大蔵委員会 第20号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/16
会議録
○森委員長 これより会議を開きます。 この際、小委員会における参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 来る二十日、税制及び税の執行に関する小委員会及び金融機関の週休二日制に関する小委員会において、それぞれ参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○森委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島弘君。
○大島委員 余り時間がありませんので、大局的見地から、大臣並びに事務当局に御質疑いたしたいと思うのです。 まず最初に、経済企画庁調整局から来られておるのですが、五十七年度の景気の情勢を簡単に説明していただきたいと思います。
○海野説明員 御説明いたします。 経済の現状は、これまで緩やかな回復を見ておりましたけれども、最近になりましてやや厳しさが増しまして、一言で申しますと、足踏み状態と言った方がいいかもしれません。そういうことで五十六年度は、実績見込みでいきますと恐らくかなり見込みより低くなってきておるのではないか。その影響を受けまして、五十七年度も単純に技術的な計算をいたしますと、いわゆる五十六年度から五十七年度にかけてのげた、これが予定よりも一%以上低くなっている状況でございますので、五十七年度の経済はそれだけ影響を受けておるということでございます。 〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕 ただし、五十七年度の経済におきましては、すでに欧米諸国が八二暦年、この後半からは景気が立ち直ると見ておりまして、このことはOECDの事務局あたりもそういう見方をしておりますけれども、大体世界の各研究機関は、世界経済は後半立ち直ると見ておりますので、そういう環境条件の好転といったようなものが予想されますので、景気は、現在の足踏み状態から後半にかけて次第に回復してくるものと見込んでおります。しかし、いずれにいたしましても、前年からのげたが若干低くなっている状況から見て、厳しさは非常に増しておるというふうな判断をいたしております。
○大島委員 もう一度経済企画庁に伺いますが、八二年度後半から景気がよくなり、つまり曇り後晴れになるという見通しを持っている根拠は何でございますか。
○海野説明員 私ども一応根拠として見ておりますのは、日本は昨年の後半第二次オイルショックの調整をほぼ終えていると見ておりますけれども、世界経済全体としては、特に欧米先進諸国の最気は若干日本よりもおくれまして、ことしの後半そういう調整をほぼ終える、そして各国の政策努力が次第に功を奏してきまして、各国とも次第にインフレの抑制に成功しつつあるということで、この後半にかけましては、次第に失業が増大いたしておりますので、そういった失業の増大を食いとめるための努力をこれからし出すということで、いわば一種の第二次オイルショックの調整が終える時期に来て、しかも若干失業者がふえているということもあって、次第にインフレから景気拡大の方向に政策転換が各国とも行われるであろうというふうなことを総合判断いたしますと、OECDが指摘しておりますように、ことしの後半から立ち直りが見られる、特にアメリカ経済などは現在が底で、アメリカ政府当局も指摘しておりますように後半かなり急速な回復に入るというふうなことで、私どもは、世界経済全体がことしの後半になれば回復の方向に向かう、こういう判断をいたしておるわけでございます。
○大島委員 もう一度経済企画庁に聞きますが、五十六年度の物価上昇率、東京都の消費者物価だけですけれども四%、政府見通しを〇・五%下回っているのですが、こういうことでインフレ傾向とかなんとかということが言えるのでしょうか。つまり、景気が冷え切っていると私たちは判断していますが、その点はどう思われるのでしょうか。
○海野説明員 物価につきましては、ことしの経済見通しでは、五十七年度四・七%、五十六年度の実績見込み四・五と見ておりましたけれども、いまの状況から見て、五十六年度の全国平均は恐らく四・五よりもかなり低い四%前後のところに落ちつくのではないか。東京都区部で計算いたしますと四%程度でございますので、それに非常に近い数字になると思います。 先ほど御説明いたしましたように、経済全体が足踏み状態でございますので、国内的な要因、つまり国内の需給関係の逼迫によって物価が急騰するということはないと思います。ただし、御存じのような最近の円安動向といったようなものが輸入価格の上昇を通じて国内価格に影響を与えるということについて危惧を持っておるわけでございます。
○大島委員 ただいま経済企画庁の説明をお伺いいたしましたが、大臣にお伺いしたいと思うのです。 行政改革によって歳出を切る、あるいは増税によって増収を図るという方法もございますけれども、景気の刺激によって増収を図るというようなことはお考えではございませんですか。
○渡辺国務大臣 実効ある方法があれば当然考えます。
○大島委員 経済担当大臣として、その実効ある方法ということはいまお考えじゃないのですか。
○渡辺国務大臣 なかなかいい手がないので、模索をしておるところでございます。
○大島委員 大変むずかしいことでございますので、そうペーパーだけのことではいかないと思いますが、その辺は私もよくわかります。 それじゃ、観点を改めまして財政的見地から、私は、まず不公平税制の関係、もう一つは財政投融資関係のことをお伺いいたしたいと思います。 大臣、いま利子配当の分離課税がされていますね。これはいわゆる資本蓄積で、当時はドルもなかった、とにかく何とかして資本をふやそうということと、また、この利子配当等が銀行等金融機関に蓄積されて、それがまた国民経済を伸ばす大きな原動力になった。それはそれなりに評価できるのですが、現時点において、こういう不公平な税制が必要なのかどうかということと、あわせてグリーンカードの廃止、利子配当分離課税の存続ということを言われておりますが、その点につきまして、つまり現時点において、そういう三五%の分離課税が必要なのかどうかということと、将来といいますか五十九年一月一日から実施される総合課税に踏み切るかどうかということについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思うわけです。
○渡辺国務大臣 分離課税も例外なしに分離課税というのであれば、一つの考え方かもしれません。 しかし、一方において非課税のものを認める、そういうようなことになって、恩恵的な非課税ですから、当然一定の限度が守られなければならない。ところが、それがどうもよく守られてないようだ。去年一年間の非課税貯蓄が約二十二兆円と推定される。分離課税はたった二兆円程度しか増加額が推定されない。こういうことになると、分離課税の意義がもうなくなっておって、むしろ非課税貯蓄が乱用されているということになれば問題があるわけでございまして、税の公平な確保という点から、総合課税ということが法律上採択されたわけであります。 したがって、総合課税にする以上は、分離課税のときの税の体系をそのままにして総合課税に移行することは、また別にいろいろ問題がございます。したがって、私は、総合課税に持っていくことは基本的にいいと思っております。そのための環境整備といいますか周辺整備、そういうものは並行的にすることが望ましいということも考えております。
○大島委員 主税局長にお尋ねしたいのですが、税の不公正の最たるものとして利子配当の分離課税を申し上げましたが、次に、貸し倒れ引当金それから退職給与引当金、これの実績と現状はどういうふうか、おわかりですか。
○福田(幸)政府委員 お答え申し上げます。 貸し倒れ引当金は、五十五年度末でございますが、三兆四千億、退職給与が七兆一千億という残高になっております。 おのおのの問題点はすでに答弁申し上げておりますが、貸し倒れは今回改正の措置をとったわけで、引当率を適正にしていくという方向での見直しをしたということでございます。実績との開きがございますけれども、平均的な考え方からすれば、今回の措置は合理化の一つのステップでございますが、実績そのものにするまでのことをやりますと引当金の意味がない。引当金は引当金としての合理的な計算制度である。 それから退職給与引当金も債務性の引当金としては正しいわけですが、残高が非常に大きい割りに取り崩しがそれほどでないというようなところが会計的にどういうふうな仕組みをするのが正しいかという議論はあるわけで、今後、年金制度等の関連を考えながら検討を続けるということでございます。
○大島委員 若干古い資料ですけれども、貸し倒れ引当金でございますけれども、二、三年前の資料ですと、銀行につきましては六千二百三十七億円、信用金庫については千八十三億円が税法で費用化を認められております。ところが、実際はどの程度あるかといいますと、銀行が百十八億円、それから信用金庫が八十四億円。それから退職給与引当金につきましては、これも二年ほど前の資料ですけれども、東京電力が五十四年三月末で千二百九十二億円の費用化を認められておりますが、使用額はわずか百三十三億円、それから新日鉄、これは千百八十四億円が費用化を認められておりますが、実際は百六十六億円、こういうようなことにつきまして、主税局としては余りの不均衡だと思われませんですか。
○福田(幸)政府委員 お答え申し上げます。 個別の企業の数字、いま手元にございませんけれども、いまのは有税分が入っているかどうかチェックする必要がございますが、姿としては大体そういうことであろうと思います。 しかし、退職給与で例をとりますと、人員が多ければやはりそれなりの残高が大きくなるということであろうと思うのです。ただ、取り崩しが少ないという問題も、いままではそうでも、今後の退職の仕方というのがかたまって出てくるというようなこともございますので、直ちに実績だけでは言えない気がします。五十五年で取り崩しの割合は一五・五%ですから、それだけを見れば残高が大きいということになりますが、これからの退職がその企業でどういうふうに発生するかということは、各企業の今後の退職の姿がどうなるか、年齢が、今後残存年数がどうであるかというようなことを見た上でないと判断できません。 貸し倒れの方も、これもやはりその企業の活動が貸し金に重点があれば、それは残高としては大きいのが当然でございますし、特に金融、保険の場合は金融、保険それ自体が貸金業ですから、貸し倒れというものに対して相応の引き当てをするというのは、外国の例を見ても当然の制度になっておりますので、そこに実績との開きがあるというのは、これはやむを得ないところで、また、各金融機関ごとに見ていきますと、金融機関によってはその率を相当上回る場合もあるわけですから、そういうふうに直ちにどうこうという批判は、各企業については申し上げられないということでございます。
○大島委員 それでは主税局長、一遍、主な企業でいいですから、貸し倒れ引当金と退職給与引当金の資料を当委員会に提出してもらえますか。いわゆる費用化を認められたものと実績との乖離ですね。
○福田(幸)政府委員 有価証券報告書に公表されていますので、それを整理して御提出したいと思います。
○大島委員 それでは、当委員会に提出することを約束いたしてくれましたので、これであなたに対する質問は終わりますが、もう一つだけ。 法人は個人株主の集合体である、したがって法人間の受取配当金に課税するのは二重課税である、非常におかしいということですけれども、法人が内部留保をした場合はそれでいいのですか。法人が利益を全部配当した場合には、受取配当金の非課税ということはこれは了承しますけれども、内部蓄積の多い大企業その他を初め、そういうことで、法人は個人の集合体であるという。私は、むしろ法人実在説をとる、現に実在しているのですから。これを個人の集合体だという擬制をすること自体が非常に私はおかしいと思うのですが、その点主税局長、あなたは税の専門家だから、あなた自身はどういうふうに考えておりますか。
○福田(幸)政府委員 お答え申し上げます。 法人といっても、いろいろな姿があると思うのです。同族的な会社、それから大きな会社とございますが、一般論で申し上げれば、経済的に見れば独立の活動をしておると思うのです。ただ、法制と申しますか、会計制度も当然ですが、これは株主が会社をつくっているというのは商法から見ても当然のことですから、そういう意味で株主中心の法制ということを考えるべきで、これは擬制説とか独立説とかいうことではなくて、法制的には株主が会社をつくっておるということが基本であろうと思います。
○大島委員 いや、だからそれだったら、法人が内部留保した場合に、それが個人に還元されていないわけですね。それを法人間の受取配当金を非課税にするということは、そもそも法人擬制説に立っているからで、その点についてどう思うかということです。
○福田(幸)政府委員 いまお答えしたことの延長でございますが、法人というものが結局は株主ということに帰着するわけですから、完全な制度として考えれば、ヨーロッパのようなインピュテーションといいますか、所得税と法人税は二重にかけるべきでない、法人税というのは所得税の前取りであるという考えが最も徹底した考えです。 したがって、その途中の段階で株主に配当されるまでの間、法人間の受け取りがあるというものについて課税しますと、これは二重課税を生ずるということになりますので、これは途中の段階といえども、やはり二重課税をするということは論理的にはおかしいという気がします。 経済の実態から見れば、いろいろな御意見があろうと思うのですが、それはまた別の観点であろう、こう思います。
○大島委員 それでは、貸し倒れ引当金と退職給与引当金の資料を提出することを条件に、あなたに対する質問はこれで打ち切ります。 次にお伺いしたいのは、理財局、第二の予算と言われる財政投融資ですが、これが国民の代表である国会で審議されないということはどういう意味で、どういう歴史的経過並びに理論的根拠があるのですか。
○酒井政府委員 お答え申し上げます。 財政投融資計画の内容につきましては、すべて国会の議決の対象になっているのが現状でございます。先生御承知おきのように、財政投融資は中が幾つか分かれておりますが、一番大きいのは資金運用部資金及び簡保資金の運用でございます。 五十七年度の例で申し上げますと、財投計画二十兆二千八百八十八億のうち、資金運用部資金及び簡保資金の占める金額は十八兆四百九十九億と、かなりの分を占めておりますが、これにつきましては、たとえば五十七年度の場合、五十七年度特別会計予算総則第十八条で、長期運用予定額を各運用対象ごとにはっきり書きまして御議決をいただいております。 それから、その次に産業投資支出というのが財投計画の内容としてございますが、これにつきましては、五十七年度の場合、産業投資特別会計の歳出予算として、どういうような財投機関に産投出資をするかということを定めております。 三番目に、政府保証債の発行によりまして資金調達をして財投計画上の運用を行っておりますが、これにつきましても五十七年度の場合、五十七年度一般会計予算総則第十一条で、政府が保証し得る限度というものの中に規定してございます。 そして沿革的には、産業投資支出、これは産投特別会計法が昭和二十八年に制定されておりまして、産投支出につきましては二十八年の法律制定以降国会の御議決をいただいておりますし、それから政府保証債の発行につきましては、これも昭和二十八年度から政府保証債を発行いたしておりますが、これにつきましても当初から議決の対象にしております。資金運用部資金及び簡保資金の財投運用予定額につきましては、これは規模がそれほど大きくない時代もございましたけれども、しかし年々規模が大きくなってまいり、いろいろ御議論がございまして、先生御承知おきのように、昭和四十八年三月に資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律というのが制定されまして、その法律に基づきまして国会の御議決をいただいているというのが現状でございます。財投の占める比率が非常に高いので、これを一括して議決を受けるべきではないかというような御議論がございますが、これにつきましては二重議決の問題等もございますので、現状では財投の内容につきまして御議決をいただいているという状況でございます。
○大島委員 産投会計とか政府保証債を聞いているのじゃなくて、私が聞いているのは、財政投融資計画の大宗をなす郵便貯金の運用方法あるいは簡保の運用方法、これが国民の代表が集まっている国会でどういうふうに審議されているのかということを聞きたいのです。理財局の一存だけでこれがいっているのが現状ではないですか。
○酒井政府委員 お答え申し上げます。 財投の大宗を占めます郵便貯金及び簡保の運用でございますが、資金運用部資金法によりまして、政府の各特別会計の積立金、余裕金は原則としてすべて資金運用部に預託をいただきまして、資金運用部におきまして統合的に管理、運用をしておるというのが現状でございまして、その原則に基づきまして、郵便貯金で集まります金は全部運用部の方に預託していただいて、これを統合的に運用しているわけでございます。簡保資金につきましては、これは先生御承知おきのように長い経緯、歴史のあることでございまして、終戦直前の昭和十八年から二十七年まではこれが統合運用というふうに運用されておりましたが、その後簡保の積立金につきましては分離運用されているという状況でございます。 私どもは、資金の全体的な見地から効率的に運用するという立場に立っておりまして、そのためには統合運用の方が望ましいというふうに考えているわけでございます。
○大島委員 統合運用とかそういうことを聞いているのじゃなくて、大臣にお伺いしたいのですけれども、膨大な簡保あるいは郵便貯金、こういうのをどういうふうに使うかというところが財政投融資ですね。それを国会の議決を経ないで、理財局だけの運用で果たしていいのかどうかということの大臣の御所感を一遍聞きたいと思うのです。つまり膨大な資金、これを道路に使うかあるいは建設に使うか、そういうことは国会の議決を経るべきじゃないかと思うのですが、ちょっと大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 財投資金につきましては、その引受額等はすべて国会の議決対象になっていることは先生御承知のとおりでございます。 私がここで長々と説明するまでもなく、昭和四十八年三月に成立した資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律という法律で、そういうようなことが行われておるわけであります。まあ予算のときなども、党の部会あるいはわれわれのところにも説明がございます。ただ、この枠などについて大きくなったり小さくなったりすることがございまして、その点は確かに動きはありますが、中身その他についてはみんな国会に御披露をして御審査をいただいておるわけでありますから、別に問題はないのじゃないか。運用の仕方に何か問題があるのかどうか、そこらのところは私はよくわかりませんが、少なくとも手続上その他には一切問題はない、そう考えております。
○大島委員 それならば、一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算があれほど衆議院予算委員会で論議されて、なぜ第二の予算と言われる財投計画が論議されないのかということをお伺いしたいと思うのです。ほとんど論議されてないのじゃないですか。予算委員会であれあるいは大蔵委員会であれ、論議されることはきわめて少ない。私はそのことを質問しているのです。なぜであろうかということです。
○渡辺国務大臣 それは余り問題点がないので質問者が少ないから議論が少ないのじゃないかという気がしますがね、ちゃんと出ているわけですから。
○大島委員 大臣、それは答弁にならないと思いますよ。第一予算と同じく第二予算も国会に提出するという制度をつくられたらどうかということを聞いているのです。そうしたら論議の対象になるわけです。
○酒井政府委員 お答え申し上げます。 大臣がリファーされました資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律というのがございまして、資金運用部資金等を長期運用する場合には「その運用を予定する金額につき、資金及び積立金の別に、かつ、運用対象区分ごとに、予算をもつて国会の議決を経なければならない。」というふうに法律で定められておりまして、先ほど御説明申し上げましたように、特別会計の予算総則にそれを対象区分ごとに、と申しますのは財投運用対象機関ごとに、かつ資金ごとにどのくらいずつ運用するという金額を明示させていただいてございます。
○大島委員 時間がなくなりましたので最後に主計局にお伺いしたいのですが、「財政の中期展望」につきまして、私は、前当委員会におきまして、要調整額というのは全然当てにならないということを発言したのでございますけれども、この「財政の中期展望」を訂正する必要ということを認めておりますか、主計局。これは大臣でなくて結構です。
○西垣政府委員 中期展望の性格でございますが、中期展望と申しますのは、たとえば五十七年度中期展望につきましては、五十七年度の予算の前提となりました制度、施策、これを将来ずっとその姿で伸ばしていった場合に歳出はどういう姿になるのか、歳出面では基本的にはそういう形で推計をいたしております。 それから歳入につきましては、これは中期的なものでございますので、たとえば五十七年度の歳入につきましては各税日ごとの積み上げが可能でございますが、それ以降のものにつきましてはそういう手法がとれないということがございまして、中期的な推計ということで一定の成長率と弾性値ではじいているわけでございます。現在ではそれ以上の方法はなかなか見つけにくいということで、将来の財政運営を図っていく検討資料という形でお出しをしているわけでございます。 つくり直すかどうかという点につきましては、中期展望につきましては毎年ローリングプランということでつくることにいたしておりまして、五十六年度予算を前提とした中期展望、五十七年度予算を前提とした中期展望ということで、いままで二回つくってきておりますので、五十八年度予算ができました暁には、五十八年度予算を前提とした中期展望の改定、これはまたカバーする期間も一年ずつ新しくしておりますが、そういうものをつくる予定でございます。
○大島委員 経済企画庁にちょっとお伺いしたいのですが、私は前回も質問いたしましたけれども、五十六年度、消費者物価指数は四%台に落ち込んで政府見通しをはるかに下回っている。これで五十七年度五・二%の経済成長率を達成できると本当にお考えですか。
○海野説明員 前回も先生から御質問いただきましたけれども、物価は、個人消費支出にとって他の条件が変わらない限りはむしろ安定する方がプラスである。そういう意味で、物価の安定していることが経済成長率を低めるという一義的な関係はなくて、むしろ逆に、他の条件が変わらない限りは、政策を展開する意味でも物価に悪影響を与えないという意味におきましてやりやすい、そういうことで、むしろ物価の安定することが経済成長といいますか経済発展の前提条件である。 たとえば、五十五年の初頭のようにオイルショックの影響を受けて物価が急騰し、あるいは狂乱物価のおそれのあるような状況の中では、あらゆる政策目標を犠牲にいたしましても物価を安定させなければいけないというような事情もございましたわけですが、そういうことから見てみましても、物価が急騰するような状況の中ではむしろ成長をあきらめなければならない、逆に物価が安定していればいろいろな政策を打ちやすい。しかも直接的には、個人消費支出というものの実質的な伸びは、分母になります消費者物価が安定しているということはそれだけプラスになるわけでございますので、そういう意味で私どもは、物価が安定しているということと経済見通しの実質的な成長率の大きさとの間には、御指摘のような傾向よりもむしろ逆に安定している方がプラスになる、こういうふうな判断をいたしております。
○大島委員 経済企画庁の資料を使って「財政の中期展望」というのを大蔵省がつくっているのですが、その根拠は、名目九・九%掛ける租税弾性値一・二を掛けているのです、五十七年度以降は。五十七年、五十八年、五十九年、六十年と全部連続しますからね。経済成長率としては五十七年度九・九%、これは名目ですけれども、そんな成長が遂げられると思っているのですか。
○海野説明員 私の守備範囲を若干超える問題でございますので、お答えしにくいわけでございますが、御指摘のように、五十七年度に関する限りで見ますと、名目的な九%を超える成長はかなり厳しい状況にあるというふうに言わざるを得ません。私どもの経済見通しでは、八・四%程度というふうな見通しを立てておるわけでございます。
○大島委員 最後に、大臣にお伺いしたいのですが、五十七年度から六十年度までの「財政の中期展望」というのが現時点で非常に修正を加えるべきであるということを判断されたら、それを修正されて、国民の前に明らかにされたらどうですか。そして、要調整額はどのくらいだ。それがどんなに大きくなってもいいじゃないですか。はっきりさせて、これだけだと。ああいう要するに作文だけのことで国民が納得しないと私は思うのです。それがどんなに、五十七年度四兆になっても五兆になってもいいじゃないですか。だから、私は大臣にお伺いしたいのは、「財政の中期展望」を一日も早く訂正する御意向がないかどうかということをお伺いしたいのです。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、この中期展望は収入とそれから支出の見通しを書くわけでありますから、収入の見通し、つまり税収の見通しは経済見通しが下敷きになっておりますから、だから経済見通しを離れて勝手にこちらでつくってしまうというわけにもなかなかいきません。したがって、経済見通しの訂正がない限り、大蔵省だけで、単年度のやつは別ですよ、だけれども長期にわたるやつですから。それでは、何を根拠に収入を見積もったのですかと言われても、いや、それは別にやったんですと言うわけにも、政府内部で二つの見積もりができないわけですから、したがって、すぐに直すといってもなかなか直らない。したがって、いまの七カ年の経済社会計画というもの、それが直らないと、私の方としても直しようがない。しかし、それが直さなくてもいいという根拠があれば、これはまた別な話ですね。 世界の経済が非常に激動する中で、いま直すことがいいのかどうかという議論が一つあります。ありますが、しかしながら、低成長時代に世界じゅう入っているんだから、これは実態に合わして変えたらいいじゃないかという議論もあります。そこで、企画庁でも、そこらのことを考えていろいろ勉強なさっているという話は私は聞いております。 いずれにいたしましても、経済の実態にやや近い、これはなかなか当たらぬですよ、当たらぬけれども、なるべく近いような中期展望にしなければならないということなんです。それは私も同感でございます。
○大島委員 最後でございますけれども、いま企画庁からの答弁で、五十七年度は達成むずかしいということ、こういうことで「財政の中期展望」がつくられているのですから、あなたは経済のそういうことは所管外だと言われるかもしれませんけれども、「財政の中期展望」というのはあなたの所管内のことです。それならば、経済企画庁と共同して、七カ年計画を一遍見直してくれ、そうしたら大蔵省の方でも「財政の中期展望」を改めて国民の前に一日でも早く新たにする、そういうお考えがないかということをお伺いしているのです。
○渡辺国務大臣 それは一日も早くと言われましても、なかなか時間がかかるらしいのですよ、作業に。そんな一カ月や二カ月ではできない。やはり数カ月かかるというのが実態のようです。したがって、そういうような作業に合わせて、われわれとしても見直しをするのにやぶさかではありません。一日も早くと言われましても、なかなかむずかしい。
○大島委員 一日でも早くという言葉が悪かったかしれませんが、数カ月も早くということで私はお願いして、あと同僚議員に質問を譲ります。
○中西(啓)委員長代理 沢田広君。
○沢田委員 では、続いて大変恐縮でありますが、質問してまいりたいと思います。 きょうは、グリーンカードの問題とサラ金の問題遺族年金の問題、補償料の問題、ちょっと四つでは多いかと思いますが、簡潔に進めてまいりたいと思います。 一番最初に大臣、グリーンカードが、自民党の議員総会、そこまでいかないのですか、反対派議員の人たちが集まりまして廃止というような決議をされたようです。しかし、報道の関係では、これは廃止ぐらいでばったりをかけておいて、幾らか譲歩するのだというようなことも新聞には書いてあるようでありますが、大蔵大臣の方には話はもうあったのかなかったのか、その点ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私の方には話はございません。これは当然、大蔵省に正式に話があるとすれば、党の正式機関から話があるのでしょうから、まだ話はございません。
○沢田委員 またこの機会に、このまま実施をするならば、増収としては幾ら見込めるということ、何回かこれは聞いておりますけれども、だんだんわかってきた資料もあると思いますので、大体どの程度財源としては確保できると見込んでいるわけですか。関係者にお答えをいただきたいし、なければ追って御回答をいただきたい。——では後でいいです。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕 続いて、大臣としては、いままでの答弁の中で若干修正するというようなことも言われておりました。それで、まず順番に聞いていきますが、廃止という一つの意思決定があるようでありますが、廃止ということについては大臣は、仮の話として、これに応ずる用意はありますか、ありませんか。
○渡辺国務大臣 ありません。
○沢田委員 では、三カ年間凍結という意見がありますが、これについては応ずる意思はありますか、ありませんか。
○渡辺国務大臣 何のために凍結するのか、その理由がわかりませんから、聞いておりませんのでございません。
○沢田委員 それから三五%を四五なり五〇なりの率に分離を引き上げて、ある一定の分離課税を認める、一定の何らかの条件をつくったものについては認めていこう、こういう考え方があるやに聞いておりますけれども、それはありますか、ないですか。
○渡辺国務大臣 これは、現在三五%でも、去年一年間に伸びた個人の貯蓄の中身を推計してみると、分離課税はたった二兆円しか伸びないというのですね。それで非課税貯蓄が二十二兆円ぐらい伸びた、どうもそういうふうに課税ベースから推計される。総合課税の分が約四兆円ぐらい伸びた。三五%でも二兆円しか伸びないのだから、四五%にしたら、今度はゼロ、ゼロにはならないけれども、五千億円ぐらいになっちゃうのじゃないか、みんな非課税になっちゃうのじゃないか。したがって、これは非課税貯蓄が多くなるということで、グリーンカードか何かで非課税貯蓄の限度額がきちんと管理されない限り、仮にそういうものをこしらえたとしても、役に立たぬのじゃないかという気がいたします。
○沢田委員 仮定の議論になっておりますが、大体うわさになったものだけを挙げて大臣の見解を聞いたのですが、先般この大蔵委員会で遺族の、遺族といいますか退職金であるとか老後の安定のために必要な資金であるとか、あるいは療養中の家族を持っている人の資金であるとか、あるいは老人の一人暮らしの預金であるとか、そういうような特殊事情については、この非課税の枠なり取り扱いなりに考慮する余地はあるというような、三百万とは必ずしも限らぬ、国債入れれば九百万、それに財形貯蓄が該当するかしないかは別として千四百万、九百万まではほぼ確実なんですが、それ以上超えて考慮する余地があるのかないのか、その点ひとつお聞かせいただきたい。
○渡辺国務大臣 それはもう現在のように限度管理が守られていないということになれば、そういうものをつくる、つくらないは関係ないわけですね、非課税の貯蓄がどんどんふえちゃっているのですから。ですから、限度管理が確実に行われるという前提に立てば、私は考慮の余地なしとは言いません。
○沢田委員 一応グリーンカードは正規の話はない。しかし、いまのお話の中では、いま決まった法律以外にも若干考慮する余地は存在する。いま決まった法律をそのまま——施行は決まっておるけれども、それについて若干手直しの部分は残ると解釈していいのですか。そのままで一応スタートした後で手直しする、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○渡辺国務大臣 技術論よりも、総合課税にするという基本が決まって法律ができているのですから、その基本路線の中でそいつがスムーズに行われるように、周辺整備等が必要あればそれはすべきであろう、私はそういうことを申し上げておるわけでございます。 すでに、もう法律が決定をしておるわけであって、党の方からは正式に私のところに何の話もないし、政府・与党の間でございますから、党には党の機関があってその機関で検討してきたものでありますから、機関とは全然別にまるっきり反対なことが決められるということはあり得ない。それならば、その機関の中で再検討が行われるべきものではないか。したがって、私といたしましては、グリーンカードそのものについて、いまの段階でそれを急遽変更するという考えは持っておらないということであります。
○沢田委員 最後に、大臣としては一応これを提案をした責任者である。自民党が反旗を翻す、そしてこの法律を凍結なり廃止なりそういうことを言ってくるということは、政府自身に泥を塗ることでもあるし、大臣自身に対してもその見識を問われる、こういうことになるわけでありますから、その意味においては、まさに政治生命をかけざるを得ない瀬戸際に追い詰められるのだろうと思うのであります。 そういう意味において、自民党も良識の人も多いのでしょうから、そんなむちゃくちゃなことをやろうとは思えないけれども、とんでもない人も中にはいっぱいいますから、大臣としては、決意をきちんと固めていただかなければならぬのではないか。大げさに言えば政治生命をかけて、一たん決めたことはとにかく進める。その中に間違いがあれば直していく余裕を持つ、これが筋道だと思いますので、その点の決意のほどをお聞かせをいただきたい、このように思います。
○渡辺国務大臣 私は法律の執行者でございます。これは政府、行政は継続をいたしておりまして、私のときにできた法律ではございませんけれども、しかし、法律がちゃんと存在をする以上、その法律を忠実に履行するという立場にあります。 グリーンカードの問題よりも、根本的な問題についてもっと議論があっていいのじゃないか。まだグリーンカードを実施するのはずっと先の話なんだから、私は、いまあわててどうこうという必要は毛頭ないのじゃないか、もっと、議論が足りなければこの夏いっぱい通してでも大いに議論をしたらいいじゃないか、そういう考えを持っております。
○沢田委員 では、時間の関係で、銀行局長おいでになっておりますから、このグリーンカードの窓口の争奪合戦、お母さんが月謝の窓口をつくって、いわゆる月払いの窓口をつくっても、やれ住民票を持ってこいの健康保険証を持ってこいのと、こうやる。この銀行の争奪合戦にもう少し自粛をするように、気持ちはわかります、気持ちはわかりますけれども、余りにもむちゃくちゃなことがいま行われているというふうに思うのです。そのことがより一層お母さんなり家庭の主婦なりに疑心暗鬼を与えてしまうようなこともこれあり、銀行局は、金融機関の争奪合戦というものについて、もう少し自主的な良識のある行動をとにかくとらせるようにすべきだと私は思うのですが、銀行局長はどういうふうにお考えになっておりますか。
○宮本(保)政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、実は去年の秋にそういう気配がちょっと見えましたので、この一月からまず三月の間、予約、特に住民票をとる予約であるとかあるいは枠の設定の予約であるとか、そういう予約活動について厳に慎むようにということで、まず三月までの自粛措置を決めてもらったわけでございますが、その後また三月の終わりに六月までそれを延長するということで、私どもはかなり効果が上がっているのではないかと思っておるのでございますが、いま先生御指摘のような話があるとすれば、そういう具体的例をちょうだいいたしまして、さらに一層自粛に努めてまいりたい、こう思っております。
○沢田委員 とにかく一カ月前だって十分間に合うんだから、いまからそんながつがつしないで、もう少し落ちついて大勢を見るというふうに、特に指示をしておいていただきたいと思います。 次に、サラ金法案の問題なんでありますが、三年有余いろいろ詰めてまいりました。議員立法として何とか成立させたいということで、各党も御努力をいただいてきたわけでありますが、決まりかけると、またどこかからクレームがつくというようなことで来て、ほぼこれは全党一致の段階に至ったわけであります。ここまで来れば、グレーゾーンの問題だけは政府で提案しにくいかもわかりませんけれども、その他の法案については提出する条件は来た、こういうふうに思うのであります。そこまで来ておりますから、思い切って政府で提案されたらどうか、合意はされているわけですから。グレーゾーンの問題は議員の方で修正提案をするという形になるかもわかりませんけれども、そういう一人一人の意見を聞いていたら、これはもうとても話にならぬので、大蔵としてはやや大勢に順応したわけですから、これ以上じんぜん日を延ばすことは、国民に対する不信にもつながりますので、その点は政府の方で提案をする、こういう段階に来たというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○山崎(武)政府委員 もともとサラ金規制法案を議員立法にした経緯については、先生よく御承知のとおりであります。最高裁判所の判例を真っ正面から変更しようという内容を含んだこの法案でありますから、政府提案になじまないのは当然でありますし、したがって、いま先生がおっしゃったとおり、その点を除いてその余の部分については政府提案、その点については議員提案という形ではどうか、こういう御質問ですが、その点を、議員立法にしなければいけなかったそこの点を実は詰めていただくのが、各政党の先生方にお願いしているその主要な問題点でもありますし、そこのことが詰まらなければ、サラ金規制法を成立させるまさに問題点であり目玉でありますから、そこについてもう一段の御努力を願えたならばというふうに思います。合意された点について政府提案ということについては、いささか法案の体裁からしていかがなものだろうかなというふうな感じは持っております。
○沢田委員 ただ問題は、これ以上ある程度まとまったものが反対だ賛成だとまたしますと、いろいろな問題が付随的に生ずるおそれもある。また、そのことが政治の倫理とかいろいろなことを言われるもとにも通じかねない。だから、余りこのことを日を置いておけば、また反対運動をすればとまるのではないか、そんなような気持ちを幾らか与えるような行動を政治家がとれば、そこへまたいろいろ問題が生じてくる。そういうことを未然に防ぐためにも、もう時期は来ているのであるから、ある程度思い切って処理しないとかえって問題を生じかねないというふうに感じますので、あえて申し上げたわけであります。いまの答弁で満足したというわけではありませんが、われわれも努力しますが、政府の方においてもさらに一段の努力を特に要請して、次に進めていきたいと思います。 次に、遺族年金の取り扱いなんであります。これは共済法が出ておりますが、共済法は共済法の方でまた別にやりたいと思っておるのでありますが、厚生年金法第五十九条に定められている遺族の支給制限の問題なんであります。結果的には、その世帯の生活を維持していた者が死亡した場合に遺族年金が支給される。国家公務員法、三公社五現業、それぞれ取り扱いに若干ずつ問題があるわけですが、厚生年金の方ではそういう言葉が使われておりますが、これは厚生省はきょうは呼んでおりませんが、現実的には二分の一支給になっている、こういうことです。 ところが、大臣の通達の解釈で、奥さんの収入がある一定限度あると、その年にだんなさんが亡くなりました、そのとき保険の外交員か何かパートをやりました、そのパートの分がそのときだけは獲得額が多かったので、結果的にはその年の源泉徴収で二百六十万収入がありました、そうなったときには、まず第一の問題としては、遺族とみなさない、こういう解釈になりがちなんであります。その年だけの収入で遺族ということではない。一つの問題は、その場合であっても翌年の保障はないのですから、当然遺族として考えていくべきである。そこで、恒常的な収入が得たる場合、こういうふうに大臣の方の通達は出ております。恒常的な収入というのは単年度の収入ではない。これからだんなさんがいなくなっちゃった後の、奥さんが死亡するまでの間ということになりますか、ずっと恒常的にその額が保障されている場合は別ですよというのが大臣の通達なんであります。 そこで問題になるのは、それを万が一超えている場合、解釈を間違って、超えているからおまえは遺族とはみなさないし、遺族年金は支給しないよということはしないなということは常識的な解釈でありますが、間違いが起きてはいけないので、念のため、まず一番初歩的な問題から見解を承っていきますが、これは支給されるというふうに解釈してよろしいですね。
○宍倉政府委員 お答えいたします。 結論的に申し上げますと、いまの御質問はそのとおりで解釈して結構かと思います。 ちょっと話がややこしゅうございますから、もう一遍最初から復習的に私若干コメントさせていただきますと、国家公務員共済組合法で、組合員の方が亡くなりまして遺族の方が遺族年金をもらうことになりますが、そのときに、配偶者の場合と配偶者以外の場合と話が若干違っておりまして、いまのお話は配偶者の場合でございます。配偶者以外の場合でございますと、所得制限が八十万円ということで、税金の方と同じことになっております。 配偶者の場合にはどういうことになるかと申しますと、大原則は、死んだ組合員つまり言ってみれば夫でございますが、夫よりも収入が多い場合には配偶者の扱いにしないというのが大原則でございます。 ただ、そうは言いましても、夫の方が給料が少ないというような場合、つまりその配偶者の方が二百四十万円未満の収入があり、夫の方がその配偶者の二百四十万円よりももっと少ない給料しかもらわないという場合は、これは遺族として扱いましょうということでありまして、その二百四十万円の認定が、恒常的な収入として二百四十万円ということでございますので、いま沢田先生がおっしゃったように、ある年、死んだ年にたまたま一時的に二百四十万円を超えている場合にアウトになってしまうというのはかわいそうじゃないか、それは先のことまで見てほしいというお話はそのとおりでありまして、恒常的な所得として二百四十万円あるかどうか、こういう見方でございますから、明らかに一時的だということであれば、当然配偶者として該当するということになると思います。
○沢田委員 そこで、きょうは国鉄も来ておると思いますが、国鉄もいまの扱いは同じだと解釈していいですか。これは専売もみんなそうなんですが、代表してひとつお答えいただきたい。
○長野説明員 国鉄の共済組合員につきましても、国家公務員に対するものと同じ内容の通達に基づきまして運用を行っておりますので、ほぼ同様の取り扱いを行っておるものでございます。
○沢田委員 そこで、あともう一つだけですが、失権と所得制限の取り扱いなんでありますが、これは今後いろいろ解釈は時代とともに変わるだろうと思うのでありますが、いまの場合でも問題があるわけです。 たとえば、奥さんが学校の先生か何かであって、だんなさんが国家公務員なり専売なり国鉄なり勤めているといった場合、あるいはお医者さんの奥さんであった、あるいは弁護士さんであったというような場合には、当然奥さんの方が収入が多いということになりますから、その場合は支給されないという解釈ですね。しかしそれは、いまのところでは、支給されないよりも権利がなくなってしまうわけです。ところが、急に弁護士さんをやめることはないだろうけれども病気になってしまって仕事ができなくなった、あるいは学校の先生もやめるようになったといった場合には、そのときはそうであるとしても、結果的には後の保障というものはないわけですから、そういう意味において、いわゆる失権じゃなくて所得制限という扱いにしておいて、将来に対する生活の安定を図ってやるという考え方を持たないと不合理になるのではないか、こういうふうに思うのであります。瞬間的な地位、瞬間的な所得の差、たとえ十円多くても多いということになるわけですから、それでそのために失権、権利がなくなってしまうんだというのでは、天国と地獄の差ぐらいの開きが出てきてしまう。そうじゃなくて、同じ地獄なら地獄でももう少し並んでやるという必要があると思いますから、その点は失権じゃなくて、所得制限としてあるうちは年金は支給しませんぞ、こういう扱いにしてやることが必要なのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○宍倉政府委員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘の問題は、確かに問題点かと存じます。この遺族年金の扱いを一体どういうふうに考えるかということは、いま共済制度につきましての研究会でもいろいろ御議論いただいているわけでございますけれども、いまの年金制度でございますと世帯年金ということが基本でございますから、その場合に、世帯主が亡くなられた場合には、遺族年金ということで半分その遺族に渡るということでございます。 ところで、いま先生が問題にされておりますような事例、つまり世帯の中で二人、夫と妻と両方稼得されるようなケースがだんだんふえてまいりますと、世帯年金で構成しておりますと、一つの世帯で二つの世帯分の年金をもらってしまうということになりがちでございます。そして、片っ方の方が亡くなられて遺族年金をもらったとしましても、本人年金と遺族年金と両方もらうということもあり得るわけでございまして、そうなった場合に、いまの所得制限の問題がやはり絡んでくるわけであります。全体的にどういうふうにその辺のところを問題整理したらいいのかということは、はなはだむずかしい問題でございますが、それらの問題と絡めて、いま先生の御指摘の問題も確かに問題と思いますから、一緒に検討してまいりたいと思います。
○沢田委員 日本の年金制度を世帯年金と見るか一人年金と見るかというのは、これからの基本的な課題なんであります。これはそのとおりなんでありまして、国民年金という制度そのものが個人年金の制度に出発しているわけですから。ところが一方、恩給なり共済なり厚生年金の方は世帯年金制度でスタートしているわけですから、どうしてもそこでぶつかってくる、若干は重複する部分がある、こういう制度的なものは、もちろんわれわれも承知しているわけであります。 ただ、いま問題を遺族年金だけにしぼりまして、失権というのは酷過ぎやしないか。だから、あなたの収入が多いうちはそれは所得制限として押さえますよというのが筋じゃないのかという取り扱いを今後御検討いただきたい。将来、世帯年金と一人年金という問題になって、これがどういうふうになりますかわかりませんが、遺族年金なんというものはなくなってしまうのですから、一人年金制度に切りかえれば。ですから、そうなればそうなったで解決がつくし、世帯年金制度を持っていけば所得制限制度を導入しなければならぬことも火を見るより明らかなんです。だんなさんよりもよくなってしまう場合があるし、いなくなっただけ助かったなんということにもなりかねないのであります。だんなさんの半分もらって、あと自分の年金をもらえばせいせいしたという形もないとは言えないのでありますから、その意味においては、今後検討する課題は多い。しかし、遺族年金だけのいまの制度の中においては、失権ではなくて所得制限で考慮すべきである、こういうふうに思うのですが、御検討いただけるかどうか。その点だけ御回答いただいて、次に進めていきたいと思います。
○宍倉政府委員 先ほど申し上げたつもりでございますけれども、検討はいたしたいと思います。
○沢田委員 では、これはその程度にして、次に、補償料の一時所得の取り扱い問題についてお伺いをいたしたいと思います。 これは、この間出ました日照の判例でありますけれども、冬至の日における二時間の被害の損害額を三十万と認定をした例。こういうので、これからどんどんいろいろな判例が出てくるだろうと思うのですが、要するに補償料というものは、これは民法上決まっておりまする内容でありますから、その損害に見合うものを補償する。それが裁判で金額が出るか、示談といいますか話で決めるか、そのことは別問題として、いずれにしても、その損害に見合うものが支払われる、損害の対価であるというふうに考えるわけです。 そうしますと、従来の税法上の扱いとしては、実損に見合うものの補償については所得とみなさない、これが従来の所得税法の解釈の基本であったわけであります。一時所得は五十万以上ということになりますけれども、そういう取り扱いにされてきたのが従来の慣行だと思います。自転車でちょっとひっかけた、自賠償まで使うほどでない、だから示談で済ませて、そこで七十万円払った、というとそれは所得税法で一時所得なのか、こういうことになると、それはならない。それは損失に対する補償であるということになるわけであります。 まず、この補償料というものが所得税法となじまないものなのではないか、この基本的な見解をひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○吉田(哲)政府委員 補償料につきまして、個人が受け取る場合、所得税法の取り扱いについて申し上げたいと思います。 基本的には、いま先生おっしゃいましたように、いわゆる損害に見合うものという考えでありますが、まず、大きく申しまして四つくらいに分類できるかと思います。 第一番目に、心身の障害といったようなものを起因としまして支払われるものにつきましては非課税ということになっています。通常慰謝料と言っておるようなものがそれに該当すると思います。第二番目には、棚卸し資産に対して加えられた損害に対する補償料でございますけれども、この場合は、補償料に課税すると同時に棚卸し資産の実損を見る、そういう仕組みにいたしております。それから第三番目は、固定資産に加えられた損害に対するいわゆる補償料でございますけれども、これは非課税というたてまえにいたしますと同時に、他方、固定資産の方の損を見ない、こういうたてまえにしているわけであります。第四番目には、いわゆる営業補償、休業補償、収益補償といったようなものでありますけれども、これは売り上げとかそういったものにかわるものとして課税する、こういうたてまえでやっているわけであります。その考えにはまってこないものを一時所得として課税する、これが基本的な考えでございます。
○沢田委員 マンションの建設によって二時間以上、これは判決はそうなったのでありますが、いわゆる所得税法の損害、言うならば、あなたの方では所得の分とみなして処理をするという方向のものが出ている。じゃ日照、風害、電波障害、そういう精神的なものは別として、これは慰謝料になるのでありますが、それも当然損害のうちに入るのじゃないかというふうに思いますが、それはそのように解釈してよろしいですか。
○吉田(哲)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど御答弁申し上げましたいろいろな損害の中で、いわゆる物損の方は比較的判定がしやすいわけでございます。問題は、いわゆる心身の障害に起因して支払われる、そういった関係の補償料の問題だろうと思います。実は認定にいろいろむずかしい問題があるわけでございます。 一例で申しますと日照補償でございますが、これは一般に生活利益の侵害に対する損害賠償金というふうに理解されております。したがいまして、一般論として申しますならば、日照補償のようなものは、心身に加えられた損害に対する損害補償金として、所得税法上非課税の規定の適用を受けてしかるべきものであろうと思います。 ただ、問題は程度の問題でありまして、どの辺までが補償の対象となるかならないか、認定にいろいろむずかしい問題があるわけでございます。たとえば日照の問題について申し上げますと、大きな都会において住む限り、ある程度日照が侵害されることは通常の受忍義務の範囲内であるというような考え方もできるわけでございます。それを超えて出る場合には、いわゆる非課税の補償料として考えられるわけでありますけれども、通常受忍してしかるべきものというものにつきましては、考え方を整理しますと、これは非課税の対象にならないのではないか。よくごね得なんという言葉がございますけれども、そういったものは当然には非課税にならないというふうに考えられるわけであります。 個々の補償金が、いま申しました考えのどの部分に該当するか、実は個々のケースに応じて適正な金額を決めていかなければいかぬ。認定上むずかしい問題はあると思いますけれども、執行面ではそこを、いま申しましたような考え方で個々の課税処理をやっているということでございます。
○沢田委員 日照であるとか風害であるとか、この受忍限度ということ。受忍限度というのは、二時間なら二時間というのが、大体相場として判例では載っているわけですね。二時間以内は受忍限度である。浸水でも、床下浸水は受忍限度である、床上浸水は国及び地方公共団体の責任であるという判例が出ているわけです。だから、それには一定の線がある。じゃ線以下は、受忍限度の部分をもらったものは一時所得なのか、受忍限度を超えた分が非課税になるのか、その辺もちょっと明確にお答えいただきたい。逆になりますかね。 そうすると、百メートルも二百メートルも離れているところで二時間ぐらいしかない、そこへ六十万円払われたとするならば、それは当然一時所得になる。それは受忍限度で、支払う必要のない分であるとみなすのですか。それとも、それをもらっても当然非課税の対象と見るのですか。その点はどうですか。ケース・バイ・ケースだというなら、それで割り切っていきますが、その点ちょっと統一的な見解としてはどうなりますか。
○吉田(哲)政府委員 むずかしい問題でございますけれども、実際の執行としましては、いろいろなケース、いろいろな対応が考えられるわけでございますので、私ども統一的に、何メートルであれば、あるいは何時間であればというような基準は設けがたいと考えております。したがいまして、おっしゃいましたように個々に、ケース・バイ・ケースで判断していくということにいたしております。
○沢田委員 じゃ時間の関係もありますから、会社と個人というのじゃなくて個々の問題の場合で一応お伺いしますが、もし一方が一時所得で上げるとすれば、一方は損金として計上できるという論理にならなければおかしいということになると思うのですね。 その辺は、一方だけは一時所得で、たとえば四メートル道路がない、二メートル道路、昔の一間道路しかない。そうすると、家を建て直す場合にはどうしても四メートル必要である。そうすると、そこの敷地を、名目的であるか実質的であるかわからぬが、四メートルの入り口の人には権利金みたいなもの、補償料を払う。それは本人の損失経費としてなるのか。また片一方は一時所得になるのか。これは建設省を呼ばなければわからぬけれども、税金の方の取り扱いとしては、この場合だけではありません、一部の塀を取り壊しますという場合があり得るわけですから、その場合は完全に原形復旧が当然税の対象にならない、こういうことになるわけです。 いまのはもらう方だけの話であったのですが、今度は出す方で、個人の場合の損失控除は可能なのか可能でないのか、その辺についてちょっとお伺いいたします。
○吉田(哲)政府委員 支払った場合でありますけれども、一応、その支払い者が、補償料を支払った者が個人か法人かに分けて申し上げたいと思います。 まず、支払い者が個人である場合には、事業に関連するものであるならば、これは原則として必要経費ということになります。ただし、その事業に関連するものでも、故意または重大な過失によって権利侵害した場合はならないわけでございます。それから、事業に関連しないもの、いわゆる生活関連みたいなものは課税上何ら考慮されない、こういうことになっています。 次に、支払い者が法人であるものでございますけれども、一般的には損金になるというふうにお考えいただいていいと思いますけれども、正確に申しますと、実はいままでの執行例は若干込み入っておりまして、被害を受けた方と支払い者との間に事後に話がついた場合は、原則として損金算入を認めております。ただ、最近のこの種の補償というのは、事前に大体話をつけるというのが多いわけでございまして、そういう事前の話し合いのものにつきましては、損金ということにいたしませんで、建物勘定等に入れる、いわゆる資産化するといったようなことで処理をいたしておるわけでございます。
○沢田委員 いずれにしても、自動車の方あるいは生命保険、その他もいろいろありますが、この補償料の一部分でも判決にそういうふうに出ますと一つの判例ができるわけですから、そのことによって、いろいろな面に影響を及ぼしてくるということになります。特に、これから住宅産業がどういうふうになるか、マンション産業がどうなるかわかりませんけれども、いずれにしても、高層建築になっていく必然性にあるのだろうと思うのであります。 そういう意味において、補償料の取り扱いについては、きょうは時間がありませんからこの程度にとどめますけれども、十分統一的な取り扱いができるような御検討をいただいて、きょうは具体的な例等は出さないでやったわけでありますけれども、いわゆる補償料の取り扱いはかくあるべきであるという一つの基準ができるように御検討をいただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○吉田(哲)政府委員 御指摘の点はごもっともでございまして、実際にはいろいろむずかしい問題も多いと思いますけれども、なるべくわかりやすい執行が行われるように、極力判断の統一を図ってまいりたい、かように考えております。
○沢田委員 あとはまた、国鉄の方、大変忙しい中おいでいただいて恐縮でありましたが、先ほどのいわゆる国家公務員と横並びで処理をされるということは、今度所得制限の場合も、同じようにそういう条件を考慮してもらわなければならぬということになりますが、この点はどういうふうにお考えでありますか。
○長野説明員 国鉄共済組合につきましても、国家公務員と同様の取り扱いをしていきたいというふうに考えております。
○沢田委員 大臣、共済研の答申もそろそろまとまってくるころだと思うのであります。いわゆる三公社五現業共済組合関係の共済年金のあり方というものもそろそろ決まってくる時期に当面しているだろうと思うのでありますが、これは厚生省あるいは国家公務員、三公社五現業とたくさんありますけれども、大臣としては、これからの年金制度というものが、行革でどう答申があろうかどうかは別問題として、若干手をつけただけでも老後に非常に不安を感じているというのがいまの実態ですね。ですから、こういうものは、できたものはある程度固定化していきませんと、老後に対する不安というものは動揺だけしか与えないで、結果的にはいろいろなマイナス面が多くなるというふうな感じを持ちます。しかし、将来の展望としてはいろいろな計画を立てることは当然でありますが、余り粘土細工のように動かしていくことは望ましいことではないというのがこういう制度の一つのあり方だろうと思うのであります。 そういう意味において、大臣の年金に対する基本的な一つの考えだけ、いまこの段階ではむずかしいかもわかりませんが、もし何なら、また年金のときに聞きます。きょうは時間がちょうど一分になりましたから、もういいです。ただ、そういうことを検討しておいていただきたいということだけを要請して、終わりたいと思います。
○森委員長 柴田弘君。
○柴田委員 私は、最初に大臣に、いまも出ておりましたが、グリーンカードの問題から質問をしたいと思います。 昨日、自民党の議員連盟が廃止を決定された、こういうことであるわけでありますが、大臣は、かねがね申されておりますように、いわゆる環境整備といいますか周辺整備をやっていく。それはこの委員会においてもいろいろ発言されておりますが、高額所得者のいわゆる最高税率、税率構造の見直しをやっていく、こういうお考えであるわけですね。 しからば、五年間据え置きになっておりますいわゆる低中所得者に対する課税最低限の引き上げの問題というのはどうなるのか。今後、大蔵省あるいは大臣と自民党といろいろ話し合っていかれるということになると思いますが、グリーンカード制実施の見返りとして、そういった税率構造の問題等々、税制改正を含めて話し合いが出てくる、こういうふうに私は思うわけでありますけれども、その辺の周辺整備の具体的な内容について、課税最低限の引き上げを含めてひとつ御答弁を賜りたいと思います。いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 私はかねて持論を申し上げているだけでありまして、分離課税制度という珍しい、世界に余り例のない制度から、世界に例のある総合課税制度に大変換をするわけですから、したがって税率その他の問題についても、やはりヨーロッパ並みにするならヨーロッパ並みにすべきじゃないか。そう言っても、日本の方が下の方はヨーロッパよりはるかに税金は低いわけですから、いまより下の方を上げろということを私は言っているわけではありません。要するに、税率も総合課税をやっている国と同じようにしたらいいじゃないかということを申し上げただけであります。
○柴田委員 そうすると、当然課税最低限の引き上げという問題も大臣の念頭にある、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
○渡辺国務大臣 税率の改定によって財源が必要だということになれば、これは他に財源を求めるか歳出の大幅カットをやるか、そういうものができなければできないわけですから、そういうものはみんな関連があるわけですから、関連をさせて考えていくべきであるということであります。
○柴田委員 そうした場合に、いま大臣もちょっとお触れになりましたように財源が必要になってくると思います、課税最低限の引き上げをするということは。あるいはまた、総合課税になるわけですが、七五%を五五%に引き下げれば財源が必要になってくるわけです。やはり大臣の頭の中にも、直間比率の是正という問題もあるわけであります。一兆円から二兆円、あるいは三兆円必要かもわかりませんが、とにかく財源が必要になってくる。 そうしますと、どうしても税率構造の見直しというのはイコール大型増税に結びついてくるという懸念があるのではないかということを心配をしているわけでございますが、この辺の財源対策については、大臣もかねがね本音の議論をしようというふうにお話しになっておりますけれども、本音の議論をする以上は、大臣の心のうちも聞かしていただかなければならぬと思うのですが、そういうことはやはり考えていらっしゃるかどうか、この辺はどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 私は、これも持論を言っているだけでありまして、要は歳出のために歳入が必要なわけですから、歳出をできるだけ詰めるという政府の方針があって、極力これは詰める。しかし限度があって、ふえるものはどうしてもふえるのです。それではだれがそれを支えていくか。税で支える。借金で支えるということは、これは異例の問題で、いつまでも国債を発行して支えるわけにいかないし、国債というのは限時的なものだと私は思っているのです。最終的にはこれも税で返済しなければならぬわけですから、国債を出しても結局は返済には税が必要なんですよ、自然増収という形になるか何になるかは別としてですよ。 ですから、問題は、現在のように直接税で税の七割も占めているというような状況が、だんだんこれが七割三分、七割五分となっていけば間接税のシェアがうんと小さくなってしまう。そうすれば、そこの中で所得税の減税をしろと言われたって、現実問題としてできないじゃないですか、国の施策を直接税でほとんど大部分を支えていくんだということになれば。ともかく日本でも、昭和二十五年から四十年ごろまでは四〇%ぐらいのシェアがあったわけです。苛斂誅求だなんてそのときだれも言ってないわけですから。ヨーロッパも現在それ以上の間接シェアがあるわけだから。 そういうところは、だれが負担するかという問題を含めて、私は、これ以上間接税の持つ分野を小さくしてしまう、片っ方の税だけに偏って負担させるということは適当ではない。したがって、これはきょう、あしたの話じゃありませんよ、中長期の展望に向かって私は物を言っているのだけれども、少し直間比率というものは見直してもいいではないか、そういう意味のことを言っておるわけです。
○柴田委員 じゃ次に、時間もありませんから、証券局長来ておりますので、ゼロクーポン債の問題をお聞きします。 これは、マスコミの報道を見てまいりますと、近々に販売を再開される、こういうことが報じられているわけでありますが、そういった方針はあるわけですか。簡単で結構ですから。
○禿河政府委員 さきにゼロクーポン債の販売の自粛を証券会社に求めましたときに、私ども、これをいつまでも禁止というわけにはまいらぬと思っておりましたが、現時点におきましては、仮に今後再開をいたしました場合に、二月に見られましたようなああいう過熱した状況が再度起こらないように防止する必要がある。そのためには、証券会社の販売体制等につきましてどういう方策を講じたらいいのかというのを現在検討中でございまして、まだ再開の時期等について何ら決定を見ておるわけではございません。
○柴田委員 大臣にお伺いしていきますが、私は、ゼロクーポン債にはいろいろな問題があって、販売方法にも問題がありましたし、税の上での取り扱いも制度面、執行面で厳しく対処して、いやしくもダーティーマネーの隠し場所にならない保障が必要である、このように思っておりますし、まして、最近見られます円レートの問題、これだけ日本経済に円安の問題がいろいろな暗雲をもたらしているということを考えておりますと、この販売の再開の取り扱いの問題には相当慎重を要するのではないか、こんなように思っておるわけでありますけれども、大臣の御所存はどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 ゼロクーポン債の問題については、私もあの後で各社のパンフレットを皆取り寄せて調べてみました。ところが大部分は正確に書いてあります。元本の保証がありませんとか、レートによって違いが出ますとかいうのもありますが、中にはちょっと、いかにも税金が少なくなっていいようなのも散見されます。したがって、そういうものは是正をしてもらわなきやならぬ。 それからもう一つは、ゼロクーポンの問題は、私は、いまこれをずっと追跡させているのですが、必ずしもダーティー資金が流れたというふうに考えられない面もかなりある。実は問題点がそこにあるのです。個人の金ばかりじゃないような気もする。 そういうようなことで、ただ、これは二月なら二月に一度に七億ドルも出るというようなことは異常なことでありますから、一時自粛をお願いしたわけでございますが、問題は、行き過ぎたことや何かはいけない、そう考えております。これもある程度のもの、自然のものはいいとしても、行き過ぎた宣伝とか、あるいは何か不安におびえて急に外国に資本逃避というようなことは問題があるわけなので、そういう心配や動揺をなくするようにしなきゃならぬということも考えております。
○柴田委員 次は、歳入欠陥の問題についてお尋ねをしていきたいわけでありますが、補正後五十六年度は約二兆円を上回る歳入欠陥、五十七年度が三兆円。私は、この歳入欠陥は、やはり今日の政府の経済財政運営の失敗、これが今日の歳入欠陥につながったというふうに思っておりますし、所得税の課税最低限の五年据え置きによる実質増税に代表されますように、国民に大幅な負担を強いながらの歳入欠陥でございますから、これはまことに残念であり遺憾なことであるというふうに思います。それからもう一つは、政府は五十六年度当初に経済の実質成長率を五・三%と見通しながら、実勢は二%台、こういった落ちる可能性が強いわけでありますが、この経済の先行き見通しというものを誤った責任も私はあると思います。 いずれにいたしましても、経済財政運営の失敗による歳入欠陥について、大臣はこの政治責任をどのようにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねをしたいわけであります。
○渡辺国務大臣 歳入の欠陥というのは結果の問題であって、要するに歳入の見積もり不足という問題でございます。 もちろん、見積もりが過大になっても過小になっても、それは責任はあるに決まっておるわけでございます。いままでも、なかなか一年半先の経済情勢というものを見通すということは計画経済の世界でも非常にむずかしい、おてんとうさまの出方一つで中国でもソ連でもえらく違ってしまうわけですから、ましてや自由主義経済の中で政府が直接管理していないのですから、非常にむずかしいことは過去の例に示されているとおりでございます。 したがいまして、私どもとしては大げさなことは考えておりませんが、ともかくいずれにしても歳入に欠陥が生じたという問題については、それに対応して適切な措置を講ずる、これは責任を持って講ずるということはかねて申し上げているところでございます。
○柴田委員 そこで、この歳入欠陥に対して適切な措置を講ぜられるということでありますが、私は、五十七年度の大型補正予算の編成というものは必至である、こういうふうに思っております。どう対処されるかということであるわけでありますが、理事の方から簡単に早くやめてくれという話がありましたので、前文は省きますので、大型補正予算その必要性、あるいはどのようなお考えであるのか、ひとつお伺いをしていきます。
○渡辺国務大臣 ともかく五十七年度予算が成立したばかりでございますし、五十七年度については公共事業の前倒しを初め、いま、いろいろな景気のてこ入れ策というものも行うおぜん立てをして進めておるところでございますから、いまの段階において大型補正を組むということは考えておりません。
○柴田委員 そうしましたら、いま大臣は、歳入欠陥に対して適正な措置をとるというお話があったわけでありますが、一つは適正な措置というのは歳出の不用額、これは一千億から三千億円くらいになるだろうと思いますが、赤字決算の補てんといいますか、わが国の財政法では、赤字決算が禁じられておるわけでありますから、当然歳入欠陥に対して補てんが必要であるわけでありますが、その歳出の不用額、これは一千億から三千億円くらい。それから決算調整資金も二千五百八十二億円、これでは足らないわけでありますから、当然国債整理基金から一兆四千億から一兆六千億、場合によっては二兆円近く繰り入れなければならない、こういうことになるわけですね。 問題は、その措置をどうされるか。もちろん五十八年度の当初予算で国債整理基金の繰り入れに対しての返済をすればいいわけでありますが、当然こういった適切な措置をすればあと予算で考えていかなければならない、こういうことになりますね。 ところが、いま大臣は、補正予算はいまのところは考えていない。いまは考えてないかもわからぬが、いずれにしても、こういう措置をしなければならないわけですね。そうすれば、当然五十七年度の補正予算でやるか五十八年度の当初予算でやるか、どっちかになってくるわけなんですね。その辺のところはいかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 それはそのとおりでございます。
○柴田委員 そうすれば、やはりいずれにいたしましても、これは五十七年度の補正予算でやるかあるいは五十八年度でやるかは別にいたしまして、この歳入欠陥の補てんのためには、一つは徹底的な歳出カットがあると思いますね。ところがこれは、臨調答申も出るわけでありますが、限界があると私は思いますし、それから大型増税という考え方も出てくるわけですね。それはどういうふうにされるか知りませんが、しかし、これはいまの段階ではちょっとむずかしいではないか。それからもう一つは、赤字国債の増発というような問題が出てくるわけです。 こういった状態の中で、政府が考えておりましたいわゆる増税なき財政再建、そして五十九年度の赤字国債の脱却という問題、いわゆる財政再建のシナリオというのは完全に崩壊したと見るべきではないか、これが一般論であるし常識論ではないか、こういうふうに思いますが、大臣はどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 経済は生き物でありますから、雨の日も風の日も、上り坂も下り坂もございます。方向は決して狂ってはおりません。
○柴田委員 それは、いま歳入欠陥は雨の日、風の日かもしれませんが、方向は狂ってないというのは、じゃ大臣、この財政再建のシナリオ、これはいわゆる政府の公約というべきものでありますが、増税なき財政再建と、そしてしかも五十九年度の赤字国債脱却は必ずできる、こういうふうに断言できますか。これはもう大事なところですから、はっきりと一遍答弁をいただきたいと思うわけであります。どうですか。
○渡辺国務大臣 経済は生き物でありますから、断言というのは非常にむずかしいのです。最大限の努力をするということでございます。
○柴田委員 大臣はいつも、この問題は目標だからその目標を目がけて最大限の努力をする、こういうことでありまして、いずれにいたしましても、それはそのときになってみなければわかりませんが、私は、きわめてむずかしい、こんなふうに判断をいたしておりまして、政府の言う財政再建というものはここで完全に崩れたのではないか、こういうふうにはっきりと言っておきたいと思います。 あと一間ですが、この質問もまだ先のことでわからぬという答弁があるかもしれませんが、ひとつついでですからお聞きをしておきたいわけであります。 それは、五十八年度の予算編成の問題であります。中期展望では、五十八年度は赤字国債の発行を一兆九千六百億円に抑える、こういうふうに言われておるわけであります。しかし、私が独自で試算をしたわけでありますが、五十八年度は、先ほど申しましたように、国債整理基金への返済が一兆四千億から一兆六千億円ふえるわけであります。 一方、税収は展望の伸び率一一・九%で見てみましても、展望から三兆一千二百億円ないし二兆五千七百億円の減収となるわけです。このために要調整額が、展望で見ておりました三兆三千七百億円から七兆三千四百億円ないし八兆九百億円にふえるわけであります。マスコミ等では六、七兆というふうに言っておりますが、私は、七兆円から八兆円、こういうふうに思うわけであります。 問題は、この要調整額をどのような手法によって埋め合わせるかということであります。まあ財政再建の延長、赤字国債の増発、増税、こういった三つが考えられるわけでありますが、私が先ほど来申しておりますように、みずからの経済失政をすべて国民に押しつけるような姿勢は、これは国民から反発を食らい、共感を得られるわけにはいきません。いよいよ五十八年度の予算編成の時期に来るわけでありますが、大臣の頭の中にはこの編成に対してどういうふうなお考えがあるのか、お聞きをしておきたいのであります。
○渡辺国務大臣 私は、失政とは思っていないのです。世界で一番いい、物価の安定を図り、失業者が少なくて、そういう状態が決して失政だとは思っておりません。いずれも日本をうらやんでおるわけであります。世界じゅうどこでもいま、インフレと失業の大群に悩まされて、景気の回復をやろうと思っておるのだけれども、なかなかできない、世界じゅう共通の現象でございます。 確かに税金が取り不足であった。結局見積もり不足ということは取り足りなかったわけです。そのかわり、一方物価の予想外の安定があって、国民の中から非難がございません。世の中が落ちついているのはそのためだ、私はそう思っておるわけであります。政治は総合的に判断をしなければならないのであって、だれがそう評価をするかということは、最終は有権者である国民の判断に任せる以外には決め手はないわけですから、言ってみたところで水かけ論ということでございます。 ただ、私どもとしては、世界の景気がいつまでも低迷をしておるとは考えておりません。第一次石油ショックのときには大体二年間マイナスまたは低成長が日本でも続きました。第二次石油ショックは、それよりもやや熾烈であったと私は見ています。しかしながら、マイナス成長にならず、低成長ではあるが世界の先進国の中では一番いい成長をなし遂げてきておる。したがって、これが三年、四年続くというようには世界的にも考えておりませんし、また、それからの脱却のためにいろいろな首脳が集まって世界の経済の活性化を図るという会議もこれから持たれてまいります。 日本でも、そういうようなものに合わせて、できるだけ景気の問題にも配慮するが、しかしながら余り急いで、結局、名目のGNPをふやすことは私はそんなにむずかしくないと思いますが、問題は、物価を上げないでということはむずかしい問題でありますから、狂乱物価のときなどは名目がうんとふえますと税収はがばっと入ります。しかし、国民はそれによってプラスになったとは限らぬわけです。税収は二〇%も予定よりもよけい取ってしまった。これはそれでよかったかというと、必ずしもみんなに褒められない。やはり物価の安定というものに心がけながら、そんなにあわてないで世界の大勢というものを見きわめながら、私は経済政策を進めていきたい。 したがって、五十八年度に具体的にどうするかということについては、まだここで申し上げるだけの材料がございません。国会終了後、予算編成等を見ながら最終的にはことしの年末に決定をするということになるでしょう。しかしながら、皆様のいろいろな御指摘については十分に謙虚にこれを受けとめて参考にしてまいりたいと考えております。
○柴田委員 あと一問、主計局に聞きますが、同じく五十八年度の基本的な予算編成の方針、この間の新聞では三点ありまして、大蔵省としては、各省庁の概算要求枠、シーリングは六月中か遅くとも七月初めに決定をする、これは閣議決定もあるわけでありますが、それから二つ目に、要求枠決定の前に、一月に発表いたしました「財政の中期展望」とは異なる五十八年度の予算フレーム、いわゆる枠組みというものを設定をしていく。それから三つ目は、各省庁の要求枠は前年度予算の水準以下、これはマイナスシーリングということになりますか、にしていく。 この三点が報ぜられておるわけでございますが、そういった方針で今後予算編成を進められるお考えであるのか、簡単で結構ですから御答弁をいただきまして、終わりたいと思います。
○西垣政府委員 五十八年度予算に臨む基本的な考え方は大臣が述べられたとおりでございます。したがいまして、基本的には今後検討すべき問題でございまして、いまのシーリングがどうあるべきかという問題につきましても、シーリングの設定の時期につきましても、これから検討する問題でございます。 それから、フレームをどうするかという問題でございますが、中期展望のフレームというのは、もともと歳入については機械的に組んだものでございますので、実際に五十八年度予算を編成するときには、歳入は各税日ごとに積み上げなければならないということでございますが、そのフレームを示すかどうかということも含めまして今後検討しなければならない、こういうふうに思っております。
○柴田委員 では委員長、時間前ですが、本会議もありますので終わります。
○森委員長 午後一時十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ————◇————— 午後一時十二分開議
○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田耕作君。
○和田(耕)委員 大蔵大臣、きょうの新聞なんかを見ますと、大臣の発言のニュアンス、これは絶対五十九年までに財政再建はやるんだ、しかし、やれないようなこともあるかもわからない、そういうニュアンスのがありますけれども、しかし目標としては絶対おろさないという御主張をなさっておられますね。これは確かですか。
○渡辺国務大臣 経済の問題というのは、経済は動いているわけですから、物理学とは違うわけです。しかし、やり方によってはもっとよくなるかもしらぬ。しかしながら、世界の経済はつながっておって、日本だけを特別よくするといっても、それは不可能に近いぐらいむずかしいですよということを私は言っているわけです。しかしながら、五十九年度までに赤字国債からの脱却という旗は、いま行革で答申が出て、第二回の歳出カットを、今度の予算編成では場合によってはゼロベース以下にしなければおさまらぬじゃないかと言われているときに、赤字国債は予定よりも増発いたすのですということをいまの段階で私が言うことはできません。やはり出口を押さえておいて、そしてそれに向かって最大限の努力をするということが当然ではないか。 経済の問題については、日本の景気が悪いといっても世界の先進国の中では一番いいわけですから、だから、これ以上に下げないようにして知恵をしぼれば、要するに、経済企画庁が考えている実質五・二%というような数字は可能性のない数字じゃないので、努力のしようによってはいけそうな数字であるということであるならば、われわれとしては旗をおろすことは考えておりませんということを言っているわけです。
○和田(耕)委員 不可能ではないということで、達成できないことだって、これは生き物だからあり得ると理解していいですか。
○渡辺国務大臣 ともかく試合に行くとき負けるか勝つか、チャンピオンがタイトルマッチをやるときに、最初から負けそうだなんて試合に行ったらころっと負けてしまう。勝つんだと言ってみんなやっているのですから、だからそれは一概に、物理的に数学的に決められるものではないのです。経済なんというのは特に心理的なものも多いし、みんなでだめだ、だめだと言ったら、病人だっておかしくなっちゃうので、医者だってちゃんと、ともかく大丈夫ですよ、あなた大丈夫ですよと言えば、本人はよけい元気になっちゃって、それは数学以上のものがあることも間違いありません。だから、私はそういう意味で夢と希望をつないでがんばるということであります。
○和田(耕)委員 私は、渡辺大蔵大臣が率直に、非は非ということじゃなくて、事実は事実として認める態度は高く評価しておるのです。 ごく最近、五十六年度の予算が二兆円以上の歳入不足になるかもわからぬということなんかは非常に大事なことですね。これはぎりぎりまで、法人税がふえるかもわからぬからなんてことでごまかすよりははるかにりっぱなことだと思うのですけれども、ただ予算が成立して間もない、まだ二週間ぐらいしかたたないのに、五十七年度も五十六年度を発射台にしてつくったものだからこれはというような議論は、大蔵大臣ちょっと考え物じゃないですか。
○福田(幸)政府委員 税収見積もりをやっております私として御答弁申し上げますが、五十六年の税収、これをずっと見てきておったのですが、正直なところ、確かに懸念はございました。御審議願っておるときに、十二月の税収が二月八日発表でございまして、一月税収が三月八日という発表をして、その間御審議が進んでおったのですが、十二月税収が一三・八%、一月税収が一二・〇、こう高い二けたがその間続いたわけです。これは、御審議願っておったときのわれわれの持っておる一番新しい数字であったわけです。特に大法人の数字が九月決算、十一月税収になりますが、十一月税収以降二〇%という高い伸びが続いておったのです。 そういうことで、補正も思い切ってやらしてもらったのですが、補正後はいけるんじゃないかと思ったのですが、ちょうど四月八日にまた発表いたしました二月末税収を見て、実は非常にショックを受けた感じが強いのです。全体の伸びが五・六に落ちたということです。一三・八、一二・〇が五・六、半分になったという数字が出てまいりました。特に法人税が不振でマイナス七・三という数字を示しておるのです。この内容を見たのですが、円安の関係で石油関係それから石化がよくない、昨年は反対だったのですが。一方、輸入の方でそういうふうになるのはわかるのですが、輸出の方が本来伸びるはずなんですが、そこで相殺されると見ておったのですが、貿易摩擦の関係なのか、国際的な景気の低迷からかと思うのですが、輸出の方がまたふるわない。両方から挾み打ちを食った形で法人税の不振が表に出てきました。 これを見まして、補正後の予算に達するのは困難であると判断しまして、大臣に御説明したわけです。われわれ、幾らへこむかという数字は申し上げませんでした。これは今後の不確定要因が、三月の確定申告が今月の終わりにわかります。それから、いつも申し上げる三月のあれが五月に納入ですから七月初めにならないと、七月八日ということになりますが、そのときが確定的な数字になります。ですから、そういうことで幾らへこむかという数字的なへこみの数字は申し上げておりません。 しかし、大臣は、過去のへこんだパーセントをずっと見ながら政治的な感触でおっしゃったのが、新聞に報道された数字であろうと思います。五十七年度どうなるかは、確かに発射台が悪ければ悪くなると常識的には言えますけれども、五十七年度どうなるかまたわからないわけで、その辺、経済見通しがそのとおりに達成するような努力が払われるでしょうし、また、あと税目ごとの積み上げになってきますし、また来年の三月決算までの話なんです。来年の三月決算が分かれと言われても、努力はいたしますけれども、これは非常にむずかしい見積もりでございます。 そういうことで、五十七年度まだ始まったばかりでございますので、五十七年度の予算が通りましたけれども、五十七年度の歳入が不足するということはわれわれ考えていないというか、いまの予算で見通しておるということで、それがへこんでおるとは申し上げていないわけでございます。仮定の話で答弁をいたしたことはございます。
○和田(耕)委員 これは、いずれにしても非常にむずかしい状態になってきたことは事実だと思うのですが、五十六年度の税収不足というのは、これはかなりはっきりしてきている。これの対策はどのようになさるのですか。当初予算に対してこれは二兆五千億ぐらいになりますね、四千億か補正をした前から比べると。四千億は手当てをしたから二兆一千億を何とかしなければならない。これはどういうふうになさるのですか。
○渡辺国務大臣 これも仮定の話でありまして、三月決算が申告が五月にならなければ出てこないわけですから、法人がうんと良心的に申告をしてくれれば、かなりの数字の違いも出てくるだろうし、それはわからぬわけです。だから、もうわからないと言えば一番無難なんですよ。しかし、それでは余りともかく公式答弁過ぎるのじゃないかという御非難もございまして、そうなるというと、やはり過去の十一月とか二月のやつが出る。三月に個人の申告は終わった、大体のところは見当がつく、そういうものも見ると、見方が二つあるわけですよ、わからないという見方と。もっと非常によくなるという見方は余りないのです。だけれども、そういうような申告状況を見ると、やや落ち込むかなという見方もあるのですよ。だから二つの見方を申し上げているのです。 だから、仮に申告状況のようなものとか税収の一、二月のベースが続くと仮定すれば数%ぐらい不足するかもしらぬ、数%というのは何%だと言うから、数%というのは数%、上か下かと言うから、数%もずっと上の方かな、こういう心配もあります。ところが、それを今度は計算して、じゃ数%、七なら何ぼ、八なら何ぼとこうなると、大体数字が出てくるということでありまして、これはいすれば出てくるわけですから、二つの公式論ばかり言って本音ベースの話が全くなくても国会が本当に進んだ議論ができないし、余り今度は言い過ぎると、人によっては、わからないものをそんなこと言ったじゃないかと、これは国会の審議に支障を来す。そうすると言えない。そのことのために、親切心で言ったつもりが、国会がストップだとか法案が上がらぬとかいっては困る。 私も実際につらい立場なんです。だけれども、大蔵委員会ではみんな良識のある人ばかりでございますから、私としては、できるだけ実態に即したようなお話をさせていただきたいと思って、いろいろ答弁をさせてもらっているのです。ですから、本当は、公式論から言えば、わかりませんということであります。
○和田(耕)委員 まあ余り大蔵大臣らしくない答弁のようですけれども、しかし、いずれにしましても、この六月ぐらいから五十八年度の予算の編成にかからなければならない。そうなりますと困ってしまいますね。どういうふうに編成したらいいのかという問題がすぐ出てくるわけです。したがって、五十六年度どれぐらいになるか大臣もはっきりおっしゃらないけれども、これが二兆円ぐらいになり、また、五十六年度がはっきりすると五十七年度もはっきりしてくるわけですが、予算編成の場合に増税はしないという原則はまだ持っておりますか。
○渡辺国務大臣 五十七年度といっても、いま主税局長が言ったように来年の三月までのことでございますし、ことしの後半から世界的に景気が回復するというのも通説になっておりますから、私は、五十六年度が悪くとも五十七年度がそれと同じく悪いというようには思っておりません。また、それだけの手当てもことしはしていくつもりでございます。したがって、五十六年度直ちに五十七年度ということにはならぬわけです。ならぬけれども、そう極端によくなるというようにも考えられない。確定的なことはだれもわからぬわけですからね。一応見通しの上に立ってみんな物を考えているわけです。 ですから、まず五十六年度については、もし仮にそれだけの歳入不足があれば、法律で決まった手続によって五十六年度は決着をつけます、これははっきりしているわけですね。もう補正予算はできませんから。五十七年度ということになりますと、仮に決算調整資金あるいは国債整理基金というようなものからお借りをするということになれば、国債整理基金などは五十八年度予算で返さなければならぬということになります。あるいは五十七年中に返すのかという話もあるでしょう。ですから、そういうようなもの等については、もう国会が終わり次第われわれは直ちにそういう勉強をして作業を始めなければならぬ、こう思っておるわけです。しかし、連日こういうふうに政府委員も国会に張りつけというようなことで、うちの中でまずそういうようなことについての勉強会を開く暇がない。したがって、五十八年度の予算編成をどうするかということについては、いまの段階では申し上げたくてもこれはまた申し上げられないというのが真相でございます。
○和田(耕)委員 私ども全く素人が考えて、いまの五十六年度の状態がややはっきりしてきた、五十七年度の問題も同じような問題が出てきそうだ、そこで五十八年度の予算をもう六月ごろから考えていかなければならぬという場合に、いままで大臣が言われている中でかなりはっきりしていることは、いままでのゼロシーリングを行政改革的なものを背景にしてマイナスシーリングに持っていかなければならぬじゃないかということですね。それははっきりしているわけですけれども、もう一つはっきりしているのは、しかし、それをやっても予算の足しには余り役には立たないということも、いままで大臣は何回か話しておられるわけです。 そうなりますと、結局考えられるのは、赤字国債に頼らざるを得ないかあるいは増税かということになりますね。もうつじつまを合わせるいろんなためたお金も五十六、七でなくなりますから。そのいずれかを選ばなければならないということ、五十八年度の予算の編成の場合に、これは単なるあれではなくて、どうもそういう問題を選択しなければしようがない。 もう一つは、それと関連して、私どもも、いままで減税ということをかなりやかましく言ってきたのですけれども、二兆円の問題で何か減税ということが、いま影がすっかり薄くなってしまった。しかし減税という問題を、不公正税制ということがあるので、これはぜひとも避けることはできない問題も一つ出てくるわけですね。 大蔵大臣、減税の問題についてこの段階でどういうようにお考えになりますか。
○渡辺国務大臣 大蔵大臣といたしましては、そういうように歳入不足を生ずるということになれば、その方の手当てが最優先、それ以外のことはとても、私自身ですよ、大蔵大臣としては考えられない。しかしながら、衆議院の大蔵委員会で、いろいろ中長期にわたって税のあり方も含め減税問題小委員会もこしらえてそこで御勉強くださるということですから、客観的事実は一つしかないので、大体皆客観的事実、真実をつかむようになるんじゃないかというように私は思っております。
○和田(耕)委員 きょうあたりの新聞でも、その問題と関連させて、たとえばグリーンカードの問題で大蔵省の首脳という言葉が出ておりますが、どなたかはっきりわかりませんが、グリーンカードの問題について検討をすることも必要かもわからぬ。その場合に税制の、つまり高額所得者に対する問題だけでなくて、課税の最低限の見直しをするとかいろいろな問題があるのでという気持ちを大蔵省の首脳が持っておられる。そのときに、大型の消費税というんですか、直間比率の是正というんですか、そういう問題も当然考えるというふうに、減税の問題とそれから増税の問題とを含めてグリーンカードの問題も関連して考えることが必要だというようなことを大蔵省の首脳が言っておるということですが、大臣が首脳かどうかはよくわかりませんが、そういう動きはあるのですか。
○渡辺国務大臣 だれが首脳であるか私もよくわからないのです。それは新聞社の方が首脳と書いたわけですからね。しかし、書いてあることについては、私の持論に近いようなことが書いてあるのも大体間違いのないところだと私は思います。 問題は、この税の問題、特にグリーンカードについて技術論みたいな話ばかりが優先をしておって、もともとグリーンカードというのは手段なんですね。問題は、総合課税にするのかしないのかという話ですから、もし総合課税にするとすれば、それはやり方はいろいろあると思いますが、一つは非課税貯蓄というものがあって、非課税貯蓄というのは全然税金がかからぬわけですから、これを無制限にされたのでは分離課税より悪いことになるわけですよ。分離課税なら幾らかでも取れるわけですから。非課税貯蓄だったら全然取れないわけです。だから、この非課税貯蓄というものは当然払うべき税金を払わないのだから、この限度管理だけはきちっとしてもらわぬと困る、そのためには限度管理の手段方法として何があるかということで、グリーンカードというものが編み出されてきたわけなんです。 しかし、本質的に総合課税ということになれば、これはみんな総合課税にするのですから、分離課税として抜かす分野はないのですから、非課税は非課税として限度管理で一定のものは認めるが、それ以上のものは利子配当について総合課税にする。そういうときには、世間じゅう総合課税の国はこんな極端な超高率累進税の国は非常に少ない、したがって先進の西欧諸国のように税率構造をなだらかにすべきではないかということを言ったわけであります。 したがって、それが全体として減税になるというふうに考えるのが普通でしょう。そうすれば、当然にそれに対する身がわり財源というものをどうするのかという問題も考えなければ、これはできません。まさか赤字国債を発行して税率緩和やっちゃうというわけにいきませんから、だから、そういうものもあわせて考えたらいいし、将来の問題としては、直接税中心主義といっても、直接税だけで国を支えるといっても、一方には所得税の減税をやれという強い要求のあることも事実なんだ。しかしながら、それで支えなければ支えられないということになれば減税のしようがないじゃないですか。 したがって、片側にだけ偏ってしまうというやり方は、アメリカを除いてはほかの国でもとってないのだから、イギリスでもフランスでもドイツでも、どこの国でも直間の比率というのは四分六とか五割前後ですから、そういうようなものも横目で見ながら、日本でも昭和二十五年から四十年ごろまでは間接税のシェアが大体四五とか四〇%あったわけですから、苛斂誅求とか大衆搾取とかとだれも言ってないのですから、だから、そういうようなことで一つの偏った税目だけでお国を支えるのではなくて、バランスのとれた形で支えるというようなことも当然に考えていいんじゃないかという意見を言ったわけであります。首脳はだれかはわかりません。
○和田(耕)委員 いまの状態はますます困難になっておるし、見通しをなかなかつけられない、また物を言えないという状態が重なりつつあると思うのですが、ただはっきりしていることは、いろいろ理屈を言いながらも実際上の増税、何かの形の増税をしないとつじつまは合わなくなるのじゃないかということ、こういうことが重なってきているみたいな感じがするのですが、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 増税といっても、いわゆる税金をたくさん額でいただくというのも増税だとすれば、自然増収も増税のうちですね。それから、税目の税率を変更するとかあるいは新しい税目を設けるというのも増税のうちだと思うのです。われわれは、現在の所得税がふえているということは増税だと思っておりませんが、減税をしようという人からすれば実質増税、国会や何かでもこう言っているわけですから、やはり増税というふうに見ているのでしょうな。 したがって、国債というものはなぜ発行されたか。それは、必要な歳出があってともかく税収では足りないというために臨時措置として発行した。それによって歳出は維持され、それによって社会保障や文教やベースアップやみんなうまくいってきた。しかしながら、それは要するに、ある意味では税金の先食いみたいなものですね。これはどなたかからも質問がありましたが、確かに見方によっては税金の先食いなんです。したがって先食いしたものは、自然増収、つまりそれは実質増税と言うのかもしらぬよ、それで払われるか新しい税目で取ったもので払われるか、いずれにしても最終的には国民に払っていただかなければならないものであります。 だから、そういう意味では、増税というのをいまの所得税が実質増税だというような考えに立てば増税で払われるということもあるかもしれない。しかし、いずれにしても最終は税金で払うのです。ですから、それは国有財産の売り払いとかなんとかはあるでしょう、税外収入、多少のものは。しかし、そんなものは小さな話で、大きなものは税収、租税収入。ですから、私としては、どういうふうにしていくか。極力歳出を抑えて、これからも税金の先取りはなるべくやらないようにしたいということが一つですよ。それから、できることならば景気をよくして自然増収をふやして、それはもう実質増税と言われようと何と言われようと、そういう中から払っていくかしなければならぬ問題である。 しかしながら、景気をよくするといっても、名目所得だけを上げては、名目的なGNPだけふやすというのでは、実質的に国民にプラスにはならない。税金は確かに名目に課税しますから、物価なんか狂乱物価のようにばあっと上がると、一時的には税収はどんと入ります。しかし、それによって国民が楽になったとはなかなか言えないというふうに私は考えておるので、先ほどもお話があったけれども、税収不足になって、物価がうんと予想外に鎮静化してしまった、物価が鎮静化して国民がうんと不幸になったというようにも言えない。ですから、そういうものの兼ね合いの中でどういうふうにしていくかということは、今後の課題としてやっていかなければなりません。 いずれにしても、われわれは、余り物価上昇にならないような形、多少の値上がりは拡大再生産の中では仕方ないですよ、しかしながら急激な物価値上がりというようなものは抑えながら経済の発展を図って、そして財政の健全化もやっていきたい、そう考えております。
○和田(耕)委員 時間がなくなりました。 最後に、河本長官はまだ自信満々で、景気刺激の政策をとっていけば自然増収は五兆円でも六兆円でも期待できるという演説を、きのう生産性本部の主催する社会経済国民会議で講演なすったようですけれども、河本さんの言われる考え方と渡辺さんの言われる考え方とは、かなり対立した考え方だというふうに世間では見ているわけですが、大蔵大臣としては、河本さんのそのような考え方は現実的でないというふうに思いますか、あるいはなかなかりっぱな考えだというふうにお考えになるか、どちらでしょう。これでもう質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 それは中身をちょっと聞いてないからわからぬのですが、六兆円も七兆円も自然増収がどんと入るのなら、私は早速すぐにでも実行したいと思っているのですが、どういうような方法か聞いていないからわかりません。大臣の直弟子がおりますから、直弟子の方から答弁をしてもらいます。
○海野説明員 直弟子と言われますのも大変あれですが、今後の経済動向は、かなり生き物でありますのではっきりしたことは申し上げられませんが、われわれとしては、少なくとも経済見通しで目標としているものを実現すれば相当程度の成果が上がる、こういうふうに見ております。 問題はその手段でございますけれども、その手段につきましてはいろいろなものがあると思います。金融、財政、いろいろな各面からの手段があるかと思いますけれども、特に財政政策につきましては、すでに本予算を通していただいたわけでございますが、本予算を審議する通常国会の中で、臨時国会で審議しなければいけないような議論をいまするのはおかしい。むしろ与えられた手段を最も効果的に使うことによって、当面できるだけ経済の拡大を図っていく。現実の経済動向は、再々ここでお話して御説明しておりますように、予定よりもかなり厳しい状況にあることは事実でありますけれども、そういう与えられた手段の範囲内でできるだけのことをして、所期の目的を達成するよう努力する、そして経済の動向を見た上で、大蔵大臣もここで御答弁されておりますように、そのときどきの状況によって、機動的に今後対処していくというふうな気持ちでおるわけでございます。
○和田(耕)委員 いずれにしましても、もう公共事業費の大幅な前倒しを決定されたわけですから、この下期の手当てという問題がすぐ出てまいると思います。これは建設国債になると思うのですが、その規模の問題も問題になってくる、こういうことですから、この景気の刺激の問題も非常に大事だと私は思うのです。といって、これはやり方によれば財政再建ともろに矛盾してくるような面も出てくるわけでもあります。 これは、大蔵大臣と企画庁長官がそれぞれかなり勝手だと言ったらあれですけれども、いろいろなニュアンスにとれるようなことを言っていると国民が惑うので、ひとつ内閣としてどういう方針ということをかなり明確にしていく必要があると思うのですね。特にサミットの前、外国も見ているわけですから、貿易摩擦の問題もあるわけですから、ひとつ連休に入る前には、国民が惑わないように、政府のこの問題についての方針をはっきりさせていく必要があると思うのです。ぜひともこれはお願いをしたいと思います。 終わります。
○森委員長 簑輪幸代君。
○簑輪委員 私の持ち時間は二十五分しかありませんので、歳入欠陥の問題や赤字公債の増発問題、そのほか軍事費がGNP一%を超えるのではないかというような問題など、非常に重要な問題がいろいろあるわけですけれども、きょうは特に労働者の昇格昇級問題、特にその中でも男女差別の問題あるいは組合差別の問題について、大蔵省当局の見解を伺いたいというふうに思います。きょうは、ごらんのとおり大変たくさんの婦人労働者の方が傍聴に来ておられまして真剣にこの質疑を見詰めておられますので、誠意のある御回答をいただきたいというふうに思っております。 御存じのとおり、婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約というのを批准しようということで、政府としても御努力いただいているわけでございますが、大蔵大臣にお伺いいたします。 婦人の差別撤廃という問題は特別の配慮を払っていただかなければなりませんが、特にあらゆる職場、地域、農村の風習に至るまで、差別行為は慣習、慣行も含めて排除するという条約でございますから、その先頭を切って、特に公務員の職場ではまずこういうことが全くないように完全に是正をしていただかなければならないというふうに思っておりますけれども、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 同趣旨でございまして、できるだけそういうような趣旨でやらせていただきたいと考えます。
○簑輪委員 大臣もそういう趣旨でやらせていただきたいと御答弁いただきましたので、これからはその趣旨で御見解を承っていきたいと思います。 国税庁では、従来女性に門戸を開いていなかった大学卒国税専門官というのを二年ほど前から採用されることになりましたし、また私が、一昨年税制小委員会において、ぜひ初級税務職にも婦人に門戸を開くべきだということで強く求めまして、やっとことし初めて高卒女性の採用が行われるということになったわけです。百八十三名の女性の税務職員が採用されたというふうに伺っておりますけれども、これは、これまで二十年代、三十年代通して、ずっとがんばってこられた現場の婦人の労働者の実績が高く評価されたというふうに私は思うわけですね。 それで、この採用結果で見てみますと、税大入校式の折に小松税大東京研修所長は、予想以上に優秀な女性が集まった、税の仕事は国の財政を支える重要な仕事なので、高度の専門知識と豊かな人間性が要求される、しっかり教育したい、こういうふうにおっしゃったそうですけれども、優秀な女性が集まったと言われる割りには採用率がちょっと低いようにも思うんですね。 〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕 統計の数字は省略いたしまして、女性の成績が特に悪かったというようなことはございましたでしょうか。
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、本年から税大の普通科生の募集に当たりまして、女性もその受験をしていただいたわけでございます。 この試験と申しますのは、一次試験の筆記試験と、これは作文を含みますが、二次試験の面接、こういうものによって総合して判定するわけでございます。筆記試験につきまして、女性の成績が特に悪かったということは聞いていないところでございます。 ただ、先生も御承知のように、税の職場と申しますのは、何と申しましても、調査とか検査あるいは滞納処分といったような仕事が中心でございまして、なかなか気苦労も多うございますし、また、肉体的にもきつい職場でございます。さらに転居を伴います転勤が、仕事の性格上非常に頻繁に行われる、こういったような事情にあるわけでございまして、その辺のところを十分切り抜けて、長い期間税の職場で活躍していただける、こういった人材を求めるのが普通科生募集の趣旨でございますので、そういう点におきまして、結果的には男性の応募者の方が相対的に多数入所された、こういう結果になったのであろうというふうに理解しております。
○簑輪委員 成績が悪かったということはない、というよりも、むしろ女性の方が成績がよかったというふうに私は承っておるわけなんですね。ところが、いまおっしゃったような別の配慮でもって、結果としては女性の採用人員が少ないというふうになっているようにもうかがえます。これは非常に問題だと思います。 まず一つは、税の重要性の問題の中で、特に調査、検査、滞納処分の職務、こういうようなものが重要であって、内部事務とか管理部門とか、そういうものは余り重要でないかのような認識をされているとすれば、これは本末転倒もはなはだしいと思います。国税の大部分を支えているのは、こうした申告納税に基づく納税ですね。これが大部分を占めているということは、もう常識に属することですね。そうした点からいいまして、こうした配慮の仕方というのは問題であると私は思います。その点についての御見解を伺いますが、いかがでしょうか。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 先ほど私、税の職場におきましては、外部における調査、検査、さらには滞納処分といったような仕事が中心でございますということを申し上げましたが、それは、そういう仕事が重要であって、内部事務等が重要でないといったような意味はいささかもございません。ただ、事務量等から申しまして、仕事の性格からして、どうしても相対的にそういった事務が税の職場における事務の中で多数を占めておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
○簑輪委員 そういった仕事が多数を占めているというのはちょっと理解しがたいのですけれども、中心的であるというふうな言葉も問題だろうと思うんですね。この辺についての認識というのが非常に重要であって、特に債権管理とかあるいはまた税収見積もりとか、国会がいろいろ要求する資料なんかを整えるに当たっても、婦人が残業などをしながらずいぶん奮闘することによって支えている部分というのは大きいわけです。その点で考えてみまして、私は、ぜひそのような認識は改めていただかないと、税の円滑な執行が進まないというふうに思います。 特に、これから婦人職員の昇格問題について伺いますけれども、二十九年以前に採用されて勤続三十年にもなる婦人の三等級昇格状況というのが、お手元に差し上げております資料でも明らかになっておりますけれども、東京、関東信越、名古屋局で見ると、東京は九二・六%、関信八五・八%、名古屋八一・九%で、いまだ三等級にもなっていない人が七十五人も残っているという状況です。一方、男性の方は、人事院規則による欠格条項該当者以外、三等級になっていない人は一人もいない。そればかりか、特三等級以上になっている人が八〇%にもなっている。三十年代以降採用の婦人の場合も同様で、東京、名古屋、大阪、関信局で見ると、婦人職員の三等級昇格率は、三十六年までで五六%、男性の場合は一〇〇%三等級以上になっている。 こういう具体的な事実、数字で見ましても、明らかに婦人が差別されているというふうに見ざるを得ません。ですから、このような不当な処遇はぜひ正していただかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 職員の昇格につきましては、法令の定めているところに従いまして、等級別定数の範囲内で職務の内容、経験年数、勤務成績等を勘案いたしまして、適正に実施いたしております。お尋ねの女子職員の三等級昇格につきましても、同様に適正な運用を図っております。 ただ、三等級ということになりますと、これはかなり上位の等級でございまして、人事院規則の等級別標準職務表というのがございますが、これによりますと、三等級の職務としては「税務署の相当困難な業務を所掌する課の長又は特に困難な業務を処理する国税徴収官若しくは国税調査官の職務」というふうに規定されておるところでございます。私どもの内部では、このような専門官のことを上席専門官、こういうふうに呼んでおるわけでございます。 そこで、国税庁におきましては、女子職員につきまして、たとえば総務部門から賦課徴収部門への異動等の措置をとることも含めまして、あるいは管理等の内部事務に従事しておられる職員の方もそのまま上席調査官になれるというような運用を種々工夫いたしまして、女子職員の上席調査官への登用の機会を拡大するように逐年配慮してまいっておるところでございます。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕 現在、女子の上席調査官はたしか全国で千二百名を超えておると思いますが、これは六年前の数字の六倍以上の数字になっておるというふうに理解しております。なお、今後とも有能な女子職員につきましては、大いにその能力を発揮していただくことを期待いたしますとともに、その処遇につきましても適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○簑輪委員 一昨年の答弁とほとんど同じようなことなんですけれども、私は、やはり問題は、具体的に数字を挙げてお示ししましたように、だれが見ても明らかな差別の状況が厳然とあらわれていると思うんですね。そういう事実を正していくということを早急にやっていただかないと、形式的に、初級税務職の窓口ができた、国税専門官の窓口ができた、入り口のところはつくっていただいたとしても、すでに採用されて働いてきたその人たちが助かる道がなかなかないということになってしまうわけなんですね。ですから、これはもう超特急で改善をしていただかないと、とうていこれまでの国税を支えてきた婦人の皆さん方の納得するところではないわけです。 それで、実際に仕事は、上席専門官であろうともなかろうとも、同じ仕事をやっているという例がずっとあるわけでして、むしろ女性の方が長い間そこで働いてベテランになっておりますから、新入の男性職員を指導して、責任を任されて、それでまじめですから誠心誠意働いて、そして十年もしないうちに、指導した男性の方がとっとことっとこ先に上席になっていってしまう。それを見ている婦人の気持ちにもなってみてくださいよ。そんなばかな話が許されるということであれば、まじめに働く者は一体どうなるかということになってしまう。 そこで、具体的に申しますが、関信局大宮署に勤務する生沢さんという方と輪倉さんという方は、三十五年に採用され勤続二十二年のベテラン職員で、長官表彰ということですけれども、いまだに四等級のまま。同期の男性はすべて三等級以上。それから、沖縄国税事務所の黒島さんも、同様に三十四年も経験年数を持つベテランでありながら四等級。名古屋局に至ってはもうひどいということで、二十年代に採用の婦人四十三名がいまだに四等級のままで、男性は三十五年採用まで一〇〇%昇格している。ひどいところでは二十年くらいの格差があるのだということなのですね。 こういうことで、現場からの手紙が私のところにずいぶんたくさん来ているわけです。ひとつ読ませていただきます。 私は、法人源泉部門で仕事していますが、内部事務なので、毎年、若い青年職員が他部門から転課か、新入職員として配属させられます。そこで、指導し、まとめていくのが私なのですが、一年たつとその職員は、調査班に出ていってしまい、そのくりかえしです。調査重点主義で内部事務を軽視している状況です。 縁の下の土台がしっかりしていなくては、調査は出来ないはずです。二十二年間、内部事務一筋に全力で頑張ってきました。同年採用の男性は、全員三等級へ昇格しています。同じ法人部門で働いていて、私より後輩の男性が、上席となっていると、何か仕事の意欲を失わさせられます。本俸のみで単純に計算してみました。一年間で二十六万の差です。四年五年と差をつけられ、もうこれ以上、だまってはいられません。 それから、名古屋の岡崎税務署では 福井富久子さんの場合昭和二十二年採用です。同年採用の男性は三等級二十号俸以上ですが、福井さんは四等級十四号俸にすえおかれ、そのため年間で一、三〇五、〇〇〇円もの差になっています。昇格の差は十七年もの開きがあり、婦人であるがためのこんな歴然とした婦人差別は許すことが出来ません。ぜひ国会の場でも取り上げていただき、差別の是正に御尽力いただくようお願いします。 という手紙をいただいております。 能力をぜひ発揮していただいてと言うけれども、これまでもずいぶん発揮し続けてきているわけなのですね。それを認めていられないということは、いままで無能であったというふうなことをおっしゃるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○小山(昭)政府委員 国税内部に多数の女子の職員の方たちがおられまして、いずれも非常に熱心に仕事をされておるということを私は信じております。その女子職員が概して有能でないというようなことを一音も申し上げたつもりはございません。 そのような認識に立ちまして、先ほど申し上げましたように、女子職員ができるだけ上位の等級に昇格できるように、国税庁としては鋭意努力を払ってきたわけでございますが、これは任用が絡む問題でございまして、等級別定数のほかに、職務の内容が上位の等級になると必要になってまいりますので、任用面における配慮を含めまして今日まで努力してきた、こういうことでございます。
○簑輪委員 今日まで努力してきた弁解ではなくて、今後努力をする、一層の、超特急の努力をするということを御確約いただきたいと思うのです。その辺はいかがでしょうか。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 等級別定数及び職務の内容との関連がございますが、その許す範囲内におきまして、今後とも引き続き善処してまいりたい、このように考えております。
○簑輪委員 善処してまいりたいというお答えをいただきましたが、さらに、全国税の組合員である婦人職員の昇級というのは非常に少ないわけですね。東京、関信、名古屋、大阪局の場合、三十三年採用の婦人職員のうち、全国税に入ってない婦人は七〇・四%昇級しているのですが、組合員は四〇%。三十六年では、全国税でない者は、同じ婦人でありながら二六・一%。組合員婦人の三等級は一人もいない。また、沖縄国税事務所で見ると、二十五年から四十四年までの採用者のうち、男女ともに三等級は一人もいない。組合員でない者あるいは第二組合の者は一〇〇%三等級になっている。 こういう事実を見ても、女性差別の上に組合差別が重なって歴然とした結果を示しているわけです。組合員の婦人というのはいわゆるダブル差別、二重の差別ということで最低位に置かれている。ランクで言うならば、組合員でない男性が一番上のランク、二番目に組合員である男性がきて、その次に組合員でない婦人がきて、最後に組合員である婦人だ、こういうふうに常識的に言われているわけですね。そうなりますと踏んだりけったりで、こういう状況を正していくためにも特段の配慮をお題いしたい。重ねて要求をしたいと思います。一言だけで結構ですので、もう一遍お答えをいただきたい。
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。 国税庁におきましては、職員を管理するに当たりまして、いずれかの組合に属しているか、あるいはいずれの組合にも属していないかといったようなことによって管理いたしておりません。したがって、処遇面、任用面におきましてもそのような差別はいたしておりません。
○簑輪委員 差別いたしておりますという答弁はできないとは思いますけれども、やはり現実に数字が示しておりますので、その辺は、私ども今後も是正を求めてまいりたいと思っております。 次に、税関の職員についてですけれども、国税と同じように税関の婦人労働者も必死になって働き、特に貿易摩擦を受けまして最近は注目されている職場でもございますけれども、非常に差別があるという訴えを受けました。私は、いろいろな税関も見せていただきましたけれども、特に東京税関の東航貨物出張所という職場を実際に見せていただいてまいりましたので、そのことを一層強く感じてきました。 東航の場合、五十六年の輸出許可件数の九一%、百五万九千三百六十九件を扱っているわけですけれども、輸出担当の部門で働く職員は三十八人、ですから一日平均一人八十件ほどチェックをするということになっているわけです。責任あるチェックを行うには一日二十件が限度ではないかというふうに言われておりまして、そうなりますと、事実上めくら判を押すという感じになっていると聞いております。 一方、輸入の方もいろいろとチェックすることが多く、注目される問題もいろいろありますので大変なんですけれども、人員が不足していて、たとえば安全性を確認しなければならない、いろいろな化学方程式なりカメノコの何かが書かれていて、これはシアンがあるからということで確認をしなければならないということがあっても、次から次へと来るから十分なチェックもせずに、まあまあとにかく通せというような指導もされているというふうにも聞いております。 こういう重要な問題がいろいろあるわけですけれども、職場の実態そのものは、男性も女性も同じ仕事をしているのですね。来る書類をその部門の責任者が受け取って順番に回していく。ですから、女の人だから特別仕事が多く回されるとか、あるいは女の人だから特別仕事を少なくしてもらうとか、そういうような配慮というのは一切なく、仕事の上では同等に扱っていただいているわけですね。それは結構だと思うのです。だけれども、同じ仕事をしている婦人と男性とが異なる扱いを受けて、昇級、昇格で差別が行われている。ここに重大な問題があるわけです。 二十六年に入関された佐々木さんという方はもう三十年勤続のベテラン職員ですが、いまだに五等級。男性はみんな四等級以上になっているわけです。同様に、二十四年入関の西山徳子さんという方も五等級。お二人とも超ベテランで、いわば職場の生き字引というふうに言われておりまして、業者の方々も、統括官や所長に聞いてもわからないけれども、この方に聞けばわかる、だから休まないでくれというような話になっている状態なんですね。統括官の人に休んでもらっていいと言うわけじゃないのですけれども。そういう重要な役割りで責任もある。通関業者の相談まで具体的に受けているというような、実力のある、信頼の厚い人たちになっています。三十年以上も勤務していてこういう実態なんですけれども、四等級に昇格できないのは不思議だとみんなが言っているわけで、一体どういう根拠でこうなるのかなというふうに、私もとうてい納得できないわけです。 横浜税関の三十六年の入関職員の特別昇給というのは、通例特昇というのは七年に一度というふうに言われているそうですけれども、多い人は四回も特昇がある。だけれども、婦人の場合は全くないか一回くらいしかないというような実態もあるわけですね。 こういうことで、税関の職場における婦人差別、女性差別というものを、厳然とした実態がある中でぜひこれも改善していただかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
○垣水政府委員 先ほど国税庁の方から御答弁申し上げましたように、私どもも、同じように男女の差別ということを一切考えておりません。 ただ、従来税関の職場は、御承知のように、監視部門というのが夜勤、あるいは先般不幸にして事故を起こしたりいたしましたが、かなり女性向きでないというような仕事があったりいたしまして、そういうことで若干仕事の配分といいますか、それが違っていたわけでございますが、まさに先生見ていただきましたように、最近特に通関部門等には女子を配置して、できるだけ女子の仕事の分野も広げ、そのことによって女子の能力を発揮して、昇給昇格にも差別が結果的にも生じないようにということを努力しているつもりでございます。 ただいまの御指摘、たとえば二十六年採用のがというお話がございましたのですが、これは男子の中にも、必ずしもまだ上までいけていない者等いろいろございまして、男子が全部なっているのに女子がということは、各、古い年次を見ますと、もう少し上げてやりたいといいましても、先ほど小山次長も申し上げましたように、定数枠等の関係でむずかしい面もございますが、先生のおっしゃったような能力のある者については、できるだけ配慮をしてまいりたいと思います。
○簑輪委員 能力のある者については配慮していきたいという御答弁ですけれども、能力を発揮できない状態に置かれている場合には、それを改善するための特別の研修とか、あるいはまた仕事の面での配慮というのが当然されないで、スタートラインを同じにしないでハンディをつけていながら、あなたは能力がないと言われても困るわけですから、そこら辺もぜひ踏まえて、今後ぜひ男女差別をなくすための一層の是正をお願いしたいと思います。 そこで、大蔵大臣、お願いします。 いままで、国税庁と税関の職員の男女差別の問題で是正をお願いしてまいりましたけれども、その中で、私は数々の実態を申し上げました。婦人が本当に国家公務員として誇りを持ち、責任を持って、意欲を持って働いていくということで、ますますその能力が発揮できるように、その面での大臣の指導もいただきたいと思っておりますが、御答弁をお願いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 女性であっても有能な人はどんどん昇給させ、男性といえども働かない者は昇給させない、そういうことで、それは、私は、いい人はどんどん登用してやっていくことがいいと思いますから、そういう精神は下に伝えておきます。
○簑輪委員 その方向はお示しいただきましたけれども、ただいま私が数々申し上げました実態についての御感想はいかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 実態についてのお話もいろいろあったわけでございますが、なぜそういうようになってきたのか、いろいろいきさつもあろうかと存じますが、よく御意思を体しまして、そういう御批判のないように努めさしてまいります。
○簑輪委員 ぜひそのようにお願いいたします。 終わります。
○森委員長 小杉隆君。
○小杉委員 グリーンカードの廃止ということについて、署名がいま自民党内で着々と進んでいるようですが、大臣、この制度の廃止を求める署名がどのくらいになっているか、それから、きのうの対策議員連盟に出席した数は何人ぐらいか、御存じでしょうか。
○渡辺国務大臣 わかりません。
○小杉委員 ずいぶん無責任な答弁ですけれども、やはり与党の自民党の中でグリーンカードの反対の署名が三百十四人にも達している。そして昨日の総会での出席者数は百六十四人と、こういう数くらいは大臣は大体つかんでいなければいかぬと思うのですが、何か非常に取り組みが甘いように思うのですが、きのうの総会に政調副会長の木野晴夫代議士が参加して意見を述べていたようですが、これは党の政調の意見と受け取っていいでしょうか。
○渡辺国務大臣 さあ、それは私は聞いておりませんから、政調会長代理で言ったんだか、何か言ったんでしょう。しかし、署名が集まったからといって、それは、この前郵便貯金と銀行との問題のときも、両方に署名が集まりまして、足してみたら議員の数よりはるかに多い、後援会の名簿みたいなものでございますから、私は余り気にしていません。
○小杉委員 報道によると、大蔵省首脳も、グリーンカードの延期はやむなし、あるいはグリーンカードの延期に柔軟というようなニュアンスのことが出ておりますけれども、どうでしょう。
○渡辺国務大臣 きょうの新聞を見ればわかるように、あの首脳が話したことについて、ニュアンスが違うんですよね。そういうあなたのような指摘のところもあるし、そうでないところもありますから、それはとった人の受け取り方だろうと思います。 したがって、延期やむなしと言ったことも、私は延期やむなしと言っておりませんよ、別な首脳は知りませんが。私としては、やはり総合課税という問題、そういう問題での議論が少し足らないんじゃないかと、だから、技術論でなくてそういう本質論を、まだ時間があるんですから、延期とかどうとかいう前に、もっと突っ込んでやる必要があるということを言いました。
○小杉委員 本質的な議論というのは、具体的にはどういうことが必要だと考えているのでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは、なぜグリーンカードというものがつくられるようになったのかという本質論、つまり、これは総合課税に移行する、その手段としてグリーンカードを使うということですから、要するに、限度管理特に非課税貯蓄の限度管理ということでございますので、その現象面だけでなくて、総合課税になぜ移行するのか、移行するとすればどういうふうなことが必要なのかというふうな、周辺整備とか、そういう問題をもう少し話をしたらいいじゃないか、そういうところのなにが欠けておるためにいろいろな議論があったり、また理解がよくされてないために誤解があったりするんだから、そういうようなところをもっと突き詰めたらいいじゃないかということを申し上げたのです。
○小杉委員 大蔵大臣が言うその環境整備とか周辺整備というのは、具体的にはどういうことですか。
○渡辺国務大臣 それは、前々からもう何回も私言っておるのですが、たとえば総合課税制度を導入して資産合算というようないまの制度を置いていいのか、それから総合課税にしていまのような税率構造でいいのか、そういうようなことなどであります。
○小杉委員 それじゃ具体的に聞いていきますけれども、かねがね大蔵大臣が言われているのは、高額所得者の累進税率が高過ぎるから、いまの七五%を五五%にしろということですね、これが一つのこと。あるいは、五年間据え置かれている給与所得者の課税最低限現在二百一万五千円を引き上げるということ、あるいは相続税の緩和ということ、そういうことを具体的に指していると考えていいですか。
○渡辺国務大臣 一度にできるかどうかわかりませんが、やはり時代が変わっておりますから、一千万以上が高額所得者だという時代でもないだろうというようなことや、贈与税、相続税の問題等についても、妻に対する贈与というのはいまのままでいいのか、相続のときは二分の一課税だったら無税とかなっておりますが、それから課税ベース二億五千万円以上七〇%、五億以上が七五%というような相続税の税率というものはいまの時代に一体合うのか、中小企業者がいろんな相続税や減税問題で騒いで、騒ぐと言ってはしかられますが、陳情を盛んにやっているのも、やはり土地や工場を持っておれば時価に評価すればこれはかなりの金額になります。 しかしながら、そういうような表にあらわれたものはつかまるけれども、金融資産みたいなものは、私は、一〇〇%つかんでいるかどうか非常に疑問だと思うのです。それもしかし七五%も取っちまうとなっては、それはやはり逃げる方の足も速いんじゃないか。税務署に職員を幾らふやしても、やはりたえがたいというような税率では完全捕捉は非常にむずかしい。税金というものは払える程度、そういうところで、昔から悪代官だってそんなに八割も九割も取らないわけですから。 ですから、私は、そういう点は、少なくとも全部洗いざらいに出すという以上は、やはり納められる限界というものもおのずから先進諸国で例があるわけだから、そういう例も、総合課税にするならば先進諸国並みにすべきでないか、そういうことの議論をしたらいいでしょうという話なんです。
○小杉委員 私が挙げた例のうち、課税最低限の引き上げには全然触れなかったのですが、グリーンカードにあわせてこういう問題の本格論議、これはもちろん当委員会でも小委員会でこれからやるわけですけれども、そういうことも含めて考えるべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。 それから、もし累進税率の七五%を五五%にした場合に、これは事務当局でいいのですが、どのぐらい財源が必要になるのか。
○渡辺国務大臣 いま私の言ったようなことは、小委員会で全部やったっていいのですよ、これは。私は、これからスタートをしまして、すぐもう一カ月や二カ月で結論出ないと思いますから、専門家同士が集まって、そういう問題について本格的な議論を各党の中で本音ベースで大いにやってもらうことが大変いい。そういう中に、減税の財源をどうするかというような問題も含めて、私は、課税最低限の問題も全部御検討いただきたいとむしろ思っております。
○福田(幸)政府委員 七五を五五にしますと約千億の減収でございます。
○小杉委員 私が試算をした資料をいまお配りしたのですが、たとえば、かねがね大臣が言っている直接税、間接税の比率を見直すということですね。仮に昭和五十七年度予算で見ますと、現状は三十八兆余の税収のうち直接税が二十七兆余、七二・四%、そして間接税が十兆余、二七・六%ということであります。 私はいろんな試算をしてみたのですけれども、できるだけ現実に近い試算ということで、あるいは大臣の言っておられる六対四とした場合の試算を一つやってみました。そうしますと、現在よりも、真ん中に書いてありますが、約五兆円近い四兆七千三百八十億円直接税を減税をし、間接税にこれを持っていけば、これはトータルとしては変わらない、増税にならないわけですが、そうしますと、こういう移動で六対四になるという試算であります。 それから、試算のIIというのは、いきなり大幅な減税とか増税ということは、これはなかなか国民の理解も得にくいということで、たとえば三兆円程度の所得税減税をして課税最低限なりいまのいろいろ周辺整備の手当てをした場合を考えますと、直接税と間接税の比率が六四・六対三五・四%、こういうぐあいになるわけです。これはいまの七二・四対二七・六よりは改善をされるわけですし、いきなり大蔵大臣の言っている六、四にはなりませんけれども、こういうふうな試算ができるわけですね。 こういう試算について、私は、グリーンカードを反対している方々の中にやはり税制に対する理解を求める意味でも、また国民の協力を得るためにも、こうした単に高額所得者だけの手直しではなくて、直間比率を変更することによって、五年間据え置かれている課税最低限の引き上げというようなことで、同時にこれをやるというような腹を決めたら、もう少し国民も理解ができるんじゃないかと思うのですが、大臣の感想を聞かしていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も、いきなり四分六にしようなんということは言ってないのです。まあ中長期的に見てそこらがいいんじゃないかということですから、一段階、二段階あっても差し支えないことでありまして、そういう意味では、あなたのこの御試算もいい参考になる、そう思っております。大いにひとつ御議論を賜りたいと存じます。
○小杉委員 時間も来ましたので、この議論はまた小委員会等でもやりたいと思いますので、きょうはこの程度で終わります。
○森委員長 次回は、来る二十一日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十八分散会