石炭対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/03/11
会議録
○枝村委員長 これより会議を開きます。 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚田庄平君。
○塚田委員 きょうは法案について質問をしようと思いましたが、きょうの新聞で一斉に報道されており、たとえばこれは日経ですが、「北炭夕張ショック」と大きい見出しで、再建案の再度見直しを通産省は要請したといいますか求めたということで、たしかあれは三月の八日だと思いますが、出した案についてそれを突っ返したという意味のことが地元紙、中央紙一斉に出ておるのですけれども、この辺のいきさつを、余り時間もありませんから簡単に。
○福川政府委員 三月九日に私どもの方に会社から、望月調査員に再度再建計画の見直しの案を出しましたのでということで、その後の再建についての見直しの中間的な作業の結果の御報告がございました。それを拝見いたします限りでは、中央坑道の近くの採掘は他の切り羽の終掘後に開始するという工程で改めた、あるいは平安八尺層につきましても、石炭協会の技術的な指導を取り入れながら二切り羽にとどめる、また、骨格構造も改善をするといったような、従来いろいろ問題とされておりました幾つかの点について改善点が見られるというふうに私どもは思っておるわけでございます。 しかしながら、そのほか切り羽別の採算でありますとか、あるいは途中の残炭の未評価等につきましてなお検討を要する点があると思われますので、裁判所あるいは関係方面の理解を得るためには、さらにもう少し検討を深めるようにということを申し上げたわけでございまして、会社自身もまだ作業が途中で、従来私どものお願いしておりました作業も十分やり切っていないので、引き続き検討をいたしますということで持ち帰ったわけでございます。 いま新聞報道を御引用になっての御指摘でございますが、私どもといたしましては、何とか再建のめどを見出すということのために、関係者の理解が得られるような案にできるだけした方がということで助言をいたしてまいっておるわけでございます。したがって、私どもの方でも記者クラブ等からも見解を求められましたが、いま申し上げましたように、ある程度の改善があるということを言うと同時に、これからさらに、会社も言っておりますように、もう少し再検討を進めていく、こういうことでございましたので、そのように私どもとしては関係方面には説明をいたしている次第でございます。
○塚田委員 こういう基本計画あるいは再建基本計画の骨子というのは、ここに出すのが適当かどうかわかりませんが、私北炭出身ですから特別に取り寄せました。石炭協会の意見、あるいは三井鉱山の方で独自に調査をいたしましたね、独自というか、協会あたりの依頼だと思いますけれども、そういったものといろいろ比較しまして、全部が一緒だとは言いませんが、大体八五%はこれらの意見を取り入れて、したがって、資金面等につきましては非常に無理な、あるいはまた人員については思い切った削減、これは自然減だけではなくて、はっきり言うと首を切ってもというような思い切った案が出ているわけなんですね。 もうここまで来ると、これ以上時間を経過すると、地元の不安なり北海道全体の不安、いま新聞の見出しを言いましたけれども、これはもうどうにもならない事態が来るのではないか。ここまで来れば、通産省は抽象的にその案に対して、あの辺とあの辺とあの辺がだめじゃないかと言わぬで、こことこことこことはこういうふうに直した方がいいんじゃないか、そこを検討しなさい、こういうところまで突っ込んでいくべき時期に来ておるのじゃないか。 これは後で質問いたしますけれども、管財人の選任問題も絡んで、いつまでもこうやっておると結局自己破産、自然破産を招く結果にもなりかねない。これは私の想像ですが、そういう事態なので、ここはひとつ次官、きょうは大臣おりませんから、あわせて答弁願いたいと思うのです。
○原田(昇)政府委員 北炭夕張の再建問題でございますけれども、政府としましては、もちろん北炭夕張に遺体の収容に万全を期してもらう、そして再建の道を見出してもらうということを期待しておるわけであります。しかし、同社が会社更生法に基づいて申し立てを行ってきておるわけでございますので、まずは、その再建については裁判所の判断というものにゆだねられておることは先生御承知のとおりだと思うのです。したがいまして、会社更生法の定めるところによって所定の手続を経てもらわないと、政府が全面的に乗り出すということにならないわけでございます。 もちろん、内々いろいろ非公式に助言をするということはいまでもある程度やっておるわけでございますけれども、正式には管財人が選ばれて更生計画ができ、そして関係金融機関の支援の見通しも明らかになるのなら、政府として現行制度のもとで、他の産業に見られない、石炭産業については手厚い助成制度があるわけでございますから、再建のための支援を積極的に行う所存でございます。
○塚田委員 言われることはわかるのですけれども、結局、管財人が選任されて、更生決定がなされて、管財人がするという状態の中で、政府は最大限のあれをする。これは私は大変言葉としてはありがたい言葉なんですけれども、それは当然のことであって、制度資金というのがあるのですから、許される範囲内でやらなければならぬ。それだけじゃなくて、あそこの山はああいう前代未聞の災害を受けた、その責任はどこにあるか、原因はどこにあるかということはこれからの調査にまつと思いますけれども、いずれにせよ再建しなければならぬという事態になれば、いままでのような、一定の条件が整えば制度資金を出すというだけの答弁ではなく、たとえば管財人も出やすいあるいは再建もしやすいというような環境というか条件というか、そういったものをもっと積極的につくってやらないと、これはすべてがだんごになって解決する。 さっき言ったとおり、どうも原因と結果が一緒になっちゃって、どれが卵でありどれが鶏であるかというような関係になっておるわけですね。どこかでもってぶち切ってやるということになると、政府のある程度のこれからの北炭に対する心構えというのを出してやらないと、うまくないのじゃないかと私は思うのですよ。どうでしょうか。
○原田(昇)政府委員 先ほど申し上げたように、裁判所の管轄にあるわけですから、裁判所が早く管財人を選定していただく、そしてその管財人のもとで更生計画がつくられるということが何といっても前提でございます。しかし、ではこちらはそっぽを向いておるかというと、そういうわけじゃございませんで、事実すでに相当の融資を政府もまた北海道庁もやることにいたしておるわけでございます。また、管財人につきましては、札幌の商工会議所が裁判所から依頼を受けておるということも聞いておりますし、また、そちらからもいろいろ大臣の意見を聞きたいということで参っておるわけでございまして、できるだけ早くみんなの協力を得られる管財人を地元から選んでいただくということは、私はこの問題の解決の先決ではないかと思っております。
○塚田委員 部長、どうですか。管財人を選ぶこと、これは急がなければならぬですけれども、さっき言ったとおり、どうもアヒルの水かきのようなことばかりやっていたのでは管財人も出てこない。そこで、管財人によしおれがなってやろう、また皆さんが、世間の人が適当な人が出たと言えるような、そういう環境なり条件と言っては少し強いですけれども、それを何とかつくってやるということが必要じゃないかと思うのですね。いまのままだと、さっき言ったとおり鶏と卵の議論になっちゃって、アヒルの水かきをやっているというふうにしか考えられないのですけれども、ここのところ、率直にひとつ御意見を承りたいと思います。
○福川政府委員 ただいま原田政務次官がお答え申し上げましたように、私どもも、裁判所の管轄の中にありながらも、それをただ黙って見守っておるというわけではございませんで、先ほど先生がまさにおっしゃいましたように、どういう点に問題があるか、どういう点を改善すべきかという点は、かなり具体的にも御指摘申し上げ、会社の御研究を示唆し、また、石炭協会等の技術的な助言も得るような形にいたしておるわけでございます。 いま鶏か卵かというお話がございまして、いま御承知のように、夕張は開山以来すでに相当の負債を抱え、その間に幾多の災害を出し、現在七百二十億の負債を抱えておるわけでございます。政府の助成策も、先生御高承のとおり相当多額なものでございまして、それにもかかわらず、幾たびか災害があったという原因も加わりまして経営が行き詰まった、こういう事態でございます。 したがいまして、今後再建に持っていくといいましても、相当いろいろな困難が伴うことは先生も御承知のとおりでございまして、そのためにこそ、昨年の事故以来、私どもも何回か、会社更生法の申請以前から、その方向につきましては林前社長それからその後の大山専務等にも問題点を指摘して、何とか今度は労使が本当に再建に意欲を燃やしておるということが外から受け取られ、なおかつ、これを実行すれば何とか再建のめどが立ちそうだ、従来の債務も幾らかでも弁済できそうだ、また、今度こそ新しい経営の姿から見てあるいは労使のあり方から見て、その計画が実行できそうだということが外部からも見えるということが非常に大事であろうというふうに思うわけであります。 いま先生のおっしゃるように、そういった環境の醸成ということのためには、私どもも側面から支援をし、また会社側にも何回か指摘をいたしてまいったわけであります。計画が何回言いましても、非常におくれにまたおくれてくるという状況でございまして、私どももそう言ってはあれですが、ずいぶんとこの点については深く立ち入って指導をいたしておるつもりでございます。 今後とも、もちろん、そういう管財人はおれが引き受けてやろうというものが出るように私どもも指導いたさねばなりませんが、それには何といっても会社更生法申請をいたしました当事者がそういう意欲を見せる、あるいはまたそういう努力の跡が外から見えるということがこれまた非常に大事でございますわけで、先生からはアヒルの水かきという御指摘でございましたが、やはり私企業として更生しようという会社更生法の手続に入ったわけでありますから、まず企業がそれの努力をする。私どもは、アヒルの水かきであるかどうかは別としまして、側面からそういった環境の醸成には努力はするということの努力を惜しむものではございません。
○塚田委員 アヒルの水かきと言ったのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんから取り消します。 いまの発言を聞きますと、こう理解して結構かと聞きたいのですが、とにかく従来に増してやはり管財人がその職につきやすい、具体的にこっちから言うと選びやすい、そういった環境をもっとさらに進んでつくっていきたい、あえて条件とは言いません。つまりそういった環境をサポートする具体的な行動に出ていくというふうに私は受け取っておきたいと思う。 そういうことでひとつ努力を願いたいと同時に、どうも管財人の選任につきましても、商工会議所で私も十分あれではないのですが、果たして私の方で選びますよ、こういうふうに承知したものか。私はそうじゃないと思うのですね。現にきのうかおととい、こちらへ来ていますね。今井さんという商工会議所の会頭なんですけれども。たしか通産の出身の専門家も一人入れて何とかやってくれという希望等も述べておるはずです。だけれども、それを入れるか入れないかは別にしまして、管財人については、この間岡田副議長が大臣といろいろ話し合って、複数の者でもいいから、金融それから政府筋あるいは技術関係等も含めてひとつ——複数というのは、これは私の意見ですが、三人でもいいです。そういった体制を早くつくってやるように御助力を願いたい。これは私の希望ですから聞き流してください。これをひとつお願いいたします。 時間もありませんから本題に移りたいと思います。 法案、もうそろそろ最終段階に来ておりますが、この第七次の答申では消滅鉱区の再開発あるいは新規炭鉱の開発等について一定の答申をいたしております。そういう中で、答申では、消滅鉱区については、経済的な採炭が可能な地域が露天掘り区域を中心にかなり存在しておると見込まれるので、ということが出ておるわけですね。これは具体的にどういう地域等を一体通産省は考えておるか。これは八月に出ているのですから、出てからもう相当の期間たっているわけですね。 それから、今度の法案では重複鉱区の問題が出ておりますが、露天掘り区域がかなり存在しておるということについて、重複鉱区とそれ以外の鉱区とに分けて、もしできれば答弁を願いたい、このように考えます。
○福川政府委員 御指摘のとおりに、答申では、国内炭が国際的なエネルギーの状況の変化を踏まえまして競争力を回復してきたということがございまして、消滅鉱区の再活用を示唆しておるわけでございます。 まず、露天掘り等ではかなり競争力も出てくるものもございまして、いま具体的にどこが再開発の可能性があるかは、さらにもう少し検討いたさなければなりませんが、主として北海道石狩地区には幾つかのものが露天掘りとして可能になるのではないだろうかと考えているわけでございます もう一つ御指摘の重複鉱区の点でございますが、これにつきましては、いままで御承知のとおり法律的に全面禁止でございましたが、今後その中でも、従来余り必要性がなかったためにそのような制度になっておったわけでございますが、いまのような環境の変化を踏まえまして、ある程度禁止を解除して、合理的な採掘ができる部分が出てまいっておるというようなことで考えております。いま私どもといたしまして、もちろん当事者の意向によるわけでございますが、今後重複鉱区の禁止を解除いたしましたときに採掘されるだろうと思うものは大体二百五十万トン程度でございますが、大方それは坑内掘りであると私どもとしては考えております。
○塚田委員 答申では重複鉱区を取り上げておるのですけれども、端的に言うと、どうして今度法律で重複鉱区を対象としたか、その具体的な理由が私どもはわからぬわけなんですけれども、この具体的な理由は一体何なのか。いままで禁じていた重複鉱区を今度取り上げた具体的な理由は何なのか。 あわせて、答申では同一炭田地域内の消滅鉱区等にも拡大することが適当だ、こう出ておりますけれども、そういう問題については現在一体どういう具体的な検討が進められておるのか、そういう点について一括御答弁願いたいと思います、時間もありませんから。
○福川政府委員 従来は消滅鉱区の再開発は非常に厳格な基準でいたしておりまして、重複鉱区がありました場合に、その一つの炭層が消滅鉱区の対象になりました場合には一切禁止をいたしておりました。これにつきましては、従来恐らくそのような必要性が実態上生じてなかったので、禁止をした制度をずっと踏襲をいたしておったものと思うわけでございます。したがいまして、いま石狩地方にそのようなものでやり得るということが判断されてまいりましたために、今回、その範囲を一部緩和しようという法律的な措置を講じたわけであります。 さらにまた、他の鉱区と一体的に開発することが著しく合理的である場合にはいまでも消滅鉱区の開発ができるわけで、ただこれは、従来はかなり厳格な運用をいたしておったわけでございます。たとえば同一炭田内の中でも同一市町村内あるいは隣接市町村内という形で従来厳しい運用をいたしておったわけでございますが、今回、これをさらに運用面で緩和をいたしまして、そういう同一市町村内あるいは隣接市町村ということの範囲を超えましても、同一炭田内で一体的に開発することが著しく合理的である、既存の炭鉱の体質改善に役立つというような場合には、運用の基準で緩和し得るものでございますので、特に法律の点に取り上げておりませんが、そういったものの運用の緩和は、この法律が通りました暁に、私どもとしても、内部的な運用基準の緩和ということを検討してまいりたいと思っております。
○塚田委員 ちょっといまわからぬのですけれども、従来は法律の三十五条の十第二項で、重複鉱区については採炭を禁じていた。それには理由があったと思うのです。いま理由は経済的に何とかというだけ述べたようですけれども、その具体的な理由と、それからその理由を乗り越えて、今度重複鉱区の採炭をすることができるとなったその関連をもうちょっと詳しく説明してください。
○福川政府委員 従来は、財政資金を投入いたしまして、非能率炭鉱の消滅あるいは買い上げを実施いたしておりましたために、財政の効率化という観点から、一たんそういった消滅いたしましたものの再開発ということは原則として禁止しようという意図が非常に強かったわけでございます。特にエネルギー諸情勢から見て、こういった非能率炭鉱の発生の防止ということが非常にウエートの高い政策の意図として設けられておったものと思うわけでございます。 特に重複鉱区の場合は、そういったことで、いままでの諸情勢から見まして、先ほど申し上げましたように、他の鉱区と一体的に開発することが著しく合理的であるということが判断されるケースが実態上なかったために、最初に申しました原則にのっとった形で法律的に禁止をいたしておったということであろうと思うわけでございます。したがいまして、一部でそのような合理的に開発し得る具体的なケースがございましたので、今回その原則的な考え方の緩和を図りたい、こういうふうに考えたわけでございます。
○塚田委員 突っ込んでもう少し当たりたいのですが、時間もございませんので、次に移りたいと思います。 五十七年度から埋蔵量の調査が始まりますね。——一体どういう手法でその調査をするのか、実施機関は一体どこなのか、これが第一。 第二点は、調査の全体計画はどうなっておるのか、予算との関係等も、もしできれば説明をしていただきたいと思います。 それから、調査の結果は公表されるものかどうかということ等もあわせて御答弁を願いたいと思います。
○福川政府委員 五十七年度から十八億円の予算を計上いたしまして、いま申し上げました埋蔵炭量調査を実施いたすつもりでございます。 実施機関は新エネルギー総合開発機構で実施いたしますが、もちろん物探あるいは試錐等を行いますので、それは下請企業等を使うということになると思っております。 全体計画を明確な形でいまはっきりは決めてございません。それは今後の推移を見ながら弾力的に決めたいと思っておりますが、当面海上を二ないし三、あるいは陸上を数地域、とりあえず有望なものと思われるものから選定をいたしてまいりたいと思っております。この運用につきましては、新エネルギー総合開発機構に学識経験者を中心にいたしました委員会をつくりまして、地域の選定、その進め方等を御検討を願うということで準備を進めておるところでございます。 調査結果は、要点を取りまとめまして公表をいたす予定でございます。
○塚田委員 それではもう時間もございませんし、新規炭鉱の開発の方に向かっていきたいと思います。 新規炭鉱開発の現在の段階における環境、条件等、ひとつその評価について御答弁を願いたいと思います。 それから、これまた答申の中に出ておりますけれども、石炭企業が共同開発を行うのも一つの方策だ、その可能性はあるのかどうかということが第二点。 それから、第五次の答申かと思いましたが、その場合には第三セクターということも考えられるという、ちょっと第三セクターの問題が出ておりましたが、残念ながらというか、どういうわけか六次、七次にはこれは消えております。これはどういうわけで消えたのか、第三セクターはうまくないという具体的な理由は何なのかということ等について御答弁。 それからもう一つ、できれば、現在の段階で考えられる有望地域というのは一体どういうところか、そしてその地域には問題点は、あればこういう問題点がある、しかし、そういう問題点を克服すれば非常に有望だという地域がもし考えられたら、ここでひとつ述べていただきたいと思います。
○福川政府委員 新鉱の開発の可能性につきましては、この答申でもかなりスペースを割いて、重要な問題として指摘されておるわけでございます。今後さらに石炭企業の体質改善、需給環境の好転等がございます。そういった諸情勢が順次成熟していくことを期待をいたしておるわけでございます。 御指摘のとおりに、新規に開発いたしますときに、これはあるいは雇用問題、技術の問題あるいは資金問題等がございますので、この答申におきましても、当事者間の話し合いによりまして諸条件の成熟を見ながら、そういった共同開発ということも一つの方法として検討するようにということで、民間関係方面に示唆を与えておるわけでございます。私どもも、そのような条件が成熟していくことを期待をいたしまして、またそのような構想が明らかになってまいりますれば、所要の指導、助言を加えてまいりたいというふうに考えております。 さらにまた、いま第三セクターの点についてお話がございまして、この新鉱の開発につきましても、今後その開発の実施あるいはその後の炭鉱の運営ということは企業、民間の自主的な判断と責任において進めていく、私企業体制の維持ということが、今後のそういった石炭鉱業の自立を図る上で早道である、こういう判断に立ってそのような考え方が指摘されておるわけでございますが、私どもとしても、そういった民間の私企業体制におきます責任と判断ということが基本になるということで、そのようなことを進めてまいろうというふうに考えておるわけでございます。もちろん、新炭鉱の開発につきましての助成措置ということは、適正な運用を図ってまいることは申すまでもございません。 それから、当面開発の可能性の強い有望地域はどこかというお話でございましたが、従来の作業経過から申しますと、たとえば釧路西部といったあたりが一応有望ということになっておるわけでございます。これにつきましては、数年かけまして、新エネルギー総合開発機構あるいはその前身の事業団でいろいろ調査検討を進めてまいったわけでございます。現在、それの需要面をどのように確保するのか、あるいはその経済性の評価をどう判断して経営に結びつけていくのかというあたりが問題になっておると聞いておるわけでございますが、今後さらに海外輸入炭あるいは石炭の全体の市況といったようなものを見ながら、この経済性、採算等の検討をして、やがて開発の諸条件が整っていくということを期待をしている次第でございます。
○塚田委員 私は、消滅鉱区の問題とかそれから新鉱開発の問題を取り上げたのは、答申の基本は二千万トン程度、しかし残念ながら、その後の推移、特に北炭のああいう事態がありまして、二千万トン程度というのは、もう程度どころじゃなくて、見直さなければならぬというような事態が来たのでは、これは国内炭の将来にとっても大変重要な問題になってくると思いますので、消滅鉱区をどう生かしていくか、あるいは新炭鉱の開発をどう進めていくかということを並行的に考えていかなければ、結局絵にかいたもちになってしまうということなんですよ。 したがって、現在の情勢でこのまま推移して二千万トン程度と言っているから、その程度の取り方ですけれども、北炭の事態等も、これからどうなっていくか、少なくとも先ほど答弁のあったとおり暫定的に、六十年までは平安十尺から平安八尺ということで、出炭もずっと落ちてくると思うのですね。そういう中で、この第七次の目標達成というのは一体できるのかどうか。できなければ、いま言った点についてもっと具体的に強力な施策が必要じゃないか、こう思うのですが、どうお考えですか。
○福川政府委員 第七次政策の現状程度の生産水準の維持を基調としながら、将来においての増産の可能性を探って二千万トン程度の生産を図る、こういう考え方でございます。 消滅鉱区あるいはまた将来において条件が成熟してまいりますれば新鉱の開発、これも政策の課題である点は、先生の御指摘のとおり、私どもも十分認識をいたしておるところでございます。消滅鉱区の再開発につきましても、いまも申しましたような法制的な改革もお願いをし、改善もお願いをし、また運用の改善も図りたいとも思います。さらにまた、そういった周辺鉱区の条件の調査といったことも、いま予算も準備をしながら進めておるわけでございまして、そういった形で、そこの答申にあります現状維持を基調としながら、将来においての増産の可能性を探っていく、将来二千万トン程度の生産水準の維持を目指していく、こういう考え方につきましては、私どもも、できる限りこの法律的な手段と同時に、予算的な手段も講じながら、関係方面との十分な協力のもとに、ぜひその答申のラインに沿って進めてまいる所存でございます。
○塚田委員 次に、労働力の確保について相当突っ込みたいのですが、もう時間が来ました。それで、いまさしあたり必要なのは、若年労働力を確保するということも一つですけれども、保安の面について、どうも保安職員の高年齢化といいますか、年齢構成がだんだん高まってくるということに伴って、保安職員の確保というのが非常に重要な問題になってきております。養成する機関等もあります。たとえば夕張には技術員養成所というのがあったのですけれども、今度は工業学校になったのですが、残念ながら出た者は全部外へ出ちゃうのですね。炭鉱に定着するというのはほとんどない。九州もある程度同じようなことが言えるのじゃないか。 こういう状態に即応して、いま岩見沢ですか、技術のセンターがありますね。ああいう形のものをもっと拡大して、国がもっと金を出し、そしてそのかわり出た者についてはある程度義務を課する、つまり教育は無料で職もつけてやる、しかし出たら一定の期間こういう義務があるよという義務も課して、何とか炭鉱に定着させる、あるいは炭鉱に入らせるという方法等も考えるべきだと思うのですけれども、この点についてどう考えていますか。
○檜山説明員 保安技術職員の問題でございますが、いま保安技術職員は全炭鉱で五千人選任されております。平均年齢が四十四歳ということで、ちなみに常用労働者の平均年齢というのは四十二歳から四十三歳ということで、一歳ばかり年齢が高いということになっております。この職員の補充の状況というのは、全体で見ますと大体毎年五%定年等の理由でもって退職している、それに対して、大体それに見合う数の方が新たに選任されているということでバランスはとれておりますが、最近どうもこの職員の確保につきまして余裕がなくなってきているというのは事実でございます。 この保安技術職員の補充のソースなんですが、これは主として大学等の技術系の卒業者のうちの一定年数の経験者あるいは経験豊富な一般労働者からの登用ということで係員が選任されているわけですが、最近特に大学、高校における鉱山学科の修得者の入社が少ないということで、先生御指摘のとおり保安技術職員の養成というのは非常に課題になっている。 そこで、これはもちろんそれぞれの炭鉱が個々にいろいろと教育をやっておりますが、国としてもこれを補完する意味から、鉱山労働者に対して保安技術講習所とかあるいは先生御指摘の鉱山保安センターにおいて教育を推進するという状況になっておるわけです。特に、鉱山保安センターにおきましては設立後、救護訓練教育とか保安技術教育とか、その授業内容を拡大してきておりまして、特に五十六年度、本年度から坑内保安係員養成のための教育コースを設けまして、これを来年度以降も拡充していきたいというふうに考えております。 この教育を受けた者が炭鉱にという義務づけのお話がちょっとありましたけれども、この保安センターでの教育というのは、現に炭鉱で働いておられる方々の係員教育ということでございますので、当然その成果を持って炭鉱へ帰っていく、そして炭鉱の保安確保に寄与する、こういうふうなことになっているわけでございます。
○塚田委員 時間が参りましたので、一点だけ希望を述べておきます。 また夕張に関する問題ですけれども、何かに言っても新鉱を継続させるにはやはり北部というのを、いま取り明け作業をやっておりますけれども、これを無視してはあり得ないと率直に考えております。十尺、平安八尺というのは暫定というか六十年までですから、新鉱開発ということになると、先ほどお話がありましたとおり、非常にいろいろな隘路があります。まずガスが多い。深部だ。また同じような事故を起こすんじゃないかという懸念もあります。そこで、十尺、平安八尺に行っておる間に、やはり国が責任を持って——深部採炭というのは夕張だけじゃなくて日本の炭鉱全部が背負っておる運命、特に北海道あたりは、名前を言ってはおかしいのですが、赤平炭鉱だって同じだろうし、またちょいちょい事故が起きていますね。あるいはまた上砂川だって同じような炭層、たとえば登川炭層なんというのは上砂川に入っているんですね。そういうことでこれもまた深部化が激しい。あるいは太平洋だって、全然別な深部ですけれども、だんだんと太平洋のど真ん中に向かって採掘を進めていくということになると、通気の問題等も出てくるだろう。 いずれにせよ、北海道あるいは全国を含めて、そういうことについての試験的なものを進める必要があるんじゃないか。どうしたら一体これは災害なくしかも十分掘れるのかという調査、試験、その一つのモデル炭鉱として、若干の期間、たとえば六十年まででもいいです、北部の取り明け後の炭鉱を利用していくということ等もひとつ考えてみてはどうか。これは私の私見ですが、こういうことを検計してもらうことを希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○枝村委員長 中西績介君。
○中西(績)委員 私は、先般産炭地振興問題について質問いたしましたけれども、時間の関係もございまして途中で打ち切りましたので、先般お答えいただいたことに補足をしながら質問を申し上げたいと存じます。 そこで一番問題は、これから後財政的に大変困難な状況にある六条地域における市町村の実態等を考えてまいりますと、私は筑豊出身ですから筑豊問題を中心に据えて考えてまいりますと、筑豊の振興計画なるものは、いままでいろいろ大臣から何回か答弁いただいておりますけれども、その内容というのは絶えず一貫性というものがありませんでしたし、その都度その都度変わってきておる状況にありますだけに、いま筑豊を振興させるための基本的な戦略的な構想というものは何を据えてかかればいいかということについて、あればお答えいただきたいと思います。
○福川政府委員 筑豊の発展につきましては、先生からもいろいろ御見解をお教えいただいておるわけでございますが、私どものいまの考え方は、二月十九日に産炭地域振興審議会の答申をちょうだいいたしたわけでございます。これは大きく考えてみますると、臨海部と内陸部との発展格差、すでに発展した地域の波及効果を求めながらその格差を埋めていくということであろうと思います。 たとえば福岡市あるいは北九州市、こういった臨海部の経済力の活力を内陸部に及ぼしていくという発展形態を目指し、そこに交通網等の整備を進めていく、あるいはまた生活環境での結びつきを考えていくといったようなことであろうというふうに思うわけでございます。田川、直方、飯塚といったあたりは、その中でも内陸部の中心都市ということになろうと思いますが、そういった位置づけのもとに、周辺の六条市町村が、鉱工業の振興を初めといたしまして、それぞれの地域の特性に応じまして、農業、観光あるいは居住地域といった機能の分担を図って、それぞれの持ちます機能分担を高めていくような事業、たとえば道路とか工業団地の造成とかそういった産業基盤の整備、さらにはしばしば先生から御指摘をちょうだいいたしておりますような教育、文化、福祉といった生活環境の整備を組み合わせて重点的に進めていく、こういったことが重点であろうかと思うわけでございます。 現在でも筑豊の東・中地域におきまして、東におきましては緑豊かな内陸工業地帯の建設というを目指しておられますし、また、中の方では力の開花を軸とした都市的地域の形成を図るといったようなことをうたっておられますし、筑豊の西では快適な広域的な都市空間の創造を図るといったような、それぞれに地方の特色を生かした、特性を生かした、自発性に富んだキャッチフレーズをつくりながら努力をしておられるということでございますので、いま申し上げましたようなところを基本に据えながら、その実施を図っていくということではなかろうかと理解をいたしております。
○中西(績)委員 そういたしますと、ここ二年間論議をしてまいった際に、いろいろ当時の大臣から答弁をいただいておりましたように、たとえば筑豊に、先般もちょっと触れたのでありますけれども、周防灘臨海工業地帯に日産なら日産というものの誘致をする、そのことが今度は大きく影響を与える、というのは、すそ野の広いそうした下請の産業だとかそういうものすべてがやはりそういう地域に大きく拡大をされていくであろうということを、特に先般来強調をした時期もあります。 しかし、いままでの論議の過程からいたしまして、また、この二十年間の過程というものを考えてみた場合に、この内陸部では、企業の論理の中からはそうした工場なりの誘致というのはほとんど不可能だという見方の方が正しいのではないか、こう私は考えます。したがって、先般からの討論の過程の中でそのように言うと、今度は、官公需あるいは国家の関係するあるいは経営に近いようなものを誘致するという答弁になってはね返ってくるわけですね。だから、どこに焦点があってそうしたことを考えておられるのか、全くわからずに私はいままできたわけであります。 したがって、そうした状況であれば、いま私たちはそうしたことをもう脱却して、むしろ新しい構想の中でこうした問題については考えていかなくてはならないんではないかというのが、先ほどあなたが答弁なさった緑豊かなあるいは工業都市であり、都市空間をどうするというような、それぞれの地域における主体的なものの中で物を構想していこうという考え方がある程度あるんだということ、またそうしなければいかぬということに変わってきたということは、昨年来あるいはその前から論議してまいりましたこの過程における、いわゆる工場誘致最優先というこうしたものだけではどうすることもできない、こう私はとらえてよろしいかどうか、これが一つ。 それからもう一つは、むしろ私たちは、やはり官公需企業あるいは国家的なプロジェクト政策によるいろいろなそうした企業なりあるいは大学、教育研究機関などを中心としたそうしたプロジェクト的なものをそこに据えるのか、こうした問題をやはりもうちょっと具体的に考えていかないと、これから後、基本計画なり実施計画というものが具体的に出てくるわけでありますから、そうしたものの中の柱に何がなっていくかということが大変重要な課題になってくるんではないかと私は思います。しかもこれは、十年間これから大きな問題としてあるわけでありますから、この点どうなのか、お答えいただきたいと思います。
○福川政府委員 ただいま御指摘のように、特に筑豊内陸部、ここにつきましては、確かに進出企業も、総体的に見ますとその進出の程度は低うございます。しかし、この法律の本来意図いたしましたところが、疲弊いたしました石炭鉱業にかわりまして、鉱工業等を中心にいたしまして経済の発展を図るということで雇用の吸収を図る、そういうことでございますから、私どもといたしましては、やはり石炭鉱業にかわる雇用の機会をつくる、そういった雇用吸収力の大きい鉱工業等の振興を図る、そのために団地も造成をし、また周辺部との交通網の整備を図る、こういうことの施策を進めることは一つの基本ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。しかし、いま先生御指摘のように、地域によりそれぞれの特色がございます。また、いま先生もお触れになられましたように、地域の自発性を生かしていく、こういうことでいろいろ出てくるアイデアというものがあるわけでございます。 それで、今回のこの地域の実施計画におきましても、民間活力による企業立地に加えて、地域振興への波及効果を及ぼし得るプロジェクトの誘致等の検討を期待するという表現が入っておるわけでございまして、私どもとしては、基本的には鉱工業等の振興ということを据えながらも、いま御指摘のような公共的な機関を誘致するということも、地元の一つの地域発展の形態として出てくるならばこれも一つの方向ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 しからば、具体的にどういうことができるかとなりますと、公共機関のそれぞれの目的、条件等々がございますので、いますぐ具体的にどうこうということは申し上げられませんが、地元の御要望といたしまして、そういった誘致が希望されておることは承知をいたしておるわけでございまして、そういった一つの方向ということもこれから努力すべき一つのポイントではなかろうかと思うわけでございます。具体的にどういうふうにするがいいかという点につきましては、もう少し地元の御意見を伺いながら、私どもとしてもできるだけの御協力あるいは検討はさせていただきたいと思っております。
○中西(績)委員 私は筑豊の出身であるから筑豊の問題についていまこうして論議をしてまいりましたけれども、これは北海道における内陸部、もうすべてに該当する問題であるわけですね。ですから、こうした問題等については、やはり波及効果のあるものとして、先般から言われておるように、国家的事業なりそうしたものでなければもうとうてい考えられないというのが現状ではないかと私は思うのです。先般からの論議の過程の中でも私は申し上げましたように、特に筑豊の関係で言うなら、北九州なら北九州という場合に、では果たしてその関係の中で私たちが内陸部のそうしたものを大きく起こしていく原動力なり牽引車的な役割りを果たすような状況になっておるかというと、私はむしろ、企業の論理からすると、そこに逆に吸収する、こうしたものでしかないのではないかということを申し上げたわけなんです。 ですから、そうしたことを考え合わせてまいりますと、やはり本格的にこうしたものをより具体的に——まだ具体的にはいま出ておりませんから、これから論議される場合には、そうしたものをもう一度中心に据えて論議をぜひしていただきたいということの要望を申し上げます。この問題については、きょうは時間の関係もございますので終わりにしますけれども、ぜひその中心に据えていただきたいと思います。 二番目の問題ですが、特定事業促進調整額の問題であります。 この問題については、すでに五十六年度十一億円の配分が大体決まっていく時期になっておると思いますが、この点がどうなっておるのか。そしていよいよ五十七年度の予算としては十二億五千万円になっています。問題は、地域の発展計画そして実施計画、そうしたものの中におけるいままでの産炭地振興のための法律に基づくかさ上げ分、そうしたものではまだまだ不足するのでこうしたものが設けられたわけでありますから、これらがやはり地域の発展とどうかかわりを持ち、そして本当にそれが一つの大きな起爆剤みたいな作用を持たなくてはならぬと思いますけれども、この点に関していまどうなっておるのか。 そしてこの十一億円あるいは十二億五千万円というものは、これから十年間延長するという際に、財政的には大変厳しゅうございますけれども、この程度では本当の起爆剤になり得ないのではないかということを私は懸念をするものです。この点についてどうでしょうか。
○福川政府委員 第一点の調整額の配分の作業はどうなっているかという点でございますが、二月十九日に産炭地域振興審議会の御答申をいただきまして、基本計画、実施計画の方向が示されたわけでございまして、私どもとしては、それに基づきまして三月中にこの交付決定をするということで、現在関係道県等々と御相談をいたしておるところでございます。 第二点のこの額の配分がどのような考え方によってなされるのかという点でございますが、これも先国会でもいろいろ御議論がございましたように、私どもとしては、広域的な地域発展を図るという基本計画、実施計画の考え方に沿いまして、さらにそれに基づきまして道県が作成する地域の発展計画、これに基づいて六条市町村が実施いたします広域的な地域発展に資する事業であって、従来の産炭地域振興施策体系では必ずしも推進が図りがたいような特定の事業を対象にする、こういうことでその結びつきを考えておるわけでございます。 それで第三点として、これを起爆剤にして広域的な発展を図るということについては余りにも些少ではないかという御指摘でございますが、私どもとしては、確かに金額自身はそれほど大きな予算ではないという見方もあるかとは存じますが、すでにこの産炭地域振興施策はいろいろな形での助成策が講ぜられておるわけでございまして、さらにその上にこれを本当の一つの起爆剤と申しますか、一つの促進のための糧といたしまして進めていこうということでございます。 予算は少のうございますが、これを何とか効率的に持っていく方向で運用を図りたい。来年度は一億五千万ばかりふやしまして十二億五千万という予算を計上いたしておりますが、さらに将来の方向をどう考えていくかということにつきましては、その事業の進捗状況を見ながら再検討しなければならない点はあろうかとは思いますけれども、私どもとしては、これが本当にワサビのきいたような形で地域発展に味つけができていくという方向でぜひ運用をいたしたいと思いますので、またよろしく御指導賜りたいと思います。
○中西(績)委員 三月中にこの交付決定をするということのようでありますけれども、そこで問題は、いま政府の方に各自治体なりあるいは地域ブロックから、僅少ではあるけれどもそうしたものを活用しながら一定の事業なり何なりを起こそうということで、そうしたものが参っておると思いますけれども、大体どういうものが中心になっておるのか。この点、おわかりであればひとつお聞かせを願いたいと思います。 それからもう一つは、僅少であるがために促進の糧になるだろうかということを私は先ほどからお聞きしておるのでありますけれども、そうした中で、特に事業ですから、財政的に大変疲弊しておる市町村あるいは地域ブロックの場合には、この補助金としてのあり方は二〇%でありますね。ですから、やはりこれを活用することが大変困難だろうと私は思っております。そうした意味で、政府の方はそうした問題をそうでないということが言い切れるのかどうか。いやそういうところだって十分使えますよ、御安心いただきたいということが言えるかどうか。こうした点、お答えできれば。
○福川政府委員 現在、関係道県と、御要望も伺いながら御相談をいたしておるわけでございますが、いまそういった事業として、たとえば土地改良事業でございますとか、あるいは林業振興事業でございますとか、あるいは社会福祉施設事業、こういったあたりにつきまして特に御要望が強いのではなかろうか、そういう状況と私ども理解をいたしておるわけでございます。 これが金額も非常に僅少でもあるし、また一方、これを実施する市町村の財政状態が非常に厳しいということから、うまく使い切れないのではないかという御指摘がございまして、私どもとしても、もちろんそういった産炭地域の市町村の財政が疲弊いたしておることは十分承知をいたしておりますが、これは全体の広域的な発展を図るということから、道県の御協力を求めておるわけでございますし、また、道県も今回の十年延長に際しましていろいろな論議が巻き起こったために、こういった地域のそれぞれの広域的な発展にはぜひ努力をしていこうという意欲、また一部の道県では予算措置も講じておられるように聞いておるわけでございまして、そういった意欲をさらにかき立てながら、これを効果ある方向に持っていくということで努力してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 そこで、いま一番最後にお答えいただいた分で、道県の場合に、そうしたものに熱心なところ、あるいは極端な言葉で言いますならば無関心、不熱心と申しますか、そうした点で生じてくる格差、地域的に今度はそこのアンバラが出てくるわけです。ですから、そうしたことのないように、これから後の計画の中でぜひ指導を強めていただきたいと思いますが、これはよろしいですね。——では次に、この基本計画、実施計画内容の発表、告示、これは先ほど答弁の中にありましたように、大体三月ごろということのようでありますけれども、問題は、具体化してくる段階では、この六条の地域の指定解除がこれから行われるということになってくるわけです。そのときの解除の資格というのは地方の財政の状況によってということになっておるようですが、ただその場合に、それまでに至る具体的な計画、そうしたものがないと、よほどの見通しなり何なりがないと、地方自治体の場合にはみずからがそうしたものの計画を立案し、やっていけばよろしいのだけれども、何か突然そうしたものが出てくるということになってきた場合には、大変な混乱を生ずるわけです。ですから、そうしたことも含めて、この具体的な計画、大変重要ですから、そうした場合、解除の資格の問題と、それを卒業するに至るまでの計画、そうしたものが政府の方からお示しいただけるのかどうか、この点、どうでしょうか。
○福川政府委員 産炭地域のいわゆる地域指定の解除の基準、俗に卒業基準と申しておりますが、この点につきましては、二月十九日の産炭地域振興審議会の御答申によりまして、同一の産炭地域経済生活圏に属します六条市町村のうちの過半の六条市町村の財政力指数が、全国の市町村の加重平均による財政力指数の平均値以上になるということを基準として考えていこう、こういうことでございます。こういう限時的な施策でございますし、こういった経済的、社会的疲弊から早く脱却するということがねらいでございまして、基本計画、実施計画は将来の十年後の大筋を示しておるわけでございますが、地域がそれぞれおつくりいただきます地域の発展計画、これにつきましては、それぞれ各道県がローリング的にこの期間内に順次これの達成を図っていくということで御努力を願うということでございますし、私どもとしては、その関係道県と十分な連絡調整を図ってまいりたいというふうに思うわけでございます。 さらにまた、まだ現在最終的に結論は出ておりませんが、その評価を行いまして、卒業の基準に該当いたしました場合に所要の猶予期間を経過させた後に行う、こういったことの準備をいたしておるわけでございますが、今後そういったローリング的に地域の発展計画というものを十分見直していく過程で、何とかこの産炭地域の疲弊を解消していくという方向を私どもとしてもできるだけ具体的に跡づけていく、こういった道県の努力に十分協力してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 ですから、この問題はただ機械的にやるということだけではなくて、その地域の実態がどうなっておるかということをある程度加味しながらやらないと、全体的には、たとえば四市町村あると仮定しますと、山口県なんかで出てくる問題ですけれども、特定の市町村の場合には大変事情がよろしいということもあって、陥没しているこれが一番端っこにあるために、その三つはよくなったけれども、これだけは依然として残っておる。ところが、過半数を占めるわけですからね、皆さんが一つの基準を出しているのを見ますと。そうなった場合には、これだけ取り残されていくという結果にもなりかねないわけですね。ですから、そうした場合の実施計画とその進行、その実態の中でしか、これはやはりやるべきではないんじゃないかということを考えるわけですね。ですから、その点はあくまでも機械的にやるのか、それともそうした実態に即応してやるのかということが最後には大変大きな問題になると思いますね。この点どうでしょう。
○福川政府委員 いま御指摘のとおりに、同一の経済生活圏の中に複数の六条市町村がございます場合、その発展段階に格差がありますとそういう形になるわけでございますが、私どもとしては、全国の加重平均を上回るということでございますし、また、この地域の経済生活圏というのがそれぞれ相互に関連し合っておる、広域的な発展を図り得るということで、一応相互に波及し合うという考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、過半のものがその基準になっていく、また基準に達したときには、いいものはさらにそれよりよくなっておるというようなことを考えてみますと、いまおっしゃったようなことではございますけれども、そこはいま考えております基準で解除をしていくということになろうかと思うわけであります。 しかし、そこへ持っていきますその過程の中で、いまお話しのような幾つかの、特に格段に著しく格差があっておくれておるというようなことにつきましては、そういうことにならないような幾つかの施策を事前的には準備をしてまいる必要がある。そういった道程におきまして、いろいろな経済生活圏の中で道県がつくります地域の発展計画のローリング的な見直しの中で、そこの点については妥当な解決を図っていく必要がある、そこに施策を重点的に進めていくということの必要はあろうかと思います。
○中西(績)委員 そうなってまいりますと、この経済生活圏域の設定、全国二十圏域を設定をしていますね。そうした場合に、たとえば例をまた筑豊にとらしていただきますならば、筑豊の場合にいま二分割していますね。東・中それと西と分けておるわけですけれども、そうなってまいりますと、やはり地域の交通、たとえば鉄道ですね、国鉄の関係、いまローカル線をどんどん外そうとしています。そうすると、これは大きな影響を受けるわけですけれども、むしろいま切断されておる部分をつなぎさえすれば、周防灘の方の工業圏域から福岡の商業圏域に向けての横断的なものができる。そして今度はそれに沿った国道との関係、そうしたものもいま非常に問題になっている。というぐあいになってくると、この筑豊における二分割、当初は三分割でありましたが、そうしたものを分割することが果たしていいだろうかということを私は考えるわけなんですね。 いまあなたが言われるように、波及し合うというこのこと、言葉じりじゃありませんけれども、そうした効果をねらっていくということであれば、むしろそうした広域圏をさらに拡大をしたものの中で物を発想していく、そうした方が、それぞれの特徴なりそういうものを生かしながらやれるのではないかということを感じるわけですね。こういう点、どうお考えなのか。どうでしょう。
○福川政府委員 ただいま、その経済生活圏の設定の仕方がどうあるべきであるかという御指摘でございます。経済生活圏と申しまして、それはもちろん広ければ広い方がいいという御判断もあろうかと思いますが、そこはそれぞれ人の移動なりあるいは物流なり、いろいろな観点で経済の交流というのはそれぞれに特色があるわけでございますし、さらにまたそれぞれの施策を講じていく、福祉、社会資本、生活環境の整備を図っていくということから申しますと、それぞれ一応のまとまりのあるようなものを考えていくというのは、一つの施策の方向として考え得ることではないかというふうに思います。 もとより、経済生活圏ということの中でそれが全く独立しているものではございませんで、相互に人の交流もあれば交通の行き来もある、こういうことでございますから、もちろん必要に応じて、この基本計画、実施計画の中に経済生活圏のほかとの調整ということに触れたところもございますけれども、これは実際の運用を図ってまいります中で、その経済生活圏の相互性ということにつきましても十分考えていかなければならないというふうに思います。しかし、それぞれの経済的な特性、社会的な特性ということから見て、これを現在効率的に進めていく方途としてそのようなものを設定をいたして、それぞれのまとまりの中で発展させていく、そういうものが積み重なることによって全体として融合発展していくということが望ましい、そういうものではなかろうかと理解いたしております。
○中西(績)委員 むしろこれから後、いろいろな計画案が出てきますので、これはもう未来永遠に修正がきかないというものではないでしょうから、またそうしたときに具体的にもう少し論議をしてみたいと思います。いずれにいたしましても、たとえば教育、文化の問題一つを取り上げてみましても、筑豊なら筑豊の中で二つに分けて物を発想した場合のあり方を考える場合と、これを一つにして物を考える場合に、やはりそうした問題等についても大変重要な、これが圏域を分けることの意味、分けない場合どうなのかという効果なり、いろいろなものが出てくるのではないか、こう考えています。したがってこの点、時間がございませんから、そうした具体的なものが提示されましてから、また時間をとって十分論議をしてみたいと思います。 そこで、炭鉱離職者緊急就労事業の問題でありますけれども、開発就労の場合も同じでありますが、時間がございませんから、簡単にそうだということだけお答えいただければいいように質問をしたいと思います。 たとえば完全失業率の問題でありますけれども、全国で二・二%前後絶えずあるということが言われていますが、福岡の場合には大体五%前後、そして筑豊で言いますと最高二一・六%、最低八%というように、いま大変な状況に置かれています。この地域にいま言う緊急就労事業というものが、あるいは開発就労事業というものが集中しておるということ、このことは理解をしていいですね。そしていまの数字についてよろしいかどうか、これが一つ。 それから二つ目。月間有効求人倍率について、これは五十六年の年末ごろだと思いますけれども、全国平均が〇・七六、それから筑豊の場合が〇・二四。ところが、筑豊の場合におきましては五十六年度における最低の月におきましては〇・二八という状況になっておるが、これでよろしいか。 それから、年齢別に見ていった場合に、残念ですけれども五十五年の十月しかありませんが、全国平均〇・七七、筑豊の場合には、大体年齢的なものを全部見ていきますと、五十五歳以上で全国が〇・五一のときが筑豊の場合には〇・二一。それから五十五歳から五十九歳までは、全国で〇・二六の場合、筑豊の場合が〇・一一。六十歳以上が全国〇・一六の場合が筑豊では〇・一二、こういう数字になっておると思いますが、この数字はよろしいですね。
○加藤(孝)政府委員 まず最初にお述べになりました完全失業者でございますが、これは全国が二・二ないし二・三、こんなような状況になっておるわけでございますが、これは全国の数字しかないわけでございまして、福岡がたとえば五%とか、あるいは筑豊が二一%というような数字をお述べになりましたが、これは各都道府県別とか地域別には出ないものでございますので、その点私どもの方としては、そういう完全失業率という形で申し上げます場合には、全国の二・二、三%程度というものしかないということでございます。 それから、求人倍率をお述べになりましたが、この点につきましては、各安定所ごとにとっておりますので、筑豊の状況が全国の状況あるいは福岡県内でも特に悪い、こういった点については、お述べになりましたような数字の傾向はありますが、ただ安定所別にとっておりますので、筑豊という形で数字を集計された形でおっしゃいましたので、その数字がずばりそうかどうか、ちょっと即答いたしかねますが、大体そんなような感じの数字になっておる、こういうことでございます。 また、年齢別の数字につきましても、これは確かに高齢者につきまして、特にまた筑豊地域が悪化しておるという傾向はつかんでおりますが、数字そのものにつきましては、やはり安定所別に出しておりますので、筑豊という形での数字はいまここには持っておりませんので、直ちにその数字がそのとおりだということは申し上げかねますが、傾向としてはそんなような傾向にある、こういうことでございます。
○中西(績)委員 そこで、こうした数字が確実にそうだということが言えないと言っていますけれども、傾向としては認められますね。 そうなってまいりますと、筑豊における就労の構造というものを見ていった場合に、いま筑豊の場合には、一般的な企業進出などが、男子雇用型のものがほとんどないと言ってよい状況でありますから、そうした場合には、鉱害対策事業で働いている者が大体一万四、五千人だと言われています。これは一昨年、前石炭部長の方からお答えいただいた数字であります。それから失業対策事業では、大体労働省でおわかりのように二万人前後、同和対策事業が鉱害対策事業と大体同じくらいの数字になっていると言われています。したがって、いまこの構造から見ますと、こうしたものが最大の中心の雇用形態になっておると言っていいと思います。 そこで、私は二つの点から質問を申し上げたいと思いますが、一つは、緊就事業あるいは開発就労事業、こうしたものの産炭地域における発展計画あるいは実施計画等からいたしますと、これから十年間、そうした場合に、それぞれ地方自治体の、先般の参考人の言を聞いておりましても、あるいはいろいろ上がってきておる実態等からいたしましても、はっきりいたしておりますのは、内容的にはこうなっておると思うのです。三事業というものは今後産炭地域における生活環境整備、産業基盤整備の推進の重要なてこであるということ、したがって、三就労事業の積極的な活用を図っていくべきであるという、これは地方自治体の大体すべての考え方ではないかと思っています。 そうした中で、産炭地域の発展を推進するエネルギーの一つとして積極的に活用すべきだという、こうした意見が出てきています。先般の答申の中でも明らかになっておりますように、やはりこれの位置づけが、大変重要な位置づけがされておるということは、もう私がここで申し上げる必要はないくらいであります。したがって、今後の緊就、開就、こうしたものの運営、存続等については、産炭地域における振興諸施策の推進に寄与するようにしなくてはならぬということが、大体全般的に出てきておる中身であろうと思います。 したがって、この産炭地域振興政策を進めるに当たってのこうしたものの位置づけはどうなっておるのか、もう一度確認をしたいと思うのです。それがためには、今度は存続問題がどうなるのか、こうした点でお答えをいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 緊就事業あるいは開就事業といったもの、これが産炭地域等の、特に失業情勢の悪いところにおきまして、一時的、臨時的な就労の機会を与える、そうしてまた産炭地の振興あるいは開発にも寄与する、こういうことを目的に進められておる事業であるわけでございます。しかしながら、御存じのように、昭和三十九年以来緊就事業は、新規の就労者は入っていないというような事情等もございますように、就労者の高齢化あるいはまたいわゆる滞留といいますか、そういうような問題あるいはまた事業効率の問題等、いろいろ問題が顕著になっておるわけでございまして、そういうような意味で、一方においては、こういった事業についてやはりもう少しそういった問題点というものをなくしていく努力をする必要があるのではないか、またこういうような指摘なり御議論もあるわけでございます。 しかしながら、私どもとしては、本来これがそういう一時的、暫定的な事業であるということで始められたにいたしましても、現在の旧産炭地における雇用失業情勢、先ほど先生からも御指摘のありましたようなそういうような情勢の中で、これらの就労者の生活実態等も考えますれば、これを直ちにやめるというようなことは、これは現実的ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。 しかし、そういうことで今後これを引き続いて実施するにいたしましても、やはり何らかの合理的、計画的な運用というものはしていかなければならぬだろう、こういうことで、いろいろ産炭地域振興審議会の答申等でも指摘をされておるところでございまして、そういう中で、今後これらの緊就、開就事業というものをどういう位置づけでやっていくか、こういうことがはっきり考えられ位置づけられなければならぬ、こういうことでいろいろ論議もされ、そうして去る二月十九日に答申がございましたように、産炭地振興基本計画案で述べられておりますように、今後これらの事業については、「産炭地域振興に効果的に寄与するよう、必要な間、その計画的合理的実施に努める。」べきである、こういう位置づけと方向が述べられておるわけでございます。 そういう意味で、これらの事業については、今後のこれらの地域における雇用失業情勢の状況に配慮しながら、しかもこれが産炭地振興に効果的に寄与できるよう、各地域における計画の中に、これらの事業によってどういう事業を進め、どう振興を図っていくのかというような位置づけをはっきりさせながらこれらの事業を進める。また、進めるに当たっても、いろいろ問題が指摘されておる点についての合理化もまた一方図っていく、こんな考え方でこれらの事業を今後運営してまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○中西(績)委員 時間が参りましたけれども、もう一点だけお聞かせをいただきたいと思うのです。 エネルギー庁、お見えですね。この予算案を見ますと、石炭液化の問題で現在予算化しておる部分で、果たしてこの石炭液化という問題が、エネルギーが大変な状況にある中で、これが果たす役割りとしてこれから後こうした位置づけになっていくだろうかということを私は大変危惧するものであります。 それは、予算を見ますと、SRCII液化分担金等の百五十一億あったものが、今度はゼロになっておる。ところが、今度はサンシャイン石炭液化補助としては倍以上、百六十一億三千六百万円になっておるというように大変な変動があるわけですね。ところが、実際にこの研究なり、あるいはこうした補助をすることによって、代替エネルギーとしての重要な位置づけが果たして成るだろうかということを考え合わせた場合に、この予算の執行なり、あるいは予算をこうして組むことの意味、エネルギー分野における位置づけがどうなっておるかということが大変不明確ですから、絶えずこういう変動が出てくるわけですね。そうしたものを考えていった場合に、いまこの点はどうお考えになり、位置づけをしておるのか、この点だけお答えください。
○原田(昇)政府委員 御承知のように、石油の生産は資源的にも限度がありますし、またその依存する供給国につきましても、政治的な不安定等において絶えず脅かされるということでございますので、どうしても石油代替エネルギーの開発促進をやっていかなければならぬということでございます。 その中におきましても、いろいろな石油代替エネルギーがあります。あるいは原子力とかLNGとか地熱とか水力とか、いろいろあるわけですが、中でも石炭につきましては、世界的にその賦存埋蔵量が非常に大きい。そういうことから、われわれは石炭の活用を積極的にやっていかなければならぬわけでございます。その石炭を活用する際、液体として活用することができれば、石油に直接代替することができるわけで、そういう意味から石炭液化というものが取り上げられてきておるわけです。 御指摘のように、石炭液化については技術的に非常にむずかしい点がたくさんあることは十分承知しております。しかし、将来の石油代替エネルギー源として、世界の化石燃料あるいは化石生成物ということから考えますと、石炭はやはり一番埋蔵量が多いわけでございますので、長い将来の問題としてこの石炭液化を着実に開発して進めていくということはわれわれとして必要ではないか。余り短期に見ないで、長期にわたって着実に進めていく、こういうことで考えてまいりたいと思います。
○中西(績)委員 時間も参りましたのでやめますけれども、私はこの点は、これだけの予算なりを割いて研究をしていくということであれば、むしろローカルエネルギーなり何なり、そうした方向に向けて本格的にやることの方が、より実効なり何なりが上がるのではないかということも含めて考えておりますが、きょうは時間がありませんから討論になりませんので、また後日、こうした問題については一般質問のときにでもさせていただきます。 きょうは終わります。
○枝村委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 限られた時間でありますので、ひとつ端的に質問いたしますから、できればどんぴしゃりお答え願いたい、こう思うわけでございます。 まず初めに、私は北炭問題についてお伺いをいたしたいと思います。 第一点は、いまの労働者の三月の賃金は確実に支払いができる、あるいはまたすでに発表、約束をいたしております遺族補償の二千万、すでに内払い金があるわけでありますが、三月中に支払いができる、そういう確信を政府は持っておるかどうか、お答え願いたいと思います。
○福川政府委員 三月の賃金、それから弔慰金の支払いでございますが、会社側は現在のところ、その点については資金上非常に不足しておるということではございませんので、一応会社が支払う態勢でいま進めておるというふうに承知をしております。
○岡田(利)委員 先般再建計画の骨子も通産省に提出したわけですし、かねがね当委員会で問題になっておる点でありますから、当然その機会に通産省として確かめられておるものと私は思うわけです。そういう意味で、確かめられたと理解してよろしいですか。
○福川政府委員 会社側は、賃金の点につきましては、一応現在の資金の運用の範囲の中で考えるということでございまして、現時点で会社側はそのように申しておりました。 弔慰金につきましては、いま関係方面と折衝中であるが、その方向で努力をしております、こういうことでございました。
○岡田(利)委員 去る九日に再度再建計画の骨子案なるものが通産省にも出されたわけです。この再建計画の骨子についての評価はいかがですか。
○福川政府委員 今回の見直し案は、当初案と対比いたしますと、平安八尺層に至ります途中の操業展開につきましては、たとえば中央坑道の採掘を他の切り羽の採掘後にするとかいうふうに改善をされておりますし、それからまた平安八尺層については切り羽の展開を改善するといったようなことで、途中の段階での多方面同時展開を改善をし、また、平安八尺層の骨格構造を改善をしているという点では、私どもも、従来の案に比べれば、石炭協会の意見等も入れながら改善をした案と評価をいたしております。 しかし、まだそのほかにも幾つかの問題点がございまして、たとえば途中の段階で一たん採掘を断念をいたしました西四の切りかえ等をまた再開するといったあたりの保安面でのチェックというような問題がございます。また、切り羽ごとの採算性をどのように考えるかといった問題もございます。さらにまた、今後主力採炭として会社更生の中心にしようと思う平安八尺層の、現在把握しております炭量全体を採掘いたしましたときの採算性。一体どの程度返済原資の出てくる炭層であるかどうかといった点が不明確でございます。特に、六十一年度以降どういう形に相なるかという点は、まだ会社は作業をいたしてないようでございます。 さらにまた能率の見方等につきましても、今後さらに自然条件との関連で検討しなければならぬといった点もございますし、また人員の妥当性といったあたりも会社はもう少し検討をする余地がある、こういった点を残しております。九日に出てまいりましたのは、一応そういった中間的な作業の結果の報告ということで私どもは理解をいたしておりまして、今後とも会社側は、石炭協会の意見も聞き、あるいは労働組合の意見も聞き、あるいは私どもの意見も取り入れながら、さらに会社の将来のあり方の点につきましては、より納得の得られる改善に引き続き努力をしていくというふうに申しております。
○岡田(利)委員 前回の案、今回の案、この延長線上で再建計画ができると政府は本気で思っておりますか。この延長線上に再建できると本気で考えていますか。いかがですか。
○福川政府委員 それは、もちろん最終的には、管財人が選定されました場合には更生計画をつくり、裁判所がその結果に基づいて御判断になるわけでございます。いま御指摘のとおり、会社更生法に相なりました場合には、もちろんそういった操業上の計画がどうあるかということと同時に、経営上、資金上の問題といったようないろいろな広範な問題が出てまいるわけでございます。そこはさらにいろいろな検討が加えられなければなりませんし、また、資金面でも、先ほど落としましたが、かなり資金不足が生ずることにつきまして、関係金融機関の御理解がまだ得られていないわけでございまして、したがいまして、そこにはいろいろの検討すべき点は多々残しておると思います。 ただ、操業上どのようにいくことにするのが果たして適当であるかということにつきましては、これはいろいろな意見を取り入れながら幾つかの案を検討しておくという必要はあろうと思います。ただ、いま申しましたように、経営上の問題あるいは資金上の問題、そのほか労務の問題等々、ここに至ります過程でいろいろな問題が出てまいります。その点につきましては、私どもも、いろいろな機会に、経営のあり方、経営の抜本的な見直しということも指摘をいたしております。 現在、会社側はその辺の検討をしているわけではありませんで、操業上どういうことにするのがいまの炭層の開発にふさわしいかどうかと、そういった検討にとどまっておるわけでございまして、そういった会社全体、どのような形態で、果たして再建にいくかどうかという点につきましては、まだ検討すべき点は多々残っておりますし、そこは今後管財人が選ばれました暁に、裁判所の御判断あるいは更生債権者との意見の交換の場で問題が煮詰められていくものと考えております。
○岡田(利)委員 保安の方にお聞きしますけれども、被災者の救出はいつまでに完了すると見込まれておるかという点と、その後原因の究明、調査が完了する目途は一体いつに置いているのか、この点についてお答え願いたいと思います。
○神谷政府委員 遺体の収容、会社の計画では四月上旬ということになっております。それから、取り明け完了は若干おくれて四月中旬ぐらいになるのではないかと思います。あくまでも会社の計画でございますし、非常にむずかしいところでございますから、これが若干動くことはあるかもしれませんが、取り明けが終わった後、原因究明を先生方まとめ上げるにはやはり二カ月ぐらいの時間は欲しい。したがいまして、初夏のころにあるいはことしの前半には何とかまとめたい、こういう気持ちでおります。
○岡田(利)委員 したがって、会社にどのような案をつくらしても、五片を除いて再建計画をつくるという考え方自体に問題がある。結論は、いま述べられたように少なくとも六月時点から、おくれても大体夏場にはこの点がはっきりする。そうしますと、当然、再建計画は五片をどう扱うか、このことを含めないで再建計画をつくれと言う方が無理なんです。そんな案なんというのはできるはずがないのですよ。そうしますと、不確定な要因があるから、それに対応してどう対処するのか、こういう手法をとらなければ、だれが管財人になっても、再建計画というものはなかなか立たないと思うのですね、専門的に見て。だから、そういう要因があることも含んで、一体これにどう対処するのか、こうあらねばならぬと思うわけです。 たとえば五十七年度一年間左五片をそのまま置いたとしても、五十八年度には入ってこなければならぬわけですね、どう扱うかということは。それがないで北炭新鉱の再建ができると考えるところに無理があるのではないのか。そこの整理が政府ではできていないのではないか。だからいろいろな意見が出るのではないか。ここがポイントだと思うのですが、いかがでしょうか。
○福川政府委員 資源の状況から見て、この災害の発生をいたしました北第五地域、これをどう評価するかという点は、これは将来の問題として一つのポイントだろうという点は、私どももそう考えておるわけでございます。現在会社が考えておりますスケジュールとしては、当面この北第五の取り明けを行い、原因究明をして、果たしてこの北第五の資源を、現在の技術条件から見て採掘可能であるのかどうなのか、それは原因究明を待たなければならないわけでございますが、現在時点でそれの判断をする状況にまだ至っていないわけでございます。したがいまして、当面会社側の案というのは、主力採炭は平安八尺層に置き、そして会社が一応その平安八尺層の開発で安定的な基盤に乗った段階で、さらに北五の開発を検討する、こういうことを考えているわけでございます。現在まだ原因究明が終わらない段階におきましては、そのような計画の立て方というのは、私どもとしては一つの方法でなかろうかと思っておるわけであります。 将来の問題としてこの北の開発をどのようにしていくかというのは、原因究明等が終わった段階で考えていくべきであろう。おっしゃるように、当委員会でも前回御指摘のように、かなり自然条件のいいということは言われておるわけでございますが、ある程度断層が走る、ガスが多い、こういった技術的な関係ということが今後のこの開発の大きなポイントになるわけでございまして、その意味では、その原因究明等を待った段階で考えるというのが至当ではなかろうかと考えておるわけであります。
○岡田(利)委員 普通の会社更生とは違って、石炭政策下における石炭企業の問題であるわけです。普通の場合とは違うわけですね。しかも最大の債権者は政府なんですから、どう一体これを見るかということは、政府としてもやはり非常に慎重かつ、きわめてその意見は今後の推移を左右すると私は考えるわけです。 したがって、原因究明まで待つとすれば、四月、五月、六月一体どうするのか。これはほかの正常な炭鉱でも、財政資金がなくてやり切れる炭鉱というのはほとんどないでしょう。だから、この原因究明ができて、五片を一体どうするのか、七メーターの炭層を一体どう扱うのか、このことがはっきりしないと、なかなか再建案は立たないと思うわけですね。だから、それまでの期間一体どういう対応を政府はとるのか、そういう問題点をやはり整理をしてかからなければならないのではないかと私は思うのです。そしてその原因が究明されて、次の段階として五片は一体いつごろからどういう対応で組み込むことができるのか、このことによってもがらっと変わるわけですね、再建計画は。 ですから、先般も私は、一のケース、二のケース、三のケースを出しておるのですが、いまの動向を見ていくと結局野たれ死にになるのではないのか、こう私は心配を実はいたしているわけです。したがって、いまの北炭の企業の体制で、新夕張の体制でできないというのであるならば、できないような対応の仕方をしなければいかぬのではないかと思うのですね。できないならば別の関係業界に引き受けてもらう、一回清算をする、そして本格的にこの山の再建を図るというのも大胆な発想でしょう。 しかし、先般政府の見解は、いまの修正する方向の再建案と発想転換の再建案、どちらかというと、この中間寄りの地点に大体再建の方向があるのではないか、こう言っておるけれども、これも不明確なわけです。だから、野たれ死にさせるよりも、この点、ぴちっとした対応策、いま政府は態度を決めるべきだ、もうこの四月の時点では態度を決めなければならぬのではないか、こう私は思うわけであります。たとえばどういう案を出しても、この新鉱は石炭が出ているのは露頭といま掘っている石炭だけでありますから、それ以外の開発をするためには資金が必要でありますから、その資金が準備できなければ再建はできないというのでしょう。どうなのですか。
○福川政府委員 いま大変大胆な御提案がございまして、私どもとしても、再建の道を探りたいという点はしばしば大臣、政務次官がお答えしているとおりでございますが、しからば先生が御指摘になられたように北炭夕張は清算するしか道がないのではないか、こういうことでございますが、そのようにするかどうかという点につきましては、現在会社更生法という範囲の中で処理をしようということで、当該企業が判断をしてその手続が進行いたしておるわけでございます。したがいまして、その過程の中でそういった問題も含めてどういう方向づけ、果たしてあの夕張の企業をどうするのか、さらに進んでその資源の活用をどう図っていくのかということが問題になるわけでございます。 したがいまして、いまおっしゃったような問い方をして大変失礼申し上げましたが、そういったいろいろな経営上の諸問題というのが、この北炭夕張の再建が将来管財人の手によって進められる場合に一つの議論になる、先ほどお答えしたのはそういうところにも問題があるということを申したつもりでございます。 今後中間的にそれを資金的にどういうふうにしていくか、こういうことでございますが、御承知のとおりに、会社更生法ということの手続が進んでいきます場合には、そこでどのように旧債の処理をするのか、あるいは企業のあり方をどうするのかということとあわせて将来の計画ができ、その間の資金調達ということもその更生計画の中でもちろん出てくるわけでございます。新規に一切金が入らずに再建できるという更生会社もございましょうが、そうでないケースも多々あるわけでございまして、そういったことについては、いまお話しのように平安八尺層で果たしてやっていけるのか、あるいはまたいまおっしゃった北の第五を開発の主力にする、その場合に果たして技術能力はいかん、こういった問題の評価を含めながら資金的なものがついてくるのかどうか。 もちろん、政府も現在あります諸制度を最大限活用いたしながら、その計画ができた暁には努力をしてまいる所存でございますが、もちろん民間の金融機関の支援というのは不可欠でございまして、そういった資金がついてくるような計画であり、なおかつ企業体に技術的能力があるかということに問題がかかってくる、そういうふうに思っておるわけでございます。
○岡田(利)委員 企業ぐるみ閉山の場合に、かつて明治五山あって、企業ぐるみ閉山をして九州三山を残して一応その地域の資源の採掘を全うさせた、こういう政策の歴史もあるわけであります。 そうしますと、いま一番大事なことは何なのか。管財人を早急に選ぶことでしょう。管財人を選ぶ場合は、もちろん裁判所が選任をするのでありますけれども、一般常識から言えば、債権者が積極的に、裁判所が管財人を選任できるように協力する。そうすると、政府が一番債権者であります。金融債務では三井銀行を初めとするいわゆる金融機関、これらが自分の財産保全のために一番協力をする責任があると私は思うのです。いま裁判所の方からも意向があって、札幌の商工会議所の方に管財人の推薦を依頼しているようでありますけれども、これだって、金融筋がどう考えるのか、政府がどう考えるのか、これが明らかにならないで、管財人を引き受けるということにはなかなかならぬと思うわけです。 そうすると結局は、石炭産業の連帯性から考えて政府、銀行が、たとえば石炭協会なら石炭協会に管財人の選任を求める、最終的にはこれに協力しないというわけにはいかぬと思うわけですよ。そういう腹を持って事態を見ているのか、そういう腹を固めないで事態を見ているのか、ここはいかがでしょうか。
○福川政府委員 もちろん、御指摘のように管財人の選任が一つの大きな課題になっておるわけでございます。もちろん私どもも、何とか山の再建の可能性を見出したいということで努力をいたしておるわけでございますが、夕張株式会社をとってみますれば、政府も最大の債権者でございます。もとより、政府の制度の融資、これは一定の条件のもとで制度に基づいて出したわけでございます。したがいまして、私どもとしても、それの帰趨には債権者として十分関心を持っておるわけでございますが、政府の制度は、結果的に金額は非常に大きくなっておるわけでございますけれども、その経営のあり方ということにつきましては、私どもとしては、民間の判断、指導を中心に考え、そして金融機関とともに、企業が判断いたしましたその方向が、法律に定められた諸要件に合致すればこれを支援していく、こういうのが原則であろうと思います。 しかし、だからといって何もしないでいいというわけではございませんで、私どもも、何とか管財人を選びやすい環境ができますように、先ほど塚田委員からも御指摘がございましたように、いろいろな助言もし、石炭協会とのつながりもつけ、それとの協調をとってきつつあるわけでございます。 どういう時点でどういう展開を図るべきがいいのかという点についても、いろいろ考え方が各方面にあると思います。札幌商工会議所が裁判所の御依頼を受けて一つの地元の問題として選任に当たられるわけでございまして、私どもとしても、もちろん、札幌商工会議所の選考作業を見放してほっておいていいというわけではございませんで、それなりのいろいろな御協力もいたさねばならないと思っております。 いま最後に、それじゃ金融機関と一緒になって石炭協会にやらせるという腹があるのかどうか、こういうことでございますが、そこはいずれ、関係金融機関のいろいろな御意見は、先ほど塚田議員はアヒルの水かきとおっしゃいましたが、私どもも水面下でいろいろな連絡は取り合っております。どのような方向が一番いいのかという点につきましては、いろいろ関係金融機関の意見も聞き、また事態の推移も見、また石炭協会の意向も確かめ、また一番肝心なのは企業の労使、企業の当事者あるいは保全管理人の意向でございますので、その辺の意向を見て、私どもとしてすべき点があれば考えていくつもりでございます。 いまおっしゃいましたように、じゃ銀行と一緒に石炭協会に頼む腹があるかどうかという点につきましては、もう少しその辺の関係方面の意向を見て、あるいはまた裁判所の選考のお考え方ということを確かめ、それを私ども見守ってまいりたいと思いますが、私どもとしてすべき点があれば、その辺は十分考えて御相談に乗っていくつもりでございます。
○岡田(利)委員 現状から考えれば、今月中に管財人が選任されることが最も望ましいという認識では一致しますか。
○福川政府委員 再建計画の見直しがいろいろ会社において進められております。また、石炭協会の技術指導も行われております。これはもちろん並行して進めなければならないと思っております。したがいまして、管財人はできるだけ早く選任する方がいいと思っておるわけでございます。山根保全管理人も、先生の御意見のようにできれば三月中に選任のめどをつけたい、こういうふうに言っておられます。私どもとしてもその方向に異存がございません。できるだけ早く管財人が選ばれることを期待しております。
○岡田(利)委員 管財人が選任されたからといって、更生計画ができ上がるという保証はないわけです。管財人がいろいろ検討されて、最終的に裁判所として更生開始の決定ができるかどうかということの時間もまたかかるわけであります。したがって、今日の段階では、装置工業の倒産会社と違って、こういう地下資源、石炭産業のような場合には自然が相手でありますから、そういう意味では管財人を早急に決めて、本格的に権威を持って再建計画の検討に当たる、このタイミングを間違うと結局野たれ死にすると私は思うのですね。そういう意味で認識が一致するわけでありますから、この段階に来れば、政府としても、もちろん政府の場合には債権者という立場もあるし、石炭政策を進める、そういう二つの立場があるわけでありますから、その点、特に認識が一致している以上、今日事態は若干動いているわけでありますから、これを見きわめた上でこれに積極的に対処するということについてお約束いただきたいと思うのですが、いかがですか。
○福川政府委員 先生御指摘のとおりにいろいろな動きが進んでおります。非常にタイミングを失して、おっしゃるように関係方面のコンセンサスが得られないままに、何と申しましょうか、いま先生のお言葉で言えば野たれ死にする、こういうことになるのは決して好ましいことではございません。私どもとしても、もちろん裁判所の動きを見、また札幌商工会議所の調整、推薦の動き等も見て、御相談に応じて必要な手は打っていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
○岡田(利)委員 先般夕張電力所が真谷地に譲渡されて、近代化資金五億程度が融資をされたわけですが、もちろんそのためには担保が新たに三井観光から提供されておる。私の聞いておるところでは十一億程度、こう聞いておるわけです。この十一億の債務の内訳は、政府及び銀行ではどういう割合になりますか。
○福川政府委員 三井観光からかわり担保を出していただきまして、そして夕張の持っておりました電力所の担保を解除して真谷地炭鉱に譲渡をいたしたわけでございます。したがいまして、電力所が夕張にございましたときの担保の状況で、そのままその担保の状況が三井観光から出された担保の上に乗り移った、こういう形になっております。
○岡田(利)委員 私は、この問題は政府自体ももう少し集中的にこれからの方向について検討をしておく必要があると思うのですね。大体これはやればわかってくるわけですよ。わからないでやっておるわけじゃない。しかしながら、いま北炭にどういう案を出しても、資金その他再建計画、ぴしっとこれならよろしいなんというのはいまの体質からいっても恐らく出ないのじゃないでしょうか。ほかからお金でも持ってくるという態勢で臨んでくれば成り立つわけですけれども、そうでない限り、これはどんなのを出したってだめでしょう、結局は。そうであれば、その点についてもどんぴしゃり言うところは言う、その方がわかりやすくていいと思うのですね。そういう点でぜひひとつ今月中に管財人を選任をするという認識に伴って、政府自体でも問題点をしっかり整理をしてほしいということを申し上げておきたいと思います。 以下、時間がございませんが、若干の問題を取り上げて質問をいたしたいと思います。 一つは、石炭特別会計法が五年間延長されるわけであります。これは従量税でありますから、財源的にはいまの油の動向から見れば限界があるわけであります。この五年間延長するという意味は、従量税である原重油関税の十二分の十を基礎にして五年間やるというお考えだろうと思うわけです。しかし、五年後の展望を考えれば、この石特会計については、たとえば一般炭の場合も、今年は国内一般炭と輸入一般炭では逆転するわけですね。歴史的な年であるわけです。原料炭については御承知のとおりであります。むしろオーソドックスに言えば、石炭から財源を求めるという考え方も成り立つわけですね。この点は検討の課題として、五年間はこのままいくが、将来の問題については石特会計のあり方についていろいろな角度から検討する、こういう考え方で今回の五年間延長を出されたかどうか、承っておきたい。
○福川政府委員 石炭対策の財源は、いま御指摘のとおりに原重油関税を対象にした従量税でございますので、今後の原重油の輸入の動向によってその財源が左右されてくるわけでございます。今後の石油輸入量をどう見通すかという点につきましては、これはいろいろむずかしい要因がございますが、全体として見ますれば、エネルギーの総需要がどういうふうになっていくのか、あるいは石油代替エネルギーの開発あるいは導入の見通しがどういうふうになっていくのかということに絡んでまいるわけでございます。現在、その見通しというのは長期エネルギー需給暫定見通しの改定という形で、総合エネルギー調査会の需給部会で御検討いただいているところでございます。 しからば、今回の五年間の延長ということで、財源不足を来すおそれがあるという前提に立って、輸入石炭にその財源を求めるというような考え方があったかなかったかということでございますが、私どもといたしましては、もちろん将来の石油輸入見通しを考えなければなりませんが、現時点では、一応現在の財源の体制を維持していくということで考えておるわけでございます。石炭対策の歳出需要がどういうふうになっていくかということにつきましては、この第七次策を展開していく過程で、順次その予算額の確保に努力してまいらなければならないというふうに思っておるわけでございます。 また、輸入炭の課税をどういうふうにするかということでございますが、今後とも、石炭に転換をしていくという関係で海外炭の開発導入をやっていく、こういうことにつきまして、税負担をかけることによって阻害にならないかどうか、あるいはまた新たな増税を考えるということが全体の財政の構造としていかがなものであろうか、あるいはまた貿易摩擦の問題等いろいろな観点がございまして、私どもとしてはいろいろなむずかしい問題が絡まってくるというふうに思うわけでございます。現時点におきましては、特にそういった輸入石炭に税源を求めるということは私どもとして考えておりませんが、今後とも、石炭対策の歳出需要ということを十分吟味いたしまして、所要の予算の確保には私どもとしても努力をしてまいりたい、かように考えております。
○岡田(利)委員 今年度の石炭の需給見通しというのは、当初計画より変わっておるのではないかと思うわけです。もし落ちつき見込みが試算されておれば承っておきたいと思いますし、特に五十七年度の需給関係については、これもまた大分さま変わりするのではないかと思うのですが、この点いかがでしょう。
○福川政府委員 国内炭の生産に関しましては、当初私どもとしては生産が千八百十万トン程度ということを想定いたしておりました。現在、不幸にして起こりました北炭夕張の事故といったようなことで、その千八百万トンを下回る水準に推移をいたしております。 これがどのくらいになるかということでございますが、別の一部の炭鉱では増産といった要因がございまして、北炭の減産そのままが全体の減産につながるということではありませんが、千八百万トンは下回るものになると思っております。いままだ統計が十二月程度までしか出ておりませんので、正確に予測はいたしかねますが、大ざっぱに申しますと千七百万トン台の半ば程度前後ということに落ちつくのではないだろうかと思っております。
○岡田(利)委員 最近油から石炭に転換をしたセメント業界を見ても、通産省の当初見通しでは千八十五万トンという見込みでありますけれども、大体九百八十二万六千トンぐらいになるのではないか。五十七年度はさらに若干生産量から見て下回るのではないか。したがって、セメント業界はすでに二カ月分の貯炭を持っておる、こういう状況に実はあるわけです。そして一方、石炭火力発電所については、非常に順調に運開をしておるというのが今日の状況だと思うわけです。 最近の石炭火力発電所の運転率はどういう状況なのか、この点公益事業部ですか、承っておきたいと思います。
○川崎政府委員 お答えいたします。 本年度の稼働率、まだ年度途中でございますので最終的に出ておりませんので、確定的なところは申し上げられない状況でございますけれども、九電力会社で大体五六%程度、このぐらいになるのじゃないかと見込まれております。
○岡田(利)委員 九電力全体の火力は非常に古い火力もあるわけですが、電発で見ますと、四月から十二月の間、松島第一号は九一・七%、松島第二号九三・四%、磯子第一号、二号は七九・七%、高砂一号、二号七一・八%、竹原一号は七三・四%、非常に高率なわけです。北海道電力の苫東厚真はどのくらいの運転率になっていますか。
○川崎政府委員 いま私の手元に苫東厚真そのものの数字はございませんけれども、北電の五十六年の実績見込みは大体六三%という数字になっております。
○岡田(利)委員 それは現在事故で休止している奈井江の発電所も含んでいるのですか。
○川崎政府委員 私どもが稼働率を計算いたしますときには、御指摘のように休止中の発電所も含んで計算いたしております。
○岡田(利)委員 いま私が申し上げましたように、電発の運転率は非常に高いわけです。九三・四なんというのは大変な数字だと思うわけであります。 北海道電力の電気料金査定の場合に、奈井江が約半年間の休業をすることによって、油の方を運転する、その燃料費は五十億円であるということで補正しましたね。そして、認可をしたわけです。そうしますと、油と石炭の価格というものは大変な違いが、特に北海道の場合にはあるわけです。電発がこのような運転率を上げているのに、北海道電力が、そういう事故があって五十億とにかく補正させてもらったから油をたけばいいのだというようなことでは、どうも私は納得がいかないのでありますけれども、この点どうお思いになりますか。
○川崎政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、九電力の場合は五六%の稼働率、その中で北電をとりますと六三%でございまして、電発の場合は、高いところは九〇%を超えておりますけれども、平均いたしますと、五十六年の実績見込みで七四%という数字になっております。 なぜ電発がこういうふうに稼働率が高いかと申しますと、電発は新鋭火力を中心に、しかもその新鋭火力の電力が、卸売契約に基づきまして一般の九電力会社のベースロードに対応する形で取引されております。そういう形で電発の比率が非常に高くなったわけでございますが、九電力の場合はまだ老朽火力も相当残っておる。したがって、それの補修点検といった問題も必要になってまいりますのと、もう一つは石炭火力がいまのところは昼間負荷を背負っている、そういうことがございまして、こういう稼働率になっております。
○岡田(利)委員 三月の電調審、何かまだ日にちが決まっていない。大体三月下旬には電調審をやるというのは通例であるわけですけれども、今年はまだ日にちが決まっていないという話でありますけれども、電調審はいつごろ開催されますか。
○向説明員 お答え申し上げます現在、電源開発調整審議会、本年度三回目を準備している段階でございますが、水力につきましては十一地点、火力につきまして三地点、原子力について一地点、合わせて十五地点でございますが、関係各省に検討依頼をしております。この検討結果を踏まえまして、あわせまして地元の知事さんに意見の照会ということを行っておるわけでございますが、これも踏まえまして電調審の開催の時期を決めようと考えております。いずれにしましても、三月じゅうには開催をするという方向で進んでおります。
○岡田(利)委員 原子力、北海道の共和原発が予定をされておると言われておるわけですが、いま地元の議会と知事の間で、議会は一週間にわたって空転いたしておるわけです。通産省として、三月になければ六月に電調審があるわけでしょう、やはり地元の関係というものはすきっと整理をした上で電調審で決める。もう公聴会をやったから、あとは知事に無理やりとにかく同意書をよこせというような姿勢は私は納得できないと思うわけであります。その点についてはどう認識をされておるのか、承っておきたいと思います。
○川崎政府委員 原子力発電、これは今後の石油代替電源の中核としてわれわれとしては積極的に推進していきたいというふうに考えております。 特に共和・泊の原発でございますが、北海道電力はこれまでにまだ一つも原子力発電所がございません。その意味では最初の原発になるわけでございますが、北海道電力の供給力の安定あるいは電源の多様化への切りかえ、そのための切り札ということで考えますと、私どもとしては一日も早く電調審に上程したいというふうに考えております。
○岡田(利)委員 通産省は北海道において、石炭火力と、いま予定されている共和原発五十九万五千ですか、今度、苫東の六十万、二号機もいまやっているわけですね。一方において知内の二号機は建設を延ばしておるわけです。そうすると、中期的に見ますと、このままいくと過剰設備になる可能性というものは非常に大きいと思うのですね。しかも北海道電力の場合には他の電力会社に比べて、送電線、配電線は、若干縮まりましたけれども、倍以上の開きがあるわけであります。過剰設備は北海道の電気料金を値上げをする要因として働くわけです。本当に原発の方が石炭火力よりも安いとお思いでしょうか。もし安いというならば、その発電原価を示してもらいたいと思います。
○川崎政府委員 私どもは各電源、原子力でありますとかLNGでありますとか石炭、水力、それから一般の石油火力ということで、五十六年度運転開始ということをベースに置きましてモデル計算をやっております。 それで、原子力発電所のコストを計算いたしますと、原子力発電所のコストは、大体キロワットアワー当たり十一円ないし十二円という計算になります。これは石油火力コストの六割程度、石炭のコストの八割程度ということで、その経済性はすぐれております。私どもは、この共和・泊の原子力発電所の開発によりまして、発電コストの面で北海道電力の管内の電力供給原価の抑制にうまく結びついて、電気料金の長期安定化に寄与することを期待いたしております。
○岡田(利)委員 あなたの計算は非常に単純計算なわけですね。北海道電力はすでに二百億円の核燃料を持っておるわけでしょう。これは事業報酬の対象になるわけですね。年八%かかるわけです。そうしますと、挿入する場合の核燃料は一体幾らになると計算されますか。同時に、共和から需要地に対する送電線を引いた場合、一体コスト的に、たとえば苫小牧にさらに三号機をつくるのと比較した場合に、どのくらいの差があるとお思いですか。どうも最近の通産省の計算というのはいいところばかり計算をして、本当の計算をしてないわけですね。先般も向坂さんに私は質問したのです。そういう点を深めると、普通の場合石炭火力と原発でもほぼ拮抗しつつある。送電線なんか入れればむしろ原発の方が高くなる場合があるわけですよ。私は、そのきわめて象徴的なのが北海道の原発と苫小牧の石炭火力ではないかと思うのですよ。そういう計算ではないわけでしょう。
○川崎政府委員 二つ御指摘の点がございましたので、一つずつお答えいたしたいと思います。 まず、原子力発電所の発電原価の場合、核燃料がどのくらいかということでございますが、燃料費比率というので大体二五%程度。御参考までに、石炭の場合には五五%が燃料費比率というふうに考えております。ウランの核燃料の場合には、濃縮から成形加工あるいはその後の再処理までございますけれども、この十一−十二円という中には再処理の費用も含めて計算いたしております。 それから、送電線の議論がございましたけれども、電力の場合、一つの発電所から一地域の需要地とを結びつけて送電コストを計算するというのじゃなくて、多数の発電所から多数の需要地に向けて送変電施設をつくってシステムとして配る、そういうことで電力の供給系統というのができ上がっているわけでございますので、一つの、たとえば原発なら原発を取り出しまして、それの送電コストというふうな議論にはなかなかならないのじゃないかというふうに考えております。
○岡田(利)委員 時間がありませんからやめますけれども、私はいま言われたことでは納得できないのです。説明を受けても違うのですよ。たとえば、十一円から十二円かかる、そのうちの大体三割程度が、三円七十五銭から三円が燃料費だという計算でしょう、原発の場合には。そのうちの一円は低レベルの再処理の費用だ。挿入、加工、核燃料の場合には当然一円であっても高くなるわけですね。事業報酬は含まれてないわけですよ。十年間であったら倍以上になるのですからね、倍を超すのですから。そういう計算が成り立っていない。たとえば石炭であれば、一・五カ月分しか事業報酬の対象にならないわけです。核燃料は事業報酬の対象に無制限になるわけですよ、いまの制度は。そうやって計算をすると、私は違うと思うのです。 きょうはこの程度でやめておきますけれども、私の試算では、北海道においてはそうではない、こういう試算がある。いずれ北海道の電力料金を値上げするときにこれらがまた問題になってくることをむしろ警告しておきたいと私は思うし、北海道では釧路でも留萌でも石炭火力の誘致は非常に盛んなわけです。いま日本の原子力の問題は、原子力ギルド社会になっておるわけです。だから技術者も入れてあるわけですよ。核燃料も前倒しで買ってあるわけですね。そういう体制から原発を急ぐ必然性があることを、私は残念ながら北海道の今度の問題をめぐって指摘をしておきたいし、そういう意味で、三月の電調審も、急いでやらなければならぬという問題ではないのではないか。六月にも電調審は予定されておるわけですから、やはり地元の混乱をできるだけ避けるような方向で、手続だけ踏めばいいというふうな姿勢で臨むことについて慎重な配慮を要望しておきたいと思います。 そこで、残された時間になってしまいましたけれども、科学技術庁からおいで願っているのですが、先般、科学技術庁では、今回の夕張災害にかんがみて、緊急研究として一億一千万の調査研究費を支出して、大体四点にわたって緊急検討するという予算の配分が行われたことを私は承知いたしておるわけです。非常に適切な配慮であったと思います。もちろんこの予算は、五十七年度これからですから、五十七年度までまたがっていくのでしょうけれども、せっかくここまでやられるとするならば、もう一歩進めて五十七年度の予算でも配慮すべきではないか。まだ成立はしておりませんけれども、衆議院通過から三十日たつと自動的に予算は成立をするわけですから、そういう配慮を払って、せっかくこの四点にわたってやられた以上——本年一年間で緊急的にすべてがこの点について解明ができるという点については若干危惧を抱いておるわけです。したがって、五十八年もとは言いませんけれども、五十七年においても御配慮願えないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○倉持説明員 御説明申し上げます。 ただいま先生御指摘のとおり、深部炭鉱に伴う災害の防止につきましては、五十六年度科学技術振興調整費によりまして、深部採炭に伴う大規模ガス突出及び災害の予知、予防に関する緊急研究として実施しております。これは昨年十月、夕張新鉱の事故がありましたために、緊急に深部採鉱に伴う災害の予防に関する具体的な対策を確立していくために研究を実施する必要があるという観点から、調整費によりまして、先生御指摘のように五十六年度単年度の緊急研究として実施しているものでございます。 五十七年度の科学技術振興調整費につきましては、予算成立後に科学技術会議の方針に沿いまして、具体的に運用がなされることになっておりますので、具体的な課題につきましては、今後の検討によることと存じます。
○岡田(利)委員 一億一千万が支出をされて、大体その研究内容が計画化されておると思うのですけれども、この部分についてぜひ追加してやった方がいいという面はこの四つの項目を見ますと出てくる、私はこう思っておるわけです。そういう意味で、今後検討される場合に、ぜひその点も留意をされて御検討願いたいということを申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので、保安関係について伺っておきます。 第一点は、私はかねてから保安員制度というものを提起しているわけです。いわば先山には保安資格がないという点は自主保安の面から言っても問題点があるのではないか、こう指摘をしているわけです。もしこれが法制的な制度としてできなければ、それぞれ各山の状況によって自主的にこれらの制度を取り入れていく、こういうような方向にこの段階で踏み切るべきではないのかというのが第一点です。 第二点は、保安監督の関係でありますけれども、この関係は特にこれからガス突出、自然発火、これらを重点にして保安監督の強化を図る必要があるのではないのか。もちろん、それぞれの署には監督員がおりますけれども、札幌を含めて対策を練る必要があるし、深部対応としても必要になってきたのではないかというのが第二点であります。 第三点は、保安機器の問題でありますけれども、一つは酸素マスク、これは参考人からも意見の出ている問題であります。それから救命器についても、服装その他についても、これに対する新しい開発研究をする必要があるのではないのか。あるいはまた自然発火の場合に、ケミカルな緊急消火体制、消火器の開発、こういう点もぜひ開発に目を向けるべきではないか、実はこういう見解を持っているわけです。同時にまた高温対策については、もちろんこれはクーラーを入れるわけでありますけれども、特に深部化すれば温度が上がるわけでありますから、一つのモデルとして高温対策についても考えてはどうか。 四点目には、特免区域の問題でありますけれども、日本の大災害、三池災害も山野災害も、いずれも特免区域で大災害を起こしておるわけであります。特免区域となりますと電気も入りますし、そういう点では安全な地帯だというのが一般常識であります。だが、岩盤坑道である特免区域であっても、山落ちをしておればガスがたまる危険性はありますし、また立て入れで沿層に入ってまいりますと、沿層からガスが出る、そして特免区域に流れてくるというおそれもあるわけであります。そういう意味で、特免区域というものは一体何なのか、保安的な立場に立って特免区域というものは、実際災害が起きているわけですから、すべて保安上安全である、こうは言い切れないのではないかと思うのです。そういう意味で、この特免区域についての考え方をもう一回整理をする必要があるのではないかという点であります。 そういう諸点について保安の立場から見解を承りたいと思います。
○神谷政府委員 保安員制度、あるいは先山に一定の保安的な資格あるいは責任を持たせたらどうか、特に現場のチェックを慎重にする意味から検討すべきではないかという先生の御意見、従来伺っておりますし、われわれの中でも検討させ、関係方面の意見もいろいろ聴取をしておるところでございます。もうすでに御承知のように、いろいろむずかしい問題もございます。ある程度の権限を持たせれば、一体責任の範囲をどういうふうに限っていくべきであるか、あるいは二つの責任、権能を持ったがために、若干両方に手薄なところができるのではないか、また山、山でいろいろな対応が異なってくるというような点もございますので、各社あるいは各山の実情を踏まえながら、先生御指摘のような問題を解決する現場のあり方はどういう形が一番いいかという点を今後とも検討させ、御指摘のように現場、現場に応じた対策を講じさせてまいりたいというふうに考えております。 それから第二点の、私どもの監督あるいは検査体制の問題でございますが、もう御承知のように、定期的な巡回検査のほかに、特定の問題について深く掘り下げた特定検査、たとえばガス突出問題であればガス突出問題にしぼった特定検査も実施をしておるわけでございまして、自然条件の事前把握あるいは深部化等に伴って出てまいります特殊な問題を、その山、山に応じながら御指摘のように掘り下げて検査をしていくというようなことも進めてまいりたいと思っております。特に、深部化に伴いましてガス突出あるいは山はね等の問題が非常に複雑になってくる傾向にございますので、その実態の把握と対策の強化のために、私ども来年度には札幌鉱山保安監督局に、このような深部の非常にむずかしい技術的問題、あるいはそれに対する対策を集中的に所掌する課を新設したいということで、予算の御審議を願っておるわけでございますので、これらを活用しながら、御指摘の点を十分踏まえてまいりたいというふうに考えております。 それから、保安機器あるいは救急用の機器の開発につきましては、従来からもいろいろ鋭意努力をしておるところでございますが、すでに御承知のように携帯型の酸素発生式マスクは開発され、実用化の段階に入っておりますので、これをひとつ普及し、緊急に配備するようにいたしたいと考えております。さらに救護隊の装備等につきましても、諸外国の状況といったようなものもできるだけ勉強をしながら、いいものは取り入れていくような努力をいたしたいと考えております。 また、自然発火等に伴っての消火方法の技術開発、これも御指摘のように非常に重要でございまして、今度は私どもでは液体窒素を注入しての消火の方法であるとか、あるいは救護隊が進んでいく場合に、危険なところにどんどん突入せねばならぬような事態もございますし、その安全も確保せねばならぬという問題もございますので、事前に、救護隊が行く前にその状況を把握できるような探査関係の機器といったようなものの開発も進めてまいりたいと考えております。 さらに、深部化に伴っての高温対策につきましては、御承知のように三池等を現場といたしまして鋭意技術的な開発を急いでおるところでございまして、特に高温水急速抜水技術の研究開発を進めておるところでございます。 最後に御指摘の特免区域の運用につきましては、今回たまたま特免区域は関係ございませんでしたけれども、北炭の事故でも予想外にガスが及んできた範囲が広かったというようなこともございますし、やはり慎重にこれらの点は考えていかなければならないというふうには考えております。 しかしながら、やはり可燃性ガスに関する基準であるとかあるいは炭じんに関する基準、そのほか形態に関する基準等を十分監督官に現地において確認させて、その上で慎重な許可を与えていくという方向で進んでまいりたいと思います。特に万一の場合を想定して、特免区域に接続する坑道につきましては、特免区域内の電源が自動的に遮断できるような可燃性ガス自動警報器のセンサーを備えつけること等を義務づけることによりまして、近代的な科学技術の成果というものをできるだけ取り入れていき、保安の安全を期しながら、このような制度の運用は慎重に進めてまいりたいと考えております。
○岡田(利)委員 時間が参りましたから終わりますが、私は予定した質問の半分も実はできなかったわけですが、たとえば石特会計も、三、四年前は四二%が前向きという予算の支出だったわけですね。昭和五十七年度予算を見ると三五・二%、あとの六五%は鉱害、産炭地振興その他ですね。ずんずんこのウエートが落ちてきておるわけですね。こういう点についての予算配分は一体どう考えていくかという問題も、これからの検討課題であると思いますし、今回新しく石油代替エネルギー勘定についた、先ほど中西君も質問した十八億四百ですか、この炭田調査の問題、これなんかも特に配慮しなければならぬ面が幾多あると思うのです。 たとえば三井三池の佐賀地区の関係とか、あるいはまたわが国の最大のポテンシャルの西彼杵でも高島、池島を中心とする手順の問題とか、あるいは陸上の場合でも、もちろん物理探鉱あるいは海上ボーリング、陸上ボーリング等も含まれておると思いますけれども、これらの構想もいずれ明確に示していただきたい、こう考えておるわけです。 あるいはまた先ほど電力の問題では、わが国は海洋国家であるのにクーリングタワーの研究というのは全然やっていないですね。やるのがいやだからやっていないんだと思うのですけれども、諸外国ではクーリングタワーがつくのが常識であります。そういう面の問題とかいろいろたくさんの問題が実はあるわけであります。 特に最近の西ドイツの石炭政策、そしてわが国の石炭政策、歴史的にこれは相互に影響し合いながら石炭政策は今日まで実は続いておるわけであります。そういう問題についてももう一度比較検討してみる、こういう態度も必要ではないか、私はこう思うわけであります。そういう諸点については、いずれまた機会を改めて御質問いたしますけれども、そういう点について十分ひとつ配慮をされて、この予算の運用を図られるように希望を申し上げて、終わりたいと思います。
○枝村委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 非常に時間が短いですから、端的にお答えを願いたいと思います。 先般ここに、炭鉱に働いている同盟の皆さんからいろいろ御要求がありました。その中で、一つは国内炭の二千万トン生産体制の確立をしてもらいたいということであります。 実は最近は相当輸入炭が入っておりますけれども、私は先般オーストラリアのニューカッスルに行ってまいりましたが、向こうのストで四十五隻の船が四十日とまっているというような問題もありました。また、米国の東部海岸を見ましても、港湾の設備が非常に不十分だということを考えましても、輸入炭も大切でありますけれども、何と申しましても国内資源、これを確保するのが大切でありますので、この二千万トン生産体制の確立、これについてひとつお答えを願いたいと思うのです。
○原田(昇)政府委員 御承知のように、石油価格の高騰によりまして、石炭を見直そうという潮流が世界的な傾向として急速に広まってまいっております。わが国におきましても、石炭需要は海外炭のみならず国内炭についても増大しつつあるということでございます。 このような情勢変化を踏まえまして、昨年八月、石炭鉱業審議会から、現在の年産千八百万トン程度の生産水準の維持を基調としつつ、今後の石炭企業の経営体質の改善や需給環境の好転に伴って、将来において年産二千万トン程度の生産を達成することを目途として、石炭企業の自己努力、これに見合った政府の助成、援助あるいは需要業界の協力という三本柱を前提にして、この二千万トンに向けて努力をするということを基本的な考え方としようじゃないかというのがこの答申の趣旨でございますけれども、この答申をいただきまして、通産省としましては、これを二千万トン体制と呼んでいいかどうかは別といたしまして、この答申を十分尊重して今後の石炭対策を進めてまいる所存であります。 こういうようなことで参りますと、答申の中で何よりも前提としておりますのは、石炭企業労使の自己努力とそれを補完する政府の施策、さらに需要業界の協力というのが必要でございまして、われわれは、この三者の態勢がうまくかみ合っていけば、二千万トンの達成というのは可能だと考えております。 なお、石炭の輸入制度につきましては、従来から輸入割り当て制度をとっておりまして、国内炭の需要を確保するために、国内炭の優先使用という原則のもとにこの制度を運用してまいる所存でございます。
○岡本委員 この石炭鉱業審議会の答申を見ますと、第六次の答申のときには年産二千万トン以上の生産規模の維持を目標として答申をしておる。ところが、昨年十二月に策定された石油代替エネルギーの供給目標、この一億六千三百五十万トンの目標の中を見ますと、国内炭の目標が減ってきておる。いろいろなことがあったと思いますけれども、何と申しましても、この二千万トンの生産体制というものを崩してはならない。実際の話を聞きますと、千八百万トンと言うけれども、これは実際は置き場に置いてあるのを大体目分量で決めるらしいですね。あと過欠斤といいますか、これが大体百万トンから二百万トンあるんだ。こういうことを見ますと、二千万トンというのは無理ではないんだ。また、ボタ山の中から弱炭を少しずつ抜き出している。こういう実際の姿から見れば、二千万トン生産体制というのは決して不可能ではないということを言うてきておるわけです。したがって、この生産体制については、この目標は崩さないようにしていただきたい、これをまず要望しておきます。 次に、いままで第六次までの国内炭の政策について行われてきたわけでありますけれども、第七次のこの対策について、いままでの国内炭の政策についてこういう面は成果が上がった、メリットがあった、しかし、こういう面はデメリットがあった、この反省点、そこから出発しませんと本当の対策はできないのではないか、ですから、メリットとデメリット、この点についてひとついままでの実際のことを御報告いただきたいと思います。
○福川政府委員 第六次の石炭政策、これは従来第五次に至りますまで閉山に次ぐ閉山ということでございまして、何とか歯どめをかけたいということで、当時はまだ二千万トンを超えておりました生産水準でございましたが何とか二千万トン以上にしたい、こういうことで第六次政策が始まったわけでございますが、その後、第一次石油ショック以後の国内の不況、さらにまた思わざる円高というようなことが重なってまいりまして、それで千八百万トン程度の水準になってまいったわけでございます。したがいまして、今回の第六次も、いま先生いろいろ問題点を大きくつかんで御指摘いただいておりますが、何とか将来にほのかでも明るさが出ないものかということでいろいろな努力を重ねた次第でございます。 従来、第六次の政策の間では、いま申しましたような需要業界の不況あるいは円高といったようなことから、生産がどうしても減産を余儀なくされる、貯炭がふえるといったような状態がございました。しかし、その後第二次石油ショックが起こりまして、石炭をめぐりますエネルギー需給状況はかなり改善をいたしてきたわけでございます。そういったことから、今後の国内炭の位置づけ、これをより明確な形にする、こういうことで第七次政策の検討が行われたわけでございます。 そういった反省に立ちまして、いまお話がございましたように、基本的には原田政務次官から御説明したような考え方に立ちまして、たとえば消滅鉱区の再開発を図るといったようなことから、いままで閉山の結果放置される資源をさらに再開発する道を法律的にも開く、さらに予算的にも、開発に資するような埋蔵炭量の把握に努めるといったようなことで、今後、現状程度の生産水準を少しでも上向きに持っていける具体的な方途はないものかというようなことで、この第七次政策が組み上がっておるわけでございます。 さらに、引き取り問題につきましても、従来もちろんその需給環境が悪かったということもございますけれども、より安定的な国内の引き取りを図るということのために、石炭業界と需要業界との間で長期的な見通しを立てるべく、ローリングプランをつくって需要業界との連携を強めておくということも、これまた第六次の反省の上に立った一つの問題でございます。 さらにまた炭価制度、これもいろいろ関係業界等からの御要望の強いポイントでございますが、これにつきましては当面の標準炭価制度、これは維持していくわけでございますが、その考え方をより明確にしていく。明確にしていきます内容といたしましては、たとえば生産費につきましても、再生産可能な形で平均的な生産費、各企業別の合理化を促しながら平均的な生産費を参酌しながら、さらに一方で代替エネルギーの、競合する輸入エネルギーとの競争条件を見ていく、その際も平均的な輸入価格ではなくて代替的な輸入価格を見ながら進めていく、こういうことで、標準炭価全体の制度そのものは変えませんが、中身につきましてより明確にするといったような形をとったわけでございます。 そういったわけで、現在千八百万トン程度の生産でここ数年推移してまいっております。これを幾らかでも上向くような可能性、そういった需給環境ができ、企業体質が改善してくればその可能性もございますわけで、それで増産の可能性を探っていく、こういうことをこの第七次政策の中に織り込んできた。さらに安定的な形でやっていくための長期ローリングプランといったようなことを織り込んでおるわけでございます。価格の点につきましても同様でございます。 さらにもう一つの大きなポイントは、自然条件の大変厳しい、急傾斜炭鉱と俗に称しておりますが、そういった採掘にコストのかかりますところにつきまして、従来安定補給金を出しておりましたが、そういった条件の悪い方により傾斜して安定補給金を交付することによりまして、現在程度の生産水準を維持するというようなこともここに織り込んできている。こういった点が、第六次政策の反省に立ちまして第七次政策で具体的に織り込んだ主要なポイントであろうと理解いたしております。
○岡本委員 それについて細かくやっている時間がありませんから。 先般、北炭夕張のガス突出事故がありましたけれども、私は素人ですが、西ドイツ、日本といいますと、炭鉱技術というのは世界でも非常にすぐれておる。諸外国へ行きましても、炭鉱技術あるいは保安についても非常にすぐれておると言われておる。しかし、これはもう二十年たっていますか、だのにいまだにこういった事故が起こる。事故が起こると、それに対して、研究をして検討します、これではならないのではないか。保安の確保について本気になって研究し、また、有効な対策によって監督をするという面が通産省は非常におくれておるのではないかという気が私はしてならないわけなんです。 先ほど岡田委員の質問に答えておられましたけれども、これもありきたりな話ばかり、同じことばかり言っているんじゃないかという気がしてならない。あらゆる事故に対する対処の方法、あるいはまた保安技術をどこで本当に研究し、そしてこれなら安全だということをやっておるのか、私は非常に疑問でならないのです。遠くは三井三池の爆発もありましたし、突出あるいはまたいろいろなものによって若干は違うと思いますけれども、これでは炭鉱に入る方々の不安というものがなくならないと私は思うのですよ。こういうのを本当に一つ一つ解明して、確実な安全対策というものをつくる必要がある。 先ほど聞いていると、何か北海道のどこかに一課を設けるとか一部を設けるとか何か言っておりましたけれども、通産省の中につくるのかわかりませんけれど、いまごろでは遅いですよ。いやしくも人命を一番大切にしなきゃならぬ、しかもそのための監督官庁というのが通産省じゃないでしょうかね。その監督に従ってやって事故が起こったらどうなるんです。そんなことをやってないことになれば会社も悪いですがね。いまごろ、これから技術の開発をいたしますとか、どうも私は納得いかない。しかし、ここでこう言ったところで仕方がないわけですが。 そこで、具体的に申し上げますけれども、保安の確保について、高温個所あるいはまた水がどんどん出てくる、ここの作業改善方法、こういうものを技術的にきちっと確保してもらいたいという要請があるのです。いかがですか。
○檜山説明員 いま御質問の坑内温度の上昇あるいは湧水量の増加等の作業環境の悪化に対応した技術の問題でございますけれども、現在、高温の問題につきましては冷房装置の増設といったようなことでやっております。通産省といたしましては、特に岩盤温度が最も高い三池炭鉱、ここを一応試験場所としまして、石炭技術研究所に対する委託研究の現場といたしまして、現在高温水の急速抜水技術、これの研究をやっているところでございます。今後とも、この作業環境改善のための採掘技術の改善につきましては、山はね等の災害防止の問題もございますけれども、それとあわせてたとえば中割れ坑道を切ってこの環境改善に資する、そういったような問題とか、あるいはボーリングマシンだとか、そういった機器の開発の促進についてさらに努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 石炭というのは毎日掘っているのですよ。二十年も三十年も先で開発したのでは、これはどうもならないです。いままで長年やっているわけですから、もうひとつ真剣になって、どこか本気でやるところをつくってもらいたい。 それから、ガス突出事故のときに必要な酸素発生用のマスク、何か三分間ぐらいもつのができたらしいのですが、これも七百個ぐらいしかまだできてないらしい。少なくとも一キロぐらいの重さで五分間ぐらいもつようなものを開発してくれというのがここに働いておる人たちの要求なんですよ。これはいかがですか。
○檜山説明員 ただいまの酸素発生用のマスクの件でございますが、三分間というのをもっと長くというお話でございますが、時間を延ばすということになりますと重量がかさんでくるというようなことで、当面、委員会での検討では大体三分間ぐらいあるいは距離にして百メーター程度、これは実際に坑内の要所要所に救命装置をつけておるところがございますので、ガス突出が起こった場合にそこまで逃げ込むという、緊急脱出ということで当面三分間ということになっておりますが、この点につきましてはさらに今後、先生御指摘のような点も踏まえて改善に努めていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 それからちょっと戻りまして、二千万トン生産体制の問題で、今度十八億円、探鉱の概査をするという予算がついておりますけれども、これについて具体的に年次計画を立てて探査をやってもらいたいという意見があるのです。そうしませんと、予算はつけたけれどもこれだけしかできなかった、あるいはここはやったけれどもここはしなかったということでなくして、やはりきちっとここは何年、ここは何年というプログラムをつくってやってもらいたい、こういうことなんですが、この点いかがですか。
○福川政府委員 第七次政策の一つの課題といたしまして、いま御指摘の制度を始めようということで、御答申に基づきまして、大変厳しい財政事情の中でありながら十八億円を予算案に計上いたしたわけでございます。現在想定をいたしておりますものは、海上でおおむね二ないし三地域、さらに陸上で数地域あるいは十地域前後をというようなことで、大まかな想定を置いておるわけでございますが、現在、それを順次既存の資料等の中で有望なものから取り上げていこうということで、これから委員会をつくりまして、それの具体的な手順と内容を固めていくわけでございます。 とりあえず、初年度といたしまして十八億円を計上いたしましてそれに着手をしてまいるわけでございますが、今後いろいろな内外の環境の変化あるいは予算の状況等を見ながら、ある程度弾力的に対処してまいらなければならないと思っております。当面、新エネルギー総合開発機構が実施をいたしますが、そこに学識経験者に入っていただきまして、それの運用さらに計画等をつくっていく予定でございます。そういった過程の中で、今後の長期的な展望、これも一年ですぐ一カ所終わるというわけではございませんので、何年かかかってまいりますので、そういった長期的なめどということも順次つけてまいりたいと思っております。
○岡本委員 次に、労働省来ておりますね。実際に坑内に入って作業をなさっている人たちは五十五歳が定年、それをやめると直ちに厚生年金をもらえる。しかし、坑外にいる人は、厚生年金の受給資格がおくれる。したがって、そこまで定年延長をしてもらいたいというような要求があるのですが、これに対して労働省の御意見を伺いたい。
○加藤(孝)政府委員 御指摘のように、坑内につきましては五十五歳を過ぎますと年金がつきますので、それ以上定年を延ばしてくれということは無理だ、むしろそこでやめたいという方が多いし、またその後の生活も一応年金がある。坑外の方につきましては、やはり六十歳までという問題もございまして、定年延長の御要望が労働者の方から出始めてきております。 ただ、この辺につきましては、炭鉱の長年のその辺の慣行等もございまして、私どもも、いまあらゆる産業に対しまして昭和六十年度までに六十歳定年制を一般化したいということで努力をしておりますので、そういう中での勧奨努力はしていきたいと思いますが、いままでの炭鉱の実情の中で、いろいろアヒルの水かき的な働きかけはいたしておりますが、まだなかなか具体的にそれの延長に持っていけるまでの感触は得ておりません。しかし、労働省の一般的なそういう六十歳定年制を目指しての行政指導の強化の中でできるだけの努力はしていきたい、こう思っております。
○岡本委員 これはひとつ要望しておきます。 次に、雇用促進事業団の業務の内容を拡大して、いまは炭鉱離職者の方の対策ばかりになっているわけですが、二千万トン生産体制の面から考えますと、やはり炭鉱に勤める方のそういった雇用の確保、これができるようにひとつ業務内容の拡大をやってもらいたい、こういう意見なんですが、これはいかがですか。
○加藤(孝)政府委員 労働力の確保対策につきましては、今度の第七次石鉱審の答申にもございますように、石炭企業の経営の安定あるいはまたそれを可能にするようないろんな諸対策、またそれを前提にしましていろいろ魅力ある職場であるような、労働条件とかあるいはそういう事故のない職場だとか、いろいろ条件が必要なわけでございまして、そういう意味で、労働力の確保対策そのものは幅広い総合的な面からの要素がないと、特に若年労働力の確保というものはなかなかむずかしい、こういう事情があるわけでございます。 そういう意味で、雇用促進事業団がいままで離職者の援護対策をやっておりましたのをさらに一歩進めて、労働力確保対策にというのは一つの御見識と思うのではございますけれども、これも、真っ正面から労働力確保対策を雇用促進事業団が取り組んでいくというのはなかなか容易でない大問題でございまして、率直に言いまして手に余る問題でございます。 しかしながら、雇用促進事業団はいろいろ労働者の福祉関係の施設への融資制度であるとか、あるいはまた雇用促進住宅というようなものの建設等を手がけておりまして、そういう生活環境の整備を進める中で労働者確保対策にもいろいろ寄与していく、こういう面での機能は今後とも進めていきたい、こう思っておるわけでございます。 また、職業訓練の関係の仕事を持っておるわけでございますが、やはりこれは訓練生が集まってくるような、そういう石炭産業ということもまた前提として必要なわけでございまして、ただ訓練施設をつくるだけで訓練生が集まるというわけのものでもございませんので、そういう意味で、いきなり訓練に取り組むというわけにもいかない事情もございまして、その御提案の趣旨は、私どもも前からいろいろ御指摘を受けまして検討いたしておりますが、現在お答えできるのはそういうようなことで、生活環境の整備という面で雇用促進事業団としてできるだけの努力、御協力を申し上げていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○岡本委員 いま炭鉱にお勤めになっている方々の平均年齢が四十二歳ということですから、五十五歳が定年になるともうあと十二年ぐらいですね。ですから、炭鉱にお勤めになる方を勧誘し推進していく、また、それにふさわしいこの中の勤める環境をよくしていくというような面にも、やはり今後労働省として力を入れてもらいたい、これを私はきょうは要求しておきます。 この関係の予算書を見ますと、新エネルギー総合開発機構に対する出資金六十五億三千九百万円、これは消えてますね。これはどういうわけで消えたんですか。
○福川政府委員 それは恐らく近代化資金の数字を御指摘だと思いますが、近代化融資制度というのを従来、新エネルギー総合開発機構の出資で無利子融資で運用いたしてまいりました。しかし、財源が非常に厳しいということでございましたために、この近代化融資制度を、今後は新エネルギー総合開発機構が市中から、政府保証を受けて借り入れまして、その市中からの借入金を別途の項目で利子補給をする、こういう制度に切りかえたわけでございます。 したがいまして、そういった出資を政府保証プラス利子補給の制度に置きかえましたために、その出資金をゼロにいたしたわけでございます。近代化融資制度そのものの規模におきましては従来よりも数%伸ばした規模で、今後の第七次政策の実施に支障のない形にするように処理をいたしてございます。
○岡本委員 そうしますと、この出資金というのは、出資金ですから金利が要らないわけですが、今度は市中から借り入れる、これに対してそれに見合う利子補給をする、こういうことなんですか。
○福川政府委員 さようでございまして、市中から借り入れました金利に見合う分を利子補給をするということでございまして、それにつきましては、予算の石炭合理化安定対策費の中の(7)新エネルギー総合開発機構補給金ということの中に一億九千二百万、その利子の相当額を計上いたしてございます。したがいまして、いま先生の御指摘のとおりに、それの見合い分の利子を別途補給金として新エネルギー総合開発機構に交付する、こういう立て方にいたしてございます。
○岡本委員 そうすると、近代化融資というのは借りたものですから、返すまでずっと利子を払っていかなければならないわけですね。その間のものは全部利子補給をするということですね。
○福川政府委員 これは、石炭勘定の財源が非常に厳しいということでございます。現在、いろいろ財政再建ということが言われておるわけでございまして、そういった財政再建期間中、当面そのような措置をしようということでございますので、今後、今年度に借り入れましたその金利相当分、あるいはまた次年度もそういう形になろうかと思いますが、それにつきましての利子補給というのは、新エネルギー総合開発機構が市中から借り入れておりますその間はずっと続けていく、こういうことになるわけでございます。
○岡本委員 この問題は、もう一度時間があるときにやりたいと思います。 そこで、新エネルギー機構の問題が出ましたのでちょっとついでに聞いておきますけれども、新エネルギー機構のパンフレット、これを見ますと、オーストラリアのビクトリアの褐炭の液化事業に対して融資しておるのが出ておりますが、これはどういうように進んでおるのか、非常に有望なのか、あるいはコストの面では大丈夫なのか、これをちょっとお聞きしておきたい。
○福川政府委員 豪州のビクトリア州での褐炭のプラントにつきましては、ごく最近、三月に入りまして、五十トンのパイロットプラントの建設に着手するということでございます。これは、日本側の企業が触媒等にかなりの技術開発を進めていこうということが中心でございます。豪州の褐炭、褐炭と申しますのは、先生も御高承のとおりに、かなりカロリーが低く、かつ水分が多いということでございますので、これの有効利用をすることができますれば、資源的にもあるいは輸送上でも相当の改善になるわけでございます。したがいまして、これは非常に有望なプロジェクトであろうと理解をいたしておりますが、現在そういった五十トンのプラントの建設に着手をいたしまして、今後、それの建設を終え、さらにそれの運転をする、こういうことでございまして、現在のところ、私どもとしては順調に進捗をいたしておると理解をいたしております。
○岡本委員 メルボルンへ行きましたときに、ちょうどこの褐炭を出して向こうの総領事がいろいろ説明しておりましたけれども、これはその状況であればそのままに受けとめておきます。 そこで、ちょっと方向を変えまして、全国各地に石炭の火力発電所の誘致が進められておるわけでありますけれども、時間がありませんから、一つ一つ聞く必要もないのですが、IEAの勧告で、向こう十五年間、日本の石炭火力が八倍以上になる。そういう石炭火力の時代を迎えるに当たって非常に心配なのは、石炭公害の関係であります。 米国で、昭和五十五年、イリノイ州のアルゴンヌ国立研究所、テネシー州オークリッジ国立研究所などでは、発電能力百万キロワット級、百三十万キロワット級の放出されるばいじん、あるいはまた窒素酸化物あるいは硫黄酸化物、こういうものの環境の推定を出しておるわけです。同時にまた、火力発電所の公害問題がアメリカでも非常に問題になっておるわけでありますので、わが国もこの点をひとつきちっと検討していかなければならぬということで、環境庁はこの点についてどういうように考えておるのか、ひとつお聞きしておきたい。
○加藤説明員 先生いま御指摘の石炭火力に伴います環境問題につきまして、私どもも、こういう石炭火力発電に伴いまして環境問題を惹起しないよう、いろいろな観点から調査研究を進めております。私ども大気保全局におきましてもあるいは企画調整局におきましても、いろいろこの問題につきまして真剣に調査検討を進めているところでございます。
○岡本委員 そこで、石炭火力の場合とそれから石油火力の場合の硫黄酸化物、窒素酸化物、ばい煙、これの環境基準についてひとつお聞きしておきたい。
○加藤説明員 いま私ども、石油火力発電所に対しましても石炭火力発電所に対しましても、その排出に対する排出規制というのをかけております。 その基準は、石炭と石油によりまして、その種類なりそれからまた燃焼条件によっても差はいろいろでございますので、一概にどうだということを申すことはできないわけでございますが、一つの例といたしまして火力発電所のボイラーをとってみますと、石炭による燃焼での排ガス処理を仮にやらない場合、つまり潜在排出量として見た場合に、石炭燃焼は石油燃焼に比べまして、硫黄酸化物が約五倍、それから窒素酸化物が約三倍、ばいじんが約二百倍程度の排出濃度が高くなるものと思っております。排出基準につきましては、環境基準、排出基準、それぞれ私どもいろいろと設定はいたしておるわけでございます。
○岡本委員 いまその排出基準を答弁してくれと言うているのじゃないですか。石炭と石油との相違。
○加藤説明員 石炭火力発電ボイラーに係る排出基準は石油火力発電ボイラーに比べますと、窒素酸化物につきましては二倍から三倍、それからばいじんにつきましては四倍ないし八倍緩い基準となっております。それから、硫黄酸化物につきましてはいわゆるK値規制でございますので、両者には相違がございません。
○岡本委員 私はなぜこの問題を取り上げたかと申しますと、硫黄酸化物は同じだ、あと窒素酸化物とばい煙、これがいま言うたように基準が非常に緩い、こういうことをしておきますと、四日市あるいはまた尼崎、こういうのがまた起こるわけですよ。窒素酸化物の場合二倍から三倍緩和されておる。それを吸って健康に被害がある人は、これは石炭のだから病気にならない、石油のだから病気になる、そういうことはないはずなんです。いま各企業からお金を取ってそして公害患者に対していろいろ対策を立てていますね。あれが年々ふえていく。いまこうして石油の環境基準があったところでそういうのがふえてくる。それなのに石炭で緩めたらまたぞろそういう患者がどんどんできてくる。 こういうことを考えますと、私はいまからきちっと基準は——あの基準というのは恐らく健康を考えてつくられておるはずなんです。それに対して、通産省の方に聞くと、脱硝技術あるいは排煙脱硫、こういうのが完備した。これは、昭和四十五年、公害国会のとき相当私たちは論議したのです。その時分はまだこの技術が確立されてなかった。ですから、火力発電所にこういったものを義務づけていくということが大切であると私は思うのです。あのK値なんというのは煙突を高くして拡散すればそれでいい、こういうのがK値なんですよ。ああいうのは、結局公害患者をたくさんつくる、この日本の国土を汚染さしてしまう大きな原因になる。環境庁の腰が弱腰である。これはまた環境委員会でもう一度やります。 そこで、通産省に一つ要求があるのですが、この狭い国土をこれ以上汚染させてはならない。したがって、脱硝技術も脱硝装置も、それから排煙脱硫装置もちゃんとできた、このときに当たって、ちゃんと義務づけていく、こういうことを私は提唱したいと思うのです。その点いかがですか。
○小松政府委員 先生から御指摘ございましたように、今後石炭火力をさらに拡充を進めていきます場合に環境対策、これは非常に大事だということで、私どもも、これについては従来から技術開発面でいろいろの努力をいたしておるわけでございます。 現在は、先ほどお話のございました硫黄酸化物、これにつきましては湿式の脱硫技術というものがもう完全に実用化になっておりますし、またNOxといいますか窒素酸化物対策、これにつきましては、ボイラーにおきます二段燃焼方式、それからさらに低NOxバーナーの採用、こういうことで、一般的に制硝燃焼技術というふうに言われておりますが、これが実用化されております。それからさらに排煙脱硝技術、これも確立されておりますし、それからばいじん問題につきましても、集じん率の非常に高性能の電気集じん技術というものが実用化の段階にございます。 こういう施設を完備させることによって、従来の石炭火力に比べまして大気汚染の面で万全を期するということで、今後ともその対応をしていきたいというふうに思っております。 なお、これらの技術をさらに拡充いたしますためにいろいろの施策を重ねておりますし、今後とも、石炭火力をふやす前提といたしまして、環境汚染対策については万全を期してまいりたいというふうに思っております。
○岡本委員 最後に、電源開発の排煙脱硫装置に対する交付金二十二億四千百万円、こういうように電源開発には毎年あげているわけですよね。ということは、それをやらなければいかぬということなんですよ。だから私は、ほかの電力会社にもちゃんと義務づけていく、こういうようにひとつやっていただきたいことを要求いたしまして、きょうはこれで終わります。
○枝村委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 最初に、前回も長期エネルギーの暫定見通しの件でお尋ねをしたわけでありますが、過日の新聞報道によりますと、これからの長期エネルギー需給見通しの中では、国内炭、海外炭を数量を区別しないで、ただ石炭という形の中で一本化して表示していくというようなことが、実は報道されているわけであります。したがって、この新聞報道によりますれば、国内炭と海外炭を二本立てで数量を併記するということではなしに、ただ石炭という形の中で一本化した数量に変えるということは、わが国における二千万トン体制の看板をおろしたのではないか。現在のわが国の石炭事情からいって、そういった一つの考え方の中で、このように国内炭と海外炭とを併記せずに、石炭という形の中で一本化してこれからは表示していこうというふうにしたのではないか、そういうような報道がされておるわけであります。 理由は別として、国内炭、海外炭は一本の石炭という形の中で今後は表示していくということに決めたのかどうか、その事実はどうなのか。もしそうであるならば、どのような考え方に立ってそのようにしたのか、この点をお伺いいたします。
○小松政府委員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のような新聞報道があったということは私も承知いたしておりますけれども、現在、長期のエネルギー需給見通しにつきましては、総合エネルギー調査会の需給部会の企画専門委員会で審議をいただいている途中でございます。ですから、そういう意味で、全体の需要見通しがどうなるか、その中で石油を初めとする各代替エネルギーの数字がどうなるか、こういう問題もまだ審議中でございまして、特に石炭について国内炭、輸入炭をどうするかというようなこともまだ成案を得ておりません。これから審議の段階でございます。
○小渕(正)委員 いまのお話を承りますと、まだ現在それぞれのところでの審議中なので、そういったものはないということのようであります。これは日経の新聞報道であったわけですが、一般的にマスコミの中でこういうような形で報道されるということは、やはりそういったものが議論されているのではないか、当然そういうふうに考えていいのじゃないかと思うわけであります。全然根拠なしにこういった報道がされるとはちょっと考えられないと思うわけでありますが、その点に対しては当局としてはどのようにお考えでございますか。
○小松政府委員 どうも新聞報道がどういう根拠でそういう記事を書いたか、私どももわかりません。しかも私どもは、昨年第七次答申を八月にいただいておるわけでございますし、その七次答申の中にも当然現在程度の生産は維持するし、将来の石炭の需給動向その他を見ながら、特にその環境の改善に応じながら、必要があれば生産の拡大も期待するという答申を得ておりますし、その線に沿って私どもは石炭の基本政策を進める考え方になっておりますので、そういう報道が何を根拠になされたかということにつきましては私どももはっきりいたしませんし、しかも全体の需給見通し、その中で石炭を幾らにするか、その見直しの数字そのものもまだ決まってない段階でございますので、それがどのような根拠でされたかという点については私どもの立場からコメントをする状況にはございません。
○小渕(正)委員 コメントできないということで、その点は理解はいたしますが、数量をどの程度にするか、それは別といたしまして、これからの表示を国内炭、海外炭というように二本立ての並列の数量の表示じゃなしに、石炭一本として表示するということについては担当行政の方ではどのようにお考えですか。この点についてのお考え方があればお聞きしたいと思います。
○小松政府委員 現在、総合エネルギー調査会で御検討いただいている審議の過程でございますので、私どもがこういう考えを持っているということをむしろ申し上げないで、その御意見、御報告をいただいてからそれに沿って検討したいというふうに思っております。
○小渕(正)委員 事柄がそういう形で現在審議されておるわけでありますので、それ以上のことは言えないだろうと思うわけでありますが、ただ、こういうふうに新聞に報道されているような見方というのがかなり考えられないこともないわけでありますが、もしも新聞報道のような国内炭、海外炭の表示を避けて石炭という形の中で数量を表示するということは、結果的には、石炭業界の立場から見ますならば、一歩後退した姿勢になるのじゃないかという危惧をされているわけでありますので、なお結論はこれからどうなるか予測できませんが、せっかく第七次答申が出された後でありますから、何か一歩後退したような印象を与えるようなそういったあり方については、行政当局としては極力そういうことのないように、これは意見として御要望申し上げておく次第であります。 次に、第七次答申の中で触れられておるわけでありますが、今回、電力用炭の購入及び販売に関する新エネルギー総合開発機構の業務を廃止することが事実上出されておるわけであります。確かに答申に言われておりますように、本制度が設定されたゆえんは、電力会社による石炭の買いたたきを防止することに一つの趣旨があったわけでありますが、現在の状況では、そういったものはもう基準炭価制度が定着したという関係の中では必要ないだろうというのが答申の趣旨だと思うわけでありますが、あと一面、この制度の中で見落としてならない大きな役割りは、立てかえ払いによる先払い、すなわち石炭企業が販売の翌月にはその代金の収入が得られる、一つのそういう役割りを果たしてきておったということが言えると思うわけであります。 その点で、今回この制度を廃止することについて業界には一つの不安感があるわけでありますが、この点については当局としてはどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○福川政府委員 御指摘のとおりに、現在、電力用炭の販売制度を通じて行われております一部繰り上げ払いが廃止されることになるわけでございますが、そうなりました廃止の時点で石炭企業の資金繰りに大きな影響が生じないように配慮しなければならないと思っております。 それで、先国会の当委員会でも一部の委員から御指摘をいただきましたが、昨年の夏、標準炭価が改定されて値上げになりましたその時点の支払いの時期から——そういたしますと、当然その時期に各企業の資金繰りは緩和するわけでございますが、そういった時期をとらえてそれから順次その繰り上げ払いの割合を低下させていく、こういうことでいま順次引き下げつつございます。したがいまして、これが廃止されました時点において、その石炭企業の資金繰りへの影響が生じないように配慮をいたしておるわけでございます。 そういった昨年の秋の基準炭価の改定の時期からそのような措置をとってきておりますが、従来、この電力用炭販売制度の実施におきまして、手数料を新エネルギー総合開発機構が徴収いたしておりますが、その部分は、これがなくなりますことによりまして、それが石炭企業の収支の改善に役立つ、こういうことになるわけでございます。いずれにいたしましても、いま御指摘のような懸念が生じます場合には確かに問題でございますので、現在、順次それを引き下げて、そのような影響が出ないような措置を実施中でございます。
○小渕(正)委員 いまのお話でいきますと、そういったことがないような対策を講じていくということでありますが、この代金の決済は直接それぞれの相互間の取り扱いになるわけであります。そういう意味で、業界全体は非常に大きな一つの不安があるというわけでありますので、ひとつその点については、電力用炭販売制度の業務が廃止されたことによって、そういった大きな資金的な不安状態が万々にも発生しないように、万全の措置を講ずることを特にお願いしておきたいと思います。 それからなおお尋ねいたしますが、この機構の業務に従事しておったこれらの人たちの配置といいますか、そういった仕事がえの問題はどのように考えられておるのか、その点をお尋ねいたします。
○福川政府委員 この業務は新エネルギー総合開発機構の中で前は十五人で担当をいたしておりましたが、昨年の予算案を決めますときに、その定員を新しい業務の方に振りかえるということにいたしております。したがいまして、その減りました十五人の分、これは別途一般的な削減という措置は講じておりますが、この減りました部分につきましては他の部門の新しい業務の方に振りかえるということで対処いたしております。
○小渕(正)委員 それでは次に、この答申の中でも基準炭価の問題についていろいろ触れられておるわけでありますが、その点について二、三点お尋ねいたします。 答申では、基準炭価制度が定着したということが触れられておるわけでありますが、確かに、そのことはある意味の見方ではそのとおりだと思うわけであります。しかし実態的に見るならば、合理化法の規定にもかかわらず、需給両業界の話し合いで定められて、通産大臣がこれを追認をするという形で運営されているわけであります。もちろん、この間政府の関係当局が両者の仲に入っていろいろ御苦労されていることは十分承知しているわけでありますが、法律上は石炭鉱業審議会の意見を聞くという形の中でそうなっているわけであります。 先ほどの質問の中でも石炭部長の答弁がありましたが、基準炭価の設定については第六次よりも第七次ではかなり前進したといいますか、前向きになったといいますか強化されたといいますか、一歩進んだというような意味合いのことを言われたやに私お聞きしたわけであります。それは、基準炭価を決める際の考慮すべき諸条件の内容が変わったという意味で一歩進んだというふうに言われているのか、基準炭価を決めるに際して、今後もっとそういった機能の強化ということが含まれておるという意味で、石炭部長としては今回は前よりも一歩進んだというふうにお話しされたのかどうか、そこらあたりについてお尋ねいたします。
○福川政府委員 私申し上げました趣旨は、基準炭価制度そのものは一応法律的にはそのまま存続するということでございますが、その内容と申しましょうか、その考え方をより明確にしたというのが第七次政策と第六次政策との違いではないか、こういうふうに申し上げたわけでございます。 もちろん、第七次政策を考えます過程で、炭価ルールということについてはいろいろ議論がございまして、炭価ルールを一層明確にということでございましたが、価格というのは非常に複雑な経済諸要因の集積でございまして、幾つかの要因をただ計算機に入れてはじき出せばできるというものではございません。原則として価格は需給で決まるということでございますので、いまいろいろな御意見がございましたが、いろいろ審議会で御検討をいただきました過程でも、ただ幾つかの要因を計算機へインプットすれば出てくるというわけにはなかなかいかぬだろうというような議論でございました。 したがいまして、制度としてはいまあります生産条件と輸入の代替エネルギー価格とを考慮して総合的に決める、こういう方式を引き続き実施するのが適切であるということに相なったわけでございます。しかし、その場合の考え方が、生産費の見方を平均的な生産費で見る、あるいは輸入価格の見方をより明らかにするということでございまして、考え方と申しましょうか、その運用いたします内容がより明確になった、こういうことで先ほど御答弁申し上げた次第でございます。
○小渕(正)委員 この答申の中では、特に「考慮すべき競合エネルギー価格として一般炭の需要者の消費地における海外炭の限界的な購入価格を参酌することが適当と考えられる。」こういうふうなことが炭価決定の中で触れられておるわけでありますが、このようなことまで触れられておるということは、従来とは変わって、炭価決定についてはそういった意味でのウエートがまた非常にふえてきたというふうに理解していいかどうかですね。
○福川政府委員 確かに、海外炭の輸入がふえてきたということで、国内炭と競合するエネルギー価格として輸入炭をとったという意味ではそのように御理解いただいてよろしいと思います。 そこで、限界的な輸入価格ということを答申の中でうたっておりますゆえんのものは、通常のケースで考えてまいりますと、考え方としては、ユーザーにとりましてもし仮に国内炭が入手できない、引き取っております国内炭が引き取れないという事態になりましたときには、需要が一定であるといたしますとこれは輸入に頼らざるを得ない。輸入はそれぞれいろいろな形でいたしておりますが、通常の需給の状態あるいはタイトな状態を考えてみますると、通常の平均的な輸入価格よりも限界的な輸入価格は高くなるということが理念的には考えられるわけでございます。通常、平均五十ドルであるといたしましても、もし仮に国内炭がとれなくなったものを輸入炭に仰ぐということになりますと、世界のどこかに余っている石炭はないかといって探して買ってくるわけでございますから、通常のケースで見まするならば、限界輸入価格の方が平均的な輸入価格よりも高いというのが通例でございます。 もちろん、需給が非常にアンバランスに緩和いたしましたときには、むしろ限界輸入価格の方が低いというケースがないわけではありませんけれども、当面考えられます石炭の今後の需給の状況を考えますと、いま申し上げたようなことで、平均的な輸入価格よりは高くなるということでございます。 したがいまして、ただ単に平均的な輸入価格で考えるということではなくて、いま申し上げましたような点で考えてまいるということでございますから、恐らく輸入価格を考えます場合に、何がしかのものがいま平均的に入っているものよりも高い輸入価格を考慮して、それと国内の生産費と対比する、こういうのが当時の議論でございます。
○小渕(正)委員 この意味はよく理解いたしましたが、要するに、以前の参考人の方たちの意見聴取の際にも、要約いたしますと、この炭価決定については供給業界と需要業界との話し合いといいますか、結果的にはすべてが力関係の差、力関係という言葉が適切かどうかはわかりませんが、一応簡単に表示いたしますと、そういう供給側と需要側との力関係の差が非常にあるわけで、そういった関係から、現在の炭価決定に際しましても、どうしても供給側が期待するような炭価決定にはなっていないということを参考人の方が盛んに言われたわけであります。 そういうことを考えますならば、そういった点についての調整といいますか、それらに対して主導的な立場で調整するのはやはり政府だと私は思いますし、そういうことなしに石炭産業に対しましていかに自立を求められても、再生産費に見合う石炭の基準炭価というものが決まらないことには、そういった意味での自立の道は遠いのではないかという気が私はするわけであります。そういう意味で、政府としては、第七次答申の内容を受けて、この基準炭価設定における役割りを従来より一歩進んで何か考えておるのかどうか、やはり従来どおりのあり方を踏襲しようとしておられるのかどうか。その点に対する当局のお考えをひとつお聞きしたいと思います。
○原田(昇)政府委員 国内炭の値段を決める場合に、いまおっしゃったように国内炭の生産コストに見合う値段にしろということだけでは、長期安定的な需要の確保という点からいささか問題があるのではないかと思います。価格設定に際しましては需要業界の理解を得ることがどうしても必要不可欠でございまして、政府としては、従来から基準炭価の決定に当たってはこのような点にも十分配慮を払っておるわけでございまして、このため、毎年基準炭価の決定に先立って行われる両業界の事前の話し合いということも考慮してまいっておるわけでございます。 今後の基準炭価決定制度の具体的な運用に当たりましては、第七次答申の御指摘にもございます点を十分踏まえまして、石炭企業の収支の改善と国内炭の安定的な引き取りという両方の観点に立って、石炭鉱業審議会の意見を十分聞きながら基準炭価を決めるということで参りたいと思います。
○小渕(正)委員 ただいま御答弁いただいたわけでありますが、御答弁をお聞きする中においては何ら問題はない気がするわけでありますが、問題はいかにそういう考え方の中で政府が仲に入っての指導的役割りを果たしていくかということが大事だと思います。そうしないと、いかにいろいろなことが言われ、書かれても、最終的には石炭鉱業の自立という道は、これは単なるペーパーの上だけでの話の対象にしかならぬということになりますので、その点、特に実効性ある政府の役割りを果たしていただきたいということをお願いする次第であります。 それからあと一つ、この炭価決定の問題では非常に複雑な要素がたくさん絡んでおりますし、山ごとの諸問題もありますから、そういう意味で、それぞれの山ごとのコストの差がかなりあるわけでありまして、そういう点から、平均的な水準を定めて、水準以下の山に対して安定補給金を交付していくというような方向が新しくとられるわけであります。ただ、そういった水準以下の炭鉱に対してただ安定補給金的な対策だけではなしに、もっと別な意味で何らかの政策的なものを、対策を考えないといかぬのじゃないかという気もするわけでありますが、その点について関係当局のお考えがあればお示しいただきたい、かように思います。
○福川政府委員 いま御指摘のように自然条件、立地条件の差によりまして炭鉱間でかなりの格差が現存をいたしております。そういった観点から、五十七年度の予算におきましては安定補給金の単価を改定いたしまして、石狩地域の急傾斜炭鉱に対しましてはトン当たり千百五十円、石狩地区のその他の急傾斜以外は六百五十円、それからそれ以外は二百五十円で、露天掘りはゼロにする、こういった傾斜配分を強めた措置をいたしてお諮りをいたしている次第でございます。もとより、こういった炭鉱間の損益の格差というのは企業の自己努力で克服するのが本来でございますが、特にその自然条件あるいは立地条件の差という抗しがたい問題に着目いたしまして、そのような措置を講じているわけでございます。 もちろんこの制度は、いまの安定補給金ということだけにとどまりませんで、他の種類の補助金、たとえば坑道の補助金あるいは保安の補助金等の諸制度もございますが、結果的にこの急傾斜の炭鉱にはそういった助成措置が実質的に厚く行くように相なっておるわけでございます。また、こういった幾つかの措置を補完するということも考えられるわけでありますが、さらにまた、本来の原則にかんがみて企業の自己努力を図る、こういった観点から、たとえば近隣炭鉱間における事業の共同化を図ってコストの引き下げを図るといったような自助努力も促していく、こういったことも必要であろうと考えておるわけでございます。 そういうわけで、今回、格差是正ということにつきまして安定補給金等の是正措置を講じたわけでありますが、今後もこういった格差是正のための自助努力ということを促していく措置、あるいはまたそういった助言といったものに私どもも努めてまいる考えでございます。
○小渕(正)委員 次に、これはちょっと抽象的な質問になって恐縮ですが、この答申の中で触れられているのは、まず第一に、石炭鉱業のあり方として「企業の創意と活力を生かした自助努力を促し、その努力が報われる仕組みを維持することこそが石炭鉱業のより早い自立につながる道である。」こういうことが触れられているわけです。要するに、それぞれの企業は創意と活力を生かして本当に自助努力をやる、しかも自助努力をやることが結果的に報われるんだ、そういう努力が報われていくような仕組みを維持しなければいかぬということが強調されているわけでありますが、現行の政府の諸対策の中で、この方向に向いたものだというふうに当局として言えるものがあるとすれば、その点をちょっとお尋ねしたいわけであります。抽象的な質問で恐縮でございますが、もし行政当局の見解がありましたら、お聞きしたいと思います。
○福川政府委員 その答申でうたわれております趣旨は、いわゆる企業努力、労使の血のにじむような努力ということが報われるということで、原則と言えば私企業体制を維持しようということがその根幹でございますが、その助成策自身につきましても、幾つかのそういった努力が報われる仕組みということで考えるようにということであったと思うわけでございます。たとえば、いま御指摘になりました安定補給金につきましても、これは企業努力でコスト引き下げ努力、これが収益につながる、あるいはまたそれが労務費にはね返っていく、こういった努力の仕組みということが非常に必要だということでございまして、そういった企業努力がなくても、あるいは努力のあるなしにかかわらず同じような条件になる、こういうことは避けていくべきであろう、原則は私企業体制、こういうことであろうかと思うわけでございます。 傾斜配分、かなり傾斜をつけるようにいたしましたけれども、恐らく現在の自然条件で言えば、従来程度の企業努力では克服し得ない分が残るかとは思いますが、そういった面につきましても今後努力をしていく、こういうことでそれを埋めていくということであろうと思うわけでございます。 また、小渕委員も御記憶だと思いますが、一時、非常に収益を上げました企業が他の企業にその収益を配分するという構想が、石炭協会等の中の一部で言われたことがございました。もうかった企業がもうかっていない企業にこれを渡していく、こういった提案がございましたが、そういうことになりますと、これまた非常に企業自身が努力しても、せっかく努力して上げた収益が吸い上げられるということであれば、努力のかいがないじゃないかといった反論が方々に反面出てまいったわけでございまして、そういったことを含めまして、したがって、収益のいい企業が収益の悪い企業に資金を配分するということは見合わせまして、そして安定補給金の傾斜配分、こういうような関係になったわけでございます。 いろいろな助成策がございますけれども、やはり私企業体制、企業の活力ということが損なわれない限度でそういった諸制度を講じていけ、こういう趣旨であると思っております。
○小渕(正)委員 次に、答申の中での国内炭優先需要についての問題でちょっとお尋ねいたしますが、だんだん石炭の需要度がふえていくわけでありまして、昭和六十五年度になりますと五千万トン以上の海外炭輸入ということになるわけであります。現在、コールセンターの構想があっちこっちであり、一部はいよいよ実現の方向にあるわけでありますが、このコールセンターは、現在のところ、みんなそれぞれ電力会社ないしはそういった私企業関係を中心にしてこれからの計画は推進されようとしておるわけであります。 そういうことからの不安かもしれませんが、まだまだコールセンターができていない段階で、こんなことについては、それは杞憂だと言えばそれまででしょうけれども、石炭業界の中では、コールセンターをどのような形で運用するか、要するに、コールセンターの運用次第では、国内炭と海外炭との格差がある以上は、コールセンターにそれぞれ一応貯炭いたしたといたしましても、結果的には、次々に使われていくのは、安い海外炭ばかりが入ってきては出ていくという形になって、国内炭は貯炭の中で余り荷動きがないのではないか、そういうような運用をされたら困るという、そういう一種の不安な面があるわけであります。 もちろんこれは、コールセンターが現在まだできてもいない段階で、先走った不安といいますか、このことを議論するのは適当でないかもしれませんが、そういう意味で、業界として非常に大きな不安を持っている。当局としては、こういった不安について、そんなことは考えられない、単なる杞憂にすぎないということで、はっきり打ち消されるような立場でこれからやってもらいたいと思うわけでありますが、そこらあたりについてのお考えがありますれば、お聞かせいただきたいと思います。
○福川政府委員 国内炭の安定的な需要の確保という観点から、国内炭の優先使用の原則に立って輸入割り当て制度の運用を行っておるわけでございまして、現在は、需要者にとって真に必要な量に限って割り当てを行う、こういう運用をいたしておるわけでございます。第七次の石炭政策の答申におきましても、今後そのような考え方を維持していく、こういうことがうたわれておるわけでございます。 もちろん、今後石炭の需要が拡大をいたしました場合に、一般的な形で流通業者が輸入するというようなケースも将来においてはあり得るかとは思いますが、今後の石炭の輸入の大宗は、あくまでも電力、セメントあるいは紙パルプといったような大手の需要者であろうと思います。これは、その貯炭的な企業、燃焼あるいは灰処理その他いろいろな性格を考えてみましても、恐らく大宗はこの石炭の大口需要者ということになると思うわけでございます。 したがいまして、その大口需要者が輸入の外貨割り当て制度によって割り当てられました範囲内でこれを輸入していく、その範囲の中でコールセンターを活用していく、こういうことになると思うわけでございます。コールセンターにおきましても、確かにセンターには違いはございませんけれども、その大宗は複数の大口需要者がそれを利用する、こういう形態になるのではないかと思われます。したがいまして、そのコールセンターに貯炭されます石炭も、その需要者が割り当てを受けた範囲で行われるわけでございます。もちろん、その割り当てをいたしますときには、いろいろな需給の長期、短期の変動を予測しながら割り当ててまいるわけでございますので、それが国内炭の引き取りに悪影響を及ぼすという懸念はないものと考えております。 同時にまた、国内炭の引き取りをより円滑化いたしますために、同じ第七次答申の中でも、今後ローリングシステムによります三年程度の中期的な需給見通しを需要、供給両業界でつくる、こういうことも提案をいたしておりまして、すでに石炭協会において需要業界との話し合いに入るような準備を促しておるところでございまして、そういうことができてまいりますれば、国内炭の引き取りということも、明確な展望のもとに、安定した基盤に立ってやっていける。そういうことを輸入割り当て制度の運用とともにやっていけば、いま御心配になられるような懸念はないものと考えております。
○小渕(正)委員 次に、保安体制の問題でお尋ねいたします。これは質問事項に入れてなかったのですが、大体常識的なことですからお尋ねいたします。 大体一般的に、産業災害というものは、一つの災害が発生したら、二度と類似災害は発生しない、させないと言うより発生しない、これが産業界の保安、安全に対する基本でありますね。したがって、そういう点からいきますと、いろいろな災害が発生いたしましても、それと同じような性格の災害はもう二度と発生しないというのが、大体常識的な今日のわが国における産業災害の実態だと思います。しかるにかかわらず、炭鉱に限っては、同じような要因による災害ばかりが発生しておる。 要するに、ガス突出事故が年間数件起こる、こういうことは、普通のほかの産業の中では考えられないことです。ところが、いまだにこういった同じような災害が発生するということは、今回の夕張事故に見られるああいったガス突出事故というものは、今日の保安、安全の技術をもってしてはやはり不可能だと言わざるを得ないような事故なのかどうか、その点は関係当局としてはどのようにお考えですか。
○檜山説明員 先生御指摘のように、類似災害がほかの産業では起こらない、炭鉱においてガス突出が過去何回も確かに起こっているわけでございますが、これはわが国ばかりではございませんで、御承知のように、ドイツとかあるいはポーランドとか諸外国においても、やはり年々採掘深度が下がってきていまして、そうなりますと地圧とかガスの湧出量がふえてくる、こういうようなことで、各国ともこの問題につきましては研究を続けてきておるわけでございます。 それで、じゃこういう災害が今後また起こる可能性があるんじゃないかという点につきましては、私どもの方としましては、長年にわたってその研究は進めてきている。それから、学識経験者を集めた検討部会でもって毎年毎年この問題について、さらに改善の方向はないかということでやってきております。 不幸にして昨年は、御承知のとおり、三件のガス突出災害を起こしております。そういうことで、今後も私どもといたしましては、このガス突出対策を最重点にしてやっていきたいということで、いろいろと対策は、五十六年度、本年度の緊急対策もやりましたし、また来年度以降、五十七年度の予算は、特にガス突出あるいは二次災害防止に対して重点的に配分するという形で、何とかこのガス突出を今後起こさないという姿勢ではいきますけれども、これは全く起こらないかどうかという点は、私どもは、絶対に起こらないように各炭鉱を指導していきたいというふうに考えております。
○小渕(正)委員 いまのお話を承りますと、わが国だけじゃなしに、西ドイツだってポーランドだって、要するに石炭を掘っているところではこういった同じような災害が発生しているんだということでありまして、言葉を変えて言うと、現状の採掘技術といいますか災害防止のレベルの中では、現状ではもうやむを得ない事故だというふうな認定をされているような感じを、私はお話を聞いて受けているわけであります。 そういった点では、真剣に前々からこの問題に取り組んでおられるということでありますので、あえてそのことについての言及は避けますが、今回の新夕張事故の例をまた一つの転機にいたしまして、ああいった非常に環境条件の厳しい中における機械化、省力化、自動化その他ロボット化というようないろいろなことが再度見直されているというように思います。 そういう点で、現在まで、きょうも先ほど質問の中で触れられておりましたが、三井あたりでは、試みとして新しい機器がいよいよ実用段階で今度やられるようなことがきょうの新聞にも出ておりましたが、そういう省力化、無人化という方向での技術もかなり開発されているようでありますが、あと一つ、そういった災害予防という意味から見てのガス突出といいますか、こういったものに対する予知をどうするかという意味での技術的な開発というのが、どちらかと言えばおくれているのじゃないか。 これだけエレクトロニクスが発達した今日のこのような時代の中で、すべてのそういった技術の粋を集めてみれば、ガス突出、それに対する予防、予知に対するいろいろな開発というものも、もつと前々からやられてよかったのじゃないかという気がするわけでありますが、そういった点における現在の開発状況、いつごろからこういった問題が手がけられて、今日どういったところまできているのか、その点、時間も余りありませんので、主な点だけひとつ御説明いただきたい、かように思います。
○原田(昇)政府委員 一つだけ申し上げておきたいのですが、先ほどこういう事故が起こるのは諸外国の例にもかんがみてやむを得ないものだというお話がございましたけれども、決してそういう意味で御答弁申し上げたわけではない。われわれとしては、あらゆる対策を講じ、そして予防措置に万全を期すということでやっておるわけでございまして、この点、ぜひ炭鉱労務者の方にも不安を与えないように、われわれとしても懸命にやっておるということをひとつ御理解いただきたいと思います。 なお、後段の点につきましては、政府委員の方から答弁させます。
○檜山説明員 ガス突出関係の研究の状況でございますけれども、ガス突出は、基礎的な発生の機序といいますか、メカニズムのそういった基礎的な研究、それから先生御指摘の予知の技術、それからその防止技術、これはガス抜き等も含めてですが、そういうふうな研究テーマに大きく分かれると思います。 このうちの予知の方の関係の技術につきましては、たとえば岩盤振動を地震計でとらえて、事前に山はねあるいはガス突出、そういったものを予知するというような研究、あるいは地層破壊音、AEと言っていますが、その破壊音をとらえて予知をするとか、そういった研究が大体昭和五十年度ぐらいから続いていまして、現在その研究がさらに応用研究の段階にきております。 この研究は非常にむずかしい点もございまして、いつまでということではございませんが、私どもの方としては、さらに数年研究を続けていかなければならないのじゃないかというふうに考えておりますが、そのほか、ガス突出の災害防止の関係の研究も鋭意続けておりまして、先ほど政務次官が御答弁申し上げましたように、われわれの方としては、この研究を続けると同時に、実際の現場でもってガス抜き等を十分やって、ガスを去勢して、そしてそこへ入っていくというようなことで万全を期していきたいというふうに考えます。
○小渕(正)委員 こういった研究開発というのはかなりお金が要るわけであります。しかも目の前にすぐ実効が上がらないという点でなかなかむずかしい問題がありますが、わが国の石炭産業がある限りこの種問題が永遠につきまとうようであっては困りますので、こういった研究開発についてだけは、国としては金目を惜しまず、ひとつ積極的に取り組んでいただくようなことを特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○枝村委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 きょうは特に緊就、開就の問題を中心にしてお尋ねをいたしたいと思います。 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案が審議されているわけでありますけれども、この法案自体は、有効期間を五年延長するというものでありまして、これは当然のこととして私たちも賛成いたしたいと考えております。 しかし、一方でこうやって炭鉱離職者への各種の援護措置を延長するということを提案をしながら、他方ではその離職者が就労している緊就や開就などを打ち切っていこうというような措置をとろうとしているのは、私は大変納得がいかないわけであります。 そこで、まず通産当局に二、三の点をお尋ねをいたしたいと思うのですが、緊就や開就はこれまで単なる就労政策として以上に、産炭地振興のために大きな役割りを果たしてきたのではないかというように考えますが、この点、通産当局としてはどう評価されておりましょうか。
○福川政府委員 緊急就労事業及び開発就労事業のいわゆる制度事業についてでございますが、これは、産炭地域におきます鉱工業等の振興によって新たな雇用機会の造出が図られるまでの間、炭鉱離職者等に対しまして暫定的、臨時的に就業の機会を与えるという事業であるわけでございます。この事業につきましては、その意味におきまして、産炭地域におきます民生の安定に役立ってきたと考えております。
○小沢(和)委員 いま民生の安定などに役立ってきたというお話がありましたけれども、先日ここで参考人に意見をお伺いをしたときに、福岡の県知事もあるいは大牟田の市長も、これらの事業がいずれも産炭地の振興にとって大きな役割りを果たしてきた、産業基盤の整備あるいは生活基盤の整備など、いろいろな面で役割りを果たしてきたということを評価したと思うのです。 私は、先日福岡県の直方市に参りまして、その実態を若干調べてみたのです。ここに「昭和五十五年度の主要施策の成果説明書」という直方市の決算書類があるのですが、これをもとにして調べてみますと、直方市内の道路の舗装だけをとってみましても、一般土木費関係の道路舗装が七千九百三十二メーター行われているのに対して、三事業だけで九千五百二十五メーター、一般失対を入れるとこの比率はもっとずっと高くなると思うのです。農業用水路の政修などにつきましては、これはもう制度事業だけでやっておって、一般の土木費からの分というのは全然ない。さらにそのほかにも、道路の新設とかあるいは団地造成、小学校の運動場の整備、こういったようなことにいろいろな方面で働いているということが、この説明書を見るとよくわかるわけであります。 私は、こういうような成果を基礎にして考えてみますときに、今後産炭地の振興のためにこれらの緊就や開就などの事業をもっと積極的に活用していくという立場に立つべきではないかというふうに考えますけれども、通産当局としてはどうお考えですか。
○福川政府委員 この制度運用につきましては、労働省の方で運用をしていただいておるわけでございますが、いま通産省はどう思っているのかということでございますので、私どもの感じを申し上げてみますと、もちろん、この両制度というのは、産炭地域におきます雇用失業情勢の現状から見まして、当面必要であると考えられるわけでございます。 産炭地域振興基本計画の策定におきましても、産炭地域振興審議会の答申にもございますように、「必要な間、その計画的合理的実施に努める。」こういうことで位置づけを考えていくべきものと考えております。
○小沢(和)委員 いま部長も言われました、この二月の十九日に産炭地域振興審議会から出されてまいりました答申の中に、確かに第六項として、「雇用機会の造出及び職業の転換」というところがあるわけであります。そしてこの中で、「産炭地域における炭鉱離職者に係る就労事業については、産炭地域振興に効果的に寄与するよう、必要な間、その計画的合理的実施に努める。」というふうに書いてあるわけです。 「産炭地域振興に効果的に寄与するよう、」というふうに特にうたっているのは、いま私が指摘しているように、実際に単なる就労対策として以上に、地域で現実的に積極的な役割りを果たしておる。だから、むしろその実態を認めて、これは今後効果的に寄与するように、積極的に運用しようという立場の表明というふうに私は受け取ったのですが、そう理解していいでしょうか。
○福川政府委員 産炭地域の振興、これはいろいろな社会資本等も整備しながら、経済生活圏において、その地域の特性を生かしながら、効果的にその経済の、鉱工業等の振興を図っていく、こういうのが基本でございます。したがいまして、そういった産炭地域におきますその振興の方向に沿った形で、それを必要な間、計画的あるいは合理的な実施に努めていくということでございまして、私どもとしても、そういう産炭地域振興施策の全体の中で、雇用失業情勢、こういうことを踏まえましての、必要な間、計画的合理的な実施に努めていく、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小沢(和)委員 そこで次に、労働省にお尋ねをしたいと思います。 私、いままで申し上げてきたように、この緊就、開就が大きな役割りを果たしてきたという認識の上に立ってお尋ねをするわけですけれども、今度、緊就で四百名それから開就で百名、就労枠を減らす。実際、緊就の場合には、それだけ人をやめさせるということになるというふうに理解をしておるわけですけれども、私たちは、こういうように就労者の数を全体として減らすような措置、それ自体にも後でもっと詳しく申し上げたいと思いますが、いま申し上げたような立場から賛成できないわけだけれども、少なくとも、やめさせるということについては、こういう人たちが元気でなお働きたいというふうに考えているのを、無理やりやめさせるというような措置をとってはならないというふうに私は主張するわけであります。 ところが、就労者の人たちから私がよく訴えられるのは、労働省は、今度は一般失対の特例措置のときに比べると大変高姿勢だ、あのときよりももっとシビアな基準を持ち出して、それで該当者を強制的にやめさせようとしているのじゃないかというような声をよく聞くわけであります。果たしてそのとおりなのか、あるいは一般失対のときと基準も運用も別に変わりはないのか、この辺の点について明確にしていただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 緊就、開就事業、これがこれまで産炭地の振興、そしてさらにまた就労者の生活の安定に寄与してきたことは、私どもも認めておるわけでございます。 しかし、今度の産炭地振興の答申で言われております「産炭地域振興に効果的に寄与するよう、」ということの意味は、非常にいろいろな意味があるわけでございまして、より効果的に寄与するという観点から、またいろいろ問題もあるわけでございます。その事業が就労事業であっても、要するに失業者を吸収する事業ではあっても、事業をやるからには、やはりそれがより効果の高いものあるいはより地域社会の振興に役立つもの、こういう方向へ努力をしていく、あるいはまたそういう運営をしていく、こういうことは当然必要なことでございます。 そういう意味で、この緊就、開就事業というものが、今後、産炭地振興を十年間でやり遂げようということで、産炭地振興の臨時措置法が十年延長されたわけでございます。そういう中で、この事業もしっかり産炭地振興計画の中に位置づけをいたしまして、そしてその振興の方向へ向かってこの事業も十分な寄与をしていくような位置づけをしながら、また、事業選択においてもそういう方向で取り組んでいく、こういう面もございます。 それからまた、もう一面といたしまして、やる以上はその事業がより効果の上がるような、そういういわば運営体制といいますか、そういったようなものもあるわけでございまして、率直に申し上げますれば、本人は働きたいとおっしゃっておるけれども、一般的なあれからいけば、たとえば大変に高齢化しておられてなかなか事業効果が上がらないというような問題も、これは率直に言って出てきております。緊就事業は、御存じのように昭和三十九年から入り口を閉ざしております。新しくは入れない、こういうことでやっておるわけでございますので、そういう意味で、就労者の高齢化も相当に進んできておる状況にございます。 それからまた、この事業が多数の失業者を吸収しようということで、御承知のように八五%の吸収率をかけておる。そういう意味で、他の公共事業などに比べれば、これは確かに事業効果の面ではなかなか上がりにくいというような問題もあるわけでございます。一方また、この事業を実施しておりますのは、御存じのように石炭特別会計でやっておるわけでございますが、省エネルギーの進行する中で、石特会計の財政事情が悪化してきておるという問題もございます。 それからまた御存じのように、いま御指摘ありましたように、一般失対におきまして、失対制度の研究報告の指摘を受けまして、今後の失対事業をより労働政策としての事業としてしっかり確立していこう、こういう方向での答申をいただいておりまして、こういう情勢を受けて、私ども、一般失対事業のみならず、失対諸事業についても、やはりこれが労働政策の事業として地域社会により効率的に役立つような内容のものにしていきたい、こういうようなことも考えておるわけでございます。そういう情勢の中で、今度高齢者を中心に四百名の方について自立、引退を促していこう、こういうことで現在就労団体とも折衝しておるような状況にあるわけでございまして、そういう中で、やはり事業がより効率的にやっていけるという観点から、また、そういう一般失対についての労働政策としての事業という観点から、労働力が一般的に弱化しておられる高齢者を中心に、この際自立、引退をお願いしていこう、こういうことで取り組んでおるわけでございます。 一般失対とほぼ同じような考え方で取り組んでおりますが、しかし、一般失対のときに比べましてより財政事情というものが、特にこの緊就をめぐる財政事情というのは非常に悪化してきておる問題もございまして、就労団体とは何度も濃密に折衝を続けながら、私どもとしては、できるだけ一般失対と同様に円滑に実施をしていきたいという基本方針のもとに話し合いの努力を続けておる、こういうことでございます。
○小沢(和)委員 質問したことについてのあなたの意見までしゃべられたのでは、私の時間が足りなくなるから、こっちが質問したことにずばっとお答えを願いたいのです。 いまのお話からすると、一般失対に対するとほぼ同じ基準、また運用の考え方で今回の緊就や開就の問題についても対処をしたい、こういうお答えだったと思うのです。そうすると、あの一般失対のときも、少なくとも私が見ておった範囲ではいわゆる強制排除にわたるようなことはなかった。だから今回の場合も、あなた方は当然いろいろ説得はするだろうけれども、最終的にはそういう前回の一般失対のときと同じような扱い、やり方になるだろうというように考えておっていいわけですね。これからは端的に言ってください。
○加藤(孝)政府委員 基本的な考え方は一般失対と同様でございますが、具体的な実施についてはそれぞれ産炭地という事情、それから緊就事業という事情もございますので、いろいろ個々の細かい問題については全く同じというわけではございません。
○小沢(和)委員 私たちも、緊就などに働いている人がずいぶん高齢化しているという実態は承知をしておりますし、そういう人たちの中にこの機会にやめたいという人が出ることも当然だろうと思うのです。 それで、この機会にはっきりしておきたいと思いますのは、一般失対のこの特例措置のときには、やめても後のことについては福祉事務所などとも十分連絡をしたりしながら、こういう人たちに対するその後の措置についても十分考えてやっていくということをあなた方は大いに言っておられた。ところが実際には、福祉事務所などに連絡をする、あるいはせいぜい紹介するぐらいのことでお茶を濁して、本当にそういうような人たちのその後のことについて思いやりのある措置を十分とられたとは言えないのじゃないですか。その点どうお考えですか。
○加藤(孝)政府委員 私ども、基本的な考え方といたしまして、やはり高齢の方が多数引退をされる、あるいはまた自立をされるという中で、そういう自立、引退後の生活相談というものを大変重視をいたしまして、できるだけそういう関係機関、関係団体等への連絡、紹介というような面で努めたつもりでございます。ただ、率直に申しまして、安定機関が何から何まで、老後のもの全部見る、こういうわけにはまいりませんので、そういう機関へ取り次ぐ、紹介する、あるいはそういうところを教えて差し上げるというような形での努力をしたつもりでございまして、そういう意味で、ごく例外はございますけれども、一般的には円滑に自立、引退も進んだ、こんなふうに考えております。
○小沢(和)委員 去年の九月に一般失対の人たちのこの特例措置が行われてからかれこれ半年たつわけであります。私の目に触れた範囲でも、そのときやめさせられた人の中から悲劇が幾つも起こっております。たとえば、ことしの二月三日付の新聞で「独り暮らし老女餓死」というショッキングな見出しで報道された事件などがその一つだと思うのです。その中身は、神奈川県の川崎市の佐藤ふゆ子さんという七十歳の方が、人が気がつかぬうちに倒れておった。それで病院に担ぎ込まれたけれども、もう栄養失調で亡くなられたという記事なんです。 これを読んでみると、この方は去年の九月まで失対で働いておった方なんです。その後ひとりぼっちで暮らしをしているために、もう働きにも出ないから、周りとの交際というのもほとんどなくて、本人がそういうような状態で倒れておるということも、もう死ぬ直前まで気がつかないというような状態だった。だから、もとの組合員の人たちも、この方の場合は幾らかお金も持っておったのだし、たとえば軽費老人ホームなどにでも入るような、もうちょっと配慮のある、そのとき関係機関がいろいろ協力をして手を打っておったら、こういう悲劇はなかったのじゃないだろうかというようなことも言っているわけです。私たちは、やはりこういうような人たちを大量にやめさせようというのであれば、せめてそれぐらいの関係機関の努力はあってしかるべきではなかろうかというふうに考えるわけですが、さらにもうちょっとそういう点については行き届いた世話なりをすべきではないかという点について、一般的にはよくいった方ではないかと思うというお答えだったのですが、もう一度お尋ねします。
○加藤(孝)政府委員 御指摘の事例につきましては、私どもも承知をいたしておりまして、まことにお気の毒な事例だと思っております。こういうようなことにならないよう、老人ホームなどへの連絡についても、今後とも、安定機関としてできる限りの配慮は一層していくという面での配慮はしていかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。 ただ、このケースにございますように、こういうひとり暮らしの老人問題、これは今後高齢化社会が進展する中におきまして、一層やはり大きな問題になってくるわけでございまして、こういった問題は、単に私ども失対関係者だけというようなものではなくて、広く関係機関や団体、あるいは地域社会などが相協力いたしまして対応していくべき今後の大きな社会問題の一つだろう、こんなふうに考えておるわけでございます。このケースだけを取り上げて、われわれのやり方が悪いからこうなったんだというストレートな御指摘をいただいても、なかなかそこはいかないという問題も、やはり御理解は賜りたいと思うわけでございます。私どもとしては、こういうケースができるだけ起こらないように、老人ホーム等へのそういう紹介とかそういった面での配慮はまたしていきたい、こんなことは考えております。
○小沢(和)委員 もちろん、私たちも職業安定機関が何もかもめんどう見るべきだと言っているわけではない。ただ、そういう関係機関などと連絡をとって、こういう大量にやめさせようというようなときには、とりわけそういう努力が必要だ。あなたの方も今後改善したいという趣旨のお答えだったと思いますから、今後それは見守っていきたいと思います。 ところで、次に行きたいと思うのですが、この四百人の人たちをやめさせるということになりますと、この人員が減った分だけは当然事業量の減という形でストレートに響いてくるのじゃないかと思うのです。まさか、吸収率を減らして事業量は維持する、そんなことはちょっといままでのやり方からして考えられないと思うのです。 そうすると、これは地域の振興にとっては非常に大きな打撃になってくるのじゃないか。特に一般失対の関係でも、大量にそういうやめさせられるという状態になってくれば、それともあわせて考えると、非常に大きな影響が出てくるのじゃなかろうか。建設業者は仕事がなくなるという問題になるのじゃなかろうか。あるいは商店街は売り上げが大きく減る。一般失対と両方合わせると、恐らく何十億とこれは筑豊では響く問題だと思うのです。そういう深刻な問題を引き起こすであろうという認識を持つならば、私は、このやめさせた人たちの補充というようなことについても、これは考えてしかるべきじゃないかと考えるわけです。この点いかがですか。
○加藤(孝)政府委員 今度の緊就の自立、引退あるいは開就の枠の減で何十億と減るというお話がございましたけれども、これは、両事業合わせれば金額はふえておるわけでございまして、金額はそんな何十億減るというものではございません。その点は御理解いただきたいと思います。 新しく入れるべきではないかという観点からのお話でございますが、緊就事業は、御承知のように、昭和三十四年にできたわけでございますけれども、これは、暫定的に就労の機会を与えるということで実施をしてきたものでございますが、昭和三十八年にこの炭鉱離職者臨時措置法の一部改正が行われまして、もうこういう事業吸収方式は今後とらない。そして三年間の、いま御審議をいただいております手帳制度を出しまして、そして濃密な職業指導、職業紹介業務をやる中で再就職を図っていく、こういうことに転換をされまして、そして緊就事業には新規に入れない、こういうこととされた経緯があるわけでございます。 また、先ほど申し上げましたように、一昨年の十二月の失業対策制度調査研究報告におきましても、今後は、雇用失業対策は民間企業における雇用促進を基本とすべきであって、失業者を吸収するために国などが事業を起こすという方式はとるべきでない、こういうことが述べられておるところでございます。 緊就事業につきましても、先ほど申し上げましたように、就労者の高齢化、固定化あるいは事業の非効率性等の問題が顕著になってきておるような現状にございまして、五十七年度において御指摘の自立、引退を促進するための特例援助措置をやることにいたしております。 これによりまして、従来大体緊就事業が百ないし五十のペースで減少してきましたものを、枠を三百五十という形で減少をするということで予定をいたしておるわけでございますが、緊就事業のこういう経緯からいたしましても、また実態面にいたしましても、事業のこういう実施地域においては、最近においては炭鉱の合理化、閉山というような事態も起こっていないわけでございますので、この炭鉱離職者対策である緊就事業の枠を拡大してこれを補充する、こういう考え方は私どもは持っておりませんので、その点は御理解いただきたいと思います。
○小沢(和)委員 いま、手帳方式に切りかえて、もうこういうような事業には吸収しないことにしているんだと言われたが、それは、私は、現行の制度がそうなったことはもちろん承知をしているわけです。しかし、そういうようなやり方をして、その後筑豊で実際失業情勢が改善されておるのか。先ほどもこの点については議論もあったようですけれども、私もことし一月の有効求人倍率を調べてみたら、筑豊では平均すると〇・一八でしょう。飯塚が〇・二一、直方が〇・二八、田川が〇・一八ですよね。全国平均が〇・六八であるのと比べてみても、余りにも大きな違いでしょう。こんなにいまでも有効求人倍率が悪いというような地域は、全国ほかに探してみたって恐らく、考えられるとしたら沖縄とかほんの一、二そういう事例があるかどうかというようなところじゃないんですか。だから、事態は改善されておらないのですよ。 それで実際、炭鉱で当時働いておったような人たちが失業者としていまなお大量にあそこには滞留をしているわけです。だからあなたは、そういうような人たちについて、それでは、どうしたらいいとお考えなんですか。手帳ではもうそれらの人たちは救えませんよ。だから、今後の産炭地の振興のためにも、こういう入り口を閉ざしたこと自体が誤りであったということで、もっとその労働力を積極的に活用するという立場に立って、もう一遍考え直すべきじゃないかということを私は主張するわけです。
○加藤(孝)政府委員 先ほども申し上げましたように、こういう事業を起こして、そしてそれに失業者を吸収していく、こういう制度を三十四年に開始をいたしましたけれども、結局、三十八年の法改正で新しく入れないようにしたというのは、それなりの理由があるわけでございます。先ほども申し上げましたように、失対の制度検討でもございましたように、事業へ吸収していく形をとりますと、ほかに就職の口がありましても、もうそちらに行かない、事業にいわゆる滞留、こういう形が起きてくるというようないままでの経験からいたしまして、新しく起こすとか、新しく入れていく、こういうような形は私どもとしてはとる考え方はございません。 やはり産炭地振興の基本というものは、産炭地におけるいろいろ民間活力を生かし、あるいはまた工場誘致を図る、あるいはまたいろいろ施設が建つ、こういうような中で全体の地域の活力を起こしていくということでありまして、失業者を吸収するための事業を起こして、国なり地方公共団体が失業者をいつまでもおんぶにだっこの形でずっと抱えていくというようなことでは、産炭地はいつまでたってもよくならないのではないか、こういうことで、新しくそういう事業を起こしていく、あるいはまた新しく入れていくというようなことは私どもは考えておりません。
○小沢(和)委員 そういう事業に労働者を吸収するようにしていると、いつになっても滞留してしまうからという話だったんだけれども、実際に筑豊で何十年とやってきて、結果がはっきり出ておるでしょう。あなた方が入れなくたって、この人たちはどこにも行き場がないわけでしょうが。中高年の人たちは、広域的にどこかから来てくれなんて声がかかっても、いまごろ人が移動できるような労働情勢ですか。だから、私たちはあなた方に、もう一遍そこのところは考えるべきだと言っているわけであります。しかし、時間がないから、このことについてはもうこれ以上議論しません。 次に、この緊就、開就、今後も必要な間事業として継続するということははっきりしたわけですけれども、それならば、積極的にこれを役に立つものとして今後活用していくようにしてもらいたいということを私たちは強く願っているわけですが、そういう立場から二点ほどお尋ねしておきたい。 一つは、いわゆる事業費単価の引き上げであります。 自治体の関係者のところに行っても、最近では団地造成などというのもなかなかない、だから、どうしても本格的な筑豊の振興に役立つような仕事を手がけられるような単価の引き上げにもつと努力をしてもらいたいという声が、私たちの耳に非常によく入ってくるわけです。私も調べてみたら、前年度の物価の上昇率よりはやや高いぐらいのテンポでは引き上げが行われてきているけれども、これでもまだまだ不十分だと思うのです。この努力がどう今後行われるか。 それからもう一つお尋ねをしたいのは、いま事業は市町村単位で大体考えられていると思うのですけれども、この事業をもっと広域的に考えていく必要がありはしないか。実際私も陳情を受けたのですけれども、隣の町なら仕事はたくさんある、ところが、そこにはこの制度事業で働く労働者がきわめて少ない、だから、そちらの方で仕事をやれるようにこっちからよこさぬかというような話があったけれども、これは県でストップを食った。これは私の耳に入ったので、その後労働省の方にも話をして、それは弾力的な運用をしようというお答えをちょうだいしたのです。だから、これは、例外的にそうするというのではなくて、今後そういう考え方に立って積極的に活用してもらいたい。この二点いかがですか。
○加藤(孝)政府委員 まず、事業費の単価の引き上げの問題でございますが、この緊就事業、開就事業あるいは特開事業含めまして、こういう炭鉱離職者などに対しまして臨時的に就労の機会を与えよう、こういうことでございますので、一般の公共事業などに比べまして、はるかに高い失業者吸収率というものを設けておるわけでございます。緊就あるいは特開でいいますと八五%の失業者をそれで使う、こういうようなことで、非常にわずかの技能者というような事業になっておるわけでございます。 これは失業者を多数吸収するという事業の性格からしてやむを得ないという面があるわけでございますが、そういうことから、事業費単価の中に占めます労力費のウエートが高い事業の仕組みになっておりまして、本来、多額の事業費を必要とするような高度な事業というものは、こういう失業者就労事業にはなじまない面があるわけでございます。しかしながら、これらの事業費の単価の引き上げにつきましては、こういう石特会計の厳しい状況の中で、私どもも今後ともできる限りの上昇への努力をしていきたい、こう思っておるわけでございます。 それから、事業実施の地域の問題についてのお話でございますが、これは今度の産炭地振興の答申にございますように、これが積極的に産炭地振興に寄与するように計画的に、こういうような御指摘もいただいておりますので、その事業がより効果を発揮するような観点から、施行の地域についても、市町村間の事業計画の調整あるいは話し合いというような中で、役に立つ方向への努力をしていくという中で、私どももいろいろ弾力的に考えていきたい、こう思っております。
○小沢(和)委員 次にお尋ねをしたいのは、五十五年十二月六日に出されました失対についての調査研究報告によりますと、今後の失業対策のあり方として特定地域開発就労事業の改善という問題が提起されているわけであります。これを見ると、いままでのような土木事業みたいなものだけじゃなくて、たとえばホワイトカラーの失業者に対する就労対策だとか、全体として職業訓練的な要素をもっと盛り込めとかいろいろ勧告をした上で、新しい特開事業を今後考えていくべきだということが言われているわけですが、これがどうなっているか。 いま御存じのとおり全国的にも不況が深刻化して、この一月の失業者数は百三十一万。一月としては戦後最悪となっておるし、地域的に非常に深刻な事態を引き起こすであろうということが予想される地域がすでに幾つも考えられる状況になってきている。それだけに、私はこの指摘にこたえるような措置というのはいま非常に重要になってきているのではないかと思うのですが、この点いかがですか。
○加藤(孝)政府委員 御指摘ございましたように、一昨年の失対制度検討報告におきまして、特開事業につきまして、これを失業者を吸収するための就労事業という考え方ではなくて、失業者の雇用機会を拡大するための助成制度という考え方に立って再検討しろ、それからまた職種についても、ホワイトカラー的職種を初めとした多様な職種が対象となるような配慮を今後しろ、それからまた、この事業による就労にオン・ザ・ジョブ・トレーニング的な機能、いわゆる働きながらの訓練、そういったオン・ザ・ジョブ・トレーニング的な機能を果たさせるようにして、このため就労期間は最大限入ってから一年間、こういう御提案をいただいておるわけでございます。 この提案を受けまして、私どもも、これを具体的にどう実施をしていくか、こういうことで現在検討を進めておるわけでございます。その具体的な仕組みにつきまして、市町村等といろいろ実務的にも接触しながら意見を聞いたりなどしておるわけでございまして、今後早急にこの具体的な成案をまとめまして、何とか五十七年度の下期から適当な地域においてモデル的に実施ができないか、こういう方向でいま具体策の詰めを進めておる、こういう状況でございます。
○小沢(和)委員 では最後に通産に、もう一問だけしたいと思います。 それは産炭地振興の財源の確保です。ここでもすでに何遍か議論されてきましたけれども、石特会計がいわゆる石油の輸入量が伸び悩んでくるにつれて非常に窮屈になってきて、いろいろ工夫はされているようですけれども、この産炭地の振興あるいは国内炭の本格的な復興ということを考えてみた場合には、非常に憂慮されるような状態じゃないかと私は思うのです。こういうようなやりくりにはもう早晩限度が来てしまうのではなかろうか、もっと抜本的に考えてみる必要があるという時期に来ておりはせぬかと思うのだけれども、この点いかがお考えか。これが一つ。 それからもう一つは、特定事業促進調整額というものに私たちは非常に大きな期待を持ったわけですが、これがなかなか伸びないという問題もあるのですけれども、きょう特にお尋ねをしたいと思うのは、これを国が出すと、それに見合って県もお金を出すというようになっておりますね。私は、この県がお金を出すのは、当然地方交付税の特別交付税などで特別の財政需要ということで見る対象に加えるというようなことも、通産省として自治省などに申し入れるべき点じゃなかろうかと考えるが、この点どうお考えか。 以上お尋ねして、終わります。
○原田(昇)政府委員 先ほど来、石炭部長からるる御説明しておりますように、大変厳しい予算の状況になりつつあります。そこで、何でもかんでも産炭地振興対策に織り込めというわけにはまいりませんけれども、われわれとしても、産炭地振興対策についてはいろいろ工夫をし、たとえば、今後効果の上がったところは卒業させるというような制度を導入するとか、いろいろな工夫があろうかと思います。そういう中において、真に必要なものについては全力を尽くして遺漏なきように努める、こういうことで参りたいと思っております。 それから第二のお尋ねの特定事業促進調整額でございますが、五十六年度予算においてこれを新設しまして、いままでかさ上げ対象になっておらない事業でも、産炭地振興に本当に必要なものについては、これを広域的な発展を図るという方向へ傾斜を強めながら助成をしていくという制度をつくってまいったわけでございますが、これについては、今後とも、産炭地振興対策予算において引き続き確保するようにわれわれとしては考えていきたい、地方交付税の対象にするのはなかなか現状において困難ではないか、こういうように考えております。
○小沢(和)委員 終わります。
○枝村委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後五時五十九分休憩 ————————————— 午後六時四十九分開議
○枝村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。楢橋進君。
○楢橋委員 自由民主党を代表して、ただいま議題となっております石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を行います。 御承知のとおり、最近の国際エネルギー情勢は、全体として緩和基調で推移しており、わが国におきましても、最近二年間で二〇%にも達する石油消費の削減を達成しております。 しかしながら、中長期的には、有限な資源である石油の需給は逼迫化するものと見るのが当然でありまして、資源小国であるわが国は、二十一世紀を展望した総合エネルギー政策を基礎として、石油代替エネルギーの開発導入を促進する体制を確立することが必要なのであります。このため、石油代替エネルギーの重要な一翼を占める石炭についても、新しい環境にふさわしい政策体系を策定することが必要となっているのであります。 昨年八月の第七次答申は、こうした現状を踏まえ、慎重に検討された結果提出されたものでありまして、今回の関係法律の延長等の措置は、この答申の趣旨に沿い、第七次対策を着実に実施するために必要不可欠なものであります。 もちろん、法改正によらないで実行できるものにつきましては、予算措置その他によりまして、すでに実行の目途が立っているものもあります。炭鉱間格差の是正を図るための安定補給交付金の傾斜配分の強化は、五十七年度から実施される予定でありまして、石炭政策において、画期的な措置と評価できるものと思います。 しかし、当然のことながら、これだけで答申が目指している石炭鉱業の自立を達成することは容易ではありません。答申にも述べられているように、石炭企業の自助努力が基礎であることは改めて言うまでもありませんが、同時に、経済性と安定性の調和のもとで、国内炭の生産の維持が図られるよう適切な基準炭価が設定される必要があります。さらに、労働力の確保、万全の保安対策など、総合的、効果的な政策の展開と相まって、当初の目的を達成しようとしているのであります。 また、今後、逐年増加することが見込まれている海外炭の導入につきましては、安定的な供給を確保するため、いわゆるコールチェーンシステムを確立しなければなりませんが、当面は、現行の低利融資等の助成制度の適切な運用により対処できるものと考えております。 次に、現在最も懸念される問題は、北炭夕張炭鉱の再建問題でありますが、当面は更生手続の開始について、裁判所が適切な判断を下すことが必要であります。そのためには、裁判所を初め関係者の理解を得られる現実的な再建計画を策定することが肝要であります。また、坑内残存者は、人道的立場から早急に収容されなければなりません。これは、第一義的には企業の責任において処理すべき問題でありますが、一日も早くそれぞれの家族のもとへ戻るために、政府の適切な指導と現行制度の範囲内で可能な限りの助成を引き続き行うことを強く要望申し上げておきたいと思います。 以上、簡単に本案に賛成の理由を申し述べましたが、第七次対策の実施により速やかに石炭鉱業の自立が達成され、将来の展望が開かれることを期待いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
○枝村委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行うものであります。 しかし、本法案は、この法律以外に三つの法案の期限の延長の法案が提出をされております。わが党は、特に、石炭鉱業経理規制臨時措置法並びに産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法、この三つの法律案に対しては賛成の意を表明する次第であります。 私どもは、このような法律案が一本の法律案で出されること自体に問題があろうか、こう思います。特に、特別会計法は本来大蔵委員会に付託されるべき法律であります。今後の法律案の提出に当たって、私どもは政府に反省を求めたい、こう思います。 以下、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に反対する理由を申し上げたいと思います。 石炭鉱業の問題は、私どもは、問題意識として体制的受けとめ方をしなければならないことを一貫して主張してまいりました。個別企業の対策については、おのずから限界があるのであります。特に、昨今のわが国の既存炭鉱の動向から判断しますと、この主張の正しさが証明されておると思います。 たとえば、三井砂川の災害が起きて、しかもその生産は四割減産をするという状況で推移をいたしました。しかし、三井三山は、三池を中心にしてこの三井砂川を維持し新しい展開を図りながら、保安の確保と生産の安定の方向に移行することができつつあるのであります。あるいはまた北炭災害に見られるように、企業対策の中ではおのずからその対策が限界があることを今日証明しつつあると思います。あるいはまた一社一山になりました住友赤平についても、この格差の是正は非常に困難であることはすでに検証されつつあるわけです。 ヨーロッパの石炭政策を見ましても、第一次世界大戦後においてイギリスは、鉱区の調整を行い、そして第二次世界大戦後には石炭産業を国有化して、今日、イギリスのエネルギーの重要な部門を石炭は担っておるのであります。フランスにおいても、第二次世界大戦後公社運営で今日推移をいたしておりますし、特に、フランスの出炭規模とわが国の出炭規模は、ほぼ歴史的に同様規模で推移をしておることにも注目をしなければならないと思います。西ドイツの石炭政策についてもすでにルール炭田一社化をし、体制的な解決を図っておるのがヨーロッパの石炭政策の現状であります。 ひとり最も条件の悪い採掘条件を抱えるわが国において、何らの体制的な解決も今日まで見ていないのであります。われわれは、そういう基本的な立場に立って今後の石炭産業を考える場合に、依然として多くの問題が残されている、こう受けとめなければならないと思います。 特に、第七次答申の中で安定補給金の格差配分を行うことがすでに予算化されておりますけれども、このことは石炭の持つ体制問題を検証しておる政策であると言わなければなりません。もちろん、第七次までわたった石炭政策の中で、このような格差是正が行われたのは第七次政策が初めてであります。私は、そういう意味で、今回のこの政策については高く評価をするのであります。 したがって、この安定補給金の格差配分によって果たして格差が是正できるかといえば、すでに参考人の意見でも明らかなように、とうてい格差の是正は行い得るものではないことは今日明らかであります。わが国の石炭の賦存の宿命的な問題として、今後全体の石炭産業を安定させる施策はさらに検討を続けなければならない、そういう段階に立ち至っている、かように思うのであります。 特にわが国の石炭産業は、その地質的な立場からいえば、最も新しい新生代第三紀層の炭層であります。ヨーロッパの場合には、いずれも古生代石炭紀あるいはまた中生代の時代に石炭が生成されておるのでありまして、その条件が悪いことはきわめて当然と申し上げなければならないのであります。特に、今日残っている既存の炭鉱は、いわばすでに付託をされている鉱害二法に見られるように、今後大量の鉱害が発生する個所はないのであります。われわれは、そういう体制下において初めて体制的な解決を図る積極的な石炭政策の展開を強く要望するものであります。 わが党は、今回の審議に当たって実は修正案を委員長のもとに提出をしましたけれども、審議の時間的な関係から、本日これを取り下げたのであります。この修正点は二つあります。 一つの点は、個別対策の限界を埋めるために、北炭夕張のような災害の場合に、被災者を速やかに救出できない場合には、救出の交付金を交付できるように新エネルギー開発機構に業務の追加をすること。そしてもう一点は、探鉱、採掘あるいはまた流通、そしてコールセンターなどのこれらの事業については国内炭優先引き取り、安定引き取りのためにこの業務を追加する、この二点の修正案を出したのであります。 この二点の修正案は、今後の石炭政策を進める上にとって重要なポイントであることをこの機会に主張しておかなければならない、かように思うのであります。私は、そういう意味で、残念ながらこの石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案に反対せざるを得ないのであります。 ただ、ここで特に申し上げておきたいことは、この法律の延長は五年間であります。わが国の石炭産業の資源はおのずから有限性のものでありますから、この五年間、さらに八〇年代の後半に向けてどのような政策を展開するかということは、この五年間の第七次政策の実施過程において検討を続けなければならない問題である、かように考えるのであります。私は、そういう意味で、この五年間は第七次政策を円滑に進めるというだけではなくして、五年後の状況に対応してわが国の石炭産業の歴史的な使命をいかに全うさせるのか、こういう観点に立って、いわば第八次への展望を切り開いてまいらなければならない、かように思うわけであります。 最後に、私は、北炭問題について一言触れておきたいと思います。 本日も質疑の間で明らかになったのであります。この北炭の再建がどういう形で行われるのか、あるいはまた再建が不可能なのか、このことは、今日までの石炭政策の是非を問う非常に重要な問題であるし、今後の石炭政策の方向をも決定づける問題であることを指摘しておかなければならないと思うのであります。何となれば、同炭鉱は開鉱以来わずか六年間であります。しかも七メートルの炭層を目の前にして災害を起こしたのであります。わが国の石炭産業の歴史的なその技術水準からしても、この炭鉱の再建は可能なのであります。 従来の再建政策の中にも、先ほども主張いたしましたように、企業ぐるみ閉山で、明治鉱業の企業ぐるみ閉山の場合には、五山の炭鉱のうち三山を残して、資源を最大限に活用する体制でこの採掘の継続が行われたという例もあるのであります。この例から判断するならば、今日までの石炭政策の展開の中で、この山の再建はできないことはないと思うのであります。まだ被災者の救出が行われていないのでありますけれども、この速やかな救出と、北炭新鉱の再建を通じて、わが国の石炭政策の効率性を検証していただきたいことを特につけ加えて、討論を終わる次第であります。(拍手)
○枝村委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行います。 御案内のとおり、わが党は、従来、石炭鉱業の合理化政策には反対の立場に立ってまいりました。その理由は、一貫して流れてきた消極的かつ後ろ向きの閉山合理化政策が、わが国の総合エネルギー政策における安定性を損ない、エネルギー供給構成の脆弱性を形成してきた大きな原因になってきたと思われるからにほかなりません。 しかしながら、二次にわたる石油危機の経験を踏まえ、わが国の総合エネルギー政策の基本的な考え方が大きく変化してまいりました。すなわち、それはエネルギーの節約、脱石油のためのエネルギー源の多様化、これらに伴う技術開発の促進ということを柱としたものであると思うのであります。 したがいまして、石炭政策についても、この総合エネルギー政策の一環として同様な変化が生じてきていると思うのであります。これが一応評価できるまで明確に変わってきたのは、今回の第七次答申からであると思います。言うまでもなく、第七次答申の基本的な考え方は、石炭鉱業の自立達成にありまして、この上に立って、現存炭鉱の安定的な生産の維持を基調としつつ、将来における年産二千万トン程度の生産水準の達成を目指すということであります。これが従来の後ろ向きの姿勢ではなく、石炭鉱業の安定を基本に置いた前向きの姿勢と評価したゆえんであります。 もちろん、継続的に赤字を続けてきた石炭鉱業の経理を改善し、石炭の再生産が可能となる安定的な経営体質にすることは、容易なことではありません。答申が指摘している具体的な措置を計画的、効果的に実施し、一日も早く私どもが期待しておる方向に着実に前進するための方策が講じられなければなりません。 最後に、私どもが現在最も心配しておる問題に北炭夕張炭鉱の問題があります。裁判所の前向きの判断が下されるためにも、関係者一同が実現可能な再建計画を策定することが目下の急務と思います。また、いまなお多くの坑内残存者がありますが、御家族の方々は一日も早くその手に帰ることを念願しております。第一義的には会社が処置すべき問題であることはよく承知しておりますが、政府においてもできるだけの助成策を講じていただきたい、このことを強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○枝村委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 私は、民社党・国民連合を代表し、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。 現在、石油の需給事情は、世界経済の停滞、先進諸国の省エネルギー対策、石油代替エネルギー開発の努力と相まって、サウジアラビアの増産対策によって供給過剰に陥っております。 しかしながら、わが国の原油輸入の七二%を依存する中東地域は、イランの政情不安、イラン・イラク戦争の先行き不透明など不安定な状況にあり、第三次石油危機の火種は依然として消えていないと言ってもよいでしょう。したがって、脱石油政策を今後とも強力に推進しない限り、わが国経済の安定的発展は望み得ないと言っても過言ではありません。 このような見地に立って、わが党は、省エネルギーの徹底とともに、原子力、石炭など石油代替エネルギー開発の積極的な導入を提唱しているものであります。とりわけ、石炭資源は貴重な国産エネルギー源であり、現に一千八百万トンの生産高を誇り、わが国のエネルギー供給に大きく寄与しているのであります。今後さらにその比率を高めるべきであると思います。そのため政府は、鉱害対策、保安対策に万全を期しつつ、国内炭二千万トン体制の確立を目指し、計画的かつ総合的な国内炭振興対策を強力に推進しなければならないと思います。 私は、石炭対策の重要性を再認識し、同法案に賛成するものでありますが、特に、北炭新夕張鉱の再建については政府も積極的に取り組み、そうして国内炭二千万トン体制の早期実現を強く政府に要求し、賛成の討論を終わります。(拍手)
○枝村委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 現在、日本の石炭政策に求められているのは、政府の対米従属のエネルギー・石炭政策を根本的に改め、国内炭の積極的な増産、活用に踏み切ることであります。しかるに、昨年八月政府に提出された第七次石炭政策は、国内炭年産二千万トン程度を目指すとしつつも、企業の自助努力を一層要求し、深部化、奥部化に伴うコスト増加についても、合理化努力によりこれを吸収し得るとしております。これでは、現在の私企業体制のもとでは、国内炭の大きな増産、活用の展望を切り開くことはできません。また、合理化が労働者への犠牲の転嫁となったり、重大災害につながる保安の手抜きを事実上野放しにすることになりかねないのであります。 昨年十月十六日、九十三名の犠牲者を出した北炭夕張新炭鉱の大事故は、このことを余すところなく示しているのであります。政府がこの事故からほとんど学ぼうとせず、今回の改正案でこの第七次答申をそのまま受け入れていることは、はなはだ遺憾であります。 本改正案には、国際競争力をある程度回復した国内炭を増産し得るよう、一定の条件のもとで重複鉱区、消滅区域などでも石炭の掘採を可能にする措置が盛り込まれていますが、積極的な意義を持つ改正内容として評価できるのはそれだけであります。 本改正案では、もう一つ、新エネルギー機構による電力用炭販売制度を廃止することとしております。それは、このような制度をやめても、国内炭の販売数量、価格とも安定した取引が可能になったとの判断によるものと思われますが、生産費を償う炭価の決定という点については、不明確なままであります。これでは、依然として、海外炭など競合エネルギーの価格変動等によって国内石炭産業の基盤が左右されるという構造は改善されないのであります。 もともと、この臨時措置法は、競争力のない炭鉱をどんどんつぶし、一部の高能率炭鉱のみ残すための手法を定めたものであります。これに木に竹を接ぐように若干のビルドの手法を導入しても、石炭政策の根本的な転換は望むべくもありません。かつてわが党が提起した石炭鉱業復興基本法のように、保安、労働条件を保障しつつ国内炭の最大の活用、増産を図るための根本的に発想の異なる法につくり直すことを強く主張するものであります。 最後に、本改正案に含まれる石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法について、一言触れておきます。 今後、国内炭を復興し、産炭地を振興するためには、なお多額の財源を必要とすることは明らかであります。しかるに本特別会計は、石油輸入量の停滞ないし減少によってその財源が憂慮される状態であります。石炭勘定への配分を若干ふやし、国内炭開発予算を別勘定に移す程度のことでは、とうてい足りません。これについても財源保障を根本的に再検討する必要があります。 以上がわが党の本改正案に反対する理由であります。各位の御賛同を心からお願いし、討論を終わります。
○枝村委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○枝村委員長 これより石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○枝村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○枝村委員長 この際、本案に対し、渡辺省一君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺省一君。
○渡辺(省)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、保安確保を基礎とした石炭鉱業の安定のため、第七次石炭政策の着実な実施を図るとともに、特に、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 炭鉱間格差の是正については、来年度から実施される安定補給交付金の傾斜配分のほか、さらに共同事業の促進等施策の推進にあたり所要の配慮を払うこと。 二 石炭の安定供給のため、必要に応じコールセンター等の流通の整備合理化のための事業に対する新エネルギー総合開発機構の出資について検討すること。 三 国内炭優先使用の原則に立ってその需要の確保を図るとともに、基準炭価の決定にあたつては、経済性と安定性の調和の下に、国内炭の再生産の維持を図ることを基礎として適切な水準となるよう努めるとともに、制度の趣旨に照らし、これが遅滞なく実施されるよう措置すること。 四 封鎖鉱区等の再開発については、既存炭鉱の長期的な安定に資する計画的なものを対象とするよう運用すること。 五 採掘個所の深部化、奥部化の実情にかんがみ、保安確保対策に万全を期し、自主保安体制の一層の確立に努めるとともに、深部採掘技術と保安機器の研究開発を促進すること。 なお、夕張炭鉱の坑内残存者については、早急に収容されるよう適切な指導を行うこと。 以上でございます。 附帯決議案の各項目の内容につきましては、審議の経過及び案文によりまして御理解をいただけるものと存じますので、詳細の説明は省略させていただきます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○枝村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 渡辺省一君外五名提出の動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○枝村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、安倍通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。通商産業大臣安倍晋太郎君。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして、その御趣旨を尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。 —————————————
○枝村委員長 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○枝村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○枝村委員長 この際、本案に対し、楢橋進君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。中西績介君。
○中西(績)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、炭鉱離職者緊急就労対策事業及び産炭地域開発就労事業については、就労者の就労及び生活の実態、産炭地域における雇用失業の状況を十分考慮し、産炭地域振興に効果的に寄与するよう必要な間、その計画的合理的実施に努めるとともに、雇用失業情勢が厳しい北海道等については、再就職促進のため、適切な対策を講ずべきである。 以上でございます。 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によりまして御理解をいただけるものと存じますので、詳細の説明は省略させていただきます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○枝村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 楢橋進君外五名提出の動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○枝村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、初村労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。労働大臣初村滝一郎君。
○初村国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして、その御趣旨を尊重いたしまして、努力する所存でございます。 —————————————
○枝村委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○枝村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○枝村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案について、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし一参考人の人選、出席日時につきまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○枝村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る十九日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十一分散会