大蔵委員会 第23号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/07/07
会議録
○森委員長 これより会議を開きます。 この際、先般新たに就任されました大蔵事務次官等より発言を求められておりますので、順次これを許します。松下事務次官。
○松下説明員 高橋前事務次官の後任といたしまして事務次官を拝命をいたしました松下でございます。 政府委員七年の間いろいろと御指導にあずかりましたが、今後も前任者同様引き続きましてよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○森委員長 吉野大臣官房長。
○吉野(良)政府委員 官房長を拝命いたしました吉野でございます。 一層の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。(拍手)
○森委員長 山口主計局長。
○山口(光)政府委員 主計局長を拝命いたしました山口でございます。 二年間官房長としていろいろ御指導いただきましたこと、厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。(拍手)
○森委員長 梅澤主税局長。
○梅澤政府委員 今回の異動で主税局長を命ぜられました梅澤でございます。 よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○森委員長 松尾関税局長。
○松尾政府委員 関税局長を拝命いたしました松尾でございます。 どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
○森委員長 加藤理財局長。
○加藤(隆)政府委員 理財局長を拝命いたしました加藤でございます。 引き続きよろしくお願いいたします。(拍手)
○森委員長 水野証券局長。
○水野(繁)政府委員 証券局長を拝命いたしました水野でございます。 よろしくお教え願います。(拍手)
○森委員長 大場国際金融局長。
○大場政府委員 国際金融局長を命ぜられました大場でございます。 引き続きよろしく御指導いただきますようお願いいたします。(拍手)
○森委員長 福田国税庁長官。
○福田(幸)政府委員 このたび、はからずも国税庁長官を命ぜられました福田でございます。 いろいろと本当にありがとうございました。まことに感無量でありますが、今後ともよろしくお願いいたします。(拍手)
○森委員長 酒井国税庁次長。
○酒井政府委員 国税庁次長を拝命いたしました酒井でございます。 何分ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○森委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、本日、本件調査のため、参考人として日本銀行総裁前川春雄君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 当面する財政金融さらに経済の動向等についてお尋ねをいたしたいと思います。 七月四日のNHKの討論会「歳入欠陥と財政運営」というものの中で、渡辺大蔵大臣の発言を聞いておりまして、ちょっと税金の収入のところで、四月、五月は前年度に入るというお話だったのですが、これは四月、五月には当年度に入るものとそれから前年度に入るものがあるというのが正確なことだったと私は思うのですが、ちょっと聞いておりまして、それは何か全部前年度に入るような感触のことをおっしゃっておりましたので、やはり正確に……。 私は、あの討論会を拝見をしておりまして、大筋として大臣の御発言は理解をできるわけであります。そこで、きょうはひとつ、あの日はまだ不確定なお話でありましたが、本日どうやら大蔵省はこの五十六年度の税収不足について発表するように新聞でも伝えられておりますから、この際、ひとつ大蔵大臣から当委員会に公式に御発表をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 五十六年度の税収の最終見込み、五月末の概数を申し上げますと、二十八兆九千四百九十八億円で、補正後予算額三十一兆八千三百十六億円に対して二兆八千八百十八億円の減収になるものと思います。当初予算に対しまして三兆三千三百四十三億円、一〇・三%の減収、また前年比伸び率は七・七%であり、補正後予算伸び率一八・五を一〇・八ポイント下回ったことになります。五十六年度税収としては、今後、収納額、税目区分、年度区分について精査が行われました上で七月末に決算額が確定するものと考えます。 その中で、特に減収のひどかったものは法人税の約一兆五千三百億円、申告所得税の約五千三百億円、源泉所得税の約四千三百億円等であります。また、予定を上回ったものは揮発油税の約六百二十億とか相続税の約三百四十億とかいうものなど、合計約一千億弱ということでございます。
○堀委員 いまお話を聞きまして、これまであの討論会でお話しになったのと、小さいところは別として大筋大体同様でありますけれども、そこで、この歳入の不足をどういうふうに処理をされるのかをちょっとお伺いをいたします。
○渡辺国務大臣 五十六年度の税収見込み不足額に対しましては、まず不用額等の充当ということが当然に考えられます。その上でさらに、そいつを埋めても足りないことが当然予想されますから、約二兆五千億円程度になりましょうか、細かい数字はまた変わると思いますけれども、これについては決算調整資金の積み立て二千四百億、その他のそれ以上にオーバーした分につきましては国債整理基金から決算調整資金に移してそれで充当する、そういうことで決算を締めたい、さように考えております。
○堀委員 ちょっと半移出局からひとつ答えてください。 いま不用額の充当がありますが、このほかにまだ税外収入の増収とかいろいろなものがあるのだろうと思いますので、少し事務的にそこらの計数を伺っておきたいと思います。
○窪田政府委員 いま御説明を申し上げた税収以外には、税外収入が約千二百億円、これは十億程度の端数があるいはつくかもしれませんが、その程度ございます。それから歳出の不用額が二千六百四十億円程度になろうかと思います。これも十億程度で増減をいたすかと思います。そういうことでございます。
○堀委員 そうすると、いま大臣がおっしゃったように決算調整資金から二千四百億、その差額は国債整理基金からと。差額は、いまのわかっている数字の中では幾らになりますか。これも事務当局からお答えください。
○窪田政府委員 結局、歳入の増減、歳出の不用合わせまして差し引き歳入歳出決算上の不足額は約二兆五千億円程度になろうかと思います。それから決算調整資金からの組み入れ二千四百億円、残りが国債整理基金からの決算調整資金への繰り入れになりますが、約二兆二千六百億円程度になろうかと考えております。
○堀委員 ちょっとしばらく事務的なところは事務方で答えていただきたいのですが、決算調整資金の二千四百億円、それから国債整理基金三兆幾らある中で二兆二千六百億円を取り崩すということのようですね。これは大蔵省証券あるいは国債で保有をしておるのだろうと思うのですが、現在の国債整理基金の保有状況、それから決算調整資金の二千四百億はどういうふうに保有してあるのか。そして、けさの新聞をちょっと見ると、昭和五十一年に売り戻し条件つきで国債を日本銀行から整理基金が買っておるから、その四千億は日本銀行へ売り戻すのだというような話も出ておりますが、ちょっとそこらのメカニズムも含めて現状と、この二兆二千六百億円を国債整理基金から取り崩すというのはどういう形のものを持ってくるのかを、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○加藤(隆)政府委員 国債整理基金の方から御説明いたしますが、六月末の現在高が三兆六千二百二十六億ございます。そのうち短期のものが二兆二千百三十三億ございます。その差額の一兆四千九十二億が長期のものでございます。 それで、ただいま主計局の方から答弁がございました二兆二千六百億に対して、まずこの二兆二千百三十三億を振り向ける。これは政府短期証券で運用しておりますので、日銀に売り戻すというかっこうでキャッシュにして決算で組み入れるわけでございます。 差額が、これまた端数がいろいろございますので、差額が出た場合にどうするかという問題がございます。これはきょう一部新聞に出ておりました一兆四千億の長期のものの中で四千億、日銀との間で、私の方から見ますと売り戻し、日銀から見ますと買い戻し条件づきの分がございます。この分を売却する可能性がある、そういうことでございます。
○堀委員 大蔵大臣、いまお聞きをいただいたようなことで、私も、いまの日本銀行から、大蔵省側から言えば売り戻し条件のついていたものを売り戻すというのは、これは別に問題はないと思っているわけです。 それから、この間ちょっと新聞にも出たのですが、資金運用部のを日本銀行に売るとかいろんな話が出ておりますので、この間から予算委員会等でもお答えになっておるのでしょうが、やはり財政節度をきちんとしていくというためには、この日本銀行と財政との関係というのは少なくとも財政法を厳しく解して処理をしてもらいたい、こういうふうに思うのですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 大原則であると思います。
○堀委員 日本銀行、いかがでしょうか。
○前川参考人 運用部が投資として持っておる国債については、日本銀行がこれを買い入れることは財政法の趣旨の上からいっていかがかと思いますので、買うつもりはございません。
○堀委員 そこで、さっきの決算調整資金の二千四百億円はどういう形で持っておるのか、ちょっと事務当局もう一度答えてください。
○窪田政府委員 これは預託金になっております。当初二千億円入れたものが、利子を含めまして約二千四百億使用可能である、こういうことでございます。
○堀委員 預託金というのは運用部への預託金ですか。
○窪田政府委員 さようでございます。
○堀委員 運用部では、これはどういう形で預託されているのですか。
○加藤(隆)政府委員 金に色がついていないものですから、全体の中で運用しております。
○堀委員 実は、私がちょっと細かいことを聞いたのは、五十六年分の今度の歳入欠陥の処理は、一体国債市場に影響があるかどうかということをちょっと調べてみたかったわけで、いまの話でいくと、恐らく運用部も短期証券をかなり持っておるでありましょうから、国債整理基金からは、主として二兆二千億短期証券があるわけですから、ストレートには国債の市場に余り影響はない、そこのところをひとつはっきりしておきたい、こう考えたわけであります。 そこで、その次は五十七年度の問題であります。主税局に伺いますが、今度の五十六年度の税収不足、これを下敷きにして、仮に、まあそんなことはあり得ないけれども、一つの限界を線を引くという考え方で、名目成長が五十七年度八・四%という政府の見通しのとおりに仮になったとしたら、税収不足は幾らになるのか、主税局の方でお答えいただきたいと思います。
○梅澤政府委員 ただいま堀委員が御指摘になりましたように、五十七年度の税収の土台になりますものは、あくまでも五十六年度の税収の確定額でございます。ただ、先ほど大蔵大臣から御答弁申し上げました補正後二兆八千八百億円余の減収額という前提に立ちまして、さてその名目成長率八・四の場合機械的に計算していかがになるかということでございますけれども、実は、これは毎度申し上げておりますように、当年度の税収見込みにつきましては各税目ごとの積み上げ方式をとっております。私ども、何年かの中期の展望をお示しいたします場合には、その期間を通じましての一応の名目成長率というような前提を置きまして、同時に、過去の長期間におけるマクロの税収弾性値のようなもので換算してやっておるわけでございますが、ただいま堀委員の御質問にお答えする形での五十七年度税収額を計数的に機械的にはじくということはやや困難であるということを御理解願いたいと思うわけでございます。
○堀委員 それでは、五十六年度の当初予算に対する歳入不足三兆三千三百四十二億、一〇・三%とさつき大臣がお答えになったが、現在の当初税収に対して一〇・三%というのは大体幾らになりますか、五十七年度で。
○梅澤政府委員 ただいま堀委員の御指摘のとおり機械的に計算いたしますと、一〇・三%で三十二兆八千五百億でございます。
○堀委員 一〇・三%というのは、要するに私は歳入不足額を聞いているのに、三十二兆も歳入不足額が出たらどうにもなりませんね。元からなくなっちゃう。
○梅澤政府委員 どうも大変失礼いたしました。ただいま申しました計数から、ただいまの現時点における五十七年度の税収見込み額を差し引きいたしますと三兆七千七百億円になります。
○堀委員 大蔵大臣、この間の討論会の中で、一体五十七年度は大体幾ら歳入不足になるんだろうか、それはちょっとわからない、まあ当然であります。まだ四、五、六と三カ月しかたっていないのですから、これを一年分のことをそこで言えと言われてもわからないのは当然なんですけれども、いま私非常に重要な問題だと思っておるのは、今後の経済の見通しが非常に不透明だということに問題があるわけです。たまたまあのときに渡辺さんが、アバウトで大体こんなもんだということでいいということはなかなか国会で野党の皆さんが厳しくて問題があるけれども、野党の皆さんがそれでいいというなら私の方もそれを言いますという話がありましたね。私は、あれは聞いていて大変いい発言だったと思っております。 私はここでたびたび言っているんですけれども、景気というもの、これは病気もそうですが、気という字が書いてあるものは心理的な影響が非常に大きいんだ、こういうことなんですね。だから、経済というのも心理的効果というものをどうしても重視しなくちゃいかぬ、私はこう思っています。 いま国債市況が悪くなってどうなるかは知りませんが、七月休債か、こう言われております。昨年も、六月、七月大体そんな時期がありましたね。昨年はまだここまでこういう条件がなかったのですが、ことしは一体これから、当初に予定をした国債の発行額にかなり上積みをされて出てくるんじゃないだろうか、後半は集中豪雨になるんじゃないかというような心配があることが、私は、非常にいまの国債の市場価格に影響していると思うのですね。 そうすると、まず第一に五十六年度の問題については、当年度主として短期証券で処理をされるから国債市況には関係ありませんということがきょうのこの委員会で明らかにされたと私は思いますけれども、その分はあるいはこれも長期国債で出てくるのではないかという心配があった方もありましょうが、その点はクリアできたと思うのです。 そこで、いまこれまでの状態を見てみますと、大体五十七年度に政府が予定をしておるのは十兆四千四百億ですね、ことしの国債の発行は。それにいまの三兆七千億というのは、私は一つのゾーンの中の部分だと思うのです。だから、よく経済見通しなんかでも、大体線で経済見通しを出すというのは非常に無理がある。このごろは台風情報でも扇形で、大体この幅へ入るだろうというのを出しているけれども、これはそういう意味でより科学的だと思うのですね。だから、この三兆七千七百億というのは、少なくともあなたの言うアバウトの枠の中の一つだ、これよりもっとふえるかもしれないし、あるいは減るかもしれない。しかし、少なくともこの枠の中に入っている部分だというふうに私は理解をして少し論議を進めたいと思います。 そうすると、昨年は当初十二兆二千七百億円の国債を発行した。補正後に、ちょっと出しましたね、千二百幾らか、例の剰余金減税に関連する部分が出たと思うのですが、要するに補正後で十二兆九千億円というのが昨年の発行額ですね。ことしが、もしいまの三兆七千七百億とすれば、十四兆二千百億というのが機械的に足し算をした――本年度の十兆四千四百億円プラス三兆七千七百億、これはアバウトですが、それで足し算すると十四兆二千百億ですか、大体こんな見当になると思うのですが、これはただの足し算ですからね。 そうすると、昨年が約十三兆円、ことしが十四兆二千億円というのなら、これはそう大騒ぎをするほどのことしの国債増発にはならないんじゃないか、こういう感じがするのですけれども、大蔵大臣いかがですか。
○渡辺国務大臣 これは、税の見通しというのは本当にわからなくなってきちゃったのは事実でありまして、過去十年間の税の伸び率は、GNPに対して一・一四とか一・一二とかいろいろな数字があったわけです、五年間で見ればどうとか。ところが去年単年度で見ると、租税弾性値〇・六三というようなことになりますから、そういう年も出てくるということで、租税弾性値で見るということも非常に危険だということが実は言えるわけです。また、べらぼうに多い年もある。したがって、やはり大蔵省は税の積み上げ方式というわけですが、これも非常に経済が不確定だというとなかなかわかりづらい。 そこで、それじゃともかく去年の土台の少なくなった分が影響がないかといえば常識的にある、そいつが三兆になるのかあるいはもっと多くなるのか少なくなるのか、なかなかわからない。 そこで、追加発行すると十四兆幾らということにそれはなるでしょうが、やはり多いと私は思うのです。何とかそれをもっと少なくする方法も制度、規則だけで言えばむずかしいかもしらぬけれども、何か少なくなる方法もないのか。景気の問題、国債市況に悪い影響を及ぼしたときに金利の問題というような関係がございますから、いろいろな点で考えていかなければならぬ。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 私は、べらぼうにふえたというようにも思いませんが、経済の規模が大きくなるわけですから、しかし、そのままでいいのかどうかも実はまた疑問に思っているわけでございます。
○堀委員 いろいろと新聞を見ておりましても、国債の種類といいますか、出し方についていろいろ努力をしておられるでしょう。 それは先の話として、私はきょう特にこの問題を重視していますのは、海外の機関投資家を含めて、いまの円安の一つの要素に日本の財政当局の信頼性が海外で非常に失われているということが、ある意味では日本のファンダメンタルズの主要な部分として向こうでは理解をされている。一体これから、これだけの財政欠陥があるのに、どういうプログラムで国債を発行するかということも一切わからないでどうするのかという点が、海外のそういう機関投資家その他の中に非常にみなぎっておるという情報を聞いておるわけですね。私、海外だけじゃないと思いますね。国内だっていろんな機関投資家、特に債券その他を扱っておるところは非常に不安に思っているだろうと思う。 そこで、たとえばこれだけの国債をもし仮に、見通しのことだから正確にいくというわけにはいかないけれども、大体この程度に、いま第一・四半期が済んだところで、第二・四半期、第三・四半期、大体四半期ごとにはこのくらいずつこういう形で発行をするように考えたいというようなことが明らかになってきますと、大体それなら見当がつくな、こうなると思うのです。いま補正の問題がいろいろ取りざたされて、九月に開く、十月に開く、これは政治問題でして、実際はどうも経済のベースの話ではないのですね。しかし、結果的にはこの政治ベースが経済に影響するというのが現実の姿ですね。そうすると、十月の終わりごろでなければそういうプログラムはわかりませんよというような話では、もう全然問題にならぬと思っておるのです。 そこで、もし臨時国会が九月の初めに開かれるというなら、これはまだかなり期間があるからいいのですが、おくれる予想があるならば、これは私の一つの提案ですけれども、一つのスケジュールをつくって、いまの一般会計の処理としてはできないだろうけれども、運用部でそのスケジュールに見合って現在持っておる運用部の国債を市場へ出して、運用部ですかしておいて、そこで補正ができたときにはその部分に見合う部分は運用部が引き取れば、一つのプログラムを立てて、皆さん、大体こういうプログラムでやりたい、その対応は国会、政治の問題があるから何ともいま確定できないので、こういう方法をも含めて財政当局としては対応する、こういう形の問題が提起されてくると、これは私がいま申し上げた心理的な要素にプラスに働く、こう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○加藤(隆)政府委員 大臣が御答弁になる前に数字をちょっと御紹介したいと思いますが、当初予定しておりました金額は先ほどの十兆四千四百でございますが、昨年と比べまして、六月末に昨年は全部で十六%の消化であったわけでございますが、本年の場合、四一%がすでに発行済みになっております。そこで、今後残っております分が、十年債が約三兆でございます。端数を省略しますが、それから中期債が約一兆二千ございます。さらに借換債の市中に行く分が九千億ぐらいございます。これを合わせまして、私どもとしては、少なくとも十一月までにやろうという考えをとっておるわけでございます。 その場合、御指摘の点が二つあるわけでございますが、五十七年の税収欠陥分をどうするか、この分は御指摘のように市中の方は、一体いつどのくらいふえるのか、どうするんだという疑問を持っておりますが、率直に申して、主計、主税の立場から言って見通しがなかなか立ちがたい。これはもうしようがないと思います。 その次に御指摘の、それじゃ運用部ですかしておいて云々というお話でございますが、何せマーケットがこういう状況でございますから、もしも運用部の手持ち国債を市中に放出しますと値段がさらに下がるという問題があるわけでございますね。さらに考えられますことは、当初三兆五千運用部が引き受けることになっておりますが、その分を、あと約半分ぐらい残っておりますが、そういうようなものをどうしていくかという余地はございますが、具体的なファクツはそんなような状況になっております。
○堀委員 いまの状態はよくわかりました。事実、ここで昨年に比べては大変早く国債が消化されておるということはいいことでしょうが、結局三兆七千になるのか四兆五千になるのかわからない歳入不足、これがどうもはっきりしない限り、私はどうにもならぬと思うのですね。 そこで、理財局長、いま市況がこういうことだからどっちから売ったって同じなんですね、これは既発を売ろうと新発を売ろうと同じことだと思いますから。この国債の金利の関係という問題をちょっと今度は金融政策の側から見てみたいと思うのです。 前川総裁にお伺いをいたしますけれども、三月の大体終わりごろから短期金利の高目誘導というのをおやりになっておるのですね。昨日、七月六日段階でこの短期金利の、コールもありましょう、手形もありましょう、現先もありましょうが、大体短期金利はどのくらいになっておるのか、ちょっと総裁の方からお答えいただきたいと思います。
○前川参考人 市場の短期金利、いまお話のございましたコールと手形レートでございますが、コールの方はもう毎日のように変わりますが、いま一番新しいところ、きのうで七・一二五でございます。それから手形レート、これは大体私ども標準ものとして二カ月ものをとっておりますが、二カ月ものがいま七・三一二五というところでございます。パーセントでございます。
○堀委員 公定歩合は現在五・五%ですから、いまの手形レート七・三ということになりますと、公定歩合から一・八%乖離をしておる、こういうことでございますね。実は高目誘導をなすったのは、為替の問題で、一つは内外金利差の関係で高目誘導をなすったのでありましょうが、これは効果があるのでしょうか。
○前川参考人 三月末から六月にかけまして、季節的に非常に財政資金が払われる時期でございまして、通常は短期資金が非常に下がる時期でございます。しかし、六月下旬以降はまた資金が不足するということがわかっておりまするので、そういう大きな谷と山ができないように調節することが望ましいということが一つの背景でございます。 もう一つは、いまお話のございました、円安であるために、またコールレート、短期金利が非常に下がりますと内外金利差がまたそれだけ非常に広がる、それが円安の方に為替を引っ張るおそれがございましたので、やったわけでございます。 どれだけ効果があったかということははっきりわかりませんけれども、私どもが知っておりまする限りにおきましては、海外の為替市場マーケットは、日本銀行通貨当局のそういう態度について、円安防止に対してそういう姿勢が出てきたということを評価しているように思います。
○堀委員 そこで、コール、手形がこういうふうになりますと、必然的に現先その他のマーケットもそれに金利裁定が働くということになりますね。金利裁定がこういうふうに働いてくれば、要するに、その資金を取り入れる人たちは、これなら長期よりも短期でいいじゃないかということで、長期の需要が減ってきて短期にシフトしていく、必然的に長期が上がってきますね、これは経済のメカニズムだと思うのです。 ところが片方を見ておりますと、いま民間の資金需要はどうもいまひとつはかばかしくない。民間設備投資はいずれもどうも停滞ぎみでありまして、民間の資金の方は実は余り需要がない、主として公的資金の方に強い需要がある、こういうかっこうでございますね。 それで、いまお話がございました七月以降はややタイトになる、それでこう上がるということでしたら、ちょっとこの際それに合わせて、いまのいわゆる政策処理は少し後ろへ下がってもいい時期に来ているのだなと思う。タイトになった上にまだ高目誘導をやるのでは、これは大変でございます。ですから、公定歩合が五・五で一・八もそういう普通の市中の金利に差があるということなら、裏返せば、一遍公定歩合を少し上げてもいいのじゃないかという議論も一つ成り立ってくると思うのですね。 私は、当委員会で、そうですね、もう山際総裁のころからお話をしているかと思うのですが、どうも日本銀行では公定歩合というのは何が非常に重要なことで、それは軽々に動かしていただいては困りますけれども、しかし時期を見て機動的に上げて、また様子を見て悪ければ下げてという対応がいまや非常に求められているのじゃないだろうか。 たとえば、私ちょっといまの金利のあれとそれから円の相場をずっと見ておりますと、五月の初めに最近とすれば一番円相場にボトムがあったわけですね。四月の五週の終わりのところが大体二百三十六円、五月第一週が二百三十二円ぐらい。また二百三十六円と戻るわけですが、こういうふうに出初二百四十八円程度、二百四十六円とかずっとあったときから、これだけ下がったときに、この高目誘導を一遍ぱっと緩めて、そして必要があればまたやるとか、この高目誘導も公定歩合操作よりはもっと簡単な問題でしょうから、より少しいまの情勢を生かしながらお考えいただけないものか。 というのは、私はこういうふうに考えるのですね。何らかの処置をしておりまして、その処置をやめるか処置の内容を下げると、外から見ていますと、ああ、あれを少し下げてきたということは、ある程度の見通しは立っているのじゃないかというふうに見られますから、一遍そういうふうに、これはマイナスもあるでしょうが、プラスに働く面もある。しかし、それがやってみてどうもうまくないからまた上がるとなれば、これはいまの金融当局の考えが変わったのだなということになる。この上げ下げの関係というのは、じっとやっているのに比べて心理効果としてプラスに働く点もあるのじゃないか。 ですから、最初に申し上げたように金融政策を心理効果というものを含んで考えるということになると、一・八%も高目でコールや手形や現先と全部が誘導されていて、それが長期金利にもはね返っていて、そのことが要するに国際市況にはね返り、財政に波がいく。こういう非常にむずかしいいまの段階の中では、やはりより機動的対応ということがあっていいのではないか。 確かに、景気対策でいろいろなお話が出ます。この間ある党から、三兆円の公共事業をやるべきだという話が出た。この三兆円公共事業をやりたいとおっしゃる方は、公共事業のプラス効果の方に大変目を向けていらっしゃるのでしょうが、三兆円の国債を発行する方はどうやら余りお考えになっていないから、こういう論理が出てくると思うのです。 そういう点では、渡辺大臣適切なお話で私どもも結構なのですが、どうも私は、いろいろな情勢を見ておりまして、いまの金融政策がすべて矛盾に満ちているような感じがして仕方ありません。確かに両にらみがありますが、問題は、民間設備が出てこないのは金利よりも先行き不透明だということの方に経営者のマインドがあるのでありまして、先行き見通しがあったら、金利が多少高くても企業家ならばやるのですよ。いまの最大の理由は、私は金利ではないと思う。それならば、場合によっては公定歩合を上げて対応するというやり方もあっていいし、それをやって余り意味がなければまた下げる。あるいは金利全体を少し調整しながら円に対する対策もとると同時に、国内政策に対しても、そういうやや果敢な機動的対応を日本銀行が行われることが、いまこういう経済情勢の中で求められているのではないかと私は思うのですが、前川総裁、いかがでございましょうか。
○前川参考人 金融政策、なかんずく金利政策を機動的あるいは弾力的に行使する必要があるという点は、全くそのとおりに考えております。私どももいままで、いままでというのはあれでございますけれども、私ども金利政策あるいは金融政策を運営いたしまするに際しましては、機動的、弾力的ということを常に頭に置いてやっておるつもりでございます。 それで、高目誘導あるいは公定歩合あるいは基準外貸し付け、いろいろな方法があるわけでございまするけれども、どういう方法をとってその機動性を出すかというのは、いま先生がおっしゃいましたほかの要素もいろいろ考えなければいけない。非常に狭い範囲で政策の選択を迫られているということでございまするので、非常に厳しい選択をしていかなければならない。高目誘導いたしますれば、いまお話にありましたように、どうしても長期金利に影響いたします。それは避けられないところでございますが、それがまた内外金利差の拡大を食いとめる、円安を何ほどか食いとめるという方向に働くわけでございまするので、どっちがいいか。円安を許容するかあるいは金利が上がることを許容するか、そのときの判断として政策を選択していかなければならないということでございます。 いまお話がございましたいろいろの方法につきまして、私ども、その選択の幅は狭いのでございまするけれども、考えなければならない要素を勘案いたしまして、最善の方法をとっていきたいというふうに考えております。
○堀委員 私が申し上げておるのは、両にらみという問題がありますが、両にらみでなくて、あるときはこっちをやり、またあるときはこっちをやるということにしませんと、両にらみというのはだんだん動けない条件になると思うのですね。ですから、その限りで、確かにいま円はかなり安くなっておりますから、昨日二百五十七円でありますから大変安くなっておりますから、ここで金利を下げるという話はちょっとむずかしいでしょうね。 そこで、もう同じですから一遍公定歩合をばんと上げる。これは預金連動とかいろいろあるでしょうけれども、それは後の話でございまして、とりあえずそうやって公定歩合をたとえば一%なら一%上げる。一・八あるのですから、その枠の中ならば一%とか、これはアナウンスメントエフェクトをねらっているわけですから、余り細かいことをやらないでぱっとやってちょっと様子を見るというような対応、金利が多少上がったって、さっき申し上げたように、いまの情勢の中では資金需要とはそんなに大きな関係はない、私はこう思っておりますので、ひとつそこらを含めて、まあどうしたっていまおっしゃるように選択の幅は非常にむずかしいし、すべてに関連しておりますから、どこを優先するかというのはむずかしいと思いますが、やはり為替というのが日本経済全体に非常に大きな影響力を持っておりまして、一部の民間設備の問題ではない、私はこう考えておるわけですから、そこらを含めて、ただ、それならじゃずっと高目でいいかというと、そうじゃなくて、いまの国債とかそういう問題もあるわけですから、一遍これをやってみて、その後で適当なところでまた金利を下げるなら下げるという形で対応ができるような何らかの御検討をひとついただいておきたい、こう考えるわけでございます。
○前川参考人 最初に、私どもの立場をひとつ申し上げておきたいと思いますが、円安というのはいまの経済状況の中で非常にぐあいが悪い。もちろん物価等に影響がございますけれども、輸入コストが上がりますので企業の収益を圧迫する。製品価格にそれがなかなか転嫁できない。収益を圧迫しますと企業マインドが悪くなるということで、いまお話のございましたように、先行きに対して不透明感を増しておるというふうに思います。そういう意味から、円安はどうしても避けなければいけない。この円安がどんどん進むということはどうしてもとめなければいけないというふうに私は考えております。そのためには、あらゆる手段を講じてそれをとめなければいけないというふうに考えております。 その中で、それではどういうふうにやるのか。いまのお話のように、両にらみでなしに、やはりやるときはぱっとやって、必要がなくなるというのもあれですけれども、情勢が変わればまたもとへ戻してもいいのじゃないかというお話がございました。実は、公定歩合というお話もございましたけれども、最近先進国のやり方は、公定歩合よりもロンバードという日本の基準外に相当するものでやる、あれをわりあい頻繁に動かすということでございます。その方が弾力性があるというふうに考えられている面もあると思いますが、私ども基準外を発動いたしましても、その効果はまず市場金利を上げるというところに働くわけでございます。そういう意味で、いま私どもがやっております高目誘導も同じ効果を持っておるわけで、どっちがいいかということでございます。いまお話がございました点は、十分頭に入れまして対処してまいりたいというふうに思っております。
○堀委員 私も、この間日本銀行の方に来ていただいて、西ドイツのロンバードの問題を少し勉強してみました。結果は同じだと思うのですが、一つ違うのは、私三月の委員会でもちょっと申し上げたと思うのですが、高目誘導というのは余り表にわからないのです。専門家だけしかわからない。ところが、ロンバードを上げるというのは広くわかる。心理効果の点ではどうもロンバードの方がいいのじゃないかと思っておって、三月でしたか、総裁がおいでになったとき申し上げたけれども、今日までされてないものですから、順序とすれば、やはりロンバード、公定歩合というのが政策手段としては順序だろうと思いますが、ひとつこの際十分御検討いただきたい、こう思います。 大臣、きょうは時間があと十分ほどで一回切れまして、それからあと三十分残っているのです。そこで、これは非常にやりにくいのですが、五十八年度予算の、それも防衛予算の問題をちょっとここで始めて、後につながるようにやりたい、こう思うのです。 この間新聞を見ておりますと、大蔵大臣は土光さんにお会いになったようですね。そして土光さんは、五十八年のシーリングについては聖域なしでやってくれというふうにおっしゃったように新聞が報道していますが、これはどうだったのでしょうか。
○渡辺国務大臣 土光さんと私の会談というのは、向こうの第二次答申を出してもらうわけですが、大蔵省の現在の財政事情について知っていただきたいということが主たる目的でありまして、その席で、大体新聞に出ているような話ばかりなんですが、五十六年度の歳入欠陥の見通し、それに対する対処の考え方、五十八年度のシーリングのおろし方について、数字はまだわかっておりませんが、物の考え方。それからどうしてもある程度のものはふえるものがある。そのふえるものを全く減らすということは事実上非常に現実的でない。極力それは抑えるようにするけれども、ゼロにしてしまうということはなかなかできない。それをのけた部分については大体五%ぐらいを削減する。 もう一つは、別枠にはしないけれども、たとえば生活保護とかそれから保険の政府負担金とか、そういうようなものはゼロにはできない、それは現状維持か、そうすると残りが大体五兆ないし六兆ぐらいになるか、まだ数字は詰めておりませんが、アバウトそんなところでしょう。その五%は切り込むという話をしたわけです。それは大変結構だ、ひとつぜひともそれできちっとやってもらいたいという話があったのでありまして、具体的にどの項目についてどうというやりとりは実はなかったのでございます。
○堀委員 新聞では、何か聖域をつくらないでやれということだったというふうに出ています。これは新聞が書いているだけで、事実かどうかそれは別です。それはいいのですがね。 五十七年六月九日の第二回国連軍縮特別総会で総理の一般討論演説というのがあるのですね。ちょっとその部分を読むと、「今日の逡巡は明日の破滅へとつながるおそれがあります。我々は、断固として時代の流れを転換させなければなりません。今や、軍縮をもつて、人類の生存への行動原理とすべきであります。軍縮は安全を増大し、安全の増大は一層の軍縮を可能ならしめるでありましょう。我々は、国家間の信頼関係を築き上げ、先人の貴重な努力を受け継ぎ軍縮が更に促進されるよう新たな一歩を踏み出さなければなりません。」 これは大変いいことを鈴木総理は言っておられるのですね。総理が外国のこういう国連軍縮特別総会で発言されたことというのは、世界の国民が見ているわけですよ。日本の総理は大変いいことを言っている、こういうことですね。だから、私は、鈴木内閣というのは基本的には軍縮を目指す内閣だろうと思うのですが、渡辺さんどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 私は軍縮の中身をよく知りませんが、私としても、防衛費の問題については、とめどもなくふくらむということについては、それはもちろん容認できません。できませんけれども、日本が国際社会の責任分担という問題については、それはサミット等に参りましても言われるところでございまして、自由社会の一翼を担って繁栄をしているのだから、自由社会を守るためにそれ相当の、自分の国は自分で守るというぐらいのことはやってもらいたいということがあるのは事実でございます。 問題は比較の問題でございまして、アメリカでもGNPの五%の防衛費を使っておる。イギリスも似たようなものである。ドイツも三・五%ぐらいですかの防衛費あるいは軍事費というのですか、それを使っておる。日本では当面一%ということで、その中で国際社会の一員として日米安保という問題もあるので、それが有効に機能するように必要最小限度のものはやらなければならない、そういうように認識をしておるわけであります。 したがって、特別突拍子もなく飛び出して使っている国は、それはみんなそういうことをやってもらいたい。われわれの方は、そんなにほかから比べまして日本が大きな軍事費を使っておるなんて思っている国は世界にほとんどないのじゃないか。少なくとも先進国の中では皆足らない足らないと言われている声はいっぱいなんです。したがって、この防衛予算と総理の軍縮演説というものが直接結びついて、日本の防衛費も減らす方向でやるという国連演説ではないというように私は考えておるわけです。
○堀委員 時間がありませんから、議論は少しいまはしょることにしますけれども、防衛庁、入っておりますね。 ちょっと防衛庁に聞きますけれども、昭和三十二年五月閣議決定の「国防の基本方針」「国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、」こう初めにありますね。これは直接の侵略と間接の侵略、こういうふうにありますが、直接の侵略というのはわれわれも大体わかるのだが、間接の侵略というのはどういうことですか、ちょっと説明してください。
○塩田政府委員 直接の侵略が外国による武力による侵略であるのに対しまして、間接の侵略の場合は、国内のいろいろな勢力に外国が何らかの形で働きかけるということがありましても、具体的に直接外国の武力が来るわけではなくて、国内のいろいろなそういった勢力を使った形での侵略といいますか、そういう形を指しておるものと了解しております。
○堀委員 大蔵大臣、いま間接侵略という話がありましたね。 いまの日本の国内で、それは日本赤軍みたいなのもなかったわけではないですからね、それは多少あれでしょうが、私は、今日防衛に直接侵略は絶対ないと言い切れるかといったら、これは相手のあることですからわからない。しかし国民的常識として、私は大体財政をやっているから防衛というのは専門じゃありませんで、そうなると専門外のことは常識で処理する以外にないというのが大体私の方針なんですが、その常識で判断して、いま間接の侵略なんというものを考えられますか。私は直接の侵略のことはわかる。しかし、間接侵略を未然に防止するなんて、こんなもの未然に防止するのに何か自衛隊が役に立つような話じゃないと思うのです。だから、ちょっとそこを大蔵大臣どういう認識か。私と同じように、常識的にはそんなものはちょっともう起きぬだろうという話かどうか、ちょっとそれをひとつ答えてください。
○渡辺国務大臣 間接の問題については、これは現在のところ日本の防衛がしっかりしているから間接侵略のすきがない。しかし、常にそれをうかがっている人は絶対にいないということもなかなか言い切れないのではないか、そう思っております。
○堀委員 委員長、ちょっと余り中途半端になりますので、ここでもう十分こっち側にやらせていただいて、あと後ろを二十分ということで、十分下げさせていただいてもよろしいでしょうか。
○大原(一)委員長代理 どうぞ。
○堀委員 よろしいですか。それではあと十分だけ。 その次に「防衛計画の大綱」というのが昭和五十一年に出されておりますね。この「防衛計画の大綱」というのを読んでみますと、六番目に「防衛力整備実施上の方針及び留意事項」というのがありまして、そこで「その具体的実施に際しては、そのときどきにおける経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、次の諸点に留意してこれを行うものとする。」こうなっているのです、大蔵大臣。いいですか。大体この「防衛計画の大綱」というのを基本にして、いまいろいろなことが行われているのです。ここで言うこのいまの経済情勢の話は、この五十八年度なんというのにはぴったり出たっているような気がするのです。ですから、この防衛大綱に沿ってひとつやはり物を考えていただく必要があるなと思うのですが、大臣いかがですか。
○渡辺国務大臣 防衛大綱に沿ってやらしてもらいたいと思います。
○堀委員 防衛大綱全体あるのですが、いま私ちょっとそこのところをアクセントをかけて伺ったわけです。 では、もう一遍読みましょう。この六の「防衛力整備実施上の方針及び留意事項」というものの真ん中ごろに「その具体的実施に際しては、そのときどきにおける経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、次の諸点に留意してこれを行う」こうなっています。これは非常に重要なことがこの大綱に入っていると思うのです。大蔵大臣の立場としてこれをどう理解するか。
○渡辺国務大臣 私も言っておるのですが、防衛というのは、装備だけがよくなれば日本の防衛が充実するというものではない。装備が悪くとも日本の防衛はまずくなる。しかし、したがってこの中身もそれは充実しなければならないが、国民の理解と協力が求められないようなほどふやすということは、決して、私は、国を挙げて防衛するときには自衛隊だけというわけにはいかぬわけですから、国民全体の理解と協力が必要である。したがって、大多数の国民がやはり喜んで協力できるというおのずから限界があるではないかということを、いまの言葉で言うと、そのときどきにおける経済財政事情を勘案して国の他の諸政策との調和を図りつつということになろうと思いますし、私は、いままでも防衛予算の編成に当たりましてはそういう方針で予算編成をやってきたつもりでございますから、今後とも当然に他の諸施策との関係というものも考えてもらわなければ因りますということは、今後も主張するつもりでございます。
○堀委員 そこで、最近防衛問題でアメリカが何とかひとつ日本防衛ちゃんとしろ、これは昨年の総理・レーガンとの間のいろいろあるわけです。私は、それは一つの事情だと思うのです。 ちょっとここに、ことしの三月一日に米国の下院アジア・太平洋問題小委員会でフランシス・ウエストという国防次官補、国際安全保障担当の人が公聴会の中で証言をしておるのを紹介してみたいと思うのです。「日本の自衛隊は今日次のようなものを持っております。まず、侵略の直接的脅威が極めて小さいにもかかわらず地上軍十三個師団を持っています。」こういうふうにこの人が言っているのです。これが一つ。その次に「遺憾ながら、今日、日本はこれらの役割を果たしえておりません。日本自身の公式の分析によっても、日本の自衛隊は弾薬、魚雷、およびミサイルの補給が著しく制約されているために、戦闘に際してその地上軍師団や護衛艦や戦術航空機を持ちこたえることができません。」こういうことを言っているのです。それから「日本の軍事力は、数の上では相当のものであるが、補給面で危険なまでに欠陥を持っていて、防衛訓練行動の戦闘能力を著しく貧弱なものにしている。」「日本がその領土、周辺海空域、」ここは問題があるのですが、「一千マイルの航路帯防衛のために意義ある能力を持つことになっているとするならば、海上および航空自衛隊の規模は、不十分である。これらの責任は、鈴木首相が一九八一年五月に日本の法的範囲内にあるものと言明したものであり、レーガン政権としては、日本がそれを実行することを期待しているものである。」 さらに先へ行って、ちゃんと日本の経済状況も彼らは知っておりまして、「経済は外見上いきいきとしているが、それにもかかわらず、日本の防衛寄与に深刻な影響を与えている大きな経済的要因は、国家財政の状況である。日本は一九七九会計年度の赤字を一九八四年度までに半減しようという計画を持っている。赤字は、一九七九年度に六百十四億ドル、全政府支出の三四・七%で、それが一九八〇年度には六百五十億ドルにまではね上がった。日本政府は、この額をこの三月三十一日に終了する会計年度中に、九十億ドル減少させることを望んでいる。大規模な増税なしに」こういうことで「いっそう赤字を減らすためには、政府支出のさらにきびしい抑制が必要となろう。」こういうふうに問題に触れておるわけであります。 そこで、これをずっと一連読んでみまして、私がいま間接侵略問題に触れたのは、アメリカは陸上自衛隊をふやせとはこの中では一つも言っていないのです。海空はひとつしっかりやってくれと言っていますが、陸上自衛隊を強化拡充しろとは一つも言っていない。だから、軍縮という基本的な問題に立って、いまともかく間接侵略のためにというのでしょう、都市周辺に相当な陸上自衛隊もいるというようなことになっているようでありますが、全体の人間の数が多かったらいいというんじゃないということをここでも言っていますね。能力だと言っていますね。能力のないあれは張り子のトラと同じですから、弾薬、魚雷、ミサイルがないんじゃだめじゃないかと言っているのです。海原治さんがそういうあれを言って、日本の陸上自衛隊というのは戦前の陸軍がそのまま引き継がれたようなかっこうになっていて、戦前の陸軍というのはもっぱら外征軍で、国内で戦争をするために編成されていなかった。それがそのままの編成で今日になっている。憲法で外征は禁止しているわけですから、それならそれだけの新しい角度で問題を考えるべきではないか。急激に減らすなんというのはむずかしいですけれども、片一方をふやすなら片一方を減らす、そうやって調和のとれた、そしてアメリカとの関係でも、アメリカの希望する方へ努力していますよということで、財政上の負担は減らしながら対応できる道があるのではないかと私は思っているのですが、大蔵大臣いかがですか。
○渡辺国務大臣 財源に限りのあることでございますから、より効率的な防衛力の充実を図るためには、その時勢に応じた現実的な見方に立つということは当然の考え方ではないか。したがいまして、防衛費の中身につきましても、聖域とすることなく実態に即して予算編成をすべきである。ただいまお述べになられましたような御意見は、貴重な御意見といたしまして私は十分に参考にしてまいりたいと思っております。
○堀委員 一応ここで終わって、また後で。
○大原(一)委員長代理 柴田弘君。
○柴田委員 私は、最初に歳入欠陥の問題について、いま大臣からある固まった歳入欠陥の数字が発表されました。 まず最初に確認の意味でお聞きしておきますが、当初予算に比較をいたしまして税収減が三兆三千三百四十二億、補正予算に対して二兆八千八百十八億。税外収入が千二百億円あって、歳出の不用額が二千六百四十億円ある。ずっと差し引きやってまいりまして、決算上の不足額が二兆四千九百七十八億円ですか。不足額の処理方法としては、一つは決算調整資金の活用によって二千四百億、ですから国債整理基金からの借り入れはいま二兆二千六百億とおっしゃいましたが、正確には二兆二千五百七十八億円、こういうふうに計算上なったと思いますが、これでいいかどうか。
○窪田政府委員 先ほど申し上げました計数からはそうなりますが、ただ歳出の決算それから税外の決算、十億オーダーで若干動きますので、最後に細かくおっしゃいました数字は大体三兆二千六百億円程度というふうに御理解をいただきたいと存じます。
○柴田委員 大臣にお聞きしますが、当委員会におきましても、しばしば歳入欠陥の問題でいろいろと議論がありました。本日ここでこのような確定を見たわけでありますが、政治責任の問題は大臣としてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。経済は生き物であるから、あるいは経済の見通しもなかなか予測がつきにくいから、いままでしばしばそういう御答弁もあったわけでありますが、やはりこのような大きな、一〇%以上にも及ぶ見通しを誤ったという政治責任、特に内部にひそむ財政あるいは経済運営の誤りというものはあったかなかったか、その政治責任というものを国民の前にどのような形で大臣はとっていこうとお考えになっていらっしゃるか、ひとつ忌憚のない御意見をまずお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 税収の見積もりというものが経済の見通しというものに絡みまして見積もり違いができたということは事実でございます。 ただ、当初予算に対しましては、当初組んだときにはむしろあれでは足らない、もっと自然増収があるはずだという御意見も実はたくさんありまして、予算委員会等におきましても、おたくの党からも、これじゃ足らない、もっとあるというような御叱正も承ったのです。問題はその後の問題でありまして、要するに、補正予算をつくる段階で四千五百億などという小さな数字でなくて、むしろ三兆にもなるような歳入見通しが減るというのであるならば、なぜその段階で気がつかなかったのだという問題だと私は思うのです。 これについては、九月の法人決算というのが、十一月に申告が出て十二月になるとわかるのです。これなどが大法人が比較的順調な決算、二三%という伸びを示しておったというようなこともあって、その他の源泉税とか物品税とか、そういうような毎月報告のあるものについては、どうも思うようにいっていないということがわかっておったものですから、それについては事務当局でいろいろ検討した結果、補正減を立てた、法人については立てなかった、これは事実なんです。ところが全部の法人が、大法人が年一回でなくて二回決算であったならば、そういうような見込み違いも出なかったのでしょうが、九月決算のものが非常によかったということもあって、ちょうど十二月に手に入る材料なものですから、そこで見込み違いがあったことは事実でございます。先ほど言ったように、出初対比法人が一兆五千億円も足りなかったわけです。三月の決算に大部分のものが集中してしまっていた。九月決算のものはよかった。その中でも、たとえば悪い法人ばかりあるわけじゃないのですよ。三時に発表することになっておるそうですが、発表があればおわかりになると思いますけれども、五〇%も増益を上げている金融、銀行のようなものもございます。それから電機ですか、そういうようなものも二十何%というものを上げております。なかなか見づらかったということも事実であって、それはしかし責任はどうなんだ。責任は当然、間違ったことは間違いなく間違ったわけですから、結果論から言えば。しかし、それには専門家が計算しても間違ってもやむを得ないと思われる点もあるのじゃないか。政治の問題ですから、幾らそんなことを言ったってそれはだめなんだということについては、それは政治の場で決着をつけるということだと私は思っておるわけであります。基準がどこにあると言われましても、政治責任の問題は政治の話でございまして、一定のルールと責任があるわけではない。一段落全部終わってから私は私なりに決着をつけたい、そう思っております。
○柴田委員 大臣は、歳入欠陥が出た場合に法律に従って適切な処置をとる、このような発言も確かにあったと思いますね。 そこで、衆議院の予算委員会、参議院の予算委員会等々、国債整理基金からの借り入れについてどのように返済をしていくのか、現在ある決算調整資金の法律に基づいて五十八年度までにきちっと返済をされるのかどうか、この辺が実は不明確じゃないか、こう思いますね。衆議院の方では、きちっとやります、こういうようにおっしゃっておって、どうも参議院の方の予算委員会では、繰り延べもあるのではないか、借り入れ返済ですね、その辺がちょっと不明確だと私は現在思っておりますが、決算調整資金に関する法律に基づいて五十七年度あるいは最終五十八年度までに返済をされる決意であるのかどうか、これはきちっとひとつこの際御答弁を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 現行法に従えば、それは五十七年または五十八年に返済をしなければならないというように決まっておるわけでございますから、現行法律どおりにやれば五十八年までに返済するということであります。 ただ、識者の中に、私が決めたわけじゃありませんよ、自民党の一部からの提言というものもございます。問題は、規則のために経済があるのではなくて、やはりそういう規則というものは経済の実態に即して考え直してもいいのじゃないかという議論があることも事実でございます。どちらが国民経済全体のためになるかという問題で、常に謙虚に反省するということも必要ではないのか。大量に国債をどんと出すことがいいのか、とりあえず、いま直ちに必要でない貯金ですね、国債整理基金というのは国債を返済するための貯金ですから、わかりやすく言えば歩積み両建てみたいなものなんですね。したがって、いますぐに必要でない貯金をするために借金をして貯金をするということが経済にプラスなのか。あるいは、いますぐ必要でない貯金ならば、借金をその分減らした方がいいんじゃないかという議論もあることも事実であって、それはそのときの経済情勢、税収の情勢というものも考えて検討し直すべきであるという要求も、自民党の中から私のところへ来ているんですよ。 したがって、私としては、現行法がある以上は現行法どおりにやりますと言っておりますが、もう少し情勢を見なければ、法律を直すかどうかということは断定的に申し上げることはできない。日本の経済、財政の運営の実態というものからこれは検討さるべきものである、そう考えております。願わくは現行法どおりにやりたいと思っております。
○柴田委員 そうしますと、大蔵省あるいは大蔵大臣としては現行法どおりやる、財政の節度という点からいって私はそう考えておるわけであります。もちろん、今後の経済の見通しのむずかしさあるいは財政運営の厳しさ、こういったものを考えた場合に、そのときの情勢というもので判断をしていくということも、いま大臣がおっしゃったように私は必要であると思いますが、現在の段階としては現行法に基づいてきちっと守っていくと大蔵省は考えている、こういう理解でよろしゅうございますでしょうか。
○渡辺国務大臣 非常に変動きわまりない世界情勢に対応して財政は運営をしていかなければなりません。現行法がある以上、現行法どおりにやります。
○柴田委員 私も、この国債整理基金の返済につきましては、現行法どおり五十八年度までに実行してもらいたい、このように考えているわけであります。国債整理基金から借り入れるということ自体もう異常な状態である。しかも、それが決算調整資金の約十倍に及ぶという額であることを考えますと、なおさらそのように思うわけであります。 そこで、現行法どおり仮にやった場合に、この返済についてどのような財源、ただ単に赤字国債の増発あるいは増税という安易な道をとるのか、あるいはまた歳出カットという点もあるわけでありますが、そういった一つのめどというものがない限り、現行法どおりやるということも言えないのではないか。二兆二千六百億、膨大な返済になるわけであります。しかも政府は、増税なき財政再建あるいは五十九年度までの赤字国債の脱却、こういう政治公約もここで一つしてみえるわけであります。 漏れ承りますと、五十八年度予算編成に当たっては五%のマイナスシーリング、このように努力をされているわけでございますが、しかし、二兆二千六百億円の規模に及ぶこの国債整理基金の返済を赤字国債の増発とかあるいはまた安易な増税ということに頼れば、これはやはり公約違反になってしまうし、あるいは六十年度以降に返済期間を延ばせば、やはりこれは将来の赤字国債の償還というものにも影響が出てくる。あるいはまた歳出カットという手を用いれば、これはやはり文教費や社会福祉費にも影響が出てくる。これは大変な返済であるとは思いますが、やはり一つのめどというもの、具体的にこういう方法をとり得るんだ、それがない限りにおいては現行法どおりやっていこう、そういった確約もでき得ないのではないか、私はこういうふうに心配をいたしているわけでございます。その辺、まだ今後の問題ではあるかと思いますが、大臣の御見解があればこの際お伺いをしておきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 柴田委員の御心配のように私にも心配がありますから、先ほど申し上げたわけでございます。 私どもとしては、借りた金は返さなければいけない、しかし、それにはまだ先がある。そのときの準備のために貯金をするんだが、その貯金ですね、整理基金の積み立てというのは要するに返済のための貯蓄ですから、その貯蓄の金を増税によるか、それともまた借金にするかということなんです。自然増収といっても、一方においては経費もふえてくる、赤字国債も減らさなければならぬという中でこれは検討されるべき問題だと私は思っております。 まず、増税なきというのは、鈴木総理が言っておるように、行政改革をするに当たって新型、大型、たとえて言えば一般消費税のようなものを念頭に置いてやることは適当ではない。したがって、増税なき財政再建とはそういうものであるとわれわれ考えておりますから、そういう大型の新型増税を念頭になく、まず高度経済成長下にできた制度、施策の抜本見直しをやっていく、それと同時に、こういうような厳しい財源の中ですから、数年前には公費負担でいいじゃないかと思われるようなものも、いまのような芳しい財源の中では、それは受益者負担にしてもいいじゃないかとか、それはやめてもいいじゃないかとかという判断、負担とサービスはつきものでございますから、どっちをとるかということになりますと、われわれとしては、低成長時代を迎えた場合は高度成長や中成長時代とは違った発想で歳出の抑制、節減合理化、これを最優先で取り上げていく、まずそういう考え方であります。それでもなおかつ不足分をどうするかという問題については、これは御相談ということだと私は思います。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○柴田委員 またその御相談の問題、増税問題を含めて税制改正の問題は後で御質問いたします。 大蔵省が衆議院の予算委員会に提出をいたしました資料、これは国債整理基金の返済ということにも関連をしてくると思いますが、あるいはまた来年度の予算編成、歳入一面においての一つの問題になってくると思いますが、大臣、この税外収入についての考え方ですね。ここには五項目あります。補助貨幣回収準備資金の取り崩し、国及び特殊法人の資産処分、特別会計からの一般会計納付、特殊法人からの国庫納付、その他と五項目あります。大臣、見ていただいておりますのでわかりますね。 補助貨幣回収準備資金の取り崩しは一兆二千億ある。それから国や特殊法人の資産処分は、マスコミ報道によりますと、行政管理庁では、むだな国有地が全国に四千八百億円ある、このようなことも言っております。これは全部が全部というわけにはいきませんが、こういった一つのものをとりあえずは国債整理基金からの借り入れの返済に充てて、こういった借り入れの返済を後年度に延ばさない、五十八年度なら五一八年度でかちっと遮断をしていく、一過性といいますか、ひとときの一過性のものにしていった方が節度ある財政運営であるのじゃないか、こんなふうに考えているわけでございますが、その辺のお考えはいかがなものでございましょうか。
○渡辺国務大臣 それも一つの見識だと私は考えます。 問題は、歳出カットを極力やってみてそれ以下に抑え込めない財政需要が一体何ぼあるか、もう一つは、景気の見通しと税収の見込みとの問題でございます。その差額が何ぼあるか、それをどういうふうな形で調達するかというような総合的な段階で、いま言われた見識ある御提案についてもその中の問題として、私は、最終的には予算編成の段階において決めてまいりたいと考えております。
○柴田委員 そこで、いま大臣から御発言がありました、高度経済成長時代の諸施策、こういったものについても抜本的な見直しをしていこう、あるいは負担の公平、あるいは負担とサービス、受益ですか、こういった問題についてもメスを入れていこう、これも私は決して反対ではございません。そこで、来年度の税制改正の方向の問題についてひとつ大臣のお考えをこの際お聞きしておきたいわけであります。 先日、大臣は臨調の土光会長とお会いになりました。そこで土光会長に対して大臣は、大型新税というものは念頭にはない、だけれども小型新税についてはなしとはしない、こういうふうにお考えを述べられたとマスコミでは報道されておりますが、それは事実でございましょうか。
○渡辺国務大臣 そういう具体的な話じゃないのです。いろいろ歳出カットはわれわれは一生懸命やります、やって、一方においては赤字国債の発行を縮減するという方向でも努力します。一方においていろいろな要求もございます。たとえば不公正税制、どれどれが不公正税制であるかということは、その時代時代によって認識が違ってくるのも必然のことでございますし、特別措置の洗い直しというような問題についても、五年前にはもっともなことだったが、五年たったらなくてもいいじゃないかという議論が出てくるものももちろんございます。 そういうことで、税制全体の手直しというような問題があるときに、税目によって税額がふえるというようなものまで含めて自然増収以外は全部増税なき財政再建に反するんだよ、こう言われてしまったのでは、税体系の現実的な見直しというものは一切できなくなってしまいます、したがって、それらのフリーハンドは持たしていただかないと財政当局としては因りますということを私が一方的に申し上げただけでございます。それを別に土光さんが承認したわけでもないし何でもない。私の考え方を申し上げたということでありまして、具体的にどういう税目でどうだというのは、そこに税調会長さんもいらっしゃいますが、一切相談も何もまだやっておりません。
○柴田委員 そうすると大臣、大臣はかねがね国会においては大型の消費税とかそういった増税は念頭にはないんだ、これは総理もしばしば答弁されておりますが、小型新税、こう来たわけですから、やはり新しい税の創設というものがあるのか、マスコミではギャンブル税だとか出国税だとか広告税だとかいろいろ書いておりますが、いまの御答弁を聞いておりますと、そういったものも考えていらっしゃらない、ただ不公平税制という現行税制の枠内で税制改正というものを考えているだけだ、こういう判断でいいのですか。これは大事なところですから聞かしてください。
○渡辺国務大臣 ただいま私が申し上げたように、具体的な税目については何らまだ検討をしていないのです。これが実態でございます。 ただ、野党の皆さんからも、いろいろな税目を挙げて、こういうものは取ったらいいじゃないか、所得税減税に充てたらいいじゃないかとか、いろいろな御要求がいっぱい来ているわけですよ、いろいろな政党から。したがって、そういう中に採用していいものもできるかもわからない。そのときに、それはしかしともかく税目は新しい税目だ、これは税率をふやしたのだ、そういうことを言われたのでは困るし、いまさらそういう約束もできませんから言っておるだけであって、私が具体的に、やれ何とか税だかんとか税だと挙げて、こういうものについては検討していますと言ったことは一回もございません。ただ、そういうような場合もないとは断定できない。これはわからない。私としては、その段階で一切税目にはいかなる税目も手をつけないということを約束できませんということを育ったところが、約束できないんじゃやるんじゃないか、やるとすればそれじゃこんなものかなといって、みんな考えてそれぞれ書いたんじゃないんですか、私はそこまで責任を負えません。
○柴田委員 どうもよくわからぬわけですが、それじゃこういうふうに判断しますね。とにかく大臣は、何か言うとすぐ減税に絡めて野党の皆さん、こうおっしゃる。そう言われるとこちらもそうかなと思っちゃって、あと何も言えないのですが、小型新税というかそういったことで絶対ないとは言えぬ、やはり将来そういった税の創設もあり得るであろう、こういう判断と私は理解をいたします。何かあったら後でお聞かせいただきたいと思います。 そこで、増税なき財政再建ということを総理も言われておりますし、大臣もしばしばおっしゃいます。私も私なりに考えておるわけです。増税なきというのは税金がふえないということですから、一つは、先ほど来議論をいたしておりますように、新しい税を創設しないという、これがやはり増税なきということだと思います。それから二つ目には、現行税制の枠内において税率のアップとかそういうことをしない。それから三つ目は、所得税に見られますようにいわゆる実質増税、税率の改定とかそういうことがなくても年々実質増税があればこれはやはり増税だ、私はその三点が増税ではないかと考えているわけであります。だから、この増税なき財政再建ということをいま私どもは、五十九年度までの財政再建といったものを展望した場合、あるいはまた五十八年度予算編成というものを考えた場合に、いまここで真剣に考えてみてもいいのではないか、これは私の考えでありますが、こんなふうに思っているわけでございます。 そこで、臨調の土光会長はしばしば、要するに増税なき財政再建、つまり不公平税制の是正の範囲内の増収策を除いては一切増税を認めない、こんなようなお話をされているわけでありますが、やはり小型新税の増税だとかあるいはまた既存税制の中の物品税の拡大等々が行われれば、これは当然臨調が申しております増税なき財政再建と相反することになって対立してくるわけであります。 この七月には臨調の答申が出る。もうすでに第一部会の報告では、記帳義務の問題とかあるいは推計課税の問題とかあるいは総収入申告制の導入の問題が提案されているわけでありますが、大臣は、もちろん政府税調もあり自民党の税調もあると思いますが、この臨調答申に対しては、私は対立をする場面が今後出てくるのではないかということを実は憂慮しているわけであります。基本的にこの臨調答申に対してどう対応されるか、ひとつ意のあるところをお聞かせをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 臨調答申に対しては、政府としてはその答申を尊重してまいりますということを言っておるわけでございますから、臨調答申を尊重いたしまして、行政機関の簡素合理化、そういうようなものを初め経費の節減合理化、これは徹底的にやってまいりたい、そう思っておるわけでございます。
○柴田委員 それで臨調は、土光会長は、増税なき財政再建とは、一つは、政府は増税を考える前に歳出削減に最大限努力をすべきである、これはいま大臣も御答弁になった、これはいいと思います。第二点目は、国の活力を考えるとこれ以上の税負担はふやせない、こういうふうにおっしゃっておる。第三点は、真の不公平税制を是正した結果増収となることまでは否定するつもりはないが、増収をねらった税制改正というのは問題である、こういうふうにおっしゃっておる。恐らくこういった基本的な考えのもとに答申があると思いますが、尊重されるということはやはりこういうことである、そして増税なき財政再建というものをあくまで貫いていくんだ、こういうことで考えていいのかどうか、この結論をひとつお聞かせいただきたい。 あと、時間が超過しましたが、いよいよ来年度の予算編成ということでありまして、実はこの歳出の問題についてもいろいろお聞きしたかったわけでありますが、たまたま税制改正の問題でいま歳入面をやっておりますからお聞きしておきますが、所得税減税については大臣の頭の中には何もないのか。しばしば、財源さえあれば、代替財源が問題だ、こういうふうにおっしゃっております。いままでの御答弁は理解をするわけでありますが、やはり所得税減税については何のお考えもないのか。この辺をお聞きをいたしまして、時間が参りましたので質問を終わりますが、この二点、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 歳出削減については、先ほどから言っておるようにゼロシーリングで予算を要求してもらいたい。まずそれをやってみると、どの程度かということがよくわかりますから。それで、それじゃまだ切り方が足らない、もっとこことこことここを切れというお話が出てまいりますれば、また予算編成の段階でそれはわれわれも検討するにやぶさかではございません、歳出を減らすことは大賛成でございますから。しかし、それは切るな、それは福祉の後退であり、それは何の後退だ、何の後退だというようなことになれば、その財源の問題ということになってまいりますし、それは税収を上げろといっても、景気の動向というものは政府の考え一つでそんなに上に行ったり下に行ったり自由自在になるものでは実はございません。これは世界の景気は皆つながっておりますから。努力をしてもおのずから限界があるということになろうかと存じます。 さらに、歳出不足はどうするかという問題になると、借金をふやせという人はない、借金は減らせと言っているのですから、じゃ一体どうするのかということになりますと、そこらのところは御相談だということを私が言っているのであって、最初から税収をふやすということを、税収といいますか増税をするということを考えているわけではございません。政府の手においてやれるものについては、できるだけ増収になるように景気はてこ入れはいたしましょうということも言っておるわけです。あとは要するに収入と支出の問題ですから、どうしても支出の方がそれだけ何が何でも確保せねばならぬとなれば、収入の確保も何らかの形でせざるを得ない。これも事実。ほかに方法はないわけですから。別に方法があると教えていただければ別ですよ。私の頭の中にはないのです。したがって、それは最後の御相談になるということであって、私としては、大型、新型増税なき財政再建の方向で鈴木内閣はやると言っておるのですから、その方向で最大の努力をしてみたいと思っております。(柴田委員「所得税減税は」と呼ぶ)所得税減税。増税はするな、借金はするな、所得税を減税しろ、歳出で福祉その他みんな守れと言われましても、これもまたなかなかむずかしい相談。どこかで差しかえるとかなんとかいうことでしたら、またそれはないことはないのかもしれませんけれども、いずれにしても、これはこの大蔵委員会の中で、しかも皆さん各党からチャンピオンが出まして、代表が出て、その中でいま御検討中でございますので、その結論を尊重してまいりたいと考えております。
○柴田委員 では、時間が参りましたので終わります。
○森委員長 和田耕作君。
○和田(耕)委員 大蔵大臣、予算委員会を通じまして、経済成長の見積もり五・二%、これは多分変えなきゃならない、昨年の場合も四・一から二・七まで変わってくる、あるいは今回問題になっております大幅な税収不足、歳入欠陥というものについての見込み違い、この問題についての責任をどうしてくれるみたいな厳しい質問があったようですけれども、これは大田はとても独特のいい人柄を持っておられて、余りきついところまでいかなかったという感じもするのですけれども、これは今後の経済運営の問題を考える場合の大事なポイントの一つだというように私は思うのです。 ちょうど春の通常国会の予算委員会が始まったころに、大蔵大臣が予想に反して税収不足を公然と表明をされる。それに対する手当てをなさった。そのときに、与党の自民党を支える三本柱の一つの福田前総理が、六月、七月の段階でかなり大幅な歳入欠陥という状態が出てくれば、これは政治問題に直結するんだという発言をなさったことがありましたね。あの発言に対しまして、あの当時のマスコミもそうですけれども、私どももそれはそうだろうなという感じを持ったことを思い出すのでありますけれども、その段階になって、福田さんは、どういうお考えか知らないが、その前のことを言わなくなった。ちらっと言ったことは言ったけれども、政治問題に直結するという形であの問題を言わなくなりましたね。 私は、まあそれはいろいろお考えがあったと思うのです。これは単に大蔵大臣、鈴木内閣自身の責任じゃなくて、前からの引き継いだ問題もあるし、あるいはまた国際経済が何ともならない状態のこともあるし、あるいは物価の問題等もいろいろあるということをお考えになったとも思うのですけれども、福田前総理、あれほどの経済通の人ですから、やはりこの問題を追及することで政治的な一つの危機状態が来るといけない、それよりは、もっといまの財政再建の問題に対する対策が先だというふうな判断をなさったから、あの人はこの問題を取り上げなくなったんじゃないかと私は思うのですね。 これは大臣、仮に日本がアメリカあるいはドイツ、イギリスのように有力な野党がありまして、政権交代、つまりかわって政治を行えるような状態がありますと、これは間違いなしに大問題だと思うのですね。ところが、そういうものがないわけだし、先ほど申し上げたようないろいろな理由があるから、これは何とはなしに責任回避みたいな、どこに責任があるかわからないような形で推移をしておるんじゃないかという感じがしてならない。しかし大臣、この問題は、私はもっと緊張感を持ってこの問題に対処してもらわなければならない。やめるとかやめぬとかいうことじゃないんですね。やめたってかわるものがないのですから、いまのところ野党が何ともならない状態ですから、それだからこの責任がないというようなことはお考えになっちゃいけない、そう思うのですけれども、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 全くそのとおりに考えます。
○和田(耕)委員 最近、だれが考えてもきわめて重要な局面に、経済状態にあると思うのですけれども、四月ごろの例の貿易摩擦の問題で、五月、六月大変なことだという緊張感がありましたね。それがサミットへ出て、大蔵大臣も出られて、あの前後、何となしに日本に対する追及がなされない状態になってきた。あの問題も、アメリカの国内あるいは日本以外の状態との関連でああいうふうなことになったわけで、あれがまたいつ出てくるかわからない状態もあると思うのですね。そういうふうなことで、最近出てきた重要な課題に対して、まあ過ぎ去ったからいいわというような状態じゃなく、もっと真剣な姿勢が私は必要だと思うのです。 昨日、大蔵大臣が銀行大会の席上でお話しなさったのを私初めから聞いておりました。そのときに、かなり気持ちを込めて、予想されるような国債は出さないんだということをおっしゃっておったけれども、あれは私は非常に感銘を与えたと思いますよ。つまり、国債とかそういうようなもの、日本の経済に対して悪く動くと思ったことに対しては、とにかく勇気を持ってやっていく。そのかわり、大臣、その問題が狂ったときには責任をとることを何かの形で表明しなければならない。これは私の責任ですということで、だから今後はこういうふうにやりますというふうな形で、そういうけじめだけはぜひともつけていただきたいと思うのですね。これはひとつぜひともお願いいたしたいと思います。 そういうことで、本論に入っていきたいと思うのですが、第一の問題は、五十九年度の財政再建という鈴木内閣の公約もあります。これは大蔵大臣も公約として受け取っておられると思うのですけれども、仮に五十六年度はいろいろと国債整理基金を中心としたあれでつじつまを合わすとして、来年は赤字国債は相当量のものは避けられないという見通しが一般的なのですね。あるいは五十八年の場合もそうだ。仮に五十七年、八年に相当量の赤字国債を出す、そして五十九年には何かいろいろなことをやって赤字国債は出さないということがあった場合に、五十九年度の赤字国債からの脱却、財政再建という公約は果たしましたというふうに考えられるでしょうか、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 世界の経済情勢その他から見て、今後高度経済成長になると思っている国はほとんどないだろうと私は思います。やはり高度成長、安定成長、いよいよ八〇年代は世界じゅうが低成長時代になる可能性が大きいと見る人が多いと私も思っております。 そういう中で、五十九年度赤字国債の脱却ということは容易なものではない、最大限の努力をしていかなければならない。それに対して、いや、そんなことを言っても無理じゃないかという識者のいることも事実でございます。しかしながら、目標というのは安易に手の届くところに置いてがんばると言っても目標にはならぬわけでございますから、やはりその目標には手が届かないかもあるいはやり方で届くかもわからないというくらいのところへ目標を置いて、それでやることが一番励みがあると私は思っております。したがって、そのためには何といってもやはり歳出構造の抜本的な抑制、合理化というものが最優先をするというように考えておりますので、いまからそれはむずかしいから赤字国債でというようなことを考えると、さなきだに歳出を切るということはむずかしい、なおそれがむずかしくなってきてしまうわけであります。したがって、やはり鈴木総理の方針もございまして、所定の、あらかじめ決められた方針に従って、まずは内閣として、全省庁挙げて最大限の努力をしろという御指示でございますから、それによってやってみたい、こう私は思っておるわけであります。
○和田(耕)委員 思い切った歳出の削減ということは、私ども前からどの党よりも真剣に主張してきたことの一つなのですけれども、さて財政再建の問題と関連して考えますと、今度大蔵大臣がゼロシーリングということで五%削減ということを言われておるのですけれども、仮に予定のとおり五%の削減が行われたとして、果たしてどれくらいの経費が浮いてくるのか、そのことをちょっとお教えいただきたい。
○渡辺国務大臣 数字のことはまだわかりません。わかりませんが、五十七年度予算の編成に当たっては、当然増が一般歳出の中で一兆数千億円といように見込まれておったものを六千二百億の増で抑え込んだわけでございますから、一兆円程度の歳出削減をやったということになります。ことしは六千二百億よりもさらに一般歳出の純増分を減らしたいと考えております。したがって、当然増は去年よりも大きな数字になるので、歳出削減分も去年よりも大きな数字になるのではなかろうかという程度のことしか目下わかっておりません。
○和田(耕)委員 これは、いまの大きな歳入不足の問題と関連して考えてみると、そう大きな足しにはなってこないという感じがするのですね。 そこで、大蔵大臣、いまの前の委員の質問もありましたが、増税なき財政再建とおっしゃるのですけれども、大蔵大臣は、正直に申すと、もうやはり相当多額の増税をしなければ自分は責任を持てないというふうな感じを持っておられるのじゃないですか。
○渡辺国務大臣 これは内閣の方針でございまして、増税なき財政再建ということでまず歳出削減をやる。やってみた後での話でございますから、まずやる、それ以上のことはいま発言することは差し控えさせていただきます。
○和田(耕)委員 こう申しますのは、先ほど堀さんの質問で、国債、これは赤字国債だけでなくて四条国債にしましても、これ以上国債を出して、伝えられるような相当大量の国債となってくると、これはいままで心配されておったけれども実現しなかったインフレの可能性が現実になってきている。もうすでに実際上の日本銀行の引き受けのような性格を持った、つまりインフレをすぐ呼び込んでくるような状態に、まず門口まで来ているということは大蔵大臣一番よく知っておられるのじゃないかと思うのです。いまの国債の消化状態を見ても、たとえば今度の国債整理基金のお金の工面をするにしても、これはいまの禁ぜられておる日銀引き受けと内容的には何か紛らわしいようなことに入っていくような可能性を持っている。 そういうわけでありますので、きのうの大蔵大臣の演説で、私はああなるほどなと思ったのですけれども、かなり一生懸命やっておられるという感じを受けたのだけれども、これ以上国債に依存しないということになりますと、大型増税ということがどういうことになるか知らぬけれども、とにかくかなりの、少なくとも一兆円以上の増税ということをやらなければ大蔵大臣としての責任は果たせません、日本のインフレの状態をあれするというようなお考えを持ってしかるべきだと思うのですけれども、大臣、いかがですか。これは誘導尋問じゃありませんので……。
○渡辺国務大臣 大蔵大臣は発言に注意しないといけないという御注意も受けております。 私といたしましては、やはり歳出は抑え込む、しかし、それを抑えるとどうしても困るというのならば、その負担はどうしてくれますか、当然のことになるわけです。しかしながら、歳出の抑え込みもやらないうちに、いまから別な問題を考えるということは邪道でございますから、歳出の最大限の削減をまずやるということから、その後で、それができるのかできないのかという現実にぶつかった後で、できればそれでいくのだし、できない場合にはどうするかという問題は今後の問題であります。
○和田(耕)委員 そのことと関連して、土光さんとのお話で、私はあれも大蔵大臣の非常に率直な証拠だと思って見ておったのですけれども、とにかく減税、不公平税制を是正する意味の減税は何としてもやらなければいかぬのだ、しかしそのためには金がないのだ、そういう立場からも増税が必要ですという話はされなかったのですか。
○渡辺国務大臣 土光さんとの会談というのは四十分ぐらいですかともかく短い時間ですから、その間に向こうからも臨調の考え方のお話があって、私からも先ほど言ったような話がありましたから、それはあっと言う間に過ぎてしまったわけでありまして、そんな個別の問題について話し合いをするというような余裕は実はなかったということでありますから、個別の問題はございませんでした。
○和田(耕)委員 いずれにしましても、これは政治責任をまともにとる形の、政権を交代する形で経済政策の基本的なやり方が変わっていかざるを得ないような局面が何か近づくような感じがしてならないのでありますけれども、大蔵大臣として、しっかりとこの切りかえを間違いなくやっていただくようにお願いしたいと思います。 もう一つの問題は、この九月までの状態、つまり公共事業の前倒し等の状態を見て景気刺激に対する態度を決めていく、あるいは補正の問題についても見通しをつけたいということをおっしゃっておられるのですが、公共事業の前倒しの実績についてどなたか。
○窪田政府委員 現在五月末の数字が出ておりますが、五月末で進捗率が三九・〇%でございます。ちなみに昨年は三七・三%、三七・三がことしは三九・〇と去年より一層進捗をされております。
○和田(耕)委員 建設省の方、見えていますか。 住宅、これは特に経済企画庁長官は日本の景気をよくするために住宅に対して大きな期待をかけておられたのですけれども、住宅の四月、五月の実績がわかっておりましたら御報告をいただきたい。昨年と比べてどういうことになっていますか。
○北島説明員 お答えいたします。 五十七年の四月の実績は十万六千戸、五月が九万三千戸でございます。両方の月を合わせますと十九万九千戸でございまして、昨年の実績が二十三万九千戸でございますから、四万戸ほど落ちております。パーセントにいたしますと一六・七%の減でございます。
○和田(耕)委員 大蔵大臣、いまお聞きのように前倒しの状態もそう私はいいと、これはいいか悪いかあれですけれども、いまの住宅の問題が一番はっきりしているのですが、住宅の問題が予想以上に悪い。つまり、住宅政策をかなり手当てをするから来年の景気は絶対にというような形の経済企画庁長官の強調されておった住宅が予想以上によくない。また、きょうの、六日のパリ発の共同電によりますと、OECDの来年の経済見通しも、この秋からではなくて来年の秋にずれ込んでいく、国際経済は必ずしもよくないという予想があるのですけれども、こういう場合に景気刺激ということが、その問題はきのうも大蔵大臣が触れておられたのですが、ちょぼっとやったって意味がないのだ、逆に後遺症を残すだけだ、やれば本格的だけれども、その効果がどうか怪しいものだということを言っておられましたね。 こういう見通しの悪いときに、秋口からの景気刺激の政策を強化していくということはやらなければならぬことだと思いますか、あるいはなお慎重に考えなければならぬと思いますか、どうですか。
○渡辺国務大臣 これは、景気の問題というのはどこの国でもよくしたいとみんな思っているのですよ、それはアメリカでもイギリスでもフランスでも。特にイギリスのように一二%の失業率とか、アメリカも九%台、恐らくみんな一〇%近く、フランスも八・七とか失業者の大群があらわれているようなところでは、それはまことに深刻な問題、しかしながら、なかなかうまい手が見つからないというのも現実の姿なんです。公共事業費、借金をしてどんとやればすぐ景気がよくなる、そんな単純なことなら、これはだれでもできるのですよ。 だから、問題はいろいろと絡みがありまして、先ほど堀委員からお話があったように、仮の話ですが、仮に五十七年度の税収が足りないということになれば、それはどうするのですかという話がすぐ出てきます。そうすると、それはどうするのか、財源手当て、それだけでも大問題だ。その上にさらに、じゃ数兆円の国債を発行してということになると、それが国債市況に及ぼす影響はどうなのか、全体の金利体系に及ぼす影響はどうなのか、それが個人消費支出に及ぼす影響はどうなのかというようなことなども全部考えた上でないと、物価の問題等もございますから、軽々にできないのではないか。 ことに、いま世の中が静かなのは、確かに見込み以下に物価が下がったという問題も、これは税収にも関係があります。ありますけれども、初めてことしになってから、要するに実質可処分所得が減ったとか、いや実質収入が減った、実質購買力が減ったと言われておったのが効いてきて、二月、三月と二形とか四%とか実質消費も伸びる。もしこの傾向が続けば、一カ月や二カ月ではだめですよ、半年とか八カ月とか十カ月とか続けば、個人消費支出にプラスになることは間違いない。何といっても二百七十兆からの経済規模の中で百六十兆という個人消費支出の、最終消費支出の規模があるわけだから、二十四兆の公共事業よりもこの方が大きいことは間違いない。したがって、やっぱり物価の安定ということは消費支出を伸ばす上において一番大事なことじゃないかと私は思っている、私は余り学もありませんが。 だから、そこらのところもよく考えながら、余り短兵急でなく決めるべきではないか。公共事業しかないという結論が出ればそれも方法でしょうが、足し算と掛け算の問題ばかりやっておっても仕方がないので、算術には引き算と割り算もありますから、両方を勘案しないと、副作用がでかく出てしまったのでは、物価の引き上げにはプラスになって、税収にはいい結果が出たかもしらぬ、税金というのは名目に課税するわけですから。が、実質所得がうんと減ってしまうということでは、国民からすれば、特に勤労者からすれば何にもならぬという話にもなる。ひいては、それが全体の経済規模の中で大きなシェアを占めているわけですから、そこらの問題もやっぱり計算に入れて考えないといけない。だからむずかしいのであって、私は、そう単純にできるのなら、どこの国だって困っている国は一つもないと思うのですよ。そこらの相関関係というものがむずかしい。 したがって、副作用が出ない、どんなことをやっても多少は出るでしょうが、大きく出ない範囲でどうするかという問題は、裏返しに言えば、余り落ち込まないうちにやれという話も同じ話があるわけです。したがって、そういうものについて真剣に、ここ二カ月、七、八、九ぐらいになるともう少しはっきりしたことがわかってくるから、その段階で最終判断をすべきだ、注意深くいろいろなものを研究しながら決定をする問題である、私はそう思っておりますので、現在の段階で断定的なことを申し上げないのはそのためでございます。
○和田(耕)委員 私、大蔵大臣に最後に御所見を伺いたいのは、この秋の景気刺激の政策がかなり、ああなるほど、これは相当のものだというふうな形に仮になったとしますと、私も、それは避けられないのではないかという感じもするんです。けれども、そしてまた、先ほどのOECDの来年にかけての経済分析では、日本の国内需要がはっきりしない、余りさえないというようなことを日本の景気の停滞の原因にもしているのですけれども、この秋は私は一つの山場になりはしないかと思うのは、多少のインフレがあってもとにかく日本の景気を好転させていく、そのためには相当量の国債も仕方がないというふうな政策転換の方向に行くのではないかという感じがするんですけれども、仮にそういうふうな危険があっても、いまの景気を刺激して、国民生活をとにかく物価を犠牲にする形でよくしていくということの方が、しかしこういうこともあるいはやむを得ないなというふうにお考えになるのか、そういうふうな危険はこの際絶対に冒すべきじゃないんだ、やはり財政再建、物価の安定という問題は堅持していくべきだというふうなお考えを持っておられるのか、まあこれは御所見だけで結構ですけれども、お聞きをいたしたい。
○渡辺国務大臣 拡大再生産をする過程で物価を全然上げさせないといっても、それは無理なことでしょう。しかし問題は、やはりこれは病気と同じでして、余り悪くなって困りますが、悪いときに薬を倍飲んだら早く治るというわけでもないのですね。やはり経済というものは一つ時間の流れというものがその中に入っているわけですから、そこらの見きわめが大事なところなんです。大論争のあるところだと私は思うのですよ。 しかしながら、余り焦ったからといってそんなによくなるものではない。世界の経済はみんなそうなんですから。ただ日本が少し違う部面もあるでしょう。あるでしょうけれども、大きく見ると世界の経済の中に入っていることも事実であって、その中で特別なことができるんだという考えは危険じゃないか。現在程度のもので低成長で、これ以上失業者をまず出さない、失業者がどんどんふえることが何が因るといったって一番困るんですから。ですから、みんなで耐乏するときは耐乏していく、みんなで助け合っていくというようなことを基準に、物価の値上がりもある程度は仕方がない、最小限度に抑えて国民生活の安定を図っていくということを主眼点に考える。中長期的に見てもその方がいいのじゃないかというような気がいたしております。
○和田(耕)委員 これで終わります。ありがとうございました。
○森委員長 簑輪幸代君。
○簑輪委員 補正後の税収欠陥、それも二兆八千八百億円という実に膨大なものになったというのは、ゆゆしい事態だというふうに思います。総理が公約された五十九年度赤字国債発行ゼロということが、一体どういう手だてをとったら実現可能なのか、こういう事態に立ち至った段階で冷静に考えてみても、とうていできない事態ではないかというのが識者の判断になっている今日でございます。 そういう中での公約実現は大変なことだろうし、大蔵大臣としても明確な答弁をいままでもされておりませんけれども、こうした中で私どもは、いま進められつつある五十八年度予算編成の概算要求枠について基本方針が出されているという報道を聞いております。いままでの御答弁もありましたように、五十七年度比五%マイナスというふうにしながら、別枠で軍事費は八%弱の伸びかという報道もされております。今年度は軍事費は前年度比七・七五四%の伸びをしたわけですけれども、これについて国民がもろ手を挙げて賛成しているなどともし受けとめておられるなら、とんでもないことだというふうに私は指摘せざるを得ません。 今年度予算編成に当たる昨年の段階で、八一年の十一月二日付読売新聞のアンケートによれば、歳出カット中心というふうに言われるならば、特に厳しく削ってもやむを得ない項目というものの中で、軍事費が五二%を占めている。五二・五%。それから次に経済協力二二%。別枠で示した部分、特にここを厳しく削れというのが国民の意思になっているわけですね。逆に、特に重要だから削減すべきでないというふうなのが、社会保障が五三・七%、教育が三九・一%という、いわゆる福祉と教育を充実させてほしいという意向が昨年のアンケートでありました。 五十七年度、ことしに入りまして、ことしの三月のアンケートは、五十七年度予算に関して社会保障関係予算についてもっとふやすべきだと思いますか、減らすべきだと思いますか、妥当な額だと思いますかというのに対して、もっとふやすべきだというのが四五・七%、そういう結果が出ておりますし、それから防衛関係予算についてはもっとふやすべきか、減らすべきか、妥当かということで、もっと減らすべきだというのが四〇・九%ということで、国民はこういう予算に対して厳しい目を向けているということを十分承知しなければならない。やはり軍事費を削って福祉、教育を充実しろというのが大きな世論だということがここでも裏づけられているというふうに思います。 先ほど大臣は、国民の理解と協力がなければならない、特に予算を組むに当たってですね、そうした中でこういうアンケート結果を踏まえながら、五十八年度予算、別枠で電離費が異常な伸びを示すなどということが続けて二年もされるというようなことを国民が許すのかどうか、アンケート結果に照らして一体どう思うのか、お聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 国民がどう思うのかということについては、私も重大な関心を持っております。来年は選挙もございますから、選挙で大敗をするようなことは因るわけでございますから、常に関心を持っておりますが、国民も、最近はマスコミが発達しておりますから、広く世の中のこと、世界のことをもう大変、よく知っているんですよ。ですから、総合的に判断をして投票をされるということになろうかと私は存じます。一部分だけを取り上げまして判断をされない。われわれといたしましては、軍事費が、軍事費じゃなかった、防衛費がふえるということについても、国際責任の分担という点においてある程度のことは認めるという私は立場でございます。しかし、それについてはやはり他費目との調整というものもございますから、防衛というものは、防衛の装備だけがうんとよくなれば、日本の安全保障についてそれだけでいいんだというわけにはなかなかいかない。したがって、全体的なものを見ながらこれは決定していきたいというふうに私は考えております。
○簑輪委員 国民の判断というのが最終的には下されるわけですから、それに向けての考慮は当然だと思いますが、それに当たって、やはり来年度予算編成特に続けて二年間軍事費突出というようなことは決して許されるはずがないと私はここで重大な警告をしておきたいというふうに思います。ぜひともこの点について軍事費を一層切り込み、先ほども話がありましたように軍縮ということを率先して進めていくという立場に立たなければならないと思います。 国際責任の分担ということをいま大臣おっしゃいましたけれども、国際的な責任というのは、今日反核、軍縮の声が全国隅々にまで広がっているというだけでなく、世界的な規模に広がり、本当に皆の切実な要求となって、うねりとなっていると私は思っています。特に、そういう中だからこそ、核軍縮を訴えながら自国が軍事費をふやしているということに対して世界の人々の重大な批判が提起されているという報道もありましたし、総理の国連演説というものが日本国民にとっては被爆国の総理としてまことにふさわしくなかったという痛切な反応もあって、そういう中で私は全く胸の詰まる思いがしているわけです。 先日私は、大蔵委員会で総理大臣に「にんげんをかえせ」夢見るように求めて、五月十五日に御一緒に拝見いたしました。「にんげんをかえせ」というフィルムの中で本当に核の悲惨な実態をあらわしている。いま全国各地で、そして国連でもそういうものが上映された結果、また「予言」という第二弾もつくられておりまして、こういう原爆の生々しい実態を写しておりますフィルムを、国の予算案を編成する責任をお持ちの大蔵大臣もぜひこれを見ていただかなければならぬし、予算編成に当たる大蔵官僚の皆さん方も、机の上であれこれやられるのも結構でございますけれども、同時に、このような原爆の実態、国民の悲願というものをしっかり受けとめて予算編成をすべきだというふうに思うわけです。 大蔵大臣はどちらかの映画をごらんになりましたでしょうか。
○渡辺国務大臣 見ておりません。
○簑輪委員 たくさん出回っておりますし、きのうはTBSでしたかノーカットでテレビでも放映されておりましたし、チャンスは幾らでもあるわけですから、ぜひ近々のうちに見ていただきたいと思いますが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 時間がとれれば見たいと思いますが、私は、もう見るまでもなく原爆の恐ろしさやそういうことはよく知っております。
○簑輪委員 総理大臣も前回そうおっしゃったのですね。見なくてもわかるようなことをおっしゃったのですが、だけれども、やはり見ていただいたときに言葉もないということで、私は何ほどか感じていただいたというふうに受けとめております。そういう意味で、ことにお忙しい大蔵大臣ではございますけれども、お時間をとっていただきましてお願いしたいと思っております。 さて、いろいろお聞きしたいことがあるのですけれども、きょうは時間も少ないので専従者控除の問題についてお尋ねをしたいと思います。 昨年の十月、参議院の決算委員会で安武議員からも専従者控除の引き上げの問題についてお尋ねをいたしました。白色申告の専従者控除が四十万円で昭和五十年からずっと据え置かれている、ぜひ引き上げるべきだという要求を申し上げたわけです。ことに青色との関係から見ても著しく不当な開きが出ているし、算定の目安となる農村の労働報酬という点から見ても大きくかけ離れているので是正をというふうに求めた質問だったと思います。 これに対して大蔵大臣あるいは大蔵省の御答弁は、青色に移ればいいじゃないかと言わんばかりといいますか、そのような御答弁があったし、所得の捕捉がよくわからないというような答弁もあったというふうに思いますが、大蔵大臣は、特にその際、いつまでもこうしておくわけにはいかぬと思うけれども、ここだけいじるということは財政事情からちょっとむずかしいというふうな答弁をされたわけです。 白色申告の専従者控除というのは一体どういうものなのかということについて、昭和三十五年十二月に出されました税制調査会の答申によりますと、「白色申告者の家族労働報酬の控除について」というところで、「したがって、白色申告者につついては、一定の外形的な基準のもとに事業専従者を認定し、その専従者について一定の控除を定額で行なう方法をとることが適当であろう。これは白色申告者については、事業主が家族に対して給与支払いの形態をとっていることはまれであるが、実質的にはなんらかの形で家族専従者に対する事業利益の配分が行なわれているものとみて、右の定額控除をいわば一極の概算的な給与として控除する考え方である。したがって、この控除は、扶養控除などとはその性質が異なり、税法上の性格は一種の給与とみるべきであるから、たとえばその家族専従者が他に所得を有する場合には、当然これと合算して課税の対象となるべきものである。」ということが述べられておりまして、一種の概算的給与という認識をしておられるわけですが、この認識について、現在でもそのように受けとめてよろしいでしょうか。
○梅澤政府委員 白色事業者の専従者控除の問題につきましては、かねがね私どもの考え方を申し述べておるわけでございますけれども、いまさら繰り返すまでもないわけでございますが、先ほどお触れになりましたように、青色事業者の場合は、これは家計と事業とが分離されておるわけでございます。したがいまして、個人事業者の所得の計算上、家族従業員といえども、その支払われます給与がその当該労働の対価として相当であると認められる範囲におきまして経費として認定いたしますとともに、御本人にとっては給与所得である、こういう考え方に立っておるわけでございますが、白色事業者の場合は、青色の場合と違いまして家計と事業との分離が必ずしも明確ではない、同時に経理関係もそこは明確になっていないわけでございますけれども。 一方、翻って白色事業者の事業の実態を見ますと、やはり何がしか家族の方々がその仕事に従事しておられるという実態もあるわけでございます。しかし給与が支払われたかどうかということが必ずしも明確ではない、そういう実態に着目をいたしまして、実際にその給与が支払われたかどうか、いまの控除額は御案内のとおり四十万円でございますけれども、当該事業者が家族の方に四十万円払ったかどうかということにかかわらず、専従者一人当たり一種の所得控除として扶養控除なり配偶者控除にかえまして特有の所得控除ということで現行の制度は構成されておるわけでございます。 ただいま御引用になりました三十五年でございますか、当時の税制調査会の概算給与として現在も考えておるかどうか、これは言葉の使い方の問題でございまして、現在の白色申告者の専従者控除の制度の考え方はいま私が申し上げたとおりでございます。
○簑輪委員 労働の実態がある中で、それに対価として支給されるものは、給与というかどうかは別にして、その性格を持っているのは当然のことだろうというふうに思うのです。 いま業者の婦人が、この問題についていつまでも放置しておくのは非常に不当である、労働実態から見てもこれではいかにも低過ぎる、せめてパートの課税最低限七十九万円ぐらいまで上げてほしいというふうに強く要求しておられますけれども、これを仮に七十九万円にしてみたところで、いまおっしゃるように、白の場合には配偶者控除というのがそこの中に含まれてしまう。パートの場合はそうではなく、七十九万円までであれば別途配偶者控除も受けられるという点から、言えば、これでもまだまだささやかな要求であるというふうに私どもは受けとめているわけです。 一九八二年二月、全国商工団体連合会婦人部協議会というところで、業者婦人の暮らしの実態調査アンケートというのを二万人に対して行っています。これだけ大規模なアンケートをしたのは本当に初めてのことではないかと思います。いま全国集計が進んでいる段階ですが、私は地元岐阜県の集計結果でいろいろ申し上げたいと思います。これはほぼ全国の例と似通った状況だというふうに言っています。 御存じのように、最近の消費不況という中で売り上げが非常に減少しているというのが二〇・七%あるんです。同業者間の競争が激しくなっているというのが一六・六四%。これに対する対策として、結局営業時間の延長ということで対処しようとがんばっているのが四〇・四四%。まさに家族挙げてしゃにむに働いているというのが実態なわけです。労働実態は、夫と二人で働いているという人が六一%、家族のみでやっているのが七二%ということになっています。従業員を使っているという場合でも、経営不振の対策として従業員を減らしてきているという事実もございますし、家族でのがんばりで何とかがんばっているというのが今日の実態なわけです。一日の平均労働時間、業者婦人の場合ですけれども、八時間未満が三七%、八時間から十二時間の人が四七%、それから十二時間以上も働いている婦人が一六%もいるわけです。パートの労働から比べてもいかにも過酷な労働に従事しているということが言えるわけです。 大阪の商工団体連合会の健康調査というところでは、十二時間以上働いている割合は夫が一五・七%、妻が一三・六%ということで、まさにほぼ同じように夫と妻とががんばっているというのが実態なわけです。岐阜では十二時間以上働いている婦人が一六%もいるということで、一層婦人の役割りが大きくなってきているというふうに言えます。休日については、週休制、週に一回休める人が四八%、年中無休とかあるいは不定期で用事のあるときだけ休むと言っている人が三七%もあります。 賃金について見ると、もらっている人はわずか一六%、これはもらってないんじゃないかというと、もらえる状態じゃないということがあるわけです。もらってない人が四八%、その他利益が出たときにもらったりというようなことが統計で出ています。 さらに産前産後の休暇の実態を見ても、陣痛が始まるまで休まないという人が、業者婦人の場合二五%もあります。産後も二十日以上休める人は三〇%程度、ひどい人は出産から再び仕事を始めるまで一週間休めない人もいるという状態なんです。 労働基準法とはおよそかかわり合いのないところで、本当に身を削って業者婦人はがんばっている。休日もとれずに一日十二時間以上も働いて賃金も取れないというのが五〇%近くもいる。産休一カ月も休めない人が五〇%もいるし、そういう中で業者婦人の悩みというのは非常に深刻です。健康がすぐれず、家計が苦しくて悩んでいる人が五四%もいますし、仕事がなく借金の返済に困っている人が三五%、自分の時間がとれずに子供と遊んでもやれない、勉強も見てやれないと悩んでいる婦人が四一%もいます。さらに、時間があればとにかく眠りたいという婦人が一八%もいるというのがこの業者婦人の実態となっています。 私が、地元岐阜で地場産業である既製服の縫製加工業に従事する婦人から直接聞いた話ですけれども、いま景気が悪い中で加工賃は上がらないどころか切り下げられてきている。原反以外は全部こっち持ちで、その材料も上がってきている。そして繊維は不況ですから仕事がない。低加工賃で、嫌だったらやらなくてもいいよということも言われる。一方、スーパーマーケットが先にチラシをつくって、こういうものを特売しますということで新聞折り込みをしてしまう。それから仕事が回ってくる。したがって、期限までに何が何でも仕上げなければならないとなれば、夜中までがんばらなければならない。低加工賃でも引き受けて、朝の八時から夜中の二時、三時までミシンにしがみついてやっている。中には、それによって白内障などで目が見えなくなってしまった人もいるというような話も聞いています。 こういう中で、こんなにがんばっている婦人というのは、何とかそれに見合うだけの措置、対策がとられてしかるべきじゃないかと思うのです。その業者の婦人が、自宅で働かずによそへ出かけていってパートで働けば、七十九万円は非課税で夫の配偶者の控除の適用があるのに、自宅で働けば四十万、これは月に直せば三万三千円です。そして、何も働かなくとも控除が得られる二十九万円の配偶者控除を引けば、何と、働きに応じて控除されるのはわずか年間十一万円でしかないわけです。ということは一月に一万円足らず。こんなひどい話は半人前扱い以下であって、とてもとても許せることではないと私は思うのです。 こういう中で、青色に移ればいいとかいうようなことは全く実態にそぐわないわけで、何としてもこの中で自主申告、白の申告という制度が存在する中で、そうした業者婦人の実際の役割りを正しく評価する控除にしていただきたいと思うのです。 業者婦人自身が自分の役割りをどう見ているのかということになると、主人の手助け程度というのが四九・五五%と、非常に自分を控え目に評価しています。一方主人と同じが一六・二一%、自分の役割りの方が大きいというのが四・〇五%、全責任を負っているというのが九・九一%、こういうのを合わせると、自分が十分役割りを果たしているというのが三割以上にもなるのですね。かなり役割りを果たしているけれども、まあどっちかと言えば従だというのが二〇・二七%あるわけですから、半分くらいはもうすごくがんばり尽くしているというふうに自分で認めている人なんですね。 こういうふうな婦人の役割り、日本の産業を支えているそういう婦人の実態の中で、青色申告会などは、事業主や家族従事者の労働価値を認めるという給与制について、これは基本的人権の尊重という憲法の精神から強く主張してきたというふうに主張してきたわけですね。しかし、青色であろうと白であろうと、基本的人権の尊重という憲法の精神は全く同じですから、同様に働く者に対しては、少なくとも現在のような異常なアンバランスがないように是正措置を加えなければ、不平等、不公平の感は免れないというふうに私は主張せざるを得ません。どうしてもこの際、いろいろ理屈をこねられるのではなくて、健康破壊と無権利状態の中で、人権問題にまでなっております、個人としても十分尊重されなければならない業者婦人に対して、夫の附属物のごとき扱い方、これは断固やめていただかなければならない。そういう意味で、私はぜひこの引き上げの検討をお願いしたい、大臣に強く訴えたいと思うのですが、御回答をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は、いま言ったような実態があるということは認めていいと思うのです。 しかしその反面、農村のことなどはよく知っていますが、同じ農家でも、本当に朝から晩まで働いて、中にはもう亭主よりも働く御婦人がたくさんいます。むしろ亭主の方が部落会長だとかやれ町会議員だとかなんとかやっていて、さっぱりうちの仕事をしない、奥さんが野良に出て野仕事をやっている、それは私も知っていますよ。そういううちもあるかと思えば、奥さんは家庭の中の家事しかやらない、ちょっとした手伝いぐらいはしますけれども、ほとんどやらないという家庭もある。これは大体豊かな方ですな、そういうのもあります。 そこで月給に差をつけたらどうだということになっても、実際きちっと帳簿でもつけていれば、世間よりもよけい取っているが、本当にその人は働いているのか働いていないのかという実態調査もできるでしょうが、控除制度ですから、月給を払うとか払わぬに関係なくみんな引いてしまうという制度のものですから、それをどんと上げると、店へちょこちょこっと来て手助けぐらいする娘さん、料理を習ったりおけいこ事をしたりする人も全部引いてしまうということになるわけですね。そこに問題があるわけなんですよ。 税金というものは公平、不公平というのを考えてやっているものですから、それをなくすためには、やはり記帳して幾ら月給をもらっているというように書いてくださいというのも、これも仕方のない話。しかしながら、夫婦で一緒に働いて店がもっているのだといういまの実態論も事実です。ですから、これはやはり私がいつも言っているように、所得税の大改正をやるようなときに一緒に考える。二分二乗がいいのか控除の引き上げがいいのか、問題はたくさんあると思うのです。 したがって、そこのところだけとって直すということになると、またいろいろそういう問題が起きてくるから、所得税体系という問題についてもかなり長い間見直しというのをやっておらないので、本来から言えば税の入れかえをしてでも抜本的に見直しをする時期に来ているのじゃないか、そう私は思っておるのです。そのときには、いまのようなことは大変いいデータでございますし、私は、そういう実態があるということはよくわかります。したがって、それはもう貴重な御意見として十分頭に入れて今後勉強を続けさせたい、そう思っております。
○簑輪委員 時間がなくなりましたけれども、最後に、いまおっしゃったことは払うか払わないかにかかわらずというようなことではなくて、働いているという実態でしか控除は認められませんので、その点は十分御理解いただきたいと思いますし、ちょっと手伝いの娘さんなどというものではなくて、私がいま言ったこの実態をよく見ていただきたいということでもございます。それで、大臣から即検討するという御答弁がいただけなかったのはとても悲しいことでございますけれども、このことをよく業者の婦人の皆さん方に伝えまして、その要望を一層強く申し上げて改善方を要求したいと思っております。 終わります。
○森委員長 小杉隆君。
○小杉委員 きょう三時に五十六年度の決算が出たと思いますが、歳入欠陥の額とその原因について、一言お答えいただきたいと思うのです。
○梅澤政府委員 歳入欠陥と申しますか、五十六年度の税収、補正後の予算の見積額に対する不足額でございますが、これは先ほど当委員会で大蔵大臣から答弁ございましたように、五十六年度補正後予算額に対しまして二兆八千八百十八億円、比率で九・一%の減収、当初予算におきます見込み額に対しまして三兆三千三百四十二億円、割合にいたしまして一〇・三%の減収になったわけでございます。税目別に見ますと、大きな減収が立っておりますのは法人税、申告所得税、源泉所得税、それから間接税の中の主要な税目でございます酒税、物品税等でございます。
○小杉委員 それ以上はいいです。あと税外収入とか不用額とかというのは、この間の予算委員会と同じかどうか。
○窪田政府委員 税外収入は前回の資料と同じく千二百億円、歳出不用額は約二千六百四十億円程度と見込まれております。
○小杉委員 大蔵大臣はしばしば、この歳入欠陥の原因は主として物価の安定によるものだというふうに言っておられると聞きましたが、そのとおりでしょうか。
○渡辺国務大臣 昭和五十年それから昭和四十八年等、卸売物価が極端に上がったときは税収はうんとふえるし、年度予定よりも極端に下がったときは税収は激減するという趨勢値があるのですよ。私は過去のそういう趨勢値を見まして、これは物価にかなり関係がある。物価というものは要するに需要と供給という問題もあって、そういうような中で動くわけですからね。それじゃなぜそういうふうに物価が安定したのだ、それは供給面よりも需要面が少なかったからだ。なぜ需要面が少なかったのだ。不景気だから、いや節約が進んだから、耐乏生活だから、いろいろなことが言えるでしょうが、そういうものを総合的にシンボリックに言うと、物価というわかりやすいところでも表示されるという意味で、物価の予想外の鎮静というものが税収に影響したということを私は申し上げたわけであります。
○小杉委員 そうしますと、歳入の面でも確かに物価が鎮静したことが響いてきた。同時に歳出の面でも、たとえば建設事業などのコストとかいろいろな面で物価がこれだけ上がるだろうと見込んでいたのがそれだけ安定化したために、歳出もまた同時に減額をされると考えていいと思うのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは五十六年の当初にそういうことが見込めれば、あなたの言ったようなことは当然にやるべきだし、予定単価等についても予算で決まったからといってそのとおりの予定価格をつけるということではなく、もっと低い単価にしてもよかったのではないか。いまになって気がつけばそういうことが言えるだろうと私は思います。しかし、これは残念ながらともかく去年の後半以降、ずっとはっきりしたのは年度が過ぎてしまってからというようなことであったので、それができなかった。 ことしの執行に当たりましては、特に卸売物価等の動向を見ながら予定価格を一応予定したけれども、それでやらなければ補助金が余るとかなんとかということのないようにやってもらうように私は指導をしたい。そのためには、談合で予定価格いっぱいみんな取ってしまうということでなく、競争して事業をやって予算を残してもらって、それで余ったものでまた別な事業をやればいいのだから、私はそういうふうに、考えております。
○小杉委員 私は、いままでの予算委員会とか決算委員会あるいは参議院でのやりとりを聞いていますと、五十六年度の歳入の方は非常に議論が行われたのですけれども、歳出の方の議論が全く欠落しているのですよね。それで、いまの御説明のように税収が二兆八千八百億円も落ち込んだのだから、それは主として物価の安定によるものだということであれば、歳出の方もそれに見合って当然減額しなければいけないわけですが、事務当局として、物価安定に伴って歳出減額はどのぐらい見込めたのか。いま大蔵大臣が言ったように、死んだ者の年を数えるようなものかもしれませんけれどもね。
○窪田政府委員 五十六年度予算におきましては、すでに補正予算で二千四百五十八億歳出を補正減額しております。それから、今回見込めます不用額が二千六百四十億程度でございますから、合計いたしまして約五千百億円程度歳出を節減いたすこととなります。 しかしながら、この主な内訳を申し上げますと、今回の二千六百億円の大きなものは、社会保険の国庫負担金、これは医療費の単価が予定より下回ったものでございまして、約五百三十億円でございます。それから国民年金の国庫負担金、これは年金の受給者が予定を下回ったということでございますが、三百八十八億円。それから交付税特会で金利が下がったために利子が不用になったものが二百六十億円。あと細かいものがございますが、その他約千億円程度細かいものの集積がございます。これは、補助金で交付しておるものの補助単価が予定より下がったものの精算でございますとか、物品を買うもので予定より安く買えたものも入っておると思いますが、しかし、全国何千という会計機関のところで一体物価がどう反映しているかということはちょっと把握いたしかねますので、物価がこの歳出節減にどう反映しているかということを計数的に申し上げることはできない状況でございます。
○小杉委員 いま具体的に御説明がありましたけれども、これは物価が安定したためにこれだけ減額になったということではなくて、ほかの原因に基づいて減額になったことなんで、五千百億減額になっていると言うけれども、私は、これは物価の安定に伴う減額ではないというふうに考えざるを得ないわけですね。 そこで、すでに過ぎ去った五十六年度のことを幾らくどくど言っても始まらないんで、このことをこれからの財政運営にどうやって生かしていくかということが肝心だと私は思うのです。先ほど来の答弁でも、大蔵大臣は、五十八年度の予算編成に当たって五%のマイナスシーリングをやると言っておりますけれども、いまやっている五十七年度予算そのものにもつと目を向けるべきではないか。今年度の予算ももちろんゼロシーリングをして非常に抑えておりますけれども、五十七年度、当年度の予算の前提である経済指標も現時点ではやはり相当変わってきているはずですから、当然今年度の支出も減るはずだということです。大蔵大臣は、まだ始まって二カ月しかたっていないから組みようがないというふうにお答えになるかもしれませんが、しかし昨年度のように、歳入欠陥が明らかになった時点から、それじゃ支出の方を切り詰めると言ったって、それは事実上できないわけですから、出ていく方はどんどん出ていっちゃうわけですから、いまの時点で物価の安定に伴ってこれぐらいは削れるじゃないかというものを精査して、各省庁の予算についても歯どめをかけませんと、役所というのは一回組んだ予算というものは目いっぱい食わなければどうしようもないというふうな体質になっておりますから、私は、その辺が非常に大事なところだと思うのですよ。歳入の欠陥ばかり言わないで、歳出の削れるものがないのかどうか、このことに手がつくかつかないかによって、本当に来年度のマイナスシーリングが行えるかどうかにも影響を与えると私は思うのですが、その点について大蔵大臣の考え方を聞かせていただきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 ごもっともな御意見だと思います。すでに私は指示をいたしまして、五十七年度の物価の値上がりというものはこれぐらい見込んで予算を組んだ、ところがそれほど上がらないということになれば、予算の執行に当たって、特に入札だとかなんかそういう問題のときに、予算で組んだ単価で予定価格をつくるというのではなくて、上がると思ったものが上がらなければ、もっと低い価格でもできるはずなんだから、それはいまのうちからやらなければ、終わってしまってからでは取られてしまうわけですから、したがって、そういうようなことを各省庁と具体的に詰めるようにやってくれということで、いま勉強中です。シーリングでも終わったら、これは本当に大切なことですから、あと半分だけでもきちっと抑え込んでいくという点についてやらせてみたい、そう思っています。
○小杉委員 大蔵大臣が何か余り物わかりがいいので、質問のあれがなくなってしまったのですけれども、しかし、口でそう言っても、現実に切ろうとするとなかなかむずかしいと思うのです。 私、もう少し具体的に言いますと、たとえば五十七年度、本年度予算は約四十九兆六千八百億ですけれども、この中には、どうしても削れない国債費とか地方交付税というのがありますね。これを除いて三十二兆円程度の一般歳出があるわけです。この中でも、たびたび大蔵大臣が言っているように、人件費とか年金とか対外経済協力とかあるいは防衛予算というような中で、これはどうしても倒れない、そういうものを仮に除外をしたといたしますと、五兆円から六兆円ぐらい予算が出てくるわけなんです。 これは五十八年度のことだけいま言っていますけれども、私はやはり、今年度の五十七年度についてもこの部分にもう少し切り込んで、物価の安定に伴った減額がどのぐらいできるのか、たとえば、一〇%は多いかもしれませんが、一〇%を仮にやったとしたら五、六千億円の減額ができるわけですし、仮にその半分の五%としても、さらに三千億円程度の減額ができるということで、ぜひこれは早急に手をつけてやっていただきたいと思うのです。 そこで、こういう減額のための補正予算というものを出すべきだと思うのですが、先日来参議院の議論の中で総理大臣から、九月に公共投資のための補正予算を組むというような話が出ていますが、大蔵大臣としてはどうお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 総理は、九月に補正予算を組むとは申しておりません。
○小杉委員 では、大蔵大臣のお考えはどうですか。
○渡辺国務大臣 私も、九月に補正予算を組むとは言っておりません。
○小杉委員 歳入の方はまだこれからいろいろ経済動向にもよると思うのですけれども、少なくとも、歳出削減という面で各省庁に徹底をさせるために減額補正を組むという気持ちはないかどうか、あるいは減額の補正予算を、そういう機会がないとしても、何らかの形で大蔵省として努力目標を、これだけの減額はできるはずだというようなことで通知を出すというようなお気持ちがあるかどうか。
○渡辺国務大臣 そういうことをやりたいと思って、いま検討を指示しております。
○小杉委員 もう時間が来ましたからやめますが、財政再建というのは相当国民に苦痛を強いなければいけないし、また国民の全面的な協力も必要ですけれども、やはりそれには、役所側、行政側も相当厳しく自己規制をしていかない限り、国民に理解はされないと思うのですね。 そこで私は、五十六年度、五十七年度を通じて、いま手のつけられる削減というものを徹底して行って、国民に、これだけ政府も努力しているんだというところをぜひ見せてやっていただきたいということを要望して、質問を終わります。
○森委員長 堀昌雄君。
○堀委員 先ほどに引き続き、経済企画庁長官、労働大臣を含めてお尋ねをいたしたいと思います。 最初に、経済企画庁長官に承りたいのでありますが、現在時点における経済情勢についての経済企画庁長官の御認識をちょっと最初に承りたいと思います。
○河本国務大臣 この一-三月の指標を先般発表しておりますが、五十六年度第三・四半期三%弱のマイナス成長の後、年率に直しまして三%強の成長に変わっております。四-六の数字はもう少ししませんとはっきりいたしませんが、そんなに大きな変化はない、こう思っております。一、二の項目では若干改善が見られますが、一、二の項目ではむしろ悪くなっている、こういうことでございますので、大勢としては一-三月期の状態が続いておるのではなかろうか、このように判断をしておりますが、正確なことはもう少し待ちたいと思います。
○堀委員 いま今後の、五十七年度の問題が非常に重要なところへ来ておるようでありまして、どうも景気刺激が必要だという考え方の方と、現状としてもう少し様子を見て考えたらどうかという、この二つに私はどうも大別をされるのではないかという感じがいたします。そういう立場として見ると、経済企画庁長官はやはり景気刺激を必要だというお考えの方でございましょうか。いかがでしょうか。
○河本国務大臣 一-三月の経済状態がもう一つ芳しくございませんので、そこで、新年度に入りましてからこういう情勢が続きますと、いろいろな分野で支障が出てくる。たとえば、雇用なんかはさしあたり失業者がふえておる、こういう状態でございますが、そのほかの分野でもいろいろな支障が出てくるということで、とにかくもう少し経済に力を回復する必要がある、こういう判断に基づきまして、上半期に公共事業の前倒しを思い切ってやってみよう、こういうことを決めまして、いまその作業を進めておるところでございます。相当大規模な前倒しでございますので、この効果は相当出てくるのではないか、こう思っております。 後半、民間の力が私どもの希望しておるとおり出てくると大変結構なんですが、もし後半、民間の力が出てこないということになりますと、公共事業は八割近くも前倒しをしてしまいまして、後半わずかしか残っていないということになりますと、大きな断層がそこでできますので、そういう場合には息切れがしないように、断層が起こらないように何らかの対策が必要だ、こう思っておりますが、これはもう少し数字を見ないと何とも言えないというのがいまの現状でございます。
○堀委員 ちょっと調整局長に伺いますけれども、いま長官が約八〇%近い前倒しをやった、私が承知しておる範囲では、この公共事業前倒しというものが、国が八〇%を決めたら実態として八〇が上期に行われるということになっていないと実は私は思っているのです。また、これは地方が受けてやることですから、地方財政、地方にいろいろな面で関係がある。その次に、今度は業者の段階。業者は業者で、自分たちの一年間の仕事を考えてやるわけですから、政府ははっきり八〇%前倒し、あとはまた四〇%を継ぎ足すということが同時に出ているなら別だけれども、とりあえず八〇%前倒しというだけのときには、それはそれなりの心理効果がありますから、私は決してそれに水を差す気はないのだけれども、後が必ず息切れするということではないのではないか。過去の状態で、調整局ではそこまで調べているかどうかわかりませんけれども、昨年も七〇%前倒しだったのですね。昨年七〇%前倒しで、今度はまあ七%か八%多いか少ないかの話ですが、息切れがしたのでしょうか。ちょっと調整局長、その点をひとつ。
○田中(誠)政府委員 公共事業の執行でございますけれども、契約と工事の実際の実施には、いま先生御指摘のとおり若干のずれがございます。したがいまして、前倒しで上半期契約をいたしますと、実際には工事が若干ずれるということはございます。昨年の状況でも同じような状況があったかと思います。 下期息切れが起こるかどうかということでございますが、それは、ただいま長官からも申し上げましたように、そのときの経済情勢、民間の情勢がどうなっているかということに非常に依存いたしますので、一概には言えませんけれども、もし条件が同じであればマイナスの効果を及ぼすということではないかと思います。
○堀委員 実は、私はいま経済の情勢について、この間の一-三月の四半期別速報を見てみますと、これは、この前長官がおいでになったときに私申し上げたと思うのですけれども、この五十六年の第三・四半期でマイナス成長になった、しかし、私は余りそう心配することはないと思う、この中身を見ると、これまで非常に停滞していた個人消費が伸びてきて、輸出のマイナスをカバーするぐらいにここで伸びてきている、恐らくこの個人消費、まあ民間最終消費はさらに伸びていくだろうと思うので、大変皆さんがマイナス成長マイナス成長と騒いでいられるけれども、私はそうは思いませんということをちょっと申し上げたことは、長官も御記憶があるかと思うのであります。 ここで見ますと、これは確かに今度の五十七年の一-三は、民間最終消費支出が、実質で見ますと、さっき申し上げた五十六年の十-十二月が季節調整済み年率で〇・七、一-三は今度は一・九まで回復しておりますね。 そして、今度はこの月例報告で雇用の方を見てみますと、有効求人倍率を季節調整済みで見ますと、五十六年の七-九が〇・六八、十-十二月が〇・六六、五十七年の一-三月が〇・六七、こういうことでありまして、一月、二月、三月、四月という、ブレークダウンしているところでは〇・六八、〇・六八、〇・六五、〇・六二。ちょっと三月、四月にかけて少し下がってくるわけですが、この問題は、よく成長率が三%台だと雇用が非常に問題だというふうに言われるのですが、私は、これを労働省から資料をいただいて、有効求人倍率を常用雇用のところで見てみますと、実は四十六年から四十九年まで、要するに一一%成長のときは確かに有効求人倍率の合計は一をずっと超えていましたけれども、昭和五十年に三・六%にがくんと下がったときに、有効求人倍率は〇・六五まで下がりました。まず四十九年の一・一四から、半分ではありませんが、半分に近く下がった。それから後が、五%成長が五十一、五十二、五十三、五十四と四年間続くのでありますが、そのときの有効求人倍率は〇・七二。五十二年というのは財政状況が非常によかったのですが、〇・五七、その次五十三年が〇・六三、五十四年〇・八二、五十五年は、ここから三・七%に実質成長が下がったのですが〇・七七、そして今度は五十六年、二・七%になったけれども〇・七二。この有効求人倍率をこれで見てみますと、必ずしも、五%成長なら高くて、二%や三%なら非常に低くなるかというと、そんなこともないようでありますね。ですから、私は、どうもこの問題は、そういう意味では機械的に物を判断することはできないのではないか。 消費の面を実は月例経済報告で見ておりますと、消費はこの一月からかなり堅調に推移をしておりますね。全国勤労者世帯で見ますと、消費支出の前年同期比の実質で見て、一月が一・三、二月が四・七、三月三・六、五月は自動車が一二・六、速報でこうなっておりますが、どうも消費の動向はかなりいい。ただ問題は、この消費の中身が、サービスの方にウエートがかかっていて、物とのバランスがちょっと崩れていますが、これは、いまの消費の様態全体がサービスの方にずっとシフトしてきておるということから見ても、まあまあやむを得ないんじゃないか、こう考えていますので、いまの調子が問題だから景気刺激が必要だというふうに河本長官がおっしゃるのはわかりますが、それは裏返すと、どうもやはり不況がひどいから政府の中でも景気刺激が必要だと言う方があるんだという裏側のとり方も起こり得るという点で、私は、どうもいまの情勢はもうしばらく様子を見ていていいラティチュードの、幅の中に入っているんじゃないかなというふうな感じがいたしておるわけでありますが、大蔵大臣はいかがですか。
○渡辺国務大臣 景気の問題は別に公共事業だけじゃないわけですから、先ほど言ったように、何といったって経済規模の中で個人消費支出が圧倒的に多い。その動向というのは一番大きな影響力がある。それが二、三などは大変多く出てきておるのも事実です。それがどの程度続いていくかというのも一番重要な要素である。そのほか、世界経済の問題も大いに関係がございますし、先ほど言ったように、公共事業前倒しをやったばかりで、九月に契約といっても九月までに仕事が終わってしまうわけではなくて、契約ですから、それから何カ月か仕事が続くわけなのであって、総合的に、どういうようなデメリットを冒しても、ある程度重点的にやるという場合には何かのデメリット、反作用が一部には必ずある。これはつきものですから。そこは選択の問題ですから、余りでっかい間違いをしても困る。したがって私は、もう少し、二、三カ月状況を見ても遅くなり過ぎるということはないのじゃないか、決めたらすぐやるということでいいわけですから、正確な判断を求めるためにも余裕が必要だ、いまの段階で具体的問題をまだ決めるべきではない、そう思っております。
○堀委員 そこで長官、もう一つ承りたいのですけれども、いま議長の見解で大蔵委員会に減税の特別小委員会というのが設けられておりまして、私どもは、ここで何とかひとつ減税に取り組みたい、こう思っておるわけです。それで、もう今日公共事業については、かなり基礎的な長期の計画で処理できるようなものについては、たとえば東京の都市改造のような問題はそれなりの検討価値があると私は思うのでありますが、どうも単発的処理というのは必ずしも経済の運営にプラスにならない。ですから、それよりもこの際は、やはりこういうふうに個人消費が上向いてきつつあるときには、それが定着をするようにするためには、やはり減税というものの意義が非常に大きいんじゃないだろうか。ですから、その限りでは、長官も前からそういうお考えのようでありますが、私どもは、どちらかというと、暑気を安定的、持続的になだらかに高めていくということには、公共事業はやや頓服的な効果があるかもしれませんが、減税の方が漢方薬的な効果がある、こういうことになりはしないか。いまの諸情勢から見ると、どうも減税という問題は、それはことし実施するということはちょっとむずかしいかもわかりませんが、できるだけ近い時期にやるということが明らかになるだけでもアナウンスメントエフェクトが起こってくる、こんなふうに思うのでありますが、長官、いかがでございましょうか。
○河本国務大臣 減税の問題について申し上げます前に、一音だけ先ほどのお話に追加させていただきたいと思います。 昭和五十四年の経済、私は理想的な経済であったと思っておりますのは、民間の力が非常に強くなりまして、公共事業を全部やる必要はない、五十五年度に相当量繰り延べする、こういうことになりまして、しかも高い成長をある程度維持することができた。こういう経済は理想的だと思うのです。ところが、いまは民間の力がまだ弱いものですから、公共事業を前倒ししなければならぬということでございまして、経済で一番大事なことは民間の経済の力をどう拡大するかということにかかっておる、この基本的な考え方につきましては私も同意見でございます。そこで、先ほど申し上げましたように、もうしばらく様子を見た上で判断をしたい、こういうことでございます。 減税の問題につきましては、これは政府の方では政府としての見解と意見を持っておりましたが、議長見解によりまして、大蔵委員会小委員会で検討していただいて、そこでお決めになることは政府は最優先してこれを尊重しますというたてまえでございますから、私は、国民経済の立場に立って、国民経済に貢献できるような、そういう結論が出ることを期待しておるのが現状でございます。
○堀委員 私も、いま河本さんおっしゃったことに大変同感でございます。ただ、私が個人消費に非常に着目をしますのは、大企業はともかく、中小企業がいま不況でございますけれども、これは一部で言われる投資減税等でやるとか金利が高いとかの問題よりも、先が見通しができて、個人消費が盛り上がってくれば、主として大企業は輸出に関係があり、中小企業は内需に関係があるという点から、やはり先行的に個人消費をふやしていくということがいまの中小企業の民間の設備投資にもつながっていくということで、物事には順序が必要だという気持ちがあるので、そういうふうに申し上げたということを御理解いただいておきたいと思います。 そこで、ちょっと労働大臣にひとつお願いをいたしたいのでありますけれども、いま有効求人倍率の年齢別の問題というのは一年に一回、十月にしか実は発表されません。大変な作業でありますから、これを毎月行っていただくということはなかなかむずかしいかと思うのでありますけれども、これはひとつ大蔵省も景気の判断の非常に重要なポイントでありますから、ゼロ、マイナスシーリングのときでも優先的にひとつ予算上も配慮をしながら、まずでき得るならば、一クォーターごとに、四半期ごとに一回ぐらい年齢別のものが出ないだろうかということ。現状では、この間伺いましたところでは、なかなか有効求人倍率までは出ないけれども、求職者の年齢階層別のものなら毎月発表できるだろう、こういうお話でありますので、ひとついまの二つですね。四半期別で年齢別の有効求人倍率が出ないだろうか。もう一つは、毎月求職者数、年齢階層別のデータというものを御発表いただくと、グロスの話ではなかなかちょっとわかりにくくて、年齢階層別に見るとその微妙な動きを判断しやすいと思いますので、労働大臣、いかがでございましょうか。こういう提案についての労働大臣の御見解を承りたいと思います。
○初村国務大臣 お尋ねの、有効求人倍率を毎期年齢階級別に発表するようにしてはどうかということなんでございますが、求人については、求人年齢に幅があるというところから各年齢階級への配分が安定所において時間的に相当の集計期間が要る、あるいはまた業務の数において非常に多いわけなんです。そこで、御承知のとおりにいま毎年十月年一回だけ調査しておるところでございます。 しかしながら、労働力需給の性別、年齢、こういう構造的側面を詳細に把握することは重要であるということを考えまして、全国の求人、就職に関するデータを、従来なかったのですけれども、ことしから予算をいただきましてコンピューターで処理したらどうかということで、雇用、職業に関する総合的な情報を迅速に把握するようにシステムを開発することで、どうにかことしから着手した次第でございます。 それから、もう一つの年齢別のことでございますが、就業者の動向に関しては、現在、四十五歳以上それから五十五歳以上、六十五歳以上というふうに年齢階級別に集計をしております。その資料の内容については、職業安定業務月報あるいはまた労働市場の年報等において実際公表しておるわけなんですから、それを御参考にしていただければ幸いと思います。
○堀委員 いまの高年齢層の方は確かにあるのですが、いまのは四十五歳以上からでございますか、もうちょっと下の方も、求職者なら必ず届けるわけでしょうから、データが出るのじゃないかというふうに私は思っているわけです。余り細かくは要りませんけれども、要するに二十代、三十代というような程度で結構ですけれども、これもあわせてそういうのが、これはそんなに手数かかると思いません、いま四十五歳以上からやっておられるわけですから、どうせ一遍チェックするわけでございましょうから、それをいまの月報か何かに、年報ではちょっと間に合いませんので、月報か何かで発表していただけるようにすれば、いまのコンピューターに入れるのがまた何年かすれば具体化してきますでしょうが、その間をつなぐものとしてひとつぜひ御検討いただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○初村国務大臣 いま四十五歳、五十五歳、六十五歳と三段階に分けておるのでございますけれども、やはりその下の先生おっしゃるとおり二十歳代から三十歳代、これも必要であると思いますから、先生御趣旨のようなことに事務的に進めさせてみたいと思います。
○堀委員 終わります。
○森委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十三分散会