大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/03/10
会議録
○森委員長 これより会議を開きます。 国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 大臣は、きのう衆議院で予算が成立をして、まことに御苦労さまでございました。それで本論に入る前に、ちょっと大蔵委員会のことではないのでありますけれども、簡単なことですので、大臣にお伺いをし、お願いをしておきたいと思うのであります。 この半月間、テレビで中国の残留孤児の日本の親を探す運動、私自身、その孤児という言葉にちょっと抵抗があるのですけれども、それは別といたしましても、連日報道され、うまく見つかった組もあれば、あるいは残念ながら見つからないで帰られた方もいらっしゃる。私は、日中国交回復して十周年という中で、なぜもっと早くできなかったんだろうかということを思いますし、また、ちょうど置き去りにされたのが三つか四つぐらいの方、あるいは戦後お生まれになった方もいらっしゃる。大体いまその方々は私と同じぐらいの年になっているわけですね。私の子供もちょうど四つでございますので、そういった意味では、年齢的にちょうど同じような境遇で、自分の子供があそこで置き去りになってきた、これはあらゆるいろいろな事情があったわけですね。 ですから、そのことを思いますと、私たち政治に携わる者として、この十年の歳月、なぜもっと早くできなかったんだろうかということをつくづく思うと同時に、戦争の悲惨さ、あるいはまた歴史的に日中の関係がこんなに長くかかったということの悲劇が、一つのしわ寄せになって彼らのところに来ているということをつくづく思うわけですけれども、ひとつ大臣に、これは別に大蔵委員会の直接のテーマじゃありませんけれども、どういうふうにお感じになったか。新聞や雑誌なんか読んでみますと、本当にうり二つの親ではないかと言われるんだけれども、家庭の事情で出られない方もいらっしゃるようですし、また孤児の方々も、恐らく自分は日本人だということを知らない方もいらっしゃるだろうし、また知っていても、周囲の事情からなかなか名のり出ないこともあるんじゃないだろうかと思う。 こんなことを思いますと、今度のことが与えた日本人への心の重さというものをつくづく感ぜざるを得ないのでありますが、大臣はお忙しかったと思いますので、そう全部をトレースしているとは思いませんけれども、どんなふうにごらんになりましたか。
○渡辺国務大臣 これは悲劇でございますが、私は、親を知っていれば親を一目見たいというのは人情の常じゃないか、しかしながら、日本人であるかどうかはわからないというような人にまで強いて親を知らせる必要があるのかどうか、問題だと思うのです。 というのは、実は私自身が生まれて十四日目に里子に行きまして、それで中学に出るまでは全然里親が本当の親だと思っておったわけですから、それが親でないということを言われて、私は非常に激怒したことがございます。親はなくても子は育つと言いますが、結構育ったわけでありまして、私は、自分の母親というようなものにもちろん親しさといいますかなつかしさは感じますが、他界して当然いない、やはり育ててもらった人が本当の親だといまでも思っております。したがって、私は、その孤児を育ててくれた人、その人には大いに孝養を尽くしてもらって、それでまたわれわれも感謝をしなければならぬ、むしろそういうように考えております。 でありますから、この問題は本人にお任せするのが一番いいのじゃないか。それで、育ての親も育てられた人もみんな大人ですから、子供じゃありませんから、日本でそういうような血族者に会いたいという人は、きのう郵政大臣が言ったように、何千人も日本に飛行機で連れてくるといったって、事実問題としてなかなかそう簡単にいかない。したがって、民放は視聴率が高くていっぱいスポンサーがつくそうですから、中国と話をして、これはハルビン班とか、これは天津班とか、これはどこ班とかいうように分けて、宇宙中継でそういうような心当たりの人は探してお手伝いをするということは、政府も金かからないし、それからスポンサーもたくさんつくそうですから、私は、できることからやったらいいんじゃないか、そういうように思っておるわけでございます。見つかった人がいて、見つからない人がいると、かえって本当にお気の毒だ、むしろ見つからないで悲しんで帰った人がお気の毒だというのが偽らざる印象でございます。
○佐藤(観)委員 大臣の人生観というか、少しおもしろいなという感じがしたのですけれども、実は、なぜこんな問題を取り上げたかと申しますと、大臣のように、民放でスポンサーがついて政府も金かからなくていいわということを言われると、次がちょっと言いにくいのでありますけれども、戦後三十七年たって、親御さんの方も亡くなっていくだろうし、だんだん記憶が薄くなっていく、しかし、戦争の惨禍というものの残りと申しますか、彼らにとってみればやはり戦争は終わっていない。大臣が言われるように、いや、育ての親の方が本当の親だという考えの方もいらっしゃいますけれども、会いたい兄弟が日本にいるということになりますと、やはり会いたいということになるわけで、その意味では厚生省の方もさらに大がかりに、まあまだ千人いらっしゃるとかあるいは二千人いらっしゃるとかいう話もあって、よくわからぬわけでありますけれども、そうそう大した予算がかかるわけではないので、ひとつ来年度に厚生省がこの件についてさらに大々的にやりたいと言ってくるときには、まだ彼らには終わっていない戦後をできるだけ早く、そして日本人として中国で戦争を行ったということ、あるいは中国に満州国をつくったり、こういった戦争の、何といいますか侵略のつめ跡というものが残った一つの悲劇がここに来ているわけでありますから、そういった意味で、親探しというのが、あるいは兄弟探しというのがもっと大々的に行われるときには、ひとつ大蔵省としてもそれなりの対応をぜひしてもらいたい、このことをお願いをしておきたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 十分に検討させてもらいます。
○佐藤(観)委員 さて、本論に入らせていただきます。 これは繰り返しになりますし、あるいはおさらいになるかと思うのでありますが、非常に重要なことでありますから、大臣のいらっしゃる間にお伺いしておきたいと思うのであります。 鈴木内閣が政治生命をかけてやる、やらなければならぬと言ったのは、言うまでもなく増税なき財政再建、このことになるわけであります。このことは大臣、間違いはないわけですね。よろしいですね。うなずいていては速記録に載らぬものですから。
○渡辺国務大臣 よろしゅうございます。
○佐藤(観)委員 そこで、財政再建という意味は、五十九年度には赤字国債がゼロになっていますよ、こういう意味にとっていいのですか。五十九年度に赤字国債がゼロになっていますよ。されど、その分だけ建設国債がどんどんふえたのでは、国債という意味では一緒ですから、それはそれなりに減っているということでしょうけれども、少なくとも具体的な目標として五十九年度に赤字国債ゼロですよ、こういうことだということでよろしいですか。
○渡辺国務大臣 それは財政再建のシンボルである、第一歩だということだと思います。それだけで、五十九年度赤字国債がゼロになれば財政再建が済んだというものではないと私は思っおります。
○佐藤(観)委員 それは財政再建のシンボルである、あるいは第一歩であるということは、少なくも——少なくもじゃない、最大と申しましょうか、最大とにかく五十九年度は赤字国債はゼロですよ、こういうことだと思うのですね。 それじゃ、大臣も、しかし経済は生き物ですから努力目標として五十九年度ゼロにしますということも記者会見で言っているようでございますけれども、それが後退発言ではないかというようなことも言われたのですけれども、いま言われたように財政再建のシンボルである、あるいは第一歩であるということは、もう必ず五十九年度の予算は、それは大臣が組むわけではないと思いますけれども、大蔵省の基本方針としてあるいは政治的な道筋として、五十九年度は赤字国債ゼロである、こういうふうに理解しておいてよろしいですね。
○渡辺国務大臣 赤字国債の脱却ということは、つまり消費的な経費の財源を減らすということと裏表ですから、したがって、赤字国債をゼロにするということは、その分だけ消費的支出の分が圧迫をされる、裏から言えば歳出カットという問題とつながっていると言っても過言ではないのじゃないか。 そういう意味で私は、この財政再建、行政改革というものをつなげて五十九年度からの脱却ということが言われておるものと考えております。したがって、そのためには最大限の努力をしてみたいと考えております。
○佐藤(観)委員 そこで、もう一つの増税なきという意味ですがね、これは一体どういう意味なんでしょうね。 何か人によりますと、対GNP比が変わらなければ、中身が変わっても、直間比率が変わっても、あるいは税制改正をやっても、片方で減ってトータルとして租税負担が二三・五とか二四・五とかいうことで、六十年度までに二六・五ということを言っておりますけれども、トータルとして対GNP比の租税負担率が変わらなければ、それは増税なきなんだということを言う人もいるのですが、一体、そういうことまで増税なきという中には含まれているのですか。この増税なきというのは一体どういうことなのか。増収は入ると思うのですね。法律を改正をしないのでありますから、いい悪いは別としても、増収は入ると思いますけれども、増税なきというのは、たとえば直間比率を変えて全体としての租税負担率は変わりませんよということまで、大臣の頭の中には、増税なきの中には入っているのですか。それは入ってないのですか。
○渡辺国務大臣 この増税なきというのはむずかしい言葉でございまして、これは政治用語だと私は思うのです。法律用語では少なくともない。 私は、かねてから、五十七年度予算編成に当たっては大型、新型増税を念頭になく編成するということを言ってまいりました。財政再建の問題についても大型、新型増税なくと言ったところが、そんなわかりづらい言葉はだめだ、もっとわかりよくということで、要するに、新型、大型増税なきという言葉を詰めてなまらせると増税なきということになるのじゃないか。これは政治用語だと私は思うのです。 そこで、本当の意味はどういう意味なんだと言われましても、明確に、こういうのが増税なきという中身なんだというようになかなか言いづらい問題がございます。ただ、常識的に言えば、やはり大型、新型というような増税がいまの税体系のほかに出るのか。それを言うのか。いまの税体系では、いま言ったように、中で自然増収を含めてある一定のものを予想されているが、その中で、要するにもう所得税と法人税だけが七割ということで、これから財政需要がふえれば所得税と法人税につかまったきりみんな離れないということになると、所得税を減税しろと言ったって、それは不可能ですね。 しかし、現実には、もうだんだんアメリカのように、税制でも違いますが、所得税だけに国家財政が頼るのだというようなことが果たしていいのかどうかという問題を考えると、その中で税の構造の手直しといいますか、そういうようなものまでも増税なきに入るのだ、そこまで言ってしまったら、私は所得税の大幅減税なんというのは将来ずっと不可能だと思いますね。ですから、そこまでも入らぬのじゃないのかなという気も実はするわけでありまして、これは今後、増税なきとは何だということも大蔵委員会の中の小委員会の中でひとつ大いに議論をむしろしていただきたい、そう私は思っております。 一般には、新型、大型増税をいまのもののほかにとるということば、それは増税なきではないというようには解釈されると思うのですよ。ですけれども、それじゃどういうものまでなんだということになると、私も、はっきりと皆さんにこういうものだという正確な答えをいまのところ持ち合わせていないというのが正直なところでございます。
○佐藤(観)委員 大蔵委員会の小委員会で審議をしてくれと言うが、増税なきという方針に政治生命をかけると言われたのは政府の方ですからね。その中身を大蔵委員会の方で審議してくれというのは、これは少し本末転倒というのか、少し客体が違うのじゃないかという気がするのです。 それは別といたしまして、いま大胆のお話をお伺いをしておりますと、要するに、除かれるのは、新型、大型は除きますよ、それ以外のことはありますよ。とにかくいまの大臣の御答弁で完全に除かれるのは新型、大型なのであって、小型のもの、中型のもの、あるいは税の構造を手直しをするもの、こういったものは増税なきという範疇には入らないのだ、こういうことになってきますね。そういうことでよろしいですか。
○渡辺国務大臣 ただ、私が言うのは、これから歳出削減はもちろんやりますよ。極力やりましても、たとえば社会保障費のようなものは、幾ら節約だ何だと言ったって私はふえると思うのですね。幾ら切れ切れと言われたって、それはもう老齢化社会になり老人がふえれば年金がふえる。老人がふえれば医療費がふえる。これは全体的には世界じゅう切りようがないのですから、その負担は一体何でやるのだ。もう保険税、保険料だけでやるのだ、政府はふえた分は持たないのだ、そういうことは言えないのじゃないか。私はかなりの財源が必要だと思っております。それを所得税と法人税で七割いま保っているわけですから、だんだん今度は借金もしなくなるということになれば、所得税と法人税に皆ぶら下がってくる。そういうことの中で大幅な所得税の減税なんてできるのでしょうか。 現在、問題として課税最低限も五年間もいじっていない。課税最低限をこのままにしておくということは非常に酷だと私は思っていますよ。できることならば、こういうようなものは直すべきじゃないかとも思っている。それから、一千万円以上は高額所得者だと言うけれども、それじゃ国会議員は全部高額所得者になります。これは二十年も前に決めたことですね。公示制度で、一千万円以上の人は全部高額所得者で所得の内容を申告、発表する。一体、いまでもそういう時代なのかどうかということになると、所得税問題というものは一遍再検討する時期が来ておる。 そういう中で、一方では、もう歳出がどうしても財源が必要であって何らか調達しなければならない。その中で、新しい税目とか、いまのいわゆる見直しでも何でも一税目ごとに税金がふえるようなことを、税率をいじったり何かすれば、それは全部増税なんだということを言われたのでは、それこそ財政硬直化になってしまって、収入の硬直化になってしまって、とてもじゃないが、近代的な税体系はできないんじゃないか。だから私は、そういうものを増税なきというのは含まない。 それじゃ、新型の増税は全部増税ありの方に入ってしまうのか。これも、いまの体系をそのままにしておいて、そのほかに別に大型、新型をというのは、これは明らかに増税ありの方へ入るのだろうと私は思いますが、そこらのところは、先ほどもいみじくも先生が言ったように、GNP対比何ぼぐらいの負担率というようなもので増税というものをはかるのか、税目ごとにはかるのかというような細かい詰めというものは、まあ政府の方で言い出したと言えば確かに言い出したのですけれども、実際、具体的にこういうのが増税なきという正確な意味でございますということまで詰まっていないということを私は正直に申し上げたわけでございます。 要するに、いまに突如として税負担がいっぱいかかるというようなもの、これは増税ありですね。という程度の政治的用語だというように私は思っております。したがって、これらについては、われわれももちろん今後一生懸命検討してまいりますが、一緒になって知恵をかしてもらいたいということを申し上げたわけでございます。
○佐藤(観)委員 いまの大臣のは、われわれ税をずっとやってきた者にはある程度理解はできる。賛成するとか反対するとかじゃなくて、理解はできるわけですけれども、一番最初増税なきという言葉が出てきたときの政治的な雰囲気というのか迫力というのか、これから見ますと、かなり後退をしたなという感じを免れない。 増税なきという言葉が出たとき、これは大臣も言われたように歳出とのうらはらの関係、つまり、これは自民党の税制調査会長の山中さんがいみじくも言われたように退路は断たれた、あのときは退路だかあるいは橋は落とされたと言われたように、もう後ろに下がれないのですよ、それぐらい、つまり下がれないのだから歳出に切り込まなければいかぬ、こういういわば迫力があったわけです。 しかし、どうも大臣のお話を聞いていますと、大型、新型は除くけれども、それ以外はやはりあり得る可能性がある。果たして国民はそう受け取っているのでしょうかね。増税なきと言えば、国民は非常に素直だから、まあ増収でもそれはいま大変文句が出てきていることは御承知のとおりだけれども、税制改正をして増税をはかるということについて、それが大型、新型と称するもの以外のところでもというのは、私は、これは国民の認識と違うのではないかと思わざるを得ない。 ちょっと主税局長、この大型、新型というのはどういうイメージを言うのか、例示的に挙げてみていただけませんかね。大蔵省内で言っている大型、新型というのは、どういうのを大型、新型と言うのですか。
○渡辺国務大臣 その前に。たとえば皆さんから、各党から、財源はこんなにあるではないか、税制の手直しをやれと言ったように、確かにそれを直すということは、それだけの税目からいえば、それは増税になるのですね。それも増税なんだということで、それもいかぬのだ。しかし財源はこんなにあるのだから不公正税制を直せ。それは増税なんだ。そうすると、どっちをやってもしかられるということになりますな。だから、そこまで全部増税なしの中にみんな入ってしまうということでは、もう税制の改正というのはできないのではないのかということを私は申し上げたわけでございます。 問題は、要するに、これから行革をやる。それで歳出の切り詰め、カットをするというときに、一方において財源をたやすく用意しますよという物の考え方があったのでは、財源があるのなら切らなくたっていいじゃないかという議論がすぐ出てくるから、切るということは非常につらいことで、それを受け取っている人からすれば、月給の値下げぐらいつらいですよということを私は財政演説の中でも言っているわけです。だからそういう意味で、やはり歳出カットを歯切れをよくするために、要するに増税はやらないのが原則なんですと、そういう政治的な意味が非常に強く出ておるということを申し上げたわけでございます。
○福田(幸)政府委員 お答えするのにはちょっとむずかしいのですが、大型というのはやはりボリュームだろうと思うのですね。ボリュームというのは、ほかとの比較でいくのだろうと思いますが、いずれにしろ、大臣が申しているように、歳出の方との関係がやはりボリュームの問題、また全体の税収が変わらない中で入り繰り的に考えるかというような問題、すべて絡みますので、答えが何兆出たから直ちに大型というふうにはいかないと思います。 それから、新税と言っても、小さな新税ならいいのか悪いのかとか、たとえば一つの例ですが、出国税とかやっても、新税だけれども税収は小さい、しかしやった方がいいというようなものはあり得ると思うのです。しかし、新型というと大型が何かくっつくということもありますけれども、いずれにしろ、抽象的な問題ではなくて、歳出を絡め、税制の体系を考えた上での判断で、それ自体、大型はどのくらいだとか、それから新税とは何かというのは、それをやるやらないということは別としまして、これから御審議される過程ではやはり重要な課題だと思います。政治的な問題がございますので、ちょっと答弁としては非常にしにくい問題であろうと思います。
○佐藤(観)委員 大臣、大型、新型と言われたのは、大型でかつ新型という意味ですか。いま主税局長の答弁を聞いていると、やはりそのことを確認をしておかなければいかぬのですが、新型、大型と大臣が言われたイメージというのは、大型でかつ新しい型のという、かつなんですね、アンドなんですね。両方、二つの要件を備えているものは頭にない、こういうことですね。
○渡辺国務大臣 五十九年度までに脱却のための財源としての大型かつ新型のと言えば正確になるのかもしらぬけれども、それではわかりにくい。したがって、歳出カットというものをやる以上は、やはり増税なきというのは気持ちの上で、何らかの形でも増税をいっぱいするんですよということでは歳出カットできなくなってしまうから、歳出カットの方が増税よりも優先という意味で、私は政治的な意味が非常に強いというように思っておるわけです。
○佐藤(観)委員 そこで先へ進めますけれども、新型かつ大型と言えば、いままでボリュームの少ない意味では消費についてもかけていたわけでありますけれども、一般的に言う大型間接税なりあるいは一般消費税と言われるものなり付加価値税なり、いわば額としては消費に着目をしてベースが大変大きいもの、なおかつ税収を上げるという面から言えば、いま申し上げたような、いままで余りわが国の税制の中で取り入れてなかった間接税を中心にしたもの、とりわけ消費に着目をしたもの、新型と言えばこういうことに具体的にはなっていくのだと思いますが、こういうふうに考えておいてよろしいのでしょう。
○渡辺国務大臣 穏当な解釈かと存じます。
○佐藤(観)委員 なぜ私がこの辺のところをしつこく聞いたかと言いますと、大臣が言われたように、税制というのは、経済が動いていくわけでありますし、かねてから不公平税制の是正ということは言われていたわけでありますので、増税なきという場合には、私は、国民の皆さん方は一銭たりともという認識だと思うのですね。だけれども、私たちは、いま大臣が逆に言われたけれども、不公平な税制というのはやはり改革をしていく、私は個人的にこう思っていますが、こういう高齢化社会になりあるいはサービスをより受けようと思えば、税負担が重くなるのはいたし方ないと思うのです。ただ、問題なのは、みんながひとしく税負担が重くなる、まあ、大体国民の皆さんが均等だなと思うようならば、これは私は、国民の皆さん方も納得してくれるだろうし、説得力があると思うのです。ただ、これが非常にアンバランスだと、なかなか納得してくれないだろうと思うのです。 そこで私は、今度の税制改正の中で、初年度三千四百八十億、平年度も同じ額になりますけれども、税制改正が行われ、増税が行われているというのは、まさに大臣の言われた新型かつ大型でない範疇の、一部は私たちがかなり前から言っておりました不公平税制の是正、いわばこういう概念の中で行われた増税である、こういうふうに理解した方がわかりやすい、こう思うのでありますが、そういう理解でよろしいのですか。
○渡辺国務大臣 不公正の是正といいますか、いろいろ皆さんの中でも減税財源として出されておるものの中で、たとえば給与所得控除五%青天井のやつは一千万円で頭打ちだということになると、それは直すわけですから、それ以上の人は増税になる、これは増税だというようなことまで、一つの例だけれども、そういうものを一々全部、増税だから全部だめだ、全部だめだと言われたのでは、税制の改正なんかできるわけがないのであって、だから私は、やはりいま佐藤委員が言ったようなことが穏当な考え方じゃないか、そう思っておるわけです。
○佐藤(観)委員 大臣が前に答えておられましたような税の構造の手直しといいますと、これは御存じのように、五十三年度から所得税は課税最低限を引き上げてないために、こちらのウエートがどんどん高くなってくるので、直間比率がますます直の方が多くなってくるということがあるので、これを少し手直ししようということになりますと、私は、新型、大型の方へつながっていく考え方だと思うのです。それよりも、不公平税制の是正という範囲内ならば、この増税も国民の皆さん方には、私は、理解をされてくるんじゃないだろうか。不公平税制の是正、これはなお一層進めなければいかぬと思うのであります。 次に、あわせて「財政の中期展望」の関連でありますが、主計局にお伺いをしたいのですけれども、ことしの一月の二十九日に閣議報告をされた「財政の中期展望」ですね、これを見ますと、五十八年度の税収は四十兆九千七百億、税外その他の収入が二兆五千七百億、これが若干五十七年度よりも落ちているわけであります。それから、公債金収入が八兆四千八百億、これを入れまして合計五十二兆二百億、これが五十八年度の歳入に立つわけですね。 歳出の方は、国債費が八兆八千五百億、それから地方交付税が十兆四千四百、これだけ引きますと、これだけの合計で十九兆二千九百億になりますので、いわゆる一般歳出というのは三十二兆七千三百、つまり、五十七年度の一般歳出よりも一千百億しかふえない、こういうことになりますけれども、こういう解釈でよろしいですね。
○西垣政府委員 要調整額の分を全部歳出カットで調整をいたしますと、御指摘のような数字になります。
○佐藤(観)委員 そこで、歳入の方からいって、いま大臣と議論をいたしましたように、できる範囲はいわば不公平税制の是正の範囲内だということになりますと、そう一兆も二兆も出てくるというのは、私は無理だと思うのですね。もしそれが可能ならば、いままでにやっていたと思うのであります。 そうなってきますと、この「財政の中期展望」の中で、歳入をさらにふやす、大体この税収の中でも、新社会経済七カ年計画の九・五%の経済成長自体は高いんじゃないか。それをもとにした四十兆九千七百億でありますから、歳入自体が、税収自体が大変高く見積もられているということから考えますと、さらに不公平税制の是正をやって、一体これでどのくらい乗るだろうかというのが一つの問題であります。 もう一つは歳出カットで、たとえば五十七年度の三十二兆六千二百億、じゃ一体これをどのくらいさらに切り込めるのか。次長、三十二兆六千二百億の一般歳出のうち、義務的経費と申しますか、あるいは法律補助に基づいた経費というのはどのくらいあるのですか。ざっと丸い数字で結構ですが。
○西垣政府委員 その内訳につきまして、私いま数字を持っておりません。ただ、毎年のようにいままで出しております当然増と言われておりますものが、普通の年で一兆五千億から二兆ぐらいというのがいままでの把握でございます。
○佐藤(観)委員 そこで次長、どうなんですか、当然増経費がこれだけあるということは、いまの御答弁を延長していきますと、歳出カットでは、これは五十八年度の中期展望で見たような三十二兆七千三百億しかない、この一般歳出に回れる分、これをなお切り込むことは無理だ、こういうことになりますね。
○西垣政府委員 先ほど例示として挙げられました補助金につきましても、法律補助が大体八割でございます。そういったことを考えますと、歳出カットをいたすにつきましても、制度に切り込んで相当なカットをしなければ、額として大きなものは生み出せないという関係にあると思います。
○佐藤(観)委員 そこで、大分時間も迫ってまいりましたので、大臣にお伺いしたいのは、いま主計局次長が言われたように、歳出面では一兆五千億から二兆円も当然増経費が出るという中で、なおかつ制度を一つやめちゃうとかなんとかいう話なら話は別ですけれども、それも現実には無理でしょう。 そうなってみますと、歳出カットもなかなかむずかしい。歳入の方は、大体もとの税収自体がかなり多く見積もられているのではないだろうか。あわせて、いま前半で議論をしましたように、まあ不公平の是正はやるにしても、わが党がずっと言ってきたようなことまで自民党政府ではできないでしょう。ということになりますと、後ろにも下がれない、前にも行けない、これでどうするかということなんですね。唯一考えられるとすれば、財政再建の年を、つまり五十九年赤字国債ゼロというのを少し先に延ばすということも考えられますが、冒頭大臣言われましたように、一兆九千六百億の残された赤字国債を五十九年度にゼロにするというのは、いわば財政再建のシンボルである、第一歩であるという限りは、それもできない。いわば、にっちもさっちもいかないという情勢が五十八年度ではないかと思うのですが、一体どこに打開の道を見つけようとなさるのか、いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 数字の上からだけ詰めればいま言ったようになるわけでございまして、これは本当に大変な問題でございます。後年度にツケ回しをしたのではないかとか、ことしはいろいろなことを言われましたが、もうツケ回しのしようがありません、これは十一カ月の医療費を十カ月だの九カ月だのにするわけにいきませんから。そういうことで、これは非常に大変な時期を迎えているというのは全くそのとおりでございます。 したがって、われわれとしては、何といっても世界じゅう経済が悪いのですから、日本だけ特別よくするということは非常にむずかしい。むずかしいけれども、何とか現在の経済の状況、このいい状況を落とさなくて上向きに持っていくということがまず第一ですね。 それからあとは、いままでと発想を全く変えた形で歳出カットをしなければ、もうことしだってやったわけですから。だぶだぶだなんて言われますが、どこがだぶだぶなのか、私は実際聞きたいくらいだ。しかし、これを発想を変えて、法律を直して、歳出カットをして受益者負担の原則をもっと確立していくということになれば、それも多少はできるでしょう。 あとは、国民負担をどういうふうな形でやるか、税で持たないものは保険料とか掛金とか、そういう方でうんと持つのか、それにも限界があるとすれば、税収をどういうふうにしてふやすのかというような問題に限られてくるし、借金をふやすと一目簡単なことですけれども、これはもう現実に国債費だけが七兆八千億円もあって、間もなくしたら社会保障に追いつくのではないかと言われるほど大きな数字に実はなっちゃって、文教費よりもはるかに多い、防衛費の三倍だ、農業予算の二倍だという状況ですから、ここで借金をもっとふやせ、国債をもっと発行しちゃえという論者も少ないです。これは非常に少ない。 ということになると、じみではあるが、いま言ったような前の三つの問題をどういうふうに組み合わせていくかという以外にはないのではなかろうかと考えます。
○佐藤(観)委員 私は、時間が来てしまったものですから、大臣が言われた中で不公平の是正ということを、かなり思い切って法人税なりあるいは所得税なりその本体までやはり切り込んでいく必要があるのじゃないかと思うので、このことはまた具体的に例を挙げて申し上げさせていただきたいと思うのであります。 次に、ゼロクーポンの問題についてお伺いをしていきたいのであります。 この問題を考える場合に、いや節税問題、節税対策だという観点が一つある。あるいは円安対策だという問題がある。あるいは投資家保護の観点という点。それから経済摩擦という問題がある。私は、四つぐらいの問題があると思うのであります。 本当はもう少し詰めたいとは思いますけれども、時間がありませんので、簡単に禿河証券局長の方から、証券局としてはいや禁止をしたわけじゃないのですと言われるかもしれませんが、事実上店頭からゼロクーポンの販売というのが消えているわけであります。一体、これはどういう権限の裏づけ、法的な根拠に基づいて、こういったいわゆる行政指導という、いまや行政指導自体が英語になっているというような行政指導がなされたのか、その辺をちょっとお伺いします。
○禿河政府委員 今回、私どもが、ゼロクーポン債を取り扱っております証券会社に対しまして、取りあえず販売の自粛を要請いたしましたのは、特別の法律の規定に基づくものではございません。したがいまして、法的拘束力を持つとか、そういう性格のものではございません。
○佐藤(観)委員 しかし現実には、いま私の申しましたように、ゼロクーポン自体は店頭から消えているという事実ですね。それで私は、いわばこれが脱税あるいは節税に使われるのではないかという問題は、短期に売ればその差益というものは捕捉できませんけれども、これはこれでやはり法律改正なり何なり、すでにいろいろと考えられているようでありますけれども、穴が埋められるのではないか。 それから、これは円安対策として考えられるのじゃないかということであります。海外に日本の円が出ていくことでありますから、その意味では確かに円安対策にはなると思いますけれども、大体額面で、将来もっとふえるかもしれませんが、いま時点で四十億ドルとか五十億ドルとか言われているが、実際の価格は十二、三億ドルというのは、一応新聞が報道しているものでありますけれども、そういうことでありますので、それは確かに、そういう面では円安にプラスかマイナスかといえば、私はマイナスだと思うのです。そのことはわかります。 それと、投資家保護という観点を新聞等は報道しておりますけれども、これもロットの大きいものでありますし、いわば危険というのは投資家自体がある程度判断をしてやるものであって、本当に投資家保護というなら、私は、まず販売の時点でとめるべきではなかったのかという感じがするわけであります。 いま日本経済が遭遇している最大の問題、経済摩擦という観点をひとつ考えてみたいと思うのであります。 外務省からお見えをいただいていると思いますけれども、貿易収支の問題というのは、いわば物が動くわけでございますので、背後にある産業政策あるいは産業構造の問題というとらえ方ができるわけでありますが、それ以外のサービスにわたる部分、きょうは日米の貿易小委員会か何かで、その辺が論議されるようであります。その観点からいって、アメリカから見ると、銀行あるいは証券の行政について、日本の国内の法人は有利だけれども海外法人は不利ではないかということが盛んに言われているわけですね。 この問題は、私も大蔵委員会としてきちっとやりたいと思いますし、アメリカの言い分は、私は必ずしも全部正しいとは思っていません。ただ行政指導という、法的根拠がなくして行政官庁が事実上やるというのは、アメリカでは大変わからないことだと思うのです。いま日米の貿易摩擦を扱っていらっしゃる外務省として、こういったサービス業についてのアメリカ人ではわからぬような行政指導といったものは、どういうアメリカ側のとらえ方であり、また日本としてはどういう受け答えをしているのか。ゼロクーポンの問題というのはかなり具体的になっていろいろな差しさわりもあるとするならば、一般論として結構でございますので、こういった行政のやり方というのが、いま国難とまで言うような貿易・経済摩擦だと言われている中で、これは一つの例でありますけれども、一体どうなんだろうかということについて、私は若干疑問を持つのでありますが、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
○佐藤説明員 お答えを申し上げます。 先生いま御指摘がございましたように、本日の日米の貿易小委員会におきまして、サービス貿易の問題等についても議論の対象、話題になろうかと思っております。 このいわゆるサービス貿易の自由化の問題という扱いでございますが、日米間で問題になっているということもさることながら、OECD等あたりにおきましても、国際的な通商のルールという観点から、サービス貿易の問題を討論しておるわけでございます。したがいまして、日米間のみならず、いわば先進諸国間におきますところの貿易の一つの形態ということで、次第に関心が高まっておるわけでございます。そういった観点から、日米関係におきましても話題になるわけでございます。アメリカから見ておりまして、日本の市場の問題というのが、アメリカ経済の冷え切った状況を背景にいたしまして、一つの強い要望として出てきていることは事実でございますし、それに対して、大蔵省当局におきましても適切な御対応をされているように承知しておるわけでございます。 私どもといたしまして、先生がいまお使いになりました行政指導というものが、諸外国から見ていてどういうふうにとられるのかという御質問だったと思いますけれども、これは、私は一般論としてお答えせざるを得ない立場でございますけれども、これまでもいろんな場で日本の行政指導というものが話題になってきたことは事実でございます。しかしながら、すべてアメリカ側あるいはヨーロッパ等において話題にされているときの行政指導のとらえ方というものが、私どもは、正しくとらえられているかどうかという問題は、他方においてあろうかと思うのでございます。あらゆる場合について、いいか悪いかということにつきまして議論をすることはなかなかむずかしいと思いますけれども、私どもといたしましては、日本の置かれている事情とか、あるいはそういう措置がとられる間の適切な考え方、そういうものにつきましては十分相手側にも説明をしながら理解を求めていくという努力を、今後ともやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、日本の市場の開放ということとの関連で、この問題も話題にされようかと思いますけれども、私どもといたしましては、日本に期待されている国際的な役割りということとの関連におきまして、関係各省等の御協力も得ながら、こういった問題の理解を深めることに一層の努力をさせていただきたい、かように思っておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 もう少し詰めたい点も多々あるのですが、大臣も参議院の予算委員会のようでございますので、どうぞ結構でございますが、また一度ゆっくりやらせていただきたいと思います。実はこのゼロクーポンの問題も、私言ったように四つぐらいの観点があって、非常に判断もむずかしいと思いますけれども、いまこういう貿易摩擦あるいは経済摩擦と言われている中でどうだったんだろうかということについて、また後日改めて少し詰めたいと思います。 次に、いろいろと予定が変わってくるものですから、ちょっと国税庁にお伺いしたいのですが、きょう皆さん方のお手元に国税庁の職員の定員についての将来について少しはじいてみたものを配ってあります。私の字ですから余りきれいじゃないので申しわけないのでありますが、この前提としてはどの数字を使ったかといいますと、そこに書いてございますように、人事院の「一般職の国家公務員の任用状況調査報告」これは、五十五年三月三十一日現在の税務職俸給表適用者の年齢別集計をもとに、これを推計をしたものであります。したがいまして、最近、五十五年が純増はマイナス九、五十六年度がゼロ、五十七年度が二十七人、こういう純増でございますから、ほぼ退職した人数が新規に採用されてくるという前提で、この表がつくってあります。 それから、六十歳の定年制が入っておりますけれども、それにもかかわらず従来の慣行定年、五十五歳から五十七歳程度で退職するという予測でしております。したがいまして、これは六十歳まで持っていけば、もう少しこのグラフ自体が右に緩やかになるということになるわけでありますが、この表を見ていただきますればわかりますように、全部の定数がいま五万二千七百八十九人であります。 たとえば、五十六年から五十七年を見ていただいた方がわかりやすいと思うのでありますけれども、新規採用が、五十五年にやめていかれた方千九百人を新規採用にとります。それから着任一、二年というのは、五十五年度末に入った方が直ちに税務調査に行けるわけじゃありませんので、大体、税務大学校を出て、それから内部的な勉強をして一、二年かかるわけでありますので、五十五年に新規に入った千七百人というのが、まだ五十六年、五十七年では、これはいわば一人前に調査に行くというわけにいかぬ。それから、五十六年から五十七年には二千五百人退職する年になりますよと、こういうことになってまいりますと、五万二千人、五万一千人と言われますけれども、この新規採用千九百人、それからまだ現場に行けない勉強中の千七日人、退職の二千五百人、これを引いてきますと、中身は四万六千六百八十九人、八八・四%しか実は実質に稼働できる、調査その他の事務ができる国税庁職員はいない、こういうことになっていくわけであります。 きょう国税庁の次長にお越しをいただいておりますけれども、実は国税庁にこの表をつくっていただきたいと思ったのでありますけれども、退職の人数を国税庁で予測をして、この数字をつくることはむずかしかろうという親心から、大体いま申しました前提を置けば、これは自動的に出てくる数字でありますので、主観がそんなに入るわけではないので、私がつくったわけでございますけれども、次長どうですか、この表は、ざっと見て、私が恣意的に数字をいじったとか、あるいは、いや、こんなことにはなりません、こういうようなことなのかどうなのか、この表の信憑性について、国税庁としてどうごらんになるか。若干それは狂い、いま退職年齢を少しずつ引き上げていますから、この退職者の数がもう少し右にぶれるかと思いますけれども、そんなに大きく違うものではないと私は思うのでありますが、この表の信憑性について、どういう御見解かをまずお伺いしたいと思います。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 ただいまこの表を拝見いたしまして、まだつぶさに検討いたしておりませんが、毎年の退職者数につきまして、一応ある種の前提を置いた推計値になっておろうかと思います。 この数字が、私どもの方で職員を人事管理してまいります上で、過去の経験値等から、一定の年齢層の者がどのくらい退職していっているかといったような推計値と必ずしも厳密な意味で一致するものではないかと思いますが、いずれにいたしましても、高齢の職員が多数おるという職場の実情から考えまして、それなりの一つの推計の姿を示すものである、このように受けとめております。
○佐藤(観)委員 これは、先ほど申しましたように前提があるわけでありますので、それと、いま申しましたように、若干退職者の数が変わっても、年齢構成からいって十年間に二万人やめていかれる年齢になっているということば、これは間違いないので、退職者の数が少しずれても、それは右にその数字が移るだけだと思うのですね。 そこで、次長、問題なのは、実はこれは大臣も含めてお伺いをしたいと思ったのですが、時間だったので、また改めて大臣にはお伺いしますが、一番大変なのは、六十年から六十一年、まあその前も大変でありますが、あるいは六十二年から六十三年、この辺がピークになってくるのでありますが、六十年から六十一年というのは、五万二千人、五万二千人と言ってみても、実は実稼働は約八割しかいないわけですね。それから六十二年から六十三年は八割を切って七七%ということは、約四分の一はまだ実際に調査に出たり徴収事務をやったりすることができない。五万二千人いらしても四分の一は実は実稼働に入らない、四分の三でがんばらなければいかぬ、こういう実態になっていくわけですね。いま申しましたように、六十四年、六十五年少し退職年齢を引き上げていけば若干ずれるかもしれませんけれども、それは別といたしましても、いずれにいたしましても、大勢としては、このように六十三、四年ごろには大体八割を切るという状況があらわれてくるわけなんです。 こういう予測に対して、国税庁としては、片方では捕捉率を引き上げなさい、実調率を上げなさいということで国民世論からもたたかれ、さりとてアルバイトや事務の機械化といっても、これも何度か大蔵委員会でやったようにほぼ限界があるという中で、これは大体予想できることですから、いまからある程度の対応をしていかなければいかぬと思うのでありますが、一体どういうふうに対応なさろうと考えていらっしゃるのですか。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 先生の御指摘は、国税庁におきます特殊な職員の年齢構成といいますか、それに着目されまして、将来の職場の姿についての御懸念をお述べになられたものであるというふうに拝聴いたします。 確かに私どもの職場におきましては、五十一歳以上の職員が実は一万三千五百人、全体の職員の四分の一を超えるという、各省の中でも非常に特殊な職員の構成になっておることは事実でございます。そこで、これらの経験と知識の豊富な職員層がこれから近い将来に次々と職場を去っていくということになった場合に、現在の調査能力の水準であるとかあるいは事務処理能力といったものが、国税の職場で果たして維持していくことができるかどうかということは、私どもにとりましても、実は非常に重要な問題であるというふうに認識いたしております。 このために、私どもといたしましては、日ごろからできるだけ資質の優秀な職員を採用し、かつまた税務大学校あるいは職場におきまして、これに十分な研修を施す等いたしまして、その資質、能力の開発に努める等の施策を講じてまいっておるところでございますが、何と申しましても基本となりますことは、これらの経験豊かな職員が短い期間に大量に退職していってしまうというような事態を何とか回避いたしまして、その退職の山を少し先にずらし、かつ、ならしていきまして、その間に若い職員の方たちに、先輩の方たちの円熟した調査の技法であるとかあるいは職場の能率を高めているさまざまなよき伝統であるとか、そういったものを十分継承していただきまして、世代間の円滑な交代を実現していくことが基本になるのではないか、このように考えておるわけでございます。 そこで、たとえば各国税局で行っております退職の勧奨というようなものを、局署の実情を踏まえまして少し控えていくとか、昭和六十年からの定年制の実施をも念頭に置きながら、実効性のある具体策に今後取り組んでまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 問題は、いま次長が言われたようなことで対処できるかどうか。いまの限られた条件の中では、次長がお答えになったようなことしかできないと思うのです。 私が大臣を入れてと申し上げましたのは、この点は実は特別に配慮をしなければいかぬことで、いま国民の中にあるのは、調べられた者は交通事故に遭ったようなものだという感覚があるわけですよ。それは一〇%の実調率を切ったというようなことでは、やはり税の執行上の不公平というのはぬぐえないわけですね。執行上の不公平があると、これは先ほど冒頭に議論をしたような、これから不公平な税制の是正ということを言ってみても、制度よりも、国民の方は、やはり自分がどういうふうに税務署と接触をしたかということに、一番大きな感覚的な不公平感というものを持つわけでありますので、その意味では、いま限られた条件の中では、次長が言われたような努力しかないと私は思いますけれども、やはりさらに適当な人数の増員というのは、法人数の増加からいっても、あるいは企業自体の複雑性からいっても、一件当たりの調査の日数というものは大変かかってくるわけでありますので、これは行管庁なりあるいは大臣も入れて、もう少し議論をしておきたいと思うのであります。次長が言われましたいまの限られた条件の中での国税庁としての努力は、よくわかりました。 次に、交際費課税についてお伺いをしていきたいのでありますが、今年度から三年間に限って、交際費がいわば一定の額を超えた場合には損金不算入になるということであります。これは、かねてより交際費課税が問題になったときに、私たちは、なぜ一定の額以上のものを損金不算入にしないのかということは、長い長い歴史があって議論をしてきたところであります。 主税局長にちょっとお伺いをしたいのでありますが、この三年間に限って、四百万なり三百万なり資本金の基準によって変わるというわけでありますが、それ以上の部分を損金不算入にしたということは、交際費課税というものの性格が基本的に変わったということなのか、この辺はどうなんですか。
○福田(幸)政府委員 お答えします。 いままでは、だんだん上げて九〇%まできたのですから、それが九〇が一〇〇になるというのは、やはり質的な感じがあると思います。本来経費でございますから、それをだんだん上げてきて、最初は二五ぐらいだったと思うのですが、上がってきたということで九〇まで達した。そこまでは延長線上だと思うのです。そういう趣旨で従来も答弁しておったと思うのですが、一〇〇になりますと、本来経費を認めないということですから、租特で認めないということではありますけれども、やはり質的な感じがございます。 ですから、これは異例な対策の特別措置である。これは、いまの交際費が二兆を上回る数字で、しかもテンポが高く伸びておる、内容についても社会的批判がある、こういう厳しい時期であるので、国も地方もという感じもありますし、この間三年間というのは財政再建期間ということもございます。あと一年残っておりまして、いままで二年、二年で延長してきていますので、それで三年ということにも符合します。 いずれにしましても、一〇〇ということが質的な感じ、転換したという感じがございますし、しかも財源がないという問題もあったわけで、この間だけ特別に一〇〇でお願いする、しかし中小企業の方は従来の枠を残す、五千万を超える大企業のところはもう一〇〇であるという厳しい姿勢で、行革時代に大企業の方もお願いするということ、そういう意味で期間を限ったというのは、内客の性格が変わったということであろうと思います。
○佐藤(観)委員 主税局長が言われたことの前半は、いままでの主税局長が言われてきたことと大体一致するわけですよ。 たとえば、これは昭和五十二年三月二十三日の大蔵委員会でありますけれども、亡くなられた川口大助委員に対して大倉主税局長が答えた答弁で、結論だけ読みますと、「したがって本来経費であるという考え方を捨て切らないままに一〇〇%課税するということには若干のためらいがあるということを申し上げておきたいと思います。」ということを述べられているのですね。 それから、これは五十三年三月一日、伊藤茂委員に対して米里当時は審議官でありますが、答えられている答弁でも、ちょっと前は約しますけれども、「かつまた加えまして、御承知のように現在交際費課税は非常に強化されてまいりまして、現状では限度超過額に対しまして八五%損金不算入というところまできておるわけでございます。これをさらに損金不算入率を高めてまいりますと、そもそも交際費というのはやはり会社経理上は損金性があるものだ、その損金性を否定するようなことにもなるのではないかというような考え方もございます。そういったようなことを考えまして、今回は改正を見送ったということでございます。」という答弁なんですね。 それからもう一つ挙げておきますと、これは五十四年二月二十八日の大蔵委員会でありますけれども、美濃委員に対しまして高橋主税局長は、前はちょっと約しますけれども、「やはり交際費について、企業のモラルとして支出を抑制していただくことは必要であるといたしましても、それが使途不明金のように全額課税されるべきものというふうには思いませんので、やはり一定の企業を経営していくために必要な限度までは損金に認容する。そうしますとやはり九〇%というのは、限度に来ていると申したら語弊がありますが、限度にきわめて近くなってきているという考え方を私どもは持っておるわけでございます。」ということで、交際費というものが、一定のものまでは、いま読み上げましたように、あるいは主税局長が前半で答弁なされましたように、本来これは経費であるあるいは損金性がある、このことの考え方というのは今日まできていたと思うのであります。 ただし、三年間ということを別にいたしまして、今度一〇〇%にしたというのは、いまの答弁のうらはら、あるいはいまの主税局長の答弁にございますように、いままでの答弁の延長線から言うと内容が質的に変わった、いわばいままでは、損金性があるのだから少なくともせめて一〇%くらい損金限度額を残しておくのが、損金性の持っている会計原則からいって、会計原則じゃないかもしれませんが、税法の理念からいって当然ではないかという考え方できていたわけでありますが、これが一〇〇%になったということは、福田主税局長が言われたように、まさに質的転換なんですね。交際費課税の論議の歴史上、まさに質的な転換をしたわけです。ここまでのことは、そういうことでよろしいですね。
○福田(幸)政府委員 お答えします。 経費は経費であるということは従来と同じだと思います・それはやはり経理上経費でございますね、会社経理では経費で落としますから。これを税がどう対応するかという問題で、それを否認するというのを租税特別措置でやっておる。だんだん上げて九〇になったというところまでは、一〇が残っておるから経費の性格が残っておるということであろうと思うのですが、九〇と一〇〇の間にどれだけの差があるかという問題はあろうかと思うのですね。 ここは、やはり政策の色彩を強く出すかどうか、相当政策の判断であろうと思うのです。ですから、九〇くらいでその間一〇が残っておるから経費性があるということではなくて、本来経費である、しかし、この際一〇〇%課税するという政策をとるということであろうと思うのです。一〇〇%というのは従来の九〇よりは性格が変わったということが言えますので、したがって、そこは三年間と区切って、その間にどういうふうな対応が民間企業で行われるか、それで合理的な交際費の支出になるのか、それともそれが弊害的な作用をするのか、それを見定めるということもあって、三年間ということであろうと思うのです。 ですから、税の対応というのは、会計で経費で落としておっても、御存じのとおり英国で一〇〇%課税ですし、また外国では穏当なものでなければ交際費にしないというのがあるのですから、ここで一〇〇ということを政策で出しておいて、企業の方がそれをまじめに受け取って、販売促進に直結するまじめな支出をするという自戒も必要だろうと思うのです。これは販売促進といっても、交際費を払ったから販売が促進されるかという点にも問題はありますので、むしろ、いい商品をつくって、それをいい商品としてそれ自体の販売、PRに努めるということもまた見直しの機会でもあろうと思うのです。 まあ民間の企業のことですから、税の立ち入る範囲は限られますけれども、ここで一度一〇〇ということで、どういうふうな民間の対応があるかということを見定めるというので三年間、後はモダレートな交際費の様子になっていけば、それに応じた見直しがあろうか、こう思います。
○佐藤(観)委員 日本の場合には、交際費自体が自分の家計として払うべきものもその中に入れてしまっているという問題があるものですから、税法上は別の扱いになっているわけでありますけれども、会計原則として経費であるということの性格は、私もわからぬわけではないのであります。 ただ、私はあえて三つの、福田主税局長の先輩の主税局長の方々の答弁を読みましたけれども、私たちが主張していて九〇%を一〇〇%にできない理由というのは、やはり経費性があるのだから一〇〇%はいかぬのではないかという意味のことを言っているのだと私は思うのです。それで、主税局長が言われるように、いや、交際費課税の性格上質的転換である、あるいは内容の性格が変わったということなので、変わったならば、私は変わったままでいいのじゃないか。三年間だけ性格が変わって、三年たってみたら、またもとの性格に戻るというのは、税のあり方として、そんな便宜的でいいのでしょうかということを私は疑問に思うのです。 私は、いまあえて読みましたように、この議事録からいって、私たち何度か交際費課税を議論してまいりまして、一〇〇%でいいのじゃないかということでやってきたけれども、皆さん方は、損金性あるいは本来経費だからということで、いや一〇〇%というのはちょっとひどいんじゃないかということで、いわばそのあかしとして一〇%、最後のところを残しておいたわけですね。 今度はそれを超えたわけでありますから、言われるように、もとの三百万、四百万というのは確かに経費性を持っているけれども、それ以上は税では見ませんよということになったので、その意味では、交際費課税の歴史上まさに質的転換であるし、私は内容の性格が変わったと思うのですね。そこまで踏み込んだと思うのです。十年くらいたって、やっとわれわれの主張が認められたということだと思うのですが、それを三年間に限る。わかるんですよ、財政再建期間中というような意味だと思うのですけれども、税の性格というのは、そんなころころ変わって、そんな便宜的なものでいいのだろうか。 私たちも、いろいろな税の細かい議論をしてきただけに、それは皆さん方の議論になかなか勝てないで、平行線で、あるいはこちらが負けたのかもしれませんけれどもずいぶんやってきて、大きな壁があったわけですね、それはそれなりに皆さん方の理屈があったから。でも、ここで性格が変わったのなら、私は、税の理論というものは、いや損金性がどうです、経費じゃありませんとか、あるとかないとかといういろいろ議論は別としても、そういうことを言うっておきながら、三年たってみたら、また今度はもとの性格に戻りましたというような、税法というのは、そんなに安易にいじるべき性格のものじゃないのじゃないか。 一つここで踏み切ったら、別に三年と限らずに、これはそのまま一定の額を超えたものは一〇〇%、三百万、四百万をもう一回いろいろ考え直すこともあるかもしれません、将来にわたってそれはあるかもしれませんが、私は、交際費課税のあり方というものは、何も三年に限らず、そこまで踏み込んだら、そのまま行っていいのではないかと思いますが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 政策の強さということで、一〇〇%ということが租税特別措置にあるということで、人がかわったというより、私は、一〇〇%でも政策ですから構わないと思うのです。それは、三年たったところでもう一回見直すということは、政策ですからあり得ると思うのですね。それから、四百、三百というのが残っておるということは、税理論からいけば問題があると思うのです。それは下の方が多くかかっておるということではないわけで、その辺は政策論が、またそこに別の観点が入っていますので、いまの体系が絶対的にいいか、全体一〇〇ならまた一つの理屈です。そういう面も含めて、やはり見直しの機会があるという意味で三年がある。政策は常に変動的でいいわけですから、一〇〇を掛けるということはそれなりに正しいので、それが恒久的であるかということは、また常時見直しをこういう場でやっていただくということであると思います。一〇〇になったら将来とも本質的に一〇〇だというふうに考えるかどうかは、租税特別措置の範囲内の政策論であろうと思います。
○佐藤(観)委員 きょうは福田主税局長の大変いいお言葉を聞いて、政策の性格が多くなる、そういう主張をしていけばわれわれの言うこともかなり通るな、こういう政策を取り入れるべきではないか、つまり本質的な性格がどうあるかということでなくて、その上に政策的な性格というものを乗せていくわけですから、その政策的な性格というものにだんだんウエートをかけていけば、これは、まさに本質とは違う部分も政策的な性格だということで言えるなということになっていくのではないかと思うのです。 それは別といたしましても、時間も来ておりますので、最後に、租税特別措置の減収額の問題についてお伺いをしておきたいのでありますが、大蔵省の方でも大分資料を出してもらいました。しかし、いまのような調べ方では、正直言って大ざっぱのようでありますし、また正確な数字がどうも出てこないようなのであります。 私たちも、租税特別措置の改廃ということで、毎年皆さん方に資料を出してもらうわけでありますけれども、これだけ財政が厳しい中で、一体こんなことまで租税特別措置で見なければいかぬのだろうかと思うにつけても、一体これが本当に具体的にどれだけ使われているのだろうか、何件ぐらいあるのだろうか、幾らぐらいの減収になっているのだろうかということがどうもわからない。大分出してもらいましたけれどもわからないのですね。 たとえば、この要綱を見ましても、所得控除制度になっております技術等海外取引に係る所得の特別控除制度、これを著作権の譲渡等を対象から除外した上、その適用期限を二年延長する、こんなのが一体何件ぐらい一年に出されて、どのくらい減収になっているのかわからない。公害防止用設備の特別償却は三百四十億というのは皆さん方の方に出ていますね。それから無公害化生産設備と工業用下水道等への転換設備とか、こういうようにいわば有用だなと思うものは、私たちも有用性はわかるにしても、どうも金額がよくわからないのですね。重要複合機械装置の特別償却、こんなのは一体何件くらい使われて、どのくらい減収になっているのか。低開発地域等における工業用機械等の特別償却、これは百三十億という数字が出ておりました。 それから、ちょっと飛ばしますが、特定備蓄施設等の割り増し償却制度、これが皆さん方の資料では二十億円の減収と出ているのですね。二十億円ぐらいの減収になるものを、制度として一体とっておく必要があるのだろうか、どうなんだろうか。大変少ないということは、きわめて特定な企業にいわば隠れた補助金として行くことではないかという意味で、それは租税特別措置でありますから、その意味ではある程度特殊な形態になることは免れぬと思いますけれども、その次の中小企業構造改善等事業用共同施設の特別償却制度、これも数字を見ますと、減収額が三十億という数字が出ているのですね。三十億といえば一件当たりは大変少ないものだと思うのですけれども、その辺の実態が、何件ぐらいあるのかというのがわからないのです。一体、このくらいの額のものを、いまこの財政が厳しいという中で、金目にはならぬけれども、やはり不公平税制の是正という面で件数が少なく額が少ないものは、もっともっと、まさにこれこそ償却していく必要があるのではないか。 皆さん方から出してもらいました五十五年度の減収額と比較してみますと、大分減っているものもありますね。そういったことから考えてみますと、一度、百二十項目ともいわれておりますこの租税特別措置の、これはなかなか作業が大変だと思うのですが、わかり得る件数と減収額、大分大まかには、全体としては出してもらっている、そこは評価をするのでありますが、特別措置の改廃といったときに、税調にそういう資料を出しているのかどうかわかりませんが、一体こんなものは有用だろうかと思うようなものはあるので、恐らく余り使われてないというのはきわめて特殊なんで、そういったものは私はどんどんもう少し削っていっていいのではないかと思いますので、来年度に向けて大変な作業だということは私もわからぬわけではないのでありますが、ひとつ国会の審議の重要な資料として、なお一層全項目にわたる申告件数、一番最近のでいいです、大変な作業ですから、減収額、これは恐らく見込みになると思うのでありますが、そういったものをひとつ来年度に向けて出してもらう。それが冒頭大臣と議論をしたように不公平税制の是正の、総金額は大したことはないと思いますが、さらに前進になるのではないかと思うのでございますが、政務次官でも主税局長でも結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 お答えいたします。 租特というのはやはり特別措置ですから、ある意味では補助金的性格があるということであります。ただ、準備金、特償は課税の繰り延べですから、その辺は単なる補助金ではないわけです。しかし、税額控除とか所得控除になると補助金的性格が強い。これは十分に認識した上での特別措置の各項目があるということだろうと思うのです。 御指摘の点は、われわれも常に自覚しておりまして、資料としては三つほどお出しいたしております。実績もお出ししたのですが、やはり作業はなかなか困難でございましたが、とりあえずというか、われわれのできる範囲で出したというので、今後御検討をさらにしていただいて御指摘を願うとありがたいわけで、各項目に金額を書いてございます。いま御指摘になったものについては、それぞれ金額は五十五年実績を出しております。おっしゃるように小さい数字もあるわけです。これはもう目的を達したのではないかという点は、われわれ常に、その数字がないことがもう目的を達しておる。しかし各省の政策から見れば、ないということは今後それを必要とするんだというようなことも言えますけれども、長い期間経過していまして使われてないというのは、やはり意味がない。だから、これはインセンティブでやるわけですから、当初期間それが使われることによって、後は企業ベースになっていくわけですから、したがって公害といえども、また省エネといえども、ある期間がたてば、もう後はコマーシャルベースで企業活動でやってもらうというのが考え方の本則で、政策目的とその成果というのは常に見なければいけません。 したがって、これは今後やはり各省においてその実績を把握する努力をする。そして、われわれに対して、その意味があるかどうかを釈明して要求を支えてもらいませんと、これは水かけ論になりますので、われわれとしては、実態がどうだということを常に相手に問いかける。相手もその実際を把握してもらう。非常に法人が少ない場合の、船舶とか航空機、渇水なんというのは、監督官庁も、そこを見れる立場にあればわかるわけですね。あとは一般的になってきますと、利用状況が非常に把握しにくい。税務署資料でも限界がある。しかし、やはり特定の企業に偏っておって、その額が大きいという場合も問題だろうと思うのです。おっしゃる趣旨は、私、常に同じ気持ちでおりますので、それをブレークダウンした形でどういうメリットを与えておるか、それは把握しながら、今後特別措置のあり方は具体的に検討するということが大事だろうと思います。
○佐藤(観)委員 ひとつ、答弁のように努力をしていただくようにお願いをしたいと思います。 あわせて、いま準備金は隠れた補助金じゃないと言われましたけれども、これもいわば益金に上がるところをそこで留保しているわけですから、そういう意味では、私は、広い意味での隠れた補助金だと思っておるわけでございます。 いずれにしろ、そのほか土地税制の問題とか相続税の問題とか有価証券取引税の問題あるいは補助貨幣回収準備資金の問題、記帳義務の問題、いろいろありますけれども、時間が参りましたので、それは後日改めてまたやらせていただくことにいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○森委員長 大島弘君。
○大島委員 法人税、租税特別措置法等につきまして質疑に入ります前に、原則論といいますか、基本論につきまして、ちょっとお伺いいたしたいと思うわけでございます。 実は、一つは租税法律主義、新たに租税を課し、またはこれを変更するには法律によることを要するということが憲法に書かれておる。これは各国とも共通でございますけれども、私、実は長い間税務行政に携わったときにも、そういうことは別に不思議に感じなかった。ということは、国税庁長官通達でございますけれども、これがあたりまえのことだ。それから、その後私は司法府におりまして弁護士をしておりまして、租税逋脱犯とかいろいろ事件を取り扱ってまいりましたが、それも別に不思議に思わなかった。ところが、立法府におりまして最近つくづく不思議に思いますのは、この国税庁長官通達の性格でございます。つまり、たとえて申しますと、相続税の評価額、これを基本の百分の八十とするということが長官通達で示されておりますけれども、これはつまり、国税庁長官が法律によらずに、あるいは法律の委任によらずに決めておられるというような疑いが多分にあるのでございますが、そもそもなぜ租税法律主義を各国ともうたったかといいますと、これは民主主義、つまり議会主義の始まりが租税であった、こういうふうに歴史には説かれておるのですが、現在無数と言えるほどの国税庁長官通達とこの租税法律主義の関係をひとつ御説明いただきたいと思うわけでございます。
○吉田(哲)政府委員 お尋ねの国税庁の長官通達でございますけれども、長官が、所掌事務、内国税の賦課徴収に関する仕事を執行するために必要なものにつきまして、職員に対して発しているものでございまして、性格としましては、国家行政組織法十四条の通達と性格を異にするものではございませんが、ただいま御指摘のように、わが国におきましては、租税法定主義のたてまえによりまして膨大な税法の体系がございますし、また、法律の委任を受けまして、政省令もいろいろ規定が整備されているところでございますけれども税というものを通じまして、社会経済の森羅万象といいますか、それを対象にする場合には、放置しておきますと、どうしても解釈の不明瞭とかあるいは取り扱いの不統一を招きかねないわけであります。 〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕 そういうことがございますれば、納税者にとりましても非常に迷惑でありますし、執行面の不公平という問題も生じかねないわけでございまして、そういう意味で国税庁としましては、基本通達あるいは個別通達を発しまして、法律の解釈、取り扱いの基準を明らかにし、かつ税務署における取り扱いの統一を図ることにいたしております。 申すまでもなく、通達はあくまでも上級官庁から下級官庁に対する命令、示達の一形式にすぎませんけれども、国税庁としましては、租税法定主義のたてまえ、さらにまた通達が実際上納税者に大きな影響を持っているということを考慮しまして、作成に当たりましては非常に慎重な検討を行っており、必要に応じまして部外有識者の御意見等も徴することにしているわけでございます。したがいまして、通達の内容につきましては、法令に反しないことはもとよりでございまして、一般に納税者からも納得される合理性を有しているものと考えております。私ども、毎年非常に多くの訴訟事件というものを抱えておりますけれども、裁判の判決等を見ましても、おおむね国税庁の考え方が支持される割合が非常に高くなっておるということでも御理解いただけるかと思うわけでございます。
○大島委員 いまの御答弁で必ずしも納得できるわけじゃないんです。解釈を通達で決めるというようなことは結構です。また、すべて法律でこれを書けということは無理です。しかし、少なくとも法律の委任がなければいけないのじゃないかということを言っているわけです。 たとえば、典型的な例でございますけれども、相続税法個別通達、昭和五十年六月二十日、直資、直税部資産税課ですね、直資五−十七「事業又は居住の用に供されていた宅地の評価」ということで、宅地の面積につき二百平米までの分については、相続財産評価に関する基本通達の評価額の百分の八十相当額で評価する。法律その他の委任なくして国税庁長官が百分の八十と決める。先ほど言いましたように、これを百分の八十と法律で書けと言うんじゃないんです。また、その解釈をどうということを言っているんじゃないんです。この一つの事例をとって、これは租税法律主義の違反ではないですか。そのことをお伺いしたいと思います。
○吉田(哲)政府委員 お尋ねの相続財産の評価でございますけれども、相続税法の第二十二条に、相続財産の評価は相続時の時価によるということが規定されております。相続財産の評価に当たりましては、いわば通常の取引価格を基本とするという原則が明示されているわけであります。 国税庁におきましては、その二十二条の規定を受けまして、非常に多種多様なあるいは権利関係の錯綜しているもろもろの財産につきまして、相続財産の評価に関する基本通達におきまして詳細な規定を設けておるわけでありますが、その規定は、いずれもいまの時価主義というものを敷衍した内容のものであるわけであります。 そこで、そういう時価というものの考え方でありますけれども、一般に取引価格ということで律すればいいわけでありますが、ただいまお尋ねのございました相続によって取得した事業用あるいは居住用の宅地と申しますものは、被相続人が長年生活の基盤としてきたものでありまして、いろいろな権利関係あるいは生活関係がしみついていると申しますか、そういうようなものでありまして、その処分につきましては、ある程度何らかの制約を受けるというのが通例であるというふうに認められるわけであります。したがいまして、そういう財産につきまして、全くその通常の土地、宅地の取引価格と同じような評価でやっていくということは、必ずしも実情に即さないというふうに考えられるわけでございます。 したがいまして、現在私どもの方は、いま先生御指摘の個別通達を出しまして、被相続人の事業用または居住用の宅地のうち二百平米、六十坪でございますけれども、までの分につきましては通常の評価額、取引価格の八〇%によって評価するということで、二〇%の処分困難性を評価しているわけでありますが、これはあくまでも時価評価というたてまえの中で、それがむしろ妥当な時価というものじゃなかろうかという考え方でやっておるわけでございます。被相続人及び相続人を通ずる生活基盤の関連あるいはこの扱いの普遍性といいますか公平性というものから見ましても、私どもは合理的なものというふうに考えているところでございます。
○大島委員 あなた、私の質問を誤解しているんじゃないですか。 私は、百分の八十がいいとか悪いとか言っているのじゃありません。法律と国税庁長官の通達の関連を話しているわけです。つまり、法律が何らかの政令なり省令なりあるいは通達なりこういうものに委任して、この場合で言いますと、法律ならば、たとえば相続税法によって時価による、これはわかるわけです。これは私もよく知っています。しかし、時価によるといって、直ちにそれがストレートに国税庁長官で百分の八十と来るということはどうかということを聞いているのです。
○吉田(哲)政府委員 先ほどの答弁の繰り返しになりますが、その時価というものが、いわゆる居住用または事業用の宅地のうち必要最小限の部分につきましては、むしろ通常の土地の取引価格、宅地の取引価格のおよそ八掛け程度ぐらいが本当の時価であろう、こういう考え方に立っているわけでございまして、私は、二十二条の時価主義の範囲内の考え方であるというふうに考えているわけでございます。
○大島委員 どうも何回もこの問題を取り違えていると思うのです。百分の八十が相当とかなんとか言っているのじゃないんですよ。
○山崎(武)政府委員 先生の御質問は、租税法律主義に長官の通達が反してやしないか、つまり、新たに租税を課す、また現行の租税を変更する際は法律または法律の定める条件によることを必要とするというこの租税法律主義、憲法に規定せられております租税法律主義に、国税庁長官が示達ないし通達によってそれを定めるということはいかがなものであろうかという御質問であろうと思いますが、形式的に言われますと、内容を変更することでありますから、そのひっかかる疑いがありはせぬかなという感じがせぬでもありません。 しかし、一切国税庁長官は従来の法律ないし租税の定めについて解釈上疑義がある場合についてもすべて法律で云々しなければいけないということになりますと、執行がまたきわめて繁雑になりますし、解釈上食い違いも出てくるし、現場においても戸惑いが出てきますから、したがって、合理的と思われる範囲内においてそれをなすことは、またいいのではないかというふうに思いますし、いま先生が御指摘なすった点が形式的に租税法律主義に違反する疑いが全然ないということは言えないのではないかなという感じはします。 しかし、それはそれとして、国税庁長官の、国家行政組織法の第二項によりますこの規定によってそれをパーセントを定めるということは、その中にまた含まれてもいいのではないか、それが合理的な解釈の範囲の中において許されたことではありゃせぬだろうかというふうに考えるわけでもありまして、一概に租税法律主義に反するというふうに決めつけるのもまたどうかなという感じがせぬでもありません。
○大島委員 政務次官のいまの答弁は、やや私の質問に答えていただけたと思うのですが、しかし、まだ誤解されているのは、私は、すべてそういうことは法律で決めろと言うのじゃないのです。ただ、国税庁長官通達ができる前には、何らかの政令なり省令なりに委任があるべきはずだということを伺っているわけです。たとえば、いまの相続税の百分の八十ということは、法律なり政令なりによりまして近隣地域その他のいろいろの諸般の事情を勘案して国税庁長官が定める、そういうことまで規定しているならば、それで結構なんですよ。そういうことを私は伺っておるのです。 したがって、これは何も私が出したのは相続税だけじゃないのですよ。国税庁長官通達にはいろいろあるわけです。それから、繰り返して誤解のないように言いますが、解釈はいいのですよ、賦課処分に直接関係してませんからね。百分の八十とかなんとか直接決めるということは、しかも委任じゃなくて、これは憲法違反じゃないかということを伺っているのです。
○福田(幸)政府委員 御質問の趣旨はよくわかります。それで、憲法の変更のところと国家行政組織法十四条のところの行政的な通達の関連だと思います。 相続税法を引いて御質問でございますので、それに限って申しますと、相続税法二十二条で「時価」と書いてあります。時価と書いて、あと政省令がない。そして通達がパーセントを掛けるという点の御疑問だと思うのですが、時価と書いておりますので、時価自体、時価をどうするかという問題、それは非常に技術的、行政的な面が強い面だと思うのです。ですから、何%を掛けるというのが時価評価の範囲内であるかどうかでございましょうが、庁の方で評価する際に、そういうものを掛けた方が時価評価として適切であるということでやっておるということであれば、その時価の範囲をどう執行面で統一的に見ておるかというぎりぎりのところだろうと思うのです。 だから、余りにパーセンテージの掛け方が理屈がなかったり、また非常に大幅にやっておって時価の概念を損なうとかということになれば問題だろうと思うのですが、それは説明できる時価の合理的な範囲を、そういうやり方でやっているということであれば、法律のところの時価の範囲内に入っていますので、政省令で時価をどうすると委任していかなくても、時価そのものを行政のところで適切に評価しているという範囲内に入るということで解釈されていると思います。
○大島委員 どうもよくわからぬですが、時価とは何かとか、そういうことを言っているのじゃなくて、むしろ形式論にいきたいと思うのです。 つまり、こういう国税庁長官通達は、憲法、法律その他政令等の委任なくして国税庁長官が賦課課税処分を勝手に決められるのかどうか。何かの委任があればいいのです。それを法律で書けなんというようなやぼなことは言いませんよ。たとえば法律の委任に基づいた政令あるいは省令——余りストレート過ぎるということを聞いているのです。いまの相続税法の問題でも、法律からすぐ国税庁長官の通達になってくる。これは憲法違反じゃないかということを聞いているわけです。つまり形式論をやってください。内容はいいのです。内容は百分の八十でも百分の六十でも、そんなことをこっちは伺っているわけじゃないわけです。
○福田(幸)政府委員 法律で時価と書いてあります。その時価をどういうふうに執行が解釈し、統一的に評価するかという問題でありますから、その途中で委任規定がなくても、法律の時価というものを執行で時価を評価するという問題に直結しても構わないということが言えると思います。 そこで、委任をどうやっていくか、どういうふうなことを政省令で書くかということを具体的に考えますと、時価自体は現場に即して適切に時価を判断するわけですから、途中に委任規定がなくても、法律に時価と書いてあることを執行が適切に判断するということで、途中で委任規定が必ずしも要らないというふうに考えます。
○大島委員 相続人にとって、時価というのは大変なことだと私は思うのです。たとえば時価がいいかげんに判定されれば、相続人にとって大変なことになると思うのです。したがって、時価と法律で書いておっても、むしろ政省令にある程度ゆだねて、時価とは何か、それで国税庁長官は、それに基づいて百分の八十とかあるいはその他そういう数字を決めるべきだということを言っているわけなんです。 だから、その間、時価と法律に書いてすぐ国税庁長官が決めるということは余りにも僣越じゃないか、極端に言えばむしろ憲法違反じゃないかということを言っているわけです。時価というのは抽象的なことで、それを法律に書いているからといって、国税庁長官が百分の八十、その間に何らかワンクッションあるいはツークッションあるべきはずじゃないかということを言っているわけです。
○吉田(哲)政府委員 法律の規定のもとにどういう政省令を設けるか、通達でどの程度規定するか、広い意味での立法政策とも絡む問題かと思いますが、ただ、私どもの立場で、ただいま御質問のありました相続税法二十二条の関係について申し上げますと、実は、その長官の通達の範囲が広過ぎるじゃないか、こういう御議論は以前からもときどきはあったわけでありまして、その点につきましては、実は最高裁でも問題になったことがありまして、その判決がございます。 要点を申し上げますと、相続税法二十二条の規定は、相続等によって取得した財産にかかわる評価の原則を定めまして、取得財産の価額または控除すべき債務の金額を、取得財産の価額につきましては「時価」、控除すべき債務の金額につきましては「その時の現況による。」というふうに規定しておるわけでありますが、その規定の仕方につきまして最高裁の判決は、当該規定が時価の算定を課税庁に一任したもの、あるいは一任したと同視すべきものであると解することはできないといたしまして、憲法八十四条との関係で合憲性を判示した事例がございます。
○大島委員 課税庁に一任したといいますけれども、課税庁に一任したという意味は、法律からすぐ課税庁にというストレートで最高裁がその判決を是認したと言えますでしょうか。 先ほど言いましたように、たとえば時価によるとあれば、政令で時価とは何か、近隣地、固定資産台帳その他を勘案して決めるのが時価である、こういうふうなワンクッションあるいはツークッションあってもいいじゃないかということを私は言っているので、いかがでございましょうか。そういうことを聞いているわけです。その最高裁判決も私はよく知っています。それは直ちに国税庁長官に委任したということの意味なんでしょうか。
○吉田(哲)政府委員 私ども十分研究をしているわけではございませんが、ただいまの判決はあくまでも個別の事案についての判示でございます。いま先生御指摘のような、法体系をどういうふうに組み合わせたらいいかどうかというのは、むしろ広い意味での立法政策の問題であろうかと思います。特に判決の方でどうしろこうしろという考え方はうかがうことができません。
○大島委員 政務次官に再度お尋ねいたしたいのですが、いま私、たまたま相続税法の問題を出したので、それは相続税だけじゃないのです。これはあらゆるところにあるわけです。もう恐らく無数と言えるほどのものがある。 それで、賢明なあなたですからあれですが、すべてそれを法律で書けと言うのじゃないのです。また、国税庁長官が通達で解釈をこう解釈する、これは別に悪いことじゃないのです。しかし、法律ですぐ国税庁長官通達にくるというのは余りに激しいじゃないか。その間に、たとえばたまたまいま相続税法を出したので、時価とは何か、それがあって、それから百分の八十なら百分の八十とすべきじゃないかということを私は言っているわけです。ところが現行は、時価によるとしたら、すぐ国税庁長官が百分の八十とする、こう言っているわけです。その間にワンクッションとかツークッションあって、それでこそ合憲性がある、それだったら憲法違反とは言えないということを私は言っているわけです。いかがですか。
○山崎(武)政府委員 一般論として申し上げますと、いま先生が言われたこと、私もそうだと思います。完全に租税法律主義に反しないというためには、形式論を詰めてまいりますと、法律の委任というのを使いますと、それは完全であります。 しかし、現行のこの国税庁長官の通達が直ちに租税法律主義に反しているかということの議論をしてまいりますと、またいろいろな形の議論も出てこようかと思いますけれども、先生のお気持ちは十二分によくわかりますし、一般的に言えば、立法論として考えなければいけない問題を御指摘賜ったというふうに思います。
○大島委員 この問題は、もうこれで私の質疑は打ち切りますけれども、何も個別に一々しなくても、単独立法でこういう場合はこうだというふうなことをすればいいのじゃないですか。私は、現行の国税庁長官通達はきわめて憲法違反の疑いが濃いということだけを申し上げまして、この質疑を打ち切りたい。これは一つの提案です。しかし、これは大変なことだと思うのです。 民主主義というのは、そもそも税から始まったんですからね。フランス革命が最大の模範です。王侯貴族、僧侶は無税だ、その他の一般庶民は有税だ。いまの不公平税制どころじゃないのです。大変なものです。一七八九年にフランス革命が起こったのはやはり租税からです。そこで、とにかく租税法律主義というのが民主主義国の最大の要請なのです。そういう意味におきまして、私は、現行の国税庁長官通達というのは憲法八十四条違反の疑いがきわめて濃いということを申し上げまして、きょう大臣がおりましたら、私は大臣にも伺いたかったのですけれども、これはひとつ十分御検討をお願いします。 第二に、同じく国税庁関係ですけれども、昔、賦課課税処分に不服があったら、協議団というのがありました。国税局の中に、総務、直税、間税、徴収、そのほかに協議団というのがあったわけです。ところが、協議団というのは、要するに、一般の直税部あるいは間税部によって課税されたものに対して不服があるから、公平な第三者でやろうということで不服審判所になったわけですね。そういうことで、いわば直税部、間税部、徴収部から独立したというのが不服審判所制度ですね。 ところが、その不服審判所の上の方の指定官職というのは、国税庁長官が任命しているわけです。それでは、なぜ不服審判所というのが独立したか。独立しておりながら、不服審判所の指定官職は国税庁長官が任命する、これはきわめておかしなことじゃないかと思うわけです。国税局にあった協議団を、せっかく大変な努力をなさって長い間の努力が実ってようやく不服審判所として国税庁から独立した。その不服審判所の指定官職を国税庁長官が任命するということは、その不服審判所の独立性を侵害することではないかというふうに思うのですが、この任命権についてはいかがですか。
○福田(幸)政府委員 お答えします。 これは行政のところでの審判の性格の問題から発するわけで、行政の統一性という問題は、執行とその不服の申し立てを含めて行政の統一性の問題ということから考えるべきですが、税についても、不服審査機関というのは、行政の範囲ということであれば税務行政の最終責任である国税庁、まあ置く場所は国税庁、そしてその任命は国税庁長官ということになろうかと思うのです。 あと司法裁判所との関係は、また御質問があれば申し上げますけれども、そういうことで、その行政の中で国税不服審判所の独立性をどう維持するような組織にするか、それが具体的には任命権のところにかかってくるわけで、それは、長官が任命していることが独立性を害するかということでしょうが、行政の中での統一性ということでいけば、その最高の税務執行については長官が任命するということで、国税不服審判所長につきましては、さらに大蔵大臣の承認を得て任命するということになっていますので、この辺は、独立性は行政組織の中で最大限に働いておるということで、あと司法裁判所系統は行政審判とは別な形にまた独立性があるわけであります。したがって、いまの国税不服審判所の組織というのは、行政の中では独立した形でぎりぎり組織されておるというふうに解していいと思います。
○大島委員 私は、まあ常識論を言いまして、不服審判所長の任命権が国税庁長官にあるということの現行制度であるならば、どうしても人間の心理として、任命権を持つ国税庁長官に服従しなければならないということになるのじゃないですか、私はそのことを伺っているのです。それが独立の機関でしょうか。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 国税庁長官が国税不服審判所長以下の審判官を任命いたしております法的な根拠は、先ほど主税局長が申し上げましたように、国家公務員法に基づきまして、これが国税庁の外局として置かれておりますために、国税庁の長である長官が任命いたしておるところでございますが、同時に、先生のただいま御指摘なさいましたとおり、その国税庁長官が任命するという任命権を持っておるがゆえに、不服審判所長を初めとする審判官が果たして十分独立してその職責を果たすことができるかどうかということは、不服審判所のあるべき姿、職責を十分果たすことができるかどうかという基本的な問題を含んでいるというふうに、私どもも十分承知いたしておるところでございます。 そのために、先ほど主税局長が申し上げましたように、不服審判所長の任命に当たりまして特に大蔵大臣の承認が必要であるという制度を設けておりますほかに、現実の任用面におきましても、歴代の国税不服審判所長は高等裁判所の裁判官の方においでいただいておるとか、あるいは東京、大阪といった主要なところの審判所長は、それぞれ現職の裁判官なり検察官の方においでいただくというようなさまざまな形で、外部の、しかも識見のある立場の方、非常にごりっぱな方で、しかも税務についても十分な知識経験をお持ちの方をできるだけお迎えするというような配慮をいたしておるところでございます。
○大島委員 どうも、これもまた先ほどの問題と同じく、何か私の真意が伝わらないようなんですが、大蔵大臣であろうと国税庁長官であろうと、同じ大蔵省、それによって任命されるということは、賦課課税された者として、むしろ公正取引委員会の委員のようにいわゆる中立なものの任命権があってしかるべきではないかということなんです。それは裁判官もそうです。それは来ていることは私知っています。しかし、身分は不服審判所長なり何なりです。しかし、現在は大蔵大臣の指揮監督を受けているということになるわけです。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
○山崎(武)政府委員 形からいいますと、先生が言われるのもまたごもっともだなという点があります。ただ、税務についての不服を申し立てる場合に、一応不服審判所というのに申し立てなさい、その長は国税庁長官が任命しますよ。しかし、その不服審判所というのは、国税庁長官が任命したその方のもとでやるのだから、どうも不服の救済が完全ではないのじゃないか、同じ穴じゃないか、そんなものでやってくれたって大したことないじゃないかというふうに受け取る側は受け取れぬこともなかろうと思います。 したがって、その国税不服審判所が出した結論について不服がある場合に、そこでその権利救済の道を遮断するとすれば、まさに先生が言われた点は大問題であろうと思いますが、そこで、その結果に不服がある場合については、日本国憲法は裁判所というのを最終的には用意しておりますから、したがって二段階の不服救済手段であります。 第一番目は、国税庁長官が、国税庁の職員がなしたことについて不服申し立てる場合については、やや多少甘いかなということ、しかしそれでも、中身がよくわかっているから、文句を言われるんだったらば中身の方に言ってください、形はできるだけ独立性を保った公正な方法でありますよという制度をつくったわけでありますから、ひとつその辺の点も御考慮いただければ、先生も十分おわかりのはずだと思いますけれども、そういうところでこの制度はあるのではないか、そういう形で機能しているのではないかというふうに考える次第であります。
○大島委員 あなたも私もともに弁護士ですから、その辺はよくわかっているのですけれども、しかし、実際、不服のある者が不服審判所を経てさらに裁判所へ行くということの時間と費用ですね、これを考えたら大変なものです。しかも、その判決が出るまでです。 こう言っては失礼ですけれども、裁判官の方には素人の方が多い。租税の不服の判決というのはなかなか出ない。あなたもよく御存じです。私もよく知っています。二年、三年もかかる。そういうのが実情なんです。そうすれば不服審判所で、言うならば第一審としてぱっとひとつ納得のいくような審判をされたらどうか。そのために審判員を、国税庁長官から拘束されないような人の任命をしたらどうかということを言っているわけです。 これはいわゆる常識論ですわね。別に何も制度論じゃなくて常識的に、本当に裁判すれば時間もかかる、また弁護士を立てるのに費用もかかる、こういう納税者に対して、せめて迅速に、かつ公平な、逆に言えば国税庁長官がこわくない人ですね、いわゆる国税庁がこわくない人、こういう人の任命、たとえばその任命権を第三者が持つ、公正取引委員会とかいろいろの委員会がありますが、第三者がそういう任命権を持つというふうに制度改正したらどうかということを伺っているわけなんです。
○福田(幸)政府委員 租税に関する不服というのは、一般国民に租税がかかりますから大量に発生するという前提では、やはり行政段階での不服審査に適するということであろうと思います。 その際、税というのは非常に専門的でありますので、税の専門家がその不服審査の方も当たるというのが、敏速にかつ実態に即した解決が図られる。それでは先生のおっしゃるように第三者的な人をと言っても、じゃどういう人を選ぶか、こうなりますと、そこにまた問題が生ずる。公平な解決がそこで図られるか、反対に、専門的な知識がないためにバイアスがかかるということもあり得ます。どういう形で任命されるか、それが適格な人であるかどうか、それはむしろ裁判段階で確保されておるわけであります。 これは先生も御承知でしょうが、ドイツの場合は財政裁判所というのがあるのは御承知のとおりです。これは司法裁判所の中に財政裁判所があるわけです。アメリカの場合の租税裁判所と同じものですが、ラントの財政裁判所、この場合の任命権者は、地方裁判所でありながら、これは州の財務省が裁判官の任命、昇任、勤務、監査等の服務上の監督権を持っているわけであります。司法裁判所の一環の財政裁判所でありながら、その任命と監督はラントの財務省が大部分やっているという例が多いわけですから、非常に専門的な知識を要するという性格も持っておりますので、御提案の趣旨は、むしろ日本の場合は司法裁判所で救済されるということで、行政上は敏速に、経験と知識のある者がみずから独立の気持ちを持ってやるということになっておると思います。
○大島委員 いまのドイツの税制も私はよく知っています。 しかし、私の言うのは、要するに、国税庁長官の任命による者が不服審判をするということはおかしいんじゃないかということを言っているのです。たとえそれが一審であろうと二審であろうと、また最終的には司法機関の救済手段があるとはいえ、なぜ長い間協議団として——この協議団というのは全く国税庁長官の指揮のもとにおったわけです。しかし、何年か前にせっかく独立して不服審判所というのがつくられた。それならば、国税庁から独立したんですから、その任命権を国税庁長官が持たなくてもいいじゃないかということを聞いているわけです。
○山崎(武)政府委員 すべての国家機関が立法、司法、行政、この三権のうちのいずれかに該当しなければいけないのは先生御承知のとおりです。したがって、国税不服審判所が国税庁長官の任命によらずに、何人かの任命によるとするのであれば、国税不服審判所は、一体司法の分野に属するのであるか、行政の分野に属するのであるかはきわめて不明確になりはせぬか。 逆に言いますと、国税不服審判所というものは、行政の範囲そして税の範囲に属する一機関ではないか。そういたしますと、国税庁長官の指揮下に置かれるべき本質を有するのではないか。しかし、それは他面、その独立性が担保されなければ、その機能を十二分に発揮し得ないではないかという先生の御指摘、まことにそのとおりであります。その独立性を担保するためを追求してまいりますと、任命権者は国税庁長官ではおかしいのではないかという先生の御指摘もまたそのとおりであります。しかし、これを他の公正取引委員会のような形にしなさいということになりますと、憲法上、それをそういう形に置き、かつ公正取引委員会そのものの性格が、一体、これは立法、司法、行政のこの三権の中に入るのであるか、入らないのであるか、それもまた非常に議論を提起しております。そういう形の中に国税不服審判所を持ってくることがいいのであろうかという、この行政組織上の大問題が大前提にあるのではないかと思います。 したがって、国税不服審判所を行政の中に置くとするのであれば、本質的に国税庁長官の任命によらなければ、これは行政組織上いけないのではないかというふうに思うわけであります。しかし、それは他面、いま先生から言われたようなそういう独立性が担保されないという批判を浴びることはまたあたりまえであります。しかし、それはその限度において有すべき不服審判の機能をおよそ憲法、法律というのは予定したのではないか、制度上、それをそういうふうにつくったのではないかというふうに理解しております。
○大島委員 不服審判所、あくまでもそれは行政の分野です。もちろん行政の分野です。しかし私が言っているのは、先ほどから繰り返し言いますように、その協議団から独立した意味というのは一体何かということです。国税局の中にあった協議団というのから、なぜこんなに努力を払って不服審判所にしたのか、その意味が薄れはしないか。不服審判所の指定官職以上を国税庁長官が任命するということは、長い間国税局の中にあった協議団というのをせっかく独立させた意味がないじゃないか。もちろん、これはあくまでも行政機関です。そういうことを言って任命権の問題を、これは何も公正取引委員会のようにせよと言うのじゃないのですけれども、任命権を長官や大蔵大臣から外して第三者の任命権にできないかということを聞いているわけです。
○福田(幸)政府委員 御質問の、審判に対する課税権者と違った独立性をという趣旨は十分わかります。また、そのように努力していると思うのですが、任命をどこがするかという問題になると、具体的に、どこがどういう基準で任命するかというところに、また公正を確保する上での問題があると思います。 公正取引委員会は御承知のとおりで、他の行政機関が行った処分の適否を判断する機関ではなくて、私人相互間の取引について公正を確保するというので、公益を代表する第三者ということで、その判断で、違反者に対して一定の措置を命ずる審決等を行うという、司法に近い機能を持っておるわけでありまして、課税処分についての不服審査がこの公正取引委員会的なものとして仕組むこともできませんし、おっしゃる趣旨はわかりますが、それじゃ、どういうところで、どういう形で任命するかというところで問題が解決されない。やはり行政の中での責任者がそれを任命し、行政の中の審判として敏速にこれを独立性を持って解決し、そして不服は、さらに司法裁判所を確保されている。 それで、私が言いましたように、司法裁判所の中に租税裁判所を置くという構想も従来あったわけですが、その際においても、その租税裁判所ないし財政裁判所の任命というときには専門家がなるというのが多いわけでありますので、いまの実態とどれだけ変わるのか。行政の中で審判が敏速に行われ、また裁判の中で本来の司法機能としてそれが救済されるという仕組みがやはり正しいというふうに考えます。
○大島委員 もうこの問題はこれで打ち切りますが、私の言いたいのは、不服審判所長であれあるいは不服審判所の指定官職であれ、だれでもやはり、端的に言いますと任命権者はこわいわけです。したがって、賦課処分をしたその任命権者、これに対してどうしても原処分、原処分の方へ近づいていく、こういうことを私は憂えているわけなんで、その点ひとつよく政務次官も御認識になって、これは考えていただきたいと思うのです。 私が言うのは、なぜ不服審判所が独立したか、公平な行政をしようということで独立したわけですから、それが、指定官職以上ですけれども、任命権者が大蔵大臣や国税庁長官であるならば、その独立した意味がないということを申し上げているわけで、まあこれも一つの提案ですけれども、任命権だけの問題ですから、それは判事、裁判官を持ってくるのも結構、検察官を持ってくるのもそれは結構です。しかし任命権は大蔵大臣、国税庁長官以外の第三者であるべきだ、そのためにこそ不服審判所が独立したんだということを申し上げて、この問題につきましては、ひとつよくお考えいただきたいというふうに思います。 続きまして、この問題はかつて当委員会にも取り上げられたと思うのですが、二月十七日の国税庁の発表ですが、国税庁の実態調査報告では、クロヨンとかトーゴーサンというものはないということを言いましたが、本当にそうなんですか。ちょっとその辺の事情を伺いたいと思います。
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。 税の執行が適正公平に行われなければならないということは最も基本的な問題でございますし、また、その点につきましての国民の皆様の非常に強い関心のあることも重々承知いたしておるところでございます。このような判断に基づきまして、昨年秋以来税の執行に関する実態調査というものを私ども実施いたしまして、このほどその結果を発表させていただいたわけでございます。 その調査の内容でございますが、二つございまして、一つは無申告の実態調査というものでございまして、全国九地域に所在しておりますすべての世帯主、約九千人でございますが、この方たちにつきまして、本来所得税を納めていただくべき所得があるにもかかわらず、把握漏れとなっておる方がいないかどうかを悉皆調査をいたしたというのが一つでございます。 もう一つは、同じ地域につきまして世帯単位の所得の実態調査というものを実施いたしまして、これは、それぞれの世帯につきまして、いわゆるサラリーマン、営業者、農家といったそれぞれの世帯単位ごとの世帯主の所得及び世帯員の所得の種類及びその額を調査いたしまして、その特徴を調べてみたということでございます。 調査の結果を一言で申しますと、まず無申告の実態調査につきましては、約九千件の調査対象者のうち、本来所得税の申告等をしていただくべきであるにもかかわらず漏れていた者が全部で三十一名、率で申しますと〇・三四%ということで、それほど大きな把握漏れはなかったというのが実情でございます。 二番目に、世帯単位所得の実態調査の結果について申しますと、いわゆる営庶業や農業を営んでおられる世帯の場合には、所得のある世帯員が比較的に多いということ、それからまた、本来の事業所得のほかに給与所得が世帯の所得の中で占める比重が相当大きくて、これが暮らし向きをかなりの程度支えておるというような事実が明らかになったわけでございます。 以上の二点が今回の調査の結果明らかになったわけでございますが、これに加えまして、かねて私ども、年間十四万件程度営庶業者に対する実地調査を実施いたしております。その調査の結果、どの程度申告所得の水準が完全なものでないかというようなことについても、実態をある程度把握しておりますが、これらを総合いたして考えてみますと、世上言われておりますような、いわゆるクロヨンといったような実態とはかなり違うのではないかというふうな認識を持っておる次第でございます。 以上でございます。
○大島委員 それははなはだおかしいんで、まず私は、次の三つの理由を挙げたいと思うのです。 一つは、実調率が一〇%を割るような現状で、それを調べてクロヨンではないとかトーゴーサンではないということが言えるかどうか、これが第一点。それから第二点には、国税庁の脱税白書、これによりますと、年間約一兆から一兆八千億になる。いまの国税庁の問題は、これはもうほとんどやはり自営事業所得でしょうね。それからもう一つは、大島サラリーマン訴訟で、確かに税のクロヨンとかなんとかいうことはあるということが、一つは高裁判決でも出ておるわけですね。 そういうことで、つまり言いたいのは、実調率が一〇%を割るとか、しかも三つの国税局だけをサンプル的に調査して、そういうことが言えるかどうかということを私は聞いているわけです。特に、いまなぜサラリーマン、つまり給与所得者がこんなに不満を持っているかという一つの理由は、自分たちの税金が高いというよりも、ほかの人なら税金が低い、つまり逆に言えば、実調率を高めてもっと公平な税金を取ってくれ、貧しきを憂えず等しからざるを憂うということが、私はいまのサラリーマンの実態だと思うのです。 だから、そういう実態を踏まえて判断すべきものなんであって、いまの給与所得者は、もちろん税金はここ五年間減税なしですから、それは自分は高いと思っております。しかし、その他の所得者からもし実調率を高めて公平に税金を取ってもらえば、いまの給与所得者、サラリーマンの不満というのはこれほどじゃないと思うのです。いま現在実調率は一〇%を割っている。しかも、今回のこの二月十七日の調査は二、三の国税局だけを調査して、そういう不公平がないということを言えるかどうかということを私は聞いているわけです。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 現在の国税庁の実調率が必ずしも高いものでないんじゃないかという先生の御指摘はそのとおりでございますが、法人につきまして約一〇%程度、個人につきましては四、五%程度というのが最近の現状でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、私ども、決して世上言われているようなクロヨンというような実態があるわけではなくて、多くの納税者の方たちは誠実な申告をしておられるという認識を持っておりますが、しかし一方におきまして、やはり必ずしも誠実でない申告をしておられる方が一部におられることも、これまた事実でございますので、限られた人員、能力のもとではございますが、より的確な対象の選定、調査の充実そのほかに心がけてまいりまして、国民の皆様方の執行の公正に対する大きな期待にできるだけこたえてまいりたい、このように考えております。
○大島委員 だから、実調率を四、五%あるいは法人においては一〇%というようなことでもって、いわゆるクロヨンがないとか税の不公平がない、そんなに税の不公平がないというようなことを言うのはやはり私はおかしいと思う。これが、もし実調率がたとえば三〇%とかなんとかいうことがあって、しかも国税局を全面的に調査をしてやれば、それはある程度意味があると私は思うのですけれども、東京、広島、名古屋国税局ですか、この三局だけを調べて、しかも実調率が四%ないし五%というような低いものでもって不公平がないということは、不公平はないとは言いませんが、さほどひどくないということを言うのは、はなはだ不見識だと私は思うのです。
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。 私、先ほど実調率について申し上げましたのは、全国税局における実地調査の件数の比率を申したのでございまして、それとまた別に、昨年秋以来実施いたしましたいわゆる実態調査、税の執行の実態についてわれわれ自身勉強もし、また国民の皆さん方にもその実態を知っていただきたい、こういうことで実施いたしました実態調査というのがございまして、いま先生御指摘になられました、東京局ほかとおっしゃいましたが、東京局と広島局と仙台局におきまして、それぞれの地域特性をいろいろと考慮いたしまして、住宅が中心の地域、農業が中心の地域、商工業が中心の地域等いろいろ地域特性を勘案いたしまして、実はこれは全部で対象の件数は九千件でございますが、その地域については悉皆調査をする、その地域のすべての居住者につきまして実態を調べてみる、こういうことをいたしてみたわけでございます。 その結果、一つは、先ほど申しましたように、本来所得があるにもかかわらず全く申告をしていないというような方は非常に少なかったというのが一点と、もう一つは、暮らし向きが外から見ていて非常にいいのに所得は意外に少ないというのはおかしいではないかということが、周りから見て実感としてよく言われるわけでございますが、その辺の暮らし向きと所得とのずれが一体どういうところにあるんだろうかというようなことについて、実態がある程度わかったということを御報告いたしたわけでございます。
○大島委員 とにかく、いまから二十年ほど前は、法人におきましても個人におきましても、たしか実調率は二〇%くらいいっておったと思うのですが、いまはそういうふうに一〇%を切っているということだから、なるべく実調率をとにかく高める必要があるということは当然のことです。 そこで、いま国税調査官一人当たり、年間どれほど不正所得を出しているかということですけれども、私の記憶によると、一人当たり大体五千万くらい出していると思うのです。これは大きな局と小さな局によって違いますけれども、東京、大阪だと国税調査官一人当たり恐らく七千万くらい出していると思うのです。これを仮にいま国税調査官千人をふやすと、目の子算ですけれども、年間七千億の増収になるわけです。もちろん直ちに使えるとは言いません。直ちに使えるとは言いませんけれども、特別訓練をしてやれば優秀な者であるならば恐らく一、二年でできると思うのです。これが東京、大阪、名古屋のような大きな局におきましては一人当たり、不正所得とは言いませんが、合わせて増差所得発見額が大体七千万くらいになると思う。だから、仮に千人ふやすと一兆に近いものになるわけです。 そこで、これは提案ですけれども、今度の行政改革において余った人員を、何万人か知りませんけれども、一万人なら一万人国税調査官に振り向ける。私は、きょうはあえて行政管理庁を呼ばなかったのは、大蔵省としてこういう考えはどうか、国税庁としてこういう考えはどうか。いま定員は五万三千ですか、非常に少ないです。あのレーガンさえも税務職員を五千人増員するということを言っている現状ですね。そういう現状で、ここで一万人増員をして定員を大体六万にするというようなことについて、きょうはあえて行管を呼ばなかったのはそこなんですが、国税庁としてどう考えますか。
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。 まず初めに、五十七年度の国税庁の増員について一言ちょっと申し上げたいと思いますが、各省庁を通じまして国家公務員の千四百三十四名の純減という非常に厳しい定員の査定があった中におきまして、国税庁は前年の純増ゼロから本年は二十七名の純増を認めていただいております。これは、国税の職場の非常な困難性というようなものについて、それなりに関係方面の御理解を得られたものではないかと考えておるわけでございます。 ただ、先生も御指摘のとおり、現在の国税庁の職員をもって、完全に実調率を私どもが希望するようなところまで高めて、執行の公正を一〇〇%確保するというようなところまで持っていけるかということになりますと、これはなかなかむずかしい面があるわけでございます。 ただ、そういう非常に厳しい行財政の中でございますので、私どもといたしましては、まず第一に、やはり納税者の方に青色申告を一層普及していただくとか納税道義を一層高めていただく、まず納税水準を高くしていただくということに積極的に働きかけていきたい。さらには、地方公共団体そのほか外部の諸団体との協力関係も密接に進めていきたい。また、先ほど申し上げましたように、調査対象の一層的確な選定等を通じまして効率を高めていきたい。 こういうようなことを、いろいろ諸施策を今後進めてまいろうと思っておりますが、やはり最終的には内部の体制と申しますか、その基本となりますのは職員の資質とあわせまして職員の数でございまして、今後とも最小限必要な増員につきましては関係方面にお願いを続けてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○大島委員 もちろん私は、ほかの省庁に比べて国税庁の人員は現状としては優遇されているということはわかっていますけれども、さらに一歩踏み込んで、とにかくそれだけ歳入がふえるのですから思い切ったことをやられたらどうか。しかも今度行革というものがある。もちろん直ちに使えるとは言いませんけれども、優秀な職員ですから、二、三年で一兆浮けば大いに結構なことじゃないですか。その人件費は幾らですか。もう微々たるものです。これも政務次官にひとつ。
○山崎(武)政府委員 先生の御指摘、御発言、まことに感謝にたえないところであります。ぜひひとつアメリカ並みにやっていただいて、財政再建の一助になればこの上ない幸いだと思う次第でありまして、ひとつ先生の御援助を心からお願いする次第であります。
○大島委員 ずいぶん序論が長くなりまして、いよいよ本論ですけれども、きょうは本論につきまして一つだけ伺いたいと思うのです。きょうは、実は道路特定財源の問題とかあるいは資産所得課税とかということでお伺いしたかったのですが、もう時間がありませんので省略します。主計局来られていますか。——ちょっと、せっかく来られたんだから。きょうは建設省を呼ばなかったのですが、その呼ばない理由というのは、大蔵当局としての道路特定財源についての考えを伺いたいと思います。 ちょうど五十八年度は第八次道路整備計画の改定期になっていますね。それから、五十一年度以来税率は六年間据え置きですね。五十五年度末で舗装率が国道はもう九七%舗装されているわけです。それから県道が八一%舗装されるというような現状。それから臨調もこれは一般財源に回せということを勧告しておりますね。 まずお伺いしたいのは、その八割を現在道路財源に使うという法的根拠はあるのですか、この膨大な金を現在八割使っておりますね。
○西垣政府委員 御質問は自動車重量税のことだと思います。自動車重量税につきましては、制度の性格としては一般財源でございますが、この税の創設の経緯等から、従来ずっと八割を道路に充てるということでまいっておりました。五十七年度予算に当たりましては、これは八割は道路に充てられておりません。 この問題につきましては、先生御指摘がありましたように、臨調もそうでございますし、それから税調や財政制度審議会におきましても、幅広く検討するようにということになっております。いまおっしゃいましたように、五十八年度から道路の新しい五カ年計画ということで、従来から、道路五カ年計画を検討する都度その財源をどうするかということをあわせ検討いたしておりますので、私ども、それはその検討の機会ではないか、こういうふうに思っております。
○大島委員 いままで、法的根拠もなくして八割を道路財源に、本来一般会計にあるべきものを道路に投入しておったのですが、こういう大変な時節柄、一般会計として考えるべきことじゃないかと思うのです。もちろん、道路族といいますか建設省といいますか、あるいはトラック業者といいますか、それはいろいろ反対はあるかもしれません。反対はあるかもしれませんが、これはひとつよく考えていただきたい。一般会計は火の車なんです。しかも、先ほど言いましたように道路の舗装はほぼ完全にでき上がっている。こういうときに、この八割をなおかつ道路に充てるということはいかなるものであろうかということを一遍よく考えていただきたい、政務次官もよく考えていただきたいと思います。 最後に、本法におきまして価格変動準備金それから貸し倒れ引当金が規定されておりますが、まず、今度の改正におきまして退職給与引当金が改正にならなかったのはどういう理由でしょうか。
○福田(幸)政府委員 退職給与引当金は検討いたしました。検討過程で問題になりましたことは、引当金、これは債務性引当金ですが、引き当て残高が多いのではないかということ、それは取り崩しに比べて大きいという問題。一方においては、その算定の根拠をどこに求めるか。債務性といっても、将来退職する人、近々退職する人、ずっとあるわけです。それをいまの時点の数字に焼き直すというか現在価格に換算するのに、現在五〇というのを四〇にしておりますけれども、それが正しいのかという問題。これは二年ほど前に五〇を四〇にしてますので、それをさらに見直すだけの理由があるか、今後勤務する年数、それから割り戻す利子率、その辺も検討を重ねたのでありますが、いずれにしろ、さらに検討をしないと理論的にも実際の実態にもなかなか合わないという感じでございますので、引き続き検討するということであります。 引き続き検討する際には、いまのような年数とか利子率、さらに特に問題は、今後の退職者の受け取る退職金及び年金の絡みがどうなっていくか、その際、退職金自体も支払いを確保するのにどうしたらいいのかという問題、及び今後は外国のように年金スタイルに移っていくのかという、非常に基本的な今後の退職者のあり方に絡みますので、総合的な点、労働法規の関連も出てくると思いますが、そういうことを含めて、今後の雇用情勢及び退職者の地位がどうなるかということを見きわめる方が基本的な検討として正しい、こう思いまして、直ちに財源論ということで片づけるよりも、そういう過程で今後検討を続けたいということであります。
○大島委員 たとえば三菱重工を例にとってみますと、約六万の職員がいる。その六万の職員が一斉に退職したと想定した場合の四〇%を繰り入れる。ところが実際は、そういう大企業におきましては、退職率というのは大体六%ないし七%、その実勢と余り乖離があるのじゃないかということを私は聞いているのです。しかもこれは莫大な金額だ。これを今回放置したということ、これは非常におかしいのじゃないかと思うのです。まさに大企業優遇というそのものの姿勢だと思うのです。主税局におきまして、これをやろうと考えられましたか。
○福田(幸)政府委員 あらゆる制度は検討いたすわけでありますが、御指摘の退職給与引当金も残高が大きい、それから取り崩し額との比較でというのでは、これは当然検討の対象にしぼられるわけです。 ただ、先ほども申し上げましたように、人員が多ければ残高が大きいのは当然でありますし、また今後どういう形で退職者が生ずるか。これは国税職員と似たような形態で、高齢者がまとまって退職する時期があるかもしれない。それは個々の企業で非常に違うわけです。ですから、直ちにいまの引き当てが過大であるということは言えない。会計理論を言う人は、一〇〇%積み立てるのが正しい、債務がすでに発生しているわけですから、退職するのは先でも、その期間の損益計算上は費用収益の原則でいけば一〇〇%積み立てたもので計算するのが正しいという見方もあります。 そういう点も踏まえながら、また一方において、現在価格に換算するときに資本利子の利益率がいいのか自己資本利益率がいいのか、やはりあらゆる問題がありますので、理論的に解明ができ説明ができる形での処理をしたいということで、直ちに結論を出すということには至らなかったわけで、今後検討を続けるということであります。
○大島委員 貸し倒れ引当金、今回金融保険業以外は引き下げられましたが、実は昨日どなたかが、当委員会におきまして、この率は、こういう大きなことは法律で決めるべきだと言われました。しかし私は、先ほど一番最初に説明した租税法律主義でこれは政令に委任する、こう書いているのですから、これは政令でいいと私は思うのです。 しかし、それはそうとして、金融保険業について千分の三に引き下げられたけれども、これも退職給与引当金とともになおかつ甘いのではないか。大体、銀行が金を貸すときに、そんな危ないものに金を貸す銀行というのはないですよ。担保を十分とり、その上で貸すわけですね。そうしたら、その千分の三というのは、たとえば十兆の貸し金を有する金融機関になおかつ千分の三という恩典を与えるというのはいかがなものであろうか、もうちょっと引き下げてしかるべきじゃないか、今回の改正におきましても。 だから、私は非常に不満を持つのは、今回の改正におきまして、たとえて言えば退職給与引当金は余り甘いから、せめていまの四割を三割に引き下げる、あるいは金融保険業に対する貸し倒れ準備金を千分の三から千分の二に引き下げる、こういうことがあってしかるべきじゃないかと私は思うのです。余りにも大企業に甘い。租税特別措置法を整理した、整理したと言いながら、それは整理はされているでしょう、しかし余りにも大企業に甘い。ということは、退職給与引当金とか貸し倒れ準備金、特に貸し倒れ準備金の金融保険業に対する率、これは本来ならばもう利益留保、この利益留保を損金として認めているということ自体が非常におかしいじゃないかということを聞いているわけです。主税局長どうですか。
○福田(幸)政府委員 貸し倒れ引当金の繰入率の率が適当かという御質問であろうと思うのですが、実績率というのはなかなかつかめませんけれども、われわれで調べた範囲のサンプル調査による率との比較を見ながら、二〇%カットを二年間にわたってやるということにしたわけです。前にもやったことがございますけれども、金融機関の方は、これは昭和四十七年当時は千分の十五であったのを累次引き下げまして、御承知のように現在、五十六年度の改正で千分の五から千分の三に引き下げている経過期間の適用期間中であります。 それで、千分の三ということが実際の貸し倒れ率との比較でどうかということでありますけれども、金融機関の貸し倒れ率というのは、ほかのところより実績が低いことは低いわけですけれども、その実績率と今回というか現改正後の、金融機関は改正しない千分の三でありますけれども、その辺の比較の問題になってきます。金融機関の場合過剰引き当てではないかという議論は常時あるのですけれども、金融機関はやはり特殊性といいますか貸し付けを業としていますので、ほかの事業よりも貸し金自体の保全というのは重要な仕事そのものであるわけです、ほかのところは商行為に伴う貸し付けになりますけれども。 したがって、この金融機関の貸し倒れに対する引き当てというのは、外国の場合を見ましてもこの率が余裕をとって設けられておるというのは、これはその金融機関の特殊性からきておると思うのです。アメリカが、現在千分の十二でございますが、これを、一九八七年ですから相当将来ですが、千分の六まで落とすということでやっています。日本の場合は千分の三でございます。西ドイツの場合は千分の十・五です。フランスが千分の五ですから、金融機関を業としてやっている場合にどこまでカットしていいかという問題は、やはり金融機関の特殊性を考える必要がある。これを非常にシビアにやりますと、貸付先を非常にしぼってくるという傾向があります。貸し付けの回収を確実にしようとする、そうすると選別をする、また増し担保を要求するということをさらにやりますと、その被害を受けるのは、金融機関ではなくて貸し付けを受ける弱い企業の方にいくという問題も実態上あるわけです。 したがって、その辺を考えた上で金融機関の貸し倒れ引当率を穏当な線にしておくということも重要でありますので、何も金融機関に余剰の引き当てをさせておるという意味ではございません。いまの千分の三は、千分の十五から落としたという点では、妥当な水準に達しておるという判断であります。
○大島委員 主税局はすぐ外国と比較して、それで万事終われりということですけれども、金融機関の貸し付けの実態が違いますね。向こうはほとんど人的信用でいくわけです。日本は物的信用でいくわけです。とにかく担保を二重にも三重にもとってやるというのが日本の貸し付けの方法でしょう。したがいまして、私は、その率だけではとても納得できないと思うわけです。しかし、もう時間がなくなりました。 最後に、一言だけお伺いしたいのだけれども、先ほど言いましたように、サラリーマンがいま非常に不満を持っておるというのは、実調率が低いということと、それからもう一つは、サラリーマン以外は合法的節税ができるということです。合法的節税といいますと、たとえば企業が自分の奥さんを重役にしたり、あるいは日常家計費を全部会社の費用にしたり、そういうことができる。 繰り返して言いますと、実調率が低いということのほかに、いま言ったように自営業者は何でもできる。とにかく専従者控除家計費、極端に言えば電話代とかなんとかすべて経費として落とせる。これは法律にあるのだから、いわゆる合法的節税ですね。こういうのを何とか捕捉できる方法がないのかということを最後に聞いて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○小山(昭)政府委員 先ほど申し上げました税の執行に関する実態調査の点でも、まさに先生の御指摘のような点が多々見られたわけでございます。確かにその点は一つの大きな問題でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、近時特に、たとえば青色申告者の専従者控除等が行われている場合に、その支払われている給与が本当にその家族の方の担当しておられる、実施しておられる職務の程度にふさわしいものであるのかどうかとか、あるいは先ほど先生のおっしゃいましたような家事関連費類似のものが事業の経費として落とされていないかどうかというような点につきましては、ことのほか厳重に注意して今後の税の執行に当たっていかなければならない、このように考えて、各国税局にその旨厳重に示達いたしているところでございます。
○大島委員 あと二、三分ありますので、最後に聞きたいのですが、諸外国では、大体中小企業その他に対しましてまで記帳義務というのを課しておりますけれども、これもいまのクロヨンの不服の解消の一つだろうと思うのですが、私の意見は申し上げませんが、主税局の意見はどうですか。
○福田(幸)政府委員 申告納税というのは、自分が一番所得をよく知っておる、記録も自分が持っておる、それによって税額を計算して申告するというのが基本でありますので、やはり申告する基礎になるデータがあるのが当然であります。 したがって、申告納税の本来の考え方に戻って、適正な申告をしてもらうのにどうしたらいいか、御指摘の点を含めて、やはり不公正がどこから発しておるかという問題については、率直に今後検討を進めたいと思っておりますし、政府税調においてもこれを取り上げてもらう、こう思っております。
○大島委員 終わります。
○森委員長 ちょっと速記をとめてださい。 〔速記中止〕
○森委員長 それじゃ速記を始めてください。 小杉隆君。
○小杉委員 大蔵大臣は、参議院の予算委員会から非常に忙しいところ御苦労さまでございます。 時間がいかんせん九分間ですから、私は、たくさんの質問事項を持っておりますが、しぼってお伺いしたいと思います。 いま一番焦点になっておりますものはグリーンカードの問題です。昨日の自民党のグリーンカード対策議員連盟の総会には、金丸信会長以下相当大ぜいの出席者が出て、参加者は二百人以上と聞いております。それに民社党の春日常任顧問なども個人の資格でと断りながらも廃止論を唱えております。そういうことで、グリーンカードに対する廃止論、見直し論がここへ来て急激に高まってきております。さらに加えて、全国銀行協会の村木周三会長なども昨日反対意見を述べておられます。 自民党の首脳の中には、五十九年一月の実施、この実施時期を延期すべきだということを言っている方もおられますし、特に今国会中に廃止法案を提案をするというふうな動きが活発になってきておりますけれども、これは大蔵大臣が提案をし、その国会で決めた問題でございますので、昨日もわが党の依田実議員から質問があったと思うのですが、改めて大蔵大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 簡潔に結論を申し上げますと、私としては変える考えは持っておりません。 以上であります。
○小杉委員 本来、議院内閣制で政権を握っている自民党の中の二百人以上の議員がこういう反対運動に立ち上がるということ自体が、私は大変不思議な現象だと思いますし、また、いまのようなこういう事態を考えますと、提案をされた大蔵省側が十二分に事前の調整なり事前の啓蒙なり、そういう点の努力が足りなかったのではないか。 それから、最近不思議に思うことは、そういう反対論とか見直し論が出ているにもかかわらず、大蔵省の方は反対者に対する啓蒙運動とか説得活動を何もしてない。こういうことになると、従来、国会で決めた法案が実施をする前に廃案になるなんということは前代未聞のことですね。こういうことでは、国会の権威あるいは内閣の権威は一体どうなるのかということを思うわけです。 私は、提案者として、いまのこういうふうな状況に対して、ただ拱手傍観するのみで何ら手を打たないというのは、非常に無責任ではないかと思うのですが、そういう提案者としての責任についてどう考えるのか。そしてまた、この問題がこういうふうに揺れ動くことによって、国民の信頼感というものが非常に損なわれてくる。特に最近ゼロクーポン債とか金の購買がふえているというような状況から考えましても、やはり大蔵省としての確固とした対応が望まれると思うのですが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 お答えします。 この制度の趣旨についての啓蒙が十分でなかったという御指摘については、今後十分にそれはわれわれわきまえまして、もっとわかりやすく周知させる必要があると思います。いままでも個々にいろいろ御説明しておりますけれども、どうしても新聞等の影響とか、正確に内容がわからないままで議論が進む、もしくは正確に理解しないでおいて、むしろ反対にそれを御利用になるという向きが多いわけです。 この機会でございますので、時間をとりますけれども、限度を管理するというのは、租税特別措置によって三百万、三百万、三百万というものについては税金がかからないわけでありますから、それを的確に管理してもらうということはぜひ必要です、郵貯を含めて。ところが、これが管理されていないところから、いろいろな不満がほかの口実をつけて噴き出ているという感じがします。さらに、総合課税ということであれば本人を確認しなければいけません。したがって、本人を確認するのに抵抗があるということは架空預金が多いということを意味しているわけですから、それがどこかに流れるということは、これは厳に抑えなければ公正は確保できない。 いま減税問題の背景に不公平感があるというのは、サラリーマンはその比較において重い税金、というのは、やはり軽い税金を、税法の適用において通脱しておるというものがそういうところに隠れておるわけでありますから、これを厳格に管理するグリーンカード、しかしこれは誤解がございまして、グリーンカードによって非課税枠を管理するわけでございまして、預貯金の出入りとか残高、プライバシーを侵害するような出入りまで税務署が知るというたてまえではありません。これは従来の同じ枠を確認する、それをいま各店舗でばらばらにやっておりますから、それをまとめる、三百万を確実にやるということで、それが守られていないから銀行側から抵抗が出るということであります。したがって、これはやはり厳格にやる必要がある。 さらに、金が入っておるといっても、これは年間五千億ぐらいの話です。それからゼロクーポンといっても、二億ドルであったのが、二月にはふえておると思いますけれども、しかしこれは金額とすれば、全体の金融資産は三百四十兆ぐらいです。しかも個人預金はふえておるわけでありますから、むしろ問題はそういうところの問題、ゼロクーポンは抑える必要は各国ともあるわけで、これは、アメリカがキャピタルゲイン課税をしておるのに諸外国がキャピタルゲインをしていないので、金がそこに行くわけで、むしろゼロクーポンから来ているよりも金利の選好から来ているわけで、ゼロクーポンを理由にする廃止論というのは口実にすぎないという気がします。 いずれにしましても、的確な課税を行うというのが公平感の基本でありますので、これは御審議願って通った法律の趣旨に照らして厳格にやるという姿勢には変わりありませんし、今後これは十分に周知徹底を図りたい、こう思っております。
○小杉委員 とにかく時間が九分間ですから、余りだらだら答弁されたらずるいよね、私の時間みんな奪っちゃうのだから。だから、私の聞いていないところまで答弁しなくて結構です。 私は、大蔵大臣に答弁を求めているわけですよ。グリーンカードの趣旨をいまさらここで聞こうなんという気はさらさらない。ニューリーダーとして最近自民党内でも台頭著しい渡辺大蔵大臣なんだから、金丸信さんとかあるいは実力者に会って、このグリーンカードを提案者の立場で実現をするという運動をすべきじゃないかと思うのですよ。そうでなければ、何のためにこれは議決したのだかわからなくなるので、そういう政治的な立場を考えて、ひとつ答弁を願いたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 本当に困るのですね。提案をしておいて、今度は一年たったら反対して、そして過ちを改むるにはばかることなかれではちょっと困る。しかしながら、グリーンカードは非常に誤解されているという点もたくさんございますから、誤解も解いて公平確保もできて税収も上がって、何かうまいことはないか、こう思って考えております。
○小杉委員 とにかく動きが急に活発になってきておりますから、ひとつ最大の力で努力をしていただきたいというふうに思います。 それから、もう時間がありませんから、さっき主税局長ちょっと触れられたゼロクーポン債の問題ですが、大したことはないというふうに言っておりますけれども、昨日の日米貿易小委員会でもやり玉に上げられているわけですね。この問題、法律的な措置ではなくて証券業界に対する行政指導という形でやっておられるようですけれども、この行政指導の趣旨ですね、どういうねらいでやっているのか。それから、こういう行政指導は永久的に続けていくのか、あるいは暫定措置なのか、もし暫定措置だとすれば、いつごろまでの行政指導なのか、そういった面について、ひとつお答えいただきたいと思うのです。
○禿河政府委員 お答えいたします。 ゼロクーポン債は昨年の四月から発行されたものでございますが、この一月までの国内の販売実績を見てみますと約三億四千万ドル、そのうち本年一月分が約一億五千万ドルだったわけでございますが、二月の数字をとってみますと、二月だけで約七億八千万ドルと非常に急速な拡大を見たわけでございます。 そういうふうな数字を背景にして考えてみますと、証券会社の販売の姿勢にも過当な行き過ぎた面が十分考えられる。ひいては、投資家層がかなり広がってきておりますが、そういう点から、その商品の性格なりあるいは税の扱いなりというものについて、正確な説明なり周知徹底が図られておるかどうか疑問が生じている、こういうことから急遽とりあえず販売を自粛してもらいたい、こういう要請をいたしたものでございます。 ただ、あくまでも投資は投資家の責任と判断で行うべきものでございますし、また、資本の市場というものは開放されるのが原則と申しますか、されるべきものでございます。そういう点から外貨証券の取得も原則自由、こうなっておるわけでございますので、私ども、いつまでもこれを抑えてしまうというのは適当でないであろう、かように考えております。 現在、証券会社に対しまして、これまでの販売のやり方、その実情を聴取いたしております。それから、今後の販売体制についてどう考えるかという意見も求めておりますので、そういうことが終わりまして、今後どう対応していくべきか考えた上で結論を出したい。しかし、これは私どもといたしましてはやはり一時的な措置にとどめておきたい、こういう感じがいたします。
○小杉委員 もう時間が参りましたのでやめますが、こういうゼロクーポン債が爆発的に売れるというのも、これはやはり国民感情としていたし方のないところで、グリーンカードに対する一つの不安感のあらわれだと思うのですね。そういう面でも私は、やはりもうちょっと大蔵大臣を中心として大蔵省が腰を据えて、啓蒙活動なり説得に当たるという姿勢が必要だと思うのですが、このグリーンカード問題についての姿勢を見ていますと、どうも及び腰だと言わざるを得ないわけなんで、この点はやはり確固とした姿勢で臨んでいかれることを望みまして、私は質問を終わります。
○森委員長 柴田弘君。
○柴田委員 どうも大臣御苦労さまです。私は最初に、昨年も質問をいたしたわけでありますが、所得制限の諸問題これを不公平の是正という観点から取り上げたい、こう思うわけであります。 大臣、ちょっとこれをごらんください。つまり大臣、所得制限が、いろいろ年金とか手当とか、こういうものを支給するについて課せられているわけでありまして、昨年もこの問題について御質問をいたしました。それで、一円違うだけで手当がもらえなくなる、こういった限界収入者に対して、高額所得者は別にして、いわゆる配慮すべきではないか、こういうことであります。大臣からも、非常に前向きと申しますか理解ある答弁をいただきまして、厚生大臣のときからこういう点は問題に思っておった、ひとつ専門的にも一遍研究していこう、そして結論を出していこう、こういうような御答弁であったわけであります。 いま、たとえば老齢福祉年金、所得制限の対象者が、二人世帯の本人の場合は五十七年度予算ベースで二百三十八万四千円、支給額が年額にいたしまして三十万一千二百円。それで一円多くなる人、二百三十八万四千一円から二百六十八万五千二百円、ここまでの人がいわゆる逆転年段階層であるわけであります。 それから、同じく老齢福祉年金の六人世帯の扶養義務者、これは所得制限が六百万、三十万一千二百円の年額の支給、逆転年段階層が六百万一円から六百二万一千六百円。それから、これは二段階に分かれておりまして、六百万を超える八百七十六万までの人が年額二十七万九千六百円、逆転収入者が八百七十六万一円から九百三万九千六百円、これまでなるわけであります。 それから障害福祉年金の場合は、これも二通りありまして、二人世帯の本人の所得制限が三百十五万、支給額が四十五万二千四百円、逆転の年段階層が三百十五万一円から三百六十万二千四百円。六人世帯の扶養義務者が八百七十六万の所得制限で、支給額が同じく四十五万二千四百円、逆転年段階層が八百七十六万一円から九百二十一万二千四百円。 それから児童手当が、六人世帯の本人が三百九十一万円、これの所得制限がありまして支給額が六万円。そして逆転年段階層が三百九十一万一円から三百九十七万円。サラリーマン対象の特別給付の場合は、三百九十一万円から五百六十万円までの所得制限の対象者でありますが、これが六万円の支給で、逆転年段階層が五百六十万一円から五百六十六万円。 これは表を見ていただけばわかるわけでありますが、それで昨年の答弁では、先ほど申しましたように、とにかくそういった矛盾がある、もっともなことである、だからひとつ検討しましょう、研究しましょう、こういうような御答弁でありました。その後一年たったわけでありますが、大蔵省は、いろいろ聞いておりますと、非常に事務的な問題があってなかなか作業が進行していない、こういうふうに思うわけであります。 そこで私は、これをより一歩検討を前向きに進めていただきたい、そのためにはやはり厚生省とも相談をしていただいて、各種の審議会、たとえば児童手当の場合は中央児童福祉審議会に諮問をするとか、あるいはその意見を聞くとか、あるいはまた年金の場合は国民年金審議会に諮問するとか、必要に応じてそういったことをやって、そして何とかこういった不公平をなくしていくような前向きな姿勢というものをひとつ今後ともより一層進めて、いわゆる中長期の展望に立ってこの問題の解決を図っていくべきではないか、こんなように考えているわけでありますが、大臣、今後の取り組み、あなたも非常に共鳴をしていただいておるわけでありますが、その辺についてひとつ承りたいと思うわけであります。
○渡辺国務大臣 かねてこの問題は柴田議員から御指摘があって、私も矛盾を感じておるわけでございます。 しかし、所得制限をなくしてしまうわけにもいかない。確かに、そういうところで逆転、一円違ったら実際の収入が三十万円も少なくなってしまう、もらえないということで非常に矛盾がある。そこを細かく分けていっても尽きないのですね。どれくらいのところまでがまんできるのか、どこかで線を引くというと必ずそういう問題が起きますけれども、三十万がいいのか五万ぐらいまではがまんするのか、どこかで線を引かなければなりません。非常に専門的な問題でございまして、各般にわたっておるということで、大蔵省だけでも決めかねる。 そこで、これは引き続き厚生省とも協議をさして、そして知恵をお互いに出し合って、それぞれまた審議会を持っているわけですから、それらの審議会にも諮って、私は、何とかその矛盾が完全解消しないまでもそんなに開きがなくても済むように方法を考えたいと思っておりますので、作業は進めさせたいと思っておりますから、もうしばらく時間をかしていただきたいと存じます。
○柴田委員 どうかひとつ、御答弁がありましたように前向きな作業、検討を進めていただきたい、こう思います。 現実の問題としまして、これは大蔵省の事務当局も言っておりましたが、老齢福祉年金の場合、二人世帯の本人それから六人世帯の扶養義務者、こういうふうに二通りに分けまして、逆転現象が、六百万円とそして六百万円を超える八百七十六万円、この二つに分けてやや開きが狭くなっているわけなんです。大臣、その表を見ていただくとわかりますね。だから、やはりこういった方法も考えられるわけでありますから、いろいろな専門家の意見あるいは審議会の意見、あるいは厚生省とも相談をして、できるだけ早くこういった結論が出て、少しでも不公平が是正される方向への御検討をお願いをしたい、こういうふうに思います。 それからいま一つ、所得制限の第二の問題点でありますが、何を基準にして線引きをするかという一つの問題が出てきます。課税所得が基準に使われているということでございますが、果たしてこれがサラリーマンと自営業者との間で公平と言えるかどうか、こういった問題が出てくるわけであります。自営業者の自主申告の場合は、売り上げや必要経費のとり方に工夫の余地があって、源泉徴収されるサラリーマンよりも有利ではないかと言われております。だから、申し込み本人や扶養義務者の課税所得を基準にする制度自体が適正であるかどうかというのは、いま一つ御検討していただいてもいいのではないか、こういうふうに思うわけであります。 自営業は、本人の事業所得のほかに専従者としての家族に収入を分けることができる、そういうことになりますと、自営業が世帯としてかなりの収入があったとしても所得制限にかからない場合が出てきて、御主人だけが稼ぎ手である大多数のサラリーマン世帯に比べては有利である。だから、所得制限の基準の線引きにサラリーマンとその他の自営業に分けた二つの所得制限を設定する方法はいかがか、あるいはまた、世帯全体の収入を基準にしたらどうかといったいろいろな意見がいまあるわけでございますが、こういった問題も、やはり一つの問題点として研究なり検討を進めていく必要があるのではないかというふうに私は思っているわけです。この辺、今後の取り組みでもし何か御意見があれば、お聞かせいただきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 これも所得制限のあり方全体の問題の一環として検討をいたしたいと思っております。 ことに、基礎控除を上げたり給与所得控除を引き上げたりいたしますと、この矛盾は一層拡大するわけです。一軒の家に五人おって、一人について基礎控除十万円、給与所得控除十万円ずつ二十万円を、もし課税最低限を上げるために上げるということになれば、家の中で五人が所得を取っている場合は一世帯として百万円無税、こうなってしまうわけです。ところが、一人で働いているのは二十万円だけということになりますね。そういうような問題もある。どういうふうにしたらいいのか、実はこれはなかなかむずかしい問題でございます。自営者でも一人で働いているような自営者の場合は、逆に五十万円というような概算経費控除は制度上ないわけですから、正確にやれば制度上はむしろ自営者の力が不利かもしれない。そういう矛盾もある。したがって、それらを含めまして一層検討を続けたいと思っております。
○柴田委員 現行税制では、要するに、自営業者には二分二乗方式というのが事実上適用されているわけであります。ところが、サラリーマンにはそうなっていないわけでありまして、そういった中で世帯主の所得だけで判定をすれば、生活レベルの高い自営業者が給付を受けて、それより低いサラリーマンが受けられないというような不公平が生じます。またサラリーマン同士でも、共稼ぎの家庭とそうでない家庭とに同様な不公平も出てくるのではないか。だから、その判定基準というのをどうするか。やはり世帯収入方式というのはいかがなものであるかというふうに考えるわけであります。 それから同時に、現行税制の改正はしばしばこの委員会でも議論をされておりますが、特に、サラリーマン家庭でも主婦労働が夫の収入をもたらす支えになってしるというふうにみなして、こういった二分二乗方式を適用することがよりベターではないか、こんなふうに考えるわけであります。 こういった問題も、今後の検討の中で税調に諮問して前向きに対処していくべきではないか、このように考えるのですが、この辺の取り組みはいかがでしょう。
○渡辺国務大臣 これも所得税の根本問題の一つでございます。いま言ったように、独身世帯との問題、共働きとの関係、それから奥様は家事に専念しているが、そのために夫の方がいい稼ぎができるというような人との問題、まあ、こういう人は二分二乗はいいのでしょうが、現実問題として、自営業者は青色申告をすれば専従者の給与を取るということで二分二乗できるじゃないかという問題もございますから、いろいろ検討いたしますが、二分二乗方式というのは、今後所得税制の大改正をする場合の一つの大きなテーマであることは間違いないと思っております。世帯単位という制度がいいのか、よく研究をさせていただきたいと存じます。
○柴田委員 次に、中小企業の承継税制の問題であります。 わが党としても、この中小企業の相続税の緩和の問題については、ぜひひとつ前向きに進めていただきたいということでありまして、そういった意味で御質問をいたしますが、現実の問題といたしまして、中小企業の間で、相続する機械が過大に評価されまして税負担が重くなる、事業に支障来す、こういった声があるわけであります。 それで、通産省の方からも大蔵省に対して要望があったということでございまして、私も見せていただいておりますが、一つには、取引相場のない株式の評価方式の改善について、中会社、小会社等々に分けて一つの計算がなされてくるわけであります。それから類似業種比準価額方式の改善の問題、二つ目には個人の事業用または居住用土地の評価の改正、こういった大まかに二点にわたる中小企業の承継税制に関する要望が通産省から大蔵省に来ているわけでありますが、こういった問題についても税調に諮問して前向きに対処される方針があるのか。これは大臣からひとつ御答弁をいただきたい。
○渡辺国務大臣 私は、これは実際のところ、制度としてはむずかしいのではないかという気がするのですがね。ただ、中小企業の方が同族会社をつくっておって株価がない、したがって、そのときの正味財産を株数で割って一株当たり幾らということで出すわけですが、そのときに、それが必ずしも簿価でなくて、そのときの資産の時価評価というようなものをやっておる、それがいかぬという話なんですね。 しかし時価評価といっても、実際の売買価格というような評価ではなくて、固定資産の価格とかあるいは路線価方式でとった土地の値段とか、そういうようなことをやっているわけですから、実際の時価よりも安く評価していることは事実なんです。しかしながら、そこのところがよくわかっていただけないという問題がございますので、どういうふうにしたらいいのか、一般の上場株式との権衡上の問題も含めまして検討はいたします。いたしますが、そういう制度をつくれるかどうか余り自信がないのですが、その評価の方法について何か改善して、納得していただけるような説明がつけられるようにはできるのではないか、そう思っております。
○柴田委員 大臣もあとわずかで退席をされますので、ずっと聞いて後でまた当局に聞いていきますが、今度の税制改正で、特別障害者の控除の問題で緩和をされました。これは、同居している特別障害者について、現行の扶養控除二十九万円、または配偶者控除二十九万円に加えて五万円の特別控除を認める、こういう趣旨です。 私は一昨年、当時の竹下大蔵大臣に、寝たきり老人を中心にした障害者に対して、補助金の問題あるいは福祉手当の問題といろいろあるにしても、税制面でフォローアップしていく方向はないものか、より一歩それを進める方向はないものかどうかということを質問し、必要に応じて税調に諮問いたしましょう、こういうことでした。昨年も同じような問題で渡辺大蔵大臣に質問をいたしましたら、大臣も、ひとつ前向きに取り組んでいこう、こういうことで今回の税制改正になったわけであります。 それで、この特別障害者は、所得税法あるいは施行令によって規定をされているわけでありますが、具体的にどのような人が対象になるのか、そして、この五万円の控除の恩恵を受けられる人は、同居ということでありますが、全国でどの程度おみえになるか、この辺を当局にお伺いしておきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 お答えします。 同居特別障害者控除の対象とされる特別障害者は、所得税法上の控除対象配偶者または扶養親族でございまして、本人またはその家族と同居している特別障害者でございます。この特別障害者は、所得税法第二条第一項第二十九号及び所得税法施行令第十条第二項に規定されておりまして、重度の身体障害者や寝たきり老人などが該当します。この控除の対象者数は二十万人程度、これは五十七年度予算ベースであります。 以上でございます。
○柴田委員 それで大臣、いま、特例公債ゼロ、財政再建という大きな政治課題があるわけでありますが、考え方として、障害者あるいは老人、恵まれないと言っては言い過ぎかもしれませんが、そういった方に、いま厚生省が行っておりますいわゆる手当の支給とかいった問題もあるわけでありますが、中長期の展望に立って、やはり税制面においてもさらにフォローアップしていくという考え方であるべきである、こんなふうに思うのです。ひとつ将来展艇に立った大臣の御見識をお伺いしたいわけであります。どうですか。
○渡辺国務大臣 中長期的に十分考慮させてもらいます。
○柴田委員 簡単に御答弁をいただいたわけでありますが、私がいま言った基本認識に変わりはない、こういう理解でいいですね。 それで、あと大臣の時間が五分ということでございますので、私は、きょうはグリーンカード制の問題でいろいろとお伺いしようと思ったのですが、いま小杉委員からもお話がありましたので、大臣だけには簡単にお聞きしておきます。 いま指摘がありました見直し論は、大臣は当然マスコミ等でよく知っておみえになる、こう思うわけでありますが、その辺の認識をどうお持ちになっているかということが一点。 それから二つ目には、この見直し論の根拠になっているのは、要するに、民間の金融資産、大衆の金融資産が、グリーンカード制の導入ということで金とかゼロクーポン債とかそういった他の資産あるいはまた海外逃避をするのではないか、それが国民経済に大きな混乱を起こすのではないか、また現実に起こっているんだ、こういったことが見直し論の一つの根拠になっております。 あるいはまた、プライバシーの侵害につながるのではないか、こういったことでありますが、それが事実であれば、私どもとしても、こういったグリーンカード制の問題については真剣な検討を重ね、その見直しということについても真剣に考えていかなければならないのですが、もしそれが事実でないとすれば、これはいたずらに国民大衆に対して混乱を起こすだけになる。 だから、そういった根拠というものは果たしてあるのかないのか、大臣としては、どういう御判断でいまおみえになるのか、その二点についてまずお伺いをしておきたい。
○渡辺国務大臣 私は、目下見直す考えはありません。ありませんが、問題は、なぜグリーンカードができたんだと。 一つは社会的公正の確保だ。それは何なんだと申し上げますと、分離課税制度というの三五%しか取られていないではないか、高額所得者にとっては有利ではないか、ですから、五割も六割も税金を払う人は、合算してそれだけ取れという話が一つありますね。 それからもう一つは、非課税貯蓄というのがある。これは三百万円まで非課税だ。ところが、貯蓄の非課税限度枠が、税務署へ報告があるからわかるはずなんだけれども、現実にはどうもなかなかつかみにくい、乱用されている、それは実際から言えば無税なんだから。片方は三五でも取られているんだ、片方は全然取られていない。三百万を超えて何千万もあるというような人があれば、これは一番の不公正ではないか。全くそのとおり。したがって、それはきちんと掌握して、少なくとも最小限度無税の恩典を受ける人だけは、その額だけはきちんとつかまえなきゃならない。これは反対する人はないんじゃないかと私は思うのですね。 そうすると、あと、グリーンカードでいろいろなものを出さなきゃならない、通帳をつくるときに一回だけは免許証だとか住民票とか何か出して本人確認をやる、それがもうおっくうだと言う人もあるでしょう。それは一回だけですよ。しかし、それでも反対だと言う人があるかもわからぬ。しかし、これは仮名預金をなくすためには仕方がない制度なんだ。どっちを優先するかという問題です。 それからもう一つは、抜け穴があっては困る。グリーンカードをつくったんだけれども、抜け穴があってみんな細かく分散して抜けていってしまえば、余り関係ないというので手数ばかりふえちゃって、何のためにやったんだという話になってしまう。こんなものを置いたのでは意味のない話だと私は思っていますよ。 したがって、そういうものも総合的に考えて、公正の確保ができて、現実的で、しかもインチキはできないという方法がもしあれば、それは検討にやぶさかじゃありませんが、そういうようなことをまだ検討したことはないから、私はわからない。だから、いまのままでいいんじゃないか、そう思っているわけであります。
○柴田委員 経済に混乱は起こっていませんか。
○渡辺国務大臣 グリーンカードで、これも実際証拠がないのですね。ないのだけれども、経済というのは本当に人の心理状態でかなり動くことがありますから、絶対ないということを断言するわけにもいかない。 いずれにしても、グリーンカードが必要以上にこわがられているという現実があることもこれは事実です。二百万しか貯金のない人が、何かグリーンカードができたら、みんな税務署にわかってしまうみたいに思って騒いでいる。私はそういう人に会った。そうじゃないのですよと言ったら、そうですかという話で、その程度の税の知識しかない人がいることも事実ですから、そういう人がいなくなるように政府としても大いにPRをする必要がある、そう思っております。
○柴田委員 では大臣、結構です。御苦労さまでした。 さらに、グリーンカードの問題で当局にいろいろお聞きをしていきたいと思いますが、いまもお話がありました日米小委員会の中で、ゼロクーポン債の販売禁止、これは非常に不明朗と批判をされておるということでありますが、これは、一つにはアメリカ企業の円滑な資金調達の妨げになるのではないか、また二つ目には、やはり行政指導、これは先ほどからお話がありました行政指導として行うのは不明朗なやり方ではないか、こういった二点が言われているということでございますが、果たして大蔵省としては、わが国政府としては、こういった批判に対して、どう対応して相手を納得させていくのか、また説得できる見通しというのは十分あるのかどうか、そこら辺を最初にお伺いをしていきます。
○禿河政府委員 ゼロクーポン債をとりあえず当面販売自粛ということを関係証券会社にお願いをして、その協力をいま得ておるわけでございます。 私どもがそういう要請をせざるを得なかった理由は、先ほど御答弁申し上げましたが、ここにきて一種のフィーバー的な販売競争というものが見られまして、投資家保護の観点からも、このまま拱手傍観するのはいかがであろうか、こういうことで、緊急に一時的な措置としてとりあえずとったものでございます。そういう措置の経緯、それからその内容、一時的な措置であるというふうなことでございますので、これは海外におきましても私ども理解を得られるものと実は期待をいたしておるような次第でございます。 きょうの新聞にも、アメリカの方からの批判というふうな記事が出ておりましたが、きのうから開かれております日米貿易小委員会におきまして、現在のところ、まだその辺のところが出ておりません。あるいはきょうの夕方あたりに、アメリカ側からそういう問題の提起と申しますか言及があるかもしれませんけれども、そういう事情をよく説明いたしまして理解を得たい、かように考えておる次第でございます。
○柴田委員 次は、郵政省にお伺いをしていきますが、このグリーンカード制の実施が決まりましてから、郵貯と民間のマル優預金との間に取り扱い上の不公平があるとの議論が起こりました。それで郵貯へのシフトが起こった。これは私も一昨年、昨年やはり当委員会においていろいろな質問をした経緯もあったのですが、そういう中で、一昨年末に大蔵、郵政両省間で郵貯のグリーンカード番号による名寄せが決まり、解決を見たということであります。 それで、郵貯のグリーンカード番号による名寄せシステムの開発費、これが五十七年度予算に計上されておる、こういうことでございますが、この大蔵、郵政両者間の合意の線に沿って、やはり今後とも確実なシステムをつくっていくべきではないか、こういうふうに思いますが、郵政省の取り組み、決意はいかがでしょうか。
○荒瀬説明員 お答え申し上げます。 グリーンカード制導入に際しましては、郵便貯金も含めてこれを実施するということに相なっておりますので、五十九年一月からの円滑な導入に向けまして、郵政省としましても諸般の準備をいたしております。先生御指摘のとおり、来年度予算案の中では、名寄せシステムのためのプログラム開発経費、及び窓口端末機を改造いたしますけれども、そのための試作機の経費、こういったものを計上いたしておる次第でございます。 従来から、郵便貯金の名寄せにつきましては、預金者ごとに全国一本で、全国九つの計算センターでもって集中処理をいたしておりまして、限度額管理の徹底を期しておるわけでございます。現在、住所、氏名で名寄せをいたしておりますけれども、グリーンカード制導入以降は、グリーンカード番号によってやっていくということによりまして、さらに徹底されるということに相なるわけでございます。 五十七年度予算に要求いたしております額でございますけれども、プログラム開発等経費が一億四千万円、それから窓口端末機の試作機の経費が約五千万円、合わせまして約一億九千万円要求中でございます。
○柴田委員 郵政省、結構です。 次は、銀行局にお聞きをしますが、先ほど申しましたように、現在起こっておる見直し論というものは、果たして事実関係に基づいてそういったものが起こっておるのかどうか、こういった問題について、これからいろいろお聞きをしていきたいわけであります。 まず、金融資産のシフトの問題ということで、最近の民間の金融機関の預貯金の動向、伸び、そういったものについてひとつ御説明を伺いたいと思います。 それからいま一つは、銀行局の立場から見て、そういった動向の中で、果たして言われているような、他の資産にわが国の経済が混乱をするようなシフトが起こっていると判断をしていらっしゃるのかどうか、この問題もあわせてお伺いをしていきたいわけであります。
○宮本(保)政府委員 お答え申し上げます。 最近の民間金融機関の預貯金の伸びはかなり好調でございまして、可処分所得が四%ぐらいしか伸びていないのでございますけれども、民間の貯金の伸びは、五十六年中、去年の一年間でとってみますと、全体の個人の貯蓄実績で見ますと、三十五兆三千億ほどふえておりまして、前年の増加額に比べまして七・九%伸びております。 ただ、これは保険とか郵貯とか債券とか全部を入れた個人貯蓄でございますが、預貯金だけについて見てみますと、銀行、特に都市銀行の場合には、実は一昨年が非常に少なかったものでございますから、昨年は三兆七千億もふえまして、その伸びは四五%、それから地方銀行も大体三兆七千億でございまして三八%の伸び、相互銀行は一兆八千億程度で三三%、信用金庫におきましても二兆六千億程度でございまして一七%というふうな状況でございまして、預金の伸びは、可処分所得に比べれば、確かに一昨年の伸びが少なかった点はございますけれども、最近はまあまあ順調な伸びではないかと思っております。 そんなこともございまして、特にいろいろ最近金とかゼロクーポンとか言われておりますけれども、その実態は、全体の個人の貯蓄から見ますと、非常に表面的に生じた現象みたいな気がいたしまして、私どもといたしましては、グリンカード云々によりましてこのシフトが生じているというふうには見ておりません。
○柴田委員 いまお話がありましたように、個人預金の増加状況、都銀の場合は一昨年非常に少なかったということでありますが、都銀、地銀、相互、信金合わせまして二けた台の伸びを示している、都銀に至っては四五・二%、こういうことでございます。こういったことから見て、先ほど銀行局長の答弁がありましたように、そういった状況で見る限り、銀行預金が他の資金にあるいは資産にシフトしているといった状況にはないであろう、このように判断をされてもいいのではないか、こういうように思うわけでございます。 そこで、次は金の問題でお伺いをしていきたいわけでありますが、やはり金にシフトが起こっている、こういうことで、現実に、それではまず金の輸入量、その推移は最近どうなっているか、ここ数カ年で結構です。それから二つ目には金の輸入額。それから三つ目には金の相場の変動状況、これは最近のですね。この辺についての把握をひとつ御説明をいただきたい。
○大場政府委員 初めに、金の輸入状況、数量でございますが、最近五カ年間を申し上げますと、昭和五十二年が五十二トン、五十三年が九十八トン、五十四年が六十三トン、五十五年が三十二トン、昨年五十六年が百六十七トンになっております。 次に、金額でございますが、円で申し上げますと、昭和五十二年、数量で五十二トンのときでございますが、六百五十七億円、昭和五十三年が千二百七十六億円、五十四年が千二百九億円、五十五年が千三百六十九億円、昨年五十六年でございますが、五千三百七十億円、このような推移になっております。 それから価格でございますが、金の価格のピークは、御高承のように、昭和五十五年の一月でございましたか、一オンス当たり八百六十ドルになりましたのがピークかと思っておりますが、その後、一高一低はございますが低下の方向にございまして昨日、三月九日で見ますと、これはロンドンの金の価格でございますが、一オンス当たり三百二十九ドル二十五セントというふうになっております。
○柴田委員 金相場の動きというのは上下が非常に激しいわけであります。これだけ金相場が激しく動く以上は、果たして国民、庶民が預貯金にかわる貯蓄手段となり得るであろうかという問題があります。だから、グリーカード制の問題で金がどうのこうのということではなく、やはり何か別の原因があるのではないか、私はこんなふうに考えているわけでありまして、私の持っている資料によりますと、仮に、昨年一月から九月までの金の輸入額のうちの約半分が、まあ半分は産業用になりますから、半分が個人に退蔵されたとしても、その間の個人のいわゆる預金の増加額の〇・七%にすぎない。こういった一つの試算をいたしておるわけなんです。 だから、どうでしょうか、金へのシフトによって国民経済が混乱をしている、それがグリーンカード制の導入のためなんだといった議論は、そういった状況にはないのじゃないかというふうに判断をしたらいいのか、あるいは、そうじゃないんだ、やはり経済に混乱を来しているんだ、そういうふうに判断をしたらいいのか、その辺のところをひとつ御説明をいただきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 ほかの局にもまたがりますが、私から全体を御説明します。 グリーンカード制度が実施をされるということで、資金が土地とか株、特に御指摘の金それからゼロクーポンというものにシフトをしておる、そして海外へ投資をするという議論が行われておりますけれども、いま御指摘のように、預金の増加状況から見ましても、そのような現象が国民経済に影響を与えるというような形で実際に起きているというふうには考えませんし、また起こるとも思えない。 もう一度申しますと、金の方は五十六年に、これは輸入総額でございますので増分ではありませんが、五千億の数字なんです。一方、ゼロクーポンのところは、昨年の四月から一月までで約三億ドルですから六百億円なんですね。二月には相当ふえたといたしましても、これは数字の台としては見当がつくわけで、こういうふうな数字であるわけです。 それに比較します個人金融資産の増加額は三十五兆であるわけですね。三十五兆三千億。預貯金だけを見ましても、二十三兆五千億ふえているわけです。それとの比較で、いまの五千億とか六百億、またそれがふえたとしましても見当がつくわけです。それが全体にどう影響するか、増分には影響していないというのが率直な——非常に大きな数字が金融資産ではふえている、これは認識していただきたいというか、余り知られていない問題です。 それからもう一つは、個人の金融資産の全体が幾らあるかということです。日本にある個人の金融資産の残高、これは五十六年末で三百三十八兆あるわけです。したがってその三百三十八兆の中において、いまのような数字の移動が国民経済的に影響があるかというのは、もう常識的にこれは影響がないということであって、いまのようなことは、末端において問題が起きておるというふうに言われても、国民経済に影響があるとは言えないということははっきりいたしておるということを、ここではっきりと申し上げたい。 ゼロクーポン債については、やはり金利を求めておる。課税の方式が、アメリカの場合には、繰り返しますが、キャピタルゲインが課税される。ところが、課税されない形で途中の売却は日本の場合非課税である。 もう一つは、償還差益のところで、雑所得に支払い調書がないという問題もあります。これは適切に対処したいと思っています。執行の方でも、取引口座についての調査を充実すると思います。 また、これはヨーロッパにおいても同じ問題で、ゼロクーポン債が売れているという問題を徴税当局は問題にしていますが、これはそういう制度からきておる、また金利面からきておる問題で、ゼロクーポン債がグリーンカードによって売れておるというふうな説明ないし受け取り方で、このグリーンカードの本来の公平課税というところを問題にすることは、むしろ、いままで限度管理に問題があった、それから仮名預金が横行しておったということを認めておるわけでありまして、われわれとしては、これは既定の方針で準備を進める、また御指摘のような点を含めてPRに十分に努めたい、こう思っております。
○柴田委員 ゼロクーポン債の問題は、後でまた税制の問題を含めてちょっとお聞きしますが、その前に、銀行が個人に対し金の販売を開始する、こういうことでございますが、これはいつ、どのような形で販売を開始するのか。また、どのような目的でそのような業務を行うのか。銀行業の業務の趣旨あるいは目的からいって、そういった点は問題がないのか。あるいは、金融機関が金を販売する以上は、金融機関がグリーンカード逃れの片棒を担ぐことがあってはなりません。この点について、銀行局はどのように御指導なさる方針であるのか。 以上、四点について御説明を承りたい。
○宮本(保)政府委員 実は、ことしの四月一日から、去年通していただきました新しい銀行法が施行になるということでございます。 その新しい銀行法によりまして、金の取り扱いが銀行の付随業務として解釈されておるということでございます。そういうことによりまして、銀行といたしましても、この四月から金を取り扱いたいというふうな希望もあるわけでございます。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 銀行で金のような商品を取り扱う点につきまして、いま先生御指摘の御疑問について、ちょっと御説明させていただきますけれども、金は、現在価値の尺度としてはもう機能はしていないのでございますけれども、価値の保蔵手段としては、たとえば外貨準備に組み入れられる等、保蔵手段としての機能は有しておるわけでございますし、また支払い手段としての性格も持っております。欧州通貨決済制度等におきましてはその機能が認められている等、通貨に類似した機能を持っておるわけでございます。 したがいまして、金の売買は他の商品の売買とは異なりまして為替、両替等と類似する側面がございまして、銀行の付随業務ということで銀行に取り扱わせてもいいのじゃないかということが前回の国会審議の過程でも議論されたところでございます。特に欧米主要国におきましては、いずれも金の売買を銀行が行っておりまして、かなり金の売買の中心的な役割りを果たしておるというふうな点もございます。また日本の銀行におきましても、最近いろいろな金融のノーハウを活用いたしまして、国民に多様な金融サービスを提供する必要があるのだというふうな点もございまして、金の取り扱いという点を今後認めてもいいのではないかということでございます。 ただ、御指摘のとおり、非常に値動きの激しい商品でもございます。それからまた、いま御指摘のように、グリーンカードとの関連でこういうものに貯蓄資金が流れるということがあってはぐあいが悪いわけでございます。もちろんグリーンカード逃れに悪用されるようなことがあってはならない、御指摘のとおりでございます。ただ、銀行に金を取り扱わせますと、他の業者に比べまして一般に経理が正確であるとか、あるいは帳簿の保存が良好であるとか、あるいは保護預かりをする場合には本人をフォローもできるというような点もございますし、またお客はおおむね預金者でございまして、銀行が取引を把握しているというふうな点もございまして、銀行の金の取り扱いという点につきましては、そういう秩序ある金の取引という面におきましても、かえっていい影響を与えるのではないか、こう思うわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、いま申し上げましたいろいろな問題点も含んでおりますので、通達を出しまして、厳重に秩序ある健全な取引方法でとり行わせたい。また、実績の報告を求めましたり、必要に応じましては所要の規制を行っていくというようなことで、支障のないような方法で円滑な金の売買が行われるように努力してまいりたいと思っております。
○柴田委員 次に、ゼロクーポン債の問題ですが、ゼロクーポン債の爆発的な人気はそういったグリーンカードの影響である、こういった指摘があるわけでございますが、まず最初に、このゼロクーポン債の発行実績、国内での販売実績について、大蔵省の把握はどうなっているのですか。
○禿河政府委員 ゼロクーポン債は昨年の四月から欧米市場で発行されております。 アメリカ市場それからユーロ市場でございますが、内容は御存じのとおり長期の割引債ということでございまして、期間は大体七年から十年ぐらいのものが多うございます。利回りは現在大体年一四、五%、こういうふうなものでございます。その発行実績は、発行企業がいままで約三十社ございまして、その発行総額は、二月までに払込金ベースで約二十八億ドル、額面で申しますと約百一億ドル、こういう状態のようでございます。 それに対しまして、わが国での販売の状況でございますが、二月末までの累計で約十一億三千万ドル、これは払込金ベースでございます。額面で申しますと約三十九億ドル、こういう数字に相なっております。
○柴田委員 それで、円安問題でありますが、最近の円安はゼロクーポン債に原因がある、こういった主張もあるやに聞いておりますが、この辺はどう判断をしておりますか。
○大場政府委員 円安の問題でございますが、私は、円の対ドル相場は、中長期的にはインフレ率格差ということが主因で決まっていくと思っておるわけでございます。しかし、この二、三年の経験に照らしますと、短期的には、金利差によりまして円相場が動いているというのが実情でございます。 最近の円安につきましても同様でございまして、米国の金利がかなり高い水準にあります。昨年末に一時下降傾向をたどったわけでございますが、ことしになりまして、また若干上がったという事情がございます。いま、また下がる方向に向かうかどうかというころにあると思うのでございますが、こういった米国の金利によりまして円の対ドル相場が動いていることは事実でございます。したがいまして、この金利差が資本の流出をある程度起こしている。昨年一年間の居住者の外貨証券の取得は六十億ドルぐらいでございますが、金利差がこういった資本の流出を起こしていることは事実であろうと思います。しかし、先ほど御指摘のゼロクーポン債等の居住者による証券の取得が円安の大きな要因になっておるとは思っておりません。いまの円安は、もっぱら米国の高金利によるところが大きいというふうに考えております。
○柴田委員 主税局長、ちょっと先ほどおっしゃった税制の問題ですね。これはいろいろお聞きしておりますと、国内の割引債は償還時に支払い調書が提出をされる。ところが、ゼロクーポン債の償還益については支払い調書が提出されない、こういったことが何かゼロクーポン債のセールスポイントの一つになっている、こういうことでありますが、こういった課税の適正化という問題についてはどうお考えになりますか。
○福田(幸)政府委員 償還差益については、これは雑所得としてその償還時に総合課税されます。ですから、いまのように、払込金は小さいのですが、償還は相当先でしょうが、差額の大きい金が入ってくる。その差額はその時点で総合課税で累進がきくということで、雑所得扱いであるというのが余り知られていません。 もう一つは、いま御指摘の支払い調書の問題でございます。これはいまございません。償還が行われるのは将来先でございますが、できるだけ早く、このいまの支払い調書を含めた適正な把握ができるようにということで対処したいと思っております。それから、証券会社の外国証券取引口座で取引が行われますので、税務調査によるこの把握は可能であります。 そういう面で、執行面を含めて十分に対処したい、こう思っております。
○柴田委員 それで、マスコミの報ずるところによりますと、ゼロクーポン債の税金逃れを防止するために、ゼロクーポン債の償還益、これは証券会社の支払い調書の提出を義務づける。これは五十八年度の税制改正で義務づけられるか、あるいは先ほど答弁があったと思いますが、途中売却による課税を免れようとする人、これを監視するために、証券会社の口座を通じてゼロクーポン債保有者の税務調査をやる。これはいまおっしゃったとおりでありますね。こういった五十八年度の改正というのはお考えになっているのかどうか。この辺はどうでしょう。
○福田(幸)政府委員 償還時における支払い調書の問題を含めて万全を期したい、こう思っております。いろいろな関係の調査会がございますので、来年度というふうには申し上げられませんが、その時点においてこの問題を提起して検討してもらいたい、こう思っております。これは、償還時は先ですから十分間に合いますけれども、姿勢としてはできるだけ早くその制度を確立したい、こう思っております。
○柴田委員 それから次に、このグリーンカード制のために資金が土地や株に逃避する、こういった見方もあります。これは、昨年私も再三お聞きしましてあらあらわかっておるのですが、ちょっと質問の都合上、簡単で結構でございますが、ひとつ御説明をいただきたい。
○福田(幸)政府委員 ほかの局の問題ではございますが、株に行っているかという問題は、最近の個人部門の株式の売買動向、これは売り越しでございますし、その辺、グリーンカードによっての影響ということは、株式自体も今度のグリーンカードの対象になるわけでありますので、その形での移動というものはない、こう見ております。 土地の方は、現状のようなことで投機的な動きはないということであります。
○柴田委員 結論的に申しまして、先ほど来御答弁がありましたように、グリーンカード制の実施によって資金シフトが大量に生じて国民経済に不測の影響を及ぼす、こういった見直し論というのは、事実関係から見ても誤りが多く、いたずらに国民に不安を与えるものである、こうした議論によってグリーンカード制の本質というものが見失われることは重大なことではないか、こんなふうな考え方であるわけでございますが、この辺はどうでしょうか。政務次官でも結構です。
○山崎(武)政府委員 そのとおりです。
○柴田委員 グリーンカード制はすでに国会で法律として成立をいたしております。昨年十一月には関係の政省令も公布されております。大蔵省あるいは国税庁はもちろんでございますが、民間の金融機関、銀行、証券会社あるいは郵政省におきましても準備を着実に進めていかなければなりません。 こういった時期に、先ほど来申しておりますような無責任な議論に惑わされて、国民の間にグリーンカード制についての動揺が起こっては大変なことである。政府は確実に実施するとの決意を再三表明されておりますが、その内容につきましても、さらに、これによって資金シフトが起こるとの議論はいずれも根拠がなく、これをもっともっと国民に周知徹底をして、混乱とか動揺というものを防ぐことが、そういった努力が大蔵省当局は必要ではないか。今後そういった問題について、もっと具体性を持ったものでわかりやすく説明をしていく、また、そういった努力というものをより一歩動揺が起こらない、そういった方向へ持っていく、これは何か考えていらっしゃるのか、ひとつ御説明を承りたい。
○福田(幸)政府委員 カード制度の実施が国民に無用の不安や誤解を与えないように、十分に正しい知識を深めてもらうように広報活動を充実したいと思っております。 たとえば、いま一世帯当たりの預金は四百七十万くらいであります。しかし、九百万までは非課税でありますので、一般大衆はもう問題はないわけでありますし、経済への、いまのような海外へのシフトとか金の問題は、全体には影響ないということでもありますし、あと仮名を排除するというのは公平の基本でございますし、日本税制の一番おくれているというか指摘されている問題点は、この仮名預金が制度上公認されておる、これが他国に例を見ない問題でありまして、総合課税は先進諸国の原則でございます。したがって、この制度を推進するということに、われわれはいろいろな形でのPRを周知徹底するようにしていきたい、こう思っております。
○柴田委員 それじゃ、グリーンカードの問題はこの程度にしてまいりまして、あと時間が多少ありますので、次は住宅投資の問題で、税制問題と絡めていろいろとお聞きしていきたいわけであります。 最初に、経済企画庁にお伺いをしていきたいと思います。 企画庁からいただいた資料を見てまいりますと、昭和五十年度から五十六年度、この住宅投資の見通しと実績、これは名目、実質ともに一度も政府見通しを達成したことがないわけであります。私は、五十七年度も同じような見通しの甘さといいますか、誤るのではないか、こんなふうに危惧をいたしているわけでございます。 そこで、お尋ねをする第一点は、たとえば五十五年度の場合、名目が、政府見通しが一〇・二の伸びであったわけですが、これはマイナスの二・三、実質で一・七の見通しであったのがマイナスの九・四、五十六年度は、これは実績見込みでありますが、八・五の見通しに対して、名目は二・四、実質が四・三の見通しに対して〇・九、こういうことでありますが、こういった大幅にダウンをした原因はどこにあったのか、企画庁にお尋ねをいたします。
○宮島説明員 お答えを申し上げます。 先ほど先生が御指摘になりました民間住宅投資の政府見通しと実績の差でございますが、名目の数字はそのときどきの物価の関係がございますので、実質で見ていただくのがよりわかりやすい、このように思いますが、先生御指摘のとおり、昭和五十一年度から最近に至るまで、住宅投資の実績はその伸びがいずれも低い結果となっております。五十五年度においても、御指摘のとおり、見通し、政府一・七に対しまして、実績はマイナスの九・四ということになっております。このような住宅投資の伸びの鈍化は、一つには婚姻件数の減少や三大都市圏への人口流入の数が減ってきたということ、それから地価や建設費の大幅な上昇があったこと、また実質所得の伸び悩み、こういったところに原因があるものと考えられております。 しかしながら最近におきましては、先ほど申し上げました婚姻件数も大体八十万件程度で横ばいに推移してきておりますし、また三大都市圏への人口流入数も、差し引きネットでほぼ増減なしというような状態となってきておりますので、これらの点については、住宅投資の足を引っ張るというようなことはないものと考えられております。また、最近の物価の安定を支えにいたしまして、住宅投資を取り巻く環境は好転してきつつあるというように考えております。
○柴田委員 五十七年度名目で一四・三、実質で一〇・四、こういった見通しを立てているわけでありますが、非常にこれも高いのではないか。民間の各種経済研究機関、そういったところも見通しを立てているわけでありますが、非常に高い。果たしてこれが実現できるであろうか。実現するとすれば、その根拠は何があるのですか、お示しをいただきたい。
○宮島説明委員 お答えを申し上げます。 五十七年度におきましては、実質所得の回復が見込まれること、それから建設資材の価格が、御承知のように、引き続きこのところ安定した動きを示しております。それから地価も上昇率が下がってきておりますので、これも安定するということが予想されますので、これら住宅投資を取り巻く環境の好転が五十七年度はかなり期待できるもの、こういうように考えております。 これに加えまして、五十七年度予算におきまして、住宅公庫について、五十六年度の五十一万戸から五十七年度五十四万戸に貸付戸数が拡大されましたし、また貸付限度額の引き上げ等、融資条件に関し大幅な改善が図られたところであります。 〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕 さらに税制改正におきましても、農地の宅地並み課税の拡充あるいは長期譲渡所得税の軽減等、効果的な宅地供給策がとられているところでございます。 これらによりまして、五十七年度の住宅投資の伸びは政府経済見通しに掲げられております率は達成できるもの、このように期待をしております。
○柴田委員 企画庁はいろいろおっしゃいますが、物価が安定しているといっても、これは国内需要の停滞によって不況だから安定をしておるわけです。潜在需要があるといっても、十五尺約二兆円の在庫がある。あるいは企画庁自身が生活白書を出していらっしゃるわけでありますが、最近の住宅取得能力の低下、これは五十四年、五十五年度二年間ずっと低下をいたしておりまして、五十五年度は六七とピーク時より七・五ポイントの下落もしております。あるいはまた家計の余裕度を見ても、赤字分岐点からの余裕度あるいは資金繰り分岐点からの余裕度、こういったものを見てまいりましても、一貫して低下をいたしておる。しかも、住宅購入や建築を計画している世帯の割合も五十三年以来連続して減少して、四十五年度以降における最低水準を更新をしている。やはりこういった傾向が続くのではないか。婚姻件数も出生数も毎年減少している。しかも、社会的な要因としてのUターン現象も起こっておる。こういったことで、私は非常にむずかしいというように思うわけであります。 先般も、当委員会におきまして参考人の方に御意見を聞きました。あるいはいまの政府がとっている住宅対策では、とても実質一〇・四、百三十万戸の建設というのは不可能であろう、もっともっと抜本的な土地対策を含めた対策が必要であるというようなことを御意見で申されておったわけでありますが、私も、それはもっともである、こんなふうに思うわけであります。 現実に建設省の調査によっても、住宅着工はこの一月は六万六千戸で前年同月比二・三%の減少である。八カ月間連続低下をいたしておりますし、民間の金融機関の予測によりましても、政府の見込みはとても無理であろう。そこにやはり所得の伸び悩みの問題あるいは非消費支出の増大の問題あるいは住宅価格と所得とのより一層の乖離の問題、こういった問題を指摘をしておるわけでございますが、私は、景気回復の一つの大きな柱がこの住宅建設であるというふうに思っております。住宅建設というのは非常にすそ野の広い産業でありまして、中小企業の景気も大いに左右されるわけでありまして、果たして、今回の五十七年度予算に見込まれた住宅対策だけであるいは税制の緩和だけで目標が達成をされるのか、非常に危惧をいたしているわけでございます。 そこで、次は大蔵省に種々聞いていきたいわけでありますが、今回の土地税制の大幅緩和、やはりこれが一つは宅地供給につながってくるであろう、そして住宅建設が促進されるであろう、こういうことであるわけでありますが、私が一番心配いたしますのは、土地税制は緩和した、ところが目標どおり住宅投資が伸びない、こういうことでは単なる不労所得の優遇策に終わってしまうのではないか、さらに不公平というものを助長することになるのではないか。 だから、私は、こういった土地税制というものを緩和する場合には、その前提として、きちっとした条件整備というものをしていく必要があるのではないか、こういうふうに実は考えているわけでありますが、過去の土地税制の改正、ずっとやってまいりましたが、その土地税制の改正と宅地供給の効果、こういったものについて過去の例に照らして、大蔵省は一体どういうふうに御判断をされているのか、分析をされているのか、お伺いをしていきたいわけであります。
○福田(幸)政府委員 過去におきましては、四十四年から五十年の期間、これは段階的に分離課税の税率を上げるという形での供給促進をやった。五十一年から五十四年の間、これはいまの四十四年——五十年間の供給促進の結果、非常に土地は出た。これは出るわけです、だんだん税率が高くなるわけですから。一方において、いろいろな投機が起きたオイルショックの時期があったということもあって、非常な土地投機が生じた、仮需要が生じたということを踏まえて、五十一年から五十四年の間というのは、これは二千万を超える部分は長期譲渡所得については四分の三という総合課税をした。これは非常に厳しいことで投機を抑制したわけです。 いまの時点をどう考えるかでございますが、いまの時点は、投機的な土地需要というものは去っておるというふうに判断していいと思うのです。税が過去、申し上げたように非常に政策的に動いたわけであります。最初は段階税率による土地供給促進、その次の時期は重課による抑制、こういうふうに動いてきたわけでありますが、今回の改正は、税というものは本来中立的な立場を長期的に、安定的に保つ、これが正しいんじゃないかということが基本的なスタンスであります。 したがって、いま残っています四分の三課税は五十五年以降から——五十五年以降は緩和の傾向が出ておりますが、これは従来二千万超の四分の三を八千万超のところを四分の三、こういたしたわけであります。その後を受けた今回の改正は、この八千万超の四分の三という残りを排除してしまったということで阻害要因を外すということ。それから、そうしますと二分の一が原則になりますので二分の一総合、四千万までは二〇%ですが、いずれにしましても、政策的な要素を外した二分の一総合ということを長期安定的に確立するということが基本的に考えられたわけで、その結果、いままで頭打ちになっておるために、売り惜しみもしくは分割して売っておるというようなこともなくなるのは結果的な問題でありましょう。 あと、土地保有税とか固定資産税を農地について強化をいたしておりますけれども、もう一つは、長期、、短期の問題で、長短の区分を十年ということにいたしますと、四十三年十二月三十一日以前が長期だというふうにしておった狂乱時期の区切りを、十年というふうにしますと、その時点以降のところが十年の上回った分が出てくるという結果はありますが、これは結果論でありまして、長期、短期の区分は、土地でありますから投機要素を考えなければ十年であるということを原則にするということで、十年の長短区分ということと、四分の三というふうな過重な負担を上にかけないということで二分の一の総合、総合税率として累進はかかるわけです。 そういうことでございますので、ちょっと全体を言わないとわからないのですが、そういうすっきりしたものにしておいて、あとは政策を土地政策自体、住宅政策自体として所管庁が推進する。税は本来過当に介入すべきでないというのが過去の経験で示していますので、今回のものはすっきりすることが結果的に土地の供給につながるにしましても、マイナス要因ではない。それは基本的にはほかの政策を十分展開してもらうことに期待しておるということであります。
○柴田委員 要するに、税制改正だけでは住宅投資の推進にはならない、どう他の政策とかみ合うかという問題だと私は思うのですが、現実の問題として、土地税制の緩和というのは、聞くところによりますと、当初大蔵省が反対しておりまして、それだけではだめだ、こういうことだったのですが、要するに、過去の個人分の宅地供給状況を私なりに見てまいりますと、昭和五十年以降最も多く土地が供給されたのは昭和五十年の十一万八千ヘクタール。これは対前年比で見ても、五十一年度がマイナスの二六%、五十二年度がプラス三・九%、五十三年がマイナスの二五・五%、五十四年が一七・五%、五十五年がマイナスの九・七%。要するに、五十四年を除いて土地供給はほぼ横ばいであるわけです。 そして、この推移と税制の改正とを比べてまいりますと、五十年には、五十一年度から土地税制が大幅に重課税になることが決定をしております。つまり課税逃れの駆け込み譲渡があった。これはむちの効用とでもいいますかね。それから五十四年度は一部緩和があったことと、年度後半には五十五年度の一部重課税が話題になった。これはあめとむちとの併用。しかも、五十年以降中期的に見ると、土地供給は横ばいで、新設住宅戸数は低落をしている。 以上から見ますと、私は、この五十七年度の土地税制が、抜本改正と言えるほど大幅に緩和をされておりますが、果たしてその効果というものがあるだろうか。余り期待ができないのじゃないかという疑問を持ちたいわけであります。 事細かにもう一つ言っていきますと、その理由としましては、一つには、五十年以降あるいは過去の例を見ますと、土地供給がふえたときは、いわゆるあめとむちとの併用、これがきちっとしておった。五十七年度はあめだけです。緩和だけです。特に宅地並み課税の後退というのがその典型であると言わざるを得ないわけです。 第三点目は、改正部分のうち、期限つきのものは、優良住宅用に売った土地は四千万を超えても三年間に限り二五%のみで他の項目は無期限であるから、土地保有者が果たして昭和五十七年度に売るであろうか。土地を売っていこうという積極的な条件にはなっていない、私はこういうふうに思うわけです。 それから第四点目は、保有十年超のものは土地保有税、追い出し税が免除されたことから負担の重みを感じなくなる。俗に、相続税のときにしか土地の売り物はないと言われておりますように、大口の土地保有者が土地を売る、そういった条件がない。 しかも、先ほど来お話ししておりますように、社会的な現象、社会的な諸条件の変更、婚姻件数の減少とか都市への人口流入の低下あるいは取得能力の低下、こういった問題を積極的にカバーする対策というものが今回の政府予算の中にはいま一つ見当たらない、こういうことで、税制改正を過大に期待することは現状ではむずかしい。やはりきちっとした条件整備をして、抜本的な対策を講じていかなければ政府目標は達成をされない、私はこういうふうに考えておるわけでありますが、時間が参りましたので、ひとつ簡単で結構ですから、この辺の大蔵省としての御見解をお聞かせをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○福田(幸)政府委員 簡単にお話ししますと、阻害要因がなくなる、それから長期安定的な税制になるということで土地供給が行われる。またそれは、いろんな予算面、財投面で補完されておるということであろうと思います。阻害要因がなくなるということが最大のポイントであります。
○柴田委員 阻害要因とおっしゃいますが、私が言っているのは、そういった問題がきちっと五十七年度予算の中に組み込まれて政府目標を達成する、しかも、土地税制の緩和をしたわけでありますが、そういうふうに大蔵省としては確信しているのかどうか。あれば、その根拠を示してもらいたいという意味での質問でございます。それはどうですか。
○福田(幸)政府委員 税の方は税の立場で中立的にするということの結果として土地供給が期待されますが、これがどのくらいかわからない。これはほかの政策に期待するというのが正しい行き方で、予算面、財投面、また関係省庁の政策がそれを十分に配慮してある、こう思います。税の面はその前提としてすっきりなっておるということであります。
○柴田委員 時間が参りますが、一つだけ、意見ですが、私はきちっとした条件整備がなされていないと思います。ただ単に土地所有者、いわゆる不労所得者、そういった方たちに対する不労所得の優遇策に今回の税制改正はなってしまうのではないか、こういった危惧を持っているわけでございます。その点を表明いたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○森委員長 午後五時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時四十五分休憩 ————◇————— 午後五時五分開議
○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。正森成二君。
○正森委員 それでは、大臣はおられませんでしたので、質疑の細かい内容は御存じないと思いますが、あるいは大蔵省内で概略の御報告をお受けになったかもしれませんが、昨日、法人税法等の質疑に関連して、国民が要求している減税を実現するためにも、不公平税制の是正あるいは財源はないかという問題について広くお互いに考えてみる必要があるということで、幸か不幸か大臣がおられませんでしたので、昨日は比較的技術的な問題について、主として事務当局、場合によっては政務次官に質問いたしました。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 それで、非常に申しわけありませんが、それをもう一回ここで繰り返すわけにはいきませんので、概略それを前提にした上で伺いますので、お許しを願いたいと思います。なお、必要に応じてはやむを得ない重複ということはあるかもしれません。 そこで、この前の質問のお約束の宿題から伺いたいと思いますが、昭和四十三年に初めて株式の公募時価発行ができましてから現在までの資金調達額、それからプレミアム分、それから還元分についての概略の数字を証券局から御報告願います。
○禿河政府委員 御報告申し上げます。 東証の方で公式に発表いたしておりますのは、四十三年から五十三年度までの数字でございますが、その後、私どもちょっと東証の方に当たりまして五十五年度までの数字がわかりましたので、五十五年度までの数字を申し上げたいと思います。 資金調達額が、四十三年度から五十五年度までの累計で申しますと、株式で六兆三千七十四億円、転換社債の分で四兆六千二十四億円、合計で十兆九千九十八億円。その調達に伴いますところのプレミアム額の累計は、株式の発行によるものが五兆四千五百六十一億円、転換社債の転換によるものが一兆七千四百七十三億円、その合計が七兆二千三十四億円。そのプレミアムのうちから無償交付されたものの累計は合計で一兆四千四百三十四億円、こういう数字に相なっております。
○正森委員 いま証券局長がお答えになりました数字は、非常に御親切に、公に発表しているのは五十三年までのようでありますが、私が東証に直接聞き合わせて五十五年分まで聞きました数字と正確に合っております。ですから、そういうことであろうと思います。 そこで、伺いたいと思うわけでございますけれども、大臣、この間本会議でわが党の野間友一議員が質問をしましたときに、大臣が、プレミアム課税ができないんだぞということで答弁になりました趣旨は二つあったと思うのですね。一つは、これは法律の規定が変わり、特に商法の規定が変わって資本準備金に積み立てることになったんだ、言ってみれば資本取引だから課税しないんだ、同時に、これは主要諸外国でも課税している例がないんだ、だから、これは当分の間というようなものじゃなしに、制度そのものとしてやらない、あるいはできないという考えであるという答弁のようでございました。 昨日政務次官に伺いまして、これが大蔵省のお考えかと言えば、まさにそうでありますという答弁でしたが、大臣、そのとおりですか。
○渡辺国務大臣 私は、そのように考えております。
○正森委員 そこで、本当はきのうの一時間の質疑を踏まえて言わなければ、なかなかうまく続かないのですけれども、それを大きく省略いたしますが、私がきのう来質問してまいりましたのは、大臣は経済にお詳しいので特に聞いていただきたいのですが、プレミアムの経済学的な性質はどういうものか、なぜ株式の額面価額を上回ってプレミアムが発生するのかという問題提起をしました。 学説がいろいろありますが、このプレミアムというものは本来株主に帰属するものである、言ってみれば創業者利得のようなものであるという見解が、多くの学者に認められている見解ではないか。したがって、株式会社の非常に安いコストの、言ってみれば無コストの資金だ。つまり、額面の増資をすれば配当というコストを払わなければなりませんね。銀行から借りれば利息というコストを払わなければなりませんね。ところが、プレミアムの場合には、プレミアムでごっそりもらったら、それには配当はしなくていいわけですね、資本に組み入れなければ。それから利息はもちろん払わなくてもいいということになって、企業としては非常にコストのかからない資金がたくさんとれるのだというような考えは、これは誤りである、そういう考えによってはいけないというのが、そこにおられますが、証券局長が朝日新聞などに投書された趣旨であり、そして谷村裕理事長などが言っておられることであるというようなことを説明したわけです。それは事実そうでありまして、明治や大正の時分には、当時これは利益であるということで、わが国ではずっと課税していたんですね。それは、きのう主税局長が歴史のところでずっと説明したのです。それが昭和二十五年から、これは利益ではない、株主のものであるということで、発想の転換が行われているということになっておるわけであります。 ここからが問題でありますが、ところが、本来株主のものであるにもかかわらず、企業が無コストの資金であるということでその大部分を企業内に留保して、配当もせず、もちろん銀行から借りた金でもないから利息も払わないということで使い続けるというのは、経済的に見ましても、制度から見ても非常におかしいのではないかというのが、会計学者などが言っていることであります。 そこで、商法が去年改正になりまして二分の一以上資本に組み入れることになって、ことしの十月からはそれが実施されることは御承知のとおりであります。商法はもちろん法務大臣の管轄でありますが、大蔵大臣も非常に関係が深いと思いますので、なぜこういう改正が行われたのですか。
○渡辺国務大臣 いきさつをつまびらかにいたしませんが、本来プレミアムは株主のものであるという考え方があって、それを勝手に使ってしまうということでは株主の権利が守られない、重役の独裁、独裁と言ってはなんですが、重役が勝手にし過ぎることを法律上歯どめをかけよう、少なくとも二分の一は資本に組み入れろ、そういう趣旨ではなかったろうかと思います。
○正森委員 大臣がお答えになったとおりですが、少し踏み込んで言いますと、いままででも、企業の経営を担当している者が利益として配分してみたり、そういう形で自由に使っていい金だとはなっていないんですね。資本準備金としてちゃんと積み立てなければならぬというようになっているのですけれども、株主に株式として還元するということは、行政指導は行われておったけれども、二分の一以上というような規定は商法上はなかった。それを、最小限二分の一以上は資本に組み入れなければならぬ、つまり株式としてこれは発行しなければならない、ということは、それには株の配当をしなければなりませんから、コストがかかってくるということに改めたわけですね。 これは、なぜそういうことになったかといえば、本来プレミアムというものは株主のものなのに、あたかも株主を全く無視して、株価が高くて、時価発行が高ければ高いほど企業はぬれ手にアワで、配当もしなくてよろしい、銀行から借りた金じゃないから利息も払わぬでよろしいという金が入って、自由に使える。これは得じゃないかということで、株主を無視した経営が行われていたから、これはぐあいが悪いということになったわけであります。 そこで、私はさらに伺いたいと思うのですが、プレミアムがもし株主のものであるといたしますと、これが無償交付その他の形で株主に還元される場合には、株主としては文句を言うことはないし、それから税法の立場からいたしましても、株式として外に出れば、株式に対しては利益があれば配当しますね、配当には当然のことながら所得税がかかりますね、もらった側に対して。だから、国に対して税収がふえるわけであります。 ところが、資本準備金のままで配当せずに置いておいた場合には、本来ならば株主に対して株式として交付するということをやれば所得税の税金として入るべきものが入らないで、企業の中に留保されて、株主から見れば無限に所得税が延納される、そしてそれを企業が利用するというかっこうになりますね。企業の側から見れば、株主に対して配当は要らない、銀行から借りた金でないから利息分は払わなくてもいいよという結構な金がふんだんに企業に蓄積されていく、こういうことになるんです。それがどれくらいあるかということをいま証券局長に聞きましたら、全部で十兆幾らだけれども、その中にはプレミアム還元部分もありますから、プレミアムとして還元もされずに残っているのは約七兆二千億円もある、こういうことになるわけですね。 そこで、私は、この七兆二千億円に対して、全く税の方面からも手をつけないというのは不合理ではないかという問題提起をしているわけであります。これについて大臣として、本会議での答弁も含めて、さらにお考えいただく御見解があれば、大臣ないしは主税局長から御答弁をいただきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 お答えいたします。 プレミアムがあって、その還元といいますか無償交付が十分でないというようなことで、無償というか、コストのかからない資金がある、それはむしろ配当にすれば所得税という形で税収が入るのじゃないか、繰り延べじゃないかという御趣旨のようですね。しかし、やはり払い込み資本であることは間違いないと思いますね。ですから、この性格は商法でもまた企業会計でも明確でございまして、税法でもこれは明確であるわけであります。御承知のとおりでございますけれども……(正森委員「わかっている」と呼ぶ)よろしゅうございますか。しかし、もうちょっとなにしますと、これは大事なところですから。 これは商法では資本準備金ということで、額面超過金、プレミアム、それから払い込み剰余金、減資差益、合併差益、再評価積立金。企業会計原則では資本剰余金で同じ項目がある。法人税法も資本積立金という言葉で同じ項目を挙げているということで、かつてはこの資本剰余金ないし資本積立金という概念がなかった時期があったけれども、いまは企業会計が確立されていまして、資本金があり、資本剰余金的なものがある。これは払い込み資本であると解されていますから、資本取引による分であるわけです。 ですから、これが還元されてないといいましても、還元されて無償交付しましても、あと配当の問題だと思うのですね。配当を幾らするかの問題ですから、資本金がふえましても株主への配当率は下がるかもしれません。そこはやはり配当金としてはふえるわけではないわけで、配当というのは所得から払われますから、したがって配当がどうされるかという問題で、還元のところで株がふえましても配当率は下がるというような問題もあるということが一つです。 〔小泉委員長代理退席、中西(啓)委員長代理着席〕 それから、還元を進めるという意味での課税でございましたら、これはちょっと別な政策が入ってくることになろうと思いますね。還元を進めるために、プレミアムに課税して還元を促進するという御趣旨がもしこの課税の理由であれば、むしろ課税することによって還元がその分減るわけでありますから、プレミアムに課税しますとプレミアムが減りますから、それは還元分が減るということで課税理由はない。外国の話は、また御質問があればその辺申し上げますが、いずれにしましても、資本取引については課税しないというのが資本主義における株式会社の原則でございますので、そこは課税はあらゆる面から認められていないというのが商法、企業会計及び税法のたてまえということでございます。
○正森委員 大蔵大臣、きのうからの議論が一時間中断していますから、おわかりにくいと思うのですが、私もちょっとやりにくいのですけれども、念のために言いますと、主税局長の議論には、きのう私が指摘したことを再度無視した議論があるのと、それから、私が言ってもおらない前提を、おまえは多分そういうことを言うんだろうということで早とちりをして、そして見えない敵に対して大砲を撃っておるというところがあるのですね。その二点がありますから、えらい重複するようで申しわけありませんが、大臣に御説明したいと思うのです。 まず第一に、主税局長は、企業会計原則でこうなっておる、商法でこうなっておる、税法も当然こうなんだという意味に近いことを言われましたね。これが実は誤りである。大臣は御専門ですから、企業会計原則を私のような弁護士から言うのは申しわけないのですけれども、企業会計原則とか財務諸表規則というのは、企業の経理というのをできるだけ健全に保つということから定められているものですね。それから商法というのは、私はそこにおられる政務次官と同じように弁護士ですから比較的知っておりますが、株式会社、株主、債権者、そういう利害関係者の利害を調節するという目的でつくられているものです。税法というのは、これは国が税金を安定的に得る、公平の原則から得るという目的でつくられているのですね。ですから、企業会計原則と商法と税法というのは、ほぼ同じ分野を扱っているのですが、同じ規定をしている部分もあれば違う規定をしている部分もあり、それは、それぞれ三つの存在理由が違うわけですから、当然のことなんですね。 それで、私がきのう説明しましたのは、多分主税局長がそう言うだろうと思って、「財務諸表新論」という河合信雄さんの本を持ってきた。この二百八十ページには、この三つの関係について論ぜられた部分がある。ここにずいぶんたくさんあるのですけれども、時間の関係で一つだけ説明すると、たとえば会社更生等による固定資産評価差益というのは、企業会計原則では資本剰余金になっておる。しかし、商法では何ら規定がない。実務上は任意積立金としておるようであります。そして税法では、欠損てん補に充てんした部分を除いて全部益金として税を課するというようになっているのですね。つまり、三つはそれぞれ目的が違うから、同じように規定されている部分もあるけれども、それぞれ違って規定されている部分もあるのですね。 あえてほかの点を言えば、資本的支出に充てた国庫補助金とか工事負担金というのも、企業会計原則では資本剰余金などに挙げておるが、税法では圧縮記帳を認められますが益金だというようなことで、それぞれ違うわけです。ですから、企業会計原則がこうだからとか、商法にこう書いてあるからというだけでは本当の説明にならないので、それらを全部統合して、そして公平の原則から、あるいは税法の目的からどうあるのが正しいかということをやはり考えてみる必要があるんではないかということを私が言っているわけです。 これが、主税局長が言いました最初の部分に対して、きのうも言ってわかっておられると思っておったのですけれども、どうもわかっておられないみたいですから、もう一度説明したわけです。 それからもう一つは、これはあくまで資本であって、そしていろいろな意味で課税するということになれば、それは利益還元を促進するんじゃなしに、逆にプレミアムを資本準備金として積み立てたものが減ってしまうことになるという意味のことをいま言いまして、だから、そういうものは認められないんだという発言なんですね。 これはどういう発想から来ているかと言いますと、主税局長がそういう見解を持たれるのも無理はないと思うのです、わが党の政策にもそれに近いことを書いてある部分がありますから。しかし、私がいま質問しているのは、そういうことに立って質問しているのじゃなしに、お互いにどういうぐあいにこのプレミアムの分を考えたらいいか考えてみようということを、きのう質問の冒頭に言ったわけです。ですから、私は、プレミアム分は利益なんだ、だから利益に対して課税しろというような、そういう議論をいましているわけじゃないのです。 私の意見は、プレミアムを資本準備金として積み立てるなら積み立ててもよろしい、商法は、そのうち二分の一以上を資本に組み入れなければいかぬというのだから、それはそれでもよろしい。ですから、資本も資本準備金も何年たっても減らないわけですね。何年たっても減らないのだけれども、プレミアムとしていまだ資本に組み入れられない部分については資本準備金として残っているわけですが、それを企業は配当もしない、利息も払わなくてもいいということで、非常に安いコストで運用できるわけです。 それからまた、株主の側から言いますと、これに対して利益還元で株式として配当を受け、株式として無償交付か何かでもらう、そうすると、それには当然配当が行われますね。おわかりですね。配当が行われれば、当然所得税が課税せられますね。もし所得税が三〇%なら配当の三〇%分、あるいは五〇%、六〇%、七〇%という高い税率を課せられる人がおるかもしれない。そういう人は、これは当然所得税を納めなければならないのに、納めないでそれを活用していくという利益を得ることになるわけでしょう。これはおわかりになりますね。 ですから、そういう不公平が残るわけだから、少なくともそういう不公平をなくすために、企業としてはやらずぶったくりみたいに坊主まるもうけで使っておる、そういう利益に着目して、株主の側から言えば、もし無償交付を受けてそれに配当をもらえば当然かかるべき所得税を払わないで、株主の集合体である企業の中でそれを運用しているという利益を得ているのだから、それに着目して一定の低い税率の税金を課されても当然ではないかというのが、私の一つの意見であります。 そして、この意見が決してとんでもない意見ではないということは、シャウプ税制まで、あるいはシャウプ税制でも、このプレミアムはそのときには行われておりませんでしたけれども、当時は配当性向がだんだんと少なくなって、企業の内部留保が多くなっていたのですね。それに着目をして——内部留保というのは、個人企業の場合には全部所得税として税がかかるわけでしょう。それが株式会社等の場合には内部留保でどんどん利用できるのだから、これに対して利子賦課税というて税金を課する必要があるのではないかという声が出まして、利子賦課税というのを一定の期間取ったことがあるのですね。これは、同族会社に対しては約七%、同族以外には大体二%の利子賦課税を取ったわけです。 そのときの考え方はどうかと言えば、もしこれが配当されておれば、三〇%なり五〇%なり、その人の所得によって税金がかかるはずである。それを税金がかからずに無償で利用しているのだから、それ掛ける平均利子率、平均利子率が八%とすれば、三〇%の所得税を課せられる人は二・四%、五〇%なら四%、それぐらいの税金は課せられて当然ではないかという考えから、二%とか七%とかいう税率が出てきて税金が課せられたというのが、ここに本を持ってきましたけれども、あえて読みませんが、出された考え方なんですね。 私は、こういう考え方をもっともっと広げるとすれば、いま企業が持っている膨大な内部利潤全部にだって、かけようと思えばかけられるかもしれないけれども、いまはそこまで言わないが、少なくとも坊主まるもうけでぬれ手にアワのプレミアム分に対しては、資本準備金ないし資本金として積み立てるのはいいけれども、それによって無コストの資金を利用しているという利益に着目をして、それに対して二%とか五%とか低い税率の税をかけても決して不当でないではないか。そして、それは公、平を保つゆえんではないかということを言っているわけです。仮に七兆あるとすれば、それに三%とすれば二千億円でしょう。五%とすれば三千五百億円でしょう。大蔵大臣にとって結構うれしい財源になるのですね。ですから、そういうことも考えられるのではないか。それは資本取引であるとかなんとかいう議論が仮にあるとしても、それに抵触せずに実行できる、そういう考え方ではないかということを申し上げているわけです。 ちょっと、きのうからの続きがありますので大分長くなりましたが、主税局長、大臣、どちらでもよろしいから御答弁を願います。
○渡辺国務大臣 まことに理路整然として明快でございます。それは一つの考え方。だから、直ちに課税するかどうか、これはまた別な問題、産業政策上の問題。税法というのはいろいろな政策目的がありますから。 私も、理論的にはあなたの言っていることは本当に一つの理論だと思いますよ。現実の問題として、同族会社に課税をするというときに、それは一般の非同族の場合は株主が承知しないから、利益があったら配当せざるを得まい。片一方は、配当してもらって所得税を取られるのなら、自分の会社だから積み立てておいた方がいい。それでは不公平になるから留保金課税をしているわけです。 ところが、非同族の会社がたとえば時価発行をやって、いまのようにプレミアムを取った。しかも問題は、時価発行をやる場合において、あるいは転換社債の場合も同じでございますが、従来の株主に全部割り当てて、時価発行というのは時価よりは幾らか低いのだから、まず優先的に株主にみんな割りつける。五百円のを四百円で割りつける。それで、株主が引き受けなかった分は市場に出すというやり方をやるならば、株主がほとんど大部分のものを時価発行の——自分たちが出した金なんだから、そういう場合は課税するといっても、これは私はちょっとおかしいのじゃないかと思う。本来の株主が、自分が出したのだから。ところが現実は、そういう場合は確かに少ない。そして株主割りつけよりも一般市場から募集するというやり方の方が多いでしょう。どれぐらいの割合になっているか私は知りませんが、私から言わせれば、それは従来の株主からすれば一種の権利の侵害だ。 だから、このことについて実は私も持論がありまして、商法改正前にもやかましく私は言ったのです。個人株主が減る減ると言うけれども、減るように減るようにするのだから個人株主が減るのじゃないか。本来は、増資する場合は額面でまず旧来の株主に増資させるのが本当です。しかし、こんなにも五十円株なんてことになって、配当の問題その他になると、現実には配当の率が非常に少なくなるという姿がある、株価と額面との乖離という問題で。だから、それはなかなかできないので、時価発行というようなことが行われているわけです。それから、全部資本に組み入れちゃう、全部それで無償で交付するというなら、これも課税問題は何も起きない。株主が全部払い込んだ場合も起きない、全然起きないと私は思います。そうでない場合は、仮に一割しか資本準備金に繰り入れなかった、四割は非課税のものとして運用しているということになれば、それは同族会社と不均衡じゃないのかという理屈があって当然だと私は思います。 そこで、どうするかが問題なわけでございます。証券局などの考えは、要は、それはそうかもしれないが、運転資金がコストのかからないものがあって、それが稼いで利益がいっぱい出る。利益がいっぱい出れば法人税をよけい払う。それから、当然それは配当するわけだけれども、問題は、無償交付だけが配当じゃない。要するに、税引き後利益に対して何割配当するか。いわゆる配当性向の問題ですね。それをふやすように行政指導すれば、仮にそういうものがあってそれが非常に利益を生めば、配当をよけいに出す。そのときに所得税をいっぱい取れるんだから、そこで帳消しになってくるということを言っているわけです。 あなたの場合、その前にちょっといただいたらどうだという問題なんですね。どちらがいいか。理屈を言えば、そういうように手つかずで、資本準備金にも繰り入れない、宙ぶらりんのものがあれば、権衡上そこらから幾らかいただけというのも、これは理屈ですよ。どちらがいいか、これは非常に根本的な問題だし、産業政策の問題もいろいろございます。一長一短あるでしょう。しかし、一つの課税の理論という点からすれば、正森さんの考えと私の考えはむしろ近いのじゃないか。できるかどうかは別ですよ、これは。そういうような意見を持っております。
○正森委員 いいですか、局長。何かありますか。
○福田(幸)政府委員 大臣のは実感のある詳しいお話ですけれども、資本剰余金、特に額面超過金、プレミアムにはやはり課税しないというのが私は原則だと思いますね。資本取引で、払い込み資本金であるという性格がはっきりしていますから。諸外国もそうです。これはやはり利益の留保の話との比較ではないと思いますね。利益の留保の方の話は留保金課税でございます。しかし、この資本のところで、発行差金があるから、それを留保金的に扱って課税するというのは、理論的には成り立たないというのが本当じゃないでしょうか。
○正森委員 大臣がせっかくいい答弁をすると、横からちょろちょろと言いたいんだけれども、大きなずうたいだから、のそのそ出てきて、若干それに水を差すようなことを言うということですけれども、世の中にはいろんな意見があってもいいわけですから結構ですが、私はさらに申しますと、局長は、資本取引である、資本準備金であるということに非常にこだわっているというように思うのですね。 局長もある程度は理解されてきたと思いますが、私は、資本準備金としてプレミアム分が百億円あれば、そこから五億円ずつ引いていけというようなことを言っているのじゃないのですよ。資本準備金は十年前も百億円積んだらいいし、現在も百億円ずっと積んでいく。しかし、その資本準備金が運用されて利益を生み出すわけですね。その利益は、配当もせず利子も払わないということなんだから、そういう利益を生み出すところに着目して一定の税率を課するということで、たとえば、これは非常に平たい言い方ですけれども、固定資産税というのがあるでしょう。固定資産税というのは、それに二%とか三%とか税金をかけるといっても、何もその土地を売ってかけなさいと言っているのじゃなしに、その土地を使用することによって生み出す利益あるいはその土地を使うことのできる地位に着目して、一定の税金を課しているわけですね。 ですから、そういう考え方は十分に成り立ち得るし、それは決して資本準備金なり資本を取り崩すというようなむちゃなことを言っているわけではないということを申したいと思うわけです。それで、大臣のお考えは、将来実行していただけるかどうかは別としまして、非常に相近いものを持っているということは言えると思うのですね。 それで、さらに進めますと、いまお話が出ましたように、プレミアムが相当ふえれば、それによって、その資金を活用してもうかるわけですから、だから、配当をどっとふやすということで株主に還元するならば、それも還元の一方法なんですね。何も株式の無償交付だけをやらなければならないということではない。 現に外国では、野間議員に対する答弁で、大臣が、主要諸外国ではやっておりませんというように言われましたので、私は国会図書館へ行って調べてみたのです。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕 やはり大臣だけのことはありますな、間違ってうそは言っていない。主要諸外国ではやっていない。やっているところを調べましたら、スイスには悪いのですが、これはスイスだけなんです。これは主要諸外国とは言えないかもしれない。アメリカ、イギリス、西ドイツというような大どころはやっていない。 スイスはどういうぐあいにしているかといいますと、これは大蔵省もお調べになったと思いますが、スイスの場合には、ただにプレミアム分を資本準備金として積み立てた、それに課税するというようなものじゃないのです。これは非常に独特な制度でございまして、いま局長は、資本に税をかけるというようなことは考えられないと言いましたが、スイスでは資本税という資産税があって、資産に対してかける。これは連邦と州と両方ありますが、連邦税は資本に対して〇・〇八二五%の税率。各州は同じように資本金、資本準備金に対して税を課する。これは州によって違いますが、一番高いところで〇・九一七%あるいは〇・七%。両方合わせて一%ぐらいです。そういう税金を課しているわけです。ですから、資本に対して課税しないということは、現在外国で絶対ないかというと、ないことはない。 それから、わが国の場合には、局長よく御存じのように、戦前はもちろん資本に対する課税があって、一定の低い税率で税金を課しておった歴史があるわけですね。ですから、これは絶対にないというわけではないわけです。 そして、主要諸外国ではなぜそういう制度がないかといえば、大臣がおっしゃったように、アメリカの場合には無額面株式制度が多いのですけれども、株式の分割と株券配当とが盛んに行われて、公募時価発行による旧株主の不利益を十分にカバーするようになっているのです。だから、株主は株式分割で株がふえる。そうすると、配当がふえてきますね。あるいは株券配当というもので、株券で配当してもらうというような利益がございまして、決してやらずぶったくりになっていないということだから、文句も出ないし、プレミアム課税という問題も起こらないということになっているのです。 イギリスではどうかといいますと、イギリスの場合も還元が十分に行われているということで、プレミアムの増資後の増配が非常に行われているのです。だから、配当というかっこうで十分に還元されている。 西ドイツはどうかといいますと、西ドイツの時価発行は一九五八年以降の現象なんですけれども、プレミアムそれ自体を決める時価の額がわりと低く定められていて、余りむちゃくちゃなあぶく銭を取らないようになっているのですね。その上で、なおかつ株主の立場を害さないように、配当額をどんどん上げているのですね。一九五七年の平均が八・六四%だったのが、五八年には九・二八%、五九年一〇・六%、六〇年一一・七九%、六一年一二二七%というように、どんどんと配当の率を高めているのですね。ですから、そういうかっこうでプレミアム分も比較的少ないし、配当は上がっている。だから、旧株主は、自分たちに十分に還元があった、こういうぐあいになっているのです。そして、配当に対してはもちろん所得税がかかるということで、国庫に対しても税金が入るようになっておって、決して、プレミアム増資をやった企業がぬれ手にアワのもうけで、コストのかからない金を運用しておる、中小の株主に迷惑をかけても構わないというようになっていない。だから、大臣の言われたような、主要諸外国では実施しておりませんということになるのですね。 ところが、日本の場合はどうであるかということについて証券局に伺いますが、いろいろお調べになりましたか。私の持っておる資料では、機関投資家として非常に有力である生命保険協会が調査した調査結果があるようですが、そのうちのさわりがおわかりなら答弁してください。
○禿河政府委員 定かな記憶ではございませんが、生保協会が昨年出しましたのは、いわゆるファイナンス銘柄、時価発行株式につきまして、時価発行後におきますいわばキャピタルゲインと配当の合計額をファイナンス銘柄とそれ以外の銘柄と比較してみた場合に、むしろファイナンス銘柄の方が普通のものよりも下回っておる、こういう傾向が見られておるということだと思います。
○正森委員 結構です。きょうは総括質問じゃありません。大蔵委員会の気楽な質問ですから、御参考までにお聞きいただいたらいいのですけれども、いまの証券局長の御答弁のとおりですが、私は、質問するために、五十六年九月一日付で、生命保険協会が「公募株の投資効果について」ということで調査をしている、その調査概要というのをお願いしてここへ取り寄せました。相当分厚いものですから、全部読むと大変ですけれども、そのさわりを大臣に気楽に聞いていただきたいと思うのです。 どう言うているかといいますと、「四十七年から五十五年に公募増資を実施した全銘柄について、五十六年三月末を基準として投資成果分析を行った。調査対象企業は五百七十四社、延べ千四十二銘柄である。」こういう前提で、「一、公募株の平均投資収益率は、五十四、五十五年の両年を除き、各年とも市場収益率を下回っている。」つまり、プレミアム増資をした方が、していないところよりも収益率が下だ、こう言っているのですね。だから、プレミアム増資に応じて損したということになるわけですね。五十四年、五十五年はなぜそんなことになったのかという理由は、ここに書いてありますが、省略します。 それからさらに、公募に応ずるでしょう。そうしたら、公募価格というのは普通の時価よりやや低い目に決めるのですから、それよりもさらに時価が落ち込むというようなことだったら、公募に応じた者や旧株主はえらい損をするわけですから、そんなことは絶対にあってはならないということで、プレミアム発行をする企業は考えなければいかぬのですね。ところが、生命保険協会の調査では、公募価格割れは二百九銘柄で、その比率は二〇%であるということになっているのですね。「特に五十三、五十四年に増資を実施した銘柄に公募価格割れが目立つ。両年で公募価格割れ比率は三九・三%である。」これでは、公募に応じた者も旧株主もまるきり損であるということになってくるわけですね。 さらに言いますと、「公募価格割れ幅の大きい二十五銘柄は表5のとおり」と言って、名前が全部挙がっているのですね。いろいろおもしろい会社があるから、ここで読んでもいいのですけれども、企業のイメージダウンになってもいかぬから、多少配慮してそれは読みませんが、それについてこういうことを言っているのですね。そういう会社は「各社につき業績を調べると、八六%が悪化の傾向を示している。」そして「公募増資直前期と五十六年三月直近の決算期を比較すると、経常利益では減益十五社、赤字四社。配当では無配転落九社、減配六社という結果である。」 だから、配当性向を高めて増配して利益を還元するというような、そんな話じゃないのですね。株価はできるだけ高くやっておいて、プレミアムでぬれ手にアワの資金をどっさり稼いで、後は株価が下がろうが、配当が減ろうが、無配に転落しようが、そんなことは知らないよ、はいさようならということをやっておるというのが、この調査結果に出ているのです。だから、理屈の上で、プレミアムの無償交付なんかやらなくても、配当性向を高めれば、これで十分還元になっているのです、そういう行政指導をしているんですと言ったて、そういうぐあいになっていないから問題なんですよ。 そこで、私は、余りこの問題ばかりやってもいけませんから、そういうことを聞いていただいて、主税局長、あなたのお立場で、はいはい、正森議員の言うとおりです、直ちに税制を改正しますなんてなかなか言えないでしょうし、言ったら最後、自民党税調その他から怒られるでしょうから、そういう答弁は期待しませんが、しかし、虚心に聞いていただいて、これはこのままほっておけないな、資本主義社会の健全性を維持するという観点から見ても、私が言うのはおかしいですけれども、ただいまもちょっと言いましたけれども、そういう観点からいっても、これは放置できない事態なんです。だから、証券局長も、きのう読み上げたんですけれども、朝日新聞の夕刊に投書をしておられる、あるいは東証の理事長も憂慮の念を示しているというのは、そういうところにあるんです。 そこで、私は結論として、いろいろ意見はあるでしょうけれども、もちろん配当性向は高めなければならないし、増配というかっこうで還元はしなければならないでしょうけれども、商法の改正もありましたのは、いろいろあるけれども、資本準備金ということで、株券で交付せずに、配当の義務を負わないで、そしてコストの要らない金だといって使っておるばかりではあかん。商法は、少なくともことしの十月からは二分の一以上は資本に組み入れなさい、つまり株式として出しなさい、そうすれば配当しなければならないんだ、そういうかっこうで必ず還元するんだ、そうなれば、それに対しては、配当所得に対して税金も取れるんだ、税も払わずにうまいことばかりはできませんよということで歯どめをかけたわけですね。 しかし、それでもやはり二分の一は資本準備金のままでぬれ手にアワで残る可能性がある。それに対しては、企業に対してその場合には利益とみなして四〇%や四二%というような税金をかけるというのは、これは資本準備金の性格からしてできないけれども、株主から見れば所得税も課せられないで猶予してもらっているという利益、企業から見れば配当もしない、利息も払わないで自由に使えるという利益、その利益に着目をして、元本はそのまま置いておくが、それに対して平均利子率よりも下回るような低い二ないし五%というような程度でこれは税金をいただきますよ。それがいやだったら、資本に組み入れて株主に還元するか、いろいろ別の方法を考えなさい。留保しておる限りは、これは一定の、最小限の税金はいただきますよ。どっちにするか、支配的な企業経営に従事している株主は考えなさいということになれば、これは商法の面からでも手当てできるし、税法の面からでも手当てできるし、そして資本準備金ないし資本金として積み立てる元本には傷がつかないわけですね、それはずっと残るわけですから。 これは、皆さん方の考え方に最大限配慮して、質問に当たって私が考えたんで、まだわが党の正式の政策にはなってないんです。ですけれども、あなた方がのみやすいように——のみやすいようにと言うとおかしいですけれども、考えやすいように理論構成をして、結論としては似たようなものなんですわ。一どきに四二%もらうのも、七兆円もあるんだから二%でも三%でもいいから、ちびちび十年、二十年かかってもらうのも結局同じことなんですから、気は長くいこうということで、これは安定的な財源なんですね。一般消費税よりもずっと安定的なんですね。だから、そういうことをやはり考えてみる必要があるということを申し上げるんですね。これは決して荒唐無稽な、思想が違うから問題にならないというような、そういう御提案あるいは考え方ではないということで、すべてこれは資本主義社会を肯定する立場の著書等を引用して質問したわけです。 以上、えらい長々となりましたが、大蔵大臣あるいは主務官庁である主税局長あるいは証券局長の御意見を承って、この項目についての質問を終わります。
○渡辺国務大臣 局長が答弁するとしかられるから、私が答弁をいたします。 私は本当に先ほどから聞いておるし、私の持論にも近い話なんです。これはやっぱり、もし法人税の体系等を抜本的に見直すようなときには、当然一つの大きなテーマとして検討をさるべきものであるし、検討さしたい、そう思っております。 こういう時期でございますから、やはりいろんな面で国民に負担も求めなければならぬ。一方、企業の活力もそぐわけにはいかない。しかしながら、何かその中間の問題で、みんなが納得できるようなことば当然やっていかなければならぬという点から、大変示唆に富んだ御意見として、十分私は記憶をいたして検討したいと思っています。
○福田(幸)政府委員 個人的見解かもしれませんが、やはり資本準備金は資本取引である。利益準備金ではない。企業が活動した所得から法人税が払われるというのが基本でございますので、そこはやはり利益準備金的な考え方ではない。無コストであっても、それは、それを原資にして活動したものは法人税がかかるわけでありますし、そこのところをやはり利益準備金的に考えられるのは、企業会計的な形式論かもしれませんが、商法的にも税法的にもこれはやはり資本であるという基本は崩せない、こう思います。
○正森委員 そういうことを言うから、また一からやり直さなければいかぬわけです。時間がなくなってきましたけれどもね。 主税局長、日本だって、明治から大正、昭和のこの間まで、資本そのものに対してだって税金をかけていたときはあるんですね。これは考え方の相違であって、資本に税をかけていると言ったって、利益が上がらなければ、結局は最終的には税金を払えなくなるのですから。だから、法人税を非常に高くするか、あるいは法人税を一定の額に置いて、資本に対して資産税の一種として低い税率をかけて、合わせて利潤全体の中からどのぐらいを国家がもらうかというように考えれば、一方を一方と峻別する必要は全然ないわけですね。 だから、そこのところがもしわからないということになれば、これは極端に言えば固定資産税だってかけるのはおかしいということになってくるわけで、だからその点は、現在でもスイスは資産税の一種ということで考えているわけですから、その点について指摘をして、次の問題に進みたいと思います。主税局長はこの三月で退官するわけでもないでしょうし、私も解散さえなければまだ国会議員でありますから、まだ論戦をする機会があるでしょうから、そのときをまた楽しみにしておきたいと思います。 それでは次の問題に移りますが、国税庁おいでになっていますか。それでは、国税庁と大蔵大臣にお伺いしたいと思います。 ほんの短い質問ですけれども、実は、先日全国税の労働組合が私どものところへいろいろ来て、大臣、国税の職員というのはいまの財政危機の中で一生懸命徴税にがんばっておるということで奮闘してくれているわけですけれども、その人たちのいろんな処遇の問題で非常に問題があるんじゃないかということで、問題を申し上げたいと思います。 といいますのは、この国税の諸君は、非常に厳しい条件の中に人数が余りふえないで仕事をしているわけですが、そういう人たちが非常に配転が厳しいわけですね。そして、配転をする場合に、他の省庁では最低は一週間前、早い省庁では二カ月前に配転の内示がある。当然のことながら本人の意向も打診されるのに、国税庁では、公務の要請という理由で事前の打診がない。日曜日を挾み一律四日前に本人に知らせるというのが現状だということで、これをもう少し改善をしてくれないかということが非常に強い要求になっておるわけです。これが一つ。 時間がありませんので幾つか申しますが、それから、単身赴任者というのが非常にふえているんですね。たとえばここに、北海道の札幌四署及び札幌への通勤可能者、これは小樽だとか岩見沢だそうですが、これを除いた地方署の単身赴任調べというのを見ますと、昭和五十年には全部で千七十名の職員のうち百二十一名、一一・三%だったのが、昭和五十六年度では、千四十三名中二百十四名の二〇。五%に単身赴任者の率が急増をしておるということになっておるんですね。この単身赴任者というのは、われわれ国会議員も単身赴任者でありますけれども、われわれは土曜日に帰って月曜日に出てくるとか、大体がみずから立候補してなったもので、とやかく文句を言えた義理ではないという身分はよくわきまえておりますけれども、なかなか単身赴任というのはつらい点もあるのです。どこかの大臣のように、自炊が大好きで大いに楽しんでおられるというところもそれはおありでしょうけれども、自炊がうまくない者にとっては相当な苦痛であります。 「単身赴任者の苦痛」というのがここに書かれているのですが、たとえば室蘭署に勤めている五十歳の菊田悟郎さんというのは、現金手取り額が二十五万八百七十円、ここから税金だとかいろいろなものを一万六千六十八円引かれ、組合費が案外高いのですな、七千五百円引かれ、妻と幼稚園の息子のところに十万円仕送りし、内地の私大に進学した娘に七万円送金し、残った五万七千三百二円で月二回女房のところに帰ると二万円かかるというのですね。残り三万七千三百二円で、生活保護以下の生活をしておる。それで、冬は朝だけパンを食べ、昼と夜は外食だ。夕食はいつも役所の近くの食堂でラーメンとかカレーで済ませています。昨年の生化学検査で、何か正常基準値を超えた数値には星のマークがつくのだそうですが、それが四つからことしは五つになったという訴えなのです。これはチョンガーの悲哀であろうと思うのですが、せめてこれを、四年も五年も単身赴任しているものをもっと縮めてほしいというのが一つの要望であります。 その次に、これは個別のことになるから本当はここで言わない方がいいのかもしれませんが、高松局今治税務署に勤めている高橋浩一さんという人は、せっかく四国へ行かせてもらったのだけれども、観音寺の税務署に勤めているものだから、母親が病気で看病しなければいけないということで行ったのだけれども、往復に非常な時間がかかる。それで、観音寺から高松まで行きも帰りも急行に乗っているのだそうです。そうすると、一日に急行券が千二百円、二十五日通勤して三万円要るということで、決して高い給料じゃないのに、こういうことで時間が非常に長くかかるということで、何とか御配慮願えないかとか、関信国税局の小近という人は、関信に行ったのだけれども、長岡署に勤めておって、自分の住んでいるのは新発田市で、通勤に五時間かかるというのです。だから、父も母も病気だというのでそこへ行かせてもらったのだけれども、事実上自分自身の体がもたないというような状況だ等々、いっぱいここに書いてあるわけです。 こんなことを全部言えば、ちょっと質問としてどうかと思いますから、また国税局へ行って個別にいろいろな事情も御説明したいと思いますが、これらに象徴されるような単身赴任者あるいは転勤等の問題について、もう少し実情を配慮して、役所にもいろいろ人事配置はあるでしょうけれども、現在非常に大きな困難の中で税収を確保するためにがんばっている国税関係の職員に対して、やはり配慮してあげるべきではないかというように思うのですが、御答弁を願います。
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。 国税の職場で第一線で働いております税務職員につきましては、できるだけ働きやすい環境の中で精いっぱいがんばっていただきたいというのが私どもの願いでもございます。 ただいま先生から、転勤に関するいろいろな問題を御指摘になられました。これは、実は税務の職場にとりまして避けがたい、私どもにとりましても非常にむずかしい問題でございまして、こうの特殊性と申しますか、余り長期間同じ職場に置いておくということが種々の弊害をもたらしがちであるというようなこともございますし、また、勤務地である税務署が納税者の便宜等を考えまして全国各地にたくさん散在しているというようなこともございますので、毎年相当数の方にどうしても転勤をしていただかなければならない、こういう特殊な事情があることがまず一つございます。 そこで、先生御指摘の、四日前に内示をしているが身上の把握は十分ではないのではないか、こういう点についてでございます。 これも先ほど申し上げましたように、非常に大量の職員に転勤をしていただかなければならない。その直前まで実は身上把握そのほかで膨大な作業に追われておりまして、これは余り申し上げるのは恐縮でございますが、以前は二日前とか三日前というような内示が精いっぱいだったのですが、四、五年前から、五十一年度からたしか四日前内示というところまでいま来ておりまして、この辺が大体限界ではないかというふうに考えております。 ただし、その際、職員個々人の身上を十分把握し、職員の希望等も十分上司は聴取して、可能な限りその辺の身上を酌むようにということは、十分各局に示達いたしておるところでございまして、その辺についてなお一層趣旨の徹底を図ってまいりたいと思います。 その次に、単身赴任者が非常に多いではないか、こういう御指摘でございます。これも、ただいま申し上げましたような税務官署が各地に散在しているという特殊性がございますが、そのほかに地域的な特性がございまして、地名を挙げるとあれですが、東京国税局とか名古屋国税局とか、そういった大都市の国税局でございますと、比較的近隣にたくさんの税務署がございます。交通機関も非常に便利でございます。したがいまして、自宅あるいは特定の官舎から通勤できる税務署の数も非常に多うございますので、転勤即転居ではないという事例が多いのでございます。ただいま先生事例をお挙げになられました札幌国税局とか高松国税局といったようなところは、何しろ地域が広うございまして、交通の便利も必ずしもよろしゅうございません。したがいまして、単身赴任者がどうしても多く出がちであるという実情がございます。 もう一つ申しますと、たとえば札幌国税局でございますと、子弟の教育そのほか生活の利便等々から、在勤者の圧倒的多数が札幌とか凾館とか特定の任地を希望いたします。一たびそこに勤務するということになりますと、そこに自宅を建てるとか、そこの官舎に家族を入れて、そこで子弟を中学なり高校なりに進学させるということになりまして、その後転勤するという場合には、どうしても自分ひとりで、単身でよそへ行くというような形態になりがちでございまして、特定の局におきまして先生御指摘のような単身赴任者が出がちであるという事情はどうしても避けがたいわけでございます。 ただし、その場合に何年も長期間にわたって家族と離れて暮らすということが、本人にとりまして心身ともに好ましい状態でないことはわれわれも重々承知しておりまして、その辺につきましては、現地の各国税局におきまして、局長初めみんな肝胆を砕いて適切に対処するように心がけておるところであると存じますので、個別のお話も含めまして、その辺につきましては十分配慮が行き届きますよう、私どもといたしましても重ねて各国税局の方に意のあるところを伝えたい、このように考えております。
○正森委員 それでは、いまそういう答弁もございましたし、個別の問題をここで申すのは適切ではありませんので、いずれまた、お調べを願って、私どももまたその実情を把握してまいりたいと思います。 そこで、さらに国税庁関係のことについて御質問をしたいと思いますが、これは国税庁のことですが、国税庁長官も来ておられませんので、大臣にぜひお話ししておきたい、こういうように思うわけであります。 それは、昨年の十一月十六日に——大阪の大淀区というところに税務署があるのです。これはお断りしておきますが、大阪ではありますが、私の選挙区ではないのです。ここの税務署長の藤井勇という人と、それから統括官の川井彰という人が、資本金たしか一億円以上の法人約二十五社ぐらいを集めて税務懇談会をやったのですね。その詳細な内容、私のところへ報告書が来ておりますけれども、そこで納税協会の社団化への支持、協力等のお礼を述べた後に「各組織の中で民商について余り知らないのに驚いている。本日はその民商という団体について説明します。」こういうぐあいに言うて、いろいろ話を始めたわけであります。 その中で、藤井署長もいろいろけしからぬことを言うておるのですが、中でも、川井統括官というのは民商の全国組織や地方組織の形態を簡単に説明した上で「民商は全国的な組織で、共産党の下部組織である。会員の会費やカンパという名で資金をかり集め、共産党の財源もここから出ている。組織の指導は縦割りで命令的できつい独善的なものである。彼ら民商の目指す目的は、日本の資本主義社会を根底から覆し、そして革命を意図している団体である」こういうことを言うて、そして、下請、孫請会社で民商に入っている会社があるなら、その中身をよく教えてやってくれという意味のことを言っている。 もってのほかだと言わなければならぬのですね。日本共産党の下部組織で、われわれが民商の会費やなどと言うて金集めて、それが共産党の資金になっている。日本共産党は、われわれが党費を納め、また、党の機関紙である赤旗を三百万余の人に買っていただいて、そこからの収益と、そして、われわれがいろいろとカンパを訴えていただくお金もありますけれども、そんな民商であれ何であれ、会費の中からくすねてわれわれの財源にするというようなことは絶対にないのですね。それを、事もあろうに下部組織で、共産党の財源はこの会費から出ているというようなことを言う。 いいですか、私たち共産党も、きょうの質問を聞いていただいてもわかりますように、日本資本主義社会を根底から覆すというようなことをいま直ちには言うてないのですよ。民主連合政府をつくって、大企業の横暴を抑えて、資本主義の枠内で中小業者の利益を守って生活と営業を守ろうということで、民主連合政府の綱領は出しておるけれども、そんなもの、資本主義社会を根底から覆して世の中ひっくり返そうというようなことは言うてない、共産党でさえ。こんなこと言うたら上の人にしかられるかもしらぬけれども、本当ざっくばらんな話が。それが、資本主義社会を前提としている中小商工業者が入っている民商に対して、この団体は資本主義社会を根底から覆して革命を意図している団体である、こんなとんでもないことを言うのは、民商に対する誹謗であるだけでなしに、共産党に対するとんでもない誹謗じゃないですか。 私は、念のために全国民主商工団体の規約等も取り寄せて読んでみましたけれども、そんなことはもちろん全然書いてないですね。資本主義社会を前提として、中小商工業者の利益をどういうぐあいに守るかというのがその設立の目的であります。こういうことを一税務署長や統括官が言う。大阪では、近年こういうことが横行しているのですね。私は、こういうような思想、信条による差別、あるいは特定政党や特定団体をこういう公務員が誹謗して差別的に取り扱うということは断じて許されてはならぬ、民商に対しても許されてはならぬけれども、共産党に対してもとんでもない話だというように思うのですね。 私どもは、昨年、日本共産党の国会議員が国税庁に抗議にも参りました。そのときにはまだ十分調査ができていないので、調査をした上でお答えするというようなことを言っておったようですが、この公の席で、調査の上明白にそういうことは誤りであり、今後やらないということを責任ある立場の人から言明をしていただきたいというように思います。
○吉田(哲)政府委員 ただいまの大淀税務署の関係につきましては、先般来共産党の先生方からいろいろ御質問があったわけでありまして、私どもも、実情を国税局を通じまして調査したわけでありますが、結論的に申しますと、大淀税務署の税務懇談会は、税を知る週間行事の一環として、関係の法人を集めまして、その場で税務行政の実態を知ってもらう、理解してもらう趣旨に出たものであるというふうに考えられるわけでございます。 その発言の内容でございますけれども、残念ながら、大淀署の管内におきましては、民主商工会なりあるいはその会員の方々の中から、いわゆる納税非協力的な行動があったり、あるいは納税意欲を低下させるような宣伝等があるわけでありまして、私ども税務行政を執行する者といたしましては、それに対しまして私どもが正しいと思うということをお答えし、PRするということは当然であろうと思います。そういったようなことで、私どもが正しいと思うことを申し上げまして、そういう宣伝等に惑わされないよう税務行政の実態を知っていただくということで、そういうお話をやったのでございますけれども、それ以上に、民主商工会とかいった特定の団体あるいは特定の政党を誹謗、中傷するというような趣旨のものではなかったというふうに報告を受けております。当日の懇談会の場におきましても、聴講者の中から質疑がありまして、それに対しまして真意を申し上げたような経緯もあるようでございます。 ただ、税務職員としていろいろ誤解を受けるようなそういう行動を慎むべきことは、これは当然でありまして、私どもも、特定の団体を中傷、誹謗したり、あるいはそういうものの組織結成等に介入することのないように、言動には十分注意するよう各局署に改めて徹底をしたところであります。
○正森委員 いま言うことはもってのほかやな。全然そんなことはないけれども、誤解されるようなことは言うな、つづめて言えばそういうことじゃないか。現場の言っていることとそれは違うじゃないか。私は、民商についてのあなた方の見解を述べたとかなんとかかんとかいうことだけ聞いているのじゃないのですよ。私が聞いているのは、「民商は全国的な組織で、共産党の下部組織である。会員の会費やカンパという名で資金をかり集め、共産党の財源もここから出ている。」とか、「彼ら民商の目指す目的は、日本の資本主義社会を根底から覆し、そして革命を意図している団体である」とか、そういうことがけしからぬと言っているのですよ。 そうしたら、大淀の総務課長すら、民商の代表に「懇談会の席上、民商について大部分の時間をとって話をしたことはよくなかった。誹謗、中傷と受け取られるような発言をしたことはよくなかった。川井統括官は「個人的見解を述べた」と言っているが、懇談会で個人的見解を述べたのはおかしい。」「税務署は、民商を他の団体と一切の差別をしないし、税務行政を混乱に落とし込む団体とは考えていない。」「企業に下請の民商会員をやめさせよとは言ってないし、脱会工作を指示したと誤解されたのは心外だ。そんな意思は全くない。署長は今後このようなことのないようにする。」こういうように述べたというようにわれわれのところに報告が来ているのですよ。 現場でさえ、ちと言い過ぎて悪かったというように思ってこう言うているのに、上の者が、そういうことはなかったけれども、誤解されるようなことは今後ないようにするとは何ですか。そんなことでわれわれが納得すると思いますか。余りごまかしたらいかぬですよ、本当の話。これでもずいぶん遠慮して言うてあげているんだから。全然こんなことを言わなかったと言うのですか。大臣、経緯を言いましょうか。 この二十五社の中に関西共同印刷所というところが含まれておったのです。この関西共同印刷所というのは、税務署は知らなかったのが百年目なんだけれども、共産党関係の出版物を印刷する会社なんですよ。私の選挙ポスターもそこでやってもらっているのです。そこの総務課長が出てきてちゃんと聞いているのに、それがわからぬものだから、いま言ったことを全部言ったから、全文速記をとったのですよ。その速記録というか報告書は、ちゃんと私ここに持っているのですよ。それくらい動かぬ証拠が挙がっているのに、そういうぐあいにしらばっくれる。これじゃ、われわれのおらぬところでは何を言っておるかわからぬですよ。この総務課長は、共同印刷の総務課長だから、普通の企業の総務課長と違ってりっぱな共産党員ですよね。だから、えらいことを言ったと思って、一生懸命書いておるのです。(発言する者あり)それはいかぬですよ。自民党でさえ、これはかぶとを脱がなければいかぬ、こういう意味でそれはいかぬと言っておるのです。あたりまえですよ。それをしゃあしゃあとしらを切るのです。 大臣、これは余りひどいじゃないですか。幾ら共産党が人がいいといったって、自分の目の前でこんなことを言われて、どうだと言えば、そんなことは言ってないけれども、万が一誤解を招くようなことは今度から言わぬようにする、そんなことを言われて、へいさようでございますかとあなた方だったら言いますか。言わないでしょう。共産党だって同じですよ。だから、あなた方は正すべき点は正さなければいかぬということを申し上げておきたいと思うのです。 直税部長なんか答えてもらってもしようがないから、大蔵大臣、国税庁だって大蔵大臣の指揮監督下にあるのでしょう。国税庁長官も一応は見ますけれども。ですから、私は事実を知らぬからというようにお答えになるかもしれないけれども、なぜこんなことがわかったかというその原因、出所まで御説明したわけですから、やはりそれに対する政治家としての一応の発言を伺って、時間が来ましたから、私の質問を終わります。
○渡辺国務大臣 先に答えられたようでございますが、事実関係は私いま初めて聞いたことでございます。事実関係は知りません。 それから、国税庁の人事の問題は、国税庁長官、大蔵大臣は実際の人事権を持っておりません。制度的な問題やその他の問題については、当然基本方針は示します。そういう事実関係があなたのおっしゃるとおりであれば、少し口が滑ったということは、そう言えるでしょう。政談演説会ではそういう話はときどき聞くことがございますが、政談演説会と違いますからね。十分事実を調べさせて、注意をいたします。
○正森委員 終わります。
○森委員長 玉置一弥君。
○玉置委員 連日、大臣もお疲れのようでございますし、いま、最後にどっと疲れたような感じもございますから、軽く済ましていきたいと思います。 先日から、いろいろお伺いをしていることでございますけれども、いま一番国民の中で大きな課題になっております減税の問題、きょうの参議院ですか、あるいはいろいろほかの委員会での答弁を聞いておりますと、国会の中で決められたことには従っていかざるを得ないということでございまして、例の玉虫色の議長裁定というものを十分踏まえてやっていく、そういうような答弁がございました。 これから小委員会を開いて大蔵委員会の中で取り組むことになると思いますけれども、昨日は、政務次官、そして主税局長に取り組みの姿勢というものをお伺いしましたら、何かわからないような答えが返ってまいりました。大蔵大臣もほかでは同じような答えを出されておりまして、われわれとしては、現在の勤労所得者を中心にしたいわゆる可処分所得の減少というものをどの程度大臣として認識をされておるのかということが一つと、そして、いま財政再建の中、非常に苦しいという立場はわかります。財源確保ということで、減税問題がなくても、財政を維持するだけの財源を確保するということにいま奔走されているわけでございますけれども、そういう面から見ると、事務的に考えたらとても不可能じゃないか、これはやはり一つは政治決断である、そういう気がするわけです。 これからの動きということがございますけれども、所得減税が、話し合いの中で、五十七年、五十八年というのはわかりませんけれども、一応やろうということになってまいりました。大臣として、それについての取り組みの決意といいますか、その辺についてお伺いしたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 私は、議長見解を論評すべき立場にはございません。これは、五党ですか、集まって相談をされたことであって、これを拝見をいたしまして、私は、穏当なことではないか、大体ここに書いてあるとおりなことであって、そういう中で模索をしていくということではないだろうかと思っております。
○玉置委員 言われればやる、言われなければやらない、そういう姿勢だというふうに判断をいたしますけれども、大体そんな感じでよろしいですね。確かに、大蔵の関係をいろいろやっていますと、心情的にはわかるような気がするのですけれども。 そこで、財政再建の期間、一応五十九年末までに赤字国債発行を脱却して、それ以降は償還に力を注いでいくというようなことになろうかと思います。財政再建というのは、国債発行がなくなるということだけではなくて、いままで発行されました国債、赤字国債が償還をし終わる。それで初めて税収をフルに使えるような、そういう財政が組めるわけでございますから、やはり昭和七十年ぐらいまでということになるのではないか。そういう意味で見れば、特に五十九年までに、いまの財政状態を抑えつけながら、余剰金というか、要するに不足分を補っていく、その取り組み姿勢が大変問題になるのではないかというように思うわけです。 と申しますのは、昨年の春に景気の底入れということで宣言がなされました。これは政府がやったわけですね。その宣言がなされましてから、五十六年度の財政運営あるいはいろいろな動きも絡みまして、景気がなおも横ばいを続けている。昨日伺いますと、昨年の九月以降は稼働状況から見ると若干上向いてきておりますけれども、そういう状況の中でやはり景気対策というものを十分考えていかなければ、大蔵省がいつも非常に喜んで受け入れられます自然増収というものの期待ができないのではないか。現に、五十六年度の税収については大変な不足が生じるような状況にいまなっていると思います。 そういう面から考えてみて、財政再建というものを五十九年にこだわらずに、七十年、要するに、全部払い終わる、償還するまでが財政再建である。ただ、六十年以降は若干重なってくる部分がありますから、そういう分については十分な配慮をする必要がございますけれども、五十九年にこだわらなくてもいいというように思うわけです。それについて、財政再建の担当の立場から、これからの財政運営あるいは減税問題を抱えた中で、どのように考えていかれるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 見方によりますが、財政再建期間というのはいつまでだ、これは厳格に言えば、いつまでということはなかなか言い切れない。それは経済の規模、それから成長率の高さ、そういうようなものがみんな影響してくるわけです。ただ、われわれは、当面の問題として、一応五十九年度までに赤字国債から脱却するという一つの目標を掲げておるわけです。それを、こういうときだから六十年までとか六十一年まで延ばしたらいいじゃないか、あるいは六十二年という人もあるかもわからない、ということになりますと、これはずるずるという話になりかねない。歳入を減らすということは、どうしてもそれに相応した歳出を抑えていかなければならぬということとつながるわけでございますから、そこで、われわれとしては、高度経済成長時代にできたいろいろな制度、施策の中で、特に消費的経費に使われるものが税金の中から賄われないで借金によっていつまでも賄われているということは、これはどうも一番まずいことである、そういうような観点から、やはりこの赤字国債の発行というものは一日も早く脱却をしたい、その目安として五十九年というものを掲げたわけであります。 しかしながら、財政は経済と連動している部分もかなりございます。ございますが、しかし、いまの段階において、全くそれが手の届かないところに行ってしまったというようにはわれわれは考えておらない。一つの目標でございますから、全然届かないというところなら目標という意味はないかもしらぬけれども、あるいは届かないかもしらぬが、努力すればあるいは届くかもしらぬというところにやはり目標を置いて、最大限の、総理の言葉をかりれば、それはもう政治生命をかけるというようなかたい決意で取り組んでいく、それぐらいの強い意志がなければ、これはなかなか言うべくして、赤字国債という安易ないい財源があるわけですから、それから抜け切るということは困難であるということであって、そういう観点から、一方、歳出カットを臨調答申を得て大幅にさらに続けてやっていこうというやさき、歳入の方は、赤字国債は続けてもっと長く発行するんですよということは、どうも締まりがない。そういう点から、これを現段階において延ばすということは考えられない。やはり最大限の努力をやってみるということが優先するということでございます。
○玉置委員 いまの経済状態を見てみますと、やはり国民の中に大変不況感というのがあるわけですね。ところが、いろいろな税収から見ても、不況じゃない、ただ横ばいが長いからよくならない、よくならないという気持ちが強いと思うのです。これがいわゆる個人消費の足を引っ張るわけでございますけれども、そういう意味で、これからの経済そのものに対する刺激策、そして特に消費マインドの喚起、そういう方向が必要だと思うのです。 いまの財政状態というのは、やはり昨年の末では一兆六千億ほどはみ出てしまったというような状態がありましたし、それがいつの間にか入ってしまった。今年度を見ても、五十六年度の税収の状況を見ると、このまま景気回復がなければ、五十七年度というのは、まず、予算は組まれたけれども実際の財源が確保できないのではないかというような心配があるわけです。そういう場合を考えて、国内需要の喚起というものを、これから五十七年度、進めていかなければいけない、かように思うわけです。 ところが、いまの財政の中で、五十六、五十七、特に五十五年からほぼ定着をしているようなそういう財政の中身でございますから、五十七年度は五十六年度と同様に財政の経済に与える効果というものはないであろうというように思うわけです。その辺について、何らかの手だてというものを考えなければいけないと思うのですけれども、いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 国の財政は必ずしも個人の家計と同じだとは申しません。申しませんが、ただ出るをはかって入る方をそれに合わせるということも、もう限界に来ておるということでございますから、やはり歳出の方を、歳入が思うようにいかなければ、まず極力歳出カットをしたり抑え込んだりするという努力をしなければいかぬ、国の税金で賄う話ですからね。ですけれども幾ら歳出を切っても切るには限界がある。したがって、どうしても切れない部分が大きく残るわけですから、それさえも支えられぬ歳入減になっては大変だ、これも事実でございます。したがって、経済の活動を伸ばすような努力をわれわれはしていかなければならぬ。 ところが、日本の経済は日本だけで動いているのではなくて、世界の経済と連動しておる。輸出がかげりが出たというのも、やはりそれは外国の方で不景気がひどいからということも原因の一つですから、日本だけでなかなか自由になるものではございません。制約があります。ありますが、しかしながら、日本でできるだけのことをしなければならない。 そういうような点から、われわれといたしましては、五十七年度予算を一刻も早く成立させてもらって、それに関連する諸法律も年度内に上げていただきたい。まずそれによって可能な——すでに準備したものがおくれれば、それだけおくれるわけですから、準備したものをまず実行させてもらう。その上において、さらに公共事業の前倒しを初め、いろいろな工夫はこらしてみましょう。それから後の話は、経済は生き物でございますから、やはり経済の実態をにらみながら、どういうふうにするかはそのときに検討すべきものであって、われわれとしては、一応この予算の中で最善を尽くせば何とかなるだろうというように目下思っておるわけであります。
○玉置委員 昨年もお伺いしましたけれども、たとえば、予算がつくられまして、そのときに五十六年度の税収は幾らぐらいということで政府から国会の方に提出をされます。その時点でやはり責任問題が出てくるということですね。昨年お伺いしますと、大蔵大臣が予算の執行に対する責任とともに、税収に対しては主税局長と大蔵大臣というのがやはり責任を持って当たるということになっております。足らなければ足らないで何とかしなければいけないという、それが一つの責任でもあります。あるいは、政治的責任というものもあります。 そういう面で、いろいろな責任のとり方がありますけれども、そういう意味では非常に重要なポストにおられるわけです。特に、こんな財政の悪いときに大蔵大臣をやられるというのは、不運と言えば不運ですね。もっとたくさんあるときに、どうやって活用していこうかという方が楽しいですけれども、切り詰めたらしかられるしということで、いいことはないと思うんですね。 しかし、そのない中で国民の合意というものを得られるようなことをやっていくというのも、重要な責任ある地位におられる方の当然の任務でございますから、これからの財源不足をいかに補っていくか。今年度多分不足するというのがわかっておりますけれども、それを追及するとまたいろいろ問題が出てくると思いますので、それはやめますけれども、たとえば五十六年で不足するだろうというように思われております。ところが、五十六年をベースに組まれました五十七年になりますと、その五十六年で不足した分がもろに効いてくるわけです。 この間、一月末に出されました中期展望によりますと、五十八年度が要調整額という形で不足額が出ておりますけれども、この金額が三兆三千七百億円というように出ております。そうなってまいりますといま幾らかわかりませんけれども、不足が五、六千億はいくだろうと言われておりますけれども、それが上乗せされるということになりますと、大体四兆円の不足額、これは五十六年度と同じ財政の組み方をして、同じ現行制度でやったという前提が入っておりますけれども、そうなってくると、それじゃ五十八年はかなり思い切った増税を考えるか、あるいは行政改革によって四兆円を切り詰めるような効果を出さなければ、財政運営ができないということになるわけでございまして、そういうようなことを考えますと、先ほど申しましたように、財政再建期間というのは、五十九年というのは非常にむずかしいんじゃないかということでございます。 しかし、先ほどのお話で、五十九年にやるんだ、それは手に届くか届かないかわからないというお話でございますけれども、いまのところは手に届くようにするんだというように受け取りました。ところが、まず来年度四兆円、実際は三兆三千七百億円という数字でございますけれども、この不足額について、これは大蔵省が出した数字ですけれども、これについてどうとらえて処理をしていくのか、それについてお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 五十七年度でもいろいろな心配がある、それが五十八年度ではさらに大変であろう、結果的に、結論的に言えば非常に厳しい情勢だと私は思います。本当にどうして予算を組んでいいか、だれが大蔵大臣をやっても、なかなかなり手がないじゃないかと思っているくらいでございます。 しかしながら、そうばかり言っておられませんから、まずわれわれは最大限できるだけのことをやらねばならない。その第一は、何といっても景気の持続を図ること。第二番目は、思い切って制度、施策の見直しをやって、歳出のカット歳出削減を最大限どこまでできるか、これもおのずから限界があるでしょう。なおかつ足りない分をどうするかという問題がそこで出てくるわけでございますが、それは歳出の削減のやり方にもよります。どうしても切れないものはだれかが持たなければならないわけですから、それは、要するに受益者負担というものをもっとふやすか、あるいは税の中でそいつを埋めるいくか、何かの手は使わなければならない。 どうしてやるかという具体的なことまではまだ考えておりませんが、いずれにしても予算は組んでいかなければならぬわけですから、そのときの経済情勢等を見て、その経済情勢に一番直近の姿で、一番可能性があって現実的だというものを選んでいかざるを得まい、そう思っております。
○玉置委員 いつも聞いているようなことしか返ってこないのですけれども、いつも大体わからないらしいですね。ところが、四月十五、六日くらいから次の体制を組まれるというような状況になりますから、大体その辺になるとかなり明確に出てくるんじゃないかというような気がします。何でもわからないで対応されますと、思いつきで走るという心配もございますから、そういう面で、先ほどから聞いておりますといろいろな持論をお持ちでございますから、ある程度その辺をはっきりと出していただきたい、これはちょっと影響が大きいですから、そう急には出せないと思いますけれども。財政再建については、これまた時間をいただいていろいろやりたいと思います。 まず一番早い話で、三月九日、昨日でございましたけれども、自民党のグレーンカード対策議員連盟というものがございまして、それが開催された。だれが火をつけたのか知りませんけれども、グリーンカードはこの間通りました。そういういまの制度、グリーンカード導入についていろいろ問題があるというような話がどこかから出ておりまして、そういうような方々が集まられて論議をされた。そのときに、制度実施による課税逃れのため資金が海外に流出しているとか、あるいは個人の全購入額が急増するなど金融資産を物にかえる動きが出ている、ゼロクーポンが要するに節税商品として人気が出て資金の流れが変わってきている、こういうことから制度の見直しをやらなければいけないのではないか、これは自民党の中の話をしているわけですけれども、そういう動きがきのうありまして、決議をしたというお話でございます。 こういうような動きがあったということは、すでに事前にわかっておりましたけれども、大臣の方にも当然情報が来て、動きの中身までぴしっと伝わっていると思いますけれども、これはまず党内のことでありますが、国会議員さんが衆参同時に集まられてやられたということで、やはり何らかの対応をしていかなければいけないのじゃないかというように思いますけれども、それについてどう対応されるか、お伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは自民党、自民党と言いますが、自民党ばかりじゃなくて、民社党のおえらい方も予算委員会でもやりましたし、もっと別な大物の方からじかに私のところへも、過ちを改むるにはばかることなかれとか言ってきておりますから、そういうような動きのあることは私はよく承知をいたしております。 しかし、そのことば、確かに民間の中でグリーンカードをよく理解してないという点が一つございます。何か二百万円ぐらいしか持ってない人から、今度は何とかカードというのができたら全部税務署にわかってしまうんだそうですねとか言って私は聞かれたことが現に二、三人ございます。ですから、そういうようなPRの努力がまだ足りない、徹底してない。別に三百万や五百万の金を持っている人は余り関係ないのですよということがわかられていないということが事実一つございます。 それから、もう一つの心理としては、税金を云々というのではなくて、自分の持っているものが人に知られるのはいやだというそれだけのことで、いわゆるへそくりですね、それだけのことで心配しているという人も中にはございます。これも事実でございます。だけれども、そういう方にはまず安心をしてもらうという努力を一つしなければならない。 それからもう一つは、これが余り抜け穴があったのでは、ただ手数ばかりかかって何にもならぬわけですから、そういう抜け穴のあるようなことはやめたらいいと私は思っておるわけであります。 一方、何といっても無税で貯金をしているという者が九百万では足らないんだ、もっと何千万も億もというようなことをやられたのでは、これは大変なことでございますから、少なくとも無税の貯金というものについては、それだけははっきり限度だけをわかってもらわないと不公正になることは当然でございます。 もともと、分離課税でも不公正だ、だから総合課税にしろということからこれは出発した話でございますので、そういうようないままでのいきさつ、それから現実の姿というようなものをよく考えた上で、支障のないようにグリーンカードは実施をしていきたいと私は思っております。
○玉置委員 いろいろな動きがございまして、何か署名運動まで始まっていまして、署名していない人も大分いるみたいですけれども、実際のところ、私の周りの人を見て、要するに、利子所得によって生活が左右されるとか、それだけ持つというのはまた逆に大変じゃないか、そういう気がするわけですね。そういう意味では、余り影響ないんじゃないかなという感じがするのですけれども、一つは、プライバシーの守秘義務といいますか、これがどの程度税務署の中で守られていくかという不安感、それから先ほど大臣がおっしゃいました何もかも把握をされてしまう。それが実際は国民の中に非常にPRがされてないということも事実でございまして、各金融機関がそれぞれ自分たちのところに資金を確保したいということで好き勝手なことを言いまして、要するに預金獲得をねらっておる、こういうことがいろいろな混乱を招いている原因ではないかというふうに思うわけです。 そもそも利息に税金をかけられるということが嫌ならば、その資金をもっと有効に活用するような使い方を考えればいいじゃないかと思うのですけれども、余り言うとまたうちの後ろからばしっとやられますので言いませんけれども、利息に対して何で税金がかかっているのかというのも一つあるわけですね。 たとえば、個人を考えてみた場合に、預けると税金がかかりますよ、マル優以外は。ところが、借金した場合、個人で借金して家を建てたという場合には、その分は減額されないのですね。要するに、住宅取得の三年ですか、あれしかないわけです。ところが、借金は十五年なり二十年というふうに続くわけですけれども、その分の軽減がないということ。 たとえば預金をいたしますと、逆に不労所得というか、所得だということで課税をされる。預金というのは、一つは安全な保管という目的があると思うのですね。もう一つは、やはり若干でも物価とかいろいろなものは対する目減りを防ぎたいということで預ける。自分で資金活用の能力というか手間がないという人だと思うのです。まず、そういう人に対して利息に税金がかけられるということ自体がなかなか腑に落ちないわけですけれども、逆に言えば、では借金の方は減額してくれるのかということです。その辺についてどうでしょうか。
○福田(幸)政府委員 むしろ簡単にお考え願って、そこで利息というものが不労所得というか資産性所得として発生する。あるいは勤労をして所得が発生する。こちらは預金するということで、預金を銀行が運用して、それで所得が預けた人に発生する。要するに、利子所得というものがあるということであるわけです。それに課税するのがやはり資産性所得を含む総合課税、この原則で、これを分離していくというのは、特に資産性所得については、勤労性所得との比較では、弊害が、不公平感があるわけです。ですから、勤労所得及び資産性所得、ともに所得は所得です。しかし、担税力はむしろ資産性所得にあるわけです、その元木を持っているという資産ですから。それを総合して累進課税の税率がきくわけですから、外していきますと累進課税は意味がないカーブになって、勤労者だけが高い税率を適用されていくわけですから、それを総合しようということから始まっています。 また、三百万というものを管理しなければ、それをたくさんつくっておるものですから、いま名寄せしようというので、取り合いの競争をしているわけですね。その辺をきちっと三百万にしてもらう。それから、本人の確認をしなければ、仮名預金という形で脱税が放任されるというわけです。預金は、普通一世帯で定期性は二百五十万ぐらいなんですね。だから御心配要らないということ。それから、お二人で老人で過ごしておられれば、九百万というのがあるほかに、課税貯蓄であっても一千万の利息というのは課税最低限のところで税金がかからないのですね。だから、千九百万はかからないという、その辺もやはりわれわれPRが今後要ると思います。そういうことで、利息には課税する。しかし、そういうことで生活しておられる老人のところは、七十歳過ぎればもっと高く、一千万が千五百万ぐらいまでいくと思います。奥さんにまたやれば九百万ふえるわけで、普通の方は御心配要らない。心配しておられる方は、どういうことで心配しておられるかというところがポイントであろうと思います。
○玉置委員 いろいろな問題点があるということで、見直しを迫る声といいますか、そういう方がかなり出ておりますので、これからもっといろいろな問題点というか、もめてくると思います。そういう面で、ぜひ、私が言うまでもなく大蔵省の方も注目されておると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 毎回はみ出すのですがもう時間が過ぎちゃったのですけれども、これだけやらしてください。 例の重量税、十二日、あさってでございますけれども、行革絡みで車検制度見直しということでいまの車検制度が改定をされる、その内容が閣議に出されるという話でございます。従来から重量税のあり方がいつも問題になっておりまして、一般財源であるということもそうですし、そして重量税が自動車取得税とか自動車税とかいろいろな要件の中にダブっているのではないかというのがあります。 しかし、きょうはそういう問題ではなくて、今度車検が、新車三年、継続二年ということに変更される。それについて、いままでの重量税が五十八年の三月に一応期限切れということになるわけでございますけれども、そうなった場合に、やはり次の方策ということを考えておられるのではないか。各省庁に聞いてみますと、大蔵の強硬な意見があるというお話を伺っておりますけれども、従来、たとえば二年間ということでありますと二年間前納ということでやっておりました。これが還付を一切しない。ただ、誤って納めた場合には還付が請求できるということになっておりますけれども、誤らない、誤らないというと変ですけれども、要するに、正規に登録をいたしまして事故が半年後に起きたあるいは三日後に起きたということでも、二年間の重量税をそのまま国が持っていってしまうということになっておりまして、今回三年になりますと、ますますその持っていかれる部分が非常にふえるのではないかということが一つ。それはよほど運の悪い方ですけれども、運が悪くない方、ごく普通の方でも買うときに三年分まとめて納めなければいけないという、非常に大きな費用負担をするわけです。重量税以外にも自賠責保険というものもございまして、料率は落ちますけれども、それがあるということです。 非常に心配をされますのは、いま国内で非常に乱売状態にあります自動車、これがさらに輪をかけた悪化を招くのではないかというような大きな心配をされております。昨年も、自動車産業が全産業に占めるパーセントということで聞きますと、大体一〇%ぐらいという話でございましたけれども、それは販売関係を除いたいわゆる製造業の中での一〇%ということでございまして、今度流通関係を含めますと、ガソリン、油とか、四百五十万人という方が働いておられる。台数が減りますと、部品、それからガソリン、いろいろなところにその台数比例で響いてくるわけです。 そういう面で考えますと、日本経済の、基幹産業とまではいきませんけれども、やはりウエートが非常に高くなっております自動車でございますから、当然対策として考えていかなきゃいけない。その一つが重量税の分納制度、要するに、毎年毎年単年度で納めていくという方法ではないかということでございまして、それと還付について従来からいろいろ答弁を聞いておりますけれども、現在の状態ではなくて、車検制度が三年になったときにどのようにされるか、また、いま私が申し上げたことを検討していただけるかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○福田(幸)政府委員 五十八年四月末で重量税の現行税率が切れるわけです。いまの車検の関係では、税率をどうするかは、これは五十八年度の税制改正の一環で検討されると思います。重量税の性格からいって、いま営業用車を軽減していることも含めての検討が行われると思います。その際、新車だけ二年か三年になるということですから、その三年を通じての税負担が変わらないようにするということですが、最初のところでいただく分は、比例的にはふえるということは考えられますが、この決めることば年末の改正の時点で検討するということで、これは印紙で納めるということで、徴税機構上、車検という際にこれはいただいておる期間を通ずるやり方ですから、年税ではないわけで、毎年の税金じゃないので還付という性格がそこから出てこない。また、金額的にも、これは最初のところで新車のときでも十五万ぐらい、いろいろ検査手数料、自動車取得税その他かかるのですが、二万五千円しかかかっていないわけでございますね、千六百ccでも。普通の継続車検でも同じく二万五千円ぐらいですから、それで見当はおつきになると思うのです。それで、三仲間のところで途中で廃車といっても、新車が二年が三年になるだけですから、そこで廃車がどういう理由で生ずるか。その辺は、特別の事情が生ずることは普通は考えられない。 そういうことでございまして、この税の性格がそういうふうに毎年の税金として——自動車税というのは保有課税ですから、毎年の税金でこれは月割りで考えますから返すことができる。軽自動車税は、これは月割り課税ですが非常にめんどうだということから、むしろ還付をやめてしまったということもございます。そういうことで、これをこの際見直すというような性格論にはならない、そういうふうに考えております。
○玉置委員 終わります。
○森委員長 次回は、来る十二日金曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二分散会