で報告をいただきたいと思います。 ホテル・ニュージャパンについて抜き打ち検査を消防庁がなぜおやりにならなかったのか。消防法上は、ホテルの場合にできるわけですね。ところが、いつも事前に連絡をしてそれから行く、そういうことであったようでありますけれども、これじゃ何の効果も上がらないわけです。こういうなれ合いの状態というのは今後改善をすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○石見政府委員 消防設備の機能の検査を実施いたします場合に、相手方に一応連絡をいたしまして検査をスムーズにする。何分にもお客の宿泊の場所をいたすものでございますので、できるだけスムーズにやりたいというようなことで、事前に連絡をしてやるというのが非常に多いわけであります。 しかし、御指摘のございましたように、消防法の規定によりまして、ホテル等につきましてはいわゆる抜き打ち検査ということも十分許されておるわけであります。今後私ども、それぞれの実態に応じまして、運用としてこの消防法四条三項の規定を適用いたしまして、相手によりましては抜き打ち検査ということもやってまいりたい、また指導もしたいというふうに考えておるところでございます。
○岩佐委員 東京は世界でも有数の国際都市であるわけですけれども、このニュージャパンの場合も外人客が非常に多い。それにもかかわらず、労組対策ということで外国語に堪能なフロントマンを他に配転をさせている。しかも英語の非常口表示だとかあるいは絵表示、こういうものもなかったわけです。やはり消防対策上、こうした国際都市であるということで東京の場合には考えていかなければならない、あるいは大都市の場合考えていかなければならないというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○石見政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま先生御指摘のございましたことはもっともだと存じております。東京都におきましては、なお京都その他もこれに準じておると思いますが、外国人を泊める可能性と申しますか、外国人がよく泊まるホテル、旅館につきましては、日本語のほかにたとえば英語でございますとかフランス語でございますとか、通常使われるような外国語の放送の文の作成をあわせてする、あるいは館内のそういう案内、非常放送等もやるということを、東京都といたしましてはそれぞれの旅館、ホテルに指導してまいってきているところであります。 ホテル・ニュージャパンの例をとりますと、これも東京消防庁からの報告でございますが、日本語と英語、両方の非常用のテープを準備しておる、あるいはまたそういうような案内パンフレットと申しますか、そういうものを部屋に置いておったというような報告を受けておるわけでございます。 なお、最近御案内のとおり、非常口につきまして「非常口」と大きく書いてございますが、あれはちょっと外国の方は読めないわけでございますので、この間改正をいたしまして、あるいはテレビ、新聞等で出ましたように、駆けて逃げる形にいたしました。あれを今後普及していきたいということでやっておるところでございます。
○岩佐委員 あと一問お伺いしたいのですが、労働組合が強く要求をしてきたスプリンクラー等の防災設備を経営者側がなかなか取り上げなかったという問題このことだけではなくて労働組合対策だということで客の安全を犠牲にした、こういう非常に顕著な事例があります。それは労働組合弾圧の一環として、組合事務所に通ずる通路に鉄の扉を設け、一時期かたく施錠していたことがあります。火災等の非常時にはお客さんはこの避難通路を通過しなければならないのに、この個所に鉄の扉を設けて施錠した、そういうことなんですね。この事実を消防庁は把握しておられたかどうか。労働組合はこれについて抗議文を出して、消防署にも客の安全上問題だと訴えているわけですけれども、どう措置をしたか教えていただきたいと思います。
○石見政府委員 私どもといたしましては、非常扉の一部に錠をつけておったというような事実は承知をいたしておりませんでした。先般東京消防庁に、そういう事実があったのかどうかということを確認をいたしたわけでございますが、東京消防庁といたしましては、錠が二年前に設けられていたということは知っておったということは言っております。しかし、私どもにそれを一々報告はしておりませんので私どもは承知しておりませんが、地元の消防機関としてはそこに錠があったということは知っておったと申しております。 なお、火災当夜その錠は、錠はあるわけでございますけれども、かぎはかかっていなかったということを地元消防機関は確認をしたということの報告を受けております。
○岩佐委員 それについては五十五年当時錠がかけられ、そして外しなさいということで外させたということが真相です。 時間もありませんので、いよいよ本題の交付税関係に入りたいと思いますけれども、わずかな時間ですので簡単に質問したいと思います。 今回の補正措置の中で特別会計借入金の償還のうち、その一部について二分の一地方負担を導入しているわけです。私は、今回の補正に関して、五十年度以降の交付税の補正措置についてさかのぼって調べてみたわけですけれども、今回のケースと非常に似ていると思うのは昭和五十二年度の補正です。五十二年度の場合には、前後二回の補正をしているわけです。第二次補正の内容は、国税三税の大幅落ち込みがあったにもかかわらず、政府は、当時の地方財政が地方交付税の総額を減額できるような状況ではないとして特例法を定めて、交付税の法定三二%分を減額せず、かつ精算も行わないことにしました。 そこでお尋ねしたいのですが、一つは、補正での特会借入金の償還で二分の一地方負担が導入されたのは初めてだと思いますが、いかがですか。 二つ目には、今回の措置は五十二年度の補正措置と比べて著しく地方に不利な措置だと思いますが、なぜこういうことになったのか。地方財政の状況は余裕がある、そういうふうに大蔵省から見られ、またその大蔵省の意見に押し切られたのではないかというふうに思われるわけですが、その二点について伺います。
○土屋政府委員 いまお示しのございました五十二年度の第二次補正予算におきましては、国税三税が減額されました。これに伴って地方交付税も減額されることとなったわけでございますが、毎年度巨額の財源不足が生じておりましたし、あるいはこれからも生ずることが予想されておりました当時の厳しい地方財政の状況のもとでございましたので、これを減額することは不適当であると考えまして、昭和五十二年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律に基づきまして、第二次補正予算前の交付税額をもって五十二年度の地方交付税額としたわけでございます。 しかし、率直に申し上げまして、当時すでに借入額の二分の一を国が負担をする方式を五十三年度以降とることが合意されていたことでもございまして、五十二年度はこういう形で据え置きますが実質的に同じ扱いになるように、覚書によりまして後年度の臨特から二分の一相当額を減額することとされておったわけでございます。このこと自体は、適切であったとは決して言えないわけでございますが、そういうことによって五十四年度あるいは五十五年度、そのようなことをやったわけでございます。実質的にはこういった特例をつくりながら、やはり当時合意ができておりました実質二分の一負担というような形があったと認めざるを得ないのでございます。そういった意味では、形の上はともかく、五十年度以降においてやはり二分の一負担といったような形がとられておったと言わざるを得ないのでございます。 今回の補正によりまして自然減収が出たということで、それによって交付税の減が出てきた、これをどのように措置するかということにつきましては、私どもとしては、そういう場合は、経済情勢の変化等に起因するものでございますから、もろもろの要素を考えて取り扱いについて決定すべきだと考えておりますが、今回の場合はただいま申し上げましたように、一つには、五十三年度の制度改正によって財源不足に係る借入金については国が二分の一を負担するというルールが設けられてきておる、そしてそれによって措置されてきておるという事実と、それから、現下の国の財政が御承知のようなきわめて厳しい状況にあるといったこと等を勘案いたしまして、減額分相当額の借り入れを行いまして、その償還金の二分の一を地方で負担するということになったのでございます。 全体として見れば、五十年度以降はそういった方式がとられておりまして、四十六年度あたりでは借り入れたものを全額地方が負担するというような例もございますけれども、全体としては五十年度以降はただいま申し上げたようなことでございます。特に五十六年度については、いま申し上げたような事情によって自然減分については二分の一負担ということにいたしたわけでございます。
○岩佐委員 先ほどから議論になっているところですけれども、大蔵省の昨日の発表の国税の徴収実績、これを見ますと、地方税の場合に大体六千九百八十八億円の減収を生じる、こういう試算ができるわけです。この減収について自治省は、五十八年度で精算をするんだ、そういう説明があるわけです。 この精算ということですけれども、交付税法上確かに精算の仕組みがあるわけですけれども、この法律規定どおりできないことは過去の自治省のとった措置が証明をしています。昭和五十二年度の第一次補正の際、当時の山本財政局長は、今回の措置は「臨特によりまして後年度補正もするというので、将来の地方財政といたしましての影響はない、ただし、もしも五十四年度までにそのままにいたしておれば、三角立てばそのときは交付税の精算減というかっこうにもなってくるような事情もございまして、」というふうに、当委員会の同僚議員に対して五十二年十月二十五日に答弁をしておられるわけです。要は、精算にしたら地方財政への影響がある、だから補正が精算より有利であるということを言っておられることだというふうに思います。 自治省としては、手をこまねいて大幅な精算減にするんではなくて、大蔵省に対して、第二次補正を組み地方財政への影響がないよう当然要求をすべきだというふうに思うのです。これはいま地方財政が、五十六年度補正あるいは五十七年度予算の場合に、何か大蔵省から非常に豊かであるかのように見られている、地方財政はいいんだということを言われていますけれども、実際には非常に苦しい折ですので、その点十分考えていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 今後の国税の法人関係税がどういった動きになるか、その点については私どもよくわかりませんし、先ほどからるる大蔵当局の方においては、現状ではそれほど減収を生じない、予定どおり確保できるということを言っておられます。私どもとしては、いろいろ動きについては気になる点があることは事実でございますけれども、大蔵当局でそのようなことを言っておられるということは、いろいろなデータをもとにして、またいろいろな前提を置いて見積もりを行われた結果だろうと思っておるわけでございまして、減収を来さないように私どもとしても期待をしておるわけでございます。 しかしながら、仮に減収になったといった場合にどういった取り扱いをすればいいかということになりますれば、過去の例を引いて御説明がございましたが、一つには、そのままにしておいて当該年度は予定どおり確保しておいて、後年度で精算をするということもございます。しかしながらそうなってくると、直接その当該年度で確保しておれば、それなりで当該年度は入りますけれども後で精算をするということになる。そこらはどちらがいいのかということは、いろいろと検討しなければなりません。 いまの段階で、減収を前提として私どもがどうこう申し上げるわけにはまいりませんけれども、決算の結果、仮に後年度の精算減が大きくて、地方財政の運営に支障を生ずるような規模となるということでありますれば、その段階において、国、地方の財政状況等を勘案いたしまして、私どもとしては、いずれにしても地方財政運営に支障を来さないような、もういろいろな手を打って措置をしていきたいというふうに考えております。
○岩佐委員 時間が来ましたので、終わります。
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○中山委員長 続いて、地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 昭和五十七年度自治省関係予算の概要について説明を聴取いたします。石原官房長。
○石原政府委員 昭和五十七年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は千九百万円、歳出は九兆七千八百五十五億一千九百万円を計上いたしております。 歳出予算額は、前年度の予算額八兆九千七十三億九百万円と比較し、八千七百八十二億一千万円の増額となっております。 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省九兆七千六百四十七億九千二百万円、消防庁二百七億二千七百万円となっております。 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。 最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、九兆二千三百九億二千百万円を計上いたしております。 これは、昭和五十七年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額九兆二千四百五十一億二千万円から昭和五十五年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れれた額百四十一億九千九百万円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 次に、借入金等の利子の財源の繰り入れに必要な経費でありますが、四千五十六億百万円を計上いたしております。 これは、地方交付税交付金に係る借入金及び一時借入金の利子の支払い財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、百九十九億五千万円を計上いたしております。 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十二億円を計上いたしております。 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。 次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、五百十七億三百万円を計上いたしております。 これは、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するためのものであります。 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、百三十二億三千三百万円を計上いたしております。 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。 次に、地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、十八億一千万円を計上いたしております。 これは、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こした再建債について利子補給金を交付するためのものであります。 次に、再建地方都市バス事業の車両更新費の補助に必要な経費でありますが、十億八千七百万円を計上いたしております。 これは、財政再建を行う地方都市バス事業を経営する地方公共団体に対する当該事業の車両更新費の補助に必要な経費であります。 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、百七十五億円を計上いたしております。 これは、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債に係る支払い利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、百十八億六千六百万円を計上いたしております。 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するためのものであります。 なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費七億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、十一億八千二百万円を計上いたしております。 これは、田園都市構想に即し、地域社会の総合的な振興を図るため、広域市町村圏等における田園都市中核施設の整備計画の策定に対する補助及び当該施設の整備に対する助成交付金の交付に必要な経費であります。 次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、十億八百万円を計上いたしております。 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、選挙をきれいにする国民運動及び政治倫理化運動を推進するために要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。 以上が自治本省についてであります。 次に、消防庁について、御説明申し上げます。 まず、大震火災対策に必要な経費として、四十六億二千万円を計上いたしております。 これは、震災等大規模災害に備えるための消防防災無線通信施設及び耐震性貯水槽、コミュニティー防災センターなど震災対策のための諸施設の充実を図るとともに、防災知識の啓発及び消防防災対策調査を推進するために必要な経費であります。 次に、消防施設等整備費補助に必要な経費として、百四十五億六百万円を計上いたしております。 これは、市町村の消防力の充実強化を図るため、消防車、防火水槽など消防に関する施設及び装備の充実と高度化を地域の実情に即して重点的に整備するとともに、石油コンビナート等における防災対策の推進を図るために必要な経費であります。 第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は、十八兆二千四億八千百万円となっております。 歳入は、地方交付税交付金及び借入金等利子の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。 以上、昭和五十七年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○中山委員長 次に、昭和五十七年度警察庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。金澤官房長。
○金澤政府委員 昭和五十七年度の警察庁予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年度の警察庁予算総額は、一千五百七十九億二百余万円でありまして、前年度当初予算額一千五百四十七億五千余万円に比較いたしまして、三十一億五千二百余万円の増額となっております。 次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。 第一は、警察庁一般行政に必要な経費五百五十五億八千六百余万円であります。 この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の職員俸給等の人件費、都道府県警察官一千五百人の増員に必要な教養経費等のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務経費であります。 第二は、電子計算機運営に必要な経費三十五億七千余万円であります。 この経費は、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算機組織の運営に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等であります。 第三は、警察機動力の整備に必要な経費百三十八億五千九百余万円であります。 この経費は、大規模地震対策の一環ともなりますヘリコプター、警察車両の購入、警察装備品の整備及び警察通信施設の整備並びにその維持管理等の経費であります。 第四は、警察教養に必要な経費二十七億一千二百余万円であります。 この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備費等であります。 第五は、刑事警察に必要な経費八億六千六百余万円であります。 この経費は、暴力団犯罪及び一般犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学器材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。 第六は、保安警察に必要な経費一億一千六百余万円であります。 この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、覚せい剤、密貿易、拳銃等銃砲危険物、公害等に関する犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費等であります。 第七は、交通警察に必要な経費二億二千二百余万円であります。 この経費は、交通安全に関する広報及び運転者対策等に必要な物件費並びに交通取り締まり指導のための旅費等であります。 第八は、警備警察に必要な経費六億二千百余万円であります。 この経費は、警備警察運営に関する会議、指導、連絡等の旅費、器材類の整備等に必要な経費であります。 第九は、警察活動に必要な経費百四十六億四千六百余万円であります。 この経費は、犯罪の捜査、取り締まり等警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。 第十は、警察電話専用回線の維持に必要な経費四十一億六千九百余万円であります。 この経費は、警察電話専用回線を維持するために日本電信電話公社に支払う、いわゆる警察電話専用料であります。 第十一は、犯罪被害給付に必要な経費六億六千七百余万円であります。 この経費は、殺人、傷害等の犯罪により死亡しまたは重障害を受けた場合、その遺族または被害者に対し国が一定の給付を行う制度を実施するため必要な給付金及び事務費であります。 第十二は、千葉県警察新東京国際空港警備隊に必要な経費五十四億一千六百余万円であります。 この経費は、千葉県警察新東京国際空港警備隊の維持、運営に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の補助金であります。 第十三は、船舶の建造に必要な経費三億二千百余万円であります。 この経費は、警察用船舶の建造に必要な経費であります。 第十四は、科学警察研究所に必要な経費八億二百余万円であります。 この経費は、警察庁の附属機関として設置されています科学警察研究所職員の職員俸給等人件費と鑑定、検査、研究に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。 第十五は、皇宮警察本部に必要な経費四十七億三千五百余万円であります。 この経費は、皇宮警察本部職員の職員俸給等人件費のほか、行幸啓の警衛に必要な旅費、物件費、その他一般事務経費であります。 第十六は、警察庁の施設整備に必要な経費三十七億四千五百余万円であります。 この経費は、直接国庫の支弁対象となっております都道府県警察学校等の施設の整備に必要な経費であります。 第十七は、都道府県警察費補助に必要な経費二百二十億五千余万円であります。 この経費は、警察法第三十七条第三項の規定による都道府県警察の一般の犯罪捜査一交通指導取り締まり、外勤警察活動、防犯活動等の一般行政費の補助に必要な経費であります。 第十八は、都道府県警察の施設整備費補助に必要な経費二百三十七億九千百余万円であります。 この経費は、警察法第三十七条第三項の規定による都道府県警察の警察署、派出所、駐在所、待機宿舎及び交通安全施設の整備費の補助に必要な経費であります。 以上、昭和五十七年度の警察庁予算案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○中山委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十一分散会 ————◇—————