石炭対策特別委員会 第13号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/08/19
会議録
○枝村委員長 これより会議を開きます。 今国会会期中、本委員会に参考送付されました陳情書は、石炭鉱業に係る電力用納炭枠の拡大に関する陳情書外五件であります。念のため御報告いたします。 ————◇—————
○枝村委員長 閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 石炭対策に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○枝村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じた場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○枝村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中審査案件が付託になり、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○枝村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○枝村委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は、初めに当面問題になっております北炭夕張新鉱の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 大沢管財人はきのう記者会見をして、二十一日にも正式な提案をする。そして、その骨子について大体説明になっておるわけであります。私は当然、管財人の選任の経過からいって、大沢管財人は正式提案する前に安倍通産大臣に必ず会って、いままで検討した事項について報告、了承を求めるものと判断したわけですが、そういう日程はすでに決まっているかどうか、通産大臣にお伺いいたしたいと思います。
○安倍国務大臣 大沢管財人はいま鋭意努力をしておられまして、最終的な提案の内容も煮詰まった、こういうふうに聞いておるわけでございます。かねがね大沢管財人からのお話を承っておりまして、提案に当たりましては私のところにも内容についての説明をしたい、こういうことでございますので、ごく近いうちにおいでになるのではないか、こういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 大沢管財人が、いわゆる旧労務債について三井観光を含む北炭グループに協力要請を続けてまいりましたことは、すでに大臣も御承知であります。また同時に大臣も、この旧労務債の問題については北炭グループが積極的な協力をするように強く要請をするし、またそういう努力をするという言明も委員会で行われておるわけであります。したがって、旧労務債の問題については、三井観光の山本社長から大沢管財人に、現時点では協力ができないということが正式文書ですでに回答されておりますことも通産大臣は御承知かと思います。したがって、この経過の中で政府が旧労務債の問題について三井観光を含む北炭グループに対して一体どのような積極的な行動を行ったのか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
○弓削田政府委員 ただいまお尋ねの労務債の問題でございますが、この労務債につきましては、自己の経営責任、こういうことで累積した債務でございまして、その性格上、三井観光を含めた北炭グループで誠意を持って対処する、こういうのが当然だというように私どもは考えているわけでございます。大沢管財人は八月五日に三井観光の山本社長に支援を要請されたわけでございますが、いま先生からお話がございましたように、十三日に三井観光の山本社長から協力できない、こういうような返事があったわけでございます。大沢管財人といたしましては、この回答につきましてきわめて遺憾である、三井観光を含めた北炭グループの猛省を促し、再検討を期待する、こういうことで記者会見でもお述べになったわけでございまして、私どももそういうふうに報告を聞いておるところでございます。 通産省といたしましては、労務債の処理につきまして三井観光を含めた北炭グループが大沢管財人の方針に全面的に協力するのが当然だ、こういうふうに考えているわけでございます。このため、通産省といたしましても従来から北炭本社に協力を求めてきたところでございまして、関係方面への協力要請につきまして、管財人の活動を支援するという視点から先ほど申しましたように再検討をお願いされているということでございますから、今後とも引き続きこの問題については協議が進む、こういうことで私ども期待しているわけでございます。そういう過程の中で通産省としては、従来もやってまいったわけでございますが、今後とも引き続き適切な対応策をとってまいりたい、こういうように考えている次第でございます。
○岡田(利)委員 旧労務債の処理の問題をめぐって北炭グループに協力を求める、そのグループの中に三井観光株式会社を含む、こういう政府の認識、すなわち三井観光開発株式会社に対する政府のそういう認識については、もう少し具体的に言ってどういう認識から出発をいたしていますか。
○弓削田政府委員 いま問題となっております三井観光開発株式会社でございますが、先生もすでに御案内のとおり、昭和三十三年に北海道炭礦汽船の不動産部門が分離独立をいたしまして、北炭社を主たる出資会社といたしまして北海道不動産株式会社、こういう名称で発足したわけでございまして、その後、昭和四十四年に社名を現在の三井観光開発株式会社に変更して今日に至っているわけでございます。いま申し上げましたように三井観光株式会社は、その設立の経緯等にかんがみまして、北炭グループの一員として北炭夕張社の労務債の処理についても最大限の努力をするのが当然だ、私どもこういうふうに考えている次第でございます。
○岡田(利)委員 三井観光株式会社の株数のうち、北炭社の持ち株は一七%、筆頭株主は札幌テレビ、STV、これは二九%程度でありますか、そして三井観光と札幌テレビの関係を見ますと、札幌テレビの筆頭株主は萩原吉太郎氏一〇%、第三位が三井観光株式会社で九・五%、そして社長の山本邦介氏が所有しているのは二・七%、これだけで二二・二%あるのです。もちろんあと上位には日本テレビ、読売新聞あるいは第一生命などが札幌テレビの株主となっておるわけであります。三井観光の副社長は萩原次郎氏で、札幌テレビの社長が三井観光の次長である。いわば三井観光の大株主はSTVと北炭社、これが大体過半数に近い四六%程度を占めている、こういう点にも実はわれわれは注目をいたしておるわけであります。 だがしかし、この三井観光グループの協力問題というのは、管財人としても相当努力をしなければなりませんけれども、総じて言えばこれは政治的な問題である、社会的な問題である、このような角度で考えることができるのではないか、私はこう思うのであります。そうしますと、三井観光グループの協力という問題は単に管財人に任せる問題ではなくして、いま部長が示された認識に基づいて、いま私が示した実態論に基づいて、政府自体も相当腹を決めてこの問題の解決に当たるという姿勢がさらに強められなければならない、こう思うのであります。そういう意味を踏んまえて、この際、通産大臣の旧労務債に対する北炭グループの協力問題についての決意、考え方を明確に示していただきたいと思います。
○安倍国務大臣 北炭夕張社の過去の労務債の処理につきましては、これは北炭グループ、その中にはいま部長も指摘をいたしましたように三井観光も含まれておりますが、この責任が非常に重大であると私は思っております。したがって、われわれとしても、労務債の処理に当たりましては、この三井観光を含めた北炭グループの協力がなければ処理できない、こういうふうに判断をいたしております。したがって、大沢管財人もそうした基本的な考え方でしばしば折衝されたわけでございますし、政府としても今日まで北炭夕張社を維持するために北炭グループにも協力を求めてまいりましたし、また北炭グループも協力をしてまいったわけでございますが、いよいよこういう段階になりまして、さらに一段とこの北炭グループの協力を強く求めなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡田(利)委員 実はきのう午後六時から、炭労と萩原会長、山本社長との交渉が行われておるわけです。この中で萩原会長が示した内容が幾つか報告されておるわけでありますけれども、大沢管財人に対する三井観光の文書による回答は、これは一切の協力、努力はもうしないと言い切ったものではない、こう言われておるのであります。しかし回答文書を見ると、「これ以上一切の協力はできない。」こうなっていて、この間に矛盾を感ずるわけであります。同時にまた、では協力、努力ということは具体的にどういうことが考えられるのかという点については、萩原会長は、国のあっせんとか銀行から低利の資金の貸し付けがあれば協力できないものではないなどということを一つの考え方としてきのう示しておるわけであります。したがって、大沢管財人に対する文書による最終回答ときのうの労働者側と萩原会長とのやりとりの内容を聞くと、こういう新しい問題が出てきておるということを参考までに申し述べておきたいと思うわけです。 同時に、その場合に述べられたことは、私は政府から何も具体的にただされたことはない、私ももし求められれば意見を述べる用意があるけれども、逆に政府と管財人の方で一定の路線を敷いてその上を走っておるのであって、われわれは一度も意見を聞かれたことがない、こういう言葉すらもきのうの交渉の中で実は述べられておるわけであります。 もちろん三井観光の実態についてもその機会に説明があったことは当然であります。こう考えますと、やはり政府自体も、北炭のいわば創設者といいますかトップ指導者であり、しかもグループの最も力のある三井観光の萩原会長、その方自身に協力要請をする。萩原さんに言わせれば、一回も私はそういう要請を受けたことがない、またわれわれの話も聞いてもらったことがない、こう言うのでありますから、この点についてきのうの交渉の経過を申し上げたわけでありますけれども、感想はいかがですか。
○安倍国務大臣 まだ大沢管財人から私、直接お話を聞いておりませんので、その間の経緯をつまびらかにしてないわけでありますが、ごく近くお目にかかりまして、大沢管財人からその間の実情を十分お聞きをいたしまして、政府としてやらなければならないと判断すればできるだけの努力は今後も惜しまないつもりであります。これまでは御案内のように、北炭の再建の問題は裁判所に任せられておる、そういう中で大沢管財人が本当に努力をし苦悩されながら、結論を出すために今日に至っておられるわけでございます。したがって、大沢管財人の手中にゆだねられておったわけでございますが、近くお話を承りまして、その上で政府として対応しなければならないと判断すれば、これは私としては、これまでもしばしば岡田さんにもお答えいたしましたように、何とかこの北炭問題も政府としてもできるだけ努力をして解決をして、そして今後山は残す方向で努力をしていきたいということを申し上げておるわけでありますから、そういう立場に立って努力はいとわない、こういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 いま私が述べた萩原会長の発言というものは、大沢管財人がもし直接聞いたとすれば大沢さん自身が頭にくる話ではないか、こう実は私は理解をいたしておるわけであります。問題はやはり企業の社会的責任という面で、この問題の処理がどうつくかは大臣がいまおっしゃるとおりきわめて重大な課題であります。大臣の決意もお聞きいたしましたので、その方向でこの解決のために全力を挙げていただきたいということを申し添えておきたいと思います。 次に私は、大沢管財人がきのう新聞記者会見で公式に発表している点から、それに関連して政府の見解をお聞きいたしておきたい、こう思うわけであります。 まず第一に、普通の更生会社と違って炭鉱の場合には政府が最大の債権者であるということ。石炭は政策から離れて炭鉱の経営は成り立たないわけでありますから、幾ら裁判所の管轄下の管財人といえども、政府と密接な連携とか打ち合わせがなくて一つの案というものができるものでないことは天下周知の常識であるわけです。きのうの記者会見の発表の内容によれば、すでに管財人と政府が詰めて合意に達したとも受け取られる内容になっておるわけであります。 そこで私は、それに関連してお聞きいたしたいと思います。大沢管財人は記者会見発表で、全員解雇、そして閉山はやむを得ない、こういう内容をすでに発表いたしておるわけでありますけれども、山の閉山というのはどういう手続がとられて、そして最終的にどういう形で閉山になるのか、今日の制度上の面から言ってどういうことになるか承っておきたいと思います。
○弓削田政府委員 ただいまのお尋ねの件、閉山とは法律制度的にどういうことなのか、こういうお尋ねでございます。閉山につきましては、実は石炭鉱山整理促進交付金という形で合理化臨時措置法に各種の規定を設けているところでございます。この閉山交付金は、その石炭鉱山におきます鉱業を廃止をいたしまして、その当該鉱業権または租鉱権の放棄による消滅の登録を受けた場合に交付することができる、こういうような規定がされているわけでございます。いわゆる閉山とは、鉱業が廃止をされ、採掘権の消滅を受けた場合を石炭鉱業合理化臨時措置法上の閉山、こういうことに法律的には規定をしているわけでございます。
○岡田(利)委員 その場合に、閉山申請する場合に当該労働組合の同意書を付して申請をしなければならないということになっておるでしょう。そして坑内を整理をして坑口を閉鎖をして鉱業権を抹消して閉山交付金が交付される、こういうことでしょう。ですから、いま私が指摘をした点がそのとおりであるとするならば、機械的に全員解雇という通告が行われるのではなくして、閉山をしたいということで意思表示をして、労働組合の同意を求めるための努力が相当期間行われる、このことがきわめて常識だと思いますけれども、いかがでしょう。
○弓削田政府委員 ただいま先生御指摘のございましたように、石炭鉱業合理化臨時措置法上で閉山をし、閉山交付金を申請する場合には、当然労働組合の同意が法律的に必要だ、こういうことでございます。
○岡田(利)委員 夕張新炭鉱の当面のフィールドの中で可採残炭量は幾ら残っておると計算をいたしましたか。
○弓削田政府委員 大沢管財人がことしの四月三十日に選任されまして、石炭業界の衆知を集めまして、技術的、経理的に夕張新炭鉱の生産の維持継続につきまして種々検討が今日までなされてきたことは先生御案内のとおりでございます。現在までの検討結果によりますと、現在の夕張新炭鉱の骨格構造の範囲の中で、いまお尋ねになっております残炭でございますが、これは、ガスの湧出だとか自然発火防止等の保安対策並びに坑道維持、通気、それから運搬の確保等、技術的にきわめて困難な面がございまして、そういう点で実はかなりむずかしい個所が多いというのが実態でございます。このうち、技術的に対応することがきわめて困難と考えられるような個所の残炭を対象とした場合におきましても、いまお尋ねの残炭というのは六十万程度の炭量しか残っていない、こういうふうに私ども実は承知しているわけでございます。 また、西部区域の上部に先生御案内のとおり平安八尺層という炭層が実は賦存しているわけでございます。この平安八尺層につきまして、現段階におきましてはまだ部分的にしか確認がなされていないというような状況でございまして、現在はこの炭量は三百五十万トン程度が計上される程度でございます。ただ、この平安八尺層につきましては炭量が非常に少ないということもございます。それから炭層自体の膨縮というのが非常にございまして、果たしていま夕張新炭鉱でやっておりますような機械化採炭が可能かどうかということについて技術的な難点もございます。さらに、十尺層と違いましてこの平安八尺層は一般炭でございます。手取りが非常に少ない、こういうことでございます。現在私どもが聞いている範囲では、この平安八尺層についても採算性につきましては非常にむずかしいいろいろな問題がある、こういうふうに聞いているところでございます。
○岡田(利)委員 私の計算によりますと、西部の第四切りかえの十尺ロングを除いて、西部を除いて中央部内と現在稼行の北第三上部十尺層ロング、この隣接と、すでにいま施業案を申請している南の上層ロング、これをずっと計算をしてまいりますと七十九万四千トンから九十万七千トン、こういう計算になるのであります。もしこれが一面体制で月二万五千トンで三十万トン採掘をした、これで計算をいたしますと二年六カ月から七カ月ないし三年もつ、一ロング体制、年間三十万トン体制、こういう計算が成り立つわけであります。 一方において露頭炭は長良が二十万トン、高松が十三万トンで、隣接の第一、第二を含めると、さらにこれにプラス四十五万ないし五十万トンと計算されるのであります。露頭一万五千トン計算でいきますと、月四万トン体制で年間四十八万トン体制、この体制は二年半ないし三年持続できるというのが私の計算で成り立つのであります。このことは技術的に可能であるというのが私の判断であります。その判断がぴしっとできるかどうかということは今後の問題を検討していく上で非常に重要であると私は考えるのでありますけれども、私のいまの意見に対して何か特に御意見がございますか。
○弓削田政府委員 ただいまの私のお答えの中で露頭炭についての説明が実は抜けていたわけでございますが、これは現在の鉱区内では二十八万トン程度でございます。 お尋ねの残炭の採掘の可能性の問題でございますが、炭量につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、冒頭にもいろいろお話し申し上げましたように、夕張新炭鉱の生産の継続につきましては、いま大沢管財人のもとで石炭業界の衆知を集めて検討がなされているところでございます。先ほど申し上げましたように、この検討グループの判断によりますと、露天、坑内とも残炭量が非常にいま限られている、こういうことでございますし、また坑内炭につきましては、保安、生産技術面でいろいろ先ほど申し上げましたような各種の問題点が実はあるわけでございまして、採算性についてはかなり困難な問題が多いというふうに私どもは実は理解をしているわけでございますが、最終的にはこの問題につきましては管財人の判断を待たざるを得ない、こういうことだろうというふうに承知しております。
○岡田(利)委員 わが国の炭鉱の常識から言えば、これだけの炭質の状況の中で能率は大体七十トン、七十トンで計算すれば必要人員はおのずから出てまいるのであります。そして、露頭炭を一万五千トン追加して、もちろん坑内のどの規模を維持するかということによって固定費が変わってまいりますけれども、そういう体制がとれた場合に、これが採算性に全然合わないということにはなり得ないのではないか。露頭炭との組み合わせを持っていく場合には、ある一定期間ぎりぎりの採算性は成り立つのではないのか。私の計算ではほぼ成り立つということでありますけれども、そういう点について政府の方は検討されたことがありますか。
○弓削田政府委員 ただいまもお答え申し上げましたとおり、その辺の先生御指摘の点も含めまして管財人の技術グループの中で検討がなされているものというふうに承知しておりまして、最終的には管財人の判断を待ちたい、かように考えております。
○岡田(利)委員 管財人は記者会見でも、いずれ会社更生法第百八十四条の一時営業休止の条項を適用する、こういう見解をすでに表明いたしておるわけであります。しかし、このケースの場合には常識的に、一時休止でありますから次に仕事が再開をされる、この前提がなければ一時休止というのは裁判所で認定するはずがないのであります。したがって、管財人がすでに述べておりますように、閉山の方式について種火を残す種火論というものがきわめて鮮明に今回の新聞の発表の中には出ておるわけであります。私は先ほど閉山の方式についてお聞きしましたけれども、もちろんこれは原則的な方式であります。それ以外にもいろいろなレアケースがあることは十分承知をいたしています。そういう前提に立ってこの種火論を考える場合に、いま私が指摘をした諸問題と関連をさせて説得力のある説明を十分にし尽くし得る、そういう内容でなければならないと私は思うのであります。 そこで、そういう内容についていずれ管財人から説明が行われるだろうと思いますけれども、地域経済というものを考えながら、大きな種火を残して、一定期間に新しい展望を持つかどうかという姿勢の問題が、今度の夕張の問題では一番重要であるわけです。そういう積極的な姿勢を持てるかどうかということが次への方式を決定する、私はこう申し上げて差し支えないと思うのです。 地甘の場合にも、一定のボーリング調査が終われば、坑口の位置を決めて、開削をして、三年間で一定の目標出炭ができるというのが炭鉱の常識であります。ここの場合にはすでに立て坑もあるわけでありますから、一定のボーリングを相当数行っているのでありますから、大体二年半ないし三年間の期間があれば、安定、安全、そういう面を十分確かめながら、骨格坑道を切りかえながら新しい展望を確立することができる、これが私は技術上の常識だと思うのです。問題はそういう積極的な立場に立つかどうかということなんですね。それは単に管財人のみならず、管財人と政府がそういう地域の経済問題を考え、そしてまた国民合意の方向を認識しながら、そしてわれわれが進めてきた石炭政策の基本的な路線に立ってそういう姿勢をとるかどうかということが一番決め手であります。私のこういう意見について感想はいかがですか。
○弓削田政府委員 ただいま先生が種々述べられた点につきましては、確かに検討に値する重要な問題だ、こういうふうに受けとめているわけでございます。 そういう意味におきまして、管財人のグループにおきましても、いまおっしゃいました諸点を含めて検討がなされている、こういうふうに私ども承知をしておりますし、また私どもも常にこれらの検討成果等につきましては管財人の技術グループとの間におきまして意見交換をやっておりますし、常々本委員会におきましても大臣が答弁をいたしておりますように、何とか山を残したいということでいま最後の努力がされているわけでございまして、いずれにいたしましても近いうちに管財人の結論が出る、こういうことでございます。それらの結果を待ちまして通産省としても所要の措置を今後考えてまいりたい、かように思っております。
○岡田(利)委員 特に会社更生法第百八十四条を適用するという物事の思考方向の中には、業界の協力体制という問題があるわけであります。大臣は業界の協力体制を要望しながら管財人の選任も行った、こういう経緯から考えても、業界の協力体制という問題があるはずであります。今日では管財人を補佐して、協会の副会長でもある大沢管財人を業界の方々が集まって技術的にいろいろ補佐している事実は認めますけれども、いわば体制的な協力、こういう面ではまだ目に見えていないと思うのであります。地域経済を考えて国民合意の路線を考えるという意味は、業界の協力体制というものが必要である。そのことはいま私企業、一資本が一つの炭鉱を経営しているケースとは変わってくるわけであります。私が常に言うように、安全であり、そして安定性を将来に持てること、同時にこの資源を活用する、地域経済を守る、国民合意の路線でなければならない、この五つの原則上から考えても、業界の協力体制は絶対必要である、こう思うのです。 大沢管財人の発表によりますと、種火論というのは、そして百八十四条を適用するということは、いわば塩漬け論の中で一定時間を置いて次への展望を図る、この場合に業界の協力を得る新しい経営体制を築く、そのことは国民合意の一つの路線として認識をされる、こういう組み立て方になっていると言わざるを得ないのであります。だが、それを私が前段で議論しているようにもう少し縮めてやれば、一定の間を置かないでその路線が実行できるではないか。それには労務債の問題がありますけれども、そういう綱引きがあるけれども、ここの体制がぴしっとできれば、業界の協力に対して政府も協力ができる。その中で初めて夕張新鉱のまあまあという与えられた条件の中における一つの再建の方向というものを切り開くことができるのではないのか、こう私は言わざるを得ないのであります。そういう意味で、今日時点で業界の協力体制というのは、いやもう全部首切って一回塩漬けしなければ協力しないと言っているのか、一定の労働者、地域の人々が合意をすればそういう方向は直ちにとれるという協力体制にあるのか、この点も相当詰めた経過があると思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 北炭夕張社の再建問題につきましては、石炭業界はこれまでも多大な協力を払ってきたところでありまして、私としましても、今後もその協力を心から期待をいたしております。すなわち、先般の管財人の選定に当たりましても、石炭協会の有吉会長が私の要請にこたえて大沢誠一氏を御推薦をいただいたところでありますし、また大沢管財人が北炭夕張炭鉱の更生の方途を探るべく技術的あるいは経理的な検討を加えるに当たっても、石炭業界の各社の協力を仰いでその衆知を集めて検討していただいておるわけでございます。 今後、大沢管財人の手によって北炭夕張社の更生の方途が探られるに当たりましても、やはり石炭業界の協力にまつところが大でありまして、私は石炭業界の協力なくしてはいわゆる今後の更生の道は探ることはできない、こういうふうに思っておりますので、業界も、これまでも協力していただいたわけでありますが、今後とも日本の石炭業界のためにあるいは日本の石炭のためにひとつ協力をしていただきたい。これは政府としても今後とも強く要請をしていきたい、こういうふうに思います。
○岡田(利)委員 今回の夕張新鉱の処理に当たって、大臣はしばしば真谷地、幌内に影響を与えない、そういう方向の中で本問題の処理なり解決に当たりたいということを熱意を込めて述べられておるわけであります。しかし、この問題の処理がうまくいかなければ、好むと好まざるとにかかわらず他に影響が波及する可能性が非常に強い、こう私は指摘をしておかざるを得ないと思うのであります。いずれ管財人から正式の提案が行われるでありましょうけれども、現時点でもこの処理に当たっては真谷地、幌内について影響を与えない、この基本方針は熱意を込めて述べられたように堅持されていくという点については変わりありませんか。
○安倍国務大臣 これまでも北炭夕張社が御承知のように更生決定を裁判所に要求したときも非常に心配をしたのは、この真谷地、幌内に波及をするのではないかということでありまして、政府としても地方公共団体あるいは関係の金融機関等に強く要請をし、政府みずからも努力をいたしまして、これが波及を避けて今日に至っておるわけでございます。そして、この点は今後においても最も重要な課題の一つである、私はこういうふうに思っておりますので、いま岡田委員の御指摘のように、私は全力を挙げてこの波及だけは食いとめなければならない、そのためにはあらゆる努力を惜しまない決意でございます。
○岡田(利)委員 時間がありませんから、あと二点で終わります。 これに関連してちょっとお尋ねしておきたいと思うのでありますが、今年度炭価の決定は、しばしば私が指摘するように、第七次石炭政策の発射台である、昨年と今年の二年間は発射台である、こういう認識で第七次の石炭政策が構築されておるわけであります。そしてこの問題は、夕張の問題やあるいはまた真谷地、幌内の問題にも当面関連があるし、あるいは北空知四山の問題にも今年度の炭価の決定の動向は関連がある、私はこう思うのであります。昨年は九月に決まっておるのであります。したがって、上期中には、九月中には炭価の決定が、基準炭価が公示をされる、こういう認識を私は持ちたいと思うのでありますけれども、第一点、この点がどうかという点であります。 第二点は、最近の円安傾向の中で、いわば一方においては灯油が値段が上がってきた。もうすでに九十六円、九十八円、こういう値段が北海道の場合には公示されておるわけであります。そしてさらに、最近の円安傾向がずっと続く中で再度油の値上げという問題がしばしば議論されておるのであります。そうしますと、今年冬には百円灯油、百円台の灯油が出る可能性が非常に強いというのが昨今の実情だと思うのです。 その場合に二つの問題があるわけです。一つは、油からある一定量の暖房炭への切りかえ、これを一体どう見て対応するかという問題。第二の問題は、電気料金の改定問題が、これは好むと好まざるとにかかわらず浮かび上がってくる可能性が非常に強いと見なければならない。もしこのままの、昨今さらに円が上がってきておりますけれども、一応現状程度の傾向が続いていけば、来年度の電力料金の値上げというものはもう避けられないのではないか、景気対策との関連も出てまいるわけであります。この点は今後の石炭政策を進める上においても重要な課題でありますので、この点について最後に承って私の質問を終わりたいと思います。
○弓削田政府委員 何点かの御質問があったわけでございます。 最初の炭価問題でございますが、先生御指摘のとおり、本年七次答申が本決まりになりまして、必要な合理化法の延長等もなされました。そういう意味におきまして、先生おっしゃるとおりことしは重要な時期だというふうに私ども実は考えているわけでございます。御案内のとおり国内炭の炭価につきましては、石炭鉱業合理化臨時措置法の中で毎年通産大臣が石炭鉱業審議会の意見を聞きながら、石炭の生産費、石炭の輸入価格あるいは石炭以外の燃料の価格等を参酌しながら決定をしていく、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、五十七年の基準炭価の決定に当たりましても、御指摘のありました七次答申の趣旨を踏まえながら、賃金あるいは採炭コストの動向、海外炭価格の動向等と合わせまして国内炭の需給動向等を考慮しながら、石炭鉱業の収支改善と国内炭の需要確保、こういう観点もあわせ考えながら基準炭価を決定してまいりたい、実はかように考えているわけでございます。 お尋ねの炭価決定の時期の問題でございますが、現段階でいつだということは明示できないわけでございますが、実は先週の金曜日にも需給・価格部会の専門委員会を開きまして関係者の意見を徴したところでございまして、私どもとしてはできるだけ早い機会に基準炭価を決定したい、こういうふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。 それから二点目に、灯油価格と暖房炭との関連の問題等につきましての御質問が実はあったわけでございますが、灯油の小売価格は総理府小売物価統計調査によりますと、東京の区部におきましては一缶、これは十八リッターでございますが、配達料込みの価格で、昨年十月以来この七月まで千七百四十円というラインで推移をしてきているわけでございまして、一方、札幌市などでは六月まで千六百五十円、こういう前後で推移してきている現状でございます。 なお、大部分の石油元売り会社におきましては、七月下旬から八月にかけまして六千八百円から七千円、これはキロリッター当たりでございますが、この値上げを各特約店に通告いたしたわけでございますが、果たして今回の値上げが末端の価格にどう影響していくか等につきましては、現在流通段階におきまして値決めの交渉が進行中でございます。現段階では、まだはっきり申し上げることが実はできないわけでございます。 灯油価格と関連をいたしまして暖房炭がどうだという問題でございますが、暖房炭の需要はいまから十年前、昭和四十八年度当時で年間百四十万トン程度の需要が実はあったわけでございます。以後、灯油の場合は御案内のとおり非常に使用に当たっての利便性があるということで、灯油の進出に押されまして毎年暖房炭の需要は減ってまいりまして、五十七年度の見通しは四十五万トン程度、こういうふうな数字になっているわけでございます。価格面では確かに暖房炭価格は灯油の価格に比較いたしまして三分の一程度でございますが、それでもなおかつ先ほど来申しておりますように、灯油の価格の変動いかんにかかわらず暖房炭の需要は減っているということでございます。こういうような最近におきます暖房炭の需要動向からいたしましても、私どもとしては、今後果たして暖房炭需要が灯油価格等の上昇につれてふえてくるのかどうか。これまでの傾向を見ますと、どうもその辺、そういうような状況にないんじゃないかというふうに実は考えているわけでございます。 それに関連しまして、暖房炭の供給の方でございますが、五十六年度で暖房炭の生産量は五十一万トンでございまして、そのほか一般炭に転用されているものもございますので、従来は減り続けておりますが、若干ふえることがあっても、いまの生産量で暖房炭の需要につきましては十分賄えるんじゃないか、かように考えている次第でございます。
○川崎政府委員 電力の方の料金改定問題が最近の円安傾向の中でどういうふうになっていくかという御質問に対しましてお答え申し上げます。 確かに為替相場、最近円安傾向が続いておりまして、これが電力会社にとって大変な収支の圧迫要因になっていることは御指摘のとおりでございます。ただ、今後の為替動向がどうなるかという点が非常に不明確でございますし、それから水の出方であるとかあるいは油の値段がどうなるかとか、原子力の稼働率、こういった他の諸コストの動向、これも明確ではございませんので、現在の段階で電力会社の収支を見通すことは困難でございます。ただ、私どもといたしましては、電力会社に対して一日でも長く現行料金を据え置くよう経営合理化の努力を一層強めてもらいたいということで常々指導いたしておるところでもございますし、電力会社といたしましても最近のいろいろな情勢にかんがみましてコストの削減を図るなど経営合理化の努力をやっておるところでございます。今後ともそういった意味で料金の据え置きについて努力を重ねてまいりたいと考えております。
○岡田(利)委員 私は、大沢管財人がまだ正式に提案をしてきていないきょうの委員会でいままで質問してまいったわけであります。少なくとも私の質問は、北炭問題の処理をするに当たっての五つの原則の上に立って、きわめて問題な労務者の問題、そして地元経済を考えた再建の方向、そして全体が理解をする受け皿論、それに対する全体の協力、この点を総合的に押さえなければ、地域の人も、働いておる労働者も、多くの人々を納得させることができない、こう思うのであります。まださわりたい点があるわけですけれども、余り微妙な点をさわるとかえって問題かと思いますので、むしろ私は避けておるわけであります。そういう意味で、私がきょう指摘をしたこの問題については明確に説得できるような内容でなければならないという点を特に最後に指摘をしておきまして、私の質問を終わります。
○枝村委員長 塚田庄平君。
○塚田委員 時間もございませんので端的に質問をいたします。 まず大臣、十七日に大沢管財人、粕谷代理あるいは斉藤、その他四名で、労働組合並びに職員組合に対してそれぞれ、労働組合は二時ごろだと思いますし、職員組合は四時か四時半ごろ、体系的にとうとうと、大体二十一日をめどに、具体的には五十七年九月十日をもって夕張炭鉱は閉じて二千名全員首だ、以下いろいろありますけれども、こういう内容の説明をしたことはまだ聞いてないですか。
○安倍国務大臣 大沢管財人が組合の皆さんと会われて、いまお話しのような点を述べられたということは新聞等においては承知しておりますが、大沢管財人とはまだお目にかかっておりませんので、正式にまだ聞いておらないというところであります。
○塚田委員 これは大臣としては少しのんき過ぎるんじゃないかと思うのですよ。ここ二、三日の新聞を開けば、いま言ったような内容の記事の出ない新聞はないのですよ。きょうなんかもすでに二十一日閉山通告というようなことが書かれております。大沢管財人が選任される経過からいっても、まず何といっても即刻通産はこれを知らなければならぬはずですよ。いや知っておるけれども、知らないふりをしておるのかもしれない。こんなことで、いま山は大変な状態にある。山を残すかどうかあるいは何とか努力をお願いするとか、いまそんな状態ではないのですよ。この点については大臣も若干留守の期間もありましたので、部長どうですか。あなたなんか、しょっちゅう相談を受けておるのじゃないですか。
○弓削田政府委員 ただいまのお尋ねの件でございますが、大沢管財人、四月三十日に選任されて以来、先ほども岡田委員の御質問に対して答弁をいたしましたとおり、いろいろな角度から種々の問題を検討されているわけでございまして、これらの内容等につきましては、十分連絡をとりながら実は進めているわけでございます。 ただ、いま先生御指摘のございましたような点につきましては私どもまだ大沢さんの最終判断を聞いていない、こういうことでございまして、いずれ結果についての正式な報告があるものと、こういうふうに期待をしておるわけでございます。
○塚田委員 管財人とは十分連絡をとりながらやっている、しかし、いまの段階ではこの十七日の件は聞いていない、こんなばかなことがありますか。いままでいろいろとやってきた中で、幾つかの節々がありました。だけど、十七日のこの会談というのは、あるいは組合に対する通告といいますか説明といいますか、決定的な説明なんですよ。いままで一生懸命連絡をとりながらやってきた。さあこの決定的な重要な段階になって、連絡を受けていない、いや聞いていない、これではだれが聞いたって言い逃れじゃないですか。
○弓削田政府委員 先ほどもその件につきまして大臣からお答え申し上げたとおりでございまして、先生御案内のとおり労働組合というのは当事者の一人でございますし、または債権者でもございますから、当然大沢管財人との間にいろいろな話があるということは想像にかたくないわけでございます。ただ、先生のお尋ねの件につきましては特段承知をしていない、こういうことでございます。
○塚田委員 そこまで逃げるのであったら、これは答えは要りません、私から具体的に言いますよ。 先ほど言ったとおり、九月十日をもって閉山する。全員解雇。就職対策、これも受け入れ可能な人員が出ております、四百十八名。あるいは撤収作業要員はどうするか。退職手当はどうするか。最後には、自後の閉山に関しては私は知りませんと言わんばかりに、あとは粕谷管財人代理あるいは吉井、斉藤両管財人補佐、その責任においてやる。ずいぶんたくさんありますけれども、きわめて具体的なんです。一、何々、二、何々。聞いてないとは一体どういうことなんですか。監督官庁として怠慢と言わざるを得ないのですよ。しかも、二十一日というとあさってです。こういう責任は一体どうするのですか。
○安倍国務大臣 さっきお話がありましたように、のんきにしているんじゃないかというお話でありますが、決してそういうわけではありませんで、私も北炭の問題というのはこれまでも真剣に取り組んでまいりましたし、これが大沢管財人の手によってどういう結論が出るかということは非常に心配でありました。それなりの情報もとっておるわけでございますし、いまお話しのような大筋につきましては、私も、恐らく事務当局も承知をいたしておると思います。 ただ、大沢管財人と私、まだお目にかかっておらない状況でありますし、大沢管財人から正式にお話がなければ、先ほども申し上げましたように正式にお聞きした、こう言うわけにはいきませんので、そういう答弁をいたしたわけでございます。私も、あるいは事務当局も何も知らないということじゃなくて、それぞれ努力をして大筋の点においては大体のことは承知をいたしておる、ただ、正式な大沢管財人からの説明を受けていない、こういう段階であることを申し上げたわけであります。
○塚田委員 それでは大臣に改めて聞きます。 あなたは、この北炭の問題については、いろいろな質問に応じて、何とか山を残す、この基本線は堅持するということを繰り返し答弁をいたしております。そこで現時点において、まあ現時点といいましても、あなた方は大沢管財人が組合と会った内容を全然知らぬと言うのですから、これは私の質問とこの辺で若干行き違いがあるかもしれませんけれども、この気持ち、この方策には変わりないかどうか、改めて聞きます。
○安倍国務大臣 私はかねがね、この問題が処理されるに当たって、やはり最終的には山が残る、山を残すという方向で決着をつけなければならない、こういうことを言ってまいりました。そのために努力もしますということを言い続けてまいりましたし、大沢管財人が選任されるに当たりましても、大沢管財人に対しても、非常に困難な状況であろうと思うけれども、何とか山を残すという方向でひとつ御努力を願いたいということもお願いをしておるわけでございます。大沢管財人もそうしたわれわれの気持ちというものも十分踏まえながら、これまでの長い石炭の経験者として衆知を集めながら努力をされて、ようやくその結論が出た、そして近いうちに私に対して正式な報告がある、こういうふうに理解もいたしておりますし、その結論につきましては、どういう形になるかということは、お目にかかって詳細にお話を聞かなければわからぬのですが、今後何らかの形で山を残していくというような方向は大沢さんとしても十分踏まえた上での結論が出されるのではないか、こういうふうに期待をしているわけです。
○塚田委員 通産大臣の言やよし。 結論を踏んまえてと言いますと、あるいは非常に突っ走った見解かもしれませんけれども、労働組合あるいは職員組合と会った一応の説明は、いま着々と手続が進められておる、そういう中で、それを最大限尊重してということでは、山を残すというのは山の皮と骨だけを残して肉はどこかに散っちゃうということしか私は考えられないのですよ。 なぜならば、この十七日の回答の中では、露頭炭を掘りながら幾らか息を継いでいくということなんです。露頭炭というのは六千カロリーで、しかも九百トンしか出てないのですよ。そういう中で、一体本当に山を残すということになるのか。名目的にはまだ掘っているのだから、残っているだろう、こう言うかもしれないけれども、大事な山は消えてなくなるのじゃないですか。こういう点は一体どう考えているのですか。
○安倍国務大臣 これは御承知のように、ガス爆発を起こした北部の炭層というのは、日本でも非常に有数な炭層であるというふうに私も聞いておるわけであります。その事故調査も終わったわけでありますし、われわれとしても、これからの石炭政策を進める上においても、こうした有力な炭田は何とか保持して、そして将来、開発しなければならぬ。しかし、もちろん技術的あるいは経営的な問題もそれに伴うものでありますから、国自身がやるわけではないわけですから、その辺が問題はあるわけでございますが、私が言っておりますのは、その北部の有力な炭田を将来やはり開発する、それは保安的に大丈夫だ、あるいはまた採炭が技術的に可能だ、経営的にも可能だというに至るには多少の時間がかかるのじゃないか。これは常識的にそういうふうに思わざるを得ないわけなんですが、しかし、それでも私たちははっきり目的をつくって、そして北部炭の再開発といいますか、そういうものに取り組んでいかなきゃならない、こういうのが私の基本的な考えで山を残すということであります。もう行き詰まったから、残炭もなくなったということで何もかもやめてしまうということでは、ああして亡くなられた方々に対しても申しわけないという気持ちで、いま申し上げましたような将来の構想、それは山を残すということであるということで申し上げておるわけです。
○塚田委員 だんだんと時間がなくなってまいりますが、これは石炭部から出た書類です。「大沢管財人から去る八月五日に三井観光開発山本社長に支援要請した同社による夕張社の未払い労務債の処理については、昨十三日、山本社長から大沢管財人に対し一切協力できない旨の回答があった。」さっき部長からは、協力できない、こういう回答だということなんですが、一切協力できないという回答かどうか。これは文書で来たはずですから、たしか部長は知っておるはずです。
○弓削田政府委員 先ほど協力できないという回答があった、こういうことを申し上げたわけでございますが、私ども、あの回答が出ました十三日にそれぞれ御案内のとおりに山本社長それから大沢管財人の記者発表がありまして、当省の見解としてまとめて関係先に配付したのが先生いまおっしゃっている文書じゃないかと思いますが、私ただいま山本社長から大沢管財人あての文書を持っておりませんので、それが果たして一切ということになっていたかどうかということにつきましては、後刻資料を調べまして御返答申し上げたいと思います。
○塚田委員 後日じゃもう遅いのですよ。言いましょう。これは「一切協力できない」じゃなくて、「短絡的に協力できない」、こういうことを書いてあるのですよ、部長。では短絡ではない協力というのは一体何なのか。そういう面から言うと、まだ三井観光と大沢管財人の間の詰めというか、私どもから言わせるとこれは非常に不十分だ。そして、こんなことは会社の内部の問題ですからあるいはこういう公式の場で言うべきじゃないかもしれませんけれども、世間的な常識として三井観光は萩原会長が力を持っているということはだれでもみんな知っているのですよ。では、なぜ一体、大沢管財人は直接本人に会って、一体どうなんだ、短絡的とは何か、どういうことができるのだという詰めをやらないのですか。あるいはまた、大沢管財人がそういう詰めをやるだけの資料を皆さん方が用意すべきだと思うのです。 ここで提案をいたします。通産省、大蔵省、運輸省、三省協力して、三井観光とは一体何なのか、どれだけのものが残っているのか、できるのにできないと言っているのか、そでがないので、ないそでは振れないと言っているのか、きちっとしたらいいじゃないですか。それでなくては、まず第一に二千人の労務者は承知しないですよ。先ほど岡田君から話があったとおり、組合が承知しなければ、これはもう閉山はできない。最悪の事態になるのです。だれでも納得するような調査とその結果に基づいた交渉をやる、それをあなた方が手助けをしてやる、これが本当じゃないですか。この点についてひとつ答弁を願いたいと思います。
○弓削田政府委員 先ほど来からお答え申し上げておりますように、先生御指摘の文書の回答があった段階で、大沢さんも、この回答をきわめて遺憾だとしながら、なお三井観光に対しまして再検討をするようにというような申し入れも実はされているわけでございます。私どもといたしましては、こういうことを受けましてさらに労務債の返済等につきましてしかるべき協議が行われることを実は非常に期待もしているわけでございます。通産省といたしましては、労務債の処理につきましてはあくまでもその労務債の性格上、三井観光を含む北炭グループにおきまして対応すべきものだというふうに考えているわけでございまして、ただいま先生がおっしゃったような点も踏まえまして今後適切に対応してまいりたい、かように考えております。
○塚田委員 いま提案したことを踏んまえて進めるというふうに私は受け取ります。 さて、労働省来ていますね。昭和四十八年の一砿の閉山から続いてずっと逐次労務債が重なってきているのですけれども、この間一体労働省としてはどういう措置をとり、どういう対策を立ててきたかということなんです。延々十年間にわたってまさか腕をこまねいて払ってもらうのを待っていたわけじゃないだろうと思うのだ。退職金が来なければ困るのは明らかなんです。しかも年々それは累増してきている。そういう中で一体労働省は、法律に照らしてもこれは大変な事態なんで、どういう措置をとっているか、答弁してください。
○野崎説明員 北炭関係の監督指導の状況でございますけれども、未払い賃金が発生するようになりましてから、北海道労働基準局、それから所轄の労働基準監督署、もちろん最重要な監督対象といたしまして再三再四にわたり監督を行ってまいったわけでございます。具体的に申し上げますと、最近では、たとえば昭和五十四年三月には、当時の退職金の未払いが二十六億ございましたけれども、これについて是正の勧告をする。さらに五十五年の二月についても当時の不払い三十二億について是正の勧告をする。五十六年五月におきましては、当時は五十一億になっておりましたけれども、これにつきまして是正の勧告を行い、それぞれ支払い計画を出させましてその履行を迫ってまいったわけでございます。現実に一部ずつの支払いは行われたわけでございますけれども、同時に退職者が発生いたしますので、その退職金が累増するということで、残念ながら今日のような巨額な退職金の未払いを生じている、そういう状況でございます。
○塚田委員 残念ながらと言っても、十年間毎年毎年累増していって、いま五十六年、五十一億九千六百万と言いましたね。五十七年は驚くなかれ六十三億なんですよ。六十三億五千一百万。これは五十七年三月現在です。このように、あなた方が勧告しました勧告しましたと言っている反面、どんどんどんどん累増していっている。しかも十年間たっている。こんなことで一体勧告する当局のメンツが立ちますか。何の勧告ですか。勧告やったって、十年たったって一度も実施したことないじゃないですか。毎年毎年やっているのは恐らく時効中断のためにやっていると思うのですよ。ただそれだけのものなんです。こんなことでは今日のような事態が来るのはあたりまえなんです。どうなんですか。
○野崎説明員 ただいまも申し上げましたように、是正勧告によりまして一部ずつは支払われた、しかしながら、その後の退職者の増加によって累増をしていったということでございます。私どもといたしましては、会社を再建する中で、この未払い労務債を解決するということで労使が御努力をしておられる、さらに現実にも支払いが困難と認められるというような事情もございましたので、それ以上の強い措置をとることは現実的でないということで差し控えてまいったということでございます。
○塚田委員 時間もありませんので、私はしゃべりっ放しで終わります。 先ほどの十七日の労働組合、職員組合との会合の中で、六番目にこういうことを言っております。「爾後の閉山に関する具体的事項については粕谷管財人代理」云々、私はこれを読むと、もう閉山通告をやって、それでおれの任務は終わりだと言わんばかりの逃げが見えるような気がしてしようがないのです。しかし管財人選任の経過からいって、私は最適の管財人だと思います。したがって、山の再興まできちっと見届けて、そして去る場合には去っていく、少なくとも山がつぶれるということを目の前にしながら、あとはおまえがやれということのないように、またそういうことをさせないようにひとつ御指導を願いたい、こう思います。 以上をもって終わります。
○枝村委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 昨日の夕刊の報道によると、小松資源エネルギー庁長官は十八日、国会内で自民党の二階堂幹事長と会い、昨年十月、犠牲者九十三人を出したこの北炭夕張炭鉱について再建を断念する見通しを明らかにした、こういうことでありますけれども、これは通産省として明らかになっておるわけですか。いま小松さんはおりませんけれども、石炭部長はよく御存じですか。
○弓削田政府委員 ただいまの先生の御質問の件につきましては、実は私も長官に同道してまいりましたので、よく承知をしておるところでございます。 先生お話しの幹事長と会見云々は、北炭に関します最近の状況報告と、いずれ近日中に管財人におきまして最終判断が出される、こういうことを報告したような次第でございます。
○岡本委員 その後、大沢管財人が記者会見をして、この閉山の提案を組合にするということを打ち出しておるわけです。それから、先ほどいろいろ聞いておりますと、大沢管財人と通産省は絶えず意見交換をしていろいろとやっておるということでありますから、この諸般の状況を見ますと、閉山を決意しておるというのは、これは通産省としての明らかな方針じゃないのでしょうか。その点いかがですか。
○弓削田政府委員 大沢管財人と私どもの間に頻繁に折衝がある、この件につきましては先ほど来お答えしたとおりでございますが、大沢管財人の最終結論というのは、まだわれわれいまのところ承ってない、こういう状況でございます。
○岡本委員 正式に承っていないのに、その見通しを先に二階堂さんに、自民党の幹事長に報告しておるわけでしょう。こういうことを見ましても、いままでの審議あるいは経過を見ましても、大沢さんというのはまあ一介の事務屋みたいなもので、三井観光にいろいろ注文をつけに行ったり、そういうことで、最近なれ合いというのが非常にはやっているわけですけれども、結局通産省の意見、通産省の意向を踏まえて動いているようなわけですよ。先ほどからの審議の過程を聞いておりましても、通産大臣は極力閉山を避ける、これは私たち申し入れたときもそうおっしゃっておったけれども、結論というところへ来ましたら、とてもこれは再建できない、だから一遍閉山をしてそして縮小してまた次やるというようなところに、通産省としてはもう決意をしたんじゃないですか。それをいまになって、まだ大沢さんから正式なことを聞いてない。大沢管財人に正式なことを言わせるというのは、あなたの方で事務でちゃんとつくって、それでいい時期になったらこれを言えと、こういうようにとらざるを得ないわけですよ。したがってその点、まあここでもう一遍はっきりしてくれと言いましても同じことばかり言うと思いますけれども、事務当局ではすでに二階堂幹事長に、もう閉山の見通しですよと報告しているわけです。あなたはそのことを知っていたか知ってないか知らぬけれども、大臣が知らないのにそんな勝手にするわけにいかないと思います。そうすると、あなたはまだ山を残すと言うと、私は非常におっしゃることに相違があるように感じられてならない。この点、御感想いかがですか。
○安倍国務大臣 北炭夕張社については、これは私がいまさら申し上げるまでもないのですけれども、裁判所において更生法に定められたところによってこの方針が決められることになっておるわけで、その裁判所から大沢さんが正式な管財人ということで選任をされたわけでありますから、大沢さんがみずからの判断でやることは当然であって、その間にいろいろの方の意見も聞かれるのは当然であると思いますし、あるいはまた通産省とも連絡をとり合うのも、これも私は当然だと思います。しかし最終的な結論は、もちろん大沢管財人の責任において行われるわけであります。そしてまた私も、管財人の選考が非常に難航した際に有吉石炭協会会長にお願いをして大沢管財人の推薦をしていただいた、こういう経過もあります。そういう中で、大沢管財人はこれまでの経営歴から見ましても最適な管財人であると思うわけでございます。したがって、近く行われるところの、大沢管財人の持ってこられる結論に対しては、これはやはり全面的に尊重しなければならない、こういうのが私の基本的な考えです。 ただ、その中にあって、しばしば申し上げておりますように、これはいろいろな形があると思います。形があると思いますが、何とかやはり山を残していくという方向で努力をしてもらいたいということは言い続けてきましたし、私もそれを今日主張してきておるわけですから、大沢管財人もそういう立場でいろいろと努力をされて、そうして結論になっておるのじゃないか。しかし、いろいろとむずかしい事態がありますから、そういう中での結論であって、私としては大沢管財人のその結論というものを尊重せざるを得ない、こういうふうに思うわけですし、党の方へ連絡をしたというのは、いろいろと新聞等でもう出ておりますから、そういうことについて党の方の関係者も心配するのは当然ですし、そういう経過を説明をした、こういうふうに私は理解をいたしておるわけであります。
○岡本委員 さらに、けさの報道を見ますと、「通産省は十八日、北炭夕張炭鉱の大沢誠一管財人が同日の記者会見で、会社更生法一八四条を適用、事実上閉山を提案する意向を明らかにしたことについて「全面的に受け入れ、支援していく考え」でいる。」というのが小松エネ庁長官のお話なんですね。ということは、もうちゃんと一つのシナリオが書かれているわけです。大臣のおっしゃっているのは、どんな状態で残すかという、要するに一遍全部解雇してしまって、そして百八十四条に基づいて一遍休止する、休止しておる中で、残っておる、まだ北部の方が残っていますね、これを再建する、ということは山を残す、こういう考え方の含みが入って、どういう状態でも残したい、こういうふうにおっしゃっているのですか、いかがでしょうか。その点ちょっと。
○安倍国務大臣 私も詳細な山の状況というのはもちろんよく承知をしておらないわけですが、しかし残っておる炭層というのは、あそこでは爆発を起こした北部しかない、こういうことですから、あとは露頭炭とか、あるいは平安八尺層というのが採炭可能かどうかという問題があるわけでしょうけれども、そういうわずか残された炭であって、いよいよこれから将来にわたって非常に可能性のある山というのはもう北部しかない、こういうふうに思うわけです。これは事故を起こしたわけで、あれだけの犠牲者が出たわけですが、相当な炭量があるわけですし、また優秀な炭質でもあるわけですから、これをそのまま放棄するということは犠牲者に対して申しわけないわけですし、それだけの有望なものがあれば、これだけは何とか続けて開発ができるようにしなければならぬというふうに基本的に考えておりますから、そういうことを具体的に言えば山を残すという意味において言っているということは、これはそのとおりでございます。
○岡本委員 この点は、時間がありませんからこのくらいにしておきます。 次に、昨年十月のこの事故、時間がありませんから細かいことは言いませんが、これは人災なのか。もうすでに渡辺教授からの報告を受けていらっしゃるわけですが、人災なのか、それとも不可抗力な天災なのか、この点を通産省はどういうように考えておるのか、これをひとつお聞きしたい。
○福原政府委員 昨年十月の夕張新炭鉱のガス突出事故につきましては、事故調査委員会の調査報告書によりますと、当該区域が地質条件から見まして非常にガスがたまりやすく、かつ抜けにくいところであった、加えて予兆あるいは前兆と見られる現象が幾つか事前にあった、その結果から判断してガス突出の原因は当該区域のガス去勢が不十分であったという結論を出されております。 予兆、前兆はあった、にもかかわらず事故を起こしたということは、これは人災ではなかろうかというお尋ねかと存じますが、山鳴りとか発破の前後に伴いますメタンガスの急激な増減というような前兆、予兆と申しますのは、これはあれば即ガス突出につながるというものでもございませんし、作業中にそういう山鳴りがすることがございます。果たしてこれがその予兆に対して警戒を怠って災害に結びついたかどうかというようなことにつきましては、現在担当検事の指揮のもとにおきまして札幌鉱山保安監督局で調査中でございますので、その結果を踏まえまして鉱山保安法その他に違反するところがあるかどうかということを調査中でございます。
○岡本委員 この点ははっきりしていただきたいのです。ということは、すでに捜査当局もこの渡辺鑑定をもととして、人為的なミスか、すなわち人災であるか、こういうような指摘をして十月をめどに立件していこうというような非常に厳しい状態ですね。ですから、いまあなたもおっしゃったように、これからまだ検討しますというようなことではならないし、同時に、私はなぜこれを言うかといいますと、今後こういうような事故を起こしてはならない。山ではたびたび事故が起こるわけですから、事故を起こすたびに何人かのとうとい生命が亡くなるわけですから、はっきりした結論と今後の対策をちゃんとしていかなければならぬ。そのためには余りいいかげんな検討課題でそのまま送っていくということにならないようにしていただきたい。もう時間がありませんから、これだけを要求しておきます。 最後に労働省、どうも閉山が確実のように考えられるし、また通産大臣の話を聞いておりましても、もう一遍北部を再建するというようなことも含めた山の閉山ということのようでありますから、そうすると約二千人に余るところの従業員の皆さんの将来、こういうことを考えますと、労働省はこの方々の就職についてどういうようにお考えになり、どういうように手を打つつもりにしておるのか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○増田政府委員 離職者問題につきましては、実はこの管財人の閉山提案を受けまして労使の交渉が行われるということが予想されるわけでございます。その交渉におきましては当然いま先生おっしゃられましたように労働組合側としては閉山反対、雇用継続というふうな御主張をされるかと思いますので、いまの時点で私どもが大々的に離職者問題を取り上げますと、その労使交渉に差しさわりがあるということも考えられますので、私どもとしては離職者対策ということをこの時点で公にするのは時期尚早だというふうに考えておりますが、いま先生おっしゃられましたように最悪の事態を予想いたしまして、私どもといたしましては内々そういった事態に備えての準備はしております。労働省の中に離職者対策本部というものを設けまして、地元の北海道庁と連絡をとりながら、過去の炭鉱離職者対策の経験を生かしましてきめ細かな職業相談あるいは求人の確保に努めますとともに、各種の援護措置や職業訓練制度の活用によりまして再就職の促進に最大限の努力を傾注してまいりたいと思っております。
○岡本委員 時間が来ましたが、最後にちょっと聞き忘れたので、この閉山交付金ですね。会社更生法第百八十四条、営業の休止、こういう場合は閉山交付金が満額出せないというような報道があるわけですが、通産省としてはこれはどのくらい計算して、もう恐らくちゃんと終わっていると思うのですけれどもね、あなたの方でちゃんともう閉山を決めておるのだから。大体どのくらいの積算になっておるのか、ひとつこれだけをお聞きして終わりたいと思う。
○弓削田政府委員 ただいま先生お尋ねの閉山交付金の問題でございますが、先ほども岡田委員の御質問に対してお答えいたしましたように、閉山交付金につきましては、鉱業を廃止し、その鉱業に係る採掘権または租鉱権を抹消した、こういうときに閉山交付金を交付する、こういうような制度内容に実はなっているわけでございます。まだ大沢管財人からの正式の回答もない段階でこういうことを、いま、ただいまの先生の御質問に答えるのはいかがかと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、交付金の申請内容を見た上で十分われわれとしてその辺の数字の算定をすることになるかと思います。いまのところ正確な数字をここで申し上げる段階でございませんで、実は交付金の算定につきましては一人一人の労務債等を中心にして積み上げていくというようなことでございますので、それをやらないと正確な数字は実は出てこないわけでございますが、ただ同社の場合には、たしか五十五年の四月に同社に所属します清水沢炭鉱というのが閉山をしたことがあるわけでございますが、そういうような過去の例を踏まえて計算、これはあくまでも概算でございまして正確な数字じゃございませんが、大体三十億程度ぐらいにはなるんじゃないか、こういうふうに思っております。
○岡本委員 まだ二分ありますから、最後に通産大臣にちょっと要求があるのです。それは大沢さんも一生懸命がんばっておるわけですからね。あなたも一遍三井観光の会長、萩原さんに会うて、何とかひとつ協力してやってくれ、協力できないか、あなたの口からも一遍話をしてもらいたいと思うのですよ。そうしてやはりそっちで一応決めておっても、閉山はなるべくなくして、今後の石炭対策もありますし、ひとつこの点は大臣、おれの省と違うぞなんと言いましても、これは閣僚ですから、特にあなたは福田派の有力なるプリンスなんですから、あなたの方から言うてもらえばあるいはまた相談に乗るかもわからぬ。その点をひとつ要求いたしまして、よろしゅうございましょうか。
○安倍国務大臣 大沢管財人が非常に熱意を持って交渉に当たっておられますが、先ほどからの御質疑にありましたように、いまは非常に悲観的であります。しかし私は、この労務債というのは非常に心配をいたしておりまして、私としてできるだけのことはしなければならぬ、こういうふうに考えております。
○枝村委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 先ほど来より、昨日ですか大沢管財人が記者会見で発表された内容等との関係で通産省はどこまでかかわり合いを持っているかという点でのいろいろな質問がなされておるわけでありますが、そういう立場から二、三点お尋ねいたします。 この十三日に管財人の大沢さんが三井観光開発からの資金協力に対する拒否の回答をもらったということで、八月十四日一斉に各マスコミで取り上げられてもう閉山は必至という形ですべて任されたのは御承知のとおりでありますが、そういう中で通産省としては、大沢さんが十八日、昨日記者会見をされるということについては事前に知っておられたのかどうか、その点はいかがですか。
○弓削田政府委員 昨日の大沢管財人の記者会見でございますが、直前に実はこういう会見をやるということの連絡がございました。
○小渕(正)委員 それでは次に、正式には二十一日に最終的な結論を出すという形にはなっておりますが、実質的には十八日、昨日の記者会見での発表で大筋はもう変わりはないというふうに大方これは理解するのが常識だろうと思うわけですが、そういう点で二十一日までの十八日にあえて記者会見でこういう発表をしたというのは一体どこに真意があるのか、大沢さんとしてはどのようなあれを持たれてこういう措置をとられたのか、その点については通産省としてはどのように判断されていますか。
○弓削田政府委員 昨日の記者会見につきましては、私どもが承知しておるところによりますと、記者クラブの会見に応じて記者会見をされた、こういうふうに実は聞いているわけでございます。私どもとしては、大沢管財人が現段階におきます状況を記者に発表されたもの、こういうふうに理解をしておるところでございます。
○小渕(正)委員 経緯はいろいろありましょうけれども、しからば昨日発表され、今日これはもう非常に社会的に大きな問題になって取り上げられておるわけですが、二十一日の正式発表までの間にまだ何らかの事態の変更はあり得るというような意味も含まれてそういったものが考えられるのかどうか、それとも二十一日にいきなりこういったショッキングな発表では余りにも影響が大きいので、ショック療法といいますか事前に少しこういったものをある程度もう結論づけ的な意味で流すという意図的な一つの方法からこういう二段論法的な方法を採用されたのではないかとも思われるわけですが、そこらあたりについてはどのようにお考えですか。
○弓削田政府委員 私どもといたしましては、大沢管財人がどういうお考えで記者発表されたか、その辺の真意についてはよく理解できない点もあるわけでございます。いずれにいたしましても、本件夕張新鉱につきましては、非常に数多くの困難な問題があるわけでございまして、大沢管財人としては近日中にも最終的な方針を固められる意向であるというふうに私ども承っているわけでございます。その結果につきましては当省に報告されるもの、こういうことで理解をしているわけでございまして、先生がコメントされましたような段階にはまだ至ってないというふうに考えているわけでございます。私どもといたしましては、大沢管財人が管財人として選任された際の経緯もこれあり、また管財人として選任されました以降におきまして、保安の確保と安定経営が可能かどうかということを判断基準としてこれまでいろいろ検討されてきたわけでございまして、今後近日中に出されます大沢管財人の判断につきましては全面的に支持をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○小渕(正)委員 正式にはまだ大沢管財人から通産省に対する報告がないのでということを一つのよりどころにされて話を交わされておるわけですが、要するに今回のこういった報道によって見ますと、通産省当局としては大筋においてはもうこういった方向はやむを得ないということで了承しているというか、そういう形でマスコミでは報道されております。それとあわせて、読売等を見ますと、速やかに対策本部を設置して、連鎖倒産の防止とか、再就職あっせん対策とか、地域経済対策とか、いろいろなそういったものにも取り組まなければならないということまでが実は報道されておるわけであります。 そういった経緯等を考えますならば、たとえ二十一日の正式な報告はなかったにいたしましても、今日までの作業の進捗状況の中で連絡を受け、通産省当局としての何らかの感触を示しながらこういうことが続けられてきたのじゃないかというふうに考えるのが当然だ、われわれはそういうふうに思うわけであります。そういう立場から考えまして、先ほどもちょっとお尋ねしましたが、まだ最終的な判断じゃないので若干変更の余地があるかどうかという意味についての感触としては、率直にお尋ねいたしますが、いかがにお持ちですか、その点をお尋ねいたします。
○弓削田政府委員 何度もお答え申し上げておりますとおり、大沢管財人から近日中に夕張炭鉱の更生計画案の方針についての説明があるものと期待をしているわけでございます。この山を取り巻く環境は非常に厳しいことだけは私ども承知しているところでございます。
○小渕(正)委員 では再度踏み込んでお尋ねしますが、きょうのサンケイの中では、「北炭夕張ついに閉山へ」という記事の中で、「今後も難問山積」という中にいろいろな記事があるわけでありますが、特にその中で、こういった一つの方向はもう八月の初めに裁判所側と大体の方向が打ち合わせられていたというようなことが書いてあるわけであります。その中に、北部鉱を近い将来、再開発するという保証を政府から得られることが前提である、しかしながら、まだ現段階では政府からこういった保証が不十分なのでという記事があるわけです。したがって、考えられることは、二十一日までの間にこういった意味での最終的な詰めといいますか、通産省と大沢管財人との間におけるそこらあたりの接触といいますか、まだまだ余地があり、なおそういった問題が残されておるのじゃないか、こうわれわれはこういった記事の中から推測するわけでありますが、その点についてはいかがですか。
○弓削田政府委員 北部開発の問題についてただいま先生からコメントがあったわけでございますが、北部をやる可能性等につきましては、ただいま管財人のもとで技術的に経理的な検討がいろいろ進められているわけでございます。これらを含めまして間もなく結論が出る、こういうことでございますが、北部開発につきましても、保安問題を含めまして安定的にあの地域を開発するための非常にむずかしい問題があるということは私どもも承知しているところでございます。
○小渕(正)委員 承知されておるでしょうけれども、あえて十八日にこういう発表を行われ、しかも正式には二十一日に最終的な結論を発表されるという形になっているわけでありまして、そういう日程的な面その他いろいろな動き、流れというものを考えますならば、少なくとも大沢管財人としては何らかの感触を得られて初めて腹を決められるということで、その間の期間としてこういう日にちがあるのじゃないかというふうに私どもは推測せざるを得ないわけでありますが、きのう大沢管財人が記者会見で発表された以後現在まで、大沢管財人との接触は続けられているのかどうか、その点いかがですか。
○弓削田政府委員 昨日記者会見がございました以降につきまして、大沢管財人と私どもの間の接触はいまのところございません。
○小渕(正)委員 公式の場ですから余り多くは申し上げませんが、しかし通産省としては、二十一日までただ座してじっとおるということではないと思います。そこらあたりについては可能な限り行政側としての接触を持ち、助言その他まだそういった余地がいろいろあろうかと思いますが、そこらあたりに対する構えといいますか考え方はどういうふうにお持ちなのか、お尋ねいたします。
○弓削田政府委員 先生御指摘のとおり、近日中に大沢管財人の決断が下されるものと思っておるわけでございますが、その間におきましても大沢さんとしては私どもの方といろいろな接触を重ねて最終結論を出されるのではないか、かように考えます。
○小渕(正)委員 先ほどもちょっと触れましたが、通産省は対策本部を設置して連鎖倒産防止その他いろいろな対策に万全を期していかなければならぬというのが通産省としての当然の心構えだ、そういうものが記事に出ているわけであります。いまの段階でその点についてお尋ねするのはどうかという気もいたしますが、確かに今回北炭夕張を閉山することによって、関連会社関係に対する連鎖倒産のおそれなしとしないという要素をはらんでいるのは間違いないと思います。そういうもの等についての対策として、もし最悪の事態になった場合には、行政側としては具体的にこのような対策を講じていきたいというようなものが現在の段階であれば、お示しいただきたい。全然なければないで結構ですが、いかがでしょう。
○弓削田政府委員 大沢さんの結論がどう出るか、いろいろ仮定に立ってのお答えでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいというような気持ちでございますが、さしあたり私どもが非常に心配しているのは、同じグループの中での真谷地炭鉱なりあるいは幌内炭鉱の波及の問題でございます。御案内のとおり、この両炭鉱につきましては、夕張社に対して融資あるいは物的担保の提供を行っている以外に、北炭社を含めまして四社の間で相互に連帯保証関係にある等、きわめて密接不可分な関係があるわけでございまして、昨年十二月、夕張社が会社更生法に基づきます手続の申し立てをした際にも、われわれはこの影響等を心配しましていろんな対策を打ったわけでございますが、今後ともこの辺は一番大きな問題として所要の努力等を行ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○小渕(正)委員 次に、労務債の問題について、労働省にお尋ねいたします。 先ほど来も、この労務債の問題に対して労働省としての指導がなまぬるいのじゃないかという意味での御指摘等の御質問があったようでありますが、現在まで過去債務としてのものが約百二十三億七千八百万、その内訳を見ますと、現在北炭に在籍されている人たちの分が六十九億、現在やめられていっている人たちの分でも五十四億六千八百万ですか、約五十五億、こういうふうな労務債の処理をどうするかということが、大沢管財人が決断をする大きな一つのきっかけになっておるわけでありますが、今回もし閉山ということを仮定するならば、新たにまた五十八億ほどそういったものが発生する、こういうふうな非常に膨大な労務債、ちょっともう異常といいますか、考えられないような状態でありますが、この中で、賃金確保法によって対象とする労務債は大体どの程度あるのか、その点はもし数字があればお知らせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤説明員 お答えいたします。 労務債の総額その他につきましては、裁判所ないしは今後どういう計画になるかということで決まってくるわけでございますが、ただいま先生御質問ございました賃金の確保等に関する法律、この法律は、企業が倒産等になった場合にどうしても労働者の方の賃金等が不払いになる、当面の緊急の生活の維持にも困るというような場合に、使用主にかわって立てかえ払いをするという制度でございますが、これにつきましては、当面緊急の生活費というような考え方から、一応一般の労働者の方の賃金の三カ月分程度というような形で、現在最高限度額は約四十八万八千円という制度になっているわけでございます。そういうこともございまして、今後の計画、大沢管財人の出されます最終的な計画で万一退職者が出られるというような事態、それからいろいろ計画の中でどの程度労務債の支払いがなされるか、それのなされた後の未払い額につきまして、先ほど申し上げましたような限度額で立てかえ払いが行われるということでございますので、現実に幾らになるという計算は現在できないわけでございますが、そういう限度額で、今後退職なされる方、たとえば二千人というような数字になりますれば、最高限それを掛けた数というような金額になろうかと思うわけでございます。
○小渕(正)委員 それで、最後になりますが、大臣にぜひお願いしたいわけであります。 いまも申し上げましたように、労務債が現在でも百二十三億。しかもその中では、もう早くから会社をやめられていって退職された人たちの分だけでも約五十五億円はある。これはまさに異常という言葉を通り越した実際に異常な状態であります。今回のこの北炭新夕張鉱の会社更生法に基づく整理の仕方の中でも、このきっかけは労務債の処理の問題でございます。政府は毅然とした態度をもちまして、少なくともこれらの労務債についてだけは北炭グループとして責任を持って処理しなければならぬというような意味での、社会的にも十分そういった政府としての姿勢を示すということが一番大事な問題じゃないかと私は思います。そういう意味で、政府のそういう立場からの毅然たる態度で今後ひとつこの処理に当たっての指導をやってほしいと思うわけでありますが、その点いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 旧労務債については、これはこの性格上やはり北炭グループが責任を持って処理をしていただかなければならぬ課題であろう、こういうふうに思います。もちろん、北炭グループとしても非常に厳しい財政状況にあることはわれわれ承知いたしておるわけでありますけれども、そのままにして放置しておくわけにはいかないのじゃないか、大沢管財人もそういう点で再三にわたって北炭関連グループ、特に三井観光に対して善処要請をされてきておりますし、政府としても重大な関心を持っております。そういう中で、さらに大沢管財人の努力、さらにまた北炭グループの努力を心から期待をいたしておりますし、私としてもその間にあってできるだけのことはしなければならない、そういうふうに考えております。
○小渕(正)委員 では、終わります。
○枝村委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 当面緊急な問題にしぼって、きょうはお尋ねをしたいと思います。 昨年私たちは、あの大災害が起こってから、安全な職場を確立しながら首切りなしでこの山が再建をされるようにということを願って私たちなりに努力をしてきたわけでありますけれども、現状は、先ほどからお話があっておりますように二十一日にも閉山の提案があるのではないかというような事態に立ち至っております。私はこうなったことを大変残念に思っておるわけですけれども、こういうような労務債を山ほど抱えて、貯金の支払いについてのめどもほとんどない、そしていままでの退職金もほとんど未払いのままで終わってしまうということになりかねないひどい閉山というのは、いままでもずいぶん炭鉱の閉山というのは続いてきましたけれども、ほとんど前例がないというふうに聞いているのですが、そうかどうか、まずちょっと確認する意味でお尋ねをしておきたいと思います。
○弓削田政府委員 先生いまお話しになりましたように、非常に深刻な事態でございまして、こういうケースというのは余りないものというふうに承知しております。
○小沢(和)委員 そこで大臣にお尋ねをしたいと思いますのは、政府の姿勢であります。いままで私が聞いておるのでは、大沢氏が出した結論を政府としても尊重するというか支持して、一緒になって努力をする、こういうような言い方をされておったように思うのです。しかし、大沢氏はいま閉山という方向を出すだろうと言われておりますし、私もいまの状況のままでいったら、これは大沢氏としてはそれ以外の選択の方向がちょっとないのじゃなかろうかという感じもするわけです。だから、結局のところ政府が、大沢氏が結論を出したら尊重するというふうに言っていることは、この閉山の方向というのをやむなしというか、認めるということにこれは通ぜざるを得ないのじゃないかと思うのですけれども、そういうことなのかどうか、お尋ねをします。
○安倍国務大臣 近いうちに大沢管財人から、結論について私に対して説明があることになっておりますが、私はかねがね、大沢さんが選任されるときも申しておりますし、その後も引き続いて発言をしておるわけでありますが、大沢さんは管財人としては最適の人じゃないか。そうして、今日まで数カ月にわたって衆知を集めながら努力をされてきておるわけでございまして、その結論を私どもとしては全面的に支持をしてまいらなければならない、こういうふうに考えておるわけです。
○小沢(和)委員 いや、だから私がお尋ねしているのは、そういう姿勢でいったら、結局のところ、もうあと一両日のうちに閉山ということにならざるを得ないような状況にいまなっているのじゃないか。それを大臣としても仕方がないというふうにいまの時点ですでにお考えになっているのかとお尋ねしているわけですが、いかがですか。
○安倍国務大臣 大沢さんの結論は、これはもう苦しい中での選択であろうと思います。その選択について、私はこれを支持してまいりたい、こういうふうに存じます。
○小沢(和)委員 私は、それではいかぬのじゃないかと思うんですよ。やはり政府としては閉山を何としても食いとめるという立場から、いまの段階で最善の努力をするということが必要じゃないかと思うのです。それは、石炭政策として二千万トン程度は掘るという大方針があるという面からもありましょう。あるいはまた、国がこの夕張新鉱に対して三百五十億円もすでにつぎ込んでおる。閉山という事態になれば、この三百五十億円もほとんど返ってくることはないということで終わってしまうわけでしょう。そのこと自体も、私は後刻、これは大きな責任問題として追及しなければならない問題だと思いますけれども、どの点から考えてみても、政府としては何としてもここで閉山を食いとめるという立場に立って努力をしなければならないのじゃないでしょうか。
○安倍国務大臣 これはもう何回答弁しても同じことにならざるを得ないわけですが、恐らくこの数日間に行われます大沢さんの御説明、いわゆる大沢さんが出された結論は、われわれは全面的にこれを尊重していかなければならない、こういうことはしばしば申し上げておりますし、現在もその方針には変わりはありません。
○小沢(和)委員 だから、くどいようですけれども、それでは閉山という事態にもう決定的に進んでしまうのではないかということを言っているわけです。先ほどから大臣は、山は何とか残したいというふうにおっしゃっておられるのです。私は、山を残すというふうに私たちが口にする場合には、労働者の首切りをせずに、操業を続けながら、あそこの山にとって一番貴重な資源である北部の方を開発をしていく、こういう形でいくことが山を残すという内容ではないかと思うのです。ところが、どうも先ほどから伺っておると、山を残すというのは、あそこの露頭炭か何かをちょっと掘りながら、北部の方の鉱区は鉱区として、いわば山を掘る可能性というのでしょうか、権利というのでしょうか、これだけは残しておいて、そのうち状況がよくなったら手をつけることができるようにしておく、何かこれが山を残すという内容であるかのようなのですが、これは、山を残すということでいままでここで議論をしてきた内容とは決定的に違うものじゃないかと私は思うんですよ。山を残すというのはどういうことなのか、もう一遍お尋ねしておきます。
○安倍国務大臣 これは大沢さんにも選任されるとき私は言ったのですが、私としては、ぜひとも何とか山を残す方向で努力をしていただきたいということをお願いしたわけです。同時に、その後もしばしば国会でも、何とか山は残したいということを言い続けてきておるわけなんですね。これはしばしば国会でもお答えをしておりますが、その山を残すという意味はいろいろな形があるわけでしょうけれども、いま残っておる山としては、これは北部しかないわけですから、この有力な北部の炭田を今後開発をする、こういうことに今後あらゆる努力を傾注するということであります。
○小沢(和)委員 しかし、いま問題になっているのは、労働者の人たちは閉山ということになれば全部首を切られてしまう。そうすれば、あの厳しい北海道のことでありますから、いままでの例からしても、みんな散っていってしまうということになるでしょうし、そういう人的な面から言ったって、あそこに鉱区が残っておっても、これでは山の今後の再建ということだってなかなか簡単にはできなくなってしまうんじゃないんですか。どうしてもここで一定の操業は続けながら、日本全体から見ても非常に貴重な資源であるこの北部に何としても開発を進めていくということを引き続いてやっていかなければいかぬ。ここでそういう、鉱区としては残っているけれども実態としてはもう何もないというような形に一たん陥ったら、私は事実上は結局つぶれていくということにならざるを得ないのじゃないかと思うのですけれども、現実的にはそうしか見通されないのじゃないですか。
○安倍国務大臣 私は、いまおっしゃるようには思いません。これはやはり北部の開発についてはいろいろな努力が要ると思います。技術的にも経理的にも果たして可能であるかどうか。あるいは保安の問題だって、爆発が起こったばかりのところでありますから、なかなか問題は山積しておるわけでしょうが、そういう難問を何とか乗り越えて、将来はこの残された唯一の最大の炭層を再開発をしていかなければならないというのが私の基本的な考えで、これはしばしば申し上げておるとおりであります。
○小沢(和)委員 それでは結局つぶすことにしかならないというふうに私は考えますけれども、時間もありませんから、次の質問に移りたいと思うのです。 先ほどから、この山を残すために最大の努力を続けてきたというふうにおっしゃっておられるわけですけれども、しかし現実にはどういう努力がなされたのかということについて、さっぱり具体的でないんですね。だから大臣自身も含めて、通産省全体としていままでどういう努力をしてきたのか、もうちょっと具体的にわかるようにおっしゃっていただきたいのです。
○安倍国務大臣 これは、北炭新夕張社がああいう更生法の申請をして非常な不安に陥ったときに、われわれは、たとえば幌内、真谷地に波及するということを防ぐために、いろいろな金融機関等に対しましても問題が波及しないように強く要請をしてまいりました。説得をしてまいりましたし、それにこたえてもくれて、波及はしないで済んでおりますし、その後、露頭炭の残された山の採炭につきましても、現在の法律制度の中においてできる限りの財政支出も行ってまいりましたし、あるいはまた、地元の中小企業の不安を解消するために北海道庁等とも協力をしまして、中小企業対策等も精力的に進めてきた。さらにまた北海道庁にも要請もいたしまして、また北海道庁も努力されまして、今日まで山を存続するため具体的に金融措置等について努力をされてきたことは、私が申し上げるまでもなく御承知のとおりであります。
○小沢(和)委員 いまいろいろ挙げられたのですけれども、私は、いまこの閉山の危機を避ける上で一番問題なのは、先ほどからも議論がなされているとおり、三井観光開発に対してどれだけ協力する立場に立たせるかということじゃないかと思うのですね。いまのお話の中にはそのことは出ていないのです。私はたしか大臣に対して、ここでの議論の席上でも、三井観光開発に対してぜひ直接会ってそういう協力を要請していただきたい、萩原氏に特に会っていただきたいということを申し上げたのですけれども、そのことはどうなっているのかお尋ねしたい。特に先ほど、きのうということでお話がありましたが、萩原氏が炭労などとお会いになった席上で、いままで一度も自分は意見を聞かれたこともないし協力を要請されたこともないというような発言をされたということがちょっと出たわけですね。これは事実だとしたら私は通産の怠慢ここにきわまれりということになるのではないかと思うのですが、その点大臣いかがですか。
○安倍国務大臣 これは、私が会ったか会わないか、お願いしたかどうかということについてここで申し上げることは差し控えたいと思いますけれども……(小沢(和)委員「差し控えるじゃ困るのですよ」と呼ぶ)私としては、それは相手のあることですから、できるだけのことをしまして、そしてたとえば三井観光も、更生決定を求めてきて以来、あの山を維持するためのいわゆる担保等についてはさらに提供して協力をしてきていることも事実であります。ですから、いろいろな中に三井観光としても今日まで協力をしているということも事実であろうと思います。ただ、いまの労務債については、いま大沢管財人が三井観光の責任者と会われた結果については非常に悲観的であるということは聞いておるわけであります。その間における協力もあったことは事実として申し上げておきます。
○小沢(和)委員 相手があることだからというふうにいま言われたようですけれども、相手の方は、先ほどのお話どおりであるとすれば自分は意見を聞かれたこともないし協力を要請されたこともないというふうに言ったということなんです。そうすると、あなた方がもし何遍もいままで萩原氏も含めて三井観光側に要請をしておったとすれば、これはあなた方の立場がないようないいかげんなことを言ったということになるわけでしょう。だとしたら名誉のためにも、相手があることだから、相手がそう言っているのですから、もうこの際はっきりすべきじゃないですか。それができないということになれば、やはりやらなかったのではないかというふうにしかこれはなりませんよ。いかがですか。
○弓削田政府委員 先生いま何もあれがないというようなお話が実はあったわけでございますが、私どもといたしましては、先ほど来お答えしていますように、労務債につきましては三井観光を含めた北炭グループで当然のことながら処理すべきものだというふうに考えているわけでございまして、その考えに立ちまして私ども北炭本社に協力を求めたところでございます。 それから、十三日に実は山本社長からの大沢さんへの回答があったわけでございますが、そのときのお話によりますと、この回答につきましては萩原さんとも十分意見を打ち合わせた上での回答であるというようなことで私ども聞いておるわけでございます。 いずれにいたしましても大沢管財人は非常にこれを遺憾として再検討を求められているというのが現状でございますので、今後とも労務債の処理の問題につきましては、大沢管財人と三井観光の間に当然いろいろな接触がなされるものと期待しているわけでございます。私どもといたしましても大沢さんと三井観光とのお話し合いの過程を踏まえながら、われわれなりに適切に対応してまいりたいと実は考えているわけでございます。
○小沢(和)委員 三井観光がこの資金面で協力をする大きな責任があるということは先ほどから何遍か言われたと思うのです。これは私たちもかねてから主張しておったことですし、そういうふうにこの席上で明言をされたということはいいと思うのです。三井観光はまだまだ実際に協力できる力を持っておるというふうに私たちは考えておりますけれども、政府自身もそういうふうにはっきりした評価を持っておられるのかどうか、この点をお伺いしたい。そして、もしその点をはっきり評価するような材料が不足をしておる、いま現在通産が持っておらないというのであれば、これは先ほどもお話が出たように思いますけれども、政府関係のいろいろな機関が協力をしてやれば、三井観光がいまどの程度余力を持っているかということについてももっと調べはつくはずだと私は思うのですね。そういう積極的な調査などもして、三井観光にどうしても協力をさせるということで話をうんと詰めていってもらいたいと思うわけですが、その点いかがでしょう。
○弓削田政府委員 労務債の問題につきましては、当然のことながら三井観光開発株式会社を含みます北炭グループが出すべきである、こういう理解に立っておるわけでございます。 ただいま先生のお尋ねの点でございますが、三井観光開発を含めまして北炭グループ全体として具体的にどの程度の資金余力といいますか負担能力といいますか、こういうものを持っているかどうかについては必ずしも十分把握していない点が実はあるわけでございます。しかしながら、先ほどお答え申し上げましたように、今後とも労務債の支払い問題につきましては三井観光サイドとの折衝を続けなければいかぬし、また続けられることをわれわれ期待しておるわけでございまして、そういう中で先生の御指摘の点も明確になっていくもの、こういうふうに考えているわけでございます。いずれにいたしましても私どもとしましては、三井観光サイドからの資金拠出につきましては今後とも引き続き適切な対応を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○小沢(和)委員 適切に対応していくというわけですけれども、相手がもう自分のところには協力をする余裕はありませんという趣旨のことをこの前から言っているわけでしょう。そうだとすると、本当にそういうことができるかどうかということについてはこちらの側としても調査をして、あなたのところはこれだけの財産が現にあるじゃないですか、こう言えるような状態でないと話は詰まっていかないのじゃないですか。だから、どうしてもいま政府としても独自にその点をはっきり押さえる必要があるというふうに私考えるわけですが、その点もう一度はっきりさせていただきたい。 それで、時間もありませんから私の発言はこれで終わりにしますけれども、全体として、先ほども申し上げたように何としても閉山を避けるという立場から、政府としての最後の努力を続けていただきたい。いまそういうことをせずに大沢管財人がやることを見守りますというのは、結局のところもう政府自身もそういう閉山を認めるという立場に踏み切ったとしか私には見えないわけです。その点重ねて要請をして、先ほどのことについてお答えをお願いしたい。
○弓削田政府委員 何度もお答え申し上げますが、われわれとしては、労務債の支払いについては、三井観光開発株式会社を含めました北炭グループがその拠出について協力すべきものということで、今後とも引き続き適切な手を打ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○小沢(和)委員 終わります。
○枝村委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会