大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/02/24
会議録
○森委員長 これより会議を開きます。 国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田耕作君。
○和田(耕)委員 私は、大蔵委員会で質問をするのはこれが初めてでございまして、きょうは一時間半の時間をいただいておったのですが、夜遅くなると皆さんに御迷惑をかけると思いまして、一時間に短縮いたしまして質問をすることにいたします。なお、これからの御質問に対して、大臣は率直な方でございますから多分率直にお答えいただけると思いますけれども、もしそういうことになればもっと短縮してやれると思いますから、よろしくお願いをいたします。 きょうの読売新聞の朝刊のトップに「マイナス成長(十-十二月)確実」という大きな記事がございます。この記事を見て、これは昨日のわが党の委員が予算委員会で質問なすったことに対して河本企画庁長官がお答えになったと聞いておりますけれども、これは非常に大事な問題だと考えております。 まず、この問題から御質問をしたいのですが、この記事のトップにこう書いてあります。「政府は二十一百、来月中旬にも経済対策閣僚会議を開き、緊急に総合景気対策を打ち出す方針を固めた。これは、昨年十-十二月の国民総生産(実質GNP)の動向が、ゼロ成長にとどまらず、第一次石油危機下の五十年一-三月期以来六年ぶりのマイナス成長に転じていることが確実との判断による。」こういう見出しの記事がありますが、この問題について企画庁の方からまずお答えいただいて、そして大蔵大臣にも御所見をお伺いいたしたい。
○大竹政府委員 十-十二月期の成長率のいわゆる速報でございますが、これは三月の上中旬、恐らく中旬ごろでないと固まらないのでございます。したがいまして、昨日予算委員会で御議論があったという記事でございますけれども、現在までのいろいろな指標を見ながら想定をして、一応の予想と申しますか見通しを書いておられるのではないかと思います。 したがいまして、現在正式に企画庁として幾らと見ているかということについては直接お答えできないのでございますけれども、一つこういう指標から申しますれば、輸出の関係が、それまでの四-六月期あるいは七-九月期に比べまして数量の伸びが鈍っておることは事実でございます。 内需でございますけれども、内需は一応緩やかに回復はしております。ただ、その回復の速度が十-十二月期で非常に速くなったというところまではまだ数字の上で出てないという状況でございますので、全体として見ますと、成長率そのものがわれわれの期待を下回る可能性というものも否定はできないかというような感じで、現在やや懸念をしている、そういう状況でございます。
○渡辺国務大臣 私も同様であります。
○和田(耕)委員 また、最近の状態についてNHKが特別調べた報告を連日報道しておるのでありますけれども、現在の状態は昨年の十二月からほとんど改善されてない、むしろ悪くなっておるのじゃないかというようなデータを一昨晩から報道しているのであります。こういういろいろなデータによる傾向から見れば、つまりNHKが一昨夜来報道しておる傾向というのは大体裏づけられるとお思いになりますか。あるいは最近少しは立て直っておるという感じを持っておりますか。いろいろなデータから判断される経済企画庁のお考えをお伺いしたい。
○大竹政府委員 NHKあるいはその他の民間の機関等もいろいろな調査をされておられるようでありますが、企画庁として最近調査をしておりますのは、地方の経済状況というのを定期的にやっております。 これは一月の下旬に、大体全国各地で現地の企業の方々から状況を伺うような調査でございますけれども、それによりますと、特に景気の状況が悪化しているというような御意見ではなかったとは思うのでございますが、全体として見ると、現在の状況は昨年来に引き続き成長といいますか経済の回復がかなり緩やかなものにとどまっておるという状況には余り変化がないというようなのが大体の感じでございます。
○和田(耕)委員 どういうふうに御質問したらいいのか。大蔵大臣、先ほどの新聞で読み上げました、三月に入れば適当な時期に経済閣僚会議を開いて総合的な景気対策を検討する、こういう報道は事実ですか。
○渡辺国務大臣 閣僚会議の主宰は私がやるわけじゃございませんので、まだそういう連絡は受けておりません。受けておりませんが、経済の運営として景気にも十分に配慮しなければならぬ、そう思っておりますので、まず与えられた予算の中で、補正予算でいろいろな公共事業等の増額もいたしておるわけですし、それからこの新年度予算が通過をいたしますと、公共事業費も昨年並みのものが確保されておるわけです。特に地方は八・五%単独事業をふやすというようなことで予算が仕組まれております。したがって、公共事業の前倒し執行をひとつ考えようということで、これは関係各省庁の間で経企庁が中心になりましてぼつぼつ事務的にその打ち合わせを始めている、そういう段階でございます。
○和田(耕)委員 その公共事業の問題、これは非常に大事な問題ですから後から触れますけれども、まず経済企画庁の経済見通しが、少なくともこの三年間というのは毎年毎年大体回しようなパターンで大きく狂っている、そういうふうに思われるけれども、それはお認めになりますか。
○大竹政府委員 見通しと実績でございますが、毎年毎年大きく狂っているという御指摘はいささか事実と違うのではないかというように私どもは思っているわけでございます。 最近の五十四、五十五年度、これはすでに実績が出ております。ただ、四十五年度基準という基準年次のとり方が現在の五十年基準の数字と違うものですから、やや数字が正確でないという面はあるかと思いますが、見通しは四十五年基準でつくり実績も四十五年基準で出しております。同じ基準で比べた見通しと実績でございますが、五十四年度は六・三%の当初見通しに対しまして六・一%の実績でございました。五十五年度が四・八の見通しに対して五・〇でございました。その前を見ましても、五十三年度が七%成長を掲げまして、このときは五・七ということでやや実績と乖離がございましたが、五十一、五十二もそれほど大きな違いは出ておらないというふうな結果になっております。
○和田(耕)委員 特にいま問題になっている今年と昨年の問題、この中の個人消費の見積もりがかなり過大になっている、これは何としても明らかなことですけれども、この問題は、時間を短縮するために私から申し上げますけれども、非常に心理的な要素というものを考えざるを得ないのじゃないか。 つまり、耐久消費財を例にとりますと、持ってないときは無理しても買おうとするけれども、一遍持って買いかえということになると、かなりいろいろな意味の選択をする、こういうことが言われておりますね。こういうことが、たとえば後から住宅の問題も質問しますけれども、住宅にしても、いま国民としては一応全体の住宅のバランスは若干過剰になっておる。とにかく国民は不満ながら家に入っている。さてもっといい家にという段階が一昨年あたりから続いている。こういう場合の住宅に対する国民の需要は、先行きの問題に対しての判断によって、無理しても住宅を求めようとする、あるいはしばらく待ってみようというふうに考える。 そういう要素が特にこの三年間の国内個人消費、国民の気持ちの中にはあるのじゃないか。つまり、そういう要素を非常に過小に評価しているんじゃないかという感じがするのですけれども、この問題いかがでしょう。これは大臣からもひとつ御所見をお伺いしたいのです。
○大竹政府委員 確かに御指摘のように、消費支出が伸び悩んでいることにつきましてはいろいろ原因がございます。 ただ、消費もやはり需要項目の一つでございますので、経済全体の動きと非常に大きな関係があるわけでございます。五十三年度、五十四年度、経済が五%成長であったときには消費の伸びもかなり高いものであったわけでございまして、その当時は御承知のように住宅建設もかなりのものがあったということでございまして、経済全体が順調に伸びておる時期におきましては、民間需要も概して順調に伸びるということがいままでの経験でございますし、そういう経済を私どもは明年度も想定しておるということでございます。
○渡辺国務大臣 消費の伸び悩みということについてはいろいろ見方がございます。私どもは、インフレになるとどうしても消費が落ちる、物価の安定というものは消費にプラスするというように通説的に言われておるわけでありますので、そういうところに非常な期待を実は持ってきたことは事実でございます。 ところが、一方政府におきましては、石油危機以来サミット会議等もあって日本の石油の消費節約、その大運動を展開いたしました。昨年度は一割程度の石油消費節約が行われた。そのために輸入も減った。石油価格も安定した。ところが、この消費節約運動は、各企業みんなそれをやったわけですが、企業でそのように教えられた社員が自宅へ帰って、おかげさまでボーナスよけいもらったから、うちではうんとたくさん物を買ってくれとは言わないらしい。うちの中も消費節約になってしまった。耐久消費財ももちろんあるし、洋服のようなものでもみんな持っておる、ワイシャツも持っておるというようなことで、そういう点の買い控えというのは確かにあるようです。 この間もスーパーとかデパートのいろいろな担当者の方と私は懇談をいたしたのですが、食料品等の売れ行きは非常にいいそうです。問題は衣料とか電気器具、そういうものの売れ行きが悪いということなんで、大体テレビなんかも一巡してしまっておるし、ほとんどカラーにかわったしというようなことで節約ムードじゃないか。世界の情勢が悪いということはテレビ等を通じて各家庭みんなわかっておるものですから、最近非常にもったいないという言葉がまた再現してきたというのです。 消費は美徳と言われた時代があったが、物を粗末にしてはいけないんじゃないか、最近そういうことが家庭の中に入ってきた。それがいいことか悪いことか。反面、私は非常にいいことだと思うけれども、これが消費支出の足を引っ張っているということは事実でございます。貯蓄率は依然として高いということでございますので、全体から見ると税収には影響はあるんだけれども、国全体としては国民生活は健全なのかなという見方もないわけではございません。いずれにしても経済はかなり心理的な影響がございますので、さらに分析をしてみなければ的確なことはわからないと存じます。
○和田(耕)委員 この問題の判断は非常に大事な局面に達しておる。というのは、たとえば行革デフレという言葉がある。一部の行革の責任者には、行革デフレということはないということを言い切る人もあるのですけれども、確かに行革というのは、国民の心理的な要素としてはちょっと慎重な生活態度をしなければならぬというふうな気分を高める要素であることは、僕は間違いないと思うのですね。 これは理屈を言うといろいろなことがあると思うが、そういう面があるし、また国民がいろいろな調査によれば大体中産階級意識を持っておるという、かなりの生活をしているというある充足感がある。あるいは住宅にしても、全体としてはとにかく不十分ながら住宅にいま住んでおるということがある。耐久消費財も大体持っておる。そういうことが私は、最近ちょっと説明のつかない、というのは、物価が非常に安定しているのに個人消費がほとんど伸びないという問題を考えると、そういう心理要素が非常に働いているんじゃないか。このことは、もしそうだとすると、いつまでも続くことではないのです。恐らく三年か四年かすれば、どうしても買いかえなければならないし、あるいはいまの家ではどうもやっていけないという状態になってくる。そのときがいつかという問題があるわけですね。 そういう時期には、住宅の問題でも個人消費、ふところにはある程度持っておるというふうに仮定して、そういう仮定もあながち不当じゃないと思うのです、いまのあれからすれば。そういう時期があるということになると、これはいま政府は景気の問題について対策を再検討しようという一つの瀬戸際みたいなところにあるんですね。五十九年度までに赤字財政を立て直す、行革を実行する、景気がどうなろうということから、こういうふうに景気が冷え込んでくるとなかなかそうはいかない。もし、それに逆行する面があっても少しは緩めなければならないという瀬戸際に恐らくいま立っているんですね。そういう時期の判断として、あと一年しんぼうすれば個人消費もふえてくるのかもわからないというような要素もある、こういう時期だと思うのです。この大体の一つの峠、峠の茶屋じゃないけれども、そういう感じは大臣あるいは政府は持っておられますか、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 そのような感じを私も持っておるのです。御承知のとおり、いま世界じゅうが不景気であることは国民もかなり知っております。日本よりももっとひどいインフレと失業に悩んでおるということも国民も非常に知っておりまして、意外と堅実であります。 したがって、先ほど言ったように、一つは消費節約の問題があります。一つは住宅のようなものはやはり値段が高過ぎて手が出ないというのもございましょう。そこで今回の法案の中でも、中古住宅についても低利資金を融資をして、中古住宅を取得する場合も何らかの助成措置を講じようというようなことも、そういう観点から今度改正をして予算として取り組んだようなわけであります。 ただ問題は、世界の景気がことしの後半からよくなるという大体の見通しでございますから、そういうようなものをにらみながら、日本だけ特別よくするというわけにはまいりませんので、どうしてこれをつないでいくか。ただここで私は、ちょっと間違ったことをやると、つまりインフレを輸入してしまう、インフレにしてしまった方がいいのか、多少苦しくともこのようなことで少し耐えこらえた方がいいのか、ここらの兼ね合いが政策決定の上で一番大事な問題じゃないか、そういうように思っております。
○和田(耕)委員 予算を審議している間は、まあ何とかかんとかとにかく目をつぶっても予算を通すためにということが最大の要件になっていろいろなことをおっしゃると思うのですけれども、責任者である大臣の全体としてのお気持ちはよくわかりました。 そこで、つまりそういう政策転換のぎりぎりどういうふうに判断をするかによって違ってくるという局面にあると思うのです。 個人消費にしても、あるいはこの半年、一年のうちにとにかくいまのままじゃしんぼうできないし、先行きが多少明るくなってきたからということになれば、消費も伸びてくる可能性があると私は思うのですが、先行きの問題をどう考えるか、これもまた非常にむずかしい問題なんです。このままじっとしんぼうして一年あるいは二年のうちにはよくなるということがはっきりしておれば、国民はいろいろ文句を言いながらもしんぼうすると私は思うのです。しかしその点がはっきりしない。国際状態がよくなればというようなことは国民にとっては余り当てにならない。また最近の外電等によれば、この要素は決して当てになる要素じゃない。少なくとも今年の秋口になってよくなってくるというような要素は、私は余り確実じゃないと思うのです。国民は賢明でいろいろな情報を見ていますから、よくそういう感じは持つと思うのです。 そこで、先ほどの公共投資の前倒しということを政府は検討しているということなんですけれども、この問題は、私は、いま減税をするか公共投資をもっと大きくするかということになると、率直に言って即効的なものはやはり減税よりは公共投資だと思いますね。減税というものを私どもは主張し、これは不公正を是正しろということを力点に主張しておるわけですけれども、景気という局面から見れば、これは減税の額あるいはこれを継続してやるかどうかという問題等とも関係する。そしてまた、国民がいろんな面で不安を持っておるときに減税をしても、なかなか財布のひもは緩めないという要素があるので、景気刺激という問題についての要素は私は公共投資だと思うのですね。これは誤解してもらっては困りますが、私は、減税というものは不公正だということから非常に大事な要素だから、とにかくやらなければならぬという主張ですけれども、景気という面から見れば公共投資という問題がより効果的だという判断を持ちます。 そこで大蔵大臣、前倒しということですけれども、どれくらいの比重で前倒しをするのか。大蔵大臣としては、いまの諸情勢から見て、どの程度の前倒しをした方が適当だとお思いになるのか、そのことについて。
○渡辺国務大臣 まだこれは決定しておりません。おりませんが、大まかに言えば、去年よりはもう少しよけいにという程度かと存じます。
○和田(耕)委員 よくマスコミでは、河本さんは八〇%ぐらい、大蔵省では七〇%、違いは大したことないですね。いずれにしても七、八〇%の率で前倒しを行うというふうに考えていいのですか、いまのあれとしては。
○渡辺国務大臣 当たらずといえども遠からずではないか。まだ決まっておりませんからわかりません。動きます。
○和田(耕)委員 一〇%の違いはありますけれども、これはいまの状態から見ればそう大したことじゃない。とにかくこの七、八〇%の前倒しが行われるとして、しかし、それをやるためには秋から来年のいまごろになるとまた金が足らなくなるという要素がありますね。公共事業ができなくなるという要素がある。これはどういうふうに考えて前倒しをお考えになるのか。
○渡辺国務大臣 したがって、そういう問題もありますので、実はまだ決まっていないということを申し上げたわけでございます。 秋口からの景気の動向がどうなるかという問題もありますから、そこまでいけば、別に秋口から公共事業をやらなくとも下半期は経済の持続がうまくいくという見通しならば関係のないことですし、そこらのところは、経済は生き物で動いておりますから、そういうものを常ににらみながら決めていく必要がある。したがって、四月早々には決めなければならぬのじゃないか、そう思っております。
○和田(耕)委員 仮に建設公債を出していく、第四条の公債を出していくということになるとして、赤字公債は悪いけれども建設公債はいいんだという、確かにそういう要素もあります。ありますけれども、現在われわれが国債という問題を議論している場合は、国債の元利払いの時期が迫っておるという問題でありますし、元利払いという点から見れば赤字も建設も同じなんですね。 そういうふうな面から見れば、公共投資の前倒し、これは私は大事だと思うし、しかしそれをやれば、やはり建設国債の増発ということにならざるを得ない、いまの諸条件から見れば。こういうふうなことになると、赤字国債はなるほど予定どおりいくかもしらぬ。しらぬけれども、建設国債を出すことによって元利払いの負担は同じことなんですね。予算の硬直化というのは同じことなんですね。そういう面から見れば、本当のつじつま合わせみないのものであって、この問題にも非常に大事な論点があるわけでありまして、この問題は経済企画庁が、というよりも河本さんかもわからぬけれども、建設国債は、いいことだとは言わぬでしょうが、そう悪くないという判断があるようですけれども、それはいかがですか。
○大竹政府委員 国債を減額しなければいけない、財政再建に取り組まなければいけないということにつきましては、政府の中で意見が分かれているわけでは全くございません。企画庁も大蔵省も全く同じ立場に立っておるわけでございます。
○和田(耕)委員 以上、なかなかむずかしい局面に立っておるわけですけれども、そうかといって、いまの景気の状態をそのままにすれば、大幅な歳入欠陥というものがまた予想されるわけですね。何とか税収の増加を図らなければならない、こういうときでございますけれども、ひとつ大臣、五十九年までに赤字国債をなくするということ、形だけそういうことを達成するということも、私は意味のないことだとは思っておりません。ただ、それにとらわれますと、いま申し上げたいろいろな問題が、実際上の矛盾が、国民の生活の不安が噴き出してくるということになると、どうしてもこの赤字国債を五十九年じゅうに何とかしなければならないという考え自体は、大蔵大臣のお気持ちとしては絶対不動のものであるかどうか、絶対これはやるのだというふうなものであるかどうか、ひとつそのお気持ちをお伺いをしたい。
○渡辺国務大臣 世論は、ともかく政府の財政機構、行政機構、これは非常になまぬるい、だぶだぶしておる、民間ならばもっとばさばさと減量経営をやってきたはずだ、だから、まず国民の税金で経営をしている行政というものはもっと効率的なものにしなさい、もっと経費は切り詰めなさいということが大体一般的な御要請だ、私はこう見ておるのです。私がもっともだと思う点もございます。 しかし、それにはいろいろな法律的な諸制度がございますから、法律の改正その他みんな必要なことがいっぱいございます。それを全部について五十七年度予算編成に当たって行うことはできませんでした。しかしながら、これは第一年度でございますから、さらに毎年法律案を出しても、やはり高度経済成長から安定経済成長に移った過程における国民の負担はどうあるべきかという問題とも絡んで、負担の増大をしたくないならばやはり出費の方を切る、当然のことでございますから、それは続けていかなければならぬ。そういうときに当たりまして、ことに消費的な経費というものは後へ残らないわけでございますので、そういう面をまず徹底的に洗い直しをする必要がある。そういう点から、赤字国債からの脱却ということを一番のスローガンに掲げたわけでございます。 経済は生き物でございますから、断じてとかなんとかいうようなことを確言することは私はできませんが、しかし一応の目標として五十九年度までに赤字国債の発行をやめよう。脱却ということは、もう赤字国債で借金するのはやめようということですからね。 ですから、それは一つの目標として、きちっとそういうものがなければ、どうしても歳出カットがなまぬるくなってしまう。赤字国債をふやせば、何もそんなに切らなくたっていいじゃないか、要するに予算の要求の圧力の方が強いわけですよ。それを抑えるということは、なかなか政治家にとっても政府にとっても大変だ。したがって、ややもすると安易に流れて、その財源を抵抗なく調達するためには、赤字国債の発行ということになるわけですから、そういうふうな経過があって、私も強く反省しているのです。そういう経過があって赤字国債がどんどんふえたということでございますから、私は、これはやはり赤字国債をなくすという前提があって初めて行革の切れ味が出てくる、そう思っておりますので、五十九年までの脱却という看板はおろすわけにはいかない、そういうことであります。
○和田(耕)委員 そういうことになりますと、つまり、いまの状態から言えば、建設国債的なもの、こういう筋に活路を見出していくより仕方がないという方向になると思うのですが、それも一つの有力な判断と考えていいのですか。
○渡辺国務大臣 建設国債を出すということになれば補正予算ということになるわけですから、私は、現段階でそういうことは考えておらないのです。 ともかくこの予算を通して、この予算の中でも特に住宅政策等については融資の面、税制の面、その他の面でいままでになかったようなことをやって伸ばそうという試みがございますし、それから先ほど言ったように、必要に応じて五十七年度予算の前倒しということもやってみよう、そういうようなことをやってみてもなおかつ問題があるというときには、それは当然に何らかの措置を考えなければなるまい。それは仮定の問題としては、やってみてだめだ、足らないというようなときには、いま先生がおっしゃったようなことも一つの手段として考えられるかもしれませんが、当面われわれは、この予算でまず半年やってみようということを考えておるわけでございます。
○和田(耕)委員 減税の問題については、政府はかなりはっきりした意思表示をしておると思うのです。少なくとも五十七年度予算については考えない、これはかなりはっきりしていると思うのですけれども、この問題について野党は昨日、今後いろいろな経過があると思いますが、とにかく一兆円減税、この方向を確認をした。国税七千億、地方税三千億ということで、しかも、それも不公正な税金の是正をするということを中心に据えておるようです。 これは大臣、率直にお伺いしますけれども、政府の統一見解は、五十八年以降においてできるだけ減税のできるような条件をつくるために努力をするというようなことのようですが、五十八年以降の減税について真剣に努力をするというふうに理解をしていいのですか。
○渡辺国務大臣 五十八年度以降、何年度になるかということは決まっておりませんが、五十八年度に所得税減税をやるということもいまの段階ではお約束はできません。できませんけれども、しかし、かなり長期にわたって、国際比較の上ではまだ日本の所得税はそう重いものでない、軽い方だということは言っておりますが、数年間にわたって税率区分や課税最低限をそのまま据え置いておるというのも現実の姿でございます。ましてグリーンカードの実施というようなことになって、全部分離課税をやめて総合課税ということを五十九年からやるということになると、私は、現在の所得税のあり方はいろいろな矛盾があると思っておるのです。したがって、いずれにしても、税率構造その他については、見直しはいずれ、減税にならないまでもやる必要があるのじゃないか、私はそう思っておるわけでございます。
○和田(耕)委員 つまり、五年間も課税最低限をそのままにしておるということだけを考えても、これは現在の税金の不公正の一番最たるものだという判断を私も強くするわけでありまして、それに加えて景気浮揚、個人需要に活力を与えるという要素があるので、その他のいろんな選択もあると思いますし、それは否定をしません。 先ほど申し上げたように、景気という面から見ればもっといい方法があるということも私否定はしませんけれども、しかし来年からは、つまり減税という問題を真剣に考える、しかも継続して考えないと景気の問題は余り意味をなさないわけでありますので、その問題についてかなり真剣に考える一つの行動をぜひともとってもらいたい。これは、来年必ずやるなんということを言う必要はないのですけれども、とにかく来年からは、いろんな条件を無論見ながらではありますけれども、真剣にこの問題に取り組む時期に来ている。そうしなければ政治の責任としても果たされない、そういう公約と言ったらやかましくなりますが、政府の行政の責任として、国民に対する責任として減税に対する真剣な努力をするというお気持ちを、政府の態度としてぜひとも出していただくように努力を願いたいと思うのですが、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 先ほども私が申し上げましたように、来年から減税ということをお約束はできません。できませんが、税率構造あるいは税収の税目ごとの構造、そういうようなものも全部ひっくるめまして、これは私は再検討をしなければならないという時期に来ていることは間違いないので、時間がかかる問題ですから真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
○和田(耕)委員 ここで質問をやめてもいいのですが、せっかく他のところの方もお見えになっておりますので、ごく短い質問をいたします。 自治省の方いらっしゃいますね、それから建設省の方、二つの問題を絡んで申し上げるのですけれども、土地税制の問題、宅地政策の問題については、私は、これは十年ほど前から新都市計画法、あれをつくるときも若干関係もしておりますので非常に関心を持っておるのでありますけれども、行政の主体が非常にあいまいだということを感ぜられてならないのです。 宅地の問題についていろいろお伺いしても、宅地並み課税の問題などが特にそうですけれども、これは形から言えば、制度から言えば自治省が親になっていく問題だと思うのですけれども、自治省の方はどうも逃げ腰ですね。これはしようがないからというようなところがある。といって建設省の方も、これは土地の問題はうちが中心じゃないんだというようなこともある。国土庁でもあるいは農林省まで全く逃げ腰になっている。関係の四つ五つの省が宅地の問題になると、はっきりと自分の責任だというふうに感ずる省がない、こういうふうな感じを持つのですけれども、いかがでしょう。関係の来られた各省からの答弁をいただきます。
○黒川説明員 土地税制等につきましては、最近は、毎年国土庁と建設省が一体となりまして、宅地行政、土地行政を推進する側としての立場としましては、一緒になりまして税制の改正等の案をつくりまして、これを大蔵省及び自治省に要望していくというかっこうをとっておりまして、実施官庁側としましては、一体となりまして対応しているつもりでございます。
○湯浅説明員 宅地の問題につきましての御質問でございますけれども、従来から私どもといたしましては、固定資産税というものは、市町村の主要な税源といたしまして、その所有者の方々に負担していただくということでございますので、もともとこの問題に余り政策税制という余地を入れることについてはいかがかという問題が一つございます。しかしながら、現在のような土地の非常に大きな問題がございますので、私どもで御協力できる範囲内で、現在の税制を壊さない範囲内で、御協力できる範囲内で御協力していくという立場で、この問題については対応している問題でございます。
○和田(耕)委員 今回の法律、つまり特別措置の一部改正の法律の宅地に関するいろいろの緩和の措置については、私も評価するにやぶさかではないのですけれども、一昨年来のこの問題についての取り組み方がいかにもみみっちいというのか、ちょぼちょぼしているというのか、そういう感じがしてならないのですね。この問題は余りみみっちいことをやったんじゃ意味がないということは去年、おととしの例で非常によくわかっている。 そういう意味から、この改革はかなりの改革を含んでおるという面で評価にやぶさかではないのですけれども、これは自治省の方がかなり消極的だったようです。先ほども申し上げたとおり、土地に対する国民の要望というのは非常に強い。いつまでもこの問題についてしんぼうしておるということはできない。私は、住宅に対しても土地に対しても新しい需要が恐らく出てくる時期がもう来ているという感じがするのですね。そういうときですから、国民の気持ちを引き出すために思い切った政策が必要だと思うのです。そういう面からぜひともこの問題の取り扱いについてもひとつ御注意をしていただきたいと思います。 きょういろいろなことを質問してきましたけれども、私はきょう質問をしたのは、減税の問題について今年はまあいいんだというふうな意味にとっていただいては困ります。政府は今年は絶対やらないようだから、せめて来年から強い決意を持って、そういう意思表明だけはするのが政府の政治責任だということを強く申し上げたわけでありまして、この問題は今年の問題を含めてぜひともひとつ真剣な考慮をしていただきたい。そうでないと、これは本当に国民に対する政治責任みたいなものになる。特に景気浮揚の問題は何ともならない状態で、大蔵大臣は一番深刻に考えておられる問題だと思いますから、ひとつぜひともこの問題について真剣な考慮をいただきたい。 当面の予算の問題については、いま申し上げたとおり、私どもは前向きの予算として大きくこれを考えてまいりたいと思います。賛成、反対は別のことでありまして、内容的に見てはそういうふうな評価をしてまいるつもりでおりますけれども、今後とも、ひとつぜひとも大臣あるいは関係の皆さん方の真剣な対策をお願いいたしまして、質問を終わることにいたします。 ありがとうございました。
○森委員長 簑輪幸代君。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕
○簑輪委員 今回の税制改正では、国民の強い所得税減税の要求があるにもかかわらず、その実施をしていないという点で、大変大きな決定的な欠陥を持っていると私は思っております。また、税負担の公平という観点からも厳しく是正が求められております大企業、大資産家優遇税制の見直しについては、基本的に見送られているという点でも問題があると思います。政府は、増税なき財政再建というふうに言っておりますけれども、実際にはこの所得税減税見送りによる実質増税が大変進んでおりまして、一兆八千九百八十億円に達する見込みと言われておるわけです。今回の法人税の延納制度の縮減というのは、困難な経営状態にあります中小企業に対しては大きな打撃となる、犠牲を受けるという性質のものであって、中小企業者の皆さんからは強い反対の声すら上がっております。一方、なぜか大企業の方からはこれに対する反対の声は聞かれません。 そういう中で、企業関係の租税特別措置については、厳しい財政事情のもとでさらに見直しを行うべきであるということを五十七年度の税制改正に関する答申で税制調査会が言っているわけですが、それにもかかわらず、いわゆる筑波万博のための準備金の制度の創設や海外投資損失準備金の期限延長などというものが大企業を助ける制度としてとられているわけです。土地税制の緩和も引き続いて行われておりまして、大手の不動産会社などに援助の手が伸べられているというものだと思います。財政そして国民生活、いずれも深刻な実態にあるにもかかわらず、こういう税制改正ではとうてい国民の納得、理解が得られるものではないということをまず最初に申し上げておきたいと思います。 さて、ここで税の機能という点について考えてみたいと思うわけですが、税は、財政の歳入面に当たって、当然その財政の機能の一部を担っているというふうに言えると思います。財政の機能としては、資源配分の調整とか所得の再分配とか、あるいは経済の安定化などが挙げられています。したがって、当然税制においても同様の機能を担っていると思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○福田(幸)政府委員 大きな問題でございますが、私から、失礼ですが申し上げたいと思うのです。 財政の中での税の役割りということでお答えしますと、財政全体は、資源の配分、所得の再配分及び経済に対する役割り、この三つであろうと思います。税としましては、再配分の問題が従来から言われている問題で、それから経済政策的に役割りを持つかという問題、この二つ。その中で資源配分のところが経済政策的な問題として絡んでくる。大きく言えば、再配分の問題と政策的配慮というようなこと、しかし基本的には公平という概念が重要である、根っこには租税法律主義があるということであろうと思います。 大まかに言えばそういうことですが、さらに御質問があれば再配分の問題については御意見を申し上げます。
○簑輪委員 税制における所得の再分配機能ということをちょっと問題にしたいわけです。 これを今後重視していくというお考えであるのか、あるいはこれはそれほど重視する必要がないというお考えなのか、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 所得の再配分というのは累進構造の問題であろうかと思います。累進構造は、課税最低限の水準の話と税率の問題、さらにそれが本来の機能を持つということの背景として総合課税が行われるということで成り立っておると思います。この累進構造というのは、従来古くから言われておる所得税系統、個人所得税の機能でございますけれども、それがまた現在課税が自然にふえておるということとも一体になっておるわけですけれども、これは累進課税がどうだということを今後どう評価するかという御質問であろうと思います。 これは沿革的には、税の面で再配分をするということで累進課税が行われる、限界効用説とかいろいろありますが、そういうことで上の所得については限界的な部分の課税を高める、比例税率ではなくて累進をするという考えは、歴史的にはだんだん沿革を持ったわけですが、古い税率構造は比例税率であったわけです。それが基本にございまして、英国の例で申しますと、比例税率から始まってそれに軽減税率がくっついた、これは貧民法的な思想です。それで、今度は上の方に累進をかけるということで再配分をするという社会政策的な機能を税制に持たしたということであろうと思います。 これがずっとわが国でも古くから言われて、いまなお根強いんですけれども、その間において歳出構造が変わってきたということはやはり考えなければいかぬと思うのです。歳出構造が下に厚い社会福祉型になってきて、歳出が再分配をしているという際、社会保障が大きくなってきた際の税制面における累進構造をどう見るかという問題は、現時点及び将来において考えを新たにする必要があるという気がします。 もう少し言わせてもらいますと、と申しますのは、歳出と歳入が一緒でなければいかぬということを意味するわけです。社会保障費というのは大きくなってきますから、それを安定的に確保するということに税の大きな役割りが加わっておりますので、その税の構造として累進構造を所得税だけに求めるということが、社会福祉が拡大していく際に安定的な財源として確保できる税制構造かというときには、従来の累進課税については新しい見方が外国では一般化しておりまして、見直しが行われて、むしろ安定財源を確保するというふうに移っていますので、従来の累進課税それ自体が古典的な意味をまた見直されておるということも申し上げたい、こう思います。 また必要に応じて答弁いたします。
○簑輪委員 主税局長は確かにいまお述べになったようなことを雑誌等でも常に言っておられまして、所得再分配を重視する考え方はもう古くなっているのではないかとまで言っておられます。 諸外国でそういう動きがあるということはともかくといたしまして、わが国において、いまこういう税の機能として考えるときに、所得の再分配機能を軽視するということはとんでもないことだと私は思うわけです。もちろん、財政に課せられた機能というのは当然のことながら歳出面、歳入面、両方で考えるのがあたりまえのことであります。だからといって、歳入面における税の機能が所得再分配機能を軽視してよい、あるいは否定してまでよいということは絶対に言えない、むしろ、今日のわれわれの生活の実態から言うならば、一層重視されるべきだと考えます。 もちろん、この従来の経過から見て、社会保障の点についてはいろいろな変化があることは確かです。しかし統計上、この社会保障による再分配効果というのがジニ係数というようなものであらわされている部分がありまして、ここでの再分配率というのは下がってきているというふうにも発表されているわけです。そういった中で、大蔵省が一昨年の七月出されました「歳出百科」では「所得の再分配」というところで、財政の歳入面においては、所得税、住民税、相続税などについて累進税率が適用されることにより高額所得者には重く、低額所得者には軽く課税されているということで意義が述べられているわけですよ。一方、歳出面においては低額所得者により多くの経費が振り向けられている、こういう両方の関係を通じて所得の再分配という意義が述べられているわけですね。 こういう議論はともかくといたしまして、私どもの現実の生活、昨年来の行革の中でも福祉が削られているというようなことがあちこちで起こってきておりますし、そういう点から考えてみますと、いま主税局長が言われた見直しのようなことはあってはならないことではないかと私は思います。 そこで、主税局長の御見解は伺いましたけれども、その点について、税における所得の再分配機能を重視していくべきか、あるいは軽視してもよいとお考えなのか、大蔵大臣の御見解を伺います。
○福田(幸)政府委員 ちょっと補足させていただきたいのですが、ジニ係数のお話が出たのですが、ジニ係数のところで、わが国のジニ係数というのは要するに上下の格差があるかどうかという問題でございます。 ジニ係数は、OECDの発表の税込みのところで見ますと、日本はオーストラリアに次いで二番目に所得の格差がないということは御承知だと思うのです。税金を引いた後のところでは、スウェーデンその他北欧では非常に高率課税をやっていますので、スウェーデンが一位になってくるわけです。日本は課税後におきましても四位ということで、その上下の格差がないという構造の社会の中で累進構造はどういう役割りを持つか、国民が非常かたまっておる真ん中のところ、そこに税率をどう求めるかということですから、累進構造が余り学問的な立場じゃなくて実態どおりであるかという点からの検討も必要であろうという気がジニ係数に関してはします。 それから、勤労意欲というものをどう考えるかということです。勤労意欲というものを抜きにしてはこれは成り立たないわけで、余りに累進がきついということがどういう社会的な影響を持つか、働く者の意欲ということ、それから貯蓄に課税をするという所得課税の問題ということであります。 一応そういうことであります。
○簑輪委員 大臣、お願いします。
○渡辺国務大臣 やはり所得再分配機能というのは私は尊重したいと思っております。しかし行き過ぎはいけませんで、そこを適正に直すことが必要だ。どことどことを比べて日本は大金持ちを優遇しているとかということがございますが、問題は比べるものがなければだめなわけですから、どこの国と比べて優遇しているかということになりますと、所得税においては、少なくとも所得税と住民税で八千万円以上を超えると九三%の税率なんという国は私は余り知りません。これは少し行き過ぎじゃないか。 実は、共産主義の国でも工場長とか大臣とかというが一般の何倍ぐらいになっておるか。月給そのものは三倍とか五倍ぐらいにしかなっていないらしいが、そのかわり、入っている邸宅は全部ただとか電気料もただとか、それから女中さん何人つきとか護衛つきとか自動車はただとか、それから安く買えるクーポンか何かもらって普通の人より安い品物が買えるとか、こういうのを比較すると七、八十倍くらいだ。 日本では、日本の大蔵大臣なんというのは実際は自炊しているわけだから。だから、現実の問題として大邸宅に入ってやっているわけじゃなくて、外国の人が聞いたらびっくりする。日本ほど徹底した民主主義といいますか所得再分配機能をこれほど強くやっている国は、少なくとも自由社会では見当たらない。このことが経済の活力をやや割いているのじゃないかという議論さえもあるわけです。しかし、私としては全体的なバランスの中で所得再分配機能は重要であるというようには考えております。
○簑輪委員 いま大臣いろいろ述べられましたけれども、全部反論していると時間がありませんが、一つは、自炊をするとかいうようなお話。大臣は別のところで述べられておりますように、税金を六割五分から七割持っていかれてしまうというようなことを言われました。それほどの高額所得者ということなのですね。そして、その点はどこと比べるかという問題ではなくて、日本の国民の中で庶民とそれこそ特権階級というようなものと比べるのかどうかという問題もあるわけです。そしてもう一つ、九三%というような税率のお話がございましたが、これは住民税の方でちゃんと調整の制度がございまして、八〇%に抑えられるという仕組みになっております。御存じの上でおっしゃっているのでしょうか。そういうことまで申し上げまして、外国がどうの共産主義の国がどうのというようなことで事をごまかされては困ります。 私が申し上げているのは、生活実感、たくさんの方々が一兆円減税を求めている福祉の充実を求めている、そういうところからこの御質問を申し上げているということを正しく御理解いただかないと議論ができないということになります。そして、現実には税における所得の再分配効果がもし薄められるということになれば、ただでさえ税の不公平感というものがある中で、一層この不公平感が広がってしまうという問題も出てくると思います。ですから、大臣が最初におっしゃいましたように、所得の再分配機能の重視という点で今後もこの税制をぜひ考えていただきたい、お願いを申し上げたいと思います。 再三議論されておりますように、この五年間課税最低限が据え置かれているという中で実質増税が進んでいるわけですから、納税者がずいぶんふえてきております。給与所得者中の八二・九%も納税しているという事態になってきているわけですし、一方、所得がふえても消費者物価が上がっているという事態の中で、総理府家計調査などによっても、消費支出が実質減というふうな結果が出ているという現実があります。税や社会保険料のアップが家計を圧迫しているという事態の中で、いままで余り税金に関心を持たなかった人もずいぶん税金への関心が高まってきております。家庭の主婦も家計簿をつければつけるほどこの点に関する関心は一層高まってくるわけです。それはまことに当然なことですし、そういう中で税負担の増大と、一方で福祉の見直しと称する切り捨てというのが複合的に絡まっている例もあるわけです。 その一例を申し上げますと保育料なのです。これは、年々名目所得がふえますと所得税がふえるために、自動的に保育料徴収基準の階層が上がってしまいます。そして高い保育料という形になるわけです。また同時に、厚生省の保育料徴収基準そのものが毎年毎年改定されて、同じ階層でも前年に比べて高くなる。という仕組みになっているわけです。その結果、保育料の負担が若い家庭に大変たえられない状況をもたらしているという例もあります。 最近では、この保育料の滞納が目立ってふえているというのが実態なのです。岐阜市立の保育所では、昭和五十二年に二十万八千七百九十円の滞納でした。五十三年に二十七万五千七百九十円、五十四年には四十一万三千九百二十円、五十五年には百三万六千二百円、五十六年はまだ最終結果が出ておりませんので数字が出ませんが、前年を大きく上回って二百万を超えそうだということで、市では頭を抱えているという状況です。また、東京都の小平市の保育所では、ことしの一月八日時点の調査では、昭和五十一年に滞納が二万六千四百円でした。五十二年に二十二万六千円、五十三年に五十万五千六百円、五十四年に八十二万六千四百円、五十五年になって何と八百六万七千円、そして五十六年はこの一月八日現在で一千九百八十五万八千円という、まことに信じがたい数字が出てきているわけです。五十六年につきましては一月八日現在でございますから確定数字ではございません。しかし、こういう膨大な滞納が出ているというのが実態でございます。 そこで、こういう状況を大臣が御存じかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 保育料の話は余りよく知りませんが、所得が上がれば所得階層別の保育料が上がる、それは承知しています。所得が上がれば税率が高くなると同じような理屈であります。
○簑輪委員 理屈はいまおっしゃったことですけれども、こうした滞納がふえているという現状を御存じでいらっしゃいますか。大臣が御存じかを聞いているのに、ほかの方が知っている、知らないではだめなんです。
○渡辺国務大臣 厚生大臣でございませんので、詳しいことはわかりません。
○簑輪委員 元厚生大臣ですね。それで、厚生大臣はもちろんのこと、大蔵大臣は国の全般を御存じのことと私は思っておりますけれども、細かいことについては御存じないことを特に責めるつもりはございません。しかし、こういう状況を十分知るということを心がけていただかなければなりません。これが庶民の実態だということを認識した上で税を考えなければ、国民の感覚にマッチした税にはならないわけです。 ところで、大臣は、ことしの一月五日大蔵省職員に対する新年のあいさつというところで「大蔵大臣というのは、特殊な、何か特権階級で、庶民のことが分からない人だと思われては困るんです」というふうにおっしゃっておられますね。テレビでタモリと出たり、あるいはレコード大賞でぎんぎらぎんのぎんぎんぎんとかいうふうに言っているのは、努力して出ているんだというふうにおっしゃっておられます。これは努力するということがどういうことで努力するということかが問題だろう。庶民のことがわかるというのは、こういう努力ということとはちょっと違うのではないか。そして、いま申し上げましたような生活の実態を御承知いただくことが庶民のことがわからない人だと思われないということだと理解しているわけです。 その点で、このような不公平それから生活の困難というようなものを十分認識した上で今後進めていくという点で、大臣の御見解をお聞きしたいと思うわけです。
○渡辺国務大臣 保育所の問題ですが、恐らく三百万以下の人は大体月二十万円くらいの月給ですね、二百四十万、ボーナスを入れて約三百万。子供二人いると毎月払っている所得税は、千五百二十円くらいですからね。 実は、それが非常に重税だというようには私は思わないのです。年間で所得税六万六千円しか払いませんから、三百万円くらいの方で。ですから、所得税が重税なために、毎月月給袋から千五百円取られる、だから保育料を払えないのだということには直接結びつかないのではないか。その他の問題もいろいろあって、あるいは病気をなさったとかよけいな出費が何かあるとかというようなことで払えないという方が、それはなきにしもあらずだろう、私はそう思っております。 いずれにしても、税の問題は、日本では高額所得者にはかなりきつい。すでに一千万円を超しますと住民税と所得税で四四%。たとえば一割月給がふえて、千万円の人が百万円月給というか収入がふえると四十四万円取られるわけですから、物価の値上がりもありますから、一千万円くらいになるとかなりきついという感じがすると私は思います。三百万の人が一割上がって三十万円収入が上がっても、大体四万七千円くらいだと思います。したがって重税感というのは、所得税についてですよ、所得税と住民税について特に重税感があるというのは八百万円以上一千万円ぐらいからかなり重税感がにじみ出ていることは事実だと私は思っております。 むしろ農村などに行ってみますと、所得税を払っている人は非常に少ない。それは数%ぐらいですよ、農業をやっていて農業だけの所得で。しかし、一番問題は医療費なんですよ。医療保険料、国民健康保険税とか、大体年間に二十万から二十四万円ぐらい払いますから、月二万円ぐらいとられますから、この問題の方がむしろ滞納があって問題になっておる。年間十三兆医療費がかかっているという問題で、だからそういうようなものについては、国民の負担からすれば、出す方からすれば税金で負担するのも保険料で負担するのも同じですから、だから医療費の削減合理化というようなことはわれわれは言っているわけなんです。 ですから、そういう社会の状況というものはよく見て、所得税が減ってもほかのものがうんとふえたのでもだめですから、しかしながらそういう制度があればある程度ふえざるを得ないし、しかしその制度の中でむだがあるかどうか、あればそれは直さなければならぬしというようなことで、総合的にそれは考えてまいりたいと思っております。
○簑輪委員 いまおっしゃいましたように、まさに国民健康保険の保険料にも滞納が出ているというお話ですが、それはやはり所得税と保育料が絡まってくるように、所得税あるいは住民税と国民健康保険の保険料が絡んでくるという仕組みもあることを御理解いただいているというふうに私は受けとめたわけです。その点を前提として、やはり今後そういう税の分野と保険料の分野とそのほか生活の実感から言えば公共料金の値上げと、あらゆる点での負担感が強まっている中での税ですから、それをお考えいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それで、続いてちょっと租税特別措置の整理合理化の問題をお尋ねしたいと思います。 大蔵省の基本方針は、五十七年度の方針として新設、拡充はしないとか、あるいは政策目的が薄れているものは廃止するとか、期限が到来するものは大幅削減するとかいうようなことがあったと聞いております。ところが、今回筑波で六十年開催予定の科学技術博覧会の出展準備金制度というのを新設しようというわけです。これは基本方針と矛盾するのではないかというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
○福田(幸)政府委員 唯一の新設項目がこの国際科学技術博覧会出展準備金でございます。 これは、前例と申しますと万博それと沖縄博があったわけでございまして、今回の科学博というのも同じ性格のものと考えざるを得ないので、いろいろ検討をいたしましたが、これはやはりほかの企業優遇というよりは国家的な趣旨を持つものでございますので、これが成功するために従来の例に沿って設けたということで、例外扱いといたしました。いずれにしましても、これは大企業優遇という趣旨ではない、科学技術博の趣旨に照らした唯一の例外という政策目的を持っておるということでございます。
○簑輪委員 この準備金制度は、出展一平方メートル当たり三十五万円、民間に予定されているのは五万平米、したがって年間百七十五億円の準備金というふうに計算上なるわけです。これによる減税、減収の見込み額というのは一体どれぐらいになるものでしょうか。
○福田(幸)政府委員 初年度十億でございます。
○簑輪委員 その他はどうなりますでしょうか。初年度十億とおっしゃいましたね。
○福田(幸)政府委員 平年度三十億で、それが開催されたときにはもう取り崩しが終わるということで、後は事はそこではっきり終わってしまうという性格の準備金でございます。
○簑輪委員 いま特別の制度は大企業の優遇ではないというふうにおっしゃいましたけれども、大阪の万博などでは大体二、三十社の出展でやられたそうで、この科学万博の方も同様な形でされるとすれば、年間八、九億という大型準備金というふうになる。そして神戸のポートピアでは、このような準備金がなくても出展し、成功しているわけですから、大企業にはこのような特別措置をとらなくても十分出展できるのではないかというふうに思います。いかがでしょうか。
○福田(幸)政府委員 神戸の場合は民間ベースで非常に成功したわけですが、この科学博はどういうふうに運営されるか、今後の問題です。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 これは準備金で、その損失というのが明確に予想される金額を準備するわけで、その間これは課税の繰り延べにすぎませんので、絶対免税ではない。その間この準備金を利用して、中小企業もこれがあれば当然参加ができやすいわけでございますから、今後どういうふうに運営されるかは担当省庁で計画されると思います。いずれにしましても、この趣旨に合った運用を期待しておるということでございます。
○簑輪委員 大臣がお急ぎのようですので、一点だけお尋ねしたいと思います。 これは開催に当たっての閣議了解というのもございまして、現在最優先課題として財政再建に取り組んでいるということにかんがみ、開催諸経費については既定経費の枠内で捻出せざるを得ないというような取り決めがあるわけで、それを考えてみても、これは矛盾するのではないかということが一点。 それから、この臨調の答申では、企業に対する保護、助成の見直しというのを指摘して、租税特別措置には一層厳しい見直しということを言っているわけです。一方、この科学万博推進の中心となる博覧会協会は臨調会長の土光さんがされているわけです。こういうふうな中で企業向けの準備金制度が新設されるということは、臨調の答申にも反するのじゃないか。土光さんは、国民には厳しく冷たい負担を強いながら、身内である財界や大企業のためには身勝手な制度を平然とつくるというようなことを言われても仕方ないのじゃないか。 だから政府は、ここで余り必要性がないと私は思いますし、企業優遇という準備金制度ですから、この準備金制度はもうこの際やめるべきじゃないか。科学万博については、財界にこういう御時世だから延期ということも考えられるのじゃないかという報道もされておりますし、その点を含めて、この準備金制度をこの際すぱっとやめるべきだと私は思うので、大臣の判断を聞かしてくだ さい。
○渡辺国務大臣 科学技術博覧会の既定経費の中でやれ、政府の金を余り出さないと言っていながら、要するに準催金制度がある。パビリオンを取り壊したときに、これはどうせ経費になるわけですね。経費になるけれども、その経費を平準化するというだけのことでございまして、取り壊せばそのときに一度に経費にどんとなるわけですから、それを数年間に分けて経費にする、そういうことなんです。ですから、特に万博の大企業優先というような話ではない。やはり万博やるかやらぬか議論のあるところなんです。しかしながら、エネルギーとか科学技術、日本においては特に科学技術というのは、資源のない島国であって、これから頭脳集団として生きていかなければならぬ、そういう点で幾ら金がない金がないといっても、そういう大事なところはやはりめりはりのついた金をある程度つけざるを得まいというところから、これは開くことにしたわけでございますので、何分御了承を願います。
○簑輪委員 大臣がおられませんので、ちょっと別の問題をお尋ねしたいというふうに思います。 昨年十一月六日の大蔵委員会で、中小企業の承継税制について私はお尋ねをいたしました。そのときに、この問題は検討するということになっていると思いますけれども、どのように検討され、今後どんな見通しなのか、お聞かせいただければと思います。
○福田(幸)政府委員 中小企業の承継税制の問題、これは各方面から御意見がございまして、ただ問題が法制上の問題、相続税という民法を前提にした基本的な税法でございますし、さらに、特に技術的な面、その評価の問題が相続税の場合重要でございます。特に株式の評価等をどうするか、これをやはり専門的な立場でやりませんと、課税の公平という点では相続税が一番大事でございますので、これをいま検討いたしております。それを税調にかけるかどうか、できたらかけたいと思います。やはりそういうふうなフェアな場で御議論をしていただいて納得しませんと、中小企業だけの優遇となりますと、農業は特殊な税制であり得るそのバックとして農業基本法があるわけでございますし、中小企業といいましても、相続税でございますので、これは資産を持っている人の話でございます。そういう意味で、サラリーマンのところの生活の最後のとりでの住宅がどうなるかという問題とのバランスもあります。そういう意味で、やはり十分に検討して、説明のできるものということで処理する必要があると思います。 いずれにしましても、これは批判を受けてもいいのですが、百人のうち三人から四人ぐらいしか相続税を納めていません。そのうちで一人ぐらいが中小企業であります。さらにその一人の方も、ちょっと数字はラフに言っておりますが、親が財産を持っておって、それを受けて商売をしてきたというよりも、自分で働いて財産を築いたという人が多いわけですね。ですから相続税というものは、私は自分の考えとしては、裸で生まれてきて自分で財産をつくって最後は残さないというのが本来の資産の再配分だ。先ほどの資産再配分というのはそういう意味で、相続税というのは資産という財産の問題でございますので、承継といっても相続税の問題、これはやはり慎重に考えなければいけないと私は思っております。
○簑輪委員 裸で生まれて裸で死ぬというそのあれはよくわかりますけれども、それはそれといたしまして、やはり中小企業の方からこういう要望が出ているということで、中小企業庁の方からも、五十八年度から実施する、そしてその検討準備を進めるということで、要求が出ておるようですし、これを受けて大蔵省の方としても検討していく。新聞報道によれば、近く懇談会を省内に設けるというようなこともされておりますし、いま主税局長が御答弁になりましたように、税調にもかけたいというようなことでございますので、ぜひこの実現方のために一層の御尽力をお願いした いと思います。 ところで次に、昨年の三月二十四日の委員会で税制改正の審議の中ですけれども、そのときのパートの課税最低限の引き上げの問題で、七十九万円に引き上げられたわけですが、それでは余りに少ないということで、ぜひもっと大幅な引き上げをということを求めました。 と同時に、生活を助けるために内職をしておられる方々も大変ふえております。そういう内職の方々の場合は特に税金の面でいろいろ問題もございまして、実質的に労働の対価というふうな性格を持つものについては給与として取り扱うことができないかというお尋ねをしたところで、主税局長の御答弁もいただいているわけですけれども、その前に、内職の方々の税制に関する直接のいろいろな問題、要求について労働省の方から御説明をいただきたいと思いますので、お願いいたします。
○藤井説明員 現行の税制におきましては、内職的家内労働者の所得は、おおむね雑所得という扱いになっております。それですから、その課税所得は、家内労働によります総収入の金額から必要経費及び基礎控除額、二十九万円ですけれども、それを控除した金額とされております。 これに対しまして、私どもの方に要望がございますのはパート並みの課税ということですけれども、先生もおっしゃいましたように、パートの方々は給与所得控除ということで最低五十万ということになっておりますので七十九万円、家内労働者の場合には、二十九万円プラス必要経費ということで、そこに所得の計算方法につきましての相違がございます。 そしてもう一つは、内職的家内労働につきましての問題は、必要経費の算定に困難があるわけでございます。御承知のごとく、内職的家内労働者の方は主婦の方でございますので、必要経費の算定もなかなか大変ということもございますし、それから、必要経費が家事関連の経費でございますので、それの算定がむずかしいという問題がございます。これにつきましては、家内労働者の方々からも要望がございますし、私どもの家内労働審議会におきましても、税制の改善の要望というのがございます。 それで労働省といたしましては、低所得者に対する配慮と税負担の公平を図る観点から、家内労働者の税負担の軽減が図られますよう、関係各省に要望を行っておるところでございます。昭和五十六年度及び五十七年度の両年度にわたりましても、家内労働者につきまして必要経費に最低限度額を設けるよう制度改善の要望を行ったところでございまして、また、税の執行上の問題として検討する余地があるかどうかということで、税務当局ともいろいろ折衝中でございます。
○簑輪委員 労働省の方からいろいろ御説明をいただきましたけれども、そういう現状は大蔵省としても十分御承知のことと思います。 前回の主税局長の御答弁は「国税庁ともいま相談をしておりまして、何らかの明快、簡便な方法というものがあるかどうか、できるだけそういう方向で検討を進めてもらっておるわけであります。」まあ前任者がおっしゃったことではございますけれども、こういう御答弁をいただいておりますので、いま、労働省側からの要望とあわせて、どのような検討が進んでおるかというようなことをお尋ねしたいと思います。
○福田(幸)政府委員 各方面からの意見がございますので、税の執行上可能な範囲で内職者の実情に沿うようにということで、庁の方と相談しております。庁の方で答弁いたします。
○吉田(哲)政府委員 執行面の方の考え方を申し上げます。 御案内のように、内職と一口に申しましても、その業態は千差万別でありまして、画一的な基準を設けるのは非常にむずかしい条件がございます。しかしながら、いま御指摘のありましたような諸問題、われわれも十分理解しておりますので、できるだけ実情に即した課税をやっていく、こういう考えております。 いま労働省の方からもお話がございましたけれども、実はその内職収入というのは、給与所得的な面を持っているものもあります。あるいは雑所得的な要素を持っているものもありますし、あるいは、やや規模が大きくなりますと、これは事業所得といったようなものもありまして、扱いはなかなかむずかしいわけでありますけれども、私どもは、たとえば源泉徴収票が出ておるとかあるいは支払い明細書が出ておりまして給与所得と認められるものにつきましては、給与所得の扱いをすることにいたしております。 また、そうでない場合でも、いわゆる必要経費の控除でありますけれども、白色申告者でありましても、その収入から控除できる経費が説明できる、証明できるものであるならば、これは控除するということでいっております。どうしても経費の証明ができない場合につきましては、ある程度画一的な取り扱いをせざるを得ませんが、現在おおむね三割程度の概算的な経費の控除は認めておりまして、現在、一線で聞きましても、特にそれによって深刻な問題、トラブルが生じているというふうには承知しておりません。
○簑輪委員 国税庁の方はそういう御答弁をいただきましたけれども、実際内職の方々からの要望が労働省にも出ておるわけで、やはり経費の概算控除的なものを決めて、そして税の計算をするという仕組みの要望が強いようにも思います。ぜひその点で、これでほっておけばいいのだ、あとは何とかなるさということではなしに、積極的に、今後もその要望を受けて、何らかの概算控除的な取り決めができないものかという追求を一層進めていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○吉田(哲)政府委員 先ほども申し上げましたように、いろいろ規模、業態、取引態様が違っておりまして、むずかしい問題は多いと思いますけれども、できるだけ実情に即した課税になりますように今後とも研究したい、こういうふうに思っております。
○簑輪委員 それではお願いをしておきます。 最近、ゼロクーポン債というものが大変出回っている。これは、節税といいますか税金逃れといいますか、そういうような目的でもって高額所得者とか大資産家に異常な人気を呼んでいるというふうに報じられております。わが国の証券会社では、五十九年に実施されるグリーンカードの対策というようなことを売り込んでおりまして、この二月にユーロ市場で発行される四十五億七千五百万ドルのうち八割から九割ぐらいが日本で販売される見通しである、これによって、資本の流出による円相場への影響も懸念されるほどの大規模なものがあるというふうに報じられております。 これは、日本でゼロクーポン債を買い、償還前に売却すれば、差益はキャピタルゲインだから非課税だという点がメリットのようでありますけれども、そのうまみを宣伝して広がっているわけですが、やはりここをこのまま放置しておいてはいけないのではないか、この点に課税していくということを考えなければいけないのじゃないかというふうに思われますが、大蔵省の対応はいかがでしょうか。
○福田(幸)政府委員 ゼロクーポン債の問題が最近言われておりますが、数字的には五十六年四月から五十七年一月まで三億ドル程度だという推定がございます。五十六年中の外国証券投資全体で六十億だものですから、どの程度の影響を持つか、為替に影響があるというのは行き過ぎだろうと思います。いまの金利は、金利というか米国金利での影響は端的にいまの相場にあらわれておりますので。ただ、こういうふうな動きがありますことは、御指摘のように問題だろうと思います。 これ自体、デフォルトリスクと申しますか、失敗したときに償還がないという危険を持った内容の証券です。しかも為替リスクがございますし、流通性の市場もないということで、その辺は本人の責任でやっておると思うのですが、この償還差益が最後のところでは総合課税になるというのは御承知のとおりです。 それともう一つは、購入先の証券会社に外国証券取引口座というのを設けさせておるわけです。そこのところでチェックをすることは税務当局でできるわけです。 おっしゃっている、途中での転売がキャピタルゲインで抜けるわけで、これは、いまの制度自体が特定の場合以外は非課税になっている。これはその前提での非課税なので、これに限ったことじゃないのですが、いずれにしましても、問題はその資金の出所であろうと思うのですね。だから、少額貯蓄非課税というグリーンカードの観点から、時効になったものは心配要らないし、小さなというか、三百万、三百万ですが、千四百万まで勤労者は貯蓄できるのに、それ以上のところがこれを心配して、時効になってしまえばもういいわけですが、それがそういう動き方をするというのは非常に問題があろうと思うのです。それはやはりクロヨンという問題以上の、課税が漏れておったものがそこに動いておるということについては課税当局は十分に関心を持っていまして、国税庁の方においても、資金の出所に問題があるならば、いまの口座という問題を通じてチェックする、よく調べるということは当然の責任であろうと思うのです。 そういうことで、キャピタルゲインの非課税の制度は一般論になりますので、むしろその資金が動いておるバックのところの源泉がどういうものかということに問題があるという関心を持っていまして、御指摘の点は十分に今後対処したいというつもりです。
○簑輪委員 いま考え方をお聞かせいただきましたけれども、それでは、これに対処するというのは具体的にどういうふうな対処を考えておられるのか、どんな見通しなのかという点をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 償還差益のところは総合課税を的確にやればいいということで、これはいいと思います。 それから問題はキャピタルゲイン、これはそれ自体、一般論からいけば税制上は課税できません。これをどうするかは基本論になりますので、キャピタルゲイン課税の基本論がございます。しかしこれ自体、ゼロクーポン債だけをどうするということはできません。ただ、繰り返しますように、資金の出所に問題があるならば、これは国税庁でございますが、調査、査察の問題として取り組むのが正しいということであろうと思います。それ以上のことは具体的に申し上げられませんので御推察願いたい。変な動き方については放置できないというふうに考えております。
○簑輪委員 庶民の間に税の不公平感が広がっているときに、一方でこういうふうなゼロクーポン債などが異常な人気を呼んで課税を免れているということは大変な問題であって、放置できないとおっしゃるわけですから、これをきちっと課税していく。そしてキャピタルゲイン課税の問題も、キャピタルゲイン課税そのものの問題だからということで放置しておくのではなく、ここに問題があるのだということをこの事実が示しているわけですから、引き続いてその方向を考えていただかなければならないと思います。 ところで、もう一つ、昨年の十一月の大蔵委員会で私が指摘いたしましたCDの問題ですけれども、この問題については、そのときは実態を把握しておられないということでございましたが、その後はいかがでしょうか。
○福田(幸)政府委員 CDの発行残高自体はわかっております。たとえば十二月末でしたら約三兆三千という数字はあるのですが、これがどういうふうな動き方をしているかがむしろ問題で、その発行の動機及び流通の形態、そこに問題があろうと思うのです。この残高自体もまだはっきりしない数字のようです。いまちょっと数字の性格がはっきりしないということのようです。 いずれにしましても、このCDというものは現先市場で動いておる譲渡性の指名債権でございますね。だから、本来、指名債権ですから譲渡の際には通知もしくは債務者の承認がなければ動かないわけですね。一方において、譲渡ができる、しかしその権利を化体した有価証券ではない。非常に性格がはっきりしない。したがって、証券取引法上これが有価証券にされていませんので、有価証券取引税が課されない。そういう法的性格がはっきりしない譲渡性の指名債権というのですから、両方の性格を持っていて、証券取引法上性格が明確でない、いわゆる有価証券ではない。そこのところが今後どうなっていくかの問題だろうと思うのです。 それは短期資金市場の問題だろうと思うのですね。短期資金市場でCDという形で企業の資金運用を短期的にやる。そのときにCDの形でやる、もしくは国債の現先をやる、また公社債の現先をやる、そういう形でやっておるこの形が今後の短期資金市場としてどういうふうに本来のものになるかどうか。だから、資金の運用としては一時的経過的なものなのかどうか、そこら辺に問題があろうと思うのです。 ですから、その法的性格はそれに応じてどっちかになっていこうと思うのですね。譲渡性が強くなれば有価証券化していくと思うのです。その辺をむしろ見きわめて答えを出しませんと、非常にいまの段階が市場での役割りがはっきりしてません。残高はあっても、それがどういう役割りをしておるか。そこをよく見きわめまして、一方において、有価証券の現先については資金繰りの関係であるから課税をするなという議論もあるわけです。それから公社債を現先にしておるときに国債の方は課税しているわけですね。有価証券取引税を上げるときに据え置いたんですが、課税はしています。 そういう意味で、国債がそういうふうに課税はされておる。それを、有価証券の現先の中で国債の現先はむしろ免税にしろという議論がある。それから、それ以外の社債の場合、これについては国債みたいに軽減されてないわけですね。いろんな問題が絡んでいまして、その辺よく見きわめたいと思っています。現先問題というのが、こういう形での短期資金繰りというものが恒常的なものかどうか。金融市場における短期市場が今後どういうふうになっていくかという中で、この問題が解決されてしまうのかどうか。それとも、非常なウエートを持ってきて不公平を生む問題なのかどうか。申しわけないのですが、もう少しこの辺の状況を金融市場の中で見きわめたいというのが率直ないまの感じです。 十分に御関心のところはわかっておりますので、今後関連の事項とあわせて検討を続けさせてもらいたいと思います。
○簑輪委員 CDが有価証券でないということのために起こってくる問題だということですけれども、これは立法的解決が可能なことでもあろうかと思うのですね。 それで、もう少し経過を見てからというようなお話でございますけれども、問題は、そうこうするうちにこのような課税逃れというものが現実に横行するということになるわけですから、先ほど申し上げましたようなゼロクーポンの問題とあわせて、やはり現在の税の不公平感、そこから考えた場合にも、これはのんびりと成り行きをながめてというよりは、厳しく早急に解決すべきだというふうに私は思うわけです。成り行きを見てということですが、どの程度の成り行きか、ちょっと見通しだけでもお聞かせいただければ……。
○福田(幸)政府委員 税の方は、金融の実態それから法制的にこれは金融及び証券立法だと思うのですが、それがどう対処するかを受けて税が対応しますので、大蔵省の中ではございますが、証券局、銀行局あたりがこのCDの問題をどういうふうに今後取り扱うかということを受けて、われわれも検討せざるを得ない。税の方で先にいろんな性格づけはできないという問題も御理解願いたいと思います。
○簑輪委員 再三申し上げますように、この問題、私どもは強い関心を持って注目をしていきたいということを申し上げておきます。 それで、大臣がおられませんので、あと午後にでもまたお聞きすることにいたしまして、午前中の質疑はこれで終わらせていただきます。
○森委員長 午後零時五十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時十分再開
○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小杉隆君。
○小杉委員 まず、土地税制の問題について幾つかの疑問点をお伺いしたいと思うのですが、今度の土地税制の改正のねらいというのは、宅地の供給をふやし住宅の建設を刺激して内需の拡大に役立たせるということですが、果たしてそういうねらいどおりになるのかどうかという点に私は疑問を持つわけであります。 一つはまず、供給する側、地主の方が果たして土地を手放すかどうかということであります。地主は、株や預金よりも土地を持っている方が資産価値があるということであれば、恐らくこれは手放すことにはならないだろうと思うのですね。最近土地の上昇率というのはどの程度になっているのか、土地の値段の上がり方の方が金利よりも大きければ、土地を手放さないのじゃないかというふうに私は思うのですが、土地税制の改正と土地の供給という関係についてどうお考えになっているか、まずお答えをいただきたいと思うのです。
○福田(幸)政府委員 今回の改正の一つの点は長期、短期を十年にしたということですから、四十四年一月のところでそれ以降を短期にしておったのと比べますと、十年ということで、その間十年と四十四年以降というところの開きの分が長期として有利に扱われるわけですから、そういう意味で、十年というのが、いままでにない一つの長短の区分がはっきりしたという点で、いままで拘束されておったのが解放されるという効果はあろうと思います。 それから、四分の三の総合というのが八千万超だったと思いますが、そこのところが四分の三総合なものですから、累進課税に四分の三さらに総合しますから相当課税額が重いということで、八千万のところまでしか売らないとか、そういうことでそれ以上が出なかったというのは統計からも出ています。そういうことで、八千万のところを取っ払って、下の二〇のところは別として、全部二分の一という原則的な形になりましたので、いまの二つの点が、いままで阻害要因になっていたのがなくなるという意味で供給効果がある。 もう一つは、長期安定税制にしたということでございますので、待っておってももう緩和されるということはない。いままでは毎年何か緩和期待がございましたが、今後はこういう税制でずっといくんだということでございますので、その辺の思惑による売り惜しみはなくなるという点が一般的に考えられます。 それからもう一つは、優良宅地の場合に三年間に限って軽減税率があるとか、農地の場合も三年に限って市街化区域内の農地の宅地化の場合の軽減税率がございますので、そういう三年間を限って低い税率の部分については、その間に出てくるということが一応期待される税制になっております。 どのくらい動くかというのは、確かにいまおっしゃっているように売る地主さんの立場がいろいろあるものですから、金に困っていなければ売らないとか、金利との比較でどう考えるかという点はいろいろあると思いますが、いままで阻害になっているところを外したということで、一般的には供給効果は期待できるのじゃないか、こう考えております。
○小杉委員 土地を売りたいという人にとっては、確かにいま主税局長がおっしゃったように、いろいろな阻害要因を解いたという点で効果があると思うのですね。ただ、基本的に私が疑問に思っているところは、建設省なり国土庁の期待しているところは、いままで売らなかった人たちを刺激をする。やはり土地を持っていた方が有利だということであれば、いかに税制を緩和したとしても手放しはしないと思うのです。 そこで、先ほどの質問にまだお答えいただいていないのですが、これは大蔵省で答弁するのはちょっと無理かもしれませんので、建設省あたりいまの質問に答えてくれませんか。――それじゃ私の質問に答えられる人を手配をしていただく間に別の質問を一つやります。 もう一つは、供給側の事情じゃなくて、今度は購買をする側の事情を申し上げたいと思うのですが、最近、五十三年以来所得税減税が見送られているということで、一般の消費者の中に非常に住宅に対する投資意欲がいま冷え込んでいるわけです。最近マンションの売れ残りなども非常に多いという状況ですね。現在マンションの売れ残りの状況というのはどのくらいなのか、これはわかりますか。
○伊藤説明員 業界の統計によりますと、首都圏で、ことしの初めだと思いますが、一万戸を超す売れ残りと聞いております。
○小杉委員 現在ですら首都圏で一万戸を超す売れ残りがあって、しかも最近住宅や土地に対する購買意欲というものが停滞をしているということで、買う側に対して今度の土地税制の改革がどういう一つの効果をあらわすのか、その点はどうお考えでしょうか。
○福田(幸)政府委員 売る方につきましては、一般的にいろいろな阻害要因がなくなる。 それからいまの、どういう動機で地主さんが売るかは、また関係省庁から答弁があると思うのですが、買う方は、供給が出てくればそれはそれだけのものが土地として出る、建設が行われる。そうすると、いままでのように動いてない状況よりはサプライがふえるわけですから、買う方とすれば選択ができるし、値段も上がらないというか、供給がそれだけあるということですから、買いやすい環境にはなるということが一般的に言えると思います。供給がふえるということが買う方から見れば有利な立場に今後なるということは一般的に言えると思います。それは、減税がなかったからというよりも、土地が高い、住宅が建設資材の関係で高くなっているという問題はございます。それは買う方の資金がどうか、いろいろな融資が今後どういうふうに行われるか、その辺の金利の問題と資金繰りを主計、理財の方で総合的にやっておりますので、そういう意味で買う方の立場としては、供給がふえることに対して対応するだけの資金力を持つような総合施策が行われておるということではないかと思います。必要でしたら主計局が答弁します。
○小杉委員 供給がふえれば買う方もふえるんじゃないかというお答えですけれども、それはマンション業者だって商売ですからできるだけ売りやすい値段で売ると思うのです。いままでは土地が高かったし住宅建設費もどんどん上がっているということで、首都圏なんかは最近三千万出さなきゃ買えないというような状況になっているわけですよ。 だから、いま局長が供給がふえたから需要も伸びるだろうというのは、価格の面でいまと同じような価格でずっといったとしたら、いまでさえ首都圏で一万戸も売れ残っているわけですから、私は、そう単純に供給の増加が需要の増に結びつくとは考えられないと思うのです。ですから、その辺の、たとえばこうやって税制で大幅に優遇をする、いままで八千万超は四分の三というような重い税金であったのを大幅に緩和するわけですから、その点で今度マンションを売る側に対しても消費者の方に還元をされるような一つの指導なり仕組みというものがなくては、需要増には結びつかないだろうと私は思うのです。 そういう点で、どうお考えになっているのか。ただ単純に、税金だけまけました、それだから需要が伸びますというふうな説明では、私は単純にうなずけないですね。
○福田(幸)政府委員 おっしゃるとおりだと思います。それで、税金の方がいろいろな阻害要因にならないようにする。かつては誘導したとかいろいろ介入しておったわけですが、税がもともとの姿に戻ったということで、本来の、関係省庁がおっしゃるような住宅の問題をそのものとして取り上げてどういう対応をするか、そういう姿勢ははっきりしてくると思います。 これはいま答弁すると思いますが、税の方は、これでわれわれとしてはできる限りのことをやってもともとの姿にしたということで、今度は政策当局がはっきりといまの問題をどう処理するか。土地問題それから住宅問題のネックはどこにあるかということを真剣にやってもらう。税の方は、今後税の責任にしてもらいたくないという立場をはっきりしたというわけであります。
○西垣政府委員 いまの先生の御質問は、宅地に対する需要喚起のためにどういう政策をとったか、こういうことかと思いますが、宅地に対する需要喚起のためには住宅を取得しやすくするということかと思いますので申し上げますと、限られた厳しい財政事情のもとでございますけれども、住宅建設融資枠の拡大というようなことで、住宅公庫の貸付戸数を五十六年度の五十一万戸から五十四万戸にふやす。あるいは財形持ち家融資を三万戸から三万一千戸にふやす。年金還元融資を十九万五千戸から二十万五千戸にふやす。 さらに、若いときに取得いたしますと支払い能力が非常にきついというようなことがございますので、現在の年功序列給のもとでは当初は低い償還でだんだん高くするというようなことが、支払い能力という点から言えば合理的ではないかというような考え方がございまして、初期負担の軽減ということでステップ償還期間の延長、これは三年を五年にする、こんなこともやっておりますし、貸付限度額の拡大といたしまして、住宅金融公庫につきましては五十平米から百十平米までのものにつきまして限度額五百五十万円を六百二十万円に上げる。マンションにつきましては一千万を一千七十万に上げるといったような措置を講じております。それから財形持ち家融資につきましては、従来財形貯蓄額の三倍までの貸し付けでございましたのを五倍に引き上げる、年金還元融資につきましては五百五十万円を六百万円に引き上げる、こういったような措置も講じております。 それから、先ほどちょっと挙げられました既存住宅の購入をしやすくするという見地から、住宅公庫につきまして、既存住宅購入金利につきまして七分五厘を六分五厘に改定する。あるいは財形持ち家融資につきまして利子補給の制度を導入いたしまして、一年目ないし二年目につきましては二%の利子補給を行う、三年目から五年目にかけましては一%の利子補給を行う、こういったような措置を講じております。 詳細につきましては建設省からお聞き取りいただきたいと思います。
○伊藤説明員 先生のお尋ねの、土地税制を改正した際に最終の住宅取得者に対してどういう効果があるのかという点だろうと思いますが、五十四年、五十五年にかけまして住宅建設が大分落ち込みましたが、その最大の理由は、やはり住宅価格、中でも土地の価格の高騰がやまなかったところにあるというふうに言われております。特に大都市圏のマンション適地につきましては、やはり適地の供給そのものが少のうございまして、業者は需要を当て込みまして争って買うということがマンションの土地の値段をつり上げる最大の原因ではなかったかと思うわけでございます。 そういう経験を踏みまして、業界も最近は、先ほど申しましたように常時一万戸を超すようなストックを抱えておりますし、経営自体に相当反省がありまして、住宅価格をできるだけ抑えるという努力をいたしております。住宅政策上見ますと、規模を小さくするということは好ましいことではございませんが、価格が上がった分は規模その他で吸収しながら、企業努力で吸収しながら価格を抑えるということはやっております。 したがいまして、ただいま主計局次長から御説明しましたように、ああいった住宅喚起のいろんな施策を整えますれば、住宅価格が安定する間に次第に取得能力がついてくる、景気の回復も若干見込まれるわけでございますので、所得も向上するということになれば、五十五年、五十六年度のような低迷期からは徐々にでも脱出するのではないか。ただ先ほど申しましたように、ストックが相当たまっておりますので、その在庫調整期間的なものはかかるのではないかと思っております。 したがいまして、土地税制の効果としては、そういった期間を越えて中期の効果という点で非常に大きな効果があろうかということで期待しておるわけでございます。
○小杉委員 確かに企業努力とかそれから市場原理が働いて、余り高過ぎるものは売れないということで適正な価格になると思うのです。しかし、いまでもマンションは売れ残っておるのがある一方で、非常に場所のいいところはお客さんが殺到する。それに便乗してどんどん値段をつり上げて、値段をつり上げても需要があるということで、とめどなく上がっていくというようなことをやはり土地税制の方で、あめと言っては変ですけれども、優遇をした以上は、場所がいいところだからといって歯どめなしに上げていくというようなことに対しては規制をしていくというか指導していくというか、そういうことはお考えになっておりますか。
○伊藤説明員 一般的に、いま市場で売り出されるものの価格規制ということはなかなかむずかしかろうかと思います。 ただ、公的な融資を行っておりますものにつきましては、当然にその質等のチェックも行いますが、価格につきましてもチェックをするということでございまして、たとえば公庫融資の住宅につきまして調べてまいりますと、通常の融資を受けていないものとの差は歴然としております。したがいまして、そういった融資条件的な面、融資をしたものに対する指導というような面を通じましていろんなことはできますが、一般的に先生おっしゃいますような価格制限ということはなかなかむずかしかろうと考える次第でございます。
○小杉委員 それでは、ここで住宅金融公庫の問題に移りたいと思うのですが、住宅金融公庫の貸付金利が五分五厘になっておりますけれども、これは一般会計からの補給金で五分五厘に据え置いておるわけですが、五十六年度、五十七年度は一般会計が非常に財政が苦しいということで財政投融資が肩がわりして、たとえば五十六年度は六百六十億ですか、五十七年度は五百十七億ということになっておりますが、こういう方法は五十八年度、五十九年度もとられるのかどうか、それをまず聞かせていただきたいと思います。
○西垣政府委員 利子補給金を繰り延べるという措置につきましては、現在国会に提出しております公庫法の改正法に根拠規定を設けまして、五十七、五十八、五十九と三年間につきまして繰り延べ措置を講ずる、こういうことを予定いたしております。
○小杉委員 そうすると、概略その三年度で幾らぐらいになりますか。
○西垣政府委員 これは、融資戸数あるいは一戸当たりの限度額をどう設定するかということにもよりますし、それからそのときの金利水準等にもよりますけれども、一応の想定で考えますと、五十七年度におきます繰り延べ額五百十七億に対しまして、五十八年度が約四百九十億、それから五十九年度が約四百七十億、その程度のオーダーになろうかと思います。
○小杉委員 そうしますと、三年間合計で千五百億円程度になるわけですが、これはどう処理されるのか。 それから、いま五十七、五十八、五十九年度の財政再建期間中だけの措置として繰り延べということを決めたようですけれども、しかし五十九年度で全部財政がきちんと立て直るかどうかというのはわからないわけですし、将来のことを聞くのはどうかと思いますが、六十年度以降一体どうするのか。やはり金融公庫の制度というのは、国民にとっては生涯の生活設計にもかかわる問題ですから、余りこういう制度が短期的な措置ばかりをやっていくというのは、私は好ましくないと思うのですよ。ですから、六十年度以降はどういうふうになるのか、それらについてちょっとお答えください。
○西垣政府委員 一応今回の繰り延べの考え方を申し上げますと、これは公庫に対する補給金が現在激増いたしておりまして、これをそのまま計上いたしますと、バランスのとれた住宅対策の費用配分ができないというような問題がございますので、これを平準化したいということでございます。 五十六年度の繰り延べ措置と違いまして、今回は法律をお出しいたしまして繰り延べに対する考え方を明瞭にするということで、繰り延べの考え方といたしましては、公庫が五十五年度に借り入れた財投資金に係る借入金の利息が、たまたま当時の財投金利が非常に高かったということでございまして、八分あるいは八分五厘で借りております。年六分五厘を超えたこの金利部分に相当するものを繰り延べる、こういうふうにはっきりさせております。 法律の考え方といたしましては、五十七年度から五十九年度までの三カ年間の繰り延べ額につきまして、今回提出しております法律に基づきまして、昭和六十年度から六十六年度までの間に一般会計から公庫に対しまして、毎年度予算の定めるところに従いまして交付金を交付し、適切に補てんするということでございます。 法律の規定といたしましては、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案これはたしか二月の九日に国会に提出しておりますが、その附則の第七項の次に八項、九項と規定を設けまして、その根拠規定といたしております。 次に、そのようにして六十年度以降これが返せるか。一つのお答えといたしましては、これは法律に基づいた制度でございますので、その法律に従って繰り入れを行うことが義務づけられているということかと思います。 それからもう一つは、異常に金利が高かった分を平準化いたしておりますので、年度ごとの負担額は平準化されますので、そう無理をしないで支払うことができるということで、支払いは十分可能であるというふうに考えております。
○小杉委員 この問題は財政再建と絡んでいるのでなかなかむずかしい問題ですが、先日の行財政改革特別委員会でも、この五分五厘を据え置けという声が非常に強くて、大蔵省当局も非常に苦労されたと思うのですが、そこで今度新しい制度として段階制の金利を導入されたわけですね。 要するに、十年までは五分五厘だけれども、十一年目からはこれを上げていくということですが、これを簡単に説明していただくのと、それから住宅金融公庫を利用する国民にとってどのぐらいの影響、どのぐらいの負担増になるのか、それをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○西垣政府委員 基本的な考え方を申し上げますと、いまの住宅公庫の仕組みでございますが、低利で貸し付けを行いますために、高利で借りた金と低利な資金との利子の差額を補給金で賄う、こういう仕組みになっております。この制度ができましたのが四十年度からでございまして、四十年度が補給金が二億四千七百万円でございました。五年刻みに申し上げますと、四十五年度が七十億九千七百万円、五十年度が五百二十七億二千百万円、五十五年度が千七百七十六億一千万円と、大変な財政負担でございます。 家を建てる方からいきますと、それは借りられる金の利息は低ければ低いほどいいわけですが、しかしその負担は一般の納税者が負担する、こういう仕組みになっておりますので、これをそのまま納税者負担にかける、いつまでもかけていくのはどうか、こういう問題がございます。しかし、さりとて、住宅公庫の貸付金利を上げれば、せっかく家を建てたい人の建設意欲を阻害する、こういう問題もございます。 そこで、先ほど申し上げましたように、年功序列型の賃金体系で、だんだんと所得もふえていくということに着目をいたしまして、最初の十年間は安い金利で金が借りられる、十年たって支払い能力ができてきたところで、利子補給を必要としなくなるような金利に上げていく、こういう考え方で導入をしようとしておりますのが段階金利でございます。 ただ、そういうふうにしましても、うまく十年後に支払い能力が十分につけばいいわけですけれども、つかない人はどうするか、そういった点につきましてもケース・バイ・ケースで対応できるようにというふうな制度は仕組みたいと考えております。 詳細は建設省から御説明いたします。
○伊藤説明員 お尋ねの、需要サイドから見てどのぐらいの負担になるかということでございますが、段階金利、五十七年度の予算で個人住宅の建設融資の場合には六百二十万ということになっておりますので、六百二十万円お貸しをしたという設定をしまして、当初の金利が五・五%、十一年目以降、今回の制度では、法律では七・五%以内で政令で定める金利、こうなっております。 現行は、二月に入りまして財投金利が七・三となっておりますので、仮に十一年目以降七・三だというふうに仮定をします。そうしますと、当初十年間の六百二十万円、二十五年の償還で計算しまして、返しますお金が月額三万八千七十三円でございます。十一年目以降はこれが七・三の残期間で償還するということになりますので、四万二千六百六十七円ということになります。その差が四千五百九十四円でございます。これは当初の負担三万八千七十三円に対しまして約一二%ほどふえる負担になります。ただし、十一年目に一二%ふえるというのが年率平均に直してどのくらいの増加の額になるか、こういうふうに計算しますと、一・一%程度でございます。 したがいまして、段階金利ということで十一年目以降若干の御負担をいただくわけでございますが、年率一・一ということでございますので、大方の場合、所得の伸びもございましょうし、それから物価の上昇も全然考えられないということはございませんので、そういったことを考えますと、年率一・一%程度の増加ということでございますので、御負担いただけるのではないかというふうに考えております。 しかしながら、自分の年齢でありますとか、それから所得の将来の状況等考えて、どうしても不安だという人もおる。したがって、今回の段階金利がそういった方々に住宅の取得を断念するということを期待してつくるわけではございませんし、それから十一年目以降になりましても、一般の国民は、こういう財政事情あるいは国民がみんなで持ち家を持とうというときに、お互い税金を負担しながら相互扶助で持ち家を持っているわけでございますが、そういった考え方から御負担いただくときに、ある種の人たちに対しては酷ではないかということも考えられなくはないということでございまして、今回の法律では段階金利のところに一項を設けまして、当初期間経過後、つまり十一年目以降でございますが、その者の所得、その者と生計を一にするその親族の所得を含むということでございますので世帯の収入ということになりますが、それが低額であり、かつ、特に居住の安定を図る必要がある者として政令で定めるものにつきましては、当初期間の金利、五分五厘でありますとか六分五厘になろうかと思いますが、そういった金利で据え置くという条項を置きまして、そういった実態に対処してまいりたいということで考えております。
○小杉委員 十年後のことは予測のつかないことなんですね。ですから、一般的には所得もふえていくだろうし、支払い能力も上がっていくだろうと思いますけれども、その間に、いろいろ病気になったりあるいは職を失うとかあるいは交通事故に遭うとか、いろいろなことが起こるので、そういう場合はケース・バイ・ケースで、所得が低額で居住の安定を図れないというような場合には政令で定めるというのですが、その政令がどの辺で一線を引くのか。 何か聞くところによると、もう生活保護すれすれの人の場合のみ五分五厘で据え置くのであって、それ以外の人は全部財投金利に上げちゃうというようなうわさも聞いておりますけれども、その辺はどうですか。
○伊藤説明員 政令を定める際に十分検討いたしたいと思っておりますが、ただ、いま先生おっしゃいましたように、生活保護すれすれということではなくて、住宅政策の中にいろいろな政策がございますが、そういった住宅政策体系の中で公的な援助を行っているバランスというものを十分考えて、そして十一年後でございますので、おっしゃいますように予測が非常にむずかしい点がございますけれども、いろいろなケースを想定をして、そして住宅政策の中のバランスを考えながら定めてまいりたいというふうに考えております。
○小杉委員 すでに大蔵大臣も見えましたし、また、この点は今後の政令にゆだねるということですから、ぜひきめの細かい配慮をしながら政令をつくっていただきたいと思います。 それでは、まだ国土庁が来ておりませんので、また質問は後日に譲りますけれども、基本的な面で、大蔵大臣の時間がきわめて限られていますから、しぼってお話をしたいと思うのです。 まず、今度の土地税制を緩和したことによって、ちょうど昭和四十七、八年でしたか、非常に土地投機といいますか、地価の暴騰があったわけですけれども、いままでずっと見ておりますと、やはり税制を緩和すると常に地価の高騰に拍車をかけるというのがいままで繰り返されてきたところですが、今回の税制改正によって、せっかく政府が宅地の供給を促進しようあるいは住宅建設を刺激して内需の拡大に努めようと言いながら、実際のところは地価の高騰だけが残ってしまったということであってはいけないと思うのですが、そういう点についての心配はないのかどうか、まずお伺いしたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 それは、土地を買っても遊ばしておけば、それに保有税をかけるというような歯どめをかけておりますから、この前のような心配はないと思います。過剰な、過剰というよりも、土地の仮需要は起きないと思います。
○小杉委員 それから、今回所得税減税というものが見送られたわけです。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 そこで、五十三年以来五年間減税が凍結をされたということとのバランスから考えて、土地保有者というのは、いわば現代においてはやはり資産家であり、不労所得者と言うとちょっと響きが悪いのですが、そういう人たちだけを優遇をしなくてはいけない理由は何なのかという率直な疑問があるわけですけれども、この点についての大臣の見解を聞かしておいていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは二つ議論があるのでして、要するに、土地というものがお金にかわっただけだから財産がふえたわけじゃないじゃないかという議論が一つあります。株も売っても課税しない、一回だけなら。ある限定された数量はありますが、それはキャピタルゲインだ。ところが、いやそうじゃなくて、当然それは所得だから、安く買ったものを高く売るんだから課税すべきじゃないかという議論もあります。 われわれとしては課税をするということを基本として考えておるわけです。しかしながら、宅地政策という問題が大きく取り上げられて、宅地の供給が非常に少ない。四分の三も総合課税になって、ちょっとまとまったところを売ればほとんど手元に残らぬということでは、売りたくとも売れないという状態であるという、これも一つの理屈。したがって、今回はたとえば特定なものは三年間に限って分離課税にしますよとかいろいろなことをやって、まとまった土地が供給をされやすいような誘導措置を講じた。それは宅地対策、住宅対策というものを最優先の政策目標にしたからだ、そういうことでございます。
○小杉委員 大蔵大臣の住宅対策としてできるだけ障害を除くんだというお話はよくわかるのです。 これは建設大臣あるいは国土庁長官にお伺いした方がいいのかもしれませんが、大臣の見解も伺っておきたいのですが、果たして供給を促進することになるかどうかということなんですね。 といいますのは、いまも土地は、かつての狂乱物価のときほど上昇はしておりませんけれども、現在でも毎年一〇%程度地価が上昇しているわけです。ですから、お金にかえるとかあるいは株で持っているよりも、やはり土地を持っていた方が資産価値があるんだということで、仮に税制面で緩和をしたとしても、果たして期待したほどの宅地が供給されるのかどうか。それは確かに、売りたがっている人というのは、もちろん今度の税制の緩和で相当促進されると思いますし、その点では私はメリットは認めるわけです。しかし、いままでだって八千万円を超えるやつは四分の三かかるというようなことで、売らないで等価交換方式でやってきた面もあるわけですからね。 ですから問題は、やはり売りたいと思っていた人よりも税金が高いからやめておこうというのでずっと持ち続けていた人に少しでも手放させることが私は大事だと思うのですが、いまのような土地の上昇、一割程度ずつ上がっていくということになると、これはやはり銀行金利よりも有利ですし、そういう点で果たして放出するんだろうかという率直な疑問があるわけなんですね。 その点については、これは国土庁長官なり建設大臣に聞くのが筋かもしれませんが、大蔵大臣の見解もひとつ聞いておきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 それは、今度は農地の問題ですから、農業を途中でやめるというようなものはだめですよ、宅地並み課税もとりますよ、十年間やれる人だけはとりませんということで、裏からの歯どめも実はかかっているわけです。あとは税率を緩和することによって売ってもいいという人がふえれば土地の供給がふえるから、全体としての需要供給の関係から値段はそんなに上がらぬだろう、こういうような見通しのもとで今回の法案を提出したわけでございます。やってみないとわからぬけれども、私は効果があると思っております。
○小杉委員 この問題は、後日また所管大臣を呼んで聞いてみたいと思います。 そこで、いま大蔵大臣が一足先に触れましたが、宅地並み課税ですね。本来、A、B農地を含めて十年間営農を継続するという意思があれば宅地並み課税を猶予するということだったのですが、今度、五年ごとの確認で営農が続けられれば、それまでの猶予分は免除するというふうになりまして、実質的には、いままでの十年間というのが五年間に緩められてしまったわけですけれども、こういうことでは値上がり待ちの農地所有者に悪用されるおそれが大きいのではないか。 あめとむちという言葉は余り使いたくないのですけれども、あめの方はどんどん限りなく甘くして、むちの方は限りなく緩めちゃったというようなことになったと思うのです。この点は農業関係者等のいろいろな陳情もあったやに聞いておりますけれども、これについてどうお考えか、見解を伺っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 現行は、減額制度においては、三年以上農地として保全することが適当であると認める農地については毎年度の税額を減額していました。いままでは毎年減額した。 ところが今回の徴収猶予制度においては、十年以上営農を継続することが適当であると認める農地については五年ずつ徴収を猶予し、その五年間営農を継続した場合には猶予税額を免除する、しかし途中で転用した場合には猶予を取り消す、収用等一定の事由で転用された場合を除き、直ちに延滞金を付して徴収猶予税額を徴収することとしております。したがって、現行制度に比べてかなり課税の強化が図られる、そういうような歯どめになっておりますから、少なくともいままでよりは歯どめは効いている、そう思っております。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○小杉委員 私は、大臣の見解とちょっと違うんですけれども、実質的に五年間になってしまったということに対しての罰則も何もないということで、この点はまた別の機会にやりますけれども、非常にしり抜けだと思います。 それから、もう時間がありませんから、私、基本的な問題についてお聞きしたいと思うのですが、今度の税制改正を見ましても、来年の経済運営の中でどのような役割りを果たさせると考えているのか。非常にお金が足りないから、それのつじつま合わせという印象を受けるわけですけれども、いま対外貿易摩擦が一番大きな政治問題になっておりますので、外需の依存型から内需主導型へ誘導していかなければいけない時期なんですが、今度の税制についての考え方というのは、行財政改革を金科玉条に考えて、そういう内需をどう振興させるかという視点がほとんど顧みられない。たとえば、内需を刺激するのに一番貢献率が高いと言われている個人消費を刺激するための所得税減税が見送りになっているというようなことを見ましても、今度の税制改正が何か財政のつじつま合わせというか、財源が足りないのを小手先でやっていくという感じがしてならないわけですが、やはり税制が日本の経済運営の中で果たす役割りをもうちょっと基本的に考えながら取り組んでもらいたいと私は思うわけですが、その点ひとつ見解を伺っておきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 税制が経済運営に大きく関係することは、私も承知をいたしております。 しかしながら、日本の経済はすでにGNP二百七十七兆という大きなものをいま考えておるわけでございますから、その中で仮に経済運営に影響させるということになれば、私は、数兆円というような大減税でなければ景気浮揚に役立つというようには考えられない。しかし一方、そういうような大きな財源を調達する方法がない。もしやるとすれば、ここで赤字国債の増発以外にはないわけでございますから。ところが、すでに昨年度二兆円減額をすると言っておきながら赤字国債を三千七百五十億円発行したということで、これだけの非難を私ども受けておるわけでございますから、減税のために赤字国債をふやすなどということはとうていできない。何に財源を求めるかというのが問題でございます。 したがって、私は、過去五年間にわたって課税最低限が据え置かれ、その間物価も上がり、税率構造も固定されておる、税率区分も固定されておるというところから見れば、いつまでもこの状態をこのままおくことは好ましいとは思っておりません。おりませんが、当面、国家の財政の歳入歳出の状況から見て、ここで大幅な減税をするというような余裕はないということでございます。
○小杉委員 もう時間が来ましたから、もうあれですか。それじゃ、大蔵大臣、結構です。 これはいままでの質問とは若干違うんですが、政府の税制調査会と自民党の税制調査会との関係について伺いたいと思うのです。 いままでのあり方を見ておりますと、政府の税調というのは、自民党の税調が決めたことをそのまま追認をするというか後追いをするというような状況にあるわけです。私は、こういうような調査会であれば、いま行財政改革がうたわれておる時期でありますから、むしろなくしてしまった方がいいのじゃないか。もし存在価値があるとするならば、やはり政府税調としての独自の役割り、たとえば、いま私が大蔵大臣に質問したような、日本の経済運営の中での税制のあるべき姿とかあるいは税負担のあり方とかあるいは中長期的な視点に立ったこれからの日本の税財政というようなものを検討するという役割りを持つべきだと思うのです。やはり政党の税調と政府の税調とはおのずから――いま自民党が政権を握っているから一体みたいになっていますけれども、本来政党の組織というのは、どうしても党利党略なり圧力団体なりあるいは選挙の関連なりに左右されやすいわけですね。ですから、三権分立を唱えている以上、政府の税調というものは独立した一つの権限なりあるいは視点なりというものを持つべきだと思うのですけれども、それについて、これは本当は大蔵大臣に聞いた方がよかったのですけれども、時間切れで行かれましたので、率直なところを聞かせていただきたいと思います。
○福田(幸)政府委員 政府税調と党税調との関係、また大蔵省との関係、自治省との関係ということでもあろうと思うのですが、政府税調は総理府の所管で自治省と大蔵省が事務局になっておるわけです。 実際の運営についてはいろいろ御意見があろうと思います。総理大臣が諮問する事項はわりに中長期的な観点からの税制のあり方というような大きな諮問を行っておりますし、さらに三年ごとに中期答申というような展望を踏まえたものを出しております。ですから、この中長期特に三年ごとに出ます中期税制というような見方はわりに論理的に仕組まれておりますので、それを踏まえて各年度どうするかという議論になってきます。各年度の議論になってきますと、具体的な問題が党税制の議論と並行していくわけですけれども、むしろ政府税調の方が基本的な観点、総合的な観点、中長期的な観点が大事だろうと思います。今後ともその辺に重点を置いた運営を会長あたりは検討していかれると思います。 それで、ことしの答申をごらんになってもわかりますように、従来と違いまして、いろいろ重要な議論が中に入っています。また、結論を書かないままで両論を併記するということが土地税制については出ております。また、税制改正の中身まで細かく書く必要はないというようなことで考え方だけ述べて、税制改正の具体的な数字なんか入っていない仕組みで今度は書いてあるというのが従来にない行き方です。 党の方は、具体的な法案を提出していく必要が当然ございますので、具体化していかなければいけないわけですから、そういう意味で、党税調での議論が徹底的に行われるということが民主主義下におけるあり方としては、むしろフェアな公開された議論として徹底論議がそこで行われておる、そしてその上で法案が提出されるということはそれなりにいいと思うのです。それでなければいけないと思うのです。 もう一度両者の関係を繰り返しますと、政府税調の方は、言論人といいますか新聞関係、テレビ関係が六人とわりに多く入っておられます。そういうことで世論がわりに聞ける。また構成についてはいろいろ意見がございますでしょうが、われわれとしては、できるだけ広範な意見が聞けるような構成、特に世論を反映できるような新聞の方が多いという意味では役割りが相当変わってきていますし、中長期的な展望が重要ですから、今後の運営は税調の中で御議論があってどうするかということになっていくと思います。いずれにしても中長期的な観点が重要であろう。 それから党税調の方は、法案として具体化していくものを詰めていくという過程として、大蔵省、自治省が両方に対して関連を持ちながら責任は政府にある、これは忘れてはいけないところですが、大蔵省、自治省が立案当局として責任を持ってやっていく、後はそういう形で両調査会があると受け取っております。 御議論の点は、また税調の中で十分御議論になろうかと思います。
○小杉委員 次は、租税特別措置法の中の問題点を伺いたいと思うのです。 今度の租税特別措置法の改正に当たっては、四件の廃止と二十件の縮減合理化、こういうものが取り上げられておりますが、この対象、取り上げた基準、どのような見地から選んだのか、まず聞かせていただきたいと思うのです。
○福田(幸)政府委員 租税特別措置というものは一般の税に対する例外をなしています。しかし、例外をなすにはそれなりの政策目的があるわけでございますから、その政策目標がそれでいいのかどうかという問題、それに対して特別措置としての減価償却、特別償却とか準備金という手段が適切であるかどうか、実効が上がるかどうかという点で、それが適切なものであれば、特別措置としてはそれなりの政策目標を持って有効であるということですから、それ自体全部が悪いと考えるべきではない。 しかし、そこは厳しく対処しないと、租税の公平というのが基準にあるわけですから、そういう意味で五十一年以来毎年厳しく見直しています。これは補助金と違ってわりに早くから見直しをやっていますが、直ちに補助金と考えるというよりも、準備金と特償というのは課税の繰り延べでございますので、その間の金利分の助成だという点も御理解願いたいと思うのです。しかし税額控除、これはやり切りです。それから、税金を払っていない方にはメリットがないという点もあるのです。ですから、その辺を全部にらみながら政策目標と実効が上がるかどうかというのを厳しく見ていくのは従来から重要であるし、いまのような状況ではさらに重要であろう、見方が厳しくなければいかぬ。 具体的な基準としましては、期限の来たものを重点に見るということでございます。その際廃止すべきものは廃止する。これは、いまの目標と手段という点で実効が上がっていないものは落とす、それからほかの、特別償却とか準備金についてはそれぞれの有効性を見ながらカットを行う。平均的には一〇%という感じに落ちついたのですが、金額としましては、いま法人税関係での企業関係の租税特別措置の減収は二千二百億にすぎないわけです。その中で中小企業関係が相当部分あります。あとは資源エネルギー系統とか住宅政策とか、それぞれ重要な目的を持っているものはその中にあるわけでございまして、そういう意味で、政策目標をチェックし、手段としての有効性、実効性がどうかということで期限の来たものを見直す、その際廃止すべきものは廃止する、いままで期限のなかったもので廃止するものは廃止するというやり方をとっております。 そういうことで、できるだけやってきておりますが、いま残っておるものはそれなりの理由があるというふうに実感として受け取っております。
○小杉委員 私も租税特別措置はできるだけ見直すべきだという立場ですけれども、ただ、いま最後の回答の中にもありましたように、特に公害対策というような問題で、ここ数年来、公害規制が非常に厳しくされてきているわけですね。中小零細企業にとって公害防止設備には莫大な負担を感じているわけです。 そういう中で、仮に公害防止施設にお金をかけたとしても、それが直接利益に結びつかない、生産性の向上に結びつくわけでもない、いわば後ろ向きの投資という側面があるわけですね。したがいまして、これからもますます環境を守るあるいは公害防止というものは国民的な課題ですから、租税特別措置の中でほかのものと一緒くたにして考えるというのはどんなものか、公害関連のものは政策的な判断によって対応をもう少し考えるべきだと思うのですけれども、この点についてはどうですか。
○福田(幸)政府委員 現在、公害関係は公害防止用設備、無公害化生産設備、廃棄物再生処理用設備、との三つが一応考えられますが、これで三百四十億の減収になっております。 それで、先ほどから申しております政策目的の観点からのチェックは、当然公害対策という点から認めておるわけであります。それからもう一つ、やはり設置費用が一時的に相当かかるというようなことです。これは四十二年度から創設されて、もう相当年数がたっています。すでに廃止されたものとしては、公害防止準備金があったと思うのですね。これがただ準備金というので、名前だけ公害防止となって公害防止に結びつかないというので、この特償の方がいま中心をなしています。 ただ申し上げたいのは、いまのような経済環境の中で仕事をやっていくときに、公害を防止するのは、企業の本来の姿勢として重要というか前提であろうと思うのです。それぞれの企業がその公害を出さないようにする、公害を防止する、騒音を出さないようにする、これはやはり企業が社会の中で経済活動をするための前提ですから、それは何か国が助成する、特別償却を当然やるという性格では本来ないと思うのです。 だから、最初のうちはいろいろなそういう助成が必要ですけれども、延々といつまでも、それは本来企業が負担すべきものではない、こう考えるべきではなくて、もう相当期間がたってそういうものが一巡するというか、そういうものとして受け取られるようになれば、これは省エネだってそうだと思うのです。ですから、名前は公害または省エネといっても、それは特別措置でやる以上は、ある期間たてば、もうそれはそれで助成の理由がなくなってきますから、後は企業が本来自分のコストとして考えて経済活動をするということであれば、いつまでもこれを続けるという点については、今後やはり見直しの対象になるというふうに私は考えます。
○小杉委員 きょうはちょっと国土庁が抜けちゃったものですから、十分かみ合った議論ができなかったのですが、また次の機会にひとつ国土庁も出席いただいて、きょう尽くせなかった議論はそこの場に譲りたいと思いますので、一応私の質問はこれで終わります。
○森委員長 午後三時二十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後二時十三分休憩 ――――◇――――― 午後三時三十一分開議
○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。簑輪幸代君。
○簑輪委員 午前に続いてお尋ねいたします。 再三申し上げましたように、私どもの暮らしの面から、ぜひ税制の問題で再三申し上げた点について御配慮いただきたいと思いますけれども、特に、昨年お聞きしたことでもございますが、また課税最低限に関する問題をお尋ねしたいと思います。 このままずっと課税最低限を据え置いておくということになりますと、そして所得税減税が行われないなら、すでに地方税の方で問題になっておりますように、所得税の場合で生活保護世帯に課税するという事態を招く、そんなことにもなりかねないわけです。地方税の方では非課税限度額を設けるという、こそくな手段で生活保護世帯への課税を回避しているわけですけれども、所得税においてこういう事態に立ち至ったときに一体どうなさるおつもりか、それをお聞かせいただければと思います。
○福田(幸)政府委員 所得税の課税最低限というものの決め方の問題ということがまずございます。 これは、国の財政需要というのが最大のポイントで水準が決まるというのが、外国でもそういう考えでございます。アメリカで一時いろいろな内容を生活費的に検討したことがあるのですが、私も外国各国で聞いてみたのですが、やはり行政上の観点でどう考えるか。さらに、午前中の御質問にもありましたが、再配分というようなことで歳出の方に福祉が非常にふえてきますと、税の方ではむしろ最低限は低くていいのではないかというのが英国の考えです。英国では低いところから税金を取る。というのは、税金が社会保険料的であるという考え方をとっておるわけです。これはU・K・ヒックスも同じ考えをとっておるのですが、そういう意味で、税自体の考えで課税最低水準の問題は考えられるべきものであるということが一つございます。どの水準から課税をするかというのは税自体の考えで考える。 一方、生活保護は厚生行政の問題でございますけれども、その個人が持っておる資産とか能力とか、あらゆるもので生活が維持できるかどうか、さらに民法上の扶養とかいうことでやってみて最低生活が営めないというような際の問題として、厚生行政がこれを考えるということであるわけです。 ですから、地方の方では単年度限りの措置として、課税最低限とは別に一定の所得金額以下の者について住民税の所得割を課さないという形でやっておるわけですけれども、これは、所得税の課税最低限という点から言いますと、生活保護基準とは性格が異なるものではないかということで、この両方の関係を基本的によく検討する必要があると私は思うのです。そこのところが、必ずしも生活保護水準のところと見合う、それ以上でなければならないとか、その見合いで考えるとかいうことが直ちに結論ではない。両方の関係はそれぞれの考え方がございますし、生活保護水準というものもとり方によってはまたいろいろあるわけでございますし、そういうことで基礎的な研究をやっていこうと思います。 向こうが上がっていくから、こっちの方は自動的に最低限を引き上げなければいけない、もしくは地方税みたいな臨時なことをやるべきであるというふうに簡単にすぐに言えない。むしろ基本的に、厚生行政の生活保護水準と所得税における課税最低限というものをそれぞれの立場で考えるという関係で、両者が直結した関係にはないということがございます。いずれにせよ、基礎的な問題として検討していくべきであろうと思います。
○簑輪委員 外国がまた出てくるわけですけれども、いろいろなことで外国の例をお考えになるのは大変結構ですけれども、実際、この生活保護世帯に課税するという仕組みに理論上なっていくというのは一体何年というふうに受けとめておられますか。
○福田(幸)政府委員 生活保護費に課税はいたさないわけでございますので、その辺のクロスがあっても、そこが生活保護世帯、生活保護費に課税するということではないわけで、まあそういう事態にはなっておりませんけれども、生活保護費が今後どういう水準かということ、それは直ちに税の方の課税最低限というものと見合いで考えるべきかというのは、先ほど申し上げたように基礎的に別個の問題としながらも、やはり検討を基礎的にやりたいということで一応お答えします。
○簑輪委員 そうすると、その問題については検討するということですけれども、ただ、課税最低限の引き上げの必要性を判断するに当たって、このことはこのことでもう別なんだ、構わないんだ、仮に理屈の上で生活保護費に計算上課税するということになったとしても、それは考え方がイギリスのように別に考えられるということもあるのだから、そのまま引き続き検討を重ねるということで、余り緊急の解決の必要性を感じておられないようにもお聞きしたのですけれども、その点でやはり、もちろん生活保護水準が今後どのような推移を示すかにかかってくるわけですけれども、大蔵省として、そのぐらいの数字をいつごろかというのは考えておられるのじゃないでしょうか。
○福田(幸)政府委員 生活保護費の方がどうなっていくかは、これは主計局の方で、今後厚生省の方との関係でどういうふうにそこを扱っていくかという問題、それ自体の問題で、われわれとしては、生活保護費がどういうふうになっていくということを見越しながら、最低限をこうすべきだというふうな検討はやっておりません。 外国ばかりで申しわけないのですが、英国の場合は九十一万というところから課税しておるわけです。日本の場合は二百一万五千円ですね。九十一万というので夫婦・子二人が生活できるとは考えません。ですからその辺は、生活保護水準以下のところからも課税をするという考えはやはり検討に値すると思います。直ちに連動しないということで、われわれは課税最低限自体を税の立場でどう考えるか、これは歳出の方の再配分機能ということとの関連もあろうか、こう思います。
○簑輪委員 そこで大蔵大臣にお尋ねしますけれども、昨年この質問をさせていただいたときに大臣は、「そういうことになるとこれは困ってしまうんですね。ですから、やはりいつかは考えなければならない、そう思っているんですよ。」というふうに答弁していただきました。 税金と公的扶助は分けるという考え方ももちろん一理はある、理屈の上では幾らでも言えるわけですけれども、われわれの生活実感からいいまして、生活費に非課税の原則というのは、地方税の場合だけではなく所得税の場合でもそれがあるのじゃないかというのが国民感情だろうというふうに思うわけです。そういう点を受けて、大臣はこの問題についてどうお考えか、重ねてお尋ねしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私はかねて申し上げているように、過去五年間も課税最低限を据え置きにしているということは事実でございますし、それによって、昭和五十二年から五十七年を比べてみると、給与が三七%上がっておりますが、物価も上がっておりますから、税引き後ということになりますと、三百万円の方だったら四百十一万まで給与は上がっているわけです。しかし名目では三二・五可処分所得が、税引き後の手取りがふえることになるが、物価でディスカウントされるから三・八%しか上がっていないということになります。まして一千万円クラスになると逆に二・四%ぐらい目減りしている、その上になればもっともっと目減りしているというのも事実でございます。 したがって、それだけを見れば何とかしなければいかぬなという気持ちとしてはあるのですよ。あるのですが、この非常に厳しい日本の財政事情、他国と比べてみても、財政的には日本が一番国債依存度が高くて、ドイツが一〇%ぐらいで、フランスなんかもっとずっと下ですから、日本は三三とか二八、七とか、ことし新予算で二一にまでしようということで、それでも世界一財政状況は悪いという状態でございます。幸いに物価もことしは安定しているということでもございますし、財政事情からして赤字国債からの一刻も早い脱却ということも要請されているわけですから、それらを考えると、財源事情等から見て、とうてい五十七年度ではこれを直すことはできない。しかしいつかは、そううんと先でもないでしょう、いつか、五十八年度以降なるべく早い時期に税率構造全体の見直しをいろいろな部面で一遍する必要があると私は思っております。ことに合算課税になるというような、グリーンカード制の実施というようなものとが相まって、これは逃げて通れない問題だ、そう私は思っているわけでございます。
○簑輪委員 大臣はできるだけ早くということでおっしゃっていただきましたけれども、私どもの計算でいきますと、五十八年度には生活保護水準と所得税の課税最低限とがほぼ一致してくるのではないか、そして五十九年度になれば逆転するというような事態にもなるのではないかというふうに受けとめております。そのようなことも指摘しておきまして、できるだけ早く課税最低限の引き上げというのをお願いしたいと思います。 それで、課税最低限に関連して、給与所得者の課税最低限は二百一万五千円、こういうふうに言われておりますけれども、その内訳は給与所得控除が七十五万四千円、人的控除が百十六万円、保険料控除が十万一千円、標準世帯でこうなるわけですが、同様に、同じ標準世帯で白色の自営業者の課税最低限が一体幾らになるのかということについてお尋ねしたいと思います。
○福田(幸)政府委員 事業所得者の場合、経費が一様でないということから、収入ベースで表示されますサラリーマンの課税最低限と比較することはむずかしい問題でございます。 サラリーマンの場合は、年間の所得金額を計算する過程で給与収入から給与を得るための経費の概算控除でございます給与所得控除を差し引きまして、そして課税最低限のあらわし方も、国民にわかりやすいという観点で給与収入ということに置き直して表示していることは御存じのとおりでございます。しかし、事業所得者になりますと収入から引きます経費が業種により千差万別でございます。サラリーマンの場合の給与所得控除に対応する経費として、どれだけの金額を想定するかということについて、画一的な基準を設けるということができません。さらに、配偶者その他の家族につきまして配偶者控除、扶養控除を適用して計算するのか、事業従事者として計算するのかという問題もございまして、サラリーマンと同じぺースで事業所得者の課税最低限をお示しすることはむずかしいということは御理解願いたいと思います。
○簑輪委員 全く給与所得者と同じようにということは困難である、その理由についてはわかりましたが、ただ、だからといって標準世帯の白の課税最低限は全く計算できないかというと、たとえばこういうふうに計算できるということはあると思うのです。 昭和五十三年十月十三日の委員会で、当時の高橋主税局長は「事業所得者につきましても、夫婦、子二人で申し上げますと、いま百二十四万八千円という課税最低限に相なっております」というふうに述べておられるわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
○福田(幸)政府委員 いろいろな仮定計算はできるかもしれません。しかし本質的には、申し上げたことの繰り返しになりますけれども、最低限は幾らであるかというのを事業所得者で見るときに、配偶者について配偶者控除を適用するのか事業専従者として扱うのか、配偶者以外の家族従事者について専従者給与をどの程度にするか、こういったものが異なってきますので、一概に言えないというのが本来の性格なんです。 さらに、青色申告をしてます事業所得の場合、事業専従者について完全給与制が認められていますし、これについてはいろいろ問題ありますが、さらにみなし法人課税制度を選択すれば事業主報酬、給与所得課税というのを認められることになりますので、事業所得の課税最低限を具体的な数字でお示しするのは、かえっていろいろな誤解というか、給与所得の比較でごうごうというふうに受け取られますので、そこはそれぞれ事情が違うので、給与所得者のように一律にお示しができないというのが正直なところだろうと思います。かつて前局長がお答えしておるといたしましても、いま私としては、その数字を現段階で知りませんので、お答えできないということでございます。
○簑輪委員 それは大変問題だというふうに思います。 おっしゃるように、専従者控除の場合と配偶者控除の場合がどう、あるいはまた青色申告の場合はどうということがあるならば、それはそういう条件のもとに白色事業者の課税最低限はこうであるということを出せばいいはずのものです。 それを抜きにして、一般的にできないという形で拒否されるのは問題ではないか。特に、わが党が求めた予算委員会への資料提出、ここでも出せないというような形で出していただいておりません。税の問題に関する審議について必要ということで私どもが要求したことを出せないというのは全くおかしな話で、こういう税の審議に当たって基本的な資料について要求された場合には公表するというのが国会あるいは国民に対する当然の義務ではないかというふうに考えます。再び答弁していただきます。
○福田(幸)政府委員 やはり事業でございますので前提が区々であるというときに、一つの数字をお示しするということの方がむしろ問題が多いかと思います。したがって、数字としては計算が一律のものとして出せないということの方が正直なお答えであって、ある数字を何か想定することがむしろむずかしいのじゃないかと思うのですね。 しかし、どこに問題があるということがそこから出てくるかということであろうと思うのです。ある仮定を置いて計算をするということにどれだけの意味があるのか。むしろ事業所得についてどういう問題があるのか、給与所得控除という形での給与分割が行われておるという意味の議論の前提として考えるのか、給与所得との比較で事業所得の最低限が低いのだという御議論にもし御理解願うと、そこのところがおかしくなりますので、前提をどう置くかがむずかしいものですから、事業所得で課税最低限は幾らというのはやはり御要求があってもお答えがしにくい。何も隠しているわけじゃないのです。計算の仮定として性格上なじまないということで出してないということで従来から扱っております。
○簑輪委員 評価についてまで先回りして心配をされておりますけれども、その点は、だれがどのように判断をするかは、それぞれ出された資料に基づいてそれなりに判断すればいいことですから、要求されたものは出すのが当然ではないか。仮定とか条件とかいうものが具体的に示されれば別に誤りのある数字ではございませんので、出していただけないものかというふうに思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 主税局長、専門家がよくわからぬと言うのでございまして、私も、どういうような資料が必要なのか、また出せない資料を出せ出せと言われても、それもできませんし、よく話し合ってもらいたいと思います。
○簑輪委員 計算上出せないということじゃなくて、出せるんだけれども誤解を招くといけないという御心配だろうと思うのです。遠慮なく出していただいて、後の判断はみんなに任せていただけたらいいんじゃないかと思います。あれこれ理由をつけて出されないことについて、私は絶対に納得できないということを申し上げておきたいと思います。引き続き要求をしたいと思いますけれども、次へ進みます。 国税庁がさきに税の執行に関する実態調査というものを行い、その取りまとめを行われましたけれども、これについての所見はいかがでしょうか。
○吉田(哲)政府委員 税の執行に関する実態調査といたしましては、国税庁で直接手がけたものは二つでございます。一つは、無申告に関する実態調査というのを行っております。いま一つは、世帯単位の所得の実態調査というものを行っております。 その結果でございますが、概略を申し上げますと、まず無申告に関する実態調査につきましては、約九千世帯につきまして調査をいたしまして、出てまいりました結果は、現在国税、地方税とも無申告の者の中で所得税の申告義務があると思われる者は三十一名という結果になっております。これは調査全体の母集団に対しますと〇・三四%ということでございます。それから、その所得階層を見てみますと、いずれも百五十万以下であるとかあるいは百五十万から二百五十万というところに三十一名中二十九名が含まっております。 そういう結果から見ますと、いわゆる無申告者の中で課税されるべき者で漏れているという者は、人数から申しましても、あるいは所得金額から申しても、そう大きくないのではないかというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、調査の結果無申告者の中に有資格者があるということも事実でございますので、国税庁としましては、今後新規開業届けの励行であるとか地方当局との連携とかいうようなことにさらに努力いたしまして、無申告防止に努めてまいりたいと考えております。 それから、その次の世帯単位所得の調査結果でございますけれども、営業世帯、農業世帯あるいはサラリーマン世帯、いろいろ区分してこれを比較いたしますと、一般にサラリーマン世帯に比べまして営業世帯、農業世帯におきましては、所得がいろいろな種類に分散多様化している傾向がございます。それから、世帯全体の生活が世帯主に依存している度合いを比べてみますと、サラリーマン世帯では一家のあるじに依存する度合いが大きいのに対しまして、事業世帯では相対的に少ない、こういうような結果が出ております。また全般を通じまして、各世帯とも給与所得というものが生活の源泉として大きな意味を持っているということがうかがわれるわけでございます。 その結果といたしまして、私どもは、やはり一つの世帯の生活水準を見るためにはそういったところにも注目しなければいけないので、単に世帯主の所得水準あるいは納税額だけ見ても不十分ではないかと思うわけであります。 それから、いま申しました事業世帯におきましては、いろいろ専従者給与とかあるいは法人成り、そういったようなことで事業所得が給与所得化していく、そういう現象がございます。これは全般の趨勢でありますけれども、しかし、その支払われている給与が果たして仕事の実態に合っているものかどうか、そういったところにつきましては今後さらに注意を向けていく必要があろうか、こういうふうに考えているところでございます。
○簑輪委員 国税庁の御見解は、税制から来るいろいろな問題があるというふうに概略承ったわけですけれども、一方では、総理府の内閣総理大臣官房の税金に関する世論調査というのがございまして、ここでは七三%もの人が税に不公平感を持つというようなことが出されているわけです。不公平感を持つに至るいろいろな原因があると思いますけれども、いろいろな問題の中で、国民が実際に税の仕組みそのものを熟知しているということではないところから来る問題もあろうかと思うのです。午前中にもお話し申し上げましたようなゼロクーポンやあるいはCDやら、そういうふうにして課税を免れているという仕組みのあることすら承知していない国民、そういうものから見れば、実態をもっと知れば、もっともっとたくさんの人が不公平感を持つだろうと私は思っております。 そういう中で、やはり減税の問題というのがどうしても前面にまた出てくるわけです。減税は一日も早くやりたいけれども財源がなくてできないという考え方もあるし、また所得税減税はすべきでないという考え方もあろうかと思いますが、こういうふうなことを言っている人がいるわけです。私自身あるいは私の周囲の財政研究者が現在のわが国の所得税及び住民税所得割について抱いている感じというのは、決して耐え切れないほどの租税負担だという実感を持っている者は全くないわけです、こういうふうな意見があるのですが、この点について大蔵大臣はいかがお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 それはその人によってはあるでしょうね。農村等へ行くと所得税を払っている人は実際問題として非常に少ないですから、払ってないんだから不平を言うといったって不平の言いようがない。逆に、おばあちゃん、おじいちゃんがいて現金で五十万円福祉年金をもらっているとかそういうのがございます。ただ医療費の問題では、とてもじゃないがこれ以上医療費を上げられたんでは、二十万も二十四万も大変だという声はたくさん聞きますから、所得税を払ってない人の中ではそういう人もいるでしょう。しかし給与の高い人ほどそれは物すごい重税感があるということも事実です。
○簑輪委員 実は、これは政府の税調の会長代理である木下さんという方が言っておられるわけですね。税制改正の羅針盤的役割りを果たそうというような方が、大体租税負担の点について耐え切れないほどだという実感は全くないなんていう感覚で事を進められては大変困るわけです。こんなようなことだと、別に所得税減税の必要性もなくなってしまうわけで、非常に問題だということを指摘しておきたいと思います。 減税の問題について言うならば、財源ということも常に問題になりますけれども、私どもは、軍事費を一兆円以上削るべきだとか、あるいは不公平税制を是正すべきだというようなことをいろいろ提案しておりますけれども、軍事費を別にいたしましても、いま不公平税制の是正によって財源を確保し一兆円減税をという声はぐんと広がってきていると思います。 財源問題については、また次の機会にも論議をいたしたいというふうにも思いますけれども、時間もありませんので最後に、大型間接税の導入という問題と減税とが抱き合わせで実施されるのではないかというような議論があり、報道もされておるわけですけれども、その辺の本音をひとつ聞かせていただきましてこの質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 本音も掛け値もないのでございまして、問題は物の考え方でございます。 ただ、こういうことは言えるのじゃないか。御承知のとおり、先ほども私はお答えしたのじゃないかと思いますが、直間比率の問題で、日本はかつては六五の間接税だったものが、昭和二十五年から四十年にかけて四五ないし四〇%とだんだん下がってきて、現在は二七、こういうふうに間接税の割合が非常に少なくなった。そのかわり所得税、法人税の比重が非常に大きくなった。したがって、国の財政支出が所得税と法人税にだけ頼るというのが実態になっておる。 しかし、財政支出のカットといっても、口で言うのは簡単だけれども、現実に切るということになると大騒ぎ、学校給食で百七十億円のものをたった十七万円切るといったって、各政党からみんな押しかけてくるのですから。これも事実で、そういうように非常にむずかしい。一方、社会保障はふえていくということになりますと、何かで財源は探さなければならぬ。 そういうときに当たりまして、諸外国の例をまた引いては申しわけないのですが、フランスは直接税の比重は四割、イギリス、ドイツは大体半々から六割程度ですね。日本は七〇以上というように直接税の比率が多いわけです。外国のそういう間接税の比率の多いところの国は、みんな野蛮国でもないし、非民主的な国でもないし、そんなに下層の低所得層をいじめている国とも私は聞いていない。したがって、こういうようなものはいずれにしてもだれかが負担しなければならないものなんだから、そういうようなものの中で、ひとつ歳出なんかうんと切れればいいのですよ、歳出の方がばさっと切れて、金が余ったから所得税減税というふうにできれば一番いいのです。 簑輪さんのように、軍事費を一兆円切ってしまえと簡単におっしゃるけれども、私の方は簡単にいかないわけですよ。そこにむずかしい問題があるわけです。したがって、不公正の是正とかなんとかということについても、われわれは措置法や何かをかなり洗い直して、私は、現在は制度的にそう大きなものはないと思っているのです。退職給与引当金とか物の考え方の相違はありますよ。しかしながら、さらに所得税の減税の財源を求めるというようなことになると、それは一つの財源ではないかと言う人がある。大蔵大臣じゃありませんよ。そういう人があるのも事実でございます。 大蔵大臣はどうなんだということでございますが、これは私としては、ことしは減税をすることはできませんので、そのかわり財源として考えるということは思っておりません。
○簑輪委員 いろいろ言われましたので反論したいのですが、時間がありません。 ただ、最後に申し上げておきたいことは、大臣は親しまれる、信頼される、愛される、大蔵省などというふうに言っておられるわけですが、減税もせず間接税の導入などをするなどということでは、とても愛されるというわけにはまいりません。恨まれる大蔵省ということになり、大蔵大臣は恨まれてしまうわけですので、その辺はぜひ国民の要求に従って所得税減税、そして大型間接税の導入はしないという方法をとっていただきたいと強く要求をして、質問を終わります。
○森委員長 沢田広君。
○沢田委員 大臣、御苦労さまです。 ちょっと先に、大臣忙しいだろうと思いますが、商法に記帳義務というのが書いてありますね。大蔵省あるいは大蔵大臣としては、それはどういう受けとめ方をされておりますか。
○渡辺国務大臣 商法の三十二条ですか、「商人ハ営業上ノ財産及損益ノ状況ヲ明カニスル為会計帳簿及貸借対照表ヲ作ルコトヲ要ス 商業帳簿ノ作成二関スル規定ノ解釈ニ付テハ公正ナル会計慣行ヲ斟酌スベシ」というようなことが書いてございますが、これだけそっくり読みましても、商人は帳簿を持たねばならぬというようにも解釈できるのですが、商人というのはどの程度までを言うのか、そういう細かい法制上の問題については、私もよく悉知しておらないので、専門家から説明をさせたいと存じます。
○福田(幸)政府委員 いまのは三十二条をおっしゃったわけでございますが、小商人というのが商法の八条にございまして、小商人についてはこれを適用しないということになっております。商法四条で商人の意義が書いてございますが、商法八条の小商人は、いまの商業帳簿については適用されないわけであります。
○沢田委員 いや、その商法に記載されている中身を、大蔵省としてはどういう理解をして受けとめているのかということなんですから、それについてお答えをいただきたい。商法の説明を聞いているのではない。
○福田(幸)政府委員 急な御質問で、勉強していない点があるのですが、商法で一般的な規定で商業帳簿というものがあるわけですから、やはり商業帳簿があるという大きな前提があると思います。今度は、会社法ではもっとこれは厳しくなっておると思いますが、税法の方から見ればどうかという御質問だろうと思います。 税法の場合も、やはり商法がそういうふうな一般的な規定があるということは大きな体系として考える必要がある。ただ、税法の中でそれをどういうふうに具体的に規定し、それがどういうふうな効力を持つかというのは、税法自体で考える範囲の話であろう。しかし、商法の規定があるということは大きな前提として考えることは当然であろうと思います。
○沢田委員 商法に規定されている内容は、税金の対象とする場合にも、拘束をするということが適当かどうかは別といたしまして、商法上の規定は、いわゆる除いているものを別といたしましては適用するのだという解釈をとっておられるのかどうか。
○福田(幸)政府委員 さきの答弁を補足いたしますが、小商人というのは、商法中改正法律施行法というのがございまして、小商人の範囲は「資本金額五十万円二満タザル商人ニシテ会社二非ザル者」ということでございます。これはさきの答弁の補足でございます。 いまのは小商人ですから帳簿の強制はない。しかし、一般的な場合は商人ということでございますので、これは帳簿の規定が適用になるということです。
○沢田委員 文部省を呼んでありますが、文部省の中学校の教育課程の中に、この帳簿とか、いま言われたような記載は含まれているのですか、いないのですか。
○中村説明員 中学校の教育課程の中には、この帳簿の記帳について明確な位置づけはございません。
○沢田委員 国民が、商法を法律で規定して守らなければならぬ義務があるということは、文部省も承知しているでしょう。どうですか。
○中村説明員 承知いたしております。
○沢田委員 要すれば、商法は基本法の一つですから、国民がひとしくそのことを守らなければならないというか、その義務を持っているわけですが、いわゆる義務教育の課程で全然教わらないものを守れということ自身が無理なんじゃないですか。どうですか。
○中村説明員 中学校教育は、心身の発達段階に応じまして中等普通教育を施すことを目的としております。個々の職業に必要な教育につきましては、中学校では必要に応じまして選択科目でその基礎的なものを履修せることができることになっているわけでございます。
○沢田委員 私が言っているのは、商法にこういう記帳の義務がある、中学校の教育課程にそれを含めなければ、最低のといいますかシビルミニマムとしての条件を満たす要件を持たないのではないか。それは守れないのがむべなるかなということになるのであって、商法で規定されていることあるいは民法で規定されていること、やはりこれはある程度最低限度として中学校の教育課程の中に含まれなければならぬ、むしろこれで当然じゃないかと考えるのですが、そういうことは全然考えないでやっているということですか。
○中村説明員 個々の職業に必要な知識、技能を中学校段階ですべて履修させるということは、必ずしも中学校の教育課程としては適当ではないのではないかと考えておるわけでございます。
○沢田委員 そうすると商法では、いまちょっと言われましたが、あらゆる商売における損益計算書、貸借対照表まで、普通の出納簿であってもその帳簿の中に入る。そうすると、義務教育が終わったときにすべての国民がその程度の能力を持つということが整合性として必要になってくるはずなのです。ところが中学校の教育の方ではそういうことを全然関知しないというのでは、その後の勉強はいざ知らず、最低の基礎的なものだけぐらいは当然教育課程の中に含めなければ、いわゆる法律体系としての整合性というのがなくなるのではないか、こういうふうに思うのです。 文部省が商売のことは関係ないという態度というか方針をとっておられるということは、言うならば認識不足ということになりますか、怠慢ということになりますかに該当するのではないかというふうに思うのですが、あえて言いたいことがあったら言ってください。
○中村説明員 中学校の義務教育におきましては、必須科目としては商業関係の科目の履修はございませんが、地域の実態、生徒の進路等の実情に応じまして、必要がある場合には選択科目としてこれを開設することができるようになっているわけでございます。ですから、そういった生徒が非常に多い地域、学校におきましては選択科目として履修することもあろうかというふうに考えております。
○沢田委員 もう文部省は相手にしてもしょうがないですね。 要すれば、自分の商売にすべて影響するようなことは義務教育課程の中で何らかにおいて触れていくという仕組みがなければ、それは税務の方に関係するとかなんとか言ってみても、それを強制していくという力それ自身を失っていくのではないか、こういうふうに思うから、あえて私は言ったのです。何か文部省は象牙の塔に立てこもっていて、そういうことは関係なしにやっているようですけれども、それではもう見放されるだけであると私は思います。だから、教育の荒廃きわまれりというような言葉が出てくるゆえんもそこにあると思うのであって、もっと実社会的なものになってほしいと要望しまして、これは終わります。 そこで大蔵大臣、この記帳義務はそんなような教育の程度なんで余り強制する条件というのは――義務教育は中学までですから、民法であろうと商法であろうと刑法であろうと、やはり義務教育の中までにおいて、実社会で必要な要件というものはある程度具備されていかなければならぬ。これはほんの入口だと思います。しかし私はそういう要件が必要だと思うのですが、その辺の見解はいかがですか。
○福田(幸)政府委員 商法の関連は別としまして、納税義務ということを義務教育課程からというのが、普通外国でと言っては何ですが、民主主義国家では常識でございます。カナダの例でいけば、高校課程では非常に専門的な租税教育をやっています。というのは、卒業してから自分で申告ができるという能力を与えるために集中的な講義が組まれておるのですけれども、いずれにしましても、申告納税あるいは源泉徴収であろうとも、税の負担という面から考えますと、租税教育、さらにその記帳ができるということを技術的に覚えることは、税務当局から見ても非常に重要な前提だろう、こう思います。
○沢田委員 だから、文部省がああいう無知蒙昧なる条件にあることをとにかく十分注意しておいてほしいと思います。 そこで大蔵大臣、自動車重量税、これは国税の方かもしれませんが、国税なんですか、それとも何なんですか。
○福田(幸)政府委員 国税でございます。
○沢田委員 国税ならば国税の決算の中に当然上がってこなければならないのではないかと思うの ですが、その点はいかがですか。
○福田(幸)政府委員 決算の中には当然国税とし て入っております。
○沢田委員 ところが、この書類の中では百万円ぐらいしか載ってなくて、しかも、この中には自動車重量税は項目の中にも入っていない。これは国税庁の統計年報書なんですが、この中にあえて入れない理由はどういう理由なんですか。
○福田(幸)政府委員 これは技術的な話でございますが、もちろん税収に入っています。印紙収入という中に印紙で入ってきますので、その税務統計のところでは重量税という項目では立っていないということでございます。税収としては重量税ということになります。
○沢田委員 この主要項目の中にも入っていないのですよ。この中にも入っていない。
○福田(幸)政府委員 これは国税庁の統計だものですから、郵政省の方の印紙で入る分を、国税庁の方では執行の関係が密でないものですから上げてないということで、税法上は国税であり、これは印紙で入ってきます。しかし税目としては重量税ということで、われわれ大蔵省としては掲げており、決算もあるということでございます。
○沢田委員 ところが自動車重量税法によれば、この十七条に、納付額その他政令で定める事項は大蔵大臣に通知をする、しかも過誤納金の還付請求があった場合について、税務署長に提出をして還付を受ける。しかも納付の不足額があった場合にも税務署長に連絡をする。税務署長は何らこれを直接担当していない。載ってこない理由はそこにあるわけです。 実際には、税務署長というのはいわゆるお手伝いをするだけであって、納めなかったときだけおまえは仕事をしろ、それから間違ったときは税務署長だ、それ以外は一切税務署長は関知しない、これが自動車重量税法のたてまえですね。だから、ここへ載ってこなくなってしまう、中身がどうなっているかわからないから。そういうことじゃないですか。
○福田(幸)政府委員 税法の立場としましては、これは陸運事務所が車検時に印紙の形で取るということでございますので、税の構成として税務署長が決めるというか賦課する形ではない。したがって、十七条では運輸大臣等が大蔵大臣に納付額を通知するということで足りるわけですし、不足額の通知というのが十三条にございまして、不足額が通知されますと十四条で税務署長がやるということになっております。 ですから、そういうことで税務署長が直接賦課するというよりも、印紙納付を、しかも陸運事務所が車検時に納めるということからできておる税制でございますので、税収としては国税である、ただ取り方がそういう特殊な形であるということで、税務統計の方はそういう観点から特別の項目がないというだけでございまして、われわれ主税局としては、当然これは重量税、それが幾ら入るというのは印紙収入の中から重量税を把握しておるということで、決算としても重量税は当然出てくる、予算としても掲げるということでございます。
○沢田委員 あなた、これを見ているのですか。しばらくほかの質問をやっているから、もう一回見てから答えてください。あなたの答えとこれは全然違うから。 結果的に自動車重量税とは書いてあるけれども、実質的には運輸省所管で取り扱われておって、その通知も十分でない。ゼロ、ゼロですよね。いままで四十六年以降ゼロですよ。何の通知を受けたのですか。いま三千八百億載っかっていますよ。しかし、それ以前はゼロですよ。あるいは百万円ですよ、名目的に。どういう通知を受けたのですか。大蔵省は内容を知らないのでしょう。
○福田(幸)政府委員 これは自動車重量税課税高ということでは税額を件数とともに把握はいたしております。ただ、税の構成が先ほどからおっしゃっているような仕組みなものですから、庁の方では関心がないと申しますか執行上の意味がないものですから、私は見ておりませんけれども、そっちの方に入ってないということでございましょう。そういうことでございますので、税の仕組みがそういうことであるというのが基本で、執行上の問題として税務統計にはどうなっているか、いま私拝見しますけれども、ないということがあっても関係ないと思います。
○沢田委員 これで時間をかけているわけにいかないのですけれども、要すれば、国税であり自動車重量税として規定されている法律である、しかし、国税の担当はこれに対して十分介入というか直接関係がない、こういう状態に置かれているし、諸統計の中においても、この取り扱いは不透明な状態に置かれておる。 大臣、これはいいことじゃないだろう、こういうふうに思うのです。国税でありながら全然よそのものになっちゃって、自分のところでは、不納になったときあるいは誤ったときだけが税務署長に直接連絡が来る。あとは通知を受けるだけである。こういう税体系というのはありますか。
○福田(幸)政府委員 登録免許税も同じでございます。 ここに書いてある小さな数字は、先ほどの税務署長が賦課したときの数字がここの数字です。ですから、あとは郵政特会の方から一般会計に入ってくるという仕組みでございますので、したがって、ここに挙がるのは税務署長が賦課したというのだけが庁の方は挙げておるというので、これから外れておるのは郵政特会を通じて一般会計に入るという仕組みであるからということでございます。
○沢田委員 そうすると、国税の審判所の提起に対する国民の権利あるいは義務、これはどうなりますか。
○福田(幸)政府委員 どういうことで不服審判にかかるかというのがまず問題であろうと思うのです。印紙でその場合に取っておりますので、そういう案件があるのかどうかというのがまず一つ。あと、ちょっと手続はいま調べますので、追って御報告いたします。
○沢田委員 これはまとめて取られますね。 それから、普通、税という以上は減価償却においても月数で割って処理をする。大体十二分の六であるとか、個人のものが半分使うとすれば十二分の六、あるいは大半が自分が使って事業用が少なければ十二分の三であるとか、減価償却等においても当然そういう措置が講ぜられておるわけです。この自動車重量税だけは二年証紙で納める。ところが、一年分は前納なんです。前納であれば前納報奨金が、普通完納報奨金といっておりますが、当然税金なら出る。四期に分かれて徴収されるものを一括して納めれば、いまの税法上前納報奨金は出るわけですね。しかもその翌年度の分まで一緒に納めるのですから、翌年度の公定歩合になりますかの利息の分は引いてもらえるのが当然ではないか。これがまず第一。 それから第二には、途中でそれを廃車にした。たとえば外国へ転任になった、だからその車は廃車しましたといった場合は、税である限り十二分の六として還付を受ける権利を保有しているのではないか。税である限りは、そういう権利を国民は持っているのじゃないか。だから、半年でそれを廃車にした場合においては、当然重量税の分は半分は税として還元される。とにかくぶったくり主義というのは泥棒よりひどい。少なくとも税である限りは一般の税と同じように扱われるのが当然ではないのか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 自動車重量税は、その課税の仕方からおわかりになりますように、車検のときに印紙で陸運事務所が取るという形をとっております。というのは車検の際に、その車が走る、まあこれは法的になりますが権利が設定されるということで、そこで課税をする車検時課税ということになっておる。その車検時課税は、道路走行の権利設定、われわれの法的な性格としてはそういうことになっていますので、その年税の考えがございません。 自動車税とか、そういう年税とか期間的な計算よりも、車検時においてその車が次の車検まで走れるということが設定されるということでございますので、期間に応じた一年とか半年とか、または廃車したまでとかいうふうな期間対応的な課税の仕方でございませんで、車検時における権利設定税というふうなことで期間対応的なものではないものですから、所得計算的な一期間とかいうものとの比較ができません。したがって最初のところの車検のところで課税する。しかも印紙税で賦課してそこで取る。途中で廃車があったら返すという関係の期間的な、所得計算的な、またはそれに似たものではないということでございます。
○沢田委員 それなら自動車重量税なんていう名前はやめて自動車権利金と名前をつけるべきだ。それはそういうことになるわけです。じゃ、その自動車が六年間の耐用年数で減価償却をするときには、いわゆる減価償却のところへ行けば、〇・二六なら〇・二六で償却がしていける仕組みになっているわけでしょう。権利金もそうなるというわけじゃないのです。 だから、これはいまここでやり合ってもしようがないのですが、一般の税法の考え方からいえば、前納をすれば前納報奨金が出るというのが従来のすべて税の原則です。これは権利金なんだから、車を使うという権利に対応して、あとはもう一銭も返さないのだ、運輸省にやらしているからそういうことになるのであって、これは道路財源との問題とも関係いたしますけれども、一般の税の原則に基づいて、途中で廃車届を持っていけばそれは返す、こういう原則になるようにすべきだし、それから前納の場合には前納報奨金を当然利息を考えて引いてやる、これはもう当然良識の問題ですよ。理屈の問題じゃない。良識だ。 その良識が行われていないのは、昔はぜいたく税的な物の発想が基本にあったわけだ。おまえは自動車に乗るんだから、ぜいたくなんだから、金があるんだから、このぐらいはしようがないやというのが権利金的な発想につながったのだと思うのです。ですから、権利金なら権利金で正確に位置づけて構わないと思うのですよ。それならそれなりにメリットとデメリットがあるわけですから。 ところが、自動車重量税とつけておいて税としての取り扱いをしない。これはやはり不当なものだと私は言えると思うのです。これはあなたとやり合うよりも、一般の税の原則に戻って、そういう還元措置を講じる道を見出してほしい。たとえば、いま言ったように、死んじゃった場合もありますよ。買ってみたら半年たって死んじゃった。自動車を廃車する。それでも納めたものは返ってこない。あるいは転勤になって廃車する場合もある。だから、それから翌年度の分の前納については少なくとも利息分程度は還付をしてもらうということは考えてほしいと思うのです。これはいかがですか。
○福田(幸)政府委員 その前に先ほどの御質問にお答えしますが、国税通則法の七十五条一項五号の規定にあります国税庁等以外の処分でございますので、それを真っすぐ国税不服審判所に直ちに審査請求するということになっております。 それからいまの御質問ですが、これまた考え方の立場はいろいろあろうと思うのですが、やはり車検時課税ということで、税務署が別個に課税するということではなくて、車検時に課税するということが、やはり行政の便宜から言っても、別に毎年毎年税務署が課税するよりも、車検時に一括してそこで印紙で取るというのが一番行政の便宜から言ってもいいわけでございますし、それは車検ということでその車は走れるわけですから、今度は法的に走れるという点に着目してますので、それが期間対応でないということは繰り返し申しております。それは減価償却的な期間計算では当然ない。したがって、途中で廃車しても還付しないというのがこの税の性格そのものであります。車検時課税であり、権利設定税であるということを繰り返しいつも申し上げておるわけであります。
○沢田委員 だから、それは間違っている。税として考える以上は、前納報奨金もあるんだし、そういうものもあるんだから、翌年度の分、今度は三年に延びる法律を出されてくれば三年分まとめて払うわけです。三年分まとめて払うんだから、両三年度の分は当然利息の分が還付対象になっていいじゃないか。あるいはそれだけ差し引いていいじゃないですか。あるいは廃車の場合については、それは幾ら道路の税に使うか、地方道路等に出すわけでありますけれども、だからといって、昔のような時代とは違ってきたので、今日ある程度ここまできたのですから、もうそろそろ税の本質に戻って、そして返せる仕組みというものを考えていってもいいんじゃないのか。 何でもぶったくり主義で、これは泥棒よりひどいんだから、とにかく泥棒は罪になるけれども、これは取ったって罪にならない。だから、これはとにかく考え方としてはひどい、私はこういうふうに思いますから、この点はぜひ考慮して、廃車するとかあるいはそういうような場合については、幾ら印紙であったとしても還付請求が出れば、廃車になればナンバーがなくなるのですから、はっきり証明書が出るのですから、そうすれば、それは十二分の六と、やはりこういうふうに措置していくことが、税という以上はそれが本質的なあるべき姿だと私は思います。 それから、前納した場合には、二銭五厘であろうと三銭であろうと、その金利で前納報奨金としてそれは払われてしかるべきである。税である限り、そういう体制が必要である、要件が必要である、私はこういうふうに思いますから、ここで言い合うんじゃなくて、ひとつ御検討いただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 これは従来からずっと議論がある問題です。それで、廃車のときにどういうデメリットがありという問題があろうかと思うのですが、車検の有効期間が残っておれば、その間残っておって譲渡するというときには、廃車はもちろん入れません だから、どういうところでそういうきしみがあるかという点は、実態をよく見ていいと思いますが、税の立場というのは重さに着目してますから重量税である。印紙で取っても税金は税金ということで、たとえば軽自動車税というのは保有課税だったのですが、したがって、従来、廃車したときには、月割り課税なものですから還付しておったのです。ところが五十六年度改正で、課税事務がめんどうだ、還付事務も、したがって課税事務の簡素化という趣旨から月割り課税をやめまして、むしろ廃車しても還付しないことになったわけで、やはりいまの課税の仕方が、行政の合理化という面から見ても、そのときにいただく。しかも還付のための事務量、それは税務署が直接やることの繁雑さもあわせ考えますと、やはりいまの制度でいいと思うのですが、どういうところに問題があるかについては、実態は検討してみたいと思っています。
○沢田委員 これはいわゆる財産税的な発想なんですよね。そのときにその財産があったから、それで金を納めなさいということなんですが、実際にこれだけ四千二百万台に近い車が出てきている実態になったときに、いまのような考え方では、それは不公平あるいは不満というものに連動してしまう。だから、車を買ったけれども、たとえば他に売りました。買った人が後は納めればいいんであって、売った人はそれで処理する。税である限りはそういうたてまえというものが確立されなければならぬのだろうと思うのです。 だから、いま言ったようなことで、あなた、車を運転できないのだろうから、きっとそういうことを言っているんだろうと思う。あるいはただ乗って歩いてばかりいるから、そういう発想が出るのだろうと思うのであって、それは、自動車がいまのような交通の常識になってきている段階においては、もう少し合理性を持たなくちゃいかぬ。しかも今度は法律が出て三年なんてなったらば、なおさらその合理性は必要になってくる、こういうふうに思いますね。 ですから、前納して前納報奨金が出ない、これもおかしい。廃車しても全然戻ってこないというのもおかしい。それを検討しないというんじゃ、ここでこれだけで終わってしまうようなことになってしまうのだけれども、それはやはり合理性を求めるという立場で御検討をいただきたい。いただきたいと丁寧に言っちゃったけれどもね。とにかく一応御検討していただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 これはやはり行政の合理化というか、むだがないようにということも大事だと思うのですね。 ですから、車検のときに課税を印紙でやるというのは合理性がございます。またそれは法律的にはいろいろ議論がありましても、そのときに、車検時の権利設定課税ということで、税務署が独自に毎年課税をやって還付していくということの繁雑さという問題も考える必要がありますし、また、それがどれだけの実益があるか。私も自動車は運転できます。私も自動車を持っておりますが、車検時における重量税の負担というのはそんな大きなものじゃございません。ほかの保険料とか車検の検査料自体が高い。二万五千円ぐらい小売りの最初のところで取られますけれども、むしろ保険料は返ってまいります。 そういう中での重量税というものは、やはり行政というものが別個に税務署が独自に課税して、毎年課税という概念をとるのが必ずしもいいのかどうか。私はいまの課税でよろしいと思いますけれども、せっかくのあれですから、どこでどういう方がお困りになっているか、実態を調べて、うちじゃ私は困っておりませんけれども、廃車してどういうところで、業者の方なのか、その辺よく調べてみます。
○沢田委員 それから、この法律における国税収納金等とは自動車重量税印紙に係る収入金を含む、こういうことで国税収納金整理資金に関する法律の中には含まれていますね。 だとすれば、この国税報告の中にやはりきちんと載ってこなければならない。それは、いままでの分は載っていない。五十四年度の分に三千八百億が載って、それから地方の剰余金は地方の剰余金で剰余金法に基づいて載っている。しかし、それ以外は皆ゼロなり百万円しか載っていない。だから、これは直接管理にするべきである、少なくとも国税収納金として扱う以上は国税収納金としての取り扱いを帳簿上も行うべきである、私はこういうように思いますが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 これは税で入ってきて、この本の五ページにはその税額が入っております。しかし税務署長の賦課のところは、先ほどのようなことでノミナルな小さな数字しかないのですけれども、税収としてはここで当然入っておるということで、御質問の趣旨はよくわかりませんが、税収としては重量税として明確に表示されておるということでございます。
○沢田委員 ちっとも明確になっていない。わざわざ項目も挙がっていなければ、それは五ページのは項目で、後の収納金のところ、滞納がどのくらいあるかとか、まあ滞納は印紙で納めますからゼロだというふうに評価することはできると思うのですけれども、とにかく統計的な数字は載っていない。しかも、それが一年間になるのか二年になるのか、年度の区分もない。二年間にまとめて納めるのもあれば一年間で納めるのもある。この辺の区分が明確になっていない。ですから、一応この法律にはそうなっているのですから、そういうことでやっていただきたい。これは今後の課題としてひとつ整理をして、一応わかるように項目を挙げて処理してほしい。一覧表には載っていたって、項目には挙がっていない。その年度分に該当するもの、二年分に該当するもの、この区分は載っていないでしょう。
○西垣政府委員 国税収納金の法律の中では、自動車重量税も国税収納金の中に含まれておりまして、したがいまして、国会に提出いたします決算資料の中にございます受払計算書の中では自動車重量税も明記してございます。
○沢田委員 それにあるといっても、わざわざ国税庁が出しているものになぜ載せないのかということを私は言っているわけです。国税庁が出しているのに、なぜそれを抜いているのか。自分の管轄外だから抜いているんだろう、こういうことで言ったわけですからね。 次に、大臣、勤労者財産形成のいわゆる貯蓄の利子の軽減の問題ですが、二DKの人が、子供がでっかくなったから三DKになる、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんと同居するためにどうしても建て増しをしなければならない、これが一つあります。 それからもう一つは、高度成長時代につくられた家というのは寿命が非常に短い。簡易住宅とまでは言わないですけれども、相当寿命が短い。耐用年数がもたない。それでどうしても一部建てかえをしなければならぬ。この場合に勤労者財産形成貯蓄は適用するのかどうかという問題です。
○福田(幸)政府委員 ちょっと御趣旨がわからないのですが、この財形のところの趣旨だけ申し上げてお答えにかえさせてもらいたいと思うのですが、人口の構成が高齢化すること等によりまして、公的年金を取り巻く環境が厳しくなるということは御承知のとおりであります。 〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕 その中にあって、勤労者の老後生活の安定を図るためには、老後の勤労者が年金形式で支払いを受けるような貯蓄の形成について、勤労者個人の自助努力を奨励援助する必要があるというような観点から、現在退職時まで認められている財形貯蓄の利子非課税制度を、年金形式で支払いを受ける者については、一定の要件のもとで退職後も継続することにより勤労者の老後生活の安定に資するということで、今回の改正はいたしておりますが、それとの関連での御質問なのか、いまのでお答えになるのか、恐縮ですが……。
○沢田委員 家はもうすでに建ててしまった。建ててしまった家屋の改築をする場合あるいは建て増しをする場合で、ですから、いまあなたのおっしゃっていることではない。 もうすでに二DKなら二DKで家はつくった、しかし建て増しをしたいあるいはおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住みたくなったという場合には別個に建て増しをしなければならぬ。その場合に、貯蓄の特別の非課税扱いが使えるかどうかという問題です。現行では家があると使えないのであります。特別措置の中で、それは使えるようにしなければならないのではないかというのが私の質問です。もし何なら後でいいです。じゃ、それはちょっとそのままに置いて。 国税の今度のあれは、還付が自動的にといいますか、入れたらばその中から還付ができるという法律の改正です。これは基本的に言うと、会計原則からいくと、財政法、会計法いずれも歳入は歳入をもってし、歳出は歳出の予算をもって支出をする、そこで差し引き勘定はしないよというのがいまの会計法のたてまえだと思うのですね。特に定める場合には行うことができるという項目はあります。確かにそこはあるけれども、この還付も、一般の庶民が使う還付ばかりじゃなくて大型に納める人たちの還付もある。これは、歳入は歳入とし歳出は歳出とするという原則を適用しているものは、大したことはない金額であるけれども、ここでは一億一千万程度の金額にしかなっていないのでありますが、それでも大型になってくると会計原則を崩す、こういうことになるのではないのか、だから基本はやはり守るべきなのではないかという気が私はするのでありますが、その点はどうですか。
○西垣政府委員 先生のおっしゃっておられますのは、財政法十四条の総計予算主義、これに照らしてどうだということかと思います。 現在のこの資金は、財政法四十四条に基づきます特例でございます。現在の規定は、還付金につきましてはこの資金から歳出歳入外として支払いを行う、還付加算金につきまして歳出予算に計上して歳出予算を通じて支払いをする、こういうことになっているわけでございますが、これは昭和二十九年にこの資金ができました当時からの制度でございます。 当時の考え方は、この資金が過誤納金の還付金等本来租税収入とすべきでないものを控除した、いわばネットの租税収入を歳入に組み入れるために設けられたといった趣旨にかんがみまして、租税の還付金等に係ります支払い利子、つまり還付加算金は性格を異にするということで、引き続き歳出予算に計上して、これを支払うことにしてきたわけでございます。 このような当時の考え方は、それなりに一つの割り切りでございまして、筋の通った考え方でございますけれども、いまの時点で見直してみますと、納税者の目から見ますと、還付金といい還付加算金といいましても、いずれも国から戻ってくる金でございまして、一体不可分のものであると見られているわけです。それから、国税通則法の五十八条で、還付金等を還付し、または充当する場合には、還付加算金を還付し、または充当すべき金額に加算しなければならないと規定しておりまして、本来還付金と還付加算金とば一括して処理するということにされております。 それからまた還付加算金は、税そのものの還付ではないにいたしましても、本税等の還付に直接派生する法律上の義務費でございます。それから、元来国税収納金整理資金が……(沢田委員「いいです。もうわかりました」と呼ぶ)よろしゅうございますか。そういうことで、私ども、この点につきましては財政審の法制部会にもかけまして慎重に検討いたしまして、財政法、会計法上全く問題がない、納税者サービスに資するということで割り切った次第でございます。
○沢田委員 確かに便利だし、いいと思うのです。ただ、これがいろいろと普及していきますと、便利というものは安易になりやすいものなのです。これは例外規定なのでありますから、それが普遍化されることを意味するものではない、あくまでも特例である。たとえば、次に質問いたします全共済の適格年金の問題、これも同じなのであります。 農林省おいでいただいておりますが、これを加えることには私は賛成です、結構だと思うのです。問題の一つは、いま言ったように全共済の一般勘定と一緒になっていく、こういうことのようなんですね。一緒になる。従業員の退職金の三分の一程度が企業年金ですから、積み立てられて、そして月に五万円なら五万円ずつもらっていく、こういうことなんですが、これが一般勘定、一般勘定というと全共済の事業活動、事業活動の収益金はそれを構成している組合員が配分を受ける権利を持つ。ところが、片一方は四十万に近い従業員の権利に属するべき金が蓄積をされて年金化して支払われる。これが同じ会計の中で一緒に扱われるということは、いまは便宜的でいいと思いますけれども、将来は大変問題を起こしやすい。 それは、金には色はついていないにしても、一方は従業員と年金に充当すべき金であり、一方は構成している一般農業組合員の利益に還元するべき金である。それが一緒になって扱われることは望ましい形じゃない。それは特別会計か何かをつくって資金運用するならする。こういうことで扱っていかれるべき性格のものである、こういうふうに思いますけれども、これが一緒に扱われるということは余り適切ではないのではないかと私は思います。これが第一点です。 それから第二点は、将来のインフレあるいは将来の農業、農協といいますか、そういうものの状態に対してどういう保障があるのか、その保障については大蔵省としては十分チェックしたのかどうか、その点農林省でも大蔵省でもいいですが、御回答いただきたい。 以上。
○古賀説明員 全共連の適格退職年金共済の資金運用に当たりましては、その効率性を確保するというような観点もございまして、従来におきます他の共済種類ごとの資金と同様に合同して運用するということを考えております。しかしながら、その運用結果につきましては、所定の基準に従いまして事業種類ごとにそれぞれ区分して経理するということを農協法上義務づけておりますので、特にこの方法が職員の不利益にわたることはないのではないかと考えておるところでございます。 第二点の、将来のことということでございます。この点につきましては、資金運用等に当たりましては、同じく農協法に基づきまして、かなり厳格な監督等もやっております。そういう中で、この事業が適正に運用されるように努力してまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○沢田委員 いまのお答えは、勘定は別にする、たとえば農業共済勘定では果樹勘定とか畜産勘定を分けていますね、勘定ごとの移動というのはないのですが、この場合は特別会計でもなければ、勘定も別にするとまでは言っていないようですが、勘定は別にするというふうに理解してよろしいですか。まあほっくりしているから、勘定は別にするということでありますから、ではそういうことでひとつやっていただきたい。 農協と言えば、従来高度成長時代には大変いろいろな問題を起こしてきたところです。私は何もそれをあばこうとは思いませんが、そういうような経緯にかんがみて、やはり従業員の権利に属するものはあくまでも別勘定として処理してもらう、そういうことは確認できますね。イエスかノーかだけで結構です。
○古賀説明員 御指摘を踏まえまして、明確に区分した経理をいたしてまいります。
○沢田委員 さっきの答えは出ましたか。
○福田(幸)政府委員 お答えになるかどうか、申し上げますと、財形貯蓄一般の御質問ということでございますと、これは勤労者の財産形成を目的とするものでありますから、その貯蓄を何に使うかは、これは自由で、したがって家の増改築ということについてそれを使っちゃいかぬということはない、こう思います。
○沢田委員 続いて、貸し倒れ引当金なんでありますが、金融業界では現在のところ千分の一、製造業で千分の三、これが実績ですね。卸、小売業で十三で法律を改正しているが実績は五、ここにある資料ですね。それから製造業は十のところが三、金融業は三が一、その他が八が四と非常な格差があるのですね。実態とかけ離れている。 それで、なおかつこれだけの貸し倒れ引当金を法律上充てなければならない理由はどこにあるのか。実際の実績がこの程度低い。金融業なんか三分の一、卸、小売商で見ても二・五分の一、それから割賦業であっても三分の一、製造業も三分の一、その他は二分の一。そういう実績の中にあって、なおかつこれだけの確率の高い引当金を充てなければならない理由はどこにあるのですか、お聞かせいただきたい。
○福田(幸)政府委員 貸し倒れ引当金は評価性の引当金だろうと思うのです。債務性じゃなくて評価性だろうと思うのです。ですから、評価をどうするかという問題があります。 その際に、繰り入れ率がどうかということを、実績そのままでいくか、それともその間、いまのようなアローアンスがあるのがいいかという御質問だろうと思いますが、これはサンプルで調べた税務統計からの調査が、いま御指摘になった、たとえば卸、小売ですと実績は千分の五である。現行は千分の十六ですが、これを二年間にわたって二割落とすということで千分の十三にいたします。これでやはり開きはあるわけですが、繰り入れ率というのは法定率でございますので各企業によってでこぼこがあるわけです。そこで、平均率で繰り入れる法定の率である以上、実績率自体にしたらもう引当金の意味はないわけですから、そこにこれだけの開きがあるということは、やはり平均値に対して実績を踏まえながら評価としてどこまで繰り入れていくかという判断だろうと思うのです。 これは、法人の事業活動の影響というのも考えなきゃいけないと思うのです。前回五十四年度も引き下げたのですが、これも二割引き下げております。今回も各業種全般にわたって二割引き下げたのですが、金融保険業は現在引き下げ中であるので見送っておりますけれども、たとえば金融保険業にとりますと、この中の金融業を見ますと、小さな貸金業あたりになると相当高い率を示すわけです。ですから、実績が高い場合には実績を選択できますけれども、いずれにしろ、このアローアンスがあることをもって直ちに過大な引き当てであるというふうに考える必要はないので、やはり評価性のものとしては、実績を踏まえながら現行のものを改正のところで二割落とすというふうな見直しをしたことは合理性がある、こう思います。 そういうことで、直ちに実績率そのものにするということではない、むしろそういうことでも結構であろう、こう思います。しかし、今後ともその辺は実態を踏まえながら見直しを適宜やっていくということであろうと思います。
○沢田委員 たとえば欠損法人といいますか、赤字になっている企業の数は六十六万ですね。欠損の金額は二兆八千百六十一億、こういうふうに出ているけれども、その中には、それぞれのこういう引当金を持って、なおかつこういうものが生まれてくるのですね。これは、言うならば経営者の姿勢の問題にかんがみて税法上甘くする理由の問題ではないですね。ですから、これは経営者の手腕あるいは力量あるいは努力、そういうものによって起きるものであって、税法上これによって優遇して救われるものではないのですね。でなければ、百九十万の中で六十六万もこの欠損金額が生まれてくるという根拠にならないと思うのです。これは要すれば経営者の力というか能力の問題だ、私はこういうふうに思います。 ですから、貸し倒れ引当金も現在、五十四年度ですよ、五十四年度の決算しか出てないのですが、三兆三千億も充てている。何もこんなに充てていることないじゃないか。いまも引き続きと言っておりますけれども、これはもう少し低目にして、倍と言ってもしようがない、一%のものは二%ぐらいで、金額にもよるのでありますが、その程度の割合にする。さもなければ翌年度欠損にしてもいいのですよね。翌年度その分オーバーしたら、それは損金に認めてやるという方法もあるわけですね。何も内部留保金で置いておくばかりが能じゃない。ですから、それはどちらにも行って帰る話ですから、あなたの説も全然否定はしませんけれども、少し過大であるということを言っているわけです。 これは引き続き検討するということですから、それを確認して次にいきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
○福田(幸)政府委員 引当金は会計制度としては正しいということがやはり前提にあると思うのです。制度は正しい。これは特別措置ではないわけですね。 その前提に立って、今度はその引き当ての繰り入れ率をどうするかですから、そこはやはり企業活動の阻害にならないことが大事であろうと思うのです。貸し金というものは回収のところは非常に不安があるわけです。ですから、実績はこうであるというときに各社ごとには振れがあります。業種ごとに振れがあります。そこをある幅を持っておくのが引当金のあるゆえんでありますので、どんどん落としていって実績に近くすることが正しいとは私は思いません。いまのようなアローアンスがあることが、むしろ企業としては貸し金についての不安を評価として適切に落としておるということでございますので、どこまで縮めていいのかということはめどはございませんが、いまの改正後の水準は当分これでいいのじゃないかというふうに考えております。
○沢田委員 そういうことを言うと若干また物を言いたくなるんだが、要すれば、たとえば金融機関一つを例にとってみても、現在の金融機関の貸付条件なんというものは絶対にロスが起きるようなことはない。ロスが起きるとすれば、名前はわざと挙げませんけれども、不良債権をつくっておるいままでの大生だとか平和だとか、とうとう挙がっちゃったけれども、とにかくそういうところが不良債権をつくってきた実績なんであって、それは役員の質の問題なんです。 いまの制度の中では、そんな不良債権が出てくるような要件はないのだ。訴訟とか何かの問題が起きれば、五千万の貸し付けがあったって一銭も出さない、何か争いが起きれば。それくらいのことで金融機関は、どっちが正当性であるかどうかわからぬが、中立性を守るということで金を出さないのです。そういうぐらいに厳しくやっていて、なお貸し倒れ引当金をこんな過大に評価するなんということは役員の質の問題なんです、銀行局長来てないけれども。平和だって大生だって徳陽だって東京だって、みんなそうでしょう。その根っこを探していけば、みんな役員の問題でしょう。誠備グループだってそのとおりでしょう。それは役員をやっている人の質の問題なんですよ。 だから、いまの組織なり形態の中からでは、そういうものは出てこない。そういうものを弁護するようなことを考えているということはけしからぬ。だから、それはもうとにかく縮小する方向へ、実態に合わせる方向へ考えていってもらう必要性があるんじゃないか。でなければ、六十六万の、欠損金額で二兆八千億も欠損を出しているところへ全然税金がかからないのですよ。それを大目に見ていくという制度は、しかも社内の内部留保金は五兆九千億、六兆円もあるんだ、益金処分で。このくらいある。配当も二兆二千五百億も払われている、全国的に見れば。役員の賞与は六千三百億くらいですが、そういうふうに払われている実態がある。だから、それで二兆円も三兆円も欠損金額があって、六十六万、百九十万のうちの三分の一ですよ、三分の一が赤字だということで税金ゼロなんですよ。 そういうところへ、何も内部留保金を浮かせるような仕組みを助長する必要はないでしょう。これは言うなら脱税を大蔵省が勧めているようなものです、結果は。三分の一が赤字だからということで、三兆円も税金を逃れているという実態あるいは配当で二兆円も逃れているという実態、これはもう少し認識してもらわなければ困るのじゃないかと思うのです。
○福田(幸)政府委員 またいろいろ申し上げたいわけですけれども、金融機関の場合別に弁護いたしておりません。 千分の十五というのが千分の三ということまで下げてきたわけですが、実際の貸し倒れがどうかということになれば、金融機関ごとにいろいろある。これは経営態度がどうかというのは、金融機関に限らず、貸し金の安全というのは商売としては考えなければいけないのでしょうが、ただ、現実という問題がございまして担保をとる、それで貸し倒れを防ごうとします。ところが中小企業あたりは、貸し倒れが非常に厳しく引き当てが考えられますと増し担保を要求されたり選別をされて、なかなか貸してもらえないという問題もうらはらにあるのです。 ですから、やはりそこは貸し倒れ引き当てを、内部留保をもっておるということによって中小企業が救われる場合もあるので、これを厳しくしますと、繰り返しですが、増し担保とか、選別をして貸さないという非常に厳しい経営態度をとって貸し倒れを防ぐということの弊害もございますので、経営上必要な範囲のアローアンスがある方が企業活動を活発にするということで、外国の例をまた言いますけれども、金融機関については日本のこの引当率は低い方でございます。ですから、そういうふうな貸し金の残高も当然金融機関は多いわけですし、そういうことを本来の仕事としておりますので、そこは経営の安全があって、そしてそこが活発に貸し付けを中小企業といえどもやるということの評価もしませんと、実績に合わせていくということ自体がいいかどうかは、よく判断をしながら今後検討したいということでございます。
○沢田委員 これ以上はつまらない、つまらないということはやることがつまらないのじゃなくて、話が詰んでいかないでしょうから、次へ行きます。 減価償却をこの三カ年間、財政再建まであるいは一兆円減税なりそういうようなものも含めて、景気の後退を防ぐというようなものも含めて、減価償却について一割程度でも一応これを下げる、下げるというのは延ばすということなんですが、延ばすということは可能じゃなかろうかというのが一つの考え方なんです。 現在、減価償却は五十四年度で十二兆八千億、その後の設備投資その他を含めますと、恐らく十五兆円を超えていると思うのですね。この十五兆円を超えている減価償却の割合を若干延ばしてもらう。そのことによって、言うならばいまの耐用年数についての臨時措置を講ずる、このことはある程度考えられるのではないか。この間ニュージャパンの火災がありましたけれども、ホテル関係の減価償却なんというのはきわめて甘過ぎますね。鉄筋でも二十五年。こんな耐用年数でやって、一般では鉄筋コンクリートで六十年か五十年ですね。ホテルの場合だけ特別短い。こういう条項もあるのですから、その辺を見直していけば、減価償却の分でも十分収益というか税金というものが上がってくるはずだと私は思うのですが、いかがですか。
○福田(幸)政府委員 減価償却は、やはりこれは評価性もしくは控除項目であるわけです。減価償却の全産業の償却率で比較しますと、日本の数字は大体外国と同じであるわけです。ですから、この辺、日本だけがここで償却年数を延ばすというようなことで考えますと、これはむしろ企業の活力をそぐというか、インフレ的な経営をやっているときに機械の更新とか再取得が困難になっているという問題もございます。だから、むしろこれは償却を早めるというのが世界的な方向でございまして、またアメリカを引くのはいけませんが、償却の年数を十、五、三ですか、十年、五年、三年というふうに、従来の年数に比べると非常に短縮をした政策をとっております。 ですから、これをむしろ延ばすというようなことで財源を出すということは、これは考えるのにはどうかな、いまの償却の率は大体外国と同じということで国際的な競争力も持っておる、むしろそこはもっと償却を早めるというのが世界的な動向ですから、おっしゃっている点についてはやはり問題があろうかという気がします。
○沢田委員 さっき大蔵大臣は、昔は消費は美徳であったけれども、これからはなるべく大切に使っていこう。確かに、エレクトロニクスとか半導体とかICとか新しいロボットの導入とかという場合の設備投資、これは別ですよ。あるものならなるべく使っていこうという時代にいま来ているんだろうと思うのですね。このことはもう時代認識として大体一致するところだろうと僕は思うのです。経営の合理化ということも、なるべくあるものを使って間に合わしていこうということも、今日の節約の一つになっているわけです。政府だってそうだろうと思うのですね。テーブルだって皆入れかえるのをまあがまんしておこうとか、自動車だってかえてしまうのをまあ少し延ばそうとか、やはりそういう努力をしなければ、それだけ採算が合って合理性が出てこないのですから。 だから、たとえば減価償却の問題にこだわらなければ、退職引当金とか貸し倒れ引当金とかどこかを詰めていかない限り、あっちもだめだ、こっちもだめだじゃしようがないんですね。だから、退職引当金も七兆もあるんですから、こんなに一度に退職が出るという状況でもないのですから、それを詰めるなら詰める、あるいは貸し倒れ引当金もある程度詰めるなら詰める、そのかわり減価償却を早めるなら早める、これも一つの論理ですよ。引当金や何かはそのままだ、これでも多くはないんだ、しかも減価償却はこれだけの金額がどんどんふえる、累積してくる。要するならば、これは積立金みたいなもので利益ですから。その減価償却についてはもっと早めるんだ。これはやはり時代の背景から見れば逆の発想だと私は思うのです。 まあしかし、これはやり合っても、どうも何でも出ているものは皆正しいんだというのじゃ話にならない。やはり少しは反省なり――ぶん殴ってやりたい気持ちになってしまうけれども、われわれも何とかこの財政の中からそれぞれのものをつくりながら、国民に奉仕していこうということで努力をしているんだから、金科玉条的に自分のやっていることは正しいんだ、後になってみれば直してみる、これじゃしようがないんだろうと思うので、やはりそういうことの方向で協力してもらう、そういう方向で努力してみる、そういうお互いの共通の広場をつくってもらわなければ議論にならないんですよ、どこもここもだめというのじゃ。 じゃ、これからどういうところなら考えられますか、言ってみてください。どういうところなら、こういう企業会計の中で、赤字法人の中から均等割をつくるとか、これは堀先生も前に言った説ですね。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕 六十六万の企業が欠損で二兆円も赤字を出しておいて税金を納めてない、全然ゼロでのさばっているというのも少しおかしいじゃないか、だから、そこには均等割程度は賦課したらどうかという提言もありました。やはりこれは不公正になってしまうんですよ。帳面づらでこれは赤字だ。それには減価償却があって赤字になる場合もあるんですから。じゃ、六十六万のこの法人の場合には減価償却はだめですよとかあるいは貸し倒れ引当金なり退職引当金はだめですとか、そういうペナルティーがつかなかったらおかしいですよ。そうしなかったならば、これは二分の一の会社が脱税しているということをわれわれは容認していくことになってしまう。これは、結果は帳面づらは赤字ですから、実際は資産があるかもしれないのですから、あるいは実際は利益があるかもしれないのですから、ですから、そういう意味において、そういう会計の中における検討をやってほしい。これは国民の期待だと私は思っているのです。いかがでしょうか。
○福田(幸)政府委員 企業会計というのは合理的計算をやるべき性格のものであると思うのです。いまお示しの貸し倒れ引当金も、評価性としては正しい、繰り入れ率を今回は直しておりますが、それを実績までという考え方はやはり問題があろうというのは申し上げました。 それから減価償却引当金は、同じく評価性、控除項目に近い。これは産業政策というか企業会計から見れば延ばすということは考えられない。こういう産業の近代化しておるときには、むしろ短かくするのが世界的動向であり、企業としてもそれだけの活力を持つという意味で、反対の方向はとれないということはむしろはっきり申し上げたい。 それから退職給与引当金、これは債務性の引当金です。これは債務をどう見るか、年金制度は今後どうなるかということをあわせて総合的な検討を要すると思います。今回取り上げましたが、その辺の議論が詰まらないわけですから継続検討です。 しかし、いずれにしましても、引当金というのは評価性もしくは債務性として合理的な計算過程ですから、その結果で赤字になるというのはやむを得ない、こう思います。そこで何か脱税をしておるということではない、企業計算の過程でそれが行われた、経費に落ちたということでございますので、それは会計としては正しいわけで、赤字法人問題はまた別の話であろうと思うのです。 法人が相当ありますけれども、その百四十五万の半分が赤字法人であるということはむしろ別の面から検討すべきで、その実態がどうであるかは国税庁等でいま検討いたしておりますけれども、その法人の所得を出さない形で個人のところの所得に分割をするのかどうかとか、その種の問題があろうかと思います。ただそこで、赤字法人にどう課税するかということになりますと、法人税というものが所得にかけるという受益応能の考えですから、その受益を国家から受けておるという外形的な形で課税するかというのは、地方税との関連もございますが、非常に基本的な検討を要すると思います。 いずれにしましても、いまの問題は赤字になる過程が合理的計算であるということとは区別しませんと、また赤字法人といえども、それなりの理由で赤字になっている場合もあります。そういうことをよく見きわめまして、その辺の内容を分析した上でということでなければ直ちに答えはございませんが、御指摘の点も十分に検討は続けていきたい、こう思っております。
○沢田委員 時間が大分詰まってまいりましたから、次の課題に入りますが、一つはギャンブルに対する課税、これは大蔵大臣も若干考え方を持っていたと思うのであります。イギリスでもあるいはその他でもやっているようで、現在の売り上げから見るとかけ金の四%くらい。アメリカあたりでは二〇%、西ドイツなんかではこれは三分の二%ですか十六分ですから、これはちょっとあれですが、若干ずつかけ金にかけている。だから競馬会、オートレースあるいは競輪、こういうもののいろいろな団体へいまいろいろ交付をしていますね。 これは、私はいわゆる第三予算と呼んでいるのですが、財投以外にいろいろな団体にお金が出ている。それを吸収して統一化したらどうだ、一元化したらどうだ。思いつきでやるのじゃなくて、こういう財政再建の折でもあるから一元化したらどうだ、これも一つの考え方。それから、ギャンブルにかけるのに四%程度かけていってみるということも一つの考え方だ。だから、益金の中の配分を政府で干渉するというのじゃなくて、ある程度、この三年間なり四年間は管理をしていかしてもらう、また財政再建が終わればそれはもとへ戻しても結構です、競馬会からも益金をとっているわけですから。それ以外の余った金は、適当に配分するのは待ってくれ、これは一応政府の方に納めてもらう、そういう意味もあると思う。 どちらを選択されるかは別として、このギャンブルについてある程度の物の考え方をしていかないと、痛さを分かち合うと言いながら、それは少し片手落ちということになるんじゃなかろうか。これは大臣からお答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 かねてから御激励がございますので、私もギャンブル税には大変興味を持ちました。事務当局にも検討させました。 その結果、結局は、いま二五%取り上げている、これが世界の水準より高いじゃないかという議論が一つあります。それから、それでは当たった人に半分だけ一時所得税やったらどうだ。ところが、当たった人が負けた人の紙をいっぱい拾ってきて、おれはこんなに負けた方が多いのだ、当たったものより負けた方が多いのだというようなことをやられると、これは自分の買ったものだか人の買ったものだか、負けたやつの証拠物件がみんなあそこに捨ててありますから、それはむずかしいじゃないか。それじゃ一律に上乗せしたらどうなんだということを言ったのですが、結局は政府・与党の中で話が時間的にもまとまらなかったということでございます。しかしながら、今後とも続けて検討したいと思っております。
○沢田委員 あと、一番問題になる土地の問題がありますから、土地の方に入ります。 土地の問題については、非常に多角的な問題なんでありますが、いろいろな方が聞いておられます。結論的になって唐突でありますが、四千万なり三千万なりという金額が果たして平等なのかしらという疑問なんであります。坪三十万円するところで買う人もいる、売る人もいる、五十万で売ったり買ったりするところもある、あるいは三十五万円ぐらいで売ったり買ったりするところもある。それをひとしく同じ国民を、それぞれの条件の差はあるにしても、全国一律の金で縛っていくということが果たして公平と言えるのだろうかというのが一つの疑問なんであります。 昔、私は質問の中で、寝てたって高くなるところは高くなるんだ、駅の前なんかになったらとたんに高くなる、これは居眠りしていようが何していようが高くなる、これは言うならば不労所得である、それは銀行ができたり駅ができたりして高くなったのだから社会に還元されるべきである、だから、それは税率が高くていいはずであるというのが前提の主張なんであります。それは本人の努力、汗があったり何かしたら別ですが、そういうものは全然ない、労せずして得る金でありますから、それは社会に恩返しをしてもらうというのが私の一つの前提になっている。 しかし、と言って、いまそれを、はいそうですかとは大蔵大臣も言ってくれそうもない。だとすれば、いまの中での公平を求めるということ以外にない。それなら、土地の価格に差があるのなら、買う方は家をつくりたいという立場でやるのですから、とすれば、家をつくるのに必要な面積を六十坪なら六十坪と仮定をして、それが市街化区域の中の住宅地区あるいは第二種なら第二種の住宅地区、そういうところで売る場合については、公示価格の三倍なら三倍とかというふうに決めて、それまでは免税、売る方もそれなら楽になる、買う方もそれなら楽になる、そういうことである程度弾力的に扱うことができないかどうか。ただ、四千万でいきますと、六十坪の土地を買っただけでは家も建たないし、どうにもならない。ですから、そういうことで一応の弾力性が必要じゃないか。青森を別に悪く言うつもりはありませんけれども、青森あたりの土地だったら、同じ四千万の金額で一町歩も買えちゃうのじゃないですか。そういうことをあえてやる必要性が果たしてあるのだろうかというふうな疑問に突き当たるわけです。 ひとつ国民の前に向けて懇切丁寧に、余り長くなく御回答いただきたい。
○福田(幸)政府委員 どうも難問ばかりで、お答えになるかどうかわかりませんが、いまの四千万というのは二〇%で課税された分でございますね。 これは、むしろ八千万のところで四分の三があったというのを取っ払ったということで、面積の問題はそこでは消えておる。だから、余り金額で区切っていくということをなくして、二〇%が四千万残っておりますけれども、上の方は二分の一総合ということで一律でございますので、今度のは金額基準はそこで落ちております。 ただ二〇%が四千万、その四千万を各地域で、じゃ面積でとなると非常に複雑な税制になりますし、もう割り切りの問題だろうと思うのですが、二〇%というのが四千万のところではそれほど低い税率ではないわけです。ですから、ここは金額でやっても実害がないといいますか、面積をとってもどれだけの実益があるかということで、むしろ上の方を取っ払って面積を考えない、金額はすべて率の二分の一で吸収されておるということで、御提案の趣旨もわかりますが、今度の改正としては面積を織り込むということは実際上制度としては仕組みにくいものであろうと思います。二〇%、四千万ということで一律でございます。
○沢田委員 私の言おうとしているのは、なるべく少ない土地を求めていく庶民大衆の立場で物を言っているので、不動産屋さんが大規模開発をしていくときに有利になる条件をつくるばかりがすべてではないという意味で、それの整合性の立場から言っているわけなんです。 ですから、大きくなれば大きくなるほど軽減されるという形よりも、どうしてもそこに住まなければならぬような人が、ある程度可住面積をとって住める条件というものはつくってやれないかしら、そういう意味で私は言っているわけであります。 これは、確かに公示価格にスライドをしていくということはむずかしいことだと思うのですよ。しかし、自動車重量税なんというのは重量でちゃんとスライドしているんですからね。何段階かに分けているのですから、その論から言えば三段階なり五段階は不可能ではない、こういうことにもなりかねないのでありまして、これはきょうすぐ結論の出るものではないかもしれませんけれども、じゃ実際に皆さんの職場にいる人の声を聞いてみてくださいよ。あなた方中央官庁に勤めて、今度は九州なんかに転勤になる人は、それはそれでいいかもしれませんがね、安いところへ行けるから。しかし、いる人はそうではないだろうと思うのであります。ですから、この点については今後の検討課題としてやってもらいたい。 次に、農林省と国土庁、建設省も来ておりますから、そこへ行きます。 市街化区域内における農地は、農林省管轄なのか、市街化区域と設定した建設省管轄なのか、その結論をお聞かせいただきたい。
○吉國説明員 お答えいたします。 お尋ねの御趣旨は、市街化区域内の農地に農地法上の規制が及んでおる点に関連してのお尋ねであろうかというふうに思うわけでございます。市街化区域は、先生よく御承知のとおり、おおむね十年以内に市街地化されるという趣旨で指定を受けておるわけでございますが、農地として残っております限りにおきまして、農地法上の必要な規制を及ぼしておるわけでございます。 その際、転用の問題につきましては、通常の許可制度にかえまして農業委員会に対する届け出制度になっておるわけでございます。そういった意味で農地制度上の関連も出てまいりますが、土地の管轄を各省の間で決めるといったような考え方に立っての仕分けというものは、現在の制度上では行われておらないというふうに理解をいたしております。
○沢田委員 建設省、同じく答えてください。
○田村説明員 市街化区域、市街化調整区域の区分は都市計画として行うわけでございますので、その都市計画の問題に関しましては、私どもの方でいろいろ公共団体と御相談しながらやっている、こういうことでございます。 その中の農地について、市街化区域の中に農地がたくさん残っておりますが、そういうところを計画的に市街化を図っていく、こういうことが市街化区域の趣旨でございますので、そういう方向で都市施設の整備については私どもでいろいろ努力しているということでございます。
○沢田委員 結果的に届け出という中身を今度はあえて詰めていきますと、市街化区域としては、そこは十年以内に市街化をして下水道をやったり都市施設を整備するところですということが、昭和四十五年に都市計画法を改正してやったわけですね。ところが、その中の農地という地目があれば、それが実態がどうであるか別の問題、農地という地目があれば農業委員会の許可をもらわなければだめだというのが現状ですね。しかし、この法律では届け出でいいということになっている。 届け出るということは、借りた人か買った人かそういうことは別問題として、とにかく届け出ればいいということになっている。ところが農業委員会に行けば、届け出というのには、住所氏名、それからそれぞれの、相続の場合は相続人の全部の氏名、十六人いれば十六人の判こをもらってこなければ農業委員会は許可しない。これは届け出と言えるかどうか、言ってください。
○吉國説明員 現在の届け出制は、御指摘のように、農業委員会に対しまして権利の設定または移転の両当事者が届け出をするということになっておるわけでございます。 ただいまの相続との関係のお尋ねでございますが、相続によって所有権を取得した方、共有になっておる場合があろうかと思いますが、その場合は共有者全員が処分権者でございますので、農地法上の権利の設定、移転を押さえておるという法制の趣旨からいたしまして、権利者すべての連署を要するという取り扱いをいたしておるわけでございます。
○沢田委員 だから、それを届け出ということになりますか。少なくとも相続権の中の介入あるいは許認可、許可、それがなければだめなんです。たとえば、ほかのきょうだいは全国に散らばっている、そこに居ついている長男なら長男が自由にできない。全国に散らばっている仲間の人に全部印鑑証明をもらって判こをもらわなければどうにもならない。そんなことが、市街化区域と決めて届け出と言えますか。これは許可じゃないですか、拒否権の発動じゃないですか。いかがですか。
○吉國説明員 市街化区域内農地の転用を届け出制にしております趣旨は、転用の是非について実質的な審査をしない。ただ届け出制でチェックをいたしておりますのは、小作関係等でとかくトラブルを生じやすい、地主が勝手に処分をしちゃったというようなことで、後日あらゆる関係者に深刻なトラブルが発生するというような事態をあらかじめ防止するという趣旨でやっておるわけでございます。 その際に、やはり権利の設定、移転に関します届け出でございますので、そのときどきの真正な権利者、所有者の届け出をしていただくという制度になっておるわけでございまして、その時点で転用しようとする、あるいは転用のための権利移転をいたします時点で、共有者がたくさんいるといった場合にはその全員の届け出を必要とする。ただ、相続の内容等に私どもは関与をしていこうという趣旨ではないわけでございますが、制度の性格上、真正な権利者からの届け出を要するという意味で一定の制約が加わるという関係でございます。
○沢田委員 あと時間がないですから。 昭和四十五年にこの法律ができるときに、建設省と農林省はお互いに意見が違って争った。農林省は、そんなものをつくるならつくってみろ、おれの方はそんなことは知っちゃいないぞというのが農林省。建設省は、農林省がぐずぐず言おうと言うまいと、これはもうこれでやらなくちゃならないのだというのが昭和四十五年の法律制定の経過です。それの紛争がいまだに続いているわけです。 それで、結果的に農林省は、市街化区域内における農地はおれの城だ、だから勝手にはさせませんぞというのが、いまの農業委員会の許可なり届け出なりになっている。これは民法への介入ですよ。届け出の限界を越えている。それをだれが相続するかしないかは家族の問題なんです。争いは家族の問題なんです。家裁へ持っていってすればいい。それを何も農業委員会が、おまえが正当な相続人であるかどうかを審査する必要はないと私は思う。少なくともこれは届け出という限界を越えている。だから、市街化区域に設定したということは、そこは市街化区域としていわゆる都市施設を整備してやろうという国の政策なんです。ところが、その国の政策に、おれの城だけは絶対ただでは動かさせませんよと言っているのが農林省の立場なんです。 法律は届け出ということになっている。届け出になれば、ここはこうこうこういうことで売買しました、あるいは宅地化をしますと届け出ればそれでいいのでしょう。ところが、その中の家族全部の判こまでもらってこなければだめだというのでは、これは行き過ぎということです。だから今度は、線引きの見直しが問題になってくるし住宅が建たない、あるいは市街化区域になってもどうにもならない、こういう問題を派生しているのじゃないですか。農林省は、この自分の管轄土地が全部市街化区域でなくなったと仮定すれば、農林省の職員が大分減ってしまうということになるかもしれないから、何とかその領域だけは確保しておこう、だからいま管轄が二重になっている、これが現状だと思うのです。 時間がないのですけれども、大蔵大臣は那須だからこのごろはよくわかるでしょう。今度新幹線の駅ができればこういう問題はまたいっぱい起きますから、よくわかるだろうと思うのですが、届け出というのは純粋な届け出でいいのではないか、少し介入し過ぎるのではないかという気がするのです。長男の人が代理でやって、たとえば家族の中で紛争が起きれば、それは分け前の問題になるわけですから、それは家庭裁判所なりあるいはその他の民法上の問題で処理すればいいのであって、そのことによって開発を拒否する、とめるというのは行政の行き過ぎではないかという気がいたしますが、大臣、これはいかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 一つの貴重な参考になる御意見だと思いますが、余りよくわかりませんし、他官庁のことに余り言及してもどうかと思いますから、この辺で遠慮をさせていただきます。
○沢田委員 遠慮と言っても土地税制を出しているのは大蔵省なので、その土地の税制をやっていくのに、これはやはりぶつかってしまうことなんですよ。だから、そういう意味において、いま土地税制を出して線引きなり何かいろいろ言おうとしているところについて問題があるのです。 あと二、三分しかありませんから次に移ります。 これも大蔵大臣には参考になる話になってしまうのですが、自治省の地方交付税ですね。これは農地、畑、たんぼそれから宅地、それぞれ基準単価を決めまして基準収入額を算定して各市町村に交付するわけですね。あなたの市は基準収入額の単価は幾らです、三万八千六百五十二円です、県へ行く、県の地方課は市町村にそれを落とす、それが基準収入額になって上がってくるわけです。ところが、宅地並み課税の問題ではないのですが、たとえばいまの市街化区域の中にある農地について特別安くすれば、その分は基準財政収入額が下回る。それでは困るから、これは宅地にぶっかけるというかっこうにならないと基準収入額は保てない、そうしないと地方交付税が減ってしまう。だから、市街化区域内における農地についても同様にこの問題はかかわり合いを持ってくるわけです。 そこで自治省に聞きたいのは、そういうことで減らしたのなら、たとえば農地を非課税にするならば非課税にしても結構ですが、それは基準財政収入額の減として扱ってもらうという原則を確立してもらわなくては困る、それが振りかわって宅地の方へかけられるという仕組みでは困るのだ、これが第一であります。 ちょっと長くなりましたけれども、自治省では基準財政収入額の算定の基礎を地方団体へ落とします。そうすると、市町村は固定資産評価委員会に諮って、宅地、畑、たんぼと、それぞれに価額を決めて、そして面積に基準収入額を掛けます。ところが、農地を少なくすればその分は基準収入額が減ってしまうわけです。収入が減れば地方交付税が減ってきます。それでは困るから宅地の方にかけるという形がとられては困る。それは政策的なものですから、当然その分は自治省の方の分の単価を下げてもらう、平均価額を下げてもらう、そういう必要性があると思うのですが、いまの市街化区域内の農地も同じなのであります。わかったようなわからないような顔をされておられるのだけれども、一応いままでの程度の話で、整合性を図るということで自治省からもひとつお答えをいただきたいと思います。
○湯浅説明員 交付税の算定に用います基準財政収入額の計算につきましては、まずその実体でございます固定資産税の課税がどういう形で行われるかということが基本になるわけでございます。そして、この固定資産税につきましては、田、畑、宅地、山林というような各地日ごとに、それぞれの市町村の実態に応じた計算をいたしまして、その評価額に基づいて課税をするわけでございます。 この場合に、市街化区域農地は一般の田畑とは区別した評価あるいは課税の方法をやっているわけでございますので、その分が仮に宅地並み課税の部分だけ減ったから、その分を宅地に割り掛けるとかあるいは田畑に割り掛けるというようなことは、理論的にも物理的にも実務的にもちょっとできない仕組みになっているわけでございます。これを踏まえまして交付税の基準財政収入額を計算するわけでございますので、ただいまのような御指摘は万々ないと思いますけれども、五十七年度以降の交付税の算定の具体的な方法につきましてはこれから検討するわけでございますので、ただいまの御指摘も十分踏まえまして、今後具体的な算定の作業に入ってまいりたいと思うわけでございます。
○沢田委員 一言だけ。それでは実態に合わせる、操作はしない、こういうふうに確認してよろしいですね。
○湯浅説明員 もともと地方交付税の基準財政収入額というのは、実態をそのままというよりも、むしろ理論的にあるべき税収額を計算するということでございますので、それぞれの団体の収入見込み額をなるべく的確に算定するというのが一般原則でございます。これを踏まえまして今後検討してまいるということでございます。
○沢田委員 時間がないので終わります。
○森委員長 次回は、来たる二十六日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十八分散会