石炭対策特別委員会 第11号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/22
会議録
○枝村委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺省一君。
○渡辺(省)委員 大変御苦労いただいて北炭新夕張炭鉱株式会社の管財人を決めていただいたわけでございますけれども、きょうは、そんな問題の経緯、それから、その問題に対して懸念されるような問題点について幾つか提起を申し上げながらお伺いをしておきたいと思うわけでございます。 この間じゅうあちらこちらに行きますと、管財人が決まって大変よかったですねという言葉が高じて管財人御就任おめでとうございますみたいな話が出て、あちらこちらで、あれだけの大惨事を受けた北炭新夕張炭鉱の再建がどうなるかという期待をあらわしていると思うわけでございます。通産当局も大変御苦労されたし、大臣と石炭協会の間におきまして大変いろいろと御苦労いただいたわけでございまして、そんな心配をしておった関係の方々の声を聞きながらほっとしているというのが偽らない実感でございまして、その労苦に対しまして、大臣は来ておりませんけれども、心から感謝を申し上げたいわけでございます。 そこで、いろいろと協会側として御苦労いただいて、大臣すなわち通産当局に対しまして、管財人選定をめぐりましていろいろと希望を込めて決定されたようでございます。そこで、管財人推薦に当たってのいろいろの条件といいますか、そういう経過の中で四つぐらい項目があるようでございますが、二番目の問題についてどういう理解をしておいたらいいのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
○福川政府委員 いま渡辺委員御指摘のように、管財人の推薦作業が大変難航をいたしましたが、まだ関連グループ、関連金融機関などの支援体制が十分組まれないにもかかわらず、管財人の選定に石炭協会が尽力をしてくれたという点、私どもも高く評価をいたしております。特に石炭協会の副会長に就任された上でこの管財人になられるということは、業界全体としてこの再建の可能性を何とかして探求しようという取り組みの姿勢であると私どもも理解いたしておるわけでございます。 いま管財人推薦に当たっての条件の第二項についてのお尋ねがございました。当然管財人に選任されますれば、北炭夕張の株式会社によります炭鉱の再建の可能性というのがまず探られるわけでございますが、私どもとしても、あるいは当委員会でもしばしば御意見が出ておりますように何とか山は残したい、こういうことでございますので、もし北炭夕張株式会社、現存の会社としての再建が万が一むずかしいということになりました場合には、何らかの形で、別の形態でも山を残すという方向を探りたいというのが私どもの気持ちでございます。 そうなりました場合には、これは新しい受け皿と申しましょうか、別会社でその山の再建が探られるわけでございまして、そういうことになりますと、従来の北炭夕張株式会社、これはそれなりな清算をして、それで新しい体制で発足するということになるわけでございます。もちろんそういう方向が決まったわけではありませんが、そういう方向になりました場合に、今度石炭協会から推薦されて管財人になられる場合には、その時点でその北炭夕張株式会社の管財人は辞任され、また別の形で今度新しい会社が発足される、こういうことでございます。 そういたしますと、前の、現存の会社につきましては、これは恐らく清算のための更生計画ということになりまして、別途新しい受け皿の方で山を残す計画ができる。それで、むしろ今度お選びいただく石炭協会の方としては何とか山を残すという方向を探るわけでありますから、そこまでの作業をしていただいて、さらにその時点で必要があれば新しい方の受け皿の作業に御参画を願うということの含みはあろうと存じますが、従来の方の北炭夕張株式会社の清算のための更生計画ということにつきましては、これは別途新しく管財人を選んでいただく、そのことが石炭協会の希望でございます。 北炭の対馬専務に対しましては、私どもの方から、もしそういう事態になった場合には、北炭を代表して管財人になっていただいている方がこの清算のための更生計画をつくる管財人としてなられるかあるいは北炭から出ておられる方が御推薦になって新しい管財人をその時点で推薦をしていただいて、そちらの北炭の責任において円滑な処理をしていただく、こういう考えでございまして、その点の趣旨は対馬専務にもよく伝えてございます。何とか山を残すという方向で、石炭協会から推薦される管財人はむしろそちらの方に重点を置いてやっていただくということが石炭協会の趣旨でないかと理解をいたしております。
○渡辺(省)委員 いま石炭協会の趣旨は、山を残すことが前提で、その場合には新会社ということもあり得るし、それから、その場合には当然いまの北炭夕張にかかわる問題は清算をする、そういうことで二とおりの考えを持ちながら、言うなれば夕張から山の火を消さない、こういう基本的な考え方で対応したい、こういう趣旨のものですね。 そこで、そうなった場合に、これからの経緯のことですから少しく想定した話し合いになって恐縮でございますが、ただ言えることは、北炭夕張新鉱を残すか、火を消さないかという中で、四番目にこれに関連する北炭グループというのがございますが、特に石炭の立場から申し上げますと、真谷地と幌内、これの経営状況がどうであるかということ、どう判断されているかということを、もし明確にわかれば——今日まで幾つかの負債をしようとか、資金繰りで少し北炭グループとしての協力をしたとかいろいろのことがございまして、新夕張の帰趨いかんによっては幌内と真谷地が逆に更生会社の指定を受けなければやれないような情勢が起こるのでは大変であるという話が町の話題として、また石炭関係者の中からそういう指摘の声もあるわけでございます。そこで、これらの企業、真谷地それから北炭幌内がいまどういう状態か、どれだけの負債をしょい、それから経常収支等はどうであるか、どれだけの出炭の状態だとかその他の状態がどうなっているか、そういうことがもしわかればちょっとお伺いさしていただきたいわけでございます。それを申し上げるゆえんのものも、この北炭グループの中でいろいろ協議をされる場合に、こういうところが立ち行かなくなるような荷物をしようような形での解決の方法というものは非常に問題があるだろう、こう思うものですから、そういう意味で、当局ではどういうふうに理解をされておるか、その承知している範囲内のことをお伺いしておきたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のように、真谷地、幌内は夕張ともども北炭本社の一〇〇%の子会社で、相互に債務等を連帯しているケースが多々ございます。従来、真谷地炭鉱は比較的損益の状況もよく推移をしてまいりました。五十六年度の決算におきましては、あるいは少し露頭炭が昨年の十二月から出なかった、あるいはまた一部債務の償却をしたといったようなことから、ある程度の損失が計上されるかと思いますが、しかしここ当面の間は、今後また四月の下旬から新しく露頭炭の再開も予定をされておりますし、大変資金繰りは楽とは申せませんけれども、そう大きな問題はなく推移をしていけるのではないだろうかという感じを持っております。それから幌内炭鉱でございますが、この点につきましては、一時、五十六年度はかなり好調に推移をした時期がございましたが、最近少し出炭が落ちている。それから、五十七年度においては金融収支の面で返済が来る。かつての幌内災害の返済が来るといったような事態がございます。したがいまして、私どもとしては、相当経営の改善ということに企業として努力していただかなければならない状況にあると考えております。現在、私どもも、この両社につきましては今後の経営の改善の方策について会社側にその対応を求めておるところでございます。 やはり両社、特に幌内炭鉱につきましては、私どもとしてはその収益構造を基本的に改善しなければならない事態にあると思っておりますし、また経費構造も見直さなければならないというふうに思っております。夕張が会社更生法の申し立てをいたしましたときに、三井銀行も関係金融機関も、真谷地あるいは幌内、これは何とか波及させないようにという御意見でございましたし、私どもも日銀初め関係金融機関に働きかけてそのような処置をいたしております。夕張の今後の帰趨によって真谷地あるいは幌内炭鉱への波及が悪い形にならないようにそこを何とか切り離してやっていくということの基本方針につきましては、しばしば大臣も御答弁申し上げているとおりでございまして、今後の管財人あるいは裁判所の御意向次第でございますが、私どもとしては、できる限りこの真谷地あるいは幌内への波及を、夕張の処理が悪い形で波及しないように最善の努力をいたしたいと思っております。 ここで今後さらにこの真谷地、幌内、特に幌内につきましてはいろいろ改善すべき点が多々あると思います。さらに私どもも関係金融機関への働きかけも会社に求めております。私どもとしては、今後一層幌内が企業の努力によりまして収益構造の改善を、まず長期的に体質改善を図る、その過程でそのつなぎをどうしていくか、こういうことで、今後会社の企業努力と関係金融機関の帰趨を見ながら、さらにまた夕張の処理の今後の動向を見ながら、私どもとしても慎重に対応してまいりたいと思っております。
○渡辺(省)委員 石炭部長が、北炭夕張新炭鉱の再建に伴う過重な負担はある意味ではこの二炭鉱に波及をさせない、そういうふうに努力をされるという大変力強い御指導方針を伺ったわけでございますが、しかし、実際問題として二つばかりお伺いしたいのは、一つは、今日までの経緯の中で、資金繰りを含めて真谷地、幌内が計数的にどれぐらいの負担を実際にしょって処理をしているかという問題が一つ。 それからもう一つ、大ざっぱに言いますと、七百二十億くらいの負債を新夕張はしょっておった。半分くらいは政府にお願いをしてきた。あとの半分は三井銀行その他ということになっておりますが、その三井銀行その他の保証に真谷地なり幌内が関与しておるということであるとするならば、言いかえますならば、波及をさせないと言っても、経済行為として事実上それは法律上の制約も含めてしょわなければならないというふうに理解するわけですけれども、その二つの問題について、ちょっとひとつお伺いしたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のとおりに、夕張社に対しまして幌内、真谷地、空知、北炭本社、これは担保の提供をいたしております。もちろんこれは夕張社に対しましての連帯の債務という形になっているケースが多いと思うわけでありますが、その金額はかなりの数字に上っております。御承知のように、夕張の金融債務残高は、金融だけに限って言いますと、昨五十六年九月末現在で五百三十三億円ということになっております。その他の債務がございますので一般に当時七百二十億円と言われておりましたが、金融債務は五百三十三億ということでございまして、これに対しまして夕張社もそれなりに担保を出して、さらにいまの北炭グループの幌内、真谷地、北炭本社、空知が担保を提供しているわけでございますが、これは相当の金額に上っております。さらにまた、幌内、真谷地、北炭本社等に逆に夕張社が担保を提供しているという、たすきがけのような形に相なっておるわけであります。したがいまして、今後夕張社のこういった債務をどう処理するか、もちろん夕張として再建する、こういうことになりますれば、当然この債務あるいは担保提供をどう処理をするかということが一つの大きな問題に相なりますし、もし仮に別会社で山を残すということになりますれば、これをどのような形で処理をしていくかということが一つの大きな問題になるわけでございます。 これは恐らく、今後会社更生開始決定になりますれば、債権者集会、その中でも担保権を持っております債権者の集会、こういうことになるわけでございます。そこにはもちろん法律上の制約、さらにはまた金融機関としての制約等々がいろいろございますわけでありますが、これの処理ということにつきましては、管財人が中心に、裁判所の管理のもとに、どういう形で立ち行けばこの炭鉱の再建、更生ができるか、こういう考え方でその話し合いによって決めていく、こういうことになるわけでございます。 いま申し上げましたようなことでそれぞれ相当金額が、たすきがけのような形になっておりますから、これをどうやって切っていくかという点はこれからの重要な課題になるわけであります。
○渡辺(省)委員 いま余り具体的に部長の立場でさわることは適当でないというふうに私も思いますけれども、しかし、たすきはたすきにしても、具体的に真谷地炭鉱だとかそれから幌内炭鉱は、現実に営業をやって生きている炭鉱でございます。生きている炭鉱でございますから、資金運用の中では少しく荷物をしょえ等の話が比較的しやすい、そういう立場にあるところへ持ってきて、たすきなものですから、私は、いまわかっている数字のほかに、新しい数字でこれらの会社が夕張社の更生に伴う幾つかの負担には耐えられないのではないかというふうに考えておるものですから、現在あるものでも大変だというところに、さらに新しい荷物をしょわされるということになると、同じグループの立場の中で、とてもどうにもなりませんというところまで最終的に追い詰められる、そうあってはならぬと私は思うわけでございまして、そういうことについては、特にこれから管財人が決まって夕張社の更生も大事ですけれども、しかし、それがひいては既存の炭鉱まで問題視されるようなところにいっては困る。いまある数字以上にしてはならない。ですから、逆に言うと、いましょわされたものをこれからの経営の中で処理をしていくということになると、新しい資金構成も考えてやらなければ、短期的な面から見るとなかなか大変だろうというふうに思うわけでございまして、そういうことについて、もし部長さんの具体的な指導なり、現在見ている状態での判断があれば、それをひとつ伺わしてもらいたいと思います。
○福川政府委員 いま渡辺委員の御見解が示されたわけでありますが、真谷地あるいは幌内の山を何とかして維持していくということになりますと、いまでも相当の負債をしょっておる、こういうことから考えますれば、今後に新しく荷物をしょえというのはむずかしいじゃないかという御見解につきましては、確かに相当限界に近い状態に来ているという点は、私どもとしても理解できるところでございます。また一方、今度新しく夕張社として再建する、あるいはまた別の受け皿で再建するといいましても、新しく発足いたしました体制が相当大きな荷物をしょって走り出すということになりますと、これまた走り切れない面が多々出てまいります。 そういう意味で言えば、こういった幾つかの救済の処理をどういうふうなかっこうでしていくのか、あるいは各債権者の御協力ができるのかという点が一つの大きな問題になります。もちろん、この新しくできる山がそもそも立ち行く山になり得るのかどうなのか、返済原資がどのくらい出る山になるかどうかということの実務的、経営的、技術的な検討が大前提になります。その上に立ちまして、いまおっしゃったような、ほかの各山に対して新しい荷物をしょわせることができるかできないか、あるいはまた、新しく発足する山がどういう形に相なるのかという点については、今後何とか山を残すという視点で、どうやって関係者の御協力が取りつけられるか、こういうことであろうと思います。しからばその場合に、山は残すということでありますが、さらにたとえばほかの関連グループからの協力がどういうかっこうで得られるのかということも、関係者の合意をつくっていく一つの問題になり得るというふうに思います。 今後、そういった幾つかの複雑な問題が裁判所のもとでいろいろ議論をされてまいりますが、そこの問題がこれから非常に大きくなってまいります。私どもとしては、真谷地、幌内にはこの夕張の処理が波及しないで山が何とか維持できる、もちろん、先ほど申しましたように、幌内あるいは真谷地についても今後十分な企業努力がなければならないことは当然でありますが、何とか波及させないということと、何とかして夕張新鉱の山を残すということのために、将来にまた債務が非常に多くてなかなか立ち行かないということにならないような山を何とか残すという方向には何があるのか、そういった精神で今後の対応を考えていくべきだと思いますし、私どももその線に沿って対応してまいりたいと思っております。
○渡辺(省)委員 そういう話を余り先走って申し上げるのは適当でないと私は思ったのですが、せっかく管財人を決めていただいて、大方針を立てて進められる中で、特に真谷地と幌内を中心にする石炭各社の関係者ないしは地域住民からそういう心配が出ておるものですから、なるべく波及をさせないということもその方針としてよくわかりますが、しかし、これは波及をさせてアウトになったら大変な問題でございまして、一つ救うために二つつぶす、結果的には三つつぶれましたというふうになることを恐れているから端的に申し上げたわけでございまして、その点は特別の御配慮を賜ってひとつ御指導を賜りたいと思います。 なぜそんなことを申し上げるかといいますと、これは新会社あるいは北炭夕張において検討されることでございますが、外に漏れている話として、端的に言うならば、北炭に万が一のことがあると——今日まで退職した方々その他を含めて、労務債というか退職金の未払いと申しますか、こういうものが百億を超える額になる。ですから、夕張の帰趨いかんによっては、家を建てて年々月賦で支払いをしております、その引き当てに考えておった退職金がもしとだえるということになれば、この家そのものもどうなるかという心配すら出ているわけでございまして、かなり金額が大きいという指摘があるものですから、こういう問題を初めとして幾つか伺っておるわけでございます。 それから、これは見解としてお伺いしておきたいのですが、関連グループ十八社あるいは二十社、こう言われております。関連商工業の方々がいらっしゃる、その成り行きがどうなるかということは幾つか考えられるわけでございますが、たとえば商工業者等は、日常の収支もそれで赤になっていくという問題になると思いますが、特に北炭夕張社に対して、なけなしの貯金を集めて、たとえば預託をして融資をしました、こういう問題も現実にあるわけでございまして、こういう夕張社に関連をする商工業者の方々——道庁や市役所がいろいろ融資をしたという問題はもちろんありますけれども、商工業の方々等は、これは考え方としてこの新会社の帰趨を見なければわかりませんが、こういう特殊な問題等については政府として何か配慮する、その中において解決することは当然とは思いますが、何らかの配慮をするという方向で、これは指導して措置してやる必要があるのではないかとすら思うわけでございますが、この点についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
○福川政府委員 北炭関連十八社、これは北炭夕張社へかなりの金額の融資をいたしております。さらにまた、いま先生御指摘のように、夕張市の商工会が夕張信用金庫を通じまして預託をするというかっこうでの資金支援をいたしたわけであります。これらの処理につきましては、今後更生計画の中でどういう形が一番好ましいかということが決められていくわけであります。もちろん、中小企業対策につきましては、私どもも中小企業庁あるいは北海道庁が中心となっていろいろな対策、倒産関連補償その他政府系金融機関の融資といったような助成は別途準備しておりますし、また、今後もそのような対応を考慮してまいるというふうになるわけでありますが、この債権自身の処理をどういうふうにしていくかということになりますと、これはそれぞれ会社更生法の手続におきまして、関係者との理解、合意の中でその解決が図られていく、こういうことになるわけであります。 なお、関連中小企業への影響という点は、この北炭夕張社が更生申し立てをいたしましたときから、中小企業庁あるいは北海道庁、地元札幌通産局が一体となって、日本銀行を初め金融機関の協力を得ながら措置を講じておりますが、今後もその点につきましては十分な努力を払ってまいる所存でございます。
○渡辺(省)委員 いまの時点ですから、話のやりとりが何かしづらいのですけれども、しかし心配がかなり先行しているものですから、新しく就任をされました管財人の皆さん方や何かはそういうことは百も承知している、承知しているとは思いますけれども、そういう心配が、会社更生法の外に大変な幾つかの問題があるということもすでにわかっておることなものですから、スタートするにしても、ぜい肉というか会社更生のために必要でないと思うものはどんどん切り落として会社が更生しますと、更生法というのは、法律で言うと、そういうえらい冷たく、厳しいものだというふうに聞いているものですから、そういう幾つかの問題を切り落として更生されるのは、それはそれとして当面的には必要なことかもしれませんけれども、それでそういう社会問題が起こるというようなものをわれわれは放置しておくわけにはいかないので、そういう意味で、幾つかの制度を通じて解決をするということもそうですけれども、この問題については、従来の制度を踏襲してやるということ以外に何か特別の措置をしなければならない事態が起こるのではないかという感じがするので、そういうことも含めて、新会社のこれからの努力とあわせて、そういうものをあらかじめどうあるべきかというようなことも検討をいただくということをひとつ要請をしておきたいと思うわけでございます。 時間になりましたから、これで終わります。
○枝村委員長 塚田庄平君。
○塚田委員 まず、これは閣議決定は恐らく明日だろうと思いますけれども、長期エネルギーの需給見通し、需給部会からの中間報告が発表になりまして、私の手元にも通産省の方から来ております。これを見ますと、五十四年八月に策定した需給見通しから見ますと、量については大きく下方修正をしております。たとえば六十五年度については五億九千万キロリットル、これはエネルギー需要でございますが、これは前の計画から比べますと一億以上の下方修正になっておりますが、パーセンテージにしまして大体一五・七%の減。しかし一方、石炭を見ますと、五十五年度比六五・五%の増ということになりまして、確かに下方修正はしておるものの、石炭、地熱あるいは原子力、こういったものに大きく依存するような計画変更になっております。特に、私はここで言いたいのは、石炭が五十五年度比六五・五%増ということになれば、いま質問のありました夕張、関連した幌内あるいは真谷地といった山々のマイナス要因、これを異常な決意で乗り切っていくということでなければ、この長期エネルギー需給見通しの石炭の方に関する部門はなかなかこれは達成困難ではないかと私は考えます。 そこで、こういう需給見通し、明日閣議決定をいたす予定だと聞いておりますが、それを踏んまえて、いま日本で代表的な山と言われるいま言った三つの山の再建について、まずどういう決意を持っておるか。本来ならば大臣に聞くところですが、これをひとつ現状を踏んまえて部長から答弁をいただきたいと思います。
○福川政府委員 長期エネルギー需給見通し、昨日、総合エネルギー調査会の需給部会で決定され、発表されたわけであります。いま御指摘のような特色に相なっておるわけでありまして、今後ともその代替エネルギーの開発という点に重点を置いた見通し、政策態度の表明になっております。 国内炭に関しましては、ここのエネルギー需給見通しの表にもありますように、考え方といたしましては、第七次石炭政策の考え方をそのまま取り入れている、こういうかっこうになっているわけであります。この数字は表の中にありますが、さらに注といたしまして「国内石炭については、現在程度の生産水準の維持を基調とし、諸事情の好転を待って将来における年産二千万トン程度の生産水準の達成を目指すことを基本的な考え方にすべきである。」こういう考え方で対応をいたしております。 そこで、これをもとに、いまの問題になっております北炭についてどう対応するかということでございますが、この第七次政策は、当委員会でも石炭合理化法の関連でいろいろ御審議いただきましたように、経済性と安定性の調和のもとに現存炭鉱の維持をできるだけ図っていこうということで対応をいたしておるわけであります。それで、現在程度の政策を実施していくことによって、その現状程度の生産水準の維持を図る、こういう考え方になっております。いま三山の点の御指摘がございましたが、私どもといたしましても、いま申し上げました第七次政策の考え方のもとで、幌内、真谷地の維持はぜひ図ってまいりたいと思っておりますし、夕張に関しましては会社更生法の手続の中に入っておるわけでありますが、私どもとしては、その形態はともかく、できればもちろん北炭夕張として再建できることが望ましいわけであります。その道は恐らく管財人によって探られますが、もし北炭夕張として再建がむずかしい場合でも、何とかして山を残す、何らかのかっこうで夕張の山を残す、こういうことでその対応、解決を考えていきたいというふうに考えております点は大臣もしばしば申し上げているとおりでございまして、今回管財人が選ばれたということはその一つのハードルを越えたわけでありまして、今後さらに厳しい問題ではありますけれども、いままで大臣が申しておりますようなことで努力をしてまいる所存でございます。
○塚田委員 余り時間がございませんから、答弁はひとつ簡単に。 そういう決意で立ち向かうということはわかりました。しかし具体的には、何とかして夕張新鉱は立ち上がってもらいたいといっても、先立つものがやはり必要だと思うのです。特にああいう大きな災害があった後でございますので、直接収益につながらないそういう諸準備がこれからなお必要であろうと思います。もろもろの計画、たとえば十尺から平安八尺への移行、あるいは北部を一体これからどうしていくか、場合によっては南部まで一体どうしていくのかという長期の計画が立たなければならぬものだと思いますが、そういった問題についての資金面その他に対して、国が決意を持ってこれを援助し、これを支援し、後押しをする、ひとつこういう決意の表明をいただきたいと思います。
○福川政府委員 いまおっしゃった今後主力採炭をどこに向けていくのか、平安八尺なのかあるいは北部であるのか、その他そのつなぎはどうするのか、こういうことでございますが、実は石炭協会が中心となって、その努力、技術を結集してその再建の可能性を探っていただくわけでありますので、それに基づきまして更生計画ができ、また裁判所の判断によってその更生計画が認可確定される、こういう見通しが立ちますれば、私どもとしても、いま相当準備されております制度がございますので、それを最大限に活用してこの山を残す点に努力をしてまいるつもりでおります。
○塚田委員 そこで、新鉱の問題については時間があればこれからお伺いしたいと思いますが、先ほどちょっと質問のありました真谷地、幌内の問題です。真谷地については当面余り心配ないだろうという部長の答弁でございましたので、幌内に集中したいと思います。 幌内の経営計画について、一体、部長は検討を進めておるかどうか。
○福川政府委員 私どもとしては、当面の今後の経営計画あるいは資金計画という点につきまして、三月そしてまた四月と会社にいろいろな検討を求めて、私どもとしてもその計画の説明を聞かせていただいております。
○塚田委員 十分見ておるのならおわかりだろうと思いますが、とりあえず五十七年度資金不足は、私どものところへ来ておるのでは十五億五千万くらいですね。これは政府の近代化資金とそれから災害復旧資金、これは政府が保証して民間から出させているものですが、合わせて十五億五千万、これをジャンプしなければ、実際幾らやってやるやってやると言ったって、金の問題なんです。これをジャンプさせる方法は恐らく計画は出ておると思いますが、これをどう受けとめますか。
○福川政府委員 いま会社の計画は、今後弁済期の来るものはかなりのものをさらにまた返済猶予をしていこう、こういうことでございます。私どもとしては、これも幌内の災害以来関係各方面にいろいろな支援、協力を求めてやっておる計画でございまして、私どもとしてもやはりそれなりの企業努力が必要であろうと思います。またさらに、関係金融機関の協力も必要でございます。いま私どもとしては、今後この幌内が十分安定した形で操業していくためには、基本的に収益構造、経費構造が改善されていく、そして将来安定していくめどをつける、こういうことが前提であり、それでいま先生のおっしゃったようなつなぎをどう考えていくかということであろうと思います。そういった基本的な努力、これを私どもとしては十分はっきりし、それをまた関係金融機関にも十分御説明をして理解を求める、こういうことが必要でございます。いま、その時期が月を追って参りますけれども、私どもとしては企業の今後の合理化のための努力の帰趨、さらにまた関係金融機関の動向を見て、これは非常に夕張への波及もある重要な問題でございますので、十分企業の努力を見ながら、私どもとしても慎重に対応してまいる所存でございます。
○塚田委員 いまの十五億、正確には十五億五千万、これはちょうど夕張の波及額に相当するものなんです。夕張がこけたからおれはこけるんだという無責任な態度じゃいけませんけれども、とりあえずこれをジャンプしなければ五月、六月持っていけないと思うので、この点はひとつ近代化資金の繰り延べ等も含めまして十分考えてもらいたい。そして本当にやれる、いま言った体質の改善も含めた計画をじっくりと練らせるためにも、何せ後ろから火がつけられて、そしてばたばたと計画を立てたのではまたぞろだめじゃないかということになりますから、とりあえずその火を消して、そしてじっくりとわれわれの納得する計画を立てるという方向にひとつ努力をしてもらいたいと思います。
○福川政府委員 実は、その幌内のそのような情勢になり得ることは、私どももすでに予想をいたしておりまして、実はことしの初め、二月ごろから、どうするんだという点を十分会社に検討を求めてまいったわけであります。私どもとしては、そういう抜本的な対策をもっと検討すべき時間的な余裕はあったはずだと思っておりますが、いまのところまだその会社の展望があらわれていない、また関係金融機関からの理解も得られていないというのが現状であります。もちろん非常にむずかしい問題でありますから、そう簡単に私どもも経営計画はできないわけでありますが、やはり一月二月でどんどん計画が変わるのでなくて、先生おっしゃるようにじっくり腰を据えて、それで基本的に収益構造で立ち行くようなことをすることができないのかどうか、さらに問題が波及してまいりますが、たとえば北炭本社の経費の配分、これも夕張の帰趨いかんによってかなり収益構造が変わってまいります。それをどういうかっこうで抜本的に考えていくのがいいかということは北炭グループ全体としての問題も含まれております。今後、新聞報道によりますればいろいろ経営者の交代等もあるようでございますが、ひとつ心機一転、抜本策を十分練ってもらうということで私どもとしても会社の努力を促し、関係金融機関の意見も聞いた上で十分慎重に検討し、対応させていただきます。
○塚田委員 誤解しないように、いま言った十五億五千万というのは、これはもうとりあえず夕張のああいう状態の中で波及してきたものなので、このほかに三十五億ないし四十億の労務債があるのですね。これを本当に働いている人たちはがまんしながら——労務債というのは退職金がまず大きいでしょう。それから一般の給与あるいは賃金、ボーナス、こういった問題についても全くもうがまんしてやっている問題なんですから、それをある一定の時期を見て逐次返済をしていくんですけれども、とりあえずじっくり腰を落ちつけてと言うけれども、落ちつけるそこに火がついているのですから、そこを消してやるということでひとつ決意をしてもらいたいと思います。
○福川政府委員 いま私どもとしては、会社にその長期展望を検討を求めておるところでございます。どういう形のものが出てまいりますか、いまここで私どもとしても、会社の計画、返答がまだ来ておりませんのでそれですぐ決意をしろと言われましても、なかなかここでちょっと申し上げかねますが、私どもとしてもその会社の努力を見ながら十分慎重に考慮検討させていただきます。
○塚田委員 時間もないので、二、三まとめて質問しますからまとめて答弁してください。 通産大臣に出された有吉新吾会長からの回答といいますか管財人推薦に当たってのいろいろな条件なんですけれども、まず条件の第一、一生懸命保安とか経営形態についても考えますから、政府においても管財人の方針を全面的に支持していただきたい。まず第一点は、この条件を全部をのんで札幌の方へ推薦したのかどうか。まずこれをのんだのかどうか。したがって、のんだということを条件にして私どもは、これから政府は全面的に文字どおり支援をするというふうにとっていいものかどうか。 第二、二項目ですね、別会社による案が考えられるがということなんですが、私はこれは別に有吉さんにあれするわけじゃありませんが、条件としては、実際管財人が決まって裁判所の監督のもとにいろいろと現地の状況、すでにもう調査に入っているのですから、そういうことを条件にして考えた結果のあれであって、これはどうも括弧の中に入れるべきであって、ここで条件として出されるべき問題ではないのじゃないのか、こう思うのですよ。この点が私どもとしては非常に気にかかり、また現地においても、別会社による案というのは結局つぶしちゃって後はだめになっちゃうんじゃないかというふうに曲解している面もありますので、この点についての考え方をひとつお漏らし願いたいと思います。その時点で旧会社に係る計画の立案及び実施は、ちょっと先ほどの答弁を聞いておると、北炭から別な管財人を出してなんてこう言いましたね。これはちょっと言い過ぎじゃないですか。新たな管財人を選ぶのはだれですか、一体。これは裁判所でしょう。だから、北炭から別な管財人を出してなんということをいま部長が言ったんでは、これからのいろいろな問題の進め方にちょっと支障を来すんじゃないですかな。この点が第二点。 それから第三点は、今度の管財人について代理人が二人ついておりますし、そのほかに恐らくこれを補助をするあるいはいろいろな技術的な検査をする人たちも乗り込んでいくんじゃないかと思うのですが、かつてない大がかりな管財体制ということになるわけです。したがって、私はそういう体制の中で、やはり若干時間がかかっても炭鉱の再建ということを第一に考えて、別会社による案が考えられるがというようなこと等につきましては、特にすでに望月調査委員等の調査結果のあれもあるのだし、その他いろいろな調査が進んでおりますから、そういう面で、ひとつあくまでも夕張炭鉱の再建等については非常な決意で臨むんだ、この条件につきましては、管財人を送るのですから安全を図った一つの条件だというふうにひとつとらえてもらって、大沢さんをむしろ激励をする意味の発言を部長からもらいたいと思うのです。
○福川政府委員 幾つかお話がございました。 第一点、これはもちろん、ああいう災害のことでございますし、石炭鉱業の基礎といたしまして保安の確保、安定経営、これが判断基準として、会社更生法のもとで公正に更生計画あるいは更生の方針が出されるということでございますから、私どもとしても、管財人のそういった御方針、御計画は十分尊重し、支持していくということは大臣からも申し上げたところでございます。 いま、別会社による案が考えられる、こういうことでございましたが、更生法で管財人が選ばれるというわけでございますから、まず会社の更生が第一に論ぜられるのは当然でございますが、いまこの夕張の場合は、先生も御承知のように非常に管財人が難航いたしましたその背景には、北炭グループあるいは関係金融機関の間で将来の方向性について十分方向が出得るまでに合意が至っていない、しかし時間が許されないということで管財人を御選定願ったわけでございます。したがいまして今後の方向にいろいろ問題がありますが、もちろん、管財人でございますから、夕張によります再建というのが第一義でございます。しかし、それがどうしても困難である場合、これが相当いろいろな検討の結果そういうことも想定されますので、その場合には、当委員会でもいろいろ御意見ありまして、私どもとしても、夕張として再建できない場合でも何か別のかっこうでもいいから山を残してもらいたい、こういうのが別会社による案と、こういうことでございます。その場合で管財人が辞任する云々というくだりに御指摘がございましたが、むしろ石炭協会として管財人を推薦をしてもらうというのは、これは山を残すという前向きのところで主として仕事をしていただく。そのためには、先ほど来もいろいろ御質疑がございますように、いままでの後処理的な仕事というのがいろいろ出てまいります。そういったものにつきましては、従来その経緯に通暁している北炭系の方々、ここでは第三項によりまして北炭を代表する方を管財人代理として、管財人のもとでその部分のお仕事を分掌していただく、こういうことを想定いたしておるわけでありますが、もし仮に、将来別会社によってこの山を残す、こうなりますと、現在の北炭夕張株式会社の方は必然的に清算ということに移行せざるを得ない。それはあくまでも後処理ということでございますから、その後処理に関する部分は、北炭から出ておられる管財人代理の方にやっていただく、こういうことでございまして、したがって、その場合、清算のための更生計画ということになりました場合には、その管財人代理の方がそのまま管財人になっていただくような御理解を当関係者間でしておきたい。あるいはまた、その場合には北炭系の方がしかるべき方を御推薦をいただいて、そして、裁判所の御理解が得られなければもちろんいけませんが、そういうことを当事者の間で——その場合にはむしろ前向きの方の仕事をこの方はやるのです、こういうことで、そこの場合にやめるということについての御理解を得ておきたいということが北炭との関係において話し合われたという経緯を御説明をいたしたわけで、おっしゃるように、それはいずれにいたしましても最後は裁判所が決めることであります。 さらにまた、その管財人の仕事を十分に支援するように、こういうことでございましたが、石炭協会が大変努力をして選んでいただいた管財人でございますので、その業務遂行、山を残せるということを探求するという業務の遂行に私どもとしても全面的に協力もし、できる限りの努力をし、また業界との意見疎通あるいは関係方面との意思の疎通も十分努力をしてまいるつもりであります。
○塚田委員 これで終わりたいと思いますけれども、そういう後ろ向きじゃなくて、第三番目の北炭から管財人代理を出すということについては、第四項にかかってくるのですよ。いいですか、おまえたちは責任を持って北炭グループも全部協力してやりなさいという四項にかかってくるのであって、二項の、後始末の問題に話が飛んでいくということでは、どうも後ろ向きだと私は思うのですね。そういう面でも、前向き前向きとやっていかなければ、このエネルギーの需給見通しなんというようなものは達成できないと思うのですね。そういう面でひとつ再考を願いたいと思います。 あと若干の問題を大臣に質問することを保留いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○枝村委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 後から大臣に対する質問がありますので、いまの与えられた時間は、きわめて事務的な問題に限って御質問いたしたい、こう思います。 まず第一点、北炭は、関係炭鉱で従来まで十一山、炭鉱閉山をいたしておるわけです。そして、第三次肩がわり以降閉山された炭鉱は、この中でも概して大型の炭鉱であって、四山閉山をされておるわけです。この四山のトータルした生産規模、そしてまた従業員のトータルした数、それから閉山収支について、この四つの閉山に当たってどういう結果になっておるか、この機会に承っておきたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のように、昭和四十八年の第三次肩がわり以降、いわゆる夕張一鉱、平和、夕張新第二、清水沢といった四つの炭鉱が閉山をいたしました。その閉山前の三年間の年間平均出炭規模は百六十八万八千トンでございました。また、離職をいたしました労働者の数は、賃金債の対策のベースで四千五十二人であったわけであります。それで、その四山の閉山の損失ということでございましたが、四山の閉山損失は、夕張一鉱で十五億五千万、平和で三十二億六千万、夕張新第二で四十九億三千万、清水沢で二十八億四千万ということに相なっておるわけであります。
○岡田(利)委員 これは大手炭鉱で、私がかねて指摘しておりますように、北炭に限ってこの四山が閉山をされておるわけです。したがって、この四山の炭鉱の位置する地点から判断しまして、あるいはまた、今日の夕張炭鉱の資産内容を検討してみますと、結局閉山収支の百二十六億程度は北炭夕張社に引き継がれた、こう理解されることが当然ではないかと思うのですが、そのとおりでよろしいですか。
○福川政府委員 この閉山損失でございますが、清水沢を除きます三山は、いわゆる五十三年十月の会社の分離前のものでございます。それで、北炭本社に残されていたもの、これがいわゆる三社に引き継がれたわけでありますが、これがその当時分割をいたしましたときに、それぞれ資産を評価し、それから負債を評価し、そしてこの損失を分割いたしたわけであります。したがいまして、その損失が果たしてどこに引き継がれたかという区分を一つ一つ損失について明確にすることはむずかしいというのが会社側の判断であり、私どもとしても、そういった損失の区分の仕方によってそれがいま直ちに夕張に全部引き継がれたのではないか、こういうふうになったと判断するのはなかなかむずかしい当時の経緯があったと思っております。
○岡田(利)委員 四十八年に夕張第二、五十年に平和、五十二年に夕張新第二、そして五十五年に清水沢なわけですね。資産の関係をずっと調べてまいりますと、この所有していた鉱業財団の土地建物は、いずれも夕張社に引き継がれておるわけですね。したがって、閉山収支のこの負債も夕張社に引き継がれた、大体こう判断されることが妥当ではないか、こう私は分析をいたしておるわけです。したがって、このことはまず、いままでの石炭政策の中で特に原料炭重点の政策を第四次、第五次まで組んだわけでありますから、他の大手会社には類例のない大型閉山が行われたという点はやはり注目をしておく必要があるという意味で御質問を申し上げたわけであります。もちろん、今回の北炭夕張社の状況というのは、計画がそごをした、災害が起きた、そしてまたこういう大型閉山があった、こういうもろもろのものが積み重なって今日の債務が発生している、このようにも私は理解をしなければならぬが、特にこの点は注目をしておく必要があるのではないか、こう思います。 第二点は、先ほど部長は金融債務は五百三十三億円、そして債務総額は七百二十億円程度と述べられたわけですが、この金額は大体固まったと理解してよろしいかどうか。同時にまた、金融債務のうち第三次肩がわり分が夕張社に残っておりますけれども、第三次肩がわり分は総額どの程度になっておるのでしょうか。
○福川政府委員 先ほど申し上げました金融債務の数字等は五十六年の九月末の数字でございます。したがいまして、今後更生開始決定になりますと、管財人のもとでもう一度全部債権債務関係の洗い直しが行われますので、これはまだ固まったものではないと思います。 さらに、いま三次の肩がわりが幾らあるかということであります。五百二十七億円程度の金融債務のうちで、これは五十六年九月現在で申しますと、第三次の肩がわり分が七十七億円ございます。
○岡田(利)委員 七十七億一千九百万円程度になるのでしょうか、そのうち特に政府系と民間に分けた場合にはどういう数字になりますか。
○福川政府委員 政府系が五十八億、それから市中金融機関が大体十九億になります。
○岡田(利)委員 金融債務の関係で大きく分けてこの内容を検討してまいりますと、政府系金融機関、それから銀行、それから北炭社経由のユーザー、それから道庁、それから北炭グループ、こういう内容に大体大別されるわけですが、大体私がいま指摘をした点についてそれぞれの数字はおわかりでしょうか。
○福川政府委員 政府系金融機関の債務は大体三百四十五億円、それから市中銀行が八十八億円、それから北炭グループが七十二億円、あと地方公共団体あるいはその他でございます。北炭グループの七十二億円の中には、北炭経由で他の関連事業者から借り入れたものが含まれております。
○岡田(利)委員 特に民間金融機関で、メーンバンクは三井銀行でありますが、私の調べた数字では七十一億四千四百万、そのうち第三次肩がわり分が十七億、したがって残額が五十四億四千四百万ですか、三井信託は十四億九千四百万、それから北拓銀行は一億九千万でありますけれども、いずれも同額肩がわり対象になっている。それから、販売権を特に認めている三井物産が二十億、それからユーザー三社が四十億、もちろん日本興銀もありますけれども、これは全額肩がわりの数字になっておるわけです。したがって、北炭社で見る限りにおいて、特にメーンバンク系統、三井銀行、三井信託、こういう関係だろうと思うのですが、こういう金額であるという私の理解でよろしいですか。
○福川政府委員 個別の金融機関の数字につきましては、私どもここで申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、見当としては大体その辺のことではなかろうかと思っております。
○岡田(利)委員 私はなぜこういう問題を質問するかというと、銀行というのは完全な担保を取っておるということに相なるものですから、全体の負債総額から見て特に銀行の債務というものはそう大きい額ではないし、金融債務の中でもその程度である、三井銀行は肩がわりを除けば金融債務の約一割、そういう数字になるという点できわめて注目をしているという観点で御質問申し上げたわけであります。 さらに、債務の中で、いまの金融債務以外で最大のものは労務債、その次が買掛金、その次がその他、その次が公租公課で、大体七百二十億の債務、こう承知を実はいたしておるわけです。 そこで、労務債の内容と金額についてこの機会に私は明らかにしていただきたいと思うのです。特に労務債の中には退職手当未払い分があるわけです。それから労賃、社内預金、預かり金、この四つの種類があると思うのですね。この点の数字はおわかりですか。
○加藤(孝)政府委員 北炭夕張のみに限定して申し上げますと、退職金につきまして五十三億六千五百六十五万円、それから定着奨励金が三億七千八百五十八万円、社内預金関係はございません、合計いたしまして五十七億四千四百二十三万円という数字を地元の労働基準局で押さえております。なお、これはことしの二月末の数字でございます。
○岡田(利)委員 部長の方は、ことしの二月末の数字だ、こう言われているわけですが、私は昨年の十二月十五日時点、更生申請する直前の数字でありますけれども、私の手元には、退職金は五十六億六千四百万、この数字がちょっと合わないわけですね。それから社内預金は七億五千四百万、預かり金が四百万、給与は十八億三千三百万、そして望月調査委員が修正したのが二億二千五百万、合計すると二十億五千八百万、こういう数字になるわけであります。この点ちょっと数字が違いますけれども、いまの部長の答弁は間違いありませんか。
○加藤(孝)政府委員 この辺の労務債につきましては出入りがございまして、これは昨年の四月から十二月までの間の新規発生額が三十一億、それから一方支払い額が八億あるというような出入りがございますので、その辺は調査時点によりましては若干の変動がございます。
○岡田(利)委員 特に退職未払い債務でありますけれども、夕張の場合、いま部長の数字と私の数字が違いますけれども、大体数字が出てまいったわけです。これ以外の真谷地、幌内の未払い退職金はどの程度ございますか。
○加藤(孝)政府委員 真谷地につきましては、退職金が十四億二千四百六十九万円、また定着奨励金が一億二千二百六十七万円、合計十五億四千七百三十六万円が未払いになっております。 一方、幌内の方でございますが、退職金が三十二億二百五十二万円、それから定着奨励金が二億四千百二十四万円、合計いたしまして三十四億四千三百七十六万円が未払いとなっております。
○岡田(利)委員 いわば生きている企業でこれくらいの退職未払い金を持っている企業の例は産業別にございますか。
○加藤(孝)政府委員 ちょっと他に例を見ません。
○岡田(利)委員 これは労働省の関係でありますけれども、石炭政策を進める観点で見れば非常に注目をされなければならない問題であり、しばしば国会でも問題になってきておるわけです。部長はどういう感想をお持ちですか。
○加藤(孝)政府委員 これは労働者の生活を支える基礎になるものが未払いになっておるということでございますので、もちろん会社更生法におきましても共益債権という取り扱いをされておりますが、労働省としても、これの優先支払いにつきましては、本件につきましても裁判所に対しまして優先的に配慮されるよう強く要請書を出しておるということでございます。
○岡田(利)委員 先ほど幌内の再建問題についても石炭部長から答弁があったわけですが、石炭部長としては、こういう異常な退職未払い金が存在しているという実態についてどういう感想をお持ちですか。
○福川政府委員 従来、幌内の災害あるいは今回のあるいは一昨年の夕張の火災事故、それぞれの時点におきまして何とか再建を図っていきたい、こういうことで努力をしてまいったわけでありますが、いまいろいろお話しのように、災害等によりまして経営が行き詰まったわけであります。このような膨大な未払い債務が残った、こういうことにつきましては、いま加藤部長からもお話しございましたが、今後会社更生法の中でどのようなかっこうで対応していくのがいいのか、もとよりそれぞれ裁判所の管轄のもとで適正に処理をしていかなければならない問題でございます。 こういうふうな債務が残ったという経緯につきましては、経営上の問題、災害上の問題、そのほかいろいろな問題が積み重なってこのような事態に相なったわけでありますが、今後会社更生法の中でひとつこの辺は適正に処理をしてまいらなければならないと考えております。
○岡田(利)委員 昭和五十年の第三次肩がわり以降、閉山方式が変わっておるわけですが、この山は開鉱して六年、足かけ七年程度ですか、したがって当時の退職手当の協定は、労働省に届け出をした後にできた炭鉱ですから、後に退職手当の協定がされているわけですね。その場合には現行退職手当の協定が現認されるということがきわめて当然だと思うのですが、その点の判断いかがですか。
○福川政府委員 いまの御質問の趣旨は、閉山交付金の算定の場合の準拠すべき退職手当をどこをとるか、こういうことであろうと思いますが、いま閉山交付金の考え方は、昭和四十八年当時の退職手当の考え方を基準といたしまして、その後金額等において補正をする、こういうことでございまして、現在ずっとその制度が維持されておるわけでありますので、私どもとしては何とか山を残すという方向でございますので、この夕張炭鉱を閉山交付金の対象にすることは考えておりませんけれども、いまその制度をどのように使うかということにつきましては、いますぐここでそれを変える、変えないということの検討はいたしておりません。
○岡田(利)委員 次に進みますけれども、先般、夕張対策の一環として夕張の電力所が真谷地に移管されて近代化資金の五億円程度が出されておるわけです。この電力所は幾らで譲渡されたのか、そしてまた、譲渡に伴う従業員の債務について、特に退職手当でありますけれども、この点はどういう扱いになっておるのか、御説明願いたいと思います。
○福川政府委員 譲渡されました契約価格は十八億円であったと聞いております。その点につきます関連する従業員の方たちは約百人程度であったと記憶いたしますが、その方は四月一日現在で、譲渡されました真谷地炭鉱の方に移籍されると聞いております。その労務関係につきます退職金等の取り扱いにつきましては、今後退職された場合に、その退職された時点で真谷地炭鉱に対しまして夕張社が夕張分を負担する、こういう契約であると伺っております。
○岡田(利)委員 夕張の問題はこのまま真幌に波及をさせないという関係で注目をしておりますので御質問いたしたわけです。 病院については、四月一日から夕張市の方で考える、十月には市立病院に転換しようかという話が大体成立しているように私は聞いておるわけであります。その場合には、市の関係と一般民間機関との関係の違いが当然出てまいりますから、そういう意味で、いま私が電力所で質問をした視点、この点はきわめて注目しなければならない問題だと思うのですが、その話し合いは原則的に決まっておるのでしょう。決まっておるとすれば、いま私が電力所で指摘したような問題についても、当然その場合は配慮されなければならないと思いますが、どうでしょうか。
○福川政府委員 病院の点につきましては、いま市との間で経営委託が行われる、さらにその後の処理につきましては当事者間で話し合いが行われるという予定になっておるわけでありますが、現在この本病院の負債は、五十六年三月末で労務負債で約五億円等があります。そのほかにある程度の金融負債がございますけれども、今後市との間でこの労務負債あるいはその他の負債、これをどのように処理するかという点につきましては、まだ私どもとしては承知しておりません。
○岡田(利)委員 この山を再建する場合においても、現在の夕張新炭鉱のこの必要な土地、建物、鉱業施設、鉱業権というものはきわめて限定されると思うわけです。一番先に質問しましたように、夕張第二鉱を閉山し、平和を閉山し、夕張新第二を閉山し、清水沢を閉山し、そしていまの新鉱に集約されておるその資産は受け継がれておるということでありますから、相当余剰な、いわば処分可能な資産というものが当然多くあるわけであります。この処分可能な資産はどの程度あると判断されていますか。
○福川政府委員 これは大変むずかしい評価でございます。もちろん簿価で判断は当然できない部分でございますが、御参考までに申し上げますれば、五十六年九月末での貸借対照表上簿価ベースでの資産は五百八十六億円ございます。このうち固定資産が五百三十二億円ということになっておるわけであります。しかし、現有資産の簿価の価格というのは、事業が継続している価値、いわゆる鉱業財団というようなかっこうで企業のゴーイングコンサーンということで評価いたしましたときの資産でございますので、もしこれがそうならないということになりますと、その資産の価値は相当大幅に減少する、こういうことになるわけでございます。もちろん有形固定資産の中のかなりの部分は特に主要坑道ということでございますから、もし仮に夕張が立ち行かないということになったときの資産的な価値としては非常に小さいものになるわけでございます。これをどのように評価すべきであるか、幾らぐらい資産的価値があるかということにつきまして望月調査委員もそれなりの評価はいたしておるようでありますが、これがどの程度の資産があるかということにつきましては、今後管財人の手元でどのような処理のされ方をするかということとあわせまして、その評価が裁判所の管轄のもとで行われていくということでございまして、これがいま一体幾らの価値があるかという点につきましては、私どもとしてはその評価すべき材料をいまのところ持ち合わせておりません。
○岡田(利)委員 望月報告その他の資料で検討しますと、第一号、第二号、第四号、第六号鉱業財団、そして住宅関係、これを簿価で総計しますと大体百十八億四百万、こういう簿価の数字が出てまいるわけであります。部長が述べられたように、いざ処分する場合にどれだけの価値があるかという問題は別でありましょうけれども、この対象になる資産というものは、山を残す場合においても処分可能な資産の対象であるということは間違いがないのでしょう。
○福川政府委員 今後の山を残す場合の形態いかんによって違ってまいりましょうが、仮にいまおっしゃるようにこれが別の経営形態のものに譲渡をされる、こういうことになりましたときにこれをどのように評価するかということでございますが、これはいまの資産的な価値をどの程度で評価すべきか、特に鉱業権あるいは鉱業施設そのほかの施設を譲渡いたしますときの評価というのは、それなりにそれぞれその管財人が裁判所の指導のもとで決めるわけでございますから、もし操業をするという形の場合とあるいは全く事業が停止するという場合とでどのように評価すべきか、そこにある程度の差が生ずるという点は私どもも理解できますが、ではそれをどの程度ですべきかという点をいまここで即断して御返答申し上げるのは、まだ私どもとしてそこまで管財人あるいは裁判所そのほか関係者の御意向を伺っておりませんので、ここでは控えさせていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 北炭夕張社の退職手当の引当金というものは皆無なのですか。それとも相当額引き当てられておるとすれば、それは何の担保になっているのですか。
○福川政府委員 退職給与引当金は会社のバランスによりますと、五十六年九月現在で三億七千万程度計上されていると理解をいたしております。
○岡田(利)委員 それは担保にはなっていないのですか。
○福川政府委員 退職給与引当金はバランス上そういうことが計上されておる、こういうことでございますので、私どももそれは正確に調べてみますが、特に担保の中に入っているとすれば、それはあるいは別の形でそれの見合いの資産がどうなっておるかということで判断されることになると思います。
○岡田(利)委員 先ほど渡辺委員の質問にも答えられておりましたけれども、いわば四社間の保証の問題、クロス保証というやつです。夕張、真谷地、幌内、北炭社、これを称して四社というわけでありますけれども、もうこれは明らかになるわけでしょうが、夕張社に対する三社のもの、夕張社の三社に対するもの、これが一体どういうクロス保証になっているのか。これの金額を明らかにすることはちょっと問題がありますか。
○福川政府委員 これはいまおっしゃった幌内、真谷地、北炭本社、空知、これが担保を提供いたしておりますもの、それからそのうちの一部が法人保証いたしておるものと両方ございます。それを両方足しますと相当な金額になりますが、また別途、別にクロスして各社に対しまして夕張社も担保を出しておる、こういうことでございますので、それぞれに相当の金額に相なることでございますので、これをどのような形で処理をしていくのか。相互にたすきがけでなっておるものでございますから、その処理の方法にいろいろなことが出てまいるわけでございます。いまこの段階で相当の金額にもなっております。しかし一方、たすきがけという特殊な事情がございますので、この数字を申し上げるということになりますとあるいは影響するところが大きいかというふうに思いますし、また、実態とややそぐわない面があろうかと思いますので、御遠慮させていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 ただ言えることは、夕張が他の三社に対する保証と他の三社が夕張に対する保証と比較すると相当な開きがある、三倍強くらいの開きがあるということだけは言えるのじゃないでしょうか。
○福川政府委員 大ざっぱな見当としてそういうことであろうと思います。これは今度管財人の手元で何らかのかっこうでこの夕張の山を残す、あるいは真谷地、幌内には何とか波及させないということでいろいろ処理が行われることでございますので、今後の管財人を中心にいたしました作業の検討にまちたいと思っております。
○岡田(利)委員 現在の採掘区域、西部区域と中央であります。これを概して十尺層、こう言うわけでありますけれども、この可採実収炭量はどの程度見込まれると判断されておるのか。もうすでに西部で採掘をずっとロングで進めておるわけですね。それから中央部内の十尺層の石炭、これをトータルしますと、可採実収炭量としては、実際出炭ベースで見れる炭量でありますけれども、どの程度あると判断されておるのか、この機会に承っておきたいと思うのです。
○福川政府委員 西部区域でございますが、これは西三の切りかえ十尺上層とそれから同じく西三の切りかえの十尺層、さらに西の第四の十尺層、これで五十六年の十二月末で、会社側の残炭の見通しによりますと、十七万二千トン。その後二月、三月で西三、西四で採掘をいたしておりますので、五十七年の三月、ことしの三月では大体十四万六千トン程度乗っておるというふうに言われております。この後会社側として西四の切りかえをどう見るかという点は今後また検討の余地がございますが、この点につきましては保安面、採算面で慎重に検討してみなければならないと思っております。 それから、中央部のお尋ねでございますが、中央部では十尺上層と十尺層で、五十七年三月で二十二万トン程度あるというふうに伺っております。 なおそのほか、会社側として、この残炭としてたとえば南部とかあるいは北三の下部とかいろいろな計画があるようでございますが、この点につきましては今後さらに保安面あるいは採算面等で十分検討してみなければなりませんが、お尋ねの西部あるいは中央部というのは大体十五万トン弱あるいは二十二万トンといった程度の数字であろうかと理解をいたしております。
○岡田(利)委員 いまの出炭体制で、四月、五月、六月、この三カ月間、そうすると上期で言えば七月、八月、九月、こう残るわけですね。したがって六月で切ってみて炭量計算しますと、大体最低で五十三万トン程度トータルとして炭量は見込まれるという判断も成り立つわけでありますけれども、私のいろいろな検討の数字ではそういう数字が出てくるわけであります。この数字については大体その程度の実収炭量がある、こう見てよろしいでしょうか。
○福川政府委員 いまいろいろと会社も計画を立ててまいっておりましたが、いろいろいまおっしゃったその数字をどの辺を対象にして考えておられるかでございますが、いま範囲を、さらに北三をどう見るか、あるいは南をどう見るか、あるいは西四の切りかえをどう見るか、いろいろ保安上検討しなければならないわけでございまして、この辺の採掘につきましては、今後石炭協会が関係技術陣を動員をいたしましてその評価をすることが今度の更生計画の一つの作業となろうと思います。並行いたしまして、私どもとしても保安面等で十分検討もして、計画の立案に資さなければならないと思っております。いま四月、五月、六月と掘って、その後どのくらいあるかという点につきましては、私どもとしていますぐここでこのくらいというふうに申し上げるのは、もう少し保安面等の検討を待った上でさせていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 ただ、私が指摘をした西部、中央部、南部は、平八あるいはまた北五、これと無関係な地域である。したがって、どこで採算ベースを見るかということが問題でありますけれども、切り羽なら切り羽先端で採算ベースを見れば、投資関係と出炭コスト、そういうものを計算すれば出てくるわけであります。そういうような計算に立ってこの問題は詰められなければならないと私は思うわけです。これをどう見るかということは今後の北炭夕張の再建にとって非常に重要であると私は判断しておりますから、いま御質問をいたしたわけであります。したがって、いま私が申しましたように、平八及び北五、このブロックとは関係なく、コストさえ合えば掘れる炭量であるということだけは間違いがないと思うのですが、いかがでしょうか。
○福川政府委員 いま御指摘の西あるいは中央、北三、これは確かに御指摘のように災害の起こりました北五あるいは新規にやります平八と離れておるわけでございまして、そういう意味で言えば原因の究明、あるいは平安八尺層に関して言えば今後の採掘の炭量の評価、骨格坑道の展開とは切り離して考え得る範囲のものであるというふうに思います。したがいまして、それぞれに保安の準備あるいは採算性等を見て、そこでそれは検討し得るという対象のものであると思います。
○岡田(利)委員 現在採掘されております露頭採掘の問題でありますけれども、昨年封鎖鉱区が、これは事業団鉱区でしょうか、これが認可をされて、いま採掘が進められておるわけでございます。この露頭採掘は、今日会社更生を申請した中で、法的地位はどういう地位にあるのか承っておきたいと思います。
○福川政府委員 露頭の採掘でございますけれども、現在、御承知のように、北炭夕張は長良鉱区、それからそれに隣接いたします高松鉱区を自鉱区として所有いたしております。長良鉱区は五十六年十一月から請負によって稼行いたしておりますが、高松鉱区は五十五年八月から五十六年十一月まで採掘して、現在休止をいたしておるわけであります。さらに、いまその長良鉱区に隣接する地域、ここに二十ヘクタール程度の区域がございますが、ここは消滅鉱区でございますために、今後採掘するということになりますと、法令に従いまして鉱区調整による取得ということが必要に相なりますし、その上にまた土地の使用との関連で言えば、保安林の解除あるいは私有地の借用といった手続が必要になると思います。
○岡田(利)委員 もう少しはっきり言いますと、この露頭採掘は無担保の状態にある、こういう認識でよろしいですか。
○福川政府委員 詳細によく調べてみますが、私の記憶では、たしかその担保には上がっていないと思います。
○岡田(利)委員 そうしますと、現在所有している採掘鉱区の実収炭量は一体どの程度を見込まれるのか。また、いま部長が説明をされた隣接鉱区、隣接している採掘可能な地区の鉱区の実収炭量はどの程度を見込まれるのか、この機会に明らかにしてほしいと思うのです。
○福川政府委員 長良鉱区の三月末での残存可採埋蔵量は約四十万トン、高松地区におきましては約十三万トン、五十三万トン程度あるというふうに理解をいたしております。さらに、この消滅鉱区、長良鉱区に隣接いたします部分、二十ヘクタール程度の区域でございますが、ここは三、四十万トンの埋蔵量が見込まれておる、こういうことであろうかと思います。
○岡田(利)委員 時間がありませんからこれで終わりますけれども、そうしますと、すでに既採掘量もあるのですけれども、いま部長が言われた数字をトータルしても八十数万トンの実収炭量が見込める、こういう数字になるわけですが、そう確認してよろしいですか。
○福川政府委員 私どもの現在の評価で言えば、そういうことになると思います。
○岡田(利)委員 終わります。
○枝村委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 北炭夕張の事故以来大変な社会的問題になったわけでございますが、ようやくこの再建に向かっての管財人の推薦が行われたわけですが、それまでの努力に対しまして敬意を表するものでございます。 この管財人の推薦の中で重ねての答弁を求めることになって恐縮でございますが、先日から報道されております石炭協会からの管財人の推薦でございますが、何といいましても業界にそれなりの協力ということを求めてこられたわけですが、その中で管財人の推薦をするに当たっての業界、そしてその当事者であります北炭の関係に対する支援といいますか、金融機関といいますか、そういう関係での話し合いといいますか、大変難航したと聞いておりますが、その辺を含めて、この管財人推薦の経過についてお答えを願いたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のとおりに、管財人の選定は当初関係者間で話し合いが行われ、さらに三月に入りまして、札幌地方裁判所から札幌商工会議所で地元経済界から何とか推薦できないかというお話があり、これがまた非常に難航し、三月十八日以降、石炭協会でひとつ業界として受けとめてやってもらえないかという通産大臣からの依頼で石炭協会の会長が鋭意関係方面と接触をされたわけであります。その過程で、確かに私どもも四月十日の慰霊祭の時期までに何とか選定してもらえないかという希望を伝えておりましたが、それが果たさず、結局十九日にその返答が参ったわけであります。 いろいろ難航いたしました背景には、一つは、石炭協会が将来の展望をどういうふうに見通すかという検討をいたしたわけでありますが、これはいろいろな見方があって、さらにまた関係金融機関あるいは関連グループといったあたりの支援体制、あるいは資金面等についての協力体制ということが必ずしもまだ明確な段階にならないといったようなことで管財人の説得に時間がかかる、またなかなか説得が進まなかったというのが実情でございます。しかし、いずれにいたしましても、この管財人がいませんことには今後の再建をつかさどる中心になる方がいないわけでありまして、これも鶏が先か卵が先かという議論はありますが、大ざっぱな検討の上で、もうこの際管財人を決めざるを得ない、こういうことでいろいろお願いをいたしまして、有吉会長の御努力によりましてこのような時期になったわけであります。 それで、関連グループとの話し合いはどうか、こういうことでございますが、今後さらに管財人との間で計画がつくられてまいるわけでありますから、関係金融機関の協力というのは今後さらに話し合いを続けていくということになります。また、北炭の方からは管財人代理を御選定願うことでお願いをいたしておりますが、今後この北炭の関連グループがどのようなかっこうで協力をしていくか、これは後処理的なものあるいは前向きのもの、両方ございますが、この点につきましても、今後管財人のもとで更生計画の方針ができ、計画ができていっている段階でさらに話し合いを詰めていく、こういうことで、これから何とかして山を残す方法はないかということで努力していただく、こういう状況でございます。
○田中(昭)委員 いま最後におっしゃいました山を残すということは大変そうあってもらいたい。しかし、これが大変な問題であるし、むずかしいものですね。乗り越えなければならない、こういうことで御苦労なさっておるわけでしょうが、このたびの管財人の推薦に当たりましても、報道されるところによりますと、この推薦に当たってつけた条件もあるそうでございますが、この条件もいままでの経過から見て当然だ、こういうふうに考えておられるというのですが、この条件を全面的にのむといいますか、また当然だ、やむを得ないというようなことになった背景があると思いますが、その点についてお答え願いたいと思います。
○福川政府委員 あるいはいまの御質問、大臣がお答えする方が適当なことかと存じますが、協会がつけました第一の条件は、過去の経緯の反省の上に立ちまして、自然条件を詳細に検討して、経営面、技術面から実務的、客観的に十分煮詰めた上で再建の方向を見出したいということでございます。これはこの問題に取り組む姿勢として非常に重要な視点である、これは当然そうあらねばならないし、またその結果については私ども十分尊重したいということでございます。 条件の第二と第三は、これはもちろん北炭夕張社で再建の努力をするわけですが、もし北炭夕張社による再建が困難な場合におきましても、何とか山を残したい、こういうことでありますが、その場合には管財人はその職を辞して、そしてむしろ、これはもちろん別会社の形態いかんによりますのでその時点で判断することではありますが、別会社において炭鉱の再建のために努力を行うことが恐らく多かろう、こういうことになりますし、また、その場合に必然的に起こります旧会社の清算ということになりますと、むしろこれは石炭協会が推薦する、いわゆる何とか前向きで山を残すということでお願いをいたしております管財人の処理する業務としては少し範囲を外れておることではないか、そういった後処理的なことは北炭あるいは北炭を代表する方あるいはその方の推薦していただく方にそういったことを処理していただくのが適当ではないか、やはり業界から出していただく管財人は前向きでやっていただくところに焦点を当てたらという点で、これも私どもとしてはやむを得ない御条件ではなかろうかというふうに思っております。 第四は、管財人の業務遂行に当たって北炭グループの資金面、雇用面における協力ということがうたわれておりますが、これは私も当然のことであろうと思います。さらにまた、地元経済界、地方公共団体、金融機関の協力を得ることに際しましても、もちろん管財人も御尽力いただくわけでございますが、その場合の協力要請等につきましても政府も十分応援してくれ、こういうことでございますので、更生の方針が確定をいたしまして、山の再建のめどが立ちますれば、私どもとしても十分努力すべきは当然である、こういうことで、いま申し上げましたような観点から、四つの条件はやむを得ない、あるいは当然の条項ではなかろうかということで、大臣からも有吉さんに、それなりの努力を政府としてもしよう、こういうことを申した次第でございます。
○田中(昭)委員 いまの内容について四条件を詳しく聞いたわけですが、その条件の第一はもちろんそういうことであろうと思いまして問題はないと思いますが、いわゆる第二、第三については、石炭協会の会長さんから管財人の推薦があった、それを政府の方で二、三にわたっての条件を、そういうことが問題をまた起こす可能性があるんじゃなかろうか。それはたとえばいまおっしゃったように、第二、第三の中から酌み取れるものは、やはり現体制での山を残すということがもしもできない場合は新会社をつくって別会社をつくって云々、これは別会社をつくることの前提を与えるような条件をのむことがいま政府としてどうなのかという点ですが、この点はどうでしょうか。
○福川政府委員 もちろん石炭協会におきまして、管財人の候補を選定するに当たりまして将来展望についていろいろな御検討はなされました。しかし自然条件にかかわることでもございますし、また、それぞれ経営管理のシステムを持っておることでございますので、明確な方向づけというのはまだなされていないわけでございます。ただ、北炭夕張も、先ほどからいろいろ御質問が出ておりますように、相当膨大な債務を抱えておる。またその債務の処理に相当時間を要する。こういうことでございますと、何とか山は残したいというのが私どもの願望でございますけれども、そういうことでありますと、あるいは別会社を通じてでも何とか山を残したい、こういうことでございまして、その可能性は私どもとしてはあり得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。しかし、いま現段階で石炭協会がもうそっちの方向で決めたということを選択したということではございませんで、もちろん管財人というのは会社の更生をするわけでございますから、その方向で努力をしていただくわけでありますが、そうなりました段階で、今度別会社になったという場合の石炭協会から出ました管財人の果たすべき役割りというものがどういう方向であるかということをあらかじめ明確にはしておきたい、こういうことでございます。もちろんいま特定の方向で結論を出したというわけではございませんで、これは今後いろいろ当たっていただくわけでございますが、もしいま言った別会社のような方向になった場合に、石炭協会が推薦いたします管財人の権能あるいは職能、管財人というのは前向き、後ろ向き、一人で全部やることになるわけでありますが、そのときにどういうことを主としてやるかという範囲を明確にしておいて選定をいたしたい、こういうことでございまして、私どもとしてはとにかく管財人が選定され何とか前向きの道を見出したいということでございますので、それも私どもとしては一つの方向ではないかということでその趣旨を北炭本社にも十分お伝えいたしまして、そういうことでも御協力願えればということでございますので、このような条件でも、とにかくまずこの更生の仕事に着手してもらうという意味で御推薦を札幌商工会議所を通じてしていただくようなことで私どもとしても判断をいたした次第でございます。
○田中(昭)委員 いまお答えになって、それに対して重ねてのことになって大変恐縮ですが、政府の方でこの条件をやむを得ないとか、当然だというようなことが、またそれをそれじゃそのまま、簡単な言葉で言えばもう残すには別会社方式による以外にないというような判断があって、業界と政府の方にそういう考えがあるのだ、こういうふうに一般に受け取られることに対してはどうですか。
○福川政府委員 もちろん、更生法は裁判所の判断管理のもとで管財人がいたすわけでありますが、石炭協会自身ももちろん方向をはっきりこれだと決めるわけではありませんで、いろいろな可能性を検討はなさると思います。検討なさると思うわけでありますが、そのときにそのままで北炭でいければもちろんそれが一番望ましい方向でありますが、そうでない場合でも何とか山を残したい、こういうことで石炭協会がその方向で努力を進めていく、こういうことの意気込みがあるわけでございまして、もちろんいろいろな経緯がある。先ほどからお話がありますように膨大な負債がある。その処理はこれまた実務的な時間、労力を要する問題でありますから、確かに夕張として残し得ないことがある程度可能性として出るということではございますが、むしろ何とか夕張の山は残したいということで石炭協会としても取り組むという面も出ておるわけでございまして、やはり管財人といっても、先ほど申しましたように前向き、後ろ向き、いろいろな仕事がございますし、前処理的なことは業界として十分やっていただく、しかし後処理的なことはある程度北炭あるいはそれに関連する方々で処理をしていただくということは、現段階で考えるとこれだけ複雑になりましたものとしてはやむを得ない、むしろそういうことが表に出るといたしましても、石炭協会としても何とか山は残したい、こういう意欲のあらわれという側面もございますので、私どもとしてはもちろんその過程で何とか夕張でできないかということも当然御議論は願いますけれども、だめな場合でも何とか山を残すという方向で努力をしていただく、こういうことで、私どもとしては、いま管財人がこれだけ難航いたしましたことを考えますれば、これでやむを得ないのではないかというふうに考えております。
○田中(昭)委員 先ほど言われたように卵が先か鶏が先かになってしまったわけですが、どうであろうとも、これがいま別会社で云々ということですけれども、そのことによって実際再建するためにはやはり炭を掘っていかなければならない、そのためには、やはりいろんないままでのことはこととして、清算会社がやるにしてみても、先立つものはやはり資金だろう、こういうように思うわけですね。そうしますと、その資金のめど等も、いままで言われているいわゆる管財人の選定に当たっての条件の中にあるように、大変これはむずかしい問題ではないか、こう思うのですが、この北炭夕張に対するいままでの金融機関からの支援といいますか、そういうものが先ほどいろいろ御答弁があっておりましたが、私は端的に言って、やはりこういう事故が起こったことは不可抗力的なものもあったかもしれない、しかし、その中にもさらにまたあの事故のときに言われたような二次災害的なものもあった、そして業界等の責任者等も今後も炭を掘る場合は民間企業としてやっていく、そういう中での政府の援助というようなものを見てみますと、私は、今後そういう面は事故原因の調査も行われておると思いますけれども、そういうものと並行して、やはりだれから見ても妥当な線での再建がなされなければならない、こう思うのです。そういう意味におきまして、今後の推移の中で、資金の問題、これについてはひとつ慎重な計画性を持っていかなければならないと思いますが、その辺のことについては何かお考えがあれば……。
○福川政府委員 いま先生御指摘のように、いま原因究明あるいは司法捜査が進められておるわけでございます。これまでも当委員会でもいろいろと御議論がございましたが、この夕張につきましての技術的な面あるいは経営管理的な面、しばしば災害を起こしているということから見ますと、原因究明と同時に、そういった保安体制あるいは経営管理体制、これは相当抜本的に見直さなければならない、それはまた今後管財人の手元でも十分今後の経営のあり方の一環として検討される、こういうことになるわけであります。そういうことになりまして、さらに将来の展望が説得力あるものができる、それで裁判所もあるいは関係の債権者も理解できるということになりますと今度再建にいくわけでございます。 通常の更生会社でございますれば、あるいはある程度の資金的なめどを民間金融機関から取りつけた上で更生に入るケースが間々ございますけれども、事本件は非常にむずかしい状況にございます。したがいまして、今後更生計画の中で再建に要する資金というものを手当てをしていく点に努力をしていかなければならないわけでございます。まず、関係金融機関等の理解を得ますためには、そういった説得力のある計画をつくる、あるいは経営形態を見出す、そういうことが重要でございます。したがいまして、その上で十分金融機関に対しても話し合いを管財人もし、私どももそれに応援をしてまいるというふうにすべきものと思っております。また、財政につきましても、現行の制度でも他の業種に見られないかなり手厚い制度がございますので、それをできる限り活用していくということで政府の支援もしていく、こういうことでございますので、私どもも、いま御指摘の資金面につきましては十分努力をしてまいりたい。そのためには、その前提として、今後の技術面、経営管理面、その他を十分詰めた上で、いままで非常に不信感が強く漂っておりました経営を十分立て直し、さらに説得力ある経営計画をつくってその辺の理解、協力を求めてまいる、こういうかっこうで進んでまいりたいと考えております。
○田中(昭)委員 時間ですから終わります。
○枝村委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 石炭対策については石炭部長が一手販売で大変御苦労さんですけれども、北炭問題について一点だけお尋ねいたします。 この北炭問題というのは、これほどまでに世間の注目を浴びるといいますか、ある意味においては世間を騒がしたといいますか、いずれにいたしましても北炭新鉱がスタートするときからのいろいろな話題をまいた炭鉱でありましたし、そういう点ではこれほど社会的に今日関心を持たれている山はないのじゃないかと思うわけであります。そういう中で、先ほど来質疑が交わされておりますように、やっとのことで管財人が決まったわけでありますが、当初地元財界といいますか地域でもしり込みされ、最終的には業界が引き受けられたような中で選考されて、結果的には政府に対して、また北炭グループに対してげたを預けたような形での管財人の選出になったわけであります。北炭の再建の問題についてこのように長時間を必要とし、管財人がようやく誕生するような、こういう一般的な会社再建から見ると異常な状況でありますが、北炭再建の中で非常に特殊なこういう経過をたどったその根本的なネックになったものは一体何なのか。かなりの累積赤字を抱えているということは当然承知されているわけでありますが、それ以外にやはり北炭の体質自体に問題があってなのか、それともこれはどのように考えてみてももう再建というのはちょっと考えられないのじゃないかということなのか、いろいろ置かれている状況、それぞれ見方は違うかもしれませんが、今日までこのように大きく時を経たような経過をたどったわけでありますが、その大きなネックというものは一体どういうものを考えられておるのか、行政の側からの一つの所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○福川政府委員 幾つかの要因があろうと思いますが、今後管財人を選定する、この展望が将来どうであるかということが一つあると思うわけであります。当面北部ということにつきましては災害の原因究明がまだ済まない、したがって、北部はある程度炭層条件もいいけれども、しかし災害あるいは保安という面の見当がつかない。しからば平安八尺層で再建のきっかけがつかみ得るか、こういうことになりますと、これはなお検討すべき点がある。御承知のように平安八尺層は百メートルぐらい現在の炭層よりも上にございますけれども、これが一般炭である。したがって手取りが比較的十尺層に比べると低い。さらに、平安十尺層等が二層でありますのに対してこれは一層である。したがって、坑道を展開するにいたしましても果たして投資効率がいいかどうかわからぬ。さらにまた、平安八尺層の延長のボーリングが必ずしもまだ十分できていないといったような、計画面で平安八尺層で果たしてやり得るのかどうかがいまのところ確たる見通しが持ち得ないということで、これをもう少しさらに検討してみる必要があるということでございます。もちろんやり方によって平安八尺層でやれるという見方も成り立ち得るわけでございますが、そのやり方にいろいろ問題があるのでそこにどうしてもなかなか踏み切りができなかったという、将来展望についての面が一つあると思います。 それから第二点は、いま御指摘のように非常に膨大な債務を抱えておる。この旧債の処理ということが相当いろいろ問題になる。それでこの旧債の処理の仕方いかんによりますと、これがまた新しく再建する方の企業の負担になる可能性もある。したがって、この旧債の処理がどういう形で行い得るのかという展望を持ち得ない。したがって、新しく再建に踏み出したとしても、また前の債務が乗っかってくる、こういうことになると果たしてやれるのかどうかという確信が持ち得ない。そこをどういうふうにすればいいのかという展望がまだできないというのが第二点であったかと思うわけであります。 それから第三点は、いま北炭についての経営体質ということの御指摘がございました。過去にもしばしば災害を起こし、また再建ということが何回か問題に相なったわけでございます。今後そういった再建に踏み出していく場合に、その企業労使全体を含めて何とか——技術面等について先ほどもちょっと申し上げましたようにいろいろと問題がある、あるいは経営管理面でいろいろ問題があるといったような経営体質に根差す問題これの改善のめどというのをどういうふうにつけたら果たして本当にやっていけるような形になるんだろうかといっためどがなかなか持ちにくいといったようなことで、いわゆる将来の採掘における経営計画の採算性、さらに旧債の処理あるいはおっしゃった経営体質の改善の方途、これをどういうふうにアプローチしていったらいいだろうかという点について、いろいろ御依頼を受けた管財人候補の方たちが十分どうも確信が持ち得なかったという点に問題があったわけであろうと思います。 幸いにいたしまして、今後そういったどちらが先か、本当であれば展望が先行すべきが通常であろうかと思いますが、それをなかなかやっている余裕もないということでお選びいただいたわけでありまして、今後この選ばれるであろう管財人を中心に企業労使が十分真剣に取り組んでいく、その真摯な姿勢が関係者の理解を得る、こういうことにつながることを期待をいたしておるわけであります。
○小渕(正)委員 要約いたしますと、膨大な債権処理をどうするかというものが一つ。それから、債権処理は可能だとしても、将来あの新鉱が新しい一つの独自な立場での採算性の中で、これから果たして操業が可能かどうかという問題が一つ。それから、経営体質的には、経営的な管理面または技術面、労務面、そういった面で経営内部に対するいろいろそういった体質的な問題がある。 三つのことが挙げられたわけでありますが、そういう点からいきますならば、やはり債権処理についてはいろいろな知恵の出し合わせによってはまた可能かと思います。それから、将来方向をどう見るのかについては、これはもう専門的な立場で判断されざるを得ないだろうと思うわけでありますが、そういう面で見ますと、経営体質をどう変えていくか、ここらあたりも一つはそういう意味でのネックになっておったということになりますと、これはそういったいろいろな問題からかどうか知りませんが、新聞等で報道されておるところでは、管財人が大沢さんに決定したという記事の中で「新会社設立構想は微妙」ということで、結果的には、もうだんだんしりすぼみになりながら最終的には閉山もやむを得ないのではないかという方向に行かざるを得ないのではないか。大体今回の管財人の選出された記事の中では微妙にそういったニュアンスがどこのマスコミでも取り上げられているわけでありますが、この点についてはどのようなお考えをお持ちなのかお尋ねをいたします。
○福川政府委員 いろいろこの北炭の再建がむずかしい問題を抱えておるということは先生も御承知のとおりでございまして、管財人の選任が時間がかかったというのも、先ほど申しましたような要因が絡み合いながら時間を要したわけであります。しかし、石炭協会の副会長というポストについてそして管財人の候補になっていただいたということは、業界全体としてもこの山を残す、業界の技術力あるいは経営力、そういった経営的なノーハウ、これを結集をいたしまして、何とか山を残す、こういう方向で取り組んでいただいておる、こういうことでございまして、私どもとしては、再建に当たりましていろいろな形態は考えなければならないと思います、従来のままでとてもできるというわけではございませんが、何らかのかっこうで山は残していく、こういうことで取り組んでいただけるもの、また私どものそういう気持ちは十分御理解賜った上でのことであるというふうに思っておるわけであります。いろいろ新聞報道で、しりすぼみ等という報道がなされておることも私どもも感触として承知はいたしておりますけれども、いまこの業界全体が技術力、経営ノーハウを結集してそれで何とかやっていくということが唯一残された道でありますので、その道を私どもとしては何とか山を残す、山の再建の可能性を最後まで探求してもらうということでやっていただいておりますので、私どもとしてもその努力に期待し、できる限りの所要の援助をしていく、こういうことで何とか山は残したい、こういうことで取り組んでおるわけでございます。
○小渕(正)委員 いろいろな問題点が経営体質上もあるようでありますが、とにかく山を残すということを前提にして、その上に立っての大手術といいますか、いろいろな再建の手法についてはひとつ思い切って大胆に取り組んでいただくようぜひ行政の側でも御指導をお願いしておきたい、かように思います。 次に、大臣がお見えになりましたのでお尋ねいたしますが、わが国の国内石炭産業の安定化の問題についてでありますが、御承知のように、現在の石炭業界の状況を数字的に申し上げますならば、五十六年度の大手五社の実態として経理の状態を見てみましても、山元の手取りの中では営業損益が前年五十五年度はトン当たり千百九十三円、五十六年度が千五百五十円、約三百五十七円の増になっておりますし、また営業損益の中で見ましても、トン当たり三百七十五円、五十六年度は五百二十六円ということで、百五十一円のまた赤字増になっているわけであります。したがって、経常損益から見ましても五十五年度がトン当たり四百十八円で総括的には約五十四億、五十六年度はトン当たり五百八十五円で総括的には七十七億というふうに、いろいろな諸対策は講ぜられておるにもかかわらず、五十六年度末における累積赤字等は大手五行でも二百七十四億というような経営状況でありまして、こういった年度年度いろいろな対策をとられながらも逐次赤字が増大していくということは、そういう意味では非常に経営の安定化と逆行するような傾向が出ておるわけでありますが、これに対しましてどのような方策をもってこの国内石炭産業の安定化を図っていこうとされておるのか、その考え方の大まかなものについて、ひとつ大臣のお考えがあればお聞きしたいと思います。
○福川政府委員 いま御指摘の石炭鉱業の経営の点でございますが、ここ二、三年の間、特に石炭の見直しの傾向というようなことと、それから標準炭価制度によります炭価の引き下げということが行われてまいりました。五十五年度で政府の諸対策を加えました経常損益で申しますと、前年度でトン当たりで比べまして三百二十三円改善されまして、百六十七円の赤字というところまで同腹をいたしてまいりました。さらに五十六年度の炭価におきましては、これをまた相応の平均で申しますと、千百三十五円という改善をいたしたわけであります。もちろんその間経費等の値上がり等がございますので、五十六年度末の決算、これが最終的にはどういうふうなことになりますか、もう少し時間を要するわけでありますが、私どもとしては、従来のようなことから、少しずつ事態は好転しつつあるというふうに思うわけであります。 今後、第七次策の展開におきましては、もちろんそれぞれいろいろな諸対策を講じております。たとえば坑内骨格構造の補助金、必要に応じまして合理化効果が上がります新区域・構造改善工事の補助率の引き上げでありますとか、あるいは安定補給金の傾斜配分の強化といったような施策を五十七年度から準備をいたしておるわけであります。そういうわけで、これまでも需要業界の協力あるいは政府の施策、労使の自己努力といったようなことから損益の改善が徐々に進みつつあり、私どもとしては、自立への展望が開かれつつある状況にあると思っておるわけであります。 第七次策に踏み出したわけでありまして、この第七次策の精神によりまして、今後、炭価の設定あるいはまた政府の施策の効率的な運用、こういうことから、私どもとしても、何とか今度の第七次策の過程で自立のめどをつけていく、こういうことに努力をしてまいりたい、かように考えております。
○安倍国務大臣 私は、これからのわが国の石炭は中長期的に見れば、わが国自身のエネルギー構造というのは非常に脆弱ですし、石炭が唯一のエネルギーの国内資源ということですから、これからのやり方次第によっては十分、発展といいますか、安定できる産業である、こういうふうに基本的に考えております。ただ、現在は、いまお話しのように石炭産業、経営も非常に苦しいわけでございますが、七次答申も出まして、二千万体制を堅持していこう、こういうことが決定いたしておりますから、それに基づきまして、今後とも政府として予算を初めとする諸施策を講じていく、さらにまた、経営の方もこれからがんばっていただいて努力を続けていただけば展望は開けてくるんじゃないか、こういうふうに考えております。
○小渕(正)委員 第七次政策に大きく期待するようなことで感じたわけでありますが、非常にいろいろ諸対策を講じられておるにかかわらず、いろいろな諸経費の増によりまして、結果的には過去においては余り実効が上がらなかったような感じがいたしますが、そういう意味では、積極的な諸対策を特にお願いするわけであります。 そういう中で一つ問題になるのは、企業間格差、炭鉱間の格差が逐次大きくなっていくというこの傾向をどうするか、これはまた石炭産業安定化の中での一つの大きな問題だと思うわけであります。大まかに言いますと、収支とんとんのような山もあれば、トン当たり五千七百円近くの赤字が出ざるを得ないような、そういった炭鉱といいますか山もある。こういった余りにも格差のあるような中でその安定策をどう求めていくか、これはきわめてむずかしい問題であると思いますが、それらに対する対策について、ひとつお考えを聞かせていただきたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のように、自然条件の差、立地条件等によりまして格差が生じ、またさらにこれが奥部化、深部化していくということになりましてその格差が広がる可能性があり得ることは、第七次答申でも指摘されておるところでございます。その観点で、先ほど申しましたように安定補給金の単価改定を五十七年度の予算からお願いをし、実施に移すわけでございます。もとより、この企業間格差というのは、私企業体制のもとでは企業の労使の自助努力で解消すべきことがこれは基本の考えではありますが、そこにおのずとまた限界がある、こういうわけで、いまのような安定補給金の単価の改定、傾斜配分ということに努力をした次第であります。 さらにまた、そのほかの、たとえば坑道の補助金でございますとかあるいは保安面につきます補助金、こういうことにつきましても、こういった比較的傾斜の高い炭層条件に対しましては手厚く補助を見る、こういうことになっておるわけでございまして、そういった幾つかの施策、補助金等の施策を組み合わせることによりまして、今後このような格差の是正を順次図っていく。さらにまた、このほか、たとえば第七次策でも指摘されておりますように、関連企業そのほかの協調体制の効果等によります合理化の施策とか、いろいろな面の組み合わせで参る、こういうことで格差の吸収ということを図ってまいるという必要があるというふうに思っておるわけでございます。 御指摘のとおりに、いろいろな差が生じておりますが、いま申し上げましたような施策で、五十七年度あるいはまた、さらに可能であれば五十八年度、この推移を見まして、今後の第七次策の過程の中でその展開あるいは今後の方向を順次慎重に検討してまいるつもりでおります。
○小渕(正)委員 それでは次に移ります。 国内炭の優先引き取りという問題についてお尋ねいたしますが、第七次政策で、販売制度の廃止が一応決まったわけでありますし、現在の需要業界を見ますと、鉄鋼にいたしましてもセメント業界にいたしましても、また電力業界にいたしましても、それぞれ需要は余り大きく伸びるようなことは期待できないような状況に置かれているわけでありまして、そういう中で、そういう原料炭に対する国内の中における一部ユーザーの動きとか、それぞれ海外炭を長期に買い付けるためのいろいろな長期契約等がされておる関係から、そういう諸般の事情を考えますならば、現在国内炭は果たして従来どおり優先引き取りということがずっと確約されていくのだろうか、業界としてはそういう不安なしとしないわけでありますが、これについては、これからもどのように対処されようとされているのか、その点をお尋ねいたします。
○福川政府委員 最近、石炭の見直しによりまして国内炭に対しましても、特に一般炭を中心といたしましてその需要は増勢傾向にございまして、価格面におきましても、内外炭の価格差は、少しずつではありますが縮小の傾向にございます。しかしまた一方、内外炭の価格差はなおかなりの額で残っております。一般炭で言えば、これはいろいろの比較の方法がありますが、三、四千円ございますし、原料炭でも六、七千円あるいは八千円程度の格差がございます。なおそういった格差が残存いたしておりますので、今後とも、この供給の弾力性に乏しい石炭資源産業、こういうことの特殊性を考えますれば、この需給調節を適切に行って、国内炭の安定的な需要の確保ということは非常に必要な施策であろうというふうに思うわけであります。したがいまして、第七次答申におきましてもこの点が十分指摘されておるわけでありまして、今後とも、私どもとしては、輸入割り当て制度を維持して国内炭優先使用の原則に立ってその運用を図り、国内炭の需要の確保に努めていく、こういうことを考えておるわけであります。 また同時に、この需要の安定的な引き取りということのために、第七次政策からはローリングシステムで中期的な展望をつくる、こういうことでございまして、現在石炭協会を中心に需要業界とその話し合いを準備を進めておるところでございます。 そういった自主的な努力で安定的な引き取り体制ができていく、こういうことになってまいりますれば、今後石炭の引き取りもかなり安定をし、また供給面でも十分それを想定した体制がとり得る、こういうことになっていくわけであろうと思うわけであります。もちろん、需要業界が最近の不況等でいろいろ減産等の情勢がございますが、私どもといたしましては、いま申し上げましたようなこれらの諸施策を通じまして、国内炭の安定的な需要の確保ということにつきましては遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
○小渕(正)委員 最後にお尋ねいたします。 五十七年度の炭価決定が大体いつごろ決められるのか、この点は非常に重大な問題でございます。大臣、特にことしの賃金増額問題は、大体公労協もああいった方向になりましたし、大きく山場を過ぎているわけであります。ところが、現在炭鉱で働いている労働者の諸君については、まだまだそういった交渉が難航しているようでありまして、まだ具体的な回答が出ていないようでありますし、世上問題を大きく抱えているいろいろな政府系の中では、どのような企業であろうとも軒並みああいった民間準拠という形で回答が出されるわけでありますから、少なくともわが国の資源を確保する、そういった中で働いている地下産業の労働者に対しましても、当然もっと早目にいろいろと具体的なものが出されてしかるべきであると思いますが、状況は必ずしも予断を許さないような状況にあろうかと思います。その一つの問題として、やはりこういった炭価をどのように決められるのかということも、また経営サイドからはそういった問題との兼ね合いもありまして、交渉がなかなか進展しないのじゃないかという見方もされるわけでありまして、そういうもろもろのことを考えますならば、政府としては、炭価決定についてはひとつ早急にこの問題の処理をやっていただかないことには、それらの問題が非常にいろいろなところにまで影響をいたしますので、そういう意味でこれは非常に重要な政策決定でございますから、ぜひその点は決断を持たれて、早急に取り組んでいただきたいということを意見としてお願いしながら、その経過をお聞きしたいと思います。
○安倍国務大臣 国内炭の炭価決定に当たりましては、御承知のように、石炭鉱業合理化臨時措置法に基づきまして、毎年通産大臣が石炭鉱業審議会の意見を聞きながら石炭の生産費、石炭の輸入価格、石炭以外の燃料の価格その他の経済事情を考慮して決める、こういうことになっておるわけでございます。したがって、五十七年度の基準炭価に当たりましても、第七次答申の御指摘も参考にしながら、賃金あるいは採炭コストの動向、海外炭価格の動向、国内炭の需給動向、そういうものを考慮しながら、石炭企業の収支改善、国内炭需要の安定的な確保、そういう観点から基準炭価を決めてまいらなければならないと考えておるわけですが、この具体的な時期について、いま早く決めろというお話でございますが、いまここでいつ決めますということをはっきり申し上げることはちょっとむずかしいわけでございますが、石炭鉱業審議会を初めとする各界の御意見を聞きながら、私としてはなるべく早い時期に、できるだけ早い時期に決定をしたい、こういうふうに考えております。
○小渕(正)委員 終わります。
○枝村委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 北炭問題に入る前にちょっと一問だけ……。 いま小渕委員から炭価問題について質問がありましたけれども、部長答弁を聞いておりますと、最近の円レートの動向と、それから通関ベースの実績と比較すると、どうも数字が余りにも違い過ぎるのじゃないか、こう聞いたわけです。たとえば一般炭で申し上げますと、豪州炭、これは二月の通関ベースで見ますと七十四ドル五十九セントという数字になるわけです。したがって、二百四十五円掛ければ大体一万八千二百円程度になるわけです。それから、アメリカの弱粘結の石炭の通関ベース価格は七十八ドル六十五セントであります。したがって、これまた一万九千若干になる。最近は滞船料その他の関係もありますけれども、そういう動向にあるわけですね。そうしますと、一般炭の場合には、比較をしてみると、決して国内炭と外国炭に差がない。むしろ船型によっては大幅に逆転しているというのが正しい認識であり、また原料炭の場合にもそんなに値差はない。従来、たとえば日本の国内弱粘結が三千円プラスして大体よろしいという従来観念で計算をすると、もう格差はない。これは二月の通関ベースで二百四十五円で計算するとそういう数字になるわけです。したがって、もちろん円のフロートの状況で円安傾向がずうっと続くというわけではないでしょうけれども、現行の円のフロートの状況から判断すればそういう状況にあるというのが今日の外国炭と国内炭の炭価の比較ではないか。アメリカあたりから二万トンの船で持ってきて、たとえば祝津コールセンターでアンローダーでぽっと積みかえて、釧路に揚げて、釧路で基準炭価とこの外国炭とを比較すると、トン最低の場合でも六千円、高い場合には九千円違うわけです。十万トン違うということになりますと、六億円から九億円違うというのが実績に出ているわけですね。そういう意味で、やはり円の動向を判断しなければならぬけれども、情勢は変わっているというのが第一点ですね。 同時に、第七次政策というものは、初年度になる昭和五十七年度の炭価がどう決まるかということがやはり発射台になるというのが今度の第七次政策の方針であります。したがって、特に一物一価方式等も主張されて、原料炭の場合には非常に問題点もあるように聞いておりますけれども、しかし一昨年の動向は、原料炭の国内炭の占める比率は一一%台、去年の場合には七・六%ぐらいに落ちているわけですね。そういうのが今日の内外の供給実績にあって大きく変わっておるわけですね。これは北炭災害も影響いたしておると思うのであります。それと、一般炭にシフトしたという実績がやはりこのような数字で出ているわけですね。そういう判断から見ると、五十七年度の炭価というのは、昨年同様、少なくとも六月中に決めなければならぬ、こう私は判断するのですけれども、この点、いかがでしょうか。
○福川政府委員 いま、内外の価格差の数字についてのお尋ねでございました。先ほども申しましたように、比較の仕方が、先生御指摘のとおりいろいろむずかしゅうございまして、私どもよく用いておりますのは、国内炭は関東市場の京浜渡しで六千カロリーの基準炭価で、輸入炭は通関でいたしますと、いま申し上げたようなことに相なるわけでございますが、これはいまおっしゃったように、個別にとってまいりますと価格差がもっと狭まっておるものもございますし、あるいはまた受け入れ地によりましては、あるいはまた船型によりましては、かなり国内炭に競争力が出てきているという面がある点は御指摘のとおりでございます。いま豪州の数字を挙げられましたが、二月の豪州からの輸入の通関の価格は、確かに御指摘のとおりに、一月に比べますと急に上がっておるわけであります。米国炭とそれほど大きな差がなくなってくる、こういうことでありますが、これは、あるいは量が非常に少なかった、あるいは入った船によってということで、一時的な要因がそこはあろうかとは思いますが、傾向としては、先ほども小渕委員の御質問に対して申し上げましたように、傾向としては格差は縮小の方向にある。しかし、まだ残存はしている。しかし、その格差の比較の仕方はこれはいろいろ問題があって、需要家に応じて競争条件がかなり変わっている点は、私どもとしてもそのように理解をいたしております。 それから、国内炭価の決定を六月中にも、こういう御指摘でございまして、今度第七次策におきましては、その炭価の考え方はある程度具体的な方向が示されておるわけでありまして、現在石炭協会と需要の電力あるいは鉄鋼業界との話し合いに入り始めておるわけであります。この場合に、コストがどのくらい上昇するのかあるいはまた原料炭と一般炭との価格差がどのようなことであるのか、いろいろ需要業界の意見がございます。いまどのようにその負担をすべきかというようなことで、鉄鋼あるいは電力の間でいろいろ御見解が石炭業界の方に示されて、その回答をすべく協会の方でも作業をいたし、私どもとしてもその対応を考え、検討いたしているところでございます。私どもとしても、今後今年度の需給見通しを考え、さらにまたそういった業界の話を見ながら、先ほど大臣が御答弁申し上げましたような要因を十分検討して、果たして六月にできるのかどうか私もいまここで明確には申し上げられませんが、大臣が御答弁申し上げましたように、できるだけ早い機会にそのめどをつけてまいりたい。従来はとかく、第六次策の時点では年度末になるとかあるいは秋になるとかというようなことでございましたが、やはり経営の安定ということから言えばできるだけ早い方がいいという点は御指摘のとおりでございますので、私どもとしても、じゃいますぐ六月にどうかということは申し上げかねますが、できるだけ早い方向で関係業界を督促し、私どもも作業を進めたいと思います。
○岡田(利)委員 北炭問題というのは、夕張だけじゃなくして真谷地、幌内の問題もあるわけですから、そういう意味で今年度の炭価が早目に決まるということは非常に望ましいと思いますので、この点特に指摘をしておきたい、こう思います。 大臣がお見えですから大臣にお尋ねしますけれども、石炭協会の有吉会長が大臣に出された文書をずっと冷静に読んでみますと、どうも文章スタイルからいいますと順番が違うのではないかなという感じも私、しているわけです。大体これは三番が一番に来て、一番が二番に行って、四番が三番に来て、二番が四番に並ぶと非常にわかりいいのではないかと思うわけです。管財人に対して北炭から管財人代理を出してくれ、これはきわめて素直なことです。そして管財人云々の一番を読んで、それから四番を読んで二番を読めば、大体流れというのは私はわかるような気がするわけであります。 協会自体としては、大臣から要請を受けて検討期間が約一カ月あったわけですね。前後若干除いても三十日間あるわけであります。したがって、三十日間という期間は相当な期間であって、相当分析検討されておる、こう考えざるを得ないわけであります。そして、今度回答が出されたわけでありますから、そういう限りにおいては、どうもいまの体制のままの更生計画の設定はむずかしいのではないかという思想が優先的に条件の中に出てきておるのではないか。したがって、再建できるとするならば、いわば別会社方式ということが鮮明にこの中には浮き上がってきている。しかし、いずれにしても大臣の要請に従って回答を寄せられたという意味は、ずいぶん検討して時間もかけたわけでありますから、とにもかくにも夕張炭鉱の再建を図るという非常に前向きの姿勢で回答が出された、こう私は判断をするわけです。大臣が回答を受けられていろいろ意見の交換もあったと思うわけでありますが、そういう意味で、率直な大臣の見解をひとつこの機会に承りたいと思います。
○安倍国務大臣 今回の北炭夕張社の管財人の選定に当たりましては、私自身もずいぶん苦労したわけでございますが、国会の与野党の各関係の議員の皆さんにも大変御協力を賜りまして心から感謝をいたしております。特に有吉石炭協会の会長が本当に努力を重ねていただきまして、現在考えられる最も適切な管財人を選んでいただいたわけでございまして、その御苦労に対しては私もただ感謝をいたすだけでございます。 いま北炭夕張の再建が大きな課題でありまして、そのためにまず適切な管財人を選ぶという第一の山をここで乗り越えることができたわけでございます。大沢新管財人によりまして今後、いずれにしても裁判所の手に移っておるわけですから、裁判所を中心に更生計画が練られていくと思うわけでございます。私どもとしては、大沢管財人のもとに更生計画が一日も早く決定をされて、私たち、特に私自身が非常に熱望をいたしております山を残す、こういう方向で何とか事態が収拾され、さらに展望が開けてくる、こういうことを期待いたしておるわけでございます。 いまお話のように、管財人の推薦に当たっての条件が出されたわけでございまして、それぞれ私はもっともなことだと思っております。現在の厳しい情勢の中においては、有吉さんが管財人を選ぶとしてもあるいは大沢さんが管財人を引き受けるとしても、これはもっともな条件ではないか、私はそういうふうに判断をいたしております。そういう中で政府がやらなければならぬ面もありまして、これはそれなりの責任を十分果たしていきたい。厳しい中でこれだけりっぱな人を選んでいただいているのですから、政府としてはここに書かれております条件を支持して、できるだけの協力をしなければならない、こういうふうに考えております。 いずれにしても大沢さんという新しい管財人ができたばかりで、これから裁判所といろいろとお話し合いに入られるわけですから、その経緯を見つめてまいりたい、こういうふうに思っております。
○岡田(利)委員 大臣の再建にかけた熱意が協会をして大沢管財人を推薦させた、この点では私も敬意を表しておるわけです。したがって、大臣がかねがね主張しておりますように、いずれ管財人が検討され裁判所が判断されるとしても、政府としてはこの山を再建するという従来の方針については毫も変わってないし、その点で積極的な対応をする、こういう意思であると受けとめてよろしいですね。
○安倍国務大臣 前々から言っておりますように、何とかこの山は残したい、そして将来への展望を込めて、この山がどういう形になるかこれからの問題ですが、いずれにしても再建の方向へ進んでいくことを私は熱望しておりますし、そういう方向で今後とも、管財人の努力をされることですが、これに対して協力を惜しまない、そういう気持ちであります。
○岡田(利)委員 先ほど来、他の真谷地、幌内等の問題等も議論されておるわけですが、大臣はかねがね、真谷地、幌内いずれも影響を与えては一方の山が立たないということになってまいりますからこの真谷地、幌内には影響を及ばさないように最大限の努力をする、そういう一つの原則がいままで述べられてまいったわけです。その原則についても従来述べられた方針は変わりはない、こう今日も受けとめてよろしいですか。
○安倍国務大臣 御承知のように幌内、真谷地は夕張に対しまして融資、物的担保の提供を行っておるほかに、北炭社を含めた四社の間で相互に連帯保証関係があるわけでございます。したがって、真谷地、幌内、夕張というのは全く密接な関係になっているわけですが、こうした実態にかんがみまして、実は更生の手続が開始されるに当たりまして、私としてもこの夕張社の更生手続開始とともにその影響が真谷地、幌内に出ることを非常に心配いたしまして、何とかこれは影響を避けなければならぬということで関係金融機関や取引先に対しまして、保証債務の追及を見合わせるように要請を繰り返してまいりました。関係の金融機関とか取引先も、このわれわれの要請にはこたえていただいたと思っております。そして現在まで何とか両社への波及を避けて今日に至っておるわけでございますが、今後とも引き続いて金融機関あるいはまた地方公共団体の協力のもとに、何とか両社への影響を最小限にとどめるようにできるだけの努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。これはやはり関係が深いだけに、この措置といいますかやり方を誤ると、一緒になって大変な事態に入ってしまうわけですから、何とかこれを切り離していきたいというのが私の基本的な考えでございます。できるだけ努力したいと思います。
○岡田(利)委員 最後に三点承っておきたいと思うのです。 昨年の会社更生法申請の場合の債務の総括書を見ましても、この数字でも借入金の次には労務債が九十一億八千万と非常に大きな数字が出ておるわけであります。いずれにしても、これは退職金を含めて労働の対価であります。したがって、人道主義の立場からも労務債に最大の関心が寄せられなければならないと私は思うわけであります。この点について大臣はどうお考えかというのが第一点であります。 第二点は、三井観光を除く北炭グループと見ればそう大きな力はないのではないかと私は思うのです。もちろん北炭グループが協力することは当然であります。しかし、それには、真・幌に影響を与えないとかいろいろ考えればおのずから限界があるのではないか。しかし、三井観光は、歴史的経過と道義的な面から見ても積極的にこの問題解決に、夕張の山を残すことに協力しなければならないということは当然ではないかと思うのですが、この点の大臣のお考えはどうかというのが第二点です。 第三点は、この会社更生計画の結果いろいろ問題点が出てくると思うわけであります。その場合の前提としていま北炭グループ、三井観光の問題を述べたわけですが、なおかつその上に立って、必要があれば諸法規の改正を行ってこれに対応するという御意思があるかどうか。 この三点について承っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 第一点の労務債の取り扱いでございますが、北炭夕張社の再建につきましては、会社更生法の定めるところに従って裁判所の管理のもとに、これから選任されました大沢管財人の手によって解決の道が見出されることを期待いたしておるわけであります。御指摘のような未払いの労務債が相当たまっておるわけでございますが、この労務債につきましても、今後管財人によって策定をされる更生計画の中で適切な解決の道が見出されることを期待いたしておるわけであります。 なお、北炭夕張社に対する北炭グループの協力、特に三井観光開発の協力の問題でございます。やはり夕張社の再建のためには、会社当事者はもちろんのことでありますが、関連グループの再建に向けての熱意と努力を基礎として、説得力のある長期展望の策定、関係方面の信頼が得られるような経営体質の抜本的な改善が行われることは不可欠である、こういうふうに考えておりますが、その資金対策につきましても、同社が会社更生法の適用下にあるために、自己の資産処分、関連グループからの支援など自己調達によるべきことが基本でございます。たとえば三井観光株式会社は去る一月、夕張社の電力所を真谷地に譲渡するに際しまして、電力所にかわる代替担保を提供したところでありますが、今後もこういった資産処分、関連グループの支援等の自己調達を行う必要があると考えております。これは管財人の推薦に当たって有吉会長から提示された四条件の中でも示されておりますが、やはり関連グループ、北炭グループは誠意をもって協力するということになっておりまして、ぜひともできるだけの最大の協力をわれわれは求めたいと考えておるわけでございます。 それから、再建について必要があれば諸法規の改正を行う意思があるかどうかということでございますが、更生計画が今後策定をされ、関係金融機関の支援の見通しが立ち、司法判断によって更生計画が認可されるなど見通しが出れば、現行制度で可能な範囲内での所要の財政支援を行いたい、こういうふうに考えております。なお、石炭産業につきまして、これはもう御承知のように、すでに他の産業には見られないような手厚い助成制度を講じておるわけでございまして、夕張社の再建に当たっても現行制度で可能な範囲内で所要の財政支援を行うというのが私の基本的な姿勢でございます。現在の制度の中で、皆さん方とも相談をしながらできる限りの支援を行っていきたい。これはいろいろとまた今後検討課題もあると思いますが、そういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 時間がありませんから終わりますが、夕張の再建と真谷地、幌内とにできるだけ影響を及ぼさないという原則、この二つの原則と、いま後段で質問しました労務債の問題について注意を喚起したこと、北炭グループ関係の協力、そして必要があれば諸法規の改正と申し上げましたけれども、法律の改正がなくとも現行制度は政令、規則にゆだねている部分が非常に多いのであります。したがって、法の改正がなくとも規則のある程度の手直しを図るとかそういう対応性は当然、現時点では大臣の答弁は理解できますけれども、いずれ事態の進展に従ってはその程度の決断は必要ではないかということを強く指摘申し上げて終わりたいと思います。
○枝村委員長 塚田庄平君。
○塚田委員 大臣、余り時間がございませんので、簡単にお願いしたいと思います。 まず第一点は、先ほども部長にちょっと質問したのですが、実はきのう長期エネルギー需給見通しが出ました。下方修正をされておりますけれども、石炭、水力、地熱あるいは原子力というものに対する期待は非常に大きくて、むしろその方はどんどんと増加をしておる。下方修正されておりますけれども、石炭、水力あるいは地熱、特に原子力といったものについての見通しは非常に大きく評価されておるわけですが、そういう中で五十五年度の実績は、表に出ておりますとおり千八百十万トン、残念ながら二千万トンには達しておりません。五十六年度の実績はまだ正確には出ておりませんが、私がいま調べたところでは大体千七百五十万トン、まあ千七百四、五十万トンと見ていいでしょう。残念ながら下がってきているわけですね。これは恐らく夕張の火災が入っているだろうと思います。そこへもってきて今度の大きな災害。したがって五十七年度がずっとこういう状態が続いていくならば、あるいは更生計画が認められて開始されても、二千万トン程度というのはなかなかむずかしい状態ですから、なおさら政府としてはこの計画を達成させるためにはもうでき得る限りの、あるいはいままでの制度以上の決意を持ってこれに手厚い支援と保護を与えなければならないと思います。そうでないと全体的な見通しはとうてい達成できない。出てきた要望書の中にも第一項目で、政府の絶大なる支援を頼む、こういうことで以下条件が四つ出てきているわけです。その前提がここにあると思うので、これについての大臣の決意をひとつお伺いしたいと思います。
○安倍国務大臣 長期エネルギー需給見通しについてはいずれ発表されるわけでございますが、お話のように全体的には下方修正しておりますが、その中で、国内炭につきましては千八百万トンから二千万トン台を堅持していくという方向が打ち出されておるわけでございまして、需給部会の報告の中でも「将来における年産二千万トン程度の生産水準の達成を目指すことを基本的な考え方にすべきである。」こういうことになっておりますので、この需給見通しに従って、またなお七次答申もあるわけですから、われわれはひとつ全力を尽くしてこの体制を堅持をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○塚田委員 いや、それにはいまの北炭の問題あるいは北炭と右左にある真・幌の問題等につきましても、最大限の効果をねらった助成措置あるいは制度資金のつぎ込みとかいろいろな問題をまず先んじてやるということが必要だと思うのです。その点についての決意を聞いているのです。
○安倍国務大臣 おっしゃるように、この体制を確立していくためには、いまの北炭の山を残すという再建問題についても展望を開いていかなければならない。これは管財人の手によってこれから先更生計画も出てくるわけでございますが、私としてはそういう方向で努力していかなければならないし、それから幌内、真谷地等がこれに関連が出てくる。いままでは避けてこれを切り離すために全力を尽くしてきましたが、これもやはりこれからは重要な国内炭の資源でございますし、現在採炭が続いておるわけですから、これも順調に進んでいくように政府としてはできるだけの対策は講じていかなければならないと考えております。
○塚田委員 その場合、私はこう考えておるのです。裁判所が管財人の選出を求めた判断の中には、望月調査委員の裁判所に対する報告書というのが非常に重いウエートを持っておると思うのです。これはたしか二月二十一日ごろ出ておる調査委員の報告です。これに基づいて裁判所が決意したわけです。この報告書の中では、いろいろな条件はありますけれども、六十八年まで、十二年間で大体更生可能という結論を出しております。条件はいろいろありますよ。その条件の中で一番大きいのは政府の補助金、恐らくこの場合補助金というのは、保安についての補助金であるとかあるいは安定補助金であるとか、そういういろいろなものを含んでおると思いますが、毎年二十億。それから制度資金、これは近代化資金等のことを言っているのではないかと思いますが、総額で八十億。こういった金額を出しながら、なおかつ北炭関連グループの全面的な支援——金額も出ております。こういったものが裁判所の判断の大きな材料になっておると思うのです。 そこで、これから先は管財人の問題ですけれども、これを土台にしながら、恐らくこれから保安の面あるいは経営安定の面等を考慮しながら更生計画を練ると思いますが、やはり一番最初にくるのは政府の資金の問題だと思うので、大臣はそういう問題については、要求されるものについては、もし更生ができるという見通しのもとに要求されるならば私どもは喜んで受けます、こういう御答弁をいただきたいのですけれども、どうでしょうか。
○安倍国務大臣 私も山を残すということについては非常な決意といいますか熱意を持っておるわけですから、今後の更生計画がどういう形で出てくるかわかりませんが、とにかく現行制度のもとで政府としては許されたぎりぎりのところまで援助をしたい、努力をしたい、こう考えておりますが、問題は、しかし企業ですから、いまの金融機関とか北炭の関係グループが、どういう状況、どういう体制、どういう協力ができるかということも大きな課題なんです。これからの計画の問題ですから多くを述べることも差し控えたいと思いますが、政府に関して言えば、現行制度の中でぎりぎりのところまで協力はしたい、しなければならない、こういうふうに思います。
○塚田委員 これで終わりますけれども、有吉さんの要請条件について文句を言うわけじゃないのですよ。文句を言うわけじゃないのですけれども、先ほども質問しましたが、別会社による案が考えられる——これは実は法律を読みますと、別会社を設立する、その計画は、そういう判断をした管財人に対してその計画を裁判所が命ずるわけですよ。だから、その時点において辞任するというその時点というのは一体何なのか。これはだめだからおれは逃げるわというのじゃ困るので、やはり引き受けた以上は、清算会社にしなければならないという結論はあるかもしれません、しかしそれはそれなりの計画を管財人が立てなければならないと思うのです。そして管財人代理というものはそれを補助しながらあれしなければならない、これが法律なんですよ。これでは、どうも私ども読む限りにおいては、何か早く逃げ道をつくってどこかへ行ってしまおうというふうにとられがちですから、この点は大臣としては、選任された管財人と十分打ち合わせをして、法律の許される最後までめんどうを見るように御要請を願いたいと思うのです。
○安倍国務大臣 条件にはいまお話しのようなことが述べてありますけれども、しかし有吉さんも責任を持って選ばれたわけですし、大沢管財人も決意を持って管財人に就任されたわけですし、いまお話しのように逃げようというふうな考えはないのです。逃げようということなら、初めから有吉会長もこれをお受けにならなかったと思いますし、大沢管財人も承諾するはずがないわけなんで、わざわざ大沢さんを石炭協会の副会長にして管財人に選任をされたということでありますから、この北炭の夕張の更生計画、そしてこれからの山を残すというふうなことについては相当強い決意を持って臨んでおられる、私はこういうふうに考えておりますが、今後について政府としても最大の協力をしていくという中で、私からもお目にかかって、これから最大の努力をしていただきますように要請したいと思います。
○塚田委員 最後にもう一つ。 みんな更生手続開始、開始と言っております、まだこれからだろうと思っているのだろうけれども、実質的には、法律的には更生手続は開始されておるわけです。更生手続開始後の手続をいま一生懸命われわれはあれしているので、何か全然まだ海のものとも山のものともつかないんだということじゃ困るので、そのために裁判所は調査委員を任命してずっと調査してきたのですから、この点ひとつ、もう船は出ているのだという考え方で事態に当たってもらいたい、これは私の希望です。 これで終わります。
○枝村委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 まず大臣にお伺いしたいと思うのですが、難航していた管財人がようやく決まったわけであります。しかし各紙とも、これで再建の見通しが立ったのではない、これから別会社による再建、現会社の清算という方向で再建の道を探るが、閉山という最悪の事態もあり得るというような報道をしておるわけであります。大臣は現在の状況をどう認識なさっておられましょう。
○安倍国務大臣 私は、全体的には非常に厳しいと思っております。いま出炭が続いておるわけですが、その可採量というものもだんだんと少なくなってくるわけでありますし、北の方はああいうふうな事故でまだ原因の解明もはっきりしてない、こういう状態にあるわけです。それからまた、北炭の関連グループの協力もこれまでやってきておるわけですが、限界もあるでしょう。ですから、なかなか全体の情勢としては厳しいと思っておりますが、そういう厳しい状況をあえて管財人を大沢さんに引き受けていただいたわけでありますから、私は新管財人に非常に期待をいたしております。何とかひとつ山を残すということで再建に踏み出してもらいたいものだ、こういうことを心から期待をいたしているわけです。
○小沢(和)委員 大臣のその決意はわかりました。 ところで、この再建にとって重荷になっているのが労務債だということがしばしば指摘をされておるわけであります。この労務債の額についてはいろいろな報道があるのですね。百十億というのもあれば百四十億、百七十億ぐらいまで私、見かけたわけですが、通産省としては現在どれぐらいだというふうに把握をしておられるでしょう。
○福川政府委員 この労務債の問題は、先ほど労働省の方から御答弁申し上げたわけでございます。会社更生法の申し立てをいたしました時点で、申し立てたときの会社の資料によりますと、九十億強の数字が入っております。その中で退職金の未払いがたしか五十五、六億でなかったかと思いますが、一応そういうことをいたしております。その後、労働省で退職金を中心にいたしましていろいろ御調査になっておられるわけであります。これが最終的には、今後管財人が各債権債務関係全部調査をし直されるわけでございます。労務債と言われるものの中に、たとえば労働金庫からの借り入れをどのように評価するのか、その他いろいろな法律的な検討を加えた上で債権あるいは債務として確定をしていく、こういうことになるわけでございます。したがって、そういった十分な法律的な手続の上でそれは最終的に明らかになっていくというふうに思うわけでございます。
○小沢(和)委員 結局、幾らということははっきり言われなかったように思うのですけれども、先ほど資料としていただいたところでは、退職金それから定着奨励金、社内預金などを合わせて約百十億という数字を私、いただいております。ただ、この数字を見るというと、先ほどもクロス保証というようなことが言われておりますけれども、幌内とか真谷地というところの退職金なども約五十億ばかりこの労務債という中に含まれている。そうすると、ただでも大変だというところに、こういうところの債務まで全部一緒にしたのではますます大変ということにしかならないし、これについては再建のためにもぜひはっきり分けて処置ができるようにすべきだということを私、感ずるわけですが、その点がどうかということと、あわせて議論をするというのであれば、夕張で関連企業などが工事の未払いというような形で債権を持っているのじゃないかと思うのですが、これが大部分はいわゆる労賃分に当たるというようなことにならぬか。労務債だというのなら、私はむしろ実質的にそれが労務債になりはしないかと思うのですが、こういうようなものがどれぐらいあるかということもわかっておったらお示し願いたいと思います。
○福川政府委員 労働省の方の御調査によりますと、北炭本社、夕張、真谷地、幌内の未払い退職金等が五十七年の二月で大体百十億ということでございます。その中で、夕張分が五十七億、こういうことでございます。いま一般に労務債と言われますものは、その未払いの退職金のほかに、たとえば労働金庫の借り入れが加わるとかいうようなことで、ある人は八十億と言い、ある人は九十億と言い、ある人は百十億と言うように、その辺の定義関係のことでございまして、未払い退職金あるいはそれの定着奨励金といったようなものにつきましては、いまおっしゃったような数字に労働省の方の御調査でなっておるわけであります。 それで、この夕張のものと北炭、真谷地、幌内の未払い退職金等の処理は恐らく別途に行われるべきもので、夕張は夕張としてこれをどのように処理をいたしていくのか、こういうことが探られるというふうになると思います。
○小沢(和)委員 だから、それで約五十億ぐらい分離をされたとしても、これは労務債が非常に大変なものであるということは私もよくわかるのです。 大臣にお尋ねをしたいと思いますのは、労務債が再建の重荷だなどと何か厄介者みたいな話が出るのですけれども、しかし、労働者一人一人にとってはこれは何十年も働いてようやく若干のまとまった退職金を手にするということであり、あるいは月々つめに灯をともすような思いでためたのが社内預金なんですね。だから、これが棚上げだとか当分はもらえないとかというようなことになりますと、マイホームを建てた、その支払いに充てようと思ったのができなくて家を明け渡さなければならないというようなことにもすぐ結びつくわけです。大臣、大変急がれるそうですけれども、こういう切実な内容を持っているのが労務債だということをお考えになっていただいて、法律的にはともかく、政治的にも何としてもこういうような労務債については支払われるようにということで、大臣にひとつ保証をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○安倍国務大臣 未払い労務債というのはいまの夕張社の抱えておる非常に大きな問題であるわけですね。これをどういうふうに処理していくかということが今後の再建の大きな課題の一つであることは申し上げるまでもないわけですが、これこそまさに管財人の手によってこれからできる更生計画の中で解決が図られるべきことではないだろうか、こういうふうに考えておりまして、その事の重大性ということについては管財人も裁判所もよくわかっておられると思いますので、これからの更生計画の中で適切な解決の道が見出されることを期待をいたしておるわけであります。
○小沢(和)委員 もう一点お伺いしますが、いまのお話ですと、結局のところ管財人が更生法に基づいて処理する、そうすれば、私、素人ですからよくはわかりませんけれども、これは若干の優先権はあるにしても、北炭がどれだけの資産を持っているかということによってはほとんど弁済を受けられないという事態も私は考えられると思うのですね。だから、国として、こういうような気の毒な事態を大量に発生させるというようなことにならぬように何とかすべきじゃないかということを大臣にお尋ねしているわけです。もう一遍、大臣の国としての姿勢をお尋ねしたい。
○安倍国務大臣 これは国としてというよりは、北炭夕張社というのは企業ですから、更生手続に入っているわけですから、やはり一般の会社の更生手続と同じように管財人の手によって更生計画が決まっていく、その中で労務債の問題というのはやはり適切に処理されるというのが筋でありまして、それに対して国がどうだこうだということをいま言う段階ではないんじゃないか、私はこういうふうに思っておるわけでございますが、しかし、私たちは、何とか全体的にこの山が残るということにつきましてはいまの制度の中であらゆることをひとつやってみたい、やらなければならぬ、こういうふうには考えておるわけでございます。
○小沢(和)委員 武士の情けで出します。どうぞ——ただし、いまので納得したわけじゃありません。 それで、今度は部長にお尋ねしますけれども、弔慰金などの支払いについては、これは最終的なそういう清算とかということとは性格が違うにしても、あのときには、どんなことがあってもこれについては支払われるように国としても保証しましょうということで、ここで非常に積極的な答えをいただいた記憶があるのですよ。だから、私はもっと国としての努力のしようがあるんじゃなかろうかということを考えるわけです。 その点で一つお尋ねしたいと思いますのは、私も何もかも国がかぶれと言っているわけじゃないので、前回も三井観光開発などにもっと出させるべきだということを指摘しました。その後、私も三井観光開発の資産などについてさらに研究をしてみたんですけれども、この会社は予想した以上に資産を持っておりますね。ホテルだけで勘定してみても十五持っております。この中には札幌グランドホテルとか札幌パークホテルとか一流、特に札幌パークホテルなんというのは処分したら二百億くらいになるんじゃないかという話も新聞か何かの記事で読んだような記憶もあるのですね。そうすると、この一つを処分しただけでも労務債のさっきからの話というのは解決するのです。先ほども大臣はこの三井観光開発に対しては最大の協力を求めたいというふうに言われたのですけれども、前回も私そのことをお願いもしておるし、その後もどういうような努力が続けられておるのか、それでまた実際に三井観光開発にそういう負担をさせるような見通しが生まれてきているかどうかお尋ねをします。
○福川政府委員 この労務債の処理、これは先生も御高承のとおり、法律的に言えば共益費用ということに入りますものと優先的な更生債権ということの範疇に入るわけでありまして、その処理は担保権者のグループ、あるいはいま申し上げたそれぞれの債権の種類別のグループに応じましてどのように処理をしていくか、こういうことが進められてまいるわけでございます。したがって、いまおっしゃったように、資産の処分の過程の中でどのようにこれが労務債に振り向けられていくか、こういうことになるわけでありまして、そういう意味で言えば、大臣が御答弁申し上げましたように、更生計画の一環としていまの先生御指摘の諸事情が生かされて適切な対応がなされるということが当然である。これは裁判所が管理管轄して監督をなさっていかれることに相なるわけであります。 その過程でいま三井観光のことをお触れになられました。御指摘のようにこの三井観光が相当の資産を持っておる、こういうことでございまして、これにどのような協力を求めていくかということでございますが、こういったいろいろな債権者が今後どのような形で自分の債権を処理をしていくのか、いま御指摘のような労務債との関係をどのように考慮していくかということは、恐らく関連グループがどのような協力をするかということとかなり絡み合ってくる問題になり得る可能性があると私も想像いたしております。したがいまして、いま三井観光、これは今回弔慰金の支払いに対しまして、三井銀行が三井観光からの担保提供を求めてこのような処理をいたしたわけでありますが、今後、いまお話しのようなことでこの関連グループということが、これは法律的にはともかく、一体関連グループの努力ということが関係債権者の中でどのように出ていくのか、この点は今後の更生手続を進める中で一つの問題になってくるというふうに思います。 いま弔慰金の支払いということでございまして、この処理というのを、これをどういたしますかは今後更生手続の中で、私どもとしては何らかのかっこうで山を残したい、こういうことでございますので、じゃ一体これまでの労務債をどのようなかっこうで処理すべき労務債として確定して、どのような資金の調達の方法を考えるかということがまだとても確定をいたしていないわけでございますので、今後それが管財人の手によって進めてまいります過程で、いま申しましたような関連グループの努力ということを十分求めていく。これは大臣がいま御答弁したとおりでございまして、したがって、どういう方向に相なっていくかという更生計画の策定がまず進められ、その上で私どもとしても関係方面の御見解を聞きながら適切な対応を図ってまいりたいと思います。
○小沢(和)委員 もっと簡潔に答えてください。いまあなたの答弁から私が理解したところでは、結局、今後北炭グループ全体として協力をしてもらうという中で改めて具体的な要請を行っていきたいということで、私、前回指摘してから恐らく一カ月以上たつでしょうけれども、この間には特別の努力は払われておらないというふうに理解をしたのです。大変残念なことですけれども、もっと精力的にこういう要請をしないと、萩原なんという人は一筋縄では出さないんじゃないですか。私はもっと厳しい努力を要請したいと思います。 それから、この機会に厚生省に一言お尋ねしたいのです。厚生省お見えになっておりますか。 これは直接労務債ではないのですが、北炭が年金や健保などの保険料を滞納しておるというふうに聞いております。労働者からは天引きしておきながら国に納めないということは、これは幾ら経営が苦しくても絶対許されないことじゃないかと私は思うのですが、これは幾らくらいあるのか。 それから、念のためついでにお尋ねしますが、幾ら本人が払っても会社が納めなければ、国としては保険料を掛けたことにならないからというようなことになって、将来自分は厚生年金などの資格があるというふうに思い込んでおったら、この滞納の期間が欠けておったからありませんというようなことになったのでは、これはまた本人にとって大変な気の毒な事態になるのですが、そういうようなことは起こり得ないというふうに期待していいでしょうか。
○武内説明員 お答えいたします。 北炭夕張の滞納でございますが、厚生年金に関して申し上げますと、五十六年度から現在まで約五億円程度の滞納があるというふうに聞いております。 それから、保険料滞納と厚生年金の被保険者資格との絡み合いでございますが、厚生年金保険におきましては、従業員と会社との間で実体的、事実的な使用関係がございますと、その限りにおいては被保険者資格は存続するということになっておりまして、保険料滞納の有無と被保険者期間とは直接結びつきがない。保険料の納付義務はあくまで事業主でございますので、被保険者は納付義務がございませんものですから、現実に使用関係がありさえすれば被保険者資格はそのまま存続するということになっております。したがいまして、今度給付を受けるときに、被保険者資格がある期間につきましては、保険料の滞納の有無にかかわらず、その部分に係る給付は行われるということになっております。
○小沢(和)委員 では、厚生省は結構です。 それで次に、再建の問題について引き続いてお尋ねをしたいと思うのです。 山を何とかして残したいという決意であるということは先ほどから何遍も表明されて結構なんですが、いま一応再建案として私どもが見聞きしたりした範囲では、平安八尺層を掘るという縮小再建案というのが具体的な形では出ているだけじゃないかと思うのです。しかし、これでいくというと、当面一千人以上の労働者の首を切る、そして数年後には平安八尺層も掘り尽くしたということで、結局当面首切りを免れた人もその段階では首になって、やはり山はつぶれたというようなことにこの案ではなってしまうのではないか。だから、私はこれは再建案とはとうてい評価できないのじゃないかと思うのですが、簡潔に通産省の方の評価を伺いたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のとおりに、平安八尺層が採算に乗るかどうかという点についてはもう少し調査をしなければならぬという石炭協会側の御判断が一応はございますけれども、しかし、やり方によって成り得るかもしれない。これは実際現地に入って検討してみないと結論が出ないということで、できるだけやっていただく。その場合に、平安八尺層が数年でということでございましたが、もう少し真谷地の方への延長を、ボーリング等をやってその可能性を探るという方途もございます。したがいまして、そういった自然条件の把握、これをどうやって採算に結びつけていくかというのは今後さらに検討すべき点がございます。 それから、北に展開する時期をいつからするかという問題がございます。平安八尺層を、いま申しましたようにさらに延長部分まで行ってから北に行くのか、あるいはある時期で北に行くのか、あるいはもういきなり北をやるのか、その辺が今後の計画の過程の中で一つの大きな議論になってまいるというふうに私どもとしては思っております。
○小沢(和)委員 いますでに部長も触れられましたとおり、結局、私も北を本格的に掘っていく以外に夕張を再建する道はないのではないかと考えるわけです。しかし、その場合、やはり北炭を中心にならすのではなく国が中心になって、それは北炭のグループなどには金を出させるのは結構ですけれども、石炭各社などにも協力を求めて再建を進めていく。具体的には立て坑をもう一本掘るなど骨格構造そのものからつくり直していかなければならぬし、そうすれば今後数十年、わが国の有力な原料炭の山として発展できるのではないかと考えるわけです。政府はこういう方向にいま決断をすべきではないのか。こういう決断をすれば、三菱南大夕張の実績を見ても、長期的には相当の投資をしても十分に引き合うということが言えるのではないか。この点をお尋ねします。 それから、時間もありませんから、あわせてもう一つお尋ねをしたいのは、いま北部の原料炭で再建する以外にないというのが大勢になりつつあるのは私は結構だと思うのです。だから、大災害を起こした北部のあの坑道を若干の保安強化策ぐらいのことで操業再開をするというようなことではまた災害を起こす危険も非常に大きいし、こういうような安易なことは許されないのじゃないかというふうに考えるのですが、この点もあわせて答えてください。
○福川政府委員 いつの時点で着手すべきかはいろいろ検討しなければならないと思いますが、地元の関係者、北炭の関係者あるいは石炭協会の関係者も、いずれは北部の開発ということは皆さん考えの中にあるようで、これをどう計画化していくかということが一つの大きな問題でございます。 その際に、いまお話しのように、骨格構造をどういうふうにつくるのか、またもう一本立て坑をつくるかどうか。これは従来から北炭も計画をいたしておったわけでありますが、骨格構造をどのように展開をしていくのが一番長い目で見てこの山の安定操業に役立つか、収益の改善に役立つかという点については十分検討して、私どもとしても石炭業界全体の技術の粋を集めてやっていただきたいと思っております。その際の経営主体が、いままでのような北炭でいいのか、あるいはもうちょっと別であるのか。これはあくまでも私どもとしては民間主体と考えておりますが、業界全体の体制あるいは技術能力に合った経営のあり方というものを探求しなければならないというふうに思います。 その際、あれだけの大災害があったものを簡単にさせてはいかぬではないか、全く御指摘のとおりでございまして、原因究明も現在現地に入っていたしております。その保安面の確保、あるいはまた保安面から見た坑道展開のチェックという点は、これは十分行われなければなりませんし、また、その上でなければ北部を開発するということは計画に織り込むべきではないというふうに思っております。したがって、そのつなぎをまたどうするのか。平安八尺を取っかかるのが果たしていいのかどうか、それがかえって重荷になるのであるとすれば、あるいはそうでない方がいいということも御判断として出てまいりますが、北部の原因究明が終わりますまではすぐそれを計画になかなか織り込みにくいという情勢がございますために、いま先生お話しのような平安八尺をやっていくという計画があったわけでありますが、いま原因究明もかなりのテンポで進んでおりまして、六月にはその辺の結論も出ようかということでやっておりますので、それは今後十分業界の中での技術の粋を集めて判断をしていくということで対応すべきものと思います。
○小沢(和)委員 時間が来たようですから、最後に一つだけ質問をしたいと思うのです。 いま、将来への不安を残しながらも現実に操業が行われているわけですね。操業が行われている以上、会社が存立の危機にあるというようなことでまた保安や労働条件などの手抜かりがあってはならないと私は考えるわけです。ところが私のところに最近訴えがありまして、坑内に二十二カ所ほどある高熱職場でせっかく国が補助してつけさせたクーラーが作動していないとか、ウォータークーラーのことじゃないかと思いますが、飲料水の施設なども撤去されたままになっているとかいうような話が寄せられております。いまは冬だから高熱職場といっても何とかやっているのかもしれませんけれども、夏に向かいつつあるという中でこういうような状態を放置したら、これは大変なことになるのじゃないかと考えますし、政府としての指導の方針をお伺いしたいと思います。
○平河政府委員 夕張新鉱で所有しております三基の冷房設備につきましては、現在坑外で整備中でございます。五月末ごろには使用できる状態になる、こういうふうに聞いております。 なお、気温が三十度C前後の高温個所は現在坑内に五、六カ所あるようでございますが、作業を行っている個所につきましては一カ所のみとなっておるというふうに聞いております。 なお、細かい問題等につきまして今後実態を調査いたしますとともに、通気量の増加等改善措置の実施について指導してまいりたい、かように考えております。
○小沢(和)委員 終わります。
○枝村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十九分散会