P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
96回国会衆議院1982/04/20

大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号

発言数
77
登壇者
12
会派数
5
開催日
1982/04/20

会議録

大原一三自由民主党

○大原小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。  税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として日本銀行副総裁澄田智君及び税制調査会会長代理本下和夫君の御出席をいただいております。両参考人には、御多用中本小委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。  これより政府委員並びに参考人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野口幸一君。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 参考人の木下先生、大変御苦労さまでございます。  税制調査会が「今後の財政運営と税制のあり方」ということを表題にいたしまして、昨年の十二月に「昭和五十七年度の税制改正に関する答申」というのをお出しになっておられます。その中で、昭和五十七年度はどうこうということはもちろん書いてあるわけでありまするが、以降の問題といいまするか、本文中には「しかしながら」という言葉を使って、今後の税制のあり方についてお述べになっていらっしゃるわけでございます。特にこの報告書の二ページの上より十五行目でございますが、「しかしながら、政策税制については、税負担の公平確保の観点から常に見直しを行うべきは当然であり」云々と、いろいろと書かれてあるわけでございますが、この「しかしながら」という以降の問題について、その後御検討が進んでいるのかどうか、今日段階で、その件についてはどのような御見解をお持ちなのかについて少しく御説明をいただきたい、こう思います。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 ただいま御指摘の個所は、五十七年度の税制改正の考え方に関する基本的な立場を述べたくだりでございます。  なぜこういう文章が出てきたかと申しますと、御指摘の「しかしながら」の前に「五十七年度における税制改正を検討するに出たつては、新税の導入や税率の引上げを考慮の外に置くことが適当であると判断した。」、これを受けまして「しかしながら」ときたわけでございますが、所要の税収増の措置を講ぜざるを得ないということを説明するために述べた文章と御理解を賜りたいわけでございます。  この文章の中身につきましては、もうすでに本委員会で御審議を賜りました今年度の税制改正の内容、すなわち租税特別措置について一層の整理合理化を図るという第一点、第二点は交際費課税の強化を行うという問題、第三は貸し倒れ引当金の法定繰入率の引き下げを実行するという問題、第四番目は法人税における延納割合の縮減、以上申し上げました四つの具体的な提案を引き出すための一つのさわりの部分というふうにお考えをいただきたいと思います。  ただ、御質問にございました今後の問題としてこれがどういうふうな影響を税調の審議において持つのかという点でございますが、本日から政府税制調査会は再開をいたしまして、いよいよ本格的な審議に移るわけでございますので、この考え方の内容につきましては、もっと詳細に個別に取り上げまして、今後の審議の課題とするつもりでございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 私も、「しかしながら」という部分から以降の問題については、いま税調の木下さんがおっしゃったことが書かれてあるものと理解をいたしておりますし、また、そういう意味であろうと思っております。  ただ、一番気になりますのは、どこの個所ということじゃなくて全体に流れておりますものは、歳出削減を徹底的にやりましても、しょせん行き着く先、そんなにたくさんの金が浮いてくるわけではなし、どうしても増税ということに踏み切らなければ、増税という言葉が適当かどうか知りませんが、とにかく税収増加という問題を考えなければなりませんということでございます。そのことをいつ、どういう形でするかということはきわめて重要な問題ではございます。  ただ、これに関連いたしまして、つまり直間比率の問題と関連をいたしまして、間接税というものについて少しく見直すべきであるとか、あるいはまたその増収措置をとるべきであるというような声が最近あるわけでございますが、税調としては、この直間比率の問題はどのようにお考えでございますか。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 御指摘の点につきまして、政府の税制調査会といたしましては、従来、各税日ごとに適切な負担水準がいかにあるべきかを検討いたしてまいりました。もちろん、その検討の後ろには直間比率の望ましいあり方ということが全く忘れ去られていたわけではございませんけれども、はっきりとこの問題を意識しながら個別税目の検討をやってきたわけではございません。  したがいまして、直接税、間接税につきまして、この言葉も実は便宜上の言葉でございまして、必ずしも正確な定義があるわけではございませんけれども、一般に言われております通常の考え方で申し上げますと、直接税、間接税と言われるものは、やはりそれぞれ長所短所がございます。また、それが実行されます租税風土と申しますか、国情の差異あるいは納税者の意識の差異というのも当然考慮に入れなければ、直接税、間接税のあり方を一般論としてどうあるべきかということは、なかなか議論として成り立ちにくい問題ではなかろうかと思います。  いずれにいたしましても、こういう問題が提起されております以上、今後の税制調査会の審議におきましては、この問題に幅広い角度から直接的に触れざるを得ないのではないかと考えております。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 もうちょっと突っ込んで申し上げます。今後のいわゆる税収を増加させる方法としては、直接税よりも間接税の方をとった方がよい、こうお思いでございましょうか。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 これは税制調査会の会長代理といたしましての私のお答えではなしに、私個人の考え方を申し上げますと、私は、やはり直接税、とりわけて所得税に魅力をなお感じておる人間の一人でございます。  したがって、かつて一般消費税という仮の名前をつけまして付加価値税に類似しました税を審議いたしました際、私は取りまとめの役を仰せつかりましたが、所得税がうまく機能しないような場合には、ベストではないけれども、いわばセカンドベストとでも申しますか、その次に位する税として考えざるを得ないというような考え方であれをまとめたわけでございます。したがいまして、一般論として間接税に傾斜することが税の理論あるいは租税政策の立場から望ましいと決めつけることはできないというふうに思います。  ただ、専門家の中では、特に学者の中では、ヨーロッパもあるいはアメリカにおきましても、最近、間接税という範疇に入れるような税を支持する議論が高まっておることは事実でございます。その中身につきましても検討を加えておりますけれども、これは、軽々しく税収不足を補うために間接税に頼った方がいいのか云々というような発想ではなくて、本来の理屈のあり方として直間の問の選択はどうであるべきか、第二には、わが国の現実というものを踏まえてどうあるべきかというような段階を迫って検討すべき問題であろうと考えております。これは念を押しますが、税調の議論ではございませんので……。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 同じ問題ですが、大蔵省はいかがでございましょうか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 直間の問題というのは、勉強はいたしておりますけれども、具体的にという段階ではもちろんないわけで、税調の御審議を踏まえながら、われわれも事務的な勉強は続けていくということで、いま直間どうこうということを申し上げる結論的なものは持っておりませんけれども、両方一長一短があるということであろうと思うのです。一長一短があるのが、具体的な問題になった場合にどちらがそのメリットが多いかという問題で検討さるべきで、抽象的にどうこうということよりも、具体的なプロセスの中で今後議論が進められると思いますが、これもやはり税調及び国会での御審議を踏まえながら、われわれも検討を進めるという姿勢でなければいけない、こう思っております。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 それじゃ、先ほどもちょっとお聞きしたのですが、今後税の増収を図るために、やはり直接税、なかんずく所得税を中心としたものをもって充てるべきだという説と、先ほどからもちょっと言われておりますように、いわば消費税というようなものを導入して間接税でその補完を図るべきだという説と、大体二つあるわけですけれども、一般消費税が過去あのような形で国民に不評を買いましたその主たる原因は、一体何であったんだろうということについては、税制調査会としては、そんなことは御議論なさったことはないのでしょうか、あったのでしょうか。ちょっとお聞かせください。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 一般消費税、仮称と注意深く申し上げておきますが、この税に対する国民の反応というものは、残念ながら新聞やその他マスコミの手段を通じて入ってくるものを中心にして私ども受け取っておるわけでございまして、税制調査会として、この問題に対する国民の反応の理由というものの分析をやったことはございません。  ただ、私個人の想像でございますが、この税の中身について十分に御存じなしに消費税は困るという反対論もかなりあったのではないかと思います。それから、それに対しまして、この税の中身を十分御了解の上、やはりこの税に対しては賛意を表しがたいという御意見もあろうかと思います。  この辺はやはり区別して考えなければいけないと思いますが、一般に言われております反対論の論拠は逆進課税にある。所得の高さに関係なく、財貨サービスを購入した場合にそれに税分が上に乗っかるということは、いわば価格が高くなるということである、そうすると、所得の高い人に高い消費税をかけるというやり方をとらない以上は逆進的だという反対論。それからまた、これは本来転嫁することを前提にして仕組まれた税でございますけれども、実は転嫁ができにくいのだ、競争力の弱い弱小の業者では、転嫁をできずにみずから抱え込まなければならないというような御心配が反対論の中身の大きな論拠であろうかと思います。  しかし、これらの欠点と申しますか反対論の論拠というものは、言われておりますほど大きいものではなく、また、諸外国の実例を見ましても、この税の逆進性というものはむしろほとんど存在しない、比例的な負担を課するものであるというような実例の報告もございますので、いま言われております反対論のすべてが正しく仮称一般消費税を評価して行われた議論の論拠になっているわけではなかろう。これはやはり早急にその理解を求めることが困難でございますれば、強行することは避けた方がよかろうという感じでございますけれども、この税の議論になりますと、非常にさまざまなお立場からさまざまな反対論が出ておりますので、これを整理して明確に裁断することは、私には非常にむずかしい仕事でございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 もう少し税調の立場でお答えをいただきたいのです。  先ほどちょっと直間比率の問題に関連いたしまして、木下さん個人としてはというお断りでございましたけれども、必ずしも今後の増税の方向として間接税をとるべきであるという一筋のものではないというような意味であったと思うのです。  しかし、いま全体的に言われている言葉を総合して考えてみますと、所得税をいじるというよりも、むしろ間接税でしかも大型消費税的なものをやはり何としても導入しなければいけないのだという声が非常に大きいようにも受け取れるわけでございまして、その点については、税調としては、今後どのような形で検討していこうとされておるのか、その筋道、それからその結論をどの辺のところで出していこうとされておるのか、そういった日程的なものとかあるいはそのスケジュール等がございますならば、ひとつお聞かせおきをいただきたいと思うのです。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 いま御指摘の点に関します政府税調の考え方は、昭和五十五年十一月にいわゆる中期答申というものを出しました。  その中で、今後の税制のあり方に関して述べた文章があるわけでございますが、思い切った歳出の節減合理化の努力をして、今後なおある程度の伸びが歳出面において予想される場合、しかもその歳入確保が必要であるという場合には、やはり何らかの税の構想というものを打ち出す必要があるだろう。その場合に、間接税、しかも課税ベースの広い間接税というものの検討は避けて通れないというふうに述べておるわけでございます。  したがいまして、政府税調の基本的考え方は、この中期答申の考え方を現在もなお続けて持っておると思いますが、ただ、これに関する審議のスケジュールないしめど、あるいは時期的な見当というものは、目下のところ全く存じておりません。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 これは大蔵省に聞きますが、いまこの間接税の問題については直接検討してないというお話でございましたが、これは一般論としてで結構でございますけれども、先ほどもちょっと出ましたように、一般消費税が非常に不評だったという理由の一番大きなものとして逆進性の問題がございますが、いまも対象の幅の広いものだからという話がございましたから、この間接税の逆進性というものを少しく緩和する方法として、歯どめの方法はあるのかないのか。それを少なくするにはどうすればいいのか。あるいはまた、現在のこの個別の物品税等のいわゆる消費税体系にあるものは、どういう形でこの一般消費税なるもの、仮称ですが、そういうものとの関連において考えられるべき問題なのか。その点は一体どういうようなお考えでいらっしゃるかということを概括的に少し教えていただけませんか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 逆進性の問題は、所得に対して逆進であるということであると思うのです。所得税は所得について累進ですが、それとの比較で行けば逆進である。しかし、消費に対しては比例的であるわけですから、その辺はやはり考えようで、あくまで担税力をいつも所得に置くかという問題はあろうと思うのです。そういう前提の逆進ということですから、消費も担税力を持つということで考えれば、逆進という話はまた別の見方があるというのがまずございます。  その次に、まあ逆進ということを考えましても、食料品を外すということは一つの内容として前回の一般消費税の案にもございます。それで、食料品をどういう形で外すかという問題がございますが、これは外さなくてもいいという議論もあるわけです。また、フランスみたいに何段階かの税率を持つということで、奢侈的なものには高い税率ということになれば、これは累進的な構造もつくれるわけです。ですから、この辺は仕組みようで外国によっては解決をしている。しかし、むしろそういうことはしない方がいいという議論も、一般消費税、付加価値税としては本来そういう例外を設けてはいけないという議論も、これは原則的にございます。  そのよって来るところは、結局、歳出の方が社会保障中心になっておりますから、下に厚く社会保障を拡大していく際に、財源を確保するのにはまた安定的な財源でなければ社会保障はできませんから、そういうことをヨーロッパではむしろ当然のこととして考えておりますので、その歳出の方の仕組みということを考えた上で、この間接税のあり方ということを議論すべきだろう、こう思います。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 だから、いまおっしゃったそういう立場を考えていきますと、いま個別にあります物品税というようなものとの関連は、これは税率が違うわけですが、そういった点ではどのような形になるというのでしょうか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 現在、個別物品税を取っておるわけです。酒とたばこ、それからガソリン税、これは各国とも別個の高い税負担を求めています。しかし、あとは個別物品税ということで、付加価値税というのは、一般的な間接税との違いは個別か一般かということであると思います。ですから、いまある個別物品税は、この一般消費税の案の中では吸収されるという形をとっておるわけです。  個別物品税というのは、やはり個別物品を選び出しますので、どうしても経済に対して中立性を欠く。新たな物品が出てくる、また陳腐化してしまう、こういう個別の物品によるゆがみを、むしろ一般的な消費税として解決するというのが近代的な税制の常識でして、個別物品税を取っておるのは日本だけであるわけですね。したがって、近代税制としてはこれは検討せざるを得ないし、国際化が進んでおるときに、貿易の問題を考えても、輸出のときには還付する、輸入したらかける、こういうふうにやっているわけですから、そういう意味で、一般的な課税体系の方が個別物品税よりはすぐれておるのは当然です。そういうことで吸収されていくというのが、この際の合理化の一環として考えなければいけないということであったわけです。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 わかりました。  この消費税の問題、もう少しくお聞きしたいと思うのですけれども、いわゆる消費税とは直接関係ないのですが、直間比率の問題です。この前私が質問しましたときに大臣は、理想としてはという言葉で、五、五という言葉が出ました。いま日本は、ちょっとよその国との対比しにくい部分もあるわけですけれども、世界各国見てみますと、アメリカの場合は直接税が非常に多いわけでございます。その他のヨーロッパの場合とアメリカの場合は格段の差がございますが、これはアメリカがとっている税制そのものにも違いがあるかもわかりませんけれども、直接税と間接税という立場からの物の考え方で、アメリカのとっている考え方というのは、ヨーロッパとどのような差があってこのような大きなものが出てきているのでしょうか。その辺、ちょっとお聞かせいただけませんか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 アメリカが直接税の割合が非常に高いわけでございますが、連邦税だけですと九〇・一%、これは五十五歴年ですが、直接税が九〇・一。しかしこれは、州税と市町村税では売上税を持っていますので、売上税というのは付加価値税と同じことなんですね、小売段階が売り上げです、途中の付加価値段階でやっていくものが付加価値税ですから、この売上税が地方にございますので、これを調整しますと、直接税は七七・五で、間接税は二二・五と直ります。しかし、それにしても直接税の割合が高いわけで、ヨーロッパは御承知のとおりにフランスが六〇とか、西ドイツが約五〇、イギリスが四〇、こういう形です。  これはアメリカの場合、やはり申告納税という伝統が非常に強いことからきておると思います。それと、あとヨーロッパの場合は、英国の歴史を見ると、むしろ間接税が最初で、その次、直接税からまた間接税に移っていったというような、社会保障の進み方の対応ぶりもあるというような気がします。また、国民性の問題がございまして、所得税で、納税道義といいますか、みずから申告して納めることは、きちっといかないと所得税の方はうまくいかないわけです。それよりもむしろ間接税の方が公平だというのが、ヨーロッパにはわりになじんでおるわけです。  ですから、その意味で、直接税の方で余りウエートをかけたことが不公平を呼ぶよりも、間接税の方で、国民性にも合った、しかも安定的な社会保障がやれるというふうにヨーロッパの方はだんだん進んできたということでなかろうかと思います。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 これは普通の委員会ではなくて小委員会ですから、余り質疑というような形で進むのはおもしろくないのですけれども、日本の国民性として、間接税というものにウエートを重く持たせるということについては、国民の現在の感情からすると、どうも余り歓迎されないような向きがあるように感じるわけでございます。  これは先ほどのお話を逆なでするようになるわけですけれども、国民も間接税に対する理解が少しく足りないのかということもございましょうけれども、やはり所得の高い者がその分に応じて税を負担すべきであるという考え方が非常に強くて、逆進性の問題、先ほどの話じゃありませんが、それを強く言われて一般消費税がつぶれたということから考えましても、安易にこの間接税でもって現在の税収不足を補うという形に持っていくのは、相当の反対といいますか異論が出るものと思うわけでございます。  しかし、先ほどから言っていますように、税調自身も必ずしも直接税だけでこれを補完するとは言っておられないで、間接税もやはり導入しなければ、あるいはその仮称消費税というんですか、一般消費税的なものもしなければならないということになってくるとすれば、その最終比率といいますか直間比率は、どの辺のところまでをまず目標にして考えるべきかという点がまず出てくるのじゃないだろうかと思うのです。大臣の言っておられる五対五ということは、これはもう非常に大きな数字になってくるわけでありまして、現在のたとえば直接税をそのままにおいておいて、残りのところはいわゆる間接税を五に引き上げるまで間接税で取るということになれば、非常に大きなものになってくるわけでございます。  大臣がいらっしゃらないからなにですけれども、大臣の言われているこの五対五という意味は、どういう立場で五対五ということ、たとえばそれは間接税を上げることによって直接税を減らす、所得税の減をやるんだ、こういう形で五対五という言葉が出てきたものか、あるいはまた、現在の直接税総収入をそのままにしておいて、間接税を引き上げることによって五対五という意味に考えておられるのか、その辺は御存じでしょうか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 大臣の言っている真意は、大体いまの七、三というのは余り偏り過ぎた、またこれをほっておきますと、この七二・四が直接税ですけれども、累進構造を持っている所得税がこの中にありますし、また法人税がそういう傾向を持っていますから、どんどんふえていくということであろうと思うのです。それから、戦前の昭和九年−十一年では間接税が六五%を占めておった、そのときには余り重税感はなかったんじゃないかという実感が、日本になじんでおったということの一つの体験があるということだろうと思うのです。戦後でも大体半分だったということでございますので、だんだん広がってくる。ほっておけばそうなってしまうわけですね。  しかし、この直間というときに、やはり直の中で法人税の割合がわりに高いということも注意すべきだろうと思うのです。日本の場合、これは五十七年度ですが、所得税は三九・三ですが、法人税は三一・三、そして間接税は二七・六ですから、直間というときには所得税と法人税ということも考えませんと、ほかの国では、この法人税というのは非常に低いというか、フランスが一〇で、あと西ドイツが六・八、イギリスが八・〇、アメリカでも一九・三でございますから、これは法人にいろいろな小さな法人がまじっておるという問題がございますけれども、一概にすぐに直間ということも、税体系としてはもう少しきめ細かな分析が要るという感じがします。  この五、五がいいのかといっても、ヨーロッパでは五、五までいっているのは、フランスが六〇と四〇、西ドイツでやっと五〇なんですが、その辺はやはり歳出構造とか税の受けとめ方がどうだとか、また、間接税の中でも、その課税ベースの広い一般的な間接税とその他の間接税を分けませんと、間接税割合の高いところでは、フランスの場合四三・八%を付加価値税が占めていますし、西ドイツは約三〇%が付加価値税ということですから、この辺、間接税のウエートが高くなるというための手段というときに、どういうことでなければならぬかということになってくるわけですから、直ちにそこがそういうドラスチックな割合まで直せるかといいますと、課税ベースの広いものを受け入れられるようなことになるかどうかにかかわるわけで、いまの個別物品税では、そこはなかなか、いまの直間を維持するくらいであろうと思うのです。  ですから、この辺は今後国会で御議論になりますし、税調でも御議論になりますので、その辺は広い分野の見方をしていただく、その際にはやはり歳出との関連も考えながら長期的な検討が要るということを感じております。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 いずれ恐らく税調に、いまたとえば明年度からいわゆる消費税導入の問題について、明年度という言葉を限って言うならばということにいたしますと、恐らくお答えが出てこないだろうと思いますし、まだそういう議論はこれからだとおっしゃるかと思いますので、いまの段階でそうお聞きをいたしましても無理だと思いますから、一応この問題はこの辺でとめさしていただきます。  そこで、この前にまた戻るわけですが、税調の御報告の中で、これまた六ページでありまするが、「以上のような観点から」云々ということで「納税者が確実な記録に基づいて自主的に正確な申告をするという申告納税制度の原点に立ち返り」云々、こういうことでございます。確かにこれは必要なことでございますし、またそうであるべきだと私も思うわけでございますが、そこで、給与所得者の申告制選択の問題について若干申し上げてみたいと思うのであります。  現行法は、源泉徴収関係者つまりサラリーマンには法的な納税者としての処遇がなされていないという議論があるわけでございますが、これについてはどのようなお考えでございますか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 これは、実体的な規定と手続的な規定と分けて考える必要があると思うのですが、給与所得につきましても、所得税の納税義務者すなわち所得税を納める義務がある者ということではあるわけで、給与所得者はやはり所得税を納める義務がある者であるということは、この法律の方で見ますと、第五条に納税義務者、「居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある。」となっておりまして、居住者というのは、第二条の定義で、第三号に居住者というのがあるわけです。第百八十三条の源泉徴収義務のところで「居住者に対し」云々と、こう源泉徴収の対象を書いていますから、実体的には給与所得者も納税義務者である。百二十一条で、確定申告を要しない場合ということで、一千万以下の場合は確定申告を要しないということにもちろんなっているわけで、そういうふうに考えますと、実体的には納税者である、納税義務者である。  ただ、手続のところの問題が第二の話になるわけで、納税義務者が所得税額をどのように納付するかというときに二つに分かれる。確定申告書を提出して、納税義務者が法令に従って自分で計算した税額を納付する、これが申告納税ということでございます。サラリーマンの場合は、給与支払い者が支払いの際に税額を計算してこれを徴収するという源泉徴収をとっておる、年末調整をとっておるという手続が二つに分かれてしまうということでございます。したがって、納税者ということでは実体的にありますが、手続的には源泉徴収義務者が税務署との関係ではあらわれてくると思うのです。  また、御質問は申告納税の問題に絡んでくると思うのですが、これはまたその問題を別の見方で理解しますと、給与所得控除をやって、そして源泉徴収をやって年末調整をやるという仕組みと、それから実額控除をやって申告をする、確定申告をする、その二つの比較の話になろうと思うのです、御質問の趣旨を理解しますと。  そうすると、これはいつもの給与所得控除と実額控除の比較がまず必要になりますが、給与所得の方での給与所得控除というものは、実額控除と比較してどういうふうなメリット、デメリットがあるか、この際どのくらいの給与所得控除をしておるかという問題がございます。これは、御承知のように三百万で三五%ですから、三百万で百五万円、一千万円で二百五万円引くというような率で引いておるわけでございます、最低は五十万ですが。  そういうやり方でやるのと——これは相当高いという感じはいたしますが、実額の方でいくのが申告につながっていきます。実額でございますと、じゃどのくらいが給与を得るに必要な経費であるかという議論はなかなか画一的な基準ができない。外国の例で見ると非常に制約されておるわけで、本来企業が払うべき制服とかそういうものに限定されてくるわけですから、普通のわれわれが着ている背広というのは対象にならないわけで、そういう実額控除の範囲は非常に狭いということ。また、実際それが給与収入を得るのに必要であったという関連づけ等を立証していくというのは普通の人はなかなか大変で、むしろそういう金が多くかかったというのはわりに収入の多い人の方でありますし、またそれを立証するのにたけておる。そうしますと、むしろこういう一定率で引く方が公平かという議論もあると思うのです。  ですから、形式的というか理論的に、実額控除をして申告納税をするということがよろしいという議論もあると思うのです。ところが、実際どうかとなると、そこでむしろ不公平になるということの比較で考えるべきで、そういう意味で、いまの給与所得控除というのと源泉徴収というのは、合理的な制度ということで考えていいのではないかと思っています。  それからあと、納税申告権のお話まで持っていきますれば、いまの申告納税の話になっていくのですね。そうすると、申告納税というのが本来的なものであるかという問題になります。これはヨーロッパの方では賦課課税でございますね。税務官庁が賦課する、アセスメントでやるという考え。歴史的には英国もそうですが、それは民主的であると言われておるわけです。アメリカの方は申告納税の伝統が強いものですから、源泉徴収をしながらも確定申告制度が併存しておる。しかし英国では源泉徴収をやって、その都度調整していくという、ペイ・アズ・ユー・アーンといってPAYE制度が徹底してできているわけです。ドイツも同じに年末調整で処理をする。最終的な事業所得者に対してもアセスメントでいく。その考え方は、どうも公平であることが基本であるということなのですね。そして課税が公平であれば、申告納税というような自分で税額を決めるということよりも、正しい課税を税務行政としてやる。その際に納税者の方は資料を申告するという形をとっておるわけです。  ですから、ヨーロッパでは、その辺はむしろ実体的な公平をどう確保するのが正しいかというのが徹底してやられておる。アメリカの方は、非常に理論的というか理想的ですから、自分で税額を決めるというセルフアセスメント制度をとっている。そして日本も、それをシャウプが引き継いだわけです。  しかし、自分で税額を決めるというならば、自分の税額を決める資料をちゃんと持っておって、納税道徳も高く、それが正しく申告されるということでなければいけないわけで、その辺が給与所得者と事業所得者の話にまたつながっていきます。ですから、給与所得者はそういう源泉徴収、年末調整で的確だ。そうすると、あとの、申告納税制度をとっておるにもかかわらず、帳簿がきちっとしていないために正しい納税が行われない。  要するに、民主主義では正しい納税が一番の基本ですから、そこのところで記帳義務の問題が出てくるわけです。ですから、形式的な申告納税というだけの仕組みが、実体はそうなっていないところが、源泉徴収的な給与所得者と事業所得者のアンバランスを感じさせる。そこに現在のいろいろな問題が生じておるわけで、基本はあくまで公平な課税をするということが、租税法律主義は民主主義の基本ですから、国会で決めてもらっていますから、それを正しくやる、課税するというのが基本でして、申告納税のところでおかしさが出てくるならば、それを正すということを徹底する必要があるというのが私の考えです。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 わからないわけではないのですけれどむ、ただやはり、これはアメリカの例を言うまでもありませんけれども、申告納税制度といいますか、納税申告権といういわゆる一つの権利というものは、サラリーマンといえども持たせておくべきであるし、それから、その選択はあくまでも納税者の裁量によって決めるべきである。これは基本であるというような考え方。  それから、先ほど記帳の問題も出てまいりましたけれども、これからの記帳制度の導入とも相まってくる課題だとは思いますけれども、先ほどもちょっと言われましたように、同じサラリーマンでも必要経費については個人差があるのじゃないか。だから、その選択はそれぞれの納税義務者に選択をしてやらせた方が、これは税の負担の公平からいっても正しいのではないか、こういうような議論もあるわけでありまして、私も、まだ勉強不足で決して十分な討論はできませんけれども、しかし給与所得者が、今日いわゆるクロヨンだとかトーゴーサンとか言われている中にあって、おれたちは本当に不遇だ不遇だと言われている中身は一体何なのかということを考えてみたときに、それらの問題をあわせて考えてやるべきではないだろうか、こう思うわけであります。  そこで税調でも、「以上のような観点から、納税者が確実な記録に基づいて自主的に正確な申告をするという申告納税制度の原点に立ち返り」という言葉があるのでありますが、この意味から考えますと、サラリーマンといえども申告納税制度というものについても考え直していただく必要があるのではないだろうか、そういう選択権というものを与えるべきではないだろうか、こう思うわけでありますが、税調の方はいかがでございますか。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 ただいま御指摘の問題点につきましては、主として事業所得に関連する問題だと思います。記帳の問題はとりわけてそうだと思いますが、ただ、給与所得につきまして、御指摘のように現在は概算控除の制度をとっておるわけでございますけれども、これを実額控除との選択にして事態がどの程度改善されるかにつきまして、税調で審議をしたことはございません。  ただ、私も給与所得者で申告をしておりますので実感としてよくわかりますが、現在の概算控除は、まず私個人について言えば必要経費と思われるものはほとんど認められておるというふうに解釈いたしておりますし、これを概算控除の制度のもとにおける現在の控除の金額が不当に低過ぎる、実額控除に移した方がより公平という原則にかなうという判断を持たないわけでございます。むしろ、それに関する手間暇というようなものを考えますと大変なものでございまして、しかも、その立証技術と申しますか、そのうまいか下手かによって、むしろ逆の意味の不公平も生ずるという感じでございますので、私個人としては、いまの概算控除制度をやめて実額と概算控除との選択に移すことは、少なくとも実感からいって、それほどのメリットはないのではないか。しかも徴税の事務の方から考えますと、これは大変な事務の増加だと思います。そのことを考え合わせまして、私個人としては、税調の審議はやっていないのに私個人の意見を申し上げるのは失礼でございますけれども、それほどのメリットを認めないような考え方でございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 時間が余りありませんので、その問題は少しく私ども勉強させていただいて、また後日議論をさせていただきたいと思っております。  少し視点を変えますが、いわゆるアングラ経済と言われておりますか、地下経済と言われているものが最近非常に顕著に伸びていて、ある雑誌を読ませていただきますと、個人の金融資産三百三十兆円と言われているもののうち約二〇%、五十ないし七十兆円が隠し財産だと言われております。そういうようなことを実情として捕捉しておられるのでしょうか。

吉田哲朗国税庁直税部長

○吉田(哲)政府委員 お尋ねのアングラ経済あるいは地下経済、ブラックマネー、いろいろな呼称がございますけれども、中身は、意味しておるところはさまざまでございます。いわゆる麻薬の売買であるとか売春、賭博といった、そういった非合法な経済取引を問題にするところもございます。それから、いわゆる合法所得であって各種の経済統計に上がってこないようなものを含むこともございます。さらにまた、いわゆる脱税所得と申しますか、課税の捕捉漏れになったようなものもあるかと思うわけであります。  そこで、そのうちいわゆる非合法所得とかあるいは各種の経済統計に上がってこないような所得につきましては、なかなかその全貌をつかみにくいのが事実でございます。私ども知っておりますところでは、アメリカにしてもイギリスにしてもイタリア、そういったところでも、学者あるいは研究機関等でいろいろ推計をやっておるようでございますけれども、かなり幅があるというのが実情でございます。  一般的な感じから申しますと、わが国の場合、各国に比べまして犯罪の発生頻度が低いとか、あるいは狭い国土でいわゆる均質社会といいますか、あるいは高度化社会、そういったような事情もございますので、外国に比べて決して高くはなかろうというふうな推測はできるわけでありますが、正直に申しまして、税の執行面からはよくわかりかねるというのが実情でございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 先ほどちょっと数字を申し上げました、五十兆から七十兆ということが学者の問で指摘をされておりますが、それは大体推測しておられますか、そのくらいあるんだと。

吉田哲朗国税庁直税部長

○吉田(哲)政府委員 実は、その数字がよくわからないわけでございまして、まず非合法所得、いろいろな非合法な経済取引に起因するものは、税務の調査におきましても捕捉が非常に困難であります。しかしながら、暴力団とか賭博とかそういったような関係につきましては、私どもは、従来から警察その他司法当局といろいろ協力関係を密接にいたしまして、相互にいろいろ情報交換し、課税できるものは課税しているということでやっているわけであります。  一方、いわゆる合法所得で税務調査になじむものにつきましては、私ども、従来からいろいろな工夫、手段をこらしまして、法人税の調査あるいは所得税の調査をやっておるわけでありますが、その調査結果から申しますと、それほど大きなものではないのではないかというふうに考えております。  一例について申し上げますと、所得税の調査は、実調率が要処理件数に比べますと大体四%から五%くらいというところでありますが、これは特別に情報のあるものとか問題のあるものを選んでやっておるわけでございますけれども、その結果を見ましても、当初の申告は大体七五%くらい、つまり、全所得を一〇〇といたしますと、申告漏れが二五%くらいということでございます。これは、特に選んでやったものを調査して、なおかつそうでございますので、一般の納税者の申告水準は、それよりも相当高いのではないかというふうに私どもは考えておるところでございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 私も、これは確かな情報ではありませんので、こういう席で言うのはいいか悪いかためらうわけですけれども、特に私が思いますのは、最近宝石商のダイヤモンドを中心とする輸入品も含めましての取引というものが非常に大きくなってきているが、しかし、税務当局ではなかなかその捕捉が不十分で、いわゆる脱税と言われる部分が非常に多いのではないか、こういう話を聞くわけでございます。  これは、確かな情報というよりも、ただ単に情報といいますか、本当の情報というとおかしいが、単なる情報でありますが、はっきりとした、どこの会社がどういう形でどういう脱税をしたという意味で言っておるわけではありません。ただ、そういうことを考えますと、これは直ちにアングラ経済に直結した意味で申し上げているわけではありませんけれども、この種の問題を初めとして、まだまだ隠れている部分といいますか、個人の金融資産の中で当然出てこなければならないものが出てきていないということになるならば、今後しっかりとした捕捉をしてもらいたい。  この捕捉をやる方法ですね、これは、もちろん現在の税務署員なりあるいはまた担当者の数字ではとてもできないものなんだ、もっと大がかりに調査をしなければ、とてもじゃないがつかみ切れないというものなのかどうなのか、あるいは、この捕捉をもっと高めるためにはいまどういう手段が残されているのかとかいうような問題については、積極的にお取り組みになる必要があると思うし、また、そのことについては積極的に取り組もうと考えておられるに違いありませんから、その手段というのは一体いまどのようにお考えでございましょうか。

吉田哲朗国税庁直税部長

○吉田(哲)政府委員 いまいろいろ御質問がございましたけれども、一つは、資料情報の事務の充実ということかと思います。  いま、たまたま宝石の例を挙げて御質問になったわけでありますが、これは直税、間税共通する問題でありますが、いわゆる戸別訪問等による宝石の売買というものは捕捉し把握するのに非常に苦労が要ることは事実であります。直税、間税協力いたしましていろいろやっているわけでありますが、そのほかに、最近非常にいろいろな形で金融資産あるいは宝石、貴金属を保有するのがふえてきている傾向にございまして、こういったところの資料源開発をどうやっていくかということが、いま税務の執行ということで非常に大きな問題で、部内でいろいろ研究し情報の蓄積に努めているところであります。  それから一般的に申しますと、先ほど税務調査の結果を申し上げましたけれども、納税者につきましてよくクロヨンとかトーゴーサンとかいうお話もあるわけでございますけれども、非常にまじめで誠実に申告しておられる納税者が多数あることも事実でございまして、すべての納税者について実調をやっていかなければいかぬかというと、決してそうではないと思います。やはり資料情報を充実するということと大口、悪質重点に徹する、こういうようなやり方が調査の基本であろうかと思います。そういう意味におきまして、私どもも、いわゆる大口所得者とか大口資産家につきましては重点的な管理事項といたしておりまして、これについてはふだんからいろいろ資料情報の蓄積に努める、そういったようなことをやっているわけであります。  それからまた、従来からもそうでありますけれども、やはり私どもは、地方税当局との協力というものをいろいろもっと緊密にしていく必要があるかと考えております。何と申しましても、地域住民に一番密着しているのは地方税当局でございますので、先般も国税庁長官と自治事務次官との間で改めて協力強化をうたったわけでありますけれども、今後さらにそういった面にも力を入れまして、納税者から執行面の不公平という声はなるべく聞かなくて済むよう精いっぱい努力したい、かように考えておるところでございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 時間がなくなって、質問が残っておるわけですけれども、もうちょっとだけ。  いま、そういったアングラ経済といいますか地下経済というものについてお聞きをしたわけでありますが、捕捉の問題でありますが、現在の機構あるいは調査の限界、いろいろなことでとにかくいわゆる捕捉の限界説が言われて、これ以上取れないのだとするならば、取りやすいところでという意味ではありませんけれども、それがいわば間接税へ移行しようとしている考えの一つにあるのだというような説がこれまた言われているわけでありますが、税務当局は、そんなことでこの捕捉の限界説を前に出して間接税に移そうという気持ちはないのだろうとは思いますけれども、この辺のところは一体どのように、今後捕捉率というものはもっと高めなければならぬということについてはもちろんでございましょうけれども、それが限界説だということで現在あきらめていらっしゃるというようなことを聞くわけですが、そんなことですか、どうですか。

吉田哲朗国税庁直税部長

○吉田(哲)政府委員 大変むずかしい御質問でございますけれども、いまの課税を公平にしていくためには、納税者の御協力というものがどうしても必要なわけであります。そういったことで、基本的には納税意識を高めていく、自分の記帳に基づいて正確な申告をする納税者をふやしていくということが基本であろうかと思います。そういう面から申しますと、私どもは、指導の面あるいは広報の面でなおさらに努力するところがいろいろ多いというふうに考えております。  それから、いまの税務の現状は、確かに職員は納税者の増加している状況に比べますと満足すべき状況でございませんけれども、その中でできるだけバランスのとれた執行をやっていくという考えでおりますので、所得税で申しましても法人税で申しましても、納税者をいろいろな階層、所得分布に分けまして、低所得者、中所得者、高所得者それぞれのバランスのとれた仕事をやるように心がけているつもりでございます。そういう意味で、決して取りやすいところから取るというような行政は現在やっていないわけでございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 最後ですが、恐らくそういうお答えが来ると思っておりましたけれども、たとえば、いまどれだけ人をふやしてもらっても、あるいはどれだけいろいろな機器類、コンピューター等を入れていただいても、もうこれ以上の捕捉は困難でございます、こういうことでございますか。それとも、方法なりあるいはまたいろいろなやり方を駆使すれば、全体的な捕捉率というものについてはまだまだ上げることができるとお考えかどうか、最後にひとつ。

吉田哲朗国税庁直税部長

○吉田(哲)政府委員 先ほども申しましたように、一つは、納税者意識がどれだけ今後さらに高めていけるかという問題と、それからもう一つは、私どもの調査技術あるいは納税者に対するいろいろな管理の方法にさらに工夫改善の余地がないかという、その二つの問題だと思いますけれども、いろいろ、コンピューター等による情報の集積活用というような問題もございますし、また、納税者の申告水準の向上にもなお期待できる分野があるというふうに考えておりますので、いまの状況は非常にむずかしいわけでありますけれども、これが限界であるというような考え方はとっておらないわけでございます。

野口幸一日本社会党

○野口小委員 終わります。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 鳥居一雄君。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 私は、まず税調の木下参考人にお伺いしたいんですけれども、利子配当所得の従来の源泉分離課税制度、これが総合課税制度に移行されて、それに伴いまして限度額管理をカードによって実施をしていこう、こういう所得税法の改正、この法律改正によりまして、五十五年の改正で五十九年一月一日から実施されるという既定方針どおりずっと進んでまいりました。政府税調として、この総合課税化への移行、それから新しくできる限度額管理の制度、これをどういうふうに評価されておりますでしょうか。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 御指摘の問題の背後にございます議論は、課税はもちろん国の歳出を賄うための基本的な歳入源でございますけれども、課税のあり方といたしましては、公平という原則を貫徹することが基本であろうかと思います。  それで、御指摘の利子配当所得に対します源泉分離選択課税制度、現行の制度でございますが、この制度につきましては、従来から、社会保険診療報酬課税の特例と並んで、不公平税制の典型的なものの一つであるというふうに批判が強かったものでございます。この利子配当所得を総合課税をすることが税の公平のためには不可欠であるわけでございます。これはもちろん、納税者が正しく利子配当所得について申告をする、そして源泉分離選択課税制度をやめるということで期待できるはずでございますけれども、それも実態としてはなかなかそう安易に期待できないということでございますれば、非課税貯蓄あるいは課税貯蓄の両方に関しまして、本人確認及び名寄せということがやむを得ず必要になろうかと思います。  この問題をめぐりまして、政府の税制調査会ではかなり時間をかけて、小委員会までつくりまして検討いたしました結果、いわゆるマル優及び郵便貯金などの非課税貯蓄の限度管理を厳正にいたしますために、適正な総合課税を実施するための課税貯蓄の本人確認ということに役立たせる方法として、いわゆるグリーンカードという制度を採刑することが適当だという答申をいたしたわけでございます。したがいまして、税制調査会といたしましては、この制度は総合課税の実効を期するために不可欠の制度である、この制度の実施されることを期待しておるわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 そうすると、利子配当所得の源泉分離課税制度が不公平税制の最たるものであった、ですから総合課税化へ移行せざるを得ない、そういう状況の中で税調としては御審議が進んでまいりました。そして、その総合課税化への移行に伴って、限度額の管理をどうしてもやらざるを得ない、そういう中でグリーンカード制度という名の限度額管理を強化する、こういう形の制度としていま準備が進んでいる、こう理解してよろしいですね。  そうしますと、総合課税それから限度額管理、これに伴う各面への影響というのは、当然大なり小なり考えられるだろうと思うのです。税制調査会が総合課税へ移行しようとしたその段階での税調内の議論で、金融市場への影響なんかについてはお考えになったでしょうか。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 この制度の導入によりまして、金融の秩序を乱すとかあるいは非常に大きな資金の流れの変更が起こるというようなことにつきまして論議をしたことはございません。また、そのような可能性はあるといたしましても、それは全体としてのわが国の経済にとってそれほど大きな問題であろうとは考えておりませんでした。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 主税局長に伺いますが、一部の新聞報道によると、公平な立場にある日銀が、金融市場に多少の影響がある、グリーンカードの導入によって日銀がその影響分析をしたところが、個人預金から株や債券への流出が起こるであろう、それから金融市場も一時縮小せざるを得ないだろう、こんなような報道が一部になされておりますけれども、この点について、大蔵省はどういうふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。率直な御感想を伺えれば……。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 新聞に出ております資料というのは、われわれ日銀からお聞きしたわけでもございませんし、新聞の観測記事ではないかと思います。内容的にはいろいろ見方がありましても、現在の預金の増加状況等から見ましたら、資金のシフトが国民経済の全体に影響を与えるというような規模で実際起きておるとか、また起きるというふうなことは考えられないし、この分析について一々ここで申し上げることはないと思いますけれども、客観的なデータとしてはいろいろ疑問があるところでありまして、むしろ、こういうことで不安が出て資金が移動するということの方が問題であろうかと思うのです。  資金の金利の選好というのは常時あるわけですが、今回の課税の適正化という問題から来るいろんな問題がございましても、それは本来の非課税貯蓄の管理を厳正にする、それから総合課税をやるということをやるわけでございますから、その政策目的をやはり優先して考える。また、それによって金融にいろいろな好ましくない影響が出ないように対応していくという種の話であろうかと思います。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 グリーンカード制度導入に伴う金融面の影響性については、日銀として調査されておりますか。影響分析はいかがですか。

澄田智日本銀行副総裁

○澄田参考人 日本銀行は、その仕事の性質上、いろいろな部署で金融問題全般について日ごろから調査をしておるわけでございます。したがいまして、グリーンカードの仕組みあるいはそれが実施された場合にどういう影響があるだろうかというようなことについて、それぞれの立場から、と申しますのは日本銀行のいろいろな部署のそれぞれの立場から検討しているとか、部内のそういうことはございます。ただ、これを日本銀行の組織として資料を取りまとめるというようなことはいたしたこともございません。  実は、余談でございますが、私も新聞紙上で拝見をした次第でございます。そういう記事がちょっと出たことがございます。     〔小委員長退席、椎名小委員長代理着席〕  そして、さらにつけ加えますれば、具体的にどういう影響があるかということは、国民のグリーンカードに対する受け取り方やまたこれに関係する諸機関、金融機関などを含めまして、それの対応の仕方、そういった面も非常に大きく影響があるわけでありますし、新聞の報道なども影響がある、こういうふうに考えるわけであります。  したがいまして、いずれにしても、それは非常な想定を置かなければ、とうていそういう検討をする場合にも数字的な検討等はできないものでありますし、そしてさらに、短期間に非常に大きな影響が起こるというようなことにならないように、これが実施されていくことが望ましいと考えているものでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 そうしますと、日銀の一機関が調査をした結果が新聞の一部に報道をされておりますけれども、グリーンカード制度が予定どおり実施された場合の金融市場への影響、これを分析した日銀のある一機関の内部資料である。その内容は、一つは、個人預金から債券や株式への資金流出で短期金融市場が一時的に縮小し、金利を押し上げることになる、こういうふうな御認識でしょうか。

澄田智日本銀行副総裁

○澄田参考人 その点は、短期の金融市場ということになりますと、コールとかあるいは手形とかいった市場、そういうところに影響がどうかということになるかと思いますが、コール、手形市場というのは、日々の金の動き、ことに財政資金が非常に支払い超であるとかあるいは非常に揚げ超であるとか、そういう日々の動き等の要因によって増減するものでございます。市場の需給関係に影響を及ぼす事情もいろいろなファクターがあるわけでございまして、グリーンカードの実施という特定の要因で日々のコール、手形市場にどのような影響を及ぼすかということは、きわめて測定のむずかしい問題、だと思います。  したがいまして、それが金利を押し上げるということになるかどうかということになりますと、あらかじめそういうことを想定するということはいかがなものか、むしろ、そういうことにならないように対処をしていくということがグリーンカードの施行の上でも必要なことでありますし、また、金融調節に当たる日本銀行としても、そういう情勢をよく見て、それにふさわしい対応をしていくべきである、こういうふうに考えております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 中小金融機関による中小企業向け融資や住宅融資に支障が出る、こういうふうな御認識でしょうか。それで、さらにその可能性が、最悪の場合には国民経済的にも重大な影響をもたらすおそれがあるというような指摘なんですけれども、この点についてはどうですか。

澄田智日本銀行副総裁

○澄田参考人 先ほども申しましたように、国民のグリーンカードに対する受け取り方、金融機関の対応の仕方、また、そのときどきの内外の金融情勢等によって非常に変わってくる問題でございまして、あらかじめこれを見通すということはとうてい不可能である、こういうふうに考えるわけでございます。  そして、中小金融機関等に預金の影響が出るという問題について、一部の金融機関が不安を持っているということはあるかと思いますが、いずれにしても、そういう金融市場や金融機関の経営に大きな混乱や不安が生ずることのないように、今後関係者の慎重な配慮を日本銀行としても要望したいと思っておりますし、また、われわれも金融調節の面においてそういうふうな配慮をしていかなければならない、かように思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 もう一点伺いたいと思うのですけれども、個人預貯金が大量に国債に向かうようなシフトが起こる場合には、マネーサプライは預金の減少という理由で統計上小さくあらわれるから、統計にゆがみが生じるんだ、こういう点の指摘がございますね。これはどうなんでしょうか。

澄田智日本銀行副総裁

○澄田参考人 マネーサプライとして通常わが国で注目をいたしていつも引用いたしておりますものは、M2プラスCDという指標でございます。この中には債券は入っておりませんために、したがいまして仮に銀行ないしその他の金融機関の預貯金が債券にシフトをするということになりますと、マネーサプライの統計の上からはそういう量は落ちてしまう、こういう問題がございます。  これも余談でございますが、いわゆる郵貯へのシフトが非常に言われました一昨年には、マネーサプライの上から見れば郵貯へシフトした分は、いわゆるM2プラスCDのところにはのってこない、こういうようなことでその影響がある、こういうことになったわけでございます。これはむしろ、そういった金の動きがそういう統計の上に出てくるという問題は、常に大なり小なりいろいろな動きに伴ってあるわけでございます。そういうことについては、仮にそういうことが若干あるとした場合には、そういう点を修正しながら統計というものは検討をし、判断をされるべきものと思うわけであります。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 申し合わせの時間ですので、最後に伺いたいのですが、ここにある一部機関の調査資料、資料の名前が「グリーンカード制実施に伴う問題」、この資料を御提出いただけませんでしょうか。

澄田智日本銀行副総裁

○澄田参考人 先ほども申しましたように、これは、その資料自体がどれであるかということもさることながら、日本銀行として、組織として取りまとめたものはございません。一部の勉強の資料というようなものでありますと、どうしても、それぞれの部署において、その部署の担当にとらわれて、そういう面が強く意識されて資料がつくられる、資料と申しますか、検討の内部的なものがつくられる、こういうことも間々あることでございますし、これは日本銀行として御提出するというようなものがないわけでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居小委員 終わります。

椎名素夫自由民主党

○椎名小委員長代理 玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 税制小委員会が久々に開かれまして、最近の、特に五十六年度の徴税の状況というものを見ておりますと、高度成長が低成長に移り、また、インフレがだんだん安定してまいりますと、税収不足という形であらわれてくる、そういう結果が数字としてあらわれているわけです。  先日の大蔵委員会でも、渡辺大蔵大臣から、五十六年度は数%の上の方の税収不足になるであろうというようなお話がございましたけれども、特に直税、間税の比率が七、三ぐらいに非常に開いてきているということもございますし、従来、昭和三十七年にかなりの改定が行われましてから二十年たつ、そういう面から、経済構造と合わないような税制度がこの結果を生み出したのではないか、ちょっとそういう気がするわけです。いままで、毎年毎年、四兆円前後の自然増収という形でふえてまいりましたけれども、自然増収ではなくて、累進課税率が上に移行するという、われわれで見ると、いわゆる増税というような形で行われてまいりました。こういう面から見て、いわゆる勤労者所得あるいは給与所得の増税によって、いままでの税の不足を補ってきたのではないか、そういう意見を私は持っているわけです。  こういう面から見て、いまの税制度がいまの経済構造に合っているか、大きく聞くとこういうことになるのですけれども、細かくいきますと、五十六年度だけを見ますと、二兆三千億円程度の不足が出るという見込みがありますけれども、これの原因はどこにあるのか、その辺についてお伺いをしたい、かように思います。  まず、税調の木下参考人の方からお願いをしたいと思います。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 五十六年度の税収につきましては、まだ私ども、どう落ちつきますか、主税局から報告も受けておりません。私自身これを予想するという作業もいたしかねますので、全く不明ということでございますが、問題は、その税収減がどういう税目の落ち込みによるものかということでございます。  これは御承知のとおり、税収の中で約三分の一を所得税が占め、約三分の一を法人税が占めておるという状況のもとでは、所得、法人の課税対象と申しますか、あるいは課税標準が伸び悩めば税収の伸び悩みとなってあらわれる。言いかえれば、直接税の増収がそれほど期待できないということとなってあらわれるだろうと思います。それは、御承知のとおり、輸出の鈍化等を背景にいたしまして、企業の生産活動も伸び悩みになっておりますし、円安や物価の安定というものが逆に作用いたしまして、税収が予想どおりに伸びないという状況が来ておることから見ましても、このことが指摘できると思います。     〔椎名小委員長代理退席、小委員長着席〕  そこで、御質問の趣旨の後半の部分でございますが、経済の構造が変化をしたためにこういうことが起こったのではないか、したがって、またそれが現在の租税制度というものの変革を迫るものではないかという問題でございますが、経済の構造という点から見ますと、これは、マクロ的な経済の動きそのもの及び産業構造の問題というものが関連いたしましょうし、それから、とりわけて成長減速ということが相当長く続くということを前提にしなければならないと思います。そのことから直ちに税制を変革すべきという理由というのは、理由の一つにはなりますけれども、それほど大きな問題ではなかろうという感じを私個人は持っております。  それよりも、むしろわが国の税体系あるいは租税制度の変更を考えなければならない理由は、とりわけて国の歳出に対する需要というものが、今後高齢化社会への急速な進行に伴いまして、社会保障を中心とする歳出が急速に伸びていく。その財源をいわゆる社会保険料等で賄う限度というものがあるわけでございますから、これをいまのような税収構造を前提にした財源でもって賄うことが是か否かということになろうかと思うわけでございます。  そういう立場から考えますと、経済の構造変化を基礎に置きながら、とりわけて歳出構造の今後の動向を見ながら税体系のあり方を考えるという筋になろうかと思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 主税局はいかがでしょうか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 税の構成の問題からきている面もあるように思います。  これは、さきの直間の問題になりますけれども、法人税が五十七年度で三二・六%ですから、これがやはり非常に振れを起こしやすい。しかも、五十三年度からは三月決算が入ったということで、先の方まで見なければいけないということで、その狂いが現実的に大きく出てくるというのが、いまの景気局面では一番大きく減収原因になっているような気がいたします。そういう意味で、安定財源という意味では、なかなか社会保障に見合うようなヨーロッパ型になっていないのは問題であると思いますが、そういう税の構成の面がございます。  それから、産業的な面からきているということで考えますと、やはり輸出輸入の問題が、日本の経済では特に法人を中心にしまして大きなファクターになっておると思うのです。そのときに、いまの円安という問題が現在の法人税に一番影響しているような気がいたします。特に二月税収のところにあらわれたわけですけれども、これは輸入の方で、円安でしたから、石油及び石化系統、ここが非常に悪くなったというのが、二月から税収見込みが極端にへこんできた原因であると思います。一方において、円安でしたら輸出が伸びておったのですが、いま貿易摩擦の問題があって、輸出の方の関連業種の業況が、自動車を含めましてよくないという問題、そういうことで、どうも為替の関係が輸出輸入に依存している日本の経済の、特に法人税の税収のところに非常に影響が大きいのだという気がいたします。  それからもう一つは、物価の安定がございまして、やはり物価が安定してきたというのが税収に、落ち込んだということが端的に出ています。これは、物価が安定したというのは、物品税その他の消費税にもあらわれますし、また所得税、法人税の方にも間接的にあらわれてくるわけですから、これは税自体としてはへこみますけれども、その評価としてはむしろ反面において実質的なものが高まったという見方もできるわけで、ただ、税収としての減の大きな原因にはなっておるという気がいたします。  そういうことで、法人に依存しておりますので、円の為替の問題とか物価、特に円安、企業活動の振れ、これがそのままあらわれる。ですから、その辺がヨーロッパでは社会保障をやっています財源は間接税が主力であるというので、バランスシートを見ますと、常に余り狂いがない数字を示しておるのです。フランスなどが均衡財政を続けられておるのもそういうことであろうと思いますので、今後いろいろ御検討される際に、税収のへこみということから、税の構造及び歳出を含めた今後のあり方という御議論が行われるであろうと思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 いまお話がありましたように、安定してくると確かに税収不足になる。いままで高度経済成長の中で名目上の伸びがあれば税収の確保ができたという面から考えると、確かにこれからの税制の体系自体を見直していかなければならないのではないか。いま確かに予算面において歳出削減というのが行われておりますけれども、歳出削減をしながら実質的にトータルでは一〇%近い伸び率を示している。財政収支試算においてもそれなりの伸び率を見ているということを考えていきますと、たとえば五十六年度は大体二兆円不足すると、五十七年度は約三兆円になるということも言われておりますし、五十七年度よりも五十八年度がさらに大きな影響を受けるであろう。こういうように考えていきますと、早急に税制の改正ということに大幅な手を加えていかなければ、今度は財政がもたないのではないかというような感じがするわけです。  そこで、まず、何年度ということではなくて、安定成長期の税制度というものについて、どういう形態にならなければいけないか、その辺についてお伺いしたいと思います。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 これは長期的なという観点でお答え申し上げますと、やはり税が安定しておるというのは、歳出の関係でも税負担の方から見ても非常に重要であろうと思うのです。  ですから、先ほどもお話し申し上げた振れの大きいところに依存しない形、しかし所得税というものに大きくおぶされば問題がある。これは所得税は安定しているわけです。しかも累進構造で税収は入りますけれども、ここに余り依存することは勤労意欲をそぎますし、その辺の税負担感が出てくるわけですから、やはり間接税系統の方が安定した財源であることは抽象的、一般的には言えるという気がします。それ以上の具体策となりますと問題でしょうが、中長期的には間違いのないところでしょうけれども、それ以上のことは申し上げる段階にないということであります。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 御質問の趣旨は、経済が減速成長の時代に入って、それが直ちに税制にどういう変化をもたらすべきかという点についてであろうと思いますが、この問題について抽象的、一般的にどうあるべきかという議論は、私は持ち合わせておりません。したがいまして、税収の安定性を必要とするかどうか、安定成長期になると税収の安定が必要であるという議論も私にはよくわからないわけでございます。  いままで、わが国が戦後とりました税体系は、御承知のとおり、大体英米式の税体系をとってきたわけでございますが、その税体系がわが国の実態、租税風土に必ずしも合っていない面が多々あったと思います。それは年を追って改善してまいりましたけれども、やはりわが国の租税風土に合わない問題があるとすれば、それは税制度そのものの問題として改正をしなければならない問題点であろうと思います。したがって、成長率が減速したから税制のあり方を考えるという問題はございますけれども、私の頭の中にはそれほど、これが全体を左右するほど大きなポイントであろうとは思いません。  それからもう一点は、先ほど申し上げましたので繰り返しませんが、歳出面の構造が社会保障に非常に重点を置いてくるということにならざるを得ない、また、なることが望ましいといたしますれば、その財源をどのような形で調達するかという見地からこの問題を考えるというのが、私の頭に持っております考え方でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 いま大体三五%が社会保障費である、それが将来最大限伸びて六〇%にまでいくだろうというふうなことを言われておりまして、われわれとしても、一方的に社会保障だけを訴えるということではなくて、やはりわれわれとして負担をすべきところは負担をすべきであるというような考えを持っておりまして、そういう面では十分話し合いができていくというふうに思います。  しかし、いまの税制度を見ますと、やはり累進課税率がかなり大きな圧迫を加えていく、そういう要素にもなりかねない。渡辺大蔵大臣は、グリーンカード問題をとらえて累進課税率の見直しをやるべきであるというような方向を打ち出されておりますけれども、われわれとしても、実質賃金が上がらなければ、せめて税制の面で引き下げていくような方向を確保すべきであるし、しかし財源としてどうなるか、大蔵委員として考えればやはり財源も考えていかなければいけない。しかし、財源は行政の側で考えていただければいいわけでございます。  そこで、いまの税制がそのまま移行するとして、たとえば五十六年度二兆円不足をする、五十七年度三兆円、これは何か予想ということで非常に聞きにくいのですけれども、しかし大蔵省から出されております資料によっても、五十八年度要調整額として三兆三千億円という数字があります。五十六年度の穴埋め、五十七年度の不足分、五十八年度の要調整額、それぞれが累積されていきますと相当な金額になります。果たして五十八年度、先ほど聞きますとまだ十分お考えでないような話がございましたけれども、大変な何兆円も、それも上の方になってしまう、それだけの不足額がありまして、いまの財政を抑え込めなければ、これを手当てしなければいけない。  そういうことを考えますと、国民に十分な根回しもなしにぽんと打ち出して、さあ決めましたということでできる問題でもありませんから、ぼつぼつ話が出てこなければおかしい。通常いままでのいろいろな仕事の動きを見ていますと、四月に予算が通って大体一週間後ぐらいでそういうグループが活発な動きを始めるということが従来の大蔵省の例でございますから、当然中ではいろんな論議がなされているというふうに思います。まず五十八年度を見越した場合の不足額、わからないということではなくて、いま現に五十六年度で不足しておりまして、急激な経済の回復がなければまず同じ額は不足をするであろう。そうなりますと、今度は要調整額と足しただけでもう五兆円を超えてしまう金額になりますから、その不足額に対してどういう扱いをするのか。  それと、従来予算委員会等で鈴木総理が大幅増税を行わないで財政再建を乗り切るのだというふうに明言をされております。ところが、新聞報道あるいは雑誌等によりますと、先ほどのお話にもございましたように、間接税の分野に目をつけなければやっていけない、それは当然だと思います。しかし、鈴木総理と行政の側と方向が違うわけです。果たしてこれでいいのか。どちらを選択すべきか。もし大幅増税をやっていかなければいけないということであれば、鈴木総理に大蔵省として提言をされるべきであるし、また税調として提言をされるべきである。ところが、そういう提言なしに個々勝手にいま進められておりますから、その辺についてお伺いをしたいと思います。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 まず五十六年度は、今後三月の確定申告が今月末に出ますが、その数字と三月の法人の五月に入る分、これが七月の発表で、徐々にこれがはっきり出てきますので、これはそのままの数字しかないと思います。しかし、幾らかというのは、これはいまの二つがございますので申し上げられない、こう言っておるわけですが、あと、したがって今度は五十七年度、これはできたばかりの予算でございますし、われわれまだ、税収はこれから入ってくるところですから、五十七年度についてどうこうということは申し上げられない。  したがって、五十八年度の問題について私ごときが申し上げられないのですが、いずれにいたしましても、歳出カットに重患を置くということが重要であろうと思うのです。ですから、いろんな問題が今後出てくるでしょうが、歳出面に基本的なメスを入れたいというのが大臣の意向であろうと思います。それが増税なしという言い方の真意であると思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 時間が来ましたので終わりますけれども、歳出カット五兆円以上やるというのは非常に無理なんですね。その辺を承知でおっしゃっておりますから、かなりの熱意を持ってやっていただける。やる方がまた違うんですけれども、主税局がやるわけじゃないですから。  そういう意味で、もう一回後の委員会でまた詰めたいと思います。どうもありがとうございました。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森小委員 まず第一に、木下さんに伺いたいと思います。  あなたが二月十二日に予算委員会で公述人として出られたことがありますね。所得税減税をしろという声に対して、所得税というのは所得再配分機能とか垂直的公平とか、いろいろいいところがあるんだ、それに対して減税をしろなんと言うのは、財界が言うならともかく、所得税のいいところを否定しろということになる、解せない議論であるという意味のことをおっしゃっていますね。  それに対して、私としては議論が納得できないんで、二月二十六日に、おたくの税調会長がお見えになったときに、大蔵委員会で質問をしたのですね。現在言われている所得減税というのは、所得再配分機能とかあるいは垂直的公平とかいろいろなものをなくしてしまうような、そういう所得税の改正をやれと言っているんじゃなしに、物価の上昇に対して五年間連続課税最低限も据え置かれているんだから、そういう非常に行き過ぎたひずみなどを直せと言っているんで、それを財界が言うならともかくというような、そういう挑戦的な発言を税調の役員が言うのはいかがであるかということを私が質問したら、速記録を読んでもいいのですが、おたくの会長の小倉さんも、和田教授が来ておられたんです、和田教授が、いま私が言ったようなことを言ったんですね、「和田さんがいまおっしゃったようなことで多少修正する必要があるのじゃなかろうか」つまり、あなたの見解を修正する必要があるんじゃないかということを小倉会長自身が言っておられるのですね。  私は、今度一兆円減税ということで、大蔵委員会の中に減税問題の特別小委員会もつくられましたけれども、そういうときに、そんなことを言うのは財界の主張であって、所得税制度のいいところをなくしてしまうものだというような、税調の重要な役員であるあなたの発言というのは、この席で舌足らずの点を正しておいていただく必要がある、こう思いますので、あえて発言を求めたいと思います。

木下和夫税制調査会会長代理

○木下参考人 お答え申し上げます。  第一点は、二月十二日の公聴会で私が申し上げたことについてでございますが、その後御指摘がありました二月二十六日の大蔵委員会で、私があたかも政府税制調査会の会長のかわりに十二日に予算委員会の公聴会に出たような御解釈でございますけれども、これは全く誤解でございまして、予算委員会に公述人として出ましたのは木下個人でございまして、私は、たまたま五十七年度の税制改正に関する政府税調の中の小委員会の委員長を務めましたので、その経緯についてお話しをいたしまして、あとは全く個人の見解を述べたものでございます。したがって、その個人の見解に対して、政府税調の会長に対してこの意見はどうであるかとお聞きになるのは、私は若干筋違いではないか。私は、あくまで個人の責任において個人の見解を申し上げたわけでございまして、税調の会長代理としてあの意見を申し上げたわけではございません。この点はあらかじめ念を押しておきたいと思います。その証拠は、予算委員会の公聴会における私の肩書きは大阪大学名誉教授でございます。  そこで本題に入りますが、所得税の大幅な減税ということについて、私は意見を申し上げたわけでございます。所得税につきましては、伝統的に諸税の中で最も租税負担能力を反映し、しかも所得再分配に有効であり、かつ景気の変動に応じて税収が増減をするいわば景気調整機能をも持っておる。そういう点では、税目さまざまあります中で相対的に好ましい税であるというのは、正統的な租税理論あるいは財政理論の持ち主であれば全部賛成をなさっておることでございます。  問題はどこにあるかと申しますと、そのような理論からくる議論というものが現実になかなか合わないという問題でございまして、現実に合わなければ、所得税を中心に据えつつも、これを補完する別の税目を考えるということもあり得るわけでございます。その種のたぐいの議論というのは、過去十年ぐらいの租税の専門家が発表しております論文に多々あらわれております。  したがいまして、私の申しましたのは、所得税の大幅減税をやるということは、言いかえれば、そのような所得税の長所を無にするおそれがあるということを申したわけでございます。なぜかと申しますと、税体系の中に占める所得税収入は、いまのところ三分の一でございます。この税収に占める所得税の比重を大幅に減らすということは、言いかえれば所得税が税体系の中に占める地位を大幅に減少させるということでございますから、所得税のメリットはそれに応じて失われると見るのが妥当ではありますまいか。  それから、とりわけて所得控除の拡大ということで、課税最低限の引き上げ等の問題がございます。これは先生御指摘のように、物価に応じてある程度任意的に一定の期間ごとに調整をする必要があることは認めます。しかしながら、言いかえれば課税所得の大きい人ほど課税最低限がアップすることによって税の削減のメリットが大きいわけでございますから、その点においては、はっきり高所得層ほどそのメリットを受けるということは言えるわけでございます。また、所得税の物価調整減税という御議論の中で、物価の上昇よりも所得が伸びて、実質所得がぐんとふえておる納税者もたくさんおります。この人たちにまでなぜ減税をしなければならないかという理屈が私には納得できない。  以上、ざっと申し上げました点から、私は、所得の大幅減税に対しては否定的な見解を私個人として申し上げたわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森小委員 大分長々と、おれは個人として出てきたんだと言うておられますけれども、あなたは、それは個人として出てこられたかもしれませんけれども、しかし、聞いている人は、あなた自身も発言の最初に言われたように、税調での審議の経過などもついでに述べたと言われておりますように、きょうもあるいは大学教授として来られたのかもしれませんけれども、われわれの大部分は、小倉さんが来られないからあなたに来てもらったと思っているので、やはり国会へ出てこられた以上は、西尾末広個人という有名な言葉がありましたけれども、大学教授である木下和夫個人であると同時に、税調の会長代理とかしかるべき役職についている人がこういう見解を持っているというように聞くんですね。  だから、あなたの意見はあくまで、個人の意見であっても、その個人が税調の中で有力な地位を占めていろいろ作業をしておられるという前提で聞くのですから、あなたのこの発言を全部私読んでみましたけれども、あなたの発言を見れば、所得税のいい点を一生懸命擁護して、間接税なんかに反対だというような、そんなようにはとても読めないですよ。あなたは、物価調整減税を含む所得税を緩和してほしいという意見全体を含めて、こういう論者は所得税の長所を否定するものであると受け取れるように言っておられますね。だから、ここであなたが個人の意見なら個人の意見でよろしいが、そういう意見はいかがかということを言っておるんです。  だから小倉さんも、意見を言われた後、これは私は個人として言うのですということで、あなたのコメントを批評されたんですね。小倉さんは税調会長として会長代理の見解を正すというような言い方はされずに、私は個人としてコメントいたしますとそれは修正する必要があります、こう言っているのです。  だから、あなたがいまあたかも、私自身のとらえ方及びそれに対して答えた小倉会長自身を批判されるような、そう受け取れる発言だったけれども、そうじゃなくて、少なくとも小倉会長に対する限りでは、小倉さんは明白に、個人の意見として私は修正する必要があると思います、こう言っているので、その点は私から指摘しておきたいと思うのです。  時間が十七分しかありませんから、言っているとあなたとだけで終わってしまうから、またそのうちおいでになることはあるでしょう。個人の見解で、直さないとおっしゃるなら結構ですけれども、私らは、そういう見解をお持ちの方が税調の中で重要な役割りを果たしているということを今後注目していくということを申し上げて、あなたに対する質問はこれで終わらせていただきたいと思います。御用がございましたら、どうぞお帰りください。  次に、大蔵省に対して質問いたします。  中古住宅に対する住宅取得控除や登録免許税の軽減措置ということが五十四年以来累次にわたって行われたわけですが、いま非常に問題になっておりまして、参議院でも若干の質問が行われたということで御承知だと思いますが、不動産業者が仲介したものは適用になる。ところが、不動産業者が一たん自社所有で買い取ったもの、つまり棚卸し資産に入ったものは一切適用がないということで、地方自治体の税務職員も、これはおかしいではないかというように首をかしげているんですね。  これについて参議院でもいろいろ質問がございましたけれども、建設省来ておられますね。最近建設省では、売り主の所有要件が三年以上所有しておってかつ二年は居住しておるというようなものを買い取り仲介している場合には、一たん不動産業者が買い取っても、一年以内の場合であれば融資条件について一定の対象とするというようにたしかなっていると思いますが、それは事実ですか。また、そうなった経緯を説明してください。

鹿島尚武建設省住宅局住宅企画官

○鹿島説明員 住宅金融公庫の中古の住宅融資のことをお尋ねであらせられると思うのでございますけれども、今年度、五十七年度から新たに、不動産業者が買い取った場合も対象に加えていただくということで、ただいま公庫法等の制度の改正をお願い申し上げております。今年度から新たに加えさせていただくことになっております。

正森成二日本共産党

○正森小委員 それで大蔵省に、政令でいまのように決まっているようであります。租特施行令の二十六条ですか、そうだとすると、政令で変えることができるわけですから、住宅金融公庫の融資対象の拡大に見合うように少なくとも変えていくということは考えてもいいのじゃなかろうか、これはばかにならない金額になるんですね。  住宅取得控除について言いますと、床面積基準とローン基準がありますが、最高ではたしか二十万一千円ぐらいになるんですね。それから登録免許税では、今度五十六年改正で千分の三になりますから、本則だったら千分の五十ですから千分の四十七違ってくるということになりますと、一千万円の物を買えば四十七万円違ってくる。合計すると六十何万円違ってくるということになりますから、そういうことで中古品を買いやすくなるということになりますと、いままでそういう家に住んでおられた方が、それによって資金を得て新しい家を建てるために使うということにもなり得るわけですから、不動産業者の不当な投機を防ぐという一定の配慮さえ行われれば、こういう分野についても適用してもいいのじゃないかというように思いますが、いかがですか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 これは住宅取得控除と登録免許税の税率に関係すると思うのですが、従来は新築という考え方でずっと政策があったわけです。今度は既存住宅ということで相当いろいろ議論があったあげく、転換されて五十四年、五十五年というふうに改正になった。住宅取得控除の方は五十五年度改正で五十六年施行ということで、おっしゃっているようなことの問題はあろうと思います。  仲介によるということですと、手数料の制限があるということがその政令の判断であったと思います。不動産の棚卸し資産になったものまでこの際どうかというふうな懸念があって、そうなっております。中古市場といいますか、中古住宅市場がどうなっていくか、それから、住む人から見てどうかという問題もございます。いろいろな面でここで検討したいと思っております。すぐに公庫の方の融資と合わせるという問題ではないと思います。こちらはこちらで検討すべきで、向こうが直すならこちらと連絡すべきでありますから、そういうことで、どういうところに問題があるか、どうすべきか、中古市場の問題、売る方、買う方、それが合理的な値段として取引されるようなチェックができるか、その趣旨に合わせた検討はやってみたいと思います。

正森成二日本共産党

○正森小委員 ぜひ検討してほしいと思うのです。確かに不動産業者が普通の仲介の場合には手数料が決まっておりますね。それが一たん自社所有になりますと、それによって投機的な利益を得るのじゃないかというおそれがありますから、そういう人に便宜を与えないようにという点はあるでしょうけれども、しかし同時に、それは、買う人にとっては不動産業者の利益が多くなろうと規定どおりであろうと変わりはないわけで、そういう人たちが一定の税金の控除が受けられるということになれば、やはり買う人にとっては利益なんです。余り不動産業者が投機的暴利をむさぼれば、そもそもの値段が高いから買わないということになるわけです。そもそもの値段が引き合うておれば、それに対してさらに新築の場合と同じように税金の控除が受けられるということになれば、そういう家屋の移動を通じて新築の住宅資金も出てくるということになり得ると思いますので、大蔵省の方でぜひとも独自の検討をしていただきたいと思いますが、よろしいですね。

福田幸弘大蔵省主税局長

○福田(幸)政府委員 いろいろな面から検討しまして、初めての中古のメリットですから、間違いのないように処理したいと思います。

正森成二日本共産党

○正森小委員 時間がありませんので一点だけ。  日米税金摩擦というのが深刻になったということが出ておりまして、アメリカの国税庁が移転価格課税制度だとか、つまり出先では余り利益を取らないで国内のものは取るとかあるいは日本の企業が借入資金でいろいろやっているということに目をつけて、過小資本課税制度をやろうとか、あるいはカリフォルニア州ではユニタリータックスということで、グループを見て、その中で、ここは少ないけれどもこっちはもうかっておるということで、総合的に収益を見て合算課税するとか、いろいろ起こっておりまして、わが国の企業との間に若干の意見の違いやトラブルが起こっておるようですが、国税庁としては、どういうぐあいに対応されようと思っておりますか。

岸田俊輔国税庁調査査察部長

○岸田政府委員 日米間でございますけれども、経済交流が拡大してまいりましたので、両国間の税の執行に係ります問題が増加してまいっておる現状でございまして、この問題といたしましては、先ほど御指摘のありました移転価格の問題、それから過小資本の問題ということから生じます二重課税の問題のほかに、二国間の取引を通じまして租税を回避するというような行為もございまして、それを防止するための情報交換というような相互協力の体制の確立というような問題も含まれているわけでございます。  私どもといたしましては、これらの問題を解決いたしますには、まず第一に、両国の税務当局が接触を深めまして、お互いの税務執行の立場というものを理解し合うということがまず前提になるのではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、このために、たとえば昨年の九月でございますが、ハワイで、カナダとオーストラリアも加えまして、国税庁の長官ないしは調査部長クラスが集まりまして、意見の交換をやる。ことしはオーストラリアでまたやるというような状況でございます。さらには実務家レベルで、これは通常フェース・ツー・フェース・ミーティングという、ひざを突き合わせての議論というものを開催いたすということで、本年の一月に担当官を派遣いたしまして、ワシントンで協議をいたしております。  こういうような積極的な接触をさらに推し進めまして、相互の理解を深めながら、両国間の課税のトラブルというものを解消していきたいというふうに考えております。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 参考人には御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗